議院運営委員会 第3号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1999/11/04
会議録
○大島委員長 これより会議を開きます。 川端達夫君外七名提出の議員藤波孝生君の議員辞職勧告に関する決議案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。佐藤敬夫君。 ————————————— 議員藤波孝生君の議員辞職勧告に関する決議案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐藤(敬)議員 私は、民主党、日本共産党、社会民主党・市民連合を代表して、本院議員藤波孝生君の議員辞職勧告決議案の提案の趣旨を説明いたします。 まず最初に、決議案の本文を朗読いたします。 なお、あわせて、その理由を申し述べます。 議員藤波孝生君の議員辞職勧告に関する決議案 本院は、議員藤波孝生君の議員辞職を勧告する。 右決議する。 以下、その理由を申し述べます。 清潔にして公正な政治は、議会制民主主義の根幹をなすものであります。国民の厳粛な信託に基づき構成された本院の任務は重大であり、議員もまた姿勢を正して行動すべきは言をまたないところであります。 近年、本院は、相次ぐ政治と金銭にまつわる汚職事件によって失われた国民の信頼を回復すべく、政治倫理綱領や行為規範を定めるなど、政治倫理の確立を初めとした政治改革に全力を挙げて取り組んでまいりました。 しかるに、議員藤波孝生君が、十月二十日リクルート事件の最高裁判決において同君の上告が棄却され、受託収賄罪による懲役三年、執行猶予四年の刑が確定したにもかかわらず、今日まで反省の意をあらわすことなく、いささかも恥じ入るところがないことは、本院がこれまで取り組んできた諸経過にかんがみ、まことに遺憾であります。 現在の公職選挙法では、受託収賄罪により刑に処せられた者は、執行猶予中のものを含め議員を失職することとなります。これは、藤波君がかかわったリクルート事件への厳しい反省から設けられた規定です。このことを理解するならば、当然、みずからの議員としての身の処し方について思い至ってしかるべきであります。 よって、本院は、藤波孝生君が今こそ、その責任を自覚して議員を辞し、国民に陳謝し、みずからの政治的道義的責任を明らかにすることを勧告します。 これが本決議案を提出する理由であります。 加えて申し上げますが、二十一世紀を目前にし、政治、経済を問わず、我が国をめぐる内外の諸情勢は大変厳しいものがあります。大きな節目を迎えている我が国において、とりわけ政治への国民の信頼がなくては解決できない諸課題が山積しております。いま一度、虚心坦懐に日本の議会政治の原点を見詰め直し、新たな世紀への出発に備えるのは我々政治家の責務であります。 よって我々は、本院議員藤波孝生君がみずから速やかに議員の職を辞することを勧告する決議を提案するものであります。 また、本院としては、今後再び、このような事態を招くことのないよう、議員一人一人がお互いに自戒すべきであり、政治倫理の確立においてなお一層の努力を積み重ねていくべきである旨申し添え、提案理由の説明を終わります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○大島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
○逢沢委員 藤波孝生先生、藤波孝生議員に対する議員辞職勧告決議案に対する問題点を指摘させていただき、私ども自由民主党の見解をこの際述べさせていただきたい、そのように思います。 まず、憲法上の議員の身分保障と議員辞職勧告決議案の整合性について指摘をしなければならない、そのように思います。 御案内のように、国会議員の身分は、憲法そして国会法で重く保障されているところであります。まさに確固たる身分を憲法そして国会法で保障されている、そう申し上げなくてはなりません。そして、選挙で国民の負託を受けて国会議員として活動している以上、私どもは、まず何といっても任期を全うする、それが筋ではないか、そう考えるわけであります。そのことはまさに選挙民や国民に対する責任である、そう申し上げておきたいというふうに思います。 御案内のように、憲法上規定のある資格争訟あるいは懲罰の除名によって議員の身分を失わせるには、出席議員の三分の二の特別多数の議決が必要、そうなっているんですね。このような身分保障は、議会制民主主義の根幹をなすものであります。そして、国会議員に対する辞職勧告決議案は、したがいまして、慎重にも慎重の上その取り扱いを考えていかなくてはならない、協議しなければならない、そういうものであろうかというふうに思います。政治倫理審査会規程に議員辞職の勧告規定は設けられていないことにも、そのような趣旨がそこのところにもあらわれている、私どもはそう承知をいたしております。 国会の決議というのは、国会の一員である当該議員にとっては実質的な強制力を持つ非常に重いものであります。議員辞職勧告決議案を通常の決議案、いろいろと今まで決議を行ってまいりました、人権のことや文化についていろいろな決議をしてきたわけでありますが、それらの通常の決議案と同様に過半数で議決すること、そのことは、国会議員の憲法上の身分保障との関連性についても大変問題がある、そう私どもは整理をいたしているところであります。 そして第二は、国会決議の権威についてであります。 院の決議の持つ意味は大変重要であって、形式的に議決すればそれで事足りるものではありません。それに従うかどうかが本人の自主的判断によるのでは、決議は実効性を欠き、意味がないことになります。 御案内のように、現に参議院においては、友部議員に対して辞職勧告決議案を可決いたしましたけれども、結局は本人が辞職しないまま院議を無視し続けているということは、結果的に国会決議の権威について、特に議員辞職勧告決議案のあり方について大きな問題を投げかけているものと私どもは考えております。 そして第三に、政治的責任あるいは道義的責任を多数をもって迫ることについての問題であります。 私ども、ここは最も大切なことであるというふうに考えているわけでありますが、今提出者の方からもお話がございましたように、リクルート事件を契機に、確かに平成四年に行われた公職選挙法の改正に際し、改正前の事件については失職規定は適用されないと法律上整理をされております。これは、罰則は過去にさかのぼらないの原則を尊重したものであり、法律の定めた枠組みは、私どもは立法府のメンバーでありますから、立法府として遵守すべきであり、いたずらに感情に流されるべきものではない、そう申し上げておきたいと思います。この改正経緯にかんがみますと、今回の出処進退については、まさに御本人の判断を見守る、それが筋である、私どもはそう考えます。 元来、政治的責任や道義的責任というのは、一人一人の国会議員がその社会生活においてさまざまな価値観や倫理観を持って国会議員として議員活動をいたしているわけでありますから、一つの基準をもって判断することのできないものである、私どもはそう考えました。結局は当該議員が判断すべき問題であって、それの是非については、選挙において国民の審判を仰ぐ、そう整理すべきものであると考えております。政治的道義的責任は会議において多数決をもって決すべき問題ではないと私どもは考えるわけでありますが、その点について、提出者のお考えをこの際伺っておきたい、そう思います。 そして、提出者は、法改正によって議員の被選挙資格要件が変更された以上、たまたま失職規定が適用されないからといって議員であることは許されない、本人が決断しない以上、院の意思として辞職を勧告すべきだ、そういう趣旨のことをおっしゃられたわけでありますが、私は、一議員の辞職勧告決議案を本会議で扱うこと自体に、今申し上げた幾つかの理由で、なお問題が残るということを最後に申し上げさせていただきまして、私の発言を終わりたいと思います。 以上です。
○佐藤(敬)議員 逢沢委員のせっかくの質問でありますが、冒頭申し上げておきますが、前回、東京高裁での判決が出された際に提出された藤波孝生君の議員辞職勧告決議案、これが今私の手元にあります。平成九年十月十四日に提出されたものでありますが、この決議案には、現在、与党におられる多くの議員の皆さんが我々とともに賛成の意を表しているわけでもあります。この場にもいらっしゃいますが、このことをまず念頭に御議論いただきたいなというふうに思うのであります。 しかし、御質問でありますから、国会は国権の最高機関であり、その構成員である国会議員は、だれからも非難を受けないような国民からの厳粛な信託を受けております。国会議員が国民に負う政治的道義的責任は非常に高いものであります。議員の憲法上の身分保障は、裏返せば、それだけ重い責任を負っているということのあかしであります。 今回の辞職勧告決議案は、最高裁の確定判決を受けて提出されたものであり、今までの議員辞職勧告決議案についての議論は当てはまりません。その確定判決の内容は、リクルート事件に端を発して行われた政治改革の結果、現行法上では、国会議員としての被選挙資格そのものを失う結果となるものであります。 政治と金をめぐる問題によって失われた国民の信頼を回復すべく、政治倫理の確立を初めとする政治改革に我々は全力を挙げて取り組んでまいりました。 藤波議員は、みずからその責任を自覚し、国民の前にその政治的道義的責任を明らかにすべきであり、同君がその判断をしない以上、同じ国民の負託を受けた国会議員として、あえて私情を差し挟むことなく、その議員辞職を勧告せざるを得ないのであります。 最高裁判決が下った以上、いたずらに議論を長引かせることなく、速やかに院としての意思を明らかにすべきであることを申し上げて、答弁とさせていただきます。
○大島委員長 東順治君。
○東(順)委員 議員藤波孝生氏の議員辞職勧告に関する決議案につきまして、我が党の意見表明ということで意見を申し述べさせていただきたいと思います。 この藤波氏の問題につきましては、最高裁判決が下り、刑が確定、こういう大変重たい事実の前に、これをやはり真摯に受けとめ、重いものであると受けとめて、私は、辞職すべきだと考えます。 藤波氏の政治家としての見識あるいは人格、これは与野党を超えて認めるところではございます。また、そういうお人柄の人だけに、そのことから推察をいたしますと、必ず辞職という方向でみずからの進退を考えておられることだ、このように思います。しかし、そのためには、さまざまな環境整備、意見の調整等がおありになるということで、今そのことで汗をかいておられるのではないか、このように私どもは推察をいたしておる次第でございます。 もとより、選挙というもので国民の皆様の信を受けて、そして政治活動を行うという議員というものが憲法、国会法等で確固たる身分を保障されている意味というものは、大変大きなものがございます。私は、それだけに、政治家の出処進退というものは御自身で決断すべきものであろう、こう考えるし、また、その判断で今おられることだろうというふうに思っております。 したがって、この藤波氏自身の判断、出処進退に対する判断、ここを待つべきである、このように私は考えるわけで、それを決議案という手順でもって審議をしようという考え方は、本来の意味からしたらそぐわないものではないか、このように考えるわけでございます。 以上が、我が党の意見でございます。
○大島委員長 井上喜一君。
○井上(喜)委員 ただいま藤波孝生さんの議員辞職についての決議の趣旨の説明、それに対する各党の意見表明があったわけでありますが、我が党も、簡潔でありますけれども、意見表明をさせていただきたい、このように思います。 確かに、この決議案、趣旨説明がありましたように多くの問題をはらむということは十分承知をするわけでありますけれども、ただ、これを、国会の決議という形で辞職を勧告するということが適切であるのかどうか。やはり国会議員の出処進退というのは、最終的には御本人の決断、熟慮によって決めるべきものではないか、そんなふうに思います。 さらに加えて申し上げますと、藤波さんのこれまでの政治的なキャリアとかあるいはお人柄、そういうことを考え合わせますと、私は、私どもが申し上げていることが一番妥当なことではないか、こんなふうに考えております。
○大島委員長 東中光雄君。
○東中委員 私は、藤波孝生君の議員辞職勧告は、当然やらなければならないものだと思っています。 藤波議員は、官房長官の職にあったときにリクルート事件で逮捕され、そのときの献金が汚職、収賄になるということで、有罪判決が確定したものであります。 リクルート事件を契機にしまして、御承知のように大きく政治改革が行われまして、九二年に、議員が汚職事件の有罪判決を受けた場合は公選法上、被選挙権を失う、失職するということを決めました。清潔な政治を実現していく上で、議員の失格、汚職を起こした場合には被選挙権を失うということにしたのが国会の意思であり、そして法制度になったわけであります。 藤波氏が今度有罪になったのは、この法案が成立する前に起こった事件であるからといって、私は、現行法上、国会議員としての資格を持つには、汚職事件を犯した場合、有罪判決が確定すればその資格を失うというのが国法でありますから、ですから、この法ができた以後であればもう当然失職になるわけであります。ところが、たまたまその前だったからといって、そういう法律をつくるということの契機になった事件でまさに汚職をしたわけですから、本来ならば失職するべきものが、適用されないから失職しない。 だから、失職すると同じような態勢をとるというのは、議員がその法制度を認めて辞職する以外にないわけであります。しかるに、辞職をしないままということであります。辞職する以外に失職に相当するような方法がないわけであります。法体系からいって、藤波君が辞職するのは当然であります。
○大島委員長 手短にお願いします。
○東中委員 どうしても辞職をしない場合には、院の決議で辞職を勧告する、それは当然のことだ。そうでなければ、現在の法制度、清潔な政治を確保するという法制度に反することを院として認めていくことになるというふうに思うからであります。 速やかに辞職勧告決議をされることを要求いたします。
○大島委員長 提出者でございますから、手短に。 畠山健治郎君。
○畠山委員 重複は避けたいというふうに思います。 まず第一に申し上げなければならないことは、リクルート事件等々を含めたたび重なる政治と金にまつわる一連の問題が、余りにも数が多過ぎるというようなことで、公職選挙法の改正が成り立っておるわけであります。なるほど、改正前、改正後、確かに失職するかしないのかというような違いはあるわけでありますけれども、しかし、言ってみればそのことがきっかけで改正になっているというようなことからすると、これは大事にしなければいけない問題だろうというふうに思います。 二つ目の問題としては、出処進退はどこまでもやはり議員の個人的な判断、これは結構、そのとおりかと思います。ところが、いまだに御本人の出処進退の動きは具体的には見えてまいりません。そのことに対して国民は、一体このことに対して国会はどういう判断をするのかというようなことを世論として注目しているというのも事実なわけであります。 本人の出処進退を明らかにしない限りは、院としての態度を明確にするというようなことはごく当たり前のことだ、こう言わざるを得ないと思います。
○大島委員長 この際、伊藤忠治君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 この際、私の方から申し上げますが、民主党、日本共産党及び社会民主党・市民連合を代表しまして、動議を提出いたします。 ただいま議題となっております川端達夫君外七名提出の議員藤波孝生君の議員辞職勧告に関する決議案につきましては、今回の質疑を含め、今までの議院運営委員会における議論において問題点は解明し尽くされたものと考えます。また、国会としては、最高裁での確定判決が出されたという現状を厳粛に受けとめるべきであります。 よって、直ちに同決議案に対する質疑を終局し、討論、採決に付すべきものであるとの動議を提出いたします。
○大島委員長 伊藤君提出の動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○大島委員長 挙手少数。よって、伊藤君提出の動議は否決されました。 —————————————
○大島委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明五日金曜日午後一時から開会することといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十六分散会