運輸委員会 第4号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1999/12/08
会議録
○仲村委員長 これより会議を開きます。 陸運に関する件について調査を進めます。 JR北海道室蘭線コンクリート剥落事故について、政府より説明を求めます。中馬運輸総括政務次官。
○中馬政務次官 おはようございます。 JR北海道室蘭線における十一月二十八日の礼文浜トンネルコンクリート剥落事故の概要とこれに対する取り組みについて御報告を申し上げます。 まず、事故の概要ですが、平成十一年十一月二十八日午前二時三十五分ごろ、室蘭線礼文—大岸間の礼文浜トンネル内において、名古屋貨物ターミナル発、札幌貨物ターミナル行きの二十両編成の貨物列車が、時速約六十キロメートルで走行中、線路上に落下したコンクリートを発見、非常停止措置を講じたものの衝突し、約二百メートル行き過ぎて停止、機関車の前軸一軸が脱線いたしました。 その後、このコンクリートは、線路方向二・五メートル、これと直角方向三メートル、高さ四十五センチメートルの円錐状のもので、天井部から落下したものと判明いたしております。 JR北海道においては、事故当日、対策本部を午前四時に、現地復旧本部を午前四時十分に設置、さらにその後、事故が発生した礼文浜トンネルについて点検調査を実施し、この結果を踏まえ、鋼製支保工、L型鋼、鋼板による補強及び覆工背面への地盤強化剤の裏込め注入による復旧工事を行い、十二月四日、この復旧工事を完了し、安全性を十分確認の後、午後十時運転再開をしております。 また、JR北海道は、この復旧工事の間、長万部—洞爺間の運転を休止し、同区間についてバスによる代行輸送等で対応し、JR貨物は、同様に、不通区間を運行していた貨物列車二十五往復のうち、二十三往復を運休、二往復を函館線小樽経由で運行を行いました。 コンクリートの落下原因については、現在、トンネル安全問題検討会の事務局である鉄道総合技術研究所において、科学的な分析作業等を行うことにより詳細を調査中でありますが、現時点では、覆工コンクリート打設後、コンクリートが十分な強度で固まる前の段階で覆工コンクリートに局所的な地圧が作用し、押し抜き剪断破壊と呼ばれる破壊が生じ破断面が形成され、この破断面が拡大し、最終的には自重により落下したものと推定されています。 なお、この原因推定については、本日開催予定のトンネル安全問題検討会で検討が行われることになっております。 運輸省としては、安全で安定した輸送サービスの提供は鉄道の基本的使命であるという認識のもと、鉄道トンネルの安全確保に向けて最大限の対応をしてまいりました。 さきの山陽新幹線福岡トンネルのコンクリート剥落事故後、運輸省では、JR北海道を含む全鉄道事業者に対し、鉄道トンネルの安全点検を行うよう指示しましたが、これを受けて、JR北海道では、運輸省の指示に基づくトンネルの安全点検を行うとともに、その後津軽海峡線第二今別トンネルにおいてコンクリート片の剥落事故があったことから、改めてトンネルの総点検を行っていたところであります。 また、運輸省では、在来線を含む鉄道トンネルの保守管理のあり方を確立するため、トンネル安全問題検討会において精力的に検討を進めているところであります。 運輸省として、このように総力を挙げて鉄道トンネルに対する国民の信頼の回復に努めてきた中で、今回の室蘭線礼文浜トンネルコンクリート剥落事故が発生したことは、まことに遺憾と言わざるを得ません。 今回の事故に対しましては、事故当日、北海道運輸局の担当官及びトンネル安全問題検討会のメンバーである朝倉俊弘京都大学助教授を現地に派遣するとともに、北海道運輸局からJR北海道に対し、事故原因の究明及び具体的な再発防止策の策定を行うよう文書により厳重に指示したところであります。 翌二十九日、運輸大臣がJR北海道から事故の状況等について直接報告を受けたほか、復旧工事の進捗を踏まえ、十二月一日、北海道運輸局の担当官を再び復旧現場に派遣するとともに、二日には、大臣官房技術審議官を派遣いたしました。 また、十二月三日には、事故原因の分析が進展したことを踏まえ、同種事故の再発防止のため、地圧の影響が考えられるトンネルにおける局部的な剥落の危険性について、一月末までに徹底した点検を行い、必要に応じ適切な措置を講じるようすべての鉄道事業者に対し指示したところであります。 今後、運輸省としましては、今回の事故に関し、JR北海道に対し、点検管理のあり方に問題がなかったか等を含め引き続き厳しく指導監督するとともに、十二月三日の指示に基づき鉄道事業者に対し、同種事故の再発防止に向けた指導を行っていくことにしております。 また、鉄道トンネルにおけるコンクリート剥落事故が引き続いていることにかんがみ、鉄道トンネル全体の問題として、トンネル安全問題検討会において、今回の事故を含め徹底した原因究明を行うとともに、トンネルにおけるコンクリートの剥落を防止するなどの安全確保策を確立するため、点検方法、補修方法等トンネルの保守管理のあり方について、できる限り早急に取りまとめることといたしております。 その後、これに基づき鉄道事業者に対し、改めて鉄道トンネルの総点検の実施を行うよう求める等鉄道トンネルの安全確保に係る指導を強化してまいる所存であります。 さらに、現在の鉄道トンネルの検査手法が、主として人手による目視検査や打音検査が中心であることから、検査の客観化や定量化を行う必要性を痛感しております。また、コンクリートの信頼性向上に関する研究も必要不可欠と考えています。このため、十一年度補正予算案において、高度なトンネル検査手法等の開発並びにコンクリート劣化等の基礎的研究について予算を計上しているところであり、これに対しても積極的に取り組んでまいる所存であります。 以上、JR北海道室蘭線礼文浜トンネルにおける剥落事故の概要とこれに対する取り組みについて御報告させていただきました。 運輸省といたしましては、これらの措置を通じ、鉄道の安全に対する国民の信頼を早急に回復し、鉄道トンネルの安全確保策の確立に最善の努力を尽くしていきたいと考えています。 委員会の皆様方におかれましても、引き続き御支援、御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
○仲村委員長 以上で政府の説明は終了いたしました。 —————————————
○仲村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、来る十日金曜日午前九時三十分に参考人として京都大学大学院工学研究科助教授朝倉俊弘君、東京大学国際・産学共同研究センター教授魚本健人君、財団法人鉄道総合技術研究所理事若生寛治君及び社団法人日本トンネル技術協会理事齋藤武夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時九分散会