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146回国会衆議院1999/11/11

安全保障委員会 第2号

発言数
177
登壇者
13
会派数
6
開催日
1999/11/11

会議録

二見伸明自由党

○二見委員長 これより会議を開きます。  この際、新たに就任されました山本外務政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。山本外務政務次官。

山本一太自由民主党外務政務次官

○山本(一)政務次官 今般、外務政務次官に就任いたしました山本でございます。二見委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。  現在、我が国が直面する諸課題への取り組みに関しては、先日、河野外務大臣から申し上げたとおりであると思います。私よりは、先般の私の出張を踏まえ、包括的核実験禁止条約、CTBTにつき簡潔に申し述べたいと思います。  十月十三日の米国上院によるCTBT批准否決を受け、河野大臣のイニシアチブにより私は急遽訪米し、米側に我が国の強い懸念を伝えました。これに対し、オルブライト国務長官、議会関係者等は、批准に向けての努力を継続する旨述べました。また、その後、インド、パキスタンの訪問に際しても、CTBTの早期批准を働きかけたところ、両国ともCTBT参加に向け努力を継続する旨述べました。今後とも、CTBTの早期発効、NPT体制の維持強化のための外交努力を惜しまぬ所存です。  こうした諸課題への取り組みに当たり、私は、外務政務次官としての職務を全うするよう、河野外務大臣の御指導のもと、精進努力する所存です。  委員長を初め本委員会の皆様の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————

二見伸明自由党

○二見委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤英成君。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 まず、瓦防衛庁長官に、この間、長官のごあいさつを伺いながら、いろいろと気になった点等々につきまして質問をさせていただきます。  最初に、西村前政務次官の発言についてでありますけれども、小渕首相及び防衛庁長官は、西村前政務次官の辞任の理由につきまして、不適切な発言がされた、このように説明をされているわけでありますけれども、西村前政務次官の発言が我が国の国政の運営上どんな支障があると思われるのか、その辺についての、辞任の理由についてまずお伺いをいたします。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 伊藤委員にお答えをいたします。  ただいま西村前政務次官の辞任に伴う問題につきましての御質問でございますが、西村前防衛政務次官の発言につきましては、防衛政務次官の職にある者として不適切であった、かように考えております。  当該発言が明らかになった当日、私も厳重に注意したところでございますが、御案内のとおり、前日の取材によるものでございまして、私が知り得たのも実はその後でございました。極めて不適切な発言と私は今も考えておるところであります。  なお、総理も所信演説で述べましたとおり、核の問題についてでございますが、国際社会の中で率先して核軍縮、不拡散政策に取り組んできた我が国として、今後とも非核三原則を堅持する方針にいささかの変更もございません。よってまた、西村氏の辞任は辞任といたしまして、防衛政策の基本を踏まえながら、しかと取り組んでまいりたいと考えております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 先週、瓦防衛庁長官が幹事長をされております日韓議連と韓国の韓日議員連盟との合同総会が東京でありまして、そこに私も出ていたのですが、その会議の中でも韓国のある議員から、最近日本の政治は右傾化しているのではないかということを心配されながら、西村前防衛政務次官の発言についても触れられて、やはり日本の雰囲気がそうなっているんじゃないか、日本が核武装をしたならばというような発言がこの間も出たんですよ。そのくらいに、これはもちろん一部の議員ではあるわけでありますが、日本を取り巻く、あるいは諸国に与える影響も非常に大きいだろうと思うのですね。そういう意味で、辞任もされ、そして総理大臣も、その辞表を受理して直ちに更迭をいたしました、このように本会議場でも言われたと思うのですね。  それで、この間、西村前政務次官が離任されるときに栄誉礼を受けられましたね。これは、防衛庁長官は事前に御承知だったのでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 栄誉礼についての御質問でございますが、事前には私は承知をいたしておりませんが、栄誉礼につきまして申し上げますと、従来から、本人が固辞される場合、これを除きまして関係法令に基づいて実施をしておる、こういう儀礼的なものでございまして、西村前政務次官は、本人の意思によりこの栄誉礼を受けたものでございます。本人の意思で従来どおり栄誉礼を受けたもの、かように理解をいたしております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 もう一度聞きますけれども、栄誉礼というのは一体どういう意味のものなんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 栄誉礼について若干申し上げますと、栄誉礼は、「自衛官が、自衛官であることの深い認識のもとに、自衛隊の規律を維持し、親和協同の実をあげ及び必要な儀礼を行うことを目的とする。」かように書かれておりまして、自衛隊の礼式の一つでございます。栄誉礼受礼資格者、一応内閣総理大臣、防衛庁長官が自衛隊を公式に訪問しもしくは視察する場合に、栄誉礼受礼資格者に敬意を表する、こういうことになっております。また、外務大臣の要請に基づきまして国賓等に対して行う、さようなことになっております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 栄誉礼というのは、今言われた栄誉礼の受礼資格者に対して、もちろん長官が定める場合というのもありますけれども、まさにその人たちに敬意を表するために行うというふうにちゃんと法に書いてありますね。  要するに、防衛庁は西村前政務次官に敬意を表するために行ったんでしょう。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 ただいま申し上げましたように、栄誉礼は自衛隊が行う儀礼の一つでございますが、それを受礼者として受けるかどうかということは御本人の意思によるわけでございまして、本人は、内閣におきましての政務次官として任命をされ、二週間にわたり職を務めたわけでございますが、御案内のようないわゆる週刊誌による不適切発言により、その責任をとって辞任をしたわけでございまして、離任に際しましても儀礼の一環として行うということになっておるわけでございますが、本人が受けるか、それを御遠慮なさるか、それは御本人の意思に基づいて行われておる、かようなことでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 自衛隊法施行規則第十三条には、栄誉礼は、先ほど私が申し上げたように、栄誉礼の受礼者に対して敬意を表するために行うというふうにちゃんと書いてあります。  本人がどんなに不祥事を働こうが何をしようが、本人が辞退をしなければその人に対して敬意を表するということなんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今申し上げましたが、儀礼的なものでございますから、本人が受けるか受けないかということがこの栄誉礼とのかかわりになるわけでございます。  振り返ってみますと、離任式に儀仗隊が加わらなかったという前例ももちろんあるわけでございますが、本人が、一切の見送りは要らないがそれを受けるということでございましたから、儀仗隊が栄誉礼をもって送ったということでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 私は、そもそも栄誉礼なるものは、あなた受けますか受けませんかというたぐいの話ではないんじゃないかと思うのですね。それはあくまで、この場合ですと防衛庁が、自衛隊がその人に敬意を表そうと思ってやるわけでしょう。もちろん、そういうときに御本人がほかのいろいろな理由で辞退されるということはあるかもしれません。しかし、自分たちの気持ちをあらわして栄誉礼というのは行うのでしょう。ただの儀礼で、格好だけでやるという意味じゃないでしょう。  私はなぜこういうことを申し上げるかといいますと、後ほどまた触れたいと思っていますが、最近の次から次へと起こっている防衛庁絡みの不祥事の問題がありますね。実はこういうものもみんな無関係ではないんじゃないかと思っているのです。要するに、それぞれやることの意味は何なんだろうか、栄誉礼を行う意味は何なんだろうか。ただただ格好だけでやっているわけじゃないでしょう。敬意を表すべき人に敬意を表するわけでしょう。  先ほどの話を聞きますと、西村さんに対して栄誉礼を行うことについて、長官は事前には知らなかったと先ほど言われました。だれが決めたんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたが、栄誉礼は着任の場合、離任の場合にその儀礼をもってこれを行うという形になっておるわけでございまして、それを受けるか受けないかは本人の意思、こういうことになっておるわけでございますから、私がそれを行え、やるなと言う意味合いのものではございませんので、いわゆる儀礼としての儀仗隊の問題につきましては御理解をいただきたいと存じます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 相手の方が受けるか受けないかを決めるというふうにどこに書いてあるのでしょうか。どこにそういうふうに決まっているのでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 先ほども申し上げましたが、過去の事例を見ますと、離任式におきましては御辞退をなさっておられる方々もいらっしゃるということでございまして、これは本人の意思でこの儀仗を受けるか受けないかということがございますが、儀仗を行うという立場になりますと、過去の事例からいたしまして、着任、離任のときにはこれを行い、受礼者がその意思で受けるか受けないかということの判断で行われておる、こういうことでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 以前に辞退をされた方がいらっしゃるのは私も承知しております。それは御本人がそういうふうに辞退されたからやらなかったのです。それはそれでいいのですよ。  しかし、本人が辞退をしなければ、辞任する場合にはいわば自動的に政務次官に対しても栄誉礼を行わなければならないとどこに決まっているのでしょうか。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 お答えさせていただきます。  特にそういう細部について決まっているわけではございませんが、本人が更迭という言葉を使ってございますが、本人が辞表を出して、これ以上組織に自分がとどまることは停滞を招きかねずということで、みずから身を引いたという形でございます。ただ、そういうことなので、通常は儀仗の後ずうっと正門まで全員が出て拍手で見送る、それはやらぬでくれということで本人がすべて辞退されて、いわゆる儀仗だけを受けて去っていったということで、こういう自衛隊のような組織体の場合に、やはりそういう一つの儀礼を尽くすということも重要でございまして、今回の場合は、本人が辞退しないので、私どもとしては整々たる形でやらせていただいた、こんな状況でございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 いや、政務次官の言われた話は、更迭をしたのは総理大臣、本人じゃなくて総理大臣がこの間の所信表明演説の中で、その辞表を受理し、直ちに更迭いたしましたと言われたんですよ。総理大臣が言われたんですよ。  総理大臣が更迭をしたという相手に対して防衛庁は敬意を表するんですねということを僕は言っているのです。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 儀仗そのものは敬意を表するものでございますし、先ほど申し上げましたように、着任、離任のときは一つの行事としてこれを行っておるものでございますが、防衛政務次官が防衛行政に停滞を招いたとみずから辞任をされた、かように認識をしているわけでございまして、その辞任に際しまして、儀仗隊がその職を解かれた西村氏を送るという行事を行ったわけで、それを受けるか受けないかは、繰り返して申し上げますが、西村氏自身の判断、意思によるものでございます。かように繰り返してお答えをするわけです。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 違うんですよ。本人がどういうふうに思おうが、防衛庁は西村前政務次官の発言に対してどう思ったんだろうか。だから、最初に僕はそれを伺いました。  そして、この栄誉礼は、ちゃんと法にあるように、その人に対して敬意を表するためにあるんだよ。敬意を表するということはどういうことなんだろうか。その人に敬いの気持ちを持っておりますと敬うんでしょう。だから栄誉礼をやるんでしょう。あれはただの形で、何でもないただの形ですよという、そんなのじゃなくて、もっともっと自分たちの気持ちを込めて栄誉礼というのを行うんでしょう。栄誉礼はそういうものじゃないんですか。防衛庁としては、あれはただ形のためにやるんですか。  私も、安全保障委員長のときに陸海空それぞれの現場にも行かせていただきました。それぞれのところで私に対しても栄誉礼をというふうにしてくださいました。私は感謝の気持ちで、自分の職務を全うしなければならぬと思ったりいたしましたよ。あの栄誉礼はただ形式的にやっているだけですよと防衛庁は言われるのですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 ある面では、伊藤委員に対しまして、これ以上のどういうことをもってすれば御理解がいただけるかなと思うわけでございますが、まさに防衛行政に携わる人を迎える、儀仗をもって迎えた、そして本人の発言が不適切なものであり、防衛行政に停滞を招くということで本人みずからが辞任を決意した、かように私は認識しておるわけでございますが、その西村氏を送ることについて、儀仗隊が出るか出ないかの判断は儀仗隊にはないわけでございます。あるいは長官たる私にあるのかわかりませんが、本人の意思が、この儀仗を受けるについては見送りは要らないがということでございまして、私は、先ほども経緯は承知していなかったと申し上げましたが、そのとおりでございまして、一般的な行事としてこれを、二週間とはいえ防衛行政に携わり、この方が防衛行政にまた努力をしていただけるものとして仕えたわけでございますので、本人の辞任を踏まえて、儀仗隊が出て見送った。本人はそのことに対して、他の一切の見送りは要らないがということで、儀仗隊だけの見送りで彼は辞していかれたということでございます。  繰り返しになりますが、以上、申し上げさせていただきます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 それでは、もしも事前にその話を聞いていたら、栄誉礼の辞退を西村さんに要請したと思いますか。防衛庁長官がもしも相談されていたら、辞退した方がいいのじゃないかというふうに要請したと思いますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 少なくとも政治家でございますから、その公職に立ってどうすべきであるかは本人の判断が優先すべきことでございまして、もしやそのことで云々ということで相談があれば、私は、自分でよく考えて決断をしてもらいたいと言うしかございません。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 そうしたら、先ほど私は、自衛隊法の施行規則に従って、敬意を表するために行うと。その防衛庁の最高責任者として、もしも、西村前政務次官に対して要するに敬意を表するために栄誉礼を行うべきでしょうかどうしましょうかというふうに相談を受けたとしたならば、そのときに防衛庁長官としてはどういうふうに言われたと思いますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 伊藤委員の質問がちょっと私、今理解できなかったわけでございますが、大変申しわけありませんが、もう一度。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 防衛庁の、これはだれが決めるのでしょうか、官房長でしょうか、事務次官でしょうか、そういう方から、この西村さんのケースの場合に栄誉礼を行った方がいいでしょうかどうでしょうかというふうに防衛庁長官が質問を受けたならば、防衛庁長官はそのときに何というふうに答えたのでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 私は、先ほど以来答弁を繰り返してまいりましたが、長官であれあるいは政務次官であれ、それぞれ防衛庁長官につくことになり、また去ることになり、そのようなことについて本人の意思を確認した方がよろしいというような御質問、御意思でもありますので、そのことも踏まえて、今後、儀仗のあり方についてどのように取り組んだ方がいいか考えてみたいと思います。  それでよろしゅうございますか。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 今の話は、一つは、儀仗のやり方の問題については、栄誉礼についてどういうふうにするかということについては、今後はもう少しよく考えてみたいという話なんですね、そういうことですね。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 伊藤委員のおっしゃるとおり、今、儀仗の問題、あり方についての重ねての質問でございますから、儀仗の、いかなるときに本人にその意思を確かめるか等について、そのあり方を研究してみたいと思います。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 今の話は、西村前防衛政務次官の離任に当たって、防衛庁が、この法にあるように、仮に敬意を表して栄誉礼を行ったのは不適切だったなと今は思われると考えていいのでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 西村政務次官の辞任理由が、防衛行政にいわゆる空白を生じせしめるということでございますが、事の起こりは、先ほど御質問がありましたとおり、不適切な発言でありますとか、また閣議に対する発言でありますとか、こういったことが重なっての辞任であったことでございますので、適切か不適切かを含めまして、さような事案が起こったときに、まず、言ってみますれば、長官の私から見れば、その政務次官に対して不適切であるということを注意を申し上げたわけでございます。これからかような事案に対しまして、儀礼を受けるか受けないかという問題も含めまして、これはなすべきではないという判断であれば、さような意思をもってさように伝えることにいたしたいと考えておるわけでございますが、従来の経緯もありますので、私は、せっかく伊藤委員の御質問でもあり、御意見でもありますので、それを預からせていただきまして、どうあるべきかについて考えてみたい、かように答弁を申し上げさせていただくわけでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思うのです。  もう一つ、それについて、防衛庁長官、このように重大な話、もう一度言えば、今回、防衛庁長官もですが、総理大臣も、事の重要性を考えて辞表を受理し、そして更迭をいたしましたと総理大臣が言われたようなケース、それに対して敬意を表する行為を正式に行うということについて、防衛庁長官には何の、いわば相談もといいましょうか、連絡もなく実行されていくということについて、これはまともだと思われましょうか。  これからそういうことについてはせめて防衛庁長官に、相談といいましょうか、あってもしかるべき話だろうという気が僕はするのですが、今回、防衛庁長官に上げなくてもよかった事例なんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 委員御指摘のように、儀礼に対する若干慣例的な意識でこれを行っていた、かように考えれば、今後あるべき形というのは研究する必要があるというぐあいに考えるわけでございます。  確かに、儀礼は、その任にある者に対する礼儀でありますから、礼を失した形の者に対しても儀礼を行うべきかどうかという委員の御主張に対しまして、それを持ち帰って、従来の慣例化しておった儀仗のあり方について私は研究をし、なすべきことは継続すればいいわけでございますが、えてして我々にも若干そういう向きなしとはしなくて、私もかつて潜水艦の事故で防衛庁長官を辞することがございました。そのときも、あのような痛ましい事故であれば儀仗を遠慮すべきであったかなと思った日々もございましたが、考えてみますと、あのときは儀仗を受けながら防衛庁を辞したことを今思い出すわけでございます。  どういうときが儀仗を受けるにふさわしいかという問題は、大変難しい問題でございますが、基本的には、本人が、受けるべきか遠慮すべきか、公職にある者として、襟度としてそれをわきまえて行動していただければ、今のような答弁である必要はないわけでございますが、これからいかなることが起ころうかということも委員も踏まえて御質問でありますので、さようなことを考えてみたい、こう答弁をさせていただいておるところであります。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 防衛庁長官はなかなか言いにくい話だという感じで言われているのかもしれません。若干の意のあるところといいましょうか、を推しはかれば——これは推しはかってはまずいんですかね。今回の問題は、先ほど僕は調達問題について触れますがと申し上げたんですが、本当に何をやっているのかということについてその本質を理解していないんではないか。先ほど申し上げたように、敬意を表するのはただ形じゃないよ、心があって、その気持ちをあらわそうとするから形になってくるわけですよ。どんな不祥事があろうとも、これはやることになっているから云々という話は、それは間違っているんですよ。  だから、先ほど防衛庁長官は、少しいろいろ考え直してみますというふうに言われたんだ、今後のやり方の問題についてもう少し考えてみますというふうに言われたんだと理解しますが、それでよろしいですね。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今、質疑を通じながら、儀仗隊で判断すべきという問題ではありませんで、私は、栄誉礼にふさわしく、受ける本人の意思というものがまずありきだと思うわけでございます。しかし、それは、今質疑を繰り返しておるように、形だけのものになってはせっかくの儀仗もその意味が通じませんので、それらについてどのような形にすればいいかということを研究するということを先ほど以来繰り返して申しておるわけでございますので、委員の質問とそういう面では今理解が進んだようでございますし、私の主張もおわかりいただいたようでございますので、加えてさように取り組みたいと考えます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 十分に反省をしていただいて、真剣に取り組んでいただきたいと思います。  では次に、調達実施本部をめぐる問題でございます。  先般、諸冨元調達本部長等の有罪が確定をいたしました。あのときに、防衛庁長官はあの問題についてどんな受けとめ方をしているのか十分に伝わってこないなという印象を持ったんですよ。あの問題についてどういうふうに思われますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 振り返ってみましても、諸冨元調達本部長が有罪判決を受けましたことは、極めて残念でございます。有罪判決が下された同月二十六日、判決が確定したところでございますが、防衛庁の調達行政のトップに立つ、そういう立場にあった者が、その任期中の行為につき有罪判決を受けたということは、極めて残念でございます。  防衛庁といたしましては、引き続き調達改革の具体的措置を着実に実施するとともに、調達改革のフォローアップ、深化を図ってまいりたい。このような事案が再度起こることのないように、防衛調達の透明性でありますとか公明性を追求すべく真摯に努力してまいりたい、かように考えております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 この間、航空燃料の入札談合事件というのがございました。この問題についても、この間、防衛庁長官は、あいさつの中で、深刻に受けとめている、こういうお話でございました。どういうふうに思っていらっしゃるのでしょうか。もう一つは、そのときに、防衛庁の内部調査をこの事件では行わないというふうに事務次官が表明したようであります。なぜ、防衛庁としてはこの解明をしようとしないのでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 調達改革に対しましての推進は、私が就任いたしましてから一つ大きな課題でございました。今般の燃料入札談合問題でございますとか、あるいはその後起こりました自衛艦修理問題等につきまして、深刻に実は受けとめておるわけでございます。  燃料入札談合問題でございますが、これは、今後の公判等に不当な影響を与えないよう適切に一つは対処してまいりたい、そう考えまして、まずは、今、検察等が取り組んでおる問題でございますので、公判に影響を与えないよう、また、求められれば全面的に協力をしていく、その姿勢で臨みたいと考えておるわけでございます。  なお、調達の若干の問題がまだ、言いますれば、あるわけでございまして、やはり我々は我々として、自助努力というものをもって国民の信頼を得ていくような、そういう改革につなげなければなりませんので、さような努力も今いたしておるところでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 調査に対しては、それはもう積極的に協力をしていただければいいんですが、みずからも調査をするのは私は当然だと思うんですよ。それは当然だと思います。  ちょっと伺いますが、この航空タービンの燃料、いろいろな方法があると思うんですが、例えば輸入するという話はどうなんでしょうか。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 アメリカでは、JP8というのを主として使っているということでございます。ただ、日本の方で使っているJP4は、米軍の使用しているJP8と比較してみまして、引火点とか粘度が低いというようなことから、低温時のエンジン始動というようなものが非常によいということで、うちの自衛隊ではこれを今使用しておるわけでございます。  なお、現在JP4を使用している自衛隊機に、もしこれをJP8の方を使うという場合には、着火始動特性、アフターバーナー燃焼特性等、こういう面に影響を及ぼしますので、運用制限等をして、それに十分活用できるようにやる。ただ、一部機種は恐らくJP8では使用できない、こういうことになりますので、我々の方としては今、輸入という道も、今まで取引していたところをほとんど取引停止にしましたので、残っている社というのは非常に少ないものですから、輸入という問題も考えながら、何とかやりくりしていかなきゃならぬという現状でございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 最後にどういうふうに言われたのかよく聞こえなかったんですが、今、日本が使っているJP4という燃料を使っている国はどこがあるんですか。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 日本で混合して、日本で使っておるということでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 この航空燃料、日本でしか使わない燃料を使っているんですね。しかし、日本の自衛隊機は、多くがいわばアメリカの飛行機といいましょうか、いわゆるライセンス生産等がエンジンは今多いんでしょう。しかし、なぜ、日本だけしか使わない、日本で特別につくる燃料のみを使うエンジンを載っけているんですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 それぞれ油には特性がございまして、私もそれは専門家ではありませんが、JP4とJP8の概要を比較いたしますと、比重が、JP4が〇・七六九、JP8が〇・八〇五、これが引火点になりますと、マイナスでございますが、JP8ですと三十八度C、粘度がまた、JP4が三・六で、JP8が十五、JP8は灯油に近く、JP4はガソリンに近い、このような資料がございます。  耐久性を見ますと、単位当たりの発熱量が大きい、カーボンの付着が多いなどから、JP4は、JP8に比べ、エンジン等への耐久性という点では有利である。また、煙の発生につきましては、JP8は、JP4に比べ、煙の排出が多目になる可能性がある、こういうような比較概要がございまして、現時点でJP8の使用できない機種は、T33でありましたり、T1Bでありましたり、T4というのがJP8は使用できないということでございます。他の戦闘機にも、私は、影響がそれぞれあるものと思っております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 私は、極めて不思議だという感じがするんですよ。不思議な感じがします。いいですか。このJP4なる燃料は昭和三十年代からと言っておられましたよね、談合はずっと昭和三十年代から続いていたのかどうか知りませんが。このJP4を、日本でしか使わない、日本のエンジンでしか使わないと言われるわけですよね。特に、日米共同作戦どうのこうのというたぐいの話が今まで言われてきたりしております。そのときに、その燃料は日本でつくった燃料しか使えないエンジンでありますよというような、しかも、そういうエンジンをライセンス生産でつくってというのはいかにも奇妙だという感じが私にはいたします。  本当にその燃料がジェット燃料として非常にすぐれているなら、アメリカでもNATOでもあるいはヨーロッパでも、なぜそういうふうにしないんだろうか。なぜ日本だけそうするんだろうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 大変かような専門分野で、お答えに納得いきがたい面があるかわかりませんが、こういう仕組みでございますから御理解いただくといたしまして、いわゆる戦闘機とか、また燃料というのは、地域特性とか気象特性とか、いろいろなものが加わって、我が国においてはいかなる形の戦闘機がそのニーズに合うか、その戦闘機は、いろいろ運航する場合にいかなる燃料特性があった方がいいか、それぞれ専門分野において研究し、選択をし、今申し上げたような燃料選択に至っておるもの、このように理解をいたしておるところであります。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 どういうふうに考えてみても、私は不思議な現象だと思っています。これは防衛産業の人たち、あるいは石油業界の人たち、そして防衛庁の関係、そのいわば三者といいましょうか、その人たちにとっては、ひょっとしたら都合がいいかもしれません、一面から見れば。いいかもしれないというようなことも思わせるような現象ではないだろうかという気がしますよね。  私の時間はもう余りありませんから、もう一つ伺います。  艦船の修理についての不正入札疑惑というのが出ました。この中に、予定価格の算定さえしていないケース等も言われています。そういうのもあるのですね。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 入札に至らなかったということで予定価格をつくっていないというケースがあります。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 入札に至らなかったというのですが、指名競争入札をする、何社かがあるかもしれないというようなことをやるわけですね。これは会計法に違反しておりませんか。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 そのあたりの点を今後しっかりと我々としても検討していきたい、こういうことで今検討しておるところでございます。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 これはいつからこういうことをやっているんでしょうか。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 いつからというか、私もちょっと急な質問であれですが、そんな、きのうきょう始まったことではないと思っております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 防衛庁長官に伺います。  長官は、いつからということを伺っているんじゃないんですよ、建設大臣もやっておられました。私も建設政務次官もやりました。建設省もたくさんの入札をやりますね。予定価格を算定もしなくてやるケースが許されるでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 大変申しわけありません。この場所、ちょっと声が聞き取りにくかったものですから、大変申しわけないと思っておりますが、いわゆる石油の算定価格は——申しわけありません。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 指名競争入札をして、そして最終的に随意契約になるということがあるとしても、建設省の場合に予定価格を算定しないというケースは私はないと思うんですよ。それは許されない。会計法上、ちゃんと予定価格は算定をして、そして最後の契約はするはずであります。防衛庁の場合にはそういうのもしていないんじゃないか。  私はさっき、栄誉礼の話をいたしました、冒頭。この話でもそうですよ。そして、この艦船の話についてもですが、それぞれの地区ごとにということを言いますね。いわば日本全国を相手にして競争入札にすればいいではないか。  ほんの狭い地域だけでやろうとかいうやり方をする。しかも、その中で、指名業者が辞退したからというので、予定価格も計算もしなくて、そこで決めてしまう。一体これは何なんだろう。みんなの、国民の税金を使ってやっているという意識なんて本当にあるのだろうか。  そもそも自分たちは何のためにこの仕事をしているのだろうかという意識がないのじゃないか。だから、最近の数々の状況を見れば、先ほどの栄誉礼も同じなんです、自衛官等々はみんな一生懸命やっていらっしゃるのに、ひょっとしたら防衛庁のかなりの人たちはもう体質的にこうなっているんじゃないか、そういうことを思うから申し上げるんです。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 先ほどの、いつから始まったかとか予定価格は具体的にどうだったか、こういうのはまさにこの事件に関する事実関係でございまして、我々としては、これからいろいろ検査院等の検査結果等も踏まえまして、およそこの会計法にのっとるようにしっかりと対応していきたい、こういうことでございまして、現時点でその事実関係に対する調査をちょっと控えておる、こんな状況でございまして、多少不分明な回答で申しわけないと思っております。

伊藤英成民主党

○伊藤(英)委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

二見伸明自由党

○二見委員長 次に、上原康助君。

上原康助民主党

○上原委員 私は、質問通告は四、五点ばかりやってございますが、短い時間ですので、米軍基地問題に絞って全段お尋ねをさせていただきたいと存じます。  従来、いろいろお尋ねしても、北米局長が答弁したり、条約局長がごまかしたり、防衛局長が出てきてわけのわからぬことを御答弁して、いつの間にか時間切れになって、すれ違い論議が多かったのですが、きょうは、防衛、外務大臣、場合によっては総括政務次官にぜひお答えを願いたいと思っております。  経過とかそういう詳しいことは言いませんけれども、沖縄県、地元のマスコミにしても、あるいは昨今、中央のマスコミにしても、このSACO合意の重要懸案となってきた普天間基地、那覇軍港の返還について、いろいろと報道ラッシュみたいに各種の記事があります。  そこで、現段階において、普天間基地、那覇軍港の返還について、日米間でどうなっているのか、沖縄県とどういう話し合いが持たれているのか、簡潔に両大臣からお答え願いたい。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 上原委員にお答えしますが、その前に、多年にわたって沖縄問題につきましていろいろ御苦労、御腐心をされて、また今回の問題につきましても大変役割が大きい中御心配賜っておりますことに、私は敬意を表さなければならぬと思っております。  なお、私は、防衛庁長官に就任いたしまして沖縄を訪れまして、知事にもごあいさつを申し上げ、さきに官房長官、外務大臣、沖縄をお訪ねになっておられますので、その後を追って参ったわけでございますが、歴史的に大変御苦労の多かった沖縄の皆様に、何とか私どももお役に立ってまいらなければならぬ、そういうことで、知事が今大変御苦労をしておられる中でございましたから、知事の取りまとめの御苦労に敬意を表し、また沖縄の将来について知事のお考えをおまとめになり、官邸を窓口にして、これからいろいろ御相談をいただく中で、防衛庁といたしましても、でき得る限りの努力をさせていただきたい、こういうようなことで行ってまいったわけでございます。  思い返しても、我が本土の中で、多くの基地を持つ中で御苦労をいただくと同時に、戦中は大変悲惨な歴史を重ねてこられた沖縄県民の方々に、これからの課題ということになりますと、SACOの最終報告の着実な実施に向けまして、私どもは最大限努力をしていかなければならぬわけでございますから、ここに改めて上原委員の御質問に対しまして、そういう私たちの誓いといいますか、決意をまずは申し述べさせていただきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 上原議員御指摘のように、那覇港湾施設あるいは普天間についていろいろと新聞報道その他がなされていることは私も承知をいたしております。しかしながら、私どもが今直接連絡に接し、あるいはそれら今御指摘のような情報を整理してみますというと、こういうことになると思います。  那覇の港湾施設の移設、返還につきましては、本年三月、移設先となる浦添市長が、浦添商工会議所が提言する軍港機能の一部を移設して共同利用する方向で検討するという旨表明をされ、同月稲嶺知事に対しその旨をお伝えになったというふうに承知をいたしております。他方、稲嶺知事は、三月以降、この問題解決に向けて新たな組織体制を設置し、検討を開始されるなど、前向きに取り組んでおられるというふうに承知をいたしておりまして、政府といたしましても、内閣官房を中心とした政府検討支援グループを設置いたしまして、この県の検討を支援しているという状況にございます。  もう一方、普天間基地でございますが、普天間飛行場の移設、返還問題につきましては、同飛行場が市街地にあることもあって、一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいとの観点から、政府としては、九州・沖縄サミットの開催を決定する以前から全力でこれに取り組んできたものでございます。  そのような意味合いにおきまして、本問題は、沖縄県の御検討状況というものに注目をいたしまして、こうしたさまざまな御検討、そして意見の集約を慎重に見守りながら、真摯な態度でこれに取り組んでいくべきものであるというふうに考えているところでございます。

上原康助民主党

○上原委員 私は、これまでも予算委員会あるいは各委員会でも申し上げてきたことで、外務省にしても防衛庁にしてもその他の省庁もそうなんですが、沖縄開発庁等、努力していることには私も評価したり敬意を表するにやぶさかじゃないのだが、沖縄の基地問題というのは心情論、感傷論では解決しないという認識をぜひ持ってもらいたいということなんですね。  私は、最近の状況というのは大変心配というか懸念を持っている一人なんです。またぞろ賛成か反対か、県民の対立感情を助長せしめるようなことはよくない。そのことにどう政府やあるいは私たち政治家が、行政の長にあるみんなが知恵を出すかということが今問われていると思うのです。このまま対立感情が深刻化していくと、来年七月のサミットにも重大な影響を及ぼしかねない、そういう立場で申し上げているので、ぜひお答えは簡潔に、もっと内容のあるものにしていただきたい。  そこで、私のスタンスは、皆さん二言目にはSACOの着実な実施をおっしゃるのだが、あなた方が最近おつくりになったという沖縄マニュアル云々のものもあるのですが、そこで、もう四年近い時間が過ぎたが、SACOの中核である普天間基地の移設は解決されていない、はっきり言っているじゃありませんか。だから、沖縄基地の整理縮小を県内移設の枠内でやろうとしてきたところに問題の行き詰まりがあり、硬直化しているところがあり、県民対立を、政府の国策によって押しつけていると言ったら失礼ですが、そういう状況をつくり出している。この基本認識と基本方針を転換していくことが必要だということを常に強調してまいりました。そうはいかぬとおっしゃるかもしらぬが、その考えはないのかどうか。私は、これを本当に政治家が、日本の外交が主体的に、防衛庁を含めてもう一度、今すぐとは言わないにしても、そういう考えがない限り基地問題というものは前進しないと見ているのですが、両大臣、今私が指摘したこと、どうお考えですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 上原委員も御理解いただいておるところでございますが、いろいろ御苦労や御努力もいただきながら、今日まで安波訓練場の返還が実現いたしましたり、北部訓練場の一部が返還されましたり、楚辺通信所のキャンプ・ハンセンへの移設、キャンプ桑江及びキャンプ瑞慶覧における住宅統合が着実に進んでおるわけでございますし、また、パラシュート降下訓練の伊江島補助飛行場への移転につきましても、十月二十一日の合同委員会で合意していただきました。  多年にわたる御苦労の中、今、稲嶺知事が、普天間飛行場の移設、返還問題につきまして、県政の最大重要課題として取り組んでおられるわけでございます。また内閣におきましても、官房長官がその窓口になり、また外務大臣もお加わりいただきながら、これらの問題をどう受けとめていただくかということが一つはございますが、私も防衛庁を預かる者といたしまして、いよいよこれらの課題は沖縄にとりまして、一つの転機を迎える時代を今迎えようとしておるのかな。  本当に御苦労も多い中でございますが、今、知事の重要課題として取り組まれております方向づけ、指針が出ますれば最善を尽くしたい、こういうことで見守りをさせていただいておるところでございます。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 沖縄の皆さんが大変御苦労されておられることを十分に認識をしながら、沖縄県民の皆様方のお考えというものをできるだけ真摯な態度でお聞きをするということが大事なことだと、もう繰り返し繰り返し自分に言い聞かせております。そうして、県民の意向というものを代表される知事のお考え、あるいは御関係の方々のお考えというものをしっかりと拝見するということが今必要なのであって、少なくとも我々は今そうした意見を伺うということから始めなければならぬというふうに思っております。

上原康助民主党

○上原委員 お二人とも気持ちはわかるけれども、親身のある御答弁、政治家としてというか大臣としての本当のお答えはないのが非常に残念ですね。  そこで、確かに、これは実権というか権限のある人々が提起をし、政府と県側で話し合わなければいかないことは当然なんですよね。正直申し上げて、私なんかないのがもう本当に歯がゆくてしようがない。  そこで、私もマスコミ報道の域でしか知らないのですが、近々、沖縄県の案が政府に提示をされるという報道もなされております。これは日米トップで合意した外交案件であり、また基地の整理縮小の一端でもあるわけですから、何らかの中間まとめというか方向性はそろそろ出さなければいかない段階にあることは、だれも否定できない状況かと思うのですね。  端的にお聞きするわけですが、沖縄県から案が提示された場合に、政府はどういう対応を考えておられるのか。外務省なり防衛庁なり、政府としての県の提示に対しての考え方というものはまとまりつつあるのか、見てから考えるのか、相当進んでいるのかどうか。その基本認識というか基本的なお考えを、余り長くはおしゃべりにならぬで、私の質問に要点だけ答えてください。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 ここにおりまして、もう上原先生の気持ちも痛いほどよく理解できるわけでございます。  防衛庁が余り先に出ますと、県民の皆さんに、瓦防衛庁長官はいい男だが、どうも防衛庁と聞くと思い出すぞという声もありますので、私は、どちらかというとしんがりを務めてもいいが、精いっぱいの努力をしなきゃいかぬと思っておりますし、加えて、これらの問題、今知事が本当に御心配いただいておりますので、官房長官のところでこれを受けとめていただく、そして一体になってこれに取り組んでいかなきゃならぬ。我々が予断を挟むことのできない慎重な問題だ、こう理解をいたしておりますので、これ以上の答弁はお許しをいただくわけでございますが、上原先生の多年にわたるお気持ちからいたしますと、本当によく理解するところでありますので、今後とも御指導を賜りたいと思っております。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 沖縄県が案をお示しになる際に、どういうところまで案をおつくりになるか。例えば跡地利用とか、あるいは振興策とか、そういうところまで含めた案ということになると、これは外務省、防衛庁だけでは手に負えないわけでございまして、沖縄開発庁を初めとして、むしろ内閣全体で受けとめるということになろうかと思います。  したがいまして、繰り返しの御答弁で恐縮でございますが、沖縄県がおつくりになる、あるいはお示しになるその案がどういう、完璧なものであるのか、あるいは概要であるのか、その段階はいろいろあると思いますけれども、いずれにしても、お考えをお示しいただくのを私どもとしてはお待ちをしよう、お待ちするべきではないかというふうに今思っているところでございます。

上原康助民主党

○上原委員 そこで、私の考えというか民主党の考えというか方針というのも若干含めて後ほど申し上げますが、確かにそうでしょう、沖縄政策協議会というのがあるから、そこで受けとめて全体像というものを検討する。それはこれまでも積み重ねられてきているわけですから、その上でさらに検討されていくと思います。  私は、先ほど申し上げたように、県内移設という枠内でやろうとするところに問題がある、その前提でお話をしているわけですが、報道されているように、仮に北部の一部という提案がなされた場合に、政府は、何とかなるんじゃないかと、認識がまだ少し甘いんじゃないかという感じがしてならないんですね、最近の状況把握について。これは、沖縄県もあるいはそうかもしらない。そこを非常に私は危惧を持っている。果たしてそううまくというか、紆余曲折は相当あるにしても、乗り切り得るのかという感を持たざるを得ないんですね。  そういう意味で、提案がなされた場合に、政府は、名護市や北部関係自治体が苦渋に満ちた状況に置かれていることに積極的な対応策を、感情論、感傷論、沖縄の上っぺらな歴史論ではなくして、なぜそうせざるを得ないかという国の立場とか日米関係とか、そういうことについてもっと真摯な説明が必要だと私は思うんですね。これが一つ。  もう一点は、御承知のように、きのうは知事を支える県民の会ができた。その前に県内移設絶対反対という立場での県民協議会もできている。これは御承知のように、十月二十三日に大々的なデモンストレーションをやる集会を持っている。これが両翼で、また、激突するという事態が刻々と迫りつつあると思うんですよね。それは避けにゃならないと私は思っているんです。そういう意味で、基地の県内移設に強固に反対をしている県民の声にもできるだけ耳を傾けるという姿勢も必要じゃないのかと思うんですね。  こういう点については両大臣はいかようにお考えですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 先ほど以来上原委員にお答えをさせていただいておりますが、今、知事にとりましても非常に重要な時期を迎え、本問題解決に向けて御苦労し、鋭意御検討いただいておることと、かように思っております。  これからの沖縄の問題といいますのは、繰り返しになりますが、私どもは、今お考えいただいておりますことをやがて御決断いただくわけでございますが、その御決断を通じて内閣といろいろお話しをいただくわけでございますから、それに誠意を持って取り組んでまいる。また、防衛庁、施設庁といたしましては、これらの課題につきまして、今先生御指摘のような困難な問題があるだけに、これまで以上に誠心誠意取り組んでいかなければならぬことだと。  今、その問題が話し合われようとしておるわけでございますので、私どもの個人的感触でありますとか防衛庁としてこうありたいとかということを申し上げることは予断を挟むことになりますので、大変申しわけございませんが、以上をもって私の答えとさせていただきたいと思うわけであります。

上原康助民主党

○上原委員 河野外務大臣には後でまたお尋ねしますが、ちょうど村山内閣のときに河野さんは最初の外務大臣をしておられて、九五年のあの不幸な事件の真っ最中。私もその件で直接お目にかかったし、当時は与党の立場もあったので、地位協定の問題であるとか、少なくとも従来の自民党政府の安保至上論よりはもう少しいい対応をしてくださるんじゃないかと思ったのだが、そうはいかなかった。大変失礼な言い方かもしらぬ。それは県民もそう思っておる。このことも御念頭に置いて対応していただきたいということですね。  そこで、先ほど河野大臣もおっしゃっておったんですが、反対者の意向とか、あるいは新たな負担をこうむらざるを得ない市町村とか地域のことについて、もっと真剣な政府の対応が必要だということとあわせて、米軍返還地の跡利用問題というのは、私が口酸っぱく言っても、何だ、また上原のやろうは同じことを言っているかという程度しか役人の皆さんは聞いてくれなかった。本当に私は悔しいですよ、三十年近く同じことを言っているみたいで。  軍転法も時限立法で、十四、五年がかりでやっと四年前に実現いたしました。だが、極めて不十分です。ですから、県案が提示をされる時点までに、これはあくまで案であって、決定じゃないと思うのですね、まとまらぬかもしらぬ。軍転法の抜本改正ということと、もう一つ、これは両政務次官の方があるいは詳しいかもしれませんが、基地の環境浄化の問題。環境汚染されている、これをどうするかということ。あるいは、埋蔵文化財等の発掘、移設の問題。これは財政措置が伴うんです。アメリカではそういうことは国の責任においてちゃんとやっている、返還跡地の利用は。こういうことをも、法的制度面の整備というものをやはりきちっとやるべきじゃないのか、もう少し。軍転法の改正については、民主党は既に検討をして時期を見て対案を出します、改正案を。  さらに、もし普天間と那覇軍港等の返還が可能になるとして、返還後の跡地利用促進のための特別立法というのはやはり必要だと思うんですね。あれだけ広大な基地が返還される、財政がたくさんかかる、期間もかかるということになると、私は軍転法ではカバーできないと思うんですね。こういうことに対して、トータルとして目に見える形で政府は対応できることになっているのかどうか、あるいは県案を見て対応しようとしているのか、ここいらが鶏が先か卵が先かどっちか、様子見だけではこの問題は私はきっちりと目に見える形で進展しないと思うんですね。今のことについてはどのようにお考えなのか、お答え願いたい。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 上原議員からは、私、前回外務大臣当時に大変御親切にいろいろと御指導いただいて、今でも覚えておりますが、河野君なるべく早く沖縄へ行けよというアドバイスを二度三度といただきました。国会が終わってから伺います、できるだけ早く伺いますと申し上げながら、その後いろいろ問題に取り囲まれて、とうとう実現できずに前回外務大臣の任期を終えたのでございまして、私にとりましては大変悔やんでもいる問題の一つでございます。  その当時から一貫してこの問題に取り組んでおられる上原先生の御指摘でございまして、私どもも本当に重く受けとめなければならない。軍転法の問題にしてもそうでございます。一つ一つの御指摘について誠実に対応できるものは対応したい、こう考えておりますから、今お話がございました、跡地利用を考えて用地内に入って測量をするというようなケースにつきましては、私としてでき得る限り誠意を持って対応したいということをきょうは申し上げておきたいと思います。  環境の問題は政務次官からでよろしゅうございましょうか。

上原康助民主党

○上原委員 はい、簡潔に。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 お答えします。  きょう、これがなければ、夕方、沖縄の方から地主会の皆さんが来て現地の切実な状況をお伺いするということでございました。  返還特措法の見直しも、議員立法で出たという経緯もございまして、国会等での議論を踏まえてしっかり対応していく必要があると考えておりますし、当庁としましては、やはり返還された土地の所有者が早期に跡地が利用できる状態にしてやるということが極めて重要だと思っておりまして、沖縄政策協議会の基地跡地の利・転用プロジェクトチームの一員として、我々、適切にこれは対応していかにゃいかぬというように考えております。

上原康助民主党

○上原委員 もし時間があれば、外務政務次官も環境問題、お詳しいと思うんで。  そこで、時間がありませんので、そういう法的制度面の整備、今二、三例挙げましたね。あるいは未解決の戦後処理の問題もまだ残っている。怨念の土地だというのがあるんですよ。そういう延長線上にあるから、県民は反基地感情というものをいつまでも引っ張る。やるべきことは、もっと、しゃくし定規に物を考えずに、戦中戦後、踏みつけられてきた県民の気持ちに報いると言ったら変ですが、こたえていただきたい、このことを要望しておきます。  そこで、結論として、私が今御指摘をしたことが単なる懸念であり老婆心であればそれにこしたことはないわけですが、来年のサミットなどいろいろ考えてみた場合には、きょうここで申し上げたようなこと等について十分勘案の上、沖縄県が提示するであろう案が具体化していけるものなのかどうか、これは検討しないといけないと思うんですね、日米間でもあるいは政府部内でも、あるいはアメリカ側とも独自に検討するかもしらない。そういう意味で、検討のためのクーリングオフ・ピリオド、冷却期間を設けてはどうかと思うんですね。  何も棚上げしなさいと言っているわけじゃないんです。これはそのまま対立感情が深化していくと、すなわち、来年のサミットの成功ということにみんな関心を持っているわけなんだが、このことに重大な支障を来さないとも限らないと思うんですね。そういう面で、日米両国間での検討期間を設けてはどうかということ、これが一つ。  その間に、私はこれをもう随分指摘してまいりましたが、在沖じゃないですよ、在日米軍基地の態様、実態、あり方全般についても検討を加えて、普天間基地移設の結論を出すに当たっては、SACO2について同時並行的に政府の方針を明らかにするぐらいの積極的な姿勢というものが求められているのじゃないのか。こういうことを、政府が改めて総理を頂点というか先頭というか、外務大臣、防衛庁、沖縄開発庁、官房長官が中心になってやれば、私はそれなりの理解ということも得られるのじゃないかと思っているんですが、結びとしてこの二点を私の考えとして提言をしておきたいんですが、いかがでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 上原先生の御提言は傾聴に値する御意見ではあろうと思います。しかし一方で、これも先生よく御存じのとおり、普天間基地周辺の方々の不安あるいはいろいろな御意見等を伺いますと、今さらおまえ何だとおっしゃるかもわかりませんけれども、一日も早い問題の解決という声もあることも事実でございます。  そうしたことを、いろいろさまざまな御意見を私どもは耳にいたしますけれども、県民の意向というものをまとめられる、これは知事でございましょうか、知事のおつくりになる何か機関でございましょうか、よくわかりませんが、いわば県民の意向を代表される知事のお考えというものが、我々が我々の考え方の最終的な判断をする一番重要なものと考えるべきだというふうに思っているわけでございます。  少なくとも、今日の沖縄の状況、基地の態様というものは、今先生は、ただ単に沖縄だけではなくて日本全国の基地の態様についても検討しろ、こういう御指摘でございますが、私どもも、恐らく防衛庁も、防衛施設庁を初めとして、全国的な基地の態様についてはずっと点検をし、あるいは議論をし続けていると思いますが、今日の状況をできるだけ早くまとめることはどういうことが一番大事かということも真剣に考えていきたいと思っております。  きょうの御意見は十分傾聴をさせていただきました。どうもありがとうございます。

上原康助民主党

○上原委員 もう終わりますが、けさのある新聞にも、「普天間移転 岩国基地も検討対象」という、米議会調査局の報告書もあるという。私はやはり、沖縄だけにしわ寄せしている、沖縄の負担を軽減すると言いながら沖縄でしか基地の移設はしないというところに問題があるわけですから、だから、正直申し上げて、私が言っていることはそう的外れでないと思っているんですよ。そのことを皆さんが御念頭に置いて検討するなり努力していただかないと、これは結果として、普天間返還は、今大臣おっしゃるように、危険な状況というのは一日も早く解消したいというのはみんなの願いなんですよ。そのことをあえて申し上げておきたいと思います。  そこで、防衛庁長官、今の私の二点について、何かコメントがあれば聞いて終わりたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 上原先生は、やはり非常に沖縄に対する愛着が強いのは当然といたしましても、多年にわたって御苦労の積み重ねでございますから、私は、私どもの頭で描く以上の思い込み、絵があると思うんです。  私は、与えられた職責から申し上げまして、今最重要課題と言われるこの課題に対しまして、実りある結論が出るように、SACO最終報告に向けて着実に努力していくことが、今たびたび先生が御指摘になった沖縄の県民の方々の心に対して報いることになるのかな、そういう気持ちで努力をしてまいるわけでございますので、いろいろこれからの課題につきましては、また御指導賜りたい。この席をかりまして、お願いを申し上げる次第であります。ありがとうございました。

上原康助民主党

○上原委員 終わります。

二見伸明自由党

○二見委員長 次に、佐藤茂樹君。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 公明党・改革クラブの佐藤茂樹でございます。  私も、少々当委員会に所属させていただいておりますけれども、こちらの与党側席から質問させていただくというのは初めてでございまして、今までどちらかというと政府のほころびを追及していたそういう質問から、なるべくきょうは建設的な質問を心がけてさせていただきたいと思いますので、ぜひ、そんな細かいことは聞かないように努力をいたしますので、大臣、長官の方で御答弁をお願いしたいと思います。  それで、質問通告をあらかじめ四点させていただいておりまして、一つは、PKF凍結解除とPKOの参加五原則、そして東ティモールの問題、二点目が、国際人道援助活動の支援についてこれからどうしていくのかということ、三点目に、防衛庁燃料談合事件について、四点目に、今国連の方でも少し話題になっておりますが、ABM制限条約並びにその遵守決議とTMDの問題について、時間があればお聞きしたいと思っております。  まず一点目に、PKF凍結解除等についてなんですけれども、国連安保理が十月の二十五日に、もう御存じのとおり、東ティモールを支援するために国連東ティモール暫定行政機構を設置するということを採択いたしたわけでございますが、そこから今オーストラリア軍を中心にした多国籍軍にかわって、年内にも、平和維持軍、PKFが中心となったPKO活動が開始されるのではないのか、そういうことから、にわかにPKOの問題が日本の中でも関心が高まってきているわけなんです。  私は、特に今回のPKO論議については、PKF凍結解除の問題といわゆる東ティモールPKOの問題とを一つ一つ、東ティモールPKOに日本が参加するのかという参加の是非という問題とこのPKF凍結解除という問題とを一つ一つきちっと、できれば立て分けながら順々に議論していくことが私は大事ではないか、そういうように思うわけです。  少々時間をいただいて、既にもうわかり切ったことも含めて、何点か外務大臣と防衛庁長官にお尋ねをしたいわけでございますが、もう御存じのとおり、自自公三党の十月四日の連立政権合意書の中に、「安全保障」の柱の一つとして、三つ目だったと思うのですけれども、「国際協力」、そういう項目がございまして、「わが国憲法の基本的考え方に則り、積極的に推進する。」そう大前提があった上で、「PKOのうちPKF本体業務の凍結を解除するための法的措置を早急に講ずる。」そういうように明記されたわけです。  PKOについても、九二年の法が成立するころにはいろいろな論議があったわけでございますが、今では、各種マスコミの世論調査を見ましても、日本のPKO協力に対する内外の理解も深まりまして、大体どの調査を見ても国民の七割以上が、PKOについては、参加については賛成するというところにまで至っておりますし、特に、近々の総理府の定期的にやっている外交に関する世論調査を見ましても、これまで程度の参加を続けるべきだというのと、これまで以上に積極的に参加すべきだというのが、これは去年の十一月十九日から二十九日にかけて調査した数字によりますと、両方合わせて七九・一%、こういう数字も出ている。それに対しまして、PKOに参加すべきではないというのがたったの二・八%。そういう数字を見ましても、やはり国民の世論の中にも、九二年当時から比べると非常に定着してきた、そういうことが言えるのではないか、そのように思うわけでございます。  また、ASEANを初め、日本の周りの諸外国も、日本のPKO参加については反対はしていない、そういうことからいたしますと、やはりそろそろ、当時、最初の段階で歯どめをかけておりましたPKF凍結についても、解除の議論をそろそろしてもいいのではないかな、そういう感じがいたしているわけでございます。  我が党も、よりグローバルスタンダードに近い任務に従事する必要性を求める機運がやはり国内の中にきちっと高まってきている、そういう認識も持っておりますし、また日本が国際社会でその地位にふさわしい責任と義務を果たしていくためにも必要である、そういう点から、この三党連立合意書にあらわれているように、賛意を示しているわけでございます。  九二年の法制定から七年間、日本のPKO活動も、カンボジア、アンゴラ、そしてモザンビーク、エルサルバドル等、また今も続いておりますゴラン高原、延べ二千人以上のそういう派遣をされてきた実績も踏まえながら、ぜひ最初に外務大臣に、日本が経てきた七年のそういう経験を踏まえて、そろそろやはりPKF凍結解除の時期と判断をされるのかどうかも含めて、PKF凍結解除についての見解を伺いたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 佐藤議員御指摘のとおり、PKO活動も大分その歴史を重ねてきたと思います。極めて注意深く、そして参加される方々がきちんとした態度で仕事をされるということから、現地の方々の評判も大変いいというふうに伺っておりますし、今御指摘のように、国内の支持も大変高くなりました。そして、繰り返し大勢の方々の参加によって、その経験談その他がもたらされておりまして、PKFの当初凍結をいたしておりました六項目でございますが、この六項目の凍結を解除する時期が来たのではないかというふうに言われているわけでございます。  ちなみに、六項目はもう御承知のとおりでございますが、停戦、武装解除などの監視、駐留、巡回、武器の搬入、搬出の検査確認、放棄された武器の収集、保管、処分、あるいは停戦線などの設定の援助、捕虜の交換の援助、こういうものでございますから、当初は、初めて参加するときには、これらはしばらく凍結しておいた方がいいのではないかという御判断で凍結をされたわけで、私はそれも極めて賢明な判断であったというふうに思いますが、こうして経験を積んでまいりますと、これらの作業に取り組んでももういいのではないか。  しかし、それにはもちろん幾つかの条件がつくわけでございますけれども、十分な前提条件をつければ、こうしたものを取り除くことによって、今議員お話しのように、グローバルスタンダードといいますか、そうした他のPKO活動をする人たちと非常に近い資格、条件で参加をするということが適当ではないか、こういう御意見が大変多くて、与党三党の中でPKFの凍結解除についての合意が調ったというふうに私ども承知をいたしておりまして、この問題については、さらに国会で各党の御意見もよく聞きながら、また国民世論の動向にも注意深く配慮をしながら、最終的な判断を国会で下していただくということになるのではないかというふうに思っております。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 お答えさせていただきます。  湾岸戦争以来ちょっとタッチしておったものですから、その経験を踏まえて、ちょっと答弁させていただきますが、現在のPKO法をつくったときにいろいろな議論がございまして、PKFも含めて国連平和維持活動ということで、憲法上問題ないということで、五原則もちゃんと定義の中に書き込んで法律ができておるわけでございますから、これは憲法的にはクリアされており、いずれかのできるだけ早い時期に凍結を解除するということは当然のことで、したがって三党合意でも、必要な法的措置を講ずる、こういうことになったんだと思います。  ただ、現在議論されておりますのは、PKFを解除してティモールに派遣したらどうかというのにすぐ結びつくような形で議論がされておりますので、では、現在の東ティモールの状況というのは果たしてどうなのかとか、それで政府の方は今、西ティモール、インドネシアのスラバヤとクパンの間の物資輸送ということを、これなら人道的な形で、いわゆる五原則にも抵触しないということでやっておるわけでございます。そういうことで、現在これを締結解除するという意味が、何か、即自衛隊を東ティモールにということに結びつくような議論になっておりますので、その場合には、やはりいろいろその諸条件の問題等についても国会の場等で十分議論した上で、はっきりした法的措置を腹構えを持って考えていただく必要があるんじゃないか、こんなように考えております。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 今総括政務次官が、私がこれから聞きたいことまで端的に答えられたわけですが、ちょっと順々に整理して聞かせていただきたいと思います。  先ほど前提条件が整えばというお話がありましたが、PKF凍結解除の一つの問題として、果たして憲法上クリアしているのかどうかという、そこの問題がありまして、一部のマスコミとか、また勢力の中には、あの九二年当時にPKFが凍結されたのは、PKFは憲法が禁じる武力行使と一体化するおそれが否定し切れないためだ、そういう論調を言われているところもあるわけですが、私はこれは誤りだと思っているんですね。それは、PKF参加も含めて、日本のPKO協力法は、参加五原則を明確に規定していることによりまして憲法問題は明確にクリアできている、私はそういう認識を持っております。ただ、あの九二年当時は、初めての試みでもあって国論が二分されておった。それで、時代状況から見て、やはり内外の理解をしばらく待つ方がいいだろうという理由でPKFは凍結が決まったんだと私は認識しております。いわばPKF凍結は国内外の理解を待つための措置であった、私はそのように認識をしておるわけです。  冒頭申し上げましたように、あえて確認をさせていただきますが、今日、たとえPKF凍結解除がされたからといって、PKO五原則がきちっと維持されていれば、憲法上、また法律上の問題が起こることはない、そういうように私は考えているのですが、防衛庁長官の見解を伺いたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 委員のおっしゃるとおりでございまして、いわゆる五原則は、我が国が国連平和維持隊に参加するに当たって、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることのないことを担保する意味で策定された、国際平和協力法の重要な骨格でございます。これは従来から説明もいたしておるところでありますが、委員御指摘のとおりでありまして、仮にPKF本体業務の凍結が解除されたといたしましても、かかる五原則に沿って立案された国際平和協力法に基づき自衛隊がこれを行うことは、御主張のように、憲法で禁じられた武力の行使と一体化する活動となるものではないということでございます。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 そこで、PKF凍結解除については今のPKOの五原則が維持される限り問題ないんだということなんですが、ただ、ちまたには、やはり凍結解除とともにPKO五原則を見直していくべきではないのか、そういう議論がいろいろなところで出ているわけですね。そのことについて、きょうは代表的なもの一点だけお伺いしたい。  いろいろな政治家も言われているのですが、きょうお伺いしたいのは、そのうちの一つとして、武器使用基準について、これは十月の二十一日に、自衛隊制服組のトップの一人である磯島恒夫陸上幕僚長が定例記者会見で、与党三党がPKF本体業務参加凍結を解除することで合意していることに関連して、次のように言われているのですね。解除された場合はある程度隊員がほかの国と一緒に活動できるような態勢をつくっていただければありがたいとか、または、現行の武器使用基準について、一緒に活動しているほかの国のPKO要員を助けるために武器を使用できない、PKFという任務になるとそういうリスクが高くなってくると指摘して、参加五原則の中の武器使用の基準を緩和するよう求めた、そういうように報道されているのです。  つまり、現行法では、自衛隊が派遣されていたとしても、例えば他国のPKO要員とか民間人が近くで襲われたという場合にも、それを助けるために武器を使用することはできないということになっておりまして、そういうことであると、そのために、たとえPKFの凍結解除をしたとしても、今度は自衛隊の任務の遂行に支障を来す、そういう考え方だと私は思っておりまして、これは、現場の隊員を預かる制服組のトップの方の、実態をきちっと尊重した、実態を想定した、貴重な、考慮すべき考えだとは私は思っているのです。はなから否定する人もいるかもわかりませんが、ただ、これはやはり今後の議論の材料としてきちっと扱っていかなければいけないだろう。  もっと言うと、ちょっと脱線するかもわかりませんが、これはガイドラインの審議のときからもそうだったのですが、今まで憲法解釈の上にずっと積み重ねてきた議論で、一つの大きなポイントになってきた論点として、武器の使用をどう考えるのかという、ここの問題がありました。  一つは、自衛隊の武器の使用のあり方ですね。これが、要するに今の自衛隊法で規定されているのは、防衛出動を除いて大体すべて警察官職務執行法第七条の武器の使用に準拠して使ってもいいとか、そういうトーンの使い方に限定されておるという、この問題をどうするのかという論点が一つ。もう一つは、そういうことも含めて、海外で武力を行使してはならないという、自国防衛のための武器の使用の国内独特の論理を、国連が決めた集団安全保障の段階で、同じような論理で武器の使用を限定するということについてどうなのかという、大きく二点の論点があると思うのです。  これはただ、これから本当に冷静な頭で、時間をかけてやっていかないといけない、そのように思うわけです。というのは、その武器の使用の基準の緩和を認めるか否かというのは、基本的には、やはり今まで積み上げてきた武力行使を禁じた憲法九条との整合性をきちっととらなければいけないだろう、そのように私は認識しておりまして、ただPKF解除問題と一緒に、それなら武器の使用の基準も五原則の一つを改めましょうと簡単に、自動的に論じられる問題ではなくて、やはりそこの一つを大きく変えるためには憲法解釈まで含めてきちっと議論をしていなければいけない、そういう問題ではないかな、そのように私は認識しておるわけでございます。  そういう意味からいうと、現状では、現行の憲法解釈をきちっと守っていくということであれば、仮にPKF凍結解除がなされたとしてもPKOの参加五原則というのは変更はできないのではないのかな、そのように思うわけでございますが、先ほどの磯島陸上幕僚長の発言と、そういう武器使用基準も含めたPKO参加五原則に対する防衛庁長官の所見を承りたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 佐藤委員から、五原則並びにPKF本体業務の凍結解除についての御質問でございますが、これは私も明確に申し上げた方がよろしいと思いますので、先ほど申し上げたことと若干ダブりますが、申し上げさせていただきたいと思います。  我が国は国際社会に応分の貢献を行うということはもう当然のことであります。我が国の国力からいたしまして、またそれぞれにいろいろな困難に遭遇して困った国、地域があるわけでございますから、応分の貢献をなすべきは私は当然であると考えますし、またPKF本体業務の凍結解除を含む国連の平和活動への一層の協力について、これは国会はもとより、国民各位の御理解というものをいただかなければなりません。積極的にこれらについては取り組んでまいりたいと考えております。  武器使用基準を含むいわゆる五原則については、我が国が国連平和維持に参加するに当たりまして、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格でありますので、仮に凍結が解除されるとしても、五原則を変更することは政府としては考えてはおりません。他方、この問題について種々御議論があるところでございますが、今後各党各会派において十分論議をしていただきたいと考えております。  また、陸上幕僚長の発言についてもお述べになっておられますが、このようなPKF本体業務の凍結解除に関連して種々議論があるところでありまして、今後各党各会派において十分御議論いただきたいとの政府としての考え方の趣旨に言及しつつ、これらの議論の結果何らかの方向が示されればそれに従って適切に対応してまいりたいとの趣旨でこの幕僚長が述べたわけでございまして、いわゆるPKF本体業務の凍結解除に関連しまして、私どもも政治の場でいろいろ議論をして、状況を整理しておくことが必要かと思うわけでございます。  多少付言をさせていただきましたが、お答えとさせていただきます。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 以上三つほどやりとりさせていただいて、今の政府としての原理原則は明らかになったかと思うのですけれども、その上で今回の事態の、東ティモールPKOへの日本の参加問題、今のような原理原則をきちっと、曲げないということであれば、現行の日本のPKO法の枠を超えた問題である、私は今回のこの東ティモールPKOというのはそういうように思うわけです。  それは私の感ずる範囲でも大きく二点あると思っていまして、一つは、自衛隊を部隊として、日本のPKO協力法に基づき参加することができない理由が一つ大きくあると思うのは、決議が採択されたときの採択の内容なのですけれども、一つは、決議が強制力を持つために国連憲章第七章を適用するということと、もう一つは、任務遂行のためにあらゆる必要な手段をとることを認めるということが、要旨としてですけれどもうたわれているわけでして、つまり、東ティモールPKOというのは、国連憲章第七章に基づく任務遂行のための武力行使の権限を認めた、そこまで認めている、俗な言い方をすると武力行使型PKOである、この一点で、まずやはりPKO法以前の問題として、海外での武力の行使を禁止している現行の憲法に違反するということがまず一点、参加するということになると問題になるということが一つですね。  もう一つは、今の東ティモールの現状ですね。これが急速に平穏になるならまた別かもわかりませんけれども、しかしいまだに現地でオーストラリアを中心とした多国籍軍と併合派民兵との銃撃戦がまだまだ発生しておる。そうなると、結局、PKO参加五原則のうちの、紛争当事者間の停戦合意が今の段階では成立しているとはもう全く言えない、そういう状況なのですね。そういう二点からすると、結局参加五原則の一つに反する、そういうことになります。  以上、要するに武力行使型のPKOであるということと停戦合意が成立していないということからすると、先ほど述べたような原理原則からいうと、今の段階では東ティモールPKOに自衛隊を部隊として参加させることは非常に難しい。  また、逆のいろいろな論理として、東ティモールPKOに参加させるため例外を認めてもいいのではないのかという、そういう意見もあるのは拝聴しておりますけれども、やはり先ほどの憲法解釈の変更、それに関係するのですが、PKO参加五原則のそういう変更が伴ってくる問題であるだけにやはり十分な国民的議論を経た上で、変えるのなら変えるべきで、東ティモールの事態に合わせて法整備を急遽間に合わせるというようなことはすべきでないと私は思っておるのです。  東ティモールPKOに対しての自衛隊の派遣の可能性について、防衛庁長官に見解を伺いたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 佐藤委員から大変詳しく御質問いただきまして、ありがとうございます。  いわゆる東ティモール暫定行政機構、UNTAETに自衛隊が国際平和協力法に基づいて参加するか否かにつきましては、まだ国連から個別具体的な要請がございませんが、これらを踏まえて、さらに憲法や五原則との関係、現地の状況等を総合的かつ慎重に検討してこれは判断すべきものでございます。現時点におきましては確たることは申し上げることは困難でございますが、かような状況であることを踏まえまして、国際平和協力業務の実施等が憲法の禁ずる「武力による威嚇又は武力の行使」に当たるものであってはならないことは当然でございますし、我が国といたしましてUNTAETに参加するためには、憲法上問題がないことが確保されなければならぬわけでございます。  以上、申し上げましたことは言うまでもないことでございますが、今東ティモール問題につきまして強い関心が集まり、また質問でもございましたので、以上お答えさせていただきました。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 ただ、日本が東ティモールに対して何も支援できないのかというと、そうではなくて、既に政府としても、先ほど総括政務次官がお答えになられましたけれども、報道によると、十一月二十二日から約三カ月ぐらいにわたってスラバヤとクパン間の自衛隊による物資の輸送を行うという方向で進めておられる、そういうことも伺っておりますし、こうした今の法律、憲法内でできる非軍事的な日本の努力をまずは日本の内外にきちっと示していくことが大事であろうかと思うのです。  そこで外務大臣にお伺いしたいのですけれども、東ティモールの暫定行政機構の設置が決まったときに、外務大臣は、人的支援を含めて、日本がやり得る分野に積極的に貢献したい、そういうふうに記者会見でも即座に発表されたわけです。それから月日がたっておりますけれども、今回の行政機構というのは、ある意味でいうと、歴史上最も権限を持ったPKOになるのではないのかというように言われておるのですね。それは、国連が行政、立法、司法の三権を一手に握って、ゼロからの国づくりをやっていかなければいけない、そういう任務を担っているわけでございまして、そういう意味からいうと、かなりの分野で、日本人または日本人が持っているノウハウというものを生かした人的貢献、支援ができるのではないのかな、そういう余地はあるであろう、そういうふうに思うわけです。  そこで外務大臣にお尋ねをしたいのですが、要請があればという大前提のもとだとは思うのですが、一つは、文民警察官の派遣の可能性についてどのように考えておられるのかということが一点。  あと、暫定行政機構に、具体的にはJICAの技術参与であった高橋昭氏が、カンボジアとか旧ユーゴにつかれた明石氏に次いで二人目の日本人としてPKOの幹部ポストにつかれるわけですけれども、そういうことについて外務大臣の感想を伺いたいというのが二点目。  三点目に、それ以外の暫定行政機構の部門に日本が人材をこれから派遣していく可能性があるのかどうかということが三点目。  それと、昨日来日されたアナン事務総長と、外務大臣、きょうの夜会談をされる予定だというように聞いているんですが、暫定行政機構並びに東ティモールに関してどういう話をされる予定なのか。大体四点ぐらい、まとめてお尋ねをしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 大変たくさんの質問をいただきましたが、答弁が落ちましたら、また御指摘ください。  順不同で参りたいと思いますが、私はこれから、今晩、アナン国連事務総長とお目にかかることにいたしております。アナン事務総長は、国連でこの東ティモール問題を非常に重要視をされまして、この問題に深くかかわってこられました。私は、アナン事務総長のこうした東ティモールに対する態度を評価したいというふうに思っておりますし、それから、事務総長のイニシアチブもあってできましたUNTAETが東ティモール、新生東ティモールといいますか、全く新しい国ができると言ってもいいんだろうと思いますが、そういう新生東ティモールをつくり上げる土台をつくられるわけで、こうした御努力に敬意を表したいと思っております。  さてそこで、そのUNTAETに、今御指摘のようにJICAの高橋さんをまず日本から推薦いたしまして、国連はこの我々の推薦を受けて、高橋さんを言ってみればナンバーツーのポジションでUNTAETに入れるということをお決めになったわけです。高橋さんは、恐らく人道問題、それから復興問題、こうした分野で働かれるということになると思います。このUNTAETがどのくらい大きな規模の行政組織になるかというのはまだちょっとわからないようでございますので、それはおくとして、我々は、このUNTAETで働く日本の人がもっとふえるということもきっとあるかもしれないと思っております。  もう一点申し上げたいと思いますことは、東ティモールの事情、状況は毎日非常に流動的だということを申し上げるべきだと思います。  東ティモールに展開をいたしましたオーストラリアを中心とした軍が非常に活発に動いていて、とにかく鎮静化の方向に今向かっているというふうに聞いております。ただ、まだ東ティモールの人々の中で数十万の人が西ティモールへ避難しておられる、あるいはかなりの数の人が山の中に入っておられて、町へまだ出てこられない状況だとか、そうした情報が次々と入ってきておりますが、しかし、願わくば相当早い時期に平和、平穏な状況を取り戻してほしいと思っているわけです。そういう平穏な状況を取り戻せば、我々は東ティモールにもっと踏み込んだ支援ができるのではないかというふうに思うわけでございます。  先ほどからお話がありましたように、PKO五原則を考えますと、停戦の合意というのは一体だれとだれが停戦の合意をするのかというのがなかなか難しくて、そういうことの確認ができるだろうかという気もしないではございませんけれども、もしUNTAETの臨時行政組織がしっかりして、そしてそのUNTAETの行政組織のもとにきちんとした秩序というものが維持されるということになれば、我々は、頭からこれはいけないとかこれはだめだとかと言う必要はなくなる。これは、これからの状況、その状況を我々が調査して、そして何ができるかということを考える、そういう場面に今我々は立っているというふうに思うわけでございます。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 最後に、時間も間もなく切れますので、外務大臣、また質問できる機会はもうしばらくないかもわかりませんので、あえて最後にお尋ねをしたいんです。  一つは、最後に聞きたいのは、NGOに対する支援についての見解を伺いたいんです。  というのは、対外援助、人道援助を通じて国力にふさわしい国際貢献をしていくというのは、やはり我々平和国家日本の最重要の使命の一つではないのかな、そのように私どもは考えております。  ちょうどことし、ノーベル平和賞を国境なき医師団が受賞されることになったんですね。心から祝福したいんですが、実はことしの七月に、私どもの浜四津代表代行なんかとともに、新宿にあります日本の事務局に行って、今も変わらないんですが、寺田会長とかドミニク・レギュイエ事務局長なんかにお会いしていろいろとお話を聞かせていただきました。実は、その国境なき医師団だけではなくて、そういう人道援助をされているNGOの皆さん、ほかの団体も幾つか回らせていただいたんですけれども、そのときに、本当に勉強になったわけです。  時間もないので簡潔にお尋ねしますけれども、やはり、そういう紛争が起きたときの難民に対する手当てであるとか、さらには予期せぬ災害が起きたときの被災者に対してのそういう人道的な援助なんかについては、やはり国連とか各国政府でまだまだ十分な手が回らない。そこを補っているのがNGOの極めて大事な、積極的な活躍の部分で補っている、そういうように私は認識しているんです。  日本のNGOも現在四百団体近くになったそうなんですけれども、今後、やはり日本の顔の見える国際貢献ということを考えていったときに、ここをきちっと支えていく、そういうことが非常に大事になってくるのではないのかな。  そこで、問題の一つとして、欧米に比べて極めて財政基盤が薄く、組織力が弱い、そういう課題があるかと思います。特に財政基盤については、やはり欧米は寄附文化というのが結構きちっと定着しておるんですけれども、日本はなかなかそういう寄附金を集められない状況であるというお話も伺いました。さらには、政府の補助金も九〇年に入って九七年まで、ぎゅっとふえ続けたんですが、財政構造改革のこともあって、それをピークに落ちてきている。  そういう現状を踏まえて、やはり世界で互角にNGOが活躍できるような環境を整えていくためには、社会の幅広い支持も大切ですけれども、なかんずく日本の政府としてそういう財政面、組織面、人材面のあらゆる角度から支援の強化が必要になってくると思うんですけれども、最後に、外務大臣のこのNGOの支援についての認識、さらには具体的な支援策について考えておられることがありましたら、見解を伺っておきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 NGOに対する評価は、私も議員と意見を同じくいたします。  このNGOの方々が持っている機動力といいますか、さらに草の根を分けてさまざまな仕事をしてくださる、こうしたことは、なかなか世帯の大きい応援団ではできない部分を非常にうまくやってくださるということがございます。私は、このNGOの運動というものを相当評価して、バックアップする必要があるというふうに思っております。  しかし、このNGOの方々の悩みは、やはり財政問題が一つ、それから、とにかく何かあればばあっと飛んでいかれるので、我々からすると、まだ正直危険度が高いうちに現地へ入られるということがあって、そうした方々の安全をどういうふうに担保するかという問題があると思うんです。その安全に対する担保は、ちょっときょうはおくとして、財政的な支援を我々はやはり相当真剣にやらなければならぬと思います。  もう御承知だと思いますけれども、予算の中には、NGO事業の補助金、草の根無償資金の協力、それから我が国NGOの緊急人道支援事業に対する支援措置などなどがございまして、みんなそれぞれ一件当たり上限が千五百万とか一千万とかというものでございますけれども、伺いますと、NGOの方々でも、やはり一千万とか千五百万のイニシアルマネーといいますか、そういうものがあれば相当機動的に動けるというふうにも伺っておりまして、この予算は大事にしていきたいというふうに思っておるところでございます。

佐藤茂樹公明党・改革クラブ

○佐藤(茂)委員 以上で質問を終わります。

二見伸明自由党

○二見委員長 次に、達増拓也君。

達増拓也自由党

○達増委員 自由党の達増拓也でございます。  去る十月二十五、二十六の両日、金大中韓国大統領が会長を務め、アジア太平洋地域の各国の指導者がつくっている、アジア太平洋民主指導者フォーラム、FDL—APと略されておりますが、このFDL—APの第三回総会がソウルで開催されました。  これはアジア太平洋地域の民主化を推進していこうという組織でありまして、かかる地域における民主化推進の動き、これをどのように評価するか、まず外務大臣に伺いたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 アジア太平洋地域におきます民主化は、もっともっと進んでいかなければならないというふうに思います。そのために我々が果たせる役割があるというふうに私は思っておりまして、その道は必ずしも平たんではございませんけれども、当該地域の方々の努力、そしてそれを支えようとする周辺の人たちの熱意によって、民主化が少しずつ進んでいってほしいと念願をいたしております。

達増拓也自由党

○達増委員 アジア太平洋民主指導者フォーラム、これがこの夏に若手リーダーワークショップというのを開催いたしまして、私は日本の自由党を代表してそれに参加してまいりました。  これは、ドイツの自由党が世界の民主化を推進するためにナウマン財団という国際的なNGOをつくっておりまして、そのドイツ自由党がつくっているナウマン財団の方から、この財団がそのワークショップを共催しておりました関係で、日本の自由党にその話が来たわけであります。  我々自由党は、自由主義インターナショナルという世界各国の自由党がつくっております国際組織にことし加盟いたしました。東祥三当時自由党国際委員長の指導のもとに、世界各国また世界全体において民主化の進展と自由主義の発展を目指す、そういう政党のグループに参加いたしまして、協力してやっていこうということでありまして、私がそのアジア太平洋民主指導者フォーラムの若手リーダーワークショップに参加したのもそういう自由党の活動の一環でございました。  十月二十五、二十六日の第三回総会におきまして、同フォーラムは東ティモールに関する決議を採択いたしました。その内容は、東ティモールに新しくできる国家の創設、これを国際社会全体として支援しようということを国際社会に対して呼びかけるものであります。  この東ティモールの問題、この夏から秋にかけまして、アジア太平洋地域はもとより世界全体の注目を集めまして、それは喜びであり、驚きであり、また悲しみや怒り、そういった世界の注目を集めてきた問題なわけであります。  きょう、アナン国連事務総長が来日していらっしゃって、この国会周辺も、日本の旗と国連の旗が交差されて、非常に歓迎ムードが高まっているんですけれども、国連東ティモール・ミッションというものを設立いたしまして、東ティモールの人々が自分たちの手で、独立するのか、それともインドネシアに残るのか、そして自治をするのかを投票で選ぶ、非常に、この上ない民主的な形で自分たちの運命を決定する、それを国連としてきちんと応援して、支援していこうということでやったわけであります。  我が国もこの国連東ティモール・ミッションには三名の文民警察官、外務省からも一名国連政務官が参加いたしまして、一千万ドルの拠出金、ラジオ二千台等々の協力をして選挙になったわけであります。  九八・六%の投票率、もうほとんど全員が投票し、七八・五%対二一・五%の大差で独立ということが決まったわけでありますが、悲劇はその後に起こったわけであります。  その独立に反対し、併合派と呼ばれているわけでありますけれども、併合派民兵が軍事的な武力闘争を開始いたしまして、非常に混乱。その後、国連の決議に基づいて、九月十五日の安保理決議でありますけれども、オーストラリアが主導いたします多国籍軍が東ティモールに展開。そういう経緯になったわけであります。  東ティモール、その住民、それは国民になっていくわけでありますけれども、民主的な選択を実現するために多国籍軍が東ティモールに展開されたわけでありますけれども、外務大臣に質問いたします。その東ティモールに展開された多国籍軍を日本政府は支持してきたのでありましょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 国連の決議に基づいて東ティモールで働かれた多国籍軍については、日本として、これを支持して、応分の拠出金を出したところでございます。

達増拓也自由党

○達増委員 日本政府として支持するのは全く当然のことだと思います。一億ドルをめどに多国籍軍に拠出金を提供する、そこまでコミットしているわけであります。  しかし、この多国籍軍、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、マレーシア、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、イギリス、アメリカといった国々が参加しているわけでありまして、これは、ASEANの各国あるいはASEAN拡大外相会議やAPEC等々、日本がアジア太平洋の地域の平和と繁栄のため、将来のためにともに協力し合っている、そういう国々がこぞって参加している多国籍軍なわけでありますけれども、日本がそこにいない。  かつて、多国籍軍といえば、湾岸戦争を思い出すわけでありますが、あのときも、日本が非常に利害も深くかかわっているし、決して人ごとではない地域で起こったことだったわけですけれども、いわゆる金だけ出して、人的貢献という言葉が当時使われましたけれども、自衛隊がそこには行かなかった。  今回の東ティモール多国籍軍も、お金だけ出して自衛隊は出ていかないという状態だと思うのでありますが、これは自衛隊を所管する防衛庁長官に伺いますが、なぜ自衛隊は東ティモール多国籍軍に参加しないんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 達増委員にお答えいたします。  一般論として申し上げますれば、憲法上多国籍軍にいかなる後方支援をなし得るかにつきまして、個々の具体的ケースにおいて、いわゆる武力の行使と一体化するかどうかという観点から判断されるべきものでございまして、実際に多国籍軍に対しましていかなる後方支援を行うかにつきましては、憲法解釈上の問題に加え、諸般の情勢を総合的に勘案した上で慎重に判断すべきものと考えておるところであります。  東ティモールの問題につきましては、アジアでございますし、多数の有力な国々が多国籍軍を構成しておるわけでございますが、結論から申し上げて、現行法上、我が国といたしましては、このような多国籍軍に参加することはできない、かように考えておるところであります。

達増拓也自由党

○達増委員 今の御答弁の中で一つちょっとわからなかったんですけれども、後方支援という言葉を使われて、武力行使と一体化した形であれば認められないけれども、そうなるかどうかは後方支援等その形を見ながら云々ということでありまして、武力行使と一体化しない後方支援であれば東ティモール多国籍軍への自衛隊の参加は可能ということなんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 再度の達増委員からの御質問でございますが、東ティモールの環境、状況等々いろいろ勘案して、西ティモールへ輸送のために自衛隊がこれから協力をしようという方向をもって今やっておるわけでありますが、東ティモールの現況からいたしますと、今申し上げたような状況でございますので、後方支援といいながら、難しい、困難である、こういうことを申し上げたところであります。

達増拓也自由党

○達増委員 先ほどの長官の答弁の最後の結論部分、現行法のもとでは東ティモール多国籍軍には参加できないという結論だったと思います。確かに今、自衛隊の国連のもとでの平和活動に参加する法的枠組みとしては、国際平和協力法とかPKO法とか呼ばれているものがあるわけですけれども、これは国連の統括の下に行われる活動としてありますから、国連の機関がその司令官となっていればいいんでしょうけれども、オーストラリアが司令官をやっているわけでありますから、現行法上の枠組みに乗っからないということは全くそのとおりであると思いまして、そうしますと、やはりそういう今の我が国の安全保障あるいは国際的な平和協力、特に国連のもとでの平和協力に関する法体系にどうも重大な欠陥があるのではないかという疑問がわくわけであります。  今回の東ティモールの事件といいますか、魔が差したんだと思います。選挙で投票をやってみて、それまでは、政治的に独立だ、それとも併合だとやっていたわけでありますけれども、開票してみたら、もう明らかに差がついて独立派が勝ってしまったわけですね。ところが、併合派の人たちが、選挙では負けたけれども、武器をとって戦えば、多数を相手にしても、形勢逆転、自分たちの願いをかなえることができるんじゃないかと、魔が差してそういう行動に走ってしまった。  やはり人間、そういう魔が差すということは個人についてもあるし、国家、民族についてもそういう魔が差すということはあって、そういう魔が差すことを抑止するために軍事力を用いて抑止するという考え方が安全保障上あるということなんだと思います。  念のために申し添えますと、私がこう言うことによって、魔が差して行った、あるいは行うであろう犯罪を肯定しているわけでもございませんし、それによって損なわれる人権、また被害者の皆さんを軽べつして言っているわけではないんですけれども、そういう人間性の陰の部分といいますか業といいますか、そういうことをいかに克服していくかという人類の長年の知恵の積み重ねの中で、今の国連の集団安全保障体制があるのかなと思うわけであります。  東ティモールの場合、魔が差したでは済まないところもありまして、九十万人の人口のうち五十万人が難民化、確認されたところでは百人くらいの死者、明らかに殺害された数、確認できるのはそのくらいだそうですが、計算によると八万人が行方不明という計算もありまして、魔が差したでは済まないところもございます。  しかしながら、多国籍軍、その後の展開の中で、まずは現地に新しい国づくりのための基本的な体制、そういう安定した状況をつくり出しつつあり、それを受けて十月二十五日、国連安保理決議が出て、東ティモール暫定行政機構、UNTAETの設立が決定したわけであります。  さて、これにつきまして、やはり防衛庁長官に伺います。  先ほど同趣旨の質問が佐藤委員からもありましたが、私からも改めて質問いたしますけれども、この国連東ティモール暫定行政機構に自衛隊は参加するのでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 達増委員にお答えいたしますが、国連の東ティモール暫定行政機構、UNTAETに自衛隊が国際平和協力法に基づいて参加するか否かについては、国連からの個別具体的な要請を踏まえて、憲法や五原則との関係、現地の状況等を総合的かつ慎重に検討して判断すべきものであるという意味で、先ほど、結論から申し上げて参加は困難です、こう申し上げたわけでございます。  同じように申し上げるわけでございますが、現時点におきまして確たることを申し上げることは困難でございますが、現地の状況等を総合的かつ慎重に検討して判断すべきものである。いわゆる国連からの個別具体的な要請を踏まえてまいらなきゃならぬ。多国籍軍と申し上げましても、それはなかなか法律の根拠というものが当方も乏しいわけでございますから、そこへ自衛隊を応援に出すということの判断はとりがたい問題であります。これを重ねて申し上げておるわけであります。

達増拓也自由党

○達増委員 ありがとうございました。  そこで、議論を東ティモール多国籍軍への参加の問題から東ティモール暫定行政機構への参加の問題に進めていきたいと思うのであります。  この暫定行政機構、日本の現行の国際平和協力法、PKO法のもとで二点論点がありまして、まず第一に、PKF本体業務の凍結解除問題との関連で、今のところ、それが凍結されたままなので、そのままでは当然そういうところに参加できないけれども、凍結を解除しさえすれば、PKF本体業務、停戦監視ですとか、そういったところにも参加できる道が開かれるわけであります。  もう一つのポイントとしては、先ほど佐藤委員も指摘した参加五原則の問題がございます。  この参加五原則、これは五原則の一から四は同じようなことを言っているわけでありまして、紛争当事者間で停戦が合意成立しているか、紛争当事者がその参加に同意しているか、また平和維持部隊が中立的な立場を厳守するのか、第四の原則は、途中からそういったことが変わらないかということであります。  今回のこの東ティモールについては、停戦合意なんか成立していないじゃないかという説もあるわけでありますけれども、よくよく事情を考えてみますと、停戦合意する主体というものが存在しないんですね。いわゆる併合派民兵というのが悪さをしているわけでありますけれども、特定の指導者のもとにきちんと組織化されているわけではないので、いわゆる国際法上の主体として停戦交渉とかできる状態に全然ないわけであります。  したがいまして、紛争当事者の同意云々ということにつきましても、もし、その一人一人の併合派民兵を紛争当事者とみなせば、だれか一人でも独立に反対して武器を振り回していれば、およそそういったところにPKO活動が展開できないというのはむちゃくちゃな話でありまして、今回の東ティモールについては、この二番目の原則というのも、これは満たされる満たされないというよりも、問題にならないという状況なのではないかと思います。  同様に、三番目の、中立的な立場で部隊が展開しなければならないということ。中立ということは、独立しようという人たちと独立をやめてインドネシアに戻ろうという人たちの間で中立を保つのかというと、これは全く意味がないわけでありまして、これも今回の東ティモールの場合には該当しないわけでありますね。  平和維持隊参加五原則、五番目の武器使用については、個々のケースとか、参加の形態、停戦監視で参加するのと医療、輸送のような後方支援に携わるのとでは全然違いますので、これは個々に見ていくことになると思うのですけれども、紛争全体の要件としての参加五原則の一から四番目というのは、このケースでは問題になっていないということだと思うのですけれども、この質問については、自衛隊を所管されている防衛庁長官というよりは、東ティモールの実情の方を所管しておられる外務大臣に伺いたいと思います。  今回の東ティモール問題では、参加五原則のうち一から四までというのは問題にならないという考え方でいいんでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 我々は今、東京で東ティモールのことをこうして話し合っているわけですけれども、東ティモールの現状がどういうことになっているかということについて余り情報がないわけですね。  確かに、我々が新聞その他で見ておりますと、言ってみればゲリラといいますか、ゲリラのもっと細かい単位のものが突如出てきて何か暴力的な犯行をするというふうに見える部分もきっとあるのだろうと思いますが、実は実態はそうではないかもしれない。多少ゲリラ的ではあるけれども組織されたものがあって、そしてどこかに中心がいて、相当緩いものであるかもしれないけれどもやはりゲリラの中心があって、一つの指示に従って、一つの目的に従って動いているということになっているかもしれないわけです。ですから、今我々がここで東ティモールの問題について、数少ない情報を頼りにこれがいいとか悪いとかという議論をするのは少し危ないと思うんです。  我々は、今議員がお考えになっておられるように、あそこに日本としてももっと出ていってやったらどうだというお気持ちがきっとおありなんだと思いますけれども、その場合には、やはり調査団を出して十分に現地の実情を調査するというところから始めなければならないのだろうと思うのです。そして、現地の状況を調査して、我が国が人的貢献をする場合には、一応秩序、仮に敵味方があったとしても、つまり、敵味方と言っていいかどうか、向こうとこっちというふうににらみ合いがあったとしても、とにかく安定したものになっていて、その中に割って入って、その安定した状況をよりさらに安定したものにしていくという作業に我々は取り組むべきであって、どこから弾が飛んでくるかわからない状況の中で、停戦の合意なんてできるような状況じゃないのだから行ってもいいのではないか、そんなことに余りこだわらなくていいのではないかというふうに考えるのは、結論を出すのは少し早過ぎるというふうに私は思うのです。ですから、東ティモールに出かけていこうと思うならば、事前に調査団を出して十分調査をして判断をするということがやはり大事なことだと私は思います。  ちょっと余計なことですが、立ちましたので、ついでに一言二言申し上げたいと思います。  東ティモールに相当な金額を我々は拠出をいたしました。そのことについて議員は、どうも日本はまた金だけ出すのではないかというふうに思われるのではないかということをおっしゃいましたけれども、昨日アナン事務総長が日本へ来られるに当たって、先乗りで国連の方が何人か日本へ来ておられるわけですが、そうした方々にお目にかかってみると、日本の拠出を本当に喜んでおられる。もしあの日本の拠出がなければ多国籍軍も展開できなかったろうと。つまり、多国籍軍というのは、さっき議員がおっしゃったように、大変たくさんの国から兵隊が出ているわけですけれども、その中には、自前で出てくる兵隊もいれば、とにかく身一つで出てきて、食べることも何することも全部こちらで賄わなければならない、つまり多国籍軍のリーダーが賄わなければならないという状況があるわけで、それはもう日本のような国の拠出がなければ全く多国籍軍の展開というものはできなかったろうと。したがって、もう本当にありがたいということを、私が聞いている限り、掛け値なしで大変感謝をしておられたということを申し上げたいと思うのです。  金だけ出して何だと思われやしないかということがありますけれども、いや、そういう場面もあるいはあるかもしれません。しかし、少なくとも資金がなければ作業ができないという状況の中で、我々だってあり余っているお金を出すわけではない。国民の皆さんの本当に勤勉な努力の成果を拠出するわけでございますから、それはもう本当に貴重な資金を拠出する、その資金が本当に意味のあるものでなければならないというふうに思いますだけに、私は、今度の拠出が国連に大変喜ばれているし役に立っているという報告を聞いたことがとてもうれしかったものですから、一言申し上げました。

達増拓也自由党

○達増委員 日本の拠出金がなければ多国籍軍はあり得なかった、全くそのとおりだと思います。オーストラリアが指揮する多国籍軍という言われ方もあるのですけれども、むしろ日本がスポンサーした多国籍軍というふうに言ってもいい多国籍軍だと思います。お金だけ出して云々というのは、お金を出すというのは本当にこれはすばらしい、偉いことでありまして、そのことは称賛されこそすれ、非難される筋合いでは全然ないと思います。  また、日本の自衛隊の能力やさまざまな過去の経験、ノウハウに基づいて、向き不向きがあるわけですから、人道支援ですとか、今実際西ティモールにどんどん派遣されている、そういうことをまずやるという政策判断は全く正しいことだと思います。実際、国民の半分が難民状態になっているわけですから、人道支援をまずきちんとやる、これは全くそのとおりです。  ただ、私が一つ心配するのは、多国籍軍に軍事的に参加したり、あるいはこれからできていく暫定行政機構の軍事部門に参加しないことが、現地事情をよく見て、周りの国々と調整した結果、政策判断として自衛隊がそこに参加しないというのは、これは一つの見識だと思うのですけれども、そもそも憲法があってできないから参加しないのだというふうにならないでほしいと思うわけであります。あたかも、日本が少しでもそういう共同作業に参加した途端に侵略者になって外国への侵略をスタートしてしまう恐ろしい国だというようなロジックでそういう軍事活動に参加しないということがないようにしてほしいと思うわけであります。  そのためには、やはり政策的に判断して必要となればいつでもできる法整備はしておかなければならない。これはもう立法の話でありますから、政府に対する質問を超えて、まさに今三党協議でやっている話でありますから、そっちの話ではあるのですけれども、やはり民主化、民主的な正義と秩序を維持、実現していく国際的な活動に積極的に協力していくというのは日本国憲法の間違いない趣旨なのであるはずでありまして、憲法九条の特殊限定的解釈に立ったゆがんだ法体制についてはどんどん改めて、きちんと国際社会でやっていけるような安全保障そして国連平和協力の法体系をとっていかねばならないということを最後に述べて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

二見伸明自由党

○二見委員長 次に、佐々木陸海君。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海です。  防衛庁調達本部の背任事件、並びに、今石油等で問題になっております調達物資入札談合事件について質問をいたします。  軍事費を削れという国民の強い声が一方にある。その声に背を向けて軍事費は今や五兆円にもなろうとしております。そして国民生活を圧迫しております。国民は、長引く不況や雇用不安に脅かされ、かつその中で、年金や医療、さらには介護などの負担増にも苦しんでいる、そういう状況があるわけであります。  そのもとで今般明らかになった背任、談合問題は、長年にわたる水増し請求や談合による価格つり上げ等によって巨額の国の側からの過払い、払い過ぎが行われたことを意味しており、もともと巨大な軍事費が企業の食い物にもされてきたという問題でありまして、これは国民に対する二重、三重の裏切りだということにもなる問題であります。事は、自衛隊への賛否の態度を超えて、防衛行政の根幹が問われる問題だというふうに考えております。  そこでまず、防衛庁調達本部をめぐる背任事件について防衛庁長官に質問をしたいと思います。  十月の十二日に東京地裁は、防衛庁調達実施本部長であった諸冨被告が行った職務行為が背任行為に当たるとして有罪の判決を下しました。判決は、防衛庁調達実施本部の諸冨本部長らが、東洋通信機、ニコー電子の水増し、過払いの返還をめぐって、会計法令や訓令等に反する違法な処理に反対する部下職員の意見を抑え込んで、組織的に決定し、指揮し、実行したということを明らかにいたしました。明らかになった過払いの返還額を、法に反して減額して、国に三十五億円余りの損害を与えたということを認定しているわけであります。  直接的には諸冨被告らの犯罪が問われておりますけれども、個人が地位を利用して私腹を肥やしたというような犯罪行為ではありません。事柄の性格は、国の機関である調達本部の調達業務そのものが国と国民に重大な損害を与えた背任行為であった、国の機関が国と国民に損害を与えたというのが判決が示すこの事件の本質であろうかと思います。長官はそういう認識を持っておられるかどうか、まず伺いたいと思います。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 佐々木議員にお答えいたします。  今委員から御指摘のとおり、調達実施本部をめぐる背任事件につきまして、諸冨元調本長ほか十三名に対し有罪判決が下され、これを厳粛に受けとめております。  背任事件に関しましては、防衛庁において、その背景として、装備品調達における透明性またチェック体制が十分に担保されていないなどの問題点があったことを指摘し、再びこのような事態が起こらないように、本年四月二日に「調達改革の具体的措置」を取りまとめたところであります。この措置に従いまして、企業側提出資料の信頼性確保等の制度改革や調本の廃止等の機構改革の着実な実施に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。  私も、冒頭申し上げましたが、これらの事案が自衛隊に対して国民の信頼を損ねる、重要な、看過できない問題でありますので、今それらの課題に取り組んでおるところであります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 対応の問題は後でお伺いするんですが、この判決を受けての基本的な認識として、調達実施本部という防衛庁の機関、国の機関が諸冨本部長の指示に基づいてやったわけですから、国に三十五億円余りの損害を与える行為をやったんだ、公の機関による犯罪だったという性格を持っていたんだ、その認識をまず伺っているわけであります。  行政責任の問題をこれから考えていく上でもその認識が基本であろうかと思いますので、もう一度その点についてだけお答えください。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 お答えしますが、この事案につきましては、諸冨元本部長個人の問題でございますので、委員御指摘のような問題とは性質を異にするかと存じます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 これは重大な答弁だと思いますよ。判決の中でも、例えばこういうふうに述べています。「調本は、自衛隊の任務遂行に必要な巨額の防衛装備品等の調達を一元的に行うために設置された会計機関であり、国民の貴重な財源を浪費することなく、適正な価格で調達することを目的」としておる。ところが、この「任務に背いて、返還金額を大幅に減額した上、その返還に関しても、履行中の契約の金額を減額するにとどめた」、こういう調達実施本部の業務がやられて、「調本の使命を無視するだけではなく、その存在意義を根底から否定しかねない悪質極まりない」ことが調本によって行われたということを認定しているわけです。  そういう事実をお認めにならないですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 佐々木委員にお答えしますが、いわゆるその背景、背任事件に関してでございますが、また、諸冨氏の問題の背景として、いわゆる防衛庁におきましての装備品調達における透明性でありますとかあるいはチェック体制が十分担保されていない、こういう問題がございますので、それらにつきましてこのような事態が再び起きることのないように、先ほど申しましたが、本年四月二日に「調達改革の具体的措置」を取りまとめたものでございます。  今委員の御質問に対して、本人に、諸冨氏にその罪があったもの、その背景としてこういう問題があったということで、私は仕分けをして答弁申し上げておるところであります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 判決はまたこういうふうにも述べています。「本件の損害額は、」「巨額なものである上、国を守る自衛隊の防衛装備品等の調達業務を適正に遂行すべき調本に対する社会的信頼を一挙に失墜させたものであり、ひいては、防衛装備品の調達に際しても、不正な癒着体質が存在するのではないかとの疑いを生じさせかねないのであって、本件犯行の及ぼした社会的影響は甚大というほかない。」  つまり、調本自身が、彼は本部長だったわけですから、諸冨被告は、本部長として部下の反対も抑えてこの二つの会社の過払いの問題についての解決をごまかしてやるという方向を調本全体、調本として実行したわけであります。ですから、背景がどうかということはそれは一つの問題でありましょう。そのことは結構ですけれども、しかし、これはあくまでも諸冨個人の問題であって、調本が背任行為に当たるようなことを調本としてやったんだということはお認めにならないんですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 これは繰り返しの答弁になりますが、いわゆる装備品調達における透明性でございますとかあるいはチェック体制というものが十分に担保されていなかった、こういう問題を再び申し上げておるわけでございますが、そうしたことを今私どもは真剣に取り組んでまいらなければならぬということで、調達のあり方でありますとか、それらについて鋭意取り組んでおるところでございます、こうお答えを申し上げておるところであります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 調本がこういう三十五億円以上もの損害を国や国民に与えるようなことをやった、その点について、防衛庁そのものの責任が問われているという点はいかがですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 調達のいろいろな事案に対しまして、大変国民の信頼を失う課題である、かような認識に立ちまして、私が長官につきましてから、連日これらの課題に取り組みながら、いわゆる調達の改革に取り組んでおるところでございまして、かかる事案が二度と起こることのないように、また国民の信頼が得られるような、そういうあり方にしたいという努力を重ねておるところであります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 この判決を受けとめるに当たって、防衛庁そのものにも責任があった、こういう認識をお持ちだということですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 どういう御質問か私はあれですが、かような事案が起こりますと、やはりその体質のどこに問題があるかということについて我々は取り組んでいかなきゃならぬ、そして、信頼が得られる体制づくりをしなきゃならぬという任務を持って仕事に取り組んでおるわけでございますから、今委員の御指摘はどういうことをおっしゃっておられるのか、私はよく理解できないわけであります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 例えば、この事案が判明した後の時点で、当時の額賀防衛庁長官は、調達実施本部内で、過払いあるいは過剰請求問題をできるだけ早く、国の損失を返還してもらうために、それぞれ企業側から事情聴取をしたりあるいは総合的な決算書類をもとに算定をしたものであり、その意味では調達本部の公的機関でこういう間違いを犯したのだというふうに、調達実施本部がやったことが間違ったんだ、犯罪だったんだと。それについては、諸冨本部長の責任もあるでしょう。それは当然問われています。しかし、調達実施本部がやったことなんだから、それにかかわっての防衛庁の責任というのは当然ある、それが問われているんだということであります。私はこのことを申し上げているわけであります。  防衛庁長官、いろいろなことをおっしゃっていますけれども、この問題について、国民の疑惑を払拭するために、こういうことが起こらないようにするために、防衛庁が何らかのことをこれからしていかなきゃならぬということでいろいろ努力しているということは認めておられるわけですから、次へ進みましょう。  この判決を読みますと、企業側のいわば中心、主犯に当たるものは、東洋通信機でもニコー電子でもなくて、NEC、日本電気株式会社ということがわかるというふうに私は思いますが、長官はどういう認識を持っておられるでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 水増し請求事案の問題についてでございますが、本年二月、背任事件に至った東洋通信機及びニコー電子、現NECネットワーク・センサ事案について、損害額をそれぞれ六十二億円、約三十一億円と算定し、損害賠償請求を行い、そのうちニコー電子から損害額の全額が返還されております。また、東洋通信機とは民事訴訟が係属中でございます。  さらに、本年九月には、日本航空電子工業事案について、防衛庁として算定した損害額七十七億円を請求し、同社より請求額の全額が返納されております。  NEC事案につきまして、調達本部の原価計算、監査等の専門家を重点的に投入いたしまして、返還請求額を年内には確定すべく取り組んでおるところでございます。外部の公認会計士の支援も得て作業を進めているところでございまして、その他、日本電気電波機器エンジニアリング、トキメック及び富士通ゼネラルの事案につきましても、過払い額の確定のため調査を行っているところでございます。  このような過払い事案が他にないか、防衛庁との契約に当たり原価計算を行っている企業の会計システムの適正等に関しまして、制度調査を行っているところでございます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 何か質問にそのまままともにお答え願えないので、先走ったりいろいろしておられますが、長官、この判決の要旨を読みますと、直接的には東洋通信機とニコー電子の問題でありますけれども、NECがその中心をなしているわけであります。  例えば、東通の関係でいいますと、これはNECの関連会社でありまして、株式の三九%をNECが保有している。その返還金額が「巨額となり、工数水増しが公になればNECの信用失墜、業績悪化のおそれがあり、NEC自体も長年にわたって工数水増しを行っており、これが発覚した場合のNECへの悪影響の甚大さを危惧し、」「返還金額の減額処理のために協力するよう要請して、」云々ということが入っております。  ニコー電子の関係では、「ニコー電子がNECの一〇〇%子会社であり、これが発覚した場合のNECへの悪影響の深刻さは、東通の場合の比ではなく、被告人諸冨の指示に従い、NECが主体となって返還金減額の処理に当たることを」云々というふうにも書いてあります。  つまり、二つの企業が直接的には問われましたけれども、NECがその主犯であったということは非常に明確であるわけであります。そして今、防衛庁長官、NECについて今年じゅうに問題を明らかにして返還の請求もするというふうに努力すると言いましたが、ことしじゅうにこの本体のNECについての疑惑の解明、実態、全容の内容を国会にも明らかにしていただけるということですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 先ほどの私の答えでも、返還請求額を年内には確定すべく取り組んでまいります、こう申し上げましたが、今重ねての委員の質問でございますが、私は、年内には返還請求、これをしかと受けとめることができる、こう考えております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 年内にNECの過払いについての請求をして、きちんと返還をさせる。同時に、NECがどういう水増し請求をやり、どういう過払いをやってきたのかということもきちんと公表していただけますね。そのことをはっきりさせてください。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 重ねて申し上げますが、返還請求額を年内に確定すべく取り組んでおるところでございまして、外部の公認会計士の支援も得て作業を進めているところでもございます。  よって、私は、NECを年内に確定すべく、これらの問題につきましては、今答弁申し上げましたが、さらに一層進めてまいる、このことを答弁とさせていただきたいと思います。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 前から私どもは、この東通、ニコー電子の問題でも、一番中心になるのはNECだ、そしてNECが本当に額も大きい、これについての全容を一刻も早く調べて公表してくださいということを言ってきた。それに対して、ことしじゅうにそれが公表できるようにするということはもうこれまでも確認をしてきているんです。だから防衛庁長官も、年内には何とかできるだろう、公表するということをきちんとここではっきりさせていただけませんか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 委員御指摘のことを踏まえて、公表につきましてもとり行いたいと思っております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 その差額を返還させる、水増し分を返還させる、NECも返還させるというんですが、そしてまたその全容を公表するとおっしゃるんですが、それはいつからいつまでのものについてということになるんですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 細目にわたる質問でございますが、今お答えする資料は持ち合わせておりませんから、また追ってそれらのことにつきましてお答えする機会をちょうだいしたいと思います。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 細目じゃないと思うんですよ。NECについて全容を調べて、そしてそれをきちんと公表する、そしてまた、公表する際には、もちろん差額を返還させるように請求もするということをこれまで何度も言われてきているわけですから、その全容というのは、NECがこういう水増し請求をやるようになって、判決でも長年にわたってと言っているわけですが、その長年にわたる全期間についての事態を調べてそれを公表するのか、それとも限られた期間についての調査の結果を公表してその分を請求するのか、これは重要な基本問題ですよ。公表されるといっても、何を公表されるのかがわからないんじゃ話にならないわけです。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 この委員会の運営も、従来の担当局長への質問とか、それに対する答弁用意とかというのが極めて困難な状況にありますから、委員の御指摘するような質問に、事前に通知をいただいておりますればそれを整理して持ってまいりますが、私どもとしては、ここが非常に委員会運営の困難なところでございます。  先ほど以来申し上げておりますが、事案の状況及び過払い額が確定的なものになりましたら公表すべきものと考えております。委員からいろいろ御発言がございますが、改めて防衛庁といたしましては、事案の状況及び過払い額が確定的なものになりましたら公表すべきもの、かように考えております。さようにさせたいと存じております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 これは前から問題になってきていて、前の防衛庁長官とも随分この委員会でもやられている問題でありまして、NECの問題について、長官は先ほど、ことしじゅうに調べてきちんと公表するということまで言われたわけです。だから、NECは非常に長年にわたって、二重帳簿までつくって、システムまでつくって水増し請求をやってきているわけですから、そのすべてについてきちんと公表してくださるのか、それとも一定の限られた期間についての公表になるのか。  これは、公表するとおっしゃっていることの内容の基本問題ではないんじゃないでしょうか。それを何か、事前の通告がないからというようなことを言われても、こちらも困るんです。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今、委員の御質問の細目につきまして、この事案についての質問である、こういうことでありますれば、的確にお答えできるような材料を取りそろえて答弁に立ちたいと思うわけでございますが、先般、私も防衛庁長官として再任をされまして、今防衛庁の信頼回復のために全力を挙げて取り組まなければならない、かような決意で取り組んでおるところでございますが、さはさりとて、今委員の質問にすべてを答えるという能力を持ち合わせておりませんので、改めてそのことを申し上げておるところでございます。  なお、平成四年から十年度の事案の状況、いわゆる過払い額と、今委員からその期間がどうだということでございますので、公表する対象としてはさように考えておりますと申し上げておきます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 要するに、NECについて長官が公表されるとおっしゃいましたけれども、それは平成四年から十年までの六年間ですか、その期間のものについての公表である。したがって、また、判決も言っておりますように、長年にわたってNECはやってきた。これまでの答弁でも、一九七〇年代初めからというようなことも言われてきておるわけですから、もっと前の、長い期間のものについては調査の対象にはなっていない、あるいはまだ調べられていないということだろうと思うのですね。  そして長官、今私の質問に対して、何か細かいことを言われているようだから余りよく承知しないというようなこともおっしゃっているのですけれども、しかし、この間の調達本部のあの背任判決の要旨を読むだけでも、NECというものが本当にこの二つの問題にも深くかかわってきていて、これが長年にわたって悪いことをやってきたんだ、水増し請求をやって過払いをやってきたんだということが認められてきているわけです。  そして、長官に就任されて、そしてこの防衛庁のこういった調達にまつわるいろいろな問題をきちんと解決していこうというふうに長官が決意を持っておられる以上、こういったNECの問題については深い関心を持って調べられるのが当然だろうということだけは私は申し上げておきたいというふうに思います。  そして長官、今言われていましたように、四年から十年というものについて、今年じゅうに公表する、これはもう必ず公表していただきたいと思いますけれども、それ以前の問題についても徹底してこれは調査をして公表するということも、この際しっかりとお約束を願いたいと思いますが、いかがですか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今御指摘の、いわゆる四年—十年度以前の問題でございますが、私は、これは一般的に申し上げてといいますか、それ以前の資料についていかなる状況にあるか、そのことまで私は確信が持てないわけでございますが、それ以前の状況についてどうだということは、やはり考慮してまいらなければならぬと思っております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 調べていかれるということだというふうに受け取っておきます。  判決の中でも、このNECなどの問題について、不正な工数水増しの結果、多額の返還が必要となったのであるが、これを反省して直ちに全額の返還に応じるのが当然であるのに、NEC自体も組織的に工数水増し工作に及んでおり、その発覚を防止するため、返還金の大幅な減額と秘密裏の処理を働きかけたのであり、国民に一方的に負担を押しつけて、各会社の利益を図ったというべきであり、甚だ身勝手きわまりない動機に基づくものとして、酌量の余地はないというふうにNECなどの態度を断罪しているわけであります。そして、最近数年間の問題については今年じゅうに公表するということをお聞きしましたし、それ以前についても調べますということは、これは当然なんですけれども、言われました。  今言ったように、NECは国民に対して本当に許しがたい犯罪を犯してきたわけでありますが、その全容はまだ全然明らかになっていない。しかし、そのNECが、この問題が発覚後も、引き続き中央指揮所情報システムや師団通信システムなど、総額五百四十五億円の契約を現にことしは行っているわけであります。代替企業を探すというふうに言ってきましたけれども、実体的には契約額の約二〇%程度しか圧縮されず、本来社会的に制裁されるべきこの企業が、引き続きこういう五百四十五億円もの契約を結ぶという形で免罪されているのではないか、こんな実態で、先ほどから防衛庁長官も、再発防止のために努力をするということをいろいろ言っておられますけれども、こういうことをやっておいて本当にこういうことを根絶できるのかという問題も、私は聞かなきゃならぬと思うのです。こんな態度でいいんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 佐々木委員にお答えしますが、今、防衛庁は、御指摘のように、燃料談合問題にいたしましても、また先ほど以来の過払い案件にいたしましても、防衛庁、自衛隊にとりまして、やはりこれらを国民から信頼されるような公明性、また透明性というものを我々は追求していかなきゃならぬときでありますので、そのことに全力を挙げておるわけでございます。  なお、加えて、四年—十年ということを申し上げ、さらに、以前の問題についてと言いますから、私はそれらの資料について、今保存されておるか、どういう状態にあるかということは承知しませんから、努力をします、こう申し上げると、佐々木委員から、それは資料を調査の上、用意をするようにということでございますが、現実、もう既に年月もたっておるわけでございますから、私から、それ以前の資料要求については、努力はいたしますが、お約束できる問題ではありませんので、御了解を賜りたいと思います。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 今、こういう問題が全然まだ解明されていないのに、NECと五百億円も防衛庁が契約を結んでいるようなことをいいと考えるのかどうなのか。いろいろ透明性とか公明性とかおっしゃいますけれども、これじゃ全然透明でも公明でもないじゃないかということを申し上げなきゃならぬと思うのです。そして、以前の問題についても、資料がどうであれ、徹底的に調べる努力はやっていただきたいということを申し上げなきゃならぬと思います。  時間が来たようですから、以上で終わらせていただきます。

依田智治自由民主党防衛政務次官

○依田政務次官 ちょっと一言。  NECについては、取引停止を講じておるのですが、やはりどうしても真にやむを得ないような、契約せざるを得ないような部分もあります。そこで、そういうのにはぎりぎり、代替措置等も講じておるところでございますが、例えば平成九年度は八百五十四億だったものが十年度は四百九十七億ということで、大幅に減額するような努力はしておるわけでございますので、報告させていただきます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 それでは不十分だということを申し上げておきたいと思います。

二見伸明自由党

○二見委員長 次に、辻元清美君。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 社会民主党、社民党の辻元清美です。  私は、まず最初に、やはり西村眞悟前防衛政務次官の問題について取り上げさせていただきたいと思います。  もう御承知のように、西村前防衛政務次官は、十一月二日号の週刊プレイボーイで、核武装や、それから集団的自衛権について、女性べっ視史観に基づいた強姦という例を引きながら発言したことは、皆さん御承知のとおりだと思います。  さて、そこで、まず防衛庁長官にお伺いしたいのですが、長官は、以前から同様のトーンの発言を西村前防衛政務次官がされていたというようなことは御存じでしたか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 辻元委員にお答えしますが、西村前政務次官は、御案内のとおり、国元は関西でございますし、また弁護士というお立場でもございますし、私も若干のおつき合いがございましたが、政党が違う、こういう関係もありまして、私はそんなに深い関係ではございませんが、防衛問題につきましては、いろいろ議論することがございました。その際、西村氏は、非常に熱心な勉強家であるな、こういう印象はございます。  なお、辻元委員からの質問は、以前にそういう話を聞いたことがあるかということでございますから、さようなことはございませんでした、こうお答えをしたいと思います。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 私は、今ここに、西村さんがかつてインタビューにお答えになった他の雑誌のコピー、それからこの委員会の議事録もたくさん持っております。その中で、特に集団的自衛権などについても多々発言されていました。防衛庁長官を補佐する非常に重要な役割ということで政務次官が選ばれた。ところが、防衛庁長官は今までの当委員会での議事録などもごらんになっていなかったのか。今までのさまざまな安全保障の議論を引き継いで防衛庁長官におなりになられたと思いますので、その中で西村議員はかなり積極的にいろいろなことを発言されていましたが、そのような議事録についてはごらんになったことがありますか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 御案内のとおり、私も政治家としてもろもろの問題に取り組まなければならぬ、そういうときでもありますので、長官になりまして日も浅うございますが、西村委員の質問の議事録につきまして精査をしている機会がございません。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 といいますのは、私は青木官房長官ともこの件で議論いたしましたけれども、青木官房長官は薄々知っていたというふうに私に答えられましたが、政務次官を選ぶ基準は一体何なのかという点に尽きると思うのです。どういう基準で政府は西村前防衛政務次官を政務次官に選んだと長官はお考えでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 私、任命権者でございませんので、実は、どういう基準でと、こう言われますと、私の感覚で物を言わなきゃならぬわけですが、それはやはり避けた方がいいだろうと思います。  よって、西村政務次官と、いわゆる政務次官に着任されてから勉強の日々がございましたが、それらにつきましては、そのような、委員御指摘ののような話題といいますか、発言はございませんでした。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 さて、最近の論調の中には、特に核武装の発言などについては、核武装などについての議論の封殺はおかしいという論調がありますので、私はここできっちりこの西村問題について幾つかの問題点を指摘しておきたいと思います。  これはよく長官もお聞きいただきたいと思うのですが、一点目なんですけれども、西村前防衛政務次官はこういうことをおっしゃっていますね。征服とはその国の男を排除し女を強姦することと発言し、強姦しても何にも罰せられへんのやったらおれらはみんな強姦魔になっているという発言、この意図は、これは、抑止力がなければ他国を皆征服する、征服したいと思っているという解釈ですね。そうですやん。  さて、二つ目なんですけれども、社民党がまたいつか来た道と言うんじゃないですかと、こうインタビュアーが言っているのですよ。集団的自衛権についてです。私たちは、これは反対しています。今の政府の方針と同じです。その政府の方針と同じものに対して、社民党をやり玉に上げているわけですが、これに対する答えが、まああほですわ、あんなもん、何を言うとんねんと、だから僕、社民党の集団的自衛権に反対を唱えている女性議員に言うてやった、おまえが強姦されとってもおれは絶対に助けたれへんぞとくるわけです。  ここの意図すること、これはよく考えていただきたいのですけれども、これは私のことを指していると思いますが、それはさておき、集団的自衛権に反対する日本人は防衛の対象から外すという意図ですよ、これは、意味ですね。私は、一つ一つやはりきっちりとこの発言の意味を検証して、その上で、この方が政務次官に適格だったのか、不適格だったのか、選んだことがどうであったのかということを、防衛庁としても、先ほどから、不適切な発言ということに終わらせるのではなくて、点検すべきだと思います。  さて、そういう中で、もう一点、これは核問題です。核を持たないところが一番危険なんだ、日本が一番危ない、日本も核武装した方がええかもわからぬということも国会で検討せなあかんと言っています。  皆さん、いかがですか。核を持たないところが一番危険だと思われているでしょうか。これは、今ちょうど国連総会も開かれておりますけれども、核の問題は世界的な関心事になっていますが、私の意見は、日本がもしも核武装をするなんて話になりましたら、これはNPT体制から脱退しますね。それで、対日経済制裁を受けますね。そして、この東アジアの中でも中国は、これは物すごい軍拡をしてくると思います。そして、北朝鮮、韓国は非常な警戒心を抱くし、もしかしたら同じく核を持とうという話になるかもしれない。  ということで、この東アジア、そして日本の平和と安全から考えたら、核を持つという選択は、危険こそあれ——それが、核を持っていないところが一番危ないというようなことをおっしゃっているわけです。私は、非核三原則を堅持しますという御答弁、それはもっともだと思いますが、それ以外に突っ込んでこの問題点をきっちりと総括しないとだめだと思いますよ、防衛庁としても。  さて、そういう中で、私は、八月に北朝鮮と韓国両方に行ってきました。それで、金大中大統領にもお目にかかりました。意見交換をしてきました。その中で、皆さん、緊張感を低下させるための努力というのを、それぞれの国の利害はありますけれども、続けていっている中で、このような問題が出てきた。これは残念だけではなくて、皆さんの中にも怒りを持っていらっしゃる方も多いと思います。  さて、そこで、この後、河野外務大臣にお聞きしたいのです。  私は、この後、アメリカのタイムという雑誌の取材を受けました。この核問題について、二点ありました。  一点は、私は科学技術委員会で、余剰プルトニウムについて、核燃料サイクル余剰プルトニウムに懸念をずっと言っていましたので、その質問は、日本はこのプルトニウムの管理はどうなっているんだ、心配だという質問。そして二点目は、安全保障委員会で日本も核武装した方がいいという論を展開する議員は何人いるんだと聞かれたのですね。  これは国際的にも物すごく懸念——西村さんという方を御存じの方は、彼がああいう発言をされていたのを知っていますが、海外から見たら、政務次官が発言したとなっていますから、この国際的な懸念、私は、ですから、そういう意味で、この発言は不適切では終われないように思うのですが、外務大臣、いかがですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 西村発言は、小渕総理が申し上げているとおり、極めて不適切な発言であった、こういうふうに私も思います。したがって、その不適切な発言をなさった政務次官を更迭をされたということは、しかも、表現はちょっと適切じゃないかもしれませんが、処理が早かったという点で、私は、それなりによかった、つまり不幸中の幸いであったというふうに思っているわけです。正直申し上げて、ああした発言がそのままずっと残っていけば、やはりいろいろなところでいろいろな問題が起こってくるということはあり得るわけですから、この発言をなさった方に対する処置として、極めて迅速に処置をされたということはよかったと思うのです。  さらに小渕さんは、国民の皆さんにもきちんとおわびをして、そして、非核三原則をこれからもきちっと守ってまいりますということを宣言をされた。これは、私は、こうした発言後の処理として正しい処理だったというふうに思うわけでございます。  議員御指摘のように、一部の外国メディアがこれについて着目をしたことも事実でございますけれども、しかし、この処理によって大方のメディアはそう大きく問題視をしなかったということを見ても、私は、迅速な処理は正しかったというふうに思っております。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 私は、政務次官に選ばれた小渕さんの見識を問いたいし、責任はまだとっていただいていないというふうに理解しております。  さて、そういう中で、それでは、特に核問題というのは波紋を広げつつあった、処理が早かったという御発言でしたから、そうすると、今後日本がどういうふうにこの核問題について取り組んでいくかということをしっかり国際社会に見せていくべきだというふうに私は思います。  さてそこで、ここから外務大臣にお聞きしたいのですが、日本時間では昨日になるでしょうか、十一月九日に今の国連での第一委員会においての日本の態度について幾つかお聞きしたいと思います。  この中で、第五十四回国連総会「核兵器のない世界へ 新しいアジェンダの必要性」と題する決議草案が提出されたと思います。新アジェンダ連合というので、きのうからもう質問が続いておりますが、これに対しての政府の態度はどのようなものであったのでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 この決議案には我が国は棄権をいたしました。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 私もここに大使がスピーチをされたものを取り寄せて持っているのですが、棄権でありました。これは私は非常に残念だと思っているのですね。といいますのも、この棄権の理由なんですが、昨年の新アジェンダ連合が出してきた草案とことしのトーンはちょっと変わっていると思います。どの点が変わっていると大臣は理解されているのでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 ちょっと御質問にお答えをする前に申し上げたいと思いますが、私はこの新アジェンダの提案者のお考えにかなり共鳴するところが多いのです。この提案者が述べているように、できるだけ早く核をなくしたいというお考えというものは、私もその気持ちにおいては共鳴するところが非常に多うございます。  しかしながら、昨年もそうであったように、ことしもまたこの新アジェンダ法案というものは、核保有国に対して非常に先鋭的に戦う姿勢を見せておられるということから、この決議案が仮に採択をされたとしても、その目的とするところへ到達をするための効果としてはそう大きな効果は望めないのではないか。辻元議員がおっしゃるように、我が国の姿勢を示せばいい、姿勢を示すことが大事だということになりますとまた考えはもう少し違うかもしれませんけれども、私は本当に目的を達しようと思えば、やはりそれなりの考え方というものがまた別にあっていいのではないかというふうに思うわけです。  昨年に比べると、ことしは提案者同士の中の話し合いもあり、実は我が国も修文について意見を出したところでございます。何カ所か修文ができたところもありますし、結局できないところもあったわけでございますが、最終的に、例えば辻元議員お読みのとおり、冒頭には、これはもう核はなくならない、もう非常に悲観的な意識を持って前段が書かれていて、そして、したがって核を持っている人たちに対してもう非常に厳しい状況で提案をされているわけでございます。  私は、やはり核をなくしていこうと考えるときには、世界全体のバランスを考えながら徐々に核は軍縮されていかなければ、急激になくせというのは、言うのは簡単です、しかし、現実にそういうことが起こり得るかというと、それはなかなかそうはならないわけでございまして、そうしたことをもう少し話し合い、そして配慮を持って一歩ずつ前進するということが大事なんじゃないかというふうに思ったわけです。  余計なことでございますが、同日に我が国が提案をいたしました究極的核廃絶についての決議もまた多数の賛成者を得て採択をされているわけで、私は日本の姿勢はそれによって示されているし、また、今お手元におありかと思いますが、新アジェンダについて棄権をするに当たって、林大使に当日演説を指示いたしましたけれども、その演説の中を読んでいただけば、我々の気持ちはかなり明確にそこに示されているというふうに思います。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 そうしましたら、突き詰めて言いますと、核を持っている保有国に対して痛烈な批判をするのではなく、おだてたり、だましたり、だましたり言うたら変ですね、ちょっと語弊がありますね。おだてたり、すかしたりしながら、いきなり批判をするのではなくて、もっと穏やかに廃絶に向けていきたい、そういう真意ですか。  というのは、これは読みましたけれども、痛烈に批判しているとおっしゃいますけれども、例えば昨年は、「核兵器国が、自国の核兵器を廃棄するという誓約を、迅速かつ完全に履行してこなかったことを憂慮し」、こうなっているところを、今回の場合、「核兵器削減交渉が現在停止していることを憂慮し」とか、かなり気を使っていると思うのですね。ですから、私は、ことしはもうちょっと日本政府も踏み込んだ方がよかったのではないかと強く思うわけなんですが、もう一度、そこはいかがでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、私は提案者の気持ちにかなり共鳴するところがあるものですから、この決議案は我々にとって、何といいますか、非常に考えなければならないものであって、もう見た途端に、ああこれはだめだ、賛成できない、反対だ、あるいは棄権だと言うほど簡単な決議の内容ではないというふうに私は受けとめまして、そこで、修文について提案をしたり、それから各国の状況等も相当周到に確認をしたりして、最後ぎりぎりまで実は私は判断に悩みました。  しかし、最終的に私はこれは今回は棄権しようという決断をしたわけでございます。これは、私の責任において政府の意思を決めさせていただきました。いや、もちろん私一人で決めたわけじゃございません。事前に何人かの方には御了解はいただきましたけれども、最終的に棄権ということにさせていただいたわけでございます。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 今の御答弁を伺っていますと、今までと少し違うかなという感触を受けました。  といいますのも、やはり東京フォーラム、これは日本政府としても高く評価しているはずだと思うのですが、この東京フォーラムについては前の通常国会で私も触れさせていただいたのですけれども、その中でも、「「新アジェンダ連合」による最近の努力が」というくだりがあって、東京フォーラムでも注目をしております。それから、最近ではまた、具体的に、この決議に盛られている内容を実行に移すための国際世論というのもかなり高まってきているように私は思います。そしてさらに、ジュネーブでの軍縮会議に特別委員会を設置したり、核軍縮交渉を開始するための国際会議をさせたりというようなこともこのアジェンダ連合がかなり精力的に行ったり、それから十月の八日にはアナン事務総長は、今来日中ですが、昨年のこの決議に記された義務の、主文の十六節と二十節に従って、IAEAなどによる核兵器のない世界における検証制度についての報告を行ったりというような背景があると思いますので、私はさらに今回棄権というのは非常に残念に思っているわけなんです。  今大臣の御発言を伺っていますと、苦渋の選択というか、今までと違うトーンがありますようですので、この先このアジェンダ連合とどういうふうにつき合って、どういうふうに日本政府としては積極的にコミュニケーションを続けていくのかということにぜひ努力していただきたいというように私は強く思います。  こういうことに努力しないと、私はやはり、もう一度先ほどの西村眞悟前防衛政務次官の発言の問題に戻りますが、不適切な発言とか、それから非核三原則を堅持しますと言うことだけではこれは責任をとったことにはならない、行動が伴わないとならないと強く思いますので、努力を願いたいと思います。  さて、そういう中でもう一点、これは防衛庁長官にお伺いしたいんですが、燃料の納入をめぐる談合事件です。先ほどからも議題になっております。それから、海上自衛隊の艦船修理の指名競争入札問題。この中で、検査院などは、舞台が移っただけで防衛庁と業界の談合体質は変わっていないじゃないかというような発言まで出ているというように聞いています。  その中で、八日にこの入札契約の内部監査を指示したというような報道を見受けましたけれども、これはどういうことなんでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 辻元委員にお答えしますが、私といたしましては、防衛調達の透明性、公明性を確保することは極めて重要だと認識いたしまして、十月二十六日、調達改革本部を開催して、本年四月二日の調達改革本部決定に基づく改革の推進及びその趣旨のいわゆる全体へ周知徹底する、さらには、入札経緯等を電子化するとかあるいは不自然な入札等をチェックできるようなシステムの構築を検討するように指示をいたしたわけでございます。  いわゆる入札契約に関するシステムの構築には時間がかかりますが、かようなシステムをつくり上げることによりまして、入札契約に関し、その手続でありますとか落札状況の監査を可能なものから実施して、改革のフォローアップの深化を図りたい、かような意図で指示したわけでございます。  監査対象は、競争入札契約であって、品種であるとか業種であるとか、あるいはグループ単位で年間の契約金額の合計が、中央調達の場合は一億円、地方調達は五千万円をそれぞれ超えるものを予定しておるわけでございます。地方調達につきましては、業務量を勘案して、当面、契約金額の大きいものを中心にして実施してまいる予定でございます。  何しろ数もございますので、そういったことも踏まえながら、まずはこれらの制度の中で、たくさんあるいわゆる入札問題につきましてチェックをしてまいらなければいかぬ、そういう準備も一方でしろということも指示をいたしたわけでございます。

辻元清美社会民主党・市民連合

○辻元委員 そうしましたら、この問題は引き続き取り上げていきたいと思っているんですが、特に、いつもかかわってくるのが天下りの問題ですね。  今回も、海上自衛隊の艦船の修理問題、これについては、検査院から指摘を受けた十社のうち少なくとも九社に、防衛庁や自衛隊のOBが代々就職していて、現在も多いところで三十人程度働いている。中には防衛庁の入札担当部署に所属していた人もいるというような指摘もありまして、これについては、資料をお願いしておりますので、防衛庁の方から今の現状についての資料をいただいて、引き続き、また次の委員会で追及させていただきたいと思います。  以上です。終わります。

二見伸明自由党

○二見委員長 次に、下地幹郎君。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 アナン事務総長がいらっしゃっているということなので、私の方は、先に外務大臣に質問をさせていただいて、委員長や筆頭の理事の御理解をいただければ途中退席も質問者として了解をさせていただきたいというふうに思っています。  まず、私は、日米関係、これは日本の外交にとって一番大事なものだと思っているのです。そして、日米関係を支えるのは、間違いなく日米安保条約がしっかりと支える。そして、日米安保を支えているのは、地域においては沖縄が、貢献をしているという表現と負担をしているという表現と二つがあると私は思っております。そういう意味では、外務大臣、そして防衛庁長官が新たに任命をされますと、まずその沖縄に対して、どういう方向でこの問題をやっていくのかというメッセージをきちっと送っていかなければならないというふうに思うのであります。その件に関して、まず質問をさせていただきたい。  そして、私は今政治家として、沖縄でこういうふうなメッセージを送らせていただいている。  間違いなく日米安保条約は認めさせていただいております。これは堅持して、維持していかなければならぬ。そして、自衛隊はその中においても役割をきちっと果たしている。そして、私ども政治家は、自衛隊がその仕事がやりやすいような環境づくりをしていくというのが非常に大事なことだとも思っております。  そして、沖縄に全国の七五%の基地があるわけでありますけれども、その中において五万人の兵隊がいて、大きな米軍基地がありますけれども、それはアジアの平和にも貢献はしているというふうに認識しています。  そしてもう一つは、しかし余りにも重過ぎる、負担が大き過ぎるという認識もしております。そのためにSACOはきちっと進めていかなければならない。このことにちゅうちょすることも、私は考える必要もないと思うんです。  しかし、このSACOを推進するために、振興策という論議が今沖縄では大きく出ていますけれども、振興策は沖縄はまだまだおくれているから必要でありますが、私は、SACO推進において振興策が基地問題の万能薬ではないということをわかりながらやらなければいけない。基地問題は基地問題でという感覚や感性を政治家が持って、振興策をやれば沖縄はまだ基地を持っていただけるというふうなものじゃなくて、物事を考えていくというメッセージを私は送らせていただいているんです。  そして、河野外務大臣にお答えいただきたいんですけれども、この沖縄に対するメッセージ、きちっとやっていかなきゃならぬ。しかし、河野外務大臣に対するイメージはちょっと悪いのでありますね。  それは、少女暴行事件があったときに、外務大臣としてはお立場もあろうかと思いますけれども、地位協定の問題は議論が先走りをしているのではないかという表現、この表現が冷たい外務大臣だと、政府は冷たいという表現をその当時の新聞も全部書きまくっているわけです。  そして、外務大臣もお読みになったかと思いますけれども、前の大田知事さんが朝日新聞に出ております。  官邸に野坂官房長官、外務省に河野洋平外相を訪ねた私は、その冷ややかさに愕然とした。地位協定についても改定の必要がありますと申し入れたところ、河野外相は議論が走り過ぎていると答えた。自民党内でハト派と目されていただけに、私も河野外相には期待するところがあった。知事になったとき、知人に保守の中でどなたにお会いしたらよいのかと尋ねたら、即座に河野氏の名前が挙がった、その記憶をしている。そして失望した。  こういうふうなことが言われているんです。  しかし、この少女暴行事件の後、河野外務大臣が地位協定の運用の面で大きな改善をして前向きなことをやったというのは、私は政治家として勉強させていただいているので、わかっているんですけれども、このようなイメージが、これ以上大きくなるということはないと思うんですけれども、新たに外務大臣に再任をされて、きちっと沖縄に対する思いをまず外務大臣がはっきりと送ることが、これからの普天間の基地問題をやるにしても、これからのサミットの問題を成功させる上においても、その主管たる外務大臣にとって非常に大事なことだと私は思っておりますから、まずそのところをきちっと、外務大臣のお心を答弁いただきたいというふうに思っております。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 沖縄はさきの大戦で大変な困難な状況を経験された、それは困難と言うには余りに悲惨なものでもあったと思います。死者の数、あるいは日本で唯一の陸上の戦闘が行われたということを考えても、どんなに沖縄に対して、この五十年の歴史、五十年の歳月がたっても、やはり沖縄の方々が持つ歴史の重さというものはぬぐい去れないものだというふうに私は思います。  私は、このたび外務大臣を小渕総理から任命されましたときにも、小渕総理から外交政策について何点か意見のやりとりがございましたが、総理から、河野さん、大事なことは沖縄のサミットだ、あなたに沖縄のサミットのために汗をかいてもらわなきゃいけないということを最後に言われまして、私、実は、チャンスを与えていただいた、そういう気持ちがいたしました。  今下地議員がお話しのように、沖縄の県民の中には、私に対するイメージとしてさまざまな感じを持っておられる方がおられるだろう。私自身、甚だ不本意な気持ちをずっと持ち続けておりましたから、この際、沖縄サミットについて働かせていただけるなら、そうした思いをでき得る限り、微力ではありますけれども、全力を挙げて払拭したい。そして沖縄の県民の皆さんのために報いたい、そういう気持ちがあったのでございます。  私は、外務大臣に就任いたしまして一番先に沖縄に訪問しよう、外務大臣が一番先に行くのはワシントンだったり北京だったりする場合が多いわけでございますけれども、私は、とにかく一番最初に沖縄に伺いたい、こう思いました。ちょうど官房長官、沖縄開発庁長官が、私も行くから、こういうお話でしたので、時間を合わせて、お供をする形で沖縄を訪問させていただいたわけでございます。  私は、沖縄の問題に取り組みましたのは前回の外務大臣当時でございまして、本当に今でもつらいことでございましたが、あの事件に遭遇をいたしました。実は、たまたま昨日、モンデール前アメリカ大使が今日本を訪問しておられまして、お目にかかる場面がございました。期せずして、あのときの話が二人の口から出たわけでございます。  私は当時、モンデール・アメリカ大使、それからペリー国防長官あるいはクリストファー国務長官、こういった方々と真剣な話をして、何とかしてこの問題について、一日も早く刑事的な問題について決着をつけたいと。  これはもう、あの事件で痛みをこうむった御本人あるいは御家族の方々の悲しみとか憎しみとか痛みとかというものは、そう簡単に消えるものではない。恐らく、今でもそうしたことを思い出したくもないとあるいは思っておられるかもしれないほどの深さで、その傷はついていると思いますけれども、私は、こうしたことが二度とあってはならない、と同時に、この事件ができるだけ県民の皆さんの気持ちに沿った解決をしなければならぬということ、二つを直ちに思いました。  そして、ペリー国防長官にも、モンデールさんを通して、再発の防止について本当に厳しい態度で臨んでもらいたいということを申しました。ペリー国防長官も大変厳しい口調で必ず再発防止のために効果のある仕事をするからと言われましたし、当時はクリントン大統領がメッセージとしてこの問題に言及をされたことを見ても、アメリカがいかにこの問題を大変なことだと受け取っていたかということはわかると思うんです。  もう一点は、当時の被疑者といいますか容疑者といいますか、被疑者の引き渡し、とにかく日本の方に引き渡せ、こういう交渉をしようということでございまして、その引き渡しを求めるためには地位協定の改定が大事だ、こういう御意見であったわけですが、私は、アメリカ当局と話をしますと、地位協定の改定は、それはとても無理だ、そんなことに時間を費やすよりも、今のこの問題を早期に解決するなら、地位協定の運用の改善ということをやって、できるだけ早く問題の処理をした方がいいということを言われました。  これは一人や二人の話ではございません。随分私もそれなりの人数に要請をしたわけでございますけれども、口々に、これは運用の改善によって処理をすることが一番いいというふうにアドバイスをもらい、あるいは当事者からそういう話を聞き、私もいろいろ考えて、これはそうやって、とにかく容疑者の引き渡しをやることが大事だというふうに思うに至ったわけでございます。  ちょうどその当時に、たしか知事さんとお目にかかったのではないか、これはちょっと時系列は正確ではありませんけれども、そんな気がいたします。  そして、知事さんは、もちろん県民の気持ちを私に伝えられて、地位協定を変える努力をしろ、こういうお話でございましたが、私は、その当時、知事さん、地位協定の改定の要求をするのは、これは大問題になります、つまり大問題ということは大変な年月を要しますと。そのことよりも運用の改善を、運用の改善についても、それはアメリカは非常にかたかったわけですけれども、この問題で運用の改善を要求するということになれば、彼らは認める可能性があるんだから、それでいきましょうというのが私の気持ちだったわけです。  言葉が足らなかったかもしれません。それから、少し温度差があったかもしれません。知事からは大変厳しい評価をいただいて、その後沖縄の方々からも、私、甚だ不本意な評価をいただいている部分もあることを十分承知しております。  それだけに、私は今回外務大臣を拝命いたしましたときに、小渕総理から、沖縄サミットの成功のために努力をしろという御指示をいただいたことは、私にとっては大変な、これはやらなきゃならぬという決意を固めさせたのでございまして、私は、これから先、どれだけの期間かわかりませんけれども、微力でございますが、全力を挙げてこの問題、つまり沖縄サミット、外務大臣としては沖縄サミットの成功のために努力をいたしますし、また、防衛庁長官もおられますが、長官とともども、おっしゃるように日米安保条約を踏まえて、沖縄の方々の大変な負担を少しでも軽減するために努力をしてまいりたいという決意でおります。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 私の質問時間の四十分全部河野外務大臣にお与えして今のような話をすることが、私は、沖縄問題がうまくいくと。私は、きょうの答弁は、いろいろな形で沖縄に伝わると思いますから、間違いなく評価をされて、そして沖縄県民はまた外務大臣に期待をするというふうに思っておりますので、その期待にぜひ十分にこたえていただきたいというふうに思っております。  それで、少女暴行事件は今外務大臣からもお話がありましたけれども、この前、地位協定の見直しがありました。  地位協定の見直しはなかなか難しい、しかし、運用面をきちっとできるんではないか、そして新たな対応をやっている、まさに僕は、外務省は努力をしてきたと。八年の十二月の二日、それにおいても十項目の運用面の改定をしましたですね。そして、八年の前にも五項目の運用面の改定をしているんです。  先ほど外務大臣がおっしゃいました地位協定のところの運用面では、間違いなく今は、新たな運用面では、犯人の引き渡しにおいては、日本政府が要求をすれば、起訴前であっても身柄の引き受けができるというのを、外務大臣は一カ月後に運用面をおつくりになったわけでありますから、私はその対応というのは素早くて、それは評価ができるものだと思っているのです。  そこで、外務大臣、ここのところが大事だと思うのですけれども、去年の、十年の十月七日ですね、上間悠希さんという子供さんがひき逃げに遭われて、本当に脳挫傷で悲惨な事故を起こすわけであります。私は、そのときに、当時は政務次官をしておりましたので、こうやって質問する機会も得られなかったわけでありますけれども、今運用面をきちっと変えられて、前向きな検討をなされているというのはよくわかります。その他の事項というのがその運用面に書かれていますね。殺人または強姦に関しては起訴前にやる、そして日本国が考慮されるべきと信ずるその他の特定の場合においても、日本政府が要求したら起訴前においても犯人の拘禁を日本側に譲る、そういうふうな運用面になっているんです。  私は、この上間悠希さんの交通事故で思うんです。強姦、殺人、まさにそれはもうやってはいけないようなことでありますけれども、ほかにもう一つあるのは交通事故です。しかもその交通事故の種類が、あのときは飲酒運転、ひき逃げ、スピード違反、この三つの重なった交通事故。まさに私は、殺人と強姦に準ずるその他の事項として認められるような事項ではないかと思うのです。  しかし、その他の事項として外務省は認めることなく、それは検察庁が五日間で起訴したから、身柄の拘禁があって、感情的な部分にならずになったわけでありますけれども、私は、運用面を変えても、その運用面をやろうという気持ちがなければ、いつまでたっても、地位協定の見直しを要求され、それがなかなか難しいという答弁をする外務大臣でしかなくなると思うのです。  私は、ここで大事なことは、外務大臣、しっかり言っていただきたいのは、この地位協定の見直しが厳しいというお考えはよくわかりますけれども、しかし私としては、その運用面においては、これからは事例を見ながらきちっとした方向性でアメリカ政府にも、その他の事項で認められるものがあれば積極的にその思いをやっていきたいというふうなことをきちっと外務省が姿勢を見せると、このような大きな地位協定の見直し見直しという声は沖縄から起こってこないのではないかなというふうに思っております。そのことをぜひきちっと答弁をしていただきたいなというふうに思っております。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 地位協定の運用の改善をいたしましたときに、殺人、強姦という、凶悪犯といいますか、最もやってはならないことをやった、これはもうそのまま条文に書く、しかし、それ以外のことを条文に書くのには、それじゃ放火はどうだ、何はどうだということになって、それをずらずら書くか、あるいはその他のというふうに書くかということでは、きっと御議論が、私が恐らくやめた後のことであるかもしれませんが、事務的には相当御議論があったことだと思います。  しかし、それらをひっくるめて、その他の問題で日本が信ずるものであれば要求するということにして、そこは恐らく日本側の交渉態度が強くてこういうことになったんだというふうに私は思います。  つまり、起訴前の容疑者を日本側に渡すということについて、これは少し表現に、あるいは問題が適当でないかもしれませんが、つまり国民感情からいって、日本人が殺されたとかひかれたとかどうされたとかいうときに、それが外人というかアメリカ人がアメリカの管理のもとにあると、靴の裏から足の裏をかいているようでどうもいかぬ。それはもうそういう事件を起こしたらすぐに日本へ引き渡して、日本で徹底的に取り調べをするんだ、こういう気持ちが中にあったわけです。特に、アメリカが管理をしてしまうとなかなか事実関係が正確にならない、つまりはっきりしない。自白をしないとか、あるいは犯罪の立証がなかなか困難で時間がかかる、そういうことじゃいけない。だからそれはもう引き渡せ、こういうことであったわけです。  私、御質問の通告がありましたから、資料を見ました。なぜここはすぐに引き渡しの要求をしなかったんだということも、事務方とそのころの記録を見てみましたが、そのときの記録を見る限り、犯人は極めて捜査に協力的であった、非常に素直で、その事件についても直ちに認めていた云々ということが書いてあって、そこで引き渡せというところまでいかなくて、もう起訴ができちゃったということであった。  私は、そういうこともあるかもしれないと実は思うわけです。しかし、今後の問題として、今下地議員がおっしゃったように、その他という部分をどのくらい見るか。何でもかんでも全部というわけにいかないわけですけれども、どこまでをその他というかということについて、もう少し具体的に詰めておく。これは、外に張り出すかどうかということは別として、もう少しお互いに、ここまでだったらやはりもうそれは引き渡してもらいますよということを具体的に詰めるというぐらいの作業はしなきゃいけないだろうというふうに私は思いました。  そこで、今そうしたお尋ねもございましたから、私は、事務当局と相談をしてみます。これは相手のあることでもありますから、どこまで実現できるかということについてはまた別の要素もあると思いますが、我々がどこまで、こういう事例についてはこうするという、表現は悪いのですけれどもマニュアルみたいなものをつくって、この場合はこうだよということができるかどうか、作業をさせてみたいと思います。その結果については、少し時間的御猶予をいただきたいと思います。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 もうお時間ですから結構です。  最後に、先進国同士でありますから、捜査に支障があるということは両国ではないと思います。精神的な部分、これは非常に大事ですから、今大臣がおっしゃったことをやっていただきたいと思っております。どうぞ退席してください。  それでは、防衛庁長官にお聞きをさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  長官、今度SACOの合意がスタートするわけでありますけれども、このSACOの合意がスタートして県内移設という形になりますね。県外移設だとか海外に移設だとかというのじゃなくて、県内移設でやっていくという形になるわけですけれども、長官御存じの五・一五メモというのがあるわけですね。この五・一五メモは、間違いなく八十八カ所の、当時の日本政府とアメリカ政府で、基地の使用協定に対していろいろな協定を結んでいるわけであります。  この基地の使用協定でありますけれども、一つを言えば、那覇軍港だったら使用目的は港湾施設や貯油所というふうになっておりますし、そして牧港の補給基地だったら宿舎だとか管理事務所、補給処というふうな形になっているわけでありますけれども、今度那覇軍港が牧港に移ったら、その港湾の使用目的にないものに港湾の使用目的がつくわけですね。そして普天間が、場所は限定できませんけれども、別の場所に移って、飛行場がないところに新しい飛行場が設定をされたら、そこに飛行場が、新しく航空基地ができますよという基地使用協定にならなければならない。そしてこの前、日米地位協定の運用面でも、嘉手納と普天間の騒音問題の協定も結ばれているわけなんです。  これから沖縄でSACOをきちっと進めるに当たって、基地の使用協定は見直していかなければならなくなってきているのではないかというふうに思うんですけれども、この辺に関していかがでしょうか。今、いろいろな移設問題で、移設先に言われている人たちの心配は、この基地使用協定の流れ、この前、私もドイツへ行ってきましたけれども、間違いなく騒音、何時から何時まで飛行機は飛ばしません、それから飛行ルートはどうしますということを明確に基地使用協定で結んでやっているわけでありますけれども、新たに基地使用協定の見直しを行って、そういうふうなものもきちっと整理をしていきますよということを私は政府の方からやられることがこのSACOの前進につながると思うんですけれども、いかがでしょうか。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 お答えいたします。  余り資料を持って答えない方がいいようでございますが、お許しをいただきたいと思います。  先般、防衛庁長官につきましてから、河野外務大臣また青木官房長官が沖縄を訪ねられました、私もその後を追うようにして沖縄を訪問いたしました。知事にもお会いをして、ごあいさつを申し上げてきたところでございます。  SACOの最終報告に向けて、新しい沖縄が動き出そうとするときですし、また知事がこれらの問題につきまして、いかなる沖縄をつくり上げるかということにつきまして御腐心をいただいておるときでございますから、私はお会いして、それらの問題が総理初め官邸におきましても心配されておるところでございますので、そういう中で動き出しますれば、防衛庁長官として最大限の努力をさせていただきたい、かように存じておりますということで、ごあいさつが中心でございましたが、行ってまいりました。  また、せっかくの御質問をいただきながら恐縮でございますが、四軍司令官にもお会いをしてまいりました。各司令官を集めておってくれまして、今沖縄の米軍にとって、それぞれ市民として我々は注意を喚起していかなければならぬ問題がある。それは空においても陸においても、まさに交通問題にも触れまして、いわゆる沖縄におきましての米軍がいかに沖縄県民の信頼を得るか、そういうことについて相当御苦心をしておられる決意を伺ってまいりました。これから新しい沖縄に向けて動き出すのだな、こう考えながら、今河野大臣の御答弁を聞いておったわけでございます。  今委員から御指摘の五・一五メモによる基地の使用条件の変更が必要になるのではないか、防衛庁長官の見解いかんということでお尋ねでございますが、防衛庁は沖縄に所在する米軍施設・区域の整理、統合、縮小を進める上でSACO最終報告の着実な実施を図ることが重要な課題である、かように認識いたしておりまして、その最大限の努力をしてまいりたいと思っております。  その問題につきまして、今委員からのお尋ねでございますが、いわゆる最終報告の土地の返還事案のうち、他の施設・区域への移設に伴いまして、移設先の施設・区域の使用目的、使用条件等の変更が必要となる場合は、その都度日米間で協議の上、合同委員会で合意することが考えられるわけでございまして、これらの問題も含めて、いわゆる新しい沖縄に対する知事の取りまとめ、御返答はどういうぐあいにやるか、これを今注視しながら、さような方向づけの中で努力をしていきたい、かように考えておるところであります。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 この基地使用協定の変更は何回か行われているんですね、目的が変わったりなんたりして行われていますから、県内移設だったら、これは間違いなく基地使用協定の変更はやらざるを得ません。やらないとそれはおかしくなりますから、これはやると大臣が言っていると私は解釈をさせていただきたい。大臣、よろしいですね。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今申し上げて、やがてそういうような形に移行していくわけですから、賢明な下地議員におきましては、今知事がそれらの問題に取り組んで、どういう沖縄に仕上げていくかということを御考慮いただいておるわけでございますから、それらの問題を含めて政府が取り組むとなれば、防衛庁、施設庁がいろいろお手伝いをすることはたくさんございますので、そういう方針、方向で取り組んでまいる、こう御理解いただいて結構でございます。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 では、やるというふうに理解をさせていただいて、前に進めさせていただきます。  今度は、外務総括政務次官にちょっとお伺いをさせていただきたいと思うんです。  この前、嘉手納のPCBの問題が出たのですけれども、この嘉手納のPCBの問題で、私は当時政務次官として環境庁だとか外務省だとか沖縄開発庁そして防衛施設局の代表で行ってきました。行ってきて、いろいろな問題を見せていただいたのですけれども、アメリカの嘉手納基地の対応は非常にすばらしい対応をしてくれた。マスコミに対する対応もしっかりしておりましたし、そしてその他の取り組みも非常に早かったと私は評価をさせていただきたいというふうに思っているんです。  そして、アメリカ側が調査をしたのです。調査をして、一メートル掘って、何カ所か掘って調査をして、その結果がことしの七月に出てまいりました。七月に出てから、今度はまた日本側が補完調査をしているんですね。いえば、補完調査を先進国同士でやり合うというのは僕はいかがなものかなと思うんですよ。そういうふうなことをやるのは逆にむだなことでありまして、こういうふうな環境問題が出たら、日米間でマニュアルをつくって共同で調査をする。そして、きちっとこういうふうな報告を国会においても県においても行うというふうなことをすると、アメリカ側がやりました、日本側がやりましたというやり方じゃなくて、共同でマニュアルをつくってやるというのが必要じゃないかなと私は思っているんです。  この前もこの件で嘉手納の司令のところに行ったら、これはぜひその方がいいのだ、共同でマニュアルをつくってやった方が、アメリカ側もその方がいいのだと言っているのだというふうなことを申し上げているわけでありますから、この件に関して、外務省はぜひ、環境庁とも、音頭をとっていただいて、これからの沖縄の返還地の問題で、環境調査だとか埋蔵文化財だとかいろいろなものが出てきますけれども、その中の一つの環境調査に関してはアメリカと今後とも共同でマニュアルをつくって取り組んでいくということをぜひおやりをいただきたいと思っているんですけれども、総括政務次官、いかがでしょうか。

東祥三自由党外務政務次官

○東政務次官 基本的に、お話を伺っていて、極めて論理整合性がありますし、またそういう方向で考えていかなければならないのかな、そういう印象を持ちます。  御指摘の嘉手納基地でのPCB汚染が問題になったときに、政府は、もう御案内のとおり、在日米軍施設・区域内の環境に関連して具体的問題が生じた場合には、日米合同委員会の枠組み、特に同委員会の下の環境分科委員会を活用して、米側と十分に協議の上、対処しているところでございます。他方、この問題に関しては、委員みずからは四度にわたって現地を視察されていらっしゃる。本件について極めて高い御関心とまた情報を持っていらっしゃる。また、今のお話を聞いていても、そのとおり私は思うわけでございます。  この問題については、周辺住民の方々の御不安の解消にこたえるとの視点から、米側と調整の上、念には念を入れて日本側による補完的調査を実施したところである、これも御承知のとおりだろうと思います。その上で、今後とも政府としては、米軍施設・区域の環境に関連して具体的問題が生じた場合には、住民の方々の御関心や御懸念に十分配慮するとの観点から、日米が協力して対応することが重要であると考えております。そして、その上で、今御指摘の点も含めて日米でどのような協力体制づくりが可能かについて、関係省庁と相談していきたいと考えております。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 この共同マニュアルは非常に必要だと思っておりますから、ぜひお願いをしたい。総括政務次官の初めての答弁でありますから、私は信じておりますので、早目にでき上がったという報告を受けたいものだと思っておりますから、ぜひ、総括政務次官の名誉にかけても、早目に結果をお出しいただきたいというふうに思っております。  時間が来ておりますから最後になりますけれども、防衛庁長官にお聞きをさせていただきたいのですけれども、稲嶺知事が今いろいろな形で十五年ということを、歳月を言っているのですね。期限つき十五年という話をしているのです。しかし、外務省にしても防衛庁にしても、期限つきなんて、そんなことは言えないよというふうな話であります。  しかし、この普天間の基地、稲嶺知事があしたやると言っても、これに係る環境アセスに三年から五年。米軍基地をつくるからといって環境アセスをやらなくてもいいということにはなっていないのです。これは確実にやらなければいけない。三年から五年やって、それから基地が完成するのには五年から七年の歳月がかかると言われている。間違いなく十年かかるのですね。稲嶺知事は、十年かかった後、それから十五年後というから、二十五年後の話をしているのです。これは、県にも問い合わせをしたら、こういう感覚ですかと言ったら、そういう感覚ですとはっきりと申しておりますから、二十五年後にこの普天間の基地の問題を論じて、そしてこの期限つきをやろうということに、防衛施設局も外務省も世界の情勢がどうなっているかわからないという表現では、これはなかなか理解されないと思うのですよ。  二十五年後には間違いなくアジアの平和は確立して、普天間の基地、この海兵隊がなくなっても大丈夫なような状況をつくる、そういう努力を私どもしながら、お約束はできなくても前向きに検討してやっていくようにしますよと答えれば、県民も、ああさすがだな、相当な意欲を持ってやるなと思うのだけれども、できませんと初めからけ飛ばすものですから、平和をつくる気があるのかないのかという論議になっちゃっている。  そのことを踏まえて、この十五年は二十五年後ですから、二十五年後に向かって私どもはきちっとした方向性を出してやっていきますというふうなことを、明確に最後に二分間でおまとめになってばしっと言ったら、これでこの安保委員会の締めくくりは終わるというふうに思っておりますから、ぜひお願いします。

瓦力自由民主党防衛庁長官

○瓦国務大臣 今委員からきちんと締めなさいということでございますが、御案内のとおり、お互いに全力を挙げて取り組めばおのずから道が開けるわけでございまして、今委員お尋ねの年限の問題等につきましては、私の立場でコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  全力を挙げていわゆる沖縄問題に取り組んでいくいい機会でありますので、この機会を一緒に仕事をしようではないかという気持ちで、これからも機会あるごとに沖縄を訪れ、また仕事があれば、政務次官、優秀な方々がおりますから、一緒に頑張ってまいりたいと思っております。  以上です。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 沖縄問題、もう少しでいろいろな流れが出てくるはずですから、そのときには、きょうは防衛庁長官が言わなくても、内閣総理大臣からきちっと出るのではないかという期待をしておりますので、ぜひ、この十五年という歳月は決して近い話でもないし、二十五年の中で私どもはつくっていくのだという姿勢を百三十万県民に見せていただくことが私は大事だと思っておりますから、その思いをぜひ全うしていただきたいと思って、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

二見伸明自由党

○二見委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十六分散会

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