労働・社会政策委員会 第1号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1999/03/04
会議録
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、長谷川清君、末広まきこ君及び高橋紀世子君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君、中島眞人君及び山崎力君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○委員長(吉岡吉典君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に川橋幸子君及び山崎力君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(吉岡吉典君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、労働問題及び社会政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉岡吉典君) 労働問題及び社会政策に関する調査を議題とし、労働行政の基本施策について、甘利労働大臣から所信を聴取いたします。甘利労働大臣。
○国務大臣(甘利明君) 労働・社会政策委員会の御審議に先立ち、今後の労働行政についての所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。 我が国経済は、景気の低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にあります。雇用失業情勢についても、一月の完全失業率が四・四%、有効求人倍率が〇・四九倍となっており、依然として厳しい状況にあります。また、中長期的には、産業構造の変化や少子・高齢化の進展により我が国は大きな転換期にあります。 二十一世紀を間もなく迎えようとしているこの重要な時期に、国民に将来不安を抱かせるようなことがあってはなりません。雇用の改善は景気の回復よりおくれることから、今後しばらくは厳しい状況が続くことが予想されますが、このタイムラグをできるだけ小さくし、雇用の安心を実現すること、そして、働く人一人一人が希望にあふれ安心して働ける社会を実現することが労働行政が果たすべき責務であると考えております。 私は、このような認識のもと、新世紀に向けた繁栄へのかけ橋を揺るぎないものとするため、雇用の創出・安定という堅固な礎を構築することが必要であると考えており、次のような各般の施策を積極的に推進してまいります。 第一は、現下の厳しい雇用失業情勢に対応した雇用・能力開発対策の展開です。 雇用失業情勢の改善のためには基本的には景気の回復が必要です。しかし、ただ景気の回復を待つのではなく、積極的に雇用対策を推進し、雇用の維持・安定から、一歩踏み込んで雇用の創出を図っていくことが重要です。 このため、政府全体の取り組みとして百万人規模の雇用の創出・安定を目指し、雇用活性化総合プランなどの対策を迅速かつ効果的に推進いたします。特に、改正中小企業労働力確保法に基づき中小企業における良好な雇用の機会の創出を進め、総量としての雇用の場の拡大を図ってまいります。 就職が困難な方々に対しては、失業中のセーフティーネットの確保に万全を期すとともに、就職支援策を一層強化することが必要です。 このため、中高年求職者に対しては、各種講習やカウンセリング、職場体験講習、民間の教育訓練機関への委託訓練等を体系的に実施するなど、早期再就職を促進するための各般の施策を講じてまいります。 ことし三月卒業予定の新規学卒者の就職状況は過去に例のないほど厳しい状況にありますが、学校等との連携を図りながら、卒業までに一人でも多くの方が就職できるよう全力を挙げて取り組んでまいります。 また、障害者の方々の能力と適性に応じた雇用の場が確保されるよう、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな施策を総合的に推進してまいります。 また、産業構造の変化、勤労者の就業意識の変化等我が国の労働市場を取り巻く環境が急速に変化する中、労働力需給のミスマッチを解消し、迅速かつ的確な結合を実現するよう、労働市場の需給調整機能を高めていくことが必要であると考えております。 このような観点から、前々国会から継続審議とされている労働者派遣法の改正法案については一日も早く成立させていただきたいと考えておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 さらに、官民相まった労働力需給調整機能の強化を図るため、現在、職業安定法の見直しに係る検討を中央職業安定審議会にお願いしており、その成案を得次第、同法の改正法案を今国会に提出したいと考えておりますので、労働者派遣法同様、よろしくお願いを申し上げます。 このほか、経済団体等と連携して、求職者が多様な求人情報、産業雇用情報に迅速にアクセスできるネットワークを整備するとともに、厳しい雇用失業情勢に対応すべく、東京、大阪の公共職業安定所において、二月より土曜日、平日夜間の開庁を行い、求人情報の提供、求職相談等のサービスを実施しているところです。 第二は、少子・高齢化が進展する中で、生き生きと働くための支援策の充実です。 高齢化が一層進展する中で、アクティブエージングの観点に立ち、働く意欲と能力のある高齢者の方々がその知識や経験を生かして働くことのできる社会を実現することが、高齢者個人のためにも、また社会全体のためにも必要です。このため、六十五歳までの継続雇用の推進、シルバー人材センター事業の発展、拡充等を通じた多様な形態による就業機会の確保等により、少なくとも六十五歳までは現役として働くことのできる社会の実現に努めてまいります。また、自助による老後の所得確保を支援するため、確定拠出型年金制度の導入に向け、関係省庁とともに積極的に取り組んでまいります。 さらに、労働者一人一人が仕事と育児や介護とを両立させつつ、生涯を通じて充実した職業生活を営むことができるよう、育児休業制度や、ことし四月から義務化される介護休業制度の定着を促進するなど、労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための施策を進めてまいります。 第三に、一人一人が意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくりです。 経済社会の構造変化や労働者の働き方の多様化に対応した新たなルールづくりを推進するため、改正労働基準法の的確な施行を図り、労働時間の短縮を初め労働条件の確保、向上に積極的に取り組むほか、増加する解雇や賃金不払い事案等労働条件をめぐる問題についても、全国の労働基準監督機関において迅速的確な対処に努めてまいります。 また、働く女性が性により差別されることなく、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することは重要な課題です。ことし四月から全面施行となる改正男女雇用機会均等法のもと、職場における男女の均等取り扱いが実現するよう、全力で取り組んでまいります。 職場における安全と健康の維持、確保については、第九次労働災害防止計画に基づき、建設業対策を初めとする労働災害の大幅な減少を図るための対策の徹底や労働者の健康を確保するための対策の充実などに積極的に取り組んでまいります。さらに、深夜業に従事する労働者が自発的に受診した健康診断に基づく事後措置の実施等健康管理の充実を図るとともに、化学物質の有害性等の情報提供の充実を図ること等を内容とする労働安全衛生法等の改正法案を今国会に提出し、御審議をお願いすることといたしております。このほか、不幸にして労働災害に遭われた方には、迅速適正な労災補償の実施に努めてまいります。 第四は、多様な個性、能力を十分に発揮できる社会の実現です。 社会経済情勢の変化の中で、労働者が時代のニーズの変化に合わせて職業能力を適切にバージョンアップできるようにすることが重要です。このため、アビリティガーデン等の公共職業能力開発施設における職業訓練を積極的に実施するとともに、教育訓練給付等により労働者の自発的な職業能力開発を支援してまいります。 このほか、パートタイム労働を魅力ある良好な就業形態としていくための取り組みも行ってまいります。 第五は、地方分権、中央省庁再編等へ対応した労働行政体制の整備であります。 行政改革の要請に的確に対応し、効率的な労働行政体制の整備を図ることは重要であります。新しい体制のもとにおいても、雇用の確保、労働条件の整備等これまで労働行政が担ってきた任務を一層適切に果たすとともに、さらに将来のさまざまな課題に備えて、積極的に施策を展開することができるよう取り組んでまいります。 なお、特殊法人の整理合理化の一環として、雇用促進事業団を廃止し、雇用・能力開発機構を設立することを内容とする雇用・能力開発機構法案を今国会に提出いたしましたので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 このような施策の展開に加え、経済社会のグローバル化の中、積極的な国際労働行政の展開が重要です。国際会議等において我が国の立場を主張しつつ諸外国の経験からも学ぶとともに、アジアの代表としての役割を果たしていくことが必要であると考えております。 また、各般の施策の推進や諸課題の解決には政労使の一致協力した取り組みが必要です。このため、良好な労使関係の維持発展、政労使の意思疎通の促進に心を砕いてまいります。 以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信の一端を申し述べました。今ほど、労働行政がクローズアップされ国民の期待が大きいときはありません。私は、労働行政がこれまで積み上げてきた知識、経験と施策の総力を挙げて、国民の雇用に対する不安を払拭し、再び希望と活力にあふれた経済社会をつくり出すべく全力を挙げて取り組む所存であります。 委員長を初め、委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○委員長(吉岡吉典君) 次に、平成十一年度労働省関係予算について説明を聴取いたします。野寺労働大臣官房長。
○政府委員(野寺康幸君) お手元の資料に従いまして、平成十一年度労働省関係予算案の概要について御説明いたします。 一ページ目に全体の予算規模でございますが、労働省所管一般会計五千百九十億円でございまして、前年度に対し百九十三億円の増額でございます。 労働保険特会は全体で五兆五千四百六十九億円、前年度に対しまして千九百五十七億円の増額でございます。勘定別には、労災勘定が一兆九千二百一億円、同じく雇用勘定が三兆六千二百六十八億円でございます。 このほか、石炭特会の労働省関係部分といたしまして百六億円でございます。 主要事項別の内訳が二ページにございます。以下、新規事項を中心にその主な内容を御説明いたします。 三ページ目以下、大きな第一でございますが、安定した職業生活の実現に向けた雇用・能力開発対策の積極的展開、これは今回の労働省予算の最重要課題でございます、雇用対策の柱でございます雇用活性化総合プランを実施するために必要な経費が計上されております。 労働力需要サイドでございますが、先般の臨時国会で改正された改正中小労確法に基づきます創業、異業種への進出、ベンチャー企業への支援等が含まれております。 四ページ以下の労働力供給サイドでございますが、再就職が厳しい中高年の支援として中高年求職者就職支援プロジェクト、さらに新卒者対策といたしまして、学生職業センター等における情報の提供、さらにインターンシップの一層の普及等を含んでおります。また、特に障害者につきまして障害者緊急雇用安定プロジェクトなどをここに含んでおります。 六ページの労働力需給のミスマッチの解消でございますが、これは求職者の多様な求人情報へのアクセスを可能にできる仕組みを含んでおります。 七ページの失業中のセーフティーネットの確保でございますが、訓練中の給付の増大に対しまして必要な増額を図っております。 大きな第二、少子・高齢化が進展する中で生き生きと働くための支援策でございますが、アクティブエージングの観点に立った高齢者雇用対策を含んでおります。 また、職業生活と家庭生活との両立支援対策の充実ですが、ことし四月から義務化されます介護休業制度の定着を図るための施策、育児・介護を行う労働者が働き続けやすい環境の整備に努めてまいります。 少子・高齢化に対応しました勤労者の老後生活の安定のため、財形の中で確定拠出型年金制度の導入に今後取り組んでまいります。 大きな第三、九ページですが、一人一人が意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくり。創造的な働き方を促進する労働時間法制及び労働契約等法制の整備でございます。先般成立いたしました改正労働基準法の的確な施行及び社会の諸般の事情を反映して増大いたします申告、相談に的確に対応していく措置を含んでおります。 また、四月からの改正男女雇用機会均等法の施行に合わせまして、職場におきます男女の均等取り扱いあるいはセクハラの防止対策等もここに含んでおります。 十ページの労働時間短縮対策でございますが、小規模事業所における時間短縮に向けた取り組みを促進する、さらに年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減を図ってまいります。 賃金対策につきましても、賃金制度の整備改善に、特に中小企業に焦点を当てました支援を行ってまいります。 労働災害防止対策ですが、第九次労働災害防止計画に基づきます必要な措置を含んでおります。 十一ページの健康確保対策でございますが、健康管理の充実、深夜業に係る対策の充実等を含んでおります。 十二ページの労災補償対策ですが、業務上疾病等の対策、体制整備、重度被災労働者に対します介護施策の推進等を図ってまいります。 八の中小企業勤労者福祉対策でございます。 さらに、九の労使の合意形成の促進等が含まれております。 大きな第四、十三ページでございますが、多様な個性、能力を十分に発揮できる社会の実現でございます。時代のニーズに合わせましていろいろな形の職業能力の開発、向上を図ることができるように公共職業訓練施設等の充実、あるいは教育訓練給付制度等によります自発的な職業能力の開発への支援を行ってまいります。 また、テレワーク、在宅形態の労働等の広がりに対応して、テレワーク体験・相談センターの開設等を含んでおります。 十四ページの三のパートタイム労働対策でございますが、産業ごとの特性等に配慮いたしまして雇用管理改善対策等を推進する、さらに、特別な配慮を必要とする人々への雇用対策等の推進を図ってまいります。 大きな第五、国際化への対応でございますが、労働外交の展開です。活力ある高齢化の実現のために国際シンポジウムを開催する。さらに、経済危機にあるアジア諸国に対します支援を行います。 このほか、開発途上国の人づくりに対します支援も含んでおります。 さらに、外国人労働者問題への適切な対応を図ってまいります。 大きな第六が行政体制の整備でございます。 以上が労働省関係の予算案の概要でございます。 よろしくお願いいたします。
○委員長(吉岡吉典君) 以上で所信及び予算の説明聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時散会