予算委員会 第20号
- 発言数
- 414 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1999/08/04
会議録
○委員長(竹山裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に野沢太三君及び須藤美也子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(竹山裕君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹山裕君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、日債銀・長銀等金融問題に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、これより質疑を行います。長谷川道郎君。
○長谷川道郎君 おはようございます。自由民主党の長谷川道郎でございます。 総理並びに各大臣には、極めて本委員会の開催が急遽でございましたが、タイトな日程をお差し繰りいただきましてまことにありがとうございます。まずもって心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。 今日の不況は、私が申し上げるまでもなく極めて深刻な状況にあるわけです。今ちょうどシーズンでございますので、私の事務所によく学生さんが就職の御相談にいらっしゃいます。リクルートスーツを着た学生さんに今お会いするのが私は本当につらい思いをいたします。ほぼ絶望的な状況であるわけです。 かつてなべ底景気というのがございましたが、なかなか今回の景気、なべの底が続いておるようでございまして、今の不況はなべ底景気ではなくてフライパン景気と言うんだそうでありますが、一日も早く今回の不況から脱出できますように、そのためには金融システムが一日も早く健全化されますように、まさに祈るような気持ちでおるわけでございます。 冒頭、法務大臣に御出席をいただいておりますので、法務大臣にお伺いいたしますが、申し上げましたように、金融システムはまさに経済の動脈であるわけでございますが、残念ながらこの動脈がいささか動脈硬化を起こしておるというのが昨今の状況でございます。ここ一、二年の間に告訴、告発された金融機関は、東京協和・安全、コスモ、木津信用、大阪信用から始まりまして、まさに枚挙のいとまもないわけです。 しかし、金融システムに対するこういう内外の信頼を回復するためには、ルールを違反したケースに対してはペナルティーを科すのが当然のことであるわけでございますが、まず第一点、日本長期信用銀行事件、日債銀事件につきまして、その捜査ないし公判の状況について冒頭お尋ね申し上げます。
○国務大臣(陣内孝雄君) お答え申し上げます。 まず、お尋ねの日本長期信用銀行に関する事件については、東京地方検察庁において六月三十日、元日本長期信用銀行代表取締役頭取大野木克信外二名を証券取引法及び商法違反の各事実により東京地方裁判所に公判請求したところであります。 起訴された証券取引法違反の公訴事実の骨子は、日本長期信用銀行の平成十年三月期決算において当期末処理損失を約三千百三十億円圧縮して計上した虚偽の有価証券報告書を提出したというものであり、商法違反の公訴事実の骨子は、同期の決算において株主に配当すべき剰余金がないのに、法令に違反して株主に対し約七十一億円の利益を配当したというものであります。 第一回公判期日は平成十一年の十一月十九日でありますが、検察当局においては引き続き公判維持に万全を期するものと思います。 次に、お尋ねの日本債券信用銀行に関する事件については、東京地方検察庁において、七月二十三日、日本債券信用銀行取締役頭取から虚偽有価証券報告書提出に係る証券取引法違反の告発を受けて、警視庁、証券取引等監視委員会と合同で強制調査に着手したところであり、検察当局においては、さらに所要の捜査を尽くして事案の真相を解明し、法と証拠に基づき適切に対処するものと承知いたしております。
○長谷川道郎君 ただいま御答弁にございました虚偽有価証券報告書提出罪、証取法百九十七条第一号の適用でございますが、これは極めて重大な犯罪であるわけでございます。 市場に対して企業が正しい情報を公開する、これは当然のことであるわけでございます。それが市場の公正さを保持、担保する重要な要素であるわけです。これに違反をするということは極めて悪質な行為でございます。また、市場の公正をスポイルするという意味でも極めて重大な案件であると思うのであります。 今お話のございました虚偽有価証券報告書提出罪、これについて極めて厳しい態度で臨むべきではないかと思うわけでございますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(陣内孝雄君) 今、委員から御指摘のように、証券取引法上の虚偽有価証券報告書提出というこの罪は、企業内容の開示、すなわちディスクロージャーを適切に行わないことによりまして一般投資者の投資判断を誤らせ、有価証券の発行、流通の円滑化と価格形成の公正化を害するものである、このように理解しております。 これに対して、具体的な事件について申し上げるのは差し控えたいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、御指摘のように、検察当局においては、厳正、公平、不偏不党の立場から捜査を尽くした上で、法令の趣旨をも踏まえまして、常に法と証拠に基づき適宜適正に処分を行い、公判においても公判維持に万全を期する覚悟でございます。
○長谷川道郎君 個別の案件でございますのでこれ以上はお伺いをいたしませんが、もう一点だけ。 申し上げましたように、金融システムに対する信頼性を回復するのが当面の重要課題であると思うわけでございます。個別の案件についてはお答えしづらいと思うわけでございますが、日債銀事件等につきまして、厳正な審理を尽くして公判においても、私から申し上げるのも僣越でありますが、万全な立証を行っていただきまして、真相を早急に、これは三年、五年、十年というわけにまいりません、極めて近いうちに、早急にということも一つの要件であると思うわけでございますが、早急に真相を明らかにしていただくという点につきまして大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(陣内孝雄君) 具体的事件についての捜査及び公判につきましては、法務大臣としての所見を申し上げるということは差し控えたいと思います。 しかし、一般論として申し上げますと、今、委員の御指摘のように、不偏不党、厳正、公正に公判においても公判維持に万全を期するように努力してまいりたいと思います。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 金融界の頭取、会長と言われるような位人臣をきわめた皆さんが次に目指されるのが小菅の拘置所であるということであれば、これはブラックジョークでありますが、冗談にならない冗談だと思うわけであります。大蔵省接待事件におきましても、都銀十行中六行がこれに連座をするという、このように多くの不祥事件によりまして、結果として米国系の銀行のカウンターもハンバーガーショップのように一時にぎわったということでございます。 ところが、たまたまその後貸し渋りが起きまして、なかなか米国系の金融機関に預金移転するという企業が出てまいりませんで、結果的にそれが小さな混乱で済んだわけでございますが、今回の金融のいろいろな問題点の一つの大きな発端がスキャンダルであるとすれば、これはもう何とも情けない話でございます。司法当局のさらに厳正なお取り組みをお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 長銀、日債銀は現在公的管理下にあるわけでございますが、極めて近いうちに正常化され、やがて引受金融機関の手によって正常化される、そういうことであるというふうに確信をいたしております。しかし、両行に対しましては巨額の公的資金が投入され、そのこと自体も問題になっておるわけでございますが、不良債権隠し、飛ばし、また巨額の役員に対する退職金の支払い等々、国民の疑惑に対して必ずしもそれが明確にぬぐい切れていないというふうな感じがいたすわけであります。 今回の集中審議によりまして国民の不信が払拭され、金融システムへの信頼が取り戻せるようになることを祈るような気持ちで質疑に入らせていただきます。 なお、本委員会開催が決まりましたのは昨日の夜でございまして、なかなか系統的に質問をさせていただくという余裕はございませんで、多少行き当たりばったりになるかもわかりませんが、お許しをいただきたいと存じます。 長銀は、昭和二十七年、長期信用銀行法の成立によって設立をされたわけです。昭和二十七年の成立でございまして、時は池田大蔵大臣の時期でございました。池田大蔵大臣が設立をされた長銀を池田先生と極めて深い御関係にございました宮澤先生が幕を引かれるというのは、歴史のアイロニーと申しますか、若干の感慨があるわけでございます。(「随分言いにくい質問をするじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、これは宮澤先生にお伺いするつもりはございません。 金融再生委員会にお伺いいたしますが、長銀、日債銀といった長期信用銀行が戦後の日本の経済の中でどのような役割を果たしてきたか。恐らく極めて重要な役割を果たしてきたのではないかと思うのでありますが、今現在こういう状況になったわけでありますが、当時からの長期信用銀行の日本経済における役割はどんなものであったか、お伺いいたします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長期信用銀行それからまた日本債券信用銀行が戦後の日本経済に大きな役割を演じてきたというのは、先生今御指摘のとおりであります。 昭和二十七年に発足をいたしたのでございますけれども、当時は日本の経済の復興、それから高度成長へかけての時期ということで、日本の資本蓄積が十分でなかったこともありまして、企業は慢性的な資金不足に陥っている。しかも、それは設備投資資金といいます長期資金において特に顕著な状況にございました。 このような状況を受けまして長期信用銀行法が制定され、金融債という長期の資金を調達することによってその資金需要を賄っていくということが可能になったわけでありまして、このような資金によって、当時最も大事な産業分野である電力、造船、鉄鋼といったような分野の産業を支援することができましたし、またしばらくおいては石油化学あるいは化学繊維、さらには自動車、まさに日本の基幹産業を支えてきた、そういう非常に大きな役割を演じて日本経済の再建と成長に大きな貢献をなさった。このように評価をいたしております。
○長谷川道郎君 今、委員長おっしゃるとおりであると思うわけであります。 最近、ヘッジファンドに関してレバレッジという話がありますけれども、実はレバレッジは長期信用銀行がかなり大々的にやっておる。ちょっと時間がないので詳しくは申し上げませんが、ワリショー、ワリチョーというのは日銀への担保として効いたわけです。そういうことでもございますし、今、柳沢先生おっしゃいましたように、重化学工業に特に傾斜的に配分をした、慢性的な、当時ほとんどの銀行がオーバーローンであり資金余力がなかった、そういう時代に。またもう一つには、今も証券市場からの資金調達が企業の資金プロパーの大きな部分であるわけでありますが、証券市場が未成熟であったために、いわば歴史的な必然として長期信用銀行というのが必要であったということであると思うわけであります。 その後、ある時期、いつの時期かわかりませんが、だんだん日本経済の状況が変わってきて長銀の役割が変わってきた。結果的には長銀の業務が転換をし、その転換した先がクレジットであり不動産でありといったことが今回の問題の大きな理由、原因であったわけだと思うのでありますが、日本経済の転換とともに長期信用銀行の役割がどういうふうに変わってきたのか、この点についてお伺いいたします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長谷川先生の非常にお詳しい説明が既に御自身からあったような気もいたしますけれども、実は金融債というものは日銀の借り入れの担保にもなりましたし、また日本銀行のオペレーションの対象にもなったというようなことで、先生今レバレッジというようなお話でございましたけれども、金融債というものの、そうした意味で金融を回していくというような意味でも非常に大きな役割を演じて、それが同時に長期資金の供給にもつながったということでございました。 ところが、そういう中で、昭和四十年に国債が出るようになりまして、日銀の借り入れの担保も国債に転換される、あるいはオペレーションの対象も国債に転換されるというようなことの中で資金調達面での環境というものが大きく変化してきたということがございます。それからまた、資金の運用面というか貸出先につきましても、今私が挙げたようなそういう大手の企業に徐々に直接金融というようなものが入り込んでくるということの中で、総じて資金調達あるいは資金の運用、この両面において長期信用銀行のありようというものが大きな変化に遭遇したということでございます。 そういう中でプラザ合意があり、株式だとかあるいは不動産というようなもの、あるいは建設事業というようなものが大きくクローズアップされるということの中で、長期信用銀行はここぞというような感じになってそこへの融資を傾斜させていった、これが今日の事態を招いたという先生の御指摘は、私も大体同じような見方をしておるところでございます。
○長谷川道郎君 今お話しございました直接金融の問題でありますが、ある程度証券市場が成熟をしてきた段階、株式の時価発行ができるような時期と同じと言ってもいいと思うのでありますが、企業が時価発行し、それによってキャピタルゲインを得る。時価発行、例えば五十円額面の株を千円で売るわけでありますので、一割配当したところで金利は〇・五%ぐらいになるんですか、極めて低利の資金であり、かつゲインの大きい資金を企業が手に入れることができたということが長期信用銀行の衰退の最大の原因であると思うわけであります。 八〇年代、長銀も日債銀もトリプルAの格付であったわけでありますが、昨年、長銀が破綻をいたしました。長銀の当時の総資金量は二十四兆六千億。二十四兆六千億という金額はインドネシアのGDPと同じくらいであります。一つの大国が倒れるのと同じような大変な、恐らく人類史上最大の破綻と言ってもいいぐらいの大きな事件だったわけでございます。 続きまして、大蔵大臣にお伺いをさせていただきます。 大蔵大臣は、もちろん財政、金融については恐らく日本で最高の権威者でいらっしゃると思うわけでございます。今のシステムの脆弱性、今というか、つい昨年までの金融システムの脆弱性、危険性については恐らく一番よく御存じであったのではないかと思うんです。 衆議院の御答弁にも一部ございましたが、金融再生のスキームが成立する以前、破綻をさせないで、言ってみればいわゆる護送船団でやるという方法、それしか方法がなかったと思うわけでございますが、セーフティーネットの形成のタイミングがどうであったか、またセーフティーネットの成立以前の金融システムの脆弱性、危険性というものに対して大蔵大臣はどのようにお考えになっていらっしゃったのか、御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦後やってまいりました護送船団方式というのは、ある段階まで成功をしたことは確かでございますが、その段階でこの制度は打ち切るべきであった、自己責任に戻すべきであったということは御指摘のように明らかである。そのことをしなかったことの怠りというものは、これは指摘をされればそのとおりだと申し上げるしかないと私は思います。 しかし他方で、振り返ってみますと、一九八五年がプラザ合意でございますが、このころは世界のトップテンの銀行、トップテンバンクスと言えば日本の銀行が八つぐらい入っておったわけでございますから、そういう時代がそんなに昔ではないわけです。ところが、その後バブルになりまして、多くの銀行が地上げ屋と同じようなことをやりました、一言で申せば。それによって自分の信用を自分で失っていったと、酷でありますけれども。みんなではないが、そういうところが幾つかありました。それで急速に信用を失うわけでございますから、それに対応するセーフティーネットなんということは、実はそのころは現実のニーズとして考えられなかったことだったのではないか。 平成十年に金融安定二法というものができておりますし、それより前に預金者の保護という制度はできておりましたけれども、それはマネーセンターバンクスについて起こる出来事だとは到底考えられなかったわけでございますので、結局、本当のところは、事態が起こりまして、悪くなりましてから、昨年の国会の御議論の中から今の制度をつくっていただいた、こういうふうに思っております。 つまり、こういうことが起こるのであったら、金融当局はもっと早く万一のことを、セーフティーネットを考えておくべきだったということは、何もそれに抗弁することはございませんけれども、実は事態の動きが余りに早く、余りにまた大きかったということも申し上げられるかと思います。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 私どもは今の現時点で物を考えておりますので、大変失礼なお伺いをしたかもわかりませんが、ただいまの御答弁、それからことしの春の本委員会で私が大蔵大臣に質問させていただいてお答えをいただきましたプラザ合意のお話は、大変貴重ないわば歴史の証言であると思うわけでございます。大変ありがとうございました。 次に、金融再生委員会にお伺いいたします。 本委員会の本予算の質疑でも再三審議の対象になりました件でございますが、日債銀にしろ長銀にしろ、決算が粉飾であったのか、それともミスであったのかわかりませんが、極めて不適切な決算であったという、さっき法務大臣の御答弁で今の調査過程のお話がございましたが、決算が極めて不適切であった、悪く言えば粉飾決算であったということがだんだん明らかになってきた。 行政の限界であったのか、それとも当時の監督官庁に何か問題点があったのか、それはわかりませんが、長銀、日債銀等の有価証券報告書が極めて不適切であったという点についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか、お伺いいたします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 有価証券報告書の虚偽記載罪等に係る両行の問題でございますけれども、日債銀については現在捜査当局によって捜査が進められておる問題でもありますし、また長銀の方は司法手続にもう既に入った、こういうようなことでございます。いずれもそういう状況にあることを考えますと、これ自体について私どもがコメントをするということはやはり差し控えるべきであろう、このように考えております。 ただ、一般論として申し上げますと、セーフティーネットが片方で整備されていない、それでこれだけの、今、先生がまさに御指摘になったように巨大な銀行、しかもその営業範囲というものは非常に国際的にも大きな広がりを見せておるということの中で、では破綻が選択できるかというようなことを考えますと、なかなか厳しいいろいろな状況に置かれたというふうに、これは感情論かもしれませんけれども、感情的にはそういう気持ちを持っております。
○長谷川道郎君 ありがとうございました。 次に、長銀の今後の展開についてお伺いいたします。 先ほど申し上げましたように、長銀は当時の総資金量が二十四兆一千億、世界人類史上最大の破綻だというふうに申し上げましたが、今後これがMアンドAにかけられるとしたら、恐らくこれはもう世界最大のMアンドAになる。エクソンよりも多分大きくなる、最大のMアンドAになると思うのでありますが、今後の問題でありますのでにわかには詳細にお答えをいただけないかもわかりませんが、私どもの願いは国民の負担をなるべく膨らませないように、かつスムーズに早急に成功裏にMアンドAが進行されることを願っておるわけでございます。 今後の長銀の処分につきまして、特に大きな問題、課題がございますかどうか、お差し支えない範囲で長銀のMアンドA等に対しての見通しをお伺いいたします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今、先生御指摘のとおり、長銀も特別公的管理のもとにありまして、これが依拠しております法律、つまり金融再生法に定めるところでは、営業の譲渡であるとか株式の譲渡その他の処分によって最終的な処理を図る、こういうことになっておるわけでございます。 私どもといたしましては、こうした場合に一番心配されるのは、時間が経過することによって資産の劣化が起こる、こういうようなことによって国民の負担が増大してしまうというようなことが心配される最大の問題でございまして、とにかく早期に処理しなければいけないということで、私どもの判断といたしまして、とにかく全力を挙げるという意味が第一でございますが、同時にこの取引の透明性を確保するというようなことを考えまして、FA、フィナンシャルアドバイザーというものを公募いたしまして、フィナンシャルアドバイザーのアドバイスを受けてこれらの手続を進めることにいたしました。 関心を持ってくれる受け皿機関の候補というものも複数もう既に出ておりまして、今これらとの間で、再生法の枠組みの説明というかより深い認識を得ること、それからそれと並行して交渉の条件を協議するということを現在進めておるところでございます。 協議の中身の詳細については、これはある種商取引というようなことでもございますので、ここで私がちょうちょう申し上げることは差し控えるべきだと存じますけれども、アメリカの場合で同じような経験があったというようなこともございまして、そのアメリカの経験に基づいたいろいろな要求というか提案というものがございまして、これが我が国の法律の枠内にないことであるというようなこともございまして、これらをめぐって課題が存在しているということも確かでございます。 しかし、いずれにせよ我々は、今、先生が御指摘になられたような国民負担を最小にするということと同時に、物の言い方は変でございますけれども、これは個別の金融機関を救済するという考え方ではないと我々は法律の趣旨を読んでおりまして、その意味では日本の金融システムの向上といったようなものにこの機会をどのように活用していくかというような観点も含めまして、今後の交渉を手早くやってまいりたいと努めておるところでございます。
○長谷川道郎君 今お話がございましたように時間との戦いでございます。また、国際的なビジネスでのオペレーションでございますので、それは簡単に、じゃそこに売りましょうか、買いましょうかというわけにはなかなかまいらないことはもちろん承知をいたしているつもりでありますが、最後に長官がおっしゃいましたように、個別の救済でない、これはもう当然のことであります。日本の金融システムが今後再生、もちろん再生すると思うわけでありますが、再生する一つのきっかけになることは間違いないと思うわけであります。 個別の問題でありますので、どこどこの会社が買いに入っている、どこどこから照会があるということはもちろん今おっしゃれないと思うのでありますが、今お聞きになっていらっしゃる方で、どうなんだろうという御感想をお持ちの方が多分たくさんいらっしゃると思うんです。多少明るいのか、それともまるで暗やみなのかぐらいのことはいかがでございますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 大変難しい御質問でございます。しかし、私どもとしては明るい希望を持って、必ずこの今懸案の課題も、双方が知恵を出し合って頑張れば決してこれは打開できない課題ではない、障害ではない、このように考えておるところでございます。
○長谷川道郎君 この問題は余りお伺いするわけにまいりませんが、夜明け前ではなくて明け方ぐらいになっていっていればなというふうな感じがいたすわけであります。 続きまして、ペイオフの問題についてお伺いをいたします。 二〇〇一年四月からペイオフ解禁ということになっておるわけでございますが、ペイオフ解禁につきましては、最近というかここのところ、いい悪い、延期すべきである、またシステムを変えるべきであるといういろんな議論が巻き起こっているわけであります。ましてや、ペイオフの問題が預金の移転や金融システムそのもの自体を揺るがすような大きな状況になるかどうか私はわかりませんが、そういうことも喧伝をされているわけでございますが、ペイオフの実施についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。 また、昨日の新聞でございますか、金融システムの安定を揺るがすような事態が発生した場合には機動的に発動できる緊急避難条項を設けるという大蔵省のどなたかの御発言が新聞に出ておりました。私は、素人考えで申しますと、いざ危ないなというときには緊急避難条項をつけるんでしたら、最初からその条項を経常的に組み入れてもいいんじゃないかなというふうな感じがいたすわけでありますが、ペイオフ解禁についての基本的なお考え、それから先ほど申し上げました緊急避難条項、それからPアンドAという問題も今いろいろ問題になっております。これらの点について、ペイオフ全般の問題でございますが、大蔵大臣いかがお考えになりますか、承りたいと存じます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には、従来から申し上げておりますとおり、二〇〇一年三月をもってただいまの制度をやめたいと考えておるわけでございますけれども、御指摘がありましたように非常にたくさんの問題を含んでおりまして、注意深く処理をしなければならない問題だと考えますので、既に金融審議会にこれに伴いますいろんな問題についての御討議を願っておるわけでございます。 過日、これに伴います問題点の指摘が審議会から整理されて出てまいりまして、世の中にこれに対するリアクションなりサジェスチョンをお願いするということであったわけでございます。本来、金融審議会は秋に再開されるおつもりであったようですけれども、どうも私は秋まで待つことは余り適当でない、急いだ方がいいというふうに考えましたので、お願いをいたしまして、この八月の最初から再開をしていただくことにいたしました。 その再開におきましては、ただいま長谷川委員が言われましたようないろいろな問題を含めまして関連のあるあらゆることを検討していただいて、そして従来の方針を貫きます場合に、それに伴って何をしなければならないか、どのような事項あるいは配慮を、場合によっては立法をしなければならないかということも、私どもとしては、年内にもし臨時国会でもございますれば、そのときには考え方を申し上げなければならないだろう。そうでありませんと、いろいろ疑心暗鬼あるいは流説を生む可能性がございますので従来どおりいたしますが、それにつきましては、こういうことについてはこうしたい、ただいま長谷川委員の御指摘になりましたようなパーチェス・アンド・アサンプションであるとか、あるいは万一の場合のそれこそ措置をどう考えるのか考えないのか、いろんなことがありそうでございますが、年内には政府の最終的な考え方を申し上げられるようにしなければならないと思っておりまして、立法はいずれにしても来年の通常国会でお願いすることになりますけれども、そのような御審議を金融審議会にお願いいたしております。 御承知のように、柳沢大臣の方でこれを一つの目標と申しますかターゲットとして金融機関の健全化、早期是正ということを進めていらっしゃるわけでございますので、そういう意味でもこれは時期を延ばさずに予定どおりやらせていただきたいとただいまとしては考えております。
○長谷川道郎君 今の大蔵大臣の御答弁にも、疑心暗鬼や風説、流説を生むようなことがあってはならぬというお話がございました。そのためにも明確な方針をできるだけ早い時期にお示しいただきたいというふうな希望があるわけでございます。やみ夜に航海している船も、灯台の光が見えれば安心して走れるわけでありますので、極めて明確な御方針、お考えをできるだけ早いうちにぜひお示しを賜りたいというふうに考えるわけでございます。 もう一点、ペイオフに関連してでございますが、決済資金の問題がございます。企業決済資金は全額保護すべきであるという議論もまた最近ございます。その内容については私から申し上げるまでもないと思うのであります。 しかし、そうなりますと、例えば企業決済資金、当座預金等をペイオフの適用除外にするということになります。片や、一般の預金はペイオフで足切りになりますが、企業の決済資金についてはこれを保護するということになりますと、これまたいささか感情的には納得できないという御意見が出てくると思うのでありますが、企業決済資金の取り扱いについてはいかがお考えでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはまさに一つの問題でございまして、これからも金融審議会で議論をしていただきたいと思っておりますが、企業にとっての決済資金というのは、これは投資、インベストメントではございませんで、何も利子を稼ぎたいという目的のものでございません。そういう意味では、一般の預金者の預金と性格的に違うということは、ここまでは言えることでございますし、また企業の決済資金がとまりますと、これは決済そのものが影響を受けるわけでございますから、経済活動がとまるという問題すらございます。 そこまではおっしゃるとおりでございますし、確かに、それから先もおっしゃいましたが、それと一般の預金者の預金というものの間をどういうふうにするのか、その間に生ずるかもしれないモラルリスクをどうするかといったような問題がございますから、企業の決済資金というものの性格はそれとして十分に考えながら、しかしどういうふうな現実の措置が可能であるかということを、これは一つの一番大きな問題でございますけれども、金融審議会に鋭意検討していただきたいとお願いをしてございます。
○長谷川道郎君 大変難しい問題でございますが、二〇〇一年四月まで、正確に言えば四月までという現行の制度でございますが、時間が極めて限られておるわけでございます。申し上げましたように、できるだけ早い時期に明確な御方針をお示しいただきたいというふうに御要望を申し上げます。 続きまして、金融再生委員会にお伺いいたしますが、行政責任ということでのお伺いであります。 山一証券の自己破産によりまして、一千億を超える日銀特融が返済不能になりました。これを財政資金で全額補てんするのかどうか、それはまだ承知をいたしておりませんが、政府の保有する日債銀株がゼロになりました。まさに紙くずになったわけです。九八年春に日債銀に注入された公的資金六百億円、これもどうなるのか今のところ見当がつかない。九七年の奉加帳による増資、これも損失になる可能性が極めて高い。 もちろん、これらの問題を全部一括で処理するというわけにはいかないと思うのでございますが、これらはどういうふうな処理の御方針といいますか、どういう方向で事に当たられるのかという点についてお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 日債銀、長銀が倒れる前に今、先生がおっしゃったような公的資金が注入をされた、また民間の資金もそこに入れられたというようないきさつがございます。 これをどのように処理するかということでございますけれども、二つに分かれまして、劣後ローン的な部分とそれからまた優先株の部分があるわけでございます。こうしたものについては株価算定の評価というようなものが行われ、また劣後債についてはこれを保護するというようなことが行われて、保護するという前提で、これらの銀行が次の受け皿機関に引き渡されるときにその分については補てんをされる。こういうような形で、それぞれに株価の評価あるいは劣後ローンの保護というような形で一定の処理が行われていく、こういう次第でございます。
○長谷川道郎君 それでは、時間の関係でちょっと途中幾つか省略をさせていただきまして、預金保険機構の財源問題についてお伺いをさせていただきます。十一番でございます。 昨年十一月に施行された金融再生法等によりまして政府が用意いたしました六十兆円の公的資金枠のうち、本年五月末で約十六兆円を使用しておるわけでございます。今後の預金保険機構による十七兆円の枠の設定もございますし、このうち交付国債による七兆円は北拓の破綻処理等で既に一兆五千億を使用しておるわけでございます。 そうしますと、残りが五兆五千億程度になるわけでございますが、当然今後、長銀、日債銀の処理が入ってくるわけでございまして、長銀と日債銀の処理だけでも六兆円近く必要とされるのではないかという新聞報道もございますが、現在の特例業務基金七兆円、これの積み増しの必要があるのではないかというふうに考えるわけでございますが、これはいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、一兆五千億円を現金化しておりますし、今伝えられるところの長銀あるいは日債銀の最終処理が今おっしゃいましたような数字でございますといっぱいいっぱいになるわけでございますが、その数字が最終的に確定しておるわけではもちろんございませんし、確定までにまだ時間もかかることであろうと思われます。そういう推移、それから先ほどもお尋ねがございましたそれらの銀行の承継の問題等々もございますので、いつそういう事態になるかということはただいま定かでございません。 もちろん、必要がございましたら預金保険法の改正をお願いしなければならないわけでございます。国会にお願いをいたしまして、七兆円にかえて必要な改正をお願いしなければなりませんが、ただいまのところ、それが年度内に生ずるか生じませんか定かでございません。もちろん必要がありましたら改正をお願いを申し上げたいということは考えております。
○長谷川道郎君 もう一点、特例業務勘定のうち、政府保証債の十兆円の部分があるわけでございますが、これはあくまでも政府保証でございますので、いずれ預金保険機構でファイナンスをしなければならないという性格なわけでございます。もちろん、大蔵大臣が今おっしゃったように、全部うまく回って、償還が順調に進み、滞りがなくなればもちろん問題ないわけでありますが、償還が滞るということも考えられなくはないわけであります。 この十兆円の政府保証、これは全く不確定の問題でありますのでお伺いするのもいかがかと思うのでありますが、十兆円の政府保証債、いずれ預金保険機構がファイナンスをする場合、現在の保険料率の制度でいいのかどうか、また預金保険機構の財源の問題については別途何か手当てをする必要があるのではないかという点についてお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 現在の保険料でございますが、御承知のように特別の保険料を普通保険料以外に取っておるわけでございます。 もちろん、預金保険機構は、その保険料収入だけでは仕事ができませんので、先ほどのように自分自身の資金を、政府保証もあり、あるいは日銀からも借り、あるいは最近は市中からも金利が安うございますので借り、将来的には預金保険機構自身の債券を発行することも検討しておりまして、不自由がないようにはいたしておりますが、先々のことでこの保険料をどうするかということ、これも実は金融審議会の検討の一つの事項でございまして、リスクの少ない金融機関は保険料が安くてもいいではないかという議論がございます傍らで、いや、そうすれば保険料の高い銀行はリスクが多いのかということがございますから、なかなか差をつけることも難しい。 いずれにしてもこの問題は、まだ預金保険機構にはずっと仕事をしてもらわなければなりませんので、先々片づけていかなきゃならない問題だ、御指摘のとおりだと思っています。
○長谷川道郎君 大変ありがとうございました。 それでは最後に、BIS規制の問題についてお伺いいたします。 国際的な規制でございますBIS基準、これはG8だかG10だかでリスク防止として決定をしたわけでありますが、この八%というのは合理的な何か根拠があるのかどうか。ちょっと私も不勉強でありますのでよくわかりませんが、六%でもなく七%でもなく、九%でもなく一〇%でもなく、なぜ八%になったのか。そこら辺、もしも蔵相おわかりでございましたら御示唆を賜りたいと存じます。 このBIS基準制定以前の八三年、邦銀の海外融資残高が四千五百七十億ドルでございました。その七年後の九〇年には、邦銀の海外融資残高が二兆七百二十億ドル、約四・五倍に海外融資が膨らんでおるわけです。わずか七年の間に四倍に膨らんだ海外融資を抱える邦銀がBIS基準をクリアするというのは至難の業であった。今、相当いろんなことでクリアされつつあるわけでありますが、大変なことである。それは、週刊誌的にいえば、どうせ日本がクリアできないんだから八%を押しつけたのはアメリカの陰謀だなんて、そういう話もありますが、それは論外として、結果的に八%のBIS基準の設定が国際的な邦銀のオペレーションの収縮につながったのも一つの事実でございます。 例えば、円建てのローンがその数年間で急激に減っております。八〇年代半ばでは、いろんなシンジケートも含めて円建てのローンが一〇%近くあったというふうに資料で承知をいたしておりますが、九〇年になりましたらほぼゼロ、ゼロではありませんが一、二%ということになったということで、これは日ごろ蔵相がよく主張されていらっしゃいます円の国際化とは直接関係ありませんが、大きな意味で円の国際化の大きな阻害になっていたのではないかと思うわけでございます。 冒頭申し上げましたように、BIS規制が日本経済に与えた影響、それからBIS基準そのものが持つ合理性という点で蔵相はいかにお考えになりますか、お伺いいたします。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 現行のこのBIS規制は、一九八八年のバーゼル合意に基づきまして、銀行システムの健全性の確保と銀行間の競争条件の公平性の確保の観点から設定されたものでございます。この規制は国際的に活動を行っております銀行の実態を踏まえまして、我が国の意見をも取り入れた上で設定されたものと承知しております。 そこで、ただいま日本経済にどういう影響を与えたかという御質問でございましたが、例えば不況期に貸し渋りの原因となったのではないかとか、あるいはバブル経済の時期に銀行の過度のリスクテークを抑制する機能を十分に果たさなかったのではないかといった指摘がありますことは、私どもといたしましても十分承知しているところでございます。 ただ、これらの点につきましては、さまざまな論者がおられまして、いろいろな見方があると思います。そこで現在、その検証のための地道な努力が必要であるというふうに考えておりますし、御案内かと存じますが、現在、バーゼル銀行監督委員会におきましては、この銀行の抱えるリスクをより的確に反映する規制とするために見直しの作業が進められておりまして、市中協議案、コンサルテーションペーパーが回されておりまして、我が国としてもこうした議論には引き続き積極的に参画していきたいというふうに考えているところでございます。
○長谷川道郎君 大変ありがとうございました。 私の質問は以上で終了させていただきますが、最後に御答弁は結構でございますので、ぜひ総理のお耳をちょうだいしたいと思うのであります。 この間もちょっと申し上げましたが、昨年の暮れに大手のスーパーで消費税還元セールというのがありました。私は、ある大手スーパーの役員に友達がおりますので、どうだったと聞いてみたんです。そうしましたら、よくチラシに出てくるような百九十八円とか千九百九十円とかいう安い商品は一切売れなかった。八万、九万、十万という高級家具ですとか高級電化製品がどんどん売れた。それが一つの特徴。 もう一つには、今どき高額の買い物をされる方はカードで買い物をされるんですが、その時期に限ってカード使用比率が極端に下がった。みんな現金で買った。その現金も、ポケットの中から出したぼろぼろになった封筒の中に入っていた一万円札で払ったという話がありました。私は非常にいい話だなと思って、そのぼろぼろになった封筒のお金はどこにあったかわかりますかとお伺いしたら、それはもちろんたんすの中にあったんでしょうというふうにおっしゃっていましたが、確実にこの日本には金がたくさんある。 もう一点。私はこの間新聞を見ていましてびっくりしたんですが、ある中央紙にたくさんの日本長期信用銀行の広告が出ておりました、「まとめて預けて、大きく育てる ふやし上手」というふうな広告が。ふやし上手であれば何でつぶれたのかなと思うわけでありますが。 長銀には昨年の金融再生法第三十六条適用によりまして預金保険機構から三兆七千億円の資金貸し付けといいますか資金注入があったわけであります。この間いただいた資料を見てびっくりしたんですが、去年十月に三兆七千億の預金保険機構からの資金が入った長銀がことし四月二十六日までに一兆五千億返済している。普通、会社で去年の暮れに借りた運転資金の半分を春までに返済すれば、これは超優良会社です。長銀が何でそんなに早く、それ自体によって長銀が財務体質がよくなったということではありませんが、一つには金融システムに対する信頼性が極めて日本ではまだ強固である。破綻した銀行の債券を買おうというわけですから、極めて信頼性が高い。もう一つには、さっき申し上げたように金はどこかにたくさんあるということであります。 どうか、今後とも金融システムの再生にもちろん御尽力いただきまして、一日も早い不況の克服ができますようによろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 大変ありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 以上で長谷川道郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。 本日は、日債銀・長銀等金融問題に関する集中審議ということで、冒頭、質問通告をしていないのですが、少しお答えをいただきたいと思います。 昨八月三日、民主党の衆参両議員十六名が日債銀の東郷前頭取、それから同行の元会長であります窪田弘、それから大蔵省元銀行局長の山口公生、それから当時の審議官であります中井さんの告発をいたしました。当委員会でいうと同僚議員の簗瀬進議員もそのお一人として告発に加わられているんです。 この日債銀、長銀等の問題は、この通常国会中にも何度も何度も審議をさせていただきました。しかし、なかなか明らかにならない。こちらの要求資料もなかなか出てこない。答弁ものらりくらりとかわされ、そして今国会中に何と長銀においても日債銀においても逮捕者が出るような状況になっている。そして、さらにその逮捕者が出た中で、これはやはり国会の責務としてこの国会の中で明らかにするところは明らかにしようということで、衆参においてこの予算委員会で集中審議が行われるわけです。 我が党は、この集中審議について、その重要な人物であります山口元銀行局長それから中井審議官について参考人として衆参両院で答弁をいただきたい、逮捕者も出たんだからはっきりさせていこうではないか、これは国会の責務だということで求めたにもかかわらず、政府・自民党は全くその要求を拒否した上でこの集中審議になりました。 昨日の告発は、国会で明らかにならないことは仕方がないから司法の場で明らかにしていかなければいけない、国民の税金である公的資金が使われ、六百億円がパアになった、そして日銀を含めて奉加帳方式もパアになったという状況の中で、司法の場で明らかにせざるを得なくなったという大変苦渋の選択を民主党はしたわけです。 しかし、本来は国会で明らかにしていかなければいけない。参考人を呼んできっちり明らかにすることは明らかにしていかなければいけないということに対して、きのう告発をしたこの状況について、総理はいかがお考えか、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(小渕恵三君) 司法の場で決着をつけたいということで告発をされたことにつきましては、それは司法の場におきまして適切に対応されるものと考えております。 なお、こうして審議が行われるわけでございますので、より明らかになるためにこうして政府としても全力を挙げてその解明に努力をしておるわけでございます。 なお、参考人云々の問題につきましては、これは当委員会におけるいろいろ御審議のあり方につきましてでございますので、政府としてこのことをコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、元来、私も長い間国会に所属させていただきまして、衆議院の予算委員長もさせていただきましたが、時に国政調査権の問題とまた国会における審議のあり方、さらにまた刑事事件に既になっておる問題の処理のあり方につきましては、その時点時点におきまして、院において与野党間あるいはまた各政党間でお話し合いの上に一定の結論をつけ、解明に努力されてきたというふうに認識をいたしております。
○福山哲郎君 ぜひ、告発をしたのは一部の有志の議員でございますが、ここはその司法の場ではないですけれども、国会としての機能を参議院として明らかにしていきたいと思いますので、この審議での誠実な御答弁をお願いしたいと思います。 では、法務大臣にお伺いします。 きのうの告発を聞かれて、現状、どのような御認識でいらっしゃるか、お聞かせください。
○国務大臣(陣内孝雄君) 昨日、国会議員の方々から東京地検に対し、大蔵省関係者及び元日本債券信用銀行頭取らを被告発人として詐欺及び証券取引法違反による告発状が提出されたところでございます。同地検におきましては、適宜適切に対処するものと承知いたしております。
○福山哲郎君 法務省の方では、この日債銀の窪田元会長、また東郷前頭取の逮捕に至る過程で、山口元銀行局長や中井審議官についての詐欺罪等でもある程度調査をしたというような話も承っているんですが、そのような事実はございましたでしょうか。
○国務大臣(陣内孝雄君) お尋ねの件は捜査の内容にかかわる事柄でございますので、お答えすべき性格のものではないと考えます。
○福山哲郎君 わかりました。でも、そこは適宜しっかりとお願いします。(「わかっちゃいかぬよ」と呼ぶ者あり)いや、次、ちゃんと行きますので。 日銀総裁が早くお戻りだということで、日銀総裁にお伺いします。 六月二日、山一証券に対し、東京地裁は破産を宣告いたしました。債務超過額千六百二億円でございます。そのときに日銀総裁は、政府が山一の最終処理を適切に実現するよう期待すると強調されました。また、日銀の小畑理事は、日銀特融は民間企業の損失を補てんするものではない、そして中央銀行と円の信認を揺るがし、ひいては日本経済の地盤沈下につながると言って、特融に対する早期回収に対して大きな期待を寄せられた。 私は、今国会の二月二十六日の本委員会での質問で、同様の質問を総裁と大蔵大臣にさせていただきました。そのときはまだ山一の破産の認定がありませんから、仮定の話だという話でございました。しかし、現実問題として破産が確定をした時点で、現状、日銀総裁はどのような御見解をお持ちか、お答えください。
○参考人(速水優君) お答え申し上げます。 山一証券が破産という事態に立ち至りましたことは、日本銀行としてはまことに残念かつ遺憾に思っております。 ただ、日本銀行が実施してまいりました山一証券に向けてのいわゆる日銀特別融資、特融と言っていますが、平成九年十一月に山一証券が廃業、解散方針を決定したときに、我が国金融・証券業界に対する信認の低下とか内外市場の混乱を引き起こすことを回避するということで、当時まだ法案が整備されておりませんでしたし、金融システム全体の安定を確保するということで、最後の貸し手という中央銀行の機能を発揮すべきであるという政策委員会の決定で、必要な措置として特別融資を出したわけでございます。 日本銀行としましては、今後、破産手続の中で適切に権利を行使していくことによりまして、山一証券の資産処分を通じた特融資金の回収に努めていく所存でございます。既にピークで一兆二千億ぐらいまで特融は行っておりましたけれども、今三千四百億ぐらいの残高がまだ残っております。 ただ、これによりましてもなお相当規模の回収不能額が発生するものと考えざるを得ませんけれども、本件特融につきましては、平成九年十一月二十四日付の大蔵大臣談話におきまして、本件の最終処理も含めて、証券会社の破綻処理のあり方に関しましては、寄託証券補償基金制度の法制化、同基金の財務基盤の充実、機能の強化等を図って、十全の処理体制を整備すべく適切に対処したいということを大臣談話として言っておられます。日本銀行資金の最終的な回収にこの点で私どもは懸念がないと考えているわけでございます。 実際、こうした事情を踏まえまして、大蔵大臣におかれましては、国会におきましても、本件については大蔵大臣の責任において解決しなければならないという趣旨のことを御答弁なさっておられます。 私どもとしては、特融の具体的な返済方法につきまして、現時点で予断を持っているわけではございませんけれども、いずれにしましても、今後の破産手続の進展を踏まえつつ、最終的には大蔵大臣談話の趣旨に沿った適切な対応が図られているものと考えております。
○福山哲郎君 その問題の大蔵大臣談話があるわけでして、今まさに日銀総裁が言われたとおりに、平成九年十一月に大蔵大臣の談話で適切に処理していきたいという話があった。しかし、問題のその頼りの日本投資者保護基金の方では、これは投資者保護の目的であるから山一問題は対象外だというふうに言われている。 これは、大蔵大臣も実は私とのやりとりの中でこういうお話をいただいています。 大蔵省がいわば音頭をとって日銀にもお願いをし、民間にもお願いをして金を出してもらって、何とかここは乗り切ろうといたしましたその乗り切りが成功いたしませんでしたので、あちこちに御迷惑をかけるようになった。それはまことに音頭をとった者に私は責任があると思います。 と言われている。 これは、セーフティーネットがなかったから仕方がなかったとかいう議論ではない。それから、金融と財政の分離を含めて、大蔵省は金融監督庁をつくって、ある意味で言うと機構改革で責を果たしているではないかという答弁もございますが、現実にこの日銀特融が焦げつきをしたということに対して、大蔵大臣は、音頭をとった者に私は責任があると思うと言われている。そして、大蔵大臣の談話がしっかりと残っている。しかし、その談話に対して投資者保護基金は、これは投資者保護の目的であるから山一問題は対象外だと言っている。しかし、今、日銀の総裁は、このとおりに返るものだというふうに思っている。 私が質問したときは確かに山一が破産をするかどうかが仮定の話でした。しかし、現実に破産をして、この同じ国会内での議論でございます。どうか大蔵大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それでは、少し詳しく申し上げます。 平成九年十一月二十四日にこの特融は行われたわけでございますけれども、当時は日銀法の旧法の時代でございまして、旧法の二十五条によりまして日銀総裁が大蔵大臣に特融をすることについての認可を申請されていました。大蔵大臣がそれを認可しております。ところが、この規定は新法になりまして大蔵大臣が要請をするということに変わっておりまして、そして旧法の認可は要請をしたものとみなすとなっておりますので、これははっきり大蔵大臣が要請をしたものというふうに考えるのが相当であります。 その次の御質問は、平成九年十一月二十四日に、今お話しの寄託証券補償基金制度云々ということを大蔵大臣が言っておられるわけなんですが、この補償制度というのは、成立をいたしますときに、これは申し上げておかなきゃなりませんが、この制度ができますと、補償基金がその発足前の、証券会社、山一証券を含む破綻処理に伴う貸付債権を譲り受けることができる旨の規定がこの法律に設けられている。 まことに厄介な話なんですが、基金をつくるのは許す、そのかわり前の山一証券のものもしょえよと。しょえよとは書いてないんですが、譲り受けることができると書いてありまして、したがいまして現実にはこの基金というものがその責めを免れるものではないとまず第一段に私は考えます。ところが、その基金が今三百三十億円しか金を持っておりませんで、平成十一年三月末に増資しましても五百億円でございますから、ちょっとこれで弁済できるとは私は思わない。 責めはあると思っております。責めはないと私は決して言うつもりはないんですが、これでは恐らく足りないのでございますから、そうすれば、要請をした大蔵大臣がこれについて日銀に何かの形で責めを負わなければならない、私は依然としてそう思っております。
○福山哲郎君 その何かの形とは何でございますでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 終局的に日銀に未済になりました額、それは今幾らかはまだ確定いたしません。恐らくまだ一、二年この山一の処理がかかると思いますが、結局それは大蔵大臣が日本銀行にお払いをしなければならない。基本的には、どういう方法にしろ、その責任はあるというふうに私は考えております。
○福山哲郎君 大蔵省がお払いするということは、それは国民の税金で埋めるということでしょうか、わかりやすく言うと。
○国務大臣(宮澤喜一君) 要請をしたことが法律上明らかでありますから、要請をした金が戻ってこないときには要請をした者に責任があると考えるのが相当だろう、一種の常識論でございますけれども、私はそう思います。
○福山哲郎君 この大蔵大臣談話はもちろん宮澤大蔵大臣じゃございませんよね。ところが、これは大蔵省の機関として責任をとると。責任をとるということは、責めを負うということは、イコール国民の税金で責任をとるということですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま申し上げましたとおり、保護基金というものが責任を持っているということはまず前提にしなければなりません。それが足りないときの問題でございますから、何かのことをしてこの債務というものは日本銀行にお返しすべきものだ、その基本的な責任は要請をした大蔵大臣にある。
○福山哲郎君 足りないのが明らかになって、何かの形で責めを負う、責めを負うけれどもそれはまだ何かわからないという状況では余りにもいいかげんなんじゃないでしょうか。大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本銀行は、国の中央銀行として内外に対して、殊に世界に対して信用を維持しなければならない銀行でございますから、貸したものが回収できないというような状況にあるということは私はいかぬことだと思います。
○福山哲郎君 それに対しては、大蔵大臣の責任のとり方はどのように、例えばお金をお支払いすればそれでいいというふうに思われるのか。それは政治的な責任としては発生しないんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) やはり一番大事なことは、日銀としては金を返してもらいたいということだと思います。やっぱり要請をした者はそれは返さなきゃいけないと思います。
○福山哲郎君 そこで談話を発表したと。そこの談話を発表したところでは、この基金から返すというようなことの談話を発表して、それが足りませんから国民の税金なりを使ってくださいと言うことに対する政治的な責任は発生しないのですかというふうにお伺いをしているんですけれども。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当時、関係者の判断の中で、山一は債務超過でないという判断があったかもしれません。しかし、それは現実に債務超過になったわけですから、やはり要請した者の責任は免れない。
○福山哲郎君 どうもお答えをいただいていないと思うんですが、そのときの日銀総裁はこのように答えているんです。もしそれがだめな場合には、「銀行券発行残高は今五十兆ですけれども、それの一割に相当する資本準備金というものを常に抱えております。そういうものの中で毀損が出てきた場合には払わざるを得ないということでございますから、」、私が日銀の権威や信頼は侵されないのですかと言ったことに対して、「その辺はそんなに御心配いただくようなことにはならない」というふうに速水総裁はお答えいただいています。 速水総裁がこれをお答えいただいた、資本準備金というものから「毀損が出てきた場合には払わざるを得ない」というふうに御答弁いただいている御認識は、いまだ変化はございませんか、これはちょっと先ほどの話とは違ってくるんですが。
○参考人(速水優君) この案件につきまして、大臣から詳しく経緯を報告してくださいましたとおりでございます。私どもは、この案件については、大臣の今言われたようなことで、特融が仮に完済されない場合にも戻ってくるというふうに考えております。 そのほか、日本銀行としては、資産のうちやや回収に疑惑を持つようなものに対しては引当金を積んでおります。それによって、不安定な資産に対する引き当てを積んでおくことにおいて日本銀行に対する内外の信認、通貨に対する信認は保ってまいりたいということで、その都度、政策委員会で何%積むかということを決めて引当金を積んでおります。そのことだけを御報告させていただきます。
○福山哲郎君 そうすると、日銀総裁にお伺いしたいんですが、みどり銀行や幸福銀行などに向けてもまだ日銀は特融があるはずですが、これの残高はどのぐらいになっていますか。
○参考人(速水優君) 今、特融の残高は、八月三日時点で八千五百億ございます。その中に今言われた銀行、みどり銀行等についてのものも含まれております。
○福山哲郎君 ということは、その中でまた債務超過があれば返ってこない可能性もあるということですね、総裁。
○参考人(速水優君) 預金保険機構の対象になっているところが大部分だと思いますけれども、そういったものが支払いを受けてなおかつ特融が焦げついて返済されないというようなことのために引当金は常に積んでおります。
○福山哲郎君 今、可能性があるということを言われたんだと思うんですが、僕はこの間のこの委員会でも申し上げたんですが、要は日債銀にしても長銀にしても、これは形は違うけれども奉加帳を回して日銀にお金を出させた。そして、そのときに確認書を含めて再建は可能だと言って出させて、それがパアになった。これは公的資金も同じでございます。 今回のこの山一の特融も、増資と特融という形で、確かに表現は違うかもしれない。でも、大蔵大臣が談話を発表して何とかするからと言って、結果としては債務超過だと。そして、日銀の特融が焦げついて、大蔵大臣は今支払いが足りないと言われる。体質的には同じことが起こっているわけです。それで、結果としては当時セーフティーネットが足りなかったからだと言われる。 では、先ほども申し上げたように、それに対する中央銀行としての信認や権威、今まで日銀の特融は焦げついたことがなかった、そういったものに対する政治的な責任はないのかということを問いたいんですが、総理、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 銀行につきましては、今おっしゃいましたように預金保険機構等いろんな仕組みができておりますけれども、証券については確かにそれがおくれておった。寄託基金なんというものもようやくそれからできるのでございますから、大変おくれておったことは確かでございます。銀行に対するよりももっとおくれておりました。したがいまして、日銀に特融をお煩わせしたということでありますので、御指摘のように、政府がそういうセーフティーネットを金融機関、証券会社あるいは保険会社等について十分備えていなかったというこの責任は免れることはできないと思います。
○福山哲郎君 日債銀の問題に移ります。 銀行法の第二十六条には、これは改正前の旧銀行法でございますが、「大蔵大臣は、銀行の業務又は財産の状況に照らして必要があると認めるときは、当該銀行に対し、その業務の全部若しくは一部の停止又は財産の供託を命じ、その他必要な措置を命ずることができる。」というのが二十六条にあります。また、第二十四条の一項には「大蔵大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。」というふうに旧銀行法ではありました。 この二十四条を適用して日債銀に報告を求めたことはありますか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 銀行法二十四条等に基づき金融機関から報告を求めたかどうかという個別の問題に関しましてはコメントを差し控えたいと存じますが、一般論として申し上げますと、監督上必要な事項につきましては絶えずその状況に応じまして銀行法二十四条等によりまして金融機関から報告を求めております。
○福山哲郎君 何で日債銀についてコメントを差し控えなければいけないんですか。今その集中審議をしているわけですよ。日債銀に対して銀行法二十四条に基づいて資料、報告を求めたことがあるかというふうに聞いているんです。もう一度お答えください。
○政府委員(日野正晴君) 銀行法二十四条に基づきます報告と申しますのは、例えば定期的に決算の状況表でありますとか、あるいは日計表等がございます。 具体的にどういった場合に二十四条に基づいて報告を求めるかということは、その都度その都度、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する必要があると認める場合に報告を求めているということでございます。
○福山哲郎君 済みません、時間がないので簡潔にお答えください。 日債銀に対して、二十四条に照らして健全かつ適切な運営を確保するために資料の提出を求めたことがありますかとお伺いしているんです。もうイエスかノーかで答えてください。
○政府委員(日野正晴君) 私が御答弁申し上げておりますのは、銀行法二十四条の現在の金融監督庁の運用ということをお答え申し上げているわけでございまして、当時の日債銀に対する報告徴求というのは、この二十四条というよりも、その当時は通達に基づいて行われていたようでございます。(発言する者あり)
○委員長(竹山裕君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(竹山裕君) 速記を起こして。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 日債銀からとっているかどうかというお尋ねに対しましては、とっているというふうにお答え申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 時期、回数を教えてください。
○政府委員(日野正晴君) 今具体的に、いつ、どういうものかというちょっと細かいことは手元に資料がございませんが、先ほど申し上げましたように、決算の状況表あるいは日計表等について定期的に報告を求めているということでございます。 それから、破綻の直前には、私どもは銀行法二十四条に基づいて報告徴求をしております。
○福山哲郎君 事前に通告しているんです、時期と回数は。銀行法二十四条により日債銀に対して最初にいつ報告を求めたか、求めていればその時期と回数は。
○政府委員(日野正晴君) 先ほど定期的にと申し上げたことを敷衍して申し上げますと、決算期ごとにとっているというふうに御理解いただきたいと思います。
○福山哲郎君 決算期にとるなんて当たり前じゃないですか。金融監督庁、大蔵省なんですよ。 これは健全かつ適切な運営を確保するために必要があると認めるときは求めることができると言っているんですよ。それをいつとっているんですかと聞いているんじゃないですか。回数といつ始まったのかということを聞いているのに、そんなふざけた答弁はないでしょう。 委員長、できないですよ、これ。審議進まないですよ。
○委員長(竹山裕君) 日野長官、しっかり答えてください。
○政府委員(日野正晴君) 今申し上げましたように、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保する必要がある観点から求めているということで、二十四条に基づいては、決算状況表とかあるいは日計表を平成十年の六月以降に求めております。これはあくまでも定期的なものでございます。 それから、そのほか月次ごとに、その月次の今申し上げましたような状況の報告を求めております。
○福山哲郎君 平成十年の六月からですね。
○政府委員(日野正晴君) 平成十年六月というのは金融監督庁が発足したときでございますが、それ以前の大蔵省当時から、今申し上げましたように、日計表あるいはその月次の決算状況表などの提出を求めているということでございます。
○福山哲郎君 違うじゃないですか、その答弁。 僕は、さっきわざわざ旧法だと言ったでしょう。九八年六月というのは新法になってからの話じゃないですか。旧法時代のもので一体いつから始まったのかと言ったら、前からやっていましたと。だから、それはいつかはっきり答えていただいたらいいんです。
○政府委員(日野正晴君) 九八年の六月以降は二十四条に基づいて報告徴求を行っておりますけれども、それ以前では銀行法二十四条に基づく報告徴求命令は行っておりません。
○福山哲郎君 さっきと答弁が違うじゃないですか。さっきの答弁と違うんですけれども。
○政府委員(乾文男君) 先ほどから長官がお答えしておりますけれども、まず実態から申しますと、各金融機関につきまして決算の状況でございますとか日計表、これは月次になりますけれども、そういうものを大蔵省当時から徴求しているわけであります。ただ、徴求の根拠と申しますか、ただいま御指摘の銀行法の二十四条でとるというのは監督庁になってからとっているわけでございまして、従来は銀行法の二十四条ということではなくて通達等に基づいて徴求していた、そういうことでございます。
○福山哲郎君 ということは、大蔵省は、金融監督庁時代じゃなくて大蔵省時代は、この二十四条に基づいては報告、資料を求めたことはないんですね。一度も例がないんですね。日債銀だけとは限りません、ほかの銀行でも結構です。ないんですね。
○政府委員(乾文男君) 大蔵省当時のことでございますけれども、銀行法二十四条に基づいてとったということではなくて、先ほど申し上げましたように通達等に基づいて徴求していたということであると承知しております。
○福山哲郎君 どんな通達ですか。
○政府委員(乾文男君) 今申し上げましたように、決算状況表あるいは日計表等について様式を定めて提出してください、そういう通達であったというふうに承知しております。
○福山哲郎君 それはあくまでも日常業務ですよね。この二十四条に照らしたものではないわけでしょう。
○政府委員(乾文男君) それは、まさに日常業務と言われれば日常業務でございますけれども、日常、銀行を監督している上において徴求していたということであると承知しております。
○福山哲郎君 ということは、二十四条に基づいては一度もやっていないわけですね。もう一度お伺いします。
○政府委員(乾文男君) 大蔵省当時は、一々と申しますか、銀行法二十四条ということではなくて、通達に基づいてそうしたことを徴求していたということだと承知しております。
○福山哲郎君 もう一つお伺いします。 第二十六条、「大蔵大臣は、銀行の業務又は財産の状況に照らして必要があると認めるときは、当該銀行に対し、その業務の全部若しくは一部の停止又は財産の供託を命じ、その他必要な措置を命ずることができる。」と。 二十六条に基づいて必要な措置を講じたことはありますか。
○政府委員(乾文男君) 日債銀について、この二十六条に基づく措置をとったことはないというふうに承知をしております。
○福山哲郎君 ほかの銀行はいかがですか。
○政府委員(乾文男君) これは先生あれでございましょうか、大蔵省当時でしょうか、それとも監督庁になってからでしょうか。 大蔵省当時、他の銀行について二十六条の措置をとったことはあるというふうに承知をしております。
○福山哲郎君 どのような措置をとられたのでしょうか。
○政府委員(乾文男君) 個別行の名前を言うのはあれかもしれませんが、公表しておりますので申し上げますと、いろいろな不祥事件が起きましたときに、例えば第一勧業銀行につきまして、何と申しますか、総会屋の事件がございまして、それにつきまして業務停止をかけたというふうなことはこの第二十六条で行っております。
○福山哲郎君 業務停止以外の何か種類はございますか、必要な措置を講じられたものに対して。
○政府委員(乾文男君) 業務停止というのはこの二十六条の中でも一番重いものでございますけれども、それに至ります段階といたしまして、内部管理体制の改善を求める等いろいろなレベルのものがございまして、そうした措置を発動したこともございます。
○福山哲郎君 そうすると、大蔵大臣、九七年四月から奉加帳を回した、中井審議官が各金融機関にお願いしますと言った、確認書を回したと。いろいろやられているのはいいんですよ。しかし、銀行法の二十四条と二十六条の法律に基づいたものを何もしない上で大蔵省は日債銀の奉加帳を回したということになるわけです。これ不作為じゃないですか。法律に基づいて何にもやっていないじゃないですか。 だって、さっき言われたでしょう、改善を求める計画を求めたりするんだ、業務停止もあり得るんだと。これは日債銀について一切やっていないと。やっていないじゃないですか、やらなきゃいけないことを。これ不作為責任があるじゃないですか。行政としての不作為責任はどうなるんですか。大蔵大臣、お答えください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私、詳しいことはよくわかりませんが、通達で求めると。通達で求めるということは何かの法律の根拠がなければできないはずです。ですから、法律そのものを発動する場合もあるだろうし、その法律の根拠によって通達で求める場合もあると思うんですね。その意味は、もしその通達が無視されれば法律を発動するということでございますから、行政というのは私はそういうふうに行われることはしばしばあると思うので、今がそうかどうか存じませんが、常識的には今お話を聞いていてそういうふうに思います。
○福山哲郎君 そうしたら、先ほど言われた通達は何の法律を根拠に出された通達ですか、今、大蔵大臣の御答弁をいただいたわけですから。
○政府委員(日野正晴君) 金融監督庁が発足いたしましたのもそういった理由だと思いますけれども、明確なルールあるいは法律に基づく監督という観点から、先ほどから御指摘になっておられます銀行法の二十四条や二十六条を、私どもはこれをいろいろ使わせていただいておりますが、先ほどの通達は、究極的に法律のどこに根拠を持つのかというふうに言われますと、結局一般的な銀行監督ということを大蔵省はその職務としていたわけでございますので、監督上必要な行政の一つの形態として行っていた、こういうふうに私どもは理解させていただいているわけでございます。
○福山哲郎君 大蔵大臣と今の答弁は違いますね。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、それでいいんだと思うんですね。 つまり、今、長官の言われようとしたことは、そういう大蔵省の行政というものが、いわばなれ合いになるというか、きちんと一つ一つ物差しに従っていないで、こういう通達でやってくれ、わかりましたというようなことでは批判があるから、自分たちは一つ一つ法律に基づいてやっている、こういう趣旨の答弁をされた。 つまり、長い間の金融機関と大蔵省との関係というものは、大蔵省が通達を出せばそれを守ってくれるというようなことの信頼感がありました。信頼感のうちはいいんですが、皆様方に言わせればそれが癒着になる。そういうことがあって監督庁はおやめになったんですが、大蔵省が通達を出したときに、それは大蔵省が銀行に通達が出せるのは当たり前だとみんなが思っています。その根拠は何だとおっしゃるなら、それは大蔵省は一般的に銀行を監督する権限がある。その権限は何で与えられたかといえば、それは銀行法によって与えられている。そんなことはみんなわかり切っておったといったことが間違いのもとだとおっしゃりたいんなら、そういうことはございます。
○福山哲郎君 銀行法に基づき大蔵省は監督をするのが当たり前だという状況の中で、日債銀に対して二十四条と二十六条を適用しなかったのは、大蔵省として大蔵大臣として不作為責任はありませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私はそうは思わないので、大蔵省のそういう責任あるいは権限が無視されたという状況がありましたらそうおっしゃることができると思いますが、そういう譴責はございませんでしょう、一々法律を適用しなくてもちゃんと監督は行われていた、それは間違いがないわけですから。それを無視された、それでも黙っていたというんなら、それは不作為になるかもしれない。
○福山哲郎君 違いますよ。必要があると認めたときは、大蔵大臣は資料を請求したり、さらには必要な措置を講じなければいけないんですよ。それをしなかったんですよ。そこに対して、大蔵大臣としての、大蔵省としての機関としての責任はないんですかとお伺いしているんです。別に、無視されたとか無視されないという話をしているんじゃないんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 違うんですね、私が申し上げようとしていることは。実際、説明も聞いているし、書類もとっているし、ただそれを二十何条に基づきますと言っていないだけのことであって、やることはやっているんですから、それをやらなかったら不作為でしょうが、一々法律を根拠に言わないだけのことです。
○福山哲郎君 だって、それは通常の業務です。それこそ先ほど大蔵大臣が言われた大蔵省が銀行を監督するのはもう当たり前だという状況の中で定期的に通常的にいろんな資料をもらう、報告書をもらう。当たり前ですよね。しかし、これは「健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるとき」、ということは、必要があると認めなかったということですね、日債銀に対して大蔵省は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 違います。行政というのはそういうものじゃないんで、一々法律に基づいてこうしますなんというのは本当は行政からいえば上手な行政とは言えないんで、そうじゃなくて、ちゃんと一つ一つのことが毎日毎日法律の趣旨に基づいて行われていればいい。私は、そこに瑕疵があるというふうに、あるいは不作為があるというふうには思えないんです。 いざとなれば、無視されれば法律に基づいて、その法律に違反すれば罰則がございますから、それはやれます。しかし、そこまでやらなくてもちゃんと一つ一つの監督が行われていれば普通の場合は私は行政というのはそれでいいんだというふうに思います。
○福山哲郎君 だって、さっき第一勧銀に必要があるときにはやったと言っているじゃないですか、必要な措置を。ということは、日債銀に対しては二十六条の適用は必要でなかったと判断していたということですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一勧銀に対してやったのはそういう処分をしなければならなかったからであって、処分をするのに通達ではできません。したがって、法律を引用したんです。
○福山哲郎君 改善を求める計画をしたり、いろいろ種々、業務停止をしたのは一番重いものであって、あとは段階があるというふうに先ほど言われたじゃないですか。ということは、日債銀に対して二十六条を適用する必要はなかったというふうに大蔵省はずっと判断していたということになるんじゃないですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは事実に徴して違うと思うんです。平成九年の四月一日に日債銀が経営再建計画を発表いたしました。これから大蔵大臣の談話があるんですが、そこへ至るまでの間だってそれだけのことを日債銀はひとりだけでできたわけはないんで、それだけの行政指導が行われていたということは、事実に徴して当時のことを知っている者から言えば明らかです。そのことを一々法律を引用しないといって、法律の何条に基づきと言わないからといって、不作為であるとか怠りがあったとか、そういうものではない。
○福山哲郎君 だって今、裁量行政に批判があったから旧法を改正して新法にして法律に基づいてやるようにしているんですと今、大蔵大臣は私に御答弁していただいた。なおかつ長官もそう言われた。 今の大蔵大臣の答弁は、そういうことをきちっとやらないで、定期的に日常やっていることを、やっていることはやっているといって正当化されたんですよ。先ほど否定したことを今、大蔵大臣は正当化されたんですよ。(「矛盾している」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(宮澤喜一君) 矛盾しているといいますよりは、そういう行政でいいと思ってやっていたんです。そうしたら悪かったと。だから今はやめたと。悪かったと言われるからやめているのでありまして、当時の行政はそういうことで動いていたんです。何もやらなかったわけではないんです。 ですから、不作為とか何とかということになると、それは違いますと申し上げざるを得ないので、一々物差しに、法律に基づかないでああこうとやっていたのはあいまいじゃないかと、それは場合によっては癒着になるよというようなお話なら幾らでも私はおとなしく聞くんですが、何にもやっていなかったわけではないんです。
○福山哲郎君 ちなみに、これは「大蔵大臣は」ですから、そうしたら大蔵大臣の行政責任は問われるわけですか。今のは、確かに役所はやっていたでしょう、大蔵省はやっていたんでしょう、日常的には管理をしていたんでしょう。でも、これは本当は大蔵大臣がやらなければいけないことなんです。それで、大蔵大臣がやっていないわけですよね。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは恐らく役所がいわゆる長年の習慣で行政をやっておって、今から考えますとですよ、やっておって、ちゃんといっていたと思ったが、ちゃんといっていなかったからこうなったんだろうと。そうすると、その事態を大蔵大臣は見逃したなと。大蔵大臣は法律を執行する最終的な監督の責任者でございますから、それは大蔵大臣に、最終的にはおっしゃるようになるんだと思います。
○福山哲郎君 ということは、この二十四条、二十六条について日債銀に適用がなかったことに対する大蔵大臣の責任はあるということですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の言葉ではそういうときにそういうふうな表現をいたしませんけれども、法律を物差しどおり適用しなかった、実際は同じ行為をやっていたにしても、適用しなかったからけじめがつかなかった。そういう行政に行政の最高責任者は責任があるかといえば、そういうふうにおっしゃるのならば、私は別にそのことに異存はございません。
○福山哲郎君 多分、堂々めぐりになるんでしょうから次に行きたいのですけれども、要はこういったものが今回の問題の根本だと思うんです。それは大蔵大臣も今お認めになられましたし、先ほどの大蔵大臣の談話の話もそうです。それから、今から申し上げる確認書の問題も本質的には全く同じことだというふうに思うんですけれども、金融監督庁長官にお伺いをします。 私がことしの三月九日、参考人質疑のときに山口元銀行局長にこう聞いたんです。この確認書、もう皆さん御案内のように日生と中井審議官が交わした確認書でございますが、これについて私はこうお伺いをしました。「中井審議官の判断で各社と確認書を交わされたのか、逆に上司である山口参考人の命令で中井審議官は動かれたのか、どちらでしょうか。」というふうにお伺いをしました。そうしたら、山口元銀行局長はこう言われたんです。「もちろん中井審議官の個人的な判断ではありません。しかし、私が命令してこれを交わしなさいと言ったものではありません。」。 何ですか、これは。「中井審議官の個人的な判断ではありません。しかし、私が命令してこれを交わしなさいと言ったものではありません。」と山口参考人は言われたわけです。では、これは一体何の権限で、だれの権限でこの確認書を交わされたんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私からお答えするのが適当だと思います。 この日債銀の再建について平成九年一月に大蔵大臣が談話を発表されました。そして、日銀にも要請され、みんなでこれをひとつ再建させてやろうではないかということが大蔵省の、つまり大蔵大臣の意思として決定されたわけでございます。それで、大蔵省の公務員諸君は、その大蔵大臣の意思を受けてできるだけ再建をしようと思った。みんなが思いました。それは、自分の意思というよりは、大臣の決定された意思に基づくと私は考えておるんです。 したがいまして、今おっしゃいました中井君の確認書というものも、なかなか相手を説得することができない状況の中で、恐らく日本生命保険相互会社代表取締役との間で交わされたものと思います。 このことを山口君が中井君に命令したかどうか、それは私は存じません。本人がしないと言っているそうでございますから、そうかもしれません。ただ、それなら中井君の意思かといえば、そんなことはないので、中井君個人がこういうことを自分の責任でやった、何と申しますか、説得そのものですね、それは大蔵大臣のこの四月一日の声明によって公務員がそれを体してやったということでございましょうね。 確認書まで行くのは行き過ぎだよとかなんとかいう御批評はあるかもしれない。しかし、説得というものは個人の意思でやったものではないと思います。(「それならだれかと言っているんだよ」と呼ぶ者あり)
○福山哲郎君 大蔵大臣のおっしゃることはよくわかるんですが、だから山口さんと中井さんを呼んでそこをはっきりさせましょうと。私が命令したわけではない、でも個人的な判断ではありませんなんという答弁をしているわけです。 そして、四月一日の大蔵大臣談話を受けてそれを体してやりましたと大蔵大臣は今おっしゃいました。では、大蔵省は大蔵大臣の談話を受けて、仮にも日本生命の副社長と大蔵省大臣官房審議官という肩書で判こをついて、大蔵大臣の意向を体して、それも直属の上司の命令でもないのにこういう確認書を、これは一枚だけじゃないです、ほかの増資先とも数社と交わしているわけですけれども、こういう紙を交わすだけのものが大蔵省にはあるわけですか、そこまでの裁量が。
○国務大臣(宮澤喜一君) それならだれの責任だという今お声がありましたので、それは大蔵大臣の責任でございます。役人はその大蔵大臣の方針を体してやったことでありますが、さて、この確認書を交わすまでのことが行政官として常識的に大変に褒めたことかということになりますと、それはいろいろ御批判は残るだろうと思います。 ただ、私がいつも故意過失がないと申し上げておりますのは、それは大臣の定められた方針を自分としてこういう形で実現した、そういうふうに解してやるべきではないかと思うんです。
○福山哲郎君 大蔵大臣が山口元局長や中井審議官をかばわれるのはわかります。 しかし、いいですか、日銀のお金が八百億、そしてすべての増資先も含めて二千百七億、日生に至っては株主代表訴訟まで起こっている。そしてそれが全部パアになっているわけです。 体して行いましたと。これは山口さんもこう言っているわけです、いろいろ問い合わせがありましたと。要は、日債銀が大丈夫かどうかという問い合わせがあったんです。それに対して、その当事者の銀行が、「例えばほかの上司の方等々に説明するときにそれをお使いになる場合に、こういうきちんとしたやっぱり名前も書いたものというのが必要だったんではないでしょうか。」と言っているわけですよ。 つまり、増資先にお願いをすると、そことのやりとりの中でその担当者が、いや、大蔵からこういう確認書をもらっていますと言う方が説得しやすいでしょうというのでサインと判こを押したというわけですよ。でも、自分は命令していないと言っているわけですよ。こんなばかな話が通るんですか、大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、局長が審議官に命令する関係には私はないと思います。山口君が自分は命令したことはないと言うのは多分そうなんでしょう。命令関係には、やってやれないことはないが、普通ございませんから。恐らく、中井君は大臣の、省の意思というもので動いたと思うので、山口君が自分は命令したことはございませんと言うのは、そうもあろうなと私は思います、その点は。
○福山哲郎君 済みません、大臣に対してお言葉を返すようでございますが、私はこれも実は山口参考人にお伺いをしたんです。 中井審議官は、当時、銀行局担当の審議官だったんです。「中井氏は当時銀行局担当であったので山口参考人の部下ということでよろしいわけですね。」と僕が確認したら、山口参考人は「結構でございます。」と答えられたんです。つまり、私に上司だということを答えていただいているんです。答えた後に、中井審議官の個人的な判断ではなくて、私が命令をしてこれを交わしたものではないと言っているわけです。 今、大臣がかばわれる気持ちは私はわかるつもりでいますが、これは一般国民から見たらやっぱりおかしいですよ。今の大臣の御答弁も含めて、納得できないですよ。
○国務大臣(宮澤喜一君) そうかもしれませんが、実は中井君はその当時は大臣官房の審議官なんですね、きちんと申しますと。したがって、山口君の指揮下にはないんです。 ただ、大臣官房審議官が銀行局にもいる、何局にもいまして、局長を助けて、片方が参議院に行くときは衆議院に行くとか、そういうことをやっていますから、山口君にしてみればあれは自分の片腕だということはそのとおりで、そうでないと言ったらむしろおかしい話ですから。しかし、厳密に言えばこの人は官房審議官であるということを、どうでもいいんですが、お尋ねがありますから申し上げたんです。
○福山哲郎君 いや、もう全く納得できないです。 それで参考人に山口元局長と中井審議官を呼んでくださいと言っているわけです。今の上司か部下かという話も、命令をしたかしないかの話も、お二人を呼べばはっきりするじゃないですか。現実にもう二人も逮捕者が出ているわけです。国民の税金もパアになっているわけです。 これは国会として当たり前の話だと僕は思うんですけれども、総理、いかがですか、今のやりとりを聞かれて。
○国務大臣(小渕恵三君) これは院のルールとして、政府側がこういう人を呼ぶべきだということを申し上げることはかえって僣越だと思いますので、これは院において、当予算委員会において御判断していただきたいと思っております。
○福山哲郎君 では、自民党総裁としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、委員長の御指名のように、内閣総理大臣として御答弁をする立場でございますので、先ほど申し上げましたように、ぜひ国会における審議権といいますか国政調査権といいますか、こういう御判断につきましては、私の経験律から申し上げましても、こうしたお話し合いというのは過去自分も経験をいたしておりますが、それは究極は院において、そして当該の委員会において御判断していただくというのが政府として御答弁申し上げるすべてだろうと思っております。
○福山哲郎君 それでは、今のやりとり、上司か部下かという話はもうしません。 では、この確認書は、今の流れの中で、大蔵大臣談話を意に体して確認書を交わしたと。これは一体だれのどういう権限で交わした文書でございますか。金融監督庁、お答えください。
○政府委員(日野正晴君) 先ほどからもたびたび御議論されているところを何か総括するようなことになって大変恐縮でございますが、日債銀からは平成九年の四月一日に経営再建策というものが出たわけでございます。そのとき、ちょうどクラウン・リーシングとかいろいろノンバンクが破産したりいたしまして大変な経営の危機に陥ったということで、大蔵大臣からも談話が発表されたりいたしまして、その大臣の御意向を受けたというような形で増資先に対して日債銀がいろいろお願いをしていた。 そのお願いをするに際して、大蔵省では一体どういうふうに考えているのかということでございましたので、大蔵省としてはということでありまして、恐らく行政というのは、それは大蔵省という官印を押すとか大蔵大臣という判こを押さなくても、中井審議官というのは大臣官房審議官なわけですから、中井審議官が自分に与えられた職責を、銀行局を担当している官房審議官として、大蔵大臣の意を体して日債銀の再建策に当たりまして、とにかく増資要請先から何とかこういうものをもらえないかということで押されたものということだろうというふうに理解しております。
○福山哲郎君 ところが、不思議なことに、山口参考人は私にこういうことも言っているんです。さっき命令していないと言っているんですが、「大臣談話の話ではなくて、この確認書に対して大蔵省としては責任がとれる文書ですね」と聞くと、山口参考人は「私的なものではないという意味ではそうだと思います」と答えられているんです。私的なものではないとはっきり言われているんです、山口さん。自分が上司じゃないと言っているくせに。 それで、「大蔵省としては責任がとれる文書ですね」と言うと、山口さんは「そうだと思います」と言われているわけですが、じゃ大蔵省として責任がとれるというのはどういう意味で責任がとれるんですか、監督庁長官。これは大蔵省の組織が変わったとか、金融と財政が分離したとか、そういう話じゃないですよ。この確認書について責任がとれるかどうかということを聞いているわけですから。お答えください。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは御質問が私は難し過ぎると思うんです。 つまり、これは公文書かと言われたら、公文書ということはございませんね。それなら私文書だなと。公文書でないものは私文書でしょうから。私文書というものは、じゃ何でもないじゃないかと言われてしまえばそれだけになってしまうんですね。そこがやっぱり中井君としてはいわば私文書の形をとらざるを得ない。しかし、これは大蔵大臣の考え方に背くものではありませんというような気持ちでやったんだろうと思うので、それは御質問がちょっと難し過ぎるんじゃないかと思うんですね。
○福山哲郎君 では、私文書でも公文書でもないものを大蔵省は何社にも配って二千何百億円という増資を引っ張り出してくるわけですか。それで、それがパアになって、これは私文書か公文書かわかりません、上司かどうかもわかりません、大蔵大臣談話の意を体して部下がやったものだから、それは悪いと言われれば悪いけれどもという話でおさまる話なんでしょうか、大蔵大臣。国民がそれで納得するんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はこう思いますが、いかがでしょう。 これは公文書かと言われたら、どうも公文書と申し上げるにいきませんね、官印もございませんし。公文書でないものはすべて私文書だなとおっしゃられれば、それはそうでございますと申し上げざるを得ないでしょう。 そこで問題は、最高の責任者である大蔵大臣がこういう確認書について全く自分は知りませんと言えるか言えないかということになりましたら、それはこの審議官が大臣の意を体してやった行為で、故意過失というようなものがない限りはなかなか大蔵大臣としても自分は知らぬことですともおっしゃれないのじゃないでしょうか、事実は。私は法律を今議論する用意がございません。事実はそんなところではないんでしょうか。
○福山哲郎君 それじゃ、これは今一枚しか確認書が出てきていません。各行と大蔵省は、中井審議官の名前かほかの名前かわかりませんが、判こもついているかどうかもわかりませんが、先ほど大蔵大臣が言われたように官印があるかどうかもわかりませんが、ほかの銀行と交わされた確認書を全部出してください。わからないじゃないですか、そうしたら、今の話は。 委員長いかがですか。
○政府委員(乾文男君) これは以前からお答えしておりますけれども、例えば今のでございますと中井審議官でございますけれども、当時の大蔵大臣談話に沿っていろいろな説得というものをやっていた。そういう中で、先方の求めに応じまして、ざっくばらんに言いますと、中井さん、そういうやりとりを紙にしてくれませんかということでもって日本生命の場合にされたということでございます。これは確認書という形になっておりますけれども、いわばやりとりのメモということでございまして、先方のまさに発言の内容ということでもありますから、先方の同意がないとそれをお示しすることは差し控えたいというふうに考えているところでございます。
○福山哲郎君 これで午前中の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(竹山裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 まず冒頭、委員長、先ほど午前中に申し上げましたが、各行に大蔵省が出されました確認書、メモ書きなのか確認書なのかいろいろあるみたいでございますが、ぜひそれは当予算委員会として資料要求をしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
○委員長(竹山裕君) ただいま福山君の要求につきましては、その取り扱いを後刻理事会で協議をいたします。
○福山哲郎君 少し細かい話ですが、九七年五月十九日でございますが、日債銀の東郷頭取が東京三菱を初め各行に七千億円だと伝えたという話があります。これは日野長官にお伺いしたいんですが、いわゆる御自分で何かの検査の途中での心証を積み上げた計数を伝えていたという御判断でよろしいわけですね。
○政府委員(日野正晴君) 大蔵省の検査の結果、示達がなされましたのは九月でございまして、それまで検査はいまだ確定しておりませんですから、大蔵省としての検査結果、途中でございますけれども、検査官とそれから検査をされている金融機関との間ではもうしばしばディスカッションと申しますかいろいろ話し合いがなされるということでございますので、検査官からいろいろ指摘をされたりいたしますと、これは大蔵省はこういう心証をとっているんだな、大蔵省はこの辺のところを恐らく不良債権と見ているんだなというふうに当該の金融機関は恐らく理解されているだろうと思います。また理解されただろうと思います。 そういったことをもとにいたしまして、日債銀は自分のところはこうだということを言われたのではないかというふうに思っております。
○福山哲郎君 五月十九日、日債銀が東京三菱銀行に七千億円だと、これは大蔵がこういうことを言っているというか、日野長官の今言われたとおりだとして、こういう状況だと。これは大蔵省は御存じでしたか。
○政府委員(日野正晴君) 結論から申し上げますと、大蔵省は知っていたということでございます。 そういうことを言っているということを知ってはおりましたが、日債銀としても増資を要請している先に対しましていろいろ説明する必要がございますし、その必要に迫られてそういうことを言っていることは承知していたというふうに思います。承知していたというか、知っていたと思います。 しかし、そのことについて大蔵省が何かお墨つきを与えたとか、それは正しいとか言ったことはなかったというふうに承知しております。
○福山哲郎君 それは五月十九日に東京三菱ほか各行に七千億円だと伝える以前にわかっていたのか、それから先、日債銀がそういうことを言っているよということが大蔵省としてはああそうなのかという形でわかっていたのか、どちらでございますか。
○政府委員(日野正晴君) それは、その以前に知っていたというふうに思います。
○福山哲郎君 それで、参考人のときに東郷元頭取はこう言われているんです。七千億円を大蔵省に通知した上で要は東京三菱ほかに伝えたと。私は聞いたんです、どこの窓口ですかと。そうしたら、「大蔵省銀行局銀行課だと思います。」と。もう窓口までちゃんとはっきりしているわけです。 では、七千億円を増資要請先に伝えますよといって連絡したときに、大蔵省はうんともすんとも否定も何もしないで、ああそうですかと。検査の最中ですよ。先ほどまさに日野長官が言われたように九月に示達が出ているんですが、五月の時点で七千億円と伝えますよ、今検査の最中ですけれどもといって銀行局の銀行課に伝えたときに、検査の最中であるにもかかわらず、第三者に当の日債銀が伝えることに対して大蔵省がうんともすんとも言わなかったと。これは日野長官、どういったことなんでしょうか。
○政府委員(日野正晴君) 大蔵省ではその当時、増資の問題に関しましては、今お話がございましたように、銀行局が窓口になっていろいろ応対をしていたと思います。一方、検査の方は官房検査部の方でやっておりまして、同じ大蔵省の中ではありますけれども、銀行局が日債銀からそういう話を聞いたときに、増資要請をするに際しては何らかの形で自分のところの資産内容を説明する必要に迫られているんだなということを考えて、途中段階ではありましたけれども、日債銀が大蔵省の検査の結果を踏まえてみずから認識している数字を説明することはやむを得ないのかなと考えていたというふうに聞いております。
○福山哲郎君 大蔵大臣、検査の最中に、検査部と銀行課は違う、増資する要請先に回らなきゃいけないから七千億円と具体的な数字を伝えますと言ってきたときに、銀行課としては、やっている最中に、検査部と銀行課は別だといってしんしゃくしたと。先ほどから、ずっと私の午前中の質問からしんしゃくするのが多過ぎるんですけれども、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 想像するしかありませんけれども、きっとこうではないでしょうか。もし、そのときに検査が済んでおって検査の結果がわかっておりましたら、七千億ですと言われたとき、少なくともそれは違いますとは申したでしょうね、幾らという数字は多分申さないと思いますが。ただ、検査の結果というものがないものですから、何とも言いようがないということではなかったでしょうか。
○福山哲郎君 それでいいんですか、検査の最中に日債銀がほかを回るのに。私は大変納得しにくいんですが、時間がないのでイエスかノーで答えてください。 大蔵省は、中川金融検査部長が平成九年三月五日に、一年後に早期是正措置が導入されるということで資産査定についてという通達を出していますが、それはよろしいですね。イエスかノーで答えてください。
○政府委員(五味廣文君) そのとおりでございます。
○福山哲郎君 そこには、この早期是正措置が来年の、要は平成十年四月から始まるけれども、なるべく早く前倒しでこの通達に基づいてやりなさいということが書いてありましたね。それでよろしいですね。
○政府委員(五味廣文君) 早期是正措置が導入されるに当たって、「できるだけ早期に自己査定を実施する体制を整備し、自己査定結果を適正に反映させた償却・引当を実施することが望ましい。」、こういうことが早期是正措置に関する検討会の中間とりまとめにおいて述べられているということがこの通達の中に紹介をされておりまして、そこで「早期是正措置制度が導入されるまでの間における金融検査においても、金融機関の自己査定のための体制整備の進展状況等について把握するよう努められたい。」と、こういう記述になっております。
○福山哲郎君 その中で、いわゆる日債銀が主張しています、支援を続ければ継続をずっとし続けると言われている企業、それを第Ⅲ分類にするか第Ⅱ分類にするかというのが一つの争点なんですが、ここに「自行として」、これは日債銀ですが、「自行として消極ないし撤退方針を決定していない債務者であっても、」、これはいわゆる状況が悪いけれども、融資をし続ける限りは継続ができると日債銀は主張していたものであっても、「当該債務者の業況等について、客観的に判断し、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる場合は、破綻懸念先とする。」という表現がありますね。それでよろしいわけですね。
○政府委員(五味廣文君) もう少し正確に紹介させていただいてよろしいですか。 今のお話は、第Ⅲ分類ではなくて破綻懸念先という債務者区分の方のお話でございまして、具体的には、事業を継続しているけれども実質債務超過の状態に陥っていて、業況が著しく低調、貸出金延滞など事業好転の見通しがほとんどない状況で、自行としても消極ないし撤退方針としており、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる先、これが破綻懸念先の代表的な定義ということで述べられております。その後に、議員が今おっしゃいました、自行として消極や撤退方針を決定していない債務者であっても、その業況等について客観的に判断して今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められれば破綻懸念先である、こういう記述でございます。
○福山哲郎君 時間がありませんので、もう結論だけ申し上げます。 いわゆる九月の示達で両論併記がされた。七千億円と一兆一千億円だった。検査部の方はこの早期是正措置を早目に前倒しでやりなさいという通達を出して、こういう第Ⅲ分類になりそうなものに対しては、危ない破綻しそうなところは第Ⅲ分類にしましょうという状況で検査を進めていた。ところが、五月の時点では、大蔵省は七千億円だという三月の日債銀の自己査定を踏まえて奉加帳を回した。ここで大蔵省のスタンスと検査部のスタンスが違っていた。しかし、検査部としては各行にこういう早期是正措置でやりなさいよと言っている手前、そこをやらないでこの示達を出すわけにはいかなかった。しかし、銀行課は銀行課で、先ほど検査部と銀行局が違うとおっしゃられましたが、そこの両方で、片方は奉加帳を七千億円で回した、片方の検査部はこれを第Ⅲ分類に入れると一兆一千億円だと。ここのはざまの中で私は両論併記が示達の中で行われて、その中で日債銀はこれは大蔵省が七千億円を認めてくれたんだというふうに踏んで、佐々波委員会も含め七千億円を主張したというふうに思っています。 私は、大蔵省はある意味で言うと二つの数字を非常にうまく検査部と銀行局において使い分けをした。結果は破綻をした。日銀も増資先もそれから公的資金、国民の税金も全部パアになった。私は、大蔵省の責任は大変大きいと思いますし、このことに対してはまだまだ明らかでない部分もありますので、先ほども申し上げました資料も含め、本当に審議をもっと尽くさなければいけないというふうに思っていますし、とにかくまだまだわからないことだらけでございますが、時間も来ましたので、次の質問に移りたいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 関連質疑を許します。郡司彰君。
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。時間が大変押しておりますので、直截な言い方があるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。 冒頭、大蔵大臣に、これはちょっと通告をしておりませんでしたが、昨日からの動きの中で、日米の蔵相の間で電話での会談といいますかやりとりがあった、円高ドル安が続く為替市場の動向等についての意見交換をされた、そういうようなことがございまして、円の反落でありますとか株価に若干の動きがあったようでありますが、昨日の会談の内容等についてお話しいただける範囲でお話をいただけますでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 七月に入りまして、十日ごろからでございますか、円がかなり安いところにおりまして、百二十二円ぐらいでありましたが、七月の末には百十五円というところになりまして、かなり急激に円が高くなっておるような状況の中で、私どもの黒田財務官がアメリカの財務次官のガイトナーと、これはしょっちゅう連絡する相手でございますが、三日に上げず話をしておりました。それは、主として情報交換あるいはおのおのの市場の状況、経済の状況等々でございます。 そして、百十五円からさらに高くなる気配がございました段階でガイトナーと黒田君が相談して、ここのところは財務長官と大蔵大臣とで意見交換を一遍しておいてもらった方がよかろうということであったようです。それで、黒田君から私にそういう話がありましたから、私もしばらくサマーズさんとも話していないからと思いまして、昨日、二十分ぐらいでございますが話をいたしました。 話をしました内容は、その後いろいろ憶測を呼ぶといけませんので、整理をしまして両方で同じようなステートメントと申しますか声明を出しました。これはごらんいただいたと思います。これはごく当たり前のことが書いてございまして、しょっちゅう情報交換をして、そして意見の食い違いのないようにしようといったような趣旨でございます。また、それにいろんなことを加えてコメントいたしますとおのおのでいろんな憶測を呼びますから、もうこれに尽きるということにしようじゃないかということにいたしました。 したがいまして、その点は御理解をいただきたいと思いますが、大体そのような経緯でございます。
○郡司彰君 ありがとうございました。 続いて総理の方にお伺いをしたいと思います。 この間、二日の衆議院の予算委員会の中でも、大蔵大臣の方からペイオフに関しまして解禁後のセーフティーネット、今秋口にはガイドライン的なものも明らかにする旨の答弁をいただいておりますけれども、先ほど午前中の議論でもありましたように、風説でありますとか疑心暗鬼でありますとかいろんな、予測のつかないようなことも考えられるわけでありますが、二〇〇一年四月からこれについては解禁を行うと。総理の方のお考え、決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) ペイオフの問題につきましては、従来からの考えに変わりはなく、ペイオフを延期することは考えておりません。 そこで、現在、金融審議会のもとにおきまして、二〇〇一年四月以降、預金者にも負担を求める体制に円滑に移行するため、実務上の問題点等について基礎的な検討を行っているところであり、先月六日、中間的な論点整理が公表されたところでございます。金融審議会におきましては、この中間的な論点整理等も踏まえ、精力的に検討が行われておるものと考えております。 なお、現在、金融再生委員会及び金融監督庁において、昨年秋の国会で整備された金融機能再生法及び金融機能早期健全化法を車の両輪とする法的枠組みの的確な運営が行われているところであり、こうした枠組みを活用して、二〇〇一年三月末までの間に揺るぐことのない強い競争力を持った金融システムの再構築を実現するとともに、個々の金融機関において収益性の向上や自己資本の充実等に努め、経営基盤の強化を図ることが重要であると考えております。 現下、夏休みのシーズンでありますけれども、金融審議会におきまして精力的に御審議をいただいておる、こういうふうに理解いたしております。
○郡司彰君 続いて監督庁の方にお聞きをしたいと思います。 一九九三年、平成五年でありますけれども、日債銀の組織の変更がございまして、七月十二日から新たに営業第九部というのが設置をされたというふうに資料の方で目にするわけでありますけれども、この営業第九部というのはどのような目的、陣容で始まった部署でしょうか。御存じであれば。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 金融監督庁としては、そういった組織が存在していたということは承知しておりますが、具体的にいかなる業務を行っていたかは承知しておりません。 ただ、一般論として申し上げますと、監督当局といたしましては、金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、検査監督を通じまして金融機関の業務もしくは財産の状況につきまして的確な実態把握に努めているところでございますが、個別金融機関の組織の細かいところにつきましてまでは必ずしもそのすべてを掌握はしておりません。 いずれにいたしましても、今お話のありました営業第九部というところで具体的にどんな業務をやっていたかということは私どもとしては承知していないところでございます。
○郡司彰君 この九二年の段階から九三年にかけては、当時の日債銀が、例えば副総理でありました自民党の金丸信さんのワリシンの問題でありますとか、あるいは福島交通グループの関連をもとに、世上大変風当たりが強かった。九三年一月には窪田氏を顧問として、さらに六月には頭取ということで就任をされたということでありますけれども、この新しい組織ができ上がったのが七月十二日、いわば窪田頭取の一番最初の仕事ということになっていたんだろうと思っています。 一番最初の仕事というのは、今申し上げましたように、そのようなマイナスのイメージを払拭していく、あるいは実際の不良債権と言われるものを回収していこうというような意図というものが当然あったと思われるわけでありまして、その前年度、平成四年十月十三日には、業務企画部案として、内部取り扱い文書でもって回収促進を急ぐ先についてはそれぞれセンターラインを設けて収容するということが決められた上でのこの第九部の設立だと思っているわけであります。 一般論として、それぞれの大手行あるいは地銀の組織の変更あるいは業務の内容その他についてそれぞれ事細かに知っているということではないということはわかるわけでありますけれども、ここは日債銀、長銀の集中審議ということで、その一連の流れの中でこの第九部というものが果たした役割というものがどういうものかということをお尋ねしたいと思っているわけでありますけれども、本当に御存じありませんでしょうか。
○政府委員(日野正晴君) 確かに平成四年三月期の有価証券報告書を見ますと、本店営業部は営業第一部から八部までございます。プラス資金営業部がございます。 ところが、その一年後の平成五年三月期の有価証券報告書を見ますと、営業第八部の次に第九部があり、さらに資金営業部が資金営業第一部、二部、さらにさまざまな部がたくさんできて、そこに追加された新しい部が組織としてできているということはこの有価証券報告書を見るとわかるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、監督当局としてこういった本店営業部のそれぞれの組織がどういうことをしているかというところまでは、まことに申しわけありませんが私どもとしては承知はしておりませんでした。
○郡司彰君 窪田氏が元大蔵省におられた方だということも、これは当然なことでありまして、日債銀の方のそうした問題を何とか手伝ってくれないかという話がそれなりのところからそれなりにあったんだろうと思うんです。その場合に、今日債銀が抱えている問題というのはここが中心ですよということになった上でのこの九部の設立だというふうに感じているわけであります。 当時の融資額は二兆五千億以上になっているわけでありますけれども、当時で言いますと五千五百億以上の不良債権となる可能性の高いものを短期回収を目指すということで設立をされたというふうに私どもはこの流れから見て理解をするわけであります。この第九部は四グループに分けていたということでありますけれども、担当部長を配置しながら、イ・アイ・イでありますとか麻布建物でありますとか住総を初めとする六十一社以上を対象として、不良債権になるとこの時点で認識をしていたのではないかというふうな思いがありますが、どうですか。
○政府委員(乾文男君) ただいま長官がお答えしましたように、これは平成五年でございますから当時の大蔵省でございますけれども、銀行経営の健全性ということを見ておりますけれども、各部単位で何をやっているかということまでは見ていないものですから、ちょっとお答えは差し控えたいと思います。
○郡司彰君 繰り返しになりますけれども、そこのところが一番当時の日債銀にとっては大事な仕事だろうと。それを行うために設立をされた部の内容についていささかも存じないというのは、これはちょっとまずいのではないかなという感じがします。 この後、実際にペーパーカンパニーがどんどんつくられていくわけです。飛ばしが始まっていくわけです。例えば、クレディ・スイスとの取引についてはいつごろから始まっておりますか。
○政府委員(日野正晴君) 個別の取引のことに属しますので、言及は差し控えさせていただきたいと存じます。
○郡司彰君 既にCSFBも含めて行政処分等が出ておる。しかもきょうはその経過等について何が問題であったかということを審議をするというふうな場で私どもは臨んでいるわけでありますけれども、もう一回きちんと答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) 確かにCSグループに対しましては、免許取り消し、その他の行政処分はいたしました。 ただ、それはCSグループとしての営業活動に対する処分でございまして、それ以外のものに対する処分ではございませんので、その点につきましては言及は差し控えさせていただきたいと存じます。
○郡司彰君 結論から言うと、そのような部署ができたということは私自身は悪い形ではなかっただろうと思うんです。不良債権を処理していこう、マイナスイメージを払拭するために頑張っていこうというような部署として設立をされたんだと思っております。 しかし、実際の不良債権処理の回収に当たってみる、中身を調べていく、その中で、これはなかなか思うようにいかない、これは決算時に引当金その他の問題を含めていろんな関係から飛ばしというものもやっていかなければならないんではないか、そういうような流れの中でこの第九部がいろんな役割を果たしてきたんではないかというようなことを思っているわけであります。 つまり、九七年の奉加帳方式につながったことを、その流れの中で大きな役割を持っていたんではないかというふうな思いがあるわけでありますけれども、逆に質問を変えまして、では、第九部がそれ以降行ってきたこと、このこと自体は大蔵省としては御存じだったということにはなりませんか。
○政府委員(日野正晴君) たびたび同じ答弁を繰り返して大変恐縮でございますが、今御指摘になっておられます日債銀の営業第九部というところがどんな営業活動をしてきたかということは私どもは承知しておりません。
○郡司彰君 承知しておらなくては困るわけでありまして、改めて、この第九部というものが設立から現在に至るまでの流れについて、後ほど資料等お渡しいただけますでしょうか。
○政府委員(乾文男君) 繰り返しのお答えで恐縮でございますけれども、私ども、各銀行の各セクションごとにどういう仕事をしているかということを承知しておりませんので、今資料とおっしゃいましたけれども、そういう資料を持ち合わせておりませんので、御了解いただきたいと思います。
○郡司彰君 ちょっと時間がなくて先に進まざるを得ないような時間でありますけれども、先ほど申し上げましたクレディ・スイスとの取引がいつから始まったかということについては、それだけは教えていただけますか。
○政府委員(乾文男君) これは、先ほど長官がお答えしましたけれども、クレディ・スイスにつきましてその行為が銀行法第二十七条に該当する等として処分いたしましたけれども、その顧客であります金融機関でございますとかあるいは事業会社でございますとか、そういったことの取引というのは、これは私法上の取引でございますから、私どもが検査等の過程で知り得たからといってそれをお示しすることは適当でないというふうに考えておるところでございます。
○郡司彰君 なかなか審議として深まっていかないような感じのする答弁なのでありますけれども、次に、法務大臣の方にお伺いをしたいと思います。 長銀と日債銀が相次いで長期信用銀行の三つの中でこのような形になった。資金量その他からいいますと、長銀よりも先に日債銀の方がそういう形に至る道筋が早いんではないかというのが若干想像ができるわけでありますけれども、現実問題としては長銀の方が先に一時国有化という形をとらざるを得なかった。 これについてはいろいろ原因があるのだろうと思いますが、例えば株価の動向を見ますと、百八十円台、百四十円台、百二十円台とありましたけれども、長銀の三十円台、四十円台と比べますと、低値ではあっても一定の安定を見せていたのではないかというようなことが浮かぶわけであります。 十二月十三日、日曜日でありますけれども、この日に総理の方で破綻が決まった、一時国有化が決まったということになるわけでありますけれども、この前々日、土曜日を除きまして十二月十日、十一日、日債銀の株の売買高が二千三十三万株ということで、これは直前の通常の取引の約七倍ぐらいにはね上がっているというようなことがわかっているわけであります。 これは、見ようによりまして、考えようによりまして、多くの国民がこれは売り抜けをしたのではないか、そういうようなことを考えるのもこれまた当然だろうと思いますけれども、逆に言いますと、いろんな形でもってその情報をつかめる立場の方がインサイダー取引のような形を結果として行った可能性について多くの国民が疑問を持っていると思いますけれども、この関係について法務大臣の方は御承知か、なおかつ捜査その他について着手をされておりますでしょうか。
○国務大臣(陣内孝雄君) 具体的事件につき捜査機関が現に捜査を行っているか否か等につきましては、捜査機関の活動内容にかかわりますのでお答えすべき性格のものではないと考えますが、あくまでも一般論として申し上げれば、検察当局においては常に法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるべきものがあれば適正に対処することといたしております。
○郡司彰君 午前中にも別なところで同じような答弁をお聞きいたしましたけれども、まさに法務大臣的な答弁なんだろうと思います。 それで、私も、この今おっしゃったことをそのまま素直に受けておきたいと思います。その上で、もう一つ、国民の間にいろんなうわさが出ておりますのは、そういう情報をつかめる立場の人というのは、もしかするとこの院内にいらっしゃるような方々が入るのかというような、そんなうわささえ出ているようでありまして、私自身は、自分自身でまだ一年でありますけれども、この中に活動をするという場を与えられまして、そのようなことは断じてないというふうに思っておりますが、そのように思っておいてよろしゅうございましょうか、法務大臣。
○国務大臣(陣内孝雄君) そのことについて直接お答えするわけにはまいりませんけれども、いずれにいたしましても、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適正に対処されていくものと思います。
○郡司彰君 午前中も福山議員と大蔵大臣の間で裁量行政のことについてもお話がなされまして、それについては改めて質問をするということは控えたいと思っております。 宮澤大蔵大臣、前回九二年、総理大臣の当時にも実は既に公的資金投入論を展開されていたのではないかというふうに思っておりまして、そのようなものも散見をしているわけでありますけれども、今にして思えば、なぜそのときにというふうなことも言われますけれども、そのときはそういう制度をつくるということ自体が金融不安を招くのだろうというようなおそれもこれはもちろんあったのだろうと思います。逆に、一方で、そのうちに株や土地がまた再び値上がりをするのだろうというような期待もあったのだろうと思います。 そのような流れの中で、大蔵大臣としては一面でバブルの再来というものを見込んでいらっしゃったのか。私自身は、このバブルの再来というものは、本質的な問題を内在化させるということにつながり、結果として日本の金融界のあり方を今後考える上では必ずしも好ましいものではないのではないかというふうに思っておりましたけれども、大臣の方のお考えをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今お話しのことは、九二年の夏に私が総理をしておりまして、自民党の研修会か何かの席で、この状況は非常に心配なので公的な関与を辞さないということを申しました。しかし、ほとんどそれについては一顧の注意も引くことができませんで、今になって考えますと、当然のことですが、事態の深刻さというものについての認識がなかったということもありますけれども、銀行に援助をするということについて産業界が本能的に反感を持ったということ、それから銀行の中でも大丈夫な銀行と実は怪しい銀行とがあったわけでしょうが、大丈夫な銀行は余計なことはしてほしくないということがありますし、銀行が全体を通じて公的関与ということになるとやがて自分たちの責任問題になるというふうに本能的に考えたようでございます。 それから、公務員の間では、今おっしゃいましたように、従来いろいろ苦労してきたが、やがて土地も上がるだろう、株も上がるだろう、そうすれば今までしてきたことが結局事件にならずに正常に返っていく、こういうこともあったのかもしれませんが、とにかく取り上げるということについてはそういう気持ちを持っていなかったというようなことであったと思います。 ただ、そういうことではありますけれども、片方で、それほど不景気が続くとも一般的には思われませんでしたし、またこれほど多くの金融機関がインバルブされていたということもわかりませんでしたので、やむを得なかったというふうに思っております。
○郡司彰君 柳沢大臣の方にお尋ねをしたいと思いますが、手にしました本のコピーの中で、七月一日、日銀理事の増渕大阪支店長が大阪の方で講演をされた内容というのが載っております。「金融機関のなかでは「東京三菱銀行でも、JリーグにたとえるとJ2クラスにすぎない」と指摘。そのうえで「国際業務やホールセールを行う日本の銀行は四つ程度になるだろう」と語った」というような記事がございます。また、大臣も「国際業務を担う大手銀は四行あれば上出来だ」というふうな発言もされたというふうにこの中には書いてあるわけであります。 この日債銀、長銀の流れの中で、当然長期信用銀行のもう一つのところはどういう形なのかなというふうな議論も、これまた多くのところで語られているわけであります。今の金融債その他を、あるいは国際業務をやっている七行が大臣の方のお考えで四つぐらいあれば上出来だと、それが適当ではないかというような発言については、当然合併というものも視野に入れた形でのものだと思いますけれども、その辺の大臣のお考えについてお聞かせいただきたい。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私もその何とかという雑誌のコピーを見させていただきました。私の発言が引用されておりますけれども、多分、私が記者さんか何かに対して発言したことをそういうように掲載されているんだろうと思います。 そのときのいきさつを申しますと、実はちょっと私、記憶を定かにしておりませんが、どなたか大変な専門家、権威者の方が、それは先生が今おっしゃったような七行が国際業務をやっているというような程度の話ではなくて、いわゆるグローバル、ユニバーサルバンクというものを日本からどのぐらい出していけるだろうか、こういう話のときに今言われたような数字を挙げられたということを新聞記者さんから聞かれまして、この点についてはどうなんですかと私の感想を求められたものですから、そういうことになれば丸じゃないでしょうかということを私は申したわけでございます。 それは、日本の金融が戦略産業として大事だということを思いつつも、前途というのは決して平たんなものではないというような気持ちも私現在持っておりまして、グローバル、ユニバーサルバンク、世界のトップバンクに伍するような銀行というものを日本からできるだけたくさん輩出してもらいたいとは思うけれども、厳しい展望を持たざるを得ない、こういうことを申したというに尽きます。具体的な合併等のことが頭にあったわけではございません。
○郡司彰君 終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、益田洋介君の質疑を行います。益田洋介君。
○益田洋介君 まず最初に、昨日、財政・金融委員会で大蔵大臣と話題にして議論をいたしました円の値動きでございますが、私は、日本の単独介入だけではマーケットを動かす力がない、したがって日米の協調介入しかないんだ、その時期を模索していると言ったらば、大臣は、おとといは百十三円であったけれども、けさは百十四円ぐらいから始まっていますというお話をしていたんですが、実はあの段階で既にローレンス・サマーズ財務長官とお話をされていたわけですね。 このニュースが流れたのが午後の一時半過ぎで、それから相場が大きく動きまして、好感を持ったというか期待感を持った、あるいは警戒感を持ったと言う方もいらっしゃると思いますが、反落をして百十五円、二時四十分ぐらいには百十五円六十銭まで行ったということで、小幅ではありましたけれども一安心されたと思うのでございます。 この辺の一連の動きについていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一部せんだっても申し上げたかもしれませんけれども、七月に入りまして円がかなり下落をいたしまして、七月九日に百二十二円でございますが、それが二十日ぐらいの間に百十五円、今仰せのようなところまでかなり急な上昇をいたしましたから、どの水準というよりは、こういう急上昇の相場市場について大蔵省の黒田財務官と御承知の財務省のガイトナーと三日に上げず話をしておったわけでございます。相場が百十五円からさらに上昇しそうな雰囲気の中で、ガイトナーも黒田君も、財務長官と大蔵大臣が一遍やっぱり意見交換をしておいた方がいいという御意見であったようでありまして、それでサマーズと電話で話をいたしました。 いろいろな意見交換はいたしましたけれども、その発表があれこれになりますといろいろな憶測も呼びますので、両大臣は最近数週間行われた代理間での協議を継続し、これらの問題について両国間で引き続き緊密な意見交換を行っていくことに合意したという発表以外はコメントをしないという約束をいたしておるわけでございます。 しかし、簡単な言葉で申しますと、今後もいろいろ意見交換をしていこう、考え方の食い違いがないようにしようという話をいたしたということでございます。
○益田洋介君 ところが、協調介入が実現するかどうかというのを非常に懸念する向きがございまして、一つにはアメリカの議会というのは介入に対して否定的な考え方をしている向きがございますし、貿易赤字が急拡大する中で、やはりアメリカの産業界というのは介入に対して批判的であるという部分があると思います。我が国にとっては五年ぶりになるわけですけれども、協調介入の機会はやっぱり模索していく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 益田委員の御意見は別の委員会でもしばしば伺っておりますので、存じ上げておると思っておりますけれども、米国にも米国の問題があり、我々にも我々の問題があり、議会もございますしいろいろでございますから、大変にそういう具体的なお尋ねの意味はよくわかりながら、それについては私から申し上げない方がいいのだろう、この声明だけのことにしておこうという合意をいたしましたことがついきのうでございますので御理解を得たいと思います。
○益田洋介君 それでは、集中審議のテーマでございます日債銀、長銀等の問題に移りたいんですが、まず総理に御所見を伺っておきたいんです。 残念ながら、直接お話を伺えるような当事者の方々が皆さん夏休みをとって別荘に行っていらっしゃいますので来ていただくわけにはいかない。それから、そうなれば行政責任についてお話をしたいけれども、その関係者の方もきょうは一人もいらっしゃっていないので間接的なお話しかできないわけなんですけれども、もっと早い機会に、総理、私はこの国会の場で、司直の手にゆだねる前に国民の前に事実を明らかにすべきじゃなかったかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(小渕恵三君) 長銀・日債銀問題につきましては、国会におきましても既に相当以前から問題をお取り上げいただきまして御審議をいただいておるわけでございまして、そういう意味ではそれぞれの機関において適切に対応されてきたのだろうと認識をいたしております。 司直の手にゆだねられた期間遅かりしと、こういうことでございますけれども、これまた種々の恐らく検査その他等もございまして、しっかりとしたいろいろ状況の把握にこれ努めてきた結果こうなったんだろうと思いますので、今申し上げられることは、一日も早くこの問題に対して、これが明らかになり国民の理解を得られることになりますこと、またそのためには政府といたしましては、今後におきましても、先般成立いたしました二法をもって金融問題に対して国民的な信頼をかち得るように最善の努力を尽くしていく、こういうことだろうと考えております。
○益田洋介君 九七年五月十九日に、日債銀側から民間金融機関三十四社及び日銀に対して、大蔵検査の査定結果という名目で自己査定した結果を渡したわけでございます。 その数字は、第Ⅳ分類が八十九億円、第Ⅲ分類が七千億円というものだったんですが、同じ年の四月に大臣官房金融検査部が検査を始めまして、最初に出てきた取りまとめの査定数字は第Ⅳ分類が千四百億円、第Ⅲ分類は一兆円だった。これは相当大蔵省が関与して数字を実態よりも縮小して、不良債権を縮小した形で発表させたと一部に言われているわけでございます。 それで、その問題をことしの二月の衆議院予算委員会の参考人招致で山口参考人は、五月十九日の段階で最終検査結果を知らなかったと言っている。最終検査結果が出たのは九月、五月十九日に知っているわけはない。だけれども、四月から始めた検査ですから、最初のまとめた数字は知っていたと、山口局長は。それよりも随分甘い数字を不良債権を圧縮した形で発表させている。ですから、山口局長は、明らかに検査部の結果よりも縮小した、圧縮した数字が発表されるんだということを知っていたはずなんです。この点、いかがですか。
○政府委員(日野正晴君) 日債銀に対する大蔵省のこの検査は九月十一日に示達が行われておりまして、この時点で最終結果が確定したということになるわけでございます。したがいまして、それまでの間に大蔵省として検査の結果の内容を日債銀に対して伝えるということはございませんでした。 また一方、銀行局の方は、確かに四月一日の日債銀の再建策ということを踏まえまして、大蔵大臣の談話も発表されたことでもあり、この日債銀の再建を何とかして支援していきたいということから、日債銀が増資要請先に対しまして増資の要請をしていたということ、それから増資の要請に対しまして自分のところで考えている不良債権の額を増資要請先に対して説明していたということは、これは山口局長とかあるいは中井審議官とかいう個人ではなしに、大蔵省として、大蔵省銀行局としてはそういうことは承知していた、承知していたというか、そういう事実は知っていたと。 ただ、その数字については、これはあくまでも日債銀が独自にといいますか、検査部との間のやりとりでこの辺のところかなという、そういう判断をした上で説明していたことでありますので、増資要請先に対してそういうことを言うことはやむを得ないことだというふうに考えていたというふうに承知しております。
○益田洋介君 そうすると、奉加帳による増資のためにわざわざ圧縮した数字を出したという認識は大蔵省は持っていたし、日債銀がそうした数字を提示することを黙認したことになる、そういうことになりますね。そうであるならば、これは行政責任を問われますよ。違いますか、大臣。
○政府委員(日野正晴君) たびたびで大変恐縮でございますが、その数字、先ほど益田先生もお挙げになりましたけれども、第Ⅲ分類が一兆一千億円という数字は、この検査結果としては九月になって初めて確定したものでありまして、増資要請時である平成九年五月の時点ではまだ判明していなかったわけでございます。 ただ、判明はしておりませんが、何しろ四月一日にクラウン・リーシングを初めとする関連会社、ノンバンクが破産するという大変な事態に至りまして、この日債銀の経営を再建するということで再建策が提示されたわけでございます。その経営再建策の必要欠くべからざるものとしてこの増資が必要になったと。その増資を要請する相手方に対しては、やはり自分のところの資産内容を説明しなければなりませんので、その説明をしたと。 ただ、一方で検査がまだ進行中でありますので、大蔵省から正式な検査結果の通知をまだ受けておりません。検査部との間でいろんなやりとりをしておりまして、ディスカッションといいますか、いろいろやりとりをしておりますので、その過程を通じて、自分のところで把握した不良債権の額を増資要請先に対して説明したということを、益田先生は黙認していたとおっしゃいましたが、そういったことを黙認というよりも、むしろそういう説明をしていることはやむを得ないことであったというふうに私どもとしては承知しているわけでございます。 その当時、それでは一体ほかにどういう方法があったかというふうに問われますと、なかなか、当時はとにかく大蔵省としては皆精いっぱい最善を尽くしていたんだろうと思います。その最善の一つの策としてそういう方法をとらざるを得なかったということではないかというふうに考えます。
○益田洋介君 セーフティーネットがなかったからやむを得ない、最善というよりはほかにとりようがなかったというのが現状なんでしょう。これがやはり護送船団方式の最後の大蔵省がやった国民に対する欺瞞ですね。それ以外のことは何もありませんね。国民の目をごまかしたんじゃないですか。 それで、大蔵大臣、こういうことをおっしゃっているんですよ。二日の衆議院での集中審議、当時の金融行政が破綻回避を優先していたということを認めるという言葉。国内外への波及を心配していたんだ、だから当時の担当者はそういう意識で行政をしていたんだと。そういう意識というのは護送船団方式ですよ。全部国民の目の前から見えないようにしていた、隠ぺいした、そういう意識で行政をしていたんだ。とんでもない話ですね、これ。官庁の中の官庁という大蔵省がそんなことをしていいんですか。そういう意識で行政をしていいんですか。 それから、さらに驚くべきことを言っている。 大臣は、検査もそうした基本方針のもとで行われていたと。検査結果をまとめる際にさじかげんを用いていたということですね、これ。そういう意味ですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは注意して申しておったつもりでございます。 つまり、護送船団方式というものがあって、今いい悪いはもう明らかになりましたが、とにかくそのときの意識ではつぶしてはならぬのだ、それは内外ともに非常に大きな影響を与える、セーフティーネットがございませんからというのが行政の基本意識であったということは確かに申し上げました。 今ちょっと途中になりましたが、その七千億の話、監督庁長官と問答がございましたが、山口君がもし真実の、つまり検査が終了しておってその結果を知っておったといたしますならばどうであったか。それを知っておりませんから、七千億と言われたときに何とも言いようがないということではなかったかと私は思いますですけれども。 それから、その最後の検査のところは、この間お答えいたしましたのは、検査が曲げられたとかなんとかということではなくて、しかし護送船団方式のもとで破綻に導くということは避けなければならないということが行政全体にございますから、検査は検査としてしておることは違いありませんけれども、そういう行政の一種の基本的な命題と申してよろしいんだろうと思いますが、ございましたのでと、こう申し上げようとしたのでございます。
○益田洋介君 さらに八月二日、大臣はこのようにおっしゃっております。 個々の行政、公務員に違法行為や故意があったとは考えてはいないと。故意がないものが何でできるんですか。認識があったんでしょう。だから、もし故意が認定できないのであれば、未必の故意であるとか、あるいは認識のある過失、そういったものに該当するわけです。犯罪ですよ、これ。違いますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは恐らく司法の判断せられるところでありますけれども、私が故意と申しましたのは、何かの目的を持って事実を知って曲げたというふうに考えて申し上げておりまして、そういう形跡はないというふうに申し上げておるんです。
○益田洋介君 目的ははっきり明確じゃないですか。九七年当時、大手の銀行は一行たりともつぶさないと明言していましたよ、当時の大蔵大臣。銀行局長もそう言っていた。でも、簡単に山一もつぶしたし、それから北海道拓殖銀行もつぶしたんです。この話は後でします。 明確な目的を持って、それから知識を持って、そして結果をどういうものに導こうかという認識も持って、その上の行為でしょう。これは故意じゃないですか。故意以外の何物でもないでしょう。違いますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 後段はそれでよろしいんで、問題は前段でありまして、そのために知っている事実を曲げて何かしたという、その部分でございます。
○益田洋介君 わかりました。とにかく当事者がきょういないので、直接お尋ねできないのでこれ以上は蔵相にお伺いしません。 それで、監督庁長官、長官はこういう発言をされている、八月二日。日債銀がみずから不良債権が少ないと認識していたのは事実だろう。大蔵省も承知していたが、指示していたわけではない。承知していたが指示していないというのは、これは黙認じゃないですか。そういうふうになっていくだろうということはわかっていたわけでしょう。だから、黙認じゃないですか。多分教唆もあったかもしれないですよ、長官。百歩譲ってもこれは黙認しているんじゃないですか、違いますか。
○政府委員(日野正晴君) もう一度繰り返させていただきますと、検査結果を示達いたしましたのは平成九年九月でございます。増資を要請したのが五月でございまして、その時点ではまだ検査結果は判明していなかったというふうに承知しております。したがいまして、検査結果としての数字、第Ⅲ分類一兆一千億円という数字は存在していなかったということでございます。 一方、日債銀は増資要請先に対しまして何らかの形で資産状況を説明する必要に迫られていたことから、まだ途中段階ではございましたけれども、大蔵省の検査の状況を踏まえましてみずから積み上げた計数七千億円を説明したものというふうに承知しております。当時、大蔵省といたしましては、日債銀がそういった説明を行っているということは承知しておりました。確かに承知しておりました。 ただ、当時の日債銀の大変切迫していた状況から考えますと、途中段階ではありますけれども、その検査の状況を踏まえて日債銀みずからが認識していた計数を説明することは、これはやむを得ないものと考えていたというふうに聞いているところでございます。 それを、今、益田先生がおっしゃったような表現にするかどうかは、ちょっと私としては何とも申し上げられませんが、ただ私どもとして今認識したりあるいは聞いたりしている、あるいは承知していることは以上申し上げたとおりでございます。
○益田洋介君 表現の違いの問題じゃないんですよ。私は事実関係を言っている。時間がもったいないから長官に聞かない。 長銀問題は、やはり今後の問題は政府がどういうふうに対応していくかということに一にかかってそういうことになると思う。これは大変大きな世界最大の破綻、金融機関のMアンドAなわけですが、内外からそういった大きな案件で注目を浴びているわけでございます。 ただ、交渉の最終局面に至って極めて厳しい状況に直面しているというふうに理解しております。それはなぜかというと、灰色債権と言われる問題の価格の設定が双方で相当隔たりがある。不良債権はすべて整理回収機構に譲渡されるわけでございますが、適資産と言われる資産の中にも、例えば経営状況が悪化している大手の百貨店ですとか、それから不良債権を抱えてしまっているゼネコンなどの債権が適資産の中にも含まれている。 ですから、その評価を外資系の買収を検討しているグループは、こういった債権について簿価で引き取るということは非常に難しいと主張している。一方、日本側は簿価で引き取ってもらいたい。何か平行線をたどっていくような印象すら受けるわけでございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生御案内のように、特別公的管理のもとに置かれた金融機関の最終の処理というのは、営業譲渡か株式の譲渡その他の処分によるということでございます。 しかし、私どもとしては、営業譲渡というのはコストもかかるしいろいろ不都合もあるということで、現在のところは株式の処分ということで候補者を募って、それら複数の候補者と交渉をしているわけであります。 交渉の詳細というものについては、これはある意味で商取引みたいなところもございますので、詳細にわたるここでの御紹介というのは差し控えさせていただきたいわけでございますが、今、先生御指摘になられたようなことにつきまして現に問題があるかというと、むしろそうではございません。それらについては、要するに簿価で引き取っていただけるかどうかというのは、他方において引き当てが十分行われているかどうかで決する問題でございまして、資産の現在価値というものに見合うような引き当てが行われれば、それで問題は済むわけでございます。 そういうようなことで、もう少し先のことについて実はいろいろ難しい問題が横たわっておる、こういう次第でございます。
○益田洋介君 買収後に生じるロスについてさまざまな方法が検討されていて、政府は、その損失のほとんどをかぶるロスシェアリング方式だとか、あるいは事前に貸倒引当金を通常よりも多目に積んでおくといういわゆる持参金方式、こういった方法が検討されているわけでございますが、柳沢委員長は、今はやらない、理由は何か、法的な整備ができていないからだと。これは理由にならないですよ。 だから、何でもかんでも後手後手になっている。日債銀問題の後に、この処理が終わった後にまた別のところで問題が起きたらどうするんですか。同じことをするんですか。法整備が整っていないからやらないというんだったら法律を整備すべきじゃないですか。政府の対応の後手後手が一連の問題を引き起こしているんですよ。違いますか。早目にこういう問題に対するセーフティーネットをつくってくださいよ。買収後に生じる損失の処理方法、いかがですか、検討願えますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) この問題がまさに、先ほど私の答弁の中でちょっとインプライさせていただいたことでございますけれども、大きな一つのテーマであることは私どももよく認識をいたしております。 問題は、しかし、かねて御答弁申し上げておりますとおり、ではそのロスシェアリングという方式が法制で整備されれば何の問題もなく円滑に処理ができるかというと、なかなか日本の融資というものが、コーポレートファイナンスということで対人的な融資の形をとっておる。他方、アメリカの場合にはプロジェクトファイナンスで、むしろ対事業あるいは対物的な貸し出しの形態をとっておるので非常に切り離しが容易であるというようなことも背景にあるのではないか。こんなことも考えられるわけでございまして、そういう意味で、私どもすぐこのためにそういうものを用意してうまくいくかということについては、やや疑問なしとしないということでございます。 しかし、せっかくの委員のような専門知識をお持ちの方のサジェスチョンでもありますので、私どもとしてはこれを将来の問題としては積極的に検討していきたい、こんなふうに思っておるわけでございます。
○益田洋介君 要するに、政府の対応は遅過ぎる。危機管理全般に対して政府の対応が遅い。準備がなされていない。政府は、やっぱり事後処理というよりも未然防止ということを考えていかなきゃいけない。 さっき、日債銀の問題が起きたときに、あるいは長銀の問題が起きたときにセーフティーネットがなかったから、金融二法のことを意味しているんでしょうけれども、なかったからできなかった、しようがなくて旧来の奉加帳方式をとらざるを得なかったなんて発言しているけれども、そんなことじゃないんですよ。そんな言いわけなんかしてもしようがない。そうじゃなくて、そういうことが起こってしまったら困るから未然に準備をしておく、これが政府の姿勢であるべきなんです。 大体金融二法についてだってそうです。アメリカでそういう例をさんざん見てきているでしょう。さかのぼること十年ですよ。日本に起きてから初めてそんなことをどたばたやるなんというのは、どんどんそうやってひた隠しにしているから、隠匿しているから傷口が深くなるんです。 大蔵省とそういう話をしたらこういうことを言っていた。去年一年間は住専処理の後で、公的資金の投入ということは考えたけれどもとても言い出せるような状況じゃなかった。それはそうじゃないんです。去年一年間は、一連の大蔵省の不祥事があってこの国会だってそれで持ち切りだったじゃないですか。大蔵省が隠して悪いことばかりやっているから、だから何もできなかったんです。それを住専処理のすぐ後だから公的資金の投入なんて言い出せなかったなんて、そういう言い方をしてはいけない。もっとよく反省してもらいたい、大蔵省。いかがですか、大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 危機処理に関する諸方策が大変おくれておったということはもうおっしゃるとおりでありまして、その点は私ども行政の責任と思います。 やはり護送船団方式をやっておりましたことから、危機というようなものはめったに起こらないという、そういう誤った先入観が災いをいたしたものと思いますが、私どもの責任だと思います。
○益田洋介君 アメリカがちょうどSアンドLで大変な思いをしているときに、日本はバブルで踊り狂っていた。だけれども、それじゃだめなんです。いずれ自分のところにもそういう火の粉が飛んでくるんだという物の見方ができなければだめです、政府は。 だから、絶海の孤島で一人でダンスを踊って、うまい酒を飲んでうまいものを食っているからそれでいいんだと、それではだめなんです。世界にもっと目を向けて、国際的な情勢をよく分析する、それが政府のあるべき姿勢だと思いますけれども、いかがですか、総理。
○国務大臣(宮澤喜一君) やはり先ほど申しましたように護送船団方式ということが内にも問題をつくり、対外的にも大変なおくれの原因になったということはくれぐれも反省をいたしています。
○益田洋介君 総理、お願いします。
○国務大臣(小渕恵三君) 宮澤総理時代に公的資金を導入してでも日本の金融機関をきれいにしていくべきだという話がございましたが、今、大蔵大臣になられて、御答弁の中でも申されておりますように、顧みますれば、九〇年代初頭から既にこの問題は存在しておったんだろうと思いますが、なかなかもってこれは政府の責任に帰することではあろうかと思いますが、世の中におきましても、従来のような護送船団方式といいますか、銀行に対する対応につきましては、行政もそうでありますが、金融機関自身にもその自覚がなかったということもございまして、そのとどのつまりが今日こうして緊急に種々の措置を講じなければならないことだというふうに思っております。 住専のときにおいてすら、実際、公的資金を導入することにつきましても、あれだけの種々の議論があったわけでございまして、そういう意味ですべからく国民的な認識も確かに深まってきておる中で、行政が先へ先へとこの問題を解決してこられなかったことについての反省は十分いたしておりまして、したがって、おくればせでありますけれども、新しい行政機構の改革も行い、金融庁もつくって、将来こうしたことが二度と再び起こらないように、また適宜適切に対応のできるように財金も分離していこうということで今処理をされておられる、こういうふうに認識をいたしておりまして、過去の事例につきましては改めて十分これは精査をしながら新しい方向性を見出していくべく努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○益田洋介君 国民もだんだんわかってきたなんて、そういう失礼な言い方をしたらだめですよ、総理。私たちは国民の皆さんを代表して、勉強して努力してさまざまな検討を重ねて法案をつくっていくんです。国民もだんだんわかってきたというのはどういうことですか、それは。テレビが入っていたら怒るよ、みんな。 それはいいとして、余りよくないけれども、次に参ります。 九七年に山一、北海道拓殖銀行が先だったわけですけれども、資金不足で北海道拓殖銀行、しかしそれは財政当局に放置された形で倒産に追い込まれた。山一の場合は当局みずからが倒産の引導を渡したということで非常に冷たい切り方でしたけれども、日債銀の場合はちょっと違うんですね。寄ってたかって助けようとしていたが、この違いはどこにあるかとさっき郡司委員も言っていたけれども。 日債銀というのはやっぱり特別な銀行なんですよ。さっき金丸信元自民党副総裁の話が出たけれども、ロッキード事件の児玉誉士夫さんもそうだ。それから、日債銀の福島交通への過剰融資、このときには亡くなった岸信介元首相の名前が挙がっていた。政治家の仲介案件ばかりやっていた。 だから、どうしても守らなきゃしようがなかった、特別扱いしなきゃいけなかった、この姿勢がおかしいんです。 山一だって拓銀だってすそ野が広いですよ、あの倒産は。一行もつぶさない、大きな銀行はと九七年に言ったのに、九七年に二つもつぶれちゃった。この違いはどこにあるんですか。
○政府委員(日野正晴君) 拓銀につきましては、もうこれは御案内のことと思いますが、平成九年九月に北海道銀行との合併の延期を発表した後、預金等の急激な減少がございました。そこで資金繰りに行き詰まったわけでございます。そこで、同年の十一月十七日に、業務の継続が困難となったことを受けまして、当時大蔵省として、預金者等の保護あるいは北海道における金融機能の維持の観点から……
○益田洋介君 違いはどこにあるのか。
○政府委員(日野正晴君) 一口で言いますと、これは資金流出ということでございます。 それから、山一は簿外債務が明らかになったということでございます。 それから日債銀は、これは債務超過ではございませんでしたけれども、クラウン・リーシングを初めとして関連子会社等が破産したということから大変な経営危機に陥った、こういうふうに要約できるのではなかろうかと思います。
○益田洋介君 七月三十一日に東邦生命の保険管理人がまとめた債務超過額の概算額が発表になって、東邦生命自体が破綻時に公表した額の約倍で、五千億から六千億だと言われている。今、日債銀は債務超過じゃないと長官は言ったけれども、実際ふたをあけてみて検査をしてみるとこういうことなんです。だから、自己申告なんというのは大体半分ぐらいに考えておかなきゃいけないんですよ。 それで、問題は、損失の九割については生命保険契約者保護機構が穴埋めをするわけですが、一割は契約者が負担をしなきゃいけない。契約者に押しつけられる。大変なことですね、これは。こういうことが起こるたびに契約者は一割ずつ債務超過の負担をしていかなきゃいけない。今後もこういうことがあっちゃいけないと思うんです、僕は。だから、この問題についてもセーフティーネットを考えておくべきだと思うんです。 これは再生委員会の委員長ですか。いかがでございますか、生保についても。
○政府委員(日野正晴君) 東邦生命の件につきましては、金融監督庁で行政処分といいますか業務停止命令をいたしましたのでお答えいたします。 現在、保険管理人というものを私どもの方で選任いたしまして、その管理にございます。この管理人が資産の状況等をよく精査いたしまして、受け皿となる保険会社をこれから選定されることになろうかと思います。また、どうしても受け皿となる保険会社が見つからない場合には、先ほどお話のございました生命保険の保険契約者の保護機構というところが受け皿となるということになろうかと思います。 保険の場合は、預金と違いまして、解約すると同じ預金が戻ってくるという性格のものではございませんで、解約しないようにできるだけ新たな受け皿となる会社に移行するということが大変望ましいわけでございますので、今現在、そういった方策を模索しているというところでございます。
○益田洋介君 総理にお伺いしたいんです。 昨日、大蔵大臣がローレンス・サマーズと話した際にも意見交換が恐らくあったのではないかと思いますが、アメリカの関心は、日本の経済がだんだんと底を打って薄明かりが見えてきた状態を継続してもらいたい、そのためには第二次補正を真剣に検討してもらいたいというお話も恐らくあったと思うんです。これは、現実にやはり私たちも今の段階からしっかり検討していかなきゃいけない問題だと思います。 ただ、自民党の総裁選の後、臨時国会を秋に開いて第二次補正を検討していくことになると、大体十一月ごろになってしまう、それはこの間の大蔵大臣の御意見でございました。十一月に予算が成立すると、それから用意をして発注すると、大体一月から三月ぐらいに公共事業が受注されることになる。そうすると、ことしの秋にすき間ができちゃうわけです。ギャップができる。このギャップは今の、一―三月期は驚くほどの成長率だったんですが、また落とすことになる。 最終的に年度末に〇・五%のプラス成長と総理は繰り返しおっしゃっていますけれども、実現させるためには、第二次補正を執行する前に、今五千億程度あります公共事業の予備費を円滑に効果的に活用していかなきゃいけないと思うんです。一部には予備費と第二次補正を合わせて執行すればいいんじゃないかという意見、それでは私は遅過ぎると思うんです。九月ごろから予備費を活用し始めていただきたい、そういうふうに思うわけです。 それで、四―六月期の経済成長率がわかるのは九月十日前後と言われていますから、それを見て、そして予備費の執行状態を見て、経済効果、政策効果がどれぐらい上がっているのか等を見きわめて第二次補正の額を適正な額に決めていく、こういうふうな筋書きを私はしていただきたいと思うんです。政府に要請するんですが、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 結論を申し上げれば、そうした方針に向かって対応していきたいと思っております。 まず、公共事業予備費につきましては、景気回復を図る中で民間需要が予測を下回る等の予見しがたい経済状況の推移等によりまして、公共事業等の経費に予算の不足が見込まれる場合に備え、これに機動的に対処し得るように計上しておるものでございます。 したがいまして、今後の我が国経済の動向、具体的にお示しがありましたが、四―六月期の経済指標等を見きわめた上で、必要があれば公共事業等の予備費の活用、十五カ月予算という考え方に立った平成十一年度第二次補正予算の編成も視野に入れ、回復力が弱いながらも改善しつつある景気の腰折れを招くといったことのないよう、引き続き景気に十分配慮した財政運営を行ってまいりたいと思います。 十一年度予算あるいは十年度補正を含めまして、景気回復のための財政の許される範囲の出動をいたしてまいったわけでありまして、予算を成立させることによってウエーブ、波が起こってはいけない、こう考えております。引き続いて一―三月期のこうした状況で推移できますように、四―六月期を十分見通しながらその後のことにつきましては適切に対応していきたい、こういうふうに考えております。
○益田洋介君 ありがとうございました。初めて意見が合いました。 次に、預金保険機構でございますが、相当これ債務が大きくなって約十六兆円程度に今なっている、相次ぐ金融機関の破綻がこういった結果をもたらしたわけでございます。 ペイオフの論議はまたいたしますが、二〇〇一年四月一日のペイオフまでの破綻処理財源を確保するために、九月からでも償還期限が四年程度の中期債を一年間約一兆円、一回二千億から三千億円程度で年間四回から五回発行してそれで資金調達に充てるという計画であるということが先週末明らかになったわけでございます。きのうの財政・金融委員会で日銀総裁にもお尋ねしました。 といいますのは、この十六兆円の内訳でございますが、八割は償還期限一年物の民間機関からの借り入れでございますが、残りの二割は日銀の特融を用いているわけでございます。政府の保証がついているとはいえ、これはやはり今三兆円を超える貸出残高でございますので、日銀の総裁も、これが常套的になってしまうのは困る、やはり一時的なものであって暫定的なものにしてもらいたいんだという希望を述べておられまして、全くそのとおりで、そういう意味からは、預金保険機構の中期債の発行というのは私は歓迎されるべきものだと思います。 しかし問題は、今、中期債のマーケットに長信銀の五年物の金融債、それから大蔵省の五年物の国債がございますからかなり競合する部分が出てくるんじゃないか、需給のバランスが悪くなるんじゃないか、そういう懸念を私はしていますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) けさほども別の関連で申し上げましたが、日銀特融が余り多く残っているということは好ましくないことでございますので、そういうこともございまして、預金保険機構としては市中銀行に、今金利が安いものですから借りかえたりしておられますが、おっしゃいますように機構債を発行することがいいのではないか。そのときには、益田委員の言われますように注意して発行いたさなければなりませんで、市場の動向もよくよく見ながらやっていただきたい。幸いにして、全体の額が非常に大きいものではございませんから、市場の動向を見ながらそれに向くような発行をしていけばいいのだろうと思います。 おいおい民間の資金需要というようなこともぼつぼつ言われるようになればいいということですが、なってくることもございますとしますと、国債の発行の条件というようなことにはこれから十分気をつけないといけないということは、御説のように承知をいたしております。
○益田洋介君 これは総理、ある総理経験者が二日前に新聞に発表した論文の中にあるペイオフ延期論でございますが、この方は昭和初期の金融恐慌の状況を振り返って、台湾銀行ですとか鈴木商店の倒産、それからまた当時の片岡大蔵大臣の特定の銀行の破綻に対する失言、そういうものから優良銀行までも取りつけ騒ぎが起きてしまった。だから、ちょっとした出来事からうわさがうわさを呼び、また報道がなされると、これは民意が本当に攪乱されまして混乱が生じる。特に、優秀な官僚の方々あるいは金融の専門家の方は、こうした一般の国民、預金者の方の心理的な状態といいますか心理状況をよく洞察できていないんだ、そういうことがこの一連の昭和初期の恐慌を通じて学び取った教訓であるんだと。したがって、モラルハザードの処理のためにもし二〇〇一年四月一日にペイオフの解禁を行うのであれば、これは小目的だ、もっと大きな目的は金融の安定である。だから、その金融の安定が図られる兆しが見えてきたときにペイオフの解禁というのはすればいいんじゃないか、そういうふうな意見でございますが、総理はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(小渕恵三君) いよいよ来年、ペイオフの問題に結論をつけなきゃならないことが定まっておるわけでございますので、最近に至りまして、またそれ以前からもそうでありますが、いろいろと御意見が出ておることは承知をいたしております。中小企業等の決済資金がこれで十分賄えるものかどうか等々の意見もありますが、現在、金融審議会におきましていろいろの問題についての御討議を願っておるわけでございますので、そうした動向を十分踏まえながら対処しなければならぬかと思います。 政府といたしましては、既に決定をいたしておることでございますので基本方針を曲げることなく進めていかなければならない、このように考えております。
○益田洋介君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で益田洋介君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 きょうは長銀、日債銀の問題についての集中審議をさせていただきます。 銀行の破綻処理について、我が党は、国民の血税を使うべきでない、銀行業界の自己責任でやるべきだというふうに主張してまいりました。ひとたび税金投入の仕組みをつくればその後とめどなく税金投入の額が膨らむ、このことも警告をしてまいりました。 実態を見るとどうか。これはまさにそういう事態に今なっているんじゃないかというふうに思うわけです。長銀も日債銀も破綻の直前までは債務超過でないというふうに言い続けた。そして、税金投入が正当化されたわけであります。そして、破綻後は逆に債務超過額がぐんぐんとふえている。譲渡終了時までに一体どれだけの税金が投入されるのか。ブラックホールというのがありますけれども、まさにブラックホールになってきているのではないか。何でこんな事態になっているのか質問をしていきたいというふうに思うわけです。 まず第一にお伺いしますが、特別公的管理となった長銀と日債銀について、それぞれ投入される公的資金について現時点での見通しを示していただきたい。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長銀と日債銀につきましては、昨年度末、過ぐる三月三十一日現在での貸借対照表を発表させていただいておりますけれども、その際、いわば現在必要なバランスシートをつくる上での損失額というものは、特別公的管理勘定という未収金の勘定を資産の側に立たせていただいておりまして、そういうことでバランスシートをつくらせていただきました。 これによりますと、日本長期信用銀行で現在損失というか、将来は補てんをしなければならないとして計上されている額は二・八兆ほどでございます。それに対して、日本債券信用銀行の場合には三・一兆ほどでございます。
○小池晃君 破綻認定したときは長銀は千六百億円だったんですね。これは超過ではなくて債務、日債銀は債務超過で九百四十四億円だった。これが、今では長銀では二兆七千八百六十八億円、日債銀では三兆九百四十三億円、特別公的管理勘定がこれだけふえている。 長銀については、報道ではこの数字からさらに八千億円拡大する、膨らんだという報道がありますが、これはどうなんでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これから長銀にしろ日債銀にしろ、先ほど来繰り返し述べておりますように、これを譲渡するということになるわけでございますが、細かい資産、負債の各項目についてどういう変動があるか、これは当然のことながら変動があり得るわけでございますけれども、大枠としてどういうことがあと言い得るかと申しますと、一つはこの資産を現在は債権回収銀行の方に売り渡す予定のものも、いわば不適資産もこれに計上してございます。そして、不適資産を整理回収銀行の方に引き渡すときには、さらに若干の引当金を積んでそれと一緒に引き渡すというようなことになる、これが一つ損失が拡大する要因であろう、このように思います。 それからもう一つは、売り渡し先に渡すときにその資産がそのときの評価でどのように変化するか。資産の劣化というようなことあるいは経済状況を反映して劣化というようなことが起きますと、それも拡大の要因になるということでございますが、その金額が幾らになるかということを現在見通すことは困難でございます。
○小池晃君 今後どんどん拡大していく、国民負担がふえていくということは、これは明らかだと思うんです。 いずれにせよ、早晩七兆円の交付国債は使い切ってしまうということははっきりしてきているんじゃないかと思うんですが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 既に一兆五千億でございますか、現金化しておりますので、いずれの日にかは七兆円では足りなくなるということはそうであろうと思っておりますが、まだまだ時間のかかることでもあり、今、柳沢大臣の言われましたように最終的にどういう数字になりますか、承継のこともございますので注意して見ております。 もし今年度中にそういうことがあるようでございますと、これは預金保険法の改正を国会にお願いしなければなりませんので、その節には遅滞なくまた御審議を仰ごうと思っておりますが、今いつということは、注意して見ておりますが、明確に申し上げられないような状況でございます。
○小池晃君 いずれの日にかというようなことをおっしゃるんですが、これはちょっとごまかしだと思うんですね。 というのは、長銀や日債銀の債務というのは、付保預金は非常に少ない、非付保預金の割合が九割。すなわち、先ほどお話ありました長銀の債務超過分が二兆七千八百六十八億、日債銀が三兆九百四十三億、合計すると約五兆九千億ぐらいになります。この九割は五兆三千億円ぐらいですね。これが特例業務勘定の支出によって手当てされなければならない。そういう金額になる。もう今の時点でそこまでは確定しているわけであります。 現在は、先ほど大臣がおっしゃったように特例業務勘定、もう既に一兆五千億を支出している。これに今の五兆三千百億を加えれば六兆八千百億。ここまでの支出というのはほぼ確定しているんじゃないかと思うんですね。もう七兆円なんというのはほとんど使い切っているんです。ですから、いつの日にかなんという、そういうのんきな話じゃない。 さらに、今後予想される、先ほど柳沢大臣がおっしゃったような追加引き当て、それから破綻している第二地銀の引き当ての問題、処理の問題を考えれば、これはもう今年度中あるいはことし中に七兆円の交付国債を使い切るということははっきりしているんじゃないでしょうか。 これをどうするのかということを、先ほど様子を見ながら、注意深く見ながらいずれの日にかというようなことでしたが、もっと差し迫ってきているんじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 言葉遣いが悪かったかもしれません。逃げ切れる話ではないのでございまして、足りなくなるのが今年度中かあるいは来年度にかかるかということを見きわめたいと、こう申し上げておるので、今年度中でございましたら補正、それから預金法の改正を間に合うようにお願いしなければなりませんし、またそれが来年度でございましたら来年度に向けてお願いしなければならない。 それは、ほっておいたら済むという話でないことはよく承知しております。
○小池晃君 ところで、これは柳沢大臣の方になるかと思うんですが、長銀、日債銀の処理、譲渡先を見つける。いつまでにそれを処理するというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長銀の方につきましては、もうFAを選びまして候補先も大体絞られてきておりまして、今これらの譲渡先とのいわば交渉の詰めをしているということでございまして、私どもとしてはできるだけ早くこれを譲渡いたしたい、このように考えております。 ただ、その時期をここで明示しろということについては、これは期限を切りますと我が方が若干弱みにもなるというようなことの考慮もありまして、申し上げることは控えたい、私の希望はもちろん持っていますけれども、やっぱり言うべきではない、このように考えます。 日債銀の方は、最近FAを選びまして、今譲渡先についてかなりの数の候補者が名乗りを上げているという状況でございます。こちらももちろん言うまでもなくできるだけ早期に処理をいたしたいと考えております。
○小池晃君 当初は長銀の処理は七月中というお話もあったんですね。できるだけ早くとお話ありましたけれども、今年度じゅうに七兆円の交付国債を使い切るのはもはや明らかになってきている、やはりそういったことをはっきり国民に示すべきだというふうに私は思います。 その上で、これだけ膨張している債務超過額、そもそも長銀にしても日債銀にしても、私、冒頭言いましたように、破綻前と清算後の債務超過額というのは余りにもかけ離れている。これはなぜだというふうにお考えでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 破綻の前後のお話でございますけれども、破綻前の場合は、御承知のとおりゴーイングコンサーンベースでの評価ということになりまして、貸出先の企業は引き続き当該金融機関から融資を受け続けられるということを前提でその企業への貸出金を評価いたしておりますのに対しまして、破綻後は清算ベースでの評価に変わります。その場合には、貸出先の企業の中には、その金融機関からの従前のような融資等の支援が受けられなくなった場合には極めて厳しい状況に陥るということで、その債権の資産価値が大幅に下落するということになるわけでございます。 日債銀の場合につきましても日長銀の場合につきましても、いわゆる関連会社に対する貸し出しが大きいということもございまして、ゴーイングコンサーンベースと清算ベースでの差が大きくなったものと認識しております。
○小池晃君 柳沢大臣は六月二十九日の記者会見で、日本の場合、破綻前と清算したときで金融機関の価値の乖離が大きい、原因を研究しないといけないというふうに述べておられる。これは、今言われたような意味でこういう乖離が起こるというふうにお考えなのか。だとすれば、今後もこういうことが起こり得るというふうに考えてよろしいのか、そこをちょっとお聞きしたい。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これは将来の日本の金融システムの健全性をどういうふうに維持していくか、さらには破綻をしたときに、例えばペイオフというようなときに、パーチェス・アンド・アサンプションをのれん代ぐらいで損失を穴埋めできてスムーズに行うというような将来展望に立って、あえて私申させていただくわけでございますけれども、やっぱり日本の場合には、一つは、これの方がウエートは少ないですけれども、引き当て不足というものがあったろうと思います。 私ども、今度検査マニュアル等を適用しまして各金融機関の自覚のもとで引き当てというものについてもっともっと真剣に取り組んでいただく。これは歴史的に言いますと、引き当ては金融機関のいわば税法上の利益操作に使われるんじゃないかというようなものにむしろ関心がありまして、引当金はできるだけ少ない方がいいというようなことで運用してきたというのが行政の実態だったわけです。そういうものを受けて金融機関の側もそれに沿ったビヘービアをとってきたわけですが、今や全く価値が百八十度変わりまして、潤沢にむしろ引き当てをしておかないと健全性は保てない、そっちの方に価値観というかそういうものが移ってきたということの反映でもあるということでございます。 それともう一つは、日本の場合のメーンバンクシステムということでございます。 これは先ほど事務局長の方から、長銀、日債銀の場合にも関連会社、つまり、もう自分の子会社とかあるいは関連の会社でありますから、それは自分が面倒を見る限り倒れないというそういう資産評価になるわけですが、そこが倒れてしまえばそれはもう非常に資産は劣化するということで、そこに大幅に損失が顕現してきてしまう、こういう仕組みになっておるというふうに、とりあえず我々が思いつくだけでそういうことが考えられるわけでありますけれども、まだほかにいろいろなことがあるかもしれないということで、このあたりのことは先ほどのペイオフとの絡みでも私どもはよくよく研究をしなければならない課題である、このような認識を持っておるという次第であります。
○小池晃君 今お話があったように、こういう乖離が起こる原因の最大の問題、先ほどゴーイングコンサーンベースと清算ベースの違いというお話がありました。やはり関連会社が多い、そして自分の関連会社がいかに問題ある資産を抱えていても、関連会社だから自分たちが支援するから大丈夫だということで続けてくる、そして最後まで債務超過ではないというふうに主張し続けて、いざつぶれたら莫大な債務超過が生まれてくる、こういう事態が起こってきているわけであります。 やはりこういう関連会社などを使った、あるいはいろんな手段を使った飛ばし行為のようなものを徹底的にやめさせていくということが必要だと思うんですが、そのための手だて、これは今打っているんですか。これからどうしようというふうにお考えなんですか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) この問題というのは、結局は金融機関というものが自分の資産に株式をどういうふうに保有するかということに密接に絡んでおると思います。関連会社というものは実質支配というような観念が入りまして、必ずしも親会社、子会社関係でない場合も含むということでございますけれども、事柄の本質ということを考えてみますと、やはり株式でもって支配をするということが原則的な形態だろう、このように存じます。 そういう意味で、私は、金融機関が株式を持つということ自体についてもやはり日本の金融機関の健全性を高めていくためにはこれもまた将来の検討課題というように申さざるを得ない、このように考えております。
○小池晃君 飛ばしの問題で、クレディ・スイスの問題についてちょっとここでお伺いをしたいと思うんですが、クレディ・スイスグループに対して金融監督庁が検査を行って処分を下されました。この内容をちょっと簡単に説明していただきたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) クレディ・スイス・ファイナンシャル・プロダクツ銀行東京支店につきまして、銀行法二十七条に基づきまして、まず金融再生委員会が免許の取り消し処分を行いました。それから、金融監督庁は、平成十一年、今年十一月二十九日までの間、既存取引の解消及びこれに付随する業務を除くすべての業務の停止命令の処分を行いました。それから、クレディ・スイス信託銀行につきましては、金融監督庁におきまして、銀行法二十七条等に基づきまして金銭債権信託等についての本年八月五日からの新規引受業務の停止命令、その他、個人顧客に関する受託業務等についての八月五日からの業務の停止命令等を行いました。また、その他、クレディ・スイスグループ在日拠点に対しましても、金融監督庁といたしまして、一定の業務停止命令、業務改善命令等の処分を行っております。 大変内容が大量になるものですから、要約して申し上げました。
○小池晃君 クレディ・スイスグループは不良債権を隠ぺいする金融商品を大量に反復継続して提供していた、こういったことで処分されたわけですが、この商品が日債銀の飛ばしにも使われていたというふうに報道されていましたけれども、これはいかがなんでしょうか。
○政府委員(日野正晴君) クレディ・スイスに関する処分につきましては、クレディ・スイスの在日拠点に関する処分は行いました。また、その理由は、今お話がございましたような理由で行ったわけでございますが、顧客の個々の取引につきましては、これは行政処分の直接の対象となっていないということで、個々の顧客についての開示は私どもとしては差し控えさせていただいているところでございますので、果たしてその中に日債銀が含まれているかどうかについても言及は差し控えさせていただきたいと存じます。
○小池晃君 こういうことが問題を隠ぺいしているというふうに思うんですね、私は。そしてさらに、金融商品を利用していた、開示の問題はそうだと。では、銀行に対してはどういう処置をとられるんですか。もちろん、許されるわけはないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(日野正晴君) 顧客は金融機関もございますし、それから一般の事業法人等もございます。事業法人等に関しましては金融監督庁としては権限がございませんが、金融機関等に関しましては、これから銀行法の二十四条に基づきまして報告徴求命令をまずかけまして、そしてそれぞれ報告を求めたいと。その上でいろいろこれからのことを考えてみたいというふうに考えております。
○小池晃君 報告を徴求する、それからどうするんですか。それからのことはどう考えるというのは、今あいまいなおっしゃり方でしたけれども、そこについてお答え願います。
○政府委員(日野正晴君) これは報告徴求をしてみないとわかりませんし、どういうふうな形になっていくか、具体的な監督上の措置についてはコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、私はこの各社に対する処分に際しても談話を出させて申し上げておりますが、顧客のうちの金融機関につきましては取引の実態を把握いたしまして、法令に照らして適切に対処していきたいというふうに考えております。
○小池晃君 結局、個々の取引は商取引だということで認める、報告書を出してもらうけれども、それから先はそれを見て考える、全く腰が引けているわけであります。こういうことで飛ばし行為を本当にやめさせるつもりがあるのか、先ほどお話しありましたけれども、甚だ疑問だと。 さらにお聞きしたいと思うんですが、長銀の今後の問題であります。先ほどあったように、長銀については、あるいは日債銀についてもRCCへの不良債権の売却、残った資産の譲渡先への売却、その都度その都度公的資金の投入額がふえていく可能性は大臣も認められました。 私は、先日、金融特で質問をさせていただきましたけれども、二次ロスの負担はしないというお話ありましたが、幾ら二次ロスの負担はしないといっても、相手側が独自の資産評価、デューデリジェンスを行って、それに基づいて追加引き当てを要求してくる。もちろん、買う側の方が立場が強いわけですから、高い引き当てを要求してくることは間違いない。そして同時に、承継に当たっては、相手側がこれは引き継ぐ、これは引き継がないということ、資産の取捨選択を行うことも排除できない仕組みであるわけです。 そして、それに加えて、この売却交渉の実態というのは全くやみの中で行われている。国民にはわからないところで進んでいる。金融破綻処理のスキームができたというけれども、特別公的管理になった銀行の金融機関の承継に当たって、国民負担をできるだけ最小限に押さえるための仕組みというのは全くできていないんじゃないかというふうに私は思わざるを得ないんですね。 金融再生法の第三条にあるような最小費用の原則、これが具体的にどう貫かれるのか、その保証をする仕組みがあるのか、そのことについてちょっとお伺いをしたい。
○国務大臣(柳沢伯夫君) したがいまして、私どもといたしましては、費用最小の原則に忠実たらんということで、FA、これはたまたま両行にとって世界的に高く位置づけられているアメリカ系の投資銀行でございますけれども、こういうものにも中に入っていただいて、アドバイスをいただきながら交渉に臨むということをやっている。それも一つそういう配慮からでございます。 それからまた、私どもは、今、先生がおっしゃったこと、大体大筋は、処分の方向というのは、RCCにも売却するし、また向こう側の選択の余地も残されているというのが法の仕組みではある、これはまあおっしゃるとおりでございますけれども、それも恣意的には行わせない、さらには私どもとしてその引き継ぐ資産についての引き当て、こういったようなものについても私どものルールというものをしっかり遵守してもらった上でやっていただく、こういうようなことで大筋の枠組みというものは私どもの法制度の中でもついておるわけですから、それに忠実であるということによって、今、先生がおっしゃられた、指摘をされた最小の原則というものは、それからそれない限り私どもは確保されるという認識に立って差し支えなかろう、かように考えております。
○小池晃君 幾ら決意があっても、保証する仕組みはできていないわけであります。こんなことを続けていたらば、税金投入の額というのは天井知らずに膨れていくではないか。 総理にお伺いをしたいと思うんですが、長銀、日債銀の経過を振り返って、これは、破綻直前までは債務超過ではないと言い続けた、破綻してからは債務超過額がどんどん広がっている。具体的に言えば、破綻までは債務超過ではないから大丈夫だというふうに説得をしたわけですね。健全だからと税金を投入した。一年たたないうちに、債務超過だから破綻させますということになった。そして、破綻してから半年もたたないうちに、今度は債務超過額がふえたから、当初の債務超過額の数十倍もの税金がつぎ込まれそうになってきている。そういうおそれが極めて濃厚になってきている。 こういう野方図なやり方に国民の納得が得られると思いますか。政府に重大な責任があるというふうに考えるんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、議員が御指摘をされておられます長銀及び日債銀のケースは、いずれもその時点で把握のできた財務状況等を前提に、セーフティーネットの整備状況や預金者保護、金融システムの安定性確保の必要性等を勘案し、その時々に応じて最善と考えられる対応がとられたものと認識いたしております。 いずれにせよ、従来の金融行政について、いわゆる裁量行政、護送船団方式との批判があったことから、昨年、新たに金融監督庁を設置するなど、自己責任原則の徹底と金融規律を基軸とした透明かつ公正な金融行政への転換を図っているところでございまして、そうした努力を通じながら、過去の反省に立って新しい行政を目指して努力していくということに尽きると思います。
○小池晃君 今のは反省になっていないというふうに思うんですね。その時々において最善なことをやったということは、反省じゃないですよ。その時々において最善なことをやって、結果として思っていたとおりにならなかったというだけであって、それは反省じゃないんじゃないですか。そういう立場から新たな金融行政なんて私は生まれてこないというふうに言わざるを得ないと思うんですね。 それでは、今最善だと言われた今までのやり方について次にちょっと話を進めていきたいというふうに思うんです。 七月二十六日の参議院の決算委員会で、宮澤大蔵大臣はこう言われました。「恐らく間違いないと思われますことは、多少のことはあってもこの日債銀をつぶしてはならないという行政の考え方であった」、「多少のことはあってもこの銀行を生き延びさせなければならない、そのことがいわば国益であるというような考え方が行政当局に恐らくあった」、そう答えておられます。この「多少のこと」とは一体どういうことでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 特に深い意味があって申し上げたわけではありません。
○小池晃君 国会審議をそういう深い意味がないというふうなことで言われては困ります。 もう一回お聞きしますけれども、これは多少の債務超過の可能性はあっても日債銀をつぶさないということが国益として優先するという意味だったんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いえ、債務超過が明らかになりましたら、それは破綻ということはもうやむを得ないのでございますから、それに至るまでの間にいろいろ支援をするとかいったようなこと、現にそういうことをいたしましたけれども、これも本当を言えばやや異例のことでございます。よそから、あの当時のあれとしてやむを得ないにしても、増資の支援を要請するなんということはやむを得ないことですが、例えばそのようなこと。
○小池晃君 「多少のこと」の中身を少し突っ込んでいきたいというふうに思います。 九七年四月のいわゆる奉加帳方式の問題について宮澤大蔵大臣はこう答えておられる。「その間の関係者の、行政に関係しております者に故意あるいは過失があったとは私は思いませんけれども、」、「先ほど申しましたような基本的な考え方、方針によって行われたものであることは私は疑いませんけれども、」「結果としてはもう全く損失となって終わった」と。これは、政府のそのときの判断は正しかったが結果として損失になったということだと思うんです。 九七年四月の時点で、奉加帳方式で支援を要請したときに、日債銀は再建可能であるという大臣談話を出されております。この日債銀は再建可能であるという政府の判断というのは正しかったんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当時、大蔵大臣はそのように判断せられたものと思います。しかし、その後に起こりましたことは日債銀は再建ができなかったわけでございますので、結果としてはその判断は当たっていなかったと申し上げざるを得ないと思います。
○小池晃君 ということは、その時点での再建可能という判断は正しくなかった、その当時の大蔵大臣の判断は間違っていたということですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうにおっしゃいますとちょっと何か申し上げたいんですが、そのときは大蔵大臣としてはいろんな意味で各方面からの支援もあってこれで再建できるという御判断であったと思いますし、また正直のところ、九月十一日に大蔵省の検査が示達されましたときも債務超過でないわけでございます。ですから、その限りでは大蔵大臣の判断はここで間違いでないということに一遍なりますし、また公的資金の導入も行われているわけで、そこも間違っていない。 結果としては、十年十一月十六日になりまして金融監督庁が債務超過という判定をした、そのときに債務超過が決まるわけですが、これだけの時間の流れがございますから、事態がだんだん悪くなっていくということは、殊にこういうことが世の中で随分言われましたから、これは考えておかないといけませんので、したがって最後のところは債務超過になった、こういうふうに私は思うのでございます。
○小池晃君 当時、債務超過でなかったという問題について議論をしたいと思います。 宮澤大蔵大臣は、二月二十六日の当委員会でこう述べておられる。「七千億であっても、」、これは日債銀が言っていた数字です、「七千億であっても、あるいは最終的にはこれは一兆一千二百十二億になりますが、それでも債務超過でないということを関係者はみんな思っておりますものですから、したがってどっちの数字であれ債務超過になることはない、」と。関連会社に対する債権の見方で食い違ってきたわけですね。これを第Ⅱ分類と見るか第Ⅲ分類と見るか、これは大した問題でないと。とんでもないお話だと私は思うんですが。 ここで言う「関係者はみんな」というのは、これは何が含まれるんでしょうか。大蔵省はそう思っていたかもしれない。日債銀はそういうふうに主張をしていた。日銀はどうだったんですか。それから、奉加帳に参加した金融機関もみんなそう思っていたという意味なんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 九月一日の検査結果が債務超過でないという判定でございますから、その結果として、ここのところまでは債務超過でないことが確定していると思うのでございます。 しかし、しかしとおっしゃれば、それは、それから金融監督庁が債務超過であるという認定をされるまでに一年余りの日子がたっておりますから、その間の状況の変化というものはあったと申し上げなきゃならぬと思います。
○小池晃君 私は、その九七年の大蔵検査の時点で債務超過であったのかどうかという議論をしているわけであります。 日銀にちょっとお伺いしたいんですが、日銀総裁、おいでですね。日銀は、九七年三月基準日の大蔵検査で日債銀に対して第Ⅲ分類一兆一千二百十二億円と示達されたことは寝耳に水だった、日債銀の破綻認定を行った金融監督庁の記者会見まで知らなかったという御答弁だと思いますが、これはそれでよろしいんでしょうか、事実として。
○参考人(速水優君) おっしゃるとおり、私どもは、平成九年に大蔵省が日本債券信用銀行に対して行った検査の結果について、同行に対する特別公的管理の開始決定がなされました平成十年十二月十三日に行われた金融監督庁の記者会見の模様が報道された時点で初めて間接的に認識した次第でございます。
○小池晃君 それではお聞きしますけれども、第Ⅲ分類が一兆一千二百十二億円、九七年三月の大蔵検査です。第Ⅲ分類一兆一千二百十二億円であっても九七年三月の時点では債務超過ではなかった、日銀もそういうふうに判断されているんでしょうか。
○参考人(速水優君) 私どもは、平成九年五月の検査の途中経過で、将来回収が懸念される債権額は七千億程度であるというふうに日債銀から聞きまして、大蔵省からもその数字を確認してもらいました。そういう状態でございますから、これは債務超過ではないというふうに思っておりました。
○小池晃君 そういうことをお聞きしているんじゃなくて、九七年九月の時点で示達された結果、第Ⅲ分類一兆一千二百十二億円であったというわけであります。これは、九七年三月の時点で第Ⅲ分類が一兆一千二百十二億円であったと、その事実を踏まえても、九七年三月の時点では債務超過でなかったというのが日銀としての見解ですかというふうにお聞きをしているんです。
○参考人(速水優君) 先ほど申し上げましたように、途中経過を知り、また検査の結果を九月に知りまして、当時におきましては日本債券信用銀行は、大蔵省検査の結果を踏まえつつ、監査法人との検討を経て、必要な償却・引き当てを実施したものと考えておりまして、大蔵省検査結果を踏まえた九年九月期決算において同行は資産超過となっておりましたため、同行が債務超過とは認識はしておりませんでした。
○小池晃君 それでは、政府の方にお伺いしますが、九七年三月時点で日債銀の自己資本約三千億、三月基準日の大蔵検査結果で第Ⅳ分類五百八十億、第Ⅲ分類一兆一千二百十二億、これは間違いないですね。
○政府委員(五味廣文君) 平成九年四月十五日を基準日とする検査、この検査による第Ⅲ分類が一兆一千二百十二億、第Ⅳ分類が五百八十九億、そして基準日平成九年四月十五日の資本勘定が九百九十四億でございます。
○小池晃君 七千億、一兆一千二百億、この違いというのは関連会社の債権をどう見るかの違い、先ほど申し上げました。九七年四月十五日、日債銀の自己資本約一千億、そして第Ⅳ分類五百八十億。四千億円もの違いというのは債務超過となるかどうかの大きなメルクマールになるわけであります。そして、事実この違いが昨年十二月の債務超過の原因となった。 大蔵大臣にお聞きしますが、七千億でも一兆一千二百億でも債務超過でないというふうに言われましたが、この関連会社の資産というのは十分な引き当ての必要のない資産と見ていた、そういうことなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私がただいま申し上げておりますのは、大蔵省がいたしました検査結果がそうであったということを申し上げておるのでございますから、その検査の内容に立ち入って私は実は存じませんので、今の御質問には正確にはお答えできませんが、ともかくその当時の検査の結果はそうであったということです。
○小池晃君 ちょっとはっきりしないんですが、検査の結果そうだということは、関連会社の資産というのは十分な引き当てのない資産だと考えていたということなんですか。そういうふうにお聞きしているんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは検査の結果を、私は内容を存じませんのでお答えができませんけれども、ともかく検査の最終的な結果というのは、検査した側と検査をされる側とが両方がある意味で合意をした結果として示達をされますので、その数字を申し上げておるわけでございます。
○小池晃君 いや、私が聞いているのは、数字は先ほど確認したんです。示達した結果は、第Ⅲ分類一兆一千二百十二億だったという数字は確認したんです。それを踏まえて、先ほどから議論になっているように、七千億だろうが一兆一千二百億だろうが日債銀は債務超過でなかったというふうに大臣はおっしゃられましたでしょう。ということは、この七千億か一兆一千二百億かの違いというのは、これは関連会社の資産をどう見るかということで変わってきているわけですね。 ですから、どちらの場合でも債務超過でないという意味は、この関連会社というのは十分な引き当ての必要のない資産だというふうに考えておられたのですかというふうに聞いているわけであります。
○政府委員(日野正晴君) 平成九年の大蔵省の検査の当時はまだ早期是正措置が導入される前でございました。その当時の検査におきましては償却・引き当ての適切性を指摘する仕組みとなっておりませんで、償却や引き当てというのは、基本的には当該金融機関とそれから監査法人の判断にゆだねられていたというところでございます。 そこで、日債銀の平成九年九月期の中間決算におきましても、日債銀は監査法人と協議いたしました上、平成九年九月十一日の検査の示達を踏まえまして、みずから必要と判断した償却・引き当てを行いましたけれども、その結果、債務超過には陥っていなかったというふうに承知しております。 ちなみに、平成九年九月期の中間決算の資本勘定は、経営再建策による資本増強が行われましたので、三千九百九十一億円となっております。
○小池晃君 では、ちょっと聞き方を変えますが、この当時、問題の関連会社の引き当てに適用された考え方、これは当時大蔵省が示していた資産査定の考え方、今もこれは通用していますが、それから公認会計士協会の引き当ての実務指針、当時もありました。これに照らして適正な引き当てだったというふうに考えるんですか。
○政府委員(五味廣文君) ただいま長官から御答弁申し上げましたように、平成九年の検査の時点では償却・引き当ての適切性について当局がこれを指摘するという枠組みになっておりません。したがって、適切であるないの判断は、当局としてはその時点でしておるわけではございません。
○小池晃君 要するに、この時点では金融機関と公認会計士で相談して決めるから大蔵は関与できない、関係ないんだということなんですね。日債銀の側では、関連会社の債権については、これは自分たちで支えるから破綻懸念先ではなくて要注意先なんだ、その結果、債務超過でないんだというふうに言い続けた。 大蔵大臣が債務超過でないというふうにおっしゃるということは、こういう認識を是認された上でのことなんですか。こういう認識を前提としたものなんじゃないですか。引き当ては金融機関と公認会計士が相談してその時点では決める、大蔵が関与する仕組みは当時はなかったということであれば、結局そういうことになるんじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) こういうふうに申し上げればよろしいと思います。 当時は、監査法人が監査をいたしまして適正であるかどうかということを認定するわけでございますが、したがいましてどれだけの引き当てをするかということは当該金融機関と監査法人の判断に任せられておった。それが適正であるということであれば適正であると考えられたわけでございますから、検査はそのことの適否にわたって検査の対象とする、善悪を言うという立場にはなかった。 そこまでのところは今まさにおっしゃったとおりのことでございますから、その上で債務超過でないと言っているんだろうとおっしゃれば、はい、まさにそういう制度のもとで債務超過でないと言っておるわけでございます。
○小池晃君 要するに、このときは日債銀の言い分がこうだったと。これで債務超過でないと言えば、大蔵省としては、それが債務超過でない、はい、そうですかと言わざるを得ない仕組みになっていたと。結局、日債銀の言うがままに債務超過でないというふうに言っていたということなわけですね。 それではお聞きしますが、九七年三月の基準日、四月の大蔵検査の結果、すなわち先ほどの一兆一千二百億円、この結果を現在の引き当て基準で見ると、これはもう債務超過になっていたというふうに言えるんじゃないですか。これはどうですか。
○政府委員(五味廣文君) 現在の時点でそのときの個々の債権の状況を再現して、実務指針を一つ一つ適用し直してみる、あるいは七月一日に発付をいたしました金融検査マニュアルにおける引き当て・償却の考え方を一つ一つ適用し直してみる、そのときの時点における銀行側からの説明をもう一度そこまで巻き直して説明を聞くということは不可能でございますし、いずれにしても、そうした仮定計算というのは実務的にも無理だというふうに思います。
○小池晃君 今の時点で過去の金融行政にさかのぼってどういう問題があったのか、一体どこに責任があったのかということをまじめに検討することなしに解決の方向なんというのは出てこないですよ。それは、もちろん今にさかのぼってはできないこともありますよ。ただ、その当時は債務超過ではありませんでしたというような日債銀、監査法人の言い分をうのみにして、それで議論を進めるということでこの過去の事態についての明確な反省、まじめな検討ができるのか、まともな検討などされていないじゃないかということを私は指摘せざるを得ない。 さらに、九八年三月の佐々波委員会の問題についてお聞きしたいんですが、ここでは大蔵大臣や日銀総裁の発言というのは極めて重大な影響力を持っていたわけであります。この佐々波委員会において、日債銀から提出された資料について大蔵大臣は、関連会社に関する自己査定が甘いのではないかというふうに発言をされたわけであります。東郷頭取はこう答えている。これは、当委員会の参考人質疑で東郷頭取は言っておりますが、「支援姿勢には変わりありませんし、子会社といえども通常の貸出先と同じ自己査定の原則によっております」と、こういう答えなんですね。 何でこんな答えで納得したんですか、大蔵省は。甘いじゃないかと言って、こう言われてこれでああそうですか、わかりましたというふうに何で納得したんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のお尋ねの意味は、三月十日の金融管理審査委員会において、大蔵大臣が銀行側の言っている言い分について甘いところがあると言われた。それは、銀行が提出したラインシートなどを専門家が見た結果として大臣にそういう報告をしたんだと思いますが、大臣がそれをそのまま言われた。と同時に、しかし債務超過ということではないとも同時に言っておられるわけでございますので、それでお尋ねの趣旨は、そのような大蔵大臣の発言があったにもかかわらず、何で管理審査委員会が公的導入を決めたかと、こういうお尋ねでしょうか。
○小池晃君 逆に質問されても困るんですけれども、私が聞いているのは、甘いんじゃないかというふうに大蔵省が聞くようにというふうに大臣に言ったわけですね、当時の松永大臣に。これは甘いと思いますと佐々波委員会でそういうふうに言ってくださいというふうに言ったわけでありましょう。それで、甘いんじゃないかというふうにそこで聞いたわけでしょう。それに対して東郷さんは大したことを言っていないんですよ。子会社といえども関連会社だけれども、ちゃんと支えるからいいんだと。それで、何でこんなことで、簡単なことで引き下がったんですかというふうにお聞きしている。
○国務大臣(宮澤喜一君) 失礼いたしました。 大蔵大臣がそういうことを言われた。それで、銀行当局は自分の計画というものを説明して銀行側としての努力を言われたと。何でそこで話が終わっちゃったのかというお尋ねに結局なるわけですけれども、そんたくいたしますが、それでもこの銀行は債務超過でないということに変わりがないものですから、恐らく、これは恐らくと申し上げるしかないんですが、管理委員会は公的資本の導入を認められたのだと思います。多少の記録はあるわけなんでございますが、今ちょっとあの管理委員会の関係の方、事務局長がいらっしゃいませんのでわかりませんが、債務超過でないということでやられたと思います。
○小池晃君 甘いと言った。その根拠はあるわけですね。これは九七年九月に示達された大蔵検査の結果で大きく食い違っていた。そういう材料を持っていたわけですから、こんな簡単な返事で納得して引き下がるんじゃなくて、こういう事態もあったんだけれどもどうなんだというふうに聞くべきだったんじゃないですか、そのデータを示して。それはどうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 推測しかできませんけれども、結果としてはしかし債務超過ではないということがございましたら、それは頭取に対していろいろ質問をし、あるいは何かあったかもしれませんが、結果としてはそういう答えになるというのは、私は決まりの上から申しますとやむを得なかったんではないかなとそんたくしておるわけです。
○小池晃君 そういうことであれば、結果として債務超過でないという結論だけあって、それでは何も議論する必要はないということになるじゃないですか、もうそれで結論出ているんだから。幾らここで疑問をいろいろぶつけても全く意味がなかったということになりますよ。 これは、議事要旨なんかを見ると、大変委員の方は心配されているわけです。不良資産について債務超過のおそれが全くないのかどうか、頭取からの聴取についても十分明確になっていない、そういう意見がいろいろ出されて、そして大蔵大臣が債務超過でないと明確に言い切ったわけです。大蔵大臣がその線を引いたんですよ。そして、それに基づいて公的資金の投入が決まっていった。とにかく日債銀をつぶさない、こういう基本方針に基づく言動だということは間違いないじゃないですか。何でこれが故意でも過失でもないのか、このことを説明していただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) お時間の中でお答えいたしますけれども、大蔵大臣としては九月十一日の結果が債務超過でないという報告を受けておりますから、多少の議論はあってもやっぱり答えとしては債務超過でないというふうに言われたし、またそれは適当なことであったのではないかと思います。
○小池晃君 全く不十分ですが、終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、大渕絹子君の質疑を行います。大渕絹子君。
○大渕絹子君 御苦労さまです。よろしくお願いをいたします。 きょうの議題に入る前に、総理にお願いがございます。 先月の二十六日から五日間、パキスタン・イスラム共和国を訪れさせていただきました。人口と開発会議の現地視察ということで参ったわけでございますけれども、パキスタンの国に入りまして、首相を初め、上下院の議長さん、あるいはまたパンジャブ州という大きな州の知事さん、あるいは人口大臣やエネルギーや水力大臣等々、大変要人の方たちと連日のお話し合いをさせていただきました。その中で強く要請を受けたことがございます。 それは、昨年私たちも積極的に主張したわけですけれども、パキスタンが核実験をやったということで経済制裁をいたしております。今もいたしております。パキスタンにとって、対日本との貿易あるいはODA関係は非常に重要な位置を占めているという状況にございます。 我が国は核実験をした国には全部同じように制裁をやっているわけですから、特にパキスタンにだけ緩くということは私たちも主張はできないわけでございますけれども、国の事情がインドとパキスタンとは全く違うのだということを現地の人たちは強く主張しておりまして、何とか日本との友好な関係はこのままずっと永久に保持をしていきたい。そのためにも、パキスタンの経済が今本当に窮地に陥っている、これを救済できるのは日本しかないということで、経済制裁をできるだけ早く解いていただけるように総理にお願いをしてくれということを何度も要請されておりますので、きょうはこういう機会がございましたので、そのことをお願いしたいというふうに思ったところでございます。 もちろん、CTBTに加入するという条件を日本から提示する中で経済制裁を解くということは一つの条件としてはあるのかもわかりませんけれども、向こうは国の方の事情で、そのことを約束しなければだめということになると、また極めて難しい局面があるというようなことも言っているわけでございます。この経済制裁の問題が一つ。 それから、パキスタンとインドには御存じのようにカシミール問題が存在していますけれども、カシミール問題に対して、日本はアジアの兄の国としてもう少しイニシアチブを発揮してもらえないかということが強い要請であったわけでございます。 この二点について、総理のお考えをまず聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 昨年五月に核実験を行ったパキスタンに対し、我が国はODA大綱の原則に基づき、新規円借款の停止並びに緊急人道的性格の援助及び草の根無償を除く新規無償資金協力の停止等の措置を講じておるところでございます。 我が国としては、G8を含む国際社会と緊密に連携しつつ、パキスタンに対し、CTBTへの署名、批准を初めとする国際社会が求める核不拡散上の諸項目につき前進を見せるよう働きかけを続けておりますが、経済措置の緩和について、こうした働きかけに対するパキスタンの対応ぶり等を注意深く見きわめつつ、二国間関係を含め種々の要素を考慮して総合的に判断してまいりたいと考えております。 大渕議員、パキスタンに参られまして要路の方々とお話しされたということでございまして、実は、この核実験につきましては、御案内のように、インドが核実験をし、また印パの関係は歴史的に大変難しい関係でございまして、パキスタンとしても、パキスタンの首相の言をかりれば万やむを得ないことと、こういうことでございました。 いずれにいたしましても、日本といたしましては、なるほどインドとパキスタンの国力の違いその他ございますことは承知いたしておりますし、特にパキスタンについては、我が国の経済協力援助、こうしたものが国政運営の中で大きな役割を果たしておるということにつきましては十分承知いたしております。しかし、ここで緩めますと、しからば何のために経済制裁を行ったかということになりかねません。 したがいまして、積極的にパキスタンに対しましても、現下の状況にかんがみまして、ぜひ国際的な、CTBTも含めました核条約についての批准に向かって努力をしていただきたい。いっときそういう傾向にございましたけれども、また若干この推移がとどまっておるようでございますので、引き続き、ぜひパキスタンにこうした援助ができますような環境をつくるために、これからもパキスタンとの話し合いを進めていきたいと思っております。 それから、カシミール問題というものはこれまた難しい問題でございまして、御指摘のように日本が仲介にと、こういうこともあろうかと思いますが、私も外務大臣時代に実はあの問題について若干、何とかインドとパキスタンとの積年の問題の解決に、我が国としても解決のめどが立つために何らかの努力ができないかといろいろ努力をいたしてみましたけれども、いかんせん、なかなか難しい問題でございまして、特に昨今におきましても、また紛争地帯におきまして戦闘状態、これはもうとどまっておりますけれども、なかなかこの問題についての難しさということを嫌というほど見せつけられております。 これまた、インドとも非常に関係のよい日本でございますし、またパキスタンとも同様でございますので、そういった意味で日本としての役割というものについて、何ができるかということについて懸命の努力をしていき、一日も早く当地区における安定的な対応ができますように努力してまいりたいと思っております。
○大渕絹子君 よろしくお願いをしておきます。 特に日本のODAの場合は、向こうの人口抑制のためにも多く使われております。そして、貧しい子供たちの教育のためにも使われておるのですけれども、そういうものまでもが全部とめられておるという状況の中で、人口が年々増加をし、世界第七位、一億四千万を超えるという大変な人口増加が急激に起こっている状況にございまして、日本の援助を待っている状況でございますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 それでは、日債銀の問題について入らせていただきたいと思います。 柳沢大臣にお尋ねをいたしますけれども、日債銀の資産判定の中に株式が七千二百七十九億円あります。そのうち三百七十七億円の株式がRCCへ売却することにされておりますけれども、この分類、いわゆる日債銀の資産とそれからRCCへの売却というこの振り分けは何を基準にして行われるのでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 基本的には、債務者区分に応じまして、正常先は原則として適資産、さらに破綻懸念先、実質破綻先及び破綻先は原則として不適資産、要注意先につきましてはいわば二つに分かれて、より財務内容の悪いもの、より金利等支払いの履行条件の悪いもの、そういうものが不適資産、これが大まかな仕分けでございます。 ただいま先生が申されました株についての話でございますけれども、株につきましても、その発行先の企業がどのような状況にあるか、それを基準にいたしまして、株の発行先の企業が不適のものであれば不適資産でございますし、適に属するものは適資産と、こういうことになるわけでございます。
○大渕絹子君 そうしますと、この三百七十七億円の中に入れられている株式の発行先が立ち直るのが難しいという判定がなされた場合、なされているということですけれども、日債銀の持っている株式の中には大変多くの大企業もございますけれども、地方の銀行などの株式も大変多く含まれています。早期是正措置などがとられた銀行の株式はどちらに分類をされますでしょうか。
○政府委員(森昭治君) 先生、大変恐れ入りますけれども、個々の株につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○大渕絹子君 個々の株とは言っていません。早期是正措置がとられたような地方銀行はどうかと聞いています。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生は個々ではないと、おっしゃり方としては個々でないことは表現からいってよくわかりますけれども、今早期是正措置がとられている銀行は非常に特定の銀行でございまして、これについてちょっと申し上げるのは適切でないのではないか、このように考えます。
○大渕絹子君 それでは、日債銀に残された方の株式は今後どのような扱いを受けるのでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 適資産というのは、原則として、私どもとしてはできるだけ一体に資産全体を承継銀行に譲渡したいというふうに考えておりまして、原則的にはそういう考え方に従いたいと思います。 ただし、もう一つ、相手方との交渉、あるいは場合によっては当方の意向も若干入るかと思いますけれども、交渉の過程において、我々がそれを外すことによって変に損にならない、むしろ得になるというような場合には、私どもとしてはこれを整理回収機構で買い取るという道も残されておるわけでございます。いずれにせよ、これをどういうふうにするかということについては、相手方が選定され、その相手方がどういう意向を持つかということと、我が方の意向との調整の過程で最終的にはどういう処理をするかということを決してまいりたい、このように考えております。
○大渕絹子君 大変膨大な株が保有されているわけですね。これは今国有化ということですから、国のものというふうに考えてもいいと思うんです。 そして、この株の価格が設定をされたのが十二月と聞いていますから、当時日本の株式のダウ平均は一万三千円ぐらい、それが今は一万七千円から八千円になっているわけでございますので、この差額だけでもかなりの金額、膨大な金額で、この価格よりは大きくなっていると思うんです。それをこの価格で売却したとすると、国民の側は納得ができないのではないかと思いますけれども。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生が今恐らくおっしゃったのは、適資産か不適資産かの判定時の評価額で議論をお進めになられておりますので、その価格を基礎にしての御議論かと、このように承りました。 しかし、我々は時点が進むに従って、例えば先般の三月末にはその時点での評価にもう評価がえいたしまして、株式についても適正な資産価格として計上しておるわけでございまして、別に判定時の価格でもって処分をするということが決まっておるわけではございません。
○大渕絹子君 それでは、国がこの保有株を市場に出すということはありますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生今、国がと、こうおっしゃいましたので、国がというと非常に広くなりまして、例えば整理回収機構、一応株式会社ですが、国有の会社と言っていいと思います。 そういうようなことで、市場に出すことがあるかということでございますが、もしRCCが取得をしてこれを処分していくということになれば、そういうことも全くないとは言えなくて、むしろあり得ると。ただ、その処理の仕方については、十分市場への影響等を勘案して適切な処理をしていくということになろうかと思います。
○大渕絹子君 既に住友化学などは長銀からの保有株が市場にもう半分以上売り出されているというような報道があるわけですけれども、これはそれでは間違いですか。
○政府委員(森昭治君) 先生、申しわけございません。その個別銘柄の情報を把握しておりません。
○大渕絹子君 それでは、長銀も日債銀も持ち合いということで、相手方の発行株は持つ、自分の方も持っていただくという関係があったと思います。 そして、持っていただいた方の株は破綻することによって紙くずになっています。その持ち合いの相手方の株の扱いというのは、それでは何か情状酌量みたいなものはないのでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) いろいろないきさつのもとで株式の保有がなされたということはケースによって区々であろう、このように思いますけれども、持ち合いというような合意のもとで持ったものだから何か特別なことを計らうべきだという議論、この議論はやはりちょっと特別公的管理の原則になじまないのではないか、このように我々は考えます。
○大渕絹子君 株式市場というのは本当に自由で、取引をする者の意思によって行われるというのがあるわけですけれども、日本の今までのこういう慣行というのが非常におかしかったということです。私も株の持ち合いが許されるというような状況というのはおかしかったんじゃないかなというふうに思いますし、それが今回こういう形で出てきているというふうに思いますし、日債銀や長銀の株が市場に出ることによって株式市場そのものも混乱を来すという状況が起こってくることが懸念をされています。あるいはまた、外国投資会社などに買い取られてしまって、五%以上もの株を日債銀や長銀が持っているとすると、買い取った側が今度はその相手方の企業の五%あるいは六%の株主になっていくわけですから、これは日本の企業にとっては総乗っ取りされかねない恐ろしい状況というのもまた生まれてくるわけでございます。 ぜひここらはしっかりと慎重に、日本の企業を守る立場から、あるいは日本の産業全体、経済全体を守る立場から慎重な御配慮があってしかるべきだと思いますが、その決意をお願いいたします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生が御指摘になられたこと、市場の攪乱要因になるのではないか、あるいはある特定企業に対する支配力云々というような問題が存在しておることも我々は十分認識しておりまして、御指摘の点を含めて総合的に適切な判断をしてまいりたい、このように存じております。
○大渕絹子君 七月二十三日、日債銀の旧経営陣が逮捕をされて、事件は終結に向けて今動き出しているように見えます。きょうのこの予算委員会も幕引きのための予算委員会ではないかというふうに言われているわけでございますけれども、肝心のバブルに踊った経営者責任、例えば元会長の頴川氏などには全くまだ手が伸びていないというわけでございまして、そのほかにも大蔵や金融当局の責任あるいは政治の責任について、いま一つ明快になっていないと思います。 衆議院の集中審議においても、宮澤大蔵大臣は、護送船団方式の行政が今回のことを招いた、セーフティーネットを早くつくっておればよかったと責任の一端は述べておられますけれども、大蔵省の責任について、金融監督庁の分離で既に行政責任はとられておるんだという認識をお述べになっておられまして、これはちょっと簡単過ぎるのではないかなと私は思うわけでございます。これでは済まされないのではないかというふうに思うわけでございまして、以下、質問をさせていただきたいと思います。 お手元に一九八七年の竹下内閣以後の総理大臣、大蔵大臣あるいは銀行局長の一覧表をきょうは出させていただいております。 この十二年間、非常に激動の時代だったということはだれもがわかっているわけですけれども、そうした時代背景、あるいは日本で起こったさまざまな事件を頭の中に描きながら、一連の金融問題についてお答えをいただきたいなと思っているところでございます。 それでまず、これはもう内閣が組閣されたときにもお聞きをしたんですけれども、もう一度お聞きをさせていただきます。小渕総理大臣にお願いいたします。 元総理であられます宮澤大蔵大臣に、小渕内閣の大蔵大臣に就任をいただいた経過について、三顧の礼でお願いをしたというふうに言われておりますけれども、どうしても宮澤さんでなければいけなかった理由があるのではないかと私は思うのですけれども、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私といたしましては、組閣に当たりまして、当時のことを思い起こしますと、金融システム不安の問題、特に不良債権問題の処理が喫緊の課題となっておることを初めとし、経済再生がこの内閣の最重要課題であり、これらの課題についての宮澤元総理の御経験、御見識、また国内外における信頼感などから宮澤元総理が最適任と考え、大蔵大臣に御就任していただいた次第でございます。 内閣が発足後、今日まで宮澤大蔵大臣が上げてこられた大変な御業績を思えば、私としてはなお一層の御信頼と感謝の念を深くしていることをつけ加えさせていただきたいと思います。
○大渕絹子君 宮澤大蔵大臣にお尋ねをいたします。 金融問題を先送りにしてきたことの責任を痛感されて、ここは、やって終わりにしなければならないという思いがあったのではないかなというふうに思います。八七年十一月六日から八八年十二月九日まで第七十四代の竹下内閣の大蔵大臣をやられていますけれども、このとき、日債銀は既に政治家の財布と言われておりました。貯金箱とも言われておりました。そして、政治家がバブル絶頂期あるいは日債銀を使って企業投資等々を盛んに行っていたという時期だったろうというふうに思いますけれども、日債銀の不良債権が大変膨らんできていた時期でもございます。日債銀の不良債権についてこの時期にお知りになるチャンスはありませんでしたでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお尋ねは、私が前回、一九八八年の終わりまで大蔵大臣をしておったころに、日債銀についての経営が危ないとか、そういうこと……
○大渕絹子君 経営というより不良債権がずっとたまっていっているという状況。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、別段大蔵大臣としてそういうことは存じておりませんでした。
○大渕絹子君 小渕総理はそのとき官房長官をなさっておられましたね。竹下内閣を支える官房長官として、竹下総理から日債銀の問題についてお聞きになったことはありませんか。
○国務大臣(小渕恵三君) 記憶の及ぶところそうしたことはございません。
○大渕絹子君 宮澤大蔵大臣が初めて日債銀のこうした問題についてお気づきになられたのはいつでございますか。いわゆる不良債権を飛ばしながら債務超過を抑えているというような現実です。
○国務大臣(宮澤喜一君) 具体的に実は関心を持ったことがございませんので、記憶をたどりまして日債銀が再建を必要としているということを知りましたのは平成九年でございます。ただそれも、どういう中身であるかということについて、私は正直申しまして特に関心を持っておりませんでしたから、再建ということになってなかなかこれを担っている人は大変だろうというようなことを思ったことはございますが、不良債権等々について具体的に、このときといえども実は余り関心を持っておりませんで、存じませんでした。
○大渕絹子君 関心を持っていないとおっしゃいますけれども、そうしますと、一九八七年、窪田弘、今回の日債銀の元会長として、容疑者として逮捕されているわけですけれども、宮澤大蔵大臣の就任の時には国税庁長官として仕事をしておられましたね。宮澤大臣の直属の配下であったわけでございます。宮澤大蔵大臣がリクルート問題の引責辞任をされたのが六十三年の十二月でございますが、この十二月に窪田さんもおやめになっておられますね。そのことは何か御関係がございましたでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私がやめたこととは実は関係がございませんで、窪田さんがその年の暮れにやめましたのは、実は国税庁長官の任命につきまして、当時、水野主税局長が消費税の国会答弁に当たっておりまして、消費税が成立をいたしました。そこで、長年というか時間をかけて待ってもらいました水野君を国税庁長官に主税局長から昇格させることができるようになりましたので、税法が成立いたしましたから、それで窪田君が退任をされたという事情であったと記憶しております。
○大渕絹子君 宮澤さんも疑惑の中でやめざるを得ない状況、竹下総理もその後引責辞任に追い込まれる、それから次の総理大臣も辞任に追い込まれていく、あるいはまた歴代の総理や大蔵大臣が何らかの疑惑の渦中に入っていって、リクルートや佐川急便事件は代表的なものですけれども、そういう腐敗事件に巻き込まれてしまって、金融の問題、大蔵省の問題などには全く目が向けられない、大蔵省に任せっきり、官僚に任せっきり、政治は官僚でなければやれないというような時代背景があったと思います。 そういう状況の中で、この銀行の問題がこういう形で膨れ上がっていくという状況があったと思いますけれども、とにかくだれかに指示をされて、窪田さんなりあるいは東郷容疑者なりが日債銀を破綻に追い込んではだめだということの中で、ありとあらゆる手段を使ってでも延命措置をとらなければならないという状況の中で飛ばしや粉飾決済が重ねられていったというふうに思うのですけれども、日債銀や長銀を破綻に追い込まないように指示できた人というのはどういう立場の人だったのでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 例えば、当時、日債銀というものに非常に問題があって、それを何とか隠蔽しなきゃならないといったような具体的な状況があったかというお尋ねであれば、そうではないと思います。 ただ、再建を必要とするに至りましたので、窪田君が請われてその再建を担うことになったということはございましたけれども、それは再建ということが明らかになりつつある状況下でございますから、いつでございましたかちょっと、いつ就任されたか記憶がはっきりしませんが……
○大渕絹子君 九三年です。
○国務大臣(宮澤喜一君) そうですね。 しょっちゅう申しますように、やはり当時セーフティーネットがございませんから、これだけの大きな銀行にもし倒産というようなことがあれば、内外ともに及ぼすところは重大であるので、みんなでやっぱり再建をすべきではないかという雰囲気がございましたのは、何かこの銀行にスキャンダラスなことがあるとか政治家とのつき合いが殊に深いとかなんとか、そういうことでありますよりは、そのような銀行が、これだけの大きなものが倒産するということについて、これは防がなければならないという大蔵省を中心とした考え方が、これはだれがということではなく、一般的に護送船団方式と申しますか、そういう考え方はあったと思います。
○大渕絹子君 宮澤大蔵大臣、さっき日債銀のことに気づいたのは平成九年というふうに言われたんですけれども、さっき同僚委員の質問の中に、公的関与の必要があると自分で思って産業界の研修会で発言をしたら産業界から反発が出た、そして銀行からも反発が出たと、これは宮澤大蔵大臣が総理のときだったですよね。これは平成三年から五年までですから、この時期には既にもうわかっていたんじゃないですか。わかっていたと思いますよ。そうでなかったら、こういう話は財界人の前でするはずがありませんね。 そうすると、さっきの平成九年というのは全くうそということになりますが、日債銀の役員の中で安川さんという方がおられるんですけれども、九〇年から九三年ごろ、この方が気づいたときにはもう日債銀にはダミー会社がぞろぞろとつくられていて、不良債権の飛ばしが行われていたと。当時、松岡さんという方が頭取だったそうですけれども、松岡頭取に、大蔵省という信用ある看板がなければもう乗り切れないと、これは九〇年から九一、二年のことでございます。そして、大蔵省にだれか天下っていただかなければならないということで働きかけて、窪田弘さんが派遣をされるということになるわけですよね。 このとき、九三年五月、日債銀の顧問になりました、そして六月に頭取になりました、窪田さん。九三年五月は宮澤内閣時代でした。大蔵大臣は羽田孜さんと林義郎さん、一つの内閣で二人かわられています。だから、この窪田弘さんを日債銀に派遣する人事にかかわったのは、それでは総理ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大したことじゃございませんが、ちょっとうそとおっしゃいましたからそこだけ申しますけれども、私が九二年に総理としてこれは政府が関与しなければならないというふうに申しましたのは、日債銀について申したわけではありませんで、今のこういう不動産あるいは株式の急激な下落を背景にして、この金融機関の問題というのは恐らく放置できないということを言おうといたしましたので、日債銀について私が特定の知識を持っておったからではございません。 それから、窪田君が請われて日債銀に入りましたのは私が総理のときであったと仰せられました。そうかもしれませんが、そのことについて特に私が何か関与をしたということはございません。
○大渕絹子君 それでは、これは大蔵大臣の裁量で行われたんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはちょっと内部で調べてみませんとわかりませんが、日債銀がなかなか大変だということは金融界の人々はよく御存じだったし、お尋ねがあるから申すんですが、窪田君という人は非常に信頼のある人でございましたから、これをぜひよこしてくれ、送ろうといったようなことがあったのではないかと思いますが、私は総理でそのことに直接に関係はございませんでした。
○大渕絹子君 もうこの時期、九三年は、大蔵の検査が九〇年に行われているんです。その九〇年の検査のときに既に飛ばしの実情というのは報告されているんです。だから、総理のところに報告が行っていたかどうかはわかりませんけれども、少なくとも大蔵大臣のところには行っていたはずなんですね。 ですから、ここはもう知らなかったということにはならない。大蔵省はそのことを整理しなければ日債銀が存続できないことを十分承知していたはずなんです。それだからこそ、窪田さんを日債銀に派遣させているわけなんです。ここなんですよ。ここで総理だった宮澤さんはもう気づいておられるはずなんです。そのときなぜその措置をとらなかったかということになるんですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるバブルの崩壊によりまして金融機関が大変な問題に全体としてなっているということの認識と、特に日債銀ということを一緒にくっつけておっしゃいますと、ちょっと実態の認識とは違っておりまして、日債銀を再建しなきゃならないということは恐らく大蔵省も知っておりますからこそ検査をし、あるいは窪田君の就任を願ったんだと思いますけれども、当時のこれだけ大きな問題になる日本の金融機関の不良債務問題が日債銀によって一種象徴され、また語られたというようなことは、そういうことは事実としてはなかったわけです。
○大渕絹子君 私は政治家の貯金箱と言いましたけれども、それほど政治家と密接な関係にあった銀行です。その銀行が自分たちの力ではもうにっちもさっちもいかなくなって大蔵に助けを求めてきていたのに、政界のトップが知らなかったということにはならないと思います。もし知らなかったとしたら、それはもう大変なことじゃないんですか。かえってそちらの方が大変じゃないんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は貯金箱に関係がございません。
○大渕絹子君 いえ、宮澤大蔵大臣が関係あると言っているのではありません。日本の政界全体がそういう汚職でもう大変な構図でしたよね、あの時代。その中で、日債銀がそういうことに使われておったとすれば、日債銀側は当然政府に泣き込んでいけば、大蔵省に泣き込んでいけばこの問題は解決できると踏んだはずなんです。それで、大蔵省から天下りの人を要求する、そして大蔵の信用を盾にしながらさらに粉飾をする、飛ばしをする、さらに百七十七あったダミー会社をどんどんふやしていく、こういう状況がつくられていったわけです。 それはまさに大蔵省という信用、日本という信用をバックにしながら、この日債銀や長銀がさらに粉飾を続けていくという状況を政治が許してきたということになるんです。内閣が許してきたということになるんです。その責任は問われるんじゃないでしょうか、もし知らなかったとおっしゃるなら。私たち政治家も同じ責めを負わなきゃならないと思いますけれども、むしろ行政をつかさどっていた内閣の責任というのは重大だというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当時から、世の中のゴシップだけではなかったんでしょうが、いろいろ出入りしている政治家があるとか、あるいは東北の何々さんとかいろいろ話がございました。それはそういうものとして聞いたり読んだりすることはございまして、そこから先は私によくわかりませんですけれども、そういうこともあって、日債銀というのはやはりここで経営を一新しなければいかぬということが銀行自体の中にあって、そこで再建をする、あるいは窪田君等々がそれに参加するということになったのではないかと思いますので、政治とかあるいは不正融資とかいうものにまみれたその体質をそのまま何とか補強していこう、そういったような雰囲気ではなかったんじゃないかと思いますが、これは。
○大渕絹子君 時間が来ましたのでやめますけれども、竹下さんが二十三日に一時退院をされている、そしてその夜逮捕をされているということが何か私は関係があるのではないかなという思いがいたしまして、その竹下内閣当時からずっと日債銀問題が引きずられてきておるという状況があり、つぶさないように指示をされたのも元総理であるのかなという思いをしながら、この事件を眺めているところでございます。 宮澤大蔵大臣自身は、この十二年間あらゆる場所で大蔵大臣として総理として、また今回現職の大蔵大臣としてかかわらなければならない立場になっておりますが、ぜひ責任ある立場でこの問題の解決に当たっていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 以上で大渕絹子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、入澤肇君の質疑を行います。入澤肇君。
○入澤肇君 長銀の経営者に続きまして、日債銀の関係者が六人も逮捕されました。そこで私は、官と民の扱い方に公平性にもとるところがあるのかないのか、あるいは民の中でも逮捕された経営者と逮捕を免れた経営者との間で公平性の面から見て問題があるかないか、そういう視点から幾つかの御質問をしたいと思います。 まず、柳沢大臣にお伺いしたいんですけれども、先般大臣は、セーフティーネットがない中で大きな銀行を突然死なせてしまうことは非常な混乱を招く、経営者としての選択の幅は本当に狭いものだったというふうに述べております。これは私は、経営者に対して当時の護送船団方式、大蔵省の強大な行政力のもとで銀行経営をやっていた経営者をおもんぱかった言葉じゃないかと思うんですけれども、逆に言えば、経営者の立場に立った場合に、当時の行政の大きな力の中で、行政の方針に関係なく破綻につながるような可能性のある選択をすることが可能であったとお考えになりますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これも記者会見の席上で、日債銀の経営者が逮捕されたという事実を指摘されて、これについてどう考えるかという感想を求められました。その際私は、今、入澤委員が御指摘になられたような感想を、感情の問題として申し上げたというのが率直なところでございます。 今改めてこうして御質問をいただいたわけでございますけれども、可能であったかなかったかといって詰め寄られますと、私も非常に回答に困るわけでございますけれども、記者会見の席上で述べた感想と現在もそう変わった感じを持っておりません。 ただ、私としては、今こうして改めて尋ねられますと、やはりもっと、そこまで事態がきわまってしまう前に私どもは手を打つというようなことを心がけなければいけないのではないかということを自戒しつつ申し上げたい、このように思います。
○入澤肇君 今、大臣が率直にお述べになったとおりでございますけれども、一方、その後セーフティーネットの確立がありまして行政の方針が大転換された。私も、日債銀等で参考人の質疑のときに、突然行政の方針が転換したので戸惑ってしまった。それまでは債務超過じゃなかったのに、引き当て基準が変わって、そして債務超過にあるというふうに判定されて、いきなり責任がある立場に追い込まれたというふうなことを言っておりましたけれども、行政の方針が大転換して、言葉は悪いですけれども、悪い銀行はどんどんつぶせというふうな形になってきたわけです。今まで行政の方針に従ってきた経営者が、一個人として経営者責任ということで、今まさに刑事責任も問われようとしているわけであります。 そこで、民の方はそのような責任の分担をするようになったわけでございますけれども、一方で、行政側は責任をどう分担するかということでいろんなことが言われたわけであります。不公平じゃないかとか言われています。 一般論として、行政の責任という場合に、銀行法あるいは証券取引法あるいは国家公務員法等に基づく法律上の違法性の問題があるのかどうか、あるいは違法性の問題はないけれども行政上の判断の当不当の問題があるのかどうか、この点について一般的なお考え方を聞きたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 時代の大転換の中で、日本の金融システムも変えなければいけないということの中で今回のようなことが起こっているという御指摘は、私はそのとおりだと思います。そういう中で、制度が変わったということを背景として、経営者の中で逮捕をされてしまう方も出たということでございます。 他方、行政の側はどうなのかということでございますけれども、これはやはりかねて宮澤大蔵大臣がおっしゃっているとおり、行政の側も大蔵省の金融行政の組織というものを徹底的に変更するということの中で、責任というものをそれでとったということとはちょっと別かとも思いますけれども、とにかく新しい時代に適合するように、反省の上に立ってそうしたことが行われたということかと思います。 なお、法律的な責任の問題については、私、ここで申し上げることは適切を欠くというふうに思います。
○入澤肇君 それでは、事務局にちょっと具体的な質問をしたいと思うんです。 午前中からお話がございましたけれども、奉加帳を回したということ、あるいは検査の数字につきまして一兆一千億あるいは七千億というダブルスタンダードですか、二つの数字があったという。こういうふうな行政指導は法律の運用に当たって明白かつ重大な過ちがあったというふうに考えるかどうか、あるいはこれは法律違反ではないけれども、行政上の当不当が問われる問題があるというふうに考えるかどうか、これは日野長官にお伺いしたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) 検査結果の示達につきましては、今、入澤先生から何かダブルスタンダードであるというお話がございました。 これは、たびたび申し上げておりますように、当時は償却・引き当ての問題につきましては指摘する仕組みになっておりませんで、単に第Ⅱ分類が幾ら、第Ⅲ分類が幾らと、こういう指摘をしたところでございます。 その中で、確かに第Ⅲ分類の金額につきましては、検査結果報告書の中には、当時の上司である検査部長に対しまして検査官が報告した書類の中には、日債銀が当時自分が支援していれば倒産することはないんだということのもとで第Ⅱ分類ということを主張していたのに対する金額を、こういうことを主張しておりますよということを当時の上司である検査部長に報告するためにその数字を記載していたということでございまして、これは検査部長としては、その数字を見ることによって、日債銀がどういう考え方に立っているかということをそこで初めて知ることができたのではないかと思います。 したがいまして、当時は示達書の中に検査結果報告書を添付しておりましたために、それが日債銀に伝えられることになったと。しかし、それは決して日債銀に対しまして、検査結果の正式な示達として、当時日債銀が主張していたということをそのまま認めて大蔵省が示達したものではないということは日債銀としても十分に承知していたところではないかと思います。 そういう考え方といいますか、認識の上に立ちますと、当時の大蔵省検査部の検査結果の通知あるいは示達というものは銀行法上適法に行われていたものでございまして、それを何か違法である、あるいは故意または過失があるというふうに認定することは私どもとしてはできないのではないかというふうに考えているところでございます。
○入澤肇君 今のは、行政上も当不当の問題で適切であったというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(日野正晴君) 私が申し上げております問題は、少なくとも銀行法に基づく枠といいますか、道筋は非常に厳しい狭い道筋なんですが、そこを何とかクリアしようとして努力していたと。行政的にも結局、かねてから申し上げておりますようにベストを尽くしたというふうに言えるのではないかと思います。
○入澤肇君 視点を変えて言いますと、奉加帳を回された結果、この奉加帳において拠出をした銀行、これに対して損害を与えたわけですね。これに対する責任はどう考えますか。
○政府委員(日野正晴君) 奉加帳方式は、これは銀行がといいますか、金融機関が破綻に瀕したとき、あるいは再建の方策としてとられる一つの方策であるということは、昨年のアメリカにおける例を見てもわかることなんですけれども、当時、日債銀は増資をしなければ経営再建策が成り立たないということを認識しておりましたので、そういった経営再建策の一つの重大な柱として増資をお願いしたということであったと思います。 それに対しまして、増資をする際に、それを引き受けるかどうかということは、やはり増資要請先のそれぞれの経営判断があったのではないかというふうに存じます。要請されたからといって、決してそれは強制されたものでもございませんし、あくまでもそれぞれの経営判断に応じて、日債銀にこの際増資に応じるのが適切であるかということをそれぞれがお考えになったのではないかと思います。 ただ、その際に考えられたことは、金融機関にとりましては、やはりこの際、日債銀が倒れたりすることによって恐らく生ずるであろう大変大きなシステミックリスク、金融システムに与える影響というものをお考えになられたこともあったのではないだろうか。 そういたしますと、そこは抽象的には大変よくわかることですが、ただそれを具体的に説明するためにそれでは何か大蔵省の方から、もう既に出ておりますが、確認書というようなものをいただくことによって、それを社内に説得の一つの方策と申しますか、そういうことのために、ですから大蔵省の方としては、決してそれを何も自分の方から奉加帳のような形で出したものではなくて、あくまでも先方の求めに応じましてこれを確認書というような形で出されたものであって、私としてはやはりそのときは増資をするに当たってどうしても必要なものではなかったのかなというふうに考えております。
○入澤肇君 そうしますと、午前中も議論がございましたけれども、あの確認書は公的な文書のようであってそうでないようなお答えがございましたけれども、仮に拠出した銀行が損害賠償責任で損害賠償しろというふうに言ってきたら、長官としては応ずる構えがありますか。
○政府委員(日野正晴君) 今、入澤先生がお話しになりましたのはあくまでも仮にということを前提にしておられるんだと思いますが、仮にそういうことがありました場合には、それは司法上の手続によって処理されるべきものではないかというふうに考えております。
○入澤肇君 もう一つ、本来、検査結果が判明した時点で、当時のルールに従って、銀行法あるいは銀行の検査通達、そういうルールに従って厳正な指導をしなければいけなかった、しかし一時的には状態が悪くても、将来経済状態がよくなれば恐らくよくなるであろうというふうな期待のもとに一定の行政指導が行われたと思うんです。しかし、意に反して、期待に反して経済状態が悪くなってバブルが崩壊して傷口を大きくしてしまった。こういうことに対して責任はどう考えるか。これは銀行法上の責任か、要するに銀行検査官の法律の遵守義務あるいは大きく言えば国家公務員法違反というふうなことは考えられないだろうか。
○政府委員(日野正晴君) 当時の大蔵省の官房金融検査部においては法律にのっとりまして、その当時遵守すべき法令に従って検査を行ったものであるというふうに私どもは承知しております。したがいまして、今、委員が御指摘になりましたような問題は起こらないというふうに考えております。
○入澤肇君 今回、六人の逮捕理由に有価証券の虚偽記載というふうなことが言われているんですけれども、これは検査を甘くして実態のひどさについて目をつぶったというふうなことも一方で指摘されておりまして、もしそれが事実であるとすれば、共同正犯だとかあるいは教唆罪、教唆犯、こういうふうな視点からの議論が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、これは法務省の局長、いかがですか。
○政府委員(松尾邦弘君) 現在、日債銀の事件につきましては、七月二十三日に六名を逮捕して捜査当局で今捜査中の事件でございます。具体的にどういう点が問題になるのかということになりますと、現に具体的に捜査している事件の内容に立ち入ることになりますので、その点についての答弁は控えさせていただきたいと思っております。
○入澤肇君 多分そういう答えが返ってくるんじゃないかと思ったんですけれども、一応問題のありかを私は指摘しておきたいと思いまして、あえて今の質問をしたわけであります。 要するに、民間の経営者だけが虚偽記載の罪を問われるのでなくて、それを指導した検査官の行政官としての責任が、この虚偽記載に関連する法律条項に絡めて、共同正犯なり教唆犯、そういうふうなことで議論されることがあり得るんじゃないかというふうに思いまして質問したわけでございます。 それから、さらにお尋ねしますと、大手行全体でこの三月の不良債権処理がどのくらいあって、そして公的資金がどのくらい注入されたか。特に、不良債権は昨年の三月と比べて一年間でどのくらい増大したのかについて教えていただきたいと思います。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 金融再生委員会に関係いたしますところは、ことしの三月、大手十五行に資本注入をいたしました。その十五行の決算書を見ますと、十五行の不良債権処理額は約九兆四千億円でございまして、一方この三月末に資本注入いたしました額は約七兆五千億円でございます。 先生がもう一つ、どの程度不良債権がふえておるかという質問でございますけれども、十五行でいきますと、平成十年三月期のリスク管理債権で申しますと十五兆九千億、約十六兆でございます。それに対して、この十一年三月期がリスク管理債権で十七兆九千四百五億でございます。
○入澤肇君 この一年間に約一兆円の不良債権がふえていると。そうしますと、昨年の平成十年三月期の報告書もあるいは有価証券報告書の虚偽記載、いわゆる粉飾に相当するというふうなことが言われないでしょうか。
○政府委員(乾文男君) 今、再生委員会の事務局の方からリスク管理債権が昨年に比べてふえているという答弁がありましたけれども、主要十五行でございますけれども、これは全体的な要因として見ますと、十一年三月期には一部金融機関において未収利息を不計上とする貸出金の範囲を拡大したことによる増加でございますとか、昨年からの監督庁の集中検査の結果を踏まえた計上基準の統一等による貸し出し条件緩和債権額の増加といった要因があるわけでございます。そうした要因を除いて考えますと、一部金融機関におきましてこの三月期に不良債権の直接償却を中心に積極的な処理を行った結果、全体としての不良債権の額が減っている、こういうことが言えようかと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、昨年、十年三月期の点について今お尋ねがございましたけれども、十年三月期の処理ないしは財務諸表につきましても、これは会計監査人による外部監査を受け作成されたものであるというふうに考えております。
○入澤肇君 私が去年の三月とことしの三月の不良債権の額を聞きましたのは、もし大幅にふえたということを見逃したとすれば、そのときの経営者はこの日債銀の経営者六人だけが有価証券偽造罪、要するに粉飾で逮捕されている。しかし、逮捕されない経営者も同じように有価証券報告書の虚偽記載の罪に問われるんじゃないか。要するに、逮捕された人と逮捕を免れた人のバランスの問題を私は言いたいために御質問を申し上げたわけであります。それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 入澤先生御案内のとおり、十年三月期までは引当金についてもいわば各行が自主的に外部の監査を受けた上で決定できる、こういう仕組みでありました。 今度、ことしの三月からはその制度が変わりまして、検査官の方もこれをチェックするし、それから私ども、引き当ての率についても今度は特に注入行については定量的な基準を示してこれを目安にしてやってくれというようなことで、不良債権をふやす方向で処理してもらいたいがゆえにそういうことをやったということでありまして、去年の三月期とことしの三月期ではちょっと制度的な枠組みが変わったということをひとつ御理解賜りたいと思います。
○入澤肇君 これで質問を終わりますけれども、いずれにしましても、長銀の方とそれから今回の日債銀の六人の方々、逮捕されたわけでありますが、官と民のバランスの問題、それから大手行の中の経営者のバランスの問題、こういうことも十分に考慮してこれからの行政指導をいただきたいと思います。 終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で入澤肇君の質疑は終了しました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、菅川健二君の質疑を行います。菅川健二君。
○菅川健二君 参議院の会の菅川健二でございます。もうしばらくでございますので、総理、御辛抱いただきたいと思います。 かなりの問題が出ましたので幾つか落ち穂拾いになるかと思いますが、まず生命保険の問題についてお聞きしたいと思います。 昨日は財政・金融委員会におきまして地銀が火薬庫であることを申し上げたんですが、きょうは生保がは雷原であると。これも週刊誌に載っておるわけでございまして、いろいろなところで火の手が上がっておるということでございます。特に、御案内のように九七年に日産生命が破綻をし、そしてことしの六月には東邦生命が破綻して二カ月が経過するわけでございます。 そこで、金融監督庁におかれましては、生保につきましてもいろいろと検査をしておるということであろうかと思うわけでございますが、検査の状況と、それから生保の経営状況につきまして概略御説明いただきたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) 生命保険会社につきましては、平成十年三月期から自己査定制度が導入されております。また、本年四月からは早期是正措置制度というものが導入されまして、ソルベンシーマージン比率というものに基づきまして必要な措置が適時適切に講じられることになっております。 このように制度的な枠組みが新たに固まりまして、これを踏まえまして、昨事務年度から資産内容等の実態把握のための検査を順次実施しているところでございます。ことしの事務年度、この事務年度と申しますのは七月から翌年の六月まででございますが、この平成十一事務年度におきましても引き続き資産内容等の実態把握のための検査を集中的に実施する予定でございます。 生保の内容といいますか経営状況について触れさせていただきますと、最近では保有契約高の減少、運用利回りの低下などに見られますように、大変経営状況は厳しいものがあると承知しております。ただ、大変環境は厳しいわけでございますが、各社それぞれ、経営の効率化の推進あるいは自己資本の充実等、経営基盤の強化、資産構成の組みかえ等に鋭意努力しているところと聞いております。 確かに、東邦生命につきましては、平成十年度決算につきまして監査法人から適法意見が得られませんでしたので、経営の継続を断念いたしましたので、金融監督庁といたしましては業務停止命令を発出いたしましたが、金融監督庁といたしましては、今後とも、生命保険会社に対しまして一層の経営の効率化や自己資本の充実等を期待するとともに、今後の金融経済情勢を注視しながら、先ほど申し上げました制度的な枠組みを踏まえまして、適時適切に対処してまいりたいと存じます。
○菅川健二君 今お聞きいたしますと、当面は地雷原なるものはないというふうに判断してよろしゅうございますか。
○政府委員(日野正晴君) 最近検査に入りました生命保険会社は五社ございまして、既に立入検査は終了しております。 検査結果につきましては、これは私どもとしては外部には公表しておりませんということで御理解いただきたいと思います。
○菅川健二君 東邦生命でございますが、先ほど見通しについての若干の話があったわけでございますが、契約者が現在のところ解約の道もなくて金融措置の解除のめども立っていないわけでございまして、契約者の不安も増しておるわけでございます。契約者に対しましていつの時点で具体的な対応が図られるのか、その辺の見通しをお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) これは先ほども御答弁申し上げたところでございますが、東邦生命につきましては、保険契約者等の保護を図るために、六月四日に保険業法二百四十一条に基づきまして業務の一部停止命令を発出いたしました。六月五日には、保険管理人による業務及び財産の管理を命ずるとともに、保険管理人に対しまして東邦生命に係る保険契約の移転計画を策定するように命じたところでございます。 これを受けまして、現在、東邦生命は保険管理人の管理下にございまして、保険管理人からの申し出を踏まえまして、解約に関する業務等については停止されております。これらの措置は、保険金の支払いといった保険本来の機能であります保障機能は基本的には継続させながら、解約等により契約者間の公平性が損なわれるということを防止することによりまして保険契約者の保護を図ることを目的としているものでございます。 東邦生命の業務の一部停止は、保険管理人が策定する保険契約の移転計画に基づきまして、今後移転先への移転が完了するまで継続する必要がございます。現在、保険管理人におきまして移転計画のできる限り速やかな策定に向けて御努力をいただいている段階にございまして、業務停止命令がいつ解除されるかということを、具体的に今その時期を申し上げることはできませんが、金融監督庁といたしましては、今後とも保険管理人と連絡を密にいたしまして、保険業法にのっとりまして保険契約者等の保護に最善を尽くしてまいりたいと考えております。
○菅川健二君 生命保険の東邦生命が破綻いたしましてから、きょうでちょうど二カ月経過いたしたわけでございます。契約者の不安解消のために速やかな対応をよろしくお願いいたしたいと思います。 そこで、生命保険の契約者保護機構の件でございますが、これは大蔵大臣にお聞きいたしたいと思います。 この点につきましては、最高額が四千億でかなり限られた財源であるということでございまして、財源不足に間もなく直面するのではないかと思うわけでございます。これらにつきまして、公的資金の投入ということも検討の一つの材料にあろうかと思うわけでございます。この点につきましてのお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 生命保険に関するいわばセーフティーネットという問題でございますけれども、今おっしゃいましたように、保護機構がございまして積み立てをしておりますけれども、その積み立てがまだたくさんございません。借入金については四千六百億円という限度があるというところまでは現行の制度でございますけれども、実はそれ以上まだ制度そのものがいわば十分に整備されておらないと申し上げることが正直なことではないかと思いますので、もしこれを超える事態がありましたときには、法律の規定がございますから、金融再生委員会から大蔵大臣への御協議がある、あるいは金融システム改革法の検討事項等々がございますので、保険業に対する信頼維持というもののために必要な措置がとれるという法律の規定がございます。ただ、それをどういうふうにすべきかということについて、ここで申し上げるような具体的な決定がございません。 先ほど公的支援云々ということにつきましてお尋ねがございましたが、それは一般的にただいまのような規定があるということを確認して申し上げておりますので、協議の結果がどういうことになるかということについて、具体的に今申し上げるだけの具体案というものは実は存在しておらないというのが実情でございます。
○菅川健二君 巷間、銀行につきましては信用システムの維持ということで公的資金の導入の正当性があるわけでございますが、生命保険につきましては必ずしもそういうことがないということでどうかという意見もあるやに伺っておるわけでございます。ただ、小口の契約者につきましては将来の生活不安に結びつくわけでございますので、そういった面の保護につきましては万全を期していただきたい。よろしくお願いいたしたいと思います。 それでは、日債銀と行政の関係につきまして若干お尋ねいたしたいと思います。 私も役人を長くやっておりましたので、余り行政の責任を追及するということは言える立場ではございませんけれども、この九七年の時点を振り返ってみますと、秋には山一証券とかあるいは拓銀の破綻という事態があったわけでございます。これにつきましては、先ほど金融監督庁長官が申されましたように、飛ばしの問題だとかあるいはいわゆる資金ショートの問題とかということでやむを得なかったということではございますが、大蔵省の対応を見ますとかなりクールな感じがいたしたわけでございます。 その反面、日債銀につきましては、先ほど来いろいろ話がございますように、大変もがいてもがいて、できるだけ大蔵省としては救済に次ぐ救済といいますか、もうありとあらゆる手段を使って、確認書も書くし、それからそういった意味で奉加帳を回す、あるいは金融危機管理委員会からの公的資金の導入も図るとか、いろいろなもがきをやっておるわけでございます。このもがきの中には、基本的にはやはり銀行の、少なくとも大手の金融機関をつぶすということはシステミックリスクにつながるんだという一つの大きな使命感があったということはわかるわけでございます。 その中におきまして、先ほども御指摘ございました、俗に言う政治銘柄ということもあるわけでございますが、とりわけ私は役所におりました立場からいいますと、やはり請われて大蔵省の方から銀行のトップになられた。それと大蔵省の銀行局の幹部とが先輩、後輩に当たるわけでございまして、そういった面で密接な関係があったわけでございます。その面におきまして、やはり金融監督をしなくちゃならない立場とされる立場との間において天下りが行われたという、そういった構造というのは非常に不正常な状態ではないかと思うわけでございます。 この点につきまして、大蔵大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうことは間々ございますけれども、今お尋ねの場合は、どうもそうではなかった、むしろ逆であったような印象を私は受けておるわけでございます。 そこで、先ほど監督庁長官が北拓、山一証券の倒産の場合と今度の日債銀のケースとの違いを説明しておられましたけれども、前二者がある意味でちょっと予想しなかったような、北拓の場合は北海道銀行との関係でございましょうが、あるいは金融的にとん死をしたといいますか、ややそういうような印象があるのに比べますと、日債銀の場合には、御指摘のようにかなり長いこと問題の銀行であった。 問題という意味は、債務超過ではありませんでも、なかなか健全な歩みがやりにくい銀行であったということは知られておりました。しかし、相当大きな存在でございますから、つぶれてもいいというようなわけにはまいらないということの中で、私は、むしろここで再建をするという大蔵大臣が旗を振られた意気込みのもとに窪田さんが、あるいは東郷さんもそうかもしれないんですが、いわば火中のクリを拾うような気持ちで出られたんではなかろうか。それは、だからというよりは、むしろ再建をしなければならないという銀行業界の、あるいは大蔵省もそうかもしれませんが、そういう期待を担って行かれたのではないだろうか。むしろそういうことが先にあったようなのが私の印象でして、あの人がいるから救わなきゃならぬという、そうではなくて、これは本当に何とかしないとこの銀行は危ないかもしれないということが先にあったのではないかという、私の印象は間違っているかもしれないんですが、そういう印象を持っております。 おっしゃいますようなことは、しかし、間々ございますので、一般論としてそれを否定する気持ちは全然ございませんけれども。
○菅川健二君 確かに、あの九四年の段階で派遣をされた状況においては恐らく請われて行かれたんだろうと思うんです。 したがいまして、その段階におきましては、もとより護送船団方式ですから、大蔵省がすべての銀行、特に大手の銀行はつぶさないということで優秀な人材をむしろ請われて出したという形ではあろうかと思います。しかしながら、それが時代の変わり目にぶち当たりまして、そういった面で、逆に言えばお互いに利益が相反してきたと。そういう段階でけじめをつけなくてはならないときに、やはりそういった人間関係のしがらみというものがある程度問題の先送りにもつながったんではないかという、私はそういう印象を持っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、これから行政のサイドから民間に天下りします場合、利害関係のあるところにつきましては、もちろん人事院の規則もあるわけでございますが、こういった面で、規則とは別に、やはり節度ある天下りに対する、人材派遣に対する対応が必要ではないかと思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点はもとよりおっしゃるとおりだと思います。そういう人情に駆られて普通ならばしないことをするというようなことはありがちなことでございますので、慎まなければならないことだと思います。
○菅川健二君 それから、行政そのものというのは、行政は無謬性といいますか、過ちを犯さないんだという一つの今まで神話があったわけでございますが、このたびの銀行局の行政指導というのは、やはりかなりの行政指導によって国民の税金を投ぜざるを得なくなったというような状況もあるわけでございまして、そういった面からいいますと、行政責任とは何かというのは、先ほど入澤委員からもございましたけれども、それは行政そのもののシステムに対する責任に転嫁しただけでいいのだろうかと。やはり行政の決定というのは個人個人がその立場立場で行うわけでございます。 そういった面で、やはり判断をする業務、例えば本省の局長以上のそういった幹部職員については今指定職でございますけれども、特別職にして政治的なアポインティーのもとに置くとか、そういった面で行政評価制度というものもこれから導入されるわけでございまして、個人の責任もとらせるようなシステムにある程度転換する必要があるんじゃないかと思うわけでございます。 公務員制度全般の、特にこれからの省庁再編を控えたあるべきそういった責任のとり方につきまして、小渕総理の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 局長等の各省庁の幹部職員を政治任用の特別職にすることにつきましては、行政の中立公正性や行政の専門性の確保など職業公務員制との調和などの問題があり、慎重に検討すべきことであると考えております。 これは行政システムが全く違いますが、アメリカにおける大統領制における行政の高級幹部についてのポリティカルアポインティーというような形の中で、そうした方々が行政をサーベイするという形のものもあろうかと思いますが、その是非についてはいろいろかつて議論をされてきたところであります。今回、行政機構の改革と同時に副大臣制あるいは政務官制度を導入いたしておりまして、そういう意味で、こうした方々が行政においてきちんとそれをよく見ていくというようなことの効果もこれから生まれてくるという前提でこうした制度を取り入れさせていただいておるのだろうと思います。 また、基本的には行政の中核にある内閣の強化という問題等につきましても今般お認めをいただいておりますので、そうした形でそれぞれの分野における行政の行為につきましてもよく目を通していかなければならない。また、していくことのためにこうした制度改革も行われておると思いますので、その実を上げていく努力をいたしていきたいと、こう考えております。
○菅川健二君 今御指摘のように、政治が行政のリード役として副大臣なり政務官で入っていくということは一つの制度として前進だと思うわけでございますが、あわせて、やはり役人のプロの中からもそういった面でのいわゆる政務職というものをつくっていくということも一つの道ではないか。お互いにそれがミックスして得手得手を発揮するような方式も重要ではないかと思うわけでございますので、この点について御検討をよろしくお願いいたしたいと思います。 それから、銀行の責任というものももとより重いわけでございまして、日債銀それから長銀のこれからの損失、債務超過を見ますと、大体八兆円近くにもなるんじゃないかという膨大な税金が使われる可能性も出ておるわけでございます。現実に刑事責任を問われておる人もおるわけでございますが、実際バブルの張本人といいますか、そういったバブルを発生させた元銀行役員につきましては、ほとんどおとがめなしといいますか、最低退職金の問題につきまして返還をさせるような対応を図っておられると思うわけでございますが、これにつきましても現実にははかばかしくないという話も聞いておるわけでございます。 柳沢大臣、この辺のけじめをどのようにしてつけられるのか、お話をいただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長銀、日債銀の旧経営陣の方々のうち、御存命の方あるいはある一定の責任の生じている期間ではないかと思われる時期に在任になった方々に対しては、現経営陣が退職金の返還請求をされているわけでございます。 それに対してどういう状況であるかということでございますが、長銀の方は支給額、手取り額をベースにしますと大体二割見当の金額を返しておられる、あるいは返すというお約束をいただいておる、こういう状況でございますし、片や日債銀の方につきましては、皆さん御同意はいただいているようですけれども、金額についてのお約束はいただいていないというような状況でございます。 これにつきましては、最近も内部調査委員会の報告等が両行で出そろっているわけですけれども、刑事責任の刑事告発と並んで民事の問題については継続審議というようなことになっておりますことがあるいは反映しているのかしらん、こんなふうに思っておりますけれども、私といたしましては、この退職金というものがどうも報酬見合いのものではなくて完全に賞与見合いの功労金ということがそのすべての性格だということも確認しておりまして、そうであれば、このような事態に至らしめた功労金とは一体何であろうかというような思いもいたしておりまして、二割見当でよしとするというようなことはやっぱりもう少し考えていただきたい、これは私、正直な感想でございます。
○菅川健二君 ぜひきちっとしたけじめをつけさせていただきたいと思います。 最後に、金融審議会で中間整理が行われておるんですが、現在、金融商品がどんどん出てまいっておって、そのために消費者保護についての問題というのがいろいろ出てまいっておるわけでございます。 そこで、金融サービス法の制定というのが必要ではないかと思いますが、これについて大蔵大臣の御見解をお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 自由化の後、消費者の立場からもあるいは金融機関等々の立場からもお互いにこれをほうっておいてはいけないという状況になってまいりますが、その間にルールというものがあって、消費者は保護されなければならないし、供給者側はそれについての責任を負わなきゃならないという見地から、どうしてもそういうものが要るというところまではほぼコンセンサスがございますが、どういうものをそこに盛るべきかということについていろいろ金融審議会等々で協議をしてもらいつつございます。ちょっと時間がかかるかもしれないという感じがいたしますけれども、やはりこれはなければならぬものだと思っております。
○菅川健二君 どうもありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 以上で菅川健二君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
○佐藤道夫君 本当の最後になりました。ほんの少々御辛抱ください、お願いいたします。 実は、午前中、福山議員と大蔵大臣との問答を聞いておりまして、いささか気になることがあるものですから、最初にこの点を取り上げさせていただきたいと思います。 第一は、今問題になっております確認書につきまして、これが公文書かどうかということについて、大蔵大臣は、さあ、公文書か私文書かよくわかりません、何しろ官印というものも押してありませんというようなことをおっしゃいました。大変失礼ですけれども、これは絶対におかしいです。大学の法学部を優秀な成績で出られた方の御答弁とはなかなか思えない。 公文書というのは、これは法律上の定義がありまして、公務員が職務上の権限に従って作成する一切の文書と。判この有無なんというのは問題ないんです。官印が押してある、押していない、そんなことは一切関係ございません。そもそも判このない公文書もありまして、これは無印公文書というふうに言われております。これを偽造すれば無印公文書偽造と、こういうことになります。 本件の文書は、これは明らかに大臣官房審議官中井何がしが署名押印をしておる文書でありまして、大蔵省が云々云々と、こういうふうに書いておりますから、世間の人が見て、これは大蔵省の公式文書と思う立派な公文書であります。ぜひとも誤解は解いていただきたいと思います。 それから、この件に関しまして、何か向こうの方で、それは当事者が会ってお互いの会話をした、それをメモ的にしたものである、文書とも言えないんじゃないかというふうな発言があったかに思いますけれども、これまた大変おかしい、大学を出ていないんじゃないかと思いたくなるくらいであります。メモというのは、御存じのとおり、ちょこっと書くだけのものでありまして、メモに一々署名押印をする、肩書きを書いてメモをつくるなんという人は世の中にいないわけですから、メモなんてものではない。 現物はごらんになっておられると思いますけれども、中井審議官、これが署名押印をしている。もう一人は、日本生命の副社長がやっぱり署名押印をしている。これはちょっと変わった文書でありまして、公文書と私文書の併存している文書だろうと私思うんですよ。中身は、大蔵省はこう考える、こう確認する、日本生命はこういうふうにアナウンスするとか、それぞれ言い尽くしているだけのことですから、双方の意思表示をまとめた私文書と公文書の合体文書だと、こういうふうに考えていいと思います、この文書の性格は。 それからもう一つ。山口元銀行局長が参考人として来た際に、この文書は中井審議官が勝手につくったものではありません、しかし私は命令はしたことはありませんと、こういう言い方をしている。これにつきましても、何しろ官房審議官でございますから命令関係はやっぱりないのかなというような、何かそういう奥歯に物の挟まった言い方でございまして、これもまた大変私間違いだと思います。 官房審議官というのは何をするのか。それぞれ担当があるんですよ、銀行局担当、関税局担当。銀行局の職務を処理する限りにおきましては局長と指揮命令の関係に立つ。官房審議官だから命令なんか受けない、そんなものじゃないんですよ。 一般的にそういう関係にありまして、それから本件の場合には、中井審議官がやってきまして、局長、こういう確認書を取り交わすことにしましたよ、ああそれでお願いしますと。別に命令調では言っておりませんけれども、役所というのはそういうものなのでありまして、ああそれでお願いしますよと言ったときに具体的な職務命令関係が発生するわけであります。これをもって命令と言うわけであって、私、命令した覚えがございませんと言う人は、これまた大学を出ているのかどうか、私大変疑問なんで、何か山口参考人とお会いになる機会でもありましたら、君、そういう意見があったよということで、くれぐれも彼の認識を改めるように伝言していただければ幸いでございます。 そこで、時間がなくなりかけておりますので、私自身も同じように、大蔵省の銀行局の確認書、それから奉加帳方式の問題を取り上げて、彼らの責任ということを論じてみたいと思います。 簡単に申さば、平成九年の二月、三月ごろ、マスコミは日債銀を取り上げまして、日債銀危うし、経営破綻も間近、何しろ不良債権が膨大だということをしきりに報道しておりました、ごらんになったと思います。それを受けまして、監督官庁である大蔵省も、事は重大と、重大な関心を持ちまして検査に踏み込んだんだろうと私思います。 一般の検査とは違いまして、何しろ検査対象の銀行がつぶれかけておる、一体どうなんだろうかと。マスコミは、膨大な不良債権を抱えている、その点を重点的に検査をやれ、しかも銀行が倒れるかどうかという瀬戸際であるからして、この検査もなるべく短期間に、一月か二月かそれぐらいでやってこいと、こう言うのは当然であります。 検査は別に趣味としてやっているわけじゃないのでありまして、検査をしてその結果を行政に反映させていく。ですから、それを受けとめて銀行局が今度は行政をやる。はて日債銀をどうしようか、つぶそうか、それともまた立ち直る余地があるのかどうか、こういうふうな判断が次に来るわけでありまして、最初に検査ありき、それから行政が続く、こういうことなんです。検査が開始されたのは四月十六日、しかし何と四月一日にもう奉加帳方式なるものが横行しておるわけですね。これは一体何だろうかと。だれが考えてもおかしいと思いますよ。 それから、検査をやっている最中の五月三十日に確認書が交換される、これだっておかしいでしょう。検査が終わってからにしようやと言うのが当たり前の常識なんでしょう。 それから、これまたおかしいことは、七月十三日、検査をやっている最中に、大蔵省は何を思ったか、当面の責任者である検査部長を交代させておるんですね。この最中に最高責任者を交代すれば、私は役所のことをよく知っておりますけれども、それだけでも一月ぐらい検査というのはおくれるんですよ。何を考えていたんだろうか、あの当時の大蔵省はと、こういうことも言いたくなるわけであります。 いずれにしろ、確認書を取り交わす、あるいは奉加帳方式をやる、その場合に、ちょっとあなた方お待ちください、今、我が検査部が一生懸命死に物狂いで検査をやっておりますから、それが上がってきた段階で話し合いましょうと言うのが行政の責任でしょう。だれが考えてもそういうものでしょう。 なおおかしいのは、検査を命ずるのは大蔵大臣、それから確認書を取り交わせとか奉加帳方式でいいかと、これについて指示、承認を与えるのも大蔵大臣。大蔵大臣という方は人格が二つあるのかとも疑いたくなるくらいで、片方で迅速に正確に検査をやれと言っておいて、片方で奉加帳を回せ、確認書を取り交わせと。検査結果を全く無視しておるじゃないですか。これでは人格破綻だと言われても仕方がない。 ですから、検査のことは大蔵大臣は承知していたけれども、どうも確認書を取り交わしたり奉加帳方式をやったことは大臣に上げていないんじゃないかとしか思えない。上げれば、大臣だって政治家ですから、それはおかしいよ、君、検査が終わってからやりたまえ、検査を急がせろ、一月、二月あれば大体の見当はすぐつくだろう、それを踏まえてやろう、こう言うのが当たり前でしょう。そう言われるのが怖いから上げなかったんだろうと私は思うんですよ。 これほど政治をばかにした、大臣をばかにした、内閣をばかにした、ひいては国会、国民をばかにした行政があるんだろうか。 今現在、告発がされておるようですから、法務大臣に申し入れておきたいと思いますけれども、これが刑事事件とすれば詐欺の犯意の立証というのは大変難しいです。日本生命の連中をだまして金をあそこにつぎ込ませてやろうなんてだれもまともには思っていなかったんでしょう。ただ、大蔵省の役人とすれば、今検査が行われている、それを踏まえてあなた方ともう一度話し合いましょうと言う義務があるんですね。信義誠実の原則上の告知義務、こう言われておりまして、信義則上の告知義務違反というやつで、場合によっては詐欺が成り立つんです。 大蔵省というのは国家公務員ですから、それぐらいの義務は負っているわけですから、日本生命その他に対して、そういうことを告知する義務があるんですよ。それに違反した以上、これは故意の詐欺だと言われても否定できないと私は思います。 法務大臣、お答えいただく時間がありませんので、私がこういうことを言っていたということを刑事局を通じて検察に伝えるようにぜひお願いいたします。時効が切迫しているからなかなかやる暇がないなんて、そういうことを言わせないように、ひとつしっかりやってくださいよ。お願いいたします。 それから、民事責任の問題、これはどうしても逃れられないと私は思いますよ。公務員が故意または過失で国民に損害を与えた場合には、国が損害賠償の責めを負うわけですね、国家賠償法。これは法務省が所管しているわけであります。これを、検査結果を全然考慮しないで、聞こうともしないで、何しろ局長が聞いたのは九月になってからだと、こんないいかげんなことですから、検査結果を知ろうともしないで金を出せ出せ、こう言ったということは明らかに重大な過失だ、こう言ってもいいと思います。 検査結果は九月になって発表されましたのも一兆幾らだと。多分、こんなことはプロの金融屋である銀行局の面々は皆知っていたんだろうと思うんですよ。それを、検査結果を早く、急げと。こう言うと恐らく一兆円を超えるような結果を出してくる。その際にどうするか。そういう難しいことは置いておいて、とりあえず民間金融機関から金を出させよう、こういう思いがあってああいうことを急げ急げで、五月三十日にはもう終了しているわけですからね。検査の最中に全額拠出させておるわけですから、国が民間金融機関をだました、こう言われても仕方がないことであります。 しかも、重大な過失がある場合には、当該公務員に国が払った損害金を求償できるわけでありますから、それはぜひとも、もしそういう事態になったらば、山口あるいはその他の連中から求償権を行使して払わせてくださいよ。お願いいたします。これは大変大事なことであります。再発を防止する上からも、やっぱりこういうことをきちっとしておくことが私は大変に大事なんではないかと思います。 そこで、ほぼ時間も迫ってまいりましたので、こういうふうに検査と行政がばらばらに行われてきた、行政の方は検査結果も見ようともしなかった、これが実は二年前の自民党政権下で行われた大蔵行政だということにつきまして、総理大臣はどういうふうに評価しておられるか。 それから、今私が申し上げました一連のことにつきまして、法律問題も含まれておりますけれども、大蔵大臣としてどう考えておられるか、申しわけございませんけれども、時間も余りないようですけれども、お願いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいまの佐藤委員のお話、十分承らせていただきました。 政府といたしましては、今後こうしたことが起こりませんように全力を挙げて新しい金融監督庁のもとでしっかりした行政を行ってまいりたいと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段の問題につきましては御教示をいただきましてありがとうございました。学校を出まして大分たちますので、改めて勉強いたします。 それから、国家賠償法あるいは損害賠償と民事上の責任の有無につきましては、私どもが最終的に判断する立場にございませんが、お話はよく私どもとしてまた勉強いたします。
○佐藤道夫君 終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて日債銀・長銀等金融問題に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会