予算委員会 第18号
- 発言数
- 342 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1999/07/16
会議録
○委員長(竹山裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成十一年度補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 質疑を行う期間は二日間とし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は二百七十九分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党六十七分、民主党・新緑風会八十分、公明党三十二分、日本共産党三十二分、社会民主党・護憲連合二十五分、自由党十七分、参議院の会十七分、二院クラブ・自由連合九分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付しておりますとおりでございます。 ─────────────
○委員長(竹山裕君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十一年度補正予算二案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹山裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹山裕君) 平成十一年度一般会計補正予算(第1号)、平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。今泉昭君。
○今泉昭君 民主党・新緑風会の今泉でございます。よろしくひとつお願いしたいと思います。 今国会は、当初六月十七日に閉会をする予定でございましたが、いろいろとマスコミにも報じられておりますように、また我々が肌身で感じておりますように大変厳しい企業情勢を受けて、史上でも珍しいぐらいに長い会期延長を政府はなさいました。私どもは、もともと会期延長というものは参議院で法案処理が滞ってなかなかうまくいかないからそれを処理するために多少の延長をするものだろうというふうに考えていたわけでございますが、政府は五十七日間という大変長い会期延長を行われました。 そのねらいというのは、ここに補正予算が出てまいりましたように、雇用不安に対する大変深刻な認識からそういう会期延長を行われた、こういうふうに思っていたわけでございますが、具体的に出されてまいりました補正予算の内容を見てみますと、果たしてこれが緊急として必要視されている深刻な雇用不安を解消するための補正予算だろうかどうか、大変疑問に思う点が我々としては多いわけでございます。 私がもう申すまでもなく、ここのところ我が国の失業率は四%台の後半、大変高い水準を続けております。たまたま先月の発表は四・六というふうに〇・二ポイントほど落ちましたけれども、これは統計上の問題もあろうと思いますが、実質は大変厳しい現実にあるものと私どもは思っているわけでございまして、衆議院の論議にもございましたように、これが大変な社会不安となって三万人以上の自殺者が出るような状態になっているわけであります。 こういうような深刻の度を深めている雇用情勢に関しまして、総理大臣としてはこの問題をどのようにまず受けとめていらっしゃるか、この考え方をちょっとお聞きしたいと思うわけであります。
○国務大臣(小渕恵三君) まず、御指摘のように、通常国会というものは法に定められた百五十日でございます。加えまして、今回、会期延長をさせていただきました。昨年この内閣が出発いたしましたときにも、夏の国会で金融二法をさせていただきました。そういう意味におきましては、引き続いての長期の国会になりましたこと、大変申しわけないとは思っておりますが、今、先生がおっしゃられるように、最近の経済状況の中で、特に雇用問題というものが極めて重要な課題に相なっております。 したがいまして、今冒頭から御批判をちょうだいいたしておりますけれども、この失業対策に対してどのような手を打つかということを考えますと、この夏の暑い時期ではありますけれども、企業、特に中小企業にとりましては、夏といえども汗して働きながらこの困難を乗り越えていこう、こういう時期でございますので、ぜひお許しをいただきまして、先へ先へと手を打っていく必要があるのではないか。そういう意味で、一つは補正予算を出させていただき、近々には、企業の再生のために税制を含めて幾つかの課題につきましてよりスピーディーに事を処していく必要があるのではないか、こういう考え方に基づきまして、今回こうして補正予算並びに法律案の提出をお願いいたしておるところでございます。 現下、今お話しのように、企業におきましても、経済再生、企業の再活性化のために非常に努力をされる、そのことは同時に、一方では雇用の問題にもかかわってくることでございます。お示しいただきましたように、数字的には四・八%から四・六%という失業率になっておりますけれども、依然として厳しい環境にあることは間違いないわけであります。 したがって、非自発的失業者も含めまして、生活を維持していくためにはどのような方策がとり得るかということで、御批判をいただいておりますけれども、政府としては公債発行をせずに何とか精いっぱいの努力をして補正予算を組みまして幾つかの対策を講じよう、こういうことでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○今泉昭君 政府は、この雇用の困難を乗り切るために、これまでいろいろな対策を打ってまいられました。例えば、昨年の十月には緊急雇用開発プログラムを打ち出す、あるいは十一月には雇用活性化総合プランを打ち出すとか、あるいはまたことしの予算の審議のときには一兆円の雇用対策費を計上して雇用に対する取り組みの姿勢を示された。そしてまた今回は、緊急雇用対策と称して五千二百億円に上る補正予算を組んでいらっしゃるわけでございます。 雇用の実態を見てみますと、いろいろな形の失業があるわけでありまして、例えば景気の変動によって起こる失業も当然あるでしょうし、あるいはまた構造摩擦によって生ずる失業も当然あるわけでございます。政府がとってこられた過去の雇用対策というものがどういうところに重点を置かれて、当面する課題をどのように解決しようかという、その姿が私どもにはよく見えないわけでありまして、したがって、その結果がどう出てきているかということも実は出てきていないわけであります。 そこで、今回のこの雇用対策の重点というものをどこに置かれているのか、総理にお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(甘利明君) 今までの雇用対策というのは、どちらかといえば雇用を維持安定させるというところに重点を置いているわけであります。今回は、もちろんそれにも重点は置きますけれども、さらに踏み込んで、雇用機会を創出する、しかも一番深刻である中高年齢者の非自発的失業という部分にさらにフォーカスを合わせて重点的な施策を組んだというところでございます。
○今泉昭君 これまでの我が国の失業問題、そしてそれに対する雇用対策をいろいろ歴史的に見てみますと、その時代時代によりましていろいろな課題があったと思うわけであります。 例えば、昭和二十年代は戦後の大変な仕事のない状態において緊急雇用対策措置法というのがとられた。すなわち、その時代時代によっていろいろ構造的な問題を抱えておりまして、構造転換を図らなきゃならないという立場から政府はいろいろな形の構造転換に向けた施策をとられてきていると思います。例えば、三十年代にはエネルギー構造の変化があって、石炭産業がだんだんなくなっていって石油産業にかわっていくという中で炭鉱労働者が大変な不安を持った、あるいは駐留軍労働がどんどんなくなっていくというところから、炭鉱並びに駐留軍労働者対策特別措置法みたいなものをつくって我が国の経済構造の転換に正面から取り組んできたという経過がございます。 さらにはまた、大体十年置きに我が国は雇用問題に直面をしておりまして、大体十年置きに雇用構造の変化に直面しなきゃならなかったという歴史的な経過があったと思うのであります。 例えば、昭和三十九年に我が国はIMFの八条国に移行いたしました。そして、OECDにも加盟をいたしました。それに従いまして、第一歩の自由化が我が国で始まったはずであります。そのときに特に製造業を中心とした自由化が始まったわけでございまして、そのために製造業の労働者というのは大変な苦労をしたはずであります。そのための雇用構造の転換というものが図られてきたと私は思っております。 さらにはまた、昭和四十八年の十月に起こりました第一次石油ショックによりまして、重厚長大産業が今までのような右肩上がりに行くわけにはいかない、構造転換をしなきゃならないということで、どちらかといえば情報化産業、軽薄短小の産業にどのように転換をしていくかという苦労をなさったと思うんです。そのときは、これまであった我が国の失業保険制度を抜本的に改革して雇用保険法という現在の姿をつくり上げたという経過があったと思っております。 そしてまた、十年後にはすさまじい勢いで円高が起こってきた。この円高によりまして輸出産業はもう大変な苦労をしたわけであります。大変な失業者が出た。それに対するそれぞれの重点的な対策を雇用構造の転換という意味で打ってきたわけであります。 今回も、どちらかといえば、バブルの崩壊とともに新しい二十一世紀に向けて情報化産業社会に入るんだよ、そういう意味で構造変化がどんどん進んでいる、グローバルスタンダードに基づいて我が国の経済体質を変えていかなきゃならない、そういう命題があったはずでございます。 これに対して今回の補正予算を見てみますと、五千二百億程度でそんなものが打てるはずないと思うのであります。明らかにこれは、景気変動によるところの需給調整によって生じている失業者対策というような印象しか受けないわけであります。抜本的に我が国の雇用構造の変化に対応する雇用対策というものの姿が見えないわけでありますが、この点についていかがでございましょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今泉先生御自身、戦後の労働運動を通じましてこの雇用の問題にも直接お取り組みいただいたわけでございますし、また今お話をお聞きいたしておりましても、戦後の経済の発展の中で、失業が大変多くなったことの原因の中で構造改革が進められ、またエネルギーの変化等々ございましたこと、私も全くそういう認識は同じくしております。 ただ、循環型景気変動という中で当時失業が起こり、それに対していろいろ対策を講じてきたということは事実でございますが、今お話をされましたように、今回の状況というものは、もちろんグローバルないろいろ大きな変化の中で日本経済が迎えておる諸問題がありますし、また大きく、情報通信産業を含めて新しい時代に向けての構造改革の中で乗り越えなければならないある意味の厳しさというものを迎えておる。同時にまた、ここ数年来の景気の停滞の中で雇用問題が起きている、こういうことだろうと思います。 長くなって恐縮ですが、私が実は第三の道を選択すべき日本の今の状況ではないかという認識をしておりますのは、こうした段階におきましては、一つはアメリカ型で、本当にこういった景気が後退いたした場合には、企業も含めましてかなりドラスチックなレイオフをかけまして、雇用について企業体も一遍に、大変なリストラの中で会社経営再建をとるというのが一つの方法ではないかと。しかし、アメリカには同時にある種の雇用の市場というものが存在いたしますから、あるいは解雇ないしレイオフされてもまたその中でみずから職を求めていくという市場があります。 一方、特にヨーロッパ、フランスとかドイツの状態を見ますると、失業対策が非常によく講ぜられておりまして、その施策が大きいがゆえにとは申しませんけれども、今ドイツが失業率一〇・五%、フランスが一一・四%。フランスなどは今ちょうど新しい学生の卒業の時期でございまして、じゃ就職を求めて日本のように会社回りをしているかといったら、そうではないというんです。今、失業をしておっても失業保険で賄えるからそんなにあくせくしなくてもいい、こういう形をとっているわけです。 しかし、日本はいずれの道もとり得ないということは、長年の年功序列型の中で企業経営が行われてきた。けさラジオを聞いておりましたら、中谷巌先生が、日本は年功序列ではないじゃないか、功がないんじゃないか、年齢序列型の企業経営じゃないかと。こういう中で、今の日本の大転換をしなければならない経済の構造改革と同時に、この数年起こってきた、大きな経済の停滞の時期の中で起こってくる雇用失業対策をどうするかというところに実は最大の悩みがありますし、諸先生方のお知恵もかりながらこの難局を乗り越えようというのが今の時期ではないか、こう考えております。 したがいまして、しばしば衆議院でも通産大臣も労働大臣も御答弁されておりますけれども、日本の場合、一遍にアメリカ型に、企業再生のためにという形でのドラスチックな手法をとれない中でどう考えていくかというところに知恵の絞りどころがある、こう考えております。 予算的に大変厳しいものがありますけれども、当初予算におきましても既に一兆円を雇用対策に計上しておりますし、また加えましてというところでこの五千億強のことを申されますと、これですべてかと言われればすべてと言いがたい点がありますけれども、ここはさらにこれを一つ大きく乗せることによりまして当初予算で計上したものがより効果的、相乗的になるのではないか。しかも、やむを得ず失業された方々がこれから次の職場につくその間をどうしていくかという対策のためにということでの緊急性のゆえをもって実は今回こうして補正予算の審議をお願いしている、こういうことでございますので、ぜひ御理解いただきたいと存じます。
○今泉昭君 第三の道に関しましては後ほど私も少し総理と意見を交換したいと思いますから、それは別におきます。 振り返ってみますと、実は私どもが、私どもと言ったら言い方が悪いんですが、私が学校を出たころは一%の失業率の時代でございました。失業者の数は百万人を切っておりまして、六、七十万人の時代でございました。それでもなかなかいい就職口が見つからなくて、私ども泣いたものでございます。 この一%時代が二%時代になったのは、実は第一次石油ショックからなのであります。これは大変なことでございました。百万人台の失業者を抱えるようになったのは昭和五十年代なのであります。このときに、時の政府は、大変なことだと。一%から二%に乗った。我が国はもう世界もうらやむような完全雇用で、内容は必ずしもすべて満たされたわけじゃないけれども完全雇用の状態にあったものが、一%から二%に乗った、大変だと。今までの雇用対策では間に合わないということで、失業保険制度を抜本的に組みかえた記憶を私は持っております。この二%時代というものが実は二十年間続いたわけです。二十年間我が国は二%時代が続きまして、百万台の失業時代をずっと続けてきた。円高がありましたし、いろいろと紆余曲折がありました。それでもなおかつ政治の努力によってこれを二%台に抑えることができたわけであります。ところが、これが三%に乗ったのは平成七年からであります。急激に三%になった。三%時代というのは、わずか三年間であります。そして、三年を終えたらこれが四%台にぽんと乗ってしまったわけであります。 かつて、一%時代に、二%台に乗ったというのは大変だということで、あれほど騒いで抜本的な雇用対策を打ったわけであります。ところが、二%が三%になり、倍になる四%になった今日、政府が出してくる雇用対策というものは今までの二%時代のものから抜け切っていないと私は思うのであります。現に、三千五百億程度の雇用対策でもってこの問題が根本的に解決できるというようには思えないのであります。 もう総理も十分御存じのように、特に今の失業の中身を見てみますと、実は百万を上回るような世帯主の方々が失業のちまたに追い出されていってしまって、しかも大学卒業の人たちは七割を切るような就職率だと。これはもうここのところ、いわゆる四十年代以降最低の水準じゃないかと思うんです。こういう状況において今までと同じような対策をとっているということについて、私は非常に不安を禁じ得ないわけであります。少し事態を甘く見ているんじゃないかと思うんです。 聞くところによりますと、それよりも産業競争力を強めなきゃならないということで、後ほど産業活性化法案が出てくるようでございますが、どうも内容を見てみますと、この問題と雇用対策というものが少なくともドッキングして出てこなきゃならないと思うんですけれども、抜本的に雇用対策を考えるとするならば、後から出してこられる産業再生活性化法案ですか、正式な名称はちょっと忘れましたけれども、そのところまで踏み込んで考えていかれるつもりかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 雇用というのは、結局最後はマクロ経済、日本の経済全体が上昇する局面がないと雇用問題は解決しないだろうと。 いろいろなことをやっております。例えば、雇用保険、失業保険等の充実、これはあくまでも社会的なセーフティーネットとして考えるべきものであって、過渡的な現象に対応したような政策的な措置だろうと私は思っております。結局は、日本の経済が再び力を取り戻し、多くの方に雇用機会を提供する、そういう経済の体質そのものが強くならなければならないということでございまして、雇用対策に関する予算というのは過渡期を乗り切るための予算であって、雇用に関する予算それ自体が雇用を本当にたくさん生むということではないだろうと私は思っております。
○今泉昭君 雇用問題が経済の動向と密接不可分な関係にあって、それを無視して語れないというのは私はわかります。しかし、今度の再生化法案は我が国の構造転換をどのように図っていくか、どのように活力をつけていくかということであります。構造転換のときには必ず犠牲者が出るわけです。これが雇用不安というものです。そのためにセーフティーネットをその時期にどのように構えていくかということが一番重要なことであろうと思うんです。これは過渡的な問題というものとはまた別な問題であろうと思うのであります。そういう意味で私は申し上げたわけでございます。 たまたま今、通産大臣が経済問題に踏み込んでこられましたので、加えて総理大臣にお聞きしたいと思うんですが、橋本前内閣の経済運営の姿というのは、どちらかといえば財政再建を中心とした緊縮財政を柱にした経済運営がなされていたと思うわけです。できるだけ赤字財政を避けて、赤字国債を発行しないようにということで、大変な反対を押し切ってまで特別措置法をつくられた。私もたまたまそのときの財政・金融委員会に所属しておりましたが、その経過は十分承知しております。 小渕総理大臣が総理大臣に就任されてからのいろいろな経済に対する発言、そして経済運営の姿を見てみますと、この方針から百八十度転換されて、むしろ需要面に焦点を当てて需要喚起のための経済運営に転換をされたのではないだろうかという一面があるわけであります。もしそういう姿勢があるとするならば、この三千五百億というのは余りにもみみっち過ぎるんじゃないか、こういう気がしてならないんですが、一つはそういうふうに思い切って経済のかじ取りを転換されていくつもりなのか、あるいはどっちつかずの形で、ファジーな形でやるつもりなのか、大変私どもとしては懸念を持っているんですが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 橋本内閣が六大改革を提唱され、かつその中で財政再建ということを大きな柱にいたしまして財革法を成立させたわけでございます。まことに残念なことでありましたが、当時の世界経済の中でアジアの金融不安から発しました経済の落ち込みの中で、これを一たん中断してでも経済の再生を図るために、私といたしましては、お許しをいただいて、財政再建はいっときこれは中断するものの、まず日本経済を再生させることが趣旨であるということでこの政策を出させていただいてまいりました。それを称してデマンドプルといいますか、需要の政策を中心と言われましたが、確かに各種の税の減税を行い、また予算におきましてもかなり大型のものを組ませていただいているということは、その趣旨を、何としても短期的にこれを改善していかなきゃならぬ、こう思っております。 しかし一方で、サプライサイドの問題も当然これは相ともにいたしていかなきゃならないので、一方が終わったから一方を進めるというものでないと思います。しかし、ウエートからいえばこれから供給サイドの問題について本格的に取り組みして、両々相まって健全な日本の経済の再生を図っていくということに尽きるんだろうと思います。 通産大臣が申されましたように、この雇用の問題も、究極はやはり日本経済がそれこそ雇用を抱えられるほどの大きな発展をするということができなければならないわけでありますが、そうしたときに当たりまして、今は一方では経済を再生させるための需要サイドの問題にも取り組ませていただくと同時に、これから産業再生という意味合いの供給サイドの問題も取り組まなきゃならぬ。これはどこからどこまでが限界だということでなくて、その効果を十二分に発揮のできるような政策を随時打ち出していかざるを得ない、こう考えておりますので、私といたしましては、これから供給サイドの諸政策につきましても全力を挙げて努力をさせていただきたい、こう考えておるところでございます。
○今泉昭君 時間が大分迫っているものですから、先を急がせていただきたいと思います。 冷戦構造崩壊後、アメリカの経済と我が国の経済の実態を見てみますと大変な違いが出てきたわけです。例えば、九〇年代に入ってからのアメリカの経済の中では新しく千四百万人からの雇用労働者を創出しているわけであります。我が国の場合は、最近はむしろ雇用労働者が減ってくるというような状態でありまして、この十年間にふえた労働者の数というのは、雇用者の数はわずか百六十万人にしかすぎないのであります。しかも、この九〇年代の我が国の経済成長というのは、平均しますとわずか〇・七、八%。アメリカはこれに比べまして、マイナス成長がその間にあったにもかかわらず何と二%台、最近はもう三%の後半、四%近くの経済成長を続けている。この差というものは大変大きいと私は思うわけです。一体、この差はどこから出てきたのか、何が問題だったのかということを我々が十分認識しなければ、現下の我が国の経済の危機、雇用の危機というのは解決しないのではないかと思うのです。 いろいろとアメリカの動向を調べてみますと、アメリカは八〇年代に、我が国からの集中豪雨的な輸出にやられたと称していますけれども、御存じのように壊滅的な経済打撃を受けていた時代であります。そのときにアメリカの中では、官民そろって何とかアメリカ経済を立て直さなければならないということで、御存じのように大統領特別委員会をつくって、例のヤング報告を出したり、クモイ報告を出させたりしまして、アメリカ産業をどのように活性化するかという努力を大変されてきた経過がございます。さらに、マサチューセッツ工科大学では三十人からの有名な教授を集めて、いかにしてアメリカの経済を活性化するかという研究をして、「メイド・イン・アメリカ」という本にこれを出した。そのように大変な苦労をしてきたわけですね。そして、それを今度は国全体として経済運営にぶつけてきた。その結果が今のアメリカの姿に出ているのではないか。 それに比べて、我が国の場合は、何とバブル景気に浮かれておりまして、その結果が、お互いに官民の癒着の中で、持たれ合いの構造の中であのバブルの崩壊を生み、そして金融の不祥事、金融の不安というものが大きな事件となってしまった、こういう実態があるわけです。 我が国に今求められているのは、アメリカがかつてやったように、官民を挙げていかにして我が国の経済を再生するのか、その中で雇用を守っていくのかという姿勢がなければならないわけでありますが、そういうものの一環として、恐らく総理大臣のあれは諮問機関かどうか知りませんけれども、いろんな各界の代表者を集めて産業何とか会議をつくられたのではないかと思うのですが、大変これは遅かったんじゃないかと思うくらいであります。 そういう意味で、実は我が国の経済をどのような方向にこれから持っていくかということが我が国の経済を立て直すために大変重要なのでありますが、その方向性が見えない、国全体としての経済再活性化の戦略が一つも見えてこないというところに問題があるんじゃないか。早いところこういうものをつくっていただかなきゃならないと思っているわけであります。 実は、ことしの国会で超党派でできましたものづくり基本法というものがございます。少なくともこれは、つくった議員の間においてはそういうものを心に根差しながらつくったわけでございます。日本のこれからの経済運営をどの方向に持っていくのか、そのためにはどういう部門とどういう部門でどういう計画をつくってもらわなきゃならないかということを少なくともあれは提言をしているはずであります。こういうものを早く計画を立ててもらって動かしてもらうことが我が国の経済を活性化し、今抱えている経済の不安をなくすことになるんじゃないかと私は思っているところであります。 総理大臣はもちろん、ひとつ通産大臣、労働大臣に、できましたらこの問題についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘の点は全く私、感銘してお聞きをいたしておりますし、同時に、私も長い間国会議員をさせていただきまして、反省することやまやまであります。 今お話しのように米国の例が取り上げられましたが、かつて八〇年代は米国といえども大変厳しい経済状況にありまして、現在ひとり勝ちのアメリカ経済がよもやという時代があったと思っておりますが、そうした中でいわゆるレーガン革命といいますか、レーガノミックスそのものについての議論はいろいろあると思いますけれども、双子の赤字を解消して、今や黒字をどのように使うかというのが国会の大きな議論であることを考えますと、いずれ日本も黒字が生じて、それをいかに国民に配分するかという配分方法を考える時代を一日も早く望みたいと思っておりますし、一方、イギリスにおきましても、サッチャー革命というものが行われて今日のイギリスの経済の繁栄がある。 顧みますると、我が国は九〇年代のバブルの後遺症に当たって、私自身も反省を深くしますが、十年間やや手をこまねいてきた感がしないでもありません。 したがって、経済の根本である金融の問題について、昨年初めて国会の御理解を得て金融二法をしてシステムリスクを乗り越えていくというところに世界の信認が得られるようになりつつある今段階でありまして、そういう中で日本の経済を再活性化すると同時に、次の世紀に向かっての新しい産業をいかに起こしていくかという、このことがともどもに今集中的に起こっているということであります。そういった点で、その摩擦のゆえに雇用の問題も失業率が過去最高になっているような事態に対してこれまた対処しなければならないことだろうと思っておるわけでございます。 そういう意味で、政府といたしましては、諸外国の例にも倣い、いわゆる経済戦略会議というものを設けまして、先ほど先生お話しされましたが、既にアメリカが十年前にヤング・レポートを出しまして再生をして、また企業の産業再生競争力会議も既に十年前にやっておるわけでございまして、今日、おくればせであるかもしれませんけれども、スピードアップをしてこうした問題についての答えを出しつつあると思っております。 経済戦略会議の答申については、これは政府部内にもいろいろ議論のあるところです。ありますが、できるものからやろうということでありますし、願わくば、私は各党の党首の皆さんにもレポートをお渡しいたしまして、ともに日本の経済の再生と同時に、これをスピードアップしていくための諸方策について御議論をお願いいたしておるところでございまして、私はこの内閣としては、ぜひそういう意味で、一日も早くこの十年間のおくれを取り戻しつつ、新しい戦略的な日本の将来に向けての構想を描きつつ、かつ現実の問題としての雇用の問題等につきましても対処していく、これが今の段階ではないかと思って努力をさせていただいておる次第でございます。
○国務大臣(堺屋太一君) 今、委員から雇用の問題をずっと歴史的にお話しいただきました。私も若いころから産炭地その他の問題を手がけてまいりまして、まことにおっしゃるとおりでございます。 そして、アメリカの例をお引きになりましたが、アメリカも御指摘のとおり八〇年代に日本、アジアからの輸入で大変苦労をして、その中で製造業を縮小しながら新しい産業、情報産業とかサービス業を起こしてまいりまして、そしてヤング・レポートというようなものをつくったわけです。 日本はその間、大変製造業が盛んになりまして、終身雇用が非常に定着しておりました。この雇用形態がずっと続いていたことが日本の製造業の力にもなりましたし、また日本経済の安定にも役立ってきたのであります。ところが、ここへまいりまして世界の流れが変わってまいりまして、規格大量生産の大きな形で製造業をつくっていくだけでは追いつかないという大きな変化があらわれてきた。 これに対応いたしまして、小渕内閣は発足以来直ちに、金融問題、需要問題それから雇用問題の三つが重点事項だというので、まず経済戦略会議を発足し、そしてことしの一月からは経済審議会におきまして二〇一〇年を目途としたあるべき姿を描いて、雇用のあり方、まず金融をとめることによって不況の深化を防ぎました。次に、需要の方では、補正予算その他を組んでいただきまして、今やや改善しているかというような形になってまいりました。 そして、問題の雇用につきまして、従来の年功賃金式のものからどのような移動性をつけていくか。委員御指摘のように失業の形態も変わりまして、昔と違って世帯主、それもホワイトカラーの者が出てくる。これに対応していろいろと労働省の方でも教育訓練の問題もやっていただいておりますし、去年の予算でもその点さまざまな制度をとりました。そして、今回のものはそれに追加するにまさに緊急的な事態を加えている。 経済の健全化と需要の拡大そして雇用形態の変化、そういった三つに備えて手を打っております。十分かどうかということになりますとまた議論はあれでしょうけれども、考え方としては非常に綿密に組み上げているという自負を持っております。
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、先生のものづくり法案の思想に全面的に賛成でございます。 とかく金融サービス業とかあるいは情報産業というものがもてはやされておりますけれども、やはりそれらはいずれもものづくりやあるいはつくったものの流通を効率的にするためのいわば従属的な産業でございます。必要な産業でございますけれども、やはり日本の産業というのは製造業あるいはものづくりというものが基本でなければならないと思っておりますし、日本人が富を得るためにはそのことを忘れてはならないのだろうと思っております。 しかし、現在の日本は、簡単な品物は発展途上国に追いかけられる、あるいは負ける、あるいは先端的な分野では先進諸国にややおくれをとる、そういう挟み打ちに遭っている状況でございましす。かてて加えまして、バブルのときにいろいろ間違えた方向に経済を進めたというその後遺症も残っております。したがいまして、そういう後遺症を取り除くという作業も必要ですし、やはりどの分野で世界に負けない産業、ものづくりというものを目指すのか。そのために、科学技術の分野やその他の分野で相当大きな努力を払っていかなければ二十一世紀の日本の豊かさというものを確保できないということを実は私は心配しております。 今回の一連のことも、過去の清算を行うと同時に、やはり将来に向けてどう発展していくのかという環境づくり、これはもう官民一体となってやらなければならないことだと思っております。ものづくりということを忘れてはやはり長期的な発展、繁栄というものはないんだろうと私は思っております。
○国務大臣(甘利明君) 産業政策と雇用政策の連携と将来ビジョン、これは今回の政策に明確にあらわれていると思います。 雇用失業情勢を抜本的に改善させるためには、雇用の受け皿をつくっていかなければなりません。それは、一つには既存産業を元気にすること、もう一つには新しい受け皿をつくっていくことだと思います。この環境整備は通産大臣を中心にやっていただいておりますし、間もなくお示しができると思います。 しかし、その過程において一時的には痛みを伴うものがあると思います。この痛みを最小限にすることと、最小限にした痛みを受け取る受け皿をつくること、短期臨時的な雇用の場をつくることであります。同時に、成熟産業から新しい日本の次代を担う産業に人材がスムーズに移動することが大事であります。労働力人口がそう多くを将来は望めませんから、この移動をスムーズにする。そして、将来を先取りした職業能力をつけていくために職業訓練をどう緩和するか、しかも労働者の主体性をどう重んじるか。これにこたえた総合的な策となっていると確信をいたしております。
○今泉昭君 時間が参りました。用意したいろいろお聞きしたいことの一割ぐらいしか聞けなかったんですけれども、あとは同僚の平田議員に譲りたいと思います。
○委員長(竹山裕君) 関連質疑を許します。平田健二君。
○平田健二君 民主党・新緑風会の平田健二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 全般的な政策については今同僚の今泉議員が質問させていただきましたので、私はむしろ今回の施策についてお尋ねをしていきたいと思います。 まず初めに、総理、ことしの四月の訪米時にシカゴでの夕食会でスピーチをされておりますね。その中で、総理は、日本の失業率は今や四・八%、アメリカの失業率を上回る数字だ、日本の経済に活力と競争力を再び取り戻す上で避けて通ることのできない云々と述べられておりますし、構造改革が非常に重要で、そのためには高い失業率も仕方がないんだ、こういう発言をされております。そしてさらに、建設的な楽観主義ということで、つまりコップの半分の酒を、もう半分しか残っていないと考えるより、まだ半分残っているではないかと考えることが重要だ、こうおっしゃっています。 総理の考え方は確かにそうでありましょうけれども、そういたしますと、今、日本の失業率は四・数%だ、まだまだ四・数%ではないか、九五%の人は職があるんだ、だからいいではないか、こういうふうにとれるんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) ちょっと誤解があってはいけませんが、シカゴ大学におきまして学生たちとの討論のときに、日本経済全体を概観してどう考えるかというお話がありましたので、今、日本は産業も含めて徹底的な構造改革に挑戦をしておる。したがって、こういう過程の中で失業率も今四・八という数字になっておって、企業の中にはかなりリストラをされるというところの中で若干失業率というものが上がらざるを得ない状況にある。しかし、根本的には日本経済を何とか再生して雇用の場を広げていくという努力も一方でいたしておるという現状認識について申し上げたわけでございまして、高い失業率を何も望んでおるわけでもございませんし、今それを解消するために非常に厳しい産業の再生の努力も一方ではいたしておるということを申し上げたわけであります。 と同時に、比喩で申し上げましたことは、日本人も悲観主義に陥っておってはいけない、お互い何か道を見つけて努力する、日本人の持てる力というものはそういうものである。若干、日本人は感情の起伏が大きいところもありまして、ペシミズムに陥るときにはみんな一遍に全体がそういう空気になるところもあるし、お互い元気を出すときにはみんなシェープアップして頑張るということですから、ぜひそういう方向に持っていきたいということを強調いたしたことでございまして、失業率が高いことについて私が強調したのではないということだけはぜひ御理解いただきたいと思います。 重ねて申し上げますが、新しい産業も起こしながら、同時に企業におきましても、先ほどちょっと申し上げましたけれども、日本の年功序列型の終身雇用の制度そのものを一遍に解消するということはできないわけでありますから、企業におきましてもできる限りの努力をして、やはりリストラした企業の株価がそのままに上がっていくというような単純なものでない、社会全体の中で企業の社会的責任というものも持っていただきたいということを実は申し上げたつもりでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
○平田健二君 確かに総理が今おっしゃったことはそうだと思いますけれども、しかし実際に今日まで政府のとられてきた政策というのはそれと逆行しておるんです。昨年の十一月には百万人の雇用創出をする、今回の予算では七十万人、ことしの三月は七十七万人、トータルしますと三百万近い雇用創出になっておるんです。ところが、現実には三百万人を超える失業者が出ておるじゃないですか。 政府のやってきたことは総理が言われたことと全く逆で、絵にかいたもちですよ。反省はないんですか。いかがですか、総理。
○国務大臣(小渕恵三君) 細かくは労働大臣から分析した結果のお話をしていただきたいと思いますが、御指摘のように百万人雇用創出ということで努力をいたしました。 そのときには、若干マクロ的に考えまして、ぜひその数字を達成したいという形の中でいろいろ予算的措置を講じましたけれども、具体的な事柄において今度のような予算をきちんと配分できるような形でなかったことについての反省をせよと言われればそうかもしれませんけれども、それなりに何とか雇用を増加させていきたいという気持ちのもとに、例えば当初予算で一兆円の予算を投下させていただいておるわけでありまして、これがどういう効果が出てきたかということについて今御指摘をされておられるんだろうと思います。 詳しくはひとつ労働大臣から御答弁させていただきたいと思いますが、今回のことは、より一層明確に、それぞれの箇所に予算的配分を明らかにして七十万人の新しい雇用を創出させていきたい、こういうことで努力していることもぜひ御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 先生は御専門でありますから、百万人と七十七万人と七十万人の関係はもう先刻御承知だと思います。 百万人のときに、おさらい的に申し上げさせていただきますと、雇用の安定維持効果を六十四万と見させていただきました。それから、雇用をつくり出す方は三十七万人と。しかも、あのときに申し上げましたのは、ほっておけば失われてしまうのを維持するための政策も、言ってみれば雇用の安定化に資するのではないかということでありました。そして、三十七万人につきましてはマクロ経済効果ということで申し上げました。そして、委員会の議論を通じて、もっと創出部分をふやせという御指摘をいただきましたし、もっと具体的に極力政策に落とし込めという御指摘をいただきました。そこで、主な四分野につきまして具体的な政策効果をぎりぎりまではじいてくれと。 そのとき申し上げたと思うのでありますけれども、雇用をつくり出すというのは、自由主義市場経済では言ってみれば間接話法でやることであります。これは計画経済なら国営企業のこの部分で、はい、来年度は幾らふやしますと簡単な話かもしれませんけれども、民間経済に委託をする話でありますから、その環境整備をするということで、やりにくさというのは先生自身の方がよく御存じだと思います。 それをさらに、具体的に予算との対比で考えてみようということで、今回、補正の中で具体的な予算の張りつけをしたわけであります。もとより、予算と雇用創出の関係についても他の政策のように明確にきっちりというわけにはいかないかもしれませんけれども、できるだけ具体的な努力に対する個別の作業ということで、先生方の御意見を体してより具体的に作業を進めていったというつもりでございます。
○平田健二君 数字を出すことは、やはり国民は期待するわけです。数字を出すことの責任があるわけです。 総理は、この七月五日に東京で職業訓練所を訪問されました。そのときに、雇用問題は小渕内閣の最大の政治課題だ、こうおっしゃっておるわけでして、にもかかわらず失業率はどんどんふえている。小渕内閣の最大の政治課題の雇用問題は失敗したと言わざるを得ないわけです。 そこで、具体的にお尋ねをいたしますが、昨年の十二月の補正予算で六百億円の緊急雇用創出基金を用意いたしました。これの実績について教えてください。
○政府委員(渡邊信君) 緊急雇用創出特別基金でございますが、これは全国、それから地域ブロックにつきまして一定の失業率を超えたときに採用のときの賃金助成をするといった制度でございます。 沖縄県については特別の要件を課しまして、県単独で要件を設定いたしました。その結果、沖縄県におきましては本年の一月三十日から四月三十日までの四カ月間にわたってこの基金の発動がなされました。この沖縄県の発動期間中の支給実績は、二十八事業所、三十二人というふうになっております。沖縄県におきますこの期間の常用就職件数は四百三件でございまして、このうち非自発的な失業者に該当する方が六十人程度でございます。その六十人程度の中の約半数の方が支給対象となったということでございまして、全員が支給対象になっておりませんのは、この間労働者数の増員があったかどうかというふうなほかの要件に該当しなかったために、一応該当する六十人の方の半数程度が該当になったということでございます。 なお、沖縄県におきましては、その後失業率がやや改善をいたしまして、その後この制度は発動されておりません。
○平田健二君 三十二名で、金額は。
○政府委員(渡邊信君) 一人三十万円でございますから、九百万ぐらいかというふうに思います。
○平田健二君 労働大臣、鳴り物入りで六百億円を用意します、セーフティーネットですと。実際に利用されたといいますか使われたのは三十二名、九百六十万円です。多いということは困るんですけれども、実はセーフティーネットでございます、大見え切って六百億円用意しましたと。この実使用実績は七カ月間でたった三十二名、九百六十万円です。どういうことですか、これは。
○国務大臣(甘利明君) 先生がみずから今お話しになりましたように、これはセーフティーネットでございます。失業率がここまで来たときに自動的に発動しますということで、安心感を幾らかでも醸成するという仕組みでありまして、それは雇用創出としての効果はもちろん期待をしておりますけれども、雇用創出の本体業務というよりは、セーフティーネットとして特開会金に二重に合わせたネットが用意してありますということを強調させていただきました。 なかなか実績が上がらないというのは大変につらいことでありますけれども、しかしこういうネットが特開会金に加えて用意してありますよということをPRさせていただいて、多少なりとも安心感を醸成したいというふうに思っているわけでございます。
○平田健二君 いや、確かにそうですけれども、国民はそう思っていないんですよ。ですから、もっと丁寧にこの制度を教えなきゃいかぬ。そういうことですね。六百億用意したから、ああ安全だ、セーフティーネットができたんだと思い込みますよ。しかし、実際にやってみたら、国民は怒りますよ、三十二名しか利用していない、九百六十万だと。 私は、昨年の補正予算の審議のときに、この六百億円については失業率が五・七%という設定が高過ぎないかという質問をいたしました。今回そういったことでこれを〇・三%下げて五・四にするということですけれども、仮にこの基準を五・四にしたときに、今時点で発動対象となる地域はありますか。五・七から五・四にしたことによってこの基金が発動される地域はありますか。いかがですか。
○政府委員(渡邊信君) 現在、近畿ブロックにおきます一月から三月の失業率が五・四%ということになっておりまして、仮に四月から六月の失業率が近畿において五・五を超えるということになると近畿地方において発動されることになると思います。
○平田健二君 今、近畿は失業率は幾つですか。
○政府委員(渡邊信君) これは三カ月単位で出しておりますけれども、一月から三月の平均で五・四%でございます。四—六の数字が近々出るかと思います。
○平田健二君 五・七から五・四に基準を下げても一カ所適用されるかどうかというところでしょう。これはもっと下げたらいかがですか。地域基準を〇・三下げた、全国基準は下げないと。これは一回下げたらどうですか、全国基準も緩和してもっと下げたらいかがですか、実際に使用できるように。大臣、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) この趣旨は、先ほども申し上げましたようにセーフティーネットであります。つまり、恒常的に作動している政策ではなくて安全ネットとして張ってある政策でありますので、先生の御意見その他しんしゃくさせていただきまして五・四とさせていただきますけれども、これは恒常的に働く政策でなくて、こういうものを用意してあるという安全ネット策という趣旨が一番強いということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○平田健二君 ネットが高過ぎるんですよ。もっと下げたらいかがですか。結局使い物にならないネットを張っているだけじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) この政策しかないわけではございませんで、いろんな政策をやっております。そして、安全ネットとしてこのネットが張ってあると。御指摘のように高過ぎるという御指摘もあったんだと思いますが、そこで五・四まで下げさせていただくということでございます。
○平田健二君 ということは、失業率は今のままでいいということですか。どうですか。
○国務大臣(甘利明君) 決してそういうことは申し上げておりません。(発言する者あり)
○平田健二君 だめだよ、それじゃ。
○国務大臣(甘利明君) 今回の対策でも、いろいろと補正を使いまして拡充した政策あるいは新規の政策等をつくりました。私は労働大臣でありますから、雇用不安を取り除くということが一番の使命でありますから、そのために最大限の策を講じたいと思っておりますし、もとより失業率が高くていいなんということは思ったこともございません。極力これを下げるために努力をしたいと思います。しかも、労働政策の中で講じられる策は当然限界がありますから、抜本的な策としては産業政策と連携をとり、政府全体として失業率の少しでも改善に取り組んでいくということであります。
○平田健二君 いや、そうじゃなくて、政府は今回まで数次にわたって雇用対策をやってきたわけですよ、六百億だ九百億だと。そのことは全部ネットが高過ぎて実際には使用できない。ということは、もっと失業率が上がれということじゃないですか。それまで発動しないということじゃないですか。下げたらいいじゃないですか。もっと上がらなきゃ発動しないということでしょう。現状を認めているということじゃないですか。総理、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 現状を認めているわけではありません。セーフティーネットをここで下げますけれども、それが極力発動しないで済むように万全の対策を練りたいということでやっているわけであります。
○平田健二君 ですから、最初に言いましたように、政府の施策は絵にかいたもちだと言っておるんですよ。(「見せ金だよ」「目くらましだよ」と呼ぶ者あり)見せ金ですよ。いかがですか。目くらましじゃないですか、本当に。実際に使用できない。施策をいろいろ並べてきましたけれども、どれも実効性がないということですよ。政府はいろいろ数字を並べていますけれども、実行されていないじゃないですか。総理、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 特開金という制度がある。これは御存じだと思いますし、それから特に中高年の非自発的失業者が深刻でありますから、これについてどういう策が抜本対策になるだろうか。その抜本策はまず受け皿をつくることであります。ただし、新しくできてくる受け皿は従来の失業者の職業能力では入ることができないかもしれません。そこで、例えばそういう情報化に対応した職業能力をどうつけるか。その際には、今までの三カ月とか六カ月のコースではカバーし切れないかもしれない、だったら民間に一年のコースがあるんだったらその選択もさせようじゃないか。しかもその際に、失業者がどういう職につきたいか、そのためにどういう能力をつけるべきか、カウンセリングをし、相談に乗り、そして自主選択として、民間にそういう講座があるんだったらどうぞ選択されて結構です、大幅に民間委託もしますというような策を講じているわけであります。 セーフティーネットというのは、あくまでも常時それが発動していたらやっぱり不安になってしまうんじゃないかと思いまして、そこに行くまでに何とか解決をしたいというふうに……(「ネットがない」と呼ぶ者あり)いや、ネットがないわけじゃなくて張ってあるわけでありまして、それが機能しないということではないと思います。
○平田健二君 総理に。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、御主張されておられるように、しからばセーフネットはどのパーセンテージまで保障するかという御議論にもなるかと思います。極論を言えば、失業者全部セーフネットにかかるというようなことまで考えられることではないわけなんです。 これは、国民的な理解が、各種の政策を講じて本当に極めて高い水準に失業率がなった場合にそれを保障するという線の引き方についてでございまして、労働大臣がたびたび答弁を申し上げているように、それだけの数字だけでなくて、あらゆる施策を講ずることによって今回の対策を講じようということでございまして、委員おっしゃられるように、しからば四%でいいのか三%でいいのか、こういろいろ議論になってきますと、最終的には国民の皆さんが恐らくそれだけの負担をしてでも失業された方々をお世話しましょうということになれば、それはある意味でセーフネットという名の失業対策を全部やるということになるということになれば、これはあり得ないことであって、その数字については、政府としては、今回これだけ引き下げさせていただくことによりまして、本当に万やむを得ない地域、そしてそうした職を失われた方々がそれによって救われるという線としては、政府としてはこの数字でお願いをしたい、こういうことで設定させていただいたことでございます。
○国務大臣(堺屋太一君) この件につきましては、今年度の予算をつくるときにいろいろと研究させていただきました。 それで、今最初に総理が第三の道ということをおっしゃったのでございますけれども、セーフティーネットを余り低くしますと、ヨーロッパ型の失業保険で安楽だというような社会ができてしまうかもしれない、さりとてアメリカ型に自由競争にすると格差が広がるかもしれない、その間でどういうものを張っていくかということで三つの種類を用意いたしました。 第一は、従来からやっておりました雇用をそのまま維持していただく方法。そして第二番目には、新しい雇用をつくるための訓練。これはいろいろと訓練の場所とか教科とかそういうものを用意しなきゃいけませんので、必ずしも迅速に対応できたとは限りませんが、一生懸命やっております。そして三つ目に、この安全ネットで一定の期間。これは初めてでございましたからあるいは高過ぎたかもしれない。それで、一時は五・七といったのを今五・四に下げて試行錯誤している、こういうぐあいに御理解いただきたいと思っております。
○平田健二君 私は、前回の質問のときにも申し上げました。金融機関とかそういったのには九兆円とか十兆円とか相当な金を投入しておるんですよ。それで、実際に三百万人以上の失業者が出ているこの事態に六百億だ九百億だと。一兆ぐらいのもありましたけれども、ちょっと政府のやり方は国民から見たら納得できませんよ、こういうことを言いたいんです。いいですか、総理、そういったことなんです。このことはもう言いたくないと思っていたんです、前回も言いましたから。銀行や金融機関には九兆円、十兆円という公的資金を投入しながら、三百万人にも上ろうかという失業者には見せ金だけですか。実際には使用できないじゃないですか。このことを言っておるんです。しっかり考えてください。 今回の新規・成長分野雇用創出推進事業として九百億円の予算がつけられましたけれども、このことによって十五万人の雇用創出が見込める、こういうふうに説明されておりますけれども、いつまでにどのような雇用が発生するんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 雇用失業情勢の抜本解決は、御承知のとおり、新しく雇用を引き受けてくれる場所ができるということが大事です。実はそれは産業政策でやっていただいて、待っていれば何年かすればできるんだと思います。また、できなかったら日本が完全に沈没してしまうわけでありますから、産業政策で事業基盤整備を、環境整備をやっているわけであります。 ただ、それにしても、例えば一年とか二年後に必要な人材だったら今から採ってほしいということでありまして、その奨励金を設定させていただきました。これは、そのお金を設定すればオートマチックに企業が採ってくれるとまでは思っておりません。ただ、精いっぱいお願いをさせていただきましても、どうしてもそういう雇用政策というのは間接話法にならざるを得ません。強制的に民間企業にこれをやるから採りなさいと言うわけにはいかないのでありますけれども、できるだけ事態の深刻さを理解していただいて、予算をこれだけ用意をいたしました、それはこの人数分に該当しますということで設定をさせていただきました。
○平田健二君 どういう産業ですか。
○国務大臣(甘利明君) 産業分野ですか。 産業分野は、情報通信とか介護福祉とか環境とか、将来の雇用の受け皿になり得る十五分野というところを基本的には対象とさせていただいております。そして、平成十三年末までを想定しております。
○平田健二君 成長十五分野ということのようですけれども、昨今、政府は産業別の支援はしないという方針のようですね。産業別支援はしない。通産省、そうですね。産業別の支援はしない。ここだけなぜ十五分野に限定するのか。もっとほかに成長する分野はないんですか。いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 成長が期待されるというところは雇用吸収力があるからということで私どもは期待しているわけでありまして、この分野は必ずしもハイテク分野に限らない、ローテクの分野でもこれからマンパワーを必要とするところはたくさんあるわけでありますから、将来、雇用の受け皿になってくださるところに、今からぜひ準備をしてください、早目に採用された人員については職業能力のアップのための支援もいたしますよということであります。
○平田健二君 次に、産業再生法関連について若干お尋ねいたしますけれども、この産業再生法はリストラ促進法じゃないかと。一部の報道には、税金を使って労働者の首切りを奨励するような産業再生法だ、こういうふうに報道されています。労働大臣、十三日の記者会見で、企業がリストラをやみくもにやると労働者に影響が出る、こう発言をされておられますけれども、どのような影響が出るというふうにお考えですか。
○国務大臣(甘利明君) リストラというのは、企業の言ってみれば事業再構築でありますから、それはいろんな分野を見直すわけであります。通常、世間で三つの過剰と言われています。債務の過剰、設備の過剰、雇用の過剰。しかし、雇用というのは血の通った人間のことでありますから、他の過剰と同じような視点で切り込んでほしくないと思うわけであります。設備の過剰を切り込むときには、古い設備を廃棄して新しい設備、つまり生産性の高い設備を導入する入り口になるという発想だと思います。 雇用の場合は、その雇用を職業能力をアップすることによって生産性を上げる、つまり言ってみれば、言い方はおかしいかもしれませんが、古い設備をそのまま生産性を向上させることだってできるんですよと。ですから、いろんな手法で雇用の場合は維持ということに頑張ってもらいたいし、そういうことに責任を持つ企業家というのがちゃんと評価されるべきであろうというふうに思った発言でございます。
○平田健二君 通産大臣、過剰設備の廃棄をねらっておるわけですけれども、過剰設備といいましても、過剰設備には過剰な労働者がおるわけですよね。この法案提出に当たって、通産大臣は労働者の、働いている人の権利の保護をどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、働いている方は家族を持ち、専ら労働の対価で生活をしているわけでございますから、純経済理論的に言いますと、昨日は衆議院の方で民主党の方からすべての問題、ややハードランディング的な手法をとれというような御質問がありましたけれども、どちらかというと、雇用に関しては本当にソフトランディングを目指さなければならないと私はしんから思っております。純理論的にはそうかもしれませんけれども、やはり政治は働いている方々の立場を考え、政治として本当にそれぞれの方の立場をよく考えながら物事を進めていく必要があると思っております。 長期的には、リストラ、構造改革というのは、低い生産性の分野から資本と労働が移動することでございますから、労働も移動せざるを得ないというのは、マクロで見た場合にはそういうことになるだろうと私は思っております。私は、したがいまして、できればそういう労働の移動というのがその会社自体の中で行われることが望ましいと考えておりますし、また子会社、分社化というようなことで労働が移動する場合にも労働者の立場が十分考慮されるべきだというふうに私はもともと思っております。 産業再生法案の中で労働者の権利を規定するのかどうかという御質問であれば、実は再生法案はそのようなことを直接規定するという法律の性格を持っておりません。ただ、まだ国会には提出しておりませんけれども、その法案の中には、労働者の方々の理解を求めながら物事を進めていくという規定は設けてございます。
○平田健二君 通産大臣、ぜひ働く人たちの権利保護を前提とした法案にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 官房長官がお戻りになりましたので、質問をさせていただきますが、一昨日の衆議院の予算委員会で、我が党の石井一議員との質疑の中で、官房長官は石井議員の質問に対して、私は私の道を歩んでまいりました、あなたにそういうことを言われる筋合いはありません、あなたがもしお好みであるならば私があなたについて申し上げるべきことはたくさんございます、私はそれをここで言うことはありませんと、こうお答えになっています。 官房長官という職務は、私はついたことはありませんからあれですけれども、権力の中枢におられる方だと私は思います。そういった方が、おまえのことを何でも知っておるぞ、いいかと、言葉は適当かどうかわかりませんが、まるで脅迫するかのような発言を繰り返されておるわけです。あの官房長官の答弁を見て国民の皆さんは、権力者の、まさに権力の中枢におる人の恐怖政治を見た思いがすると私は思うんです。 今、参議院では盗聴法が審議されておりますけれども、盗聴法は、まさにおまえのことを何でも知っておるぞ、いいんだなと言わんばかりの私は悪法だと思います。参議院での審議を即刻取りやめて、むしろ盗聴防止法を提案すべきだと思いますが、官房長官と総理の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 一昨日の衆議院の民主党の代表質問に石井一議員がお立ちになりまして、その質問のほとんどは全然予告がございませんでした。私には財金分離の問題と衆議院の比例定数減の問題についての予告がございましたけれども、全く予告のない、私の発行した本及び私のその後の言動につきまして御指摘がございまして、そういう御指摘の中におきまして、最初に、あなたは変節漢だと、こうおっしゃいました。 したがいまして、私も閣僚でございますけれども、閣僚も政治家でございますので、お互いに政治家である以上、今政治の活性化を目指すために副大臣制やあるいは政務官制を求め、さらに政府委員を廃止して改革をやろうとしておるときであります。閣僚にも人権がございます。したがって、私は、あなたがそのように発言され、変節漢と言われる筋合いはないし、あなたほどの変節漢ではないと、こう申し上げました。その後は言葉を非常に荒げて、そして、厚顔無恥を初めとして聞くにたえない発言をなさいました。 私にもまた、先ほど申し上げましたように人権もあり、さらには私に反論権があるはずでございます。したがって、私は閣僚でありますから、そして今それを質問されておるわけではありませんが、あなたについて発言をさせていただくとするならば、この場を発言の場としませんが、お好みであれば申し上げてみたいと思いますと、こう申し上げました。それは脅迫だとおっしゃいました。脅迫だとおっしゃるなら、私は、ぜひあの場所で、私が申し上げる石井一議員についての話を聞いていただく余裕があってほしかったなと、こう考えておるわけでございます。 これからお互いに激しい議論を重ねていかなくてはならないわけでございますが、私もまた閣僚の責めにある者としてその発言に十分注意をしていかなくてはならないと思うわけでございますけれども、当初の質問であり、代表質問であり、しかもNHKを通じまして全国放送をされておる中で、党を代表した質問として、質問のほとんどが私に対する個人的問題に終始したことを私は非常に残念に思います。そして、これからも私は政治家として、この問題について石井議員の御希望があれば幾らでも討論をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(小渕恵三君) 通信傍受法案につきまして、盗聴法だというお話でございますけれども、この今回国会にお願いをいたしておりますのはあくまでも一般国民の安寧秩序を守るために必要な措置としてお願いしておるのでございまして、権力を利用して、そして無辜の方々の通話を傍受し、これをいたすという趣旨のものでないことにつきましては、改めて国民の皆さんにも御理解をちょうだいいたしたいと存じます。
○平田健二君 私が申し上げたのは、石井議員とのやりとりの問題の中で、その内容をとやかく言うつもりはございませんが、官房長官という立場にある人が、おまえのことは何でも知っているよ、だけど言わないんだ、こういうことなんですよ。国民が見たら、権力の中枢にいる、まさに内閣のかなめじゃないですか、その官房長官たる人が、おまえの秘密は何でも知っているんだ、知っているんだぞ、いいか、こういうふうに受け取れますよ、あの発言は。そういうことなんです。変節だとか、そういったことを私は言っておるわけじゃないんです、そのことは仕方がないことですから。そのことを私は問うているわけです。 これ以上申し上げませんけれども、アメリカで実際にあった話として、エドガー・フーバーというアメリカの連邦捜査局、FBIの長官が四十八年間にわたって君臨したということは、もう既に皆さん御承知のとおりであります。FBIの長官の権力を乱用して盗聴して、個人の秘密を全部握って、歴代大統領も全部自分で操って、自分の友人を副大統領にまでする、こういった事件が実は起こっておるわけですね。 生活上の弱みを握って、権力にある者が、おまえのことは何でも知っているぞ、こういったことをやるとは言いませんが、そういった危険性のあるのがこの盗聴法なんです、通信傍受法と言われていますが。秘密を全部握って、おまえのことを何でも知っておるんだぞ、要らぬことを言うなと権力で押さえつける。まさにこの構図じゃないですか。 ぜひこの盗聴法、通信傍受法は今国会では廃案にしていただきたい。このことを訴え、さらにこういった国会の場でまさに、脅迫とは言いませんが、脅迫まがいの発言をするということは、私は許されないことだと思っております。いかがでしょうか。
○国務大臣(陣内孝雄君) ただいま通信傍受法についての御発言がございましたので、私の方からその法案の目的としているところを少しお話しさせていただきたいと思います。 この通信傍受法というのは、犯罪が組織的に行われる、その一つとして、組織的な殺人、あるいは麻薬犯罪関係、銃器の犯罪関係、そして蛇頭等による密入国関係、この四つの重大凶悪犯罪について、犯人と考えられる人が特定の電話を使って通話をしている、そのことを捜査令状に基づいて捜査させていただくということで、一般の国民の皆さん方の通話とは全く関係のない犯罪捜査のための通信傍受でございます。 ぜひ、最近のこの深刻な犯罪動向を御賢察の上、この最後の最後の手段として活用する捜査手段の新しい導入について御理解を賜りたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 重ねて委員から御指摘を賜りましたけれども、私は、官房長官としての権力を行使して、それによって今言われるような通信傍受を含めたような権力を行使して石井議員の何かについて申し上げようとしたわけではありません。 お互いに同じ党におり、お互いに同じグループにおり、そして九〇年、金丸・田辺訪朝団にともに参加した中の経過から、時には石井議員の発言の中に、私があたかも当時の新進党等から我が党に人を引っ張ってきたような、ひっさらってきたというような表現もございました。そのときに、時々にかかわられた問題等も含めて私は申し上げる用意があると申し上げたところでございまして、私は、今、官房長官として知り得ることについて何かをし、何かを石井議員について、委員が今おっしゃったような通信等について行うような、そんなおごったことを考えておりませんし、お言葉の中にそれぞれ私に対する許せない話がありましただけに、私は、同じことを佐藤参議院議員からも御指摘をいただきましたその際には、そのような発言をいたしておりません。それだけに石井議員の発言は、党を代表し、さらにこの全国放送を通じて行われたことに私は耐えられない思いがして申し上げた次第でございます。
○国務大臣(野田毅君) 大体、基本的には今、官房長官それから法務大臣からお話があったとおりです。 私は、官房長官の発言の問題と組織犯罪対策の法案、特に通信傍受に関連する法案、この二つは全く関係のない世界であって、あたかもそれが関連があるような御発言ということは、治安の責任を負う閣僚の一員としてこれをただ単に聞き捨てにするわけにいかない、そういう意味で私は申し上げておるわけでございます。 内容においては、今、法務大臣がお答え申し上げましたので、重ねることは避けたいと思います。
○平田健二君 私は、官房長官やここに座っている閣僚の皆さんがやると言っておるわけじゃないんです。そういうことは言っていません。いいですか、官房長官がやるなんということは一言も言っていませんよ。そうじゃなくて、権力の中枢にある人、捜査当局の方々は何でも盗聴できる。そうでしょう。法案をいろいろする必要はありませんが、もう少しきちっと委員会で審議をしてくださいよ、それだったら。しっかりした議論をせにゃいかぬ。ぜひひとつ、そういうこともあるということをお考えください。 次に、雇用保険の問題についてお尋ねいたします。 報道によれば、雇用保険料のアップと給付の切り下げということが検討されている、こういう一部マスコミの報道がございますけれども、労働大臣、保険料だけを引き上げて給付を引き下げるということですけれども、これはもともと国庫負担は本則で二五%というのがあるわけです。これも同時に引き上げるということですか。
○国務大臣(甘利明君) 雇用保険はまさにセーフティーネットの最たるものでありますから、これが機能しなくなるのはまさに大社会不安になりますから、これがちゃんと網が破れないようにする。今、収支で言いますと、収入一兆七千億、支出二兆七千億ですから、毎年一兆円ずつ穴があく、三年でゼロになるということでありますから、これをちゃんと安定させるために財政状況をどう見直すかということであります。 今回は抜本是正、つまり基本設計の変更でありますから、いろんな要素を審議会等で検討していただいて結論を出していただきたいというふうに考えております。
○平田健二君 いや、保険料を値上げすることは、これは仕方がない。でも、もともと国庫負担というのは本則にありますように二五%なんです。それが今一四%です。これもやはり引き上げるということを同時に検討しないといけないと思うんですけれども、そのことを聞いておるんです。
○国務大臣(甘利明君) ですから、そういう指摘も委員会でいただいておりますから、そういう指摘もありますということを検討項目の中に付議して、そして審議会で国庫負担のあり方はどうあるべきかとか、あるいは負担と給付の関係についてどうあるべきか、考え得る要素はみんな俎上に上げて検討してくださいということをさせていただきます。
○平田健二君 時間が参りました。いろいろと質問の通告をしておりましたけれども、時間がございませんので最後になるかと思いますけれども、大蔵大臣、金融機関等の公的資金についてお尋ねをしたいと思います。 銀行への公的資金が昨年とことしで九兆三千億程度になっておるわけですが、さらに今破綻した長銀や日債銀の処理のために七兆円以上が必要だと言われております。これに加えて、山一証券の破綻に伴って政府が日銀に要請した日銀特融、この資金も貸し倒れになりそうだという報道があり、衆議院、参議院の委員会があり、大蔵大臣も答弁をされておりますけれども、政府は日銀に対して、山一証券の貸し倒れ金について補償を行うということでしょうか、まず最初にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 山一証券は、ただいまのところ債務超過千六百億円と言われておりますけれども、これはまだ恐らく一年以上かかりませんとなかなか確定をいたさないかと思います。 他方で、日本銀行は三千数百億円特融がございます。この点につきましては、当時の状況、ちょうど日銀法が旧法と新法と変わりましたのですが、いずれにしても、しかしこれは大蔵大臣の要請によって特融が行われたということは、これは認めなければなりません。 そこで、他方に投資者保護基金というものが御承知のようにできまして、これは証券会社がそういう基金をつくって将来いろんなときにこういう救済に当たるという機構でございますけれども、そして法律には、設立前に生じた債権も引き受けることができる、あたかもこの特融もこの基金が引き受ける、債権を引き受けてよろしいというような不思議な規定でございますが、それを期待したような規定が入っております。 ただ、この基金ができましてまだ三百億程度の金しかございません。そういたしますと、借り入れにも限度がございますので、今申し上げました金額等々を考えますと、この投資者保護基金にそれだけのいわば買い取りをさせることには私は事実上無理があるだろうと。当時、そこへ期待をするというようなことを大蔵大臣も言っておられますけれども、実際は金額としては全部持てというのはどうも私は無理だというふうに判断をしております。 したがいまして、これは大蔵大臣の要請に発したことでございますので、御承知のように、中央銀行のバランスシートの姿が余り悪くなりますということは国際的にも心配なことでございますから、私は、一年先か二年先か、数字が固まるのに時間がかかりますけれども、要請をした大蔵大臣にはこの問題についての解決をする責任があると考えております。
○平田健二君 今、大蔵大臣、山一証券の貸し倒れが三千四百億と。いみじくも、今回の雇用対策の三千四百億……
○国務大臣(宮澤喜一君) 千六百億。
○平田健二君 日銀特融は三千四百億あるんじゃないですか、残りが。
○国務大臣(宮澤喜一君) 山一は千六百億。
○平田健二君 そうですか、千六百億。山一証券だけで千六百億。三千四百億円、雇用対策。国民が見たら、これはやっぱりおかしいと思いますよ。 終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で今泉昭君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、岡利定君の質疑を行います。岡利定君。
○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。 小渕総理を初め閣僚の皆様には、連日、大変御苦労さまでございます。 ことしの梅雨は、大変例年以上に雨が多いということで、六月下旬から梅雨豪雨が続き、全国各地で大きな被害が出ております。被害を受けられました方々に心からお見舞い申し上げる次第でございます。 政府としても、早々に最も被害が大きかったと言われる広島県に建設大臣を派遣されるなど、素早い対応をとられたわけでございますけれども、その後の各地での豪雨のために被害も拡大しております。被害地域の救済、二次災害の防止あるいは復旧のために政府としても積極的な、また素早い手だてを講じていただきたいと思う次第でございます。 まず、この点について総理のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) まず、先般発生をいたしました豪雨によりまして、広島県を初めといたしまして各地に甚大な被害が発生いたしまして、その中でとうとい命を失われた方々がおられるわけでございまして、謹んで哀悼の意を表しますと同時に、被災を受けられた方々に政府を代表いたしまして心からお見舞いを申し上げたいと思います。 特に、広島におきまして被害が非常に大きくなった地域を、直後、国土庁長官を派遣いたしまして調査、お見舞いさせたところでございますけれども、大変急峻な山すそに住宅が建っておりまして、突然の降雨によりまして土砂が流れ落ち、そのために大きな被害が生じたという現状を写真その他で見させていただきました。 こうした地域で豪雨が降るたびに大きな被害が生ずるというようなことを考えますと、たまたま広島の地域のことでございましたけれども、一方、急峻な山のすそ野に住宅地ができ、それは住宅地域が、どうしてもその平面に調整区域等がございまして、なかなかそこには建物は建たぬということで、山林の下の方でそうしたところができるというようなことでございます。そうした地域を考えますと、もちろんできる限り安価に住宅を求めるということですからやむを得ない点もあろうかと思いますけれども、こうした災害が起きるたびにこのままでいいかということでございますので、改めて建設大臣・国土庁長官にも、こうした地域における問題について、何らかの法的措置も含めまして対応ができないかということを実は指示しておるところでございます。 また、被害を受けられたことはまことに残念でありますが、こうした方々に被災者生活再建支援法によりましての救済も考えておりまして、これは議員立法として国会でおつくりをいただいた法律が今回適用になるわけでございます。 実は昨年、栃木、福島で大水害が起きたときに、こうした法律の制定の趣旨を十分理解いたしまして、当時、国土庁長官は柳沢長官でありましたけれども、ぜひこうした対応をすべきだということで、既にその地区の皆さんにこれを、適用ではありませんが、措置をさせていただいておるところでありますが、後でこういう措置を講ずることは当然のことながら、やはりその原因をもっとしっかり踏まえて、いかに対処すべきかということは政府の責任と心得て対処いたしてまいります。
○岡利定君 国民生活に、国民の安全に直結する話でありますので、政府としての積極的なお取り組みをお願いいたします。 ところで、介護保険制度につきましてでありますが、昨日の衆議院の予算委員会で議論が行われ、その質疑をめぐって報道がされております。この問題は、昨年末に自由民主党と自由党の間での確認もあり、また国民に大変関心が持たれておるものでございます。政府として今後どのように進めていくお考えか、この際、改めて所管大臣である厚生大臣にお聞きいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 介護制度につきましては、今御指摘のように平成十年十二月十六日の自由党との協議の確認におきまして、介護制度については平成十一年度末までに基盤整備、実施主体の状況などを点検し、円滑な実施が図られるよう財源のあり方を含め検討するとされております。 これに沿って、円滑な実施が図られるように当省といたしましても誠実に与党間における協議を得て対応したいと考えております。
○岡利定君 ぜひそのようにお願い申し上げます。 小渕内閣が昨年七月三十日に発足して一年を迎えようとしております。総理は、富国有徳の国づくりを目指されて、その日その日に全力を尽くすというお考えのもとで国政に取り組まれてきたと理解いたしております。 一年前の今ごろといいましょうか、参議院選挙の前後でございますが、深刻な不況、金融不安というようなことで、まさに日本の経済は最悪の事態を迎えて、いわゆる景況感というのは悲観論が大勢を占めるというような状況だったと思います。小渕内閣発足以来、金融システム安定化のための諸施策、さらには昨年末に総事業規模で二十七兆円の経済対策を実行いただくということで、景気の一刻も早い回復に努めていただきました結果、今日では、まだ厳しさが残り油断は決してできませんけれども、金融システムも何とか落ちついてき、景気に対する見方も、いわゆる悲観論が後退して楽観論も出てくる、こういうような状況になりつつあるのではないかと思っております。 経済対策を初めとして、山積する国政の諸問題に絡む課題を次々とこなされていく中で、小渕内閣の支持率は日々高まっておるというように聞いております。ある新聞社の最近の調査では、五七・二%の支持率となっておるということまで聞いております。 丸一年を迎えるに当たって、マスコミは、いろんな形ですけれども、その関連について特集記事を組まれたり、そういうことでされておりますけれども、なかなか厳しい評価をするマスコミではございますけれども、この一年間の成果について、M誌ではとりあえず及第点だというような記事が書かれておりますし、またA新聞では、総理は最近新聞に掲載された川柳、「やるじゃない やりすぎじゃない 小渕さん」、こういうところに赤鉛筆で筋を引かれたというような記事が出ておりました。赤鉛筆の真偽はわかりませんけれども、まだ少々皮肉を含んだ記事も続いておりますが、いずれにしましても小渕内閣の仕事っぷりについて一定の評価をしておるというように考えます。 まだ参議院で重要法案がいろいろと審議中でございますので総括するには少し早過ぎるのかもわかりませんけれども、この機会に、この一年を振り返りまして総理の感想をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 我が党の先生からのお尋ねでございますので率直に承りましたが、そうした評価を今後とも国民各層に得られるように、まずは全精力を傾けて努力いたしていきたいと思っております。 もともと私、鈍牛と称せられまして鈍足でございますけれども、遅い足ながら精一杯一年間懸命に走ってまいりました。みずからに勢子をかけるつもりでやらせていただきましたし、特に私、総理大臣としてよりも、ここに今並んでいただいておる閣僚の皆さんも真剣に、現下の厳しい経済情勢の中で経済再生内閣という銘を打たせていただきましたことの実行のために、それぞれ精一杯努力をしていただいたことでありますし、またある意味では国会の大変な御協力をいただいている点もあろうかと思います。 御案内のように、内閣ができましたときに、日本の金融システムが危機的な状況であり、国際的信認が得られないという中で、これはまさに各党各会派の御協力をいただきまして金融二法を成立することができたということは、やっぱりこれは国会の御良識と考えて、それを前提にして政策をスタートさせることができたということはまことに幸いだったというふうに思っております。 その後、景気対策等につきましても、これもいろいろ赤字国債の大発行でいかがかという御批判もありました。、しかし、今の時点では財革法もあえてこれを提出させていただいて、この際は何はともあれ、集中的に経済を再生するために国として行い得るのは財政政策であります。このために思い切った経済対策もさせていただいたというようなこともあったかと思います。 政治的には何よりも自由党との連立ということがございまして、現在のこの危機的な状況を乗り越えるためには、自由民主党だけでなく自由党とともにこの難局を乗り越えようということで、いわゆる連立内閣が成立し、その中で国政を運営させていただいたということもあろうかと思いますし、また特に今国会におきましては、公明党の御協力も得ながら実効ある政策をとらせていただいてきておるわけでございまして、こういう事態の中で政治を行い得ることは大変ありがたいことだと思っております。 特に、これも国会の御協力でありますが、予算がいわゆる戦後最速ということで、三月の後半早い時期に通過することができました。私はこれは非常に大事なことで、従来、ある内閣におきましてはもう夏になりましても予算が通過しないというような時期がありましたが、その後のことを考えますと、やはり予算というものは三月の早い時期にできて、そして四月一日から施行できるということがはっきりすれば、例えば公共事業にいたしましてもそれに対するいろんな設計その他が進んでくるわけであります。恐らくこれは、国会においても予算を早く上げて、そして今のこの景気を回復するために少なくとも国としてなすべきことは早くやれという御指示のたまものではなかったかなという気がいたしておりまして、そういったようなところで予算的な措置が早くとれたということは大変ありがたいと思っております。 それから、何よりもやはり日本の安全保障にかかわる問題といたしまして、ガイドライン関連法案も成立させていただくと同時に、また明治以来の行政システムを改革するために中央省庁改革法案並びに地方分権法という法律を通させていただきました。これも、法律ができたからすべてであるとは私は思っておりませんで、またそういうお尋ねもございましたし御意見もありました。そのとおりだろうと思いますので、せっかくできた明治以来のこうした法律を大改革することによりましてその実を上げていかなければならないかと思っております。 さらに、今最終的な段階に入っておりますけれども、政府委員の廃止とか副大臣制の導入等につきましても、これも大きな変革ではないかというふうに考えておりまして、一日も早くこれが成立し実行できるように考えていかなきゃならないかと思っております。 私自身といたしましては、いつも申し上げておりますが、基本的には一日一生涯と、こういうことで、毎日毎日がすべてであるという考え方のもとに国政を担当させていただいております。同時に、このことは国民の底力というものが基本的には存在するんだということでございますので、「確固たる意志を持った建設的な楽観主義」、こういうことを施政方針で申し述べさせていただきましたが、お互い日本国民の持つ大きなパワー、これを結集してこの難局を乗り切ることができればありがたいと思っております。 と同時に、今回いろんな法律を出させていただいておりますが、その趣旨は、政策の立案決定に当たりまして官僚主義を排して、政治主導によって国民の英知を集めて、国民に語りそして対話することを心がけていかなきゃならぬと思っております。 改めて一年を振り返りまして、内外の課題はまだ大きいと思っておりますし、国民の信頼を得るためにより謙虚により一層努力いたしてまいらなければならないというふうに考えております。足らざる点は多々あると思いますけれども、御叱正をいただきながらこの大きな責任を果たしていきたいと思いますので、よろしく御鞭撻のほどをお願いいたす次第でございます。
○岡利定君 国づくりの関係でございますけれども、総理の諮問機関であります経済審議会が、去る七月五日、新十カ年計画を取りまとめ答申し、政府はこれを受けて七月八日に閣議決定されました。 この新経済計画には、二〇一〇年のあるべき姿がわかりやすく提示されております。しかし、その姿を具体的にどう実現するかというのが今後の大きな政策課題でございます。特に、多様な知恵の社会を形成するために「日本列島の中核に世界最大級の高速・大容量を持つ情報通信ネットワークの形成に努める。」など、情報通信の役割の重要性を強調している点は従来の経済計画にはない大きな特徴の一つではないかと思います。 しかしながら、新聞によりますと、情報通信についてまだビジョンと分析が欠けているんじゃないかというようなコメントもございます。 総理は、従来から情報通信に大変御造詣が深く、現内閣においても高度情報通信社会推進本部を開催されるなど積極的に取り組んでおいでになります。そういう立場で、新経済計画を踏まえ、今後情報通信政策をどう推進されるのか、総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のように、情報通信ネットワーク化は二十一世紀の新たな発展基盤を形成し、経済全体の効率性を飛躍的に高める可能性を持つと認識をいたしております。 平成十年十一月に改定をいたしました高度情報通信社会推進に向けた基本方針におきまして、情報通信政策として特に優先的に取り組むべき分野といたしまして、光ファイバー網を初めとする高度な情報通信インフラの整備、電子商取引普及、電子的な政府の実現、情報リテラシーの向上という四つの当面の目標を掲げております。 本年四月にはこの基本方針に基づいたアクションプランを策定いたしたところでございまして、政府といたしましては、今般閣議決定をいたしました経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針を踏まえ、今後とも関係省庁一体となりまして高度情報通信社会の実現に取り組んでまいりたいと思います。 一言申し上げますと、二〇〇〇年問題というのがございまして、これは直接これとかかわりありませんが、やはり西暦二〇〇〇年になりまして、いわゆるコンピューター社会の中でどうした事態が起こってくるかということにつきまして、非常に国民的不安もなきにしもあらずであります。そういった意味で、この問題には集中的に今取り組ませていただいておりまして、日本はこれはかなりおくれているのではないかという国際的な評価がございましたが、それに対して今急速に各所におきまして改善をいたしておりまして、少なくとも二〇〇〇年一月一日午前零時には日本として問題が起こらないように、今最善の努力をいたしております。 ぜひ国民の皆さんにおかれましても安心していただけるような対応を、政府もそうでありますが、民間も一生懸命今取り組ませていただいておりますので、ぜひこの点につきましても政府として全力を挙げておることを申し上げさせていただきたいと思います。
○岡利定君 今、総理から二〇〇〇年問題が出ましたけれども、これは我が国にとっても全世界にとっても大変重要な危機管理対策であると思いますので、総理が今おっしゃったように積極的な取り組みで危機の起こらないようによろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。 今の情報通信政策の関係で、所管大臣であります郵政大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 御質問ありがとうございます。 岡先生におかれましては、郵政省においてまさに情報通信を推進していく旗振り役ということで、今日国会議員としてもその中心的な役割を担っていただいているところで、こういう先生の御尽力がまさに今情報通信の高度化に向けてのさまざまな政策とかに生かされていることをまずもって感謝申し上げる次第でございます。 そこで、今御指摘がありました新経済計画においてどういうことが具体的に政策方針として挙げられているかについて申し上げますと、まず初めにインターネット活用等の情報教育の充実、そして社会的、経済的ニーズに対応した研究開発投資の重点化、さらに世界最大級の高速・大容量を持つ情報通信ネットワークの形成、そして電子政府の実現等の公共分野の情報化といった取り組みの重要性が指摘されました。 郵政省としても、この情報通信産業というのは、これまでも経済の牽引として高く評価しておりますし、最近でも、非常に消費の落ち込みがあると言われている中でしたけれども、情報通信産業の代表格である携帯電話にせよまたはパソコンにせよ、着実な売り上げを伸ばしているということで、今後もさらにこれらの産業というのは日本の国のリーディング産業であり続けるし、そこで新たな雇用を創出し、なおかつそこからまた新しい産業が生まれてくるということで非常に重要であると認識しているところであります。 そこで、これまでも取り組んできたことですけれども、これからも例えば学校におけるインターネット利用の促進などを通じた、先ほど総理も御指摘ありましたけれども、情報リテラシーの向上、これはまさに次世代の子供たちが不自由なくパソコンを使い、インターネットでの学習をすることによって二十一世紀に対応できる人材を育てていこうということでございます。 次世代のインターネット、これは今よくお話が出ていますのは、おかげさまでインターネットは千七百万人のユーザーがいると言われていますが、このあるべき姿では、二〇一〇年には四千五百万人と言われています。ただ、そこに持っていくには、今抱えている問題、例えば通信料金の問題とか容量の問題とか安全性、そういう問題を一つずつきちっと解決していかなければなりませんし、超高速のギガビットネットワーク、そして放送デジタル化の推進。つまり、今までデジタル化が進んでいますけれども、放送分野においてはこれから最終局面に向かっていて、すべてをトータル・デジタル・ネットワークにつないでいくということがこれから国にとって大きな重要な課題になってくると思います。そういうことを通じて世界最高レベルの情報通信インフラの整備をしてまいりたい。 そして、これまでも取り組んでおります光ファイバー網の全国整備の推進。そして、これから大変重要だと思いますけれども、まさに政府みずからがユーザーとなる、各省庁と連携することによって電子政府を実現し、そして社会経済全体の情報化の起爆剤となる公共分野の情報化の推進。これまで情報通信は民間主導と言われておりましたけれども、まさにここにおいては私たち政府が主導し、ユーザーとなって公共分野に関しては推進していかなければならない。 さまざまな施策に取り組むことによって、経済再生はもとよりですけれども、私たちのこれからの暮らしをさらに豊かにしていくための努力を精いっぱいやってまいりたいと思っています。
○岡利定君 ありがとうございました。 それでは、経済問題に関して何問かお聞きいたします。 まず、経済企画庁長官にお伺いいたしたいのですが、景気の底入れの関係でございます。 経済企画庁は、七月の月例経済報告で、この総括判断として、「景気は、民間需要の回復力が弱く厳しい状況にあるが、各種の政策効果が浸透し、このところやや改善している。」との見解を示しております。これは、六月十日に発表された一—三月の実質GDPが前期比一・九%の大幅な上昇を見た、などを受けてのことと思います。ちなみに、六月の月例報告では、景気は下げどまり、おおむね横ばいで推移しているとされておったわけでございます。 しかし、景気の底入れについては、総理は七月十三日の参議院本会議で、景気底入れとするには時期尚早であるという御答弁をされております。GDP統計や日銀短観が大きく好転したにもかかわりませず、景気底入れの判断を明確にできないのはどういうわけなんだろうかということで、経済企画庁長官からその理由をわかりやすく御説明いただきたいと思います。 長官は、テレビの討論番組などで、景気の位置は午前四時だ、こう発言されております。景気が底を打っていないなら、いつごろ夜が明けるのか、底を打つのか、もう少し現在の景気認識についてお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 景気判断を需要の面から見ますとかなり好転しておりまして、個人需要は、収入が伸びませんのでそれほど力強いとは言えないものの、消費性向が少し上がってよくなっております。また、住宅建設もことしに入りましてから増加傾向にございます。官公需、官需の方は相当公共事業を熱心にやっておりますので大きく伸びましたし、輸出の方もアジア経済が回復してきたのでここ最近好調に推移しております。しかしながら、設備投資の方は、一部中小企業のサービス部門、非製造部門に動きがございますけれども、前年に比べてやはり大きく下がっているというような状況でございます。 これらを合わせて、需要部門で見ますとやや改善ということが言えますが、全体の景気判断をいたしますと、先ほどから問題になっております雇用問題あるいは企業の利益水準、そういったところを見るとまだ軟弱な部分があるのではないか、そういうことを含めて私たちはやや慎重な見方をしております。 私どもは、去年の十二月に変化の胎動が見えると一番早く前向きの姿勢を見せたのでございますけれども、今はむしろもう少し慎重にこの動向を見て、注意深く経済運営をしていくのがいいのではないか、そういった判断をしております。
○岡利定君 やや慎重にということのようでありますが、かなり以前よりは明るさが出てきておると理解したいと思います。 また、先般発表になりました一—三月の実質GDPは、前期比で一・九、年率で七・九という高成長を記録したわけでございます。株価も、この発表された六月十日に、前日比四百八十円も急騰して一万七千円の大台を回復いたしております。その後、株価は強い基調を維持しており、少なくとも株式市場では景気底入れ、回復を織り込みつつあるんじゃないかというような感じもするわけでございます。 しかし、一—三月の実質が高くなったからといって楽観は禁物でございますけれども、政府の見通しであります今年度のプラス〇・五%成長は現実味を帯びてきたのではないかというように思います。 ただ、長官も今おっしゃいましたけれども、今後景気が持続してよくなっていくかどうか、不透明な要素もあるようでございます。 とりわけ、今おっしゃいました雇用状況でございますが、企業のリストラが本格化するにつれてさらに厳しくなる可能性が指摘されております。個人消費は実質で前期比一・二%ふえておりますが、家計調査などはこの間マイナスになっておって、自動車販売などの販売統計が消費を押し上げたと推計されます。リストラで所得が伸びない、企業によっては年収がマイナスに抑制されているところも多い中で、個人消費の持続的な拡大というのはまだちょっと疑問を呈さざるを得ないんじゃないかというような思いでございます。 そこで、経済企画庁長官は、GDPで見る景気の持続性に関してどのように判断されるか。特に、リストラの推進を反映しての個人消費の先行きについてどのような認識をお持ちか、お教えいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 一—三月のGDP、いわゆるQEでございますが、これは外需、輸出から輸入を引いたものでございますが、外需がマイナス〇・二、内需がプラスの二・二という姿でございまして、そのうち官需が一・一、民需が一・一と、非常に我が国としては好ましい形になっております。その中で、官需はもちろん公共投資が主でございますが、民需の方では消費が伸びました。そして設備投資も、前期が下がり過ぎていたこともありまして、二・五ほど上がっておる、こういう形でございます。 やはり一番問題は、先生御指摘のように個人消費でございまして、一—三月で見たときには消費者統計で見ますと弱かった。それが、自動車でございますとか電気製品でございますとか、それから家賃でございますが、修正していきまして、そういうものでかなり上がったのでございますが、この四、五月を見ますと、家計調査の方がかなりよくなっております。四月は前期比〇・七のマイナスでございましたが、五月は三・六のプラスでございまして、家計支出が少し好調になってきております。 今、所得はボーナスが少なかったりして伸び悩んでおりますけれども、消費者のマインドの方は少しよくなってきた。財布の中身はふえていないけれども、ひもは緩くなった。こういうような現象が起こっておりますので、天候等いろいろ気になることはあるのでございますけれども、少しいい方に向かうんじゃないかと期待しております。
○岡利定君 このGDPの項目別の動向では、個人消費も問題でございますけれども、これよりも設備投資の悪化の可能性が心配されております。 一—三月の実質設備投資は、携帯電話の新サービスに伴う投資増加、信用保証協会の保証枠拡大による中小企業への投資増などによって前期比二・五%増を記録しております。しかしながら、設備投資の先行指標と言われる機械受注は大幅な後退が続いており、また各種のアンケート調査でも、企業は今年度の設備投資に極めて慎重になっているという姿がうかがえると思います。 例えば、六月二十一日に発表されました通産省の今年度設備投資計画によりますと、製造業はマイナス一一・七%、非製造業はプラス四・五%、全体でマイナス一・七%となっております。しかし、産業政策局は「景気動向が大きく好転する見込みがない限り、年後半に下方修正の可能性がある」というコメントもつけております。七月五日に発表されました日銀の短観でも、大企業、中小企業問わず設備投資意欲は極めて弱いということが確認されております。 経済活動の大きな歯車である設備投資の先行きに関しまして通産大臣及び経済企画庁長官はどのような御認識をお持ちか、お尋ねいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 設備投資の動向については、回復力の弱い民間需要を背景に、収益環境が改善しない中で資産圧縮の動きもあり、引き続き厳しい状況と認識をしております。 現下の状況については、一—三月期は中小企業に改善の動きが見られるなど明るい動きが見られたものの、基調としては大幅な減少が続いていると認識しております。なお、本年一月に閣議決定された平成十一年度の政府経済見通しでもマイナス五・二%と見込んでおります。 現下の我が国経済は、各種の政策効果が浸透し、このところやや改善しておりますが、本格的な経済再生には民間設備投資や個人消費を初めとする内需の回復が不可欠であると考えており、今後とも経済動向を注視した経済運営を行ってまいりたいと考えております。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員御指摘のとおり、特に機械受注の予測の点が大きく下がっております。我々も十一年度の設備投資はマイナス五・二と見ておりますが、今の機械受注はそれ以上に下がっております。ただし、この数字は毎年期末になると上がってくる傾向がございまして、単純にこれがそのまま実現するとは思っておりません。したがいまして、我々の予測ぐらいのところへ来るんじゃないかと思っておりますが、やはり設備投資は依然として弱い。 よく私の申すことでございますけれども、まず公共事業、それから住宅、そして今消費が出てまいりまして、その次にアジア向けの輸出が好転してくれて、最後にこの設備投資が出てくると、いよいよ民間の需要が、民需が出てきて軌道に乗るんじゃないか、そういう期待を持っております。
○岡利定君 設備投資の見方はまだかなり厳しいようでありますけれども、設備投資が出てこないのは、企業が先行き不安から投資を手控えているということに加えまして、過去に行った設備投資が過剰に積み上がっておってその調整が進んでおらないからだとも言われております。 調査機関の推計によりますと、過剰設備は現在八十ないし百兆円程度、名目GDP比で一六ないし二〇%もあると見積もられております。バブル期に積み上がった設備が廃棄されずに使われているケースなどがあり、それが新規投資を抑制するとともに資本の生産性を低下させていると見られております。設備の更新が進んでいないことから設備の使用年数が近年急速に長くなっており、現在、過去最高水準の十年強に達しているという指摘もございます。過剰設備の廃棄、除去は、新規設備投資を誘発するだけでなくて資本の生産性を高める効果があり、早急に進める必要がございます。 政府は、産業競争力強化対策を具体化するために今国会に産業活力再生特別措置法案を提出予定であると伺っております。この法律では過剰設備の廃棄に関してどういった施策をお考えなのか、その施策によって予想される効果を含めて御説明いただきたいと思います。 また、ついでで申しわけございませんが、この法律については、巷間、企業の過剰設備や過剰債務の問題を処理するための後ろ向きな対策が中心になっておるのじゃないかという批判がなされております。無論こうした負の遺産が適切に処理されるということも重要でございますけれども、せっかく法案を提出される以上、もっと前向きなもの、新たな未来に向けての産業界の積極的なチャレンジを応援するものであるべきだと思います。 現在検討されております法案において我が国産業の将来の発展に向けての取り組みをどのように支援していこうとされておるのか、あわせて通産大臣の御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) まず第一点でございますが、我が国経済の自律的な発展を図るためには、事業者による選択と集中を促進し、生産性の低い部門から生産性の高い部門へ経営支援のシフトを進めることが重要でございます。 現在、政府内部で検討しております産業活力再生特別措置法案においては、設備の廃棄を含め、事業者が生産性の向上を目指して行う活動を支援の対象とする方向でございます。非効率な設備の処理を進めることにより新たな投資が促進をされ、我が国全体の生産性の向上に寄与するものと考えております。 第二点の御質問は、後ろ向きの対策が中心だという批判にどうこたえるのかという御質問だと思いますが、現在、政府内部で検討しております産業活力再生特別措置法案は、事業者の事業再構築を通じた選択と集中の円滑化に加え、創業及び中小企業者による新事業の開拓、研究活動の活性化等についても総合的に支援することを通じ新たな投資を促し、我が国産業活力の早期再生を目指す考えでございます。 このうち、事業再構築に対する支援については、単なる後ろ向きの対策を支援するのではなく、事業の選択と集中により将来に向けた新たな事業の開拓、拡大など前向きな取り組みを含むことを基本として支援をしていきたい、こういうふうに考えておりますが、一言で申し上げますと、事業再構築だけではなくて創業及び中小企業者による新事業開拓、研究活動の活性化についても支援する、こういう考え方で今法案をつくっているところでございます。
○岡利定君 ぜひ前向きな面の多い法律に仕上げていただきたいと思います。 ところで、日銀総裁、大変お忙しいところ恐縮でございます。 六月の日銀短観が大幅な改善を示しました。大企業・製造業の業況判断DIは前回調査比一〇ポイント改善してマイナス三七に、また大企業・非製造業のDIは〇・六ポイント改善してマイナス二八にまで高まってきました。水準は依然としてまだマイナスでありますが、最近の改善ピッチが速いことが評価されるわけでございます。 問題は、先ほども指摘しましたように、設備投資が依然弱いということでございます。今年度の設備投資計画は全規模でマイナス一一・一%となっており、企業規模を問わず設備過剰感が強くて投資に積極的になれないようでございます。 そこで、日銀総裁にお伺いいたしますけれども、今回の短観について全体的にどのように評価されておりますか。過去の景気底入れ前後の業況判断DIの動きを見ますと、今回のように三月調査、それから六月調査と二期連続向上したケースは景気底入れをするとの経験則があると見られるわけでございます。こうした景気底入れとDIの二期連続改善の経験則、また設備投資計画や雇用情勢を中心に日銀総裁の御見解をお伺いいたします。
○参考人(速水優君) 岡先生御指摘のとおり、先週発表いたしました六月の日本銀行の短期経済観測によりますと、企業の経営者の業況判断というのは三月に引き続いて六月の調査で連続改善したということでございます。 一般論として申し上げますと、日本銀行の短観というのは中小企業を含めまして全国約一万社から報告をとっております。したがいまして、これまでの景気循環局面で企業のマインドが一たん改善し始めますと、それが結果的に景気の回復につながっていくといったような大まかな傾向は確かにあると申し上げられると思います。 ただしかし、そうした過去の局面におきましても、日本銀行は、短観の業況判断が二期連続で改善したという事実だけをもって景気が底入れしたと機械的に判断したことはございません。短観などの景気指標をも含めまして、その時々の景気、物価情勢や金融動向を丹念に点検して総合的に判断しておる次第でございます。 そういう観点で今回の短観を見ますと、業況判断が二期連続で改善したとはいえ、先ほど先生御指摘のとおり、生産設備あるいは雇用に関する過剰感はほとんど変化がなくて、設備投資計画も確かに前年度比でマイナス一一%となっているわけですけれども、引き続き抑制的なものだというふうに判断せざるを得ないわけでございます。 このように、今回の短観の調査結果は、全体として見ますと、足元の景気は下げどまっているけれども回復へのはっきりとした動きは見られないという私どもの景気判断をおおむね裏づけしてくれたものだというふうに考えております。こうした景気情勢のもとで、日本銀行は、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になりますまで現在の思い切った金融緩和基調を維持していきたいというふうに考えております。 本日、たまたま政策委員会の金融政策決定会合を開催いたしておるわけでございますが、以上のような短観の結果も踏まえまして十分に討議をいたしまして政策運営に誤りなきを期してまいりたいというふうに考えております。
○岡利定君 日銀総裁、お忙しいでしょうから御退席いただいて結構でございます。 追加の景気対策について、大蔵大臣にお伺いさせていただきます。 経済企画庁長官は現在の景気について、先ほども申しましたけれども、別なところで、六月の午前三時半から四時ぐらいのところだ、薄明かりは感じられるけれども夜が明けたら企業のリストラが進んでいなくて雨かもしれない、こういうような状況認識を示されております。 夜が明けたらやっぱり雨でしたでは、これは到底済まない話でございます。近く産業競争力の強化対策を具体化するための法案がただいま通産大臣からお話ありましたように出されるとお聞きしておりますけれども、それとは別に、財政による景気対策を前広に検討すべきではないか。企画庁長官は来年の一月から三月ごろ公共事業が息切れするんじゃないかという見解も示されておりますけれども、国の予算手当てから地方公共団体の発注に至るまでには約半年ぐらいかかるというように伺っております。 従来の公共事業は、景気対策のため発注、執行を急ぐ余り投資効率を無視しがちであり、また生産性の悪いゼネコン体質を温存することになり構造改革の足を引っ張るというような批判も見受けられますけれども、日本の経済や雇用を支えてきたことは間違いのない事実でございます。 当面は、当初予算に計上された公共事業等予備費五千億円、これを活用するにしましても、秋以降に景気対策のための第二次補正予算が必要になるんじゃないかと思うわけでございます。 十四日の衆議院の予算委員会におきまして、大蔵大臣はこの点に関しまして、四—六月の経済成長率の速報値が出る九月の時点で最終判断をするという意向を示されておるようでございますけれども、どのような経済情勢になれば追加補正を考えるかといったようなことについて、公共投資の補正計上の条件といいましょうか、それについて大蔵大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから御質問の基本になるお考えを拝聴しておりまして、私も大体同感でございます。 つまり、昨年から広い意味での官需を随分やってまいりましたが、結局、民間消費と設備投資に結びつきませんと本当の経済回復になっていかないわけでございます。その中で、国民消費が、先ほど企画庁長官が言われましたように、一—三にはちょっといい数字が出ている。それが何なのか、実は四—六がどうなるかということを知りたいものですから、何なのかという分析を、企画庁でもしておられるわけですけれども、消費性向が少し上がったということはあるかもしれません。しかし、季節調整の影響もあるかもしれないと思いますので、その後の家計調査は、さっき企画庁長官が言われましたように五月なんかはなかなかいい数字が出ているのでございますが、それが最終的にどういうものになるかということの予測ができないという問題が一つでございます。 それから、設備投資の方は、製造業も非製造業も、大も中も、機械受注なんかはおっしゃるとおりだと思うんですね、先行指標でございますから、どうも余りいい様子は見えないように思います。 それは、今御審議中の予算あるいはこれから御審議願います法律で、やはり企業が遊休施設を抱えております限りはなかなか新しい設備投資には至らない。これは製造業でも非製造業でも同じじゃないかと思いますから、設備投資の方は私は今この段階では余り当てにするわけにいかないだろう。これは四—六にいい数字が出なくても私はそんなに不思議なことはないなということを思っておるわけでございます。 それからもう一つ、そういうことと別に、一—三月のたるみということでございますが、支払いベースで見ます限り、今年度の公共投資の支払いベースは昨年より一兆二、三千億円上でございます。下半期にもう七千億円ぐらいは上でございますから支払いベースに関する限り心配はございませんが、工事ベースになりますと、いろいろ地方のこともございますし、一—三は少し今から様子を注意深く考えておく方がいいかな、そういうことをおっしゃいました。そういう部分は確かにあると思うのでございます。 したがいまして、結論としまして、公共事業予備費五千億円も使わずにおりますしいたしますから、四—六がどういうふうに出ていくのか、その度合いによりまして対応がいろいろに変わってくるのであろうか、しかしいずれの場合にしても一—三のことは頭に置いておいた方がいいなということは私も思っております。経済でございますからなかなか読みにくいところがございますので、固定観念を持たずに柔軟に対処するような気持ちで、最終的には総理の御裁断を得たい、こう考えております。
○岡利定君 ありがとうございました。 次は、雇用問題に移らせていただきますが、雇用問題についての基本的なお考えについては先ほどの今泉委員に対する総理のお答えの中でお聞かせいただきましたので、今回の緊急対策の関係でちょっとお教えいただきたいと思います。 今回の緊急対策では国、地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出ということが行われるとされておりますけれども、補正予算では地方への緊急地域雇用特別交付金は二千億円、これに対して国の行う事業は八十八億円にすぎず少な過ぎるんじゃないか、また雇用創出三十万人強についてでございますけれども、地方に責任を押しつけるものになるんじゃないかと心配する声があります。 国が責任を持って取り組むというように理解しておいてよろしいか、総理のお考えをお聞きいたします。
○国務大臣(甘利明君) 今回の雇用創出のための交付金は、地方の主体性に沿っていろいろアイデアを競っていただきたい、国の方は余り細かく細目にわたっては注文をつけません、地方の主体性、地方分権に沿って地方なりの考え方で雇用に資するような策を講じていただきたいと。大枠でありますから、臨時、一時的なもの、それから雇用創出効果がある、民間委託を基本とすると。これは失対事業の反省点がありますから余りずるずるいかないように、ちゃんと線が引けるようにというような幾つかの大枠を切りまして、あとは、例えばこんなものがありますよという例は示しますけれども、必ずしもそれによって地方を拘束するものではないということであります。 むしろ、地方から余り細かく決めてくれるなという御意見もいただいているようでありますから、地方のアイデア、考え方に沿ってやらせていただきたいと思っております。
○岡利定君 地方の知恵を使ってということでありますが、この間の新聞では、地方を悩ます使い方などというのが出ておりまして、みずからいろいろ考えさせてくれというところと、どうしたらいいのかなということで困っておるというような記事もございます。今、労働大臣もおっしゃいましたが、そういう点、国としても地方への押しつけになるということのないようによろしくお願い申し上げたいと思います。 今回の交付金によって雇用対策の一環として地方公共団体が直接雇用することは、地方公務員の数をふやすということになりまして、地方行革の推進に問題が出るんじゃないかというようにも思いますが、自治大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) 雇用対策は現下の最重要の政策課題でありまして、そういう点で雇用あるいは就業機会の創出ということについて、国あるいは地方公共団体がそれぞれの役割を踏まえながら努力していかなければならないということは当然のことだと思います。 一方で、今御指摘ございましたように、地方におきましても常に簡素で効率的な仕組みをつくるために努力いたしておりまして、そういう意味で地方行革の徹底ということにつきましては、累次にわたって自治省からも各地方公共団体に要請をいたしておる状況下にございます。 そういう中で、今回、雇用対策に協力する場合、真に必要な事業を民間企業なりNPOなり、こういったところに外部委託をしてもらうというようなことが原則であるというふうに考えておりまして、不要不急な事業を直接みずから実施してみたり、むやみな直接雇用を行うということは避けてもらわなければいけない、これはもう御指摘のとおりでございます。 そういう点を含めて、今関係省庁と具体的にどういうようなケースがあるか、いろんな例示をお示しするような努力をいたしておりますが、なお一層地方自治体においても、地域の雇用の問題は決して国政上の課題だけでなくてみずからの地域の課題でもあるものですから、そういう点でそれぞれ今知恵を絞っていただいておる段階であると認識いたしております。 くれぐれも今御指摘になりましたような直接雇用によってそれがまた後々に尾を引くような形があってはならぬということを戒めながら、対処してまいりたいと考えております。
○岡利定君 国、地方一体になって取り組んでいただきたいと思います。 直面する雇用問題を解決する上で円滑な労働移動が何としても必要になってくるわけでございますが、これに関連して中途採用者の処遇の問題というのが出てまいります。 中途採用者は、賃金、退職金等の処遇の面で不利になりがちであります。年金問題は、自民党で確定拠出型年金の制度創出を真剣に検討しているところでございますが、雇用の流動化を促進するために、賃金などの処遇面で中途採用者に不利にならないような仕組みを構築し、企業へ要請、指導していくことが重要だと思いますけれども、労働大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 今までの仕組みというのは日本の採用、雇用形態と密接な関連があると思います。つまり、一括して春にどんと採用して、終身雇用で一つの企業でしっかりとコンクリートして長期的戦略にのっとって職業訓練なりをしていくということであります。これは、基本的にそこにずっといるということを前提に基本設計がされていますから、移動するということについては当然不利に働くわけであります。 しかし、これからは成熟産業から新しい事業分野、新規産業を育てていかなければなりませんから、そこへは経営資源を適宜適切に投入する、つまり資本と労働力を投入していかなければならない、だからそこに労働移動政策が出てくるわけであります。成熟産業と新規産業との労働力と資本のやりとりといいますか、融通のし合いということが必要になってくるわけでありますから、そうした場合に年金を初めとする周辺の施策が不利に働かないように、移動にとっても中立に働くように環境整備をしていかなければならないということで、今各方面でいろいろ審議をしていただいているところであります。
○岡利定君 今、労働大臣のお話にも出ましたけれども、確定拠出型年金でございます。 現行の年金、確定給付型企業年金の場合には三年以上勤務しなければ年金がもらえないという問題がございます。そこで、雇用の流動化に対応して雇用流動性が確保されておりますアメリカの内国歳入法四〇一Kをモデルとしました日本版の確定拠出型年金の導入が必要であるというような観点から、政府部内でも検討が進められておると聞いております。 その検討内容と方向性、さらに今後のスケジュールについて、関係各省いろいろあるようでありますが、厚生大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) まず一般的に、二十一世紀の高齢化社会を控えまして、老後の生活への備えをするということは極めて重要なことでございます。このため私どもは、公的年金というものをきちっとした見通しのあるものにしたいというのが第一で、これを基本としつつも、今御指摘のように自助努力によって老後の所得の確保の仕組みを整備することも、これもまた極めて重要なことであると考えております。 今御指摘のように、日本では確定給付型、給付を確定するということでございますが、アメリカの四〇一Kのように給付、拠出を確定して後は運用によってその帰属を決めていくという確定拠出型年金というものは、戦略会議でも御提言がございますが、これは採用すべきものだと私は考えております。 そして、委員から労働力の流動化、中途採用の問題に絡めましてこの問題の御指摘が今ありましたが、確かにこの制度はメリット、デメリットはございますけれども、流動性という問題では、個人が雇用を離れて次の企業に雇用を移すような場合に、その企業年金を持ち越すことも容易に可能でございます。つまり、ポータビリティーがあるということです。 そういうことからいたしまして、私どもは確定拠出年金をぜひ採用したいと思って、今関係省庁の間で、つまり大蔵省、それから厚生、労働、通産省、この四省で協議をしておりまして、概算要求までにはあらあらの骨格を固めた上で概算要求をしたいと。 そして、一番肝心な点は、この拠出、運用、それから給付の段階における税法上の扱いをどうするかということがかなりかぎになりますので、これは税制改正を暮れに控えておりますから、それを経て十二年度中に法案を提出し実現をしたい、このように考えております。
○岡利定君 午前の部の最後になると思いますけれども、少子化の関係についてちょっとお伺いいたします。 少子化問題というのは我が国にとって大変深刻かつ解決の難しい問題でございますけれども、総理府の少子化に関する世論調査におきましても七二・一%の人々が関心を持っておるということで、大きな課題だと受けとめられております。この少子化の対応についていろいろと質問を用意いたしたわけでありますが、時間の関係もございますので、一点だけ厚生大臣にお伺いいたしたいのです。 いろんな対策というのが言われております。例えば、子育てを支援する税制を何とかしろとか、公的融資制度の拡大だとか、あるいはまた大学の授業料が大変な負担になっているからこれを軽減してほしいとか、義務教育の前の段階であります保育園、幼稚園の就学前の公的な負担ももう少しふやしてほしいといったようなことなんかの要望がいろいろと出ておるわけでございますけれども、これらを敷衍していきますと、間違いなく到来する少子化社会にあっては、社会あるいは国が子供育ての主役になるということじゃないかと思うわけであります。 育児は親との関係というよりはむしろ社会性を帯びてくるということでありまして、この社会全体による子育てというものについて、厚生大臣の御感想なり御意見はいかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 少子化問題につきましては、小渕内閣として、これは高齢化社会への対応とともに、あるいはそれ以上の重要性を感じておりまして、総理からの御指示もございまして、少子化に対する有識者会議で各種の提言をいただいております。また、それに基づきまして閣僚会議も設置いたしまして、この方針をきちっと定めて総合的な対策を講じようということでございます。なお同時に、これも国民的な広がりで理解を求めていくということが必要でございますので、国民会議というのを過般総理御出席のもとに立ち上げさせていただきました。 そんなことでございますが、特に少子化対策といいますと、従来厚生省の保育所がすぐ考えられるわけでありますけれども、もっともっと広範な領域での、職場における、あるいは企業風土、男女共同参画型社会のもとにおける女性のあり方の問題、育児の問題、仕事と育児の両立の関係等々、雇用環境の問題にも影響いたしますし、それから家庭や地域の環境づくりも非常に重要なことでございます。 また、利用者の多様な需要に応じました保育サービスは、これは当然なことで、今回二千億の特別緊急対策事業をお願いしているのもこの趣旨によるものでございます。 なお、教育の問題とかあるいは住宅その他の生活環境の問題、非常に広範な領域を含んでおりますので、年末までに方針を取りまとめて対応を期していきたいと思っておりますが、今、委員のお尋ねの趣旨は、社会的責任で子育てを考えるべきであるというのはまことにそのとおりでございます。子供を育てるのは親の任務であり愛情の表現であると思いますが、同時に、こういう社会の変化に即応して、子育てが本当に働きながらでもできるという状況をつくり出すことは極めて重要なことで、今特殊出生率がもう最低の一・三八人ということになっておりますので、ぜひともこの対策を重視して強化してまいりたい、このように考えております。
○岡利定君 午前の部はこの辺で終わらせていただきます。午後は同僚の林委員からまた続けさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(竹山裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十一年度補正予算二案を一括して議題とし、質疑を行います。 関連質疑を許します。林芳正君。
○林芳正君 自民党の林芳正でございます。午前中の岡先生の質疑に関連いたしまして質疑を行ってまいりたいと思います。 岡先生の方から全般的なマクロ経済、また少子化対策につきまして質疑がございましたので、私はもう少し各論に入りまして、先般、自民党の方の行革本部でまとめさせていただきまして政府で御決定いただきました規制緩和計画、また産業再生に絡みまして新規産業の育成、こういうことに絞ってお聞きをしてまいりたいと思っております。 その前に、午前中の同僚の平田先生の御質問の中で、先日の衆議院の方の委員会の石井委員と野中官房長官のやりとりの中でのことに関しまして、私もちょっとぼんやり聞いておったものですから誤った印象を持ったかもしれませんが、閣僚等の立場にあられる方は、今審議中の通信傍受法案が通りますと何でもできるような印象を与えかねないようなやりとりがございましたので、ここで改めまして法務大臣と国家公安委員長からこの件につきましての御見解をいただいたらと思います。
○国務大臣(陣内孝雄君) ただいま通信傍受法案についてのお尋ねがございました。 結論から言いますと、閣僚が傍受内容を知るということはできないということでございますが、少し詳しく説明させていただきます。 通信傍受法案に定める通信傍受というのは、具体的な犯罪行為が既に行われたことを前提にしております。その捜査として行うわけでございます。決して、いわゆる情報収集という手段として行うものではないということを一つ確認させていただきます。 また、傍受の対象となる犯罪は、薬物関連犯罪、銃器関連犯罪、集団密航の罪、組織的な殺人の罪、この四種類の犯罪に限定されており、しかも犯罪にかかわる電話番号を令状で特定いたすわけでございます。この電話がその犯罪に使われるということをきちっと電話を特定いたします。また、傍受する場所も特定しますし、そこには第三者の立ち会いも必要とするというようなことで、電話における犯罪の実行に関連する通話等のみが傍受の対象となります。ですから、犯罪と関係のない一般市民の通話が広く傍受されることはありません。 また、傍受の要件につきましても、既に一定の犯罪が行われたことについて十分な嫌疑がある場合に、他の方法によってはこれらの犯罪を解明することが著しく困難である、こういうときに限りまして裁判官が慎重に審査した上で傍受の令状請求について発付をするということになるわけでございまして、そういう令状に基づいて検察官または司法警察員が傍受を行うことができるものとされるわけでございます。その手続は外国に例のない極めて厳格なものでございます。 このような制度のもとにおきましては、捜査機関以外の者が通信傍受を行うことはできません。また、捜査機関に指示して自由にこれを行わせることも、その結果を入手することも断じてあり得ないということでございます。 したがいまして、冒頭申し上げましたように、この法律で通信が傍受、閣僚が聞けるのではないかというようなことにつきましては、この捜査官が閣僚に傍受内容を漏らすようなことは厳格に禁じられておりますので、閣僚が傍受内容を知るということはできないということでございます。
○国務大臣(野田毅君) 今、具体的な厳格な要件の内容について法務大臣から御説明がありました。重複は避けたいと思います。 そこで、若干つけ加えさせていただきますと、裁判官に令状を請求いたしますときに、警察としては、県警本部長までの決裁を経た上で請求をするという、極めてその責任体制においても厳格な体制の中で請求を行うということをいたすことにいたしております。 そういう意味で、今お話がありましたとおり、何か閣僚であればだれでも自由に通信傍受ができるかのごとき、それをまた容認するかのごとき法案のようなイメージで語られるということは極めてこれは間違いでありまして、相手構わず自由に傍受できるものではありませんし、官房長官といえどもできるような代物でもないし、今までもやったことはないし、これからもあり得ないということは申し上げておきたいと思います。 ちなみに、先般私は、ニューヨーク市の警察の本部長と会談をしました際、通信傍受は閉鎖的で秘密裏に謀議を行うようなそういう組織犯罪の解明には不可欠である、これがまたニューヨーク市において犯罪が半減したということの大きな背景にあるということを力説されておられたことに強い印象を受けたところでございます。 また、さきに東京で開催されましたマネーロンダリング対策を推進するための金融活動作業部会、FATFですが、この全体会合におきまして、多くの国から、我が国の通信傍受法案を含む組織的犯罪対策三法案が強く支持されて、同部会の総意としてその早期成立について大きな期待が寄せられたと承知をいたしております。 したがいまして、組織的犯罪の問題は我が国の治安にとっても重大な脅威となっておりますので、一日も早い法案の成立を期待いたしております。
○林芳正君 両大臣、突然の御質問にもかかわらず明確な御答弁ありがとうございました。 それでは、本題に戻りまして、規制緩和でございますが、まずは総論で総理にお伺いしたいと思うんです。 いろんな規制緩和を進めていく中で、今経企庁だと思いますが、この効果を一応GDPの換算ということでやっておられますが、私は今後は、数字で、GDPで上がってくる以外にも、例えば、いろんな個人がその創意工夫を生かしてできるようになるということ、また多くの方々が事業主に、幾らちっちゃくても自分が社長になっていろんなことをやっていけるようになるといったようなこのフレームワークの魅力、こういったもの、それからもう一つは、よく言われていることでございますが、やはり消費者の皆さんに対して大変な利便がある、私も持っておりますがこういう携帯電話なんかは、五年前に比べますともう本当に隔世の感があるわけでございまして、タイムリーな連絡が可能になって、個々人のライフスタイルの中で時間のむだもなくなってきている、こういうようなところもどんどんとセールスをしていかなければいけない、こういうふうに思うわけでございますが、総理にお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のとおり、規制緩和によるメリット、効果を積極的にかつわかりやすく国民にお示しすることは、規制緩和を推進していく上で極めて重要であると考えております。 経済企画庁におきまして、規制緩和の効果につきまして数量的な分析を行い公表しているほか、総務庁におきましても、規制緩和白書を毎年作成し、規制緩和の効果を、多様で豊かな国民生活の実現、経済の活性化、国際整合化などの実現、国民負担の軽減の四つの観点に分類し、この分類に沿って個別の規制緩和の取り組みによる効果を具体的にお示ししているところでございます。 今後、政府といたしましても、有効かつ適切な周知に努めてまいりたいと答弁申し上げましたが、実は規制緩和白書とかこういうものをたくさん白書の形で出しましても、国民の皆さんはすぐ白書を読んでくれるわけじゃないんです。そこで、実際は、その需要効果、利用者のメリット効果、コストダウン効果というのを具体的にわかりやすくしなきゃならない。わかりやすく説明するのが一番上手なのは堺屋長官でございまして、後ほどしていただきたいと思いますけれども、一番おわかりになるのは今お示しいただいた携帯電話。これはもう時勢といいますか、使ってみて便利だというので、もうこれは説明なしに需要者がこれを利用しているんですね。しかし同時に、説明して、もっと便利になりました、規制緩和によってこれができましたということをもっともっとPRすれば、この効果というものは格段にふえるんだろうと思います。 という意味で、御指摘をいただきましたので工夫させていただきますと同時に、アカウンタビリティー、よく説明することを我々も率先してやらなきゃならぬかと思いますけれども、この点は経企庁長官が一番よくおわかりになっておりますので、ちょっと国民の皆さんにも、どういう効果がありというような説明をしましたが、どのくらいの数字が出ておるかということをちょっとお知らせ申し上げさせていただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁では規制緩和の効果を、需要効果、利用者メリット効果、コストダウン効果等々に分けまして出しておりますが、需要効果としては年平均八・二兆円とか、利用者メリット効果は六兆六千億円とか、そういう数字を出しております。 これは、それぞれの経済がもし規制緩和をしていなかったらという前提で出しておりますけれども、そのほかに生活の利便性、それから自由な振る舞い、今、委員から携帯電話の例がございましたけれども、同じようなことは、例えば三階建ての木造が許されたこととか、あるいは発電の売電が許されていろんなところで企業が発電をし出したというようなこともございます。さらに大きいことは、やはりそういうものを利用して事業ができるし生活ができるし、考え方が広がってくるということが重要だと思います。 それで、この前、経済審議会で答申していただきました二〇一〇年のあるべき姿の中でも、これからは正義というものの中に効率と平等と安全に続いて自由というものが入ってくるだろうと。自由に暮らせる、自由に選べる、そのことによって、コストが下がるだけではなしに、国民生活が豊かになる、そのことがまた高齢化社会にも女性の社会的進出にも非常に効果が出るだろう、皆さんに自由に考える習慣をつけていただくのがいいのではないかということを述べております。
○林芳正君 大変わかりやすい御説明をいただきまして、ありがとうございました。総理の御答弁も大変わかりやすく聞かせていただきました。 そこで、少し各論に入らせていただきたいと思うんです。 今回まとめさせていただきました中には、少子化対策という意味も込めまして保育の分野を重点的に取り上げさせていただいております。まず厚生大臣に、今合計特殊出生率が落ちてきたという話でございますが、これは結婚が晩婚化しているということと、それから結婚しているカップルの子供の数が余りふえないということがございますが、結婚しているカップルの子供の数がふえないということの理由を厚生省でどのようにとらえておられるか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 我が国におきまして少子化の問題が非常に大きな問題になっておりますが、この進行の主たる原因は、今御指摘の晩婚化の進行、そしてまた、それと関連がございますが、未婚率の上昇ということがございます。そして、その背景といたしましては、今までの固定的な男女の役割分業、あるいは雇用慣行のもとでの結婚や育児に対する負担感が極めて高いということ、それから結婚観とか価値観の変化などが指摘されております。 一方、夫婦の子供数の状況について見ますと、夫婦の平均出生数は、出生率が低下いたしました四十年代後半以降、平均二・二人くらいで推移してきておりますが、しかし、ごく最近の状況を調べますと、なお結婚年別の累積の出生児数の推移は下がる傾向にございますから、今まではちょっと安定的に二・二人くらいで推移してまいりましたが、安心できない状況だと私どもは思っております。 そして、子供を持っていない夫婦に対する調査につきましては、平成九年の国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、子供を持たない若い女性は子供を持つに当たってどういう感じを持っているかと申しますと、子育てに理解のある職場環境の整備が必要であるとか、保育所の充実であるとか、こういった点の御指摘と、それから仕事と育児の両立に対する支援を特に望んでいるということが報告されております。 したがって、職場や地域における子育てへの支援が極めて重要なことではないかと思っておりますが、今後、家庭や子育てに夢を持てるような環境を整備することが社会全体として重要な課題であると認識しておりまして、小渕内閣におきましても、少子化対策を最大の課題であるとして、閣僚会議を設置し、国民会議も立ち上げ、そしてその対策の取りまとめに取り組まさせていただいているところでございます。
○林芳正君 今、大臣から御答弁いただきましたように、少子化対策というのは、多分、うちに入って子供を育てるか、結婚しないでキャリアを追求するか、この二者択一ではなくて、両方できるという環境を整備することが大変大切だろうと思うわけでございます。 そういう意味で、今、大臣からも御指摘がありました働く意欲のある皆さんがもっと働けるように、待機児童、都会ではたくさんいると言われていますが、延長保育や育児に知識、経験を有する女性たちのポテンシャルを生かすべく、保育園との連携のもとでホーム保育、これは今までいわゆる保育ママとも言われておりましたが、厚生省のポスターにも最近は男性も育児をしろということでございますから、改めてホーム保育と私は呼ばせていただきたいと思うんですが、これに対する支援を決定していただいたと思ってございますが、これはどのぐらいの規模でどういうスケジュールで実施に移されていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 御指摘のホーム保育は、林委員が党におきまして少子化問題の取りまとめに当たられた際に非常に中心になって取り運びをされたということで、その視点につきまして敬意を表するところでございます。 ホーム保育というのは、保育者の自宅におきまして家庭的な雰囲気の中で低年齢児を預かる形態の保育サービスであるというふうに解しておりますが、今までこれは補助対象等ではやっておりません。市町村の単独事業等でやっておりましたが、この制度を今回の補正予算において措置することにいたしました。 この制度は、家庭的な雰囲気の中で主として低年齢児の保育を行うといった、施設での保育サービスにない特色を持っているという点が最大の特色でございます。そしてまた、施設整備を特に必要としないということから、保育所の入所待機児童の緊急かつ一時的な受け皿としては極めて適切なものではないかと考えております。 ただいま申しましたように、このホーム保育の育成事業も今回の二千億の中でメニューとして御提示願えれば、これを交付金の対象にしていきたいというように考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 国が今回初めて支援事業として認めるということで、画期的なことではないかというふうに思っております。 もう一つ保育所の関係で、今、原則認可保育所の保育時間が八時間というふうになっておるものですから、どうしても預けてから職場へ行かれて、そして職場を退出されてからまた引き取りに行く、全部で八時間でございますので、実際に働ける時間というのはこれより短くなってしまうわけでございます。今回、保育所における保育時間の弾力化や保育時間の延長を図っていただけるという方向になっておると伺っておりますが、こういうことによってもう少し普通の職務形態にどんどん女性の方が出ていっていただけるということになると思うわけでございますが、この面の規制緩和について、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 保育所につきましては、基本的には今、委員のおっしゃられたように八時間等でございますが、十一時間まで開所できるように予算措置としては行っておるところでございます。そして、十一時間を超える場合には延長保育の促進事業ということで、需要に応じまして一時間単位、二時間単位あるいは四時間、六時間の延長が可能なような状況にいたしておるところでございます。開所時間につきましても、それぞれのお勤めの関係等もございますでしょう、そういったことを考慮いたしまして、平成十年度からは利用者の需要を踏まえまして各保育所が自由に開設できるというようにしたところでございます。 また、延長保育促進事業につきましては、今までは市町村の委託事業という形をとっておりましたが、今度保育所が主体的に行える自主事業にするということで見直しを行います。利用児童数が五人以下の場合でも補助対象とするなど、実施要件の見直しに努めたところでございまして、今後ともこの実情に応じた対応ができるようにしていきたい、こう思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 今、保育の規制緩和をお伺いしたわけでございますが、なかなかどうしても赤ちゃんの場合は保育所にも預けられない、自分のうちで子供を見ながら仕事をするというようなライフスタイルということも言われております。いわゆるSOHO、スモールオフィス・ホームオフィスというふうなことを言っておりますけれども、いわゆる在宅での仕事を支援するためには、今度は郵政大臣にお伺いしたいんですが、今インターネットの接続料金、かけっ放しにしておきますとどんどん電話料金が上がりますから、例えば月幾らだと定額にしていただければ、どんどんとこういうライフスタイルも促進できるんではないか、また、先ほど午前中のやりとりでもあったように、インターネットの接続がますますふえるのではないかと思っております。 このことについて、今どの辺まで進んでおるか、郵政大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 最近、政府の中でさまざまな会議が行われておりまして、そこで近未来、または中長期的な日本の姿、経済の再生に向けてどう取り組むべきかという話が出てくるわけですが、必ず登場してくるのが情報通信産業をやはり伸ばしていくことなんだと。例えば、今インターネットの話がありましたけれども、恐らく二十一世紀は、日本はもちろんのことですけれども、世界においてインターネットという新しい通信手段が経済の面においても、または文化、さらには教育の面においても主流になってくるだろうと。現在、それに向けて世界各国、欧米はもちろん、アジア諸国も国を挙げて取り組んでいて、日本は遅いじゃないかと、そういう御指摘があったところでございます。 現在、日本の場合、インターネットユーザー、接続したことがあるというふうに言われているのは十人に一人、または千七百万人と言われているわけで、先般の「あるべき姿」の中に、十年後の日本ではインターネット接続が今の千七百万人から四千五百万人ぐらいになっているだろう、そういうもとで新しいビジネス、新しい教育、新しい社会福祉とか、さらには公共のさまざまな手続ができてくるだろうということが予想されています。 ただし、そこまでに至るに、今の阻害要因というのを排除していかなきゃいけない。大きく分けて三つ挙げられると思うんです。一つが今の通信料金の問題。二つ目が容量の問題。まだまだ遅いとか、なかなか大容量のものが送れないとか。そして三番目には安全性。これは二つあって、本当に信用できるかどうかというのと、また子供たちに見せられるかどうかとか、そんなような安全性も含まれると思います。こういうものをやはり早急にクリアすることが大切で、特に一番今問題になっているのがこの料金であります。 現実問題、やはり高ければ家庭においても事業所においても取り入れることができない。その改善の一つとして、今、先生御指摘があった定額制という料金体系の導入なんですが、去年あたりから郵政省も積極的にその定額制、今までの電話の料金体系じゃなくて、インターネットという基本的につなぎっ放しの通信の道具に対する新しい料金体系をつくっていかなきゃいけないということを各事業者の方にお願いしてきたところでございます。 そういういろいろな議論があった結果、七月十三日の政府の産業構造転換・雇用対策本部においても、やはり国としても今年度中の実施を目途に定額制の導入を促進するということをお答えとしていただいたところです。 現在の定額制はどうなっているかということなんですが、一部のCATV事業者がインターネット接続の事業を開始されていて、そこでは定額制が導入されているけれども、これはもう大変小さな小さなエリアになっているわけであります。そういうことで、NTTの方に郵政省からも要請しまして、NTTでも最近、定額制の導入について積極的に取り組むというふうな御発言があったところで、とりあえずISDN回線を利用した定額料金制の導入について検討していただいているところでございます。 郵政省としては、インターネットの単なるファンをふやすだけではなく、今おっしゃったような、インターネットが広がることによって、例えば通勤できない女性がインターネットの接続によって在宅で仕事ができるという可能性を生むという大きな道具であるわけですから、そういうことも含めて、家庭内で使いやすいリーズナブルな通信料金というものを、やはり事業者の方にこれからも積極的にお願いしていきたい、そういうスタンスでいるところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 定額制と先ほどのホーム保育をつなげますと、女性がうちにいたままで五人ぐらいでインターネットで働きながらお互いに子供を預け合い、助け合いながらというイメージも浮かんでくるわけでございます。 そこで、少しほかの各論でございますが、建設大臣にちょっとお伺いしたいのでございます。 今度ITS、高度道路交通システムということをおやりになる。渋滞情報とか料金所の自動化、いろんなことを計画されておられるようでございますが、これをぜひ民活に生かしていただきたいというふうに思うわけでございます。いろんな混雑する情報を民間に出すということで、今、車にはナビがつくようになりましたけれども、ここに、どこの道を通ったら今込んでおります、だからこっちの道を行きましょうというのも新しい技術でできるようになっておりまして、かなりこの分野は伸びるのではないかと私も思っておるところでございます。この規制緩和、民間がこういう情報を利用したり利用するときの料金等の手続の規制緩和につきまして、建設大臣にお伺いします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 現在、建設省では警察庁と協力をいたしまして、日本道路交通情報センターを通じまして道路交通情報の提供というのを推進しておるわけでございまして、民間からのこの利用開放の要望に対しても積極的に今対処をしているところでございます。 ただ、正直に申し上げまして、この料金が大変高いのが一つの悩みどころであるわけでございますが、これはまた今後いろいろな方策というものを講じて、いわゆるモデレートな値段になるように努力をしていきたいと思っております。 また、ITSなどは、これは本当に高速道路で一番ネックになっておりますのが料金収受のときでございまして、それまでは順調に高速で走れても、料金を払うところでもう四十分、五十分待たなければならないというケースがあるわけでございまして、これは一部でことしの末からも試験的に始めていこうとしておるところでございます。
○林芳正君 あれこれお伺いしますが、今回の規制緩和にはこれ以外にも廃棄物対策、いわゆるリサイクル等についてもいろんなことを盛り込んであるようでございます。警察の方で廃棄物の取り締まりをきちっとやっていただくということが、いわゆる不法投棄の問題がいろいろ言われておりますが、きちっと取り締まっていただければ、一定のコストがかかるというきちっとしたルールができまして、新規の方がきちっとした投資を行って参入できるということになっていくと思うのでございます。 産業廃棄物に関しましては、警察庁が環境犯罪対策推進計画というのを四月からやられているそうでございます。いわゆるエコポリスみたいな話じゃないかと思うのでございますが、これについて今後どういうふうにやっていかれるのか、国家公安委員長にお伺いします。
○国務大臣(野田毅君) 警察では、環境保全が極めて重要な課題であって、環境保全を求める国民の声が強まっておりますということから、御指摘のとおり、本年四月、産業廃棄物の不法投棄事犯などを環境犯罪としてとらえて、その取り締まりなどの対策を強力に推進するというようなことを内容といたします環境犯罪対策推進計画というのを策定いたしまして、各都道府県警察に対しその取り組み強化を指示したわけでございます。 計画策定後の四月、五月、この二カ月間の推進状況を見ますと、国民から全国の警察に多数の情報が寄せられまして、その情報などに基づきまして産業廃棄物事犯を九十件検挙いたしております。これは前年の同時期に比べて約四五%の増加となっております。 これからも、国民の要望を踏まえて、関係機関との十分な連携をとりながら、排出者責任の追及も視野に入れた広域捜査を推進するなどいたしまして、悪質な環境破壊を伴う産業廃棄物事犯の取り締まり等の対策を徹底するよう督励してまいる所存であります。
○林芳正君 ありがとうございました。 今、排出者責任というお言葉はまさにそのとおりでございまして、きちっと取り締まっていただけるということが新規の雇用にもつながっていくものだ、こういうふうに思っております。 そして、捨てる神あれば拾う神ありという言葉がございますが、ごみを捨てるだけじゃなくて、これをリサイクルで再生して使っていこうということも今からはどんどん考えていかなければならないと思います。 そこで、廃棄物処理法に基づきまして再生利用認定制度というのを厚生省の方でやっておられるようでございますが、これに廃プラスチック、ペットボトルとかああいうプラスチックのごみを、例えば鉄の高炉に入れたりとか、いろんな研究が進んでおるようでございまして、この認定制度の中に今回この廃プラスチックを入れていただける方向に検討していただけるということになったように伺っておりますが、この件につきまして、厚生大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 平成九年度の廃棄物処理法の改正におきまして、今御指摘のように、一般廃棄物のリサイクルについて、厚生大臣の認定を受けた場合には、廃棄物の処理業とか廃棄物の処理施設の設置の許可を要しないでリサイクルができる再生利用認定制度というのを設けました。それでリサイクル社会の実現の推進を図ろうとしているところでございます。 厚生省では、従来の例としては、廃棄物の性状あるいは再生利用の内容等につきまして審査し、これまで自動車用の廃ゴムタイヤに含まれる鉄、これは主としてスパイクタイヤでございますが、それのセメント原料へのリサイクル、これが第一、それから掘削工事等に伴って生ずる汚泥の高規格堤防築造へのリサイクルというもの、二つを今まで認定してございます。 今御指摘のように、この再生利用認定制度につきましては、規制緩和計画の中で、速やかに廃プラスチックについて対象とするか否かを検討して結論を出すということにされておりますので、私どもといたしましては、廃プラスチックを今御指摘のように製鉄などの際のコークスにかわる還元剤として利用する場合におきまして認定制度の対象とした場合に、リサイクルの促進の程度あるいはリサイクル利用の確実性などの観点から検討を進めておるところでございまして、おおむね九月くらいをめどにこの実現を図るべく結論を得たい、こう思っておるところでございます。
○林芳正君 早期の導入をお願いしておきたいと思います。 各論にわたって少し細かいことをお聞きしましたが、規制緩和をこの七月十三日に今の全部が入ったものを決めていただきました。いろんなことができるようになるわけでございますが、一方で、今度は産業再生の新しい法案を通産省の方で用意されておる。いろんな規制緩和をして自由にした上で、今度はそれを使っていろんな方が新しい会社といいますか企業をまさにつくっていっていただかなければならないわけでございます。これは今までもいろんな国がいろんな政策をしてトライしてきたところでございまして、我が国もやっていかなければいけないという認識でございます。 我が党は、六月八日に、バイオ、電子・情報、環境、この三つの分野で国家産業技術戦略というものをつくっていこうということを決定したわけでございます。 特にバイオにつきましては、人材や技術水準、産業規模等、非常に欧米といいますか、特にアメリカと比較して我が国のおくれが目立っておるという指摘をよく受けるわけでございますが、我が国のこういったレベルを、特にアメリカと比較いたしまして現状をどういうふうに評価されておられるか、まず通産大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生がお話しのとおり、我が国バイオ分野の現状を米国と比較いたしますと、まずバイオ分野の研究者層が薄いということに気がつきます。第二は、DNA解析データ量の大幅な格差が示すとおり、バイオ産業を支える研究基盤が整備されていないということもございます。第三は、バイオ産業の重要な担い手であるベンチャー企業の活動状況が大変低調でありまして、全般を見ますと圧倒的におくれている、こういうふうに我々考えております。こうした現状にございまして、大変憂慮をしております。 これからの数年間が将来の産業発展のための基盤整備を図る上で極めて重要な時期に差しかかっているとの認識のもと、実は関係五閣僚の申し合わせでございますバイオテクノロジー産業の創造に向けた基本方針を踏まえまして、バイオテクノロジーの産業化に向けた取り組みを一層推進するため、バイオテクノロジー産業の創造に向けた基本戦略を先日取りまとめたところでございます。 今後、この基本戦略を踏まえまして、第一には、ゲノム解析の加速化や生物資源の提供体制の整備等産業創造に向けた基盤整備、第二は、効率的な遺伝子組みかえ関連技術等の研究開発の推進やバイオテクノロジーを利用した事業化支援の強化、第三は、安全性の適正な確保等の環境整備、第四は、科学的かつ客観的情報の提供等を通じた国民的理解の促進について重点的に推進してまいりたいと思います。 もう一つは、五省庁と申しますのは文部省、科学技術庁、農林省、厚生省、通産省でございますが、やはり縦割り行政の弊害を避けまして、五省庁で協力しながら全体的に物事を進めていくということが大切であるというふうに思っております。
○林芳正君 大変重要な点を最後に御指摘いただきました。五省庁連携してやっていただくということでございまして、大臣今御指摘があったように、七月十三日に基本戦略を策定していただいたというふうに理解しておりまして、問題点の整理はもう終わったということで、一致団結して、今後予算編成がございますから、ぜひこれを最重点として頑張っていただきたい。我々も一生懸命応援していきたいというふうに思うわけでございます。 今お話がありましたように、各国とも、特にアメリカでは産学連携で、大学と産業が連携をしまして新しいことをやってきております。特に、アメリカでは一九八〇年代に、例えばいろいろ言われておりますが、バイ・ドール法とか技術移転促進法等をつくりまして、いろんな規制緩和をやってたくさんの企業が大学から生まれております。 ほんの幾つかを紹介いたしますと、バイオの先端のジェネンテックというのは、カリフォルニア大学のサンフランシスコ校からスタートしまして、ここの教授がおつくりになった会社ですが、去年では売上高が七億ドルで従業員が三千人でございます。また、シリコングラフィックスというのは、高性能のグラフィックのワークステーションでございますが、これもスタンフォード大学の先生が始めて、去年は売上高が三十一億ドル、従業員が一万人ということでございます。 もう一つだけ、先ほどインターネットのお話をしましたが、この検索サービスをやっておりますヤフーという会社がございますが、ここはスタンフォードの学生が始めて、九五年に設立でございますが、去年は売上高が〇・一億ドルで従業員は八百人までふえておる。 こういうところはどんどん大学との連携で出てきておるわけでございますが、日本の場合は私が持っているデータによりますとほとんどゼロに近いということでございまして、ここを今からやっていかなければいけないんじゃないかな、こういうふうに思います。 このバイ・ドール法というのは、国がお金を出してその結果の研究成果として特許ができた場合であっても、これを民間の方に一〇〇%帰属させてしまうという画期的な法案でございまして、これをやっていただくことが民間に大変なインセンティブを与えていただけるのではないか、こういうふうに思っております。通産省の方でこの検討を進められているというふうに伺っておりますが、その状況についてお伺いをいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生が今言及されましたバイ・ドール法という法律は、米国において、一九八〇年に、共和党のドール議員と民主党のバイ上院議員の名前を冠してつくったもので、バイ・ドール法という法律でございます。 これは、先生今御説明くださいましたが、アメリカ連邦政府の資金をもとに民間企業が行った研究開発から生じた特許権を、開発者たる民間企業等に帰属させることとした法律でございます。要するに、研究を民間に出して、研究成果はもちろん政府がいただくけれども、それから生じた特許権は民間に残しておく、そういう仕組みになっております。この法律が果たしました役割というのは大変大きくて、多分、このバイ・ドール法によって米国の経済、産業は大変強くなったのではないかと考えております。 したがいまして、日本においても同様の制度を導入することは日本の産業競争力の強化を図る点で大変重要だと考えておりまして、今回、先月行われました緊急雇用対策及び産業競争力強化対策において日本版バイ・ドール法を次期国会へ提出することとされておりましたけれども、これを前倒しいたしまして、今回提出いたします産業活力再生特別措置法に盛り込んで、この国会で御審議をいただいて、そしてぜひ通過をさせていただきたい、そのように考えておりますので、日本においても、仮にこの法案が国会で御承認をいただければ、アメリカと同じような特許権の問題、そして委託研究の問題、この関係がきちんと整理されて、民間が意欲を持って研究に臨める、そういう体制が一歩整備されるのではないか、そのように考えております。
○林芳正君 ぜひ前倒しでこの法律を何とか通過させたいと我々も思っておるところでございます。 そこでもう一つ、中谷教授の件がありまして大変にクローズアップされましたけれども、先ほど申し上げました、大学からいろんな教授が会社をやってアメリカは大きくなった。カリフォルニア大学は州立でありますが、スタンフォードは私立でございます。私立の大学の先生が民間の会社をやっても何の問題もないわけでございますが、日本の場合は、国立大学の教授は国家公務員ということでいろんな規制がございまして、大学の先生が会社の株主になるところまでは規制を緩和していただいたところでございますが、実際に役員になって経営をするというのがまだできないということでございます。 そこで、今申し上げました件もございまして、この件もいろんな条件をきちっと定めて、ケース・バイ・ケースで認めていくべきだと私は思っておりますが、秋までに結論を得るということになって今検討を進められておると聞いておりますけれども、文部大臣にその経過並びに方向性についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) その前に、非常に今、国立大学にせよ国立研究所にせよ、大学が非常にベンチャーとか特許ということを強く考えているということを御報告申し上げます。 残念ながら、まだ日本の大学、国立研究所は特許等々において明らかにアメリカにおくれている。しかしながら、バイ・ドール法ができたのが一九八〇年でありまして、大学のベンチャーが活躍し出すのは十年かかっております。したがいまして、ことし新しい法律ができれば、二〇二〇年にはアメリカの状況になると思います。しかしながら、これは何とかして加速したいと思っております。 そこで、お答え申し上げます。 御指摘の問題につきましては、現在、内閣内政審議室、文部省、人事院等の関係省庁から成ります国立大学教官等の民間企業役員兼業問題に関する連絡会議におきまして、今御指摘のように本年秋を目途に結論を得るべく検討を進めているところでございます。本会議は既に二回開催されておりまして、現在、論点の整理を行っているところでございます。 文部省といたしましては、現下の社会的、経済的諸情勢を踏まえまして、教育公務員として大学でまず教育をしっかりやるべきであるという国立大学教官の職務と責任の特殊性や産学連携、協力のあり方等を踏まえつつ、兼業、兼職を含めた人事制度全体のあり方について検討を進めているところでございます。
○林芳正君 ぜひ早目の、また前向きなお答えを出していただきたいと思います。 そこで、今、産学連携のお話をしましたけれども、今度はそういうシーズがありまして会社を始めようという人が出てきた場合に、やはりお金がなければ会社はスタートできないということでございまして、このベンチャーにどうやってきちっとお金をつけていくかということを我々は考えていかなきゃいけない、こういうふうに思うわけでございます。 一時、随分昔に私は、宮澤大蔵大臣から教えていただいたと思うんですが、あなたの生まれるころに一度銀行から証券へという時代がありましたよと、こういうことを教えていただいたことがございますけれども、そういうことをいろいろやっても間接金融から直接金融へという流れが我が国でなかなかできてこないということであります。今、利子がこんなに低くてもなかなかエクイティーにお金が行かない。一方では、我が地元でもパチンコ屋だけはどんどん立派なのが改装オープンをいたしておるわけでございまして、こういうギャンブルには結構お金が行くわけでございますが、その中間と言うと語弊がありますけれども、いろんなエクイティーの投資にはなかなかお金が行かないなということでございます。 そこで、店頭株式の取引の活発化のためにマーケットメーキングというのを始めていただいたわけでございますが、聞くところによりますと、今でも電話でやっておる。そうすると、電話は相対でございますから、相対でやっているうちにほかの人が入ってきたときに、どうも同時に同じ値段ができないんではないかということを言うような人がいまして、先ほど申し上げましたインターネットなんかでやるとそういう問題が解決をするわけでございますが、なかなかここの取り組みが不十分である。 一方で、そういうポテンシャルはあるものですから、アメリカのNASDAQが今回、日本に進出してくると大きく新聞で取り上げられておるところでございまして、私は、市場同士が、取引所同士が競争してもらうしかないなという意味では大変に歓迎をしているところでございますが、政府といたしまして、NASDAQの対日進出のインパクトをどのように評価されておられるか。また、店頭市場の活発化に向けて電子取引化の早期導入を促すなど市場整備をやっていかなきゃいかぬと思いますが、大蔵大臣の見解を賜ればと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、NASDAQの関係者が東京に来られて、関係方面を歴訪されたり記者会見もされたようでございました。 政府の立場としまして、もちろん証券取引が公正に行われて、そして投資者が不当な扱いを受けないようにということが大事なことでございますが、御承知のように、店頭市場をつくりますのに証券業協会というものをつくらなければなりません、それが運営をするわけでございますので。その上で登録市場を開設するということでございまして、たしか来年の末ぐらいまでには何かしたいんだというようなことを考えておられると聞きましたけれども、今のところ具体的な動きはございません。こういうことがまた別に刺激を呼ぶことにもなりましょうから、基本的にはきちんとやってもらう限りは歓迎すべきであろうと思っておりますけれども、まだ具体的に何の動きもございませんので確たることは申し上げられません。
○林芳正君 そういう流れの中で、実は報道によりますと、総理は最近若手の経済人の方とお会いになられまして、ベンチャーというものはこういうものか、新聞記事の引用でまことに失礼かもしれませんが、私の頭は真空なのでどんどん入れてくださいとおっしゃったというふうに新聞には出ておりましたけれども、経済人とベンチャーについていろんな議論をされたというふうにお伺いをしておりますが、この会合でどのような新しいお考えをまたお持ちになったか、いろいろお聞かせ願えれば、こういうふうに思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 中小のベンチャー企業は、我が国経済の活性化と新規雇用の担い手であり、その活性化対策は極めて重要であると認識をいたしております。 そこで、先般十三日、若手経営者のグループに招かれまして、出席者の方々から御指摘をいただく機会がございました。そのときに、日本のエンゼル税制ではベンチャー企業に出資した株式の譲渡損失を他の株式の譲渡益としか通算できないが、米国の場合は一般所得との通算が可能であり、税制面においてもベンチャーを育てる環境ができている。日本においても一千三百兆円の個人資産があり、これをベンチャーに振り向けていく仕組みが必要であり、エンゼル税制を拡充することが必要である。今お話しになりましたアメリカのNASDAQに上場しているような企業と大変関係の深い方々だったものですから、非常に強く主張されました。 今もエンゼル税制はやっておりますけれども、これを本格的にやりますと、民間の今申し上げておられる資産というものがこういうところに投資されるということになりますと、これは大きなベンチャーが仕事していけるゆえんのものになるんじゃないか。ただ、日本の場合に、今までこの株式投資というものに対しては非常にリスキーな点があるというような点からなかなかちゅうちょしてきたわけですが、そういう意味で非常に熱心に日本でもこれを取り上げていかないと米国のような型にならないんじゃないかという御指摘でございました。 そこで、私が今主宰しております産業競争力会議で、経済の供給面の問題への取り組みを深め、加速化し、経済の体質強化を図るために設置したものでありますが、雇用機会の創出がますます重要課題となっておりまして、実はマスコミでこの会議そのものはいわゆる大きな企業のためのというような御指摘がございました。 そこで、先般、サービス業、流通業の役割も重要だということで、七月一日からサービス業のベネッセコーポレーション、またソフトバンクの孫氏、流通よりイトーヨーカ堂の鈴木さん、そういうような方々にも入っていただきまして、従来の産業だけではなくて新しい産業に取り組んでいる企業体にも御参加いただいておりまして、そういうところの方々からも今御指摘されたような形での税制の改正について強く強く要請を受けたわけでございます。 そうなりますと、お隣におる大蔵大臣にもお願いをしなけりゃならぬと思いますけれども、本当に米国がベンチャーに対するいわゆるエンゼル税制等の優遇、優遇というよりもむしろインセンティブが非常につくんじゃないかと思いますけれども、そういう税制によって画期的な発展をしてきたということを考えますと、我が国においてもちゅうちょせずにもっと積極的に取り組まなきゃならぬ、今そういう意思だけは持っておりますが、これをぜひ実現に向けて考慮していきたい、こう考えております。
○林芳正君 総理の意思というお言葉をいただいて大変私もありがたく存じております。 なかなかテクニカルに難しい面もいろいろあろうと思いますし、税の話は税調というところの審議がございますからいろいろと難しい面もございますけれども、総理の御意思をいただきましたので、年末に向けて一生懸命私も頑張ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。 そこで、ベンチャーキャピタルの話でございますが、なかなか日本では、ベンチャーキャピタルというものもお金を供給しているけれども育たないというお話をさっきしたわけでございます。やはりこのベンチャーキャピタルというのは、お金を供給するだけではなくて、人的な経営資源も派遣したり経営相談もやったりする、またそういう人材の養成もするということをアメリカではやっておるようでございます。いわゆるインキュベーターというふうに呼んでおりますけれども、小さい種のような企業を育てて少し大きくしていくという機能も持っておるようでございますが、こういうベンチャーキャピタリストを我が国も育てていかなければならない、こういうふうに思いますが、通産大臣の御見解をお尋ねします。
○国務大臣(与謝野馨君) これまでもそう大きなことはやっておりませんけれども、一応中小ベンチャー企業を支援するため、中小ベンチャー企業を支援する者が行う指導等の事業に対する助成等いろんな施策を講じてきております。 また、六月十一日に決定されました産業競争力強化対策においては、目ききができ手づくりで企業の成長を支援できる真のベンチャーキャピタリストの育成の必要性等が実はこの中に掲げられております。通産省といたしましても、本年七月に発足しました中小企業総合事業団において、新事業の開拓を促進するための事業を中核的な事業として位置づけ、出資、助成等の積極的な支援を行っているところでございますけれども、目ききができ手づくりで企業の成長を支援できる真のベンチャーキャピタリストへの出資を支援することにより、中小ベンチャー企業を支援する人材の育成にも貢献していく所存でございます。 今後とも、資金、人材そして技術、こういうものをよりよく結集できるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 このベンチャーやベンチャーキャピタルを官がやるということは一見二律背反のような気もするわけでございますが、総理が午前中おっしゃいました第三の道というのが我が国にあってもいいのかな、そういう意味では、過半の資本は民間から出していただくけれども、官の方も、少しお墨つき等の効果が私はあると思いますので、ぜひ今、大臣がおっしゃった方向でこの政策を進めていただきたい、またこれが新しい雇用の創出につながっていくもの、こういうふうに思っておるところでございます。 そこで、ベンチャーベンチャーと私も地元で言いますと、何だか東京の方で情報とかバイオとか物すごい技術を持った人がやっている、我々ちょっと余りなじみがないなという声をよく聞くわけでございますが、何もベンチャーというのは物すごい特許を取ったような技術を持った人だけのものではなくて、例えばベビーシッティングとかおうちの清掃とか、そういう軽作業のアウトソーシングというのも、これもすき間を見つけていけばだんだんとベンチャー産業になっていくのではないか、こういうふうに思っておるところでございます。こういうビジネスをやっていこうという人も私の友人の中にもおるわけでございまして、こうした身近な産業のところも、今回提出を予定されておられます産業活力再生特別措置法案の中にこういった観点も盛り込んでいくべきではないかと思いますが、通産大臣、いかがお考えか。
○国務大臣(与謝野馨君) 私は仰せのとおりだと思います。新しい技術に基盤を持ったベンチャーというのもございますし、現在既にありますいろんなノウハウとか技術を組み合わせて、すき間産業とは申しませんが、そういう新しいアイデアのもとに企業というものを始めるというのもひとつ大事な方法だろうと私は思っております。 特に中小企業は大変大事だろうと私は思っておりまして、連合という大きな労働組合の組織がございますが、ここの傘下にございます組合員というのはたかだか八百万でございまして、実際に職場で働いている日本の勤労者というのは五千五百万から六百万人おられるわけで、そういう方の多くが中小企業におられるということを考えまして、やはり中小企業というものを私は大事にしなければならないと思っておりますし、中小企業に活力を与える、そういういろんな政策をとることによってまた雇用情勢も改善できるんだろうと思っておりまして、私どもは、大中小、いずれも活力を持った産業に生まれ変わっていただきたい、そのような願いを持って政策を推進しているわけでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 時間も参りましたので、最後に。この補正予算は、財源はいろんなやりくりをしていただくということでございますから今回直接の問題にはなりませんが、国債を多額に今出しておるわけでございまして、満期のメニューを短期、中期、長期ときちっとそろえていくということが円の国際化という意味でも、また発行利回りを下げて国全体の負担の軽減になるという意味でも大変に重要だというふうに私は思っております。そういう意味で、特に党の方で五年物の国債の導入を行うべきではないかという提言をさせていただいておりますが、この件につきまして、大蔵大臣に御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的には賛成でございます。五年物を出すとして、今あります四年とか六年とか、そういうものをどうしていくか、五年の方に絞っていくとか、その辺のことをあれこれ研究しておりますけれども、何かいい時期に決断をする必要がある。当面は、今市場そのものはそんなに問題がなく動いておりますけれども、将来に向かってはやっぱりこれは一つの切り札になるだろうと考えますので、タイムリーにやっていきたいと思いながらちょっと見計らっておるというところで、基本的には賛成でございます。
○林芳正君 時間が参りましたので、ここで終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 以上で岡利定君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。私は、雇用問題を中心に総理並びに関係大臣に質問いたします。 平成大不況による雇用状況は依然として厳しく、本年五月の完全失業率は四・六%、完全失業者総数は昨年より四十一万人も多い三百三十四万人に達しております。しかもその中で、九十七万人は家計を担う世帯主の失業であり、極めて厳しい状況であります。公明党としても、緊急の雇用対策として、当面二年間を目標に百万人の雇用創出を目指すことを政府に求めております。 現在の日本経済の分析では雇用過剰の状況にあるとされ、中高年のリストラ、新規学卒者の雇用抑制がなされております。今後いつまでこのような状況が続くのか、国民は大変不安に思っております。 政府は、今月八日に、「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」を閣議決定しました。その中で、少子高齢化が進む日本の中期展望を踏まえ、二〇〇五年から始まる労働力減少に耐え得るシステムづくりをする必要がある旨が述べられております。この点に関して総理大臣に質問いたします。 政府は、二十一世紀初頭には雇用状況は改善され、逆に労働力不足が大きな問題になる、そのように認識しているのかどうか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済審議会から総理大臣に答申されたものでございますけれども、我々の方で事務局を担当したのでちょっとお答えさせていただきます。 少子高齢化が進みますと全体として労働力が減少してまいります。そのときに労働力不足が起こるかという問題でございますが、まず第一に、労働力の種類の中で非常に問題が起こってくるのではないか。ある職種、ある年齢層は過剰になるけれども、ある職種、ある年齢層は不足になる。それで、まず多元的な補給が必要だ。そのために女性、高齢者をいかに使っていくか、それからまた場合によっては外国からそういうような技能者を入国させるか、そういうようなことも必要になってくるだろう。そして、さらに二〇〇七年ぐらいからになりますと人口の減少が顕著になってまいりますので、全般的に労働力不足という問題も起こってくるんではないか。そういう職種と年齢層と、いろんな格差の間で問題が生じてくるだろうと考えられております。
○渡辺孝男君 職種に応じて過不足があるというようなお話ですけれども、全体的には人口を考えますとやはり労働力不足になってくるんではないかというふうに思います。 今の雇用状況は非常に悪いわけでありますけれども、この雇用状況の悪い時期に何とか雇用対策をきちんとしていただいて、次の労働力不足に陥らないように二十一世紀につなげていく、これが非常に大事なのかなというふうに思います。 その点に関して総理の御所見と、それから今回の補正予算の雇用対策に対する位置づけ、それに関して御所見を承れればと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいま経企庁長官から御答弁申し上げましたが、これは経済社会のあるべき姿ということで、二〇一〇年ということでありますが、今、渡辺委員御指摘のように二〇〇〇年くらいにどうなるかということになりますと、一つは若年層がますます不足してくるということでございますし、また今お話しのように職種といいますかそういう面のミスマッチが非常に起こってくる。 先般も、去年のことになりますけれども、ハローワークへ参りまして、求人とそれにこたえる方々の集まっている場所がいかに極端かと。要するに、お年を召された方が多いわけでありますけれどもそこには求人はない、ところが情報産業その他のところには今度は求人の票はたくさんありますけれども人はほとんど見当たらぬ、こういうことでございました。この傾向はますます深まっていくんじゃないかということでございまして、そのことを常に計算に入れながらこれからの雇用対策というものを考えていかなければならないのではないかというふうに考えております。 したがいまして、そうした中でミスマッチをどのように解消していくかということを検討しながら、今日の課題にどうこたえていくかということが今課せられた大きな責務と認識をいたしておる次第でございます。
○渡辺孝男君 では、今回の補正予算に関連して質問させていただきます。 今回の補正予算では、緊急雇用対策として三千二百九十九億円が計上されております。この中には、国、地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出として民間非営利組織、いわゆるNPOを活用したものが考えられております。 公明党としましては、自由と自己責任が強調され、弱肉強食あるいは優勝劣敗の傾向を強めている社会にあって、やはり人々が互いに協力し助け合い励まし合っていくシステムづくりが大切であると認識し、私たちが安心して生活できるように、自助、共助、公助の三層のセーフティーネットをつくることを目指しております。NPOはこの中でも共助の部分、すなわち私たちが地域で互いに助け合って生きていくシステムづくりの中で大事な役割を果たしていくと考えておりまして、二十一世紀に向けて大きく育てていかなければならないと考えております。 そこで、経済企画庁長官に質問いたします。 平成十年十二月一日に、公明党も強く主張したわけでありますが、NPOが法人格を取得することを可能にする特定公益活動促進法が施行されまして、それ以後、特定公益活動法人の認証が各都道府県において行われております。その認証状況及び活動状況についてお伺いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 特定非営利活動促進法に基づいて受理しました法人格申請件数は、七月九日現在、都道府県分で八百四十二、経済企画庁が受け取りました複数の都道府県にまたがるものが七十一件でございます。合計九百十三件でございました。 それで、認証を与えましたのは、七月九日現在で都道府県分が三百二十一と承知しております。また、経済企画庁分につきましては、七月九日までに二十四件でございましたが、本日新たに七件を加えますので三十一件になろうかと思います。多いところは、東京都が二百二十七件で一番多いのでございますが、あと大阪府、神奈川県、北海道、福岡県等、人口の多いところがやはりこういう活動も盛んに行われております。 内容でございますが、この法人格申請団体の分野別に見ますと、保健医療または福祉の増進を図るというのが六一・七%、六割ぐらいでございます。それから、社会教育を推進する活動のものが三三・八、約三分の一、それから子供たちの健全な育成を図るものが三一・九%、この三種類が非常に活発になっているということでございます。 今後とも、こういうような活動をより活発にするように環境を整えていきたいと考えております。
○渡辺孝男君 NPOは全国で八万六千団体あるようなお話でありますので、まだまだ認証を受けたものが少ないということでありますので、これからも周知徹底していただきたい、そのように思います。 次に、労働大臣にお伺いいたします。 今回の予算では、NPOに委託する事業として政府はどのようなものを考えているのか、また委託先としてのNPOはどういうものに限られるのか。その点に関してお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 雇用創出を図るための交付金を県に基金として積み立てていただきまして、そこから支出をしていく。原則として、民間企業とかNPOを活用してくださいとお願いしてあります。 例示として幾つか挙げております。例えば公園美化とかリサイクルとか介護とかを挙げておりますけれども、それはあくまでも地方自治体の主体性でやっていただけばいいと思いますから、こういうもの、例えばこんなのがありますということで例示はしておりますが、いろいろ創意工夫をしていただきたいと思います。 それから、後段の御質問は、これはNPOに対してどういう配慮をするかということですか。
○渡辺孝男君 どういう団体、NPOもいろいろあるものですから、すべていいかどうか。
○国務大臣(甘利明君) 今のお話で、NPOのうち法人格を取得している数はまだこれだけだというお話がありました。取得しているところの方がベターだとは思いますけれども、しかし委託する仕事をちゃんとやり得る能力があるということが判断できれば、別にそうでなくてもいいんじゃないかと思いますし、ただそれは地方自治体が一番よくわかると思います。国の方では全体はよくわかりませんから、その地域で活躍をしているNPOは地方自治体が一番よく把握されていると思いますから、そちらの判断で構わないと思います。
○渡辺孝男君 今回の予算では、国、地方公共団体による雇用創出目標は全体で三十万人強と言われております。このNPO関係ではどの程度の雇用創出を見込んでいるのか、特に高齢者、障害者の介護分野ではどの程度の雇用創出を目指しているのか、またこの予算を利用しやすいようにするためにどのような配慮がなされているのか。これらの点に関しまして、労働大臣よりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 実は、企業にこれだけ、それからどこにこれだけということを最初からコンクリートするつもりはないんですが、ただ予算の算定上ははじいております。というのは、NPOと企業とは、要するに例えば支払う賃金でも違うと思うんですね。有償ボランティアということとそれからきちっとした採用雇い入れということとは当然違うと思うんです。NPOが有償活動としてやる賃金の高さといいますか、それと一般の企業とは当然違うと思いますから、それは雇用という分野で二十五万、有償ボランティアというんでしょうか、NPOとかあるいはシルバー人材センターを使うということで五万人ぐらいを想定しております。 ただ、支払う金額は当然違うと思います。思いますが、いずれにしても、地方自治体がこれはこのぐらいの設定をするという自由裁量権を持っていいと思いますから、そこで決めていただけると思います。
○渡辺孝男君 例えば、今深刻な不況によりまして障害者の解雇も増加していて、非常に大きな問題になっております。この解決のために今回の予算を、障害者を支援するガイドヘルパー、そういう者を雇用することに活用しまして障害者の社会活動の促進に生かしていく、あるいはまたガイドヘルパーの支援を受けて障害者が仕事につきやすくする、そのようなことを考えていくべきではないかなと私は思うわけでありますけれども、その点を労働省としてはどのように考えておられるか、大臣よりお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) ガイドヘルパーは、重度の視覚障害者や脳性麻痺等の全身性の障害者の外出時の移動の介護を行う外出介護員、私も余り詳しく承知しておらないのでありますが、こういう方を積極的に採用して障害者の就業機会の拡大に活用すればという御提案であります。 私どもといたしましては、地方自治体がどういう使途で雇用を拡大するかということについては、大枠のガイドラインといいますか、一両年で終了してくださいという臨時的なもの、それから雇用を創出する効果があるもの、それから原則として委託をしてくださいという枠を決めておりまして、あとはいろいろ知恵を出してくださいということですから、きょうのやりとりを地方自治体がいろいろ参考にしていただいて工夫していただき、研究していただきたいと思います。
○渡辺孝男君 まだまだガイドヘルパーのお仕事の中身について理解されていない面もあります。でも、厚生省の方はガイドヘルパーの研修等を進めるためにそういう施策も行っておりますので、今後とも地方自治体でガイドヘルパーを採用していただけるような工夫をしてもらえればありがたい、そのように思っております。 次の質問に入らせていただきます。 現在、雇用問題でまた問題になっておりますのが学卒未就職者の問題であります。本年の労働省によります調査では、学卒未就職者は、五月の段階ですけれども二十四万人に達している。完全失業者の七%を占めるに至っている。来年度の採用の見込みですけれども、大体本年の五十万人から来春は四十万八千人と約九万五千人も少なくなる予測であるということで、大変なことであると思います。 その点に関しまして、文部大臣、労働大臣に伺いたいんですけれども、このような超氷河期と言われる大卒者を初めとしまして学卒未就職者対策として、今回の二億円の補正予算を含めまして今後新たにどのような施策を行っていく方針か、この点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 大卒を例にとりますと、四月一日で約八%の人が未就職になっております。 そこで、私どもは、今までと違って、この未就職者を学生就職センターに登録していただいて、わからない人は地域の職安を通じてで結構なんですが、その登録した人たちに雇用情報を適宜流していく、それから面接会を行うということ等をやっているわけであります。 登録者を対象に就職活動に直結した企業実習を実施するということも計画したところでありますし、それからこれに加えまして、本来は失業者に対して、あるいは雇用保険の対象者、関係者に対して職業訓練というのを行うのですが、まだそうなり得ない学卒の未就職者に対しても三カ月ぐらいの能力開発講座というものを設定しようということにいたしております。 なお、私自身が経済団体を回りまして、中途採用に協力してもらうということと、それから来年新卒の際に一年先に卒業した既卒も対象にしてほしいという要請を行ったところであります。
○国務大臣(有馬朗人君) ただいま甘利労働大臣からお答えしたのとほぼ同じでございますが、本年三月の新規学卒者のうち未就職者は、文部省の調査によりますと、大学が約二万九千人、短期大学が約一万六千人、高等学校が約三万人でございまして、合わせて約七万五千人、前年より残念ながら四千人増しております。私は大変憂慮しておりまして、できる限りのことを今手を尽くしているところでございます。 まず、文部省といたしましては、各大学等に対しまして、従来から学生一人一人に応じたよりきめ細かな就職指導や就職相談の充実などを求めてきております。しかし、未就職のまま卒業した学生に対しましても在学生と同じように就職情報を提供してほしい、それから就職の相談にも応ずるようにしてほしいということを強く要請いたしております。これが大学生に対する場合でございます。 もう一つ、高等学校に関しましては、各都道府県教育委員会などに対しまして、職業安定主管部局と連携して、一層の求人開拓と未就職卒業者への配慮を求めるとともに、関係経済団体等へも高等学校卒業者の採用枠の維持拡大や未就職卒業者への応募機会の確保等を要請しているところでございます。 さらに、今回の雇用対策におきましては、専修学校などの民間教育訓練機関等を活用いたしました三カ月程度の職業訓練の実施など、学卒未就職者早期就職特別支援事業の実施などが盛り込まれております。文部省といたしましても必要な協力を行いたいと思っております。 私自身といたしましても経団連等々にお願いを申し上げている次第でございますが、今後とも労働省など関係省庁とも十分な連携を図りまして、学卒未就職者の早期就職に対する支援を図ってまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 この学卒未就職者に関しましては、首都圏等ではやはり特に著しいわけでありますけれども、地方においては逆に求めている方が多いということでありまして、その地域間格差があると思います。これの是正のためにどのようなことをしているのか、労働大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 確かに御指摘のとおり、大卒、高卒とも地域間の濃淡があります。もちろん、その地域においては積極的な求人確保に当然努めますけれども、その地域外への就職を希望する方には、地域外の求人とかあるいは就職面接会の情報を適宜適切に提供することにいたしておりまして、その情報のミスマッチをできるだけないようにしたいというふうに取り組んでおります。
○渡辺孝男君 あと、今回の補正予算で特殊なものとしましては、円滑な労働移動の促進、人材の地方移動の支援策としまして、東京、大阪、名古屋の拠点公共職業安定所において農林漁業への希望就職者を支援することが挙げられております。雇用対策としての就農推進に関しての政府の方針について総理にお伺いしたい。そしてまた、具体的施策について、労働大臣、農水大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 他産業から農業への人材移動を促進することは、農業に優秀な人材を確保する上でも極めて重要と考えております。 このため、今般成立いたしました食料・農業・農村基本法を踏まえまして、就農に関する情報の提供、新規就農希望者に対する技術、経営の研修やその受け皿となる農業経営の法人化を積極的に推進してまいりたいと考えております。この法律によりまして、農村地帯が農業経営の法人化を推進する施策も二十二条で述べられておりますし、二十五条でそうした就農しようとする者に対するいろいろな技能の習得その他について必要な施策を講ずることといたしております。 したがいまして、その昔は、いわゆる不景気のときには自分のふるさとに戻ってということもありましたし、言葉としても救農土木というような言葉もありましたけれども、これからの農村の中でこうしたいろいろの施策を講ずることによって本来的にもっと人材を求めていくことが必要なんじゃないか。そういう意味では、いわゆるUターンから始まって、Jターン、そしてIターンと、農村にもこうした人材が定着しながら農業経営のできるような体制を整えていくことも必要ではないか、こう考えております。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、東京、大阪、愛知の拠点の職安に農業等就職促進支援コーナーを設けまして、農業生産法人からの求人情報を積極的に集約して提供するようにしておりまして、農水省あるいは農業関係団体と連絡をとりながら、求人求職情報のマッチングに今取り組んでおります。
○国務大臣(中川昭一君) 今、労働大臣からもお話がございましたけれども、新規希望者支援センターを全国三カ所、それから、ことしからでございますけれども、企業に在職したままで農業知識や技術を習得できる就農準備校というものを大都市だけではなくて地方を含めて二十五校にふやしました。 さらに、今回の雇用対策では、緊急地域雇用特別交付金を原資としたいろいろな対策あるいは職業安定所と連携した農林業への就農支援の拡充等々、労働省と協議しつつ、いろいろ施策を講じてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 農業そのものに現在従事されている方はやはり減反政策等々で大変苦労されておるわけであります。そういう中でも新しく農業を始めたいという人がおられるわけでありまして、そういう方々をやはり支援して大切にしていっていただきたいなと、そのように思うわけであります。 最後に、少子化対策について一つ質問をさせていただきたいと思います。 日本は、今後四、五十年先には六十五歳以上の高齢者が三〇%を超え、そして十五歳未満の小児の方が一三%以下になる、いわゆる超高齢少子社会になると予想されているわけであります。 私が住んでおります山形県では、少子化対策の一環としまして、就学前児童の医療費自己負担無料化を目指しての取り組みがなされております。財源の問題から所得制限とか、十八歳未満の児童が三人以上いる家庭には無料化をするとか、そういう工夫がなされているわけであります。 政府としても、こういういろんな工夫をしながら乳幼児、就学前の児童に対しての医療費無料化を行うべきである、やはり知恵を絞っていくべきである、そのように私は考えるわけでありますけれども、総理並びに厚生大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 医療保険制度で受診者に一定の御負担をいただくという建前になっているのは言うまでもございません。 ところで、お子さん方の対策としては、今難病の子供さんは十疾患で五百疾病を指定しております。これは十八歳未満でございますが、それと未熟児一歳未満、それから障害児十八歳未満というような、手厚い援護が必要な児童の疾病につきましては既に医療費の公費負担は実施いたしております。ちなみに、例えば難病の子供でございますと、総額九十七億円計上してこれに対応してございます。 これ以外の就学前児童の医療費一般につきましては、今御指摘のように少子化対策との関係で、私は中期的には検討すべき課題であろうかなというように考えております。また、今、山形市の例を述べられましたが、市町村でかなり負担をする向きもございますので、そういったものとの整理その他も必要でございましょう。少子化対策として中期的な検討課題だというように考えておりますので、今直ちにというわけにはまいりませんが、検討課題として認識させていただいております。
○渡辺孝男君 所得制限というのは一般的にまず市町村でやりやすい取り組みかなと思うんです。 私はこの間、山形県の尾花沢市というところに行ったわけですけれども、その尾花沢市では、ことしから十八歳未満の子供さんが三人家庭におられて就学前児童の場合には医療費の無料化を行ったということで、最初から大きな財源だからだめだというのではなくて、そういう工夫をしていくことで実現できるのではないかと考えておりますので、今後とも御検討をよろしくお願いしたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○委員長(竹山裕君) 関連質疑を許します。松あきら君。
○松あきら君 松あきらでございます。 時間の関係もございますので、私は少子化対策に絞って御質問をさせていただきたいというふうに思います。 今回の補正予算は喫緊の課題であります雇用と少子化対策に使われるわけで、私はこれは大きな意味があるというふうに思っております。また、このために新たな国債を発行しないで予算を組んだということで、これは新しい方向だというふうに思っております。 今日、少子化が深刻になっております。人口の減少は確実に将来の国力を衰退させる原因にもなるという心配が広がっているわけでございます。このまま進めば日本の将来は一体どうなってしまうのか、改めて深刻な思いに駆られるわけでございます。 そこで、まず総理にお尋ねをいたしたいと思います。少子化についての政府としての基本的な取り組みをどうお考えか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 少子化の進行は社会経済に深刻な影響を及ぼすことが懸念されまして、家庭や子育てに夢を持てる環境を整備することは社会全体で取り組むべき重要な課題と認識をいたしております。 このため、先般、少子化対策推進関係閣僚会議や少子化への対応を推進する国民会議を設けたところであり、第一回の少子化対策推進関係閣僚会議におきまして、本年末までに少子化対策の基本的な方針を策定することとしたところであります。 今後、政府一体となりまして少子化対策を推進するとともに、国民的な広がりのある取り組みを進めてまいりたいと思います。あらゆることをこれから考えていかなきゃならぬということで、せっかく閣僚会議もできましたし、また国民会議というような形で国民全体の運動を展開できないかということを考えて政府はいたしております。 私自身も大変関心を深くいたしておりまして、実は先般、外国へ出張の折、日本・北欧サミットということで五カ国の北欧諸国の首脳とこういった問題でお話をさせていただきました。私もちょっと認識不足であったんですが、こういう国々は出生率が非常に低下してきておるんじゃないか。それは大変高いいわゆる付加価値税率、消費税率がありまして、ほとんど二〇プロから二五プロある、したがって共稼ぎをしなきゃならぬ、このことがやっぱり子供さんが生まれないゆえんでないかとばかり実は認識をしておりました。実際の数値からいいますと、一九七〇年、八〇年代で確かにスウェーデン、ノルウェー、デンマークの出生率が一・六〇、一・六六、一・三八という数字になっておりまして、この数字が続いておるのかと思ったところが、最近はおのおのの国が一・七四、一・八七、一・八一に実は上昇をいたしております。 さてさてと考えて、向こうの首脳にいろいろお話をお聞きしました。そうしましたら、アイスランドという小さな国の大統領でございますが、北欧諸国で少子化傾向に歯どめがかかったのは三十代後半から四十代の夫婦が子供をつくるようになったことが大きく影響している、社会全体が経済的に潤い余裕ができたことを一般的背景として、特にこの世代が家計的にも社会的にも安定し、ここが大事なんだろうと思うんですが、若いときほどあくせく働く必要を感じなくなったときに、物質的な豊かさに加えて家庭という精神的な豊かさを求めるようになったあかしであるというのが御説明でございました。 今日、日本の場合にいろんな課題があります。先ほど林委員からも、SOHOすなわちスモールオフィス・ホームオフィスの問題がありまして、主婦の皆さんが職場に通勤しなくても自宅でいろいろ仕事ができるというようなものをやれというお話もありました。 いろいろの手法を講じていかなければなりませんけれども、最も少子化に悩んだ北欧の諸国が、今ある意味で生活が安定した上で、三十から四十代に子供さんが生まれるという時代が生まれてきておるというようなこともお聞きをいたしまして、これからの日本の少子化問題、緊急を要すべき課題は当面あると思いますけれども、またある一定の年限の中でいかになすべきかということを考えていきませんと、言うまでもありませんが、二〇〇七年でしょうか、最も日本の人口がピークに達すると、以降、減少の一途というようなことになってはならないということでありますので、一日も早く歯どめをかけて、そして将来安定した人口構造になるように努力していかなきゃならない、このように考えておる次第でございます。
○松あきら君 ありがとうございます。 北欧サミットの話が出ましたので、ちょっと質問通告していないんですけれども、総理、少子化時代におきます男性の役割を男女共同参画社会においてどのように考えていらっしゃるか、ちょっとお聞かせいただけたらうれしいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) ようやくにして、我が国としてもその法律が成立することとなりました。ともに力を合わせて家庭をつくり上げていくということでありまして、従来のように女性が子育てをし家の中を守るという形でない、ともどもに男女が共同参画社会にしていくという形のものができなきゃならぬということであります。 そして、このことは政府としても、新しい行政機構の改革におきまして内閣府に局を設けてまでこの問題については積極的に取り組んでいこうという姿勢を示しておりますので、ともどもに男女共同社会に参画できるような形に努力をいたしていきたいと思っております。
○松あきら君 もう少し御自身のお話などを聞かせていただきたかったのでございますけれども、御夫婦仲がよろしいということで、きっと子育てにも参加なさったのであろうというふうに思います。 私ども公明党は、自民、自由両党と緊急少子化対策としまして約二千億円の少子化対策費を合意いたしました。今、子育てに欠かせない施策として女性が第一に求めるものは仕事と家庭を両立させる環境の整備であり、私は今回この問題に手がつくことは画期的であるというふうに思います。 全国で認可保育所に入れない待機児は六万人ほどおります。しかし、役所の窓口で受け付けてくれない子供たちも入れますと七万人、いや八万人にも近いぞというような話も出ているわけで、それだけ待機児が多いということでございます。 例えば、送迎に便利な駅前保育ステーションを初め公共施設での育児コーナーなどができますと、待機児の減少に大いに役立つというふうに思われます。この施策は、お母さん方に少しでも子育てとお仕事の両立に役立ててもらいたいということと、また専業主婦の方も月に一回か二回でも子供を預かってほしいという切実な希望にこたえる、こういう期待を持って緊急少子化対策として合意に及んだわけでございます。 ところが、こんなのは一時的なばらまきだという批判が一部にございます。保育所不足はほんの一握りの都市部なのに、今回、交付金として全市町村にくまなく分配される、待機児が一人もいない自治体までなぜ金を回すのかさっぱりわからない、こういうような話も出ているわけでございます。 緊急度が最も高い五十人以上の低年齢待機児がいるのは百十六市町村であると言われております。横浜、大阪、堺、川崎、名古屋、また東京の区部などでございます。こうした地区こそ交付金が使われるべきで、待機児のいないところは外してもよいのではないか、こんな意見もありますけれども、総理及び厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今回の補正予算におきまして二千億の特例交付金が計上されております経緯につきましては、今、委員の御指摘のとおりでございまして、自民党、自由党、公明党、特に貴党のイニシアチブが大きかったように存じますが、そうしたことで私どもこの予算の計上をいたしたわけでございまして、この予算は、特に緊急の課題である、今御指摘のような保育所の待機児童の解消ということをねらいとして重点的に配分いたしております。 したがって、この予想を申しますと、今、保育所の待機児童のいる市町村は、全国の市町村の約二割、六百五十八市町村に及んでおりますが、これらの市町村に対しまして交付限度総額は一体どのぐらいになるかというと、約七割が行く、七割といいますと千三百七十億円でありますから、こうしたことで重点的な交付ができる仕組みになっております。 一方、今、待機児童のいない市町村もございます。それは、地域の実情に応じまして、創意工夫によって少子化対策の一層の促進策を図っていきたいということでございまして、今御指摘のように、病後児の一時預かり所の整備とか、あるいは公共施設における育児コーナー、親子サロンの整備とか、あるいは少子化問題キャンペーンや保育士等の研修等が考えられます。 したがって、待機児童のいない市町村につきましても就学前の児童数に応じて交付金を交付するようなことは、これは政策として適切であると私ども存じておりますので、これを一つの契機といたしまして、どのような対応が可能であるか、少子化対策が可能であるか、これは市町村の自発的な意思を吸い上げていこうという趣意に基づくものでございますから、私ども無条件で認めるわけではもちろんございませんけれども、一定のルールはありますが、なるべく地域の自発性、工夫を尊重してまいりたい、こう思っておるところでございます。
○松あきら君 総理にも伺いたいんですけれども。 これは、自発的意思で各自治体が、待機児がいなくても病後児の一時預かりとかいろいろなことが考えられる、そのために使うんだということで、私はまさに社会で子供たちを育てていくことができる施策であるというふうに思います。 さて、私の地元の横浜方式と呼ばれます認可外保育所の活用策がございます。これは、保育経験者や看護婦資格者などを集めた保育所の企業などを奨励すれば新規雇用も期待できるということで、既に横浜市では独自の基準に達していればこうした株式会社を含めて助成を始めております。社会福祉法人でないNPO、株式会社、農協、漁協など、将来は支援してでも育児支援を強化してもらいたいというふうに思います。 また、先ほども触れましたが、いわゆる仕事を持っているお母さんは保育所に子供を預かっていただけるけれども、今まで専業主婦の方は預かったいただけなかった。しかし、専業主婦の場合も、一日じゅう子供と向き合っていると精神的にも肉体的にも非常に参ってしまって、お母さんのノイローゼあるいは児童虐待の原因などになっている場合もありまして、月に一回でも二回でも預かってもらえれば随分助かるという声もございます。こういう育児支援もぜひお願いしたいと思います。 以上、二点について、厚生大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 保育サービスにつきましては、安定的な提供と、それから質の確保が重要でございます。そういった点から、厚生省といたしましては、認可保育所がサービス提供の基本であるという考え方は基本に据えておるわけでございますが、一方、核家族化とか少子化あるいは子育て機能の低下によって児童や家庭を取り巻く環境が大きく変化してございますから、今御指摘のようなきめ細かな配慮が必要かと存じます。 特に、今御指摘の横浜におきましては、横浜保育室ということで、九十四くらいの施設で個人、任意団体あるいは法人等を活用しながら、これは認可外でございますけれども、市が独自に財政措置等を行ってやっておりまして、大変有効な働きをなしておるように聞いております。 したがって、今後そうしたものをよく助長しさらに充実させていくということのほかに、私どもとしては、育児サークル支援や育児相談等を行う地域の子育て支援センターというのがございますが、これを少し拡充していきたいとか、あるいは緊急時短期間等の保育を行う一時保育、これは専業主婦であってもそういうことが必要な場合がございます。そうしたことで、広く地域の子育て家庭への支援も行っていきたいというように思っております。 なお、今の要件緩和でありますけれども、人数要件でいいますと、例えば一時保育に関しては一日当たりの利用人数が十人以上というようなことを今まで言っておりましたけれども、これは六人くらいでも結構ではないかというように緩和もいたしたいと思っておりますし、それから子育て支援センターの職員の配置につきましても、規模が小さくなれば職員は少なくて済みますから、二人以上必置というようなことを一人でも可能なような弾力的な運用を図っていきたいと考えております。
○松あきら君 非常に心強いお答えをいただいたわけでございます。 やはり要件を緩和していただきたいという要望は本当にお母さんの間で強かったわけでございまして、特に働いているお母さん、そして働いていないお母さんも預かっていただけるということで、非常にうれしいお答えを聞かせていただいたわけでございます。 今回のこの交付金は、保育責任を負う地方公共団体が事業を判断して使うわけでございますけれども、保育所の人件費には使えない、あるいは保育士がふえないと保育の拡充にはつながらないというふうに心配する向きが事実ございます。これにつきまして、厚生大臣のまた御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今回の特例交付金の措置の趣旨は、やはり緊急的、一時的に各地域のインセンティブなりあるいは創意工夫なりを吸い上げようということがかなり大きなウエートを占めておりますので、そういった措置をとらさせて自由な発想を尊重していきたいと思っております。 他方、人件費補助になりますと、これは児童福祉法に基づきまして保育所の運営費負担金ということに相なっておりまして、私どもとしては正式な認可保育所ないしその分園、そういうものについては運営費を見ることになっておりますので、こうしたことしの成果を見まして、それが認可保育所あるいはそれに本当に準ずるようなものできちっとしたものであれば将来的に検討してよろしいかと思いますが、ことしの交付金の趣旨は、一年限りの緊急措置として少子化対策の重要性にかんがみて計上したものであることも御理解いただきたいと存じます。
○松あきら君 私はきちっとしたものであれば将来的に考えてもいい、こういうことでございまして、これはぜひお願いしたいというふうに思います。 衆議院のこの補正に対します質疑も私伺っておりましたけれども、この対策が万全でないから反対するという意見がございました。私は唖然としたわけでございます。やはり私は、全くこういう意見はお母さんたちの心がわからない人たちの意見であるというふうに思われてならないわけでございます。一歩でも二歩でも、あるいは二歩でも三歩でも前進することこそが私は、二十一世紀は社会全体で子供たちを育てていくという観点からも大事であるというふうに思います。 さて、子供を持つとなかなか働けないのでその対策を講じてあげたいということとともに、子供を産むことに相当な負担が特に女性側にかかっているという現実がありまして、したがって結婚しても子供を産まないというような風潮もございます。先ほど林議員の質疑の中にもございましたけれども、晩婚化ということもありますけれども、少子化という問題は、女性側にかかる負担が非常に大きい、それで少子化が進行している面もあるかなというふうに思うわけでございます。 総理も、子供の保育を整備するとともに、産みやすい環境も大事というふうにおっしゃってくださいましたけれども、今、出産一時金という制度があるわけでございます。これは妊娠期間が四カ月以上あれば、たとえそれが死産であっても一人当たり三十万円支払われるという、こういう制度でございます。しかし、これは出産してから申請するんです。ですから、なかなかいただけない、出産して二カ月も三カ月もたってしまってからじゃないといただけない、こういうことがあるわけでございます。 やはり私は、今通院中も種々のお金がその都度かかり、また三十万も四十万も用意しないとお産もできない、若い夫婦が経済的理由で子供が産めないようなことのないようにしていただきたい。そういった意味で、出産一時金前払い等、こういった少子化対策についての広い環境整備をお願いしまして、質問を終わらせていただきます。
○委員長(竹山裕君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了しました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 今日の不況のもとで、失業率は依然最悪の状態でございます。この中で現実に何が起こっているか。私ここに過去二十年間の自殺された方の数と完全失業率の推移を持ってまいりました。(図表掲示)この下の赤いところが自殺された方の数、そして上の青い線が完全失業率の変化でございます。ごらんになっておわかりのように、山も谷もカーブもほとんど同じでございます。相関関係は一目瞭然だと思います。 警察庁の調査で、ことし初めて自殺が三万人を超えた。そして経済・生活問題が理由という方が急増して、働き盛りの三十から五十歳代が七三%を占めるなど、とりわけ中高年者は深刻です。 ところが、小渕総理はシカゴ大学などで、企業が競争力を取り戻すためには失業率が上がるのも当然という立場を表明されました。これほど国民や働く方々の実態は深刻なのに、今後もリストラや人減らし、人員削減がもっと必要だ、総理はこういうお考えですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 失業する率が高まるということは、これは避けていかなければならない最大の問題だろうと思います。 ただ、日本の今、産業も含めまして大変厳しい環境の中で、残念ながら非自発的失業者が生まれてくるという環境は現実に起こっているわけでございまして、そうした方々をいかに助けていくかということは政治の最大の課題であることを申し上げておるところでございます。
○笠井亮君 上がるのは残念ながらやむを得ないと。私、国民や働く方々の置かれている実態の深刻さが全然おわかりになっていないんじゃないかと思います。職を奪われて、そして大変な状況に置かれることがどれほど厳しいことか。だから、生きる希望を失って自殺に追い込まれる人が後を絶たない。まさに人間の尊厳が傷つけられる、そういう状況が進行しているわけです。 万全の対策をとられると言われました。政府は七十万人雇用対策、このことを掲げておりますけれども、昨年暮れにも百万人、こういうことがありました。結果は、昨年来半年間で失業者が逆に五十一万人ふえました。あのときつくった二十万人の緊急雇用創出特別基金、午前中も若干議論ありましたけれども、これ失業率の発動条件を、五・何%を幾らか下げても私同じだと思うんです。唯一発動された沖縄では、失業率が八%台です。だからもっと使われていいはずなのに、実績はさっきたった三十二人と。要するに、これにはうまみがない、セーフティーネットになっていないということだと思うんです。実績がないからまた今度も二十万人と、それを掲げて計算に入れているということじゃないかと思います。 もう一つ関連して確認をしておきたいんですけれども、前回も五万人の雇用効果という売り文句で中高年労働移動助成金という対策がありました。これはこの半年間ちょっとで実績はどうなっていますか。事務方で結構ですが、数字を言ってください。
○政府委員(渡邊信君) 中高年労働移動支援特別助成金ですが、これは四十五歳以上の中高年の方を失業を経ずに事業主があっせんまたは出向という形で次の企業に送り出したというときに助成をする制度でございます。 この制度は、本年一月から九月までの間に助成金の対象となります労働者数を五万人と見込んでおりました。実績でございますが、一月から五月までの間に提出をされました出向や再就職あっせんの実施計画届というものの受理件数は約一千件、この対象労働者数は約二千人というふうになっております。 ただ、これは失業なき労働移動ということで、相手方企業を探してくること、あるいは労働条件でいろいろと交渉するというふうなことで相当手間暇のかかる制度だと思いますが、目下そういうことの計画というのはあるやに聞いておりますが、実績は今申したようなことになっております。
○笠井亮君 二千人です。手間暇かかると言いましたけれども、今回はこれが今度七万人になっているわけですね、効果は。どちらも半年以上やって、先ほどのもそうです、ほとんど実績がない。それを横滑りあるいは若干上乗せしただけじゃないか。今度の対策も一事が万事、これが七十万人の中身だと私は思います。少しでも国民の声をまじめに考えるならば、私は到底恥ずかしくて言えない代物だと申し上げたいわけです。 この程度のことで、雇用対策をしたからあとはリストラどうぞという政府の姿勢のもとで、では、一体現実に何が起こっているか。深刻なのは自殺に追い込まれた方々に限りません。だれだって解雇されるのは、生活の手段を奪われる、そして命を奪われるのと同じようなことだ。大変な痛みであります。それを無理やりやめてもらおうというのがリストラ、人員削減、人減らしであります。そうなると、どういう事態が起こるか。実態を聞いてみました。 例えば、日本NCRというコンピューターやお店のレジなんかの生産や保守をやっている大きな会社がございます。ここでは、別会社に行く転籍に同意しない人たちが二十年三十年やってきた仕事を取り上げられて、私はここに写真を持ってまいりましたけれども、(図表掲示)ある事業所では、部品置き場だったこんな狭い部屋に二十三人も押し込められて息もできないぐらいの状況であります。毎日パソコン自主学習というのが名目なんですけれども、この中で、これは会議室じゃないんです、ここで毎日仕事をしているんですから。パソコンはたった二台しかない。こんなのはだれが見たって研修なんかじゃない。今あちこちの職場でこうした退職の強要と嫌がらせがまかり通っております。そこでは、無理やりやめてもらおうというわけですから、必然的にひどい人権侵害が存在する。 総理はこういう実態を御存じでリストラ、人員削減を是認される、このようにおっしゃるんですか。総理の発言に関連して聞いていますから、総理が答弁してください。
○国務大臣(小渕恵三君) 今お写真を示された会社には行っておりません。しかし、それぞれの企業体におきましても、いろんな形で再雇用を願うという意味合いを込めて研修の制度をとっておる会社もあるとは聞いております。
○笠井亮君 これは研修じゃないんですよ、実際。再雇用とか言って、結局はやめなさいと、嫌がらせしながら出ていくのを待っている、こんな無法がまかり通っているわけであります。そういう実態をきちっとつかむべきだ。 私は、効果も皆無に等しい、先ほど対策で見せ金というお話もありましたけれども、そういうことに何百億円をつぎ込むよりも、例えば労働基準監督官、これを大幅に増員をしてきちっとこういうことに対しては監視もする、チェックもする、そういうふうにやる方が雇用対策の上でも人権侵害をやめさせるためにもはるかに役立つと思うんです。こういうことこそやるのが政治の責任じゃないんですか、総理。
○国務大臣(甘利明君) 先ほど見せ金というお話がありましたが、確かに御例示をいただいた二つ、きょうの時点で雇用創出効果はそれほど顕著に出ておりません。 しかし、例えば基金で言いますと、沖縄でありますから、その受け皿企業がなかなか本土ほど整備をされていない、あるいは企業側の環境整備ができていないということもあると思います。それから、労働移動の支援の助成金につきまして言えば、フルチェンジをいたしまして、年齢要件も撤廃いたしましたし、送り出し側についても職業訓練について助成をするというふうにいたしました。それに、これはさっき局長が申し上げましたように事前交渉がかなり大変であります。相手の会社を探してくる、あるいは受け入れ等の協議をする、あるいは労働組合との調整をする。ですから、立ち上がりには時間がかかるんだと思っております。 それから、先ほどの退職を勧奨するということでありますけれども、ここにはやはり自由な本人の意思表示が妨げられる状態であったかどうかということが重要なことだと思っておりまして、その判断は個別具体的内容によるものというふうに考えておりますが、裁判例でも自分の意思と全く別に退職を勧告されたということについては排除をされるということでありますし、個別の案件については御相談をいただくということになろうかと思います。先般の基準法改正で、そういう個別の案件について都道府県基準局長が間に割って入るといいますか、そういう法整備ができましたので、そういう方向でも個別紛争の解決に役に立つというふうに思っております。
○笠井亮君 増員の話。
○国務大臣(甘利明君) 行革を進めていく中で、これは我が労働省も例外ではございません。しかし、必要とされる行政ニーズに対してどう人員を配置するか、濃淡については限られた人員の中で精いっぱい配慮していきたいと思っております。
○笠井亮君 立ち上がりに時間がかかると。緊急基金と言っているんですから、そんなのだめですよ。 それから、個別の案件ごとにと言っておりますけれども、どんどんリストラの中でこういう事例がたくさんふえている。だから、私はきちっと人員をふやして行政でチェックしなさいと言っているんです。それぐらいやらないでどうするのか。 問題は、このリストラを放置すれば、個々の労働者にとっても、そして日本経済全体にとっても私は重大な打撃を生むということを言いたいわけです。失業者がふえれば国民の所得が減る、消費を落ち込ませる。いつリストラされるかわからないという雇用不安も消費を萎縮させます。 総理、GDPの六割を占める個人消費の拡大が景気回復のかぎを握っているのに、それをどん底に落とすようなことが、どうしてこれが経済再生になるとお考えなんですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 結論を申し上げれば、日本経済が再生して、そして雇用の場がいずれにもみずからが望むような職業に就職できるような形をつくり上げることが最大の政府の責務と心得て、昨年来懸命の努力をいたしております。 今、それぞれ個々の企業について、お調べされたかわかりませんが、お写真を示されました。そういった点があるとすれば、そのことについては十分いかなる方法かをもちましても考えなきゃならぬと思いますが、リストラとて、委員がおっしゃるように、ただ経営者が悪い悪いと言っているだけじゃないんです。やっぱりそうしなければ企業そのものが存立しない。先般も、非常に残念な事件でありましたが、身障者をお雇いになっておる企業そのものが倒産をして、そこに働く方々がみんな職を失ったという大変残念な事例も出てきております。 そういう意味で、やはり経営の実態にかんがみまして、それぞれ日本の企業家は全体としては何とか雇用を保っていく。一たん離職した場合、また再び企業が活発化して雇うといいましても、なかなか中小零細の企業においては人間関係によって成り立っている企業体がありますから、何も好きこのんでということじゃないわけであります。そういう意味で、非常に厳しい雇用環境にあることは、毎日毎日、テレビでの報道もそうでありますし、マスコミもそういうことを伝えておりますから、実態についてみずからその場に行ったわけではありませんけれども、私も承知をしておるつもりでございます。 したがって、政府としては、全体の経済を何とか活性化して、そして雇用の場を広げていくと同時に、万やむを得ない残念なケースにつきましては、そうした方々が再び職について、そして生活が安定できる、その期間を何とかして救済していく、そういう意味での今回の政策でございます。すべて問題がそれによって解決するというわけではないかもしれませんけれども、政府としてやるべきことは、現下の状況に対していかに対処するかということと同時に、究極申し上げれば、日本経済を何としても広げていく、そして活性化していくということが政策の大きな課題、同時並行的に努力をさせていただいているわけでございます。
○笠井亮君 私は、総理のやるようなやり方では日本の経済は再生しない、企業にとってもよくないということを言いたいわけなんです。 そもそも、今度の不況が大変深刻になっておりますけれども、じゃ何でこんなに不況が深刻になったのか、ちょっと見てみたいと思うんです。 そこで確認しますけれども、消費税増税など九兆円負担増が行われる直前の九七年一—三月期とことし一—三月期で、実質国内総生産、GDP、それから民間最終消費支出、年額換算で結構ですけれども、実額とそれぞれの変化はどうなっていますか。
○国務大臣(堺屋太一君) 単純に数字だけ申し上げますと、九七年一—三月期は実質GDPが五百兆円、九九年一—三月期が四百八十三兆円、実質民間最終消費支出が九七年一—三月期が二百九十五兆円、九九年一—三月期が二百八十五兆円でございます。したがいまして、実質GDPでいいますと九七年に比べて九九年は、ちょっと四捨五入の関係がございまして、十八兆円減っております。それから、実質民間最終消費支出は十兆円の減ということになっております。
○笠井亮君 はっきりしています。まさに消費の落ち込みがここまで深刻にしている。 あなた方は雇用過剰だとか設備過剰とおっしゃいますけれども、不況の最大の原因は消費税増税など九兆円の国民負担増により個人消費支出が大きく落ち込んだことによるわけです。つまり、雇用が過剰というよりも消費需要が過少というところに問題がある。現に第一生命経済研究所のレポートを見ますと、過剰設備と言いますけれども、その四分の三は不況による総需要の不足、四分の一はバブル時代の過剰投資と試算をしております。つまり、これは政府、政治の失政のせいだ、そのツケをリストラ、人減らしによって何の責任もない国民、労働者に押しつけるというのは、個人消費をさらに落ち込ませて失政に失政を重ねる、これは日本の経済の再生に逆行するじゃないか、どうなんですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 確かに、不況になりまして消費支出が減少した、その前に収入の減退があるわけでございますけれども、企業はどこからでもお金が出てくるわけではございません。したがって、やはり景気の循環が悪くなってまいりますと、企業はそれに対応して競争力をつけていかなければならないのは事実でございます。そして、その波動の中でまた新しい産業が起こってくる。そういった循環を繰り返しながら動いているのが市場経済でございまして、あらゆる企業が勤労者をそのままじっと抱えていればそれでよくなるというものではございません。 この点、まことに残念でございますが、こういう不況期には、そういう人減らしの結果になるようなリストラもこれまたやむを得ないときがあります。それをしないと、やはり企業、産業が崩壊してしまう。これはますます悪くなって、企業が倒れて失業者がふえるという循環もやはり考えなければならないと思います。
○笠井亮君 リストラがやむを得ないと、重大です。 大体、元経済企画庁の吉冨さんという方がいらっしゃいますけれども、この方も、過剰設備は主に需要不足によるものと指摘をされております。当然だと思います。今自動車が売れないのは自動車メーカーの生産力が劣っているからか、今住宅が売れないのは住宅メーカーの生産力が劣っているからか。だれがそんなことを思っていますか。個人消費が落ち込んでいるからです。ところが、政府の対策はそれには全く光を当てていない。すべて生産側が今問題だ、こういう話でしょう。こんなやり方はますます将来不安を増大させて、個人消費を冷え込ませるだけだと思うんです。 今、リストラは当然と言われました。そして、先ほど総理も、いずれ一時的にと、どこかに移動できるまでと言われましたけれども、ではちょっと伺います。 産業競争力会議に参加する十七社がありました。この会社がこの五年間にどれぐらい人員削減をしているか、それぞれの数と合計の数を言ってください。
○政府委員(江崎格君) 競争力会議のメンバーの十七社の過去五年間の雇用者の変化でございますけれども、十七社でございますが、そのうち、情報の公開されていないものを除き、それから途中で合併した一社がございます、これを除いて十五社の合計で申し上げますと、九三年の期末が合計で五十七万六千人、それが五年後の九八年の期末で四十四万三千人ということで、合計しまして十三万三千人が減少しているという状況でございます。
○笠井亮君 個々に言ってください。
○政府委員(江崎格君) それから、個々に申し上げますと、順に申し上げますが、富士通が九千九百人の減少、ソニーが千九百人の減少、新日鉄が一万三千二百人の減少、ウシオ電機はほぼ横ばいでございます、それから味の素が九百人の減少、トヨタ自動車が五千百人の減少、日立製作所が一万二千三百人の減少、旭硝子が千七百人の減少、それからユニ・チャームが六百人の増加、日本通運が八千人の減少、アサヒビールが二百人の減少、東レが九百人の減少、前田建設が三百人の減少、NTTが七万七千五百人の減少、伊藤忠が千七百人の減少ということ。 ただ、一点だけ御留意いただきたいんですが、こうした企業の中でグループ経営をやっているものがございまして、子会社との転出入がございます。正確には数字は把握されておりませんが、こうした点も御留意をいただきたいと思います。
○笠井亮君 十三万人以上も減っているんです。そういう財界人の方々と相談をして、競争力会議ということで相談して、人減らしが必要だという結論が出るのは私は当たり前だと思うんです。 流動性と言いますけれども、それじゃもう一点聞きます。 日本労働研究機構、JILというところがありますけれども、この調査では、求人の方です、年齢制限の上限は平均何歳という数字が出ておりますか。
○政府委員(渡邊信君) 日本労働研究機構が昨年の秋に行った調査でございますが、求人を出してそれが充足されなかったその企業の年齢制限ですが、全職種の平均で三十七・三歳というふうに報告されております。
○笠井亮君 要するに、やめさせる方の流動性はある。これは、どんどんやめてくださいということは流動性はあるけれども、中高年の人がやめて新たに雇ってくれる方の流動性はないということです。雇ってくれないんですから、年齢制限で。企業というのは、国民の経済ということよりも目先の利益を第一に考えるものであります。 野村証券金融研究所が発表した九九年度の企業収益見通しというのを見てみますと、主要企業、あそこでは三百七十一社ということで数が出ております。全体として売上高は落ち込むものの、経常利益は三年ぶりの増益に転じる、減収増益ということであります。その大きな原因は人員削減、こういうことであります。しかし、私は、ここでよく考える必要があると思います。 確かに、個々の企業で見れば、リストラによって一時的に増収になるかもしれない。だが、それをすべての企業が一斉にやればどうなってしまうか。大量の失業者を生み出す、所得が減って消費が落ち込む、そして企業の売り上げも落ち込む、設備投資は抑制される、そうしますと、またまたリストラということで悪循環になる。結果的には、全体として一大不況運動をやっていることになります。専門家や学者の著名な方々がこれを合成の誤謬とか結合の誤謬と言っておりますけれども、まさにそういう事態が発生するということだと思います。 大企業はこうやって一斉にやる、そういうときに、日本経済全体あるいは国民や企業全体のことを考えてそれを正していく、そのルールをつくるというのが政府の役割だと思うんですけれども、総理、いかがですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今、需要の減退が消費から起こっているようにおっしゃいましたけれども、確かにそれもありますが、設備投資も大幅に下がっております。 合成の誤謬ということをおっしゃいましたが、それは経済学で大変重要な問題であろうと思いますが、それをとめるために官僚統制をするのも、また統制の誤謬は引き起こすと思います。
○笠井亮君 そんなことを言ったら政府が要らなくなってしまいますよ。閣僚の中にだって合成の誤謬ということでこれを懸念される声が、あの競争力会議の議事録要旨を見たって発言がありました。 今、大事なことは、個人の尊厳を踏みにじるような解雇や人減らしをさせない、雇用を確保して働く国民の将来不安をどう取り除くかということだと思うんです。そのために私は三つの対策が必要だと。 第一に、労働時間の短縮、サービス残業の根絶。第二に、解雇、リストラ規制に踏み出す。第三に、国民の安心、安全を支える分野での雇用拡大を図る。この三つであります。これは何も日本共産党だけが言っていることじゃないんです。消費税の減税、これを求める声とあわせて専門家の中からもそういう声が上がっております。 こうして政治の役割を果たしてこそ、国民の暮らしはもちろん企業にとっても、企業にとってもですよ、生産と売り上げの拡大につながり収益改善になるじゃないか。なぜこの方向に踏み出せないんですか。総理、答弁してください。これは大事な問題だから、根幹問題です、ちゃんと答えてください。
○国務大臣(甘利明君) 時短とサービス残業をやめさせる、そして解雇、リストラを規制せよという三点でありました。 時短は、おかげさまでこの十年間、二百三十時間短くなりまして千八百六十八時間になりました。もちろん、これからも時短、千八百時間を目指して頑張っていきます。 サービス残業は、その一部または全部がきちんとした残業賃金が払われていないということでありましょうから、これはきちんと対処をしてまいります。 それから、解雇、リストラの規制でありますけれども、これは解雇にもちゃんと整理解雇の四要件で判例がありますから、これの周知徹底を図ってまいりたいと思いますし、個別案件につきまして労働基準局長が間に割って入ると先ほど申し上げました。これはかなり効果があると思いますし、事実、中央労働基準監督署では効果が上がっております。 それから、解雇、リストラを規制するような法的に云々というお話をよくいただきますが、しかし、これは現行の判例できちんと対処していく。余りに法律でやっていきますと、それじゃ今度は雇用に対して非常に憶病になると思いますし、それじゃ事業の立て直しに対して一切さわれないということになると、全体が倒れてしまったらもとの雇用が失われてしまうという重大なことに立ち入っていきます。 ですから、私は、人の面でのリストラは最後の最後、これをやらないと企業が倒れちゃうというときに使う手段ですよということを常に申し上げているわけでありまして、今、大企業の人減らしも、基本的には需給調整、自然減でやって、そして関連会社に出向したりとか、とにかく生首を切るということは最小限にしてやっているのが実情でございます。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御意見は、資本と労働を一カ所に固定しておけというふうに私は聞こえるわけでございますが、やはり低い生産性の部分から高い生産性の分野に資本も労働もスムーズに移動する必要は、マクロで見た場合には私はあると思っております。 ただ、スムーズというところが大事でございまして、やはり今度、私どもが今準備をしております産業再生法案の中にも、働く方々の理解を得ながら物事を進めるということを実は書いてあるわけでございます。
○笠井亮君 今いろいろ言われましたけれども、時短、サービス残業だって、これまだ長時間労働で大変です。サービス残業だって、一々ここで挙げませんけれども、大変な実態が依然として放置される、そういう状況があるわけです。解雇をめぐっても、あちこちでいろんな大変なことが起こっている、先ほど言いました。 労働大臣は、余り禁止したら雇わなくなる、こんなことを言いましたけれども、解雇四要件を守らないから今法制化が必要なんです。最初からそれじゃ企業は法令違反をやるつもりということになるじゃないですか。企業は必要なら雇うんです。 けさ総理も、アメリカでもヨーロッパでもない第三の道と言われました。しかしアメリカだって年齢差別禁止、こういうルールがあります。ヨーロッパにも解雇規制がある。どちらもやらない日本の第三の道が私は最悪だと思います。 労働移動の問題、言いました。しかし、先ほど見たように、理解をしてと言いますけれども、じゃ中高年の人が移動してちゃんと新しい職につけるのか。全然つけないことがはっきりしたじゃないですか。そんな勝手な論議で、産業再生といって一部のそういう企業が本当に自分たちの目先の利益だけを考える。こんなことではだめだ。 あなた方は、結局、大事なことはやりたくない。合成の誤謬についても、懸念はするけれども、実際にはそれをとめて国民と日本経済を守る手だてについては何にも言わないし、やろうとしない。バブルのときは企業のやりたい放題を放置してあんな結果を招きました。今また企業の、財界人のトップの言うことだけを聞いて、リストラを放置し、どんどんやってくださいという。そして日本経済が一層暗くなる。まさに政治の責任放棄であり、そもそもの政治の存在意義が問われると思います。 国民、中小企業を初めとして日本経済全体にかかわる雇用、産業政策について、産業競争力会議で自分たちの企業の当面の利益だけを考えている十七社の代表、その人たちだけから意見を聞いて、国民や働く人の意見を聞かない。そんなことで対策を出してくる小渕内閣のもとで、日本の経済や産業の再生の道はないことを厳しく指摘して、私の質問を終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 冒頭、六月以来の集中豪雨でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族やすべての被災者にお見舞いを申し上げます。 被災者生活再建支援法などの適用による迅速な生活再建支援が求められておりますが、総理の御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 今般、広島を中心にしての降雨によりまして甚大な被害を生むことになりました。改めて被災された方々に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 政府といたしましては、現在、現地の状況を十分掌握しながら復旧作業に全力を挙げて取り組んでおるところでございますし、今申されました法律に基づきます支援につきましても、これも早急に手当てのできるように努力いたしてまいります。
○照屋寛徳君 今、国民から政治倫理の確立が強く求められております。 去る七月十四日、受託収賄罪などの罪に問われた中島洋次郎元自民党衆議院議員に下された実刑判決についての総理の所感をお伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 政党助成法違反、政治資金規正法違反等によりまして国会議員でありました者が有罪判決を受けたことはまことに遺憾であり、こうした事件の起きませんよう政治家個人が厳しく身を律しなければならないと考えております。
○照屋寛徳君 社会民主党は、政治家のあっせん利得を厳しく処罰する政治腐敗防止法の制定を強く求めてまいりました。 さて、そこで自民党総裁でもある総理にお伺いいたしますが、政治資金規正法附則九条どおり、二〇〇一年一月から政治家個人への企業・団体献金の禁止を実行する決意はあるかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 企業、労働組合等の団体献金につきましては、今、委員御指摘のように、平成六年の政治改革における政治資金規正法改正により規制が強化され、そのゆえに改正法附則によりまして施行後五年を経過した場合の取り扱いについて定められておるところでございます。 この問題につきましては、まず各党各会派におきまして十分御論議をいただくべき問題と考えております。
○照屋寛徳君 私は、この問題については、自民党の中に先送りを画策するような動きもあるやに聞いておりますが、自民党総裁でもあり総理でもあります。ぜひこの二〇〇一年一月から確実に履行してもらいたいということを強く申し上げておきたいと思います。 さて、我が国の経済は長引く平成不況から脱したでありましょうか。景気はよくなったのか、あるいはよくなりつつあるのか。九七年度以来の三年にまたがるマイナス成長、企業倒産の増加やリストラによる五%近い失業率など、未曾有の、かつ深刻なデフレ不況にあって、まさに雇用と生活の危機の状況にあるのではないかと思います。 そこで、総理並びに大蔵大臣に、現下の経済、景気の現状認識をお伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 我が国の経済を見ますと、個人消費は、収入が低迷しているため、残念ながら力強さが見られないものの緩やかな回復基調にあるのではないかと考えております。住宅建設が持ち直してきております。設備投資は基調として大幅な減少が続いております。公共事業は堅調に推移いたしております。しかし、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。 以上のように、景気は民間需要の回復力が弱く厳しい状況にありますが、各種の政策効果が浸透し、このところやや改善いたしております。本年一—三月期の実質国内総生産速報も、こうした景気判断を需要面から裏づけたものと考えておりますが、いずれにいたしましても、一—三月一・九という数字は数字といたしましても、今後こうした基調が継続し得るような対策を今後とも続けていかなければなりませんし、従前とってまいりました施策もある意味ではこうした効果を生み出す基調になっておると思っております。 しかし、いずれにいたしましても、安心せずに今後の経済回復のために全力を挙げていかなきゃならない、このように考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大筋はただいま総理大臣がおっしゃったとおりでございます。 要するに、一—三というものをどう見るかということでございますけれども、個人消費は、可処分所得はどうもふえていない、どうも限界消費性向は少しよくなったということではないか。それに、いろいろ家計簿だけではわからない部分、あるいは季節調整の問題もあるかもしれませんので、これが四—六にどう出るかということはちょっと予測が難しいのではないか。やっぱり個人消費が堅調であるということが何といってもGDPの一番大きな柱でございます。 それから、企業の設備投資は、多少在庫が減ってきたと感じられるところはありますけれども、まだまだ新しい設備投資を製造業も非製造業も、大も小もどうもやりそうな気配はありませんので、二つの大事なこれからのブースターのうち、一つはどうも余り望みがない、一つはやってくれるかなというぐらいのところではないだろうかと思っております。
○照屋寛徳君 そもそも、本年度予算執行後わずか三カ月で補正予算を組まざるを得ないこと自体、私は政府の責任は大きい、しかも欠陥予算であったと断ぜざるを得ないわけであります。このたびの補正予算における五千百九十八億円の緊急雇用対策費は極めて不十分であると言わざるを得ません。 総理と大蔵大臣に、景気てこ入れ、雇用対策のため、第二次補正予算を編成する可能性についてお伺いをいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本会議でも申し上げましたけれども、今御審議をいただいております補正予算、やがて御審議をいただきたいと思っております産業関連の法案は、今の段階における日本経済、恐らくこれが不況脱出の最後の段階と思いますが、一つは雇用でございます。それに対して、昨年の補正予算以来一兆円という政策はやってまいりましたが、この状況の中で特に労働大臣がこの段階でお使いになるための予算というものを計上しておりまして、したがってそれは雇用ということに特化しておりますが、雇用はもともと大きな全体の予算の結果として生まれるものでございますので、これだけが雇用のための経費ではございません。 それから、リストラの方は、やはり設備投資を促すために過剰設備の廃棄等々を促進する必要がございますが、そのための立法をお願いしたいと考えておりまして、先ほど申しましたGDPで申しますと、個人消費と企業設備というものに支援を与えていこうという、そういう特定の目的を持った補正予算であり、立法であると考えております。 したがいまして、今おっしゃいましたお答えは、それはそれとして、秋になって、あるいはこの四—六が出たときにこれで十分かという御質問は、当然私どもも将来に属することでございますから慎重に考えなければなりませんが、もし四—六の結果がもう一押しする必要があるということであれば、それは柔軟に考えなければならぬのではないか。ただ、その判断は今でなくて、その時点で遅過ぎることはないと思っておるわけです。
○照屋寛徳君 完全失業率が四%後半になりました。私の住んでいる沖縄では八%を超えております。そして、完全失業者が三百三十万人を超えました。そのうち、世帯主の失業者が百万人近くに達しておるのであります。かかる深刻な雇用失業状況下において、四十代、五十代の男性を中心に経済問題、生活問題が原因と見られる自殺者が前年より七割もふえております。昨年一年間で自殺をした人は初めて三万人を超えて、過去最悪となっておるのであります。 そこで、労働大臣に、リストラ、企業倒産等による中高年者の高失業率と自殺者増についてどのような認識をしておられるか、お伺いいたします。
○国務大臣(甘利明君) 先ほど共産党の委員からも同様の質問をいただきまして、自殺者の増減と雇用失業情勢のグラフを見せていただきました。 失業率の拡大と自殺との関係、正確に私は因果関係は把握しておりませんが、いずれにしても雇用不安というのは社会不安を構成する一要因であります。その社会不安によって不幸な事態が起きるということも現象としてあろうかと思いますので、その社会不安をなくすために、つまり雇用の安定のために最善を尽くしたいというふうに考えております。
○照屋寛徳君 リストラ、リストラと言うんですけれども、結局は首切りなんですよ、労働大臣。 今回、緊急地域雇用特別交付金二千億円を設けたわけでありますが、これで果たして新規の雇用創出は可能であろうかと考えた場合には、それは難しい、無理だろうと私は思います。 そこで、緊急地域雇用特別交付金の内容、仕組み等について、労働大臣から説明をお願いいたします。
○国務大臣(甘利明君) この交付金は二千億ありますけれども、これを大まかに分けますと二つの要素で都道府県に配分いたします。それは人口比であります。それから、有効求職者、つまり職を求めていらっしゃる方の数字、日本全国分のその県の数字、その比率に従って四十七都道府県に交付をいたします。それは都道府県が基金として積んでいただきまして、各県下の市町村から具体的な事業を挙げていただいて、そしてそれにその基金を配付するということになります。 労働省といたしましては、具体的にはどういう事業という余り細かな制約はいたしませんが、大枠として緊急性があるもの、一時的な事業としてちゃんと終了してもらえるもの、それから雇用創出効果があるもの、あるいは原則は民間に委託をしてやってもらうということ等を決めまして、細かい事業につきましては、市町村の創意工夫でやっていただくということでございます。
○照屋寛徳君 この特別交付金で三十万人以上の雇用を創出しようということのようですが、一人当たりの雇用期間は六カ月だと聞いております。そうすると、単純計算で一人当たり十一万円弱、東京都の最低賃金とほぼ同水準だと見られているわけでありますが、これでは結局、臨時、応急の雇用対策にすぎないわけです。 そこで、労働大臣には、私はもっともっと抜本的な中長期的な雇用対策をどういうふうに考えておられるか、明確に国民にお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 先ほどの前段のお話の算定の基礎でありますけれども、一応六カ月以内に終わってもらいたいということで、ただ平均的な雇用期間は、失業者が再度就職する間の平均的期間が三、四カ月であります。ですから、算定の客観根拠は三、四カ月間で、雇用保険の平均給付金額はたしか十八万円くらいだったと思いますけれども、それで算定しております。ただし、これはこういう仕事だからもっと上乗せしようとか、こういう仕事だからもっと安くても人が集まるかしらとか、それは自治体の主体性に任せております。そういうことで算定をさせていただいたわけであります。 それから、これは臨時一時的な就業の場、それはそのとおりでございます。一方、通産大臣の方で既存の産業の強化策あるいは新産業の創造策、そのための環境整備をしていただいております。そこで、私どもとしては、あわせて前倒し雇用という方式を企業にお願いして、将来必要な人材を今から採用していただけないか、そういう企業には奨励金をお出しする、あるいは今必要ないにしても、雇われたところで能力開発をして来るべき時代に備えて人材の強化をしていただく等々を考えております。 産業政策で新しい雇用の受け皿をつくる、その間に一時的、臨時的な雇用の受け皿を緊急対策としてやらせていただくということでございます。
○照屋寛徳君 不況の深刻化の影響で、障害者がリストラの対象になる企業がふえているようであります。社会的に弱い立場にある障害者が真っ先に犠牲になる。私は本当に胸がつぶれる思いであります。前年度に比べますと一・四倍にふえておるようであります。障害者解雇が急増しておりますが、このことについて、労働大臣、どのような障害者の雇用対策、雇用促進を図っていくのか、所見をお伺いいたします。
○国務大臣(甘利明君) おっしゃるように、厳しい雇用情勢下で一・四倍障害者の失業がふえております。法定採用率といいますか、企業が障害者を抱える法定雇用率を一・六から一・八に引き上げさせていただきました。そして、知的障害者もこれに含むということにさせていただきましたが、まだ完全に達成はできておりません。 そこで、四点のことを考えさせていただいております。一つは、障害者求人開拓推進員を配置する。それからもう一点は、障害者向けの就職面接会を積極的に開催しております。それから、知的障害者等につきまして、基本的な職業習慣等の習得を行う就業体験支援事業を実施いたしております。それから、日経連に委託をいたしまして、いわゆるトライアル雇用と申しておりますけれども、職場実習、それからそれが雇用につながるようにということで協力をしていただいております。それぞれの事業、少しずつ実績は上がっているという現状でございます。
○照屋寛徳君 厚生大臣、厚生省として就職先のない障害者を緊急保護する方針をお決めになったようでありますが、その内容をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) お話のように、昨今の厳しい経済情勢の中で企業の倒産とかリストラによって障害者が失業し、再就職もままならない事例が増大しております。 こうした場合の受け皿といたしまして、入所の授産施設等を退所いたしまして企業等に就職した知的障害者が、リストラ等によって失業し再度入所授産施設等を利用することになった場合には、従来から定員の五%の範囲内で定員外の受け入れを認めてきたところでございますが、昨今の状況にかんがみまして、本年四月からこの措置の対象を入所ばかりでなく通所の授産施設等にも拡大したところでございます。 さらに、今般、埼玉県の企業が倒産いたしまして多数の知的障害者が失業した事例を踏まえまして、失業した障害者が再就職するまでの緊急避難的な特例措置として、授産施設等の定員の一〇%まで定員外での受け入れを認めることといたしまして、本日付で全国の地方自治体に対しその方針を通知したところでございます。 今後とも、関係省庁と緊密な連絡をとりながら、障害のある方々が安定した生活が維持できるように最大限の努力をしてまいります。
○照屋寛徳君 厚生大臣には障害者の雇用面でぜひ大きな力を尽くしていただきたいということを希望申し上げたいと思います。 さて、運輸大臣にお伺いいたしますが、沖縄における大手の海運業者である有村産業が事実上倒産をいたしました。離島圏、島嶼圏における貨物輸送への影響は深刻であります。また、観光産業にも打撃が大きいと思います。加えて、関連産業の連鎖倒産による雇用失業問題も重大であります。 私は、速やかに政府による支援策やあるいは緊急対策が取り組まれなければならないと考えておりますが、運輸大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(川崎二郎君) ただいま御指摘いただきました有村産業は、六月二十三日、会社更生法の適用申請を行っております。ただ、その後においても、同社が運航してきた国内航路については引き続き運航されております。 会社更生法に従った手続により、七月五日に保全管理人が選任されたと承知いたしております。今、保全管理人のもとで原因の分析調査が進められております。例えば、法律に基づいて私どもに決算を御報告いただいておりますけれども、その数字と今回申告された数字に非常に開きがございます。したがって、なぜこのようなことになったか、これをやはりしっかり究明していかなければならないだろう、このように思っております。 それから、現実の影響でございますけれども、今申し上げたように現実は国内航路等は動いております。この沖縄—本土間について、旅客航路は三社八航路、それから貨物航路については四社四航路が運航しております。したがって、すぐ貨物等への影響、また観光等への影響が出るというふうには今考えておりませんけれども、私ども今後の事態の推移を慎重に見守っていきたいと思っております。
○照屋寛徳君 労働大臣、私はこの問題については連鎖倒産等によって雇用失業問題も大変重大な問題だと思いますので、ぜひ関心を持って労働省も対応していただきたいことを御希望申し上げたいと思います。 それで、有村産業の問題について、開発庁長官が記者会見で御退席でございますが、開発庁、どなたかおりますか。よろしくお願いします。
○政府委員(玉城一夫君) お答えを申し上げます。 有村産業は沖縄県内では大変有数な海運事業者でございまして、今回の危機は非常に大きな影響を与えると存じますが、私ども沖縄開発庁といたしましては、今度のこの件で離島の方々の生活に不便を来さないように、ただいま運輸大臣お話しございましたが、直接的には従来どおりの運航をされると聞いております。 社会資本の整備という観点から、海運関係におきましては離島の空港とか港湾の整備を引き続きやっておりますし、また相当事業といたしましてはコミュニティー・アイランド事業なんかもやっておりまして、観光への影響等もないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○照屋寛徳君 それでは次に、保坂展人衆議院議員に対する盗聴事件についてお伺いをいたします。 これがそれを模式化したものです。(図表掲示)ちょっと社民党は財政状況が悪くて片面だけになっておりますけれども。 冒頭、法務大臣にお伺いいたしますが、今聞いたところによりますと、国会内の自民党の記者クラブ、平河クラブと言うんでしょうか、そこに東京地検がきょうの午後六時に任意に捜査に入る、こういうことのようですが、それは事実でしょうか。
○国務大臣(陣内孝雄君) 私はまだそのようなことを承知いたしておりません。
○照屋寛徳君 こんな大事なことを法務大臣が知らないというのは、私は大変奇異に感ずるわけであります。 犯罪捜査のための通信傍受、いわゆる盗聴法は、憲法二十一条で保障する通信の秘密を著しく侵害するおそれがあり、私は断じて反対であります。 さて、六月二十二日午後六時二十四分ごろ、保坂衆議院議員がNTTドコモを使用してテレビ朝日の記者と電話で会話した内容が何者かによって盗聴されるという恐るべき事件が発生をいたしました。国会議員の政治活動と報道機関の取材活動が国会を舞台に何者かによって盗聴されていたという、まさに民主主義を破壊する恐ろしい事件と言わざるを得ません。 法務大臣、保坂衆議院議員からの告訴は正式に受理されましたか。また、迅速かつ徹底的な捜査と事実の解明が求められておりますが、捜査の決意をお伺いいたします。
○国務大臣(陣内孝雄君) お尋ねの件につきましては、東京地方検察庁において保坂議員からの告訴を受理し、捜査中であるものと承知いたしております。 この件につきましては、検察当局において適宜適切に対処するものと考えておりまして、その推移を見守りたいと思います。
○照屋寛徳君 平成十年三月十二日付で法務省刑事局長と郵政省電気通信局長との覚書が締結をされております。この覚書はいわゆる盗聴法とどういう関係を持つものなのか、法務省にお伺いいたします。
○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘の法務省刑事局長と郵政省電気通信局長との間における覚書、これは、昨年四月に民友連の要求によりまして、また本年二月には民主党の要求によりまして衆議院予算委員会に提出した、各省庁間で交わされたすべての覚書の一つでございまして、既に外部にも明らかにされているところでございます。 この覚書は、通信傍受法案の閣議決定に当たりまして、本法案における規定の解釈等を確認するために作成されたものでございます。 法案第二条第一項に規定された伝送路等の文言の意義あるいは第十条に規定された傍受のために必要な処分として行う機器の接続等を行う方法、第十一条に規定する通信事業者等の協力義務が通信事業者等に対して過度の負担を課するものではないこと、第十二条の規定により立会人が行う行為については法令による正当行為に該当することなどを確認したものでございます。
○照屋寛徳君 この覚書が衆議院の審議の段階では全く存在すら明らかにされないし、それから論議にもなっていないんですね。 それで、法務大臣、この覚書の六項はどういう目的でつくられたものでしょうか。また、その内容を詳細に明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(陣内孝雄君) 覚書の全体の意義づけにつきましては先ほど御説明したとおりでございます。 今御指摘の六項というのは、法案第十一条について協議をした結果についての三項目のことだと思いますが、内容につきましては、かなり長いものになっておりますので、事務当局に説明させたいと思います。
○政府委員(松尾邦弘君) 法案の第十一条でございますが、これは通信事業者等の協力義務を規定している規定でございます。 法案自体は、「通信事業者等に対して、傍受の実施に関し、傍受のための機器の接続その他の必要な協力を求めることができる。この場合においては、通信事業者等は、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。」という規定でございますが、この規定について郵政省と法務省との間でその内容についての確認を行ったものが今御指摘の「法案第十一条について」でございます。 この覚書の六項の第一パラグラフでございますが、例えば傍受を実施する場合に、傍受を実施する者があらゆる面で自力執行することは困難な場合が多い、その場合には通信事業者等の協力が必要であるということの確認でございます。例えば、傍受のために機器の接続をいたしますが、これはやはり技術者、具体的には電話でありますとNTTの技術者の協力が要るということを確認したものでございます。 それから、その第二パラグラフでございますが、ここでは、例えば「利用者側でかけた暗号の解読、通信事業者が暗号化をサービスとして提供している場合であっても、その解読が事業者が有する技術により可能な範囲を超えているときの暗号の解読、」等につきましては、これをその事業者に、いわば事業者の能力を超えて協力を依頼するものではないんだということの確認をしたものでございます。 三は、先ほど読み上げました法案の十一条に「正当な理由」ということが書いてございますが、ここでは、「通信事業者等において、他の利用者に対する役務の提供に少なからぬ支障を生じる場合、通信事業者等が有する設備・技術により可能な範囲を超えた協力を求められた場合に該当すると判断した場合は、傍受の実施に関する協力を拒み得る。」ということでございまして、ある意味では当然の規定を双方で確認し合ったということでございます。
○照屋寛徳君 法務大臣、今問題になっているのは、保坂議員の携帯電話と国会内の記者クラブから架電をしたテレビ朝日記者の電話が問題になっているわけですね。(図表掲示) そうすると、この携帯電話、ここで傍受をするということは技術的に可能なんでしょうか。
○国務大臣(陣内孝雄君) 私からお答えしてもよろしいんですが、非常に技術的な問題でございますもので、担当の局長から説明させます。
○政府委員(松尾邦弘君) ただいまお示しの図の、一般論として申し上げますと、携帯電話と、「NTTドコモ無線基地局」と書いてありますが、その間で無線の状態での傍受は事実上技術的に不可能でございます。 携帯電話の場合に傍受が可能であるのは、ただいまの「NTTドコモ無線基地局」というところと、その下にあります「ドコモ交換局」と書いてある、そのNTTドコモの二つの施設におきましては傍受は可能でございますが、これは、NTTドコモの所有している非常に複雑でかなり膨大な機器を利用させていただく、つまりNTTドコモ側の全面的な協力がないと傍受は不可能でございます。 携帯電話の傍受に関しては以上でございます。
○照屋寛徳君 局長、その携帯電話の方でも傍受が可能になるシステム開発を始めているんじゃありませんか。
○政府委員(松尾邦弘君) 無線の段階での傍受ということになりますと、これはもう技術的に不可能でございますので、それは想定されておりませんし、また技術的な開発等も行われていることはないと思います。 それから、NTTドコモ側の今の図におきます二つの基地局と交換局でございますが、ここでの傍受につきましては、NTT側で現在、故障あるいは新しい配線といったものを設置した場合、的確に動くかどうかということをテストする機械がどうもあるようでございます。私は手元にその正式な名称の資料を今持ち合わせておりませんのでわかりませんが、それを利用した形での傍受が想定されているということでございます。
○照屋寛徳君 それでは次に、沖縄市におけるオフリミットの問題について、外務大臣と内閣法制局長官にお伺いをいたします。 オフリミットとは、ある一定の地域を限定して人の立ち入りを禁止することであります。米軍支配下の沖縄では、オフリミットはその発令目的も環境衛生あるいは風紀浄化に始まり、経済封鎖が目的であったり土地闘争や反基地闘争に対する政治的な弾圧が目的でございました。ところが、今、本土に復帰をしておるにもかかわらず、いまだにアメリカの軍隊が沖縄を直接支配しているかのような時代錯誤的なオフリミットが行われておるのであります。 駐留する外国軍隊が我が国の主権の及ぶ住民地域の一部を特定してオフリミットにすることは主権の侵害、制限にはなりませんか。外務大臣、法制局長官にお伺いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 御指摘のオフリミットでありますが、米軍において沖縄市内の一部地域への深夜における、午前一時から午前五時でありますが、米軍人の立ち入りを自主的に規制する措置で、これはまさに内部規律として実施するものであって日本の主権とは全く関係のないことである、こういうふうに思っております。
○政府委員(大森政輔君) ただいま外務大臣が答弁されたのと全く同意見でございまして、日本の主権との関係では何ら問題が生じない事柄であるというふうに考えます。
○照屋寛徳君 では外務大臣、アメリカ軍の兵隊が犯罪予防目的で民間地域で巡回行為をする、警察行為をする、こういうことは地位協定上許されておりますか。
○国務大臣(高村正彦君) 現在、現地米軍において検討されていることは、地元の要請によって今、委員が御指摘になったオフリミットを解除する。解除することになった場合に、酔っぱらった米軍人等が心ない行為をすることを未然に防ぐ、こういう見地から、一般の上級下士官が当該地域を巡回して米軍人に対する生活指導を行うものである、こういうふうに承知しております。 それで、このような範囲にとどまるものである限り、いわゆる警察権の行使に当たるものではありませんから、軍隊の上級下士官が内部規律として部下に対して行う一般的な指揮監督行為の一環であると考えられて、このような活動を施設・区域外において行ったからといって日米地位協定上問題があるとは考えておりません。
○照屋寛徳君 犯罪行為の取り締まりをやった場合はどうですか。
○政府委員(竹内行夫君) 現在、沖縄でいろんな協議が行われておりますものは、今、大臣から申し上げましたとおり、警察行為ではないいわば生活指導ということでございますが、一般論といたしまして、米軍のいわば軍事警察と申しますか、憲兵といったようなものが警察権の行使というようなことを行うということを仮定して考えますと、その点につきましては地位協定に関連の規定がございます。十七条にございまして、それに従いまして、施設・区域内及び施設・区域外において警察権を行使することにつきまして一定の条件、範囲というものが定められているところでございます。 ただし、繰り返しになりますが、現在オフリミットとの関係で議論されておりますのは警察行為ではございませんで、生活指導、いわゆる指導監督行為のことというふうに理解をいたしております。
○照屋寛徳君 外務省とちょっと違うんですが、国家公安委員長、この件について沖縄県警は、憲兵による民間地域のパトロール、警察行為は許されない、こういうことをコメントしておりますが、どう思われますか。
○国務大臣(野田毅君) 先ほど外務大臣からも御答弁ありましたが、いわゆる憲兵による巡回指導ということでなくて、いわば上官がその構成員に対して生活指導的な角度の中で指導を行っていくというのが現実の今の姿になっているのであろうというふうに承知いたしております。 いずれにしても、沖縄県における米軍当局による施設・区域外の巡回指導ということにつきましては、やはり事件発生時の身柄の取り扱いとかあるいは県民感情ということも考慮して、米軍当局が制服による巡回指導を行うことは好ましいことではないという立場で今臨んでいると承知をいたしております。 いずれにしましても、米軍当局による基地外の巡回指導については、地元の住民感情に十分な配慮を行うということが妥当であろうと考えております。
○照屋寛徳君 それでは次に、北部訓練場におけるヘリパッド建設問題についてお伺いをいたします。 ヘリパッド移設予定地一帯には、世界でこの山原地域にしか生息していない二十二種の固有種と百二十六種の絶滅危惧種及び貴重種を含む千三百十三種類の貴重な動植物が確認をされております。 外務大臣、SACOの最終報告における北部訓練場の一部返還の合意内容とヘリパッドの関係について、内容を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) SACOの最終報告におきまして、北部訓練場の一部返還に関し、ヘリコプター着陸帯を返還される区域から同訓練場の残余の部分に移設することを条件として、平成十四年度末までを目途に、同訓練場の過半を返還する旨が盛り込まれたわけでございます。 本年一月、ヘリコプター着陸帯等の移設につきまして受け入れ先の地元自治体の理解が得られたことを受けて、本年四月二十七日、日米合同委員会において、SACO最終報告に盛り込まれた内容の実施について日米間で合意したところでございます。 御指摘のヘリコプター着陸帯の移設につきましては、米軍がヘリコプター着陸帯を使用して現在実施している訓練を返還後においても残余の区域において引き続き実施し、米軍の練度を維持しなければならないとの観点から、SACO最終報告に盛り込まれたものでありまして、本件の移設は日米間の合意の内容に含まれているものでございます。 今後、北部訓練場の一部返還を実施していく上でヘリコプター着陸帯の具体的な移設場所を決定するに当たっては、環境への影響を最小限にとどめるとの考えから、現在環境調査が実施されており、この調査の結果を踏まえて関係機関の間で調整されていくものと承知をしております。
○照屋寛徳君 このヘリパッドの具体的な移設場所、移設の位置それから規模については、これは日米間で合意をするんですか、それとも日本政府だけで決められることなんでしょうか。
○政府委員(竹内行夫君) 日米間で調整し合意するというふうに承知をしております。
○照屋寛徳君 それでは防衛庁長官、現在段階での移設作業の状況について御説明ください。
○国務大臣(野呂田芳成君) この問題に関するSACOの最終報告につきましては、今、外務大臣から御説明があったとおりであります。そしてまた、他方、ここにはノグチゲラやヤンバルテナガコガネなどの固有種が生息して、非常に貴重な自然環境を有しているものと認識しております。 こういう認識のもとで、今、北部訓練場の返還に必要なヘリコプター着陸帯の移設については、沖縄本島北部の自然環境の保全にできる限り配慮するとの観点から自然環境調査を実施しているところであります。 当庁としましては、ヘリコプター着陸帯の具体的な移設場所等について、自然環境に与える影響を最小限度にとどめるとの考えのもと、現在実施している調査の結果を踏まえ、環境庁、沖縄県等関係機関とも十分調整の上適切に対処してまいりたいと考えております。決して、防衛施設庁の判断だけでこの問題を決定し米軍と合意してしまうというようなことは全く考えておりません。
○照屋寛徳君 私は、この計画どおりに建設されると山原の貴重な生物相と生態系に重大な影響が出ると思います。日本応用動物昆虫学会、日本生態学会、日本爬虫両棲類学会がこの建設の見直しを求めております。防衛庁長官と環境庁長官に、当該地域で環境アセスメントを実施する気持ちがあるかどうか、お聞きいたします。
○国務大臣(野呂田芳成君) この訓練場の返還に必要なヘリコプター着陸帯の移設等につきましては、環境影響評価法の環境アセスメント対象事業には該当しておりません。沖縄本島北部の貴重な自然環境の保全は大変重要と認識しておりますから、防衛施設庁としては沖縄県の環境影響評価技術指針を踏まえ、これは環境影響評価法の環境アセスと同様のものであります。ですから、事業の対象にはならないけれども、環境影響評価法の環境アセス等と同様の自然環境調査を実施しております。調査の内容についてはこれで十分対処できるものではないかと考えております。 いずれにしましても、先ほど来申しておりますとおり、これらの調査結果を踏まえ、環境庁、沖縄県等関係機関とも十分調整の上適切に対処してまいりたい、こう考えております。
○国務大臣(真鍋賢二君) 先生御指摘のように、この北部地区は亜熱帯性自然帯が広がって、野生生物の生息とか生育地として重要な地域と認識をいたしております。先ほど防衛庁長官がお話しになられましたように、環境影響評価の点につきましてはこの地域がこの規模で調査対象にならないということでございます。 環境庁としては、関係当局からの求めに応じて、自然環境保全のために必要な助言をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○照屋寛徳君 それでは、最後に。 嘉手納基地でのPCB問題で昨日の日米合同委員会で米側から報告があったようであります。その報告の内容と、最大値六・二五ppmのPCBが検出されたようでありますが、再検査、再調査あるいは追加調査、住民の健康被害への追跡調査等について、外務大臣と環境庁長官にお伺いをいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 米国政府が昨年十月二十五日から十一月七日にかけて専門家チームを嘉手納飛行場に派遣し同飛行場で行った環境調査結果が御指摘のように公表されたわけであります。 この結果によれば、本件調査において採取された水質及び大気サンプルからはPCBは検出されませんでした。土壌サンプルから非常に低い濃度のPCBが検出されたものの、米側において極めて厳しい健康リスク評価を行った結果、このような低濃度のPCBは人間の健康上の危険とはならないとの結論が得られたとのことであると承知をしております。 政府といたしましては、米国政府が米環境保護庁の定める基準に基づき綿密な調査及び分析を実施した調査の結果を一定の科学的合理性に基づいたものと評価したいと考えているわけであります。 ただ、政府といたしましては、念には念を入れて周辺住民の方々の不安の解消にこたえるとの観点から、日本側により補完的調査を実施したいと考えており、米側と調整していきたいと考えております。
○国務大臣(真鍋賢二君) ただいま外務大臣が御答弁なさいましたので重複の点は避けたいと存じますけれども、この調査結果によれば、問題点の土壌から微量のPCBが検出されたものの、米側が健康リスクの評価を行った結果は、今お話しになったように人の健康に危険を及ぼさないという結論が得られたと承知をいたしておるところであります。 環境庁としては、今回の調査結果は、米国政府が米国環境保護庁の定める基準に基づき綿密な調査及び分析を実施した結果得られたものであり、一定の科学的合理性に基づいたものであると考えておるところであります。 いずれにいたしましても、環境庁としては報告書内容の詳細を専門的見地から検討してまいりたいと思っております。
○照屋寛徳君 終わります。
○委員長(竹山裕君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、入澤肇君の質疑を行います。入澤肇君。
○入澤肇君 自由党の入澤でございます。 私は最初に、昨日の衆議院の予算委員会におきます介護保険制度についての厚生大臣の答弁について幾つか御確認をしたいと思います。 きょう、その議事録を取り寄せて読んでみますと、明らかに総理大臣と厚生大臣の答弁は矛盾しております。総理大臣は、各政党間の考え方もよく十分に受けとめて考えるべきだと財源問題について言っています。ところが、厚生大臣は、事介護保険に関する限りは、大筋でこれは国会で承認された法定事項でございますから、それを私どもとしては円滑にいかに実施するかということが必要だと言っていまして、自自公における基本政策のお話し合いは、当然これは私どもとしてとやかく言う筋合いではございませんがというふうなことまで言っている。 この厚生大臣の答弁は、実は昨年十二月に自由党と自民党との間で取り交わされました介護制度につきましての覚書にも矛盾しております。その覚書は、平成十一年度末までに財源のあり方を含めて検討すると言っております。 きょう午前中に、唐突に聞こえたのでございますが、岡議員の質問に対しまして、きのうの答弁と違う、ある意味で修正がなされたような答弁があったようでございます。 そこで、確認したいのでございますけれども、昨日の答弁は総理の答弁が適切であって、厚生大臣の答弁は不適切であった、したがってきのうの厚生大臣の答弁は取り消したというふうに理解してよろしいかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 政策遂行には与党間の合意と信頼が重要であることを厚生省といたしましても、所管大臣としての私も、十分踏まえて対処してまいります。 したがいまして、介護制度については平成十年十二月十六日の「自由党との協議の確認」において、「介護制度については、平成十一年度末までに基盤整備、実施主体の状況などを点検し、円滑な実施が図られるよう財源のあり方などを含め検討する。」とされており、これに沿って円滑な実施が図られるよう、当省といたしましても誠実に与党間における協議を得て対応したいと考えております。
○入澤肇君 しつこいようでございますが、重ねて確認いたします。 介護保険制度の実施に当たっては、昨年の与党合意に基づき今後の与党協議の中で具体的な内容を詰めて対応するというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮下創平君) ただいま申しましたとおり、この「自由党との協議の確認」、これに沿って円滑な実施が図られるよう当省といたしましても誠実に与党間における協議を得て対応したいというように考えております。
○入澤肇君 誠実に対応するということは、与党合意の結果に従うということでよろしゅうございますね。
○国務大臣(宮下創平君) ただいま申し上げたとおりでございまして、誠実に対応してまいります。
○入澤肇君 私は、やっぱり公党間の約束というのは本当に真摯に守られなくちゃいけないと思っているんです。 この介護保険制度につきましては大変難しい問題をたくさん抱えている。介護認定あるいは介護サービス、これは準備が着々と進められておりますけれども、負担の面について見ますとなかなか保険制度になじまないのじゃないかと思われるようなところがあるわけです。個人間のアンバランスの問題、市町村間のアンバランスの問題、それをこの保険制度とは別に別途財源で手当てしようということは、既に保険制度は崩壊している、成り立たないということを意味するのではないかと思うのであります。 したがいまして、この介護制度につきましては、与党間でいろんな主張をぶつけ合って足して二で割るというような対応方策ではなくて、事柄の本質に即して建設的に案をつくっていくべきじゃないかというふうに私は考えております。そういうふうにすることを強く要望しておきます。 続きまして、憲法問題につきまして若干お尋ねしたいと思います。 いよいよ憲法調査会が両院で設置されて、今まで本当におかしかったのですけれども、タブー視するような形で憲法について議論がなされていなかった。今度の中央省庁の再編、地方分権の問題一つ取り上げてみても、国と地方との役割につきまして今の憲法は十分な規定がなされていると考えません。それから、ガイドラインの問題につきましてもしかりでございます。 そこで確認しておきたいのですけれども、昭和二十九年七月に自衛隊が発足した。その前身の保安隊のときにも違憲論があったやに聞いております。いろんな議論が出たと。そういう中で二十九年十二月に政府が統一見解を発表されております。その内容を法制局長官に御披露願いたいと思います。
○政府委員(大森政輔君) お尋ねの昭和二十九年十二月二十二日、衆議院予算委員会におきまして大村国務大臣、防衛庁長官が答弁した憲法九条に関する政府見解の要旨は次のとおりでございます。 第一点、憲法は自衛権を否定していない。第二点、憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない。自国に対して武力攻撃を加えられた場合に、国土を防衛する手段として武力を行使することは憲法に違反しない。第三点、自衛隊のような自衛のための任務を有し、かつその目的のため必要相当な範囲の実力部隊を設けることは何ら憲法に違反するものではない。第四点、自衛隊は外国からの侵略に対処するという任務を有するが、こういうものを軍隊というならば自衛隊も軍隊ということができるが、憲法に違反するものではない。第五点、これは憲法解釈問題ではございませんが、憲法九条については世上いろいろな誤解もあるので、機会を見て憲法改正を考えたいと思っている。 以上の見解が表明されております。
○入澤肇君 ただいま御説明がありました政府の統一見解というのは今も生きているんですね。確認したいと思います。
○政府委員(大森政輔君) ただいま紹介いたしました自衛権及び自衛隊と憲法九条との関係についての政府見解は現在も変わっておりません。
○入澤肇君 総理、今お聞きのとおり、当時、二十九年に自衛隊ができたときの政府統一見解、これがまだ生きているわけでございます。そうしますと、自衛隊は違憲ではないが、憲法第九条については誤解もあるので機会を見て憲法改正を考えたいという統一見解は生きているわけでございます。 こういうふうな統一見解が現在存続しているということにつきましてどのようにお考えか、総理の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 憲法の基本理念であります民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重は、憲法が制定されてから今日までの間、一貫して国民から広く支持されてきたものであって、将来においてもこれは堅持されるものだと考えております。 憲法第九十六条は、言うまでもありませんが憲法の改正手続を規定しており、憲法が法理的に永久不変のものとは考えておりません。また、憲法をめぐる議論が行われること自体は何ら制約されるべきものでないということは言うまでもありません。しかしながら、国の基本法である憲法の改正につきましては、世論の成熟を見定めるなど慎重な配慮を要するものであると考えております。 憲法に関する問題につきましては、これまでも各方面からさまざまな意見が出されており、国会における議論につきましてもこれを見守りたいと考えておりますが、現在、国民の中で憲法改正の具体的内容について合意が形成されているとは考えておりません。したがって、現段階におきまして内閣として憲法を改正するという考えは持っておりません。
○入澤肇君 現時点において憲法を改正するということは考えないという御答弁でありましたけれども、既に二十九年当時にいつの日か憲法改正を考えたいという明確な答弁があるわけでございます。 今度、憲法調査会が設置されますけれども、改正するしないにかかわらず、憲法上の抱えている重要な問題につきましては洗いざらい十分慎重に検討して、二十一世紀を迎えることを私は心から期待したいと思います。 そこで、本題の補正予算の関係につきまして、まず総理に御質問申し上げたいと思います。 昨年十一月十六日以来約八カ月たっているんですけれども、緊急対応対策ということで雇用政策につきまして三度にわたる対策が出されたわけであります。しかし一方で、経済界は相次ぐリストラ、バブルの崩壊の中で、いわゆる日本型の雇用システムの見直しが着々と進められております。例えば、年功序列賃金制度を見直す、年俸制を導入する。年俸制を導入するという裏側には退職金は出さない、退職金を出さない仕組みにしたいということも含まれているようでございます。また、年金制度につきましても、厚生年金基金をやめて新しく確定拠出型の年金というものを創設したい。 いろんな動きがあるわけでございますけれども、こうなってきますと、先ほどもある委員が質問していましたけれども、緊急な雇用政策だけでなくて抜本的な雇用対策ということをそろそろ準備しておかなくちゃいけないんじゃないか。要するに、最低賃金制度を初め労働雇用関係の法規を十分に見直して、雇用対策は抜本的に見直す時期が来ているんじゃないかということにつきまして、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) けさほどから実は御答弁申し上げておりますが、現時点における日本としては大変厳しい経済環境にございまして、そういう意味で雇用問題に対する対策というものは、現下、政府の最大の課題であるとさえ考えておるわけでございます。 そういう中で、第三の道と申し上げておりますけれども、日本型の旧来の年功序列型終身雇用制度というものにつきまして、このままでいいかという考え方は当然あるべきものだろう。しかし一方、余りにも大きな大変革をいっときにやりますと、ややアメリカ型の形にならざるを得ない。一方、さりとてそうした中で雇用を完全に守っていくということになりますと、そうした形での保険制度その他万般にわたりまして大きな負荷をいたしていかなきゃならぬ、こうなりまして、その間いかに取り組んでいくかということでございます。 今、入澤委員のおっしゃっている問題意識は十分理解するわけでありますし、またそうならざるを得ない環境の中に、グローバルスタンダードが必ずしもいいとは思いませんけれども、従前、日本が右肩上がりで経済が成長する過程で吸収してきましたいろんな諸問題も、この際は十分、一方では見直しながらいかなきゃなりませんが、見直しが性急な余りに今のシステムを全く壊すということもなり得ないというのが私が申し上げている第三の道でございますが、御指摘の趣旨はよく理解したつもりであります。
○入澤肇君 ありがとうございました。 そこで、労働大臣にお伺いしたいんですけれども、三度の雇用政策の中で、最初の百万人規模の雇用の創出、安定を図るということは、その次の対策では七十七万人になりました。このときの文章を見ますと、なぜ七十七万人というのを唐突に出したかというと、百万人規模の雇用の創出、安定を一層具体的に推進するためだというふうな文章がございました。今回、七十万人を上回る雇用・就業機会の増大を図るというのは、今度は七十七万人に追加して七十万人の新しい雇用を創出するのか、あるいは七十七万人がまた不確かなのでさらにそれを具体化するために追加的に出したものなのか、その性格につきましてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 最初に百万人の雇用の創出、安定というお話をいたしました。これは、政労使雇用対策会議の中でとにかく目標値を掲げよという御叱咤もいただきまして、なかなか雇用に関する具体的な数字を挙げるというのは難しかったのでありますけれども、とにかく雇用の安定効果もほっておけば失われちゃうんですから、純雇用ということになるんじゃないだろうかということでそれを六十四万、そして雇用のつくり出す創出効果を三十七万と算定いたしました。その三十七万はマクロ効果でありまして、経済対策をやって経済が底上げになった分を加味するとこのぐらいの創出効果があるんじゃないかという算定でありました。 そして、三十七万ではいかにも少ないという御指摘をその後いただきまして、じゃ個々の政策効果というものを検証し、予算の効率的前倒し執行等々を督励しようということで、四分野に限って精査をしてくれ、それから予算も効率的、効果的に投下をしてほしい、そうするとどのくらいが見込めるのかということで七十七という数字がはじかれたわけであります。 今回、それぞれオーバーラップしている部分があると思いますが、今度は緊急対策でもありますし、予算対雇用ということの関連づけをさらに明確にさせていただきました。 ですから、これは全部足し上げるというわけではなくて、オーバーラップをしてくると当然はみ出してくる部分もありますから、これで七十万なら七十万で一人たりとも計算できないということではないと思いますけれども、主にオーバーラップしてくるというふうに御理解いただきたいと思います。
○入澤肇君 次に、私は、こういうふうに雇用問題で、リストラで、先ほどもいろんな議論が出ていました。自殺者が多数出ている、失業者がふえている中で、非常に社会的に不安な状態が続いている。ワークシェアリングを本格的に考えてみていいんじゃないかと思うんです。 例えば、残業なしでやれば二百六十万人の雇用創出効果があるという社会経済生産性本部の試算がございます。これはサービス残業月間平均六・九H、残業なし、残業手当なしです。これだと新規雇用で賄うことができるのは九十万人分に相当する。それから、所定外の労働時間月間平均十二・五H、これをゼロとした場合には百七十万人分の雇用が生み出せるというふうな試算をしているわけでございます。このワークシェアリングについて、やはり基本的に取り組まなくちゃいけないと私は思います。 特に、障害者の雇用対策について御一考願いたいと思います。私は、中央省庁の再編を機会に障害者の共同作業所にぜひ仕事を与えてもらいたい。政府の各課、局等にかけるネームプレートあるいは看板、こういうものは一括して障害者の共同作業所に出していただきたいと思うんです。さらに、その上に座卓だとか必要な備品につきましても、共同作業所でできるものについて調達するということを考えていただきたいと思うんですが、それだけお答えを願って、質問を終わります。
○国務大臣(甘利明君) まず、ワークシェアリングでございますが、これは一つの考え方でありますが、違法な残業についてそれをきちっと正して、その分人を雇いなさいと言うことはできると思いますが、法定内の残業に関しましては、これは労使の話し合いが必要だと思います。というのは、働く方も残業分を当てにして生計を立てている部分もありますから、それをいきなり取り上げるというのはなかなか難しいですから、話し合いが重要だと思います。 それから、障害者の就労に関しましては、これは福祉と雇用との行き来を自由にするということについては先ほど厚生大臣が御答弁をされたとおりでありますし、次年度政策に向けて雇用の場に福祉政策をどう持ち込むかということについても今検討中でございます。
○委員長(竹山裕君) 以上で入澤肇君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、奥村展三君の質疑を行います。奥村展三君。
○奥村展三君 参議院の会の奥村展三でございます。 去る十三日の本会議におきまして、総理初め大蔵大臣に財政演説をお聞きして質問させていただきましたが、本日は細部につきましてお伺いをいたしたいと思います。 四月末の失業率は四・八%、三百四十二万人ということでございました。この中に、学卒の失業者数を見てみますと、二十三万人に及んでおるわけでございます。特に、その中でも高校生の卒業の数字を調べてみますと、本年三月卒業されましたのは百三十六万三千人、そのうちの二一%が就職を希望されておったようでございます。ですから、二十九万九千人程度になろうと思います。しかし、その中で実は昭和五十一年以来九〇%を切ってしまった就職率であります。八九・九%になっているわけであります。ということは、約三万人の高校卒業生が現在もなお就職ができていないというのが現状のようであります。 この点につきまして、労働省として、労働大臣の高校生等の就職につきましてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、三月の調査で、高校卒業者の就職率が八九・九%、約二万九千人が未就職となっております。 そこで、この春四月に、私、経済団体を回りまして、未就職者に対して前向きに検討してもらいたいという要請を行ってまいりました。それから、職安におきましても、学校等と連絡をとりながら、就職情報についてその後も情報の交換、提供をさせていただいてきております。求人を開拓する推進員の活用も行いまして、より多くの求人の枠の確保をいたしております。 さらに深刻なのは、いわゆる七五三と言われますけれども、中学卒就職、高卒就職、大卒就職で、三年以内に大卒は三割がやめてしまう、高卒は五割がやめてしまう、中卒は七割がやめる云々ということがまた深刻でございまして、ことしから試行的にいわゆるインターンシップ制度を高校生にも導入して、職業意識の高揚とかそれから自分が何を目指そうとしているかを体験的に学習していただくということも始めております。
○奥村展三君 確かに、中高年者の皆さん方の就職問題も大変でございますが、やはり私は、夢を持ってこれからの我が国を担ってくれる高校卒業生がしっかりとした就職につけるように、労働省としてもその手当てをお願いしておきたいと思います。 文部大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(有馬朗人君) 今、甘利労働大臣がお答えしたとおりでございまして、本年三月高等学校卒業生の就職希望者のうち未就職者は二万九千九百人で、前年度より約六千人ふえております。これは、大変厳しい雇用情勢を反映しているものでございますが、それにしても若い人たちの夢を奪うということは大変いけないことでございまして、私といたしましても大変憂慮し、かつできるだけのことをいたしている次第でございます。 文部省では、各都道府県の教育委員会などに対しまして、職業安定主管部局と連携して一層の求人開拓と未就職者、卒業者への配慮を求めるということを強く要望しております。また、関係経済団体等へも、高等学校卒業者の採用枠の維持拡大や未就職者、卒業者への応募機会の確保等を強く要請しているところでございます。
○奥村展三君 事務系といいますか、総務系でしたら卒業されてもすぐ採用ができるわけでありますけれども、なかなか現在の経済情勢では即雇用に結びつくということは大変難しいと思います。これは文部省におかれましても、ぜひ職業能力を開発できる科目をより以上充実されることを希望しておきたいと思います。 労働省、労働大臣にお伺いをいたしたいと思うんですが、どうも公共で能力開発施設等をたくさんおつくりのようでございますが、受け入れ側、つまり民間企業から見ますと大変なギャップがあるわけであります。民間企業は一日一日進歩をしながら、先取りをしていかなければ生きていけないわけであります。しかしながら、労働省等の能力の施設を見ますと、従来型といいますか、確かに基本はきちっとやっていただけるわけでありますけれども、なかなかそこのギャップがあるわけですが、どのように今後取り組んでいかれるか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 職業訓練に関しましても、官と民との区分といいますか、役割分担あるいは連携のとり方というのがあると思います。 私どもが行っておりますのは、一つは装置型といいますか、設備投資が過大で民間ではそれが賄い切れない、そういうところを担当させていただいておりますのと、近年、アビリティガーデンと申しまして、ホワイトカラー向けに職業訓練を行っておりますが、これは、先導的にトライアルをしていくという部分は私どもで開拓していっておりますから、そういうプログラムを民間に移して民間でもやっていただく。その際に、委託訓練というのを今期も大幅に拡大いたしまして、民間の力を活用して、職業能力開発も官と民と相まってやっていこうという姿勢であります。
○奥村展三君 ぜひそのように推し進めていただきたいと思います。 やはり中小企業の体力がしっかりしなければならないと思います。日本のここまでの経済発展は、私は、中小企業がこれだけ努力をしてきたからこそだと思っております。 そこで、通産大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、今、労働大臣が民間との格差のお話もなされました。私は、百四十二回国会におきまして保証協会の充実を訴えたわけでありますが、貸し渋り等の運転資金あるいは設備資金につきましては現在どのようになっておるのか。そしてまた、この年末には資金が増大してくると思いますが、今の労働大臣の、中小企業あるいは民間との格差を踏まえて、中小企業の育成等について所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 保証協会の件だけについて申しますと、昨年十月一日に設けました保証協会の特別枠二十兆のうち、現在までに保証を既に実行いたしましたのは二十兆のうちの十六兆、件数にして八十七万件でございます。したがいまして、保証枠はあと四兆円分残っております。 ただし、現在、六月の実績を見てみますと、各県の保証協会の実際の保証のトータルは四千億でございまして、従来よりもこの特別枠を使うケースが大変少なくなってきております。したがいまして、このまま推移いたしますと、四兆円を四千億で割りますとあと十カ月分あるということになりますが、既に小渕総理は記者会見において、今後の中小企業対策の一つとして必要かつ十分な保証枠の確保をなさるということを表明されておりますので、政府全体としては、仮に年末にかけて特別枠が減少した場合の対応というのは、昨日の宮澤大蔵大臣の答弁を含めまして、一定の方向に進むことは決まっているわけでございます。
○奥村展三君 通産大臣、職業の格差ですね、民間の受け入れ側としてのことも労働大臣はお答えになりましたが、通産大臣としてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 実際、例えば連合傘下の大きな労働組合に所属する方が仮に中小企業に移動したような場合には、当然、労働条件というのは悪くなるということが予想されます。そういう意味では、中小企業に働いている方々というのははるかに恵まれない職場の環境にいるということでございます。 そういう意味では、我々中小企業に対しては本当に真剣に応援をしたいと実は思っておりまして、今までも、融資の面でもそうでございますし、また労働省のやっておりますいろんな施策も、中小企業にはちゃんと光を当てた政策をやろうと、その我々の意思をぜひお酌み取りいただきたいと思っております。
○奥村展三君 ぜひ、失業対策におきましても、そしてまた今の貸し渋り等の問題につきましても、即効性のある対策をしていただくことをお願いして、質問を終わります。
○委員長(竹山裕君) 関連質疑を許します。菅川健二君。
○菅川健二君 さきの集中豪雨による災害についてお尋ねいたしたいと思います。 私は一昨日、参議院の災害対策特別委員の一員として、同僚の議員の皆さんと一緒に、改めまして地元の広島県の災害の状況をつぶさに視察してまいったわけでございます。 現地では、被災後二十日近くたつにもかかわらず、災害のつめ跡がなお大きいわけでございまして、ある地域におきましては、現在でもなお砂防ダムに流木が積み重なっておりまして、その機能が完全じゃなくて、二次災害のおそれがあるというような状況もまだあるわけでございまして、地域住民は一刻も早い早期の応急復旧と、二度と災害の起こらない本格的な災害復旧工事を切望いたしておるわけでございます。 総理には、不安におびえておる地域住民に対して、安心できるようなお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) このたびの災害に対しまして、政府を代表して、被災地の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 今回の集中豪雨によります災害の応急復旧につきましては、再度の災害の防止と地域の速やかな安全確保のため、被災箇所の復旧を可能な限り迅速かつ円滑に進めていくこととし、災害査定官を派遣して工法を指導するなど、関係省庁一丸となって鋭意作業を進めており、応急復旧を必要とする箇所の大半において工事を行っていると報告を受けております。 また、このような豪雨災害が毎年のように繰り返されることのないよう、危険箇所の防災工事を促進するとともに、洪水、はんらんや土砂災害の危険についての情報提供を一層進めることといたしております。さらに、危険な地域に家が建つことを防ぐために、法的な措置も含めて目下検討を進めておるところでございます。 菅川委員はお地元でございますので、その実態をよくごらんになって御存じだと思いますが、私この災害が起きました直後に国土庁長官を派遣し、その報告によりますれば、その災害箇所、視察場所につきましては、大変急峻な山のすそ野にある家が崩壊しておるというようなこともございまして、こうした地域における宅地造成等の問題につきましても早速に指示しておるところでございますが、申し上げましたように、細かくは私も正直申し上げてどの程度の復旧状態になっておるか承知いたしておりませんが、遅滞しておるといたしますれば、さらに積極的にその復旧のための努力を政府を挙げていたしてまいりたい、このように考えております。
○菅川健二君 どうぞよろしくお願いいたします。 今回の災害は特に集中豪雨による土砂崩れとかあるいは小川のはんらんによって被害が大きくなったわけでございます。広島県では、土石流の危険渓流が四千九百カ所余り、それから急傾斜地の崩壊危険箇所が五千九百余りあるわけでございまして、全国的に一番高いわけでございます。この防止対策の緊急性は叫ばれておりながら、なおこの対策については遅々として進んでいないという状況もあるわけでございまして、全国ベースで見ましても、なお二〇%程度の整備率にとどまっておるわけでございます。 建設大臣には、この際、この災害によります整備箇所につきましてはそれなりの有効性が発揮されておるわけでございますので、思い切った整備の前倒しをお願いしたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、広島県はそういうようなことで土砂災害の危険箇所、また土石流、がけ崩れの箇所が全国一多いところでございまして、御指摘のように、その整備率も土石流が約一九%、がけ崩れが約三五%という状況にあります。 ですから、私は現地を視察いたしましたときにも申し上げたわけでございますが、いわゆる重点配分ということをやるべきであるというふうに述べさせていただいたわけでございます。そうしてまた、先ほど総理からも御報告をいただいたわけでございますが、七月六日に建設省内に総合的な土砂災害対策に関するプロジェクトチームを発足させまして、法的な措置も含めまして有効な方策を集中的に検討するということに入っております。 今、復旧は鋭意努力をいたしておるところでございまして、きょう十六日にも中央防災会議局員会議を開催いたしましてそういう復旧、あるいはまたこの本会議の開催によりまして、消防庁、気象庁等の関係省庁においても総合的な検討を進めておりますから、しっかりとこの復旧は行っていきたいと考えております。
○菅川健二君 先ほど御指摘もございましたけれども、宅地造成工事そのもののあり方についてもいろいろと反省すべき点があるんじゃないかと思いますので、そのあり方につきましても検討をぜひ進めていただきたいと思います。 なお、その他の関係大臣におかれましても、一刻も早い応急復旧と本格的な災害防止対策につきまして万全の措置をとっていただくよう要望いたしまして、私のお願いを終わらせていただきたいと思います。
○委員長(竹山裕君) 以上で奥村展三君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(竹山裕君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 本日は、最初に、私の方からはポリオの予防対策についてお伺いをしたいと思います。 昨年の十二月の本委員会におきまして、昭和五十年から五十二年生まれの方々についてはポリオの抗体保有率が大変低いということを質問させていただきました。改めまして本日、問題の内容とこれまでの経緯を御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) これまでの経緯について御説明いたします。 厚生省が平成六年度に実施いたしました伝染病流行予測調査によりまして、昭和五十年から五十二年の間に生まれた方がポリオの抗体保有率がやや低くなっていることが明らかになったわけでございます。このため、平成八年十月に開催されました公衆衛生審議会の伝染病予防部会におきましてこの問題について御審議をいただき、そして当面のポリオ対策について御意見をいただいたわけでございます。 具体的に申し上げますと、昭和五十年から五十二年生まれの方々がポリオの常在国へ渡航する場合にはポリオに感染発症する可能性が否定できないこと、また、極めてまれではありますが、ワクチンを接種した家族と接触する場合には感染する可能性も否定できないこと、このため抗体保有率が低いこの年齢層の方々に対しまして、予防接種の効果と副反応の可能性などにつきまして十分な情報提供を行った上で、希望に応じて追加接種が受けられるように対応することが望ましいという提言を受けたわけでございます。 厚生省といたしましては、この提言を受けまして平成八年十一月に各都道府県、指定都市に対しまして、これらの方々に対し、ポリオの抗体保有率が低いことの意味、ポリオワクチンを接種した子供と接触した場合には極めてまれではあるが感染するおそれのあること、予防接種を受ける場合には予防接種法に基づくものではない任意の予防接種となり有料となることがあること、それから、予防接種を受けた場合の注意事項、副反応があった場合の対応措置等に関する情報提供を行い、あわせて予防接種を希望する者が予防接種を受けることができる実施機関の確保について指導したところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございます。 実は、私のところにその年代のお母様からお便りをいただきまして、ただいま内容を御説明いただきました例えば情報提供、再接種を希望される方々への医療機関の確保など、幾つかの自治体の対応を私も勉強させていただきました。調査させていただきました。例えば、北海道などは実にきめ細やかに対応をとられておられますし、また、逆にほとんど対応のされていないところもございました。(「どこだ」と呼ぶ者あり) その後、厚生省といたしましては、具体的にどのような対応をおとりになったか。今、こちらの先生方からどこだという御質問が出ましたが、余り人様の悪いことというんですか、御迷惑をおかけしたくありませんので発言は控えさせていただきますが、そういうところもございました。御答弁をお願いします。
○政府委員(伊藤雅治君) 昨年十二月の本委員会におきましての委員からの御指摘を踏まえまして、また、昭和五十年から五十二年生まれの年齢層の方々の子供さんがポリオの予防接種を受ける時期に差しかかっているというようなことを考慮いたしまして、本年一月、厚生省におきまして各都道府県等におきます平成八年の通知への対応状況を調査したところでございます。 その結果、県内のすべての市町村で市町村広報紙への掲載を行うなど、何らかの対応をしている県が六県ある一方、県内の九〇%以上の市町村が何らの対応もしていないという県が五県あるなど、その対応のばらつきが非常に大きいということが判明したわけでございます。 このような調査結果を受けまして、厚生省といたしましては、本年五月に各都道府県等に対しまして再度通知を発しまして、ポリオに関する情報提供やポリオの予防接種ができる医療機関の確保について再度指導したところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございます。 今、五県というお話が出ましたけれども、私もここで本当にお名前を出したいぐらいですけれども、そういうことではなしに、少しでも皆さん方に安心していただける、一日でも早く対応していただけることを私は望みます。 国民の健康、そして命にかかわる大切な問題でございますし、国としても通知を出すことで終わることなく、その後の対応も十二分にとっていただきたい、こういうふうに思うわけですけれども、厚生大臣の御答弁をよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(宮下創平君) 国民の健康にかかわる行政を担当する厚生省といたしまして、さまざまな健康問題への対応につきまして、単に都道府県等へ通知を発出するということのみではなく、その後の実施状況を把握し、必要な対応を講じていく必要があるというように認識しております。 御指摘のポリオの抗体保有率が低い問題につきましても、今後とも引き続いて各都道府県において的確な対応が図られますようにその対応状況を注視して助言、指導していくとともに、厚生省みずからも各都道府県の具体的な取り組みに協力してまいりたい、このように考えております。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 次に、国立身体障害者リハビリテーションセンターについてお尋ね申し上げます。 まず、厚生省から、埼玉県に設置しておられます国立身体障害者リハビリテーションセンター、その設置目的、また更生訓練所で行われている理療教育課程について、まず御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(真野章君) 所沢にございます国立身体障害者リハビリテーションセンターでございますが、身体に障害のある人々に対するリハビリテーションを一貫した体系のもとに総合的に実施するとともに、リハビリテーションに関する技術の向上に努め、その成果を全国の関係施設に及ぼすことによって身体障害者福祉の増進に寄与することを目的として、昭和五十四年に設置されたものでございます。 同センターにおきましては、この目的を達成するために、更生訓練所、それから病院、研究所、さらに学院が置かれております。更生訓練所には三つの訓練課程がございますが、先生御質問の理療教育課程は、視覚障害者に対しまして、あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師の資格取得のための養成施設として理療教育を行っております。また、卒業後における施術所の開設や経営の指導及び就職指導を行っております。 現在、平成十一年五月一日現在で、理療教育課程におきましては百七十七名の方が入所されております。
○西川きよし君 こちらにお世話になっている方々は施設内で生活をしておられるわけですけれども、ハンドブックにはこう記してあります。長期休暇として夏季、冬季などがありますが、「長期休暇中は全員帰省していただき、訓練や生活、及び将来の自立計画について家族や福祉事務所、町村役場の担当者と話し合う機会としています。」、こう書かれてあります。 この点についてですけれども、例えば訓練を受けたいと希望される方の中には、生活保護を受けながら自立を目指して一人で頑張っておられる障害者の方々もおられます。仮にこうした障害者が宿舎に入舎すると、住んでいるアパートについては生活保護から家賃を払っているわけですから、一たんアパートを引き払わなければいけません。この場合に、家族がいなければ帰省もできませんし、帰るアパートもないわけです。結局のところ、こうした障害者は訓練を受けることができなくなります。この点について、帰省することができない者にはこの期間についても宿泊施設を利用させていただけるように、改善をお願いしますということでございます。 この点については、その期間中の光熱費、人件費、予算的な措置もいろいろとお願いをしてまいりましたが、厚生省は改善していただけましたでしょうか。御答弁をよろしくお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 今お話のございました方々は、所定の課程を修了した後は出身地におきまして治療院を開設することが多いことから、訓練がない休暇期間は家族や出身地の関係機関の担当者などとの意思の疎通を図る重要な時期として位置づけて、原則として出身地に一時帰省していただくことが望ましいと考えておるところでございます。 しかしながら、今お話しのように、入所者の方々の中には種々の事情によりまして帰省できない方が見られますことから、今般、こうした入所者の方について、訓練のない休暇期間中もセンターの宿泊施設が利用できることとして、その旨を入所者の方々に配付しております入所者ハンドブックにも明記しておるところでございます。そのように、帰省することが困難な場合等については、宿舎の利用は可能ですということをはっきり明記いたしました。 今後とも、このリハビリテーションセンターの運営に当たりましては、入所者の立場に立ったきめ細かな対応をしてまいりたいと思っております。
○西川きよし君 ありがとうございます。感謝申し上げます。 最後になりますけれども、先日、知的障害者を持つお父様の本を総理に御紹介させていただきました。「娘より三日間長生きしたい」という、障害のある子供さんを持つお父様の御本でございました。私は、いつも細やかなことばかりですけれども、でも皆さん方に届いたときには小さくても温かく大きく感じていただけるようなことをいつも御質問させていただいております。 大変この御本に興味を持たれてということで、新聞社の方から私の事務所の方にも取材をいただきました。今後とも、障害者施策につきましては細やかな配慮をお願いいたします。 最後に総理の御意見をお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 障害者施策の基本的な考え方は、障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進し、障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することだと考えております。 政府といたしましては、このような基本的考え方に立ち、平成五年三月に障害者対策に関する新長期計画を策定するとともに、平成七年十二月にはこれを推進するため数値目標などを盛り込んだ障害者プランを策定し、現在、これらに基づき障害者施策の一層の推進に向けて取り組んでおるところでございます。 障害者施策推進本部は、その新長期計画を推進するために設置されたものであり、私も本部長として、ノーマライゼーション等の理念のもと、障害のある人々が障害のない人々と同等に生活し活動する社会を構築し、いわゆる完全参加と平等を実現するため今後とも努力してまいりたいと思っております。 そこで、予算委員会だったと思いますけれども、西川委員から、実は私もこの本、御紹介いただきましたので早速購読させていただきました。礒野優雄さんに私はお電話を差し上げました。残念ながら御不在でございました。いつも私は電話をかけると言われておりますけれども、お手紙を差し上げるよりも何よりもと思いましていたしました。残念ながら御本人はおられませんでしたが、夫人がおられました。 私は、この本の中で、礒野さんがお嬢さんとともに三十年間生きてこられて、そして娘よりも三日間長生きしたいと、こういうお話を感銘深く考えますと同時に、政治家としてもみずから、私三人の子供がおりますけれども、五体満足でございまして、その幸せを実は改めて本を読みながら感じたような次第でございます。 そういった意味で、障害者の皆さんにも、さらにまたその方とともに生きておられる親御さんのお気持ちを思いまして、ぜひ頑張っていただきたいという気持ちもいたしますと同時に、政府としても、そうした政策に落ちのないように心を込めて対処しなければならぬと改めて感じた次第でございます。
○西川きよし君 最後に一言だけ。 総理、ありがとうございました。お電話していただいたことは存じ上げませんでした。そして、今の総理の涙、これからも信頼させていただきまして、私も一生懸命頑張ります。総理もお体にお気をつけて頑張ってください。 ありがとうございました。
○委員長(竹山裕君) 以上で西川きよし君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手) 次回は来る七月十九日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時八分散会