予算委員会 第10号
- 発言数
- 279 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1999/03/05
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十一年度総予算三案審査のため、来る三月九日午後一時に、前大蔵省銀行局長山口公生君、元大蔵大臣官房金融検査部長中川隆進君、前日本債券信用銀行頭取東郷重興君及び日本生命保険相互会社代表取締役副社長名原剛君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 平成十一年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日の一般質疑の割り当て時間は百分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党二十一分、民主党・新緑風会三十一分、公明党十二分、日本共産党十二分、社会民主党・護憲連合九分、自由党六分、参議院の会六分、二院クラブ・自由連合三分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算、平成十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより一般質疑に入ります。亀井郁夫君。
○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。 一昨日、当予算委員会におきまして、我が党の矢野哲朗議員が、広島県の教育の問題、特に県立世羅高校の石川校長先生の自殺の問題について御質問なさいましたけれども、教育問題は単に広島県だけの問題ではなく全国的な問題でもございますので、さらに敷衍して質問したいと存じます。 まず最初に、みずからの死をもって広島県の教育のあり方に警鐘を乱打された石川先生に対し、心より哀悼の意を表し、御冥福をお祈りするものでございます。私は、事件後直ちに弔問に参りまして、奥様の姿に、お慰めの言葉もありませんでした。 広島県の教育の現場の荒れようは、今や大変有名になってしまったわけでございますけれども、昨年の四月、参議院予算委員会におきまして、小山議員の質問された際、福山市の中学校の佐藤教諭が参考人として広島県の荒れようを話されました。そのことが大きな衝撃となりまして、文部省から、五月に異例の調査が行われ、是正指導が行われたところでもございますが、こうしたことによりまして、広島県民もようやく目が覚めまして、新しい動きが出てきつつあるところでもございます。本日の質問に対する大臣の皆さん方の御答弁につきましては、県民挙げて耳をそばだてて聞いておりますので、明快な御答弁をお願いしたいと思うわけであります。 さて、まず最初に、国旗・国歌の問題についてお尋ねしたいと思うわけであります。石川先生が死に追いやられた卒業式の国旗・国歌の問題であるわけでございます。 広島県の教育委員会は、文部省の是正指導もございまして、本年は大変強い姿勢で校長先生方を指導しております。このため、現場におきましては、国旗・国歌に反対する教職員組合とこれを背後から支えております解放同盟によりまして、校長先生がグループで、あるいは個人でたびたび呼び出されておりまして、そして解奨生、いわゆる部落の解放同盟の方の子弟でございますが、そうした子供の保護者の方々ということで呼び出されたり等して圧力がかけられているのが実態でございます。そういうことから、各校、各地区におきまして、連日厳しい交渉が続けられてきたわけでもございます。 そうした中で、石川先生が校長をしておられます県立世羅高校、これは世羅高校といいますと駅伝が伝統的に強うございまして、毎年のように暮れの高校駅伝に出場している高校でございますけれども、世羅高校におきましても連日のように石川校長と高教組及び解放同盟との間で何回も長時間の協議が持たれておりました。 そうした自殺の直前の状況につきまして、また広島県全体としてどのような動きがあったのかにつきまして、文部省では当然調査しておられると思いますけれども、どのような状況でしょうか。調査の結果が出ていなければ中間報告でも結構でございますので、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(御手洗康君) 御指摘の広島県の卒業式におきます国旗・国歌の取り扱いにつきましては、とりわけ昨年の十二月十七日に広島県教育長から市町村教育委員会並びに県立学校等に対しまして国旗・国歌を学習指導要領の規定に基づき適切に行うよう指導通知を発出したところでございます。これに基づきまして、それ以降、県下の教育長会議あるいは校長会等におきましてこの問題につきまして十分周知徹底を図ってきたところでございますが、県立学校につきましては、二月二十三日に臨時県立学校長会議を開催いたしまして、県教育長から直接各校長に対しまして卒業式におきます国旗・国歌の取り扱いを学習指導要領に基づき適切に行うよう職務命令をもって指示したところでございます。 この二十四日以降、各県立学校におきまして職員会議等で、各学校の状況によって異なりますが、卒業式におきます国旗・国歌の取り扱い等について話し合いが行われたようでございますが、御指摘の世羅高校につきましても、二月二十五日十六時から二十一時三十分まで職員会議、二月二十六日十六時から二十時まで職員会議が行われまして、二月二十七日は校長が分会執行部と直接お話し合いを行ったということを伺っております。 また、校長会の支部長等からも石川校長に対して激励等の電話があったということでございます。この校長会支部長からの情報も得まして、御示唆も得まして、二月二十八日、石川校長が自殺をなされました当日朝には教育事務所の職員が校長を訪問し、また県教委の教育部次長も校長を訪問いたしまして状況等をお伺いし激励をしたということでございますけれども、残念ながら、当日十時から予定をしておりました職員会議に出席することなく自殺されたということが確認をされたわけでございます。
○亀井郁夫君 ここに石川先生の死の前日までの日記があります。そうしてこれは日記のコピーですけれども、あります。それから、石川先生の遺書と思われる文書がコピーでございます。 これを見ますと、今おっしゃったように二十八日まで、二十四日から二十七日の四日間に八回、合計二十時間余りの反対交渉が厳しく行われておったようでございまして、石川先生も、もう厳しい一日とか、あるいは悩み深まるとか、疲れが増すというようなことがこの日記にも書いてありまして、焦燥の度を増される状況がつぶさにわかるわけであります。 私も弔問に参りまして、奥様にお会いいたしましていろいろとお話を聞きましたけれども、身近な人には、もう弱っているんだとか、しんどいとか、もうだめだよと、こういった言葉も漏らされておったようでございまして、そういう意味では教職員組合やあるいは解放同盟のかたい強い反対に相当憔悴しておられたように思うわけでもございます。 また、これは最後に石川先生が書かれた遺書でございますけれども、これには何と書いてあるかといいますと、「何が正しいのかわからない 管理能力はないことかも知れないが、自分の選ぶ道がどこにもない。」、このような文章でございます。先生は、かたくなな組合や解放同盟との交渉で打開の道をなかなか探すことができなくて、最後にとうとう死を選ばれたものだということが推測されるわけでもございます。この遺書からも石川校長先生の無念やるせない思いが伝わってくるように思うわけでもございます。 またここに、石川先生の葬儀に際しまして、友人の三原東高校の東風上校長先生の弔辞の一文がございます。これも御紹介したいと思います。 それでも二十七日には、なんにも言うてくれんかった。隠さんでも良かったのに、辛かったんだろうと思います。石川さんが口癖のように言っていた「こうなことは、口が裂けても言われんけぇえのう。」を思い出します。 石川さん、悔しいのう、石川さんは言わんでも、石川さんの気持ちは、我々尾三の校長会のものは、みんないたいほどわかるよ。どの学校でも、どの校長も、みんな同じようなことを経験してきたんじゃけぇ、 という弔辞がございます。そして、大きな感動を呼んだわけでございます。 広島県民のほとんどが、石川校長は事実上教職員組合や解放同盟の厳しい反対運動によって死に追いやられてしまったんだと受けとめておるのが事実であります。 文部省は、石川先生を死に追いやった原因はこうした団体の組織的な反対にあったんだと認識しておられるかどうか、文部大臣にお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) まず最初に、石川校長先生に対しまして、哀悼の意を再び三たび表したいと思います。 ただいまの御質問の件でございますが、この前もお返事申し上げましたように、現在、広島県教育委員会として、卒業式での国歌・国旗の取り扱いをめぐって校長が教職員の反対に遭って悩んでいたことが自殺の大きな要因となっていることは否定できないと考えている旨を表明したとの報告を受けております。文部省としてもそのことを今強く認識しているところでございますが、いずれにしても、さらに詳細な調査結果の報告があることと思っております。それを踏まえた上でまた判断をさせていただきたいと思っております。
○亀井郁夫君 次に、国旗・国歌の法制化の問題についてお尋ねしたいと思いますけれども、石川校長を死に追いやったこの国旗・国歌の問題でございます。 先日の参議院予算委員会におきまして、狩野議員からの国旗・国歌の法制化についての質問に対しましては、小渕総理は消極的な答弁をしておられましたけれども、石川校長先生の死を契機に積極論に変わられました。そして法制化を検討するようにと指示された旨、野中官房長官より談話が発表されました。 法制化されれば、日の丸が国旗であるか否か、あるいは君が代が国歌であるか否かといったある意味では不毛の議論が教育現場で今繰り返されておりますけれども、この必要がなくなるわけでございますので、非常に喜んだ次第でもございます。 しかし、引き続いて、国旗・国歌は強制になじまない、確かにそうでございますけれども、そうした野中官房長官の談話が発表されました。これでは、せっかくの教育現場のこれまでの努力が水泡に帰してしまうのではないかと案じておりましたけれども、昨日、野中官房長官の談話で、学校におけるこれまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いは変えるようなものではないという旨のお話がありましたので、ほっとした次第でもございます。 発表の内容をよく見ますと、このことは児童生徒の内心にまで立ち入って強制しようという趣旨のものではなく、あくまで教育指導上の課題として指導を進めていくことを意味するものと理解しているところである、こういった文言がありますので、疑義を生じては困りますので、この場で国旗・国歌の法制化と学校の教育現場との関係につきまして、官房長官より直接御回答願いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 政府といたしましては、国旗・国歌につきまして、長年の慣行によりまして日の丸・君が代が国旗・国歌であるとの認識が確立しまして、広く国民の間にも定着をしておると考えておるところでございます。 しかしながら、日の丸・君が代が国旗・国歌として広く定着をしている中におきまして、二十一世紀を迎えるに当たって、諸外国では国旗・国歌を法制化している国もあること、また成文法を旨とする我が国にありまして、国旗・国歌についても成文法としてより明確に位置づけることを検討する時期に達したのではないかと考えるところから、今回、国歌及び国旗の法制化についてさまざまな検討に着手することがいいのではなかろうかと総理の御判断をいただいたところでございます。 申し上げるまでもなく、明治三年の太政官布告五十七号によりまして、国旗は、船舶規則で船舶に掲揚すべき国旗の正式な定めが行われておるのでございまして、国旗の縦横の比率や日章の大きさ等についてこれに従うこととされておるのが国旗についてでございます。 また、申し上げるまでもございませんが、国歌につきましては、君が代の歌詞は古今和歌集、十世紀でございますが、及び和漢朗詠集、十一世紀にある古歌に由来したものとされておるわけでございます。 さまざま今、石川先生の痛ましい死の経過を委員から御発言がございまして、改めて石川先生の御冥福をお祈りいたしますとともに、時たまたま先般の参議院予算委員会において狩野安議員の質問に答えまして、総理も、長い慣行の中で国民各層に定着をしておるので、今直ちに法制化を考えておらない旨の答弁をいたしました。ただ、海外における問題、あるいは政党の御主張等もあることを付言をした次第でございますけれども。 その後、今、委員御指摘の、広島県におきます石川先生の自殺の経過等を踏まえまして、私ども先般の閣議の後、有馬文部大臣とお話をしており、私自身もそれぞれ地方におきまして首長を経験する中で、この国旗あるいは国歌の根拠となるべきものについて幾たびか激しい交渉の中で、それぞれ現場におります学校長やその他職場の管理者等が非常に困難な立場に立ち至っておる実態をも見てまいりましただけに、先ほど申し上げましたように長い間の慣習法として定着をしておりますけれども、このまま二十世紀の結末を、成文化することをしないで後世に渡っていくことが果たしていいのかどうかということを一度検討することが必要なのではないか、このように考えまして、総理の御判断をいただきまして、総理も、官房長官を中心にして法制化を含めて検討してくれるようにとのお話でございました。 その後、記者会見に臨みましたら、記者の皆さんから、今お話しになりました石川先生の自殺に触れて、本当に国歌・国旗というのが長い慣習で国民に定着しておるというだけでいいのか、そして指導要領だけでいいのかという質問がありましたので、私から、朝の閣僚懇の後の有馬文部大臣、総理とのお話から、官房において法整備を含めてこの問題を検討していくことを報告を申し上げた次第でございます。 今後いろんな角度に立ちまして、そしてそれぞれ我が国国民が国歌あるいは国旗として尊敬し、そしてそれが若い子供の時代から教育の場で生かされ、また他国の国旗・国歌についても尊敬をし尊重をする、そういう教育の風土が生まれてくることの今度がきっかけになるとするならば、石川先生のつらかった思いにもまたある意味においておこたえする道に通ずるのかなと。これは一人の政治家として私は長いみずからの経験を通じて考えておる次第でございます。 長くなりましたが、一応の今日に至る経過を御報告申し上げました。
○亀井郁夫君 官房長官に再度確認したいのでございますけれども、教育の現場で今まで学習指導要領でいろいろ指導しておりますけれども、そういう姿勢は全く従来と変わらなくてよろしいというふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(野中広務君) 仮に法制化をいたします場合に、いわゆる学校現場等において国歌、それと国旗を義務化するべきであるという一部議論が出ておるということが記者会見で指摘をされましたので、私はそういうものではない、それは義務づけるということを法文化するべき性質のものではないと思う、けれども、今後のそれぞれ法制化の上でこれは検討されるべきであるという旨を申し上げましたけれども、それが義務化をしないということで指導要領を外れるような理解も一部報道をされたわけでございますので、翌日の会見におきまして、それぞれ仮に法整備をいたしましても、文部省はそれに基づいて指導要領を学校現場に定着させていく、教育の場に生かしていくということについては何ら変わらないということを申し上げた次第であります。
○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。 官房長官から明快なお話をちょうだいしましたので安心したわけでございますけれども、国旗・国歌の法制化が実現すれば、石川校長先生の死もまた生きてくるわけでございまして、そういう意味では本当に喜ばしいことだと思うわけであります。 野中官房長官の御答弁を踏まえまして、教育現場を担当される文部大臣にお聞きしたいのでございますけれども、今後の指導方針について改めてお願いしたいと思います。 同時にまた、広島県の場合には教育長が、これまでにないことでございますけれども、職務命令まで出しまして毅然とした姿勢でこれの指導に当たっておりますけれども、こうした姿勢に対してどのように評価されているかもあわせてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 国歌・国旗の法制化と学校における国旗・国歌の指導との関係につきましては、ただいま官房長官から明確にお答えいただきましたし、昨日の記者会見で官房長官から基本的な考えを述べられたところでございます。 もう一度繰り返させていただきますが、官房長官は、基本的な考えとして、今日の法制化を含めた検討は、国歌・国旗の根拠について、慣習であるものを成文法としてより明確に位置づけることを検討するものであって、学校におけるこれまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではないということでございまして、私も同様に考えているところでございます。 また、今後のこと及び広島の教育長のことでございますが、まず今後のことといたしましては、たびたび申し上げ、この前も矢野議員の御質問に明確にお答え申し上げましたように、学習指導要領に基づき、今後も各学校における卒業式、入学式において国旗掲揚、国歌斉唱をきちんと実施していただくよう指導してまいりたいと思います。 また、この線に沿って広島県の教育委員長が今までもずっと御努力になったことに関しましては、私といたしましても非常に評価しているところでございます。
○亀井郁夫君 学校現場における国旗・国歌の問題についてでございますけれども、これが非常に問題になっておるわけでございますが、私は一般の社会生活の中での国旗・国歌という問題もやはり考えてみる必要があるんではないかと思うわけでございます。 祝祭日に町を歩いてみましても、国旗を立てている家は少のうございます。ほとんど見当たりませんし、ありましても数えるしかないというのが現実であります。学校に国旗が上がらないことを嘆く前に、私たちはいま一度、祝祭日に町に国旗が上がらないことを問題にし、嘆く必要があるんじゃないかと思うわけであります。 そういう意味では、国旗・国歌の法制化と同時に、国や地方公共団体のいろんな行事にできるだけ国旗を掲げ、そしてまた国歌を歌うというような形で、国旗・国歌の啓蒙を社会的に推進していく必要が私はあるんではないかと思いますけれども、これにつきまして官房長官からお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘の国旗掲揚の啓発につきましては、昭和三十七年二月の政務次官会議の申し合わせによりまして、各省庁を初めそれぞれ地方官公庁につきましても自主的に国旗を掲揚することとして、それぞれ政務次官を通じてお願いをしたところでもございますし、昭和六十年九月の政務次官会議におきましても、あわせて関係所管団体に対しましても祝日等に国旗を掲揚することについて協力を要請して、今日に至っておるところでございます。
○亀井郁夫君 次に、学習指導要領に基づく指導案のことについてお尋ねしたいんですが、広島県の教育は非常に今問題になっておりますけれども、特に国旗・国歌が問題でございます。しかし、これは象徴的な問題でございまして、本当に問題なのは、やはり教職員組合やあるいは解放同盟が学習指導要領を否定している、そういうところに基本的な問題があるんだと私は思うわけであります。 例えば道徳の時間でございますけれども、広島県の場合は、学習指導要領にありますけれども、人権、人の権利の時間ということになったり、あるいはモラルのMの時間になったりということでございます。ただ、昨年の文部省の指導によりまして、ようやく道徳という言葉が、文字が子供たちの、孫たちの時間表にも戻ってきたわけでございますけれども、しかしその内容が変わらなければ全く意味がないわけでございます。 広島県の場合は、例えば日の丸については、あの白地は日本が侵略戦争で殺した人たちの骨の白なんだ、あるいはまた赤は流した血の赤なんだ、日の丸の旗は忌み嫌うべき旗なんだということを年の小さい小学生に教えているわけでございまして、こうした現実をどのように変えていくかというためには、何としてもこの指導案をちゃんと見る必要があろうかと思うわけであります。 そういう意味では、学習指導要領に基づきましてつくる建前になっております先生方の個別の指導案、これをチェックする必要があるわけでありますけれども、これは教育委員会や校長先生しかできないわけであります。特に教育現場はブラックボックスになってしまっておりますので、これを一般の人々にわかるようにするためにはどうしたらいいかということを考えていかなきゃならないと思います。そういう意味では、教育に対する教育現場の情報の開示を求めていく必要があるんではないかと私は思うわけでもございます。 そういう意味では、問題があると思われる場合には教育委員会に申し入れて、教育委員会が校長に話し、校長から先生といったルートで教育の内容を明らかにするなど、そうした学習指導要領が正しく実施されるための担保というものをやはり考えていく必要があろうかと思いますけれども、こうしたことについて文部大臣はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(辻村哲夫君) 保護者から子供の教育を託されております学校が適切な教育を行うということは大変重要なことでございます。まず、何よりも教師自身が重い自覚を持って教育に当たるということが大切なわけでございますけれども、それを担保することも大切なことだと考えております。 そのためには、まず、ただいま先生からのお話もございましたが、各学校の校長が、教師たちがどのような教育を行っているのかというその実際をしっかりと把握するということが重要だと思います。そのためには、指導案というものも随時校長が点検し、必要な是正を命ずるということも必要だと思います。 同時に、学校に対しまして管理者という立場にございます教育委員会も、随時、校長等リーダーとして各学校がどのような教育を行っているかということについて実情を把握し、場合によって保護者たちに対しまして、こういった教育を行っているということにつきまして十分に御理解をいただくような情報提供ということも大切なことであろう、こんなふうに思っております。
○亀井郁夫君 今お話ありましたように、ブラックボックスと化した教育の現場をできるだけ開かれた教育にするように努力していただきたいと思います。 次に、職員会議の位置づけについてお尋ねしたいと思います。 石川校長先生は県の教育委員会の指導のもとに国旗の掲揚、国歌の斉唱に非常に努力されたわけでありますけれども、そのときの一番大きな問題は、何と申しましても職員会議の同意をいかにして得るかということでございました。 広島県の場合は、何ら法的根拠はありませんけれども、職員会議が事実上の学校の最高の決議機関として機能しております。校長先生は、議長を務めることもできず、職員会議で決めたことを実施するだけのことでございまして、人事等につきましてもそうでございました。全く力が発揮できない、管理ができない状況にあるのが広島県の教育の現場ではないかと思います。 学校運営の正常化を図るためには、職員会議をあくまでも学校長の補佐の機関として位置づけ、そしてこれを法的にも明確化する必要があろうかと思います。また、法律ができるまでは文部省としては強力にこの点について指導していく必要があろうかと思います。中教審の答申も出たわけでございますけれども、そういうことを踏まえて今後の具体的な方針について承りたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 学校が公の教育機関として責任を果たすためには、校長の教育理念や教育方針のもとに、全教職員が一致協力した学校運営が行われる必要があります。このような観点から、学校教育法におきましては、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」と明らかに規定されております。そして、校長が学校運営の責任者であることを明らかにいたしております。その必要な権限も定められております。 御指摘の職員会議におきましては、もとよりこのような校長の権限と責任を前提として、校長の職務の円滑な執行に資するため、教職員間の意思疎通や共通理解等を図るために置かれているものであります。しかしながら、職員会議につきましては、法令上の根拠が明確でないことなどから、その運営をめぐる校長と教職員の考え方の相違により、本来の機能が発揮されない場合があったり、職員会議があたかも御指摘のように意思決定権を有するような運営がなされているなどの問題があります。 このような状況を踏まえまして、昨年九月の中央教育審議会答申におきましては、職員会議について、法令上の位置づけも含め、その意義、役割を明確にし、その運営の適正化を図るよう提言がなされたところでございます。これも先生御指摘のとおりでございます。 文部省といたしましては、現在、教育委員会、関係団体、校長会などの関係者の意見を聞きながら答申の具体化に向けて検討を進めております。今後、学校教育法施行規則の改正など必要な措置を講じてまいりたいと思っております。
○亀井郁夫君 次に、同和教育の基本問題についてお尋ねしたいと思います。 広島県の教育が他県と比較いたしまして著しくゆがんでいる、そうした現場が荒れているという最大の原因は、私は、一言で言って、間違えた同和教育が一生懸命行われているということに尽きるのではないかと思います。 私も差別は嫌いであります。差別はどのような形にしろ、またどのような理由にしろ、あってはならないことであります。そういう意味では、同和教育も一生懸命やらなきゃいけないと思います。 特に、部落差別の問題につきましては、私が子供のころ、父のところにたびたび男泣きに泣きながら差別問題を訴えてこられ、父が一生懸命にその解決に努力していたこと、また、父が人間はすべて平等であり差別があってはならないことを力を込めて話していたことを思い出すわけでもございます。差別をなくするためには同和教育が必要なことは言うまでもない次第でありますけれども、正しい同和教育を行わなければならないと私は思います。 子供たちにはいろいろと潜在的能力に違いがあります。得手不得手があるわけでありますけれども、そうした現実の中で、得手を伸ばしてやり不得手を引き上げてやるという教育の基本が大事だと私は思うわけであります。 しかし、広島県の場合は、子供の得手不得手に着目して教育を行おうといたしますと、すべて差別教育という一語をもって糾弾されてきたわけでございまして、子供たちの個性を伸ばす教育は育たなかったのが広島県の現実ではないかと思うわけであります。 文部省は、同和教育の基本に何を置いて指導してこられたのか、これからもどのように指導されるつもりか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) ただいま亀井先生がおっしゃられたとおりに、差別は絶対あってはならないと思っております。 学校教育において、基本的人権を尊重するという教育を推進していくことは極めて重要でございます。児童生徒の発育段階を踏まえ、教育活動全体を通じて人権尊重の意識を高め、一人一人を大切にした教育の充実を図っていくところであります。 文部省といたしましては、これまで三つの考え方に基づき、同和教育を推進してまいりました。 まず第一に、日本国憲法と教育基本法の精神にのっとり、基本的人権尊重の教育が全国的に正しく行われることを推進いたします。第二に、全国民の正しい認識と理解を求めつつ、具体的展開の過程においては地域の実態を十分把握して、このことに配慮した教育を推進いたしております。第三に、同和教育を進めるに当たっては、同和教育ということと政治運動や社会運動との関係を明確に区分するということを考え、教育の中立性が守られるよう留意いたしているところでございます。 繰り返して申し上げますけれども、差別は絶対あってはならないということが教育の基本であると思っております。
○亀井郁夫君 ただいま文部大臣がおっしゃったように、外部団体、政治的あるいは運動団体からの教育介入を防いでいかなきゃいけないというお話でございますけれども、私もそのとおりに思います。そういう意味では、教育の中立性を維持することが同和教育の前提ではないかと思います。 しかし、広島県の場合は、解放同盟を抜きにして教育を論ずることができないのが現実であります。特に、昭和六十年のことでございますけれども、当時の広島県議会議長がこのことを問題提起したのがきっかけになりまして、「広島県における学校教育の安定と充実のために」という八者懇談会の合意文書があります。趣旨や目的はそういうことでございますけれども、問題は、教育長と知事、県会議長、さらには解放同盟も入りまして、教職員組合、同和教育研究協議会等八つの団体の長が確認した文書でございまして、これが広島県における憲法的な役割を果たしておりまして、これから解放同盟が堂々と教育問題に入ってこられるきっかけができたわけでもございます。非常に大きな問題で、それ以降、私は広島県の教育はゆがめられてきたように思うわけでもございます。 また、平成四年二月二十八日に、当時の教育長から部落解放同盟と広島県教組に対しまして出された文書がございます。これにつきましては、国旗・国歌について、学習指導要領を遵守しなきゃいけない、教育委員会の教育長から出さなきゃいけないような大変問題のある文書でございますけれども、そうした文書を出さなきゃいけないぐらい非常に厳しかったということでございます。 時間もございませんので詳細の紹介は略しますけれども、例えば日の丸・君が代ともに掲揚、斉唱するのが筋であるけれども、君が代については歌詞が主権在民という憲法になじまないという見解もあり、身分差別につながるおそれもあり、国民の十分なコンセンサスが得られていないとか、あるいは日の丸は天皇制の補強や侵略、植民地支配に援用されたこと、これからもその過ちを繰り返すおそれを日の丸の持つ問題として二十一世紀の国際社会に生きる児童生徒たちに教育内容として盛り込まなくてはならない、そうした教育内容の補完があって初めて国旗掲揚ができるんだというようなこと等、いろいろと問題のある内容が書かれておるわけでございまして、そういう意味では大変大きな問題ではないかと思いますけれども、私が申し上げたいのは、心ならずもこういうことを出さなきゃならなかった状況というものが私は問題だと思うわけでございます。 そういう意味では、この文書につきましても、最近教育長が学習指導要領どおりに実施するんだという旨の通達を出したり、事実上破棄するとか無効化をねらっての努力がなされていることはまことに評価に値するものだと私は思うわけでもございます。 広島県の教育のあしたを考えるときに、現在最も重要なことは、繰り返すようでございますけれども、外部からのいろいろな団体の介入を勇気を持って排除して教育の中立性を確保することであると思います。 文部省としてどのように考え、どのように指導されているのか、また今後どのように指導されるおつもりか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 先ほど申し上げましたように、差別は絶対あってはならないということを繰り返して申し上げます。 しかしながら、そのときにも申し上げましたように、同和教育を進めるに当たっては、同和教育と政治運動や社会運動との関係を明確に区別すべきである、そして教育の中立性を守るべきであると思っております。 県教育委員会としては、国旗・国歌を学習指導要領に基づき適切に行うよう繰り返し指導することを通し、平成四年度の文書を実質的に無効化する方向で取り組みを行っているところであり、文部省といたしましてもこの方向を支援してまいっております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 これをもちまして私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(倉田寛之君) 以上で亀井郁夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、円より子君の質疑を行います。円より子君。
○円より子君 本日は、国有財産の売却等の有効活用について御質問したいと思います。 現下の不況を脱しますには、不良債権の整理と担保不動産の流動化を図ることが先決であり、このような時期に国有財産の売却を進めれば供給が増加しまして価格の低下を招いてしまう、そういった点で財政に寄与する効果が薄れるのではないかという考えがございます。 しかし、現在の我が国の財政赤字の水準がその資産に比較してどの程度のものかを把握し、また市場の情勢が許せばいつでも売却できる体制をつくっておくことというのは大変大事なことだと思うのですが、この点について大蔵大臣と経済企画庁長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 小渕内閣が発足をいたしました当初に総理大臣から、今、委員の言われましたような意味での御指示がありまして、各省庁は自分の所管するところの国有財産について詳しく実情を把握して、そして有効利用、それは売却のものも含めてですが、そういうことでこれも国の大事な財源である、そういうことを各省庁努めるようにという指示がございまして、そういうことで各省庁努力をいたしておる、御指摘のとおりでございます。
○国務大臣(堺屋太一君) 国有財産の有効利用、その中にはより有効に民間に売却するということも含めまして、かねがね有効利用については私もそう主張しておりますし、最近出ました経済戦略会議の報告の中にも、国有財産の有効利用そして売却による国公債の償還というようなことも書かれております。これから財政の再建に当たりましては、それを含めて広い選択肢の中から考えていくべきだと考えております。
○円より子君 お二人が今お答えくださったように、確かに七月三十一日、去年ですが、初閣議で総理が指示されたことを受けて小委員会が設置されました。そして経済戦略会議もそれを評価して、売却可能な国有財産の売却を一刻も早く進めるべきだと言っていらっしゃいます。 ということは、お二人の答弁から聞きますと、今が売却のタイミングだというふうに思われているのでしょうか。お二人にお聞きします。
○国務大臣(堺屋太一君) 国有財産といいましてもさまざまございますので一概に言えませんけれども、現在、国有財産の大きな部分を占めております不動産は冷え切っておりますので、物納されたものとか売却に適した部分はもちろんございますけれども、全般的に言うとタイミングは余りよくないと思っております。
○円より子君 大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ではありますけれども、しかしやっぱり国が率先して、これは面倒なんでございまして、多少安くとも早く処分してマーケットをつくるということは私は大事なことだと思いますので、それはそういうつもりで国が率先しないといけないのではないかと思います。
○円より子君 私も同じ考えでございます。 それで、中間報告が小委員会から出ましたが、実際どのくらい売ろうという形になったのか、教えてくださいますか。
○政府委員(中川雅治君) 国有財産の売却収入につきましては、ここ数年の数字を申し上げますと、八年度三千三十五億円、九年度二千四百十二億円、十年度二千六百九十一億円となっておりまして、十一年度予算案におきましては三千二百六十四億円を見込んでいるところでございます。 それともう一つは、先般の総理の御指示を踏まえまして内閣にできました連絡会議におきまして、平成十四年度末までに用途を廃止しまして売却可能と見込まれる財産につきまして各省庁から提出をいただきまして取りまとめたものが、件数で三千二百九件、台帳価格で六千五百三十一億円となっております。
○円より子君 六千五百三十一億円というのはいかにも、先ほどの多少安くてもマーケットを刺激するためには大事なことだとおっしゃった金額からすれば少ないように思うんですね。わざわざ総理が指示なさって、どうしてこんなに少ないんでしょうか。
○政府委員(中川雅治君) ただいま申し上げました数字は、実際に、現に使っております行政財産を含めて、それを今後平成十四年度までに用途を廃止して売却することが可能かどうかということを検討いたしまして取りまとめたものでございます。 したがいまして、現時点におきまして未利用の国有地、特に物納財産を含めまして、それは一兆六千億円ございますけれども、これにつきましては、もちろん順次できるだけ早く売っていくという姿勢でおります。それとは別に、現在、行政財産として使っているものでも、将来十四年度までに用途を廃止して売却可能かどうかの検討をしていただいたものの集計でございます。
○円より子君 これは売却リストがあって、だれでも見れるものですか。
○政府委員(中川雅治君) この点につきましては、売却可能財産の洗い出しと同時に、情報公開につきましても総理の御指示をいただいておりまして、取りまとめました国有土地につきまして一件一件すべて情報公開をいたしておりまして、新聞発表もいたしております。
○円より子君 例えばどういうところがあるんでしょうか。
○政府委員(中川雅治君) これはさまざまなものがございますが、各省庁におきまして、現在は使っておりますけれどもいずれ移転をいたしまして当該土地が売却可能になるというようなもの、あるいは宿舎として使っておりましたところを集約化のためにそこはいずれ移転するとか、そういったさまざまなものがございます。 これは各県別にずっとございますけれども、例えば警察庁から順番に防衛庁以下それぞれ、北海道でありますと、どこどこの今は警察施設として使っているけれどもそれがいずれ移転をするとか、そういった全部個別に列挙をいたしております。
○円より子君 その中に私ども参議院の宿舎であった神宮前の宿舎も入っているかと思うんですが、これは坪数にしますと三百四十六坪ぐらいなんですが、これがおよそ四億という金額が台帳価格で書かれております。 この台帳価格といいますのは、時価とどのくらいの差があるものなんでしょうか。
○政府委員(中川雅治君) 今手元に数字がございませんが、売却いたしますときには当然入札という形で、まさに時価で売却いたすことになります。
○円より子君 例えば昨年、衆議院の方で我が党の議員が質問したときに、朝霞のキャンプ地の跡地、これがおよそ台帳価格等では九十億ぐらいが時価だと六百億ぐらいかというような計算を、議事録にそれが載っておりましたけれども、そうしますと、例えば先ほどおっしゃった六千五百三十一億円と、またこれから使用をやめて売却できるかもしれないという可能地の一兆六千億程度ですか、両方ともこの台帳価格ですと相当な金額で売れるというふうに考えてよろしいんですか。
○政府委員(中川雅治君) 国有財産の台帳価格につきましては、基本的にはまず取得価格で登録をいたしまして、それを五年ごとに時価の上昇によります時価倍率というものを掛けて評価がえを行っております。 ただし、そういう形で時価倍率で修正をしていきますので、実際の時価と乖離が生ずる場合もございますので、そういったような場合には近隣の時価と比較いたしまして修正をするという措置をとっております。 したがいまして、台帳価格に載っております価格というのは、極力時価に近づけるという方針で臨んでいるわけでございますけれども、現実に売却をするときになりますと乖離が生じてくるという事例はございます。 私どもといたしましては、国有財産の評価に当たりましては今後とも極力時価を反映するようにいろいろ工夫をしなさいという国有財産中央審議会の売却に関する小委員会の報告もいただいておりますので、さらに努力をしてまいりたいと思っておりますけれども、実際の今申しました数字、これは特に都心部の特定の地域におきましては相当結果として乖離が生じることもございます。逆にむしろ台帳価格の方が高いというのも、そうないんですけれども、時価とそう変わらない、あるいはむしろ高いというような場合もございまして、先ほど申しました数字が現実に売るときに何倍にもなるというようなことはないだろうというように考えております。
○円より子君 リストを見ますとほとんどが宿舎なんですけれども、例えば霞が関の官庁街などは入っておりませんか。
○政府委員(中川雅治君) 霞が関の官庁街におきましては、売却する予定のところはございません。 この点につきましては、霞が関の庁舎につきまして民間に売却してリースバックしたらいいじゃないかというような御提言もあるわけでございますけれども、現実に今庁舎として使っておりますところを民間に売却してそこに建物を建てる、あるいは現在使っているまま売却してそこを借り受けるということになった場合に、賃料を払っていかなければならないわけでございますので、トータルとしてある一定の期間をとって考えてみた場合に、国全体の歳出が果たして節減できるかどうかといったような慎重な検討が必要だと考えておりまして、そういった検討をする必要はあるかと思いますけれども、現時点におきましてはそういったことを含めて売却をするという予定はございません。
○円より子君 例えば理財局の入っていらっしゃる大蔵省のあのビルは大変古いんですけれども、あの一等地はどのくらいの価値があるんですか。
○政府委員(中川雅治君) 大蔵省の敷地につきましては、台帳価格では二百七十九億円となっております。
○円より子君 先ほど、質問していないのに不動産シンジケーション協議会の試算などがあるお話をしてくださいましたけれども、それで売っても、またリースバックしても大したあれはないというふうなことをおっしゃいましたが、もし今の二百七十九億円の台帳価格での価値のある大蔵省に新しいビルを建ててその一部を民間に貸すという、それは実際には余り収入にならないけれども、大蔵省を民間に貸して、そしてあそこで自分たちの身を切るような思いをしながら国民の負担を何とかしたいという思いがあるんだということを示すことが、先ほど大蔵大臣がおっしゃったような今後の景気浮揚の一つの大きなきっかけになるんじゃないんですか。
○政府委員(中川雅治君) 御指摘のような御意見を現実に私ども国有財産中央審議会で小委員会を設けて御検討いただいている中でもお伺いしたわけでございますけれども、リースバック方式を活用して国有財産を売却することにつきましては、国の業務の安定的遂行に支障はないか、あるいは今申し上げました将来の割賦料負担を上回るメリットがあるのかないのかといったような点を見きわめつつ、今後問題の所在を含め総合的に検討する必要があると考えております。
○円より子君 国の財産には行政財産と普通財産があって、一応行政財産というのは原則売却できないということなので、それの使用をやめて普通財産として売却する形で検討なさって随分行政財産の売却を考えていらっしゃる。これは私は大変いいことだと思うのですが、それにしても余りにも少ない額で、先ほどの答弁を聞いても大変しゃくし定規なことを言っていらっしゃるように思うんです。今はそういう状況ではないと思うんです。言ってみれば非常時ですから、もっと大胆な発想が必要なんじゃないかと思うのです。 これは大臣と長官にお聞きしたいのですが、国民は質の高い行政サービス等を政府に望んでいるのであって、その庁舎等が民間所有でも国所有でも余り関係がないと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 原則としてそうだと思います。特に国の施設でなければならないというような治安上のものとか国防上のものはあると思いますが、普通の行政でございますと、現に建てかえの間自治省はどこかのビルを借りておるようでございますけれども、それで大した支障を来しているとは思いませんから、仰せのとおりだと思います。 その方式といたしまして、PFIというのを今、議員提案で国会で御審議いただいておりますが、こういうものができますと、庁舎も民間で建てていただいて、それのスペースを借りる、サービスだけをいただくというような方法ができると思います。 もっと大胆に、先ほどはタイミングの御質問でございましたから、今は余りよくないと言ったんですけれども、財産のことは、不動産だけではなしにその他のもの、事業団その他の民営化等も含めて、ある段階で非常に重要な御指摘だと考えております。
○円より子君 先ほど大蔵大臣も、行政財産を売却するといったような有効活用をすることによって景気対策にする、そういうお話をしてくださいましたけれども、まさにイギリスはそのPFIを導入して、すべての庁舎等を民間の方に貸すというような形で財政難と行政サービスの低下を防いだわけです。 こうしたことを考えますと、ちまちまとした対策ではなくて、総理が指示されたとおり抜本的な、ここで国民に対して、私たちも血を流し肉を切るよといったような対策を示して、そして国民に元気を与えてくださる、活力を与えてくださるということが大事だと思いますので、この点ぜひ進めていただきたいと思っております。 さて、資料を三つお配りさせていただきましたけれども、ございますでしょうか。 大蔵省が出されている「国有財産の現状について」が一。それから経企庁が出されております「国民経済計算上の一般政府の資産・負債」が二番目。それから三番目は、アメリカの財務省が出しておりますバランスシートなんですけれども、まず大蔵省にお聞きします。 今現在の資産と、それから負債について、国ので結構ですが、お伺いいたします。
○政府委員(中川雅治君) 今、国全体の資産と負債ということかと思いますが、一つの統計といたしまして国及び地方の長期債務残高ということで見てまいりますと、九年度末の数字を申し上げますと、国の長期債務残高が三百五十五兆円程度、そして地方の分を合わせまして合計で四百八十九兆円程度でございます。 今、九年度末を申し上げましたのは、「国有財産の現状について」の数字が九年度末で最新の数字ができておりますので九年度末を申し上げたわけでございますが、「国有財産の現状について」ということで、国有財産増減及び現在額総計算書に基づいて作成いたしました数字が総計九十五兆六千二百三億円というふうになっております。
○円より子君 これは、今九十五兆六千二百三億円は国の行政財産と普通財産ですけれども、金融資産は幾らでしょうか。
○政府委員(中川雅治君) もう一つ国民経済計算の統計がございまして、これは先生がお配りされました二枚目の数字がございますが、「一般政府」というところで見てみますと、平成九暦年で金融資産四百十五兆円というようになっております。 これはいわゆる中央政府それから地方政府のほかに社会保障基金の金融資産の残高が含まれておりまして、むしろこの社会保障基金の数字の方が多くなっております。
○円より子君 今、金融資産については経企庁が出されている方をお使いになりましたが、そうしますと、この中の中央政府の有形資産が十八兆円となっておりますね。これの純固定資産の中には橋とか川とか道路が入っているんですけれども、これは入れずに上だけだと十八兆で、大蔵省がおっしゃった約九十六兆円と随分違うのはどうしてなんでしょうか。
○政府委員(中川雅治君) まず、平成九年度末の国有財産総額は九十五・六兆円と申しました。一方、経済企画庁が発表しております平成九暦年の国民経済計算上の数字があるわけでございますが、これは統計のいわゆる趣旨、目的が違っておりまして、両者の把握する財産の範囲が異なっているわけでございます。 我が国の経済活動を総合的に把握する見地からのマクロ統計が国民経済計算ということでございまして、一方、国有財産法に基づく国有財産台帳価格の総計額が今申し上げました国有財産統計の国有財産の総額ということでございます。 具体的に申しますと、国民経済計算上の一般政府の資産には、国有財産ではございません地方政府の資産やそれから社会保障基金、これは厚生年金や国民年金あるいは共済といったような社会保障基金の資産が含まれておりますほか、国有財産台帳の上では把握されておりません道路とか港湾等のいわゆる公共用財産が含まれているわけでございます。 この有形固定資産のうちの大部分を占めております純固定資産、有形固定資産が一般政府全体で五百十九兆円ございまして、そのうち純固定資産が四百六兆円あるわけでございますけれども、これはある時点でとりました国富調査の数字の上に、その後公共事業という形でいろいろな支出がなされましたものを事業費ベースでそれに加えていっている、IGベースで累積をしているものでございます。 したがいまして、道路とか港湾とかさまざまな公共用財産があるわけですけれども、売却可能という意味で整理しているわけではございませんで、国富調査の数字に事業費を積み重ねたものだと。こういったことで、この点につきましては先ほど申しました国有財産統計には入っていないということになっております。
○円より子君 私が今の質問をしましたのは、約九十六兆円というのは大蔵省がつくられている国有財産なのですね。ストックの方です。それにもう一つ、金融資産はといいましたら、これは経企庁のを使われた。そうすると、この経企庁のはおっしゃったように中央政府と地方政府と社会保障基金が入っているわけで、比較するとしたらここの中央政府の部分の金融資産、百五十四兆円をおっしゃるべきなのじゃないか。それも経企庁のを使わずに御自分の方の、大蔵省でふだん金融資産はとおっしゃるときは国が持っている債権の額をおっしゃるものなのじゃないのでしょうか。そうしますと、九年度末だと三百五兆円じゃないのですか。
○政府委員(涌井洋治君) 現在、毎年度、国の債権の現在額総報告書というものを提出しております。それによりますと、平成九年度末における国の債権の現在額は三百四兆六千八百九十七億円でございます。 ただ、この中で圧倒的に大きいのは資金運用部の貸付金、これはもともと資金運用部が預かった金を貸しているわけでございます。あるいは簡易保険の積立金の債権、資金運用部が二百二十七兆、それから簡易保険の債権が三十六兆、これはいずれも預かったものを貸し付けているという資産、負債見合いのものでございます。
○円より子君 そうしますと、資料三というアメリカの財務省が出しているものを見ていただきたいのですが、これは日本の国内で私などでもインターネットで、もちろんこれは日本語に訳していますので変えたものですが、英語のものはすぐにとれるようになっておりますものです。アメリカでは、自分たちの国に今資産がどのくらいあるか、そして負債がどのくらいあるかということがちゃんとわかるようなバランスシートがだれでも手に入れられるようになっているわけです。 それで、皆様のお手元に、ちょっとわかるように右端、囲みの外に星印で一、二、三と書いてある、一が資産の合計です。それから二が負債の合計で、ネットの資産が星印の三になっております。もし今これを日本で言いますと、星印の一のところはその上のあれでいきますと九十六兆、大蔵省でいきますと。それから、六百の横、その少し上ですが、金融資産が三百五としますと、これで星印一が四百一兆になると。それから、星印二のところは三百五十七兆の長期債務残高があるというような形がわかるわけです。でも、今お聞きしますと、その三百五兆の中には大蔵省の資金運用部のものも入っておりますから、それがきちんとした金融資産になるかどうかわからないというようなことをおっしゃいました。ここにはまた郵貯などは入っていないわけです。 そういった形で、いろいろ国民が、一体私たちの資産と負債はどうなっているのかというときにぱっと見てわかるものがないのです。建設国債などを出したときに、それがちゃんとした資産をつくっていけているのかということも見にくいということがありまして、ぜひともこういったわかりやすい、そして予算の編成にも今後の国債発行のときにも役に立つようなバランスシートをおつくりになることがもう本当に今早急に必要だと思うのですけれども、この点について大蔵大臣いかがでしょうか。
○政府委員(涌井洋治君) お答えいたします。 アメリカにおきまして、これは法律に基づきまして財務省と行政予算管理庁が協力して毎年連邦政府全体の連結財務諸表を作成することになっております。これは一九九八年初めて発表されたわけでございます。 ただ、アメリカも大変なエネルギーを費やしましてこれを始めたわけですけれども、実際には米国の会計検査院の方から、これにつきましてはいろいろ問題があるということが指摘をされております。 日本におきましては、御承知のとおり現在は、国有財産の増減及び現在額総計算書、物品の増減及び現在額総報告書、それから国の債権の現在額総報告書、国の債務に関する計算書等をまとめて毎年度国会に御報告しているところでございます。 それをさらにアメリカのような形にしたらどうかという御提案でございます。この点につきましては、確かにそういうことについてアメリカの事例についてもこれは十分我々も調査研究をしてみたいと考えておりますが、さはさりながら、この導入を行うには、これは大蔵省だけじゃなくて関係各省を含めて大変な労力、それから技術的な問題点等がございます。そういう点につきましても、そういう問題点を踏まえてやっぱり勉強はしてみたいと思っています。
○円より子君 財政の透明性の確保という点からもぜひともこれはするべきことで、常に何か大蔵省は御自分たちの方に財政は任せておけばいいと思っていらっしゃるところがあるんですが、効率、公正、安定という公共価値に関するアカウンタビリティーが求められている時代ですから、この点について大蔵大臣の御所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうにずっと詰めておっしゃいますとそのとおりになってしまうんです。そういう仕事をどこから始めていいか私どもが実はよくわかっていないんです。おっしゃったことに全く間違いはないと思うんですが、国富とおっしゃっているのではないので、国の、政府の財産とおっしゃっていますから国富とも違うわけでございましょう。それを、どういうものを勘定していいのかというあたりから始めませんといけませんで、今まで難しいものですから何となく仕事ができておりませんで、おっしゃられますとまことに相済まぬことだと思いますが、主計局長もああ言っておりますから、少しそういうことをみんなで各省庁勉強をしなきゃいかぬなというふうに思います。
○円より子君 では、次の質問に移らせていただきます。 日の丸・君が代の法制化検討問題についてなんですが、児童生徒の内心にまで立ち至って強制する趣旨ではないということは私はそのとおり必要だと思うんですが、官房長官に確認させてください。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のとおりだと思います。 しかし、子供のときから、みずからの国の国旗・国歌について尊敬し、それを通じてみずからの国を愛し、それを通じてそれぞれまた他国の国旗や国歌についても尊敬をするという国民性を養っていきたい、こう考えておる次第であります。
○円より子君 私も余り教養がなく、今まで自分の国の歴史というものを余り勉強していなかったことを今恥じておりまして一生懸命勉強しているんですけれども、日本人について私たちは随分誤解をしてきたんじゃないかということをこの網野善彦さんが書いていらっしゃるんです。古代史研究者の大方の見方では、日本の国号が公式に定められたのは天皇の称号と同様、七世紀末、浄御原令と考えられておりというのがあるんです。 それで、ほんの少しここから引用させていただきたいんです。 「日本」の国号にこだわるのは、それが特定の時点、七世紀の末に、当時のヤマトの支配者たちによって、中国大陸を強く意識して日の出る東の方向にあることを強調する意味で定められたという事実を、現代日本人のほとんどが知らず、そのため、「日本」という国号をときによっては、われわれの総意で変えることも可能なのだというきわめて当然のことに、気づいていないことを知ったからである。それは「なんとなく」縄文・弥生時代から「日本人」がおり、今後も「なんとなく」「いつまでも」日本はつづく、という曖昧模糊とした現代日本人の意識の背景をなしており、この点を明確にすることなしには、正確な自己認識をわれわれは持ち得ないと考える。 とおっしゃっておりまして、私もその正確な自己認識というものをしっかりする必要があると十分に思っておりまして、こういうところから日の丸・君が代のことを考えますと、多分、長い歴史の中に、それを押しつけられてきた人々の中に差別されたと感じたり侵害されたと感じた人たちが、外国ではなくてこの日本国内にそういう人たちもいるということが、今さまざまな反対や、また痛ましい自殺等の問題を起こすような事件になっているのかもしれないと思いますと、このあたりのことをしっかり踏まえて御検討いただきたいなと思うんですけれども、官房長官の御所見を伺います。
○国務大臣(野中広務君) 非常に傾聴する御意見を賜りまして、改めてその認識を新たにしておるところでございますが、少なくとも一九九九年という節目に立ちましてこの一九〇〇年代を振り返りましても、我々は国旗・国歌に対する多くの問題を抱えておるわけでございます。そして、そういう中から、時には国を誤り他国に迷惑をかけ、その傷跡を今も残しておるところもあるわけでございます。 したがいまして、一九九九年という年を終わるときに、私どもは過去のすべてを点検しながら、そしてこれから憲法前文を踏まえながら、そして憲法の各条項を踏まえながら、平和国家として世界に、これから国際国家として歩んでいく道筋を、国旗あるいは国歌を通じてそれを明確にする意思表示として国際的にも私はアピールしなければならない問題ではなかろうかと今考えておるところでございますけれども、これは古川官房副長官をヘッドにいたしまして、法制化を含めてさまざまな観点から、国民各層の意見も承りながら、また各党会派の御意見も賜りながらその結論を導いてまいりたいと考えておるところでございます。委員御指摘の意味も十分その中に踏まえましてこれを考えていきたいと存じておるところでございます。
○円より子君 あと一つだけ。せんだって、民法改正について御質問したかったときに官房長官がちょうど記者会見でいらっしゃいませんでしたので、通称使用ではなく女性たちは別姓にできるような選択制の法制化を望んでおりますが、その点について。 それから、総理はどうもちょっと誤解なさっているのか、私の妻にはまだ別姓にしてくれという要求は受けておりませんとこの間おっしゃったんですが、何十年と結婚なさって夫の姓を名乗っていらっしゃる方が、また変えたいなんておっしゃるなんということは今日本の女性たちの中にもないわけです。これはほとんどこれから結婚をしようという若い人たちの問題なんですが、そのあたりも含めてぜひ総理にも言っておいていただきたいんですが、男女共同参画担当大臣でいらっしゃいますので、この別姓のことについてどうお思いなのか、おっしゃってくださいませ。
○国務大臣(野中広務君) 男女共同参画社会を担当いたします官房長官といたしまして、お尋ねにお答えをいたしたいと思うわけでございます。 民法改正につきましては、委員御承知のように、選択的夫婦別姓制度の導入につきましては、平成八年二月の法制審議会の答申を得まして、それぞれの分野で検討が進められてきたところでございます。 かつて私も、この職につく前、党の家族制度の小委員長代理をいたしまして、何とかしてこの法制審を踏まえました実効性を求めたいと努力をいたしましたが、なかなかそれぞれ議員の皆さん方の中には意見がございまして、新しい私案を示したりいたしまして何とかして合意を得たいと努力をしたところでございますけれども、残念ながらその結論を得ずに今日に至ったことを、もちろん私自身は残念に存じておる次第でございます。 それぞれ国民各層におきまして御意見が分かれておるところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、平成八年二月の法制審にもあることでもございますので、ぜひそれぞれの合意をいただいて実りあるものにしてまいりたいと考えておる次第であります。
○円より子君 ありがとうございました。 これで終わります。 関連質問をさせていただきます。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。川橋幸子君。
○川橋幸子君 民主党の川橋幸子であります。 ただいま男女共同参画社会を担当していらっしゃる官房長官の御答弁、円委員の質問に答えてございましたけれども、このところ、男女共同参画に関係する事件が非常に集中的に起きているような気がいたします。もう既に円より子さんほか同僚の女性議員の何人かが質問しておりますけれども、最近の動きを含めましてお伺いさせていただきたいと思います。 まず最初は、カナダ・バンクーバー総領事の方の妻への暴力行為事件について伺いたいと思います。 昨日の夕刊あるいはけさの朝刊などで新たな動きがありまして、外務省としての対処方針といいますか、処分の基本的な方針が固まっているやに書かれておりますが、外務大臣御自身から、そうした方針についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 現地カナダにおける法的手続上可能になり次第、速やかに解任し、帰国させるという既定の方針に従いまして、三日の現地における裁判の終結を受け、昨四日付で下荒地総領事に帰朝を命じました。同総領事が帰国し次第、本人より報告を受けた上で、しかるべき措置をとるつもりでございます。
○川橋幸子君 御本人が帰朝して、報告を受けた上でしかるべき措置というふうにおっしゃっておられますが、しかるべき措置といいますのは、あるいは既にこの委員会でも大臣がその趣旨を体してお話しになっていらっしゃるかもしれませんけれども、解任という厳しい処分を考えていらっしゃるということでございましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) バンクーバー総領事という職については、帰朝を命じたということでありますから、既に解任をしたということでございます。
○川橋幸子君 それでは、この総領事の方が日本文化に絡む発言をしたということが現地の報道機関で報じられておりまして、これは現地だけでなく、もちろん日本本国でも、あるいは世界各国でも妻を殴ることは許されるというんでしょうか。それは日本の文化、殴られても仕方がない妻もいる、夫婦間の問題で大したことではないというようなこんな新聞記事がいろいろ出ておったのでございますけれども、こういう現地の報道でございますけれども、こういう問題について、大臣はどのようにお考えになられますか。
○国務大臣(高村正彦君) 既にお答えしたことだと思いますが、もう一度言わせていただきます。 総領事からは、妻に暴力を振るったことに関して文化の問題だとの発言は行ってはいない、ただ本件が一義的には夫婦の問題であるという趣旨のことを述べた、それ自体不適切な発言であり深く反省をしている、もとより妻に暴力を振るったことについては非常に深く反省している、こういう報告を受けております。
○川橋幸子君 現地報道と御本人から電話で受けられた報告との間にずれがあるということでございますか。
○国務大臣(高村正彦君) まさに、現地報道と今の報告は違っていますから、そこにはずれがあるということでございます。
○川橋幸子君 そのずれを大臣としてはしっかりとお調べくださいますか。
○国務大臣(高村正彦君) 総領事が後でそういうふうに言ったということは現地でも報道されていると承知しておりまして、それに対して、それは違うじゃないか、うそをついているじゃないかというようなことは余り言われていないというふうにも承知をしております。もちろん、こういう立場にある人が全部正直に言うということでもないかもしれませんので、それは私なりによく調べてみたいと思います。
○川橋幸子君 現地報道というのは、記者の方が書く文章と、それから現地の取り調べに当たられました警察のしかるべき担当者の人の発言、そういうものがあるかと思いますけれども、それについては、ただいまの大臣のお話では本人の報告とちゃんと突き合わせて、あるいは逆に現地の州警察の関係者の取り調べ内容なんというのは取り寄せられるのでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 現時点で私自身はわかりませんが、もしよろしければ政府委員も来ていますから答えさせたいと思います。
○政府委員(浦部和好君) お答えいたします。 基本的には外国の司法手続に従ってやっている話でございますので、その手続の中身を全部見せろ、あるいは一部なりとも日本政府として見せろというのはいかがなものかというふうに思います。ただ、報道について、確かに先生おっしゃいますように、冒頭文化の問題という報道がございました。ただ、後でまた同じソースの方がそういうことは実はパブリックには言っていないと、そういう報道もございました。念のために申し上げます。
○川橋幸子君 大臣、局長、お二人からのお話のように、大変これは対外的に神経を使う話でございます。それを踏まえるからこそ、なお日本文化の問題について、多分この記事を見たカナダ在住の日本人の方々あるいは私ども本国にいる人間もそうでございますけれども、文化の問題についてはもっとセンシティブに、非常に日本の国というもののあり方、二十一世紀の日本のあり方、国の形、日本人の精神構造というようなお話がこの委員会でもよく出るわけでございますけれども、文化の問題についてはもっとセンシティブに私は対応すべきではないかという感じがいたします。 といいますのは、もしその報道がありました場合、外国報道であっても誤った報道ならばしっかりと、抗議するとは言いませんけれども、日本の文化についての誤解を解くような、そういう努力を今回すべきだったのではないでしょうか。もっと敏速に、機敏に対応できたのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 外国の報道だけではなくて、日本の報道でも随分事実と違う報道がなされていることもあるわけでありますが、そこにどこまできっちりした対応をしていくのかというのは非常に難しい問題もあるわけですが、確かに日本文化全体がその国に誤解されるとすれば大変なことでありますから、今後ともこういうときにどう適切に対応していくかということを一つの課題としてまいりたい、こういうふうに思います。
○川橋幸子君 これを奇貨として今後の対応、私も外交の問題について今何か大変いいアイデアを申し上げられるような、そういう人間ではありませんけれども、外交のプロの方々に識者の方々の意見もまとめていただきまして、こうした場合の、これは外交問題としては非常に大きいと私は思っておりますが、私はといいますか、世界的な認識だと思います。 かつて佐藤元総理がワイフビーティングということで、これは海外に参りますと、あなたの国の首相はすぐ奥様に手を出すんですってというような、とてもつらい思いをしたことがございます。もう大分前の話でございます。その辺の信用回復ができて修復ができたと思ったら、今度はドメスティック・バイオレンスというのでしょうか、九〇年代に入りまして人権問題についての国連の一連の会議が進むにつれまして、これは政治の民主主義、それから市場経済の自由化と並んで、人権概念というのは大きな世界秩序の一つになっておると思います。 この問題もうそろそろ切り上げたいと思いますが、せんだって我が党の笹野貞子男女共同参画委員長から外務省にお尋ねいたしまして、人権問題のプロである外務公務員についてしっかりと研修をしてほしいという要望を申し上げたところでございますけれども、大臣の口からいま一度今度の職員の研修についての態度といいますか決意をお聞かせください。
○国務大臣(高村正彦君) こういうことが二度とないように、委員の趣旨も踏まえて周知徹底してまいりたい、こういうふうに思います。
○川橋幸子君 次は、低用量ピルの問題について質問させていただきます。 低用量ピルの問題につきましても、予算委員会ではしばしば同僚委員から質問させていただきましてやりとりがあったわけでございますが、一昨日ですか、三月三日、中央薬事審議会の常任部会の審議結果がまとまりまして発表されたということでございます。新聞報道によりますと、ようやく長年の懸案が解決の見通しが立ったというような報道ぶりでございまして、私も、朗報というよりは解決の道筋が見えたということでほっと胸をなでおろしたというような、私の個人の気持ちはそんなところでございます。 大臣から、改めて三日の審議結果それから今後の審議見通しについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) ピルにつきましては、御指摘のとおり、中央薬事審議会におきまして今まで調査会、特別部会、それから常任部会と審議を進めてまいっております。昨年十二月には、ピルの有効性と安全性につきまして中間報告を公開しております。また、三月三日には、一昨日でございますが、ピルの内分泌攪乱化学物質としての取りまとめということと、それから医薬品承認審査の立場からの性感染症蔓延防止対策という、主としてこの二つの項目につきまして常任部会において審議の取りまとめが行われました。これにつきましては審議終了後に公表したところでございます。 今後の問題は、添付書類を含む医師向け情報提供資料というようなもの、あるいは実際にピルを服用される服用者向けの情報提供資料等について整備の上、六月まで事実上検討を重ね、六月に開催予定の次回の常任部会で最終的な審議が行われるものと伺っております。 したがって、次回常任部会におきまして、残された問題を含め審議が尽くされるということであれば、審議会としての方向性ないし結論がいただけるもの、そういう期待をいたしております。
○川橋幸子君 そうしますと、ピルについては長年、申請から九年余が経過しておるわけでございますが、さまざまな関係者の方に御苦労いただいたことは私どももわかるわけでございますけれども、有効性、安全性についての常任部会の審議はまとまった。これから今度は薬の服用についての、むしろピルを服用する場合の環境整備といいましょうか、そのような問題について審議をするとすれば、次回六月の部会では承認の運びと、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(宮下創平君) ここで中央薬事審議会の結論を私が先取りして申し上げるわけにはまいりません。そういうことを薬事審議会で明確に公表したものではございませんが、そういう方向で事が進んでおるというように私も理解しております。
○川橋幸子君 審議会の結論を尊重して行政は進めるというのが通常の大臣答弁でございますけれども、今回の新聞報道ぶり、これは大臣のお気持ちとほぼ共通していらっしゃるんじゃないかと私は想像しております。六月には免許になると。それは審議が尽くされて今度は服用についての環境整備の結論が出たという、もちろんその前提の上でございますけれども、そのようになるというふうに私は理解させていただきますし、大臣も御異存がないと思うわけでございます。 さて、私もこれから六カ月間、ピルの有効性、安全性だけが確認されればそれで十分だとは思っておりません。もちろん、これから審議が尽くされるであろう服用についてのさまざまな条件整備につきまして重要なポイントがあると考えております。 承認され、本当に販売されるにあわせまして、リプロダクティブヘルス・ライツというちょっと舌をかみそうな片仮名文字がございます。一九九四年のカイロの人口会議で国連の方で確立した価値観といいましょうか概念でございますが、ぜひリプロダクティブヘルス・ライツのこの視点を重視してこれからの服用についての条件整備をお進めいただきたい、このように思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) もしもこのピルの解禁といいますか認可がされれば、女性がみずから受胎調節を選択できるという有力な選択肢がふえることになるものと思います。 カイロ宣言におけるリプロダクティブヘルス・ライツという問題は、私どもはやはり病気や障害がないというだけではなくて、身体的あるいは精神的、社会的に完全な良好な状態を目標とする、ウエルビーイングということのようでございますが、そういうことでございますから、私どもとしてはそういう見地から女性の選択肢が拡大され、しかも今申しましたような女性の権利あるいは良好な状態というものを保持するという立場から、これが服用されて健全な社会に寄与するように望んでおるところでございます。
○川橋幸子君 リプロダクティブヘルス・ライツについて御理解いただいておりまして、ありがとうございます。 長年この懸案の中で困っている方々は医療関係者の方々で、高中用量の副作用の強いピルを処方しなければならないお医者様も困っていた。あるいは人口問題についての海外協力の支援、NGOが日本国内で認められないものを海外に供与するわけにいかないから困っていたということ。 このようなところは解決かと思いますが、最近の社会事象の中で、特に私は厚生省の方でお考えいただきたいと思いますのは、テレクラとか援助交際とか、本当に少女たちの、私ども大人の世代には少し考えられないような社会の病理現象が進んでおります。少女たちのといいますか、もちろん相手には大人の男性がいらっしゃるわけでございますけれども、やっぱり女性についてのリプロダクティブヘルス・ライツの問題というのは男性の方々にも御理解いただく必要がある。 今回、ピルが手間取るに当たりましては、ピルを女性が飲むようになると男性がコンドームを使わなくなるからと、こういうお話があったわけでございますけれども、これはやっぱり男性御自身が性感染症についてちゃんと勉強する、あるいは性の問題について男性も自立してくださるということが必要な課題かと思います。 少女の問題、大変痛ましいといいますか、二十一世紀に向けて心配される問題でございますので、このあたりも男女含めての性教育といいましょうか人権教育について厚生省も御配意いただきたいと思いますが、もう一言お返事ちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) テレクラとか援助交際の問題、これは私どもの世代からいたしますと到底考えられないような世界なんですけれども、これはやはり男性社会と非常に関係しておると思います。そういう意味では、やはり女性の人権尊重というようなことが基本になければならぬなと、こう思うんです。 同時に、医学的な性感染症の汚染の問題等につきましては、やっぱり依然として避妊具が有効であるという点もありますので、そういう点も配慮しなければいけないと思いますが、基本は、こういう性の問題でございますから、人間の尊厳性、お互いに尊重し合う、そういう気持ちの上に立って自発的意思によって良好な状況をつくり出すという努力がなければなりませんので、そういった点は基本だと考えております。
○川橋幸子君 教育の問題は文部省だからということでお断りされるかと思いましたら、本当に真摯な答弁をいただきましてありがとうございます。ぜひ文部省と御一緒に、あるいは内閣全体で人権の問題、男女共同参画の問題に取り組んでいただきたいと思います。 さてそこで、男女共同参画社会基本法案というものが提案されておりまして、その担当大臣であります内閣官房長官に伺いたいと思いますが、時間の配分から考えまして、これはぜひごらんいただきたいというものを、ミスしてしまうともったいないものですから、最初にひとつパネルをごらんいただきたいと思います。(図表掲示) こういうものでございます。昨日、質問のときにこの実物はお届けさせていただいたかと思いますが、これは三月三日、おひな祭りの日に女性たちが全国的な女性議員をふやそうという、こういう統一行動をやっていたわけでございます。民間の女性たちが自分たちで政治参画について自助努力を示す、こういう姿をやっていた。これは私の生まれ故郷の新潟県の方で女性たちが手づくりでつくったものでございます。女性たちも努力しているんですけれども、残念なことに新潟県はまだ女性議員が県会では一人もいないという状況でございます。 ちなみに全国十県ありますけれども、官房長官、御存じですか。
○国務大臣(野中広務君) それぞれ都道府県の県議会におきまして、また地方議会全体でございますが、女性の議会への進出がまだ少ないというのは御指摘のとおりでございますが、近年徐々にふえてきたというように認識をしておるわけでございます。 今、私の知ります範囲におきましては、都道府県議会で女性のいらっしゃらないのは岩手県、秋田県、新潟県、それから富山県、鳥取県、島根県、徳島県、愛媛県、長崎は前にいらっしゃいましたけれども現在はいらっしゃいません、それから大分県と承知をいたしております。
○川橋幸子君 参政権を得まして、参政権というのはもちろん投票をする権利と同時に選ばれる被選挙権もあるわけでございますが、法律制度上は女性たちにこの参政権が保障されていましても、なかなか実現が難しい、壁があるというのがこれが日本の実態であるわけでございます。 さて、県議会に女性が一人もいないというようなその姿は男女共同参画という言葉のイメージとはかなりかけ離れたものと私は思いますけれども、官房長官はいかがでございましょうか。男女共同参画という言葉自体がわかりにくい、こういう話もよく聞きます。 今回の法案は地方公共団体あるいは国民の各層にも協力を求める、こういう法案でございますけれども、男女共同参画という言葉の価値観、概念についてわかりやすく御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 委員十分御承知のとおりに、この基本法の名称につきましては、昨年十一月四日の男女共同参画審議会の答申におきまして、一つには、男女共同参画社会は男女平等を当然の前提とした上で、さらに男女が各人の個性に基づいて能力を十分に発揮できる機会を保障することも重要な基本理念としておること、二つ目には、男女が公的分野、私的分野を問わず、今御指摘がありましたようにあらゆる分野における意思決定過程への参加、すなわち参画が極めて重要でありまして、この点を強調する必要がある等々から、名称を男女共同参画社会基本法とすることが適当であると提言をされたのでございます。 政府といたしましては、この審議会の考え方を踏まえまして、今国会に提出をいたしました基本法案の名称を男女共同参画社会基本法案とさせていただいた次第でございます。
○川橋幸子君 用語の意味あるいはその概念をお伺いしたつもりが、用心深い官房長官からは法案要綱を読まれてしまいました。 それでは、聞き方を変えまして、男女共同参画という言葉は総理府でもあるいは外務省でも英語に訳すときは何と言っていらっしゃるのでしょうか。それでは内閣官房長官に英訳をお願いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 私は英語が堪能でございませんので余り承知をしないのでございますけれども、男女の共同参画という理念を法文の型で示すのはデ・ジュールというように言っておると思うわけでございまして、これを名実ともに実現させていく、デ・ファクトというためのルールを機能させていくというように認識をしておるわけでございます。 委員のように堪能でありませんので十分なお答えになっておりませんが、御容赦をいただきたいと存じます。
○川橋幸子君 ジェンダーイクオリティーというふうに対外的には英訳していらっしゃると思いますが、逆に今度はジェンダーイクオリティーを素直に日本語に訳しましたらどういう言葉になりますでしょうか。
○政府委員(佐藤正紀君) お答えいたします。 男女共同参画室をどう訳しておられるかという御質問がございました。こちらの方の訳といたしましては、オフィス・フォー・ジェンダー・イクオリティーと申しております。これはジェンダーイクオリティーを目指して活動するということを意味しまして、フォーという言葉をつけております。 それから、ジェンダーイクオリティーという言葉の日本語訳ということでございますが、ジェンダーという言葉を使い始めたこと自体が比較的新しいこともあるようでございまして、強いて日本語に訳すときには男女平等という言葉も使っておると思います。 それから、先ほどの男女共同参画という言葉の英訳自体でございますが、これにつきましては、当方としては定訳としては特に決めておりません。
○川橋幸子君 国の役所の組織の英訳名の定訳がないというのもちょっと不思議な気がいたしますが、ちょろっと正直に言ってくださいました、男女平等と訳しますと。ジェンダーイクオリティーというのは男女平等、男女共同参画というのはやっぱり男女平等の社会を目指して努力することということかと思います。 今回、中央省庁の改革が、前の国会で通りました橋本政権時代の基本法に基づきまして、今度はさまざまな省庁設置法の改正が行われてくるわけでございますが、内閣府の中に男女共同参画会議を、合議体を置いてくださる、内閣府という非常に総合調整権限の強いところに置いてくださるということを女性たちは大変喜んでおります。女性たちといいますか、長年この問題にかかわってこられました男性を含む関係者の人たちは、日本の状況を考えるとやはり内閣府の中で強力な調整権限が必要であろうと。中央省庁等改革基本法につきまして、全体につきましては数合わせ等々さまざまな批判がある中で、女性はこの件については大変評価しているということでございます。 さて、これは通告していなくて恐縮でございますけれども、多分通告しなくてもお答えいただけることかと思いますが、内閣府の中に四つの合議体ができるわけでございます。外交ですとか安全ですとか経済諮問委員会とか、それに加えまして男女共同参画の四つの会議ができるわけです。そのうち三つまでは担当大臣が必置となっておりますが、男女共同参画会議についてはそのような記述が今のところ大綱の中ではなされていないわけでございますが、官房長官としてはいかがでございましょうか。この問題について前進するために、私は大臣が必要ではないかと思っております。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員が御指摘ございましたように、政府といたしましては、今回の省庁再編に伴います内閣府の中に男女共同参画会議を置くことといたしておりまして、なお男女共同参画社会の形成を促進するために、この担当する男女共同参画室を今回の改正で担当する局に格上げをして、さらにその体制の強化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。 男女共同参画会議につきましては、当然のこと、担当大臣が置かれることになります。
○川橋幸子君 置かれることになると。 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で円より子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、加藤修一君の質疑を行います。加藤修一君。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 私は、総括に続いてダイオキシン汚染問題について質疑をいたしたいと思います。 それはなぜかといいますと、関係閣僚会議の資料、これについてはなかなか理解しがたいところがあること、それから昨日の公聴会で環境のテーマについてやった部分がございますけれども、その内容については非常に私としてはインパクトが強かった、その観点から取り上げていきたいと思います。 まず最初に、厚生大臣と環境庁長官に、昨日の公聴会の内容についてどのような御見解を持っていらっしゃるか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 青山公述人、これは所沢のダイオキシン問題で環境研究所の所長さんでございましょうか、青山公述人が昨日の参議院予算委員会におきまして、一つはダイオキシン類に関する法整備の必要性、それから二番目に食品の安全性確保のための調査の実施とか分析の信頼性の確保の問題、三番目に国際的な動向を踏まえたTDIの設定、四番目に廃棄物の埋立処分場における焼却灰や集じん装置で集められた灰の処理実態、五番目に土地利用を含めたダイオキシン類対策についての総合的な対応等について御意見を述べられたと伺っております。 公述されたそれぞれの事項につきましては、いろいろな考え方があろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、青山公述人の御意見につきましては、今後私どもが対策を進めていく上で一つの参考とさせていただきたい、こう思っております。 閣僚会議の御指摘もありましたが、これは二月二十三日に設置をいたしまして、総合的にいろいろ食品の安全対策とか廃棄物対策を推進するということで、鋭意、今検討中であるということでございます。
○国務大臣(真鍋賢二君) 昨日、公聴会では、青山公述人からダイオキシン問題に関して、ダイオキシン対策の推進が必要であることなどについてお話があったと伺っております。 環境庁としては、ダイオキシン問題は国民の健康にかかわる環境保全上の重要な課題と認識しており、従来から廃棄物焼却炉等に対する規制、各般の対策を進めてきたところでございます。 今般、関係行政機関相互の緊密な連絡を確保すべく、去る二月二十四日に御案内のようにダイオキシン対策関係閣僚会議が開催されまして、政府として速やかに対策を推進するため、ダイオキシン対策推進基本指針の策定等を政府一体となって行っておるところであります。 今後、ダイオキシン対策推進基本指針を今月中に策定し、この指針に基づいて政府一体となって施策を推進して、環境庁としても積極的に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 私は、昨日の公述を聞いて、正直言って、非常に単純な言い方をいたしますけれども、政府は一体今まで何をやってきたのか、ある意味でずさんであるというふうに言ったって構わない部分が非常に多い。生命、健康を守るはずの厚生省がこういうことでいいのか。厚生省設置法をよく読んで官僚の方は行動しているのかと思いたくなるくらいであります。 資料を配付してございますけれども、これは前回やったケースでございますけれども、NDに関して、ゼロ処理のやり方については非常にこれはダイオキシンの毒性の数量が低い方に評価される嫌いがある、非常にそういった意味では心外なやり方ではないかなと思っております。 対策会議を含めて、政府は今TDIを一から四ピコ、そういった方向に向けて検討しているというふうに私は理解しておりますけれども、大臣はこの辺についてはどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) WHOの提言でございまして、詳しい資料が一月に届いておりますので、これからはやっぱりグローバルスタンダードといいますか、そういった国際的な基準というものも当然基軸にしていかなければならない性格のものであると思っています。 しかし、我が国は今まで、私の方では十ピコ、環境庁は五ピコ、あるべき姿として規定をしておりますので、そこらの整合性とか、それからその根拠、そういうものをもう少し明確にした上で、国際的水準を視野に置きながら決めていくべき性質のものであるというように考えております。
○国務大臣(真鍋賢二君) 環境庁といたしましても、WHOから一から四という数値を示されたわけでありますから、その科学的知見を尊重しながら、厚生省、環境庁でも専門家会議を開いて、その専門家会議の意見をちょうだいしながらその数値を決めてまいりたいと思っておりますけれども、健康上どうしてもこの数値だけは必要だというしっかりしたTDIを求めていきたいと思っておるところでございます。
○加藤修一君 私の理解では、WHOの一から四ピコというのを積極的に検討して今後やっていきたいというふうに理解しているわけですけれども、私もやはりこれは十分検討して、環境保全がより促進されることを強く期待しているわけです。 環境庁にちょっとお願いなんですけれども、環境基本法の第二十五条、環境の保全に関する云々のところをちょっと読み上げていただけますか。
○政府委員(岡田康彦君) 読み上げさせていただきます。 環境基本法二十五条、「国は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により事業者及び国民が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。」。以上であります。
○加藤修一君 今読んでいただいたんですけれども、環境の保全について理解を深める、あるいは保全に関する活動を行うに当たって意欲が増進されるようにするということが国の責務として書いてあるわけですけれども、これは当然ながら、環境庁、厚生省もそういう姿勢のもとにやっていかなければいけないと思うんです。 環境庁に保健専門官という役割がございますけれども、これはどういう役割になりますか。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
○政府委員(岡田康彦君) お答えします。 有害化学物質についての専門的な見地からの研究を担当している人間であります。
○加藤修一君 昨日の公聴会でもこの点が問題になったように、私は非常にショックを受けて聞いていたわけですけれども、新潟県で食品衛生監視員あるいは環境衛生監視員の合同研修会があったと、新潟県庁で。ここにおいて保健専門官が次のように話をした。どういう話かと。 ダイオキシンに関しては世間は騒ぎ過ぎだ。WTOのTDIが一から四だろうが、環境庁が五だろうが、厚生省が十だろうが、一兆分の一や五、十の話で、ああだ、こうだと議論する程度の問題ではない。たばこなど有害性が明らかなものでさえ公然と吸い続けている現状からも騒ぎ過ぎ。総量から見ると何ピコなどと騒ぐことではない。均整のとれた食事生活をしていれば人体への害はさほどでないはずだと、こういう内容の講演をしているわけなんですけれども、これは厚生大臣も環境庁長官もどう思いますか。この専門官は環境庁の方ですけれども、厚生省からの出向の人ですよ。
○政府委員(岡田康彦君) 状況について若干の御説明をさせていただきます。 議員の御指摘は、昨日の公聴会で青山公述人から、環境庁職員のダイオキシン問題に関する認識が十分でないという御指摘があった点だというふうに理解しています。当方が当日の研修会参加者から聴取したところによりますと、環境庁職員の発言の趣旨は、一般論としてダイオキシンによるリスクもたばこによるリスクも同様に高いという内容で、リスク論に関する議論をしたというふうに聞いております。 すなわち、現在ダイオキシンの健康影響に注目が集まっており、その重要性は言うまでもないけれども、例えばたばこの健康影響についても忘れてはいけないというようなことで、たばこの問題にも言及しておるというふうに聞いております。
○加藤修一君 大臣、お願いします。全然違うんです。
○国務大臣(真鍋賢二君) 私もきょう、そのような発言があったということについてお聞きしたわけでありますけれども、その詳細な内容につきましては、今、調整局長のお話ししたとおりでございます。私はそれ以上の知識を持ち合わせておりません。
○加藤修一君 厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員のおっしゃられるような内容であれば、専門官として極めて不適切ではないかと思います。
○加藤修一君 これは大変な問題だと思いますね。先ほど環境基本法を読み上げていただきましたけれども、あれから考えてもおかしい。 それからもう一つ、国家公務員法をちょっと読み上げていただきたいんですけれども、第九十六条をお願いします。
○政府委員(岡田康彦君) 読み上げさせていただきます。 国家公務員法第九十六条、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」。
○加藤修一君 全力を挙げた内容がああいう内容なんですよ。 環境庁長官、どうですか。先ほどああいうふうにお話ししましたけれども、どうなんですか。これは物すごくおかしい話ですよ。国民に向かって、事業者に向かって啓蒙しなければいけないのに、どういうことですか、これは。
○国務大臣(真鍋賢二君) 私もじかにその発言を聞いておりませんけれども、リスク論を述べてたばこに対する有害性を指摘したのだと思っておるわけであります。その有害性については、もう御案内のように非常に健康によくないということでありますから、その点についてはこの発言に対して十分な意識がなかったんじゃないだろうかという感もするわけでありますけれども、現にその発言を聞いておりませんので、それ以上のお答えをすることは私自身としてはできかねるわけであります。
○加藤修一君 人体の害はさほどでないはずだとか、こういうふうに言った科学的知見を示していただきたいですよ。
○政府委員(岡田康彦君) お答えいたします。 ただいま私どもは、昨日の青山公述人のお話に基づきまして、録音テープを起こして発言内容を確認すべく新潟県の方にお願いしているところであります。 なお、若干の付言をさせていただきますと、本件は、新潟県から県の職員である食品衛生監視員と環境衛生監視員の合同研修会の講師派遣の依頼を受けまして、講師として派遣したものでございます。
○加藤修一君 だから何なんだ。きちっとどうするか、明確にやってくださいよ、責任を明確に。どうするんですか。
○国務大臣(真鍋賢二君) 先生の御趣旨を体しまして、調査して、また後刻報告をさせていただきたいと存じます。
○加藤修一君 単なる報告だけじゃだめですからね。 昨年来、我々は国会の中においても、ダイオキシンについては深刻な問題であるということで真剣に審議してきているわけなんです。それから、公明党がダイオキシン規制法を出しました。民主党さんも出しました。超党派でこれを法律にしていこうと。その中で重要な点は、TDIという一ピコをどうするかこうするかということを考えている最中なんです。真剣に議論している最中に、あざ笑うように、この辺の問題について専門官たる人がそういう言い方をするのはどういうことなんですか。 明確に私は責任をとるような発言をしていただきたい。だめだ、そんなの。
○国務大臣(真鍋賢二君) ダイオキシン問題につきまして、立法府において対策を講じなければならないということで、公明党さんを初めといたしまして、民主党からも意見の出ておるところであります。私も、その案文を拝読させていただきまして、大変立派な御意見をちょうだいいたしておると、こう拝察いたしておるところであります。 しかしながら、この法案は、各党各派にまたがり、そしてまた国として取り上げて措置していかなければならない重大な問題だと認識をいたしておるところであります。でありますから、この法案に対する限りにおいては、このような発言があったらその影響の云々ということもさることながら、そういう影響のない対策を講じて立法府としてふさわしい法案を出していただきたい。 また、我々といたしましても、閣僚会議ができておるわけでありますから、その中におきまして間違いのない対策を講じていこうと懸命に努力をいたしておるところでございますので、御賢察をいただき、御了解をいただければと思うわけであります。
○加藤修一君 この合同研修会というのは、先ほど答弁がございましたけれども、食品衛生監視員、環境衛生監視員に対するいわゆる講演ですね。この人たちが前線でやるんです、監視したりなんかする。そういう人たちに対して、そういう中途半端な、科学的知見に基づかないような講演をするとは一体何事かと言いたいです。 私は、厚生省から出向している役人の方々は聞いています、名前もよく知っていますけれども、厚生省は薬害エイズの教訓とかそういったところが生かされていないんじゃないですか、これは。どうですか、この辺。厚生省の体質です。ある意味で、私は犯罪的とも言ったっていいと思っています。どうですか、これ。
○国務大臣(宮下創平君) 薬害エイズ問題を契機といたしまして、厚生省として行政のあり方について深い反省をいたしまして、あらゆる面で、倫理の問題それからまた保健衛生の国民の立場に立っての行動なり考え方、そういうことは大分あの当時と比べて改善されてきているというように私は信じております。 したがって、たまたまその方が厚生省の出向職員であるというゆえをもってすべて厚生省が今そういう状況にあるような御不信の御発言がございましたけれども、私としてはそうは感じておりません。
○加藤修一君 先ほど報告があるという話がありましたけれども、私は訂正していただきたい。間違った情報を、ある意味で情報操作的な言い方をしているので、非常に私は怒っているわけなんですよ。あるいは記者会見して国民に対して私は陳謝を要求したいと思います。
○国務大臣(真鍋賢二君) 先ほども申しましたように、事情を十分聴取しまして、後刻しっかりとした回答をさせていただきたいと思っております。
○加藤修一君 しっかりとした調査をやって、善処を要求したいと思います。 それでは次に、ちょっと質問をスキップいたしますけれども、産業廃棄物の関係で、「全国の改善状況」、この中で、これは例の対策会議の資料でありますけれども、六ページに「ダイオキシン類の排出量は市町村のごみ焼却施設からの排出量に比較して少ないと考えられる。」、こういう表現を使っていますけれども、これは一体どういう意味ですか。なかなか理解できないですよ、「少ないと考えられる。」と。
○政府委員(小野昭雄君) 一般的に産業廃棄物は、家庭から出されます一般廃棄物と比較をいたしますとその質が均一でございまして、焼却施設におきましても安定的な燃焼を維持しやすいために、市町村の一般廃棄物焼却施設と比較をいたしましてガス中のダイオキシン類濃度は少なくなると考えられているところでございます。 また、昨年の夏までに都道府県が把握をいたしました三百十六の産業廃棄物焼却施設について排ガス中のダイオキシン類濃度を見ますと、八十ナノグラムを超えた施設は全体の一%程度に当たる施設でございまして、約半分の百四十二施設が一ナノグラム以下、約八割の二百五十五施設が十ナノグラム以下と、調査対象の大部分が低い値となっております。 ただ、これは三百十六の施設でございますので、私どもといたしましては、現在、許可対象となっておりますすべての産業廃棄物焼却施設につきまして、平成十年の十二月までに測定をいたしました排ガス中のダイオキシン類濃度を都道府県を通じて調査中でございます。今月中を目途に取りまとめの上、公表したいと考えております。
○加藤修一君 この中に焼却施設が約五千施設と書いてあります。これで本当によろしいですか、施設の数は。
○政府委員(小野昭雄君) 約五千施設と認識をいたしております。
○加藤修一君 規制外のものについては一切調査しないという意味に理解していいですか。
○政府委員(小野昭雄君) 廃棄物処理法の改正によりましてすそ切りを厳しくいたしまして、比較的小さい炉につきましても規制対象とすることとしたところでございますが、なお、いわゆる規制対象外の小型炉からの排出実態というのは必ずしも十分に把握をされておりませんので、これは現在調査を進めているところでございます。
○加藤修一君 それでは、産業廃棄物の関係でいわゆる焼却量、前回私質問したと思っていたんですけれども、なかなか回答が来ておりませんが、産業廃棄物の関係で焼却量についてはどういう推計をされていますか。
○政府委員(小野昭雄君) 厚生省におきましては、平成九年の十二月一日から許可が必要な施設の規模を、一日当たりの焼却能力は五トン以上としておったわけでございますが、一時間当たりの焼却量に切りかえまして二百キログラム以上の施設に改めまして、より小規模な施設についても許可対象としたところでございます。 現在、許可対象となっておりますすべての産業廃棄物焼却施設につきまして、排ガス中のダイオキシン類濃度とともに、平成九年度の焼却量を都道府県を通じて調査中でございまして、今月中を目途に取りまとめの上、公表する予定でございます。 なお、許可対象施設の規模を引き上げる前の平成七年度におきまして、当時の許可対象となっている産業廃棄物焼却施設の設置者から都道府県等へ報告されました焼却の量を合計いたしますと、約八百七十万トンと推計されているところでございます。
○加藤修一君 それぞれの地域別といいますか、焼却量に対応した形でダイオキシン類の測定ということも考えているわけですか。
○政府委員(小野昭雄君) 排出量の推計は早急に取りまとめる予定といたしております。
○加藤修一君 排出量ばかりでなくて発生量という意味では、飛灰とそれから焼却灰の中のものについてもという意味で私は申し上げておりますけれども。
○政府委員(小野昭雄君) 現在は排ガス中の、排ガスの排出量というものを調査する予定といたしております。
○加藤修一君 排出量以外のダイオキシン類の測定については、やるのかやらないのか、その辺明確にしてください。
○政府委員(小野昭雄君) 全数調査はやっておりませんが、サンプル調査をやっているところでございます。その結果を踏まえまして、今御指摘のようなさらなる調査が必要かどうかを検討してまいりたいと思います。
○加藤修一君 では、サンプル調査の規模はどのぐらいですか。
○政府委員(小野昭雄君) 実態調査という意味合いよりも、むしろ生成のメカニズムあるいは排出の実態等を把握いたしますために、数施設を選びまして厚生科学研究費で研究を今行っているところでございます。
○加藤修一君 今の段階は研究する段階ではないんじゃないですか。実態をいかに調べるかが非常に大切じゃないですか。 総括のときに削減計画の話が出ましたけれども、それに対応して考えるならば、単純に排出量だけじゃだめなわけですから、要するに発生量全体についてもやはりアプローチする必要があると私は思いますけれども、どうなんですか。
○政府委員(小野昭雄君) ごみの焼却施設から排出されます焼却灰、飛灰に含まれますダイオキシン類につきましては、平成八年度に調査を実施しているわけでありますが、その結果によりますと、焼却灰一グラム中の値といたしましては、最小は不検出から最大八・八ナノグラム、平均は〇・三ナノグラム。飛灰一グラム中でございますが、最小不検出から最大二百四十ナノグラム、平均十三ナノグラムとなっているわけでございます。 今後とも、そういったことで測定データの収集に努めまして、より安全性を確保する方策の手がかりとしたいと考えております。
○加藤修一君 いや、母集団全体をやるというわけじゃないですから、要するにサンプリング調査をするというわけですね。 それじゃ、それがデータとして偏らない、統計的に偏らない方法として、どのぐらいのサンプルを地域別にとろうとしているのか、その辺のことをちょっと教えてください。
○政府委員(小野昭雄君) 現在は数施設で調査をいたしておりますが、先生御指摘のように、排出実態を正確に、正確にといいますか、予測をいたしますためには、施設をサンプリングいたしまして、それが偏りのない値であるようなサンプルの施設について調べ、推計をすることは、先生御指摘のとおりでございます。
○加藤修一君 いや、ですから、そういう形でやるのかやらないのかと聞いているんです。
○政府委員(小野昭雄君) 先生御承知のように、廃棄物焼却施設の排ガスについてはもう既に基準がございますし、それから最終処分地におきますダイオキシン類の濃度の実態等々も調査をいたしておりますので、それら全体をあわせまして排出実態の究明を進めてまいりたいと思います。
○加藤修一君 いや、わからないですよ、聞いていて。わからない。 統計的に偏りのないやり方というのは、最終的にどういうふうにやるんですか。
○政府委員(小野昭雄君) 全施設を調査するというケースもありますが、適切なサンプルを選んでそこを調査いたしまして全体を推計するということも方法論的には可能であるというふうに申し上げているところでございます。 なお、ダイオキシン類につきましては、排ガス中のダイオキシン類濃度の測定は年一回以上やらなければなりませんし、その記録を保存しておかなければなりませんので、そういったデータも活用し得るものというふうに考えております。
○加藤修一君 要するに、信頼性の確保云々とか、精度管理の問題を含めて、その辺については今までいろんなケースがあった。いろんなケースというのはどういうことかといいますと、測定数値を操作したと。焼却炉に活性炭を投入して濃度を下げるようなやり方をしたり、あるいは測定値工作を組合が依頼したとか、あるいはそれに類することが、高濃度検出を隠すとか、さまざまな形でこれは犯罪的に近いことがいろいろやられているわけです。 これは、産業廃棄物の焼却炉についてもそういったことが可能性としてはある。ですから、確かに都道府県に測定の義務はあるけれども、都道府県に測定した結果を報告しなければならないという義務もないし、公表もしなければならないというふうになっていないわけですよね。これは、私は逆に義務化すべきであるし、きちっと公表すべきだと思いますけれども、どうですか。
○政府委員(小野昭雄君) 先ほど御説明申し上げましたように、焼却施設からの排ガス中のダイオキシン類濃度の測定は年一回以上というふうに義務づけたところでございまして、これは通常の運転状態において測定するように指導いたしております。 ただ、先生が今データの信頼性がないんじゃないかという御指摘もございました。この通常の運転状態において測定されたデータであるかどうかということを判断するのは極めて重要でございます。そういった観点から、ダイオキシン類濃度を測定したときの燃焼温度、あるいは排ガス中の一酸化炭素濃度を、測定日以外の幾日かの同じデータを比較することによりまして、その日が特別な操作がなされたかどうかということは判断し得るものと考えております。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 なお、排ガスの温度、排ガス中の一酸化炭素濃度につきましては、施設の設置者に対しまして、自動的に連続して測定できる装置により測定をし、記録をしておく義務が課せられておりまして、特異な条件で測定をしたとすれば、都道府県の立入検査、報告徴収等の際に判明するものと考えております。 なお、さらに廃棄物処理法の改正におきまして、施設周辺の利害関係を有する住民の方々は施設に記録の閲覧を求めることができることとしたところでございまして、これらの制度が活用されまして、焼却施設の運営の透明性が図れればというふうに考えております。
○加藤修一君 故意にバイアスが入らないような測定の制度をきちっとつくり上げることを要求して、質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で加藤修一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、須藤美也子君の質疑を行います。須藤美也子君。
○須藤美也子君 私は、米の関税化問題について質問いたします。 政府が米の関税化を決めたことは、日本の食糧、農業の将来にとって極めて重大な問題であると思います。 五年前、各党は米関税化反対を主張し、ミニマムアクセス米を受け入れることを条件に関税化を拒否したわけです。その後、政府自身も九六年の世界食糧サミットのローマ宣言、あるいは昨年のOECDの農相会合、こういうところで強調された食糧安全保障に対する国際世論が非常に広がっている、こういうことを認めているわけであります。 そういう中で、なぜどうして今、日本自身の食糧安全保障にとって極めて重大な障害になる米の輸入自由化に踏み込む関税化をやるのか、その点についてお聞きいたします。
○国務大臣(中川昭一君) なぜ今かという御指摘でございますが、今回のWTO農業協定のスタートとともに、日本は例外なき関税化の特例措置としてミニマムアクセス米制度を導入したわけでございますが、それから三年余が経過をいたしまして、一部の需要しかない、あるいはまたこれからますます〇・八%ずつふえていくという状況を、協定の原則に戻ることによりまして半分の〇・四に抑えることができる状況になるということがございます。 また、当時は例外なき関税化ということで、農業関係の皆さん、そして我々ももちろん関税化あるいはまた米を入れないということで頑張ってきたわけでありますけれども、現時点においてこのような状況を踏まえまして、次期交渉への強い立場を確保するという観点からも、国内の生産あるいはまた国内の需給等に影響を与えないという強い見通しも我々は持って、確信をしておりますので、そういうことを総合的に勘案して、我が国の食糧安全保障という観点ももちろん勘案をしながら、最善の選択として関税化に踏み切ったところでございます。
○須藤美也子君 それでは、五年前、六年間の特例措置としてミニマムアクセス米を受け入れた、こういう国会の受け入れは間違っていた、そういうことでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、前回といいましょうか九三年までの交渉においては、例外なき関税化というのがWTO交渉における大原則であった。その大原則に我々は関税化という措置にすることはできないということで我々も頑張ってきたところでございますけれども、その大原則を守るということが国際的な交渉の、百数十カ国の交渉の場で極めて厳しかった。厳しかったけれども、関税化をすることができないということで、いわゆる特例措置というものを我々としては選択せざるを得なかった。 この特例措置は、たしか百三十数カ国だと思いますけれども、その加盟国の中で、韓国あるいはフィリピン、イスラエル、そして我が日本の米、たった四カ国だけに認められた特例措置でございますから、国会あるいは生産者の皆さん、もちろん私もそうでございましたけれども、当時、関税化をしないということで頑張ってきたことは決して間違いではなかった。当時間違いではなかったというふうに思いますけれども、国際交渉、話し合いあるいはまた物事を決める場でございますから、関税化を阻止するという形の中で特例措置の制度になったということでございます。
○須藤美也子君 今の答弁では、農民の方あるいは消費者の方が聞いてもわからないと思います。例外なき関税化大原則を危険だと思って特例措置をとった、ところがまたその例外なき関税化を今度選択するわけですから、これが最善の措置、こういうふうにはどうしても思われません。 そこで、当時我が党は、関税化はもちろん、ミニマムアクセス米特例措置も受けるべきでないと、こういう点で強く主張し、反対もしてきました。あの当時、WTO協定は、譲許表なども含めて、御承知と思いますが、一メートルもの高さの案件だったんです。 農水大臣、あなたは、昨年十二月の関税化を決めるときの衆議院の国会でこういうことを言っております、「私、恥ずかしながらその協定の附属書の五なるものを精読していなかったこともございます。」と。附属書五というのは特例措置にかかわる重要な条文だったんです。それを精読しないでミニマムアクセス米特例措置を受け入れたんですか。
○国務大臣(中川昭一君) WTO協定は、私の記憶では一・四メートルほどの量になるというふうに記憶しておりますけれども。 私も、九三年のたしか十二月十四日だったと思いますが、当時私どもは野党でございましたけれども、もちろん関税化絶対反対ということで、当時私は自民党の農林部会長でございましたから責任者であったわけでございますけれども、関税化は絶対することはできないということで頑張っていたわけであります。しかし、その当時は、たしか先生の政党も含めて、ミニマムアクセス制度なるものは、直前まで我々、交渉の結果としてそういう選択肢があるということではなくて、関税化するかしないかということで、我々は絶対しないということで頑張ってきたわけであります。 しかし、これは交渉事でありまして、まとめなければならない、あるいはまたいろいろなまとめ方があるということで、協定の原則に基づいて関税化をするということは何としても阻止しなければならないということで、政府挙げて当時頑張ったわけでございますけれども、その結果として、関税化は阻止した、しかし例外なき関税化という大原則のもとでございますから、ミニマムアクセスという特例制度というものを先ほど申し上げたように四カ国のみが選択したということでございます。 先生御質問の、一・四メートルのそのWTO協定の中の農業協定の附属書五というものが特例措置に関する項目である、あるいはまた特例措置を一般原則に戻す場合にはこういうやり方があるというふうに書いてあるということはその九三年十二月の合意、あるいは九四年四月のマラケシュ合意でその協定が正式に確定したわけでございますけれども、その当時は私は恥ずかしながら、先生は御存じだったかもしれませんけれども、存じ上げておりませんでした。
○須藤美也子君 自民党の農林部会長が精読していなかった、こういう点では大変重大な問題だと思うんです。そして、それを受け入れたということがまた重大な問題だと思うんです。 そういう中で、先ほど私どももと言いましたけれども、我が党は日本の国民の主食である米は絶対に自由化につながるような輸入はしてはならない、こういうことを主張してまいりまして、それは議事録にきちんと明記されております。 そういう点で、今回もそういう十分な検討もなしに拙速に関税化を決めるべきではないと思います。例外なき関税化に反対、阻止をした。当時そういう危険性を感じて阻止をしたわけでしょう。そういう関税化を今度決めて、そしてまたあのとき関税化をしなければよかった、二十一世紀になってからそう思っても、これはもう後戻りできないんです。誤りを二度繰り返してはならないと思います。 そういう点で、十分な国会審議と国民的合意なしに強行すべきではない、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 現在のWTO協定というのは、一九八六年から九三年まで七年間かかってやっとでき上がった協定であります。その中で当時の総理大臣の苦渋の選択という言葉がございましたけれども、我々としても、関税化は阻止することができたけれども、一部とはいえ米が入ってくるということに対しては残念な気持ちだったことを今も記憶をしております。しかし、当時としては、私はあの決定というものは、交渉事でございますから、百点がとれないから零点だというものでは世の中は通用しない場合が多いというふうに思います。そういう意味で、ぎりぎりの選択としてのああいう特例措置をとったわけでございます。 それから三年余を経験し、そして先ほど申し上げましたように、需給の状況、あるいはまた国内の生産者の皆さんや関係者の皆さんに対する影響を及ぼすことがないということ等を総合的に勘案いたしまして、今回の関税化の措置は現時点において、また将来の次期交渉に向かって最善の選択である。何年前のことが今から振り返ってみたら結果的にどうだったとか、あるいは今がどうだと。今はもちろん、そのときそのとき最善の選択というものがあるわけでございまして、状況が結果的に変わり得るということは一般論としてよくあることではないかというふうに考えております。 重ねて、今回の選択は我々としては現在とり得ることのできる最善の選択だというふうに考えております。
○須藤美也子君 最善の選択と言いますけれども、ミニマムアクセス米だけでもこれから二年間で減るんではないでしょう。さっきおっしゃったように、〇・八%のものが〇・四%ふえる。この二年間で約百五十万トン入ってくるんですよ。これ自体ふえている。この問題も重大な問題であります。 さらに問題なのは、ミニマムアクセス米の中で輸入業者と卸業者の価格の差、マークアップが民間業者の入札で決まり、国産米市場に自由に出ていく、いわゆるSBS米の急増の問題であります。 政府は、関税化しても高関税、つまり三百五十一円上乗せされるから入ってこない、こう言っております。しかし、既にSBS米はそれよりずっと低いマークアップで流通し、かつその量がどんどんふえています。平成十年度のSBS米の取扱量と平均マークアップは、今幾らになっていますか。
○政府委員(堤英隆君) SBSの十年度は十二万トンでございます。それから、マークアップにつきましては平成九年度全体で平均キロ百三十円でございます。 これは、御案内のように、アメリカ等々いろんな国がございますので、国ごとに大きな差がございます。それから、砕米とか破砕精米とかございますけれども、それを外しまして普通外米で申し上げますと、平成九年度がキロ百三十円でございます。
○須藤美也子君 マークアップが百三十六円と。SBS米は、事実上、現在民間業者が行っている関税化だと思うんですが、関税額の三百五十一円の三分の一近い事実上の低関税で今流通しています。しかも、食糧庁の当初の計画の二倍になっています。SBS米は、六十キロ一万円から一万四千円台で卸に渡っています。一方、国産米は安いもので一万五千円台です。SBS米は、主食用の米市場になだれ込み、国産米と競合していることを御存じだと思います。SBS米は国産米価格を圧迫している、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 平成五年十二月に閣議決定で、外国から入ってくるお米については国産の需給に影響を与えないという決定がなされております。それに基づきましてミニマムアクセス米、特にSBSにつきましても国産米に影響を与えないようにできるだけの措置をとっておるということでございます。具体的には、主食用として国内に供給される場合には、それと同量の政府米を援助用等主食用以外の用途に向けることによりまして国産米の需給、価格に影響を及ぼさないようにしてきております。 今後ともそういう方針でやっていくわけでございまして、SBSが仮に国内に主食用として回りましても、全体の需給においては影響を与えていない、またこれからも与えないように努力をしていくということでございます。
○須藤美也子君 十二月十八日の衆議院農水委員会で食糧庁長官は、外食産業などでSBS米がブレンドされて定着の兆しが見えている、このように答弁されております。もう国産に入ってきているんですよ。国内生産と国内産の米価に非常な影響を与えているのは事実なんです。 生産者は各地でこう言っています。関税化に切りかえても、SBS米の輸入がどんどんふえることになれば高関税などといっても意味はない、こう言っています。また、民間業者が事実上の低い関税額で自由に流通させているSBS米が拡大していることは、次期交渉後、低関税、民間貿易という米輸入自由化が一層進む下地、つまりレールをつくっているのではないでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほど申し上げましたように、SBS米を含め外国から入ってきているお米については、国産米の需給に影響を与えないということできちっと管理をしておるわけであります。 それから、民間貿易というお言葉がございましたが、関税化の後もきちっと国家貿易を守っていくということでございますし、次期交渉においても、これからいろいろ御検討をいただくわけでございますけれども、どう具体的な交渉に臨むかは現段階では申し上げることはできませんけれども、とにかく国内生産者あるいは国内の米の需給についてきちっと管理をしていく、国家貿易につきましては引き続き守っていくということは大前提だというふうに私は考えております。
○須藤美也子君 先ほどから今回の関税化は最善の選択とおっしゃいました、交渉にとっても有利だと。しかし、ミニマムアクセス米はこれからもふえる。さらに、その中でSBS米が当初の計画以上に膨れ上がっている。こういう点で、何が最善なのかどうもわからないんですよ。どうですか。 これをやめるというならわかるんです。ミニマムアクセス米が減る、実際輸入されない、さらにはSBS米も改善してやめる、こういうのであればわかるんですが、わからないです。
○国務大臣(中川昭一君) 最善の選択というふうに何回も申し上げておりますが、当然前提があるわけでございまして、WTOという、自由貿易を原則とする世界の数多くの国々が共通のルールを持ってこの体制のもとで経済活動等をやっておるわけでございまして、そういう中で、今まで関税化されていなかったものにつきましては、本来であれば、仮に関税化したとしても三%から六年間で五%入れなさいというのが実はWTO協定上の大原則であります。日本はそれを拒否したわけであります。そのかわりに四%から八%までふやしなさいというのが特例措置になっておるわけであります。それが協定の厳然たる規定事項であります。 しかし同時に、その協定の中で、途中でいつでも、年度初めからでありますけれども、その特例措置から原則の関税化に変更することができますよ、その場合には〇・八、日本の場合には毎年〇・八ずつふやすべきものを半分の〇・四ずつふやすということにすることができますよと。そしてまた、そのときの関税相当の金額につきましては、これは従量税でも従価税でもどちらでもいいわけでありますけれども、我が国といたしましてはキロ当たりの計算方式というものが附属書五の付録というものにきちっと書いてありまして、それに基づいて計算をした結果が九九年四月一日からのスタートでは三百五十一円十七銭になるというふうに、これは協定上のルールにあくまでも基づいてやっておるわけでございます。 最善というのは、減るとかなくなるとかいうことは現実的にはあり得ない話でございまして、現時点においてとり得る、つまり実質的に生産者あるいは国内需給にできるだけ影響を及ぼさないとり得る措置というのは、このまま〇・八ずつふやしていきながら関税化をしないというよりも、関税化をするけれども、ふえ方が〇・四、半分に減るということの方がはるかにいい、この選択がベストであるという前提でやったわけであります。 先生御主張のように、あたかもゼロになるのが一番いいんだ、あるいはマイナスになるのが一番いいんだというのは、そういう方法があるのであれば当然そういう選択をとるわけでございますけれども、我々はあくまでもルールにのっとってやっておるわけでありまして、現実不可能なことを前提にして最善ではないという先生の御指摘には、私としては理解できないものがございます。
○須藤美也子君 それでは、今関税化すれば次期交渉にとっては有利だと。 WTO農業協定第三部第四条二項を読み上げてください。
○政府委員(大島正太郎君) WTO農業協定第四条の二項を読み上げさせていただきます。 四条は「市場アクセス」という見出しがついております。二項でございます。「加盟国は、次条及び附属書五に別段の定めがある場合を除くほか、通常の関税に転換することが要求された措置その他これに類するいかなる措置も維持し、とり又は再びとってはならない。」。以上でございます。
○須藤美也子君 関税化をすれば、あとはもう関税化の中でしか交渉はできないということなんです。そうすれば、もう今既にアメリカから、ほかの国からも、輸出国からどんどん関税率を引き下げろと、こういう交渉になっていくんじゃないですか。
○国務大臣(中川昭一君) 次期交渉につきましては、先ほども申し上げましたように、国民的合意のもとでどういうふうに臨んでいくかということについて、まだ決定をしておりませんといいましょうか、皆さん方の御意見をこれから聞いて国民的な合意を形成していかなければならないというふうに考えておりますが、現段階で申し上げられることは、次期交渉に向かっては我が国の立場というものを強く主張していく。 その立場とは何かと申し上げますならば、日本の農業生産をきちっと守っていく、あるいはまた農業におけるさまざまな機能、あるいは農地、農村も含めたさまざまな機能を守っていく。 先生が先ほど冒頭お話しになりましたように、OECDの会議での決定とかFAOでの決議とか、そういうものは実は我が国が主張して取り入れられたものございまして、そういうものも含めて総合的に今度の交渉に臨んでいくということでございまして、それも含め、また日本の生産を守っていくという観点から臨んでいくわけでありまして、最初から関税をどのぐらい下げるかということの話し合いで臨むということは考えておりません。 総合的に我が国の農業あるいは食糧をどういうふうに守っていくか、あるいはまた、また繰り返しになりますけれども、そのほかのことも含めまして総合的に我が国の立場を主張していきたいというふうに考えております。
○須藤美也子君 関税を引き下げるというようなことを今は言えないと思います、これは交渉で相手があるわけですから。そういう点はだれもわかると思います。 しかし、牛肉・オレンジの結果、これまでの農産物の関税化の結果、日本の農産物がいかに困難な状況に追い込まれているか、こういうことを見れば明らかであります。そういう点で、国内農業に大変な打撃を与える今回の関税化問題については本当に徹底した議論と国民的な合意を得る、そういう立場に立って今回の拙速な関税化決定は撤回すべきである、このように要求をいたします。 次に、国際的に食糧不足が深刻になっています。 外務省にお尋ねいたしますが、昨年のFAOの「世界の食料・農業事情の主な特徴について」という報告があります。この中で、世界の食糧不足国がどうなっているか教えてください。
○政府委員(大島正太郎君) お答えを申し上げます。 FAOの「作物及び食料不足」という資料の九八年十一月号によりますと、FAOが判断しましたところ、現在世界で食糧の不足している国は三十七カ国あるということが記述されております。
○須藤美也子君 日本はODAで世界一とおっしゃっておりますけれども、ODAの中で食糧援助の割合はDAC諸国の中でどうなっておりますか。
○政府委員(大島賢三君) 食糧不足に直面しております開発途上国に対しましては、食糧援助規約というものに基づきまして食糧援助を実施しております。現在のところ、先進諸国がこの規約のもとで負っております義務的な拠出量の合計は五百三十五万トンでございます。そのうち我が国は三十万トンを義務的な拠出ということで受けて、これを実施しております。
○須藤美也子君 全体の中で食糧援助の比率を聞いているんですが。
○政府委員(大島賢三君) 我が国のODA予算で申しますと約一兆円でございますが、このうち無償援助によります食糧援助予算は大体百三十億円前後と、こういう比重になっております。
○須藤美也子君 実際の食糧援助のことを言っているんです、お金でなくて。
○政府委員(大島賢三君) 我が国の場合には直接的な食糧の供与という形をとっておりませんで、資金援助という形式をとっておるわけでございますが、その資金援助に基づきます拠出の量、これが小麦換算ということでございますけれども、三十万トンということでございます。先進国全体では、先ほど申しました五百三十五万トンというものになっております。
○須藤美也子君 全体の中で〇・二%です。日本の援助はDACの中で非常に少ない。義務輸入米はやめるべきですけれども、その間の在庫分は貧困と飢餓に苦しむ国々に人道的な立場で援助すべきだと思いますが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 我が国としましては、KR食糧援助あるいは今のWFPを通じた緊急食糧支援、また昨年からは新たな食糧支援の仕組みを創設いたしまして、インドネシアに七十万トンの米の貸し付けを行っておるところでございまして、国際的に困っている国に対して、いろんな形で貸し付けあるいは援助等々をしていくことも大事なことだというふうに考えております。
○須藤美也子君 最大の輸入国日本が世界の食糧を買いまくっている、そして自給率は世界最低の水準、こういう状況になっている中で、要らない食糧までも入ってくる。そういう食糧は飢餓の国々に援助すべきだと思いますが、大蔵大臣、そのための財政援助はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、できればそういう困っている国の方にウエートを置いてやるのがいいと思いますし、何しろ一兆円というのは日本は世界最高の援助国でございますから、その点で私は不足があるんだとは思いません。
○須藤美也子君 これは財政の問題よりも、食糧、現物をどう飢餓の国々に援助するかというのは、農水大臣が本当に考える問題だと思います。 そういう点で、今度のWTO農業交渉で何を改定のために交渉するのか教えていただきます。答弁をお願いします。
○国務大臣(中川昭一君) 何を改定の交渉にするのかという御質問でございますか。
○須藤美也子君 そうです。
○国務大臣(中川昭一君) 来年から始まります次期協定に向けての交渉におきましては、我が国の基本的な、一番大事な物資でございます食糧を国内生産で基本としつつという新たな食料・農業・農村基本法、これから御審議いただくわけでございますけれども、新しい日本の国内の食糧政策といいましょうか、農業農村政策がスタートするわけでございまして、我が国といたしましてはそれと整合性がとれるように国内的に安定的な食糧を確保していくこと。 そしてまた一方、これは自由貿易というものが前提のWTO協定でございますから、全体的にはそういうWTO協定というものの改革の推進という位置づけに次期交渉があるわけでございまして、そういう協定の中で我が国の国益というものを最大限守るための努力をしつつ、国際的にも今、先生御指摘のような貢献がどのぐらいできるかというようなこと等を基本に置きながら、これからどういうふうに交渉に臨む体制をつくっていくかを、まさに今準備しなければいけない時期に来ているというふうに考えております。
○須藤美也子君 次期交渉は、二十一世紀の日本の食糧と日本農業の再建など、日本民族の存立にかかわる重大な問題であります。そういう点で、米は自由化から外せと堂々と食糧安保の立場で主張することを強く要求して、質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で須藤美也子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、大渕絹子君の質疑を行います。大渕絹子君。
○大渕絹子君 連日御苦労さまでございます。 きょうは、宮澤大蔵大臣と納税者の権利についてちょっと議論をしていきたいというふうに思っております。 税務調査が行われていまして、最近では税務署の職員の対応も大変丁寧になってきているようでございますけれども、それでもまだ事前の通知のない調査とか、あるいは強権的な税務調査が行われています。税務当局の恣意的な推計課税とか修正申告の強要あるいは更正処分、青色申告の取り消しなど、納税者の権利が著しく脅かされるような事態もあるやに聞いているところでございます。 そこで、賦課課税制度と現行制度が求めています申告納税制度、これの違いというのを大臣はどこに見出していますでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の制度になりましたのは昭和二十二年でございます。戦前は、これは私なんか自分で経験したことでございますけれども、税務署が納税者の所得を調査いたしまして、それでいわば賦課方式と言うのでございますが、納税者に通知をする。異議の申し立てというものは認めておりましたけれども、税務署側の仕事でございます。 戦後になりまして申告納税方式になりまして、それは納税者が申告をいたします。申告がない場合または申告が相当でないと考えられる場合には税務側が更正あるいは決定をする、そういうことになりましたから、戦後の制度は全く納税者側の自主的な意思によって納税の申告をする、それに対して戦前は税務署側が賦課をした、そこが一番の違いだと思います。
○大渕絹子君 主権在民が税制上に確立をされたというのが申告納税制度だというふうに私自身も思っております。 そこで、国税庁見えておられますでしょうか、今の手続においても税務調査が大変不当であったといって訴訟を起こすという件が大変あるんですけれども、大体年間どのぐらいございますでしょうか。
○政府委員(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 平成九年度におきましては、課税関係の処分などを不服として訴訟が提起されました件数は二百六十七件でございまして、この十年間ほぼ横ばいで推移しているという状況でございます。
○大渕絹子君 そういう状況の中で、平成十年の六月二十九日にその税務調査の結果についての通達が出されていますけれども、その内容を教えてください。
○政府委員(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 ただいま先生から御質問のありました通達の件でございますが、平成十年度から、実地調査の結果何らの非違も認められない納税者の方に対しまして調査結果の通知を行うということにしたわけでございますが、この通知を行うことで納税者の税務行政に対する理解を深めるということにねらいがございます。これによりまして、申告納税制度の環境整備を図り、あわせて納税者の便宜に資するために実施したことでございます。
○大渕絹子君 法制局にお尋ねいたします。 憲法三十条に納税の義務がございますけれども、これを解釈してください。
○政府委員(大森政輔君) お尋ねの憲法三十条、これは「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と、このように規定しているわけでございます。これの解釈としてどこまでのことを申し上げればいいのか戸惑うわけでございますが、要するに、「法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と規定しているわけでございますが、これは納税の義務とともに、租税の賦課徴収は国会の議決する法律によらなければならないという租税法律主義を規定したものであるというふうに理解されているところであります。 なお、憲法八十四条で財政に関する国会の権限という面から租税法律主義が同じく規定されているわけでございますが、本条は国民の納税義務という面から規定したものであると、一応こういうコメントはできようかと思います。
○大渕絹子君 表面的に読めば法律はそういうことになりますけれども、その国民が負う納税の義務と引きかえに、憲法はその前段のところで、いわゆる基本的な人権とかあるいは最低生活を保障するというような権利が羅列されていますけれども、そういう権利、いわゆる税金を払う義務と、それを使うことによってみずからの暮らしが保障されるという権利、そういう納税者の権利と一体のものというふうに私は読みたいのですけれども、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○政府委員(大森政輔君) 委員御指摘のとおり、憲法の基本的人権の章におきましてはいわゆる社会権として、例えば二十五条で生存権あるいは健康で文化的な最低限度の生活を営む権利、その他いろいろな権利を規定していることはおっしゃるとおりでございます。したがって、その納税の義務の履行によって納付されました租税、税金が究極的には国民の福祉のために用いられなければならないということは、確かにおっしゃるとおりでございますし、また納税者としてその使途に正当な関心を持つべきは、これは当然でございます。 ただ、あくまでやはりこの三十条に関する限りにおきましては、国民のいわゆる三大義務の一つである納税の義務を国民の義務の面から規定した規定である、そういうことであろうかと思います。
○大渕絹子君 ありがとうございました。 国民の福祉に資するための納税ということをおっしゃっていただきました。その後も解釈をつけていただいておりますので承知をしておりますけれども、日本の憲法は平和そして国民の福祉、こういうものを前提にして組み立てられてきているというところを確認させていただきたいと思います。 そこで、大蔵大臣、日本の税制、いわゆる徴税制度がいろいろありますけれども、その税制の中に納税者の権利として明確にうたわれている部分が全くないのです。だから、一方的に申告納税制度であるにかかわらず、税務署からの税務調査に対して本当に法的な裏づけを国民は与えられていないというのが今の現状なんです。 そこで、私たちは国税通則法の中に納税者の権利をうたい込みたいということで今法制化の準備をしているんですけれども、それと同時に納税者の権利憲章なるものをきちんと出すべきではないかという主張をきょうはさせていただきたいと思います。 お手元に資料を配らせていただきましたけれども、先進諸国ではほとんどが納税者権利憲章なるものを持っておりまして、韓国でも九七年の七月、これは基本的な納税の法律を変えたときにこの憲章を国税庁が出して、そして国税庁あるいは税務署の窓口にこれを置いて、国民が自分たちが納税をする義務と引きかえにこうした権利が与えられているということをいつも見ることができる状況に置かれているんです。 日本でも本当に国民がきちっと納税をして、そしてその納税者としての義務を果たすことによって私たちが基本的な権利として納税者の権利が与えられているんだということを明快にする必要がある時代になっているんではないかというふうに思うのですけれども、御考慮をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 十分お答えができるかどうかわかりませんけれども、先ほどお話がありました戦前は賦課課税でありました。申告納税になりまして、さらにそれがだんだん制度が進みまして、不服である場合の一種の訴訟的と申しますか、不服を裁くようなシステムができ上がってまいりまして、これはもちろん戦前にはなかったことでございますけれども、納税者のそういう不服に対しては何段かにそれについての審査をする制度が法律としてでき上がっておるということは、今おっしゃったような意味での線に沿うものではないかと思います。
○大渕絹子君 その納税者の権利憲章なるものの制定についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、現にそういう不服事件というものがどのようにいわば適正に処理されておるのかということ、いや、それに至らないまでに問題があるとおっしゃるのかもしれませんけれども、そういうことの判断は、私は実は十分存じませんので、よろしければちょっと国税庁の意見をお聞きくださいませんでしょうか。
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。 今、先生からおっしゃられました納税者憲章の話でございますが、今資料にございますように、幾つかの国で制定していることは事実でございますが、その法的位置づけは各国によっていろいろと違っているようでございまして、共通のものはないというふうに承知しております。 OECDの報告書によりますと、納税者憲章を有しない国においても納税者の権利は同様に尊重されており、事実上これらの憲章等で規定されている権利と同様な権利を有している、こういうことになっております。 事実、我が国におきましても、くどくどとは申し上げませんが、通則法、徴収法を含め、あるいは所得税法の各税法を含め種々の規定が設けられておりまして、また税務執行の局面でも、その精神を生かした執行がなされているわけでございます。 例えばこの憲章の問題は、今申し上げましたように、租税法律主義のもと、通則を初め税法に具体的な規定があるということを申し上げましたが、各国を見ますと、例えばアメリカでございますと、調査そのものが、犯則のためにやれるとか、あるいはサモンズというのを発していただきまして大変強制的な資料収集ができるとか、あるいは税法で申し上げますと、何といいましょうか、立証責任がどちら側にあるかというような各国の税制もございまして、そういうことからいたしますと、我が国では改めて納税者憲章を制定する必要はないのではないかというふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 世界が納税者権利というのをきちんとうたいながら、そしてわかりやすい税体系をつくっていこうという流れがあると思いますので、私は考える余地があると思いますし、今その時期だと思うことを主張しておきたいと思います。 それでは変わりまして、公共事業等予備費についてお伺いをいたします。 憲法八十三条の財政国会主義というところを、法制局長官、説明ください。
○政府委員(大森政輔君) 八十三条でございますか。
○大渕絹子君 そうです。
○政府委員(大森政輔君) これは、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と規定しているわけでございますが、これはいわゆる財政民主主義の原則を宣言したものである。そして、八十四条以下に、課税とかあるいは国の支出についてとか、あるいは予算について個別的に規定しております総則的な財政の民主主義をまずうたい上げたものであるというのが位置づけであろうと思います。
○大渕絹子君 八十七条もお願いします。
○政府委員(大森政輔君) 八十七条は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」、こういう規定でございますが、これは、緊急の支出の必要が生じた場合に備えて、国会の議決に基づき、一定の金額をあらかじめ予備費として設け、内閣の責任において支出し得るものということを憲法が規定したものであります。これは、財政処理についての国会の事前議決の原則の例外として認められた憲法上の制度である、こういうことが言えようかと思います。
○大渕絹子君 そのとおりだと思います。八十三条で国会議決主義をきちっとうたいながら、しかし予見しがたいことについて予備費を設けることができるというのが八十七条の規定だと思います。 そこで大蔵大臣、今回の予算の中で、公共事業等予備費という形で大変巨額なお金が、五千億円だったでしょうか、盛り込まれていますけれども、これは一体何でございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回のいわゆる予備費、これは普通の予備費でございます。三千五百億円でございます。それに公共事業予備費というものを五千億円やってございますけれども。 本来、予備費というのはどういうことがあるかわからない場合に使わせていただく、それで国会の御承認を受けるということでございますけれども、このたび私どもが考えましたのは、全体に無論そういう問題はございましょうけれども、こういう経済状況でございますから、政府は雇用対策等々いろんなことを考えて予算を組んでおります。 こういう景気状況、経済状況でございますので、なかなか予測できない出来事が起こり得るであろう。そのときに国会にお願いすればいいではないかという御議論はあると思います。しかし、経済の方の動きが早うございますから、国会へ実際お願いをして、そのための手当てを予算でしていただくというのには、常識的に考えますとやっぱり二月とかいうものがかかるわけでございますから、そのときに予備費を持っておればとりあえずその手当てをして、後で国会の御承認を受けることができる、こう考えたわけでございます。 ただ、それでは漫然と何でもやるのかと、こういうお尋ねがございますでしょうから、いいえ、それは経済と申しますか、公共事業に限りましてそういうことをさせていただきたい。そういう意味では、私どもは、一般的に真っ白な小切手をお願いいたしますというのではなくて、これは公共事業に関してだけお願いをいたしたいということで、自分たちのいわばとるべき行為を制約した形で、予備費の形でお願いをいたした、こういう趣旨でございます。
○大渕絹子君 経済の先行きの不安とかあるいは景気浮揚とか、さまざまな事案がございます。それは予見しがたいことではございますけれども、一定程度予見ができるものというふうに思います。そういう中で私は今回予算が組まれていると思うんです。 予見しがたいことに特定をされている予備費を何のあれもなく公共事業等予備費として五千億というのを計上することは、本当に国会を軽視したやり方であるというふうに私は思います。予算は、使い方を明快にして国会の議決を得るというのが原則でございます。これが八十三条なんです。 それで、過去において、五十一年、公共事業等予備費というのが盛り込まれたことがございますけれども、その後の経過、その後の二、三年の経過も踏まえて、どうぞ述べてください。
○政府委員(涌井洋治君) お答えいたします。 公共事業等予備費は過去三回予算に計上した例がございます。 昭和五十一年、これは、公共事業等予備費が千五百億円、それから五十三年度二千億円、五十四年度二千億円という、過去にそのような例がございます。それから、かつ五十一年度の千五百億円の公共事業等予備費につきましては、災害あるいは一般公共事業等にその一部を使用した例がございます。
○大渕絹子君 五十一年は普通の予備費と同じように使われています。そして、その後五十三年、五十四年というのは補正予算を組むということで、この予備費は使われておらない状況がございます。こういうことからいきますと、財政法の二十九条には、政府にはいつでも補正予算が組めるという条項もあるわけです。その補正予算で手当てをすべきことをこの公共事業等予備費ということで本予算の中にぼんと入れてしまう。しかも、五千億円といえばもう補正予算を一回組むに十分に足り得る財源ですよ。これを白紙の状況で委任をしなければならない。このことを私たちは承知をできないのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そうでございますが、私はこのことだけは真実褒めていただけるんではないかというような気持ちであるわけでございます。 これを、何にも言わずに予備費といって申し上げましたら、それは悪いとなかなかおっしゃれないんだと思いますけれども、何でもかんでもというようなことをお願いしているのではないので、こういう経済状況でございますから、いつ何どきというようなおどかした言葉を使うつもりじゃないのでございますけれども、かなり急いで処置をしなければならない、雇用とかいうようなことにはあり得ることでございますから。そういう意味で、そういう問題についてのお願いをしたいと申し上げていますので、おっしゃいますように補正予算を組んだらいいじゃないかとおっしゃることはそうでございます。そうでございますが、過去の経験で申しますと、両院で補正予算を通していただくという、政府が準備を始めましてからの時間は、二カ月でしたら非常に早い方でございます。それはまた当然理由があって両院が御審議をなさることですから。それは十分理由のあることですから。 そういうことを考えますと、そういう際に政府として処理できるものをお認めいただけないか、もとより後で国会の御承認を得ることでございますからと、こういうことで、国民の皆さんも、何かあったときにそういうものを政府は持っているんだなということを思っていただくのは私は決して悪くないんじゃないか。悪気でなくて、これはお願いをしているのでございますが。
○大渕絹子君 大蔵大臣、その答弁は御自身でも苦しいんじゃないでしょうか。私はそう思いますよ。財政民主主義の立場から、こういう手法でやることは私は宮澤大臣の本望じゃないのではないかなというふうに思います。先ほど法制局長官も予備費は例外規定というふうに言っておりまして、総合予算主義というのを貫かなければならないというふうに思っています。 それでは、先ほどの不慮のことというと、調整費に二千三百億円、いわゆる六〇〇%増で調整費に盛り込んだのはなぜですか。
○政府委員(涌井洋治君) お答えいたします。 先生御案内のとおり、予備費と調整費というのはこれは本質的に違うものでございます。公共事業関係費におきまして調整費を国土庁等に従来から計上してきております。これは、建設省とか農林省とか運輸省とか各省が各事業を行う、その事業の縦割りの弊害を除去するために、各省庁の枠を超えた連携の強化に努めることによって財政資金の効率的な使用を図るということを主目的にして設けられているものでございます。 この平成十一年度におきまして、従来国土庁に計上されております国土総合開発事業調整費等とは別に、生活空間倍増戦略プランの一環といたしまして地域戦略プランの推進を支援するための地域戦略プラン事業推進費二千億円、これは新しい事業でございます。それからもう一つ、沖縄の関係でございますが、沖縄の振興策を効果的に展開するための沖縄特別振興対策特定開発事業推進費五十億円、これをそれぞれ新たに計上したために非常に大きな増額という形になっているわけでございます。
○大渕絹子君 予見しがたいことには三千五百億円の予備費があり、そして公共事業を推進していくためには調整費が二千三百八十億円もあり、その上に公共事業費に特化した予備費を五千億円。ことしは選挙の年でございます。選挙の年にこういうことがやられることは間々あることだろうと思いますよ、内閣が自由に使えるお金があるわけですから。そのことに私はこだわるわけではありませんけれども、そういう内閣が自由に使えるお金がこういう形で盛り込まれてきたことは、財政民主主義からも本当にこれは許してはならないことだというふうに思っています。私たちは、この件だけに関しましても、この予算は組み替える必要があるということを強く思っております。 どうぞ大蔵大臣、御答弁いただけませんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はそんな悪気があったわけじゃございませんで、実際この経済状況を考えておりますと、このぐらいのものは持っていないと、臨時国会をやったらいいじゃないかとおっしゃっても、それは現実には一定の時間がどうしてもお入り用なことはわかっておりますことですから、そこは政府に一遍処理をさせていただいて後で御承認を求める。こんなときでなきゃ決してこういうことを考えませんですが、こういう今の経済の見通しの難しさを正直にお願いをしたつもりでございましたので、決して他意はございません。
○大渕絹子君 それでは、補正予算は絶対に組みませんか、ことし。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五千億円を使いました上になおまたそういう大きなことが起こらないことを祈っております、別に三千五百億円予備費はございますけれども。
○大渕絹子君 終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で大渕絹子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、入澤肇君の質疑を行います。入澤肇君。
○入澤肇君 いよいよ予算委員会も一般質疑に入りましたので、私は、きょうは産業構造の改革を進めるという視点から若干の御質問を申し上げたいと思います。 景気後退の原因とか対応策につきましては、まさに評論家あるいはそれぞれの立場の人が百家争鳴であります。よく聞いていますと基本論と各論がかなり入り乱れていて、問題の整理をなかなか複雑にしているというふうに私は考えております。 それから、景気後退の要因といたしまして、九七年四月の消費税の引き上げ、それから特別減税の廃止、九七年秋の医療費の値上げ、合計約九兆円のお金が家計から吸い上げられた、これが一般的に景気後退の引き金になったんじゃないかという評価が定着している。 しかし、基本的には、その背景に資本ストックの調整の問題が一つあります、需給ギャップの調整の問題。これに対しては、公共投資だとかあるいは輸出の促進だとか、あるいは地域振興券、効果はどうかわかりませんけれども、個人消費を円滑にさせる問題、それから住宅投資減税等で住宅投資を促進する、こういうことで今度の予算は編成されたわけですね。対応策が一応認められる。 それから、家計の不安解消につきましては、金融再生をきちんとやって、要するに金融機関に対する不安をなくそうと。それから年金の問題、これは若干先送りされましたけれども、保険料凍結の問題が一応決定されて、今度法律が出てまいります。それからさらに、老後の不安解消の問題で、高齢者医療の問題とか何かがこれから法律制度として出てくる。 要するに、二つの大きな問題、資本ストックの調整の問題と家計の不安解消の諸問題、これの解決策が、基本的、抜本的であるかどうかにかかわらず、今回の予算の中にいろんな形で盛り込まれているわけであります。 そこで、まず経済企画庁長官にお伺いしたいのは、昨年の予算委員会におきまして、私、需給ギャップ論、経済企画庁が需給ギャップが約二十兆円ぐらいあるという話があったということで、その中身につきましてお聞きしましたけれども、現時点におきまして、その後いろんな政策がとられました。どのくらいの需給ギャップが解消しているのか。それから、今後、この予算が終わりましてどのくらいさらに一層改善されるのか、その見通しにつきましてマクロ的な視点からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 需給ギャップにつきましてはいろんな方がいろんな計算方法をとっておりまして、一番大きく言う人は五十兆円ぐらいという説もございます。 試みに申しますと、OECDが試算しておりますのは、九八年において日本の需給ギャップをGDPの四・七%という数字を出しております。これでございますと二十三兆円程度になるわけでございますが、現実の問題としてどの程度の需給ギャップがあるのか明確に算定することはかなり困難、不可能に近いと思います。だから、一応権威ある国際機関としてOECDの数字を生かしてもらうといたしますと、二十兆円ぐらいだろうということでございます。 この予算が終わったらどれぐらいか。予算で相当大きな、GDPを二・三%ほど押し上げるということになっておりますから、それをそのまま他の条件が変わらずにということでございますと、需給ギャップが二%余りというところへ減ってくることになります。そういたしますと、業種別に見ますと、あるところでは過剰があるけれども、あるところでは新規投資が起こってくるような状況になるんではないか、そういうように見られると思います。
○入澤肇君 そこで、通産大臣にお聞きしたいんですけれども、アメリカ政府が鉄鋼のダンピング問題で、ダンピングをやめろということだけ言うんなら話はわかるんですけれども、余剰設備の解消をしろとまで踏み込んで要請したという新聞記事を見ました。これが事実かどうか。 そのことに関連しまして、今、マクロの観点から経企庁長官にお話を聞きましたけれども、建設業界、不動産業界、あるいは鉄鋼、セメント、非鉄金属等の基礎産業の業界、それから流通産業の業界等で個別業種ごとにどのくらいの需給ギャップの状況にあるのか、どのように改善されつつあるのかということについて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) まず第一点ですが、報道にあるように、米国政府から余剰設備の解消を要請されたという事実はございません。 それから、各業界の需給ギャップがどのぐらいかと、こういうお話でございますが、これはなかなかどういう数字を使って比較するかという難しさがございますけれども、一般的に、民間需要の大幅な落ち込みによりましてマクロ面で需給ギャップがあるということは定説になっております。これがどのぐらいかということは、ただいま堺屋長官がお話しされましたように、モデルの使い方によって数字も変わってまいります。しかし、需給ギャップは存在いたしますので、政府としてはその需給ギャップを埋めるためのいろいろな緊急経済対策を決定し、需要面での対策をとってきたということは御承知のとおりでございます。 個別産業ごとのギャップがどのぐらいかということは一義的に測定できませんので、過去十年間をとりまして最高の生産量とそれから一番直近の生産量を比較してみますと、それが比較的よく供給力と需要の力というものの差をあらわしているのではないかと思います。 まず、鉄鋼についてですが、粗鋼生産が最高になりましたのは平成二年でございまして、この年は一億一千三十四万トン粗鋼を生産いたしました。これに対しまして平成十年には九千三百五十五万トン、二千万トンまでは行きませんけれども、二千万トン近い落ち込みがありまして、数字にいたしますと一五・二%の減でございます。 それから、非鉄金属の一分野でございますが、アルミの圧延品というのがございます。これは平成九年に最高値二百五十五万トンというのを達成いたしましたが、翌年の平成十年には二百三十三万トン、これはアルミはいい方でございますが、八・六%の減少。 セメントにつきましては、過去の最高値は平成八年に九千四百四十九万トンというのを達成いたしましたが、平成十年には八千百三十三万トン、一三・九%の減でございます。 流通はなかなか、御質問でございますが、何で比較するかというのは難しい。生産量という概念がこれに該当するかどうかということでございますので、従業員一人当たりの年間販売額というもので見てみますと、過去十年間で見ますと、平成三年の一人当たりの年間販売額は二千三十万円、直近の平成九年には二千十万円、これはほぼ横ばいでございます。 先生御指摘のように、設備や労働力を活用しないで置いておくということは大変非能率なことでございます。
○入澤肇君 ありがとうございました。 我が国の全体の供給量がどのくらいあるか、それに対していかに有効需要を創出していくかという問題がありますけれども、産業再生計画、あれなどは新しく供給サイドがいろんな指摘をなされているわけであります。私は、この中で、特にきょうは建設業について構造改善を急ぐべきではないかという視点から、きょうは建設大臣がいらっしゃいませんけれども、政府当局に聞いてみたいと思います。 九八年の建設業就業者は六百六十二万人で、暦年対比で三・四%減少しております。九八年の建設投資は七十一兆円、ピーク時に比べまして一五%減少。全就業者に占める比率は建設業全体で一〇・一%で、これも前年比で〇・三%減少しております。 九七年の二月までの七年間に、建設業界は、製造業者から十二万人、それから農林業関係者から七万人の雇用を受け入れたという数字がございます。それが、九七年の二月から九八年二月までの一年間に、逆に製造業に二万人、農林業に一万人、建設業界から今度追い出したという数字がございます。 アメリカと比較してみますと、全就業者に占める比率は、アメリカは五%、我が国は一〇・一%であります。逆に、医療、介護、健康産業にアメリカは労働力をどんどん吸収してもらっている。 そこで、建設省が、建設業の経営改善に関する緊急対策として各方面にわたる政策を打ち出しております。 しかし、この中で一つ欠けていると思うのは、昔、繊維の構造改善をやりました。思い切って地方の公共事業を追加的に毎年毎年出さなければやっていけないような状況を解消するために、単なる合併とか協業の組織化だけじゃなくて、余剰設備の買い上げとか労働力を本当に必要としている分野への移動等につきまして、新しく地域ごとの構造改善事業に関する抜本的な制度を講ずるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(木下博夫君) 先ほど両大臣からもお答えいただきましたように、需給ギャップの定義なりは各業界で異なると思いますが、多少前置きになりますが、やはり建設業のことを考えますと、今や建設業の場合は建設投資といいましょうか、公共事業の中身も生活環境を中心として相当変わっております。住宅も量から質の時代、さらに大きく転回いたしますのは、都市の全体が外延化しておりました状態がこれからは中心市街地を中心といたしまして既成市街地のいわば内的充実の方向へ行っておりますので、こういう意味では建設市場も相当変わると思います。 先生おっしゃられたように、先般十二月の九日に緊急対策を立てました。当面の建設業の構造改善をやっていかなきゃなりませんが、さらには中期的にも物事を考えたいと思っております。数が大変多うございまして、今建設業者は約五十七万業者、そこにお話にもございましたように就業者が瞬間風速的には七百万人近いものがございまして、先生おっしゃられたようにブロック別の構想、我々もこういう構想もぜひ持ちたいと思っておりますが、まず基本は経営的にあるいは技術的にすぐれた企業を育てることが日本の経済の一翼を担う建設業の果たすべき課題ではなかろうか、こう思っております。
○入澤肇君 済みません。労働大臣に質問したかったのですけれども、時間が参りましたので、失礼いたします。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で入澤肇君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、菅川健二君の質疑を行います。菅川健二君。
○菅川健二君 きょうは、雇用問題についてお聞きいたしたいと思います。 きょう雇用対策本部が開催されて、七十七万人の雇用創出が図られるということで、部門ごとの目標値が出されたやに聞いておるわけでございます。そういった面で、私は一歩前進ではないかと評価いたしておるわけでございますが、きょうの雇用対策本部の主なポイントを教えていただきたいということと、お聞きしますと、従来日経連とか連合のいろいろな部門別の雇用創出になかった観光部門に九万人の雇用創出を見込んでおられるようでございますが、これにつきましてはどういうふうな創出という状況になるんでしょうか、あわせてお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) けさ産業構造転換・雇用対策本部が開かれまして、お話しいただきましたとおり、四分野について合計七十七万人の雇用創出が一両年のうちに期待をされるという発表がありました。 保健・福祉分野で約十万人、これは十一年度のみであります。情報通信分野、一両年で十八万人、住宅及びその関連四十万人、そして観光分野九万人、合計七十七万人であります。 政労使雇用対策会議におきましても、住宅であるとか保健、福祉、それからあのときには教育という分野も挙がっておりました。各省に話を振りまして、具体的に挙がってきた数字について列記をしていただいたということになりますが、数字の違いは、労使の考え方、積算の根拠、それから具体的に予算計上はしてあるけれどもなかなか数字に置きかえづらいとか、いろいろあっての若干の数字の入れかえがあったんだと思っております。 それから、この九万人の部門に関しましては運輸大臣からお答えするのが一番いいかと思うんですが、私からお答えをさせていただきますと、運輸大臣からの本日の発言は、観光が地域振興や雇用の創出に大きく寄与するものであるということ、今後さらに生活空間倍増戦略プランによって旅行宿泊日数の増加であるとか祝日三連休化法の施行に伴う観光振興など、これが観光を振興し雇用の創出にはね返ってくる効果があるというお話でありまして、そのときに一両年で約九万人の雇用創出効果が見込まれると思われるという発表でありました。
○菅川健二君 個別部門でどんどん雇用がふえるということは望ましいことでございますので、その辺はこれからもさらに努力をお願いいたしたいと思います。 観光部門に関連するということにもなろうかと思いますが、景気を回復して需要を喚起する、あるいは新たな雇用を創出するためにはライフスタイルを思い切って変えたらどうかという提案もあるわけでございます。この際思い切って一斉労働一斉休日のシステムを転換するとか、あるいはハッピーマンデーのような三日ぐらいではなくて毎年二週間程度休暇をとるようなまとまった休みをふやすとか、そういった政策が行われてもいいんではないかと思うわけでございますが、そうしたライフスタイルの変換につきまして、特に堺屋企画庁長官にはかねてからイベントポリシーを非常に推進しておられまして遊び心にもたけておられますので、ひとつ明るい見通しをお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 余り遊び心にたけている方ではございませんで、むしろ人を遊ばせる仕事を一生懸命やってきた方でございますが、委員が今おっしゃいました二週間ぐらいの休暇というのは、一九三六年にレオン・ブルム内閣がフランスで最初にバカンスというのをとりまして、これはむしろ労働時間の短縮という観点からとったのでございますが、戦後、一九五〇年代になりましてヨーロッパ諸国で定着をいたしました。一方、アメリカでは経済はどんどん進歩いたしましてもこのバカンスの制度というのは余り定着しておりません。だから、ライフスタイルあるいは気象条件、そういったことと非常に関係があるので、日本で定着するかどうか非常に疑問でございます。 もう古い話になりますが、私は沖縄開発庁ができました当初、沖縄へ行きまして沖縄の観光開発に従事いたしまして、観光客数を十年間で十倍にしたという経験がございます。非常に観光は将来大きな産業になるし、日本ではおくれておると思います。 今、労働大臣が御説明になりました九万人の増加というのは、このハッピーマンデーの問題も含めて、日本人の旅行平均宿泊数一・六泊が二・〇泊ぐらいになるというような見通しも一つの基本になっておりますが、長期的なそういうバカンススタイルがいいのか、あるいは二泊、三泊というような回数を繰り返すのがいいのか、あるいはディズニーランドのようなテーマパークのようなものがいいのか、いろんな考え方があると思いますが、これはやはり民間の知恵を絞っていただいて、各地に楽しい日本をつくっていただくというのが一番いいことだと思います。 政府といたしましても、それを支援できるようにできるだけ自由時間を拡大するような政策、通勤距離を縮めるとか、公的にとられる時間を減らすとか、そういうような政策を今後とっていくべきだと考えております。
○菅川健二君 堺屋長官には、景気の見通しもさることながら、このライフスタイルの転換の推進役になってひとつ大いに働いていただければありがたいと思うわけでございます。 今のに関連いたしまして、私は最近の年次有給休暇取得率というのを調べてみたわけでございます。私らのころは非常にまじめ一方でございまして、三十一年間役所におりましたけれども年休もほとんどとらなかったわけでございますが、現段階におきましてもお聞きしますと五三・八%という数字が出ておるわけでございます。したがって、年休の半分しか消化していないということでございます。 ただいま申し上げましたような二週間という休暇でないにしても、いろいろなスポットの休暇も一つのスタイルとしてあるのだよということでございますが、年休をその中でどんどんうまくはめていけばいろいろな楽しいことができるんじゃないかと思うわけでございます。そういった面におきます年休の思い切った消化による可処分時間をふやしていく、それから先ほど申し上げました一斉労働一斉休日システムの転換、こういった点について、労働大臣、ひとついかがでございましょうか。
○国務大臣(甘利明君) 基本的に先生のお考えに賛成でございます。私の記憶ですと、有給休暇平均付与日数が十七・四で、たしか消化が九・何日だったと思います。半分強しか消化していない。 そこで、私どもの方でこの年次有給休暇を積極的にとろうということで労使にお話をさせていただいておりまして、もちろんこれは労使の取り組みの中で企業ごとに進めていただきたいというふうに思っておりますが、今この要請を強くしているところであります。それから、休みをつなげてしかも一斉に休むというのじゃなくて、それぞれ事情に応じてライフスタイルの転換をしていくといいますか、これも運動として一生懸命今取り組んでいるところであります。 実態は、なかなか運動がおくれていますのはじくじたる思いはありますけれども、お力添えをいただいて一生懸命やっていきたいというふうに思っております。
○菅川健二君 年次有給休暇の有効活用をぜひひとつ推進していただきたいと思います。 それから、やはり最近産業構造が物すごい目まぐるしく転換いたしておるわけでございます。衰退産業とそれから成長産業、そういった面において雇用構造もどんどん変わってくるということになりますと、やはり職業能力の再開発ということが大変重要になろうかと思うわけでございます。 実は、私は昔、三十数年前に職業訓練課長というのを県でやっておりまして、その当時は高度成長期でございましたので技能工養成が中心でございます。今でもまだ公共職業訓練というのはかなりその部面を背負っております。御案内のように公共訓練ということになりますと、指導員も三十年間雇わなきゃいかぬ、それから施設設備も耐用年数まで使わなくちゃいかぬということになると、今のような目まぐるしい中ではそれにすぐマッチして追いつくというのはなかなか難しいんですね。 したがって、労働省におきまして今、転換訓練、委託訓練なんかやっておられますが、さらに民間事業所に思い切って委託していくという方策を推進すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 私も非常に先生のお考えと共通するのでありますが、ホワイトカラーの職業訓練に関してはアビリティーガーデンというのを一昨年七月から立ち上げて、大変好評でございます。 ホワイトカラーの訓練施設の拡大をということで取り組んでいるんですが、今キャパシティーがいっぱいでありまして、そこで、雇用活性化総合プランのときに、私も民間委託を進めようということで、委託費を払ってこれを全国展開していこうということを打ち上げまして、今民間と連携をしてかなり立ち上がりの準備ができておりまして、先生のおっしゃることを受けて、これからもしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○菅川健二君 ホワイトカラーを中心としたアビリティーガーデンとかあるいは昨年の十二月一日にスタートした職業訓練給付制度、これは在職者を含めての非常にいい試みだろうと思うわけでございますが、いろいろ調べてみますと、例えば我が広島県でどれだけの箇所があるのかなということで調べますと、広島市に一社五施設があるだけなんですね。 そういった面では東京中心、大都市中心になっておって、地方都市にもっと拠点をどんどんふやしていただきたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 今御指摘の点はちょっと誤解があるのでございまして、全国ではもう四千六十八講座が指定されていますが、先生の御地元でいいますと、広島県では、広島県内に本校のある訓練機関につきましては十一教室、七十一講座が指定をされております。それから、本校はないけれども分室等があるというのは三十教室ございまして、これの講座数がちょっとまだ調べ上がっておりませんが、相当数になると思いますので、地方も含めてかなり濃密に展開をされていると思います。もちろん、適切な講座は順次指定をしていっておるものでございますから、これからも適宜適切に対応していきたいというふうに思います。
○菅川健二君 これから能力再開発訓練につきましても、ひとつ全国くまなく普及していただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で菅川健二君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 まず、本日は国民健康保険税についてお伺いをしたいと思います。大蔵省と自治省にお伺いします。 個人が自宅を売却した場合の譲渡所得について、所得税そして住民税の算定に当たりまして、租税特別措置法による特別控除が適用されることになっておりますが、その内容と趣旨を大蔵省と自治省から御説明いただきたいと思います。
○政府委員(尾原榮夫君) 個人が居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得に対する課税でございますが、その譲渡物件が生活の本拠とされてきた居住用財産であるということを配慮いたしまして、その譲渡益から三千万円の特別控除をすることが認められているわけでございます。
○政府委員(成瀬宣孝君) お答えをいたします。 個人住民税におきましても、自分が住んでいる家屋やその敷地などを譲渡した場合には、その譲渡所得につきまして三千万円の特別控除が認められております。 この控除は、居住用財産の処分が一般の資産の譲渡に比べまして特殊な事情にあることなどを考慮しまして、租税特別措置として設けられているものでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 そこで、実はこのところ長年お住まいになった自宅を定年などでお売りになって、そして老後に新たな住まいを購入された方々で、この規定と国民健康保険税の課税のあり方に対して、行政に対する疑問を抱いている方がたくさんいらっしゃるというわけで、一例を御紹介したいと思います。 千葉の方からお便りをいただいたんですけれども、 私は国家公務員として約四十年間勤務、平成三年に定年退職いたし、現在下記住所において妻と二人で年金生活をしているものであります。 昨年七月、同年度の国民健康保険税として五十万円の課税がなされました。この税額は前年度の三倍以上のものであり、課税当局によると、私が平成九年三月に東京都品川区所在のマンション一室を売却したことによる所得額を課税の根拠としたとのことでありました。 しかし、私としては以下のような事情からこのような課税措置は、到底納得がいくものではありません。 私は確かにマンション売却により所得がありましたが、それは年金生活である老後を生活費が安く閑静な田舎で送るべく移転のためであり、平成九年当地に土地を求め、ささやかな家を建て移転したもので、マンション売却代金のすべてをこの購入・建築代金に充て、さらに不足分を貯金から充当したほどです。したがって、マンション売却による所得は現実には皆無となりました。 このような事情から所得が皆無となっているのに多額の課税をすることは、適正を欠くものと思います。一方、マンション売却による所得税については、昨年三月確定申告(分離課税)をいたし、所得額ゼロの査定を受けています。 ということでございます。 そこで、自治大臣に初めて質問いたしますが、厚生大臣にも、住民税、所得税、国民健康保険税についてそれぞれ違った取り扱いをしているわけですけれども、御答弁をお願いします。
○国務大臣(野田毅君) 国民健康保険税というのは、住民税とはちょっと趣を異にするわけでございます。 これは、御承知のとおり、医療保険である国民健康保険の財源を賄うための保険料であるということでありまして、そういう点で、保険全体で必要とされる医療給付費を、相互扶助の観点から、そういう応能応益の原則で加入者が負担をし合っているということでありまして、住民税とはそこは違うということはぜひ御理解をいただいておきたい。これは保険の世界である、片っ方は税金そのものの世界なんだということがまず基本的に違う、こういうことであります。 そういう点で、今回、居住用財産の譲渡を含めて譲渡所得についての特別控除を適用しないということについていろいろお話があったんですが、これは、今言いましたように、分離課税に係る譲渡所得の特別控除というのは、所得課税上はそういう特別措置として所得税あるいは住民税の世界ではそういう形をとっているんですが、保険という立場からの国保税の世界ではそれは取り入れるのはいかがかというのがあって、ここのところ、保険という性格から、軽減された部分は今度は譲渡所得のない他の加入者の負担になってしまうんですよという論理もあったりして、違った取り扱いをしている。 いずれにしても、国保税については、現在、地方団体関係者の皆さんも含めて厚生省との間で国民健康保険税、国保税の保険料移行に関する検討会、これはむしろ国保税という姿よりも保険料だという形できちんとした位置づけをすべきではないか、そのことを検討する会でありますが、そういう検討会の場で保険ということをきちんとした位置づけをするという角度からのテーマとしてぜひ研究をさせてもらいたいというふうに考えております。
○国務大臣(宮下創平君) 自治大臣から今御説明のあったとおりでございまして、実際は、これ保険税といっても保険料でございます。 実態はどうなっているかと申しますと、保険税で収納している市町村、保険者が市町村ですから、これは二千九百くらいございまして、全体の九〇%は保険税で取っています。ところが、あとの三百十くらいは保険料として徴収をしています。ですから、今、自治大臣の説明されたように、これは保険税といっても地方税法上の固有の税制ではないということは明確に今説明があったとおりです。私もそう思います。それであればこそ選択を認めている。 なぜ選択を認めるかといいますと、それぞれの根拠法令は違いますが、例えば賦課権の期限制限でありますとか、徴収権及び還付請求権の消滅時効が違っているとか、扱いはまた変わっているんです。その点はちょっと違った扱いになっておりますので、その中で選択をして三百十の市町村は保険料ということにしてあるわけです。 基本は、今、自治大臣が言ったように、健全な保険財政を維持するためであります。保険給付を確保するために保険料をいただいておるわけです。したがって、実際の賦課の方法としては、四方式と言われる、所得割の総額をまず基準にすること、それから資産割を基準にすること、それから被保険者の均等割の総額でやること、世帯別の平均均等割でやるという四つのチェックポイントで配分をやっているわけです。 ですから、その中の所得割の総額について、三千万円の控除をした後の低い所得で算定すべきではないかというのが委員の指摘であり、苦情の趣旨だと思いますけれども、それは確かにそこだけ見るとなるほど変だなという感じを受けられると思いますが、実際上は所得課税の方の三千万円控除というのは、居住資産あるいは一般的に土地政策の一環としての税制だと思うんです。本来の税の控除制度のあり方の問題です。ところが、保険税と言いながらも、それは実際上保険料でございますから、保険収支の観点からやっぱり判断していくべきものですから、おのずから考え方は違ってくると思います。 それは違っているからこそ問題になっているわけなんで、しかし、この点は、今、自治大臣の言われたように検討会もあることですから、私どもとしては御指摘の点は研究していいのではないかなという感じはいたしておりますから、研究はさせていただきます。
○西川きよし君 御丁寧に御答弁いただいてありがとうございます。 ただ、私も思うんですけれども、年寄りと一緒に生活しておりまして、売りなさい、また買いなさいと。それはいろいろ皆さん方老後のことを考えておやりになるわけですけれども、売った後で、老後の生活の中で本当にほっと一息ついたときに、それとこれとは別ですよみたいな結果になってしまうんですね。 老後が不安だということは本当につらいと思います。こういう利点もあるかわりにこういう不利な点もありますということを周知徹底していただけるということが一番うれしいんですけれども、例えば自己の居住用財産の買いかえであって、譲渡所得と買いかえに伴う費用が取得価格を上回らない、一生に一度だけ利用できるとかというような要件のもとで減免規定を設けるというような工夫をしていただければありがたいと思うんですが、もう一度自治大臣と厚生大臣にお伺いして、質問を終わります。
○国務大臣(野田毅君) さっき申しましたとおり、検討会で大事な研究テーマの一つとして検討対象にしたいと思います。 この問題は実はそこだけじゃありませんで、居住用財産だけじゃありませんで、譲渡所得そのものをどうとらえるかということは、いわゆる社会保険料、どういうものを基準にして保険料を決めるかということで、厚生省で今中心になって勉強していただいていることだと思います。サラリーマンでも実はいろいろ検討しなきゃならぬこともあるはずであります。
○国務大臣(宮下創平君) もう多くは申しませんが、研究させていただきます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で西川きよし君の質疑は終了いたしました。(拍手) 次回は来る三月八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十四分散会