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145回国会参議院1999/07/21

本会議 第37号

発言数
9
登壇者
3
会派数
3
開催日
1999/07/21

会議録

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。  日程第一 平成十一年度一般会計補正予算(第1号)  日程第二 平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長竹山裕君。     ─────────────    〔審査報告書は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔竹山裕君登壇、拍手〕

竹山裕自由民主党

○竹山裕君 ただいま議題となりました平成十一年度補正予算二案につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。  平成十一年度補正予算の内容につきましては、既に宮澤大蔵大臣の財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。  補正予算二案は、去る七月八日、国会に提出され、十三日、宮澤大蔵大臣から趣旨説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って、十六及び十九の両日、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し、質疑を行いました。  以下、質疑の若干につき、その要旨を簡単に申し上げます。  まず、景気問題について、「株価上昇など最近の経済指標には景気底入れの動きも見られるが、政府は景気の現状をどう見ているのか。財政による景気対策を前広に検討すべきであり、補正予算の追加が必要ではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣から、「経済は、個人消費が緩やかに回復し、住宅建設は持ち直し、公共事業も堅調に推移しているが、設備投資が大幅な減少を続け、雇用情勢も依然として厳しい状況にある。全体として、民間需要の回復力が弱いものの、各種の政策効果が浸透し、このところ景気はやや改善している。補正予算の追加については、現在のところ公共投資は円滑に執行されているが、地方の動向も勘案しつつ、今後発表される四—六月の国内総生産の数値を見た上で、柔軟に対応したい」旨の答弁がありました。  また、雇用対策について、「補正予算では五千二百億円を計上し、緊急雇用対策を行うとしているが、日本が直面している産業構造の変化に対応するには不十分ではないか。中高年の非自発的失業者の雇用促進を図る緊急雇用創出特別基金は、発動基準が厳しく、使用実績はごくわずかにとどまっており、その運用基準を引き下げるべきではないか」との質疑があり、これに対し、小渕内閣総理大臣並びに関係各大臣から、「雇用問題の解決は現下の最大の政策課題と考えており、当初予算で雇用対策費を一兆円計上したが、このたび五千二百億円をさらに追加し、相乗的な効果を期待している。失業対策の解決は景気の回復が基本であるが、従来の雇用対策が雇用の維持に重点を置いていたのに対し、今回は、特に中高年の非自発的失業者に焦点を当てるなど、経済構造の変化による失業も念頭に置いた内容となっている。緊急雇用創出特別基金の発動は少ないが、これは各種施策を講じ、なお失業率が高いときの安全ネットであり、政府としては、万やむを得ない地域の失業者を救済するものとして設定したものである」旨の答弁がありました。  質疑は、このほか、各種規制緩和の推進、少子化対策、豪雨災害の防止、ポリオの予防、高校卒未就職者対策、介護保険の実施をめぐる諸問題、ダイオキシン法の適正運用、原発事故の再発防止とクリーンエネルギーの確保など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して内藤委員が反対、公明党を代表して高野委員が賛成、日本共産党を代表して須藤委員が反対、自由民主党及び自由党を代表して入澤委員が賛成、社会民主党・護憲連合を代表して大渕委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、平成十一年度補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 両案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。江田五月君。    〔江田五月君登壇、拍手〕

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 私は、民主党・新緑風会を代表して、平成十一年度補正予算二案につき反対の立場から討論します。  小渕総理は、本院での予算委員会質疑の中で、障害を持つ子のことに触れ、涙で声を詰まらせられました。さすが和み系総理の面目躍如などと冷やかすのはやめましょう。私どもも皆、涙腺の強さは違っても、総理と思いをともにしているのですから。  しかし、政治家が流すのが涙だけであったら、この子も親も救われません。今、政府の無策、失政のために失業者は四・六%、三百三十四万人。そのうち九十七万人が一家の支柱。自殺者が三万人を超えた。そんなとき、なぜ政治家が、涙を流すだけでなく、もっと汗を流し知恵を出してくれないのかと恨みやうめきの声が国民から上がっているのです。「やるじゃない やりすぎじゃない 小渕さん」との川柳に総理は朱線を引かれたそうですが、その軽妙なしゃれに込められた作者のやるせなさが総理にはわかりますか。  ことし一—三月のGDPは、確かに六期ぶりのプラス成長となりました。御満悦でしょう。しかし、あれだけ強引な公共事業ばらまきやゼロ金利政策をやれば、重体の日本経済にもほおに紅が差してくるのは当たり前。後世に残されたツケの重さを思うと、逆に身の毛がよだつ思いがします。  景気回復の最終段階として遅行指数である雇用の悪化に対応したと言われますが、本格的な経済構造改革もなし。行政改革や地方分権も仏つくって魂入れず。この補正予算のように、その場しのぎのばらまき対策を幾ら寄せ集めても年度後半に再び景気が失速したらどうしますか。これは心配のし過ぎですか。次の世代に荒廃した経済や社会と膨大な財政赤字を残す結果となるのが目に見えています。政府の経済・財政運営を私たちは到底認めることはできません。  以下、反対の主な理由を申し述べます。  第一は、本補正予算が、財政法に定めた予算作成後に生じた事由に基づいてという要件に本当に該当するのか疑わしいことです。  当初予算執行からわずか三カ月。しかも、景気は下げどまったなどと言いながら、当初予算を審議したと同じこの通常国会会期に補正予算を提出したのは、当初予算が欠陥予算であったことを政府みずから認めるものです。あるいは、これは目くらましで、掲げられたものとは別のところに真の目的があり、補正予算は政局を操るための方便なのでしょうか。先見性も定見もないまま国民の税金を使って政治をもてあそぶのはいいかげんにしてほしい。  第二は、補正予算が雇用政策の名に値せず、単なる思いつきにすぎないということです。  新規・成長十五分野で十五万人の雇用創出とのふれ込みですが、先行する試みが全く効果を上げていないことが論証されました。六百億円を用意しながら、実際に使われたのは沖縄県の九百万円余だけというものですね。見せ金です。もっと弾力的運用への知恵が必要です。緊急地域雇用特別交付金も、基準も期間も効果を期待させるものはなく、悪名高きふるさと創生の二の舞になりかねません。教育やNPOの現場での痛切な願いを一時的な雇用受け皿とするなど、思いつきとしてもたちが悪い。また、セーフティーネットと言われますが、使えないネットは高ねの花です。都道府県や市町村をこれからの雇用政策の主体ときちんと位置づけ、この面でも権限と財源と人間を地方自治体に思い切って移譲することが必要です。  第三は、本補正予算に新事業やベンチャー企業育成のための施策が欠けていることです。  米国では、不況だった八〇年代後半も含め、開業率が一貫して一二%以上の高水準だと聞いていますが、日本では廃業率が開業率を上回る傾向が続いています。私たちも、資金と働き手を今ある場所に固定させて援助だけすればよいという発想には反対です。国民にビジネスチャンスが十分に与えられ、無理なく新規事業を起こし得る社会をつくることが新しい雇用を生み、経済に活力を与える道だと思います。しかし、資本や労働の移動を誘導するには、もっとしっかりした構造改革についての見識を持ち、手法も骨太のものにしなければなりません。そのため民主党は、エンジェル税制の拡充、女性起業家の徹底支援、国立大学教員の兼業解禁などを盛り込んだ起業家支援法案を衆議院に提出しています。  ところが、政府は、一方で九九年度経済白書で企業に対しリスクへの挑戦を促しながら、他方で産業活力再生法案を用意しています。これは、失業の安易な促進や、特定の産業や役所の既得権益の擁護のために税金を使うものではないかとの批判が出ています。定見ないこと甚だしいと言わざるを得ません。  第四は、少子化対策に理念も哲学もなく、雇用対策としても的外れだということです。  二千億円の交付金は、ハード面を優先する反面、保育士の増員、育成などソフト面はおざなりです。国が一方的に施設を乱造し、運営は地方に任せるのでは無責任です。この少子化対策が雇用対策になるのだなどというのは牽強付会そのものです。子供だましはいけません。少子化対策は我が国の将来にとって緊急の課題ですが、これをやらなければ年が越せないといった種類の緊急性ではありません。単年度限りの補正予算でなく、中長期の展望を持った本格的な施策の推進こそが必要なのです。  衆参を通じた予算審議で、官房長官と民主党の質疑者の間で興味深いやりとりがありました。  質疑者が官房長官の変節を追及したのに対し、官房長官は、あなたほどの変節ではないと切り返し、お望みならあなたについて申し上げることがたくさんあると述べられました。私は、これは重大だと思います。  同じかまの飯を食った仲なのにとか、個人的にはいろいろおありでしょう。しかし、今や官房長官は官、つまりオカミ、質疑者は民、つまりタミです。タミがオカミを批判する、これは原則自由です。情報公開法もできた。しかし、オカミがタミの弱みを探り出し、あまつさえこれをもってタミの追及を抑え込む。その上、盗聴法でオカミがタミにプライバシーの公開を強要するのですか。それは民主主義ではありません。  こう見てくると、小渕総理の涙とは逆に、政府は、国民の嘆きを解消し、国民の夢を実現するために何の汗も流さず、知恵も出していないと言わざるを得ません。和み系は上辺だけ、その向こうに権力政治の冷酷な本質が透けて見える。  大変な難局です。奸知を凝らすのはいいかげんにしてほしい。国民とともに英知を探し出そうではありませんか。  以上をもって反対討論とします。(拍手)

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これより両案を一括して採決いたします。  両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十四     賛成            百四十三     反対             九十一    よって、両案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十分散会      ─────・─────

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