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145回国会参議院1999/06/25

本会議 第30号

発言数
26
登壇者
12
会派数
7
開催日
1999/06/25

会議録

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  釜本邦茂君から海外旅行のため来る七月一日から十日間の請暇の申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  よって、許可することに決しました。      ─────・─────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(第二十五回主要国首脳会議出席、日・欧州連合定期首脳協議、日・英首脳会談及び日・北欧首脳会談等に関する報告について)  内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。小渕内閣総理大臣。    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 私は、十八日から二十日までドイツのケルンで開催された第二十五回主要国首脳会議に出席するとともに、二十日にボンにおいて日・欧州連合首脳協議、二十一日にロンドンにおいて日・英首脳会談、二十二日にアイスランドのレイキャビクにおいて日・北欧首脳会談等をそれぞれ行ってまいりました。これらについて、以下のとおり御報告申し上げます。  まず初めに、今回のサミットにおきましては、経済社会を初め種々の分野でのグローバリゼーションが進展しているもとで、これをいかにして人類にとって真に意味のあるものにしていくか、また、そのためのG8の役割は何か、さらには、地域紛争や不拡散問題に効果的に対処し得る国際的枠組みはいかにあるべきかなど、現在世界が直面している主要なテーマにつきまして首脳間で活発な議論が行われました。  サミットにおいて、私は、我が国の立場を明確に主張し、アジアの視点を十分に反映していくとの観点から、各国首脳との議論に積極的に参加いたしました。  まず、我が国経済につきましては、依然として厳しいものの、明るい動きも見られ始め、これをさらに強く確実なものとすべく、雇用対策と産業競争力強化対策をできるものから速やかに実施し、今年度のプラス成長に向けて不退転の決意で臨むつもりであることを表明いたしました。特に、現下の厳しい雇用情勢に迅速に対応するため、既に約一兆円の雇用対策を講じておりますが、今般五千億円を超える補正予算の編成を決断したことも説明いたしました。これに対し、各国より高い評価を得るとともに、日本経済の本格的な回復への強い期待が改めて表明されました。  次に、私は、当面の国際経済問題についての議論におきましては、次の四つの点を主張いたしました。  第一に、国際金融システムの改革に当たっては、ヘッジファンド等の短期資本移動に対応すべきこと、また、改革の議論に途上国が十分参加すべきことであります。  第二に、債務救済イニシアチブについて、重債務貧困国を長期的自立に導くため、負担の公平を図りつつ、積極的に参加することであります。  第三に、貿易の分野では、保護主義を抑え、WTOの次期ラウンド交渉を積極的に推進することであります。また、中国がWTOに早期に加盟することが重要であることを強調いたしました。  第四に、教育については、グローバル化時代の中にあって外国語とコンピューター教育が必要であることを主張いたしました。さらに、人格形成や文化の多様性を尊重する心をはぐくむことが重要であり、また、学生や教員の国際的交流が強化されなければならないことを述べました。  次に、私は、国際政治の諸課題につきまして、次の三点に力点を置いて日本の立場を説明いたしました。  すなわち、第一に、コソボ問題は国際社会全体の問題であり、日本として積極的に貢献していく用意がある旨明らかにするとともに、今回の教訓を踏まえ、国連の紛争解決能力を強化するために安保理改革が急務であることを主張いたしました。  第二に、不拡散・軍縮の分野では、ロシア非核化支援等のために総額二億ドル相当のプロジェクトに協力していくとの意向を表明いたしました。また、北朝鮮の核及びミサイル問題はグローバルな不拡散体制にかかわる問題であり、特にミサイル再発射が行われないようG8として強い警告を発していくべきことを主張いたしました。  第三に、今回のコソボ問題への取り組みのように、紛争の予防、解決においてG8が果たすべき役割は、さきに申し上げた国連の強化と相まって、今後ますます重要であることを強調いたしました。  また、会議を終えるに当たり、私より、二〇〇〇年という区切りの年のサミットを九州・沖縄サミットとして開催する旨表明し、各国首脳に御招待を申し上げましたところ、喜んでお受けをいただきました。今後、九州・沖縄サミットの成功に向けて万全を期してまいります。  なお、サミット出席の機会にケルンで、クリントン米国大統領、エリツィン・ロシア大統領、シュレーダー・ドイツ首相、クレティエン・カナダ首相との間で二国間会談を行い、いずれも充実した対話を行うことができました。  また、サミットの終了後、シュレーダー・ドイツ首相とサンテール欧州委員長との間で日・EU首脳協議を行い、コソボ、北朝鮮、ロシア等の地域情勢や、WTO新ラウンドへの取り組みと中国の加盟問題、さらに規制緩和対話の推進、日・EU相互承認協定の早期実現といった諸問題につき有意義な意見交換を行いました。  我が国は、欧州連合が統合を深め、その拡大に向けて準備を進めつつあることを評価しており、今後とも、政治、経済を初めとするあらゆる分野で欧州連合との関係強化に努めていきたいと考えます。  その後、英国を訪問いたしました。私の訪問は、国際会議参加のための訪問を除けば日本の総理として七年ぶりのものであり、ブレア首相との間で率直な会談を行うことができました。会談におきましては、二国間関係を強化する方途について共通の認識を得るとともに、ブレア首相が提唱されているいわゆる第三の道についても率直な意見の交換をいたしました。  また、二十二日には、レイキャビクにおいてオッドソン・アイスランド首相とも有意義な会談を行うとともに、北欧五カ国の首脳と第二回目の日・北欧首脳会談を行いました。北欧諸国は先進的な福祉制度や種々の分野における国際貢献で知られておりますが、かねてからの私の理念である二十一世紀を人間中心の世紀にすべきであるとの考えを伝えましたところ、北欧首脳より賛同いただき、日本と北欧諸国とが、人間中心の平和な世界を目指し、人間の安全保障の観点から種々の課題に協力して取り組んでいくことを確認することができました。  以上、サミット出席を初めとする今回の訪問において、私は、我が国経済を含めアジアの経済の現状につき十分に説明し、各国からの評価を得ました。さらに、我が国の位置する北東アジアの安定が国際社会全体にとっての課題であること及び中国の政治、経済各分野での国際社会への関与が重要であることを指摘し、理解を求めました。また、グローバリゼーションの進む国際社会にあって、我が国がアジアを初めとする開発途上諸国との関係を含め、その国際的地位にふさわしい役割を果たしてきていることを明確にし、関係各国首脳の理解を得るべく努力してまいりましたことをここに御報告いたします。(拍手)     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。成瀬守重君。    〔成瀬守重君登壇、拍手〕

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 私は、自由民主党と自由党を代表して、総理からただいま御説明がありましたサミットの報告について、若干質問をさせていただきます。  国会が大幅延長された後、総理は息つく間もなくサミット出席、米国を初め主要国との首脳会議等、連日精力的の御活躍、大変御苦労さまでございました。  今回のサミットは、コソボ紛争の終結、復興や世界経済、金融の安定化の問題を初め多くの課題を抱え、その成否が世界の平和と安定を大きく左右するものとして、世界じゅうが注視する中で開催されたものであります。  冷戦終結後、地域紛争が多発し、経済のグローバル化によるリスクも大きくなり、一昨年以来の世界的な経済、金融の危機、ことしのコソボ紛争、NATOの空爆は、経済成長を支えてきた世界の金融システムや国連中心の平和協調体制を揺るがしました。今回のサミットは、それを克服する厳しい試練の場であったと位置づけられております。  幸いなことに、世界の経済には安定化の兆しが見え、我が国の適切な景気対策により、プラス成長の足元を固めつつあることが高く評価され、引き続き、内需の拡大と経済の構造改革への取り組み、努力が求められました。また、コソボの空爆も終了し、難民の帰還が始まり、復興の道筋が協議される段階になったことは、ロシアを含めたG8が、重大なときに、おのおのの立場で困難な事態を乗り越える努力をし、今回のサミットの大きな成果となったものであります。  このような中にあって、総理は、不況打開のためしっかりと日本の役割を果たすとともに、安全保障、政治面でも我が国、アジアの視点に立って主張され、特に北朝鮮のミサイル実験、拡散が世界にとって大きな脅威であることを強く訴えられたことも特筆すべきことであります。  今回のサミットの共同コミュニケは、今後、参加国がおのおの協調し合って努力してこそその成果が確かなものになるのであり、我が国も大きな責任を負うものであります。これらを踏まえ、総理に改めてサミットの意義、評価と、我が国の取り組みの御決意をまずお伺いいたします。  ユーゴスラビア軍のコソボ自治州からの撤退によって、コソボ問題は和平に向けて大きく前進しました。心から歓迎の意をあらわしたいと思います。  当面の最大の課題は、コソボ難民の安全な帰還と復興問題であり、南東ヨーロッパ地域の安定が一日も早く実現されるよう願うものであります。  小渕総理は、コソボ問題に関して、今後、文民組織への人的貢献や復興・難民支援については、必要に応じさらなる支援を検討していくことを明らかにされましたが、G8の一員として日本への期待、要請が強まる中で、我が国としての役割をどのように考え、具体的に貢献、支援されていくのか、方針を伺います。  他方、NATO軍の空爆は地域武力紛争における国連の果たすべき役割との関係から見て大きな課題を提起しており、今後、アジアを初め各地の紛争の平和解決への対応のために常任理事国の構成等の国連改革がぜひとも必要であります。  総理は、このことをサミットだけでなくドイツ、英国等との首脳会談でも強調されたようですが、いかなる反応があったか、日本の常任理事国入りについてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいと思います。  今までのマクロの経済政策によってことしの一—三月期の国内総生産の実質成長率がプラス一・九%になりましたが、クリントン大統領からもこの傾向が定着するかどうかは数四半期待つ必要があると景気対策の継続を求められたと聞いております。総理は、産業競争力の強化のための法案や雇用対策を主な内容とした補正予算を決断したことを説明し、今年度のプラス成長に向け不退転の決意で臨むと改めて世界に向かって公約されました。  そこで、総理に、日本経済の現状に対する認識とそれを踏まえた今後の経済運営の取り組み、さらに、世界における日本の役割及びアジア等への経済支援を具体的にどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。  また、失業が多くの国で高い水準となっており、深刻な状況にあります。サミットでも雇用創出のための施策が必要という共通の認識が示されました。日本もこの失業問題は喫緊の課題であり、失業対策への具体的な取り組みについてあわせてお伺いいたします。  マネーが瞬時に世界を駆けめぐる時代に、短期資金がアジア市場から急激に引き揚げられたことが原因で経済混乱に陥りました。再発防止策としてヘッジファンドに対する監視強化等が首脳間で合意されたと聞いております。規制いかんによってはその国の資金パイプを細くすることにもなりかねません。この難しい問題に対処するために、各国通貨当局や国際機関で構成する金融安定化フォーラムにおいて具体案づくりが行われるようですが、どのようなスタンスで臨まれるのか、総理にお尋ねします。  自由貿易体制を世界各国の相互理解のもとに推進することは、世界経済の持続的成長を促進することにつながります。  今回のサミットでは、二〇〇〇年からのWTOの新ラウンド開始に向け、その交渉成功への強い決意が示されました。交渉の枠組みとして、日本や欧州が主張する一括受諾方式か、アメリカの言う個別受諾方式か、その調整が課題として残されました。  また、来世紀に経済大国になることが確実な中国の早期加盟も大きな課題であります。折しも米中間では大使館の爆破事件などで緊張感が高まっただけに、総理の訪中などを通じて我が国が加盟促進の仲介役を積極的に果たすべきであり、総理に新ラウンド成功へ向けての御決意を伺います。  世界経済の安定のためには、貿易自由化推進とともに、各国間の経済格差の解消が経済先進国のイニシアチブによって進められることが必要であります。今回、重債務貧困国の債務を削減するケルン債務イニシアチブに先進各国が合意しましたが、援助大国、巨額の債権を有する我が国としてこれを重く受けとめ、債務の削減が対象国の経済再建に結びつくよう、我が国の意見を強く反映していくべきであります。  我が国の経済・財政事情が厳しい中で、債務国の債務軽減、経済再建を進めることの世界的意義をどのように認識し、債務国のモラルハザードを招かないよう削減策をいかに具体的に進めていかれるのか、伺います。  終わりに当たり、多くの軍事基地を抱える沖縄での今世紀最後のサミットの開催に際して、日本国民すべてが思いを新たに、世界の平和と安定に貢献していく決意を示し、二十一世紀の扉を開くにふさわしい首脳会議の成功を強く希望するものであります。  基地問題への対応、沖縄振興に加え、サミット開催に伴う通信、宿泊施設、警備等、解決すべき難問は山積しております。総理はケルンで、稲嶺県知事を初め沖縄県視察団を各国首脳に紹介されたと伺っております。さすがのお心配りと感銘いたしました。  総理におかれましては、国民の支援を受けて、多くの課題に果敢に取り組んでいただき、九州・沖縄サミットをぜひ成功に導かれますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 成瀬守重議員にお答え申し上げます。  今回のサミットの意義、評価及び我が国としての取り組みに向けた決意についてお尋ねがありました。  サミットでは、各国首脳がグローバリゼーションの進展がもたらす大きなチャンスを有効にとらえ、そのチャレンジに適切に対応していくことが必要であるとの認識で一致するとともに、地域紛争や不拡散の問題等に効果的に対処するため国際的枠組みはいかにあるべきか等について活発な議論を行うことができました。私からは、特に我が国がこれまでの諸問題の解決に向けて、その国際的地位に応じた役割を果たしてきていることを強調いたしました。  我が国といたしましては、今次サミットの合意の着実な実行が重要であるとの成瀬議員の御主張をも踏まえ、その実行に努力するとともに、今般のサミットでの議論、成果を受け、来年の九州・沖縄サミットの成功に向け万全を期してまいりたいと考えております。  次に、コソボ問題における我が国の役割についてのお尋ねがありました。  我が国は、ミロシェビッチ大統領によって引き起こされた民族対立を克服し、コソボにおいて平和で民主的な多民族社会を構築するために、G8の一員として、今後、和平履行のために引き続き積極的に貢献していく考えであります。  具体的には、先般の二億ドルの支援策のうち一億ドルをコソボの復興及び難民帰還支援に充てることを表明済みでありますが、今後の状況を踏まえてさらなる貢献を検討する考えであります。また、顔の見える支援として、国際文民プレゼンスの幹部ポスト等に対し、人的貢献を行うこと等を検討いたしております。  国連改革についてのお尋ねでありましたが、私より、今回のコソボ問題の取り組みを踏まえた紛争の予防、解決においてG8が果たすべき役割の重要性を強調しつつ、国連の紛争解決能力を強化することによりその存在意義を高めるため、安保理改革が急務であることを述べたのに対し、各首脳からの関心が示され、特にシュレーダー独首相、ブレア英首相との会談では、国連改革の必要性につき明確に認識が共有されました。  我が国の常任理事国入りにつきましては、我が国としては、改革された安保理において常任理事国として世界の平和と安定のため一層の役割を果たす用意があり、安保理改革の早期実現のため、多くの国と協議を重ねる等により多数の国の合意を得るべく努力をしてまいりたいと考えます。  日本経済の現状と今後の経済運営についてお尋ねがございました。  現下の我が国経済は、各種の政策効果に下支えされて下げどまり、おおむね横ばいで推移しております。今月十日に公表されました本年一—三月期の実質国内総生産、GDP速報値も前期比プラス一・九となったところであります。  本格的な経済の回復に向けましては今まさに正念場であり、議員がただいま引用されました私のサミットにおける発言のとおり、今年度のプラス成長を確実にすることに向けまして、引き続き不退転の決意で臨む考えであります。  世界における日本の役割についてお尋ねでありました。  我が国は、言うまでもありませんが、世界第二の経済大国として、我が国経済の動向が世界経済に占める役割を認識し、不退転の決意で我が国経済の再生に取り組んでまいりました。  アジアへの経済支援に関しましては、アジア諸国の経済回復には当該国の自助努力に加え国際社会の支援が必要であるとの認識のもと、総額約八百億ドルの世界最大のアジア支援策を表明し、そのうち約六百五十億ドルを具体化する等着実に実施してきております。  なお、一部の報道では、新宮澤構想による資金協力は十分に実施されていないとの御懸念が援助関係者の間にあるようでありますが、政府といたしましては、なるべく速やかにこの資金協力が所期の効果をもたらすよう、これまた最善の努力をしてまいりたいと考えております。  同時に、世界全体の貧困や経済の困難に目を向ける必要があるとの観点から、特に後発開発途上国へ配慮しつつ、アジア以外の地域に対しても我が国の国力にふさわしい協力を行ってまいりたいと思っております。  次に、失業対策、雇用創出策に関するお尋ねでありますが、議員御指摘のとおり、サミットでも、雇用創出のための諸施策が必要である旨、共通の認識が形成されたところであります。  日本政府といたしましては、六月十一日に産業競争力強化対策とともに決定をいたしました緊急雇用対策におきまして、雇用機会の創出を最大の柱とし、民間企業による雇用の創出とともに、国、地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出により、七十万人を上回る規模の雇用・就業機会の増大を図ることといたしております。今後は、同対策の速やかな実施に全力で取り組んでまいります。  次に、各国通貨当局等により構成される金融安定化フォーラムについてでありますが、議員も憂慮されておりますように、短期資本の大規模かつ急激な移動が昨今の国際金融市場の動揺をもたらしました。こうしたことにかんがみまして、金融市場の監督等における国際協力を強化するため、本年四月、G7が中心となって金融安定化フォーラムが創設されました。  同フォーラムにおきましては、当面、ヘッジファンド等、オフショアセンター、短期資本移動の三点に焦点を当てて議論や検討を行うこととされております。先般のケルン・サミットでも、同フォーラムでの作業に期待するということが合意されたところであります。  我が国といたしましては、同フォーラムにおいて、ヘッジファンド等への対応を初めとする議論や検討に積極的に貢献してまいる所存でございます。  新ラウンド成功に向けた我が国の決意についてお尋ねがありましたが、我が国は、次期交渉を包括的な交渉とし、我が国国益にとり実りある交渉となるよう主導的役割を果たす考えであります。  また、中国のWTO加盟につきましては、その重要性について今サミットでも私から訴えたところであります。我が国は、中国の早期加盟実現のため引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  ケルン債務イニシアチブについてお尋ねがありました。  重債務貧困国の債務救済は、国際社会の平和と安定を確保していく上で極めて重要な課題であり、世界最大のODA供与国である我が国としては、この問題に対しても主導的な役割を果たすべきものと考えます。  また、債務救済が債務国の経済再建に結びつくようにすべきであるとの成瀬議員の御指摘に賛同するものであり、債務国のモラルハザードを招かないため、債務救済は真に必要な場合に限り行い、その際には債務国に自助努力と経済改革を求めることといたしております。  また、今回の合意にかかわらず、自助努力を行い、措置を受けないことを希望する国もあると承知いたしておりまして、我が国としては、こうした国々に対しては引き続き協力を行っていく考えであります。  最後に、日本におけるサミットの問題につきましてお触れになられました。  過去三回東京で開かれておりましたサミットでありますが、今回は特に九州・沖縄におきましての開催につきまして申し上げてまいりました。大変大切なサミットでございますので、政府といたしましても全力を挙げて努力をいたしてまいりたいと思いますが、議会におかれましても一層の御協力をいただきまして、成功に導くことのできますように心からお願いを申し上げて、答弁とさせていただきます。(拍手)     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 柳田稔君。    〔柳田稔君登壇、拍手〕

柳田稔民主党・新緑風会

○柳田稔君 私は、民主党を代表して、ただいま報告のありました先進国首脳会議並びに関連する重要施策について、総理及び関係大臣に質問いたします。  今回のケルン・サミットにおいて、世界経済の持続的成長や雇用創出に取り組む決意を八カ国首脳が表明したことは意義深いことであり、また、懸案だった重債務最貧国に対する債務削減のイニシアチブやWTOを中心とした貿易問題、基礎的教育の充実等について合意を見たことは率直に評価したいと思います。しかしながら、なお積み残された問題や政府の姿勢につき、明確さを欠くものや政府の主体的な取り組みが必要な課題もあり、以下具体的に質問いたします。  まず、総理及び大蔵大臣の経済認識、補正予算に関してお尋ねいたします。  我が国は、未曾有の長期不況、雇用不安に陥り、国民は不安な気持ちで毎日を送っております。総理は、今回のサミットにおいて、九九年度にプラス〇・五%の経済成長を何としても達成したい、雇用対策、産業競争力強化対策のために今国会を延長し、雇用対策のための五千億円以上の補正予算、産業競争力強化関連法案の成立に全力を挙げる姿勢を強調し、各国首脳から高い評価を得たと伝えられております。  しかし、その実態は、九九年一—三月期の実質国内総生産、GDPこそ六期ぶりにプラス成長となりましたが、失業率はなお過去最悪の水準にあり、本格的な回復軌道に乗ったとは言いがたい状況にあります。  民主党の強い要求にこたえ、政府は六月十一日に至ってようやく緊急雇用・産業競争力強化対策を決定しましたが、遅きに失しただけでなく、一時しのぎの対策にとどまっており、思い切った新産業創造、雇用創出につながる内容とはほど遠いものでございます。  私は、緊急的な雇用創出策、教育訓練制度充実など個人の自立支援策、雇用保険充実等によるセーフティーネット確立、起業家支援による新規事業、ベンチャー企業の育成を柱とした補正予算が不可欠と考えますが、総理及び大蔵大臣の経済認識、補正予算についての御所見をお尋ねしたいと思います。  次に、コソボ問題について質問いたします。  ユーゴに対する空爆がやっと終了し、ユーゴ軍はコソボから撤退、NATO主体の平和維持部隊がコソボに進駐しています。私は、NATOと空爆に慎重だったロシアとの間で国際治安部隊に関する合意が達成されたことを歓迎し、コソボ紛争の全当事者に対し、停戦が尊重されていくことを期待するものであります。  ユーゴへの空爆は、人道を大義名分としてはいましたが、国際法上の疑義が指摘される中で実行されました。これは、拒否権を有する国連安保理の有力メンバーである中国やロシアの利害と錯綜したことによって明確な方針を打ち出すことができず、結果として国連安保理を迂回したNATO軍主体の軍事介入となってしまいました。コソボで繰り広げられていた民族純化という惨状に目を背けるわけにはいかなかったことを考慮すると複雑な思いでございます。この問題の解決につき国連が主導権を発揮できなかったのは残念ですが、ともかく停戦合意は成りました。  クリントン大統領は、国際社会は集団虐殺や民族純化を阻止する力がある場合は云々、今後も主権国家に対する人道目的の武力介入があり得る旨を述べたと報じられておりますが、政府は今後このような問題にどのようにかかわっていくおつもりなのか、総理及び外務大臣から明確な方針をお示しいただきたいと思います。  サミット議長国ドイツのシュレーダー首相は、食糧や住居などの人道支援を実施する方針を明らかにしました。コソボに難民が戻り始めた今、国際社会は復興に力を合わせなければならず、民主党もコソボ難民・避難民支援対策本部を設置し、支援募金や青年ボランティアを現地に派遣するなどの行動を始めております。百万人を超える難民、避難民の帰還と平和な生活の回復までには、子供や女性を初め、人々が負った深い心の傷をいやし、真の民族融和を実現しなければなりません。  直接的な軍事協力が困難である日本にとって、あらゆる国籍の難民、避難民の帰還と定住、心のケアなどの支援のため、ボランティアの支援やNGOとの連携などを行うことは、日本が主導的に責任を果たせる分野だと思いますが、そのための財政支援も含めた政府のかかわりについて、総理及び外務大臣のお考えを示していただきたいと思います。  今回の宣言で、ミロシェビッチ大統領を戦犯として起訴している国連の旧ユーゴ国際法廷の作業に十分協力していくことが明記されました。しばしば国際的な刑事法廷は、逮捕・捜査権などの強制力を欠いていたり、起訴の対象者が紛争当事国の有力な政治指導者であることから訴追対象者を法廷に立たせることが困難であることなど、裁判の政治的中立性や実効性に疑問が投げかけられてきました。  しかしながら、旧ユーゴの国際法廷を初めとして、この種の裁判所の設置目的が、通常の戦争犯罪のほかに大量虐殺や平和に対する罪の処罰であり、国際社会が長年にわたってその根絶を願い、その権限強化が望まれているものでございます。  今後とも民族問題の噴出は起こり得ます。さきに指摘した裁判の政治的中立性や実効性の担保など、困難な問題が横たわっていることは理解できますが、大量虐殺を引き起こした政治指導者の処罰やその犯罪抑止については国際的な裁判制度の充実は有効だと考えますし、引き続きこの機能を充実させていくべきでございます。政府は旧ユーゴの戦犯法廷についてどのような協力をなさるおつもりなのか、総理及び外務大臣の具体的な方針を示していただきたいと思います。  国連安保理のメンバーである中国やロシアが、それぞれの国内問題への波及を恐れたことで、今回、国連安保理による紛争解決に支障を来しました。このため、ユーゴに影響力を行使できるロシアを欧米側に引き込むため、G8の枠組みが一層重要度を増し、ロシアが旧ソ連から引き継いだ対外債務の繰り延べ交渉に応じることになりました。  ユーゴへの武力行使については、さきに指摘した国際法上の疑義が指摘されましたが、政府は一方で国連改革と称して日本の国連安保理の常任理事国入りを目指していますが、他方、理事国の利害関係によって安保理の手足が縛られる可能性があるのは記憶に新しいところでございます。  総理は、安保理の国際紛争解決方策の改善についてどのようなお考えで臨もうとしているのですか。明確な戦略なしで理事国になっても、単に他国への追従ということにもなりかねません。ここで、サミットを経験しての総理の国連改革及び常任理事国入りについての明確なお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、懸案の日ロ交渉について、総理は、二〇〇〇年までの締結で合意している日ロ平和条約について、クラスノヤルスク合意を実現して、国境線を画定し、平和条約を結ぶ歴史的事業を二人でやりたいと述べ、両首脳在任中の北方領土問題の解決と条約締結を呼びかけ、これに対しエリツィン大統領は、国境線の画定は私が提案したことだと応じ、国境線画定に積極的な姿勢を示したと報じられています。  日本は昨年四月、北方四島の北に国境線を画定する一方、ロシアが四島を実効支配する現状は当面認めるとの提案をロシア側に示し、ロシアは昨年十一月、国境線画定は先送りして、まず平和友好協力条約を結ぶことを提案するとともに、日本側の提案については極端な方法だとして事実上受け入れを拒否していました。  今回の日ロ会談を踏まえての領土交渉に対しては一応の期待が持てますが、エリツィン大統領の健康問題や権力基盤も懸念される中、焦点の北方領土の扱いについてどのような合意がなされたのか、そして今後どのようにしていくおつもりなのか、総理及び外務大臣の御所見を伺いたいと思います。  宣言には、北朝鮮についてミサイルの発射実験や輸出による拡散に対し深い憂慮が明記され、新たな事態が生じれば、個別及び共同の追加的手段を検討することも盛り込まれました。  北朝鮮がテポドンを発射して以来、強い懸念を示してきたにもかかわらず、再発射の可能性も報じられ、また、韓国との間では銃撃戦も行われるなど、北東アジアの平和と安定に対して脅威である事実は変わりません。欧米首脳も北朝鮮の情勢に深い関心を持ち、地域の平和と安定が脅かされる事態にはG8が協力して対処することが確認されたことは歓迎いたします。しかし、政府は、北朝鮮にこのサミットを受けどのように対処していくおつもりなのか、ミサイルの再発射ということになれば次はどのような対策をとるおつもりなのか、総理のお考えをお尋ねしたいと思います。  最後に、沖縄サミットについてお伺いいたします。  次回サミットの開催地となる沖縄県は、在日米軍施設の約七五%が集中しており、また、国内調整が難航している米軍普天間飛行場返還問題も横たわっております。また、所得格差、高失業率、米軍基地の重圧など、今なお解決すべき課題が山積みしており、近々沖縄政策協議会が開催されると伺っております。  次回の沖縄サミットを成功させるためにも、情報インフラの整備、基地問題の進展などが重要であり、沖縄の鉄道軌道誘致、那覇空港自動車道の整備など沖縄振興策も必要です。これらの諸課題について、総理及びさきに沖縄を訪問された官房長官の率直な御見解をお伺いするとともに、その実現につき全力を尽くすよう要望し、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 柳田稔議員にお答え申し上げます。  まず、我が国経済の現状及び補正予算についてのお尋ねがありました。  現下の我が国経済は、各種の政策効果に下支えされて下げどまり、おおむね横ばいで推移いたしております。今月十日に公表されました本年一—三月期の実質国内総生産の速報値も前期比プラス一・九%となっておるところであります。  政府といたしましては、十一年度予算の着実な執行に努めておるところであり、今後はその効果も本格的にあらわれてくることが期待されます。  さらに、今月十一日に緊急雇用対策及び産業競争力強化対策を取りまとめましたが、現在の深刻な雇用情勢に対する対応や供給サイドの対策について、できるものから速やかに実施していく考えであります。  具体的には、雇用対策につき、今般、五千億円を超える補正予算の編成を決断したところであり、今国会に提出すべく全力を挙げて編成作業に取り組んでおるところでございます。  次に、コソボ問題でありますが、集団虐殺や民族浄化の問題の対応についてのお尋ねがありました。  我が国といたしましては、紛争の平和的解決のために、国連を中心とした紛争解決、紛争後の復興、紛争の未然防止等、紛争問題の包括的な取り組みに対する協力を積極的に進めてまいる考えであります。  今回のサミットでは、私より、コソボ問題のような紛争の解決、予防のためには、特に安保理改革が急務であること、また、明年の国連ミレニアム・サミットを一つの節目として安保理の改革、強化に取り組む必要があることを強調いたしました。  コソボ難民の支援についてでありますが、我が国は、難民支援、周辺国支援、コソボの復旧及び難民の帰還支援として約二億ドルの支援を行うことを表明しており、今後の状況を踏まえさらなる貢献を検討いたしておるところであります。  NGOとの連携やボランティアの支援につきましては、コソボ難民支援に官民一体となって取り組むために本邦NGOによる支援活動を応援すべく資金協力を行うことといたしておりまして、また、有意の方々に国際人道機関の活動への参加の道を開くための支援を行うことといたしております。  旧ユーゴの国際刑事裁判所への我が国の協力についてのお尋ねでありましたが、我が国は、同裁判所を設置する安保理決議の採択に際し、日本国憲法の範囲内において最大限可能な限り決議の実施に協力する用意がある旨述べて、同決議を支持いたしましたが、その方針には現在も変更がありません。  国連改革についてお尋ねがありましたが、我が国としては、国連の紛争対応能力を強化するために国連改革、特に安保理の機能を強化するため、国際社会の現実を反映した形での安保理改革が急務であると考えており、サミットの場での協議を通じ、一層その考えを強くいたしました。  我が国としては、このような安保理改革が実現する中で、常任理事国として一層の責任を果たす用意があるとの立場であります。  日ロ関係についてお尋ねがありましたが、今般のケルンでのエリツィン大統領との会談では、四島の問題を解決して平和条約を締結し、日ロ関係を抜本的に改善させていくことについての大統領の強い気持ちを改めて感じました。私としても、引き続き首脳レベルの緊密な対話を維持し、クラスノヤルスク合意の実現と日ロの全面的協力関係の確立に向けて全力を尽くしていく考えであります。  北朝鮮に関するお尋ねでありますが、サミットでは、北朝鮮等のミサイルの発射実験や拡散への深い憂慮が示されました。  政府としては、北朝鮮に対して、安全保障の備えを確固たるものにするとともに、対話を通じて関係改善を図る用意がある旨呼びかけていく考えであります。また、現時点ではミサイルの再発射が差し迫っているとの判断はしていないので、かかる場合の対策を予断することは困難であります。  最後に、沖縄問題についてお尋ねがありました。  米軍施設・区域の整理、統合、縮小につきましては、今後とも、SACOの最終報告の着実な実現に向け、稲嶺知事のお考えを十分拝聴しつつ、沖縄県の理解と協力のもと最大限努力してまいりたいと考えております。  また、各種の沖縄振興策につきましては、沖縄経済の自立化に向けた施策の具体的体系化を図るべく、現在、政府部内におきまして沖縄経済振興二十一世紀プランの中間報告案を鋭意検討中であり、六月二十九日には沖縄政策協議会において同報告案の協議を予定いたしておるところであります。  政府といたしましては、こうした努力とともに、歴史的に意義深い来年の九州・沖縄サミットについて、議員も願われておりますように、ぜひともその成功に向け万全の努力をしていく考えであります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 一—三月期のGDPが前期比で一般の予想よりもかなり高いプラス一・九%になりましたことにつきましては、国民消費が前期よりも高かったこと、また、中小企業の設備投資が、金融面での貸し渋り対策などがありまして、減少幅が狭まりつつあることなどによるものと考えられておりますけれども、その背景といたしまして、昨年の秋以来実施に移しました政府支出の拡大、減税、金融安定化措置等の累積効果が大きく寄与していることは恐らく間違いないものと考えております。  しかしながら、本格的な消費の回復は遅々としておりますし、企業の設備投資もなお低水準でございますので、これらが動き出しませんと御承知のように本格的な景気回復というものはなかなか難しい。したがいまして、今後もしばらくの間、高水準の政府支出、住宅建設促進等の対策が必要であろうと、こういうふうに現段階を判断いたしております。  そこで、御指摘の雇用の問題でございますが、我が国の経済回復のただいまの段階はまさに御指摘の雇用の問題であると思っておりまして、昨年夏以来の政府支出、減税、金融対策、住宅建設等が行われたその後の今の段階というものは、民間企業の本格的ないわばリストラが進められる経済正常化のこれが最後の段階になるというふうに考えております。  これによりまして二十一世紀に向かっての我が国の企業体制というものが新しくならなければならない、そのためのリストラであると考えておりますけれども、御指摘のように、これは非常に大きな雇用問題を呼びつつある、これはもうおっしゃるとおりでございます。  ただ、このことは、いずれこの段階になるということを当然お互いに予測しておりますから、政府といたしましても、昨年度の補正以来今年度予算にかけましていわゆる一兆円施策を用意して進めてまいったわけでございます。  しかし、ここに来まして企業のリストラがいよいよ本格的な段階に入るということに伴いまして、雇用対策の充実、他方で産業の競争力の強化に関する施策がただいま緊急の課題になってまいりました。これらの諸施策並びに当面雇用対策に関する補正予算が必要でございますので、それらをただいま政府で検討、編成中でございまして、いずれ国会の御審議を仰ぎたいと考えております。  企業あるいは雇用の両面について学識の深い柳田議員が御指摘になりましたように、雇用対策につきましては、緊急の雇用創出策あるいは教育訓練といいましたような個人の、自身の将来へのあるいは自立への支援、また、雇用保険の充実等のいわゆるセーフティーネットと言われるもの、それに企業側でも新規企業、ベンチャー企業の育成など、いろいろ関連の施策あるいは法案を必要といたしますので、ただいま関係省庁におきまして立案中でございます。また、それに必要な一部の予算につきまして補正予算を編成すべく鋭意努力をいたしておるところでございます。(拍手)    〔国務大臣高村正彦君登壇、拍手〕

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 集団虐殺や民族浄化の問題への対応についてのお尋ねでありますが、紛争の予防、解決には、紛争のあらゆる段階での包括的な取り組み、国連安保理を含む国際社会の体制の強化、紛争の手段の規制が重要であると考えております。  さきに開催されたG8外相会合でも、私よりこうした諸点を強調するとともに、ドイツのイニシアチブにより本年十二月にベルリンで開催される紛争の予防及び解決に関するG8外相特別会合の成功に向けて我が国としても最大限協力していく旨を表明したところでございます。  我が国は、既にコソボ難民に対する支援、難民を受け入れている周辺国に対する支援、コソボの復旧及び難民の帰還支援として約二億ドルの支援を行うことを表明しており、今後の状況を踏まえ、さらなる貢献を検討しているところでございます。  NGOとの連携につきましては、コソボ難民支援に官民一体となって取り組むために、本邦NGOによる支援活動を応援すべく資金協力を行うこととしており、NGOに対する支援制度の弾力的適用等の措置をとったところでございます。  ボランティアの支援につきましては、有意の方々に国際人道機関の活動への参加の道を開くための支援を行うこととしており、具体的には、国連ボランティア計画が行う邦人国連ボランティアを国連難民高等弁務官事務所等の国際人道機関に派遣する事業を支援することとしております。  旧ユーゴ国際刑事裁判所は、旧ユーゴの領域内で行われた戦争犯罪等の国際人道法の重大な違反を行った者を訴追することを目的とするものでございます。この裁判所がその役割を適切に果たしていくことは、旧ユーゴにおいて重大な犯罪を行った者が処罰を免れないようにし、もって国際社会における犯罪の発生を予防するという観点から極めて重要であります。  このような観点から、この裁判所を設置する安保理決議八二七号の採択に際し、当時、安保理非常任理事国であった我が国は、国際的に確立された刑事に関する諸原則の趣旨に従い、また、日本国憲法の範囲内において最大限可能な限り決議の実施に協力する用意がある旨の投票理由を述べて、同裁判所の設立に賛同し、以来その活動を支持してきているところでございます。政府としては、今後ともこの裁判所が機能的に活動できるよう、憲法の範囲内で可能な協力を行っていきたいと考えております。  領土問題についてのお尋ねでありますが、今般のケルンでの日ロ首脳会談では、小渕総理より、クラスノヤルスク合意に基づき国境を画定し平和条約をつくるという歴史的仕事を行おうと述べたのに対し、エリツィン大統領はこれに全面的に賛意を表明されました。  我が方としては、今回示された大統領の強い気持ちをも踏まえ、今後ともロシアとの間で首脳レベルを含めたハイレベルの緊密な対話を維持し、クラスノヤルスク合意の実現に向けて引き続き全力を尽くしていきたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣野中広務君登壇、拍手〕

野中広務自由民主党内閣官房長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(野中広務君) 沖縄問題につきまして、柳田議員の私に対するお尋ねについてお答えをいたしたいと存じます。  一昨日、沖縄県全戦没者慰霊祭に小渕総理の代理といたしまして沖縄を訪問させていただき、慰霊祭に参加をいたしました。  その機会に沖縄県民の方々と直接お会いをいたしまして、二〇〇〇年サミットの開催に向けて県民皆さん方の熱意に接し、政府と地元とが十分な連携協力を行うことによりまして各施設等の整備を行い、この歴史的なサミットを成功に導かなくてはならないという思いを改めて強くしたところでございます。  沖縄振興策につきましては、先ほど小渕総理からも御答弁がございましたように、来る六月二十九日にも沖縄政策協議会を開催いたしまして、沖縄経済振興二十一世紀プランの中間報告案を協議いたしますなど、沖縄経済の自立化に向けました対応を図るべく鋭意取り組むことといたしております。  米軍施設・区域の整理、統合、縮小につきましても、総理からお話がございましたように、SACOの最終合意の着実な実施に向けまして、稲嶺知事を初め県民各位の御協力をいただき、今後とも最大限努力してまいる所存でございます。(拍手)     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 続訓弘君。    〔続訓弘君登壇、拍手〕

続訓弘公明党

○続訓弘君 私は、公明党を代表して、ただいまの小渕総理の先進国首脳会議報告に対し、若干の質問をさせていただきます。  一九七五年十一月、その二年前、突如襲った石油危機の混乱が続く中、フランスのランブイエで始まった先進国首脳会議は、今回で二十五回目を数えることとなりました。この間、インフレ鎮静化との戦い、世界同時不況の克服、さらには国際収支不均衡の是正等々、四半世紀の時を刻んだサミットは、そのまま世界経済の歴史でもございました。  七〇年代後半から八〇年代にかけ、著しい経済不況に苦しんだことがまるでうそのように、今やひとり勝ちの記録的な景気拡大を続ける米国と、ことし一月、ついに通貨統合を達成し、新通貨ユーロの誕生によって世界経済に新たな歴史を刻もうとする欧州諸国とのはざまで、近年、我が国経済はかつての輝きを失い、ともすれば世界のお荷物との声すら聞こえる状況でありました。  しかし、幸運にもサミット直前に発表された我が国のことし第一・四半期の経済成長率が、大方の予想をはるかに上回る高い伸びとなったことが小渕総理の立場を大いに有利にしたと申せましょう。  しかし、問題は、これが持続的な成長につながるかどうかであります。まさに我が国は、再びお荷物となるのか、それとも世界の牽引車となれるのかの微妙な段階に差しかかっていると思われますが、サミット参加各国首脳は我が国をどのような目で見、また評価したと思われますか、総理のお感じになった率直な感想をまずお伺いいたします。  今回のケルン・サミットでは、特に雇用の重要性、さらには起業家や新産業育成の重要性が指摘されるなど、雇用問題が重要な議題となりました。雇用問題こそ今日の世界経済に共通した課題であり、まさに時宜を得た認識だと存じます。我が国においても、先日、政府は雇用対策及び産業競争力強化対策を決定し、近々補正予算を編成する予定と聞いております。  失業の防止、景気の回復には何よりも新産業の創出が必要でありますが、この点から我が国の資本の動きを見てみますと、残念ながら新産業の創出に必要な資本は専ら海外に流出する一方で、海外から我が国に流入する資本が極めて少ないのが実態であります。今回のケルン・サミットでの雇用宣言を機会に、海外の資本を大いに我が国に呼び込む施策を展開すべきではないかと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。  また、今回のサミット議長声明には、債務救済イニシアチブと呼ばれる重債務貧困国に対する債権放棄計画が盛り込まれました。言うまでもなく、援助の最大の目的はその国の自助努力を助けることであります。単に借金を棒引きにし、また同じ援助を繰り返すだけでは、これらの国々が自力で発展していくことにはならないのではないでしょうか。我が国は世界最大のODA援助国であり、その影響は財政的にも決して小さくありません。三千億円ないし四千億円とも言われる今回の債権放棄の内容と、その財政的措置はどうするお考えでしょうか。さらに、これを機会に援助のあり方をもう一度見直すお考えはございませんか。総理の御見解を伺います。  コソボ問題については、先日、ユーゴ軍・治安部隊の撤退が完了して、NATOの空爆が終了し、和平が達成されたことは大変喜ばしいことであります。  コソボ問題は、欧州だけでなく国際社会全体の問題であり、今回のサミットにおいても、地域情勢ではやはりコソボ問題が中心的な議題となったとのことでありますが、各国首脳間ではどのような議論がなされたのか。また、今後、コソボにおいて和平を履行していく上で我が国は重要な役割を果たしていくことになると思いますが、我が国としてどのような立場を表明されたのか、お聞かせください。  小渕総理の御努力により、コソボ情勢だけでなく、朝鮮半島情勢も地域問題として各国首脳の認識を得、共同宣言に深い憂慮として盛り込まれましたことは大いに評価に値するものと考えます。  最近、北朝鮮情勢を見ますと、二回目のミサイル発射実験が近いと報じられているほか、南北朝鮮の銃撃戦や我が国等へのスパイ送り込み工作など、一段と緊張が高まっております。政府の北朝鮮情勢の分析、判断とともに、二回目のミサイル発射実験についての情報をどこまで把握しておられるのか。また、サミットを機会に総理とクリントン大統領との間で行われた日米首脳会談では、この点についてどのような話し合いが行われ、今後の日米関係をどのように展望しておられるのか。あわせて、ミサイル発射は阻止できるのか、御答弁いただきたいと存じます。  サミットの八番目の参加国、ロシアのエリツィン大統領は最後の六時間だけの出席だったと報じられ、小渕総理とは短い時間の会談だったと伝えられております。橋本前総理との間で交わされたクラスノヤルスク合意に従って二〇〇〇年までに国境線を画定し、平和条約を締結するという方針は確認されたのでしょうか。そのためのエリツィン大統領の訪日はことしじゅうに実現するのか、お答えください。  小渕総理はドイツのシュレーダー首相とともに国連常任理事国入りで意気投合したと報じられるとともに、イギリスのブレア首相からも常任理事国入り支持の話があったと伝えられておりますが、ここに来て再び国連常任理事国入りを総理が口にされたのは、その機が熟したと判断されたのでしょうか。総理の常任理事国入りの発言の真意と、その際の我が国の果たすべき責任について、総理の御見解を伺います。  関連して、ボンにおいては日・欧州連合首脳協議、ロンドンでは日英首脳会談、アイスランドでは日・北欧首脳会談が行われましたが、それぞれの成果についてお答えください。  最後に、来年のサミットは沖縄県名護市を中心に開催されますが、日本には、サミット議長国として、グローバル化や高度情報化の進展する二十一世紀のアジアと世界を展望したサミットにする責任があります。このアジアの中に位置する沖縄という地理的要件を踏まえて、日本はアジア諸国の代表として、アジア諸国の声を代弁することはもとより、世界の指導者の目をアジアに向けさせるチャンスでもあります。  そこで、世界情勢の大きな転換の中で、九州・沖縄サミットに、世界の人口の約三分の一を占め、かつ多様な民族を抱えるアジアの大国、中国とインドが特別参加できるよう関係各国首脳と協議されてはいかがでしょうか。  あわせて、総理の九州・沖縄サミットへの抱負を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 続訓弘議員にお答え申し上げます。  まず、サミット参加各国の首脳の日本経済に対する評価についてのお尋ねがありました。  私から、日本経済には明るい動きも見え始めておりますが、今年度のプラス成長に向けて不退転の決意で臨むつもりであり、雇用対策について五千億を超える補正予算の編成を決断したことを説明申し上げました。  これに対しまして、現下の日本の経済の状況の中で、一—三月プラス一・九という数字が出てきたことも含めまして、各国の首脳もそれなりの評価を与えていただけたものと思っておりますが、要は日本経済の本格的な回復が期待をされることでございまして、この点、強く各国の首脳からもその向きのことを申されました。  私といたしましては、世界経済の一五%程度を占める日本経済に対する評価と期待をしっかり受けとめまして、今後、経済運営に取り組んでまいりたいと考えております。  対日投資の促進策についてのお尋ねがありました。  議員御指摘のとおり、我が国の対外直接投資と対内直接投資は、最近、四倍程度まで縮小してきておるものの、依然として対外直接投資が対内直接投資を大きく上回っております。国際的に見ますと、我が国における外資系企業による雇用の水準は低いものであり、対内直接投資の水準を引き上げることによって新しい産業が生まれ、多大な雇用が創出される可能性などがあります。  政府といたしましては、ことしの四月二十七日に対日投資会議声明を表明しており、企業経営に関する制度の整備や規制緩和等を推進することによりまして、対日投資の促進に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、債務救済イニシアチブについてのお尋ねがありました。  このイニシアチブでは、債務救済は真に必要な場合に限り行うこと、その際には債務国に自助努力と経済改革を求めること等が前提とされており、債務国の自力による再生と発展が阻害されないよう配慮されております。  債務救済の内容につきましては、我が国は、国際的にその必要性が認められた国々に対し、債務の超長期の繰り延べによる返済と、その返済額と同額の無償資金の供与を行うことにより対応いたします。これによりまして、財政的負担は一度に生じることなく長期にわたり分散されることとなります。  さらに、援助のあり方につきましては、個々の途上国の発展段階や債務負担能力についての配慮、途上国の開発計画、我が国の援助理念等を念頭に置きながら、適切な形態を検討してまいりたいと考えております。  次に、コソボ問題についてのお尋ねでありましたが、今回のサミットにおきまして、今後の和平履行においてもG8が積極的に貢献していくべきであるとの共通の認識のもとに、難民帰還支援や復興支援等の問題につき議論がなされました。  私からは、コソボの難民支援及び復興支援に対して、今後の状況を踏まえてさらなる貢献を検討すること及び国際文民プレゼンスに対し人的貢献を行う用意があること等を述べ、今後の和平履行のために引き続き積極的に貢献していく考えであることを表明いたしました。  次に、北朝鮮情勢に関するお尋ねでありましたが、確たることは不明でございますが、金正日総書記が実権を掌握し、軍重視の政策がとられ、経済的な困難が続いていると見ております。また、ミサイルにつきましては、関係諸国間との密接な連絡のもと、細心の注意を払い継続的に情報の収集、分析に努めており、現時点においてミサイルの発射が差し迫っているとは判断しておりません。  日米首脳会談に関してでありますが、北朝鮮については、ペリー調整官が検討中のアプローチなどにつき日米韓が緊密に連携していくことの重要性を確認いたしました。また、私よりKEDOとの協定の国会での審議状況につき説明をいたしました。また、クリントン大統領との間で築かれた信頼関係に基づき、共通の価値観に基づく日米関係を二十一世紀に向けて発展させるべく取り組む考えであります。  北朝鮮のミサイル発射を阻止することができるかということでありますが、政府といたしましては、北朝鮮のミサイル再発射を抑止するため、今後とも北朝鮮のミサイル関連の活動を注視するとともに、米韓等と連携して最大限の努力を行っていく考えであります。  今回のサミットにおきまして、私から、世界の耳目がコソボ問題に集中する中で、北朝鮮の核及びミサイル問題も国際社会全体にかかわる問題であることを強調しつつ、ミサイル再発射が行われないようG8として強い警告を発していくべきことを主張し、G8コミュニケにおきまして、北朝鮮による最近のミサイル発射実験を深く憂慮する旨言及されたのも、このような努力の一環でございます。  平和条約についてお尋ねがありました。  今般のケルンでのエリツィン大統領との会談では、四島の問題を解決して平和条約を締結し、日ロ関係を抜本的に改善させていくことにつきましての大統領の強い気持ちを改めて感じました。同大統領の訪日につきましては、秋ごろを念頭に置いて調整を進めることになっておりますが、さきの会談では、私からも直接秋にぜひ訪日していただくよう要請いたしたところでございます。  次に、我が国の安保理常任理事国入りについてのお尋ねがありましたが、我が国は、従来より、安保理の機能強化のための改革が急務であり、安保理改革が実現する中で常任理事国として一層の責任を果たしていく用意がある旨を表明いたしてきており、私の発言はそのような考えを改めて述べたものであります。  また、我が国は、国連加盟以来、財政面での貢献、軍縮・不拡散、人道の分野等でグローバルな役割を果たしてきております。我が国としては、常任理事国となることができれば、世界の平和と繁栄のためにこのような責任を一層積極的かつ効果的に果たしていきたいと考えております。  欧州連合首脳、英首相、北欧首脳とのそれぞれの会談の成果についてでありますが、いずれの会談におきましても、コソボ等の地域情勢、欧州や日本の経済情勢を含む幅広い分野において忌憚のない意見交換を行うことができました。そしていずれの首脳とも、今後一層の関係強化を図るとともに、国際社会が直面する共通の課題に協力して取り組んでいくことを確認いたしました。  最後に、九州・沖縄サミットへ中国とインドの特別参加についてお尋ねでありました。  貴重な御意見として拝聴いたしましたが、一般論として申し上げますと、参加国の拡大につきましては、サミット本来の性格、役割を踏まえつつ、メンバー間の議論や政策協調の有効性を基準として細心の検討が必要ではないかと考えられます。  来年のサミットについては、ケルン・サミットでの議論も踏まえ、特にグローバリゼーションの流れや二〇〇〇年という区切りの年に行われるサミットであるという事実を踏まえ、また、アジアにおけるサミットであるという視点に立って、新しい世紀に向けた明確なビジョンを打ち出す機会といたしたいと思います。  今後、沖縄県を初めとした各自治体と緊密な連絡をとりつつ、歴史的に意義の深いこの九州・沖縄サミットを成功に導くため最善の努力をしていく考え方であります。  以上、お答えを申し上げました。(拍手)     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 西山登紀子君。    〔西山登紀子君登壇、拍手〕

西山登紀子日本共産党

○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、ケルン・サミット及び日米首脳会談について小渕総理に質問いたします。  まず、平和と安全保障についてです。  今回のサミットは、NATO軍によるユーゴ空爆を含むこれまでとられた措置を歓迎するとして正当化しました。アメリカは、自国の国益に必要とあれば国連抜きでNATOや日米安保を発動し、武力で思いどおりにさせるという新戦略をとっていますが、今回のサミットはこれを容認する不当なものです。また、NATO諸国への武力攻撃がなくても内政干渉の戦争行動に出るというNATOの新戦略概念をも容認したことは、武力行使原則禁止という人類が第二次世界大戦の反省から到達した国連憲章の原則を突き崩すものにほかなりません。総理の御認識を伺います。  総理、平和原則を掲げる日本国憲法を持つ国の首相であるならば、民族紛争や宗教紛争などの問題は、当事者間の話し合い、国連での協議を通して平和的に解決されるべきという立場にきっぱり立つべきではありませんか。総理の御見解を伺います。  サミットに先立つ日米首脳会談で、総理はガイドライン法成立を報告し、今後は実効性の確保に努めると約束されました。この実効性の確保とは、まさしく米軍と自衛隊の行動に国民を協力させるための有事立法を意味するのではありませんか。既に政府は六月中にも各省庁関係のガイドライン関連の立法課題を取りまとめるとしていますが、こうしたことも対米公約の内容に入っているのでしょうか、明らかにしてください。  また、クリントン大統領は、沖縄でのサミットが普天間基地問題を前進させるよい機会になることを期待していると述べたと言われています。ガイドライン法が発動されれば、米軍のアジア最大の根拠地である沖縄は再び戦争の出撃基地とされるだけでなく、新たに自治体も県民も戦争協力に動員されることになります。沖縄が最も大きな影響を受けることは防衛庁長官も認めた事実であります。  総理、去る六月二十三日は沖縄戦終結五十四周年の追悼の日でした。あなたは、半世紀を超えて基地の重圧に苦しめられてきた沖縄の心をどう受けとめていますか。あなたがなすべきことは、基地提供によって米大統領から感謝されることではなく、沖縄の基地の縮小、撤去を求めることではないでしょうか。  次に、北朝鮮問題です。  総理、あなたは北朝鮮問題をサミットに持ち出し、声明に盛り込まれたことを自画自賛しています。しかし、日本政府の北朝鮮対策は軍事的対応以外には何もないではありませんか。ガイドライン法が衆議院を通過したとき、韓国のマスコミは、米国は今や日本の確固たる支援を確保した以上、我々の望んでいない戦争も一方的に起こさないという確実な保障はないと書きました。  こういう心配の声が広まっている今、朝鮮問題の解決に必要なことは、北朝鮮との正式な交渉ルートを築くことであり、日本はいかなる場合にも北朝鮮に対する先制攻撃には加わらないことを宣言することではないでしょうか。総理の明快な答弁を求めます。  次に、経済問題です。  日米首脳会談やサミットの場では、本年一—三月期の国内総生産が実質で前期比一・九%増加したことなどから、各国より高い評価を得たと報告されました。  しかし、国民生活の実態はどうでしょうか。民間の経済調査機関や産業界でも懐疑的に受けとめられていますし、四月の勤労者世帯の消費支出や可処分所得などはいずれもマイナスです。完全失業者は三百四十二万人、戦後の混乱期を除けば最大の規模に達しています。また、昨年一年間で、五十歳代の働き盛りの男性を中心に自殺者が初の三万人を超えました。これは、日本経済が楽観的見通しを持てるどころか、依然として深刻な事態にあることを示しているのではないでしょうか。    〔議長退席、副議長着席〕  総理は、六月十一日に閣議決定した緊急雇用対策及び産業競争力強化対策を推進するということを各国に約束してきました。まだ国会に提出していないものを国際公約にするとは、国会軽視も甚だしいではありませんか。しかも、その内容は国民に重大な打撃をもたらすものです。  例えば、東京商工リサーチの調査によると、一部上場企業だけで九四年上期から九七年下期までの三年間で五十一万人の人減らしが行われています。この間、完全失業者は三十八万人もふえました。その後も、東芝の六千人削減の大リストラ計画など、大企業を中心に相次ぐ人減らしが行われています。ここにこそ一番の問題があります。  ところが、総理、あなたの産業競争力強化策とは、まさにこのような労働者犠牲のリストラをさらに支援し促進するものではありませんか。なぜ大企業に対し人減らしを中止せよと言えないのでしょうか。今必要なことは、大量失業の大もとである大企業のリストラをやめさせるために、解雇規制法を含め、あらゆる措置を講ずることではないでしょうか。答弁を求めます。  総理、あなたが行かれたドイツの労働時間がどれだけか御存じでしょうか。政府の統計では、我が国の年間総労働時間は千九百八十三時間ですが、ドイツは千五百十七時間です。ドイツでは我が国の労働時間で一・三人分が雇用されている計算になります。このことは、我が国は雇用の過剰どころかむしろ雇用拡大の余地が十分あることを示しているではありませんか。  労働時間短縮による雇用の拡大という問題は、我が党だけが主張しているのではありません。社会経済生産性本部は、サービス残業をなくすだけでも九十万人の雇用が拡大すると試算しています。  総理、雇用問題を真剣に考えるなら、この問題について正面から検討されるべきではありませんか。その決意がおありかどうか、お答えください。  労働時間の短縮は、雇用の拡大にとって重要なだけではございません。私も参加している国民生活・経済調査会では少子化問題の熱心な調査がされてきましたが、日本のように長時間・過密労働によって家庭と仕事の両立が極度に困難な先進国はほかに例を見ません。既にフランスでは週三十五時間労働制が実現しています。総理、労働時間の短縮は、男女がともに豊かに暮らし、仕事も子育てもという若い世代の願いを実現する上で喫緊の課題ではないでしょうか。  さらに、広範な雇用創出のためには、介護、保育、福祉、教育、防災など、国民生活に密着した分野で具体的な増員対策を講じる必要があると考えます。あわせて総理の答弁を求めます。  最後に、産業競争力対策として挙げられている過剰設備の廃棄についてです。  今の過剰設備は、大企業がバブルに踊って無謀な設備投資をしてきたこと、それに加えて、消費税増税などの失政が招いた不況による需要・消費不足に原因があります。ところが、政府は、大企業や政府の責任を不問にし、税制上の優遇措置で設備廃棄を支援しようというのです。これでは大企業の体力増強に役立つだけで、景気の回復どころか、不況に拍車をかけるものではないでしょうか。  不況を打開し自律的な経済の発展を図るためには、国民の圧倒的多数が望んでいる消費税の三%への引き下げ、中小企業を守ることに加えて、雇用の防衛と拡大が国民的課題になっていることを指摘し、これらの対策を総理に強く求めて、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 西山登紀子議員にお答え申し上げます。  まず、コソボ空爆についてお尋ねがありました。  今回のサミットで、コソボにおける暴力と抑圧を終結させ、和平を確立し、すべての難民及び避難民の故郷への安全で自由な帰還を可能とするためとられた措置を歓迎いたしております。  なお、NATOの行動と国連憲章との関係については、第一義的には安保理が判断するものでありますが、この関連で、ロシアが提案したNATOの行動を国連憲章違反とする安保理決議案については大差で否決されており、この点にも留意する必要があると思います。  人道問題等の解決のあり方についてのお尋ねでありますが、このような問題の平和的解決のため、国連を中心とした紛争解決、紛争後の復興、紛争の未然防止等、紛争問題への包括的取り組みに対する協力を積極的に進めていく考えであります。  日米防衛協力のための指針についてでありました。  先般の日米首脳会談では、私より、指針関連法案が国会で成立、承認されたことを伝えつつ、指針の実効性確保のため引き続き日米間で緊密に協力していきたい旨述べました。これには指針のもとで行われる効果的な防衛協力のための日米共同の取り組みが含まれておりますが、いわゆる有事立法等を念頭に置いて述べたものではありません。  沖縄における米軍施設・区域に関するお尋ねでありましたが、日米防衛協力のための指針は特定の施設・区域の使用を想定したものではありません。いずれにせよ、政府といたしましては、沖縄県の方々の重い御負担と痛切に認識をいたしておりまして、今後とも、SACO最終報告の着実な実現に向け、稲嶺知事のお考えをも十分拝聴しつつ、沖縄県の御理解、御協力のもと、最大限努力していく考えであります。  北朝鮮に関するお尋ねでありましたが、サミットでは北朝鮮等のミサイル発射実験や拡散への深い憂慮が示されました。政府といたしましては、北朝鮮をめぐる諸問題に対しては、抑止と対話の双方をバランスよくとるという基本方針のもと、北朝鮮が諸問題に建設的な対応を示すのであれば対話と交流を通じて関係改善を図る用意がある旨、粘り強く呼びかけていくことが必要と考えております。  日本経済の現状についてお尋ねがございました。  現下の我が国経済は、依然として厳しい状況にあるものの、景気は各種の政策効果に下支えされて下げどまり、おおむね横ばいで推移いたしております。  なお、今月十日公表されました一—三月期のGDP速報値も前期比プラス一・九となっておるところでありますが、いずれにいたしましても、今後、四—六を初めとしてこの情勢が上向きになりますように、あらゆる政策をさらに遂行いたしていきたいと考えております。  緊急雇用対策及び産業競争力強化対策の実現を公約したことは国会軽視ではないかとのお尋ねでありました。  サミットで、私は、これらの対策について、できるものから速やかに実施し、今年度のプラス成長に向け不退転の決意で臨むつもりである旨を表明いたしたものであります。こうした考えのもと、補正予算等、国会の御審議が必要なものにつきましては早期に御議論いただけるよう早急に準備を進めておるところであります。  産業競争力強化と雇用の関係についてお尋ねがありましたが、今回の対策におきまして、緊急雇用対策とあわせ事業再構築のための環境整備を図るとともに、未来産業の創造に向けた技術開発の活性化、創造的な中小企業、ベンチャー企業の振興などの施策を講ずることといたしております。  こうした取り組みは、経済の自律的発展を図り、新たな産業と雇用を生み出すものであり、産業再生を目指す上で不可欠であります。  なお、解雇について、判例の考え方を踏まえて労使間で十分に話し合われるべきものであり、一律に規制するような立法措置は適切でないと考えております。  労働時間の短縮についてのお尋ねでありました。  労働時間の短縮は、家庭と仕事の両立により男女を問わずすべての労働者に働きやすい職場環境をつくることに資するものであり、引き続き積極的に取り組んでまいります。また、雇用との関係で労働時間を初めとする労働条件をどのような水準とするかについては、労使で十分に話し合うべきものと考えております。  国民生活に密着した分野における雇用創出についてのお尋ねでありましたが、六月十一日に産業競争力強化対策とともに決定をいたしました緊急雇用対策におきまして、雇用機会の創出を最大の柱とし、医療、福祉等の新規・成長十五分野における雇用創出の推進など民間企業による雇用の創出とともに、国、地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出によりまして、七十万人を上回る規模の雇用・就業機会の増大を図ることといたしております。今後は同対策の速やかな実施に全力で取り組んでまいります。  雇用対策及び産業競争力強化についてでありますが、今般取りまとめました緊急雇用対策におきまして七十万人を上回る規模の雇用・就業機会の増大を図ることといたしており、また、産業競争力強化対策におきましては、事業再構築のための環境整備、技術開発の活性化、中小企業、ベンチャー企業の育成といった施策を講ずることといたしております。  これらの対策を速やかに実施することにより、国民の雇用不安を払拭し、我が国経済の自律的成長を図ることが可能であると考えております。  消費税減税についてのお尋ねがありましたが、消費税の引き上げを含む税制改正は、しばしば申し上げておりますように、少子高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。  消費税に限らず税は低い方がいいという面はありますが、税・財政のあり方を考えるとき、消費税の引き下げは困難であり、この点、国民の皆様にも御理解をいただきたいと思っております。  中小企業に関するお尋ねがありましたが、中小企業は、我が国経済活力の源泉との認識のもと、経済情勢に的確に対応した中小企業施策の展開に努めてまいっております。  今後とも、新規産業の創出のための環境の整備への重点化を図りつつ、変革を図る意欲的な中小企業の活性化のための諸施策を総合的に講じ、我が国中小企業の成長発展を図ってまいります。  最後に、雇用の防衛と拡大について重ねてお尋ねでありましたが、雇用の不安を払拭し、我が国経済を自律的な成長軌道に乗せるため、産業競争力強化対策とともに緊急雇用対策を決定し、従来からの雇用の維持安定を中心とした対策に加え、雇用機会の創出を最大の柱とし、民間企業による雇用の創出とともに、国、地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出により、七十万人を上回る規模の雇用・就業機会の増大を図ることといたしております。今後は同対策の速やかな実施に全力で取り組んでまいる決意であります。  以上、御答弁申し上げました。(拍手)     ─────────────

菅野久光各派に属しない議員副議長

○副議長(菅野久光君) 田英夫君。    〔田英夫君登壇、拍手〕

田英夫社会民主党・護憲連合

○田英夫君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、小渕総理に質問をいたします。  まず第一は、コソボ問題です。  この問題で何よりもまず最初に指摘しなければならないのは、アメリカを先頭とするNATOが国連を無視してユーゴを一方的に空爆したことです。それは、たとえ民族浄化ということがあったとしても、第一義的にはユーゴの国内問題であり、現在の国連憲章のもとでは、このような問題について安保理が武力介入を認める決議をしていないのにNATOが空爆をしたことは許されることではありません。  にもかかわらず、日本政府は、空爆を理解すると、アメリカを中心とするNATOの空爆を認める態度に終始しました。さらに、ケルン・サミットでも、小渕総理はNATOの空爆に対し遺憾の意を表明することをされませんでした。  さらに、NATOの空爆に反対し平和解決のために努力したロシアや、ベオグラードの大使館を爆撃され、アメリカに対して厳しい抗議の姿勢をとり続け、NATOの空爆を激しく批判した中国に比べて、日本政府の姿勢は余りにも対照的であります。  歴代の日本政府がとり続けてきた国連中心主義は一体どうなってしまったのでしょうか。総理のお考えをお聞きします。  次に、経済問題についてです。  世界であらゆる分野でグローバリゼーションが進展していることは事実です。しかし、世界経済はもはやG7やG8だけの意向で対応してはならない状況になっています。G8宣言もそのことを認めています。日本こそ発展途上国の立場を理解して、強者、つまりG8優先ではない、弱い立場の国々に配慮した具体的処方せんを示すべきであったのではないでしょうか。  さらに、この経済の分野でも中国の存在を忘れてはなりません。今やG8をG9にすべき時期が来ているのではありませんか。小渕総理のお考えをお聞かせください。  次に、今、中国のことに触れましたが、経済問題はもちろん、今や世界のあらゆる分野で中国がそれなりの大きな役割を果たせるよう配慮するのがアジアの隣国としての日本の責任ではないでしょうか。世界の唯一の超大国として世界に君臨しようとしているアメリカも、中国との関係は必ずしも良好ではありません。  現在、アジアの不安定要因となっている朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮の問題も、中国の役割は極めて大きいと思います。北朝鮮側は戦術的にアメリカ重視の姿勢をとっておりますが、アメリカと日韓だけで北朝鮮問題は解決いたしません。国連の場でも、中国は安保理の常任理事国になっていますし、今回のコソボ問題の教訓からも、G8と国連との関係を円滑にするためにもG9として中国を加えることが必要と思います。七月初旬には総理は訪中をされますが、小渕総理の中国に対するお考えをお聞かせください。  次に、国連改革の問題です。  先ほどの総理の御報告でも、コソボ問題の今回の教訓を踏まえ、国連の紛争解決能力を強化するために安保理改革が急務である旨を述べられました。私も同感ですが、果たして安保理改革だけでいいでしょうか。もしそれが日本の安保理の常任理事国になることを目指した改革なら、極めて不純ですし、世界の良識ある人々の反発を買うだけでしょう。  国連改革は、もっと根本的な改革でなければならないと思います。二十一世紀を目前にして、二十世紀に起こった第二次世界大戦の結果を反映した国連は、新しい姿に生まれ変わるべきです。国連憲章前文の書き出しに「われら連合国の人民は、」とあるとおり、国連は第二次世界大戦の戦勝国によってつくられました。  二十一世紀の新しい国連は、日本やドイツも加わり、第二次世界大戦後に数多く生まれた新しい発展途上国の国々も加わった現状にふさわしいものにすべきでしょう。そして、何よりも現国連憲章にうたわれた、国際紛争を平和的手段によって解決しなければならない、国連憲章第二条という平和主義を維持しつつ、国と国との紛争のみならず、地域や民族間の紛争をも国連の手によって平和的に解決する具体的方法を世界の国々の合意によって形成すべきではないでしょうか。そして、国内の民族や宗教に起因する紛争に他国や他の国々のグループが干渉することのないよう明確な規定を定めるべきだと思います。  今回のコソボ問題の教訓は、アメリカを先頭とするNATOの国連無視の空爆が現在の国連憲章に照らしても誤りであることを認めることが第一だと思いますが、いかがでしょうか。その上に立って真の国連改革を進めるべきだと思いますが、小渕総理のお考えをお聞きします。  そして、最後に、来年は沖縄サミットが決定しました。まず、総理がなぜ沖縄を選ばれたのか、その真意をお聞かせください。  サミットは今やG8という大きなスケールになりましたが、一九七〇年代のスタートした当初は、いわゆる西側主要国の首脳が一堂に会し、主として経済問題を語り合い、西側陣営の結束を誇示するのがねらいであったと言えるでしょう。しかし、冷戦構造の崩壊後は、イデオロギー対立を超え、民族や宗教の違いを超えて共生の時代を迎えました。サミットも当然さま変わりしなければなりません。しかも、G7とかG8という大国だけで世界の諸問題に対応できる時代ではなくなりました。二十一世紀のサミットはどうあるべきかが問われています。来年の沖縄サミットは、二十世紀最後のサミットとして二十一世紀のサミットを決める大きな役割があります。  二十一世紀こそ平和の世紀でなければなりません。そして、世界の国々、民族が共生する世紀です。環境や福祉が重視され、弱い立場の人々、貧困と飢えに苦しむ発展途上国の人々を救い、ともに平和に生きる世紀にしなければなりません。  そして、沖縄は基地の島です。世界の首脳にその真の姿を見て、理解を深めてほしいと思います。沖縄県民がいかに平和を強く求めているかを直接知ってもらいたいと思います。沖縄サミットは平和サミットでなければならないと思います。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 田英夫議員にお答え申し上げます。  まず、NATOの空爆と我が国の国連重視の姿勢についてお尋ねがございました。  我が国は、先般のNATOによる空爆は、ユーゴ政府が和平合意案をかたくなに拒否し、国連安保理決議に反する行動をとる中、さらなる人道上の惨劇を抑止するため、やむを得ざる措置としてとられたものと理解するとの立場をとってまいりました。  その上で、我が国はG8の一員として、国連が和平実現に向けて主導的な役割を果たせるようにするべく努力をし、その結果、共同提案国として安保理決議を成立させました。このような対応は、まさに我が国の国連重視の外交政策に沿うものと考えております。  日本のサミットに向けての立場についてお尋ねですが、G8の国際経済に占める比重、国際社会における役割は、発足当時から減じているわけでなく、グローバリゼーションが進展する現在の国際社会にありましては、サミット参加国が政策協調と対話を行い、国際社会の安定と繁栄のため貢献する場はますます重要になってきていると考えます。  他方、我が国は、アジアを初めとする途上国の視点をサミットにおいて反映するようこれまでも努めてまいっておりまして、今次サミットにおきまして、国際金融システム改革、貿易等の分野で途上国の立場への配慮を求めたところでございます。  次に、中国のサミットへの参加についてのお尋ねでした。  中国が希望するか否かの問題もございますが、一般論として申し上げれば、参加国の拡大につきましては、メンバー間の議論や政策協調の有効性を基準として、細心の検討が必要と考えられます。  いずれにせよ、二十一世紀におきまして、アジア太平洋地域、ひいては世界の平和と繁栄を確保していくためには、中国を国際社会のより建設的なパートナーとしていく必要があります。私の訪中が実現する場合には、こうした観点からも率直な意見交換を行いたいと考えております。  国連改革に関する御指摘でありました。  我が国は、国連が世界の平和と繁栄のために一層の役割を果たすために、安保理改革を中心とする国連改革が必要であると考えていることを明らかにいたしておきたいと考えております。  紛争解決と国連改革についてお尋ねでありましたが、我が国はこれまでも、国連が複雑で多様な地域紛争への対応を含め国際社会の直面する諸問題に有効に対応するために、紛争解決、紛争後の復興、紛争の未然防止等、紛争の平和的解決に向けた包括的な取り組みを進めていく必要性を主張いたしております。  このような取り組みも含めまして、国連が種々の紛争の対応に向け期待される役割を十分果たすためには、国連、なかんずく安保理の機能強化のための改革が急務であると考え、その実現に努力してまいります。  来年のサミット開催地の決定についてのお尋ねでありましたが、首脳会合を沖縄で開催することといたしましたのは、会議に必要な施設、環境が備わっていることに加えまして、沖縄の長い歴史の痛みと、稲嶺沖縄県知事を初め県民の熱い期待にこたえるとともに、二十一世紀の沖縄の展望を示す意義もあると考えたからであります。  来年のサミットについてでありますが、御指摘のとおり、二〇〇〇年という区切りの年に行われるサミットであるという事実も踏まえ、新しい世紀に向けた明確なビジョンを打ち出す機会といたしたいと考えておりまして、その中には世界の平和への取り組みが含まれることは当然であります。  今後、沖縄県を初めとした各自治体と緊密な連絡をとりつつ、歴史的に意義深いこの九州・沖縄サミットを成功に導くために万全の努力をしていく考えでございます。  以上、お答えといたします。(拍手)     ─────────────

菅野久光各派に属しない議員副議長

○副議長(菅野久光君) 堂本暁子君。    〔堂本暁子君登壇、拍手〕

堂本暁子参議院の会

○堂本暁子君 私は、参議院の会を代表して、小渕総理の帰国報告について質問いたします。  総理は、ケルンで、グローバル化時代の読み書きそろばんは外国語とコンピューター教育だとおっしゃいました。私が十年ほど前に訪ねたサンフランシスコの公立小学校では、日本語の読み書きはもちろんのこと、書道やそろばんまで教えていました。アメリカ人の子供を前に先生が大きなそろばんをはじいているのを見て驚いたものです。  日本でも国際化の時代に対応して、英語だけではなくフランス語やドイツ語あるいはスペイン語など、中国語も入れていいと思いますが、特訓する公立小学校をつくるぐらいのダイナミックな外国語教育を初等教育の段階から展開してはどうでしょうか。御提案申し上げます。  まず、経済問題について伺います。  今回のケルン・サミットの開催国、ドイツのシュレーダー首相は、経済のグローバリゼーションによって各国にあらわれている弊害や行き詰まりをどう解決していくかを新しい課題として提起しました。これを受けて共同宣言では、国際化を制止するのではなく、前向きに構造改革を進めることで、その課題を乗り越えていこうという姿勢が示されました。また、各国首脳は日本経済の回復の兆しを評価したと聞いております。しかし、我が国の経済の現状は、公的な需要創出が一定の効果を示しているにすぎません。依然として民間設備投資は落ち込んでいます。失業率も戦後最悪で、経済が自律的な回復を図るにはほど遠い状況にあります。  総理は、サミット直前の六月十一日に、競争力強化対策など日本経済の再生に向けた取り組みを発表されました。その内容は、企業の事業再構築や技術開発活性化のための環境整備、あるいはベンチャー企業の育成というものです。しかし、こうしたお題目を並べただけでは構造改革は進むものではないでありましょう。必要なのは、総理御自身の強いリーダーシップによって早急に抜本策を組み立てることです。サミットの合意を受け、タイミングを失うことなく直ちに実行に移していただきたいと思います。  アメリカでは、既に官民が一体となって未来産業の創造に向けた技術開発を促進しています。我が国も構造改革を進めるのであれば、官民が一体となって具体的な戦略を練ることです。さらに、官と民の役割を踏まえた共同作業も不可欠だと考えます。御所見を伺います。  次に、ODAについて伺います。  今回、日本はサミットの場で債務帳消しに応じました。この際、債務帳消しの本質的な問題をあいまいにすることなく、ODAを質的に転換する絶好のチャンスにしていただきたいと考えます。被援助国のガバナンス、つまり統治と自治のあり方に今後はもっと積極的に関与していかなければならないでありましょう。今まで以上に地域住民やそれからNGOとの合意形成を図ることも必要です。その際、前提となるのが情報の公開です。例えば、被援助国ごとの円借款債権の総額などは今すぐにでも公開していただきたいと思います。その上で、長期的、包括的な国別戦略に基づいたODAを実施すべきではないでしょうか。  ここ数年、我が国のODAは、ダムや道路などの経済インフラ重視から教育、福祉重視へと転換を試みてきました。しかし一方で、無償資金援助の贈与比率は依然として先進国の中で最下位です。確かに、我が国の有償資金協力はアジア諸国の経済発展に一定の役割を果たしてきました。とはいえ、福祉、教育など短期的には利潤を上げることがない社会開発分野に対する支援策として有償資金協力が適切なのかどうか、もう一度考え直すべきときではないでしょうか。情報の公開と重ねて総理のお考えを伺いたく存じます。  次に、途上国の債務問題についてお尋ねいたします。  今回、アジアで唯一債務救済の対象国として名前が挙がっているのがラオスです。ラオスに対する日本の債権は、九六年に供与したナムルック水力発電事業への三十九億円です。二十年ぶりに再開された円借款ですから、当然十分な審査の上決定したはずなのですが、既に不良債権化しています。ラオスでは二十年前にもダム建設に融資した五十一億円が焦げつき、今も債務救済のための無償資金協力を続けざるを得ない状況にあります。今回、ラオス政府が債務帳消しを求めるかどうかはわかりませんが、どうしてこのような国に再度融資をしたのか、直接間接に負担を負う国民としては納得のいかないところです。  債務を帳消しにするということは、有償資金協力に失敗し、四千億円もの不良債権が生じたということではないでしょうか。この際、すべてを帳消しにしてやみに葬るのではなく、客観的な立場から実態の厳正な評価を行うべきだと考えます。総理のお考えを伺いたいと存じます。  次に、外交政策について伺います。  総理は、紛争の予防、解決にG8が果たすべき役割は重要になるだろうとサミットの場で発言されました。同時に、国連の紛争解決能力を強化するための改革も必要だと強調されています。今まで我が国は国連中心主義をとってきました。今後は外交方針を転換されるおつもりなのでしょうか。また、G8の役割を重視することで国連の存在を弱めることにはならないでしょうか。報告の中で総理は、国連改革と相まってとあえて言われましたけれども、どのようにG8とのバランスをとるおつもりなのか、懸念するところです。  総理の御努力によって、G8の共同宣言には、朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮のミサイル発射実験及びミサイル拡散の動向を深く憂慮する旨が盛り込まれました。評価するところです。  我が国は、対話と抑止という外交姿勢のもと、アメリカや韓国などと多国間レベルの交渉を北朝鮮と展開しています。先ほどからの御答弁で、北朝鮮に粘り強く呼びかけていくと述べておられるのは心強い限りです。しかし、ここで日本の国家の安全とアジアの平和の危機感からあえて申し上げたいのですが、日本は独自に北朝鮮との多角的、多面的な交渉の努力を展開すべきときだと考えています。総理の強い御決意を伺いたいと存じます。  最後に、環境問題について伺います。  現在、地球環境問題の解決に求められているのは、強い政治的な意思とそれを実行する統合的なメカニズムです。  一九八八年のトロント・サミットでは、アメリカのレーガン大統領、フランスのミッテラン大統領、そして日本の竹下総理など、地球温暖化に危惧を抱く世界の首脳たちが地球環境を守るために強いリーダーシップを発揮し、九二年の地球サミットを実現しました。その地球サミットでは、気候変動枠組み条約や生物多様性条約が採択されましたが、以後、こうした環境関係の条約の事務局はボンやモントリオールやナイロビなどいろいろなところに分散して、完全に作業が分断されています。そのため、温暖化による生物多様性や地球の生態系、砂漠化、ひいては食糧問題への影響など、包括的なアプローチをとることが困難な状況にあります。  それに拍車をかけているのが硬直化した国連の縦割り行政です。国連開発計画、国連環境計画、国連人口基金など、関係機関の連携が悪かったりダブりがあったりしています。財政的にも仕事の効率の上でもむだが多いと言われております。国際世論も、今や国連改革と同時に条約事務局が有機的に統合されたメカニズムが必要だと訴えています。こうした硬直化した状況を打破できるのは、G8の首脳が集まるサミットにおける強いリーダーシップ以外にはございません。にもかかわらず、トロント以後のサミットでは課題とされてきませんでした。  そこで、私は、来年の沖縄サミットの場において、日本のイニシアチブで、地球環境問題を解決するための統合的なメカニズムの構築をぜひとも実現していただきたいとお願いを申し上げるのですが、総理の御所見を伺いたいと存じます。  これで、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 堂本暁子議員にお答え申し上げます。  官民が一体となって抜本的な経済構造改革に取り組むべきでないかとのお尋ねがありました。  堂本議員御指摘のとおり、経済の供給面の体質強化のためには、官民が一体となって取り組んでいく必要性があります。このような認識に立ちまして、本年三月以降、官民が意見交換する場として産業競争力会議を開催いたしております。  先般取りまとめました産業競争力強化対策は、この会議での議論を踏まえたものであり、技術開発につきましては、産学官による国家産業技術戦略の策定、高齢化対応、環境対応、情報化対応の分野における官民共同プロジェクトの推進といった施策を盛り込んでおります。  今後、本対策の速やかな実施等を通じまして、抜本的な構造改革を推進してまいります。  次に、ODAについてお尋ねがありました。  既に被援助国ごとの円借款債権総額を初め情報公開に努めてきたところでありますが、今後もODAの課題や国別の援助計画を明確にし、事業の選定から実施、事後評価に至るまでの透明性を一層高め、さらなる情報公開を進めてまいりたいと考えております。  また、援助のあり方につきましては、個々の途上国の発展段階や債務負担能力についての配慮、途上国の開発計画、我が国の援助理念等を念頭に置きながら、援助の対象分野に応じた適切な形態を検討してまいりたいと考えております。  途上国の債務問題についてお尋ねがございました。  ラオスの例等をお取り上げになられましていろいろ御指摘をちょうだいいたしております。  債務救済の措置が必要な重債務貧困国の多くは、国際状況の変化、国内の政治的、社会的混乱、不適切な経済政策等の事情によりまして、自国の開発のために十分借款を生かし切れなかったものと考えられます。  こうした事態を事前に予見することは非常に困難でありますが、政府といたしましては、結果としてこのような債務問題が発生したという事実を真摯に受けとめ、今後はより慎重な対応が必要であると考えております。  G8の役割と我が国の国連重視の外交方針についてのお尋ねがありました。  さきのサミットにおきまして、G8の紛争解決における役割は一層重要になると私は述べましたが、同時に、コソボ問題のような紛争の解決、予防のためには特に安保理改革が急務であると発言をいたしました。  コソボ問題においてはG8は国連を補完する役割を果たしましたが、このようなG8の役割を重視することは、国連重視という我が国の外交政策の柱を変更するものではないと考えます。  北朝鮮に関するお尋ねでありましたが、我が国が米韓と緊密に連携して対処すべきことは言うまでもないと考えますが、同時に、抑止と対話のバランスをとりつつ、北朝鮮がミサイル問題等の国際的懸念や拉致問題を初めとする日朝間の懸案に建設的な対応を示すのであれば、対話を通じまして関係改善を図る用意がある旨常に呼びかけ、もって北朝鮮との間の信頼醸成に努めていきたいと考えております。  沖縄サミットでの地球環境問題に関する我が国のイニシアチブについてお尋ねがありました。また御提案がございました。  我が国は、地球環境問題を我が国が国際貢献を果たしていく最重要分野の一つと位置づけております。国際的に一層効率的、効果的に地球環境問題に対処すべく、御示唆のありました統合されたメカニズムによる関係機関の連携強化に関する御提案も踏まえつつ、引き続き本分野で積極的に取り組んでまいる考えであります。  以上、お答えを申し上げました。(拍手)

菅野久光各派に属しない議員副議長

○副議長(菅野久光君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十八分散会      ─────・─────

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