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145回国会参議院1999/03/23

法務委員会 第3号

発言数
255
登壇者
24
会派数
7
開催日
1999/03/23

会議録

荒木清寛公明党

○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十九日、円より子君が委員を辞任され、その補欠として小川敏夫君が選任されました。  また、本日、千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君が選任されました。     ─────────────

荒木清寛公明党

○委員長(荒木清寛君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒木清寛公明党

○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に海野徹君を指名いたします。     ─────────────

荒木清寛公明党

○委員長(荒木清寛君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件並びに平成十一年度海難審判庁業務概況に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 自由民主党の大野つや子でございます。よろしくお願いいたします。  本日、私はオウム真理教の現状についてお伺いしたいと思います。  さきに公安調査庁からオウム真理教の組織実態の概要という資料が公表されました。新聞などマスコミ等でも大きく取り上げられております。平成七年の地下鉄サリン事件から既に四年を経ました今日でもなお国民の関心は高く、その多くが教団の復興に不安や危惧の念を抱いているところであると思います。  そこで、破壊活動防止法に基づく団体規制請求の棄却決定後、活動を一段と活発化させている教団の現状と、最近における活動の特徴点について公安調査庁長官にお伺いしたいと思います。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) お答え申し上げます。  オウム真理教は、平成九年一月に破壊活動防止法に基づく団体規制請求が棄却されましたが、その決定の直後から組織勢力の再興、復興に乗り出しておりまして、現在、合議制の意思決定機関、長老部など十五の中央部署を擁しており、これら部署を配置した拠点施設や支部、道場などを次々と増設しておりまして、教団施設は十七都道府県三十六カ所に及んでおるのでございます。  信徒につきましては、今なお出家信徒五百人以上を擁しておりまして、在家信徒も多数が活動中でございます。  また、教団の活動につきましては、麻原彰晃こと松本智津夫の説く殺人をも肯定する危険な教義を堅持しておりまして、新たな信徒の獲得に向けた取り組みや脱会信徒に対する復帰の働きかけを強めている状況にあります。  こうした活動の一方で、教団は関連企業の事業収益から多額の活動資金を得ていることが認められるのでございまして、中でも資金獲得の中心的な役割を果たしておりますパソコン販売事業におきましては、昨年一年間における総売り上げが七十億円を超えるものと推計されておりまして、教団側は相当額の収益を得ているものと思われます。  最近における教団活動の特徴点といたしましては、こうした潤沢な活動資金を背景にいたしまして、首都圏や長野県、山梨県などを中心に相次いで施設を確保していることが挙げられるわけでありまして、これらの施設の確保をめぐりましては各地で地元住民らとの間で紛争が引き起こされて、それらの紛争が激化する様相を呈しているということが認められるのでございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 ただいまの御答弁によりますと、豊富な資金力を背景に次々と活動の拠点を確保しているというようなお話でございました。  組織、勢力の拡大を活発化させているオウム真理教の現状や活動の特徴点についてただいま伺ったわけでございます。わかったような気がするんですが、まだまだはっきりした点がよくわかりません。  教団の活動が活発化していく中で、進出先の地元住民との間で大変紛争が多発しているということも聞き及んでおりますが、その具体的な状況についてもう少し御説明をいただきたいと思います。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) 教団施設をめぐりましては、各地におきまして教団進出に反対する周辺住民らとの間で紛争がますます激化しておる状況でございます。現在、全国十七都道府県に存在する三十六の施設のうち、その半数以上に当たる十一都府県十九の施設におきまして、訴訟の提起や住民組織の結成など、紛争事案が発生しております。  中でも、教団の進出が著しい長野県では、県内六カ所の施設のうち四カ所におきまして、地元自治体と住民が一体となって反対運動組織を結成し教団の退去を求めて活発な運動を展開しております。これら四カ所のうち、木曽福島町及び北御牧村の二つの教団施設につきましては、地元自治体や住民などによって提起された教団の立ち退きなどを求める訴訟が係属しているところであります。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 全国十七都道府県三十六カ所という施設を確保する、そのうちの十一都道府県十九カ所の施設において紛争が引き起こされているということです。  今御答弁いただきました中で長野県木曽福島のお話をいただいたわけでございますが、実は私は岐阜県なんでございますが、岐阜県美濃加茂市に所在いたしております教団施設をめぐって大変地元の住民が危機感を持っているという現状を今聞いておるわけなんでございますが、どのような実態なのか、御説明をいただけますでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) 木曽福島町の施設と岐阜県の美濃加茂市に所在する施設の件について御説明を申し上げます。  長野県の木曽福島町所在の施設は、建物の内部を改造いたしまして独房の修行部屋を増設するなどしており、その上多数の信徒の修行場として使用されておりまして、そうした実情から地元住民らが不安感を募らせている。それで、信徒の早期立ち退きを求めまして、平成十年七月に地元自治体と一体となってオウム真理教対策協議会を発足させるに至っております。さらに同年九月には、地元自治体や住民らが原告となりまして、建物の使用禁止と退去を求めて長野地裁松本支部に訴訟を起こしまして、現在、長野地裁において訴訟が係属しているところでございます。  岐阜県美濃加茂市の施設につきましては、信徒用の食品類を製造する施設として使用されているものと認められるのでございますが、この施設をめぐりましては、教団進出直後からこれに不安を持ちました地元住民が日常的に監視活動を続けておりますけれども、ただ現在のところ、表面的には企業活動をしているというにとどまっているわけでございますので、住民側は当面事態を静観しておるという状況でございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 ただいま公安調査庁長官からオウム真理教が全国各地で施設確保をめぐってさまざまな紛争を引き起こしている事案について御説明をいただいたわけでございますが、教団の活動拠点の地域住民の方々の不安や危惧の念を取り除くことは急務な課題と考えます。  そこで、オウム真理教の動きを封じ込めるためいかなる方策をとるおつもりなのか、この点につきまして大臣の御所見を伺いたいと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) オウム真理教は、地下鉄サリン事件を初め我が国の犯罪史上例を見ないような凶悪な事件を引き起こし、現在においても、ただいまの先生の御指摘あるいは公安調査庁長官の説明のように、なおこれらの一事件について何ら反省や謝罪の意も示さないまま組織の再興を図ろうとしており、これに対して国民がはかり知れない不安や恐怖心を抱くことについては至極当然のことと考えております。  オウム真理教の諸動向に対しましては関係機関による幅広い対応をすべきであると考えており、このような観点から、法務省といたしても、国の関係機関、警察庁、国税庁、自治省などに必要な情報の提供など緊密な協力関係を保つとともに、県などの関係自治体にも情報を提供するなどして地域住民の不安の解消のためできる限りの努力をしてまいりたいと考えております。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 オウム真理教が今なお危険な存在であり、公安調査庁において厳重な調査を行う必要があるということはわかりました。  当委員会におきまして公安調査庁長官は、かつて、今後の教団の動向いかんによっては処分の再請求を行う可能性もあり得る、そのような御答弁をしておられましたが、教団は以前にも増して危険の度合いを強めていると思います。地域住民の方々の不安を一掃するためにも、教団に対して処分の再請求を行う考えはないのでしょうか、お伺いしたいと思います。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) 委員御指摘のとおり、昨年九月の当委員会におきまして長官が、今後の教団の動向いかんによっては処分の再請求を行う可能性もあり得る、このように答弁しておりまして、現在も同様に考えておるところでございます。  ただしかし、破壊活動防止法による団体規制の要件は厳しいものがございまして、規制の客体となり得る団体が、第一に「団体の活動として」、第二に「暴力主義的破壊活動を行つた」、また第三に「継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由がある」こと、こういった三点が掲げられておるところでありまして、団体規制が認められるためにはこれらの要件をすべて充足する必要があるわけでございます。  ところで、教団の現状は以前にも増して人的、物的、資金的にその能力を増大させており、しかも今なお危険な体質を維持したまま活動を活発化させておるというのは事実でございますけれども、破壊活動防止法に規定する要件を満たすほどの明らかな危険性があらわれていると現時点において認めることは困難であろうと思われますので、直ちに再度公安審査委員会に処分請求をする状況にはない、こう考えております。  しかしながら、同教団は活動拠点周辺の住民とのトラブルも認められることなどから今後も厳重な警戒が必要でありまして、そのため調査、監視活動に最大限の努力を払っているところでございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 破壊活動防止法による団体規制は大変厳しい今の三点をクリアしなければいけないんだということはよくわかったわけでございますけれども、現在のオウム真理教を取り巻く現状を見ますと、私は、公安審査委員会の決定は大変残念な結果であったと思うわけでございます。最近マスコミでも盛んに取り上げられているように、教団に対する国民の不安感が払拭されるどころか日増しに増大をいたしている状況でございます。団体規制法であります破壊活動防止法の適用が難しいというのであれば、これにかわる新法の制定を検討すべきではないのでしょうか。この点、公安調査庁長官のお考えを伺わせていただきたいと思います。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) 委員御指摘の新法というものの内容いかんによることであると思うわけでございますけれども、オウム真理教のような団体の活動を規制する、こういうことになりますと、やはりいわゆる団体規制法にならざるを得ないのではないかと考えております。  団体に対する規制につきましては、現に破壊活動防止法という法律が定められているところでございますので、まずその適用によって対処すべきである。したがって、新規立法までは必要がないものと考えておりますけれども、有効かつ適切な団体規制を行うという観点からいたしますと、現行破防法の見直し作業が必要であり、その作業を現在鋭意進めておるというところでございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 ただいま長官は、団体に対する規制というものはあくまで現行の破壊活動防止法によるべきであるとのお考えのようでございました。破防法には改善すべき点も多々あるというように今お伺いしたわけでございますが、公安調査庁では同法の改正に向けて検討しているとの今お話でございました。どのような点を改正しようとしているのか、また、法案の提出時期はいつごろになりますか、概要だけでも結構でございますが、お話しいただけたらと思います。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) ただいま御説明いたしましたように、現行破壊活動防止法の適用要件は非常に厳格でございます。同法が社会情勢や時代の変化に適応できるように、また、先般のオウム真理教に対する規制請求手続の経緯をも踏まえますと、同法の適正な内容がどうあるべきかについて所要の検討を早急に進めているところでございます。  その内容はまだ部内における事務レベルの検討でございまして、まことに恐縮なんでございますが、今の段階で具体的に明らかにできる段階ではございませんけれども、団体規制の内容とその手続の両面につきまして検討をしているところでございます。  また、改正案の提出時期につきましても、現在内部の検討段階でございますので、現時点ではいつ提出できるのか特定するに至っていない状況でございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 オウム真理教の活動に対処するためには、破壊活動防止法はもとより、関係法令の整備が必要と思われますが、その点、法務大臣いかがでございましょうか、お伺いしたいと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 現行破壊活動防止法は昭和二十七年に制定され、その制定当時と今日とでは社会情勢に大きな変化があることは否定できません。およそ法律というのは社会情勢や国民の意識の変化を反映したものであるべきと考えております。また、先般のオウム真理教に対する規制請求が棄却された経緯もあり、これらを勘案すると、破壊活動防止法を中心とする関係法令について整備が必要である、こういうふうに認識しており、公安調査庁に検討を進めさせておるところでございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 ありがとうございました。  せっかくの機会でございますので、次は海難審判庁に関するお話を伺わせていただきたいと思います。  我が国は、申すまでもなく、四面を海に囲まれ、海を人や生活に必要な物資の輸送、漁業あるいは余暇の場としても利用しております。とりわけ我が国は、国民生活や経済活動を維持していく上で必要なエネルギー資源や食糧の多くを海外に依存しておりますし、製品を諸外国に輸出し、これらの物資の大部分を海上輸送に依存しておる現状でございます。また、国内ではさまざまな旅客船や貨物船が運航され、重要な交通手段や輸送手段となっておるわけです。  このように我が国の国民生活、経済活動は海に大きく依存しております。海上交通の安全確保は極めて重要な課題であると私は常日ごろ思っているわけでございます。このため、海難事故の実態に即して海難の原因を究明し、その再発防止に資するという海難審判庁の役割は大変重要なものがあると思います。  そこで、一昨年はナホトカ号の折損事故とかダイヤモンドグレース号の乗り上げ事件などが発生して、事故原因の究明は国民の関心事となったところでございますが、海難審判庁として、海難審判の現状と取り組み方についてどのような御認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。

林幹雄自由民主党運輸政務次官

○政府委員(林幹雄君) 大野先生御指摘のとおり、海難審判によって海難の原因を明らかにいたしましてその発生の防止に寄与することを目的としておりまして、海難審判庁は、第一審を担当する八カ所の地方海難審判庁及び第二審を担当する高等海難審判庁と理事官の事務を統括する海難審判理事所によって構成しております。  我が国の海上輸送は、船舶の大型化、高速化、あるいは専用船化など大きく変化をしてまいりました。船舶交通は、外国船やプレジャーボートの航行が増大するなど、依然としてふくそうしているところでございます。このような中で、海難の発生件数はおおむね七、八千件でございまして、漸減傾向にはありますけれどもその様態は多様化そして複雑化してきております。社会的にも影響の大きい事件は後を絶たない状況でございます。  このため、迅速かつ集中的な調査及び集中審理を実施するなど、諸情勢の変化に対応した原因究明体制の充実強化を図りまして、より的確な海難原因の究明に努める所存でございます。  以上でございます。

大野つや子自由民主党

○大野つや子君 大変重要なお仕事でございますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。  これをもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 民主党・新緑風会の海野であります。  法務大臣の所信表明について若干質問させていただきたいと思います。  まず、大臣にお聞かせいただきたいのですが、陣内大臣の郷里、佐賀の大先輩であります司法卿江藤新平さんが、これで佐賀県としては司法行政のトップに立たれるのは二人目だと思うわけなんですが、明治五年に司法省誓約五箇条ということを定めておりまして、一つには「きちんと正しく、潔白に職務を行い、民の司直たるべきこと」、二つ目には「法律を良く守り、人民の権利を保護すべきこと」、こういうような司法省誓約五箇条というものがあるわけなんです。大変簡潔に司法の役割を定義しているかと思います。今でも十分通用すると思いますし、かえってこれが新鮮に映るような社会状況が今あるものですから、我々としてはこういう世界にいて大変じくじたる思いがあるわけなんですが、新法務大臣として、法務行政の責任者としての基本的な理念をまずお聞かせいただきたいと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 法務行政は、法秩序の維持と国民の権利の保全という法治国家において最も基本的で重要な事柄を使命としておりますが、この使命を的確に果たすべく、厳正公正を旨とし、全力を尽くして法務大臣としての職責を果たしてまいりたいと考えております。  委員が御教示くださった郷里の大先達の江藤新平先生の司法省誓約五箇条の教えは、今にも生きる司法の基本理念として私自身もこれからよく拳々服膺して法務行政に取り組んでまいりたいと考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 それでは、ぜひ司法省誓約五箇条というものをきちっとお読みいただいて、これから当たっていただきたいと思います。  就任の所信表明の中で、「明治維新、第二次世界大戦に続く第三の改革の時期」という表現があります。大臣が第三の改革期ということを表明される理由はいかなるものかということをお聞きしたいわけなんですが、私自身は現在の日本というものを大きく変えなけりゃいけないと思っております。それは、大切なものを残す、守るためにみずからを大きく変える、そういう決意をするべき時期に来ているのではないかと私は思います。  中庸の中に、「国家将に興らんとするや、必ず禎祥あり。国家将に滅びんとするや、必ず妖ゲツあり。」、こういうくだりがあります。国が興隆し大きくなろうとするときには、必ずその兆候は好ましいものがあります、若者の心に活力がみなぎったり、人情が厚くお互いに高め合う姿勢があるんだと。これに反して、国が滅びようとするときには必ず不吉ないろんな社会現象がある。例えば、官吏が堕落するとか邪教がはびこるとか、オウム真理教もそうだと思うんですけれども、いろんなそういうようなことがあるのではないかと。それが中庸に述べられているわけなんです。  第三の改革期を迎えて、私は今回の改革というのは非常に実現が難しいんではないか、それだけに心してやらなくちゃいけないなと思っているわけなんですが、大変多くの方々が現状維持を希望しております。できるだけ大きな変動なくして改革をやろうというようなお気持ちがあるのではないか。特に中枢的リーダーあるいはサブリーダー層、そして若者を含めて、社会にもあるいは家庭内にも、私は、こういう表現をしていいかどうかわかりませんが、精神の衰弱があるように思えてならないわけです。そういう中であえて改革をしよう、改革期であると大臣がお述べになっているその背景、理由をお聞かせください。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 委員も御指摘なさいましたように、明治維新、それから戦後、これに続く今回が第三の改革だと、これはさきの小渕総理大臣の施政方針演説の中でも総理から語られたところでございます。  戦後、驚異的な経済成長と繁栄をなし遂げてまいりました。しかし、最近の価値観の多様化とか世界的な流動化により、過去に有効であったシステムが今や足かせになっておるということも少なくございません。過去の成功体験の上で安住し続けることは許されない状況になっており、二十一世紀を希望と活力のあるものにするためには、社会のシステムを大きく見直し、足かせとなっているものを壊し、新たなものをつくり上げなければならない、こういう認識で第三の改革の時期というふうに申し上げたところでございます。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 社会的には大臣のおっしゃるような状況、大変いろんなところでほころびはありますし、いびつになってきておりますから、変えなきゃいけない。ボーダーレス、グローバル、そして情報技術がますます発展していっておりますから、まさにいろんな意味でシステムを変えていかなくちゃいけないと思うわけなんですが、私は法律の専門家でもありませんものですからよく思うんですが、法以前に良心とか常識というものが人間にあるんじゃないか、そんなことを思っています。  最近、先ほどの中庸のまさに国滅びんとするときというような状況があります。過日、中村委員が官官接待の話もしたわけなんですが、私は、自分の金で何かをすることのさわやかさを知らない人間というのは人の上に立ってはいけないと思っております。人に出してもらうことだけが楽しいというようなことがあってはならない。それが往々にしてあったり、いろんな意味で今、景気対策あるいはその中の根本原因である金融機関の不良債権よりも、エリート層あるいは指導者層の心の不良債権処理の方が大事じゃないかと私は思っております。  そういった意味で、重ねてお伺いしたいわけなんですが、エリートのあるべきモラルとか資質の再生ということで大臣は何が必要とされるか、お聞かせいただきたいと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 大変難しいお尋ねだと思いますが、いずれにしても、エリートである以上は見識が豊かでなければならないと思います。そういうものを備えて、国際性、あるいは歴史、文化、伝統、こういうものを十分身につけた上での行動規範、あるいは思考のあり方、こういうものを確立していくようにすべきではなかろうか、私自身はそのように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 このような質問をなぜさせていただくかということなんですが、司法制度改革、これは何物にもかえがたい改革であるということでありますから、その先頭に立たれる大臣にこのような質問をさせていただくわけなんです。  サミュエル・スマイルズが「品性論」というのを書いております。これは、多分お読みになってお目を通しているんじゃないかと思いますが、国としての品格は自分たちは偉大なる民族に属するという感情からその地位と力を得るものである、先祖の偉大さを受け継ぎ先祖の遂げた栄光を永続させるべきだという風土がその国にでき上がったときに国家としての品格が高まる、こういうふうにスマイルズは書いています。まさにそういう品格のもとに法律があるべきでありますし、そのもとに私はこれから司法制度改革の議論をしていただきたいという思いがありまして、御紹介させていただきました。  それでは次に、司法制度改革について、素朴な疑問点もありますから、各論にわたってお伺いしたいと思っております。  二十一世紀の我が国の将来を見据えての政治改革、行政改革、経済構造改革あるいは司法改革というようなことをやろう、そういう声が多くなっておりますし、まさに今その時期に来ているわけなんですが、まだまだ現在の司法が通俗的に二割司法だと言われて、非常に寂しい現状がある。  そこで、法務大臣、現在の司法の状況、司法の現状というものについて、一般的には二割司法とかというような表現があるわけなんですが、どのように認識していらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。現在の司法の現状についてです。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 国の内外、大きく変化しております。そういう中で、司法制度についても、規制のあり方も事後チェック型に変わっていくというような中で、司法に対する国民の法的ニーズというのは大変高まってきていると思います。  そういうことを考えますときに、これまでの司法をもっと国民の立場に近づけて、国民の視点でこれを利用し、権利や利益を守っていけるようにする必要があろうかと思います。その点で、これからかなり適切な改革を迫られてくるんじゃないか、このように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 私も法律については素人であります。大臣からお話を聞かせていただいて、うん、なるほどわかりましたというような状況にはなかなか至らないわけなんですが、先に質問を続けさせていただきたいと思っております。その中でまた明確になってくるんではないかと思うんです。  司法制度改革となると、やはり法曹界との関係、非常にいろんな意味で大きな問題が出てくるんではないかと思っております。これは新聞報道ですから事の真偽のほどはわかりませんが、前法務大臣は非常にいろいろ法曹界との確執があったやに報道されております。だけれども、やはりいろいろ相談していただかないとならないわけでもありますし、またいろんな意味で議論を闘わせなきゃならないという関係でもあるわけなんです。  これから司法制度改革をする中で、そういういろんな団体との意見交換、あるいは国民からの意見の聴取を含めて、私は、国会の果たす役割というのは、国会というのは立法府でありますから、非常に大きくなってくるんではないかと思います。  それで、三点ほどその点からお伺いしたいんですが、大臣が司法制度改革に取り組むに当たって、先ほど概念的なというか理念的な姿勢の点からもちょっと聞いたわけなんですが、司法制度改革に対する姿勢、いま一度明確にお答えいただきたいと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 一言で申し上げれば、国民のための司法を確立していく必要がある。二十一世紀を目前にして、経済社会、あるいは外国の事情、大きく変わりつつあります。その中で、規制緩和が進み、国民の権利、利益、こういうものを守るための司法のあり方を求めていかなければならない、このように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 国民にとって使い勝手のいい、国民のための司法改革ということでありますね。  それでは、二点目にお聞かせいただきたいんですが、先ほど法曹界との関係ということを話したわけなんですが、法曹界との関係はどのようにお考えになっておりますか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 法曹界との関係についてでございますが、当然、これから積極的に協議をしながら一緒になって司法改革に取り組んでいく必要がある、このように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 それでは、場面場面に応じては大変いろんな対立した意見が出てくるかと思いますし、非常に議論が白熱することもあるわけなんですが、それもあくまでも国民の視点に立ってきちっと議論していくということでよろしいわけですね。  では三点目、先ほど言いましたように、国会が立法府であれば、司法制度改革審議会そのものを国会に置くべきではないかという意見もありますし、私も個人的にはそう考えているわけなんですが、大臣の見解をお願いします。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) そのようなお考えもあろうかと思います。ただ、総合的な施策を進めていく、その中で予算や立法もそれに関連して必要になりますので、そういう観点から、この審議会は内閣に置くというのが適当である、このように考えたところでございます。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 では、司法制度改革審議会の検討項目、具体的にお話しいただけますか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これにつきましては、審議会を設置していただいて、二十一世紀の司法のあるべき姿について審議会として検討すべき事項につきみずから選んで検討を進めていただく、調査、審議をしていただく、このようになることを期待しております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 もう少し細かなことでお話をお聞かせいただきたいんです。何か一部にもう報道もされているようなこともあるわけなんですが、もう少し中身について詳しくお聞かせいただけますか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これまで司法制度改革について各界から具体的な各種提言がなされております。その中には、例えば法曹人口の増加とか裁判の適正迅速化、あるいは国民の司法参加のあり方といった点も挙げられておりまして、こういうものを含めて審議会での審議が行われるであろう、このように想定しております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 新聞報道によりますと、法務省がまとめた司法制度改革のための検討事項は次のとおり。一つには、法曹の質と量の強化、あるいは社会経済システムの変革に合わせたさまざまな基本的な法律、許認可、免許付与等に関する法律の見直し、あるいは裁判の迅速化、四番目に陪審制度、参審制度の導入等々発表されて、これは法務省がまとめた司法制度改革の検討事項だということなんですが、今大臣はこういう具体的な中身はお話しにならなかったんですが、法務省の方、具体的にはこういう内容でよろしいんですか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 新聞報道がなされているのは存じ上げております。また、それが当時法務省内で検討されていたのも事実でございます。  ただあくまでも、先ほど大臣が御答弁なさいましたように、この審議会は審議会御自身で、二十一世紀の司法にとって何が重要で何を改革すべきかということは基本的に審議会がお決めになることであるというふうに思っております。  そこで想定されておりますのは、ここまでいろいろな諸団体、例えば経団連とか日弁連とか幾つかの団体が司法改革のビジョン、提言等を出しておりまして、これらの提言、ビジョン等を取りまとめますと大体そういうような内容が盛り込まれているということで、もちろんそれらの提言類につきましては審議会で御紹介することとなりますので、恐らく論議の方向としてはそういうものが入ってくるのではないかという一種の想定とお考えいただければと思います。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 それでは、これは法務省がまとめたわけじゃないんですね。そういうような提言がいろいろあって、おおよそそういうものだろうということであって、まだ白紙の状態ということですか。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 繰り返しになりますが、審議会は国民的視点に立ってみずから次の時代の司法改革はこうあるべきということを審議していただくことになっておりまして、私どもとしては、役人がその審議会の方向づけをするということは厳に慎みたいと考えております。  したがいまして、そこでまとめられておりますのは、これまでの提言等を参考にしながらどういう検討項目があるかということを法務省が想定したものでありまして、決して法務省が審議会の審議項目についてこのようなことが審議されるということで事務局案としてつくったような性質のものではございません。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 厳に慎みたいということですから、ぜひ厳に慎んでいただきたい。  そうなると、検討項目を含めてどのような検討をするかということから、人選というのは大変重要な問題になってくるわけなんですが、その点について大臣にお伺いしたいが、よろしいですか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 人選につきましては、審議をお願いするテーマが二十一世紀の司法のあり方、そのための改革やあるいは基盤整備のあり方についての国民的論議をしていただきたいということで、それにふさわしい方をお願いすることになろうかと思いますが、これはあくまでも国会の同意人事でございますし、また内閣がこれを任命することになるわけでございます。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 先ほど江藤司法卿の話からずっと出したわけなんですが、要するに方向性を決めてしまってそれに当てはまる人を選ぶというようなことは厳にやってはならないと思いますから、その点について大臣に再度お伺いします。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) そのように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 それでは、最高裁に対してお伺いしたいわけなんです。  司法制度改革は国民の立場に立って行われなければならない、また司法の運営それ自体も国民の視点に立って当然行われなければならないということなんですが、そういった意味では参審制度、陪審制度、こういうものの導入も検討されるかと思います。それに、法曹の一元化の実現ということも議論になってくると思います。  参審制度、陪審制度導入あるいは法曹一元化に対して、最高裁としてはどのような御見解をお持ちでありますか。

浜野惺最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(浜野惺君) 現在、司法制度改革については、今議員御指摘のとおり、内閣に審議会が設置されるということで法案が提出されているところでございます。  今も話題にのっておりましたように、どのような項目が検討されるか、これは審議会で御決定いただくということでございますので、裁判所としては審議の項目についてどういう項目が審議されるか、あるいはその項目についてどういうような意見を持っているかということは現段階では意見を差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、裁判所といたしましては、審議会の議論がなされればその議論を踏まえながら実証的、多角的に検討をしてまいりたい、こう考えております。  委員御指摘の陪審制、参審制につきまして少しく補足させていただきますと、陪審制、参審制につきましては、諸外国におきまして国民の司法への参加という趣旨からこれらの制度を採用している国もあることは承知しているところでございます。我が国では、民事及び家事の調停委員、簡易裁判所の司法委員など、国民が裁判所の手続に参加する制度がございまして成果を上げているところでございます。  我が国におきましても陪審制、参審制を導入すべきとの意見があることも承知しておりますが、この問題は司法の根幹にかかわるものでございまして、主権者である国民みずからが決定すべきものと考えておりまして、裁判所は結論的なことを申し上げる立場にはないと認識しているところでございまして、国会等におきまして国民の意見に基づき適切に判断されるべき事柄である、かように考えております。  なお、これらの制度の導入の当否を検討する際には、これらの制度がとられている諸外国における歴史的、文化的事情を含めましてその実態を十分に理解した上で議論することが不可欠であるというふうに思われます。  さらに、委員御指摘の法曹一元について少しく補足させていただきますと、弁護士の中から裁判官を任命するいわゆる法曹一元につきましては、昭和三十七年に内閣に設置されました臨時司法制度調査会で検討が重ねられまして、昭和三十九年に出されました同調査会意見書では、法曹一元の制度はこれが円滑に実現されるならば我が国においても一つの望ましい制度であるが、この制度が実現されるための基盤となる諸条件はいまだ整備されていないとされたわけでございます。  裁判所といたしましては、法曹一元については調査会の意見と同様の立場に立って考えてきているところでございますが、仮に再び政府に審議会が設置されまして、その場において法曹一元が議論されるとすれば、裁判所といたしましても審議会での議論を踏まえてさらに検討を進めてまいりたいと考えている次第でございます。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 これから大いに議論するところでありますから、最高裁としてもその議論を十分ウオッチしていただきながら検討していただきたいと思います。  では、次に入ります。  今、少年法の改正案がまた議論されようとしております。  大臣にお聞きするわけなんですが、ことしの二月に仙台高等裁判所秋田支部長であった方が投稿されました。それは、参審制を少年審判に導入すべきではないかというようなことであります。少年法の理念であった国親思想、こういうものが時代おくれだとしても、少年非行に対する取り組みは地域あるいは市民社会からの英知に基づくべきものであることは否定し得ない事実でありますから、そういった意味では事案に応じて裁判官と市民が合議体を構成する参審制、これを少年審判に導入すべきじゃないか。少年審判の現場に携わった方からのこういうような提案なんですが、大臣、そして最高裁としてのこの提案に対する見解を求めたいと思います。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 少年審判に参審制を導入すべきではないかという議論があることは承知しております。ただ、少年審判にどういった制度をとるかということにつきましては、現在の少年法の根幹であります国親思想を背景としました職権主義的審問構造、これへの評価がいかなるものかということになろうかと思います。現在の少年法改正の論議の中では、法制審でいろいろな論議があったわけでございますが、その中でも職権主義的審問構造、またその土台となっている国親思想といいますか、それに基づく少年法の根本的な思想というものについては、戦後五十年それなりの役割を果たしてきたという評価でございました。  現在の少年法の改正は、そういった前提に立ちまして、喫緊の課題であります事実認定手続の改善といいますか、そういったことに改正の主眼を置いているところでございます。

浜野惺最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(浜野惺君) 参審制度は国民の司法参加の一形態でございまして、委員御指摘のとおり、裁判に関する国民の関心を高める効果があるのではないかとの指摘もございます。  しかしながら、少年審判手続への参審制度の導入の当否を検討する際には、この問題が刑事司法全般にわたる重要な問題であることを念頭に置きつつ、少年の健全な育成という少年審判制度の目的を踏まえ、その科学性、専門性や秘密性の要請との調和を初め、参審員となる国民の負担、付添人となる弁護士の負担などさまざまな観点からの検討を要するもの、かように考えているところでございます。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘の参審制度あるいは陪審制度につきましては、国民の司法参加の見地から見た意義はありますが、我が国の司法の基本にかかわる問題でありますので、広く国民の意見を踏まえて種々の観点から議論される必要がある、このように考えております。  陪審制や参審制について種々の議論があることは承知しておりますけれども、これらの制度の導入については、そのような制度による裁判に対する国民の信頼の確保、陪審員等としての責務を負うことについての国民の理解等、種々の観点から慎重に検討しなければならないと考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 この提案はある意味では経験に基づいた貴重な提案ですから、どう考えるかというような御質問をさせていただいたわけです。  私は一方で、先ほど社会的な現象として精神の衰弱現象が日本の世の中にあるというような指摘もさせていただいたわけですが、過日、ナイフのいろんな事件がありました。バタフライナイフですか。そのときとった処置というのは、売ってはいけない、買ってもいけない、持ってきてはいけない、もちろん使ってはいけないというようなことだったろうと思います。すべて取り上げればそれで済むという考え方、これもいかがなものかと私は思っているわけです。  いろんな場面においてそれが必要である、非常に有用性を発揮して、しかもそれが生命にかかわる、あるいはみずからの命を救う状況にも使える道具でもあるはずなんです。だから、むしろその有用性、使う時期、使い方というものを教えるべきであって、ただひたすら取り上げるということは大人としての責任の放棄じゃないか、あるいは非常に未成熟な処置ではないかと私は考えるわけなんです。  そういうことが社会的背景にあるだけに、余計少年の健全育成に、子供たちを将来社会に役に立つような大変すばらしい人材として育てていきたい、これは国全体の仕事であるだけに、私はこういうような問題にもみんなで参加していく、みずからの問題として共有してその解決に当たる、そういう姿勢が必要ではないか。  そういうことをやらないでおきますと、あれは勝手に我々の知らないところでやっているんだから、ただ取り上げておけばいいじゃないか、非常にそういう未成熟な無責任な対応に社会的になっていくんではないかと思いまして、その辺について考え方が私はあるものですから質問をさせていただいたわけであります。いま一度大臣の御見解をお聞かせください。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 委員のお考えはよく承りましたけれども、この少年事件というのは大変難しい問題があるので、いろいろな論議がこれから必要ではなかろうかと思っております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 それでは、また個別の問題でいろいろお話をさせていただきたいと思います。  いろいろ使い勝手のいい司法制度にするためにこれから司法制度改革を検討していただけるということでありますから、細かな点について若干御質問させていただきたいと思います。  判決原本の保存ということなんですが、非常に日本においてはそれがおくれているという状況があります。フランスなどはフランス革命以前のものから長さにして二百五十キロメートル分が保存されている、それも国家費用でというようなこともあるわけなんですが、日本の場合はその辺非常に寂しい状況だというふうなことを聞いております。  非常に国家の公約文書の最重要なものあるいは国宝に等しいものではないかということも思いますし、そういった意味では司法公文書館というようなものを国の責任としてつくっていったらどうだろうか、司法制度改革に合わせてと思うわけなんですが、御見解をお伺いします。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 今、具体的に原本も含めましてどういう期間保管すべきことになっているのか、細かい点はわかりませんが、刑事の判決原本につきましては、基本的には重罪に当たるものは百年だったと思います。それから、その余のものについては五十年というような形で保管期間が決まっておりまして、確かにその期間が経過しますと基本的には廃棄されるということになろうかと思います。  ただ、そういった中でも、国民のいわば財産と言うべきものにつきましては、単なる司法の記録というものにとどまらず、それなりに一つの文化遺産といいますか、そういった形で考えるべきものも中にはあろうかと思います。  そういうものについての保管をどうするのかということでございますが、今先生の御指摘のように、そういう資料館を設けて、広く国民が研究なりあるいは歴史的な所産のものとしてそれを閲覧する機会なりを設けることも確かに一つかと思いますが、ただ、こういう記録そのものにつきましては、単にそれだけのことにとどまらず、関係者のプライバシーの保護だとか、そういった点からも、必ずしもそれが時間の経過とともにすべてなくなるということでもございませんので、なお慎重な検討を要することもあろうかと思います。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 ぜひこの実現を果たしていただきたいと思いますし、種々検討していただいて、前向きに対処していただきたいと思います。  それでは次に移りますが、今、日本の全裁判所の予算は一般会計のわずか〇・四%ぐらいだと思うんです。対GDPでは〇・一%と裁判所の予算は非常に少ないわけであります。法曹人口も、日本は六千七百人に一人ですか、イギリスは七百人、アメリカは三百人、ドイツは千人に一人というような状況なんです。法曹人口をふやそうという検討項目があるかと思うんですが、予算的にも法曹人口にしても、使い勝手のいい、あるいは国民の観点からいってみても、司法行政としてはなるほどと言われるような状況は一体どの程度とお考えですか。見解をお聞かせください。

浜野惺最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(浜野惺君) まず、裁判所の予算の考え方の方からお答えをさせていただきますが、法的紛争の適正迅速な解決という司法の使命を果たすために、裁判所の人的機構及び物的設備の充実に努め、裁判運営に支障が出ないだけの予算の確保に努める、こういうことが裁判所としての当然の責務であるというふうに考えておるわけでございます。  しかし、予算は一定の目的を達成するための所要経費を計上するものでございますので、裁判所の予算のあるべき姿を考える場合には、裁判所に対する需要あるいは裁判所が果たすべき役割、これが現実に行うことができるということで裁判所予算にそういうことが十分反映しているかどうか、こういう実質的な観点から吟味をされるべきものであるというふうに考えております。  ところで、昨今の厳しい社会経済情勢や国民生活の多様化等を反映いたしまして、近年、裁判所に係属する事件の数も増大しております。内容も複雑困難化しておるわけでございます。このように負担が増加する中でも、事件の適正迅速な処理に支障を来さないように、裁判所といたしましては、毎年司法の運営に必要な予算の確保に努力をしてきているところではございますけれども、今後も委員の御指摘を踏まえて、さらに同様の努力を重ねてまいりたい、かように考えております。

但木敬一法務大臣官房長

○政府委員(但木敬一君) 裁判官の数を含めまして、法曹人口がいかにあるべきかということも質問の中に入っておったと思うのですが、まさに二十一世紀において司法がどのような役割を果たすべきか、国民の皆さんがどう期待しているのかということが根底の問題であろうと思います。  端的に申しますれば、例えば民事紛争において、このくらいの審理期間と費用までは国民が我慢するけれどもこれ以上は我慢できない、つまり裁判所はこのくらいの期間で審理をやってくれなきゃ困るというような問題があろうかと思います。  裁判官の数というのは、一般的、抽象的に決まるものではなくて、事件がどのくらい伸びていくだろうか、それと同時に国民サイドから見てどのような期間でどのような審理で裁判をやってもらいたいか、こういうことから基本的には裁判官の数あるいは裁判を取り巻く諸条件、つまり法曹人口全体の問題というようなものも決まってこようかと思います。  そういう意味では、先ほども申しました司法制度改革審議会において、この問題は一つの大きな問題として論議の対象になるのではないか。すなわち、これまで幾つか発表されております司法改革ビジョンにおきましては、この問題が非常に中心的な課題として取り上げられておりますので、審議会においてもそういう問題がかなり大きく取り上げられるのではないか。そういう意味では、次の司法がいかにあるべきかということを国民的視点に立って考えていただくようなことが非常に差し迫って必要になってきている段階にある、このように認識しております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 十分な論議をお願いしたいわけなんですが、とにかく予算関係の努力はされているということだったんですが、一九九五年の〇・九三%がピークだった。後ずっと減少してきまして、ここ十五年ほどは〇・四%というような予算なんですね。やっぱり努力したら努力したなりに数字が出てきてほしいと思いますから、一層の予算関係の努力をお願いしたいと思います。自分たちが仕事をやりながら、こんな予算でいいのかという思いが日常あるかと思いますから、そのことについては御検討を期待します。  その次に入ります。  判例情報の開示、これをやはり増強すべきと私は考えております。これだけ今情報技術が非常に発達しておりますし、インターネット上での情報開示、こういうのは国際的には常識になりつつあるのではないかと思うわけなんです。判例の開示の充実、それに伴うインフラの整備、こういうふうなことについての方針を持っていらっしゃるか、持っていらっしゃるとしたら、その辺について具体的内容をお聞かせいただきたいと思います。

浜野惺最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(浜野惺君) 裁判所といたしましては、最高裁の判決等を判例集という形で公開してきたところでございますけれども、インターネットの急速な発展という社会状況の変化を踏まえまして、平成九年の五月からは、各種の裁判手続の案内等に関する情報提供を行う最高裁ホームページをインターネット上に開設いたしまして、このホームページにおきまして最近の最高裁判決を紹介するという取り組みを行っております。  具体的には、主要な最高裁の判決を言い渡し後早ければ当日、遅くとも三、四日後に掲載しておりまして、年間で約百件の判決を紹介しております。これまでのところ、最高裁ホームページには二十六万件を超えるアクセスがございまして、弁護士の方々を初め多くの方から、判決言い渡し後速やかに判決の全文を参照できるので非常に役立つとの好意的な評価をいただいているところでございます。  裁判所といたしましては、委員の御指摘も踏まえて、今後ともこのような情報提供のあり方について一層検討してまいりたい、かように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 今、最高裁の判例ということがあったんですが、高裁、地裁などの判例についてはどのようにお考えですか。

浜野惺最高裁判所事務総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(浜野惺君) 委員御指摘の高裁、地裁を含めました下級裁の判決のインターネットでの公開については、判決の数が膨大に上る一方、民間の判例雑誌による紹介や民間の開発に係るデータベースも広く活用されておりますところから、現在のところ実施はしておりません。  裁判所といたしましては、委員の御指摘も踏まえまして、このような民間判例雑誌による判決紹介の状況やインターネットを通じた公開に対する国民のニーズ、裁判所内におきますシステム化等の基盤整備を踏まえつつ、事件関係者のプライバシー保護にも留意しながら情報提供のあり方について検討してまいりたいと考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 次の問題に入ります。  使い勝手のいい司法制度ということで、これもやはり国民の負担の問題になってくるわけなんですが、印紙の問題。日本の場合は訴訟に関する印紙が非常に高いというようなことがあるわけなんですが、それを安くするという意味での検討の御意思はございますか。

房村精一法務大臣官房司法法制調査部長兼内閣審議官

○政府委員(房村精一君) 民事訴訟を提起する場合、訴訟の目的物の価額に応じた印紙を貼用していただくという仕組みにしておりますが、これは裁判所の制度を利用する者にその運営費用の一部を負担させることにより制度を利用しない者との対比において負担の公平を図るということとともに、副次的に濫訴の防止を図るという目的に出ております。  確かに、印紙額の多寡によりましては訴訟が起きにくいということも考えられなくはないわけでありますが、そういう観点もありまして、平成四年に手数料率の一部を引き下げるという改正を行ったところでもあり、現行の制度には合理性があると考えておりますが、委員御指摘の点も含めまして今後とも手数料額のあり方につきましては必要な検討を加えてまいりたいと考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 それでは、弁護士の過疎対策、いろいろ問題が生じて何とか法的な手段あるいは法律的な相談を欲しい、そういう場、機会を得たいということでありながら、私が住んでいるような田舎へ行きますとなかなかそういう機会に恵まれていない。やはりこういう身近で頼りになる司法制度を提供する義務が国としてはあるんじゃないかと思いますから、自治体と協力して、全国どこでも安定した法律相談が受けられるような制度、ある意味では弁護士の過疎対策なんですが、そういうものも必要になってくるんではないかと思うんですが、その辺の議論については今ございますか。

房村精一法務大臣官房司法法制調査部長兼内閣審議官

○政府委員(房村精一君) 今後、規制緩和等の進展に伴いまして社会が事後監視・救済型へ転換していくということを考えますと、国民にとりまして身近に相談できる弁護士がいるということは今まで以上に重要になってくると思われます。しかし、現実には、ただいま委員の御指摘のありますように、弁護士の方々は非常に都会部に集中しております。東京、大阪だけで日本の約半分の弁護士がいらっしゃるというような状況にありまして、地方に行きますとなかなか身近に弁護士がいらっしゃらないという状況にございます。  そういう意味で、法曹人口を増加していくということもこの問題に対処する上で基礎を提供するということが言えようかと思います。従来七百人程度であった司法試験の合格者を平成十年には八百人、さらに平成十一年度以降は千人にするということになっております。しかし、人口を増加しても、直ちにこの弁護士の偏在化が解消できるかといいますと、非常に難しい点がございます。  日本弁護士連合会においても、この弁護士の偏在あるいは過疎化に対する対策は種々努力を重ねられていると承知しております。法務省としても、国民に利用しやすい司法制度という観点から今後も検討を続けてまいりたいというぐあいに考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 今後も検討ということなんですが、とにかく刻々動いていますから、早急に制度整備をお願いしたいと思います。  その次の質問に入るわけなんですが、法治社会というのは透明なルールと自己責任ということなんです。これが基本だと思います。一般市民の司法に対する理解、知識、これが不可欠であるということだけに、教育現場における法教育というのも必要になってくるんではないかと思いますが、私ども、要するに大学を終わるまでなかなかそういうような機会に恵まれてこなかった。今、現実的に私の子供たちも、そういうような議論をしている、あるいはそういうような教育の場があったというようなことも話題になかなか上ってきません。まして、一般市民に対する生涯教育的な法の講座というか教育、こういう学習の場も必要じゃないかと思います。それがないと、参審制度、陪審制度というのもやはり空文化してくるんではないか。その辺の点についてどういう議論がなされているのかお聞かせください。

房村精一法務大臣官房司法法制調査部長兼内閣審議官

○政府委員(房村精一君) 今、委員から御指摘のありましたように、司法が円滑にその機能を果たしていくというためには、社会の、国民の皆様方の司法に対する理解が必要であります。そういう理解を深めていただくというためには、小学校あるいは中学校というような子供の時代から司法についての知見を広めていただく、あるいは社会に出た後もそういう司法についていろいろな情報を得る機会をふやしていくということは非常に重要なことというぐあいには認識しております。  必ずしも十分な努力とは言えませんが、法務省におきましても、小学生向きに刑事司法の内容をわかりやすく解説したビデオを作成するというような努力もして、こういうものを日弁連と協力して移動教室として見ていただくというような努力もしております。今後もそういう努力を積み重ねて、国民に司法に対する理解を少しでも広めていただきたいというぐあいに思っております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 さらに充実したものとなるように希望しておきます。  司法制度改革についてはいろいろこれから議論される検討項目、いろんな検討が多岐にわたってなされるかと思いますから、その中で国民の視点から細かな質問をさせていただいたつもりであります。  もう一つ、法律扶助制度についてお伺いしたいと思います。  法律扶助制度研究会、これが二〇〇〇年に立法化に向けていろいろ研究しているということなんですが、この研究会、どういうような内容の研究をしてきたのか、その検討の経緯と報告書の概要をお話しいただければありがたいと思います。

横山匡輝法務省人権擁護局長

○政府委員(横山匡輝君) お答えいたします。  法律扶助制度研究会は、「現行の法律扶助制度の充実・発展を図るため、我が国の司法制度に適合した望ましい法律扶助制度の在り方等について、調査・研究を行う」、そういうことを目的としまして平成六年十一月に法務省に設置されたものでございます。その後、いろいろと調査研究いたしまして、昨年三月に報告書を取りまとめて提出しております。  その報告書の内容としましては、法律扶助制度の理念、現状の問題点、それから国の責務、弁護士会の責務、あるいは法律扶助制度の運営主体のあり方、あるいはあるべき事業内容、これらのものについて報告を取りまとめたところでございます。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 その中で問題点はいろいろ指摘されていると思うんですが、非常に件数が伸びている割には扶助率が三〇%台というような状況に現在あると思うんです。この扶助率の現状について、大臣、どのような御見解を持っていらっしゃいますか。

横山匡輝法務省人権擁護局長

○政府委員(横山匡輝君) 扶助率という、すべての訴訟件数との関係でいきますと、一審の訴訟件数だと四十万件台でありますが、その中で扶助している件数自体は、本年度、平成十年で約九千件程度という状況であります。  ただ、扶助の申請があったものに対しましての扶助率ということになりますと、三〇%ないし四〇%になっているんではないかと思います。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 二万四千件とか五千件ありながら決定したのが八千件台ですね。大体三三、四%。これはずっと続いているんですよ。当然、大臣所信表明の中にこういうものを充実していくんだというような所信表明がありましたから、まさか三〇%をそのままそっくり、やることなしに充実ではないでしょうから、事業費等を増額させていかないとこの扶助率を上げるということはできないんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

横山匡輝法務省人権擁護局長

○政府委員(横山匡輝君) 先ほど法律扶助の支給率について三〇%ないし四〇%と申し上げましたが、これは法律扶助協会の東京都支部におきます扶助率、ここは件数が多いものでそこが中心になっておりますが、ただ、ここでは法律相談を重視しておりまして、法律相談でかなりの部分がカバーされているので結果的に扶助率がその程度になっているということでございまして、地方レベルではほぼ一〇〇%に近い扶助率になっているというふうに承知しております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 東京では三〇%、地方で一〇〇%という話なんですが、やはり充実、発展させていくんだということであれば、予算をかなり増額しなくちゃいけないという状況になってくると思うんですが、大臣、その点についてはどうでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘のように、この法律扶助制度、憲法三十二条の裁判を受ける権利を実質的に保障するための制度でございます。法務省といたしましても、法律扶助制度研究会を置きまして、ここでいろいろ論議を重ねてきているところでございます。  これは外国との比較は一概にはできません。つまり、その国々の民事訴訟制度や訴訟事件数、こういうものが影響してくるわけでございますので、そういう意味で比較はできませんけれども、我が国としてもこの制度の拡充は大事である、このように感じております。予算についても逐次増額はしてきたつもりでございますが、なおこれから努めていかなければならない、このように考えております。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 これから国際化国際化ということで、要するに何でもそういう部分も国際化ということもいかがなものかと思うんですが、国民一人当たりの国費負担がイギリスが三千七百七十九円、アメリカ百六十九円、ドイツ三百二十六円、日本はわずか二円なんです。やっぱり予算というのは大事だなと思いますし、ぜひそういった意味では充実させていただくということで予算もその反映をしていただきたいと思います。  では、次の質問に入ります。  組織犯罪対策についてなんですが、日本というのは非常に組織犯罪、しかもマネーロンダリングの対策についてはおくれているというような指摘がされております。六月ですか、金融活動作業部会の国際会議が日本が議長国でやられるということなんですが、このマネーロンダリング対策について、私は、この法案を分離させて、今回独立させて早めに成立させる必要があるんではないかと思うんですが、その辺についての御見解をお伺いします。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 御指摘のとおり、このマネーロンダリングの排除というものは組織犯罪対策で非常に重要なことでございます。先生御指摘のように、既に先進諸国の間ではその法整備が基本的には整っておりますが、日本におきましては、薬物事犯で一部これが実現しておりますが、その他の犯罪においてはまだ整備はされておりません。したがって、G8あるいはサミット等の会議の際にも、あるいは今先生の御指摘のFATFという金融作業部会でも、日本はマネーロンダリングについては世界の網の破れ目であるというような表現で早急に改善するようにという指摘を受けているところでございます。  確かに組織犯罪で得た犯罪収益というものは、例えば犯罪組織そのものの拡大あるいは維持、あるいはその組織が行う将来の犯罪活動に再投資されるとか、場合によりますと事業活動に投資ということで回されまして合法的な経済活動にかなりの影響を与えるというようなことから、これの規制というものが大変重要なことになっております。それと同時に、犯罪収益を保持していることあるいはそれを運用すること自体も厳しく規制していく、あるいは処罰していくことが不可欠でございます。  現在の組織的な犯罪処罰法ということでは、このための手当てといたしまして、薬物犯罪に加えまして、殺人等の凶悪、重大な犯罪あるいは賭博等、暴力団固有のといいますか、大規模な資金源となっておりますので、そういった犯罪あるいは背任、詐欺等の、合法的な経済活動の周辺で行われる犯罪などの一定の重大犯罪に対して前提犯罪を拡大しております。その上で、犯罪収益の没収、追徴制度を拡充して、犯罪組織からその収益を剥奪するということを強化することとしております。それから、この犯罪収益を用いた法人等の事業支配を目的とする行為あるいは犯罪収益等の隠匿、収受といったマネーロンダリング行為ですが、これを犯罪として処罰するということとしております。  それから、ただいま先生の御指摘の、これだけ切り離したらどうかということでございますが、現在の組織犯罪対策三法というものは、組織犯罪を抑圧する、抑制するというためには、今申し上げたような実体面の処罰の強化あるいは刑の加重といった手当てと同時に、単にそれだけでは、いわばそういった重罰規定を設けてもそれが摘発できなければ絵にかいたもちではないかということでございますので、その捜査手法としての電話傍受、あるいは金融機関に関する取引でございますが、金の出入りの中で疑わしい取引についての届け出制度を設けるといったような手続面での整備というものも不可欠でございます。  これらのものがいわば一体となって組織犯罪対策として有効になるわけでございまして、そういった手続面、実体面を一体として法整備を図っていくというものが先進国においてはこれまでとられてきた手法でございますし、当然そういった一体としての手当てを必要とするという理解でございます。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 一体としてということなんですけれども、アメリカの例なんかですと、要するに通信傍受、これは非常に問題が起きているんですよ。これはほとんど無罪だということが言われている。また、一件当たりコストが六万ドルかかっているというような話もあります。やはりこういうものは切り離すべきじゃないか。問題が多い人権やプライバシーの侵害の危険のある通信傍受法案、これはやめてもらって、これと切り離して、だけど、国際的信用を高めるためには私は要するにマネーロンダリングに対する法案、資金洗浄対策の法案というのは急ぐべきじゃないかと思うんです。  重ねてお伺いします。これはセットにしないと通らないからということでやっているんじゃないんですか。そういう点はありませんか。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 基本的には、組織犯罪を抑圧するという目的のためには、先ほど申し上げました実体法あるいは手続法の整備が一体としてなされる必要があるということで申し上げておりまして、セットにしないと通らないということではなくて、むしろ一体とすることによって本来の目的を達成するということでございます。  なお、一点だけ追加させていただきますと、電話傍受の問題でございますが、これは例えば薬物、銃器の不正取引にかかわる犯罪等、あるいはもう少し殺人とか身の代金目的の誘拐罪といったようなものをお考えいただきますと、現在でも電話を初めとする通信機器がしばしば悪用されておりまして、この通信傍受を行わなければ、これらの犯罪の全容を解明しまして犯行に真に責任を有する者を処罰することは著しく困難な場合が増加する状況にございます。  確かにこの実施には費用もかかるということはもちろんでございますが、それに相応する効果も組織犯罪対策としては上げ得るということでございまして、必要不可欠なものと考えております。また、先進国におきましても既に電話傍受の制度はほとんど整備済みという状況にございまして、この点でも我が国はかなりおくれているという状況であることを御理解いただきたいと思います。

海野徹民主党・新緑風会

○海野徹君 今の答弁とは私も見解を異にすることがあるものですから、この問題についてはまた個別に議論させていただきたいと思います。  質問は終わります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。オウム真理教に対する件についてお伺いしたいんです。  既に大野委員から出ておりますので重複しない程度でお尋ねしますが、まず、施設を三十六カ所今現在有しているというふうなことでございますが、これは組織的にそういう施設を有しているということなんでございましょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) オウム真理教は、規制請求棄却直後からいろいろな活動を活発にしておりまして、全国に拠点施設を構えているわけでございます。それらの拠点施設は、法人格を否定されておるものでございますから法人格の名前では取得することができないわけでございまして、関連する企業の名前とかあるいは信徒の名前で取得しているわけでございますけれども、それらは仮の姿ではなかろうかと思っておりまして、実態はオウム真理教の団体の活動としてそれらの拠点施設を構えている、このように私どもは考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 要するに、組織的に有しているということでございますね。凶悪事件を起こしたオウム真理教と、今そうして組織的に施設を設けている団体組織といいますか、これが同一であるということの判定はどこら辺のところからされておられるんでしょうか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) それは、施設の使われている状況が、信徒が出入りしているとか、教団の関連施設の名義であって実態としては資金が教団から出ていると推定されることとか、あるいはそれが信徒関連の食糧、衣服であるとかそういったものを生産していると認められる施設であるとか、そういったいろんな状況を総合してオウム真理教の施設である、このように私ども考えておるわけでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 組織の指揮命令系統はいかがですか。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) 組織は、現在、長老部と称する組織が最高の意思決定機関であると思っておりますが、それら長老部の集団的な意思決定のもとに全体に組織としても動いておる、こういうふうに考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 今現在でもオウム真理教とかあるいはそれに類する団体の名称は使っておるでしょうか。使っていなければ、ほかの名称を使っているようなことがあれば、またそれを教えていただきたいんです。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) オウム真理教以外の名称を使っているということは私は聞いておりませんが、オウム真理教という名称で布教・宣伝活動をやっておるというふうに考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 主として若者がこういう宗教に入信してしまうのもちょっといろいろ問題があるのではないかと思うんですが、そこら辺、啓発活動とか、オウム真理教に対する注意といいますか、そういったことについて政策的に配慮する考えというのはございますでしょうか。これは法務大臣からお答えいただければと思います。

木藤繁夫公安調査庁長官

○政府委員(木藤繁夫君) いろいろな啓発活動を行いまして、若い人たちに対しまして啓蒙、宣伝を活発化させており、インターネットの活動なども通じていろいろ大勢の人に対する働きかけを強めておるというふうに考えられるところでございます。  それらは宗教的な活動である、こういうふうな形をとっているわけでございます。そうした活動も含めて、そういったいろいろな活動の中で拠点施設の設置などで周辺住民とトラブルを起こすというようなこともございますものですから、私どもといたしましては、オウム真理教の活動全体に対しまして今後とも厳重な監視を続けていきたい、このように考えておるところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 法務大臣にお尋ねをしますが、破壊活動防止法を適用するには余りにも条件が厳し過ぎる。ただ、今現在オウム真理教の団体は破壊活動防止法に規定するような犯罪行為はやっていないわけで、そうしますと、現状に破防法を適用して対処するということは困難ではないかと思われます。  ただ、実際に今現在犯罪行為をしていないからといっても、やはり地域住民がオウム真理教が来たことに対して不安を募らせるというのもまことにもっともなことでございます。そうしますと、やはりこれは破防法ではない特別な措置が必要ではないかと思うんですが、そこら辺、大臣のお考えはいかがでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) ただいま公安調査庁長官から説明しましたとおり、教団は以前にも増してその勢力を増大させており、今なお危険な体質を維持したまま活動を活発化している状況にあると認識しております。したがいまして、今後の教団の動向いかんによっては規制処分の再請求を行う、こういうことも視野に入れながら、公安調査庁において厳重な調査、監視活動を継続実施しているところでございます。  既存の法律をもって対応できないのであれば新法の制定も視野に入れるべきとの御指摘でございますが、オウム真理教のような団体の活動を規制するという観点から見ると、現に破壊活動防止法という法律が定められておりますので、その適用によって対処すべきであり、新規立法までは必要がないものと考えております。  ただし、現行破防法には種々の問題があると思われますので、公安調査庁に対して、オウム教団のような団体に対して、有効かつ適切な規制が図られるよう、同法を中心とする関係法令の見直しについて検討作業を鋭意進めさせているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 では、ほかの質問に行きます。  法務大臣にお尋ねしますが、法務大臣の職務の一つとして死刑執行の指示がございます。これまで法務大臣になられた方で自分の信念に反するからということで死刑執行の指示をなさらない方がおりましたが、法務大臣はその点いかがでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 申し上げるまでもなく、死刑というのは人の生命を絶つ極めて重大な刑罰でございますから、その執行に対しては特に慎重な態度で臨む必要があると考えております。それと同時に、法治国家でございますので、確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないということも言うまでもないことだと思います。  特に、死刑の判決は極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対し裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものでありますから、法務大臣としては、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処していくべきだ、このように考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 前法務大臣の際に、死刑の執行をした際その事実を公表するということになったようですが、その点は法務大臣、いかがでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 国家としての刑罰権の作用というのは、本来、刑の執行そのものに限られておる。それを超えて国家機関が刑の執行の事実を殊さらに公表して、刑の執行を受けた者やその関係者に不利益や精神的苦痛を与えることは相当でないということ、また個々具体的な死刑執行の事実の公表は、死刑を執行された者の遺族の感情、あるいは他の死刑確定者の心情の安定等を損なう結果を招きかねない、こういう問題もあると私は考えております。  しかしながら、他方では、情報を公開することによりまして刑罰権の行使が適正に行われているということについて国民の理解を得ること、これもまた必要だと思いますので、可能な範囲で情報を公開する必要があるものと考えます。  死刑執行後に、死刑の事実、執行を受けた者の人数を公表する、これは前大臣のとおりでございますが、そのほか死刑を受けた者の氏名や執行場所については公表を差し控えるのが相当であると考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 では、次の質問をします。  登記事務をコンピューター化して、遠隔地からも通信回線を利用して登記情報を閲覧、入手することができるということになるようでございますが、コンピューターですと、コンピューター犯罪、あるいはハッカーと称する、コンピューターに通信回線を利用して入り込んでその情報を攪乱してしまうというようなこともございます。そういったことに対する取り組みを万全に行っているのかどうか、そこら辺のところをお尋ねしたいのです。

細川清法務省民事局長

○政府委員(細川清君) 今国会に御提案申し上げております電気通信回線による登記情報の提供に関する法律案でございますが、この法律のシステムにつきましては、システムに直接アクセスできる者を一つの指定法人に限定しておりますほか、指定法人のコンピューターの中に厳重なファイアウオールを設けるということになっております。  このファイアウオールと申しますのは、まずすべての情報をフィルタリングすることによって許可されないアクセスを検出し、それを拒否させることによってセキュリティーを確保するという機能と、もう一つは内部のコンピューターに関する情報を外部に見えなくするための専用の中継プログラムを利用してセキュリティーを確保するという機能、二つの機能がございまして、目下のところでは最も厳重な対策になっているというふうに考えております。  以上でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 では、また別のことについてお尋ねしますが、法務大臣のお考えをお聞かせいただきたいんですが、今、国民の中で夫婦別姓制度というものを求める声も大きいというふうに思いますが、この点について法務大臣としてはどうお考えでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘の選択的夫婦別氏制度につきましては、男女共同参画推進本部の策定しました男女共同参画二〇〇〇年プランにおいて検討を進めるということになっております。しかし、世論調査の結果等を見ますと国民の意見は今のところ大きく分かれている、こういうふうに認識しております。  民法は基本法であります。特に、御指摘の問題のような社会や家族のあり方など国民生活に重大な影響を及ぼすような事柄につきましては、大方の国民の理解を得ることができるような状況で法改正を行うのが相当である、このように考えております。したがって、この問題につきましては、国民各界各層や関係方面で御議論が深まることを期待したいと考えており、そのために法務省としても必要な努力をしてまいりたいと考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 それでは、また話は変わりますが、破綻金融機関等の元経営者らに対する捜査が進んでいるというような面がございます。あるいはまた、これからもそういう事件が摘発されるかもしれませんが、そうした事件に対する法務大臣としての姿勢といいますか、考え方をお聞かせいただければと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 現下の国政上の最重要課題は日本経済の再生であり、とりわけ金融システムの安定と不良債権の抜本的処理、これは極めて重要であると認識しております。もとより、金融機関の破綻に際し、その経営者等の刑事責任が可能な限り迅速かつ厳正に追及されるべきことは当然であります。  検察当局においては、この種事犯に対し、かねてから厳正な捜査処理を行ってきたものでありまして、今後とも事態の推移に応じ、関係機関と連携しつつ、法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるべきものがあれば適正に対処するものと存じております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 このような大型事件等を摘発するのは大変な労力が必要だというふうに思いますが、今、国民の中ではやはり政治家の不正事件とか、そういう経済事犯について検察が行動するということに対する期待も随分大きいかと思います。ただ、検察もなかなか人手が足らない、検事の数が足らないというようなこともございまして、必ずしも思う存分、十分にできていないのじゃないかという見方もございます。  そこら辺、検察のそうした捜査活動をより充実するということについて、法務大臣はどのようなお考えをお持ちでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 委員御指摘のとおり、検察体制の充実のためには、検事の待遇を改善して士気の高揚を図ることが大事だと考えております。  具体的措置といたしましては、複雑困難化あるいは大型化する刑事事件の捜査に対応するための検事の増員、個々の検事の各種事件への対応能力向上のための研修の充実強化、初任給、調整手当の引き上げ等による給与面の改善、執務環境改善のためのパソコン等の整備、あるいは庁舎、宿舎の整備などを図ってきたところでありますが、引き続き待遇改善に努めてまいりたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 具体的な予定というか、計画というものはまだお持ちじゃないわけですか。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 何といいましても検察官の数、これが非常に重要でございます。おかげさまで平成十一年度の予算におきましては三十人の増員をしていただくことになりました。これまで平成八年、九年、十年と三年度にわたりまして合計で百一人、検事の増員が認められております。この三十人を加えますと百三十一人でございます。検察官につきましては、関係当局等ともいろいろ御協議いただきながら、なお一層充実を図っていきたいと思っております。  そのほかに人的な問題といたしましては検察事務官の問題がございます。検察事務官は検察庁に約九千人ぐらいおりますが、今後検察の扱う事件が多種多様かつ量的にも恐らく拡大していく、ふえていくんだろうと思いますが、検察事務官の増員等についてもやはり非常な重要事項であると思っております。  具体的に、例えば検察官の数につきましては、長期的には、今回設置が検討されております司法制度改革審議会の中で、司法の質的、量的な強化という大きな枠組みの中でお考えいただくことになろうかと思いますが、検察を所管しております刑事局としては、一人でも多くの検察官増員が将来図れるように希望しているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 政治家の腐敗とかいった事件に対して国民の怒りは大きいものがございます。  今、衆議院の方で議員提案で、政治家の地位利用収賄罪ですか、あっせん利得罪といいますか、これが提出されておりますが、こうした政治家の地位利用収賄等を禁止する法律について、法務大臣としてはどのようにお考えでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘の、いわゆるあっせん利得行為等を処罰する罪の新設を含む立法措置につきましては、かねてから自由民主党その他においても議論が行われてきたものと承知しております。  法務大臣といたしましては、各党各会派が十分御議論いただくことが基本であると考えており、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたい、このように考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 これは法務大臣に聞いても余り法務大臣の責任ではないことかもしれませんが、男女平等といいますか、男女共同参画社会を目指す中で、女性議員がこの政治の世界でも少ないのではないかというふうに思います。ここら辺は個人的な感想ということでも結構でございますが、法務大臣の所感をお聞かせいただければと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とする男女共同参画社会基本法案が今国会に提出されております。私はこの法案の担当大臣ではございませんけれども、せっかくの御質問で、あえて感想をということでございますれば、同法案に定める基本理念の一つである政策等の立案及び決定への共同参画は重要なことであって、今後とも女性議員がふえていかれることは大変結構なことだ、このように考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 終わります。

大森礼子公明党

○大森礼子君 公明党の大森礼子です。きょうはほとんど大臣にお答えいただきたいと思います。  新しい法務大臣が誕生いたしまして、まさに陣内法務大臣のリーダーシップが期待されているわけでございます。  法務大臣は、大臣の任を受けられるときに、こういうお話があったときに、いろんなことを決意されたと思うんですけれども、自分が法務大臣になったならば在任中にこれだけは絶対やりたいという御決意が何かございましたでしょうか。ありましたら教えてください。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 私は、改革の時代における法務大臣として、そういう時代であればこそ、法秩序の維持と国民の権利の保全という法務行政の使命を達成するために、法務行政のすべての分野につきまして適時適切な方策を講じて、新しい時代の要請にこたえていきたいと考えております。  特に、これは総理大臣からも御指示がありましたけれども、司法制度改革につきましては、政府全体で取り組むべき最重要課題である、このように考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 今、司法制度改革については、政府全体で取り組む最重要課題であるというふうにおっしゃったわけですね。その具体的なあらわれというのが、先ほど来出ています審議会の設置ということになるのでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) そのとおりでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そうしますと、司法制度改革審議会となるんでしょうか、先ほど民主党の委員の方からも質問がありましたので、これを先にお伺いしようと思うんです。  この審議会というのは、十三人の委員を任命して、それで二年間でいろいろ審議するわけですね。その間、政府は何をしておられることになるのでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) この審議会で審議されますいろいろな検討事項につきましては、法務省としても、この審議に協力する一方で、そのテーマにつきまして、緊急を要するもの等につきましては適時適切にこれを行政に取り込んでいくというふうな考えでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 確かに、所信の中でも大臣は、表現を見ますと、「国民のニーズにこたえられる司法制度を速やかに実現できるよう、この動きに沿って積極的に取り組んでまいりたい」というふうに述べられたわけです。「この動きに沿って」というのが実はよくわからないのです。一方で、こういう審議会ができて何を御審議いただくかということはお任せすると。それで国民のニーズにこたえられる司法制度をというわけなんです。その審議会の動きと並行して、法務省も独自にそういう司法制度改革に向けて何かやるということなのか。それとも、あくまで審議会が主であって、今のように協力義務は果たしていかれるんでしょうが、審議会の結果を待って、その結果を受けて実現に向けて頑張っていく御趣旨なのか。ここら辺はどういうことになりますでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) この審議会は、国民により身近な司法制度を構築するために、二十一世紀の司法のあるべき姿、改革、あるいは基盤整備等について基本的なものを御審議いただくということでございますので、その審議の過程で出てくる中で、当面、法務省として政策に取り入れていくべきものは取り入れ、またこの審議会で十分議論が必要なものについてはその審議を見守っていくという、その両面があろうかと思います。

大森礼子公明党

○大森礼子君 だから、結局この審議委員の人選によると思うんです。先ほど来他の委員も質問しておられましたけれども、これは本当にわかったようで全然わからないんです。審議会で何をするんですかと言ったら、これはその審議会の委員に決めていただくというわけでしょう。国民のニーズという非常に大きなテーマです。大体こういうことを検討していただくということがわからなければ、一体どうやって人選をするんですか。すべての分野にわたり全部知り尽くしているオールマイティーな人間がそんなにたくさんいらっしゃるのかなという気もするわけです。  いずれにしましても、どういうことをやるのかという大きな項目もないのに、何を審議するかその中で決めていただくと。それではどうやって人選をするのかという素朴な疑問なんです。  人選をどうするかというふうに質問しましたら、これは内閣が任命する、国会の御同意ですと言うが、国会に同意を求められましても、私、どういう基準でこれを判断すればいいのか、こういう素朴な疑問があるわけですが、大臣、そこら辺、おかしいと思われませんか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 大きな方向としては、国民により身近な司法制度を国民的視点に立って基本的な問題について論議いただくということでございますが、その中には、法曹の拡大といいますか、法曹の人的な拡充とかあるいは国民の司法への参加、こういった幾つかの論点が予想されるところだと思っております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 全体で広く話し合わなきゃいけないテーマもあると思うんですが、国民のニーズにこたえる司法制度の改革というのは、これまでこの法務委員会でもずっとやってきたわけですね。例えば、法律扶助の問題一つにしてもそうなんです。一応憲法四十三条で国民を代表するとされておりますので、これは擬制かもしれませんけれども、いろんな場で私はいろんな意見を言っておるんです。ところが、なかなか法務省の方では先送り先送りになりまして、結局こういう形にしないと法務省は変わらないのかなという気もするわけです。  端的にお尋ねしますが、一方でそういう審議会、テーマもそれから決まるというのではちょっとどう考えていいかわかりませんが、そちらで議論していただくテーマもあると思います。法務省も、例えばこれまでこの法務委員会で出たいろんな諸問題とか、これを独自に改革していくという姿勢はあるのかどうか。大臣、いかがでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) この司法制度改革審議会は総合的な政策を中心に御議論いただくわけでございますが、例えば先ほど来議論になっておりました法律扶助の研究会の成果、これは今、法務省の中でこういう研究会を設けて取り組んでおるところでございますので、事柄によってそれぞれ取り組み方が定まってくるんじゃないか、このように思います。

大森礼子公明党

○大森礼子君 何を審議するかも審議会で決めてもらって、それに適切な人選をするというのは、何か堂々めぐりで私はよくわかりません。だから、何が問題かというのをピックアップしていただいて、その問題について議論するならまた別の審議委員とか、そうすれば人選もうまくいくのかなと思うんですが、これはまた法案の審議のときにしたいと思います。  司法改革の必要性はこの法務委員会でもいろんな委員の方が今まで話されたわけですから、問題点の指摘まではむしろ国会の方でできるのではないかという気がいたします。これはまたいずれ質問いたします。  それから、先ほど海野委員も質問されたのですが、所信中に「第三の改革」という言葉を大臣は使っておられます。「我が国にとっては、明治維新、第二次世界大戦に続く第三の改革の時期なのであります。」と。何かわかったようでよくわからないのですが、この第三の改革、これはいかなる意味で述べておられるんでしょうか。先ほどの海野委員の質問と同じになりますが、もう一度お尋ねいたします。明治維新、これは第一の改革なんでしょうか。第二次世界大戦、これは第二の改革なんでしょうか。その上で平成十一年、これを第三の改革の時期と意義づけておられるんだと思いますが、それぞれどういう改革ととらえておられるのか。この第三の改革についてもう少し具体的にお話しいただけませんでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これは小渕総理大臣の施政方針に基づく考え方でございまして、今委員が御指摘になりましたように、第一の改革というのは明治維新、第二の改革というのは第二次世界大戦、こういうことで、このたびを第三の改革、このように位置づけております。  御案内のように、社会が相当成熟化してまいりました。そして、国際化、情報化、こういうものが進んでいく中で、社会のシステムを大きく見直していく必要に迫られておる。これからの二十一世紀の新しい活力を生み出すために、今二十世紀が終わるこの時期に新たな認識のもとに二十世紀を総括し、二十一世紀へのかけ橋を必要とするという意味で、第三の改革という言葉を使いながらあらゆるものの変革を未来へ向けて構築していきたい、このような気持ちで私は総理の言葉を改めて使わせていただいたつもりでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 先ほど海野委員に対するお答えのときに、過去の有効なシステムが今や足かせとなっている、そういう足かせを壊すような改革、こういう言葉もあったと思うのです。しかし、別の見方をしますと、古い人権感覚というものが時代の要請する新しい価値観を取り入れることを拒んできた、こういうところも改革する必要があるのではないかという気がするわけです。  二十一世紀を見据えなくてはいけないわけですが、一方でよく二十一世紀は人権の世紀である、こういう言われ方もするわけですが、大臣はこの点についてどういうようにお考えでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 人権擁護というのは憲法の柱でありまして、民主政治の基本でもありますので、人権が尊重されるというのは当然のことでございます。  二十一世紀は人権の世紀という言われ方は、これまでに地域改善対策協議会意見具申の中、あるいはまた人権教育のための国連十年に関する国内行動計画の中にこのような表現がございます。  二十一世紀に向けて、人権擁護機関として各種の啓発活動によって国民の間に広く人権思想が普及徹底するように努めるとともに、人権侵害事件の審判、調査、処理を通じて関係者に人権尊重の思想を啓発し被害者の救済に努めるなど、人権擁護行政の一層の充実強化を図っていく、こういうことで人権に十分配慮してまいりたいと考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 繰り返しになるかもしれませんが、大臣は所信中で新しい時代の要請にこたえるということをおっしゃっておられます。人権の世紀であるということをお認めであるのならば、法務省というものは人権擁護の任に当たる省として内外に積極的な姿勢を打ち出すべきではないかと思います。  先ほど、リーダーの資質について質問を受けまして、大臣は見識を高めることではないか、歴史、文化、伝統を十分身につけた上での行動規範を確立すべきである、こういうリーダーの資質の要件をおっしゃいました。特に法務大臣にあっては、これに加えましてすぐれた人権感覚というものが必要なのではないかと思います。  二十一世紀に向けまして、法務省は、人権擁護の任に当たる省として人権擁護の積極的な姿勢を内外ともに示すべきであると思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 法務省の施策全般にわたりまして、人権に十分配慮した取り組みを行ってまいりたいと考えます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 では次に、所信中で少年審判のあり方についてもお述べになっておられます。「近時の少年犯罪及び少年審判をめぐる諸問題を契機として、国民の間にも見直しの声が出ているところでありますが、」というふうに述べられたわけですが、契機となった諸問題というのは何か具体的な事件を想定しておられるのか。これはどういうことでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 近時、いわゆる山形マット死事件や草加事件など、少年審判手続における事実認定が問題となった事件が発生しております。現行の少年審判手続が事実認定機能の面において制度的限界を示しているのではないか、こういう指摘がなされております。  少年審判における事実認定手続のあり方が問われるようになり、現行少年審判制度の問題点として、一つは少年審判が単独の裁判官による審理しかできないこと、二番目に検察官が少年審判に関与せず抗告権がないこと、三番目に観護措置期間が最長四週間に限定され、多数の証拠調べが必要であるなど相当の審理日数を要する事件においては審理に困難を来していること、こういうことが挙げられます。これについては現場の裁判官からも問題が指摘されているところなど、こういうものを私としては指摘したつもりでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 これについてはまた少年法の審議のときに質問しようと思うのですが、少年審判での事実認定の適正化とおっしゃるのですが、少年法第一条では、保護主義の原則を踏まえた上で、その範囲内での事実認定の適正化ということになると思うんです。  ただ、普通の一般の刑事事件と違いまして、少年法第一条で保護主義というのをとりましたときに、例えば普通の刑事訴訟法の刑事事件のように証拠法則の採用がございませんね。それから、事実の認定に厳格な証明も要らないということで、ということは、保護主義を掲げたときに一般の刑事事件と同じ真相解明を望むのはもう無理なんだということをこの法自体が認めていると私は思います。  また、今少年法改正の中に入っているような検察官立ち会いとか抗告を認めるとか、そういうことになりました場合、保護主義というのが本当に維持できるのかどうか。例えば、少年審判規則一条二項の中には、「調査及び審判その他保護事件の取扱に際しては、常に懇切にして誠意ある態度をもつて少年の情操の保護に心がけ、おのずから少年及び保護者等の信頼を受けるように努めなければならない。」、こういう規定があるんですけれども、ここも変えざるを得ないのではないかという気がいたします。  それから、山形マット死事件等の事実認定が問題となった事案を引用されましたけれども、厳格な証明を要求している一般の刑事事件でありましても事実認定というのは常に問題を起こすわけでございます、無罪事件ということでありましてね。だから、少年法特有のものではない。少年法だけを特に問題とするのはいかがなものかという考えを持っています。それはまた改めて少年法改正案の審議のときにお聞きします。  そしてもう一つ、少年法でいろんな問題になりましたときによく言われましたことは、要するに少年だと少年院へ送られてもすぐ出てくるじゃないかという批判の方がむしろ大きかったんじゃないかと思うんです、一般の国民の方としましては審判のあり方とかよくわからないと思いますので。それにつきましては、少年院法の運用にむしろ問題があったのではないかと私は思います。  少年院法一条で、少年院というのは「保護処分として送致された者を収容し、これに矯正教育を授ける施設とする。」、こう規定してございます。それで、いつどういうときに退院できるのかといいますと、十二条一項で「少年院の長は、在院者に対して矯正の目的を達したと認めるときは、地方更生保護委員会に対し、退院の申請をしなければならない。」、それから十一条一項で「在院者が二十歳に達したときは、少年院の長は、これを退院させなければならない。」、ただし例外もございます。それから、二十歳に達したような場合であってもまだ犯罪傾向が矯正されていない場合には、その少年「本人を送致した裁判所に対して、その収容を継続すべき旨の決定の申請をしなければならない。」、これは十一条二項の方です。  そうしますと、一たん少年院の施設に送りますと、やはり出るのは矯正の目的を達したときでありますから、大体最初からどのくらいで出られると決めること自体がおかしいことだと思うのです。私は、この少年院法の矯正の目的を達するかどうか、退院の時期をきちんと運用すれば少年院へ入ってもすぐ出てくるという批判は余り出てこないのではないかと思うのですが、大臣はいかがお考えでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 少年院においては旧来から一人一人の少年に最もふさわしい処遇の実施に努めてきたところでございますが、最近における少年非行の動向等を踏まえ、平成九年九月に矯正局長の依命通達を一部改正するなどして被収容少年の個別の問題性等により一層柔軟に対応する体制を整えたところでございます。  この通達の改正は、第一に、少年院の収容期間について少年院法の定める範囲内において一層弾力的な運用が可能となるようにしました。また、その問題性が極めて複雑、深刻な少年については、非行の重大性を深く認識させ罪の意識に目覚めさせるための指導、被害者及びその家族に対して謝罪する意識を涵養するための指導、こういったものを十分な期間をかけて行うようにしたものでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 今、少年院のことについてお尋ねしたわけですが、少年院施設の整備拡充の必要性について大臣にお伺いしたいと思います。  実は、法務委員会の方でも愛光女子学園という女子少年院を視察いたしました。実はこの女子学園を私は修習生のころに見学したことがございまして、非常に古くて、もう入っただけで、収容されただけで気がめいるんじゃないかという建物でありましたが、今回視察しましたら本当にすばらしい建物になっておりました。建物が新しくなったというだけではなくて、いろいろ説明をいただいたわけですけれども、やっぱり女の子だからといいますか、壁の色も明るくしてとか、それから絵を飾りたいとか、あれはピクチャーレールというんでしょうか、そういうものをしていたりとか、それから女の子だから部屋も明るくしてとか、こういう配慮といいますか自分の娘に対する気持ちといいますか、こういうのが非常にあらわれておりました。  これからの特に少年院等の矯正施設には、こういう大人の思いやりというのが必要なのではないかと思います。やはり老朽化した建物では十分な矯正目的を達し得ないのではないかと思いますので、特にまず少年院施設の整備といいますか、建てかえとか含めまして、これを大臣にぜひお願いしたいわけですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 委員仰せのとおりだと私も思っております。少年院施設に送致された少年の更生を期するためには、その立地条件をよくする、あるいは物的な環境整備の充実を図るということが極めて大事だと考えております。そこで、少年院施設の改築に当たっては、明るく開放的で清潔な生活環境とするとともに、実習や学習など教育活動が適切に行える処遇環境を確保することに配慮しております。  法務省といたしましては、予算の許す限り、引き続き未整備の少年院施設の早期改築に努め、収容少年の生活環境及び処遇環境の改善を図ってまいりたいと考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 少年法改正につきまして、事実認定の一層の適正化ということが今問題になっているわけであります。原則保護主義の少年審判でも事実認定手続の適正化を図ろうとするのならば、一般の刑事事件、つまり刑事訴訟法一条で事案の真相を明らかにする、これが目的であると明示する一般刑事事件の事実認定の適正化というのは、もっとより大きく問題になるだろうと私は思います。  何を言いたいかといいますと、いわゆる外国人事件における司法通訳の問題でございます。私はもうこれは繰り返し繰り返し言っているのですが、要するに刑事事件の法廷では日本語を使わなくてはいけない、だから調書も日本語のものが出ますし、それから法廷における供述というものも通訳が訳した日本語を基準として裁判が行われるわけであります。そうであるならば、本当に正しい事実認定に至るためには、本人がしゃべったことと通訳された日本語というものが一致しているということが前提なわけですけれども、そこのところが今の制度では十分担保されていないと思うのです。  そこで、私は、やはり外国人事件につきましてはこの司法通訳問題をもういいかげんに真剣に取り組むべきだというふうに考えているのですけれども、大臣はこの問題をどうお考えでしょうか。少年法で事実認定の一層の適正化というのであれば、もっとそれ以上の必要性をもって司法通訳問題についても何らかの積極的な姿勢を示さなくてはいけないのではないかと思うのですが、大臣はいかがお考えでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 事実認定のための有能な通訳の確保と、正確公平な通訳が適正迅速にできた捜査、裁判の実現と、被疑者、被告の権利の保障をできるようにするということは大変重要なことでございます。  御指摘の司法通訳の問題につきましては、これまでもたびたび先生から御指摘になっているものを私も読ませていただきました。特に、地方都市における通訳人の確保やいわゆる少数言語の通訳人の絶対数の確保がまずもって必要である、このように考えております。これらの点を踏まえまして十分検討してまいりたいと思っておるところでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 次に、所信の中ではオウム真理教についても触れておられます。また、これまで他の委員の方も質問なさいました。  三月二十日で地下鉄サリン事件から四年目が訪れたわけであります。このオウムへのこれからの取り組みをどうするか、こういうことばかり問題になるんですが、私は本当に一つ大事なことが忘れられているのではないかと思います。  これまでも繰り返し述べたのですが、オウム事件の総括は一体なされたのだろうかということなんです。例えば、検察行政の国会に対するアカウンタビリティーというものが司法制度改革の検討事項といって挙げられて新聞に出ているわけですけれども、これは検察庁みずからが国会に対して説明責任を負うべきではないかということで、これは多分、国会の予算委員会の答弁で、今係っている事件について聞くとき、もっと積極的に答えてもいいのではないかという趣旨なのかなという気もするわけです。  このオウム事件につきましては、一体あれはどういう事件だったのか、何があったのかということをきっちりと国民に、例えば国会でよろしいわけですが、報告書という形で示すということもアカウンタビリティーの非常に基本的な問題だろうと思います。  アメリカでは、オウム摘発後に上院政府活動委員会の調査小委員会がすぐに調査に着手いたしまして、その年の平成七年十月三十一日には調査報告書をもとにして公聴会等開いております。ところが、当の日本では、国民は新聞情報以上のものを知らないわけであります。国会もそうであると思います。  オウム事件が起きたということを強調しまして、こんな凶悪な事犯が起きたんだから、こんな凶悪なんだから、取り締まるために取り締まるべき法令を用意しなくてはいけない、こういうふうに言われましても、何か説得力がないという気がいたします。きちんとオウム捜査等の報告をしまして、例えば組織犯罪対策法にしても、こういう理由でこういう捜査方法が必要なんだ、こういう説明の仕方をしていただきたいと思うわけです。  ことしの三月十九日の日経新聞の夕刊に記事が出ておりました。「地下鉄サリン被害者の会 国・都に救済求める」、こういう見出しでございます。国、都に賠償を求めるという記事でありまして、それによると、「事件を起こしたオウム真理教の反社会的な活動を事前にけん制していれば、事件は阻止できた」、こういうことを理由とするものらしいです。  少年法改正問題では、要するに被害者の救済、被害者の人権が非常に大きな問題となっております。これをサリン事件の被害者の方あるいは御遺族の方に当てはめてみれば、その方たちが一番強く思うのは、なぜサリン事件なんかに遭遇したのだろうかということだと思います。国はオウムに対して一体どういうふうに対処していたのか、こういう思いが非常に強いであろうと私は思います。そしてまた、オウム事件については国がオウムを放置したという声も非常に強かったわけであります。  そういう点については答えないで、情報も開示しないで、国の責任あるいは自治体の責任の有無についての検証をされないまま、ただこういう凶悪事犯が発生しましたから、これに対する対策としてこういう法案を成立させてくださいというのでは、私たち国民としましてはその前にちゃんとすることがあるのじゃございませんかというふうに言い返したくなるわけでございます。  平成十年四月十四日の法務委員会で、私は法務省としてこの事件について総括、検証して国会で報告しようという考えがあるのでしょうかと質問したところ、官房長の方から、「仮に国会から御要請があれば、法務省はそれに対して真摯に対応するということになろうと思います。」という答弁をいただいております。  改めて大臣に要請したいのですが、やはりオウム事件の総括報告書のようなものを作成して、国会で配付していただきたいと思うのですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 公判係属中の事件でございますので、法務大臣が総括を行ってこれを国民の前に報告するということは裁判所に予断を与え、裁判の進行に影響を及ぼしかねないなどのおそれがあることから、慎重に判断すべき事柄である、このように考えております。  しかし、国民や被害者に対するアカウンタビリティーの重要性、これは今御指摘ございましたけれども、国民に対する説明は重要であり、国会での御議論の過程における報告の御要請に対しましては、法令の範囲内でできる限り協力すべきものと考えております。その一方で、刑事訴訟法四十七条は、「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合」を除き、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。」としておりますので、こうした法の趣旨も考慮しまして、捜査終了時に国会に報告すべきかどうか具体的事案ごとに慎重に検討すべきものである、このように考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 よく公判に影響があるからということで、例えば予算委員会なんかでいろいろ質問があっても、それは捜査上の秘密という形で今まで意見を言わなかったわけですね。まさにそれではだめなんじゃないかというのが国会に対するアカウンタビリティー、説明責任の明確化で、ここをやっぱり新しく変えていこうじゃないかという動きだと思うんです。  それから、今大臣は四十七条をお読みになりましたね、訴訟書類の公開禁止。「公判の開廷前には、これを公にしてはならない。」とあるわけです。確かに最終的に真実が何であるかということは裁判の結果を待たなければわからないわけです。裁判の判決が出るまで、そんな公判上の事情とか言っていましたら、あのオウム事件は何年かかるんですか、二十年、三十年たつ、その後にこうでしたと言うのでしょうか。それでは対策等も講じられないと思うんです。  検察庁としては冒頭陳述というのを行います。冒頭陳述というのは、検事が公判でこれから証拠により立証しようとする事実は以下のとおりですという、証拠の裏づけがあって立証しようとする事実を掲げる、これが冒頭陳述なわけですから、一応そこまでやれば、あとそんなに公判がどうのこうのという問題は起きないのではないか。それはもちろん検察側の立証が事実かどうかわかりませんけれども、訴訟とはそういうものですし、検察庁、法務省側としてはその時点のことしか言えないと思うんです。だから、それについて仮に違っていても責任は問わないということがあれば、そういうことは報告書にまとめていただいてもいいのではないかというふうに思います。これについては時間の関係もありますので、また改めて質問させていただきます。  それから、所信の第七で出入国管理行政の充実強化という点を挙げておられます。もう時間がないので端的に申し上げます。  所信の中では、「外国人登録法についても、平成四年の同法の改正時における衆議院、参議院両院法務委員会の附帯決議を踏まえ、」と書いてあるわけですが、申し上げたいのは、外国人登録証の常時携帯義務のところで、常時携帯義務はあるし、それから不携帯については刑罰を科せられる。ここのところが全く生かされていないと思うのですが、これはなぜこうなったのでしょうか。  それから、なぜ携帯することを刑罰の威嚇をもってしなくてはいけないのか、何で行政罰であってはいけないのか。  この二点についてお答えください。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 今御指摘の点でございますけれども、登録証明書の常時携帯義務違反につきましては、平成四年の外国人登録法の改正時における衆議院、参議院両院法務委員会の附帯決議を踏まえまして常識的かつ弾力的な運用がなされている、このように承知しております。  不法入国や不法残留者が多数存在しております今日の状況の中でございますので、外国人が合法的な在留者であるか否か等、あるいはその居住関係及び身分関係を即時に把握するためには登録証明書の常時携帯制度は依然として必要なものである、こういうふうに考えておりまして、制度としてこれを廃止することは相当でなく、制度の目的を達成するためには、この違反に対し罰則による担保が必要である、このように考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 この点につきましては、法案の審議のとき、また大臣と議論をさせていただきたいと思います。  今お述べになったその感覚自体がまさに古い。古い人権感覚というのを変えていくというのが第三の改革ではないかというふうに私は思っておりまして、この点については法案審査のときにまた質問したいと思います。  あと一問、これは確認ということで大臣にお尋ねします。  平成十年十二月三日の法務委員会で、私は売春防止法の規定の中にある婦人補導院の実態について質問いたしました。これは、売春防止法十七条に規定してある補導処分を受けた人が入る施設なんですけれども、平成元年から十年までの収容者が十名、一年一人の割合です。十年間の予算総額六億九千二百五十五万円、施設は八王子に一つだけということで、一名の収容者に約七千万円の税金というのはいかがなものか、この規定自体が時代おくれの規定ではないか、こういう質問をいたしました。そうしたら、中村前法務大臣が、「率直に言えば検討を要する事項だと思います。」と。改正を含めて、つまり補導処分をどうするかということですが、法の改正を含めて検討すべきことじゃないかと思っておりますとお答えいただいて、非常に私は期待を持ったんですが、大臣かわられてこれは一体どうなっちゃったんだろうか、この大臣の発言は継続性があるんだろうか、これをぜひ確認させていただきたいんです。陣内法務大臣も中村前法務大臣と同じようなお考えでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘の問題につきましては、昨年十二月、中村前法務大臣が法改正も含めて検討すべきとの見解を示されております。私も十分承知しております。基本的な考えは私も同様でございます。  なお、この問題につきましては従来から事務当局において検討を重ねてきたところでありますが、昨年の十二月、新たに検討委員会を組織し、補導処分や緊急保護を要する女性の動向や実態、仮に何らかの法整備を行うとした場合の対象となる法令、建物構造の問題等について、現在あらゆる角度から検討を行っておるところでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 時間が来ましたので終わります。  運輸省の方、通告しておりましたが、ちょっと時間がなくて申しわけございません。また次の機会に質問させていただきます。  以上です。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣は、中村法務大臣の後を受けて御就任になったわけでございますが、中村法務大臣が憲法九条敵視発言、あるいは指揮権発動をめぐる疑惑、さらには私的公的分別がはっきりつかないような職務執行の問題、こういうことで退陣を余儀なくされたわけでございます。その後を受けた法務大臣としては、法の厳正な執行、職務の厳正な執行はもちろん、政治的な行為においても厳正を期して国民の信頼を確保しなければならぬ、そういった強い決意と覚悟で大臣をお引き受けになったと理解しておりますが、間違いございませんね。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) そのとおりでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ところで私は、大臣の政治資金に関連する問題で二、三きょうはお伺いしたいのであります。  公取委員会は、ことしに入りましてダクタイル鋳鉄管のやみカルテル問題、これについて検事総長に対して告発をいたしました。告発をされたのは業界最大手のクボタ、それから第二の大きな会社であります栗本鉄工、そして日本ダクタイル鉄管協会、こういったところでございまして、日本鋳鉄管もそうであります。  刑事局長に伺いますが、この公取の告発がいつ行われ、これを受けて検事総長は当然捜査を指揮されて、この問題については既に起訴されたと思いますが、その経過、日時等、正確にお教えいただきたいと思います。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) お尋ねの事件につきましては、本年の二月四日、検察当局において公正取引委員会から株式会社クボタ、株式会社栗本鉄工所、日本鋳鉄管株式会社の三社につきまして独占禁止法違反、これは不当な取引制限の罪とのことでございますが、告発を受けまして、二月五日、捜索に着手、二月八日、被告発会社の営業担当従業者十名を同じ罪名で逮捕いたしまして、所要の捜査を遂げまして、本年三月一日、逮捕した十名について公正取引委員会から追加告発を受けた上、被告発会社三社及び被告発人十名を東京高等裁判所に公判請求して、現在、同裁判所に公判係属中であります。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 公取が告発するというその問題については、公取の方針としては、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案であること、それからさらには行政処分だけではこれは容喙できない、独占禁止法の目的がそれだけでは達成できないと考えられる重大な事案、こういった事案について告発するという方針を公取はとっているわけですが、これは間違いありませんね。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 公正取引委員会と告発を受けます検察庁との間で、個々の事案につきましてそれぞれ告発問題協議会がございます。そこの中で話し合いをしまして、告発をするあるいはそれを受けるということになっているわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 その話し合いはいいです。今、私が指摘したような重大な事案について処理するという方針であることは間違いないでしょう。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) おっしゃるとおりだと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 資料の配付をお願いしたいのであります。    〔資料配付〕

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 きょうはわざわざ建設省に来ていただきましたが、その資料で一番下に栗本鉄工所、これが鋳鉄管販売における独禁法違反でもって佐賀県及び佐賀市からそれぞれ指名停止処分を受けております。この事実については間違いございませんね。

小野邦久建設大臣官房長

○政府委員(小野邦久君) お答えを申し上げます。  地方公共団体の契約に関する事務につきまして直接私どもが指揮監督するという立場にはないわけでございますが、いただきました資料について佐賀県及び佐賀市に問い合わせをいたしましたところ、事実関係に間違いはないとの回答を得ているところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私の手元に官報がございますが、陣政会、そこによりますと、資金管理団体の届け出をした者の氏名は陣内孝雄法務大臣でございます。資金管理団体の届け出に係る公職の種類は参議院議員、こうなっております。  この陣政会が受けました今起訴された栗本鉄工という会社からの政治献金は、一九九五年から毎年最高限度額五十万に近い四十八万が九五年、九六年、九七年、このように入ってきております。  刑事局長に伺いますが、起訴されたのは今の日時ですが、この栗本鉄工等がやみカルテルで鋳鉄管のこういった協定を結んできたのは、新聞報道によれば、十年以上も前からシェアを分け合ってきた、そういう状況であるということが報道されております。捜査の結果、このやみカルテルはかなり前から行われていたという事実は間違いありませんね。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 今回の公訴事実の中を見ますと、この被告会社三社は、共謀の上、平成八年度及び平成九年度の二度にわたり、それぞれの年度において先ほど申し上げましたような取引の不当な制限をしたということで、独占禁止法違反であるという内容になっております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 公訴事実は私もいただいて知っております。  起訴されたのは平成八年度以降でございますが、こういったやみカルテルをこれらの三社がやっていたという事実は新聞でごらんください、十年前からとか七、八年前からとか出ているじゃありませんか。  そういった以前からの状況であったという事実を検察庁はつかんでいないんですか、調べていないんですか。正直に言ってくださいよ。間違いないでしょう。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 今回の捜査でいかなる内容について捜査をして、どういう事実認定をしたかということになりますと、エッセンスはただいま申し上げた公訴事実よりございます。また、公判において検察官の冒頭陳述ということで立証すべき事項の詳細をまず陳述することになっておりますが、ただいま手元に冒頭陳述書そのものがございません。  先生御指摘のような内容になっているかどうか、私ちょっと確認をしたいと思いますので、追ってまた御答弁したいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 では、確認しておいてください。  陣内大臣、いかがでしょうか。検察庁は、これからこの問題について公判請求をして裁判所で刑事責任の厳正な追及をする責任があるわけですね。その厳正な追及をする検察官がやらなきゃならないこの栗本鉄工等の事件について、この会社から過去毎年あなたは陣政会に政治献金を受けていらっしゃるわけですよ。一体これで示しがつくだろうか、大臣としてこの点どうお考えでしょうか。国民から見れば、検事が厳正に刑事責任を追及する、ところがその追及される会社から大臣が毎年政治献金を受け取っていらっしゃった、一体どうかという国民の疑惑と疑問が起こるのは当然だと思いますよ。  大臣の御見解はいかがですか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 今、御指摘のように、栗本鉄工から一九九五年、九六年、九七年、御指摘のような形での政治献金を受けておったと思います。  法務大臣の立場でございますので、委員御指摘のような、国民から法務行政に信頼を欠くようなことがあってはなりませんので、十分自粛してまいりたいと思っております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 受け取った事実をお認めになりましたが、信頼を損なうことがあってはならないということで、最後の言葉が聞き取りにくかったんですが、どう対処されるということですか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 現在、一九九八年にどういう政治献金を受けておるのかちょっと存じておりませんので、そういうものをよく調べながらこういう形での政治献金は御辞退申し上げたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 辞退をするとはっきりおっしゃったわけですね。  それで、建設省にお伺いいたしますが、今、一覧表でお配りしたように、これ以外に私が調べたところでは、その表の一番上段の上滝建設というんですか、その会社は九六年八月に三週間の指名停止処分を受けました。それから次の深町建設という会社は九六年十二月から同じく指名停止処分を受けました。その他、内山組、丸福建設、建設センター、ライト工業、東興建設、日本舗道というのが私の調べでは佐賀県及び佐賀市からそれぞれ入札停止を受けていますが、その理由を含めてこの私の調査に間違いないでしょうか。

小野邦久建設大臣官房長

○政府委員(小野邦久君) 先生からいただきました資料を先ほども県、市に問い合わせてお答えをいたしましたけれども、今先生御提示の表の中で上滝建設、深町建設云々とおっしゃいまして、今照らし合わせているわけでございますが、指名停止期間等に間違いはないものと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 大臣、表の一番上をごらんいただきますと、九六年八月に指名停止処分を受けましたが、九七年に五十万円政治献金を受け取っていらっしゃるんです。指名停止処分を受けた会社から毎年受け取って、指名停止処分後も受け取っていらっしゃるんですよ。その次の深町建設、これも九六年に処分を受けましたが、九七年に最高限度額の五十万を受け取っていらっしゃるわけでしょう。その他を見ますと、競売入札妨害、贈賄の容疑あるいは独禁法違反、こういったことで指名停止処分を受けた会社から毎年政治献金を政治資金管理団体の陣政会が受け取っていらっしゃる。  なるほど大臣は、建設業界においては、九州地方建設局長をお務めになり、あるいは河川局長をお務めになって、建設業界の重鎮だと言われるでしょう。それだけに建設業界からの献金も多いということも事情にあるでしょう。  しかし、指名停止処分を受ける、そういった会社から指名停止処分後も政治献金を受け取ったというこの責任は重いんじゃありませんか。あるいはそういう指名停止処分を受けた会社から毎年政治献金を受け取っているという事実、これも深く反省しなきゃならないんじゃないですか。  私は、この点で大臣に重ねて、政治資金と大臣の公正な職務執行との関係で明快な御答弁をいただきたいと思います。指名停止処分を受けた会社からなぜ政治献金を受け取りになったんですか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 今、この表を見て御指摘のような事実を私は知った面もあるわけでございます。  それぞれの事情があったかと思いますが、私といたしましては、一応政治資金規正法に基づいて献金をいただいたということで処理してきておったわけでございます。これからのあり方としては、十分こういうことも注意しながら疑念を招かないような配慮が必要であると改めて感じておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 政治資金規正法による手続をおとりになったことは間違いありません、公報にちゃんとあるんですから。その手続が間違っていると私は言っていないですよ。指名停止処分まで受けた会社から政治献金を受け取りになっている、それをこのようにお届けになっている、表に出ているわけですよ。  指名停止処分まで受けた会社から政治献金を受け取るというそのことについて、そんなことでいいんでしょうか。もっと厳密に注意をし、そういう会社からは政治献金を受け取らない、そういう姿勢を貫かなければ、政治家として責任は逃れられないんじゃありませんか。そこのところをどうお考えか、こう聞いているんですよ。規正法に基づいて届けたということを聞いているんじゃないんです。これは問題ですよ。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 今申し上げたかったのは、政治資金規正法上には問題はなかったのではないか、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。  結果、こういう指名停止等を受けた業者から政治資金をいただいておるということについては、今後十分慎重に対応していかなければならないということをお答えしました。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 受けたということについては、やはり政治家として政治的、道義的責任はお感じになる、そのことははっきり認識されているわけですね。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) こういう過去に指名停止等を受けた会社から政治資金をちょうだいすることが法務大臣としてはいかがかなということについては、今深く考えておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 法務大臣としていかがかなと深く考えておるとおっしゃいましたが、法務大臣でなくても私は問題だと思います。  御存じのように、政治改革が大きく論議されたときに、企業・団体からの政治献金は禁止すべきだという大きな国民世論がございました。そういう中で、政治資金の企業からの受け入れは政治資金管理団体一つに限るということが決まりました。そこのところがきちんと管理をされ、政治家の責任で不正な政治献金や不当な政治献金、政治的責任を伴うような献金はもらわないという、そのことを貫かなければ全く法の趣旨に合わぬじゃありませんか。そういうようなしり抜け行為が行われるということは許せないことだと思います。しかも、一方では政党助成金をもらう、だから政治献金をなくしていこう、これがその当時の基本的な考え方でした。  ですから、政治資金規正法の第十条でも、「この法律の施行後五年を経過した場合においては、」、まさにことしの十二月にその経過の日が来ます。「政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案し、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附のあり方について見直しを行うものとする。」、ここまで決められているわけです。いよいよこの十二月が来ますが、こういうことが起こるわけですから、私は、企業・団体からの政治献金はきっぱり禁止するのが本来政治の清潔を担保する大事な道だということを厳しく指摘して、時間が参りましたから質問を終わります。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。陣内法務大臣にまずお聞きしたいと思います。  佐賀市長選に立候補するということを表明した農水省の若手官僚のところに出向いたということは事実ですね。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これはちょっと説明をする必要があろうかと思います。  恐らく一月の十二日ごろだったと思います、年明けて一月六日に、同じ佐賀市の出身者で農政の改革について大変苦労をしていた人がおりまして、その人が栄転をして別の部長になっていたものですから、年明け早々でございますので、その人にお祝いを言いに行ったと。それからまた、その部署で新しい制度として田園空間博物館という、これから都市と田舎の交流をしていこうと……

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 済みません、ちょっと短目で結構です。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) そういう事業がスタートするということで、これを吉野ケ里を中心にしたところで展開するのは大変すばらしいモデルになるんじゃないか、こういう気持ちがありましたので、その二つがあって伺ったわけでございます。  ただ、当日、聞くところによると、現市長に当選した人がどうも農林省をやめて市長選挙に動いているというような話もございましたので、どんな人だろうかという関心があって、ついでにその人についての人柄なり今の活躍ぶりなんかを伺ったことは事実でございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 その後、その担当者が現市長になっている人に対して、出ないようにというふうに言ったという事実はお聞きになられましたか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これは、さきの衆議院での質疑の中でその辺について論議がありましたけれども、私が会った本人はそういうことは一切なかったというふうに答えておりました。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 では、今後この点については調査します。  死刑についてお聞きします。  陣内法務大臣は死刑の執行はされるおつもりでしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 法治国家でございますので、確定した裁判の執行は厳正に行われなければならない、このように考えております。  しかし、死刑というのは人の命を絶つ極めて重大な刑罰でありますから、その執行に際しては特に慎重な態度で臨む必要がある、このように考えます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 死刑執行の事前通知をなすべきだと考えております。昭和三十年代、かつて事前通知をやっておりましたけれども、これはぜひやっていただきたいことですが、いかがですか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これにつきましては、大変受刑者に対する心理的な影響、家族に対する影響、いろいろな問題がございます。その辺のことを考えますと、私はそういうつもりはございません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 以前、実際に刑務所の所長さんが書いている御本やいろんなものの中に、家族、母親に対して電報を打つ、あるいは何がしたいかを聞くというように、非常にきめ細やかな対話が行われている事実を私はこの法務委員会で読み上げたことがあります。そのようにうまくいっていたにもかかわらず、なぜ事前通知をやめたのでしょうか。

坂井一郎法務省矯正局長

○政府委員(坂井一郎君) お尋ねのように、かつてそういうことがあったことは承知しておりますけれども、逆に申しますと、そういうことをしたためにいろんな弊害も出てきて、端的に言いますと死刑囚が死亡するというようなこともございますし、それから現場の感覚からすると、やはり事前に告知するということは心理的負担が大き過ぎるということで、むしろそういうことからやめていったというふうに我々は承知しております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 家族にも知らされず、何の連絡をすることもなく、その日の朝突然連れていかれるわけです。自殺をするんだったら私はそれは仕方ないというふうに本当に思います。検討の余地はないんでしょうか。

坂井一郎法務省矯正局長

○政府委員(坂井一郎君) 先生は仕方がないとおっしゃられますけれども、矯正の立場からするとそれは仕方がないで済む問題ではないと私どもは思っておりますし、将来に向かってどうかと言われるとなかなか難しいところがありますけれども、現在のところ、事前に告知するということについては御勘弁いただきたいと思っております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 家族、弁護人以外との面会ができていないんですが、それについて、友人、知人まで、少なくとも一般被疑者、被告人と同じように扱っていただきたいんですが、いかがですか。

坂井一郎法務省矯正局長

○政府委員(坂井一郎君) 面会につきましては、御承知のとおり、家族との面会、それから訴訟がある収容者につきまして弁護士との面会、これは当然に認めておりますけれども、それ以外につきましては、教誨師さんであるとか篤志面接委員の人であるとか、そういう心情の安定に資するような人の面会はともかく、それ以外の方についてはかなり厳格に制限させていただいているというのが現状でございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 友人、知人との面会はむしろその人の心を安らげるというふうに思います。  菊田幸一さんという学者が最近十五人の死刑確定囚についてアンケートをとりました。面会の相手は、家族との面会、できる十四名、無記入一名。友人、知人との面会、できない十四名、無記名一人。友人、知人との面会はできておりません。  それで、みんなの声は、友人、知人との面会がしたい、どうせ死ぬのだから好きな人に会わせてほしい、弁護士との立ち会いで訴訟の打ち合わせも十分にできない、弁護人とは三十分では足りない、妻子とは最小限六十分は話したい、妻子とは仕切りのない部屋で会いたい、というような声が出ております。  こういう声を坂井矯正局長はどうお受けとめになられますか。

坂井一郎法務省矯正局長

○政府委員(坂井一郎君) 私はそれを拝見しておりませんので、今のアンケートについて批評することは差し控えさせていただきますけれども、一般的に申し上げますと、要するに死刑囚の方たちがそういうことを言われたということでございますけれども、その後を処遇しているのも矯正の職員でございます。矯正の職員の人たちは、その後の経過を見ながら、事前に告知することだけではなくて、面会させることはかなり心理的な動揺を来す場合があり得るという経験的な観点から、今申し上げたような措置が現状ではやはり一番いいのではないかというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、今のアンケートがどうであったかは私が批評する限りではございませんけれども、現場の感覚からすると、必ずしも先生が今おっしゃられたアンケートのとおりの実情であるとは我々は思っていないところでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 友人、知人との面会を現状で一切許していないというのはやはり理解に苦しみます。

坂井一郎法務省矯正局長

○政府委員(坂井一郎君) いや、もちろん一切許していないというわけではございませんし、特殊な例としましては、事件の被害者と面会をさせたこともございますし、それから遺言の関係で面会させたこともございますし、場合によればそういう問題については弁護士さんを通じて面会して相談することも可能でございますので、家族と弁護士以外は一切会わせないと申し上げている趣旨ではございません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 でも、原則として禁止ですよね。教誨師や特別の場合では認めておりますけれども、原則として禁止です。  私は、拘束されている人間は自由に人と行き来ができないわけですから、友人、知人や一般社会にできるだけ近づけるようにしないと本当に全く寂しい人生になってしまうというふうに思いますが、いかがですか。

坂井一郎法務省矯正局長

○政府委員(坂井一郎君) 逆に言いますと、本来、死刑囚というのは死を待つ身でございますから、周りからはそっとしておくのがむしろ人情に沿うといいますか、余り周りが騒ぎ立てないでそっとしてやるというのが我々としてはあるべき姿だろうと思っておりまして、そういう観点からすると、もちろんすべて会わせないわけではございませんけれども、それにはかなりの制限があるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 そっとしておいてほしい人間が会いたいと言っているにもかかわらず、そっとしておくのが当たり前だから会わせないというのは非人間的だと考えます。  次に、組織的犯罪対策法についてお聞きします。  組織的犯罪法の中に犯罪収益等収受罪があります。これは弁護士にも適用されるということでよろしいんですね。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 弁護士にも適用されるかどうかというその御質問の方向がよくわかりませんが、もう少しお聞かせいただけますか。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 これは与党プロジェクトの中で出てきたことで、弁護士にも適用されるというふうに明言をされています。  これは、例えば組織的犯罪対策法が成立をして、その人間から弁護士の依頼を受けた場合に、そのお金が一定の犯罪に基づいて違法に収得されたお金であるという未必の故意があれば、弁護士もそのお金を弁護士報酬として受領しますと犯罪収益等収受罪となるというふうに理解をしているんですが、それでよろしいですか。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) まず、弁護士が組織犯罪対策あるいは犯罪組織の一味とみなされる者の弁護に当たるという場合ももちろんあるわけでございますが、その弁護士が正当な弁護活動を行っている限りにおいては、その弁護活動そのものが問題視されることはないということはまず言えるかと思います。  それから、先生お尋ねの弁護報酬を受け取る行為でございますけれども、弁護契約というのは、法案の第十一条ただし書きの、債権者において相当の財産上の利益を提供すべき契約に当たるということにはなろうかと思いますが、弁護報酬が犯罪収益等によって支払われることの情を知っていたという場合でない限り、弁護報酬として犯罪収益等を収受いたしましても、犯罪収益等収受罪というものは成立しないということになります。  さらに、念のため申し上げますと、弁護人が弁護契約を締結するときに、例えば暴力団の関係者であります被告人ということになりますと、暴力団の活動によって得られた金によって弁護報酬が支払われることを認識していたという程度では、弁護報酬が犯罪収益等によって支払われることの情を知っていたということにはならないというふうに我々は理解しております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 ただ、犯罪収益のお金がまざっているかもしれない、そうかもしれないという認識があれば、弁護士が報酬を受け取ればこれに当たるわけですよね。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) その程度の認識では、犯罪収益等の収受には当たらないということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 では、正確にどういう場合には当たるのかを教えてください。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 極端に言いますと、弁護報酬として収受した例えば現金であるとします。その現金が、実は薬物取引でその当日に被告人なり被告人の関係者が受け取ったものがさらに伝わって報酬として来たというような具体的な状況がありますと、犯罪の収益を収受したということにはなろうかと思いますが、一般的に組織犯罪の被告人の属している組織といいましても、いろいろな活動をしており、また収入も多様でございますので、暴力団の活動から得た収益であるという程度の認識では、この法案に言う犯罪収益を収受したということにはならないという意味でございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 例えば、犯罪を行っているある団体がいたとします。ちょっと例が悪いですが、わかりやすく言うと、政治家の贈収賄罪は今回入っておりませんが、例えば政治家が贈収賄で多額のお金を得て逮捕されたので私選弁護を頼みたい。この場合に、巨額のお金は全部その贈収賄で政治家が得たとして、その弁護を引き受けるとこれは犯罪収益等収受罪になりますか。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) どうも非常に具体的過ぎましてなかなかお答えがしづらいんですが、一般的に、その被告人の属している組織といいますか、その組織がさまざまな活動をしているということが通常でございます。その中にはもちろん違法な行為ということもあり得るわけでございますが、それ以外にも通常の商取引なり、あるいは利益を生むようないろいろな行為をやっているということも当然あり得るわけでございますので、単にそういう違法な活動を行っているおそれがあるという程度の団体から弁護報酬をもらうということがありましても、それはこの法律の適用対象外であるということを明確に申し上げておきたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 お金には色がついておりませんから、混和財産となるわけです。犯罪収益等収受罪が成立するかどうか、かなり実はぶれるのではないかと思います。  次、二点目。犯罪収益等収受罪の公訴時効の起算点はどうなるんですか。

松尾邦弘法務省刑事局長

○政府委員(松尾邦弘君) 時効の起算点につきましては、刑事訴訟法の二百五十三条の一項に、「時効は、犯罪行為が終つた時から進行する。」とされております。組織的犯罪対策三法案に定める罪につきましても、これによるということになります。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 入管のことについてお聞きします。  北区の第二庁舎には運動場が全くありません。これは、国連の被拘禁者取り扱いのための最低基準規則の中の運動及び競技、戸外の作業に従事しないすべての被拘禁者には、天候が許す限り、毎日少なくとも一時間戸外で適当な運動をさせなければならないに明らかに反していると思います。これについていかがですか。

竹中繁雄法務省入国管理局長

○政府委員(竹中繁雄君) 東京入管局の第二庁舎は暫定的な施設でございまして、被収容者に十分な運動を与えるスペースを確保するだけの余裕がない実情にございます。  当局といたしましては、被収容者のストレスを防止するため、各居室にテレビを備えるほか、収容が長期にわたる場合は運動場が設置されている東日本入国管理センターへ移収する等いたしまして、適正に処遇をするよう努めているところでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 東日本は大変遠いですし、毎日運動するようにということに明らかに反しておりますので、外国人収容施設の待遇についてはもっと改善をお願いいたしたいと思います。  あと、入浴についてなんですが、週二回シャワーを浴びるだけです。ところで、横須賀刑務所のアメリカ軍人受刑者は毎日シャワーを浴びることが許されているというように、これは一九九七年九月十八日の参議院決算委員会で証言がされております。毎日シャワーを浴びることなどはできると思いますが、いかがですか。

竹中繁雄法務省入国管理局長

○政府委員(竹中繁雄君) 入浴につきましては、保安上の理由から、入浴の機会は原則週二回ということになっておりますけれども、罹病者、病気にかかっているような方など特別な配慮を必要とする方に対しては、必要に応じて追加的に入浴の機会を与えておりまして、被収容者の衛生面に十分に配慮し、その処遇に努めているところでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 外国人収容施設の処遇改善については今後もいろいろお聞きしたいと思いますので、特に北区の場合は一切運動場がないという点で入りたくないなと思いますから、その点の改善をお願いします。  それで、通告した中で、質問をちょっとはしょって申しわけありません。最後に警察の方にお聞きしたいと思います。  「女性を守る」という防犯パンフレットをつくられているのですが、かなりビジュアルでわかりやすいのですが、「女性の周りには危険がいっぱい。正しい防犯を」、気をつけましょうという、まだ残念ながら防犯パンフレットのトーンが強いように思います。被害に遭った場合にはあなたにはこういうことができるといった内容などをもう少し盛り込んだパンフレットをぜひつくっていただきたい。  それから、全警察官の職員に対して、例えば性暴力に遭った女性に対する研修などもやってほしいと思っております。  ある警察署で、あるアメリカ人の人が性暴力について被害を訴えた場合に非常に嫌な目に遭ったということで、国会の内部で勉強会を持ちました。彼女は、強姦致死傷、強制わいせつ致死傷いずれかに当たるような犯罪だと思われる事件で、加害者の男性を追いかけていって突き出したんですが、このケースの場合は逮捕もされませんでした。  しかし、ごく最近同じ警察署で、今度はグリーンピースという国際的な団体が、「大好き おもちゃ やめよう 塩ビ」という横断幕を垂らしたところ、建造物侵入、威力業務妨害罪で逮捕・勾留され、きょう事務所が捜索をされ、事務局長の自宅も捜索がされ、経理用のものやいろんな振込用紙が全部押収されていきました。  私が思うのは、性暴力について非常に軽い扱い、表現活動は、今環境ホルモンやダイオキシンは大変問題なんですが、「大好き おもちゃ やめよう 塩ビ」という横断幕、表現の自由活動に当たることをやって三人の外国人が今逮捕・勾留されておりますが、この取り扱いの差はどうして起きるんでしょうか。

林則清警察庁刑事局長

○政府委員(林則清君) 御指摘のいずれの事案も詳細は承知しておりませんので、一般論として申し上げますけれども、事件それぞれにはそれぞれの個性がございまして、逮捕の必要性あるいは証拠隠滅なり逃亡のおそれがあれば逮捕しますし、またあるいは、今捜索についておっしゃいましたけれども、計画的な犯行なのか偶発的な犯行なのか、そういったことでも捜索を必要とするものと捜索を直ちに必要としないものがあるわけであります。  でありますので、抽象的に、この事案が重くこの事案が軽いのに、なぜこれが逮捕でこれが任意だという御指摘は、一つ一つの事案に即して適正な刑事訴訟法に従った捜査をやっておるということで御理解をいただきたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 時間です。オーバーして済みません。ありがとうございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 法務大臣の所信に対する質疑でございます。  中村前法務大臣がおやめになった。そのとき私は党務でイギリスにおりました。私としましては、外国から、日本の閣僚がやめたときの外国の日本を知っている人たちの反応といいますか、意見というのを初めて聞きましたのですが、私自身も何でやめたのかよくわからない。まして英国の方々は、一体法務大臣という職責というのは日本ではどういう立場ですかという、日本の政治のあり方の基本を問うような話を大分聞かされたわけでございます。  私は、法務大臣というのはやはり内閣を代表する、国家論とか憲法観とかあるいは政治観、法務大臣がどういう考え方を持っておるかということによってその内閣の特色がわかるというような大変重要な役職だと思います。  新しくなられた陣内大臣は当然そういう御見解、御見識の方だと思いますが、私は法律の専門家じゃございませんので専門的な質問はしませんが、司法制度なり司法制度改革の根本問題について、時間の範囲でお尋ねしてみたいと思います。  まず、極めて激動しておりますし、また複雑な現代社会、ここでの司法権の機能、司法権の独立の確保も大事でございますし、さまざまな問題があるわけでございますが、現代社会における司法権の役割というものを大臣はどういうふうに考えておられるか、この辺からお尋ねしたいと思います。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 司法は国民の間に起こっておる法的な紛争に最終的な解決を与えるなどの役割を担っておる、このように考えておりまして、国家社会の基礎を支える重要なものであると認識しております。  特に二十一世紀の我が国におきましては、社会の複雑化、多様化、また国際化が進んで、その中で実施されている規制緩和等の改革によりまして、事後監視・救済型社会へと移行を始めておりますので、そういう中で起こってくる社会のさまざまな変化に伴い、司法の役割はなお一層重要性を増してきている、このようにも認識しております。司法権の独立の確保は極めて重要なことでございます。この点につきましてはそのような認識をいたしております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 司法権の独立ということで一番大事なことは、いろいろ憲法上の問題もございますが、行政府からのコントロール、すなわち、特に予算面での締めつけ、こういったことが事実上司法権の足を非常に引っ張るというような状況があると思います。これは立法府でも同じことでございますが、結局、国のそういう機関の経費、予算の査定を最終的には国会でやるわけでございますけれども、案をつくるのはやはり政府であるというところに非常に問題があると思います。司法制度の抜本改革というものを非常に今重点的に政府も大臣も推進されておるんですが、そういったところにひとつ御留意をいただきたいと思います。  さて、司法制度改革審議会設置法案が提出されております。聞くところによりますと、当初の案には改革という言葉がなかったようでございますが、この改革という言葉が入った理由をお聞かせいただきたいんです。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 確かに当初は司法制度審議会というような呼び方もされておったやに聞いております。しかし、現在は司法制度の改革と社会の変化に応じた司法制度の全体像を明らかにしていくということが必要であるという認識の上に立って、司法制度改革審議会というふうに命名したところでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 改革という言葉を法律の題に入れることによって法案の内容は変わりましたか。

房村精一法務大臣官房司法法制調査部長兼内閣審議官

○政府委員(房村精一君) この法案の趣旨はただいま大臣から御説明いたしましたとおりでありまして、当初から、二十一世紀の社会に向けて、その社会の変化に対応した司法制度の全体像を構築するということを審議会で御審議願いたいという趣旨で法案を用意したものでございますが、文言上その趣旨が必ずしも明瞭でないというような御指摘もございまして改革という言葉を入れるということになりました。趣旨としては変化はございません。もともと持っておりましたものをより明瞭にするために改革という文言を入れたといういきさつでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 わかりました。  御就任間もない大臣にお聞きすることでないかもわかりませんが、しかし大臣となった以上は当然法務省を背負って、あるいは政府を背負って、この司法制度改革審議会設置法案の成立の推進なりあるいは国民へ内容、中身の理解というものを普及させていかなきゃいけないと思いますが、今回の司法制度の抜本改革のねらいといいますか、あるいは哲学というのはどういうふうにお考えでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 今回の改革の趣旨は、国民的見地に立って社会の変化に対応した国民に身近な司法制度を実現しようというのが大きなねらいでございます。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 もうちょっと具体的に、現にこの国会でも法務委員会というのはたくさん重要な法案を抱えておるわけでございます。私は七年間法務委員をやっておるんですが、初めてと思うぐらい重要、しかも数多く法案が付託されることになっておるんです。当面緊急に制度の整備をしておかなきゃならない問題と、これは一つじゃないと思いますが、その一種の選択といいますか順位づけというのが非常に大事だと思います。それからもう一つ、すぐではなくともやっぱり一定の時期までにはどうしてもやり遂げなければならないというような問題もあると思いますが、そこら辺の位置づけ、ねらいはどのようにされているか、いかがでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 確かに、当面の目標、中長期的な目標、これをしっかりと整理した上で取り組んでいくということが大事だと思います。  当面の目標といたしましては、先ほど来議論されておりました組織犯罪対策についての法律、それから少年法の改正、あるいは成年後見の法律、民法の一部改正、こういったものが当面大事だと思っておりますし、中長期的には、いずれにしてもこれから司法制度改革審議会を設置していただいて、その中で二十一世紀の司法のあり方を論議していただく、その論議をまちながら私たちも方向づけをしていきたい、このように考えております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 二十一世紀の司法制度のあり方、そのための抜本改革、そのために改革審議会を設置する、こういうことになると思いますが、率直に申し上げまして、司法制度に限定してで結構でございますが、この審議会で憲法の見直しも含めて議論されることを大臣は期待されていますか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) これはすぐれて審議会で論点を整理して議論していただくことでございます。その結果をまちたいと思っております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 そうしますと、審議会のメンバーはどなたがなるかわかりませんが、審議会のメンバーによって、二十一世紀の日本の司法制度は現憲法の枠といいますかシステムではやっぱり問題がある、改革すべきだというような意見が審議会に出れば、当然これは政府としては、それを受けとめると言ったらちょっと大げさでございますが、それはそれなりに憲法の枠だけでなくて憲法の枠を超えた議論として審議会でやってもらう、そういうお考えでよろしゅうございますか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 先ほど申し上げましたとおり、この司法制度改革審議会における所掌事務に言う改革というのは、社会の変化に対応した望まれる司法制度の全体像を構築していただく、こういうことを指しておるわけでございます。本審議会においては、このような望まれる司法制度の全体像に向けて、現行憲法下における司法制度の基盤の整備に関し必要な基本的施策について調査、審議していただくことを予定しており、内閣としては憲法見直しを含めての議論を期待しているわけではございません。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 内閣としては憲法の見直しをするような視野でのいわゆる協議といいますか審議は期待していないということでございますね。  それでは、個人的な意見で結構でございますが、読売新聞社の憲法改正試案によりますと、これは司法制度にかなり大きな改正構想を持っておりまして、憲法裁判所の設置を提言しております。この点についてどういう御所見でしょうか、個人的な意見で結構でございます。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 憲法八十一条は最高裁判所における違憲立法審査権を認めておりますが、これは最高裁判所が具体的な訴訟事件の解決に付随してその事件の処理に必要な限度で行使する権限である、このように解されており、最高裁判所に具体的訴訟事件を離れて一般的、抽象的に憲法判断をする権限が認められているというものではないと思っております。このように具体的な事件の解決に必要な限度で審査を行う現行制度は、個別事件の適切な解決を通じて法の支配を実現するという司法の役割に合致した適切な制度である、このように考えております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 現行の憲法のシステムでよろしいという御意向だと承りました。  それでは、現行の憲法の違憲立法審査権、これは最高裁判所が持っておる権限でございますが、この機能は十分果たされていると思いますか、個人的な意見で結構ですが、不十分だとお思いでございましょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 裁判所におかれましては、現行憲法のもとにおいて適正にその権限を行使されているもの、このように理解しております。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 議論をしたいところですけれども、時間がございませんのでこれ以上このことについては申し上げませんが、私は不十分だと思っております。そういう意味で、司法制度改革審議会では大いに憲法論も含めて憲法の見直しも含めてそういう議論を期待するものなんです。  中村前法務大臣は憲法発言が多かったので、私は別にそのことでこだわっているわけじゃございませんが、時間の範囲で個人的な意見で結構でございますがちょっとお聞かせいただきたいと思います。  現在の憲法の改正手続の法制度が、憲法が制定されて五十余年生きてきたわけでございますが、全く整備されていません。例えば、憲法国民投票法というものもありませんし、それから憲法改正議案が国会に出される際の賛成者の数だとか審議の方法なんというのも全く国会法の中で書かれていないわけです。こういうことは私は憲法の欠陥である、こういうふうに認識しているんですが、法務大臣はこういう日本の憲法体系の状況について、日本国憲法の欠陥、日本国の統治システムには欠陥があるという御認識をお持ちでしょうか。あるいはそういう事実を御承知でしょうか。

陣内孝雄自由民主党法務大臣

○国務大臣(陣内孝雄君) 私は閣僚の一員として当然のことながら憲法九十九条に基づき日本国憲法を遵守、擁護するということでございまして、現在の改正については具体的に考えておりません。  なお、憲法改正手続の具体的なあり方については、そういう立場でございますので答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

平野貞夫自由党

○平野貞夫君 私は憲法を改正することについてどういう御意見かということをお聞きしているわけじゃないんです。憲法改正の手続の法整備が整っていない、これは日本の統治システムとしての欠陥ではないかという認識をお持ちかどうかということを聞いているわけです。  私も与党でございますからこれ以上追及しませんが、今憲法九十九条の憲法の遵守義務のお話をしましたのですけれども、憲法改正をする手続を規定していて、それの法整備をしない方が遵守義務違反なんですよ、実は。政府に憲法改正案の提出権があるかどうかということは、これは議論が一つあるわけなんですが、これは本当は国会の責任の問題だと思います。国会がこれを放棄しているということは物すごく怠慢だと思います。この近代国家で、憲法をつくって改正手続を規定して、その法整備をしていない国なんというのは地球上で日本以外にないと私は思っております。これはイデオロギーとか政策判断の問題じゃございません。もう国家として致命的な現象なんです。  これは各党の先生もよく御理解いただきたいと思いますが、私は、実体論として、この憲法体系の整備をできないということになれば、日本はもう一回占領されなきゃ憲法を変えることはできないという、こんな悲劇になると思うんです。私はそういうふうに思っています。こういう実態が今日のような日本人の堕落、日本の衰退につながったという、大分法務委員会の所管から離れましたんですが、意見を申し上げまして、答弁は結構でございますが、終わります。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 ごみのダイオキシン問題で焦点になっています日の出町谷戸沢処分場の情報開示要求と処分組合に対する間接強制金に関する裁判所の対応についてちょっとお尋ねします。  一九九四年十一月、住民が汚水データに関する情報開示を求めて証拠保全申し立て、仮処分申し立てを行いました。これに対して、一九九五年三月に地裁八王子支部が東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合に対しデータ開示の仮処分を決定したわけです。それで、五月には地裁八王子支部が、決定に従わない処分組合に対して、住民が求めた間接強制申し立てを認めて、一日十五万円の支払いを命じたわけです。七月には、まだ情報公開しないということで、この強制金を一日三十万円に引き上げた。九七年夏までこの間接強制金は二億円近くまで払われたわけです。公共団体が裁判所の決定に従わないで税金から罰金を払い続けて、住民の生命、健康を脅かすかもしれない情報を隠し続けた、これはもう社会的な犯罪に近いと私は考えております。  ところが、一九九七年六月に東京高裁が処分組合の抗告を認めて、仮処分を取り消す決定をしたわけです。住民が情報開示を要求したその根拠になったものは公害防止協定というものです。ここでは、周辺住民には処分場に関する資料を閲覧、提供しなければならないとはっきり規定されているわけです。これが根拠だったわけです。  ところが、東京高裁が処分組合の側に立って仮処分取り消しをした理由というのは、この文章の中の周辺住民というのは協定を結んだ自治会の住民のことであり、協定の効力は町民一般には及ばないということが理由になっているわけです。  こういう判断は、ダイオキシンの危険性ということ、この問題の本質がそれなんですけれども、ここから著しく逸脱しているわけです。協定の文言の一字一句にかなりゆがんだ解釈を行って、処分組合が置かれている混乱をただ収拾することを目的にして判定が出ているわけです。これはもう世論的にいうと一〇〇%異常である、不公正であるというふうに言われているわけです。  なぜ、一般社会の道理と高裁の判断がこれほどかけ離れてしまうのかという点についてお聞きしたいんです。

千葉勝美最高裁判所事務総局民事局長兼最高裁判所事務総局行政局長

○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 今、委員の御質問の内容でございますけれども、具体的な事件に関係する事柄でございます。関連事件も現在係属中でございますので、我々事務当局といたしましては、この点についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 これはまだ係属中ですけれども、別の部分のテーマをめぐって係属中で、こうやって既に結果が出たことについてお聞きしているわけなんですから、それが聞けないとなると、永久に聞けないような気がするんです。  私の考えでは、こういう判断が出たというのは、要するに、裁判所が間接強制金というものについて基本的なはっきりした認識がなかったのじゃないか。そしてまた、運用方針についても何も考えていなかったから結局こういうことになったのではないかと考えているんです。  つまり、仮処分後に間接強制金を払いなさいとなった場合に、払って居直ったケースというのはないということが一つの原因だと思います。しかも、公共機関が命令に従わずに税金でもってどんどん罰金を払っていったという、そんなことは想定できなかったのじゃないかということだったと思うんです。結局、それがいつまで続くかわからなくなってくるわけです。  それを収拾するために高裁が仮処分を取り消した。裁判の本来の目的である情報開示の方がすっ飛んでいるわけです。これは司法としては邪道じゃないんですか。本筋がなくなって、事態収拾のために判定を下すということだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

千葉勝美最高裁判所事務総局民事局長兼最高裁判所事務総局行政局長

○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 今の御質問の内容は高裁の決定の当否ということになりますので、これも具体的な事件に関係することでございますので、事務当局としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 この高裁の決定の影響を受けて、一九九八年の五月に地裁八王子支部が住民に対して逆の命令をしているわけです。間接強制金を全額返還しなさい、そして、しかもプールしていた期間の利子をも住民に払いなさいということなんです。同じ裁判所で、入り口と出口で百八十度転換があったわけです。  しかしながら、利子を払えという問題ですけれども、住民がこの間接強制金を受け取るように地裁が決定したんです。住民としてはそれを断れないわけです。それなのに、住民に利子を払えというのは余りにも不可解な判定だと思うんです。利子を払うのは住民じゃなくて、決定した地裁の方ではないかと私は思うんです。  それについてどう思うかということと、もう一つは、そもそもこの間接強制金というのは、罰金として要求した人に与えられてしまうものなのか、あるいは供託金としてどこかへ預けておくものなのか、基本的な性格はどうなっているんでしょうか。これをお答えいただきたい。

千葉勝美最高裁判所事務総局民事局長兼最高裁判所事務総局行政局長

○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 地裁の判断につきましても、これも具体的事件の当否に関係することでございますので、事務当局としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 しかし、間接強制金というものは実際に運用されているわけですから、どういうものかということを聞かれて答えられないという話は困った問題だと思うんです。これはどっち側に有利だとかという話じゃないわけです。  では、答えられないのでしたら、これはどうでしょうか。  東京高裁も最高裁も、後に、住民が求めている情報開示の中で、地下集水管の電気伝導度、これに関するデータを要求しているんですが、それは存在しないというふうに判断しているんです。もしこれが存在しないとすると、調査する意味がないわけなんですよ。親子丼に鳥肉が入っていなかったというような話なんです。だから、あり得ない答えを裁判所は出しているわけです。  なぜこのデータが存在しなかったというふうに主張できるんでしょうか。どういうふうな調べ方をして存在しないということがわかったんでしょうか。

千葉勝美最高裁判所事務総局民事局長兼最高裁判所事務総局行政局長

○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 今の点につきましても、これは具体的な事件の判断でございますので、事務当局としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 聞きたいことを聞いてもわからないと言うんじゃ、法務委員会で私は何をすればいいのか大変不安になってきました。裁判官という方々はどういうメンタリティーなんだろうなというふうな興味が次第に深まってくるんです。  そういう流れの中で別の質問をいたします。  一九四七年に最高裁が発足したときの最高裁の裁判官の構成というのは、裁判官と検察出身者が合わせて五名、弁護士出身者が五名、学識経験者五名という五、五、五というバランスでした。ところが、現在は裁判官、検察官出身者が八名です。弁護士出身者が四名、学識経験者が三名、その学識経験者三名の中の一人は最高裁に入る前に十五年間も裁判官の経験があったということです。  かなり出身分野の比率が変わってきているんですけれども、どういう経過でこういうふうになったんでしょうか。

金築誠志最高裁判所事務総局人事局長

○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 確かに、最高裁の発足当時は裁判官出身者五人、弁護士出身者五人、学識経験者五人でございました。この学識経験者の中には検察官経験者が入っております。  この五、五、五という比率でございますけれども、これは特に根拠があるということではございません。その後もこういう比率がずっと守られてきたというわけでもございません。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 根拠がないと言いましても、やはり同じ出身分野の人が多勢を占めるということは判断の公正さという点で大変問題があると思うんです。  私はちょっと弁護士出身者が減っているのはおかしいんじゃないかなと。この辺がやはり民間を代表してくる部分だというふうに考えます。また、法曹一元化ということが検討されているのであれば、なおさら弁護士出身者をふやすべきではないかと思いますが、どうお考えでしょうか。

金築誠志最高裁判所事務総局人事局長

○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 最高裁判事の任命は憲法七十九条一項、最高裁長官につきましては六条二項ということでございますが、こういう憲法の規定によりまして内閣の専権に属する事項でございます。つまり、内閣が閣議でお決めになるということでございます。下級裁判所の裁判官のように、最高裁判所が指名した名簿によって任命しなければならない、そういう制度もございません。  そういうことでございますので、内閣の専権に属する事柄について最高裁判所としては答弁を差し控えさせていただきます。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 それは形式的な話でしょう。実際は、最高裁の事務総局が原案を作成して長官に提出して、長官から内閣総理大臣に推薦するという慣例になっていると聞いているんです。  結局のところ、事務総局幹部の人がそのまま最高裁の裁判官になっていくというケースが圧倒的に多いわけですけれども、こうなりますと、お手盛り人事という要素が非常に強くなってしまうんじゃないかと考えますが、いかがですか。

金築誠志最高裁判所事務総局人事局長

○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 最高裁判事の任命につきましては、法規上の制度といたしましては先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、最高裁長官が長官としての立場で内閣総理大臣に対して意見を述べるという慣例はございます。これは長官が各種法廷の構成など裁判所の運営に一番詳しい立場にある、最高裁の裁判官の選任という事柄の性質上、司法部の意見を聞くことが望ましいということでこういう慣例ができ上がっていることでございます。これは長官が長官としての立場で意見を述べられるわけでございますが、決定は内閣の方でなさることでございまして、今お話がありましたようなことになっているわけではございません。

中村敦夫各派に属しない議員

○中村敦夫君 昨年の十二月の法務委員会で、人事局長は最高裁事務総局が裁判官の出世の登竜門になっていることはないという旨の答弁をしていますが、これは一つお願いがございます。  裁判官出身の最高裁裁判官のうち、最高裁事務総長経験者と最高裁事務総局局長経験者の比率がかなり高いように思われますので、これまでの裁判官出身の最高裁裁判官の総数と、このうちの最高裁事務総長または事務総局局長の経験者が何人いるか。また、一九八〇年以降に最高裁裁判官の職にあった者のうち、裁判官出身者の総数は何人で、そのうち最高裁事務総長または事務総局局長の経験者は何人かという詳細な資料を提出していただきたいというお願いを最後に、質問を終わらせていただきます。

荒木清寛公明党

○委員長(荒木清寛君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後五時四十八分散会

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