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145回国会参議院1999/03/26

農林水産委員会 第8号

発言数
74
登壇者
12
会派数
7
開催日
1999/03/26

会議録

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、全国農業協同組合中央会常務理事高野博君、東洋大学経済学部教授服部信司君、主婦連合会参与甲斐麗子君、日本農民組合新潟県連合会執行委員吉崎春治君、以上四名の参考人の方々から御意見を拝聴いたしたいと存じます。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。  主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお伺いいたしまして、今後の本案審査の参考にさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。  それでは、これより順次御意見をお述べいただきますが、あらかじめ議事の進め方について申し上げます。  御意見をお述べいただく時間は、議事の都合上お一人十分以内とし、その順序は高野参考人、服部参考人、甲斐参考人、吉崎参考人といたします。  すべての方の御意見の開陳が済みました後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、高野参考人からお願いいたします。高野参考人。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 御紹介いただきました高野でございます。改正法案の内容となっております件につきまして、意見を述べさせていただきたいと思います。  最初に、組織協議の経過につきまして御報告申し上げます。  一昨年、つまり平成九年の十月に私ども、第二十一回の大会を行いまして、ここで課題提起を行いました。一つは、まず食料・農業・農村に関する基本法の成立を目指したい、この国民合意を踏まえて次期WTO交渉に臨みたいということでございます。二番目に、平成十一年三月、つまり現時点でございますが、交渉再開までもう残り一年でございますので、現時点までには次期交渉に臨む基本方針をつくりたいと。そのときに、特例措置でいくのか関税措置でいくのか、どちらかによって交渉方法が大きく違ってまいりますので、その本音の議論を終了したいということを提案して、了承されたわけでございます。  これを受けまして、前段、基本法の成立に全力を挙げてきたわけですが、昨年の九月に調査会の結論が見えてまいりましたので、直ちに専門委員会を設置しまして、そこでWTO次期交渉に臨む方針を協議してきたわけでございます。  九月二十二日に、これは米以外の全部を含む交渉全体の枠組みとそれに臨む方針について協議いたしまして、組織に一万五千部の資料を配付して協議してまいりました。それから、十一月五日には、さらに絞って、米の特例措置と関税措置の問題につきまして協議し、これも一万九千五百部の資料を組織内に配付しまして協議をしてきたわけでございます。以降、同じ十一月十二日に理事会に諮りまして、さらに二十六日に農業対策本部委員会、これは全国の県の中央会の会長が構成メンバーでございますが、ここで米の特例措置について組織協議を十二月十四日までに行いたいという提案をいたしまして、了承を得たわけでございます。  大変短い期間でございまして、全県で組合長会議が一、二回開催されまして意向の集約が行われましたが、協議の中で、協議期間が短いという批判はかなり出されました。この点は深く反省しているところでございますが、内容につきましては、別の提案があるというようなこともございませんでした。これをもとに、十二月十五日に再度、農業対策本部委員会を開きまして、前提条件が満たされればその対応について会長に一任するという結果になったわけでございます。これを受けて、十二月十七日、外交交渉に直接臨む政府等とも協議いたしまして全中としての考えを決めたと、こういう経過でございます。  次に、私たちが判断いたしました内容についてでございますが、初めに、私どもは、次期交渉に臨む全体の基本姿勢をはっきりすべきだ、米だけを取り出した議論には反対でございます。  その点につきましては、恐縮でございますが、お手元に私どもの資料を出してございます。これの四ページに資料一ということで、私たちの主張の基本方向、「主張の要点」、「要求する項目」と書いてございます。  結論だけ申し上げますと、「要求する項目」の①、②にございますが、食料の純輸入国が、食料安全保障並びに農業の多面的機能を発揮させる観点から、国内法体系で定めた一定規模の国内生産を確保するための政策対応が協定の新たなルールとして確立されることを要求していきたい。それから、②といたしまして、国土・環境保全地域、つまり中山間地域の機能を維持するための農業生産支援政策が新たなルールとして承認されるよう、それを求めて次期交渉に臨みたいというのが私どもの全体の結論でございます。  中間整理でございますが、目下、協議を継続中でございますが、そういう中間整理に基づきまして、それではさらに絞って、米のミニマムアクセスについてどうするかということでございます。  これにつきましての私たちの見解は、一つは、私たちは現在三五%の生産調整を実施しているわけでございまして、そういう状況下で無理やり米を輸入させられる、そういう仕組みには基本的に反対でございます。しかし、現在、国が批准している協定では、米の最低輸入義務、ミニマムアクセスというものを免れる方法は、脱退するかあるいは三分の二の同意を得て協定の修正をするかしか方法がないわけでございまして、私どもなりに考えますといずれも実現性は非常に少ないと考えざるを得ないわけでございます。したがいまして、現在の協定期間内、二〇〇〇年までの選択肢というものは、特例措置を選ぶか関税措置を選ぶかしかないと考えたわけでございます。  そこで、当面、つまり二〇〇〇年までの措置につきましては、これはこれなりに冷静に分析して、我々に最も有利な方法を選びたいというのが私どもの考え方でございます。  それから、二〇〇一年以降の措置につきましては、これこそ次期本格交渉でございますが、ここでこそ我々の基本方針にのっとった現行ルールの改革を交渉していただきたい、我々はそれを要請したいと考えているわけでございます。  そこで、当面の二〇〇〇年までの措置についてでございますが、まず特例措置につきましては、二〇〇〇年段階の輸入義務数量が八%と最高に高いわけでございまして、大変不利であると考えております。  それから、事前に、つまり二〇〇〇年の段階で八%プラスアルファの譲許が義務づけられている。このことはさらに私どもにとりましては不利だと思っております。  三番目に、例えば二〇〇〇年の段階で、その段階の輸入義務数量を譲らずに凍結しながら二〇〇一年以降の本格交渉での改革を要求する。こういうことですと交渉方法として整合性があるんですが、今申し上げましたように、二〇〇〇年で既に譲許を示していくとどんどん譲っていかなきゃいかぬと。そういう中で、二〇〇一年以降のルールとしてそれと違うような、それを打ち消すような改革を要求する、これは交渉方法として大変成り立ちにくい方法だと考えましたわけでして、これも大変不利であると思ったわけでございます。  それから、特例措置の交渉は二〇〇〇年一年で終わると書いてありますから、いわば二〇〇一年以降の交渉の前哨戦であります。でございますので、輸出国にとってはそこで日本の譲歩を引き出して本格交渉で大いにさらに攻め込みたいと考えるわけでございますので、いわば本格交渉の前哨戦として日本が孤立して交渉の矢面に立たされる、このことはまたさらに大変不利であると考えたわけでございます。  そこで、関税措置についてでございますが、これについては幾つかの前提条件が議論する場合には必要だと考えました。一つは、規定に基づいて適切な二次関税が設定されまして、大部分の米につきまして関税措置に切りかえても現行措置と同じような効果が見通せること。そうじゃございませんと改悪になってしまいますので、その前提条件が要ると思います。二番目に、その二次関税水準の維持について努力の合意がなされることが必要だと考えました。それから三番目には、輸入米について国内の生産調整に影響させないような政府の責任ある対応が継続できること。そういう前提条件が満たされていけば、関税措置については二〇〇〇年段階で、さっき申し上げましたが、義務数量が低くて済みますし、交渉方法としてもベターだと私どもは考えたわけでございます。  したがいまして、前提条件が満たされるならば関税措置は選択可能だ、そこがかぎだと考えたわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、十二月十七日の政府との折衝協議で条件が満たされたと判断いたしまして決断したわけでございます。  以上でございます。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ありがとうございました。  次に、服部参考人にお願いいたします。服部参考人。

服部信司東洋大学経済学部教授

○参考人(服部信司君) 東洋大学の服部でございます。私は、日本、アメリカ、EUという先進国の農業経済と、ガット・WTOという農業の国際関係の研究を中心にしております。  きょうの食糧法改正についての私の意見ですが、結論から申しまして、お手元にきょうの私の意見を簡単なレジュメとして配付してもらいましたけれども、今回の関税化への移行の決断、それに基づく食糧法の改正、これを高く評価したいというぐあいに考えています。  大きく言いまして、米の国境措置については、五年前のウルグアイ・ラウンド合意以降、関税化の実施を猶予している状態、すなわち特例措置を継続するのかあるいは関税化に移行するのか、この二つの選択肢しか基本的には存在していないというぐあいに考えることができます。このことをはっきりさせるために、ウルグアイ・ラウンド合意、特例措置というものを簡単に再確認しておいた方がよいというぐあいに考えます。  九三年十二月のウルグアイ・ラウンド合意では、すべての輸入制限などの関税以外の国境措置を関税に置きかえること、この包括的な関税化の原則が合意されたわけです。同時に、輸入量が極めて少ない品目について、極めて少ないというのは国内消費量の三%未満しか輸入がないという品目ですが、これについては最低輸入量、ミニマムアクセスというものも設定されたわけです。九五年に国内消費量の三%を輸入して、二〇〇〇年に五%に引き上げるべきと、これも合意されました。  ただし、関税化についてはいわゆる特例措置というものが設定されまして、特例措置の適用を受けたい国は代償を払うという条件のもとで関税化の実施についてその猶予が認められたわけです。  我が国はミニマムアクセスを、通常ですと、当初三%、最終年度に国内消費量の五%を輸入するということですが、これを当初四%に引き上げ、最終年度には国内消費量の八%を輸入する、こういう代償を払って関税化をこの間猶予してきたという状態になったわけです。  さらに、協定の中において、二〇〇〇年までに関税化に移行するのか、それとも再度関税化の猶予を続けるのか、これを特例適用国は決めるべきとされておりまして、さらに二〇〇一年以降も関税化を猶予し続ける場合には輸出国が受け入れ可能な追加的な譲許をしなければならないということが協定の附属書に明記されているわけです。  そうしますと、輸出国が受け入れ可能な譲許というのは、つまるところミニマムアクセスの上積みをするという以外にないわけでして、これは前回のウルグアイ・ラウンドの前例に基づけば、五年か六年の間でミニマムアクセスを八%からさらに一二%前後に引き上げるという譲許を迫られざるを得ない。精米に換算しますと百十万トンから百二十万トンの米を五、六年後には輸入しなきゃならない、こういうことにならざるを得ない。とてもこれは我が国として基本的に選択できる方向ではないというぐあいに考えざるを得ません。  さらに、協定においては、仮に二〇〇〇年を待たずにウルグアイ・ラウンド合意の実施期間の途中で関税化に移行する場合には、年々のミニマムアクセスの増大幅を半分に減らすことができるということも明記されております。そうであれば、米の国内体制が整った段階でもってなるべく早く関税化に移行した方が日本にとってはプラスになるという判断ができるわけです。  こうした点を冷静に考えれば、九九年度から関税化に移行するという決断は、冒頭申し上げましたように、高く評価されていいのではないだろうかというぐあいに考えています。  特に、この検討、決定過程でもって生産者団体が、単に全国レベルにおいて検討して決定したというだけではなくて、都道府県レベルでもって組織協議を行って意見を集約し、その判断に基づいたということは重く受けとめていいことではないだろうかというぐあいに考えております。  ただし、この決定過程について議論の時間と議論の範囲が十分ではなかったという御指摘と批判があるわけです。  もちろん、広い範囲でもってより多くの時間をかけて議論が行われ決定が行われれば、これにまさるものはないというぐあいに考えます。ただし、今回の場合に、WTO、世界貿易機関のルール、三カ月前に通報しないと国境措置の変更ができないというルールがあるわけです。来年度、ことしの四月一日から関税化に移行しようとすれば去年の十二月の末までに世界貿易機関の事務局に通報しなければならない、そういう状態のもとにあったということが今回の場合には考慮されていいのではないだろうかというぐあいに考えます。  しかし、今回の決定過程については、以降はこういうことを繰り返さないという方向でもって教訓にしていく必要があるんじゃないだろうかというぐあいに考えております。  それから、最後に、日本の米の関税化に対して豪州から異議の申し立てが出ております。これについて私の考えを一言申し上げておきたいと思います。  豪州のフィッシャー貿易相の異議の申し立てを読んでみますと、関税が高いことに満足できない、それから算定方法に異議があるの二点でございます。  ただし、関税が高いというのは、WTO協定にのっとって内外価格差を算定した結果高い関税額になったわけでありまして、それはいわばWTO協定の内容の結果そうなっているのだというぐあいに私は理解しております。そもそも、WTO協定は内外価格差をそのまま関税に置き直すということで関税化を定義しているわけでして、内外価格差が高ければ高い関税額になるのは当然の結論であります。フィッシャー貿易相の批判は、言いかえてみるとWTO協定そのものに対する不満のようにも受け取れます。  また、算定方法に異議があると言っていますけれども、どこに具体的な問題があるのかという点に関しては一切触れられていません。やはり、それは我が国の関税額の算定が協定の手順にのっとって行われている結果ではないだろうかというぐあいに考えています。  したがいまして、こうした豪州の異議とかあるいはEU、ウルグアイからの留保がございますけれども、こうした国々に対してはさらに政府のサイドから説明を行いつつも、今回の食糧法の改正をもって四月一日からの米の関税化への移行を行うことに賛意を表して、私の発言を終わりたいと思います。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ありがとうございました。  次に、甲斐参考人にお願いいたします。甲斐参考人。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) 主婦連合会の甲斐でございます。こういう機会は初めてでして、全く素人でございますので、お聞き苦しい点がありましたらお許し願いたいと思います。  このたび、私どもに意見を述べろと言われておりますことは国内法の改正についてでございます。これにつきましては、もう既に昨年末に三者合意、これは今御発言なさいましたお二方もおっしゃられますように、いろいろな意味で十二月末までに上げなければならない、そのところには消費者、食べる人は全く不参加だったわけです。  私は、実は米価審議会とそれから今回の農業基本法の見直しに関しまして初めて食べる人の意見を入れなきゃいけないということで委員に出されておりました。その中で、一生懸命考えておりましたんですけれども、何回かウルグアイ・ラウンドのミニマムアクセス米のことを俎上にのせないで検討できないのではないかというお声も上がったんですが、これは土俵が違う、場所が違うということで触れずに来たんです。  それが突然として、私が知りましたのは残念ながら一般紙の取材だったわけです。私は委員に出ておりましたものですから、取材がありました。ところが、動きを全く存じませんでしたので大変びっくりいたしまして、早速、関係省庁の方にお電話でお伺いしたんですけれども、それでもなおかつ余りはっきりしませんで、お取り上げいただいたのは食糧庁で、確かに消費者のところには資料が行っていなかったかもしれない、だけれども新聞が騒いでいるように農業者にだけ言って、全中の方が御参加なさっていたわけですけれども、三者合意といってもそちらが勉強会をしておられたので資料を提供しただけで、農水省がリードしているという新聞報道は間違いであると。  それでは、私たちも資料をいただきに伺わなければいけなかったんですねということで申し上げましたところ、こちらもやはり消費者の意見を聞くべきであったと思いますので、早速、勉強会を開いてくださるのなら説明に伺いますということでした。ところが、もうそのときは既に、私どもも日程を決めたりいろいろいたしますのに、十二月の初めでしたので、私どもが勉強会を持ちましたのは多分十二月二十四日、そのときは、私どもがお願いしたんじゃなくて、農水大臣もお見えになったんです。それで、やっぱり食べる人の意見は大事だということをお気づきいただいたのかと思いましたけれども、時はもう三者合意ができている後です。  ですから、結果的に言って、その合意のところに入れなかったことに大変不満を持っておりますけれども、決まってしまったところで国内法を改正しなければいけないというところは賛成でございます。ここでもって国内法を改正しないで関税化をとめたところでごたごたするだけのことですし、その余力は今度は関税化になったときの受け皿の方に力を注ぐべきだと思いますので、結論としては賛成でございます。  ただ、勉強会をいたしました後で、私が皆さんにわかりやすいような一文を書けと言われまして、消費者団体のネットワークというところに載せました。私のそのときの生の感想なので読ませていただきます。  今回の政府、与党、農業団体三者会議は、つくる人、食べる人が不在であったように思います。日本の農業を守るためには国民の理解が必要と言われながら、大事なところがいつも蚊帳の外です。  資料を御説明いただいて、当面の最良の国益を考えた選択ということは理解しましたが、貿易交渉は相手のあることです。特に、厳しい面に立たされています我が国にとりまして、バックにつくる農民と食べる国民の支持がなければ力にならないということを心にとめていただきたい。  ミニマムアクセスを受け入れたときに、いずれ関税化に移行しなければならないということは関係者にはわかっていたはずだと思うんです。そのときまでに日本の農業の体質を改善して強い農業をつくるんだということでウルグアイ・ラウンド対策費として六兆百億円が投じられた、私どもはそう理解しておりました。  ところが、関税化に移行するに当たりましてもまだ受け入れ体制は不備で減反廃止も打ち出せない、それが現況でございます。世界に向けて自由化になっているのに国の中ではまだ自由にやっていけない状態、これはやっぱりいろいろ問題がありますので、受け皿がまだまだ必要なんだとは思いますが、日本の農地、農業をどう守っていくかという強固な姿勢を持って、この次の貿易交渉、農産物貿易のルール確立へ国として全力を投じていただきたい、そういうようなことを書いて皆さんの参考にしていただいたわけでございます。私が思っておりますことは、集約しますればこういうことです。  そして、米価審議会におきましても、新食糧法ができた段階、それから新米政策大綱、それから新たな麦の政策大綱、精力的に新しいことへの受け皿、やってくださっているのはわかるんですけれども、大変おくれているといいますか、急がなければならないのになかなか追いつかない。ここで関税化になりましたときに、農業の方がどうなるのかなというのは大変心配でございます。  そして、農業基本法の見直しに初めて食べる人とかそれから中間団体、今、食料は加工品でいただく部分が大変多くなりましたので、消費者の意見と言われましても加工業とか外食産業とか、食の外部化と申していますが、そこのパーセンテージが大変高くなりましたので、そういう国内企業の方々も含めて消費者の八割が国産品を使ってほしい、自給力を上げてほしいというのは、もっと高い九十何%になるかと思います。自給力を上げないと、先進国の中で最下位の自給力しか持っていない日本は心配だというのはみんなの意見で、これはだれも変わることがないんですが、ただ、一%上げるためにどれだけの努力をしなけりゃならないかということは、いろいろの資料で勉強しましたときに、これは大変なことなんだなと思っております。  ですけれども、世界は今、環境問題が浮上いたしましていろいろ問題になっておりますが、日本の農業の体質も自然を大事にする形に変えながら、日本型農業といいますか、日本は特殊な地形にあります。とても価格では外国に対抗できません。だとしたら、プラスアルファ、何かそこに付加価値をつけた上で守っていかなければならないんだと思います。その付加価値は価格だけではなく、もちろん今度の農業基本法の中にも入れられましたけれども、国土を守るとか水を守るとか、そういう日本の特殊地形の中で多面的な機能を持っているんだということ、それは重要に考えたいと思います。  もう一つは、工業製品と違いまして農産物というのは生物ですので、均一化とか効率化とかそういうものにだけ目を向けていった工業製品とは全然違いまして、そういったところでいい結果が得られるとは私は余り思わないわけです。嗜好品は結構ですけれども、特に命のもとであります食料につきましては、どの国も自給を最高の目的としてやるべきと。もちろん、何かあったときに助け合うことは大事ですけれども、自給ということは大切なことだと思っております。今は畜産物につきましても飼料が全部輸入です。そのために日本の穀物の自給率は下がっております。  そこら辺も、循環型農業ということにも目を向けて、国内でどれだけ農業を盛んにできるかということを真剣に考えたいというふうに思っております。  ちょっと時間が足りませんので、また後から御質問で答えさせていただきたいと思います。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ありがとうございました。  次に、吉崎参考人にお願いいたします。吉崎参考人。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 紹介をいただきました吉崎でございます。主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律案、このことについて意見を述べてみたいと思います。  まず、私は、昭和三十二年に中学校を卒業しまして四十二年間、稲作農業をこれまで頑張ってまいりました。十年前から、今テーマになっております環境の問題、これが農業現場では大変な課題になっております。とりわけ、最近はダイオキシン問題、農薬に入っているダイオキシン、これは現実に作付するたびに散布をして雑草を絶やして、それから春耕に入るわけでありますけれども、農業者が加害者であり、一方では被害者になっているということについて、皆さんから御理解をいただきたい、こう考えます。  環境保全型の農業に取り組んで十年たちました。昨年は、県のガイドラインに沿って三万八千のシールを購入しまして、消費者に届けております。今、現場では生態系が農薬漬けのためにほとんど死滅状態になっていることの現実を皆さんにひとつ御理解していただきたいなとこの場を通して訴えておきたい、こう考えるわけであります。  私の村は新潟県西蒲原郡潟東村でございます。一万六千反の田んぼを擁しておりまして、減反は、御案内のように県下で二番目に達成率の低いところでございます。六九%ほどだと思っております。  まさに、米にしか頼れない湿地帯で、昭和二十七年の土地改良法によって、泥の田んぼから水を抜く作業をすることによって、営々と先祖から引き継いできて、ようやく今、美田の姿に整っております。今でもそうでありますけれども、先祖から、いかに早く田んぼに水を引いてかん水をさせて、そして苗を植えるかという、こういう連続であったはずであります。  今、私が四十二年間百姓をしてきまして感じていることは、当初は牛で農耕をやりました。牛によって田打ちをし、そして代をかいて田んぼに水を張り、田植えをしてまいりました。そういう時代を今振り返ってみますと、当時の方が一番よかったですね、暮らし向きは。非常に自然が豊かで、危ないの何のと、そんなことは全然ありませんでした、農薬がなかったんですから。振り返ってみると、まさに原点に返らなきゃ、日本の環境、国土そのものを守るためには、農村現場からでないとこれはうまくないなというふうに実感として思っております。  私の村の農業経営の実態はオール兼業でございます。専業で飯を食べている人は一戸もありません。全部が兼業です。  そういう状態の中で、国の政策がどんどん行われてきておりますけれども、現在はまず後継者がいないということであります。よく言われるんですけれども、親の背中を見て子は育つ、こうなっているのでありますが、親の背中を見て子が逃げるんですね。ちょっと時間をとって済みませんけれども、農業高校を出ました、農業大学校を出ました、大学を出ました、農業を選択する人はいません。  この現実にも明らかなように、いかに農業が魅力のないものか。要は、所得が成り立たない。そういう産業だということははっきりともう今日現在、まさに現場は悲鳴を上げております。限りなく六十五歳が後継者でございます。七十歳になればなかなか農業が思うようにいかぬということで受委託に出すわけですけれども、受委託といっても、構造的な面がまだ整っておりません。  そういう意味では、受委託なり農地の集約によって大規模経営ということを言っていますけれども、農業というのは、水を張って種をまいて、そして植えつけて、刈り取って出荷してと、こうなるのでありますけれども、やっぱり機械的にはどうにもなりません。雨風が吹いても、また水が不足しても、強風が吹いても、おてんとうさまの下で育つ稲作でございます。これは果樹でも何でも一緒なんですけれども。そういうところで機械的にはどうにもならないという現実をいま一度日本の国民は考えてみる必要があるんだろうと、こう考えております。  さらに、耕地が、減反政策が三十年続いておりますから荒れ果ててきております。農地保全、田んぼを保全すると水張り減反。うちの村は本当に湿地帯ですから、ソバをまいている人もいます、また大豆をつくる人もいます。水をかぶっちゃえば、風水害によって皆無でございます。品質が劣化します、価格が成り立ちません。そんな意味で、減反は非常に苦労を重ねてやっているんです。調整もしているんですけれども、思うようにいかないのが現実でございます。  そこへもってきて、今まではミニマムアクセス米、今度は関税化によって障壁を取り除くという方向に国はどうも動いているようでございますけれども、私は、今どなたか発言しましたように、国境措置、これはやっぱり輸入国の立場でどうしても考えてほしい。  輸入国の立場というのは、日本は先進国ナンバーツーと言われておりますから、そういう点では輸入国の国々と連携を密にして、そうして輸入国ではあっても農業を営むことのできる権利、これを農民に与えてほしい。経営が成り立つような仕組み、これもやっぱりぜひ考えてほしいということをお願いしたいと思います。  中では、このことによってミニマムアクセス米が一定程度減りますよとか、それから高水準の二次関税を課することができますよとかということになっておりますが、WTOの三分の二の賛成を得てルールを変えるということは非常に難しいということもどなたか今おっしゃいました。しかし、やっぱり日本がリードをして、そしてこの新しいルール、これを積極的に果敢に提案するべきだと、こう考えます。  もとへ戻りますけれども、今、親の背中を見て子供が逃げると言いました。百姓現場では兼業で飯を食っているわけです。農業だけでは飯が食えないのがうちの村の実情ですから大変です。しかし、いずこも同じでございます。非常に不況でありまして、仕事の現場がなくなってきております、今日現在。仕事の現場がなくなっているということは、非常にことしは不安です。  そこへもってきて、価格の問題が不透明でございます。不透明ということは、そこに意欲がわかないんですね。新しい後継者を育てて、集落営農でもやろうか、集落営農が一番いい方法だなと。大規模経営ということでこれからは進むように構造的に変えていくようなことがうたわれておりますけれども、さっきも言いましたように、集落営農でないと人手が間に合わない。五人や六人であの広大な農地を耕し切れるものではないんです。土にまみれるというのは、まさに手袋をして泥の中で仕事をするのが農業です。働く者は一緒なんですけれども、背広を着てネクタイをしてやるわけにいきません。雨が降っても風が吹いても農地に出ていかなきゃだめなんですから。  そういう点では、村人が年をとっても農業にかかわってほしいなというシステムづくり、私はそれをねらって今地域で頑張っているつもりでございますけれども、そういう点では、非常に所得が少ないために苦労がつきまとうわけです。  デカップリングの話が新しい農業基本法の中には組まれるようでございますけれども、その政策についての中身は、まだ実施されておりませんから明らかではありません。しかし、私はいつも新潟で言うんです。平場がやりにくい時代です。中山間地が農地がどんどんつくれるのであれば広大な面積を耕作できるんです。平場はそうはいきません。なぜならば、平場は大体二町五反歩から多い人で百反ぐらいつくっている人がいるんです。平場は二種兼業なんです。賢い選択なんです。農業で食べられないのを他産業に行って建設業現場で働いて、そして補って飯を食っているんです。こんな職業はどこにもない。そういう職業というのは日本だけだと思います。どこへ行っても考えられないことなんであります。農業県の新潟県ですべてが兼業というこの構造、どういう構造に日本の農業の形態を持っていくかということについては、地域の知恵、みんなで考えた地域政策を国の政策として取り上げて、そのことによって活性化を図るという方法が一番よいような気がして私はなりません。  まさに、今、所得が少ないです。そういう意味では、日本の農業を守るためには直接補償制度、所得補償制度を真剣に考えてほしい、これが今、現場で訴えられている最大のテーマだと思っております。  繰り返しますけれども、まさに現場は農薬漬けによって人手を省いております。薬漬けの稲作、薬漬けの野菜なんです。安全、安心、こういうことを考えたときに、手をこまぬけばこれはやっぱり危ないものを散布しなきゃだめです。  私は、関税化については基本的には反対です。外交のことについては私は全く素人ですからわかりませんけれども、日本が貿易ルールに参画をして改正するなり方向を変えていくというのは皆さん方の役目であると思っております。しかし、現場はそんなことを構っておられません。今、悲鳴を上げて、年寄りが腰の痛いのを我慢して農業をやっているんです。なぜならば、愛着があるからです。  そういう点では、農村の現場をもう少し的確に掌握して、まさに今回の関税化は私たちにとっても寝耳に水なんです。何も知らされておりません、現場では。ただ新聞報道や、いや組織が、賛成が多いとかいろんなのがありますけれども、下部では全然知らされておりません。これが残念でなりませんし、そんなところで方向が決まっては困るなと、これが私の率直な意見でございます。  さらには、私はミニマムアクセス米には大反対でした。ガット交渉のとき、八十七人連れてベルギーまで行きました。当時の農林水産大臣は山本大臣でありました。それだけやっぱり現場も関心を持っています。いますけれども、現場の実情と乖離をしています。  もう少し現場の声が取り上げられて、そして集落、この機能がちゃんと守られるように、農村社会というのは人と人とのつながりがその地域の稲作振興を果たしてきているわけですので、どうぞひとつそういうことも加味しながら、外交もそうでしょうけれども、交渉もそうでしょうけれども、いずれにしましても私どもは素人でございますが、まさに現場の声をとらえてほしいことをお願いして、私の意見とします。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ありがとうございました。  以上で参考人の方々からの御意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

中川義雄自由民主党

○中川義雄君 自民党の中川義雄です。  きょうは本当に忙しい中、御苦労さまでありました。そして、先ほど来、率直な御意見をお聞かせいただきまして私も大変感銘しているわけでありますが、特に主婦連の甲斐さんのお話に私も全面的に同じ気持ちだということを述べさせていただきたいと思っております。  今回のこの政策決定に当たって、本来ならば国民的な合意を得る、それを前提にすべきところを、時間がなくてこんな形になったことを政府・与党の一人としても深くおわびしながら、しかしこれからの新たな問題に対してここがまた一つの出発点という角度からぜひ御協力いただきたいものだと、こう思っているわけであります。  この問題は、次期WTO交渉で国益をどうやって確保するかというぎりぎりの選択の中で出てきた問題だと、こう思っております。ですから、この法案を通すことが目的でなくて、次期のWTO交渉でこの国の利益、特にこの国の農業を守り農村を守る、そして食料を守るという観点からどれだけの力を発揮できるか。私は、そういう意味で今から十年前の時代と今では大きく変わっているような気がしてなりません。  その一つは国内世論であります。十年前といえば、やはり輸出立国として工業製品を輸出して、その付加価値によってしか資源の少ない日本は生きる道がない、だからそれを優先するべきだという声が非常に多かった時代であります。しかし、それに対して最近は、農業の持っている機能というものはかけがえのないものである、特にその多面的機能、そして食料、そういったものから見まして非常に大事だということで、そのためには国民の合意ということが次期交渉で大きな意味を占めると思うんです。  そういった意味で、主婦連はやはり消費者を代表する立場で、消費者がどのように考えて、将来どういう希望を持っているかということを次期交渉に向けても取りまとめる努力が必要だと思うんですが、そういう観点からもし御意見があれば出していただきたいと思います。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) ありがとうございました。  何か発言の仕方がよくわからないものですから要領を得ないかと思いますけれども、やはり二十世紀は科学技術の大変進んだ時代でして、今、新潟の吉崎さんもおっしゃられましたように、農薬漬けとか化学薬品漬けの国土になっているということは否めない事実です。  そして、今、環境問題が浮上して、これからの地球環境というのはみんなで環境を考えなければ生物が生存し得ない。人間だけが生き残ろうと思いましても、人間も地球上の生物です。そして、生物というのは私は効率化とか経済性だけでやっていけないものだと思いますのは、均一化、効率化で物が進展しないと思うんです。多様性とか質の向上というのはもっと細やかなもので、工業製品とは一致して考えられない。  それから、よく国が豊かな今の国民の生活を維持するためにとおっしゃるんですけれども、私どもは今豊かだと思っていません。量は大変豊かですが、今、主婦たちが感じておりますのは安全と安心です。安心というのはまさかのときに自給できるかということ、安全というのは農薬とかそういう化学肥料に頼らないで国土を大事にしていけないかということです。  そうしますと、国がまずやっていただきたいのは優良農地の保全。そして、まさかのときといいますと、昭和三十年代ぐらいですか、そのころのカロリーに戻すとどうやら何か努力できるのではないかという目安が見えます。今この時期にそのカロリーに落とせということはできませんけれども、国がやることは、やっぱり何かのときに掘り起こせばこれだけはつなげていける、そういうことだと思うんです。戦争を考えるばかは今いないなんというふうに経済界の方に言われましたけれども、そうじゃなくて、エルニーニョ現象とか気象状態とかそれからオゾン層の破壊とかいろいろございますので、生物の生存の意味にかけましてそれぞれの国が最低の食料は自給すべき、これが私の立場でございます。よろしくお願いします。

中川義雄自由民主党

○中川義雄君 今、二十一世紀に向かって大きなキーワードとして言われているのは、持続可能な社会をどうやって維持していくか、そういう中で産業政策をどう考えていくか。そのポイントとしては、環境が大変劣化して生き物が将来とも生きていけるかという環境問題が一つあります。それから、もう一つは人口爆発、それによって食料が本当にできるのかという一つの話があります。  そういう中で考えますと、農業という産業は私は優等生だと思うんです。それはなぜかというと、今の農業ということじゃないです。これまで何万年間人類が営んできた農業というのはまさに資源還元型産業であって、ゼロ・エミッション、要するに排出するものがすべてまた土に返ってできていくというような産業であること、それから投入されたエネルギーに対して産出されるエネルギーが多いということ、そのために資源を乱消費しなくてもできる産業ということで、これから農業を新しい角度で見ていかなければならないと思うんです。そのためにも、次期交渉においてはそういう農業の大事さを国民的な合意を持って当たらなければならない。  そういった意味では、もちろん政府も政治家もその努力をしなければなりませんが、農業団体もその努力をしていく必要があるのではなかろうか。特に、最近の国際会議などにおいてはNGOの発言力というものが非常に高まってきております。  そういう中で、全中としましては、これから国内世論を統一してNGOの皆さん方もみんながそこへ参加して、日本の国益に向かってみんなで議論するというような場を考えるような運動を展開してみてはどうかと私は考えますが、高野さんの御意見を聞かせていただきたいと思います。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 先生の御指摘のとおり、私どももそう考えておりまして、実は三年ばかり基本法に取り組む中で、全国の各県で財界の方や生協の方や消費者の方やいろんな方々に入っていただきまして、組織をつくって議論してきました。  そういう運動を足がかりにしまして、それをさらに発展させて次期交渉に臨む体制をつくりたいというのが私どもの考えでございまして、中央におきましては、三月十八日に食料・農林漁業・環境フォーラムというのを幸いにして設立する運びになりまして、代表は木村尚三郎先生でございまして、隣の服部先生が幹事長でございまして、副代表に立松和平さん、梶井先生、山地先生、連合の笹森さん、生協の藤岡さん、それから原田会長等々が参加しておりまして、設立することができました。こういう組織を中心にしながら、まさに国民的な議論の中で次の交渉に向かって取り組んでいきたいと考えております。よろしくお願いします。

中川義雄自由民主党

○中川義雄君 そういう観点からいいますと、最近の国際会議といいますか国際世論というものも、農業問題についてはこれまでの輸出国中心の発言から輸入国のいろんな議論もあわせて議論されてくると。特に、九八年のOECDにおける合意では、実は両論併記という形の中で、輸入国の倫理、要するに食料安保的な。  その中には「飢餓の世紀」という非常にすばらしい本を書いた方がおりまして、その方はこういうことを広く全世界に訴えております。それはレスター・ブラウンという人なんですが、このような飢餓の時代に国民を養う責任を果たせるのはその国の政府だけなんだ、だから政府がみずから国民に食料をどうやって安定的に供給するかということを政策の一番中心課題にしなければならないという有名な言葉を残して、それが全世界の世論形成に大きく反映されていったと聞かされております。  そういった意味で、主婦連の立場から、消費者の立場からこの食料問題について、そして特に米の問題について、次期交渉を含めて何か御意見がありましたら、再度お願いしたいと思います。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) 何を申し上げたら中川議員が満足してくださるのかなと今思ったんですけれども、命の糧ですから、私どもは何しろ国の農業を守りたいし、農業予算がたくさんあるということは決して不満ではないんですけれども、今まで農業に対する国の予算は大変不透明でした。今お隣の吉崎さんが、現場から盛り上げたところでやらせてくれないかとおっしゃった。まさに、今地域の時代で、地域から発想して計画を立てたものに対して予算を上げるというような形の方が正しいのではないか。今までは上から予算を投げかけて、しかも報告もなかったと。  私は、たしか自民党の朝食会でも申し上げたんですけれども、ウルグアイ・ラウンドの予算がどういう進展でどういうふうに使われているか知りたいと申し上げたことがあります。だから、そういう意味で予算を使われることはだれも反対しないんですけれども、透明に、本当に農家の方が生き生きとできる形の予算の使い方をしていただきたい。そういうところへは消費者も協力いたします。  そして、全中の方も、今ここにいらっしゃるんですが、農家の隅々にまで伝わっていなかったというところを農家の代表として、やはり耕す方たちの意見をどこまで吸い上げておられるかというところももう一度お考えになっていただきたいなと常に思っております。よろしくお願いします。

中川義雄自由民主党

○中川義雄君 もう一つ、次期WTO交渉において国民的な世論を統一させるためには、やはり農業が一方では加害者になっている場合がある。それは主に食料の安全という面からいいまして、農薬、殺虫剤、その他化学的な物質をたくさんつくってそれが非常に土も傷めて、そしてそれが農業に対する国民的な合意という意味で少しマイナスになっている面があると思うんです。  特にその場合、今、系統の組織からいって農薬をある程度供給しないと系統そのものが成り立たないのではないかというような極端な議論もあります。そんな世論が一方でありますと、やはり農政に対して国論を統一していくという意味では非常にマイナスだと思いますので、系統人の一人として高野さんの率直な御意見を聞かせていただきたいと思うんです。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 安全な食料の供給というのはまさに日本農業が個性を持って生き残っていく最大のかぎだと、それは私だけじゃなくて我々全員がそう考えているわけでございまして、現状をさらに改善していくということは痛切に考えております。もともと我が国の場合は水田でございまして、ヨーロッパのような畑作中心のところとは多少違いまして、環境に優しい面があるわけでございますが、さはさりながら引き続き努力をしていきたい。  ただ、低農薬、無農薬、そういう農産物はやはりつくる方と食べていただく方がセットになりませんと、つくりっ放しで買い手がないということでも困りますし、要望を受けてもつくらないというのではまずいわけでございますので、そこを接着させながら取り組んでいきたいと考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 私は、民主党の久保亘でございます。  最初に、先ほど甲斐さんがおっしゃいましたこと、また吉崎さんも違った立場から同じことを言われたのでありますが、いわゆる今度の国民的合意と称せられているものは国民の中の重要な部分が参加していないのではないかということについて、今、中川さんの方から自民党のお立場としてこのことに対する釈明がございました。政府はきょうは来ておりませんから、私はこの三者合意の三者のもう一方であります全中を代表されている高野さんに、今お二人がお述べになりましたことについてどのようにお考えか、最初に伺っておきたいと思います。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) この問題につきましては私どもの組織の中でも非常に大きな論点になりまして、協議の時間が不足しているという批判は多くの方から受けておりまして、そのことについて深く反省いたしております。さらに、そういう組織の中の実情でございましたので、組織の外の方々と議論する時間がさらに少なかったというのが実態でございまして、このことも深く反省いたしております。  もちろん、時間が限られて短期間のうちに結論を出したわけでございますが、その後も私ども、組織の中にも外にも御理解いただくような努力は不十分ながら続けておりまして、今後ともそういう努力は継続して、多少おくれましたが、何とか御理解を得られるようにさらに努めていきたいと考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 次期交渉に臨む基本的な態度ということで、国民運動の組織化ということを非常に重視してお述べになっておりますし、また高野さんがお書きになっております論説の中にもそのようなことが強調されております。  しかし、実際には、十二月十七日の三者合意と言われるこの三者で何もかも決めていくという傾向が強いのではありませんか。政治的な分野におきましても与党との協議ということに重点が置かれて、国会における各政党や政治家たちが何を考えているかというようなことについて、積極的な接触の機会、それらの意見を聴取する機会等を全中として十分におとりになってきたと言えるのでしょうか。いかがでしょうか。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 今も申し上げましたが、基本法でいろいろつくってまいりました皆様方との関係を尊重しながら議論を進めるという点で不十分であったという点は私ども反省しているわけでございますが、最初に申し上げましたとおり、私どもにとりましては、まず自分たちの意向をどう整理していくのかということに全力を挙げざるを得なかったといいますか、そういうことでございまして、それも限られた時間の中でやらざるを得なかった。  しかし、幸いにして、意見が分裂してまとまらないということじゃなくて、みずからの態度については前提条件が満たされれば先に進んでいいというところまで進むことができたというのが結果でございまして、その前提条件の確認を政府・与党に求めたと。それで、これならば何とかということで、みずからの態度を決断したというのが経過でございまして、周りの皆様方に対する働きかけまで進めませんでしたことにつきましては深く反省しまして、今後そういうことを繰り返さないように、服部先生もおっしゃいましたが、取り組んでいきたいと考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 私どもも、新しい食料・農業・農村に関する基本法の問題等につきましては全中の皆さんからも積極的に意見を伺う機会も持たせていただきました。だから、いろいろとこれらの重要な国家的な将来にわたっての大きな課題について、本当の意味での国民世論、国民の合意を形成するためにやらなければならないことについては私どもも努力しなければならないと思っておりますが、さらに積極的な努力が払われることを期待いたしております。  この十二月十七日の三者合意と称するものが、前提条件が満たされたことによって合意が生まれた、こういうことになっておりますけれども、この前提条件というのは日本側の取り決めによって、つまり国内で合意に達すればそれで満たされたことは十分に生かされていくものなのでしょうか。今後のWTOにおける交渉にかかっていく問題も含まれているのでしょうか。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 前提条件につきましては国内で対応可能な部分もありますが、高い二次関税が将来維持できるのか、ここが我が組織の中でも最も不安の強いところでございますし、論争にもなりましたところでございまして、これはまさに国際的な交渉事でございますので、交渉に臨む国内姿勢を最高のレベルに持っていくということは国内でできますが、国際的な交渉の中でそれはまたいろんな局面が出てくるということかと思っております。  私どもは、とりあえず国内の交渉体制についてしっかりした方向を確認したいということで政府・与党と相談をしたということでございます。今日までに、前回いわば敗北いたしましてからかなりの年月がたっておりますので、私どもは私どもなりに国際的な連携も深めてまいりましたし、そういう中でどうやら次のWTO交渉には、切り口としては農業の多面的な役割、食料安全保障の観点から幾つかの国と提携を組むことが可能だという印象を持ってきておりますし、いろんな国際会議で両論併記ということが定着してきているという印象も持っておりますので、そこら辺に依拠しながら、我々としては全力を挙げて闘ってといいますか、運動を展開していきたいと考えているわけでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 いろいろお述べになっておりますことの中に食料安全保障という用語がしばしば使われております。私どもも食料安全保障という言葉はごく普通のこととして政治的にも発言することが多いのでございますけれども、きょうもお話がありましたように、国内自給を基本とする食料政策で自給目標というものをどう定めるか、そのことをどのようにして達成していくかということが食料安全保障の基本に立つものだと考えておりますが、この食料安全保障が重大なこれからの国家の責務であるという御主張の裏づけとなる自給率というものをどのようにお考えでしょうか。  このことについて、もし具体的に全中や服部さんの方でお考えがございましたら、お話しいただきたいと思います。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 食料安全保障は二つの意味を考えておりまして、一つは、日本だけじゃなくて国際的に世界のすべての人々が食料を得る権利ということだと思っておりますので、やはりあらゆる国が自分たちで自分たちの食料はつくっていかなきゃならないということだと思っております。その延長線上に我が国の食料安全保障ということがあると思います。  そのためには、自給率をどうするかということが大切でございますが、当面五〇%を目標に改善を目指したいというのが私どもの考え方でございます。では、そのために農業者みずからどうするのか、それから消費者の方々にどういう働きかけをしていくのか、そこら辺の詰めがまだ残っておりますので、そこも十分今後協議しながら、私どもの取り組む方針も確立していきたいと考えております。

服部信司東洋大学経済学部教授

○参考人(服部信司君) 国内の自給率を引き上げることが大変難しい、容易じゃないということは隣の甲斐さんの方からもお話があったんですけれども、私も同感なんです。実際、わずか一、二年でもってまた熱量ベースの自給率が一ポイント下がっているということもございます。  しかし、私が今回の関税化問題と並行して行われております新しい農業基本法の策定で非常に注目していますのは、自給率の向上ということをはっきりとそこで出しまして、それを新しい農業基本法の政策目標の一つに掲げているということです、数字は出していませんけれども。大変これは重要なことでして、ややもすれば、大変なことだから自給率を上げることは難しいんじゃないだろうか、よくて現行レベルを維持していくのが精いっぱいじゃないだろうかというのが率直な農業関係者の今までの気分だったと思うんです。ただ、そうであってはいけない、自給率を上げるということを目標にして、さらに具体的にその目標も出していかなきゃならないという方向に一歩踏み切ったことが、私は新しい農業基本法の重要なメリットじゃないだろうかというぐあいに考えています。  もちろん、それは容易ではない。具体的には、麦、大豆、それから牧草を中心とした飼料作物、これの生産の拡大ということになるわけですが、もちろんこれは口で言うほど易しくはないんですけれども、それをはっきりとした目標に掲げてそのための品種改良等々の努力を全力を挙げてやっていくという体制に入れば、やはりそれはそれなりの結果を得ることができるんじゃないだろうかというぐあいに考えています。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 時間がございませんので、最後に高野さんにぜひ伺っておきたいと思っておりましたのは、これは参議院の調査室から「参考人に関する資料」ということで、皆様方がお書きになりました代表的なものをいただいております。その中に、全中常務理事として高野さんが「WTO次期交渉に向けて JAの選択と対応方向」ということで「農業と経済」、これは九九年四月号ですから一番新しいものだと思うんですが、この中に、一九九三年十二月のいわゆるUR受け入れのあのころのことを最初にお書きになっておりますが、その最後のところに、この七年半に及ぶ交渉経過の合意に達する総括のところで非常に気になることが書いてございます。「何たるペテン、何たる茶番、何たる屈辱。私たちは二度とこのようなことを許してはならないと深く心に刻みこんだ。」、これが九三年十二月合意のときの全中を代表されるあなたのお考えだとすれば、私どももいろいろと調べてみなければならないと思っております。特に、私は、その当時、与党の代表者会議の座長をいたしておりましたので大変気になる言葉でございますが、何か御意見がございましたら一言伺っておきたいと思います。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 表現が適切であったかどうかということにつきましては御議論があろうかと思いますが、当時、軽部記者の本から私それを書き起こしておりますが、その内容が事実かどうかはもちろん私自身確かめることはできておりません。ですから、そこが事実とすればというような記述になるわけでございますが、当時、その記事の一部が数日後に韓国の東亜日報、それとアメリカの新聞に発表になりました。  そこで、私どもはすぐ政府にこれは事実かということを何度も確認したんですが、そういうことは一切ないという説明がずっと続きまして、農業新聞は何度もそれはむしろ日本の国内を切り崩すためにする宣伝だというぐらいまで書いたんですが、軽部記者の本が本当だとすれば、そうじゃなくてやっぱり事実だったということになってしまうものですから、それでは余りにも我々は情けない立場にいたなという気持ちを持ったもので、多少表現が過激になったかと思いますが、そういうぐあいに書いたわけでございますので、よろしくお願いいたします。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 どうもありがとうございました。

風間昶公明党

○風間昶君 公明党の風間でございます。  きょうは大変お忙しいところありがとうございます。  数点にわたって高野参考人と甲斐参考人にお伺いしたいと思います。  高野さんにつきましては、衆議院に続いて参議院でも参考人としておいでいただき、本当に御苦労さまでございます。  先ほど来も出ておりましたけれども、全中が生産者の声を聞いてできる限り広範囲な意見を集めて真剣に討議を重ねてこられたということが、短い期間ではあったけれども真剣に中身の濃い議論があったということでありますことから、その全中の熱意はわかるわけでありますけれども、今後は次期交渉をにらんで、このような政府合意に至るまでの短い期間ではなくて、むしろ今度はもっと系統の内部というか、現場の人の声をどうやってくみ上げていけるのかということが大きな課題ではないかと思うんです。一般消費者にとってみてもあるいは国民の大多数にとってみても、農協とは一体何なのかというのが漠たるものとしてあるわけでございますから、そこの部分でぜひとも議論を積み上げていただきたいということを要望させていただきたいと思います。  そこで、次期交渉に全中としての基本的な御方針があればお伺いしたい。論文では書いてございますが、具体的にお考えがあれば伺いたい。  もう一点、先ほど自給率のお話が久保委員の方からあり、目標五〇%というふうに伺いました。私は、今度の新農業基本法にそこをきちっと入れるかどうかによって、生産者の方々のやる気が本当に出るかどうかということが極めて大事になってくると思います。シミュレーションでもいいですけれども、五〇%にするために、年に〇・五ないし〇・六%上げることのために、全中としては国民の皆様方にも理解していただけるようにこういうステップアップでいきたいということまで私は議論の中で出していくべきだと思うんです。そうでないと、先ほど服部教授も上げるのは大変困難だと、上げるなんということよりも維持するのに精いっぱいだということが現場の農業者の方々にあるわけでありますから、やっぱり政策的にも全中がそこをやらないと私はだめじゃないかと思いますけれども、この二点についてお伺いしたいと思います。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 次期交渉に臨む基本方針を最初に申し上げましたが、三月末までにつくりたいということをもう一年半ほど前から提案しているわけでございますが、目下議論中でございまして、できれば三月末までに全中の案をまとめまして組織討議におろしたい、かように考えております。そして、だんだん時間が迫ってきますので、できれば四月末に中間集計して、五月にはまとめたいなと思っております。その過程でも、私どもだけの考えではなくて、先ほど申し上げましたように、食料・農林漁業・環境フォーラムというものもつくらせていただきましたので、皆様方の御意見も十分聞きながら案を作成し、組織にもまた諮っていきたいと考えているわけでございます。  とはいえ、結局、私どもの考えの基本は、新たな基本法で展開している思想、考え方、それに基づいて今後構築する政策、これが国際的に認知されなきゃいけないというのが私どもの基本的な考え方でございます。基本法の議論はもう二年半とか三年済んでおりますので、そんなに一からの議論ではないので、ある程度の期間で議論は可能じゃないのかと考えている状況でございます。  以上でございます。

風間昶公明党

○風間昶君 全中の自給率の設定のシミュレーションも含めてお願いします。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 先ほど申し上げましたとおり、組織の中には当面五〇を目標にしてほしいという強い意見はあるんですが、中央でそういう数字を決めても、実際に農業をやるのは現場でございますし、地域でございますので、例えば各県で自分のところはそれに向けて何をどうつくっていくんだというような実効性のある考えが出てきませんと、中央でぽっと決めても非常に架空の数字になってしまうということは十分わかっております。また、消費者の方の御理解も必要だと思っていますので、まだでき上がっておりません。  今後できるだけ早くそこの議論をしながら、私どもの目標を意味のある形で練り上げていきたいと考えておるわけでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 ですから、現場の声は全中が聞き取り調査も含めてやっていかないと出てこないわけですね、目標五〇%といっても。そこのところをぜひお願いしたいというふうに思います。  もう一点、きのうも委員会で質問させていただきましたが、農村振興については農協がこれは大変大事な役割を持っているわけであります。一部の生産者の方々に農協不信の声も出ていると聞くわけでありますが、生産者に希望を持ってもらえるような営農指導やアドバイスをするというのが一方で農協の基本的な役割でございますから、そういう意味では、極めて今までも柔軟性に富んで強力にいろんな農村振興の柱に農協がかかわってきたことは私はそれは事実だと思います。  農協合併でもいろいろお骨折りいただいて、将来的にこれは地方分権との絡みで市町村合併の先鞭もつけていただいているなということでは私は感謝させていただきたいと思います。  そこで、単位農協の不良債権の処理方策についてはフレームができているんですけれども、都道府県信連について破綻処理を含めた処理方策が十分でない、また農林中金との合併も進んでいないというふうに思われるわけでございます。そこで、全中としては信連の不良債権の処理についてどうされようとしているのか、御意見を承りたいんですが、よろしくお願いします。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 御指摘のとおり、信連につきましてはやはり一金融機関といたしまして健全経営に全力を挙げておりまして、もちろん最近のいろんな金融情勢、大なり小なり私の方も影響を受けておりまして、決算時に不良債権の償却等々に積極的に取り組んでおります。幸い、農協系統は無制限に貸せるというわけじゃございませんで、それなりの制約がございますものですから、そういうことも幸いしたかと思いますが、不良債権の規模が小さいということもありまして、信連の資産あるいは営業努力の中で当面やっていけそうだということでございまして、今すぐ公的資金の援助を受けるという状況にはないと考えております。  先生御指摘のとおり、系統金融機関全体として、信連も含めてセーフティーネットの仕組みがまだ十分ではございませんので、それは農水省等々の指導も受けながら、また私どもの考えもまとめ上げまして、先生方にもまた御相談させていただきまして、今後できるだけ早く改善を図りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

風間昶公明党

○風間昶君 それでは、甲斐参考人に対して。  消費者の代表として貴重な御意見を承りました。先ほども、次期交渉に当たって国内の日本型食生活をもう一回きちっと消費者としてもまた主婦連としてもやることが必要だというふうにおっしゃいました。問題は、だからその消費者の声をどのように反映させていくかということが課題になろうかと思います。  二点お伺いしたいんです。御案内のように、今まで米飯というか米、麦、お豆、魚介類が主流だった、それで味つけの形で畜産物、お肉があったというのが、もう逆転してトレードオフになっちゃったと。これは時代の流れの中での消費者の傾向はもう否めないわけでありますね。  そこで、じゃ国民的な運動としてどういうふうにしてそれをもう一回健康志向に基づいた日本型の食生活にしていけるのかということは、これはいろんなジャンルの方々の御意見が当然いろいろあると思いますけれども、この部分についてひとつお伺いしたい。  それと、先ほどの消費者の声を次期交渉に反映させていくように、団体として、主婦連としてどんな知恵があるのかなというのをちょっとお聞かせいただければありがたいと思います。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) 確かに、自給率を上げますのは食べ方の問題というのが大変大きなウエートを占めております。ですから、食べる方が考えを変えていかなければいけないなというふうに思っています。  今、飽食の時代ですので、大変難しい問題もあるんですが、まず私どもが食品を選択する場合に、表示とか目安になるそういうものが確かでないということ、これが一つありまして、産地表示とか原産国表示とか、そういうものを確かにしてほしい。それから、一部で言われております新しい方法、DNAの問題、組みかえ食品が多くなってきておりますので、それがいい悪いは別として、まず選択の目安にどうしても表示が必要だということを申し上げております。  それと、今、委員が食生活の行き過ぎを指摘されましたけれども、日本の場合は主食を変えないで副食を洋食化したといいますか、それでバランスがとれたという面がありまして、今一部、行き過ぎという面が見られますけれども、ちょっと前までは大変バランスのいい食生活だったと思うんです。それは余り昔に戻そうということでもないんです。余り昔はまたちょっとたんぱく質が足りないとか塩分が多いとかということがあります。  ですから、健康志向の日本型食生活を継承していく必要というのは私ども主婦の感覚でも受け継がなければいけないんですが、まず私自身がちょうど食のないときに生まれております。それで、体験がとても大事だと思うんです。だから、食生活、自分の食べ物が今どこから来ているかというのが教育の場にまず入ってくると大変いいなというのと、地場産業の育成には地場のものを給食に使うとか、それで体験をさせるということでその土地への愛着も物への愛着も出ると思います。教育と一緒に文化、文化的な教育ですか、それは土地の活性化という意味も地域の活性化も含めまして、そういうものを掘り起こしていくことが大事じゃないかなというふうに思っております。  もちろん、私どもは主婦の立場で選択が自由にできるように、そして正しい選択はどうしたらいいかという情報を流せるような力にはなっていきたいなというふうに思っております。

風間昶公明党

○風間昶君 もう一回、甲斐参考人に。  今、食品に対する安全の観点から表示に対する目安のお話がございました。遺伝子組みかえ食品もいろんな情報がきちっと国民の前に示されていないということも不安の材料になっていると。しかし一方では、お米の方も、稲もゲノム交換で品種改良されているわけです、現実には。これは気がつかないというか、食べているわけですね。一方では、組みかえ食品ということになるとすごく危機感があおられて、そちらの方には不安感がすごく強いと。何か私から見ると、手法の違いはあっても同じ遺伝子を操作してでき上がっているものですから、前者はすんなり受け入れて、後者は、つまり組みかえ食品については不安が残るということについてはアンバランスだなという気がするんです。  そこで、要するにそういうふうになるというのはやっぱり情報公開が足りないからなんでしょうか、そこのところをお伺いして、終わりたいと思います。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) 私ども勉強も足りませんけれども、確かに情報公開は足りていないと思います。植物が今まで進化してきたというのは、長い時間をかけて進化しているんですね。それが、先ほどもちょっと触れましたけれども、新しい技術によって進化させるということは、技術としてはすばらしいかもしれませんけれども、これは飢えに苦しむとか何かのときの手法、伝家の宝刀として持っていることは必要ですけれども、いつも抜くものではないというふうに私は解釈しております。例えば、安く便利に使えるからそういうものができていくということは、生態系を崩すという意味において私は植物にはなじまないものだというふうに感じております。これから稲の点は勉強させていただきますが、そういう手法はなるべく公開していただいて、いろいろ議論の末に実用化、研究は結構です、やはり出おくれるといけませんので、研究することは大事だと思います。でも、実用化するところの歯どめをどこかで持っていてくださらないと不安だなと思います。

風間昶公明党

○風間昶君 ありがとうございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 四人の参考人の皆さん、御苦労さまでございます。  日本共産党の須藤美也子でございます。  まず最初に、四十二年間現場で農業をやってこられました吉崎さんにお尋ねをしたいと思います。  先ほど、現場では悲鳴を上げている、そして農業ではやっていけなくてもう兼業だ、そういう状況の中で、それでも後継者は育たない、これから十年たったらどういうふうになるのか、そういう点では全国各地どこに行っても農業の現場というのは吉崎さんがおっしゃったようなことだと思うんです。  そういう点で、新しい米政策のもとで米価が暴落し、史上最大の減反が押しつけられたわけです。その中で、農業経営と、それから農業所得が、私としては落ち込んでいると思うんですけれども、どういう変化があるのか、教えていただきたいと思います。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 農業所得については、きょうは資料を持ち合わせておりませんが、うちの村の場合は、恐らく農業所得の農家所得に占める割合が二八%ぐらいではないかな、こんなふうに思っています。したがって、あとの約七〇%がよそへ出て働いて暮らしをしているというのが現状だと思っております。それでよろしゅうございましょうか。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 新潟といえば、本州では最大の米どころであります。コシヒカリ、北海道を除けば八十万トンの生産を持って、しかも銘柄米では有名であります。そういう新潟でも農業所得が全体の二八%、これでは農業だけではやっていけないと現場の農家が皆結集されているのが農業協同組合だと思うんです。  そういう現場の切実な声、いろいろ先ほどお話を聞きますと、三者合意で寝耳に水、そういう三者合意で自分たちの生きる方向を決められては困りますよと、こういうふうに私はお聞きしたんですけれども、その点どうなんでしょうか。関税化についてはやめてほしい、そして国境措置をきちんととってほしいということでしたが、この点について再度お伺いしたいと思うんです。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 私は、関税化についてはもちろん反対でございます。この前のWTO交渉のときにも、農業現場から反対の立場を意思表示するために一万キロもの裏側まで出かけてまいりました。  何年たっても農業で生計が成り立たないというこの現実、これではやっぱり後継者が育たないといいますか、農業をせよと勧められない。例えば、皆さんの子息はみんな最近は高等学校は出ています。そして、卒業しますと大体就職されて、農業は片手間で手伝いする程度でございます。立派なところに就職すればもう見向きもしません。それが後継者がいない今の姿なんです。実際に私どもの現場では最近特にそうです。  何で農協の職員が飯を食べられて、農協とつき合っている農家の皆さん方が飯を食えないのか、これは後継者でない跡取りが言うんです。農家でもやっぱり長男がいますから、別に暮らしていますけれども。何で農協で働いている人が飯を食えて農業をやっている人が飯を食えないのかなと。  ちょっとつけ加えますけれども、これは生の声なんであります。関税化云々の論議は、私は率直に言って素人でございますから、不勉強でございます。しかし、長年四十二年間農業をやってきて、今振り返ってみれば、二十年前の方がずっとよかったです。その方がよかったということを私は実感として今言えるんです。自分が自信を持って農業をやってきて、振り返ってみたら後継者がいない、こんな惨めな職業がありますか、産業がありますか、これが私どもの村の実態でございます。  関税化については、前にも言いましたように、この前の交渉のときに私どもはむしろ旗を立ててまでベルギーに行きました。一粒たりとも米は入れないということだったんですけれども、入ってしまいましたね。新しい交渉が二〇〇〇年から始まりますけれども、今そんなことを言ったって通らぬでしょうと。ところが、既に新聞報道で、若干異議申し立てでクレームがついていますし、これは外圧でしょう。今までの農業というのは内圧もあるんじゃないでしょうか、工業製品の輸出国ですから。そういう点では、その辺のところは全く見えないところです、私どもには。  ただ、一生懸命に日本の国民の主食である米をつくるという使命感に燃えて意気込んでやったものです、意気込んで今までやってきました。振り返ってみて、もうすぐ西の国が近くなっているんですけれども、きついことはできなくなってきています。  そういう中で、これから何年かたったら日本の農業の姿はどうなるんだろうと。法人化とかいろんなことが言われています。そんな単純にできるものじゃないんです、人間関係というのは、集落というのは。長年の伝統、つき合い、人の関係、そういう中でお互いに、私どもの集落ではみんなで用水路の管理とか排水の管理とか草刈りとか、いろんなことをやらなきゃだめなんです。人手がないために農薬漬けで、雑草は河川の堤防敷はみんなパラコート剤で除草するわけでしょう。それがみんな海水に流れて海に入るんです。それが、生活排水、石けん排水の問題もありますし、合成洗剤の問題もありますけれども、要は、環境ホルモンの問題として今クローズアップされているんです。  だから、それに頼らなければ、人手がないというこの現実も、そこに定着してやりがいを求める農業者、あそこも新規参入の農家がありますよ、ここにも新規参入者が後継者になって頑張っているよという、意気込んで挑戦する人がいるんです。確かにいます。二、三年で大体リタイアです。  だから、私は率直に申し上げますが、二本足、四本足、私は百姓と言います。次は畜生と言うんですけれども、二本足、四本足はみんな法人化でやってきました。みんなアップアップ状態なんです。今度は米の現場でも法人化と。法人というのは利益を上げなきゃだめなんです。利益の上がらないのが今の米作農家です。法人化でもし利益が上がるような経営形態が実際に存在するのであれば伺いたい。  新潟県でも法人化で頑張っている人がいっぱいいます。私は、そういう経営形態があっていいと思っておりますけれども、自由化の道を選択する関税化というのはそう遠くないうちにやっぱり後退しなきゃだめなんじゃないでしょうか。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 ありがとうございました。  農業の現場で本当に百姓として四十二年間もそこで、余り食えないような割の合わない農業をやってきたということは、つまり環境保全、国土保全の意味も含めて食料安全保障のために頑張り通してこられたのだと思います。  さてそこで、吉崎さんも組合員の一人ですね。そうすると、全中の高野常務さん、現場の声を今聞きました。これが今、たまたまこの委員会で組合員の方の意見が出されました。こういう意見が協同組合の、全中の執行部として、まだまだこれが集約されていない、こういうことは先ほど来反省しているというふうにおっしゃいましたが、私はそのことを繰り返してお尋ねするわけではありません。  ただ、三者合意でお決めになった、その決め手は何だったのかと。これがこの参考資料に書いてあります。  関税措置を検討するためには最低三つの前提条件が満たされることだと。その第一に、「適切な二次関税が設定でき、大部分のコメについて現行措置と同様の効果が見通せること」、二は、「二次関税の継続について努力の合意が成り立つこと」、そして三が、「輸入米について国内の生産調整に影響させないなど、政府の責任ある対応が確保できること」、関税化の前提条件としてこれを提出、提案しているわけです。この担保はとれたんでしょうか。  これまでの国会討論の中で、ことしは関税化したとしても二次関税三百五十一円何銭とあります。来年は十円下がります。その後は交渉いかんによって未定と。  こういう状況のもとで、本当に今苦労して、それでも農業をやり続けている、こういう人たちにこたえ切れる担保がきちんととられているのでしょうか。そこをお尋ねいたします。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 三つの前提条件のうち、合理的な計算に基づく有効な二次関税というところにつきましては、二〇〇〇年までの措置としては、私どもが考えた効果があるものということで前提条件は満たされたと考えております。  それから、国内の生産調整に直接影響を与えないという閣議了解事項の継続ということについては、そういうぐあいに整理されているものと受けとめております。  問題は、二〇〇一年以降の高関税が維持できるのかどうなのか。先ほど久保先生からも御質問が出ましたが、これは我が組織の中でも最大の論争点でございました。ここは交渉事でございまして、結論を予測してどうこう勝手に言うわけにいきませんので結論はそっけない返事になってしまうんですが、結局、特例措置を続ければそこが有利になるのかどうなのかということを一つ考えなきゃなりません。  特例措置を続ければ、四%、八%、例えば一二%、ずっとこれで押し込まれる可能性がかなりある。もう一つの方は、関税措置に切りかえますと、これはミニマムアクセスの三―五%のところをふやせという圧力と、高い二次関税を減らせという圧力がかかってくる。これは交渉事になる。先々、どっちがどういうぐあいに有利になってくるか不利になってくるかというところを考えなきゃならないということになってくるわけでございます。  とりあえず、私どもがはっきりさせられることは、国民の皆さんの理解を得るということと、関係者が二次関税を維持していくことに対して気持ちが合わせられること、まず国内でそれをつくり上げなきゃいけないということを考えたわけでございまして、その点について意見交換して一緒にやっていけるという、そういう受けとめ方をしたということでございます。  特に、私どもは組織議論をしましたけれども、特例措置を継続するという意見は組織の中から一つもございませんでした。それは余りにも不利だからなんです。要するに、闘う前に譲ってしまえと。よその国は二〇〇〇年レベルを凍結しながらやっていくんですね、譲れる、譲れない、やっていける。我々だけは何のことない、事前にずるずると譲れと。これは余りにもひどいということでございまして、保証は十分とは思ってはおりませんが、しかし先にやられちゃうより闘った方がいいというのが私どもの考えでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 保証はとられていない、あとは交渉次第と。そういうことで、吉崎さんや現場の農民の方々が、現場で働いている方々が納得できるのかどうか、この点はもっと真剣に受けとめていただきたいというふうに思います。  そして、もう一分ありますので申し上げますが、一千万署名を行いましたね。これには四項目あります。これは残念ながら去年、自民党の皆さんが紹介議員になって、そして自民党の皆さんが否決したんです。その一千六十万人の重みというのは、これは大きいと思うんです。  四項目あります。国内生産目標を明確にすること、株式会社の農地利用は行わないこと、中山間地に対する所得補償、それから最後の四番目が、食料安全保障と地球環境保全のために、各国の持続的な農業生産を相互に尊重する新たな農産物貿易ルールの実現を図ること、これが要求項目ですね。  これが衆議院で否決されたわけですけれども、この四点の要求項目、これは今も生きているわけですね、全中さんとして。そこを一言だけお尋ねいたします。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 四項目は生きておりまして、現在もそういう考えでございます。いよいよ次に交渉が始まってまいりますので、それに向けて引き続き運動を発展させたいと考えております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 貴重な意見、ありがとうございました。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 参考人の皆さん、どうも御苦労さまです。  初めに、服部さんに伺いたいと存じます。    〔委員長退席、理事三浦一水君着席〕  米の国境措置につきましては、政府もそうでありますが、どの政党も、食料安全保障にかなう国境措置づくりをしていかなきゃならぬというようなことでは全体が一致いたしております。その食料安保にかなう国境措置づくりというのは、自由化とは全く逆の管理貿易的性格を置いたものであります。ところが、今、特例措置をやめて関税化へ移るということでありますが、それは自由化の世界に飛び込んでいくということを意味いたします。  そうなりますというと、例えば関税の基準年のとり方がどうだとか、あるいは関税率を下げていくパーセンテージのとり方とか、そういう数字のとり方の議論の世界になっていく、そして二次関税が恐らくゼロになるまでそういう状況が続いていくであろうことが予測されます。  ということは、関税化ということと、これまで我々の国民的な合意ともいうべき食料安全保障にかなった管理貿易的なものをつくっていくということとは論理的に矛盾しやしないのかと、そこのところは先生、どうお考えでしょうか。

服部信司東洋大学経済学部教授

○参考人(服部信司君) この場合、確かに、形式的な次元で考えますと、関税化というのは形式的には自由化です。非常に高い、一キロ三百五十一円という関税を払えばだれでも日本に米を輸出できるわけです。それを制限するものはもはやありません。ですから、一キロ三百五十一円、トン三十五万一千円という非常に高い関税を払えばだれでも米の貿易が自由にできるという意味では自由化だと言ってもいいわけですね。    〔理事三浦一水君退席、委員長着席〕  ただ、それは形式的な自由化なんですね。実際に一キロ三百五十一円の関税を払って日本に米を輸出するあるいは輸入する人はおりません。それは形式的な次元での話になると思うんです。非常に関税額が高い、だからそれを払って実際に米の貿易をする人はいない。ですから、実質的には自由化ではございません。高い関税が、日本にしてみれば、自由な輸入をそれは抑えているという格好になるわけです。ですから、今までの政府による輸入制限にかわって高い関税が国境措置になっている、当分それが続くと言っていいと思うんです。  それから、第二点の御指摘は、削減率の世界になっていくと、これは冷静に考えればおっしゃるとおりだと思うんですね。これは削減率の世界になっていきます。次期の交渉でもって削減率がどうなるのかということになっていくわけです。現行のWTO協定、ウルグアイ・ラウンド合意ですと年二・五%ずつ下がっていくという格好です。これは極めて低い削減率なんですね。現実的な、漸進的な削減だと言っていいかと思うんです。次期の交渉で、これは次期の交渉の方針ですからまだここでの問題じゃないと思うんですけれども、当然、我が国はEUなどと連携しまして前回のウルグアイ・ラウンドと同じように現実的で漸進的な削減という立場で最終的な交渉をやっていくと思うんです。  私は、現行の二・五%の削減率が達成されればいいんじゃないだろうかと思っています。そうすれば、徐々に下がっていくにしましても二十年とか三十年という極めて長期の期間にわたって関税が国境保護機能を果たしていくということになるわけです。そういう世界に我々は入ったのだし、それは先ほど全中の高野さんの方からもお話があったんですけれども、当面大変厳しい選択ではありますが、それはもう関税化に移行する以外にない。これは当然そういう選択をせざるを得ないと思うんですね。  その後はもう数字の世界ですから、全力を挙げて我が国がこの削減率というものを現実的でなるべく低いものにしていくという、そこの交渉を成功させていくということに、またそのための国際的な連携なり我が国の論理の構築にかかわると言っていいと思うんです。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 それで、先生、たまたま内外価格差が米の場合は大きいから一定期間、米の輸入を阻止する防波堤になり得る、それは確かにそのとおりなんですよ。問題は、相手国もありますけれども、肝心なのは日本政府だ。未来永劫にわたって今の政権が続くとは限らない、かわっていきますよ。ですから、そういう意味じゃ関税化というのは私は両面あると思うんです。きちっと守る政府があるうちは一定期間守れる。ところが、逆の政府ができ上がっちゃいますと関税化というのが日本の米作農業を滅ぼす武器になっていくんです。二つの側面を持っているという問題があるということ。  もう一つ、きょうは先生がおいでになっているから先生のお考えを伺っておきたいんだが、そうでなくとも今グローバルスタンダードの時代なんです。これはもう先生に申し上げると釈迦に説法になりますけれども、それは物から金から情報から労働力まですべてを自由化していきましょう、そして大競争の時代をやっていって地球経済の一元化をするというのが巨大なる多国籍企業の戦略目標になっておりますね。  日本の経済体制も漸次そういう方向へ今組みかえられつつあります。そして、さらにはOECDの議論でいえば、それは多国間投資協定、多国籍企業を主に国家の機能を従属させるという恐るべきああいう協議までがアメリカ等によってなされてきているという経過もあります。それだけの状況であるだけに、私は関税化に移す場合にはしっかりと国民的論議をやる、そして合意をつくる、そのことを抜きにしてやりますとえらいことになっていきはしないかという不安を私どもの党は感じているんです。その点どうでしょうか。

服部信司東洋大学経済学部教授

○参考人(服部信司君) 三つあると思うんです。  最初の、それは主体が日本で、一番の大もとは政府だ、政府の考え方いかんによってはそれはわからぬと。それはもう理論的にはそうなんです。ただ、現実的問題からいいまして、現在の日本に存在している政党の中でもっておっしゃられるようなことが起こるとは私はとても想定し得ません。仮に政権がかわるにしても、スタンスが変わるとは思えないんです。  それから、第二点ですけれども、グローバルスタンダード。農業の国際世界のグローバルスタンダードは、それはガット協定です。あるいは現在のWTO協定です。それが農業の国際世界の具体的なグローバルスタンダードなんですね。協定という形でもってそれは具体的に明文化をされています。デファクトスタンダードというのはないんですね、金融の世界とかほかの世界のような。WTO協定という形でもって具体的な国際協定の形をとっているのが農業の場合のグローバルスタンダードだろうと言っていいと思うんです。  そのWTO協定の中には、ちょっとこれは立ち入りますけれども、例えば国内保護の削減に関して、削減を免除する、こういう国内保護政策はとっても構わないという、いわゆる緑の政策もWTO協定では規定しているわけですね。ですから、WTO協定が何か非常に我が国の農業にとって一〇〇%外圧だというんじゃないんですね。いわばその中には、前回の七年半の交渉で、これは時の政府の努力、時の農業団体の努力があって、そういうものが緑の政策というような形で反映されているんですね。あるいはその他、かなりたくさんの柔軟措置も中には含まれています。それも前回の交渉の中でのいろんな働きかけの成果だと私は思っています。それが農業のグローバルスタンダードであるWTO協定の中にそういうものもかなり入っているわけだから、次回の交渉では、そういう緑の政策等々を全面的に維持するなり拡充するという橋頭堡を使う形でもって交渉していくことも可能じゃないのかと。  だから、一般的な意味でのグローバルスタンダードと農業の場合ではちょっとそこのところが違うということを理解する必要もあるんじゃないだろうかと思っています。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 そこで、全中の高野さんに伺いたいのです。とにかく私は、関税化の論理では高率関税の維持は不可能だと思います。これは高野さんが違った考え方をお持ちだったら言っていただきたい。  結局、残る手は何なのかというと、関税化とは全く違った新しいルールづくり、例えば日本の水田を緑のボックスに入れろというのも一つの要求でしょう。あるいはまた、WTO協議の中で新たに食料安全保障ボックスをつくれという提案をしていくことも一つでしょう。いろいろなことを考えることができる。  そういう問題提起をしながら、一つには、世界の家族農業団体、アメリカを含めて、それからまた環境団体、市民団体、私どもと同じような意見の人たちがいっぱいいるわけだ。そういう人たちと共闘を可能とする要求づくり、これをまずやる必要があるのではないかということが一つ。  それからもう一つは、とにかく怖いのは、どういう場合であっても国内の世論が分裂することであります。ウルグアイ・ラウンドの場合には見事に経団連など財界の皆さんに足をすくわれました。その失敗を今度は繰り返さないようにしなきゃなりません、どうすればいいのかと。  私は、経済界の問題でいえば、前回のときにこっちのアキレス腱になったのは、地方財界から固めて中央財界を攻めるという、これをやり切れなかった。確かに自治体は決議をしてくれましたよ。ところが、そこのところは手薄だった。そういったような点等々も含めた運動が大事になってくると思うんだが、その点いかがでしょうか。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 高率関税の維持について楽観論だけではやっていけないという御指摘は確かにそうだと思いますが、WTO協定自体に次期交渉は「改革過程の継続」と表現されております。「改革過程の継続」という表現の中に、自由化の一層の推進という意味が入っているのは事実でございます。しかし同時に、非貿易的関心事項に対する配慮という内容が入っているわけでして、私どもは、そこに依拠しながら、農業の多面的な役割、食料安全保障の確立、食料主権の主張というものを掲げて次期交渉に積極的に改革の提案をしていきたいと。  守ろう守ろうでは守れないと思っております。前回の交渉がそういうことをよく示していると思います。我々が我々の要求をどんどん提案しなければ守るものも守れないと考えているわけでして、そういう姿勢で交渉していきたいと考えているわけでございます。  いずれにしましても、それを実現するためには国論の統一が必要だということは御指摘のとおりでございまして、私どもは、基本法という法律の形で国内の世論が統一できるのを一生懸命努力もしましたし、ある意味では待ってもいたわけでございます。前回、三度の国会決議をしていただきましたけれども、今回は三回の国会決議はございませんが、国内を中心に食料を確保していくという、法律という形で国民合意が形成されるというところに来ているわけですから、私どもはこれは非常に大きな国内世論統一の根拠だと考えているわけでございます。  そうはいいましても、財界に対する働きかけが不十分だという御指摘はそのとおりでございますので、全県に基本法のときと同じように県内の協議機関をつくりまして、この問題を透明性を持って議論して、意見の一致するところは一致する方向で見つけ出していく、そういう努力を早急に粘り強くやりたいと考えております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。  もう既にそれぞれ御質問が出ておりまして、私の聞くところすべて各先生方がお聞きになったので、違う角度からお尋ねしたいと思います。  もう既に、現場では、減反政策のぎりぎりというか、耐え切れない状況まで至っておる。生産調整をクリアしていない県も出てきておるという状況の中で、今回、この関税化の話が出てきたわけであります。急遽、どちらかというと私自身も非常に短期間にこの問題が議論されて、短期間のうちに処理されたということに対して、まだ不完全燃焼的なのが単協にも生産者の中にもあるのは事実であります。  それはそれとして、関税化も、そういう数量が〇・八減るということに対してのほっとした安堵感のあるのと同時に、二〇〇一年へ向けてのWTO交渉に高関税を維持していく、それに望みを託すというのが今の農業者の実態ではなかろうかなというふうに思います。  そんな中で、高関税が本当に将来にわたって維持できるのかというところが焦点であるわけでありますが、先ほどからもいろいろ話が出ておりますように、新たな協定のルールというものを全中としては改革していくという観点の中で今、精力的に取り組んでいるというお話がありました。どのような協定の新ルールというものを全中として議論されておられるのか、その一端でもお聞かせいただければと思います。

高野博全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(高野博君) 次期交渉で要求してほしいということ我々の立場からどうまとめるのかと。それは先ほど申し上げましたように目下、議論中でございまして、結論まで到達しておりませんが、幾つか難しい問題もございます。  例えば、このミニマムアクセスの仕組み、これの破棄を要求しろという一番強い意見も組織の中にはございます。しかし、それでいけるのかと、本当に。気持ちとしては気持ちいいんだけれども、大丈夫なのかという意見もございまして、ここは本当に悩ましいといいますか、難しい議論だなと思っております。  しかし、現状を、ミニマムアクセスをさらに我々の立場で改革しますといいますか、改善するというか、そういうことを要求していくというのはこれはもう一致した気持ちでございまして、そこをどういう理屈で組み立てていくのかというところが難しいなと思っております。  私どもの考えの筋道というのは、ぎりぎりのところまで食料の自給率が落ち込んでいる我が国の状況を前提にして、ほかの輸出国は非常に高いじゃないか、我々はもう最低まで自給率が落ち込んでいるんだと。そういう中で、国民合意でこれだけは国内でつくろうという法律までできるんだと。そういうものを国民は必要としているんだから、それを実現するために展開される経営安定対策とか価格政策とか中山間地のいろんな所得補償対策とか、そういうものは緑の政策で認めてもらいたい、そういう要求をして攻めていきたいというのが私どもの考え方の方向でございます。それをもう少し国際的にも通りやすい肉づけとか、そういうものをしながら具体的な要求にまとめなくちゃいけないなと。しかもまた、消費者の方々の御意見も聞かなきゃいけないなということで、今後汗をかいていきたいと思っているわけでございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 輸入国あるいは輸出国それぞれ事情もあるし、私が考えますには、今どちらかというと輸出国のわがままが非常に通っているんじゃなかろうかなと。やっぱり輸入国の実態というものも強く打ち出して、まさにフェアな貿易というものが行われるべきだろうというふうに思うんです。  そういう討議をむしろ広く国民に、あるいは一生産者までおろしていって議論をしていって初めて私は国民の合意形成ができていくだろうというふうに思うんです。その努力が全中の仕事だと思いますし、今から早急に取り組まなければ、とてもじゃないけれども、また間に合わないというようなことになったときに、国論を二分するような形になってしまわないとも限らない。ですから、もう二分できないような合意形成へ向けての運動を展開するその旗頭が全中だと思いますので、その点よろしくお願いいたしたいと思います。  一方、甲斐参考人にお尋ねいたします。  年々、米の消費が減っております。食生活の多様化ということからくることでもありましょうが、我が国でとれる穀物である米が消費されない。どんどん海外から入ってきている小麦が主食に使われてしまっている。そういうようなことで、むしろ消費者団体の中において食料安保という観点から、日本国民は米を消費していこうという国民運動を展開していただくことが減反政策というものも緩和させていくことになりましょうし、また米のよさというのを見直される形によって食料そのものの政策というのもまたよみがえってくるというふうに思うんですけれども、御意見をいただきたいと思います。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) その点につきましては、私も先ほど申し上げましたように、日本型食生活の見直しという形で私どもの、私なんかはまた古い人間ですが、通ってきました食生活をやはり継承していくということはとても大事なんです。核家族とかいろいろ住み方が変わりましたので、そういうことが伝わっていかない状態になっています。子供のときからの教育の中に、自分たちの体をつくっているものはどこから来て、どうやってつくられたものを食べているんだ、今、頭脳教育が盛んでございますけれども、まず体があって考える人間があるのですから、食の教育というのも大事なことかな、何らかの形で文部省とかそういうところとも一緒にやっていったらいいんじゃないかなというふうに私は考えております。  米の問題ですけれども、これはやはり米だけに頼らなくなってきている、そうすると日本の備蓄は今、米ですけれども、日本で麦をつくってもいいのではないかとか、いろんな問題があります。だから、輸入に頼っている作物に転換していこうという試みもなされることになっております。  今度の農業基本法の見直しの中でいろいろな意見が出し尽くされました。今度それは政策の場に移っているわけです。その基本計画を立てますときに、法というのはできたらいいのではなくて、いかに使いこなしていくかということが一番重要な問題です。使いやすくなければいけないわけですが、基本計画をお練りになるのは政策の場に移されております。そこで、法をつくったときの精神を曲げないで各部署におろしていっていただきたい、それを私はぜひお願いします。それと、予算の足りないときですから、優先順位をどうつけるのか。それこそ大事な予算を効率よくどう使っていくのかというようなところを、既得権とか何とかということじゃなくて、御指導をしていっていただきたいなというふうに思います。  それで、先ほどWTOは全部だめではないと服部先生はおっしゃいましたけれども、私もWTOまではまだ勉強不足でございますけれども、法ができますのには精神があるはずなんですね、裏に。てにをはを使って自分の身勝手にいいように各国が使うのではなくて、その精神にのっとった形でやっていくということなんだろうと思いますので、今度の基本法もそうですけれども、ぜひそこのところをよろしくお願いしたいと思います。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 終わります。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 十二時を過ぎまして、私の胃袋がお米を食べたい、こう申しておりますので、二、三お伺いをしたいと思います。  私は極めて知識が浅うございますので、諸先生方に若干御発言の中からお教えいただきたいと思います。  まず、服部先生ですが、豪州の主張というものにあなた個人として異議があると。例えば、フィッシャー貿易相の不満はWTO協定に不満を言っているのと同じだ、論拠がない、こういう趣旨だったと思いますが、あなたがおっしゃるのだからそれは正しいはずであります。ただ、私が考えますのに、例えばコシヒカリ、ひとめぼれ、いろんな米が日本にあります。それぞれ生産量があります。その生産量を皆案分比例して、日本の米価というものを算定して、それで差額を計算した場合にどうなるかというような論理になった場合、やや高い米と輸入米とを比べたら高い関税を作為的につくっておるというのが諸外国、特にこの場合は豪州の私は論拠だと思うんです。これはあなたの論拠とはちょっと違うわけです。少なくとも一国の代表がWTOというような公の場で、議事録が世界じゅうに回るというときに、全く理論的根拠もないのに間違いだということは言わないと思うんですね。  だから、そういう面で、このあなたの書いているペーパーに関連して、私の申したことと比べて、あなたの御意見を改めて伺っておきたい。

服部信司東洋大学経済学部教授

○参考人(服部信司君) WTO協定の附属書に、特例適用国が関税化に移行する場合の関税額の算定に関する具体的な手順の規定が書いてあるんです。一つは、私ここに書きましたけれども、輸入価格と代表的な卸売価格の差を計算して、その差を関税額に置きかえていくということなんですね。  今おっしゃられました質問との関係でいいますと、代表的な国内の卸売価格ということが問題になってくるわけです。これは基準年というのがありまして、それは前回の交渉が始まった八六年から最初の三年間です。八六年―八八年、今から十年ぐらい前ですけれども、ここのところの当時の代表的な卸売価格をとるべしとなっています。これは現在ではありません。当時の代表的な卸売価格というと、当時は上米、中米、それから標準米ですか、三つのクラスに分けて卸売価格の統計がとられているんです。食糧庁の食糧管理年報というところにきちっと結果が載っています。  では、上米、中米、標準米の国内での出回り量がどうかというと、上米が圧倒的に当時は多いんです。これは六四%です。だから、上米をとるということが代表的な卸売価格をとるというところにまさに適合するわけです。ですから、上米の価格がとられたということになると思うんです。その上米の価格と輸入価格の平均の差を計算して、それが一キロ三百五十一円になってくるという話でございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 だから、言葉じりじゃないですけれども、そうであれば算定方法はこうこうだからということを説明して納得させたらいいわけであって、WTO協定にオーストラリアが文句を言っているという表現が私は不穏当だ、そういうことを申し上げておるわけで、極めて失礼でございますが、おわびを申し上げておきます。  その次に、吉崎さん。私は、終戦直後三年ほど田舎に疎開しておりまして、一生懸命田んぼも耕して、今は懐かしい思い出でございます。岡山県ですが、その後もよく田舎へ行くたびに、特に中山間の農業というものがどのようなものかということを見ながら、一〇〇%あなたがおっしゃっているお気持ちはよく理解をいたしております。  WTOの三分の二の賛成がないとルールを変えられないという中で、新しいルールを提案すべきだとおっしゃいましたけれども、あなたの新しいルールというのは具体的に何をお考えになっていますか。ちょっとお聞かせいただきたい。  例えば、過半数は五一%だから、三分の二を五一%にせよということなのか。ちょっと御示唆いただければありがたいと思います。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 私の考え方が当たるかどうかわかりませんけれども、まず日本は世界最大の穀物の輸入国です。輸入国というのは日本だけじゃないはずです。ヨーロッパにもいっぱいあります。いわば先進国の日本がなぜ全部、外国の食料や農産物に依拠しなきゃだめなのか、ここが生産現場では一番心配なところなんです。  さっきちょっと言いましたけれども、結果として長年かけて畜産農家、例えば養鶏とか養豚とか……

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 ルール、あなたの提案したいルールは。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 新しいルール、日本はとにかく経済大国、二番目でしょう。その国が輸入国の立場で、輸入国のリーダーシップをとって新しいそういう国のルール、新しいルールというのは、詳しいことについては私は勉強していませんからわかりませんけれども、それであっても自国の農業が、米だったら米でもいいんですけれども、生産することが将来にわたって保証されるという、こういう制度がなければこれはだめだと思っています。  そういう点では、日本だけが二千四百万ヘクタールぐらいの農地から穀物、飼料も含めて輸入しているわけです。国内の生産耕地面積はそんなに大きいものではないでしょう。五百万ヘクタールちょっとですよ。それを三〇%の減反でしょう。こんな耕作面積のところに自立できる農村社会がまずできるのかと、ここに危惧を抱くわけです。  そういう意味では、新しいルールを日本がとにかく主導権をとってといいますか、リーダーシップをとって、今何か話がありましたが、NGOの関係とか環境団体とかいろんなところと、やっぱり日本の国土、これを守るためには農業が大事なんだと新しい農業基本法の中にうたってありますね。そういう点では……

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 中身は。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 新しいルール、そういう難しいことについては不勉強です。それを考えていただきたいというのが、日本政府にお願いしたいことです。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 もう一点あなたにお伺いしますが、直接補償制度を設けよとおっしゃいましたね。これは生活保護みたいに金をよこせということですか。  例えば、須藤さんが言われた四点に絞ってという中では中山間地域に絞ってというように限定されていましたけれども、あなたの場所はやや大きな平野なんじゃないかと私は思うんですが、ここのところももう少し詳しくお聞かせいただけたらありがたいと思います。

吉崎春治日本農民組合新潟県連合会執行委員

○参考人(吉崎春治君) 農業用水の堤防敷とか排水路の堤防敷に枯れ葉剤がまかれています。これはそういう農薬のないときはみんな手でやったんです、今は機械もありますけれども。それは環境を守る意味から、水質汚濁を少なくするためにも、人力でやれば要はそういう農薬に頼らない用水路、排水路の管理ができるということ。ここに、直接やっぱりそこに働く人に賃金を与えるとか、そういう形のものはまず具体的に言えることです、現場では。  私たちの方は土地改良で管理しておりますけれども、もっと自然を、環境を保持するためには現場で働くそこに直接的な手当てがあればという意味があります、まず一つには。  そして、農薬を使わないということは非常に手間暇がかかるわけです。難儀するわけです。例えば、さっき言いましたように労力が不足をしている、そういうところではお年寄りにもやれることはやってもらおうじゃないかとか、そういう点では、私たちのところの面積の農地を管理していくためには機械的にはできませんし、人手がどうしても必要です。そうすると、人手が少ないものですから、極力、農薬に頼る。  そういうところに、要は、安全なお米をつくるために私はそう言うんですけれども、そういうところにも労賃をきっちり見るような、直接補償をするような仕組み、このことを私は意味しているつもりです。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 甲斐さんにちょっとお伺いするんですが、この調査室がくれた資料を見ていると、米の関税化が決まったときにあなたのコメントが出ているわけですね。本来、消費者であれば、まあうれしいわ、安い米がたくさん入ればいいですねというようなコメントかなと思うんですが、安全、安心なものが入ってくるかどうか疑問だと、こうおっしゃっていますね。  現在入ってきているミニマムアクセス米は約四分の三がアメリカ産ですね。あとほかの国もありますが、そういった国々に対して安全、安心なものでないということを公に言うと、これは国際問題にもなりかねない話ではあると。そういう中で、しかもこれは日本は今、人間が食べていませんね。そういう意味も含めて、あなたの御反論をちょっと承りたいと思います。

甲斐麗子主婦連合会参与

○参考人(甲斐麗子君) 安全、安心ということは、やっぱり耕作しているところが目に見える、つくられている過程というのは生物にとっては大事なことですので、そういう過程が検証できるという意味です。  それから、生鮮食料品はなるべく時間をかけない、近場のものが、国内でも地場のものがいいと思っているくらいですから、遠くから持ってきますのには、こんなに交通が便利になりましたけれども、やはり何らかのポストハーベストとか後からの添加物が必要なような事態もあるかもしれませんので、そういう意味においてです。  それと、今アメリカからがほとんどだとおっしゃいましたけれども、貿易率を見ますと米というのはすごく貿易率は小麦に比べて低いんです、にわか勉強でございますが。そして、輸出国は米国を除いたらやっぱり発展途上国です。そして、輸入国も同じく発展途上国が多いのです。  そういう中で、やはり発展途上国は政情もいろいろ不安ですし、モンスーンだとか気候的にも今大変ダメージを受けているところが多いものですから、そういうことも考えますと、やはりさきにも申しましたとおり、何しろ主食になるものは自国で、穀物は自国で、日本だけじゃないです、どこの国も自立を助けるようなお互いにそういうつき合いをしていくことが大事。もし何かあったときに、一たん緩急あるときは助け合いは人類愛で必要ですけれども、自国で賄うことが私はメーンだと思っております。安全ということは見えるということです。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 わかりました。結構です。  終わります。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼を申し上げます。  本日は、長時間にわたりまして貴重な御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日の審査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時二十六分散会

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