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145回国会参議院1999/03/15

農林水産委員会 第4号

発言数
155
登壇者
16
会派数
5
開催日
1999/03/15

会議録

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 私は、最初に、日韓漁業協定並びに操業の取り決め等に関して、韓国の側に再交渉の要求があると聞いております。辞任の意を表明された金長官が日本に来られて水産庁の関係者とも接触されているのではないかと思いますが、この経過と現状についてお聞かせいただきたいと思います。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) それでは、私からこの問題の経過について御説明を申し上げたいと思います。  新しい日韓漁業協定に基づきます双方の排他的経済水域内での操業条件、具体的な漁獲割当量とか操業許可隻数ということでございますが、これにつきましては大変長く難しい交渉の結果、御承知のとおり二月五日に合意を見たわけでございます。全体、それぞれの多数の漁業種類について、いわば一つのパッケージとして了解が得られた、こういうことでございまして、その後、二月二十二日にはそれぞれの国内体制準備を行いまして、それぞれ相手国水域での操業が相互に開始される、こういうような事態を経たわけでございます。  ところが、こういうような状況の中、韓国側から外交ルートを通じまして、東シナ海において韓国側が操業しております二そうびき底びき網漁業など幾つかの漁業について、韓国側は、この操業条件に関する協議において対象から漏れていたものがある、こういうお話がございまして、これら漏れていた漁業等につきまして日本の排他的経済水域内での操業が確保できるよう日本側と協議したい、日本側の協力をお願いしたい、こういう話がございました。  実は、先週、向こうから実務者が参りまして、私ども、どういう経過でそのような漏れがあったのか、どういう操業の実態なのかというふうなお話を聞いておりました。そこにまた先週末には、韓国側のこの問題の担当閣僚でございます金善吉大臣、辞意を表明されているということでありますが、来られまして、中川農林水産大臣にやはり同様な形でのお願いがあったということでございまして、現在、そういう状況のもとで解決可能な道があるのかどうか議論を行っている、協議を行っている、そういう状況にございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 既に協定が締結され、そして操業の取り決めが合意に達しているものについて、韓国側が協議の対象から漏れていたものがあるからこれについて話し合いに応じてくれということだと思うのでありますが、日本政府としてはどうされるおつもりですか。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) 現在、協議中でございますので、具体的な内容は差し控えさせていただきますが、金善吉長官が訪日されまして、中川大臣とお話をした際、中川大臣からも日本の立場を申し上げてございます。  やはり、既に一回ぎりぎりの交渉をやって合意ができているというものでございますから、基本的に二月五日に見られた合意というものの基本的枠組みは崩すことはできないということが一点と、仮に何らかの修正というか追加とかそういう部分があったとしても、それは相互に日韓間でバランスのとれた形で合意ができるものでなければ日本側としては受け入れがたい、こういうような点を基礎にして、可能な解決の道があるのかどうか探求せよというふうに私も指示を受けておりまして、いわばそういう枠組みのもとで答えがあるかどうか議論を続けている、こういう状況でございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 そうすると、これはいつまでもこの問題にひっかかっているわけにはいかぬと思いますが、決着させる見通しはついておりますか。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) 一度合意ができたものの一部を追加してとか、大変難しい問題でございます。ただ、韓国側も大変厳しい国内事情にあるということでございまして、ただいま御指摘ございましたように、いずれにしても結論はできるだけ早く得なければならない、こういうことだろうと思います。  そういう意味において、双方とも誠心誠意努力しようではないかということで懸命になって話し合いを行っている、こういう状況だということで御理解をいただきたいと思います。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今、重要な協議の途中だと思いますから、そこから先は私も余りお聞きしない方がいいのかもしれません。  ただ、協定や取り決めなどで合意に達したものがすぐいろいろ変更を求められるというようなことは、双方に協議をやるときに不十分な点があったのではないかということが考えられますから、双方が合意できるこの問題についての話し合いを早急に終えられることが必要であろうと思っております。頑張ってやってください。  次に、大臣にお尋ねいたしますが、小渕内閣の看板ともなっております経済戦略会議が「日本経済再生への戦略」という取りまとめを行い、これは閣議にも報告されたと聞いております。また一方では、新しい食料・農業・農村に関する基本法も既に閣議決定され国会に提出されております。この経済戦略と新しい基本法、仮に農業基本法と言わせてください、長いですから。この基本法との間に整合性はきちんとついておるのか、相互に矛盾はないのか、この点は閣議で両方の報告や提案にかかわられた大臣としてどのようにお考えでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 結論から申し上げますならば、相互に矛盾あるいはそごはないというふうに理解をしております。  経済戦略会議は、もう内容は一々詳しく申し上げませんけれども、「経済回復シナリオと持続可能な財政への道筋」、あるいは「「健全で創造的な競争社会」の構築とセーフティ・ネットの整備」、「バブル経済の本格清算と二十一世紀型金融システムの構築」、「活力と国際競争力のある産業の再生」、「二十一世紀に向けた戦略的インフラ投資と地域の再生」ということが大きな柱として提言されておりますが、この中で市場原理の最大限の発揮を通じた生産要素の最適配分、あるいは創造的な人材育成、戦略的技術開発の国家的推進、小さな政府の実現等についても言及されておりますが、新しい基本法におきましても、農業資源と担い手の確保、地域の特性に応じ効率的に組み合わされた二十一世紀に向けた望ましい農業構造の確立、市場原理を適切に反映できるような価格体制の見直し、そして育成すべき農業経営の安定を図るための措置、女性の参画の促進、高齢者の活動の促進を含む人材の育成や確保、あるいは農業、食品に関する技術研究の開発、そしてまた試験研究機関相互の連携の強化、そして国及び地方公共団体の行政の組織、行政運営の効率化及び透明性の向上というものを盛り込んでございます。  そういう意味で、矛盾なく新しい基本法が二十一世紀に向けて新しい日本の農業の発展に向けてさらに進んでいけるよう全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 私が読みました限りは、経済戦略会議の取りまとめの中には農業という文字を見出すことはできませんでした。また、食料や農業に関する記述はほとんどございません。そして、その結論的な提言で何がなされているかといいますと、我が国の潜在成長力は二%以上だ、だから改革を断行して九九年以降は成長をプラスに変える、二〇〇一年には潜在成長力の二%を超える、こう書かれておりますが、農業はこの成長力と無関係なものではないと私は思う。新しい農業基本法にも、農業の果たす役割というのは詳細に書かれております。  そういう中で二%の潜在成長力ということを結論的に主張している限りにおいては、日本農業のあるべき姿とかその役割というものについても十分な分析評価が行われた上でそのような結論が出てきているんだと思うんですが、経済戦略の中で農業はどのように位置づけられ、その役割をどういうふうに論議されたのですか。大臣は御承知だったら御説明ください。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) もちろん経済成長率その他の数字の中に農業サイドといいましょうか、広い意味の食料、食品関係も含めて、数字というものは当然私は入っているのだろうと思います。  先生御指摘のとおり、農業という言葉が直接言及されておりません。しかし、食品、農業、我々の仕事に関連する範囲というのはGDPでいえば広くとって約一割近いわけでございますから、そういう意味でその数字というものは当然検討されておるんだろうと思います。  一方、この会議が、実は基本問題調査会の方は平成九年の四月から十数回議論を重ねて昨年九月十七日に答申が出たところでございますし、また戦略会議の方は平成十年の八月から昨年の三月までということで、多少ずれがあるということでございますが、いずれにいたしましても政府の基本となるべき戦略であり、また政府全体の農村・農業あるいは食料に関する基本戦略が今度の答申であり、また御審議いただく基本法という位置づけでございますから、矛盾したものではなく、むしろ農業の方の基本戦略といったものが新たな基本法であるという位置づけであると同時に、決して両者は矛盾しているものではないというふうに理解をしております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 私もこれ矛盾したら大変問題だと思うんです。  それから、農業基本法の提案が出発点ではなくて、既に今を去る七年前に新しい食料・農業・農村政策に関する基本方向というのを農水省の対策本部が取りまとめて、これはもう公表された正規の文書として七年間ずっと存在しているわけです。この対策本部が前にまとめたものを、骨子には女性の役割も書いてありますし、環境の問題も出てきますし、今問題とされているものは七年前に全部ここへ出ているんです。  それで、今、農基法が出てこようとしているけれども、これが戦略会議の中で非常に重要な日本経済再生戦略として論議されなかったということは私は非常に不思議なことだと思っているんです。論議されたけれども一行も記述するには及ばなかったという話なのかどうか、これはどう思っておられますか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、ちょうど同じ八条機関といいますか、国家行政組織法の八条に審議会等の規定がございますが、それに基づきまして総理府に内閣総理大臣の諮問機関として食料・農業・農村基本問題調査会というものが置かれまして、平成九年の四月以来ずっと論議をしておりまして、まさにそれが取りまとめられる段階、夏ごろまでということでこの調査会はスケジュールを公表してやってまいりまして、結果的には若干ずれまして九月十七日になりました。そういうもので、ある程度取りまとめの方向ということで総理に答申をするということがだんだんはっきりしてまいった段階で、経済戦略会議の議論が始まったということであります。  したがいまして、いわば食料・農業・農村の問題は基本問題調査会が既にかなり前に走っておる、それがまた終着駅に近いということもありまして、そこの議論はこの調査会の方に、事実上そちらの取りまとめによるというふうなことがあったのではないか。これは推測でございますが、直接的な言及がなかったのはそういう理由によるものではないかと思っております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 大体、農政の基本的な方向を、農政審議会でやっているかと思うと、今言われた農業基本問題調査会というのが扱ってみたり、対策本部がやってみたり、いろいろなところでやっているんです。  それで、これがどうして一元化してこの種の問題に取り組めなかったのか。そして、出てきている結論というのは、大体同じものを年おくれ、月おくれでやっているだけじゃないんですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 若干、形式論理的な話になるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  この基本問題調査会は、まさに新しい基本法をつくるといいますか、今の農業基本法を見直すという立場から出発をいたしました。したがいまして、農業基本法に基づいて農政審議会が置かれておりますので、基づいている法を見直すものがそれに基づく審議会である農政審議会というのはおかしいのではないか、より上位のものである必要があるのではないかということで、農政審議会は農林水産省に置かれている審議会でございますが、より上位のものが要るということで、総理府に内閣総理大臣の諮問機関として基本問題調査会が置かれて、農政審議会という既存の与えられた任務の範囲内での審議会を超えた論議を期待したと、こういう事情でございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今も、農政審議会も農業基本問題調査会もその仕事を続けているんですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 申しおくれましたが、基本問題調査会は時限的な存在でございまして、この三月三十一日をもって役割を終えて解散するという運びになっております。これは政令で定められておりまして、特段の行為を要せず自動的に解散ということに相なります。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 それじゃ、平成十一年度のこの今提案されております予算案の中に、農業基本問題調査ということで謝金を初め経費総額一億七千万余りが計上されているのはどういうことですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 農業基本対策実施の調査につきましては、これは白書でありますとか農業観測とか産業連関分析とか、まさに基本的な農業の動向なり基本政策を立つるに当たっての認識を形成する部分、あるいは基本政策のまさに実施ということででき上がったもののPRをする、そういう予算として計上してございます。  したがいまして、折り目節目の基本問題ということも当然、中には含まれますけれども、これは白書なり観測なり産業連関ということでございますので、毎年、中身は多少当然違いますけれども、事柄としてはおおむね必要な予算ということで要求しております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 農業基本問題調査会は既になくなって、だれがやっているんですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 十年度、三月三十一日で廃止でございますので、十一年度の予算には顔を出していない状況でございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 顔を出しているから私は聞いているんですよ。農業基本問題ということで、いろいろなところに幾つも予算が出てまいります。そして、これは全体的には農業基本対策実施に必要な経費ということで、農業基本対策ということで謝金、委員旅費、調査研究費というようなものを合わせて一億七千九百六十二万五千円計上されております。  その農業基本問題で調査研究をするために存在した調査会は三月三十一日をもって解散するというのに、十一年度の予算にどうして出てくるんですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 調査会そのものが解散をいたしますので、調査会そのものの予算は計上されていないわけでございます。  それで、今お尋ねの基本対策実施に必要な経費というものは、最近の農業・農村の実態の把握、分析、例えばそれを農業白書の作成という形で公表いたします。それから、生産動向がどうなるか、あるいは価格の動向がどうなるかということにつきましては農業観測という形で作成をし、公表いたします。また、食料の需要動向あるいは供給、例えばよく議論になります自給率がどうなっているのかというのにつきましては、産業連関分析の中の食料需給表で明らかにするということで、そういった調査分析のお金が農業基本対策実施に必要な経費ということでくくられて計上しているということでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 余り細かいことを言う気はありませんが、それじゃ基本問題調査のために必要な委員の旅費と、委員というのは何の会の委員ですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) ただいま申し上げた動向の把握になりますと、我が省の職員だけでは調査といいますか、学識が率直に言って足りない部分がございます。例えば、食品産業の専門的な分野とかということになりますと、職員が調査に行っただけでは学識が足りない、十分な把握ができないということで、専門分野の大学の先生なりあるいはそういった業界団体の方なりで学識経験を有する人に参画をしていただくということが不可欠でございます。そういった学識経験者の参画を得るという意味で、そういう人たちの旅費なり必要な経費を委員等旅費という形で計上させていただいているということでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 基本問題調査会はなくなっても委員だけ残っているということになりますね。私は、学者やそういう専門家の協力を得るということがいけないと言っているんじゃないんです。そういうことは、解散するなら解散するように、新たにそういう委員組織をつくるならつくるようにきちんとやらないと、予算だけ前年度を踏襲して適当に編成しておくということではおかしいのじゃないですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 今お尋ねがありました、例えば白書をつくるときには農政審議会の中に動向部会というものが置かれまして、そこに専門分野の先生方に参加をしていただいております。そういう方々に対して、予算上の費目として委員というふうに全部概念としてくくっておりまして、そういう学識経験者の方々に出す手当なり旅費というものを委員等旅費というふうにくくっているわけでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 調査会も委員会も存在しないのに、委員だけがいるというのは非常にわかりにくい話です。指摘だけしておきましょう。  それから、あなたのようにそういうふうにおっしゃるなら、私は聞かぬでもいいかなと思っていたことがあるんだけれども、予算書の中に農林水産省顧問というのが出てまいりますが、農林水産省顧問というのは今どなたがおやりになっているんですか。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) お話がございました農林水産省顧問でございますが、これは最近、国際的な農業交渉やら貿易問題が大変複雑になってまいります中で、WTOを初め各種の国際会議で我が国の立場を的確に説明なり主張していくために、各国の農業事情とかあるいは貿易問題に豊富な知識、識見を有する方々を活用していくという趣旨でございまして、そうした方々を必要に応じて農林水産省顧問として任命して御助言、御協力をいただくということでございますが、今現在、具体的にだれを任命しているということはございません。  必要に応じてそういう識見を有する方々の助言、協力をいただきながら国際関係の業務を強化していくという趣旨でございまして、必要に応じてそういう方々を顧問として任命するものでございまして、今、現に常設的に置いているというものではございません。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 それは間違いありませんか。必要に応じて、ある種の任務について顧問をある時期任命するということですか。  この予算書は千円の単位まで顧問の謝金ということで計上されております。えらく細かい予算じゃないですか。もしそういうことなら、大体包括的にある一定の額を予算計上しておくというのが普通のやり方でしょう。これから見ると、何人いらっしゃるのか私は知りませんが、ちゃんとそれぞれ決まっていてやっているんじゃないですか。それを何か言えないような顧問というのはいてはいかぬのです。おられる以上は、今この人にやってもらって、我が国の農林水産業のために仕事をしてもらっているということは胸を張って言わなきゃだめじゃないですか。今いないような話で、もし必要があればと、そんなものじゃないでしょう。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) 農林水産省顧問、先ほど申しましたように必要に応じて農林水産省顧問として任命させていただきまして、各種の国際業務に従事していただくということでございますが、今、現にはございませんが、過去の実績を申し上げますと、例えば平成十年度では四名、平成九年度では二十二名、これは延べ人数でございますが、こういう実績がございます。  もちろん、そういう必要性がなくて結果的に使わなかったということになりますと、これはまた不用等の処理をすることになりますが、従来、そういう実績で推移しているところでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 次に、予算の内容をずっと見ておりまして、農水省の場合に調査費、委託費、補助金、こういったものがずっと並んで出てまいりますが、例えば日本貿易振興会、ジェトロ、ここへ農業問題調査等委託費六千九百八十七万八千円、同じ日本貿易振興会に農林水産行政情報化推進に必要な経費、国際食糧農業問題調査等委託費七千九百九十六万六千円、それから国際協力等に必要な経費というのはまた別のところへ出てまいります。政府開発援助農業問題調査等委託費二千六百九十七万二千円。  日本貿易振興会で私が予算書をさっと見ましただけで調査委託費が三本に分かれて出ております。この総額は一億五千万を優に超える調査委託費となっておりますが、このような調査費というのは、委託費でなければ調査ができないというようなものなんでしょうか。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) 御指摘がございました調査委託費でございますが、各分野における委託費があるわけでございますが、やはりそれぞれの分野でそれぞれの専門の機関なり方々に委託をして実施するというものでございまして、なかなか通常、役所の職員では及ばない面を委託して調査を実施しているというものでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 そうすると、農林水産省ではできない仕事を外部の社団法人とか財団法人とかあるいは民間団体に委託してやってもらっている、こういうことでしょうか。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) 特に、専門分野等におきまして、より専門的な観点から的確な調査結果が期待できるようなところにお願いをする場合に、しばしばそういう調査委託費を計上してお願いしているところでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 毎年、定額といいますか、一定の額がずっと年々当然のこととして予算化されていくというような傾向は全くありませんか。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) 個々の委託費につきまして詳細にチェックが必ずしもできているわけでもございませんが、継続して委託調査しておりますものにつきましては、調査の内容が継続的に毎年毎年の調査を要するもの、そういう分野ではないかと考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 農業問題に関する調査委託費というのを受けております財団法人や社団法人、民間会社などはその数は大変な数がございます。どうして農業問題に関する調査がいろいろなところに調査委託が必要になってくるのかというのも少しわかりにくい点であります。それ以上は申しません。  次に、今、私が予算書そのものの内容について御質問を申し上げましたので、先ほどの経済戦略の問題が途中になりましたけれども、私は昭和三十六年に制定されました農基法を改めて読ませていただきました。中川大臣は、この農基法が最初に書かれてあります、一番新しい、最新の農業六法の一番先に、大臣としての出版に当たってのごあいさつを書かれております。そのあいさつの中身は、農業基本法の前文、これは私はなかなか立派な文章だと思っております。農業基本法の前文、総則にかかわって書かれている表現が非常に多いと思いますが、農業基本法の前文や総則は今の時代に合わなくなったから変えなければならないということで新しい基本法を制定されようとしているのか、そこのところをちょっと説明してください。私は、三十六年の農業基本法の前文は、我が国の農業政策の基本にかかわる非常に名文だと思って読んでおりますが、いかがですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 今回、たまたま新しい基本法をつくるときの大臣ということでございますが、先生御承知のように、現在の農業基本法もたしか三年、四年と議論を続けた上での結果だったというふうに記憶しております。今回も、先ほど先生御指摘になりましたように、何年もかけて、またあらゆる分野の方々のお知恵等も拝借してつくった法律案でございますけれども、昭和三十六年当時と新しい基本法と全く全部違うというものではないと思います。  例えば、現行農業基本法では、生産面あるいはまた所得面での都市と農村との格差の是正をしなければならないなんということが書いてございますが、生産性においては都市部の生産性の方がはるかにスピードアップしたものでございましたので、生産面の格差というものが依然として存在しておるとか、また生活面でも、インフラ整備等々も、よく下水道の普及率なんかを我々出しますけれども、依然としておくれておるというようなことも現にあるわけでございますから、そういうものも何としても新法におきましても充実をしていかなければならない。  一方、四十年近い時代の変化の中で、新たな農政の観点といいましょうか、一番大きいのは、やはり食料というものはすべての国民にかかわりのある必要不可欠な物資でございますから、農業サイド、農村サイドだけの基本法ではなくて、食というものに密接に関連をし、そしてまた林水ともに配慮しというような条文もたしかあったと思いますが、そういう意味で非常にオールジャパン、全体の現状と将来を見据えた法律になっていく。さらには、環境とかあるいは農村社会とか男女の参画の問題、高齢化の問題等々、当時とは実情が、国際的な関連もそうでありますけれども、当時の制定時には予測し得なかった、あるいは予測する必要のなかった新たな重要な要素も出てきておりますので、基本法を一たん廃止し、しかしその中には受け継ぐべき趣旨は受け継ぎ、そして新たな視点からまたつくり直したというのが今回の基本法だと理解しております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 今あなたがおっしゃったことに私は異議はないんです。新たな視点、それから三十六年制定当時には考えられなかったような状況の発生、そういう国際的にも国内的にもいろいろ変わってきたことはそのとおり。そのために必要な政策の方向を明確にすることが重要になっていると。それは既に七年前に答申されているんです。さっき私が申しました新しい食料・農業・農村の政策に関する基本方向という文書の中にほとんど今おっしゃったことが書かれております。この文書に続く国際的な農業政策の基本方向に関して、農政審議会がその二年ぐらい後に出しましたものの中には、二十一世紀における農政の進むべき方向についても書かれております。それだけ変わっていく中で、いろいろな審議会や調査会によって出されたものを余りやらなかったんじゃないですか。  私が非常に気になりますのは、経済戦略会議の言っている日本経済再生の戦略に従えば今言われたような方向に日本農業は進むか。私は、食料とか農業とかいう問題を考えますと、これに農村の社会を形成していく、文化を伝承していく問題等も含めて考えてまいりますときに、食料・農業・農村といったような問題は一般的な民間の企業戦略を取りまとめるというものではなくて、これらの分野こそ、政策的には国の責任でやらなければならない分野が今はっきりしてきた。しかも、国の政策でやらなければならないこの分野で働いている農業者たちは、今、大臣が言われたように、都市の産業と比べました場合にその格差が広がっている、そこで農業者は農村を離れる傾向がますます強まっている。そういう中で、どうやったら食料・農業・農村の新しい時代にあるべき政策の方向というものを進めることができるかということは、国が政策的責任を持つということがなければできないことだと私は思うんです。  そうなってくると、二%成長論というのをどこから引き出されたか知りませんが、そういうものの網でばっとかぶせられて、この中に日本農業も当然位置づけられているんですという抽象的な表現だけでは農業・農村の将来は明るくない、こういう思いがするからこの両者は本当にかみ合っていますかということを大臣に最初にお伺いしたんです。本音のところで、農業や農村の問題というのは、今度の経済戦略がこのまま生かされれば農村にも明るさが取り戻されて、そして担い手たちが意欲的にあらわれて、日本の農業は一変すると本当に考えておられますか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 一つは、経済戦略会議というのはかなり緊急的な日本の経済情勢、バブル崩壊あるいはいろいろな経済情勢の中での緊急対策、並びに二十一世紀に向かっての経済を中心とした発展の一つのシナリオだろうという位置づけを私なりにしております。  一方、新しい基本法というのは農業という大切な産業、そこに住むさまざまな方々、そしてそこから生み出されるものによって生命を維持するすべての国民、こういうものの関係なり重要性というものは未来永劫だろう。ただし、それを具体的に施策として取り入れる場合には、時代時代の求められる事情というものがあるわけでございますから、先ほど申し上げたような食の重要性というものは未来永劫変わらないわけでありますし、また農業・農村も変わらないと私は確信をしております。そういう観点から、こういう食料・農業・農村における憲法的な形での基本法というものをこれから御審議いただくわけであります。  それから、先生御指摘の七年前から同じようなことを言っているじゃないかというのは、私もそのとおりだと思います。新政策、あるいはまた食糧法の改正、いろんなことがございました。WTOの問題等々ございまして、その中で時代とともに、米一つとっても大きくやり方が変わってきたわけであります。  それを未来に向かって希望が持てるためのその一番根っことなるもの、しかもそれを法律で決めていくんだということで、今までの一連の激動あるいはまた状況の変化の中での今後への対応ということで今度の基本法ができ、そしてその基本法に基づいて大綱なりプログラムなりあるいは基本計画なり、あるいはさらにはそれを実施するために必要なほかの実定法の改正なりをしていくということでございますから、まさに全体としてのパッケージであり、また数年前からのいろいろな改革の議論の集大成としての基本法であるというふうに考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 それでは、この経済戦略会議がもう一つの結論として出しておりますのは、雇用の流動化と失業率の上昇は一時的には不可避である、避けがたい。しかし、こういうときにこそ新しい人的資源大国として日本をつくるぐらいの気持ちで必要な対策を講じなければならぬ、これが結論のもう一つであります。  そんなことで果たして農村の担い手を含む労働力の流動化というものが防げますか。私は、根本的なところでこの雇用の流動化や失業率の上昇については経済戦略会議の目が離れていると思っているんです。これは食料や農業生産物の価格を単に市場原理に任せたのではいけないんじゃないですか。  それからもう一つは、担い手の後継者確保のために何をやるのか、具体的に、本当に魅力ある農村、意欲的に取り組める農業のために何をやるのか、そういうことが経済戦略会議も触れられてよかったことだと私は思っているんです。  この問題とあわせて、やっぱりトータルで考えれば何としても食料自給率をどこまで引き上げるのか、年次的な目標を数量的に明示することが今申し上げてきたことの一番の基本になければならないことだと思うんですが、いかがですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 先生の御趣旨はそのとおりだろうと思います。ただ、条文の中に例えば米は何%とか麦は何%と書き込むというのは非常に、条文でございますから、かなり固定的、そして中長期的にたえ得るものでなければならないという法律の特性を考えますと、何年かごとに、五年ぐらいをめどに見直し作業も基本計画の中でやっていかなければならないわけでありますし、また毎年毎年、国会に御報告を申し上げるというようなこともございます。  その辺の実情に合った形で数値目標を設定するというのは、中期的であると同時にフレキシブルでもなければならないという意味で、はっきり基本法十五条の中に自給率を定めなければならないというふうに義務規定として置いてありまして、それに基づいて基本法の中で具体的に実現可能でできるだけ高い数字を置く、しかもそれは一年でころころ変わるものではないということで、お気持ちはよくわかりますけれども、率直に申し上げて法技術的な面といいましょうか、あくまでも基本法、理念法という観点からそれに基づいて、御趣旨は私は十分に実体法、基本計画の中で実現していかなければならない、またできるというふうに考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 食料自給率というのは、当然わかり切ったことを聞くようですけれども、今度の新しい基本法がつくられた後できるだけ速やかに自給率の現状を是正する、つまり引き上げる、そしてその引き上げる自給率の目標を明示する、そういう考えであると伺っておいてよろしいですか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 自給率の目標、まさに目標でありますから、今後どうしていくかという中期的な展望に立っての目標を定めるということでございます。  その際には、「目標は、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める」、こういうことでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 何かはっきりしないですね。  私が言っているのは、現状を引き上げて自給率の目標を定める、そしてそのときには数量的にも明示する、こういうことだと理解していいかと聞いているんです。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 現状の食料自給率の水準が低いという認識からこの話は出発しておりますので、まさに目標は現状より高いものを目標として定めて、かつそれは基本的には全体の総量、目標としてカロリーベースを想定しておりますけれども、個々の重要な品目についても、品質面、コスト面の課題をどれだけ解決したらどれだけの水準になるかということもあわせて提示をしたいというふうに考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 G7にやってまいります先進国の中で一九六五年ごろには日本の自給率と並ぶところが幾つかありました。それで、十年たたないうちにこれらの国の自給率は飛躍的に上がりました。我が国だけが急速に低下しまして、そして今日では農水省が出されております文書の中にさえ、既に穀物の量で考えた場合でも三割を切っている。カロリーベースでもようやく四割を超えるというような状況だと思います。  したがって、今の自給率は低いから是正する、目標を決めて引き上げるとおっしゃいましたが、非常に低いからかなり引き上げてという考えでおられるのかどうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 非常に低いと思っております。ですから、引き上げていかなければならないと思っております。ただし、それがあくまでも生産者、そして実需者、国民的なみんなで努力しましょうという形にしていきたいわけでございますけれども、そのためには実現可能な、また理解され得る数値目標というものがやはり前提にならなければいけないのではないかなというふうに思っておりまして、その辺を現在、品目ごとに実現可能でできるだけ高い水準とはどのくらいなんだろうかということを御議論いただいているところであります。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 大臣のおっしゃったことは大変よくわかります。そういう立場であれば、なおさら私は日本経済再生の戦略を示す中でそのことに明確に触れていないとそうならぬのではないか。  今までの農業衰退、農村崩壊の長い歴史を振り返ってみますと、農業・農村というのは社会的にも経済的にもいろいろな面で弱い立場にあるんです。だから、その弱い立場にある者に対して、これは国が思い切ってこのことに政策的な責任を持つということでなければならないと思っておりまして、そういう意味では経済戦略会議の中で農業問題、農村問題について論議を起こす人が一人ぐらいはいてもよかったんじゃないかという思いがいたしておりまして、発表されましたまとめの結論を見て私は非常に心配をするものであります。  そのことを、もう一つ別の視点から戦略会議のまとめを読みますと気になることがあります。これは、今の日本の財政状況に対する懸念を表明されている点であります。そのとおりだと思います。ただ、この財政赤字の増大に対する懸念をどうするかという問題で、やはり結論的に出してきているのは思い切った財政支出の削減ときているわけです。  そのこと自体に私は反対ではない。しかし、財政支出の削減というときに、やっぱり国に政策上の責任をより多く持ってもらわなければならない弱い分野に最初にしわ寄せが来る可能性が非常に強い。そういうときに私は、農水省を初めこの農業や農村の将来に対して心を砕いている者たちがその動きに対して正面から取り組む覚悟がなければ、完全に国際分業体制下に置かれて日本農業・農村は衰退、崩壊の道をたどる以外になくなるだろう。したがって、一律的な一般的な財政再建論としての財政支出削減の考え方に対しては農水省は猛然と反対しなければならないはずだと思うんですが、いかがですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 現在、財政が非常に厳しいということは我々も認識をしながら作業を進めておるわけであります。  一方、先ほども申し上げましたように、農村部におけるインフラ整備、あるいは社会生活上のインフラも含めてでありますけれども、まだまだおくれておる。したがって、必要なやるべきことがたくさんあるということでございますから、そこは離島とか過疎とか中山間とかいろんな問題もあるわけでございますので、我々のやるべき大きな使命を果たすべく、財政が厳しいということは承知をしながら、できるだけのことをやっていかなければならないというふうに考えております。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 そういう意味では、今度の新農基法は前文はございませんね。あの前文の中に今、私が申し上げたことに関する非常に大切な記述があるんです。農業は明確に地方の経済を支え、そして農村社会を活性化し、ここに力を与えていくものだということで、非常にこれは立派な記述です。そういうものが今もう一遍読み直されて、新しい農業政策と取り組む者たちが決意を新たにせにゃならぬ、そういう時代に今、我々は遭遇しているのだと思うのであります。  私がきょう特に申し上げたかったことは、何か三十六年の農業基本法は既にその役割を終えて、今回新たに提案された基本法にすべてが変わると。何か前のはもう古くて全然通用しませんよというような印象にとられると非常な誤りを起こす。なぜ前文がなくなったのかも私にはちょっと理解しがたいところなんでありますが、簡潔にやるべきことを明快に書いたんだというのが農水省の言い分だろうと思っておりますが、それならそれらしくこれからの政策展開をやられるように期待をいたしておきます。  最後に、現在開かれております畜産振興審議会が、既に総会に対する大臣の諮問が行われ、そして明日から三部会が開かれることになっておりますが、これに諮問をされました農水省として、今回の畜産振興審議会の意見を経た上で、大体どういう方向で価格の決定や保証基準の決定をされようとしているのか、そのことについて御報告をいただきたいと思います。

本田浩次農林水産省畜産局長

○政府委員(本田浩次君) 御承知のとおり、畜産物価格につきましては、豚肉と牛肉の安定価格、それから肉用子牛の保証基準価格、バター、脱脂粉乳などの指定乳製品の安定指標価格、それから加工原料乳の保証価格などを今週中にも決定する予定で作業を進めております。そこで、これらの価格の決定に当たりましての情勢につきまして御説明をさせていただきます。  まず、最近の畜産物の需給、それから価格についてでございますけれども、牛肉、肉用子牛につきましては国内生産は前年並みでございます。価格は低規格物を中心に前年より低下傾向にありますが、全体としてはおおむね堅調に推移しております。  豚肉につきましては、国内生産は前年並みで価格は最近では低下しておりますけれども、おおむね安定価格帯内でこれも堅調に推移しております。  生乳につきましては、生産は伸び悩んでおりますものの、加工原料乳価と飲用乳価の総合乳価では飲用乳価がことしほぼ据え置きになったこともありまして、前年並みを確保できる見込みとなっております。  また、配合飼料価格につきましては、平成十年四月以降にトン当たり五千六百円、それからさらに四月からは同じくトン当たり千円引き下げられる見込みでございまして、平成十一年度も安定的に推移するものと見込まれております。  こうしたことから、畜産経営につきましては、各畜種とも比較的安定しておりますが、環境問題でありますとか担い手の確保、自給飼料基盤の強化などが課題となってくるものと考えております。  いずれにいたしましても、平成十一年度の畜産物価格等の決定につきましては、先生御指摘のとおり、あすから畜産振興審議会の三部会が三日連続で開かれます。この審議会の意見を聞きまして、それぞれ法律の趣旨に即して適正に決定してまいりたいと考えておるところでございます。

久保亘民主党・新緑風会

○久保亘君 どうもありがとうございました。終わります。

風間昶公明党

○風間昶君 公明党の風間でございますけれども、まず一点目は、農業水利権の問題について伺いたいと思います。  土地改良事業によって農業用水を引く場合には、当然、農業をやっていらっしゃる方々に水利権として負担金が生じるわけでありますけれども、もうずっとこれは言い古されているというか、問題になっているままで解決がされていないという状況があるようでございます。  つまり、減反によって稲をつくっていないにもかかわらず水利権だけが残って、相変わらず負担がついている。北海道のように大規模に減反したところは多いところでは年間五十万円を超えるところもあるんです、実際に。そういう意味で、稲作をしていない農家に対してのこの負担金の問題は大きな問題で、経営上にも大きな影響を及ぼしているということで、同時に担い手対策としてもこれは見過ごせない問題だと思っています。  何か先輩に聞きますと、先輩というか農業者の古い方々に聞きますと、転作奨励金の中にそういった負担金の支払い部分も入っていた時期もあったようなことをおっしゃる方もいらっしゃるんですが、ちょっとここははっきりしないんですが、いずれにしても減反がついて、復田も可能性として、農水省は復田の可能性があるからこれは負担していただくと言っているんだけれども、現実に復田の可能性が極めて厳しい状況になっている今も水利費の負担という問題について、まず農水省としてどう位置づけているのか、それを伺いたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 確かに、転作によって収入が減少する等の状況があるのは事実でございますけれども、土地改良区の負担金の問題につきましては、圃場整備事業を行いまして、区画が整理されることによって利益が生じます。また、排水条件が改良されてその利益も生じます。それから、畑作物といえども水を使うというふうな状況にございますので、土地改良事業の利益を享受し得る状況にあるということから考えますと、そこにかけました負担金についてはこれを償還していただくというのが現状でございます。  ただ、日常の水利用につきましては、その土地改良区の中で、それぞれ水の使う度合いに応じてこの負担の割合を動かすことができるというふうなことも記されておりますし、現実にそういった措置をとっているところも一部ございます。

風間昶公明党

○風間昶君 まさに、永久に転作する場合には、土地改良区から脱退して負担金の支払いを免れる方法があるわけでありますけれども、その場合も決済金として脱退金を取られる。負担金の五倍から十倍ぐらいというふうに、その地域によって違うらしいんですけれども、取られるところがあると。さっきの五十万円の年間負担金をされているところでは、完全転作するのに五倍から十倍というから、単純計算で五、五、二百五十万円から五百万円余計にかかるという計算になるわけです。さらに、後継者がいなくてどうしても農地を手放さざるを得ないという場合には、おおむね水田の値段が十アール当たり四十万円とすれば畑は二十万円ぐらい、だから農家としては畑への転換もできづらい、半分も値段が違うわけですから。  そういう背景もあるということで、負担金の軽減について、今ちょっと局長がおっしゃったように、昭和五十二年でしたか、全国土地改良事業団体連合会の会長さんから質問が出ております。そして、六十二年にもやっぱり当時の農水省構造改善局管理課長中須さんあてに質問をしているわけです。この米の生産調整に伴う、正しい言葉は水利費というのではなくて土地改良区の賦課金ということだそうでありますけれども、文言上は。この賦課金について農水省としてはどうしてくれるんですかということに対して、全国土地改良事業団体連合会からのときに、六十二年はまさに中須管理課長さんが、通達ではないけれども、回答書を出しているわけです。それで、負担金の減免措置についてはそれぞれの土地改良区で定めができるというふうに盛り込まれているという、そういう回答をしているわけであります。  現実には、この五十二年の回答と六十二年の回答は同じ内容でありますけれども、もう十二年もたって、昭和でいえばことしは七十四年目に当たりますから、この回答は現在でも有効なのかどうか、お答え願いたいと思うんです。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 今、私が先生の前の御質問にお答えをいたしましたような状況でございますので、五十二年の照会回答を受けて、六十二年に同様の回答をいたしました。この構造改善局農政部管理課長の回答は現在でも有効であると考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 当時の管理課長の中須さん、どうですか。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) ちょっと私、とっさに御質問を受けて正確な記憶がございませんが、確かに転作が強化される中で土地改良投資を行った水田についての賦課金をどういう取り扱いをするか、大変大きな議論があったということを覚えております。  その中で、やはり基本的な制度の仕組みとしては、土地改良の成果を享受し得る状態にある限りは基本的に賦課金の賦課ということはなし得るし、賦課金を支払わなければならない。やっぱりこれが基本であるということと同時に、各地域でそれぞれ事情がございます。土地改良区における話し合いを通じて、その辺は適正な賦課の仕方をみんなで定めていくというか、そういうような答えになるのではないかというふうなことを当時議論した記憶がございますが、ちょっと申しわけございませんが、とっさのことで、私、今の段階で責任を持って今の言い方が正しいかどうか自信がございませんが、そのように考えた記憶がございます。

風間昶公明党

○風間昶君 いや、質問通告していませんので、あなたには済みません。  あなたはこう答えているんです。「土地改良区等の内部において、法令の定めるところにより定款等を変更して転作等の事情を考慮した賦課基準を設けることもできるものと解する。」と。構造改善局長は現在も有効だというふうにおっしゃいました。だから、そういう意味では定款を変えることができるというふうに、実際に減免措置をやれるんだということをうたっているんだけれども、ではその裏づけになる予算上の措置はどうなっているのかということが一つあるわけであります。これがなければ絵にかいたもちなわけでありまして、農家負担というか、農家に対する減免対策として、予算上の措置はどうなっているか。ばらまきになっているのか、予算書のどこを探しても見えないんです。ばらまきというか、名前が変わっているのか、私も読み切れないところがあるものですから、ちょっと教えてほしいんです。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) まさに、先生が引用されました六十二年の照会回答、あの時期は水田農業確立対策という形で生産調整が強化された時期でございます。この確立前期対策から後期対策にかけまして、私どもやはり負担金対策が重要だということで、そのころから現在の負担金を平準化する事業を基金を積んで始めております。現在、国費ベースで一千億、トータルでは二千六百億の平準化等々の負担金対策の原資を形成中でございまして、平成十二年度には予定どおりぜひ資金を確保いたしたいと思っております。  また、その後、ウルグアイ・ラウンド対策の中で、要件を緩和する、あるいは対象を広げるというふうな形で、利子そのものを軽減する担い手育成支援事業を実施いたしました。  また、本年に入りましては、利子助成の範囲を従来の三・五%から二%に下げるというふうな措置をいたしておりまして、歩みはゆっくりではありますけれども、着実に負担金の軽減の方向に向かっていると私どもは考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 なるほど、歩みはゆっくりだけれどもやっていらっしゃるということであります。  もう一つ、同じように負担金ですけれども、水利権の問題と絡んでくるわけです。ダム事業についても、このダム事業も本当に時間がかかって、安全性の観点もあるんでしょうから、工事途中であっても事業費がぶわっと膨らんで、結果として償還に係る地元の負担がふえているという、まさにこれは農業者の声であります。  しかも、財投資金を利用してつくったものについてはもちろん金利上の負担があると。財投の金利については農水省の所管ではないと思いますけれども、景気のいいときに五%ぐらいの金利で借りた分については現在非常にその返済が厳しいという状態はもう御案内のとおりであります。  担い手対策として金利の減額を講ずる措置も確かにあるんだけれども、この際、一括して金利をなくすような制度ができないかというように言われたわけであります。その話を聞いた私は、政治家として、それは厳しいですよ、農家だけそんなわけにいきませんという声は当然消費者から起こりますよと、こういうふうに言った。では、無金利、一切金利がノーというのはできないにしても、現在の財投の最優遇金利というのは一・八%まで引き下がっているわけでありますから、そこの部分までは可能なのかどうかというのは、まさに農水省と財政当局との交渉の中で決まってくる問題だと思うんです。  だれが交渉するかわからないけれども、官房長なのか、局長レベルで獲得できるものなのかどうか、これは疑問がありますが、まずは財政当局に対してどういうふうにやろうとしているのか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 金利の問題はひとり負担金対策だけではなくて、ほかのいろいろな融資制度あるいは利子助成制度と関連を持つものでございますので、先ほど私がお話をいたしました三・五から二・〇に頭を下げたというところをもって現在では手いっぱいではないかと思っております。  また、これを一定の対象に絞りましたのは、圃場整備事業あるいはこういう負担金事業を通じまして、構造政策としての成果が生きるように、そういった誘導もしたいという観点からぎりぎりのところを選択した状況にございまして、今直ちにこの金利を、先生がおっしゃいましたようなゼロもしくは相当低いところに持っていくというのはなかなか難しいと思います。

風間昶公明党

○風間昶君 将来的にもそう思っていらっしゃるんでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 一つには、金利の情勢いかんだろうというふうに思います。金利というのは相対的なものでございますので、そういう中でどうなるかということがあろうと思います。  それから、負担金の償還対策ということもさることながら、これから圃場整備事業等を通じていろいろと担い手に農地を集約するというふうなこともやられるわけでございまして、そういった際の事業のコスト軽減であるとか、あるいは農家負担をこよなく低くするというふうな工夫、例えば無利子資金の貸し付けとか促進費の交付とか、そういうことで対応していくことが私どもとしてはやるべきことではないかなというふうに考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 なるほど、一理ありますよね、それも。けれども、引き続き財政当局との交渉は続けていただきたいというふうに思います。  関連して、去年の夏ぐらいから水資源の管理を一元化する法律というか基本法制定の機運が高まっておるようでございまして、建設省が音頭をとっていらっしゃるようですが、きょうは建設省をあえて呼んでいませんが、当初、農水省には声がかかっていなかったという話も遠くの方から聞こえてきましたけれども、秋口からまた声がかかったようにこちらの方から聞いているわけであります。  農業用水の件で、使ってもいないのに流しっ放しだと、渇水時のときにはほかの用水にも農業用水は回ってこないという声も、間違った批判だと思いますが、あるわけでありまして、そういう意味では、生活用上水や工業用水の流しっ放しとは全然意味が違うとは思うんです。  そういう水資源の管理を一元化するということについて、これが話があるかどうかは別にして、そういうことが日本の資源の省力化という観点から当然、農水省にも話が来ると思うわけであります。そのときに、実際に連絡会議とか何かが行われた場合に、農水省としての態度といいましょうか、方針をきちっと決めておかなければならないのではないか。もちろん内部的にはやられているのかもしれないけれども、これはやっぱりある意味では、この委員会の場で農水省としての基本的な考え方を私は問いただしておかなければならないのではないかというふうに思っているわけであります。  また、そういう基本法に、建設関係の方からの話ですと、余った水の水利権の売買だとか賃借権、こういうことも議論になってくることが考えられますから、そうすると、水域ごとの管理権というか、そういう機構をつくることも必要ではないかと思っていますが、そういうことも含めて農水省として、出ていない法案でありますし、また考え方であるかもしれないけれども、当然それは対応しておかなければならない問題意識だと思いますので、伺いたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 健全な水循環を回復するというのは、一省庁にとどまらず全国家的な重要課題でございます。  御指摘の点につきましては、昨年の七月に河川審議会の水循環小委員会で基本となる法制度も含めて検討を続けるというふうに御報告があった点ではないかと思っておりますが、私どもはそれと軌を一にいたしまして、関係六省庁、環境庁が音頭をとりまして農林水産省も当初から積極的にそれに参画するという形で、健全な水循環系構築に関する関係省庁連絡会議を設けて、連携と分担をどうするかという議論を続けております。  御承知のとおり、水というのは流域ごとに、あるいは歴史的に、地域的に自然条件も異なっておりますので、これらそれぞれの条件に適合しながら、即応しながら一つの共通認識のもとに協調をし、分担をしてやっていくのが望ましいというふうに思っております。  いずれにしても、この関係六省庁での議論を高め、河川審議会の動向も見ながら、農林水産省として水循環という点では一番重要なところを占めておるわけでございますので、そういった点で積極的に参画をしていきたいと考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 ですから、本当に積極的に主張をしていっていただきたいのです。源の部分を相当占める農水省の管轄に入るわけですから、ぜひお願いしたいと思います。  次に、米の関税化について伺います。  結局、去年の十一月の末に政府と自民党と農業団体の間で合意いたしまして、その前には去年のゴールデンウイークでありましょうか、ベルサイユで次期貿易交渉の方式をめぐって議論があったと、四極通商会議でしたでしょうか。五月十八日は、クリントン大統領がWTOの演説の中で、次期貿易自由化交渉の最重点課題として農業分野の関税、補助金の削減ということで、日本の米の市場開放が極めて次期交渉の焦点になってくるわけであります。  それとの関連で、予算案そのものは去年の末に閣議決定されて、そのときまだ政府は米の関税化受け入れ態度を決めていなかったのですよね。年が明けて米の関税化が決まってから今回、主要食糧法の一部改正案が出ている。そうすると、政府が輸入するお米の部分というのは、少ないとはいっても押さえられる分、食管会計に影響が出るはずですから、単純に考えれば予算を修正すべきじゃないかというふうに思うわけですけれども、いかがですか。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) 米の関税措置への切りかえにつきましては、昨年の十二月十八日だったと思いますけれども、関係閣僚会議ということで政府として決定いたしまして対応してきたわけでございます。  それを受けまして、食管特別会計におきます平成十一年度予算案におきましては、米の関税措置への切りかえを前提といたしまして、ミニマムアクセス数量の輸入数量につきましては七十二万四千トンを前提として、これを既に織り込んだ形で予算案の御審議を賜っているというふうに理解いたしております。

風間昶公明党

○風間昶君 いや、これは聞いたら、予算を修正する必要はない、ちゃんともう入れ込んであるということで、歳出の事項別内訳、項で輸入食糧買入費ということで予算を組んでいました。うまくやったなと思いました。  夏の概算要求のときにはこの関税化受け入れを前提にしたこういう食管予算を組んでいて、だったらどうしてこの時点で政府が関税化受け入れを検討しているのだということを言わなかったのか僕は不思議でしようがない。そこはどうですか。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) 食管特会につきましては、例年のことでございますけれども、出来秋に例えば国内産米がどれだけできるのか、そのうちどれだけ政府の買い入れになるのかといった形で豊凶の変動が常につきまとうものでございますから、夏の段階では確定できません。したがいまして、夏の要求段階におきましては、常にそうでございますけれども、食管特会につきましては検討中という形で常に出させていただいておりまして、年末までにいろんな数字が固まってまいりますので、それを受けて年度末の編成に臨むという形になっております。

風間昶公明党

○風間昶君 うまい、まさに。そこがトリックになっているのではないかと私は思います。情報公開法もこれからあれしますから、そこのところをきちっと、今後もこんなようなやり方をやっていると私は農水省つつかれると思いますよ。つまり、米の、食料のさまざまな輸入に頼らざるを得ない日本が少なくともこれからどうなっていくのだろうかという不安が農業者だけじゃなくて消費者にもあるわけですから、そこの情報公開というのはきちっとやっていくべきだということを私は一言言わせていただきたいと思います。  次に、海岸事業について伺います。  もともと海岸事業は国土の均衡ある発展ということでやっているのだけれども、開発志向型でどんどん海岸事業をやって、津波とかがけ崩れを防止するのが本来の目的であるはずなのが、つまり防災の観点がますます必要であるにもかかわらず、やっていると言いながらも進捗率は余り高くないように、地域にもよりますが、そういう部分があると。  もう一つは、環境を守らなきゃならない、アメニティーの拡大という観点からも景観を守らなきゃならないという視点も当然クローズアップされてきているという中で、従来は、北海道は全部海に囲まれていますから、回りますと、もちろんトンネル事故もありましたが、海岸線のがけがコンクリートでほとんど固められているという、もうこういう発想は通用しないのは当然であります。  そういう意味で、最近、海には、表に出てこないけれども、何メーターか下のところまで人工の棚といいましょうか、潜った形での人工棚、人工リーフというふうに使うようでありますけれども、注目を浴びているようでございまして、その部分について、一般論でありますけれども、いろんな工法があるでしょうから、農水省としては海岸事業における人工リーフ潜堤についての現時点における長所、短所を含めた技術への評価と、それから今後この海岸事業について農水省としてどう取り組んでいかれようとしているのか、見通しについて、二点お伺いしたいと思います。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) ただいま先生から御指摘のありました人工リーフでございますが、沖合の水面下に構造物を人工的に設置いたしまして、水面下五十センチぐらいというところまで構造物を設置しまして、その構造物によって波を消波させる、同時にその背後に陸との間に砂を蓄え、侵食防止や海浜の造成を図る、こういった事業でございます。  これまでの直立堤防、離岸堤という形の事業に比べて、功罪と申しましょうか、メリット・デメリットということで申しますと、こういった人工リーフ事業、平面的な広がりを持つために、直接的な意味では漁場環境への影響、つまり漁船であっても船がその上を通れなくなってしまうという意味での漁場環境への影響が考えられますが、他方、水面上に構造物が出てこないということから、一つは海岸の景観が保全されるということもございますし、時間がたつことによって人工リーフに藻場が形成される。藻場の形成を促進しまして、それが水産動植物の生息の場としての役割を果たしていく、こういうことが期待される、そういうメリットがあるわけでございます。  もちろん海岸保全事業、津波とか高波から土地とか人の生命、財産を守る、これが主たる目的でございまして、それぞれの海岸の形状なり、あるいは地域の状況というのに応じて工種というものが選択されなければならない。当然、地域性というのがございますけれども、そういうことはともかくとして、一般論としていえばやっぱり自然環境保全への国民の関心の高まり、こういうことを踏まえると、人工リーフについては今後海岸保全事業の一手法として有効な工法だということで推進していくべきではないか、こういうふうに私どもは認識しております。

風間昶公明党

○風間昶君 そこで、最近認識したわけじゃなくて、当然数年の経緯を経て認識されてきたんでしょうからあれですが、海岸事業における今年度の予算案にどういうふうに反映されているのか、お聞きしたいのです。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) 私が手元に持っております資料で、平成十年度の人工リーフの実施状況ということでございますが、現在、農林水産省、農地海岸及び漁港海岸両方の事業におきまして、計三十一カ所において人工リーフの整備を行っている。事業実施箇所数全体は六百二十二カ所でございます。このうち三十一カ所において人工リーフに取り組んでおる、こういうことでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 これは従来の設備投資に比べてどのぐらい経費が削減できるのか、あるいは逆に経費がもっともっとかかるのか。簡単でいいですが、教えてくれますか。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) これはもちろん個別の地区によりまして、地底の形状とかどれだけの高さの堤防をつくるかということによって事業費が変わってくるわけでございますが、基本的にはまず従来の離岸堤方式よりも人工リーフの方が、単位当たり、例えば一メートルの海岸を整備するという場合の単価は高くなる、こういうことでございます。  ただ、地域によってその高くなり方は違うわけでございまして、私が今手元に持っております一例であれば、一メートル当たり百三十八万円の従来の離岸堤の事業が人工リーフであれば百四十六万円に上がる、こういうような一例がございます。専門家のお話によれば、実際には人工リーフは平均的にはこの単価よりもう少し高くなるのではないか、こういうふうに聞いております。

風間昶公明党

○風間昶君 今のデータだけだと一メーター当たり八万円は高いと、百三十八に百四十六ですから。しかし、将来的なことを考えると、コストは今高くなってもさらによくなっていくというメリットの方が大きいという御判断だというふうに理解します。  次に、先ほど久保議員からも質問がありましたけれども、財政構造改革法によって公共事業についての事業予算、総額をそのままにして年度だけ繰り延べてきたと。財構法が凍結されていても年度の繰り延べは変わらない。積極財政に転じられたにもかかわらず年度の繰り延べが残っていると。これは農水省だけの話じゃないし、また農水省と財政当局との話になるんでしょうけれども、結局、必要と判断された公共事業が、いたずらにという言葉はどうかわかりませんが、先送りされてしまう。その間の人件費、管理費というのは膨らんでくるわけでありますから、結局、総額の事業費が膨らむ。最後にどこにツケが回ってくるかというと、これは国ももちろん負担するわけでありますけれども、自治体も負担するけれども、生産者本人、地元の負担もかなり出てくるわけでありますから、そういう愚は避けるべきであると私は思うので、来年度の予算での措置はもう間に合いませんから、また夏の概算要求に向けて公共事業の年次繰り延べというのを見直すように、私は大臣が、だれが言うかといったら大臣が言うしかないわけですから、閣議で発言をできるかどうかということにかかってくると思っておるんですけれども、腹はどうですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 必要な事業をできるだけ早くやりたいという気持ちは私も重々持っておりますけれども、財政構造改革の中での延長措置ということで、長期計画の取り扱いについては公共事業すべてに共通する問題であります。この期間中は、中長期的には我が国の厳しい財政状況に見合った水準で公共投資を行う必要があるという考え方が統一されておりまして、財革法の凍結により期間をもとに戻すことは適当ではないというふうに考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 何も言わないということですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 率直に申し上げて、これから議論しようというのであれば大いに言いたいところでございますけれども、凍結期間中にもかかわらず、例えばウルグアイ・ラウンドの六年を八年にするとか、そういうものはもう既に大分前に決まっておることでございますので、その既定路線でいかざるを得ないというふうに考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 わかりました。  次に、ダイオキシンの問題について若干伺いたいんですが、ダイオキシンの風評被害の話も先般、同僚議員からありましたけれども、出てきた被害というか結果の問題より、むしろ発生させないようにするということの実際上の施策なり方針が当然必要なわけでありまして、発生させないことがまず第一前提であって、次に発生したダイオキシンをどうやって少なく、少なくというか、発生したダイオキシンをきちっと管理、処分するかということがある。  ダイオキシンの分解についてはいろいろ超臨界水温でやる方法とか、細菌というか菌を使ってやる、かなりのコストがかかるわけでありますが、試験管内での研究ではなされていますが、実用化にはまだ至っていないという今の時点で、私の言いたいのは、農水省がある意味では日本人の生命と安全を守るという食に対する取り組みのこれは一番問われている問題だと私は思いますから、ある意味では所沢の場合も農水省が、これは厚生省との話もあるでしょうけれども、きちっとやっぱり土壌や農作物に対する安全基準を欧米並みに一応暫定値でもいいから定めておれば、あれほど僕はパニックは起きなかったんだというふうに今反省しているわけであります。  そういう意味で、農産物の安全基準の策定を、農水省がほかのところの厚生省や環境庁のデータにおんぶするのではなくて、むしろ今まで積み上げられてきた農林水産技術会議とかいろいろあるじゃないですか、そういうところ、あるいは公衆衛生上のいろんなデータ等々を含めて農産物の安全基準をきちっとつくるべきだというのが一点であります。  その安全基準を上回るものが発見された場合に、それを市場に出さないということも一つは重要なことなんだけれども、そうはいっても全部市場に出なくなったらこれは大変なことになるわけですから、その場合に、原因者あるいは原因が何であるのかということについて、例えば今回のダイオキシンの場合で五十数カ所もあの周辺に焼却炉があるという事実があるわけで、これが科学的あるいは疫学的に、あの葉っぱ物のダイオキシン濃度、あるいはお茶を含めて、ダイオキシン濃度が周辺の焼却炉から出たものにほぼ間違いないという科学的な疫学的なデータに基づく蓋然性がはっきりした場合には、原因者に対して、市価以下に落ちた値段があるわけですから、そこの部分を賠償させるような仕組みというのももちろん私は必要じゃないかと思うのと同時に、もう一つは生産者がある意味では被害を受けたということにもなるわけですから、そういった生産者に対しての市価相当額になるまでの補償の部分、ある意味ではこれは生産者にとってみれば災害です、原因がきちっとはっきりした場合に。そこの二つをどう考えているのか聞いて、質問を終わりたいと思います。三点だよ。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) まず、具体的な部分については私の方からお話を申し上げますと、現在、農用地を含まれますダイオキシン類の全体的な実態調査や内分泌攪乱物質等の動態解明等につきましては十一年度から調査をするということになっておりますし、それから御承知のとおり、食品に含まれますダイオキシン類の安全性につきましてはいわゆるTDIを設定するということになっておりまして、個別の農作物についてこれを策定することはどうかというお話だと思いますけれども、現在このTDIの見直し作業が行われているということは御承知のとおりでございますし、個別の作物につきまして、これは個人個人の食生活のパターンが異なること等いろいろございまして、それを考えますと、やはり食物全体からの摂取量とダイオキシン類の一日の耐容摂取量TDIとの比較から評価するということが適当であろうということになっているわけでございます。現在、TDIの見直しの作業が進んでおりますので、私どもとしましては、この作業について関心を持って見守ってまいりたいというところで御理解をいただきたいと思います。

福島啓史郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(福島啓史郎君) 先生御質問ありました補償の問題でございます。原因者がいまして、販売収入の減少等により生じました損害につきましてはその原因者が補償するということが原則でございます。したがいまして、そういった補償制度を農林水産省がつくるというようなことは難しいというふうに考えております。  なお、今回の所沢の野菜の価格でございますけれども、先週末には埼玉県全体の水準の八割程度まで回復してきております。引き続き、量販店なりあるいは卸関係業者に対しまして冷静な対応を要請してまいりたいというふうに思っております。また、金融対策としまして、無利子資金であります農業改良資金におきましてトンネル栽培用施設等を貸し付け対象とできるよう措置したところであります。また、被覆施設の設置等の経営に必要な資金の円滑な融通なり、あるいは個別の経営状況に応じました既借入制度資金の償還期限の延長などの措置が受けられるように、関係金融機関に適切な対応をお願いしてまいりたいというふうに思っております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 私は、予算委員会の委嘱でありますので、まず農業予算の公共事業の分から入りたいと思います。  平成五年から十八年までの十四年間の第四次土地改良長期計画の進捗状況、これは肥大化する公共事業のもとで政府の計画以上に随分進んでいる、こう思います。十年度末までに五一%になっています。そうすると、ちょうど半分の七年目、これが十一年度であります。    〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕  この十一年度でどういう進捗状況になっているのか、そしてこの進み過ぎている現状を──進み過ぎているんです。財革法をなぜ二年間延ばしたのか。こういう進捗状況の見直し、どんどん膨れていくこの見直しと、それから中身に対する削減、そういったことのお考えはないのかどうか、まずお尋ねいたします。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) まず、冒頭申し上げたいのは、農業生産基盤の整備状況というのは現在でもまだ整備水準が非常に低い状況にございます。それから、農村地域の生活環境の整備をとりましても、例えば下水道処理施設の普及状況が一九%と、中都市の六〇%、大都市の九〇%以上に比べましても大変低い状況にございますので、私どもとしては、やはり第四次土地改良長期計画に基づきまして着実に推進すべきものと考えております。  ただ、その推進それ自体は、やはり地域地域の整備水準への御要望、あるいはコスト削減というものを徹底的にやらなければなりませんし、効果、効率の面から見ても、透明性の面から見ても、再評価システム等の実施によって皆さんの目に明らかにしていく必要があろうかと思っております。  それから、御指摘の平成十一年度当初予算を含めた予想進捗率でございますけれども、五七%となる予定でございます。  私どもといたしましては、日ごろから不断の見直しを行いつつ、今後も長期計画に基づいた着実な推進を図りたいと考えております。    〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 農林水産予算のうち五一・六%、一兆七千五百八十八億円が公共事業であります。これ自体逆立ちしている、私はこういうふうに思います。しかも、全国各地に行きますと、むだな土木事業、そういう公共事業が余りにも多過ぎる。  私はこの間、北海道の砂川市に行きました。夢のループ橋、むだなループ橋ですよ、あれは。鹿島建設がつくった、左右に道路がないんです。ループ橋だけです。そこに二十五億円かける。しかも、その奥には七戸しか住民がいない。そういう人たちは使わないと言っているんです、要らないと言っているんです。そこにループ橋をつくる。だから、夢のループ橋ではなくてむだなループ橋と、こういうふうに言われているわけです。  こういう点で、農道空港もそうですし、むだな事業が農業予算の公共事業の場合余りにも多過ぎるのではないか、こう言わざるを得ません。諫早問題もそうです。中海干拓もそうです。そういう点で非常にむだ遣いをしている。なぜこのような公共事業がふえていくのか、削減できない構造ができているのではないか、こういうふうに言わざるを得ません。  そこで、皆さんにきょうお配りいたしました資料を見ていただきたいんです。この資料は、国営土地改良事業、かんがい排水事業の中心工事であるダム建設の受注企業にどれだけ国の農業土木の技術者、技官ですが、天下りしているかを我が党が要求した予算委員会資料、及び土地改良建設協会などが発行した平成八年度の全国農業土木技術者名簿、これによって調べた内容であります。  受注三十一社の建設会社に農水省から二百十四人、北海道開発庁から二十八人、及び農用地整備公団など特殊法人から三十七人、合計二百七十九人も天下りをしております。それも皆、役員や幹部で行っているところに問題があると思うんです。技官や技術者がその技術を企業に提供し、その企業の技術振興のために役立てるならともかく、そうでないでしょう。この資料を見ても、下から二番目の前田建設工業、専務、顧問で二人、営業部長、これは本部二名、支店から七名、合わせて九名です。課長一名も入れて、これ全部営業関係の仕事に天下っている。ここが問題だと思うんです。今まで発注していた人たち、こういう人たちが天下って、農業公共事業を受注するためのこれはいわば癒着構図ではありませんか。  こういう点で、私はこの天下りの問題、これをきちんと是正する、これなくして公正な公平な公共事業を発注する、こういうことはできないと思うんです。いかがでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) まず、公共事業が、特に農林省の公共事業があたかもすべてむだの塊のような先生のお話には私は同意することができません。また、我が省内でも、特に近年、事業の再評価を厳しくやっておるところでございます。  御質問の大手建設会社に天下っておるということでございますが、職員の再就職につきましては国家公務員法等に基づいて適切に対処しております。また、営利企業といいましょうか、関係企業への再就職規制については、関係というのはその仕事のつながりがほかのところよりも近いという意味で、人事院において制度運用の見直しがなされたところであり、当省においてもそれに沿って適切に対応しているところであります。  一方、技術者がその専門的な知識を持って、また企業にとっても本人にとっても再就職の機会が与えられるということを全くなくすということは、これは決してプラスにはならない。また、技術者だから上に行っちゃいけないとか、あるいは営業しちゃいけないというものでもないというふうに私は理解をしております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 二百七十九人も天下りしているんです。さらに、土地改良建設協会百三十四社では六百人、これは異常だと思いませんか。  八年の予算委員会で橋本内閣のときに、我が党がこの問題について追及いたしました。このときに橋本総理は、これはやはり異常だ、幾ら考えても異常だという答弁をしているんです。その当時は八十三人、そのときは十社でしたから。今は三十一社で二百七十九人です。そのとき以上にふえているじゃありませんか。これは、私は公共事業をゆがめている根源になっていると。  大臣もそうでしょう。やまりんの問題、北海道の国有林のときも申し上げましたが、盗伐事件のあったやまりん、あそこの会社に営林署から五人の職員が天下って行っているわけでしょう。大臣はあそこから二百八十八万円かの政治献金をもらった、それは返した、こう報道されております。  こういうところが、公共事業本来であれば、皆さん、農民の方々は価格保証あるいは農業経営を本当に安定させてほしい、これが切実な願いなんですよ。それをむだな、農民が要求もしないループ橋とか農道空港とかダムとか、そういうところをどんどんふやしている。こういうのを見直す必要があると思いますが、どうですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) ですから、農道空港ですと、私の地元にも一つあるわけでありますけれども、当時は町を挙げてニーズが大変高かったわけでございまして、これは生産者だけではない、地方挙げてのニーズが高かったわけでございますが、それが結果的にむだになったならないというのはまた別次元の話だろうと思います。  いずれにいたしましても、人事面でもまた公共事業の執行面でも厳しく適切にやっていきたいというふうに考えております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 天下りの規制を徹底的にやっていただきたい、そういうことを申し上げたいんです。  今必要なのは何か、先ほど来議論ありました。自給率の向上であり、日本農業の再建であります。まず、農家生産者に意欲を持たせることであります。ところが、大きな土地改良を行ったところ、大臣のいらっしゃる北海道の国営土地改良事業を行ったところでは一様に、米が二万円になる、単収がふえるので返せると言われて事業に参加した、しかし価格暴落、返済ができない、二十町歩の大規模農家の土地改良区への返済金は二百八十万円に上る。こういう中で、生活費ができない、営農計画が立たない、深刻な状態になっているんです。  また、つい最近、北海道の網走管内の国営白滝かん排事業が中止になりました。さらに、国営事業ダム、猿払、歌登、ここも中止になりました。こういう状況になっていることを御存じだと思うんです。それなのに、このような中で公共事業をどんどん進め、こういう肥大化した公共事業の内容、地方自治体の財源も圧迫しております。これを見直すべきだと思うんです。そして、そのお金があるならば、例えばループ橋に二十五億円もかけるお金があるならば、農家経営の安定と価格保証に回すべきだと思うんですが、大臣、どうでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 公共事業ですから、あくまでもそれができることによってプラスになるということが当然大前提にあるわけであります。  ただ、プラスになるといっても、費用対効果あるいは投資効率、また社会状況の変化、いろんなところから、途中で工事を中止するということ、これはなかなか勇気の要ることだろうと思いますけれども、しかしそれを今あえて積極的にやっている。まさに、財政状況等々あるいはまた関係者の皆さんのお考え等も踏まえて、今、先生が御指摘になったようなことを現にやっておるわけでありますから、状況が変わったことによって工事中の公共事業を中止するというようなことは、まさに我々が厳しくみずからの公共事業のあり方を問いただしておる一つの結果ではないかというふうに理解をしております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 まず、公共事業をゆがめている農水省の天下り人事、これはきちんと規制をし見直しをしていただきたい、これは強く申し上げたいと思います。  さらに、公共事業は将来、農業の経営に役に立つ、こういうことでどんどん進めてまいりました。ハード的な面ではいろいろやっていますよ、公共事業ということで。しかし、ソフト面でどうなんですか。農家がもう生きていけない、離農しなければならない。こういうソフト面で、価格保証とか農家経営の安定策、食料の自給率を上げるために生産目標を掲げて、それぞれ農家を元気づけてやらせていく、そういうソフト面の施策がないじゃありませんか。公共事業だけが先走る、こういうような農政のあり方では、日本農業は二十一世紀になればもう本当に大変なことになる、こう言わざるを得ません。  こういう点では、公共事業をもっと見直して、農家の経営安定に役に立つところに使うべきだと強く申し上げたいと思います。  次に、水産予算の問題を申し上げたいと思います。  これも三千五百四十三億円のうち約七割が公共事業であります。そのほとんどが漁港であります。もちろん漁港整備、漁民の要望に沿う使いやすい整備事業は大いに必要であります。しかし、不要不急の公共事業は見直すべきだと思います。  例えば、第九次漁港整備長期計画、これは平成六年度から平成十三年度まで八カ年でやる公共事業であります。あと三年残しておりますけれども、もう相当進捗していますね。こういう点で、一般公共事業分、既に八十数%、それから地方単独分は一〇〇%を超しているのではありませんか。十一年の予算がつけば一般分は一〇〇%に近くなる、すごい速さであります。財政改革法で二年延長したのが何の意味もなさない。  水産庁にこの進捗状況をお聞きいたします。一般分、地方単独分の十年度末進捗率と、十一年度予算での予想をどう見ているんですか。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) 第九次漁港整備長期計画の進捗率ということでございますが、いわゆる一般公共事業費に地方単独事業費、調整費を含めた総事業費、これは三兆円ということになっているわけでございます。これに対しまして平成十年度までの進捗率は六八・八%、平成十一年度当初予算を計算いたしますと進捗率は八〇・八%になる見込みでございます。  なお、御指摘のございました一般公共事業費という部分で申しますと、総額では二兆三千五百億円、十年度までの進捗率は八四・九%、十一年度予算を加えますと、見込みとしては九八%程度、こういうことでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 もう既に十一年度では一〇〇%を超す、こういうようにどんどん公共事業だけが先走っている、これは問題だと思うんですね。特に、大きな予算を使っているところは点検が必要だと思います。  そういう点で、例えば例として挙げますけれども、一昨年、この委員会で三浦、三崎、ここに視察に行きました。三崎漁港に視察に行きました。そこには本港と新港と二つあります。そして、さらにもう一つつくっているわけです、既に。これは一万トンクラスの大型運搬船も入れるようにし、年間三十五隻のマグロを中心にした運搬船が利用するというふうにしていますが、こうした計画どおりに船が入る見通しがあるんですか。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) ただいま御指摘のお話は、三崎漁港における第九次漁港整備長期計画におきまして、二町谷地区におきまして、御指摘のとおり、新たにマグロ及び活魚の大型運搬船等からの陸揚げを可能にする岸壁とか泊地等を整備する、それから就労、生活環境の改善に資するための親水施設の整備など、こういう事業に現在取り組んでおる、その御指摘だと思います。  この新しい岸壁とか泊地等の整備と相まちまして、この岸壁の後ろ側に用地を造成いたしまして、そこにこの三崎地内各地にございますマグロを含めた水産物の流通・加工業者の方々が団地をつくられまして、ここに揚げられた水産物というものの流通拠点あるいは加工拠点にして整備をしていこうと、こういう計画で行われておるということでございます。地元からいろいろお話を聞いておりますが、ただいまお話しのとおり、四百トンクラスの活魚運搬船が年間延べ約七百五十隻、三千トンから一万トンクラスのマグロの運搬船が年間延べ三十五隻、こういう利用が見通しとして期待できる、こういうことで事業に取り組んでいるところでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 きょうは運輸省から来ていただいておりますので、運輸省の方にお尋ねいたします。  三崎から車で三十分ぐらいのところに横須賀の久里浜港があります。そこで水産品取り扱いを目的にした港湾整備を行っていますね。そこで目標としている水産品扱いの取扱量、主な魚の種類、利用船隻数、事業費、また目標どおりに船が入る見通し、これを説明してください。

松本修運輸大臣官房審議官

○説明員(松本修君) お答え申し上げます。  お話しのとおり、横須賀港の久里浜地区におきまして、同地区のいろいろな港湾施設の老朽化等の問題に対応するための再開発事業としまして、フェリーターミナルとか水産基地、さらには耐震強化岸壁などを主な施設とします港湾整備を行っております。  ここで新たに整備しております岸壁におけます取扱量等でございますけれども、水産品の取扱量、年間十八万トンということで想定しております。取扱魚種等でございますけれども、その内訳は冷凍マグロとか鮮魚、活魚等でございます。  利用船舶の数は年間約三百七十隻、船型の一番大きなところで八千重量トン級のものが想定されております。  なお、事業費でございますけれども、岸壁整備等につきまして約三十五億円の事業費を見込んでおります。岸壁整備等についての事業費でございます。  この岸壁が予定どおり利用されるかどうかという点につきましては、今申しました利用見通しは横須賀市内の水産関連企業のニーズを踏まえたものでございまして、今後、水産基地としての所期の機能を果たしていくものというふうに考えておる次第でございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 三崎とすぐ目と鼻の先にある久里浜港、この港湾計画が進んで、漁港は漁港で計画が進んでいる。久里浜は久里浜で進んでいる。三崎は三崎で進んでいる。これで三崎に船が来る保証があるんでしょうか、水産庁長官。後で一括してお答えしていただきます。  三崎の現在の陸揚げ量は三万八千トンです。それに対して、一方では十八万トンの計画が進んでいる。非常に大きな目標ですよ。しかも、主に扱うマグロは資源減少で減船を余儀なくさせられているんじゃありませんか。静岡県清水港へマグロは集中しています。そういう中での計画が、お互いに無謀である。運輸省さんも水産庁さんもそういう点での調整がされて公共事業として港湾事業を進めているのかもしれませんけれども、これは非常に問題としては余りにも無謀なやり方だと私は思うんです。もっと住民参加の形で計画を見直すべきだ、こういうふうに思うんです。どうですか、大臣、このような状況を。  水産庁長官さん、先ほどから答弁したいようですから一度答弁していただいて、無謀なのかどうか、三崎にそういう船が来る保証があるのかどうか、寂れるような港にならないのかどうか、それを聞いた上で大臣の御意見を伺いたいと思います。

中須勇雄水産庁長官

○政府委員(中須勇雄君) こういった三崎漁港におきます新しい整備計画、第九次整備計画における計画というのは、もちろんどこかが押しつけたということではなくて、地元において立案されたものであります。その場合の地元というのは、漁港管理をしております県はもちろん、地元の市、特にこういった事業に関しましては、三崎地区におきます既存の水産の流通業者、加工業者の皆さん、そういう方々が新しい場所に団地化して流通、加工の拠点をつくりたい、それを岸壁のすぐ後ろにつくって、各地から荷を持ってくることによって新しい形で自分たちの流通、加工の中心的な地域をつくりたいと。  先ほどお隣のお話が出てまいりましたが、これはそれぞれやはり地元の中小を初めとした流通・加工業者の皆さんがこういった計画にぜひ積極的に取り組みたいということで進んでおる話でございまして、もちろん計画経済ということではございませんから、船を引っ張ってくる、荷を集めてくる、そういうことには当然商売上の努力が必要でございますが、考え方からいって私ども妥当な計画である、実現性は十分あるということで、この事業に国としても取り組んでいる、支援をしている、こういう現状でございます。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 漁港、漁村の整備というのは、総合的に暮らし、それから生産活動両方ともにプラスになるようにしていかなければならないというふうに考えております。漁業者のニーズも多分そうであろうということで、いろんな要望が出されるわけでございます。  一方、日本の漁業は近海から沿海、沿海から遠洋という時代から、今度は逆にどんどん日本の排他的経済水域等々の方に戻ってきておる状況でございますから、まさに新しい漁業秩序のもとで、つくり育てる漁業でありますとか持続可能な漁業という観点から、できるだけ近海での漁業に対応し得るように、あるいはまたいわゆる産直じゃありませんけれども、消費者ニーズにこたえられるためにもできるだけいいものをつくっていくというニーズからも、私は、漁港の整備というものは依然として極めて大事な漁業政策の一つだろうと考えております。  そういう意味で、専門的に可能か可能でないかということは、先ほど長官あるいは運輸省からもお話がありましたように、専門的にきちっとシミュレーションなり調査をした上での漁港の整備あるいは一般港の整備だろうというふうに考えております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 地域住民とかいろいろおっしゃいますけれども、この前の全漁連の運動方針、この中で組合員が何を望んでいるか。これは価格の安定向上が一番多く四三・四%、資源の維持増大が三六・二%です。ここに依拠すべきではないんですか。経済効率でなくて、今一番必要なのは、そこに住んでいる農民とかあるいは漁民のそういう暮らし、集落の活性化、そういうところに依拠した公共事業でなければならないと思うんです。  その五一・六%の公共事業、これは余りにも農林水産予算としては多過ぎる。これを逆にすべきだと思うんです。今まで公共事業にどんどんお金をかけてきた。この前の当委員会で、お金をかける割には農業はさっぱり元気がないと、こういう質問もありました。私はそこを真剣に考えるべきだと思うんです。公共事業を見直して、農業や漁民が本当に生きていける、生産意欲の持てる、そういうところに国民の税金を使う、そういう立場で公共事業を見直して、価格や農家や漁民の経営安定のためにそのお金を振り向ける、そういうふうにやるべきだ、こういうことを私は強く要求したいと思います。  次に、最後に、私は米関税の問題について質問をしたいと思います。  大臣は、WTO交渉に向けて国論を統一していく、こういうふうにおっしゃっております。繰り返し繰り返し大臣は、私もその答弁はテープで吹き込まれるようにわかっています。  そういう中で、米関税化をしないよう、また徹底審議を求める農業団体や消費者団体の意見書、要望書がたくさん来ております。  例えば秋田県では、きのう私は秋田県に行ってきたんですが、県内で六十九の市町村があります。そのうち四十四の自治体で、食料自給率を上げ、日本の食と農を守る意見書が採択されています。この中には、政府は米の完全自由化を図ろうとしています、完全自由化が強行されると日本の稲作は致命的な崩壊につながることは明らかです、こういうことが明記されています。  さらに、青森県農業会議の意見書は、我々農業者、農業関係者に十分な情報提供や協議、検討する猶予を与えず、政府・与党及び一部の農業団体のみで決定がなされたことに対し憤りを感じるものである、このように述べております。わずか半月ぐらいの間に結論を迫られた農業者からこんな意見が出るのは当然だと思うんです。  そういう中で、大臣は次期交渉に向けて国論を統一していく、こうおっしゃっていますが、米関税化で国民合意がないままに、国論が一致しないままに進めているのではないか、こういうふうに思うんですが、どうでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) テープレコーダーのように先生にお話をしているのは、次期農業交渉に当たっての国論の形成、統一ということを申し上げておるところでございます。  一方、昨年十二月に決定いたしました米の関税化につきましても、確かに、十分な時間をとったかといえば、限られた時間の中で最大限の努力をいたしましたというふうに申し上げるわけでございますが、その数カ月の間に全国あるいはまた生産者団体のいろんな立場の方々、また国会でも十分だったかどうかは先生方の御判断でございますけれども、審議も何回かやっていただきました。そして、私どもは、国論という意味で申し上げますならば、生産者団体あるいはまた一部の農林関係の先生方だけではなくて各党挙げての、あるいはまた消費者あるいはまた経済界、さらにはいろいろな団体の皆さん方の御理解をいただきながらこの決定をしたところでございます。  私自身も、生活者の団体の皆さん、消費者の団体の皆さんの代表の方とも何回か御議論をさせていただきましたが、いろいろと御指摘もございましたけれども、今回の米関税化そのものにつきましては御理解を得つつある、その御理解の程度は高まっておるというふうに理解をしております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 それは大臣の一方的な見方だと思います。  そういう点では、農民や消費者の意見を聞くには、ミニマムアクセス米を受け入れたときだって六年もかかったわけです。それをわずか半年かそこらで、農民がこれをきちんと討議したり審議したり、展望を持つような、そういう時間というのは、時期というのは与えられていないわけです。  そういう点では、私は十二月十八日のこの委員会で米関税化の問題で質問いたしました。私は大臣に、アメリカが虎視たんたんとして日本が関税率をどんどん引き下げて輸出できやすいように準備している、その土俵にのるべきでない、こう申し上げました。早速アメリカは、これまでいろいろな議員の方がおっしゃったように、通商年次報告で、政府の高関税化に対し強い懸念を表明している、政府の関税化提案をさらにひどいものにする、市場開放のために圧力をかけ続けていく、こういうことをアメリカは言っております。  そういう点で、WTOへの異議申し立ても可能性がある、こういう状況の中で新しい事態が今起きている。そういう中でもあえて関税化を強行するのかどうか、これをひとつ簡潔にお答えください。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 今回の決定は、あくまでもWTOのルールに忠実に従って関税化の通知をWTOにしたところであります。そして、関税化の最大の目的というのは、日本の米生産者を守り、そしてまた国内の需給バランスを考え、そしてさらには次期交渉に向かってより強いポジションがとれるということを前提にしての決定でございまして、これにつきましては団体の方々にも御理解をいただいておるというふうに理解をしております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 例外なき関税化に入れば、牛肉・オレンジと同じです。ほかの農畜産物と同じようにどんどん入ってきます。そういう状況で、大臣はWTOのルールに忠実に従うと。しかし、日本農業再建のためには忠実にやらないんですか。WTOのルールというのは日本農業をつぶすんですよ。今までだってつぶされてきているんです。牛肉もオレンジも、農業がこの間どんなひどい思いをしてきたか、それをわからずして日本農業再建なんか言えないと思うんです。  衆議院のいろいろな議論があります。韓国なんかは自分の国の食料主権を守るためにミニマムアクセス米を限度量よりも少なくして輸入している、そういう国もあるわけです。それは発展途上国といえばそうかもしれませんけれども、そういう状況の中で日本の食料主権はどうなるんですか。二十一世紀、国民の主食である米までも関税化になったら、日本は一体どうなるんですか。それに責任を持てるんですか。どうですか、大臣。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 日本の国内生産を守り発展させていく、あるいはまた国民の国産の農産物に対するニーズにこたえていくということが大前提で決定したわけでございまして、その決定については、これは内閣一致した決定でございますけれども、一義的に私は責任を持たせていただくということは大変ありがたいことだなというふうに思っております。(「それでよし」と呼ぶ者あり)

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 あなた方自民党はよしと言いますけれども、日本の農業の実態というのはよくわかっているんでしょう。わかっていて、大臣はそういうようなことに責任を持つということを軽々しく言うべきでないと思うんです。国民が責任を持って、日本の食料と日本農業再建のために、これをやるのは国民でしょう。それを大臣が自分で責任を持ちますなんというような、そういうようなことは言うべきではない。  現に、もうこの四年間に食料の自給率はどんどん下がっています。そういう状況の中で、これまでも何人かの大臣がいろんなことをおっしゃいました。しかし、それがいつも逆になっています。そのときの約束が全然実行されていません。逆になって、どんどん農業が衰退しています。  そういうようなことを考えた場合、やはり食料主権と大臣が繰り返しおっしゃっている農業の持つ多面的機能、非貿易的関心事項、それは日本の主張で前文に書かせたと。それであるならば、日本農業あるいは国民の食料主権を守る、そういう立場でミニマムアクセス米の押しつけをやめさせることの方が関税化よりも先なんじゃありませんか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) どうも先生は現行ルールと次期交渉のルールとをごちゃごちゃにされながらお話しされているような感じがいたしますが、現行ルールに従って一方的な我が国の立場の判断でできる、そしてその効果は先ほど申し上げましたので繰り返しませんけれども、日本の国内の生産者あるいは消費者、日本全体にプラスになるということでございます。  一方、次期交渉に向かって我が国のとるべき最善の交渉としなければならないということで、これにつきましては、今後、当委員会を初めいろんな場で御議論をいただき、そしてこのことがまさに、繰り返して済みませんが、国論が統一されるということにつながっていき、次期交渉に強いポジションで臨む、そのためにまた引き続き御審議等々をお願い申し上げたいと考えております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 終わります。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 初めに、ダイオキシン問題について若干伺いたいと存じます。  大臣、魚介類それから緑黄色野菜、他品目に比べますというと、食品それから母乳中のダイオキシンの含有量、この二品目だけが断トツに高いんですね。これについては、それが安全基準の以内か以外かという議論もあるでありましょう。しかし、国民全体の受けとめというのは、よりゼロに近ければ近いほどいいというのが常識であります。  そういうことからしますと、従来言われてまいりました日本型食生活は理想的ということについて、消費者の受けとめ方が変わっていきはしないかという不安の声も出始めております。時あたかも、世界最大のアグリビジネスのドールが日本に上陸いたしました。そして、青果物の輸入と販売に着手する、大手商社などもこれに続く動きが出るようになってまいりました。それだけに魚と黄緑野菜に含むダイオキシン問題、これを深刻に受けとめながら、的確な対策を急いでいかなければならないのではないかと思うのでありますが、大臣、どのように受けとめておられるでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) もちろん先生御指摘のように、我々としては、そもそもの有害物質でありますダイオキシンをできるだけ減らすということを念頭に置き、ダイオキシン問題関係閣僚会議というものをつくったわけでございます。  農林水産省といたしましては、先生御指摘の魚介類と緑黄色野菜の東京都の調査のデータと厚生省のデータを比較いたしましたが、東京都の方が高い数値のものもあれば逆に低い数値のものもあるわけでございまして、その中で、比較的ほかの食品群に比べて有色野菜あるいは魚介類が高いということは言えると思いますが、全体的なバランスとしては厚生省と東京都の調査にそう大きな差はないというふうに考え、またそれによって直ちに健康に影響を及ぼすレベルでもないというふうに考えております。  ただ、先生御承知のとおり、個別の食品がどこの地域でどのぐらいのダイオキシンを含むかという問題よりも、TDI、いわゆる一日の摂取限度量をきちっとしておいた方が国民の皆様にはより安心ではないか。そもそもダイオキシンのデータそのものが非常に少ないものでございますから、所沢を今月中に調査を終了し、また農林省としては十一年度から毎年三年間調査をしてまいり、また各省でもそれぞれやっておるところでございまして、科学的な見地から生産者、消費者、国民の皆さんが安心、安全、先生御指摘のようにできるだけ少ない数値になるように、政府を挙げて、今全力を挙げて取り組んでおるところでございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 私、大臣に取り組みの現状を聞くつもりじゃなくて、決意だけ聞きたかったんですよ。  それからまた、政府委員の皆さんにお願いしますが、事前通告しましたものでいきますというと時間内にとても質問がおさまりませんので、私の方も質問の論点を詰めますから、簡潔にひとつお答えいただきたいと思います。  次に、対策に係る基本視点について伺いたいと存じます。  厚生省は何らかの摂取基準を示すと言っております。これは決めても問題解決には直結しない。農薬の場合でしたら、残留基準が示されれば個々の農家の農薬の使用の仕方でもって決まっていきます。ところが、ダイオキシンは個々の農家の人はほとんど関係がない、これはよそからやられるいわば被害のようなものでありますから。ですから、これまでのそれとは根本的に違う。その点どう対応していこうとしているのか、簡潔にお答えいただきたい。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 前提を抜きにしまして恐縮なんですが、現在、環境庁では、農用地だけではございませんが、全体の土地につきましてガイドライン、つまり何らかの対策をとるべき土壌中の濃度というものを決めようということで検討しておられます。農用地については実はまだできておりませんで、これについて今検討中と聞いております。  農林水産省としては十分な連携をとりまして、知見を提供するものもあるかもしれませんし、よく連携をとって必要な協力をしてまいりたい、そう考えております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 局長、そうしますと、対策の基本視点というのは個々の農家ということじゃなしに農耕地での規制、ここに基本を置いたやり方を考えていくということになりますね。説明は結構です。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) これに限らず他に、平たい言葉で恐縮なんですが、危ない物質で土壌で問題になったことはございます。それについて必要な対策はとられておりますけれども、これについて必要かどうか、それも結果を見ながら検討する必要があろうかと思います。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 そこで、ダイオキシンの汚染原因調査について伺いたいと存じます。  せんだって、事務当局の皆さんにお伺いしましたら、環境庁や厚生省や農水省三省による調査が行われていまして、三月中に取りまとめられると伺いました。  それと関連して一点だけ伺います。それは発生源別寄与率等もこの調査で解明されますか。それがわかりますと、ゼロに近づけるための対策はどうやったらいいかというのが大体出てくる。その点いかがでしょうか。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 一言で申し上げますと、今回の所沢を対象にしております調査の設計では、特定の発生源との関係を把握する設計とはなっておりません。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 次に、情報公開について伺いたいと存じます。  これは大分古くからの話になりますけれども、市民団体から、農薬中に含まれるダイオキシンの含有量について情報公開すべきではないかという要求が長年続いております。これに対して農林省は、これまでも農薬の中にはダイオキシンは含まれておりませんというふうに明快にお答えになっております。そうお答えになりながら、企業秘密で公開することはできぬというふうにおっしゃってまいりました。これは法的な根拠というのはあるんですか、ないんですか。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 企業秘密云々の点については私、承知をいたしていないのでございますが、現在、約束事といいますか、農薬メーカーから、登録をいたします際にいろんなデータを私どもの方には提出していただくという仕組みになっておりまして、それを確認して登録いたします。そのデータの扱いについての御質問で仮にあるといたしますと、それにつきましてはもう先生御承知かと思いますが、TRIPS協定というWTO協定の中の附属書がございまして、これにつきまして一定の公表の制約がかかるということになっております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 どうもそれだけじゃすっきりしないんですよ。局長も御存じだろうと思いますが、二年前でしたか、殺菌剤のPCNBにダイオキシンが含まれている、これは環境庁の手で明らかにされたという事実がありました。  それに、例えば東京湾の汚染問題でいいますというと、底土の中のダイオキシン類の三〇%は除草剤が原因だということをおっしゃっている研究発表がある。つまり、農林省が言われていることを皆さん信用していないんですよ。そこのところは信用されるようにどうするかということを考えてほしいと思うんです。例えば、二つの官庁にまたがってこの問題についてはやっていくという方法もあるでしょう。  さらにもう一つ、今、局長が言われたマラケシュ協定ですか、これを読んでみましたら、確かに局長が言うような話は出てくるんですよ。同時にもう一つ出てくるのは、「加盟国は、公衆の保護に必要な場合又は不公正な商業的使用から当該データが保護されることを確保するための措置がとられる場合を除くほか、開示されることから当該データを保護する。」、何を言っているんだかさっぱりわからぬ。私も何度も読んでみました。そして、よその人にも話を伺ってみました。どうやらこれは公衆の保護に必要な場合は開示してよろしいという意味のようです。  ですから、局長が言われるような点も一つマラケシュ協定は言っておるけれども、同時に公衆の保護に必要な場合はその限りにあらずという意味のことを言っているわけです。とするなら、やはりこの際思い切って公開してよいのではないか。農薬を使う農家が疑われているんです。いかがでしょうか。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 条約の規定については先生御承知ですから内容は読み上げることはいたしませんけれども、これは実は農薬だけではございませんで、医薬品等々他の化学物質も含んでおりまして、当該部分はすべてそういうところの影響もある。あるいは解釈も同じような扱いにしなきゃならないというようなこともございましょう。扱い上はケース・バイ・ケースということはあっても影響はかなりあると思いますので、具体的な御要請があれば、それは関係の省庁、特に条約でございますので、外務省等々と扱いは相談しないといけないと思いますが、関係の省庁と協議して判断をするということになろうかと思っております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 そうしますと、とりあえずというか、措置の問題として外務省側といろいろ相談をするということをひとつこの際確認しておきたいと思いますが、よろしいですね。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 一般論としてはなかなか難しかろうと思います。具体的な御要請を前提にして御相談をすることになろうかと今のところでは思っております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 次に、有機品について大臣に伺いたいと存じます。  間もなくJAS法の改正が出されると思いますが、先般、農林水産省の事務当局からお話を伺ってきましたところ、日本の有機品、コーデックス委員会のものに準じてやっていきたいというお話がございました。この話をこうした有機農業問題に取り組んでおられる皆さんに伺いますというと、その多くはどうも乾燥地帯を基準にしてつくられていたコーデックス委員会の基準をアジア・モンスーン地帯の日本の農村にそのまま当てはめるというのは無理があるのじゃないか。こういう基準でやっていきますというと、これでやれるのは青果物流通量の〇・一%だなということをおっしゃっている専門家もおる。  環境ホルモンやダイオキシン騒動で一層、食の安全化が問われているときであります。そういうときに日本の有機市場攻略を目指す米国企業を喜ばすようなあり方というのは私はいかがなものかという気がいたします。  またさらに、国際関係からしてどうしても厳しい基準で決めなきゃならぬというのであれば、有機品検討委員会、農林省がやってまいりました、あそこの報告書を読みますというと、少数派の意見が載っています。少数派が何と言っているかというと、有機農業の健全な発展に向けた基本政策をこの際確立すべきではないか、その種の施策を充実しなさいということを言っているんです。そういうことと抱き合わせて、厳しい基準でいくというなら、出すべきだったのではないでしょうか。いかがでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) コーデックスに基づく基準というのはもう既に日本の中でも十二都県でガイドラインとしてほぼ同様のものが実用化といいましょうか、取り入れられておるわけでございます。先生御指摘のように、日本あるいはそれぞれの国の自然風土等々いろいろあるんだろうと思いますけれども、今後もJAS法改正の御審議をいただくわけでございますが、ガイドラインをつくり、表示の適正化を図りながら生産の実態あるいは環境保全の視点から、それらの価値が正しく日本の消費者に伝えられるように今後も引き続き検討をしていきたい。先生御指摘のように、米国企業が喜ぶような法律あるいはまた運用であってはならないというふうに考えております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 大臣、これは釈迦に説法になって相済まないんですけれども、開放体制というふうになってきますと、スケールメリットで日本農業が生き残っていくというのはこれはやっぱり無理です。一番大事なのは安全性と環境保全型で、地域社会に支えられるような農業として生き残っていく戦法、ここを私は重視すべきだろうと思うんです。  最近、有機農業や環境保全型農業をやっている地方へ行きますというと、夏になると蛍が飛ぶようになってきました、メダカがふえてきました、そして冬場になりますとドジョウがたくさん田んぼでとれるようになってまいりましたといったような話等々を伺う中で、変わり者集団がやってきた有機農業運動というのが地域全体で見直されるような状況というのが生まれてきているという事実にぶつかることが非常に多いんです。日本の消費者に有機輸入食品を食べてもらっても日本の環境はよくなりません、幾ら食べていただいても。やっぱりこの国土でとれたそれを食べていただくというようなことであって初めて日本の環境も農業もよくなっていくわけでありますから、そういう視点から考えていくことが大事ではないかと思うんです。  さて、そこで伺いたいのは、それでは望ましい農業構造とは一体どう今、農林水産省は考えているのか。新法の法案を読ませていただきますというと、第二十一条を読んでみますと、結局、効率化、規模拡大ということが基本に据えられております。確かに、地域に応じた環境との調和あるいは自然循環機能の維持といったようなこと等も強調はされております。しかし、基本に据えられているものは何なのかというと、効率化、規模拡大というものが基本であって、そして今申し上げた環境・自然循環問題というのはそれを補足する補足的な位置づけにどうもなっているのではないかと私には読み取れるのですが、その点いかがでしょうか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 今、先生御指摘のとおり、二十一条では「望ましい農業構造の確立」ということを挙げておりまして、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するということをうたっております。御指摘ありましたように、ただやみくもにということではなくて、営農の類型及び地域の特性に応じてということが明記してございます。  それから、御注目いただきたいのは第四条でございまして、「農業の持続的な発展」というところにその理念が明記してございますが、今申し上げた「必要な農地、農業用水その他の農業資源及び農業の担い手が確保され、地域の特性に応じてこれらが効率的に組み合わされた望ましい農業構造が確立される」と、これは経済効率面から重要なポイントかと思いますが、その後段がございまして、「確立されるとともに、農業の自然循環機能が維持増進されることにより、その持続的な発展が図られなければならない。」ということでございまして、まさに「ともに」ということでありますから、両々相まって我が国の農業の力が最大限に発揮される、そして持続的な発展が期せられる、こういう考え方でございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 私が伺っているのは、環境型か効率化、規模拡大型かどっちなんだということなんです。いいですか。効率化、規模拡大型ということになってくると、これは従来方式ですよ、単作、専作ですよ。環境型ということになってまいりますと、それは複合型というのが基本になってきますね。その中間はあり得ないんです。何かこの法文を読んでみますというと、あたかもその中間があり得るような描き方になっている。そこが問題なのじゃないですか。どうなんですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 基本的には、安全な食料を、国内生産を基本としつつ、輸入とか備蓄とかも組み合わせてやっていくということでございますが、今、官房長から答弁しましたように、四条というのはあくまでも幾つかある基本理念の一つでございますから、その四条の「農業の持続的な発展」、そしてその条文の中で、「農業の自然循環機能(農業生産活動が自然界における生物を介在する物質の循環に依存し、かつ、これを促進する機能をいう。)」ということをわざわざ書いておるわけでございまして、そういう意味で、もちろん広い意味の農業生産の効率化、合理化ということもこれは農業生産者にとってもプラスになることだろうと思いますし、また基本理念においてそもそも農業というのは自然とともに生きていくものであるということでございますから、どちらも大事だということはあり得ないという先生の御指摘でございますが、強いて申し上げるならば、この基本理念として位置づけ、そして実際に第三節「農業の持続的な発展に関する施策」というところでそういうところを位置づけているということで、両方言っているというとまたおしかりを受けるかもしれませんけれども、基本理念と施策という位置づけの中で御理解をいただきたいと思います。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 どうも話がちぐはぐみたいなことになっちゃって恐縮なのでありますけれども。  効率化ということ、コストということを最重要視しておっしゃっているんだとすれば、環境保全型のコスト低減の方法というのと、それから単作、専作化の場合のコスト低減というのは方法が違うんですね。ところが、どうもそこのところを一緒くたにして論じておる。  だから、私はもう一度伺いますが、基本はどっちにあるんですかということなんですが、いかがでしょうか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 理念で書いておりますように、恐縮でございますが、両方、農業資源が効率的に組み合わされた望ましい農業構造の確立ということと、自然循環機能の維持増進ということは、両々相まっての持続的発展の必要な要素だという整理でございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 どうもこれ以上やっても平行線なのかなというような気がいたします。  さらに、もう一つ申し上げておきたいのは、空論で言っているんじゃなくて、現実に即して私は言っているつもりだということなのであります。  どこへ行ってお話を伺ってみても、これは地方によってかなりの違いがあることは事実でありますけれども、規模拡大、効率化で生き残れると考えておられる農家はまれであります。八郎潟にしたって、あそこももう環境保全型農業でいきましょうというような方向になってきていますね。そして、これを市町村別で見てみますというと、環境保全型取り組みを、いろんな形がありますけれども、またいろんな程度がありますけれども、市町村のうちの二割見当はそういう方向になって動き出していますね。それからまた、単位農協で見てみますというと、大体六割がその見当で動き出し始めたというような状況が見られます。もう現にそういうふうな動きが出ているということであります。そして、御承知のように、環境保全型農業というのは地域全体で取り組まないとやっていけません。その大前提に即した動きが多くなり始めているんですよ。  そうすると、あとは技術援助をどうしていくか。あるいはまた有機センターなど、施設といいましょうか、それから資材、その整備についてどういう援助を与えていくか。それからまた、自治体を含めて地域によっては減収補償制度のようなものを考えていくというところ等々も生まれてきております。そうした問題等々も含めて、言うなれば地域循環型的なそういうふうな問題提起等々をやっぱり農政当局がかなり大胆にやるべきときに来たんじゃないのかと私は思うのですが、いかがでしょうか。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 一般的な農法に比較しまして、化学肥料とか農薬を減らしたものを自然農法でございますとか有機農法でございますとか、さまざまな呼び方ではございますが、これは生産者の皆さんが地域のいろんな生産条件を踏まえながら、さまざまに工夫を凝らしながら対応しておられると私どもは承知をしております。  このような取り組みはいろいろございますけれども、一定の条件を満たしました場合には、例えば堆肥の供給施設でございますとか土壌診断施設でございますとか、そういう施設の補助、それから化学肥料や農薬をお使いになることを減らす場合の農業改良資金の貸し付けでございますとか、それからそういう産物についてのいろんな表示のガイドラインでございますとか、さまざまな手当てがございまして、こういう施策を推進しております。  なお、土づくりをやるのとあわせまして、化学肥料や化学農薬の使用の低減を促進するということは大変私ども大事なことだと思っておりまして、それを中心としまして各地域の実情に合った方式を考えていただく、そういう持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律案というのを今国会に提案させていただいておるということでございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 最後にちょっと申し上げたいと思いますのは、環境保全型農業というのは一体何なんだということは必ずしも明らかになっていないんです。  有機農業についてはかなり明確になってまいりました。有機農業は有機農業で厳しい基準でいくんだと、仮に前提を置いたとしますと、もう一つの問題として、私はもっと広い意味での環境保全型農業というのはこういうものだということを明確にしながら、それについて一定の表示を与えていくという方法があるだろうと思うのです。  御存じのように、環境保全型農業というのは環境に負荷を与えぬ農業ということでありますから、化学肥料は使っていいんです。使っていいけれども、有機肥料とのバランス、これをきちんととることによって硝酸態窒素のようなものの発生を抑え込んでいく。と同時に、有機農業のような土壌だけの問題だけじゃなくて、その地域の大気、それから水、水系です。これを環境保全型的に管理をしていく。そういうところでつくられた農産物、これは出口になりますが、出口のところで規格といいましょうか、何といいましょうか、それを抑えていく。農薬残留の問題にしてもそうですね。そういう一つの生き方というのは私はあるだろうと思うんです。これだったら国民全体が取り組むことができるような可能性を持っていると思う。  これは私の提案ですから、こうした問題なども含めて検討すべきときに来ているのではないかと思うんです。いかがでしょうか。

福島啓史郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(福島啓史郎君) 今の先生の御質問にございました有機農産物以外の、いわゆる例えばガイドラインで言っておりますのは、無農薬栽培農産物であるとかあるいは減農薬栽培農産物であるとかといったものの表示の問題でございます。  これらの農産物も、先生先ほどからおっしゃっておられますように、生産の実態なりあるいは環境保全の視点から推進すべきものというふうに考えられるわけでございまして、そうした価値が、先ほど大臣から答弁がありましたように、消費者に正しく伝えられるように、生産の基準、規格等でどうやって定められるかということ、またその表示はどういう表示が適当かというようなことにつきまして、今後検討してまいりたいというふうに思っております。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 今の先生の御指摘は、これは全く突然のお話でありますけれども、単に土壌、あるいは有機だ低農薬だというだけじゃなくて、もっと広い地域空間を含めてそういうものを考えていくことが、つまり消費者ニーズがそういうものには極めて私は高いと思いますから、そういう意味で生産者にとっても非常にいいことだろうと思います。  ただ、いいことだから、じゃどういうふうにしようかというと、川上もあれば雨が降ってくるとかいろんな問題もあるので、非常に現実としてはなかなか難しいことかなと思いますけれども、先生の御指摘は何か非常に根本的な意味で大変参考になる御意見だと思っております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 残された時間は本当にわずかであります。したがって、一問だけ簡潔に質問しますから、大臣、また簡潔に答弁してください。  米国は、日本の輸入解禁の際に行う植物検疫方法は衛生植物検疫協定、SPSと言うんですが、これに違反しているとして、九七年にWTOに提訴いたしました。その後、日米間でまたWTOでいろいろなやりとりがありましたが、去る二月二十二日、WTO上級委員会は、日本が輸入解禁に際して品種ごとに殺虫試験により確認を行っている現行の方法は十分な科学的根拠がないということで、SPS協定に違反をしているという報告がされたところであります。大臣は、この報告を得てどのように対応されますか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 今、先生御指摘のような経過そして結果でございます。  率直に申し上げて、我が国の主張は、安全性という観点からより慎重にという趣旨のことが取り入れられなかったということは大変残念でございます。今後、この報告の内容を十分検討して、協定に違反しない形で、しかし食品の安全を確保するという観点から検討を進めていきたいと考えております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 検討することは当然のことだけれども、この報告を受けて輸入解禁をするんですか、はっきり言ってください。するか、しないかだけ。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 実は、この報告と先生がおっしゃっている頭に多分おありになると思うものとは直接的には関係がないと思っております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 そんなことで済むんですか。大臣にお聞きしたいんです。  この報告を受けて、今まで輸入を禁止して抑制しておった問題について輸入解禁をする、しなければならない、そういうことなんですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) だから、日本の検疫の方法が違反であるということでございますから、日本としてはより安全性を確保できるための検疫制度というものを維持していかなければいけないわけであります。  そういう意味で、この協定の結果は結果として尊重しながら、またどういう検疫方法がいいのかに基づいて、それぞれの個別の問題に今後対処していくということだと思います。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 農産園芸局長、この問題について説明会を開く、そういうことで準備をしていますけれども、どういう方向でこれから輸入検疫をするのかわからなくて、何の説明ができるんですか。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 御質問の説明会は、もう二年ほど前になりましょうか、アメリカが要求されておりますものについての説明会でございまして、これにつきましては従来の、つまり今、大臣から申し上げました、今後検討します方法ではございませんで、従来から我々がかなり厳しく要求をしております水準での検討の結果に基づきましての説明会ということでございまして、この検討の結果、ちゃんと虫は死ぬということが確認をされておりますので、その方向に従って手順を進めていこうということでございます。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 そんな抽象的なことで生産者はおさまらないですよ。今、本当に戦々恐々としているんです。アメリカリンゴが解禁をされる、特に「ふじ」に大きな影響があるんです。サクランボもそうですね。  そこで、大臣、このアメリカリンゴの問題などについては今始まったことじゃないんです。既に何年か前に、当時の連立与党、自民、社会、さきがけはアメリカリンゴの輸入解禁についてという農林水産調整会議を開いて、そこで連立与党の上部段階まで上げて政府に強く要求しているんですから。大臣、御存じですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 私も、先生に御指導をいただきながらそのメンバーに入っていたと記憶しております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 たびたび申し上げておかぬと忘れてしまうかもしれないので言っておきます。  いろいろ前文は書いてありますが、「米国産りんごの輸入解禁問題について」。  一、わが国で未発生の病害虫の侵入に対する生産者の不安を解消するため、輸入検疫に万全を期すこと。  二、万一、病害虫が侵入した場合には、直ちに輸入の禁止と徹底的な原因究明を行うとともに、国の責任において、全額国庫負担で、完全撲滅のための緊急防除と損失補償の措置を講ずるようにすること。  三、品質や生産性の向上を図るため、園地の基盤整備を進め機械化を推進するとともにわい化栽培を強力に推進すること。また、新品種や省力化技術の開発に積極的に取り組むこと。  四、高品質りんごを有利に流通し得る集出荷・貯蔵施設の整備等を計画的に推進するとともに、りんごの加工原料用果実価格安定対策事業を拡充すること。  五、外国産りんごの輸入増大による著しい需給不均衡が将来生じるような事態となった場合には、果樹農業振興特別措置法の「特定果実」に指定する等生産及び出荷の安定に最大限の努力を行うこと。  六、消費拡大対策と輸出振興対策を強力に推進すること。  これは、大臣が今お話しになったように、当時、与党の農林水産調整会議、私が座長であなたが副座長、さきがけの錦織さんが副、谷本さんも委員になっていますけれども、そこで決定して、当時の与党はこのとおりやりますということを確約しているんです。これは今後とも実行しますね。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 現に、この七項目を踏まえてやっておるつもりでございますが、今後ともこれに基づきまして必要な対策を講じていくことを考えております。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 その中で特に確認をしておきたいんですが、「万一、病害虫が侵入した場合には、直ちに輸入の禁止と徹底的な原因究明を行うとともに、国の責任において、全額国庫負担で、完全撲滅のための緊急防除と損失補償の措置を講ずるようにすること。」、それから次は、「外国産りんごの輸入増大による著しい需給不均衡が将来生じるような事態となった場合には、果樹農業振興特別措置法の「特定果実」に指定する等生産及び出荷の安定に最大限の努力を行うこと。」、よろしいですね。確認したいと思います。大臣ですよ。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) よろしゅうございます。

村沢牧社会民主党・護憲連合

○村沢牧君 以上で終わります。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 以上をもちまして、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会

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