P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
145回国会参議院1999/03/12

農林水産委員会 第3号

発言数
75
登壇者
16
会派数
3
開催日
1999/03/12

会議録

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  去る十日、予算委員会から、三月十二日から十六日正午までの間、平成十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  まず、中川農林水産大臣から説明を求めます。中川農林水産大臣。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) おはようございます。  平成十一年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。  平成十一年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係省庁分を含めて三兆四千五十六億円となっています。内訳は、公共事業費が一兆七千五百八十八億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆三千七百八十一億円、主要食糧関係費が二千六百八十七億円となっております。  平成十一年度の農林水産予算については、農山漁村地域を中心とする地方経済の活性化・再生を図るとともに、二十一世紀に向けて強固な食料供給基盤や緑豊かで暮らしやすい国土・地域の形成を図るために必要な予算を計上しました。特に、農業については、農政改革大綱に沿って、新しい食料・農業・農村政策を推進する観点から、所要の予算を計上しています。  以下、予算の重点事項について御説明します。  第一は、農業の経営体質の強化です。  技術革新等に対応した機動的な経営展開を促進するため、リース方式による機械の円滑な導入を支援する事業の創設など、農業生産の中核となる担い手農家へ施策を集中するとともに、農業生産基盤の整備を担い手の育成に資する事業に重点を置いて着実に推進します。  また、環境と調和した持続性の高い農業の展開を図るため、土づくりを基本として肥料や農薬の節減を図る農業の生産方式への転換を促進するとともに、家畜排せつ物処理対策の強化等により、資源循環型の畜産経営の確立を図ります。  また、昨年五月に策定された新たな麦政策大綱に即し、麦作農家及び麦関連産業の将来展望を切り開いていくため、麦・大豆の研究開発及び生産・加工対策を抜本的に強化します。  このほか、イネ・ゲノムの有用遺伝子の機能の解明等農林水産関連分野の技術開発を推進するとともに、担い手への技術・経営の普及指導の強化を図ります。  第二は、農山漁村地域の活性化です。  地域の担い手の確保、豊かな環境の保全等に重点を置いた新山村振興等農林漁業特別対策事業の創設、中山間地域における新規作物の導入等を支援するための基金造成等により、中山間地域活性化対策を充実します。  また、二十一世紀に向けた活力ある農山漁村づくりを行うため、集落排水等の生活環境施設の整備を重点的に推進するとともに、地域の特色を生かした田園空間の形成、農山漁村の高度情報化等を推進します。  さらに、農協におけるホームヘルパーの能力高度化等により農村高齢者対策を強化するほか、グリーンツーリズムの一層の推進や鳥獣害対策の拡充を図ります。  第三は、安全・良質な食料供給体制等の整備です。  食生活における安全性の確保を図るため、内分泌攪乱物質の総合的調査研究等を推進します。また、食品産業の経営体質強化と食品流通の効率化を図るため、食品加工産業の再編整備、卸売市場のネットワーク化等を推進します。  さらに、国際的な食料安定供給の支援・確保策を強化するため、緊急食糧支援のための新たな仕組みを整備するとともに、海外情報の収集・分析体制の強化を図ります。  第四は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進です。  農業生産基盤の整備等に要する経費として公共事業に七百十億円、経営近代化施設整備や農地流動化対策等に要する経費として非公共事業に七百二十七億円、合計一千四百三十七億円を計上し、引き続き着実な推進を図ります。  第五は、緑豊かな森林・山村の整備と林業・木材産業の活性化です。  国有林野事業の抜本的な改革を着実に推進するため、国有林野事業特別会計が負担する債務の利子補給、公益林の適切な管理等に必要な経費についての一般会計繰り入れを増額します。  また、森林の造成・整備と木材の有効利用を通じて地球温暖化防止対策を推進するため、無立木地等における新規造林の緊急実施、放置間伐材等の適切な処理、国民参加による森林整備の推進等に必要な施策を充実します。  さらに、木材産業の体質強化、木材需要の拡大等の施策を推進するほか、森林の防災機能の強化対策等を実施します。  第六は、新海洋秩序下における漁業経営の体質強化とつくり育てる漁業の推進です。  漁業経営環境の変化に対応した経営対策を進めるための長期低利資金の創設を初めとして、漁業経営対策の強化を図ります。  また、環境に配慮した持続的増養殖の推進等資源の適正な管理とつくり育てる漁業の一層の充実を図ります。  さらに、流通・加工・消費対策を強化するとともに、漁港等の漁業生産基盤や漁村の生活環境の整備を着実に推進します。  次に、特別会計については、食糧管理特別会計について一般会計から調整勘定等へ所要額を繰り入れるとともに、その他の特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しています。  最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額四千百八十四億円を予定しております。  以上、平成十一年度農林水産予算の概要の説明を終わります。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 おはようございます。  大臣、私は小さな町の町長を二十七年間やってまいりまして、ちょうど減反政策が始まったころからずっと農村で農業に携わってまいりました、農業行政ですね。いろいろ政府も地方政府も農家の皆さんも努力はしてきたわけですけれども、いつもうまくいかない。農家人口は減ってくる、お米の値段は下がってくる、そういうジレンマの中で私たちは農業行政をやってまいりまして、早く新しい農業基本法をつくっていただいて新たな転換を図ろう、図っていただきたいものだ、こういうふうに思ってきたわけですが、いよいよ今回新しい基本法を中川農林大臣が提案することになったわけです。大変すばらしいことだと思って、期待をしているわけでございます。  そこで、私も自民党の部会等で今まで農政改革大綱プログラムその他のことで議論を聞いてまいりましたが、今回の食料・農業・農村基本法案の策定に当たっては農林省側としてもさまざまな議論があったと思うんです。その結果、このような立派な法律案が出されたわけだと思うんです。  そこで、まず最初に、中川先生からも御質問が一部あったと思うんですけれども、新しい法律をつくるに当たっては、世界の情勢ということをいろんな形で議論されたと思います。例えば、食料・農業・農村基本問題調査会の答申の参考資料にも、人口の今後の推移でありますとか、現在の世界の栄養不足人口がどれぐらいあるかとか、それから地球温暖化の問題とか、こういった点をいろいろ調べて議論されたように聞いております。  そこで、この法律をつくるに当たって、二十一世紀の世界の食料事情、こういったものをどのようにとらえているかということをまず最初にお伺いしたいと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のように、今回の基本法の制定に当たりましては、基本問題調査会での一年半にわたる御議論、あるいはまた当委員会を初め国会の場、あるいはまたいろんな場で御議論をいただいたわけでございますけれども、その中で、現時点そしてまた中長期的な見通しと対策、特に一番大きな問題としては、やはり国内だけではない地球的な規模での食料と人口とのギャップをどういうふうに見通し、そして対策をとっていくかということも大きなポイントになったわけでございます。  現在、ある統計によりますと、地球上には六十億近い人類の中で八億五、六千万人とも言われる飢餓人口がいると言われておるわけでございまして、時々大変に悲惨な映像なんかも私も拝見いたしますが、二〇一五年までにはそれを何とか半減しようというような国際的な目標もあるわけでございます。一方では、農地の砂漠化とかあるいは地力の低下とかいった、これは日本の耕作放棄地の問題もございますけれども、世界的なそういう問題もございます。  一方、人口の方は依然として高い伸び率を、特に貧国といいましょうか発展途上国といいましょうか、そういう国々の人口増加の問題というものが現実にあるわけでございますので、そういう観点から、我が国としても世界の人口と食料とのアンバランスを解消するために何ができるか、何をしなければいけないかという観点も前提に踏まえてこの法案を提案し、そして御審議をいただきたいというふうに考えておるところでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 自給率の問題などを考えますというと、特に新しい法案という形では、食料の自給率を基本計画に、場合によっては数字を示すとか示さないとか、そういう議論さえされていることですから、やはり世界の食料の需給関係の見通しということは非常に重要だろうと思います。しかも、これはなかなか難しいことだと思いますが、より的確なものを求めて情報の収集なり研究なりに努力する必要がある。  それと同時に、今、大臣が申されましたように、食料の世界の需給のアンバランスを解消するために日本の国がどんなことが貢献できるのかということも考えたい、また実施したいと、そういう御意向がありましたが、大変よろしいことだというふうに思います。どうぞその点も、今後、日本の国の立場、そういうことを考えつつ、より一層努力されるようお願いしたいと思います。  さて、次に、大臣が所信を述べておられましたが、よくある所信表明であったわけですが、この法案の策定の検討をされる過程で、今までの農政の反省というんでしょうか、こういったものに立って新しい法律をつくるということになったと思うんです。  そこで、大臣は長い間農業問題に携わってこられたベテランだということだそうでございます。また、お父さんも大臣であったわけですから、親子二代にわたっての農業の権威だと思うんです。そんな中で、この法律案を策定する議論の中で特に大臣として印象的だったことというんでしょうか、これは恐らくは印象的だったことが時代を変える一つの力になっているという、そんな気がするものですからお聞きしたいわけですけれども、二、三挙げるとすれば議論の中で非常に印象的だったというのはどんなことだったでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) これは私の個人的な見解の御質問というふうに理解をさせていただきますが、新しい政策とか、あるいはまたWTOの体制とか、あるいは平成五年の農作物の大冷害とか、いろんなことを経過して、その中で、昭和三十六年以来の当時の時代背景と大きく変わった情勢の中で、二十一世紀を踏まえ、また先ほどの先生御指摘のような国際的な視点も踏まえた、そしてまた国土等の保全といういろいろな機能を踏まえた新たな法律づくりをしたわけでございます。  私が一番印象的だったということを、あえて個人的で恐縮でございますが、思いますのは、一年半にわたる食料・農業・農村基本問題調査会、多分三十数回開かれたと思いますが、実は二回出席をし、一回は最初から最後まで出席をさせていただきました。三時間半ほどの会議でございましたが、そこで木村尚三郎先生が会長のもとで、生産者の方、消費者の方、あるいは学者の方、そしてまたマスコミのこの問題にお詳しい方々、あるいはまた主婦の代表の方、いろんな方々が本当に自由濶達に御議論をされておるわけでございまして、時にはかなり激しい議論もあったわけでございますが、木村会長のもと、方向性が一致した中での議論だなという認識を持ちました。  つまり、それは生産者対消費者とか、都市対農村とかいう対立の構図ではなくて、今後の我が国の安全で良質の農産物をいかに供給するかということについては消費者の方であろうと、もちろん生産者の方も、あるいはまたそれ以外の専門家の方々も共通認識に立っておるということについて、私は大変力強いものをいただきましたし、また感動をしたところであります。  そういう観点から、こういう手法はどうなんだと。中間報告で四つほど両論併記のポイントが残ったわけでございますけれども、それも大くくりで申し上げるならば、日本の食生活あるいは食料供給、そしてその食料供給をする基地である農山漁村をどうやって守っていくかという大前提については、参加されている先生方が全員一致した共通認識の上に立って専門的な立場からいろいろ御議論をされておる、まさに対立の構図ではなくて共通の認識に立って、その上で非常に熱心に、時には激しい御議論を一年半にわたってやっていただいた、その結果があの答申になったわけでございますけれども、そのことが私にとりまして一番印象深いというか、ありがたいことであったなというふうに思っております。  この内容もさることながら、食料あるいはその生産現場である農業・農村地域あるいは山村、漁村といった地域が、大都市に住んでおる、言葉が適切かどうかわかりませんが、コンクリートジャングルの中に住んでおる人々にとってもかけがえのないものだという前提で、これから食料政策あるいは農山漁村政策を推進できる一つの手がかりといいましょうか、一つのきっかけをいただいたような感じがいたしておりまして、二、三という御質問でございましたが、これが一番私が印象に残ったところでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 意見の方向性が非常に皆さん一致しておった、そういうお話でございました。そういうことで、大臣は所信表明の中に「国民あっての農林水産業と農山漁村、農林水産業と農山漁村あっての国民」ということをあえて申されておりますけれども、そんな意味でしょうか、これは。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) まさしく私自身もともとそういうような感じを持っていたわけであります。農業というのは、やはり国民から見れば、私も小さいころかすかに記憶がありますけれども、外米を食べていた経験がございますが、要するにお米すら食べられなかった時代もございました。  そういう意味で、消費者はつくってくれている人の努力と気持ちに感謝をしながら食べなさいというふうに小さいころ親からよく言われておりましたが、やっぱり生産者の方も消費者に喜んでもらうものをつくっていくんだという、これは対立関係では決してなくて、文字どおり共通認識、共生の必要性が大事だと、それをあの基本問題調査会での議論の模様を拝見して意を強くしたものですから、折に触れて申し上げさせていただいているところでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 私も、この視点がこれからの農業を進めていく上で非常に重要な点だと思います。どうぞひとつ大臣のみならず関係の皆さんにもこの意向を徹底していただいて、国民とともに農業がある、この点をぜひひとつ広く進めていただきたい、こういうふうに思っております。  時間がありませんので、一つ二つ質問の予定でございましたが外しまして、中山間地域の問題、これは森下先生がやるそうでございますからなんでございますけれども、大臣にぜひお願いしておきたいのですが、これはお答えは要りません。  中山間地は、特に多面的機能という点で発揮する場面が非常に多い、そういう地域だろうと思います。苦しい地域ではありますが、やりようによってはかなり頑張れる地域だというふうに思うわけです。  そこで、グリーンツーリズムという話もございましたけれども、ぜひ美しい村づくり、グリーンツーリズムと同時に農山村の多面的機能の中にこの美しい村というものを、都市と際立てることで一層鋭く進めていくようなそういう施策をぜひ中山間地、農村に進めていただきたいなということをお願いしたいんです。  実は、私、町長時代に、近藤元次さんという大臣がおりまして、第一回の美しい村づくりコンクールのノミネートされた各地域が農林省に集められて事例発表したわけです。そこで私、非常に感激しましたのは、たしか八つぐらいの市町村があったと思うんです。それが説明を約五十分ぐらいずつやったんですけれども、大臣がそこから席を立たないでずっと聞いておられたんです。これは大臣が美しい村をつくりたいという意欲のあらわれだったと私は非常に思っておりまして、その後、各山村でもそういう美しい村づくりに向かった努力が非常に重ねられるようになったんです。  ですから、大臣のそんな姿勢というものは必ずほかの、下と言っては失礼ですけれども、地方にすべて受け入れられるんだ、それは敏感に受け入れられるということをぜひひとつ念頭に置かれまして、農林大臣として大いにこの点を進めていただきたい、こういうふうに思っております。  さて、次は林業問題に、時間がございませんので簡単にお答えをいただきたいと思います。  大臣、農業に関する基本法はつくられるということになりましたが、どうも林業は非常に振るわないようです。特に、国産材の問題というのは非常に深刻化しております。国産材の自給率はついに二〇%を割りました。これは非常に私はゆゆしき事態である、そしてそれに対して何らかの手を農林省、林野庁として考える必要がある、こういうふうに思うんですが、大臣はこれは仕方のないことであると思われるか、自給率が下がったことが。あるいは何とかしなきゃならないと思っているか。どちらでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) たしか木材は昭和三十年代の後半に自由化されたわけでございますが、その後も外国からの要求等で関税率がどんどん下がってきております。また、外材の値段あるいはまたニーズ、いろいろあるんでしょうけれども、先生御指摘のように、昨年の数字では一九・六%という極めて低い自給率になっているわけでございます。  私といたしましては、まず国土の六割を占める森林、しかもその森林はただ木材供給機能だけではなくて、昨年のたび重なる豪雨水害にも見られますように、山がしっかりしていることがいかに大切かということを改めて認識したところでございます。山をしっかり守り、そして立派な木を育て、そして我が国の伝統文化である木材を中心とした暮らしというものをしていく方向に、これから国産材時代とかいろいろな言葉がございますけれども、基本的には日本で山を守り発展をし、そして国産の木材の需要拡大に努めていくべきだというふうに考えております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 長官、いつも自民党の建設部会なんかでも国産材の活用について、林野庁はWTOの何かがあってなかなか難しい、どうも腰が引けているんじゃないかみたいな議論もあるわけですが、私は林野庁も真剣にやっているんだというふうに思いますが、どうですか。

山本徹林野庁長官

○政府委員(山本徹君) ただいま先生御指摘のように、また大臣も御答弁申し上げましたように、木材の需要拡大、これが日本の山を守り育てるために大変重要な課題でございますが、国産材を専ら優遇した施策を講ずるということはWTOの内外無差別の原則に触れるという指摘もございますので、私どもは、現在、国産材を含めた木材全体の需要拡大の推進に努めているところでございます。  具体的には、製材と大工・工務店、設計事務所等との連携による低コストで品質の安定した住宅資材等の木材の供給体制の整備、それから一般の消費者の方々に対して、木材というのは健康によい、また環境を汚染しないどころか、人間の健康や精神によい影響を与える物質を発散しておりますし、これが廃棄物となった場合にも土に返るということで、人間の健康また地球の環境にとって非常に好ましい素材であるということを普及啓発すること。また、木材を利用していただくためのさまざまな技術開発を推進しているところでございます。  農林省だけで木材の施策は完結いたしませんので、これは住宅政策や各省庁の事業でも積極的に木材を使っていただくために、文部省、建設省、厚生省等々の省庁に毎年、年度の初めにお願いし、ことしも十一年度に向けて積極的な木材の利用推進をお願いしておりまして、この結果として、各省庁で学校あるいは社会福祉施設等々に積極的に木材の導入を進めておられます。これは各省庁でも、木造のモデル学校あるいは老人福祉施設、児童の福祉施設等のパンフレットを出版していただいておったり、それからまた病院の内装も木質化、これは院内感染を少なくするというので木質化を推進していただいたり、また住宅金融公庫の融資制度の改善、それから公共事業でも河川の護岸工事とか治山や砂防等ののり面工事、これもいわば環境に優しい素材であるということで間伐材等の木材の積極的な推進に取り組んでいただいているところでございます。  十年度に策定していただきました三次補正においても、モデル的な木造公共施設の建設への助成とか、また健康や環境にいいという木材のよさの積極的な普及宣伝、また革新的な技術開発への助成、これは公募制度にいたしましたところ、一億一千万程度の予算を予定しておりましたけれども、それの十倍程度、十一億程度の要望が参っておりまして、木材の技術開発への取り組みも大変熱心なものがあると私どもは意を強くしたところでございますけれども、御指導いただきながら、努力してまいりたいと思っております。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 林野庁の御努力に敬意を表したいと思いますが、大臣、これは質問の通告はいたしませんでしたが、国産材の利用が減ってくる、それによって森林や林業に対する国民的な理解がそれと同じような割合で下がっていくということになるとこれは大変なことでございます。  今、環境の問題あるいは温暖化を含めた世界的な問題としても、森林や林業の重要性、これは今まで以上に非常に重要さを増してきていると思うんです。そんな意味で、今こうして新しい農業基本法がつくられ、そして中山間地まで農業と農山村の関係が進んでいくわけでございます。その上に山があるわけです。ですから、私は、今こそこれら林業の不振を何とか打開するためにも、国産材の活用はもちろんでございますけれども、さらに国民に森林・林業の重要さを知っていただくために、理解を進めるためにも、大臣は所信で、森林・林業の基本政策のあり方の検討を急ぎたい、それは森林を安全で豊かな国土の形成に欠くことのできない国民共通の財産として次の世代に引き継ぐためだと、こういうようにお話しされております。  意を強くしているわけですが、できるだけ早く森林・林業の基本的なあり方を新しい林業基本法としてまとめられて国民に問うてみたらどうか、そういう時期が来ているのではないか、こういうふうに思うわけですが、もし御返事できますならば御答弁をお願いしたい。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のとおりでございまして、林業経営あるいは林産業が非常に厳しい状況にあるわけでございますが、何としても山を守っていかなければならない、それは単に経済材としての、物質としての存在だけではなくて、国土保全の機能あるいはまた人間の安らぎの空間としての位置づけ等々があると思います。  そういう意味で、私は、文部大臣にも、農業あるいは林業、水産業についてもっと教育的な子供たちに対する働きかけ、できれば次期教科書の改訂の中でその辺のことももっと記述をふやしてもらいたいというようなお願いをしておるところでございまして、文部大臣も御理解いただいているところでございますが、当面、抜本的なそういう先生の御指摘を推進するために、林業基本法の改正も含めて現在そういう方向で検討させていただいているところでございます。

岸宏一自由民主党

○岸宏一君 どうもありがとうございました。  私は、中川農林大臣の飾らない率直な姿勢を大変尊敬しております。どうぞひとつ新しい農業基本法を軸に基本計画をつくられ、まさに二十一世紀に国民から評価される、そういう農業を展開するスタート台をつくった、そういう大臣としてさらに新しい林業基本法をつくられて、新しい時代の林業基本法をつくった大臣として、恐らくは日本の農林史に残るようなそういう大臣になっていただくよう心から御期待を申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 速記を起こしてください。

佐藤昭郎自由民主党

○佐藤昭郎君 おはようございます。  岸先生に引き続きまして、平成十一年度の農林水産予算についての審議を続けたいと思います。よろしくお願いします。  先ほど大臣から総額三兆四千五十六億に及ぶ農林水産予算の御説明があったわけでございますが、私はやはり非常に大事な時期の予算ではないか、こういうふうに思います。  御案内のように、昨年十二月八日に農水省の方も農政改革大綱、改革プログラムを決定して発表されたわけでございますけれども、自由民主党の方も基本政策小委員会を中心に昨年の八月以来だけでも四十回以上の審議を行いまして、同日、農政改革大綱、そして農政改革プログラムを決定して公表したわけでございます。  それから、今国会には、御案内のように、基本法、そして農振法、そのほか関係する法律、農林水産省関係だけで約十五本程度だと思いますけれども、上がってくる。四月には、行政改革大綱に基づく農水省の設置法がまた上がってきて審議される。  政策実現のためには、法律制度、組織体制、そして予算というのが三点セットだというふうに思いますけれども、そういった中での非常に大事な予算でございます。新しい法律制度や組織体制に基づく本格的な予算編成というのは平成十二年度予算以降になろうかと思いますが、やはりこの十一年度予算にも芽出しといいますか、先取りする動きがなきゃいけないだろうと思います。  そういった観点から、予算とは少し離れるかもしれませんけれども、基本的な点を含めて御質問したいというふうに思っております。  まず、国内農業生産を基本とした食料の安定供給の確保という観点から、昨日のこの委員会でも取り上げられました自給率の問題でございます。  今回、基本法の中で、食料・農業・農村基本計画を定めて公表する。その中に定量的に自給率の目標を定めまして、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、関係者が取り組むべき課題を明らかにしてという前提でございますけれども、定量的に定めることになった。これは本当に大英断だと思います。いろいろな難しい問題が御案内のとおりあるわけでございます。  現行の農業基本法の第八条にも、農産物の需要と生産の長期見通しという規定がございまして、平成七年に現在の長期見通しが公表され発表されたわけでございますけれども、この中でもやはり非常に慎重でございまして、「農産物の需要と生産の計画を示すものではない。」といった文言が入っておる。  それから、非常に難しい点、昨日も谷本委員の審議の中でもありまして、私も拝聴していたんですけれども、二つほど挙げますと、やはり現在においては生産者と消費者の間が非常に遠くなっているということが言えると思います。  これは産業連関表の中から私がちょっと試算してみたんです。国民経済に占める日本の食料消費支出という点で計算してみたんですけれども、日本の飲食費全体では七十二・五兆円という額を国民が消費しているわけでございますけれども、その中で農水産業の受け取り分、これはわずか十六・九兆円、二三%にすぎないわけです。輸入がやはり三兆円以上ございますから、国内の農業者、漁業者の取り分としては二割を切っているようなそういう状況の中、残りは加工、流通、外食といった食品産業でございます。  したがいまして、自給率を上げていくということを目標にしていろんな政策を展開していく場合に、こういった関係者の方々の理解も得ていかないとこれは達成されないだろう、こういうように思います。  それからもう一点、難しい点を申し上げますと、やはり輸入農産物との関係で国境措置の問題がキーポイントになるかと思いますけれども、WTOの交渉はこれからでございまして、これから決まっていく交渉事でございます。そういったもろもろの難しい点がございます。  ただしかし、ここで私ども自由民主党の方も、やはりこれは国民の現在の危機的な食料供給のシステムを見るときに非常に大事な問題だ、国民にわかりやすく伝えるためには自給率を明示することが必要だということで、行政と一体となってこういう基本法の要綱ができたわけでございます。  そこで、官房長になるかと思いますけれども、非常に難しいテーマ、これを来年の、平成十二年の三月までには基本計画の中で決めなきゃいけない。こういう難しい点について、現在の取り組み状況なり今後のスケジュール、こういった点についてお答えしていただければと思います。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 食料自給率についてのお尋ねでございます。まさに、国内農業生産を基本に位置づけるということの実現のために、国内の農業生産と食料消費に関する指針として食料自給率の目標を策定してまいりたいと考えております。  この場合、関係者が理解しやすいという点も考慮いたしまして、カロリーベースで示される自給率を明らかにしていくということを考えておりますが、その場合には、何の前提もなく何%という数字を掲げるわけにはまいりません。やはり、その数字の根拠を明らかにして、これを積み上げて策定する、実現可能なものとするということが必要であると思います。  このために、主な農産物につきまして消費者や実需者に国産の農産物が選択されなければならないわけでございますので、品目ごとに選択されるための品質・コスト面における取り組み課題を明確化した上で、その課題が解決した場合にどの程度の水準に到達するかという意味での品目ごとの生産努力目標と自給率を明らかにしていきたいというふうに考えております。  それから一方では、食べ残しとか廃棄の削減、あるいは脂肪摂取の削減ということが重要でございまして、日本型食生活を踏まえました対応が必要かというふうに思っております。これらの数字を総合的に積み上げながら食料自給率の目標の策定をしていきたいというふうに考えております。  具体的な数値につきましては、このように申し上げたような大変膨大な作業でございまして、現在準備作業は進めておるわけでございますが、法案の成立後本格化をさせまして、基本計画の中で明らかにするということで、御指摘のありましたように、遅くとも平成十一年度中にはこれを策定していきたいというふうに考えております。

佐藤昭郎自由民主党

○佐藤昭郎君 非常に難しいテーマでございまして、これから基本法の審議等も含めまして、このテーマは国会の場でも論議されると思います。やはり、非常に難しいだけに行政と国会が連携しましてこの委員会でも実りある審議が行われた、こういうふうに考えておる次第でございます。  次に、消費者の視点を重視した食料政策、これがこの十一年の予算でどのように反映されているかという点について少しお尋ねしたいと思います。  今、非常に消費者と生産者の距離が遠いというお話を申し上げました。しかし、日本の国民が我が国の食料の生産、供給のあり方についてどう考えているかということは委員の先生も御案内のとおりでございまして、総理府が「食料・農業・農村の役割」ということで平成八年の九月に世論調査を行ったデータがあるわけでございますが、外国産より高くても生産コストを下げながら国内でつくる方がよいと答えた方が八三%、外国産の方が安い食料については輸入した方がいいとする人はわずか一〇%という数字がございます。  一方で、今、一食分のお米の値段が幾らぐらいかというと三十九円でございます。これは標準米を使った場合です。昨日の委員会でいろいろと農産物の価格が話題になりましたけれども、米の値段につきましても、昭和五十年の値段、政府買い入れ価格一万五千五百七十円、これが今も変わっていないどころかやや下がりぎみになっている。卵に至っては、昭和五十年を一〇〇としますと今は七九といった、むしろ下がっているような状況でございます。  国民所得が三倍近くになった状況の中で、農産物価格は据え置きもしくは低下という状況の中で、我が国のエンゲル係数も一七・八%、これはEU、ドイツやフランスよりむしろ下がった数字になっておるわけでございます。  したがいまして、消費者の食料に対する意識というのが、カロリーを充足するというよりも、むしろ今は命の糧として自分や家族の健康を守る、そういった見方がやはり主体になってきているのではないかと思います。  こういった中で、消費者の視点を重視した政策、いろいろございます。幅広い国民運動、それから食生活のあり方を見直す、あるいは今度の国会で計画されておりますJAS法の改正で原産国表示を行う。これは先ほど申した関連業界、食品加工、流通、外食、いろんな点で難しい。コストがかかりますし、いろんな問題があると思いますけれども、この点について、これは食品流通局長だと思いますけれども、平成十一年度の予算でどのような政策を今考えておられるか、伺いたいと思います。

福島啓史郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(福島啓史郎君) 先生御指摘のように、我が国の食生活の状況を見ますと、食料の相当部分を海外に依存する一方で、脂質の摂取割合が適正範囲を上回る世代が見られるということ、あるいは食べ残しなり食品の廃棄など、資源のむだといったような問題もあるわけでございます。  このために、今度の食料・農業・農村基本法の第十六条第二項におきまして、食料消費の改善及び農業資源の有効利用に資する観点から、健全な食生活に関する指針の策定、あるいは食料の消費に関する知識の普及や情報提供等の必要な施策を推進するという規定が設けられているわけでございます。  この規定の趣旨なり背景に即しまして、食にかかわる広範な団体等の賛同、協力を得まして食を考える国民会議を設置しまして、食生活を見直す国民的な運動を展開することによりまして健全な食生活に向けての消費者の食に関する意識の喚起に努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  また、JAS法の改正の関連でございます。  消費者から味なり鮮度あるいは健康、安全という関心が非常に高まっておりますので、今回のJAS法改正におきまして、一般消費者向けのすべての飲食料品を品質表示基準の対象にする、その中で生鮮食料品につきましては原産地、また加工食品につきましては原材料等の表示を行うということ。また、有機食品につきまして規格を定めまして、第三者認証制度を通じまして表示の適正化を図っていくこと。また、JAS規格につきましても定期的な見直しあるいは国際的な規格の考慮、事業者自身による格付の導入等の改善策を講ずることとしまして、現在、JAS法改正案を今国会に提出しているわけでございまして、よろしくお願いしたいというふうに思います。

佐藤昭郎自由民主党

○佐藤昭郎君 次に、農業の持続的な発展、農業の持つ自然循環機能の発揮という点から、廃棄物のリサイクルの問題についてお尋ねしたいと思います。  ことしの二月に、生物系廃棄物リサイクル研究会、これは東京大学の茅野先生が座長でございますけれども、関係省庁、農林水産、建設、そのほか、それと団体の方々、民間の方、これが一緒になった研究会でございますが、ここで「生物系廃棄物のリサイクルの現状と課題」というレポートを出しておられます。私は非常な力作だと思います。そして、社団法人農村環境整備センターでは農村廃棄物、これは農村におけるいろいろな廃棄物についての再資源化、リサイクル、こういった点での報告書を平成八年に出しておられる。  また、全国各地で民間レベルでいろんな取り組みが行われております。一つ御紹介しますと、新潟県の亀田郷土地改良区というのがございまして、ここでは十年以上前から、最初は生産調整に伴って転作の重みを何とか打破したいということで転作水田にいろんなバイオマス、サトウモロコシを植え、それをメタノールに変えてハウスの燃料に使っていく、そういった研究をしておられるんですけれども、最近はバイオマスエネルギーである稲わらと農村地域の廃棄物、これはハウスのビニール、廃ビニール、そのほかのプラスチック、これをまぜてメタノールに転換するという、こういった工夫をしておられるわけでございます。  これは非常に大事なテーマだと私は思いますけれども、このテーマはいろいろ学際的にもわたっておりますし、省際的にも各省にまたがっている。ただ、問題の重要性、そして農水省はやはり生物系廃棄物を出す原因者、そしてこの対策の手段としても農地、農業用水そのほかちゃんと持っておるわけでございますので、こういった重要なテーマに対しまして農林水産省としては思い切って主体となって取り組むべきじゃないか、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。

高木賢農林水産大臣官房長

○政府委員(高木賢君) 御指摘のとおり、農林水産省といたしましても、この生物系廃棄物のリサイクルの問題には積極的に取り組んでまいりたいと思います。  御指摘にありましたように、出す側でもありますけれども、同時にこれを受け入れて堆肥として活用する、さらにはそれによって行われた土づくりによってできた有機農産物の販売ということで非常に大きなつながりを持っていると思います。したがいまして、こういう考え方を入れ込んだものとして、先般、国会にも農業の自然循環機能の維持増進による農業の持続的な発展に関する法案も出させていただきました。また、家畜排せつ物の有効利用に関する法案も出させていただいたところでございます。  これまでの実態といたしましては、今、先生から亀田郷の御紹介がございましたが、農林水産省が積極的に取り組んだ事例といたしましては、有名なものとしては山形県長井市のレインボープランというものがございます。これは農家からの家畜のふん尿、もみ殻だけではなくて、一般家庭からの生ごみも分別収集して、それらを加えまして堆肥を生産している。そして、土づくりをした上ででき上がった有機農産物を地元消費者に販売するということで、一般家庭まで巻き込んだ形でのリサイクルというものに既に取り組み、実績を上げている例がございます。  そのほか、兵庫県の香住町におきましては、集落排水事業でできました排水施設、これから発生いたします汚泥と家庭の生ごみを加えまして堆肥化する、できたものを地元の果樹農家が利用する、こういうシステムも平成九年度からはできておりますし、そのほか詳細は省略いたしますが、横浜市あるいは兵庫県のコープこうべなどでもそういうような一般家庭なりその他の廃棄物も取り込んだ形でこれを堆肥化して農業に還元する、こういう動きを積極的に農林水産省としても推進しているところでございまして、さらに今後ともそういう積極的な考え方を持って臨んでいきたいと思います。

佐藤昭郎自由民主党

○佐藤昭郎君 よろしくお願いします。  この点に関しましては、特に我が国の国土の富栄養化を防ぐ観点から、自給飼料の強化というのも大変大事でございますが、これはいずれこの委員会に、先ほど官房長からお話がございました家畜排せつ物の管理に関する適正化法案そのほか三本上がってくるわけでございます。そのときにまたしっかりとお願いしたい、こんなふうに思います。  次に、農地と水、そういったものの生産基盤をどうやって確保、整備していくか、これは我が国の食料の国内供給体制の点から一番中核になるところだと思いますけれども、この点に関しまして、平成十一年度予算、いろいろございました。最終的には農業農村整備事業の予算というのは対前年比一〇〇・七%、公共全体が一〇三%近い伸びをたしかしていたと思います、公共事業全体では。その中ではやや伸び悩みといいますか、特に平成十年度予算が対前年比九二ということで一割近く減っておりますから、やはり現場ではなかなか大変なわけでございます。  この間、いろいろと論議がありました。従来型公共事業には限界があるのではないか、そして従来型公共事業というのは地域振興や景気の回復に余り役に立っていない、そういった批判がいろいろあったのは事実でございます。やや実態と違うその批判に対してはしっかりと国民に対して説明して、これからのこともございますから理解を得ていかなきゃいけない、こんなふうに思っております。  平成九年の世論調査といいますか、ございまして、これは産業界と地方自治体の見方が随分違う。例えば、平成九年の十二月に財団法人の社会経済生産性本部というのが社会資本整備に関するアンケートというのをつくっております。この中で、自治体の方が感ずる意識と産業界、経済界の感ずる意識が随分違っております。  例えば、農業基盤については、産業界では十分に役立っていると思う人は一・二%しかいないのに対して、自治体では三二・四。そのほか似たようなものとしては生活道路もございます、意識がむしろ自治体の方が高いというのが。一方、高速道路なんかについて見ますと、産業界では五二・六の人が役に立っている。一方、自治体は一六・九ということで、そこで自治体の方が少なくなっている。新幹線は四三・一に対して自治体四・八と、こういった状況でございます。  そのほか、いろいろと効果なり中身について説明すべき点があると思いますので、構造改善局長になろうかと思いますけれども、この今の状況について、事業がどうなっているか、そしてこれからどうやってそれを説明していくか、その点についてひとつお願いしたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 御指摘のとおりでありまして、総体として見ました場合には、農業生産基盤の整備水準というのはまだ低い状況にあります。それから、農村環境基盤の整備につきましても、下水道の普及率が一九%ということで、中都市や大都市に比べますと大変におくれているという状況がございますので、私たちは、これから先も第四次土地改良長期計画に基づきまして、着実に農業農村整備事業をやっていきたいというふうに考えております。    〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕  ただ、事業展開に当たりましては、やはり近年の農政課題にこたえるという点で、担い手に集中をしていくとか、あるいは農山村の活性化にかなり重点を置くといった投資をするわけでございますので、その使い方については相当工夫をすることが必要だろうと思っております。  これまでこの事業を進めてまいりまして、水田の圃場整備率も平成八年度で五五%を超えるようになりました。それから、集落排水も数字でいいますと十年の水準で一万三千集落まで上がっております。まだまだ足りないわけでありますけれども、こういったことをいたしますと、やはり水田の持っている公益的機能が果たされる、あるいは河川の水質が改善されるということがございますので、御指摘ありましたように、もっともっとPRに努めなければいけないと思いますけれども、PRは一方的ということではなくて、例えば意向調査をする等の手段を通じて参加型の啓発といいますか、そういうこともこれからは進めたいと考えております。

佐藤昭郎自由民主党

○佐藤昭郎君 最後に、土地改良施設の管理保全について伺いたいと思います。    〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕  この平成十一年度の予算、大分頑張っていただきました。ただ、施設管理関係の予算を見てみますと、伸び率こそ一〇二・八%と一〇〇・七よりふえているのでございますけれども、絶対額で見ますと百四億、これはいろいろとり方がございます。私の独自の足し上げでこうなったわけでございます。  いずれにしても、全体の農業農村整備事業の予算から見ると一%以下でございます。やはり、社会資本の整備が終わり、維持管理が主体になってくる二十一世紀になってきますと、この割合はどうしてもやっぱりふえていくべきだろうと思います。そしてまた、土地改良区の果たしている役割から見ても少し少ないんじゃないかな、こういうふうに思います。  現在、約七千六百の土地改良区がございまして、四百五十万人、延べでございますが、人がいらっしゃる。三百十万ヘクタールの日本の農地について基本的な管理をしていただいている。  これからの御審議になろうかと思いますけれども、中山間地域の直接支払いといったかなり個人に思い切って助成していけるという政策も論議される時代になってきました。これらの政策と並行して、ぜひ基本的なところで、特に中山間の土地改良施設の維持管理なんというのは本当に手間と時間がかかるわけでございます。  現在、全国の土地改良区の方々がそういった経常経費の管理に出しているお金が年間八百十三億ある、これは私の資料でございますが。こういったところを考えますと、そしてこの公的な機能を考えますと、やはり思い切って土地改良区なり土地改良施設の管理に対して公的な支援をしていく時期に来ているのではないかと思います。  これから土地改良法の審議等も次の通常国会に備えて進んでいくと思いますけれども、こういった将来方向も見据えて、ひとつ農林水産省のお答えをいただきたいというふうに思っております。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 御案内のとおり、農村地域も大変に都市化をし混住化が進んでおります。非農家の方の比率も高まっているわけでございます。そういう中で、この土地改良施設は、農業者の農業生産だけではなくて、地域の防災あるいは環境の保全という点で公共的・公益的機能を果たしているわけでございます。  これまで私たちは、ダムであるとか頭首工であるとか、かなり大規模な基幹的な水利施設に対しては公的支援を行ってまいりましたし、来年度の予算でもそれを拡充すべく努力をいたしているところでございますけれども、土地改良施設全体についてもう少し公的支援を高めるべきではないかというのは私どもも同じ考えを持っております。  農政改革大綱の中でこういう記述がございます。「国土・環境保全等の公益的機能を有する土地改良施設につき、適切な整備・更新を図るとともに、公的管理の充実を検討していく。」と。御指摘ございましたように、これから土地改良制度についても、土地改良区のあり方も含めて基本的な検討をしなければいけませんので、その一環としてこの問題を取り扱いたいと思っております。  ただ、その場合、冒頭申し上げましたように、非農家の方がふえているわけでございますので、非農家の方々が一体どういうふうな問題認識を持ち、どういう理解をし、そして土地改良施設に対してどういう期待を持っているかというところをきちんと調べ上げた上で、これに対する国の支援をしていくということを考えたいと思っております。

佐藤昭郎自由民主党

○佐藤昭郎君 ありがとうございました。終わります。

森下博之自由民主党

○森下博之君 自由民主党の森下博之でございます。  若干重複する質問もあろうかと思いますが、お許しをいただきまして、私は中山間地域対策と直接支払い制度についてお伺いをさせていただきたいと存じます。  我が国の中山間地域は、国土面積の七割を占めるわけでありますし、農業生産の四割を供給いたしております。また、良質な水の供給あるいは国土、環境の保全といった役割も担っておるところでありますし、都市の住民に対する安らぎの場の提供等々、国民が健康で文化的な生活を送る上でなくてはならない重要な地域だと認識をいたしておるところであります。  しかしながら、現在の我が国の中山間地域というものは、振り返りますと、例の高度成長期に都市へ多くの人口が流出をいたしまして、担い手の減少や著しい過疎化・高齢化現象が続いておるところであります。耕作放棄地も当然ふえておりますし、また農業生産が低下をしておるだけでなくて、農業生産活動を通じて守られてきました国土や環境保全の機能といった中山間地域が果たしてまいりました役割が今果たせなくなるのではないかと私も憂慮する者の一人であります。  このような中山間地域の重要性と中山間地域が置かれております現在の状況についての御認識、また公益的機能を果たしてまいりました中山間地域の活性化をどのように図っていかれるか、まずこの点をお伺いさせていただきます。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 今、先生御指摘のように、中山間地域というのは、ヨーロッパでもあるのでしょうけれども、特に日本の場合における位置づけというのは格別重要ではないかと私はかねてから考えております。  と申しますのは、日本の国土というのは細長くて、背骨の部分が三千メートル級で、そして短い間に海に流れていく、しかも雨が平均して多い。ある外国の学者の主な川と日本の川とを比較した傾斜率みたいな表を見たことがありますけれども、日本の川は滝だというふうに表現したと。そういう状況の中で川上から川下まで安定的に住むことができる、あるいは経済活動ができるということは、まさに中山間地域がしっかりしているということが大前提にあるであろう。それは昨年のたび重なる豪雨等の災害の状況を見ても改めて認識をしておるところでございます。  したがいまして、中山間地域が林業あるいはまた農業、特に場合によってはいい物、高品質の物もできる地域でもございます。ただ、生産性、生産条件の面が極めて不利であるということも一方でございますので、耕作放棄地、あるいはまた過疎の一層のスピードが進むというような状況もあるわけでございます。  したがいまして、中山間地域の重要性というものを改めて認識し、そしてその地域を守り、さらには林業・農業活動等を含め、あるいはまた都市からの交流等も含め、国民的な理解のもとで発展をさせていくということが必要ではないか。先生御指摘のように発展、活性化をさせていくべきではないかということで、この後御審議いただきます基本法においても、そういう観点から、中山間地域を守り発展していくということをはっきり明記して、そしてその実現に向けて施策を講じていかなければならないというふうに考えております。

森下博之自由民主党

○森下博之君 るる御答弁賜ったわけでありますが、中山間地域の現状を私なりに考えますと、今、中山間地域の農村というのはまさに限界に来ておるのではないかと思うわけであります。結論的に申し上げれば、もはや農村を救う道というのはもう直接支払い以外の道はないのではないかというふうに深刻に受けとめておるものであります。  中山間地域の直接支払いにつきましては、具体的な枠組みが既に農政改革大綱において示されたところでありますし、大綱の中で直接支払いの具体的な検討スケジュールも示されたところであります。中山間地域で国民のために国土と環境を守っていこうとする農業者にとっても、大きな希望を抱いておるところであろうかと思うわけであります。  昨日も議論があったところでありますが、この直接支払いをめぐっては現在、地域の農業者にとって自分たちの農地が果たして対象地域に含まれるであろうかというような不安の声も聞かれるところでありますし、また一方では、農業者の方々も当然プライド、誇りがあるわけでありますので、理由のない施しは受けたくない、こういった声も聞こえてくるところであります。  まだ現在検討中であるということであるわけでありますが、なおこの点についてお考えを承りたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 中山間地域などと言っておりますけれども、私どもがこれを始めたいと思っておりますのは、こういった地域がダムもしくは防波堤ということで公益的機能を果たしているというところに着目をしてスタートさせたいと考えているわけでございます。  ただ、その場合、やはり広く国民的な合意を得るという観点に立ちますと、この政策の実行はWTO農業協定の緑の政策に合致をさせることが不可欠でございます。WTO農業協定ではこういう記述になっております。  中立的、客観的な基準に照らして条件が不利な地域、こういう地域において農業生産条件の不利性の格差の範囲内で講じるということになっているわけでございます。したがいまして、私ども広いネットとしては、特定農山村法など地域振興立法がございますので、この地域振興立法で広いネット、枠組みを囲みまして、その中で傾斜度等のために農業生産条件が不利な地域を対象としてはどうかということを提案しているわけでございますけれども、この点につきましては、かなり詳細な検討が必要になりますので、現在、学識経験者や自治体関係者から成る検討会を設けまして、対象地域の基準となる生産条件の不利性を示す客観的な基準、あるいはどういう行為をしたら直接支払いとされるかということ等につきまして御議論をいただいているわけでございます。  平成十二年度の予算要求のときまでに具体的な結論を出していきたいと考えておりまして、この夏をターゲットといたしております。

森下博之自由民主党

○森下博之君 最近、私が聞きましたところでありますが、田舎が都会を食いつぶすというような都会側の主張といいますか、御意見を承るわけであります。しかし、田舎の側からいたしますと、申すまでもないことでありますが、都会に水や食料を供給しておりますのはまさに中山間地域の田舎であるわけであります。そういったいろんな役割を果たしておる中山間地域というのは、今、岸先生も御指摘ございましたが、まさに国民全体の財産であるとも言えると思うわけであります。  初めに申し上げましたように、今、中山間地域から長い時間をかけて人が流出し、また森林や農地は荒廃をしておるところも多いわけであります。これらの重要な機能を果たしていくことをこの際、当然国民全体の理解をいただかなくてはならないわけであります。  地元の例で恐縮でありますが、高知県の檮原町というところに棚田のオーナー制度というのがあるわけであります。地域のよりどころであります千枚田を保全するために都会の方々に呼びかけをいたしまして千枚田のオーナーになっていただいて、財政的な負担もお願いをするという制度であるわけであります。こういうことに取り組んでおるわけでありますが、また一方では、先祖伝来築いてきた棚田というものが既に崩壊をしているところも大変多いわけであります。  私の個人的な考えではございますが、棚田というものは本当に大事な文化遺産ではないかと思うわけでありますし、一たん石垣が崩れますと、あるいはまた耕作地が放棄をされますと、なかなかもとに復元することは難しいということであります。  今後、こういったハードな面の事業だけではなくて、都市住民の方々のお力もかりまして、全国に棚田というのは点在すると思うわけでありますが、ソフトな事業といった面で取り組みが必要ではないかと思うわけであります。この点についてお伺いをいたします。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 御指摘がございましたように、この種の対策というのはハードだけではなくてソフトとうまく組み合わせをしてやるべきだろうと思っております。とりわけ、棚田はその公益的機能、多面的機能の面において極めて象徴的な地域でございます。また、消費者の方々の理解も得やすいという地域でもございますので、こういった地域についてはやはり今申し上げましたソフト、ハードの事業をうまく組み合わせていくということが肝要だろうと思っております。  ハードの事業の面では、平成九年度に棚田地域等緊急保全対策事業を創設いたしまして比較的小回りのきく種類の多い事業を実施いたしておりますが、加えまして、平成十年度からは三カ年をかけて都道府県に国、県、市町村あるいは一般の民間の方も合わせわざで基金を造成いたしまして、棚田地域の水と土を保全するという活動を行っております。この中で、保全活動を行うボランティアの登録や派遣あるいは保全活動の現場に必要な技術指導者の育成、都市住民への啓蒙普及等を行っているところでございまして、この運動を続けていきたいと考えております。

森下博之自由民主党

○森下博之君 中山間地域の公益的な機能を維持するという観点からいたしますと、私は森林をもこの直接支払いの対象にすべきではないかという考えでございます。  農地とともに高い公益性を有しております森林であります。今まさに中山間地域というのは本当に人手も不足いたしまして、また高齢化も進んでおるわけであります。したがって、森林の管理が非常に難しい状況になりまして、荒れ果てた山が多く目立つようになってきたところでございます。  中山間地域の公益的な機能を発揮するという観点からいたしますと、農地だけではなくてこれら森林の保全管理を十分行うことも非常に重要なことになってくると思うわけであります。森林の保全管理について対策を検討すべきではないかと思うわけでありますが、御見解を承りたいと思います。

山本徹林野庁長官

○政府委員(山本徹君) 森林の公益的機能は三十九兆円と言われておりますように大変高いものがございますので、この森林の適正な保全管理は先生御指摘のとおり大変重要な課題でございまして、私ども、このために植林、間伐、林道、治山等々の各種の事業の推進を図っているところでございます。  この森林についても直接支払いを検討すべきであるという先生の御指摘でございますが、既に森林につきましては個人の植林、それから保育、間伐といった林業生産活動に対して森林の高い公益性に着目した助成措置を講じているところでございますが、現在の林業の厳しい状況を踏まえながら、今後その基本政策のあり方につき幅広く検討してまいりたいと考えております。

森下博之自由民主党

○森下博之君 中山間地域等への直接支払いの導入ということは我が国の農政史上かつてないことであったわけでありますので、農業者の立場から申し上げますと、その検討の行方についてかたずをのんで見守っておるという状況であろうかと思うわけであります。農業者はどういう方向に行くかということについて期待をしておるわけでありますので、どうかその期待にこたえていただいて、この中山間地域の振興のために御努力を賜りたいと思います。  時間を残しましたが、これで終わります。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。  私は、短い時間ですので二点に絞って質問させていただきます。  橋本内閣のときに財政構造改革法案が通過いたしました。その折に、我々は反対をいたしたわけでありますが、米飯給食について、当時五〇%余りの値引き措置があっておりましたのが、平成十年には三〇%、そして平成十一年には一〇%、十二年度からゼロと、こういうことにそのときなっておりましたわけであります。昨年の臨時国会で凍結ということに相なりました折に、私は大臣にこの学校給食のいわゆる値引き措置も凍結になるんですねという質問をしたことを覚えておられますでしょうか。  そのときに大臣からは、自分も育ったときは脱脂粉乳とパンで育ったんだ、学校給食の大事さはよくわかると、こういうお話の中で、学校での米飯給食について積極的に引き続き推進してまいりたいというような御答弁をいただいておるところであります。  したがいまして、もう既に相当予算もダウンいたしておりまして、平成九年は百三十九億、平成十年は五十億、平成十一年度の今年度予算は十四億しか値引き措置の予算が計上されていないということであります。十二年度からゼロということになるわけでありますから、私がそのときに申し上げたことに対しての大臣の姿勢があらわれていないんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでありましょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 学校給食は、子供たちへ米食の普及というか、教育的見地から米に接する機会というか、食する機会を大きくするということで促進措置が図られてきたところでございます。  先生御指摘の年々予算量が減っておるということでございますが、実は児童数、生徒数が減少しておるということでございますので、確かに値引き率が減っておるという状況も現実でございますが、全体として、総額として減っているというよりも、一人当たりの単価といいましょうか、児童数が減っておるということを勘案いたしますと、前年と同じ一人当たりの単価になるというふうに御理解をいただきたいと思います。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 大臣が答弁をされておられるその予算の方は、学校給食用自主流通米交付金の方の話だと思います。  私は、政府米の値引き措置について、五〇%あったのがもう三年目にはゼロになるんじゃなくて、少なくとも一割ぐらいは値引き措置を考えてやって、学校に対する米飯給食を維持していくということがやはり国の配慮じゃなかろうかなというふうに思うんです。  備蓄米を四千トン無償配付するということで新聞にでかでか出ております。十年度から実施して十一年度も実施するということでありますが、十年度の学校からの申し込みの数量はどれぐらいですか。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) 備蓄米を四千トン予定して実施をいたしておりますけれども、今の段階で、まだ見込みでございますけれども、備蓄米の交付校は二千四百校、今のところは三百二十トンということでございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 四千トンのうちに三百二十トンというと一割にも満たない、いわば現場からは余り人気のないということであります。この四千トン分を政府米の価格に換算しますと十一億円相当に当たるんです。ですから、そうやって人気のない備蓄米を学校給食用に無償でやりますよというよりも、その十一億円にあと六億足せば一割の値引き措置に賄えるわけでございますから、そういうところは大蔵省にも強く申し上げて、いわゆる自給率をいかに高めるかということは、学校の現場から米食を、きちんと日本型食文化というのを守らせていくという、大臣がしょっちゅうおっしゃっている、そこは最低限、日本として守っていかなきゃならぬことだと思います。  せんだって、長峯先生から、「和食に軍配」といって、朝食をパン食にしたところわずか一四%の自給分にしか当たらない、ところが御飯の和食にした場合五六%の自給に貢献するんだと、こういう数字をこの前視察に行きました折にいただきました。いい資料ですねと、こう申し上げたんですが、まさに御飯の食生活から離れるということがいわゆる自給率を下げていくということにつながっていっているということをひとつ重きを置いていただいて、学校給食については少なくとももとに戻すということであれば、五三戻してくれとは言いません、三〇ぐらい戻すべきだと思いますが、もう当年予算が一割しかついていませんから、この一割は私はキープしていくべきだと思います。  新たな米政策大綱の中にも、財政構造改革の趣旨にのっとり、引き続き一〇%をゼロとして持っていきますということになっておりまして、凍結になった意味が全然あらわれていないじゃないか、また大臣の私に御答弁されたその積極的な思いは反映されていないじゃないか、そういうふうに受け取りました。現場では一割でもあることが、少なくとも子供たちに米飯給食を国が支えてきてくれているんだということにもなりますし、またこれを全部国が米から撤退するということになりますと、少なくとも安いパンの導入の方に向かっていくか、あるいは国が考えているのは弁当を持参させるなんということは現実的には難しい話です。全生徒が弁当に米を持ってくる、御飯を持ってくるということは難しいというのが父兄の方の御意見でもあります。さもなくば、米飯給食の値段が上がるということにもつながってまいりますので、私は再考すべきではなかろうかと思いますが、いかがなものでありましょうか。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) 学校給食の値引き措置の廃止の問題につきましては、財政上の問題だけでなしに、長い間米飯給食を進めてきたわけでございますが、それがどうも頭打ちになってこれ以上の消費拡大はなかなか望めない、そういうような状況等々いろいろ考えまして、値引き措置については段階的に廃止をするということにしているわけでございます。  変わりまして、炊飯設備の拡充でありますとか米飯給食環境の整備でありますとか、先ほど御指摘ありました備蓄米の無償交付といった新たな観点に立ちましての米飯給食を推進したいということで取りかかっているところでございます。  確かに、今年度については初年度でございますし、まだPRが十分でなかったということで十分な効果が上がっていない面はございますけれども、大臣から先ほど申し上げましたように、そういうことも相まちまして全体的な学校給食用米穀の使用数量はほとんど落ちていない、横ばいということでございますので、今申し上げましたような新たな観点に立ちました米飯給食の推進方策につきましてPR、関係方面への理解を求めながら強力に展開してまいりたいというふうに考えております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 長官のおっしゃるお話は、ここに新たな視点に立った推進措置を講ずるというメニューの四つが載っています。これは四つとも私が見たところでは余り効果のない話なんです。しかも、予算がどれくらいふえているかというと、ふえていないんですよ。そういう四つのメニューを実行していく上においての新たにそちらに重点的にやるかというのは全然ふえていないというようなことからして、私は政府が思っておるような方向に行ってしまったら大変なことになりますよということを感じましたので、またあえて取り上げさせていただいたわけでございます。  これは十七億ぐらいですよ、一割で。それがどれだけのこれからの子供たちにあるいは学校給食に米飯を定着させていくかにおいては大変効果がある、わずかな金額で相当の効果が将来にわたって生まれてくる、そういうところに現場はもうちょっと重きを置いて対応していただきたいと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) やはり、余っているから無理やり子供たちに食べさせるんだということではなくて、日本型食生活というものが子供の発育過程においてもいい、あるいはまた米というものが我が国の主食であり、その伝統文化を守っていくことが教育上もよろしいであろうということでございまして、そういう観点からも、先生御指摘のように米飯を学校給食でやっていくということに対しての意義というものは、私は今も必要なことだろうと思います。  そして、先生の御意見に賛同した上であえてつけ加えさせていただくならば、家庭におきましてもやはり米飯というものを、積極的に朝御飯を炊くとか、御飯を炊けばみそ汁をつくらなきゃいけないとか大変な面もあるんでしょうけれども、家庭においてもやはり米飯普及というものをやっていく必要があるのではないかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、教育現場の話でございますから、有馬文部大臣ともお話をし、御賛同もいただいておるところでございますので、意義そのものの重要性は変わっておらないと思いますので、ひとえに財政とのお話し合いということになりますので頑張っていきたいと思いますし、また先生の御指導もよろしくお願いいたします。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 ありがとうございました。  牛乳については、きちんと十年も十一年も四十四億円かけて学校給食用の牛乳は配付されることになっているわけでありますから、米だけがなくなってしまう、これは二本立てはきちんと対応していくべきだと思います。北海道は特に米と牛乳は産地でございますので、そういうところのお計らいをいただきたいと思います。  さて、次に、地元の問題で大変恐縮でありますが、イグサがやっと後半少し値が戻ってまいりました。昨年、中国イグサの半作という状況もありますし、政府の御努力もいただきまして輸入の調整というのもあったと思いますが、最近のイグサ製品の動向はいかがなものでしょうか。まず教えていただきたい。

樋口久俊農林水産省農産園芸局長

○政府委員(樋口久俊君) 畳表の需要で見てみますと、ちょっと長くなりますので省略いたしますが、最近の輸入を含みます国内の供給量は、輸入の大宗を占めます中国だけを見てみますと、六年から少しずつ落ち込んだりふえたりしてきてはいたんですけれども、九年で三万五千トンと落ち込みましたけれども、十年についてはそれまでの水準に戻りまして、大体三万八千トンというそれ以前の水準に復旧をいたしております。  それから、価格で見ますと、おっしゃるとおりに九年の半ばから低下をいたしておりましたが、十年産では中国側の減産もございまして上昇してきておりまして、国内の畳表の価格もこれとバランスをとってといいますか、同じような傾向でございまして、熊本県の農協の市場価格で見ますと、九年の半ばから低下をしてきていたものが十年の四月を底に上昇に転じてきております。現在では、前年に比べまして、暮れでは大体三割アップ、現在では四割ぐらいのものになっていると私どもとしては判断をいたしております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 そういうある程度回復をしてきておるということでありますが、私が知るところでは、まだ農家の中には管内にイグサ農家もおりますから、まだ一昨年の畳が残っておる、在庫品が残っているという状況でありますから、まだまだ気を抜けないと思います。  この対策は、私は大きく分けて二つあるだろうと思うんです。高品質の畳表を生産するために、土づくりを初めとし、新しい品種の導入なり、あるいは省力化された機械の導入というようなものが必要でありましょうが、一番大事なのはいかに需要を喚起するかということではなかろうかなと思います。  その喚起の仕方ですが、私はついせんだって、国民生活・経済に関する調査会で宮崎に行ったんです。宮崎の清武町立大久保小学校というところがあるんですが、そこで広い廊下のところに畳を敷きまして、そしてその畳の中にみんな正座をして手話を勉強しているんです。あるいは中国語を紙芝居みたいにして教えているんです。非常に開放感漂う、和気あいあいとして子供たちが勉強しておる姿を、長峯先生一緒でしたですね、県産材を使った校舎の中にそういう畳のルームがあったんです。  私は、地元の八代市で聞きましたら、八代小学校に一つの空き部屋、いわゆる少子化になって教室が要らなくなってきているところがあるのでということで、そこを畳の部屋にして、そしてそこに子供たちのコミュニケーションの場なり、いろんな活動をその場でやっているというようなことでありました。ことし、また評判がよかったものですから、九一%の子供たちが歓迎をしているということで、昨年、ことしと二校ずつ新たにまた畳教室を利用するということになっておるようであります。  文部省、おいでですね。全国四万二千の小中学校がある。恐らく畳になじんでいる子供というのは都会は少ないかもしれない。あるいはそういう地方では空き教室がたくさん出てきている、それを畳の部屋に変えていったらどうか。一つの教室に五十畳敷きましても三十五万で済むんですよ。そして、活動の利用範囲が非常に広がるということもありますが、県産材普及と同時に国産の畳の活用を広めていくという考えはありませんか。どうですか。

御手洗康文部省教育助成局長

○政府委員(御手洗康君) 御指摘ございましたように、各市町村や学校をどういう形で整備するかということはそれぞれの地域の実情に応じまして自治体が決めていくわけでございますが、文部省といたしましても、いろんな多様な地域の特色を生かした学校づくりというものを支援する観点から、例えば昭和六十一年から木の研修交流施設整備事業という予算を用意いたしまして、この中で木材を利用するとともに、和室をつくったり、あるいは昨年度は緊急にカウンセリングルームを七百校以上整備いたしましたけれども、そういう際にもカウンセリングルームの中に和室を設けるようにというようなサジェスチョンもしながら、各市町村がやりたいという場合にはそれを積極的に面積面でも、あるいは単価面でもバックアップするというような形で進めているところでございます。  今年度の例えば熊本県におきます大きな改築事業、改造事業、十一校補助実績がございますけれども、そのうち七校では和室が整備されているという状況でございますので、それぞれの地域の実情に応じまして積極的に創意工夫を凝らしていただければ、文部省といたしましてできるだけ補助金面では支援をしてまいりたいと考えております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 やっと緒についたという感じでありますが、単に木の新しい部屋をつくるということでは金がたくさんかかり過ぎます。ですから、畳を空き部屋に置くだけなら三十五万でできるんですから、これをモデル的に全国に普及するように文部省頑張っていただきたいと思いますし、農林大臣、学校のそういう施設だけじゃなくて、あるいは幼稚園とか病院とか老人ホームとか、そういうところまで私は需要を喚起させていくということが必要ではないかと思いますが、大臣の決意をお聞かせいただければと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) やはり、日本の生活文化と密接不可分であります畳、そしてイグサにつきましてこれを普及していくということは、農林行政というよりもむしろもっと大きな観点から必要なことではないかと私自身考えております。  農林省としても、今までも連合会の需要見通しの作成あるいは普及等について支援してまいりましたし、十一年度には高品質イグサ産地形成事業を創設し、新品種による畳表用途開発等の普及啓蒙を推進しておりますが、現時点では大変な経済の低迷ということで、新規の着工戸数あるいは畳表のかえの枚数が減少しているというのが現実でございます。  そういう面でございますので、先生今御指摘になられたことも含めまして、需要の喚起あるいは新品種の開発、例えばイグサというのは何かガスを吸着しやすいという性質もあるというその機能性にも着目した形での技術開発等、さらにはそういうものを含めたPRというものも積極的に含めて畳の需要拡大、イグサ製品の需要喚起に努力をしてまいりたいと考えております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 しっかり頑張ってください。  終わります。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 二院クラブ・自由連合の石井一二でございます。  私は、昨日もここで質問いたしておりましたが、それは所信に対する質疑ということで、本日は委嘱審査ということで引き続いて質問をさせていただきます。  私は、昨日質問した中で、どうも帰ってから大丈夫かなと気になって仕方がない問題が一つございました。それは米の関税化についてでございます。  USTRの年次報告に対して中川大臣はWTOに異議を申し立てするようなことはないんだと、そういうような信念を持ってお答えを昨日はいただいたように思うわけでございますが、私が今手に持っております三月十日の毎日新聞の夕刊でございますが、見出しも、「米通商年次報告 WTOに異議申し立てへ」と、こうはっきりと米の関税化をアメリカが懸念しておると、こういうぐあいに指摘をしておるわけでございます。  そこで、農水省ではなしに、外務省はこの見通しについてどう考えておられるか、まず、審議官来ておられますか、よろしくお願いいたします。

横田淳外務大臣官房審議官

○説明員(横田淳君) お答え申し上げます。  先生御指摘の報告書には、よく読みましたけれども、異議申し立てに関しては一切言及されていないところでございます。異議申し立てという点に関しては一切の言及はございません。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 各新聞は皆書いておるじゃないか。

横田淳外務大臣官房審議官

○説明員(横田淳君) いや、ただし、報告書そのものには異議申し立てをするとも、それから我が国の関税化がWTO協定に違反するとも書いていないわけでございます。  私どもとしても、異議申し立てするというような通報を受けていないところでございます。したがいまして、その報告書から判断する限りでは、新聞で報じられているような動きはないものと考えております。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 どうも外務省がピント外れな答弁をしておるように思うんですね。本来、局長が来るべきところを審議官でこらえてくれと言うから、まあいいでしょうと言ったが、あなた、各新聞が全部そういう異議申し立てがあるということを言っているのに何を寝ぼけたことを言っているんだ。  こういった中でもし異議申し立てがなされたならば、今上程されております法案についてもいろいろ問題が起こってくると思いますが、仮定論で恐縮ですが、農水省、もし異議申し立てが行われた場合、上程している法案等に対する対応も含めてどのようにお考えか、御意見を聞きたい。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 仮定のお話だということを前提にお答えさせていただきますが、これはあくまでも我が国といたしましては、アメリカその他にも何回も説明しているところでありますが、ガットのルールに従って全くそのとおりにやっておるところでございます。  したがいまして、これに関してガット上疑義があるとは我々は思っていない。思っていないと言うと、思っていないのは日本だけだろうと、こういうふうに言われますけれども、どう考えてもそれはルール上疑義のある問題ではないというふうに理解をしております。しかし、異議申し立てをする権利というのは、仮に前提が正しかろうが間違っていようが、権利としてはあるわけでございますから、私が異議申し立ては出ないという信念を持っているというふうに先生から御指摘がありましたが、それは可能性はゼロではないということはもちろん私も否定はいたしません。  これは三月二十一日までの九十日間でございますが、万が一その間に異議申し立てが仮に出された場合でありましても、我が国としてはWTOへのルールにのっとった措置として関税化を四月一日からやりますということを通報することによって、この関税化措置がWTO上譲許されるというふうに理解をしておりますので、仮に異議申し立てがその間行われたといたしましても、四月一日からの関税化への移行というものは予定どおり進めさせていただきたい、進めることができるというふうに考えております。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 それともう一つ、この問題について異議の申し立てはないかもしれないが、異議の申し立てをしないかわりにアメリカの米をもっと買えというような水面下の交渉がなされておるという見方をする方があるわけであります。  それで、最近の日米間の交渉を見ておりますと、例えばKEDOの問題でも、人工衛星が上がったらKEDOはもうやめだと、アメリカから声がかかったらすぐに再開しますと、最近アメリカがイラクに爆撃をしたらすぐに財政援助をするとか、それを支持するということを他の先進国に先駆けて、英国は例外ですが、発表するというように、対米交渉がもう忠犬ハチ公より忠実な日本になっちゃっているわけです。  したがって、ノーと言える日本か何かという本が出たらベストセラーになるというようなあたりもその辺にあるわけですが、このアメリカの米をもっと買えということは、タイとかオーストラリアとか国際社会で日本に米を売りたいという国の部分を削ってということになると思うんです。  だから、そういった意味で、私は現在ミニマムアクセスの内訳、国別、またアメリカがどれぐらいの比率を占めているか。アメリカの中でも、例えばカリフォルニア、テキサス、アーカンソー、ここら辺の内訳を示していただきたい。資料要求して持ってこいと言ったんだけれども、持ってこないんですよ。したがって、私の今知っている知識の中で申し上げているんですが、長官、いかがですか。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) ミニマムアクセス米の実績でございますが、平成八年度四十六万六千トン、平成九年度五十四万四千トン、平成十年度が六十三万二千トンでございます。そのうち、国別について申し上げさせていただきますと、平成十年度につきまして、アメリカ三十万二千トン、オーストラリア十万二千トン、タイ十三万五千トン、中国七万二千トン、その他二万二千トンというふうになっております。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 パーセントで。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) パーセントで申し上げますと、アメリカは四七・七%、オーストラリアが一六・一%、タイが二一・四%、中国が一一・四%となります。  それから、アメリカの州別の話でございますけれども、ミニマムアクセス米の輸入に当たりましては産地として州を指定した輸入をいたしておりませんので、完全に正確にはできませんが、契約内容から見ますというと、カリフォルニア米がほとんどでございまして、カリフォルニア州以外の州からの輸入量は極めて少のうございます。十年度の推定見込みとしましては、アーカンソー州は三百六トン、テキサス州はゼロでございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 ここでクリントン大統領の出身地のアーカンソーが出るあたりが、この問題が極めて政治的であるということを物語っておると思うのであります。  他の質問についても聞きたい面があるので、外務省、記者クラブへ行って、各社はこうお書きになっておるけれども、外務省としてはそういうことは一切認識していませんと、あなたが言ってくることを私は要求いたします。認識が甘過ぎる、そのように指摘をしておきたいと思います。  さて、我が国はいわば二者択一の、国家貿易体制を米の輸入に関して保持していくのか、あるいは民間貿易への移行という格好になるのかというように考えられておるわけであります。特に、民間に移行ということになると、ミニマムアクセス米の輸入の義務がなくなってくる。こういう中で、何となくここ三年間は先般来の交渉期間としてこういったことを支えていけますが、行く行く民間貿易の移行へならざるを得ないような国際世論があるように思うわけでありますが、この問題について、大臣の御所見あるいは長官の御所見でも結構でございますが、承りたいと思います。

堤英隆食糧庁長官

○政府委員(堤英隆君) 御指摘のように、ミニマムアクセス米を入れるとするときに、輸入方法としては国貿と民貿とあるわけでございますけれども、仮に国貿によらずに民貿によった場合にはどういうことが起こるかということで御説明させていただきます。  国みずからがミニマムアクセス数量の輸入を行う必要は民貿になれば当然なくなるんですけれども、その場合のミニマムアクセス、ことしでいえば六十八万トンでございますけれども、それの枠内税率につきましては、事実上ミニマムアクセス数量の全量を輸入しなきゃならないほどの極めて低い税率を払わざるを得ないということでございます。かつ、その具体的な税率もアメリカその他関係国と協議をしなきゃならないということでございますので、その点から見ましても極めて低い税率にならざるを得ないということでございます。これは、他の一次税率を見てみましてもすべて非常に低いということから推測されるところでございます。  また、それに加えまして、民間業者が自由に輸入できるというふうになりました場合には、現在は国貿でございますので、できるだけ国内産米、特に主食との競合を避けるという意味で、加工用等の需要、業務用等の需要というところに供しているわけでございますけれども、これは民貿になりますと、もろに主食用との競合ということになってくるというふうに考えております。  それからもう一点は、国貿でございますので、二百九十二円のマークアップをとって、その範囲の中で国内産米との関係を考慮しながらミニマムアクセス米の売却ができるわけでございますけれども、民貿でありますというとそういうことができませんので、極めて低い価格でまた供給されるということで、量及び質の面から国内の農家の経営に非常に大きな影響があるというふうに考えておりまして、私どもとしましては、そういうことの中で国貿を維持していく必要性は非常に高い、こういうふうに考えております。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 我が国は、このミニマムアクセスの数量を厳密に今実行しており、国際的な信用という面も高いはずでございますが、私の聞くところでは、韓国ではこのミニマムアクセスというものを実行していない、しかもそのこと自体が国際社会で容認されておるというようにも聞いております。今後、こういった面も調査していただいて、国際社会においてひとつできるだけ我が国の国益を考えてうまく行動をしていただきたいと思います。  長官が答えたいと言っておりますが、時間の関係で要望のみで結構でございます。  続いて、国内農業の保護の水準を示すいわゆる助成合計量、AMSですが、この九六年度分は総額で三兆三千二百九十七億円ということで、前年度より五%下がってきております。まず、この数字に対する国際的な評価を農水省はどのように考えておられるか、お願いします。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) 我が国の助成合計量は、ただいまお話がございましたように、一九九六年度は三兆三千二百九十七億円ということでございまして、二月にWTO事務局に通報したところでございます。  これについての国際的な評価ということでございますが、この通報内容につきましては、今月末のWTOの農業委員会の場で議論されることになっておりまして、そういう意味では今のところ格段、国際的な評価というのはまだない状況でございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 まだないと言われますが、これは今に始まったことじゃなしに、過去からの流れですから、全体的な評価がないはずはないわけでありますが、まあ結構です。  続いて、欧米諸国では、こういった数字を計算する場合に、地方政府の支出という扱いが国の支出との関係で必ずしも基準も一定になっていない、こういう中でその実態について御説明いただきたい。

竹中美晴農林水産省経済局長

○政府委員(竹中美晴君) 地方支出分の取り扱いでございますが、これは農業協定上、通報に当たりまして中央政府分と地方政府分と区分するというような取り扱いになっていないこともございまして、その内訳というのがはっきりしないのが実情でございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 はっきりしないようですが、もしこういった地方の支出というものがカウントされないというのであれば、我が国の場合は交付税を活用するとか、いろいろまたやり方があろうかと思います。私も一度勉強してまいりたいと思いますが、また御指導をよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、公共事業関係で若干質問をしたいと思います。  御承知のごとく、昨今、公共事業のあり方というものが論議され、これまでは特に省庁別の配分とか省内事業別配分というものが固定化されておるのではないか、したがって本来あるべき景気に対する浮揚効果も薄れておるのではないかというような論議がございました。そういう反省に立って、年々予算編成のたびごとにそういった意味でのフレキシブルな対応ということがなされておることは私も承知いたしております。  ただ、日本の場合、農業予算の大体三分の一が農業農村整備費であるというような事実もございまして、九八年十二月の橋本内閣では、事業の再評価システムの導入、また事業採択段階における費用対効果の分析ということが実施されておるわけであります。  そういう観点から、この農業農村整備費に対して今年度の予算編成についてどのような配慮がなされてまいったか、御説明いただきたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 事業運営に当たりましては、効果効率性と運営の透明性、この二つが肝心なことだろうと思います。土地改良法は昭和二十四年でありますけれども、そのとき以来、農業農村整備事業につきましては土地改良事業の費用効果分析を行いまして採択着工ということをいたしております。  また、平成十年度からは再評価システムも導入をいたしまして、これまで対象となる四十七の地区のうち、ダムの廃止、規模の縮小等、計画の大幅な見直しを行う五地区を含めまして十六地区について事業の見直しを行ったところでございます。  また、明年度につきましても、同様にこの一定期間が経過いたしました地域、国営事業の二十六地区になりますけれども、これらにつきまして再評価を行ってまいりたいと考えております。  なお、再評価システムのほかに、かんがい排水審議会等の御議論を経まして、私どもは事業が終わった後、事後、フォローアップをするという制度につきましても今後検討の対象にするということで、十一年度は国営事業について試行的にこの事後評価を行いたいと考えております。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 我が国にも偉い学者先生がたくさんいらっしゃいます。例えば、東大名誉教授の荏開津典生先生、当用漢字にない難しい名前のお方ですが、もう一人、東大教授の生源寺先生、これも難しい名前で、後で漢字をお見せしますが、この方々がこのように申しておられます。農業予算に占める土地改良事業へのウエートが高いという事実そのものは、毎年の経常予算を含めて我が国農業政策の大きな特徴であると。近年では、先ほど申し上げましたように、農業予算のほぼ三分の一が農業農村基盤整備費であり、このような特徴を持った予算編成は欧米どの国にも見当たらないと。  このこと自体は別に悪いことでもないと思うんですが、私の兵庫県を見ておりましても、地元の自治体が地元負担分に対応し切れないとか、あるいは農家自身がこらえてくれと、自己負担ようせぬというような例が最近出てきております。  なぜこのようになるんだろうなと思って考えておりますと、これは全く私見ですからお許しをいただきたいんですが、渡辺さん、どうも構造改善局長をやられた方がバッジをつけたいとかつける方が多過ぎて、その方はとにかく予算をとることにのみ奔走されておるというような一面があるのではないかと思うんですが、あなたの今後の人生計画も含めて、それに対する所見を賜りたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○政府委員(渡辺好明君) 大変難しい御質問をいただきました。  まず冒頭、荏開津先生、生源寺先生、基本問題調査会の議論の中でも土地改良制度の運営について抜本的に見直せという御指摘もちょうだいいたしましたので、御両人からの指摘も踏まえて土地改良制度万般について検討を行うことといたしております。  それから、押しつけだとか自己負担にたえられないというお話もございましたが、自己負担、つまり受益者負担の部分につきましても自治省とお話をしてガイドラインを出し、極力低くするように、さらにその負担分についても無利子のお金を充当するというふうなことの工夫もいたしております。  ただ、基本は、この土地改良事業は、土地改良法に基づきまして地元からの申請があり、大多数の方々の、これは最低三分の二と言っておりますけれども、常識的には九割を超える方々からの同意を得て事業に着手をするわけでございますので、そういった面はなかろうかと思っております。  運営につきましては、ただいまの再評価システムや事後評価を通じて検証してまいりたいと考えております。  最後の御指摘につきましては、全くその気はございません。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 時間がありませんので、ほかにも通告しておりますが、これで終わりたいと思います。

野間赳自由民主党

○委員長(野間赳君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後零時七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗