日米防衛協力のための指針に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 1999/05/17
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから日米防衛協力のための指針に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十四日、山本保君、沢たまき君、月原茂皓君及び田英夫君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君、弘友和夫君、入澤肇君及び照屋寛徳君が選任されました。 また、本日、藤井俊男君及び畑野君枝君が委員を辞任され、その補欠として石田美栄君及び緒方靖夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(井上吉夫君) 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の三案件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○常田享詳君 自民党の常田享詳でございます。 私は、国民の生命、財産そして国土を守る上で大切なことは、平時にあって危機管理や安全保障の法整備を進め、国民や地方自治体の理解を日ごろから深めておくことだと思います。とりわけ北朝鮮の弾道ミサイル、テポドン一号発射事件や不審船侵入事件を見るとき、今この委員会で行われている議論は基本方程式のないまま応用問題を先に審議しているように思われてなりません。やはり早急に基本方程式とも言うべき有事法制の整備を急ぐべきだと思います。 以下、質問に入らせていただきます。 外務大臣、突然の通告で申しわけございませんでした。土曜日、日曜日に報道された関係でございますので、お許しをいただきたいと思います。 五月十五日の夕刊に、一九七二年、レアード国防長官からロジャース国務長官へのいわゆる米の核搭載艦寄港に関する書簡が公表されております。これは昨年末、米国立公文書館で解禁されたものだということでありますが、このことにつきまして、政府は、事前協議の申し入れがない限り核は持ち込まれていない、事前協議があれば非核三原則に照らして拒否すると一貫して答弁されておりますが、一部報道では、この書簡をもって日米間の事前協議が形骸化しているのではないかというふうな指摘もあります。私は必ずしもそうは思いませんが、そこで改めて外務大臣に事前協議の実効性について御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 御指摘のレアード国防長官発ロジャース国務長官あて書簡は米軍の内部文書であると承知しておりますから、日本政府としてその内容についてコメントすることは適当でない、こう考えますので控えさせていただきますが、米国による我が国への核兵器の持ち込みは、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文、いわゆる岸・ハーター交換公文でありますが、において装備における重要な変更として事前協議の対象となっているわけであります。また、核持ち込みについての事前協議が行われた場合には、政府としては常にこれを拒否する考えであります。これらの点については従来より繰り返し申し上げてきているところでございます。
○常田享詳君 もう一点お尋ねをしておきたいと思います。 一昨日報道されておりましたが、北朝鮮問題に対して、北朝鮮政策調整官ペリー前国防長官は、二十三日ごろ、北朝鮮と協議する前に日米韓の間で協議を持ちたいということをおっしゃっておられます。いわゆるペリー勧告の示す方向は、第一は北朝鮮を説得する関与政策の継続だと理解しております。 最近、アメリカのハスタート下院議長、アーミー共和党下院院内総務連名の書簡がペリー氏に送られております。その中で注目すべきことは、五つの点を新たな見直しとして指摘し、その中に、勧告で国際麻薬取引等の北朝鮮の犯罪的行為への対処方針を示すべきだということを言っております。 先般の予算委員会で、私は我が国の覚せい剤汚染の実態について述べさせていただきました。その後、私の地元の境港で百キロの覚せい剤が上がってまいりました。そして、それが、中国の船舶でありましたけれども、その後の調査で北朝鮮製の覚せい剤だということが判明しております。昨年は高知沖で約三百キロ、百八十億円の北朝鮮製の覚せい剤が上がっております。ということは、上がっていないものを考えますと相当数の北朝鮮製の覚せい剤が今、日本に、そしてアジアに、世界にばらまかれている。そして、それが大きな北朝鮮の外貨稼ぎになっているのではないかなと私は思っております。 また、これは確証はありませんけれども、高知沖のいわゆる船影、覚せい剤を放棄した船影、これはアメリカの衛星が撮っているものでありますが、それと先般の不審船とが大変似た船舶だというような指摘もあります。 こういうようなことを総合的に考えますと、冒頭に申し上げました、我が国も先ほどの勧告、国際麻薬取引等の北朝鮮の犯罪的行為への対処方針、これを強く日韓米の協議で主張すべきである、これは単に日本だけのためではなくて、アジア、世界のためにもそうすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 北朝鮮による薬物等に関する犯罪への関与につき種々の情報があることは承知をしております。北朝鮮の薬物をめぐる活動の全貌につき確たる情報を得ているわけではありませんが、外務省としては、関係機関とも連携しながら、本件に引き続き重大な関心を有し、情報収集に努めているところでございます。米国や韓国との間でも、我が国として必要に応じ、情報交換や意見交換に努めているところでございます。 ペリー北朝鮮政策調整官の参加のもとに行う日米韓協議の日程についてはまだ決まっていないということでございます。
○常田享詳君 私は、北朝鮮との問題につきましては硬軟相あわせて行うべきであるということは当然のことでありますが、やはり拉致疑惑の問題や、こういった麻薬、覚せい剤の問題等についてははっきりと日本の立場を主張していくべきであろうというふうに思っております。外交というのはやはりそのことが非常に大切で、言うべきことは言う、しかしまた相手の求めるところも聞けることは聞いていくということの中から道を見出していくのが外交だろうと思う。これは高村外務大臣が日ごろからおっしゃっていることでありますが、重ねてお願いを申し上げておきます。 次に、自治大臣にお尋ねをいたします。 土、日、地元に帰ってまいりました。ガイドラインの問題については大変関心が高いわけでありますけれども、やはりわからないという声が依然として多くあります。そういう中で、この委員会でも九条の一項、二項について多くの質問が出ましたけれども、私も改めて何点かお尋ねをします。 地方分権推進法や地方分権推進委員会の勧告におきましては、地方分権推進について明確な方向性が出されております。機関委任事務は廃止されます。国の直接執行事務を除けば、自治事務あるいは法定委託事務となるわけであります。これは、国の役割を限定して自治体に権限を大きく移譲する、つまり自治体が一貫して行政過程を担うべく、住民自治、団体自治の理念に基づき自治体の自己決定の範囲を拡大する趣旨であると私は考えるものであります。 一方、自治体への協力要請について、周辺事態法九条の協力要請では、特別の義務を自治体に課す規定はありません。条文にも協力と依頼という言葉があるだけで、義務という言葉はどこにもないのであります。 これまでの御答弁を伺っておりますと、強制ではないと言いながら、一般的な義務規定あるいは罰則のない義務規定のようにも聞こえるわけであります。実際に、九条には義務規定を定めていないわけでありますから、地方自治体の意思決定というもの、これを最大限に尊重すべきことを定めた規定でもあるとも読めるわけであります。 そこで、お尋ねいたします。 まさに、今国会でも地方分権法案が論議されているわけでありますが、この九条の内容に関しまして、とりわけ自治体に対して必要な協力を要請する九条一項につきまして、地方分権推進の趣旨と相矛盾するのではないかという指摘があります。まず、この点につきまして自治大臣のお考えを伺います。 あわせて、九条の規定においては、特別の義務規定のないままに実質的に自治体に義務を課しているように思えるわけでありますが、この点につきましてどのようにお考えになっておられますでしょうか。 また、九条に基づいて港湾などの公の施設の使用協力を行政主体である自治体に求める場合、使用の目的や期限、理由などについて、いつどのような形で自治体に通知することを想定しておられるのか。以上三点、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 地方自治体の協力問題について、本委員会でも随分いろいろ質疑が重ねられてまいりました。 その中で、改めて今、三点御質問がございましたが、それに先立って申し上げて御理解を得ておきたい事柄は、実はこの地方分権一括法案というのは、基本的に平時における国と地方自治体の間の関係をこの際しっかり整理しておこうと。そういう意味で、ややもすれば中央集権的、国が地方をコントロールする、そういうような関係をこの機会にむしろはっきり役割分担を明確にした上で、いわば縦の関係から横の関係、そして協力の関係に切りかえていこうじゃないか、そういうある種の国づくりへの大きな国、地方を通ずる行政システムの再構築をやっていきましょう、こういう角度から今御提案申し上げておるところであるわけでございます。 今回のこの周辺事態法案は、そういう点で多少、純然平時であるかどうかということについて、私はこの前から議論をされているところだと思っておりますし、理解をしていかなきゃならない。それは、日本国の平和と安全と全く無関係な事柄、全く日本とは関係のないような事柄について日本の国民なり自治体が協力を求められるということなのかどうなのか。そうではないのであって、周辺事態というのは、まさに直截的な日本有事ということではないんだけれども、少なくとも周辺の事態であっても日本の平和と安全に極めて重要な影響を及ぼすような事態、これを周辺事態と称しておるわけであります。 そういうときに、全く素知らぬ顔だけで本当にいいんでしょうかという中でこの議論が行われているということを、まずスタートラインにおいて我々は共通認識として持っておくべきではないのだろうか。しかし、そういう場合であったとしても、私たちは、少なくとも国が強権的に地方自治体に対して命令したり、強制的あるいは制裁的な裏づけをもって強制措置を伴ってやってもらうというのではなくて、あくまで協力を求めるという一般的な協力要請、いわばお願いベースということにしてあるというのが基本的なこの法案の立て方になっておるわけでございます。 そういう点で、今、三つの視点から御指摘がございましたが、少なくともあくまでこれは協力を求めるということであり、強制的あるいは制裁的な規定はない。したがって、正当な理由があれば自治体においてこれを拒否されるということを、この法律としては当然のこととして拒めないということにはなっていない。つまり、強制措置、制裁措置を規定していないということを重ねて申し上げておきたいと思うんです。 そこで、いつの時点で、具体的にどの港湾、いつからいつまでということを自治体に通知するのかというお尋ねでございます。 これは、私自身がこの点について、今ここで自治大臣という立場で御答弁申し上げるのは多少権限からずれておるかと。これはまさに、周辺事態が発生したときにいわば基本計画を作成していく、そういう過程の中で個別の事態に対応して、そしてそういう緊急的な環境の中でありますが、基本的にこれは内閣の責任において基本計画というものがつくられていく経過をたどるわけでございます。そういう点で、必要とあらば、これは安危室長の方から御答弁をさせていただいた方がいいかと思います。自治体に対する個別的、具体的な場所、期間等についてのお話はそちらの方から答えていただいた方がいいと思います。
○政府委員(伊藤康成君) 今、自治大臣がおっしゃいました最後の部分につきまして若干補足をさせていただきます。 まず、基本計画におきまして大ざっぱなというか、そういった規定をいたします。基本計画の中では個々の例えば港の名前ですとか、そういったものまではとてもまだ出せないんだろうと思います。ただ、そういった中で、大体どの辺の地域ですとかどういった規模のもの、港湾なら港湾ということでございますが、そういったものをお願いするかというようなことについてできるだけ具体的に定めたいと思っております。 あと、個々具体的な使用ということになりますと、それはそれぞれの関係行政機関の長、港湾の場合でございますと運輸大臣ということで、こちらの方から先生今御指摘のような一定の具体的な条件を含めてお願いする、こういうことになろうかと存じます。
○常田享詳君 なぜこのような質問をいたしますかといいますと、日本海での重油流出事件の思いがありまして、あのときに日本海側の福井県、石川県を初め本当に大変な思いをし、現地に入りましたときに各県の知事さんが、国の縦割り行政の中で地方自治体が何をやればいいのか、どの範囲が許されているのか、国がいつどこで何をしてくれるのか全くつかめない、そのうちにどんどん事態が悪化していってしまったということをそろっておっしゃいました。二度とああいうことが繰り返されてはなりませんので、ぜひ国と地方自治体の間でしっかりと詰めていただきたいと思います。 さて、次の質問に入らせていただきます。 生物兵器の問題であります。 まず、法務大臣と厚生大臣にお尋ねいたします。 アメリカ国防総省の国防情報局、DIAは一九九五年に「北朝鮮──軍事力の基盤」という報告書を発表しております。この報告書では、北朝鮮について、「生物学的物質や微生物を生産・培養するための科学者および施設を保持している。」、「伝統的な感染性の細菌、あるいは毒素や生物兵器を生産する能力を有する。」と指摘しております。 一般に生物兵器に使われる真菌、細菌、ビールスなどの生物剤は発見、探知が困難で、潜伏期間が短く、伝染能力が保持され、保護が困難なことが条件とされております。例えば、エアロゾル発生装置により拡大散布された百キログラムの炭疽病の胞子がワシントンDCのような大都市で散布されれば、一メガトンの水爆が使用された以上の死傷者が出ると言われております。つまり、戦闘地域で一たび生物兵器が使用されれば、甚大な被害が予想されるだけでなく、その治療や被害拡大の防止、二次感染の予防には万全の対策が必要とされるわけであります。 仮に、我が国の周辺事態において、武力紛争で生物兵器が使用され、大量の傷病者が発生した場合、当然、我が国において治療を受けるケースも出てくることが予想されるわけであります。 そこで、上陸診査、検疫のあり方について確認をさせていただきます。 生物兵器の影響で発病、保菌が認められる、あるいはその可能性が高い米軍傷病者が入国をする場合、上陸診査、検疫においてどのような手続がとられるのか。特に直接在日米軍病院に収容される場合と国内の医療機関に収容される場合のそれぞれのケースにおいてどのような対応が考えられるのか。上陸診査については法務大臣、検疫については厚生大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(陣内孝雄君) 日米地位協定の適用を受けるアメリカ合衆国軍隊の構成員につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第九条第二項によりまして上陸が認められることとなっております。 一方、避難民につきましては、治療を要する場合には出入国管理及び難民認定法第十七条の緊急上陸の規定により上陸が認められますが、上陸後は適正な治療等の措置がなされるよう関係各機関と連携し、適切に対処をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(宮下創平君) 検疫についてお答え申し上げます。 周辺事態に際しまして、生物兵器により発病、保菌した者が搬送され入国する場合の検疫につきましてですが、我が国の検疫所で原則実施することになります。ただし、米軍が米軍基地から入国する際の検疫につきましては、日米地位協定に基づき設置されました日米合同委員会による合意によりまして、米軍により行われることとなっております。 この場合の検疫につきましては、検疫法に基づきまして、病原体の種類に応じた対応が行われることとなっておりまして、具体的には、感染症新法上の一類感染症、コレラ及び黄熱並びに新感染症に罹患しているかどうかについての診断等が行われる。その結果、一類感染症及びコレラの感染、コレラの患者並びに新感染症の所見がある者が発見された場合におきましては、感染症指定医療機関に輸送、隔離して、必要な医療手続が提供されることになります。また、検疫の対象として検疫法に明記されていない感染症でありましても、検疫が行われなければその病原体が国内に侵入し国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれのある場合には、政令で検疫の対象とすることができるようになっております。 いずれにいたしましても、実際の周辺事態に際しまして生物兵器による御指摘のような事態が生じた場合には、とられるべき対応の具体的な内容は事態ごとに異なるものでございますから、あらかじめ具体的に確定していくことは困難でございますけれども、他のいろいろの問題と同様に、法令、周辺事態ごとの閣議決定で決められる基本計画に従いまして、関係省庁とよく連絡をとりながら適切な対応を図るべきものと考えております。
○常田享詳君 私は薬剤師でありますので、ちょっとしつこく質問をして申しわけございません。 私も大変この問題を危惧しております。例えば、エボラ・ザイール・ウイルス、いわゆるエボラ出血熱の場合、ビールスをかぶればほぼ一〇〇%が感染すると言われております。しかも、一たび感染すれば八〇%以上の人が死に至ると言われております。このような生物剤が使用された場合、原因特定のおくれは二次的な感染や被害の深刻な拡大を招きかねないわけであります。したがいまして、細菌、ビールスについては事前にしっかりとした研究、対策を行うことが大変重要になってくるわけであります。 そこで、防衛庁長官にお尋ねいたします。防衛庁はこれまでに生物兵器に対する検知及び治療、救護についてどのような研究、対策を行ってこられたのか、またこの分野での世界的権威であります米国との間でどのような形で知識やノウハウの共有が行われているのか、以上二点お尋ねいたします。
○政府委員(坂野興君) 防衛庁の生物兵器に対する対応についての御質問でございますが、生物兵器はその実態が必ずしも明らかではございませんで、また生物剤につきましては、一定の潜伏期間がございまして、通常、発病までに時間を要するため、その使用の有無を直ちに判断することは困難でございます。先ほど先生の引用された文書にございましたように、何か散布したということになりますと、エアロゾルの雲が発生するとかといったことでの一つの端緒はございますが、それに対しましても、何が散布されたかということを特定するということは非常に難しい実態でございます。それで、現在のところ防衛庁といたしましては、一般的な病原体の対応としての感染症治療の研究を行っているというところが現状でございます。 また、先生御指摘になりましたように、確かにアメリカはこういった分野について非常に私どもよりは研究が進んでおります。そういう意味で、生物兵器対策に関する研究開発の進んでいる米国との情報交換は非常に重要なことと考えておりまして、このため、防衛庁としても可能な限りアメリカの生物兵器対策等に関し、主に米国における文献や米軍関係者等を通じての情報収集を行っているところでございますが、まだ十分なところまでは行っておりませんので、今後さらに情報収集等に努めてまいりたいというふうに考えております。
○常田享詳君 今まさに日本の問題点を答弁されたわけでありまして、特に新興感染症等、先ほど申し上げましたエボラ出血熱等の細菌がエアロゾルでばらまかれた場合、それがエボラ出血熱であるということは日本ではわからないんです。わからない理由を今から申し上げたいと思います。 これまで防衛庁がリーダーシップをとって主体的に生物兵器の研究、対策を進めることができなかった、そのことは私も十分理解しております。細菌やビールスの研究は、本来厚生省が中心になって行うべき問題であります。生物兵器に使われている生物剤も、リスクの高い細菌、ビールスとして研究、対策が必要なものばかりであります。 米国はCDC、米疾病対策センターを中心にしてBSL4、バイオセーフティーレベル4と呼ばれる高度な実験室を有しており、そこでリスクの高い細菌、ビールスの研究を行っております。この実験室は米国陸軍内にもあり、エボラビールスなどのワクチン開発を行っていると聞いています。BSL4は、ほかにもイギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアなどの国々にもございます。ところが、我が国にはこのBSL4がありません。アジアにもありません。 したがいまして、我が国においては、生物兵器に使われるようなリスクの高い細菌、ビールスの感染が疑われても、原因の特定やワクチンについて米国のCDCの判断を一々仰がなければならない事態が十分予想されるわけであります。迅速な治療、二次感染の防止のために、我が国にも早急にBSL4を整備し、日ごろよりワクチンの開発や診断、治療の研究が必要なわけであります。一日おくれると大変な数の人が感染されていくわけでありますから、一々アメリカに問い合わせていたのでは対応できないということを申し上げているわけであります。 先ほど申し上げたように、日本にはBSL4がございません。アジアにもありません。私は、日本のためというだけではなくて、アジアの国々に日本が貢献するためにも、経費的にもかなりかかる施設であります。危険な細菌、ビールスについて、現在のように米国のCDC任せにするのではなくて、日本の国民、アジアの人々、その安全と健康を守るという観点からも早急に我が国にBSL4を建設する。先進国でこの施設がないのは日本だけと言っても過言ではないわけであります。 今まで、そのことに御苦労されてこられましたけれども、状況が大きく変化しております。安全性の高いすばらしい研究機関を併設したBSL4の建設について、厚生大臣の力強い前向きな御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 生物兵器の病原体でございますが、現時点で具体的には想定できませんが、今、一類感染症であるエボラ出血熱を例に引かれまして委員が御質問でございますが、これは病原体等安全管理基準というのがございまして、今申されたようなP4レベル、これによる対応が必要な病原体、その可能性は十分あると考えられますので、これらの施設を整備することは非常に重要なことでございます。現在は御承知のように国立感染症研究所で、東村山市にございますが、これはもう完成しておりますが、地域住民あるいは市議会等の了解が得られないために稼働しておりません。 そういった事態にありますので、私どもとしては、それがなくてもあるいは分離、同定できるような方法がないかどうかというようなことの検討もしておりますし、現にそういうこともある程度行われるという状況でございますが、そしてまたどうしてもだめな場合は、今御指摘のように、アメリカのCDCに協力を含めてやっております。 私どもとしては、既存のP4レベルに相当する施設を何とか稼働させるべく、今、東村山市とも、課長等が訪れてまいりまして、耐震構造の検査をやるとか、いろいろ住民の理解を求めて、これが稼働できて、そしていざという場合に対応できるような措置を実施できるようにしたいというように考えております。
○常田享詳君 最後に、要望にとどめますけれども、私は、今の東村山の問題に固執することなく、その後も期間がたっているわけでありますから全く新しいもっと安全性の高い、そして先進国には今どんどんできている、アジアには一つもない、先進国の中では日本だけがない。 そういう状況でありますから、東村山だけに固執することなく、併設されている研究機関の分室があります。分室とあわせて、新たに構想を練り直して、そして事前に十分国民の方々、住民の方々等の理解を得る中で、一日も早くこの問題を解決していただきたい、そのことを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。(拍手)
○畑恵君 自由民主党の畑恵でございます。常田議員の関連で質問させていただきます。 さて、私自身、我が国の安全保障にとりまして日米同盟のより一層の強化というのは常々欠くべからざるものと認識しておるんですけれども、今回の新ガイドラインに基づくさまざまな法案の審議をずっと聞いておりまして、そもそもどのようなシナリオのもとで行われているのかということが依然不透明だなという感が否めません。そのシナリオの大筋を国民に示すこと、たしか先日、椎名議員は設計図という含蓄のあるお言葉を使われたと思うんですけれども、その大枠を示すということが今最も必要な気がいたしております。 どのような事態に対して日本がどのように関与していくのか、その具体的なシナリオが余りにも漠としていることが国民の不安感を必要以上にあおって、平和と安全を守るための新ガイドライン三法案であるはずなんですけれども、それがあたかも参戦に道を開く法案のように勘違いというか誤解してしまう方が多数出ているのは大変残念なことだと思っております。 そこで私は、少々青臭いと言われるかもしれないんですけれども、ここは一度原点に立ち戻りまして、今回の周辺事態法案などに基づくシミュレーションをある程度行って、それぞれの事態におけるシナリオと具体的な対応について十分問題を整理しておくべきではないかと考えます。 私が今言いますシミュレーションというのは、リムパックなどの日米共同演習でのいわゆる机上シミュレーションではありませんで、むしろそうした戦闘状態に至るまでのさまざまなグレーゾーンがございます。今国会では皆さん方、黄色信号というのを随分使われていらっしゃいましたけれども、そうした事態をさまざまな場合を想定して、政治の動き、行政の動きあるいは世論の反応など、こうしたことを包括してシミュレーションして、国民全般にあり得べき、起こり得るべき危機というのを目に見えるように提示することというのが必要ではないかと考えます。 シミュレーションを行って、今後現実に起こり得る危機に対する認識を国民と共有すること、これによって、先ほど自治大臣の方から協力要請だというお話がありましたけれども、地方公共団体ですとかそれを支える国民の方々、そうした一人一人の国民とこの法案とのかかわり方、協力の仕方というのもおのずと見えてくるのではないかと思うんですけれども、担当の大臣の方々、どのようにお考えでございましょうか。まず、防衛庁長官から。
○国務大臣(野呂田芳成君) 防衛庁としましては、これまでも任務遂行のために必要な研究を常日ごろから行っているわけでありますが、この法律が成立した場合には、この法律に規定される自衛隊の活動を含め周辺事態に際して自衛隊が行うべき活動についての検討を防衛庁内で行っていくことは当然と考えております。私としても、自衛隊の出動等が必要とされる重要事態が発生する場合における所要の対応のあり方について、防衛庁内に重要事態対応会議を設置しまして、目下鋭意検討を行っておるところであります。今後とも、遺漏なきを期してまいりたいと考えております。 ただ、これらの検討の具体的な内容については、緊急事態の対応ぶりにかかる問題であることから、その内容を明らかにすることについては適切ではないと考えております。しかし、防衛庁としては周辺事態において日米が行う活動について、幅広い御理解を得るために中間報告等の公表など、指針見直し過程における透明性の確保に努め、見直し過程におけるさまざまな御議論を踏まえて、自衛隊の行う活動を新たな指針において整理してお示ししているところであります。 今後とも、国会における御説明等を通じて御理解を得られるように努力してまいりたいと思います。
○畑恵君 自治大臣はいかがでございましょうか。
○国務大臣(野田毅君) 先般、宮澤大蔵大臣から、長い間の政治家の反省、思いを込めてお話がありました。 私は、率直に言って、ややもすれば戦後のいろんな過程の中で、そういう危機そのものを想定したくない、だから危機をもたらさないことが政治家の務めではないか、その種の議論が、それはそれで願望として間違っているということじゃないんです、それはそれで非常に貴重な考え方だと思います。しかし、国民の生命、財産を断固として守り抜くという、これは政府の、あるいは国家としての一番大事な役割で、その点について万々が一、日本が何も悪いことをしなくても何かあり得るかもしれない、そういうときにどう対応するのか、そのことについてあらゆる角度からきちんとした対応を、平時においてこそきちんとした対応を決めておくということが大事ではないか。 この間を揺れ動いてきたことも事実であって、関係の省庁において、具体的な事態を想定してのことではないにしても、せめて体制整備、あるいは法制面、いろんな関係省庁の連絡体制、そういったことについてもきちんとした対応をしておくべきではないかというような問題意識から何か試みようとしたときに、常にこの国会においていろいろ議論が起きて、結果としてそれは時期尚早という中で、なかなかその先には進めなかったということを繰り返してきた。これは私は厳然たる事実だと思います。いい悪いという価値判断は、この際は申し上げません。 しかし、そういう中で、今回の場合、先ほど常田議員にも申し上げたのですが、この周辺事態法案というのは日本の平和と安全と全く無関係な事柄を周辺事態と言っているのではないのであって、ここのところが私はもう少しきちんと理解されるべきことではないのかということを申し上げてきたわけでございます。そういう点で、今、畑議員からの非常に真摯な御質問について、改めてその思いを痛感いたしておる次第でございます。
○畑恵君 非常に率直な御所見を伺いまして、ありがとうございます。 情報公開の仕方というのは、先ほど野呂田防衛庁長官がおっしゃられたように、非常にこうした問題についてはセンシティブですし、難しいのはよく存じ上げております。ただ、だからといって全部覆い隠してしまうと本当に大きな誤解が生じてくる。 国会の前にずっと座り込みをなさっていらっしゃる、今も太鼓の音が聞こえていますけれども、私は本当にいつも胸締めつけられる思いでございまして、どうしてこういう誤解がそのままになってしまっているのだろうと。一人一人の国民の皆さんにしっかり説明するというのが私ども政治家の一番の役割だと思っていますので、本当に力足らずなことを悔いております。 ただ、シミュレーションをした場合に、私自身は、現行法の中で行えます日本の防衛活動、これは非常に制限されているということが恐らく国民の皆さんにもわかっていただけるというか、わかってしまうことが出てくると思います。また、実際に国民を救うということがいかに今のままでは困難であるか、同時に、防衛活動に現場で当たる方々がいかに多大な苦難、苦痛、あるときには犠牲ということまで起き得るのではないかということも国民の皆さんによくわかっていただけるのではないか。 先ほど野田大臣の方からも、宮澤大蔵大臣、元総理としてのお言葉だったと思うんですけれども、私自身は下から数えて何番目の若輩議員でございますけれども、ああした御自身の気持ちをすべて吐露していただいて、率直な御意見というのは共感しますし、非常に感銘も受けました。国民の皆様方にそれぞれ何を今考えてどういう行動をしているのかを知っていただくための国会でございますので、そういう御意見をどんどん拝聴できれば大変ありがたいと思います。また、なかなか難しいとは思いますけれども、一歩でも二歩でも、そうしたシミュレーションまで行く前段階ぐらいまででも情報公開がなされて、国民の皆さんと私どもの距離が近づけばいいなと思っております。 では、ここで変わりまして、今度は情報機能に関する相互協力体制の整備ということについて伺ってまいりたいと思います。 今回の新ガイドラインに基づいて日米防衛協力を実効あらしめるために最も基本的な重要事項の一つは、やはり情報機能における相互協力体制の整備、これではないかと認識しております。 なぜかと申しますと、現在、米軍の情報機能というのは、ジョイントビジョン二〇一〇を背景としまして統合情報システムが構築された結果、極めて高度化されていて、また従来の縦割り型、いわゆるストーブパイプ型という、それぞれ煙突が縦に並んでいるのではなくて、組織を横断的にシームレスに見ていこうという、そうした方向に大きく転換しております。 これに対して我が国の防衛体制はどうかというと、確かに高度化というのは今急ピッチで進められていて、私も市ケ谷の情報本部を視察させていただいたんですけれども、ただ、まだ大分組織体制というのは縦割りを残しているな、組織だけではなくて、それ以前の意識の問題としてなかなかシームレスというのは難しいなというのが実感でございます。 今後、4CIに基づいて行動を展開する米国との間で相互運用上問題は生じないんでしょうか。また、新ガイドラインを実行するに当たって何か改善の余地がこの情報機能にあるとすれば、具体的にどのような措置が必要なのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 委員御指摘のとおり、米国との間で相互運用性を確保することは我が国防衛上極めて重要な問題でございます。このような観点から、我が国としては、従来より米軍との通信手段の確保を含め米軍との相互運用性の向上に努めてきたところでございます。 新しい指針の実行に当たりまして、米軍との相互運用性を確保する上で必要となる措置の具体的な内容については今後の検討を待つべきものでございますけれども、いずれにせよ、御指摘のように米国は4CIを極めて重視しているところであり、新指針の実効性を確保するためにも、防衛庁としては、このような米軍との相互運用性の確保を念頭に必要かつ十分な検討を行ってまいりたいと思っているところでございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 全体状況としてはそういうことだと思うんですけれども、陸海空それぞれ米軍の三軍が展開しているプロジェクトというのがございます。それと三幕との連携というのはどうなっているのか、もうちょっと詳しいところを、事務方の方で結構ですので、教えていただけますでしょうか。
○政府委員(柳澤協二君) 先生お触れになりましたジョイントビジョン二〇一〇に基づきまして、以前は米軍の方も3CIという概念でやっておりましたのが、コンピューターを一つつけ加えて4CIということで相当な近代化が進められつつあると承知しております。 私ども自衛隊の場合は、グローバルに軍隊を展開し、そして大統領の指揮命令と現地司令官の判断の間のパイプをシームレスなものにするというか、太くするという相当大きなニーズを持った米軍と比べますと、私どもは基本的に専守防衛でございますし、若干その規模等の違いは当然あるわけでございますけれども、一方で、コンピューター化が自衛隊の方でも進んでおりますし、特に来年から運用を開始します市ケ谷の新中央指揮システムの運用の開始に合わせまして陸海空それぞれが、進んだ指揮システムあるいは情報の集約システムを今構築しつつございます。 それぞれのところでは、陸でありますと、方面隊の指揮システムと陸幕のシステムをオンラインでつなげまして、さらにそれが中央指揮所におきまして中央システムという形に集約されるという、そういう形にしております。 陸海空それぞれでどうかということでいきますと、現場レベルとそれから中央の幕僚作業レベルと両方ございますが、限定的ながらでございますが、それぞれ共通の通信器材を保有する、あるいは一部データ交換のできるシステムを持つなどしまして、中央同士のやりとり、それから現場同士のやりとりが可能になりつつあるという状況でございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 今、情報共有体制に向けて着々と進んでいるというお話を伺いました。 ただ、そうなってきますと、一方で重要性を増してきますのがネット上でのセキュリティーの問題でございます。 湾岸戦争の際に、多国籍軍による航空攻撃が開始されてわずか二十八分後にイラク軍がほぼ完全に指揮統制機能を失った。これは、米軍がイラク軍の情報機能を攻撃してそれを麻痺させてしまったからだと言われています。これを見てもわかりますように、これからの軍事作戦というのは、相手の通信ネットワークを攻撃して情報伝達系を破壊もしくは攪乱するといういわゆる情報戦争に大きく、しかも早急にシフトしていくものと思われますけれども、こうした傾向に比例して、暗号技術を初めとした情報セキュリティーの整備が日米協力の中でより重要性を増していくと思います。 米軍と共通の情報セキュリティー規格、標準ですね、この制定ですとかさまざまな問題があると思いますけれども、今回の協定の中ではどのようにこの問題は盛り込まれているんでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御指摘のとおり、指揮・通信システムの抗堪性の向上とかコンピューターシステムにより処理される情報の保護や機能の保全等の各種措置の推進は重要と考えております。 新しい指針におきましては、指針のもとで行われる日米共同作業の一環として、自衛隊及び米軍が日本の防衛のための整合性のとれた作戦を円滑かつ効果的に実施できるよう、共通の実施要領等をあらかじめ準備しておくこととされております。この際、自衛隊及び米軍は、通信電子活動等に関する相互運用性の重要性を考慮し、相互に必要な事項をあらかじめ定めておく、こういうふうにされております。 御指摘のセキュリティーの問題につきましては、大変大事な御指摘でありますので、そのような作業の一環として目下検討し、これからも検討を重ねていくこととしております。
○畑恵君 ありがとうございます。 どうしても、情報を共有化してシームレスになりますと、今度は防衛関係だけではなくて民間のさまざまな通信機能というのもそのアーキテクチャーを使うことになりますので、本当にセキュリティーというのは非常に重要な問題だと思いますので、真剣に取り組んでいただくとともに、ぜひスピードアップを図って、予算もつけて、お願いいたしたいと思います。 さて、そうして日米間でシームレスな情報管理体制を整備したとしましても、日本国内の防衛体制が縦割りのままでは、日米防衛協力の方も実効は望めないと思います。 先ほど三幕間の連携体制、協力体制というお話は伺いましたけれども、今後、警察、海上保安庁、防衛庁そして外務省、それぞれの情報機能に関する連携の強化が図られなければいけないと思いますし、先ほどの陸海空三幕の間での情報共有体制というのも、例えば共通のデータベースをつくって、当然秘匿はしっかりかけるわけでありますけれども、必要なときに必要な部署の方が情報を取り出せて作戦を組めるというような体制をつくっていかなければいけないと思うんですけれども、その国内の環境整備にどのような課題があってどのように対処していく御予定でいらっしゃるのか、関係大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 現下の不透明で不確実な国際情勢において、専守防衛を旨とする我が国にとりましては、何といっても情報機能の充実はより一層重要になってきていると認識しております。その一環として、陸海空三自衛隊の間、あるいは防衛庁と関係省庁との間において、情報面で緊密な連携を維持することは極めて重要なことであると考えております。 防衛庁としても、従来からそのような観点に立って鋭意情報機能の強化に努めてきたところでありまして、このような努力の一環として、平成九年一月に庁の中央情報組織として情報本部というものを新設したところでございます。 この情報本部では、従来、内部部局、各幕僚監部、統合幕僚会議などのおのおのの情報組織がそれぞれ独自に情報業務を行っていたため、防衛庁全体としての情報処理や分析が必ずしも効率的に行われなかったといううらみがございました。そこで、それを改めまして、各種情報を集約しまして総合的に処理分析して、自衛隊全般を通じて必要とされる情報などを作成し、関係機関に配付することとしております。 防衛庁としましては、今後とも、情報本部の機能及び運用体制の充実を図ってまいりたいと考えておるところであります。 また、防衛庁としては、従来から情報業務に関した関係各省庁との緊密な連携を図ってきたところでありますが、先般の北朝鮮の弾道ミサイル発射事案やあるいは不審船事案などを経ましてこのような連携の重要性を一層強く認識しているところでございます。このため、関係省庁との間の情報に関する連携や協力を一層緊密なものにしよう、そういうことで、防衛庁に重要事態対応会議を設けましてそういった問題について連日熱心に検討しているところでございます。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国の情報機能の強化につきましては、御指摘ありましたようにまさに政府全体としての問題でありまして、外務省においては、今後とも情報の収集分析及び報告に関する機能の充実強化に努めてまいる所存でございます。 具体的に言いますと、例えば昨年十月二十七日の閣議において内閣情報会議が設置され、政府全体の情報機能強化についての具体的施策が図られたところでございます。 今後とも、我が国の安全保障等に資するため、政府全体としての情報機能の強化、体制整備について外務省としても努力していきたいと考えております。
○国務大臣(野田毅君) 今、両大臣から基本的に御答弁申し上げたとおりでございます。 この問題は、防衛体制ということのみならず、警察庁におきましても、そのほか海上保安庁、防衛庁、外務省、いろいろ関係省庁ございます、これが平素から緊密なそういった情報交換を行って、今日、そういう連絡をとり合っていろいろな事柄に対して的確な対応がとれるように平素からの体制をとっておるということでございます。
○畑恵君 三大臣、ありがとうございました。 これはノンフィクションではございませんけれども、大分話題になりました麻生幾さんが書かれた「宣戦布告」という本がございます。この中で、実際は違うんだというお話もたくさん伺いますけれども、それぞれの情報機能の、特に連携というのが難しくてなかなか事態の収拾に向かわないという状況が描かれておりますけれども、ぜひ現実でそういうことのないように、公開はできなくても中では十分なシミュレーションをしていただいて連携を図っていただきたいと私は思います。 さて、おしまいに情報収集衛星について一、二伺わせていただきたいと思います。 日本は、北朝鮮のテポドンミサイル発射以降、情報収集衛星を保有することを決定したわけでございますが、御承知のとおり情報収集衛星は静止衛星ではございませんので、定点的にミサイルの発射の瞬間をとらえるということはできません。つまり、ミサイル防御を日本が実現するためには、朝鮮半島上空に位置している米国の早期警戒衛星からリアルタイムで情報を送ってもらわなければいけない。この体制の構築というのは、なかなか難しいと思います。 さらには、日本の情報収集衛星から送られてくる画像情報を、そこから単なるインフォメーションではなくてインテリジェンスと呼べるぐらい防衛に価値のある情報というのを抽出しようとしますと、これもかなり熟練した解析体制というのを整備しなければいけない。そのためには、米国の協力というのが欠かせないものだと思います。 こうした情報収集衛星をめぐります問題に関して、米国との協力体制というのは今どのような段階に至っているのか、お話しできる範囲で結構でございますので、お教えいただけますでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 日米安保体制のもと、我が国政府は従来より米国との間で必要な情報交換を行っているところでありますが、この一環として平成八年四月より早期警戒情報を受領できる体制になっているところでございます。 この早期警戒情報は、我が国に対して飛来する弾道ミサイルに関する予想データを、発射後短時間のうちに米国が解析して自衛隊に伝達する情報でございます。昨年八月の北朝鮮における弾道ミサイル発射事案においても、迅速に米国から私どもに伝達されたところであります。 また、御指摘の情報収集衛星の導入につきましては、内閣官房を中心として政府一体となって取り組んでいるところであります。防衛庁としましても、これまで画像情報業務を通じまして得た情報、画像解析等に関する知見を活用して情報収集衛星の解析体制の整備に協力してまいりたいと思っております。 また、米国は我が国の同盟国であるとともに、衛星画像データの解析に多大の経験を有しておりますことから、情報収集衛星の導入に当たりましては、解析要員の養成のための協力を含め緊密に連絡をとり合っていくものと考えております。
○畑恵君 ありがとうございます。 追加してなんですけれども、解析要員の養成ということがこれから始まっていくと思います。どれぐらいの人数をどういう機関、どのようなところで養成することを考えていらっしゃるのか、事務方の方からでも結構ですので伺えればと思います。 そして今、防衛庁もイコノスに対応するという形でIMSSなどターンキーシステムで地上系を導入していると思うんですけれども、やはりターンキーで、要するにターンキーというのは一つかぎを回せばすべてが動く、そのかわりに中はブラックボックスで、中はどうなっているのかわからないというのがターンキーシステムでございますけれども、こういう形でずっと導入しているのでは日本の中に技術というのも蓄積されませんし、いざというときに本当に日本が自分自身の国を守れるのかというのも不安が残るなという気がするんですけれども、今度の情報収集衛星ではどのようなシステムを地上系として導入することを考えていらっしゃるのか、あわせて伺えればと思います。
○政府委員(佐藤謙君) 情報収集衛星の問題につきましては、先ほど大臣の御答弁の中にもございましたように内閣情報調査室がこの取りまとめ役といいましょうか、そこが中心になって検討されております。 したがいまして、私どもの方から申し上げるにはいろいろ限界があるところでございますが、解析要員の養成というのも、これはかなりの規模のものが必要になってくるだろう。また、平成十四年度に打ち上げるということを考えますと、これも時期的にかなり急ぐ必要があるだろう、こういうふうなことで、まずその規模。それから、実際どういう形で要員を養成していったらいいのか。アメリカに協力をいただくわけでございますが、どういう形でそれに協力をしていただいたらいいのかということも含めまして、今、関係省庁も含めまして鋭意検討中でございます。 それから、私どものIMSSの件でございますが、これにつきましては、アメリカの商業衛星、これが、解像度一メートル程度のものが入手できるという状況を踏まえまして、それのデータを情報活動に効率的に活用するために平成九年度から整備に着手しているところでございます。 一方、情報収集衛星につきましては、これは我が国で開発を進めるということでございますので、今、先生おっしゃいましたターンキーということにならないような形になるものと、こういうふうに私は考えております。
○畑恵君 時間が参りました。どうもありがとうございました。(拍手)
○前川忠夫君 民主党・新緑風会の前川でございます。 衆議院では既に九十時間を超す審議が行われ、さらには参議院でも先週月曜日からちょうどこの十一時で三十五時間の審議が行われているわけですが、よその党の方のことを申し上げるのは僣越ですけれども、例えば自民党の議員の方が質問をされる場合でもなかなかわかりにくいところがあるというお話をよく聞きまして、私だけが頭が悪いのかなと思って大変心配をしておったんですが、必ずしもそうではないなというふうに妙な安心の仕方をしております。 私は、この議論をずっと聞いておりまして、いろんな議員の方から質問される内容が同じような内容の質問であるからということもあるのかもしれませんが、答弁もほとんど同じなんですね。これは当たり前と言ってしまえば当たり前なんですが、それでは疑問が解消されないんです、不思議な話で。 もう少し問題点をきちっと政府委員の方も含めて関係大臣の皆さん方もしっかりつかんでいただいて、国民の疑惑、疑問に答えていただく、そういうことをしていただかないと、恐らくこの議論はすれ違いのままで最終段階まで行ってしまうんじゃないかという心配を実は私はいたしています。 事、安全保障やあるいは外交の問題というのは、国内、つまり日本の中でさまざまな法制度をつくる場合にはさまざま賛否両論あるケースもありますから、多少多数決の論理みたいな部分があることを私は頭から否定するものではありません。 しかし、外交とか安全保障というのは、例えば内閣がかわった場合でも翌日から制度を変えてしまうというわけにはいかない、そういう性格のもの。つまり、政策の継続性というのは諸外国でもある程度は求められる。 こういう性格のものであるがゆえに、大多数のやはり国民の、当然ですが議会の中でも支持を得られるものでなければならないんじゃないか、そんな思いがしてならないんですが、残念ながらこれまでの議論を聞いておりますと、どうも積極的に国民の理解を求めようという姿勢が見られないという感じがしてならないんですけれども、これは私の方の考え方の取り違いなのか、あるいは理解不足というふうにお考えなのか。基本的なことですので外務大臣と、それから具体的な課題に入ります前ですので防衛庁長官、それぞれの御見解を最初にお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) できるだけわかりやすく御説明しようと心がけているつもりでございますが、私どもの能力の問題もありましてなかなかできなくて大変申しわけないということが一つあります。それともう一つ、具体的な想定に基づいて具体的に答えれば国民はわかりやすいという面は確かにあるんだろうと思います。 ただ、この法案の性格上、周辺事態になる場合には、それはどこの国の場合でもそうなんですが、どこかの国が国連憲章に違反して不法な侵略等を行ったような場合に周辺事態になるというのが非常に多いわけで、それを、今そういうことをしていないにもかかわらず、どこかの国、特定の国がしそうだぞと日本国外務大臣が言ったというふうに受け取られることは非常に困る。外交上も困る。そう言わないにしてもそういう誤解をされること自体がまた困る。そういうことで、具体的に御説明した方がわかりやすいという面と、それが非常に言いにくいという面で非常に苦労している面があるということは御理解いただきたい、こう思うわけでございます。 そして、確かに答弁が繰り返しになっているという御指摘もそのとおりであるわけですが、やはり法案の性格上、正確な定義を申し上げた方がいい、一方でわかりやすく説明するためには自分の言葉で、少しぐらい正確性を欠いてもいろんな方向から説明した方がいい、両方あるんだろうと思うんです。そこの言葉が一つ違ったことによってまた次のときに大変追及されるというようなこととか、いろんな利害得失がありまして今のような答弁になっているということをぜひ御理解いただきたい。 確かに、委員が御指摘のような面があるということは私も理解をしております。
○国務大臣(野呂田芳成君) 外務大臣から御答弁されたのと私も同じでありますが、どうしてもやはりこの法案のポイントは周辺事態とか後方支援あるいは公共団体や民間の協力の問題、そういう問題が非常に象徴的に重要な問題として出てくるわけでありまして、したがってそういう問題に関する私どもの答弁も繰り返しになる嫌いがあるということを私も感じておるわけでございます。 委員御指摘のようなことが少しでも解消されるように我々も精いっぱい答弁申し上げて、国民の理解を得るように努めたいと考えております。
○前川忠夫君 国民の皆さんから見ていろんな議論が出る一番根本の原因は、戦争とか紛争あるいは軍備とか軍事力、そういうものが必ずつきまとうから恐らく不安になるんだろうというふうに私は思うんです。 だれしも戦争、紛争を好むわけではないわけですから、平和的に解決ができればこれはある意味では世の中万々歳ということになるんでしょうが、私も軍事力というのがある意味で抑止力になっているという部分を頭から否定するつもりはありません。私は実は武田信玄という武将が好きでありまして、甲府にもよく行く機会があるんですが、武田信玄は城らしい城というのは最後までつくらなかったんですね。精神は、人が石垣と。今、ユーゴで人の盾という話がよくありますけれども、そういう意味ではなくて、幾ら立派な城をつくってもそこの領民の心が離れてしまっては国は守れない、領民の支持を取りつけること自身が国を守ることにつながるという発想だというふうに私は思うんです。 そうしますと、現代と戦国時代とでは事情はもちろん違うわけですけれども、少なくとも日本の場合には終戦直後、さまざまな議論があることは承知をしながら申し上げますが、憲法第九条で戦争放棄を高らかにうたい上げて、幸いにして戦後五十四年間大きな戦渦にもまみれずに過ごすことができました。そして、つい先ごろ終わりましたハーグの平和市民会議の中でも、日本国憲法九条の基本原則というのが国際的にも高い評価を受けているのは御案内のとおりです。 そうしますと、こういう今のような時代の中で、さまざまな事態に備えるということはもちろん大切なことなんですけれども、そうではなくて軍備にまさるものはないだろうか、あるいは軍事力にまさるものはないだろうか、そういう選択肢を求めることも非常に大事なことなのではないか、私はこのように考えます。 そういう意味で、第二次大戦以降、軍事力で相手を屈服させるといったようなケースが一体どれだけあったのか、大臣、細かくは結構ですから、もし大ざっぱに記憶に残るようなものがございましたら、御指摘をいただければありがたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 軍事力で自衛の目的を超えて他国を侵略したケースとしては、一九九〇年のイラクのクウェート侵攻があったと思います。
○前川忠夫君 結局、イラクのクウェートへの侵攻も結果的には撤退をする、もちろん多国籍軍の介入によって撤退をするという結果に終わりました。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕 そういう意味では、軍事力によって他国を制圧するということは極めて困難だというのは、これは戦後の歴史だけを見てもある意味では明らかなわけですね。ですから、私は、軍事力というのはあくまで抑止という視点でしかとらえるべきではない、そういう気持ちが強いということをあえて申し上げておきたいと思うんです。 それでは、一九八九年の冷戦終結後のいわゆる戦争とか紛争の認識について大臣にお伺いをしたいんです。 私は、確かに一九八九年にあのベルリンの壁が崩壊をする以前と以降では、国際的な紛争の内容にかなり顕著な違いが出てきたんじゃないか。もちろん、冷戦の時代にはそれが抑え込まれていた、あるいは隠されていたと言った方がいいのかもしれませんが、民族ですとかあるいは宗教ですとか、そういうものの対立による戦争、紛争というのがこの十年の間に多発をしている、あるいはそういう可能性といいますか火種があちこちに存在をしている、こういう事実ももちろんあるわけです。 古くは既に三千年、四千年の昔から宗教というのはあったわけで、この対立というのもありました。それから、民族の対立というのはもう長い歴史があるわけですね。私は、この問題は軍事力によって解決ができるものではないという考え方を持っているんですが、この辺の紛争の背景、認識については大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 冷戦の終結に伴いまして、世界的な規模の武力紛争が生起する可能性は遠のいているわけであります。 他方、冷戦終結後、貧困だとかあるいは民族的、宗教的な対立、さらには冷戦構造の崩壊過程からくる過渡的な政治的、社会的混乱等に起因する複雑で多様な地域紛争が発生しているわけでありまして、これが大量破壊兵器が拡散する危険性の増大、テロの深刻化と相まって、いわば脅威の多様化とも呼べる状況を招来しているんだろうと思います。
○前川忠夫君 これは後ほどまた若干触れたいと思うんですが、例えば今のコソボに見られるユーゴとNATO軍との対立も、もともとは領土の問題もあり宗教上の問題も若干絡む、そして民族の問題というある意味では冷戦後の象徴的な事態なんじゃないかというふうに私は思います。そこに第三者が介入をすることの是非というようなものも私は存在をしているような気がするんです。 したがって、これからの国際秩序という点を考える場合に、やはり国連の役割というのは非常に大きいというふうに正直私は思っていますが、残念ながら今度のユーゴの問題では、つい昨日ですか、調査団が入ったようですけれども、国連がその仲介の労をとれるあるいは紛争解決のための力量を発揮できる条件が整っていないというのは大変残念なんです。そういう意味では、私は民族紛争やあるいは宗教対立というのは第三者から見てそう安直に判断を下すべきものではないという感じが一つ実はするわけです。 そこで、具体的な例はあえて申し上げませんけれども、さまざまな戦争とか紛争というものには常に両面があると私は思うんです。ユーゴの場合ももちろんそうなんでしょうが、例えば今度の周辺事態法との関連でよく名前が挙がります北朝鮮の問題、これとても私たちの立場、あるいは日本の立場と言った方がいいのかもしれませんが、さまざまな北朝鮮に対する疑惑というのが存在をしています。そういう意味では、私どもが正義で北朝鮮が悪という見方というのはよくされるわけですね。 私は、国家間の対立における正と悪あるいは正邪の区別というのは一体だれがどこでつけるんだろうかというふうに考えますと、そのことをもって戦争を肯定するあるいは紛争を肯定するというのはやはり間違いではないのかという考え方を実は持っているわけですが、これらの問題について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 特に北朝鮮のような国の場合には、一体北朝鮮の皆さん方がどんなことを考えておられるのか、あるいは金正日総書記がどんな考え方を持っておられるのか、ほとんど情報が入ってこないという状態の中で、アメリカにしても私どもにしても一定の判断を下さなければならない、あるいはそういう備えをしなければならない。そういう一方的なやり方というのが本当に問題を解決する道につながるんだろうかという思いがしてなりません。幸いにして、近々北朝鮮の方へ何とかパイプをということで使節団が送られるように今準備が進んでいるようであります。 私は、こういう戦争、紛争の正邪の関係、つまり正義であるか悪であるかの関係について、大臣はどのようなお考え、所感をお持ちなのか、お答えをいただければ大変ありがたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 種々の紛争において、その紛争当事者がそれぞれの立場に基づいてみずからの立場の正当性を主張するのは御指摘のとおりであります。いずれにしても、我が国としては個々の紛争についてケース・バイ・ケースで判断、対応しているところでございます。 確かにそれぞれの当事者がそれぞれの主張をするというのは一般的でありますし、またその一方が一〇〇%よくて一方が一〇〇%悪いかというと、必ずしもそうでない場合もある。ただ、やはりそこには国連憲章だとか一般国際法だとかそれなりの客観的な判断基準もある。だから、その判断基準に基づいて一方が悪いとされている側にも三分の理があるというようなことは、私も弁護士であるからよく承知しているつもりですが、そして確かに委員がおっしゃるように、民族紛争のようなものにそう安直に介入すべきでないというのも、それはそのとおりだと思います。 ただ、民族浄化と言われるような人道上の問題が中途半端でなくてすさまじい勢いでされているようなときに、本当に国際社会がそれは当事者間の問題だからほっておきましょうといつも言っていていいのかどうかというような非常に困難な問題もあるということは、それは御指摘をさせていただきたい、こう思います。
○前川忠夫君 確かに私も、今申し上げた幾つかの事例で、一方的な判断ではなくて両方の声を聞きなさい、しかも公正にといっても、私たちは私たちの立場というのが既にあるわけですから、それが判断の基準になるということは私は否定をしません。 ただ、例えばの話、私は別に北朝鮮の味方をするわけでも支持をしているわけでも今の段階ではないんですが、例えば原子力発電所をつくりますという場合、今は共同支援で、KEDOで日本でも協力をしてつくりましょうと。日本の場合にも原子力発電所はあります。ウランはできます。もちろん再処理をしましょう、再使用をしましょう、こういうことになっています。ところが、北朝鮮の場合にはそれを核兵器に転用するからいかぬのだという発想。 それから、ミサイル、これも持っている国はたくさんあるわけです。日本の場合でも、今衛星を打ち上げていますが、あれはミサイルに転用することはそう難しいことではないです。そうすると、例えば北朝鮮がやるからいけないんだということ。 それから、例えば核兵器についても、既に核兵器を持っている国はたくさんある。最近のインド、パキスタンのように新しく保持をしたという国もあるわけです。ところが、北朝鮮はだめなんだという断定は、ある一つのグループ、例えば私どもでいえば、日米関係であったりという関係の中での判断になるわけです。 ところが、片方の立場から見れば、何だそれはおかしいじゃないかという議論が当然そこには存在をする。それが私は今の国際関係なんじゃないかというふうに申し上げたわけで、必ずしも一方的なということで申し上げたわけではありません。 それから、ユーゴの問題が出ましたのでちょっとお伺いをしたいんですが、これは大変素朴な疑問といいますか、単純な質問なんですが、今NATO軍は空爆に限定をしています。地上戦をやらないのは、大臣どういうわけだと思いますか。
○国務大臣(高村正彦君) 確かに、地上軍の投入については、NATO関係者、いずれも現段階ではその考えはない、こういうふうに述べているわけであります。 我が国は軍事行動の当事者ではなく、作戦面を含む詳細な情報を有しておりませんので、その理由を推測する立場にありませんが、あえて申し上げれば、軍事作戦の進捗状況、政治解決の見通し、各国世論の動向などを総合的に判断している、こういうふうに考えております。
○前川忠夫君 極めて単純だと私は思うんです。つまり、地上戦の場合には犠牲の出る確率が高くなるんです。空爆であれば犠牲の確率は少ないんです。私は、多分NATOの選択というのはそういうことなんだろうと思うんです。 ところが、地上戦に比べて空爆の方が、この間からの委員会でもさんざん議論していますから私もそれ以上議論はしませんけれども、いわゆる誤爆というのは起こり得るんです。これはあくまでも軍事情報ですからわかりませんけれども、いわゆる精密な電子制御の誘導ミサイルもだんだん底をついてきた、古いタイプのものを使わざるを得ないという情報もあるわけです。そうなると、ますます誤爆であったり、あるいは民間への犠牲であったり、あるいは空爆の対象範囲が広がってくれば民間と軍事施設との境目ぎりぎりのところまで攻撃をしなければならなくなってくるという事態というのは起こり得るわけです。私は、そういう意味ではもう泥沼に近くなってきているんじゃないかというような感じが実はしてならないわけです。 ですから、どこかでこれはやはり歯どめをかけなければいけないという思いがするんですが、きょう現在でも、先日からの議論の考え方、日本政府の考え方はずっと変わりませんか。
○国務大臣(高村正彦君) 日本政府の考え方というのは、ユーゴ側が国際社会の声を聞いて民族浄化というようなことをやめる、そして軍及び治安部隊を撤退させる、そして難民の帰還を認める、難民の安全な帰還を保障するためには何らかの国際的な安全保障プレゼンスを認める、そういうことだと思います。 それがありさえすれば空爆というのは間違いなく終わるわけでありますから、ロシアを含めてG8でそういう方向で一般的原則ができたわけですから、ぜひそういう形でミロシェビッチ大統領を説得していくという方法が現実的な一番近道なのではないかと思います。 そういう政治的な道筋が何も見えないままに一方的に空爆を停止しても、ミロシェビッチ大統領、ユーゴ側が民族浄化と言われるようなことをやめるという保証が何にもないばかりでなくて、かえってフリーハンドを与えてしまうという可能性すらある中で、現実的な判断とすれば、やはりG8で定めたような一般原則、そういったものを中国も含めて国連決議としてもらって、そしてそういう中でミロシェビッチ大統領、ユーゴ側にそういうことを聞いてもらう、それが空爆停止に至る現実的な最短距離だと、私はそう思っています。
○前川忠夫君 日本の立場というのはこの間から何度もお聞きをしていますし、必ずしもNATO軍の今のやり方を支持するという意味ではなくて理解をするという表現にとどまっているというのは、日本の今の立場を鮮明にしているんだろうというふうに私も思います。 ただ、現実的にどうなんでしょうか、詳しい日々刻々の情報をすべて私も把握しているわけではないんですけれども、少なくともユーゴ国内の被害というのはもうかなり深刻な状態になっていると思うんです。それから、ユーゴを追われたという表現を今使っておきますけれども、追われた難民の皆さんの数、あの人たちの苦難というのは大変なものだと思います。それから、それを受け入れている周辺国、これもまた大変なことです。それから、空爆を続けている国、何の負担もないかといえば、これは軍備、いわゆる軍事力といいますか、兵器を含めたそういうものの負担というのは大変なものだと思うんです。 戦争というのはそういうものだといって割り切ってしまえばそれでいいんですけれども、やはりできるだけ早く解決をするための手だてを講じるべきじゃないか。私は、日本政府がNATOなり、あるいはこの間のG8で確認をされたユーゴに対する空爆停止の三原則のようなものをユーゴが受け入れればいいんだというその主張を今変えないというのはわかりますけれども、それだけでいつまでも走っていいんですかという提起を実は今しているわけです。 今、仮にこの時点で戦争が何かのきっかけがあって終わったとします。終わったとしましても、ユーゴの国民の受けた傷、もちろんこれは今のミロシェビッチ大統領の、独裁者という表現を私は使いたくありませんが、政策の失敗という部分ももちろんあるのかもしれませんけれども、国民の心の中に残る傷というのは、そのときの指導者の問題ではなくて、ユーゴ全土にわたって攻撃をしかけたNATO軍、NATO軍を支持した国あるいはそれを見過ごした国に対する恨みのようなものは残るような気が私はするんです。 ですから、例えばどこかの時点で戦争が終わって、その戦後の復興ということを考えた場合に、NATOの皆さん方と場合によっては歩調を合わせなければなりませんけれども、やはり日本が日本らしい役割を果たすチャンスというのは、まだ可能性としては私は残っているような気がするんです。 それは、先ほどからあるいは先日から議論がありますように、幸いにしてG8の中では日本だけがまだまだ直接的なかかわりを持たずに済んできたと言った方がいいでしょうか、それが一番大きいんじゃないか。ですから、どこかの時点で踏み切ってもらいたい、そういう思いがあるということをきょうは申し上げておきたいと思います。 もうこれ以上なかなかお答えができにくいのかもしれませんが、もう最後ですから、一言だけ何か感想がありましたら、今の点についてお答えをいただければと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 民族浄化みたいなことがやめられるべきこと、それからそれに伴って空爆が停止されるべきこと、私は当然だと思うんですね。ただ、公平な第三者みたいな顔をして両方にやめろやめろと言っていたら解決するような単純な問題ではなくて、一番現実的に効果的なことは、私は、G8の中で一般原則は一致したけれども、個々具体的なことで言うと、アメリカ、イギリスからロシアまでそれをどう具体化していくかについては幅広い考え方がある中で、日本はそういうことの、調停的と言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんが、中でいろいろ果たすべき役割は大きいと考えております。
○前川忠夫君 これはこれからの日本の安全保障のあり方の中で、例えばユーゴのような近年では一番大きな、冷戦後と言った方がいいんでしょうか、後では一番大きな紛争になっているんだろうと思います。 そういう中で日本がしっかりとした役割を果たすことができれば、それはこれからの日本の安全保障にとっても私はいい影響を与える、国際的な信頼という点でも与えるというふうに考えますので、ぜひそのチャンスは果断につかんでいただいて行動していただくことをあえて繰り返しですが申し上げておきたいと思います。 そこで、審議についてちょっとお伺いをしたいんですが、これまで衆議院の審議あるいは参議院の審議、衆議院の方の議事録も拝見をさせていただいたり、今度の法案だけではなくていろいろと調べさせていただいたんですが、どうも安全保障の論議に対する議会、つまり衆議院、参議院を含めましてですが、未成熟なような気がしてならないんですね。 これはなぜなんだろうという思いが実はございまして、たまたま先日この委員会で、先ほどもちょっと話がありましたが、宮澤大蔵大臣の方から戦後の国会におけるこの種の議論の歴史的な経過について触れていただきました。私は今の日本の立場で、このユーゴの問題もそうなんでしょうが国際的な紛争に対して、例えばかつての湾岸戦争のときにももちろん要請はあったけれども最終的には財政的な支出で処理せざるを得なかった、こういう国際紛争に対する軍事面での貢献ができないということに対する政府自身の、これはもう及び腰という表現を私はあえて使いたくないんですが、何となしに後ろめたさみたいなもの、憲法があるからだということはあるんでしょうけれどもそういうもの、あるいは今の憲法の言う九条が国にとっては、日本政府にとってはむしろ足かせになっているという考え方がもし一部にでもあるんじゃないかという気がしてならないんですね。そんなことないよということであればそれはそれで結構なんですが、どうも私はそんな気がしてならない。 したがって、こういう問題が議論になってくると必ず憲法論議に発展をする。この委員会でも集団的自衛権の行使をめぐってのいろんな議論がございました。恐らく内閣としても、ほとんどの内閣がこの種の問題で必ず議論の矢面に立たされてきた、こういう歴史的な経過があります。したがって、なかなか安全保障の議論というのは議会の中では煮詰まらないままに、消化不良のままに常に終わってしまうという実は感じがしてならないわけです。 これは、私ども議員にももちろん責任があることなんですが、政府自身が安全保障のあり方についてもう少し幅広にといいますか、わかりやすい議論を提起する役割を担ったらどうなのか。もちろん、先ほど高村大臣の方からもお答えがありましたように、この種の問題、例えば一言一句の表現によってがらっと内容が変わるケースがあります。 したがって、厳密に、厳格にということになると、なかなかある枠の中をはみ出た議論というのはしにくいということについては私も十分承知をしつつ、あえて申し上げるんですけれども、どうもそういう政府の姿勢自身がこの種の安全保障の議論をわかりにくくしている原因なんじゃないかという感じが私にはするんです。決して秘密主義だというふうには言いませんけれども、この辺について大臣の御感想はどんなものなのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 政府は、民主主義のもとでの安全保障政策の実施には広範な国民各位の理解と支持が不可欠であるとの考え方に基づき、累次の機会を利用して安全保障に関する政府の考え方を説明してきているところでございます。今後とも、このような努力を継続していきたいと思います。 いずれにしましても、政府は、さきに申し上げたような国民に対する説明の努力を行ってきており、政府が秘密主義というような考えを持っていないことは間違いないところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○前川忠夫君 それでは、できるだけ法案に絡んでお伺いしたいと思うんですが、既に何度も議論をされていましたので、また質問しても同じ答えが返ってくるのかと思うと多少割り切れなさがあるんですが、例えば日本の平和と安全に重大な影響を与える事態、いわゆる周辺事態の定義です。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 これまでのいろんな議論を積み重ねてまいりまして、またわからなくなってきているんですが、先般来の議論の中で、例えば地球の裏側のようなところ、それから中東のようなところ、それからこれまで言っているようないわゆる極東というところ、具体的なものをイメージしているわけでは必ずしもないというお話がありました。 そうしますと、周辺事態というのは世界じゅうどこでも対象になるのかという、また話がもとに戻ってくるんです。確かに、地球の裏側といいますとブラジルとかアルゼンチンとかということになるんでしょう。今すぐそこで何かが起きるような、今のところそういうこともありませんから言い切っておいてもいいのかもしれません。しかし、では例えば日本の本当の近くで考えれば、一番近いのは南北朝鮮の問題かなという感じが一つあります。あるいは中国、台湾の問題かなという感じはあります。しかし、いや必ずしも具体的な地域を特定したわけではありませんという話にまた返ってしまう。 そうすると、国民の側つまり受ける側からすると、一体どの範囲までのことを考えているんだろうかと。ただ地球の裏側、遠くだから、あるいは今そういう気配もないから心配はないんだということだけでは解消できない。もちろん、なかなか線引きが難しいというのは承知をしてあえてお聞きしているんですが、そういう不安があるわけです。そういう不安に一切の議論が答え切れていないんです。 私は、国語の先生でも何でもありませんから、ごく常識的に考えれば、日本周辺における事態、周辺事態といえば、やっぱり地理的な概念というふうにどうしてもとらえちゃうんです。日本の言葉ですよ。 それからもう一つ不可解な部分というのは、例えば後方地域支援、地域が入るのと後方支援とは違うんだという話もありました。あるいは武力行使と実力行使、あるいは戦闘行動、さまざまな言葉がいろいろと飛び交ってまいりました。そういう違いというのはなかなか一般の国民の皆さんから聞いても見てもわからないんですね、はっきり申し上げて。それで、この大事な法律を何とか御理解をと言われてもなかなかわからない。そういう問題があるから、いかに大事な法案だ、国の安全保障だと言われてもなかなか国民の中にすとんと落ちないというものが私はあるような気がしてならないんです。 そこで、私は大変勘ぐった言い方をさせていただきますが、恐らく九六年の日米共同宣言以来この議論が始まりました。もちろん、その前段から旧指針の見直しの作業は始まっていたのかもしれませんが、表向きは一応一九九六年四月でしたか、橋本・クリントン会談での日米安全保障共同宣言以来この作業が始まっているわけですね。その当時から具体的な地域を特定するような議論がなかったのかどうか。 つまり、旧ガイドラインでは極東という文字が入っているわけですから、それを周辺事態というふうに変えるに当たってはそこに何らかの議論があったはずなんですね。なければおかしいんです、極東という文字を外す理由がないわけですから。従来どおり安全保障条約を効果的に運用するということであれば、極東という表現がそのまま残って不思議はないわけですね。 ところが、その極東という言葉が消えたということは、それが周辺事態というふうに置きかえられたということは、その議論を始めた段階では必ず地理的な議論があったはずなんです。それが不明確になったままだから従来の極東よりも範囲が広がったんじゃないかという議論が起きるのはある意味じゃ当然なんです。そのことに対する答えは一切示されていないんです。この辺がわかりにくくしている。 それから、後方地域支援の問題でもやっぱりそうなんですね。例えば、私ども常識的に考えれば、昔の戦国時代のような戦争ならば、先日もやりの柄と穂先の話がございましたけれども、少なくとも竹やりでやあやあやっている部分と、その竹やりを補充する部隊というのは非常に接近をしているというか非常に見えやすいところにあります。 ただ、現代戦においては、例えば仮の話ですからお聞きをいただきたいと思うんですが、北朝鮮で仮に何かあったとしますね。もう日本から直に行けるわけですよ。そうすると日本が後方になりますというのは、これまでの議論からも当然のこととして認められています。例えば、もっと距離を開いて、後方地域というのはもう際限なく拡大をする可能性というのはあり得るわけです。 この法律の中では、日本のいわゆる領海ないしは公海上というふうにされていますからその範囲なんだろうなと漠然と思います。その範囲であれば戦闘に参加をしたことには結果的にならずに、日本は武力を行使しないから、ある段階で仮に武力攻撃を受けた場合には中断をして、あるいは撤収をするということになっているから大丈夫なんだというふうに言われても、ごく一般的な概念からいったらそれは大変わかりにくい概念なんです。そのことについてもすっきりとしたすとんと落ちるお答えが返ってきていないんです。 こういう疑問についてどのようにお答えをいただくのか。言葉の問題、あるいは法律の表現上の問題は外務大臣にお答えをいただきたいと思いますし、今申し上げましたような解釈上の問題や何かは防衛庁長官にもう一度、念押しですけれども、お答えをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 極東が周辺地域に変わったということではないんです。極東という言葉は相変わらず日米安保条約の中で使われておりますし、新ガイドラインの中でも、日米安全保障条約の基本的枠組みは変更されないときっちり申し上げているわけで、極東というのは、昭和三十五年に示した政府統一見解、それは一切変わっていないわけです。 日米安全保障条約の目的というのは、我が国と極東の平和と安全、この二つが五条、六条に示されているように、そういうことでありますが、周辺事態というのは、特に、その中の極東ということではなくて、我が国の平和と安全に着目して、そこに重要な影響を及ぼす事態ということでそういう周辺事態という定義を用いたので、極東が周辺地域に広がったとかそういうものではないということは、これは累次御説明してきているところでございます。 それから、後方地域支援の問題は私がお答えするよりも防衛庁の所管かなと思いますので、とりあえずそうさせていただきます。
○国務大臣(野呂田芳成君) 周辺事態につきまして、今、外務大臣からお答えした分とダブらない面を少し補足したいと思います。 法案一条に明記されておりますとおり、「我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」であるということが書いてあります。周辺事態の概念につきましては、その性質上、具体例をあらかじめ包括的に示すことはできないが、政府としては、よりわかりやすい説明を求める御意見がたくさん国会でも出されましたので、これを真摯に受けとめまして、先般、政府の考え方を取りまとめて、六つの周辺事態が発生する原因となるものをまとめて統一見解を示したところであります。また、衆議院における修正によりまして、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」の文言がさらに追加されまして、これは我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態を例示的に丁寧に説明したものでございます。 後方地域支援につきましては、「周辺事態に際して日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っているアメリカ合衆国の軍隊に対する物品及び役務の提供、便宜の供与その他の支援措置」であります。 後方地域について我が国が実施するものを申しますと、後方地域が、御案内のとおり、「我が国領域並びに現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海及びその上空の範囲」を意味することが、それぞれ法案第三条において用語の定義として明快に規定されておるところであります。 また、自衛隊が行う後方地域支援の種類及び内容につきましては、法案の別表第一及び第二表に明示されているところであります。 さらに、法案においては、周辺事態に際しての対応措置の実施に係る手続や基本計画に定める事項なども明確に規定されており、本法案にはあいまいさやごまかしが多いとの先生の御指摘は私どもは必ずしも当たらないのではないか、こういうふうに考えております。
○前川忠夫君 この法律そのものが政府が最終的に責任を持って処理できる範囲のものであればいいんですけれども、必ずや国民に影響が出る。ということになると、広く国民の皆さんにも今の不安を解消しておいてもらうという努力、これは最初に申し上げたとおりで、しておかなければならない性格ですから、くどく私たちも申し上げているわけです。 要するに、例えば周辺という概念の中には、多分いろんな議論の積み重ねの中では具体的な議論があったと思うんです。もちろん、これはこういう席で、先ほど大臣もお答えになりましたように、例えば外務大臣がこういうところだなんと言ったらえらいことになりますから、これは私も具体的な地名を引き出すつもりは今の段階ではありません。ありませんけれども、少数の、つまりこの法律をつくった人たちあるいは議論にかかわった人たちだけが知っていて、あとは知らなくてもいいんだと、この問題は。というような性格の問題ではないだけに、その性格も含めてきちっと国民の皆さん方に理解をしておいていただく、そういう親切さというのが私はなければならないんじゃないかという感じがいまだにぬぐい去れません。 そこで、もう一つ日本とアメリカとの関係についてお伺いをしたいんですが、私は今度の審議をずっとお聞きし、あるいはこの法案の内容を見ていまして、新しい指針をベースにして日本的な意味での条件整備ということでこの周辺事態関連法案というのがつくられたという理解をしていますが、アメリカの場合には、日本との関係で、日本との間で新しい指針ができ上がり、日本で今こういった法律が議論をされている、そのよって来るところはこういうことなんだという議論が一体アメリカではどういうふうに受けとめられているのか。 つい先ごろ小渕総理がクリントン大統領との首脳会談に臨まれて、衆議院を通過した直後の日本の国会の議論の状況については、当然のことですが、首脳会談で報告をされたというふうに私どもは承知をしています。それはあくまで首脳レベルの話でありますね。国民的な、つまりアメリカの国民は日本におけるその指針に基づく周辺事態関連法案の議論をどのように見ているのか。その辺の情報というのは当然外務省でもつかんでおられると思います。 そういう認識に私は違いがあるんじゃないかという気がしてならないんですが、その前提となるアメリカの状況についてはどんなふうにつかんでおられますか。
○国務大臣(高村正彦君) アメリカの一般国民がどこまでこの問題に興味があるかということはよくわかりませんが、こういう問題に興味のあるいわゆる有識者の間でもまたそれはいろんな考え方があるわけであります。 ある種の立場の人たちは、日本は当然集団的自衛権を認めるべきじゃないかというような立場の人たちもいるわけですが、多くの有識者の方たち、そこまでおっしゃらない方たちの中でも、例えば日本の平和と安全に資するために米軍が行動しているときに、アメリカは場合によったら血を流すかもしれない、少なくとも汗を流している、こういうときに日本がその手伝いさえしないというのは不満だな、こういう気は、日本に集団的自衛権を認めろという立場をとる人でない人たち、その方が多いと思いますが、そういう人たちの中にもかなりあったわけで、これは日米安保条約のために資することだと、こういうふうな理解をしていると承知しております。
○前川忠夫君 恐らく一般的なアメリカの国民の皆さん方は、日本の憲法九条、こういうものがあるということぐらいは漠然として承知をしていると思うんです。 ただ、憲法解釈として、集団的自衛権が国際法上は認められる、日本も認めると。しかし、現段階では憲法九条との整合性でこれは認めないという日本国の解釈といいますか、こういう解釈までは恐らく一般の国民の皆さんは知らないと思うんです。 と同時に、大臣の方から今お答えがありましたように、例えば日本が集団的自衛権も行使しましょうという形で日本がどんどん軍備を拡大していく可能性、これは集団的自衛権を行使できるようになったら軍備が拡大できるという端的なものではもちろんないかもしれませんが、その可能性はあるわけですから、可能性の問題として、日本が軍備を増強すること、あるいは拡大することを本当にアメリカは望むのだろうかということになると、もちろんそういう人たちもおられるかもしれませんが、私は必ずしもそれはアメリカの大多数の声ではないんじゃないかというふうに思うんです。 そのことが今の日米安全保障条約の中で、日本とアメリカとの関係の中で日本はさまざまな制約があると。したがって、安全保障条約の中でアメリカがある部分それをカバーしましょうというのが軍事的な側面なんだろうと私は理解をしているんです。そうしないと、今度は安全保障条約そのものの性格が変わってまいりますから。 そういう意味では、今現在の新しいガイドラインの段階ではそう大きな違いはないけれども、私もそう思っています、そんな極端な違いはないんだろうと思いますけれども、これをだんだん突き詰めていきますと、かなりアメリカと日本との間に認識の違いが芽生えてくる可能性は否定できないんじゃないかという気がして実はならないわけです。 そこで、日本の国益とアメリカの国益の問題についてお伺いをしたいんですが、先ほどもちょっと話がありましたように、幸いにしてといいますか、たしかユーゴではまだ直接の戦闘でのアメリカの犠牲者はおられませんね。捕虜になった三名の米兵も釈放されるという形になりましたので、犠牲はありません。 しかし、今度のいわゆる周辺有事ということを想定いたしますと、日本の場合には、先ほどの話のように、例えば後方地域支援を日本が行ったとしても、もし戦闘行動になるような場合には撤収をする、中断をするということになっていますから、流れ弾に当たることはあるかもしれない、あるいは多少の血が流れるかもしれませんが、基本的には、もともとそういう仕組みにはなっていないというのが防衛庁長官のお答えですから、日本人の血は流れることはない。しかし、アメリカは前線にいるわけですから、米国人の血が、米兵の血が流れることは十分考えられる、こういう性格のものですね。そういう性格でよろしいですか。
○政府委員(佐藤謙君) 先生も今お触れになりましたように、自衛隊が行います行動は、それ自体武力行動に当たらず、また米軍の行為と、武力行動と仮にあったといたしましても一体化しない、そういう活動にとどまるということでございます。
○前川忠夫君 確かにこれまで説明を聞いた限りはそうなんですね。そうしますと、なぜアメリカは血を流すようなことを覚悟の上でといいますか、そういうことを承知の上で、日本の平和と安全に重大な影響を与える周辺事態に同じようなかかわり方をしてくれるんだろうかという疑問が出るわけです。 もちろん、これは日本の国益として、日本にいわゆる平和と安全に重大な影響を与える事態ですから、同じことがアメリカにもということには必ずしもならないケースもたくさんあるはずです。にもかかわらず、アメリカは血を流すことをやります。これは、アメリカの国益と日本の国益、特に国防に関してのアメリカの国民の意識というのは物すごい敏感だと思うんです。ここに私は食い違いがあるんじゃないかというのが先の質問と共通する部分がありまして、この辺の問題については外務大臣はどんな感想をお持ちですか。
○国務大臣(高村正彦君) 日本の国益を端的に言えば、日本の平和と独立が保たれ、日本人が安全で、そして繁栄し、豊かな生活ができるということがそうでありますが、これだけグローバルな世界の中で日本だけ孤立してそういうことができるわけないわけで、世界じゅうが自由で民主主義で基本的人権が尊重され、そして世界じゅうが平和で世界じゅうが繁栄していく、これが広い意味での日本の国益にもなるわけで、アメリカはさらに長い間そういうことをずっと考え続けてきた国だ、こういうふうに考えております。
○前川忠夫君 確かに今のアメリカは、冷戦終結後と言った方がいいのかもしれませんが、あるいは場合によってはそれ以前からかもしれませんが、国際的な世界の警察的な役割を持っているというふうによく言われますが、先般来、アメリカの国防におけるいわゆる戦争、あるいはアメリカ自身が始動する基準みたいなものがきちっと議論されているというふうにお聞きをしています。 では、アメリカ自身が何ら直接的なことがないケースでも、例えば同盟国の日本がそういう影響を受けるという場合には、アメリカも同じ仲間として、あるいは同じ同盟国として日本と同じ立場に立って行動するということはあり得るのかもしれません。あり得るのかもしれませんけれども、今私たちが考えているようなそんな甘いものではないような気がするんです、実態は。 例えば、せんだっての米兵三名がユーゴで捕虜になったときのアメリカの国の世論というのですか、大変なことだったですよね。もちろんあれはアメリカはNATO軍として参加をしているわけですから、もちろんユーゴ自身のさまざまな問題はありますよ、私たちが得ている情報だけで判断をする場合。しかし、少なくともアメリカはそういう状況であっても、先ほども申し上げたように地上戦には踏み切らない。地上戦に踏み切れば間違いなく犠牲がふえるわけです。それは踏み切らない。空爆にとどめている。と同時に、三名の捕虜が出てもあれだけ敏感に反応するという世論ですよね。 としますと、私たちが考えているような、つまり何か事があったら自衛隊は撤収しますよと。これは日本的な意味ではそれで整合性がとれているというふうに言うかもしれませんが、アメリカはそれで済むのだろうかという感じが私はしてならないんです。この辺に私は今の問題はアメリカと日本との認識の違いというのが必ず存在をしているんじゃないかという気がしてならないんです。この辺もやはり今度の法案の中で非常に不明確な部分だというふうに私は思うんです。 もう余り時間がありませんので、午前の質問はこの程度にさせていただきますが、もしこの部分だけもう一度、御感想がありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 危険な状態になれば、戦闘が行われるような状態になれば撤収するというのは、不明確じゃなくて明確にこれは日本政府はこの法案説明で防衛庁長官が何度も申し上げているところでありまして、それは米国国民全体がそういうことでどう考えるかということは別にして、少なくとも米国政府はそういうことについては十分承知をして、ふだんからいろいろ情報を交換し合っておりますから、承知をしているところでございます。 そして、委員がおっしゃるように、同盟国だからといっていざというときにそう簡単に血を流してくれるのかということは、それは私は条約上の義務であるからしてくれると思いますが、そういった信頼性をますます高めるためにもこの法案が必要だ、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから日米防衛協力のための指針に関する特別委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。 ─────────────
○委員長(井上吉夫君) 休憩前に引き続き、日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件外二案を一括して議題とし、質疑を行います。
○前川忠夫君 午前中に質問をいたしまして、あと大きい点で二つほど実は残しておりますので、私の持ち時間の範囲内で、一部事前通告した部分を飛ばすかもしれませんが、質問を継続させていただきたいと思います。 最初に、この新しい指針、そしてそれに基づくいわゆる周辺事態法案と安全保障条約との関係についてお尋ねをしたいと思います。 先ほどもちょっと申し上げましたように、一九九六年四月の橋本・クリントン会談で、日米安全保障共同宣言が発表されました。そのときのさまざまな議論、私も当時本会議等も含めてお聞きをしておりまして、安保条約が締結をされて以来の国際的な情勢の変化の中で、事実上、安保新時代、こういう位置づけがされたやにお聞きをいたしております。そのときも議論があったと思うんですが、あの共同宣言は実質的な安保条約の改定ではないのかという議論があったことも承知をいたしておりますが、実態としてはそうではないということで政府の方もお答えを統一されておられたというふうにお聞きをいたしております。 しかし、今度の新しいガイドラインは、この安保共同宣言をもとにして、これまでの旧ガイドラインに盛り込まれていなかったさまざまな課題を具体化すると同時に、安全保障条約のより具体的な運用について日米双方の議論が積み重ねられて今度の新しいガイドラインができ上がった、そういうふうに実は私どもは理解をいたしています。そういたしますと、今度の新しい指針、そしてその盛り込まれている内容の性格から考えて、実質的な安全保障条約、日米安保条約の改定というふうな位置づけをむしろしてもいいのではないかというふうに実は考えておりました。 なおかつ、さきの衆議院におけるいわゆる修正案で日米安全保障条約の効果的運用に資するという表現を加えられたということでありますから、実態的には安全保障条約でカバーし切れない部分について今度のガイドラインでカバーをする、つまりトータルで物を考えた場合には実質的には安全保障条約の改定というふうに考えていいのではないかというふうに受けとめるわけですが、これについての外務大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 日米安保条約は、過去四十年間、我が国及び極東に平和と安全をもたらしただけでなく、アジア太平洋における安定と発展のための基本的な枠組みとして有効に機能してきたと評価しているものでございます。 我が国が新たな日米防衛協力のための指針の策定やその実効性確保のための周辺事態安全確保法案等を策定する等の措置をとっているのは、我が国を取り巻く冷戦後の国際情勢において、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態に際する対応を含め、より効果的な日米防衛協力関係を構築することが一層重要になってきたからであり、これまで安保条約が不十分であったと認識しているからではないわけであります。 今般の修正協議において日米安保条約の効果的な運用に寄与するとの文言が法案に盛り込まれましたが、この修正は我が国の平和及び安全に着目した本法案がこのような日米安保条約の目的の枠内であるということをより明確にしたものと考えており、法案が日米安保条約を実質的に改定するといったものではない、こういうふうに思っております。 なお、新指針においても、その基本的な前提及び考え方として、日米安全保障条約及びその関連取り決めに基づく権利及び義務並びに日米同盟の基本的な枠組みは変更されないということを明記しているわけでございます。
○前川忠夫君 実は、衆議院段階の議論でも、大臣も御承知だと思いますが、私ども民主党としても、いわゆる周辺事態という表現のあいまいさから、その適用の範囲といいますか、これはやはり安全保障条約に基づく、あるいは安全保障条約の枠内ということを明記すべきではないかという議論をしてきたと思います。そういう意味で、安全保障条約の効果的な運用というのはある意味では私どもも主張してきたことですから、その範囲ではいいわけです。ただ、私たちが主張してきたことは、つまり周辺事態というようなあいまいな概念ではなくて、日米安全保障条約がその範囲として掲げている極東という考え方をベースにするという意味での実は主張であったわけであります。 今、私が質問いたしましたのは、安全保障条約が締結をされて四十年という年月が既にたとうとしています。そういう変化の中で、特に世界情勢もさることながら日本周辺をめぐる事態もさまざまな変化がある。安全保障条約をより効果的に運用するためにということで、さきのその共同宣言に基づいてガイドラインの議論が始まった。とすれば、ガイドラインそのものはやはり安全保障条約に基づいての議論でなければならないし、そうあったはずです。 といたしますと、今、私が申し上げた新しい指針というのは、先ほどもちょっと議論いたしましたけれども、例えばこれまでは極東という言葉を旧のガイドラインでは使っていました。今度の場合には、もちろん極東という言葉は残っているにしましても、新指針の概念として、あるいは周辺事態法の中で周辺事態という新しい概念を取り入れられたということであれば、これは条文上の文言ではなくて、実質的な安全保障条約の改定というふうに考えるのがより素直な解釈なのではないかというふうにお尋ねをしたわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 単に形式的に極東という文言が残っているということではなくて、安全保障条約のいわゆる条約範囲が極東である、極東の平和と安全を守る、これは我が国の平和と安全ともう一つ、ともにでございますけれども、そういうことは、依然としてその枠組み自身は全く変わっていないわけであります。 繰り返すようでありますが、そのうち我が国の平和と安全に着目して周辺事態ということを申し上げているわけで、こういう言葉をつくらなくても、こういう状態のときに米軍が日米安全保障条約に基づいて動いているということは当然あり得たわけで、そのときに日本が何もしなくていいのかどうかという観点からこの周辺事態という概念をつくり、この法案を提案しているわけでありますが、これは必ずしも安全保障条約上の義務ではないわけです。義務ではなくて、やはり主体的にこういうことを日本政府としてやった方が安全保障条約の信用性を高める、安保条約の効果的な運用に資する、こういうふうに考えて我が国として主体的にこれをやろうとするものでございます。
○前川忠夫君 この議論は多分繰り返しになってしまいますので、ごく常識的な解釈として、例えば安全保障条約上の極東という考え方は変わっていません、しかし新しいガイドラインというのは安全保障条約を効果的に運用するため、あるいは資するためにという解釈が加わりましたと。もちろん、旧指針も日米安全保障条約という大きな枠の中の日米の共同の協力のための指針ですという位置づけがついているわけですね。 としますと、これまでの旧指針あるいは新しい指針というのが全く無関係のものというふうに言えればそれはそれでいいんですけれども、少なくとも新しい指針も大きな日米安全保障条約という枠内ですということになると、それに基づいてつくられた周辺事態法という周辺事態の概念がその極東ということではありませんというふうに政府が今まで言われるから、それは新しいものが加わったんですかというふうにお尋ねをしているわけです。これはごく常識的な解釈だと思うんです、極東ではありませんということですから。もちろん極東も含まれるのかもしれません。しかし、日本周辺という概念そのものを明確にしないがためにこの議論が私は混線をしているというふうに申し上げているわけです。この議論は恐らく平行線だと思うんです。この辺も、先ほど最初に申し上げたように、非常にわかりにくくしているということの一つの理由だということを申し上げておきたいと思います。 残された私の時間が余りありませんので、少し飛ばさせていただきますが、国会承認について二、三お尋ねをしたいと思います。 政府の原案では、国会承認を基本計画は報告にとどめておられた、この理由をひとつもう一度お聞かせいただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 基本計画につきましては、この法案に基づく措置がいずれも武力の行使を含むものではないということ、国民の権利義務に直接関係するものではないということ、それから迅速な決定を行う必要があるものであるということ、こういう三つの点や、この活動の持つ性格そのもの、あるいは他の法律との均衡といった点、例えば要請による治安行動とか海上警備行動のように、強制力を伴うけれども国会承認ではないと、こういうような他の法律との均衡論からいっても必ずしも国会の承認を得る必要はなく、これを遅滞なく国会に報告し、国会の議論を踏まえつつ対応措置を実施していくことが適切と考えた次第であります。
○前川忠夫君 これまでも繰り返し三つの、条件とは申し上げませんが、ことが繰り返し言われてまいりました。これから私の三つの理由についての見解を申し上げますので、それぞれおかしいということであればお聞かせをいただきたいと思います。 例えば、防衛出動の場合には国会承認が必要になっています。武力行使を想定していない、したがって国会承認は必要ないのではないかと。確かにこの法案の中では、そのおそれがあるときには直ちに中断する、あるいは撤退をするということになっています。相手国はどう思うでしょうか。相手国は、日本も後方支援にかかわるということであれば参戦国とみなすわけですよね、当然のことですが。もし私だったらそう解釈します。とすれば、当然相手の攻撃があり得ると思うんです。ちょっと待ってくれ、うちはそういう法律になっていないから実は戦闘行為には参加しないんですとその段階で相手国に言ったって、それはもう後の祭りであるわけです。事実上戦闘に巻き込まれる可能性というのは十分あり得るというふうに考えるのが常識だろうと思います。とすれば、そういう危険な事態であっても、武力行使を想定していないから国会の承認が必要ないというのは、私は論理の矛盾ではないかというふうに思います。 法律上どんな文章を書こうと、戦争というのは相手があってのことですから、我々側だけが納得していてもだめなんです。そのことについてはどうお考えでしょうか。 それから二つ目には、国民の権利義務に直接関係をしないというふうにおっしゃいますけれども、少なくともこの周辺事態法の中で、自治体あるいは民間への協力ということがかなり大きな議論にこれまでもなってまいりました。もちろん、きょうも午前中の議論の中で、自治大臣の方からは、協力であって、あるいは依頼であって、そのことによって正当な理由があれば処罰の対象にはなりませんということを繰り返し言われてきました。 しかし、私はこれはおかしいと思うんです。少なくとも日本にとって、いわゆる平和と安全にとって重大な事態が発生をしようというときに、私は協力をしませんということを悠然と看過するような事態というのは一体どういうことなんだろうということを考えてみますと、当然のこととして、やはり国民あるいは自治体としては無言の圧力がかかってくるというふうに考えざるを得ない。だから、恐らく自治体や民間の皆さん方は心配をしておられるわけです。幾ら法律で、いや、そんなことは考えていませんとおっしゃっても、かつて戦争に突入したころの、あの終戦前ですね、いわゆる国家総動員法のような形で戦争に参加をしていったという背景を考えれば、これは当たり前の心配なんです。そのことについて、いや、法律上では国民の権利義務を侵すことは考えていないから必要ないというのは、私はこれはごまかしにしかすぎないというふうに思います。 それから、緊急性の問題ですけれども、少なくとも衆議院における修正によって、自衛隊のいわゆる後方地域支援あるいは救難救助活動については国会の承認事項になりました。これは自衛隊の出動だからです。ところが、基本計画全体について、特に自治体あるいは民間の協力については、先ほど申し上げたような理由から国会の承認が必要ないというお話になっています。ある部分については国会承認をして、ある部分については必要ない。ある意味ではこれは、周辺事態にかかわるさまざまな対応をするのはセットでなければならない。この部分については事前承認が必要だけれども、この部分は事後報告でいいんだというような仕組みが本当にあり得るのかどうかという点で私は矛盾をするというふうに思います。 そういう意味では、基本計画全体を国会承認にするのが筋ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) この法律に基づき自衛隊が実施することを想定しております後方地域支援は、何度も御答弁申し上げているとおり、それ自体武力の行使には該当しません。また、後方地域において行われることとされていることから、米軍の武力の行使との一体化の問題を生じさせることも想定されておりません。また、国連憲章及び日米安保条約に従って行動する米軍に対して行う我が国の協力は、国際法上何ら問題のないものであることから、本法案に基づく後方地域支援が他国による我が国に対する武力の行使を国際法上正当化させるものではなく、仮に他国が我が国に対し実力行動をとれば、それは侵略等の違法行為を重ねることになるだけの話であると思います。 以上、私どもは、武力の行使でもないし、武力の行使と一体化の問題は生ずることはない、こういうふうに申し上げさせていただきたいと思います。 私どもは、基本計画につきましては、さっき申し上げたような三つの理由から国会報告にさせていただきましたが、今度新たに認められる二つの活動、後方地域支援及び後方地域捜索救助活動の実施については新しく自衛隊がやるということ等にかんがみ、国民の十二分な理解を得ることが望ましいことにかんがみ、国会承認の枠組みを設けることとしたものであると承知しております。 それから、国民の権利義務に直接関係するものではないということについての御質問でございましたが、これは自治大臣も私どもも累次お答えしておりますとおり、この法律には一切この協力を強制する規定はございません。また、これを正当な理由に基づいて拒否しても何ら罰則もない、こういうことで、私どもは、今委員が言われたような国家総動員法のような話とは全く次元が違う話である、こういうふうに理解しているものであります。
○前川忠夫君 先ほども私が申し上げましたように、日本から見れば、あるいは日本の法律上、つまり周辺事態関連法案で見れば、後方地域支援は武力行使を想定していませんと、これはもう何度もお聞きしましたけれども、相手国ですよ、戦争をやっている。 例えば、これは一応考えられるのは米軍ですね、アメリカ。ところが、日本がやるのは、例えば油であったり、水であったり、さまざまな物資を戦争をしている米軍に対して後方でサポートしましょうということですよね。これは、常識的に考えて日本は戦争に参加していることになりませんか。これはもう今までも繰り返し繰り返し言われたけれども、そうではないとおっしゃる。とてもじゃないけれども、こういう理屈は成り立たないと私は思います。日本の中では通用しても、実際に戦争をしている当事者間ではそんなことは成り立たないんじゃないでしょうか。私はそう思うんです。 ここが恐らく一般の皆さん、国民の皆さん方が聞いてもわからないところなんですよ。法律ではこうなっていますから、そういうことは想定していませんと。それは、想定しないのは結構ですけれども、そのことによって攻撃をされないという保証はないわけですよ。それは国際法上何ら違法な行為ではない、あるいはそういうことによって侵略をされればそれは国際的には相手国の侵略行為になるんだと。それは日本の論理でありまして、戦争というのは、ある意味では国際的なルールというのはもちろんあるのかもしれませんけれども、戦争は戦争なんです。兵たんをたたくというのも戦争なんです。そういうことは多分お忘れじゃないと思うんです。 これはもう恐らく防衛庁長官にお聞きしても同じ言葉しか返ってこないと思うんです。先ほど一番最初に申し上げた、こういったやりとりをやっているから国民の皆さんは余計わからなくなるんです。もう少しわかりやすいお答えをしていただきたいというふうに繰り返し言っているんですが、なかなかその答えが出てこない。これは大変残念だと思うんです。 私の時間がもう実は過ぎているんですが、少し時間をもらいましたから、あとちょっとだけ確認をしておきたい事項があります。 国会承認のことなんですが、パートナーというふうに申し上げておきますが、パートナーであるアメリカの場合には、議会と大統領との間で共同責任をとれるような法律上の仕組みがございますね。議会に対してもそれなりの権限が与えられています。なぜ日本の場合にはそのことに重きを置かなかったのか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御指摘のアメリカにおける議会の関与と申しますのは、米国戦争権限法に基づいて述べられているものと考えられます。これは、連邦議会による宣戦布告に基づく米軍の武力行使等を念頭に置いたものと承知しております。周辺事態安全確保法案の基本計画についての国会の関与とはおのずから異なる性格のものであると考えております。したがって、これと同列に議論することは私は適切ではないと考えております。 なお、先ほども申したとおり、この法律で新たに認められる二つの活動については、国民の十分な理解を得ることが望ましいことにかんがみ、新たに国会承認の枠組みを設けることとしたところであります。
○前川忠夫君 結局、そういう同じ答えの繰り返しにしかならないんですね。冒頭に申し上げた国民の信頼、つまり国を守るとか自衛というのは国民の信頼とか支持がなかったら成り立たないんですよ。今のような答えの繰り返しで、この法案がある時間が来て成立をしていくというのは大変残念なような気がしてならないんです。 いろんな世論調査がありますから、断定的なことは数字の上では言いませんけれども、この法案は何としてでも成立をさせてほしいという人たち、それから絶対反対という人たち、何でも反対という立場の人たちもおられます。そうではなくて、何となく不安だから反対と言っている人、いろいろ不安はあるけれどもまあ仕方がないかなという、そういう人たちが実は大多数なんですね。その大多数の人たちの支持がなくて、周辺事態有事が仮に起こった場合に日本の平和と安全のためにさまざまなことをしなければならない、そのときに、いや、それは政府の責任でやります、国民の皆さんは関係ありません、もし要請があっても協力を拒否して結構です、こんな法律が本当にあるんですか。 僕はそういう意味では大変残念なんですね。もう少しはっきりと、例えばこういう周辺事態というのは非常に重要な事項です、したがって例えば、先ほど一番最初に外務大臣もおっしゃったように、固有の国の名前を挙げて言うことはこれは大変なことです。これは言うべきではありません、私もそう思います。しかし、事態のある程度のイメージというものがあるとするならば、もう少し具体的に国民に対して親切に、協力を求める部分、あるいはこことこことここの部分についてはさまざまなバリエーションがある、弾力的に対応しなければならない。しかし、事前に必ず国会なら国会に諮って承認を求めますというぐらいのことをきちっと言わない限りは、私はこの問題は解消できない、解決できないというふうに思います。 恐らくこの議論は平行線だろう。平行線のままで終わっていいような法律ではないだけに大変思いが残りますけれども、まだこの後、質問の機会がもしあれば改めてお答えをいただく機会をつくりたいと思います。 私の持ち時間は既に過ぎておりますので、後は同僚議員の方にバトンタッチをして、さまざまな課題について追及をさせていただきたい、このように考え、同僚議員に関連質問をお許しいただきたいと思います。(拍手)
○木俣佳丈君 私は、民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。ありがとうございます。 本日は、持ち時間を長くいただきまして、本当にきょう、国会の場でございます、まさに合議の場ではございますけれども、私自身も一生徒となったつもりで、先生方から本当に詳しく、そしてまたより明快なお答えを賜りたいと思ってこの場に勇んで参った次第でございます。 冒頭、同僚議員からもありましたように、やはりこの法案は、言うまでもなく国益を守るということが大前提であるというふうに思うわけでございますが、この国益というのは、皆様方それぞれによって、何が国益で、何を守ることが国益なのかということが違うと私は思っておりますので、冒頭、二大臣、そしてまた三党の方に伺いたいと思っております。
○国務大臣(高村正彦君) 先ほどもお答えいたしましたが、日本の平和と独立を守る、日本の安全を守る、その上に日本が繁栄する、国民が豊かになる、豊かになるというのはもちろん経済的意味だけではなくて、いろいろな広い意味で豊かになる、こういうことだ、こう思っております その日本がそういう状態になるためには、日本列島の中だけでできなくて、非常にグローバルな世界でありますから、世界とともに平和である、世界とともに繁栄する、世界とともに豊かである、こういう基本において、自由だとか民主主義だとか、基本的人権とかあるいは市場経済とか、そういった価値を世界的に広めていく、基本的にはそういうことなのではないか、こう思っております。
○国務大臣(野呂田芳成君) 我が国は、自由と民主主義を基本理念とする国家として、国民生活の向上と経済の発展をなし遂げ、現在、国際社会において枢要な地位を占めるに至りましたわけですが、我が国のよき伝統と豊かな文化に根差すこうした平和と繁栄を確保し、維持発展させていくことが我が国の国益と言えるものであると私は考えております。 今日、国際社会は政治、経済、文化等さまざまな分野で相互依存関係が深まっており、世界の平和と安定が我が国の平和と繁栄に大きくかかわっていると考えております。 このような状況において、我が国としましては、政治、安全保障、経済さらには文化といった幅広い分野にわたり、国際社会全体の平和と繁栄を実現するよう尽力することが国益にかなうゆえんだと考えております。
○衆議院議員(赤城徳彦君) ただいま両大臣がおっしゃるとおりだと思いますが、今般議論していますこの法律も我が国の平和と安全の確保を目的としております。これまた国益の大変重要な部分であると思います。 我が国の平和と安全、すなわち我が国の国土、国民の命と財産、さらには経済的なもの、文化的なもの、さまざまなものを含んだ大変多義的な言葉であろうかと思いますが、それを達成するためには、一国平和主義と言われるような自分の国のみの繁栄を考えていたのではいけない。世界の平和と共存、それがあってこそ我が国の国益、平和と安全、そういったものも守られるのではないかと思っております。
○衆議院議員(東祥三君) 国益というのはいろいろな角度から論じることができると思います。今、当該の問題になっている視点から考えますと、安全保障という分野で考えていくとすれば、国民の生命と財産、そして領土を守る、これが国益の第一義的な問題なんだろう。 他方、日本の国際社会における位置づけということを考えたときに、もし国際社会において不法な、暴力主義的な、また破壊的な国があらわれて、そしてその国の存在が他国の平和と安全を脅かすような状況になっているときに、国際社会が一致団結してその国に対して種々の制裁活動を行う、そのときに日本も他国と同様に参加、協力していくということも、これまた日本の国益にかなうことであろう。それは、国際社会において日本がどのような位置づけでどのように思われているか、尊敬される国、憲法に規定されているとおりでございますが、そういうことも国益にかなっていくことであろう、安全保障の角度からすればそういうことになるのではないかと私は思います。
○衆議院議員(山中あき子君) まず、日本の国民の平和と安全を守るということが第一義にありますけれども、平和というのは座して待っていて来るものではない。ですから、平和をつくり上げて、それをどういうふうに維持していくかということのために日本は努力する必要があるだろう。もう一方で、アジアの一員として、また国際社会の一員として信頼される国であるということも国益の一つだと思います。 ですから、経済的なものも含めた実質的な利益の部分と、信頼の醸成という精神的な国益、その両方を日本は追求していくべきだというふうに思っております。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 本当に皆さん百点満点のお答えでございまして、今後とも大変参考にさせていただきながら議論を進めさせていただきたいと思っておるわけでございます。 今、国益ということで、皆様方からほぼ一致した御意見が伺えたかと私も認識しておりますけれども、人命、国土、富、大きく分けましてこういったことを守っていくんだ、そしてまた市場主義であるとか自由、人権というものを守っていくんだ、こういうことでございました。我々日本としましても、それでは今までどの程度この国益を守るということに外交または防衛が役に立ってきたのか、両大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御案内のとおり、我が国は、これまで日本国憲法のもと、外交努力の推進それから内政の安定による安全保障基盤の確立を図りつつ、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならない、こういう基本理念に従い、日米安全保障体制を堅持し、また文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛力を実質的に整備することを私どもは防衛の基本方針としてやってまいりました。このような防衛に関する我が国の基本方針は引き続き堅持してまいらなきゃいかぬものだ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(高村正彦君) 日本は戦後独立を回復して以来ずっと平和と独立を保ってきた。その上で、今は日本の経済はちょっと調子が悪いけれども、そうはいってもまだまだ世界の経済大国と言われるように繁栄をしているということは、標準的に言えばこれは疑いの入れないことであります。これはやはり節度ある防衛力あるいは日米安全保障条約、そういったものの抑止力を持ちながら平和外交努力を続けてきたということで、ずっとそれなりにうまくやってきたんだからそれなりの点数はいただけると思いますが、政府の立場でありますから評価される側であって評価する側でないので、このくらいのお答えにしておきたいと思います。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 今、両大臣から、戦後の日本においても外交、防衛ともに十分な役割を果たしてきて、そしてまたそれは日本国のみならずアジアの平和と安全に十分な寄与をしてきた、このように受けとめさせていただくわけでございます。 翻って、今までの日本の外交または通商の政策というものを見ていきたいと思っておりますけれども、国益からちょっと外れるかもしれませんが、例えば外交と通商というのは一体でございましょうか、外務大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 外交と通商が一体かと言われても、一〇〇%イエスかノーかという話ではないと思いますが、外交と通商が全くばらばらであってはいけない、こういうふうに思っております。
○木俣佳丈君 私がワシントンに一九九四年、五年におりましたとき、ちょうど日米の自動車協議がございました。これまでは外交、防衛、そしてまた通商というのは一体であるという立場を堅持されていたと私は物の本で読んだわけでございますが、この自動車交渉のときに、ある関係者の方に伺ったときに、これからは通商と防衛、または通商と外交というのは別々のものとして切り離して考えるんだ、特に日米安保条約というものと日米の通商交渉というのは切り離して考えていくんだという話を個人として伺ったわけでございますけれども、現在の我が国の立場というのはどういう立場でございましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 通商というのは主として民間において行われることなんだろうと思います。そういう中で、国としての通商政策というのはもちろんそこにはあるわけでありますが、安全保障の問題も通商政策も全体の外交のバランスの中で行われるべきことは、私はそういうことだと思います。 ただ、安全保障と通商が全く同じかどうかというと、通商の実際の主体になるのは民間でありますから、通商政策というもので律し切れるということではないわけで、そこにおのずから差はあるのかな、こういうふうな感じがしておりますが、突然の御質問ですからもう少し整理して考えてみたい、こう思っています。
○木俣佳丈君 ありがとうございます。 突然の質問でございますが、ただ、今民間のものということでありましたけれども、例えば一九七三年あたりからの繊維交渉、そしてまた自動車交渉もさようでございますが、これはまさに我が国の国益を考えて、要は民間のものだけとは言い切れない交渉の仕方はずっとありました。産業政策というのは最近は米国の方が盛んでございますけれども、日本は従来、官民挙げてというか一体化しながら我が国の産業を育成してきたわけでございまして、これは当然ながら輸出、通商にも大いにかかわってきたことは否めないと思っておるわけでございます。 私が伺いたかったことは、今、外務大臣にお答えになっていただきましたように、外交であるとか通商であるとか、そしてまた国防であるとか防衛であるとかといったことは一体であるというお答えをいただきましたので、大変結構でございます。 続きまして、国会は合議の場であるということでございまして、冒頭に各大臣、そしてまた各派の方々から国益についてお考えを伺いました。国会議員というのはまさに国益を追求して行動しなければならないことは当然でございます。国民の代表として選挙で当選させていただき、この場をおかりしておるわけでございます。 そしてまた、きょうも同僚議員の方からありましたように、外交政策そしてまた防衛政策、これは通商政策も入るかもしれませんけれども、さきに参考人にも私も質問させていただきましたように、政権交代があったらくるくる変わるようなものではこれは困るわけでございます。東西冷戦が終わったとか、外的な要因が大きく変わった、こういったときに初めて見直すものでございまして、不変というか半不変のものでなければならない、こういう認識を持っております。 三派の方から伺いたいんですが、自民党の方、自由党の方、公明党・改革クラブの方。
○衆議院議員(赤城徳彦君) 先生御指摘のように、外交政策、防衛政策、まさに基本的な我が国の基盤となる政策でありますから、それがくるくる変わるということになりますと、それ自体が非常な混乱を生むあるいは不利益を生むのではないか。基本政策は一貫しているということが基本的に大事なことだ、そのように思っております。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
○衆議院議員(東祥三君) 外交政策の継続性ということに関しては、一般論として言えば、質疑者の木俣先生の言われるとおりなんだろうと思います。 ただ問題は、基本政策というものを明確にし、その基本政策というものがその時代に合っている限りにおいてはそのとおりだろうというふうに思います。諸外国においても、いろいろな国々の例を提示すれば、ただ単に外交政策をそのまま継続していくということをお題目だけでもって言っているところというのはないと思います。そういう意味では、ドラスチックな変換をなし遂げることによってその国の繁栄と発展が築かれた国々もたくさんあります。 日本の場合も、例えば安全保障政策、外交政策、こういったものをもっときちんとした形で、明確な形でやっていく必要性は常々感じております。それと継続性との問題が矛盾するとは思いませんけれども、またおかしな部分に関しては、なぜ変えなければならないのかということを国民の皆さん方に明確にさせていくところに多分木俣先生の本質的な意味があるんだろう、そういうふうに思います。
○衆議院議員(山中あき子君) 木俣先生おっしゃるとおりに、外交の基本姿勢、安全保障の基本姿勢というのは変わるものではないというふうに思っています。それが日本のアイデンティティーなんだと思いますけれども、現実の政策という意味では、ドイツの有名なゲンシャー外務大臣もおっしゃいましたように、外交というのはプラクティカルでなければいけない、そういう側面もあるわけで、現実の対応というのは柔軟な面があるというふうに考えておりますが、基本姿勢というのはきちんと堅持して、そして実際に手足は柔軟に動かす、それがあるべき姿かというふうに認識しております。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 本当におっしゃるとおりで、ゲンシャーさんのお話がありましたけれども、二十数年でしたか、居座り続けたというより、いてくださり続けてドイツを守ってきたということからしても、本当に外務大臣というのはそういうものかなとつくづく思うわけでございます。 今おっしゃられましたように、国全体の方針でございますので、国会議員全体の合意、そしてまたもっと言えば国民全体の合意が必要だということは、この間も参考人質疑のときに浜谷先生に私質問いたしまして、こう答えていらっしゃいます。国民全体の合意が必要だということは、まさに野党側の意見というのは非常に重要でございます、このようにお答えいただきました。そしてまた、ガイドラインの政府案の評価でも今いろいろ割れておるわけです。ですから私は、十分な審議がされたと言えるのかな、いやまだまだ言えないのではないか、いや言えないだろう、絶対に言えないな、このように思っておるわけでございます。 我々民主党としましても、よく英国の労働党を、まねしてと言うと怒られますが、参考にさせていただきながらいろいろ政策等々を打ち出させていただいておりますが、かつて、八〇年代後半でございますか、名前を挙げるとあれかもしれませんが、キノックさんが党首のときに、大転換をしたときに惨敗したという経緯もあります。ということからしましても、我々もやはり現実路線を堅持したい、このように思っているのは先生方も十分に、ここにお越しの先生方も、委員の方々も納得していただけると思っておるわけでございます。 そこで、今回、非常に残念ながら三党合意ということで民主党は外れております。これは私にとっても非常に悲しいことでございまして、先ほどからるる御説明させていただき、そしてまた先生方からも御意見を伺っておりますように、民主党もやはり、そしてまたもう一党ございますか、またはあと各派ありますか、民主党だけではございませんけれども、まさに全会一致でこういう方針でやるんだ、このような意見の集約というのがないのかな、あるだろうというふうに思うわけでございます。これは私の意見でございます。 続きまして、その三党の方々が合意した中でありますが、特にこの船舶検査の修正について我々民主党もいろいろ考えておりまして、きょうの日本経済新聞にも載っておりますように、私、どのような交渉が三党の中であるかわかりませんが、「船舶検査法案 難航の様相」と書いてあります。この記事によれば、「船舶検査の法案に関し、自民党は「国連安全保障理事会の決議」を要件とした政府原案の範囲を超えない程度の内容にとどめる考え。」、その後続いておりますけれども、自由党は「全世界を対象にすべきだと主張。」、「公明党は「公海上の警告射撃は憲法が禁じている集団的自衛権の行使に該当する」として反発し、自由党案には応じられないとの立場だ。」と、このようにあるわけでございます。 考えてみますと、この船舶検査については、日本が大いに行う三本柱の一つなんです。その船舶検査についてすっと外してしまった。それも、国会の場でどのような議論があったのかわからないような状況の中で修正がなされていったわけでございまして、先ほどから申しますように、この場で、明るみで決まったことではどうもないような気がするのです。 ですから、我々民主党といたしましても、もう一度この場に船舶検査というものを上げて、今この場で皆さんに御意見を伺いながら合意が形成できないかなと思っております。 その前に、この船舶検査というのを周辺事態法の中から外した理由は何かということを三派の方にちょっと伺いたいと思います。なぜならば、米軍の私の友人にも電話をして聞きました。そのときに、個人的な意見ということではございますけれども、やはり入れてほしかったということを言っておりました。ですから、三派の方、三様の御意見があろうかと思いますが、外した理由は何であるか、そしてそれはまさに国益のためになると判断した結果か、そしてまた当初入っていた理由というのは何だろうか、こういったことを具体的にぜひ御説明いただけますでしょうか。
○衆議院議員(赤城徳彦君) 先生これまで御指摘いただきましたように、この法案は、国益という多義的なものの中でも我が国の平和と安全という一番根元的なものを実現する、そういう法律でございますから、先生御指摘のように、できるだけ広い国民的な合意、各党の合意の上で成立をする、こういうことが望ましいと思いますし、私どももそのように努力してきたところでございます。 日米安保条約そのものを認めないとか国際情勢の認識がおよそ違うという、そういうところは別といたしましても、御党のように現実路線をとられるという立場から、ぜひこの政府原案また修正案に対して御理解、御賛同いただければというふうに感じております。そういう趣旨から、衆議院段階でも民主党さんを含めて各党と随分協議を続けてまいりました。 御指摘の船舶検査でございますけれども、この点につきましては、我が党といたしましては、国連決議に基づく経済制裁の実効性を確保する、こういう政府原案の立場でございましたけれども、これに対して、国連決議という言葉を明示するのか、あるいは国連決議という言葉がなくとも旗国主義との関係で相手国の同意があればいいのではないかと。そういう点からしますと、条約その他の国際約束、国際慣行といった言葉で全体を包含できるのではないか。 そうした文言上の整理の問題でぎりぎりまで調整をしてまいったわけでありますけれども、調整がつかず、残念ながらこの修正からは落ちている、こういうことでございますが、なおこの問題については三党で今国会中にも別途立法措置を講ずる、こういう三党間の合意がございますので、今申し上げましたような問題点を含めて早急に詰めてまいりたい、こういうふうに考えております。 なお、もちろん先生御指摘のように、当委員会で、参議院の場でまた十分な御審議をいただきたい、かように考えております。
○衆議院議員(東祥三君) 政府原案から船舶検査活動に対しての条項を削除した経緯については、赤城先生の方から今説明があったとおりでございます。 各党どういう意見を持っているのか、そういう質問であればそれに対して答えさせていただきたいと思います。 この場であるいはまた衆議院の場でも徹底的にその部分は質疑の中で開陳してきていることですけれども、そもそも政府原案が提出されたときに自由党はまだ連立政権を組んでおりませんでした。一年前にこれが提出されて私たちがこの法案を見たときに、極めてわかりづらい法案であるというふうに思いました。 その幾つかの理由の一つとして、この周辺事態確保法案という原案そのものが、日米防衛協力にかかわる問題なのか、それとも国連に対しての平和協力の問題なのか。そこにかかわる問題として船舶検査活動というのがあるわけでございます。本来、日米防衛協力の一環としてならば、なぜここに国連決議というのが出てくるのか。これがまず第一の点でございます。 第二番目の点として、もし国連決議に基づく船舶検査活動であるとすれば、木俣先生御案内のとおり、国際連合はある意味では人類の知恵でございますけれども、一九四五年に国連憲章という、二度と同じ戦争を繰り返してはならない、国際社会において平和の破壊者が出てきたときにその平和の破壊者がどの国なのかということを国際社会が一致団結して決めよう、悪い者はこれだというそういう機能を、国際連盟当時持っていなかったものとして国連憲章の中にビルトインさせたわけです。 国連決議に基づく船舶検査活動というのは、御案内のとおり憲章四十一条で、三十九条から強制措置が始まります。したがって、強制措置に基づく船舶検査活動をやるとするならば、当然日本は他の国連の加盟国と同様な仕事をちゃんとすべきだ、恣意的なまた任意の職務質問に基づいて形だけ日本がそのような活動に参加しているということであるならば、これはちゃんとした仕事をしているというわけにはいかなくなる、国連決議に基づく船舶検査活動をやるために必要な措置というものは決して憲法違反になるものではない、そういう私たちは判断をしておりましたので、国連決議でやる以上、そういう任意の職務質問が付与されているような原案であるとすればこれはおかしい。 第三番目として、日本の周辺を眺めた場合、安保理の構成国メンバーがございます。当然安保理決議を前提とする以上、安保理決議がもし出ない場合ということが想定できないのか。極めて高い確率でもって国連決議が出るとするならば、それはそれでよろしい。しかし、国連決議が出る可能性というのは極めて低いのではないのか。そのときに、周辺事態という日本の平和と安全に極めて重要な影響を与える事態が起こっているときに、日本及びアメリカあるいはまた韓国、こういった国々から、有効性においては限られているかわからないけれども経済制裁を行おう、そういう話が出てきたときに日本はちゃんと対応できるようになっているんですかと。 そういうもろもろのことを考えたときに、まず思想を明確にすべきである。思想を明確にする以上、これは日米安保協力体制の一環としてやるわけですから国連決議というのは必要でなくなるんではないのか。国連決議が外れても制限が極めて、有効性が限られているかわからないけれども、日本が船舶検査をすることもできるようになるわけですから、そういう意味においては首尾一貫させた方がいい、こういうことでございます。国連決議に基づくものをやるとするならばちゃんとした形でもって、別法でもってやったらどうなのか、こういうことを首尾一貫して主張させていただきました。 以上です。
○衆議院議員(山中あき子君) 公明党・改革クラブといたしましては、原案に沿って、まず国連安保理の決議を必要とする、それから旗国主義ということも可能である、そしてこの適用範囲は周辺事態法の範囲であるという考え方は今も変わっておりません。 ただ、このガイドラインのアメリカとの約束の中に盛り込まれているものがすべて周辺事態法の中に書き込まれているわけではなくて、ACSAもございますしほかの関連の法案もあります。ですから、そういった意味で、この船舶検査の条項を周辺事態安全確保法案の中に書き込むかもしくは別建てにするかということは、総合的なガイドライン全体に影響を及ぼすというものではないというふうな認識もございます。 三党の合意というのが今早急にこれを検討し直すということですので、ぜひこの場で御議論いただいて、基本的に同じであったら民主党も賛成していただいて、できるだけ多くの賛同のもとにきちんとガイドラインが実効性あるように、そういう形になってほしいというふうに私は思っております。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 どうも三派の方の話を聞いておりますと、公明党・改革クラブの皆さんの御意見が大変わかりやすいなと思ったわけでございまして、我々民主党もそのような案であれば非常にわかりやすくていいんではないかというふうに、私、これは個人でございます、個人が思ったわけでございます。 さて、こういった周辺事態法、特に船舶検査にかかわるものが今紛糾しておりまして、私、これを個人的にというのか、分析をもっとわかりやすくしてみたい。 口頭ですと非常にわかりにくいので、今お手元に資料を配らせていただいておりますけれども、それを使いながらちょっと御説明をさせていただきたいと思っております。 このシナリオ分析でございます。(資料を示す) まず、ここにございますように、船舶検査に限りまして、国連決議ある、なしというもの。そしてマトリックスの横の方、これはもともとの法のように一体化していくんだという一体法。または、今外されてしまっておりますが、分離別法と書いてございますが、分離した方がいいんだという考えに基づいた分離別法という考え方でございます。 それで、このシナリオですとこの四つになります。シナリオ①、シナリオ②、シナリオ③、シナリオ④。 シナリオ①は、国連決議があって一体化した法律であるよ。そしてまたシナリオ②では、分離別法だけれども国連決議は一応つけますよ。その次は、一体化しながら国連決議は要りませんよ。国連決議なしで分離別法ですよというのがシナリオ④になります。 この①、②、③、④を、ある基準をもちまして点数をつけていくわけです。これは点数が高い方が当然いいわけでございまして、まず法案成立までのコストというものを見ますと、四点、五点、二点、三点となってございます。 これは大変難しい基準でございますが、要は皆さんに説得性を持ちながら議論を進めたいと思うわけでございます。例えばシナリオ③を見ていただきますと、国連決議がなしで一体的であると。もとに戻しながら国連決議なしというようなことでは、我々も同意はもちろんできませんし、今お答えになりました公明党の皆さんも、やはり国連安保理決議というものが要るという観点から非常にこれは賛同しにくいということで、また自民党も原案が違いますので賛同しにくいということで、点数は二、一番低いわけです。 そして、シナリオ②はごらんいただきますように点数が一番高いわけでございますが、国連決議があって分離している。分離しているのは現在でございますので、そのまま進みながら国連決議をつけていけば公明の皆さんも御賛同いただけるということで一番この可能性が高いのかなと。 その次のシナリオ①と④でございますが、シナリオ①の場合には、我々、修正の動議も出しておりますように、一体化して国連決議があれば我々もぜひ賛成をさせていただくということでございますので、これが四となりまして、分離しながらなしというのは三。四、五、二、三、このように点がつくわけでございます。 次に、執行のコスト、つまり船舶検査を実施したときのコストで考えてみようじゃないかという考え方でございます。 まず、国連決議があるというのは、つまりは機会は限定するんだという考え方ですね。国連決議なしということは日米の同意があればいつでもやるよ、または日本だけでもいつでもやりますよ、こういうような話になる。 また、一体化、分離の話は、簡単に申し上げれば、一体化した場合には周辺事態の枠の中でございます。これは地理的ではないと言っているわけですが、いずれにしても周辺事態の枠の中。分離した場合にはどこへでも行きますよ、こういうことに解釈ができると言えます。 そのように当てはめますと、執行のコストは一番コストが低いものが一番点が高いわけです、一番有効でありますので。要するに、一体化して国連決議がありますと、国連決議というハードルがあり、そしてまた周辺事態という二つのハードルがございますから、この活動の範囲というのは一番狭くてコストも一番安いということで五。そしてまた、一番お金がかかることでございますが、これは分離しながら国連決議はなし、これは皆さんも御理解いただけるかと存じます。 そしてその次に、シナリオ②でございますが、国連決議があって分離している。そしてまた国連決議がなくて一体化している、これはシナリオ③でございますが、一体化しているということは周辺事態に限るわけでございますので、分離しているよりもやはりコストはかからないだろうということでございまして、このように五、三、四、二とつくわけでございます。 このような考え方について、まずここまででちょっと説明をとめておきますけれども、この法案成立のコスト、そしてまた執行のコストについて、もし御意見または異議がございましたら、三派の方から一派ずつ御意見をいただけますでしょうか。
○衆議院議員(赤城徳彦君) 先生の御質問にお答えする前に、先ほど私が申し上げたところがちょっと不正確でしたので訂正させていただきたいと思います。 自由民主党としては基本的に原案がベストと、こう考えておりましたが、自由党との与党協議の中で、先ほど東議員から申し上げましたようなことを含めて議論した結果、旗国主義との関係で、国連決議という文言を用いずとも、「条約その他の国際約束及び確立された国際法規に従い、旗国の同意を得て」と、こういう表現で足りるのではないか、こういうふうな二党間の合意になったわけです。その後、公明党も含めて議論しました結果、やはり国連決議プラス旗国の同意というふうな国連決議という文言が必要だ、そういうことでぎりぎりまで調整がつかなかった、こういうことでございます。 それから、先生からただいま大変綿密な分析に基づく通信簿のような表を拝見いたしまして、いかに点数をつけるということが難しいかということを印象として受けました。 なお、今申し上げましたような経緯で各党間の協議が行われましたので、自民党、自由党、公明党・改革クラブ三会派とも、国連決議がある場合に船舶検査を行ってはいかぬ、こういう趣旨ではございませんで、いずれにしても、国連決議がある場合、国連決議はないけれども旗国の同意がある場合、このような場合に船舶検査を行う。そのときに、船舶検査を行える範囲をこの周辺事態安全確保法案の範囲でいくのか、さらにそのときの威嚇射撃、警告射撃をどのように扱うの、さらに法律の形式としてどのように扱うのか、そうした細部にわたってのところがまだ未調整と、こういうことでございますので、まずその中身がどのようになるのかということにそれぞれの法案の成立のコストや執行のコスト等がかかわってくるのではないかな、こういうふうに感じておりますので、まず三党の中で具体的な中身を詰めてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○衆議院議員(東祥三君) 木俣先生の大変な御努力に敬意を表したいと思います。 まだよくわかりませんので、勉強させていただきたいと思います。
○衆議院議員(山中あき子君) 私もこれを評価するにはもう少し調べさせていただかなきゃいけないんですが、最善がうまくいかなければ次善の策ということもあるのかなというふうに拝見いたしました。 先ほどの国連決議のことに関しましては、このガイドラインの法案の中の五番の二の括弧一のイロハニのニのところに、アメリカとの約束の中で、「国際連合安全保障理事会決議に基づく」という文言がございますので、公明・改革としてはそれにきちんと準拠したい、そういう意味がございます。
○木俣佳丈君 大変ありがとうございました。 ただ、その中身を今議論しているというよりも、もう中身はあるんではないかと思うんです。船舶検査というのはどうやったらいいかとか、もうそんなのは件数もいろいろあるわけですし、それからそこに強制力を持たなければならないのか、よく今までも言われましたように、十万で十何回ですかというような話がありますよね。そういう意味で言えば、今さら何を中身をというような感じがいたしますけれども、自分なりに考えてきましたので、ちょっと続けて聞いてください。 次は、日米双方の双務性ということでございます。双務性、要はどのぐらい日本に寄与、米国に寄与するか、特にこの場合は日本のことでございますから米国に寄与するかということでございまして、これは当然ながらシナリオ④の国連決議がない場合は地域が限定されませんし、そしてまた分離されていた方が周辺事態という限定がございませんので、分離そして国連決議なしの方が五。一番縛られますのがシナリオ①でございまして、国連決議があってしかも一体化しているのが一番縛られます。ですから、米軍としては、何だ、このぐらいしかやらないのかということでございまして、これが三。それで、真ん中につきましては四、四でございまして、余り詳しい話はしてもあれでございますが、このシナリオ②で言えば、国連決議があればかなり外まで周辺事態でなくても出ていける可能性もあると。シナリオ③であれば、かなり行動の範囲は限られるけれども米国の意思が反映されるということで、大体イーブン。ということで三、四、四、五。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 そしてまた、執行の可能性につきましては、簡単に申し上げますと、双方大体バランスがとれまして、国連決議があれば米国以外の他国からの印象がいいと。そしてまた、国連決議がない場合は、日米の自由度が高いということで、大体イーブンになるであろうと。三、三、三、三。 そしてまた最後に、我が国のプレゼンスということがございますが、外交的なプレゼンス、そしてまた防衛的なプレゼンスということでございますが、なしで一体的になりますと非常に危惧をされる面もありまして、一番低いのではないかということなんです。そしてまた、一番高いのは、やはりアジアの国に対しても外交的にも非常にプラスになる、そして防衛的にも我が国そしてまたアジアの国にも寄与できるであろうということで一番高い。そしてまた、シナリオ②につきましては、国連決議があって分離の方は、そこそこ外まで出ていけるし、国連決議があるということで特にアジアの方々にとっては脅威論から外れますから三、そしてまたシナリオ④につきましては、米国に寄与できる、しかしながら分離しておるということもありますので、とにかく④は三、②は三、このように考えます。 そうしますと、合計はというと、上から十九、十八、十五、十六と、この四つのシナリオの点数がじゃんと出るわけでございます。これを見ましても、私流の言い方をすれば、シナリオ①がいいのではないかということで、我田引水で、だからもとに戻すことでいいんです、こういうことになるわけでございます。 船舶検査につきましては、我々民主党は、もとに戻していくことでいいのではないか、それが一番得点が高いのではないかということでとにかくやってまいりたいと思っておる次第でございます。 これは意見は結構でございます。 次に、国会承認につきまして、先ほども同僚の議員から御質問がありましたけれども、御質問させていただきたいと思っております。 この国会承認ですが、やはり歯どめということ、そしてまた先ほどから申しますように、国益の代表者たる国会議員の目が光っていなければならないことではないか。例えば先ほどの船舶検査にしても後方地域支援にしても、かなり厳しい、そしてまた危険な作業であることはどなたも否めないし、そしてもし否める方がいればぜひ教えてほしいというようなものでございます。 出動については事前承認ということでございまして、これは非常に進んだかなという感じもございます。しかし、例えばNATOの空爆にドイツが参戦した、こういうことがありますように、同じように戦争を戦って負けた国同士のドイツと日本でありながら、片方は集団的自衛権も、持っているのはこれはもちろん国連憲章上ありますが、行使しても許される。しかも、集団的自衛権の範疇に本当に入るんでしょうか、ユーゴまで行って、そこで爆撃をしても許されている国がある。片や日本はといえば、御案内のとおりで、何度も何度も繰り返されているような状況であるわけでございます。 なぜこんな大きな差がついてしまったのか。本当に不思議です。戦争を全く知らない世代でございますし、その危険度も知らない人間でございます。逆に言うと、その不安というのは物すごく大きく持っております我々三十代でございます。大きな不安を持ちながらおる我々にとって、なぜこんなふうに日本とドイツと差がついてしまったのか。このあたりからまず伺いたいと思うんですけれども、外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利を有しております。したがって、日独両国とも、敗戦国とはいえ主権国家である以上、国際法上このような集団的自衛権を有しているわけであります。 それにもかかわらず、ドイツは集団的自衛権を行使でき我が国が行使できないのは、おのおのの国がその国内の最高法規においておのおのの立場を選択したからにほかならないわけでございます。すなわち、ドイツにおいては、同国の憲法ともいうべきボン基本法二十四条二項を根拠に、NATO及びWEU、西欧同盟を通じた集団的自衛権の行使が認められるものと解釈されているわけであります。 一方、我が国については、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えているわけでございます。 おのおのの国がそれぞれ選択した、こういうことでございます。
○木俣佳丈君 もちろん、そういう基本法に書いてあることと、初め拒否されていたわけですよね、それからだんだんNATOに参加していく。それから、NATOは新戦略ということで今度は域外まで出ていっていいよということで、しかもそれにドイツが出ていくこと。これと外務大臣が今お話しされたことは大いに違うんではないかなというふうに思うんです。基本法の中にそこまで盛り込まれて書いてはいないというふうに私は認識をしておる次第でございます。 それをやっていますと時間がありませんので、それではドイツからアメリカ、戦争が何というんでしょうか日常茶飯、戦闘行動が日常茶飯のアメリカでございます。一九七三年にウオー・パワー・アクトというのができておるわけです。大統領戦争権限法というのができておるわけでございますが、これはなぜ成立したか、外務大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 外国の法制のことでありますから、条約局長に答弁させます。
○政府委員(竹内行夫君) 御承知のとおり、米国におきましては、戦争の開始と申しますか、執行に関しまして憲法上の規定がございます。戦争宣言を行うのは議会の権限とされております。他方におきまして、軍の最高司令官として大統領に権限が認められております。 その二つの権限の調整ということがベトナム戦争当時問題になったわけでございます。その過程から、その当時の反省とか議論等を踏まえまして戦争権限法というのが定められたというのが歴史的な経緯だと存じます。
○木俣佳丈君 本当にオーケーです。そのとおりで、議会がとめようとしたけれどもとまらなかった。気がついたら、要は権限が議会になかったということでよろしゅうございますね。
○政府委員(竹内行夫君) とめようとしたが議会に権限がなかったとおっしゃることの意味がちょっと私、必ずしもつまびらかでございませんが、いずれにいたしましても、大統領の最高司令官としての権限と、それから戦争宣言をすることのできる議会の権限ということを調整するということで、大統領が米国の兵力を戦闘行為に投入するに際してやはり一定の制約と申しますか、議会が一定の制約を加えるということがその背後にある思想であるというふうに存じます。
○木俣佳丈君 そんな生易しいものじゃないと思います。トンキン湾に出ていったのが一九六四年、そして一九六五年から一応北爆が始まるわけなんですね。そして一九七三年まで、一応和平が成立するわけでございますが、長い八年間にわたる戦闘になるわけです。 これのさなかにそんな生易しいことではないんです。本当に議会が右往左往しながら、どうしたらいいんだろうか、そしてまた時の大統領もいろいろ考えるわけでございますが、大統領はとめようがないんです。とめたくても、とめるということは自分が失敗したということを認めるわけでございますからとまらないんですよ。それが事実なんです。 そして、そのときにその反省をしながらこの戦争権限法というのが成立して、期限つきの承認を、六十日たったら議会に報告して、必要があればもうあと何十日延ばすんだという規定を設けたのがこの真意だと思うんです。 現在のこの修正の法案にしましても同様ではないかというふうに思うんです。 例えば、出動については原則事前承認というふうになっております。原則事前承認でございます。そしてまた、周辺事態の認定は政府にあるわけです。政府にありますから、そこで周辺事態と宣言されたら出ていかないなんというのはおかしくなっちゃうんですよね。 そこで、事前承認ということでございますけれども、これは緊急性を要する場合の方がずっと多いんですよ。ずっと多いと思うんです、これは緊急であるから周辺事態なわけですから。緊急性がない周辺事態の方が少ないはずなんです。朝鮮で何かありましたといったときに、そんなのは緊急であるというふうに内閣は言うに決まっていますよ、緊急であるから後にしてくれと。そのときにとめようと思ってもこれはとまらないんです。 例えば、まずいと思ってとまらないときにどうやって国会が責任をとるんですか、国民に対して。ちょっと修正した人から。
○衆議院議員(赤城徳彦君) アメリカの戦争権限法に基づく仕組み、先生の大変深い見識を承りまして勉強させていただきましたが、この法律は戦争を行うわけではございませんので必ずしもその例が参考になるわけではない、こう思っております。 そもそもこの法律は、武力を行使するものでもありませんしまた国民の権利義務を制約するものでもない、また迅速な対処が必要だと従来から政府が申し上げていますように、基本的には基本計画の報告で足りる、こういうことでございますが、各党との修正協議の中で、組織たる自衛隊が行う活動である新たな二つの後方地域支援、後方地域捜索救助活動は、組織たる自衛隊が行うものであって新たに行うものであるから原則事前の国会承認、緊急時事後、こういうことが必要ではないか、こういう御指摘がありまして、それも国民の、国会のコントロールという意味では必要な意味のあることかな、こういうことで設けたわけでございます。 周辺事態が起こったときに、これは緊急だから必ず事後に回すということではありませんで、あくまで原則は事前の承認を得る、ただし国会の手続を経ていては我が国の平和と安全を確保することがかなわないような、そういう場合にあっては緊急時事後、こういうふうな扱いになるということでございます。
○木俣佳丈君 ほかの派の方に聞いていると時間がなくなりますのであれなんですが、PKO協力法の第六条十項にも具体的に二年間という規定がありますね。要するに、PKOでさえそういう限定をつけながら、なぜこんなもっと大事なことについて期限をつけないか。それは理由がどうしても通らないんです。出ちゃったら出っ放しなんですよ、これは。 ですから、本当にこれは大変なことであると僕は思うんですけれども、もう一回よろしゅうございますか。
○衆議院議員(赤城徳彦君) ただいま申し上げましたように、原則として事前の国会承認を得るということでございまして、その際には、その周辺事態がどのようなものであるのか、それに対しての基本計画が閣議決定されますので、どのようなものを行うのか、そういった政府の判断、そうしたものも示されますので、そうしたものとあわせて国会で十分な議論をいただいて、そして承認あるいは不承認の決定をしていただく、それに従ってそれぞれの対応をとる、こういうことでございますので、原則事前の国会承認、緊急時事後、こういうことで十分対応はできるかと思います。
○木俣佳丈君 世論調査、先ほどのあれでございますが、ことしの三月十九日の朝日新聞、「事前承認必要六二%」なんですよ。これは原則事前承認といってアンケートをとったんじゃないんですね。事前承認をしてください、お願いしますというのがこのアンケートの真意だと思うし、これは恐らく、私も十分にこの法案について、軍の、または自衛隊の活動について熟知しているわけではございませんけれども、これがまさに国民の総意であることは間違いないんです。 恐らく事前承認というのは非常に難しいんじゃないか。参考人の方で言っていらっしゃる方もありました。我々がお招きした参考人の浜谷先生も言っていました。だから、結局は緊急になるだろう。緊急になるんだから事後承認になるだろう。事後承認かもしれないけれども、出動、ばんと行ってしまって、事後承認を与えたらあとはお墨つきで何でもいいというふうになりかねない。 ベトナム戦争でもそうだし、それから朝鮮戦争でもかなり長い戦いになるんです。かなり長い戦いのときに、いつまでだろうか、国会はちゃんとチェックしているだろうか、我々の代表はチェックしているだろうか、そういう思いをしながら不安の中に国民がいなければならないということなんです。 ですから、これはどうしても修正をしなければならないポイントではないかと我々は本当に強く改めて思うわけでございますし、これをしたからといって別に自衛隊の活動が制約されて縮こまってしまうとは私は思いません。むしろ、今自衛隊の皆さんが本当に国民的な、違憲だとか言われる方もあるし、いろいろあるわけですが、そういう中で頑張っていらっしゃるわけでございますので、我々も本当に応援したい。そのためにはぜひもう一段御修正を賜りたくお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 今まで余り取り上げられていない視点からちょっと取り上げてみたいと思います。かなり幅の広い話になるかもしれませんが、これからの将来にとって極めて重要である、そういうふうに私は認識しているものですから、あえてこういうアプローチをさせていただきたいと思います。 いわゆる脅威に対して安全保障という手だてが必要になるわけですけれども、今日、脅威に対する考え方が極めて拡散し始めているというか、別な言い方をすれば多様化しているというふうに言うことができると思います。フォーリン・アフェアーズの論文の中にも、多様化する脅威という形でさまざまな論文が載っているわけでございます。日米安全保障という意味での再定義とかいうことじゃなくして、一般的な意味での安全保障の再定義をしなければいけない、そういうふうな論文も見かけるわけです。 それで、この多様化する脅威をどのように認識して評価するかということについて、将来の我が国にとって極めて重要な部分がかかわってくるわけでありますので、ぜひこれについて御答弁をいただきたいと思います。 最初に環境庁長官にお尋ねしたいわけですけれども、脅威の多様化そのものに対しての認識、そして評価ということについてはどのように御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(真鍋賢二君) 人類に対する脅威は、軍事面だけでなくて、環境面からいいますと地球温暖化の問題であるとかオゾン層の破壊であるとかいうようなことがまず取り上げられると思うわけであります。これらの問題を整理することなくして人類の生存基盤に対する問題処理はできない、こう考えておるところでありまして、先生の御指摘のように環境問題についての国際的な脅威というものに認識を改めていかなきゃならない、こう思っておる次第であります。
○加藤修一君 今、環境に限定されての御答弁だったと思いますけれども、多様化する脅威という観点から考えていった場合にはそれ以外にも私はあるように思いますけれども、その辺についてはどういうお考えですか。
○政府委員(加藤良三君) 一般的には、環境の破壊の問題のほかに、例えばテロリズムでございますとか麻薬でございますとか国際犯罪でございますとか、もろもろのものがあると思います。
○加藤修一君 そういった問題も入りますし、先ほど、午前中ですか、同僚の委員の方からも話がございましたけれども、新興感染症、エボラウイルスとか、そういった面が、アメリカのCDCでさえ対応できない、ひょっとすると今まで起こった事件の中でも人類の滅亡につながるような、ヨーロッパのWHOの本部が驚愕して、これはもう本当に人類の滅亡につながるような、そういう驚愕につながるような事件も起こっているわけであります。そういった意味では、本当に脅威の多様化、またそれに対応する安全保障というのをどういう形で我が国がつくり上げていくかということは極めて私は重要だと思います。 言うまでもなく、安全保障の概念そのものは国際政治学の発展とともにあったわけでありますけれども、一九八〇年代後半になって、冷戦後でございますけれども、国際問題の対応もいわゆる地球公共財的なものに注意が引かれるようになってきております。皆さん御存じのように、例えば一九八八年には旧ソ連のシェワルナゼ外相が国連総会で環境安全保障、そういったものを提案している。その後、ゴルバチョフが包括的な地球安全保障として環境や人権問題を含む新たな安全保障概念を訴えた。これは平和の配当にもつながるような話になっていたわけであります。 当時、旧ソ連のこういった提案に対して、ほとんどの国が正面切ってこういった環境問題を含む安全保障として扱うことについては避けているような感じがあったわけですけれども、ただ、先ほど答弁がありましたように、国の安全性に対して地球環境の問題が重要なファクターであることは、一九九二年のリオ・サミットでも証明されておりますし、一昨年の京都会議での国際交渉で明白であるように私は思います。 環境庁長官は、いわゆる環境安全保障、こういったことに対してどういうふうに、先ほど脅威についてさまざまな意味合いの答弁をいただいたわけですけれども、環境安全保障、脅威に対する環境の安全保障ということについてはいかなる認識と評価を下しているんでしょうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(真鍋賢二君) 地球環境問題が大変深刻化しております現状におきまして、人類共通の財産が脅かされているということに対しましてはやはり真剣に取り組んでいかなければならないわけでありますけれども、最近、地球環境問題の解決が人間の安全保障のかぎであるという議論がなされておるところでございます。 いずれにいたしましても、地球環境問題は全人類の共通の課題でありまして、各国が、そして地球上に生存するすべてのものが協調してそれぞれの責任と能力に応じて対策を講じていかなければならないと考えておるところであります。
○加藤修一君 具体的な安全保障の中身、環境庁が考えている視点での具体的な政策を含めてのものがございませんでしたけれども、時間の関係もございますし、別の機会にお聞きしたいと思います。 同様の質問について外務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 近年、人類の活動範囲、規模、種類の拡大に伴い、気候変動、オゾン層破壊等の地球環境問題が顕在化し、人類の生存に対する脅威となり得るものと認識をしているわけであります。 これらは一国のみの取り組みでは対処が困難で、本質的に国際的な共同の取り組みが必要とされるものでございます。このような重要性から、我が国は、地球環境問題を我が国が国際貢献を果たしていく上での最重要分野の一つと位置づけているわけでございます。 具体的に申し上げますと、九七年十二月の地球温暖化防止京都会議の開催に見られるように、地球環境に関する条約等の国際的枠組みの策定に積極的に取り組んでおります。また、九二年度から五年間で一兆四千四百億円の環境ODAを実施する等、本分野での途上国支援を強化拡充しております。さらに、国連環境計画を中心とする環境関連国際機関への貢献を行っているところでございます。
○加藤修一君 今の御答弁の中に国際貢献の話が出てございました。 先ほど私は申し上げましたけれども、午前中、同僚の議員が感染症の話をしておりました。私も非常に重要な所見だと思いますけれども、年間一千七百万人が感染症で死ぬ、これはWHOの一九九六年の世界保健レポートにそういうふうに書いてございます。アメリカのCDC、疾病管理予防センター、そこではP4レベル、特殊病原体研究室やユーサムリッド、これはアメリカの陸軍伝染病医学研究所でありますけれども、ここでさえも新興感染症について機動的に対応するのが非常に難しい。 先ほど国際貢献という話がございました。私も同様に、アジア太平洋地域にこういった機動的な組織というのがあることが非常に重要である、大切である、そういうふうに思っているわけですけれども、外務大臣はこれについてどのように取り組まれるお考えですか、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
○国務大臣(高村正彦君) 私自身、残念ながら十分な知見を有しておりませんので、委員の御指摘を受けてよく勉強してみたい、検討してみたい、こういうふうに思っております。
○加藤修一君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 私は、環境安全保障、そういったものについてどういうふうにアプローチしていけばいいかということについてはいろんなアプローチが当然あると思うんです。私が調べた範囲では、川島先生の紹介にも一つはなるかと思いますけれども、三つぐらいのアプローチが考えられるのではないかと。 地球環境問題を、軍事的脅威に加えて、考慮すべき国家への新たな脅威として扱う、そういった意味では安全保障を拡大解釈しようとする試みでありますけれども、これはリチャード・ウルマンという人がそういう話をしていまして、そういった意味では安保の再定義を行うべきである。長期的には地球レベルの不安全をもたらすと考えて、いわゆる国家の安全保障を脅かす脅威の中に、必要最低限のニーズが充足されない状態や環境破壊、自然災害さらに希少資源を求めて生じる紛争といったいわゆる間接的な脅威、需要過多をもたらす人口増加、そういったものを含めるべきである。 あるいはこれと同じような傾向の研究の中身としては、ジェシカ・マセウズという方が同様の再定義を考えて、国家は今や相互依存関係にある、また酸性雨などの越境環境問題は国境を重視した従来の国家概念に疑問を呈するものであるとしている。そして、地球環境問題、人口問題、自然資源の枯渇を含めて安全保障を再定義すべきではないかと。 このような第一番目のアプローチがあると思います。 もう一つ、第二のアプローチとしては、やはり安全保障概念を従来の軍事的な意味での安全保障の範囲にとどめ、環境問題とその範囲にとどめた安全保障との間の因果関係に注目するという考え方であると思います。 このアプローチは、代表的なのはホーマー・ディクソンという方なわけですけれども、実力行使を伴う可能性の極めて高い紛争を従来の伝統的な安全保障を損なうものとして定義して、国際社会が環境劣化による四つの事象、例えば農作物の収穫量減少、二番目として経済的な停滞、三番目としては人口の不適切な配置、四番目としては今までの制度や社会的関係の崩壊、この四つを通じて紛争に至ると仮定した上で、いわゆる環境破壊から紛争に至る過程を詳細に分析しているわけであります。 ピータ・グレークに至っては、飲用水の希少性と紛争との間を分析して、飲用水の確保やダム建設による移民発生が紛争につながるケースや、逆に紛争の一手段として相手国への水供給を遮断するケースを挙げているわけでございます。 今述べたことについては、いわゆる環境破壊が安全保障の安定性を損なうという意味で申し上げたわけでありますけれども、例えば世界環境開発委員会がまとめた報告書、これは日本政府も関与しているわけでありますけれども、「我ら共有の未来」では、安全保障の不安定性が環境破壊の原因ともあるいは結果ともなり得るとしている。 例えば、一九七〇年代初頭のエチオピアで土壌劣化による干ばつが多数の環境難民を引き起こしたことを例に取り上げまして、環境破壊が紛争にまで発展すると勧告し、逆に、核兵器を初めとする大量破壊兵器や枯れ葉剤などを用いた化学兵器は環境や人類すべてにとって最大の脅威であると紛争の環境破壊への影響を指摘しているわけです。 これが第二の考え方、アプローチだと思います。 第三のアプローチとしては、環境問題をさらに拡大して生態系と人類生命との関係を扱うもので、いわゆる生態系安全保障と称されるものでございますけれども、感染症の問題がこういったところに入ってくる問題だと思います。 いずれにしましても、やはりこういった安全保障に対してどういうふうに考えていくかというのは、国家のこれからのさまざまな政策を考えていく上では極めて重要な論点を私は含んでいると思いますので、環境庁におかれましても、あるいは外務省におかれましても、この辺について、先ほど研究という話、それは一部分の話でございますけれども、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 大変含蓄のある御指摘でありますが、重ねて申し上げますが、よく勉強、検討させていただきたいと思っております。
○国務大臣(真鍋賢二君) 先生御指摘のように、一九七六年の枯れ葉作戦の被害等からも想定されますように、核にかかわる問題等々は、大変生存社会において大きな悪影響を及ぼして、また取り返しのつかない状態に追い込まれると思っておるわけであります。 未然に防止する策をいろいろと講じておるところでありますけれども、私も絶対、核にかかわるような問題をこの地球上に存在させてはならないという強い意思を持ってやっておるわけであります。いろいろと御指導いただきたいと存じます。
○加藤修一君 次の質問は一九六七年に採択されました宇宙条約ということについてする予定でしたけれども、時間がございませんのでそれをスキップいたしまして、核軍縮問題等に行きたいと思います。 私は、核軍縮、これは当然のことながら日本政府が非常に大きな関心を持ってやってきていると思います。 核の冬という言葉がございますけれども、これについて環境庁長官はどういう認識をされておるでしょうか。
○国務大臣(真鍋賢二君) ただいまもお話し申し上げましたように、核兵器による環境影響は大変規模も大きく、また修復不可能なものであって、人類の存続にかかわる大きな問題であると私も承知をいたしております。 私としても万が一にもこのようなことがあってはならないと考えておりまして、その面に向かって努力を傾けてまいりたいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 ロシアとアメリカの削減目標が二〇〇三年には両国合わせて約六千五百発、それでも六千五百発の戦略核兵器が残ると。この威力は何と広島型原爆級でいえば約三十万発分の破壊力で、地球人類の絶滅と言われる、いわゆる科学者のシミュレーションによる核の冬が生じるという話がございます。 私は、原子力潜水艦の放射能汚染の問題とかあるいは廃棄された原発の処理がうまくいっていない、とりわけ旧ソ連、今のロシアの関係でございますけれども、その旧ソ連が捨てた核廃棄物の恐ろしい現状というのはかなり進んでいるなというふうに理解しております。例えば、マヤクというところは旧ソ連時代に核兵器用のプルトニウムの生産を行っていたところでございますけれども、その近くにあるカラトサイ湖には四億立方メートルもの放射性廃液が投棄されてきた、あるいはカラ海とかバレンツ海にはこれまで三万一千立米の放射性廃液が投棄されている、あるいはそのほかの海には放射性固形廃棄物が三千六百立米、液体廃棄物四百三十立米が投棄されたと推測されているわけであります。そういったことがたくさんあるわけですね。 これは極東においてもそうであると。例えば日本海においても投棄されているというケースが多々あったわけでありますけれども、この原潜絡みの問題について、日本海の海洋汚染あるいはオホーツク海の海洋汚染を考えていけば、将来的には極めて大変な状態になることを考えていきますと、やはりこれは日本海周辺の隣国、核を持っている国を含めて、やはり地中海条約に見られるような環境保全のための条約というのをつくっていく必要が当然私はあるのではないかなと思うんですね。 そういった意味で、日本海条約とかあるいはオホーツク海条約、そういったものを十分考えに入れて、そういった面での指針づくりをすぐしていくべきである、そのように私は考えるわけですけれども、外務大臣、そして官房長官、よろしく御答弁のほどをお願いします。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、ロシア、極東における今後の原子力潜水艦の解体に伴って生ずる液体放射性廃棄物の処理施設を建設するための協力をロシアに対して行うとともに、放射性廃棄物の海洋投棄を禁止するロンドン条約附属書の改正の早期受諾をロシア側に強く働きかけているわけでございますが、いずれにしてもこれは大切なことなので、先生の御指摘も踏まえ、前向きにいろいろ考えてまいりたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員が御指摘になりました廃棄処分をされました原子力潜水艦等の処理につきましては、大変重要な問題でございまして、外務大臣からもお答えがございましたけれども、平成五年、御指摘になりましたロシアの放射性廃棄物の海洋投棄を防止するために、ウラジオストクにおきまして液体放射性廃棄物の処理施設建設のために、約一億ドルだったと思いますが、日ロ間で基金を創設いたしまして、現在その処理施設の建設に協力をしておるところでございまして、もう最終段階に達しておると認識をしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、我が国はロシア側に対しまして、放射性廃棄物の海洋投棄を禁止するロンドン条約附属書の改正を早期に受諾するようさまざまな機会をとらえて強く求めてきておるところでございまして、今後ともこうした取り組みを続けていかなければならないと存じております。
○加藤修一君 国連におきます核軍縮決議、これは非常に多くの種類があるわけですけれども、これに関しまして我が国の対応というのはたまにわからないときがあるわけでございますけれども、例えば包括的実験禁止のための修正会議、これは棄権である。あるいは核兵器使用禁止、これも棄権ですね。あるいは核軍縮凍結、これも棄権。イスラエル云々の核武装非難についても棄権という話になっておりますし、昨年のアジェンダの関係で、南アフリカなど非核八カ国が要するに核保有国六カ国とインド、パキスタン、イスラエルに対して速やかな核廃絶を求める、核兵器のない世界へ―新たなアジェンダの必要性という共同宣言を発表したわけですけれども、それが決議案としてまとめられ、国連の総会に提出されておる。昨年の十二月に採択されているわけでございますけれども、これについても日本は棄権という判断をされているわけですけれども、この辺についてはどういうふうに我々は理解したらよろしいでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、期限つきの核兵器廃絶等の考えを含む国連総会決議については棄権をしてきているわけであります。このような主張は、現実の問題として核兵器国と非核兵器国の対立を助長し、結果として核軍縮の進展を妨げるおそれがあるものと考えているわけでございます。 これは単に想像だけじゃなくて、実際にカットオフ条約交渉もこうした対立により過去数年間にわたり交渉開始に至らなかったとの事情もあるわけであります。むしろ、CTBTの早期発効、カットオフ条約の早期実現、STARTプロセスの促進等の現実的な措置の推進に全力を尽くすことが最も確実に核兵器のない世界に近づくことにつながる、こういうふうに考えたわけでございます。 我が国は、唯一の被爆国としての立場もあり、核兵器のない世界の実現に向けてCTBTの早期発効、カットオフ条約交渉の早期開始のための働きかけ等の努力を積極的に行ってまいりました。また、米ロ間のSTARTプロセスの促進を初めとする核兵器国による核軍縮努力の一層の強化を強く求めてきているわけでございます。 委員が、特に新アジェンダ連合提案決議について棄権した理由と。これは実は我が国としても大変悩みに悩んだところでございまして、我が国として支持し得る要素が多く含まれていたため検討は困難をきわめたが、最終的に棄権せざるを得ませんでした。 その中の文言の幾つかによって、これらの点は核兵器国と非核兵器国の対立を助長するものであると。先ほど言ったのと同じ理由でありますが、いたずらに助長することによって実際の現実的な交渉に入らないというようなことが今までもありましたし、これからもあると考えたわけでありますが、日本政府としてはこの点については正直に申し上げますとかなり悩んだ、こういうことでございます。
○加藤修一君 今の答弁について、私は理解できないし、納得ができないわけです。九四年九月に当時の河野洋平副総理が、外相でありましたけれども、国連総会で演説し、ここでは、非核三原則を堅持する我が国は、核兵器の廃絶を究極的目標とするというふうに述べています。 また、九八年二月二日に発表された世界のいわゆる文民指導者による核兵器廃絶声明に賛同した後藤田元副総理は、残念なことに官僚はアメリカの顔色を見ている、日米安保で頭がいっぱいになっている、といっても、与えられた仕事をこなすのが官僚の役目だし、官僚だけを責めるのは無理がある、核の傘から抜け出すには安保の性格を友好条約に変えていかなければいけないというふうに後藤田元副総理はおっしゃっているわけです。 梶山静六元官房長官は、核を持たないといけない、あるいは超大国の論理に対抗すると言ったインドの思い、インドが言ったわけですけれども、一つも同情を払わずにアメリカと一緒になって制裁だ制裁だと声高らかに言う気には私はなれない、五大国に対し核を廃絶するプロセスを明らかにせよと主張すべきだ、こういうふうにおっしゃっているわけですけれども、これに対して御見解をお示しいただきたいと思うんです。
○国務大臣(高村正彦君) 日本は唯一の被爆国でありますから、そういったような主張が国民の間に強くあるということはよく理解できるところであります。ただ、私たちは現実の問題として、核のない世界にたどり着くのにどうするのが一番早いかということを考えに考えてこういう対応をとった、こういうことでございます。
○加藤修一君 そういう棄権を意図するということ自体がおかしいじゃないですか。棄権の根拠にならないですよ。 では、野中官房長官にお尋ねいたしますけれども、これは野中官房長官がおっしゃっていることだと思います。日本は被爆国家として五つの核保有国に、核をなくしなさい、ほかの国々が核武装や核実験をしないように言いなさいと堂々と言う勇気が生まれてこないのかと。これは広島での講演でございますけれども、私は、本当に先ほどから、唯一の被爆国である我が国ということを考えていくならば、悩みに悩んだけれども棄権したなんという言い方じゃなくて、すぱっとそういう極めて重要な決議案については賛成するという姿勢を持つことが非常に大切であると。 今紹介いたしましたように、官房長官もこういう形で、勇気を持ってという言い方をされておりますけれども、官房長官のさらなる御見解、積極的な発言をいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員が御指摘になりましたように、唯一の被爆国であります我が国は、核のありようについて、これからも大胆に率直に世界に向かって核をなくするための勇気ある外交手段を講じていかなくてはならないと思うわけでございます。 ただ、外務大臣がお答えになりました棄権につきましては、核を持っておる国と核を持たない国との決議について、そのいたずらな対立を起こすことによって、結果として進展を妨げてはならないという外交上の配慮によって行われたものでございまして、このことと私が申し上げることとは矛盾をしておらないと思っておる次第でございます。
○加藤修一君 官房長官のおっしゃっていることも私は理解ができないです。理解が全くできないんで、積極的にこういった面については考えていくようにしていただきたいと私は思います。 時間がないから次に参ります。 ジュネーブ条約がございますけれども、追加議定書Ⅰ、Ⅱというのがございます。これはほとんどの国が批准しているにもかかわらず、我が国とアメリカ、あと二、三、その程度が批准していません。この追加議定書というのは国際的武力紛争の犠牲者の保護に関する議定書でございますけれども、Ⅰについては自然環境の保護が第五十五条という形で書かれてございます。それから、追加議定書のⅡにつきましては非国際的武力紛争の犠牲者の保護に関する議定書ということでありますけれども、なぜこれについてずっと批准ができないような状態でいるのか、明快な根拠を示していただきたいと思います。
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。 御指摘の議定書は、戦争犠牲者の保護、戦闘手段の規制、これら義務の履行の確保等につき詳細に規定するものでございまして、委員御指摘のとおりでございます。全体として見れば、一定の意義を有しているというふうに考えております。 他方、累次国会でも申し上げておりますが、本件追加議定書は長年にわたる抗争の結果合意された妥協の産物という色彩も有しており、したがいまして、長年にわたって取り上げられました論点に十分な解決を与えていないという側面もあるように考えております。 ただ、いずれにせよ締約国数がふえていること、また一方で、委員御指摘のように米国等いまだ締結していない国もある、そういう双方の事情を勘案しつつ、その締結につき引き続き総合的な検討を行ってまいりたいというふうに存じております。
○加藤修一君 よく答弁でそういうふうに聞きますけれども、つまり引き続き総合的な検討をしていく、その引き続き総合的な検討というのは一体どういう検討を言うんですか。
○政府委員(東郷和彦君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、一方において米国が締結していない、他方におきまして締約国の数もふえている、そういう事情を総合的に勘案して検討してまいりたいということでございます。
○加藤修一君 そういう中身がないことを二回も言わないでほしいです。 第一追加議定書については、最近、昨年ですが、一月に英国が批准しております。なぜ英国が批准したんですか。フランスはジョスパン政権が締結のための作業をしているわけです。第二追加議定書については、英国が昨年一月に批准した。百四十五カ国ですよ、もう批准しているのは。もう残っているのはぱらぱらの状態です。その中に日本がいるという話ですよ。総合的判断の中身、明確な理由を言いなさいよ。
○政府委員(上田秀明君) お答え申し上げます。 ただいま条約局長からも答弁がございましたけれども、日本が検討すべき点といたしましては、第一追加議定書で、戦闘員が捕虜の待遇を得るための条件に関する規定がジュネーブ諸条約でも緩和されておりますけれども、その結果として文民と戦闘員の識別が明確に行われず、かえって文民の十分な保護に欠ける場合が生じ得る可能性があるという点でございます。 それから、我が国の国内法体系との整合性、国内法の整備の要否などについて種々検討していく点があるということでございます。
○加藤修一君 要は、サボっていると言われてもしようがないですよ、千九百七十数年ですから。国内の法律との整合性、そんなにかかるんですか。それは別の機会にまたやります。 非核三原則についてお聞きしたいんですけれども、ライシャワー氏は一九八一年に、核搭載船などの通過は核持ち込みに当たらないとする口頭了解が一九六〇年に当時の藤山愛一郎外相とマッカーサー米大使の間にあったと。また、一九六三年に大平氏に、外相ですね、口頭了解に沿った見解を示すように申し入れ、大平氏もわかったと理解した、そういうふうな発言がライシャワー氏から一九八一年にあったわけですけれども、これはどういうふうに政府はお考えですか。
○政府委員(竹内行夫君) いわゆるライシャワー発言でございますが、これは、一九八一年にそういうことが問題になりまして、その当時から政府が累次お答え申し上げておりますところは、ライシャワー発言にございましたような核積載艦船の寄港及び領海通過は事前協議の対象としないというような口頭了解は存在しないということでございます。
○加藤修一君 一九七二年六月、当時のアメリカの国防長官の書簡にはそういうことがきちっと書かれているわけですけれども、これについては知っておりますか。
○政府委員(竹内行夫君) ただいまお尋ねの件は、週末に報道されましたレアード国防長官の書簡の件かと推察いたしますが、何分これは米国の内部の文書でございまして、我々として報道記事以上のことを承知していることはございません。
○加藤修一君 ただ、非常に矛盾しているじゃないですか。矛盾していませんか。事前協議をしなければならないと言いつつ、言っている中身は違いますよ。この公文書にはそういうふうに、事前協議しなくてもいいように書かれているじゃないですか。おかしいと思いませんか。外務大臣、どうです。
○国務大臣(高村正彦君) これは日本とアメリカが取り交わした文書ではないわけであります。アメリカの国内でそういう文書があるということについて、私はそのことについてコメントすることは適当でないと考えますし、米軍による我が国への核兵器の持ち込みは、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文、いわゆる岸・ハーター交換公文でありますが、これにおいて、「装備における重要な変更」として事前協議の対象となっているわけであります。 また、核持ち込みについての事前協議が行われた場合には、政府としては常にこれを拒否する考えでございます。これらの点については従来より繰り返し述べているところでございます。
○委員長(井上吉夫君) 加藤君、時間が参っております。
○加藤修一君 取り寄せた公文書の中身を読んでいきますと、明らかに一九七二年以前については、少なくとも一九七二年以前については非核三原則を無視しているというふうにとられてもしようがないですね。一九六七年にたしか非核三原則の確立があったわけですけれども、その前の一九六〇年云々、あるいは一九六三年、先ほども申し上げたそういったことでございますけれども、一九六七年から少なくとも一九七二年の間については、事前協議の対象であったとしても対象にしなくたっていいというふうに書いてあるんです、この中には。 非常に私は理解に苦しみます。納得できません。別の機会にもう一度やります。 終わります。(拍手)
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 我が党は、周辺事態法案について、その本質はアメリカの戦争に参加するものと批判してまいりました。とりわけ、法案で言う後方地域支援というのは、米軍が行う戦闘作戦行為の一部を担うもので前方も後方もない、このことが国際的常識であって、ジュネーブ諸条約でも裏づけられていることも明らかにしてまいりました。国際司法裁判所の判決でも明瞭である、このことも明らかにしてまいりました。 そこで、官房長官にお伺いしたいんですけれども、この法案は日本が戦争に参加する、そういう法案だと思われませんか。そのことをまずお伺いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 日本が戦争に参加する法案とは考えておりません。巻き込まれる法案とも考えておりません。
○緒方靖夫君 私が申し上げました日本が戦争に参加する法案だ、そういう点は何も我が党だけの考えではありません。 それは、あなた方が連立を組んでいる自由党の小沢党首、この方も述べていることです。私は手元に持ってまいりましたけれども、ちょうど発売されたばかりの「正論」六月号、そこに小沢党首がインタビューを受けてこんなふうに述べているんです。「今度のガイドラインは、ごく大ざっぱにいうと、まさに戦争に参加する話なんです。そんな大事なことを、まったくいい加減な、嘘をついてごまかそうとしているわけだ。その政府自民党の姿勢に問題がすべてあるんですよ。」。私はそのまま引用いたしましたけれども、自由党の小沢党首はこういうことをこの雑誌「正論」で述べているわけです。 あなたは先ほど戦争に参加する、そういう法案ではない、また戦争に巻き込まれる、そういう法案でもないと考えているとおっしゃられましたけれども、あなた方と現に連立を組んでいる自由党の小沢一郎党首がこのように戦争参加の法案だと言っているわけです。 あなた方は、戦争参加の法案ではない、野中官房長官はそう言われました。一体どっちが本当なんですか。自由党は小渕内閣を構成する連立与党の一角です。その党首の発言、この食い違いを官房長官、どう説明されますか。
○国務大臣(野中広務君) 小沢党首の御発言は御発言といたしまして、自由党と自由民主党とは連立を組みまして、この法案を連立与党として国会に御審議をお願いしておる次第でございます。
○緒方靖夫君 官房長官、発言は発言として、そう言われましたけれども、この発言は重大問題です。まさにこの法案の本質が戦争に参加する法案だと、あなた方が連立を組んでいる小沢党首がはっきり述べているわけです。ですから、発言は発言として、そういうようにやってはだめなんです、この問題。この問題をどう片づけるのか。一体どう説明するのか。あなたがさっき述べたことと食い違っているでしょう。この問題とそして小沢一郎党首の発言、これを一体どう説明するのか。全然説明になっていないです。野中官房長官、ちょっと出られるのでおられるうちに。
○国務大臣(野中広務君) 小沢党首が書いておられるものを別としてと申し上げたわけでございまして、私どもは自由民主党と自由党との連立政権によって本案の審議をお願いしておるところでございます。
○緒方靖夫君 官房長官、別としてなんてならないんです。だって、この法案が戦争に参加する法案だと言われる。そのことはまさに憲法九条に抵触する、憲法に違反する、そういうことになってくるわけです。ですから、ここに書いてあることは書いてあることとして、あるいはここにあることは別として、そういう論法は成り立たない。官房長官、あなたの言っていることは、経過を説明しただけの話で、全然答弁になっていない。説明になっていないじゃないですか。官房長官、ちょっとおられるうちに説明してください。
○国務大臣(野中広務君) 御承知のように、私が今さら申し上げるまでもございませんけれども、日米安保条約は我が国及び極東の平和と安全を維持することを目的といたしておりまして、全く防御的な性格であると考えておるところでございます。 したがいまして、今御審議を賜っております周辺事態安全確保法案は、このような日米安保条約の効果的な運用に寄与いたしまして、我が国の平和と安全を確保することを目的としておるわけでございまして、我が国に対する武力攻撃の発生等を抑止することに資するものと考えておるところでございます。したがいまして、日米両国は国連憲章上の義務を負っておることは委員御承知のとおりでございます。そのような義務の遵守を日米安保条約において二国間の義務として確認しておるわけでございます。 周辺事態におきます日米両国の行為も、国際法上の基本原則、国連憲章等の国際約束に合致するものであるということは言うまでもございません。我が国の平和と安全に重要な影響を与える周辺事態におきまして、事態の拡大の抑制、収拾のために国連憲章及び日米安保条約に従い行動する米軍に対しまして我が国が後方地域支援を行うことはむしろ当然でございまして、国際法上、何ら問題がないと考えておるところでございます。
○緒方靖夫君 官房長官、長々と答弁書を読み上げられましたけれども、そういうことを小沢党首がこの中で政府はいいかげんなうそをついてごまかそうとしている、その政府・自民党の姿勢が問題なんだと言っているんですよ。そういう説明をこれまであなたはずっとやられてきたんです、政府は。その説明が、小沢党首がまさにうそをついていいかげんなことを言っている、そういうふうに糾弾しているわけです。批判しているわけです。 私は、小沢党首の言っている方が正論だと思いますよ。正直な話だと思います。そして同時に、あなた方が言っていることは、まさに引用すれば「いい加減な、嘘をついてごまかそうとしている」。そして、その政府・自民党の姿勢がすべて問題なんだ。私はそのとおり引用いたしましたけれども、小沢党首はそう言っているんです。ですから、今そういう答弁書を長々と言われましたけれども、そういう説明、そういう答弁そのものがまさに問われているわけです。 もう一度もとに戻りますけれども、あなた方は戦争参加の法案ではないと説明する。小沢さんは戦争参加の法案だと言う。その食い違いはどうなるんですか。はっきり説明してください。
○国務大臣(野中広務君) 衆議院段階におきます審議の過程におきまして、それぞれ自由民主党と自由党、さらには公明党とそれぞれ案文を修正いたしまして、本件の整理をいたしまして、参議院の御審議をいただいておるところでございまして、私どもとしては相矛盾しておると考えておらないところでございます。
○緒方靖夫君 先ほどから官房長官は経過を説明されているけれども、経過の問題じゃないんです。修正を経ても、あなた方言っているでしょう、この法案の内容もそしてまた性格も変わらないと。私もそう思います。 それで、私が今ここで問題にしているのはまさにこの法案の本質です。小沢さんは「今度のガイドラインは、ごく大ざっぱにいうと、」、「ごく大ざっぱ」というのはまさに本質ですよ。本質を言えばということで、「まさに戦争に参加する話なんです。」と言っている。あなた方は違う説明をする。一体どっちなんですか。ここをはっきりさせていただかないと、私は審議がこれ以上進まないと思います。どうなんですか。
○国務大臣(野中広務君) はっきりしておるじゃございませんか。私は、戦争に参加するものでもなく戦争に巻き込まれるものでもないと申し上げておる次第であります。
○緒方靖夫君 官房長官の今の答弁で、私も批判しましたけれども、まさにそれが小沢党首が言うところのいいかげんなうそをついてということなんですよ。私もそう思いますがね、この点では。 ですから、その点で、戦争に参加する法案なのか、それともあなたが言うように戦争に参加するわけでもない、巻き込まれるわけでもない、どっちなのか、はっきりさせていただきたいと思うんです。
○国務大臣(野中広務君) いやしくも私は、政府として答弁を求められて、政府として答弁を申し上げておる次第であります。
○緒方靖夫君 その政府が、まさにいいかげんなことを言う、うそを言うといって、その姿勢がここで問題にされているわけです。 ですから、そういう官房長官の答弁というのは全く成り立たない、そして説明もしていない。先ほどからあなたが答弁されていることは、答弁書を読み上げたかあるいはこの間の経過を説明しただけ。私が尋ねているのは、まさにこの法案があなたが説明したように戦争に参加するわけでもない、巻き込まれるわけでもないというものなのか、それとも小沢党首が言っているように戦争に参加するそういう法案なのか、そのことをはっきりしてほしいと言っているわけです。 とりわけ、自由党は今与党になっているでしょう。ここに野田さんがいる、今手を挙げている、ちょっと待ってください、手を挙げられているけれども、まさにあなたが閣内に自由党の代表として入っているでしょう。 それならば、野田さんに聞きます。小沢党首がこう述べている、そのことについてあなたはこれをどう考えるか。否定されるのか肯定されるのか、はっきり答えてください。
○国務大臣(野田毅君) この「正論」ですか、私も今指摘を受けて、大急ぎでコピーを持ってきてその該当部分をちょっと見ているんですが、ここでは前後の脈絡がどうなっているかよくわかりませんので何とも言えませんが、書いてあるのは「今度のガイドラインは、ごく大ざっぱにいうと、まさに戦争に参加する話なんです。」と、こういう表現が使われている。これは事実であります。ただ、私は、確かに大ざっぱに言っているわけであって、政治家というのはいろんな場面で同じことを表現するにもいろんな表現の仕方、つまり癖があると思います。 ここはなぜ自由党が、私から言うのはなんですけれども、今回の政党間の協議の中で、例えば周辺事態の定義の問題についていろいろ与党あるいは公明党を含めて議論が行われたようですが、私自身、閣内にありますのでその交渉事の中に入ってはおりませんが、いろいろ報告を受けたり聞いておりますと、あそこの意味は、つまり日本自身が直接有事、つまりどこかの国から直接武力攻撃を受ける場合、これは別途ガイドラインの中ではっきり柱が立っておるわけです。それから、極めてその直前まで差し迫った有事危機ということまではいわば一つのジャンルとしてある。 いま一つ、そこに行く前の周辺事態、その周辺事態という場合でも日本の平和と安全に無関係なことなのか。日本の平和と安全に無関係な事柄で米軍が勝手放題に行動することを日本の自衛隊が後方支援する話なのかというと、そうではないんだ。周辺事態というのは、日本の平和と安全に重要な影響を与えるという事態を想定しているわけです。つまり、場合によっては有事と周辺事態が同時発生し得るかもしれないし、あるいは周辺事態といえども放置すれば日本有事につながるかもしれぬということを盛んに自由党は強く主張してきた。 そういった主張も背景にあって、私は今度の周辺事態の定義の部分について、いわゆる例示的ではあるけれどもその項目が挿入されて、この定義そのものが広がりはしないけれども漠然としたものよりもより明確化したということを、衆議院の修正案の提案者の方から何度も答弁しておられたと思います。 そういう意味で、本当にしっかりとした体制を考えていく場合には、日本有事の場合に一体どういうふうに我が国自身が対応できるのか。政府としては直接そこまでは言っておりませんが、多くの政治家は、そのときに一体日本は、国民は、それぞれどういうようなことを協力できるのかなどということを含めてやらないと、本当に何かまるで無関係な外の出来事のようなイメージで論議をするということはよくないのではないか、そのことを強調したいということがその発言の真意だと、私はそう理解をいたしております。
○緒方靖夫君 あなたの長々とした答弁を忍耐強く聞いてまいりましたけれども、最初の段階で非常に重要なことを言われました。ここに言う「まさに戦争に参加する話なんです。」というのはこれは事実ですと言われましたね。事実と言われましたでしょう、最初に。
○国務大臣(野田毅君) 書いてあることは事実だと言ったんです。
○緒方靖夫君 書いてあることは事実であると。
○国務大臣(野田毅君) 書いてあるんだから。
○緒方靖夫君 そんなことは当たり前のことです。 私の問いというのは、長々答弁されたけれども、要するにあなたにとってこれは肯定できるのか否定できるのか、そのことをお尋ねしているわけです。その点、端的に言ってどうですか。長い答弁は要りません。
○国務大臣(野田毅君) 肯定否定はこれ全体を読んだ後でないとできないと思います。 ただ、先ほど来言っていますが、政治家の発言というのは必ずしも法制局の審査を経た上でなされるような、てにをはに至るまできちんとした表現をとるものではない、このことだけは申し上げておきます。
○緒方靖夫君 全く無責任な発言ですよ、これは。だって、いやしくも一党の党首、しかも今連立に参加している自由党の小沢党首が述べている。それを政治家の癖の問題とか法制局がチェックしたような発言じゃないとか、そういうことは私は言い逃れだと思います。 ですから、私はやっぱり端的にこの問題はどうなのか。小沢氏が言っているのはこれだけじゃないですよ。もっと言っている。その後に、「だから僕は「国民を騙してはいけない」といっている。」、そのことも言っている。いいですか。さらに、「すべてなし崩しに曖昧にしながらどんどん傷を深くする」、そういう話なんだと述べている。 私は、最初の話も今の話もすべてなし崩しの話も、すべて正直な話だと思います。そのとおりだと、立場はまるっきり違うかもしれないけれども、私は日本共産党として本当にそう思います。だからこそ、この法案がいかに危険かということを私たちは警鐘を乱打し、この法案を廃案にせよ、そういうことを言っているわけです。 ですから、この問題について、今の発言、それからその後の発言、ここで読まれたと思いますけれども、私はここで自由党の代表として内閣に参加している野田さん、あなたが党の人間としてこの小沢党首の発言を肯定されるのか否定されるのか、このことをやはり政治家としてはっきり述べていただきたい。いかがですか。
○国務大臣(野田毅君) 私たちは、言葉じりは別としても、今日まで不幸なことに、日本さえ悪いことをしなければ戦争に巻き込まれない、戦争が生じない、あるいはアメリカに協力しなければ戦争に巻き込まれなくて済むという発想が非常に強くあったのではないか。 しかし、我々が今直面している問題は、果たして今の世界は、国際社会はそういう発想だけで本当に大丈夫なのか。日本が悪いことをしなくても、場合によっては有事になることだってあり得るのであって、その場合に、我が国はまさに憲法上もみずからの自衛権を行使するということだってあり得る話だ、当然の話だ。そういうことが憲法上許されておるとしても、じゃ具体的にそれをどういうようなマニュアルの中でどういうふうにやっていくんですかという議論そのこと自体が、長い間の政治の世界の中で検討することすら実は避けられてきたということも現実の話なんだ。 そういう中で、いい悪いは別として、やっぱり我が国が主権国家として、本当に政治家の責任において、あるいは政府の責任において、国会議員が国民の生命、平和、これをいかに確保していくか、守っていくかということについてもうちょっとまじめな議論をしなければだめじゃないかという思いが私はこの小沢さんの発言の背景にある、そう考えております。 ただ、言葉遣いとして片言隻句、その部分だけ見れば、「まさに戦争に参加する話なんです。」という言い方が、ガイドラインと結びつけただけでそういう話になるとそういう誤解をする方々がありますから、もう少し丁寧な物の言い方をすればあなたのような質問は出なかったのかなというふうには思っております。 私は、本当にこの機会に、単にガイドラインのことだけじゃなくて、日本の平和と安全、日本人としてどうやってこれを十全なものにしていくのかというまじめな議論があってしかるべきだ。日本が悪いをことしなければ、あるいはアメリカへの支援をしなければ日本は本当に平和で安全であり続けることができるのかどうか。もし何かがあったときに一体どうするんですか。そのもし何かがあったときの議論をどうして避けてきたんですかと、その思いがこの表現の中に入っているというふうに私は思います。
○緒方靖夫君 大変苦しい答弁だと思います。だってあなたは、もう少し別の表現をすれば誤解の余地はなかったと言われたけれども、まさにこれで誤解の余地ないですよ。非常にはっきりしている。しかも、理由がきちっと述べられているんです、一つ一つなぜそうか。 だって、いいですか、「いい加減な、嘘をついてごまかそうとしている」、そしてそれをやっているのはだれか、「政府自民党の姿勢に問題がすべてある」、こう言っているんです。しかも、その後にるる述べている、短いけれども簡潔に小沢さん流の表現で述べています。 ですから、私は、この問題についてあなたはもう少し別の表現をすれば誤解の余地はなかったと言われるけれども、まさにこの文章そのものは誤解の余地はない文章です。はっきりしている。そのはっきりしているものに対してあなたはどう考えるのか、そういうことを私はさっきから問うているけれども、はっきりとは答えられない。 ここで言おうとしていることを、多分恐らく理解されるということを言いたいのかもしれないけれども、一体どうなんですか。肯定されるのか、いかがですか。
○国務大臣(野田毅君) 今申し上げたとおりで、もう少しきちんと丁寧な物の言い方をしていれば違った表現になっていたであろうし、あるいは今御質問があるような誤解を生ずる、真意を誤解されるような表現にはならなかったであろうと思います。
○緒方靖夫君 それでは問いますけれども、私はあなたがこれまでどういう主張をされてきたか、そういうこともいろいろ見てみました。いろいろあるけれども、例えば一つの例を挙げます。 これは昨年十一月二十九日のNHKの日曜テレビ討論、その中であなたは、後方支援をする場合でも、あるいは物資の供給そのこと自体が相手から見ればそれは一体なんですよ、そう述べている。そして、食料を運ぶときとか医療船の派遣をする場合とか物資を運搬する、そういうことすべて、それ自体が相手から見れば敵対行動になる。そういうことをはっきり述べられているでしょう。 まさに日本がこの法案によって戦争に参加する、それはあなた方が言うところの後方地域支援、そういうことを通じて参加する、これはもうさんざん私議論しました。国際的にはこのとおり明確に審判が下っている、そういう問題についてあなたはこうはっきり述べられている。小沢さんの言ったことと同じだと思いますよ、戦争に参加するということになる。 それでは聞きますけれども、小沢さんの主張とあなたの主張、私はこういうものを見るとまさに一緒だと思いますが、違うんですか、変わったんですか。
○国務大臣(野田毅君) 私は、このガイドライン法案が成立すれば日本が戦争に参加することになるという表現はいたしませんし、そのようにも考えてはおりません。小沢さんもそうだと思います。ただ、そういうふうに大ざっぱに言い過ぎたので、そういう誤解を生ずるような表現になったということだろうと思っています。 それから、前半部分、後方支援なり後方地域支援なりやれば相手から見たらどういうふうに受けとめられるかという議論は、いわゆる日本国憲法に基づく云々ということとは別問題として、それは例えば日米安保条約第六条に基づいて米軍が日本国の区域内の施設などを使って行うような場合には、当然、外国から見れば兵たん基地以上のものを提供しているということになれば、そういうことだってあり得る話であります。だから、相手から見てどうとかいう話じゃないんです。それは、相手から見てどうとられるかということを、そう受けとめられないようにしましょうなどというなら初めから敗北主義じゃありませんか。日本の平和と安全を脅かす側にこそ問題があるのであって、まるで外国の言いなりになっていれば日本は平和と安全が確保されるような発想で議論するということは、議論がそれこそ逆立ちしてはいませんでしょうか。私は本当にそのことを真剣に思います。 何かまるで、外国の方ばかりきょろきょろして御機嫌伺いしていれば、そして日本が敵視さえされないようにしていれば日本が平和で安全であるという発想というのは全く逆じゃないか。我々は堂々と胸を張っていけばいい、余りアグレッシブにやる必要はない。しかし、その中で毅然として我が国を脅かす者は許すことはできないわけであります。そこだけはきちっとしておくべきだ、私はそのように思います。
○緒方靖夫君 相手からどう見られるか、こういう問題と同時に、国際的にどうかということがあるんです。私たちはここでさんざん議論してきたけれども、国際的に見て後方地域支援なるものがどういうものか。これはジュネーブ諸条約を見ても戦闘と一体となっているとみなされる、もちろん、したがって相手からそう見られる。これは当たり前なんですよ。だから、国際常識だということを述べてきた。ですから、あなたが言われる、そう見られることをどうこうという話というのは本当に恐ろしい話です。 小沢党首のこういう表現、こういう問題を問題にするときに、私は憲法九条の問題をすぐに思い浮かべます。これはまさに憲法九条、これを破ってよろしいという方向の話になるんです、戦争に参加すると言っているわけですから。 私は、軍隊を動かす、あるいは軍事行動をお手伝いする、そういうことに関連して、一つ聞いておきたいことがあります。 小沢氏はこの中で、「軍隊を動かすというのは政治の究極の手段ですよ。「その究極の手段を無原則でノンルールでやっちゃいけない」」と主張しているわけです。実際そうではないかと思う。軍隊を動かすのに、地理的範囲は無限定、事態の中身と問えばこれも不明確。結局、そのときの政府が判断するというだけで、すべて政府に白紙委任する、これが今の法案です。この審議中にも、衆議院段階でもこの委員会でもそれがはっきりしてきたじゃありませんか。 あなたはこういうことを述べている小沢氏の考えに一部理解されるようなことを言っておりましたけれども、軍事行動をするときにはノンルール、そう言っている問題、さらにはその後に、こうしたことを、アメリカが言うから仕方がない、すべてなし崩し的にあいまいにしながら進められていると、そういう事態を批判しておりますけれども、あなたはその問題について、こういう見解は間違いと言われますか、それとも正しいと言われますか。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
○国務大臣(野田毅君) 今の部分に関しては全く小沢党首と同感でございます。 物事はぎりぎりのところをきちんと整理してその次に展開していきませんと、何となくあいまいなままで、まあまあ、いやその話はないことにしようと。つまり、危機が発生した場合に、具体的にどういうマニュアルでどういう法制をしてどういう対処をしていくのか、そのことをどちらかというと今まで議論を詰めないで、それこそそういう危機を生じさせないように外交努力したらいいじゃないかということで逃げてきたという嫌いがなくはないのではないか。 僕は、そういう意味で物事をきちんと整理して、そして何もそれは非常に攻撃的になれとか武力をどんどん活用しろとかいう趣旨で言っているのではなくて、まさに平時において、みんなが冷静な意識状況にある中できちんとした体制をつくっておくべきじゃないか。法治国家である以上は一番それが大事じゃないか。それが一たん危機が発生すると、とてもじゃないがみんな超法規的にいろんな措置がどんどんとられていくということ自体の方がより危険性は大きいのではないか。そういう発想から、決して逃げちゃならぬと。だから、現実にあり得るとするならば、きちんとしたまさにそれが政治の責任ではないかという思いを小沢党首はそのように表現しておられることだと私は思います。 それからいま一つ、前段でおっしゃいましたが、力んで言うわけじゃありませんが、基本的にこの法案は、それに先立つガイドラインがありますが、そのガイドラインそのものは日本国憲法及び日米安保条約という枠の中でやるんだということははっきりしている。つまり、日米安保条約を認めた上での展開になってきている。しかし、政党によって、政治家によっては、日米安保条約そのものを認めない立場の方がある。これも事実だ。だから、そういう意味で、日米安保条約を認めないという前提に立つならば、ガイドライン法案もけしからぬという論理になるのはこれは理路当然なんでしょう。 私たちは、日本の平和と安全の確保のために、専守防衛を旨とする日本国自衛隊ということと同時に、日米安保条約は極めて重要な基幹をなす体制であるという前提で物事を考えておるということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
○緒方靖夫君 長々述べられますけれども、この問題というのは安保に賛成している、そういう人たちの間でも重大な問題だ、極めて危険な問題だ、そういう認識があるわけですよ。 ですから、この問題は非常に重大だということが明らかになりました。あなたが今答弁されたけれども、ここに書かれていること、このノンルールの問題、そしてまた、すべてなし崩し、あいまい、これについて同感だと言われた。そういう方がこの内閣を構成している、連立内閣に参加している。やはり私は、内閣の統一は一体どこにあるのか、そのことを痛感せざるを得ません。 そこで委員長、事はこの問題、憲法違反の戦争法案なのか否かという重大な問題です。この問題について、今議論したように小渕内閣を構成している自由党の小沢党首が、明瞭に戦争参加の法案だと言い、政府はうそでごまかしていると明言しているわけですよ。しかし、政府は、それに対して野中官房長官が述べたようにそうではないと言っている。一体どっちなのか。大問題じゃありませんか。私は、この問題についてはっきりと究明することがまさに重要である、このことをはっきりと要求し、また指摘して、次の質問に進みたいと思います。 次に、私はユーゴスラビアへの武力攻撃の問題について質問したいと思います。 まず、アメリカなどNATOによるユーゴスラビアへの武力攻撃の問題、これは空爆が開始されてから三月二十四日以来もう二カ月になろうとしているわけですけれども、民間人の殺傷など惨劇が拡大しております。空爆即時中止の世論が日本でも世界各国でも急速に高まっております。 我が党は、空爆をやめ政治解決のために交渉に入るべきだと主張し、その旨を日本政府に対しても、また世界の諸外国に対しても申し入れを行ってまいりました。 今回の武力行使についてまずお伺いしたいのは、国連の授権があるのかという問題です。言うまでもなく、国連憲章のもとで武力行使、これは一般に原則禁止されているわけですけれども、それを許容する例外、これは二つあると思います。一つは五十一条、直接の侵略に対する自衛、そして四十二条、安保理の決議、この二つがあると思います。 まずお伺いしますけれども、五十一条の場合、コソボ問題に関連してこれが発動される、それに至るそういう経過、つまりそういう周辺国への侵略、これはあったんですか。お尋ねいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 紛争の経過全体を述べさせていただきますと、コソボでは八九年ミロシェビッチ・セルビア共和国議長が……
○緒方靖夫君 外務大臣、結構でございます。質問に答えてください。時間がありませんから、結構でございます。
○国務大臣(高村正彦君) 委員長に指名されていますから、私が今話す権利があるんです。 一方的にコソボの自治権を縮小し、軍と警察力を増強して直接統治を開始したために、コソボのアルバニア系住民とセルビア当局との間で緊張関係が続いていました。 昨年二月末のアルバニア系武装組織とセルビア治安部隊との武力衝突以来……
○緒方靖夫君 委員長、質問に答えるにように言ってください。そんなこと質問していません。
○国務大臣(高村正彦君) ユーゴ軍、セルビア治安部隊は圧倒的な軍事力のもとにアルバニア系住民に対する武力攻撃を行いました。その結果、大量難民、避難民が発生し、周辺国にも流出する事態となりました。
○緒方靖夫君 委員長。
○理事(竹山裕君) 発言中です。
○国務大臣(高村正彦君) 国際社会は、人道的な観点及びこの地域の平和と安定の維持という観点から、この問題の政治解決のために国連等の場において種々の外交努力を行ってまいりました。 しかし、このような国際社会の粘り強い外交努力にもかかわらず、ユーゴ側はこれをかたくなに拒否し、一方で四万人以上の軍、治安部隊をコソボ及びその周辺に投入し、さらなる攻撃準備を整えました。このような条件のもと、NATOはさらなる人道上の惨劇を食いとめるため、やむを得ざる措置として軍事行動をとるに至った次第でございます。 しかし、NATOの空爆にもかかわらず、ユーゴがコソボにおいてアルバニア系住民に対する攻撃を強行し、これまでに七十万人以上の難民が周辺国に流出するに至っていると承知をしております。
○緒方靖夫君 外務大臣、私の質問は五十一条を発動する要件があったのかと聞いているんですよ。長々と答弁されたけれども、肝心なことは答えてない。
○国務大臣(高村正彦君) 今回のNATOの行動と国連憲章との整合性については第一義的には安保理が判断すべきものでありますが、この点に関連して、先般ロシアが提出した今回のNATOの武力行使を国連憲章違反とする等の内容を含む決議案は、安保理において賛成三、反対十二の大差で否決されたと承知をしております。その後も安保理においてNATOの攻撃が国連憲章違反ではないかというような論議がなされたとは承知をしておりません。 いずれにいたしましても、我が国は今回のNATOの行動の当事者ではなく、また作戦面を含むNATOの軍事行動に関する詳細な情報を有していないので、国連憲章との整合性を含め、政府として法的評価を下すことはできない、こういう立場でございます。
○緒方靖夫君 長い答弁をされるけれども、私の質問に答えていない。 五十一条を発動する経緯があったのかと聞いているんです。ないでしょう。あるんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 今お答えいたしましたように、国連憲章との整合性については第一義的に安保理が判断すべきものであります。我が国としては法的評価はしていない、こういうことでございます。
○緒方靖夫君 非常におかしな答弁で、だって私が言ったのは、国連憲章のもとで武力行使が許されるケースというのは二つあるんです、例外的に。五十一条のケース、これはあったかなかったかというのは客観的事実じゃありませんか。どうなんですか、例えばユーゴが周辺国に侵略した、そういうことがあったのですか。それは明確な事実じゃありませんか。答えてください。
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。 事実の問題といたしまして、コソボの問題に関しては安保理では累次の決議がございましたけれども、その決議によって五十一条ないし安保理としての行動を授権するような決議はなかったと承知しております。
○緒方靖夫君 明確ですよ。なかったんです。五十一条を発動することもなかった。 それからもう一つ、四十二条の場合、安保理の決議、これは決議が三つあったかもしれないけれども、それは直接武力行使の根拠となるようなそういう決議じゃなかった。今、条約局長がちゃんと述べたとおりです。 あなただって、参議院の外交・防衛委員会、四月十四日で、「空爆を容認するような明示の決議がないことはこれは明らかであります。」、そう述べているじゃありませんか。 とすると、事実の問題としてお伺いしますけれども、国連決議、NATOの武力行使を容認するような国連の決議、これはなかったということははっきりしているじゃありませんか。いかがですか、明確でしょう。
○国務大臣(高村正彦君) NATOの武力行使を容認するような明示的な決議はなかったということは、これは私自身累次国会で答弁しているところでございます。ただ、その国連決議の内容とかあるいはその行動が国連憲章違反であるかとかいうことは第一義的に安保理自体が判断すべきことだということを累次申し上げているわけでございます。
○緒方靖夫君 わかりました。 そうすると五十一条でもない、四十二条に基づくような決議もなかった、あなたは言われましたよ、はっきり。明示的な決議はなかったと。とすると、このNATOの武力行使は一体何なのかということになるわけですよ。国連憲章に基づかない、そういうことになります。つまり、私はこれはまさに国連憲章違反だと言わざるを得ないと思うんです。 そして、あなたが先ほどから言われているように、一義的に安保理が判断すべきもの、そう言われていますけれども、そこでもロシア、中国がはっきりとこの空爆の問題についても根拠がないと述べている。あるいはまた、理事国のブラジル等々、ほかの国々も根拠がないと述べている。そういう事態があるわけですよ。ですから、この事態が非常にはっきりしている。安保理として集団的にその決議があると認められる事実はないわけですよ。ですから、一義的に安保理が判断すべきもの、これは全然理屈にならない。 それから、あなたは詳細な情報を持っていない、そういうことも言われました。しかし、これもおかしいですよ。だって、詳細な情報、これは今、条約局長、あなたも認められたように、五十一条もない、そしてまた四十二条もない、これが何よりも重要な事実じゃありませんか。これが最も重要な根本的な客観的事実ですよ。 そして、さらに言えば、あなた方はさまざまな形でユーゴ政府に圧力をかける、そういう問題ではかなり突っ込んだ発言をされているじゃありませんか。ですから、詳細な情報がない、こういうことも理由にならない。 さらに、当事者ではない、これもおかしいですよ。確かに日本は紛争の当事者ではない、これははっきりしています。これはその他の多くの国と同様です。しかし、同時に日本はG8に参加して和平解決のイニシアチブをとっている、そういう国々に加わっているわけですね。ですから、当事国ではない、こんなことを国際社会に向かって日本政府、外務大臣が言ったらそれこそ世界の笑い物になる、私はそう思います。ですから、あなたが言っていることはそういうことで成り立たない。 とすると、ここで問題になるのは、何といっても国連の授権がない、そういうことになってくるんですよ、国連決議がないわけですから。国連の授権のないそういう武力行使はもちろん国連憲章違反じゃありませんか。
○国務大臣(高村正彦君) 先ほどから申し上げておりますように、国連憲章違反であるかどうかということの判断は第一義的に国連安保理がなされるべきものでありますが、国連安保理にロシアが、これは国連憲章違反だ、だから空爆を停止せよ、こういう決議案を出して、それは十二対三の大差で否決されている、こういうこともあるわけであります。 先ほどから空爆を許容するような明示の決議がなかった、こういうことを申し上げておりますが、このことは直ちに国連憲章違反と断定できるかどうかということはそれはまた別問題でありまして、断定できないからこそ国連安保理でロシアの決議案が十二対三という大差で否決されているわけでございます。 それから、当事者ではないということについて言いましたが、日本は空爆の当事者ですか。当事者ではありませんよ。(「だれがそんなことを言っているんだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私がそう言っているんですよ。当事者でないというのは私が話していることで、私の言葉ですからこの解釈権は私にあるので、私が空爆の当事者でない、ですからそういうことはわからないと言っている。何か、だれが言ったとか何だとかやじを飛ばしている人がたくさんいるけれども、私がこれは当事者ではないと、こういう言葉を申し上げているわけでございます。
○緒方靖夫君 いいですか、日本は紛争の当事者ではない、当たり前です。またNATOの当事者でもない、これも当たり前です。そんなこと言っているんじゃありません。ですから、あなたは、当事者じゃない、したがって法的判断を下せない、いろいろな理由を並べて言うけれども、この問題は、やはりユーゴ政府に圧力をかけることになるといろいろ突っ込んだことを言う政府が、こういうふうにして国連の授権があるかどうかという問題を初めとして肝心な問題になるとはっきり述べない、ここに私は日本政府の御都合主義、逃げの姿勢がある、このことを述べているんです。ですから、この問題で国連の授権がない、このことは非常に明瞭なわけです。 大臣、NATOが武力行使をする国連の憲章上の根拠は何条か挙げてください。
○国務大臣(高村正彦君) 何度も申し上げていますように、国連の明示の根拠はない、こういうことを申し上げているわけでございます。そして一方で、一般国際法上人道的介入というような概念が形成されつつあるわけでありますが、これはまさに形成されつつある概念で、どの程度の条件で、どの程度の介入が許されるかということについてはまだ必ずしも固まっていない。 そういう中で、日本としては、民族浄化と言われることが行われている、そう言われてもしようがないようなことが行われているということは確認していますが、それがどの程度だれの手によって、だれの手というのは軍か治安部隊か民兵かそういうことによってもいろいろ状況が違ってくるでしょうし、どの程度行われているか、そういった状況についても一〇〇%わかっているわけではありませんし、それと同時にNATOの側の軍事作戦についても細かい点まで一〇〇%わかっているわけではない。そういう中で、我が国が正確な法的判断を下さない、そういう状況にある、こういうことを何度も申し上げているわけでございます。 それと同時に、先ほどから言っていますように、第一義的な国連憲章違反かどうかという解釈権はまさに国連安保理にあるわけでありますから、国連安保理でロシアのそういう違反であるという決議案は十二対三という大差で、まさに国連安保理の中で否決されましたよという客観的事実を淡々と申し上げているわけでございます。
○緒方靖夫君 私がお聞きしているのは、外務大臣、NATOが武力行使をした、その国際法上の根拠なんです。国連憲章の何条にそれが書かれているか、その根拠は何条にあるか、そういうことをお聞きした。しかし、それについてはお答えがなかった。そして、いろいろ周辺のことを述べました。学説が形成されつつある、そんなことも言われた。しかし、幾ら学説が形成されつつあっても、根拠になるわけないじゃありませんか。そんなことになったらえらいことになるでしょう。ですから、一国の外務大臣がこういう場でそういうことを述べる、これは私は不見識だと思います。 それから、ロシアのことも言われた。さっきも言われたけれども、ロシアの決議、あれはいつですか。ロシア提案の決議は空爆が始まってから二日後じゃありませんか。ですからこれも、大差で破られたと言われましたけれども、それをもって空爆の根拠にすることはできないんです、空爆の始まった後に行われた決議なんですから。これをもって国際社会であの空爆が国際的な根拠がある、そう言っているところはありますか。NATOでさえも言っていないです。アメリカだって言っていない。 ですから、外務大臣、国際法上の根拠。いいですか、NATOがああいう武力行使をする国際法上の根拠、一体あるのかないのか、あるなら挙げていただきたい。それが私の質問です。
○国務大臣(高村正彦君) 外務大臣の見識としてふさわしくない、こういうことをおっしゃいますが、もちろん日本共産党の方から見れば私の見識はあらゆる点で不見識だと、こういうふうに思っております。 それはそれとして、私は政治家としての立場を述べたわけでございますが、これは国連憲章の解釈の問題でありますから、条約局長に答弁させます。
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。 日本政府といたしまして、本件に対して国際法上の判断をするということに際して、参照すべき事案は二点本件に関してあると思います。 まず、当事者としてのNATO諸国が本件に関していかなる法的評価を下しているか。それから、この点につきましては空爆を開始した直後にソラナNATO事務総長より、軍事行動開始の決定に際して、今回の軍事行動はユーゴ政府が和平合意案をかたくなに拒否し、他方で国連安保理決議等に反しコソボにおいてユーゴ軍及びセルビア治安部隊による過度な武力行使が続く中で人道上の惨劇を防止するためにやむを得ざる措置であるということが表明されておるわけでございまして、これ以上に当事者であるNATO諸国からこの問題についての法的な評価は述べられていないと承知しております。 第二点は、現下の国際法の大きな背景をなしますところの国連憲章との関係で本件をいかに考えるべきかという点でございます。 この点に関しましては、累次外務大臣から申し上げておりますように、空爆直後にロシアが決議案を提出して本件は国連憲章違反ということを提示したにもかかわらず十二対三で否決されたということでございまして、委員はこれが空爆直後に行われたということをおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりでございまして、空爆直後に行われた決議以降、国連の場においてこの決議と異なった意見というものが安保理の中で形成されてきていないというのが現状でございます。 そこで、空爆が続いておる中、非常に難しいこの事態に対して日本国政府として国際法上いかなる判断を下すべきか。私はこの二つの参照すべき事案を前にして、累次申し上げておりますように、日本国政府としてこれ以上の法的判断は申し上げられないというのが我が国政府としての現時点で申し上げる法的な評価としてこれ以外の評価はあり得ないというふうに考えております。
○緒方靖夫君 今言われたように、NATOがそれ以上のことを述べていないというのは法的根拠がないからですよ。国連憲章上の根拠が示せない、だから述べていないんですよ。だから、NATOだって国際法上にこういう根拠があるということを一切今回述べていない。それから、ロシアの決議のことについても言われましたけれども、それだって十二対三。これは全会一致じゃないわけです。 ですから、これが仮にその前だって根拠にならないんです、空爆の前だって。ましてや後、これは全く理由にならない。したがって、私が先ほどから申し上げていますように、この問題については国連憲章上の根拠はないんです。つまり、武力行使を国連によって授権された、そういう経過がないんです。このことがまさに重要なんです。そして、あなた方は、この問題について法的評価を下せない、そう言っていろいろ理由を挙げて逃げる。それがいかに理由にならないかということは先ほど述べました。 この問題というのは、実は次の問題に大きくかかってくる問題なんです。それは周辺事態の問題です。つまり、こういう問題が今回の事態を今の周辺事態法案、これに引きつけたときに事柄の性格としてどういうことになるのか。仮に日本周辺のある国内で著しい人権侵害が行われて、そこに武力行使が行われる。憲章の五十一条でもない、四十二条も満たさない、こういう行為がアメリカによって行われた、こうした場合、日本は周辺事態法を発動してアメリカに協力するのか、この問題があるわけです。その場合、どういうふうになりますか。
○国務大臣(高村正彦君) 周辺事態とは我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態であり、ある事態が周辺事態に該当するか否かはあくまでもその事態の規模、態様等を総合的に勘案して判断します。 したがって、御質問のごとき仮定の設問にお答えすることは困難でございます。
○緒方靖夫君 外務大臣、おかしいじゃありませんか。仮定の問題には答えられないと言うけれども、この法案についてこれまで議論していたのはいつも仮定の問題じゃありませんか。我々が周辺事態とはどういう事態かと聞けば具体的に示さない。そして、いつも仮定を前提にしている。これは言ってしまえば、この議論もそうだったけれども、いわば法律全体としては当たり前の話です。法律というのはある種の仮定を前提にしてできている、これは当然だと思います。だからこそこの法案でも、起こるかもしれない六つの類型、これを示して、何が起こるのか、起こり得るのか、そういったことについてあなた方は示されてきた、そういう経過があったと思います。 この法案の審議中にNATOにとっても歴史的に初めてのケース、これが生まれた。これと類似した事態が日本の周辺で生まれたときにどう対処するのか。これは仮定の話なんて逃げたら、六類型はみんな仮定の話じゃありませんか。ですから、この問題についてはっきり答弁する、これは政府の責任じゃありませんか。逃げないで答えてください。
○国務大臣(高村正彦君) 重ねて申し上げますが、御質問のごとき仮定の設問に対してお答えすることは困難であります。 その上で、全くの一般論として申し上げれば、周辺事態とは我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態であり、ある事態が周辺事態に該当するか否かは、あくまで我が国の平和及び安全に重要な影響を与えるか否かの観点から、その事態の規模、態様等を総合的に勘案してケース・バイ・ケースで判断することになります。そして、ケース・バイ・ケースで判断して周辺事態に当たった場合に、事態の拡大の抑制、収拾のために国連憲章及び日米安保条約に従い行動する米軍に対し、我が国が協力を行うことはむしろ当然であると考えておりますが、他方で周辺事態に該当しない場合には本法案に基づく協力を行うことはありません。 それで、一言申し上げますと、コソボの問題について法的評価を下さないと申し上げましたけれども、周辺事態についてはまさに我が国は当事者なんですね。そして、米国との間も密接に連絡協議を行っていくわけで、最終的には日本は主体的に判断するわけであります。日米安保条約において、日米とも国連憲章に従い、一般国際法に従わなければいけない、そういうことになっているわけでありますからそういうことは当然考慮され、日本は主権国家として主体的に判断をしてまいります。
○緒方靖夫君 ですから、結局、今あなたが言われたように、この問題についてどういう方向で日本が進むのか、これがまさに問われているわけですよ。 ですから、まさにこの問題、あなたは仮定の問題といろいろ言われたけれども、仮定の問題じゃない。現にヨーロッパで起きている。ユーゴスラビアで起きている。この問題がこのアジアで起こらない保証はない。しかも、アメリカが、五十一条でもない四十二条でもない、国連憲章に立脚しない、そういう形でこういう武力行使を行っている事態がある。そのもとで私はこの周辺事態について引き寄せて尋ねても、それについてはまともに答えない。私は、非常に無責任だ、本当にこの問題について重大な責任がある対応である、そのことをしっかりと指摘しておきたいと思います。 そこで、委員長、私が最初に質問いたしました小沢党首の発言の問題、この問題について、私はまさに、小沢党首の戦争に参加する法案という問題、これは憲法違反かどうかという重大な問題だと思います。ましてや小沢党首は連立与党を担う自由党の党首ですよ。委員長、この問題で内閣としての統一見解をしっかりと示す、このことを委員会として要求していただきたい。
○理事(竹山裕君) 後刻理事会で協議します。
○緒方靖夫君 私は、きょう議論してきた小沢党首のこの発言、戦争に参加する法案だ、そしてすべてがあいまいにされている、そしてすべてが隠されている、そしてその大きな責任が政府・自民党にある、この指摘は私は非常に重いと思います。 今、外務大臣といろいろ議論いたしましたけれども、ユーゴの事態についても法的評価は下せない。るるいろいろへ理屈は述べましたけれども、まともな議論ができない。そして、国連憲章に基づいているかといえば、あなたも認められたように決議はない、このことは認める。しかし、法的評価は下さない、そう逃げる。私は、そういうあいまいさ、そういう逃げ、これがこの法案をめぐって、二十一世紀を直前にして日本の将来がかかっている平和と安全の問題に非常に重大な問題を及ぼしていると思います。 私は、最後に、この法案は廃案にするしかない、このことを述べて質問を終わります。(拍手)
○国務大臣(高村正彦君) 質疑の中で申し上げたことを一方的にへ理屈などと言うのは、まさに貴委員の独善性を示しているものだと思います。
○緒方靖夫君 委員長、発言ですから言わせてください。──言わせてください。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 一番初めに、今回、修正案で周辺事態法一条が修正をされました。「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」の定義が加わったわけです。 そこで、お尋ねいたします。 ACSA改定案の方は、周辺事態の定義は従前どおりでございます。二条の1b、「「周辺事態」とは、日本国の周辺の地域における日本国の平和及び安全に重要な影響を与える事態をいう。」と。ACSA改定案と周辺事態法案のこの周辺事態をめぐる定義の整合性はどうなっているのでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 「そのまま放置すれば」云々というのは、周辺事態を例示的に丁寧に説明しているわけでございます。したがいまして、定義には一切変更はございません。実質的に意味するところは同じでございます。 したがいまして、ACSAの方には先生御指摘のような表現が使われておりますけれども、ACSAと全く同じ意味合いで使っておるわけでございます。(「同じなのにどうして違うのか。」と呼ぶ者あり)
○福島瑞穂君 ありがとうございます。 同じならば、なぜこの修正案が加味されたのでしょうか。これは修正案の定義を行われました方にお聞きいたします。要求答弁者はまず自由党。なぜ「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等」を入れられたのでしょうか。
○衆議院議員(東祥三君) 福島委員にお答えいたします。 何度も何度もここで答弁させていただいております。政府の原案を見たときに、これはなかなかわかりづらい法案であると。福島議員御案内のとおり、日本は、一九五二年の日米安保条約、六〇年の新安保条約、それ以後今日まで、基地は提供する、それ以外のことは基本的に何もしてこなかったわけです。今回の法案を見たときに、米軍に対しての協力を公海上まで出て行うと。じゃ、それをちゃんと国民の皆さん方にわかっていただける論理というものをつくる必要があるのではないのか。周辺事態というのは一体どういう事態なのか、そういうことを明確にわかっていただける論理をつくる必要があるのではないのか。 したがって、ここで他の同僚の政府修正案提出者の方々からも何回もお話があるとおり、定義それ自体は変わっておりませんけれども、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがある、そういう場合、一つの例示的なものでございますが、それがまさに周辺事態であるということを明確にすることができたのではないのか。その意味で、周辺事態の定義をより明確に、そしてはっきりと国民の皆さん方にわかっていただけるためにこれを挿入させていただいた、このように思っております。
○福島瑞穂君 「重要な影響を与える事態」というのと「おそれのある事態」というのは厳密な意味でやはり違うと思います。 例えば、刑法犯ですと、「おそれ」というのを抽象的危険犯か具体的危険犯かなどといった論争がありますけれども、この「おそれ」というものをどのように定義されているのでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 全体としてごらんいただきたいのでありますが、そのまま放置すれば直接の武力攻撃に至るおそれのある場合、こういうふうに全体で見ていただきたいのであります。 ここで一番問題になりますのは、自衛隊法七十六条の「おそれ」との比較でございます。この点につきましてはたびたび御説明しておりますので、御説明申し上げる必要はないかとは思いますが、そこが一番大事なところでありまして、七十六条の「武力攻撃のおそれ」というのは、相手国の日本に対する攻撃の意思、これが明白であるということが一つ。それからもう一つは、能力があって、そして日本を攻撃する軍事的展開があらわれている、こういうことも大事だと思います。さらに、その背景に国際情勢というのがあるかと思いますけれども、意思表示と能力、簡単に申し上げますと、それが明白である場合には七十六条の「おそれ」、全くいつ攻めてくるかもわからない、こういう状態であります。 両方の要素、二つの要素のうち一つでもあいまいであるという場合には、私は、そのまま放置すれば武力攻撃に至るおそれ、こういうふうに読む、こういうことでございます。 したがいまして、そこには外交努力が必要でしょうし、あるいは周辺事態法に基づく何らかの措置が必要だと。それをやれば、そのまま放置すれば至るおそれ、これがそのままになるのか消えてなくなるのか、こういうようなことでございます。
○福島瑞穂君 やはりちょっとわからないんですね。つまり、「おそれ」ということは蓋然性がかなり入っておりますので、その判断権者がだれで、何をもって「おそれ」と見るのかということが一義的ではないと思います。ですから、ACSAとこの周辺事態法の修正案では解釈が違うのではないかというふうに思います。 それで、自衛隊法の三条、「自衛隊の任務」。これは一項、「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、」というふうにあります。 自衛隊が防衛出動できる場合について、法律は明確に直接または間接侵略というふうに述べております。自衛隊が出動できるのは、「おそれ」というのは何もないんですね。ですから、これとの不整合性が出てくるとも思いますが、いかがですか。 政府じゃなくて修正者。それでは、公明党お願いします。
○衆議院議員(大野功統君) 今、三条の方には「おそれ」がないじゃないか、こういう御質問でございます。ただし、七十六条には明らかに「おそれ」と書いてあるわけでございます。それから、三条の方は本来業務でございます。それから、周辺事態についての自衛隊の活動というのは、これは本来業務じゃなくて付随業務ということでございます。したがいまして、そこで明確な区分ができると思っております。
○福島瑞穂君 ACSA改定案は条約ですから、アメリカとの約束で周辺事態の定義を決められたと思います。周辺事態法は日本の国内法です。衆議院で修正案ができたことをアメリカは了解しているのでしょうか。 外務大臣お願いします。
○国務大臣(高村正彦君) 国内法において国会が修正することで、了解を得るなどというものではないと思いますが、一応お知らせはしてあります。
○福島瑞穂君 ということは、日本の解釈、つまりACSA改定法に基づく周辺事態法のアメリカと日本の間の認定と周辺事態法における修正案、この「おそれ」の解釈が食い違ってくる可能性が明確にあると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(高村正彦君) 修正案の中に「等」という言葉を入れていただきましたので、文理上も前と違わないんだなと私は受けとめておりましたが、さらに衆議院あるいは参議院でもそうですが、特別委員会の中で提案者から定義は変わらないんだと国民にわかりやすく丁寧に説明したものである。そして、定義はこれで広がったり狭くなったりしないんだ、こう言われたので私としては大いに安心をしているところでございます。
○福島瑞穂君 いや、そうではなくて、条約というのは両国でつくるわけですから、アメリカとの間でつくったACSA改定案が考えている周辺事態の定義と今回の周辺事態法の修正案の定義がずれる可能性は明確にあるのではないですか。
○国務大臣(高村正彦君) もともと政府として同じこととして提案をしているわけであります。同じ定義で提案をしていて、そして何度もそれについて説明を申し上げていますが、今度法案の方では修正案で言葉が加わりましたが、その定義が変わらないというわけでありますから、もともとACSAの定義と周辺事態安全確保法案の定義は同じであって、そして修正が加わってもそれが変わらないというのですから、二つの定義は変わらない、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 いや、私が申し上げているのは、アメリカの側には報告をしたけれども、当たり前ですが、国内法ですから了解をとるという立場にはありません。ですから、改定法をつくったときはアメリカと日本の間で改定をして改定案をつくっておりますから、周辺事態の定義を一義的に決めたわけです。しかし、日本の国内法の修正案において、日本側の立場でアメリカの了解をとらないで修正案をつくったわけです。そうすると、アメリカがそれに対してイエスと言うかノーと言うか、これはACSA改定案と範囲が違うという可能性があるのではないかということです。
○国務大臣(高村正彦君) 修正によって定義が変わってしまうんだったらACSAの方も変わってしまうということはあるんですが、変わらないと提案者が言っておられますし、私が見ても文理的に変わらない、こう思っているわけですから、当初の提案したとおりACSAは全く変わっていない、こう思っているわけでございます。
○福島瑞穂君 私がお尋ねしたのは、日本とアメリカの間の改定案、ACSAですね、周辺事態法の提案者、外務大臣が今おっしゃったのは衆議院の提案者のことですね、が幾らこれは定義が変わらないと言ったところで、アメリカ側は定義は変わった、「おそれ」というのが入っているので広がったと見るかもしれない、それについてはどうかということなんです。
○国務大臣(高村正彦君) ACSAの定義については日米間できっちり決めてあるわけですから、それはもちろん動かないわけです。そして、周辺事態安全確保法案だけが動いてしまえば政府としては困るなと思っていたところですが、提案者がそれは動かないんだ、こう言っているから安心をしている、それに尽きるわけで、日本政府としても、提案者がこれは変わらないと言っていますから安心してくださいということは米側に当然のことながら伝えてあるわけでございます。
○福島瑞穂君 アメリカに伝えていてもアメリカの了解を得るということにはなっていないんですね。 私が申し上げたのは、もう一回繰り返します。ACSA改定案はアメリカと日本で定義を決めたわけです。しかし周辺事態法は、幾ら日本国内の立場で提案者も外務省も同じ定義だと思っていたとしても、この定義がアメリカ側から見たら違うかもしれないじゃないですか。私自身は「おそれ」が入ることによって拡大したとも見られるというふうに思います。 そうすると、条約の改定の案を一緒につくったにもかかわらず、国内法のことについてアメリカ側の同意をとること自身が変なわけですから、アメリカ側の同意をとらないで修正案をつくったことで定義がずれる、アメリカ側が自分たちのACSA改定案の定義と周辺事態法の定義が異なると言う可能性だってあるのではないかということを聞いているわけです。
○国務大臣(高村正彦君) 結論だけ申し上げますと、そういうことはないというふうに思います。
○福島瑞穂君 なぜ違うんですか。なぜそう言えるんですか。外務大臣言ってください。なぜそう言えるんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 周辺事態安全確保法案とACSAと二つ出しているわけで、そして周辺事態安全確保法案とACSAの周辺事態の定義は当然のことながら全く同じであったわけであります。ACSAについて米側と完全に同じだという了解があるわけでありますから、そして周辺事態安全確保法案の方について修正が施されたけれどもこの定義は変わらないわけでありますから、当然変わらないということで、米側とそこに何の問題が起こる余地もない、こういうことを先ほどから申し上げているわけでございます。
○福島瑞穂君 定義が変わらないというのは日本国内だけの事情ですよね。アメリカ側の了解を得ていないんでしょう。だとしたら、定義の解釈がずれる可能性があるじゃないですか。
○国務大臣(高村正彦君) 委員がおっしゃること自体が私よく理解できないわけでありますが、アメリカの了解を得ることが必要だとおっしゃっているんですか。
○福島瑞穂君 違うんです。
○国務大臣(高村正彦君) 政治家としての委員が何をどうしろと言っているのか私は全くよくその意図がわかりませんし、何でそれでアメリカが日本の法案についてほかのことを勝手に思い込んでしまう可能性があるからおかしいと、そういうようなことを言っていること自体が何の意味だかよくわかりません。
○福島瑞穂君 私がお聞きしているのは、自衛隊法そしてACSA改定案そして周辺事態法案における定義が不整合性があるのではないかということをお聞きしているわけです。そして、私が聞いているのは、ACSA改定案は日米でつくっている、しかし周辺事態法案は日本だけでつくる、そして周辺事態の定義を周辺事態法案は変えた。変えていないという解釈もあるかもしれませんが、文言上は明らかに付加をしたわけです。ですから、ACSA改定案は、両者でつくるものと一人でつくるものとではその解釈がずれてくることはありますから不整合性が起こるのではないかと聞いているわけです。 うんうんとうなずいていらっしゃる。どうも高村外務大臣はわかってくださらないようなのでどうぞお願いします。
○衆議院議員(山中あき子君) お名指しですので私の考え方を申し上げますと、今、先生おっしゃった中でもう一つ日米防衛協力のための指針というのが日本語と英語版で当然できているわけです。この英語版の中で今の周辺事態というものの定義というのは日米で協力して一緒に確認をしてつくってあるわけです。この日米のガイドラインを実際に実効あらしめるために、ACSAの改正ですとかそのほかの自衛隊法の改正と同時に、これは国内法でございますけれども、今の周辺事態安全確保法案というのができていて、この文言はすべてがこのガイドラインの、つまり英語と日本語でできているこれだけを使っているわけではございません。 その中で、日本の国内法として提案されたものが非常に漠として周辺事態というのは何かというのがわからないということで、それを狭めると解釈なさるか広げると解釈なさるか、いろいろな意見がこの中でも出てきていると思いますけれども、修正をした側といたしましては、もう少し輪郭をわかりやすく、つまりどこでも何でも出ていくのではない、そういう意味ではやはり日本に非常に影響がある、これは日本の安全のためにもう一つこういう協定をつくろうというようなそこのところから来ています。 そういう意味で、日本語の言葉が変わったということが即このガイドライン、つまり私どもガイドラインと申し上げております日米防衛協力のための指針、英語と日本語で全部書かれておりますが、これでアメリカとの間に解釈あるいは定義の不整合というものが起こるというふうには認識しておりません。
○福島瑞穂君 この「おそれ」というものがどうなるかということで、ちょっとこれはなかなかあれかもしれませんが、よく聞かれることを外務大臣にお聞きします、 例えば、我が国周辺でコソボのような事態が発生し、アメリカが人道上と称して軍事介入した場合、これは周辺事態というふうになるのでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) コソボのような事態と一般的に言われても、具体的に起こった時点で事態の規模、態様その他を総合的に判断して決めるべきものでありますから、一概に申し上げることはできない。その場で、ケース・バイ・ケースで判断する、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 ACSA改定案の方は、これは長い長い条約ですが、この中に後方支援というふうに言われています。周辺事態法案は後方地域支援というふうに言葉の定義が使い分けられております。これはどうしてこういうふうに言葉が違うのか。この両者の間に不整合性はないのでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 後方支援とはロジスティックサポートの訳語であり、一般に作戦部隊に対する装備品の補給、整備、回収、輸送等、人員の輸送、傷病者の治療、後送、施設の取得、建設、維持運営等、及びこれに関連する役務の提供を指します。 改正された日米物品役務相互提供協定、ACSAにおきましては、共同訓練、国際連合平和維持活動、人道的な国際救援活動または周辺事態に対応する活動を行っている自衛隊と米軍との間で、このような後方支援業務において提供されることが通常想定される種類の物品または役務が相互に提供されることとなっているわけでございます。 また、周辺事態安全確保法案における後方地域支援、指針英文ではリアエリアサポートと記述しておりますが、後方地域支援は、後方地域において日米安保条約の目的達成に寄与する活動を行っている米軍に対する輸送、補給といった物品役務の提供等の支援措置を実施することを指しているわけでございます。
○福島瑞穂君 後方支援というのは従来使われてきた軍事用語ですが、後方地域支援というのは今回の周辺事態法で初めて出てきた定義です。一般的には、後方支援の方が大きい、広い、重いというふうに思いますけれども、どうしてこういうふうに言葉を使い分けているのか、教えてください。
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、後方支援というのは、一般にいろいろな輸送等の支援をするということでございます。他方、後方地域支援、これはガイドラインの中に初めて出てきた概念でございまして、後方支援を行うに当たって、地理的に一線を画す地域であるという意味によって地域の限定をしたのが後方地域支援でございます。 ACSAというのは、今、大臣から説明がありましたように、そもそも共同訓練、それから国際連合平和維持活動、人道的な国際救援活動という三つの活動がございまして、この三つの活動との関連での米国との協力を定めたものであったわけでございます。 その既にあったACSAの協定に、今度、周辺事態というものを新たに加えたということになりまして、その周辺事態における活動というのは後方地域支援でするということになりましたので、ACSAの協定第四条に、周辺事態については日本の法律に従うということを書きまして、日本の法律の中で周辺事態にかかわる後方地域についての明確な定義を入れたということでございまして、もともとあったACSAの中での三つの活動に関する後方支援、それから周辺事態における後方地域支援というのを、ACSAの協定の中でも明確に書き分けたということでございます。
○福島瑞穂君 ACSA改定案は、限定がついた後方支援、物品または役務の相互の提供に関する協定です。 概念的には、ACSAの方が小さくて周辺事態の方が大きいものを決めていると思いますけれども、ACSAの方が決めている後方支援の方が広範囲、今の説明でも、周辺事態法で決めている後方地域支援は後方というふうに限定がついているわけです。私がどうしてもわからないのは、なぜ小さい方の協定の方が後方支援で、大きいものが小さいものをのみ込むのはわかるのですが、小さいACSAの方が大きい方の周辺事態法をのみ込む形で、なぜこれを後方地域支援というふうに周辺事態法はしているのか。
○政府委員(東郷和彦君) いずれが大きくていずれが小さいかというのは、あるいは私が委員の御指摘を正確に理解しておらないのかもしれませんが、私の理解しますところは、ACSAというのは、特にこの改正ACSA協定というのは共同訓練、PKO活動、人道的な国際支援活動、それから周辺事態における日米協力、この四つの事態にかかわります。その観点から申し上げれば、ACSAの方が大きいというふうに申し上げて間違いないのではないかと思います。 その四つのうちの一つであるところの周辺事態、この周辺事態における日本からアメリカに、自衛隊から米軍に行う協力というのは、地域を限定するという意味で後方地域というふうにしたわけでございまして、比喩的に申し上げれば、四分の一の活動に関しては地域を限定した支援を行う、前の三つの活動に関してはその必要性というのが認められていなかったわけでございましたので、後方支援という言葉のみが使われていたということでございます。
○福島瑞穂君 端的な違いが実はよくわからないのです。後方地域支援というのと後方支援というのの何が一体違うのか。
○政府委員(東郷和彦君) 端的には、後方地域支援というのは地域を限定した支援であるということでございまして、後方支援というのは、非常に一般的な言葉で申し上げれば、兵たんと申しますか、ロジスティックスというようなことでございます。
○福島瑞穂君 後方という限定はどうやってやるんですか。
○政府委員(佐藤謙君) これは法案の中でも後方地域の定義がございますように、日本の国の領域及び現に戦闘行為が行われておらず、また自衛隊がその行動をとる間じゅう戦闘行為が発生すると認められない、そういった公海上またはその上空、こういうふうに定義されているところでございます。
○福島瑞穂君 この委員会でもほかの先生も質問していますが、前方と後方の区別が果たしてできるのかと。私は、周辺事態法で今まで使っていた後方支援とは別個の後方地域支援という新しい造語を設けたのは、やはりそこで戦闘行為が行われている地域とは一線を画するというふうに言いくるめて、この造語をつくったのではないか。 この間も質問しましたけれども、後方支援こそ危ないと。先ほど非核の問題の質問もありましたけれども、長崎だって広島だって、むしろ軍港であったりそうしたことで、広島はそうですが、原爆が落とされたと。なぜここでこういうふうに言葉を分ける必要があったのかというと、私は、一つのごまかしであるというふうに思います。 次に、日米新ガイドラインと周辺事態法のずれについてお聞きいたします。 それぞれ別表がついておりますけれども、日米新ガイドラインは四十項目に及びます。周辺事態法はそれよりも狭めてあります。なぜ違うのか。日米両政府が勝手につくった事務レベルのよりも国会の議論を経てつくられる周辺事態法の方が少ないわけです、別表が。日米新ガイドラインにたくさん載っていて、落ちてしまったことがたくさんあります。なぜこれが周辺事態法に盛り込まれていないのでしょうか。例えば、運用面における日米協力、警戒監視、機雷除去、海・空域調整、これは載っておりません。それから、その他のところの、例えば米軍施設・区域従業員の一時増員、こういうのも全部落ちております。なぜ日米新ガイドラインに載っていて周辺事態法に入っていないのでしょうか。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
○政府委員(佐藤謙君) 先生、今言及されました運用面における日米協力のところをおっしゃったんだと思いますけれども、そこに「自衛隊は、生命・財産の保護及び航行の安全確保を目的として、情報収集、警戒監視、機雷の除去等の活動を行う。」、こうございます。これらの活動は現行法で行動する根拠がございます。したがいまして、新たな法的措置をとっていないわけでございます。 それからもう一つ、先生おっしゃいましたのは、施設の使用のところ、ちょっと後ろの方を聞き漏らしたんですけれども、施設の使用で何とおっしゃいましたですか。
○福島瑞穂君 例えば米軍施設・区域従業員の一時増員、細かいことが日米新ガイドラインにたくさん入っておりますので。
○政府委員(佐藤謙君) これは、ガイドラインの後方地域支援の最後のその他という項目で米軍施設・区域従業員の一時増員ということでございますけれども、そういう所要が生じましたときに、これは現行の地位協定にもございますように、例えば防衛施設庁がそういった雇用に当たってその間に立ってそういった需要を満足する、こういう規定がございますけれども、そういうふうに既に現行法令上根拠のあるものでございます。したがいまして、新たに法的措置を講じていない、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 周辺事態法案十二条は、この法律に特別の定めがあるもののほか、法律の実施のための手続などについて政令で定めると。政令の委任の条文があります。 そうすると、お尋ねいたします。平時からの協力について新たな立法をつくるつもりではないんですか。これはもう将来つくらないということなんでしょうか。つまり、日米新ガイドラインと周辺事態法のずれについては、将来このずれについて立法するおつもりはないのですね。答えてください。
○政府委員(佐藤謙君) まず、政令への委任でございますが、これはここにございますような「この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項」という範囲内での授権になっているわけでございます。 それから、ガイドラインの実効性確保ということから私ども今回法案等をまとめてお願いしたわけでございますけれども、現在その中で例えば船舶検査の条項等は削除されている、こういうような状況にございます。
○福島瑞穂君 日米新ガイドラインの方が非常に詳しい、また別表もたくさんいろんなことにわたっております。ですから、この日米新ガイドラインと周辺事態法の別表の差、それから書いてあることのずれを見ますと、周辺事態法に書いていない潜りの協力が国民にされてしまうんではないかというふうに思ったんです。つまり、国民はどうしても周辺事態法案の方ばかり見ていますから、実は日米新ガイドラインにいろんなことが書いてあるということがなかなかわからない。将来、その委任あるいは新たな立法。 そうしたら確認をいたします。船舶検査等というのは、法律で等というといろんなものが入ってしまいますけれども、船舶検査以外に新たな立法というものは今後ないんですね。それをお聞かせください。大臣お願いします。
○政府委員(佐藤謙君) 今回の法律は、新しいガイドラインの実効性を確保するということで整備させていただいているわけでございます。先生も御言及になりましたように、このガイドラインの中にいろいろな項目が挙がってございます。この項目につきまして、私ども、現時点でこういう協力項目を実効あらしめるとすれば現時点としてはこういった新たな法律が必要であろう、こういうふうに考えているところでございます。
○福島瑞穂君 新たな立法が必要であるというのは、この周辺事態法の別表のみに限るということですか。
○政府委員(佐藤謙君) 今回考えておりますのは、あくまでも新しいガイドラインの実効性を確保するために現時点でどういうことが必要かということで、現時点の判断として新たな立法措置を必要とするものについて取りまとめ、お願いをしているところでございます。
○福島瑞穂君 現時点でということの確認はさせていただきますが、将来は変わる可能性もあるかも、おそれがあるという感じがいたします。ですから、潜りの協力あるいは将来こういうことも協力があるのだということで、出てこないということで言質をとりたいと思います。 次に、日米新ガイドラインの中に包括的メカニズム、そして調整メカニズムということがあります。これが実は非常にわかりにくいものです。ですから、これのそれぞれコンパクトな定義、それから参加する関係主省庁は一体どこか。責任者はだれか。事務局はどこか。事務局長はだれになるのか。制服と役人の割合は一体どうなるのかについて教えてください。
○国務大臣(野呂田芳成君) 包括的メカニズムと申しますのは、このガイドラインのもとにおいて、共同作戦計画についての検討及び相互協力計画についての検討、並びに準備のための共通の基準及び共通の実施要領等の確立に関する日米共同作業を実施するために、自衛隊及び米軍のみならず、日米両国政府もその他の関係機関の関与を得て、日米両国政府により構築されたものであります。 具体的には、日米安全保障協議委員会、これはちょっと時間がかかりますが、中身を説明する必要がありますか。
○福島瑞穂君 いいえ、結構です。
○国務大臣(野呂田芳成君) そうですか。 それでは、まず、これは外務大臣や防衛庁長官がアメリカの国防長官や外務大臣と構成するものであります。それから、防衛協力小委員会、それから自衛隊と米軍間の共同作業組織である共同計画検討委員会、それから関係政府機関が関与する連絡調整の場で構成されて、必要に応じおのおのの政府部内で調整過程が含められることになります。 また、指針においては、今、先生から御指摘がありましたとおり、緊急事態に際して日米がおのおの行う活動の間の整合性を図るとともに、適切な日米協力を確保するため、このような事態に際して、日米が行う活動の機関の調整を行うためのメカニズムとして調整メカニズムを平素から構築しておくこととされているところであります。 日米両国政府は、現在、具体的な調整の方法やあるいはメンバー等を含め、調整メカニズムの構築等につき今検討中であります。確定的なことは申し上げられませんが、今後、周辺事態安全確保法案の審議の状況を踏まえつつ、できるだけ早く調整メカニズムを構築できるように努めてまいりたいと考えております。
○福島瑞穂君 調整メカニズムは、日米連合司令部というものができる、そういうことだと思います。その中身についてまだ決まっていないというのは非常に問題だと思います。例えば、司法制度改革審議会設置法案でも、どういうものをつくるかということをできるだけ国民の前に明らかにすることが必要で、そのことだけで法律があるわけです。今の話ですと、調整メカニズムがどうなるのか。 もう一度お聞きします。 参加する関係主省庁はどこか。責任者はだれか。事務局はどこか。事務局長はだれになるのか。制服と役人の割合、こういうものは一体どうなるのか。日本とアメリカが合同で司令部を置くのか。そういうことについてはっきりお答えください。
○政府委員(柳澤協二君) 調整メカニズムについてのお尋ねでありますが、調整メカニズムと申しますのは、何か特定の権限を持って、先生が今例に挙げられたように、事務局がどこにあって、あらかじめ参加する省庁が固定的に決まっていて、そしてその任務、役割、あるいはその権限といったようなものが決められているというようなそういう組織ではございませんで、これは包括的メカニズムの方も同じでありますけれども、要は、従来、従来と申しますのは、旧ガイドラインのもとでの作業のように自衛隊と米軍あるいは防衛庁と外務省だけが関与するのではなくて、実効性を高めるために関係する省庁も適宜参加していただくという趣旨で「包括的」あるいは「調整メカニズム」という言葉を使用しております。 ですから、どういう構造になるのかというのは、決してこれはでき上がっても固定的なものではございませんが、全体としては、今、大臣が申し上げたように、包括的メカニズムが外務、防衛の日米のそれぞれの閣僚のスーパーバイズのもとに置かれて、そしてその一番下のレベルでは、現在その計画段階では共同計画検討委員会というのが統合幕僚会議と在日米軍の間で作業をし、その作業でいろいろ検討したものの中から必要に応じて各省にお諮りしていく。それは、局長級の2プラス2の下にありますSDCといったような会議を通じ、また安保室の方で取りまとめていただきながら進めていくということでありまして、要すれば、固定的な権限や組織というものを使って、何かこれで新しい権限ができるというものじゃないということです。 それから、先生が言われた日米共同司令部というのは、これは私ども、日本有事のケースにおきましてもそれぞれ自衛隊と米軍は別々の指揮系統で動いていくことになるわけでありまして、それだからこそ、日本有事においてもそういう実効的な調整ができるような、ある意味で機動的に運用できるようなメカニズムが必要であるということで認識しております。
○福島瑞穂君 包括的メカニズムについては、どういう機構になるといった表なども出ておりますけれども、全体としてどれぐらいの規模になるのでしょうか。これは日米両国の制服組でつくられるとも言われておりますが、いかがですか。
○政府委員(柳澤協二君) 包括的メカニズムは、今、先生が言われましたように、昨年の一月二十日の2プラス2を経まして設置を了承し、作業を開始しております。 現在、その一番下部のといいましょうか、これは、実際に日本有事あるいは周辺事態等で日米が協力する際にそのコアとなります自衛隊と米軍の間でまずどんな形で協力をしていくかということを切り出すために共同計画検討委員会をつくって、そのメンバーは統幕会議のメンバーと在日米軍の主要な幕僚ということで、これも固定的な人数はございませんが、我が方でいえば統合幕僚会議の各室長というのが、五室までございまして、室長と主要な幕僚といったようなメンバーで、在日米軍についても各担当の部長あるいはその主要メンバーということで今作業をしております。
○福島瑞穂君 包括的メカニズムの大体の人数、調整メカニズムの大体の人数を教えてください。
○政府委員(柳澤協二君) 包括的なメカニズム全体として申し上げますと、日米それぞれに、日本ですと外務大臣、防衛庁長官、米側は国務、国防両長官というレベルの、いわゆる2プラス2と言っております閣僚レベルの会合が一番トップにございます。その下に、これは日米それぞれ、外務・防衛関係の局長級のSDC、防衛協力小委員会というのがその補佐機関として来ております。
○福島瑞穂君 時間がないので人数だけ言ってください。
○政府委員(柳澤協二君) ちょっとその人数が、申しわけございません、こういうメンバーが決まっております会議については人数を出せると思いますので、ちょっと今カウントしたものがございませんので、後ほど御報告させていただければと思います。
○福島瑞穂君 この調整メカニズムについては先ほど余り決められていないということでしたけれども、むしろ周辺事態法よりもこの日米新ガイドラインの大枠の方がずっと大きい、知らされていないという面があると思います。 それで、最後に事前協議についてお聞きいたします。 旧日米ガイドラインの方は、「前提条件」として「事前協議に関する諸問題、日本の憲法上の制約に関する諸問題及び非核三原則は、研究・協議の対象としない。」、事前協議に関することは「前提条件」で動かさないということになっております。 しかし、日米新ガイドラインではこの事前協議が落ちております。「基本的な前提及び考え方」のところでは、「専守防衛、非核三原則等の」ということで例示からはっきり落ちております。ということは、事前協議の格が下がったというか、交換公文があるのに日本はだんだんこれを無視し始めているのではないかというふうに思います。 一九九八年一月二十三日、空母インディペンデンスが横須賀から直接中東へ出兵する際に、日本と事前協議はありませんでした。先日の代表質問でも、日本はアメリカの軍事介入にノーと言ったことは一度もない、そして事前協議のことについては、事前協議が行われたことは一度もないという答弁がありました。 しかし、インディペンデンス号が横須賀港から直接中東へ渡ったときは我が国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用に明白に当たりますから、事前協議がなかったことは、少なくとも岸・ハーター交換公文、藤山・マッカーサー口頭了解を踏みにじるものである、アメリカは踏みにじっていると思いますが、お答えください、外務大臣。
○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますので、簡単にお願いします。
○国務大臣(高村正彦君) 委員長の指示でございますから簡潔にお答えいたしますが、まさにインディペンデンスの行動は、これは中東に行く移動でございまして、戦闘作戦行動には明確に当たりませんから、これは以前からの枠組みの中において事前協議の主題とならないものであります。
○福島瑞穂君 反論したいですけれども、時間が来ていますので、終わります。(拍手)
○入澤肇君 衆議院の議論、それから本院における議論を聞いておりまして、私も政府の原案を読みましたときには非常に不明確な点が多かったんですけれども、修正が行われまして、法案の中身がかなり明確になったと思います。 安保条約の範囲内あるいは憲法の解釈を変更しない、そういう前提のもとでさまざまな議論が行われたわけでございますけれども、周辺事態につきましても類型が明示されましたし、後方地域支援の考え方につきましても各種の議論がございまして、かなり明確になってまいりました。さらに、憲法との関係、武器の使用についての考え方、さらには国会の関与のあり方、これにつきましても議論が行われています。 私は重複を避ける意味で、きょうは、緊急事態に十分に対応するためにこの法律の条文をどのように運用していくかという観点から、幾つかの御質問を申し上げたいと思います。 私の印象によりますと、政府の説明を受けても、周辺事態の認定の基準あるいは手続、これは基本計画を閣議決定した段階で明確にするということになっております。 これは多分、周辺事態への対応は自衛権の行使ではないということから、基本計画の閣議決定と周辺事態の発生のおそれがある局面との間にはかなり時間的に余裕があるんじゃないかという想定のもとで、そういう前提のもとでこの法律のシステムができているんじゃないかというふうに思われるわけであります。 しかし、いろんな議論がございましたとおり、もう一つ明確にするために、ひとつその基本計画の中身につきまして、六類型が出たわけでございますから、その六類型の一番典型的な例で結構なんですけれども、その一つの例として基本計画は具体的にどんなことが書かれるのかということについて、御説明できたらお願いしたいと思います。
○政府委員(佐藤謙君) 基本計画につきましては、第四条で基本計画に定める内容が記載されてございます。 時間の関係もございますので、はしょって申し上げたいと思います。 まず、最初に「対応措置に関する基本方針」というのがございます。これは、現在こういう状況になっているという状況認識、それでそれがこの周辺事態に該当するという認識、したがって政府としては日本の平和と安全を確保するために必要な措置を講ずる必要があるという認識、こういったものがこの「対応措置に関する基本方針」の骨子になろうかと思います。 それから、二号に後方地域支援を実施する場合の基本的事項というのがございます。それから、その種類、内容がございます。それから、後方地域支援を実施する区域の範囲及び当該区域の指定に関する事項、それからその他当該後方地域支援の実施に関する重要事項、こういうのがございます。 ここにおきまして、これもこういう状況にあり、政府として後方地域支援を実施する必要があるという認識に従いまして、この後方地域支援の種類及び内容、つまり補給であるとか整備であるとか、そういったものについての種類及び内容についての規定。それから、後方地域支援につきまして具体的な区域の指定は防衛庁長官が行うわけでございますが、具体的に指定されます区域の大まかな範囲がどういう範囲のものになるのか、また防衛庁長官が具体的に区域を指定するときにどういうことに配慮をして指定しなきゃならないのかというような内容。それから、その他重要事項でございますから、この後方地域支援を実施するに当たりまして関係省庁でいろいろ協力すべき事項があればそういったものを記載するというのが例えば後方地域支援について概括的に申し上げられるんじゃないかと思います。
○入澤肇君 今、極めて抽象的に説明があったわけでございますけれども、この中身につきましては、例えば別表にありますような各項目につきまして数量的な記載もなされるわけですね。 それから、この地域の概念ですけれども、これは抽象的に書くのか、あるいは緯度または経度をもって明示するのか、そこら辺はどうでしょうか。
○政府委員(佐藤謙君) 具体的な実施要項の段階で区域を指定する場合に、防衛庁長官が具体的に指定する場合には、これは緯度、経度等を示して、それで結んだ地域を具体的に確定するということになろうかと思います。 一方、防衛庁長官が区域を指定するいわば前提と申しましょうか、それの大まかな範囲ということになりますと、そういった緯度、経度で示すようなやり方もございましょうし、また違う示し方もあろうかと思います。 それから、先生今お話の中で、例えば後方地域支援でございますと、その数量云々という御言及もございましたけれども、この基本計画は政府の方針として決定をし、また国会にも御報告するわけでございますから、そういった意味で充実したものにする必要があろうかと思いますけれども、ただ一方、具体的な数量ということになりますと、これは時々刻々いろんな状況で変わり得るわけでございますので、その点につきましてはそういったレベルまでここに書き込むというのは実際上はなかなか難しいのではないかな、こんなふうに思います。
○入澤肇君 時々刻々周辺事態が変化していく、そうなりますと、この基本計画で余りリジッドなことを書いてしまうと対応がなかなか難しくなる。そうしますと、この基本計画というのはかなり抽象的な包括的な計画にならざるを得ない。具体的には防衛庁長官が定める実施要項で決められることになると思うんですけれども、これも周辺事態が急速に拡大していく、変化していくという状況の中では、そのたびごとに具体的に直さなくちゃいかぬわけです。 したがいまして、基本計画の中身についても、実施要項の中身についても、この法律はこう書いてありますけれども、中身について最低限、ミニマムスタンダードとしてどのくらいまでが規定されるのかということは、私はあらかじめ明示しておいた方がその後の変化の対応につきまして理解がしやすいんじゃないかと思うんです。 そこで、例えば防衛庁長官は第五条の第二項等で内閣総理大臣の承認を受けなくちゃいけないとなっています。この承認も、要式行為なのか、文書でやるのか、口頭でやるのか、電話でやるのか、そこら辺についてはどう考えておられますか。
○政府委員(佐藤謙君) 周辺事態安全確保法案に基づき防衛庁長官が実施要領を定める際に必要とされる内閣総理大臣の承認の形式でございますけれども、これは手続の明確性といいましょうか、そういったことを担保するためには文書によるということが原則であろうかと考えますけれども、ただ一方、その緊急性の観点からは口頭による承認ということも必ずしも排除されないんではないか、こういうふうに考えます。
○入澤肇君 もう一つ、実施要項を含めて、自衛隊の活動については修正で国会の承認を得ることになりました。そのときには、実施要項なり、あるいは実施要項をさらに細分化した具体的な実施計画ですか、参考資料としてそういうものも国会に出すことになるんでしょうか。
○政府委員(佐藤謙君) 国会で自衛隊の新たな二つの活動につきまして御承認の手続をとりますときには、それは当然のことといたしまして、基本計画そのものは国会への御報告ということで、内容を明らかにし国会に御報告をしている、こういうふうな状況だろうと思います。 したがいまして、国会におきましては、そういったものも踏まえながら御判断をいただくということになろうかと思います。
○入澤肇君 ぜひお願いしたいんですけれども、今のようなことを、基本計画とそれから実施要項の具体的な例をミニマムスタンダードで結構ですから、要するにこんなことが閣議で決定されるんですよ、あるいは内閣総理大臣に対する承認として申請されるんですよということを示していただけないでしょうか、文書で。
○政府委員(佐藤謙君) これは申し上げるまでもないことでございますけれども、周辺事態そのものが特定の事態を念頭にして議論をするにふさわしい概念でもございませんし、そういった意味で基本計画そのものも状況によりましていろいろ変化があろうかと思います。 そういった意味で、先ほどはまことに口頭で恐縮でございましたけれども、例えばの例としては先ほど申し上げたようなことを申し上げることはできるわけでございますけれども、具体的に文書の格好でこれがスタンダードだというのをお示しするのはなかなか難しいということはひとつ御理解いただきたいと思います。
○入澤肇君 この議論を聞いていて、論理的にはこの法律の仕組みなり概念なりはよくわかるんですが、しかし野党の皆さん方からもいろいろと質問がありますとおり、もう一つ何か心配があると言うんです、理解しにくいと。理解しにくい一番大事なことは、我が国がどういう行動をするかということでございまして、その行動の中身はこの基本計画、実施要項で明らかになるわけであります。 ですから、基本計画と実施要項の中身を明示していただければ、大方の心配というのは薄れるんじゃないか。イデオロギー的に見て全く解消するというふうに、理解してもらえるかどうかわかりませんけれども、薄れるんじゃないかと私は思うんですが、ぜひそういう努力をやっていただきたいと思うんです。 それからもう一つこの法律においてわからないのは、第四条の第一項第二号、「関係行政機関が後方地域支援として実施する措置であって特に内閣が関与することにより総合的かつ効果的に実施する必要があるもの」、これは一体何を意味しているんでしょうか。
○政府委員(伊藤康成君) これはたびたび申し上げていることでございますが、周辺事態というのは我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態でございます。したがいまして、この法案で新たに自衛隊の任務とされました後方地域支援あるいは後方地域捜索救助活動以外にも関係各省庁にいろいろお願いしなければならないことがございます。 これまでいろいろ御議論の中で、例えば民間あるいは地方公共団体の協力というような事項もございます。そういったようなことで、必ずしも自衛隊のみの行動にかかわりませんので、その中でも特に重要なものにつきましては、基本計画の中で○○省はこういうことをやるというようなことをできるだけ示していきたいと思っております。もちろん、一〇〇%全部示すということではなくて、重要なものについてということでございます。 したがいまして、そういう性格のものでございますから、今ここで具体的にこれとこれだと言うことはなかなか困難でございますが、例えば物品の提供、役務の提供でございますとか、あるいは電波関係、周波数の割り当てといったようなことの基本的な考え方を示すということになろうと思います。
○入澤肇君 できるだけこの法律そのものを国民にわかりやすく説明するような参考資料を国会に提示していただくことが、私は誤解を解くという意味で、理解を深めるという意味で必要じゃないかと思います。 そこで、もう一つ違う次元からのお話を聞きたいんですけれども、こういう紛争に対応する、あるいは自衛隊を動かす、自衛隊が関与する、こうなりますと、私は、現場で働いている制服の自衛官の方々のリアルな説明をむしろ聞いた方がいい場面がかなりあるんじゃないかと思うんです。 世界各国の例なんですけれども、我が国は制服の自衛官が国会へ来て政府説明員とか何かで説明することはない。政府委員にはもちろんなっていませんね。一体、国民のための自衛隊、国民に理解される自衛隊、そういうふうなことを標榜しながら、なぜ国会に制服の自衛官を呼ばないのか。これは何か理由があるんでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 自衛官が国会の場において説明員として答弁することについては、制度上は全く否定されないと考えております。他方で、従来の慣習からしてあえて自衛官に説明員として答弁をさせる必要がないのではないかということで、最近はそのようなことを防衛庁長官として求めていないところであります。 各国において軍人が国会に出席しているかどうかについては、防衛庁としてはつまびらかではございませんけれども、ただ米国においては、議会の国防関連の委員会におけるヒアリング等に統合参謀本部議長、国防情報局長官の軍人が出席しているものと承知しております。 委員の御指摘もありますので、私どもも重ねて検討してみたいと思っております。
○入澤肇君 時間が参りましたので、終わります。(拍手)
○山崎力君 参議院の会の山崎でございます。 今、入澤委員からも質問がありましたのですが、いわゆる事前承認の問題で、基本計画まで行くかどうかという議論がございました。修正をされた三会派のどなたでも結構ですが、その中で、基本計画というのはどこまで基本計画に含めるのかというのが我々には見えてこない部分があって、その議論の中で、当然基本計画を含めるべき、含めるべきでない、実施要項との絡みになるんですが、その辺の議論でどうしてそこまで行かなかったのかということを簡潔に御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) 基本計画について国会承認を求める、その場合どういう議論があったか、こういうことでございます。 国会承認の場合、大ざっぱに言って、周辺事態を国会承認するか、二番目に基本計画をするか、それから三番目に自衛隊の出動を国会承認するか、こういう議論があろうかと思います。 周辺事態のところは、御質問にはございませんが、ちょっと背景とかいろいろ非常事態宣言みたいな響きも出てくる、こういうことで避ける。 それから基本計画自体は、そもそも自民党の立場は国会承認は必要ない、こういう立場でございました。それから他の党では基本計画も含めてやれ。ただ、基本計画の中には、例えば機雷の掃海、あるいは邦人救出活動、既に法律によって認められている分野も入ってくる、こういう問題が出てまいります。それからもう一つは、基本計画というのはいわば運用の問題でございます。さらにもう一つ加えれば、基本計画というのは、変更した場合に、もし国会承認ということをかけますと、もう一度国会承認を取り直さなきゃいけない、こういう議論がありました。 最終的には、委員御存じのとおり、自衛隊の出動という、これまでの例にもございます、また国民から見てシビリアンコントロールということで一番わかりやすい自衛隊出動、こういうことにした次第でございます。
○山崎力君 長いことでもないのですが、一つ一つ押さえてやっていますと飛び飛びになるようで、今までみたいに流れに沿ってというわけにいかないものですから御勘弁願いたいと思いますが、その辺のところで船舶検査というのはカットされたわけです。 そこで、お伺いしたいのは、いわゆる国連決議のない平時においてどこまで任意の船舶検査ができるのか。国際法的にもいろいろ問題のあるところだと思います。旗国の承認があればできるのではないか、こういう意見もございますが、その場合、旗国が承認しても当該船舶が拒否したらどこまで強制力を持つのかという問題もあろうかと思います。そこのところで、そういうふうなことで検査できるのなら、ある程度担保されるなら一々国連の承認も要らないのではないかという議論もあったやに聞いておりますが、その辺のまとめがどうなっているかということをちょっと簡潔に御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) たびたび申し上げましたとおり、船舶検査の基本は旗国の承認でございます。したがいまして、国連決議があろうとなかろうと、実際上差はございません。ただし、国連決議があった場合には旗国の承認があったものとみなせる、これは受忍義務、国連憲章二十五条の問題でございます。 それから、どこまでやれるんだと。政府原案というのは、まず第一段階として国連決議、安保理事会の決議。それから第二段階として船長さんの同意。そしてやれることは、威嚇射撃はやれません、もし船長さんが同意しなかった場合は追跡したりということまで書いてございます。そこまででございます。日本の周辺事態法の場合には、船舶検査につきましてそこでもう限度をつくっている。 ただ、世界的にどうか、こういう問題でございますが、世界的に見た場合、船長の同意がない場合にどうしたらいいんだろう。これはグローバルスタンダードはございません。したがいまして、場合によっては威嚇射撃等、船体の破壊行為まで及ぶ場合もあるし、ない場合もある。 ただ、ここで明確にしておきたいのは、日本の場合には、自衛隊の船舶検査活動についての根拠法がございませんから、これがないと船舶検査は何もできない、こういうことでございます。
○山崎力君 それで、また飛ぶようで恐縮ですが、外務省の方になろうかと思うんですが、我々の基本としている今回の法案というのも、ある意味では日米安保条約がその背景にあるわけですが、これも不磨の大典ではございませんで、一年間の猶予で失効することが決められております。そういった場合、こういった関係法案というのはどうなるんでしょうか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(竹内行夫君) 御指摘のようなケース、日米安保条約が失効といいますか終了といいますか、そういった場合でございますけれども、これは仮定の場合でございます。したがって、なかなか想定することが難しゅうございますけれども、一般的に純粋な法律論ということで申し上げさせていただきますと、日米安保条約が仮に失効した、効力を失ったということ自体によって自動的に周辺事態安全確保法案といったものが失効する、効果を失うというような法的な構造にはなっておらないわけでございます。 他方、日米安保条約の目的にかんがみまして、またこの周辺事態安全確保法案のよって立ちますところ、政治的な背景等々を考えますれば、そのような御指摘のような事態が起こった場合には、恐らくこの法案の、法律の取り扱いにつきましてその大きな前提が変わるわけでございますので、その時点でしかるべく見直しが行われるとか、いろんな措置がとられるということになろうかと存じます。
○山崎力君 これは確認ですけれども、失効した場合、日米地位協定みたいな付随する協定等はやはり同時に失効すると考えてよろしいんでしょうか。
○政府委員(竹内行夫君) 地位協定に関しましてはその終了に関する条項がございまして、この地位協定といいますものは、安保条約が「有効である間、有効とする。ただし、それ以前に両政府間の合意によつて終了させたときは、この限りでない。」ということでございます。したがいまして、安保条約が有効でなくなった場合には地位協定も有効でなくなるということが明示的に決められております。
○山崎力君 ほかにそういうものがあるかどうかは別として、そういうもの以外は、一応失効したからといって直ちにその関連法案が失効するわけではない、効力を失うわけではない。ただ、現実の問題として、目的その他に安保条約の目的を果たすのに有効に資するためというようなことがあった場合、これは実質的に効力を失うことになりかねない、こういうことだろうと思います。 そういった中で、今度の船舶検査の問題というのは別の法律でつくるわけですから、考え方として、その日米安全保障条約の中でやるのかな、あるいは国連協力の中で国際社会の一員としてやるのかなと。両方考え方ができる。これは前にも質問させていただきましたが、そのどちらをとるかで、ある意味では新しい法律をつくる場合完全に考え方の土台の部分が違ってくる。 その辺についての協議というのは、これから極めて、妥協がさっとできればいいんですが、今国会中にもという表現をしている三会派の約束なんですけれども、その辺のめどが立たない以上日程的にもなかなか難しいというふうには思っているんですが、いかがでございましょう。その辺のめどはそれこそこれから立つ見込みがあるんでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 今から協議をやっていこうということで、委員御指摘の問題点はこれから議論していくところでございます。我々としては、気持ちは絶対に今国会中に成立させたい、こういう気持ちでやっているところでございます。
○山崎力君 ちょっとまた飛ぶようですが、運輸省の方、いらっしゃると思います。 古い話ではないんですが、古くなったような感じで、さきの北朝鮮と目される不審船、それを追っかけた際、巡視船のたしか「ちくぜん」でしたか、警告射撃を二十ミリ機関砲において行った、こういうふうに言われておりますが、これは具体的に当該不審船の何メートル後方から、着弾地は、どのくらい離れたところに撃ったんでしょうか。
○政府委員(楠木行雄君) お答えいたします。 先生御指摘の「ちくぜん」につきましては、三隻の巡視船艇から威嚇射撃を実施した中で一番遠い距離でございました。約十一キロメートルでございました。 なお、着弾点から当該不審船までの距離につきましては、警備手法にもかかわることでありまして、お答えを差し控えさせていただきます。
○山崎力君 ということなんですが、二十ミリ機関砲の射程距離というのは、これはでこぼこというか一致はしておりませんが、公刊物に出ております。約五キロ前後。十一キロ後方から射程五キロの機関砲を発射したと。これは何やっているんだということになるわけです。しかも、逃げているところですから、警告にも何にもならなかった。 それで、もう一つ言えば、射程が十一キロのものを持っていたわけです。三十五ミリ機関砲というのは「ちくぜん」にはたしかあったはずです。それを撃たないで、相手距離の約半分までしか届かないような射撃を行った。まさに何のためにやったのかということをあえて言わせていただきたい。警告も何もありはしない。鉄砲の弾の、税金のむだ遣いじゃないか、それだけで税金を幾らむだに使ったんだと、テレビ放映のためにやったんじゃないか、絵にするためにと言わざるを得ないことが行われておりました。古傷に触るようで恐縮ですが、あえてここで指摘させていただきたいと思います。 それで、もう一つ、技術的といいますか、法律的なことなんですが、海上保安官及び保安官補は司法警察職員に含まれるというふうになっております。一般に司法警察職員、これは警察官も含むわけですが、そういった人たちの一般人との違った権能、法律上の権限というものはどのようなものであるか、あるいはそういったものをどのように教育というか、その司法警察職員にそういったものの使い方というものを教えているかというようなことを、これは法務省からでしょうか、警察庁からでしょうか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(金重凱之君) 司法警察職員につきましての付与されている権限、一般のものとどう違うのか、こういうことでございます。 この司法警察職員たる警察官でございますけれども、刑事訴訟法上、被疑者の取り調べ、それから逮捕状による逮捕、それから犯罪捜査のための捜索、差し押さえ等々の権限が付与されているところでございまして、そういう権限を行使するに当たりまして適正にその権限が行使できるような教育を平素から行っておるということでございます。
○山崎力君 そうしますと、非常に微妙な問題なんですが、これは質問通告はしていないのでお答えは結構ですけれども、さきの不審船事件のときに、もし仮に不審船が停止した場合、捜査的な行動は、海上自衛官は司法警察職員としての資格が付与されていないわけですから、今の答弁からいけば捜査活動はできない、法律的にできない、こういうふうになっているわけでございます。 ですから、動けないようにするところまでは一般人の行為として、あるいは現行犯逮捕という形のものとして、その後の、一般用語で言えば身柄確保後はすべて海上保安庁の船が到着してからでないとできない。巷間マスコミ等に言われたとおり、もしとまったらどうするんだといったときに、ボートで武装して、臨検というあれはおかしいんですけれども、中へ乗り込んでいく活動が法的に果たしてできたのかどうか。その辺のところの疑問が私は今になって改めて出てくるわけでございます。 そこで、次に関連する問題として、前に私の質問に外務省、たしか東郷条約局長でしたか、御答弁になったんですが、国際法上司法警察職員が、いわゆる正規兵といいますか、戦争状態にある敵国兵に対してどのような行動が許されているかということをお聞きして、原則として司法警察、いわゆる民間警察が軍人を相手にすることはなじまない、犯罪の行為があったとしてもなじまないというふうな御答弁をいただいたと思うんですが、確認の意味でもう一度お聞かせ願いたいと思います。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。 個別具体的状況を離れて一般論として申し上げることが困難な点もございますが、国家間の本格的な武力紛争が行われているような事態においては、紛争当事国の軍隊構成員は、国際法上許容される範囲内で相手方軍隊の構成員を殺傷し、その装備兵器を破壊する等の戦闘行為を遂行することになるわけでございます。さらに国際法上、こういう国家間の武力紛争におきましては、戦闘員と文民を峻別するということが基本的な原則とされておるわけでございます。 したがいまして、武力紛争発生時におきましては、私人の違法行為の取り締まりを任務とする文民警察官が相手国軍隊の構成員に警察権を行使したり戦争犯罪の取り締まりを行うことを目的としてこうした戦闘行為に参加するということは想定されないと。一般には文民警察官は戦闘員とはみなされず、軍隊に編入する等の特別の措置をとらない場合には国際的な武力紛争に用いられないというのが一般的な考え方だということでございます。 先日御答弁申し上げたのは、このような趣旨を申し上げた所存でございます。
○山崎力君 再度ありがとうございました。 そこで、私が御指摘申し上げたいのは、いろいろな問題のときに、テロとかあるいはそういった暴動的な、日本有事直前といいますか周辺有事においても、そういった行動に対して警察とか海上保安庁が対応する、こういうふうに一応同僚議員の質問に対してお答えになっていたように記憶しているわけでございます。 そうなってくると、さきの不審船の例でいえば、あの時点において例えば停止して身柄確保が成った、こういったときにおいて、彼らが身分を明らかにして、我々は某国の正規軍の軍人である、こうなったときに対処のしようがあるかどうかということです。自衛隊は軍隊的なものですけれども、あれは警察行動としての権限付与で行動していた。海上保安庁も警察行動として行動していた。それで、捕まえる寸前になって向こうが、軍人だ、あなたたちは文民警察の資格で追っかけてきたんでしょうと。今、東郷局長からの答弁にあったように、我々は正規の軍隊である、あなた方に尋問その他取り調べを受けるいわれはない、こういうふうに言われたらどうするんだ、こういうことでございます。 もっとありていに申し上げます。かなりの規模の機動隊員その他が武装して某原子力発電所を警備していたと。そこに少人数の部隊が上陸してきて、我々は某国のコマンド部隊の一員である、正規の軍隊である、あなた方は文民警察ではないか、国際法上あなた方は我々に抵抗する、実力阻止することはできないはずだ、やりたいのなら自衛隊を連れてこい、それまで我々の行動を実力阻止することは国際法違反である、このように言われたらどうなるのかという点でございます。 私の考えでは対応に非常に苦慮せざるを得ないということなんですが、その辺のところを一応質問通告してありますので、どなたか適当にお答え願いたいと思います。
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。 先ほど私が申し上げましたのは、国家間の本格的な武力紛争が発生したときに国際法の観点から見ますと基本的に物事がどういうふうに識別されるかという点を申し上げた所存でございます。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 ただいま委員御指摘の事態というのは、いずれのケースも非常に特殊な限定的な事態かと思います。そのような事態に関して、また具体的状況を綿密に知らない状況でお答え申し上げるのは困難な点もございますけれども、一定のそういう非常に限定的な状況のもとで、国内の治安維持という観点から、まずは文民警察官が対応するという可能性は排除されないというふうに考えます。
○山崎力君 特殊だとおっしゃいますけれども、湾岸戦争のアメリカ軍のいわゆる反撃形式を見ても、アメリカ軍のかつての冷戦時代の対応、NATO正面での対応を見ても、第一にあったのはソビエトの特殊部隊スペツナズに対する対応策をどうするかということが関係者の間では常識だったわけで、むしろこれからの本格戦闘は特殊部隊の拠点攻撃から戦端が開かれる、これは軍事をかじった人間であればもう常識の話なんです。 そのことを特殊だと言って、それに対して、そういう場合は文民警察で対応することもやむなしと、こういうことでは、若干法的な構成といいますか、そういったものが私は困難にならざるを得ないと思うんです。 それを特殊だと言うことの根拠をお示しになれるなら、こういう考え方が特殊だということが言えるんでしたら、私はむしろ言っていただきたいんです。これからの不幸な事態の戦端、スタートはそこから始まるんだろうと私は思っているものですから、もう一度御答弁願いたいと思います。
○政府委員(柳澤協二君) ちょっとその対応の側面から御説明させていただきますと、いわゆるゲリラコマンド攻撃というケースにつきましては、これは新しいガイドラインでもございますように、我が国に対する武力攻撃が行われた事態の一対応というふうに認識することが現にできると思いますし、そういう場合にはそういう対応を当然とることになります。 そして、いわゆる治安事態という形で処理するか、防衛事態という形で、処理するかというのは変でありますが、自衛隊が第一義的に出るかということの判断基準は、これはいろいろあると思いますが、一つにはやはりそれが正規の部隊であろうと不正規の部隊であろうと、外国の軍隊による組織的、計画的な侵略行為かどうかということでございますので、いわゆる小規模なゲリラ的なテロ行為であれば必ず警察機関が第一義的に当たらなければいけないということにはならないと思っております。
○山崎力君 いや、警察が当たらなきゃならないんじゃなくて、当たる可能性が多いんだけれども、警察はそれに対応する法的な根拠がないんではないかということを私は申し上げたいんです。 これは海上保安庁さんの方がむしろ、逆に言うと先にその事態になるかもしれない。要するに、ゲリラコマンド部隊、過般もありましたけれども、半潜没船みたいなのがどうも原子力発電所を目指して海上を進行して領海を侵犯している、ただしそこのところには北朝鮮の国旗が翻っておったと。それを海上保安庁の現認した巡視船が攻撃を加えれば撃退することが十分可能である、こういったことだって十分考えられるわけです。 そのときに、海上保安庁が文民警察として相手国の軍隊に阻止行動ができない、一義的にはできないということが先ほどの東郷局長の答弁であったということなんですが、非常にあり得べき想定からいけば、海上保安庁は、当然自衛隊あるいは政府に対して通報して自衛隊の出撃を要請することはできるわけですけれども、それをただエスコートして、この間の不審船の場合の自衛艦みたいな形で途中までエスコートするだけなのか、阻止行動がとれるのか、その辺の法的な吟味はどうなっているか、御答弁願いたいと思います。
○政府委員(楠木行雄君) この間の不審船の場合、やや距離があいておりましたけれども、警職法に基づきまして、逃走の防止という観点がございましたので撃ったわけでございます。 それから、先生おっしゃいます軍艦といいますのは、旗を掲げておるだけではなくて、国際海洋法条約の第二十九条によりますと、そういった外部標識だけではなくて、「当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。」、こういうふうにされておりまして、こういう軍艦に限っては旗国以外の国の管轄権に属さないということになるわけでございます。 しかし、そうでない限りは私どもが警察権を行使する対象になりますし、また仮にそういった他国の軍艦がその領海内に入ってきた場合であっても、無害通航でないというふうになりますと、私どもは海洋法条約その他の国際法規に基づきまして、当該軍艦に対して退去要求を行うということになるわけでございます。 また、今回の不審船のような場合、我々やはりそれを教訓にし、また反省をいたしまして、海上保安庁が第一に対処することは変わりはございませんが、著しく困難であるとか、あるいは不可能であるという場合には、内閣の判断を仰ぎまして、状況に応じて自衛隊との連携をとる必要があると考えておりまして、今その方向で対策をとりつつあるわけでございます。
○政府委員(東郷和彦君) 一点、誤解をもし持たれるといけないと思いまして、補足させていただきたいのでございますが、私が文民警察官が一義的には対応しないというふうに申し上げたのは、累次申し上げておりますように、現下の国際法では文民は保護されねばならないという一般に分かち合われている原則があると。その観点からは国内の治安をつかさどる警察官というのは文民の側に立つということでございます。 ただ、もし緊急の事態が起きたときに何らかの武器の使用をすることが適当だという判断をした場合に、それは法的にはどういう事態が生ずるかといいますれば、それはもはや相手が外国の攻撃であった場合には、文民の立場には立たなくなるということでありまして、相手側から攻撃されると、攻撃されても国際法上文民は保護されねばならないという権利は主張できなくなるだろうという事態が起きるんだろうと思います。 したがいまして、先ほど先生が御指摘になられた二つの、本格的な武力紛争が起きているという事態に比べればかなり例外的と申し上げていいような事態のときに、海上保安庁の方で武力を行使しようとしたときに、相手側から、おまえが武力を行使するのは国際法違反だからできないよと言われる、そういう筋合いにはないんだろうというふうに思います。
○山崎力君 ただ、そう言われても、海上保安庁は海上保安庁法で軍隊としての行動はできない、こうなっているわけなんですね。そこのところの行動をすることになってしまうわけです。
○政府委員(東郷和彦君) 今、私が申し上げましたのは、国際法上の位置づけという観点から申し上げましたので、国内法の体制上そこをどう整備していくか、これはまたおのずから別の問題かと心得ます。
○山崎力君 ということは、国内法ではそういうことをやっちゃいけないということになっているわけです。 それから、先ほど保安庁長官の方から退去要求ができると言ったんですが、これは強制力は文民警察としてはできない、強制排除はできないはずでございます。 もう時間もなくなりましたので、かくかくしかじか、いわゆる有事に対して、周辺事態だけじゃなくて有事に対してどういうふうに日本の実力部隊を組み合わせてやるかということが今回の審議の中で私が点検していくと随分出てきた。これをどうするつもりですかということをまず今後政府側に問いかけた形で、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○島袋宗康君 沖縄は、おとといの五月十五日で我が国に施政権が返還されて二十七年になりました。ちょうど米軍統治と同じ年月がたったわけであります。 地元のマスコミはいろいろと特集を組んでおります。ところが、これらの特集とは全く別のニュースが五月十五日の地元紙の紙面に出ております。県民の大きな関心を引いております。 それは、先日の本委員会で議論した尖閣列島付近での中国の動きであります。わざわざ沖縄返還二十七年に合わせたわけではないでしょうけれども、尖閣列島付近に中国海軍のフリゲート艦など軍艦十二隻が航行しているのを海上自衛隊のP3C哨戒機が確認しております。軍事評論家の江畑謙介氏は、その航行目的が尖閣列島の領有をめぐるデモンストレーションと考えることもできるというような解説をしております。 防衛庁のこの件についての御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 防衛庁では、通常の警戒監視を行っていたP3Cが、五月十四日正午ごろから十三時ごろにかけて沖縄西方約二百マイルの海域、これは今お話がありました尖閣諸島の北方約六十マイルでございますが、において、日中中間線を越えて航行してきた中国海軍の艦艇十二隻を確認いたしました。 防衛庁では、発見後速やかに海上保安庁等に連絡するとともに、P3Cにより監視を続けていたところ、中国海軍の艦艇八隻は十四日二十三時ごろまでには中間線を越えて中国側に戻っていったが、残る四隻は中間線付近で変針を繰り返し、十六日午前四時五十分ごろになって中間線を越えて中国側に戻っていったものであります。 今回の中国海軍艦艇の航行については、何らかの訓練を行っている可能性があると考えられますが、いずれにせよ、この目的について私どもの方から確たることを申し上げることは困難であります。
○島袋宗康君 外務大臣は、五月十日の本委員会において、中国との友好関係を強調されました。また、十二日の本委員会においては、尖閣列島をめぐる紛争の可能性はない、現時点でそういうことになるような兆候はないというような所感を述べられております。 この事態をどのように分析しておられるのか。軍事評論家でさえ、先ほど申し上げましたように、尖閣列島の領有をめぐるデモンストレーションではないかというような見解を述べておりますけれども、外務省の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 委員が御指摘になったように、また防衛庁長官も述べられたように、中国海軍の艦艇が十四日午後から十六日未明までの間、尖閣諸島北方の我が国の排他的経済水域内において航行及び漂泊しており、一時は十二隻が存在したとの事実については承知をしておりますが、現段階において尖閣諸島をめぐる情勢が紛争に発展する兆候はないという従来の考えには変わりがございません。 今回の中国海軍の艦艇の行動につきましては、防衛庁、海上保安庁と緊密な連絡をとりつつ、情勢を逐一追っていたところであります。中国艦艇は公海上に漂泊しており、我が国領海への侵入が目的であると見受けられるような行動をとることはなかったと認識をしております。
○島袋宗康君 この中国の一連の動きは、その目的が周辺事態法の国会審議と何らかの関連があるのではないかというふうに思われますけれども、その辺について御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 今回の中国の行動が我が国の周辺事態安全確保法案の国会審議とどのような関連があるかについては、我が方にはわかりません。
○島袋宗康君 その点は、防衛庁長官はどのように受けとめておりますか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 今、外務大臣から御答弁ありましたとおり、今回の中国海軍艦艇の航行は何らかの訓練を行っている可能性があるものと考えられますが、ガイドライン法案審議との関連も含め、その目的について確たることを申し上げることは困難であります。 ただ、最近、中国は、海空軍力の近代化とあわせて、海洋における活動範囲を拡大する動きを見せております。 なお、我が国の尖閣諸島をめぐっては、我が国領海を含む周辺海域において、近年、中国の海洋調査船により海洋調査と見られている活動が行われているところであります。
○島袋宗康君 私がせんだっても申し上げたように、尖閣列島の領有権問題については、やはり周辺諸国との外交努力によって解決すべき問題だと思っております。 外務大臣は紛争の兆候なしとされるような、私は、沖縄県民の立場からすると、あの周辺で中国の軍艦がうろうろするということは、何かしら領有権問題に絡んでいるんじゃないかというような不安があるわけです。その不安は、今のような悠長な話では、私は絶対に納得いかない。もっと中国と外交を展開して、やはりこういった県民の不安というものを排除していただきたい、こういうふうに願っておりますけれども、もう一度御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 尖閣諸島が我が国の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところでありまして、現に我が国が有効にこれを支配しているわけでございます。したがって、中国との間で解決すべき領有権の問題は存在していないというのが我が国の主張でありまして、中国側が尖閣諸島について独自の主張を行っていることは承知していますが、この主張は国際法上根拠のないものと考えております。 我が国としては、尖閣諸島の領有権について中国と交渉すべき問題はなく、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しないという立場を一貫してとっているところでございます。
○島袋宗康君 私が前の委員会で申し上げましたように、トウ小平の時代にこの問題については次世代に譲って解決されるようにやりましょうというようなコメントもしているわけです。ですから、中国とされては、まだこの問題については解決されていないというようなコメントもずっとあるわけです。 それで、御承知のように、ナショナリズムといいますか、台湾とかあるいは香港の皆さんが尖閣列島は我が領土であると言わんばかりに大挙して尖閣列島の付近に上陸しようとしたり、いろいろ今日もあるわけです。そういうふうなものが今沖縄県民に非常に不安を与えている。台湾や香港のそういったふうな方々が現に上陸しようとした、そういった問題があればこそ外交の立場でちゃんと中国と話し合って、世界がわかるような、県民がわかるような何らかの形で外交努力をしていただきたい、こういうふうに思っておるのです。今の御答弁のように、何ら問題がないというふうに言ってしまえば、先ほど申し上げましたような、中国の側としてはまだこれは我が国の領有であると言わんばかりの態度があるわけですよ。そういう不安があればこそ、私は再度外交努力をすべきではないかというふうなことを申し上げているわけです。
○国務大臣(高村正彦君) 中国が独自の主張をされている。中国以外でもそういう主張をしているところがあるかもしれません。しかし、中国政府、あるいはどこかの国の政府が実力でもって尖閣諸島の我が方の支配権を侵そうとしたということは、そういう事実は承知しておりません。 確かに、今、委員が御指摘になったように、どこかの国の国民が何か……(「台湾とか香港ですよ」と呼ぶ者あり)台湾本島、香港とおっしゃられたけれども、台湾という地域の人、香港という地域の人、それは香港の政府がそうしたというのではなくて、そういう人たちがそういう行動をとったということは、それは承知していますけれども、どこかの政府がそういう行動をとったということは承知していませんし、そういうことによって日本がここに問題ありとして交渉しようなどと言えば、まさにそういう行動をとった人たちの思うつぼで、向こうは、ここには外交問題があるんだ、領有権問題があるんだと言っているわけで、我が国はこれは疑いのないところで施政権行使していますし、そこに問題がないんだと言っているのに、そういうデモンストレーションによってこちらが話しかけるなどということは、まさにそういう人たちの思うつぼで、そういう行動をさらに誘発するおそれすらあると私は考えております。
○島袋宗康君 それでは、この新聞報道の中で、尖閣列島を行政管轄する石垣市長は、紛争の火種に発展することのないように心から願っているというふうなコメントをしております。中央のマスコミは余りこれらの報道はしておりません。例えば、自分の住んでいる近くに外国からミサイルが飛んできたという事実、国境周辺地域の緊張感はどうも東京には伝わっていないんじゃないかというふうな印象を否めません。その中で、とりわけ政府の態度は、地元の日常的な事情に対し認識が足りないのではないかというような印象を県民は持っております。 したがって、先ほど申し上げたような、やはりちゃんとした、県民がわかりやすいような領有権というものを主張して外交努力をすべきじゃないか。それは見解は違うかもしれませんが、県民の立場からすると、しょっちゅうそういうふうな軍艦が来たり、あるいはナショナリズムの皆さんが、それは国が主張したわけじゃないけれども、そういう方々がしょっちゅう来て、県民としてはそういった面の不安があるということについてはやはり御認識をしていただきたいなというふうに思うわけです。
○国務大臣(高村正彦君) 私もこの問題が紛争などに発展することがないように心から願っておりますし、現時点ではそういうことはないと思っておりますが、この領有権について日中双方で立場の相違がある、これは事実であります。事実でありますが、日中双方とも、この立場の相違が日中の友好関係を妨げてはいけない、こういう考えで一致していることも、これも事実であるということを申し上げておきたいと思います。
○島袋宗康君 ですから、今の問題について、今お答えになったような、まだ私としては問題解決をされていないというような印象を与えておりますから、国民として。そういったふうなことで、おっしゃるような中国との友好関係を、もっともっとそういった疑惑を持たれないような形で努力していただきたいと要望しておきたいと思います。 それから、周辺事態法の少し細かい点でありますけれども、第九条一項の「必要な協力」の内容は、具体的にはどのようなものが想定されているのか、その辺の細かい点について御説明願いたいと思います。
○政府委員(伊藤康成君) 法案の第九条第一項に、「地方公共団体の長に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めることができる。」という旨を規定しております。この内容につきましては事態ごとに異なるものでございまして、あらかじめ具体的に確定される性格のものではないということはこれまでも何度か申し上げてきたところでございます。 これまで例として挙げておりますのは、例えば、地方公共団体の管理する港湾の施設の使用ですとか、あるいは地方公共団体の管理する空港施設の使用、また建物、設備等の安全等を確保するための許認可というふうなことが考えられるということを申し上げてきた次第でございます。この許認可の例としましては、例えば燃料等の貯蔵施設をつくる場合の消防法上の許可というようなものがあるわけでございます。
○島袋宗康君 そういった大変細かい点まで及んでいるわけでありますけれども、これを地方自治体にどのようにこれから具体的に説明し徹底していかれるおつもりなのか。
○政府委員(伊藤康成君) これまでにも関係のいろいろな団体を通じまして、昨年の法案提出以来いろいろ御説明をしてきたところでございます。引き続き私どもはそのような努力も続けていきたいと思いますが、同時に、衆議院並びに本院におきます御審議におきましてマニュアルのようなものをつくってできるだけわかりやすく解説するようにということでございますので、そのような作業をこれからやってまいりたいと思っております。
○島袋宗康君 それから、九条二項の「必要な協力」の内容についてお伺いします。 これはどういう業種に協力を依頼するのか、その業種の実態はどういったものが想定されるのか、その辺について御説明願います。
○政府委員(伊藤康成君) 九条二項につきましては、地方公共団体の長の有する権限の行使以外の事項、九条一項以外の事項ということでございます。 今までこれも幾つかの例をお示ししているところでございますが、一つの典型例といたしましては輸送関係というのがございます。また、廃棄物の処理あるいは医療機関、病院、診療所等というものがございます。そのほかに物品とか施設の貸与と申しますか、業種別と申されますとそういったようなことが考えられるということでございます。
○島袋宗康君 防衛庁長官はさきの衆議院特別委員会で、協力するのが常識だと答弁されております。もし常識に反して協力しない自治体やあるいは民間人に対してどういうふうな対処の仕方をするおつもりなのか、お聞かせください。
○国務大臣(野呂田芳成君) この第九条第一項は、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態に対する措置の緊要性にかんがみ、地方公共団体の長の有する権限の行使について、その権限の公共的性格及び他に代替手段を求めることが困難であるとの事情を考慮し、必要な協力を求めることができることとしたものであります。 この場合、あくまで協力を求めるということであって強制するものではございません。権限について定められた個別の法令に照らして正当な理由がある場合には地方公共団体の長はこれを拒むことができる、また協力を拒んだ場合において本法案に基づき制裁的な措置をとることはない、私はこのことを再三再四申し上げて、このときの答弁では、国の平和と安全に重要な影響を与える事態でありますから、公共団体の長の皆さんが協力をすることは常識じゃないだろうかと申し上げたわけであります。
○島袋宗康君 協力してもらうというのが基本でありますけれども、もし協力を拒否した場合、憲法第十九条の思想及び良心の自由に照らして可能だと思いますけれども、やはりこれは国との関係ですから非常に難しいんじゃないか。政府は再三協力は強制しないと弁解しておられますけれども、それはあくまでも形式であり、実質的には大きな重圧を感ずる、そういうふうな国民の声が強いわけであります。 現段階で国民が感じるその重圧を解消するという保証があるのかどうか、その辺をやっぱりちゃんと国民に示すべきじゃないかというふうに思いますけれども、お答え願いたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますので簡潔に。
○国務大臣(野呂田芳成君) 周辺事態安全確保法九条により、地方公共団体の長が関係行政機関の長から必要な協力の求めを受けた場合、その有する権限を適切に行使することが法的に期待される立場に置かれるものでありますが、その権限の行使を強制されるものではないということは先ほど申し上げました。また、民間に対し依頼する協力についても何ら協力義務が生ずるものではない。当然ながら強制するものではございません。 以上のことから、この法案に基づく協力の求めまたは依頼は、憲法十九条の「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」との関係で何ら問題を生ずるものではないと確信しております。
○島袋宗康君 時間ですから、終わります。
○委員長(井上吉夫君) 本日の質疑はこの程度といたします。 明日は午前九時から公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十一分散会