地方行政・警察委員会 第16号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1999/07/29
会議録
○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。 住民基本台帳法の改正につきまして、おさらいの部分も含めて質問させていただきたいと思います。 本日は、衆議院修正案の発議者でいらっしゃいます先生方にお見えをいただいております。大変お忙しいと思いますので、順序不同でございますけれども、まず最初に質問させていただきたいと思います。 それに先立って一つ確認いたしておきたいと思うのでございます。これは私の不勉強で確認させていただくのでありますけれども、本改正法案の施行の期日でございますが、それから考えますと、この住民基本台帳ネットワークシステムというものは、この法律が制定、公布されますとほぼ一年以内の政令で定める時期に準備が始まり、そして三年を超えない範囲内で政令で定める日までにはおおむねシステムが完成する。そして、さらに二年後の五年を超えない範囲内で政令で定めるときまでに住民基本台帳のカード、ICカードの活用も始まる。こういうタイミングで準備、完成していくものだというふうに考えております。 この三年ないし五年というのは、恐らく情報技術の分野では物すごい発展がいたされるんだろうと思います。そして、そういう意味では非常に長い時間でもございますし、また考え方によっては短い時間でもある。いずれにしても、三年ないし五年でこの新しいシステムが動き出していくことに大きな期待をかけたいと思うのでございます。 自治省としては、大体ただいま私が申しましたように三年、五年というタイミングで整備されるということでよろしいのか、あるいはそれが大幅に早められるということがあるのかどうか、そこあたりを、行政局長さんで結構でございますから、ちょっとお教えいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムは、全市町村、全都道府県を結ぶいわば大規模なコンピューター・ネットワークシステムでございますので、その導入につきましてはかなりの準備期間を要するという性質のものでございます。 今回の改正法案におきましては、今お話しのように制度の実施の準備に必要な事項につきましては公布の日から一年以内に政令で定める日から施行していく。また、住民基本台帳ネットワークシステムの基本的部分につきましては三年以内で政令で定める日から施行するということといたしております。 少し具体的にお話ししますと、制度実施準備に必要な事項としては、例えば指定情報処理機関の指定の関係、それから本人確認情報の管理規定を指定情報処理機関は定める必要がありますのでその関係、また住民票コードというものを都道府県が用意いたしますので、それを市町村長が記載できるようにというコードの指定の関係の事務、それから関係従事者の秘密保持義務ということを定める予定にいたしております。 システムの基本的部分というものは、例えば住民票コードの台帳への記載を始める。それから、それに伴ってこのシステムで市町村長から都道府県知事へ本人確認情報を通知する、都道府県が国の機関と指定情報処理機関に通知していく、それから国の機関等へ提供していく、こういった関係のもの、それに伴います審議会それから本人確認情報保護委員会、安全確保措置義務、あと秘密保持義務、さらには住民票コードの民間利用禁止関係、こういう基本的な部分を三年以内で政令で定める日から施行ということで考えております。 また、さらに五年以内で準備を進めるということで、住民票の写しの広域交付関係あるいは転入転出の特例の関係、それと住民基本台帳カードの交付に必要な事項につきましては、五年以内で政令で定める日から施行する、こういうことでございます。 お話しのように、その間の技術の進歩ということもありますが、全国にわたる大きなシステムであるということ、それから関係者が非常に多数にわたっているということ、プライバシーの面で正確性、安全性というものが非常に重要であるということで、現在ではおおむねこの法律で定めている期限の範囲内で最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○木村仁君 わかりました。 大体三年、五年というタイムスパンで準備が進められて完成されていく、このことを前提として修正案の発議者の先生方にお尋ねいたしたいのでございますが、この修正の趣旨説明を拝読いたしますと、個人情報の保護についてこの制度が準備しておる主要な事項を全部網羅してありまして、結論として民間部門を含めた個人情報保護に対する対応が講じられている、こういうふうな御認識に立っておられます。 しかしながら、法案の審議の中で政府側からは、現時点で可能な限りの個人情報保護措置を講ずるなどの説明が繰り返しなされましたが、なおプライバシー保護に関する漠然とした不安、漠然とした不安という言葉が使ってありますが、懸念が残っていることも事実である、こういう御認識であろうと思いますが、現時点で立法措置として考えられるかなり十分なプライバシー保護の配慮がなされているという御認識をいただいているということについては、それでよろしいのでございましょうか。
○衆議院議員(鰐淵俊之君) ただいまの先生の御質問でございますが、今の趣旨で私どもの認識もまた同じでございます。御案内のとおり、住民基本台帳法の一部を改正する法律の中では非常に守秘義務を重んじておりますし、さらにはまた民間利用の禁止もいたしておりますし、万が一違反した場合には相当大きな罰則規定を設けておるということで、かなりこの住民基本台帳法に基づくいわばプライバシーの保護というのは最大限法律でもって定めてあるわけであります。 しかし、今先生のおっしゃったように、それでもなおかつ完全無欠ということがないわけでありまして、台帳の一部が漏れるという事件が多々起きる、そういうことに関しまして一般の方も非常に漠然とした不安をお持ちであるということもまた事実であろう、その中で私ども三党といたしましては、この法律が施行される三年、実施される三年くらいまでにはほぼ法整備をして、民間情報もこれは莫大な情報があるわけでございますので、なかなかこれを総括的にやっていくということにすれば、どのようにやっていくかということについて、今、三党で勉強に入ったばかりでございますので、それらを十分検討させていただきまして、ぜひひとつこの住民基本台帳法が当初の法の目的にかなう実行ができますように、そしてまた個人のプライバシー保護が十分なされるような形で私ども研究をしてまいりたい、このように思っております。
○木村仁君 大変よく理解いたしました。 そして、その結果、附則に「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」という一条を加えていただいているわけでございまして、私もこの附則は国民にさらなる安心感を与えるという意味で非常に重要な修正であったというふうに評価いたしております。 実はこの附則につきまして世上では二つのとり方があるように思うのでございます。と申しますのは、一昨日の参考人招致におきまして、参考人のお一人であります筑波大学社会科学系教授であられます内野正幸先生、この方はこの法律全体には今ここで議決するよりももう少し時間を置いて審議してから議決をした方がいいというお立場ではございますけれども、非常に中正ないい御意見をいただいた方でございます。 その方が、この修正は、要するにこの法律の施行についてさらなる安全弁が必要ではないか、だからそれを考えて措置を講じなさいという趣旨であろう、こういうことを言われたのでございます。 これは、そういう趣旨は十分理解できるわけでございますけれども、私が修正案について最初に感じましたことは、この修正の発議者の皆様は、この法律自体相当ちゃんとした安全弁がつくってある、これをしっかり運用あるいはシステム構築の中で考えていけば十分ではなかろうか、しかしなお、それにもかかわらず漠然とした不安なり、あるいは、少数かもしれませんけれども番号をつけられること自身に非常な不快感を持つ人なり、そういう方がいるから、この際、日本国における国、地方、そして民間も通じた総合的な意味でのプライバシーの保護というものを考えてその制度を考えてみたらどうだろうか、こういう趣旨の修正であるというふうにもとられるわけでございます。 私は、むしろ後者の方を直感的には感じ取った者の一人でございますけれども、せっかく発議者の皆様いらっしゃるわけでございますから、この附則がこの法律限りの事象について規定したものであるか、あるいはもっと大きく、先ほどちょっと言葉が出ましたけれども、民間の情報も国の情報も地方の情報も首尾一貫した国としてのプライバシー保護の体系を考えようではないか、そういう御提案なのか、そこのところについてはっきりした御答弁をいただきたいと思います。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) お答えをいたします。 まさにお尋ねになったとおりでありまして、堀部参考人もおっしゃっていたと思いますけれども、この法律そのものが本人確認情報におけるまさに個人情報保護法の役割を持っている、こういうふうにお話をなさったわけでありまして、そういう意味では、今お話がありましたように、この法律そのものは現状では可能な限りの個人情報の保護ということに留意をしているわけであります。 まさに我々三党で修正案を提出させていただいたというのは、委員御指摘のとおり、国、地方、あるいは民間部門をも通じた総合的な我が国における個人情報保護の体制をつくらなければいかぬ、法整備も含めたシステムづくりをしなければいかぬというふうに思ったわけでありまして、もちろんそのあり方については今から議論しなきゃなりませんけれども、そのように我々三党は理解をして、今取り組みをいたしております。
○木村仁君 認識が一致したことで大変私は安心をいたしております。 そこで、問題は、この住民基本台帳改正法案を審議するに当たって、附則が提案されたことでもあるから、もっともっとプライバシー保護についてのこの法律案自体の安全弁のことを考え直して、それを整備することの方がこの法律制定よりも先ではないか、こういう議論があるわけでございます。恐らく、一昨日の内野先生の御意見もそうであろうと、だからもう少し審議を延ばした方がいいという御意見であろうと思うのでございます。 今、発議者の皆様との対話の中で、いやこの法律そのものについては慎重に運用すれば十分プライバシーが守られていくであろう、その上で、しかしなお日本国全体としてはプライバシー保護に対する首尾一貫した法体系がないからそれを整備していこう、こういう御趣旨ではないかと。 そうしますと、私は、この三年及び五年という期間、これは相当な期間でございますから、じっくり御審議を、我々も含めて国民全体でプライバシーのことを考えて立派な総合的な制度をつくって、そして住民基本台帳ネットワークシステムとともに発展していく、こういう姿を理想として描くものでございますが、いかがでございましょうか。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 重ねてお答えを申し上げます。 お尋ねの趣旨はよく理解できるのでありますが、この点については、私、手を挙げて発言をさせていただくわけでありますが、大変悩みました、その部分は。この委員会でも議論がありますように、最初にやっぱりそういうシステムづくりといいますか、法整備があった方がいいという議論も、我が党内にもありましたし、衆議院段階でも議論がずっとありました。 しかしながら、今回のこの住民基本台帳の法改正、これは国、地方を通じた行政改革といいますか、高度情報化を図るということでありますから、そのことはそのこととしてぜひとも必要なことであるというふうに我々理解をさせていただいているわけでありまして、このネットワークの立ち上げというのは大変に時間のかかる作業だろうと。 今、介護保険が準備されておりますけれども、このシステムづくりでも大変な準備の時間を要しているわけでありまして、特にこの制度が市町村、あるいは都道府県が専ら行うという事業でありますことから、大変に準備には時間がかかるだろう、その準備は進めなくてはならない、このように私は思っているわけでありまして、そういう意味では、私たちが今三党で取り組んでおりますこのシステムづくり、これとこの住民基本台帳、私どもはできれば早い方がいいのでありますけれども、したがって修正案には「速やかに」ということも入ったわけでありますけれども、少なくとも同時決着ということで取り組みをしていきたい、こんなふうに思っております。
○木村仁君 大変ありがとうございました。そのようなつもりで私どもも審議を進めてまいりたいと考えております。私に関する限りは発議者の皆様もう結構でございますので、お立ちいただきたいと思います。 次に、最初に戻りまして、住民基本台帳ネットワークシステムの導入の意義あるいはその効果について少しくお尋ねをしたいのでございますが、私がお尋ねをする前提として、戸籍法あるいは寄留制度、そして住民登録法、住民基本台帳法の昭和四十二年の制定、そういうことを通じての首尾一貫した流れがございます。そのことについて実は一々御質問をしたいのでございますけれども、これは事実を聞くことになりますので答弁者に対して非常に失礼であろうと思いますから、私が勝手におしゃべりをいたします。質問者がおしゃべりをするというのもこれは委員の皆様に対しても非常に失礼かとは思いますけれども、大した時間ではございませんのでどうか御勘弁をいただきたいと思います。 昭和二十六年に住民登録法が制定されたわけでございますが、住民を地域において記録するという仕事はもちろん戸籍法から派生したものでありまして、大正十一年ですか、寄留制度というのができました。戸籍から外れてひとりどこかに転居した人の住所もきちっととらえておかなければいけないということでこの制度ができたわけでありますけれども、戸籍制度と寄留制度が一緒になってうまく機能するということがなかったようでございました。確かに私どもも子供のころ、親たちが、この子供はどこの小学校に入れるかといって鳩首協議をいたしまして、あの学校がいいだろう、それなら寄留をさせようとかいって、移りもしないのに寄留をしてそこに潜り込んだ。私も実はその越境入学者の一人であったわけでございますけれども、そういうことで、言うなれば大変実態とはそぐわない制度になっていたようでございます。 そこで、歴史的には、市町村が自分の地域内に住んでいる人たちを正確に把握しようといろんな形で努力を積み上げてきていたようでございまして、その実態を踏まえまして、法務省において昭和二十六年に住民登録法を制定された、こういうふうに理解をいたしております。 そして、この流れにおいて首尾一貫して、私どもは法務省という役所に敬意を表しなければいけないのでありますけれども、こういったもともと国の戸籍などというのは、恐らく徴兵制度と密接に結びついて徴兵制度の平等を守るために一生懸命やっていた制度だろうと思います。したがって、戦後、この国の事務を都道府県、市町村のどこでやらせるか、あるいは機関委任事務でやらせるか、団体自身の事務にするかという激しいやりとりがあった時代に、法務省は昭和二十六年にこの住民登録法を市町村の固有の事務という形で法律をつくられたのでございます。しかも、単なる住所を調べるという機能だけでなくて、住民のお役にも立つ、そして行政の能率化にもお役に立つ、それと住民の居住関係の公証、この三つの柱をきちっと整備しようじゃないかという形で整備をされたというふうに聞いております。 この住民基本台帳はもちろん法務省が指導をしておられた分野でございますけれども、昭和四十年代の初めまで機能してまいりました。市町村の固有の事務ということで市町村も一生懸命やりましたから、私は比較的立派な制度ではなかったかと思います。 昭和四十二年にこの住民基本台帳制度ができていくわけでございますが、ここでさらにこの基本台帳法の整備とともに、地方自治法十三条の二という規定を設けて住民の居住に関する事実関係を公証する、あるいはそれに伴う関連の事務を処理するということは市町村固有の事務である、固有の責任であり権利であるということを明確にされたわけでございます。 それからもう一つ、同じく住民登録法の流れを受けて、住民基本台帳が単なる住民の居住関係の公証という意味だけではなくて、市町村の総合的な住民サービスの基盤となるものである、こういうことが明確にされております。当時はまだプライバシーというものの意識が国民全体にわたってそれほど先鋭ではなかったということもあったためでありましょうけれども、そういった記録は原則として公開の記録だ、こういう形で制定をされているわけでございまして、事実関係を把握しながら、できれば住民にもそれを使ってほしいという気持ちがこの時点ではまだあったのではないか、こういうふうに考えております。 そして、非常に特異な事情でございますけれども、法務省、自治省の間で市町村の事務、しかも総合的な住民の情報管理というものを構築していこうという中で、やはりこれは市町村の行政の全般的な問題として法務省が所管するよりは自治省が所管する方がいいのではないか、こういうことで議論が始まったと、私はわきで見ていただけでございますけれども、理解をしております。 そして、昭和四十年代の初めというのはどういう時代であったかといいますと、河川法の改正が行われまして知事の権限が建設大臣に奪われる、奪われると言うといけませんけれども持ち上げられる、あるいは強力な地方農政局が整備される、あるいは都市計画法の全面改正において都市計画法がやはり地方の事務でなくて国の事務であるという観念のもとに構成された。そういうことがあって、久世先生なんかがそうだと思いますけれども、当時の論文を見ますと、ネオセントラリズム、新中央集権主義の時代、こういうふうに呼ばれた時代でもあります。 もちろん、公害十二法の制定過程において、地方自治体は頑張って条例による横出し、上乗せの規制の権利を獲得する、あるいはその後福祉の先取りをするというようなイニシアチブを持っていくわけでございますけれども、昭和四十年代の一九六五年から七〇年ごろにかけての新中央集権主義の時代と言われた時代に法務省が明治以来持っていた権限を至極あっさりと自治省に譲ったということで、地方分権の今の時点で各省庁がそういうお気持ちになっていただければ、私は地方分権というのは非常に進展するのではないかと思っております。 そして、最近そのことを、滝口さんという方でいらっしゃいますが、元札幌法務局長とおっしゃいますから恐らく当時の法務省の課長ではなかったかと思いますけれども、その方がそのころの記録を発表しておられます。当該制度、住民基本台帳の制度の性格と自治省が市町村等地方自治体を総合的に指導監督、監督という言葉は気になりますけれども、指導監督の衝に当たることから当然の帰結として自分たちはこの権限を自治省に移したんだということを言っておられます。また、当時の自治省の振興課長であった遠藤文夫氏も、そのころの思い出を書いておられます。そしてその中で、法務省が権限を自治省に譲渡したということについて、「この制度のその後の進展をみながら、改めて当時の法務省当局の英断に敬意を表したい。」と、こういう雰囲気で行われた大変珍しい立派な制度改正ではなかったか。これは余談でございまして、余計なことを申しました。 それと同時に、住民基本台帳制度が整備されたもう一つの非常に大きな要因でございますけれども、これは昭和三十年代まで市町村の窓口は非常に多岐にわたって、一つ転居でもすると五カ所も十カ所も窓口を歩き回り、そしてこの方が先だ、いや向こうから先に行ってくれ、その点が明らかでないから出直してくれ、いろんなことを言われて極めて不愉快な窓口であったわけでございます。それを市町村が努力して、昭和三十年代に窓口の統合管理ということを一生懸命やってきた。それをさらにやりやすくするためにこの制度が導入されたんだ、こういうふうに私どもは理解をしておりました。 そして、この制度ができてから東京都中野区で電子計算機を導入して住民の情報を管理するということが始められ、それから市町村の経営管理という事務管理、能率化あるいは効率化、できるだけ少ないお金で処理をするという分野が非常に発展してきたのではないかというふうに私は評価をしているわけでございます。 もちろん、当時は台帳をつくるのに膨大なお金がかかるのではないか、さらに国民総登録制、そしてそれは自衛隊の募集の名簿になりかねない、そういうことで強い反対があったこともございましたけれども、これが導入されたわけでございます。したがって、住民の居住関係に基づく公証をきちっとするという本来の目的とともに、市町村の行政そのものを近代化、現代化していくという非常に大きなターニングポイントになったのではないかと思います。 このために、自治省の振興課長さんというのは大体一年ぐらいでかわるんですけれども、当時の振興課長さんというのは長い間課長をやられましたし、現振興課長さんももう何年かおやりになっていると思います。この仕事のためにやっておられるわけでございます。 以上が住民登録法から住民基本台帳法へ変わってきた過程の私の基本的な認識でございますが、行政局長さん、今の私のおしゃべり、申しわけなかったんですけれども、大体大枠で間違いはないのでございましょうか。現在の方々の認識をちょっと確認しておきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) ただいま、いわば住民基本台帳制度の生みの親というか育ての親というか、一緒に制度とともにずっと御苦労されてきました委員のお話でございます。 私どもも、本当に基本台帳制度は市町村の関係者の努力によりまして非常に定着し、本来の目的でございます居住関係の公証の機能あるいは住民に対するサービス、さらには行政の効率的な処理、あらゆる住民に対する市町村の行政にとっての基盤となっている、そういう機能を果たしてきているものと考えておりまして、制度の沿革に照らしてもより充実をしてまいりたいと考えております。
○木村仁君 そこで、今回の住民基本台帳法の改正について一つ確認をしておきたいと思うのでございます。これは言うまでもないことでございますけれども、住民基本台帳、新しいシステムができ、そしてナショナルなネットワークになっていく、都道府県もそこに介在してくるという状況の中でもこの住民基本台帳制度というものはあくまで市町村主体の、市町村の固有の自治事務である、こういうことを確認しておきたいと思うのでございます。 そして同時に、今度は都道府県がそこに仕事の極めて重要な一部として入ってまいります。恐らくこれは十年前の制度であったら、自治省といえども都道府県の事務は機関委任事務であるというようなことを、機関委任事務とはどういう意味かというと、市町村から都道府県知事に委任する事務であるというようなことの法律構成にあるいはなったのかもしれませんけれども、私は法律を読んで、これは都道府県が行う部分も都道府県の固有の、広域団体としての固有の自治事務であるということではないかと。 これは当然のことであろうと思いますけれども、念のために自治事務としての性格が少しもゆがめられたものでないということをできれば御確認いただきたいな、こう思っております、ちょっと厚かましい質問でございますが。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 従来から住民基本台帳事務は市町村の固有の団体事務とされてきたところでございます。このシステムというものは、市町村が住民基本台帳制度を運営するという制度の基本的枠組みは変更することなく、その上に立って全国的に市町村の区域を越えた本人確認ができるような仕組みというものを付加する、こういうことで考えているわけでございます。したがいまして、今回の法案成立後におきましても、市町村が行います住民基本台帳に関する事務は市町村の自治事務であることに変わりはない、このように考えております。 さらにこのシステムにおきましては、広域的な地方公共団体であります都道府県というものの役割にも期待しているわけでございまして、市町村を越えた全国的なネットワークシステムを組む上で広域的な機能、あるいは市町村間の連絡調整機能、あるいは統一的な処理、こういうことで都道府県が主体的に役割を果たされ、市町村と都道府県が連携して運営していく、こういうことで考えておりまして、この都道府県が行う事務も都道府県の自治事務であると考えて法律を構成いたしております。
○木村仁君 表からは聞きませんでしたけれども、そういう御確認をいただいて、これは国が国民の情報を把握しよう、そういう意図のもとにつくる制度ではないということを実は確認しておきたかったのでございます。 次に、この全国的なネットワークを構築していくということについて、やっぱり批判をされる方々の視点というのは、恐らくそういうことによって国民の情報が一元化されて、そしてそれを国が支配することによって国家による国民の監視体制が整備されるおそれがあるのではないかと。これは、おそれがないとは言えないと私も思いますから、注意をしなければいけない分野であろうと思いますし、わざわざそこまでお金をかけてやっても大してメリットがないのではないか、そういうことを言う方がおられます。メリットがないのにやるということは、つまり国民監視体制を将来は整備してやろうというあしき意図があるのではないか、こういうことでございまして、今の提案者の面々を拝見いたしますと、決してそんなあしき意図がおありになるとは私は思いませんけれども、そういうことを言われるわけでございます。そして、後ほどまたメリットの幾つかを教えていただきたい、確認していただきたいと思います。 続いて申しますと、全国的に写しがとれ、交付ができるようになるということについては、それほど広域の需要というものはないのではないかということが指摘されます。 それから第二に、本籍地や続柄を省いたものをとらせるようでは、例えば運転免許一つを取るにしても本籍の表示がなければできないではないか、そんな中途半端な情報提供では十分ではないのであって、プライバシーとの関係でそれしかできないとすれば、大がかりに二百億か三百億もかけてつくるほどのシステムではないのではないか、こういうことを言われるわけでございますが、このメリットとその効用性について、少し宣伝をしていただく意味でお答えいただければありがたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムを導入することによります効果でございますが、住民サイドと行政サイドというふうに考えられると思います。 住民サイドにおきましては、全国どこの市町村においても自分の住民票の写しがとれるということで、例えば通勤、通学においては、住所地と勤務先、学校の市町村が違っているケースがほとんどでございまして、そういう際にやはり勤務地などにおいて時間を利用してとることができる。あるいは学生の場合ですとかなり故郷から離れて都会で勉学に励む、あるいは仕事の関係の方でも仕事、公共事業などかなり全国的な移動で労働力が流通している、さらに一日においてかなりの距離を往復するような方もいらっしゃるということで、この需要はかなりあるのではないかと考えております。 また、資格申請とか受験などの行政手続の際に住民票を要求されることが現在多いわけですが、その住民票添付の省略が可能となってくる。 また、住民基本台帳カードというもの、任意でございますが、それを利用した場合には市町村の独自に行います多様なサービスというものが受けられる。また住民基本台帳カードというものを希望してその交付を受けた場合には、特にお年寄りとか家庭におられる方などは身分証明書としてそれを利用することができる。 それから、住民基本台帳事務の関係では、カードを発行した場合には成り済まし転出などの不正行為をこれによってチェックできるというようなメリットがあると考えます。 また、行政サイドでは、窓口業務の簡素化というものが図られて、窓口事務の一部を今後増大する福祉分野などの面で活用することが可能になってくる。また国の行政機関等このシステムから本人確認情報の提供を受けるという場合には事務の簡素効率化が図られるということで、国、地方を通じた行政改革につながるメリットがあるというふうに考えております。 さらに、将来的には、災害時における本人確認情報のバックアップが、例えば大災害等で市町村の住民基本台帳システムが動かなくなった場合にこの四情報のデータによりましていろいろな対応というかバックアップが可能となってくる。また将来、電子申請、ワンストップサービスなどにおける本人確認に活用する基盤ができてくる、こういうメリットも想定できるところでございます。 二点目の広域交付される住民票の写しにつきましては、続き柄は記載することができるということといたしておりますが、戸籍の表示の記載については必ず省略するということといたしております。 お話しのように、住民の利便の増進という観点からは、各種の行政手続において幅広く住民票の写しを用いることができるように、いわば広域交付の場合も戸籍の表示ということも記載するという方式ということも考えられますが、しかし広域交付ということとなりますと、住民票の情報が電気通信回線を通じまして交付地市町村長に送信されるということになります。したがいまして、戸籍の表示のような住民のプライバシーに密接にかかわる情報について住所地以外の市町村に送信されるということになりますので、これは慎重を期すべきもの、こういう考え方でございます。 むしろ各種の行政手続において戸籍の表示とか続き柄の記載された住民票の写しの添付義務の廃止、住民票の写しの添付の際にそういう表示の記載を不要とするという御指摘につきましては貴重な御意見だと拝聴いたしますが、別途、各制度を所管する省庁等におきまして検討していただく問題だと考えております。
○木村仁君 その最後の部分でございますけれども、今いろんな資格を取るときに一体なぜ本籍地などが必要なのかということは私は大変疑問に思います。 今度の住民基本台帳ネットワークシステムが完成すれば、住居の確認とともに本人であることの確認も十分できるわけでありますから、これ以上恐らく正確な記録というのはほかにないというぐらいのシステムになるのではないかと思います。したがって、むしろいろんな資格取得等において本籍地を書かせるとか親がだれでなきゃいけないとかどういう続き柄でなきゃいけないとか、そういうことはもう一切省略をして、むしろこの基本台帳の比較的大らかな、余り高度のプライバシーに当たらないような情報について確認するだけでいろんな免許あるいは証明等を行っていく、そういうことにすべきじゃないかと思います。 もちろん、今言われましたように、各省庁で議論することでございますけれども、自治省としてもそれを強く各省庁に要望すべきではないかと思いますが、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(野田毅君) 基本的に、この住民基本台帳ネットワークシステムというのは、私の認識では、本人確認事務ということについて全国的なシステムをつくろう、そういう意味で本人確認ということの迅速性あるいは正確性、そういったことを主眼として構築しようとしているわけですから、そういう意味で、その目的に沿うような形で運用されるのが一番望ましいわけです。 ただ、これを活用していろいろ九十二のいろんな事務の中でおやりになる場合に、基本的には今おっしゃいました四情報ということで十分可能なのではないか。それと、あとは住民票コードということなんですが、ただ、行政事務によっては、場合によってそれ以外に、今お話のありましたような家族との関係なりということを連絡するようなことまで場合によっては必要な行政事務があるような場合に、これとは別途独自の行政分野において必要性を判断してその上で是非を決めていただくということになるのだろうと思っておりますが、できるだけ余分な情報を必要としないような、必要最小限の情報によって事務が遂行できるような体制を考えていっていただくということは大事なことだと考えております。
○木村仁君 突然の質問で失礼をいたしましたが、御趣旨はよくわかりました。 もちろん、例えば児童手当等の諸証明については続き柄が必要なことは当然でございますので、何でもかんでも住民基本台帳で処理せよというのではございませんけれども、よく言われる本籍地や続き柄も載っていないものを広域的に発行しても何の役にも立たぬのではないか、メリットじゃないじゃないかということについては、私としてはむしろほかの方を改革することによってメリットを大きくするという面がありはしないかということを申し上げたかったのでございます。 それから、この住民基本台帳法、登録法から台帳法へ変わってきたその過程で、やはり窓口の統一、総合窓口というのをつくるのに非常に大きなきっかけになったということを申し上げましたけれども、それは恐らく昭和三十年代の市町村の窓口を知っておられる方は、今行かれるとそれはもう隔世の、もちろん隔世でございますけれども、大変な違いがあるということがわかるわけでございます。 今、このネットワークシステムをつくるのに、もう私は数字は忘れましたけれども、何百億もお金がかかる、それに対して節約するのは何百億で、わずかばかりの効果しかないのだと、こういう議論が行われているわけでございますけれども、私は、現時点における費用効果の分析なんて無視してもいいくらい、行政でありますからそれを無視することはいけませんけれども、そういう短い期間における費用効果というのは考えるべきではない、これからは市町村の行政を進めていく上で十年、二十年、あるいはこういう制度ができますと二十年、三十年というのが一つのパターンでございますから、そういう長い目で見れば、今ここで何百億、何千億かのむだがあっても私は十分長期的には採算のとれる仕事だと、こういうふうに考えるわけでございます。 特にこのシステムを動かし出しますと、私は、いろいろ議論がありましたが、市町村の職員というのはかなり勉強をしなければいけない、同時に市町村が行政体としてきざな言葉で言えば情報リテラシーをずっと高めていく、そういうきっかけになっていくんだと思うんです。 私は最近の地方行政を見ておりまして、そういう意味で質が向上していく分野というのは二つありまして、一つは情報処理の問題です。それからもう一つはプランニングの仕事です。プランニングの仕事というのは、地方公共団体の総合計画の非常に多くは私は余り意味がないというふうな、どうしても秘密を隠さないで全部表に出します。表に出しますといろんな利害があって反対も多いから、そういうところは全部捨象してしまって差しさわりのない記述だけ書いてあるから、計画書そのものはそれほど大きな役割を果たすわけでもないということが往々にしてあるわけですけれども、しかしその計画をつくっていく過程で私は職員というのは非常によく勉強をする。現在の状況を把握し、そして分析し、そして自分たちの問題はどこにあるか、そしてそれをどういう形で計画という形で立て表現していくかという面で、一つ計画をつくるとそれに付随する膨大な職員資質の向上があると、そういうふうに考えております。 情報についてもまさにそうであって、これから二十一世紀に入っていく市町村の行政というものは情報リテラシーというものをどんどん高めていかなければいけない、したがってここにまた新しい能力を持った職員が何千人か必要だということが指摘されましたけれども、私はそれは育っていく面がある。このシステムを構築していく過程あるいはその中で市町村長、助役、そういった幹部の方々もひっくるめて議論していく過程で情報リテラシーはどんどん上がっていくのではないか。それが、言うなれば、昭和四十二年に住民基本台帳法ができて、それから市町村の事務処理がさま変わりしていくと同じようなことが二十一世紀に向かってこの法律とともに、大げさですけれども発展していくのではないか。そういう効果を非常に期待しているのでございますけれども、これまた一人勝手に言ってそうでしょうがというような質問で大変失礼でございますが、行政局長さん、その展望はいかがでございましょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 今お話の出ました、私どもで当面計算、試算可能ということで見込んでおります費用効果についてまず申し上げますと、このシステム構築にかかるコストといたしましては、基本的な導入経費としては約四百億円、それからコンピューターの維持費などの年間経費としては約二百億円を見込んでおります。 ベネフィットの面では数値化可能ということで、一定の仮定のもとで節減時間とか人件費とかというもので試算をいたしました場合、毎年行政側で約二百四十億円、住民負担の軽減という面で約二百七十億円を見込んでいるところでございまして、コストに見合うベネフィットがある、こういうふうに考えております。 さらに、数値化していない効果というものとして、例えば非常に実務的な話で恐縮でございますが、共済年金とか労災とか恩給などの過払いというものが防止できると。これは生存確認がこのセンターから、全国センターから得られますので、その時点で過払いが防止できる、こういうことでございます。 また、このカードというものを主婦の方や高齢者等が身分証明書として活用することができる、それからそれぞれの市町村でこのカードというものを独自の政策に活用することができてそれを高いレベルの行政サービスが可能となってくるということ、さらには電子申請、ワンストップサービスなど、幅広い分野における本人確認に活用が可能ということでございまして、御指摘のように、このネットワークを構築していく過程におきまして、地方公共団体関係者においても個人情報保護についての認識も高まり、また知識、ノウハウというものも高まっていくことによりまして、さらにカードの活用についても、また将来の電子申請あるいはワンストップサービス、さらには災害時の対応とか、いろいろな方面でのそれぞれの地方団体の努力というものが実って活用の幅が広がっていくものと考えておりますし、それが可能なような仕組みといたしまして、それぞれの市町村あるいは都道府県というものが条例を定めることにより、あるいは独自の、相互の協力により対応ができるような制度として今回法案を構成いたしているところでございます。
○木村仁君 この新しい制度が持つ市町村の行政全体の二十一世紀化というものにも御配慮をいただきたいと思います。 次に、個人情報の保護についてでございますが、この問題はもう繰り返し議論されましたので私自身として余りお聞きすることもないのでございますけれども、幾つかのポイントの御理解をお願いいたしたいと思います。 第一に、従来の住民基本台帳制度のもとでの個人情報の保護ということについて、私はおおむねうまくいっていたのではないかという感じがするんです。ここに、いただきましたといいますか調査室の方から提供されました、四十二年の制度制定後の事件が書かれておりまして、一番有名なのはもちろん昭和四十八年の山形県鶴岡市の事件。これも、新聞等をよく見てみましても、本当に売られたのか、売る前で阻止することができたのか余り明確ではございませんけれども、これは非常にあしき意図でもって本をつくって販売しようとした。それからあと、そういった情報を持ち得る資格を持った方、例えば行政書士であるとか社会保険労務士のうち、一、二、地位を利用するというような形で情報を流したものがある。あるいは磁気テープが持ち出されたりしたことがある。こういうのが七、八件ございます。 昭和四十二年、一九六七年からでありましょうからほぼ三十年の間にこのくらいの事件が起こっておって、そしてそれぞれが非常に重大な結果を惹起していないということは言えるわけです。どんなシステムをつくってもそれを悪く活用しようとする人は幾らかいるので、その幾らかいる者をすべて抹殺して、すべてゼロにしなければならないというシステムをつくるためには、また膨大な費用がかかるわけでございます。 こういう例はいけないのかもしれませんが、本屋で万引きがあります。万引きをなくそうと思えば職員をたくさん雇って監視すれば済むことでございますけれども、今度は職員自身が万引きを雇っているようなもので、その給料で倒れてしまうわけですから、本屋さんというのはどれくらいの万引きまで許容すれば自分のもうけが一番大きくなるかということをいつも考えながら職員を雇っていかれるわけです。システムというのはみんなそういうもので、やっぱり一〇〇%全部それをなくさなければいけないから、したがって、このシステムはできない、あるいはそのための膨大な安全弁をつくらなきゃいかぬという、そこまで考えるのは私は、そういうことでは時代は変わっていかないような気もします。さればとてプライバシーの侵害があっていいということを申し上げているのではございません。 そういう観点からすれば、住民基本台帳、比較的プライバシー保護の安全弁の少ない制度だったのでございますけれども、日本の社会においてはそれほどの重大な事故が起こらなかった、こういう認識についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民基本台帳制度は、いわば住民の居住関係を公証するという目的を持っておりまして、住民に関するいわば情報というものを、公開原則ということで、それで住民の利便あるいは地方公共団体の行政のために活用するということを予定しているわけでございます。 しかし、当然ながら一方で、閲覧によりまして知り得た事項というものを不当に利用する、今お話のございましたように、住民名簿を作成して、これを不特定多数の者に頒布、販売するという、いわばプライバシーの侵害につながりかねない不当な目的に転用されるということも、幾つかの事例でございますが、見受けられたということでございまして、住民基本台帳制度の運営に当たりましても、プライバシーの保護ということについては、いろいろな機会に、いろいろな事象が起こるごとに真剣な議論が行われてきているところでございます。昭和六十一年の法律改正では、住民基本台帳閲覧、それから住民票の写しの交付などにつきまして、不当な目的に使われないように合理的な改善を図るなどしてプライバシー保護措置を講じてきたということでございまして、関係者の努力により、今御指摘のような状況になってきていると私どもは見ております。
○木村仁君 個人情報の保護あるいはプライバシーに対する感覚は、これはもう過去と現在は格段の違いがあるわけでございますし、また、情報技術が高度化すればするだけそれが発揮された場合の影響が大きい。そういう意味で私は、十分な安全弁と申しますか、ガードをしなければいけないということにもちろん賛成でございまして、その意味でいろんな形で配慮がされていることを評価するわけでございますが、一、二、技術的なことをお聞きしておきたいと思います。 十六省庁九十二の事務について各省庁に個人情報が送られます。そうしますと、同時に、一挙に大量に送られるということもあるだろう、こう思います。データマッチング等は禁止されておりますからその面は大丈夫でございますが、送られた情報がどう守られていくかということについて、現行の国の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、これは当然その情報についてもちゃんと適用される、こういうことでよろしゅうございますか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 御指摘の、指定情報処理機関から法律に定められた国の機関等に情報が提供された場合に、国の機関につきましては、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、この適用があるわけでございますが、住民基本台帳におきましては、個人情報の保護に関するかなり厳格な諸規定を置いておりまして、その意味では国の個人情報保護法の特別法という形になると思いますので、住民基本台帳に定める各種の規定がほとんど優先的に適用されてくる、このように考えております。
○木村仁君 ちょっとその点確認しておきたいんですけれども、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律によるセーフガードよりもさらに住民基本台帳の方が厳しいと理解してよろしいわけですか、国の行政機関に対して。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステム、今回の法律改正は、いわば住民基本台帳をベースとした全国ネットの本人確認システムということに対するいわばセグメント方式というのでしょうか、個人情報保護措置を規定いたしております。それに対しまして、国の個人情報保護法は行政機関全体を対象とした法律でございますので、そういう意味では性格が違っておりますが、厳しいか厳しくないかということから申し上げれば、そういう目的を持っていますので厳格な規定が多いと御理解いただいて結構です。
○木村仁君 わかりました。 それから、もちろん指定情報処理機関についての厳しいセーフガードもあるわけでございますが、都道府県及び市町村、この分野についてはやはり先ほど来何度も確認しておりますように自治事務でございますから、その事務に係る個人情報の防衛あるいはプライバシーの保護ということについては、やはり全国的な制度に加えて、それぞれの市町村、都道府県も工夫をしていろいろ措置を講じていくべきものだと思います。そういう意味で、現在かなりな数つくられております、制定されております個人情報の保護に関する条例、これは尊重していくべきものだと思います。 そして、これはちょっと個人的な興味で申しわけないのでありますが、今すべてのオンライン連結を禁止する条例というのが五百六十かなんかできているそうであります。これはいわゆる行政事務条例ではなくて、行政の管理に関する条例だろうと思うんです。ですから、国の法律でそういう別途の事務処理をしろということが決まったためにその部分が抵触するというような関係になりますけれども、いわゆる行政事務条例の規制が国と地方と食い違っているということ、少し感じが違うから、強制的に国の法律が都道府県を通じて指定処理機関に通報しろということになったんだからその部分は無効だと決めつけるのでなくて、それぞれの団体の固有の事務について行政上の規定をしているというものを変えさせるということでございますから、やっぱり丁寧に、そこのところを尊重しながら指導をなさるべきではないかと思いますけれども、まことに老婆心でございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 地方団体におきます個人情報保護条例の制定状況は年々増加をいたしてきておりますし、また条例だけでなくて規則とか要綱などで対応しているところもありまして、三分の二を超えているということでございます。個人情報保護の認識、必要性というものが定着、浸透してきているあらわれだと、こう見ております。 そこで、個人情報の利用提供の規制として、いわば外とのオンラインを一律に決めているという団体もあるわけでございます、近年減少傾向にございますが。この点につきましては、従来から、高度情報通信社会ということの中で通信回線を活用した情報処理を行っていく場合には、やはり提供の目的とか権利利益の侵害、そういったおそれを個別に検討した上で提供の可否を決定するのが望ましいということで、例外なく一律にオンライン接続を禁止するということについては見直しが必要であるということは、これまでも地方団体に対してお話をしてきているところでございます。 今回の法案に当たりましては、そこの面についての法律的な考え方は従来から申し上げているところでございますが、地方団体にこの法案、システムについて十分御理解をいただきまして、それぞれの条例におきます規定については、改善というのでしょうか、それぞれ地方公共団体で検討していただきまして、全体のネットワーク運営というものが可能になるように対応していただくということが一番望ましいということは変わりございませんので、私どもとしても精力的にその辺は努力をしてまいりたいと考えております。
○木村仁君 恐らくそういう条例を制定しておられる市町村、都道府県でも、もうこれからの情報処理というのは、クローズドサーキットをつくってそれを守れば完全だという発想では対処し切れない。オープンに全部つないで、しかし大切なプライバシーはきちっと保護できるようなシステムをつくる、そういうことが本命になっていくと思いますので、ここの部分について余り心配はしていないのでございますけれども、まことに失礼な御質問だったかもしれませんが御勘弁をいただきたいと思います。 これは質問というよりはまたひとり言でございますけれども、住民票コードを除く四つの情報というのはもともと伝統的に公開、オープンなものであると。住所、姓名、年齢、生年月日ですか、この四つはもともとオープンなものである。したがって、これが大量に一括して本になるというような出ていき方の態様でなければ、人々に知られてもいいんだと、そういう情報ではなかろうかと私は思うんです。 この点については、一昨日の参考人の皆様もやっぱりプライバシーという面からすれば比較的守る程度は低くていい情報ではないか、こういうことを言っておられますし、昭和六十年に一括閲覧についての制限の規定をつくりましたときにも、学界その他から、学術の目的のためにこれを使用するということが制約されるのは非常に困るとか、あるいは公平な、公正な世論調査をするためにはどうしても住民基本台帳からの閲覧が必要だ、こういうことで反対が強かったと私は聞いております。 そういう四情報が持つ社会的効用あるいは住民の利便、行政の効率化という面について、むしろ前向きの調和を考えるべきではないかと考えております。これはひとり言にさせていただきます。 それから、国民総背番号制との関連でございます。 この制度は国民総背番号制に連なっていくものだから反対であるという方が大変多うございます。私は、言うなれば今度のものは国民総背番号制である、しかしいわゆる国民総背番号制と呼ばれるものとはやっぱり実態が違うんだろう、こう思います。 これも一昨日知恵をつけていただきましたから、中山太郎先生の「一億総背番号」という本を恥ずかしながら初めて拝見させていただきました。昭和四十五年十二月に発行されておりまして、「一億総背番号」という本でございます。これは一億総背番号を非難する本ではなくて、そういうものをつくろうという情報化時代の御提案でございました。 端書きの一番最初に、K君の背番号と書いてあります。まだ背番号という言葉が嫌なイメージでなかったのじゃないかと思いますが、生年月日が一九七〇年一月十五日であるから、七〇〇、七〇が七〇年ですね。これもコンピューターの間違いと同じことを犯しておりますけれども、一九七〇でなくて七〇と書いてあります。七〇〇一一五、これが生年月日。そして三六四八と続きます。これはその日の出生者の受け付け順番だそうでございます。ですから、この番号は七〇〇一一五三六四八。わからない部分は三六四八の下四けたでございますが、もともとみんなに公表する、おれは七〇〇一一五三六四八という番号だということをみんなに公表するための背番号で、これはもう極めておおらかな、四十五年でありますから、さしもの中山太郎先生もそういう御認識だったのかなと思います。 そのときのそういったものについて産経新聞で調べたら、賛成三二%、反対三九%、どちらとも言えない二八・八%、そういうことでございました。もちろん感情的反対があるだろう、管理社会化のおそれがある、それはそのとおりだ、プライバシーの問題も出てくるだろうということは指摘されております。 しかし、そういう指摘されたようなことには絶対住民基本台帳はなっていってはいけないわけでありますし、絶対なっていかないだろうと思います。そして、私がもう何度も主張しておりますように、これは国家の事務でなくて市町村の事務である、都道府県の事務であるということから、この国民総背番号制とは違うというふうに私は思うんですけれども、今まで何度も答弁しておられると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(野田毅君) 番号によっていわゆる国民、住民を国なり地方団体が管理するという発想というものをいわゆるこの総背番号制という言葉の中に感じ取るという立場からすればアレルギー反応が起きる。そういうのではなくて、今でもそれぞれの分野で、運転免許証だってみんな番号があるでしょうし、年金だって番号があるでしょうし、そういう意味で行政事務遂行の上で部内処理として効率化をしようというようなことで、単なるそういうシステムの合理化の一環としてのナンバリングであるということで受けとめるならば何らアレルギーも感じないという、二通りの受けとめ方があると思います。 私どもは、率直に言って、何度も何度も申し上げておりますが、住民なり国民をこういう住民票コードによって管理する発想というのは全くないわけであって、むしろ全国的な本人確認事務というものが非常に膨大な作業になっておって、その迅速性あるいは正確性ということを考えた場合、やはりこれがあった方がはるかに逆に住民サービスはレベルアップできるんじゃないか。 先ほど木村先生から御指摘がございましたが、ある意味では単純作業の世界だろうと思うんです、本人確認事務という。むしろ、市町村における行政事務というものをより質的にレベルアップして情報リテラシーを向上させるなり、その住民サービスの内容を、そういう単純な仕事に精力を費やすよりも、より大事な質のアップに向けることができるのではないかということにむしろ目を転ずるべきではないか。 そして、そういう意味で、これがそういう国民監視のシステムだと誤解されないような工夫として全国センターというものを都道府県の言うなら共同の作業としてやっていただくというような発想、あるいはいろんな目的外利用の禁止等々、いろんな個人情報に関する保護措置をシステム面、制度面、運用面等々において、現在考えられるだけのこともあわせて講じておるわけでありまして、そういう意味で、長くなって恐縮でしたが、国が住民票コードをもとにしてあらゆる個人情報を一元的に収集して管理していくということにはならない仕組みにつくり上げておりますので、この点は重ねて強調をさせていただきたいというふうに考えております。
○木村仁君 今、大臣の御答弁のことで安心をいたすわけでございますけれども、さらにそれに力を得て図に乗るわけではございませんが、これだけのシステムをつくっていく、そして個人のプライバシー保護のためのいろんなセーフティーネットもつくり上げた、そういうことを考えますならば、この住民情報ネットワークシステムを本当に行政のもっともっと幅広い分野に使っていくということは、国民総背番号制度というものにつながっていかない限りは、私はやるべきではないかと。それが、費用対効果の関係を有利に導くことでもありますし、住民サービスを向上させる面でもあるし、また地方自治自体の向上にもつながっていく、そういうふうに考えますが、広げていくということについて大臣のお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、住民サービスを向上させていく、そういう上で十分御検討をいただいて、その上で、例えば、幾つかきのうも先日も御議論がございましたが、幾つかの分野で住民サービスを向上させていく視点からこの事務の適用対象範囲を広げていくという検討がなされることは、私は結構なことだと思っております。 ただし、その点については改めて法律改正という手続を経た上でいろんな面から逆のチェックということも必要なことでありますから、そういう点で十分検討をされた上で応用範囲を広げていかれるということは、私は十分考えなければならない視点であると思っております。
○木村仁君 せっかく構築するシステムでございますから、この四情報がもっと朗らかに国民に理解されて、そしてそれを国民の利益のためにどんどん使っていくという雰囲気が生まれ、そしてそれについて必要な法律改正も進められていくということを期待いたしたいと思います。 ちょっと時間がせってまいりましたので、せっかく郵政省の官房長さんがお見えになっていらっしゃいますから、その質問をさせていただきます。 そういうふうにしてネットワークができて広がっていく、そして十分なプライバシー保護のための措置も講じられる、さらには国民総背番号制に移行しないようなしっかりした精神的、行政的な雰囲気がつくられていくということを考えていきますならば、そうしたらもっと便利にできないか。今、広域交付ということはできました。これはもう以前から、諏訪の広域市町村圏や、あるいはこの間視察させていただいた浜松でも今まで一生懸命市町村がやってきたこと、これが一挙に全国的にネットワークでつながっていくということはすばらしいことだと思います。 ところが、一方では、農山村に行きますと、もう役場に行くこと自体が非常に長距離だというところがたくさんあるわけです。ところが、そういうところにも特定郵便局というのが必ずあります。そこに窓口があったら非常に便利だろうな、こういうことを感じます。 ついては、今、郵便局においては、全国二万何千かある郵便局をワンストップ行政サービスの拠点にしようという努力をされております。これは、自治省も最初は反対したようでございますけれども、協力して、昭和六十年ぐらいからやっておられると思いますけれども、現時点でどの程度まで行っているか、そして住民基本台帳との関連におけるどの程度まで見込みがあるかということをちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(松井浩君) 今現在、郵便局は二万四千七百ほどございます。 これから高度情報化、高齢化など環境変化がございますが、二十一世紀を展望した場合に、この郵便局ネットワークをどのように活用していくかということは重要な視点だというふうに私ども考えております。 郵便局でさまざまな手続やあるいはサービスの申し込みを行うことができるという発想で、郵便局におけるワンストップ行政サービスということを進めておりますが、これが実現いたしますと、国民は全国津々浦々に存在いたします身近な郵便局で行政サービスが受けられますし、その利便は大きく向上するというふうに思いますし、また行政機関の効率化にも資するなど、意義は大きいというふうに考えております。 このような観点から、平成九年度から実際にこの実験を開始しておりまして、現在の状況を申しますと、全国の五地域十二市町村のモデル地域におきまして自治体が提供する公的サービスの申し込みなどを行う実験を実施しているところでございます。 さらに、平成十一年度予算におきましては、新たに住民票の写しあるいは印鑑登録証明、そういったことの自動交付を行う自治体端末の郵便局への設置の要求が認められたところでございます。 それから、今後のこの住民基本台帳ネットワークシステムの導入との関連でございますが、今回の住民基本台帳ネットワークシステムの導入につきましては、国民が住民票の写しを一々その居住される市町村の役所までとりに行かずに、一枚のカードで多様な行政サービスの利用を可能にするということで大きな意義があるものというふうに思っておりますが、郵政省が推進しております郵便局におけるワンストップ行政サービスの実現とこの点で軌を一にするものだというふうに考えます。 その意味で、郵便局におきますワンストップ行政サービスが住民基本台帳ネットワークシステムを活用するという観点でとらえるということは、国民の行政サービス利用における利便性の向上に相乗効果をもたらすものではないかというふうな期待をしております。 以上でございます。
○木村仁君 市町村のいろんな書類の交付事務について、自治省は郵便局との関係では今どのようなことをお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 現在、住民票の写しなどの自動交付機というものがそれぞれの市町村で導入をされてきております。それにつきましては、その設置場所は市町村の施設内ということで、管理の安全ということで市町村の施設内に限って認められてきている、こういう状況でございますが、今年度、郵便局など一定の都道府県、または国の施設の中でもやってみようということで、試行事業、モデル事業というものの実施に向けまして現在自治省において検討をいたしております。関係府県、市町村、また郵政省を初めとする関係省庁との検討を進めている状況でございます。
○木村仁君 この面につきましては、ぜひ、将来は同じ省になるんでございますね、郵便局はこの行政改革の過程で国家公務員としての地位が残りますので、非常に立派な方々が仕事をしていただくわけでありますから、できればこのネットワークの一部に入ってもいいくらいだと私は考えております。 そして、最後に、時間がございませんで準備しました幾つかの問題スキップして大変失礼をいたしますけれども、最後に、これは他の委員の皆様に聞こえるように発言をしておきたいのでございますが、昭和四十二年の住民基本台帳法が制定されましたときの国会審議でございますけれども、地方行政としては一時期を画する法律であったわけでございますけれども、衆議院は、地方行政委員会で賛成多数で議決をいたしております。それに対して参議院では、「地方自治の本旨を尊重し、かつ、住民基本台帳制度の本来の趣旨にのっとり、この制度の適正な運用を期すること。」という附帯決議をつけて全会一致で議決をしております。良識の府としての参議院の面目を発揮しておるわけでございます。どうかひとつ最後の締めくくりとして、大臣、この参議院ではぜひ満場一致で可決するように提案者としても御努力をいただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(野田毅君) 大変今緊張して前回の国会審議における状況についてのお話をお伺いいたしておりました。 御指摘のとおり、でき得べくんば全会一致はもとよりでありますが、一刻も早くこの法案を成立させていただいて、着々とこれからの高度情報化社会に対応した市町村の行政、住民行政のレベルアップのために貢献できますようによろしく御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。よろしくお願いを申し上げます。
○木村仁君 終わりますが、私も、今二十一世紀に向かって市町村の行政が一つの飛躍を遂げるこの法律の審議に携わることを非常に名誉に思って質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。 七月八日に住民基本台帳法の一部を改正する法律案が提案されまして、これまで質疑等も行ってまいりましたけれども、我が党といたしましては、重要法案とこの法案を位置づけておりまして、部会等でもたび重なる議論をしてまいったところでございます。そういった中で、一昨日は参考人の質疑をいただきまして、また、委員会でこの質疑に入る前に、七月十五日でございますけれども、早速静岡県の豊田町や、あるいは浜松市等を視察させていただきまして、まさに委員長と理事さんや関係の皆様方に、これまでのお取り組みには感謝を申し上げたいと思っております。 私は、やっぱり百聞は一見にしかずという言葉がございますので、この辺も私の脳裏に刻み込んでおる一人でございます。私は、現場を見まして、聞く中で、これは問題がありはしないか、大変だなと実感いたした次第でございます。 今、前任者の自治省出身の木村先生が質問されましたけれども、私は庶民の、まさにローカル出身者でございますので、ローカルの立場に立って質問をさせていただきたい、このように考えておるところでございます。国民の理解を得ていく、そしてまた自治体の各行政の理解を得ていく、これが大切でございます。自治体行政の中でもこの委員会を注目しているものと私は思っておる次第でございます。そういった中で、この住民基本台帳法改正案制定までの取り組みについて、まず伺いたいと思っております。 自治省のコミュニティーネットワーク構想における地域カードシステムの取り組みの実態についてであります。本法案の提出に至るまで自治省はコミュニティーネットワーク構想における地域カードシステムに取り組んできておるということですけれども、どのくらいの自治体、そして都市を選び、実施に向けて取り組んできたのか、まずこれをお聞かせいただきたいと思っております。
○政府委員(香山充弘君) 御指摘がありました地域カードシステムでございますけれども、自治省はコミュニティーネットワーク構想の一つとして地域カードシステムの導入を進めようという考え方で始めておる事業でございまして、全国で十七団体をモデル団体に指定いたしまして、地域の実情を踏まえた実証実験を行いまして、標準的なシステムを開発しようとしたものであります。 一応、平成九年度にシステムの開発を終えまして、その後はこのモデル団体以外の全国の市町村に対しまして、利用を希望する場合には公開をいたしたいということで呼びかけをいたしておりまして、モデル団体のほかにさらに十市町村が利用を希望しておられまして、導入の準備等を進めておられる、そういう状況でございます。
○藤井俊男君 このコミュニティーネットワーク地域構想ですけれども、これについて確かに十七市町村に当たったといったことでありますけれども、目的といたしまして行政窓口サービスではすべての住民に対するサービスの向上を目指し、以下、三点の達成を目標とするということで、一つとして住民が各種証明書の申請手続を正確かつ簡素に行うため、申請書の自動作成サービスを行う。 二つとして、ICカード内の情報を読み込むことにより、窓口でのキー入力操作を削減し、処理のスピードアップを図る。 三つ目といたしまして、端末を各支所に設置することにより、各支所でも町役場本所と同時のサービスが受けられるようにするという点でありますけれども、そういった中でこのコミュニティーネットワーク構想における指定を受けた団体の事業の実施状況はどうなっておるのか、この辺についてもお聞かせを賜りたいと思います。
○政府委員(香山充弘君) 地域カードシステムにつきましてもICカードを使いまして、そのセキュリティー機能の高い部分とそれから記憶容量が大きい部分を活用いたしまして、幅広い行政サービスの提供に活用しようというものであります。 御質問がございました具体的に導入している例といたしましては、例えば保健分野におきましては、健康診断結果というものをカードに登録するようにいたしまして、母子保健だとか予防接種あるいは乳幼児健診、学校健診等に活用しておられるという市町村がございます。 また、福祉分野では、高齢者の情報をカードに打ち込みまして、訪問指導あるいは高齢者福祉サービス受給情報、こういったものを提供する、そういうふうなことに広く活用しておられる事例がございます。 また、窓口業務といたしましては、住民票の写しあるいは印鑑証明、その他各種証明書の申請等が自動的にできるように、そのような形で活用が行われておるという状況でございます。
○藤井俊男君 私は、活用状況はただいまの答弁でわかるわけですけれども、実態を聞いたわけであります。 しからば、その十七市町村の実態はどうなったのだろうか。活用はこういうふうな活用をしているということですけれども、実態をお示し願いたいと思います。
○政府委員(香山充弘君) それぞれの団体で事情が違いますので一概に申し上げることは難しいのでありますが、先導的に導入したということで全国的に有名なある都市の場合には、いわゆる窓口業務の申請書を取り寄せるとかそういったことについては相当活用されたけれども、福祉、医療、こういった面については余り十分な活用がなされていない。そういうことで業務についての見直しもする必要がある、このような検討がなされている、そういうふうな団体もあるというようなことは事実でございます。
○藤井俊男君 私は先般、静岡県豊田町やそして浜松市等も見てまいりましたけれども、今活用されていない、あるいは見直し等もございましたけれども、しからば十七市町村の実態はどうなんだろうかと調べさせていただきました。そうしましたら、この十七市町村の実態はまさに大変な事態であります。 山形県米沢市は、設計開発はしたがいろいろあるので見直している、こういう状況であります。また、岡山県成羽町は、実施はしているが大したものはやっていない、更新の意思はまるきりない、こういうことであります。また、長崎県大瀬戸町は、基本設計は終わっている、高齢者がメーンであるが、先ほど答弁していましたけれども、中断するに至った、こういう状況であります。また、長野県茅野市は、委員長のところですけれども、調査を受けたがうまくいかなかったので中止した。理由は、本人カードを確認できない、中身を見せてもらえない、見せていない、広域的な対応が必要である、情報の流通には慎重だ、こういうことです、委員長のところは。熊本県山鹿市は、基本設計、詳細設計までやったが今は中止中だ、平成十三年に再検討だよと。これは財政が逼迫しているんだ、財政がどうにもならない、これが現実だと思うんです。長期的計画を策定中であるということであります。こういうことを私のところで実態としてお聞きいたした次第でございます。 今言ったところにつきましては、五県の五市町です。またさらには、島根県出雲市はやめたいと、こういうことであります。鳥取県米子市も中止だと。 この十七市町村で実際残っている市町村は幾つあるんですか。この実態をどう把握していますか。
○政府委員(香山充弘君) 私どもが聴取いたした状況で申し上げますと、開発を中止しようとしておる団体というのは茅野市と山鹿市の二つであります。出雲市の場合には児童カードと市民カードの二本立ての制度でやっておるわけでありますけれども、その扱う事務のうち窓口業務の方は基本的に残すけれども、福祉、医療の分野は再検討してみたいというようなことが論議されておるというような状況でありまして、全体をやめたいということではないというように思っております。 各団体のお話を聞きますと、率直に申し上げまして、どうも先生の聞き取りの仕方と我々の聞き取りの仕方で多少ニュアンスが違ってまいっております。私どもの受けとめ方は、全国的に非常に普及していない段階でありますので、この分野の行政的な取り組みが必要との考え方は持ちつつも、ある団体の場合は、一団体のみで先走ってやっても効果が限られるので、もっと全国的、さらには広域的な広がりを見てから再度取り組みたい、こういうふうな事情を考えておられるようなところがありますし、もう一つのところは、必要性は認めるけれども、国体の開催だとかいろんな事情があって、他の財政事情との比較考量において優先度が現在の時点では低いということで、事業部局としてはつらいけれども先送りをするということをのまざるを得なかった、このようなおっしゃり方をしておられます。 いずれにしても、私ども、これはまだまだ普及段階でありますから、その過程で先導的に取り組みをされた団体の場合はいろんなことを考えられるし、いろんな悩みもあるということで、そういう意味では、大きな流れとしてできてくる、あるいは全体としてさらにこの行政に対する理解が深まってくる、こういうことによってこれらが円滑に進んでいくものであるというふうに考えておる状況でございます。
○藤井俊男君 私たち一行が先ほども申しましたように視察をさせていただきまして、私は実態をつかんでまいったところであります。 大臣、この実態をどう把握、認識されておりますか、お願いします。
○国務大臣(野田毅君) 今、総務審議官がいろいろ各団体ごとについての事情を簡略に御説明申し上げたと思います。 こういうシステムについて、もちろん、モデルケースとしてのいわば試行錯誤的なことが当然この種のものにはつきまといがちでございまして、そういう点でいろいろ先導的な事業をやっていこうという場合には御苦労が伴うだろうと思っております。しかし、総じて、基本的に、このことが事務処理の簡素効率化なり、あるいは住民の利便性の向上なりにより密接につながっていく。特に、それが一つの市町村の域内だけでやる場合の利便性と、それを超えて広くやっていく場合の利便性とはおのずからまた異なってくることだと思います。 そういったことも含めて、もう少し息長くこの点はよく実情を把握しながら改善されていくようになっていくだろう、私はそう理解をいたしております。
○藤井俊男君 大変失礼な言い方かもしれませんが、世界の中で何カ国かこの住民基本台帳たるものにいろいろ取り組まれているというところもあるやには聞いておりますけれども、世界あるいは国内において大臣は私どもと同じように現場を視察したことがあるかないか。現場を見てきておるかどうか、この辺ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(野田毅君) 直接その市町村に行って、使われている現場とかそういったことを私自身見ておりません。しかし、現場を見てこられた衆議院の先生方なりあるいは当然のことながら事務局の方から、それぞれについての問題点なり改善点なりということについていろいろ現況報告を聴取いたしております。
○藤井俊男君 私は、自治省の内部ではビッグプロジェクトの一つではないかなという気がするんです。そういった中で、大変恐縮ですが、私どもに提案するからには、外国の状況やらあるいは国内の状況をやっぱり大臣が視察する必要があったんではないか、このような感じがするんですが、いかがですか。
○国務大臣(野田毅君) 今御指摘のございますモデルとしてやっております地域カード事業の問題と、それから今御提案申し上げております住民基本台帳ネットワークシステムの問題、これはいずれ住民票カードというようなことになっていけばその辺はかなり連動性は出てくるかと思います。 しかし、少なくとも、四情報を核とした住民票コード、これに基づいて全国的な本人確認作業を効率化させていこうというこの問題は、必ずしもこれが前提ということではないと思っております。地域カードの問題、これが前提となってネットワークシステムの構築の話ということになるのではないと私は思っています。 したがって、できれば、時間があればそういうことの機会を得たい、私自身率直にそう思っておりますが、残念ながら、就任して半年間、実際問題かなり長期間、国会における答弁で相当身柄を拘束されておることも事実でございまして、いずれ時間がありましたら最優先でいろいろ現地の状況などもつぶさに把握をしてまいりたいというふうに考えております。
○藤井俊男君 日夜大変御苦労さまでございます。よろしくひとつお願いしたいと思うんです。 そこで、私は、この窓口のトップにおられる行政局長、この実態をどう見られておりますか、お聞かせ賜りたい。
○政府委員(鈴木正明君) お話は地域カードシステムについてのお尋ねだと思いますが、総務審議官から御説明申し上げました状況でございまして、それぞれの地方団体、特に市町村においてこの事業はモデル的に実証事業として取り組んできている。そこにおいてかなりうまくいっているところもあれば、いろいろ障害、隘路にぶつかっているところもあるし、それなりに得るところも多いだろうと思います。 私どもは、今後、このネットワークシステムというものを本法案ということで御提案、御提出いたしているわけでございまして、その中においてICカードを活用した住民基本台帳カードというものもかなりの準備期間を置きながら活用してまいりたいと考えておりますので、こういった各地の地方団体の取り組みから得られました教訓あるいはノウハウというものをその中に生かしてまいりたい、このように考えております。
○藤井俊男君 そこで、私は、この新ネットワークシステムを財源、人間、権限から検証してみたいと思っております。地方分権の推進、地方自治の拡充を目指した地方分権推進関連法案の議論で重要なテーマでもございました財源、人間、権限についてであります。言いかえれば、ポイントは金、人、物であると思います。 そこで、財源でございますけれども、一つといたしまして、システム構築にかかる費用はどのぐらいなのか、これをちょっとお知らせ賜りたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムの構築にかかるコストということでございますが、基本的な導入経費とそれから年間の経費、こういうことで分けて申し上げますと、基本的な導入コストといたしましては、システムの基本設計費、コンピューターの設置工事費、またネットワークシステムのテスト経費、さらには既存の住基データをこのシステムに移行するための経費など、こういった経費がかかりまして、約四百億円と見込んでおります。 それから、年間経費でございますが、維持運営コストといたしまして、コンピューターのリース料、維持費でございます。それから、電気通信回線使用料などで、維持運営コストとしては年間約二百億円と見込んでいるところでございます。
○藤井俊男君 ランニングコストは全国でどのぐらいなんですか。
○政府委員(鈴木正明君) このネットワークシステムのランニングコストは年間で約二百億円ということで、内容的にはコンピューターのリース料、維持費、それから電気通信の回線使用料などでございます。
○藤井俊男君 これは平成十年の住民基本台帳ネットワークシステムの構築に要する経費(試算)ということで私どもの方にも手元にいただいておるところでありますけれども、さらに私はわからない点がございます。 今、ランニングコスト、年間二百億だということでございますけれども、さらにお聞きしますけれども、地方自治体のうち、市町村のシステムにかかる費用はどのぐらいなのか。これが一つ。 あるいはもう一つは、都道府県のセンターのシステムにかかる費用はどのぐらいなのか。 もう一つ、指定情報処理機関についてはどのぐらいなのか。三つ目です。 四つとして、さらにお聞かせ賜りたいと思うんですが、国に関連してかかる費用はどのぐらいなのか。 この辺、ちょっと私どものいただいているデータには載っていないわけでありますので、詳しくお示しをいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムの経常経費につきましては、今ほど申し上げました額を見込んでいるところでございます。 そこでお尋ねは、市町村あるいは都道府県、指定情報処理機関あるいは国ということで、どのくらいの経費がかかるか、こういうことでございます。 この法律が成立をお認めいただいて、全国のネットというものを具体的に具体化していくということになります。それは関係地方団体の協議によって具体化の詰めをしていく、こういうことで考えておりまして、私ども自治省としても当然それを支援してまいりたいと考えております。 そういうことで、具体的にそれぞれのところでどのぐらいの経費になるかということについては、現在の段階では試算を行っているわけではございません。ただ、平成八年十二月の住民基本台帳ネットワークシステム懇談会の意見の概要というものをお示ししたときに、その中で試算をした資料がございます。これは負担というよりもその運営主体別に、いわば場所別でどのぐらい経費が見込まれるかという試算でございまして、この資料におきましては、システム稼働後毎年要する年間経費百九十八億円のうち、市町村の部分で経費が発生するのが百九億円、都道府県のところで発生するのが七十九億円、全国センターが十億円、こういう試算が示されております。 この試算を行うに当たってのいわば前提ということで、全体経費及びその内訳は必ずしも精査されたものではないこと、また二点目としては、場所別経費の負担主体、負担をどうするかということについては現在のところ未定である、それから通信回線料のところでどういうふうに見るかという整理の仕方ですが、全国センターから都道府県までの間は全国センターに計上する、それから都道府県から市町村までの間の回線使用料、これは都道府県に便宜計上している、こういう注意書きが示されているところでございます。 それで、国の機関等に本人確認情報を提供した場合どうなのかということでございます。それにつきましては、国の機関等が、もちろん法律で認められた国の機関等でございますが、これはシステムの構築主体ではありませんので、第三者という立場でございますので、本人確認情報を利用していただく場合には所要の額をお支払いいただくということで考えておりますが、その具体的な経費につきましては、ネットワークシステムの仕様とかそれから本人確認情報の提供に関する政令、省令事項などに関することが具体的に決まっておりませんので、この懇談会の意見の概要の時点においてもまた現在でも試算が困難であるという状況にございますので、ちょっと具体的な額はお示しできないところでございます。
○藤井俊男君 具体的に試算していない、困難だということで、私たちがたび重なる質疑をこの委員会で行っておりますけれども、提案をするからには、実施に向けて確実にそろばんをやっぱりはじいておく必要があるんではないかと思うんです。今の局長さんの答弁では、平成八年の懇談会のあくまでも試算ですよ。これでは私はちょっといいかげんではないのかな、こんな気がいたしております。 そこで、自治省の関係者がそろばんをやるには大変なのかなという気がしますので、自治省の担当官は大体どのぐらいおるのかなと思ってちょっとお聞きいたしましたら、行政局の振興課が住民基本台帳をやっている係、これが補佐が二人、企画官一人、係員四人と。全国に三千二百三十二自治体がありますけれども、統括する振興課の中で、ましてや私どもに提案するビッグプロジェクトだと私は思っておりますが、住民基本台帳、この懇談会の試算をもとに、今の試算の額では到底及びもつきませんよ。計算しただけでもわかります。後ほど私は質問を順番にやっていきますけれども。 こういう実態ではちょっと余りにもどうかなという気がしますので、この辺について、大臣、率直な気持ちをお聞かせ賜りたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 率直に申し上げてこのシステム、まだかなり細目にまで、具体的にどういうような仕様になるのか、そういったことがかちっと固まっていかないと、実際問題、イニシアルコストなりランニングコストを確定するというのはなかなか難しい。したがって、あくまで試算という範囲の中で一応の目安という受けとめ方をするのが至当ではないか、これはそう思います。これはあらゆる設備投資をする場合、みんなそういうことだと私は思っています。 それから、コストの計算、ベネフィットの計算、それぞれの前提を置かないと、済んだことであれば過去をさかのぼってかなり正確な計算は成り立つと思いますが、これからやろうとするわけですから、ある意味では試算、これからのかかるであろう予想計算でありますから、そういう制約というのは当然ある。そういう中で、先ほど来、それぞれ考えられる項目、要素について局長からいろいろ申し上げ、そして具体的に要素としてはあるが、つまり定性的なコストなりベネフィットなりということは十分考えられるけれども、定量的にそれをきちんと把握するということはなかなか難しい性格の事務もたくさんある、こういうことであります。まずそのことをひとつ頭に置いておいていただきたいと思うんです。 それからいま一つは、こういう長期間に対して効用を持つような性格のものについては、言うなら先行投資的要素も現にあるわけでして、単にイニシアルコストの大きさだけではなくて、つまり十年なり場合によっては二十年なりの長期を展望した中でトータルとしてのコストベネフィットというのを設備投資する場合には当然議論しておかなきゃならないということがございます。 それからいま一つは、そもそもこれは通常の企業の設備投資とは質を異にいたしておりまして、先ほど来木村委員のお話にもございましたとおり、行政事務の内容そのものの充実、レベルアップということにどういうふうに活用していくか、それから市町村、都道府県、この地方公共団体の人材をどういう形でより住民サービスの内容のレベルアップの方に振り向けていくのか、あるいは発想なりこれからの行政事務の内容をレベルアップしていく、情報リテラシーという表現もございましたが、いわば本人確認事務というのは率直に申し上げてそれほど複雑高度な質の内容の事務であるとは思いません。 そういう意味で、できるだけ人間でなくて他に代替できるような仕組み、そのことによって行政事務が簡素効率化できるということが展望でき、その中で、より人間でなければならない、まさにそういう優秀な人材を振り向けなければならない行政の質の充実の方に振り向けていくということは、実はそういうコスト計算外の大事な要素でもあると思っております。 そういったことを総合的にぜひ御検討いただいて、コストベネフィットについての議論をしていただくと大変ありがたいというふうに考えております。
○藤井俊男君 ありがとうございます。 先般の豊田町では、あそこの人口は二万八千人ですね。それで、このシステム導入に向けた費用が何と一億九千万かかったというわけです。端的に計算しましても、三千二百三十二の自治体、そして四十七都道府県を足しますと三千三百近くになるわけです。これに二億円掛けたら、もうこれだけだって六千億じゃきかない、こういうことを頭に置いていただければと思っております。 そこで、今、局長さんからもありましたけれども、人件費の問題、人間の問題であります。この費用はどのぐらいに見積もっておりますか。試算しておるかおらないか、ちょっとこの辺をお聞かせ賜りたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 御質問は、システムのいわば経常的経費に人件費が入っておるかどうかというお尋ねだと理解をいたしますが、現時点において人的配置の基礎となりますこのシステムの仕様あるいは業務体制のあり方ということについては、今後の地方団体間の協議により具体化していく、こういうことでございます。詳細が定められておりませんので、このシステムに関係いたします市町村あるいは都道府県、全国センターの従事者がどのぐらいになるか、これにかかる人件費についてはどうかということについての試算というものは難しいということでございますので、御理解賜りたいと思います。
○藤井俊男君 同じく、詳細については難しい、人件費ということでなかなか試算をしておらないようであります。 一昨日、参考人の安田浩先生がおっしゃっておりましたけれども、中の人、自治体職員、この人を教育することではなく、適材適所で非常に柔軟に雇う必要があると私は思うということで、安田先生は、このネットワーク構築に向けてはおおむね二人ぐらい必要ではないかと言っておりました。 三千二百三十二ですから都道府県を入れれば三千三百近く、新しく六千六百人が必要になるわけです。この六千六百人で単純に計算しただけだって、年間一千万にすれば六百六十億、半分にしても三百三十億、こういう状況がうかがえる。こういうことになってまいりますと、やはり人件費の関係等をかなり今からでも見積もっていかないと、私はこれは到底難しいのではないかと思っております。 豊田町のところで見ましたら、専門的な人が一人でやっていた。一人じゃどうかなということで私さらにお聞かせを賜ったんですけれども、そうしたら、いや、これについては五名ぐらい今充当しているよということをお聞きいたしたんですが、かえって行革どころかふえているのかなと。システムを構築するにおいて人をまたふやさなければならないという点もお聞きを賜ったわけですけれども、この辺についてどう感じますか。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムを円滑かつ効率的に運用していくには、やはり職員の問題というのが非常に重要だろうと思います。 今、参考人の御意見を引用してのお話でございますが、プライバシーの保護というかセキュリティーの確保という面では、チェック体制という意味で一人の職員ということはないだろう、いわば管理情報の担当責任者とその管理者という役割、重要な場合には一人で操作あるいは運用するのではなくて、必ず複数の職員によるチェックというような慎重な手続などが必要だろうという御指摘があったと理解をしているところでございます。 また、豊田町のお話につきましても、私も先生の鋭い御指摘を拝聴いたしておりましたが、開発期においては担当の職員を充当して開発に当たってきたが、ことしでしたか昨年でしたか、体制をいわば市民課というんでしょうか住民台帳係というんでしょうか、そこの一般体制の中でそれぞれの職員がこの事務に当たっていく、こういういわば平時の体制に切りかえたというふうに理解をいたしたところでございまして、このネットワークシステムを構築し運営していく場合にも同じようなことが言えるのではないかと思います。 いずれにいたしましても、職員の意識あるいは知識、技術のレベルアップというものを図って、効率的な運用というものをそれぞれの市町村全体の中でどう構築していくか、また管理なり運営体制というのをどう構築していくかということにかかわるわけでございますので、十分その点を念頭に置いてこれから取り組んでまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 これに時間ばかり費やしてもあれですから、次に入ります。 システムのコストの政府の試算の算定根拠となっているのは、ハード、ソフトを含めリース契約を想定したものと考えられますが、先ほども言っておりました、契約が仮に五年リースであると考えますと、当然導入五年後にはまた新たな更新を迎えるわけであります。実は、五年ごとの更新時にランニングコストに近い経費が非常に大きな負担になることはコンピューターの関連世界では常識だと思っております。通常、今の世界の流れで見た場合、一年、二年でもうすぐ変わってしまうという状況であります。 ところが、政府の試算ではこうした更新の費用については書かれておりません。一斉に更新することになれば、全国では巨額な費用が私は要求されるようなことになりかねないと思っておりますが、この辺についてはどうですか。
○政府委員(鈴木正明君) 経常的経費の試算におきましては、今御指摘のございましたコンピューターのハードウエア、ソフトウエアにかかるリース料につきましては、単年度で全額を負担という考え方でなくて経費負担が平年度化されるということを想定して試算を行っております。 お尋ねの更新時のリース料でございますが、同一の性能を前提とすると、技術の進展に伴いましてむしろ低減していくということもございます。現時点での技術水準というのを前提としてこの年間経費というものを試算しているところでございますが、そういうことを考えますと巨額の負担増というものは想定をいたしていない、こういうことでございます。
○藤井俊男君 そうなってまいりますと、自治体が定期的に交換あるいはコンピューターをかえていくということになりますと、先ほどこのモデルケースの中で財政が厳しい市もございましたので、非常に財政の硬直化をもたらすようになるのではないか、また負担を政府の方へ、これから自治省も総務省へと変わってきますけれども、要求をされるようなことがありはしないか、こう思うんですけれども、この辺はどうですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムを運営していく場合、個別の地方団体のコンピューター機器等につきまして、セキュリティーレベルを高く維持しながら、かつ円滑、安全に稼働するということでございますから、システム更新ということもありましょうし、この基本的な考え方、方針というものにつきましては、やはり地方団体の間で協議して決定していく、一定の共通性というんでしょうか、そういう考え方のもとで取り組む必要があろうかと思います。それぞれの地方団体においては、個別の事情に応じた機器の更新ということになるわけでございますが、一定の共通性を踏まえながらもそういった事情に対応して更新をしていくということになろうかと思います。 その場合の経費についてでございますけれども、地方団体がこのネットワークシステムというものを円滑に運営ができるように適切な財政措置を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○藤井俊男君 そこで、更新の関係をさらにお聞きさせていただきますけれども、十年間たつともう相当ネットワークシステムが大きな変化を遂げるであろうと私は思っております。こうした状況の中で、システムの基本的な仕様はだれがどこで決めるのか、市町村にはシステム構成と製品構成に関してどの程度の選択の自由度の幅が持たれているのか、確保されるのか、この辺はどうなんですか、お聞きします。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 御指摘のように、このシステムは個々の、それぞれの地方公共団体に設置されたコンピューター機器が有機的に結合されて全体として高いセキュリティーレベルを維持しながら安全かつ円滑に稼働する、本人確認情報を提供していく、こういう必要があるわけでございますので、システムの根幹をなす部分につきましては、基本的な仕様というものに基づいて開発を行っていく必要があると考えております。こういった基本的な仕様につきましては、システムの構築、運営主体であります地方団体の間の協議によって決めていくということになるものと考えております。
○藤井俊男君 一昨日の参考人の前川徹先生がおっしゃっておりましたけれども、セキュリティーの関係で確保するには暗号技術の進歩に合わせる必要がある、こういうことを述べているんです。ISOの会議において、ことしは決められた国際規格の15408というセキュリティー規格を入れてほしい、これはアメリカ、フランス、カナダ、ドイツがそういうことをすると言っていた、こういうことを聞きますと、何か参考人の前川徹先生があたかももうこういうふうな形でISOの規格に合致したそれを入れなくちゃだめなんだと指定しているような感じに私はとったわけでございますが、この辺についてはどうお考えになっているか、お聞かせ賜りたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムを構築していく場合に個人情報の保護、プライバシーの保護というのが非常に重要ですので、制度的な面はともかく、それは法律で手当てをしておきますが、技術的な面でも必要な措置を講じなけりゃならないということで、専用回線で結ぶ、その中でも送信する情報については暗号化を図るということを初めといたしまして、各種のセキュリティー確保のための技術的な措置というものを講じていくということといたしております。 特に、暗号につきましては、暗号化技術につきましては技術革新が著しい分野ということでございますので、実際に採用する段階においては実用にたえ得る技術の方式の中から効果的という観点で採用を検討する、こういうことになりますが、いずれ、それを含めましてセキュリティー措置というものを、どのようなレベルのものをどのように組み合わせて具体的に決めていくかということにつきましては、これから地方公共団体間の協議で具体化をしていく、このように考えております。
○藤井俊男君 私は、この種の関係で、決して業界の利益とかそういうことがあってはならないと思っておりますので、国民のためのこういうシステムでなくてはならないと思っております。 そういう視点からとらえますと、市町村によって、新システムの導入後、財政的理由からあるいはICカードの利用状況の違いから、コンピューターソフト、ハードの更新をする自治体、しない自治体、さまざまな状況が予想されます。コンピューターシステムの更新の有無について、今、局長さんからもありましたけれども、それぞれ業界の関係もあるけれども、地方自治体に任せるというようなこともありましたけれども、その辺の選択の可能性はどの程度あるのか、財政的な措置についてはどうなのか、この辺もちゃんと聞かせていただかないと踏み込めないと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 お話しのように、このシステムを運営していく場合にそれぞれの地方公共団体のコンピューター機器等の更新ということがあるわけでございます。高いセキュリティーレベルを維持しながら全体として円滑かつ安全に運営していく、稼働していくということから申し上げますと、システム更新についても一定の共通性が必要だということでございます。それぞれの地方団体において個別の機器の事情に応じた更新というものも必要でございますが、その場合でも互換性などの問題が生じないようにするために一定の共通性に基づく適切な更新が必要であると考えております。 このシステム運営に伴います必要な経費につきましては、全体として適切な地方財政措置を図ってまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 そこで、本拠地の視察地、静岡県豊田町の実例から私は伺いたいと思っております。地方分権推進法が制定をされまして地方自治体の各現場ではその受け皿づくりのために全力を挙げ、取り組んでおります。各自治体にとっていまだ経験をしなかったような大変な変化を迎えておると言っても過言ではないと思います。これに加えて住民基本台帳法の改正ということで、私は地方自治体によっては準備に取り組む方々に戸惑いもあるのではないかと懸念をいたしております。 そこで、導入される新住民基本台帳システムを担う地方自治体サイドから見た本法案への意見などについて、私どもと一緒に同行されました鈴木局長の豊田町に行ったときの率直な感想をまず承りたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 先般、地行・警察委員会の委員の先生方にお供させていただいたわけでございます。 豊田町における地域カードの取り組みにつきましては、あれだけの規模の市町村においてかなり先導的な、いわば早い時期での取り組みの中でいろいろ努力されているというふうに感じました。カードの普及率というんでしょうか、利用率というものが低いという御指摘もあったわけでございますが、限られた地域、あれだけの規模ということでやはりそれなりの制約を受けているのではないか、このように考えたわけでございます。いずれにしても、役場のトップの方から職員の方まで、その取り組みの意欲というものを感じてきたところでございます。
○藤井俊男君 ありがとうございました。 今回視察した静岡県豊田町を例に見ますと、町長はあいさつの中で、住民基本台帳ネットワークシステムは、住民の利便性が高まり、行政手続を簡素化するためにはよいことであり、情報化と地方分権にも役立つ、国と地方がスクラムを組んで実現し云々と述べられ、最後に、全国ベースで豊田町のシステムをつくるものであると期待していると評価している。なるほど。豊田町のICカードと改正案で導入される住民基本台帳カードとは非常に似ている。 〔委員長退席、理事山下八洲夫君着席〕 そこで、大臣、私はこのカードをやってきたわけ。実際私は入っているんですから。これ見てください、私だけやれた。こういうことです。大臣に一応見せます。(資料を手渡す) そこで、豊田町のICカードと今回導入を図るカードと機能的に同様なものと理解していいのかどうか、この辺局長さん、お聞かせを賜りたい。
○政府委員(鈴木正明君) 豊田町の地域カードとこの住民基本台帳カードにつきましてですが、いわゆるICカードというもので、それを用いるという点では同様のものと考えております。
○藤井俊男君 豊田町では、ネットワークシステムを運用しているわけではなく、大人と子供のICカード事業を行っております。住民票の発行と、高齢者、児童の健康管理、先ほども局長さんが言っていましたけれども。図書館の利用等にカードを使っている。年間のランニングコストは二千万円程度かかるということなんです。システムの保守に年間五百万円、パソコンのリース代に五百万円、システムの改良等があるということだ、こういうことなんです。 カードは、改正案のシステムでも使われる八千字を記録できる、今のカード、S—8型カードで、私はこれ幾らかかるんですと聞いたんです。そうしたら、一枚千四百十一円だということです。全国人口を掛けると、国民すべてに発行すると大変な額です、これ。一千七百億円かかるんです、一億二千三百万ですから。このカードだけで一千七百億円もかかるわけです。どうですか。十年に一回、誕生、死亡、転入、転出などによって新規をつくると仮定すると、今私が言いましたように、それだけだって十年間に百七十億もかかってしまう。年間に必要になるわけです。大変な額です。 〔理事山下八洲夫君退席、委員長着席〕 全国でICカード事業を始めるとすると、全国人口を一億二千三百万人として、ランニングコストは、先ほども言っていましたけれども、私と若干違います、年間に約九百億円かかることになるわけです。これは住民基本台帳ネットワークシステムに付加されるというICカードの利用だけに限った金額で、しかもまだ利用者も圧倒的に少ない状況の話でありまして、ICカードシステムだけでも試算の経常経費をはるかにオーバーしてしまう、こういうことであります。ネットワークシステムの全面運用をした場合に二百億円で済むはずがないでしょう。どうですか、この辺は。お聞かせ賜りたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 豊田町のカードシステムにつきまして、大変いわば先導的施行というんでしょうか、実証事業という側面もありますし、先駆的な取り組みでございますので、お話しのような実情というものがあると思います。 この住民基本台帳ネットワークシステムにおきましても住民基本台帳カードシステムというものを考えているわけですが、御理解賜りたいところは二つございまして、このカードを全国共通のいわば本人確認のためのシステムとして使うということで、四情報プラス住民票コードを万全のセキュリティー機能のもとでIC基本台帳カードとして使っていく、こういうものでございます。 それにあわせて、このICカードの場合にはほかにもエリアというものがあり得ますので、そのエリアというものをそれぞれ専用にいわばポケットをつくり、ファイルをつくりまして、各市町村において独自の施策に利用していただけるようなカードシステムというものを開発しようということでございます。そういう意味での基本的なカードシステムの部分はこのネットワークシステムの中でいわば共同で開発していこう、その上でそれぞれの市町村で独自利用していただこう、こういうことでございますので、そういった意味ではレベルの面でも経費の面でも相当なメリットが出てくるものと考えております。 ただ、独自利用に要する経費の部分はシステムの方で負担するものではありませんので、年間経費の試算からは除外をいたしております。また、ICカード自身は一括で調達いたしますと一枚当たりの単価というものは大きく低下してくる、このように考えておりますので、全国の各市町村において単独あるいは共同でカードの独自利用というものが進んでくると関係経費は低減してくるものだ、こういうふうに考えております。
○藤井俊男君 さらにお聞かせを賜りたいと思うんですが、豊田町では開発費に一億九千万円かかっております。システム開発に一億一千万、ハード等がその残りを占めるという状況であります。このうち、自治省関係からの補助が特別交付税ということで六千万円程度来た、残りは他省庁の補助金で賄ったということであります。厚生省から高齢者の情報化に関するもので四千万、子供の予防接種に関係する地域保健事業に四千万程度、合計八千八百万。本当のところは、システムの主たる財源は補助金を寄せ集めたものである、こう言っても過言ではなかろうかと思います。 そこで、豊田町は、自治省が平成三年から十七団体を指定したモデル事業で、地域カード、今のこのカードを最後に指定された町でありますけれども、その中での一応の成功例かとも考えられます。その原因は、財政負担が私は少なかったから大きな取り組みができたのかな、こんなような感じがするんですけれども、補助や特別交付金がいろいろ来てそれでやれた、こういうことが言えるのではないかと思うんです。システムの構築だけで約一億前後自前で賄ったようですけれども、今回の住民基本台帳ネットワークシステムでは自治体の財政負担をどういうふうに考えているのか、ちょっとその辺私はあそこで考えさせられたんです。この辺はどうですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムを構築していく場合の費用につきましては、先ほど申し上げました基本的な導入経費あるいは年間の経費としてそれぞれ四百億円、二百億円を見込んでおるということでございまして、このシステムにかかわる事務は都道府県、市町村の事務ということでございまして、その費用はそれぞれ都道府県、市町村の負担という考え方でございます。 自治省といたしましては、本法案を成立させていただいた段階におきましては、各地方団体がこのシステムの構築に取り組むことができますように適切な財政措置というものを図ってまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 そこで大臣にお聞かせを賜りたいと思うんですが、この間ずっと私が質問をいたしてまいりましたけれども、自治体の現場を私はつぶさに視察してきまして、結論的に申し上げますと、この住民基本台帳ネットワークシステムが政府の試算をはるかに超えるような巨額の費用を要することは明らかかな、率直に言ってこんな感じを持っておるわけです。自治体の負担、ひいては国民の負担は無視できない額と予想される、その費用は積算されるべきだ、私はこのようにも思うんですけれども、大臣の認識と見解、お聞かせを賜れればと思います。
○国務大臣(野田毅君) 先ほど来いろいろ具体的な豊田町の事例等々を引用しながら、自治体サイドにおける開発費用なり、これを導入するためのコストについてかなり巨額のものになるのではないかという御懸念をお伺いしておりました。これに対して局長の方から丁寧にいろいろ御説明も申し上げたところでございます。 私は想定外の超過するような巨額の負担というものが出てくるとは考えておりませんけれども、いずれにしても地方自治体が必要な作業を行っていく、その導入の経費なりあるいはこれを運営していくランニングコストなりということについて、当然のことながら地方財政全般について自治省としては見ていかなければならない立場にあることでありますから、必要な財政措置は当然責任を持って行っていくべきことであるというふうに認識をいたしております。
○藤井俊男君 続きまして、今度は人間論に入りたいと思います。人の問題であります。 この住民基本台帳ネットワークシステムに必要な職員数をどのぐらいに見ているかということは先ほども私申し上げましたけれども、ちょうど今の時点では具体的な職員の数は発表できない、算定できないということであります。これに向けて相当なコンピューター関係の知識を前提とするものには間違いないわけですね。これは確認できると思うんです。 そこで、私は、システム管理は専門知識がなければ到底できない関係ととらえております。実際に豊田町では、従事する職員は二、三名おったけれども追加するという状況であったんです。専門的にやっていた人は一人しかいないんです。豊田町そのものは人口が三万ですよ、約二万八千からの人口ですが、二百三十名の職員がおります。その中で、この事業の概要を話せる人、私ずっと問いただしたら一人っきりしかいない、専門的に。あとの方は、失礼な話ですけれども、全然わからない。一人だけですよ、わかっている人は。このように、専門的な話になると担当の職員一人しかわからないということで、これでいいのかどうか。 また、同町では戸籍窓口係に五名置いておりますけれども、ICカードの担当を最近合体したということで、つまり人は減らすどころかふえてしまったような状況です。これらについて、今の時勢をとらえた場合、いかがなものか、こういうことが考えられるわけであります。 私が問題を提起している点は、住民基本台帳ネットワークシステムには専門知識を有する職員が張りつく必要があるのではないかという点であります。ネットワークシステム自体が、契約業者だけではなく、役場側にも専門の人材を必要とする点であろうかと思います。職員数を見込めないというのは、しからば法案が、機械的に人を必要とするこのことだけでいいのか、こういう点をちょっと私は考えさせられるわけですけれども、局長としてこの辺についてはどう感じますか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムを導入することと、特に市町村での職員との関係のお尋ねでございます。 現在、ほとんどの地方公共団体におきましてコンピューターが導入されております。端末機器の操作の技術面などに関しては、一定の知識を有する職員は既にかなり確保されているものと見ております。端末操作自身に関しましては、コンピューターの高度な知識というよりも、なれて実践による習得という面が多いものと思いますので、そういった高度な知識を有しなくても運用が可能となるような安全なシステムとしてやはり設計、構築していくことが重要であろうという点がまず第一でございます。 さらに、基本的な操作手順などを示す運用マニュアルを整備するとか、定期的な操作研修なども行うことも必要でありますが、これからネットワークシステムを構築していく間に、お話しのようにプライバシー意識の向上あるいはコンピューターネットワークに対する知識、経験なり能力の向上というものをさらにさらに高めていくという努力は必要であろう、このように考えております。
○藤井俊男君 時間が参りましたので、人間論の中間まで入りましたけれども、最後は人間から権限、そして全般的にとこの問題は入ろうと私は思っておりまして、まだたくさん質問点が残っておりますけれども、後の機会にさせていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○委員長(小山峰男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 住民基本台帳法の一部を改正する法律案、昨年の三月に当時のいわゆる自社さ政権のもと国会に提出をされました。事前に各党に説明をされたというような御説明があったんですが、御案内のとおり、公明党は当時は公明という名前で参議院の政党でございまして、私ども事前の説明は受けたことはございません。そういうことも手伝って、きょうは若干の質問をさせていただきたい、このように思うところでございます。 この改正案に入る前に、最近この改正案に係るマスコミ報道もございますけれども、いろんな事件が起きておりましてマスコミをにぎわしているところでございます。一番頻繁に出てくるのはあのオウムの関係かなというふうに思っております。 茨城県の三和町、ここに転入届を出した方がおりますが、町が不受理を決定して、異議申し立てをし、これがおととい棄却決定をしたということが報道されております。また、栃木県の大田原市では、麻原彰晃の子供たちの転入届を出したところ不受理という形で、今異議申し立てをされているというふうに報道されております。 ああいう事件を起こした団体に関連する方々でありますし、私、個人的に申し上げれば、平成七年の選挙直前でございますが、私の選挙の事務をやっている事務職員が地下鉄サリン事件に遭って、今でもまだフラッシュバックがある、そういうようなことがありまして、大変憎いという感情を持つわけでございます。 また、地域住民の方々あるいは各地域社会の自治体の方々の思いというか、それは理解できるところではございますけれども、転入届を出す、それを受け付けないというそのこと自体が、何か今まで営々として、午前中木村委員から一生懸命この制度をつくってきたんだというお話がございましたが、だけれども何かほころびが出てきたんではないか。日本国じゅうどこの公共団体も受け入れ拒否ということになったら、まさにたらい回しというか、海外に出ていけとしか言えないような状況になってしまう。村八分でも人権侵害だけれども、海外追放みたいな形になるとさらに大きな問題になるんではなかろうか。 私も、この点について制度のあり方も含めて種々どうやればうまく解決できるのか、またオウム関連の問題についてどうすれば地元の地域住民の方々の不安を抑えながら解決できるのか悩んでいるところでございますが、いまだに私自身もいい解決策が思い浮かばないところでございます。 この不受理の案件につきまして、自治省としてどんな対応をされておられるのか、ちょっとそこのところを御説明いただきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、大変悩ましい事件であることは事実でございます。 今、具体的にそれぞれ三和町あるいは大田原市において転入届の不受理を決定し、それぞれ異議申し立てがなされ、それに対する棄却、その結果、三和町に関連しては茨城県に審査請求書を提出した、大田原市の方は、不受理の決定の結果、異議申し立てが行われているという今状況にあるわけです。 この異議申し立てに対する判断あるいは却下の判断というのが、居住の自由について憲法第二十二条においては「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」ということを述べ、同時に地方自治法第二条第三項第一号において地方公共団体の事務として「地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持すること。」、こう書いてある。したがって、地域住民の不安や地域秩序を理由に不受理としたのである。町では、これはかつて凶悪事件を起こした団体で、かつその後においても根本的脅威をなお維持している団体に所属する者の転入届である、こういうかなりそれなりの論拠を明らかにしながら述べておられるわけで、憲法で言う公共の福祉に反しない限りという趣旨をどういうふうに解釈するかということは別問題として、いろいろ自治体において本当に考えて、苦労しながらこの問題を取り扱い、そういう御判断をされたものだと考えております。 この点で自治省として、確かに住民登録という制度そのものからすると大変悩ましい問題でありますが、一方で住民あるいはその意向を受けた自治体がじゃ素直に転入届を受理していいのかということになると、なかなかそうはいかないというせっぱ詰まっている状況もわからぬではないんで、率直に言ってこのあたりは自治省としても悩ましいことであるというふうには思っております。 いずれにしても、これは本当は政府だけでできるのかどうか、今超党派で、国政全体の中で党派を超えていろいろオウムに関連する取り扱い、破防法の適用あるいは改正、いろんなことを含め、今御指摘の問題をも含めてどう対応するか。本当は国の方においてきちんとした方向性を出してあげなければ、地元自治体としては自分たちだけではどうにもならぬというせっぱ詰まった環境にあるというふうに私は認識しておりまして、そういう中でのやむにやまれぬ判断の結果であるというふうに考えておりますので、ここは私どももいろいろ知恵を出していきたいと思いますが、ぜひ先生方におかれましても、この問題を単に行政サイドの問題だということだけではなくて、やっぱり立法府においてどう対応するかということもあわせて、一緒になって本当にきちんとした対応ができるようによろしくまた御指導もお願いを申し上げたいと思います。
○魚住裕一郎君 先ほど申し上げましたように、私もその点本当に、これはオウムの問題というよりも、今の質問の趣旨は、住民基本台帳のあり方論としてずっとお聞きした次第でございますが、一緒になって悩んで何とか解決を図りたいと思うんですが、ただ、そうなりますと住民基本台帳に記載のない住民というか国民というか、公共の福祉の関係でその存在を自治省は許しているというふうに理解していいんですか。
○国務大臣(野田毅君) 許しているということではございませんので頭が痛いと実は申し上げたわけでございます。 やはり日本人である以上、少なくとも国内のどこかの市町村に住所を持ち、海外に行かない限りどこかで住民登録が行われるというのは当然の私は姿であると思っています。 そういう点で、転出届だけが受理されて転入届が受理されないということでは困るので、転出届も受理されないということであるならばまたこれはこれで一つの考え方だと思うんですが、そういったところをどういうふうに整理するか、ちょっと勉強させていただきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 また一方で、ことしの四月ですか、新聞に載っていたんですけれども、これは東京の国分寺市の事案でございますが、男の赤ちゃんの出生届を出したところ、世帯主の生年月日が同じで氏が一字違う、そういう全然関係のないところの住民票に間違えて記載されたと。その後、数カ月したらいろんなダイレクトメールがいっぱい送られてきて、子供がいないのに何で長男あてに来るんだというような新聞記事でございます。そうすると、その載せられた人、大人からみれば、架空の子供が住民票に載っているという、これまた厄介な話になってくるわけですね。 それで、今この改正案でやろうとしているのは、全国センターを中心にして全国ネットでやっていこうという話でございまして、一方で、住民票がない方も日本国内にいるということが存在し得るわけですね。極端な例ですよ、これは。また一方で、架空の人間もぽこっと全国規模で登録されるということになるわけです。その辺、一市区町村だけの問題ではなくして、一気に全国的に波及する、そういう問題になるわけです、今回のこのネットが構築できますと。その点について、自治省としてはどのようにお考えになりますでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このネットワークシステムは、住民基本台帳の制度を踏まえてというか、その上に乗ってネットワークシステムを組むというものでございますので、住民票に記載された情報、これを県あるいは全国センターに通知し、保有すると。住民票に住民票コードというものを記載することとして、コードも含めた五情報プラス付随情報を全国的に保有し、本人確認に役立てよう、こういう仕組みでございます。 お話しのように、住民基本台帳の運営面においてそういう問題が、たくさんというわけではありませんけれども生じているということを報道されたり、事実があったということもあるわけでございますが、まず事実に基づいて職権で修正するということも可能ですし、御本人からの申請によりまして変更するということもございます。 いずれにしても、住民基本台帳制度の基本については正確性の確保ということが重要でございますので、これは関係者ともども私どもも最大限の努力をしてまいらなければならない課題だと思っています。
○魚住裕一郎君 ぜひその点への配慮をよろしくお願いしたいと思います。 内政審室長見えておられますけれども、高度情報通信社会推進本部のもとに個人情報保護検討部会ですか、これがつくられたようでございますが、先般、この委員会に参考人で堀部先生においでいただいたわけでございますが、また前回の質疑のときにも室長にお見えいただきましたけれども、この検討部会のその後の進捗状況といいますか、もう一度簡潔におっしゃっていただけますか。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、高度情報通信社会推進本部のもとに個人情報保護検討部会というものを設けさせていただきました。第一回会合を七月二十三日に行わさせていただいております。二回目を八月六日ということで予定させていただいています。 七月二十三日の第一回会合におきましては、初めてでございますので、堀部政男氏が座長に選任されまして、座長を含めて十四名の委員から成る検討部会が発足をいたしました。他の例に見られますように、一回目でございますから、検討部会の運営要領といったようなものにつきまして、また会議をどのように公開するかというようなことにつきまして御議論をいただいたと。その上、これから先検討部会としてどういうテーマ、どういう項目について検討すべきであるかということにつきまして一回目の議論がなされまして、それぞれの御意見が出たのでございますが、もう一回、第二回目にこれからの検討部会としての検討テーマの整理を一回目の議論を踏まえてやりましょうと、こういうことになってございます。
○魚住裕一郎君 内政審としてはこの個人情報保護はどういう方向性でとりあえずお考えなのかという点と、それから現時点において、与党二党を含む三党で個人情報保護システム検討会というのがございますけれども、このシステム検討会との関連性を内政審としてはどのようにお考えなのか教えてください。
○政府委員(竹島一彦君) 検討部会の方向性でございますが、これは建前というふうに聞こえるかもしれませんが、あくまでも検討部会で検討していただくということでございますけれども、検討部会を設置しました背景につきまして二点申し上げたいと思います。 第一点は、高度情報通信社会推進本部によりまして政府としての基本方針というのを持っておりまして、これからのいわゆるネットワーク社会において情報の自由な流通というのを確保していく必要がある、情報通信技術も日進月歩である、そういうものを踏まえて自由な流通ということを確保していく必要があるけれども、同時に、いわゆる個人情報保護、プライバシーの保護ということもますます大事になってくるということで、高度情報通信社会推進本部のもとに検討部会を設けるということは政府としてもう既に決めておったことでございますが、それに加えまして、本委員会でも御議論をいただいています住基法の改正が、衆議院で議論されましたときに最終的には附則が入りまして、今、委員御指摘のとおり、三党における検討会も設けられたということでもございます。そういう国会における御議論、この二つのことを踏まえましてこの検討部会を政府として発足させていただいたということでございます。 したがいまして、内容につきましては、広く民間部門を含めた個人情報保護のあり方、行政機関の持っております情報についての保護法は既にあるわけでございますが、民間部門を含めた個人情報保護のあり方はいかにあるべきかということについて御議論をいただくというのが検討部会の使命でございます。 それで、政府としては、これは世に言われるEU型のオムニバス方式、いわゆる統合方式というものと、言ってみるとアメリカ型の法規制と民間の自主規制というものを組み合わせていくという二つのタイプがあるわけでございますが、政府の基本方針においては後者の考え方が適当ではないかということで示されているわけでございますけれども、やはりこの住基法の御議論の中でいろいろな御議論も出てきておりますので、政府の検討部会においては、出口をあらかじめ決めることなく、有効な実効性の上がる個人情報保護システムというものが日本の場合にどういうふうにすればできるかということを中心に議論が展開されていくであろうというふうに思います。 その辺が第二回目に議論されて、その点だけではございませんけれども、そもそも個人情報とはいかなるものかという定義の問題もあると思いますし、今既に行われておりますいわゆる自主規制というものについて、これが有効であるとした場合に、しかしながら本当にプライバシーを守る上で実効性が上がるのか、自主規制だけで本当に十分に保護されるのかという問題も、実効性の担保はいかなる措置が必要かというようなこともございます。そういったことをもろもろ整理いたしまして、総合的にきちんと答えが出るようにさせていただきたい。 その間、三党の検討会における御議論を当然踏まえさせていただきますし、政府の検討部会の審議の模様は適時適切に三党の検討会の方に御報告するという形で進めさせていただきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 きょうは衆議院の方から発議者三名の方がお見えいただいておりますが、ちょっと午前中の質問に関連して確認をしておきたいんですが、午前中、木村委員の質問の中で、改正案自体はプライバシー保護について十分な配慮がある、だけれども漠然とした不安があるから修正をやったんですよという認識なのか、そういう趣旨の御質問がございました。 発議者の中で桝屋代議士が立たれて御答弁されたわけでございますけれども、本当にこの改正案は十分なものがあるのかという、その辺の認識は私はちょっとほんまかいなというようなことがございます。 例えば、ICカードがある。ICカードには本人確認情報と付加情報がつけられる。本人確認情報については、きっちりとした技術上の保護とともに、法律上厳重な保護措置がある。民間の利用も禁止されている。しかし、この付加情報についてはすべて法律上の保護がかかっていないわけです。それはある意味では各条例に任せているという部分がございますけれども、それも含めてこの改正案で十分なんだと。 僕はそうじゃないだろうと思うんですね。十分でないがゆえにこの修正案の案文になったんだろう。それに基づいてこの改正案もさらに改正しますよというのが自治大臣の認識の二点目だと私は考えておりますが、桝屋代議士、その点についての御意見がございましたらお願いしたいんですが。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) せっかくのお尋ねでありますから。 午前中の私の答弁が若干言葉足らずであったかなというふうに反省をしながら今御指摘を聞いておるわけでありますが、今、委員御指摘のありました特にICカードの部分あたりは、まさにICカードそのものが現在、当委員会でも現場に視察に行かれたようでありますけれども、全国すべての市町村で実施されているわけでもありませんし、また実施をしても、大変にその運営に当たっては苦慮されている点、あるいはそのシステム開発に相当苦労されているという実態も我々も聞いておりますから、今の委員の御指摘の趣旨もそのとおりだろうというふうに思っております。 そういう意味で、我々の所要の措置の中には、自治大臣も既に三点にわたって御説明をされておりますけれども、必要であれば今後ともこの住民基本台帳そのものの、なおこの三年、実施までに必要であれば制度改善等はしていかなければならぬ、そういうことも視野に入れながら我々も検討していく、こういうふうに我々も理解しております。
○魚住裕一郎君 そこで、発議者お三方お見えでございますが、三党間で確認書というものがつくられたというふうにお伺いをしております。その中で、三年以内に法制化を図る、そういうふうにされておりますが、このシステム検討会、三回ほどやられたようでございますが、どのような議論が行われているのか。また、当委員会でも個人情報保護に関する法整備のあり方、いろいろ議論があるようでございますけれども、我が国の現状を踏まえた実効性のある法整備が行われる必要があると思いますけれども、私、公明党でございますので、公明党の桝屋さんの御所見というか、党としてどういうような方向でこの個人情報保護法というものを、包括的な、システムという言葉にもなっておりますけれども、その辺についてのお考えをお話しいただきたいと思います。
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 重ねてのお尋ねでありますから、お答えを申し上げます。 先ほど竹島室長の方からもお話がありましたが、今政府における検討状況は御説明のあったとおりでありまして、実は我々三党でシステム検討会をやっている中でも、やはり大きな入り口部分の議論としては、先ほど御説明があった、この委員会でも議論されております、包括的な方法がいいのか、あるいはアメリカのようなやり方もあるではないかということは随分実は入り口部分で議論になっております。 三党でシステム検討会をつくっておりますけれども、三党は同じ政党ではありませんで、別々の政党が一つの目的に向かって今検討しているわけでありまして、そういう立場で我が党の入り口部分の決意といいますか思いを申し上げますと、我々はできれば、ここまで我が国はおくれてきている状況があるわけでありますし、それからそれぞれ各政府部内で、各省庁間でお取り組みされている、それは通産省や大蔵省や郵政省、いろいろ自主規制等検討されているけれども、若干区々としたところもあるのではないかという認識も持っておりまして、これは堀部先生もおっしゃっていますけれども、オムニバス方式といいますか、こうした方が結局我が国の現状においては議論を考えたときに早道ではないのか、そういうことも私たちは実は入り口部分では主張させていただいております。 ただ、これは三党間で議論をしなければならぬわけでありまして、個人情報保護法の法制ということについては、先ほど竹島さんのお話にありました情報の自由な流通ということと個人情報保護というこの二つの法益をいかにバランスをとるかということはまことに困難な作業であろうというふうに私たちも思っておりますが、いま一つ言いますと、やはりできるだけこの三年以内に我が党としては、ここで議論になりましたプライバシーの権利、これは自己情報のコントロール権だと、こういう議論もありましたし、あるいはOECDの八原則、こうしたこと等を踏まえながら何とか国、地方、民間を通じた基本法というようなことが想定できないのか、つくれないのかという議論を私ども公明党としてはさせていただきながら三党間で鋭意議論をさせていただこう、こんなふうに思っておりまして、一年以内に、ことしじゅうに枠組みを決定する、こういう今決意をさせていただいております。 以上であります。
○魚住裕一郎君 先般、当委員会に堀部政男さんに参考人としておいでいただきました。そういう状況の中で、堀部先生のお言葉をおかりいたしますと、日本独自の方式も考えられるのではないかと、中身がどういうものかちょっと明確になっておらないところでございますけれども。今、桝屋議員の本当に並々ならぬ決意をお聞きいたしました。三党、三方もしっかり頑張っていただきたいなというふうに思うところでございます。 その日本独自の方式はいいんですけれども、先ほど内政審にもお聞きいたしましたけれども、やはり三党は三党で検討会を持つ、一方、政府は政府で保護検討部会というのをつくっておられる。やはり私は、今政治と行政という立場からしてみると、やはり政治が大きくリーダーシップを発揮していくというのが世の中の流れであろうというふうに思うところでございまして、その点を含めて、宮路先生、また鰐淵先生に御決意というものをちょっとお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(宮路和明君) 私どもも今検討に三党間で着手をしたという段階でございまして、先ほど桝屋先生から、目下、オムニバスにするのか、そうじゃなくて分野別にするのか、その辺が大変議論にもなっているというお話がございましたが、まだまだ勉強会をスタートさせた時点でございまして、そういったものの本格的な論議もこれからであるというふうに私は認識をいたしておるところであります。 そこで、どういった方式がいいのか。先ほど竹島内政審議室長は、政府としては、これまで分野別のものが我が国にはなじむのではないかという方針が既にあるんだということですが、しかし、それはそれとして、これからまた新たな情勢の変化を踏まえて弾力的に考えていくんだ、こういうことでございました。 私どもの修正案は、修正案といいましょうか附則の二項は、政府は万全を期するための所要の措置を講ずるものとするというふうに、政府に責任を、責めを負わせておるわけでありまして、それに向けてしっかりと我々の期待に沿ってやっていっていただきたい、こういう思いやまやまであるわけであります。 いずれにしましても、政府の案がどういうものになっていくか、これは我々もよくそこは見守っていきたいと思っておりますし、また我々としても、三党間でせっかく検討会を立ち上げてやっておるわけでありますから、政治としてのリーダーシップをしっかりと発揮できるように、これは鋭意頑張ってその検討を進めていかなきゃならぬ。そして、三年以内には法制化を図る、こういう並々ならぬ決意でやっていくわけでありますので、政府と党との間にこれは違いが出ないようにしっかりと連携を保って、そして我々としても、修正案を出させていただいたその我々の思いがしっかりと生かされていくようにこれはやっていかなきゃならない。 そういう意味で、御期待に沿うべく一生懸命やってまいりたいと思いますので、どうかまたよろしく御指導、御鞭撻を賜りたい、このように思う次第でございます。
○衆議院議員(鰐淵俊之君) 今、私ども検討会のお二人からもう既に答弁しておりますので、重複は避けたいと思いますが、要すれば、最近、特に新しい世紀になりますと、高度情報化社会となりまして、やっぱりこういった便利なシステムというものを大いに活用していくということは我々人類にとって当然だと思うわけであります。したがって、これらの便利なシステムを活用すると同時に、プライバシーという問題については裏腹に問題が起きてくると。でありますから、何とかプライバシーの保護というものを、できる限り知恵を絞って可能な限りプライバシーの保護ができるということが大切ではないか、このように思います。 特に、この住民基本台帳法におきましては、四情報と住民票コード、これが全国共通したものであります。しかしながら、各自治体ではまたそれぞれの自治体で特有の、福祉の情報とかあるいは医療の情報とか、いろいろなこれから必要な情報を結構自治体では活用できるわけでありますから、そういう意味では、自治体が個々にまたプライバシー保護条例みたいなものをそれぞれの自治体でつくっているところもございますし、私も過去そういうものをつくったこともございます。しかし、それはまだ今のように進歩していない時期ですから、これはもう日進月歩変わっていくものに対しては条例もそれについていかなくちゃいけない。 それから今回は、やはり総括的にプライバシーの保護をどうするのかということで、私ども三党としましては、いろいろ話をする中で、今各省庁の御意見を伺っております。 例えば通産省ですと、通産省サイドではたくさんの情報を持っているわけでありますが、それは通産省ではガイドラインでやっておると。しかも、個別にそれなりのシステムを持っておればプライバシーマークというものを付与しまして、ここの情報はしっかりした保護のシステムで守られている情報であると。言ってみれば消防のマル適マークみたいなものだと思うんです。 そんなようなことで、今、各省庁のそれぞれの問題について事情聴取をしながら、私どもも十分検討し、また内政審議室とも十分意見を交換しながら、できるだけとにかく個人情報をしっかり守っていける、そして大いにこういったシステムを活用していけるように努力をしていきたい、こう思っております。
○魚住裕一郎君 三人の先生方、しっかりよろしくお願いしたいと思います。お三方にはこれで終わりでございますので御退席いただいて結構でございます。内政審も結構でございます。 それで、午前中の質問に関連をいたしまして、個人情報保護条例の話がございました。私どもの同僚委員からも質問がございましたけれども、午前中、これは行政事務条例だというとらえ方、そして、法律が上位だから無効になるというような大前提があるのかもしれませんけれども、しかしそこは丁寧にやってもらいたいというような趣旨のお話もございました。 ただ、データ接続禁止条項というのは、プライバシーの保護という観点からしてみるとまた違った面があるのではないか、あるいは上乗せ、横出しみたいな側面もあるのではないだろうかというふうに考えるものであります。 ですから、この法律案がもし成立したと仮定して、データの接続禁止条項について変えさせるというようなやり方は、ある意味では過剰な介入ではないかというふうに思う次第でございますが、自治省、その点どうですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 御指摘のように、地方団体において個人情報保護条例の制定がふえてきている、こういう状況でございますが、その中で接続禁止の規定、特にオンライン接続を例外なく禁止しているという条例も見られるところでございます。基本的には国の機関とか他の行政機関とのオンライン接続を禁止するという意味ですから、いわば住民の権利義務に直接関係するというよりも、むしろ行政機関同士の関係を整序する規定かな、こういう性格を持っているのかな、こう思っております。 当然、地方団体の個人情報保護条例の中にはその他の規定もあるわけでございます。そこで、今回お願いしております改正法におきましては、このシステムに基づきます情報の送受信につきましては、地方団体間、全国センターの間で送受信ができるという規定を置くわけでございますので、当然、それとあわせて個人情報保護措置を講ずる規定も置くわけでございますので、その限りにおいて、法律が制定されれば地方団体間で送受信することは違法ではなくなるのではないかと考えておりますが、その他の機関との送受信、オンライン接続については、条例の規定は生きていくわけでございますから適用されていく。また、そのほかのオンライン接続以外のプライバシー保護の規定についても当然条例の規定は生きていく、このように考えていくべきものだろう、こう考えております。 そういう意味では、この趣旨を十分地方団体の方に御理解いただきまして、ネットワークができるのとあわせまして条例の整備ということも御検討いただければ、こう思う次第でございます。
○魚住裕一郎君 だんだん持ち時間がなくなってきてしまったんですが、項目を大幅に飛ばして、カードに関連して、先ほど付加情報と言いましたけれども、条例でいろんな付加情報を入れられる、これは医療情報であるとか福祉情報とか、そういうことになるわけであります。図書館の貸し出しに使うと何を借りたかというのを蓄積もできるわけで、それは読書内容の把握になるわけで、ちょっとこれもいかがなものかなとは思うんですが、例えば付加情報として今住民票の記載事項になっております本籍を入れるという条例ができた場合、これは可能なのかどうか、そしてだめだというのであればどのようにしてそれをやめていただくのか、その辺を御説明できますか。その点についてちょっとお願いいたします。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このネットワークシステムにおいて住民基本台帳カードを活用するという面では二つの面があると思います。 一つは、このICカードの専用エリアを利用して、全国ベースで使える本人確認情報、四情報プラスコード、これにつきましては全国ベースで使うということを前提に法律を組み立てておりますので、その部分に本籍情報を加えるということ、これはできないと。ただ、お話しの第二のそのほかのICカードのエリアを活用してそれぞれの市町村が独自の施策として住民サービスを行うということの場合の本籍情報の扱いと、こういうことではないかと思います。 どの行政分野にどのような形の行政サービスを行っていくかと、そのためにどういう情報が必要かということと絡んでまいりますので、一概にできるできないという議論ではないと思いますが、いずれにしても、一つはICカードの機能として非常にセキュリティー機能が高いと。しかも、それが管理可能ということでございます。もちろん、操作するものあるいは人の問題もございますが、技術的にはセキュリティーが非常に高くて、かつそれぞれ別々に管理することも可能ということでございますので、そういう機能を持っているということでプライバシー保護の機能は高いという面がありますが、独自利用につきましてはそれぞれの市町村の条例で定めることになります。 したがいまして、行政サービスの内容等について条例で定めることは当然でございますが、あわせて個人情報の保護についても十分な御議論をいただいて、その中に必要な措置が講じられるということが必要である、このように考えております。
○魚住裕一郎君 本籍を付加情報として入れることができるのかどうか、結論を聞いていない。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 市町村の独自のサービスとの関連で必要な情報として本籍というものが全く、必要な場合にはカードの中に盛り込めないというものではないと思います。
○魚住裕一郎君 それはできるということなんですね。そういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(鈴木正明君) ICカードの中に本籍情報というものを入れる場合もあり得るということでございます。
○魚住裕一郎君 何でこれを聞いているかといえば、特に関西の方面ではよく同和問題とかあったときに、名簿屋というんでしょうか、何か私もよく理解してない部分がありますが、やみルートでいろんなものを集めてきて、それをいろんな会社が利用しているというような新聞記事も目にしたことがございました。 もしその付加情報で本籍等を入れた場合、結構大きな社会問題といいますか、になるんじゃないのかなと。本人確認情報としてこれだけなんだよと、四情報でいいんだよという状況の中で、付加情報についてはもう各自治体自由にお使いくださいはいいけれども、だめなものはあるよということはやっぱり言っておくべきではないのか。単に事実上言うんじゃなくして、この法律に書き込むというか、そういうこともあった方が私はいいのではないのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 この住民基本台帳カードの中の全国で共用されるものとしては、四情報プラス住民票コードということで、本籍地の情報は入れることはできないということでございます。 独自に市町村が政策として活用する場合にも当然プライバシー保護ということは十分配慮をしなくてはいけないし、必要な措置を講ずる必要があると。その際に、本籍情報は御指摘のようにセンシティブな情報でございますので、必要性においても、またその保護においても十分な配慮及び措置が必要である、このように考えておりますし、制度の構築、実施に当たりましても十分その点は地方公共団体に対して理解を求めてまいりたいと考えております。
○魚住裕一郎君 だから聞きたいのは、何というか、理解を求めるのはいいんですよ、事実上指導するのも。ただ、例の分権法の関係で是正の要求とかありましたけれども、根を詰めればもう最後は紛争処理委員会になっていくという形で、最後、しかも担保はないよというような状況になっていて、これはよっぽどの状況じゃないと是正の要求もできないというのが自治大臣の特別委員会での御答弁でございました。 そうすると、みずから手足を縛りながらも人権に大きな影響を及ぼすものについて裏づけがとれないというような形でこのままこの改正案を実施していいんでしょうかというのが疑問点なんですね。もう一度その点についていかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムにつきましては、特に市町村によるカードの独自利用部分につきましては、今お話しのございましたように地方自治の原則ということで市町村の条例で定める、いわば条例制定権を尊重しているということでございまして、御指摘の点も含めましてカードにどのような付加情報を書き込み、どのように利用していくかということについては、条例を定める際に、その地域の代表である市町村議会が十分な御論議をいただいて、住民サービスの向上の観点、また個人情報保護の観点を十分考慮した上でお決めいただくことが適切であると考えております。
○魚住裕一郎君 ではあと一点だけ。このカードですけれども、偽造された場合どうなるのかということでございます。 今、このICカード発行では、ICカード発行者が不正に発行した場合に検知できないというような状況でございますが、EUの実験レベルのシステムとしては自動検知できるようなシステムの仕組みというのが実はできておるようでございます。 これは非常に個人のプライバシーの問題にもなりますが、不正発行あるいは偽造等についてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民基本台帳カードには、これまでも御答弁申し上げていますが、ICカードを使うとそれは高いセキュリティー機能を持つということでございます。 それで、このICカードの特性というのは、ICチップのこじあけなどの物理的な攻撃または不正な電気信号による読み取りに対してメモリー内の情報を読み出せないようにする機能がある。それから二つ目は、第三者が不正にカード内の情報の読み取りあるいは書き込みを行おうとした場合には自動的にカード内情報が読み取れないようにする機能がある。それから、カードとコミュニケーションサーバー、リーダーとの間でお互いに相手の正当性を確認する機能がある。こういうことを生かしまして住民基本台帳カードの偽造が防止できるというふうに考えております。 当然、技術の進展というものはあるわけでございますので、カードを動かすまでに十分な準備期間ということで、五年の中で政令で定める日、こういうことでございますので、技術進歩にはキャッチアップしていく努力をしていきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 ひとまず終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 たくさんの質問をしたいと思いますので早速質問に入らせていただきたいと思います。先日、半日でございましたけれども、参考人の御意見も伺いまして、その中でコンピューターの専門家のお二人に私はこの番号コードの問題を伺いました。お二人とも、四情報で引き出すことができてわざわざ番号コードをつけなくてもいい、番号でない方が間違えにくいという御意見もありましたし、番号の方が簡単で時間の短縮はできるというふうにおっしゃいましたけれども、番号がなくてもこれはシステムとしては大丈夫だ、こういうふうに言われたんですが、それではなぜ番号をつけることにこだわってみえるのか、そこを明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民票コードは、氏名、住所などによるいわば文字による本人確認に比べまして、一つはコードによる照合は明確である、それから二点目としては迅速な検索が可能である、それから三点目としては重複しない住民票コードにより確実な本人確認ができる、こういうことでこのシステムにおいては全国共通の本人確認を行うに当たって必要不可欠なもの、こういうふうに考えております。今回の改正法案においても住民票コードを住民票の記載事項とすることといたしまして、法律において明確に規定して御審議をお願いしているところでございます。 この住民票コードの導入につきましては、これまでも専門家あるいは実務者を交えました研究会あるいは有識者の方々との懇談会においても御議論をいただいてきております。また、地方団体等からの御意見もお聞きしてきたところでございます。特に、市区町村の担当課長に御参加いただきました研究会、住民記録システムのネットワークの構築等に関する研究会におきましては、この基本的な構成要素として、またネットワークを通じて、市町村の区域を越えて住民が住民サービスを受け、行政機関等が本人確認を行うために住民個人を単位とする重複しない全国共通のコードを設定する必要があるということで、コードについて適切な法律上の保護措置を講じることができるようにするために住民基本台帳法に位置づける、こういう指摘がなされているわけでございます。 そこで、コードを利用しないで氏名、住所などの文字情報のみによって検索をする、本人確認を行うという場合には事務処理上の迅速性に欠けるという点がございますが、その結果、住民サービスの低下につながることになるわけです。 それに加えまして、例えば氏名の場合ですと、外字というものが多数存在しまして、その識別が極めて困難になる。また、住所については外字同様の問題があります。それに加えまして、番地の表記の仕方が違う、同じところでも表記の仕方が違う、それからマンション名などを記載したりしなかったりすることがあるということで、その照合が同じところでも困難である。 また、氏名、住所によるアクセスでは氏名、住所による検索処理を行う場合にシステムに大きな負荷がかかる。それから、例えば結婚して姓が変わり、同居する親とか親族と同姓同名になるケースとか、生まれた子供が祖父母と同姓同名になるというケースが想定されますが、そういうときには同一人物かどうかが確認できない、こういうケースがあるという問題が生じる可能性があるわけでございます。 そういう意味では、コンピューターネットワークにおいては番号による事務処理というものが必須だというふうに考えられておりまして、各種の行政分野において番号による事務処理が行われている、こういうふうに理解をしております。 なお、先日の参考人質疑の際に、安田参考人からは住民票コードは必ずしも必要ないのではないかという趣旨の御意見がありましたが、前川参考人からは、コンピューターシステムにかかわる者として住民票コードは必要と考える、こういう御意見があったものと考えております。
○八田ひろ子君 今御説明があったんですけれども、前川参考人も、番号の方が簡単だから技術者としては番号があった方がいいと思う、時間の短縮という面でも番号が必要だと。だけど、番号がなくてもこのシステムはできるんだということでは同じ中身だった。これは、衆議院の参考人質疑の中でも、住所、氏名、年齢、性別、こういう四つが同じことはあり得ないと。今おっしゃったみたいにお孫さんと祖父母が同じ生年月日ということはちょっと考えにくいんじゃないかなと思うんです。名前だけだったら同姓同名というのはあるかもしれませんけれども。後でごあいさつしたときでも、大体コンピューターに入れるときに全部数字化するんだから、その上になぜ数字が要るんでしょうねというお話もありました。 ですから、今の御答弁の認識とちょっと違うんですが、これはもっと参考人とかあるいは公聴会でも各界の御意見を一層確かめるのが必要ではないかなと私は思っております。 同じ参考人質疑のときに、堀部参考人からは、共通番号、これを電話番号を変えるように簡単に変えられるんだという認識があるというお答えをいただきました。それから、内野参考人からは、共通番号をつけられたくないという人、番号化社会になじめない方、こういう方の人権というのですか、希望も大事にするのか行政の姿勢を問われるというふうに言われたんですが、この二つの御意見についてはいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 まず、住民票コード、いわゆる番号をつけるということについて国民の間に違和感、嫌悪感を持つ方もいらっしゃる、こういうことでいろいろ研究会での検討あるいは懇談会での御意見、その後、試案というものをお示しして各界の御意見を賜ってきたところでございます。 それで、今回の法案におきましては、住民票コードにつきましては変更請求権を認めるということにいたしておりまして、住民の方が住民票コードを変えるという場合には請求によりまして変えることができるということにいたしております。その理由は問わないということにいたしております。 また、全国共通の本人確認情報というものを基本台帳制度を踏まえてその上に立って構築するわけでございますので、その中において住民票コードの方と、コードはなくて四情報でという形ではネットワークシステムというものは非常に非効率ですし組めませんので、これにつきましては、住民票コードというものをこの四情報のいわば検索コードという意味で付して、それによって全国ベースで四情報に、住所、氏名、性別、生年月日にアプローチできるということで考えているところでございまして、つける人とつけない人という形ですとこのネットワークは組めないということでございます。
○八田ひろ子君 前半のお答えがないんですけれども、電話番号を変えるように変えることができるんだと堀部参考人がおっしゃった、先ほど来の御論議の中でいろんな座長もされているんですけれども、そのことを私は聞いているんです。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民票コードを変えることは、市町村に申請すれば可能でございます。
○八田ひろ子君 番号をつけられたくないという方には全然配慮をしなくて強制して押しつけますよ、ただし、番号を変えるときには電話番号を変えるように御本人の申請で変えることはいいですよというふうにお答えをいただいたものと思います。 日本の国が始まってから初めて十けたの番号を生まれてからすぐにつけるということですから、こういう問題についていろいろな意見があるのは当然だと思うんです。国民の理解を広めるためには、法律をつくったからこれに従えというのは無論不十分で、重要なのは、こういう法律や制度について国民に問いかけて、国民的議論と合意、こういうものが必要だと思います。パブリックコメントの制度もありますけれども、今回の改正に当たってはどういう取り組みがされて、どういう意見の集約をされているのか。 また、先ほど来、行政の担当者も会議でいろいろ発言しているというお話がありました。ここに市議会の意見書を持ってきたんですが、ここでは、自治省の説明では住民は全員どこでも住民票がとれるメリットがあるとしているが、本来住民基本台帳にかかわる業務は地方の固有事務である、その地方から求めたならともかく地方からこのような要望は一切上がっていない、それどころか今回の改正案提出に当たって当事者である地方自治体、地方に対し説明も事情聴取もない、こういう意見書もあるんですが、こういうものについて今までどういうふうにされてきたんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) このシステムにつきましては、お話しのように全国民の個人情報にかかわる重要な制度であるということで、四年間かけまして、平成六年から幅広くさまざまな検討を行い、各方面に対しまして十分に自治省の考え方をお示ししてきているところでございます。 具体的には、平成八年三月に研究会の報告書を公表し、また同年十二月にはそれらを踏まえましてネットワークシステム懇談会、自治大臣主宰の懇談会で有識者の御意見を伺い、またその御意見の概要を公表する、特にこの報告書等につきましては新聞等でも大きく取り上げられているところでございます。あわせまして、懇談会意見の概要につきましてはインターネットのホームページへの掲載を行いまして、多くの方々に御理解いただけるように努めてきたところでございます。 また、これらの報告書などを基礎にいたしまして、国会での御論議、関係方面の意見というものを踏まえた検討を行いまして、すぐ法律ということでなくて、法律改正の試案ということでネットワークシステムの構築についてというものを平成九年六月に公表して自治省としての考え方をお示しし、幅広く御意見を聞かせていただいているところでございます。 その後につきましても、約一年後でございますが、十年二月に試案に寄せられました意見等をベースにさらに個人情報保護措置を加えました法律案の骨子というものを公表し、三月に改正法案を提出、こういうことでございまして、住民基本台帳のシステムにつきましてはパブリックコメントというものを実質的に重ねてきた、こういうふうに考えているところでございます。 また、地方団体からの要望あるいは説明、意見聴取ということでございますが、地方団体からの要望、意見につきましては、全国市長会からは平成九年十一月、このネットワークシステムの整備を推進するため早期に住民基本台帳法を改正することという御要望をいただいております。また、全国町村会からも平成九年十二月にいただいております。また、都道府県の全国知事会からは平成九年三月に、このシステムについては住民サービスの向上、行政の効率化、高度化に資するものという御意見をいただいているところでございます。 地方団体の意見聴取につきましては、研究会に地方団体の実務者、課長レベルの方ですけれども、御参加いただいて、また懇談会でも地方団体の知事さんあるいは市町村長さんに御参加いただいて意見をいただいているところでございます。その他、地方団体にはその都度必要な資料、改正試案あるいは法律案の骨子などについて県を通じて配付をいたして、制度の概要については各市町村において十分御理解いただけるようにいたしてきているところでございます。
○八田ひろ子君 この法律ほどすべての国民にかかわる法律はないんじゃないかというふうに思います。 実際に国会で、とりわけ参議院ではこれの審議が始まったばかりでありますけれども、国会での審議が進んでいく中で、この前同僚議員が挙げましたNHKの世論調査に見られるような反対の声が非常に強いとか、あるいは日弁連からは意見書が出されてくる、またいろいろな心配をする声が各界から上がっています。 これでは法案を出される前に国民的コンセンサスを得られて出されたというふうには思えませんけれども、大臣は、このようないろいろな声がある中で国民的コンセンサスというのが得られているのかどうか、今どんなふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) どういう状態をもって国民的コンセンサスが得られたかどうか判断をするというのは、見方によっていろいろあろうかと思います。 ただ、先ほど来局長からも御答弁申し上げましたとおり、もう既にかなり前から幅広くいろんな角度からの検討をそれぞれ必要な部会等々あるいは懇談会ということを重ねてきて、しかも国会に法案として提出をされてからもう一年半近くもたっておるわけでありまして、十分この点については御議論を本来国会において、提出後一年半近くたっているということを考えましたら、参議院における審議の云々ということを今御言及がございましたが、私はそのこととは別の問題だと思っています。十分な国会における審議時間というのはその気になればあったはずではないかという国民の声があることも事実でございます。 それから、NHKのお話がありましたが、本当にいろいろ御議論いただいている中で、プライバシーに非常にかかわりがあるということはもちろんあるんですけれども、何かいかにもプライバシー侵害のおそれがあるというような前提でこのシステムを見られるというのは私は非常に不本意であります。それは重ねて幾度も申し上げておりますが、技術的なことは言いませんけれども、今までシステム面あるいは制度面、運用面、今日の考えられるいろんなプライバシー保護の上で必要な万全の対策を講じていると考えております。いわゆる専用回線を通じてやっていくわけですから。 では、そういう中でどうやってプライバシーが侵害されるような、具体的にどういう場面でそういうことが実際にあり得るのか。何となく漠然と侵害されるんじゃないかというようなことだけがひとり歩きして増幅されて、いかにも不安感をあおるようなことというのは私は心外だと率直に感じています。 しかし、これから先の技術進歩の中でそういう可能性があるのかないのかということについて一〇〇%これを否定するというものではありませんので、衆議院における御議論の中で、なお一層これから三年間なりの間にそういった技術進歩があるならば、その技術進歩を十分キャッチアップしてそれを超える対策を講じていくこと、その努力をすることは当然の必要性があるということも考えております。 それから、このシステムの導入とは別の問題として、あるいは民間分野における官対民ということじゃなくて、行政事務の遂行上におけるプライバシーの保護ということだけではなくて、民間分野自身における中でのプライバシーをどう保護していくかという問題も先ほど来いろいろ御議論がありましたが、単に自主規制的なことだけで本当にいいんでしょうかどうでしょうかと。そういったことを含めて、個人情報の保護というプライバシーの問題についてより包括的、トータルな形の中の検討があってもいいのではないか。特に、これから高度情報ネットワーク社会があらゆる分野でどんどん進行していくわけですから、この機会にそういったことも含めたトータルな見直しの場があっていいというようなこともあって、いろんな修正論議が行われたりしてきたことも事実でございます。 そういったことを考えますと、私は十分この問題についてきちんと丁寧に御説明を申し上げてきたと思っておりますし、素直にお聞き取りいただければ十分御理解がいただけるし、国民的なコンセンサスも私は得られてきつつあるというふうに考えておるわけであります。
○八田ひろ子君 私は個人情報保護法とかプライバシーの問題についてはまだ具体的に伺っておりません。後で質問しようかと思ったんですが、今、大臣は国民的コンセンサスの問題についてはプライバシー権の問題がいろいろあるという御認識を大変持っておいでになって、胸を張ってコンセンサスがあるというふうに言えない感じだというのはよくわかりました、長い演説をしていただいて。共通番号、つまり一つの行政番号の汎用、多目的利用は危険だということが専門家の中にもそして国民の中にも大変大きいというのが今の弁解の中でもあらわれているんじゃないかと思いますが、次に移ります。 今、住民基本台帳を電算化されていない自治体も全国で二百二、これは全国の自治体のうちの六・二%ということなんですけれども、その問題について過日、人口程度とか財政の問題とかというお答えがありました。こういった地方自治体の理由について、また導入されていないということについて、自治省の見解をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民基本台帳につきましては、今お話しのように、平成十年四月一日現在におきまして三千五十三団体で電算システムの導入が進んでいるということで、人口割合で約九九%まで電算システムの導入が進んでいるところでございます。 そういうことで、委員の御指摘のとおり、二百二の団体において未電算化という団体が存在しているということでございますが、その電算化を進めていない主な理由としましては、導入に関する庁内の体制が十分に整っていない、また件数が少ないため手作業による事務処理で十分に対応できる、またシステムの導入及び維持管理に要する経費負担が困難である、こういう状況のようでございます。
○八田ひろ子君 自治省の見解を聞いているんですが。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 高度情報化社会あるいは電算機器の利用ということでは、事務の簡素化あるいは迅速化ということで非常に役に立つという面がございますので、多様な住民ニーズに対応した行政サービスを実現していくという観点から、今後とも住民基本台帳の電算化というものを積極的に推進していきたい、こういうふうに考えております。
○八田ひろ子君 質問したことに一回で答えてほしいんですが。 今おっしゃいましたが、自治省は今までも電算化しなさいと各地方自治体に言っているんだけれども、さっきお話があったように、体制が整っていないとか経費負担にたえられないということで二百二の自治体、人口総数でいいますと百八万ですから平均すると五千三百という余り大きくないところです。こういうところで、住民票の交付の話を今やっているものですから、大体交付枚数というのは人口の半分ぐらいだというふうに聞いているんですが、そうすると年間に二、三千枚、一日十枚前後ですから、電算化するかどうか、行政効果などを検討して見送ったとしても妥当なんですね。そういう自治体の判断を尊重してこそ地方分権の精神だというふうに私は思うんです。 ところが、今度の改正で、第九条三項で、電気通信回線を通じて通知することになりますので、相当の機器が必要。いろんなコンピューターが今あるんですけれども、汎用コンピューターでないとカウントされないというふうにおっしゃっておりますけれども、こういう相当の機器を設置して運営、維持管理しなければいけない。法律によって義務づけされるんですよね。 そうしますと、さっきお答えになったように、いろいろ困難があるからできないのに一律にやるというのはどういうことなんですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 まず、このシステムを組む上で、各市町村の住民基本台帳事務が電算化されているかされていないかということにつきましては、電算化されていなければこのシステムが組めないというものではないと考えております。 当然、電算化につきましては、先ほど述べた考え方で市町村においても住民基本台帳事務を含めて積極的に推進していただくということで、地方団体の方には従来からお話をしているところでございます。 そこで、今度のネットワークシステムを組む場合には各市町村にはコミュニケーションサーバーというものを設置していただきまして、全市町村からそれぞれの県のセンターに四情報プラス住民票コード及び付随情報の最新のものを通知していただいて、県から全国センターの方に通知していただいて保有して、それを全地方団体で使っていこう、場合によっては国の機関に提供しよう、こういうシステムでございますから、その点につきましては各市町村にコミュニケーションサーバーというものを設置していただくということで考えております。
○八田ひろ子君 要するに、経費負担にたえられないとかそういう小さい自治体もあるんですけれども、午前中からの論議の中でも大変な自治体負担もあるのではないかという心配がされているので質問していますし、そういうコンピューターシステムがなくてもサーバーへ直接打ち込むからいいという御説明があったんですけれども、そういうものの人件費も別に見込まれていないという午前中からのがあるんですよね。だから、そういうことを私はお答えいただきたいということですけれども、時間がないので次に移ります。 いろいろ地方分権を推進する姿勢を私はおかしいと思いますが、地方自治体と国は協力関係で、住民基本台帳の事務は自治事務です。全国一斉にネットワークでつなぐことを強制することというのは分権の流れに沿わないと思うんですが、しかし導入するとおっしゃる。それは住民の利便性があるということですので、住民の利便性の問題をやっていきたいと思います。 厚生省の年金業務の現況確認制度にはこれは活用できませんし、資格取得や事業認可などは特定の方だということですので、住民票の広域発行や転入届、転出届の簡素化というふうに言われていますが、現行でも郵送制度とか出張所での発行受け付けが効果を上げているというふうに思います。 しかし、住民票の写しの広域交付なんですが、先日委員会調査で伺いました静岡県の例ですと、ファクスで広域交付、ICカードも町内では使っておりますが、広域ではファクスなんですが、現行法のもとでの広域交付というのは、こういうファクスというのも十分効果があるということですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 既に、市町村が取り組んでいます住民票の写しの広域交付と、先般浜松市なり周辺の市町村とのケースを御視察いただいたわけでございますが、そのほかにも幾つかの地域において事務の共同処理方式あるいは一部事務組合方式、委託方式という形で共同広域交付というものがありますが、いずれも限定された一部の近隣地域を対象とするというもので、県を越えてまたは全国的に人の移動とか交流が進んでおります現在の状況の中において、今回の改正法案では、それを全国的に住民票の写しの広域交付を行うということを予定しているわけで、そこにおいて性格が大きく違うということでございます。 全国を単位とする住民票の写しの広域交付ということになりますと、法律上の措置がないと約三千三百にも上りますすべての市町村が相互にやるということは難しい。例えば事務の委託方式ですと、全部の市町村が条例を定めてやるということになりますので、また一部事務組合方式でも非常に難しい。現実的には非常に困難ということで今回の法律をお願いしている次第でございます。
○八田ひろ子君 先日同僚議員の質問の中で、県までそういうのをつくれば全国的にはできるという御答弁をいただいているので、それにつけてもこのネットワーク方式は不必要ではないかと思うわけですが、時間がありませんので次に移ります。 住民の暮らし、今生活圏というふうにおっしゃったんですけれども、全国どこでも住民票の発行が必要だという根拠ですね。どれくらい広域利用があるのか。この平成十年のベネフィットで見せていただいて、この算定根拠になっている数字というのがちょっとよくわかりません。広域交付は三千七十万人というふうにごらんになっているのか、その二分の一というふうに考えているのかわからないんですが、どの程度こういう広域交付が必要になってくるというふうに試算されているんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 特に、住民基本台帳カードを活用した場合の住民サイドのメリットといたしまして、全国どこの市町村においても非常に簡易な手続で自分の住民票の写しがとれるということがあるわけでございます。試算のところのお話が出ましたけれども、国勢調査のデータなどから、域外通勤通学者の数をベースにしてその利用率という考え方で試算をしているわけでございます。 こういった住民基本台帳カードのメリットを考えますと、多様なサービスを受けることが可能になるわけでございますので、このネットワークシステムのベネフィットを計算する上でカードの所有者を、御希望によってお渡しするわけですが、全体の二分の一という仮定を置いて計算をいたしているものでございます。
○八田ひろ子君 全体は幾つですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民票の写しの広域交付の場合につきましては、域外通勤通学者として国調をベースにして三千七十万人というものを基礎にいたしまして、利用率を二分の一ということで試算をいたしております。
○八田ひろ子君 三千七十万人の域外通学通勤の方がいらっしゃって、その半分が広域で住民票の写しをとっているというふうに計算をされているわけですね。この住民票の広域交付というのは、今のお話ですとこのICカードがないととれないんですね。ICカードのない人は前と同じになるわけですね、自分を証明する免許証とか何かがなければ。そうしますと、このICカードというのは何枚ぐらい発行数を考えておられるんですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 住民基本台帳カードは、まず住民票の写しの広域交付の場合においては、本人確認はIC、もちろん住民基本台帳カードでも結構ですが、自動車免許証等でも可能であります。転出転入の特例手続等を受ける場合にはこのカードというものが必要だということでございますし、また市町村が独自のサービスをするということがICカードを利用してできるということでございます。
○八田ひろ子君 発行枚数を聞いているんです。
○政府委員(鈴木正明君) 発行枚数のお尋ねでございますけれども、発行枚数というものを具体的に決めているわけではございませんで、ベネフィットの計算において、住民票の写しの広域交付による住民サイドのメリットを計算するときに、先ほど言いました域外通勤通学者は三千七十万人で、それでカードの利用者は二分の一ぐらいの利用者で、それの住民基本台帳人口との比率で、大体九千万件、住民票の交付件数がございますから、そういうことで効果が出てくるということで試算をいたしているものでございます。
○八田ひろ子君 なぜ私がこの数字を聞いているかといいますと、今ICカードを使っているところでどれぐらい発行され、どれぐらい使っているかという数字を後でお示ししたいから、そういうものを自治省のパイロット事業としていろいろおやりになっているものを基礎としてICカードはこれぐらい必要ではないかとか、そういうふうにお考えだと思ったんですよ。ところが、そういうことは考えておりませんということですので、一体何を試算されて全体のシステムを考えてみるのかも大変わからないんです。 なぜICカードのことを私が言うかといいますと、今住民票の写しはICカードか免許証がなければ広域交付なんかでは使えないわけですね。そういうものがなければこのシステムができたとしても従来と同じようにやらなくちゃいけませんね。そして、転入転出は免許証ではだめですから、ICカードがない人は前と同じようなことをやらなくちゃいけませんね。そんなにICカードが役に立つというふうには思えないんですが、その論より証拠が出雲市ではないかというふうに思うんです。 出雲市は実際にこのICカードの発行をしてきたわけなんですけれども、ちょっと朝の局長の認識は違うような気がするんです。なぜなら、児童カードは新規発行の打ち切りでもうこれはやめていく。市民カードは九・二%しか発行されていないけれども、これは九月にやめる。それで、その前の福祉カードは九七年に廃止をした。これはなぜかといえば、カード利用が低いからですよ。なぜ低いと思いますか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 午前中は総務審議官が担当しておりまして、総務審議官からのお答えだったかと思います。 出雲のカードの利用につきましては、一つはやはりエリアが狭いということでどうしても利用者が限定されるということでカードの利用者というものが制約されてくるということで、検討し直すというふうに私は承知をいたしております。
○八田ひろ子君 今の私の質問は、なぜやめるようになったのか、理由をどうお考えですかということなんです。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 出雲市として独自の施策として行っているわけでございますので、どうしてもエリアが狭い、対象人員が狭いということで制約がございますので、利用者が少ないということで市の方としては検討し直すということだと理解をいたしております。
○八田ひろ子君 これは六億のお金が投入されているようですけれども、国が補助金も出しているわけですよね。それだけのお金を出して援助をしたんだけれどもやめざるを得ない。役に立たないからなんですよね。 先日、衆議院の参考人に兵庫県の五色町の町長さんがいらっしゃいまして、ここは大変いいということで、私もそんないいところを一度調査しようと思って調査したんですね。そうしましたら、ここはカードの自動交付機で交付されたのは一年間で二十九件だそうです。大変いいところが一年間に二十九件。ここも何億というお金が入っておりまして、住民票の発行全体は六千百二件です。しかし、カードでは二十九件。おまけにここはICカードというカードは使っているんですが、住民票を出すためには磁気テープでやっているわけですね。 こういうのは、今広域でないから使えないんじゃないかというふうにおっしゃったんですが、静岡の広域発行はファクス、五色町は磁気ストライプ。それでは、広域でやっているところはといいますと、これもやはり衆議院の参考人で岐阜の県知事さんが御紹介いただいた岐阜県益田郡というこの五カ町村を私は調べてみました。ここではICカードで住民票の写しの交付がされているわけですね。 そこで、ちょっと確認ですが、現行法のもとで、先ほど全国でやるときは法が要ると。市町村がICカードでこういうふうに広域交付をするというのは現行法ではいいわけですね。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 今、各地において住民票の写しの広域交付の取り組みが見られます。その場合に、自治法の定めております一部事務組合という法律の規定を利用する場合あるいは事務の委託という法律の規定を利用してやる場合と、そういう形で自治法の各種制度を利用した形で行っているところでございます。
○八田ひろ子君 現行法でもいろいろできるということですね。 それで、この益田郡なんですけれども、ここは五つの自治体があります。これで合計が四万一千三百六十五人の人口です。国の事業費としては二億二百一万円、そのほかに県の補助金が一千百七十万円、そのほかに単独事業があります。これは補助金要綱というんですか、それが端末が三つしかないんです。ここは五つの自治体があるものですから、あとの二つの端末はこの自治体で買わなければいけないので、それぞれ共同事業の分担金として五百十五万円、そのほかに単独事業費として二、三百万円のお金があります。つまり、二億五千万円ぐらいでこれが立ち上がっています。 ここで、じゃICカードの発行、これを見ますと、平均では五%です。ここで住民票をどういうふうに発行されているのか。機械で発行をした場合ですね、カード利用。これは萩原町というところを例にとりますと、住民票は四月、五月、六月で、これは一万一千八百人の人口のところですので先ほどのところとよく似ていますね、これは三十五件です。広域で使ったのが四件。お隣の下呂町でいいますと二十八件で、広域が七件。カードの発行枚数も大変少ない。四%とか、下呂町は二%ですね。実際にそのカードを使って住民票を広域発行したところも少ないですし、これは三カ月ですから、一カ月に一枚か二枚ですね。それから、その中での住民票の発行件数も少ない。これは非常に少ないんですけれども、こういう例をどういうふうにお考えなのか伺いたいんです。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 突然のお尋ねで具体的な事実関係はつまびらかにいたしておりませんが、益田郡で広域交付の取り組みを行っていると。たしかことしから始めたか十年度から始めたか。しかも、今お話のありました三町村ですが……
○八田ひろ子君 五。
○政府委員(鈴木正明君) 五、今やっているのは三町村で自動交付機を置いている。順次段階的に拡大していくという……
○八田ひろ子君 五つ。
○政府委員(鈴木正明君) 失礼しました。昨年の十月から発足ということで、それも順次段階的に全域に広げていくということで取り組みが始まったということでございまして、もうしばらく推移をごらんいただきたいと思うわけでございます。
○八田ひろ子君 もうじき私の時間が来ますので、残念ながら残余の質問ができなくて次の機会に回したいと思います。 午前中は全町挙げてあるいは全市挙げて失敗をしておやめになったという例が幾つか同僚議員から挙がりました。これは突然と言いますけれども、私はお話ししましたし、それから衆議院の参考人質疑のときに、ここは大変うまくいっているということで具体的な名前も挙げられたこの益田郡であります。 ここから言えることは、ICカードの事業というのはまだ試行段階であり、うまくいっていないところは大変あるけれども、非常に住民に使われている、今度の法律に出てきました住民の利便ということで非常にいい、持ちたい、そういう例は一生懸命探したんですが、一つもありませんでした。カードは、絶対に必要という日常の生活場面がない限り普及をしない。つまり、住民にはカードもコード番号も役に立っていないという例が、大変な何億というお金をそれぞれの自治体やあるいは市につぎ込まれて今の現状、こういう法律の全国展開を図ることは時期尚早だということを申し上げて、私の質問時間ですので終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 私は国会へ参りまして満四年が経過いたしました。その間、予算委員会や法務委員会あるいは地方行政・警察委員会等を通して多くの大臣にお会いをし、大臣と各委員との質疑のやりとりを聞いてまいりましたけれども、野田自治大臣というのは大変すごい人だなと私は個人的に思っております。大変頭脳明晰でございますし、答弁が歯切れがいいというか、恐ろしいぐらいすごい人だなというふうに、これは正直本音でそう思っておりました。 ところで、魚住委員の先ほどのオウム真理教の信徒の転入届の問題あるいは信徒の家族の転入届の問題でかなり困ったような御答弁をきょう初めて私は伺ったわけでありますが、私は率直な大臣の答弁だと思いました。 私も、実は住民基本台帳のネットワークシステム、いわゆるオンラインによる処理とそれから戸籍制度との関係も通告をしておりましたが、具体的な答弁は求めませんけれども、私はきょう改めて、弁護士になって二十七年になりましたけれども、住民基本台帳法というのを読み直してみました。恐らく魚住委員が指摘した問題というのは、私は現行の住民基本台帳法が予定をしていない問題ではなかろうかと思うわけです。転出届は受理されたけれども転入届は受理されないという、こういう事態というのは現行の住民基本台帳法は全く想定していないのではなかろうかというふうに私は思うわけです。 そうすると、その処理を誤ると、住民基本台帳法というその法の仕組み自体が揺らいでくる可能性もある、一方では人権の問題あるいはまた当該地方の秩序安寧という問題もありましょう。ともあれ大臣もおっしゃっていたように、これは立法府の課題かもしれませんけれども、私は、地方公共団体もそれから政府もこの問題は慎重な対応が求められておるのではないかなと、こういう意見を申し上げておきたいというふうに思っております。 それで、私は今度の住民基本台帳法の一部を改正する法律案で、先日の参考人からも、特に堀部教授が強調されておりましたが、我が国で初めて番号制度というんでしょうか、国民に付される番号に法的根拠を与える、そして住民票コードという新しい十けたの一種のバーコードみたいなものに法的な根拠が与えられる。そのことと、何よりも大事にされ、そして十二分に保護されなければならない国民のプライバシーの権利との関係が今真剣に議論が尽くされるべきだな、こういうふうに思っております。 参考人の内野教授から住民票コードの導入との関連で、みずからの存在証明を番号にしたくないという少数意見も尊重されるべきだ、番号を使わない自由も権利として担保されるべきだというふうな趣旨の御意見があったわけであります。 私も、恐らく多くの国民がこの新しい住民基本台帳ネットワークシステムによって、個人の尊厳との関係で住民票コードが導入されることによって個人の非人格化、このことに対して問題意識を持っておって、人間が住民票コードといういわゆる番号によって管理されることへの不安感、抵抗感というのがあるんだろうというふうに思うわけです。 そこで、局長でも大臣でも結構でございますが、内野参考人のようなみずからの存在証明を番号にしたくないというそういう少数意見の尊重と今度のネットワークシステムとの関係、それから番号を使わない自由も権利として担保されるべきだという意見等についてどういうふうに考えておられるか、お聞かせをいただければありがたいなと思います。
○国務大臣(野田毅君) 一つの視点かと思うんです。物事をいろんな角度から、角度を変えて見ればいろんな物の見方ができるので、そういう今おっしゃいましたようなみずからの存在証明を番号にされるとかされないとかいう受けとめ方、そのことの是非は申しません。 ただ、現実問題、各広範囲な行政分野において、特に給付行政なんかにおいては既に独自のナンバリングが付せられているということはもう御案内のとおりでございます。これだってある意味では、逆にその世界における番号管理を現にされているわけですね。年金であれ社会保険であれ、いろんな分野、運転免許証だって現にナンバリングがあるわけでございます。 したがって、今回やろうというのは、その本人確認、そういう変更があったりいろいろなことがあったりしたときに、それをできるだけ正確にスピーディーにどうやって処理するか。いわばそういう事務的な処理、まさに管理するというんじゃなくて、それによって人間的管理をするんじゃなくて、むしろそういう事務的な、まさに機械的な作業をそういうことによってやった方がより効率的ではないか、より正確ではないか。そのことによって、これまで費やしていた公務員のいろんな事務をむしろ節約して、より人間的な、より大事な分野に行政の重点を移していくという、むしろそのことによってより高度なニーズに対応することができるようになるのではないか。私はそういう仕組みであるというふうに本当に、私はそれ以上のものでもそれ以下のものでもないと。 だから、住民票コードによって何か管理をするというか、人間を管理するんじゃなくて、まさにその事務を管理するんだという受けとめ方をすれば、個人の人間の存在証明、つまり存在証明という言葉は人間性を意味するわけでありますが、それを管理するものではないと、私はそういうふうに受けとめればそれほど、プライバシーとかちょっと哲学的にとらえるのはどうなのかなと、率直にそういう感じがしております。 それだけに、そういう範囲においての活用ですよ、そういう利用目的ですよということをかなり厳格に、目的外の利用を禁止するとかいうようなことをかなり制度的にもあるいはシステム的にも運用面においても縛っているということですから、私はそういうふうに御理解いただきたいし、そうしてもらわなきゃ困ると思っているんです。 それで、そういう形で番号をつけていくということになれば、まさか本人が拒否するとか同意するとかいうような世界の話とはちょっと次元の異なる世界なのではないかというふうに私は認識をいたしております。
○照屋寛徳君 私は、いわゆる情報化社会というのは、これは我が国も国際社会も今後もどんどん進展していくだろうと思います。同時に、コンピューターネットワーク社会というのはこれはますます高度なものになってくるだろうと思います。 そういう中で、いわば近代というか現代の社会の中における、行政を含めて私どもが追求する効率化、その効率化の影の部分というんでしょうか、効率化と非常に密接な関係を持っている個としての人格を持った人間のあるべき姿というんでしょうか、そのことは今後も真剣にそれぞれが考えなくちゃいけないし、同時に社会全体、政治、行政全体の中でもそのことをしっかりとらまえておらないと、効率化を急ぐ余り大事な人間性というかあるいはプライバシーが侵されるような社会であってはならないというふうな考えを持っておるところであります。 それで局長、通告してございましたが、私もよく承知をしておりませんのでお教えいただきたいのは、韓国でICカードの発行計画を最終的に破棄して、その施行法案を廃案にしたようでございますが、そういう事実関係を含めて、その経緯、背景等について御承知であればお教えいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 韓国につきましては、まず住民登録制度というものを持っておりまして、全国民に住民登録番号が付番されて、多数の情報がその番号をもとに住民登録ファイルとして管理されまして、その情報が行政だけでなくて民間のさまざまな分野で利用されているということでございますから、かなり日本と状況が違います。 それから、住民登録証というものも満十七歳以上の全国民は紙製の住民登録証を常時携帯することが義務づけられています。そういう意味で実情はかなり異にするわけでございますが、その紙製の住民登録証をICカード化しようと、こういうことでございます。それで、現在の紙製の住民登録証では写真の張りかえによる偽造、変造が行われるという問題が生じまして、こうした偽造、変造を防止して情報化社会に対応した多目的な身分証とするために、紙製の住民登録証を電子住民カード、ICカードとする事業が打ち出されてきたわけでございます。 この電子住民カード事業は、一九九六年、平成八年に韓国の情報化促進基本計画において位置づけられまして、平成九年の十一月には電子住民カードを発行するための住民登録法の改正法案が成立をいたしまして、法的な基礎が与えられたわけでございます。 しかし、その後、この電子住民カード事業につきましては、韓国の厳しい国家財政、IMFの関係で非常に厳しくなってきておりますので、相当の費用が必要だということ、それからまた国民監視が強化されるのではという不安に基づく反対運動が強まったということ、これらによりまして、電子住民カードの関係条文の削除を内容とする改正法案が議員立法で国会に提出されまして、ことしの四月に成立を見たということでございます。 そして、その結果、電子住民カード事業にかえましてプラスチック製の住民登録証に切りかえるということで、二〇〇〇年の三月までに偽造、変造防止の観点からプラスチック製の住民登録証に切りかえる、こういうことになったと、このように承知をいたしております。
○照屋寛徳君 そうすると、韓国では、住民基本台帳にかかわるICカードの制度が議員立法で、一つは費用の問題、もう一つは監視社会を招くのではないか、そういうふうな主な理由で廃止になったと、こういうことですか。
○政府委員(鈴木正明君) そのように理解をいたしております。
○照屋寛徳君 私、今度導入される住民基本台帳ネットワークとそれから新しい住民票コードによってどのような利便があり、どれぐらい費用がかかるかということについても通告をしてありますが、これはまた来週具体的にやりたいと思います。 総務庁、おいででございますので、一問だけ。昭和六十三年の十二月八日に参議院内閣委員会の附帯決議、いわゆる行政機関の保有する情報との関係で附帯決議がございまして、個人情報保護対策について政府は真剣な取り組みをするようにという趣旨のことがありますが、その後の、附帯決議以降の政府の検討作業の経緯と結果についてお教えください。
○政府委員(瀧上信光君) お答えいたします。 行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律の採決に際しまして、参議院内閣委員会から十二項目にわたります附帯決議が付されまして、その一つとして、「五年以内に本法の必要な見直しを行うこと。」とされているところでございます。 これを受けまして、総務庁では、個人情報保護法の適正かつ統一的な運用を図るということで、附帯決議に配慮した適正な施行を求める総務事務次官通知等の発出、個人情報の安全・正確性の確保についてのガイドラインの作成、所管特殊法人の指導指針の通知等の措置を講じてきたところでございます。そしてまた、毎年度、法施行状況の調査を行いましてこの法律の運用状況を把握するとともに、その結果を公表しているところでございます。 そして、個人情報保護法について必要な見直しを行うという点につきましては、総務庁及び関係省庁におきまして、平成七年五月までに個人情報保護法の保護対象の範囲、それから民間部門の保護対策等につきましての実態調査を行いました。 その結果、コード入力による光ディスクという形態を新たに個人情報保護法の規制の対象に加えるという改善を加えるとともに、それ以外の点につきましては個人情報保護法の規定について特に改正を要する状況にはないという結論に達しまして、以上の点につきまして、平成七年六月に参議院内閣委員会の委員長及び各委員に御説明を申し上げたということでございます。
○照屋寛徳君 私は、今審議しております住民基本台帳法の一部を改正する法律案、それに先行して民間を含む包括的な個人情報保護法の制定こそ急がれるべきだというふうに思います。 と申し上げますのは、我が国においては、個人情報あるいは個人の信用情報などが漏えいをしたりあるいは流出をしたり、そのことが商いの対象になるというふうなことがたくさん起こっているわけです。そうであるからこそ、先ほど申し上げましたように個人情報保護法を早期に制定する必要性がある。そして、そのことが、衆議院における修正案の提案者からも、この法案についてプライバシー保護の面で漠然たる不安や懸念があって今出されているような修正を施したというふうなことが言われておりましたので、ぜひそのことを踏まえて、総務庁でもしかるべき効果的な個人情報保護対策について真剣なお取り組みをお願い申し上げたいと思います。 それでは、次に局長にお伺いいたします。今度の改正法案では、提供を受けた行政機関が住民票コードを含む本人確認情報を使用し終わった後、これを消去することを規定しておるんでしょうか。もし規定していないというのであれば、なぜそれを規定しないのか、そこら辺をお伺いいたします。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 本人確認情報の使用し終わった後の消去についてでございますが、国の機関等この本人確認情報を受領した機関で不要となった場合についての消去につきましては、本人確認情報の安全確保措置義務というものを法律で規定いたしておりますので、その中に消去も含むということで考えております。したがいまして、消去も含めた安全確保措置義務が課せられている、このように理解しているところでございまして、適切な措置が講ぜられるべきものだと考えております。
○照屋寛徳君 安全確保措置義務というのは、いかにも抽象的ですね、局長。私は、提供を受けた行政機関が、目的に沿った使用が終わった後にはそのような情報を集積しない、しちゃいかぬという、そういう具体的な仕組みづくりを法制化しないと、安全確保措置義務というのは、極めて法律的な概念としては、あるいは義務の内容としては非常に不明瞭じゃないかというふうに思うわけです。私は、修正案提案者の漠然とした不安、懸念というのも恐らくこういう点からも出てきておるんじゃないかと思うんです。なぜ具体的に法文上に明記をしないんですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 この本人確認情報をネットワークシステムから提供する機関は国の機関及びそれに準ずる公的機関ということで、目的及び機関が法律で明記されるその範囲で提供されるわけで、いずれも公的な機関であるということが一つ。それから、それに従事する者につきましては、委託事業者も含めまして守秘義務が課せられているということでございます。 さらに、本人確認情報を利用する国の機関等におきましては、それぞれの実態に応じた安全確保措置を講ずるわけですが、具体的には、この関係で申し上げますと管理規定、個人情報、本人確認情報の情報の管理規定というものを置く、制定するということを予定しているわけでございまして、そこにおいて情報の消去に関する事項も含めて定めるという考え方でございます。 そのほかにも、安全確保措置としては、管理体制の問題あるいはオペレーションの管理に関する措置といったことで適切な措置を講じていただく必要があると考えております。 各機関の状況に応じてそのような措置が講じられるということが適当である、こういうふうに考えております。
○照屋寛徳君 そうすると、私がただした、提供を受けた行政機関が住民票コードを含む本人確認情報を消去するかどうかは管理規定でやる、こういうことなんでしょうか。 それと関連して、例えば行政文書でもあるいは司法の文書でも、それぞれ守秘義務がありあるいは保存期間というのがありますね。一定の保存期間が過ぎると廃棄されるわけです。私は、このこととの関連で言うと、そもそも今度つくろうとしている住民票コードあるいは住民基本台帳のネットワークシステムの中で、コンピューターにおけるいわばデータの廃棄というのは技術的にどのように行われるのかなとも思うわけです。 私は、消去規定を置かないと、国民は非常に不安を覚えるんじゃないかというふうに思います。技術的な問題は具体的に通告をしておりませんでしたのでまた来週にでもお聞かせいただきたいと思いますが、この管理規定の中に消去規定を考えるという趣旨なのか、あるいは今私が申し上げました行政文書の保存期間と廃棄との関係で今度のネットワークシステムはどのような対応を考えておられるのか、もしきょうの段階でおわかりならお教えいただいて、また積み残したら来週でも結構でございますので、お教え願いたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 技術的な側面については、後ほどということにさせていただきたいと思いますが、本人確認情報は四情報プラス住民票コードと付随情報ということでございます。お話しのように、保存期間という議論に結局なってくるわけでございまして、そこにつきましては政令ではっきりさせたいという考え方でございます。 それで、具体的にどうなのかということでございますが、これは本人確認情報を法律で認めていただいた国の機関等及びその行政目的ということで提供するわけでございますので、それは法律を成立させていただいた後、具体的に検討いたしまして、それに応じまして保存期間というものを定めたい、このように考えております。
○照屋寛徳君 情報の保存期間の問題、それから保存期間が徒過した後の廃棄の問題、その技術的な仕組みを含めて次回またお伺いさせていただきたいと思います。 時間ですので、私の質問を終わります。
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。 質問をさせていただきたいと思いますが、まず先に、私は、各委員の質疑、そしてまた参考人の方々の意見をお聞かせいただきまして、それなりに蒙を開いたというんですか、自分なりにやった分のほかにいろいろな意味で勉強させていただいたと思っております。 また一方、極めて大事なプライバシーの問題については、政府もそうですけれども、三党プロジェクトの中で検討していくということで、今私も入っておりまして三回勉強させていただいたわけですけれども、極めてこの問題は重要である、責任を持ってやらなければならないということを改めて認識しているわけでございます。 そういう観点から、私は、重複するかもしれませんけれども、基本的な問題だけ質問させていただきたい。基本的なことですので、重ねてということでお許しをいただきますけれども、質問させていただきたいと思います。 第一点は、これはもう既に八田委員もおっしゃったものですから、経過を詳細にお聞かせいただきたいと思いましたが、それは避けます。 その中で極めて重要な問題は、平成六年以降検討したわけですが、その過程でいろいろな案があり、そしてまた報告がありましたが、その中で、原案がこうだったと、この案ができた経過の中で具体的に、極めて重要な点について、どういうふうに変わってきて、そしてどういう理由でそうしたのか、修正案というんですか、いわゆる経過について反省をし、そしてあるべき姿としての今の案に到達したという、この点について説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 この法案を御提案するまでの経過あるいはその過程での議論、またその骨格においての変更点、こういうお尋ねだと思います。 平成六年八月に研究会でこのネットワークシステムの検討が開始されたわけでございまして、平成七年三月に中間報告を発表したところでございますが、各方面からさまざまな反響をいただいたところでございます。 そこで、論点、大きな議論となりましたのは三点ほどございました。一つは、住民基本台帳番号を生涯不変ということで考えたという点でございます。それから二点目は、カードの発行というものを、番号を通知するという性格を持たせた、その手段として位置づけたという点。それから三点目は、民間利用の可能性を提起したということでございます。中間報告をめぐってそういった議論が出たわけでございます。 また、中間報告においては、個人情報保護措置の課題、またネットワークシステムの利用分野などの課題、これについてはさらに検討を行っていくこととされていたわけでございます。こういったことを行いまして、その後の検討を重ねまして平成八年三月に最終報告ということになったわけでございます。 その後、さらに幅広い御意見を聴取し、大臣主宰の懇談会で御意見を聞き、それを公表し、また平成九年六月には法案の一部改正試案という形で公表し、今回の法律改正ということでございます。 この間、国会あるいは政党レベルでの御論議もあり、また国民の間での御議論もちょうだいいたしまして、より厳格な個人情報保護措置を講ずるということで、まず民間関係につきましては、業として他に提供するデータベースの構成禁止、それに係る中止命令に従わなかった者については罰則をもって担保するという規定を盛り込んだこと。 また、守秘義務の関係では、電算業務の受託者に対しても秘密保持義務規定をかけたということ。 したがいまして、このネットワークに携わる市町村、県、指定情報処理機関、受託者の従事者、それは電算受託者も含めまして秘密保持義務がかかり、それに対しては通常の守秘義務違反よりも重い罰則規定を置くことにした、こういう点が第三点でございます。 第四点は、住民票コードにつきましては、請求によって変更できることといたしまして、それは生涯不変、あるいは背番号というか、そういう嫌悪感ということを配慮して、また住民票コードが万々が一にも漏れた場合には変更可能ということもありまして、請求により変更は可能、理由は問わないということに踏み切るなどの改正措置を追加したところでございます。 大きなポイントとしては、以上申し上げたとおりでございます。
○高橋令則君 私も大体そのように認識しております。例えば堀部参考人も、いろいろな資料の中で拝見しますと、そういうふうなことも提起して、それに対して修正をしてもらったとか、あるいは意見を出されて、それが採用されたというふうな形で、おおむねこのシステムについては了とするというふうな趣旨に私は伺っているわけであります。したがって、その検討経過及びそれに対する手当てについて私はおおむね了として理解をしております。 次に、これも基本的な問題でありますけれども、このシステムが地方公共団体の連携システムであるという点であります。あるいは効率性だけの観点からのシステムとすれば、初めから一括集中的なシステムでやった方がいいのではないかという議論も当然あるわけです。それが、国ではなくとも、あらかじめ全国センターというふうな形、民間的な第三セクターですか、いろいろな形はありますけれども、そういうふうな方法で、全国一括という形でセンターで全部やっちゃうということもできるわけです。しかし、そうじゃない形の分散システム、それをネットワークを構成してやっていくというやり方、これは効率性というだけでは言えない、住民基本台帳の本来のあり方として当然だというふうな主張もあったわけですけれども、改めてこの集中そしてまた分散というような基本的な問題についての考え方を明確に言っていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムは、市町村の区域を越えた全国共通のいわば本人確認のシステムというものをつくり上げようというものでございます。住民基本台帳という制度を踏まえて、それをベースにして組み立てようということでございまして、本委員会でも御審議いただいておりますが、住民基本台帳制度というものは、市町村の関係者の努力によりまして、住民の居住関係の公証あるいは住民に関する事務処理の基礎ということで定着をし、問題も指摘される面もありますが、かなり実効あるものとして国の行政の効率化、市町村の行政の効率化に役立ってきているということでございます。 〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕 そういった市町村が担っております住民基本台帳事務というものをベースにいたしまして、新たなネットワークというものを構築しようということでございます。そのために、市町村と広域的な地方公共団体であります都道府県が協力、連携をしてシステムの運営を行う、こういう考え方でございまして、国の機関が一元的に本人確認情報を管理するというものではなく、分散、分権型のシステムということで構築したわけでございます。 またさらに、全国センターということで、都道府県が行う事務のうち住民票コードとかあるいは情報の提供といったいわば機械的なものにつきましては、正確性の観点からも効率性の観点からも専門的技術を集積する者に集中させて処理することが望ましいということで、地方公共団体のいわば分身として指定情報処理機関というものを設置する。その指定情報処理機関というものがそういった全国レベルでの本人確認情報に関する事務を処理していく、こういうことでございます。 指定情報処理機関は、地方団体がその基本財産の全部または一部を出資する公益法人ということで位置づけているところでございまして、そういう意味でも地方公共団体が主体的に構築、運営するシステムということで今回の法案を構築させていただいているところでございます。
○高橋令則君 わかりました。 もう一つは、国会のコントロールという問題になります。当然、法律という形になるわけですけれども、このシステムを拝見しておりますと、再々申し上げるように四情報を国が使う場合は、今九十二事務ですか、そういう形でもう法律の中に明確にしてしまう。そして、これを他にさらにやっていくとすれば、一つ一つそれを国会に出して、そして法律を改正してやらなければできないというふうな厳格なやり方をしているわけであります。 〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕 私もそれは了としますけれども、考え方によっては、行政事務あるいは行政改革という観点からしますと、もう少し拡大性というか、そこまでやらなくてもいいじゃないかという、それによってプライバシーを侵害するということが心配だという議論はありますけれども、一方ではやっぱりもう少し利用性とか融通性とかそういうことの観点からすると、他のやり方、例えば政令とかそういう方法もあるのではないかという議論もあり得るわけです。 したがって、厳格に法律で決めた、そしてまた都道府県あるいは市町村については、仮にやるとすればそれはすべて議会にかけて、そしてこれまた条例でやるというふうになっているわけでありまして、厳格な法定主義でやっているわけですが、これについての基本的な考え方をもう一遍お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムにおいては、個人情報保護ということで、本人確認情報は四情報プラス住民票コードと付随情報でございますが、全国にこの情報を提供するというネットワークでございますので、個人情報を保護するということを重要視いたしまして、一つはやっぱり個人情報の収集目的は収集以前の段階において明確化されることが必要である、その明確化された目的以外に利用されてはならない、こういう国際的な考え方、原則が例えばOECD理事会勧告の八原則の中にも含まれているところでございます。 そういったことで、このネットワークシステムにおいては、利用者及び利用目的について行政内部で決定するのではなくて、国会でその正当性を御判断していただく、また国民に対しても明確に示していくということが個人情報を保護する面から最適と判断をいたして、このようないわば厳格な法定主義ということを採用させていただいているところでございます。
○高橋令則君 私は、厳格な法定主義については基本的には賛成なんですけれども、そう言いながらも利用度とかそういう面でどうかなという気持ちもないわけではありません。しかしながら、プライバシーに対する国民の安心感というふうなものを考えますと、適切ではないかというふうに思っております。 次に、これまた原則的な問題ですけれども、OECDの八原則があるわけですね。これは、今のいわゆるプライバシーの問題については国際的な、憲法とは言いませんけれども、極めて大事な原則だと思うんです。これにのっとってこのシステムは果たしてきちっとやったのかどうか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このネットワークシステムの構築に当たりまして、特にシステム全般の個人情報保護措置につきましては、基本的にOECD理事会勧告八原則を前提とするほか、今日的な課題にも対応できるように法令上及び技術上十分な措置を講ずることといたしております。 具体的に申し上げますと、国の機関等が本人確認情報の提供を受けることができる場合及びその利用目的等について法律上限定する、今申し上げましたところでございます。また、本人確認情報として都道府県指定情報処理機関が保有するデータは、四情報及び住民票コード及び付随情報というものに限定する。それから三点目としては、本人確認情報の電子計算機処理等に関する業務に従事する者、これにつきましては受託者も含みまして、それに対しまして秘密保持義務を課する。また、本人確認情報の適切な管理のために必要な措置を講ずる義務を課する。それから五点目は、都道府県指定情報処理機関が保有する本人確認情報については、最新性、正確性を確保する。それから六点目としては、都道府県指定情報処理機関に対する自分の本人確認情報についての開示請求を認める。それからさらに、民間へ本人確認情報の提供をしない。それから、民間機関での利用を規制するということの措置を講ずるということで、法令上及び技術上の措置を講ずることといたしておりまして、国際標準から見ましても十分な保護措置を講じていると考えております。
○高橋令則君 私も、おおむねそのように理解をしておりますが、その八原則の中に派生したというか、そういう表現ではないかもしれませんが、EU指令の中に第三者機関が必要ではないかというふうな、そういう勧告というか指令があるわけです。 それを、この法案を見ると、都道府県審議会というふうな形で、これはどうも見た限りでは、厳格な第三者機関としてはちょっとウイークではないかな、弱いんではないかというふうに私は思うんです。そして、識者の方々の話を聞くと、これは全員というわけじゃありませんけれども、それを指摘される方もいらっしゃいます。しかしながら、我が国の今の法制の中ではこれでやむを得ないという方もいらっしゃる。この問題については局長の認識はどうですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムにおきましては、お話しのように国の機関として第三者的な監督機関の設置というものはないわけでございまして、御指摘がありました都道府県には本人確認情報の保護のための審議会というものを設置する、また指定情報処理機関には本人確認情報保護委員会というものを設置するということで、実質的に独立性の高い機関がこれらの事務処理を客観的にチェックして必要な意見を述べる、こういう体制をとっているわけでございます。これらの機関が十分に機能することによって本人確認情報の保護は図られるものと考えております。 なお、お話しのような御意見もございますが、堀部先生の御意見を御紹介いたしますと、これらの審議会あるいは情報保護委員会の権限などは限定的であるが、監視機関を重視する欧州連合の指令の趣旨にのっとっていると言うことができると思う、日本の現行制度でどのようなことが可能なのか個人的にも考えてみたが、日本の場合には独立した行政機関を設けるというのはなかなか難しいところがあり、現行法制度の枠内で対応するとなるとこれでもやむを得ないのではないかというふうに思っているとの御意見をいただいております。なお、実質的にこれらの機関がその役割を果たせるということが重要であると考えておりますので、そういうことで私どもも努力してまいりたいと考えております。
○高橋令則君 私もそういう認識をしておりますが、やはりこの問題、いわゆる第三者機関あるいはコミッショナーというふうな形での専門者あるいは専門機関をやるためには、個人情報保護システムをEU方式にするかアメリカ方式にするかによっても変わってくるだろうというふうに私は認識をしております。それをどうするかということは、政府自体の検討も一つですし、もう一つは、申し上げたように、私どもも入っておりますけれども、三党のプロジェクトの中で含めて検討しなければならないと私自身も思っております。 最後でございますけれども、大臣に改めてちょっとお聞かせをいただきたいわけですが、大臣もそうですし私もそうなんですけれども、実は法律を制定する過程のときは私は与党ではなかったわけでありまして、後で聞いた方でありまして、若干わからない点もないわけではありません。しかしながら、いわゆるフリー、フェア、オープンという我が党の主張等から考えまして、このシステムはやっぱり必要ではないかと。しかしながら、やっぱり一方ではこのプライバシーの問題を酌んできちんとしなければならない。きちっとした形で、オープンな中で、どっちにしてもやらなきゃならぬというふうに思っているわけです。推進する立場からそれをやりたいというふうに考えておりますが、そういうふうなことを含めて、大臣の決意を改めてお聞かせいただきたい。
○国務大臣(野田毅君) この住民基本台帳ネットワークシステムというのは、もうたびたび申し上げておりますが、二十一世紀におけるデジタルネットワーク社会の到来に対応して、ある意味では重要なインフラ整備ということだと思います。今でも既に随分おくれているんではないかという多少焦りもあるわけです。しかし同時に、一方で個人情報の保護ということについてなお一層神経を注がなきゃいけないと。そういう点で、欲を言えば、九十二という行政事務の分野のみならず、もっともっといろいろ利用範囲を広く検討していいではないかという御議論もあったわけですが、やっぱり一方でそういう慎重な配慮ということも非常に大事だと。光と影という言い方がありますけれども、光と影というのはちょっとどうかと思うので、私はあえて車で言うなら、安全運転していくためにはアクセルとブレーキ両方必要だと。 そういう意味で、この個人情報保護ということに対して、技術的なこれからの日進月歩の分野でもありますし、それにどう対応していくかということも含めいろいろ議論をいただいて、修正ということもあったわけで、そういったことを伴いながら大胆に前進していかなければならない大事な課題であるというふうに思います。 このことは、市町村、地方公共団体の行政サービスというものの質を向上させる非常に大きなきっかけになっていくだろうと。このことは、先ほど来いろいろ申し上げておりますが、本人確認事務というのは機械的ではあるんだけれども非常に膨大な事務量を要していると。正確さ、迅速性ということは非常に大事であるということが、このことによってよりその分野のニーズが満たされて、そこで浮いた部分をより人間的な、より大事な行政分野に投入できるということのメリット、そのことにやっぱり思いをいたすべきではないか、特にそんなことも考えます。そして、結果として国、地方を通ずる行政の効率化ということにも資し、また一方でそのことによって行政コストそのものを低減するということができるならば、タックスペイヤーという角度から見ても非常に大事な視点ではないか。 もろもろの思いを込めて、ぜひ早期にこの法案を通していただいてスタートを切ることができますように、心からお願いを申し上げるところでございます。
○高橋令則君 終わります。
○松岡滿壽男君 参議院の会の松岡滿壽男でございます。 長時間の質疑で大変皆様方も御苦労さまでございます。 自由党の高橋先生が予定どおり三十分なさいましたので、私の方もやはり参議院の会として三十分質疑をさせていただきたいというふうに思います。 このところ、憲法調査会の設置も決まり、当然そこで二院制の問題についても議論があろうと思います。この前から自自連立の中で衆議院の比例を五十人減少するという議論もございますし、また経済構造の大きな転換の中で、来週は産業活性化法案が本会議に出てくるわけでありますけれども、そういう厳しい経済情勢の中で民間の皆さん方は大変な苦しみの中にあるわけです。失業率もふえてきておるし、大変なリストラであります。 そういう中で、やはり参議院はいかにあるべきかという部分が国民の側から大変な注目もあるわけであります。だから、衆議院と異なった審議をやはり私は参議院においてはしていかなければならないという角度から、衆議院におきましては参考人を八人呼ばれた、既にこちらでは四人の参考人にも出ていただいている。だから、むしろ現場に出ていって地方公聴会と。既に住民基本台帳については市町村が実際に実務をずっとやってきているわけです、住民基本台帳法に基づいて。しかも、心配して反対しておられる民間の方々もおられる。そういう方々の声を、こちらから出ていって、国会に来なさいという形じゃなくてやるべきだという主張を続けてまいっておるわけであります。 せんだっても、豊田それから浜松と視察もさせていただいておるわけでありますが、非常に国民の方の関心も強いわけでありますし、特に市町村から見ると、今度は県も巻き込んでという形になるわけですが、二重にいろんな仕事をしていかなきゃいかぬという部分が出てくるわけです。それは、野田自治大臣が今御答弁なさったようにいろんな面でおくれている部分もあるし、やはりきちっと質的な面での向上、こういうものも当然期待できるわけでありますが、いろんな角度での疑問がやっぱりあるんです、こういう財政的に苦しいときに新たに六百億円投じなきゃいかぬと。 しかし、前回、私の質問の中で、戸籍、住民基本台帳事務にかかわる年間の経費が既に市町村段階で三千億かかっているというふうに実は御答弁されておられるんです。しかし、どうもこの数字は、確かに市町村においてほとんどの自治体が電算化を終えているわけですけれども、この数字は私の調査では推定で六百四十億から八百十億円程度じゃないかというふうに思われるんです。 例えば、人口十万の市で導入の一時経費が大体七千三百万ぐらい、年間の運用経費が八百万くらいだろうと思うんです。私の地元の光市のデジタル化の予算でも、人口五万ぐらいで大体初期の投資が二千万円、ランニングコストが千二百万円で、三千二百万円。これを二千倍するとちょうど六百四十億円ぐらいになるんです。この辺の数字の食い違いがあるわけでありまして、これは一体どっちがどうなっているんだろうかなという点が一つ気になっておるんです。 しかし、いずれにしましてもこれは二重投資になることも事実でありまして、システムの互換性やデータの互換性等いろんな努力をして最小限のコストに、既に市町村が国民の税金を使ってやっているわけですから、これに対して六百億円かかっていくわけです。これについてまず再度お伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このネットワークシステムでの経費と、その前に三千億のお話が出ましたが、これは直接これと見合う経費というよりも、窓口事務で基本台帳事務とか戸籍を一緒にやっていますので、そういった窓口事務にかかっている経費というものが決算ベースで三千億ですから、お話しのように電算処理の業務もありますし、職員費なども含めた全体の経費でございます。 それで、この経費でございますが、基本的な導入経費は約四百億円ということで、システムの基本設計費、コンピューターの設置工事費、ネットワークシステムのテスト経費、また既存の住基データを移行するための経費、これがかなりのボリュームになるわけでございます。これがいわば導入経費ということです。また、年間のランニングコストは、コンピューターのリース料、維持費、それから電気通信回線使用料などでございまして、約二百億円を見込んでいるということでございます。 法律をお認めいただいた後には、関係者の協議によりまして具体的に検討をさらに詰めていくわけでございまして、最新のノウハウ、技術というものとコストというもので最大限の努力をしていかなけりゃならないと考えております。
○松岡滿壽男君 どのぐらいのコストがそれぞれ市町村にかかっているかということは、時期のずれもあったり、なかなか難しいんでしょうけれども、私が申し上げたような数字で大体よろしいというふうに考えていいんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) まことに申しわけないんですが、先生の数字の前提というんですか、試算のベースをちょっと承知いたしませんので、私どもの数字のベースは決算ベースで申し上げていますので違うかと思いますが、場合によっては後ほどまた先生からお聞きいたしまして、その辺の確認をさせていただきたいと思います。
○松岡滿壽男君 この前、内野参考人ですか、この住民基本台帳の問題について、莫大な費用を使って制度をつくる割にはメリットが非常に大きいとは言えない、こういうことを言っています。それは、一つには本籍地や続き柄などの欄がこれは空欄ですよね、四つだけですから。今度は住所と氏名と生年月日と性別だけです。普通それぞれの市町村では、このほかに続柄、それと住民となった日、本籍、筆頭者、それから国保、年金、児童、こういうものがずっとつながっているわけです。 そうするとこの四つだけだと、非常に私ども不思議に思いますのは、内野さんが指摘されておられるように、本籍地や続き柄などの欄が省略されて空白になっている種類の住民票にほかならない、このような種類の住民票で足りる場合は省略のない住民票が必要な場合と比べてどれほど多くあるのであろうか、こういう疑問を呈しておられますけれども、こういう問題についてどのようにお答えになりますか。
○国務大臣(野田毅君) 一元管理する情報というんですか、いわば四情報プラス住民票コード、これ以外に続き柄なり戸籍なりいろんな情報を付加してそれをいろんなところにやったらどうだと、その方がはるかに効果があるぞという御指摘は御指摘として理解はできるんですけれども、逆に、むしろそのことによって、例えば戸籍等について必要でない行政分野においてこれを基本的な本人の情報として余分な情報を出すことが果たしてプライバシーという側面からいっていいのかどうか。要は、全国的な本人確認事務というか、そこに主眼を置いた、それに最小限必要な情報ということで、この四つの基本的な情報、あとコード等多少それに付随する程度の情報ということに限定をしておるわけで、その方がはるかにプライバシーの保護ということからいえば望ましいということは申し上げるまでもないことだと思っております。 そういう点で、欲を言えばいろいろあれもこれもということはあるんですけれども、やっぱり先ほど来いろいろ言っておりますが、そういう利用範囲の拡大という問題とプライバシーの保護という問題をどういうふうに担保しながらやっていくかということが非常に大事なことでありまして、やはりそれぞれの行政分野における必要最小限の個人情報ということに絞るべきだろうというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 これだけの投資をされれば、当然次の段階でやはり投資に見合うメリットというものを追求していかなければ投資した額というものは生きてこないわけですよね。 内野さんが言っておられるのは、やはり基本四情報は原則的に秘密性の高いものとは言えない、だからこれはプライバシーの問題じゃないということをはっきり参考人は指摘しているわけです。そのとおりだと私も思うんです。こんなもの秘密でもなんでもないですよ。それに伴う被害はダイレクトメールが郵送されてくるなどの比較的軽いものになるということなんです。だから、こういう状況の中で住民票コードを使いたくない人がいても構わないのではないか、そしてこのような人が行政サービスを適切に受けられるようにすることが必要だと内野参考人は主張をしておられるわけです。 この点について、私の方の地元でも、特別な反対意識がない人も、住民票コード、十けたぐらいになるんですか、自分で覚えておかなきゃならぬのかいな、ややこしいな、こんな面倒なことせぬでもいいんじゃないかと言う人も結構いるんですよ。 だから、実際に運用の場でこういうものが可能なのかどうか、そういう人たちに対して。この法案の趣旨としての考え方そしてシステムにおいての可能性、コードは覚えないよというような人たちに対してはどういうふうに対処されるように考えておられるんでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 まず、住民票コードは十けたの番号、しかも全く意味を有しないランダムに決められる数字ということでございます。その数字から例えば住所地とか生年月日とかを読み取れない無意味な数字の組み合わせということでございますので、お話しのような御意見を持つ方もいらっしゃると思います。 このコードにつきましては、市町村から御本人に文書で通知するということでございますので、それによって住民の方は番号を承知するということ、それから希望した場合には住民票カードをお渡しいたしますので、その住民票カードの中には全国共通の本人四情報プラス住民票コードが内部に記録されるということでございますから、そのカードをお持ちの方は番号を覚えてなくても諸手続のときにカードにより対応可能、こういうことでございます。当面そういうことで、また同一市町村の中では住民票コードを使わなくても住民票の写しの交付は可能ということで現行どおり、それはカードを持つ人と持たない人がいらっしゃいますから、それは可能ということで考えております。 それで、そのもとであります住民票コードというものを、抵抗を覚える方に対してコードを付番しないということにつきましては、このシステムは全国的なベースで重複しないコードを住民票につけることによって本人確認をするシステムでございます。それをコンピューターネットワークシステムでやるということでございますので、番号のつく人とつかない人が混在するということになりますと、このシステムが非常に非効率、現実的には可能でないというシステムになると思いますので、そういう意味におきまして、今回の法律の中にこの住民票コードの規定を法律上明定して、国会で御審議いただいて法律上規定をする、こういうことといたしているところでございます。
○松岡滿壽男君 そうすると、そのコードについてはこれは三年後に、五年後のカードのときじゃなくて、コードのときにもう既にきちっとコード数については割り当てるわけでしょう。そうすると、本人が覚えたくない、僕は嫌だよと言っても、それは通らぬ話になるわけですか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このネットワークの基本的なシステムは三年後をめどに施行していくということでございまして、五年後までかかるのは、カードの関係と住民票の写しの広域交付の関係と転出転入の特例の手続の関係というものが五年、その後にちょっとずれるということで考えております。
○松岡滿壽男君 このシステムはやっぱりプライバシーの保護というのをきちっと前提として衆議院においても附帯決議とそれから修正がなされておるわけでありますから、それがセットであわされた場合にはやっぱりデータの一元的な収集管理、これは先ほども申し上げましたように私は必要だろうと思うんですよ。 ただ、今漠然とした不安は、実際に四項目だけで何も先はないよなんて言っているけれども、実際はやっぱり何かあるんじゃないのという部分があるわけで、この場での議論は非常に難しいのかもわかりませんけれども、そういう法整備とセキュリティーシステムの完備が優先するということが前提でありますけれども、一元化すべきデータはどういうものを想定しておられるのか伺いたいというふうに思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムを構築する場合において、個人情報保護との関連で四情報は確かに公開情報でございます。それにコードを今回法律により振るということでございます。したがいまして、この住民票コードというのがかなりの秘密性を持つ。しかも、コードと氏名との組み合わせ、コードと住所との組み合わせ、このことによりましてそういった組み合わせ自体もかなりの秘密性というんですか、プライバシー性を持ってくるということになってくるわけでございまして、そこのところで守秘義務の議論あるいは個人情報保護の議論ということと関連してくるわけでございます。 しかも、この本人確認情報を法律でお認めいただく国の機関等に提供する、国の機関等は持っているデータベースにおいてそのコード及び四情報を最新の情報として使う、こういうことでございますので、そこの面でこのコードというもの、コード及び氏名などとの組み合わせにおいて本人確認情報の保護ということが重要な課題となってきておりまして、この法案におきまして所要の措置を講じてきている、こういうことでございます。
○松岡滿壽男君 内野参考人が、現在の日本では刑法上はプライバシーの保護が不十分であり、例えば医者が患者の秘密を漏らすと犯罪になるが、民間の病院に勤務する事務職員などが患者の秘密を漏らしても犯罪にはならない、こういう指摘をしておるわけですが、今回罰則を厳しくしておられますね。これはもう当然私はグローバル化が進んできた段階で、諸外国との対比において、今まで性善説に立っておった刑罰というものをやっぱりかなり厳しく見直していかなきゃいかぬのじゃないかというふうに思っておるんです。他の罰則との関連でこれ以上厳しくできないという基準があってこういう罰則になったのか、初めて適用されたというお話でありますけれども、その辺の状況判断についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 このシステムを構築するに当たりましてプライバシー保護ということで今御指摘のように秘密遵守、秘密保持義務というものを強化いたしております。 対象と罰則の重さという両面からでございますが、今回の改正法案においては、市町村、都道府県の職員だけではなくて、公益法人であります指定情報処理機関、これも対象としております。また、本人確認情報を受け取る国の機関または法人の職員、さらにはこれらの機関から電子計算機の処理等の委託を受けた民間の職員等すべての職員を対象に秘密保持義務を設けているということでございます。例えば、先ほどお話に出ましたデータ暗号化のかぎだとかセキュリティー関係のプログラムとか、システムの設計書とかパスワード、こういうものが秘密保持義務の対象となるわけでございますが、そういうことで対象を広げて措置をしていると。 しかも、その秘密保持義務につきましては、通常の公務員の守秘義務違反よりも重い罰則をかけておりまして、通常の場合は一年以下の懲役または三万円以下の罰金ということでございますが、今回の改正法ではそれよりも重い二年以下の懲役または百万円以下の罰金ということで担保をいたしているところでございます。 罰則につきましては、やはり秘密の重さということとのバランス、それはすなわちほかの法体系、法律等におけるバランスということが重要なポイントになると思いますが、例えば税法上の守秘義務違反につきましては二年以下の懲役または三十万円以下の罰金ということでございますので、かなりこのプライバシー保護の観点を重視して重い罰則ということが措置をされている、このように考えております。
○松岡滿壽男君 今までは、我が国の場合はどちらかというと島国でありましたし、いわゆる農耕型民族といいましょうか、閉鎖的な地域の中で性善説といいましょうか、そういう部分に立った刑罰であったと思うんですけれども、グローバル化が進む中で、ある面で性悪説に立った刑罰というものに考え直さぬといかぬところにやはり来ておるというふうに思うんです。そういう点で、今回刑罰をかなり厳しく対処されたということはこれからの一つの方向を示しておるというふうに思うんです。 今回の問題でいろんな議論が国民各層に出てきているということは、一つには、やっぱりかつてはお上を信頼しておった、しかし今やお上もすべて信頼すべきものではなくなってきているという風潮の中に私はあると思うんですね。だから、やはり悪いことをした者に対しては、ルールを守らなかった者に対してはきちっと刑罰を科するんだという毅然たる姿勢と同時に、前提として、我々国民の秘密が全部侵されてしまうんじゃないか、やっぱり立ちおくれているわけですからこういう個人情報保護法等の法整備をきちっとやる、そして国民の政府や政党や政治に対する信頼をあらゆる面においてきちっと取り戻す努力をやはりしていかなきゃいかぬ、そういうことが私は大切だというふうに思うんです。 そういう点につきまして、今回の法案につきましての大臣の決意を伺って、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(野田毅君) 御指摘のとおり、これからの、特に二十一世紀に向けての高度情報化ネットワーク社会において、特に地方公共団体の行政の面においても、そういった言うならインフラとも言うべき基盤整備が必要になってきておるわけでありまして、その中で今回御提案申し上げております住民基本台帳ネットワークシステムの早期構築ということを私どもこうして御審議を願っておるわけでございます。 これはこれで本当に着実に前進させていかなければならない重要な課題でございますが、同時に、先ほど来いろいろ御疑念がございましたが、個人情報の保護ということに対して、このシステムと直接関係しないところにおいてでも、今御指摘ありましたような個人情報の保護ということが民間部門におけるいろんな発展の過程において大きな課題にもなってきておるわけですから、この機会にあわせてそういった分野のことについての検討も積み重ねて、できるだけ早期に両々万全の体制で進むことができるように鋭意検討せよ、こういうことでもございましたので、その思いを込めて誠心誠意努力をさせていただきたいと考えております。 よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(小山峰男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(小山峰男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 住民基本台帳法の一部を改正する法律案の審査のため、来る八月三日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認めます。 なお、その数及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十二分散会