財政・金融委員会 第7号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1999/03/19
会議録
○委員長(勝木健司君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、加納時男君及び佐々木知子君が委員を辞任され、その補欠として石川弘君及び日出英輔君が選任されました。 また、昨日、石川弘君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君が選任されました。 また、本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として大島慶久君が選任されました。 ─────────────
○委員長(勝木健司君) 経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律案、租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案並びに有価証券取引税法及び取引所税法を廃止する法律案の三案を一括して議題といたします。 三案は去る十六日に質疑を終局いたしておりますので、これより三案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○峰崎直樹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の所得税等負担軽減措置法案に反対するとともに、同案に対する民主党・新緑風会提出の対案に賛成し、政府提出の租税特別措置法等改正案、有価証券取引税法等廃止法案に賛成する立場から討論を行います。 以下、各案に対する賛否の理由及び意見を順次申し上げます。 政府提出の所得税・法人税負担軽減措置法案につきましては、審議の過程でも明らかになったとおり、所得税の最高税率のみの引き下げと定率減税、課税最低限の引き上げ等の愚策を継ぎはぎしたものにすぎず、将来を展望した抜本的税制改革につながる内容とは到底言えないだけでなく、減税の恩恵が高額所得者層のみにもたらされ、大半のサラリーマン世帯では昨年の特別減税後と比較して負担増となることから、景気対策としての効果もほとんどないと考えます。法人税率の引き下げについては、民主党が昨年一月の民友連当時に提案した内容を一年もおくれてようやく丸写ししたものにすぎません。 これに対して、民主党・新緑風会としては、今後の抜本的税制改革の方向をできるだけ前倒しで実施するという観点から、所得税の五段階の税率を一律に二割引き下げるとともに、サラリーマンのみが割を食っている現在の所得課税のあり方を改めるため、分離低率課税となっている利子、配当、株式譲渡益等の総合課税化と納税者番号制度導入のための法制の整備を三年以内に整備することを盛り込んだ所得税法改正案、また中低所得者層の負担軽減を図る観点から児童手当の抜本的拡充と所得税の扶養控除の見直しをあわせて盛り込んだ児童手当法及び所得税法改正案の二法案を提出し、堂々と論戦を繰り広げてまいりました。民主党・新緑風会としては、この二法案への御賛同を各派の皆様に重ねて強くお願い申し上げます。 租税特別措置法等改正案は、住宅減税、投資促進税制、金融関連税制部分についてはおおむね民主党の主張してきた内容に沿うものであること、阪神・淡路大震災関係の特例措置については被災地の復興や生活再建に資する内容であると判断し、賛成することといたしました。しかしながら、例年どおり、既存の租税特別措置の整理合理化についてはまことに不十分であることを申し添えておかなければならないと考えます。 有価証券取引税法等の廃止法案についても、民主党・新緑風会がかねてから主張してきた当然の内容であると判断し、賛成することといたしました。しかしながら、かつて有価証券取引税が導入された経緯に照らすと、今回民主党・新緑風会が提案したとおり、キャピタルゲインの総合課税化の方向性を明確にすべきであることを申し添えておきます。 以上が民主党・新緑風会としての各案に対する賛否の理由及び意見であります。 各会派の皆さんの御理解と御賛同を強く求め、私の討論といたします。
○金田勝年君 私は、自由民主党並びに自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました三法律案について賛成の立場から討論を行うものであります。 まず、恒久的減税法案について申し上げます。 本法案では、内需の拡大や我が国企業の国際競争力の強化を図るため、従来なし得なかった思い切った内容の所得税及び法人税の恒久的な減税を実施することといたしております。 具体的には、所得税の最高税率を三七%へと大幅に引き下げるとともに、中堅所得層の税負担に最大限配慮して、二〇%の定率減税や子育て及び教育に係る扶養控除の拡充を行うことといたしております。また、法人税の基本税率を戦後最低の三〇%に引き下げるとともに、中小企業の軽減税率等についても相応の引き下げを図ることとしております。 これらの措置は、将来の抜本的な税制改革を展望しつつ、現下の景気の状況に最大限配慮したものであり、これまでの数次にわたる適切な景気対策の実行と相まって我が国経済を確実な回復軌道に乗せるものと確信し、賛成するものであります。 なお、所得税減税については、高額所得者優遇であるとか、年収八百万円以下の世帯で負担増になるとかの一部批判もありますが、今回の減税はその年だけの一回限りの減税ではなくて十一年以降も効果が継続する恒久的な減税であること、また十年度特別減税による四百九十一万円という高い課税最低限を維持することが将来の所得税制に大きなゆがみを残すことなどを考慮いたしまして今回の減税を決断したのであり、そのような批判は当たらないものと考えます。 次に、租税特別措置法改正案は、国民の持ち家志向にこたえるべく大胆な住宅ローン減税の実施や、民間設備投資を促進するための情報通信機器の即時償却制度の創設のほか、阪神・淡路大震災の被災者の住宅再建に対しても課税の特例を創設するものでありますが、これらの措置は、現下の厳しい財政状況のもとで、変転する社会経済情勢に適切に対応するものであり、賛成するものであります。 最後に、有取税・取引所税法廃止法案は、有価証券取引税、取引所税を前倒しで廃止するものでありますが、これは近年の金融の自由化、グローバル化に対応するとともに、低迷する株式市場の活性化にも大きく寄与するものであり、高く評価いたします。 以上、三法案に対する賛成の理由を申し述べましたが、今回の減税は、景気対策に最大限配慮して、国、地方を合わせ平年度ベース総額九兆円を超えるというかつてない規模の減税を実施するものであり、まさに小渕総理の力強い政治的リーダーシップなくしてなし得ない改革であることを強調して、私の賛成討論を終わります。
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律案など三法案に反対する立場から討論を行います。 最悪の不況が続く中、今政府がとるべき対策は、財政のむだと浪費を徹底的に切り詰め、消費税減税を初め、国民の消費拡大、赤字企業が七割にも達する中小企業の活性化などに思い切って力を集中することです。ところが、政府提出の国税関連三法案はこれにも背を向けたものと言わなければなりません。 以下、反対の理由を述べます。 まず、所得税減税についてであります。 今回の法案によって、サラリーマン世帯の七、八割を占める年収七百九十四万円以下の世帯が総額一兆円にも上る負担増になる一方で、高額所得者は一兆三千億円の減税となります。消費性向の高い大多数の中低所得者の負担をふやし、それを消費性向の低いわずかな高額所得者に回すことは、景気回復に役立たないどころか、消費拡大に逆行するものであります。さらに、最高税率引き下げは所得税の所得再分配機能を損なうことになります。 次に、法人税及び租税特別措置法等の一部改正案についてであります。 今回の減税の恩恵は、約五五%が資本金十億円以上の大企業にもたらされます。逆に、我が国経済を担う圧倒的多数の中小企業には軽減税率分を合わせてもわずか五千九百九十億円の減税しかされません。しかも、七割を占める赤字法人には一円の恩恵もありません。 この間、政府は、税率を引き下げても課税ベースは拡大する税収中立を建前としてきました。しかし、今度の改正案では、是正が必要な大企業優遇税制を温存したまま課税ベースの拡大を何ら行っていません。その結果、法人税の税率引き下げが一握りの巨大企業の内部留保を膨らませるだけで、景気対策にもならない上、巨額の税収基盤を失うことになるのであります。 また、有価証券取引税法等廃止法案については、株式譲渡益課税の適正化を放置したまま取引課税を廃止するものであり、株取引等を行う資産家や大企業に対する優遇となるものであります。 政府提出三法案には、中小企業法人の軽減税率の引き下げや住宅ローン減税の拡充、阪神・淡路大震災に係る特例措置の延長など、賛成できる内容も含まれております。しかし、全体として、法案は、以上のように、景気回復に役立たないどころか、税収の空洞化を進め危機的状況の財政を一層深刻化させるとともに、将来の消費税増税の危険性を高めるものであり、反対であることを申し述べ、私の討論を終わります。
○委員長(勝木健司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより順次三案の採決に入ります。 まず、経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(勝木健司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(勝木健司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、有価証券取引税法及び取引所税法を廃止する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(勝木健司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、広中君から発言を求められておりますので、これを許します。広中和歌子君。
○広中和歌子君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案及び有価証券取引税法及び取引所税法を廃止する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案及び有価証券取引税法及び取引所税法を廃止する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 中長期的な財政構造健全化の必要性にかんがみ、今後の経済動向にも留意しつつ、一層の歳出の重点化・選別化に努めるとともに、税制に対する国民の理解と信頼を確保する観点から、個人及び法人の所得課税の在り方についての抜本的見直し等を含め、社会経済構造の変化に対応した税制の確立に努めること。 一 利子・株式等譲渡益に対する課税の在り方については、総合課税化の問題を十分勘案しつつ、課税の公平・適正の観点から引き続き検討すること。また、納税者番号制度の導入については、プライバシーの保護等にも十分配慮しつつ、更に掘り下げた検討を行うこと。 一 租税特別措置については、その政策課題の緊急性、効果の有無、手段としての妥当性、利用の実態等を十分吟味し、今後とも徹底した整理合理化を推進すること。 一 国及び地方の財政が極めて厳しい状況になっていることに配意し、国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、国と地方の税源配分の在り方について引き続き中長期的に検討すること。 一 急速に進展する高度情報化社会に伴う経済取引の広域化・複雑化及び電子商取引の拡大等に見られる納税環境の変化、更には滞納整理事務等を始めとする事務量の増大にかんがみ、今後とも国税職員の処遇の改善、定員の確保を行うとともに、事務に関する機構・職場環境の充実及び一層の機械化促進に特段の努力を払うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
○委員長(勝木健司君) ただいま広中君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(勝木健司君) 多数と認めます。よって、広中君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、宮澤大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮澤大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(勝木健司君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(勝木健司君) 関税定率法等の一部を改正する法律案、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律及び多数国間投資保証機関への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案並びに電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律及び多数国間投資保証機関への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案並びに電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応する等の見地から、関税率、減免・還付制度等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、関税率等の改正であります。 ニオブ・チタン合金等の関税撤廃を行うとともに、絹紡糸等の関税率の引き下げ等を行うこととしております。 第二は、暫定関税率の適用期限の延長であります。 平成十一年三月三十一日に適用期限の到来する百五十四品目の暫定関税率について、その適用期限を延長することとしております。 第三は、減免・還付制度の適用期限の延長等であります。 平成十一年三月三十一日に適用期限の到来する減免・還付制度について、その適用期限の延長等を行うこととしております。 第四は、延滞税の軽減等であります。 延滞税及び還付加算金の割合等について、過去に例を見ない低金利の現状を勘案し、当分の間、特例を設けることとしております。 第五は、官公署等への協力要請であります。 税関職員が他の官公署等に対し資料の提供等の協力要請を行う根拠規定を設けることとしております。 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律及び多数国間投資保証機関への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 国際開発協会、いわゆる第二世銀は貧困開発途上国に対して長期かつ無利子で融資を行う世界銀行グループの機関でありますが、今般、本年七月以降三年間の融資財源を確保するため、第十二次の増資を行うことを各国間で合意いたしました。 また、開発途上国向け民間海外直接投資に関する非商業的危険に対し保証を行う、同じく世界銀行グループの機関である多数国間投資保証機関につきましても、増大する業務に対応するため、初めての増資を行うことを各国間で合意いたしました。 政府といたしましては、両機関の役割の重要性にかんがみ、その活動を積極的に支援するため、これらの合意に従い、追加出資を行いたいと考えております。 本法律案の内容は、政府が国際開発協会に対して二千九百五十億五千二百八十六万円の範囲内において追加出資を、多数国間投資保証機関に対して四千二百二万四千八百八十合衆国ドルの範囲内において追加出資を行い得るよう所要の措置を講ずるものであります。 次に、電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、海上運送貨物に係る税関手続のより一層の迅速かつ的確な処理を図るため、関税及び内国消費税に係る手続に加え、とん税及び特別とん税に係る手続についても電子情報処理組織を使用して処理することができるようにする等所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以上が関税定率法等の一部を改正する法律案、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律及び多数国間投資保証機関への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案並びに電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(勝木健司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前九時五十四分散会