国民福祉委員会 第2号
- 発言数
- 169 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1999/03/09
会議録
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 社会保障等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水島裕君 おはようございます。先日の大臣の所信表明にもあったことが中心でございますが、三つか四つの点について質疑をしたいと思います。 まず最初はダイオキシン、環境ホルモンでございます。 ただいま法制化の動きもございますけれども、やはり事実確認が一番大切だと思います。大阪府で保存していた母乳を二十年間ずっと調べてみますと、ダイオキシンなどがずっと減っているというデータがございまして、大変安心するわけでございます。もしもそういうことが本当で、ほかにもそういうデータがあって、しかもこのダイオキシンを例にとりますと半減期が七・五年ということでございますから、今直ちになくなってもずっと体の中にはあるわけでございますから、もしそうだとしますと、発生源を着実に減らしていけばそう社会的な混乱を招くようなことまでしていろいろ規制することがないということになります。 まず事実確認として、その大阪府のデータは合っているんでしょうけれども、ほかにもそういうことがあるか。もしなければ、食品とかいろんなものを保存しているわけだと思いますので、そういうものを至急調べて、やはり事実関係をはっきりしてから対策をとる。もちろん並行でも構いませんけれども、それが大切じゃないかと思います。特に、今は魚が非常に問題になっておりますので、魚も含めた食品で、最近何年かその中に含まれているダイオキシンがどうなっているかということがわかっていなければ至急検討するということが必要だと思いますけれども、その点はまずいかがでございましょうか。
○政府委員(横田吉男君) 母乳中のダイオキシン類の経年変化につきましては、大阪府におきまして凍結保存されておりました昭和四十八年から平成八年にわたる母乳を活用いたしまして、平成九年度の厚生科学研究で濃度分布の調査を行っております。 これによりますと、毎年十九人から三十九人分の母乳を等量ずつ混合して、各年一検体として測定を行ったものでございますが、その結果といたしまして、母乳中のダイオキシン類の濃度は、脂肪一グラム当たり昭和四十八年が二五・六ピコグラム、四十九年が三二・一ピコグラムということでございましたけれども、六十年には一九・六、八年には一六・三ピコグラムということで半減いたしております。
○政府委員(小野昭雄君) 食品に関する御質問でございますが、厚生省におきましては、平成八年度から毎年度、通常の食事から取り込みますダイオキシン類の量を把握いたしますために、いわゆるトータルダイエット方式によります調査によりまして一日摂取量の調査を実施しているところでございまして、平成九年度におきましては全国七地区十カ所において調査を実施したところでございます。 平成十年度におきましてもこれを継続して実施いたしますとともに、今御指摘の過去の状況でございますが、過去の食事摂取によります摂取量の推計をいたしますために、一九七七年より保存されておりますトータルダイエットの試料がございますので、これを用いまして五年ごとの摂取量について調査を行っているところでございます。結果がわかり次第速やかに公表いたしたいと考えております。
○水島裕君 私は学者でございますのでちょっとしつこいことまでお聞きします。 過去のものを調べるときに今のダイオキシンは前処理をしてから測定するわけですけれども、今の前処理法だと量がたくさん要るので、一回調べるとなくなっちゃうので、もししくじったらうまくいかないということもあると聞いております。私どもの関連している施設でもこのダイオキシンに関してすごく結合力の高い、アフィニティーの高い抗体もつくっているわけですね。こういうものを前処理に使いますとすごく効率がよくなる、少量で済むわけでございますので、ひとつ厚生省の中の研究グループだけじゃなくて、いろんな英知を集めて、少量で過去のものをきれいに測定して出すということになると非常にいいと思います。 それからもう一つ、そういう点から申し上げますと、TDIを決めるために最も感度のいい、感度のいいというのは毒性が出やすいモデルで検討するのがいいのじゃないかと思いまして、しかも人に近いということを考えますと、妊娠している猿にダイオキシンを投与して、その胎児の生殖細胞の様子を見るというのが一番だと思いますけれども、どうもお聞きした範囲ではそういうこともまだやられていないということでございますので、ひとつその辺抜かりのないようにぜひ検討していただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(小野昭雄君) 二点の御指摘でございますが、まず最初のいわゆる少量の検体で簡易に行う方法についてでございます。確かに御指摘のように、現在のダイオキシン測定は非常に費用も高うございますし、長時間を要します。そういった意味で簡易な測定法の開発は非常に重要だという認識はいたしております。 厚生科学研究費によりまして平成十年度から簡易測定の研究を行っているところでございますが、具体的な簡易測定法といたしましては、先生御指摘の抗体を用いた方法のほかに、ダイオキシンの前駆体を測定いたしまして間接的に濃度を推定する方法でございますとか、汎用機器で代替測定をする方法などが指摘をされているわけでございまして、それぞれの測定法の特徴を生かしました対象の選定あるいはスクリーニングへの応用等につきまして研究開発を行っておりまして、専門の先生方の御意見も踏まえながら対応してまいりたいと考えております。 それから、二点目の妊娠した猿を用いた実験についての御指摘でございますが、健康影響評価に関します猿を用いました研究につきましては、昨年五月のWHOの専門家会合におきまして、新しいTDIを設定する際に猿を用いた二つの研究の結果が採用されたということは承知をいたしているところでございます。しかしながら、今御指摘の妊娠した猿の胎児の生殖細胞に関します調査研究につきましては、現在までのところその調査結果を把握しているところではございません。 ダイオキシンの健康影響評価につきましてはいろんな方法が提案もされておりますので、御指摘の点も含めましてよく専門の先生方と御相談をしながら調査研究を進めてまいりたいと考えております。
○水島裕君 ちょっとそんなことで、ほかの委員の方には恐縮ですけれども、私の申しているのは両方とも少し違うのでありまして、前段階は抗体をもって測定するというのではなくて、前処理するときに抗体を使って、学問的にはアフィニティークロマトと申しますけれども、それでやれということでございますから、答弁大丈夫ですね。そのとおりですね。でしたらもういいです。 それから、次の猿の研究が二つあるというのは私も承知しておりますけれども、生体内の動態を調べるとかそういうことじゃなくて、本当に今問題になっているのは毒性でございますので、猿を使った毒性の研究を選ぶように、なければそういうことをどこかに依頼するようにしていただきたい。私は、厚生省で研究を選ぶとかしてもらう、その辺の基準が、やり方がどうももう一つ国民のためになっていないのじゃないかと思いますので、御答弁がありましたら簡単にお願いします。
○政府委員(小野昭雄君) 二点についての御指摘がございました。いずれもかなり専門的な事項でございますので、私どもの設置しております研究班の先生方に今の先生の御指摘を含めまして十分検討してまいりたいと思います。
○水島裕君 こちらの言っていることがわからないような専門家でしたら、ぜひ取りかえていただきたいと思います。 余りこんなことばかり言っていると嫌われますので、少し政策的なことをお尋ねいたします。 やはりダイオキシンを出さないためには焼却炉の工夫が第一で、大型で完備されたものにすればいいわけでございまして、直観的には二百トン以上の、数百トン以上のものを一度で処理できる施設をあと日本で例えば百とか二百つくればダイオキシンがたくさん出なくて済むようになるのじゃないかと思います。 お伺いしましたところ、今、政府の方でも各地方自治体になるたけそういうふうにするようにということで依頼を出しているそうでございますので、私はそれがうまくいくことを非常に期待しております。それだけに、こういうところに思い切った助成をすることで国民の不安も解消できますし、また景気対策にもなるので、これはぜひ進めていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 廃棄物を高温で効率的、安定的に完全燃焼することがダイオキシンの排出削減に非常に寄与するということと、それから大型の処理施設でございますと、ごみ発電など焼却によりまして発生する熱エネルギー利用の効率化が図られる等の観点から、一般廃棄物焼却施設につきましては、二十四時間連続して運転することが可能な大規模な施設に集約していくことが御指摘のとおり望ましいと考えております。 このために、都道府県に対しまして、市町村とも調整を図りつつ、一般廃棄物焼却施設の集約化を進めるための計画を策定するように指示をしております。これとあわせまして、平成十年度から今御指摘のような処理能力が一日百トン以上のものを国庫補助の対象として重点的に施設整備を行っておりますが、特に平成十一年度予算におきましては、十二年度までの緊急特別の措置として焼却炉等の設置、改造に加えまして、これらと一体的に行う建物部分の設置、改造に要する費用も国庫補助の対象といたしたところでございます。 一方、全国的に見ますと、こうした大型の一般廃棄物焼却施設に集約することが困難な地域もありますので、中型、小型の焼却施設で処理を行うことも必要でございますので、一日当たり百トン未満の一般廃棄物焼却施設の整備につきましては、地方財政措置によって対応するということでございます。 厚生省といたしましては、今後とも安心して暮らせるように、ダイオキシンの排出基準に適合した一般廃棄物焼却施設の整備促進を図って、御指摘の点の解消を図ってまいりたいと思っております。
○水島裕君 以前この委員会でも申しましたようにドイツがよい例で、非常にこういうことに関してはうまくいっておるそうです。ぜひお願いいたしたいと思います。 それでは次に臨床研究、大部分が治験と言われていることですけれども、それに移りたいと思います。 日本の景気回復がおくれている、どうしたらいいかというのは、私は一つは本当に日本国民の自信が持てるような大きなイベント、発見とかそういうものがあると非常にいいと思います。私は、それが科学技術の分野から出るんじゃないかと思いますし、ぜひ出てほしい。今までの日本もそれで救われてきたわけでございます。科学技術の研究の中の約三分の一がバイオなんでございますね。それの出口というのが臨床研究、つまり治験がきちっとしていない限りはせっかくそういういいものが出ても実用化されない、意味がないということになるわけでございます。この委員会でも随分この方面はいろいろ質問しまして、非常にいい方向に向いているわけでございます。 例えば、ルールとかハードなんかは、今度の国立病院のがんセンターに見られますように随分よくなってきた。ところが、臨床研究の非常に大事な部分はソフト、つまり臨床研究を行う人、それがうまくいっていない。クリニカル・リサーチ・コーディネーター、CRCその他いろいろありますけれども、例えば私の関連する病院でもモデル事業としてやっていてもまだCRCがいないのでうまくいかないということがございます。 アメリカではどうなっているかと申しますと、この間もNIHの臨床チーフが私のところへ参りまして、そのとき厚生省の方もお招きしたので厚生省の方も十分おわかりになっていらっしゃると思いますけれども、主としてそういう治験の運営、人件費にNIHがお金を出している。年間二百億で、そんな大金ではございませんけれども、それでアメリカの臨床研究はうまくいっているわけであります。 日本は、厚生省の方も治験が円滑に進むように非常に今一生懸命やられているんですけれども、肝心なCRCをサポートする費用が出ていないんです。私は、三年後ぐらいからはこれは自給自足できると思うんですけれども、今はちょうど走り出すところでございますので、その三年間だけでもやはりそういうものの面倒を見るということが大切で、先ほど申しましたように、全体の研究費でどれとどれが必要かということを、厚生省も物わかりはいいはずですからよく考えていただいて対策を練っていただきたい。まず、それをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 先生がおただしの臨床研究、また臨床試験とか治験とか申していますが、そのことの重要性については先生がおっしゃられるとおりだと、そのように思っております。ハードの面では国の方も今一生懸命力を入れてまいりまして、整備が進んでおります。ただ、ソフトの面のところでは、今、先生が御指摘の点もあると私どもも思っておるところでございます。 まず最初に治験コーディネーター、CRCと言われたものですけれども、この人たちが今不足をしているということの対策がまず大事かと、このように思いますが、このCRCの定着普及を進めるために、治験実施医療機関に勤務している薬剤師、看護婦等を対象として、CRC養成のための研修事業を平成十一年度予算において計上したところでございます。 少し具体的に申しますと、この研修事業は実施主体を財団法人日本薬剤師研修センターを実施予定と今考えているところでございまして、薬剤師または看護婦さん四十人、研修期間八週間、予算額二千二百万ということで用意をしているところでございます。それから、施設整備についてはもうこれは既に実施をいたしているところでございます。 そして最後に、問題はCRCの人件費等の話になるわけでございますが、治験実施医療機関における治験に関する費用負担は、受益者たる治験依頼者が負担すべきものであるというふうに考えております。ただ、先生についてはそれでは御不満ということがあろうかとは存じますが、いずれにせよ、御質問のCRC雇用のためのモデル事業を含めCRCの普及、定着の方策など適正な治験の円滑な実施に必要な施策につきましては、現在、治験を円滑に推進するための検討会において検討がなされているところでございます。この検討会は局長の私的懇談会という形でスタートをさせておるところでございますが、その検討の推移を見守ってまいりたい、このように思っておるところであります。
○水島裕君 これは宮下厚生大臣にもぜひ聞いていただきたいんですけれども、厚生省というのは大変おもしろい省でありまして、議員になる前も、なってからもそうですけれども、こうすべきだということを申し上げると、最初はどういうわけだか、だめだと言うんです、必ず。今の答弁も大体それに近い答弁。でも、二、三回言っていますと、本当に国に必要なことはやるということになって、この半年とか一年ぐらい前と今とを比べてみても、今の治験一つに関しましてもがらっと変わっているわけです。 ですから、きょうはそういうお答えで、いつものとおりですのでしようがないわけでございますけれども、あと一回か二回目にはそういうことがうまくいくようにぜひひとつ省内でもよく考えていただきたいと思います。 お金の方でいきますと、科学技術基本法では年間に大体四兆円を研究費に使うわけです。そのうちバイオが約三分の一以上で一・三兆から一・五兆円使う。そのうちの少なくとも半分ぐらいは臨床応用しなければ意味がない。そのために研究している。ただ遊んで研究しているんだったらもったいない。人類の幸福のためにそれを研究しているわけですから、それはその臨床でいいかどうかということで初めて決まるわけでございますね。 そうすると、今のそういうのが仮に半分あったとしても、七千億か八千億はそのためにみんな研究をやっているんです。ところが、最後の臨床研究のところで、人に対してはお金は出せませんから、そういう決まりになっておりますからと。文部省もきょう来ているところと別な省がそういうことを担当しておりますけれども、文部省もハイテクリサーチとか学術フロンティアとかすごく格好いいことをやって、そういうことをやれと言っているんですけれども、最後の人のところだけは、文部省のお金は人には使っちゃいけませんということになっているわけです。これでは、もう適当なところで、国の決まりがあるから研究は最後まで行かなくてもいいと言っているようなものでございます。 大臣、ぜひ一度、局長の辺も結構わかっているんですよ、今も答弁は下の方から来ている紙を読んでいらっしゃるようでありますので、その辺ひとつ省を挙げて一度検討していただきたいということで、きょうのところはいつものことでございますから、これでやめにいたします。 それから次は、教育についてお尋ねをしたいと思います。 二十一世紀の医療がどうなるかと申しますと、これは患者、国民への情報伝達、患者に納得してもらって同意を得て、あるいは患者に決定してもらって医療を行う。それから場合によってはセルフケア、自分でできるところは自分で診断して治すという時代なわけでございます。 何が一番必要かというと、患者、国民の医学、医療の知識をアップしなくちゃいけない。これは文部省について言おうと思っているんですけれども、申し上げたいことは、初等中等教育、小中高校で余りつまらない学問、つまらない学問と言うと語弊がございますけれども、私も個人的には数学とか物理は好きでございますけれども、私みたいな学者になってもほとんど何にも役に立っていない。会計の足し算ぐらい、それはちょっと大げさですけれども、できればいいぐらいで。ですから、そういう時間を減らしてでも医学、医療の教育を。 今、保健体育をちょっと見ますと、大した時間を使っていないわけですね。生物でも恐らくゾウリムシとかそんなことばかり教えているのじゃないかと思いますので、ぜひ文部省はそういうところを考えていただかないと、せっかく二十一世紀の医療をこうしようと思っても基礎ができていないと困るのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(早田憲治君) 御説明申し上げます。 学校におきます健康教育でございますが、生涯を通じて健康を保持増進することができるように生涯にわたってみずから健康を適切に管理し改善していく、そういう資質や能力の基礎を培うということを重視して実施しているところでございます。具体的には、先生おっしゃられましたように、小中高等学校において、教科の体育あるいは保健体育、さらには特別活動の時間などにおきまして児童生徒の発達段階に応じて指導を行っているところでございます。 しかしながら、近年の生活行動あるいは疾病構造等の変化にかかわりまして、生活習慣の乱れ、生活習慣病、薬物乱用などの問題が深刻化いたしているところでございます。 こういうことから、健康の大切さを認識し、健康なライフスタイルをみずから確立するという観点に立ちまして、このたび学習指導要領を改訂いたしました。全体としては内容の厳選を図ったところでございますけれども、小学校の特に中学年、三年生、四年生につきまして、従来実施しておりませんでしたけれども、新たに保健につきまして時間をとって指導するというふうにいたしました。例えばそういうようなことなど、健康の保持増進に係る内容について大幅な充実を図ることといたしておるところでございます。
○水島裕君 恐らくそういう方向を検討なさっていらっしゃるんだと思いますけれども、ぜひ厚生省の方とも相談して充実していただきたいと思います。 それからもう一つは、今度は少し逆になりますけれども、これは一部の人でいいと思います、何も研究ばかりじゃなくて国際政治でも何でもそうですけれども、将来そういうことをやる人にとっては英語の実力が欧米人あるいは幾つかのアジア人とほとんど同じぐらいできないと、実力はあっても太刀打ちできないんです。ですから、外人と会ったりなんかしないで大工さんか何かしているとか、そんな人に何も英語を教える必要はないと思いますけれども、将来本当に何かで身を立てて諸外国と渡り合っていくというためにはよほど英語ができないと。 私も、実は生意気にも、外国に行かなくても研究とかいろいろなことはできるからといって留学は一度も経験していないんです。何が一番損をしたかというと、やはり英語力が一番そのために損をしたかなと思っているわけでございます。 そういう英語教育について、やるところはきちっとやらないといけないと思いますが、その点いかがでございましょうか。
○説明員(銭谷眞美君) 御指摘のように、国際化社会が進んでまいっておりますので、子供たちが外国語による実践的なコミュニケーション能力を高めていくということは極めて重要な教育課題だと私どもも認識をいたしております。 まず小学校について申し上げますと、昨年の十二月に新しい学習指導要領を改訂、告示したわけでございます。この新しい学習指導要領におきまして新設をいたしました総合的な学習の時間、これは週三時間ほどございますけれども、この中で、地域や学校の実態に応じまして、国際理解教育の一環として子供たちが簡単な外国語会話を実施したり、外国の生活や文化などになれ親しんだりするなどの小学校段階にふさわしい体験的な学習活動が行われるようにしたところでございます。 また、中学校につきましては、実践的なコミュニケーション能力の育成ということを特に重視いたしまして、外国語は今までは形式的には選択教科でございましたけれどもこれを必修教科に位置づけまして、加えて、例えばあいさつ、質問をするといったような日常的な言語の使用場面に即した指導が重点的に行われるようにしたということでございます。
○水島裕君 答弁は別としまして、この二つの点についてよく考えておいていただきたいと思います。 ただ、今の答弁でも、英語は選択をやめて必修にするとか、それは私の言っていることとどちらかというと逆でございますので、文部省の方でもいろいろとよく検討していただきたいと思います。 最後の時間の範囲の中で、将来の医療制度の中で包括払いあるいは定額払いということが当然問題になってくるし、ある程度はそれでやむを得ないと思いますけれども、そのときに重要なことが私は三つあると思うんです。 私は大病院、大学病院の立場で物を申しますと、大学病院、大病院の任務というのは、診療だけじゃなくて研究と教育が非常に大きいわけでございます。今はそういうために、きちっとレントゲンは撮るものは撮る、検査をするものはとって教えるとか研究する、あるいは厚生省の研究班にもそのデータを提出するということでやっているわけでございます。包括払いになるとそういうことがしにくくなってきてしまうので、きょうすぐじゃなくてもいいけれども、そういうことも考えていろいろ対策を立てていただきたい。これは何も厚生省ばかりじゃなくて、文部省その他にも関係することだと思います。 それからもう一つは、医師の方でもこういう検査はぜひお金を出してでもやりたいんだと。出さなくても普通の診療は絶対できるわけなんです。だけれども、そのほかにやはりこういうものはやりたいんだというときに、もうお金を払ってくれても何でもそういうことはできません、今の混合診療は絶対にだめだというのもどこかでは考え直していくべきじゃないか。この二、三点でございますけれども、時間の範囲で御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 今後、診療報酬の支払いにつきまして定額払いあるいは包括払いが推進をされるということの中で、研究、教育といった側面あるいは検査等についての側面で支障が生ずるようなことがないようにしなければならないという御趣旨のお尋ねでございました。 かかりまして、今後の包括払い、定額払いを含めまして、今後の診療報酬体系のあり方を考える際にどう考えていくかということにかかわってくると思いますし、現在そのことにつきまして抜本改正を診療報酬についてもやるということで検討いたしておりますので、先生の御指摘のような点も踏まえて今後検討していかなければならないと思います。 個別のところで申し上げますと、研究、教育につきましては、診療報酬という中で研究とか教育というものをどの程度考えていくのか。やはりそこはすべてを診療報酬でというのは端的に申し上げて無理だろうと思います。したがって、そういった教育的な要素あるいは研究的な要素をいわば費用面でどういうふうに別途の財源を考えていくかということも含めてここは考えていかなければならないと思います。 それから、混合診療との関係につきましては、先生のような御指摘、私どももわかるわけでありますけれども、一方において患者負担の問題が出てまいりますので、現在、御案内のとおり、我が国の医療保険制度におきましては、検査を含めまして必要とされる医療サービスについては公的医療保険によって対応していくということを基本にしております。 したがって、一連の診療におきまして保険診療と自由診療を併用するということについては制限的な考え方をとっておりまして、高度先進医療でございますとかあるいは選定療養と言われるような分野で、医療サービスの基本的な部分を医療保険で、その他の部分については患者の同意のもとで自由診療でという、こういう組み合わせを例外的には認めておりますけれども、こういった趣旨につきましては、今後包括払いが進みましても基本的な必要な診療、こういったものについては公的医療保険で対応していくということがやはり基本になっていかなければならないと思います。その上で、先生おっしゃったような患者の選択というようなことをどのように入れていくかという観点から、最初に戻りますけれども、診療報酬全体の中で検討していかなければならないものであろうというふうに考えております。
○水島裕君 ありがとうございました。終わります。
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。 きょうは、先般の厚生大臣の所信の中から、特に医療制度、年金等を中心に御所見をお伺いしたいと思います。 最初に医療制度ですが、大臣は先般の所信の中で、医療制度の抜本改革について「現在、診療報酬体系、薬価制度、高齢者医療制度及び医療提供体制の見直しについて検討を進めているところであり、平成十二年度からの改革の実施のため、今国会への所要の法案の提出に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。」と、このように述べていらっしゃるわけです。 大臣おっしゃっておられるように、今申し述べました法案を今国会に提出し、成案を得ないと、平成十二年度からの医療制度の抜本改革の実施はタイムアウトになってしまうというふうに思うのであります。大臣がこのようにおっしゃっている一方で、私のところへ聞こえてくる声は、もうとても無理じゃないかとか大変難しいなと、こういうような話ばかりが聞こえてまいります。 この点について、まず本当にこれを実現するということであるのかどうか、大臣のお考えを改めてお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(宮下創平君) 医療保険制度の改正につきましては、今御指摘のように所信表明で申し上げたとおりでございまして、大体四点ばかりを中心に鋭意検討をしておるところでございます。したがいまして、医療保険は十二年度から実施したいという目標のもとに私どもは今努力をしておるわけでございまして、今国会中に法案を提出して、そして十二年のめどをつけていきたいというように考えておるところでございます。 医療保険につきましては、見解の相違等はいろいろございますから、そのような何か停滞しているような感じをお受けになられる面もあろうかと存じますけれども、私どもとしては、この四つは今並行的に審議を進めさせていただいておりまして、どうしても通常国会にできたら法案を提出したいということでやらせていただいております。
○直嶋正行君 今、医療保険制度のお話があったんですけれども、これとセットになると思うんですが、例えば薬価の見直しの話とかあるいはさっき議論が出ました診療報酬体系、特に一連の報道の中で最近、率直に申し上げますと与党内でさまざまな団体からの圧力があって、例えば薬価基準の見直しについても思うように議論が進められないと、こういうような報道も一部なされたりしているわけであります。 大臣、こういういろんな圧力と申し上げていいのか外野の声と申し上げていいのかわかりませんが、さまざまな阻害要因がいろいろあって、なかなか思うように進まないということは事実なんでございますか。
○国務大臣(宮下創平君) 医療保険制度は今申し上げたように四点ございまして、診療報酬の問題とか薬価制度の問題がございます。あとは老人医療制度をどうするか、あるいは医療提供体制をどうするかという四つのうちで、特に薬価問題等を中心に党に相談を申し上げております。 この問題につきましては手法につきまして見解が分かれておりまして、薬価差に基づく医療体制は好ましくないという点では一致しておりますが、ただそのやり方についていろいろやはり見解の相違がございます。 私どもとしては、やっぱり多くの方々の見解を調整して成案をまとめなけりゃなりませんので、その点苦慮している面もあることは事実でございますけれども、そういった意見を踏まえながら、ひとつ前向きに調整をしてまとめていきたいというのが現在の状況でございます。
○直嶋正行君 やはりこの種のことをまとめようとしますと、どうしてもある種既得権といいますか、あるいは立場によってもさまざまな御意見があると思うんです。なかなかこれをまとめるのは難しいことかもしれませんが、ただ一方で言いますと、やはりこういうものを乗り越えていかないと本当の制度改革はできないと思うんですね。 審議会でもいろいろ議論が進んできているようでありますし、外圧でいろいろ左右されるようでは、これはせっかくの審議会も意味をなさないというふうに思いますし、何よりも一昨年の医療制度の改定以来、やはり抜本改革というのは最も大きな、あるいは各界から早急にやるべきだと、こういう声の中でもう二、三年過ぎてしまったという経過もありますので、ぜひそういったさまざまな障害を厚生大臣として乗り越えて実現をしていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 私、ちょうど昨年もこの通常国会で、宮下厚生大臣ではございませんでしたが、小泉厚生大臣に、本当に間違いなくおやりになるんですねと、このようにお伺いをしましたら、小泉厚生大臣は、厚生省にとっての至上命題でありますから必ずやりますと、こういうふうにおっしゃっておられました。 また同時に、昨年成立しました国保改正の附帯決議にも抜本改革というのは平成十二年度実施ということが明記されていますし、そういったことも含めますと、法的にも平成十二年度実施というのはある種担保されているわけでございますので、ぜひお願い申し上げたいと思います。 この「全力を挙げて取り組んでまいります。」というのはちょっと実は心配なんですよ、全力を挙げてやったけれども及びませんでしたということになりかねないものですから、心配なものですから、今、前大臣の決意などを申し上げたんですけれども、再度御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のように、一昨年の当時の与党協の中において今後の医療改革の方向性が示されておりまして、基本的にはその路線に沿って今検討を進めております。小泉大臣のときもその路線に従って決意を表明されたものだと存じます。 私としても、所信表明で申し上げたとおりでございまして、これは何としても今の医療費の動向、国民経済との関係、あるいは国民の負担、その他総合的に見てどうしても医療改革は必要でございますから、そういった点で臨んでまいりたいと思います。 ただ、四つの項目を申し上げましたけれども、個々の項目についてそれぞれ、何といいますか、まとめるについて難易度がございます。特に薬価制度の問題は、今御指摘のように、審議会の答申も得ておりますが、なお相当な見解の開きもございますので、極力それは調整して妥当な案をまとめていきたいと思っておりますので、この案でなければ後退だというようなことはないと思いますけれども、最もいい選択は何かということを真剣に求め続けて改革をやってまいるつもりでございます。
○直嶋正行君 よろしくお願い申し上げたいと思います。 それで、あと一つ、健保財政についてお伺いしたいんです。今、健保財政が大変厳しい状況になっております。これは新聞に寄稿されていますので具体的にお名前を申し上げてもいいと思いますので申し上げますが、例えばこれはある新聞に寄稿された記事でございます。新日鉄健康保険組合の常務理事さんが寄稿されたものでありますが、「当組合は平成十一年度予算を組みつつあるが、財政規模二百億円に対し十六億円の経常赤字となる見込みである。巨額の赤字の主な原因は、老人保健拠出金など世代間連帯のための拠出金が、なんと保険料収入の約五割に及ぶことにある。」。健保組合平均で平成十一年度で大体四〇%と言われておりますが、今記載のように、五割のところもあれば大体六割とか七割をこの老健拠出金が占めている、そういうところも多数出ているわけであります。 例えば、もう一つちょっと具体的に数字を申し上げますが、今、健保連の理事組合の十一年度の予算を私ちょうだいしたんです。理事組合ですからそれぞれもうしっかりしたところばかりだと思うんですが、十組合のうち八組合が赤字予算ですね。結局これは、今申し上げましたが老健拠出金の増加、それともう一つはやはり不況により保険料収入が伸びない、伸び悩み、こういう要因があると思うんです。中枢を占めるような組合でさえこういう状況にあるということは、私は大変深刻だと思うんですね。 まず、こういう事態について厚生省はどのように受けとめておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生今お挙げになりましたように、健康保険の財政状況が大変厳しいことについては、私どももそのように認識をいたしております。 全体で見ますと、健保組合の財政状況につきましては、平成九年度が実績で出ております決算の最新でございますが、全体で十七億円の赤字になっておりまして、約五五%の健康保険組合が赤字を計上しているという状態にございます。これは、平成九年には先ほどもお挙げいただきました法改正等があったわけでありますけれども、さらに賃金水準が低迷をするということで保険料収入が伸び悩んでおります。その一方で医療費は増加傾向にあるということで、財政収支の構造的な不均衡が生じておるというのが現状ではなかろうかと思います。 平成十一年度の見込みにつきましては、先ほどもお挙げいただきましたけれども、さらに老人保健拠出金等のウエートが非常に大きくなってくるというようなこともございまして、さらに財政状況の厳しい状況を迎えるということでございますので、そういったことも含めて、やはり抜本改正ということでの取り組みが要るであろうというふうに考えております。
○直嶋正行君 今御答弁の中でございましたように、特に老健拠出金の増大ということを考えますと、先ほど大臣がおっしゃった抜本改正を本当にもう一日も早くやらなければいけないと思います。 それで、問題は今度は平成十二年度なんですね。十一年度も赤字で大変なんですけれども、平成十二年度になりますとさらに悪化要因が加わってくるわけです。一つは、多分今お話に出た老健拠出金の比率がさらに上がるだろうと。これはもう想定されます。 それからもう一つは、実は保険料率をこれまでかなり上げてきているんですね。ちょっと例を挙げますと、例えば政管健保の料率をかなり上回るところがもう相当多数占めておるわけでございます。料率が九〇%以上というところが、今の見込みでいいましても約一割近い組合が想定される。実はこれは正規の料率以外に、例えばいわゆるボーナスで徴収したりとか、相互の助け合いをやったりとか、いろんな手当てをしながらきて、なおかつこういう状態になっているということなんですね。 それからもう一点は介護です。いよいよ介護保険制度が始まるわけですね。そうしますと、介護保険制度にございますように、やはり保険者としての健保組合はそれぞれの支払基金に納付をしなければいけない。これがかなりの金額になる。今、皆さん頭を抱えているのは、こんなことを考えるともう組みようがないなというのが今かなりの健保の方の実感なんです。そういうことからいっても本当に自助努力の域を超えていると思うんです。 それで、私ちょっと調べましたら、これは先日の新聞ですか、政管健保も九九年の推計で赤字が単年度で約三千億円を突破しそうだと。これは厚生省が御発表されたんですかね。社会保険庁、厚生省ですかね。これをさらに見込みをしていきますと、例えば二〇〇〇年度になりますといわゆる累積黒字も食いつぶしちゃって逆に赤字になるんじゃないか。そうすると将来保険料アップを考えなきゃいかぬ、こういう記事になっています。もちろん国保も大変深刻な状況です。ですから、やはりこういう財政面を考えますと、本当にこれはもう一日も放置できない状況ではないかと思うのであります。 特にこの十二年度以降の対応について、厚生省の方で御見解がありましたらお伺いしたい。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生今お挙げになりましたように、特に十二年度以降の体制になりましたらいよいよ財政的な厳しさを増すことは御指摘のとおりだろうと思いますし、さらに介護保険制度のスタートということがございます。確かに介護保険制度は、介護保険ができることによりまして一面老人医療費の負担がその分軽減をされるという側面はございますけれども、やはり介護という形での負担がまたかかってまいりますから、そういったことの財政的な側面というものも当然考慮に入れなければなりません。 政管、国保とも非常に財政的にも厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございます。ここを基本的に打開していくということになれば、先ほど大臣が挙げました四つのテーマを総合的に実施して医療保険の構造的な体質を、いわば足腰を強くするというところに持っていきませんと基本的には解決をしていかない。やはりかなり医療保険制度全体のいわば構造的な要因になっております。今後の経済成長、今の経済の側面が非常に悪いということで、今後それが回復するにしましても、安定成長ということになりますと、それと医療費の伸びとのギャップというようなものについてどのように取り組んでいくかというところをやはり抜本改正の中で取り組んでいかないと、根本的に解決はしてこないであろうというふうに思います。 それ以外に、今、先生の御指摘のありました限度料率にもう張りつきかかっている組合に対する料率問題をどうするかというようなことももちろんその中で検討していかなければなりませんけれども、より基本的には今申し上げたような構造的なところをどのように対応していくかということが抜本改正の大きな課題であろうというふうに思っております。
○直嶋正行君 まさに今のお答えのように、ぜひ蛮勇を振るって構造改革をしていただきたいと思います。 それで、もう一点、医療関係でお伺いしたいんですが、これはことしの予算措置でとられました老人の薬剤費の一部負担の免除といいますか、国が肩がわりする、こういう部分なんです。これも、例えば衆議院でもいろいろ議論されておりますし、いろんな報道もなされております。 一つは、この問題について医療保険福祉審議会の運営部会でこういった決め方に対する不満が噴出した、それで運営部会で意見書が採択された。この内容は、いろいろ書いてありますが、簡単に言いますと、今回の措置は極めて遺憾である、こういう報道がなされたということでございます。 これに対してはいろんなところで大臣もお答えされていると思うんですが、衆議院の予算委員会で我が党の岡田克也衆議院議員がこれについて質問をしたところ、要点だけ大臣の答弁を読み上げますと、要は枠組みはそのままにして高齢者の自己負担分を事実上国が支給するだけであるので、制度自体を変えるものではないのであえて審議会には諮らなかった、こういうふうに御答弁されておりまして、余り遺憾の意を受けとめておられないようなお答えでございます。それから、もう一つ輪をかけて、その後に実はこういうふうにおっしゃっておられるんです。今後は審議会絶対至上主義ではなく、政府が対応できるものは決定していくこともあり得ると、このようにおっしゃっているわけです。 私は、今二つのことをお聞きしたんですけれども、審議会への対応についてということと、この後段の大臣の御答弁をお伺いしますと、これからもこういうことをやるよと、こういうふうにおっしゃっておられるようにも受けとめられるんですけれども、この点はいかがでございますか。
○国務大臣(宮下創平君) 医療保険福祉審議会の運営部会から御批判の文書をいただいたことは御指摘のとおりでございます。 私どもとして、この問題は十二月の予算編成の過程の中で、与党との協議の中で臨時応急的なものとして決めさせていただきました。そして、それは今、委員の御説明にもありましたように、私どもとしては、この枠組みそれ自体を変えることでなくて、老人が一部を負担するところを国が面倒を見るということで七月から実施しようというものでございます。したがって、特に審議会に諮らなかったから違法であるとは思っておりません。ただ、部会のせっかくの御意見のとおり、できればそういったことを含めて御議論いただくこともあってしかるべきことかもしれませんが、どうしても必要条件であるかという点については、私はそうは思っておりません。 そして、もう一つは審議会のあり方についてのお言葉でありますけれども、政府の審議会もいろいろ全体として整理をいたしまして、審議会依存主義からなるべく行政主体の判断あるいは国会のコントロール、そういったものを中心に運営されるべきであるという基本的な方向がございます。しかし一方、厚生省の審議会というのは非常に専門技術的な点が多うございますし、そういう意見を聞かなければならない点がございますから、今後とも必要な審議会は存置をして御意見を承りますが、しかし何でもすべてを審議会にかけなければ決定できないという性質ではございませんで、政府において判断可能な事項でございますれば今後ともそういうことがあり得るということを衆議院の段階で申し上げたわけでございます。
○直嶋正行君 審議会についての今のお話の部分なんですが、一般論的に言えば、私は大臣がお話しのような部分はそうだと思います、あるいはそうかもしれないと思います。ただ、このことに関して言いますと、これは私はやはり問題があると思うんです。大臣がおっしゃったように、これは確かに違法じゃないかもしれない。しかし、今回政府がお決めになったことは、従来審議会でやってきたこととは逆行しているわけです。 今回の措置に対する厚生省の御説明を私も伺いましたけれども、要するに一部国が持つことによって例えば波及的経費増というものを実は厚生省も予算の中に見込んでおられるわけです。これは、つまりこの措置をすることによってお年寄りの方の受診回数がふえたりする、つまりそのことによる影響を予算の中に見込まざるを得ない。 そうしますと、おととしさんざん議論をしたんですね、この一部負担あるいはお年寄りの方に負担してもらうのがいいのかどうか。これは審議会でもいろいろ議論してきましたし、国会でも賛否両論ある中でああいう措置がとられた。それで、とにかく抜本改革をやるまでの間の臨時緊急避難的措置だということで私なんかも理解したわけですけれども、しかしそれと今回おやりになったことは逆の方向になっているわけですね。 だから、やっぱり大臣のさっきおっしゃった一般論としての審議会のあり方の問題と今回のこの審議会に対する政府の対応というのは私は違うと思う、むしろ間違っているというふうに思うのでありますけれども、この点はいかがでございますか。
○国務大臣(宮下創平君) 形式的に申し上げると、今言ったような御意見が述べられることはそれなりの理由があろうかと存じますが、私どもとしては、予算編成期におきまして、一昨年の九月から薬剤費の別個負担について実施をしておるわけでございますけれども、現在のこういった経済情勢とか、あるいは特に診療機会の多い老人の薬剤の一部負担について緊急的にやって、来年の抜本改革にはもっと違った形のものになるだろうと私どもは考えておる点もございまして、これは暫定的な措置であればやむを得ない措置かなということでやらせていただいたわけでございます。
○直嶋正行君 今の経済情勢というお話もございましたが、どうもこれは土壇場で出てきたんです。結局これは別のところからこういうような話が出てきたんじゃないか、今の経済情勢云々じゃなくて。これも世上いろんなことが言われています。そういう中で、予算編成の土壇場でこういう措置がとられたということが私はやはり問題だと思うんです。 それから、今の経済情勢にかんがえて、例えばお年寄りの方ということでいいますと、これは政府としてもいろんな政策をされているわけです。例えば地域振興券も配っておられます。ですから、こういうものとの整合性は本当にしっかり議論されたんだろうかという疑問は残ります。 もう一つちょっと言わせていただきますと、そもそもこういう経済情勢になった事の発端は、消費税のアップだとかいろんな要因があったんですけれども、医療費の国民負担の増加、これがおととしの九月から実施されました。これがざっと年間二兆円と言われているんですけれども、これも今の経済情勢を招く一つの要因になったことは、大体世評そういう評価になっていますね。そうすると、何か話がやっぱりちぐはぐなんですね。あれをやって、こんな経済情勢になる要因を一つつくっておいて、今度は今こんな経済情勢だから、違うやり方ですが、公費負担は少し国が持ちますよと。これは非常に私はちぐはぐな政策だと思うんです。 今、三つぐらい申し上げましたけれども、この点に関していかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 経済情勢の点につきましては、確かに一昨年の四月に特別減税二兆円を廃止いたしましたし、それから消費税が二%上がりました。そしてまた、医療費が九月から上げられたということが起因だと指摘をされております。合わせて九兆円の需要喪失ではないかということでございます。 それはそれとして、私どもが今回やりましたのは、そういった全般の経済情勢もさることながら、老人の医療の実態等をかんがみながら、そしてまたこれは他の方から何か話があったのではないかという御指摘でございますけれども、これは他の方といっても、私ども政党政治ですから、政府と党の関係であります。また、党と医療団体との関係もございましょう。そういったものの総合的な検討の中から私どもが判断したわけでございますので、決して横やりを入れられたからやるとか、そういうことではなくて、私どもの判断でこれは計上させていただきました。その点は御理解いただきたいと思います。
○直嶋正行君 最後のところは私は理解できませんが、今の答弁をお伺いしておきたいと思います。 それで、医療の話はこれでおきまして、続きまして年金の方について質問をさせていただきたいと思います。 それで、これも別に大臣のいろんなお答えの揚げ足をとるつもりはないんですけれども、大臣はよく答弁の中で我が国は国民皆年金であると。この間、テレビでこの国民皆年金は我が国の宝だ、こんなことをおっしゃったようでありますが、私は今この皆年金が既にかなりほころんでいる、ほころびが生じ始めているといいますかあるいは大きくなりつつあると、こういうふうに思っております。 例えば、今この国民年金の未加入者は大体百五十八万と言われています。また同時に未納者は百七十二万、つまり未納者で一号被保険者といいますか、この国民年金の加入者の大体一割ぐらいあるわけでございます。合わせますと三百数十万と、こういう数字になります。あと、これはちょっと性格が違いますが、免除されておる方が同じぐらいいらっしゃる、こういう構図になっているわけですね。 最近いろいろ聞いていますと、今こういう経済情勢でありますし、雇用問題がかなり深刻であります。失業がふえたりしていわゆる一号被保険者がふえつつあるとか、あるいは今の若い人たちがどうしても加入されない、払わない、こういう傾向が強いと言われております。 こういうことを考えますと、私はもう将来この国民年金そのものがある種空洞化といいますか、先ほど申し上げたように穴があいてくる、ほころんでくる、完全に制度がそういうふうになってしまうんじゃないかと、こういうふうな危惧を持っているんですけれども、この点についてまず御見解をお伺いしたいと思うんです。もう私は皆年金は既に破綻が始まっているんじゃないかと、このように思うんですけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(宮下創平君) 今、数字で御指摘のありましたように、約二千万人の国民年金の加入者のうち三割が未加入者と未納者それから免除者で占められておると。このうちの免除者は政策的に免除いたしておりますからこれは制度の問題でございますけれども、三百三十万人の未加入者、未納者はこれはやっぱり制度のほころびと言わざるを得ません。この点は御指摘のとおりでございます。 しかし、私どもはこれをそのままもう全然手のつかないものであるというようには考えておりませんで、この未加入者対策、あるいは加入はしておっても未納者の解消問題、これは社会保険庁等を中心にして現地の社会保険事務所等で非常に精力的に取り組んでおります。詳細は省かせていただきますが、そういうことがございます。それから、何としてもそういう面でこの国民年金制度を維持していきたいということでございます。 なお、今回の改正を提案いたしております中に半額の免除制度というのを設けました。これは必ずしも未納者と未加入者を対象としたものではございませんが、半額負担でそのかわり三分の二の給付を行うというような制度をつくろうといたしておりますし、それから問題になりますのは学生の国民年金の保険料の問題、これも十年間は支払いを猶予する制度等も講じつつ、いろいろの面での制度で穴があきそうなところはきちっと対応してこれを維持していこうということでございます。
○直嶋正行君 せっかくの大臣の今のお言葉なんですが、私は厚生省がおとりになっている今の、これから具体的な提案はあるんでしょうね、この半額免除制度とか支払い猶予制度、こういうもの。それから、従来から未加入者対策ということで、この年金白書の中にも具体的に示されておりますが、こういうものを見ると、やはりどちらかというと技術的な対応になっているんですね。 例えば、今この未納者のうち国民健保を全く払っていない方、これも厚生省の調査がありますが、大体二割弱なんです。ですから、逆に言うと八割方は払っているということなんで、医療の方は払っているわけです。それから、未加入の人のうちざっと七〇%の人が医療保険の方には加入されているわけですね。だから、これは完全に使い分けされているわけですよ。医療には入っておこう、年金は嫌よ、払わないよと、こういうことなんです。 実際にこの厚生省からいただいた資料で未加入者の世帯別の所得と一号被保険者の例えば所得層を見ると、ほとんど差はない。それで、未加入の方のかなりの人たちが別の民間の生命保険に入っておられる。つまり、これを完全にもう避けているわけです。そういう面で言うと、一つはこれは根本的なことを考えないと、一言で申し上げますと、年金に対する制度そのものへの信頼感がなくなっているんじゃないかと思うんです。 私も、例えば事務的な話、実際に現場はどうやっているかちょっとヒアリングしてみました。これはある市のやっているごく一部のケースですが、例えば毎月二十歳になる人が仮に大体四百人ぐらいいるとします。こういう人に加入案内をするんだそうです。最初に返ってくるのは約半分だそうです。二百人は加入する。加入しない者が半分いる。その加入しない人に二度目の案内を出す。ここでやっと加入する人が二百人のうちの約四分の三。しかし、それでも加入しない人が五十人いるんですね、残る。 では、これをどうするかというと、この厚生省の白書に書いておられるとおりで、最後は年金手帳を本人に送ってしまうんです。それで加入とみなしてしまうわけです、送りつけて。しかし、ではその最後に残った五十人は実際に保険料を納付するのかといいますと、このうちの五人ぐらいだそうです。だから四十五人は払わない。なおかつ、最初の一度目、二度目で加入した人の中で未納者がざっと三割ぐらい出る。最近の二十歳の人を対象にやっている作業を具体的にお聞きしますとこういう状況らしいんです。 ですから、今、大臣がお話しになったような新しいそういう仕組みも、御期待は申し上げたいんですけれども、私は本質的対策ではないと思うんです。やっぱり年金に対する信頼度をどう高めていくかということだと思うんですけれども、この点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(宮下創平君) これは、国民健康保険に加入しておる場合は、おらない場合と顕著な差がすぐ出てまいります。すなわち、病気になった場合にこれに加入していなければ、自己負担を除いた医療費まで全額請求されます。したがって、これはもう直ちに加入するということにならざるを得ないと思います。 そこへいきますと、年金は若い方々が年金を納めたからといって直ちに年金の受給が得られるわけではございませんで、非常に中長期的な一種の貯蓄性のものなんです。したがって、そこの本質的な差がございますので、私どもとしては医療保険と国民健保とをリンクした形でとにかく御加入をいただく、あるいは収納していくというようなこともやはり考えなくちゃいけませんし、現にそういう配慮をしておると思います。 いずれにいたしましても、私ども、今申しました半額制度あるいは学生の免除制度だけで解決できるとは思っておりません。より根本的には、年金制度に対する理解を求めていくPRもどんどんやっていかなければならないと思います。年金というものはそもそもそういう性格のものだということを理解していただいた上で、将来の安心、安定を保証しておる制度だということをもっともっと厚生省もPRをしていかなければいけない。それには安定した設計を立てることが必要でございますから、今般そういう安心できる設計制度を検討中である、こういうことになろうかと思います。
○直嶋正行君 問題は大臣が最後におっしゃったところなんです。どう安心できる設計をするかということだと思うんです。 例えば、これは総理府がおまとめになった公的年金制度に関する世論調査。PRの話もあったんですが、年金に関しては関心が高いんです、国民全般でいきますと。ただ、どこに関心があるかというのを見ると、やっぱり一番大きいのはこういうことなんです。現在あるいは将来、自分が受け取る年金はどうなっているか、つまり自分の受け取る年金がどうなるのかというのが、今、正直言って皆さん心配なんです。だからこういうことになるんです。 では、それはどこからこういうことになってきたのかというのを私なりに考えてみたんですけれども、実は今の年金制度の成り立ちのところからちょっと振り返ってみました。 これは、昭和二十九年に厚生年金制度、戦後いろいろあって立て直すときに、当時の草葉厚生大臣が参議院の社労委員会で趣旨説明をされたものであります。それから、昭和三十四年に当時の坂田厚生大臣が今の国民年金、新しい立ち上げといいますか、この趣旨説明をされた。この制度がそれ以来続いているわけです。 簡単に言いますと、さっき国民の関心事でちょっと申し上げましたけれども、結局国民の皆さんは自分の年金はいわゆる積立方式、つまり自分が積み立ててきてそれをベースにして年金がもらえるんだと。もともと厚生年金もまさにそういう性格の年金でありますし、三十四年に提案された国民年金も、いろんな議論があるんですが、とにかくこれは積立方式なんだということを盛んに強調されているわけです。ですから、恐らく国民の意識の中は積立方式、自分が積み立てていってそれが将来自分の年金として返ってくるんだと、こういう受けとめがかなり主流だったんじゃないかと思うんです。 ところが、最近、ここへ来て、例えばこの年金白書もそうですけれども、世代間の助け合いだとかあるいは賦課方式だとか、こういうことが盛んに言われているわけでありまして、そういう意味でいいますと、ここにかなり大きなギャップがあるんじゃないか。ですから、こういう国民の不信を除いていくためにどうすればいいか。 きょうちょっと同僚の時間まで食い込んでしまいましたのでこれでやめますが、改めてまたこの点を議論させていただきたいと思いますが、こういうところに一番問題があると思うんです。ですから、今の制度を、ただ保険料と給付をどうだという議論だけでは私はだめだと、このように思っておりますので、そのことを申し上げまして、この部分に関してはもう答弁は要りませんので、また後日答弁をお伺いすることにいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○松崎俊久君 民主党・新緑風会の松崎でございます。 きょうの私の質問は、介護保険を中心とする問題、二番目にはコンピューター二〇〇〇年問題、この二つに絞って関係省庁に質問申し上げます。 最初に介護保険の問題でございますが、来年の四月一日、もう約一年しか猶予がございませんが、介護保険の実施が迫っております。介護保険の対象、いわゆる保険でお世話をしなければならない方々というのは言うまでもなく大部分が高齢者でありましょうが、問題はどの病気が恐らく多いか、そしてどの地域にかなり手がかかるか、いわゆる全国の地域差の問題、こういう認識をまずきちんと持ちませんと、介護保険の実施に至って混乱が起きるのではないかというふうに考えております。 そこで厚生省にお伺いいたしますが、介護保険の対象となるいわゆる寝たきりを中心としたものを生み出す原因となる病気は何かというふうに認識なさっているか、まずお伺いいたします。
○政府委員(近藤純五郎君) 一番大きなものは脳卒中といいますか脳梗塞、こういったものでございますし、それから骨折、こういったものが寝たきりの一番多い原因だというふうに承知いたしております。
○松崎俊久君 私も同意見でございますが、脳血管疾患、骨粗鬆症というものが多い地域ほど、そしてまた老人の数が多いほど介護にいわゆる手がかかるし、またそこに相当な力を入れなければならないということが想定されるわけであります。 まず骨折でございますが、骨折はこれは地域差というものが簡単にわかりません。私は日本全国の調査を企画して、農水省の委託で全国調査をやった唯一のグループを組織した人間でございますが、牛乳を飲む量が多いところ、これがどんなに寒くてもこういう地域は圧倒的にいい。二番目にはいわゆる太陽のよく当たるところ、そして外で働き動くところ、こういう条件を備えていれば北であろうが南であろうが骨粗鬆症は少ないということがわかっておりますので、東北に多いとか四国に少ないとかという地理的な形ではなかなか言えません。 ただ、第一の原因となります脳卒中は、もうこれは厚生省十分御存じでございましょうが、ここにちょっと遠くから見えるように用意しました。(図表掲示) 赤いところが脳卒中の少ないところ、緑色が濃くなればなるほど脳卒中の多いところということになりますが、これは一九九〇年のいわゆる標準化死亡比で出しております。全国を一〇〇とした場合、緑色が濃くなればなるほど一五〇、二〇〇というふうに数がふえていくわけですが、圧倒的に北関東、北陸、東北ということがこれでおわかりいただけるかと思います。 さて、その上に立ってでございますが、お配りした資料をごらんになりながらちょっと聞いていただきたいのでありますが、脳卒中は男子上位十県を取り上げますとすべて東日本ということになります。栃木、秋田、青森、福島、宮城、茨城、岩手、長野、新潟、山形という順番でございますから、ほとんど全部がいわゆる東北、北関東ということになります。女性の場合、上位十位のうち七位までがすべてそれと同じ地域ということになります。脳卒中による寝たきりは東北、北関東に集中するものと考えられます。当然この地域は過疎地域が多く、老人も多いということが重なります。 そうしますと、介護保険を円滑に実施するにはいわゆるマンパワーが極めて重要でございますが、昨年、厚生省はケアマネジャー、いわゆる介護支援専門員の受講者の試験をなさいました。そして、約二十万人の受験者の中から合格者約九万、四四%の合格率ということで第一次の認定が行われたわけであります。それを見ますと非常に都道府県で偏りがあります。 それで、皆様のお手元に配りましたこの資料をごらんになっていただきたいのでありますが、専門員一人当たりがいわゆるお世話をしなければならない老人は当然この老人数に比例するはずでございますが、これに極端な差がある。一番楽だと思われるのは京都府、一番大変だなと思われるのは秋田ということになります。この差四・五倍でございます。ただでさえ脳卒中の発生率は秋田と京都の間には約二倍の開きがありますから、はっきり言えば九倍、十倍近いエネルギーが秋田に要求されているにもかかわらず、京都よりも十分の一ぐらいの密度で秋田はケアマネジャーはやらなければならない。 この条件をまず認識した上に立って、このようなでこぼこが出ておりますのは、各自治体の受験に対する準備あるいは地方の認識などもございましょうが、かつこれに対する行政指導ということもあるのだろうと思います。このでこぼこの差がこんなにまで大きくなっている理由に関しまして、厚生省の御見解をお伺いいたします。
○政府委員(近藤純五郎君) 去年、最初の試験でございましたので、それの準備への取り組み方について、地域において専門家の間において意識の差があったのではないか、こういうふうに思っております。 介護支援専門員が必要になりますのは、先生御指摘のとおり要介護者とか要支援者がいた場合でございますけれども、実際に配置されますのは居宅介護支援事業者それから介護保険施設に配置されるわけでございまして、実際に地域で必要になります介護支援専門員の必要数というのはこれらの事業者の数に左右される、こういうことであるわけでございます。 したがいまして、制度の施行までにもう一回試験があるわけでございまして、七月に第二回の試験を実施することにいたしておるわけでございまして、その所要の介護支援専門員が確保される必要があるわけでございますので、特におくれている地域、御指摘の秋田県等におきましては地域の有資格者に受験を勧奨する、こういうふうな意識的な指導をいたしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○松崎俊久君 規制緩和の時代でありますからいろいろ規制を外していく、そして地方の意思を尊重することは非常に大事ではありますが、事いわゆるケア、介護保険という日本の歴史始まって以来大変な事業が福祉厚生面に今企てられているわけでありますから、これは強力な指導というものが厚生省に要求されることは当然であります。単なる客引き的に、どうぞお受けください、受験してくださいというような生ぬるいやり方ではこの問題は解決できないのじゃないかというふうに思います。 さて、問題は、この介護保険が出てきた背景というものは、当然これは老人が多数ふえてきた、子供は少ない、そして医療費はどんどん高騰するという、この構造に問題があるわけでありますが、これにメスを入れない限り、俗っぽい言葉で言えば介護保険とは後始末です。後始末にならないように、後始末の数をふやさないように、ふえる速度を遅くするようにするのがやはりどうしても厚生省の重要な仕事だろうと思います。 さて、前国会でもちょっと質問をさせていただきましたが、全病院、一般病院の在院日数を見ますと、アメリカが一人の患者が入院するのは大体七日前後、年によっては六・五などという数字も出ておりますが七日としましょう。日本が三十三日、そしてドイツが十一日、フランス十四日となっております。このように極端に日本だけが異常に長い入院日数を持つ。 問題はいろいろあるかと思います。一つには、病院が療養型と治療型とに明確に分かれ切っていない。分かれるのが遅かったという問題があるかと思いますが、全国で一番入院日数が短いのは、私の調査では小牧市民病院十六日、これが一番短い。次は私の親友の埼玉県の病院でありますが、十七日。ところが、埼玉県の大赤字を抱えている春日部市立病院は二十八日、十五億円の大赤字を抱えております。 このように、在院日数が長いということは決していわゆる病院収入にとってプラスにはならないのに長い。どうして長いのか。やはり看護婦の数、あるいは治療病棟と療養型病棟の分離が非常にうまくいっていないからだと。 さて、日本の場合、特三と言われる一番質の高い病院では患者二名に対して看護婦一名、アメリカのある大学病院では患者一名に対して看護婦三・五名。この数を見ますと、優に七倍の看護婦をアメリカは一人の患者にかけているという計算になります。中国の上海、北京の日中友好病院を初めとする大病院を調査してみましたところ、一対一であります。シンガポール一対一、そしてドイツ、フランスは一対一以上に看護婦がいる。日本は一番いい病院でも患者二に対して看護婦一、患者一ならば看護婦〇・五ということです。こういうような劣悪な条件であるにもかかわらず、ただ入院の日数が長く、そして医療費だけがやたらと高くなっている。こういうことが医療構造の中に重大な問題として存在するわけであります。 この分離を図らなければならないのでありますが、先国会で私の質問に対しまして厚生省は十九万床と。現在百二十六万床、世界でも最も多い病棟を抱えているのは日本であります。アメリカは一般病棟五十万床にすぎません。日本は百二十六万床、人口割合にしますと日本はアメリカの五倍のベッドを持っていることになります。 ところが、この大きな百二十六万床の中から十九万床を療養型に持っていこうとなさっているというふうに伺いましたが、これは非常に生ぬるい計算だと。私は、少なくとも五十万床は一般病棟から分離して療養型病棟へ転換させなければ全然意味がない、これをやらないと後々介護保険の後方基地としての問題に破綻を来すというふうに計算しております。 これに対しての厚生省の御見解を伺いたい。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護保険では、介護保険施設といたしまして特別養護老人ホーム、老人保健施設、それから先生御指摘の療養型病床群、その他介護力強化病院を暫定的に入れる、こういうことになっております。療養型病床群十九万床は医療に傾斜した介護保険施設でございますけれども、私どもが想定いたしました老人保健施設、特別養護老人ホーム、それから十九万床の療養型病床群で一応介護保険上の施設サービスは充足できる、こういう形ではじき出した数字が十九万床ということでございます。
○松崎俊久君 療養型病棟に対しての看護婦の基準をどのようにお考えでしょうか。看護婦の配置数であります。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護職員と看護婦さんが六対一ずつ、合わせまして三対一、こういうことでございます。
○松崎俊久君 六対一というのは療養型病棟としては大変結構ですが、とにかく日本の場合、赤字を抱えている病院を調べますと、療養型と治療型が併存しているのであります。これは非常にむだであり、医者の経営感覚のなさが暴露されております。例えば赤字病院を私が指導しまして、これを完全に療養型に切りかえさせた大きな病院がございます。これは二百ベッドを抱えている私立病院ですけれども、一年間で一億円の黒字に転換しております。 ですから、両方の病棟が混在しますと、医療施設やその他の設備や看護婦の問題等、非常にむだが多くなって、それぞれどちらもまともにいかない。これははっきりと切りかえて、分けていくというような方向の指導が私は重要ではないかと考えております。 さて、問題は、介護保険料を一人二千五百円目途で計算されてきたようでありますが、もう一部の市町村では三千円を超える値段でないとやれないのではないかというふうに考えておられますが、これはいつごろ値段を決定される予定でありましょうか。保険料の価格であります。
○政府委員(近藤純五郎君) 二千五百円の数値につきましては、平成七年の数値をもとに積算をいたしたわけでございまして、したがいましてこの数字は若干上がるものと考えております。 今、市町村におきまして介護需要につきまして調査をいたしておりまして、その調査はほぼ終了いたしまして、その結果に基づきまして今後の需要量といいますか、どれだけのマンパワー、施設が要るか、こういう見込みを立てているところでございます。 これを五月の終わりごろまでに私どもの方に御報告をいただきまして、それをもとにいたしまして、私どもも一定の想定はできるわけでございますけれども、実際に個々の市町村におきましてどれだけの保険料を負担するかということにつきましては来年の二月か三月ごろに各市町村の条例によって決まる、こういう形になっております。
○松崎俊久君 介護保険の実施に当たっては、私は基本的に農村地域と都市地域では異なった戦略を使わなければならないというふうに考えております。同じように在宅で自治体あるいは契約機関からのホームヘルパーの派遣、お世話というような単純な計算でいろいろなニーズを計算したり価格を計算すると、大間違いが起こって赤字になると思っております。 と申しますのは、基本的には住宅延べ面積の違いであります。東京は一世帯当たり住宅面積は五十七・六平米、最も広いところになりますと、幾つかの県が北陸にありますが、長野県の場合百十五・六、約二倍であります。要するに、都会ではお年寄りの面倒を見る余裕の部屋というようなものもほとんどないわけで、それを持っている家というのはごくわずかであります。 こうなりますと、都市はナーシングホームあるいは療養型病棟という施設へ持っていく、それを基本として運営するという考え方。農村の場合は在宅を基盤にしながら運営していくというやり方。これはもう当然いや応なしにこのような状態に追い込まれるというふうに考えております。 そうした場合に、都市ではいわゆる郊外農地の、今農地を転換するには時間が物すごくかかり、厚生省のナーシングホームや療養型病棟の認可なども非常に時間がかかります。これを極めて迅速に、かつ都会に対してはそういう施設をつくる場合には十分な補助を与えて、急速に農地をいともたやすく転換できるような措置というものが都会には必要かと思いますが、いかがでございましょうか。そういうことを農水省と協議なさる気はございませんでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) そういう面で私どもが農水省と交渉したといいますか、そういうことはまだございません。 ただ、都会地で農地そのものが、恐らく周辺部にはあろうかと思いますけれども、都会地もその周辺部だけではなくて、周辺部は結構東京都でも既にできております。足りないのはやはり都心の方でございまして、都心の方の関係は、農地とかなんとかということではなくて小規模も認める、こういうふうな形でやっていくのが筋ではないのか、こんなような感じを持っております。
○松崎俊久君 私は、介護保険が持っている極めて危険な側面というものをぜひ指摘しておきたいと思います。と申しますのは、弱い自治体ほど介護保険の実施に当たっては、もうこれにすべてのエネルギーをとられてしまいます。ということは、弱い自治体の場合いわゆる予防という側面が非常におろそかになっていかざるを得ない、こういう側面を持っておりますので、厚生省はこの面の行政指導を特に強化していただきたいと思うわけです。 同時に、財政力が弱い市町村では広域型で処理なさろうとしております。これは現状ではやむを得ないと思うんですけれども、将来ともに広域を維持し、そこに寄りかかるような自治体がふえるということは大変問題であり、そして同時に細かい地域の特性というものを出すことができないのではないかというふうに思っております。 そういう意味で、私は一つモデルを自分でつくってお見せするのが一番いいというふうに思って、五年間、私は死に物狂いになってある町村を選び、福島県のある町を選んでやってまいりました。 まず、この町はもうあしたから介護保険を実施しても単独でやれるという町でございます。実施はあしたでもいい。人口一万でございます。ここにはかつて六万七千円の国民健康保険の税金がかかっておりましたが、今、この五年間の予防運動で一万七千円の減税に成功いたしました。老人人口三三%でございます。老人がふえたら医療費がふえるなんというのはうそです。確実に予防の手を打てば下がっていく。減税までできる。脳卒中も全国一〇〇に対して一七六でありましたが、現在は一〇〇に近く、七〇幾つも減っております。こういうふうに、やればできるわけであります。 福島県の西会津町というところでありますが、ここはもう広域を拒否する、やりたくない、むしろ単独でやりたいと、そう言っております。人口一万ですが、いわゆるケアマネジャーも七人つくりましたし、ホームヘルパーも現在五十人近く、保健婦は十名、管理栄養士三名という体制を整えておりますから、この予防を背景にしてつくられた人材を即介護保険の土壌に切りかえることによっていともたやすく、介護保険なんてものは全然苦労でも何でもないとこの町は言っております。 ですから、ぜひとも予防に力を入れるということを今後もやめないでいただきたい、市町村はとかくそうなりがちでありますから。その点に関して、厚生大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 松崎委員の今の御質問といいますか意見をお伺いして、私もそういう一面のあることを本当に感じさせていただきました。これは大変重要なことでございまして、今、私どもは介護保険を円滑に施行しようということで、認定の広域化とか、あるいは場合によると一部事務組合等、財政調整もやりながら円滑にやることをマクロ的に考えておりますが、現実には今御指摘のような福島県の例は大変私も参考になりました。そういうことは非常にあると思います。 したがって、広域化は進めつつも、最終的には介護保険の保険者は市町村を単位としておりますので、その責任でやっていただくことも忘れてはいけないということを強く感じさせていただいた次第でございまして、大いに参考にさせていただきたいと思います。
○松崎俊久君 以上で介護保険の問題を終わらせていただいて、いわゆるコンピューター二〇〇〇年問題の質問をしたいと思います。 内閣総理大臣が所信表明において一応このコンピューター二〇〇〇年問題についてはかすかに触れられました。議事録にして一行でございますが、そのように軽いものではないだろうと。二〇〇〇年問題は大変重要な諸問題を抱えているというふうに思っております。 現に、ここ三月に入ってからはかなり頻繁に各新聞でアメリカの上院におけるコンピューターの二〇〇〇年問題に関する論議が報道され、このことはコンピューターが普及している今日、多くの国民が、一体日本はどうなるんだ、アメリカはこのぐらい準備しているのに日本はどうなるんだ、果たして不安がないのかということに対して漠然たる不安が広がっている。このままですと、世紀末のノストラダムスの問題と結びつけた悪質なデマや新興宗教がこの問題を取り上げて、いわゆるパニック状態がいつ出てこないとも限りません。こういう問題に対して、やはりきちんとした見解を政府は国民に示すべきだろうと思います。 内閣内政審に伺いますが、この二〇〇〇年問題を基本的には国としてはどのように今後残り八カ月間取り組んでいくつもりか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(竹島一彦君) 二〇〇〇年問題の重要性は、今、委員のおっしゃったとおりでございまして、私ども政府としては一昨年からこの問題について取り組んでおりました。 昨年、小渕内閣になりまして、九月でございますが、総理大臣が本部長を務めております高度情報通信社会推進本部というのがございます。そこにおきまして、それまでの作業とは変えまして本部で行動計画というものをつくりまして、それに基づいて対応に万全を期していこうということで進めているわけでございます。五百日を切った時点でそういう行動計画をつくりました。 その内容は二つございまして、一つは官でやるべきこと。これは国も地方自治体もそうでございますが、国民生活や国民経済に大変重要なかかわりを持つコンピューターのシステム、国も数百のものを持っておりますが、これらがちゃんと対応できるのか。要するに、下二けたでコンピューターが動いている場合に、二〇〇〇年が来た場合に〇〇になっちゃって一九〇〇年と間違って誤作動を起こすということでございますが、それに対して自分のところのプログラムがちゃんとなっているのか。問題がある場合にはそれをきちんと直す、そして直した上で遅くともことしの六月までにそれぞれ模擬テストをやってもらう。ふぐあいがあれば当然直してもらうということです。それから、そういうことについて周知徹底をするということにつきまして進めております。 一方は、民間におきましても五つの分野を挙げてございますが、この委員会に関係あります医療もその一つでございます。あとの金融、エネルギー、情報通信という分野につきましては、国民生活それから海外との関係もありまして、まさにネットワークでございますので、民間の重要分野につきましても責任者をちゃんとしてもらう。それからシステムを直す、点検する、模擬テストをする、それで人事を尽くすということでございますけれども、事柄の性格上、自分のところはちゃんとやっておっても、取引先でありますとか外国からの影響を受けてシステムがおかしくなるということもあり得ますので、万が一の場合に備えて危機管理計画をつくるということになっております。これもそれぞれの企業、それから政府のそれぞれのシステムごとにつくると。 これの参考になるものを示すべきだという御意見もありますので、政府としては危機管理計画のマニュアルに相当するものを今専門家に集まってもらってつくってもらっておりますので何とか今月中にそれを出していきたい、こんなことで対応しております。 それから、アメリカのことについて今お触れになりましたが、アメリカの上院で調査をいたしまして、日本の新聞にも出ておりますが、あれは昨年の夏ぐらいの時点の日本の状態について調べたものが今ごろの上院の調査結果ということで出ているわけでございます。同じ調査機関がその後も調査を進めておりまして、恐らく来月には日本のランクは相当上に上がるということでございまして、去年の九月以降の我々の行動計画に基づく作業というのは相当進んでいるというふうに思っております。
○松崎俊久君 半分は安心しました。この間の新聞によりますと、それへの対応は北朝鮮のレベルだなどと書かれておりましたので、まさかそんなことはないだろうとは思いますが、これは取り上げた指標による差だろう、取り上げた指標によっては非常におくれている分野もあるし進んでいる分野もあるというふうに理解いたしました。 アメリカでは既に不測の事態に備え、ペンシルバニアの州兵の動員、空海軍は全部この切りかえが完了、陸軍はもう半ばあきらめておるというような状況にあるというふうに言われております。 こういうような軍事的な側面は別といたしまして、国民生活に直接関係のあります問題ということになりますと、やはり電気、ガスが一月一日午前零時を期してとまってしまうという危険は本当にないのか。この問題に関して通産省にお答えをお願いします。
○説明員(奥村裕一君) お答え申し上げます。 私どもも、先ほど答弁ございましたように、政府一体となりまして、本部の計画に基づきまして、関係の電力、ガス各社に対しまして強い指導を行っているところでございます。 もちろん、電力、ガス各社とも本問題を社会経済上極めて重要な問題ということで認識をしておりまして、それぞれ対策委員会等も設置いたしまして、鋭意この問題に組織的かつ計画的に取り組んでいるところでございます。 少し具体的な状況を申し上げますと、電力、ガス各社の調査をしておりますが、その結果、発電所等の制御をいたしますシステムにつきましては、例えば発電所の出力の調整でございますが、こういうふうなリアルタイムで直接制御している部分につきましては年月日の情報を制御に用いておりませんで、その限りにおきまして二〇〇〇年問題の影響は受けないというふうに承知をしております。 しかし、その制御系システムの中でも設備の、例えば運転状況の監視でございますとか、そういったものを記録するというものにつきましては、紙の上では時間と設備の運転の状況を記録する場合に年月日情報がございますので、こういったものにつきましては対応が必要であるということで、例えば電力で申し上げますと、昨年の十二月の段階で模擬テストを含めまして対応が完了しているシステムの割合は約七四%でございます。これをことしの六月末までに約九五%、さらにはもちろん年末までにはすべてのシステムにおいて完了する、こういう計画を立てて進めてございます。 ガスにつきましても同様に対応しておりまして、これは去年の十一月の時点で各社の平均で五五%。ガスの場合には、例えば都市ガスで申しますと、二百四十四社のうちそもそもコンピューター制御していない会社が百五十七ございまして、残りのコンピューター制御をしている八十七社についての五五%でございますが、これを九九年の九月末までには大手においてはすべて、その他中小も含めまして年末までにはすべてということで対応を計画的にやっている状況でございます。
○松崎俊久君 非常に楽観的な、安心できるというのかそういうお答えをいただいたわけではありますが、アメリカから取り寄せた資料とかコンピューターの専門家集団の中に回覧されているいろいろな資料を詳しく検討いたしますと、そう余り楽観視してはいられないと思うんです。 アメリカでは病院の九〇%がこの対応が全然できていないというふうに言われておりますし、アメリカの赤十字はすべての家庭に電子機器でコンピューター制御のものはすべて、家電製品であろうと何であろうとメーカーに問い合わせて云々とか、十二月三十一日の一両日前に車を満タンにしろとか、水は何日分備えろとか言われています。 日本の場合も九九%の病院は対応していないかと思います。しかし、十二月三十一日ないしは一月一日にお産が予定されている方、この日に交通事故に遭った方、大手術を行わなければならない、呼吸器をつけている、あるいは腎透析の患者などは、万が一にも電気がとまった場合、万が一にもガスがとまった場合、大量の人間が生命の危機にさらされるわけであります。これはいわば命の問題でありますから、万全の上にも万全という体制をつくらなければならないと思います。 私の知人の病院では既に一億円近い資金をこのために借り込み、電動車を配置し、軽油五日分五十トンを備蓄し、五百トンの水の備蓄を始めております。このような病院はごくわずかであります。しかし、アメリカのいろいろな警告を読みますと手放しでは安心できないということが何となくわかります。万が一にもこういう問題が発生しますと即、命の問題でございます。 しかし、それに対する集約が今御意見を伺っておりますと六月を目指していると。六月におのおののところから上がってくる。そうするとあと半年しかない。それに対しての十分な準備というものはとても六カ月でできることではないんじゃないかというふうに思うんです。 そういう意味で、少なくとも臨時国会で補正予算を組み、そのための準備をすると。私は、例えば病院だけでも、約二千病院に一億円の補助をつけ二千億の金を準備するぐらいの気持ちがあれば万全の体制になると思いますし、もう一つは、万が一これが空振りでむだになってもいいと思うんです。二千億むだにした、三千億むだにしたと言われないで済むと思います。それは、関西大震災の教訓を考えてみれば、直下型地震、東海地震に対する危機管理で、病院、厚生面に関しては万全の準備ありと言えるような体制を即つくり得るからであります。 要するに、そういうことを考えますともう必死になって準備をしなければならないと思いますが、最後に厚生大臣、一月一日を境として起こり得る災害システムの中で絶対に一人もの命をこの二〇〇〇年問題ではなくさないというぐらいの決意を示していただきたい。また同時に、それに対する十分な予算を準備するということをお約束していただきたいと思います。
○政府委員(中西明典君) 大臣の前に一言発言させていただきます。 厚生省といたしましては、医療機器のメーカーあるいは医療機関に対しまして、それぞれシステムあるいは機器の自主的総点検を初めとした作業を行うように、昨年十月二十日付で政府全体の行動計画に基づいて指示、指導をしてきているところでございます。 医療機器につきましては、一つは、予備的な調査によりまして、直接医療機器が停止することによりまして患者の生命に影響を与えるような重大な問題を有するものというのは、現在のところ確認されていないところでございます。ただ、さらに徹底を図るために、現在すべての医療機器の製造メーカー等を対象にいたしまして、二〇〇〇年問題への対応状況について詳細な調査を実施中で、取りまとめ段階にございます。もし仮にそういったものが確認された場合には、メーカーに対して厳正に指導をしていくことといたしております。 それから、医療機関につきましても、先ほど来先生から御指摘ございますように、医療機器メーカーの対応状況について情報提供を行っていきますとともに、それだけではなくて、医療情報システムあるいは医療設備を含めた自主的な総点検を引き続き行っていくよう指導いたしておるところでございまして、それぞれ危機管理計画を策定していただき、自主的総点検の状況報告、完了報告を六月三十日までにいただくことといたしておりますので、それらを踏まえ、もし仮に必要なさらなる対応が迫られるということであれば、その段階でまた考えていかなければならない、かように考えております。
○国務大臣(宮下創平君) 今、局長の述べたとおりでございますが、御指摘のようにこの問題で人間の命が危機にさらされるようなことが絶対にあってはなりません。あってはならないことでございますから、そうした角度でこれからも指導あるいは検証し、万全を期してまいりたいと思います。
○松崎俊久君 ありがとうございました。 質問を終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 最初に、本年二月二十八日から三月一日にかけて行われました日本で最初の脳死臓器移植に関連して質問させていただきます。 まず、質問に先立ちまして、みずからの意思で臓器提供者となられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。そしてまた、移植治療を受けられた方々の順調な回復もあわせてお祈り申し上げる次第でございます。 さて、脳死臓器移植が法のもとに厳粛に行われるためには、脳死判定や臓器移植に関しての情報公開と、ドナーやレシピエント本人及び家族などのプライバシー保護を含めた人権擁護を両立させることが重要であります。今回の脳死臓器移植第一例目では、情報公開とプライバシーの保護の両立が必ずしも十分ではなかったというふうに感じられます。 事実、二月二十七日の高知赤十字病院による発表では、患者家族から次のような三点の要望が出されたと聞いております。一つは、第一回目及び第二回目の脳死判定については一切公開しないこと。二つ目は、御遺体については、すべての臓器摘出後、報道関係者の撮影、取材を受けることなく平穏に御帰宅できること。三つ目には、報道関係者は患者及び家族のプライバシーに触れる報道のあり方を反省すること。 また、二月二十八日には、移植コーディネーターを通じて、報道関係者、国、コーディネーター、高知赤十字病院への強い不信感を示す御家族の所感が表明されております。その内容は、報道関係者に対しては、患者及び家族のプライバシーに触れる報道のあり方以前の非人道的な取材方法のあり方を反省し謝罪することというような趣旨でありました。 これに関連して、私が最も憤りを感じる点は、報道関係者の中では臓器摘出現場の撮影を要求する意見が主流を占め、これに反対の意思を表明したのは、約百五十社中、高知新聞社、テレビ高知、高知放送、TBSの四社のみであったという事実であります。 御家族の承諾のない状況下での臓器摘出現場のマスコミによる撮影は、臓器移植に関する法律の成立過程で、参議院において臓器提供者への尊厳と家族の感情に配慮して、原案の「脳死体」という表現を「脳死した者の身体」に修正したことや、本法第八条の「臓器を摘出するに当たっては、礼意を失わないよう特に注意しなければならない。」とした趣旨に反するものであり、家族が非人道的な取材方法のあり方と非難したのも当然と思われます。 この点に関しまして、厚生大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今回の事例は、臓器移植法が施行されましてから初めての事例でございました。そんな関係がございまして、マスコミの報道等も過熱ぎみになってきたことは御指摘のとおりでございます。この臓器提供者の御家族からの、今、委員のおっしゃられた苦情といいますか御意見等もよく承知をしております。 私どもとしては、この移植を成功させるためには、本人はドナーカードで確認されていますけれども、何よりもまず御家族の御意思を尊重していく、プライバシーを尊重していくということが一義的に重要だと考えております。そして同時に、こうした事例でございますから、報道関係にも適切な報道を要請することもこれまた一面当然のことでありますが、何といってもまず第一は御家族の気持ちを尊重し、提供者のとうとい御意思を尊重するということがまず第一であろうと。 今後こうした問題が続いてくると存じますけれども、この調整問題は一つ大きなポイントでございますから、私どもとしても十分配慮して、今後のあり方を検討してまいりたいと思っています。
○渡辺孝男君 今後、このような人間の尊厳を踏みにじるような行為が行われないよう、関係者との協議を進めていただきたいと思います。 第二点ですけれども、御家族の御意思としましては、厚生省に対しても、プライバシーの保護ができなかった、あるいは本来ならば公表すべきでない情報を一部みずから公表した、そういう点に関して深く反省すべきであるという要望も出されております。この点に関しまして、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 事実関係を必ずしも私はこのプロセスに応じて全部承知しておりませんけれども、今、委員の御指摘のような点があったこともこれは事実のようでございますから、今後の参考に本当に十分反省をして、そして適切な対応ができるようにしていきたいと思っております。
○渡辺孝男君 厚生省は、臓器移植法の成立後、記者会と情報提供のあり方について協議をしておりましたけれども合意には至らなかった、そのように聞いております。このことが今回の混乱を招いた一因であるというふうに考えます。 合意に至らなかった理由というものは何なのか、また合意形成できなかった厚生省の責任についてどのように考えておられるか、この点に関してお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) 平成九年七月に臓器移植法が公布されました後、早い時期から厚生省といたしましては厚生記者会との間で公表の仕方につきまして調整を行ってきたところでございますが、最初の情報公開を行う時期につきまして大きな隔たりがございまして、最終的な合意に至ることができないまま今日に至ったわけでございます。 具体的に申し上げますと、厚生省といたしましては臓器の摘出が終了した時点において公表を行うということを提案していたわけでございますが、厚生記者会側の御提案は第二回目の脳死判定終了時点において公表してくれというものでございました。 交渉の過程の中で、第二回目の脳死判定終了時点において公表するということで一たん合意をしたわけでございますが、その後、臓器提供施設となります救急医学会から、それでは現場が大混乱をするということで強く臓器摘出後という要望が再度出されまして、厚生省といたしましてはそれを受けまして、臓器の摘出が終了した時点においてということを改めて厚生記者会に申し入れをしたわけでございますが、今日に至るまで合意ができなかったということでございます。 結果として協定ができないまま今日に至ったことにつきましては残念なことでございまして、反省をしておりますが、今後これらの問題につきまして、今回の事例全体を検証いたしまして、再度マスコミ関係者と協議をしていきたいと考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 厚生省として今後記者会との合意形成に向けてどのような取り組みをしていくのか、この点に関しまして大臣の御見解を示していただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 臓器移植を円滑に推進するためには、プライバシーの保護とそれから情報開示といいますか透明性の確保ということも一方非常に重要なことでございますので、その調和をどこで求めていくかということが求められております。 私どもとしては、この一連の流れの点検を行いまして、その上で、今後の臓器移植でどういう報道とのかかわりを持つべきか、あるいは情報開示をどうすべきかということをひとつモデル的にして今後の参考になるような検討をしていきたい、まとめていきたいと、こう思っております。
○渡辺孝男君 日本の脳死臓器移植は、本人の御意思とそれから家族の承諾のもとで行われるということでございますので、今後この脳死臓器移植が日本で根づくためには、ドナーやレシピエントの患者、家族などの人権に十分配慮した上での情報公開のルールを早期に拡充することが大切と考えます。厚生省としてもしっかり取り組んでいただきたい、そのように思います。 次の質問に入らせていただきますけれども、脳卒中の対策についてお聞きしたいと思います。 脳卒中はがんに次いで日本の死因の第二位を占め、平成八年度統計では本疾患で約十四万人の方が亡くなられております。また、脳卒中の受療患者数も百七十三万人に達しております。脳卒中の治療に関係する医療費も莫大であると思います。脳卒中の中で近年増加しているのは脳梗塞でありまして、脳血管性痴呆とも関連しており、早急な対策が求められております。 日本では脳梗塞に関して年間どれくらいの医療費がかかっているか、厚生省にお聞きしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 脳梗塞にかかります医療費につきまして正確にそのものを出した統計はございませんけれども、社会医療診療行為別の調査あるいは国民医療費のデータ、こういったものから推計をさせていただきますと、平成八年度で約一兆七千億円程度というふうに考えております。
○渡辺孝男君 一兆七千億円という莫大な医療費が脳梗塞に対してかかっているということであります。そうしますと、やはりこれを削減するための対策というものも必要になってくると思います。 近年、米国では、組織プラスミノゲン・アクティベーター、TPAと訳されますけれども、それを用いての超急性期治療が功を奏して、百人中十一人がこれを用いますと良好な結果が得られる、あるいは本治療法において患者一人当たり四千ドルが削減されるというような試算もあり、年間で一億ドルの医療費削減になるのではないかというふうに期待されているということであります。日本においてもTPAの使用を視野に入れた脳梗塞の治療を検討すべきであると考えますが、この点に関して厚生省の考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) TPA製剤につきましては、現時点におきましては急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解が認められているわけでございますが、脳梗塞に対しては現在認められていないわけでございます。 薬事法上の取り扱いはございますが、私どもといたしましては、平成十年度から厚生科学研究におきまして、脳梗塞急性期医療の実態に関する研究班におきまして血栓溶解療法を含む急性期治療の実態につきまして現在調査研究を開始しているところでございまして、この研究を着実に進め、その成果を見た上で対応を検討していきたいと考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 私も脳卒中の治療に当たっておりまして、当時は六時間以内の治療ということを目標にして治療に専従していたわけでありますけれども、このTPAを用いる治療法というのは発症後三時間以内で治療を開始する、それによって初めて治療効果が出てくるということでありまして、そうなりますと発症後三時間以内に治療を開始できるような救急体制の整備というものが必要になると考えます。 また、脳内出血の合併症も起こり得るということでありまして、そのような治療法に対して精通しているような人材の配置及び検査・治療設備を備えた中核病院であります脳卒中センターというようなものの整備も必要になってくると思います。 この脳卒中に対する三時間以内の救急体制の整備に関しまして、厚生省の考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) 脳梗塞につきましては、今、委員御指摘のように、発症後三時間以内の血栓溶解療法などの新しい治療法が開発されてきているところでありまして、急性期の治療が重要な課題となってきております。 このような状況を踏まえまして、脳卒中の現状を把握した上で、予防対策を中心に、急性期医療体制、人材養成、研究体制など、さまざまな観点から総合的な脳卒中対策についての検討を行う検討会を平成十年六月に設置しておりまして、現在検討をしているところでございます。 この検討結果を総合的に踏まえまして今後の脳卒中対策の推進を図ってまいりたいと考えておりますが、平成十一年度予算案におきましても救命救急センターの施設整備事業の補助対象範囲に脳卒中専用病室の追加、拡大を盛り込んでおりまして、救命救急センターにおける急性期の重篤な脳卒中患者への対応の充実を図っているところでございます。
○渡辺孝男君 まだまだ三時間以内の治療というのは本当に難しいところもあると思います。先進的に一生懸命やっているところでは発症後三時間以内の治療というものも可能であるというような地域もあると思いますけれども、全国的にはまだ整備は不十分であるというふうに考えております。今後も厚生省としても真剣に取り組んでいただきたい、そのように考えております。 最後の質問になりますけれども、厚生省の方では、今後、健康日本21という予防及び治療の対策を練っていくということを聞いております。この中で国民病と言えるような脳卒中に対する対策がどのように位置づけられているのか、その点に関しましてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 本格的な少子高齢化社会に向けまして、健康で活力ある社会を維持するために、二十一世紀における国民健康づくり運動、いわゆる健康日本21というのを平成十一年度中に策定いたしまして、二〇〇〇年からこれを実施したいと思っております。 今、委員御指摘の生活習慣病の一つであります脳卒中につきましても健康日本21の対象分野として明確に位置づけをいたしまして、二〇一〇年度を目標に、喫煙率の減少とか食生活の改善、それから運動習慣の確立等の具体的目標を盛り込んだ計画づくりをしてこれに対応してまいりたい、こう思っております。
○渡辺孝男君 先ほども言いましたけれども、脳卒中の患者さんが大体百七十三万人いる、それから死亡者も年間でありますけれども十四万人いると。これは欧米先進国の中でも日本は飛び抜けて多いということでありまして、やはり国民病と言えるような疾患である。これに対しまして予防を含めましてきちんとした対策を練っていくことが総体的に医療費削減につながってくるのではないか、そのように考える次第でございます。これに対してきちんと取り組んでいけるようお願いしたいわけでございます。 先ほどの健康日本21では、治療よりも予防という面で、また生活習慣病という観点で、今までと違って予防の方に重点を置くということは非常に大事なことであるというふうに私も考えております。この予防を中心にして健康政策をつくっていくということが、総体的に医療費の削減にもつながっていく。ともすれば、今の医療提供体制の抜本改革も直近の医療費削減ばかりに目を奪われているような感じがいたします。そういう意味で、このような予防対策というものに重点を置いて長い目で医療費を削減していくという政策が大切かなというふうに考えております。 今後とも一生懸命その点に関しまして取り組んでいただけるようお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。 このところ、マスメディアを通じて臓器移植のような高度先進医療に属する話題が耳目を集めておりますし、また介護保険のような高齢者対策も社会的な関心事となっております。しかし、本日は視点を変えて、時代の潮流の陰で地道に行われている福祉医療の中でも特に目立つことのない障害者歯科医療の問題について伺わせていただきます。 特に、この領域が従来の福祉法の中で規定されてきた障害という概念に限定されず、より幅広く能力の不全を伴う人たちの口腔の健康を考えたケアといった今日的かつ二十一世紀をにらんだ世界の流れの中で展開されつつあるという事実を認識した上で、この領域の本邦における実態及び施策の上での問題について質問をさせていただきます。 歯の治療は健常者にとっても大変に嫌なもので、あの治療の音を聞くだけでも気分が悪くなるのが本音です。その治療を知的障害、精神機能障害がある方たちが耐えて受け入れるのにはさまざまな困難があることは十分に予測できるところです。 そこで、厚生省として、先ほども触れた日の当たらない場所で展開されている障害者の歯科治療、すなわち能力の不全を伴う人たちの口腔のケアを推進するためにいかなる対策を講じられているのかをお伺いいたします。
○政府委員(小林秀資君) 地域におきまして障害者の方々が安心して適切な歯科治療を受けることができるということは大変重要なことだと考えております。こうした観点から、厚生省におきましては、障害者の歯科診療及び休日等歯科診療を行う場合の運営費について、その一部の施設に対し補助を行ってきております。また、社会保険診療報酬におきましても、初診料等に対し障害者加算を行うなど、従来より障害者の歯科診療に対し配慮を行っているところでございます。
○沢たまき君 私の知っている方で、障害者の歯科治療を十六年間もボランティアでやっておられる方がいます。その方によると、障害者施設には治療設備もありませんので、器材も自分で持ち込んでいると伺っております。情けないですが、休日歯科診療所の予算も昨年と比較して下がっております。奉仕的な歯科医師が経済的な面での負担まで負わなければならない実態は改善されるべきです。何らかの経済的な支援措置を講ずべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(今田寛睦君) 障害者の施設におきましては、地元の歯科医師会の御協力を得ながら、歯科検診でありますとか、あるいは往診によりまして歯科治療が行われているところでございます。特に障害者の施設への往診、これにつきましては保険診療の対象となっておりまして、先ほども御説明ありましたように、歯科治療が著しく困難な障害者に対して、その歯科治療についての初診料あるいは再診料について加算がなされているところであります。 さらに、歯科検診につきましては、障害者の施設において健康診断に要する経費が措置費の中に計上をされておりまして、歯科検診についても必要に応じて当該経費によって実施されているところであります。 また、これら歯科治療の本人負担分につきましても、知的障害者施設あるいは障害児施設の措置費においてこの費用が盛り込まれているところであります。 今後とも地元歯科医師会等と連携を図りながら、障害者に対する適切な歯科医療の確保に努めていきたいと考えております。
○沢たまき君 障害を持つ方がさまざまな歯科保健医療対策の果実を享受しようとするときに、さまざまな問題が横たわっています。時間がありませんのでまとめて質問いたします。 厚生省は障害者歯科医療の実態を常に的確に把握、分析した上で、より質の高い障害者にとっての口腔ケアの確保に向けた方策を策定して、日の当たらない部分で展開されている医療活動に報い、障害者福祉のより一層の充実を図るべきだと思いますが、どうでしょうか。 あと文部行政に絡む点もあわせてお伺いしますが、障害者の歯科医療の質的向上を意図するとすると、当然人材育成の問題、特に歯学部における教育現場での取り組みが重要になってまいります。その根幹にはTLCの考え方が必要です。これをインプットできるのは学生教育の場なんです。現行の歯学部の教育の中で文部省としてこの点にどのような手を打たれているのでしょうか。現在、二十九の歯科大学の中で積極的に講座を設けて障害者歯科学の教育を進めているのはわずかに数校だと伺っています。ぜひ今日的な障害者の歯科医療の展開と質的向上を反映した教育の機会、すなわち講座を設置する大学の拡充に文部省としても積極的な姿勢を示していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) まず、私から最初の質問についてお答えを申し上げたいと思います。 障害者の歯科診療につきましては、潜在的な需要を把握するということは非常に難しく困難なことだと考えておりますが、歯科治療についての患者さんからの要望、それから二つ目は患者さん自身は歯医者さんをなかなか嫌がられますので本人はノーとおっしゃるかもしれませんが家族からの御要請がある場合、それからもう一つは家族が周りにいらっしゃらなくて施設等にいらっしゃる人もいる、そういう人はそういう人の周りにいる人たちからの御要請というものを勘案いたしまして、全国、現在二百六十一カ所の口腔保健センター、これは県がつくったり、それから歯科医師会がつくったり、こういうふうにしてやっていらっしゃいますが、そういう口腔保健センター並びに全国三十一の歯科大学附属病院等で治療に当たっているということでございます。 今後ともこれらのニーズを踏まえまして適切に対応してまいりたい、このように思っております。
○説明員(遠藤純一郎君) 歯科医師の育成に当たりましては、患者の持つさまざまな背景に留意しつつ、常に優しさと愛情を持って診療に当たることができる豊かな人間性やコミュニケーション能力を涵養することが重要であると考えております。特に、今日、先天的あるいは後天的な理由により障害を持ち歯の治療を必要とする方に対しまして、その生活の質の向上を重視しつつ、きめ細かい歯科診療サービスを提供していくことが求められておるわけでございます。 御指摘のように、研究組織でもございます講座を設けております大学は五大学でございますけれども、教育といたしましては、障害者歯科学等の名称の授業科目が十三大学において設けられておるほか、すべての大学におきまして関連する授業科目や臨床実習の中で障害者歯科医療に関する教育が行われていると承知しております。 文部省が将来の医学・医療のあり方について検討をお願いしてございます二十一世紀医学・医療懇談会におきましても、先般、障害者歯科学の教育を充実する必要があるとの提言をいただいたところであり、文部省といたしましても、今後とも、各大学におきましてこの提言を踏まえ、障害者歯科医療に求められる能力や態度を涵養するための教育の一層の充実が図られることを期待しているものでございます。
○沢たまき君 最後に、宮下厚生大臣にお願いでございますが、いつの時代にも医療に最も大切なのはヒューマニズムの精神だと思います。見返りの期待とか利益を度外視しても、そのヒューマニズムの精神で障害者のために善意で奉仕されている歯科医師に対して大臣のお名前で表彰するなど、評価をして差し上げることも考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 また、障害者対策、高齢者対策というと、社会の流れは厚生施設の充実の方に向いていますが、障害者、高齢者の社会復帰のためには、福祉厚生施設の充実という生活の面と、本人自体の健康づくりという二つの側面からの支援対策が大事だと思います。ノーマライゼーションの視点からも、障害を持った人たちにも同様な健康の維持増進を図るための医療と福祉の連携、すなわち両者が一体となった対応が必要であると思いますので、大臣のお考えを伺いたく存じます。
○国務大臣(宮下創平君) 障害者の歯科診療というのは大変だと思います。そして、それに携わられる歯科医師の方々の活動に対して評価をするというのは極めて重要なことであると思っております。 一方、歯科保健の事業功労者表彰というのをやっております。平成十年度におきまして、個人五十五人、団体十団体を表彰いたしましたが、そのうち障害者に対する歯科保健医療の功労により表彰を受けたのは、個人十三人、団体二団体ということでございます。今後とも引き続きこの充実を図ってまいりたいと思います。 なお、医療と福祉の関係の御指摘がございました。これは私どもとして大変重要な視点であると思っております。特に、在宅の身体障害者に対しては、医師を派遣して診査、保健指導を行うとか、あるいは在宅の重度の知的障害者に対しましても訪問による健康診査等を行うというようなこと、あるいは介護を要する在宅の障害者に対しましても歯科保健指導や応急措置等の歯科訪問事業を実施する等の施策を講じております。さらに、障害者福祉施設には専属の医師または嘱託医を置きまして、入所者の日常的な健康管理の徹底に努め、定期的な健康診断を実施しておるところでございます。 障害者のノーマライゼーションというのは非常に重要な視点でございまして、委員の指摘のとおりでございます。医療と福祉の相互関係は十分配慮してやっていかなければならないと存じます。
○沢たまき君 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 午前の質疑はこの程度とし、午後三時まで休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ─────・───── 午後三時開会
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから国民福祉委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障等に関する調査を議題とし、厚生行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上美代君 私は、安心して子供を産み育てられる社会をつくる願いを込めまして、日々本当に刻々と成長と発達を遂げております乳児、そして月々変化していく乳幼児の健診と医療についてきょう質問をしたいと思います。 皆様御承知のとおりに、我が国の九七年度の合計特殊出生率は一・三九。東京はもう一・〇五と本当に低くなってきているんですけれども、国立の社会保障・人口問題研究所の九七年度の出生動向の基本調査によりますと、妻が自分の理想の数の子供を持とうとしない理由の最も高い理由が、子供を育てるのにお金がかかるからというのが大きな理由になっておりまして、三七%あります。 ことしの一月に出されました日経連の労問研報告があるんですけれども、この中でも少子への対応として子育て世代の経済的負担を軽減する必要があるということを企業の方々も言っておられます。また、政府も少子化への対応を考える有識者会議を設置されまして、報告書も出されております。私たちも、子供たちの少子化克服を何としてもやっていかなければいけないと思っておりまして、そういう意味でも共通の緊急の課題であるというふうに思っております。 私は、乳児の健診について御質問をしたいんですけれども、乳児の本当に健やかな発達を保障する上で、これまでずっとやってきております乳児の健診というのは大きな役割を果たしてきたというふうに思います。私が会長を務めております新日本婦人の会に届けられている声でも、二十七歳のお母さんですけれども、四カ月健診で股関節の脱臼と指摘されて小児科で一歳半までギブスで固定してやっと足の形もよくなって歩けるようになりました、早くわかってよかったと喜びの声が寄せられております。 ところが、この乳児健診の補助金が来年度の予算でなくなるということで、関係者、とりわけ親の間で不安が広がっております。今年度の予算では二十一億円だったものが、来年度と再来年度の二年間で一般財源化していくというふうになっているんです。これまでもいろんな健診の補助金が一般財源化しているんです。がんの検診は既に今年度から一般財源化されておりますけれども、九九年度の打ち切りを含めた実施見直しを検討している自治体というのは既に三七%に上っております。東京の中野区だとか新宿区では、一般財源化により、がん検診の有料化やそしてまた事業の縮小というのが検討されたんです。出されましたけれども、住民の非常に強い要望で撤回をされました。 私は、この事実からも一般財源化ということが何をもたらすのかということを示しているというふうに思っているのです。乳幼児健診のような子供の命と健康に直接関係する補助金については、一般財源化して自治体任せにするということではなくて、国がやはり責任を持って実施すべきだというふうに思っております。こうした上に立ちまして、私は大臣に御質問したいと思います。 厚生省は、きのう全国児童福祉主管課長会議をやられたということですが、都道府県の担当者に対して、乳幼児健診と乳児健診が一般財源化によって事業内容の低下を招くことがないようにということで各市町村に指導を願いたいと述べられたということを聞いております。これは、一般財源化することで現行の水準を後退させてはならないという厚生省の立場と私は受け取っておりますけれども、そういうことでいいでしょうか、大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 乳幼児の健康診査の事業についてでございますが、今、乳幼児を対象とした健康診査につきましては一歳六カ月健康診査と三歳児の健康診査事業、これは負担金ということで手当てをしてございます。一方、市町村が必要に応じて実施するものとされている乳幼児の健康診査事業というのは、これは今御指摘のとおりでございまして、昭和二十三年から実施されておりまして、制度創設後相当の年数が経過しておりますし、市町村の事業として同化定着しておるというように判断されますので、これは予算補助でございましたが、今般、予算補助から一般財源化することとしたものでございます。 今回の一般財源化につきましては、これは地方分権推進委員会というところの第二次勧告でこのことも触れられておりまして、その趣旨に沿ったものというように私どもは理解しておりますが、これによりまして地方公共団体が自主的、自立的な行政運営の実現に資するものではないかと考えておるわけでございます。今後は、より住民に身近な市町村におきまして地域の創意を生かした自主的な母子保健サービスが提供されるものと期待しておるわけでございます。 一般財源化された後におきましても、乳幼児の健康確保における本事業の重要性は変わりはないものと私ども認識しておりまして、今、委員の御指摘のように、都道府県の担当者会議等におきましてこのことを要請したのは、あらゆる機会を通じて事業内容が低下することのないように指導してまいるという基本的な考え方に基づくもので、委員の御指摘のとおりでございます。
○井上美代君 今、大臣が言われましたように、一般財源化すればこの判断というのが自治体に任されるんです。だから、自主判断でいきますので、今の地方の財源が大変になっている中で削られてしまうということが大変心配されます。厚生省の御努力にかかっているような気がしますので、よろしくお願いしたいと思います。 私がもう一つ御質問したいのは、受診率の問題なんです。 厚生省は、ゼロ歳児の受診率をどれぐらいというふうに把握しておられるのか。少なくとも一回受けている人、そしてまた少なくとも二回は受けている人がいると思うんですけれども、その辺はどうでしょうか、局長さん。
○政府委員(横田吉男君) 法定事業として実施しております一歳六カ月児健診の場合におきましては、平成九年度で受診者の数が百七万三千三百人ということで、これは出生数に基づいての推計でございますが、受診率が八九%となっております。また、法定事業として実施しております三歳児健康診査につきましては百四万三千八百人ということで、受診率は八六・四%というふうに推計いたしております。 予算補助事業でございます乳幼児の健康診査事業につきましては、集団健康診査と医療機関に委託して実施いたします個別健康診査があるわけでございますが、それぞれ平成九年度におきまして、集団の場合で百十九万二千八百人、それから個別健康診査の場合が百三十万三千七百人というふうになっております。 これらの受診率につきましては、国からの補助金としては年二回分の確保ということでございますが、市町村によりまして独自に上乗せをして実施しているところもございますし、また実施する乳幼児の月齢も市町村によりまちまちであるということで、なかなか正確な受診率の推計は困難でありますが、おおむね八割から九割程度というふうに考えております。
○井上美代君 受診率を今出されたんですけれども、やはり実態を非常に正確に厚生省でつかまれていないということがあるというふうに思いまして、私は、この間都道府県や市町村にいろいろお聞きしました。そういう中で、乳幼児健診の受診率については自治体によって相当格差があるということがわかりました。 福井県ですけれども、福井県は市町村ごとの受診率を全部もらうことができたんです。国の補助で生後四カ月と生後九カ月から十カ月で一回ずつやっているということで、県の資料では全県平均で八〇・九%です。しかしながら七〇%台の自治体が六つあります。そして六〇%台の自治体も六つあるんです。五〇%台の自治体が一つ、五〇%に満たない自治体が八つもあるんです。 こういうふうにいろいろ調べてみますと、かなり格差があるということがわかりました。大臣は長野県でいらっしゃいますけれども、長野県は三カ月から十一カ月の間に六九・四%ということで七割になっていないというのが現状なんです。だから、非常に格差があるということが調べでわかりました。上乗せで単独の事業をやっているという自治体は余りないということも県の担当者の話でわかったんです。 そういうことで、平成八年ですけれども、一九九六年の十一月に厚生省の児童家庭局長の名前で通知を出しておられるんです。その通知がここにありますけれども、この通知では「地域的、経済的又はその他の理由による健診未受診者の把握に努め、すべての乳幼児に対し、もれなく保健サービスが行われるよう配慮すること。」という、もれなく保健サービスが行われるよう配慮することと、すべての乳幼児にということを強調しておられます。私は、この言葉はやはり一〇〇%に近い数字を出していくということを厚生省が願っておられることだというふうに思っております。 そうした中で、提案なんですけれども、一つは乳幼児健診の一〇〇%を目指して受診率の向上に努めていくということが大事ではないかなと思うんです。だからそういう意味で、厚生省が今後もずっとやはりイニシアをとって頑張ってほしいということが一つです。 もう一つは、その前提として、乳児の健診の受診率を国がやっぱりきちんと把握していくということが特にこれから重要になるというふうに思います。だから、一般財源化して市町村に任せるということではなくて、全体がそうなったらますます把握できなくなっていくわけで、そういう意味でもぜひ御検討願いたいというふうに思いますが、局長いかがでございましょうか。
○政府委員(横田吉男君) 乳幼児の健康診査の受診率、私どもとしても一〇〇%が望ましいというふうに考えておりまして、その向上対策といたしましては、母子健康手帳というのがございますが、この中におきましても、三、四カ月目だとか一カ月目とか、健康診査を受けるのが望ましい時期を欄をつくって明示してございます。また、副読本といたしまして、こういった「赤ちゃん」というような副読本も配付いたしておりますけれども、この中におきましても、健康診査を受けることが望ましい時期でございますとか受け方、積極的に受診を勧奨するような記述を記載してございます。このほか、市町村におきまして一般的な広報あるいは個別のお知らせ等によりまして案内を行っているところもございます。 こういったことを通じて受診率の向上に努力してまいりたいと考えておりますが、先ほど御指摘いただきましたように、私どもといたしましても、全国に対する通知をもちまして受診率の向上についての努力をお願いしているところでございます。今後とも、そういった意味で一〇〇%目指して努力してまいりたいと考えております。 それから、実態の把握でございますが、その問題につきましても、今後できるだけ正確な実態を把握するような方策について検討してまいりたいというふうに考えております。
○井上美代君 今、受診率の件に触れましたけれども、もう一つはやっぱり回数なんです。健診の回数については、厚生省としては乳児、ゼロ歳児の健診は何回ぐらい必要だというふうにお考えになっているのか、それをまずお聞きしたいんです。
○政府委員(横田吉男君) 乳幼児の健康診査と保健指導の回数も含めまして、私どもといたしましては通知によって望ましい回数をお示ししておりますが、これによりますと、生後六カ月に達するまでは月一回程度、六カ月から一歳に達するまでは二カ月に一回程度、一歳から三歳は年二回以上、四歳以降就学までは年一回程度、これらが望ましい回数として示しております。 こうしたもののうちで、親子関係が確立してまいります一歳六カ月児、それから集団生活の準備時期でございます三歳児につきましては法定事業として負担金で実施している。このほかに乳幼児健康診査事業を実施するということでございまして、それと同時に乳幼児を対象といたしました保健指導事業等も実施を進めているといったことでございます。
○井上美代君 回数なんですけれども、自治体での健診の実施状況を調査する中で、健診の回数について、これもまた自治体で非常に格差があるということがわかってまいりました。 例えば、埼玉なんですけれども、埼玉では国の補助による乳児健診は生後三カ月から四カ月に行う集団健診だけなんです。そして、その他の市町村の単独事業で、生後六カ月から七カ月で集団健診をやっているところが十三自治体あります。そして、生後九カ月から十カ月で集団健診をやっているところが四十一自治体あります。つまり、県内で九十二市町村の半分近くが乳児健診を一回しかやっていないという現状が出てまいりました。 私は、現在の回数よりももっと回数をふやしていかなきゃいけないというふうに考えているんです。それがやはり子供たちの健康のためにはどうしても大事だというふうに思っております。専門家の方々にも何人もお会いしましたけれども、専門家の方もそのことを強調しておられますし、また国民や親たちの声もたくさん聞きましたけれども、やはりそのことを願っておられるんです。 ある著名な小児科の先生ですけれども、この方が乳児期に発症したり発見される病気は本当にいろいろあるということを言われまして、その診断と治療に適した時期もあるんだと、時期を選ぶ病気があるということを言われました。 例えば、先天性の股関節の脱臼には骨が十分まだ発達していない生後一カ月とか二カ月では診断してもレントゲンに写りにくいから困難だということを言われました。ところが、九カ月過ぎると治療開始がおくれてしまうということなんです。だから、そういう点でやはり時期が非常に重要だということでありますので、そういう意味でも健診が重要だというふうに思っております。 そのほか、先天性の心疾患だとか、それから視力障害の問題など、これはやはり繰り返し健診をしている中で、専門のお医者さんでさえもやっと見つけるというふうに言われましたことが非常に強く印象に残っているんです。 それから、私はここに今「標準小児科学」という本を買ってまいりまして、これをちょっと読ませていただいたんですけれども、この本の中に書いてあるのは、これは何か医学の学生さんが読まれる教科書だということなんです。 それで、そこで教えている内容なんですけれども、この本の中で、乳児健診の時期を三カ月から四カ月、それから六カ月、九カ月、十二カ月というふうに挙げているんです。四回ということになっているわけです。そのほか、私、アメリカの小児科学会の小児健康管理基準というのを見ましたけれども、それには定期健診の時期として、ゼロ歳のとき、最初の六カ月は四週から六週置きにずっと、最低四回はやるということなんです。そして、後半の六カ月間は二カ月置きにずっとやっていって、それで三回です。そうなりますと、合計してこれは七回になるんですけれども、健診だけで七回やっているということが出ております。 こういう専門家の意見や外国の事例などもよく踏まえながら、厚生省としても乳児健診の適切な回数についてもぜひ基準を決めていただき、そしてそれを通達という形になるんでしょうか、きちんと厚生省の立場で出していただけると随分違ってくるんじゃないかなというふうに私は思っているんです。ぜひ大臣に御答弁いただけたらと思うんですが、よろしくお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 乳幼児の健康診査についての御指摘、先生が新日本婦人の会の会長として大変熱心に取り組んでおられることに敬意を表したいと思います。生涯にわたる健康の基礎づくりをする児童の健全育成を図るというのは極めて重要なことでございまして、やはり先ほど冒頭に言われたように、背景には少子化対策としての意味もあるというように私も考えます。 今、基準の問題等について、特に回数ですね、アメリカ等の例を引用されまして御質問ございましたが、私どもとしてはなるべくこの内容を充実していきたいというのは当然でございまして、基準を作成して通達等で明確にしたらいかがかということにつきましては、よく検討させていただくつもりでございます。
○井上美代君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 私、また大臣にお願いしたいんですけれども、乳幼児医療の無料化の問題なんです。これもやはり少子化の対策として非常に重要であるというふうに思っておりまして、去年の十二月に財政演説に対して質問をさせていただいたときに、これについて質問をいたしました。 先日、厚生省が日本共産党の西山登紀子議員に出された資料によりますと、乳幼児医療への助成は全国すべての市町村で何らかの形で実施されているということが資料で出されておりまして、本当に今や全国民の声となって、国の制度として創設する非常に大事な時期を迎えているというふうに思っております。 私は、本会議の代表質問のときに申し上げたんですけれども、若い親は家族を抱えてなかなか大変だということを申し上げたんです。そのときに大臣が、夫婦と子供二人の標準世帯で見た場合に、可処分所得に占める保健医療サービス支出の割合は一・四%だが、乳幼児を持つことが多いと見られる三十歳前後の世帯主については一・六で、ほぼ同程度だということをお答えになりました。 皆様方のお手元に資料をお配りしているんですけれども、この資料がそのときに使われた資料であります。 大臣がお答えになったのは、この上の資料の右側に平均があります。ここに保健医療サービス支出の割合なんですけれども、一・三九とあります。これを一・四と略して言われました。そして、左から二本目のところに三十歳から三十四歳というのが一・五六とあるんです。これを一・六というふうに略して言われたんです。 その答弁だったんですけれども、この資料を見ていただきますと、上の方にありますように、可処分所得に占める保健医療費の割合が白いところです。それから、黒いところが可処分所得に占める保健医療サービス支出の割合なんです。平均から左側を見ますと、五十歳以上が一・〇二というふうになっておりまして、真ん中の方はずっと低くなっております。そして、やはり二十九歳までというのが高いんですね、一・七二。そして、三十歳から三十四歳というのが一・五六です。 この表が示しておりますように、これは平成九年の家計調査、総理府の統計局のものでございますけれども、明らかに乳幼児を育てている世代の医療費支出の負担率がやはり高いことがこの表からわかるというふうに私は思います。五十歳以上がこんなに低いんですけれども、二十九歳は高いわけです。二十九歳以下の負担というのは五十歳以上の一・五倍あるんです。七割を占めておりますので、そういう意味でもやはり二十九歳以下の家庭の負担というのがどんなに大きいかということを考えます。私ども一生懸命本当に長いこと、これはもう何十年と言っていいぐらい運動してきているんですけれども、実感としてもそうなんです。 だから、そういう意味で、私は大臣にお尋ねしたいんですけれども、若い子育て世代にとってやはり子供の医療費がほかの世代に比べて非常に高くなっていることはもう明らかだと思うんです。そういう意味で、この費用が大変だということがありますけれども、私はぜひ少子化の対策としても乳幼児医療の無料化を何らかの形で実現してもらえないだろうかということを思っておりますので、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の提出されましたこの資料によりまして、昨年の十二月四日でございますが、私が御答弁申し上げた点の補足的な御説明が委員からありましたが、そのとおりでございます。 私どもとしては、平均で一・四くらいだと。これは黒線の部分が保健医療サービスプロパーのものだと考えておりますのでそちらで議論させていただきましたが、三十歳から三十四歳、三十五歳から三十九歳まで、これが大体一・五六、一・五八ですから一・六というように申し上げた次第でございます。 なるほどこの統計によりますと、白の部分がかなりでこぼこを生じさせているまた大きな要因でもございますが、これは保健医療費等の面を加算されたものだと存じます。確かに、二十九歳までは一・七二ということでございますから、一般の方、特に四十歳以上に対して非常に高いということは率直に申し上げることはできると存じます。 なお、この医療費の公費負担の問題につきましても昨年の十二月四日に御答弁申し上げましたが、難病の子供でありますとか未熟児とか障害児という方々につきましては、これは自己負担部分を公費負担しておるという状況は申し上げました。一般的に、乳幼児医療費一般について新たな特別の対策を講ずることは今のところ考えておりませんという答弁を申し上げてありますが、基本的には今とそう変わりませんが、なおこうした問題は少子化対策の一環でもあるという有識者会議の指摘もございます。これも承知しております。 いろいろな面から検討を要する点があるやにも思われますので、今後検討課題として取り上げさせていただくことにさせていただきます。
○井上美代君 いろんな知恵を私たちも出していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 それで、私、その本会議の質問のときに、大臣が言われましたことについてもう一つ触れたいんですけれども、私が医療費の問題について申し上げたときに、大臣は医療費につきましては医療を受ける者と受けない者との均衡という観点から受診者に一定の御負担をいただくのが原則と、そういうふうにお答えになったんです。 これは、ほかのところでも私もお聞きしているから大臣のお答えはわかるんですけれども、それでも私はゼロ歳から四歳という乳児、そして六十歳以上の高齢者というのがやっぱり受診率がかなり高いんですけれども、この均衡という言葉が非常に気になります。特に、二十一世紀の私たちの未来として育たなければいけない子供が均衡論でやられるというのでは本当に困ったというふうに思っております。 だから、医療を受ける者と受けない者の均衡という背景のところには、私はやっぱりサービスを受ける者は自分が負担せよという考えがあるのではないかというふうに思っているんです。だから、生まれて間もない赤ちゃんなどの幼い子供たちはみずから健康を管理することもできない、そういう子供たちでありますので、やはりこういう弱い者について均衡論で対応していくというのは、そういうことが国民の不安を高めておりますし、少子化克服への道をもますます遠いものにしていると思うんです。 だから、私はぜひこの乳幼児については均衡ということでなく考えてほしいというふうに思っているんです。大臣の答弁をお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) これは、均衡論というお言葉でございますが、私の申し上げた趣意は、医療保険としての社会保険は当然自己負担も伴うシステムになっておりますから、その原則を申し上げた上で、乳幼児についてはただいま申しましたように、未熟児あるいは難病あるいは障害児というような方々の医療費の公費負担について手当てをしているんだということを申し上げたわけでございます。 私としては、当然やはり社会保険制度である以上、そのお子さんの負担はお母さんたちあるいはお父さんたちの負担になるわけですが、社会保険のシステムとしての一般論はやはりシステムの中で御負担をいただくというのが原則であるということを申し上げたわけで、政策的に特別な配慮をしているのが今三つのグループだということを申し上げたわけでございます。
○井上美代君 いろいろ決まりがあったりして動いておられるとは思いますけれども、やはり社会の動きの中で政治的な判断によって勇断を持ってやっていくということが大事な問題であると思うんです。私は、この問題は勇断を必要とするものだというふうに思います。そういう意味で、ぜひこの無料化について何らかの工夫をしながらやっていただきたいというふうに思います。 日本の二十一世紀にとって、私はこの少子化問題、本当に解決しなければいけない最重要課題だというふうに思っておりまして、少子化を克服することができれば高齢化の問題についてももっと進行を抑えることができるんだというふうに思うんです。 私は女性の立場ですので、何しろ女性が本当に喜びを持って子供を産み育てられるようなそういう社会をつくっていかなければいけない、そういう意味でも国家予算の中でむだに使われているものをしっかりと節約、そこのお金を回しながらやはり物の言えない乳幼児のために緊急に思い切った施策をやってくださいますことを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子です。 まず、インフルエンザに関係する質問をいたします。 ことしのインフルエンザの患者数は、二月末現在で五十四万九千百四十八名という大変な数であったと思います。うち三百八十名が死亡と報道されておりました。特に、老人施設や精神病院での高齢者の死亡が多かったわけですが、厚生省はその理由をどのように認識されておられるんでしょうか。 私は、高齢者施設に対する厚生省の感染症予防対策に手抜かりがあったのではないか、このように認識しておりますが、なぜこういうことが起きたかということについて御説明ください。
○政府委員(伊藤雅治君) インフルエンザにつきましては、患者さんの数でいいますと特に高齢者が多いということではなく、学童を含めて集団的に発生するわけでございますが、死亡者の数を見ますと、毎年変動がございますけれども死亡者の八五%から九〇%くらいが高齢者であると。これはインフルエンザそのものの持っている性格ではないかというふうに考えております。
○清水澄子君 では、毎年八〇%から九〇%は高齢者が死ぬんだ、だから普通だというお考えですか。
○政府委員(伊藤雅治君) 従来、我が国におきますインフルエンザ対策につきましては、特に小中学生を対象に対策が行われてきたわけでございますが、委員御指摘のように、今後高齢者も念頭に置きましてインフルエンザ対策を考えていかなきゃいけないと考えております。 そこで、まず的確な流行状況を把握するという観点から申し上げますと、現在二千四百の内科と小児科の医療機関にお願いをいたしまして感染症発生動向調査をやっているわけでございますが、これをことしの四月から施行されます感染症新法におきましては、従来の小児科の医療機関三千カ所に加えまして二千カ所の内科の医療機関を追加いたしまして五千の医療機関にお願いをいたしまして、成人、高齢者におけるインフルエンザの発生動向も正確に把握する体制を構築したいと考えているところでございます。 また、インフルエンザの死亡者の数を迅速に把握するという制度が現在ないわけでございまして、このような現状から今後感染症対策の観点から死亡者数につきましても適時的確に把握していくことが必要だと考えております。ことしの四月から施行されます感染症新法に基づきまして総合的なインフルエンザ対策を進めていくために、特定感染症予防指針を策定するということにしておりまして、その中でこのインフルエンザによる死亡者の迅速な把握のあり方についても検討していきたいと考えておりますし、また予防接種、医療等、総合的な対策を検討していきたいと考えております。
○清水澄子君 ことしの四月からでないと高齢者は何人こういうインフルエンザにかかったのか、死亡者が何人いたのかもわからない、そういう状況ですね。 インフルエンザというのは毎年流行する法定感染症の一つであると思います。昨年改正された感染症予防法の中でもこれは当然毎年起きてくることですから入っているわけですが、この感染者を把握する調査ですね、インフルエンザ等の発生動向情報とか、こういう調査を見ましても、定点観測表ですね、これによっても実態把握は五十歳までしか人数はとっていない。それ以上は、もう年とった者はどれだけの数が感染したか数字の実態もつかめないでいて予防というのは成り立つのであろうかという意味で、今度は、厚生省の関係予算案の概要説明でも「新たな感染症対策の実施に向けての体制整備」とありますけれども、「新たな」というのは何を意味するのか。 私は、インフルエンザというのはだれでもいつでもよくかかる日常性を持った感染症であると思うんです。そういうものには、やっぱり全年齢層にわたる感染状況というものを絶えず把握すべきであると思いますし、とりわけそれによって死亡した人の数はこの四月からやりますというのは、私は感染症対策に対して非常に怠慢ではないかと思いますが、これは大臣がお答えください。
○政府委員(伊藤雅治君) まず、患者数と死亡者の数を迅速に把握するという観点からいいますと、死亡者の数につきましては、現在も実はきちっと年齢階級別の統計はとっておりますけれども、迅速でないというところに問題がございますので、ことしの四月以降、新感染症法のもとにおきまして、迅速に死亡者も把握していく対応をとりたいというのが一点でございます。 それから、患者数につきましては、従来、小学生、つまり小児科を中心に流行状況を把握しておりましたものを、成人、高齢者も含めて流行状況を的確に把握していく体制を構築したいということでございます。これは従来その点の対応が貧弱であったということは御指摘のとおりでございまして、今後、四月以降施行されます感染症新法に基づきまして充実強化をしていきたいということでございます。
○清水澄子君 生きているものはすべて同じ、命の価値は平等です。ぜひ調査をし、予防体制をひとつ強化していただきたいと思います。 次に、大臣にお伺いしたいんですけれども、インフルエンザが猛威を振るっていたときにワクチン不足が報道されておりました。そういう意味でも、予測できないという場合もあるんでしょうけれども、やはりワクチンの安定供給体制というのは非常に重要だと思いますが、その点についてのお考え。 そして同時に、ワクチンの予防接種というのは二回必ずやらなきゃいけないと。そうすると、一人に六千円から一万円かかるそうなんですね。インフルエンザはだれでもかかりやすい感染症でございますから、ワクチンの接種というのはやはり高齢者を含めて全年齢層を対象にして公費負担にすべきではないかと思います。 ことし十月には、平成六年に任意接種となった予防接種改正法の見直しがあると聞いているわけですけれども、その際にはぜひ公費負担にしていただくということを私はここで大臣にお願いしたいんですが、このことぐらいはぜひ約束していただきたいと思います。
○政府委員(中西明典君) ワクチンの供給面についてちょっと述べさせていただきたいと思います。 ことしの冬でございますが、昨年の約二倍、約百五十三万人分のワクチンを製造いたしまして対応してきたところでございますが、先生御指摘のように、ワクチンの在庫が少なくなったという事象が生じたことは事実でございます。それにつきましては、薬の卸連合会を通じまして相互融通を求めるなど供給に支障がないよう協力を依頼したところ、全国的にはそうした事態というのはございませんでした。 確かに、今後、接種希望者の状況やあるいはインフルエンザサーベイランス情報を踏まえ、ワクチンを十分に供給していくだけの体制をきちっと確立していくということは大事であるというふうに認識しております。 本年度はちょうど、ワクチンの検定期間をもう少し短縮するための評価、分析を厚生科学研究でも行っておるところでございまして、いざといった場合にも追加製造が行えるような体制に持ってまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(宮下創平君) 清水委員の後半の問題でございますが、インフルエンザの予防接種にかかる費用負担の問題でございます。 予防接種制度のあり方につきましては、昨年六月から公衆衛生審議会の伝染病予防部会というところに予防接種問題検討小委員会というのを設けて検討していただいておりますが、昨年十二月に中間の報告をいただいております。 この中間報告によりますと、予防接種法の対象疾患のあり方につきまして、疾病の蔓延防止とか個人の発病防止といった予防接種の目的を踏まえて検討が行われなければならないということ、それから、現在予防接種法の対象疾患となっていない疾患のうち、インフルエンザ等の四疾患を中心として対象疾患のあり方についての議論を踏まえて専門的な検討を行うべきこと、それから三番目に、このような対象疾患の位置づけの検討に際しては接種費用の負担のあり方についてもあわせ検討する必要があることというような諸点が指摘されてございます。 この小委員会の最終報告でございますが、今後六月をめどにいたしましてこの小委員会の最終報告をいただく予定にいたしておりますので、ただいま委員の御指摘の費用負担のあり方も含めまして、さらに検討し結論を得ていきたい、こう思っております。
○清水澄子君 ぜひその点はひとつ実現していただきたいと思います。 次に、今回の脳死臓器移植の問題について、時間がありませんので、ほんの二、三お尋ねをしたいと思います。 この質問をするに当たっては、臓器提供者の御冥福並びに遺族に対しての本当にお悔やみを申し上げ、そしてさらに、臓器の提供を受けた患者さんの一日も早い回復をお祈りしながら質問させていただきたいと思います。 まず、今回のケースは、ドナー情報が不用意に漏えいしていると思います。ですから、最初から個人が特定されたり病院が特定され、そして病院から中継放送というような状況で、これではまさにドナーと家族のプライバシーどころの問題ではないんじゃないか、それ以前の問題があると思いましたが、厚生省は、このドナー情報の漏えいの事実関係と責任というのをどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(伊藤雅治君) 今回の事例につきましては、臓器移植法施行後初の事例だったということもございまして、当初より報道が過熱し、かなり早い段階から報道がなされまして、また報道の内容につきましても一部臓器提供者のプライバシーを侵害するようなものがございまして、御家族に多大な御心痛をもたらしたものと考えております。実は、私どもといたしましても、正式にネットワークなどから報告を受ける前にテレビの報道関係者からの話で知ったというのが実態でございます。 そういう点はございますが、厚生省といたしましては、今回の経過中、御家族の御意思を尊重し、報道機関に対しまして繰り返し御理解と御協力を要請してきたところでございますが、結果として御家族に多大の御心痛があったことについては重く受けとめておりまして、今後この一連の経過を検証いたしまして、さらに報道なり情報提供のあり方につきましても検討してまいりたいと考えております。
○清水澄子君 厚生省の責任も大きいと思います。その辺はもっと明確におっしゃっていただきたかったわけです。 今度の臓器移植は、ドナーとその家族に対する思いやりと、それから懸命の救命治療が必要なそのときに、例えばドナーの脳波があり脳死状態でないという時点、そういうときに腎バンクやアイバンクのコーディネーターが呼ばれたとかいうことも報道されていますね。それから、患者が入院して半日もたたないうちにドナーカードの所持が話題になっているとか、もっと救命治療に全力を注ぐその時期に、どちらかというと病院側は脳死臓器提供を前提として動き出していたのではないかという疑いなり疑問がいろんな関係者から出されておるわけですけれども、そういう点については厚生省はどういう判断、認識をされておりますか。
○政府委員(伊藤雅治君) まず、事実関係について申し上げたいと思います。 今回の件に関しまして、コーディネーターが臓器提供者の御家族に最初に接触いたしましたのは、御家族から心臓停止後の腎臓及び角膜の提供についての説明の御要望があったのは二月二十三日でございまして、脳死下での臓器提供について御家族の求めに応じて説明を行いましたのは二月二十五日であるというふうな報告を受けております。 それで、まず入院されまして、心停止後の臓器の提供につきまして申し上げますと、一般的に終末期を迎えたと主治医等が医学的に判断した場合にはコーディネーターが家族の求めに応じまして提供に関する説明を行っておりまして、今回の場合も通常の手続に沿って進められたものと考えております。 また、その後、脳死下での臓器提供の意思を示すカードを持っていたことが判明いたしまして、そのことが判明しました後、特に御家族にコーディネーターから御説明をしているわけでございまして、今回の事例を検討してみますと、心臓停止後の腎臓及び角膜の提供につきましてのコーディネーターの接触の日にち、二月二十三日というのは、現行のガイドラインに照らして問題はないものというふうに判断しているわけでございます。
○清水澄子君 幾つか質問したいんですが、時間がないので次に譲りまして、最後に大臣にお尋ねをしたいわけです。 それは、この法定脳死判定が臨床的脳死判定と食い違ったのはなぜなのか。そのときに、厚生省の担当者はこのような食い違いを想定していなかったと新聞に出ていましたけれども、そのことは今ちょっと時間がなければいいんです。 私は、やはりそういう結果が出るということを厚生省は想定していなかったのではないかなと思います。ですから、この問題についてはやっぱりきちんと検証する必要があると思いますが、それを検証して明らかにすること。 そしてもう一つは、二回目の法定脳死判定と決定したその判定の経過と結果についての情報はまだ開示されていないと思います。ですから、それを速やかに開示して十分に検証する必要があると考えますが、これについての大臣の御所見を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今回、臓器移植が初めて行われたわけでございますが、その中で、特に今議論のございますように、臓器の提供者及び家族のプライバシーの保護の問題、これは大変な御決断をいただいて提供していただくわけでございまして、そのことは何にも増して重要だと考えます。 一方、やはり移植医療の透明性を確保していくということが今後の臓器移植の扱い方の問題その他に大きな参考になるということは言えます。したがって、一連のいろいろの手続につきましてこれは検証をしてまいりたいと思っております。 そして、御家族の方からも、まだ摘出するまで報道を差し控えさせてくれとかいろいろな要望があったようですが、一切それは無理な話でございまして、実際はなかったわけですが、しかし御家族の方も、そういうものがすべて終わって、御葬儀も終わっておられますけれども、そういう状況の中で、医学的なあるいは脳死の立場に立って検証し、それを発表することについてはそう拒否しておられるわけではございません。 そういった意味で、今後の臓器移植の参考にさせていただくという意味で、十分な検証と情報の公開が必要かと存じます。
○堂本暁子君 きょうは、私は健康スポーツトレーナーの資格の必要性について質問をさせていただきたいと思っております。 平成八年度の医療費というのは二十八兆五千億で、これから四半世紀たつと、二〇二五年ぐらいになりますと、厚生省の推計ではそれが百兆を超すという数字が出ております。これは大変なことですが、一方でなぜそうなるのかといいますと、やはり寝たきりあるいは痴呆のお年寄りがふえるということでございましょう。しかし、私たちは、一人一人にいたしますと、もう絶対に寝たきりにもなりたくない、痴呆にもなりたくないと思っています。どなたでもそうでいらっしゃるだろうと思います。 そうなりますと、一番大事なのはやはり予防ではないかというふうに考えております。つまり、健康寿命をいかにして長くするかというのが今医療制度の中では一番大事な課題なのではないかというふうに考えます。ところが、日本では徹底的にそういった病気にならないための努力、あるいは万一病気になってしまった場合にはリハビリをして再発を防ぐというような努力が今まで足りなかったんではないかというふうに考えております。 今回、厚生省は二十一世紀における健康日本21をスタートさせるということでいらっしゃるので、そのことには期待をかけたいと思いますが、一方で、自分の健康にはみずから責任を持たなければなりません。そして、恐らく三本の柱は、第一は栄養ではなく総合的な意味での食のあり方、二番目に個人の体力や年齢、時には病状に合った対応の運動のやり方、そして第三にストレスの解消などのリラクセーションや休養のとり方だろうと思っています。食については、栄養士や管理栄養士の制度があります。しかし、運動については、厚生省管轄の健康運動指導士、あるいは文部省管轄のスポーツプログラマー、労働省管轄のヘルストレーナーという三つに分かれています。 二十一世紀の高齢社会に対応するような形で健康スポーツのトレーナーの制度や資格がまだ確立されていない。しかし、もう待ってはいられない。とても百兆円の医療費を使うわけにはいかないということはもう大臣も重々御存じのことと思います。 そこで、健康日本21を推進するに当たっては、きちんとした指導のできる健康スポーツトレーナーが必要不可欠なのではないかと思いますが、厚生大臣はいかがお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 国民の健康づくり運動ということでございますが、今、委員の御指摘のように、第二次国民健康づくり対策というのでは栄養、運動、休養を施策の三本柱として位置づけてやっておるのは御指摘のとおりでございます。 それで、やはり健康寿命を長くするというためにも、生き生き健康を保持するためにも、健康づくりのための指導者というのが御指摘のようにぜひ必要でございます。その必要性についてはかねてから認めているところでございますが、今はどうしているかといいますと、そういった運動指導者の知識、技能について民間団体によります審査・証明事業を行いまして、厚生大臣がこれを認定する等の取り組みを行ってきております。 この運動指導者の養成課程の中には、医学的知識や健康管理等についての項目も盛り込まれておるところでございまして、具体的に厚生大臣の認定としては、健康運動指導士というのが、これは財団法人健康・体力づくり事業財団の実施によりまして定めておりますし、健康運動実践指導者ということも同財団の実施によりまして実践指導を行う方々を養成いたしております。 運動不足というものが生活習慣病の原因の一つとして重視されておりますから、国民の健康づくりの方策としていかに運動が重要であるかということは認識されておりますので、こうした点を踏まえまして運動指導者の人材育成のあり方についても現在検討を進めておりまして、二〇〇〇年から実施しようとする健康日本21の中で検討してまいるつもりでございます。
○堂本暁子君 今、大臣のおっしゃったことは知っておりますし、それからもっと言わせていただけば、ちょうど十年前の昭和六十三年から縦割り行政は是正しなければならない、縦割り行政の弊害是正等に関する調査報告書ということで総務庁行政監察局は何度もこの三つのことを一つにしなきゃいけないということを言っています。 そのことをきょうは質問しようとは思っておりません。十年できなければこれからだってできないと思うんです。そんなことじゃもうそんな百兆円に対応できない。そういう技術的あるいは非常に行政的に末梢なことを申し上げているのではなくて、百兆円なんか使えないんだとすればどうするのかという大胆な施策が必要だということを申し上げたい。けさ同僚議員の方も、脳梗塞になった場合にもっとリハビリが必要だというふうにおっしゃいました。 それで、もう一つ言わせていただければ、平成六年、七年度の地域保健推進特別事業事例集というのを読みました。初めから終わりまで何かおもしろいことないかと思ったんですが、今までに厚生省は二度やっているんです、健康増進というのを。五十三年にやり六十三年にやり、今度はもう三度目の正直。なぜ前回が成功しなかったかといえば、箱物ばかりをつくっている。行ってみました、物すごく立派なものがあちこちにできています。だけれども、内容のメニューがないんです。 でも、地域保健推進特別事業実績報告を丁寧に読みましたけれども、どこの町でも例えば高齢者の骨粗鬆症、あるいはきょう歯の問題も質問が出ましたけれども、口内機能の問題とか、いろんな形で検診まではやるんです。そこから後は全部みんな一緒。講習会それから健康ウオーキングと。それで、一人一人個別に、例えば心臓が悪い人、どこも悪くない人、それから骨折が治ったばかりの人、そういう人を十把一からげにやったって全然これは効果が上がらない。これから本当に医療費を減らそうと思われるのなら、一人一人に対してその人に見合った運動をメニューとして出さなきゃいけないんです。ところが、今、大臣がお答えくださったような今までのやり方というのは、まさにここに報告されているような形なんです。 どうしてそういう報告しか出ないのか。それはそういったきちっとしたトレーナーが我が国の場合は残念ながらいない。アメリカのトレーナーも国家資格ではないそうですが、それでももう引っ張りだこだそうです。本当にそういった専門性を持った、きちっとその人に見合った運動のメニューをつくるというようなことを全体として日本の行政の中でやってこなかった。 だから、医療の中では個人個人、診察はドクターは一人一人やります。だけれども、健康な人をより健康にする、そして病気にしない、寝たきりにしない、痴呆にしない。あるいは逆に、心臓の発作があった、だけれども再発させない。骨折した、だけれどももう一回逆の足を骨折させない、その予防のために徹底的にリハビリテーションをするなりその人をトレーニングするようなことをやってきたかといったら、そういうことをやっていないわけです。だから、報告書は全部どこもかも最後のところはみんなこういう講習会をやりましたばかりになってしまっています。 ですから、その辺のところをもっと個別な、栄養だってそうでしょう。一人一人栄養士さんが病院に入ったらちゃんと別の食事メニューをつくってくれる。そういうふうに別のメニューが体についても運動についても必要だというふうに大臣はお思いにならないでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘はごもっともだと存じます。先ほど私が健康運動指導士について、また健康運動実践指導者について申し上げましたが、前者はやはり健康づくりの運動を実施するための運動プログラムをきめ細かにつくることを一応目的としております。それが実際に委員のおっしゃられるような機能はしているかどうかという別の問題がございますが、そういう建前でございます。それから、健康運動実践指導者というのも、やはり運動プログラムを踏まえまして個々人に運動の実践指導をやるという建前で、今資格者数が約一万名、平成十年四月の段階でございますが一万名くらい、それからプログラム作成の前者の話は六千七百名くらいいらっしゃいますが、この内容の充実度合いにかかっていると思われます。 そういった点を含めまして、委員の御指摘はごもっともでございますから、これが本当にワークしてそれぞれの個性に適応するような指導が行われるようにいたしたいと考えております。
○堂本暁子君 今たまたま大臣が、それが実際に機能しているかどうかわからないがというふうにおっしゃった、まさにそこがポイントじゃないかと思うんです。大臣はどうして今現在それが機能していないというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 申しわけございませんが、私もそういった実践指導者とか指導士の方々と接触したことが実はないんです。あるいはあるのかもしれませんが、そういう呼称を持った人だということを名乗り出てもいただけないものですから、よく承知しておりませんので、これは私よりも事務当局の方から実情について必要であれば御答弁させます。
○堂本暁子君 必要ではございません。なぜなら私も実はわからなかったんです。 それで、思いついたことが二つございます。一つは、ドクターとか保健婦さん、それから理学療法士さん、そういった人たちは全部国家資格を持っているわけです。ところが、こういうトレーナーさんはそういう意味での資格を持っていない。だから、何かそういうメニューをつくるときにはそこで発言力がないわけです。 だから、やっぱりそれだけのきちんと資格のある人、例えばスポーツ医学も知り、指導の仕方とか公衆衛生のトレーニングも受けている、それから研修なんかも受けているというような人が養成されていない。それから、たとえそういう能力を持った人がいても、その人はそういった資格を今もらえるようなシステムに日本でなっていない。だから、そういう人たちが適材適所になかなか配置されないということで、やはり資格がないということだと思います。 外国も必ずしもそれだけ、アメリカなんか民間がやっていますけれども、日本の場合は国家資格が物すごく物を言いますから、だからやはり国家資格をきちっとつくっていただくということが、ちょっと気長なようですけれども、結局は医療費を減らすことにつながる。医療費を減らすよりも、私たち個人個人が一番幸福なのは、私は死ぬまで自分の足でトイレに行けるのが一番幸せだと言っているんですが、全部の日本人がそうあるようにするためには、とても小さいことのようですけれども、とても大きいことだというふうに思っております。 それからもう一つは、やっぱり保険の適用の問題だと思います。リハビリにしても、それから健康な人がより健康になるとか、ある程度治った人が健康になるということに対しては保険が適用されません。ですから、途中でもある程度歩けるようになったらもう保険がきかないからリハビリに行かないというようなことになってしまうわけです。でも、脳卒中の方でも半身不随で車いすに乗っているよりはトレーニングして歩けるようになる、そして寝たきりにしないというようなことをきめ細かくやっていくことが私は寝たきりとか痴呆をつくらない方法だろうというふうに思っています。 せっかく文部省いらしてくださったので、私は、そういった今までの文部省の資格にこだわって申し上げるのではなくて、これから二十一世紀の時代の要求に対してそういう教育を医学教育の中でやっていただけるとありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(遠藤昭雄君) 御質問からちょっとずれるかもしれませんが、私どもはスポーツプログラマーというものをやっておりますが……
○堂本暁子君 その話はもういいです。それを超えて。
○政府委員(遠藤昭雄君) ただ、ここでも医学とか生理学とか栄養学とか、そういった医学関係のこともかなりやっているんです。大学で取れるところもありまして、ある大学を見ましたら医学関係なんかかなり規定以上のものを取らせて卒業させていると。 そういう意味では、先生がおっしゃった、そういうトレーナー的な、医学もいろんな面もやる、やれるようなことは大学によってはやってきておりますから、そういう動きが全体として広まれば、プログラマーだけじゃなくてそういったトレーナーも含めて、必要だとニーズが出てくればやはり大学としても対応していくんだろうというふうに考えております。
○堂本暁子君 労働省も一つのそういうシステムを持っていらっしゃるわけですけれども、これからまさに高齢化する前に本当に自分の健康に対して責任を持つということで言いますと、今、厚生省、文部省お答えくださったんですが、そこは三つの省庁の壁を取っ払って高齢社会を迎える二十一世紀のために大胆にいい資格をつくるということに労働省は賛成なさるでしょうか。
○説明員(鶴田憲一君) 趣旨につきましては我々としてもそういう方向で検討していきたいと思いますが、労働省としましては、昭和六十三年に事業場における労働者の健康保持増進のための指針を定めておりまして、労働者の心と体の健康づくりを推進しているところであります。 この指針においては、企業内において産業医を中心に運動指導、保健指導、心理指導、栄養指導を行う、それでそれぞれ専門の担当者を養成することとしておりまして、お互いに多様な専門性を発揮して指導を進めるというふうになっております。 御指摘の、より多様な専門性を持った運動指導担当者の養成ということにつきましては、事業者の責務を基本としております労働安全法の体系の中で適切な対応をしてまいりたいというふうには思っております。
○堂本暁子君 大臣、お聞きのように、三つの省がそれぞれ別のシステムを今持っている。厚生省と労働省では相当交渉もなさって一致していらっしゃるようですけれども、縦割り行政の弊害の是正ということがございます。もう改めてこのことはどうなのだということを私は伺う気はさらさらなくて、むしろ一人一人の日本人が、昭和二十二年は平均寿命が五十ぐらいだ、今八十代まで延びてしまったこの三十年をどう幸福に生きるかという一番根幹のところにかかわる問題だと私は思っております。 これは三つの省にもぜひ申し上げたいし、大臣の御英断として二十一世紀に向けて特に健康日本21をスタートなさるのであれば、ぜひこの資格についても国として、今ばらばらにおっしゃいましたが、文部省の教育については私も知っておりまして、大変いい教育を受けて出てきている人たちもいますけれども、その人たちの就職先も余りないわけですね。それはなぜかというと、きちっとしたそういう資格制度があれば、それでやっぱりみんな就職できると思います。 ですから、その資格をつくっていただいて、そうすれば労働省さんもそういう人たちを労働現場の大事なところに配置できるというようなことがございます。これはそんなに難しいことじゃないと思うんです。予算が何兆かかるというようなことではなくてシステムの問題だと思います。そして、人材の養成以上に今持っている能力をみんなフルに活用できるような、そういった資格制度あるいは指導の内容の充実、行政指導のあり方のシステムづくりということだと思いますので、ぜひ大臣、そういうことを実行していただきたい。 そのお願いですけれども、御見解を伺いとうございます。
○国務大臣(宮下創平君) 運動指導者の重要な役割につきましては御指摘のとおりだと私も思います。一方、これは余り予算がかかる話じゃないというのはそのとおりだと思いますが、行革の流れの中で新たな国家資格制度の創設については、名称独占資格についても国が設けるにふさわしい特別な意義を有するものに限定するというようなことで、最近の行革の中で方向性が示されております。そういう中でございますので、おのずから制約がございますけれども、なお引き続きこれは検討させていただくようにいたします。
○堂本暁子君 行革の壁をぜひ乗り越えていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 私の方からは、まず厚生年金そして国民年金の保険料の据え置きについてお伺いしたいと思うわけですけれども、据え置きの期間、またその後に必要な財源はどのような方法で確保していかれるのか、まずきょうは冒頭これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員御承知のように、年金財政の再計算期にことしは当たっておりまして、今抜本的な改革に私ども取り組ませていただいておりますが、片や景気がこういう状況でございますから、厚生年金の保険料の引き上げは当初予定では十月に上げる予定でございました。しかし、これを予定どおりいたしますと二兆円以上の可処分所得の吸い上げになりますものですから、一方で減税を四兆円以上やりながらサラリーマンの人たちからまた吸い上げてしまうというのは、そういった面の経済効果を減殺する可能性が十分あります。そこで凍結にいたしたわけです。 なお、国民年金保険料も法案を出しておりますが、これは四月から上げることになって、一万三千三百円が一万四千円になることが法定されておったんですが、これを凍結する法案を提案いたしまして御審議をお願いすることになります。 そのような事情で凍結をいたしておりますが、やはり年金等は中長期的な財政計算における計算でございますので、そういう扱いを長期に続けますと、この問題が結局後送りになってくるということで後の保険料がより高くならざるを得ないという側面がございますから、私どもとしてはなるべく早くこの凍結は解除したいと思います。 一方、基礎年金について三分の一から二分の一にすることも、私どもは方向性としては打ち出して今度の法案の中へ書き入れることになっておりますが、それもやはり凍結と二分の一とがセットにされて事実上行うということになっておりますので、次の財政再計算期が二〇〇四年でございますけれども、それまでのできるだけ早い機会に安定的な財源を確保して、そしてまた別の法律の定めるところで二分の一にしたいということを法律上は明記をいたします。 そんなことでただいま進ませていただておりますが、いずれ三月中を目途に法案を提出させていただきますので、また十分な御審議と御理解をいただきたいと思います。
○西川きよし君 大臣に就任されたときのインタビューの記事を少し読ませていただきました。こういう記事が載っておりましたので、読ませていただきます。 「次の改正で保険料を下げてはどうかとの意見もあるが、そういう選択肢はありますか」というふうに大臣にお尋ねになっております。 あまりないと思う。消費支出を喚起するため、(国民にとって)最も必要な(年金)制度の根幹に影響するようなことをして、負担減だけを考えるというのはどうか。(年金は)永続させなければならない制度なので、制度の目的に従って(改革を)きちんとやった方がいい。減税をしても、貯蓄に回ってしまい、景気刺激にならないという意見もあるが、原因は将来に対する不安感、年金や医療に対する不安感があるからだ。将来の年金や医療の公平な給付が安心して受けられるようでないと、減税してもダメだとなる というふうにお答えになっておられますけれども、今回この保険料の据え置きを決断されたわけです。この記事を今読ませていただいたんですけれども、改めてお答えをいただけたらと思います。
○国務大臣(宮下創平君) インタビュー、これはたしか閣僚になった当時の問題だと思いますが、私も今お伺いしておりまして、基本的には変わっておりませんが、ただ先ほど申しましたように保険料の凍結は本来こういう中長期的なシステムの場合には好ましくないことは、今でもそう思っております。ただ、景気の状況がこういう状況でございますから、何よりも増して財政政策、金融政策、あるいは減税政策、その他公共投資の政策等を含めて万般用意して対応しておりますので、これを予定どおりいたしますと、例えば国民年金の方は割かし少のうございますけれども、厚生年金になりますと、予定どおりやりますと二兆円以上の吸い上げになるんです。 そういうこともありますので、景気との関係で大局観に立って、景気がよくなるまでしばらく、やがて私どもは景気がよくなると信じておりますが、それまで我慢しようということで凍結をさせていただいたものでございます。
○西川きよし君 よくわかります。私たちもそういうことが心配なもので。後々どうせそういうふうな結果になるということで、今そうした方向がいいものなのかなと随分自分も考えたんですけれども、この件については法案の審査のときに改めてまたお伺いしたいと思います。 次に、健康づくり対策についてお伺いします。 大臣の所信では、医療制度の改革を平成十二年度から実施するために全力で取り組むというお話でございます。昨年の十一月ですか、医療保険福祉審議会制度企画部会、こちらの方も拝見いたしました。どうしても今後枠組みの部分が注目されるということでございますけれども、少子高齢化が進む中で当然抜本的な改革が必要ということはわかります。 しかし、たとえどのような制度の枠組みに変えたといたしましても、だれかが何らかの形で負担をしなければならないということは変わらないわけでありますし、本当の意味で一人一人が安心して信頼のできる制度を確立していくには、かかる医療費の問題ですけれども、医療費をできるだけ安く抑えなければいけない。そのためには、年をとって病気がちになったとしても寝たきりにならない、あるいは若い世代は予防をしっかりとする、そして生活習慣病にならない、こういった健康対策、予防対策というものがこれまで以上に必要ではないかなというふうに自分自身も思うわけです。 厚生省の来年度の予算案でもこの点を大変に重視されておりますけれども、この健康づくり対策について基本的にどういうお考えなのか、大臣からお話をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 医療制度につきましては、むだを排して合理的、効率的にすることは当然でございますが、必要な医療給付だけは必要な方に給付できるという体制を保持しつつむだを排していこうということで、今いろいろの合理化のための検討をさせていただいております。 一方、今、委員の御指摘のように、先ほども議論がございましたが、健康保持という点は極めて重要でございまして、病気にならないための施策、これはもう委員のおっしゃるとおりでございます。 私どもは、そういった意味で、二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21というのを策定しまして、とにかく病気にならないための健康保持を最重点に考えてスタートさせようとしているところで、委員の御指摘のとおりでございます。
○西川きよし君 次に、四番目に移りますが、厚生省がこれまで健康づくり対策として取り組まれました、昭和五十三年から始められました第一次国民健康づくり対策、十年後の六十三年、第二次健康づくり対策、十年をスパンといたしまして対策を立てておられるわけですけれども、それぞれの考え方、そして成果を御説明いただきたい。そして、今おっしゃられました健康日本21では新たにどのような考え方でその特色を打ち出されていくのか、御答弁をお願いします。
○政府委員(伊藤雅治君) 簡潔に申し上げますと、第一次国民健康づくり運動におきましては、特に栄養の問題に重点を置いて施策を展開してきたところでございます。それから、六十三年度から始まりました第二次国民健康づくり対策におきましては、特に運動に重点を置きまして、健康づくりのための運動を普及するための人材の育成でございますとか健康増進施設の普及を図ってきたところでございます。 これまで第一次、第二次をやりまして、一定の成果をおさめていることは事実でございますが、しかしこれで数量的にどれだけ成果が上がったかということについては、評価の物差しが実はきちっとしておりませんので、その辺のところは課題を残したというふうに言えると思います。 したがいまして、今策定を検討しております健康日本21におきましては、施策の評価が可能になる数値目標を定める。これは今、医学の世界では証拠に基づいた医学、エビデンス・ベースド・メディシンというのが国際的に流行しておりますが、目標数値を定めるに当たりましては、はっきりした根拠のもとに目標値を定めるということを行いまして、そして実際どれだけこの成果が上がったかということをはかれるようなそういう計画にしたいというのが健康日本21の一つの考え方でございます。 あわせまして、病気そのものを減少させるということを計画の大きなねらいの一つにしたいと考えているところでございます。
○西川きよし君 二十年前には第一次健康づくりの対策、基本的な考え方を今お伺いしまして、一次予防の推進、新たに今おっしゃいました健康日本21におきましても一次予防の重視が大きなテーマとされているということですけれども、これまでの一次予防に対する取り組みと今後の一次予防に対する取り組み、それぞれの基本的な部分というんでしょうか、どのような変化があるのかというのもお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) 今までも一次予防の推進ということを言ったのは確かでございます。しかし、第一次健康づくり対策におきまして一次予防の推進を基本的な方針に盛り込んでおりましたが、現実には健康診査による病気の早期発見や早期治療といった二次予防に重点が置かれていたというのは事実でございます。 このため、この健康日本21におきましては、病気そのものの発生、特に生活習慣と関連する病気そのものを減少させるということを念頭に置きまして、そのために国民一人一人が実行に移していくことができる仕組みをいかに地域社会の中につくっていくかということを重点といいますか、つまり、先ほどの御質問にもございましたが、箱物だけをつくるのではなくて、そういう仕組みを地域につくっていくことを重点に置いてこの健康日本21というものを考えていきたいというのが基本方針の一つでございます。
○西川きよし君 大臣は国民の健康と安全を守ることは厚生行政の原点であるというふうにおっしゃっておられますし、今回、私も質問に当たりまして健康について勉強させていただきましたけれども、健康の語、この言葉は幕末の一八四九年に適塾の創始者であります緒方洪庵が初めて用いたそうです。 これまでの長年の歴史の中でさまざまな方々が健康づくりに対応してきたわけですけれども、それでも健康に決してよくないというんでしょうか、本当にまだまだたばこを吸ったり深酒を我々もするわけです。こういう質問をしておって本当に自分もどうかなと思うわけですけれども、基本は自己の責任において健康を守るということが一番大切だということはよくわかっているんです。その辺を、こういう時代ですし、行政がどういうふうにサポートしていくのか、健康に対する動機というんですか、あれをしようこうしようということに結びついていかなければいけないと思うんです。 そうした中で、最近松崎先生のテレビ、新聞等を見させていただいたり読ませていただいたりしておるわけですけれども、福島県の西会津という町の長寿を沖縄に学ぶという取り組みが全国的に注目をされております。そうした地域の創意工夫、健康づくり対策、厚生省といたしましてはどのようにお考えか。また、来年度から厚生省と労働省が共同で家庭、地域、職場を包括した総合的な取り組みの検討に着手するということでございますが、代表して厚生省の方から御答弁をお願いします。
○政府委員(伊藤雅治君) 御指摘のように、個人の健康づくりにつきましては、その動機づけなり環境づくりが非常に重要だということはおっしゃるとおりだと思います。 したがいまして、健康日本21の中では、従来の施策の反省も踏まえまして、国民が健康の自己管理の重要性について認識し、みずから実行していけるための諸条件というものを検討していきたいと考えているところでございます。 今いろいろ具体的なことを検討しておりますが、今後、地方シンポジウム、全国シンポジウムなどを開きまして、専門家の意見も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 また、労働省の教育訓練給付制度についてのお尋ねでございますが、利用料金の半額負担という方策につきましては、費用負担や利用できる者が限定されることなどを考え合わせますと非常に難しいと考えておりますが、しかし国民の健康づくりを推進する観点から、健康増進施設の利用促進を図るべきとの委員の御提言は貴重なものと受けとめさせていただきたいと思います。
○西川きよし君 動機のお話は今お伺いいたしましたので、僕は三十六分までですので七番を飛ばして八番を少しだけお伺いできますでしょうか。 これまでの民間の健康増進施設の普及の件です。これも動機づけの一つになったわけですけれども、利用料を医療費控除の対象にするということで、あの時期質問もさせていただいて大変ブームになったような気もするんですけれども、利用状況はいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤雅治君) 利用実績を申し上げますと、関係の公益法人の調査によりますと、運動療法医療費控除申請者数で申し上げますと、平成九年は千八百三十八件となっております。
○西川きよし君 いいことをなさっておられるわけですけれども、利用者が少ないということが本当に残念に思います。 次は九番目に移らせていただきますけれども、例えば、今テレビもたくさん御家庭にはあります。そしてまた、車も同じく一台、二台と普及しておるわけですけれども、例えば自動車の場合ですと定期的に車検をしなければいけない、それも何十万円というお金を出して当たり前のように負担ができるわけですけれども、一方で同じぐらいの費用を自分の健康のために投資するかといいますと、そうではないわけです。 ただ、少々短絡的な意見もあるわけですけれども、例えば一カ月一万円の半分を負担したとすれば、これは相当な健康に対する動機づけ、私もやろう、おれもやろうというふうなことにならないのかな。例えば、労働省の施策で、サラリーマンに対して英会話教室やパソコン教室などの費用を八割負担しますという制度がスタートしました。せんだってもラジオの放送でこれをやらせていただいたんですけれども、大変な反響がございまして、民間の企業側も利用する側も大変に大きな反響となっておりました。 こういうものは本当に皆さん方に御利用していただきたいと思うわけですけれども、この場合も思い切って投資をするというような意味で費用の半分程度の負担制度があってもいいのではないか、こういう時期に何かお金を使うようなことばかりお願いするようで申しわけない気持ちにもなるわけですけれども、最後に大臣に御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員御指摘の施設の利用料金の半額負担という方策についてでございますが、趣旨はよくわかります。費用負担とかをいたすわけで、利用できる者が限定されるとか、いろいろそういう点がございますので、公平な見地等々から見てちょっと実施は困難かなという感じがいたします。 国民の健康づくりを推進する観点からは、健康増進施設の利用促進を図るべきであるということはやはり真剣に受けとめさせていただきまして、こうした利用促進を大いに図っていくことは重要かと存じますが、ただいま申しましたように、半額負担という点はちょっと今直ちにいい御返事ができないというように思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○入澤肇君 私は、きょうは厚生年金基金について、いろんな角度から御質問申し上げたいと思います。 まず、不良債権問題の後にはこの基金の積み立て不足問題の処理が大きな問題になるというふうに言われております。九八年六月、企業会計審議会は年金積み立て不足額を負債として母体企業のバランスシートに二〇〇一年の三月期から開示することを決めております。このことは、ほうっておきますと企業の格付に相当影響するわけであります。 そこで、今全国で千八百基金あるという厚生年金基金、このうちどのくらいが積み立て不足になっているんでしょうか。さらに、一説によりますと、上場企業全体で四十兆円ぐらい積み立て不足があると言われているんですけれども、その実情はいかがでしょうか。
○政府委員(矢野朝水君) この基金の積み立て不足というのはいろいろな計算方法によって違ってくるわけでございまして、厚生年金基金の私どもが今採用している積み立て基準に従った積み立て不足というのは一兆二千億程度でございます。これは平成九年三月末でございます。 一方、会計基準の見直しの観点は、これは企業年金に限らず退職金を含めまして積み立て不足を開示する、そういう動きがあるわけでございますけれども、この場合には、例えばそういう積み立て不足を現時点で幾らになるか計算する場合に割引率を使うわけでございますけれども、これを直近の非常に低い利率で計算をする、こういう方法をとっております。そういたしますと、そういう退職給付全体では四十兆から八十兆ぐらいあるんじゃないかと、こういうことが言われているわけでございます。
○入澤肇君 四十兆から八十兆と。倍、半分ですから、数字があってないがごとしのような答弁じゃないかと思うんです。 ではもう一つ、基金の問題点の一つといたしまして代行制度がしばしば問題になっております。要するに今までは基金がみずから非常に高い金利で運用していましたからうまみがあったんですけれども、五・五%以下の低金利になってしまいますとうまみがなくなっちゃったと。そこでこの代行制度を国に返上しようじゃないかという意見が一部に出されておりますけれども、その実情と、国に返上するという見解に対する考え方はいかがでしょうか。
○政府委員(矢野朝水君) ただいまお話にございましたように、代行制度というのはかつては企業年金の普及に非常に大きな役割を果たしましたし、これを運用することによって利差益が生じる、こういうことで大きな役割を果たしてきたわけですけれども、昨今、バブル崩壊後非常に低金利、株安という中で、かえって代行制度を持っているがために余計な利差損が生じてしまう、だからこれを返上したい、こういう声が上がっているのは十分承知いたしております。 この問題というのは年金審議会でも随分議論になりました。これは返上を認めるべきだとかあるいは適格年金への移行を認めるべきだ、こういう意見と、それに対しまして、代行制度というのはまだまだ大きな役割があるんじゃないかと。これは、言ってみますと、公的年金の一部を民間でやるということで民活の一種でもございますし、何でもかんでも公的にやるというのはよくないのじゃないかということで、これはまだまだこの制度を見直すのは早いと。両方の意見がございまして、これは引き続き検討ということになったわけです。 代行返上論とかそういったものを議論する際にはこの問題だけで議論するわけにもまいりませんで、これは例えば今話題になっております確定拠出型年金制度を認めるかどうか、こういった問題とか、企業年金の税制というのは非常にばらばらですけれどもこういった税制をどう考えるか、あるいは企業年金に共通した基本法をつくるべきだと、こういう基本法の議論もございます。やはりそういったいろんな問題の中の一環としてこの代行のあり方をこれから我々は真剣に議論していかなきゃいけない、こういう考え方で対応しているところでございます。
○入澤肇君 基本的な課題についてはそういうふうないろんな問題が指摘されているんでしょうけれども、現にある代行制度の運用につきまして、当面の課題といたしまして、例えば代行部分があるために業務コストがかさむ、代行部分のない税制適格年金と比較して業務コストは掛金率で〇・三%程度余計かかる、それから基金には御多分に漏れず多くの役人が天下っていて、その事務局の経費もちょっとかかり過ぎているんじゃないかという指摘もございます。 さらに、さっきの五・五%じゃないですけれども、年金の制度設計、これについてはもっと弾力的なやり方が認められないかとか、あるいは掛金率につきましても、将来の加入者が永久に続くと見込んで一応算定している。この点について、人口の見直しだとか見通し、あるいは企業経営の現状と比べて現に矛盾が露呈しつつある。こういうような問題点が現に運用の段階で指摘されているわけであります。これらについてはどのような方針で臨む考えでありますか。
○政府委員(矢野朝水君) 業務運営のコストを低減させる、これは私どもも非常に大事な視点だと思っております。いろいろな面で規制を緩和して業務運営の簡素化を図る、それでコストを下げる、こういうことでいろいろ取り組んでいるわけでございます。 例えば、最近実施しました問題としましては、予算の認可制をやめて届け出制にするとか、それからいろんな規約変更の関係で認可を要する、こういったものも届け出だけで結構ですよとか、あるいは選挙事務なんかの簡素化、これは小さな問題ですけれども、そういったいろんな簡素化を講じております。 そして、今、年金制度全体の改正について検討中でございますけれども、その中で基金制度についても当然見直しをするということで考えておりますのは、学識経験監事を必ず基金に置きなさいと、こういうことになっておるわけでございますけれども、これも時代の変化に対応してこういう必置制はもうやめようじゃないかと、こういう方向で考え方を今進めております。 それから、業務委託につきましても、これは一々認可制じゃなくても届け出で済むようにしようとか、こういうことで業務運営の簡素化に取り組んでおるところでございます。 それから、制度設計につきまして、基金は非常に規制が厳しいということが昔から言われておるわけでございますけれども、企業年金といえども老後所得保障の非常に重要な役割を果たすわけですからやはり終身年金が原則ではないかと考えております。ただ、いろんなニーズが多様化しているわけでございますので、有期年金でも設計はできますよということで有期年金の制度設計も認めているわけです。 それから、給付水準につきましても、長らく給付を上げる、充実することは認めても、給付を下げることはまかりならぬというのが従来のやり方だったんですけれども、労使の合意が得られて一定のきちんとした手続を踏んでいただければ給付水準の引き下げも構いませんと、こういうふうに改めたということでございます。 それから、掛金率についても、厳し過ぎるとか、あるいは逆に言いますと非常に安易に設定しているんじゃないか、こういう指摘もございますけれども、これは企業経営の実態を踏まえて将来の加入員につきましても適切に見込む、こういうことで指導しているわけです。こういった加入員の現状が永久に続く、こういうことで掛金を設定いたしますと、結局、加入員が減りますとその分余計にコストがかかってくる、事後的に穴埋めしなきゃいけない、こういうことになるわけですから、事前にきちんとした設定をするようにということで指導しているわけでございます。
○入澤肇君 今答弁されたような状況下で、厚生年金基金をめぐっては二つの前向きと後ろ向きといいますか、逆の動きがあるわけですね。 一つは解約です。六六年にこの制度が創設されてから九八年の十二月末、去年の十二月までに五十二基金が解約された。それから、一方で前向きのといいますか、これは各企業で過去勤務債務の積み立て不足を解消するためにいろんな努力をしている、償還期間を短縮したり、あるいは利回りを適正化したり、現実に合わせて利回りを設定したり、いろんな動きがございます。 まず、その解約の状況と主要企業の過去勤務債務積み立て不足を解消する対応策の動向につきまして御説明ください。
○政府委員(矢野朝水君) 基金制度創設以来、正確に申し上げますと五十四基金が解散をいたしております。これはバブル崩壊前と崩壊後というのは随分状況が変わってまいりまして、バブル崩壊前までは設立企業が合併をする、そういうことで一方が解散する、こういうことが多かったわけです。ところが、バブル崩壊後は運用環境が非常に厳しいということで、利差益どころか利差損が生じる、そして、特に斜陽産業と言われるような中で加入員がどんどん減ってしまう、逆に受給者がどんどんふえる、こういう中で利差益じゃなくて利差損が生じるということで掛金引き上げができません、こういうことで解散に追い込まれる、こういうことがふえてきておるわけでございます。 それで、特に去年、平成十年度と前の九年度、これが十四基金で、非常に昨今ふえております。その前の平成八年度が七、七年度が一、六年度が一ですから、八、九、十と非常にふえてきております。その中には母体企業が倒産をした、それで基金も解散せざるを得なくなった、こういうような事例がふえてきているわけでございます。 それから、積み立て不足を抱えた基金というのが非常に多くなってまいりまして、七割ぐらいが積み立て不足があるということでございまして、これはいろんな手を使ってその解消に努力をしております。 一つは、会社の利益を削って基金に積み増しをする、それから株などを売却して基金の積み立て不足に充てる、こういうところももちろんあるわけでございます。それ以外に、それとは逆に給付水準自体を端的に言いますと引き下げる、こういうことで積み立て不足を圧縮しようと、こういうところも出てまいりまして、既に給付水準の引き下げを実施した基金というのが三十基金ございます。それから予定利率を実態に応じて引き下げをした、こういうところもございまして、これが九基金ということでございます。
○入澤肇君 先ほどの答弁で厚生年金基金について確定拠出年金化の動きについて触れられましたけれども、この確定拠出年金、にわかに信託会社等が関心を持ちまして、各金融機関も大変な人を配置して、また宣伝をして将来に備えておりますけれども、この確定拠出年金を導入するためには現時点においてどのような条件整備をすればいいと考えておられますか。
○国務大臣(宮下創平君) 確定拠出型年金というのは、もう申し上げるまでもなく拠出を確定するという意味でございます。給付を保障するものではありません。そこに最大の特色があります。 アメリカの内国歳入法の四〇一Kというのはこれでございまして、アメリカではかなりの量の設定がなされております。我が国におきましても、やはりこれは年金制度全体との絡みの議論もございますが、私としては、基礎年金、報酬比例部分のこの社会保険の方式はそのままこれは存置したいと思っていますが、その上で企業年金の一つとして自主的な年金の形態としてこれを認めることは戦略会議でも提言されておられますが、私は賛成でございます。 したがって、今、大蔵、労働、厚生の三省におきまして審議官クラスで検討会を設けさせていただきまして、この六月くらいまでにめどをつけたいなと。これはいろいろの問題がございます、運用の問題その他。したがって、それらの問題を詰めて、特に税制上の優遇措置がぜひともこれはまた必要なわけでありまして、来年の概算要求までには形を整えたい。そして、年末の税制改正の審議等におきまして決定を見て、十二年度からできれば実施をしたいというつもりでございます。 メリット、デメリットがそれぞれございますから、十分検討しなければならない課題であることはもう申し上げるまでもございません。
○入澤肇君 ぜひわかりやすく、こういう条件が整備されたらこの年金制度が現実のものになるんだというふうな説明を一度聞かせてもらいたいと思います。きょうでなくても結構です。 それから次に、基礎年金以外の民営化が経済戦略会議でも指摘されております。この厚生年金の部分と厚生年金基金の部分を一括して、どうも混同して厚生年金の部分まで民営化するんじゃないかというふうに誤解しているところもあるんですけれども、ここら辺はもう少し区別してきちんと説明された方がいいんじゃないかと思うんです。その場合におきましても、代行部分、この部分が厚生年金の中に入っていると、どうも両者がごっちゃになって一緒に民営化されるんじゃないかというふうな説明になっちゃうんじゃないかなと思っているわけでございます。 したがって、この点についてもう少し、民営化をする場合にはどういう条件が整備されたらその議論が緒につくのかということについて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 私どもは、この年金制度につきましては、基礎年金の上に報酬比例部分、これは非常に相互に関連をしたシステムとして構築してございますからこれを変えるつもりはございません。ただし、その報酬比例部分の一部について代行をしていただくと。しかも企業がその上に上乗せをしたものが厚生年金基金でございますが、これはやっぱりその趣旨を明確にした方がわかりやすくなると思います。 したがって、厚生年金基金の方は一部代行部分がありますけれども、いわば広い意味の企業年金の一部でございますから、そういった点も踏まえまして、この代行制度のあり方については、例えば基金の充実の問題、今持ち合い株式を拠出できるかどうかということまで議論されているわけです。私どもとしては、年金財政健全化の趣旨からいって余り不良株を抱え込まされては困りますから、それはおのずからいろいろな条件がありますけれども、そうしたことを含めて企業年金の問題として、それは基礎年金報酬比例部分以外の上乗せの部分として観念をして対応していきたい、こう思っておるところです。
○入澤肇君 最後の質問でございますけれども、先ほど企業年金基本法の制定なんという言葉があったように聞こえましたけれども、企業年金につきましていろんな意見がある中で、私は一括してやるのであれば基本法じゃなくて通則法かあるいは実定法じゃないかと思っているんですけれども、どんなことを企業年金の基本法ということで考えているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(矢野朝水君) この企業年金は、代表的なものとして厚生年金基金、それから税制適格年金がございます。それ以外に自社年金とかいろいろあるわけですけれども、それぞれ制度の中身がばらばらですし、受給権保護の仕組みというのがまだまだ十分でない。企業年金に共通する基本法をつくって共通ルールを決めたらどうか、こういう議論が実は我が国にもございます。アメリカではERISAというのがございまして、そういった日本版ERISAをつくるべきじゃないか、こういう指摘があるわけでございます。 そういうことで、行政ベースでも、これは厚生省、大蔵省、労働省でございますけれども、三省で企業年金基本法の制定について検討しましょうということで検討を続けてきておるわけでございます。 そういう中で、やはり一番大きな課題というのは、受給権の保護、加入者の受給権をいかに保護するか、守っていくかということで、そのためには財政検証のルールをつくったり、企業年金に携わる人の責任、受託者責任というふうなことが言われておりますけれども、そういう責任を明確にするとか情報開示をもっとしっかりやっていくとか、こういったことが必要じゃないかということで企業年金基本法の検討を続けておるということでございます。 それから、確定拠出型につきましても、こういった確定拠出型の年金をつくる場合に、やはりこの年金業務に携わる人の責任を明確にするとか、その一環として教育をしっかりやるとか、それから情報開示をしっかりやるとか、こういったことでやはり企業年金基本法みたいなものが必要じゃないか、こういう意見もあるわけです。 したがって、企業年金基本法の問題と確定拠出型の問題、これはやはり一体として検討していくべきテーマじゃなかろうかということで関係省庁と御相談しながら検討を進めておるということでございます。
○入澤肇君 終わりますけれども、そういうことであれば、私は基本法といういわゆる立法の概念とはちょっと違って、むしろ通則法という概念を使った方がいいんじゃないかと思うんですけれども、これはひとつそのように申し上げて質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十六分散会