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145回国会参議院1999/03/29

行政監視委員会 第3号

発言数
152
登壇者
13
会派数
8
開催日
1999/03/29

会議録

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三月八日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。  また、去る同月九日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として小泉親司君が選任されました。     ─────────────

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に田名部匡省君を指名いたします。     ─────────────

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に国際協力事業団理事伊集院明夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  本日は、政府開発援助等に関する件について質疑を行うことといたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

馳浩自由民主党

○馳浩君 自由民主党の馳です。よろしくお願いいたします。  国会の行政監視委員会の場でODA問題について質問させていただくということは私のかねてからの念願でもありましたので、本当に貴重な場を与えていただいて感謝を申し上げます。  まず最初に、大島外務省経済協力局長にお伺いしたいんですが、今現在、日本の国は何カ国に対して政府開発援助、ODAを供与しているでありましょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) まず、当委員会にお招きをいただきまして政府開発援助の問題につきましていろいろ御説明をさせていただく機会を得ましたことにお礼を申し上げます。  ただいまのODA対象国でございますけれども、これまで我が国がODAを供与した開発途上地域等につきましては百六十二の国及び地域、こういうことになっております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 その対象国・地域の中心はどの地域でしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国の開発援助につきましては、主たる対象国・地域は我が国の属しておりますアジア地域ということになっておりまして、特に東アジア、東南アジア、この辺が中心でございます。  以前は大体二国間援助の七〇%ぐらいをこのアジア地域に供与してまいりましたけれども、最近少し比率が減っております。五〇%前後というものがアジア地域に行っております。二番目にアフリカ地域、あと中近東、中南米等でございます。最近は中央アジア、旧ソ連から引き離されましたコーカサス、それから中・東欧地域、大体こういう順序になっております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 開発途上国に対する経済援助ということでありますから世界に貢献する日本とすれば対象地域の偏りがあってはならないと思うのですが、これまでにアジア中心であったということの意味はどういったところにあるんでしょうか。  それと同時に、今、局長からお話しいただきましたが、アフリカ諸国あるいは中南米、東ヨーロッパ地域等々、より一層日本の援助を期待している地域も多いと思いますし、日本の外交戦略上もそういった地域との関係を深めていく上でODAを一つの外交上の戦略手段として使っていくことは必要だと思いますが、これまでの経緯とあわせて今後の展望をもうちょっと詳しくお伝えください。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) アジア地域が引き続いて日本の最重点の地域たり得るということは今後も恐らく変わらないだろうと思います。これは地理的関係、日本とこれらアジア地域の経済的、歴史的その他の関係からいいましても、かつこれらの諸国が持っております大変に大きな開発に対する需要、これにこたえていくことの必要性、こういったものが圧倒的でございますので変わらないと思います。  さらに、一昨年あたりからのアジア経済危機ということで大変に大きな問題を抱えております。こういう困難な状況にありますアジア地域に対しまして、引き続き日本としてできるだけの支援をしていくということが外交政策を含む全体の我が国の政策の中で非常に重要であろうと認識いたしております。  しかし同時に、我が国は七年間続けて世界最大の援助供与国、こういう地位を維持してきております。アフリカ等の諸国におきましても大変に膨大な開発の必要性がございますし、貧困、飢餓等の問題もあるわけでございますので、やはりアジア中心という姿勢は維持しつつも、アフリカ、それから日系人が多数おられます中南米等に対しましても、さらには太平洋諸国、小さな島国等ございますが、こういった国を含めて幅広く全世界的に目配りをしながら考えていく必要もあろうかと思っております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 今、世界最大の援助供与国とありましたけれども、世界のODAを拠出している国の中で何%ぐらいを占めているものですか。それと、日本として、昨年度でもいいですから、総額幾ら拠出しているのでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国が供与いたしました額は、一九九七年でございますが、これはOECDの開発援助委員会が集計して報告した数字でございますけれども、一兆一千三百二十億円、ドルにいたしまして九十三・六億ドルとなっております。これは二国間及び国際機関を通じた援助の規模では第一位ということになっております。GNP比で〇・二二%、大体こんな数字になります。

馳浩自由民主党

○馳浩君 GNP比で〇・二二%。  GNP比ということを考えると、そういう意味でも世界最大の供与国ですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) GNPの比率でいいます援助量ということになりますと、日本はむしろ下位の方でございまして、開発援助委員会の二十一カ国の中では第十九位ということでございます。

馳浩自由民主党

○馳浩君 額としては一番大きいというのはわかりましたけれども、GNP比という観点からすればまだまだ我が国のODAを量的に拡充する基礎体力はあるというふうに考えてよろしいのでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国としましては、従来からODAにつきましては量的な拡大を目指しまして中期計画というものを累次つくってまいっております。その結果が世界一の援助国にまで成長した成果になったということでございます。  他方、予算につきましては、平成十年度につきましては国内の大変に大きな財政的な問題がありましたのでODA全体で一〇%の削減が図られました。それから、十一年度に向けてはほぼ十年度並み、〇・二%程度の増でございますけれども、ほぼ横ばいということでございます。  この規模が我が国の開発援助の分野で果たすべき役割に比して大きいかどうか、将来の展望につきましては、やはりこれは財政的な制約というものを大きく受ける問題でございます。私どもとしましては、我が国自身が大変に難しい経済状況にある中で、政府開発援助については一〇%からさらに続いて削減を免れて、ぐっと踏みとどまって横ばいにした、この姿勢は国際的にも日本政府の意思を示したものということで受けとめられているというふうに思っております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 GNP比で十九位ということですが、では第一位の国はどこで何%でしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) GNP比の大きい国は北欧諸国でございまして、一九九八年の開発援助委員会の資料によりますと、デンマークが一位で〇・九七%、ノルウェーが〇・八六%、オランダが〇・八一%、大体こういうふうになっております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 ぜひこのGNP比一%に近い数値に近づけるためにも、先ほど局長は財政的に非常に厳しい状況であると言われましたが、財政的にGNP比一%に近づけることができない何か政治的な障害とか、国民合意がなされていないというふうにお考えですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国のGNP、分母になるべきGNPというのが膨大でございますので、この比率が順番にしますとこういった北欧諸国等のODA実績のGNP比という数字に比べますと小さくなっている、これはやむを得ないところだろうと思います。  ちなみに、アメリカ自身も大変にそういう意味では似たような状況にあるわけでございまして、アメリカの場合はGNP比だけで見ますと最下位でありまして、〇・〇九%ということで〇・一%にも達しておらないという状況でございます。  そういう中で、我が国につきましては〇・二二%というところにあるわけでございますが、これは現在の我が国が置かれた財政状況、その中で我が国が果たさなければいけないODAを通ずるいろいろな国際貢献の姿というものを考えますと、ぎりぎりのところであろうかと思っております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 ぎりぎりのところをさらに拡充していただきたいんです。  アメリカなどは非常に低いということは数値でわかりましたけれども、どうでしょう、途上国から日本に対するより一層の量的な拡充を求める期待、あるいは平成十年度ですか、これは財政構造改革法でも枠がかけられていたと思いますけれども、一〇%削減であったと。この影響が二国間援助でもあるいは多国間の、つまり国際機関に対する援助の額としても大きく減って、その機関の運営資金でさえままならないといった苦情が寄せられたということも私は承知しております。  そんな中での現在の諸外国からの期待というものはやっぱり大きいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国に対しますODAの分野における外国あるいは国際機関からの期待は大変に強いものがございます。  昨年、平成十年度の予算をつくりましたときに一〇%削減ということになったわけでございまして、特にこの際には国際機関に対します我が国の任意拠出金を相当削減せざるを得ないという事態があったわけでございます。このときには、先生御案内のとおり、大変に強い失望感がございまして、日本の総理大臣、外務大臣、各党に対しましてもいろいろな働きかけ等がございました。それが平成十一年度に向けましてはほぼ横ばいということで踏みとどまってくれたということに対しましては、先ほど申し上げましたように、それ自身に対する日本政府の努力というものはそういうことで評価をされていると思います。  二国間援助につきましても、特に今の状況で申しますと、経済危機のさなかにあります東アジア、東南アジア諸国、それから昨年十月に東京で行いましたアフリカ開発会議、大変に成功したと思っておりますけれども、こういった場で表明されている対日期待、それから、折に触れて日本にも開発途上地域の指導者の方々がたくさんお見えになりますけれども、そういった際に表明される我が国に対する資金的、技術的ノウハウの供与、こういったものに対する要請、要望、期待というのは大変に強いものがあると申し上げていいと思います。

馳浩自由民主党

○馳浩君 これは考えなきゃいけないのは、我が国の経済的な規模に応じたODA予算の拠出、そしてこれが国際貢献として被援助国に本当に喜ばれているのかな、日本がこれだけの額を我が国に拠出していただいているという日本に対する感謝の気持ちを持っていただいているのかなという点が一点。と同時に、これは予算でありますから財投のお金であるとか私たちの税金から出ているお金でありますけれども、我が国の国民はODA予算として一兆一千三百二十億円、これだけの額が拠出されていることに対して深い理解を示しているのかな、この辺の見合いが政策判断として必要になってくると思いますし、行政当局としてどのようにこれをお考えになっておられるか、御感想を伺いたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国の開発援助というものは、一つは資金的な協力、それから人間が関係をする形での技術協力、あとは国際機関を経由する協力、大別いたしますとそういう三つの形態になろうかと思います。  国際機関の関係につきましては先ほどちょっと申し上げさせていただきました。  二国間の協力でございますけれども、二国間の協力の中でまず人間が中に入ります形での協力、例えば青年海外協力隊はその典型的な例と申してよろしいかと思いますが、それ以外にも日本からたくさんの技術専門家が海外途上地域に赴いていろいろな技術協力に携わっておられます。こういったもの、それから緊急的な場合の援助、洪水、地震等の場合の緊急援助隊の派遣、こういったいわゆる日本人の顔の見えるものは日本の協力ということで素直に評価され、役に立っているというふうに私どももこれは高く評価しております。  資金協力につきましても、資金協力の実施の結果いろいろなプロジェクトが、インフラプロジェクトを初め学校の建設とか下水の施設とか、こういった形でのいろいろなプロジェクトがつくられるわけでございますが、そのかなりの部分につきましては日本人がその建設に請負業者として関与いたします。  さらに、そういうものが完成をしますと起工式、完工式、受け渡し式というようなものが行われますけれども、こういった場合にもその地元におきましてテレビや新聞等にそれが大きく報じられます。どの程度これが報じられているかということにつきましては、実は定点観測を先般行いました。新聞、テレビ、ラジオ等で私どもが予想したよりも相当の頻度で、かつ扱いの大きさでそういうものが扱われて我が国の外交の下支えの一端を担っておるという姿を確認することができたと思います。  もちろん、さらに広報の面、いろいろな面で改善を要することはあると我々も重々思っておりますけれども、全般としましては我々のこうした日本人の全体を挙げての、国を挙げての協力の姿というものは多くの国においてそのまま正当な積極的な評価として成果を生みつつあるというふうに思っております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 もう一つ、我が国の国民に広く理解していただいているかなという点なんです。  実はこの行政監視委員会の場で私たち国会議員がこのODA問題についていろんな問題点を指摘し、行政当局にその問題点を明らかにしていただいて改善していこうというのは、これは一つの国民に対する周知、理解を求める上で重要な場だと私は思うんですよね。そういう意味では、これはまだ第一回なわけでありまして、この後委員の皆さん方からいろんな指摘がされてくると思いますが、まずこれまで十分に広報がなされていたのかなと私はちょっと懸念を持っております。  そういう意味で、一兆円を超える予算がODAに使われているということに対して相手国からは大変な感謝をいただいているということは今御説明いただいてわかりましたが、何よりもこの経済危機の時代に日本の国民に理解いただかなければいけないんじゃないかなと。ましてや、これは国家予算ですから国会承認を得ての予算執行ということになるわけでありますから、この点の努力はもっともっとしなきゃいけないと思うんですね。いかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 馳先生御指摘のとおり、全く私どもも痛切にそういうふうに感じております。  総理府が年一度、国民の世論調査をやっておるわけでございます。その中でこの政府開発援助に対する世論調査も行われております。従来の例ですと、大体七割近くの国民の皆様方が我が国の援助について現在レベルを維持すべき、あるいはもう少しふやすべきという意見を言っておられます。もしこの総理府の調査が一つの指針、ヒントということになりますと、そういう意味でかなりの高いパーセンテージで国民の皆様方に理解をしていただいておるというふうに思います。ただ、昨今のこういう我が国自身の厳しい経済財政状況の中でございますので、こういった数字もこれから多少は下がっていくことも十分あり得るかとは思います。  そういうことでありますけれども、何よりもやはりこういう事業をやっていることについて、まずは国内の各方面、国民の皆様方に幅広く御理解をいただく、そのための工夫を私どもとしてしなきゃいけないというふうに思っております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 ちょっと観点を変えまして、我が国の国際貢献という観点から見たいと思うんですけれども、我が国の憲法の制約によりまして、軍事貢献という観点からすれば限定されます。我が国の国際社会の平和に対する貢献というものは限られます。これはもう私が指摘するまでもないことですが、そうなると外交上の一つの手段としてこの政府開発援助、ODA予算がどのように執行されるかということは外務省として日本の対外的な態度を明確にする上でも非常に貴重な手段になってくると思うんですね。  しかし、そう考えたときに、経済援助でありますから大蔵省、通産省あるいは建設省、農水省、経済企画庁、こういった経済官庁にどうしてもイニシアチブを握られてしまって、肝心の外務省経済協力局のリーダーシップというものが発揮できないのではないかなという懸念を持つのですが、この点、局長がいらっしゃる経済協力局の行政執行体制等を踏まえまして、どういうふうに感想を持っておられるか、お聞きしたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 援助を実施しております先進国の援助体制、いろいろ我々も研究をいたしておるわけでございます。それぞれの国がそれぞれの行政風土とか伝統に合ったやり方をやっております。我が国の場合には、これは一つには政府を挙げて取り組む、それからいろいろな経済協力、特に専門技術がかかわってまいります技術協力につきましては原子力から米づくりまで非常に幅広い分野がございますので関係省庁の数もその分ふえます。したがいまして、ほかの国に比べますと、我が国の援助の実施体制、政府の中の仕組みというのはやや多元化された仕組みになっていると申し上げてよろしいかと思います。つまり、一元化された援助省とか援助庁というようなものはそういう意味ではないわけでございます。  しかしながら、この開発援助の仕事は海外で事業が行われるものでございますし、海外における事業となりますと案件の発掘からその途中の実施、最後の完成、フォローアップまで基本的には在外公館あるいは実施機関であります国際協力事業団とか経済協力基金の海外事務所、こういったものが中心となるわけでございます。そういう意味で、全体の政策の策定から実施に伴います過程において外務省がいろいろな意味でイニシアチブを発揮したり中心的な役割を果たしたり、あるいは調整を行っていく、こういう形で行われております。  その力が十分かどうかということについてはいろいろ御議論もあろうかと思いますけれども、そういう我が国の援助の実態を反映したやり方ということで、外務省を中心に政府全体を挙げて取り組んでいくという仕組みはそれなりにきちんと動いているというふうに考えております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 局長は考えておるというふうにおっしゃいますけれども、外務省が把握しておるODA予算というのは大体六千億円を切るぐらいですよね。技術協力に関していえば十九省庁にわたりまして、経済協力のところに関すればOECFや輸銀やJICA等々多岐にわたっておるわけであります。そんな中で外務省の経済協力局が人員的にも、それから他省庁との協力関係においても本当にリーダーシップをとっているのかなというこの点こそ私たちが知りたいところなんですね。  ODAに関しましては、基本法もないわけでありますから、大綱に基づいて行われておるということになってきますと、どうしても私たち議員から見ますと不透明な部分が多い、全体像を把握できない、機動的にODA予算を予算づけしておられるのかなというこの点が心配なんですが、そういう観点からいかがでしょうか。今現在の経済協力局の体制で十分なのかどうかというこの一点をちょっとお伝えください。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 御指摘のような点がもちろんございます。  今般の政府全体を通じます行政改革の議論の中でもこの政府開発援助の体制をどうするのかという点は随分議論があったわけでございます。その中で、昨年の行政改革基本法におきまして外務省をいろいろな意味での調整のコアとして、中核として位置づけていくという方向性が基本法そのものに打ち出されてきましたので、これから先に向けての方向性というのははっきりしてきていると思います。  その中で、円借款につきましては四省庁体制という形で緊密な協力体制ができておりますし、技術協力につきましては関係する省庁が十数省庁ございますけれども、外務省、JICAを軸といたします一番関係の深いところが全体を調整していくという線で政府部内の責任の所在といいますか、役割がより従来に比べ明確になっていくということでございます。  そういう方向の中で、それから先はいろいろな運用をきちんとしていくということだろうと思いますけれども、政府全体がそうでございますし、さらに外務省の中におきましても、ODAの仕事は経済協力局という局が一つございますが、ここだけがやっているわけではございませんで、関係の地域局というものもございますし、それから国際機関を担当しておる部局もございます。こういったものが総合的に全体的な調整のもとで対応していく必要がありますので、その点につきましてはこれからの新しい方向づけの中でできるだけ効率的、効果的に行えるようにやっていくというのが今の私どもの強い方針でございます。

馳浩自由民主党

○馳浩君 この観点から具体的なことを一つ申し上げますと、ODA予算の執行についてぜひ私たち国会でもっと注目したいなと思うのは評価のあり方なんですね。  毎年、経済協力局の方ではたくさんの事業評価というものをしておられると思いますけれども、そしてそれを新たな案件発掘、そして予算づけに生かしていかれていると思いますけれども、この評価体制というものは経済協力局で十分対応できるものですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この援助の案件をやりっ放しではもちろんいけないわけでございますので、非常に評価というものが重視されております。  体制につきましては、外務省自身は評価室というものを別途設けまして、ここで七名が常時この評価の仕事に携わっております。別途、実施機関におきましては、まず技術協力をやっておりますJICAにおきましても七名の評価管理室という特別のユニットを設けておりますし、それから円借款を担当しております海外経済協力基金におきましては八名の評価グループというものを設けておりますので、この三者だけでも二十名以上の評価専門のスタッフがいろいろなプロジェクト、プログラムの実施の際に評価の事業に専門的に従事しております。  これは十分かどうかということになりますといろいろありますけれども、我が国自身の援助スタッフが全体としては非常に少のうございますが、そういう中で評価の重要性というものを十分認識いたしまして、それなりの人材を割り当ててやっておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

馳浩自由民主党

○馳浩君 ここは私はこの行政監視委員会の場での質問で一番ポイントとしたいところなんですが、二十名のスタッフ。そして、先ほど私が申し上げましたように、ODAというのは外交上の一つの重要の手段なんですね。日本が国際貢献する上での重要な手段なんですね。  そう考えたときに、言葉は悪いかもしれませんが、外務省が予算づけをして身内の外務省の方が評価をするというのはおかしいんじゃないんですか、身内の評価という観点からいくと。もちろん、人数も私は少ないと思いますし、十分な体制だとは思いません。この辺は局長ももっと評価体制を拡充するために職員をふやしてほしいななんという希望もあるとは思いますけれども、ただ国民から見れば第三者の評価、私たちの予算、税金や財投の資金が使われている、それに対する評価は外務省が予算づけをして外務省が評価をするというのではなくて第三者に評価をさせて、そこから外務省が指摘を受けてフォローアップしたりフィードバックしたりしていく、これが健全な評価のあり方ではないかなと私は思います。  そういう意味で、第三者に評価をゆだねて、そこから指摘を受けて自分たちの行政に新たに生かしていくという、この観点からの政策は考えていないんですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) まさに評価につきましては公正性あるいは客観性ということが非常に重要なことは改めて申し上げるまでもないわけでございます。そのためには、やはり第三者の目がきちんと届くということが非常に重要になるわけでございまして、このためにもちろん大使館自身あるいはJICA自身もOECF自身も自分で評価をいたしますけれども、それだけではございませんで、まず外務省の中におきましては経済協力局長のもとに評価のあり方、その手法、それからいろいろな通常私ども実務家だけではなかなか気のつきにくいような点も含めましてアドバイスを得る趣旨で援助評価検討部会というものを設けておりまして、外部有識者の御参加を得てこれを適時やっております。  さらに、評価を行う際に、実際にチームを海外に派遣いたしまして評価活動に当たるわけですが、その際に第三者、すなわち援助問題の専門家でございますとか学者でございますとか、あるいは場合によったら報道関係の人も入ってもらうことがありますけれども、そういった方々、さらには国際的に世界銀行とかアメリカの援助庁とか、日本もいろいろ交流がございますそういった機関の方々の御参加を得るということもやっております。さらに、最近はNGOの関係の皆様方にも参加をしていただいておりまして、合同評価といったようなこともやっております。  そういうことで、まさに第三者の目をできるだけ反映させる、その結果をそのまま外部にも公表していくということで、この第三者評価というものの位置づけを私どもも非常に重要なものと心得て実施に移し始めたところでございます。

馳浩自由民主党

○馳浩君 通産省や経済企画庁あるいは外務省などでもODA改革というものは財政の厳しい折からいろんな提言が一昨年来たくさん出されておりますが、この第三者評価、あるいは評価手法の開発、こういったものについての指摘がどの改革提言書にもあるわけですよね。そういう観点からいえば、もっとより迅速に評価のあり方についていかにして考えていくかということを本当に第三者にゆだねるという行政の仕組みに抜本的に変えることが私は必要ではないかなと思います。  実は私たち自由民主党でもODA基本法の作成のためにプロジェクトチームをつくっておりまして、これは自民党だけがやっているわけじゃなくて、一昨年来参議院の国際問題調査会のもとに対外経済協力の小委員会を設けまして、与野党全部が入りまして提言をまとめまして、それに基づいてやっぱり国会が関与していかなければいけないのじゃないのか、ODAの執行する予算を縛るというのはこれはちょっと非現実的でありますけれども、実際に執行されたものについての評価のあり方について我々国会が関与することによって、我々もやはり選挙を経て選ばれてきている代弁者でありますから、有権者の皆さんにお伝えすることができますし、議事録にも残るわけでありますから国会においても基本法のもとにODAについての透明性とか今後の効率的な予算の執行というものを求めていきたいと思っております。そういう観点からもさらに局長に、これはこれ以上質問しませんが、評価のあり方ということについて出された改革の提言を早く実行に移していただくように要望を申し上げておきたいと思います。  それから、もう少しで質問を終わりますけれども、世の中は大変リサイクルの時代でありますけれども、ODA予算も無償資金協力と有償資金協力と技術協力、三つの大きな柱があるわけですね。有償資金協力は円借款でありますから、お貸ししたものは返ってくるわけですね。今までに円借款として供与した部分がちゃんと期限に耳をそろえてお返しいただいているんですか、まずこの一点。そして、そのお返しいただいた資金というものをさらに有効にODA予算として活用していただいているんですかというお金のリサイクルの流れの部分、有効に使っていただいているかどうか。  それから、先ほどちらっと局長からも指摘がありましたが、顔の見える援助ということからいいますと青年海外協力隊、これに私非常にすばらしい点があるなと思うのはシルバー人材の活用というのがあるんですね。やっぱり青年となりますと、現在二十歳から三十九歳までだったと思いますけれども、働き盛りの人が海外へボランティア活動のような形で青年海外協力隊員で行きましても、帰ってきてからの就職の問題もありますし、技術という点からいきましたらむしろ我々日本人は、今高齢化社会ですから六十歳ぐらいの定年を迎えられた方でまだまだ体力も意欲も、何よりも技術がある、人間性も豊かな方々が海外に行って御活躍いただく、すばらしいことだなと思います。  こういうシルバー人材の活用、人材のリサイクルと言うと行かれている方に失礼ではありますけれども、青年海外協力隊の事業の中でシルバー人材の活用という観点から日本の人材、これは実は定年を迎えられた有能な六十歳以上の方々、五年も十年も行ってこいとは言いません、一年、二年でも本当に能力があって専門的な知識もあってやりたいという希望がある方はどんどん私は出していただきたいんですね。これこそまさしく顔の見える援助じゃないか、日本の本当の蓄積された専門的な技術を途上国にお伝えする、人と人との交流に当たる能力じゃないかなと思います。  もう一つ、三点目はいわゆる南南協力でありまして、東南アジア、あるいはこれはアフリカ地域でもどんどんやっていただきたいんですが、それぞれの国にすべて人、物、金を流すのじゃなくて、ある拠点拠点に集中的に、恐らく大学等を通じればいいのだなと思いますけれども、人材と資金とそれから設備、これを途上国のある地域に集中的に日本が支援をすることによってその周辺諸国が被援助国のその集中的に援助を受けている地域へ行ってまた学ぶことができる、こういう南南協力の体制も私はリサイクルという観点から、リサイクルに当たらないかもしれませんが、連携して効率的な予算の執行ということを考えればもっともっと拡充していただいた方がいいんじゃないかと。  なぜならば、これは日本のODAですけれども、やはり言葉の問題、文化の違い、生活習慣の違い、こういったものからすべての国にすべての能力がある日本人が行くという、これもまた幾ら日本人が優秀とはいえ風土に合う、習慣に合うような指導をできる人材が育つかといえばそうでもないわけですね。その観点からNGOの皆さんにも御活躍いただきたいのですが、基本的には集中的に被援助国を決めてその周辺諸国に私たちが援助をした人、物、金が波及効果として流れていく、こういう支援も必要になってくると。  この三つの観点、円借款のお金がちゃんと返ってきてそれがまた有効に使われているか、つまり円借款のお金が耳をそろえてちゃんと返ってきているんですかという観点もあるんです。二番目が日本の定年退職を迎えられた後専門的な知識を持っておられる方々のシルバー人材の活用、三番目が南南協力、この観点が私は今後のODAの予算の効率的な執行ということを考えると一つのポイントにもなると思うんですが、いかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) まず、第一点の円借款の返済でございますが、現在までに円借款として供与いたしました額は全体で十一兆八千四百七十一億円、これが融資の実行額の全体でございます。回収はおおむね順調に進んでおりまして、額で申しますと二兆六千八百六十三億円が回収されております。したがいまして、残高が九兆三千億強、こういうことになっております。回収された資金は次の借款の原資ということで海外経済協力基金の予算の中に組み入れられている、こういう仕組みになっておるわけでございます。  回収につきましては、一部の国につきましては、アフリカそれから一部アジアの国もありますけれども、国際収支状況がおかしくなる、経済が不調に陥るといったような状況で返済に滞りが生じるケースも間々ございます。こういった場合には債権国が、パリ・クラブという一応確立した国際的な枠組みができておりますので、パリ・クラブに集まりましてその国に対する各国の債権の処理をどうするかということを協議いたしまして、国際的な一定の枠組みに従う対応ができるようになっております。通常は繰り延べを行っております。最近は繰り延べにとどまらず、債務そのものを削減していくということで国際的にもいろいろなスキームができておりますが、我が国といたしましては基本的にはそういった国際的なスキームに従って債務の返済に滞りが生じた場合には対応する、こういうことで対応しております。  二番目の青年協力隊に関係いたしました特に年長者の方々の海外の活動への参加ということでございますが、これにつきましては、青年海外協力隊は年齢的に申しますと一応三十九歳までということで仕切りがしてあります。したがいまして、四十歳以上で海外で活躍をしたいと言われる方がたくさんおられるわけでございまして、こういった方々を派遣するための制度としまして国際協力事業団の中にいわゆるシルバー人材、四十歳の人をシルバーとはちょっとまだ早過ぎるかもしれませんけれども、シニアの隊員の派遣制度というものもできておりまして、昨今いろいろな国内の状況を反映いたしまして希望者が大変にふえているという状況でございますので、さらに人数をふやして海外のこういった協力に生かせるものについては積極的に生かすように私どもも大いにこの点の拡充を図ってまいりたいと思っております。  それから、南南協力につきましては先生御指摘のとおりでございまして、いわゆる先進国から開発途上国へといった垂直的な形の協力が伝統的なパターンではあるわけでございますが、最近はかなりの国が力をつけて、みずから援助を受けつつも細々と今度は援助する側に少しずつ回っていく、既に韓国がそうでございますし、東南アジアの例でいいますと、今ちょっと経済危機で元気がやや落ちておりますけれども、例えばタイのような国も隣のラオスに対して協力をするとか、マレーシア、こういった国も既に協力を始めております。こういうことで、途上国同士の中でもより進んだ国がそうでない国を支援していく、これを南南協力と呼んでおりますけれども、そういう協力を日本がバックアップして協力がさらに進むようにするということ、これは今一つの大きな国際的な流れになっていると申し上げてよろしいかと思いますし、日本はこれを積極的に支援をしてまいっております。  昨年の十月に東京で行われました第二回アフリカ開発会議におきましてもこの南南協力、これはより大きな視野で、要するにアジアとアフリカ、アジア・アフリカ協力という形で南南協力をひとつ拡大をしていこうという意思のあらわれでございますが、こういったアジア・アフリカ協力という形で対アフリカ協力に一つの新しい道筋をつけようということも試みられておりまして、これを軌道に乗せていくことが我が国にとってのこれからの南南協力を生かす上で一つの試金石といいますか、チャレンジと申しますか、大事なことであろうと思っております。

馳浩自由民主党

○馳浩君 実はきょう私が質問通告をした質問は一つもしていなくて、ぶっつけ本番で局長にいろいろと伺いました。私の質問したかった趣旨は、この国会においてもぜひODA基本法をつくって、こういう本当に各党の皆さんがそろっている場でODAの本当の意味というものを理解して、より一層の途上国に対する支援あるいは貧困の撲滅、人道的な援助、そういったものも日本としてどんどん国際貢献としてしていただきたい、もう一つの観点は国益の観点から外交上の重要な手段として活用していただきたいと思っています。  そういう意味からも、実は一昨年から国際問題調査会のもとに小委員会をつくって、与野党合意の上で基本法が必要なのではないかという骨子案ができて、今現在自民党の方でもプロジェクトチームをつくって議論し、できるだけ早く法案をつくって各党の皆さんにも了解をいただいて国会に提出してやろうというふうに活動しておるわけでありまして、私はそのメンバーにおりましたのでこれまでの経緯をひとつ改めてこの場で局長に意見交換の場としていろいろな意見を伺いました。  よく国会議員がODAの問題をやったって票にならないなんと言われるんですけれども、むしろ参議院であるからこそこういう重要な問題点、国際貢献に関与する問題点については積極的に取り組まなければいけないし、この行政監視委員会が参議院にあるということの意味を重く受けとめて、私はODA問題をこれからもどんどんこの委員会で取り上げていっていただきたいと思っております。  きょう私はもっともっとたくさんの質問を準備してきたのでありますが、また機会を改めて局長にいろいろと伺いたいと思います。  きょうはありがとうございました。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 民主党の櫻井充です。  馳議員とちょっと重なるところがございますので、その点は質問通告の中でカットさせていただきたいと思います。  まず最初に、新聞報道によりますと、円借款の不良債権化、それから最貧国支援のODA債権の全額放棄等が報じられております。それの額が幾らぐらいになるものなのか、それについてまずお教えください。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 円借款の供与に際しましては、四省庁で協議の過程におきまして借入国のいろいろな状況、すなわちマクロ経済状況あるいは公共投資計画等々さまざまな点を十分調査いたした上で、将来借入国にとって返済が過度な負担とならないように慎重な検討を経て個々の決定をいたしておるわけでございます。  一般論としましては、円借款につきましては借入国が政府であったりあるいは公的機関でございますので、一時的に返済の延滞というものが生じる可能性はあるわけでございますけれども、返済そのものについては基本的には確実に回収される、そういう意味で貸し倒れが生じないというふうに理解をしております。  さはさりながら、現実に延滞の問題が生じております。先ほど数字を挙げさせていただきました。加えまして、特にアフリカ等の最貧国におきましては債務問題が大変に深刻になっておるということでございまして、特に重債務貧困国と呼ばれている国に対します債務の軽減措置が従来先進国サミット等の場を中心にいろいろ検討されてきております。ことしのケルン・サミットにおきましても重債務貧困国の債務救済措置をさらに進めようということで、現在関係国の間でいろいろ専門的な見地から検討が行われております。  我が国としても、こういった重債務貧困国につきましては特別の需要があるということで、我が国としてどういう角度から債務救済に臨んでいくかということは目下政府内でもいろいろ検討を開始しておる状況でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 新聞によりますと、不良債権化が大体四千四百億円ぐらい、それから全額放棄が一兆円ぐらいというふうに言われているわけです。これらに対して、今でさえ国内の財政難というか景気の悪化もあるわけですから、今後そういうふうな国に対してどういうふうな対応をされていくのか、御検討されている段階でしょうけれども、今の段階でどの程度まで進んでいるのか、それについて教えていただきたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 今問題になっておりますのは重債務の貧困国ということでございますけれども、我が国としては大体四つぐらいの検討の柱を据えております。  まず一つは、パリ・クラブというところで債権国の公的債権の債務救済措置をどういうふうに処理するかということで国際的な枠組みがございますので、このパリ・クラブを通ずる対応をどうしていくか。具体的には、我が国の場合には特に円借款等の公的債権につきましては繰り延べ措置を従来とってきております。この繰り延べ措置を中心としてさらにどういう措置があり得るか。  二番目に、我が国としては債権を帳消しにするという政策はとっておりません。国内法的にもちょっと難しいということでございます。したがいまして、帳消しそのものはできないわけでございますが、それと実質的に同じ効果を有するものということで、従来円借款の返済額と同額のものを債務救済無償資金ということで供与しております。実質的には同じ効果を持つものというふうに国際的に認められております。この債務救済のための無償資金協力、これを現在以上にさらに広げるかどうかといったような見地がもう一つ検討課題になっておろうかと思います。  三番目に、アフリカ諸国を中心としまして債務国の債務の管理能力、これをきちんとするということも同様に重要なことでございまして、このためには技術協力による研修を行うとか、あるいは国際機関を通じた研修をさらに充実させる、こういった分野で日本もできることは相当にあろうと思っております。  それから四番目に、二国間の債権問題の処理のほかに、世界銀行とかIMFといった国際機関が持っている債権、これも非常に大きなものがあるわけでございますので、これをどうするかという問題があります。こうした国際機関が持っております債権の削減をする場合にはやはりそれなりに資金が必要でございますので、その資金をどういうふうにこれから構築をしていくかといったような問題も検討の課題になろうかと思っております。  とりあえず気がつくところでは四点ぐらいポイントがあろうと思っておりますが、そういった点を中心に我が国としてこうした重債務貧困国に対しては基本的には債務の返済というのは自助努力でなされるべきであるという基本理念、これは我が国自身持っておるわけですし、変えるべきでないと思っておりますが、他方で現実には大変な重債務の負担というものが開発の足を引っ張っておるという現実もございますので、諸外国と十分協議し、我が国として限度を見きわめつつ対応を図っていきたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今のお話の中でアフリカ諸国ということでしたけれども、実際アジアの国々の中でも債権放棄になってしまうかもしれない国があるというふうにも報じられているわけです。そこの中で、名前を出しにくいんですけれども、とある国は全く最初から返す気がないんじゃないかというふうに思われるような国もございます。  ですから、一生懸命借金を払う努力をしている国と全く努力をしない国と同じようなことに、同じというか、片側の国は借金を全く払わないというふうなことでは各国から不満の声が上がるんじゃないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) その点は全く御指摘のとおりであろうと思います。  債務削減あるいは債務軽減措置、帳消しといったような措置はそれはそれで、どうしてもこれがないと一国の経済がつぶれてしまうというような国、これに対してはやはりきちんとした救済策というものが必要であろうと思いますが、しかし同時に苦しい中で一生懸命返済をしている、これは日本に対して返済しているだけではございませんで、国際機関とかそのほかの債権国に対しても返済している、こういう国に対しまして余り安易に、いわゆるイージーマネーな救済措置がとられるというようなことになりますと、それはいろいろ問題を引き起こすということでございまして、私どもの業界用語でこれをモラルハザードと呼んでおりますけれども、そのモラルハザードの問題が確かにございます。したがいまして、そこら辺のところは慎重に考えなきゃいけないところでございます。  我が国が帳消しそのものを認めていないというのは、国内法の体制もございますけれども、やはり一つの基本的な理念として債務というものはできるだけ自助努力によって返済がなされるというのが基本であろうというその基本線を重要に考えていくということで、そういう帳消しを直接認めるということは従来やっておりませんし、これからもそういうことはしないと思います。  ただ、実質的に同じ効果を有する措置というものについては知恵を出し得る部分でございますので、先ほども申し上げましたように、債務救済、無償といったような形で具体的な措置として取り上げて対応してまいっております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これらの国々に対して今後も同様の額の同じような格好でのODAを行っていくのかどうか、例えば日本の場合はグラントエレメントが世界の国々から見れば低いわけであって、つまり借款が多くて贈与の割合が低いわけですけれども、これまでなかなか借金が払えないような国に関してそのような借款をもう少し低くし贈与を多くするとか、今後のODAのあり方というのを変更されるとか、その点についてはいかがなんでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) やはり基本的にこういった貧困国に対しましてはそれぞれの国々の経済パフォーマンス等を精査いたしますけれども、やはり基本的には借款というものについては慎重に臨むべきだろうと思っております。特に国連の中で認定されております最貧国、LLDCと呼ばれる諸国に対しましては、我が国としても基本的には無償資金で対応するということを原則として従来確認をしてきておるわけでございまして、今後ともこういったLLDC諸国並びにそれに類する諸国につきましては、基本的には原則として無償資金協力で対応して大きな債務を残さないような対応をしていくべきだろうと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ちょっと基本的なことをお伺いしたいんですけれども、日本にとって今後のODAというのは外交政策上どのような意味を持つというふうにお考えなのでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国の外交におきましては、憲法の建前、それから国民の外交に対する考え方、いろいろな要素を勘案する必要があろうかと思いますけれども、恐らくこうした経済協力あるいは技術協力、これは国際機関を通ずる協力も当然含むわけでございますが、こういう形による協力が日本自身にとっても最も得意だし強いところであるし、かつ海外からもまさに日本にふさわしい役割ということで期待をされている部分だろうと、この点については恐らく余り大きな異論はないんだろうと思っております。  したがいまして、こういう形で我が国が百五十を超える国に対していろいろな形での協力を進めているということは、これは確実に外交的な役割を果たしている、外交の下支えをなしているということははっきり言えると思います。  具体的にそれがどういう形で判定できるかということ、これはなかなか個々に具体的に検証することは難しいものがあるかと思いますけれども、いろいろな国際的な選挙、国連における選挙等もございますが、例えばこういう場が一つのそういった感じがあらわれる場ではなかろうかと思いますけれども、我が国に対します大変に高い支持、強い支持というものを見ますと、そういった努力の結果というものが一つはそういう形であらわれている、これが我が国の例えば国際的ないろいろな場における立場のしっかりとした下支えを与えているというふうに申してよろしいかと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ただ、一九八一年以降のODAの配分比率を見てみますと、技術協力費、それから無償資金協力費、国際機関への出資などほとんど変化がないわけであって、果たして政策判断があるのかどうかということがちょっと疑問だと思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 確かに、今、先生御指摘になりましたような費目別の割合を見ますと、年から年へとそう大きく変化をしているわけではございません。これは、一つにはこういったODAの事業と申しますのは中長期の事業でございまして、支援を受ける相手国もその国の経済開発計画というものを持っておりまして、それに従っていろいろなプロジェクトをやる、その幾つかについては日本の協力を得ながらやる、こういうことでございます。したがって、ある程度継続的にその資源を投入するということが必要になるといったようなことがございます。したがって、余り年から年にかけて急激に配分が変わっていくということは必ずしも適当ではないのではなかろうか、一つはそういう面があろうかと思います。  しかし、他方、それではまさに政策判断というものが十分に生かせないではないかということになり得るわけでございまして、そこはこれから中期計画とかあるいは国別計画というようなものを充実させていくわけでございまして、そういう中期計画、国別計画の中で相手国の援助ニーズというものをやはり的確に反映させながら対応していくということでございまして、政策判断を十分生かすということについては当然のことでございますし、私どももそういう形で反映をさせていきたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 政策的な判断という中でいいますと、今のは出資比率の話で今度は相手国に対してですが、これは中国に対してですけれども、これまでの円借款のほとんどがインフラ整備に充てられておりました。開発は確かに進んではきているんですけれども、今度は中国では環境汚染が進んでいるというふうな格好になってきております。  今後、中国に対するODAというのは環境案件をかなりふやすべきだと思いますし、そのことをもう少し中国側に日本側が強く言って、中国側からその辺のところの理解を得るべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 中国の特に円借款のお尋ねでございますが、確かに中国に対します円借款が開始された当初、七九年に始まっておりますけれども、当初におきましては一般のインフラ案件、鉄道であるとか発電所、道路とかといった経済インフラ案件が多うございました。いわゆる環境案件と呼ばれるものの比率は少のうございました。  例えば、第一次は七九年から八三年でございますけれども、このときは環境案件は全くございませんでした。第二次、八四年から八九年でございますけれども、金額ベースで六%程度環境案件が入ってきております。それから第三次、九〇年から九五年でございますけれども、これも数%環境案件が入っており、ふえ始めましたのが第四次のサイクルに入ってでございまして、九六年から九八年、この場合は二三%というふうに最近伸びてきております。第四次の後半二年間の案件を昨年中国側と合意したわけでございますけれども、この最新の対中国円借款のパッケージにおきましては環境案件が全体の半分以上ということになっております。  先生御指摘のとおり、中国側におきましても、国内で大気汚染あるいは水質汚染とか産業廃棄物の問題等々が相当出てきておるということを背景にいたしまして、中国当局もこの日本の援助を環境方面に振り向けるということについては基本的に賛成をいたしております。  そういう背景のもとで今御指摘させていただきましたような形で環境案件がふえてまいっておるわけでございまして、将来的にもこの趨勢というものは恐らくさらによりはっきりしていくのではなかろうかというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私が読んだものでは、地方では確かに環境案件をふやしてほしいという声があるんですけれども、中国の中央政府とはちょっと考え方が異なっているというふうに書いてございました。地方レベルの要望がなかなか中央に通っていかない。まるで日本と同じなんです。  ですから、直接地方レベルに円借款するなりなんなり、草の根のあの手のやつの額をもうちょっとふやすとか、そういうようなことはできないものなんでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 政府対政府の援助協力をODAと呼んでおるわけでございまして、直接地方政府を対象にやるわけにはいきませんのでどうしても北京にある政府と話をいたします。この点はちょっと変えようがございません。  ただ、私どもが承知します限りでは、いろいろな地方の要求が中央に上がってきて、中央で国全体の見地から何が一番大事かという優先度を決めて、整理した上で日本側に要請という形で最終的に提出してくるわけでございますが、その段階で地方政府の要求が必ずしも確かに満たせない。非常に中国の場合には国土も大きいですし、必要性もあるものですから、大変に強い要請があるというのが実態のようでございます。  したがいまして、それをどこかで足切りして要請としてまとめ上げる上では大変な苦労もそれなりにあるんだろうと思いますが、その過程で特に今の環境につきましては中央政府の意向として今後の日本と中国の間の案件の取り上げに際して環境案件等をより重視していく、それに続くものとしては農業とか内陸部、沿海地方に対しまして開発のおくれた内陸の案件をより重視していくこと、一般的にそういう政策上のプライオリティーを決める上での大枠についての了解のようなものがございますので、そういう意味では地方の要望案件もそういう大枠に沿ったものであれば中央に取り上げられやすい、こういう状況にあるかというふうに思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 環境についてこれだけ言っているのは、実は中国本土は二酸化硫黄の濃度が非常に高いわけです。結局、それが酸性雨の原因となります。中国で二酸化硫黄の濃度が高ければ、恐らく日本にも影響があるのだろうというふうに考えますので、そうすると中国の環境問題というふうなものを解決するということは日本にとってもメリットがあるのじゃないかというふうに思います。ですから、環境案件のことに関して、中国の二酸化硫黄の基準というのは非常に甘いんです。日本から比べてもはるかに甘いです。その辺のところをもう少し強く中国側に言って改善を求めていただければなというふうに思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この点はまさに非常に重要な点をはらんでいると私どもも思っております。  中国各都市におきます硫黄酸化物の濃度、これが大変高いということはつとにいろいろな機関から発表されております。中国科学院の見積もりでは、そのうち五%ぐらいが日本に来ているということも言われておるわけですが、日本の機関の調査によれば、いやもっと高い、四〇%ぐらい中国に起因するのではないかといったようなこともいろいろ言われております。いずれが正しいかはともかくとしまして、いろいろ影響があり得るということは事実だろうと思います。  そういうことでございますので、まさに中国の中におきます大気汚染の防止のために日本のODAで協力するということは、相手のためにもなりますけれども、我が国、日本自身の直接の利益にもなるということで、これは大変に我々も力を入れておるところでございます。  具体的には、例えば発電所に排煙脱硫装置をつけて硫黄酸化物の空中放出が少なくなるように、あるいはなくなるようにするといったような供与も既に始めておりますし、より突っ込んだ協力としましては、一昨年九月、日中首脳会談の際に二十一世紀に向けた日中環境協力ということで三つのモデル都市を中心にいたしましてこうした大気汚染防止、酸性雨対策を含めた対策をやることに既に合意ができて、今着々とその実現に向けて作業が進んでおります。  さらに、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク、これは日本の環境庁が中心になりまして、東アジア諸国の酸性雨の問題の対策ということでモニタリングのネットワークを設立する動きがございますが、昨年の江沢民主席の日本訪問の際に発表されました共同発表の中で、中国自身もこのモニタリングネットワークに参加するということを正式に表明いたしております。  こういう形で、まだまだ不十分かもしれませんけれども、対策は既にとられつつあるということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ただ、発電所の場合二千カ所ありますので、なかなか難しいのじゃないかというふうに思います。  次に、JICAのことについてお伺いしたいんですけれども、海外長期研修制度の中に中央省庁の官僚だけを対象とした特別枠がございます。留学後はその官庁に戻るという、要するに援助のスペシャリストの養成を目的としているわけですけれども、留学から帰ってきた方でも国際協力に関する仕事に全く携わっていない人も新聞では六十二人いるというふうなことになっております。  そうして見ますと、ちょっと目的から外れているような気がいたしますが、いかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) JICAでやっております海外の長期研修制度でこれまで対象になった人が全部で七百二十二人おります。そのうち国家公務員が三百人強、こういうことでございまして、実際にまだ海外派遣中の者がおりますので、帰国した人数ということではもう少し少なくなります。  いずれにしましても、私どもが追跡調査をしたところによりますと、公務員が海外長期研修を受けて、帰国した後に四人のうち三人までは何らかの形でこうした援助スペシャリストとしての仕事についておるということでございますが、四人に一人ぐらいの割合で関係がないという実態が判明をいたしております。  これにつきましては、海外長期研修制度そのもの、これは援助専門家を養成するということで必要であろうと思っております。JICA職員、それから民間からも例えば青年海外協力隊のOBのような方々も何人かはこの制度で派遣をされておるわけですが、この制度そのものは必要であろうかと思いますが、今御指摘いただきました事後の活用についてもう少しパーセンテージをよくできないかという点は私どもも改善の余地があろうかと思っております。  したがいまして、これにつきましては関係省庁にも改めましてその改善について要望を述べるとともに、さらにその一部について先進国の派遣にやや偏っておる、最近は途上国、東南アジア等におきましてもこうした研修を行う上で大変立派な大学や施設ができつつありますので、こういったところにもっと行くように、それから援助スペシャリストを養成するということは本来我が国の大学等でできるようになっていればそこできちんとやるということが筋であろうかと思います。我が国の大学等におきましても、大分いろいろな面で、国際開発学科とか、そういったものがここ数年できつつありますし、充実しつつあるように聞いております。  こういうことをいろいろ勘案しながら、研修制度の充実と改善に努めてまいりたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、時間がないのでちょっと端的にお願いしたいんですが、要するにもう一つ問題になるのは官僚だけを対象とした特別枠を設けていることだと思いますけれども、その特別枠を設けているというか、目安というふうにおっしゃっていますけれども、それの人数枠というのは、大体の目安というのはここ数年変わってきているものなんでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) これは新聞の報道には何か官僚の特別枠があるかのような書きぶりでございましたが、特に枠を設けているというわけではございません。  国家公務員の中から毎年大体五十人から百人ぐらい希望者が各省から出ます。これを一次試験、二次試験を行いまして、その中から合格者が十名であったり十二名であったり八名であったりというようにその年によって違ってくるわけでございます。  公務員に参加は開いておりますけれども、何名という枠をあらかじめつくってやっておるというのは、必ずしもそういうことではないということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 要するに国際協力に関係しない仕事についている人たちがいるわけですから、むだをなくするためには民間人の登用というのをもうちょっと考えていくべきだと思いますし、これまでは官僚が七割ぐらいいろいろ仕事に携わっていたみたいですけれども、民間人をもう少し活用することからいえばその目安となる数をどんどん減らしていくべきじゃないかというふうに思っております。  それと、ODAに対しての情報公開が不十分で、JICAの刊行物に対して、官僚特別枠とは言いませんが、官僚のある程度の目安、このぐらいですよというふうなものに関してはJICAの刊行物にそういう記述がないわけですから、説明責任をこの場合きちんと果たしていないのじゃないかというふうに思っております。  済みません、時間がないのであともう一つだけ大蔵省の方にお伺いさせていただきたいんですけれども、日本特別基金というふうなものが不正流用されたという事件がございました。ここの情報公開もやはり同じように不十分ではないかというふうな指摘がございますが、その点についていかがでしょうか。

黒田東彦大蔵省国際局長

○政府委員(黒田東彦君) 御指摘のございました日本特別基金、世銀に設けておりますけれども、この一部の使用について世銀職員の不正があったということがございました。世銀の方はその職員二人を解雇しておりますけれども、世界銀行との間でこの利用をより適切にするための方策というものを協議して次のようなことを決めました。  まず第一に、世銀の中に特別監視ユニットというものをつくるということ、それから第二に業務担当副総裁による基金の運営の監視を強化するということ、さらに御指摘の情報公開を一層充実するということを決めて発表しております。  我が方といたしましても、世銀にさらに一層の情報公開を求めていきたい、私どもも十分協力していきたいというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 最後に、情報公開をもう少しきちんとするようにしていただければというふうに思います。  これで質問を終わります。

大森礼子公明党

○大森礼子君 公明党の大森礼子です。  ODAにつきましては、非常にその中身に不透明さがあるとか、それから公平さを欠くとか、こういう事実も新聞報道なんかがなされているわけですが、そもそもODAのあり方について、実施状況につきまして国会あるいは国民がチェックできる体制があるのかどうか、こういう非常に素朴な疑問を抱くわけであります。そこで、例えば我々がチェックしようとした場合にどういうチェックの仕方ができるか、こういう観点から質問させていただきます。  ODAの額をふやすべきだという意見もあるわけですけれども、いずれにしましてもこれはある目的を持って開発途上国を援助するわけでありまして、国民の税金を使う、したがってそれが効果的になされているか、瑕疵的になされているか、こういう評価が当然伴うことになります。ここでいう効果というのは特に経済効果のみではないと思います。目に見えない価値というものもあると思うのです。  そこで、評価ということが問題になりますが、これは平成九年六月付の文書なのですが、経済協力局評価室が在外公館評価実施要領というところで評価について述べておられる文書がございます。これがわかりやすいので、これをもとに質問します。  評価には四段階がありまして、事前評価、発掘・形成されたプロジェクト構想について援助を実施する価値があるかどうかの評価。それから中間評価、進捗状況の確認という説明がされております。それから終了時の評価、協力が当初の目的どおり実施されたかとか継続的な協力が必要か等の調査と説明されております。そして事後評価、ある程度期間の経過した時点におけるプロジェクトの状況、効果、案件の自立発展性等を幅広く調査すると。そして、外務省評価の原則というのはこの事後評価であるというふうに書かれているわけであります。  そこで、素朴な疑問なのですが、事前評価、中間評価、終了時評価、この評価というのは具体的にどこがいかようにしてやっておるのでしょうか。典型的な例で結構です。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) まず、事前とされている部分でございますが、この事前の部分につきましては、これは援助の案件として取り上げるかどうか、こういう見地のものになりまして、ここは基本的には相手国の要請というものがベースになりますけれども、その上で外務省、それから関係省庁、JICA、OECFという実施機関、いろいろな形で関与がございます。一概にちょっとなかなかパターンを申し上げにくいんですが、そういう形で総合的に検討いたします。  それから中間評価と終了時評価、これはもう事業が始まっている段階でございますので、この中間と終了時、この両方につきましては主として実施機関が行うことになります。具体的にはJICA、OECFが案件の進捗がどういうふうになっておるか、問題はないか、変更の必要があるかないか等々をチェックいたします。それから、終了時におきましても一応その時点で目的どおり実施されたかどうか、継続的な協力が必要であるかどうか、フォローアップが必要であるかどうか等々につきましてこの時点では主として実施機関が担当しています。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そうしますと、例えば相手国側に援助するわけですが、被援助国側にも何か年次報告書、被援助国側から年次報告書が出るとかという記載がどこかにあったんですけれども、被援助国側の政府にその案件についての年次報告といいますか、こういうことを義務づけておるのでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 援助案件につきましては、先生御案内のとおり、日本側が協力する部分もございますが、一〇〇%日本側だけでやるということではございませんで、相手国も例えば土地を提供したりマンパワーを提供したり、あるいは一部の資機材を提供したり人間を配置したりとかいうような形でございますので、そういう意味では共同事業のような性格でございます。したがいまして、我が国から見ますと我が国の協力案件ということで我が国も評価するわけでございますが、相手国も基本的に自分の事業という部分がございますのでそれなりに評価をする、あるいは場合によりましては会計検査のようなこともやっている国もあろうかと思いますけれども、そういう形でございます。  ただ、その案件について我が国と相手国の間でどの時点でどういうふうにどういう形の評価なり審査をするかということを具体的に決めながらやっているということではございません。

大森礼子公明党

○大森礼子君 端的に質問いたしますが、一つの契約に基づいて援助するわけですから、その被援助国側も援助を受けて、そのことについて日本側に協力する義務というのはないのでしょうか。つまり、年次報告というものは出してもらう場合もあるが出してもらわない場合もあるということなのでしょうか、被援助国側からは。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国が相手国に出しますものは、その案件が進んでいるときには進捗状況の報告、こういうのは当然提出をいたします。そういうことでプロジェクトが終わった段階で当然その完成をきちんとチェックいたしまして引き渡しという行為が行われます。その段階におきまして相手国としてもきちんと必要なチェック等をやる、こういうことで通常進みます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 しつこいようですけれども、そうしますと例えば被援助国側はこれこれこれだけの内容についてこういう報告をこういう機関にしなくてはいけないとか、こういうことは常に相手国側に課されるわけではないのですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 特に相手国が援助国たる日本に対して一定の報告を出すということが必要な場合にはそういう合意をするかと思いますけれども、通常そういう形での報告は求めてはいないと思います。

大森礼子公明党

○大森礼子君 なぜこんな質問をするかといいますと、どこかの新聞記事で、要するに被援助国側の政府高官もこういう援助が日本によってなされていることを知らない場合が多いとか、こういう記事もございました。  それから、やはり相手方が適正に、何というんでしょうか、適正に援助を用いているという言い方がいいんでしょうか、かどうかをチェックするためにはまずその相手方からの報告を求めるということが事後的チェックのために必要ではないか、それを要求することは決して不当ではないなと、こういう見地から質問させていただきました。  それから事前評価、確かにいろんな実施機関とか調査があるということはわかるのですが、それに基づいて援助案件が決定となります。そこで、これは交換公文というんでしょうか、要するに相手方政府とこちらとの契約書と理解していいんだと思いますけれども、これは契約条項の内容についての定型書式みたいなものはあるのでしょうか。どの程度の内容の文書なのかよく理解できないんです。例えばこれをやったらこういう条項は守らなくてはいけないとか、そういう一般の契約書みたいに考えていいのかどうか、どういうものなのか、教えてください。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この交換公文は、無償資金協力の場合、円借款の場合、いずれの場合にも相手国との間で交わされる国際約束であるわけでございます。  通常、交換公文に記せられる事項と申しますのは、例えばこのプロジェクトの実施に際して物とかサービスの輸入の場合にはこれが免税になるということをきちんと確認をいたします。それから、ただいまの御指摘ございました適正使用、この協力に基づくいろいろな物資、資金が適正かつ専らこの計画のために用いられるということを確認します。あとは場合によりましては援助関係者の入国滞在に係る便宜の供与でございますとか、あるいは事情に変更があった場合には適宜協議するとか、そういった大枠的な内容を取り決めます。さらに、先ほどちょっと先生からも御指摘ございました進捗状況に係る情報の提供を求めることが必要な場合には、これも交換公文の中で確認をいたします。そういう一般的な条項に伴いまして、特に円借款の場合ですとさらに貸し付けに伴います細かい技術的な事項、金利が何%であるとか返済期間が二十年であるとか三十年であるとか、こういった事項は別途次の段階の文書、すなわち貸付契約にゆだねられます。さらに細かい事項はいろいろその都度文書にしまして確認をする、大体そんな構成になっております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そうしますと、この交換公文の中で、例えば適正に使用されなきゃいけない、専ら、専らというのもくせ者ですが、この計画のために使わなきゃいけないという条項が盛り込まれているのであるならば、いろいろ新聞報道されております不正行為、目的外に使っているとか、そういう事実が判明した場合に当然、この交換公文違反というんでしょうか、条項違反という問題が起きると思うのですね。そういう場合には従来どのように対応しておられたのか、その交換公文そのものに違反するということで例えば援助停止とかそういうことになっていたのか、それとも大ざっぱに政治的判断で援助を停止しようかと、こういう話になっていたのか、これはいかがでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 交換公文の中に盛り込まれております適正使用条項は、供与される資金が適正かつ専ら計画のために使用されることを確保するわけでございます。もしこの適正使用条項にもとるような事故が発生をいたしますと、それはそれで別途両国間で当然協議をいたしますが、時と場合によりましては援助の停止等の措置もとり得る、こういうことでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 援助停止等については、例えば核実験をやったとかそういういろんな要素が出てくるんだと思うのですが、ここまでお聞きしたところで、まずいろんな評価の段階でいろいろ実施機関とかがかかわる、事後評価は外務省がする、場合によったら被援助国側から年次報告が出る場合がある、交換公文というものがある。これらがODAについて関係する資料だと思うのですが、これらは一括してどこかに保管されている形になっているのでしょうか。案件ごとに言ってください。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) これらの文書はもちろん一括すべて保管をされておりますし、公表し得るものでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 それはそのまま案件ごとに事前評価から中間評価、終了時評価、事後評価、それから交換公文、こういう一式のもの、これが保管されているということですか。それはどこに保管されているのか、またそういうものについての保存期間みたいなものはあるんでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この種の文書、すなわち交換公文につきましては外務省に保管されております。それから貸付契約、これは基本的にはその担当でございます海外経済協力基金の中に保管をされております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 それでは、その評価とか評価報告書みたいなものがあると思うんですけれども、例えば事前評価なんかでしたら実施機関等が調査主体でやるわけですね、決める前に当たって。そういうのはやっぱり実施機関、そこに保管されることになりますか。外務省の一カ所に集められるということではないのでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 評価の報告書につきましては、外務省が行います評価、これは事後評価になるわけでございますけれども、これは毎年百数十件含まれておりますけれども、取りまとめまして本の形にいたしまして関係方面に、もちろん国会にもそうでございますけれども、配布をさせていただいておりますし、一般にもこれを広く配布いたしております。  それから、それ以外のいろいろな文書につきましても、先ほどの貸付契約のものは基金の方で管理をいたしますけれども、そのほかの評価報告書については外務省、あるいはJICA自身も評価は数をやっておりますのでそういうところにそれぞれ、一カ所に全部、図書館のようなところに全部完全にそろっているという状況には今はなっていないと思います。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そうなんですね。何が申し上げたいかというと、やっぱりこの一連のものがそれぞれの評価に間違いがなかったかどうか、そもそもそういうプロジェクトを決定した、これはよかったのかどうか、それから事後評価とか全体のものがあちこちばらばらに保管されているのでは我々はどうやってチェックするのかということですよね。  だから、例えば評価でもJICAに保管するものがあるでしょうが、それはやっぱり写しだけでももらって、外務省に行ったらその案件については一括したものがあります、こういう形でないとそもそもチェックができませんでしょう、調べたいと思っても。非常に不親切だと思う、こういう指摘でございます。だからODAのみをやる一つの省庁をつくれという話も出てくるのだと思います。  時間がないので次の質問に移ります。  これは九七年九月二十九日の日経新聞の夕刊なのですが、「ODAに汚職防止条項 政府 違反なら援助撤回も」、こういう記事がございました。「発展途上国との交換公文など契約書類に汚職防止条項を盛り込む。同条項に違反すれば、援助資金の一部返金か契約そのものの撤回を求める。」「九七年度内に実施する方向だ。」と、こういう記事があるのですが、まずこの記事の内容自体は事実なのでしょうか。事実であるとするならば、その中身はいかようなものでしょうか。そして、現在実施されているかどうか、まとめて質問いたします。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この報じられておる記事の内容はおおむねそのとおりでございます。  従来、OECDの委員会の場で援助資金が有効な活用を図られるべきであると、特にいわゆる汚職の対象になってはいけないということでいろいろ議論が行われてまいりました。その結果、九六年の五月でございますけれども、反汚職といいますか、汚職を防止するための一定の措置についてOECDの開発援助委員会として勧告を採択いたしました。各国がこの勧告を受けまして、具体的にいろいろな措置をとっておるわけでございます。  我が国の場合は、この勧告の趣旨を踏まえまして、先ほど来出ております適正使用条項、この適正使用条項の中には汚職防止ということも含まれておるということを確認する意味で交換公文を署名いたします際に附属文書におきまして明示的にその旨を確認することといたしております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 それは先ほどの適正条項ということですね。  それで、こういう条項を入れたとしますと、では汚職がどこの部分で起きるのかといいますと、援助しますと後は向こう側の政府と業者との間で実施がされるわけなんですけれども、そうしますと相手方の政府と業者との間で汚職があった場合に、これは従来は内政干渉ということで余りタッチできなかったのではないかという気がするんですね。  そこで、汚職条項を入れたのはいいが、この汚職を認定する方法はいかがなものなのか、その認定をする機関はどうなのか、その調査はどこがするのか、これは大体どういうことになりますでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 汚職の問題につきましては、勧告がOECDの方から出たわけでございますが、OECDの方では贈賄の防止条約というものを別途作成いたしまして、これは昨年の十一月に我が国についても発効を既にいたしておるわけでございます。  この贈賄防止条約の方、これはどちらかといいますとその相手国の政府高官に贈賄をしてはいけない、それを科罰措置にするという趣旨のものでございますが、これはこれで既にできている。他方、援助を受け取る側の途上国におきましてもきちんとその措置がとられる。通常の国ですと、これは刑法なり汚職防止法なり法律がそれぞれあってこういう事態に対応が適宜できるようになっておると思いますけれども、この我が国のODAによって行われる事業については適正使用条項というのが交換公文に書いてありますので、この適正条項の中にはそうした汚職行為というものもここにちゃんと含まれているということを念のために確認する意味でその都度、交換公文を交わします都度それを確認して間違いのないようにするという趣旨で我が国はこれを実行いたしております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 もう時間が来ましたのでこれで終わるのですが、確かに援助する側、日本側としてはそういう不正使用については厳しく対処するということが当然の主張であると思います。  ただ、一方で被援助国側、民主主義といいますか、政治体制自体がまだきちっとできていない国もあると思いますし、例えば相手方政府の一部の人間によって起きた不正事項によって本来その国が受けるべき援助、特に人道的援助が受けられなくなってしまってよいのか、こういうODAについてはいろんなジレンマというのがあるのかなという気がいたします。これはまた機会があれば質問させていただきます。  以上でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 九九年度のODAの事業予算は一兆五千四百五十二億円、前年比一一・二%ふえています。九七年度実績は九十三億五千八百万ドルで世界一です。もし事業が適切に行われれば、人類全体の発展に大きく寄与することになると思います。ところが、日本のODAに対し多くの問題点が指摘をされ、改善が求められています。  きょうは、行政監視委員会としてODAについての第一回目の審議なので、日本のODAについて基本問題を幾つか取り上げたいと思います。  まず、ODAの基本理念についてですが、外務省の二十一世紀に向けてのODA改革懇談会が昨年一月にまとめた最終報告では、ODAの目的の基本認識について、ODAの諸目的を実現することは広い意味での国益の実現であるというふうに述べていますが、この場合の国益とはどういう意味なのでしょうか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この二十一世紀に向けてのODA改革懇談会では先生御指摘の文についていろいろ御議論がございまして、国益論になりますといろいろな見地からの理解がもちろんあるわけでございまして、ここで言われているのは非常に広い意味で、中長期的な大きな意味での国益になるということを言われ、かつそれが日本の「開かれた国益」という表現も使っております。  私どもがこの部分について特定の解釈を加えるのはいかがかと思いますけれども、ずっとこれをフォローしておりまして、そういう意味で我が国が憲法の趣旨に沿って生きていく上で貢献をしていくということが我が国の平和と繁栄にそのままつながる、そういう条件を整備するということになる、そういう大変に広い長い目で見た国益論をここで言われているというふうに私どもは理解をいたしております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 経済協力機構、OECDの開発援助委員会、DAC、これはODAの主たる目的は開発途上国の経済開発及び福祉の向上に寄与することだとしています。ODAの目的が国益の実現というふうになると、一体こういう考え方とどう整合性を持たせていくのか、いろいろ問題が出てくるのではないかというふうにも思います。  特に日本のODAの場合、本来の目的であるはずの人道的援助が中心になっていない、そういう指摘があります。その一つは食糧援助を中心とする緊急援助が少ないことです。  九七年度のODA白書は冒頭で「多くの開発途上国においては、今なお多数の人々が飢餓と貧困に苦しんでおり、国際社会は人道的見地からこれを看過することは出来ない。」と述べています。  九七年度の二国間ODAの分野別内訳を見ますと、日本の食糧を含む緊急援助、これは六千八百万ドルで〇・五%にしかすぎません。これで今日の深刻な飢餓に十分対応できるとは言えないと思います。それなのに、九九年度予算を見ますと、食糧援助は前年よりも一二・四%下がっています。これはどうしてですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国の食糧援助につきましては、先生御案内のとおり、食糧援助規約というものに従いまして、そこで合意されているところを予算をいただいて実施しております。具体的には、我が国は現在小麦換算で三十万トンを最小義務ということで引き受けて実施しております。それに必要な予算をいただいておるわけでございます。  平成十一年度におきまして食糧援助予算額が一二・四%ほど対前年比で減っておりますが、これは小麦価格が下がったということで、したがいまして予算計上額としては少し少なくても済んだ、こういうことでございまして、量そのものは三十万トンを最小必要量ということで引き受けていくこと、ここは変わらないわけでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 食糧援助規約に基づく年間最小拠出義務量は守っているということですけれども、年間最小義務量の合計というのは日本を含めて世界全体で五百三十五万トンにすぎません。  国連開発計画の九七年度の報告では、約八億四千万人が飢えているが、食糧の確保がままならない。サハラ以南アフリカにある後発途上国に住む人々のうち三分の一近い人々は四十歳まで生き延びることが難しい、こう指摘をしています。  八億四千万人の飢餓を救うには恐らく数千万トンの食糧が必要だと思います。五百三十五万トンの最小義務量を出していればいいというような実態とは到底言えないんじゃないかと思うんですね。日本としてもっとふやすべきではないだろうかと。  過去の数値をちょっと見てみたんですが、四年ぐらい一千万トンを超えている年度があるんですね。それが急激に減ってきているわけですけれども、日本がこの食糧援助規約を守っていればいいんだ、その数量を守っていればいいのかどうか、そして国際的に五百三十五万トンで本当にいいのかどうか、その点について日本としてももう一回見直しをする、あるいはその立場でまた国際的にもその問題を提起する、そういう必要があるのではないかと思うのですが、いかがですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 確かに、この国際食糧援助規約で合意されているもので十分かどうかという点についてはいろいろ議論がありますし、昨今飢餓の問題等もふえておりますので恐らく足りない部分というのはあり得るんだろうと思います。  ただ、日本がやっておりますことは、今の先生御指摘の食糧援助そのもののほかに、そもそも食糧の増産を図る、生産量を上げるということも必要であるわけでございまして、日本はそのために食糧増産援助もやっておりまして、平成十一年度の予算では二百五十億円強いただいておりますけれども、これによりまして食糧の増産、肥料の供与、あるいは農機具の供与等をやるわけでございます。加えまして、さらに農業分野における技術協力がございます。それから、例えば円借款の活用によりましてかんがい面積をふやす、こういう事業もやっております。さらに、こういった食糧問題と大いに関係をいたしますが、水の問題、これも当然重要になるわけでございます。  そういうことで食糧三十万トン、あるいは五百三十五万トンという規約に基づきます量は最終的な不足分の手当てという意味で国際的に合意をされて決まっていくものですが、それ以外のものも含めましてこういった食糧問題あるいは食糧増産問題に積極的に取り組んでいくというのがODA政策の中での位置づけになっておりますので、そういう観点からこれからも積極的にこれはやっていくべきだろうと思います。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 私はこのことを伺うに当たって、最小義務量というのはかつては七百五十一万トンあった時期があるんですね。それで今五百三十五万トンなので、どうして減ったのかよくわからないんですが、いずれにしても減った分について、一番多く減らしたのがアメリカで二百八十五万トン減らしているという資料になるわけですね。ですから、世界の中でどういう議論があって今のような状態になったのかということもちょっと知りたいと思って問い合わせをしていたのですが、わからずじまいで今を迎えてしまったのでこの問題点についてはまた改めて、これからも議論の機会があるようですので、詰めていきたいというふうに思っております。  それから、国連が指定をする後発開発途上国、LLDC諸国、五十カ国あるわけですが、こうした諸国への援助、これが強く求められていますが、日本の二国間ODA総額に占めるこの諸国への割合というのは一五・一%にしかすぎません。DAC加盟二十一カ国の中で下から二番目です。ODAの根本精神に立脚した活動を行うというのであれば、LLDC諸国の援助をふやす、そういう改善が必要だと思いますが、その点いかがですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 御指摘のLLDC諸国に対しましては、まず我が国のODA大綱の重点事項あるいは重点地域という中で言及がしてあります。この中で特に後発開発途上諸国、LLDCへ配慮するということで位置づけがなされております。  具体的な実績につきましては、ただいま先生の方から御指摘ございましたように、我が国の二国間ODAにおけるLLDC向けの割合というのは確かに一五・一%であります。この数字は最近上昇傾向にありますけれども、その程度でございます。  ただし、これはちょっと注意をして見る必要がある数字であろうかと思います。これは円借款も全部含んだ数字で比べた場合にそのうちの一五・一%でございますが、もともとLLDC諸国はどちらかといいますと非常に貧しい諸国でございますので無償援助で対応いたしております。したがいまして、例えば一般の無償資金協力というものを見た場合にはLLDCの割合というのはほぼ五〇%にぽんとはね上がるわけでございますので、円借款も全部含めた数字で比較をいたしますと一五・一%というところになるわけでございますけれども、要はできる限りこういった諸国に対しては無償協力で対応するようにしておるというふうに御理解いただきたいと思います。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 日本のODAが人道的援助が中心になっていないもう一つの指標として教育、保健などの社会インフラ、このシェアが少ないことが挙げられます。これもDAC諸国の中で日本が低いわけですけれども、どうしてでしょうか。済みません、時間の関係があって短目にお願いをいたします。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この点につきましては、大体二〇%程度がこの社会分野に行っております。国際的にトゥエンティー・トゥエンティーと言っていますけれども、相手国も例えば予算の二〇%をこういった社会教育とか保健とかに振り向ける、それにこたえて援助国側も二〇%をこういう分野に振り向けようということで二〇・二〇と呼んでおりますが、我が国はそういう意味でいいますと、大体呼びかけに応ずるだけのことは最小限やっているということでありますが、さらにこの分野は、いわゆる人間の顔をした援助とか人間中心の援助という最近の基本的な考えの中で、我々としては今後ぜひふやしたいと思っておるところでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 日本のODAは本来本当に援助が求められている部分に十分振り向けられていないのではないか、そういう気がいたしますが、その一方で経済インフラ中心であるというのが特徴だと思います。  九七年度のDAC議長報告によりますと、各国ODAの経済インフラの割合、これはアメリカが九%、イギリス一六・四%、比較的高いドイツでも二〇・四%ですが、日本は四五・一%と飛び抜けて高くなっています。どうして日本のODAは他のDAC諸国と比べて極端に食糧の緊急援助や社会インフラのシェアが少なくて経済インフラのシェアが高いのか、そういう疑問がわくわけです。  それから、無償援助より有償援助が多い、これも問題点として指摘をされているわけですが、日本の二国間ODAのうち無償援助協力、これが一六%、技術協力を含めても三七%です。あとは有償が六割ということで、この点をどう改善していくのか、その点もあわせて伺いたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 我が国の二国間援助、特にアジアに対しまして非常に円借款の比率が高いということでございますけれども、これはそれなりの理由がございまして、日本の援助の主たる供与国であります東アジア諸国は大変に大きなこういった経済インフラに対する需要がございます。それを自己資金で手当てできない部分について日本の円借款が相当カバーしてきて、これが一体となって東南アジア諸国、東アジア諸国の大変に速い経済成長というものが可能になった、海外からの投資も引きつけられるようになった、こういう関係にございます。したがいまして、日本の円借款部分が高い、東南アジア諸国に対して特にその割合が高いというのはそういう背景のもとで理解されるべきであろうかと思います。引き続きこういう必要性というのは続くんだろうと思いますし、これは日本にとってほかの国ではできない、なかなかやりにくいところ、まさに日本がやっている部分でございまして、私どもはどちらかというとこれは大変にすばらしいことである、いいことをやっているというふうに思っております。  他方で、人道的な援助とか食糧増産部分にも目配りをするということは当然でございますし、これは主として無償資金による協力が役割を果たすべき分野でございますので、要するにそこら辺十分日本の特性というものを、地域の特性を踏まえながらバランスのとれた援助をやっていくということが大事であろうと思っております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 九七年四月十三日付の日経新聞ですけれども、従来の円借款による箱物援助中心のやり方を批判する社説を掲載しています。「技術やソフト面の協力への需要は高まる方向にある。環境汚染やエイズなど国境を超えた諸問題はいよいよ深刻さを増しているし、発展途上国では技術労働者の不足やソフト開発の遅れが発展を阻害する大きな要因になりつつある。」と指摘をして、「援助のあり方を根本から改め、量的拡大から質的発展に方向転換すべきである。」、こういう提起がされているわけです。  私は、今、国内でも箱物ではなくてソフト面に、ハード面ではなくソフト面にお金を使うべきだとか随分むだな公共投資だとかいろいろ方向転換が言われているわけですが、ODAの分野でもそういうことが考えられていかなければいけないというふうに思うのですが、その点いかがですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 基本的には今は、冒頭議論がございましたけれども、量的な拡大というのはなかなか望みがたいときでございます。そういう時期に質の改善を特に心がけるということは、これはこれで全く同感でございますし、非常に必要とされているところだろうと思います。  日本の援助も開始されまして大々的にやるようになりましてそろそろ三十年以上になりますので、そういう過去やってきたことの総ざらいも含めまして、新しい世紀を迎えるに当たってこれから日本の援助がどういう形でいくのがいいのかというのは一度総ざらいをしてみる、加えて、もちろんこれはなかなか難しい複雑な仕事でもございますが、改善すべき点も多々あり得ると思っておりますので、そういった改善も含めて将来を見据えるためには今までやってきたことを虚心に振り返ってみるということも非常に大事だと思います。  そういう意味を含めまして、量の時代から質の時代に入っているという認識そのものは私どもも共有いたしております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 こうした円借款による途上国における大規模な経済インフラ整備、これは一つには相手国の経済的な困難をもたらしているというふうに思います。  例えばフィリピンの場合、対外債務の返済額が国家予算の四割に及んでいて、うち七割が日本への債務となっています。つまり、インフラ整備中心の日本の援助による借金がフィリピンではかさんでいる、フィリピンだけではなくてインドネシア、ほかの国々もそうなんですが、そういう現象が生まれています。  さらに、インフラ整備による環境破壊、住民犠牲、むだな施設整備などの問題があります。例えばスリランカのサマナラウェア・ダムでは、建設が始まった八六年から八七年度に二百八十四億二千万円の円借款が日本から供与されました。九一年にダムは完成したんですが、漏水して補修に三十二億六千四百万円の円借款が追加をされました。さらに、補修工事後また一挙に漏水が拡大をして、下流の五千世帯が避難をする事態となって九五年度にまた五十二億八千二百万円の追加融資がつぎ込まれました。全くずさんな工事の典型で、むだ遣いだと思います。インドのナルマダ・ダムでは現地住民の反対で九〇年度には融資をストップせざるを得なくなっています。こういう事例というのはかなりあります。  このような事業は計画を立てる段階から自然環境や住民の生活環境にどんな影響を与えるのかを事前にきちんとチェックすべきだと思います。環境アセスメントを相手国任せにするんじゃなくて、重大な環境破壊や住民犠牲を招くことがないようODAについても日本としてきちんとチェックをするべきだと思います。事業実施地域における自然環境や住環境を守ることはもとより、事業によって影響を受ける湿地の保護あるいは希少野生生物の保護あるいは地球温暖化対策など全地球的な環境保全の立場に立ってODAを行う、これが私は国際的な日本の責任だというふうに思います。日本国内では環境アセス法が実施をされるわけですけれども、ODAについてもこういう考え方をきちんと貫いていく必要があると思います。  時間がなくなりましたので環境庁にだけお考えを伺いたいと思います。この問題についてはまた引き続きやっていきたいと思います。

岡田康彦環境庁企画調整局長

○政府委員(岡田康彦君) お答え申し上げます。  ODAの環境配慮につきましては、国際協力事業団あるいは海外経済協力基金におきましてそれぞれ環境配慮のためのガイドラインを設けまして、大規模な事業については環境アセスメントの導入に取り組んでいるところは御承知のとおりでございます。  今般、海外経済協力基金と日本輸出入銀行が統合されまして国際協力銀行が設立される予定でございまして、この事業実施におきましても環境配慮は当然重要でございますので国際協力銀行にも環境配慮ガイドラインが作成されることとなっております。  環境庁といたしましては、国際協力銀行の環境配慮につきましては環境配慮ガイドライン等の具体的な内容の検討、さらにはこれに基づく新銀行の業務の実施におきまして十分な意見交換を行いまして、経済企画庁あるいは大蔵省及び新銀行と密接に連携していくこととしております。  このような取り組みを通じまして環境庁といたしましては、先生御指摘のODAの環境配慮に関する国際的な動向であるとか、あるいはさらに御指摘がございました国内の環境影響評価法に温室効果ガス等の地球環境に関する影響評価も含められる、こうしたことを踏まえつつODAの環境配慮が国際的な水準に照らして適切なものとなるように積極的に取り組んでまいります。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 終わります。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 十二分しかないですから、協力してください。  私は、ODAと人づくり援助に絞ってお尋ねし、また意見を申し上げたいと思うんです。  十年ぐらい前でしたか、東海大学創設者の松前重義先生と二人でお話しする機会がありまして、明治になってミッション系の学校がどんどん来て日本の民度を上げ、日本の近代化に果たした役割というのは大きいと、こういう話を聞いたんですね。ODAでたくさん予算を組んでハード面のインフラ整備等をやるのもいいけれども、もっとその国その国の人づくりに重点を置いたODAというのをやっていくべきではないかと日本を例に引きながらそういう話を聞いたことがあるんですね。それがずっとその後私の頭の中から離れないわけであります。  そういうことで、まずお伺いをしたいのは、留学生受け入れ十万人計画というのがありましたね。これは二十一世紀の初頭には十万人ぐらい受け入れると、こういうことを言っておりましたが、一体今の現状はどうなっており、その十万人計画はどういう方向に進もうとしているのか、まずその辺をお尋ねしたいと思います。

工藤智規文部省学術国際局長

○政府委員(工藤智規君) 御承知のとおり、また今御指摘のとおり、諸外国、特に発展途上国を中心にした国づくりの基本でございます人材育成への貢献あるいは諸外国との友好親善等の観点から留学生交流にかねがね力を入れているところでございます。  昭和五十八年以来、留学生受け入れ十万人計画を標榜して力を入れてきたところでございますけれども、平成八年、九年のアジア地域での経済危機等もありまして残念ながらちょっと減少していたのでございますが、昨年、平成十年五月一日現在で申しますと、我が国で学ぶ留学生の数は五万一千二百九十八人でございまして、前年に比べまして二百五十一人の増ということで下げどまりの傾向にちょっと歯どめがかかったかなと思っている次第でございます。  ただ、十万人にはかなり遠い数字なのでございますけれども、私ども有識者にお願いしてございます懇談会でも御検討いただいてございまして、この十万人計画という目標は今後とも維持しながらも、こういう量的な面もさることながら、むしろ留学生一人一人を大事にする質的充実に一層留意しながら今後さらに施策の充実を図っていく必要があると考えているところでございます。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 外務省にお尋ねします。  私もここ二、三年のうちに中国から韓国から東南アジア、太平洋諸国を参議院から派遣されましてほとんど回ってきました。感ずるところは、日本に若者が留学したいという希望は非常にある、しかし日本は家賃が高かったり学費がかかったり、そういう面で大変な状況だろう、こういうように受けとめておるんですが、そういうアジア太平洋諸国の人たちが日本への留学を希望している数というのは政府としては概略を把握しているかどうか、どうなんですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 潜在的に東アジア地域を中心にしまして何万人ぐらいの日本留学希望者があるかという数字は把握いたしておりません。  ただ、我が国の留学生の出身につきましては、ほぼ九〇%がアジア諸国・地域、中国だけで四四%、韓国で二二%ということでございまして、近隣諸国からの留学生がほとんどを占めております。漢字だとかいろいろ親近感もございますし、その数というのは相当に多いということは十分想像されます。  残念ながら具体的な調査については私は今ここでちょっと存じません。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 外務省とか文部省とか言わないで一緒になって、東南アジア諸国というのは希望者が本当にたくさんおると思うんですよ。だけれども、なかなか日本に来て大学に行くような余力がないから、私費で来るなんて到底できないからODAについてはこの部分にもう少しウエートをかけた仕事をしてもらいたい、これを要望しておきますからよろしくお願いします。  次に、私の地元の大分県別府市に立命館アジア太平洋大学というのが来年の四月から開校することになっておりますが、文部省、私もいろいろ資料を持っておりますが、知っておることをちょっと簡単に言ってください。

工藤智規文部省学術国際局長

○政府委員(工藤智規君) なかなかユニークな構想の大学でございまして、学校法人立命館が地元大分県の御協力を得ながら平成十二年四月開校を目指して立命館アジア太平洋大学を設立する予定になってございます。  一学年八百人の定員でございますが、その半分の四百人の留学生を受け入れることを中心に御計画していらっしゃると伺ってございます。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 今、留学生に対する支援、大学院には奨学金をどれぐらい出すか、あるいは私費の留学生に対してはどういう援助があるか、ちょっと簡単に言ってください。

工藤智規文部省学術国際局長

○政府委員(工藤智規君) 留学生は大きく三つほどのカテゴリーがございますが、一つは国費留学生として往復渡航費も含めてほとんど丸抱えでお呼びする留学生の方々、この方々に対しましては月額の奨学金としての給与額が学部レベルで十四万二千五百円、それから大学院レベルですと十八万五千五百円を差し上げてございます。  またもう一つ、私費留学生でございますけれども、それぞれ留学生が御自分でいろいろ留学資金を確保しながらおいでになる方々でございますけれども、この私費留学生に対しましても国として一定の奨学金を支給してございまして、学部レベルですと月額四万九千円、大学院レベルですと七万円でございます。  そのほかそれぞれの外国政府が派遣する留学生がございますが、メインとしましては国費、私費の両者でございます。  私どもの援助の概要でございますが、国費の外国人留学生につきましては、留学生全体の約一六%ぐらいが支給対象になっている状況でございます。これは諸外国に比べまして国費での手厚い援助が日本の場合は多いという特色がございます。また、私費留学生に対しましても留学生全体の一六%強、ですから国費、私費合わせまして文部省から御援助しております留学生といいますのは全体の約三分の一ぐらいになろうかと思います。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 先ほどちょっと言いましたが、一四万とか十八万とかいう金額は丸抱えのやつですね。そういうのは例えばアジア太平洋大学あたりは必要ないと思うんです、地方ですから。宿舎とか寮を整備してやる、あとは何とか生きていけるだけの奨学金、そうすると五万円以下かなと思うんですよね。このクラスの奨学金というものは思い切ってもっと拡大できないものかどうか、その辺をちょっと伺いたいんです。

工藤智規文部省学術国際局長

○政府委員(工藤智規君) 国費留学生は、別に新設の立命館大学が対象外というわけではございませんで、それぞれの在外公館での選考のほかに、各大学での御選考とか各地域からおいでになります留学生の方々、国費で採用したりあるいは私費でおいでになった方にも大学の国公私等の別なく御援助しているわけでございます。  それで、今のお尋ねの件でございますが、平成十一年度の予算を御審議いただいたところでございますけれども、ODA予算総額の伸びが〇・二%増にとどまっている中で、政府全体で、私どもと外務省の分を合わせた留学生関係予算のODA関係費といいますのが五・四%の増を見てございます。これは、先ほど申しました国費の関係の奨学金の増が二百五十人、私費で奨学金を支給する対象人員が千二百五十人増、合わせて千五百人増というのが史上最大規模でございまして、これは小渕総理の御理解のもとに政府全体として人づくり支援に取り組んでいるところでございます。

梶原敬義社会民主党・護憲連合

○梶原敬義君 もう時間がありません。  私は冒頭に松前重義さんの話をしました。もう言いたいことはわかっていると思うんですが、今伸びたと言うけれども、それでもこれはもっとやっぱりやるべきだ、インフラとかそういう箱物じゃなくてここに重点を置くべきだと、このように思うんです。また、立命館アジア太平洋大学については文部省も外務省も、これはいい方向に進んでおりますから、積極的に御支援を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。  終わります。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 この行政監視委員会でODA問題を冒頭に取り上げた理由はいろいろありますけれども、基本的には、先ほど来同僚議員が述べておられるように、今日的国内の経済状況の中にもかかわらず、日本の国民の浄財や税金、国税、そういうものが世界の平和のために、あるいはまた日本国の国威発揚とでもいいましょうか、友好親善のために使われている、そういうものに対して基本的に透明度をしっかりと鮮明にしていかなければいかぬ。それは制度上の問題あるいは方法論の問題等々いろいろ出てくることであるので、きょうは第一回目の問題として、それぞれの同僚議員から質問がありましたが、私も少し前広に広く質問をして、あとはこれから続く次の機会に譲りたいと思います。  この政府開発援助は、開発途上国の安定と発展のための支援をいろいろな面から、要するにハード、ソフト両面を通じて国際社会の平和と繁栄に重要な役割を果たすとともに、開発途上国との友好関係を一層増進して資源や市場を海外に大きく依存する我が国の国益の増進にも資するものであることは言うまでもありません。  また、世界で今なお多数の人々が飢餓と困窮に苦しんでおり、環境、人口等地球規模の問題が山積している状況で、政府開発援助を通じてこれらの問題に取り組んでいくことは国際社会における我が国の重要な責任の一端でもあろうと思います。  しかしながら、前段申し上げたように、ODAはまだまだ今後改善、改良して効果を高め、言うところの日本への信頼と理解を得る具体的外交手段と評価されるものでなければならぬというふうに思います。そういう意味でこれから質問をし、今までの質問と若干矛盾する面もあるかもわかりませんが、問題点を申し上げて御意見を伺っておきたいと思います。  開発途上国政府などに対して低利で長期の緩やかな条件で貸し付ける借款は政府開発援助の中心を占めていますが、無償資金や技術協力とは異なり、供与した融資が期日どおり返済されることが原則となっている。先ほども質問がありました。ちょっと違う角度からでありますが、しかし近年の途上国における経済危機は借款返済にも大きな影響を与え、返済が滞っているようであります。  そこで、まず円借款の貸付累計額、実行ベースで十一兆八千四百七十一億とさっき答えられておりましたが、同時に回収累計額が二兆六千八百六十三億だということのようでありますが、その返済状況、中国やインドネシア、タイ、インド、フィリピンなどは返済の延滞がないというふうに報告も受けております。  しかし、その延滞債権額の今後の見通しはどういうふうに考えておられるのか、また延滞債権に対して政府としてはどう対応しようとしているのか、極めて簡潔に答えてください。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 東南アジアに対しましては、大口の供与国ということで従来臨んできておるわけでございます。今、先生から御言及のありましたような諸国につきましては、返済は順調に行われておりまして、延滞の問題は生じておりません。他方、アフリカ等一部の国におきまして債務の問題が一応出ておりますので、それらの諸国につきましては別途国際的な協調の枠の中で債務救済の方途を検討中でございます。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 さっきと同じ答弁。紙を読んでいるんじゃだめなんです。全く同じ答弁。そうではないので私は改めて質問をしているわけです。  要するに、各国は楽でないから、経済的に十分余裕がないから日本に経済協力を要請してきている、そういう各国からすれば今の通貨危機などというのは非常に大変なことだと思うんですね。実際に日本の好意あるいは善意で借款を供与している、それに対して今日になっては非常に重荷になっている、これは事実なんであって、滞りがないといっても実際に滞っている国もあるわけなんです。だから私はあえて状況はどうかと聞いているんですが、さっきも言ったように、それらの重立った国々はちゃんと遅滞なく返済されているということは承知の上で質問しているんだから同じようなことを答弁で繰り返しちゃいけないのです。  私は、経済・産業委員会で、いわゆるアジアの経済危機を突破するのに、日本の経済危機も突破するのに、日本だけの対策でなくてアジアに思い切って支援したらどうかということを申し上げて、大変恐縮ですけれども、別におごり高く申し上げるわけじゃないが、三百億ドルという宮澤構想ができたと大変意を強くしております。  しかし、それにしても、この円借款がだんだん将来にも重荷になっていくおそれもあるが、今までも若干重荷になっているということが言われている中で、この六月の主要国首脳会議、ケルン・サミットに向けて議長国ドイツなどは先進七カ国が保有する最貧国向けの政府開発援助債権、すなわちODA債権の全額を放棄する動きがあるというふうに承っております。そういう意味で、この提案が実施されるとなると、日本がODAは債権国として一番多いわけでありますが、これは全部ということではないと思うし、あるいはさっきの同僚議員の質疑の中にも言うならばモラルハザードの問題も述べておられました。  だから、そういう意味ですべてのことを勘案した中で、最貧国に対して実際にサミットでもってそういう提案がなされたときに、大蔵省や外務省はどういう対応をするのか、宮澤大蔵大臣は否定的なことを言っておられるようですが、この問題について事務当局としては今の段階でどういうふうに考えるか。全く考えません、全く歯牙にもかけませんということか、あるいは先進国首脳会議、サミットで話があるなら先進国と一緒に検討をしてみようという気持ちがあるのか、これは大蔵省も含めて答弁を願います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 来るケルン・サミットにおきます対応につきましては、我が国としても重債務最貧国に対します何らかの追加的な、つまり、従来も一定の対策が講じられておりますけれども、さらに何らかの追加的な対応ができないか検討中でございます。  従来、我が国としては決して重債務最貧国の債務問題に冷たいわけではございませんで、ほかの債権国と十分協議の上国際的な枠組みにのっとって、その枠の中では最大限のことをやるという姿勢で臨んできておりますし、その基本的姿勢はこれからの対応においても同様であるというふうに思っております。  それでは現在具体的にどういう対応ができるか、先ほど四点検討の柱のようなことを御紹介させていただきましたけれども、そういう線で具体策を今政府部内で検討いたしております。

黒田東彦大蔵省国際局長

○政府委員(黒田東彦君) ただいま大島経済協力局長から申し上げたとおりでございまして、私ども大蔵省といたしましても、外務省等関係省庁と協力して、ケルン・サミットにおけるこの問題に対する適切な対応を図りたいというふうに考えております。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 適切な対応ということで、これは先進国に笑われないように対応すべきであるというふうに思います。  大島局長、ちなみに最貧国というのはどういう国を日本では言うんですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 現在、大きく言いまして二種類あるかと思いますが、一つはLLDCと呼んでいる国連で認定されております四十八カ国がございます。それから、別途世界銀行とIMFが認定いたしておりますが、重債務最貧国というカテゴリーの国が四十一カ国ございまして、さきの四十八のLLDCと重債務最貧国の四十一カ国は、両方入っているといいますか、ダブっている国が二十弱あったと思います。そういう状況でございます。主としてはアフリカ諸国でございますが、一部アジア、中南米諸国も入っております。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 通告はしていないが、ちなみにその最貧国は大体どれぐらいの債権額ですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 重債務最貧国の定義は幾つかございますが、例えばその国が負っている債務の総額がその国の年間輸出額の二倍とかあるいは二・五倍以上といったような基準を一つとります。それから、その国の毎年の債務の支払い額がその国の輸出額に対して例えば二五%とか三〇%に上るといったような指標、それからあと副次的な若干の指標を勘案いたしまして国を決めております。と同時に、世界銀行、IMF、特にIMFの提起しておりますいろいろな構造改善のためのプログラム、こういうことをきちんとやっているということが前提になった上で、なおかつそういう重債務にあえいでいる、こういう国を選定いたしまして決めております。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 六十何カ国ということになるんでしょう。その六十何カ国に日本が援助している総額はわかりますか。金額だけでいいです。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 今の世銀、IMFで決めております重債務最貧国に対します貸付残高が九千百七十億円程度でございます。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 言うならば十分の一にも満たないという、一割にも満たないという金額になるんでしょうか、十一兆円から見ますと。しかし、その最貧国にとっては大変な金額なんですね。そういうところをおもんぱかりながら、ぜひ首脳国会議のときに日本人が言うならばエコノミックアニマルふうに言われないように私は考えて政策を遂行してほしいというふうに思います。それは、極めて政府開発援助の重要性から、非常に返済が難しくなっている借款には私は少しこの辺で、国民の血税ではあるが、しかし世界あるいはまた日本の将来を考えてみると、そのことについては大いに相手国の立場を考えた措置、政策を遂行してほしいということです。  しかし、先ほどから申し上げているように、我が国の今日の大不況下での国民の血税を原資にしているだけに、援助の内容については厳しく監視する必要もありますし、あるいは円借款のあり方をやっぱり精査する必要もそろそろ出てきている段階、それがいわゆるODA基本法的な発想にも結びついていると思うんです。日本の国内での援助作業についての透明度、これを方法やあるいは制度上の問題として議論しておく必要がある、あるいはまた今までのことを事務当局から聴取する必要もあるというふうに思います。  そういう意味で、国民の不信が出てくるような援助であってはならぬ、全面的に国民から信頼されて、あるいはまた協力を得るようなODAでなければならぬというふうに思いますので、我々委員会はこの問題についてさらなるまた質疑を交わして、さらなる国民の信頼を得て、この委員会の実を上げ、かつまたODAの名実ともに実を上げていかなきゃいかぬというふうに思って、きょうの質問をこれで終わり、次に譲りたいというふうに思います。  ありがとうございました。

田名部匡省参議院の会

○田名部匡省君 十二分ということですから、長々と答弁しないでポイントだけ答えていただけないですか。  これはすべてそうなんですけれども、政府で問題が起きたときに何で知るかというと、国会議員は全部マスコミを通じてわかるんですね。私は情けないと思うんですよ。バッジをつけて国民の代表で来ている国会議員が新聞を見てわかる、こういうことはあってはいかぬと思うし、もっともっと情報を的確に出していただきたい、これが一つ。  それから、一般的に政府は国民の税金を使っているんだという意識が希薄でないだろうか。何もこの委員会だけではなくて全般に言えることなんですけれども、何か起きると二度とこのようなことの起きないようにと何十回聞かされたか。起きるたびにそうなんです。ちっとも反省もなければ本気で次に取り組もうという姿勢がまず見えない、このことを冒頭申し上げておきたいと思うのであります。  去年の七月、小渕総理が就任後の初閣議で、何といってもODAの透明化、効率化だ、これについて関係閣僚に指示した、それを受けて対外経済協力関係閣僚会議の幹事会というのが開かれたと。  この幹事会というのはどんな人がなっているんですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 援助関係の閣僚会議というのは別途ございますが、この幹事会は局長レベルで構成をいたしております。

田名部匡省参議院の会

○田名部匡省君 今言ったように、閣議でこの問題を指示したと。しかし、その幹事会というのは各省の局長だ、こういうことなんですね。  私は思うんですけれども、閣僚は事前に役所で説明は受けますが、しかしそれはもう全部でき上がってからですね。説明を受けて、そして閣議を開いてこれを了承していくと。ですから、率直に言って詳しいことはわからないんです。閣僚がわからないものを進めるというと、これはやっぱり役所で全体をやってやらなきゃわからないんですよ。ですから、ODAがどうなっているかこうなっているかといったって、国会議員全体の人はどの程度わかっているかわかりませんが、閣僚だって同じようにわかっていないんですよ。  ここが一番問題で、私は組織をもっとぴしっとしたらどうかと。例えば、大きな話をすれば世界の主要国がどうしてこの二国間あるいは無償、有償の援助をやるのかと。やっぱりその国が経済的に発展してよくなってほしいという目的をみんな持っているんです。ところが、各国ばらばらにやっている。  また、これは外務省が窓口になってやるんでしょうけれども、外務省だけではやれないんですね。関係省庁の連携のもと、ここが問題なんですよ。そういう組織がきちっとない。だから、やるときにはみんなそれぞれ、農業は農林省、労働問題は労働省とかというふうにしてそっちに任せきりで、外務省にどれだけの専門家がおるかわかりませんけれども、さっきから第三者で評価もしなさいとかといって、全部今までも何か起きると内部調査なんですよ。  だから、これも外に出してきちっとしなきゃいかぬし、国としても専門の、これだけの予算で海外援助をやっているわけですから、そういう組織をぴしっとした上でやらないと、この後質問しますけれども、いろいろと問題が起きてくると私は思うんですが、どう思いますか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 確かに先生御指摘のとおり、この開発援助という仕事の性格上、非常に範囲が広うございますし、各省庁のかかわりが多岐にわたります。したがいまして、全体として連携、調整、特に調整をきちんとしながら進めるということが非常に重要になるわけでございまして、一つのやり方は例えば一つの庁をつくるというようなことで、そういう議論も行政改革の議論の過程では出たこともあるわけでございますが、結論としては今回の行政改革にはそういう方法はとらないという結論になりました。  外務省を中心にして政府全体としての調整機能を強めるということで行革基本法ができ、現在そういう形で法的な整備が進みつつあるわけでございまして、この基本的な方向の枠の中で先生から御指摘いただきましたような調整の問題において最大限の効果を発揮するようにやっていくということが外務省初め各省庁に課せられた義務だろうと思っております。

田名部匡省参議院の会

○田名部匡省君 効率的、効果的な援助の対応ということでありますけれども、私もいろんな国へ行ってこれが援助を受けたものですというのを見て回ることが多いんですよ。例えば、その国に援助したら、どうしてその国の人たちが仕事をして建物が建たぬのかなと。これもその国の援助につながるんですね。ある国へ行ったとき、この建物は三億かかりましたと。何でこの国でこんな建物が三億かかるんだと言ったら、サッシも鉄筋も全部日本から持ってきますと。しかし、その国には同じような立派な建物が建っているわけですね。このあたりが非常に私は不思議だと思うんです。  それから、援助の内容をずっと見てみると、その国をよくするためにはどうするかという基本的なところがない。こんなのはどうするんだろうなと思うのも実はあるんですね。ですから、スタートする時点でいろいろと考えて、どうすることがいいのか。その国の実情というものもあるでしょう。行ってみれば物すごい立派なものもあるんです。立派なものがだめだとは言いませんが、やっぱり国に合ったもので私はいいんだろうと思うんです。  かつて私は亡くなった近藤元次さんや吹田さんと一緒になってボランティア基金というのをやったんですよ。第一号はマダガスカルでした。原島大使がこういうものに援助してほしいと言われて、私たちは行って見てきた。行って見ると、こんなのに金を出すのなら別のものがいいなというのがあって、そっちにやったんですよ。病院が雨漏りしているとか、小さな機械がないとできないとか、あるいは女性の施設と保育所みたいなものを併設しているものをやる。どでかいものもいいでしょうけれども、ありがたがるんですね。  ブータンでもそうです。女性の集会所をつくってあげたんですけれども、非常に喜ばれているんです。そのブータンでは、何か知らない間に四輪駆動十六台もODAの不正支出をしたと新聞に出ておった。  何回も言うようですけれども、その国を立てるためにはどういうものに援助するか。だから、私が国際的にやりなさいというのは、日本は農業分野でいく、あなたのところはこの分野というもので立ち上げていかないと、単発にぽろぽろやってみたって、それはなかなか私はよくならぬだろうと思うんですね。  ということで、さっきから組織組織と言っているんですが、同じように国内でもやっぱり組織が大事なんですよ。そして、外務省も専門家がおってきちっとチェック体制ができる、やる場合にはこういうふうにしなきゃいかぬというものを持っていないと、それがないものですから、農業のことは農林省に預ける、役所はばらばらでやっているわけですね。こういう体制ですからむだなことも私は多いんだろうと思うんです。  かつて予算委員会で、大野明さんが委員長のときに私は理事でして、ODAを取り上げたんです。とにかく研修生を呼んで研修して帰って、それが今度何かつくるときにはメーカーを指定してくるんですね。まさか今はそんなことはないと思うんですけれども、二国間になるといろんなことが出てくるんですね。ですから、公平だ公明正大だと、こう言っても、なかなかこの分野になるとだれも気がつかないし、わからない。  一々全部聞こうと思ったらこれはもう大変な質問事項です。特に、JICAと外務省の職員五十人で審査しているというんです。ですから、中だけでやろうとするとこれは無理が来ますから専門家を集めてそういうものを審査する体制をつくるとか、あるいはコンサルタントが援助資金の不正流用を認めたと、こういうのが載っていましたが、私は、コンサルタントでもあるいは設計する場合でも、そこに合わせた金額を提示してその範囲内でどういうものができるかという根拠をやった方がいいと思うんですよ。それをただ設計屋に預けると立派なものをつくって、設計屋がそれでもうかるわけですから、私はもっといろんな知恵を出して国民にも余り負担を求めなくて相手にも喜ばれるというのは一体何だろうかということ等をやる必要があるだろうと思うんです。  きょうは意見だけ申し上げましたが、私の今までの話を聞いて局長はどう思われるか、お答えいただきたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) ただいま私どもがいつも非常に悩みながらいろいろな仕事をやっている幾つかの問題について御言及があったように思います。  まず、日本の援助については、耐久性とか安全性とか耐震性とか、非常に良心的な配慮をしながらやるというようなことも一因となりましてやや高くつくのではないかという話もございました。他方、今度中米でハリケーンというのが起きまして大災害がありましたけれども、日本がホンジュラスとニカラグア等でつくりました七つの橋は無傷で残ったということで現地で大統領を初め新聞等でも広く報じられて絶賛を浴びておるわけですが、こういった非常に日本なりに細かい気を使いながらやったことがこういう場合に出てきているというのも一面だろうと思います。  ただ、先生御指摘のように、まさに組織の問題とか調達等の問題については、これはいろいろ改善すべきところも多々ありますので、これから当委員会でも十分御審議いただく中で御意見、御示唆、御叱正を得ながら進めてまいりたいというふうに思います。

田名部匡省参議院の会

○田名部匡省君 もう時間がないですから終わります。いずれもっと時間をいただいてやらせてもらわぬと。  最後に、私はイラン・イラク戦争のときに安倍外務大臣の随行でイラクに行ったんですよ。こんな立派なものをイラクにつくってあげなきゃいかぬのかなというのをつくっておるんですね。ああいうのを見ると、もう少し効率的に考えて、だれかがこれをやらないといかぬのですから、みんな人任せでばかりやっているとこういうことになる、このことを申し上げて終わります。  ありがとうございました。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 最後の質問者でございます。よろしくお願いいたします。  今、同僚の議員よりもっと時間をいただいてゆっくり質問をしたいという発言がございまして、私も同じ思いですが、そのためには議席の数をふやさなきゃいかぬのだろうな、そういう自問自答をいたしておるところでございます。  そういった中で、我が国のODAを見ておりますと、金額では七年、八年連続で世界一。喜ばしい誇るべき事態かと思いますが、片やグラントエレメントと呼ばれる贈与率ではDAC二十一カ国のうちで最下位が続いておる。こういう中で政府の方針は、このグラントエレメントはずっと最下位でいいのか、あるいはそれを上げるべきだとお考えになっているのか、まず基本的な方向をお伺いしたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 確かに我が国のグラントエレメントは円借款が大変に巨大であるために全体のグラントエレメントの数字が低いものになっております。これ自身は改善努力が必要だろうと思いますが、しかし円借款というものが存在する限りにおいてこれが大幅に改善する事態というのはないと思います。  しかしながら、他方で絶対額でいきますと、無償資金協力とか技術協力と言われるいわゆるグラントでやっておる援助の量というのは、例えばイギリスが行っている全援助量よりも大きいわけでございますので、その量全体として見ますとそこら辺はやはり相当のことを我が国としてもやっているということでございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 今、円借款でやっている以上それは難しいんだというお言葉でございましたが、現代用語の基礎知識の関連ページでグラントエレメントのところを読んでおりますと、金利一〇%以上の借款はカウントされないと。日本の金利はもっと低いはずだからカウントされてもしかるべきだとあなたの答弁を聞いておって思いついたんですが、ちょっとそこら辺、御反論いただけたらありがたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 円借款も非常に低利で出しておりますので、円借款もグラントエレメントにもちろん換算されます。されますが、全体の量が大きいものですから、方程式に掛けましてそのグラントエレメントの率を出しますと、先ほど先生からも御指摘ありましたような低いところにとどまっているということでございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 だとすると、あなたの言われた円借款をやっている以上それはだめなんだというのは内容的に正しくないという今の答弁ですね。はい、わかりました。  その次に、昨今米が余ってミニマムアクセスで入れた米等を海外に出しておるケースもありますが、この米の贈与というものはグラントエレメント改善にどの程度寄与しておるのか、現実的な数値があればちょっとお教えをいただけたらありがたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) ミニマムアクセス米の贈与分を加えなかった場合と比較しますと、グラントエレメントは約〇・一ポイント程度上がっているということになります。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 それは政府が毎年十五万トンぐらい政府米を利用した食糧援助をやっておる、そのほかに北朝鮮、インドネシア等に出されておる、それを両方ひっくるめてその程度にしかならぬということですか。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 今の十五万トン、これは大体毎年最低義務量として三十万トンでやっておるものですが、それ以外に緊急的に出しております場合にはその緊急援助米のグラントエレメントも含まれるということだと思います。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 我々は今グラントエレメントの論議をしておるわけでありますが、先般、全日空ホテルで、読売新聞社後援、日本国際フォーラム主催で「日本のODA 国益と国際貢献」という長い会議がございました。私も傍聴しておったわけでございますが、大学者のすべてがこの財政難の折でもとにかくODAをふやせふやせの一点張りで、その中身を検証しようとかそういうようなことを考えない、とにかく派手にじゃかすか弾を撃てというような理論なのでげっそりしました。質問をしてやろうかと思っていたら次の用事ができて発言できずに帰ったわけでありますが、私は必ずしもグラントエレメントのみにこだわる必要はないと。なぜならば、血税でそういう援助をやるわけですから、中にはもったいない金もたくさんあるんじゃないか、そういったものは国民が許さない、そのように思うわけであります。  それで、二、三の新聞記事等から、どういうむだな金があるか、そういうものについてはいろいろチェック機能等を高めて我々は今後考えていかなければいかぬという意味で申し上げるわけでありますが、例えば「ロシアむしばむ腐敗体質」ということで、ロシアに行ったこういったお金というものがいわゆるマフィアとか政府高官の懐に入って全然一般が潤っていないという、これは平成六年十月十八日の日経新聞の記事。あるいはまた、九五年十月二十五日号の週刊新潮でありますけれども、ルワンダの外相が十八万ドルを持ち逃げしたというような記事とか、あるいはまたこれは月刊アサヒの袴田さんの論文ですが、同じように、ざるに水のような混沌のロシアに五百億ドルというような記事もございます。また、シアヌーク殿下に対して毎年約八百万円の贈与的なお金を日本政府が出しておるけれども、こういったことに対する批判もニューズウイークの九三年十月六日号には出ておる。  こういう中で、今、国家財政窮迫の折から、国民の立場からすればよく相手を見、内容を見、しかも出したものに関しては途中でいろんな検証をして十二分な成果が上がるようにすべきであると。日本は軍事力では世界に貢献しにくいわけですからどうしてもODAに走りがちだし、そのこと自体は否定するものでもございませんが、そういう中でグラントエレメントのみにこだわる必要はないというのが私の考えであるということを強く申し上げておきたいと思います。  そういった中で、時々ODAにまつわる不祥事というものもあるわけでありますが、最近新聞等を煩わしたODA関連の不祥事としてどのようなものがあると御認識か、中身は要りませんから件名だけ御披露いただけたらありがたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) 最近ございましたのは昨年のブータンに対します問題、これが一つございます。それから、中国のウナギの養殖事業に対します海外経済協力基金の投融資事業、これもプレスの上では大きく取り上げられた問題かと思います。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 いや、もっとあるでしょう。もう一遍やってください。もっとあるでしょう。あなた新聞を毎日読んでいるでしょう。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) つい数日前には、先ほども議論ございましたけれども、国際協力事業団の海外研修制度の問題もそういう意味では取り上げられたわけでございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 インドネシアは。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) インドネシアの米支援も話題になったところでございます。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 それをなぜ最初から言わないんですか。通告もしていますよ。むしろ言いにくいことはみずから進んで述べる、こういうことで御答弁をお願い申し上げたいと思います。  そういった中で、最近JICA、国際協力事業団が十一省庁から三百十八人の官僚特別枠で、ODA留学という名目ですが、行き先は先進国で帰ってくるところはもとの職場だ、これはODAに関係がないんじゃないかという新聞記事が出ておりまして、これは今の不祥事の中に入れてもいいランクで私はメモっておりますが、官僚としてハーバード大学に行っていろいろな経済の勉強をして、帰ってきてお役所で一生懸命仕事をして国家のためになる、このことはいいんですが、そのお金をODAの枠で使うという論拠が私にはわからないわけなんです。  今の不祥事に関連して、そのことも準不祥事に近い案件としてちょっと御感想をお述べいただきたいと思います。

大島賢三外務省経済協力局長

○政府委員(大島賢三君) この種の経費はODAの中では行政経費という枠組みで整理されるものでございまして、専門家養成でございます。こういう形で関係省庁の専門家養成のためにJICAの研修制度が活用されておるわけですが、四人に一人ぐらいの割合で帰国後直接援助関係の仕事に携わったことがないという結果が判明いたしております。  この制度そのものは意義を持っておると思いますけれども、その活用の度合いについてはさらに改善の余地があると思いますので、これにつきましては改めまして各省庁に対して申し入れを行い、その活用度が上がるようにすると同時に、最近は開発途上地域におきましてもこの種の援助研究にすぐれた大学等ができ始めておりますので、先進国に偏ることのないような派遣の形態も今後取り上げていくべきだろうと思っております。

石井一二二院クラブ・自由連合

○石井一二君 帰ってきた人の四分の三程度がODA関連の仕事に携わる可能性もあるということでございますので、ひとつ来年の概算要求では四分の三程度の要求額に変えていただくことも御検討をいただきたいと思います。  最後の質問者というものはつらいもので、ほとんどの議員が早く終われと思っておられると思いますので、以上をもって終わりたいと思います。

続訓弘公明党

○委員長(続訓弘君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。    午後四時三分散会

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