行財政改革・税制等に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1999/06/29
会議録
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣法の一部を改正する法律案外十七案の審査のため、来る七月一日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認めます。 なお、その数及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川芳男君) 内閣法の一部を改正する法律案、内閣府設置法案、国家行政組織法の一部を改正する法律案、総務省設置法案、郵政事業庁設置法案、法務省設置法案、外務省設置法案、財務省設置法案、文部科学省設置法案、厚生労働省設置法案、農林水産省設置法案、経済産業省設置法案、国土交通省設置法案、環境省設置法案、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律案、独立行政法人通則法案及び独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案並びに地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○畑恵君 おはようございます。自由民主党の畑恵でございます。 各大臣におかれましては、早朝から御出席を賜りましてまことにありがとう存じます。 まず、けさは冒頭、野中官房長官に伺いたいんですけれども、実はこの質問というのは私のきょうの質問の最後に締めくくりとしてぜひ伺いたいと思っておりましたんですけれども、残念ながらちょうどその時間になりますと記者会見でこちらの方にはおられないということなので、冒頭にさせていただきます。いささか唐突な感が否めませんが、御容赦くださいませ。 実は先週イギリス大使館の夕食会で、私初めてサッチャー元首相にお目にかかりまして、ちょうどこの委員会に属しているということもございましたので、行政改革をなぜかくも果敢に断行できて、また成功裏になし遂げられたのか、直接伺わせていただきました。そのお話をるる伺う中で、改めましてサッチャー首相が行革に成功した最大のポイントはその強固な信念に裏打ちされたたぐいまれな意志の強さであることを痛感した次第でございます。 サッチャーの意志の強さを物語るエピソードはたくさんあるわけでございますけれども、中でもサッチャーがまだ教育大臣だったころでございますが、子供用ミルクの無料配付というのをやむなく廃止した際、国民から大変な非難が上がって、余りにもその不人気ぶりがすさまじいということで、部下が恐る恐るサッチャーに進言したと。そうしたところ、サッチャーが言うには、その政策がいかに国民に人気があるかどうかではなくて、その政策が正しいかどうか、それが大事なんですということで雷が落ちたというようなエピソードが伝わっております。 そのときのお話もそうでございましたけれども、やっぱり何をすれば国民から人気があるのか、支持を得られるのかではなくて、何をすることが国家百年の大計にそぐうのか、そして最終的に国民のためになるのかということをいつもしっかりと見きわめて、それを果敢に断行して、そして当然その道のりの中では非難もありましょうし、批判もありましょうが、ただそれに屈することなく果敢に闘い続けた、それによってサッチャーは世に残る大改革をなし遂げられたのではないかと思います。 今、日本が本気で今回の行政改革を行おうとするのであれば、そのリーダーというのはこうしたサッチャーのある意味で疾風怒濤の道のりというのをある程度たどらずして頂上にたどり着くことは難しいのではないかと思うんです。 支持率が上がることは大変すばらしいことだと思いますし、一方にコンセンサスがなければ政治というのは独断になってしまう、独善になってしまうとは思うんですけれども、ある程度サッチャリズムというこうした流れ、野中官房長官は総理大臣と一心同体で向かわれているわけですけれども、どのように受けとめられて、また今回のこの行政改革にどのような意気込みで取り組まれているのか、もう一度改めて伺わせていただけますでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) お答えをいたします。 行政改革は国の行政組織及び事務事業の運営を簡素かつ効率的なものにいたしますとともに、その総合的あるいは機動性、透明性の向上を図り、かつこれによりまして戦後我が国の社会経済構造の転換を促すことによりまして、自由かつ公正な社会の形成を目指そうとするものでございます。 小渕内閣は、橋本前内閣に引き続いてこの行政改革に熱意と意欲を持って総理は取り組んでおられる次第でありまして、私もまた小渕内閣の一員といたしまして、国政の最重要課題といたしまして、また二十一世紀に向けた我が国経済社会の繁栄へのかけ橋として行政改革に今後とも積極的に取り組み、その推進のために全力を尽くしてまいりたいと存じておるところでございます。 委員から国家百年の計についてお話がございました。行政改革や地方分権はこれをもって私は完了するものでなく、不断の改革と努力が必要でありますとともに、昨日、阿南委員からも御指摘がございましたけれども、相半ばする不安と期待、これは国家公務員はもちろんのこと、さらにいわゆる国民皆さんにつきましても十分な点検と反省と見直しを行いながら、さらに一層この成果が上がるように努力をしてまいらなければならないと考えておる次第であります。
○畑恵君 強いお言葉いただきましてありがとうございます。 百年の大計というよりも、まさに二十一世紀のスタートとともですから本当に千年の大計だと思いますけれども、ぜひ今のお言葉どおり強固な意志で貫いていただきたいと思います。 サッチャーもまだ道半ば、二回目の首相としての選挙を一九八三年に迎えて、そのときの失業率というのは五十年間の中で最悪でありました。にもかかわらず彼女は勝ちました。これはフォークランド紛争があってそれに勝利したという、ある意味で神風が吹いたということがあるのかもしれません。それだけの失業率を上げてしまうような行革であれば、それだけでしたら通常でしたらばサッチャー首相は敗れたかもしれない。でも、本当に彼女がやり遂げる意志というのが神に伝わったのかどうかわかりませんけれども、神風が吹いて彼女はイギリスを変えるということができたわけですので、ぜひ最後まで、今、野中官房長官がここで御答弁なさられたお言葉どおり断行していただきたいと思います。御期待申し上げております。 どうもありがとうございました。御退席くださいませ。 では、一般の質問に移らせていただきたいと思います。 まず、きょうは内閣機能の強化からるる伺ってまいりたいと思います。特に、内閣府と内閣官房のそれぞれの役割ということを主に太田長官に伺ってまいりたいと思います。 俗にというんでしょうか、よく耳にする言葉で、内閣官房は決定の場、内閣府は知恵の場という非常に言い得て妙といいましょうか、ただ、わかったようなわからないようなところもあるのでございます。マトリックスを見せていただくと、どちらがどちらよりも上位にあるのかというようなことはわかるんですけれども、実際に法案を読ませていただくと、内閣官房の役割というのは、以前行革会議の資料を読ませていただいたときに、これは総合戦略であって、内閣府の方は総合調整であるというふうにたしかそのマトリックスに書いてありましたので、私はどうもそのときの記憶が鮮明なものですから、そうだと思っておりました。ところが、実際法案を読みますと、どちらも企画立案及び総合調整を行うと書かれております。 ここでもう一度、内閣官房と内閣府の役割分担を明確に教えていただきたいんですけれども。
○国務大臣(太田誠一君) 内閣官房と内閣府の関係でありますが、まず内閣官房は、総合戦略機能ということのお話がありました。内閣及びその首長である内閣総理大臣を助けて総合戦略機能、この言葉をすなわち国政の基本方針の企画立案機能を担い、内閣の機関として最高かつ最終の調整の場となるというふうに言っております。内閣府は、内閣官房の総合戦略機能を助ける知恵の場として横断的な企画立案、調整などの機能を担うこととされております。 こういう両機関の最終報告で語られました言葉を法律の言葉にあらわすと、内閣官房は、内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整という言葉になるわけでございます。内閣府は、官房を助けて行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整等を行うと規定しているところであります。 いずれにしても、主任の大臣は、内閣官房も内閣総理大臣、内閣府も内閣総理大臣、そして統括をするのは内閣官房長官と両方ともなっておりますので、そこで内閣官房と内閣府は、それを助ける機能というのは、多少今おっしゃるようにわかりにくくなるということはあると思いますが、そういうことでございます。
○畑恵君 非常に簡潔な御説明ありがとうございます。 やはり当初思った……(「わかったのか」と呼ぶ者あり)ある程度理解したつもりなんですけれども、当初思ったようにやはり戦略機能というのが内閣官房であるということは言えるわけでございますね。私は、そこのところを、案文にはそのように書かなければいけないのかもしれないんですけれども、周知徹底していただきたいですし、内閣官房で国家戦略を練って、各省庁とのさまざまな調整というのはそこでは行わないと。というのは、やはり国家戦略を策定する機関というのと、いろいろな根回し、調整をするということを両方一つの場でやるということは非常に無理があると思うんです。多くのスタッフが各官庁からいらっしゃるというような状況になるのだと思いますので、やはり戦略的な策定機関と調整の場というのは私はある程度分けるべきだと思うんですけれども、その点に関しましては総務庁長官はどのように、ぜひ太田長官に伺いたいと思うんです。
○政府委員(河野昭君) 今、先生御指摘の点は、行政改革会議におきましても大変時間をかけて濃密に議論されたところでございます。 具体的には、行政改革会議におきましては、内閣及び内閣総理大臣の補佐支援体制の強化ということで、これは統合型がいいのか分離型がいいのか。これは、まさに統合型といいますのは、内閣官房の総合戦略とそれから内閣府に規定しております個別についての総合調整、企画立案、これを一緒にすべきかどうかという議論でございました。 結論だけ申し上げれば、もう先生今おっしゃいましたように、それを一緒にしますと組織的にも大きくなる、まさに総合戦略機能というのは非常にスリムな組織で、そうすることによってその機動性あるいは戦略性が発揮されるということで分離するという結論に至った、その結論を踏まえてただいま御提案している、そういうことでございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 基本的には、私が先ほど申し上げた国家戦略機能と総合調整というのを一緒にするということは戦略的に機能しづらいということなので、そうでないようにというその大方針は同じではないかと理解させていただきました。 そのスタンスに立って質問を続けさせていただきますが、内閣官房でございますけれども、読ませていただくと、外交・安全保障、予算編成、経済政策、危機管理、本当にすべての国家の重要課題というのを担当なさるわけです。 ここで、先ほどもう申し上げたことですけれども、こうした一番核となる国家戦略を策定する機関のスタッフというのがこれまでのように関係省庁から出向で出てきた官僚であった場合、果たして本当に省益を超えて国益を見晴るかした戦略というのを立てられるのかどうかというのは非常に疑問があるところでございます、失礼ながら。 スタッフの人選の方法、それからその決定システムに透明性があるのかどうか。これは全員ポリティカルアポインティー、首相の指名になるのか。私は余りよく存じ上げないので、具体的に教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 今般の改正で内閣官房の幹部職員として新たに設置される内閣官房副長官補三人、内閣広報官及び内閣情報官については国家公務員法の適用を受けない特別職とし、内閣総理大臣により直接に選任され、内閣総辞職の場合は新内閣において新たな選任手続がとられるいわゆる政治任用の官職であります。 すなわち、運命をともにする、その内閣と総理大臣と運命をともにする。なるときも直接指名されるし、内閣が終わったらば終わる、運命をともにするということがここでいう政治任用ないしは政治的任用の言葉の意味であります。それを、今回の内閣官房のスタッフについてはそのようなルールを新たに設けるということであります。 一方、内閣官房の幹部職員以外の職員については、内閣官房の行う企画立案、総合調整事務にふさわしい人材を行政組織の内外から機動的に登用することができるようにするために、各省庁からの派遣・出向先の固定化及び各省の定例的人事への依存を排除するとともに、新たに導入が予定される任期つき任用制度の活用等について検討し、各省庁からのすぐれた人材を登用及び各部門からの、外部からの専門的知識を有する人材の登用を図るための措置を講ずる所存であるということでございます。 すなわち、各省庁の都合で人事異動があったからこちらに、内閣官房に出ている人がかわっていくということは、それはないということでございます。 それから、なお、行政機関の間で現在行われております人材派遣の出向は、受け入れ先として専門的知識を有する等すぐれた人材を活用すること、出身元省庁としては受け入れ先で幅広い経験を積んだ人材を再び活用でき、より高度な政策判断を行えるようになることといった利点があって、各省庁から内閣官房に対して行われた人材の派遣・出向自体についても基本的には今後とも維持していく考えであります。 なお、例えば今の行政改革、私は行政改革担当大臣でありますけれども、行政改革を今やっております機関は総務庁であるように一部誤解されておりますけれども、そうではなくて、これは虎ノ門に中央省庁改革推進本部の事務局を置いておりまして、百四十人の各省から出向してまいりました極めて優秀な若手、中堅の人たちがいるわけで、河野局長はその代表でございますが、その方々はまさに今回のドラスチックな行政改革をみずからやっているわけでございますから、現に内閣官房や内閣府の機関として設けられたものはこういうふうに省益から隔絶されたところで思い切った仕事をやることができるという実績は、まさにここにあるわけでございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 大変きめ細かく、そして必ずできるという自信に満ちあふれた太田長官のお答えでございましたけれども、ただ、確かにエキスパートの方がいわゆる霞が関から離れて今集っていらっしゃる。私も、中に将来こういう方がトップになったらすばらしいなという方が何人もいらっしゃいますので、大変優秀であることは間違いないと思うんですけれども、その方々は恐らくまた同じ省庁に戻られるのではないかと思うんですけれども、これについては何か規定というのはあるのでしょうか。 先ほどの政治任用という話もございましたけれども、確かに総理と運命をともにされますですよね。その後は同じ省庁に戻ってはいけないとか、そういうような何か規定というのは新たに施されているのでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 事務局からも補足をしてもらいますが、内閣官房に今度新たに特別職として定められました職の方々はいずれも事務次官級のポストでありますので、従来のような途中帰って人生の相当部分をまた母体省庁で過ごすということは物理的にはないと思います。それから、もっと若手、中堅のスタッフでありますが、それはもとの省庁に戻ることがあり得るわけでございます。 ただ、こういう話は非公式にしておることでございますけれども、相当これからは各省庁においても、そういう内閣府のようなあるいは今の省庁改革推進本部のようなところに来てそこで能力を発揮するということが、人生の過ごし方の期間としてもあるいはその重要性においてもそこに相当のウエートが、官界の人たちの人生において重要なものになってくる、そちらの方がむしろ頭の中心を占めるようになるということを期待いたしているわけでございます。 ちょっと間違っているといけませんので、補足をしてもらいます。
○政府委員(河野昭君) 今回、内閣官房や内閣府も含めてその人事運用が非常に重要だということで、先般四月二十七日に中央省庁等改革推進本部でこの点を決定しております。内容は、「各省庁からの派遣・出向先の固定化及び各省の定例的人事への依存を排除する」という規定でございます。 といいますのは、平たく申しますと、今まで内閣官房等への出向は当然何年したら戻るというようなそういう前提、それが各省人事への依存ということでございましたが、今回、結果的に戻ることもあっても、あくまでもその人がそこで優秀な成績をおさめればそのまま例えば内閣府で勤める、そういうような人事運用もなされるのではないか、そういうふうに考えております。
○畑恵君 ありがとうございます。 確かに、今回の推進本部というのが非常に大きな画期的な第一歩であったということはそのとおりだと思いますけれども、ただ、どうなるかわかりませんけれども、多くの方がもし戻るということを前提にするとなれば、やはりその中で自分の母体である省の省益というものを、その影というのをある程度しょいながら仕事をしてしまうということになれば、果たして本当に国家戦略的に物事を考え決定できるのかなというところは残ると思いますので、これから、精神というのはそうではないということはよくわかりましたので、それを実現していくためのさまざまなシステム、評価ですとか情報公開ですとか、そうしたシステムを整えていっていただきたいと思います。 今後、それは政令でまたきめ細かく決められるようなことというのはございますのでしょうか。これ以上何か今後政令等で決められるということはございますか。
○政府委員(河野昭君) ただいま申し上げた話は人事運用の問題でございますので、政令等ではございません。ただ、内閣官房、内閣府につきましては、例えば民間からの方も受け入れなきゃいけない。そういう面につきましては、例えば短期任用制度というような制度面で今後検討する課題とされております。
○畑恵君 ありがとうございます。 内閣官房のところでほとんど人事システムの話というのは伺ってしまいましたけれども、内閣府の方につきましても幾つか御質問をさせていただきたいと思います。 一つは、必要に応じて置くことのできる特命担当大臣というその役割、何ができるかということをもうちょっと具体的に伺いたいんですけれども、私なりに考えた場合、例えば今後少子化という問題がさらに深刻化していった場合、こうした省庁横断的な問題であるとか、あるいは今、高度情報通信社会推進本部という機関で検討している高度情報化の問題というのはスピードも非常に大事なファクターですし、また当然省庁横断的に進めていかなきゃいけないということでございますので、そうしたこれまでの縦割りの行政の中ではなかなか効果を上げにくかったその諸問題というのをタイムリーに取り上げて、そして機動的な首相直轄のタスクフォースというようなものをつくって、そこに責任者として置かれるのかなというイメージを持っているんですけれども、そういうことで理解してよろしいのでございましょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 特命担当大臣は、内閣の重要政策に関する行政各部の施策の統一を図るため、特に必要がある場合に内閣府に置かれ、内閣の強力な調整機能を担う職であります。特命担当大臣の任命及び職務のあり方につきましては、内閣機能の強化の趣旨を踏まえながら、その時々の社会情勢をも勘案しつつ、内閣総理大臣が総合的に判断をすることとなります。 したがって、内閣総理大臣の人事権の中の話でございますから、こうすべきだとかこうなるであろうというようなことは今言えないわけでございますけれども、そもそも特命担当大臣が置かれた理由は、そういう総合調整、各省庁にまたがる横断的な調整を強力に行うというために置くわけでございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 ぜひ、こうした新たなシステムというのを期待いたしておりますので、どんどん活用をして諸問題を解決していただきたいと期待いたしております。 先ほど既に、民間の方の話というのを政令について御質問させていただいたときに出ましたけれども、特に内閣府の場合、企画調整部門に民間や学者から優秀な人材を登用する人事ルールを確立するというふうに伺っておるんですけれども、先ほど規定されるということでしたけれども、これは具体的にはどのようなルールというものなのでございましょうか。先ほどちょっと伺ったんですけれども、もうちょっと詳しく教えていただけますか。
○政府委員(河野昭君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、特に内閣府等の事務部門、要するに内外を問わず民間の人材の活用ということでございます。 先ほどちょっと申しましたのは、例えば短期任用制度と申し上げたわけでございます。これは具体的には、民間からいわゆる公務員になられるわけですから、その場合、格付等をどうするかというような問題、あるいは一番問題は、例えば大学から役所に一遍入られますと、その後、五年後に戻るポストがあるのかどうかという問題もございます。そこら辺が実は深刻な問題でございまして、そこら辺についてもこれからどういう手当てをできるかということを検討するということにされております。
○畑恵君 ぜひルールを明確化させていただいて、そして優秀な人材が安心してこうしたポストにつきたいと思っていただけるような、そういうルールというのを確立していただきたいと思います。 るる伺って、大分こだわり過ぎるぐらいこだわって人事の話を伺わせていただいたんですけれども、私自身も駆け出しではございますけれども、議員として仕事をしている中で、やはり縦割りの壁の厚さ、高さというのは常々本当に痛感いたしております。どうしてこんなに優秀な人たちが仕事をしていながら、最後の最後のところで、国家戦略ではなくて、省益とは決して言いませんけれども、省の一つの枠というもの、あるいは局かもしれない、課かもしれませんけれども、そこから抜けられないのかというふうに思ってしまうことが多々ございます。 そうした中で、今まで多くの方が一括採用ということについて触れられていると思います。私は、ぜひ一括採用ということをここで真剣にもう一度考えていただきたいと思っておる一人なのでございますけれども、官僚一括採用ということについてどのようにお考えでいらっしゃるか、御所見を伺えますでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 一括採用ということにつきましては、大変それを賛同される方も多いわけでございまして、意義のあるお考えだと思いますが、一方で大変な論争があったわけでございます。現在の段階では、セクショナリズムの是正に資するという意見もあるけれども、高度の専門性の維持や的確な評価に基づく人事運用等が困難になるとの意見もあって、いまだこれは一括採用ということを考えることになっておりません。 そして、当面、新たな府省ごとの採用を基本としつつ行政の総合性の確保を図るために、この「中央省庁等改革の推進に関する方針」においては、政府全体の幹部職員等の人材情報の総合的管理システムの整備と内閣における人材登用への活用、新たな府省間における人事交流、それから内閣における人材登用を総合的に行うということ、それから幹部職員に対する内閣の重点施策に関する研修、つまり一つの理念とか考え方で各省庁の幹部職員が頭そろえをするという研修の機会を重点的に持つというようなことを考えております。 一括採用につきましては、新たな府省体制における縦割りの弊害の是正状況等を踏まえて、必要に応じて検討をすることといたしております。
○畑恵君 ありがとうございます。 非常に難しい問題というのもたくさんあるというのは言外に伝わってまいりましたけれども、やはり世紀を超える節目でございますので、それぐらいある意味でドラスチックな変革というのももう一度ぜひ考えていただきたいと思っております。 そうしましたら、内閣府、内閣官房につきましては大枠としてはこれぐらいにしまして、今度は内閣府の中に置かれます経済財政諮問会議について承りたいと思います。 どういうことを行うかというのを読ませていただきますと、経済財政総合戦略の具体化、マクロ経済政策、財政運営の基本、予算編成の基本方針の策定、さらには社会資本整備計画も行うということでございますので、本当にもう国の中核をすべて担うのではないか、大切な機関だと認識しておる次第なんです。 ここでもやはりそれを決める方々、この人選というのはもう本当にいろいろなところで随分論議されまして、こちらの審議の中でも今までも何度も御質問を受けていることでございますけれども、だれがどのようなシステムで人選をするのか。その決定過程といいましょうか決定理由ということが、ある程度透明性が担保されるのかというところが非常に私としては関心のあるところなんでございますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 経済財政諮問会議の構成員に関しましては、もう何度もお聞きになっていると思いますが、内閣総理大臣が議長となりまして、議員は内閣官房長官は必ずなる。それから、経済財政政策の担当大臣、特別の、特命担当大臣が置かれた場合にはこの特命担当大臣が議員になる。そして、あと、当然それは内閣総理大臣の判断でありますけれども、財務大臣やあるいは経済産業大臣とかが指定される、あるいは任命されるということがあり得るわけでございます。その選定は、当然のことながら内閣総理大臣がそれこそ自分の、みずからの信用がかかわることでありますから、責任を持って任命するということになるわけでございます。 今、メンバーの中で官僚がメンバーになるのかということもおありだったと思うんですけれども、官僚を議員とすること、現役の官僚を議員とすることは想定いたしておりません。ただし、例えば国立大学の教授とか、あるいは国務大臣以外の国の行政機関の長などが議員となることは否定をされておりません。一例として、公正取引委員会の委員長などがなることはあり得るということでございます。
○畑恵君 ありがとうございます。 そうすると、財務大臣も入るということを今おっしゃられましたですね。財務大臣が入ることもあるとおっしゃるんですか。
○国務大臣(太田誠一君) 財務大臣が入ることはもちろんあり得るわけでございます。時の総理大臣の判断でだれだれがここの常時出席メンバーであるのかということが決められるということであります。
○畑恵君 そうしますと、時の大臣の構成の仕方にかかわる問題だと思うんですけれども、財務大臣が入っていない場合、諮問会議で答申というかリポート、政策が出てくる。それが財務省が望んでいる財政、金融、それぞれの立場というのがありますので食い違いというものが生じた場合というのはどのようにその調整というのはなされるわけなんでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 経済財政諮問会議において調査審議される経済全般の運営の基本方針、財政の運営の基本、予算編成の基本方針その他の経済財政政策に関する重要な事項に関する答申などは閣議決定を経て内閣の方針となるものであります。したがって、閣議決定でありますので、閣議決定は各省に対して拘束力を持つことになりますので、財務省の具体的な予算編成の事務などもこの方針に基づいて行われることとなります。
○畑恵君 ありがとうございます。こちらの方が尊重されるということで非常に強い優位性を持つということを理解させていただきました。 そのことが担保されていればちょっと次の質問というのはある意味で愚問になるのかもしれないんですけれども、その割にはいろいろなところでかなり討議されていることだと思いますので、もう一度ぜひ伺わせていただきたいと思います。 特に、きょうは宮澤大蔵大臣に御出席を賜りまして、現大臣のお立場ということもさることながら、大蔵大臣を三度お務め、その以前に経企庁長官を六度でよろしゅうございましょうか、非常に長期にわたってお務めというその豊富な御経験に基づいてぜひ御意見を賜りたいと思っているんです。 予算編成時に現行の大蔵省にとって最も重要な数字というのは翌年度の経済成長の見通しだと思います。それによって税収の見積もりが出て予算の基本的なフレームが確定すると。この翌年度の成長見通し、いわゆるマクロ予測、これをいかに財政の介入を受けることなく客観的で科学的に行うか、この使命というのをやはり経済財政諮問会議というのは担っていると思うんです。財務省等の有形無形、あり得るのではないかと思うんですけれども、そういうプレッシャーをはねのけて本当にその使命が果たし得るのかどうかというのが私自身も疑問ですし、いろいろなところで論議を今醸しているのでございますけれども、じゃ長官からまず所管大臣ということで。
○国務大臣(太田誠一君) 宮澤大蔵大臣がお答えになると思いますが、その前にちょっと私さっきの話の補足をさせていただきたいと思います。 財務大臣が経済財政諮問会議の議員になっている場合には、会議自体の中で、その経済財政諮問会議そのものの中で財務省の意見も含めて十分審議が行われるわけでございますので、答申の中に入ってくるということであります。 もし財務大臣が経済財政諮問会議の臨時の議員にもなっていないといった場合には、閣議において実質的な調整が行われることになる、最終的に閣議において、閣議決定に先立って閣議の中で財務大臣との調整が行われることになりますので、意見が入らないということはもちろんないわけでございます。
○畑恵君 申しわけございません。ちょっと途中途切れてしまいましたが、お願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 経済財政諮問会議でございますけれども、これがどのように機能するかというのはいろいろこの法律に書いてあるのだろうと思いますけれども、結局、総理大臣がどういうふうにこういうものを運営されるかということであろうと思うのでございます。 畑委員は現状をよく御存じですから、先ほど経済見通しの話をされました。おっしゃいますように経済見通し、殊に名目成長率というのが、租税弾性値を掛けましてこれで租税収入の大きさを決めるというそういう建前のものでございますから、したがって、経済見通しを決めます、これは今経済企画庁の仕事でございますが、これは各省庁間の一種の駆け引きの場になって、妥協の産物が生まれるということもしばしばでございます。 ですから、これは予算編成についてのかなり大きな要素ではございますけれども、先ほどのお尋ねを伺っておりますと、そういう機能をこの経済財政諮問会議がやるのではないか、こんなような意味のお尋ねだったと思います。あるいは法律にそう書いてあるのかもしれませんけれども、どうも私の感じでは、経済財政諮問会議というのはそんな小さなつまらぬことをやるようなインスティチューションに私はならない方がいいんじゃないかと思っています。つまり人間も、今経済企画庁には経済審議会というものがございますが、これは大変立派な会議ですし、各界の本当の権威者をそろえていますし、時々総理大臣の諮問に答えるとか、あるいは何年かに一遍経済計画をつくりますが、このときには部会を設けて、計量部会なんといいますともう本当に学者をたくさん動員して大きな仕事をする機関でございますけれども、これもどうも経済財政諮問会議の仕事ではなさそうな気が、なさそうな気がするというのは間違いかも知れません、あってほしくないなという感じでございますね。 この経済財政諮問会議はせいぜい十一人でございますか、その中には民間の学識経験者が少なくとも何名と、こういうふうに定められていますから、役所のすることをなぞるようなことをしても私は何の役にも立たぬなと思っていまして、したがって、どう想定されていますか、年に一遍でもやろうというお考えだったら、それは私は、そんなことよりは毎月でも総理大臣が一緒に飯でも食いながらいろんな話をしていかれる方がずっと有効なのではないだろうか。そうしますと、おのずから役所と違ったディメンションで、今、日本は何が入り用だとか世界経済はどうだとか、そういう話があって、それが総理大臣がリーダーシップを発揮されるときに役に立てば私はいいんだろうと。そういうリーダーシップのもとに、例えば予算編成の基本方針が議論されるというようなことが一番私は好ましいのではないか。 事務局がいるようでございますけれども、その事務局がつまらぬ案などを出しますと、役人がやっていることと同じようなことをここでやってみても、それこそ屋上屋と申しては恐縮ですけれども、そういうものに多分なってしまうのではないか。そうならないために、これはやっぱり総理大臣が一番自分のリーダーシップを間違いなく発揮するための皆さんから話をしょっちゅう聞いている機関と。 今、現によく何とか懇談会とかというものがございますけれども、これは法制的な裏づけを持ったものは経済審議会とかなんとかというものになってしまいますので、それは大変大きなものになる、また満遍ないものになってしまって焦点がぼけるものになるのですから、そうではなく、今度はしかし本当の私的懇談会でもなく、そうでなくてこういう立派な法制的な裏づけを持った、しかし何にとらわれずに自由に国政なり世界情勢を議論して総理大臣が誤りなく国をリードするためのそういう場というのになることが一番望ましいのではないか、大変生意気な無責任なことを申すようでございますけれども、そういうことが望ましいのではないかという感じを私は持っております。
○畑恵君 大蔵大臣、ありがとうございました。非常に何か救われた気持ちが正直いたしました。 いろいろな規定をされて、高い志のもとに書かれたものだと思うんですけれども、実際に運用される中で各官庁の妥協の場のような形になってしまったら本当に寂しいものだなと心配しておりましたので、確かにそれは時の総理大臣の構成次第なのでございましょうけれども、今、大蔵大臣がおっしゃられたような本当の知恵の場、そして中長期的展望に立って世界情勢をきちんと把握してのビジョン策定の場というようなものになることを本当に心から期待しておりますので、ありがとうございました。 では、もしお時間でしたらば、どうぞ御退席くださいませ。 変わりまして、総合科学技術会議について承りたいと思います。有馬大臣、済みません、大変お待たせをいたしました。 総合科学技術会議、こちらも総合戦略ということで今回強く打ち出されておりますので、ぜひこの点について伺いたいと思うんです。 有馬大臣を前に大変失礼な物言いをいたすことをお許し願いたいんですけれども、これまでの科学技術会議、これはいま一つ総合調整の域から抜け切れなくて、やはりもう一段戦略機関に脱皮しなきゃいけない。これは大臣も大臣になられる前におっしゃられたことだと思うんですけれども、どこをどう科学技術会議から変えることによって戦略機関に生まれ変わるのかということについて伺いたいのでございますけれども、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(有馬朗人君) いろいろな観点から畑先生の御質問にお答えできると思うんですが、まず機構上の問題を申しますと、今まで常勤の議員は二人しかいなかったのを四人にする、それから全体も十人が十四人になるというふうに大きくなってまいります。さらにまた、今後科学技術の発展において極めて、例えば生命倫理みたいなもの、そういうふうなこと、あるいは環境にどういうふうに科学技術が影響を及ぼしていくか、こういう点から見ますと、どうしても人文や社会科学の方たちを入れなければいけない、こういう点で工夫が行われるようになります。 それから、さらに少し機能的な面で申しますと、今までの科学技術会議というのは、内閣総理大臣の諮問を受けて初めて答申するということが任務になっております。それに対しまして総合科学技術会議は、科学技術に関して総合的かつ計画的な振興を図るための基本的な政策、予算、人材等の資源の配分の基本方針等について調査審議するほか、諮問を待たずに意見を述べることができるようになっています。この諮問を待たずに意見を述べるということが私は非常に重要なことであると考えている次第でありますが、会議の自主性、機能の強化を大いに図ったところでございます。
○畑恵君 ありがとうございます。ぜひ御期待申し上げておりますので、戦略的な機関によみがえっていただきたいと思っております。 総合科学技術会議のメンバー構成についてもちょっと伺いたいんですけれども、やはり非常に高い見地から物事を検討し、判断しなければいけないとなると、それだけ豊富な御経験が必要だというのは十分理解しているつもりなんです。 例えば、先日、ノーベル賞受賞者の利根川博士とお話しする機会を得ましたときに、なぜ日本がなかなかノーベル賞を獲得できないのか、その彼我の差は何かということの一番の問題というのは、やはり一番脳が活発に活動する若い世代というのがメーンの舞台で、研究所なり大学でなかなか日本というのは活躍できない。一言で言ってしまうと、セニョリティーという年功重視主義ということが濶歩して、アビリティーによる、能力による判断というのがなかなか、特に人事構成について行われないということが非常に大きな足かせとなっている。本来、日本人は非常に優秀な国民であるにもかかわらず、なかなか結果が出ないというのはそこに問題があるという御指摘をいただいたんです。 この総合科学技術会議というのは、メンバー構成、若い世代も入るようなものになるのか、また若い世代をエンカレッジするようなそういう政策を果たして出し得るのかということについて伺えますでしょうか。
○国務大臣(有馬朗人君) 総合科学技術会議そのものには極めて若い人、幾つをもって若いとするか問題でございますけれども、極めて若い人が入ってくることはないと思います。やはり総合的にさまざま広い面から経験豊かな人に入っていただく必要があると思っております。しかしながら、常に若い人の意見を聞くということは努力をしていかなければならないと思います。 なお、最近は極めて若い人たちに日が当たるように努力をしていると思います。大学あるいは私が勤めておりました理化学研究所などの教授や主任研究員、主任研究員というのは大体教授クラスですが、三十代で相当の人々がそういう最も主要な地位につくようになっておりますので、そういう点では随分利根川先生のおっしゃる時代から変わってきていると思います。また、科学技術庁及び文部省にいたしましても、若手研究者に対して研究テーマやスペース等をどんどん与えていこうではないか、こういうことを考えております。 現在、いろいろ御指摘がありますので、なるべくそれを直す方向で進んでいくつもりであります。そういう意味で、若手を大いに起用していきたいと思っております。
○畑恵君 ぜひともよろしくお願いいたします。 確かに、幾つから若いということはないわけでございますし、また年齢の数だけではないということは重々承知しているんですけれども、失礼がありましたら、お許しくださいませ。 もう一問と思っておりましたけれども、時間が迫ってきましたので、お許しくださいませ。 では、変わりまして、政策評価制度について若干伺わせていただきたいと思います、あと五分程度しかございませんが。 きのう、入澤議員の方から既に評価制度、各官庁の中で自分たちで自分たちの評価というのを官僚ができるのかということについては御質問がございましたので、これについては、それが機能するようなシステムを今後整えていくということで理解させていただきますが、やはり行政評価ということをきちんと規定した法律というのは今後必要になってくると思います。それについて、衆議院の附帯決議にも行政評価法というのが書き込まれているわけでございます。 米国の連邦政府というのは、九三年にウィリアム・ロス議員から提案されて、ガバメント・パフォーマンス・アンド・リザルツ・アクト、GPRA法という行政評価法を採用いたしております。米国は、それぞれの地方自治体での行政評価のさまざまな試みをして、すべてをしたとは言いませんけれども、非常に目をみはるような成果を上げたところもある。そうした地方でのさまざまな評価法というのを積み上げて、最終的に九三年のウィリアム・ロス法、GPRA法というのができ上がったと伺っております。 また、先ほど冒頭にサッチャー女史のお話をしましたけれども、英国でも、たしかサッチャー首相が就任直後に強制競争入札制度という非常にドラスチックなシステムというのを導入して、これが一つ大きく行革の風を起こす原動力となったと伺っております。 そういう意味で、地方自治体から行革の風を起こすということがこれから必要になってくると思うんですけれども、サッチャー女史のこのドラスチックな方法にまさるとも劣らない野田自治大臣の何か秘策などございましたら、ぜひ教えていただきたいんです。
○国務大臣(野田毅君) なかなか秘策というのはないんですが、冒頭おっしゃったとおり、改革ということは、やっぱりそれを本当にやり抜くという強い意志、意志力というか、これがあれば必ずその意は通じていくものであろうと、私もそう思います。 そういう点で、行政評価のやり方について、今アメリカ、外国の例をおっしゃったんですけれども、私は、自治省が一つの地方行政に関する何かそういったようなものを法律か何かでつくるようなやり方、これは勉強してみなきゃならぬと思うんですが、それよりか、今既に、あるいは三重県なり静岡県なり多くの自治体で、みずからの手で、住民にもわかるような形で、つまり住民監視を強めていこうという中でいろんな行革を達成していく、あるいは行政評価をしていく。手法として今いろいろ努力しておられます。 したがって、私は、まずそういう努力をぜひバックアップをしていきたい。その積み上げの中で、それがそれぞれ他の地方公共団体との間の比較検討ができるようなことも当然これは自治省として勉強していかなければならぬと思っております。
○畑恵君 ありがとうございます。 そろそろ私の持ち時間も尽きてまいりましたけれども、今、比較検討という大臣からのお言葉をいただきましたが、サッチャー政権を引き継いだメージャー首相も、いわば全国の地方自治体の通信簿みたいなようなものをつくって、それぞれの基本的な行政サービスに点数で評価をつけ、それを全国に発表した。そうすると、やはり自分たちの方が点が低い、これはいかぬといって頑張るようになると。 情報公開というのは、いろいろなところで大臣の御努力が実って進んでいると思うんですけれども、単に公開して、また評価しておしまいというのではなくて、そこに、通常では行政の中にあり得ない競争というのを、擬似的な競争システムというのを政治の力で現出させる、それによって効率化を高めるという、これが行革の一番基本だと思いますので、私は、やはり日本でも行革は地方からと期待いたしておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 私の持ち時間、これでなくなりました。 どうもありがとうございます。(拍手)
○久野恒一君 自由民主党の久野恒一と申します。まだなれておりませんもので的が外れてしまうかもわかりませんけれども、あしからず御容赦願いたいと思います。 さて、今回の行政改革は税の節減にあると私は思っております。まことにそういう意味では的を射た行革である、そういうふうに思うわけでございます。 既に衆議院を通過してきたときに、大きく肥大した省庁があるとか、あるいは小さな省庁があるとかというディスカッションもございました。しかし、私自身、個人としては、大きいとか小さいとかという問題ではなくて、従来の縦割り行政をなくすためにも、大きな省が横の連絡をよくして、そして意思の疎通を図って縦割り行政をなくしていく、これが肝要なのではないかと思うわけでございます。そういう意味では、国民にいかにサービスができる、行政サービスができる、そういうものを構築していくのが本来の目的であろう、そういうふうに思うわけでございます。 これからは、少ない財政でもってより効果的な行政サービスを行っていく、これが大切な要素でございまして、現実には、党派を超えて国民のために断行していくべきと、私はそう思うわけでございます。 そこで、お伺いいたします。 今度は労働省と厚生省が一緒になりまして厚生労働省になるわけでございますが、私の職業の関係上、労働省、厚生省に関して質問させていただきたいと思います。 まず、労働省関係からお尋ね申し上げます。 景気が底を打ったというような様相もございますけれども、しかし企業の設備投資というのはまだ余り進んでいないと私は思っております。相変わらず失業率は高く、漸次景気が向上するとはいっても、なかなかそういう状態にはなっていないんではないかな、そういうふうに思うわけでございます。 このような状況下におきまして、政府は緊急雇用対策として七十万人の雇用を創出しようとして努力しておられるわけでございますけれども、先日の新聞発表を見ますと、全国高額所得法人動向調査では、そのまとめによりますと四千万円を超した法人は二千二百八十一社である、対前年度比から見ますと二〇・四%も減っているという報道があったわけでございます。このような状況下でこの七十万人の雇用創出というものがどのような効果をもたらすのか、非常に関心の高いところでございます。甚だ疑問もあるわけでございますが、あえて質問させていただきます。 まず、小山労働政務次官が御出席しておられるようでございますので、お伺いいたします。 緊急雇用対策に対しまして、国、自治体が三十万人の臨時応急の雇用、就業機会の創出を図ろうとしていることでございますが、労働省が所管する地方自治体による雇用創出の実現にはさまざまな困難が予測されるわけでございますけれども、この三十万人という数字はどういうふうにして出てきたのか、私にはちょっと理解に苦しむところでございます。 いずれにいたしましても、今後この対策がどのように具体的に進められていくのか、またこの対策は時限ということでございますが、二年後にはどういうふうになろうとするのか、まずお伺いいたします。
○政府委員(小山孝雄君) 労働大臣が本院の労働・社会政策委員会に出席のため、お許しをいただきまして、かわって答弁を申し上げます。 ただいまの御指摘の点は大変大事な点だと思います。特に、人間の雇用の問題でございますので、物をつくったり、あるいは販売したりというのと違いまして、数値の立て方一つにいたしましても大変難しい問題がございます。 今回の緊急雇用対策、ただいま御指摘ありましたように、全体として七十万人の新規雇用を目指し、うち国、地方で三十万人の雇用創出を目指す、こういうことになっております。三十万人といいますと大変大きな数字でございまして、失対事業の最高の数値で年間三十五万人という記録が残っておりますので、大変大きな目標であります。しかし、これをやらなければ現下の雇用失業情勢は好転しないということで、全力を挙げて取り組んでまいりたい、こう考えているところでございます。 御指摘の国、自治体で三十万人の雇用創出、これも国が幾ら、地方が幾ら、地方自治体の中で北海道が幾ら、先生御出身の茨城県で幾らと、こうして積み上げて出てまいったものではございません。それだけに、この施策の実を上げるためにはどうしたらよろしいのかということを今関係省庁と目下緊急テーマといたしまして協議いたしているところでございます。 いずれにいたしましても、各地方自治体のその地方の実情に応じ、その創意工夫に基づいてさまざまな事業を実施していただいて、その結果としてこの三十万の目標を達成していきたい、このように考えておるところでございます。 そしてまた、この施策の重要な柱といたしまして緊急地域雇用特別交付金制度を設けたいということで、これも現在の厳しい雇用失業情勢に対処するための臨時応急の措置として行われるものであることから、ただいま御指摘がありましたようにおおむね二年をもって終了したい。そして、本交付金を使っての事業、その他の緊急雇用対策を積極的に推進することにより、この期間内に目標をぜひ達成したい、このように考えているところでございます。
○久野恒一君 ただいま御親切な御答弁、ありがとうございます。 引き続き、追い打ちをかけるようで申しわけございませんが、自治体による雇用・就業機会の創出は、これは二年間でもってうまくいけばいいのですけれども、二年後にまた考え直すということでございます。そのように承ったわけでございますが、これが恒久化するようになりますと、一方では行政のスリム化をうたっていながら、地方自治体にそういうものを押しつけていく、これは労働省としてどうお考えになっているのか、ちょっとしつこいようですけれども、お尋ね申し上げます。
○政府委員(小山孝雄君) 御指摘の点、先ほども答弁申し上げましたように、緊急地域雇用特別交付金につきましては、現在の大変厳しい雇用失業情勢回復のための臨時応急の措置として行うものであるということが第一点。 そしてまた、この交付金は、地方公共団体が民間企業、NPO等に委託する事業を中心に行っていただきたいということでお願いをし、交付金の対象事業を基金の設置期間内に終了するものに限定をいたしております。そしてまた、制度の運用に当たりましては、かつての失対事業のような性格のものとならないよう運用に格段の留意をすることといたしております。 こうした点から、本交付金はまさに緊急避難的な措置でございまして、全体といたしまして行政のスリム化を目指す今回の行政改革の趣旨にもとるものではない、このように判断をいたしております。
○久野恒一君 ありがとうございました。 それで、緊急地域雇用特別交付金についてお伺いいたしますが、まず、その予算規模はどのぐらいなのか、また、地方公共団体に対してはどのような基準でもってこの交付をするとお考えなのか、その点を詳しく教えていただきたいと思います。
○政府委員(小山孝雄君) お答えいたします。 緊急地域雇用特別交付金の予算規模でございますが、労働省といたしましては総額二千億円程度でお願いをしたいと考えております。そしてまた、この交付金の地方公共団体への交付の基準でございますが、各地方公共団体の創意工夫で事業を実施していただくことでありまして、原則として、各都道府県の有効求職者数、各公共職業安定所、ハローワーク等で毎月算定されます有効求職者数、それに人口等を勘案して、一つの算定方式に基づいて配分することを目下考えております。
○久野恒一君 どうもありがとうございました。 その基準は、雇用状態とか人口割合でもって決まっていくと。甚だ有効な話をお聞きいたしまして、本当に何とかこれをうまく成功させて、景気を一刻も早く、対策を立て直してもらいたいなと思う次第でございます。 政務次官、お忙しいでしょうからこれで結構でございます。どうもありがとうございました。 次に、厚生関係について大臣にお伺いいたします。 現在、社会保障制度費は約七十兆円でございます。ところが、高齢化のピーク時二〇二五年には何と約三百兆円にも、四・三倍近くにもはね上がるという資料が出ております。一方、国民貯蓄額は現在は千二百兆円ございまして、二〇二五年のピーク時にはこの貯蓄額が半分に減ってしまうであろうというふうに予測されているわけでございます。 現在、国、地方公共団体を合わせて国債あるいは地方債が六百から六百五十兆円も残高があると言われておりますが、景気低迷の中でも国民はそれほど切迫感はなく、消費控えはあるものの、割と安近短でございますけれども豊かな生活をしているんではないかなと思うわけでございます。これは、経済大国と言ってしまえばそれまでかもわかりませんけれども、しかし、この二五年には相当惨めな生活が待っているんではないかなと、そういうふうに予測されるわけでございます。 そこで、新しい保険体制に対する不安ですね、介護保険なんですけれども、不安と年金の将来像、これが不透明でございまして、これは構造的にもいろいろ欠けている部分もあるかもわかりませんが、どうしても国民は将来が不安でございますのでたんす預金をしてしまう、そういうような状態にあろうかと思います。 ですから、介護保険実施に当たりましては、国民にその意味を十分に説明し、理解してもらう必要があるのではないかと思うわけでございます。 そこで、介護保険にかかわる問題を、介護保険の前に、どうしても医療の問題に影響が出てまいりますので、そちらの方から入らせていただきたいと思います。 医療費が毎年一兆円ずつ増加して、今や三十兆円にも達しております。これは先日の新聞にも出ておりましたけれども、ある特別養護老人ホームでもって、にせの、にせというわけじゃないんですけれども、特別養護老人ホームの中に診療所を置いて、それでほかにも診療所を建ててその中でもって入所している人を診て医療費を取ったと。これはちょっとやっぱり不正な行為でございまして、そういうむだが結構随所に見られるということでございます。 そこで、介護保険が導入されますと、病院の中に長期に、今は急性も慢性も全部入っておりますが、長期に入院している患者さんが外に出るわけでございますから、どうしてもその部分のベッドが一挙にあいてしまうわけでございます。この部分はやっぱり何とかしておかないと、この医療費の中から一挙に介護保険の方に慢性病人は出るわけでございますので、一体その浮くお金というのは大体どのくらいなのか。ちょっと算定基準が難しいかもわかりませんけれども、もしおわかりになったらお答え願いたいというふうに思うわけでございます。
○国務大臣(宮下創平君) お尋ねの趣旨は、現在、医療保険で賄われている医療費が介護保険創設によってどのようにシフトしていくかということであろうかと思います。 介護保険制度の創設によりまして、特に老人医療費にかかわる問題でありますが、療養型病床群とか老人保健施設、訪問介護など介護的色彩の強い部分は介護保険制度へ移行するということになっております。この額につきましては、平成八年十月時点の試算がございますが、平成七年度価格で約二兆二千億と見込んでおります。その大部分は療養型病床群または老人保健施設の入院費用でありまして、これが介護の世界に移っていくというように予想されております。とりあえず現実はそういうことでございます。
○久野恒一君 計算しにくい、介護も入るけれども一部では医療保険も使われていくということでもって非常に算出しにくい。また、療養型病床群と申しまして、これからどんどんそれを建ててくると思いますけれども、これまた医療費もかかってくるかと思います。そういう意味では、にわかにぽっと穴があいたからといってその分浮くかというと単純にはそうはいかない、そういうふうに理解をしておるわけでございます。 先ほど申しましたように、特別養護老人ホームの中でも診療所の中でもそういう不正行為をやっている。そういうことを含めまして、このような不祥事件は決して許してはいけない、そういうことによってかえって医療費が浮いてくるのではないか、そういうふうに思うわけでございます。いろんなところでいろんな事件が、事件といいますか不正請求があろうかと思います。そういうものを積み重ねていけば結構今の三十兆円も超せるんではないか。これは期待でございますからなかなかそううまくはいかないかもわかりませんけれども、そういうふうに思っている次第でございます。 ところで、今特別養護老人ホームの話が出ました。その入所者が診療報酬を医療でもって、例えばけがをしたとか床ずれを治すとか、あるいはどうしてもおなかが痛くて薬だけを飲むとか、そういうのは特別養護老人ホームの中ではどの程度の割合を、医療費を食っているのか。要するに、介護保険適用の施設、特別養護老人ホーム、それから老健施設あるいは療養型病床群、そういう中で、介護保険対応とはいっても医療保険を食う部分があろうかと思います。特に、特養は措置費であったわけでございます。ところが、それが医療費を食っているという部分、そういうところをもし資料がございましたら教えていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。
○国務大臣(宮下創平君) 特別養護老人ホームの入所者が医療機関で受診する場合もございますが、その基本的な仕組みといたしましては、特別養護老人ホーム、現行の制度で申しますと入所者の健康管理等は医師が配置されている場合、配置医師が担当することになっておりまして、その費用は措置費で処理されております。このため、健康管理に当たると考えられる基本的な診察とか療養所の指導等については医療保険に請求できない仕組みになってございます。ただし、緊急の場合や専門的な治療を必要とする場合は医療保険への請求は認められているということでございます。 今お話しのように、特別養護老人ホームの入所者のみの診療報酬実績額については必ずしも正確にキャッチはできないわけで不明でありますけれども、特別養護老人ホームを含めた福祉施設の入所者の一件当たりの診療報酬請求実績額は、九年六月の調査でございますが、これによりますと月平均一万八千円くらいだということでございます。ちなみに、参考までに老人医療の入院以外の一件当たり診療報酬請求実績額は月平均約二万円というようなことでございます。 介護保険施設の入所者に対する医療行為、投薬とか小さなけがなど簡単な処置の費用がいろいろ払われるかどうかという点については、今申し上げたとおり、介護保険施設というのは日常生活とか長期療養の場を提供することを目的とした施設でございますから、高度な密度の高い医学的な管理、治療に必要なものについては医療保険の適用施設において給付を受けることが原則でございます。こうした考え方に基づきまして、現在、介護と医療との世界の区分けの問題等は医療保険審議会で議論していただいておるところでございます。 繰り返しみたいになりますが、介護の療養型医療施設、つまり療養型病床群等でございますが、これは簡単な処置や療養上の指導、長期療養に要する日常的な医療行為は介護保険で払う、それから、老健施設につきましても、日常的な医学管理に要する費用は介護保険から包括的に払うことといたしますが、緊急その他やむを得ない場合の一定の処置については介護保険で個別の評価をやるというようなことに相なろうかと思います。 それから、特別養護老人ホームにつきましては、医療施設ではないということから、原則として医療機関への外来診療や往診、あるいは医療機関への入院等をすることによって医療保険で対応するというような区分けの方向で考えておるところでございます。 以上でございます。
○久野恒一君 親切御丁寧な御答弁、ありがとうございます。 これをお聞きしたのは、本当に二十五年後には四倍以上も社会保障費が上がる、これを何とか今のうちから抑えておかなければならない、そういう気持ちでもってお尋ねしたわけでございます。 さらに、しつこいようでございますが、俗に医療費は西高東低、また北海道は特に高いと言われております。その原因というものをどういうふうに分析しておられるのか、お尋ね申し上げる次第でございます。
○国務大臣(宮下創平君) 平成九年度の国民健康保険における都道府県別の一人当たり診療費というものを見てまいりますと、今御指摘のように、最も高額なのは北海道の四十万四千円、それから最も低額なのは沖縄県の二十二万円ということとなっておりまして、二倍程度の格差が生じております。 医療費の地域格差の要因といたしましては、その地域の年齢構成の相違でありますとか、あるいは医療提供体制の違い、あるいは医療行為の違い等が要因として考えられるわけでございます。 今御指摘のように、例えば国保で申しますと、西の方が老人加入率が高い傾向にございますし、また人口当たり病床数も西の方が多い傾向にございまして、北海道は今申しましたとおり例外的でありますが、これらが西高東低の一因となっていると思われます。北海道は一人当たりの入院医療費が全国で一番高くて、これが医療費を押し上げておりますが、その大きな要因としては、入院医療費と相関関係の高い人口当たりの病床数が多いということが言えるのではないかというように私どもは見ております。 そういうことで、各県によってそれぞれの数値が違いますが、傾向としては今御指摘のような傾向にあるということは否めない事実であろうと思います。
○久野恒一君 ただいま、老人の入院人数が多いとか医者の絶対数が多いとかあるいはベッドが多いとか、いろんな要素があろうかと思います。しかし、この介護保険が全国一斉に入りますと、全国的にどこの病院でも慢性の患者を抱えているはずでございます。この慢性の患者が外へ出て介護保険を受けるわけでございますので、瞬間的に病院の中は一時期空きベッドが生じます。したがいまして、私の思うのは、この空きベッド対策をどうするか、今のうちに、介護保険を発表する前にこの空きベッドをどうするかというものを地域の医療審議会でもって決めていただきたい。このまま放置しておくと、ベッドがあいて、それで張りつけ人員が決まっておりますから、どうしても入院が必要じゃない人でも入院をさせてしまう、そういう傾向があらわれるのではないかなという危惧を持っているわけでございます。 したがいまして、介護保険が入る前に地域の、関西地区の方でもベッドがあくわけでございますから、そこで地域の審議会でもって合議をいたしまして、ここの地域には急性はこのくらい、慢性はこのくらい、介護保険対応の患者さんはこのくらいという大まかな枠を決めてしまった方が医療費削減につながっていくのではないか、そういうふうに思うわけでございます。 したがいまして、介護保険の前にこういう方針を出していただけるかどうか、厚生大臣にお尋ね申し上げます。
○国務大臣(宮下創平君) 医療資源には限りがございます。今病床利用は有効に行うべきであるという点の御指摘でございますが、確かに介護保険導入後には一般病棟の長期入院患者が減少するだろうと想定をされます。 したがって、この実態を考えながら、今御指摘のように介護保険の方でどのような受け皿が可能かということは考えておかなければならないと思います。空き病床が生じた場合に、地域医療計画等で病床数の適正化を将来的にどうするかという課題も背景ににらみつつ、真に必要とされる用途への転用を図ることが必要でございます。その場合病室の面積が、病院でございますと治療を目的といたしておりますから、一般病床でいきますと最低基準が一人頭で四・三平米以上とかいうようなことでかなり低い状況にございますので、病室の面積を拡大するとか、あるいは食堂とか談話室の整備等の療養関係の改善をやる必要があると思いますし、それから機能訓練室の整備等の機能の強化を図るなど、患者や医療内容の強化のために空き病床を活用することが非常に今御指摘のように必要ではないかと思っております。 今医療審議会においても医療供給体制のあり方について御論議をいただいておりますので、その中でも患者の療養環境の向上が重要な課題の一つとして議論されておりますので、そういったことを考えながら医療資源の有効な活用を図っていかなければいけないというように思っております。
○久野恒一君 興奮して原稿なしで今しゃべったので四番と五番を同時に言ってしまったわけでございまして、空きベッドに関しましては私なりの考え方がございますので、後で触れさせていただきたいと思います。 引き続きまして、六番目の通告のところでございますが、最近急速に臓器移植が行われつつあるところでございます。臓器移植となりますと数千万円。窓口でおじいちゃんおばあちゃんが一回に払うのが五百円だったのが五百三十円になった。それだけでも騒いでいるのに、これは老人拠出金の問題ですから一般医療費とは違いますけれども、いずれにいたしましても医療費という観点から臓器移植を見ますと、今のところは腎臓と角膜移植だと思いますけれども、肝臓とか心臓とかがどんどん入ってまいります。そのときに輸送料はどうなるか。ジェット機でもって肝臓や心臓を移植するために現地に持っていくとか、その輸送料はこれは自費でやるのか。保険は適用にならないと思うんですけれども、臓器移植全体を医療費に乗っけますとかなり医療費が高騰してしまいます。それじゃなくてもパンク寸前のところでございますので、この臓器移植に関する保険の取り扱いをいかがお考えになっておられるのか、大臣にお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) これはもう委員が専門家でいらっしゃいますからよく御承知のことでございますけれども、臓器移植は生体肝移植あるいは脳死の問題等が絡んでおりますが、一般的に言いますと、腎臓と角膜の移植につきましては既に保険が適用されております。 それから、肝臓移植につきましては、二つの大学病院で一般の診療と同様の基礎的な診療部分、つまり診察をしたり、検査したり、入院料等を算定したりという経費につきましては保険給付の対象とする高度先進医療という概念を設けまして、それで承認をさせていただいております。 それから、心臓移植等につきましては、我が国におきましては新しい脳死のもとにおける例がございますが、新規の技術でございまして、今後の実績をもとに今申しました高度先進医療としての適用を考えていったらどうかということでございます。 今後、心臓移植術のような技術評価の定まっていない新技術に関しましては、我が国の移植技術の推進とか患者負担の軽減等の観点から、まず高度先進医療として技術的な評価を行うこととしてはどうか、さらに社会保険の適否については、御指摘の点を含め、中央社会保険医療協議会において検討いただく所存でございます。 最近、脳死による症例が第四までございまして、その中でいろいろ問題が提起されておりますが、今申しましたように、腎臓、角膜等は既に保険適用しております。肝臓につきましては生体部分の肝移植が行われています。これは保険適用でございますが、今申しましたように、脳死の場合は、これは高度先進医療ということで入院料とか投薬料とかそういうものを保険で見る、あとは自費または病院負担ということに今のところなっております。心臓については自費でやるという原則でございまして、あるいは病院側で実費を負担するというようなことどもも予想されておるわけであります。それから、肺は、生体肺の移植が四例ありますが、これはいずれも保険適用をしておりません。膵臓もさようでございます。小腸もさようでございます。角膜についてはもう保険適用をしておりまして、かなりの数が行われている。 それで、問題は臓器の搬送費用なんかの点でございます。今度の脳死の問題でも、ジェット機を飛ばしたりなんかしてコストが相当かかります。そういう問題をどう処理するかということはこれからの課題でございまして、これは今建前としては自費みたいなことになっておりますが、実際なかなか多額の経費を自費でというわけにもまいりませんので、今はそれぞれの医療関係機関において適切な処理が行われているものと承知しております。 将来課題としては、臓器移植が行われるようになりますと、そういった問題を含めて保険適用の問題を考えなければなりませんが、そこまで含めますとかなり高額なものが今御指摘のように医療保険の世界へ入ってくるという可能性もございますので、今後いろいろ審議会の意見等を聞きながら検討させていただきます。
○久野恒一君 ありがとうございました。 私の申し上げたかったことは、保険適用になった場合には、いわゆる高額医療費、六万三千八百円ですか、これが適用になるのかどうかというところが心配だったもので、六万三千八百円だったら構わないんですけれども、何千万円の高額医療費となると、これはおのずとその辺のところも考え直さなければならないんじゃないかというふうに考えておりましたものでこういう質問をさせていただきました。 ところで、今度は介護保険後の問題についてお伺いいたします。 患者さんはまだこの介護保険に対してのコスト意識がございません。したがいまして、一割負担というのは具体的にわいていないと思います。例えば、特別養護老人ホームに入っていて自分は一体幾ら一割負担というと払うのか、あるいは老人保健施設に入った場合には一体幾ら支払うのか、恐らく後で聞いてみてびっくりしちゃうと思うんですけれども、一割負担を支払う段階になって、恐らく五万から七万ぐらいの間を払う。そうなると、一般の年金受給者は払い切れるのかどうか、その辺が私は心配でございますので、これもあらかじめ、ただバラ色の将来があるよと言うのではなくて、現実もやっぱり教えておく必要もあるんではないかと思うわけでございます。したがいまして、大体この各施設に入った場合の一割負担、こういうものを明確に公示していただければありがたいと思うわけでございます。 大臣、ひとつよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(宮下創平君) 介護保険制度におきまして、介護保険施設の入所者が介護サービスに要する費用の一割を負担していただく、それからまた、食事の標準負担額を負担していただくことになります。 今、委員の御指摘のように、一割といっても、療養型病床群あるいは特別養護老人ホーム等ではかなり高額なものになりますから、療養型病床群で言われているように四十五万くらいでありましても四万五千円、一割かかりますね。そうした意味で、私どもとしては、制度としては高額療養費制度に準じた形で高額介護費用の制度を設けたいと思って、今審議会で諮問中でございます。 それは、高額医療費の場合には今言った六万何千円ということでございますが、それ以上は保険で見て、自己負担はそれを限度とするということでございますが、介護の場合も今三万七千円強くらいを目標値にしております。そしてまた、所得の低い人たちには二万四、五千円というようなことで、なお福祉年金受給者等の方々には一万五千円というような基準値を一応目安として定めまして、これを医療保険審議会等で議論をしていただいております。 したがって、施設へ入った場合にどのくらい一体かかるんだろうということは、個別の認定を受けた人たちによって違うと思いますけれども、個別の情報を提示するわけにはまいりませんけれども、こうした場合にはどれくらいの負担がかかりますよということはやはり公示した方がよろしいかと思っておりますから、御指摘のように施設の中でわかるようにしていきたいというように思います。
○久野恒一君 大変ありがとうございました。 高額介護費というのが三万七千円ほど入ると今初めてお聞きいたしまして、そういうところに在宅とかの中に引き取られていく人というのは本当に年金生活者が多いわけでございますので、どうぞそういう制度をぜひとも積極的に取り入れていただければありがたいと思うわけでございます。 引き続きまして、介護保険の年金天引きという問題について、これは私は将来寝たきりになっても介護の世話にはなりたくないという人からも年金から取っちゃうわけでございますので、そういうところにこの制度の矛盾があるんじゃないかと思うわけでございますが、大臣はどうお考えになっておられるでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 介護総費用を、その半分は国、県、市町村で負担いたします。そして、あと三三%につきましては、二号被保険者といって、四十歳以上の国民年金グループあるいは健保のグループの方々からいただくことになります。したがって、あと残りの一七%をどう徴収するかでございますが、今は国民皆年金でございますから、基本的には年金に御加入いただいておるということで、その一七%の分の徴収につきましては、厚生省としては当初三万円以上くらいの年金者に対して天引きをということも考えたのでありますが、これは町村長の方からの強い要望もございまして、このバーを下げる、一万五千円くらいにいたします。そうなりますと、年金の天引きによるカバー率が非常に高くなりますから、八割以上が年金天引きで行われるということになると存じますので、そのようなことにさせていただくということになります。 なお、今、委員の御指摘の中で、一つは、そういう天引きまでして自分が介護になるかどうかわからないのに強制徴収されることについての不満の点の御懸念だと思いますが、これは、この介護保険というのは社会保険制度としてやっている以上、従来の福祉政策と違うわけでありますので、そこはよく国民的な理解を求めていかなければいけないということと、それからもう一つは、一万五千円というと、そんな少ない年金の人からも天引きして生活は一体どうなるかという、そういう不安感を表明される方も現にございます。 しかしながら、私どもは一万五千円の年金のみで生活している方から取るつもりもございませんが、一般論として言えば、一万五千円の年金のほかの所得ないし家族の相互の扶助等によって生活されておるわけでありまして、これが例えば、極論を言いますと、生活保護レベル以下の人たちからはそれでは取りっ放しというわけにいかないんですね、生活保護とのバランスをとらなくちゃいけませんから。 したがって、他の所得等を合算すると生活保護以上の水準になるものというように私どもは想定いたしておりますので、決して一万五千円だけで生活している人からしゃにむに取り上げるという性質のものではないことは御理解いただきたいと思います。
○久野恒一君 どうもありがとうございました。そういうお言葉を聞くと、年金生活者の方も安心して老後を暮らせるのではないかなと。 そういう意味をもちまして、私は、年金の一階建て、基礎年金だけで生活ができるような、二階建て、三階建て、それはアメニティーの部分であってもいいと思いますけれども、一階建ての基礎年金部分でもって、寝たきりになった場合でも老後の生活ができるうんと安い、どうしても家庭に帰れない患者さんに対して、先ほどのあいたベッドの問題でございます。病院があいた、それをロックしちゃって、それを何かに使ったらどうかという意味の提言にもつながる、次の質問にもつながるわけでございます。 そういうどうしても家庭に帰れない人のために、急性期の病棟をロックしちゃって、そういう困った方々のためのうんと安い施設、それで何かあったらすぐ病院の方から飛んでくる、そういうような体制づくりができると私は思うわけでございます。そういうものを早いところ介護保険発足前に発表してロックしちゃって、そこをうんと安い低額の、あるいは税でも何でも結構でございますけれども、負担にならないで家庭の年金受給者の人に利用させていただければありがたいと思うわけでございますが、これに関しまして大臣はどうお考えになるか、ちょっと御意思のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員の方は病院のあきベッド等の活用について触れられておるわけでありまして、そういう状況がもしもあるとすれば、それは閉鎖して何にも使わないというのは極めて資源のむだ遣いになりますから、介護施設として十分利用可能なものであればこれを活用していくということがぜひ必要だと思います。 なお、介護施設は、例えば農業協同組合等でも今までは米を全量買い上げ、全量売り渡しというようなことで倉庫等もかなりありますが、今はそういう間接的な統制になっておりますから、倉庫等もあいています。あるいは、僻地における校舎その他があいてくるというようないろいろな問題もありますから、我々はそういう施設を含めて、サテライトサービスと言っておりますが、そういうものの充実強化をして、そして介護費用に充てるということもこれは非常に重要な視点ではないかというように考えておりますから、委員の御指摘のとおり、また検討させていただくつもりでございます。
○久野恒一君 ぜひ御一考賜ればありがたいというふうに思うわけでございます。 そこで、残り時間も少なくなってまいりましたので、特別養護老人ホーム、特養は今まで措置費で運営されていたわけでございます。特養の場合、三月三十一日まで入所している人の措置費は恐らくそのまま措置費でおりるんだと思いますけれども、今度は介護保険適用になりますと、どうしても一カ月後にそれを集計いたしまして、レセプトと言うのかどうかわかりませんけれども、それをどこかの支払い基金みたいなところに提出する。そうすると、それを審査してお金が実際に入ってくるのは二カ月以上あるいは三カ月目に入ってくるのではないかなと。この二カ月間のブランクをどういうふうに特養の方々は運営していくのか、あるいは措置費としてこれを取り扱っちゃうと甚だ待機の人に対して不公平になりますので、その辺のところをどう取り扱うのか、大臣のお考えをお教え願いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 現在、老人福祉法に基づく措置費につきましては、今、委員の御指摘のとおり、介護サービスを提供した当月に支払われるという建前をとって実行されておりますが、介護保険になりますと、介護報酬は介護サービスを提供した月の翌々月に支払われるということは今御指摘のとおりでございます。したがって、介護保険制度の開始される来年の四月前後で二カ月程度の資金がショートする可能性は十分考えられます。したがって、私どもとしては、この介護保険制度の施行に向けまして特別養護老人ホームの介護施設としての運営に支障を来さないようにつなぎ融資について検討すべきは当然でございます。 一般的に言いますと、社会福祉・医療事業団というのがございまして、経営資金の融資制度が存在しておりますが、これは直貸しで中央にあるとか、非常に特定のところにしかありませんので、もうちょっとこれを有効活用できないかどうか。それからまた、地域によりましては農協から借りるとかあるいは信金から借りるとかいうようなこともあるいは否定できないところでありますから、資金繰りについては、なるべくコストが増加しない範囲内でひとつつなぎ融資が可能なような状況を鋭意つくり出していって運営に支障のないようにしたい、このように思っております。
○久野恒一君 大変長時間にわたって大臣にはしつこい答弁をお願いして、申しわけなく思っております。 それで、あとの十二番目の質疑は時間の関係でもって割愛させていただきたいと思います。 そこで、要望を、個人的な要望で大変申しわけございません。茨城県の国公立の統廃合病院でございますけれども、水戸国立病院がもう一生懸命、桜の郷構想といいまして、福祉施設もこうやってそろえるとかなんとかという構想をもう八年前から考えておったわけでございますが、統廃合の順番がうまく回ってこなくて桜の郷構想の福祉施設がもう周りでできてしまったので、この構想がだめになりかかっておるわけでございます。そういう意味でも、もう古くなった国立病院でございますので、お答えは結構でございますけれども、ぜひこの水戸国立病院の建て直しを早急にやっていただかないと、福祉とか医療とかの連携、そういうものが根本的に崩れてしまう可能性がございますので、要望にとどめおきさせていただきたいと思います。 それで、私が重ねて強調したいのは、介護保険導入によりましてだれもが安心して老後を過ごすことができる、それぞれの立場、患者さんも痛みをある程度払ってもらわなくちゃならない、医者もある程度損をしなくちゃならない、また行政もそれに対してお金を払わなくちゃならない、そして将来三百兆という社会保障制度を何とか抑えていかなければ、我々の老後というのは暗たんたるものが二十五年後には待ち受けているのではないかな、そういうことを本当に心配する者の一人として、大臣にしつこく御質問したことをお許し願います。 まだ二分ほどございますけれども、以上にて私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(吉川芳男君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(吉川芳男君) 速記を起こしてください。
○江田五月君 おはようございます。御苦労さまです。 私は、六月十六日、延長前の本委員会での審議で、中央省庁等改革関連十七法律案について総括的に、総論の質疑をさせていただきました。総論についてももちろんまだまだ質疑をしなきゃならぬ課題がたくさんありますが、きょうは各論に入ります。 そこで、何といっても各省のトップはこれは法務省。そこで、きょうは法務大臣に御足労いただきました。お忙しいところ恐縮です。 そして、法務大臣、また官房長官初め関係大臣の皆さんに、政府の中央省庁改革法案における我が国の人権政策の位置づけについて質問したいと思っておりますが、本題に入ります前に、法務大臣、官房長官、おられますので、オウム真理教問題について緊急の質問をしておきたいと思います。 御承知のとおり、地下鉄サリン事件以来四年がたちました。最近また一段とオウム真理教の活動が活発になってきておるということが報道もされており、きのうも夜のテレビなど、どのチャンネルも報道がございました。 各地の地域住民の皆さんの不安の問題、これも一つあります。もう一つ、松本サリン事件あるいは地下鉄サリン事件などの被害者の皆さんの救済の問題、これもなかなか大変です。地域の皆さんの不安をどうやって取り除くか、また被害者の皆さん、どう救済に遺漏なきを期するか、立法府と行政府が迅速かつ適切な対応を求められていると思いますので、オウム問題についてこの間ずっと特別の関心を持っておられる野中官房長官にまずお伺いをいたします。 この地域住民の皆さんの不安解消、被害者救済の問題について、現段階における政府の認識、そして対応策、これを説明いただきます。
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、オウム真理教は、地下鉄サリン事件を初めといたしまして、組織的な凶悪事件を引き起こした後におきましても、現在に至るまで何らの謝罪、反省もすることなく反社会的教義を維持いたしておりまして、最近では各地に新たな教団施設の取得を図るなどいたしまして、それぞれ施設周辺住民の皆さん方に多大の不安を与えておるということを私どもとしても強く危惧し、認識しておるところでございます。 このため、オウム真理教にかかわります諸問題について、関係省庁の密接な連携を確保いたしまして政府として必要な対応を検討するため、内閣にオウム真理教対策関係省庁連絡会議を設置いたしまして、去る五月二十四日以来、鋭意検討を行っておるところでございます。この会議は、内閣官房副長官を議長といたしまして、内閣官房内政審議室、警察庁、法務省、公安調査庁、国税庁等から成り、必要な情報交換を行い、対応を今検討いたしておるところでございます。 オウム真理教にかかわります被害者の救済は重要な問題であると認識をしておるところでございまして、破産をいたしました宗教法人オウム真理教と現在収益を上げていると言われるパソコンショップは、権利の帰属主体として、委員は十分御承知のように、別なものでございまして、なかなかその対応に苦慮しておるところでございます。 宗教法人オウム真理教の破産手続にパソコンショップが上げていると言われる収益を取り込むような措置を講ずることは現行法上まことに困難でありまして、そういう状況の中において、先ほど申し上げましたように、各庁の連絡会議を通じましてどのようなことが対応できるかを鋭意検討いたしているところでございます。
○江田五月君 政府の対応を最大限やってもらわなきゃなりませんが、活動の規制の方、これは官房長官が今おっしゃった連絡会議で対応に遺漏なきを期すると。しかし一方で、まさに官房長官がおっしゃるとおり、法人格として別の今のオウム真理教の活動、これによって上がる収益、これをどうやって前の宗教法人であったオウム真理教の活動によって被害を受けた皆さん方の救済に充てるか。現行法ではなかなか難しい。 そこで、被害者救済、これを一歩進めてそちらの方面から団体活動の規制を結果として行っていこう、そんな考え方で被害者弁護団の弁護士の皆さんから、大規模不法行為による破産法人の破産財団の充実に関する特例法、ちょっとややこしい名前ではありますが、要するに法人が不法行為をして大変な被害を与えた、そして破産して後はさようならというんじゃおかしいじゃないかと。そういう法人に関しては、その構成員が破産後どこかでまた活動をして資金を得ているという場合に、前の破産した法人の破産財団、すなわち被害者の救済に充てる原資に、後からの活動で得た資金も組み込むようにしてはどうか、これを特例法でつくろうという、そういう試案が示されております。また、弁護士会などから一般的な犯罪被害者救済法の考え方なども示されておるんですが、法務大臣はこういう犯罪被害者救済の立法について御存じでしょうね。御見解を伺います。
○国務大臣(陣内孝雄君) 犯罪被害者の救済について、いろいろな立場の方がいろんな形でいろいろ提言されたり研究されておられるということは存じ上げております。
○江田五月君 御存じだろうとは思ったんですが、それについてはどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(陣内孝雄君) 官房長官からもお答えがございましたけれども、オウム真理教に係る被害者の救済は重要な問題であると考えております。しかし、破産した宗教法人オウム真理教と、現在収益を上げているといわれるパソコンショップは権利の帰属主体として別なものであることから、宗教法人オウム真理教の破産手続にパソコンショップが上げているといわれる収益を取り込むような措置を講ずることは困難ではないかと認識しております。 この問題は、例えば破産した会社の従業員が集まって別会社を経営し、それにより収益を上げているような場合に、その収益を破産会社の収益として取り込むことがおよそできないのと同じことではないだろうか、このように私は感じております。
○江田五月君 官房長官は先ほど非常に言葉を選ばれた、現行法では難しいというふうに言われた。だから、新しい法律が必要なんだということなんですよ。法務大臣、ふつうの会社で、それは運悪く破産をした、その従業員の皆さんが前の破産した会社を離れて別に事業を起こしていく、それと同じことですか。 オウム真理教というのは、それはもちろん宗教活動をやっていた。しかし、あの全体像を見ると犯罪集団ですよ。犯罪集団が破産で逃れて、それを構成していた皆さんが、やれ破産したからさようならです、あとはまたこれから自分たちは別個パソコンショップでどんどん収益を上げている。そして、前の法人の活動で大変な被害を受けた皆さんが、何十億でしょう、そのうちの幾らですか、その損害賠償がちゃんとなされているのは。そういう皆さんのことをほっておいて、それで今の法律では難しいですからと。それで立法府として済むか、あるいは政治の中枢にある内閣としてそれで済むのか。私は、やはりここは政治にある者として知恵を絞らなきゃならぬところだと思います。 幸か不幸かと言うといけませんが、国会は随分延長されていますので、今国会中にでも私たち民主党としても各党の皆さんと一緒になってこの被害者救済に関し特別立法をつくっていきたいと思います。 野中官房長官、先ほどの言葉を選ばれたのは、そういう努力が必要だということだ、そのことが脳裏にあって言葉を選ばれておったと思うんですが、いかがですか、御見解は。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、オウム真理教に対する法的措置につきましては、現在は現行法令の最大限の活用を行うことに重点を置いております。それは、先ほど申しましたように、五月に関係省庁会議を開催いたしまして、積極的に取り組むようになりまして、今日現在まで検挙いたしました者、十一件でございますが、五月以降九件になっておるわけでございまして、各省庁間の連携がいかに大切であるか、警察庁、国税庁を初め関係省庁が互いに連携をして取り組む成果を上げておることを考えますときに、法的に非常に難しゅうございますけれども、現行法令上の最大限の活用をまずは第一に考えておるわけでございます。 また、適用は残念ながらされませんでしたけれども、破壊活動防止法につきまして、法務大臣からも公安調査庁に対して改正をも視野に入れた検討が進められておると聞き及んでおるわけでございますが、それぞれ特別立法を示唆する御意見も承っておるわけでございますので、そのような問題を十分踏まえて、被害者救済を含めて立法化の道を私どもも求めてまいりたいと考えておるところでございます。
○江田五月君 現行法を最大限活用してというのは、活動を制約する、これはかなりできると思います。しかし、被害者救済というのは、これは現行法をどう活用したってできない。一方で、あの皆さんはどんどん活動して巨大な収益を上げている。これを野放しというのは、これは国民感情が許さないということだと思いますね。何かやっぱり立法上の知恵が必要だと私は思っております。 団体活動の規制について、破防法のことを今ちょっとお話しになりましたが、私はやっぱりオウム真理教を政治団体として破防法で規制するのは無理があるだろう。そこで政府の方は、あるいは組織犯罪対策三法、これをこうした犯罪集団の制圧のために必要だということで出しておられるということかもしれませんが、しかし今の組織犯罪対策法というのは、実態はやっぱり組織犯罪を行った個人に対する処罰の強化とマネーロンダリングの規制法であって、被害者救済規定はその中には全くありません。あるいは犯罪組織、組織の活動に対する規制というものも、これもありません。これでは組織犯罪対策法とは名ばかり、オウム対策にもなっていない。 今の刑法体系というのは、どうしたってこれは個人の刑事責任というものに基礎を置いた体系になっているわけです。個人の刑事責任をどう追及するかということですよね。そこにいろんな法体系をつくり上げて、それをどう工夫してみても、犯罪組織、組織というものをどう規制していくかというところはうまくいかないんだろう。やっぱり個人の責任と別に、組織をどういうふうにして規制していくかという、破防法もその一つ、暴対法もその一つですが、暴力団でもない、政治団体でもない犯罪集団というものを、組織として規制していくための刑法体系と別の法体系を考えなければいけない。 例えば通信傍受にしても、そういうふうに犯罪組織というものを指定して、その指定犯罪組織の通信について厳格な要件のもとにこれを認めるという、そういうような知恵が何か要るのではないかと思いますが、これは別のところでまた議論いたします。 もう一つ、人権行政に入る前に、今度は自治大臣に地方分権一括法の関係でちょっと聞いてみたい。 私ども民主党は、地方分権一括法は賛成という党議を決めておりまして、余りいろいろあら探しをしてはいけないのかと思いますが、どうも細かく見ておりまして、あるいは私の勘違いなのか、しかし考えれば考えるほどこれは勘違いじゃなくて、やっぱりちょっとこの法律おかしいんじゃないかということが一つございます。 それは、行政不服審査法と今回の地方自治法改正の問題、関係なんですが、地方自治法二百五十五条の二という規定を設けて、法定受託事務に係る処分について住民などに不服がある場合、行政不服審査法による審査請求を認めて大臣に対して審査請求ができる。もちろん、市町村長の場合は知事に対してですけれども、そういう審査請求が今までどおりできるようにしてある。これはどういうお考えですかね。 つまり、国の政府と地方自治体の立場を上級、下級という関係じゃなくしよう、対等の立場にしよう、そしてその間をいろいろ調整していこう、これが今度の地方自治一括法のまさに眼目ですよね。しかし、行政不服審査法というのは、下級行政庁のした処分に不服があるときには上級行政庁に審査をお願いすることができるという旧訴願法を改正してできた行政庁内の不服審査の一般法ですね。それを地方自治体制の改正によって、地方分権によって、中央と地方とが対等だと言いながら、なぜこの上級、下級の行政庁内部の審査の一般法というものを使われるんですか。
○国務大臣(野田毅君) 若干込み入った話になろうかと思うんですけれども、基本は、今御指摘がありましたように機関委任事務が廃止をされて、そして法定受託事務と自治事務に分かれていくわけであります。その中で、まず自治事務に関しては、従来どおり、処分を受けた私人はそのまま異議申し立てを知事なりにしていくという形になるわけです。法定受託事務に関しては、確かに機関委任事務ということが廃止されて法定受託事務。そういう意味で、上級処分庁というものではなくて、その事務処理そのものは知事なり市町村なりの権限と責任において行われた処分ではあります。この点は、そういう意味で上下関係というものではない、こういう位置づけになっていることはたびたび申し上げておるとおり。 そこで、今、では審査請求というものをなぜ大臣にするかということなんですが、これの趣旨は、法定受託事務というその事務の性質から、法令を所管する国の立場においてその法令の適正な運用を確保しようということで法定受託事務ということになっておるわけでありますから、そういう点で従来の包括的な指揮監督権というものの一環としての話ではないのでありますけれども、法令の適正なる執行ということがまず第一であります。 そこで、今回の変更によりまして、各大臣は、処分庁の上級行政官庁ではない、別個の存在でありますので、裁決においては原処分を取り消すということができるということにとどまるのであって、原処分を変更するような新たな処分をすることはできないという点が従来のやり方とは異なるといいますか、従来とは異なっている。よろしいですね。 機関委任事務から自治事務になるものについては、今申し上げましたとおり、各大臣への審査請求はできない、処分庁への異議申し立てができるということだけであるという点はさっき申し上げたとおりであります。 したがって、物事の発想として、いわゆる機関委任事務の廃止、それに伴って今までありました包括的な指揮監督権も廃止をしたんです。これがまず基本にある。ただ、あとは処分を受けた私人がそれの救済の道といいますか、それについてはこういう形で救済をしていくということはあった方がいいのでは、逆にその方がいいのではないでしょうか。
○江田五月君 多分、野田さん、今までいろんなことを一緒にもやってきたりして尊敬もしておりますし、その理論家の野田さんがあれだけ今の答弁のように、言っちゃ悪いけれども大分苦労されておるというのは、これはどうもちょっとやばいなということをお感じだからではないかという気がするんですね。 つまり、この行政不服審査法五条、ちょっと細かな話ではあるんですけれども、五条一項一号は、処分庁に上級行政庁があるときにはその上級行政庁に審査請求ができる。これは全くの一般法理です。二号には、前号に該当しない場合で特に法律で審査請求ができる旨の定めがある。これは何かいろんなその事柄の性質上、やはり上級行政庁というかどこか別のところに審査をしてもらった方がいい、そういう体系にした方がいいという場合にこの二号を置いているわけで、やっぱり二号というのは個別の法律でこの事務については別の機関に審査請求をと、こう判断して決めていく。 ところが、機関委任事務の場合にそうであったその不服申し立て、行政内部での不服申し立ての仕組みをそのまま温存しようということで地方自治法二百五十五条の二というものを設けて、一般規定ですよ、これは。特別に事務の性質に応じて審査請求をどこかに任せるのではなくて、一般規定です。地方自治法というのは特別の法律ではない、まさに地方自治の憲法です。その地方自治法の中に一般的な規定、政府の皆さんのこの解説のペーパーにも、一般規定を設けることとすると書いてある。そして、所管の大臣のところへ審査請求できると。 これでは、地方自治体の長、地方の行政庁は常にやっぱり中央の所管の大臣の方を見ながら地方の行政をやっていかなきゃならぬことになってしまうじゃないですか。それでどうして一体中央と地方が対等だということが言えるんですか。自治事務と同じように異議申し立てでとどめて、あとは住民の方は取り消し訴訟なりを起こしていくということにすればいいじゃないですか。 国が困ると。今、法令の適正な執行のためにとおっしゃいました。しかし、審査請求というのは、これは行政内部での審査ですから、単なる法令違背だけじゃないですね。上級庁は、これは不当だという場合だって取り消せる。取り消して自分で処分をしない、それはわかりました、その限度では。だけれども、これではこれは取り消される。取り消されたら、それはやっぱり覊束するんでしょう、その地方の行政庁は覊束されるんでしょう、取り消されているんですから。そうすると、やっぱり上を見なきゃいけないことになるじゃないですか。 しかも、もし法令の適正な執行、それはやっぱりその事務を担当している所管の中央の官庁が責任も負わなきゃならぬ、関心ももちろんあると。それならば関与の規定があるわけです。関与でちゃんとやれる。しかも、関与のときには地方行政庁は最終的に高等裁判所に取り消し訴訟を起こせます。 しかし、審査請求はどうでしょう。例えば知事がある産廃は許さないと不許可をする。その不許可処分を受けた産廃業者が厚生大臣に審査請求をする。厚生大臣が知事の処分を取り消す。差し戻すわけです、もう一遍やれと。そうすると、その産廃不許可にした知事は不服申し立ての方法はないです。知事にはありません。国の関与の場合にはできる。しかし、審査請求で取り消されたら知事は何もできない。そうすると、知事としては、幾ら対等で、いや関与はある、関与については訴訟の道が開かれていると言ってみたところで、審査請求の方がそのままになっていると、前の機関委任事務の思想がそのまま残って、中央と地方が対等ということは言えないじゃないですか。いつも国の方を見ながらやっていかなきゃならぬということになってしまうじゃないですか。 私は、地方自治法二百五十五条の二で新設される規定は削除すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(野田毅君) 確かに機関委任事務ということは廃止をしたわけです。しかし、一方で法定受託事務というのは、自治事務とは違って、国の関与の仕方についても、自治事務に関しては法令違反なりそういったような事実があって是正がされないという場合には最終的に是正の要求ということまでいくわけですけれども、法定受託事務に関しては是正の指示になるわけです。是正の指示ということで、普通の自治事務とは違ってその法令の執行に関してより強い関与の仕方が当然あるわけです。そして、どうしてもその指示に従わない場合には、法律によっては、場合によっては代執行という手段もあり得るわけです。これは個別の法令によって行われるわけであります。 そういう意味で、この法定受託事務という事務に関しては、実際にやるのは地方自治体ではありますけれども、自治事務とは異なった特別の法令の執行に関して国自身が重大なる関心を持ってやらなければならない、そういう責務があるというのがこの自治事務と法定受託事務を区分けした一番の原点になっているわけですね、これはメルクマールの中にいろいろ書いてありますけれども。そういう事務の性質上、今のような審査請求の形をとったんだと。だから、この形をとったから全く昔と同じような上下のままであるんだということにはならないのではないかと思います。
○江田五月君 もちろん、すべてのことが昔のままだと言っているわけじゃないんです。だけれども、審査請求というものを、機関委任事務のときの形をそのまま残しているというのはやっぱりおかしいですよ、それは。だって、国の関与に対して、その知事さん、市長さんたちは高裁に対して取り消し訴訟まで起こせる道を一方でつくっておきながら、審査請求の方はそのまま残しているというんじゃ。 この議論は、やっていても時間ばかり食いますが、一遍帰ってよく考えてみてください。野田さんだったら、これはやっぱりおかしいぞというのはわかってくれると思います。官房長官も、さっきメモされていたようですから、一遍考えてみていただきたいと思います。 さて、本題。済みません、だんだん時間の方が過ぎてしまいましたが、六月十八日、法務大臣、文部大臣、総務庁長官のお三方からの諮問を受けた人権擁護推進審議会から、「人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について」というタイトルの答申案が公表されました。 七月十六日までいわゆるパブリックコメントを求めて七月末に正式答申ということのようですが、法務大臣、パブリックコメント、今のところどのくらい意見が寄せられていますか。
○国務大臣(陣内孝雄君) ただいま委員御指摘のとおり、人権擁護推進審議会におきまして、六月十八日に人権教育啓発に関する答申案を公表いたしまして、各方面から意見を募集しているところでございます。 答申案につきましては、法務省のホームページに掲載するなど、その周知を図るとともに、意見については、書面、ファクス、電子メール等によりまして七月十六日まで受け付けるということにしておりますので、どの程度の意見が今寄せられておるか中間的な集計はしておりません。
○江田五月君 もう大分たつんですが、今どのくらい来ていますとか、そういうことを言えば、またパブリックコメント、意見を出そうということになるので、ぽんと、どうぞ意見をお寄せくださいで、あとは最後に締めて見ますというんじゃ、どういう意見が来ているかというのをもっと真剣にやってもらわないとパブリックコメントにならないんじゃないですかね。 私も恥ずかしながら科学技術庁長官をやらせていただいたことがあって、そのときに原子力利用の関係で国民の皆さんに御意見を聞く会というのをやりまして、幾らでしたか、三千数百件ぐらいですか、いろんな意見が寄せられました。そんなことをやってみたことがある。そのとき、私もきょうはどのくらい来たかなと関心を持って見ていましたよ。見てくださいね。 この答申案を見ますと、冒頭の部分の「本審議会の人権に関する基本的認識」というところで、「二十一世紀は、「人権の世紀だ」」と書いてある。最初の部分は大変すばらしい。最初の部分はですよ、大変すばらしい認識。 私はここで、人権擁護施策の推進という政策課題と、それからもう一つ、六月十五日に基本法が成立した男女共同参画社会の実現という政策課題と、この二つをちょっと比較してみたいんです。理念はどちらもすばらしい。男女共同参画社会基本法では、参議院の修正で、与野党共同修正ですが、法律に前文がついた。その前文の中には「男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付け、」と、こういう文言が入っております。 もとより、男女共同参画も人権問題そのもの、人権問題だけではありませんけれども、人権問題そのものでもあるわけですが、片や二十一世紀は人権の世紀という、片や男女共同参画社会の実現は二十一世紀我が国社会を決定する最重要課題と位置づける、この二つの政策課題の理念、位置づけについて、関係大臣、各大臣の皆さんの認識を伺います。 まず、両方に非常に重要な役割を果たしておられる野中官房長官。
○国務大臣(野中広務君) 人権は、申し上げるまでもなく、すべての人々が社会において幸福な生活を営むために欠かすことのできない権利でございます。 政府といたしましては、二十一世紀に向けまして、すべての人々の人権が尊重される平和で豊かな社会の実現を目指しまして今後とも鋭意努力をしてまいりたいと存じ、人権擁護推進審議会の答申に沿って一層決意を新たに努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○江田五月君 その答申は今パブリックコメントの最中で、これからどういう答申、最終案になるか。しかし、どうも沿ってということではちょっと足りないのじゃないかという感じがしますが、わかりました。 あと、各大臣の皆さん、簡単にで結構といいますか、簡単にお願いしたいんですが、人権というものをどうとらえておられるか、法務大臣。
○国務大臣(陣内孝雄君) 人権の擁護というのは憲法の柱でありますし、また民主主義の、民主政治の基本でもありますので、すべての人々の人権が尊重される平和で豊かな社会の実現が必要であり望まれているということでございます。 そのために法務省といたしましても、人権擁護事務を所管する立場から、二十一世紀に向けまして、各種の啓発活動によって国民の間に広く人権尊重の思想が普及徹底するように努めるとともに、人権侵犯事件の調査、処理を通じて関係者に人権尊重の思想を啓発し、被害者の救済に努めるなど、人権擁護行政の一層の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
○江田五月君 文部大臣、総務庁長官、それから外務大臣、順次。ちょっと順次と言って済みませんが。
○国務大臣(有馬朗人君) 人権尊重というのは極めて大切だと思っております。その上で、まず教育が果たす役割が非常に重要と我々は考えておりまして、文部省といたしましては、従来から憲法及び教育基本法の精神にのっとって、学校教育、社会教育を通じまして広く国民の人権尊重の教育の推進に努めているところでございます。 このたび、人権擁護推進審議会から公表されました答申案は、国民一人一人に人権に関する正しい知識、日常生活の中で生かされるような直感的な感性や人権感覚が十分身につくよう人権教育・啓発を行うことが重要であるとした上で、人権教育に関しては、学校教育、社会教育、家庭教育の各分野において今後講ずべき施策を御提言いただいております。これを我々十分考えまして実行に移していきたいと思っています。 なお、男女共同参画ということも極めて大切でございまして、大学等々に対してもっと女性の教員を採るべしというふうなことを言っているところでございます。
○国務大臣(太田誠一君) 私は、憲法の中に幾つも大事な考え方が盛り込まれておりますけれども、そのうちの一つで大変大切な柱だと思っております。そして、それが現実の具体的な法律や制度の中に盛り込まれているのかどうかということについてはまだ考える余地が十分あると思っておりまして、そういう意味で、それは単にどこどこの役所がどうだではなくて、やっぱりこれは政治家として判断すべきであり、また立法府として判断することであり、また内閣レベルの問題だと思っております。 そして、いわゆる少数者といいますか、マイノリティーという言葉は余り我々使わないわけでありますけれども、差別をされているのはマイノリティーに決まっているわけでありますから、差別をされているマイノリティーの方から、痛みは差別された方しかわからないわけでありますから、さまざまな問題提起に対してもっと我々は謙虚に耳を傾けていくべきであるというふうに考えております。
○国務大臣(高村正彦君) 自由とか民主主義とか基本的人権というのは、西側諸国が共有してきた価値観でありますが、これは冷戦構造が崩壊しましてますます普遍的になってきている、こういうふうに思っております。 今後二十一世紀におきまして、我が国を含めた各国が国内の人権の改善に努めることはもちろんでありますけれども、同時に、世界の人権状況全体にも関心を持って、より効果的に人権が保障されるように国際的に協力していくことが必要である、こういうふうに考えております。
○江田五月君 皆さん、それぞれすばらしい人権についての認識をお示しくださいました。役所のつくったペーパーの中身もすばらしかったわけですが、特に役所のつくったペーパーをお読みにならない総務庁長官の決意は大変すばらしいと思います。その決意が今度の中央省庁法案で生かされているかどうか、これが問題なんですね。いやいやまだこれから先は長いからと、さっきはそういうような含意もあったのかもしれませんが、しかしそうもいかないと思いますよ。 人権そして男女共同参画、この二つの政策課題の諮問機関である人権擁護推進審議会と男女共同参画審議会は、その理念と基本認識には共通点が随分ある。しかし、答申の内容は随分違う。男女の方は、男女共同参画社会を実現するために基本法の制定というものを提案した、これができた。しかし、人権擁護推進審議会は、二十一世紀を人権の世紀にするための法的措置について、この諮問第一号、教育・啓発についてという諮問ですが、少なくとも今の段階で何の提言もしていない。 この審議会設置のもとになった九六年十二月の人権擁護施策推進法成立のときの衆議院、参議院両院の附帯決議に「法的措置を含め必要な措置を講ずること。」と明記されているんですが、さて、法務大臣、そして文部大臣、総務庁長官、書いていないんだからしなかったんだろうと思いますが、法的措置についての諮問はしなかったんですか。順次伺います。
○国務大臣(陣内孝雄君) 諮問の第一号についてでございますが、「人権尊重の理念に関する国民相互の理解を深めるための教育及び啓発に関する施策の総合的な推進に関する基本的事項について」ということで諮問いたしました。 それについてでございますけれども、ただいまお触れになりました衆議院、参議院の両法務委員会の附帯決議、これは政府に対するものでございまして、今御指摘のような、「人権擁護推進審議会の答申等については、最大限に尊重し、答申等にのっとり、法的措置を含め必要な措置を講ずること。」というふうに政府に対して附帯決議がついていることも承知いたしております。
○江田五月君 法的措置を諮問したのかと聞いたんですけれども、まあいいです。 次、文部大臣、総務庁長官。
○国務大臣(有馬朗人君) 審議会においては、種々審議をされた上で、答申案に記載してある諸施策はいずれも行財政措置で十分対応が可能であるという認識がありますので、そういう考えに今従っているところでございます。
○国務大臣(太田誠一君) 附帯決議は、最大限に尊重し、答申にのっとって、答申がそのように言えば「法的措置を含め必要な措置を講ずること。」というような附帯決議になっているわけですね。だから、その法的措置を、今おっしゃるように男女共同参画社会の基本法に相当するような基本法をつくれと、そういうふうな内容、例えばつくりなさいというふうな諮問をしているわけではないということであることは確かにそのとおりだと思います。 ただ、確かに今おっしゃったような答弁がありますけれども、行財政措置だけで十分だというふうな内容の答申だと思いますけれども、それは、立法権を持っておるのは立法府であって、法的な措置が必要云々ということはこれから我々が考えることだと考えております。
○江田五月君 答弁に若干の違いがやっぱりありますね。法的措置についても視野に入れながらという答弁と、いや、法的措置はこの答申で必要ないと言っておるのでそういう方向でというのと。私は、二十一世紀は人権の世紀とそういうふうに言う以上、この男女共同参画、人権擁護、どちらも理念として非常に高い位置づけをしておられるんですから、片や基本法の制定、片や法的措置は何もなしというのは、ちょっと対応としてどうかと思います。 そして、もう一つ大きな違いがある。それは政府の推進体制です。男女共同参画の方は、現在内閣に総理大臣を本部長とする男女共同参画推進本部がある。事務局としては総理府に男女共同参画室がある。これが今回の省庁改革では内閣府に男女共同参画局が置かれる、こういうことのようであります。さて、人権については、現在は、内閣に総理大臣を本部長とし、官房長官、法務大臣、外務大臣、文部大臣、総務庁長官を副本部長とし、各省庁の事務次官全員を本部員とする人権教育のための国連十年推進本部が設置されており、事務局は内閣の内政審議室が担当して、国内行動計画を推進することになっている。 官房長官、今回の省庁改革では、この人権教育のための国連十年推進本部というものを設置してやっていく人権推進体制というものはどうなるんですか。
○国務大臣(野中広務君) 内閣においてやっていく予定でございます。
○江田五月君 それでちょっとほっとしますが、よくわからないんですね、どこでどうなっていくのか。 総務庁長官、今回の政府の省庁改革では、人権政策についての総合調整機能は一体どこにあるということになるんですか。
○国務大臣(太田誠一君) 人権擁護につきましては、法務省の人権擁護推進局というものが調整の中心になるというふうに理解をいたしております。
○江田五月君 法務省の人権擁護推進局が総合調整機能を担う。一方で、長い名前ですが、人権教育のための国連十年推進本部、これで人権教育国連十年については内閣がこれまでどおりやっていく。多少違うといえば違いますが、どんなものですかね。せっかく内閣の方にそういう本部体制をつくって、人権教育については国連の行動指針を積極的に内閣を中心にしながら進めよう、それはこれからも続けるんだと言われながら、一方で人権政策については法務省であると。これはちょっと政府の省庁改革案の重大な欠陥ではないか。私たち民主党の行政改革案では、男女共同参画と人権政策の推進はともに内閣府の主要な任務の一つとしてきちんと位置づけております。 ちなみに、衆議院でも議論になったようですが、私たち民主党は公正取引委員会もきちんと内閣府に位置づけている。どこかの新聞に、これだけはすばらしいと、これだけはと言われてもちょっとつらいところですが、褒められました。 官房長官、政府として、この省庁再編に当たって男女共同参画と同じように内閣府の総合調整機能の中に人権政策を位置づけていく、こういうお考えはございませんか。
○国務大臣(野中広務君) 人権擁護は、もう申し上げるまでもなく政府・内閣全体として取り組むべき課題であることは言をまたないわけでございまして、その充実強化につきましては、中央省庁等の改革基本法でも特に明記をされておるところでございます。 その推進に当たりまして、基本法で、委員御承知のように、人権啓発や人権侵犯事件の被害救済を所掌することになる法務省を初め、関係行政機関が十分に協力していくものでありまして、これを一括して内閣の所掌事務とすることは基本法の趣旨には合わないと考えておるところでございます。私どもが今回お願いしております省庁再編の法案は、その根っこに基本法があるわけでございますので、この基本法に基づいて、ただいま申し上げたような経過に従いまして、法務省の所管としておるところでございます。
○江田五月君 だから、私どもは基本法はおかしいと反対をしたのです。 総務庁長官、ちなみに、まさか衆議院の方で民主党も去年のときに基本法に賛成したと誤解されているわけじゃないですよね。何かちょっとそのように読めるような答弁があったものですから、そこはちゃんと認識しておいてください。私どもに対して基本法もこうだったんだからあなたたちも賛成しろというふうに言われたって、我々はあのとき意見が違っているわけですから、そこは誤解のないようにお願いいたします。 さて、ちょっと細かいことですが、文部大臣、文部省では人権教育は初中局の小学校課、それから生涯学習局の社会教育課の所管だと聞いているんですが、人権擁護推進審議会の答申案の中では、人権教育は小学校だけではなくて、中学校、高等学校、大学を含めた学校教育、さらに社会教育、家庭教育にわたる広範な課題であるとされているんですが、今後とも学校教育については小学校課の所管でおやりですか。小学校を軽視する意味じゃないんですよ。いかがですか。
○国務大臣(有馬朗人君) 現在おっしゃるように初等中等教育局の小学校課に置いてありますけれども、人権教育の重要性ということは全体の問題でございますから、初中教育だけではなく高等教育も含めて十分重要なことと認識いたしております。それから、社会教育関係につきましては御指摘のように生涯学習局の社会教育課でやっておりますが、お互いに極めて強く連携を保っているということをまず最初に申し上げたいと思っております。 また、今度は新しい省になりますが、その課のレベルの具体的な組織編成につきましては現在検討中でございまして、二十一世紀に向けての文部科学省の新しい姿をどうするか、課のレベルでどうするかについて今鋭意検討しております。その中で人権教育をどこがどう担当していくか、こういうことについてもさらにいい方向に向けて進んでいきたいと思っております。
○江田五月君 これはぜひ、やっぱり今の体制では文部省が力を入れているという姿は示せないと思います。 さて、人権政策にはもう一つ重要な視点があります。それはグローバルな視点。人権擁護推進審議会の答申案には「二十一世紀は、「人権の世紀」」という記述がある。その後に「それには、二十世紀の経験を踏まえ、全人類の幸福が実現する時代にしたいという全世界の人々の願望が込められている。二十世紀においても一九四八年の世界人権宣言以来、国際連合を中心に全人類の人権の実現を目指して、様々な努力が続けられてきたが、それが一斉に開花する世紀にしたいという熱望である。」と、こういうふうに書いてあるように、人権政策には全世界的な視野、グローバルな視点が必要不可欠だと思います。 また、平成九年七月四日に公表された「人権教育のための国連十年」に関する国内行動計画には、やはり二十一世紀は人権の世紀であり、「「人権教育」とは、「知識と技術の伝達及び態度の形成を通じ、人権という普遍的文化を構築するために行う研修、普及及び広報努力」」であり、さらに平成八年五月の地域改善対策協議会意見具申の内容を引用して「人類は、「平和のないところに人権は存在し得ない」、「人権のないところに平和は存在し得ない」という大きな教訓を得た。今や、人権の尊重が平和の基礎であるということが世界の共通認識になりつつある。このような意味において、二十一世紀は「人権の世紀」と呼ぶことができよう。」と、こういう記述もある。 外務大臣、先ほどもちょっとお話を伺いましたからそのとおりだということになると思いますが、人権の尊重が平和の基礎であるということについて、あなたの認識は。
○国務大臣(高村正彦君) そのとおりだと思います。 例えば、最近の例で言えばコソボの問題でも、お互いの民族がお互いに差別し合うというような人権侵害がまさに紛争になっていったということで、必ずしもマイノリティーだけが差別されたわけじゃなくてマジョリティーがやられたこともあるわけでありますが、まさに紛争のもとに人権侵害があるということは非常に実際問題としても多い、こういうふうに思っております。
○江田五月君 平和の基礎である、平和というのは国内だけの話じゃない、世界全体のことですから、人権のことを考えるときはやはりグローバル、全世界的な視野から考えていかなきゃいけない、それはよろしいですね。 さてそこで、世界の目から見ると、我が国の人権状況はまだまだ問題がある。外務大臣、我が国の人権状況について国連の規約人権委員会などからどのような指摘を受けているか、それに対して日本政府はどのように対応するつもりか。ちょっと質問がやや漠然で済みませんが、国連規約人権委員会からどういう指摘を受けていると認識されているか、日本政府がどう対応しようとしているか、短くお答えください。
○国務大臣(高村正彦君) 国内人権機構の地位と役割に関する原則によれば、国内人権機構は立法の勧告、人権に関する広報等の権限を有すること等が求められているわけでありますが、そういったいわゆるパリ原則からいっても日本の機関は問題があるのではないかというような指摘も受けております。 ただ、これについては関係省庁において慎重に検討しているというふうに承知をしております。
○江田五月君 さすが外務大臣、私がそこへ話を持っていこうということを先にお答えになられまして、時間が省けてありがとうございます。 法務大臣、国連からそういう指摘をされているんですが、どのように受けとめてどう対処されるおつもりですか。
○国務大臣(陣内孝雄君) 人権に関しましては、B規約としていろいろ指摘を受けておることは承知いたしております。 これらの問題につきましては、いろいろな立場からの論議が必要だということで、規約そのものにつきまして今いろんな形での論議をお願いしているところでございます。
○江田五月君 いろんな論議をお願いしていると言われますが、もうちょっとやっぱりスピードも必要ですよね。 ちょっと話がぽんぽんと飛んだので、あるいは委員の皆さん、話が飛んでどうなっているのと思われるかもしれませんが、私が特に指摘しておきたいのは、一九九三年国連総会で決議をされた国家機関の地位に関する原則、その前の九二年には国連の人権委員会での決議もありますが、いわゆるパリ原則に基づく国内人権機関、いわゆるナショナルマシーナリーの設置のことでございます。 規約人権委員会のつい先日の最終報告でもこのことが指摘をされておるということですね。人権擁護のために機能する既存の国家とは別個の公的機関で、憲法または法律を設置根拠とし、人権侵害に対する苦情処理や救済に準司法的権限を持つ独立した行政機関の設置がパリ原則で求められている。 これについて日本政府としてどうするか。外務大臣、法務大臣、今議論をしてもらっているところだと、こういうお話ですが、私は、これはやっぱり積極的に国際社会のそういう動きというものに日本はもっと敏感に反応していかなきゃならぬと思うんですね。 私たち民主党案では、パリ原則に基づく国内人権機関として、公正取引委員会のように、国家行政組織法の三条機関として独立した行政委員会である人権擁護委員会を内閣府に設置し、あわせて内閣府に男女共同参画・人権政策推進室を設けて男女共同参画と人権関係行政に関する施策の総合調整を行うとともに、同和対策やウタリ対策等特別の施策を推進していく。もちろん、人権教育のための国連十年行動計画、国内行動計画の推進に関する本部事務局機能も担当する、こういうことにしているわけでございますが、官房長官に改めてお伺いいたします。 基本法ではそうはなっていない、したがって基本法にのっとってつくった今度の中央省庁改革では法務省が総合調整機能だ、そこまではわかりました。しかし、今後、政府として二十一世紀は人権の世紀、人権の尊重が平和の基礎だ、そういう人権政策を内閣総理大臣の直轄の形で強力に推進していく、そういう体制整備をする必要がある、そういうお考えにはなりませんか、官房長官。
○国務大臣(野中広務君) 組織といたしましては、先ほど来累次御答弁を申し上げておるとおりでございます。 ただ、人権教育の重要性はもう言をまたないところでございまして、我が国では、人権教育のための国連十年の趣旨を踏まえまして、関係行政機関相互の緊密な連携協力によりまして、人権教育のための国連十年に係る施策を推進いたしますために、先ほども申し上げましたように、平成七年の十二月に内閣総理大臣を本部長とする人権教育のための国連十年推進本部を閣議決定いたして内閣にこれを設置いたしますとともに、平成九年七月に人権教育のための国連十年に関する国内行動計画を決定、公表したところでございます。 政府といたしましては、この行動計画に沿いまして、行政機関相互の緊密な連携を図りつつ、関係省庁において関連施策を推進しているところでございます。今後とも、鋭意この推進に努めてまいりたいと思うわけでございます。 私は、もう申し上げるまでもなく、委員御承知のように、我が国で同和行政を初めとする人権問題が大きく取り上げられたのは昭和四十年の同対審の答申以来で、自来昭和四十四年同和対策事業特別措置法ができ、累次それが法律名を変えましたけれども、三年前まで継続してまいって、そしてハードな面についての事業はこれをほぼ完了することができ、残事業につきましても一定の一般行政に移すことができ、今後は人権啓発・教育を重点にやっていくべきであるということの合意をいただいて、その上で法務省の所管にしてまいりました経緯があるわけでございますので、所管といたしましては、教育については文部省、人権啓発・救済については法務省といたしておるところでございます。
○江田五月君 パリ原則に基づく国内人権機関は既存の国の人権擁護機関を否定するものではない。現在の国の人権擁護機関といえば法務省の人権擁護局、人権擁護委員会ということになるんですが、一方で、国連の規約人権委員会では、国内の現在ある人権擁護体制について非常に鋭く批判をされておる。 これは正訳というのではないのかもしれませんが、国連人権NGOネットワークの訳の規約人権委員会による最終見解、九八年十一月五日採択。これによると、九項ですが、委員会は、人権侵害を調査し、申立人のための是正措置をとることに役立つような制度的機構、国内人権機関が存在しないことに関して懸念を表明する。当局が権力の乱用を行わず、実際に個人の権利を尊重するということを保障する効果的な制度的機構が日本に必要とされている。委員会の見解では、人権擁護委員会はそのような機構ではない。なぜなら、法務省によって監督され、その権限は勧告を出すことに厳密に限定されてしまっているからである。委員会は、人権侵害に関する苦情申し立てを調査する独立的な機構を締約国、というのは日本、これが設立することを強く勧告する、そういう文言が採択されているんです。 人権侵害というのは、国家権力、公権力による人権侵害というものが非常に大きな問題なんです。政府がつくった人権教育のための国連十年に関する国内行動計画の中には、特定の職業に従事する人に対する人権教育の推進という、ざあっと書いてありますね、たくさん。その中には、これはもう国家権力、国家の行政を担当しているいろんな人に個別にわたって、これにはこういう教育をということをずっと書いてある。 ですから、それは多くが法務省の所管にあるわけでしょう。その法務省がそういうところを所管しながら、一方で人権救済についても法務省がというのではこれはだめだと。まして今、法務省は、参議院で審議が始まった盗聴法、はかり知れないプライバシー侵害という人権侵害が組織的に行われる可能性を持った法案を提案している張本人です。これは余計ですが、別のところで議論しますが。 法務省が人権政策の総合調整機能を持って人権侵害の救済機関を監督していく、そういう議論は人権の世紀と呼ばれる二十一世紀の世界には通用しない。だから、私たちは、この人権救済関係について今度の中央省庁改革法はだめだと、こう言っているわけです。これは私の意見です。 質問を終わります。(拍手)
○委員長(吉川芳男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時五十七分開会
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、内閣法の一部を改正する法律案外十七案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。江田先生から引き継いだ時間が非常にいい時間を与えられまして、私は世に出るという位置づけで、限られた時間でございますけれども質問をいたしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、この分権一括法案は住民の福祉改善にどのように役立つかという点であります。この法律では、地方公共団体の役割を住民の福祉の向上を図ると位置づけております。しかし、御説明、御答弁を伺っていてもいま一つどのように住民の福祉が改善されるものかわからない。この法律の一般市民へのアピールポイントは何なのでしょうか。 例えば、現在住民の最大の関心事は雇用対策でしょうし、さきに公表されました合計特殊出生率一・三八という少子化社会、それに伴う超高齢社会の到来など、住民は不安要因を数多く抱えております。 こういった問題に対して今回の法案はどのような解決策を提示するものか、お教えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 大変大所高所からの御議論をちょうだいして、どういう角度からお答えを申し上げようか御意見を承りながら考えていたんですけれども、国民の福祉増進を図るというのと住民の福祉の増進を図るというのとではやはりおのずから、その地域に住んでいる住民といいますか、そういう角度でまずとらえるべきものであろう。つまり、地方自治というのはまさにその地域に住む住民なんでしょう。それが自分たちの地域のことについて自分たちで組織をし、そして言うなら、自主組織権あるいは自主課税権といいますか、財政の自主性、自立性、そういったことが自治ということの根底にあるわけで、そういう意味で、地域のことについて自己決定、自己責任というものをより強めていくということ自体が言うなら住民福祉の向上につながっていく。そういう意味で、実際に住民サービスを担っていく基礎的な行政主体である地方公共団体がみずからの自立性、自主性の範囲が広がるにつれて、そしてまた同時に、住民の考え方が行政の中に反映されるような道がより開けていくということもまた住民の福祉の増進に役に立っていくことである。 そういうことを頭に置いてこの改正案をごらんいただきますと、まさに機関委任事務の廃止を中心として、国と地方の関係を縦の関係から横の関係といいますか対等の関係に切りかえていく。そういう中で、自治体の自主性、自立性が今までよりもはるかに増進されていくということ、これはまず御理解いただけることであると思います。 ただもう一方で、きのうもどなたかの御質問にお答えしたんですが、いわゆる権限、事務事業の移譲の問題、これは住民といいますか国民といいますか、行政サービスの窓口の主体が国から地方に変わるということで、わかりいいことはわかりいいんです。つまり、申請書なりなんなりを提出する相手先が変わるということは、本人にとってみればわかりいいことかもしれません。 そういう点で、さっき言いましたが、国の関与の見直しであったり、そういう国と地方の関係の役割分担を見直すということになりますと、住民の立場から見てどこがどういうふうに自分の実生活の中で変わったのかという点でいうと、少し見えにくい部分はあるのかもしれません。しかし、今るる申し上げましたが、ぜひこの点は国民の皆様にも御理解をいただきたい。 そして同時に、これもきのう、どなたかがおっしゃいましたが、大事なことは、制度面を変えるということだけでこの効果が出るというものではありませんで、この制度を運用していく地方自治体の職員なりあるいは議会の皆さんなり、そして住民自身がそのことについての意識改革をあわせてお互いやっていかなければならないことであるというふうに考えております。
○藤井俊男君 ありがとうございました。 六月一日に公表されました完全失業率は四・八%と昭和二十八年以降で最悪ということであります。完全失業者は三百四十二万人とやはり過去最多と言われております。 私は、労働条件や保険といったものは確かに中央集権でやる必要があると思っておりますが、職業紹介、雇用のあっせんについては地元密着型で行われるのが本来の姿だと思っております。特に、不況の中で思いがけずに職を失った場合には、遠方の仕事を紹介されても、引っ越しの負担が大きいであろうということは想像にかたくありません。やはり地元で職を探したいというのが切実な願いではないでしょうか。 今回の法案により地方事務官制度が廃止され、職業安定関係の地方事務官は労働事務官となることなどの改正がなされていますが、地元密着型から離れる結果になるのではないかと私は懸念をしております。職業あっせんの体制に何らかのよい変化が期待できるものか、伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(甘利明君) きょう発表をされました先月の失業率は四・六%、若干改善をしておりますが、まだまだ予断を許さない厳しい状態が続いていると思います。 そこで、雇用対策に万全を期していかなければならない中で、ただいま先生の御質問であります。御指摘のとおり、地方労働局ができますと県の職業安定課のかなりの部分がそこに統合されるわけでありますから、県単独の雇用安定行政について御心配をいただいていることはよくわかるわけであります。 そこで、もちろん県独自の雇用対策もありますし、企業情報でありますとか、あるいはそれにまつわる生活情報があるわけでありますから、引き続き国の雇用安定行政と県のそうした独自の行政は連携をとらなきゃならないということは御指摘のとおりであります。 この改正にかかわる雇用対策法の改正によりまして、県は国の施策と歩調を合わせるような形で雇用対策を組んでほしいということと、それと県と国とが連携をとってやるようにという二項目が加えられているわけであります。その法律の趣旨にのっとって県と地方労働局が情報を密接に交換をしながら取り組んでいきたいというふうに考えております。 御指摘のとおり、地域に根差した雇用情報というのがその地域の職業安定行政にとって非常に大事だということは御指摘のとおりでありますし、御心配のような懸念が起こらないように密接な関係をとっていきたいというふうに思っております。
○藤井俊男君 きょう発表された失業率は四・六%ということでありますが、まだ厳しい状況下であると思います。県との連携をとるということで答弁をいただいておりますけれども、私が住んでおります埼玉県においては埼玉県新都心が今着工しております。来年の四月完成に向けまして国の十省十七機関が移転をしてまいります。私は、新しい雇用の関係の場ができるものと大いに期待をいたしておるところでございます。 そこで、これに対応しての職業窓口体制を整備していただけないものかどうか、労働大臣にひとつ伺いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 大宮に建設中の新都心というんでしょうか中心地、これが雇用の受け皿としていろいろと期待をさせていただいているわけでありますけれども、それに対して職業紹介の体制整備はどうかというお話であります。 公的職業紹介事業はハローワークを中心にやらせていただいておりますが、それ以外にもパートバンクであるとか人材銀行、なかなか片仮名が多くて恐縮なのでありますけれども、それぞれ特有の分野に特化した紹介事業というのを国は行っておりまして、場合によりましてはそれらが連係プレーをとって総合窓口のような形で設置をさせていただいていることがございます。 そこで、この埼玉県の大宮地区におきましては、ハローワーク大宮に加えまして、地域におきます職業安定行政に対するニーズの高まりを踏まえまして、昨年の十二月に人材銀行、人材銀行というのは職安でも管理職とかホワイトカラーの経験豊かな方に対して紹介事業をするところでありますが、その人材銀行や、パートバンク、これはもうその名のとおりパート関係に特化した紹介事業を行っておるわけでありますが、これらの公共職業安定機関の複合施設として、愛称でこれはプラザ・サラリアール大宮、どういう意味なのかよくわからないですけれども、要するに総合窓口を設けまして、最近は自己検索可能な端末機を集中的に配備しているところもありますが、ここにも自己検索端末を用いた求人情報を初め雇用に関する総合的なサービス窓口ということで実施をさせていただいているところでありまして、御指摘を踏まえて幅広く柔軟に対応していきたいというふうに思っております。
○藤井俊男君 次に、福祉行政における地方分権のメリットについて伺います。 今回の地方分権一括法には福祉の分野に関する法律が数多く含まれております。厚生省所管の法律は四百七十五本中実に九十一本にも上る膨大なものになっております。地方分権の実を上げるためには、住民の身近な分野で目に見える変化があることが望ましいと思います。今回の改正によって福祉の分野が住民サービスの向上の観点からどのように変化されるのか、厚生大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 福祉の分野につきまして法律の改正本数が多いというのはそのとおりでございます。大変福祉行政が多岐にわたっておるということでそのような結果になっておると存じますが、今回の地方分権一括法によりまして福祉の分野でもやはり機関委任事務を自治事務化するということが一つございます。それからもう一つは、実体法の関係がございますが、法定基準の廃止等で必置規制を緩和するという二つの点が大きな柱になっております。 まず、具体的に機関委任事務がどう変化してきているかという点を具体例で説明せよということでございますが、従来、機関委任事務としては生活保護関係、これは今度は法定受託事務になりますから、あるいは児童扶養手当もそうでございますが、これは法定受託事務として位置づけられます。 ところが、保育所とか特別養護老人ホームの関係につきましては、その設置認可事務は自治事務となります。したがって、保育所の児童福祉施設の設置認可でありますとか、児童居宅生活支援事業の開始の届け出の事務とか受理の事務とかいうのは自治事務になります。それから、高齢化の関係では、今申しましたように特別養護老人ホームの設置認可が、これは老人福祉法の規制のもとにありますが、これが自治事務になります。それから老人居宅生活支援事業の開始の届け出の事務、これも自治事務となります。こうして、地方公共団体の自主的な判断に基づく事務の実施が一応可能になるということでございます。 一方、必置規制の緩和等につきましては、具体例を申しますと、例えば福祉事務所の設置が今まで団体委任事務でございましたが、これも完全な自治事務になります。それから、福祉事務所の設置の配置基準の廃止も、これも例えば十万人以上に一カ所というような基準がございましたが、これは条例によって定めることが可能になりますから、弾力的に設置が可能になる自治事務でございます。それから、福祉事務所の現業所員も、今までは例えば生活保護で八十五人までは一人とかいうような基準がございましたが、それを弾力化いたしまして、配置が自由にある程度地方の実情に応じてできる。それから、地方社会福祉審議会の名称等も名称規制を弾力化して自由にできる。それから、身体障害者福祉司というのも法律上の名称規制の弾力化を図るということができるようになる。 このように、具体的事例を多少申し上げましたが、要は、地方公共団体の自主的な判断に基づく事業の実施がかなり大幅に可能になるということを通じまして、住民の立場に立った行政サービスの弾力的、効率的な適用ができるというように考えておりまして、私どもは大きな前進であるというように考えております。
○藤井俊男君 ただいま答弁をいただきましたけれども、自治体事務が多くなってきておりますので、福祉の充実等大いに期待をいたしておりますので、福祉が後退しないようにひとつよろしくお願いしたいと思っております。 それでは次に、国と地方の人事交流について伺いたいと思います。 私は、分権化にはお金のような物的な資源のみならず、それを担うべき人的資源、すなわち人材の適正な配分も伴う必要があると思っております。従来は、人材につきましては中央政府に偏り、地方公共団体には派遣という形でいわば補助がなされていたというのが実態でしょう。 今手元にある数字、総務庁から最新ということでいただいた平成八年八月現在のものですが、本省庁から地方公共団体への出向は全体で一千百九十七人、このうちⅠ種のキャリア職員が九百五十一人ということです。多い順から三省を申し上げますと、建設省二百三十八人、自治省百六十九人、農林水産省百五十一人となっております。 この種の人事交流は、財政関係や公共事業関係等の枢要部署のポストに継続的に配属されるという点からは、中央支配ですとか地元の人材が育たないとかいろいろ批判もされております。しかし、私としては、中央の優秀な人材を活用して刺激を受け、新風を送り込み、地域を活性化するという点では、こういった補助は一定の役割を果たしてきたと評価しております。 特に、建設省のキャリア派遣のうち二百一人、農水省百二十一人、そして厚生省は九十一人の派遣のうち五十九人が技官ということです。キャリア全体では実に四百六十八人が技官という実態からは、一律に廃止、縮小することで技術的側面に支障が出るのではないかという懸念を免れません。 そこで、私は逆に県の職員や市の職員を中央省庁に派遣し、人事交流をすべきと思います。むしろ、分権化に伴い国、地方が対等関係に立つ、このような補助ないし支援のあり方についてどのように考えているか、お聞かせを賜りたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 公務員の国、地方間の交流といいますか、こういったことを現在も国から地方に、あるいは地方の公務員の方が国の方に出向でお見えになるということで交流が行われております。 こういった相互交流、つまり対等交流といいますか、相互、対等の交流ということを基本として、まず各地方公共団体と十分な協議を行った上で行われるということが一番大事なことであると思っています。そういう点で、地方公共団体の意に反して一方的な押しつけになるようなことがあってはよくありませんし、今御指摘のような人材育成といいますか、そういう角度からも相互交流ということは意義のあることであるというふうにも考えております。 ただ、これから後、まさに国と地方の間が対等、協力の関係になっていくということで我々考えておりますので、今そういう点で、技術的な面をすべて国が中心になって地方を指導していくというようなやり方だけで本当にいいのかどうか。逆に、地方の自治体自身がみずからの人材育成なりということをやると同時に、そういった仕事そのものを地方自治体がやっていかなきゃならぬというのは当然のことでありますから、私は、御指摘のとおり対等、協力の関係になればなるほどこういった人材育成ということは極めて大事なテーマになるというふうに考えております。
○藤井俊男君 法務大臣がお忙しい中お見えになっておりますので、先ほど福祉行政の関係で質問をいたしまして、前後いたしますが、私は法務大臣に少年法改正について伺いたいと思います。 今国会に少年法の改正案が提出されたとのことですが、人権擁護団体や法律の専門家から、人権上極めて重要な法律だけに慎重審議を求める声が相次いでおります。昨日の報道によれば、本法案は会期日数の不足で成立の見込みが立たず、次期の通常国会まで取り扱いが延期される見込みとのことですが、こうした重要な法案ではいたし方ないことと私は存じております。 法案審議の見込みについて、大臣のまず見解をお聞かせ賜りたいと思います。
○国務大臣(陣内孝雄君) 今国会に提出しております少年法等の一部を改正する法律案は、喫緊の課題となっております少年審判における事実認定手続の一層の適正化のために所要の法整備を図ろうということでございます。 この法案審議の時期等につきましては、お尋ねでございますけれども、国会でお決めいただくことでありますので私の方からはお答えできませんが、この法整備の重要性、緊急性にかんがみまして、どうか御理解を得て、できるだけ早期に成立させていただきたいとお願いする次第でございます。
○藤井俊男君 法案審議の関係もございますけれども、法務大臣、最近の青少年犯罪の凶悪化、深刻化について心配をきわめております。どのように少年犯罪が変わってきたと認識しているのか、その原因について大臣の認識をお聞かせ賜り、青少年の犯罪に対してどのように対処されようとしているのか、国家公安委員長は野田大臣ですが、私は法務省に、法務大臣の立場からお聞かせを賜りたいと思っております。
○国務大臣(陣内孝雄君) 御指摘なさったように、少年の最近の事件というのは凶悪化の傾向が認められます。少年による殺人、強盗、それから強盗致死傷等の凶悪事犯の検察庁における受理人員の推移を見ますと、近年増加の傾向にございます。平成八年は千四百八人でありましたけれども、平成九年には千九百三十六人と著しく増加を見せております。 こうした凶悪犯の増加等の原因につきましては多くの要因が考えられると思います。特定の要因を挙げるということは大変困難だろうと思いますが、最近の非行少年の特徴としては、法律とか道徳、約束事、こういった規範を守るという意識が低下しておる、あるいは人間関係が希薄化しているとかあるいは抑制力の不足による短絡的な行動傾向等が指摘されております。また、これらの背景、あるいは原因の一部でもありましょうが、社会の複雑化及び社会環境の悪化、家庭等の教育機能の低下、地域社会の非行・犯罪抑止力の低下等を挙げることができると思います。 そこで、法務省といたしましてはかねてから少年非行防止対策の一環といたしまして、検察庁における少年事件の適正な処理、それから少年の福祉を害する事犯に対する厳正な処分と科刑の実現、これは最近中学生、高校生などにも薬物被害が広がっておるということでございますので、そういうことを大変憂慮しておりますが、そのほか非行少年の改善更正に必要な矯正保護機能の充実強化、こういうものに意を用いているところでございます。
○藤井俊男君 少年の関係も憂慮すべき時代でございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。 続きまして、首長の権限強大化及び多選制限ということで私はお聞きしてまいりたいと思っております。 この法律案によりますと、地方公共団体の果たす役割が大きくなり、それにより首長の権限が従前に比べて非常に強大になるのではないかと思います。首長の権限が強くなってもそれに見合った力量がないのであれば、国の援助がなくなると地方行政はスムーズには進みません。 これに関連して、首長を支える部局の人材育成という点をどう考えているのか。本来、地方それぞれが責任を持つべき問題ではありますけれども、環境整備という点からどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 また、首長が強大な権限を持つようになると、懸念されるのが権力の集中による乱用、腐敗であります。首長の任期が長期にわたるとやはりこういった弊害が生じやすいのではないでしょうか。 首長の連続就任回数の調べということで昨年末のデータをいただいたところでありますけれども、四回連続当選の知事が五人、五回も五人、政令指定都市では六回が一人、市区長では六百九十三人のうち四回以上が百一人、五回以上でも四十二人、最長の八回が二人、七回が四人、六回が十二人、そして、理由はわかりませんが、七回の四人全員、八回のうち一人は大阪の方であります。 首長の多選の制限という問題については地方分権推進委員会の勧告や推進計画でも触れられておりましたが、幅広く研究を進めていくという方向で法案には盛り込まれなかったとお聞きいたしております。 住民が選挙で選べるのですからいいのではないか、憲法が保障する職業選択の自由を制限するのではないかと思う反面、やはり四期、五期ともなると制限する必要があるのではないかという気がします。 判断に苦しむところではございますけれども、これに関連して現在指摘されている問題点等を自治大臣から御紹介をしていただければと思っております。
○国務大臣(野田毅君) 二つの質問があったと思います。 一つは、知事部局の人材育成が重要である、これをどうやって環境整備するかということが一つでございます。いま一つは、首長さんの多選禁止問題についてどういうような議論がなされているか、この二つの御質問であったかと思います。 まず前半部分ですが、人材育成に関しましての御質問についてお答え申し上げたいと思います。 地方分権の進展によって、地方公共団体がその拡充されたあるいは強化された権限を適切に行使して地域の総合的な地域づくりを推進していってもらうということになるわけですが、今後それに対する、住民ニーズに対する的確な対応をしていくためにも、企画力といいますか政策形成能力といいますか、そういった意欲ある人材を確保することあるいは育成をしていくことが極めて大事なテーマであるということは御指摘のとおりでございます。 そういう点で、現在においても地方団体の中でかなりそれぞれ自主的な努力をしていただいておりまして、採用試験や職員研修を共同で実施するというようなやり方だったり、あるいは地方公共団体間の人事交流、先ほどの国と地方の間の人事交流もございます。あるいは専門家を社会人の中途採用というような形で補っていくというようなことも今現在既に行われております。 自治省としましては、これらの取り組みを支援するために二年前、平成九年十一月に人材育成に関する基本方針を策定するための指針というガイドラインをお示しして、その中で人材育成等アドバイザーの派遣や人材育成に対する財政措置などを行ってきたところでございます。今後とも、そういった人材確保、育成の支援に努めてまいりたいと考えております。 それから、首長の多選問題でございます。 これについて、多選禁止をすることに消極的な意見としては、多選の弊害の実態や多選と弊害との因果関係を客観的に説明できるのかという議論があり、また多選を禁止することが憲法で保障されております立候補の自由あるいは職業選択の自由などとの関係で合理的な説明が可能かどうかなどの指摘があります。 一方で、多選による弊害という立場からの議論としては、政治の独裁化や人事など行政の偏向化を招く、それから日常の行政執行が選挙運動的効果を積み重ねて選挙民の自由公正な意思が反映しがたくなるということなどが指摘されておりまして、外国の立法例なども参考にして多選を禁止すべきであるという意見があるわけであります。 現在、自治省におきましては、学識経験者による研究会を設けて、首長の多選にかかわる問題について今両面からの議論を若干御紹介申し上げましたが、さまざまな論点を整理して調査研究を進めておるところでございます。 いずれにしても、この問題は、率直に申し上げて白地に絵をかくという世界の話ではなくて、現実に多選を承知の上で有権者が選んでいるという実態もございます。そういう点で、ぜひこれは党派を超えた形の中で議論をいただきたい。特に今、国会各会派の中でそれぞれ御検討いただいていると思いますが、これもそういう角度からもぜひ御検討をいただきたい、御議論を重ねていただきたいと考えております。
○藤井俊男君 次に、地方議会の権限強化及び定数問題であります。 首長の権限が強化されるのであれば、カウンターパートである地方議会のチェック機能、権限も強化されなければバランスを失うと思います。今回の機関委任事務が廃止されることに伴い地方議会の調査対象も拡大が図られるようですが、具体的にはどの程度の変化が見込まれるのか、お伺いしたいと思います。 時間の関係で続きははしょりますが、今回の改正では、地方議会の議員定数の自主決定権が強化されている一方で、市区町村議会の定数の上限見直しが含まれておりますが、そもそも大枠といえども議会の定数を国が決めるべきものなのか、疑問が残ります。 例えば、私の地元の埼玉県、全県の法定議員数は二千九百十八人ですが、実際には減数条例で八百二十七人であります。約三割を減らしています。上限規制を撤廃すると際限なく議員数がふえるという懸念があるようですが、実際には良識的に運営されるものだということは、改めて私が申すまでもないでしょう。今回の改正はこのような減数条例の制定状況をも勘案していると聞いておりますけれども、そもそも自主権、組織権を高めるというのであれば、議会の定数を国が規制するという必要があるのか、疑問が残ります。 自治大臣、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 二つのテーマがあろうかと思います。 まず、前半部分、議会のチェック権能がどういう形で拡大されたかという点について申し上げます。 従来、機関委任事務については議会の調査権の対象外であったわけであります。今回は、機関委任事務が廃止をされるということによりまして、調査権があるいは条例制定権が全部に及ぶ、法定受託事務にもあるいは自治事務にも及ぶということになったわけで、議会のチェック権能というのは格段と前進をしたことであるということは言えると思っております。 それから、少し小さなことかもしれませんが、議案の提出や修正動議の発議の要件を緩和することによって議会審議が活性化し、首長に対する監視機能がさらに十分に果たせるようになり得るだろうと考えております。 そのほか、制度面の改正に加えまして、住民からの監視ということも大事でありまして、そういう点からは、審議の公開やあるいは夜間議会の開催など、会議運営上の工夫を図っていただくということも大事なことでありまして、これらの点について既に地方行革指針、平成九年にガイドラインを出したわけですが、その中でもこういった点を要請いたしているところであります。 それから、地方議会の定数問題であります。 これは、今日まで明治以来法律でもって地方議会の定数を決めてきた、いわゆる法定定数制度をとってきたわけです。これは、地方自治の母国とも言われる英国において、今日なお法律でもって地方議会、各自治体ごとに決めているということも実はあります。 そういう意味で、いろんな経緯があるんですが、いずれにしても、今回より自主権を高めていこうという中で、法定定数、法律によって定数を決めるというのではなくて、これをそれぞれの自治体がみずからの議会において条例でもって決めていただく。ただし、決めていただくときに今御指摘がありました上限を設けてその範囲の中で決めていただこう。これは、今日の法定定数の中であっても減数条例で自主的に定数を抑制している、そのことを勘案して上限の数を決めさせていただいているということであります。
○委員長(吉川芳男君) 藤井君、時間が参りました。
○藤井俊男君 時間が来ましたので、どうも大変ありがとうございました。(拍手)
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。 十六日に質問をさせていただきまして、そのときは、言うなれば人の問題を、国、地方、そしてまた国民全体的に地方分権、この改革をしなければできないということをお話し申し上げ、大蔵大臣からもお話をいただきました。 私は、今回は財源の話を少し踏み込んでお話しいただきたいと思っております。というのは、俗に言う三ゲンの一つではありますけれども、権限があっても、そしてまた人があっても、結局最後にいくとお金の問題になってしまうわけです。 〔委員長退席、理事石渡清元君着席〕 御承知のとおり、今の国そして地方の財源というのは六、四になっているわけでありまして、それに対して支出の方はたしか七、三ぐらいかなという感じなんですけれども、やっぱりこれはおかしいわけでありまして、長年そういうことが言われてきました。 やっとこの分権のいろんな法律、そしてまた分権計画によって曙光が見えてきたのかなというふうに私は思っておりますが、実際それがどの程度進捗し、あるいは道のりというのが見えるのかなというふうに思っておりましたが、どうも余りよく見えない。本会議でも申し上げましたし、それからまた各委員からもお話があったわけですけれども、今金がないからどうにもならぬと。ですから、金ができたらやりますよというふうな話になっちゃうんですね、極端なことを言いますと。 これだけでは、どうも今の地方分権の時代というか、国から地方へという時代、そのテーゼというか理念にもとるのじゃないかなと。もう少し踏み込んだ政府としてのお話を、御意見を、方針をいただきたいものだというふうに思っております。大蔵大臣からどうぞひとつ。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお話は財源の国と地方との範囲と。 この間もお話がございまして、地方自治に深い御経験のおありのことで、私は大変ごもっともなお話をなすっていらっしゃると思っておりますが、今の財源の問題につきましても同じように考えておりまして、国も大変な財政難でございますが、地方もそれに劣らないような、殊にことしは今まで富裕団体と思われていたところですら非常な異常になりまして、法人税、事業税の関連が大きいと思いますが、しょせんこれは国の経済がこういう状況でございますから、地方にしろ中央にしろ税収が極端に落ちてきたということに尽きると思うのでございます。 その間に、こういう地方分権の問題が国会で御議論になって、そのあるべき姿というのがいろいろ御議論になるわけですけれども、そのためには財源を必要とする、行政の再配分があるならば財源の再配分もなければとてもできないというのは、これはもうごくごくそのとおりだと思いますが、今のような異常な国の経済のもとで、本来的にどのぐらいの租税収入が中央、地方合わせてあるべきかということにつきまして、少なくとも中央の財政は、今や昭和六十二年ごろまで後退をいたしておるわけでございます。地方も、私は正確には存じませんが、ことしなどはまことに惨たんたるありさまでございます。 ですから、再配分をするだけのもとのパイというものが正常ならばどのぐらいの大きさかということ、今の状態が正常とは思えませんので、それをやはり確かめてと申しますか、それがほぼ見当がついた段階でありませんと、どれだけのものを両者で分けるのかというそのやり方がわからないのではないか。 今やってみましても、これはこんな姿が正常な姿ではとてもたまったものではございませんから、やはりそれを待つしかないという感じがいたしておりまして、私は時々、日本経済がプラス成長の軌道に乗る、それは乗ったことが確かだというふうに思われる段階で早速にしなければならない仕事の一つは、やはり国と地方の行政、財政の再配分ということだと考えております。 どうも残念ながら今そのときでないという考えでございまして、もっとも、でないから何もしなくていいかというと、そうではございませんで、やはり例えば補助金の問題にいたしましても、このような姿がいいのか、さらにもっと統合できないものかとか、いろいろしなければならないことはあろうと存じますが、一番基本的な再配分というのは、やはり残念ながらしばらく待たないと本当のものができないし、今やってもそれは多分恒久的なものとは言いがたいのではないかというふうな思いをいたしておるわけでございます。
○高橋令則君 今の大蔵大臣の話は、それなりに私も理解をいたしております。 しかしながら、いつまで待つんだと。もしかして、四十一年に交付税を三二%に上げたんですね。その過程はずっと承知しているわけですし、その後のいろいろなやりくりというのは承知しているんですけれども、仮に四十一年というとすごい話ですね、過去の話で。三十年前ですか。今後もそうかなと。 これは別に四十一年に、私はそれがメルクマールだというふうに思ってはおりませんけれども、これではやっぱり長過ぎるじゃないかと。乏しきを憂えるという言葉がありますが、国、地方ともに苦しい中でやっぱり筋を通してやっていく、そういう努力が必要じゃないかなというふうな感じを私は持っております。 これは野田大臣にちょっと一言、そういう見解についていかがですか。
○国務大臣(野田毅君) 基本的には大蔵大臣が今御答弁で申されたとおりだと考えております。 何とか早くこの再配分といいますか、国と地方の税源の再配分問題を含めてきちんとした体制をつくり上げたいということはそのとおりでございますが、今なかなかすぐにできるそういう環境にない。しかし、いつまでもずるずる先送りして百年河清を待つというようなことがあってはならないというのは、これは当然のことでございまして、そういう経済の状況が、かちっと環境ができれば直ちに着手していかなきゃならぬテーマである。 それからいま一つは、それまで何もしないでほうっておくというわけにもいかないので、地方税体系の中でやるべきものはそれはそれとして、そのときまで待つことなくやらなければならぬテーマも現にあるわけであります。 それからいま一つは、特に国庫補助負担金の整理合理化等々の見直し、こういったテーマは税財源の配分とはまた別の問題としてもやっていかなければならないテーマであるということもこの機会に申し上げたいと思っております。
○高橋令則君 両大臣のお話は私なりに理解をしておりますが、地方分権の本来の意味の推進のためにはやっぱり税を配分しなければ最終的には自立はできないというふうに思っておりますので、ぜひとも、三年とか四年とかだとこれは難しいかもしれませんけれども、見えるような形で御努力をいただきたいというふうに思います。 それに関連しますが、第二次推進計画の中では統合補助金というのがありますね。これは決定されているわけでございますけれども、十二年度で具体化されるものと私は理解しております。したがって、総括的には後で大蔵大臣にお聞かせをいただきたいんですけれども、まず所管大臣にそれぞれその統合補助金のパート、その部分部分について基本的な取り組みをお聞きしたいと思います。建設大臣からひとつお願いします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 地方分権推進委員会第五次勧告を受けまして第二次地方分権推進計画があるわけでございまして、私の建設関係で申しますれば二つのタイプがございます。 具体的な事業箇所、内容について地方公共団体が主体的に定めることができる統合補助金、例えますれば二級河川に係る補助金とかあるいはまた公営住宅等に係る補助金というふうに分けておるわけでございまして、そういうようなものを網羅した統合補助金を申請するということです。しかし、そういいましても、河川の予算を住宅の方に回すということはできませんけれども、そういうようなことでまず一つ。 それから、一定の政策目的を実現するための複数の事業を一体的かつ主体的に実施することができる統合補助金というタイプがございまして、これは例えば中心市街地の活性化に向けた法案がございますが、そういうもとで一定の政策目的を実現するために複数の事業を一体的にするという統合補助金を出すというやり方でございまして、平成十二年度から御指摘のようにこれをやっていきたいと思っております。 そういうようなことで、先生は地方のそういう自治を十分体験されたお方でございますからそういうことをよくおわかりでございましょうが、その推進計画の内容をきっちりと実現するために早急に具体的な仕組みというのを今から築いていくということで積極的にやっていきたいと思っております。
○高橋令則君 農水大臣は何か委員会だそうでございますので、政府委員で結構でございますから、農水関係の方針をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(石原葵君) 農林水産省関係につきましてお答え申し上げます。 農林水産公共事業の補助事業につきましては、食糧の安定供給、それから国土環境の保全等の政策目的を達成するため国が財政的に支援するということで政策誘導を行っているものでございます。 農林水産省といたしましては、このような補助事業の中で予算の地区別配分、いわゆる箇所づけでございますけれども、こういうものにつきまして、地域の創意と工夫を生かした方がいいという地方公共団体に裁量的に行わせることが適当なものにつきまして統合補助金を創設することとしたところでございます。 具体的には、第二次地方分権推進計画に基づきまして、一つは団体営の農業農村整備事業のうち生活環境の整備を主体とする事業、それから二つは、市町村営の漁港漁村整備事業のうち就労環境、これは作業効率とか安全性の問題でございますが、就労環境の整備を主体とする事業、これらの事業の一部を対象といたしまして平成十二年度から統合補助金の制度を導入すべく、現在その仕組みにつきまして検討をしているところでございます。
○高橋令則君 港湾等がございまして、運輸大臣にお願いします。
○国務大臣(川崎二郎君) 運輸省の所管の公共事業でございますけれども、同じく第二次地方分権推進計画におきまして、港湾整備事業の一部を平成十二年度に統合補助金化するということでございます。 具体的に言いますと、港湾の既存施設の有効活用、その中で港湾利用高度化促進事業、局部改良事業、補修事業、これを統合化いたしまして、国が示す配分枠の範囲内で港湾管理者、多分、県ということになると思いますけれども、大体が県でございますが、具体的な事業箇所、内容を定めることとするものであり、平成十二年度予算で措置すべく今検討を進めております。
○高橋令則君 関係大臣あるいは政府委員からお話をいただきました。 総括的に、この統合補助金は初めてのことでございますので、それなりに私も期待をしておりますが、個別に見ておりますと、やっぱり計画に沿ってやるということでありますので、本当の意味で、例えば自由党として私どもが主張しているような総合補助金あるいは総合交付金とは違うわけでありまして、そういう意味ではまだいま一歩、二歩というような感じがあるんです。 それはそれとして、統合補助金をせっかくつくるわけでありますので、地方分権に少しでも進むような、そういう配慮を大蔵大臣にお願いしたいわけですが、いかがでございますか、査定する方としては。
○国務大臣(宮澤喜一君) さようでございますね、おっしゃるように理想とするところからはまだまだ大変遠い話で、しかもどうしても今までのいきさつがございますから、これとこれは関係がないとか違うとか言えば幾らでも議論のできるところを、今各大臣、政府委員からお答えがありましたように、そこはちょっと踏み切ってやってみようじゃないかということでありませんとなかなかこういうことはできませんので、大蔵省としましても、要求官庁がそれはできないとおっしゃればできないと言うしかないんですけれども、しかし、なるべく地方団体が裁量的に施行できるような、ちょっとしたことならひとつそういうふうに考えてやったらどうかというようなことで、来年度の予算編成には積極的に進めていきたい。 本来、大蔵省としては望ましい方向だと思っておりますので、要求官庁の側でもよく御検討いただいて、御理解の上でなら進めてまいりたいということは積極的に考えております。
○高橋令則君 ぜひその点を特にお願いしたいと思うんです。 ちょっとそれるかもしれませんが、実際に地方で予算をやっておりますと、いいか悪いかは別にして、経常収支率をざっと見て、それで経常的な経費というのは大体七〇%から八〇ぐらいまで行っちゃうわけです。そして、投資的な事業というのはいいときで大体三〇、ないと二〇ぐらい。それを全部、公共事業計画がありますね、あれは十八だったか十四だったかありますけれども、それに基づいて各省庁から予算が出てくるわけです。そして補助金がどの程度取れるかとばっと見て、そしてそれに全部積んでいくわけです。それに基づいて起債をやるんです。起債を充てて、そして足りないところを交付税を充てるというような形でざっとわかるんです。 これは何かというと、全く私自身も反省しておりますけれども、依存体質財政なんです。それで一〇〇%できちゃう。これではやっぱり困るわけでありまして、これを変えるということが基本ではないかと思っているわけであります。したがって、この統合補助金の中ではそういうものに少しでもかわるような形でお願いを申し上げたいものだというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 それに関連して、国土庁長官ということで兼務でいらっしゃいますけれども、全国総合計画、それと全体的な基本投資計画がありますね。それに基づいて公共事業の五計があるわけです。これが地方分権で財政的に変わっていくことによって、やっぱりこの総合計画、それから五計もそれなりに変わっていかなければならないだろう。私は極端に言ってしまうと五計は要らないんじゃないかと実は思っているんです。 それはそれとして、いきなりそういう案は申し上げられないけれども、この全総、基本計画、そしてまた五計の基本的な考え方、これは五計の各部別となりますと各大臣になりますので、それは私は要求はしません。基本的な考え方を国土庁長官としてお話をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 両方の指名をいただきましてお礼を申し上げたいと思います。 結論といたしますれば、新たな国土計画体系の確立をこれからやっていくというところなんですけれども、昨年三月に閣議決定されました二十一世紀の国土のグランドデザインにおきましては、国土計画の理念の明確化の要請とか、あるいは地方分権等の、いろいろ変わってきておるわけでございますが、その諸改革に対応しつつ新しい国土計画体系を確立するというところに来ておるわけでございます。このため、ことしの一月から国土審議会におきまして二十一世紀の国土計画のあり方について調査審議を開始したところでございます。ちょうどきょう午前中にこの国土審議会も開会されたわけでございまして、その中には衆参の議員の先生方もお入りになっていただいておるということでございますが、そこで今検討をしていただいておりまして、来年の秋ごろを目途に基本的な考え方を取りまとめていただく予定になっております。 したがいまして、急ぎ新たなる体系の確立に取り組んでいく所存でございまして、その時点でまた五年計画ということも論議を、またそれまでの過程においても論議をされるものだろうと期待をいたしております。
○高橋令則君 非常に大きな問題でありますので、各省庁にとっては相当抵抗があるだろうというふうに私は率直に言って思います。しかし、この地方分権を本当に究極的にやっていくためにはやっぱりこの計画をどうにかしなければどうにもならないというふうに思うわけであります。 〔理事石渡清元君退席、委員長着席〕 党の中で恐縮でございますけれども、病気になる前に野田先生からも御指導をいただいてやった一人でありますのでよくわかっておりますが、ひとつ大臣よろしくお願いします。 最後ですけれども、厚生省、厚生大臣にお聞かせをいただきたいんですが、今の国民年金の保険料の収納の問題、これの現状については御承知のとおりで非常に悪いわけですね。これに対して、市町村が機関委任事務でやっているわけですけれども、どうも今回のこの地方分権のいろんな制度の仕組みの中では、私から言わせれば、自治事務と法定受託事務のどちらかというと後方ではないかというふうに思っているんですけれども、どうもそうじゃない話も聞くわけですが、そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 国民年金の適用促進についてのことであろうと存じますが、これを法定受託事務的なものと考えてはどうかということであろうかと思います。 これまで市町村で実施してまいりました国民年金の適用促進事務につきましては、法令上明文の規定がない事務であるということ、それから市町村の事務の軽減の観点から地方分権推進委員会第三次勧告、地方分権推進計画において廃止することとされております。したがって、国民年金の適用促進事務を市町村の法定受託事務とすることは適当ではなく、また市町村の同意も得にくいと考えております。 しかしながら、住民の年金権を確保するとともに、国民年金財政を健全に維持していく上で有効な対策を講じていくことは今後も重要な課題であると考えておりまして、地域の実情に応じて必要な財源措置を講じながら、市町村の自主性を踏まえ、市町村との十分な連携協力のもとに進めてまいりたいというように考えております。 一言で申しますと、届け出事務は法定受託事務となっておりますが、適用促進はそうではないということでありますが、事実上また市町村のお助けもいただくということでやってまいりたいということでございます。
○高橋令則君 時間でありますから終わりますが、国年の問題はいろいろ問題がありますので、今後とも大臣には御努力をお願いしたいと思います。 終わります。(拍手)
○菅川健二君 参議院の会の菅川健二です。 雇用対策につきまして今度の法案はいろいろ問題がございますので、その点を労働大臣を中心にひとつ御質問させていただきたいと思います。 さきの本会議で、総理の方から、職業安定事務は国の機関である公共職業安定所における指揮監督の事務であるから、これを国の直接執行事務とし、地方事務官を労働事務官として事務処理体制の整備を図るというふうに答弁されたわけでございます。もとより、このような任務があるということを私は否定するわけではございませんが、私もかつて、十数年前に県で労働の担当部長を三年余りやっておりましたので、その経験、それから現状をいろいろ県からお聞きした中で御質問させていただきたいと思います。 実態といたしましては、先ほども藤井委員に対しまして労働大臣が若干御答弁なさっておりますが、都道府県の行う障害者とか高齢者の雇用安定等の事務と職業紹介事務というのは密接不可分の関係にあるわけでございます。それが一体になって地方の雇用行政を支えてまいったわけでございます。したがいまして、理論的に言いますと、私は職業安定事務というのは都道府県の法定受託事務として、そして地方事務官を地方公務員とすることが雇用政策上最も効率的ではないかというふうに思っておるわけでございます。 ただ、これにつきましてはそれぞれ見方があるわけでございまして、仮にこのような状況で職業安定事務というものを国の事務にすることは一つの幹を、生木を裂くようなものございまして、あわせて地方事務官を国に吸い上げる、労働事務官とするということになりますと、府県の雇用対策の組織あるいは人員はほとんどもぬけの殻になるわけでございます。 この点、労働大臣は実態をどのように御存じであるか、現に都道府県のプロパー職員がどの程度雇用安定事務に携わっておられるか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) お話のとおり、現在は地方事務官ということで労働省の職員と県の職員が一緒の場所で職業安定主務課で仕事をしているわけでありますが、これから労働事務官ということで県の組織から離れますと、純粋に残る都道府県の職員の数は全国集計をいたしますと二百四十人程度であります。
○菅川健二君 全国で二百四十名ということは、都道府県単位に割りますと大体四、五名ということになるわけでございます。 具体の例を私の選挙区の広島県でとってみますと、現在、職業安定課、雇用保険課に在籍している職員数は六十六名でございまして、そのうち地方事務官が六十二名、県費職員はたったの四名にすぎないわけでございます。したがいまして、こういった形で地方事務官が完全に国に吸い上げられますと四名しか残らなくなる。しかも、幹部職員は県のプロパー職員がほとんどいないわけでございますので、一般の事務職員が残るということになるわけでございます。事実上、県の雇用対策事務の組織、人員は壊滅的な打撃を受けるという実態にあるわけでございます。 いっそのこと、雇用対策は全部この際労働省に持っていけばいいという極論もあるわけでございまして、また今回打ち出されます地方の雇用対策について、調子のいいときは労働省は地方をおだてていろいろな仕事をやらせるけれども、実際はほとんど権限は労働省が握っておるではないかというような批判もあるわけでございます。 そこで、雇用対策について地方の役割ということが重要である、これは先般の本会議でも労働大臣が申されたわけでございます。重要であれば、その雇用対策で地方に期待する役割は何なのか。 雇用対策法から見ますと非常に規定もそっけないわけでございまして、「地方公共団体は、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。」と極めて抽象的なわけでございます。これのもととなりました地方分権推進委員会の第三次勧告を見ますと、これはもっと親切丁寧に書いてあるわけでございます。「国と地方公共団体の雇用施策に関する役割分担とその位置付けを明確にし、地方公共団体がその区域における雇用機会の着実な増大及び地域間における就業機会等の不均衡の是正を図るために必要な施策を実施する旨の規定を置くこととする。」と書いてあるわけでございます。この勧告に比べて極めてそっけないんです。 もっと具体的な内容を、労働省は雇用対策として地方に、府県にこういうことを期待するということについて、労働大臣の方から明確にお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 確かに雇対法の方では、法律本体では余り細目にまでわたって書いてございません。でありますが、先生も御指摘のとおり、都道府県を中心とするそれぞれの地方自治体における雇用対策、これは国が行うものと相まって大変に重要な位置づけは引き続きあるというふうに思っております。 具体的に期待をしておりますのは、例えば企業誘致であるとか創業支援を通じた雇用機会の創出であるとか、あるいはUターン希望者に対する企業・生活情報の提供。生活情報といいますのは、例えば子供の学校はどうするとか、あるいは住居はどうするというような話も含めてであります。それから、高齢者の多様な就業機会の確保であるとか、御指摘のありました障害者の自立の支援など、地域の実情、特性に応じた雇用施策を自主的に都道府県では実施していただくということを期待しておりますし、そう認識をしているわけであります。これからいろいろ御質問をいただくと思いますけれども、いろいろ支障が出ないような連携の工夫をしていきたいというふうに思っております。
○菅川健二君 具体的といいましても例示にとどまるわけでございますが、もう少し一つの類型的な体系の中で地方の役割を明確にしていただきたい、今後もそれをさらに進めていただきたいと思うわけでございます。 そこで、そうしますと、地方団体の施策に対してどういう陣容で、それからどういう人員で、そしてその財源措置はどうするかということになるわけでございます。もとよりこれは自治事務であるから御勝手にということになるかと思うわけでございますが、いずれにしても、雇用行政を担当しておる労働省としてそれについてどう考えるか。労働省としての考えをお聞きいたしたいと思うわけでございます。
○国務大臣(甘利明君) 引き続き都道府県が行う雇用対策についての位置づけはよく認識をしておりますし、先ほど申し上げたような点を期待しているわけであります。それから先の話になりますと、あとはそれぞれ都道府県が自主的、主体的にいろいろ判断をしていただくということでありまして、もちろん労働省も、できる支援の範囲は当然限られてきますけれども、雇用政策の専門官庁として、いろんな情報提供であるとか、あるいは可能な限りのいろいろのお手伝いを考えていきますが、基本的には、先生も最初に御指摘をされたとおり、自主的、主体的に都道府県がこれらのニーズ、必要性に応じて体制を組んでいただきたいというふうに考えております。
○菅川健二君 先ほど申し上げましたように、県の段階ではまさに雇用対策を支える人員が空洞化してほとんどいなくなるわけでございまして、仮に広島県にまた例をとらせていただきますと、どの程度それは今後必要になるのかと申し上げますと、大体十二、三名は要るだろうということでございます。したがいまして、現在四名おりますから、あと八名程度は増員しなければならないということでございまして、国はある程度スリム化しても地方の方はむしろ人員増をせざるを得ないというのが実態でございます。 またあわせて、いろいろ幹部としての判断業務をやっておる人たちは皆地方事務官で、いなくなるわけでございます。そうすると、なかなかそれについて、人員は仮に充足したとしてもすぐ役立つとは限らぬわけでございまして、そういった面でのやはり人的な配置の配慮といいますか、例えば経過的に国が専門職員を派遣するとか、派遣するといっても強制的に派遣するんじゃございませんで、地方団体の要請に応じて派遣するとか、そういった細かい配慮が必要ではないかと思うわけでございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(甘利明君) 行革は国もそして地方も同じ姿勢と熱意で取り組んでいかなければならないわけでありまして、私どもの方もかなり窓口業務で忙殺をされておりますけれども、行政改革の中で業務の濃淡をつけて必要なところに機動的に人員配置をしたいと思っております。ぜひ都道府県におかれましてもそうした地方行革の中で行政ニーズの必要性に応じて濃淡をつけてやりくりをしていただきたい。 ただ、その中で、御指摘のような雇用政策に対するノウハウを国のスタッフが主に持っている、そこでの人事交流が必要ではないかと。それはそのとおりだと思いますし、都道府県からの要請を踏まえてそうした人事交流に対してしっかりと受けとめていきたいというふうに思っております。
○菅川健二君 いずれにしても、空白が生じないように細かい配慮をお願いいたしたいと思うわけでございます。 それからもう一点でございますが、雇対法の規定にも書いてあるわけでございますが、国と地方公共団体との間で相互に連絡し及び協力するものとされておるわけでございます。労働大臣が本会議で答弁されましたように、常設の連絡調整の場を必ず設けていただきたいと思うわけでございますが、これについてはお約束いただけますでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 先ほど来御指摘をいただいておりますとおり、雇対法の改正では、国と都道府県はしっかりと息を合わせて対策に取り組め、あるいは協調して取り組むようにと法律上は書いてありまして、これを具体的に進めていく上で御指摘のとおり常設の連絡機関というのは必要だと思っておりますし、そういう方向で取り組んでまいります。
○菅川健二君 それからまた、職業紹介事務というのが全部国に引き揚げられますと、雇用対策の情報がほとんど地方になくなってくるということもあるわけでございます。そこで、職業紹介に関する情報等について、地方団体に対して積極的な情報提供をしていただくということが要るのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおりだと思います。常設の連絡機関あるいは通常業務の中でも積極的に情報の交換、提供をしていきたいというふうに思っております。
○菅川健二君 今、地方行政における雇用対策で大変な支障を来すんじゃないかというおそれが出てまいっておるわけでございます。 そこで、自治大臣にお聞きいたしたいわけでございますが、雇用対策におきまして地方団体の事務が大変大きな役割を果たすということについては、恐らく自治大臣も同意見だろうと思うわけでございます。それについての自治大臣の自治体の役割についての御見解と、そして財源措置は労働省に期待するといいましても、労働省は、恐らく補助金をつくってやるということはまた特別な補助金を新設するということで、余りいい状態ではないわけでございまして、当然、地方交付税とか一般財源措置でもってそれらをカバーしていくということがどうしても必要ではないかと思うわけでございますが、自治大臣、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(野田毅君) 雇用の確保というのは地方の経済を支える基本となるものでもあるわけでして、地域の雇用対策というのは今後とも地方団体にとって極めて重要な課題であるとまず認識をいたしております。 そこで、自治省としても、雇用対策における地方団体の役割の重要性ということにかんがみまして、これまで交付税措置で地域雇用対策費とか職業能力開発指導費とか職業能力開発校費等々を交付税の中で単位費用算定の基礎として計上いたしておるわけで、この点は今御指摘のとおりそういう一般財源措置という形で手当てをしてきておるわけであります。この点はこれからも非常に大事な地方自治体の仕事でありますから、当然このことも継続していくわけであります。 なお、先般、産業構造転換・雇用対策本部、六月十一日に決定されましたが、ここで盛り込まれた施策というのは、国、地方公共団体による臨時応急の雇用・就業機会の創出のための施策、こういうことであります。ただ、これも地方団体にも一定の役割を期待されておるわけですが、この点についての手当ては緊急地域雇用特別交付金ということで全額国費で対応するということになっておりますので、特にこの点では地方の財政に負担をかけるものではないと認識をいたしております。 今後とも、関係省庁と十分に連絡をとって、自治体の財政運営に支障が生じないように、そして同時に自治体の自主性が尊重されるように適切に対処してまいりたいと考えております。
○菅川健二君 今までいろいろ御答弁があったわけでございますが、基本的に今回の措置というのは、せっかく地方行政の中になじんでおるものについて、余りにも理念的にこれは国の事務だ、これは地方の事務だというものを分け過ぎてしまって、それで実態としてうまく一つの木として育っておったのが半分、半分といいますか、むしろ地方では空洞化してしまうわけでございます。そういった面で、大変雇用対策が重要なときに地方の雇用体制が完全に破壊される状況にある、そういう状況を認識されまして、国と地方は車の両輪であるという観点から、ぜひひとつ地方の雇用対策にも関係大臣の御配慮をよろしくお願いいたしたいと思います。 それから、若干時間がございますので総務庁長官に、暇そうにしておられますので、あすの予告編を含めまして少し国家公務員の定数の二五%削減と独立行政法人のことについてお聞きいたしたいと思います。 国家公務員の二五%削減につきましては、かねてから私、総務庁長官といつもやり合って、すれ違いばかりいたしておるわけでございますが、その後いろいろな方がこの二五%削減について質問され、また総務庁長官も御答弁されておるわけでございます。 いずれにしても、この数字というのはもともと出どころというものがいわゆる政治ベースの話でございますので、まず数字ありき、数字のつじつまをどう合わせていくかということで、余りにもハードルが高過ぎてそれに詰め合わせるものがなかなか見当たらないといいますか、やっと独立行政法人という抜け穴をつくって半分ぐらいをそちらの方に今のところ持っていって、これも私から言いますと、行政のスリム化という観点からすると全くそうならないわけでございまして、右のものを左に持ってくるだけでございます。これについて行政改革だ、行政スリム化の一環だと言われるのはまさにまやかしではないかと思うわけでございます。 したがいまして、それでは独立行政法人のスリム化なり効率化というのをどう図っていくかということが一つ大きな課題になるんじゃないかと思うわけでございますが、この点につきましては後ほどまた御質問するといたしまして、そのほかの残りは、今までお聞きしておりますと各省庁に約一〇%程度縮減を図っていくというふうな方策であるやに聞いておるわけでございます。 しかし、各省庁の中でも需要がどんどん膨らんでくるところと、例えば外務省とか、あるいは環境庁が環境省になりますから環境省とかそういったところと、必ずしも需要が膨らんでこないといいますか、どこも大切だと言うわけでございますが、そういったところはあるわけでございます。例えば国土交通省などにつきまして申し上げますと、従来から問題になっております補助金等の事務をがさっと廃止いたしまして一括交付金化いたしますと職員が三分の一ぐらい減るんじゃないかと言われるぐらいでございます。 そういった面でやはり地方分権との絡みで、足らず前といいますか、なかなかつじつまが合わぬ部分について思い切って措置をしていただくということも大変重要なことではないかと思うわけでございますが、その点、地方分権との絡みでの定数削減の問題についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(太田誠一君) お答えいたします。 よく御理解をいただきましてありがたいことでございますけれども、二五%の件につきましては、二五%という全体目標のほかに、基本法で十年一〇%というダブルで別の目標がかかっているわけでございまして、したがってその一〇%については、イメージをするのは新規採用の抑制でございます。十年一〇%はむしろ新規採用の抑制でもってやりたい。 独立法人についてのお話は、今とちょっと見解を異にいたしまして、それはそれで堂々たる私は一つのスリム化の条件になると思います。 地方分権でございますが、もちろん今の補助金も統合補助金のような形にいたしますと、その裁量といいますか判断の権限は地方の方に行くわけでございますから、その部分は当然中央の方はそれだけの人手は要らなくなるということになりますし、また規制緩和をやれば、当然細かい規制にかかわっていた方々は要らなくなる。あるいは審議会の整理を随分大幅にいたしますので、それぞれの審議会の事務に携わった方々は要らなくなる。あるいは課や局にかわって分掌官という制度を設けますので、分掌官は新たにそのために固定的な部下をつくらないということになりますので、それでまた削減ができるとか、さまざまな改革の余地はあるわけでございますので、そういうことでもって十分に私は目標は達成できるのではないかというふうに思っております。
○菅川健二君 これもたびたび申し上げておりますけれども、まず人減らしありきではございませんので、まず仕事減らしありき、それに必要なあるいはそれで不必要になった人員についてはそれなりの対応をしていくということをしっかり頭に置いていただきたいと思うわけでございます。 以上でございます。(拍手)
○委員長(吉川芳男君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(吉川芳男君) 速記を起こしてください。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 先日、小渕総理は地方分権問題について、この分権によって中央集権型行政システムを変革して、地方公共団体の自主性、自立性を高め、国と地方公共団体の関係は上下主従の縦の関係から対等、協力の横の関係に転換される、こういうふうに答弁しております。したがって、国の関与もこの関係を基本に据える、こういうことだと思います。 そこで、まず次の点について自治大臣に御確認をいただきたいわけなんですけれども、現行の地方自治法に技術的な助言または勧告というものがあります。従来、通達と言われるものは、この技術的な助言または勧告、こういうところに法的な根拠もありました。この通達が今度の地方分権一括法案でどのように変わるのかということについて、先日の十五日のこの委員会で自治大臣は大変すっきりと答弁いたしました。 その中身は、機関委任事務を廃止したので通達によって地方公共団体を拘束するという法律上の根拠はなくなったということ。そして、従来の通達の内容である種の拘束力を維持する必要があるという判断がなされる場合は、自治事務については法律または政令などで定める。そして、法定受託事務については、法律または政令などのほかに新しい処理基準で定める。さらに、自治事務に関しても、個別具体的な処理の内容について通達するというようなことはもうない、そして一般的な形、ルール化された形に移っていくということでありますと。こういうふうに答弁をされました。 すなわち、従来の通達はなくなる、そして法定受託事務は法律、政令、処理基準、これで行う。自治事務は、地方の判断で行うのが前提だけれども、国が地方に対してある種の拘束力を維持しよう、そういう必要がある場合、そういう場合には一般的なルール化された形での法律または政令で定めるんだ、こういうふうに答弁されておりますけれども、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(野田毅君) 大体そういうことなんです。もう一遍、大事なところですから、正確に申し上げたいと思います。 通達は、機関委任事務に係る包括的な指揮監督権を規定する現在の地方自治法第百五十条に根拠を有するものでありまして、機関委任事務の管理執行全般にわたり広く地方公共団体を拘束するものであるということがまず第一であります。今回の法案におきましては、この地方自治法の第百五十条そのものを削除するということにいたしておりまして、この通達によって地方公共団体を拘束する法律上の根拠は失われるということになるわけであります。 したがって、従来の通達の内容のうちなお拘束力を継続する必要のあるものについては、そのうち自治事務については法律または政令などに定め、法定受託事務については、これらに加えて、つまり法律または政令等に加えて、新しい地方自治法に基づく処理基準として定めるということになるわけであります。また、拘束力を維持する必要のないものについては、助言または勧告に移行することになるわけです。 一方、旧自治法といいますか、改正前の自治法で、団体事務について第百五十条の包括的な指揮監督権に基づく通達、いわゆる正式な意味での通達として地方公共団体に対して発出するということはこれまでもなかったものであると我々は認識しております。 ただ、通達という俗称といいますか、そういう俗称の中で法律的な意味での通達ではないものが通達という名前においていろいろ行われておったので、その辺が多少現場において混同されて、結果として団体事務について、今で言う自治事務ですが、そっちについてまで通達行政が行われたというイメージがあったのではないかというふうに考えております。 なお、現在地方公共団体に対する助言として行われております通知につきましては、従来どおり助言として位置づけられるものであるというふうに考えております。
○富樫練三君 そこで、建設大臣に伺います。 例えば今、全国の約半分の地方自治体では、宅地造成やマンション建設などから周辺住民の環境を守る、こういうことで開発指導要綱を独自につくっているわけですけれども、この開発指導要綱は、都市計画法や建築基準法では環境を守り切れない、こういう部分を今までもカバーしてまいりました。 ところが、今まで建設省や自治省がこの開発指導要綱の見直しの通達、いわゆる通達というんですね、今までは通達いろいろありましたけれども、文書で出されるのが大体みんな全体として通達と呼ばれていたわけですけれども、一九八二年、昭和五十七年以来、毎年のように出してまいりました。その通達では、地方自治体の行政指導が行き過ぎている、こう言って、例えば宅地開発の場合、道路幅員は六メートルは広過ぎるとか、あるいは緑地公園は三%以上を求める、あるいは道路や水路、雨水の調節池、こういう整備を抑えろとか、あるいは文化財の発掘と開発を同時に進めろとか、開発やマンション建設についての周辺住民の同意は必要ないとか、周辺住民の環境破壊を防止するための自治体の独自の規制を取り払うため、こういう通達が出されておりますけれども、これはきょうお手元に資料として一連の通達をプリントしたものを配らせていただきました。 従来のこの開発指導要綱を見直しなさいという通達は、法律上の根拠はどこにあったんですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) この宅地開発等の指導要綱でございますが、これは地方公共団体が開発者の負担等について独自に定めた行政指導の基準でございます。したがいまして、これは独自に地方公共団体がつくったものでありまして、現在、全市町村の約半数において制定をされておるわけでございます。 それで、いろいろな通達があるとおっしゃられましたが、指導要綱は良好な都市環境を形成する上で一定の役割を果たしてきたところでございますが、反面、御指摘もございましたが、使途等の不明確な寄附金を求めるなど、開発者に対して過重な負担を課す行き過ぎるところがあったことも事実でございまして、そういうところは、建設省といたしましてはその行き過ぎた指導要綱の是正について、そのときに通達により指導を行ってきたところでございます。 地方分権のこの法律に、これは、地方分権推進計画においては、法令に基づいて処理される自治事務に係る基準のうち、必要なものは、通達によらず、今後は法律またはこれに基づく政令で定めるということにいたします。
○富樫練三君 従来、機関委任事務であった建築確認事務やあるいは開発許可の事務、これについては今度自治事務になる。その自治事務に対して国の意見を言う場というのはいろいろあるんですけれども、基本的には通達ではなくて今度は法律あるいは政令に基づいてルール化されたものとしてやると。従来ありました開発指導要綱などの、これは法律行為ではありませんから、法律の枠の外で、それに上乗せというか横出しというかそういう形でやっていた本来もともとの自治事務なんですね。地方自治体の固有の事務としてやっていたものですね。これは引き続き自治事務になるわけですから、そうしますと、従来の通達とかそういうものではなくて、同じようにやっぱり法律または政令、こういうことでやると。国の方が、どうしても一定程度拘束しなければならない、こういうときにはそういう方法できちんとルールを定めて拘束するんだ、こういうふうになったわけですね。 ということは、建設大臣、今度はこういう開発指導要綱というのは通達として出すということはなくなりますね。
○政府委員(木下博夫君) 先ほど大臣からお答えいたしましたように、今までの経緯はそうでございます。 御質問がありました件は、お話のございましたように、それぞれ指導要綱の中で決められておりますのは、法律に基づいて、例えば先ほど御紹介のありました幅員六メートル以上の道路とかそういうようなものについては、特に規定上は開発許可の際には必要としておりませんので、そこを超えることについてはむしろ一種の法令で定める基準を超える行き過ぎた行政指導ではなかろうかと我々考えております。こういうものについては、今お話にございましたように、本来の趣旨として、いわば高度成長期に宅地造成をやる際、いろいろ地元としてのお困りになったこと、あるいは開発者に対して負担をさせるということの一定の効果は一方ではありますけれども、今お話ししましたように法令のいわば基準を超えるという点ではいささか問題もあろうかと思っておりますので、それらについて国が必要な助言を行っていくということについては、通知の世界としては当然あろうかと思いますし、指導要綱の見直しの通達を今後引き続きそれは私たちとしては考えていきたいと思っております。
○富樫練三君 そうすると、結局、今度の新しい法律でも助言、勧告という名のもとで従来の通達はなくならない。 建設大臣が行う助言、勧告、この法律上の基準は何ですか。どういう場合に助言、勧告をするのか。今あったのは、幅員六メートル以上を求めるのはそれは法律を超える無理な要望だから、それは法律から外れるから、そういうときに通達を出すんだと、今後は。こういう意味として理解してよろしいですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 例えば、都市計画法に基づきます宅地等の開発許可制度について、法令に基づく許可についての基準を定めた通達などについては廃止等を考えております。廃止をやりたいと思っておるわけでございますが、一方、指導要綱の中には法令で定める基準を超える行き過ぎた行政指導の基準を定めているものもありまして、これらについては、国民に良質かつ低廉な宅地を供給する観点から国が必要に応じ適切な助言等を行っていく必要があると考えておりますから、この場合は指導要綱の見直しの通達を廃止するということは今度は考えていないところでございます。
○富樫練三君 それはちょっと違うんじゃないかと思うんですね。今度の新しい法律の二百四十五条の四、ここで助言、勧告ができるということになっておりますけれども、その基準というのは、「普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告」、こういうふうになっているんですね。したがって、その通達を仮に出す場合、あるいは助言、勧告をする場合の基準というのは、適切と認める場合なんですよ。ということは、不適切な状況があって適切にしなさい、こういうことですよね。 ですから、その地域によって、例えば幅員六メーターの道路が必要であるとか、取りつけ道路は一カ所じゃなくて二カ所必要であるとか、土地の高さはこのぐらいにしなさいとか、こういうことを決めるというのはその地域地域によって状況が違うんですよ。そういう状況に合わせて開発指導要綱をつくって、これで規制をしながら良好な住宅環境を守る、こういうふうにしているんですね。これを国の方が一律に、例えば道路法でいえば道路は四メーターなんだから四メーターあればいいじゃないかと、こういう形でその通達をもって見直しを迫るというのは、これはむしろ適切なものをつくろうということに対して不適切なものをつくろうという方向に逆に進むんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(木下博夫君) 確かにおっしゃるように、国民に対して良好な宅地を供給していくということは、業者もそうでございましょうし、その取りまとめをする公共団体も、当然先生がおっしゃったようなスタンスでこれまでもやってきたと思います。これからもそうであろうと思います。 ただ、例に出された道路の幅員もそうでございますが、私どもいろいろ調査を過去にもやってまいりましたけれども、例えば収支あるいは使途、こういうものを明確にしない、多額の寄附金を要請するとか、そういうものについては、あくまでもやはり法律で決められた開発許可以上のものでございますから、それについては、ケースはいろいろございましょうけれども、考え方としては、法令で定められた基準についてはおっしゃられるようにきちっとした政省令で決めるべきであろうと思いますが、それ以上のものについては、やはり今後とも指導要綱等に対しての助言は私たちはやっていく必要はあろうかと思っております。
○富樫練三君 建設省から出されております開発指導要綱への通達の中身を見ると、皆さんのお手元にも配ってありますけれども、実は経団連から再三にわたって国に対して要請が来ているんですね、要望が出されているんですね。その内容を実は通達として地方自治体に発している。これがほとんど同じ中身ですからね。 要は、良好な住宅環境をつくると言いながら、経団連あるいは建設関係の業者、業界から国に対して要請されれば、それに基づいて、それを焼き直して、地方自治体に対して通達で規制を緩めろ、こういうことなんですね。その中心になっているのが寄附金を廃止しなさいということなんだと思うんですね。 その取り扱いの仕方などについて自治省からも通達が出ているわけなんですけれども、結局は、もともとはといえば、財界の方から要求されたことを国を通じて地方自治体に渡す、通達を出す、そのことによってむしろ環境を守るということがなかなか守りにくくなる、こういう役割を果たしているということがはっきりしているわけなんですね。 この通達の問題については、今度の地方分権推進委員会、こういう中でどういうふうに言われているか。例えば全国知事会の方から、こういうふうに言っているんですね。国の関与がなくなれば首長も市民の方にもっと顔を向けられるようになり、もっと住民の意見を吸収できるようになる、住民参加なくして自己決定、自己責任という議論はできないと言っています。 この点から判断して、例えば今までの開発指導要綱に対する通達、行き過ぎがあったのではないかというふうに私は思うんですけれども、その点は大臣どうですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 行き過ぎがあったというのは、どこで線を引くかということで判断も違ってくると思いますが、いずれにいたしましても、こういう通達というのは何も経団連の意見をそのまま横流しにしておるわけでは決してありませんで、建設省といたしますれば、地元のことは地元の方がよく御存じでございますから、そういうようなこともいろいろヒアリングした上で、こういうことはこうすべきだという、よかれと思ってやっておるわけでございますから、私は行き過ぎたことがあるとは認識をいたしておりません。
○富樫練三君 一九九五年、平成七年十月に地域づくり部会と合同で開かれました地方分権推進委員会の第十二回会議の議事録の詳細版、これを見ますと、この会議では地方公共団体からのヒアリングとして全国知事会、市長会、町村会の代表から意見聴取が行われております。 この中で全国知事会の代表が、「地元調整がこじれ国に裁定が持ち込まれるケースもあり得るがごく少ない。国が画一的な基準を押しつけてくるため時間がかかるという例の方が、はるかに多い。通常長くかかるのは、法律以外の通達等による行政指導の行き過ぎによるというのが実態。」、「法律を改正する必要もあるが、法律以上に通達とか指示とかいろいろな関与によって、がんじがらめにされている面も多すぎる。」、こういうふうに言っているんです。そして、全国市長会の代表は、「都市計画は、原則市町村決定とし、開発行為の許可等の規制も市町村の権限とすべき。」、こういうふうに言っているんです。 だから、行き過ぎだと言っているのは私が勝手に言っているんじゃないんです。全国知事会が行き過ぎだと、こういうふうに言っているんです。どうですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 行き過ぎであったかどうかということ自体は別といたしましても、いずれにいたしましても私はそういうことはなかったと確信をいたしております。そして、委員御指摘のように、今後は市町村が中心的な主体となっていろいろな計画を決めていただくように進めてまいります。
○富樫練三君 建設大臣は五月三十一日、記憶にあると思うんですけれども、衆議院の答弁の中でこういうふうに言っているんですね、この開発指導要綱の問題について。「それがそのまま今後」、それがそのままというのは今までの開発に関する通達ですね、そういう通達が「引き継がれていくというわけではありませんから、」「今までと同じ数のものが発出されるとは私は思いません。」、「地方の方々のるる御意見を伺うというのは、これは当然のことでもございますし、」「意見を聞くとそれだけ時間がかかるからそういうことをやめろなんということは、それはあり得ませんでしょうし、」というふうに答弁しているんです。 ですから、問題は技術的な助言及び勧告、これに基づく通達の類が今までのように出される、こういうことになれば結局のところは上からああしろこうしろ、上乗せ、横出しはだめだ、単独事業はだめだ、単独で上乗せしたりするのはだめだと、こういうことでは一番最初に私が申し上げました総理が言っている上下主従の関係、これはなくならないんです。縦の関係はそのままになるんです。 総理の言う対等、協力、横の関係というならば、この助言、勧告、これについては自治体の側から国に対して求めがあった場合に専門的な立場や専門的な知識、そういう立場での助言をする、そしてその上で判断は地方自治体が行う、こういう制度に中身をしていかなければならないというふうに思うんです。そうやってこそ初めて地方分権と言えると思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 五月の私の答弁はすばらしい答弁だと今再度認識をいたしたところでございまして、私はそういうふうにすべてのことがずっと流れていっておると思いますよ。これからは、市町村の定める都市計画の範囲なども大幅に拡大しておるわけでございますから、自然的にというと的確でないかもしれませんけれども、地方分権ということでそちらの方向にすべてが動いておるわけでございますから。 例えば市町村道にいたしますと、今までは幅員が十六メートル未満ということであったわけでございますが、それは四車線に満たないものにするとか、公園緑地あるいは広場、そういうようなことになりますと、四ヘクタール未満というのを、それを広くしまして十ヘクタール未満までを市町村が定めることができるというふうに改正をするわけでございますから、先生の御指示の方向に進んでおると私は認識をいたしております。
○富樫練三君 時間が余りありませんので次に進みますけれども、国から地方自治体への職員の出向の問題についてです。 この問題は、今までもたびたび議論されてまいりました。その中で、この間の議論をずっと議事録等を見ますと、長期間にわたって地方自治体の固定したポストに継続して出向する、これをよしとする大臣は一人もいないんです。中には、二年前の自治大臣はこの出向人事の問題について、同じポストに連続して自治省から出向することはするな、こう言って、どうしても例外をつくってくれと言うのでございますが、例外はつくらぬと、少なくとも私が大臣のときは例外は一つもつくるなということで今指導しているところでありますと答弁した大臣もいらっしゃいました。 ところでこの問題は、昨年の五月閣議決定をいたしました地方分権推進計画、この中ではどういうふうに位置づけられておりますか。
○政府委員(中川良一君) 昨年五月二十九日の閣議決定、地方分権推進計画におきましては、「国と地方公共団体との人事交流については、相互・対等交流の促進を原則として、交流ポストの長期固定化により生ずる弊害の排除に配意しつつ、人事交流を進めることとする。各省庁は、毎年度、それぞれ行われた人事交流の人数、相手先、ポストの実績をわかりやすい形で公表するものとする。また、地方公共団体に対して、国に準じ、必要な措置を講ずるよう要請する。」というふうに記述されております。
○富樫練三君 要するに、長期固定化により生ずる弊害の排除、こういうことを分権の計画では言っているわけですね。 総務庁長官に伺いますけれども、長官が決定する人事管理運営方針というのがありますね。この中では、この長期固定化のポスト、特定のところに特定の省庁から交代交代で出向する、このことについてはその運営方針ではどういうふうになっていますか。
○政府委員(中川良一君) 平成十一年度における人事管理運営方針におきましては、国と地方の人事交流につきまして、国と地方公共団体の関係は対等、協力が基本であること、及び国の職員の地方公共団体への出向については、各方面でさまざまな指摘のあることを踏まえ、相互・対等交流の促進を原則として、以下の点に留意しつつ、各地方公共団体と十分協議して行うというふうに述べておりまして、今御指摘の部分につきましては、「特別職に属する職、専門性の高い職など特別な理由があるものを除き、地方公共団体の特定ポストに特定省庁からの出向者が長期間続くことによる弊害が生ずることのないよう配慮を求めること」というふうに記述しております。
○富樫練三君 そうすると、推進計画でも総務庁の方針でも、どちらも特定ポストに長期固定的に出向するのは弊害があるとどちらも認めているんです。 その弊害とは具体的に何ですか。どういうことが弊害ですか。
○政府委員(中川良一君) 一般的に、国から地方公共団体への出向につきましては、まずは各地方公共団体の実情に応じてその要請に基づいて行われているものでございます。 しかし、地方公共団体の特定ポストに特定省庁からの出向者が長期間続くことにつきましては、それによりまして当該地方公共団体の自主性が損なわれたり、あるいは地方公共団体の職員の士気の低下につながるおそれがあるといったような指摘もあるところでございまして、そういうことを踏まえて先ほどの人事管理運営方針の中に方針を定めているところでございます。
○富樫練三君 そうすると、特定ポストに長期間にわたって出向するということは、自治体の自主性をゆがめたりあるいは士気をなくさせたりということ、これは分権の方向とは全然違いますよね。自主性をちゃんと尊重しようというのが分権の基本的な考え方だと思うんです。 ところが、そういう中で、実際には実態はどうなっているのかという問題なんですけれども、昨年三月の予算委員会での当時の自治大臣の答弁が実態を極めてよく物語っていると思うんです。 地方自治体の特定ポスト、そこが国の出向の指定席になっているのではないかと、こういう質問に対して時の自治大臣がこう答弁しているんです。自治省としては指定席はつくりません。また、つくれるものじゃございません。それを受け入れるのは都道府県であり、市町村でありますからと。それで、政府として総務庁長官が示された方針、先ほどの運営方針、これはもう守らなければなりませんと。自治省としても同一ポストには出向させない、この原則を持っております。しかし、県でありますとか市でありますとか、その原則を伝えてお断りしておるにもかかわらず、直接強い要請があれば、それは任命権者、すなわち都道府県知事とか市町村長の求めるところによっておこたえをしたということでございまして、政府の方針を破ったわけでもないし、指定席をつくってそこへ派遣させたわけでもない。こういうふうに答弁しているんです。 結局、総務庁の長官がそういうことはやめなさいということで全体に流しても、個々の大臣が直接来られればそこに人を派遣するんだということで、これじゃしり抜けじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(太田誠一君) お答えいたします。 この人事管理運営方針はもちろん総務庁長官の決定でございますけれども、先ほどのもう一つの地方分権推進計画あるいは中央省庁等改革の推進に関する方針も全閣僚でいたしておりまして、ほかならぬ今言われました閣僚もその中に入って決定に参加しておるわけでございますので、それはそういうふうに、各大臣においてそのように御判断し、またそのようになされることだと考えております。
○富樫練三君 全閣僚に徹底していると言うんだけれども、約束を守らない、あるいは総務庁長官の言うことを聞かない、そういう閣僚がいるということですね。一つ一つ挙げればたくさんあるわけなんですけれども、時間がないので個々に挙げません。 それで、調べてみました。それがこのパネルです。(図表掲示) 一番下のところに、全省庁からの出向合計というのが七百五十二人です。ただし、これは警察庁を除いてあります。それで、四十年以上同一ポストに継続して出向しているというのが農水省に二名。三十年以上が農水省七名、建設省二名。二十年以上というのが、自治省六名、建設省五名、農水省三名、合計十四名。十年以上というのが、十四名、二十九名、六名、合計四十九名。したがって、合計十年以上同じポストに二、三年ごとにどんどん人を派遣している、帰ってきたらまたその同じポストに行く、こういうところが全部で七十四人いるわけなんです。各省庁全部あるわけですけれども、多いのが自治省、建設省、農水省、こういうふうになっております。 ですから、農水大臣に伺いますけれども、この中で四十年以上同一ポストに農水省から二人行っていますけれども、これはどこの県の何というポストですか。個人の名前は要らないですから、そのポストを言ってください。
○国務大臣(中川昭一君) 四十四年というのが石川県の農林水産部農政課長であります。それから、四十年というのが石川県農林水産部水産課長でございます。
○富樫練三君 四十四年が農政課長で、四十年が水産課長だ、こういうことなんですね。 県の課長といえば、その県のその分野で、第一線で一番頑張っている人だというふうに私どもは思っているんですけれども、国から四十四年も継続して切れ目なく人が行くというわけですから、この方は農政課長でありますから、恐らく石川県の農業というのは非常にすばらしいんだろうと、四十四年も行って頑張っているわけですからね。それで、石川県の農業の状況をちょっと調べさせていただきました。 耕地面積は、四十年前が七万一千百ヘクタールであったのが昨年は四万七千二百ヘクタールに減っております。三三・六%農地が激減しているんですね。これは、新潟を含めた北陸四県の中で一番農地が減っているんです。 農業の就業人口はどうか。三十年前には十一万四千四百人であったものが昨年三万八千三百人、何と六六・六%、三分の二も減っているんです。これまた北陸四県の中で最悪。 減反はどうか。二十年前に減反面積が三千三百十ヘクタールであったものが、ことしは一万二千ヘクタール、これも北陸四県の中で一番減反率が高い。 農水省から行った課長が一人で石川県の農業をだめにしたというふうには私は思いません。一人でやったとは思わない。しかし、四十年も行っていて、これはきっと、今、国の農業政策というのはまさに農業破壊を進めているわけですけれども、長期間固定ポストを独占して国の農業破壊政策を進めている、こういうふうに言われても言いわけができないでしょう。県民にとっては甚だ迷惑な長期固定ポスト、こういうことになっているわけなんですね。これこそ分権推進計画や総務庁の言うポストの長期固定化により生ずる弊害そのものではありませんか。農水大臣、どうですか。
○国務大臣(中川昭一君) まず、お言葉ですが、国が農政破壊を進めているということに関しては、私は全く納得のできない御発言だと思います。 石川県は、半島そしてまた中山間ということで、非常に農林水産をめぐる情勢は厳しいわけでございます。そういう中で、先ほど答弁がありましたように、石川県の方から自主的に担当の専門性の高い職員を派遣していただきたいということでございますので、石川県の農林水産振興のために一生懸命職員が頑張っているということを御理解いただきたいと思います。
○富樫練三君 大臣は農業振興のためにと言いましたけれども、実態は私が言ったとおりなんです。あれは農業振興とはだれが見ても言えません。 ところで、自治大臣に伺います。自治省の職員定数は何人ですか。
○政府委員(嶋津昭君) お答えいたします。 平成十一年度末の自治省の職員の定数でございますが、本省で四百二十八名、消防庁百六十一名、合計で五百八十九名でございます。
○富樫練三君 五百八十九人。自治省から出向している職員、二百四十人なんですね。そうしますと、職員の定数が五百八十九で、二百四十人が出向している。その出向した人というのは、きっと一たん退職をされて、それで地方に行って再就職というか、こういうふうになっているんだと思うんです。ですから、その二百四十人というのはこの五百八十九の定数の中には入っておりませんよね。きっと入っていませんね。 ところが、先ほどみたいに十年以上もずっと固定したポストに行っているということになれば、あるいは二百四十全部入れてもいいですけれども、出向している人は二百四十人いる。そのほかに五百八十九ですから、いずれこの人たちは戻ってきますよね。戻ってくるということは、きっとそのかわりまただれかが行きますよね。帰ってきたら別の人が行く。そうすると定数の枠は、地方のポストも含めた、合計すると八百を超えるのだろうと思うんですけれども、そういうふうに実態はなっている。ただし、もちろん人件費は地方自治体持ちですよ、その人たちは。こういう格好になっているんじゃないですか。実態はそういうことだと思うんですけれども。
○国務大臣(野田毅君) 正確な数字は事務当局から補足答弁させたいと思いますが、一方で地方自治体から自治省に出向して、自治省の職員として仕事をしてもらっているという方もあるわけです。そういう意味で相互交流といいますか、人材の育成というようなこともあり、そういう意味で何といってもそれぞれ地方公共団体の任命権者自身の強い要請ということを受けて、その上で、協議をした上で事柄は行われておるという、これは偽らざる実情だと思っております。
○富樫練三君 それは先ほども答弁ありましたけれども、地方自治体からの要請に応じてやっているんだと。地方自治体からの要請に応じたとは言っても、このように十年以上の人が何せ四十九人もいるんですよ、この三つの省だけでね。ですから、向こうの方から要望があったとしてもそれはやっちゃいかぬ、本来こういうことなんだと思うんです。 そこで伺いますけれども、かつて白川自治大臣はこういうふうに言っているんですね。「自治省は約半数近くの職員を地方自治体に出向させているというか出向しているというか、人事交流をいたしているわけでございますが、率直に申し上げまして、他の省庁のことはいざ知らず、一部の県などにおいては事実上指定ポストになっている。こういう弊害が現実にあるものでございますから、」と言っています。ですから、こういう実態は前々からずっと変わっていないんですよ。 ぜひ、この問題を解決しなくちゃ地方分権と言えないと思うんですけれども、今度の地方分権推進計画で決めたその弊害をなくそうという方針、これは分権一括法案が提案されておりますけれども、その中で、あの推進計画で決定した中身、これは法律上はどういうふうに具体化されておりますか。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 地方分権推進計画は閣議決定がなされているところでございまして、この人事交流につきましては人事運用の一環として行われておりますので、法律上の手当ては必要ないということでございます。
○富樫練三君 要するに、そうすると総務庁長官が決定したあの運営方針ですよね、運用としてやっているということは、法律上はこれは全く歯どめがない、これが今度の分権一括法案の中身だというふうに言えるんですね。 地方からの要請にこたえるもの、こういうふうに言っておりますけれども、十年以上も四十年以上も継続して出向すること、これがたとえ地方の要請だとしてもやってはいけないことだと思うんです。弊害が生まれる、こういうふうに言ったのは政府自身じゃありませんか。 この出向という制度、これが事実上地方自治体を支配、統制する、そういう手段になっている、こういうわけであります。分権と言うなら、こういうことをまず直ちにやめるべきだというふうに思います。 さて、時間がなくなってまいりましたけれども、最後に法務大臣に伺います。忙しいところありがとうございます。 登記所での登記件数、これは一九七〇年代には約二億件あったんです。これが一九九五年には五億四千万件、二・七倍にも増加しているんです。職員はこの間どのぐらいふえたかというと、二〇%しかふえていない。法務局では、登記以外にも人権擁護や戸籍事務など、ここでも人員不足、これは深刻であります。これでは国民の期待にこたえられません。 法務省自身も数千人の人手不足、これを認めております。特に、衆参法務委員会では一九八〇年以来十九年間にわたって毎年人員の大幅増員の請願、これが全会一致で採択されております。これは国会の総意に基づく決議でありまして、いささかもおろそかにされてはならないものであります。 これからの概算要求、そして予算折衝、こういう中で大幅増員が必要だと考えますけれども、まずは法務大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(陣内孝雄君) 金融破綻問題の処理等に関連した不動産登記事件の増加など、法務局の所掌事務の大半を占める登記事務は、今、先生御指摘のように、依然として高水準を維持しております。こういった業務の適正な処理のためには、コンピューター化及び登記所の統廃合を推進するとともに、あわせて人的体制の整備充実を図っていく必要がある、このように考えております。 現在、国家公務員の定員をめぐる情勢は極めて厳しいものと承知いたしておりますが、行財政改革の要請にも配慮しつつ、適切に対処していく所存でございます。
○富樫練三君 今の大臣の答弁では、国民が要望しております登記所での混雑ぶりや必要以上に時間がかかるこういう問題が解決されるというふうには残念ながら感じられませんでした。 実態は、昨年来、行革、省庁再編の名のもとに数十年ぶりに純減、純増じゃなくて純減、こういう厳しい状況になっているわけなんですね。省庁再編では公務員を二五%も削減すると言っておりますけれども、まさにとんでもないことであります。 登記業務のコンピューター化、これによって省力化をして、それで人手を確保しよう、こういうことも言われておりますけれども、これは人員削減の理由にはならないわけなんです、減らす理由にはならないんですね。 それはどうしてかと言いますと、コンピューター化によって省力化が行われるわけですけれども、ここで新たに生まれる人員というのは、今までの不足分を補うこと。さらに、いわゆる法十七条地図、詳しい地図、公図ではなくて、公図はかなり大ざっぱですけれども、正確なやつ、こういうものの整備。これは大変時間がかかるものなんです。あるいは、二割程度しか実施されていない現地調査、本来ならば登記所の皆さんが現地も当たって調査してつくっていくわけなんだけれども、実際には二割ぐらいしかやられていない、こういう状況なんですね。 しかも、法務局では、登記だけではなくて人権擁護の問題、国民の基本的な権利を守る、こういう大事な仕事があります。人権擁護に真剣に取り組む、そういう点からも人権擁護局の抜本的な強化、そして人員の増を図らなければならないと思うんです。さらに、成年後見制度が確立されれば登記の仕事が増大いたします。高齢化社会の進展に伴ってこれらの諸制度運用に遺憾なきを期する、こういう点から見ても、職員の確保は絶対的であります。 あわせて、出入国者が非常にふえているというのも実態であります。これは入国管理やなんかで、例えば国際化がどんどん進んで日本の出入国者は一日平均十万人に達しよう、こういう状態であります。外国人の入国者数は、一九七五年と比べると実に五倍、年間四百万人を超える、こういう状況であります。そして、その一方で、日本人の出国者、外に出ていく人、これは一九七五年に比べると六・四八倍、こういうふうにふえていて、今、年間約一千六百七十万人が海外に出かけている、こういう状況であります。そういう中にあって、ここの事務も大変な事態になっているわけなんですよ。 ですから、二五%削減どころではなくて、こういう分野については大幅に、法務省自身も数千人足りない、こう言っているわけですから、ここのところはぜひとも大幅にふやさなければ国民に対するサービスが確保できないところまで深刻になっている。こういう実情を法務大臣はよく御存じだろうと思いますので、ここのところについての改善をしっかりやっていただく、その決意を最後に言っていただきまして、私の質問を終わります。どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(陣内孝雄君) 我が国の急速な国際化に伴いまして、今、委員御指摘のような入管業務が大変ふえておることはそのとおりでございます。したがいまして、入管局の人員体制の整備充実につきましては、我が国と諸外国との間の健全な国際交流を推進し、出入国管理行政に係る諸問題に的確に対応していくため、国家公務員の定員をめぐる極めて厳しい情勢を踏まえながらではございますが、適切に対処していく所存でございます。
○委員長(吉川芳男君) 時間です。
○富樫練三君 終わります。(拍手)
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 昨日に引き続いて、きょうは地方分権の各論にわたる分野を幾つか質問いたします。 税財源の地方への移譲を含む徹底した地方分権の推進というのは、私はかねがね我が国の成熟した民主主義社会をつくる上で極めて重要であるということを言い続けてまいりました。 ところで、現在審議が進められております地方分権推進一括法案は、四百七十五本の個別法の改正を含む大変膨大な内容になっております。 この地方分権の推進ということでありますが、一方で、地方自治法の改正において、法定受託事務やあるいは自治事務に対して、従来の総理の非権力的な関与から、今度はまた各担当大臣が直接権力的な関与をする、すなわち国の自治体に対する、自治事務に対する国家的な関与が強まるのではないか、こういう危惧をするような内容もあるわけであります。 また、地方事務官制度の廃止の問題については、これは地方事務官として残すべきだ、私はこういうふうに考えておりますが、国会に対しても百二十四万人を超す方々からの請願も寄せられた、こういうふうに聞いておるわけであります。中央省庁のスリム化や地方分権の推進という視点で、現在の改正法案は地方事務官制度の問題についても見直しが必要である、私はこういう考えに立っております。 一方で、米軍用地収用特措法の再改正問題がございます。これはまさに地方分権の名による総理大臣の専権的な米軍基地の確保、強制収用を認めるものであって、分権の推進どころか、むしろ集権の強化だ、あるいはまた米軍用地収用特措法が実質的に適用される沖縄の立場からいうと、分権の名による新たな沖縄の差別、こういうものであるというふうに私は考えるわけであります。 それで、以下具体的な質問をしますが、最初に厚生大臣にお伺いいたします。 厚生労働省設置に伴う新たなブロック機関として地方厚生局が設置されることになりました。現在、厚生省のブロック機関として国立病院や国立療養所の経営指導、監査、政策医療に関する業務を中心とした地方医務局が設置をされております。今回の法案では、この地方医務局と麻薬取締官事務所を統合し、地方厚生局として新たなブロック機関が設置されることになるわけであります。 現在、地方医務局で担っている国立病院の経営指導、監査、政策医療については、平成十六年度中に国立病院等が独立行政法人へ移行することとなっており、その場合に地方医務局としての使命、役割はかなり縮小されることになることが予想されます。それから、現在の地方医務局と麻薬取締官事務所の設置箇所は必ずしも一致しておりません。沖縄にも麻薬取締官事務所の支所がございます。 こうした平成十六年度中にその使命の大半を終える地方医務局と、港町を中心に行政執行している麻薬取締官事務所を統合することについて、大臣に対して二点お伺いいたします。一点目は、行政分野、行政の性格が異なるブロック機関を統合して地方厚生局を設置する必要があるのかどうかお聞きをしたいということと、二点目は、仮に地方厚生局を設置する場合、ブロック機関の設置されていない県にある麻薬取締官事務所の分室に支局を設置するなどの対応がなければ行政の非効率が生ずると考えますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今回の中央省庁等の改革におきまして、企画と実施の分離の観点からいたしまして、本省の事務を可能な限り企画立案に特化していくと。そして、地方支分部局につきましては省ごとに可能な限りブロック単位で総合化するということで国の行政組織の減量、効率化を推進する建前といたしております。 これを踏まえまして、今御指摘のように、厚生省関係の地方支分部局の整理合理化につきましては、今ブロックであります地方医務局の機能、それから地区の麻薬取締官事務所の機能を統合すると同時に、また検疫所の管理業務の一部も移管してブロック単位の地方厚生局を設けることといたしました。 同時にあわせまして、従来本省において行われておりました実施事務のうち、医療監視でありますとか薬事監視事務等、あるいは都道府県単位で実施されておりました健康保険組合等の指導監督事務を地方厚生局に担わせることといたしたわけでございまして、そうした統合の必要性から設置をいたしたものでございます。 なお、ブロック機関になりますと、現在の配置と必ずしも全部一致しているわけではございません。しかし、こうした地方厚生局が機能的に行われるためには、あるいはその細部の組織についてはさらに統合化あるいは検討をする必要があろうかというように思っております。
○照屋寛徳君 この地方厚生局設置に伴って健康保険組合の指導監督等の事務が地方厚生局へ、従来都道府県でやっておったのが地方厚生局へ引き揚げられるわけでありますが、これは引き揚げ後このブロック内へ赴いて指導監督をしなければならない、こういう非効率が生ずることも考えられるわけですね。それなら行政改革に逆行するのではないかというふうにも思われますが、ブロック内における指導監督のあり方、この点についてちょっと大臣に。
○国務大臣(宮下創平君) 従来、都道府県の保険・国民年金主管課等で行われておるものでございますが、健保組合とか厚生基金等の指導監督事務等でございます。具体的には、組合あるいは基金の規約変更等の認可事務、あるいは組合、基金への実地指導監督等でございますが、これは各県によって健保組合その他の数等も違いまして、非常に少ないところもありますし多いところもございます。そういった事情を勘案して、ブロック別にこれをまとめていった方がより効率的ではないかという配慮に基づくものでございます。
○照屋寛徳君 それから厚生大臣、今回水道法の四十条二項、三項が改正をされます。この改正の目的及び改正に至る背景、事情について御説明をいただきます。
○国務大臣(宮下創平君) 御案内のように、水道法四十条に基づきます水道水の緊急応援ということでございますが、これは災害時等非常の場合におきまして国民の生活に必要不可欠の水道水の必要量を供給するために都道府県知事が水道業者に緊急応援を命ずることができる旨を規定してございます。これは従来機関委任事務でございましたが、今回自治事務にいたしております。 これは四十条の一項に規定するところでございますけれども、今回新たに厚生大臣の権限を国の直接事務として規定いたしました。それは、国民の生命とか健康に重大な影響を与えるおそれがある場合とか、被災都道府県において事務を行うことができないと厚生大臣が認める場合に限定いたしまして、厚生大臣が都道府県知事のかわりにその事務を行うことができることとしたところでございます。 この趣旨は、阪神・淡路大震災等におきまして県も災害を受け、県におきまして水道水の緊急応援の事務を執行することが困難となった経緯等を踏まえまして、そのような場合に厚生大臣が都道府県知事にかわってその事務を行うことによって国民の生活に不可欠な水道水の供給に支障がないようにしようとするものでございまして、二項以下は国の直接事務として規定をさせていただいたところでございます。
○照屋寛徳君 水道法四十条の三項で、自治体が給水義務を尽くさない、拒否したような場合に国が直接給水ができる、こういうふうな新しい規定になっておるわけでありますが、かつて復帰直後、沖縄の市町村で自衛隊の艦船への給水を拒否するということがございました。また、アメリカ海兵隊が多くの県民が節水、断水で困っておるのに基地内へ優先的に給水をしてくれということを県に申し入れたような事件もございました。今度の水道法四十条二項、三項というのは周辺事態法の九条で言う自治体の給水協力の義務、このこととは絡んでまいりませんか。
○国務大臣(宮下創平君) これは、水道法四十条の一項だけを見ますと「災害その他非常の場合において、」と規定してございますので、そういうおそれを抱かれる向きはあると存じます。 しかし一方、周辺事態法は九条二項によりまして依頼をするということになっておりまして、あくまでもこれは地方自治体の裁量権の範囲内で協力するかどうかをお決めいただくということになるわけでございまして、直ちにこの規定によって周辺事態法の給水の根拠規定になるというようには考えておりません。
○照屋寛徳君 水道法の改正問題というのは、私は周辺事態法九条二項との関係で大変大きな問題をはらんでいると思いますが、時間がありませんので、また別の機会で論ずることとします。 次に、建設大臣に、建築基準法第十七条の改正の目的及び改正の背景事実についてお聞かせをいただきます。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 国等の建築物で地元地方公共団体の利益と必ずしも一致しないような建築物につきまして、その建築計画が適法であるにもかかわらず、地方公共団体の建築主事等が違法に不適合通知を出したり違法に事態を怠ったりする場合には、これらの建築物の円滑な整備ができず、国の利害に大きな影響を与えるおそれがある。 そういうようなことで、多数の方が利用する場所などに、構造上の欠陥があり崩壊の危険性がある場合などにもかかわらず、地方公共団体の建築主事等が違法に事態を怠るときなどには多数の者の生命または身体に重大な危害が発生するおそれがある。こういうような場合に、今般、機関委任事務制度が廃止されることから、今回の改正案では、この違法性の要件に加えて、国の利害に重大な関係がある建築物や、多数の者の生命または身体に重大な危害が発生するおそれのある場合に限定して適切に処分を行うよう指示ができるように改正もされたわけでございます。 さらに、国の利害に重大な関係がある建築物について、この指示に従わない場合には、政令で定める審議会の確認を得る手続を経た上で、直接、建築確認等の処分を行うことができる、そういう新しい制度を設けたところでございます。それが建築基準法第十七条の改正の目的、そしてその背景の事実でございます。
○照屋寛徳君 私は、この建築基準法十七条の改正も、これは周辺事態法九条の二項と強い関連性を持っておるというふうに考えております。 かつて沖縄県の那覇市で自衛隊基地に弾薬庫を建築するための建築確認申請を認めるかどうか、確認申請を受理するかどうかという、大変大きな社会問題になったことがございました。 この改正法十七条で言う「国の利害に重大な関係がある建築物」、これは具体的にはどういう建築物を指しておるんでしょうか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) この「国の利害に重大な関係がある建築物」とは、国家としての存立にかかわる施策や、全国的な視点で行わなければならない施策の実現に必要不可欠な建築物であり、当該建築物が建築されなかった場合には結果として国の利害に大きな影響を与えるものという基本的な考えがございます。 したがいまして、どういうものがそれに該当するかどうかというのは一概にちょっと申し上げるのは難しいところもございますが、いずれにいたしましても、先生御指摘のようなそういう個別物件につきましては、その建築物の用途であるとか規模であるとか国の施策との関連性というものも踏まえまして個別具体の事例に応じて私は判断すべきことだろうと思っております。 ですから、弾薬庫等につきましては、そういうふうな意味において判断をその都度その都度やっていかなければならないのではないかなと思っております。しかし、特に重要な防衛施設であるとか、そういうようなものについては、私は国の立場としては、そのときに判断し、その都度的確にやっていくというようなことではないかなと思っております。また、原子力発電所等々もそういうふうなことであろうと思っております。
○照屋寛徳君 建築基準法十七条で言う「国の利害に重大な関係がある建築物」という概念は、私は恐らく従来の建築基準法ではなかった新しい建築物の概念をつくり出しておるのではないかな、こういうふうに思うわけです。この「国の利害に重大な関係がある建築物」、大臣は個別具体的にどういうものがそれに当たるかということを判断されるということでありましたが、これに関して必要があると認めるときは、審議会の議を経ますけれども、当該自治体や建築主事が指示に従わない場合には国が直接執行できる、こういうふうな趣旨だとすれば、私はこれはもう分権の考え方に逆行するものではないかというふうに思っております。問題点を強く指摘しておきたいと思います。 自治大臣にもお伺いをいたします。 消防法第十六条の八の二の改正というのでしょうか、これは追加になるわけでありますが、その目的や背景事実についてお聞かせください。
○国務大臣(野田毅君) 今回の消防法改正は、従来機関委任事務であった危険物規制事務を、機関委任事務の廃止ということに伴いまして、これを自治事務とするということに伴う所要の改正を行うものであります。 都道府県知事または市町村長による危険物規制事務の処理は法令に従って適正に行われると考えられるのでありますけれども、危険物規制事務は国民の生命等に直接関係するものでありますから、危険物に係る災害の発生等を防止するため緊急の必要がある場合に自治大臣が都道府県知事等に対して所要の措置を講ずることを指示できることとしておくことが必要であると考えておるわけです。 このような場合に、現行法でありますと、機関委任事務でありますから自治大臣は現行の地方自治法第百五十条の規定に基づいて指揮監督することができるわけです。しかし今回、先ほど申しましたように、機関委任事務の廃止ということに伴いましてこの指揮監督権もなくなるわけでありまして、そこで新たに消防法の第十六条の八の二を規定するということにしたわけであります。 この点は、この新しい地方自治法の第二百四十五条の三において、自治事務である場合について次のように規定しておるわけです。「国民の生命、身体又は財産の保護のため緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合等特に必要と認められる場合」、これ以外は指示という規定をしてはならぬということが書いてあるわけです。逆から言えば、そういう場合はごく例外的なケースとして指示ということがあるということになっておるわけです。この点は地方分権推進計画においても、この消防法に基づく危険物規制事務というのはここで言いますところの国民の生命等に直接関係する事務であるというふうに整理をされておるということであります。
○照屋寛徳君 この消防法改正問題も私は大変たくさんの問題点があるというふうに思っておりますが、ちょっと時間がありませんので、きょうはこの程度にしておきたいと思います。 さて、法務大臣がお待ちでございますので、法務大臣から先に質問をやらせていただきたいと思います。 私は入管行政というのはかねがね申し上げておりますように我が国の主権にかかわる重要な行政行為であるというふうに思います。同時に、我が国に入国あるいは在留を希望する外国人にとっては、その人権にかかわる行政であります。よって、入管行政というのは公平かつ透明性の高いものでなければならないと考えますが、法務大臣の入管行政に対する基本的な認識、御所見を最初にお伺いいたします。
○国務大臣(陣内孝雄君) この問題につきましては委員から質問主意書をいただきまして、既にその中でも触れておるわけでございますけれども、入国管理行政につきましては、比較的判断が容易な案件については地方入国管理官署の長の専決により許可することができるということで、行政の効率化及び迅速化を図る措置をとったところでございます。
○照屋寛徳君 今、法務大臣がお触れになりましたように、私は去る四月二十二日付で在留特別許可に関する質問主意書を提出いたしました。同年五月二十一日付で内閣から答弁書をいただきました。この答弁書の中で、平成十一年四月十六日付で法務省入国管理局長通達が発出をされておるということを知ったわけであります。この通達の内容、それから通達を発出した目的等について大臣のお答えをいただきます。
○国務大臣(陣内孝雄君) この通達の概要について御説明申し上げますと、上陸特別許可または在留特別許可を希望して異議の申し出がなされる案件のうちで政治、外交、治安等に影響を及ぼすおそれがあるなど重要な案件以外のものについての通達についてでございます。このうち、上陸に関しましては、査証を所持していない原因に故意または重大な過失がない場合に、また在留に関しては、退去強制事由に該当する外国人が日本人等と婚姻しており、その婚姻の信憑性及び安定性が認められる場合に、それぞれ地方入国管理官署の長が上陸特別許可または在留特別許可を専決することができるというふうにしたものでございます。
○照屋寛徳君 最後に、法務大臣、けさ、昨日の朝日新聞の夕刊を資料としてあらかじめお渡ししてございますが、この朝日新聞で報道された中国籍の中国残留婦人や孤児の二世、三世の在留許可の問題については法務省としてはどういう対応をされておるんでしょうか。
○国務大臣(陣内孝雄君) ちょっと事実関係を御説明した上でと思いますので長くなりますけれども。 お尋ねの中国人男性は、平成六年二月一日に定住者としての在留資格を付与されて入国し、その後日本人配偶者との在留資格への変更許可を受け本邦に在留していた者でございます。 しかし、入国管理局では、平成九年五月、中国残留邦人の子を装い不法に入国している中国人がいる、こういう情報を入手いたしましたので、以後、関係者から事情聴取を実施するなど慎重に事実関係を調査した結果、お尋ねの中国人男性は他人名義の中国旅券を使用して不法に入国した者であり、日系人ではないとの裏づけを得るに至ったので、本年五月十四日、同人に与えた上陸許可及び在留期間の更新許可等を取り消し、入管法違反者として東京入国管理局に収容したものでございます。 以後の東京入国管理局における同人の供述や違反調査等により、同人は中国においてブローカーと見られる人物から中国残留邦人である日本人男性の子としての中国公証書を不正に入手し、日系二世を偽装して不法に入国した事実が判明いたしております。 お尋ねの中国人男性は、同月二十一日に帰国を希望して口頭審理を放棄したので、退去強制令書を発付いたしました。しかし、同人は六月二十八日になりまして再び本邦在留を希望し、仮放免許可申請に及んだものと承知いたしております。同仮放免については、以上の事実関係を踏まえ、東京入管局において慎重に検討をしていると聞いております。
○照屋寛徳君 環境庁長官に二点お伺いをいたします。 環境行政の発展のために御尽力いただいていることに敬意を表する次第でございます。 沖縄の北部訓練場でのヘリパッドの建設計画が海兵隊と防衛施設庁によって進められております。ところが、この地域は、たしか大臣も中には入りませんでしたが、付近を御視察いただいたと思いますが、琉球列島動植物分布調査チームという学者の皆さん方の調査によりますと、その予定地一帯で世界でこの山原地域にしか生息しない二十二種の固有種と百二十六種の絶滅危惧種を含む千三百十三種の貴重種を確認している、こういう貴重な生物相、生態系の豊富なところでございます。ここにヘリパッドがつくられますと、音や鳴き声で交信をする動物は生息や繁殖が妨げられて消滅するであろう、こういうふうに言っているわけであります。 環境庁長官、この北部訓練場におけるヘリパッド建設と環境に与える影響についてどういうふうにお思いでしょうか。そして、あわせて米軍基地内における環境保全や環境保護のあり方について、その指針について環境庁の考え方をお聞かせください。
○国務大臣(真鍋賢二君) 先生の御指摘いただいたこの北部地区というのは山原地域でありまして、私も先般視察をさせていただきましたけれども、すばらしい自然林に恵まれておるわけであります。そこに野生生物、鳥獣等が生息しておるわけでありますけれども、何としてもこういう地域は大切にしていかなければならない、こう考えておるところであります。 そこで、亜熱帯性の自然林に固有種や希少種が生息する自然性の高い地域でございますので、環境に与える影響調査というものを現在防衛施設庁の方では実施中と聞いており、関係当局においてこれらの豊かな自然環境の保全が十分図られるよう適切な配慮がなされることと認識をいたしておるわけであります。環境庁としても、関係当局からの要請において自然環境の保全のために必要な助言をしてまいる予定でございます。 それから、米軍基地内における環境保全ということでお尋ねでございます。 米軍の施設・区域の返還前については、環境浄化の必要性が生じた場合には、その都度、日米合同委員会のもとに設置されております環境分科委員会等の枠組みを通じて日米間で協議して対処されるべき問題と考えておるわけであります。 なお、この施設・区域の返還後について、先ほど先生からのお尋ねの中にこれが含まれておるのじゃないかと思ってお答えするわけでありますけれども、環境問題を含めて原状回復の問題は専ら日本政府と個々の地主との間で処理されるべき事項となっていることを私は承知いたしております。 環境庁としましても、環境にかかわる技術的知見を生かしてこれらに対処してまいりたいと考えております。
○照屋寛徳君 防衛庁長官、お待たせをいたしました。ところが、もう時間がなくなってしまいまして残念でございます。 私は、米軍用地収用特措法の再改正、これは冒頭申し上げましたように、とてもとても地方分権という考え方からすると認めるわけにはまいらない。同時に、ただそれだけの理由じゃなくして、憲法二十九条の財産権の保障の問題あるいは三十一条の適正手続の問題、あるいはまた都道府県ごとに独立の収用委員会を設置した地方自治法の本旨、いわゆる憲法九十二条との関連でも、この米軍用地収用特措法の再改正問題は大いに問題があり反対である、認められない、私はこういうふうに思うわけであります。そして、当該地主の適法な異議申し立て権を排除するような法改正には重ね重ね反対であるということを申し上げまして、時間がありませんので、私の質問を終わります。(拍手)
○山下栄一君 私は、きょうは野中官房長官にもぜひ御質問したいと思いましたもので、またまたお昼の本会議に私の質問時間が当たるということで官房長官が来られないということでございましたので、本委員会の理事会等で御検討いただきまして、質問の順番をかえていただきまして官房長官に質問させていただくようにしていただきましたこと、委員長初め理事の皆様方に御礼を申し上げたいと思います。 まず最初に取り上げさせていただきたいのは、機関委任事務の廃止に伴って国から自治体に対する包括的指揮監督権がなくなる、したがって通達行政もなくなっていくんだ、こういうふうになっておるわけでございますけれども、実態は本当にそうなっていくのか、そういう基本的な心配といいますか疑問がございまして、その観点から最初に質問させていただきたいというふうに思います。 まず最初に具体的な例から入りたいと思うんですけれども、私は、平成九年十一月だったと思いますが、質問主意書を厚生省に出させていただきました。これは介護保険にも関係してきますけれども、老人ホームの入所措置、入所にかかわることでございます。入所申請に当たって健康診断書が必要だという実態があるわけです。その健康診断書が必要であるという根拠はどこから来ておるのかということが非常に疑問になるわけでございますけれども、これが実は法律によらずに、まさに通知とかそういう法律の根拠によらないものからきておったということがわかってきたわけでございます。 厚生省にお聞きいたしますけれども、老人ホームの入所申請に当たって健康診断書が必要である。これがまた非常に地域によっては高いわけでございまして、入られるお年寄りにとっては大変な経済的負担になっておるということから私疑問を持ったわけでございますが、入所申請に当たって健康診断が必要であるというこの根拠、これは国で示しておられると思いますけれども、それをお示し願いたいことと、それが今回の機関委任事務の廃止に伴ってどうなるのかということを教えていただきたいと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 特別養護老人ホームに入りますときに、いろいろ要件はあるわけでございますけれども、このときに著しい神経障害がない方、こういうふうな要件があるわけでございます。あるいは伝染性の疾患にかかっているかどうか、こういうふうなのを確認する必要があるわけでございまして、そのときの一つの方法として、一種の助言的なものでございますけれども、医師あるいは精神科医の診断書をお願いしていた、こういうことでございまして、今回の法律の改正によりまして、今までは団体委任事務であったわけでございますが、今回は自治事務に変わるわけでございます。 ただ、先生御承知のとおり、来年の四月からは介護保険制度ができるわけでございますので、それによりまして措置制度そのものがなくなるわけでございます。この特別養護老人ホームの措置制度がなくなるわけでございまして、したがいまして、御指摘のような指針とかマニュアル、こういったものについては特別養護老人ホームに関しましては基本的に不要になる、こういうふうに解しております。
○山下栄一君 だから私は、特別養護老人ホームというふうに言っていないからね。養護老人ホームの場合は続くはずだから、その通知とかマニュアルというのを具体的に言ってください。どういう通知でどういうマニュアルかということ、正式な名前。国で決めているんでしょう、それは。
○政府委員(近藤純五郎君) 正確に申し上げますと、「老人ホームへの入所措置等の指針について」というものと、それから「入所措置事務マニュアル」というものでございます。
○山下栄一君 続いていくものはどういうふうになるんですか、特別養護老人ホームじゃない方。
○政府委員(近藤純五郎君) 養護老人ホームの関係でございますけれども、これにつきましては見直しを当然するわけでございますが、これは法律関係は今までどおりといいますか、自治事務ということでございますので、その辺も踏まえた上で検討したい、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 したがいまして、機関委任事務ではない事務、今団体事務とおっしゃいましたけれども、要するに今回自治事務になるわけですけれども、そういう事務にかかわる通知が実際出ているわけですね。つまり社会局長通知で、詳しく言ってくれないからあれなんだけれども、そこに健康診断が必要だと、マニュアルにはこういう病気、例えば伝染病、赤痢とか、そういうことまで書いてあるわけです。それはだから、機関委任事務じゃないものについても現在も非常に拘束力があるような形で実質は自治体事務を縛っているということになっているわけです、現実は。それが今回自治事務になるわけですけれども、それがどう変わっていくのかということなんです。これは厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(宮下創平君) 今お話しの点は、団体委任事務に六十一年改正でなったわけですが、これは今までの利用方式は原則として市町村の措置ということでございます。今回、いろいろこの利用方針が変わりまして、契約へ移行するということになります。したがって、御指摘の入所措置マニュアルの特別養護老人ホームに関する部分は、基本的に不要になるというのは局長の言ったとおりでございます。 しかしながら、養護老人ホームへの入所措置等の事務の取り扱いを引き続き示すことが必要でございますし、介護保険制度における特別養護老人ホームにつきましても、例外的に市町村が老人福祉法の規定に基づく措置をとる仕組みが存続することもございますので、その取り扱いを新たに示すことが必要でございます。 したがって、御指摘の今の局長通達であります「老人ホームへの入所措置等の指針について」あるいは「入所措置事務マニュアル」につきまして、介護保険制度の導入に向けまして見直しをする必要があるというように考えておるところでございます。
○山下栄一君 見直しがどうなるのかということなんです。養護老人ホームについては、「老人ホームへの入所措置等の指針について」という、これは機関委任事務じゃない事務なわけです。だから、これが今回の法改正によってどう変わるのか。「入所措置等の指針について」という局長通知です。これは、実際に入所判定委員会をつくって、こういうメンバーで判定しなさいと書いてあるわけです。そして、そこには伝染性疾患を有し、他の入所者に伝染させるおそれがないようにしなさいというふうに書いてあり、別に今度は「入所措置事務マニュアル」というのがあって、そこでは、「伝染性の疾患の保有の有無を確認しなければならない。赤痢菌検査、梅毒検査、胸部レントゲン検査」、こういうふうに具体的に書いてあるわけです。 だから、それは具体的に自治体を縛っておるし、入所する方々はほかに高いお金を払って、定期健康診断とは別の健康診断書をこのためにわざわざお金を払って、そして手続をとらないと入れないというこの仕組みは、今回、自治事務になるわけだけれども、これがどう変わるんだと。この入所措置等の指針というのは今現在生きているわけですけれども、先ほど申しましたように、判定委員会をつくってこうしなさいと書いてあるわけだけれども、それはどういう扱いになるのかということです。これは本当になくすんですか、どうですか。
○国務大臣(宮下創平君) 一言で申しますと、従来の措置制度の場合における指針であるというように御理解をいただきたいと思うんですが、今度は契約制度になりまして完全な自治事務になります。したがって、入所措置の性格が違ってまいります。しかし、今申しましたように、養護老人ホームの入所措置等は引き続きこの措置業務という範疇に属します。それからまた、介護保険制度における特別養護老人ホームでも、例外的にと先ほど申しましたが、これは痴呆性その他の理由によりまして意思能力が乏しくかつ本人を代理する家族がない場合などには、事業者との契約による介護サービスの利用やその前提になる市町村に対する要介護認定の申請を期待しがたいやむを得ない事情があるときは、例外的に老人福祉法の規定に基づく措置ということが残されておりますので、この措置にまつわるものとして残されているというように私どもは理解しております。 ただ、その内容については、おのずから背景、性格を異にしてまいってきておりますので、必要に応じ見直しが必要であるという認識を申し上げたところでございます。
○山下栄一君 だから、今までも機関委任事務ではなくても実際団体事務でも、今回自治事務に変わるものについても、包括的指揮監督権に基づく指示のような形で実際は現実に入所者や自治体を縛るような形でこの通知とか入所マニュアルとか機能していたということを私は指摘したいわけでございます。 こういうことが今度はまた自治事務にも助言、勧告というのが出てくるわけだから、その観点でまた同じような形で続いていくのではないかという基本的な疑問がありますもので、はっきり答えられないのでもう押し問答しても仕方がないので、見直すといっても実際はこれは続いていくとしか私は考えられないわけでございます。 それで、この機関委任事務以外の行政事務というか自治体の事務でも、実際はこれ指揮監督のような形でやっておったということは、これは現在でも地方自治法違反ではないかと、このように思うんですけれども、どうでしょうか。つけ加えますと、実際は機関委任事務と同じ扱いみたいな形で機能しておったということなんですね。それはだから法律違反にならないのかということを私は申し上げているわけです。厚生大臣。
○国務大臣(宮下創平君) それは、法律違反ではないという前提でそのような指導をしてまいっておるところでございます。
○山下栄一君 まあ、そういうことでしょう。 それで、これはちょっと大蔵大臣とか官房長官にもお聞きしたいんですけれども、「老人福祉関係法令通知集」というのが、法令六法の話もありましたけれども、こういう本があるわけです。法律とか政令にかかわるもの以外が大半なんです、これ。法令通知集と書いてあるけれども、八割は通知集なんです。通知は、機関委任事務に基づく通達なのか、それ以外のいわゆる自治体固有事務、団体事務も含めてそれにかかわる通知集なのかというようなことがはっきり、どっちとも区別しないままに通知集という形でこれだけたくさんあって、だから先ほど申し上げた入所指針なんかもこういうところに入っているわけです。だから、これは法令通知集だから縛られるのかなと、こういう錯覚に陥るみたくなっているわけです。これに基づいて実際は事務をされておるわけです。実質上縛るような形で、まさに包括的指揮監督権に基づく形の自治体行政が行われているというふうにとらざるを得ないわけですね。 これが今後どう変わるんだということなんです。これは各省庁全部いろんな形であるわけですけれども、法令通知集といいながらほとんど通知集。通知集の中身は、機関委任事務に基づく通達なのかそれ以外なのかということがよくわからぬという形になっている。これが私は極めて問題だと思うんですけれども、これが今度自治事務には関与の形として助言、勧告というのがある。そういう形で、結局こういう本は法律改正後も変わらないままに生きていくんじゃないか、こういうことを心配しているわけです。 だから、先ほどの入所指針というのは廃止してしまうのか、それとも助言、勧告に基づいて生きていくのかということをお聞きしたいわけです。ところが、実態がほとんど変わらないままに拘束されるのかというふうに自治体は受けとめるということになっていくわけですね。 機関委任事務の廃止に伴って何ら変わらないということになるのではないかということを、一生懸命そういうことを言いたいんですけれども、自治大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(野田毅君) 何も変わらないんじゃないかという御指摘ですが、それでは困るんです。それを変えなくてはならぬのです。 通達ということについて言えば、今御指摘ありましたように、機関委任事務についての指揮監督権、これに基づいて上級官庁が下級官庁として扱っている地方自治体に対して命令を発する、こういうのを大体通達と言っているわけです。上級官庁から下級官庁に命令して行うのが一般的に通達である。そういう意味で、機関委任事務という位置づけの中で根拠があったわけです、これは先ほど来御指摘のとおり。 その機関委任事務が廃止されて、その包括的な指揮監督権を規定しております第百五十条、これもなくなっていく、こういうことになります。そうなると、これから国から地方公共団体に対する通達という概念はなくなるのである、こういうことなんです。 それに対して通知とは、ある一定の事実、処分または意思を特定の相手方に知らせること一般を指すものであるわけですから、指揮監督権に基づく通達というのとは区別される概念である。例えば、改正後の地方自治法第二百四十五条の四の規定に基づく助言、勧告が通知という形で行われることもありますけれども、これは法的な拘束力を生じるものではないということであります。 なお、現行制度のもとにおいても、国が地方公共団体に対して行う助言や勧告が通知という形で行われているものも多いわけでございます。そこで、これまではそうしたものを含めて特に厳密に意識することなく通達と呼ばれたこともあったと思うわけですが、今後は、くどいようですが、地方公共団体に対する通達という概念はなくなるというふうに考えております。
○山下栄一君 それはよくわかっているんですけれども、では自治事務に基づく助言または勧告というのはどういう形で文書の形としてはやるのか。 通知という言葉をおっしゃいましたけれども、全国一律に何かこういう文書が行くとまたこういうのが出てくる、こういう形でまとめられていくんではないかなと僕は思うんです。だから、そういう形じゃなく、もし出すんでしたら個別に事後的なものに限って出すべきであって、全国統一的な文書みたいなものを出すとまたこういう形にまとめられていく可能性があるので、何となく拘束されるのかという、結局区別がわからなくなってしまうということを心配するわけです。 だから、新しい考え方に基づいて指揮監督権がなくなる、機関委任事務が廃止されるということであるならば、この自治事務の助言または勧告ということをどういう形で文書でやるのかということを工夫していただきたい。そうしないと、現場では拘束されると同じ実態になって余り変わらぬというふうになってしまう、こういうことを私は申し上げているわけです。
○国務大臣(野田毅君) 従来の通達の内容のうちで、今御指摘がありましたように、なお拘束力を維持する必要があるというようなものについては、自治事務という分野については法律またはこれに基づく政令などで定めてもらわなければいけないということでありますし、法定受託事務については、これらに加えて、新しい自治法に基づく処理基準として定めるということはあり得るということで考えております。そういう仕分けを各省がしてもらわなければいけないということになるわけです。
○山下栄一君 だから、先ほど申し上げたように、自治事務の方の助言または勧告の仕方、文書によるんでしょう。そのやり方を今までと同じようなやり方でやると実態は何も変わらないので、文書の出し方を工夫していただきたいということ。 次に行きます。 法定受託事務においては、施行と同時にこれはもう処理基準がないとまずいと思うんですけれども、そういう形になるんですか。
○国務大臣(野田毅君) 今申しましたように、法定受託事務については法律または政令など、あるいは処理基準によって行われるということを申し上げたとおりであります。 なお、機関委任事務については、国の包括的な指揮監督権があって、くどいようですがもう一遍申しますと、事務の管理執行全般にわたって通達の形で一般的に定めることも、それから具体の事例について個別に指示するということも可能であったわけです。また、一定の事項について国との協議や承認を義務づけるということも可能であった。これは今までの機関委任事務についての問題で、通達の問題であります。 今後どうなるかということですが、法定受託事務に係る処理基準はあくまで一般的な基準として定めるものである、その内容も目的を達成するために必要な最小限度のものに限られる、また国の承認や国への協議などのような関与をそこで定めるということはできないということであります。
○山下栄一君 では、機関委任事務から法定受託事務に変わった事務については、今までの通知は全部やめる、そういう文書自身は消えるということですか。
○国務大臣(野田毅君) 先ほど答弁で申し上げましたとおり、関係省庁において従来の通達についてそれぞれ交通整理をしていただかなければならないということになりますということを申し上げたわけです。 交通整理というのは、先ほど申し上げたとおり、なお拘束力を持たせなければならないものはそういう扱いのきちんとした処理をしていただかなければなりませんということであります。
○山下栄一君 では、この法律が施行した後は、この処理基準というのは、法改正がない限り、処理基準の改定とか新たな処理基準の策定とか、そういうことはないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(野田毅君) ちょっと御質問の趣旨をつかみ損ねたかもしれませんが、今申し上げましたとおり、現在出ている通達については、いわゆる国から地方自治体に対する通達というものはなくなるわけであります。したがって、なお拘束力を必要とするものについてはそれなりに必要な法的な手当てなり、あるいは政令で定めるなり、あるいは法定受託事務であれば処理基準というものをきちんと定めてもらうという形に切りかえてもらわなければならないということを申し上げておるわけです。
○山下栄一君 もう一回言います。 処理基準というのをつくりますよね。途中でそれを改定したいという事態が起こってきたという場合は法律を改正しないと処理基準の改定はあり得ないという理解でよろしいですかと言っているんです。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 処理基準は、法定受託事務につきまして、各大臣は法定受託事務の処理について都道府県が法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができるということでございまして、この事務処理をするに当たりよるべき基準というものは各大臣が定める、したがいまして改定の必要がある場合には改定できる、こういうことでございます。
○山下栄一君 答えてくれへんから困るな。 処理基準というのは具体的に定められるのかどうか知りませんけれども、では今度は法定受託事務に伴う助言または勧告というのがありますね、関与の仕方として。法定受託事務の一番軽い関与が助言または勧告でしょう。それもまた文書でされますよね。事務をフォローしたり補足するためにまた助言とか勧告という形で文書が出る。それと処理基準というのは区別がつくのかなと。法定受託事務の処理基準が出されるわけだけれども、処理基準と助言とか勧告という形がまた通知とかにされると結局余り今までと変わらないような形になってしまうのじゃないかという危惧があってこういう質問をしているんですけれどもね。
○政府委員(鈴木正明君) お答えいたします。 処理基準は、新しい自治法の二百四十五条の九で、今ほど申し上げました規定になっているわけでございますので、今後各省において事務処理を進める場合において、一般的にはこの法律の根拠を示して、処理基準であるということを示して地方団体に示されると根拠がはっきりすると思います。 通知によって助言、勧告を行うということもございますけれども、それもでき得ればそういう趣旨が明らかになるということで示していただくと円滑な行政に資するものと考えております。
○山下栄一君 処理基準は、法律が施行されるに伴ってあらかじめつくられると、処理基準というのは。そうですよね。事務ができないから処理の基準をやはり考えて出すと思うんですけれども。 この質問やめます。もうちょっと時間がなくなってきました。 官房長官に質問しますけれども、いろいろ朝日新聞の報道に伴って、さまざまな六法、法令集の印税をもらっていたという話が報道されております。こういう役所が、厚生省とか何とか省という名前、また何とか研究会と、実質的にはその役所の方々がかかわられてつくられているこのさまざまな文書、法令集もあれば、民間の方々に対して、例えば「医療用具製造申請の手引」という、これ民間の方々が買うものですけれども、これもだれがつくっているかというと厚生省の薬務局がつくっていると。 こういうさまざまな文書たくさんあると思うんですけれども、これ調査していただいて、どうなっているんだということをやるということを新聞で読んだんですけれども、これどうなっていくんでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 今御指摘の、各省庁が編集なりまたは監修にかかわっております法令集作成の実態につきましては、五日前に御指摘をいただきまして、現在調査を行って内閣参事官室で取りまとめを行いつつあるところでございます。各省庁から集まりました実態を見まして、この後の取り運びを考えてまいりたいと存じております。
○山下栄一君 官房長官、繰り返しになりますが、確認させていただきます。新聞記事では法令集だけのような感じがあったんですけれども、そうじゃなくて、各省庁で、役所がかかわっているさまざまな、今申し上げましたように自治体のみならず民間にまでマニュアル、手引という形で編集されている本があるわけですけれども、それも含めて調査していただくということですか。
○国務大臣(野中広務君) 各省庁が編集または監修の六法等法令集全体について、出版物件とかあるいは編集または監修の別、及びその機関名、発行回数あるいは発行部数、単価、買い上げ数、作業実態、編集または監修等の総額の使途等について今調査をかけておるところでございます。
○山下栄一君 私は、質問させていただきましたので、ぜひこの委員会で報告していただけたらありがたいなと思うんです。よろしいですか。 官房長官、もう結構でございます。ありがとうございました。 大蔵大臣にお聞きしたいんです。 今と同じ話なんですけれども、こういう本は大蔵省が一番多いんじゃないかという話があるんですが、私は、こういうものは配付のされ方が非常にいびつな形で今されているというふうに思うんですね、一生懸命役所でつくるんでしょうけれども、こういうさまざまなものを。それを出版する方法が民間の場合もあるでしょうし大蔵省印刷局を通す場合もあるでしょうけれども、それが役所全体の収入にならないで、携わった方々の印税という形とか編集協力費ですか、そういう形で収入としてされている実態があるということなんです。そういう形でしか民間の方々に役所の法令に関するさまざまな解説、それが触れられないような形になっておる。それが非常に情報公開という面からも、一般市民、さまざまな関係者に対する通知の仕方としてちょっと何かおかしなやり方をやっているなというふうに感じるんです。それを改革するお考えがないのかなというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 無論、役所がしているわけでなくて、その法令なんかに携わっている経験者が、仕事の時間にやってはいけませんが、そうでない時間にやって、そして編集の手伝いをする。それから、仮にそれに対して書籍の価格の何%であるとか、それは印税になりますが、あるいは原稿用紙で一枚幾らとか、そういうような正当の報酬を受けている。実際は、半分は役所自身の事務に使われるわけですけれども、半分は民間の方々がいろいろ使われるので、一種のアウトソーシングというふうに考えるのではないかと思いますけれども、何かその間に、それはいつもどこの本屋が決まってもうけるとか、何か印税が大変高いじゃないかとかいったようなことになると、これはどうも余りよろしくないなと。 官房長官からお達しがありまして、そういうことをちゃんと調べてみろということでございますので、今調べております。その結果がまた内閣から資料としてお手元に届くように、何かの形で申し上げることになるだろう、こう思っております。
○山下栄一君 僕は、これを民間の方々の要請に基づいて、例えば出版社の要請に基づいて役所が受け身でそれを一生懸命編集するという形じゃなくて、もっと主体的にこういう法令集とか法令集の解説、そういうものは役所として国民に対して積極的にやるべきことじゃないか。出版という形もあるでしょうし、通信を通してのサービスといいますか、インターネットでそういうものがわかるとかというふうな形をもっともっとやるべきではないか、それがやはり行政に対する理解を広げることにもなるんではないかなというふうに思うんですね。 それは、だから主体的に広報宣伝活動というか、そうじゃない形で出版社の要請に基づいて役所の方々が部分的に一部の方がかかわってやるから、こういういびつな印税とかいう形になっていくんじゃないかなというふうに思うんですけれども、総務庁長官、どうでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 勤務時間外のことでございますので、そこはいろんな考えようがあろうかと思いますが、今御指摘のその前段の、余り細かいことについて行政指導のようなことをすることがそういう仕事に結びついてくるという御指摘は、我々も考えておかなくちゃいかぬと思うのであります。
○山下栄一君 自治大臣、例えば先ほどの処理基準もそうなんですけれども、処理基準をつくられたと。それを積極的に国民の側に向かって、こういう形じゃなくてもっと宣伝していくというか広めていくというか、そういうふうな方法を考えた方がいいんじゃないか、そういうことがないからこういうふうないびつな形の編集ということになってしまうんじゃないかなと思うんです。そういうことを申し上げているんですけれども、どうですか。
○国務大臣(野田毅君) それが直接関係あるかどうかわかりませんが、先ほど来の本の監修の云々という話の問題とこの問題、ちょっと次元が違う話ではないかというふうな思いがしています。 ただ、言うなら、法定受託事務に関する処理基準というのは、事務を処理するに当たり、よるべき基準であるわけですから、例えば法令の解釈とか許認可の際の審査基準とか調査の様式とかその種のことは、やはり事前に国民に向かっても客観的に透明度高くきちんとどこかで知らせるべきである。だから、法律でどこまで規定すべきなのか、政令でどこまで規定すべきなのかということをどう交通整理するかという世界の話であって、今までは通達という名前でいろんなものがごった煮みたいになっていたものをそういう意味で整理していただかなければならないようになったということで御理解をいただきたいと思います。
○山下栄一君 人事院総裁にお伺いしますけれども、この印税収入、法的に問題はないかということを人事院総裁の立場で御答弁をお願いします。
○政府委員(中島忠能君) 今、官房長官初め各大臣から御答弁がございましたが、実態を調べて、そしてその結果、適切な対応をしていかなきゃならないということでございます。 私たち、まだ全部調べ切っておりませんけれども、さまざまな態様があるようでございます。その態様に応じて、どのように考えていけば皆さん方の納得が得られるのかということをこれから考えていきたいというふうに思います。 ただ、その場合に幾つかの着眼点というのがあるだろうというふうに思いますが、そういうのを関係各者が集まっていろいろ相談して、適切な対応がとれるように考えていきます。
○山下栄一君 質問を変えます。 国と地方の人事交流、先ほどからも御質問がございました。対等な交流ということで、交流する場合、役職が国から地方へ行くときには一つ上にランクが上がるという、対等の交流になっていない。課長という本省の役職の方は都道府県では部長という形になっておるというのが通例だと思います。また、人数も非常にアンバランスという面があるわけですけれども、この対等の交流ということについての見直しをすべきではないか、役職も含めて。自治大臣、お願いします。
○国務大臣(野田毅君) 特に、国家公務員と地方公務員の交流に関して、やはり人材育成というか研修というか、交流のそれぞれの目的があると思います。ただ単に同格ポストだけを交互に入れかえるということであるなら、一体どういう意味があるのか。やはり、それぞれの仕事の質に伴って当然任命権者の方から、どこでもいいから人をよこせという話では私はないと思います。そういう意味で、特定の責任ある仕事について国から人が欲しいということであったり、あるいは逆に、地方自治体から国の方に出向なりなんなりで来る場合には、国の事務を研修といいますか、勉強しに来るというケースが非常に多いわけであります。 そういう点で、できるだけ相互に対等の関係を頭に置いて、押しつけがましいそういうようなやり方は絶対に国からはしてはならぬと思っていますが、任命権者との協議を十分にした上で、できるならば、より管理職に近い形で国の方で引き取ることができるなら、それはそれで結構なことだと思います。 いずれにせよ、その職務の遂行に関する任命権者の意思ということがやはり優先されておるということであると思っています。
○山下栄一君 出向という形の交流は身分が変わるわけですけれども、それ以外に、地方公務員の方が身分が変わらないままで中央省庁で実務研修という名のもとに一年とか二年とか長期にわたって業務をされているという例があるわけですけれども、中央の官庁からはそういう例はない。だけれども、地方公務員の方は中央に行って、自治体持ちで研修という形で、身分を変えないで派遣されているけれども、それも数週間とか数カ月じゃなくて一年二年という、こういうのが行われていること自身も非常にこれは不自然であると思うんですけれども、実態と改善についてお願いしたいと思います。
○国務大臣(野田毅君) 各省庁における地方公務員の一年以上の研修の受け入れ状況については、自治省としてはトータルな把握はしておりません。 ただ、自治省におきましては、自治省設置法に基づいて地方公共団体の任命権者の要請を受けて、自治省の行政の実務に参画させることなどによりまして地方自治に関する各種の制度等の企画立案、そして運営の実務を習熟させるということと同時に、地方自治行政の発展を担う地方公務員としての意識を涵養することを目的として一年間の研修を実施しているところであります。平成十一年度の受け入れ人数は百八人であります。 国家公務員につきましても、その能力開発、啓発の推進を図ることが重要であることは言うまでもありませんが、そのための具体的な手法はそれぞれ各任命権者において判断されるべき事柄であると考えております。
○山下栄一君 文部大臣、済みません、遅くなりまして。 今回の法改正で、例えば地教行法も改正されるわけですけれども、学習指導要領等の教育課程の基準を大綱化し、弾力化する。そして、総合学習時間という時間の導入も念頭にあると思うんですけれども、できるだけ現場、例えば学校または市町村教育委員会で独自に教材を編集したり、教育内容を考えることのできるようにしてあげようという趣旨が今回の法改正ではないかと思うんです。 それと、長年続いてまいりました教科書検定制度、これがちょっと相入れないのではないか。特に、総合学習時間という、教科書もない、そして授業時間も弾力的に考えることができるというふうな導入の拡大を図るならば、もっと自主的な教材編成を含めた教育内容の決定権を現場に譲るという方向なんでしょうけれども、それと教科書中心の授業、また教科書を国で検定するというあり方、これはちょっと矛盾するのではないかというふうに思いますし、それも見直しをするということをやはり考えるべきではないかと、検定制度の見直しですね、いかがでしょうか。
○国務大臣(有馬朗人君) 二面あると思うんです。今御指摘のように、総合的な学習を導入する、これは本当に各学校にお任せするという方針をとっているわけでございますけれども、一方では国全体として全国的にある一定の教育水準は確保していかなければならない。ですから、教育の機会均等を自主的に保障するということがやはり要請されていると思います。それと同時に、先ほど御指摘のように、創意工夫を生かした特色ある教育を展開することが求められている。こういう二面はあると思います。そういう意味で、教育課程の基準の弾力化を大いに図ろうとしたところでございます。 教科書でございますけれども、主な教材として学校教育に重要な役割を果たしております。その内容については、やはり客観的で公正であるということが非常に重要でありますし、教育的な配慮というものが施されていなければならないというようなことで、教科用図書検定調査審議会による学術的で教育的に専門的な見地からの審議を踏まえる必要があるということから、適切な教育内容の確保を図るため、引き続き国において適切に検定を実施することはやはり必要であると考えております。 しかしながら、教科書の検定に当たりましては、著作・編集者のより一層の創意工夫を生かして個性豊かで多様な教科書が発行されることを旨とし、より一層簡素かつ透明な検定制度を目指して検定の手順や基準の改善を行ったところでございます。私も、何冊か教科書を書いた経験から、やはりこういう創意工夫が生かされることが望ましいと思いますけれども、そういう意味で、一層簡素でかつ透明な検定制度を目指したいと思っております。 具体的にはどういうことかと申しますと、検定済み図書の訂正申請の要件を緩和する、そして軽微なものの届け出化を図り、著作・編集者が社会の変化などにより弾力的に対応していくことができるようにいたしました。それから、検定の透明性を一層高める観点から、文書により検定意見の趣旨を示すことにいたしました。 こういうふうにいたしまして、文部省としては、この新しい検定制度のもとで適切に検定を行うとともに、よりよい教科書が作成されることに努めてまいりたいと思います。やはりすぐれた教科書をつくっていかなければならないと思っております。
○山下栄一君 最後の質問です。 教育委員会のあり方でございますけれども、教育委員と教育長の関係ですが、私は、教育委員長を中心とする教育委員が非常に形骸化しているところが多い。そうでないところももちろんあるわけですけれども。 本来、教育委員会を支える事務局、事務局長とも言うべき教育長が非常に強過ぎて、教育委員が形骸化するということが今回の特に中教審の答申の大きな趣旨であったのではないかなと思うんです。ところが実態は、教育長は教育委員を兼任するというふうな、答申と逆行するような今回の法改正になっているということは非常におかしいのではないか。 教育委員を強化して、教育長はその指揮監督のもとで事務的な仕事をするというのが本来のあり方ではないかというふうに思いまして、今回の法改正は、有馬文部大臣のもとで行われる割にはえらい後退した内容だなと感じておるんですけれども、いかがですか。済みません、時間がなくなりましたので簡単にお願いします。
○国務大臣(有馬朗人君) 教育長が教育委員の一人であるということの問題点は私はないと思っております。教育委員がやっぱりぴしっと教育長を監督するという格好になっていくわけでありますから、大丈夫だと思います。 ただ、やはりそういう点は注意していかなければならないと思っております。 教育長を教育委員のうちから選任することにいたしましても、教育委員会が委員の合議により教育行政の方針や施策などを決定し、その指揮監督のもとに教育長が執行するというこれまでの教育委員会と教育長のあり方が変わるものではないと考えております。
○山下栄一君 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(吉川芳男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 次回は明三十日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十四分散会