決算委員会 閉会後第7号
- 発言数
- 361 件
- 登壇者
- 46 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1999/10/26
会議録
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十五日、石田美栄君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。 また、去る十八日、伊藤基隆君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。 また、去る二十日、岡崎トミ子君、小川勝也君、浅尾慶一郎君及び木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君、今井澄君、朝日俊弘君及び郡司彰君が選任されました。 また、昨二十五日、清水嘉与子君、川橋幸子君、今井澄君及び郡司彰君が委員を辞任され、その補欠として脇雅史君、内藤正光君、櫻井充君及び堀利和君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鎌田要人君) 理事の辞任についてお諮りいたします。 佐藤泰介君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に高嶋良充君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(鎌田要人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に株式会社ジェー・シー・オー代表取締役社長木谷宏治君及び同社常務取締役東海事業所長越島建三君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鎌田要人君) 平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総括的質疑第一回を行います。 質疑に先立ちまして、平成七年度決算における警告決議に対し、その後内閣のとった措置につきまして、大蔵大臣から説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成七年度決算に関する参議院の議決について講じました措置について御説明申し上げます。 公共事業予算の重点化、効率化につきましては、平成十一年度当初予算における公共事業予算の配分に当たり、特別枠の活用等により、国際ハブ空港、高規格幹線道路等の物流効率化による経済構造改革に資する分野や情報通信、環境、高齢者等福祉、中心市街地活性化等といった二十一世紀を展望した経済発展基盤となる分野、さらには下水道・集落排水施設、各種防災対策等の生活関連社会資本へ優先的、重点的に配分を行ったところであります。 他方、限られた財政資金を有効に活用する観点から、公共事業の効率化、透明化を一層強力に推進するため、コスト縮減対策の推進、費用対効果分析の積極的活用を図るほか、新たに再評価システムの導入を図ったところであり、平成十年度予算編成におきましては六十八カ所、平成十一年度予算編成におきましては九十二カ所の事業の中止、休止等を決定したところであります。 今後とも、公共事業予算の重点化、効率化にはより一層努力してまいる所存であります。 動力炉・核燃料開発事業団における事故の再発防止と動燃改革につきましては、一連の事故等により原子力行政に対する国民の信頼を大きく損なったことを厳しく受けとめ、同事業団の経営、組織等を抜本的に改革し、平成十年十月一日、核燃料サイクル開発機構に改組したところであります。 核燃料サイクル開発機構におきましては、安全確保を第一に据え、情報公開の徹底、地元重視の業務運営を基本とするとともに、職員の意識改革を徹底し、明確な裁量権と責任のもとで経営を行うこととしたところであります。 今後とも、原子力行政に対する国民の信頼の早期回復を目指し、動燃改革の理念の定着に最大限努力してまいる所存であります。 動力炉・核燃料開発事業団の予算要求、予算執行とウラン廃棄物の安全管理につきましては、業務の実態を把握し、適切な安全監視や業務指導を行うため、現地での確認など現場重視の監督の強化を図ったところであります。 同事業団におきましても、予算執行管理体制の見直しを行うとともに、ウラン廃棄物の厳重な保管管理を行うなど安全確保に万全を期することとしたところであります。 今後とも、こうした取り組みの徹底を図り、適切な指導を行ってまいる所存であります。 また、東海村で発生いたしましたウラン加工施設の事故につきましては、地元を初めとして国民の皆様に多大な心配と御迷惑をおかけしたことを極めて厳しく受けとめているところであります。今後、事故の原因の徹底究明、再発防止策の確立等に着実に取り組み、原子力に対する国民の信頼回復に最大限の努力をしてまいる所存であります。 国有林野事業の抜本的改革につきましては、国有林野事業の健全な運営を確保し、国土の保全その他公益的機能の維持増進等の使命を十全に果たすため、国有林野の管理経営を木材生産機能重視から公益的機能重視に転換、組織・要員の徹底した合理化、縮減、独立採算制を前提とした企業特別会計制度から公益林の適切な管理等のための一般会計繰り入れを前提とした特別会計制度に移行、累積債務について、可能な限りの自助努力を前提としつつ、これを上回る債務について一般会計承継を行うこと等による具体的な処理策の実施等を内容とした国有林野事業の改革のための特別措置法及び国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律の制定等を行ったところであります。 今後とも、国有林野事業の改革の着実な推進に努力してまいる所存であります。 知的障害者の雇用に係る事件の再発防止等につきましては、公共職業安定所による知的障害者を雇用する事業主等に対する職場適応指導の一層の充実及び助成金受給事業所に対する調査の強化を図るとともに、平成十年度より障害者雇用連絡会議を開催することにより、公共職業安定所と関係機関等との連携をさらに強化し、障害者雇用に関し幅広く情報交換を行うこととしたところであります。 今後とも、知的障害者に係るこの種の事件の再発防止等に努めてまいる所存であります。 首都高速道路公団に対する入札談合事件の再発防止につきましては、工事の発注において、公募型指名競争入札の適用範囲を本社発注工事について七億円以上を原則三億円以上に引き下げるとともに、建築工事については、特例措置として二年間、公募型指名競争入札を原則とするなど入札における公正、自由な競争の確保について万全を期したところであります。 また、建設業者の執務室への入室制限、設計書の情報管理の厳正化等工事発注に係る情報管理を徹底しているところであります。 今後とも、これらの措置を含めた再発防止対策の着実な実施を図る等同公団に対する適切な指導を行ってまいる所存であります。 以上が、平成七年度決算に関する参議院の議決について講じました措置であります。 政府は、従来から、決算に関する国会の審議・議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。
○委員長(鎌田要人君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中原爽君 自由民主党の中原でございます。 現在、介護保険制度の実施にかかわりましていろいろ取りざたをされているところでありますが、先月、九月二十四日、総務庁の行政監察局は、高齢者に関連をいたします行政監察結果を取りまとめをいたしまして、厚生省に対しまして勧告をいたしております。その中で、ホームヘルパー業務の見直しについて勧告がございます。 内容については、身体介護に伴って必要となる行為をできる限り幅広くホームヘルパーが取り扱えるよう、その業務の見直しを具体的に示すこと、こういう内容でございますが、本文には、ホームヘルパーの業務には医療行為は含まれていない、こう書いてございます。 それで、医療行為そのものについては、「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為」、こういう定義を書いてあります。そして、このホームヘルプのサービス事業者の中には、褥瘡や傷口のガーゼ交換、血圧の測定、軟こうの塗布、体温の測定、浣腸、たんの吸引、目薬の点眼、座薬の注入等の一部を実施しているものがある。これらについては、家族等が日常的に比較的簡易に行っているものもあるということであります。これらの行為をホームヘルパーができる限り幅広く行えるようにすることが利用者のニーズを高めることで、介護家族の負担を軽減するんだ、こういう説明でございます。 しかし、これらの医学的にかかわります処置については、主に老人訪問看護事業によります訪問看護婦等が実施するものであるということもありまして、このあたりのところ、看護婦等の人材の効率的な活用とかサービスのコスト面を考えますと、看護婦に一切任せるということについては合理的ではないのかもしれないという御指摘であります。したがって、厚生省は、この介護等サービス業務の充実とその効率化を図る観点から、ホームヘルパーが取り扱えるよう、その業務を見直して具体的に示してほしい、こういう勧告でございます。 したがいまして、これが何月何日までという期限を切って文書で報告するというようなことにもなっているようでございますので、厚生省におかれてはこの勧告につきましてどのような対応をなさるのか、概略の御説明をいただきたいと思います。
○説明員(大塚義治君) お尋ねの勧告がございまして、私どももその勧告を受けましてただいま検討を進めておるところでございます。 おっしゃいましたように、医師法等関連法令によりまして、医療行為はホームヘルパーは行うことができないわけでございます。逆に申しますと、一定の資格を有した方が医療行為を行うことが許されるという現行法の規定がございますので、これは基本として現在あるいは今後も同様でございます。 ただ、現場では、ホームヘルパーの方々が介護を要する方に対してサービスを提供する際に、現実にはそのそれぞれの個々の行為が医療行為に該当するのかどうか判断に苦慮されるという実態もあろうかと思います。したがいまして、私どもはより効率的なホームヘルパー業務、円滑な業務を遂行するという観点で、ホームヘルパーの業務の明確化というものを図るということは必要であろうかと思っております。 今回の勧告もございました。そういった趣旨を踏まえまして、まず具体的な事例、どういう点でホームヘルパーの方々が迷われたりあるいは判断に苦慮されたりというような事例を集積いたしまして整理いたしまして、こうした事例のうちホームヘルパーの業務として適当なものあるいはそうでないものを整理し、これを関係者にお示ししていく、こんなような作業をいたしたいと考えておりまして、現在既にその作業に入っているところでございます。
○中原爽君 具体的なことを示すということでありますけれども、例えば、体温を測定するということは日常家族としては行われるわけでありまして、その体温をはかるということについてはさほど問題がないかもしれませんけれども、例えばそれが発熱をしているということになりますと、その発熱をした状態をホームヘルパーが判断するのかどうかということになりますと、これは診断行為に係っていきますので、どうしても医療行為であるかというところが出てくるわけであります。 したがって、体温をはかった結果の判断というもの、診断というものについては、具体的に示すということは大変難しい問題ではないかというふうに思うわけでありまして、例えば、ホームヘルパーが体温を測定いたしまして、発熱をしているということであれば、もとのホームヘルプのサービス事業所に報告をいたしまして、事業所からかかりつけの医師に連絡をとるとか、そういうような流れといいますか方法についてきちっと整理をされておくということになるのか。あるいは、今申し上げたように、体温測定であるとか血圧測定であるとか、そういったおのおのの行為についてどのように考えるかということは大変難しい問題ではないかというふうに思っているところであります。 それで、現行のホームヘルパー養成事業につきましては一級、二級、三級の課程がありまして、それぞれカリキュラムの中に関連領域の基礎知識というカリキュラムがあるわけであります。この中で医学、医療の基礎知識ということについての養成教育も行われているのではないかと思いますが、このカリキュラムと医療のかかわりについて、簡単で結構でございますが御説明いただきたいと思います。
○説明員(大塚義治君) 現在、ホームヘルパーにつきましては、今先生お示しのように、三段階の研修がございます。いずれの分野、課程におきましても、基礎知識という位置づけで医学あるいは看護の基礎的な知識を勉強いただいているということでございますが、これはもとより、ホームヘルパーに医療行為を行わせるあるいは行わせることができるという前提に立ったものではございませんけれども、現実に身体の介護ということになりますと、保健・医療分野の知識も基礎的な部分は必要でございますし、また、ちょうど今お示しがございましたけれども、関連の医療関連機関でありますとか看護の方々とかとの連携ということも必要になってまいります。 したがいまして、身体介護の業務を行う上で最低限必要と考えられる知識につきまして、現在それぞれの研修の中でいわば必須のような形で研修を受けていただいている、こういう現状でございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 その勧告の中には、これらの処置のみのために看護婦等の派遣を求めることは、「現実には対応が困難とみられるほか、看護婦等人材の効率的活用、サービスのコスト面からみても合理的とは考えられない。」と。こういう勧告でございますが、この勧告が出ました日に、日本看護協会から、ホームヘルパーの医療行為を容認することについては質的低下を招くという趣旨に基づきまして反対であるという意見を出されておるところであります。 したがいまして、こういったことを勧告に基づいて検討をされるということでありますけれども、医療関係の従事者とのかかわりにつきましても十分御調整をお願い申し上げたいと思います。 ありがとうございました。 引き続きまして、法務省にお願いを申し上げたいと思います。 現在、成年後見制度及び任意後見制度の法制化ということが進んでおりまして、これは現在の民事法の人の能力にかかわる関連の法律を抜本的に改正する趣旨でありますけれども、この進捗状況をまず御説明いただきたいと思います。
○説明員(細川清君) 御指摘の成年後見に関する民法改正法等の四法案は、さきの通常国会に提出されました。衆議院法務委員会におきまして三日間にわたり慎重に御審議がなされた結果、全会一致で可決されまして参議院に送付されましたが、参議院では他に重要法案があった関係上、私どもにとっては残念ながら継続審議になっているという状況でございます。 この改正の目的でございますが、現行法上は民法に禁治産、準禁治産の制度がありますが、これが非常に硬直的で使いにくいという御指摘が各界にあったわけでございます。そこで、高齢社会への対応及び知的障害者、精神障害者の福祉の充実の観点から、現行の禁治産、準禁治産の制度を抜本的に改正するとともに、新たに英米に見られるような任意後見制度を創設するということでございます。 これは実は介護保険と密接に関連がございまして、この成年後見制度の改正の要望の背景には、介護保険制度の実施等による措置から契約へという福祉の理念の転換があるわけでございます。介護保険制度のもとで介護サービスを利用するためには要介護認定の申請をしなければなりませんし、また介護サービスの契約を締結しなきゃなりません。こういった法律行為をしなければなりませんが、判断能力の不十分な方々はこれらの行為をすることができない場合があります。そこで、こういった方のための法的支援の仕組みが必要となりますので、新しい成年後見制度を要望する声が高くなってきたということでございます。 したがいまして、この民法等改正法の四法案の施行期日は来年の平成十二年四月一日を施行期日としておりまして、介護保険制度の施行と軌を一にしているわけでございます。 私どもといたしましては、これは各界の、特に福祉関係者を中心として非常に御要望の強いものですから、ぜひとも次に開かれる臨時国会で成立させていただきたい、成立させるように努力いたしたいと考えているところでございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 私が所属をしております医療機関の団体からも、昨年、平成十年七月一日付で当時の下稲葉法務大臣あてに、この成年後見制度と介護保険制度、同時進行という形でぜひ実施をお願いしたいという御要望を申し上げているところであります。 もう一点でございますが、平成九年九月三十日に成年後見制度の問題につきましての研究会がございまして、報告書が出ております。その中に、「成年後見の事務」という項目で「身上監護」、「医療に関する事項」の項目がありまして、医療行為にかかわる問題につきましては十分将来時間をかけて検討するということで、この立法の適否について判断すべき事柄として、「当面は社会通念のほか、緊急性のある場合は緊急避難等の法理にゆだねることとせざるを得ない」と、そういう御意見が多かったということでありまして、この民事の法律と医療にかかわります先ほどの医療行為というものはなじまないというような方向でございますが、この点につきまして、先ほどの厚生省にかかわります医療行為とのかかわりでこのあたりのところは研究会報告書以降どういうような形になっているか、概略だけ御説明いただきたいと思います。
○説明員(細川清君) 医療行為は民事の成年後見と密接な関係がございますが、基本的には別個の問題として考えるべきだというのが基本的な考えでございます。 もう少し詳しく申し上げますと、まず、例えば後見人が選任されますと、後見人はその代理権に基づいて御本人のためにお医者さんと医療に関する、治療に関する契約をすることができるわけでございます。任意後見の契約においても同じでございまして、あらかじめ自己が疾病に陥った場合に必要な医療をしてもらう契約をすることの代理権を与えることができるわけでございます。 ところが問題になりますのは、この研究会で言っておりますのは、医的な侵襲、専門家は侵襲と言われますね、身体に対する侵害が伴う医療行為については個別に本人の同意が必要だという問題があるわけでございまして、これにつきましては代理になじまない。したがって、成年後見人等の代理権の対象には含まれないというのが基本的な考え方でございます。 この問題は、例えば意識を失った患者とか未成年者に対する手術、そういった場合の同意の問題と全く同じ問題でございまして、そういう場合の医療全般の問題として、医療の倫理に関する関係者の十分な議論を経た上で解決されるべき事柄であり、当面は社会通念のほか、緊急性がある場合には緊急避難、緊急事務管理等の一般法理にゆだねるのが相当であるということでございまして、それが先ほど委員御指摘の研究会に書いてある事柄でございます。 その後、研究会の後に法制審議会等で検討されましたが、やはり同じ考え方でございまして、先ほど申し上げました四法案はこのような考え方に基づいて作成されているわけでございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 いずれにいたしましても、介護保険制度が出発するということについてはいろいろな問題が起こるわけでありますけれども、現在考えられておりますような問題以外に、ホームヘルパーの行う行為あるいは後見人が行う行為といったものの中に、医療にかかわる問題が必ずついて回るのではないかということを危惧しております。そのあたりのところが将来、介護保険出発で見直しをされるときにもう一度整理をする必要があるのではないかというふうに思っております いずれにいたしましても、この成年後見制度及び任意後見制度が必ず来年四月に介護保険と同時に施行されますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。貴重な時間をいただきまして質問をさせていただきます。 まず第一に、原子力の防災に関しまして、このたびのジェー・シー・オーの事故に関しまして質問させていただくわけでございます。既に、衆参の原子力、産業関係の委員会等で質問もあったかと思います。 私、地元が福井県でございまして、原子力発電所が十五基あります。商業用原子力発電所が十三基、「ふげん」が一つ、高速増殖原型炉「もんじゅ」が一つと、研究用炉が二つ。合計十五あるわけです。 そこで、このたびのジェー・シー・オーの事故も踏まえまして、週末、この原子力発電所がある一帯、全部の市町村をちょっと訪問して歩いたわけでございます。 その反響を一つ御紹介申し上げますと、一番京都寄りにあります高浜町というところでは、プルトニウムとウランをまぜてペレットにしましてMOX燃料を燃やそうというプルサーマル計画、これは町が同意しておるわけですけれども、早速、関電高浜三、四号基プルサーマル計画の是非を問う住民投票条例、この運動が今始まっております。 隣の大飯町というところへ行ったんですが、町会議員とお話ししておりましたら、住民が不安に思うので、いや、ああいうなべかまをかきまぜていた事故と原子力発電所とは違うんだということをるる説明するんだけれども、なかなか説明が大変だ、ひとつ政府で思い切ったPRをしてほしいというふうな話をしておりました。 それでは、福井県の中のそこの市町村だけ、立地のところだけPRすればいいのかといいますと、やはり関西方面の方からどうだどうだというふうな電話がかかったり、やはり日本国全体としてのPRが必要だというふうなお話があったわけであります。 それから、大飯町は、最近の農山村等ではCATV、ケーブルテレビが既に設置されておるわけです。いろいろな事故があるたびに電力会社その他からこのことについてはこういうことだというPR等の番組も町もやっておるようですけれども、ぜひ普通のテレビ、各家庭に入っているテレビをインターネット化して、このような事故に対してきめ細かい対応ができるようなことに支援をいただきたいというふうな話もございました。 それから、これは隣接村へ行ったんですが、立地市町村がいかに神経を砕いて原子力立地をやっておるかという一例といたしまして、近隣の市町村が集まりまして会議が終わった後、懇親会等をやっておりまして、その隣接の村長がゲンとこう言ったら、立地の町長がびくっとして、席が離れているのに原子力のゲンと言っただけで立地の町長はびくっと反応するぐらい日ごろ非常に気を砕いておるというふうな話もあったわけでありまして、そのようなことを御紹介するわけでございます。 きょうは科学技術庁長官がおられなくて政務次官に御出席いただいているわけですが、先ほど経歴を伺いましたところ、工学博士で科学技術委員会の理事をしておられたということで、大変頼もしい方が政務次官になられたということで、心おきなく質問をさせていただきたいと思うわけです。 そこで、時間も限られておりますので問題を絞って質問したいと思うんですけれども、このような原子力発電所におきまして電力会社あるいは昔の動燃、核燃料サイクル開発機構等も非常に日ごろ訓練等には意を砕いておるということでありまして、相当の時間と予算を投入して幅広い教育や訓練をステップを踏んでやっておるということを聞き及んでおります。電力会社は自前のトレーニングセンターを持って段階的に教育訓練をしておりますし、国のサイクル機構などもシミュレーターや訓練所を充実させてやっておる、こういうふうに伺うわけでございます。 しかし、このたびの東海村の事故は、日本シリーズでいえばプロの選手がいる中に一人だけショートかサードに全く野球をやったことのないような人が守っておる、例えば私が日本シリーズでサードを守っているようなものでございまして、そのような原子力行政をやっておったということがはしなくも露呈したわけでございますが、このような民間の工場であっても同じように訓練、教育をする必要があると思うんですが、国によるこの実態把握と国の指導はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(斉藤鉄夫君) 松村先生の地元でのいろいろな自治体の原子力行政に対する御意見を聴取される不断の御努力、大変ありがとうございます。敬意を表する次第でございます。 国の体制は今後どうするのかという御質問でございますが、大きく分けて二つあろうかと思います。一つは、先ほど先生おっしゃいました、安全規制があるにもかかわらずなぜこのような事故が起きてしまったのか。安全規制、これまで起こり得ないとしていたわけですが現実に起きたわけで、その問題について抜本的に見直すということがまず一つ。それから、原子力事故が現実に起きたときにそれに実効ある対処をしていくいわゆる原子力防災、この防災についても万全の体制を整えていく、この二つの点があろうかと思います。 安全規制についてもう一度見直すということにつきましては、今鋭意通産省とも検討を進めているところでございますが、緊張感のある規制強化ということで今検討をしているところでございます。 防災の方につきましては、今回の事故の教訓、いろいろございます。その事故の教訓を踏まえて今科学技術庁と通産省で努力を進めているところでございますが、具体的には、初期動作での国、地方自治体の連携強化、それから放射線という目に見えないものを相手にするそういう原子力災害の特殊性に応じた国の緊急時対応体制の強化、専門家の派遣であるとか、具体的にはそういうことでございますが、そういう点。 それから、ほかの一般の災害と違いまして原因者がはっきりしております。原子力事業者という原因者がはっきりしておりますので、その原子力事業者の防災対策上の責務の明確化といった課題について今検討をしているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げました事故を起こさないための規制の強化、そして、しかし起きるということも想定して万全の体制を整える、そういう今努力を重ねているところでございます。
○松村龍二君 ちょっと抽象的な御回答で、詳細につきましては今まさに検討しておる最中で、次の臨時国会等で成案についても御提示があろうかと思います。また、補正予算等についてもきめ細かく対応しておられるというふうに存ずるわけですが、ただ今回、その影響が本当に大きいわけです。将来、原子力発電所をあと二十基つくらないと増加していく電力の需要に対応できないとかいろんな状況の中で、与えた損害が余りに大きいわけです。 そこで、ちょっと責任の問題についてお聞きしたいと思うんですが、先ほど野球の例を申し上げましたが、私が仮に日本シリーズに今晩、監督から命ぜられて出まして、ショートにボールが飛んできたら受け損なってけがをした、あるいは全然役に立たなかったということになりますと、これは私が悪いんじゃなくて、そのような人をそういうところに備えたということが悪いということになると思うんです。そういう意味におきまして、役所の責任というのは到底逃れられないことであろうというふうに思うわけです。 そこで、一つ伺いたいんですが、原子力安全委員会、科学技術庁と原子力安全委員会がありますが、原子力安全委員会の委員長は、新聞等で拝見しますと事故後数日たってから現場へ行かれたように思うんです。放射能の危険を一番よく知っているのはそういうような方ですから、危険だったから行かなかったのか、何日後に行かれたのか、どうしてそんなおくれて行かれたのか、ちょっと説明していただきたいと思います。
○説明員(斉藤鉄夫君) 安全委員会の委員長、佐藤委員長は確かにすぐには行かれませんでしたが、委員長代理である住田委員がまさに事故当日、たしか五時過ぎには、七時ごろ到着をして現地で陣頭指揮をとりました。 委員長は東京にいて全体の情報収集と政府とのやりとりということで、委員長代理が現地で陣頭指揮をとったところでございまして、その点につきましては、被曝が恐ろしいとかそういうことは一切ございません。
○松村龍二君 実は、私も自民党の原子力防災プロジェクトチームの主査というのをやっておりまして、当日深夜、現地へ行ってきたわけですけれども、役所に責任があるのか原子力安全委員会に責任があるのか、私は今法律関係を調べているわけではないのであれですけれども、このたび組閣がありまして科学技術庁長官はすぐ交代されましたので、責任を示すというチャンスがなかったわけですけれども、いずれにいたしましても、これだけ原子力の発展に大きな損害を与えた、また茨城県の農村、漁村あるいは商売、いろんな点で大きな損害を与えたということに対して、科学技術庁はしかるべき責任を明らかにしていただきたいというふうに希望しておきます。 次に、「もんじゅ」のことについてお聞きしたいんですが、先ほど申しましたように、私の地元には高速増殖原型炉「もんじゅ」というのがございます。平成七年十二月に二次系のナトリウムが漏れまして、放射能が外部に漏れたわけではありませんけれども、根本的なところに大きな事故があった。六千億円かけて「もんじゅ」というのはつくったんですね。それがナトリウムの管を通る温度計一つに欠陥がありましてとまってしまった。現在、四年間とまっておるんですが、この十二月で五年目になります。 今、科学技術庁としてはこの「もんじゅ」についてどのような今後対応をしようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 ただいま御紹介のございました高速増殖炉「もんじゅ」の問題につきましては、平成七年十二月にナトリウム漏えい事故が起こったわけでございますが、その後、政策面につきまして、国民の意見を反映した上で平成九年十二月には原子力委員会高速増殖炉懇談会におきまして報告書が取りまとめられ、「もんじゅ」の位置づけが明らかになったところでございます。また、安全面につきましては、原子力安全委員会におきまして、昨年の四月にナトリウム漏えい事故の原因究明及び再発防止策の審議を終了し、報告書が取りまとめられ、また科学技術庁の安全総点検チームもその結果報告が取りまとめられたところでございます。 また、この事故の教訓につきまして、それを踏まえる形で、動燃事業団につきましては核燃料サイクル開発機構という形で新しく展開をしたところでございますけれども、現在、この機構におきまして、事故時にナトリウムを冷却系から抜き取る時間の短縮、あるいは総合漏えい監視システムの設置、また建物の区画化、窒素ガスの注入等のナトリウム漏えい対策をとることにつきまして、その成案を得ているところでございます。 また、これらの問題につきましては、地元の御了解がいただければ、安全性を確認するための原子炉等規制法に基づきます所要の手続をとっていきたい、このように考えておるところでございます。 なお、「もんじゅ」の運転再開に向けまして、地元の方々の御理解と御協力を得ることが最も重要な問題と考えてございまして、核燃料サイクル開発機構におきましては、県内三十カ所を超えるところにおきましての地元説明会を行い、また、県内の方だけで二万人近い方、さらには全国を含めて四万人弱の「もんじゅ」の視察の参加を受けているところでございます。また、ことしの五月には敦賀におきまして国際エネルギーフォーラムを開催するなど、地元の理解を得られるよう積極的な活動を展開してございます。国におきましても、昨年九月、敦賀市と福井市におきまして「もんじゅ」に関する地元説明会あるいは討論会を開催いたしまして、また、本年五月には三時間半にも及びますテレビ討論を行うなど、地元の方々との対話、御理解を進めているところでございます。 今後とも、安全確保を大前提として、できるだけ早期の運転再開を希望しつつ、地元の方々の御理解と御協力を得るよう最大限の努力を払っていきたい、このように考えている次第でございます。
○松村龍二君 ただいま御説明がありましたように、現地におきまして理解を求める活発な活動を県下に展開しておられるという御努力は私も承知しておるわけですが、現在二百人の職員がおりまして再開を待ち望んでいるわけです。先ほど申されましたような、ナトリウムが漏れて事故があったときにはすっと別の部屋にナトリウムを運んでしまう、それから窒素ガスをすっと入れて燃えないようにしてしまうとか、そういう対症療法についてしっかり考えておられるということで、これが仮に一番順調に認められましても三年間かかるということになりますと、本当に八年間、二百人の有能な科学者が全く無為に時を過ごしておるということであります。 この核燃料サイクルというのが、日本の原子力行政におきまして、原子力発電所で燃料を燃やしてそれを再処理してプルトニウムを「もんじゅ」で燃やしてというふうなことで、考え方は非常に立派なんですけれども、現地といたしますと非常に希望に満ちてこの施設を受け入れておりました関係もありまして、ぜひ前向きに強力に対応をしていただきたい、こういうふうに思います。 ある人によりますと、蒸気機関というのは一七六九年にワットが水を蒸気にしてそれを動力にするということを発明して以来、世界じゅうでありとあらゆる機械にこれを使ってきて、いろいろ試行錯誤や失敗もしながら技術が完成してきた。それでもなおかつひび割れとか何かが起きるわけですね。その点、ナトリウムというのは余りに未熟なまま大型のものに取り組んでしまったというような指摘をする方もおりまして、政務次官も科学者でございますようですから、ぜひ政治の面でこの問題について意欲的な取り組みをしていただきたいということをお願い申し上げる次第です。 ぜひ、地元の理解を得てスムーズな活動あるいは根本的な見直しもお願いしたいと思うんですが、政務次官、一言お願いします。
○説明員(斉藤鉄夫君) 国の高速増殖炉に対します考え方は、原子力長計では高速増殖炉は将来の原子力発電の主流にしていくという表現になっておりますし、平成九年の高速増殖炉懇談会での結論は、将来の非化石エネルギーの一つの有力な選択肢と、こういう表現になっております。 軽水炉でウランを燃やしてそのまま廃棄してしまう、これでは今の世界のウラン燃料は七十四年で枯渇してしまうとも言われております。そのウラン燃料を数十倍の有効性を持って有効に使うことができる高速増殖炉、これを実用化すれば、これは日本だけでなく世界の人類に対する物すごい貢献になると私ども考えておりまして、ぜひ日本の力でこれを実現するべく頑張っていきたい、このように決意をしております。 それから、この時間をおかりしまして、先ほどお答えした原子力安全委員会委員長代理住田委員が現地に行った時間でございますけれども、ちょっと私先ほど間違ってしまいました。十八時三十分、住田、金川両委員の派遣を決定しておりまして、九時過ぎに現地に到着しております。申しわけございませんでした。
○松村龍二君 原子力関係はこれで質問を終わらせていただきます。 大蔵大臣にお伺いいたします。 この委員会は決算委員会でありますので、必然的に、今まで大蔵省の各省庁別の決算のときにも当然に出た質問かと思いますけれども、総括的な質問の時間でございますので、一言ぜひ教えていただきたいと思うわけでございます。 けさの新聞を開きますと、「介護保険料 徴収を凍結 家族介護には現金支給 自自公合意」、小さな見出しに「赤字国債の増発必至」、こういう記事があるわけです。 そこで、私がお伺いいたしたいことは、現在の内閣が景気回復、経済再生、これを最優先に持ってまず経済を再生させよう、それからすべてが始まるということでやっておるということは重々承知しておりまして、私ども地元の中小企業その他、このような政策を喜んでおるわけですけれども、しかし、決算委員会という立場からしますと、この国債が余りに大きくなっておる。 百四十五国会におきます宮澤大蔵大臣の財政演説ですけれども、平成十一年度予算における公債依存度は、前年度当初予算の二〇・〇%と比べ一七・九%増加し三七・九%となります。平成十一年度末の公債残高は三百二十七兆円に達する見込みであります。平成八年の公債発行額が二十一兆円、依存率が二七%。平成九年度の公債発行が十八・五兆円、依存度は二三・五%。平成十年には三十四兆円、依存度四〇%。平成十一年度は三十一兆円で、依存率三七・九%。国債残高が先ほど申しましたように三百二十七兆円、国、地方合わせて六百兆円ということで、数年前に比較いたしましても飛躍的にふえておるわけであります。 そこで、時間も限られておりますので、平成八、九年度の利払い費は低金利にもかかわらず十兆円にも上っているが、将来仮に金利が上昇した場合には利払い費が増加すると考えられます。このような利払い費の現状に対する大蔵大臣の見解をお伺いしたい。 それから、平成十一年度末に公債残高が三百二十七兆円に及ぶ見込みであるなど、財政状況は極めて厳しいが、これに対する大蔵大臣の認識はいかがですか。 それから、現在の経済情勢を考えると、公債を発行して積極的な財政運営を行うこともやむを得ないと考えられますが、しかしながら、我が国の将来世代のことなどを考えますと、財政構造改革はいずれ実現しなければならない課題と考えます。どのように取り組む方針なのか、大蔵大臣にお伺いしたいということをまとめてお教えいただきたいと思うんです。 これは水谷研治さんという方ですけれども、こういうような現在国債を発行しても、民間にお金がだぶついているからちゃんとこれが今のところは消化できる、また金利も上がらない、しかし、将来日本で物づくりに支障ができてきたときに、金利が上がって、また日本の国が保有する資産等も減ってきたときに、また金利が上がればどうにもこうにもならなくなるじゃないかといったような、こういうことを挙げるまでもなく、政府のいろいろな機関におきましても指摘されておるわけでございます。 やはり我々は、現在やりたいということはありますけれども、やはり孫子の時代にどうなるのかといったことにも責任を持つ必要があろうかと思いますが、この財政の健全化につきまして大蔵大臣からお教えをいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政の現状並びに将来について御心配をいただいておる立場からお尋ねをいただきました。私も憂いを同じくしております。 御記憶のように、昨年、小渕内閣発足に際して、この未曾有の不況を打開するために、在来考えておりました財政再建路線というものを一時放棄せざるを得ないという決心をいたしました。いわば二兎を追うことは一兎をも得ないというふうな決心をいたしたわけでございます。したがいまして、今、松村委員の御指摘のように、財政状況は極めて悪くなっておりますし、国債の利払いもおっしゃいますように増大をしつつございます。 お話しのように、たまたま我が国の金利水準が非常に低うございますので、九年度、十年度、十一年度、利払いといたしましては十兆円ちょっとのところで済んでおりますけれども、これが諸外国並みの利子水準でございましたら、とてもこういうわけにはまいらない。 論者としては、しかし金利が上がるときには、これはやがて民間の資金需要が出るときであるから、そのときには財政は撤退することができるという理屈はありますけれども、そんなにすぐに入れかわりができるものではございませんから、やがてそういうときには財政もかなり高い金利を負担しなければならないことはもう必定であるというふうに思われます。 したがいまして、おっしゃいますようなことは、ただいま、殊にこれから補正予算あるいは来年度の本予算の編成にかかる時期でございますが、我が国の経済自身が既に財政のてこ入れを必要としないほどに回復しておるかといいますと、そういう兆候は残念ながらございません。 最近わかっておりますのは今年の第二・四半期までのところでございますが、第一・四半期、第二・四半期と、ともかく一年半ぶりにプラスの成長になりましたけれども、現在、国民の消費は多少伸びておりますものの、それは所得が伸びたのではありませんで、所得自身はまだリストラクチャー等々ありましてマイナスになっている。その中から消費が、恐らく家計においてそれでも消費をしなければならないということから、消費性向が上がったことによって消費がふえておりますけれども、所得は決してふえていない。それから、設備投資はマイナスのままでございます。 この両方の、国の経済を支える民間の二つの柱がともにまだしっかりしていると申せないのがはっきりした現状でございますから、このたびの補正予算につきましても、あるいは恐らく来年度の予算におきましても、財政がてこ入れをせざるを得ないというのは事実であろうと思われます。としますと、それはさらに財政事情が悪くなるということにほかなりません。 さしずめ国債の金利につきましては、国債の発行のあり方を多様化する、あるいは市場にいろいろ注意を払いながらということは、もう最大限の努力をいたしますし、これからもいたそうと思っておりますが、それでも国債の発行額、利払いはふえていくことは避けられない状況でございます。 願わくは、このような財政のてこ入れの結果、民間の経済活動がプラスになりまして、その結果、民間の力で経済がプラスの成長をし始めるようになる。それがサイクルとして確実になりましたときには、そのときは財政が従来の立場から財政再建に転換をすることができると考えておるわけでございますが、ただいまのところ、国税の総収入は十年前の国税の収入と同じ水準に落ちておりますので、したがいまして、その点からも経済成長がプラスになって、そして租税収入が何ぼかずつふえていくという政策をとっていかざるを得ないだろうと思います。 ただ、それにいたしましても、経済成長率が上がって、そして租税弾性値が仮に一・一といたしましても、四十兆やそこらの税収では毎年せいぜい一兆ぐらいの増収しかないはずでございますから、財政の状況というのはなかなか国の税収だけでは賄っていけない。それはかなり遠い、長い時間を要することであると思わざるを得ません。 そういう意味で、御指摘のような心配は私も同じくしておりますが、ともかくプラス成長に転換をして、そして財政が徐々に民間経済活動に振りかわっていって、そして少しずつ国税収入が、それでも年間に一兆円ふえれば大したものだと思いますから、十年間後退したのを取り返すのにはかなりの時間がかかる。これだけの大きな不況を打開することができましても、将来に向かって大きな負担を残すということはまことに残念なことでありますが、やむを得ない、避けられないことかと思います。 願わくは、一日も早くそういうプラスの成長に帰っていきまして、こつこつと財政のバランスの回復を図る。残念なことではありますが、将来の国民の方々に負担を残すということは申しわけないことだと思っております。 ただ、他方で、私はもし日本経済がそういう成長の軌道に入りますならば、我が国の国民の持っておる活力あるいは経済力というものは必ず国の経済のスケールを大きくいたしますから、そういう意味で、財政収入なりなんなりは、あるいは成長率等々は将来決して悲観をしたものではないとは思っておりますものの、それはかなり長い時間を要することでございますから、今の段階におきましても、御指摘のようにできるだけ金利水準を上げないように、そこからくる財政負担を少しでも大きくならないようにする、一生懸命そういう努力をいたさなければならないと思っております。 しっかりしたお答えができないのが現状でございますが、御指摘のようなことは十分常に念頭に置きまして財政運営をいたしてまいりたいと思っております。
○松村龍二君 どうも大変ありがとうございます。 宮澤大蔵大臣、将来ともに国民の運命が肩にあるわけでございますので、ひとつぜひよろしくお願いします。 今度のこの問題は、私どもも非常にある意味では理解できるんですけれども、介護保険料を取るか取らぬかということは景気とは余り関係のない話でございまして、政策の問題でありますけれども、いずれにいたしましても、またことし予算の編成期にもなります。いろんな観点から、ひとつ宮澤大蔵大臣の手腕を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水島裕君 自民党の水島でございます。 私は、大学病院の医師をずっとやっておりましたし、また今でもライフサイエンス関係の研究をやっている者でございまして、ほかに余りこの方面の議員もいらっしゃらないんじゃないかと思いますので、多少各論的、具体的なことになってしまいますが、科技庁、文部省、厚生省に幾つかどうしても質問あるいは提言をしておきたいことがございますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。 まず最初は、国民も大変心配していることで、HⅡロケット八号機の打ち上げについてでございます。 もう既に本決算委員会でも過去のことをいろいろ討論されましたので詳しいことは抜きにしますが、宇宙開発には多額の経費を投入して、一台何百億とかかるわけでございますので、やむを得ない失敗は別としまして、つまらない失敗はない方がいいので、その点十分気をつけながらやっていっていただいていると思いますが、多少トラブルだと思いますけれども、八月打ち上げ予定のHⅡロケット八号機がまた延期になるということで国民も心配しておりますので、今後どんな予定か、今回はぜひとも成功してもらいたいと思いますが、その辺はいかがでございましょうか。
○説明員(池田要君) HⅡロケット八号機につきましてのお尋ねにお答え申し上げます。 このロケットにつきましては、ことし九月の打ち上げを予定しておったわけでございますけれども、その準備作業中に、ロケットの燃料に使います水素タンクの一部センサーが作動しないことでございますとか、ロケットの制御用にバッテリーを使っておりますけれども、出力に異常があった等のトラブルを経験しております。これに対する今処置を行ってきてございまして、現在この処置は順調に進捗してございます。 さらに、宇宙開発事業団におきましては、こうした作業と並行いたしまして、確実な打ち上げに向けて万全を期するために現場の特別点検というものを実施しているところでございます。目下のところ、この現場特別点検につきましては今月中にも終えたいとしてございまして、こういう結果も踏まえまして十一月半ばにも打ち上げを実施したいと考えているところでございます。 ロケットの打ち上げのようなこういうプロジェクトを確実に実施してまいりますためにも、こういうミスでございますとかトラブルから教訓を十分に酌み取りまして万全を期したいと考えておりますし、科学技術庁といたしましても、今回の打ち上げに当たりましても改めて入念な準備のもとに打ち上げを実施するよう事業団を指導しているところでございます。
○水島裕君 額が額だけですので、研究とか開発に必要な投資はぜひ行うべきでありますが、つまらないことでミスをしないようにひとつよろしく頑張っていただきたいと思います。 それでは、科技庁にちょっとお休みいただいて、次は文部省に四年制医科大学についてお尋ねしたいと思います。 なぜこのようなことを申しますかというと、よく議論があると思いますけれども、十八歳で例えば医師というような重要な人生の仕事を選んでいいかどうかというので、もう少したってから入る道をというのが一つの意見ですけれども、私はむしろ、私の周りを見ておりますと、医学関係以外の自然科学の学問をやっているうちに、やはりどうしてもこれは医学を学びたい、医師として研究したいという人が結構いるんですね。そういう人が入るときに、ある程度までやってまた六年もやるのではなかなか大変だし、理屈の上でももう少し何とかならないかということで、文部省でも今検討をそういうことについて始められたと聞いておりますけれども、要するに医学部以外の学士の人が、あるいは私はそれと同等の学力でいいと思いますけれども、それが入れるような四年制の医科大学を、あるいは学部をつくったらどうかという意見であります。 もちろん、現在でも学士入学でそれぞれの大学で、阪大が一番多いと思いますけれども十何人、あと数名ずつということでやっておりますけれども、そうするとカリキュラム上その他、やはりいろいろ問題点があるんですね。ですから、思い切ってひとつそういうことをつくるとよろしいのではないかと思いますので、まず御意見をいただきたいと思います。あるいは何か検討されているかどうか。
○説明員(佐々木正峰君) 御指摘ございましたような観点に立って、現在、大学医学部における学士編入学を進めておるところでございます。 この制度は、目的意識を明確に持った学生を受け入れることにより、幅広い視野と教養を持つ医師の養成を目指すとともに、多様な経験を有する者がともに学ぶ環境をつくることを通して学部全体の教育研究の活性化につながる、そういう効果があると考えておるところでございます。現在、国立大学医学部について見ますと三大学が実施をしておるわけでございますが、平成十三年度までには十六大学でこの学士編入学を実施する予定でございます。 文部省におきましては、学士編入学の導入が拡大する中で、学士を対象とする医学教育のあり方について、入学者選抜、御指摘ございましたカリキュラムの問題、教員組織等についてどのような配慮が必要であるか等の問題について現在検討しておるところでございますが、その協力者会議におきましては、メディカル・スクールについても視野に入れて検討を進めておるところでございます。 メディカル・スクールの導入につきましては、二十一世紀医学・医療懇談会の第四次報告、これは平成十一年の二月にいただいたものでございますが、そこにおきましては、「将来の方向として基本的にはメディカル・スクール等の制度を導入することが望ましいとの意見が大勢を占めた」とされておるところでございまして、文部省といたしましても、現在進めております協力者会議の検討結果、さらには、幅広い分野の教育を身につけさせることを目的としたリベラルアーツ型の教養教育、学部教育が現在我が国では十分に行われていないということを踏まえた、学部教育全体の改革の状況や学士編入学の実施状況なども踏まえて、我が国の学校教育制度全体の中で検討していくことが必要である、また適当であるというふうに考えておるところでございます。
○水島裕君 今おっしゃったメディカル・スクールというのは、恐らく、アメリカのように四年間普通の大学を終わって次の四年間医学をするということだと思いますけれども、私、今の日本の制度も結構いいんじゃないかと思っているんです。ただ、先ほど申しましたような問題点がございますので、もちろん学校、法律を変えるという観点では同じぐらい大変かもしれませんけれども、やはり、今現に日本の状態に即していい方法がないかということを検討いただくのもひとつ重要じゃないかと思いますので、またいろいろと御相談したいと思っております。 実は私、聖マリアンナ医大におりましたときにカリキュラム委員長をずっとやっておりまして、二年、三年編入という人がいるんですよね。いるんですけれども、その人たちのためにカリキュラムをつくろうとしますと、最初から入ってきた人がどうしても医学を学ばないで別のことをやってもう飽きてしまうとかいろいろなことがありますので、どうも数名編入という今の制度はいろいろ問題点があります。中で実際のカリキュラムをやっていらっしゃる方に聞くとわかりますけれども、いろいろ大変なところがありますので、思い切って一校だけでも四年制の医科大学をつくる。そうすると、もうほかのものは普通のとおりのカリキュラムでいいわけでございますから、どうしても医学を学びたい人はそこの大学に行けばいいわけでございますので、ぜひそういうこともひとつ検討いただきたいというふうに申し上げて、このテーマを終わりにしたいと思います。 それから、次にまた科技庁に戻りまして、ほぼ一週間前の十月十九日に、内閣総理大臣決定ということで「ミレニアム・プロジェクトの基本的な枠組みと構築方針について」というのが出まして、そのうちライフサイエンス関係のものは、ヒトゲノムとイネのゲノムとそれから再生医学、これが三つの柱となっております。 そこで非常に強調しておりますのが実用化に向けた応用ということでございまして、総理決定をそのまま読ませていただきますと、「遺伝子情報」、つまりゲノムその他でございますね、「を利用した新薬、診断・治療法の確立など実用化に向けた技術開発。」というのが非常に大きくうたわれているわけでございます。ところが、今も五省庁で相談なさっているので少しずつ変化は出ているんでしょうけれども、前の五省庁の合意を見ますと、もうひとつこの割には実用化に向けた、つまり医療、産業への橋渡しというところの技術開発が少ないようでございます。 ほかにもございますけれども、一つ特に今重要だと思われますのはヒト化抗体であります。そう言っても簡単におわかりにならない方がいらっしゃると思いますけれども、ゲノムプロジェクト、遺伝子研究をやっていきますと、必ず、悪代官じゃないですけれども、悪玉たんぱくというのがたくさん見つかってきて、その悪玉たんぱくがいろんな病気を起こしているということになるわけでございます。ですから、その悪玉たんぱくに対する抗体をつくれば難病も治療できる、いろんな病気が治療できる。ただ、その抗体はアレルギーを起こさないために人のものにしなくちゃいけないということで、ヒト化抗体の開発技術というのはこのゲノムプロジェクトにはなくてはならないプロジェクトなのでございます。 実は、今、日本でヒト化抗体をつくろうと思って依頼をしようと思っても、信頼の置ける施設がどこにもないんですね。ですから、私どもも随分いろいろ研究しておりますけれども、みんなアメリカとかイギリス、主としてその二国でございますけれども、頼んでいる現状でございますので、何とかそれをやれないかと思って私も科技庁を初め通産、文部、厚生あたりとも相談しているんですけれども、なかなからちが明かない。結構費用がかかるのと、それから応用プロジェクトであるということでらちが明かないのですけれども、その辺、その後省庁の間の検討で進歩が見られたかどうか、まずお答え願いたいと思います。
○説明員(池田要君) ただいま先生から御指摘ございましたように、ゲノムの研究を初めとしまして、ライフサイエンスの研究が進展してございます。その成果の実用化が重要であるということは私ども十分認識してございまして、その一環といたしまして、今御指摘がありましたようなヒト化抗体の作製施設の整備といったものが重要であるといった御指摘については、十分私どもも理解しているつもりでございます。 ことしの七月には、こうしたDNAですとか遺伝子に関する治験が進んでまいりまして、政府の中におきましても、私ども科学技術庁、文部省、それに厚生省、通産省、農水省、これらの五省庁がこういうバイオテクノロジーの成果を産業にいかにつなげていくかといったことにつきましての基本戦略につきましても共同で作業いたしまして、これを七月にはまとめたところでございます。 この戦略におきましても、先生御指摘がありましたような抗体をいかにしてつくったらいいかといったことにつきましても、遺伝子の組みかえ等いろんな技術を使うわけでございますけれども、こうした問題につきましても、実用化、産業化に向けた重要な取り組みの一つであるといったことを考えまして、視野には十分入れてございますし、御指摘のような重要性をわきまえまして関係省庁相談して取り組んでいくことにしてございます。
○水島裕君 というと、まだ余り具体的にはなっていないんじゃないかと思いますので、これはベンチャーでも十分できることなんです。 実は、多分局長の方に回っていると思いますけれども、私のところに、「アンティボディース」というアメリカの英語の本がございまして、二冊あったので科技庁にこれだけ大切なものだというので一つ差し上げているんですけれども、ここを見ますと、ちょうど百個ぐらい今世界的にヒト化抗体を開発中なんですね。これは日本で考えられたのもあるんですけれども、カンパニー、これをつくっている会社がどこかというと、これ全部欧米なんですね。 ですから、これだけ日本が進歩していて、しかもゲノムに力を入れて、ただ、ゲノムで何か有用なたんぱくは、結局ゲノムといっても、遺伝子はもちろん使うこともありますけれども、めったにうまくいかないんです。それの産物としてはたんぱくを使うことが一番多いんですけれども、そのたんぱくを利用する。そこを一生懸命やろうというのに、実用化に向けたこういう設備あるいはノウハウがないというのはこれは本当に、この間も阪大の岸本学長ともいろいろ相談したんですけれども、岸本先生もIL6あるいはTNF、これだけなくせばリューマチがよくなるというものの抗体を自分のところで考えてつくられて、だけれども日本ではできないのでやっぱり我々と同じように外国に頼んでやっていると。ですから、ゲノムをこれから一生懸命やっていこうというのに、これができないようでは本当に困るのであります。 これはお金だけ出せばすぐできるかというとそうでもなくて、この技術にはノウハウが結構ありまして、私も勉強に行くところはちゃんとルートはつけてございますのでできますけれども、そういうところで、アメリカかイギリスへ行って一年間ぐらいノウハウを勉強してこないとできないんです。 ですから、そういう期間も必要だしということで、何か意地悪してゲノムプロジェクトの実用化がうまくいかないようにお役所が思っているわけじゃないでしょうけれども、本当に重要なところをサポートしないとしようがないと思いますので、ぜひもう一度検討していただきたいと思います。 ヒト化抗体のほかにすぐ役に立つ技術としてはハイブリッドたんぱくの技術がありまして、これは今度横浜にできる理研のゲノムセンターと学者の方といろいろ相談して、これはどうにか道筋が立ちそうな気がするんです。 それからもう一つが遺伝子治療なんかをやるときのベクターの開発、これも日本は一つもない。ほとんどないんです。これは今度医科研を中心に幾つかできるので、これも多少道筋があるので、何か上辺だけゲノムゲノムとかと言っても、本当にそういう研究ができたときに役に立つ、日本の経済再生のためにあるいは医療のために役に立つ道筋ということをもうちょっと真剣になって検討していただかなければならないということを申し上げまして、特に何かございますでしょうか。
○説明員(池田要君) ただいま御指摘のように、ヒト化抗体につきまして検討状況のお尋ねがあったわけでございますけれども、これは先生御指摘のように、比較的少数ではあっても難病に対する治療法というような観点から重要視されているといったことも伺ってございますし、これは一般の比較的多くの方がかかるような薬の開発とは若干違った要素があるようでございます。 こうしたものを整備します過程では、ユーザーがどういう方々であるのかとか、そういう施設面について御指摘があったわけでございますけれども、これについて整備の主体はどういった者が適当なのか。ベンチャーというような御指摘もございましたけれども、こうしたことを進めるに当たりましても、今御指摘がありましたように、各省連携の場もございますし、まず研究面としてどういう開発要素があるのか、そういう事業主体にあるときにどういうリスクがあるのかといったことにつきましても、専門家の意見等も聞きながら内容を詰めさせていただきまして、先生の御指摘にこたえるように取り組んでまいりたいと思います。
○水島裕君 ここで上辺だけの議論をしている分にはいいんですけれども、これをだんだん議論していますと局長がいかに御存じないかということもだんだんわかってきて、例えば、今遺伝子治療で一番見込みがあるのは血管新生遺伝子なんですね。それからたんぱく質も、詳しく言ってもしようがないけれども、HGFなどのグロスファクター、それは心筋梗塞に一番役に立つんです。心筋梗塞というのは御存じのようにもう何百万人もいるわけでございますし、それから、先ほどから例に挙げておりますヒト化抗体も、これは関節リューマチを一つ例にとりましたけれども、これも百万人日本でいるわけです。 ですから、ごく少数の難病というのは全く当たらないので、今、三大死亡原因のがん、それから心臓、それから脳の血管病、これ全部こういうのが使えるわけでございますから、何か学者が珍しい病気をつかまえて一生懸命研究しているともしも局長が思われているとしたらこれは大変な認識違いでございますので、帰って科技庁でよく、まあ科技庁の中にも余り知っていらっしゃる方はどうもいそうもないんですけれども、それだったらよその人とよく勉強会を持って、やはり決めるのはお役所でございますので、決めるときにいろいろなことを知らないで決めるというのは日本にとって大マイナスでありまして、せっかく宮澤大蔵大臣あたりが一生懸命景気がよくなるのを待っていらしても、こんなことじゃいつになっても日本の景気はよくならないわけでございますので、大臣からもひとつ科技庁にきつくコメントを言っておいていただければと思います。 それでは、あとはまた個々にいろいろ苦情を言うことにいたしまして、次が、もう一つちょっとがらっと変わったテーマでございますけれども、健康食品とそれから特定保健用食品ということについて厚生省の方にお伺いしたいのでございます。 なぜこんなことを申し上げるかといいますと、あちこちでこういうことに対して注目が上がっている。特に、農水省では食物の第三番目の点としまして、一番目が栄養、それから第二番目が味ですけれども、第三番目の重要な食物の機能として健康とか病気に対する作用というのが非常に注目されているわけでございます。 私ども学者もいろいろ調べてみますと、食物の中に今使われている薬よりか、よほど正確な試験をやっても健康か何かにプラスのものがあるんです。例えば、この間ちょっと見たのが、ショウガからエキスをたくさんとりますと、普通の消炎剤よりかよほど効くとか、抗酸化剤、これは赤ブドウ酒とかそれから日本茶もそうですけれども、そういうものの抗酸化剤なんかが役に立つとかいろいろあるので、そういうことから健康食品などが注目されているわけであります。 それじゃ、その食べ物をそのままいつもずっと食べたらどうかとおっしゃると思いますけれども、今私どもが農水省と一緒にやっているプロジェクトは、タマネギに結構老化防止、糖尿病抑制作用があるというのでやっているんです。毎日一個ずつ食べていくと大体よさそうなんですけれども、タマネギを毎日一個ずつずっと食べているというのはこれはなかなかきついのでございます。ですから、やはりタマネギから大体有効と思われるものを抽出して、それだったら毎日飲めるだろうというのが健康食品あるいは特定保健用食品ということになるわけでございます。 こういうことに関しましては国民も非常に関心があるので、それに、何というか国民の健康に対する心を利用しまして幾つもの刑事事件が起きているわけでございます。私の方で私的なところにちょっと調べてもらいましたら、こんなにたくさん健康食品で刑事事件になったものがある。主としては健康食品の誇大広告などの薬事法違反というのが多いわけであります。 きょう何と何だけ申し上げたいかというと、二つ提案がございまして、一つは健康食品に、その効能がはっきりしていないわけですから、完全に証明されたわけじゃないんですから、効能をうたうことはもちろんできない。これは結構なんですけれども、そういう健康食品、例えばタマネギの有効成分を毎日飲ませたらこうこうこういう作用があったというれっきとした学術研究を信頼のある研究機関でやって、信頼のある雑誌に発表したデータとか、そういうものの情報がむしろ消費者に届いた方がいいわけですけれども、現在そういうものを一緒に示すとこれも薬事法違反になるということでございますので、もちろん一定のルールを決めて、やはり正確な情報はたとえ健康食品であってもユーザーのところに情報が行くような方法を考えるのが必要じゃないかというのが一つです。 それからもう一つは、ある程度健康にいいとか病気にいいということが証明できた場合は特定保健用食品ということで厚生省が認可なさっているわけでございますが、このときは食品の格好をしていなくちゃいけないというのであります。我々も随分相談を受けたものの中で、ある程度粉末とか抽出液で試験をしましてもこの許可をとるためにはまたそれをわざわざスープにするとかゼリーにするとか何かにしないと、食品の格好にしないと許可にならないというので、わざわざ食品の形態にしなくちゃ許可がおりないというのもどうももう一つ論理的に少しおかしなところがあるのじゃないかというので、直ちに、もちろんいろいろな問題があるのは私も重々承知しておりますけれども、そういう問題点、検討すべき事項もあるので、ひとつその辺、現状がどうであるか。一部何か検討もされているという話もちょっと聞きますので、その辺を御紹介いただくとともに、将来の取り組み方を御説明いただければと思います。
○説明員(西本至君) お答えを申し上げます。 議員がただいま御指摘になられましたように、現在では薬事法というものにおきまして保健衛生上の観点から効能、効果を標榜するものにつきましては医薬品という位置づけをしておりまして、その有効性と安全性が確認されたものに限って製造、販売を認めているところでございます。したがいまして、いわゆる健康食品と称しておりましても医薬品的効能、効果を標榜という形になっておりますと、これは薬事法に規定する医薬品に該当いたしまして、承認前に製造、販売等や広告を行うことはできないということになっております。 ただ、消費者が安全でかつ適切に健康食品を摂取することができますように、信頼できる正しい情報を消費者に提供していくということの重要性は十分認識しておりますので、どのような方法が適切であるかということを関係者と十分議論してまいりたいと考えております。 それから、形状の件でございますが、私どもにおきましては、カプセル状などの形態のものは医薬品と誤認されるおそれがあるというような理由で、特定保健用食品の形態としては現在のところ通常の食品形態のものしか認めていないところでございます。これは議員御指摘のとおりでございます。 なお、今後のことでございますけれども、現在いわゆる栄養補助食品のあり方につきまして検討を行っておりまして、その中でカプセル状等通常の食品形態以外の形態の食品の表示のあり方につきましても検討をさせていただいているところでございます。その検討結果を踏まえまして、特定保健用食品の形態等の見直しが必要かどうかについても検討させていただきたいと存じております。 以上でございます。
○水島裕君 御存じのように、アメリカではサプリメントとしてこれは非常によく使われております。それから効能なんかもうたっているわけでございます。それから、私がドイツに行ったときに、ドイツの薬局に行きますと、そういうサプリメント、健康食品みたいなのがたくさんありまして、非常に丁寧にお店の人が教えてくれた経験も持っておりますので、諸外国の例なんかも十分調査されて、先ほどの科技庁もそうですけれども、本質的には私どもと意見の差があるということはないわけでございまして、今私が申し上げたことも厚生省の中では十分ちゃんと机の上で議論をすれば厚生省の方はわかる方でございますので、薬事法にこうだからこうと決めつけないで、ひとつ議論を積み重ねていただきたい、そうすれば必ず矛盾点みたいなものがなくなっていくんじゃないかと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。 それでは、一、二分でただこちらからのコメントだけにしたいと思いますけれども、一般論に関しましては、この間総理府の方に申し上げたんですけれども、今、コンピューター化が非常に進んでおります。先ほどの総理決定のミレニアムプロジェクトでも、第二番目が「電子政府の実現」となっておりまして、二〇〇三年までに、民間から政府、あるいは政府から民間、いろんな手続をインターネットを利用してペーパーレスで行う、つまり書類はもう使わないということだと思います。それが二〇〇三年だとしますと、現在、コンピューターあるいはワープロとか、そういうもので大部分の書類はつくっているわけでございます。少なくともそれがまず通るようにしないといけない。 その一つの例として、我々病院では処方せんを書いているわけですけれども、処方せんももう今みんなコンピューターに入ってやっているわけでございます。そのときに、電子印、コンピューター印といいますか、電子印でそれぞれの人が間違いなく自分が書いた処方かどうかということもわかるようになっております。 こういう書類に関しましては、当然のことながら真正性、正しいかどうかということと、偽造困難性、偽造ができない、その二つが最も重要なことでございますが、もう現在は、個々の人のパスワードで処方せんが打てて、しかも自分しか打てない、コンピューター印しかできないようになっておりますが、まだそれが使えない。 厚生省の中ではいろいろ検討して最終段階ぐらいだというところまで来ていると聞いておりますけれども、ぜひ厚生省の方、専門の部署の方じゃないかもしれませんけれども、ひとつよく検討していただくように伝えておいていただければと思います。 それでは、時間になりましたので終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。 科学技術や情報通信による立国というものをどんどん進めていかなきゃいけないという議論が行われるようになってからもうかなり久しいわけですけれども、なかなか現実にはまだアメリカあるいはヨーロッパの一部にも日本は情報通信や科学技術の面で大変おくれをとっているという部分がマクロ的な視点であるかと思っております。 私、その原因の一つに、やはり国家財政がまだ十分に科学技術や情報通信の振興といったものにシフトし切れていないんじゃないかという気がしているんです。 前もこの同じ委員会で申し上げましたけれども、内政審議室の取りまとめによりますと、平成十年度ベースですけれども、国家予算に占める情報化関連の予算の比率というのは、米国の場合一・六%、それに対して日本は〇・八%という形になっておりまして、情報通信でアメリカに追いつけ追い越せと言っているのはいいんですけれども、国家予算を見る限りでは差が開く一方になってきているんじゃないか。 また、科学技術白書によりますと、政府の研究開発予算の流れ先というのは、アメリカの場合は、いわゆる民間の産業へ流れているのは三九%、大学へは三三%、そして政府研究機関へは二八%という比率になっているんですけれども、日本は逆に、政府研究機関が五〇%、大学が四六%、民間の産業に至っては国のいわゆる研究開発予算というのはたった四%しか流れ込んでいない。このようなあたりにも日米の科学技術の成果の差の原因があるんじゃないか、そういう気がしています。 なぜそうなっているのか。予算の組み方自体を少し見直す方向で取り組む必要があるんじゃないか。まだ全然勉強不足の身ですけれども、私は個人的に問題点を三つほど感じております。 まず第一の問題点は、やはり実用化研究への補助というものをもう少し手厚くしていく必要があるんじゃないかと思っています。今までの政府による研究開発への補助というのは、あくまでも基礎・基盤研究というものが重要視されて行われてきました。しかし、これからは実用化研究への国費の投入といったことももう少し強化していくべきだと思っています。特に情報通信の世界ではアプリケーションというまさに実用化の世界の開発が非常に重要になってきておりまして、これをやはり強化していく必要があるんじゃないかと思っています。 今まで実用化研究に対する国費の投入ということに対しては、財政的にやはり特定の企業やあるいは特定のビジネスに対する補助につながるということで余り積極的には行われてこなかったんですけれども、大蔵大臣にお伺いしたいんですが、大蔵省として、今後、実用化研究に対しての国家財政の支出に関してどのようにお考えになっているかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本来、研究開発につきましては、基礎、応用、開発、それぞれの段階の支援が必要であると思いますけれども、基本的には世耕委員の言われますように、民間企業の創意工夫というものを大事にするという考え方が基本的にはあると思います。 しかし、実際には国の研究機関あるいは大学等の研究機関、それを実用化にスムーズにつなぐということは極めて大事なことでございますから、産学官の連携を推進するというようなことから、民間企業による研究開発のうちでも新規産業創出に特に資するものについては選択的に支援を行ってまいりました。そういうケースもございます。いろいろケースはございますけれども、例えば科学技術庁において、あるいは厚生省において、農水省において、通産省において、具体的にそういう意味での研究開発の促進を図る事業に助成をいたしております。 おっしゃいますように、基本的にはそういうものは例外であろうという考え方に何もこだわる必要はありませんので、現実にはそういうものの例が多くなってきておりますし、今後もそういうふうにすべきだという御説には私どもも賛成でございます。
○世耕弘成君 力強いお言葉、ありがとうございました。 問題点のもう一つで私思っておりますのが、予算がやはり単年度の予算ということが重視されて組まれていることというのも一つ問題じゃないかと思っております。やはり科学技術や情報通信の振興には中長期的な戦略的な取り組みが非常に重要だと思うんです。しかし、現在の国家予算では、基本的には予算は単年度で組むものだということでなかなか大型の研究開発プロジェクトが推進しにくくなっている。 また、民間企業のサイドから見ましても、国が中長期的にどういうふうにやってくれるかというのが不明確で、担保がないわけですから、なかなか国と歩調を合わせた民間レベルでの研究開発というのも実施しにくい状況になっているんじゃないかと思うんです。 科学技術や情報通信振興の面でも単年度主義というのを見直して、これは一部、道路整備では道路整備五カ年計画があるわけですから、そういうような中長期的な財政措置というものが考えられないかどうかについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 単年度主義になっておりますのは、憲法を初めとするいろいろな思想が基本にあってやっております。そのことはそれで大事なことでございますけれども、実際には、現実の世の中はそれだけではいけませんで、ですから財政法によりましても、国庫債務負担行為であるとかあるいは継続費、予算の繰越明許のようなことは認められております。 のみならず、今、世耕委員の言われましたように、各種の事業について長期計画、五カ年計画というようなものはございまして、これは何物をも拘束しないはずでありますけれども、実際には長期にわたる計画に従って国の施策が行われていることはしばしばございます。 したがって、同じことが科学技術についてあってはならないはずはないのでありまして、実際問題としては、財政当局と各省庁との間で話をしていく中で、予算そのものは単年度でありますけれども、実際にはこれは何年ぐらいの計画というような話はよくお互いにしていることがございまして、また実際そういうケースが恐らくこれからふえていくに違いない。財政も実際は予算編成の過程の中でそれに対応しなければならないし、しつつあるというふうに思っております。
○世耕弘成君 わかりました。 ほかにも、もう少し重点的な予算配分ができるように、シーリングのあり方を改めるとか、いろいろそういった取り組みを今後も続けて、科学技術や情報通信の振興にやはり財政の面でも積極的に関与していく必要があるんじゃないかなと思っています。 また、ちょっと話が急に小さくなるんですけれども、平成十一年度の税制の中で、きらりと光ったいい税制だったなと思うのが私はパソコン減税だったと思っています。百万円が上限ですけれども、新規に購入した情報通信機器を即時償却できる。その償却の結果として、費用として会社の利益から落とせるし、固定資産税もかからない、あるいは固定資産管理の手間もない。私の地元の、特に情報化を考えている若手の小規模事業の経営者の間なんかでは非常に評判がよかったなと思っています。 大蔵省としてこのパソコン減税の利用状況、これは申告がまだですからなかなか把握はできないと思いますけれども、どういうふうに見ておられるか。あるいは今年度の状況を受けて来年度以降の継続、あるいは、まだ百万円という上限がついていますけれども、規模の拡大についてどのようにお考えでしょうか。
○委員長(鎌田要人君) 大臣、やられますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) もうだんだんそういうことになるそうでございますので。 今、いわゆる百万円未満のパソコンに即時償却をいたしました。その結果があるかと、まだ資料がございませんでその点はお答えができないようでございますけれども、百万円未満のものは即時償却する。 パソコンの耐用年数は六年だそうでございますので、いわばそういう期限の利益を放棄して、減価償却を適正にやるという税法の要請からいえば全く異例なことをいたしておるわけでございますが、百万円でいいのか。それをやっていくともう少し、非常に大きなものは別といたしまして、やってみて案外よかったからそれでいいのか。 恐らく、主税当局でいいますと、六年の償却のものを全部何でもかんでも即時償却するということには少し抵抗があるのかもしれません。そこらは実際利用を見ていきまして、私ども内部でいろいろ相談をしながら多少弾力的に考えてもいいのではないかなと私は思っていますが、今としては、ともかく百万円までの即時償却でかなりこれは利用していただいておるに違いないと思っております。
○世耕弘成君 ぜひ来年度以降も継続をしていただきたいなと、そういうふうに思っております。 しかし、このパソコン減税というのはある意味、今大蔵大臣もおっしゃったようにあくまでも特例という扱いになっておりまして、非常に過渡的な措置なのかなと思っているんです。 今、パソコンの法定耐用年数六年とおっしゃいましたが、現実に企業で買ったパソコンを六年間使う企業が本当にあるのかどうか。恐らく、二年もたてば新しいのに買いかえるというのが今のパソコンがどんどん機能がアップしていく中での現実ではないかと思っているんです。 ですから、もうそろそろ、これは私見として申し上げますけれども、パソコンを税務会計上固定資産として扱うのではなくて、消耗品ぐらいに変えてしまう、そういう大胆な税の考え方の変更をすれば、また日本の中小も含めた企業の情報化が進むんじゃないか、そういう気がしております。 ちょっと話題を変えさせていただきます。 この間、新聞でも報道されておりましたが、政府保有のNTT株式の売却の作業が今着々と進んでいるようですけれども、現在の進捗状況はどういう形になっておりますでしょうか。
○説明員(中川雅治君) NTT株式につきましては、平成十一年度予算で授権をいただいております百万株から、七月十三日にNTTの自己株式の買い付けに応じて売却を行いました四万八千株を除いた九十五万二千株が今後平成十一年度中に処分することができる株式数となっております。 株式市場の動向等から、NTT株式を円滑に消化することは十分可能と見込まれることから、十月十五日に売り出しの実施を発表したところでございます。今後、需要の積み上がり状況を見まして、十一月五日から九日のいずれかの日に売り出し価格及び売り出し株数の決定を行うということにいたしております。
○世耕弘成君 もともとこのNTT株の売却というのは当初予算に組み込まれておりまして、百万株が一応予定として入っていて、そのときの株の値段は一株当たり九十万五千円で予算の中では見込まれているようなんですけれども、きのうの終わり値でNTT株は百五十二万円まで行っておりまして、今歳入欠陥とかいろいろ景気の悪い話が多い中で、これは唯一かなり予算よりも大きな増収が、まだこれは当然とらぬタヌキの皮算用ですけれども、かなりの増収が見込まれるんじゃないかと思うんですけれども、そういう差額は今後どのように扱っていかれる予定でしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は御承知でございますけれども、預金保険機構に交付公債を渡しておりますが、預金保険法の附則に規定がございまして、政府は平成九年度以降の売払収入金を預金保険機構の交付公債償還に要する費用の財源に優先して充当するということに、これは昨年でございましたか、いろいろこういう問題が議論になりましたときに、歳入もあるんだからそういう不時の歳入は不時の歳出の償還に充てるべきではないかという議論がございましてこういう規定が入れられましたので、したがいまして、預金保険機構の国債の償還財源に優先して充てられることになるという法律の規定に従わなければならないと思います。
○世耕弘成君 よくわかりました。 さて、このNTT株式は、実はほかの民間企業にはない二つの規制がNTT法によってかかっております。一つは、政府が三分の一以上を保有していなければならないという条項でありまして、もう一つは、外国人資本は二〇%以上保有をできないという条項であります。 まず第一に、この外資二〇%規制というもの、これがそろそろこの二〇%にひっかかりかねないような状況が私は近づいてきていると思っているんです。というのは、今の段階で外資の保有比率は、ことしの三月末時点ですけれども、NTT株全体に対して一〇・五%になっております。今回、五次放出、株数もこれから決められるということですけれども、仮に計画どおり百万株が売却をされて、最近の動向を見ていますと外資は大体三分の一ぐらい買っていきますから、三〇%を外資が購入したとすると、まずこれで今回の売却を終えた段階でNTTの外国人持ち株比率は一二・四%まで来ます。さらに、残りの売却可能な政府保有株がすべて売却をされてその三〇%を外資が買うとすると、最終的には外資の比率というのは一八・二%まで届いてくる形になるんですね。 これは一八・二%だから、二〇%を超えていなくて全然問題ないじゃないかという話になるかもしれないんですけれども、とんでもなくて、一八・二%まで来ていますと、NTTは今後、外資が絡む例えば増資、エクイティーファイナンスですとか、あるいはこの間商法が改正されまして株式交換による企業買収というのが可能になりましたけれども、例えば外国の通信会社を買収しようとしても常にこの二〇%という天井を意識してやらなきゃいけない。このことがNTTの国際戦略の大きな足かせになってくるんじゃないかと私は思っているんです。 今、欧米の通信業界では大規模なMアンドAが盛んに行われています。規模は基本的には一兆円クラスは当たり前で、最近発表になったMCIワールドコムによるスプリント社の買収計画では何と十三兆円という数字も出てきている。恐らく日本の国策としては、こういう中にNTTも将来的には入っていかなきゃいかぬのだろうと思うんですけれども、しかし今の外資二〇%規制を前提にすると、私の試算では、株価を百五十万円で計算をしますと五千億円弱程度の買収しかできないということになってしまうんです。 ぜひ、外資規制二〇%は見直すべき時期に来ているんじゃないかと思うんですけれども、郵政省としてのその辺に関するお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(八代英太君) 鎌田委員長を初め決算委員の諸先生方、このたび小渕内閣郵政大臣を拝命いたしました八代英太でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 今、世耕委員からのお尋ねでございますが、NTTの外資規制につきましては、NTTがユニバーサルサービスの提供及び基盤的研究開発のために非常に日本におきますと公共性の高いものでございますので、その辺を責務といたしますと、しっかりと私たちは、これは国家戦略にもなるかもしれませんが、外国による過度な影響力を排除して経営の自主性を確保するため、その規制はある程度必要なものであろう、こんなふうに思っております。 これからの世界の情報通信の育成というものは、非常に不透明なものはあるにいたしましても、そういう思いを持っておりまして、非常にNTTは公共的な責任がある、こういう思いもございますし、さらにまたNTTの外資規制の今後のあり方につきましても、外国の規制緩和の動向を踏まえながら、この辺はしっかりと議論すべきではないかというふうに思っております。 外国におきましても、かなり外資規制というのは日本のNTTのみならずいろんな国々がそれぞれ課しているところがありますので、そういう動向なども考えながら、これからの国家戦略といいますか国益ということを考えながら私たちは議論すべきだと、こんなふうに思っているところでございます。
○世耕弘成君 まさに今大臣がおっしゃるように、通信産業を今後どうやって世界へ引っ張り出していくかというのは本当に国家戦略にかかわる部分ですので、よく議論をして進めていただきたいなと思います。 また、政府の三分の一持ち株規制についても、これがあるがために、NTTが外国へ出ていくと、常に郵政省と一心同体であると。この間のIDCの買収のときも英国政府からクレームをつけられたり、あるいは国際調達問題や接続料金の問題でアメリカからいろいろ言われるということで、非常に経営のフリーハンドを縛っているような気がしますので、政府持ち株の方もぜひ将来的には見直していただきたい。これは先ほど私が申し上げました研究開発の援助の重要な財源になっております産業投資特別会計の非常に重要な財源の配当のもとですからそう簡単にはできないと思うんですけれども、その辺もぜひ御検討いただきたいと思います。 また、今非常に通信業界で問題になっておりますのは、長期増分費用方式に基づいた接続料金の算定ということが話題になっています。私は、これはこれからまた法律策定に向けて今後国会でも議論をされていきますので、きょうは細かいことまで踏み込んでお伺いするつもりはございませんけれども、この長期増分費用方式というのは、きょうここで説明をしている時間はないんですが、要するにDDIさんですとか日本テレコムさんがNTTのネットワークを足回りのネットワークに接続させてもらってそれを使っている。その接続に当たっての料金を計算するに当たって、今ある設備を単純に計算したのでは老朽化した設備が入っていたりしていけないでしょう、それを一たん最新の設備に計算上置きかえてやったらいいんじゃないかという考え方で、考え方としては正しいのかと思うんです。 一方で、アメリカではまだ一部の相互接続にしか採用されていない、あるいは国際的にも計算方式もまだ定まっていないという中で、特にアメリカで採用されていない計算方式を米国からかなり強く要求されて日本が採用せざるを得なくなっている状況について、この辺に私非常に矛盾を感じるんですけれども、長期増分コスト方式による接続料算定そのもの、全般について郵政省としてどういうふうにお考えになっているのかをもう一回お伺いしておきたいと思います。
○説明員(天野定功君) 現在、東西NTTの地域通信網と他事業者の通信網との接続料金につきましては、御承知のように、電気通信事業法の規定に基づきましてネットワークの管理運営の実際に要した費用に基づき算定を行っているわけでありますが、現行の料金水準につきましては、接続事業者を初めとする関係者の方々から一層の低廉化を求める声が非常に強くなっているところでございます。 郵政省としましては、こうした社会的要請を背景に、去る三月に閣議決定されました規制緩和推進三カ年計画を踏まえ、接続料金を長期増分費用方式に基づいて算定することを今目指しているところでございます。 ただいまの委員の御指摘のとおり、この長期増分費用方式につきましては、経営に与える影響などに配慮しまして、米国におきましても州内の市内通話といった全体の中の一部の領域にしか適用されておりません。したがいまして、我が国での導入に際しましても、昨年五月にまとめられました日米共同現状報告でもうたわれていますように、三つのチェックポイント、具体的に申しますと、一つはユニバーサルサービスへの影響、二番目に利用者料金への影響、三番目に東西NTTの経営への影響に十分配慮していく必要があると考えているところでございます。 現在、本件につきましては、去る九月二十一日に電気通信審議会に長期増分費用方式を用いた接続料の算定のあり方を諮問しておりまして、ただいま申し上げましたような三つの観点にも配慮しつつ御審議をいただいているところでございまして、今後この審議結果等を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○世耕弘成君 ぜひその三つの方針を軸足をぶらさずに御検討いただきたいと思います。 特に、あくまでもこの相互接続料金というのは事業者間の言ってみれば損得の議論になっているところもございますので、やはり政府あるいは政治として考えなきゃいけないのは消費者の利益でございます。今消費者が本当に求めているものは何なのかといいますと、これはやはり安くインターネットを使える環境ということで、インターネットの定額料金、これを少しでも安くすることだと思うんです。ですから、その辺に軸足を置いていただいて、そういう動きにブレーキをかける結果にならないようにだけ、ぜひ御配慮をいただきたいと思います。 話題を変えますけれども、前通常国会で、非常に大変な議論の末、通信傍受法案が成立いたしました。あのときに、いろいろまだ宿題を抱えた状態で法律自体は成立したわけですけれども、その後の電気通信事業者との打ち合わせ、協議の状況ですとか、あるいは大きな課題になっておりました携帯電話傍受のソフト開発の状況について、法務省の方からお伺いをしたいと思います。
○説明員(松尾邦弘君) 通信傍受法を施行するための準備を今着々と進めているところでございます。九月には、第一種通信事業者あるいは第二種通信事業者を対象としまして、関係省庁、これは法務省、警察庁、それから郵政省ということになりますが、関係省庁の主催による説明会を実施しております。そこで法律の概要あるいは法律の施行のための必要な準備等について説明をして、また事業者との質疑応答を行っております。現在、警察庁が中心となりまして、関係省庁が協議、協力した上で、通信事業者との意見交換等を行っているところでございます。 今、先生お尋ねの携帯電話でございますが、これは固定式の電話と違いまして、いろいろな技術的な問題、解決すべき問題があることは御指摘のとおりでございます。この点につきましても、現在、通信事業者との間で十分に意見交換等を行っているところでございまして、傍受の実施に当たっての問題点をいろいろ明らかにした上で、できる限りその解決を図ってまいりたいとしているところでございます。
○世耕弘成君 大体これは法律の施行が一年以内ということになっていたと思うんですけれども、その辺の見通しはどうでしょうか。
○説明員(松尾邦弘君) 通信傍受を実施するためのいろいろな準備がございます。今申し上げた事業者との間の協議あるいは技術的に解決すべき事項、いろいろございます。そうしたこともありまして、慎重に準備をして、十分実施について問題のない状態で実施に移したいと思っておりますので、おおよそのところ公布後一年ぐらい、大体来年の夏ごろまでには施行したい、施行期日を決めたいと思っております。
○世耕弘成君 わかりました。来年の夏ごろまでにはということで。 またちょっと話題を変えますけれども、今、介護保険の問題が非常に問題になっておりまして、財源とかあるいは保険料をどうするんだというような話が出ておりますけれども、根本的な問題として、人材をどうするんだという問題がやはり大きいと思うんです。 これは全く私の私見なんですけれども、介護保険を導入するに当たって、ぜひ中学生、高校生に介護保険をお手伝いすることを教育課程の中で義務づけるというのがいいんじゃないか。それが一つは人材不足を補うことにもなりますし、あるいはコストを抑えることにもなりますし、そして今の中学生、高校生に老人等に接する機会を与える、あるいは人の生命の大切さを教えるということで、非常にいろんな意味で一石三鳥にも四鳥にもなると思うんです。 これは全く私の私見でございますので、きょうは文部大臣いらっしゃらないので、総括政務次官にお越しをいただいておりますので、政治家としての御見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(河村建夫君) 御答弁の前に、このたび文部省の総括政務次官を拝命いたしました河村建夫でございます。よろしくお願いします。 今、世耕委員の方から御指摘があった点は私も基本的に大賛成であります。今日の状況を考えたとき、または教育的見地からいっても、中高校生が介護体験等を通じて高齢者とかあるいは障害者に対する理解を深めていく、また一方では介護時代を迎えて人材をつくっていく大きな意味があるというふうに私も考えております。 既に中学校、高校においてもそういう方向で指導を行っておりまして、各学校においてやっているところもあるわけでございまして、世耕委員の御出身の和歌山県立貴志川高等学校でも、事業の指定を受けまして高校生に介護体験等を積極的に進めておるわけであります。 ただ、これを義務化ということになりますと、クリアしなきゃいけない大きな問題は、やっぱり一つは受け入れの問題だと思うんです。教員免許特例法案というのをつくったのは、御存じだと思うのでありますが、田中眞紀子先生とも一緒にやったのでありますが、あれは先生になる方には必ず介護体験を一週間以上やってきなさい、でないと免許状を上げませんという法律。これは実際にもう実施に移しております。そのために、既に一万人の学生がいろんな施設で介護体験等をおやりになっている。 中学生、高校生となりますと、全国に高校四百万、中学四百万、計八百万が対象になりまして、その方々を全部実習にということは非常に現場として難しい問題がありまして、いろいろ研究してみなきゃならぬことだというふうに考えております。 ただ、高等学校の家庭科の必修科目であります家庭総合の中で、既に指導内容として高齢者の日常生活の介助を新たに取り上げるようにという指導要領もございますので、そういう機会をどんどんふやしていくということによってそういう機運をどんどんつくっていくことが必要であろうというふうに思っております。 この義務化の問題について、今申し上げたような問題がございますので、さらに検討を深めながら、できるだけ多くの中高校生がこの介護体験等を体験できるような方向に持ってまいりたい、また福祉教育、ボランティア教育、そういうものをもっともっと充実していきたい、このように考えております。
○世耕弘成君 時間が参りましたので、終わります。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。 私は、この決算委員会、持ち時間は四十五分となっておりますが、その中で、東海村でジェー・シー・オー事故が発生いたしましたが、その背景について何点か御質問をさせていただきたいと思います。 まず、議論の材料としてお伺いをさせていただきます。ジェー・シー・オーさんにお伺いをさせていただきます。 過去五年間にさかのぼりまして、ジェー・シー・オーの売上高と利益の推移についてお述べいただけますでしょうか。
○参考人(木谷宏治君) ジェー・シー・オー社長の木谷でございます。 このたび大変重大な事故を引き起こしまして、まことに申しわけございません。心からおわび申し上げます。 ただいまの売り上げと利益でございますが、平成六年度、売上高が二十五億五千三百万、平成七年度、二十八億六百万、平成八年度、二十六億九千五百万、平成九年度、二十億四百万、平成十年度、十七億二千三百万。当期利益につきましては、平成六年度が一億八千三百万、七年度が一億六百万、八年度が一億六千八百万、平成九年度が一億五百万、平成十年度が二千五百万でございます。
○内藤正光君 最後の年、かなり利益が減っているようでございますが。 では、続きまして、過去十年間、毎年じゃなくて結構なんです、飛び飛びでも構いません。ジェー・シー・オーの従業員数の推移についてお話しいただけますか。
○参考人(木谷宏治君) お答えいたします。 十年前の平成二年が、東海事業所の人員は管理職、パートを含めまして百六十六名、平成六年度、百五十九名、それから平成七年度が百四十九名、その後減ってまいりまして、平成九年度が百三十一名、平成十一年度、現在は百十名でございます。
○内藤正光君 従業員数もここ数年かなりのスピードで減っているわけでございますが、先ほどお伺いしました利益につきましても、また従業員数につきましてもかなりの勢いで減っているわけでございますが、こういった激変の背景にあるものは何なんでしょうか。ジェー・シー・オーにお伺いします。
○参考人(木谷宏治君) 近年、海外との競争が大変激しくなってまいりまして、受注量、価格とも減少傾向にございます。そういうことに対処するために受注に見合う生産体制を構築していったものでございます。
○内藤正光君 科技庁にお伺いをします。これは質問通告していないんですが、わかったら教えてください。 再転換ウランの年間の国内需要量は九百トンだというふうに聞いておりますが、そのうちジェー・シー・オー等国内企業の供給能力は何割ぐらいか、そしてまた海外の依存度はどれぐらいなのか、その変化がわかるように教えていただけますでしょうか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 再転換の量目でございますが、先ほど先生がお話しになられました九百トンという数値の問題につきましては、これは国内の原子力発電所が必要とされるであろうウランの燃料の量かと思われます。その上で、再転換の割合でございますけれども、ジェー・シー・オー社が占めております割合が大方四割程度、また三菱原子燃料株式会社が占めておりますのが約三割、残りは海外の再転換事業者から成るもの、このように理解してございます。
○内藤正光君 ということは、現在海外の依存度は差し引き三割程度だということなんですが、では何年か前、五、六年前で結構なんですが、わかっていたら教えていただけますでしょうか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 この点につきましては大幅なシェアの推移があるとは見えておりませんけれども、ちなみに私の手元にありますデータでは、一九九四年以降のデータでございますが、大体国内のシェアが七十数%でございまして、一番高いところでこの近年、一九九六年度に八割近いところまで行ったのではないかと見られてございます。 したがいまして、海外依存度はこの間大方低いところで二割というのはあろうかと思いますが、三割から三割強のところという状況かと思います。
○内藤正光君 私、先日ちょっと問い合わせをしたところ、五、六年前ということなんですが、ジェー・シー・オーの供給能力が六割、三菱が三割で海外が当時一割だったというふうに聞いておりますが、そういったデータはお持ちではないですか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 私はただいま先生が御指摘なさいましたデータについては承知してございません。 ただ、六割という数字につきましては、国内事業者によります再転換ウランの出荷量が、先ほど来申し上げておりますように四割と三割を足しますと大体七割、低いところで三割というケースもありましたので、六割から七割方と、こういうことであったかと思いますので、そういうところと数字があるいはダブっているのかもしれません。したがいまして、冒頭申し上げましたように、承知はしてございません。
○内藤正光君 それらを受けましてエネ庁長官にお伺いさせていただきたいと思いますが、冒頭ジェー・シー・オーの方からもお話がありましたように、電力の自由化を契機に電力各社はコスト削減に血眼になっている、そしてより安い原材料を海外に求めると。そういった中、ジェー・シー・オーだとかそういったところが苦戦を強いられて、あってはならないことなんだけれども、時として安全性を無視して経済性を追求する、そういった構造が見えてくるわけでございます。 そこで質問させていただきたいわけでございますが、こういった一連の背景を見てまいりますと、私は今まさに日本の原子力政策の根幹が問われているのではないかと思うわけでございます。つまり、核燃サイクルを国内で完結する、エネルギーを自給するというのが言ってみれば国の施策であった、国策であった。私はここでお尋ねしますが、このエネルギー政策は今もって不変でしょうか。
○説明員(河野博文君) 御指摘のとおり、申し上げるまでもなく原子力は安全確保が大前提でございますから、いかにコスト節減の要請があろうとも安全確保を犠牲にしていいわけはないわけでございますし、また緊張感を持って慎重の上にも慎重を期して臨むということがどうしても不可欠だというふうに考えているわけでございます。 ただ、御指摘のように安全対策等でコストの上昇が予想されるというふうなことに御懸念があろうかと思いますけれども、私どもが試算をしております平成六年の電気事業審議会におきます原子力の発電コストを前提にいたしますと、むしろ当時に比べまして設備の稼働率などは上昇いたしております。そういった要素もありますので、安全対策によります発電コストの上昇ということがありましても原子力の経済性が大きく左右されるということではないように思っております。 また、加えまして、我が国のエネルギー供給の脆弱性はつとに指摘を受けているところでございますし、またCOP3におきますCO2の排出削減目標の達成、これを考えますと、こうしたエネルギーの安定供給の確保、あるいは経済成長、地球環境保全、こうした目標の同時達成を図るということですと、原子力発電をどうしても欠かせないものとして位置づけたエネルギー政策、これは必要だろうというふうに思うのでございます。 したがいまして、原子力発電の安全性の確保に万全を期しながら、原子力発電に関する国民の皆様方の御理解を求めて、安全確保を大前提とした原子力政策を着実に推進してまいるという方針を堅持したいと考えております。
○内藤正光君 もうちょっと詳しくお伺いさせていただきたいわけなんですが、既存の原子力発電所、それは認めるというのが御存じのように我が党の主張でもございます。私がお伺いをさせていただきたいのは、確かに原発は、よく主張されるんですが、単価が安いとか何かおっしゃいますが、果たして安全面、もう末端の末端までちゃんと安全面にかかるコストを加えたら果たしてどうなんだろうという疑問もやはりいろいろなところから指摘されているわけでございます。 原発は一番コストが安いということを、それを守るがために安全性を度外視することがあってはならないわけでございます。そのコストが安いということを守るがために、いつしか主客逆転して安全性をないがしろにすることがあってはならない。 そこで、国内ですべてを賄う、これは国策としていいとしても、当然コスト高になることは否めない事実だろうと思います。そういった中、海外との競争に打ちかっていくためにどう安全性と経済性との調和を図っていくか、これをもうちょっとわかりやすく説明していただけますでしょうか。
○説明員(河野博文君) 御案内のように、先ほど先生も御指摘になりましたように、我が国のエネルギーコストをより安くするといいますか効率的にするといいますか、そういった要請はあるわけでございまして、私どもも電気事業あるいはガス事業の自由化を通じまして、コストの低減が事業者みずからの手によって実現するような環境を整える、そういった政策をとっているわけでございます。 他方、繰り返しになりますけれども、原子力の安全性はそもそもこの政策を遂行するに当たっての大前提でございますので、原子力の安全性をコスト引き下げの要請があるからといって犠牲にすることは当然できないわけでございまして、第一義に原子力の安全性を置いているわけでございます。
○内藤正光君 では、もうちょっと具体的にお伺いをさせていただきますと、電力各社はいいにしても、こういうジェー・シー・オーだとか三菱原燃でしたか、こういったところはどうやって調和を図っていくんでしょうか。
○説明員(河野博文君) 先ほどジェー・シー・オーからもお答えがあったわけですけれども、これ以外にも同様の事業を営んでいる企業があるわけでございます。それぞれが企業の合理化という点で不断の努力をしておられると思いますけれども、こういった努力が現在の環境のもとでも不可欠だということだろうと思います。
○内藤正光君 この問題についてはこれ以上追及することはいたしませんが、いずれにしましても、やはり安全第一という観点でこれからも原子力行政を続けていただければと思います。 エネ庁長官に関しましては、これで結構でございます。ありがとうございます。 次に、同じく背景の方なんですが、監督官庁とジェー・シー・オーとの関係についてということで何点かお伺いをさせていただきたいと思います。 ジェー・シー・オーの前社長は高木俊毅さんという方であったろうかと思いますが、その方の経歴についてお伺いをさせていただきたいと思います。通産省、お願いします。
○説明員(細田博之君) ただいま内藤議員お尋ねのように、ジェー・シー・オーの前社長の高木俊毅氏は、通産省に入省いたしまして、この方は特に金属鉱山や石炭といった鉱山そして鉱山保安の専門家でございまして、さまざまな経歴を経て最終的には立地公害局長を最後に退官され、そしてその経歴を評価されまして鉱山あるいは製錬業を営んでおります住友金属鉱山の役員に就任いたしまして、専務取締役の時代に株式会社ジェー・シー・オーの社長を兼務されたということでございます。
○内藤正光君 ジェー・シー・オーにお伺いします。 端的で結構です。ジェー・シー・オーはどういったことを営む会社ですか。
○参考人(木谷宏治君) 恐縮でございますが、ただいまの御質問がちょっとよく聞き取れませんでしたので……
○内藤正光君 端的で結構なんです。簡単に、どういったものを営む会社か、なりわいとする会社かで結構です。
○参考人(木谷宏治君) お答えいたします。 ジェー・シー・オーは、六弗化ウランを二酸化ウランに再転換することを事業としておる会社でございます。
○内藤正光君 つまり、端的に言えば原子力関係の会社だというふうに考えてよろしいわけですね。
○参考人(木谷宏治君) お答えいたします。 原子力サイクルの一角に位置しておる会社だと認識しております。
○内藤正光君 そういった会社へ高木さんをまず取締役として迎えられたわけですが、どういった理由で迎えられたんでしょうか。
○参考人(木谷宏治君) 大変難しい御質問なんですが、高木様の人格識見をジェー・シー・オーの経営に生かしたいということではないかと思いますが、そういう決定をいたしましたのは別途のマネジメントでございますので、これは私の推測でございます。
○内藤正光君 人格識見だとか人柄だということですが、ジェー・シー・オーは言ってみれば原子力関係の仕事、一歩間違えれば人の安全を危険にさらすような、そんな仕事をやっているわけなんですが、当然迎えるからにはその専門性を買うか何かの理由があるわけですね。違いますか。
○参考人(木谷宏治君) お答えいたします。 私はその当時ジェー・シー・オーには在職しておりませんので、最後の御質問にはちょっとお答えしかねるところがございます。
○内藤正光君 私がこういうふうにちょっと深追いをしますのも、先ほど通産省、もうしつこいほどに鉱山の専門家だ鉱山の専門家だと言うからなんですが、はっきり言えば、最後に高木さんが在籍をされました立地公害局というのは、やはり地球に優しいエネルギーということで原子力発電所を推進する、その旗振り役となるようなそんな部署であるわけなんです。つまり、原子力我関せずというふうには言わせないわけなんです。当然、高木さんは原子力行政を担ってきたというふうに考える。だからこそ、ジェー・シー・オーは高木さんをそのいろいろな力量を買って迎え入れたんだろうとは思います。 そこでお伺いします。高木さんはいつからジェー・シー・オーの役員になられたんでしょうか。千九百何年何月何日ということで教えていただきたいんです、まず平の取締役、そして次に代表取締役になられたかと思いますが。
○参考人(木谷宏治君) お答えいたします。 ただいまの御質問は、高木さんの住友金属鉱山での役員でございますか。
○内藤正光君 ジェー・シー・オーです。
○参考人(木谷宏治君) ちょっと今手元に資料がございませんが、平成七年かと思います。
○内藤正光君 社長ですね。
○参考人(木谷宏治君) はい。
○内藤正光君 私の方で調べましたところ、平成三年、つまり九一年六月二十七日にジェー・シー・オーの取締役になられております。九一年です。そして、九五年、つまり平成七年六月二十九日から四年間、九九年六月二十九日までなんですが、ジェー・シー・オーの代表取締役を務め上げられております。 そこで、しばらくこの話をおきまして、科技庁にお伺いしますが、科技庁の調査の一つに保安規定遵守状況調査というものがあろうかと思いますが、これはどういった調査でしょうか。
○説明員(間宮馨君) お答え申し上げます。 保安規定遵守状況調査と申しますのは、これは加工・再処理事業者、原子炉設置者、核燃料物質の使用者の施設における保安規定の遵守状況が災害防止上適切であるか否かを確認するため、行政指導の一環として実施してきたものでございます。 ジェー・シー・オーに対しましては、昭和五十九年三月から平成四年度までの八回の保安規定遵守状況調査を実施してきておりまして、貯蔵施設あるいは廃棄施設等の施設の管理、放射性廃棄物の管理、管理区域や周辺監視区域の設定、放射線管理や教育訓練等について調査を行ってきたところでございます。 一般に、保安規定遵守状況調査におきまして改善すべき点があれば改善を指導するということにしておりまして、これまでの調査においては幾つか指摘はしてございますが、おおむね問題があったという話は聞いてございません。
○内藤正光君 つまり、保安規定遵守状況調査とは、任意ではあるけれども、実際に科技庁の調査官が現場に立ち入って作業の様子だとかあるいはまた安全教育、訓練の実施状況、こういったものを現場で科技庁の調査官が確認をする、点検をする、そういった調査だというふうに考えてよろしいわけですね。
○説明員(間宮馨君) そのとおりでございます。
○内藤正光君 それで、八回調査が行われたということなんですが、ちょっとその八回、個々の実施状況についてお述べいただきたいんです。ポイントは、何年何月に入ったか、そしてそのときに設備自体は運転中だったのか休止中だったのか、こういったものだけで結構ですので教えていただけますか。
○説明員(間宮馨君) ちょっと今のこの資料で運転中だったかどうかまでわかりませんが、過去の実施でございますが、まず第一回は五十九年三月十五日でございます。ここは今資料が欠けておりまして調査中でございますが、第二回は昭和六十年四月九日でございます。このときは施設の管理、貯蔵施設の管理というところを調査しております。三回目は昭和六十二年一月二十一日でございまして、このときは排気施設の管理、放射性廃棄物の管理、周辺監視区域の管理をチェックしております。四回目は昭和六十三年六月二日でございますが、この資料も今欠けておりまして調査中でございます。五回目は平成元年八月一日でございまして、施設の管理、貯蔵施設の管理。六回目は平成二年七月十六日でございまして、排気施設の管理、放射性廃棄物の管理、周辺監視区域の管理。七回目は平成四年一月二十三日でございまして、管理区域の管理、周辺監視区域の管理、被曝管理、放射線測定機器の管理、保安教育、保安訓練、特殊健康診断。八回目が平成四年十一月二十六日でございまして、保安管理体制、教育訓練、施設の操作、この中には臨界安全管理も含まれてございますが、放射線管理、保守管理、核燃料物質の管理、放射性廃棄物の管理、非常時の措置、記録及び報告というところをチェックしてございます。
○内藤正光君 私の方で事前にお伺いしたことを申し上げますと、第一回目と第二回目は運転中だったかどうか記録がないということだそうです。第三回目が唯一運転中だったということなんですが、そのときは臨界管理の様子については調査しなかったと。第四回目以降は、第八回目まですべて休止中だったということです。つまり、運転中だったとはっきり言えるのは八回の調査のうちたかだか一回だけということなんです。 ところが、そもそもこの保安規定遵守状況調査というのは、作業の様子を見て、正しく作業が行われているかどうかを科技庁の捜査官が目で確認をする、点検をする、これが目的のはずです。ところが、実際に運転中だったのはたかだか一回。となると、この状況調査は何の目的で行ったのか、どういう効果を果たし得ているのか、果たし得てきたのか、甚だ疑問なんですが、何かあればお答えいただきたいんです。
○説明員(間宮馨君) 今申し上げましたように、運転が始まって後の保安のための措置が十分にとられているかどうかという観点でチェックをしてきたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、その都度幾つかポイントを絞ってそれを中心にチェックをしてきたということでございまして、運転状況そのものについて十分チェックがなされていたかといいますと、施設であるとか措置であるとか、そういうことがかなり中心であったように考えております。
○内藤正光君 この調査自体かなりずさんなものであったというふうな印象を受けるわけなんですが、その調査ですら九二年十一月を最後に何にもやってないわけなんですね。 そこでお伺いしたいんですが、九二年以降この状況調査にかわる何か定期的な点検調査を科技庁の方でしてきたんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) お答えいたします。 ジェー・シー・オーの転換試験棟に対しましては、今申し上げました行政指導による保安規定遵守状況調査のほかに原子炉等規制法に基づく施設検査というのがございまして、これにつきましては昭和五十九年には建物を初め化学処理施設等の各種施設について、平成七年には貯蔵施設について検査を行ってきたところでございます。 また、これまでの規制におきましては、ジェー・シー・オーに対しましては、今申し上げました保安規定の遵守状況のほかに、十年四月に設置いたしました運転管理専門官の巡視による施設の状況等の把握に努めてきたところでございます。 しかしながら、今回こういう重大な事故が起こったということから、当庁といたしましても規制のあり方、検査のあり方等については謙虚に反省すべきと認識しておりまして、今後、今現在行われております原子力安全委員会の事故調査委員会における原因究明あるいは再発防止の検討の結果をも踏まえまして、規制、検査のあり方について早急に検討を進めてまいりたいと考えております。
○内藤正光君 先ほど、平成七年に貯蔵施設の調査を行ったということなんですが、これは私が調べたところによれば、貯蔵施設を増設したから見に行っただけであって、これは定期検査でも何でもないわけです。つまり、はっきり言えば、この八回の任意の調査以外に科技庁としては何ら定期的な検査というものを行っていなかったと言わざるを得ないわけなんです。 そこで、また再度お伺いしますが、こういったウラン加工施設には法的に義務づけられた定期的な点検がないというふうに理解してよろしいんですか。これは政務次官にお伺いをさせていただきたいんです。
○説明員(斉藤鉄夫君) ウラン加工施設については、定期的な検査は義務づけられておりません。
○内藤正光君 任意とはいえ、状況調査というのが唯一の定期的な調査だったわけなんですが、この調査も、再三申し上げますが、九二年十一月を境にやっていないわけなんです。 そこでまた、先ほどの高木社長の話を思い返していただきたいんですが、高木社長がジェー・シー・オーに天下ったのはいつだったかといえば、九一年六月、つまりそのあたりが妙に一致してしまうというふうに客観的に見れば見えてしまう。つまり、通産省OB、これは原子力のエキスパートであったかどうかは別として、大事なのは通産省OBだったということなんですが、その方がジェー・シー・オーに天下った。そのときを境に両者のなれ合い関係が生まれ、そして形の一つとしてこういった唯一の定期的な調査であったはずの状況調査すらなくなってしまった。 私は、今回の事故の発生の遠因にそういったところが一つにはあるんだろうと思いますが、こういった現状、事実に対して政務次官はどんなふうに反省あるいはまたどんなふうな対応で臨まれるか、お答えいただけますか。
○説明員(斉藤鉄夫君) 内藤委員おっしゃるようなことはございません。 ジェー・シー・オーに対しましては、施設の運転開始後、行政指導の一環としてジェー・シー・オーの保安規定の遵守状況について任意の調査を行ったことはあり、確かにそのような調査は平成四年度以降実施されておりません。 実際のところ、平成五年度以降は民間事業者による濃縮、再処理等の事業の認可に伴い、関連の許認可及び検査に係る業務が急増しておりまして、法令上必須の検査であるこれらの施設に対する検査が優先され、任意事項である保安規定遵守状況に関する調査は実施しにくくなったという事情がございます。 その後は、原子炉等規制法に基づく施設検査、運転管理専門官による巡視等を行って施設の状況等の把握に努めてきたところでございます。 しかしながら、結果的に今回の重大な事故が起こったことから、当庁の規制のあり方について謙虚に反省すべきだと認識しております。 以上でございます。
○内藤正光君 ほかの調査をやったから定期検査はできなかったと、こんなのは言いわけです。安全第一でいくからにはやはりこれはもう定期的な検査を続けていく、そして定期的な検査を行う中で監督官庁とそしてジェー・シー・オーとの間に緊張関係が生まれる。もしそういった緊張関係があれば、もしかしたら今回のような事故は発生していなかったかもしれない。そういった意味で、監督官庁科技庁としての責任は私は重大だと言わざるを得ません。 ですから、ほかの調査をやっていたからやれなかっただとか結果としてこういう事態を招いてしまっただとか、そんな逃げ腰の態度を続けるからこそ何度も何度も同じような問題を起こしていると言わざるを得ないわけなんです。私は、これはもう本当に言いわけをせずに謙虚に反省してこれから安全施策に努めていただきたい。この言葉を受けてもう一度お願いしたいと思います。
○説明員(斉藤鉄夫君) 私ども言いわけをしているつもりはございません。これまでは原子炉規制法に基づいて検査をしてまいりましたけれども、現実問題としてこういう事故が起こってしまったということについては厳粛に受けとめております。 したがいまして、今後、安全委員会の事故調査委員会におきまして、その規制のあり方についてもこれから原因究明がされます。私どもその審議の結果を受けてその御指摘の点についても判断をしていきたい、このように考えております。
○内藤正光君 また引き続き政務次官にお伺いしたいんです。 次官にお尋ねしますが、ジェー・シー・オーは十九年前ですか、一九八一年にも弗素漏れ事故を起こしているということなんですが、御存じですか。
○説明員(斉藤鉄夫君) いいえ、知りませんでした。
○内藤正光君 十月五日の朝日新聞なんですが、私も先ほどもらった新聞でありますが、よく見ますと、弗素をもうまき散らしてというか漏らして、周りの野菜だとかそういったものに被害を与えていると。この事故と今回の事故をあわせて住民にちょっとインタビューをとってみた言葉があるんですが、「問題が起きたときだけ安全対策を取り繕い、すぐに忘れてしまう体質が問題だ」というふうに厳しい言葉をジェー・シー・オーに対して浴びせているわけなんです。つまり、もう既に同じような事故が起こっている。これはジェー・シー・オーのもしかしたら問題なのかもしれませんが、こういった問題が起きているということをやっぱりまずは認識しなきゃいけないんです。 だから、こういった会社だからこそと言ったら失礼になるかもしれませんが、特にまた原子力という、万が一問題を起こしたら国民の命を危険にさらすようなそんな仕事をやっているそんな会社に対して、私はもうちょっと安全規制という立場からしっかりと臨んでいただかなければ困るわけです。よろしいでしょうか。
○説明員(斉藤鉄夫君) 今回、謙虚に反省をして、原子炉規制法の改正、規制についても抜本的に強化をしようという方向で今検討させていただいております。事故調査委員会の結果も踏まえて対処していきたいと決意しております。
○内藤正光君 安全第一を旨として、そしてまた監督官庁による定期的な検査が緊張関係を生む、やはりその緊張関係が大切だということで今後もいろいろ行政を進めていっていただきたいと思います。 では次は、科技庁の危機管理能力ということで何点かお伺いをさせていただきたいと思います。 御存じのように、事故が発生したのは九月三十日の十時三十五分でした。そして、調べたところによれば、十時五十分に科技庁からサイクル機構に対してモニタリング支援要請が出ているわけです。ところが、モニタリング支援要請といっても、この時点では中性子線という意識はなかったようです。そして、現場で測定準備を進めていたサイクル機構の職員が、もしかしたら中性子が発生しているんじゃないかという疑いを持ったというんです。そこで、その測定のための準備を始めた。これが午後三時三十分です。そして一方、並行してなんですが、四時に患者の吐瀉物からナトリウム24が検出された。これはもう中性子被曝を受けている何よりの証左だということで、これが科技庁に報告をされた。結果として、四時半に中性子線を現地で測定し始めたということなんです。 ただ、ここで一つ注意しなきゃいけないことがあろうかと思いますが、ジェー・シー・オーの越島さんに確認をさせていただきたいと思います。四日の東海村議会で証言をされておりますが、どんなふうに証言をされているかといえば、事故から十分後、つまり十時四十五分ですね、十時三十五分事故発生ですから、十時四十五分の時点では臨界が起きたとしか考えられないと判断したというふうに証言されておりますが、これは正しいですか。
○参考人(越島建三君) お答えいたします。 十時三十五分にエリアモニターの警報が鳴りまして、私ども社員は日ごろの訓練に基づいてグラウンドに集合したわけでございますけれども、そこに安管職員がサーベイメーターも持ってきておりまして、スイッチを入れたところ針が振れていた。通常はゼロでございますので、これはおかしいということで、私ども社員等をもう少し入り口に近い事務棟に移動させまして、そこでサーベイメーターの針を見たんですが、やはり非常に振れていた。そのときに考えたのは、私どもの施設でこういう事態、かなり離れたところで放射線が検出される事態というのは、私の判断では臨界しか考えられないなというふうに思った、それが十分後でございます。
○内藤正光君 そういった所長のお考えをどなたかに伝えたんでしょうか。
○参考人(越島建三君) その後、私どもは社内の事故対策の組織を結成いたしまして、関係各省の連絡の準備をいたしました。その事態を受けて第一報をスタートさせたのが十一時十五分ごろだったと思いますが、そのときに備考欄に臨界事故の可能性ありということでお知らせをさせていただきました。
○内藤正光君 では、そういった備考欄とはいえ、臨界のおそれありという文言は科技庁には伝わっていたということですね。
○参考人(越島建三君) 私どもで関係機関としてお知らせした中には、科技庁さんも当然ながら入っております。
○内藤正光君 そういった備考欄とはいえ、そういうおそれありというコメントを受けて、科技庁としてはどういう対応をされたんですか。
○説明員(間宮馨君) 今回の事故発生後、今のような十一時十五分発のファクスが十九分ごろに届きました。その中で、臨界事故の可能性ありという文言がございました。その後、十三時四十二分に受けた第五報では、濃縮度一八・八%、約十六キログラムのウランを沈殿槽に移入しているとき青い光が出た、こういう報告を受けておりました。 このようなことから、事故発生当初より臨界事故の可能性を認識して動いていたわけでございますが、臨界事故であったという場合、通常の場合といいましょうか非常に多くの場合は、臨界が一回起こってとまるというのがございました。そういうこともございましたし、データが出てきましたのが、ガンマ線のデータはございました。ただ、そのほかのデータが幾ら確認しても届かないという状況が続きましたので、我々が考えましたのは、いずれにしても東京にいてはだめだということでございます。 したがいまして、もう十二時過ぎには担当官を一人現地に派遣し、一時ごろには次長に二人担当官をつけて現地に派遣して、現地でどんどん判断しながらやってもらう、その結果を受けながら東京も判断するという体制に切りかえたわけでございます。 そういう中で、いわゆる現地での判断あるいは当庁から行った人間が東海村とか原研と話し合う中で、中性子モニターをやっぱりすべきであるという話で中性子のモニターが始まったというふうに我々は理解しております。
○内藤正光君 何と言おうが、中性子線の発生の疑いを持ってその準備を始めたのは現場にいたサイクル機構職員なんです。また実際に、東京にいてはだめだといって動き始めたのがもう事件発生後何時間もたってから。そういった後手後手の、危機意識がないというか対応能力がないというか、そういった行動が結果的に中性子線の被曝者の数をふやしてしまったんです。 もとから、ちゃんと発生する可能性もあるということを前提に常日ごろからいろいろな設備や何かを用意しておけば、今回の被害がたとえ発生したとしても最小限に食いとめられていた、少なくとも中性子線被曝者の数はもっと減らせていたはずなんです。 私の時間がもうそろそろ来てしまいますのでこれはここで打ち切りますが、私はあくまで危機管理意識というものを持って臨んでいただきたい。政務次官にちょっとお答えいただけますか。
○説明員(斉藤鉄夫君) 臨界事故は起こり得ないという大前提で、それが頭の底にあって今回判断が大変おくれたという御指摘はそのとおりだと思います。 今回、この教訓を得て、基本的に加工施設で臨界事故は起こり得るんだ、危険を内包しているんだという基本的な思想でこの規制をもう一度見直していきたいと思っております。
○委員長(鎌田要人君) 内藤君、時間が来ております。
○内藤正光君 最後に、政府が用意しているという原子力新法について一点お伺いをさせていただきたいと思います。 まず、政務次官にお尋ねをさせていただきますが、これはインターネットで取り出したものなんですが、平成八年十一月二十日付で科学技術庁の原子力安全局長池田さんから出された手紙です。これは情報公開の大切さについて説いた手紙なんですが、あて先としては、今回事故を起こしたジェー・シー・オー、当時の日本核燃料コンバージョン代表取締役社長でありました高木俊毅さんも含めた科技庁傘下の組織にあてて送られた手紙なんですが、これの存在は御存じでしょうか。
○説明員(斉藤鉄夫君) 私自身はちょっと詳しくありませんが、庁としては当然知っております。
○内藤正光君 簡単にかいつまんで言いますと、「「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故の発生及びその後の情報提供における不適切な対応は、地元の方々はもとより、広く国民全体に原子力に対する不安感、不信感を与える結果となりました。」、また、「特に、事故、故障等のトラブルについては、地域の住民や国民の関心が非常に高いことから、迅速かつ正確な情報の公開が重要となっています。」ということで、情報公開をこれからしていきますからよろしくお願いしますということで、科技庁からその傘下のいろいろな組織に送られたわけでございます。 そこで、政務次官にお尋ねしますが、今回のこのジェー・シー・オー事故においてこの精神は生かされたというふうに思いますでしょうか。
○説明員(斉藤鉄夫君) この精神を生かして、これまですべての情報について、例えば事故調査委員会等につきましてもすべての情報を公開しております。
○内藤正光君 ジェー・シー・オーはいかがだったでしょうか。この科技庁から送られてきた手紙にのっとって、その精神にのっとって適宜適切な情報公開に努められたというふうに考えられていますでしょうか。
○参考人(木谷宏治君) お答えいたします。 その精神にのっとって行動はしていたと思います。それから、事故発生後も、情報については遅滞なく公開するように努めております。
○内藤正光君 そうおっしゃる割には、例えば平時においては、周辺住民に対するアンケートでは、大半の周辺住民はジェー・シー・オーが何をする会社か知らなかったという住民が大半なわけです。実際に事故が発生してもいろいろ通報なり情報公開が後手後手に回った、これは紛れもない事実なんです。この精神にのっとって情報公開に平時もまた緊急時も努めてきたかといえば、私は到底努めてこなかったのではないのかというふうに思えるわけでございます。 そこで、こういった事実を踏まえて、今回新法をつくられるわけなんですが、私は先日、科技庁そして通産省の方から説明を受けました。ところが、骨子だけなんですが、骨子を見てもわかるのは、決定的に抜け落ちているものがあるんです。それはやはり情報公開なんです。周辺住民へのどんな作業をやっているのか、そういったことはもとよりいろいろなことを情報公開していかなきゃいけない。そしてまた、周辺住民だとか近隣自治体、あるいはまた、これが大事だと思うんですが、国会への報告、こういったものも私は情報公開という一環の中で決しておろそかにしてはならない、もうイの一番で大切にすべきものだろうと思います。 こういったものをぜひ盛り込んでいただきたいわけですが、方向性について政務次官から答弁をいただき私の質問を終え、同僚議員にかえさせていただきたいと思います。
○説明員(斉藤鉄夫君) 徹底した情報公開という方向性については、我々も認識は同じでございます。 御提案いただきました各点につきまして、その内容をこれから鋭意検討させていただきたいと思います。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充でございます。 私はジェー・シー・オーの方はお呼びしていないんですが、一問だけ、ちょっと確認の意味だけでお願いしたいんです。 先ほど内藤さんの質問に対して、臨界の可能性があるというふうに判断したのが十時四十分というふうにおっしゃっていましたが、そのとおりでよろしいんでしょうか。
○参考人(越島建三君) お答えいたします。 事故が起きたのが十時三十五分。それで、私がそう判断したということでお話ししておるのは十分後でございます。
○櫻井充君 わかりました。どうも済みませんでした。 内藤さんに引き続きまして、東海村の事故について医学的な見地からいろいろ質問させていただきたいと思います。 今回、被曝された人が全部で六十九人いらっしゃいますけれども、その被害の状況といいますか、どのぐらいの放射線量を浴びているのか、その辺の数字から教えていただきたいと思います。
○説明員(間宮馨君) お答え申し上げます。 ジェー・シー・オーの臨界事故により被曝されました方々につきましては、ジェー・シー・オーの従業員等五十九名、作業員搬出のために現場に立ち入った消防署員三名、ジェー・シー・オー敷地のごく近傍にいらっしゃった作業員の方七名の計六十九名を現在までの測定等で確認してございます。これらの方々につきましては、直接事故の発生につながる作業に従事していた三名を除きまして、現在通常の業務に従事されておられます。 また、茨城県は今回の事故を受けまして、ジェー・シー・オーからおおむね半径五百メートル以内に居住している方々等のうち希望者計千八百三十八名について健康調査を行いまして、直接の放射線障害が疑われる者はないとの結論に至ったものと承知しております。 当庁におきましても、関係機関がジェー・シー・オー周辺住民の方々等のうち希望者数十名に対し、ホール・ボディー・カウンターによる測定を行っているところでございまして、現在までのところ、先ほど御説明申し上げましたジェー・シー・オー敷地のごく近傍にいらっしゃった作業員の方七名を除きまして、検出限界値を下回るという結果を得てございます。 さらに、周辺住民の方々への影響につきましては、現在ジェー・シー・オー周辺における中性子線のモニタリング結果等を用いた計算による方法も利用いたしまして、今回の事故による被曝の全体像を可能な限り明らかにすべく取り組んでいるところでございます。 先ほどの七名はどういう数値であったかということですが、被曝量は推定値でございますが、最小の方は〇・五から二・七ミリグレイ、最大の方は一・六から九・四ミリグレイと出ております。
○櫻井充君 まず、六十九名の方はホール・ボディー・カウンターを使われているんだろうと思いますが、残りの住民の方々に関してはホール・ボディー・カウンターは用いて検査されているんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) いわゆるジェー・シー・オー周辺住民の方々等のうち希望者数十名ということでございますが、今現在で申し上げますと、測定者が、いわゆる偶然に被曝に遭われた方としては百四十五名をホール・ボディーで検査をいたしております。いわゆる計画被曝といいましょうか、冷却水の抜き取りあるいは硼酸水の注入等に従事された方につきましては三十三名をホール・ボディーで測定いたしております。
○櫻井充君 七名の作業者の方ですけれども、この方々は、なぜまずとりあえず検査しようということになったんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) ちょっと正確に申し上げられるかどうかですが、いずれにしましても近傍にいて、かつ希望があったということであろうと思っております。
○櫻井充君 そうしますと、その七名の方もたまたま希望していて、そこの場所にいてまとまった方が放射線の被害を受けたというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) そのように承知しております。
○櫻井充君 先ほど、あと千八百何名の方に関して一応検査をして異常がないというふうな話でしたけれども、恐らく基本的には白血球等をはかられていると思います。 しかしながら、リンパ球に関して異常が出るというふうなもの、異常がなければ全く問題ないというふうに、まずこちらからお伺いしたいんですけれども、リンパ球において何も異常がなければ基本的には全く問題ないというふうにお考えでしょうか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 ただいま手元にしかとした資料を持ち合わせておりませんけれども、リンパ球によって判定をするものと、例えばホール・ボディー・カウンターによって測定をするものの趣旨でございますけれども、ホール・ボディー・カウンターですと、体内から出てまいります放射線を測定することによって、それが有意なものであるかどうかを検出するわけでございます。 今、先生お話しございましたリンパ球の変化の問題でございますけれども、リンパ球の変化を追っかけるにはそれなりの線量率が必要になってくるものでございますので、有意な数値を示すような線量率であったとは言えない、このように言った方が適当ではないかと思います。
○櫻井充君 基本的には、中性子自体が今回はかられていませんけれども、その後はかるようになっていますし、とりあえずガンマ線は調べられているかと思いますけれども、地域における大体、マップというんでしょうか、ジェー・シー・オーがあってその周りのところ何メーターぐらいでのガンマ線の線量とか、その辺について教えていただけますか。
○説明員(間宮馨君) 先ほど申し上げましたように、中性子の影響につきましては、先日、沈殿槽内の溶液から一部サンプルをいたしまして、現在、原子力研究所において分析を進めております。 この分析とあわせまして、いわば解析という作業が行われつつあるわけでございますけれども、その結果によりましてジェー・シー・オーからどれぐらい離れていればどういう線量を浴びたかということが明らかになってくると思っております。
○櫻井充君 モニターはなされていなかったんでしょうか。 つまり、例えば茨城県はたしか六億円かけて感知システムなどをつくっていたはずですけれども、今回その感知システムも役に立っていないというようなことですが、基本的にはいろいろな場所でサンプリングを行っているはずです。それによってのマップというのはまだでき上がっていないんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) ガンマ線のデータはいろいろモニタリングポスト等でございましたが、中性子線のデータにつきましては途中段階からいわばとり始めたということでございまして、最初からすべてのデータがそろっていたということではございません。
○櫻井充君 つまり、何でこんなことを聞いているかといいますと、基本的にはもう被害を受けた方々の中性子の量をはかることはできないわけです。そうしますと、本来ですと中性子がどのぐらいの範囲まで及んだか、もしくは中性子がはかれないとなれば、例えばナトリウム24をはかるとか、そこから出てくるガンマ線をはかるとか、そういうふうなことで推察するしかないんじゃないかというふうに思っています。その推察をしなければ、今、地域の方々が、実際検査をしても異常がないというふうに言われても信じられないと不安を訴えられている方がかなり多いわけであって、そのマップは欲しいんだというふうな声がかなりあるわけです。 ですから、そのようなマップを公表する意思がおありなのかどうか、いつごろまでにそれであればおつくりになるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(間宮馨君) いずれにいたしましても、我々もなるべく早く全容を明らかにいたしたいと思っておりまして作業を急いでおります。 いつと言われますと、ちょっと作業の工程もございますので今申し上げられませんが、近日中に明らかにすべく最大限の努力をいたしたいと思っております。
○櫻井充君 被曝の急性期に関しての問題がある人は今三人かと思います。しかしながら、本来中性子を浴びた場合の一番の大きな問題というのは、DNAが切断されること、DNAが傷つけられることかというふうに考えます。 今回の六十九人の方々の中で、遺伝子に関して全く問題ないというふうにお考えなんでしょうか。
○説明員(斉藤鉄夫君) 中性子とガンマ線で人間に与える、生体に与える影響は異なります。吸収線量の単位はグレイでございますけれども、同じ吸収線量でも人体に与える影響は違う。その線質係数ということで、ガンマ線についてはグレイ・イコール・シーベルトでございますが、中性子については線質係数を一〇以上とっている。中性子については、先ほどおっしゃいましたように遺伝子に与える影響等をも含めて、同じ吸収線量でもガンマ線に比べて十倍以上強いシーベルト数になるようになっております。 そういうことも含めて、今回シーベルトで、いわゆる線量当量という値でございますけれども、この線量当量で評価しよう、ガンマ線と中性子線、同じ足し合わせる形で評価しようという努力を今しております。 中性子線による遺伝子への影響等はなかったと言えるのかということでございますが、科学的にそういうことは言えないと思います。放射線の人体に与える影響には、いわゆるある一定線量以上受けると必ず出てくるそういう確定的影響と、それから受けた線量に比例して発生する、しかしその出てくる影響そのものはその線量には関係しないという確率的影響がございますけれども、その確率的影響については、低線量だから全くないということは、ですから言えないわけでございます。 いずれにいたしましても、被曝限度、例えば五ミリシーベルトというものが一般公衆に対しては設定されているわけですけれども、そういう設定値に対して今回このジェー・シー・オーに起因する被曝がどの程度になるのか、それを早急に出していきたい、このように思っております。
○櫻井充君 答えになっていないと思っているんですけれども。 要するに、ではその後、この方々の健康管理というふうなものは、だれがと言った方がいいでしょうか、どこがと言った方がいいでしょうか、責任を持ってまず見られるのかどうかということですね。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 今回、被曝をなさったジェー・シー・オーの中で働かれていた人、さらには近傍で働いていらっしゃった人などを含めまして、健康不安に適切にこたえていくことが政府にとりまして重要な問題である、このように受けとめてございまして、科技庁におきましては、厚生省にも働きかけて、県、村とも連携をとりまして、こういう方々の健康相談、健康管理の問題について対応していくべきものと考えてございます。 さらに、先ほど先生おっしゃられましたとおり、ナトリウム24についてフォローをしていくという問題がある旨お話しになられましたけれども、ナトリウム24の半減期は十五時間でもございます。ナトリウム24を追っかけることの限界がございますので、先ほどお話しございました千八百名を超える方の茨城県が行われました血液検査を主体としますものはリンパ球に関するフォローでございまして、このあたりにつきましては、少なくともリンパ球数をもとにした判定として先ほど申し上げた結果が得られたものでございます。 したがいまして、住民の方々を含めまして、健康相談、健康管理の問題について科技庁が連携をとって対応することとしてございます。
○櫻井充君 もう一度お伺いしたいんですけれども、そうすると先ほど検査した人に関しては、安全だと、あなた方は問題ありませんよというふうにはおっしゃっていないということなんですか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 先ほど、検査をした者につきましては、放射線の影響を最も受けやすいと考えられます血液中のリンパ球数をもとに判定して、その上で健診結果といたしまして直接の放射線障害が疑われる者はいなかったという結論が得られているものでございます。
○櫻井充君 ちょっとお伺いしたいんですけれども、放射線を浴びた際に中性子を浴びた場合には、リンパ球そのものが壊されるんですか、それとも造血幹細胞がやられるんですか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 造血幹細胞が壊された結果、リンパ球数が低減するものと思われますけれども、まことに恐縮でございますが、それ以上の答弁は今のところはできません。
○櫻井充君 リンパ球の寿命は何日ぐらいか、御存じでしょうか。
○説明員(興直孝君) しかと今記憶が定かじゃございませんけれども、白血球におきまして数日、アフューとか二、三とか、短くてそのあたりの数字だろうと思いますので、その範疇だろうと思います。長ければさらに週を超えるようなところがあろうかと思います。
○櫻井充君 そうしますと、要するに白血球をはかった時間によって必ずしもそれははっきりわかるわけじゃないわけです。つまり、直後であればあるほど白血球の減る確率は非常に低くて、それから一週間もたてば、造血幹細胞のやられ方にもよりますけれども、その後の回復過程もあるわけであって、リンパ球を調べたから、はい、安全でござい、そういうふうにはまずならないんだろうというふうに思います。 ですから、要するに住民の方々にまず大丈夫ですよというふうに言うためには、その中性子がどのぐらいの量、どのぐらいの時間空中にといったらいいんでしょうか、存在していたのか、どこまで飛んでいったのか、そのことがはっきりわからなければ、それから推察するしかないわけです。私はそう思っている。ですからこういうふうにくどくどと聞いているんですけれども、いかがでしょうか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 ナトリウム24をフォローするのも、先ほど申し上げました事情で一日当たりほぼ四分の一に低減するわけでございます。同様に、白血球あるいはリンパ球の変化も日を追うものでございますところ、今回、茨城県が実施なさいました千八百名を超える方の健康相談、健康診断は、事故が起こりました九月三十日から二、三日たった十月二日から四日にかけて行われたものでございます。その結果が十二日でございますか、に発表されたものでございます。 さらに、先生が御指摘になられましたとおり、中性子線の影響がどうなのかというふうなことにつきましては、先ほど安全局長が答弁いたしましたが、先週の木曜日に現地施設内に入りまして、予想された当日の反応の予測をもとにそのあたりの推定を急いでいるところでございます。
○櫻井充君 私、ちょっと実際数値は持っていないからはっきりわからないんですが、これも話を聞いたところによりますと、作業員の方の被曝量が若干多いような、ホール・ボディー・カウンターでの測定値ですけれども、体外被曝だけではなくて経気道的に入ってくるなりの体内被曝もあったんではないかというふうな話も出ているんですが、その辺に関してはいかがでしょうか。 あともう一つ、要するにリンパ球云々というふうにこだわるんではなくて、やはり早急にどの辺まで放射線の影響があったかというそのマップをまず公表していただきたい。まずそれについてのお約束をいただきたいと思います。
○説明員(間宮馨君) まず、中性子線の影響でございますが、先ほど総括政務次官からもお答えいたしましたようにすべて公開でやっておりますので、すべてお出しするというお約束はいたします。 もう一つ、七名の方をホール・ボディー・カウンターではかりましたときはナトリウム24というものに着目してはかっているようでございまして、内部被曝の影響があったかどうかはちょっと定かでございません。
○櫻井充君 では、早い時期にそのマップをまず公表していただきたい。そうじゃなければ住民の方々の不安が取り除けないんだろうというふうに思います。 今回の事故においてある程度防ぐことができたというのは、まず作業員の方なんだと思うんです。先ほど、十時三十五分に事故があって十時四十五分に臨界だろうという判定がついたと。不幸にして、十時四十三分に消防署の方に連絡が入ったので防護服も持たないまま消防署の方がそこの場所に入っていかざるを得なくなったということになってきています。この辺の対応の仕方というんでしょうか、それについて科学技術庁はどのようにお考えでしょうか。
○説明員(間宮馨君) 当日でございますが、十時三十五分に事故が起こったということでございますが、我々に情報が届きましたのは十一時十九分ごろという話がまず一つございます。 その後も我々は一生懸命情報を集めるべく努力をいたしたんですけれども、情報がガンマ線以外入ってこないという状況が続いた。そこで、もう我々は現地に人を派遣して集めるしかない、あるいは現地の人を動かして集めるしかないということであったわけですけれども、その中で私が聞いておりますのは、ジェー・シー・オーの方が村に駆け込んで、自分たちも避難したから避難させてくれという話があって、村長さんは若干その情報がない中で御決断をされたということでございますので、あれは三時ごろ、三時か三時半でございますか、そのころには三百五十メートル圏内の方は避難されたというふうに承知しております。
○櫻井充君 救急隊の話をしているのであって、三百五十メーター云々というのは後からの話なんですけれども。 その後どうなったかといいますと、国立水戸病院に搬送されることになりました。国立水戸病院での反応はどうだったかというと、最初から放医研の方に送ってほしいというふうに放射線科の医者が伝えているはずです。しかしながら、通常の救急処置をしてほしいので診てくださいということで国立水戸病院に運ばれたわけです。しかしながら、国立水戸病院にそのときに十分なデータが、情報が送られていないんです。そこの中で診療しろと、私も医者ですが、診療しろというふうに言われるのは非常にきついものがございます。この辺の情報の伝達の悪さといいますか、その辺に関してどのようにお考えでしょうか。
○説明員(間宮馨君) 現在の原子力災害時の緊急時医療体制につきましては、これは災害対策基本法の枠組みのもとで体制が整備されているわけでございます。 具体的には、緊急時医療は三つの段階に応じて実施されるということになってございまして、まず第一次緊急時医療といたしましては、避難所等に設置される応急救護所において放射能汚染の有無の検査や除染等の必要な措置を行い、その結果さらに精密な検査等が必要となる場合には、第二次緊急時医療として地域の専門医療機関に移送されて検査、除染、医療措置等を実施するということになってございまして、さらにこれらの機関で遂行の困難な放射能除去や障害治療等につきましては、第三次緊急時医療といたしまして放射線障害専門病院である国の放射線医学総合研究所において専門的診断や治療を実施することとなってございます。 今、先生おっしゃいました情報の件に関しましては、今回の事故が起こる前に、いわば放医研だけではなくて全国の主要な病院をネットワーク化するということでいろいろ準備がなされておりまして、ちょっとこの病院との関係について個別的なことは今申し上げられませんが、国立水戸病院も第二次医療機関ということで位置づけられておりますので、最小限の情報はあったのではないかというふうに推察をいたしております。
○櫻井充君 私はお医者さんに聞いたんです、ちゃんと。推察で言わないでください。 では、一次を飛ばしてなぜ二次に行ったんですか。
○説明員(間宮馨君) いわゆる原子力災害のパターンとして、ある中で起こった事故が拡大をする、それを防ごう、それでも外に出ていくという中で一定の時間があるというのがこれまでの想定でございますが、今回の場合は余りに早く物事が動いたということではそういう第一次医療の準備がまだ現場でできていなかったということでございます。
○櫻井充君 済みません。第一次医療の準備ができていないというのは、体制がないということですか、それともその時点で整わなかったということですか。これは非常に大事なことですから。
○説明員(間宮馨君) 現実に起きたことは予定されていた体制が整っていなかったということだと思いますが、いずれにしましてもいわゆる現場で判断されたところが、放射線被曝の程度が特にひどくて極めて専門的な処置が必要という判断があって放射線医学総合研究所に移送されたというふうに理解いたしております。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 第一次医療で考えられておりますのは、被曝の程度を調べることが第一次医療の目的でございまして、第二次医療の方は、汚染がある患者につきまして除染等の措置を行うことを目的とするものでございます。 今回の場合、三名の作業に当たられた方々におかれましては、現場において被曝を受けたということが明らかであり、この方々に対する医療措置が必要だという判断のもとに国立水戸病院の方に回っていただいたものと、このように考えてございますけれども。
○櫻井充君 我々の感覚からいうと、かなりのんびりした対応だと思うんですよ。はかるのが一次で、それがわかってから治療ということになるんですか。本来一番最初に医療活動をやらなきゃいけないのは何だか御存じですか。
○説明員(間宮馨君) 最初は、いずれにいたしましても症状の確認と命の担保のための応急処置をしなければいけないだろうと思っております。
○櫻井充君 はっきり言っておきますが、そういう方がつくっているからまともなマニュアルができないわけですね。例えばこういう救急の状態になって、特に放射線の被害だとなったときには、傷をつけないようにすることがまず一番大事なことです。そうしますと、例えばちょっとしたことで挿管しようとか、それからフォーレ入れようとか、そういうようなことはしないんですよ、基本的に。何をするかというと、まず水洗いして除染してやることが一番最初です。つまり、放射線を浴びているもの、外にあるものを洗い流すということが一番最初になるわけです。 そしてもう一つ、もう一個基本的なことをお伺いしますが、放射線の被曝から身を守る三原則とは何ですか。二原則でもいいです。
○説明員(間宮馨君) ぴたっと合うかわかりませんけれども、早急にというか時間の要素と、被曝の線源から隔離するという、距離といいましょうか、それとあとはその状態で素早く処置をする、次の段階に移るということではないかと思いますが、ちょっと自信はございません。
○櫻井充君 そうですよね。そうすると時間が非常に重要になるわけです。そうすると、そういう処置はなるだけ早くにやらなきゃいけないわけです。そんな、一次がここでござい二次はここでございみたいな、そういう処置じゃ間に合うわけないじゃないですか。 私は宮城県の選出ですが、宮城県にも女川の原発がございます。女川の原発があって、きのうは原子力の安全対策室が見に行ったようですけれども、しかしながら見に行ったのはその施設だけであって、その後の救急の施設に関しては全く見ていないわけです。その辺に関して国は指導する意思がおありなんでしょうか。
○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。 今回、先生が御指摘になられているとおり、現実に防災対策を講ずるような、そういう状況になったわけでございまして、これまで想定されていた防災対策の実効性についていろいろと問われているところでございます。 そういうふうな意味で、現在、関係地方公共団体におきます対応措置も含めましてそのありようをレビューを行っておりまして、それがまさに実効措置が講ぜられるような対応策を早急に打つべきだということで、現在そのための具体策を検討しているところでございます。
○櫻井充君 実際に今、原発はまだ動いているわけでして、原発に対しての不安感というのは物すごく強くなってきています。そういうふうな中で何をすべきなのか、もっと早くやらなきゃいけないことはやっぱり早急にやってもらわないといけないと思うんです。 宮城の場合も女川に原発がありますが、その一次は石巻の保健所です。石巻まで大体三十分から、もしかすると一時間近くかかるかもしれない。その後、今度は県立瀬峰病院です。宮城県の病院の中で除染施設があるのはたった一つ、その県立の瀬峰病院だけです。そうすると、瀬峰病院の院長に聞けば院長は何と答えるかというと、県の方でやっていますから県の方に聞いてくださいというわけです。女川の町立病院も入っているんですが、いや私たちは放射線の医療とは全く関係ないところですと、そういうふうな答えにしかなってこないわけです。 宮城県から出されている、本当に、さっき読みましたけれども立派なマニュアルはあります、マニュアルはあるけれども、現実に即していないわけです。私はそう思います。 その辺のことも含めてきちんとチェックしていただきたいし、アメリカの場合にはそういうふうなチェックがあってこそ初めて許可がおりるというふうに聞いておりますが、そのアメリカとの比較についてはどうなんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) ちょっときょう現在、準備がございません。また改めてお答えいたします。
○櫻井充君 これはちょっと、済みません、急な質問で申しわけなかったんですが。 もう一つアメリカの場合には、先ほどスタッフがいないから巡回できないとか、いろんな仕事があるから巡回できないんだというようなお話をされていました。しかし、アメリカの原子力の安全委員会というんですか、それはもう千人単位で人がいるわけです。日本は百数十人ですね。こういう体制でいいんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) 先ほどからもお答えしておりますが、我々として、これまでやってきたことの中で今回のことが起きたということは非常に深刻に受けとめておりまして、再発防止ということでは、これから有効な検査システム、あるいはそのためのいわゆる制度、体制ですか、そういうものについても十分議論をして実現してまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 ちょっとまた順番が前後するんですけれども、先ほど、被害を受けた方が六十九人いますが、この方々は被曝者というか、そういう認定は受けられることになるんでしょうか。
○説明員(間宮馨君) ジェー・シー・オー東海事業所の臨界事故につきましては、測定等により先ほどの六十九名の被曝が確認されている段階でございます。それと、これも先ほど申し上げましたが、中性子線の影響等につきましては、現在明らかにすべく努力をいたしております。 こうした線量評価結果を踏まえまして、被曝された方々に対して健康管理の実施など適切な対応を検討してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 それからもう一つ、これが防げたというのも、恐らく線量が少なかったんでしょう、多分大丈夫なんだろうとは思うんですけれども、事故が起こったのが十時三十五分で、三百五十メーター以内の人は避難しなさいという避難勧告が出たのが三時三十分なわけです。 先ほども言いましたが、時間とそれから距離の二乗に反比例して影響が少なくなってくるわけなんですけれども、そういう意味からすれば、この対応、五時間かかっているんですけれども、この五時間という時間に関して、今後もしこういう事故が起こった場合には大体何時間以内で避難命令を出すべきだとお考えでしょうか。
○説明員(間宮馨君) 我々といたしましては、そういう屋内退避及び避難につきまして、一応マニュアル上の目安を持っております。 まず、屋内退避につきましては、いわゆるそこにいて被曝する量として十ないし五十ミリシーベルトというのを持っておりまして、それを超える場合には避難ということを一応目安としては持っております。それに基づいて今回もいろいろな判断をしたわけでございます。
○櫻井充君 要するに、五時間という時間が早いか遅いかということを聞いているわけです。
○説明員(間宮馨君) 今回の場合、中性子線ということで考えますと、早ければ早いほどよかったというふうに考えております。
○櫻井充君 今回のが、早かったか遅かったか適当だったかと聞いているんです。
○説明員(間宮馨君) 今申し上げましたように、中性子線が最初に出たということでございますれば、近隣の方々については早いほどよかったというふうに考えております。
○櫻井充君 答えになっていませんよ。
○委員長(鎌田要人君) 答えになっていないという質問者の……
○櫻井充君 早いか遅いかしか聞いていないんだよ。
○説明員(間宮馨君) いずれにしましても、早いか遅いかと言われますが、早ければ早いほどいいという中で、十分早かったかと言われれば十分ではなかったということでございます。
○櫻井充君 危機管理がないんでしょう。 では、もう一つ聞いておきますけれども、十時半に今度は十キロ以内の人は屋内退避ということになりました。この時点でまだ臨界は終わっていないわけです。臨界が終わっていなくてなぜ屋内退避なんですか。
○説明員(間宮馨君) 今回の事故におきましては、三時ごろに三百五十メートル圏内の方に避難要請が出されたということでございます。その後、五時ごろからジェー・シー・オー敷地境界において中性子線の測定が行われまして、臨界が継続しているということが確認をされたわけでございます。 さらに、二十一時ごろの測定によりまして、ジェー・シー・オーの敷地境界から約三百メートル付近では一時間当たりの中性子線量率が〇・三五ミリシーベルト、ガンマ線量率が〇・〇五ミリシーベルトでございまして、敷地境界に比べまして約十分の一のレベルになっていることが確認されたわけでございます。 二十三時の時点で避難区域の境界における積算線量をこの線量レベルで計算してみますと約五ミリシーベルトということでございまして、この時点では、先ほど申し上げました避難の仕様であります予測線量当量五十ミリシーベルト以上に比べればまだかなり低いという段階でございまして、そういう意味では、予測線量当量十から五十ミリシーベルトでとられる措置である屋内退避で適当と考えられたわけでございます。
○櫻井充君 中性子は屋内に隠れようが何しようが関係ないんですよ、全部突き抜けてくるんですから。屋内に入ってもしようがないわけでしょう。アルファ線やベータ線はそれは防げるかもしれないしガンマ線はある程度のものがあれば防げるかもしれないけれども。 そういう意味で言えば、しかもジェー・シー・オーの方で中性子の量をはかっているとおっしゃっていますけれども、あの水抜きの作業をやっている四時間はそのデータが出ていないじゃないですか。そこの部分のデータだって出ていないじゃないですか。
○説明員(間宮馨君) 中性子線がかなりの貫通力があるということはそのとおりでございまして、近傍の方については避難が適当であるということでございますが、中性子線の線量率は距離の二乗に反比例をいたしまして、距離が遠くなれば急激に落ちてまいります。 その一例として、先ほど申し上げました、これは二十一時ごろの測定でございますが、敷地境界から三百メートル付近では〇・三五ミリシーベルトまでいわば落ちているわけでございまして、それを基準に判断いたしたということでございます。
○櫻井充君 距離が遠くなればいいんだというふうに考えるなら、基本的には避難してくださいと、少しは遠くへ行ってくださいということになるんじゃないですか。 あと、厚生省の方をお呼びしているので最後の質問に行きますが、とにかくチェルノブイリの事故の後もそうだったんですけれども、こういう事故の後で一番問題になってくるのは心的外傷ストレスということになります。この点についてどういうふうにケアされようと厚生省は考えているのか、その辺について教えていただきたい。
○説明員(篠崎英夫君) 今回の事故のように、平穏な日常生活において住民の生命、健康の安全を脅かすいわゆる健康危機事例が突然に発生した場合に、被災住民に事故発生後において徐々に倦怠感や頭痛、下痢、睡眠障害などの症状を呈するいわゆる心的外傷後ストレス障害、PTSDと言われておりますが、それがあらわれてくることが過去の事例を見ても懸念されるところであります。心的外傷後ストレス障害の適切な対応が重要であるというふうに認識をいたしております。
○櫻井充君 適切な対応というのはどういうことでしょうか。つまり、患者さんをどのぐらいとまず想定しているのか、そしてそれに見合うだけの治療する医者がいらっしゃるんでしょうか。
○説明員(篠崎英夫君) 具体的にはどうするかという御質問でございますが、今回の事故発生後、茨城県におきましては、心のケアの担当者を対象とした研修会を既に実施いたしておりまして、それからまた保健所等に窓口を設けまして地域住民を対象とした心のケア相談事業を実施いたしております。 厚生省としては、これらの事業に対して茨城県の要請に応じて必要な支援を行っていきたいと考えておりますし、また平成十一年度の厚生科学研究事業で、今回の事故に関して災害を受けた地域住民のPTSDに関する研究班を立ち上げたところでございます。
○櫻井充君 時間になりましたのでこれで終わりますけれども、やはり今回の事故で医療の面での救急体制もきちんとでき上がっていませんし、それから実際のところ、放射線のこういうものに対しての救急医療のガイドラインはまだでき上がっていません。昨年の七月に、ある意識を持ったお医者さんたちが集まってつくろうという話にはなっていますけれども、そういうもの自体がまだきちんとした形ではできていないというふうに私は聞いています。 ですから、整備だけの問題だけではなくて、そこら辺のマニュアルなり中身なりをもう少しきちんとしていただきたいと思います。 それから、先ほども言いましたが、チェルノブイリの事故の後に心的外傷を負った人たち、ずっと苦しんでおられる方がいらっしゃいます。ですから、そういう方々に手厚い保護をしていただくようにお願いしまして、私の質問を終わります。
○益田洋介君 外務大臣、お着きのところ、早速で申しわけございません。韓国からお帰りになったばかりで、また国会に飛んできてもらいまして申しわけございません。 昨日、外務大臣は金大中大統領とソウルで対談をされました。その際、当然のことながら朝鮮半島問題、それから中国、ロシアの問題もお話しになられたと推測するわけでございますが、二十一日、英国の「ミリタリー・バランス一九九九―二〇〇〇年」というのが発表になりました。その中で、朝鮮半島問題についてやはり言及をかなりページ数を割いてしているわけでございます。 今、東アジアの安全保障の環境は非常によくないという、我々としては非常に残念な評価がされているわけでございまして、例えばテポドン二号の設計射程距離というのは三千五百キロ、これは岩国、横須賀、三沢はもとより日本全土に到達できるわけでございまして、さらに弾頭を軽量化すれば四千キロ、あと五百キロは射程距離が伸びる、すると沖縄の米軍基地まで行くことになる、そんなことも指摘をしております。 さらには、北朝鮮の脅威に備えて韓国では今、射程距離五百キロの地対地ミサイルの装備を準備中であると。さらにまた、日本は偵察衛星の独自の開発に今力を注いでいるし、また日本は日米共同でTMDの開発をこれからしようとしている、巨額な国家予算を使ってそこまですると。 こういった現在の東アジアの安全保障環境、これを率直に大臣はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(河野洋平君) 一般的に言って安全保障と申しますか、地域の安定というものを考える場合には、その地域で十分な話し合いができる、それから十分な透明性というものが確保できるということが安全保障上あるいは地域の安定上好ましいことだと思います。 しかしながら、非常に残念なことでございますが、この東アジアには幾つかの地域で話し合いがなかなか進まない、あるいは透明度が低い、こういう地域があることは議員御承知のとおりでございまして、私どもといたしましては、地域の安定というものを考えますれば、でき得る限り話し合いの場を設ける、あるいは常に話し合いができる、そういう状況をつくっておくことが何より大事だと思います。 と申しましても、残念ながらすぐにそれができるという状況でないことは議員も御承知のとおりでございますから、したがって将来そういう状況をつくるということを考えながら少しでも今それに近づける努力をしなければならぬ、こういうふうに基本的には思っておるわけでございます。 さらに、ミサイルの射程距離の問題に議員お触れになりましたけれども、射程距離が伸びれば伸びるほど危機感を感ずる国あるいは人がふえるのはこれは当然のことでございまして、そのためにまたそれを防ごうとする何らかの措置、さまざまな措置を講ずる、そういうことが他方行われる。こんなことになりますと、なかなか安定ができないということになるわけで、どこかでそうした状況を変えていく、そういう必要があるだろうと思っております。 私は、外務大臣に任命をいただきましたので、とりわけアジアの情勢には意を用いてでき得る限り話し合いの場をつくる、みんなが寄って話ができれば一番いいわけでございますけれども、それができない場合でも少しでも多くの国、人が集まって話し合いを持てる、そういう状況をつくるべく努力をしたい、こう考えております。
○益田洋介君 日米韓の協力がやはり基本になると思います。加えて、やはり中国、ロシアともよくお話し合いをされて、もちろん沖縄サミット、大変な外務大臣の命題でございますが、この東アジアの安全保障問題、ぜひともまた力を入れて、経験豊かな大臣でございますから正しい方向にリーダーシップをとっていただきたいと思います。 次に、大蔵大臣でございます。 明日、衆議院では大蔵委員会が急遽開催されることになりました。テーマは、今大変社会問題化しています商工ローン、これについて詳しい論議は、あしたそういう機会があって、閉会中の大蔵委員会の開催というのは平成三年の証券不祥事以来のことだということで、やはりこの社会問題というのは、真剣に取り組んでできるだけ早い機会に私は解決策を講ずるべきだというふうに思っております。腎臓を一つ売って金返せとか、本当に暴力団まがいの取り立てをしている。石油かぶって火をつけろとか、聞いただけでもぞっとするような取り立て方法がとられているということでございます。 私は、詳しい議論もちろんきょうはできませんが、出資法ですとか、いわゆる貸金業規制法、それからまたは利息制限法などやはり法律自体もじっくり見直していく必要があるのじゃないかと思うんです。監督業務はこれは監督庁に行ったわけでございますが、この辺の行政また立法の問題、これは大蔵省の管轄でございますので、どのようにお考えになられるか、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 片っ方に出資法というものがあり片っ方に利息制限法というものがありまして、その間のグレーゾーンについて、私の記憶にもございますけれども、本院の大蔵委員会と法務委員会でしばらく前でございますが、立法上どうするかという大変な御議論がありまして、今のような法制に一応落ちついたわけであります。 しかし、依然として罰則がないという法律の問題がございますものですから、罰則のない限りにおいてかなり高い高利がとられる。それがしかも保証というものと絡みますと、とんでもない保証をさせられたと。その後始末として今、益田委員の言われたような甚だ好ましくない社会的な出来事が起こっているというこの問題は、実は前から法の不備としてはわかっておったといいますか、むしろそういうことで現実の世界と少しずつ合わせながら、その事態の改善を図ろうという漸進主義がずっと行われてきたと思いますけれども、それがこういうことになっていろんな社会的な弊害を生んでいる、こういうことなのであろう。 したがって、これはいろんなお立場があると思いますけれども、法律だけを厳しくしたのでは実際の問題、現実にある、金を借りなければならないという人たちの問題は解決しないかもしれない。しかし、法律をほっておいたんでは、それにつけ込んで非常な不徳義なことが行われるというそういう種類の問題であろうというふうに理解をしています。
○益田洋介君 二十九日に召集される臨時国会の焦点の一つは中小企業対策でございまして、やはり貸し渋りが充満したためにこういった業界が円熟しないままにどんどん伸びてきているのが現状だと思いますので、この問題を含めて、また政府、公共金融機関が中小企業にもう少し手を差し伸べるといったことも含めて、ゆっくりまた御意見を拝聴したいと思っております。 金融審議会がやはり二〇〇一年の四月にペイオフを解禁するという方針を固めた。しかし、より現実的な対策を、福田局長はこれを歓迎しているそうでございますが盛り込んで、まず破綻処理の迅速化によって、混乱を回避するために清算に伴う保険金支払い方式はできるだけ避けようとか、二つ目としては、日本版のPアンドA、資産、負債の継承、これは破綻処理を終末だけで機動的に終わらせる。しかし、この二番目のポイントについては、監督庁の幹部でも事前準備が難しいし破綻のタイミングをコントロールすることは容易ではないんだということを言っております。 私は、大蔵大臣に質問したいのは、この審議会は年末にかけて最終報告を出すわけですけれども、全額保護の継続を中小企業なんかが求めている決済性預金の扱い、それからもう一つは地方自治体の公金預金または金融債などを保護の対象に含めるかというのが残された議論です。この二点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前にも申し上げたかと思いますけれども、この問題については臨時国会が年末にあるならばその国会において基本的な態度を申し上げないと、それから後、一年余りしか時間が残らないという問題でありますから、夏休みを返上して金融審議会にひとつ話を詰めていただきたいということを申し上げまして、そうしていただいたわけでございます。 今の時点で、しかし少なくともはっきり詰まっていないと考えられる問題は、今おっしゃいましたように流動性の問題でありますし、対象をどういうふうにするかということもございます。公的預金はどうか、これらのことは議論が審議会としてまだ詰め切れていないというのが現状でございます。 その上におっしゃいますように、パーチェス・アンド・アサンプションといいましても、そういうことが本当にうまくできるのか、またそれが可能なような検査体制、検査実績というものが上がっているのかということに、金融機関の種類にもよりますけれども問題がありまして、全部申しまして、今現在私自身が国会に対しまして全体としてこのようにいたしたいと思いますと申し上げられるだけの私自身の気持ちの準備が整っておりませんので、正直を申しまして、もう少しこれは詰めまして申し上げなければならない出来事だと考えております。 〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 私は、障害者の雇用についてまず質問したいと思います。 近年の不況の影響で障害者の解雇がふえておりまして、労働省としましては日経連と協力して、障害者の就業の機会をつくる障害者緊急雇用安定プロジェクトを本年二月からスタートさせて障害者雇用の促進を図っている、そのように聞いております。 まず、牧野労働大臣に、平成八年以降の障害者雇用の状況についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 実は私、この立場に就任をさせていただきまして、今まで総理をなさった方々のお宅へごあいさつにお伺いしたんですが、そのときお二人の方から、実はNHKの「クローズアップ現代」で、障害者の雇用施設である中村製作所が突然倒産したけれども、あそこに五十三人の障害者がお働きであったわけですが非常にお困りである、牧野さん、ちゃんと政府はやっておるんでしょうかと、お伺いしましたら、そういう実は御意見をちょうだいいたしました。 〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕 本当に大切なことだなと、早速障害者の実情、特に雇用の関係からいろいろ調査をさせていただきましたが、最近やはり障害者の雇用数がそう多くない、こういう実情でございまして、現在行われている諸般の政策を見ながら、これから先生方の御意見をちょうだいいたしまして、さらにやらなきゃならないことをしなければならないのだろう、やるべきだと、こういう気持ちでございます。 状況を申し上げますと、定かでありませんが障害者の数は大体三百二十万人ぐらい。精神障害者の方々は別にいたしまして、体の悪い方あるいは知的障害の方々、大体三百二十万人ぐらいいらっしゃる。この中で現在お働きになっておられる方が、統計はちょっと古いんですが大体同じような状況でございまして、約四十三万人お働きになっているという状況でございます。このうち約二十五万人というのは、規模の大きい企業、六十三人以上の規模で二十五万人がお働きになっているという、まず大きな状況でございます。 そうしまして、現実に障害者の方々で毎年どれくらい就職を御希望になるのか。これは安定所を経由しての数字でございますが、去年のベースで大体十一万六千人ぐらい。このうち就職が決定しました方々が大体二万五千人程度、約二二%でございます。この数字は安定所を経由した数字でございますから、一般の企業関係で雇われている方がおられますからこの数字はさらに、そう膨大ではありませんが、わずかであってもふえてきているというのが実情でございます。 それから、では政府はどういう仕事をしているのかと、雇用対策として。今一生懸命やらせていただいておりますが、御承知の特定の求職者、特に障害者の方々については、例えば一年から一年半にわたりましてお一人につきまして給与の二分の一から四分の一、これを助成させていただいております。この実績、昨年ベースで見ますと約一万二千人が対象になっておりまして、百十億円前後のお金を実は助成させていただいております。 それからもう一つは、今、従業員の規模は幾らですから何人以上雇ってくださいよという規定がございまして、例えば六人以上雇っていただいたらその上のお一人について、例えば三百人以下の規模の企業につきましては一万七千円毎月助成をさせていただきます。この方が約二万九千人。それから、三百人以上の会社で一定数以上雇っていただいている企業の皆さんに対しては、約二万一千人の方々を対象にして二万五千円毎月助成させていただいております。 このほかに、実はこのお金は、雇ってくださいよというにもかかわらず、いろんな地域の事情だとか技術の態様等から私のところはどうしてもお雇いすることができませんという企業の皆さんからは月五万円お金を出してください、こういうやり方で昨年ベースで約百九十五億円のお金を集めさせていただいております。このお金で今申し上げました二万五千円とか一万七千円助成させていただいて、余った分は全部身障者のために、例えば住宅をつくるとか、あるいは自転車を買ってさしあげるとか、自動車を利用していただくとか、こういう施設費関係に使わせていただいております。 しかしながら、なかなか雇用条件、会社の方々が本当に雇っていただけるかどうか、これは社会的な我々の共生と申しますか、一緒に地域で、地域的な制限がありますから、こういう関係で、やはり一つの社会的責任として少し無理であっても雇っていただけるという、そういう空気を醸成しなきゃなりませんし、そのためにさらに具体的ないい方法がないかということを実は今検討させていただいております。 概略でございますが、先生、大まかでは大体そういう状況でございまして、貴重な御意見を賜れば非常にありがたいなと、こう思っております。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。 項目も多かったので、少し質問を省きまして次に移らせていただきます。 アメリカにおきまして一九八六年に改正されました米国リハビリテーション法で定められ、実施されております援助つき雇用、ジョブコーチ制度と言われておりますけれども、この援助つき雇用が非常にアメリカで障害者雇用に実績をつくっているということでありまして、その実績、アメリカの様子につきまして簡潔にお答えいただきたいと思います。
○説明員(渡邊信君) ただいま御紹介のありましたアメリカにおけるジョブコーチ制度ですが、これは障害者を介助して職場でいろいろな援助をするという制度でございます。一九八七年にはこのジョブコーチが約二万人の援助をいたしまして、一九九五年には十四万人以上の方について援助をしているというふうに承知しております。
○渡辺孝男君 大変障害者の雇用に役立っているということでありまして、これは日本では現在どのように進んでおるんでしょうか。その点に関してお伺いしたいと思います。
○説明員(渡邊信君) 我が国におきましては、まだこのジョブコーチ制度が導入されておりませんで、ただ障害者に対して職業カウンセリングを行う職員を設置しております。日本障害者雇用促進協会に設置をしておるものでございますが、この職業カウンセラーは、現在、平成十一年度で全国に二百八十六名を配置しております。
○渡辺孝男君 やはり日本でも、アメリカでは非常に役に立っているということでありますので、推進していくべきだ、そのように考えます。 最近、高次脳機能障害者、交通事故でそういう患者さんがおられるわけですけれども、高次脳機能障害者に対してもジョブコーチ制度を利用していただければ職業につけるのではないかという、そういう要請を受けているところであります。 この高次脳機能障害は非常に診断等々難しいところがありますが、今後の診断基準、それから重症度判定の基準等に関しまして、厚生省の方にお伺いしたいと思います。
○説明員(今田寛睦君) 御指摘の高次脳機能障害でございますが、まずその定義につきましてはまだ必ずしも一義的に定まってはおりませんが、現在のところ御指摘のように頭部外傷、それから脳血管障害などの後天的な脳の器質障害、これによって生じます記憶、注意力、思考などの認知機能、それから身体機能、さまざまな障害が含まれている、このように考えております。 したがいまして、脳の器質障害によって生じますそのような機能障害というのは、その原因でありますとか部位によってさまざまな症状が呈されるわけでありますので、これらに総括的な意味で診断基準を定めるということは困難かと思います。ただ、それぞれの原因、それぞれの症状に基づいた診断は当然必要かと思います。 そこで、脳機能障害によって生じます機能障害の中でも、今申し上げました記憶あるいは注意力、思考などの認知機能の障害、これにつきましては社会生活に与える影響が非常に大きいにもかかわらずなかなか発見されにくい、あるいは理解されにくい、こういったことがございます。したがって、専門的な診断が必要となります。これらに対しまして、現在、専門的な医療機関で必ずしもなくとも簡便にその診断ができるようにということで、今年度から二年間の計画によりまして、脳器質障害によって生ずる若年者の痴呆の研究の一環ということで厚生科学研究の中で研究をいただいているところでございます。
○渡辺孝男君 なかなか難しい作業かと思いますけれども、二年間で目標を達成できるようによろしくお願いしたいと思います。 この質問、最後になりますけれども、これは労働大臣にお伺いしたいんですけれども、ジョブコーチそれからジョブカウンセラー制度の日本においての普及に関しまして今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 先ほど局長から答弁いたしましたが、今、日本ではカウンセラーの制度でやっているわけです。先生のおっしゃるアメリカの制度は、職場の中へ入っていって、ボランティアで、この人にはどういう仕事の仕方がいいかということを一緒にして、なれたらその工場等にお任せする、こういう制度だと聞いておるわけです。私の見ているいろんな施設が選挙区にあるんですが、行ってみますと、やっぱりそれぞれの障害者の方々の能力等を見ながら工場長さんが非常に苦労しておられるんです、一人一人の仕事のやり方を見ながら。 こういう実情を見ておりますので、先生がおっしゃるようなアメリカのやり方というのも我々として一遍トライしてみたいな、そしてみんながこれはいい制度だということであればさらに進めていきたいなということで、来年度予算でモデル事業として一遍やってみようかということで検討をいたしております。
○渡辺孝男君 やはりジョブコーチはアメリカの方では公的制度で行っているということで、ジョブコーチそのものの仕事の給与は国が、国といいますか公的にお払いして、障害者の給与は会社が払うというそういう形になっておりますので、これが進めば雇用の面でもジョブコーチの雇用も進むし障害者の雇用も進むという二つのよい面があるので、これはぜひとも推進していただきたい。アメリカの例ですとNPOという非営利活動法人が主体となってやっておりますので、日本でもNPOが推進されておりますので、そういうものを活用してやっていただければなと、そのように思っております。よろしくお願いいたします。 では、次の質問に入らせていただきます。 交通外傷の損害賠償についてお伺いしたいと思います。 交通事故死の損害賠償におきまして、未就業者の場合には生涯賃金の算定方式で計算するわけでありますけれども、これまで各地方裁判所の判断に任されておりました、この算定方式が。 二つの方式が主に採用されておりまして、全年齢の平均賃金を基準にして、利息の方は割り引きされますけれども、それを複利のライプニッツ方式を用いて行う、それをいわゆる東京方式というふうに言われております。それに対しまして、初任給を基準に単利のホフマン方式を用いるいわゆる大阪方式というものがありまして、各地方裁判所におきましてその採用のされ方が偏りがあって、これは法のもとの平等の考え方から見ればその格差が問題ではないか。東京方式、大阪方式で計算によって一千万円以上の差が出る場合があるというふうに言われております。それから、そのほかにも問題点が指摘されておりまして、利息の割り引きの算定に年利率五%が今も使われている。この低金利時代には高過ぎるのではないか。そのほかにも、男女間格差が大き過ぎるのではないか。そのような問題点も指摘されているわけであります。 最高裁判所の担当の方にお伺いしたいんですけれども、交通事故死の損害賠償算定時の逸失利益の算定方式による格差是正、あるいは利息、金利の年利率五%の是非、または男女間格差是正へ向けて裁判所における検討状況についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 委員御指摘いただきましたとおり、交通事故における被害者の逸失利益の算定でございますけれども、基礎となる収入額の認定、それから中間利息の控除方法につきまして複数の方式、今御指摘いただきましたライプニッツ方式、ホフマン方式がございます。裁判所によって採用する方式が異なることから、逸失利益の金額に差異が生じているということは私も承知しているところでございます。 この問題につきましては、控除すべき中間利息の計算に用いられる利率、今、年五分でございますけれども、この問題を含めまして、昨年の末からこの種の事件を多く係属しております東京地方裁判所とそれから大阪地方裁判所の裁判官、さらに名古屋地方裁判所の裁判官も途中から加わりまして、よりよい算定方式についての研究が行われているというふうに聞いております。 事務当局といたしましては、テーマが裁判の内容に関係することでございますので、研究の内容を具体的に主導するという立場にはなく、内容の詳細は承知してはございませんけれども、この研究も進んでおるようでございます。ことしじゅうにもこの問題について一定の結論が出されるものというふうに思っております。 また、裁判所における交通事故の損害額の算定に際しての男女間の賃金格差の問題をどうするか、こういう問題でございますが、男女の雇用条件の違いなども含む大きな問題でございます。この問題につきましては、今後裁判所だけではなく、幅広い形での議論がされていくことが望ましいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 年利の計算の五%というのに関しましては、検討がされておるのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) その点も含めまして、検討されているようでございます。
○渡辺孝男君 交通事故被害者にとっては、裁判所の逸失利益の値が違ってくる、しかも一千万円以上違うことがあるというのは納得できない問題ではないか、そのように思いますので、検討をよろしくお願いしたいと思います。 それからもう一つお聞きしたいことがあります。 これは運輸省になりますけれども、運輸省の方ではこれまで、本年二月から自賠責保険のあり方について懇談会等を通じまして精力的に検討を進めておりまして、十月一日にその報告書を取りまとめたところであります。その検討の過程で、自賠責保険の保険金の年金型支払いの導入というものも検討されましたけれども、今回の報告ではさらなる検討課題の一つとされました。 当時検討されたときには、年金型支払いの方法としまして三方法が例示されたわけであります。一つは自賠責保険制度の改正を通じた保険金支払い自体の年金型支払いの導入、二つ目には現在交通遺児家庭を対象に行われているような財団法人等を活用した年金システムの拡大、三つ目には生命保険会社に認められております保険金信託制度を参考にした自賠責保険金の信託制度の導入ということが例として挙げられておりました。 私個人としましては、保険金の支払い方式はやはり一時金払いと年金型支払いの二方式を被害者側が中途変更も含めまして自由に選択できる形が望ましいのではないか、そのように考えているわけであります。 運輸省としては、これら例示されました三方法につきましてどのような考え方を持っておられるのか、また自賠責保険制度の中への年金型支払いの導入に関して今後どのように検討を進めていくのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(縄野克彦君) 自賠責保険金の年金型支払いにつきましては、例えば重い後遺障害が残った場合の生活費用でありますとか介護費用の確保などの観点から検討されなければならない重要な課題の一つであると認識をしております。 今、先生おっしゃられましたように、自賠責制度の全体を見直すために開催をいたしました自賠責保険のあり方に関する懇談会におきましても、被害者保護の制度改正案の一つといたしまして、この保険金の年金型支払いについて御議論を行っていただいたところでございます。 懇談会におきましては、今これも先生おっしゃられましたように、九月三十日に取りまとめました報告書では結論には至っておりません。さらなる検討課題とされたところでございます。 具体的な方法につきましては、議論の過程で、私ども今おっしゃられましたように三つの例につきましても御議論の素材としてお示しを申し上げました。 一つは、保険金自身を年金型支払いにする。これにつきましては、自賠責の基本が損害賠償保険であるということから賛否両論が存在しますし、自賠責保険制度の根本にもかかわる問題でございますから、私どもとしてもなお慎重に検討する必要があるというふうに思っております。 さらに、財団法人等の活用あるいは信託制度につきましては、基本的に一時金支払いという現在の制度のままで年金型支払いの導入を可能にする手法でもあるというふうに私どもは認識しております。 いずれにしましても、今後運輸省としまして、自賠責制度のあり方について引き続き各方面の御意見、先ほど申し上げました運輸大臣の懇談会も含めまして、検討、見直しを進めていくこととしております。その中で、保険金の年金型支払いにつきましても、どのような形でなら関係者、国民、自動車ユーザーの合意が得られるか、引き続き勉強してまいりたいというふうに思っております。
○渡辺孝男君 時間が短くなってしまいましたので、もう一つプラスチックの廃棄物の適正処理について質問したいと思います。時間の関係上、清水環境庁長官がおいでになっておりますので。 先日、来年度を循環型社会元年ととらえまして、廃棄物の適正処理、それから再生利用等々を進めていくということになりまして、十年間の年次目標を出されたわけでありますけれども、プラスチック類をどのように適正処理していくのか、その点に関しまして長官のお考えを、庁としてのお考えをお示しいただければなと、そのように考えております。
○国務大臣(清水嘉与子君) 本年九月二十八日に開催されましたダイオキシン対策関係閣僚会議におきまして、廃棄物の減量化目標が決定されました。先生の御関心の産業廃棄物につきましても、平成二十二年度の最終処分量を現状の半分にするという目標が決められたわけでございます。 政府といたしましては、この目標を達成するために全力で取り組むこととしているわけでございますが、特にこの廃プラスチックの類でございます。その発生抑制はもとより、プラスチック原料や燃料油としてのリサイクル、またリサイクルできなかったものにつきましては高温焼却による適正処理というようなことを進めることにしております。 環境庁といたしましても、明年を循環型社会元年と位置づける三党合意を踏まえまして、関係省庁とも連携、協調いたしまして、減量化目標の達成に鋭意取り組んでまいるつもりでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○渡辺孝男君 時間の関係上、最後の質問になるかもしれません。 農林水産省にお伺いしたいんですけれども、農業関係でも園芸等々でプラスチック類を使用するわけであります。その中で、平成七年度に「園芸用使用済みプラスチックの適正処理に関する基本方針」というのが出されておりまして、プラスチックの特性、排出量、排出状況に即して適正な埋め立て等による処理をも推進と第二条には書かれておるんですけれども、今考えますと適切な埋め立て等というのは本当に適切なのかという感じもするわけでありますが、この方針を改める必要はないのかどうか、その点に関してお伺いしたいと思います。
○説明員(樋口久俊君) お答え申し上げます。 私ども、お話しございましたように、七年に処理のやり方を改正いたしたということでございまして、その中で、お話しございましたように基本的には再生処理、当然でございますが、ちょっと事情だけ御理解をちょうだいしたいのは、農業の場合は全国各地で少量のものをそれぞれ農家が保有しておられるんですけれども、例えば使用後、泥まみれになるとか野ざらしになるとか、大変劣化が激しいというような事情もございます。それから、中にはコーティングをしたプラスチック類もございまして、これは再生利用は技術的には全くできないというようなこともございましたりして、いろんな事情がございますので、当然再生処理が原則なんですが、材質とか、例えば離島で持っているとか、いろんな個別の事情がございますので、絶対それ以外はだめよというのはなかなか厳しゅうございますので、一定の条件、きちっとした手続あるいは条件のもとで処理するということで、やむを得ない埋め立てとか焼却もあり得るんじゃないかという考え方のもとに今のような方針になっております。 なお、農業の場合には、当然適正処理が前提となりまして、同じ産業廃棄物ではございますけれども、やはり個別の農家が少量をいろんな形でたくさん持っておられるということから、前提条件はきちっと回収するというのが大事じゃないか。私どもはそれを第一に考えておりまして、そのシステムをとにかく早急につくり上げるということを最大の目標にして取り組んでいるところでございまして、ちなみに本年の六月では大体五〇%程度、千六百ほどの市町村でその処理のための協議会ができておりますが、年度内には二千を超えるというようなことになりそうだというぐらい拍車をかけて回収ということを最大目標として取り組んでおるところでございます。
○渡辺孝男君 どうもありがとうございました。
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。 初めに、介護保険について質問いたします。 十月一日から介護認定の受け付けが始まり、各自治体で今何が問題になっているか、私も直接見聞きもしてまいりましたので質問したいと思います。 何が問題かといいますと、本人負担の利用料が払えないから認定の申請をしない、こういう方が出てきているということです。自治体では、何らかの現行福祉サービスを受給している方には申請漏れのないように要介護認定申請に関するお知らせなどをしているんですけれども、利用料が払えないという理由で申請をしないという人が出てくるということです。 どうしてこういうことが起こるのかということなんですが、例えばこれは新座市の場合ですけれども、現在何らかの福祉サービスを受けている年寄りをモデル事業で算定したところ、六割の方が現在よりも重い利用料負担を強いられることになります。その中には、要支援の方でホームヘルプサービスを十六時間受けている方が負担ゼロから二千八百六十四円の負担に、また要介護Ⅱの方で身体介護八時間のサービスを受けている方が負担ゼロから二千三百十二円の負担に、また要介護Ⅳの方で身体介護八時間、巡回入浴サービスを二回受けている方が負担ゼロから五千三百十二円の負担にというふうに負担増になるわけなんです。これが問題になっているんです。 低所得者に対する利用料、あわせて保険料の減免制度は避けて通れないのではないでしょうか。
○説明員(大塚義治君) 来年の四月からスタートを予定しております介護保険制度でございますけれども、制度の組み立ての段階で低所得者の方々への配慮というのは当然組み込まれております。 御承知のこととは存じますけれども、低所得者の方に係ります利用者負担につきましては、いわゆる高額介護サービス費、いわば利用料の限度を月単位に決めるという仕組みを、これは全般にそうでございますけれども、特に低所得者の方々には通常の場合よりもかなり低い限度額を設定するというような工夫もいたしておりますし、またこれは施設入所の場合でございますが、食事の標準負担額につきましても同様に低所得者の方の場合には低い負担で済むように、さらには保険料につきましても当然所得段階別の保険料、保険料の面あるいはサービスの利用の面、両面から工夫をいたしております。 一部につきましてはこれから審議会で御議論をいただいて最終的にお決めいただくことになりますけれども、そういった仕組みを通じまして低所得者の負担の軽減に私どもは配慮いたしているつもりでございます。
○阿部幸代君 利用料の上限額の設定とか、あるいは保険料を所得段階別に設定するとか、そういう形で所得の少ない人のための配慮が組み込まれているという説明だと思うんですが、それでも救済されない低所得者を私は問題にしています。既に条例準則も示されていて、今後、条例やあるいは省令で保険料や利用料について、災害や病気などに加えて経済的な理由、つまり収入が事業または業務の休廃止、事業における著しい損失、失業等により著しく減少したことというのが減免理由に加えられてくると思うんですけれども、これは当然のことだと思います。 しかし、これではまだ不十分で、著しく減少する余裕のない、そもそも初めから低所得の方はどうしたらよいのか、こういうことを私は問題にしているんです。どうしたらよいのでしょうか。
○説明員(大塚義治君) 介護保険制度における利用者負担についての配慮につきましてはただいま御答弁申し上げたとおりでございますけれども、例えば他の医療保険制度などにつきましても同様の制度が設けられております。今回、介護保険制度で限度額などを決めます場合には、そうした制度の運用状況あるいは限度額の状況、これらを勘案いたしまして、少なくともそういった負担よりも上回らない、むしろ軽減できるような、そういう考え方で今検討を進めておるわけでございますけれども、他のそうした社会保障制度につきましてもいわば順調に制度が定着し運用されておるわけでございますから、基本的には私どもはこうした制度の仕組みが妥当ではないかと考えております。 ただ、先ほどの事例にも挙げられましたように、新しい制度ができます場合に移行の問題がございます。旧制度といいましょうか、現在の制度から新しい制度に移行をしますときに大きく負担関係が変わるということは配慮をしなければならない事項だと思っておりまして、私ども事務的にも引き続き検討いたしますが、現在、与党三党の方で全般の制度の円滑な実施のための対策について御協議いただいておりますから、そうした議論も踏まえまして私どもも検討させていただきたいと思っております。
○阿部幸代君 現在負担ゼロの方が介護保険導入によって負担を余儀なくされるという問題で、移行措置として検討しているというお答えだったと思いますが、私は経済的な貧困、特に高齢者の貧困の実態を大臣には直視していただきたいと思うんです。 私は、いつも生活と健康を守る会という団体の活動に注目をしてきました。日本社会における貧困の実態が本当によくわかるんです。例えば、私の地元埼玉の会の会員の例ですが、六十四歳のひとり暮らしの女性がいます。無年金です。アルバイトで月々五万円くらいの収入で、家賃が月三千円の古い県営住宅に住んでいます。介護保険が始まったら生きていけない、利用料も払えない、こう言っています。 第一号保険料は所得に合わせて五段階に認定されるといっても、最低段階である平均保険料の〇・五倍の対象というのは生活保護家庭と老齢福祉年金受給者で住民税非課税の世帯の方のみです。老齢福祉年金の平均受給額というのは月三万四千三百三十三円だそうですが、八十四歳以下の国民年金、老齢年金の受給者で、この老齢福祉年金相当額を下回る方が二百六十万人と推計されています。こうした方はもとより、私が示した無年金で月々五万円くらいのアルバイトで暮らしている六十四歳のひとり暮らしの女性もいわばその半額減免の対象にすらならないわけです。利用料ももちろん減免されません。 大臣にお聞きしたいんですけれども、経済的な貧困、とりわけ高齢者の経済的貧困をもっと直視するべきだと思うんですけれども、そうお思いになりませんか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) お年寄りの中には、体が不自由で働きたくても働けないで国民年金を二万円、三万円しかもらっていない大変お気の毒な方もいらっしゃれば、大変お元気で、そして例えば自営業者であったり、あるいは会社の役員を現役でおやりになっていたり、私は率直に申し上げていわゆるお年寄りの中に非常に格差が生まれてきているんじゃないかな、まずこういうような認識を持っている次第であります。 今回の介護保険制度では、ただいま委員御指摘のとおり、いわゆる低所得者対策といたしまして、保険料率につきましては二分の一にするとか、あるいは四分の三にするとか、こういうような配慮をいたしております。 そこで、先ほどから御指摘の利用者負担でございますけれども、今実はこの席で申し上げることが適当かどうかわかりませんけれども、与党三党の間で御協議をいただいておるわけでございます。特に、市町村からの私どもに対する要望の中でも、低所得者対策をしっかりやってくれ、こういうような意見が出ておるわけでございますので、私はそういう声を踏まえまして何らかの形で、いずれにいたしましても低所得者の皆さん方が今後とも安心してサービスを受けられるような体制づくりのために頑張っていきたい、こう考えている次第でございます。
○阿部幸代君 私ども日本共産党は、国庫負担をふやして住民税非課税世帯の利用料、もちろん保険料も免除して保険料全体の水準を引き下げるべきだというふうに考えているんですけれども、ぜひ減免制度の一層の拡充を実現していただきたいと思います。 次に、介護保険導入後の従来の福祉サービスに関連して質問いたします。 現に福祉サービスを受けている方が、自立と認定された場合のことが今までもいろいろと議論をされてきたかと思います。自治体が給付をする場合、例えばホームヘルプ事業について言いますと、介護保険と福祉とボランティアの三本立てでやっていかざるを得ないだろう、こういうことをおっしゃっているのを聞きました。ほかにも、通称デイサービス、こういう介護保険の給付対象と重なるものが福祉サービスで継続される場合が考えられるんです。 介護保険が導入されても、福祉サービスに対する国の財政支援は従来どおりなのでしょうか、それともいわゆる在宅高齢者保健福祉推進支援事業、この中に全部含めていくのでしょうか、どのようにお考えになっているかお聞きしたいと思います。
○説明員(大塚義治君) 新しい制度ができますと介護保険制度に基づきますサービスという形になるものと、その対象ではございませんけれども、引き続きいわば福祉施策あるいは市町村の事業として継続していくものと、確かに二つに分けられるわけでございます。 代表例で申しますと、在宅福祉サービスのうちのホームヘルプサービスでありますとかショートステイ、あるいはデイサービスと現在呼ばれているような事業は、新しい制度では介護保険制度に基づく給付という形でサービスが提供されるということになります。ほかにもございますが、代表例だけ申し上げますと、逆に、新しい制度の制度による給付ではなくて、従来どおり市町村の事業として、あるいは関連の福祉施策として残るものを幾つか申し上げますと、在宅介護支援センターという施設がございますけれども、その運営の事業、あるいは配食サービスでありますとか移送サービス、こういったものは引き続き福祉施策ないしは市町村事業として継続をしていただくというつもりでございます。 もちろん、私どもといたしましては、国としてもそういった関連の事業に対しまして助成措置の拡充については引き続き努力をいたしたいと考えております。
○阿部幸代君 つまり、在宅高齢者保健福祉推進支援事業、この中に全部流し込むわけではないということですね。
○説明員(大塚義治君) 予算執行上の、いわば実務上の整理の問題とも絡む問題でございます。 今、検討中でございますが、実質はその事業が継続をでき、あるいは市町村にとりまして国の財政支援というものが一定程度確保されるということがポイントだろうと思いまして、予算執行上の費目としてどういう整理をするかというのは、今後予算編成の過程などを通じまして整理いたしていきたいと思っております。
○阿部幸代君 もう一点、これは念のためになんですけれども、特別養護老人ホームの入所待機者をなくしていくためにホームの増設は急務になっていると思うんですが、今後介護保険実施に伴って、介護施設だということで福祉施設のときとは異なる扱い、つまり施設整備費の補助率が現行より引き下げられるようなことはありませんね。自治体の方は大変心配をしておられます。 私は、むしろ引き上げて待機者をなくすための手だてが求められていると思うんですけれども、このあたりはどのようになるのか、念のためにお聞きします。
○説明員(大塚義治君) 現在、特別養護老人ホームなどの老人福祉施設の整備費につきましては、自治体立の場合あるいは社会福祉法人立の場合、国の助成はいずれも二分の一相当でございます。 来年度、平成十二年度におきましても当然同様の率で要求をいたしておりますし、私どもはその率を維持したいと考えております。
○阿部幸代君 来年度だけではなくて、介護保険導入後、もうちょっと長く展望してお答えいただきたいんですけれども。
○説明員(大塚義治君) 私どもといたしましては、現時点でその補助率を変えることを検討している状況にはございません。引き続きこの補助率で考えてまいりたいと、少なくとも現時点のところは考えております。
○阿部幸代君 現行福祉水準を後退させないために、在宅高齢者保健福祉推進支援事業など補助事業の充実強化が切望されています。来年度概算要求の百三十億円にとどまらない財源確保で、福祉を後退させない大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから阿部委員が、要するに要介護認定から外れた自立の方はどうやって受けるかということは大変私は重要な御指摘ではないかと、まずこういう認識を持っておるような次第でございます。介護予防あるいは生活支援の視点から、こうしたお年寄りに対しましてこれまで同様に市町村による支援が大切だ、こう考えているような次第でございます。 このため、厚生省といたしましては、今、阿部委員からも御指摘がございましたけれども、平成十二年度の概算要求において、高齢者の生きがいデイサービスであるとか寝たきり予防対策事業、こういうことで百三十億円を要求いたしておりますが、いずれにいたしましてもこのようなサービスの拡充は介護保険制度の円滑な実施のために重要な一つである、こう考えております。 ですから、私は、お年寄りのこうした問題というのは単に介護保険制度だけで解決がつくものじゃないんだ、こういうような受け皿づくりだとかを総合的にやって、そして我が国の福祉を後退させてはならない、こういう決意でございます。
○阿部幸代君 次に、中小企業対策について質問いたします。 不況の中、これから年末にかけて中小企業の資金繰りが一層深刻になると言われています。そうした中で、埼玉県が全国に先駆けて九月定例議会で、無担保無保証人資金や経営安定資金など十五種類の中小企業者向け融資制度の返済期間を二年間延長することを決めて、十一月から実施、来年三月末まで受け付けることになりました。大変歓迎されています。 実は、埼玉県下で、政府が昨年十月に創設した二十兆円の中小企業金融安定化特別保証制度を利用している中小企業者は、これは八月末ですが、四万五千三百三十九社に上ります。金額にして七千九百九十七億六千三百万円になります。こちらの方の制度についても大変強い要望が出されています。 新聞報道によりますと、政府はこの特別保証をさらに十兆円上積みすると同時に来年三月末までの期限を一年間延長するということですが、具体的にどのようなことを考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(岩田満泰君) 御指摘の特別保証制度につきましては、平成十二年三月末が期限とされておるわけでございますが、現下の金融経済情勢などを勘案いたしまして期限を一年間延長することといたしました。また、保証枠の規模につきまして、今年度の追加分と来年度分との合計で十兆円を追加することといたしました。 本制度の延長に当たりましては、原則として貸し渋りを受けている中小企業者を広く対象とするとの基本的考え方に立ちつつも、多くの中小企業者が厳しい経済状況を乗り切っていくための後押しとして本制度を役立てていただきたいと考えておりまして、具体的には、来年度からは雇用の増大あるいは販売、生産、仕入れ面における改善といったいわゆる建設的努力の計画を有するということを保証の要件として追加したいと考えております。
○阿部幸代君 融資枠の拡大は大変歓迎されると思うのですが、利用者にはこれ以外にも切実な要望があります。返済期間と据置期間の延長です。返済の方は現行五年を埼玉県のように二年延長して七年に、据置期間の方は現行一年をやはり二年延長して三年にしてほしいということなんです。 この問題について、政府は弾力的に対応するという措置をとっています。これでは、原則は原則、つまり原則は変えないということで大変不自由なわけです。制度として延長するべきだと思うんですが、どう思いますか。
○説明員(岩田満泰君) 御指摘の返済期間あるいは据置期間の問題でございますが、実態を見ますると一年の据え置きを利用されている企業は一割程度でございまして、既に大半の企業は堅実に返済をしていただいているという実態が他方にあるわけでございます。 しかし、中には中小企業者の厳しい環境のもとで融資実行時点以降さまざまな事情変更も生じ得るということもございますので、個々の中小企業者の事情に応じた返済条件の弾力的対応、御指摘のようなことを信用保証協会に対して指示しているところでございまして、一方におきまして大半の企業が堅実に返済をしていただいているということも考慮しつつ、個別の事情に親身に対応していくという弾力的な対応で対応させていただきたいと考えております。
○阿部幸代君 埼玉県が十五種類の融資制度について二年間延長したというその勇断というのは、やはり身近に中小企業家の実態を見ているからよくわかっているからなのかなという気がして、政府が制度として延長措置をとらないということを大変私は遺憾に思います。この問題は、中小企業家同友会などからも強い要望が出されています。ぜひ引き続き検討していただきたいということを強く要望いたします。 次に、保証要件の内容に関してです。 これまでは、破産状態にある企業等一定の場合、いわゆるネガティブリストを除き、原則として保証を承諾しますとなっていました。具体的には、以下に該当する場合を除き原則として保証を承諾するとして、金融取引に関しては破産など事業継承の見通しが立たない場合を初め三点、それから財務内容、その他に関して、粉飾決算や融通手形操作を行っている場合を初め七点が明文化されてきましたが、先ほどの説明を聞いていて若干不安になるわけです。雇用の増大、販売、生産、仕入れ面における改善等の建設的努力の計画を有することを対象要件に追加すると、こういうことを先ほどおっしゃいました。若干心配になるわけですが、少なくともこのネガティブリストを変えてハードルを高くするという、そういうことではありませんね。
○説明員(岩田満泰君) 先ほども御答弁申し上げましたように、この特別保証制度の来年度における延長に当たりまして、原則として貸し渋りを受けている中小企業者を広く対象とする、そうした基本的考え方は維持することといたしております。 先ほども申し上げましたとおり、現在、御指摘のようにネガティブリストと称するものがあるわけでございますが、これにぜひ前向きな取り組みをしていただきたいという心を込めましてそうした建設的な努力というようなことをお願いいたしたい、このように考えておるわけでございます。
○阿部幸代君 もう少しはっきりお聞きしたいんですけれども、このネガティブリストそのものを変えてハードルを高くするというようなことは考えておられませんよね。
○説明員(岩田満泰君) ネガティブリストはネガティブリストでございますので、それに加えまして建設的な努力をぜひお願いいたしたい、こういうことを期待しているということでございます。
○阿部幸代君 せっかく融資の枠を十兆円広げたわけですから、貸し渋りに遭っている中小企業家の要望にこたえるような運営をぜひしていただきたいと思います。 次の質問なんですが、地域産業集積活性化法に基づく取り組み状況に関して質問したいと思います。 この制度は、大企業の生産拠点の海外移転などによる産業の空洞化の影響を受けてきた基盤的技術産業集積と特定中小企業集積の活性化を図って地域経済を発展させるというものですが、私は大変この制度に関心を寄せています。基盤的な技術産業の空洞化があってはならないと、日本経済の発展を思う立場からいつも思っているからです。 鋳物産業で知られる川口市を中心とした埼玉県南部の七市が、千葉県の東葛地域と一緒になって基盤的技術産業集積活性化促進地域に指定をされています。この地域を調べてみて気がついたのですが、個別の企業で研究開発等に関する補助金を受ける例が非常に少ないのです。埼玉県ではたった四社でした。対象となる企業数が約四千社あるのに四社だったんです。 基盤的技術産業集積活性化促進地域というのは、全国で二十五の地域が指定されていると思うんですけれども、私が今言ったこの補助金の利用は今まで何件になるんでしょうか。
○説明員(細田博之君) 御指摘の地域活性化創造技術研究開発費補助金につきましては、中小企業または組合が行う新製品や新技術等に関する研究開発に要する経費につきまして費用の一部を補助する、そして中小企業の技術開発を促進して、高付加価値化とかあるいは新分野進出等の円滑化、基盤技術の高度化等に資することを目的としておるわけでございます。 平成十一年度におきましては、各県等からの申請に基づきまして全国で四十件、そして御指摘のように埼玉県では四件の交付決定を行いました。 全体としてはまだまだ少ないではないかという御指摘はごもっともでございまして、この補助金につきましては、必要な予算を確保するように努力してまいりますとともに、実は国が三分の一、県が三分の一という補助率も決められておりまして、案外地方の公共団体の方も財政的な問題もあるというようにも聞いております。 そのほかの中小企業の技術開発関係予算もさまざまなメニューがございますので、おっしゃいましたように今後とも必要な予算の確保に努力してまいりたいと思います。
○阿部幸代君 非常に少ないという認識を示していただいたと思うんですけれども、埼玉県の担当者は積極的でして、我々の方からも工場を訪問するとおっしゃっていて、行政の側の意欲も示して、補助採択企業を西暦二〇〇三年、平成十五年までに少なくとも百社ぐらいにしたいとおっしゃっていました。 私も、基盤的技術産業を本当に保全したいという意味でこの積極姿勢には大変共感を覚えたんですけれども、予算の推移を見ますと、あと九十六社分の補助金が受けられるのか心配になるんです。 政務次官、今確保ということをおっしゃいましたけれども、応じられるだけの予算は確保していっていただけますね。
○説明員(細田博之君) やはり補助金の目的がございますので、もちろん個々には精査しなきゃいけませんけれども、できる限りこの確保につきまして努力してまいります。
○阿部幸代君 中小企業政策、次の国会で中心的なテーマになろうとしているんですけれども、埼玉県では一定の努力をしているような気がしましたが、単に制度の説明会をやっているだけではなくて、県の工業技術センターの研究者たちが県南の工場を中心に一千五百社回ったそうです。そのうち千二百社ぐらいに受け入れてもらって大変歓迎されたと言っていましたが、研究者たちは必ずしも制度面に詳しいわけではありませんから、この訪問が即地域産業集積活性化法の制度の浸透に結びつくとか、あるいは地域産業創造技術研究開発費補助金の申請とか、その前段の高度化計画の申請とか、そういうものに結びつくというわけにはいかなかったのです。 こういうことも含めて、地域産業の活性化というのはその地域の個々の企業が元気になるような取り組みこそが求められているのだと思うのですけれども、政務次官の考えをお聞きします。
○説明員(細田博之君) 大変難しい御質問でございまして、一つ一つの企業に個別の補助金などの助成を行うということも一つの考え方でございますが、今の中小企業の現状を考えますと、施設を利用する企業の範囲を広くして、できるだけ共通の、高額の計測機器を整備するとか、共同利用するとか、低廉な事業スペースを提供するとか、そういうような事業も非常に必要な地域が多いわけでございます。 地価が高いしなかなかそういうものがないということで、かなりの予算をこの製造業の基盤となる産業につきまして、この産業集積の利点を活用する、技術の高度化に資するという意味で共同で使えるようなものをできるだけ優先的につけていこうという思想もございますので、それはそれでまた正しい方向であると思いますので、おっしゃいました個別により助成が流れた方がいいというお考えと両方が相まったような、双方とも実現できるようなことが必要ではないかと思っております。
○阿部幸代君 個別の方にお金がいっぱい流れればいいというような単純なことは言っていませんで、共同利用施設をつくることも必要だと思うんですが、それをつくることによって個々の企業が元気になるような、そういう施策が本当に求められているということです。 次に、高等部の訪問教育の本格実施について質問いたします。 既に、特殊教育諸学校の学習指導要領が改訂されて、来年から移行措置をとるということで関係省令も改正され、高等部の訪問教育がいよいよ本格実施ということになります。 そこで伺いたいのですが、本格実施を前に、試行的実施がどうであったのか総括が必要だと思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(河村建夫君) 御指摘のように、三カ年の試行期間を終えたところでありまして、平成十二年度より本格的に実施をしていくわけでございます。その中で、平成十一年三月に改訂をいたしました新しい学習指導要領において、授業時間数の設定とか、あるいは全課程修了の認定、あるいは訪問教育、それに関する教育課程の基準について明確にそこへ打ち出してあるわけです。 それで、今後の本格的実施がうまくいくかどうかということを検討しておるところでありますけれども、私はさらに細部の問題、特に運用に当たって時間数等々生徒の実態というものがいろいろあると思うんです。そこで、それはある程度学校長の判断等に任せて、現在試行期間中から本格的にやろうとしているこの改訂した新しい学習指導要領においてこれができるというふうに考えておりまして、これに基づいて、この教育課程の基準について明確にしてあるものについてやっていくことで対応できる、そのように考えております。
○阿部幸代君 私がどうして試行的実施の総括が必要かというふうに思いますかというと、実は地域格差が非常に出ているんです。訪問回数が教員の定数改善により小中では週三回が原則となっていますが、高等部では訪問回数二回、つまり後退してしまうわけですね、二回に。そういうところが十一県もありますし、また九七年の訪問教育高等部の試行的実施以前の既卒者を入学対象としているのが神奈川や京都を初め十三都道府県あるんですけれども、それ以外はやっていないんです。 こういう地域格差がありますから、やはり試行的実施を経て本格的実施に移るわけですから、総括をして本格実施へ移行するに当たって、教育課程について授業時数とか既卒者の扱いとか、こういうものについての基本方針を持つべきだと思っているわけなんです。 具体的に聞きます。 既卒者の高等部入学問題です。法的には中学部卒業生は全員高等部に進学する資格があるんだと思います。本人と親が希望する限り既卒者も高等部入学を認め、全国でその実施が促進されるようにしたらよいと思うのですが、どう考えますか。
○説明員(御手洗康君) 御指摘のとおり、既に中学部を卒業しておりまして、これまで訪問教育の制度がなかったということで高等部の教育のチャンスを受けなかったという子供たちがいることは事実でございます。高等部の訪問教育の実施にいたしましても、委員今、平成十年度の数を御指摘ございましたけれども、本年度はさらに三県ふえまして既卒者を受け入れている県は十六県と、こうふえております。 また、訪問教育全体も昨年は四百七十三名、一昨年は百六十四名という子供が高等部対象でございましたけれども、本年度は七百五十一名、各県におきましてもそれぞれの実情を踏まえながら積極的に推進方に努力しているところでございますので、文部省といたしましても、各県と協力しながらできるだけ希望に沿えるような施策が打ち出せるように今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 次は修学年限の問題ですが、学校教育法第四条によりますと、「夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程」を定時制の課程としています。 訪問教育は、現状では年間授業時数は通学生に比べて大幅に少なくて、これを少しでも改善するために訪問教育を定時制とみなして修学年限を四年間に延ばしてほしいという声が強まっているんですが、そういう道を開くべきではないでしょうか。
○説明員(御手洗康君) 高等学校におきます定時制の課程あるいは通信制の課程は三年以上ということで、場合によっては四年ということも現実にあるわけでございますけれども、養護学校の高等部につきましては、高等学校の定時制、通信制の本来の趣旨というものと状況が違っておりますので、四年というような現行制度を開く道はないわけでございます。 私どもといたしましても、盲・聾・養護学校に通っている子供たちというのは、いわば個別の指導計画が必要な、一人一人状況が違っているわけでございまして、通学によって高等部に行っている子供あるいは小中学部に行っている子供につきましてもその実態は区々でございまして、訪問教育の対象の子供だけではなくて重複障害の子供たち等につきましても、各学校で実際の教育の内容あるいは指導の方法あるいは授業時数等かなり学校に自主的に御判断いただくという形で実施しているところでございますので、訪問教育の子供たちにつきましても、こういった通学の子供たちと同じように各学校におきまして実態に即してやっていただくという方向で進めてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 これは高等部に限る問題じゃないんですが、地域格差の問題で、鹿児島県では肢体不自由の養護学校が一校しかないために、肢体不自由であってもほとんどの地域の子が知的障害の養護学校に在籍して、本来なら通学可能な子が訪問教育の対象になっています。そのために訪問生の数が百五十人いるんです。通学できるのになぜ学校に行けないのか、こういう切実な声も上がっています。京都府で七人、石川県で二十人等と比べて多過ぎるわけです。改善の指導が必要ではないでしょうか。 それから、もう一つ質問しますが、これは政務次官に答えていただきたいんですが、小中学校の訪問教育が始まったときには文部省はその基本方針を持っていたんです。例えば教育課程について、授業は年間三十五週以上にわたって行うよう計画するものとし、週当たり時数は四時間程度、週二日二時間ずつを原則とすることとした上で、授業時数については実情に応じた授業時数を定めるべきであり、特に週当たりの授業時数が負担過重とならないようにすること、週当たり時数は四時間程度、週二日二時間ずつを原則とすることとしたのはこの趣旨とともに訪問指導実施状況によったものであるが、なお検討課題としたいというぐあいです。念のために、現在は週三回二時間ずつですね。 だから、小中の訪問教育が始まったときには文部省としての基準、姿勢を示したんです。ですから、高等部が本格実施になるときには、やはり文部省としての基準、基本というものを示すべきではないでしょうか。二つお伺いします。
○説明員(御手洗康君) 鹿児島県の実情でございますが、現在訪問教育を受けている子供たちが高等部で二十一人ということでございます。各県、事情はそれぞれ異なりますので、なぜある県が多くてなぜある県が少ないのかということにつきまして私ども十分その内容を知悉しているわけではございませんが、一つには、離島、僻地をたくさん抱えているというような県内事情もあろうかと存じます。 なお、先生、訪問教育の基本と御指摘ございましたけれども、訪問教育につきましても、小学部、中学部、高等部ともいずれも盲・聾・養護学校の学習指導要領を原則として適用するという大原則があるわけでございます。したがいまして、年間三十五週にわたって授業をするというのは、これは学習指導要領で原則になっているわけでございまして、それを前提にした上で、訪問教育あるいは重複障害の子供たちにつきましては子供の実態に応じて校長が適切な授業を実施せよということでございますので、決して無原則に実施しているということじゃございませんで、逆に学習指導要領の位置づけなどによりましてその学習指導要領の例外規定をここに書いているということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○説明員(河村建夫君) 御手洗局長が答えたとおりでありまして、高等部において実態をいろいろ調査いたしますと、障害によってかなり子供の実態に応じたきめの細やかな訪問教育をやる必要があるということで、その状況については高校長の判断に任せたらどうかというのが現行でございます。 そういうことで、教育課程の基準を示したものによってやるわけでありますが、原則は、先ほども御指摘ありましたように週三回二時間というのは一つのやっぱり基準にはなるであろう、私はこのように考えております。
○阿部幸代君 終わります。
○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。 けさ質問通告をさせていただきましたが、オウムの拉致事件は作り話であるということがいつわかったかについて教えてください。
○説明員(林則清君) ただいまのお尋ねでございますけれども、被害申告があって以来ずっと捜査を続けておりましたが、十月二十四日に千葉県警察におきまして被害状況について再度詳細に聴取いたしましたところ、被害者の方からこれは作り話であったと二十四日に申し立てがあった次第であります。
○福島瑞穂君 けさの読売新聞によりますと、例えば血液検査を行ってもクロロホルムのような薬品で気を失ったとする女子大生の話を裏づける結果はなかった、あるいは自宅付近での聞き込みでも目撃情報はなくというのが新聞に出ているんですが、これは当時すぐわかったことなのではないんですか。
○説明員(林則清君) 捜査は、被害があったということでありますので、その被害の申し立てに基づいて必要な捜査をずっと遂げていく。その中にはいろんな問題点が出てきます。ですから、今御指摘あったようなことがあるから、すぐにそれが作り話だということを断定して、そういう先入観を持った捜査を行うということはできないわけであります。
○福島瑞穂君 オウムの事件に関しましては二つ、信者の監禁事件とこの拉致事件が最近起きた二大事件だと思います。いずれも、監禁事件の方は容疑事実がないということ、それからこちらは作り話であったということが明らかになれば、これは随分報道が、オウムの拉致事件ということで物すごい報道がなされましたので、警察の方としては今後これについてどういう処理をなさる予定でしょうか。
○説明員(林則清君) 軽犯罪法に違反しますので、所要の捜査を遂げた上、軽犯罪法で少年でありますので家裁へ送致するという処置を考えております。
○福島瑞穂君 逆に、オウム真理教側に対して非常に、報道側もそうですが、オウムがやったのではないかという報道もたくさんされましたし、オウム真理教側に対して警察はどのような今後対処をされるのかについてお聞かせください。
○説明員(林則清君) 警察は、事案の発生段階においてもオウム真理教がこの犯行を行ったということはいずれの席においても一度も申しておりません。
○福島瑞穂君 作り話ということが今はっきりしたわけですが、大きく報道がなされてそれを前提にさまざまな法制度の議論もなされたことは非常に重大なことだと思います。 次に、盗聴法についての予算についてお聞きいたします。 警察庁、平成十二年度予算概算要求の中で、盗聴用の記録装置として四億六千二百万円の予算を要求されています。これは六十二式ということで、単純に考えて一台七百四十五万円の記録用装置を六十二式買うというふうにこちらは聞いております。一台七百四十五万円というと非常に高いわけですが、これはどういう中身の記録装置なんでしょうか。
○説明員(林則清君) 今御指摘がありました十二年度概算要求をしておる記録装置の機能ということでございますけれども、記録装置の機能の概要としましては、傍受した電話音声を記録する機能を初め、ファクス信号に対応する機能その他通信傍受法に沿った傍受作業が可能になるような機能を実現するということを考えております。
○福島瑞穂君 ちょっと中身が抽象的なんでわからないんですが、DVD、市販されているものだと数万から十五万ぐらいとも言われておりますが、これは七百四十五万円のDVD装置ということで、どういうことが可能なのかもう少し教えてください。
○説明員(林則清君) 記録装置の機能として必要と考えておりますものは、今申し上げましたことに加えまして、さらに我が国の通信傍受法のもとではその運用の適正を期する上で、例えば新たな機能として、立会人が見ていて、その時点で該当性のためのスポットモニタリングを行っておるのか、それとも犯罪関連通信等の傍受を行っておるのかというのが見えるようにするというような新たな機能をつけ加えるということであります。 それで、議員御指摘のようなもの、それから海外のものを含めて既存の製品である記録用機材をそのまま使用することはできないというふうに考えておるわけであります。
○福島瑞穂君 該当性判断の通信かどうかというのがコンピューターでどうやってわかるのか教えてください。
○説明員(林則清君) 技術的な詳細についてはちょっと私もわかりかねますけれども、それが表示されているような、短い期間やっているのかどうかというのが外部から立会人にわかるような機能をつけさせようということでございます。
○福島瑞穂君 この来年度に導入する装置なんですが、百時間以上の録音を可能とする装置なんでしょうか、それともそれ以下なんでしょうか。
○説明員(林則清君) 今のところ考えておりますのは、先ほどもお話にありましたDVD―RAMを記録媒体とするつもりでありますけれども、DVD―RAMの容量は二・六ギガバイトです。これはどの程度の音質で記録するかによって記録可能な時間というのは異なるわけでありますけれども、いずれにせよ、媒体交換ができますので幾らでも記録は可能ということであります。
○福島瑞穂君 幾らでも記録可能というと、その中ではエンドレスでできるということですね、媒体を交換すれば。
○説明員(林則清君) もちろん、それは当然法に、記録をいつからいつまでやっていいということは令状の中で決められておりますから、その範囲に対応できるということであります。
○福島瑞穂君 ちょっと話が戻って済みませんが、七百四十五万円のこの記録装置の中身を本当に知りたいんですが、長時間録音された会話の中から捜査に必要と思われる単語や人物の声を検索するための音声認識システム、そんなことは可能なんでしょうか。
○説明員(林則清君) そういうことは不可能であろうと思っています。 要するに、必要なものをキャッチして必要なものを記録し、不必要なものは消去する、そういう機能を持たすという格好になると思います。
○福島瑞穂君 法務省のこの盗聴用の装置整備等経費は二億四千二百万円ということで、検察庁が購入するのは全国で十数台導入予定、一台五百万前後ではないかということなんですが、残りの予算は何に使われるのでしょうか。
○説明員(松尾邦弘君) 概算要求では、この傍受装置につきましては一台当たり約五百万円ということで十数台要求している。おっしゃるとおりです。そのほかに編集専用の装置というものが必要になります。これについても相当台数要求をしておりまして、一台当たりの単価は二百万円ということになっております。 そのほか、二億四千万円の中には、携帯電話の通信傍受システムの開発経費等ということで開発の経費がそれぞれにかかりますので、トータルで二億四千二百万円概算要求をしているということでございます。
○福島瑞穂君 開発研究費というのはどのようなものでしょうか。
○説明員(松尾邦弘君) 特に携帯電話の通信傍受システムにつきましては、技術的に多少改善あるいは新規に機械を開発する必要がございます。そうしたものの開発経費に充てるものとして予算を請求しているということでございます。
○福島瑞穂君 携帯電話の開発費はどれぐらいの見通しで、幾らぐらいかかるのでしょうか。
○説明員(松尾邦弘君) 携帯電話の通信傍受システムの開発研究等の経費として、概算要求の中には当面六千万円を要求しております。
○福島瑞穂君 当面六千万円ということなんですが、合計幾らぐらいの試算ですか。
○説明員(松尾邦弘君) 開発経費が幾らかということをにわかに、なかなか算定するのは難しいわけでございますが、現行の携帯電話システム、いろいろございます。一定の条件のもとにおいては現在でも通信傍受が可能な部分もあります。また、既存の技術や設備を転用すれば容易に傍受が可能となる部分もあります。ただ、それ以外の部分につきましては、現在、通信事業者との間で十分な意見交換を行っております。 捜査上の観点からいいますと、必要性の高いものから順次研究開発を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○福島瑞穂君 盗聴するための開発費が幾らになるのかについて、膨大にならないように、あるいは逐一それについて教えてください。 それで、先ほど一台二百万円ぐらいとおっしゃったんですが、ノンストップで何時間ぐらい傍受ができるんでしょうか。
○説明員(松尾邦弘君) これは先ほど警察庁の林刑事局長からお答えしたとおりでございまして、どういった程度の音質で録音するのかとか、いろいろ、RAMというんですか、その内容に何を入れるかによって時間が変わってくると思いますが、相当長時間録音できます。また、さらにそれは単一のものを使用するということではなくて、ある程度容量がいっぱいになった場合にはそれを新しいものに交換することによって、時間的には新たなまた録音が可能になるということでございます。
○福島瑞穂君 相当長時間というのはどれぐらいでしょうか。
○説明員(松尾邦弘君) どういった録音の様式にするのかによりますが、数十時間から百時間といったようなスケールの話だろうと思います。
○福島瑞穂君 法務省と警察庁でこの盗聴についての機器の予算要求が違っております。警察は一台七百四十五万円ぐらいのを六十二式、法務省は一台二百万円ぐらいのを十数台と。あとは研究開発費ということで概算要求されているんですが、なぜこういうふうに予算の、同じ盗聴のための機械が値段がこれだけ違って、要求の仕方が違うのかについて教えてください。
○説明員(林則清君) 警察庁の要求におきましては、傍受した通信の記録等を行う装置と、法に基づいた消去等の作業を行う装置をセットにして整備することにしております。 一方、私どもが聞き及んでおるところによりますと、法務省におかれましては、後で話があるかもしれませんけれども、警察と同様のセットが必要な地方検察庁があるとともに、警察から送致された傍受記録である記録媒体への対応だけで足りるという地方検察庁もあるやに聞いております。そのため、警察庁と法務省の積算が異なってくるということになるわけでございます。
○福島瑞穂君 二百万と七百四十五万の差はどこから出てくるんですか。
○説明員(松尾邦弘君) 警察庁といろいろ協議をしていただきながら概算要求をしているわけなんですが、この我々の中の五百万円と二百万円ということなんですが、傍受装置そのものは一台当たり五百万円ぐらいということでございます。それから、それにセットで使う編集専用装置、これが二百万円でございますので、セットとして考えれば警察庁と我々の概算要求の内容は事実上一致しているということになります。 その傍受装置自体は、概算要求では検察庁は一台当たり約五百万円のものを十数台ということで要求しております。ただ、編集用の装置につきましては、少なくとも各地方検察庁に一台というようなことで二百万円のものを約五十台要求しているということでございますので、ここらあたりは捜査体制等の必要性が警察庁と判断が食い違う、あるいは判断が違ってくるところかと思っております。
○福島瑞穂君 神奈川県警の問題についてお聞きします。 相模原南署証拠品持ち出しのケースで、その人は一九九八年十二月二十五日付で懲戒免職処分になっておりますが、この理由は何でしょうか。
○説明員(石川重明君) この事案は、御案内のように、元相模原南警察署の刑事課の巡査長が押収品であるネガフィルムを窃取した上に女性に金品を要求するとともに関係等を強要した、こういう事案でございますが、この捜査をやっておりました過程で被害者からの協力が得られなかったということで、事実上捜査が停滞をしておったわけでございますが、この本人の非行というものは厳正に処分をしなければならないということで、本人の供述あるいは関係資料などから懲戒処分理由はあるということで、地方公務員法に基づきまして懲戒免職処分にした。 その中身といたしましては、法令や上司の職務命令に従う義務に違反をした、信用失墜行為の禁止に違反をした、秘密を守る義務に違反をした、職務に専念する義務に違反をした、そういう地方公務員法上の義務違反というものがございますし、また、神奈川県警察が定めております服務規程や証拠品の管理要綱等の内部規律に違反をしている、こういう事実も認められたわけでございまして、地方公務員法二十九条第一項第一号の懲戒処分理由に該当するということで懲戒免職処分にした、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 これは佐々木知子さんもこの間決算委員会で質問されていらっしゃいましたが、警察官が懲戒免職処分になった場合は公表するという基準があると思うんですが、これは公表されませんでした。なぜ公表されなかったんでしょうか。
○説明員(石川重明君) 一つは、捜査が停滞をしておったと申しましても、捜査がある意味でまだ決着がついていなかったということがあると思います。 それからもう一つは、私どもの指導といたしまして、警察職員が懲戒免職になるといったような重大な事案についてはなるべく公表をするということで行っておるわけでございますけれども、本件に関しましては、被害者、関係者から公表を強く反対されておったということがございます。そういうことで、本人等のプライバシーの保護といったようなことが念頭にあって公表がなされていなかったというふうに承知をしております。
○福島瑞穂君 捜査が詰まっている理由と懲戒免職処分とは関係がないわけで、懲戒免職処分はされたわけですから、十二月二十五日の時点でなぜ公表しないのかという理由にはなりません。 それから、本人のプライバシーはもちろん重要ですが、現在でも彼女の名前も住所も明らかになっておりません。本人のプライバシーを一〇〇%守る形でできますし、なぜこの懲戒免職処分が発表されなかったか、それについて再度お聞きします。
○説明員(石川重明君) 基本的には今申し上げたとおりでございます。 ただ、私どもといたしましては、こうした事案についても事前に十分手を打ってできる限り公表するような方向で指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○福島瑞穂君 できる限り手を打ってではなく、懲戒免職処分になった場合は公表するという基準があるにもかかわらず、なぜこのケースは公表されなかったのかということです。
○説明員(石川重明君) 懲戒免職になったというような事案は、重要な事案でありますから、ほとんどの場合公表されていると思います。 ただ、この不祥事案というものの中にもいろいろな対応があるわけでございまして、それぞれ事案の個別的な原因とか背景というものもあるわけでございまして、そういうところにいろいろな配慮をする必要があるということで、一部このような形の処理がなされたというものはあろうかということでございます。
○福島瑞穂君 いいえ、懲戒免職処分の場合は、本人と例えばその理由、懲戒免職処分されたその人と懲戒免職処分にされたことを言えばいいわけで、公表しなかったことはやっぱり非常におかしいというふうに思います。 それで、この事件はなぜ立件されなかったのでしょうか。
○説明員(石川重明君) 先ほど来お話をしておりますように、この事案は大変あり得べからざる事案であるわけでございますけれども、事案全体の姿として、女性に対する恐喝未遂等の要素があって、そこのところの立件が、被害者側の被害届が出ない、あるいは告訴が出ないといったような強い意思がございまして、捜査が行き詰まっておった、こういうことでございます。 その後、この事案についての対応を私どもも見まして神奈川県警を指導いたしまして、捜査をすべきことがあるならばきちっと捜査を尽くすようにということで、県警としては態勢をとって捜査に着手をいたしまして、先般、窃盗事件として立件をし、検察庁に送致をし、検察庁の処分があった、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 これは、九月六日、特別チームをつくり、つまり事態が大騒ぎになって九月六日特別チームをつくられたというふうに新聞に載っているんですが、この結果、どうなりましたか。
○説明員(石川重明君) その結果、この被疑者でございますが、多摩警察署の窃盗事件の連合捜査本部に応援に派遣されておりました平成十年十一月下旬のことでございますが、窃盗被疑者として逮捕した男性から任意提出を受けて押収した品物を多摩警察署に運び込んで整理をしておったと。その過程で、多摩警察署長管理に係るネガフィルム四こま一枚を窃取したという事実で逮捕をいたしまして送致をした、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 送致をしてその後、今どういう段階ですか。
○説明員(石川重明君) 横浜地方検察庁において公判請求がなされたというふうに承知をしております。
○福島瑞穂君 今、公判請求の段階ですか。
○説明員(石川重明君) 起訴がなされたということでございます。
○福島瑞穂君 この事件は恐喝未遂、強要罪あるいは強要未遂ですか、それは成り立ち得る事案なんですか。事案について教えてください。
○説明員(石川重明君) 先ほど来お話をしておるわけでございますが、女性に金品を要求したというような事実はあったようでございます。また、関係を強要したといったような事実もあったようでございます。ただ、これを立件するということについては、先ほど言ったような制約があった、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 済みません、小さいことかもしれないんですが、強要、これは既遂ですか未遂ですか。
○説明員(石川重明君) これは金品を要求したわけでありますが、金品を取ったというふうには承知しておりません。
○福島瑞穂君 この件は、報道されるようになってから特別チームがつくられて、こういうふうに大問題になりました。もしそうでなければ全然議論がされなかったと思うんです。 私は、警察庁にちょっと逆にお聞きしたいんですが、なぜこの件は例えば盗聴法が議論になっているときに全然表に出なかったんでしょうか。つまり、神奈川県警というのは、緒方さんいらっしゃいますが、緒方靖夫さんの例の盗聴事件があったところですし、この間、盗聴の審議の中で佐々木知子さんも言っていらっしゃいますが、得た情報を悪用するという可能性がある、それのチェックが果たしてできるのかということが非常に大問題になりました。 なぜこの問題は九月になるまで表に出なかったんでしょうか。
○説明員(石川重明君) 警察庁としては、この発生の報告を受けていろいろ指導をしておったわけでございます。先ほど言ったような事情で捜査が停滞をしておった、こういうことで表に出ていなかった。それからまた、被害者あるいは関係者の意向というものが尊重されておった、こういうことで表に出ていなかった、こういうことだろうと思います。
○福島瑞穂君 警察庁はこの件について、いつごろどういう報告を受けていたんですか。
○説明員(石川重明君) 十二月二十五日の時点で、この職員を懲戒免職処分としたという報告は受けておりました。したがって、その前の段階から指導をしておった、捜査を尽くすようにというような指導はしておった、こういうふうに承知をしております。
○福島瑞穂君 非常に報道されるようになって九月六日に特別チームをつくり、現在窃盗罪で公判請求中だというふうにお聞きしました。では、なぜ十二月二十五日の時点でそういう立件がなされなかったかについて教えてください。
○説明員(石川重明君) 先ほど来累次にわたって御説明しておるわけでございますが、二十五日というのはこの元刑事につきまして懲戒免職処分とした日でございます。その時点において被害者あるいは関係者の意向というものは、この事件について告訴をしない、被害届には応じない、こういう強い御意向があったということで捜査が停滞をしておった、こういうことであります。
○福島瑞穂君 しかし、今は窃盗で公判請求しているわけですから、当時彼女が自分の件についてはもう結構ですと言ったとしても、少なくとも懲戒処分をされた時点で事実確認が行われて、公務員に対して懲戒免職処分にされているわけですから、十分例えば現在公判請求中のような窃盗でできるわけです。 申し上げたいのは、みんなに知られない、内々のうちは一切立件しない、だけれどもメディアに知れた場合にはとにかく窃盗でも公判請求する。これは何かということをお聞きしているわけです。
○説明員(石川重明君) そういうことがございましたので、そういうことがございましたというのはこの事件についてなお捜査をすべき事項があるのではないかということがございましたので、警察庁としては、神奈川県警の幹部を招致いたしましてこの事件について捜査を尽くすようにというような指導を行った、そしてその指導に基づいて神奈川県警において遅まきながら捜査に着手をして事件を立件した、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 これがもしメディアに乗らなかったら、これはどういう形で乗ったかわかりませんが、九月の段階で乗らなければ全く人々は知ることはできない、全く不問に付されたというふうに思いますけれども、警察の自浄能力についてはいかがですか。 盗聴法で実は一番問われたのは、緒方さんのケースもそうですが、警察に自浄能力がないのではないかということだったと思います。彼は写真を見て、それから参考人の調書を見て名前と住所がわかる、それで彼女を呼び出したというふうに言われておりますけれども、情報がそういうふうに使われれば、警察が得た情報を使えばいろんなことができるわけです。それについていかがですか。
○説明員(石川重明君) 警察の自浄能力についてのお尋ねでございますけれども、こうした事案が発生した場合には、警察といたしましてはまず内部調査を行うわけでございます。内部調査の結果、解明された事実関係が刑罰法令に触れるような中身となっているといった場合には、捜査部門が入って捜査を行ってきちっと厳正な対応をするというのが基本であるわけでございます。 今回の相模原南署事案というものについてもそういった形で動いておったけれども、先ほど言ったような形で事件の捜査というものが行き詰まっていた、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 議論になっているときに一切これが公表をされなかったということは非常に重大だと思います。これは逆に検察庁にもお願いしたいんですが、今後きちっと立件をしたり、きちっと第三者機関としてできるようにということをお願いしたいと思います。 最後に一問だけ。 司法制度改革審議会は現在会議が情報公開となっておりません。法務委員会で情報公開がされるようにと強く要望があり、そのことはかなり確認されたはずなんですが、会議は現在非公開です。会議録は出ておりますが、会議録を見るのとリアルタイムで傍聴できるというのは全然レベルが違いますし、会議録は出ているのですから別に秘密裏にやる必要は全くないと考えます。 現在なぜこの会議の公開をしないのか。国民のための司法ということをうたっているんですから、これは会議の公開をこれからの会合ではやるべきだと思いますが、お答えをお願いします。
○国務大臣(臼井日出男君) 本審議会設置法の議決の際に、衆参両院の法務委員会における附帯決議におきまして「情報公開等透明性の確保に努める」というふうにされております。 また、審議会の公開に対する政府の方針その他の審議会における取り扱いなどを踏まえますと、議事の内容を可能な限り公開をしその透明性を確保するということは望ましいことでございます。したがいまして、私ども、本審議会におきましても毎回の会議終了後、会長等が記者会見を行い議事の内容を説明することはいたしておりますし、また毎回の会議終了後、速やかに議事概要というものを作成いたしまして公表いたしておりますし、また毎回の議事録につきましてはその作成後これを公表することにいたしております等々の議事の公開は実施されているというふうに伺っております。 ただいま委員から御指摘のございました本会議の傍聴につきましては、審議会の委員の間でさまざまな御意見があって、さらに数回の審議の開催を経た上で改めて審議会の会議において検討することにされたというふうに私どもは伺っておる次第であります。
○福島瑞穂君 会議録を公開されていらっしゃいますから、会本体の公開もされるように要望して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○鶴保庸介君 自由党の鶴保でございます。 だんだんのいろいろなお話がありました。ただ、この不景気を見回してみまして、私は一年間労働委員会というところに所属をしてきました。失業率が横ばいとはいえ依然高失業率にあるわけでありまして、その委員会で常々言っておりましたのが、失業率の低下について方策がないものかということを常々考えてきたわけであります。委員会でもかなり突っ込んだ議論はしましたけれども、最後の最後になりますと、それは経済政策の問題ですと大臣に言われたんです。 そこで、いよいよ次期臨時国会は、宮澤大蔵大臣お見えですが、中小企業国会にしようじゃないかというような御指導をいただいた。産業政策の本当に新しいエースが登板したなというような感じがして私は期待しておるわけでありますけれども、新聞等で見ておりますと、中小企業国会にしようと大蔵大臣が通産あるいは自民党の政調会長なんかに話しかけたなんというようなことをまことしやかに書いておりますが、あえてきょうは通産省の方にスポットを当てて聞いてみたいというふうに思うんです。 まず、冒頭、創業あるいはベンチャー支援の概要とそれから支援政策について、次期臨時国会にかける意気込みみたいなものを聞いておきたいというふうに思います。
○説明員(村田成二君) 先生御案内のように、雇用問題を引き合いに出されましたけれども、昨今の非常に厳しい産業構造転換の中でやはり大企業の経営の合理化あるいはリストラ、そういったものがどんどん進んでくるわけでございますが、そういった中でいろいろな雇用問題が発生するわけでございます。新しい雇用をつくり出すと申し上げましてもそう簡単なことではないわけでございますが、ちなみにアメリカの場合には、御案内のように、九〇年代非常に大きな情報化の波とそれからグローバライゼーションの中で企業構造、産業構造が大きく変わっていく、そういった中でどんどん新しい創業、業起こしというものが出てきて、そういった新しい企業群が新しい雇用を生み出すというような形でいい回転になってきたわけでございます。それがまたアメリカ経済自体の活力、社会の活力というものを今日に至るまで大きく引っ張り出してきたというのは先生御案内のとおりかと思います。 私どもといたしましても、我が国においてもやはり今大きな転換期を迎えまして、アメリカのような、あるいは諸外国が今トライしているようなそういった大きなうねりというものをつくり出していく、これが大事だというふうに思っております。それがひいては日本経済の将来にわたる活力を導き出しますし、それから新たな雇用を生み出すというふうに考えているわけでございます。 〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕 そういった観点から、かねてより業起こしあるいは創業支援あるいはベンチャー対策というものに取り組んできたわけでございますが、基本的な要素といたしましては、やはり資金と人材と技術、この三つの要素をいかに新しい分野にうまく投入していくか、それからまたその三つの要素をどう結びつけていくかという工夫が大事かと思っております。 そういった観点からいきますと、いろいろ累次にわたる対策を講じてまいりましたけれども、今日時点におきまして、やはり日本、我が国としてまだやり足りないところというのは大きく残っているのではないかというふうに考えております。特に日本の場合には、御案内のように、制度それ自体、それから社会それ自体が安定性を強く志向するという色彩が非常に強うございますが、そういった安定性という中からは物事にチャレンジしていくという精神、それからまた今申し上げましたような要素を投入していくという大きな動きが出てこないわけでございまして、そういった意味合いからも、いろいろな今までと違った発想で政策、対策というものを講じていく必要があるというふうに考えております。 〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕 具体的には、一つはやはりリスクマネー、非常に危険を伴う、ある意味でリスクを伴う資金というものをいかに幅広いすそ野、特に機関投資家等々含めましたいろんなチャンネルでどう集めてくるかということが第一点かと思います。 それから第二点は、やはりベンチャーキャピタルあるいは創業といいましても、いろいろな経営手法ですとかあるいは実際に商売の種になります技術、そういったものを評価して経営に結びつけていくとか、あるいは人材をスカウトしてくるとか、そういったきめ細かな指導といいますか経営関与というのが必要になってくるわけですが、これは、アメリカの場合には御案内のようにベンチャーキャピタルというものがそういう機能を果たしている。そういった機能をどう生み出していくかというあたりが今後の対策の大きなポイントになってくるだろうというふうに考えておりまして、目下そういった基本的な点についての対策、これを検討している最中でございます。
○鶴保庸介君 ありがとうございます。 今のお話の中で、整理をいたしますと、創業・ベンチャー支援、それそのものが、私もそうですけれども、雇用、失業率の低下にそのまま直接つながる、必ずしもそうではないのかもしれませんが。ただ、ベンチャー支援が必要であることは間違いない。それをするには資金とそれから人材と技術というふうに今おっしゃいました。そのそれぞれの三つの点についてそれぞれ別個にスポットを当てて聞いてみたいわけでありますが、資金面であります。 もちろん資金面は、さまざまな施策が複合的に絡み合ってベンチャー、創業の施策になっていくのでありましょうけれども、その特に目玉として、大蔵省も協力をいただいたというふうに聞いておりますエンジェル税制、これはこの国会で創業というよりも、平成八年度ですか九年かな、何年か前にもう始まっているものだというふうに聞いております。そうしましたら、これまでの実績といいますか、ちょっと聞いておりますと、その実績云々というのが余り何といいますか、使われておらぬのじゃないか。巷間聞いておりますと、エンジェル税制というのは知っておるかと言ったら、何ですかそれはという声の方が多いんですね。 そこで、そんなことをちょっと一度聞いてみたい。それは大蔵省に聞くのが本筋なのはよくわかっておりますが、通産省にあえて聞くところであります。どうぞよろしくお願いします。
○説明員(村田成二君) 今、先生御指摘のエンジェル税制でございますけれども、要は、個人投資家の皆様に新しく起業、業が起きるときに必要な資金を提供しやすいようにしていただく、こういう意味でたしか平成九年六月に創設されたものでございます。 現在の制度は、ある意味で私どもから見ますと非常に限定的な制度にでき上がっております。すなわち、対象となります企業は設立五年以内かつ試験研究費が売上高の三%以上といった要件の企業に投資する場合ということになっておりますし、それからまた、実際のメリットとしましては、株式の譲渡損失を翌年以降三年間繰り越して、ほかに投資する方の株式のもうけがあった場合、譲渡益があった場合にその譲渡益からその損失を控除することができる、こういう非常に限定的な制度になっているわけでございます。 これは、実際問題としまして、そのほかの理由もございまして、実績としましては余り芳しくないという感じだと思っております。 すなわち、この税制の適用を受けるにふさわしい対象企業かどうかという確認を受けることになっておりますが、この確認の交付件数が本年の九月末現在で六十九件ということになっております。失礼しました、これは企業ということじゃなしに、投資家自体が適切かどうかということが六十九件ということになっております。これを企業数、投資対象企業でいきますと数件、五、六件のオーダーでございます。 これはなぜこういう状態になっているか。大体、知っている人が少ないという今御指摘がございましたけれども、やはり先ほど申し上げましたように、株式の譲渡をして損をする、それを相殺できるのがほかに株式の譲渡益があった場合に限られるというようなことですとか、あるいは先ほどの対象企業の要件だと非常に限定的だということだと思います。 ただ、私どもとしましては、やはり例えばアメリカのエンジェル税制の例をとりますと、株式の譲渡損を夫婦の場合、合わせて十万ドルまで、ほかの株式の譲渡益だけじゃなしに、ほかの一般所得と通算が可能だというような制度をつくっております。それからまた、繰り越しも三年間という限度じゃなしに無期限で繰り越し可能というふうに非常に幅広い制度になっております。 したがいまして、私どももこういった諸外国の制度を見ながら、やはり日本におきましても少なくとも他の一般所得とも通算が可能なように制度内容を変えるとか、いろいろ使いやすい制度に変える必要があるということで、平成十二年度の税制改正要望をお出ししているところでございます。
○鶴保庸介君 今、局長がおっしゃられたことは、ちょっとわき道にそれる、質問通告には関係のないことなんですけれども、大蔵省との協議の中で進められていることであろうと思いますが、今の資料なんかでも、大蔵省から聞いたものであるんでしょうか、ちょっと一言。
○説明員(村田成二君) 数字自体は、これは私どもも大蔵省さんも共通して持っている数字でございますけれども、問題点その他は、私どもとして大蔵省さん初めとする関係の方々に御指摘申し上げているところでございます。 今後、党税調を含めていろんなところで議論をさせていただくということになります。
○鶴保庸介君 それを聞いて安心しました。 あっちやれ、こっちやれと押しつけ合いになってしまったら、また私、本当にいろんなところで同じことを感じながら今まで来ましたものですから、局長の先ほどのお話の中で、まだまだ理由がいろいろあるだろうと、エンジェル税制の利用が少ないのには。もちろん所得がある人でないとそもそもできないじゃないかというような法制度上の問題、あるいは相手に対して損をしてもいいですよということを宣伝するわけですから、なかなか宣伝しにくい、税制を受ける側の方から宣伝しにくいという事情があるというふうにおっしゃっていました。 したがって、私は、ぜひその辺の宣伝については第三者であります行政の側が積極的にやる必要があるのではないか。その意味においても、何遍も言いますが、大蔵省もまた通産省もそれぞれに役割分担をしながらぜひ複合的にやっていただきたい、そういうふうに思います。 それでは、資金面の話をしましたが、次に、第二点目として、技術面の話でありますが、巷間これも非常に有名になっております。大学の技術移転機関というようなことがいろいろ新聞で取りざたされ、また現実のものにされておられるという話であります。 その大学での技術移転機関の承認実績と、それからそれへの評価そのものをどんなふうに評価されておられるか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(村田成二君) 昨年、国会におきまして大学等技術移転促進法を成立させていただきました。以来、これまで全国で八つの機関を承認いたしております。これをTLOと実は称しておるわけですが、八機関現在ございます。 これはそもそもの趣旨としまして、先生よく御案内のように、大学の研究成果を民間事業者に移転しまして、それを新規産業を創出する核にしてもらいたい、こういうことで設けた制度でございますけれども、この八件以外にも現在全国各地でTLOをつくろうじゃないかという動きがどんどん広がっております。 やはりこういった役割につきましての認識がそれなりに広がりを見せているし、今後はその実績を重ねることによってさらにこういった機関の拡大を図っていくということが大事かと思っております。
○鶴保庸介君 それでは、その実績を重ねるという、評価についてはまだちょっとお答えをいただかなかったような気がしますが、これもエンジェル税制と同じで、華々しい制度があるということは皆さんよく御存じであろうと思いますが、それが実際どんなふうに活用され、我々の生活にどんなふうにかかわっているのかというとなかなかぴんとこないというのが事実だと思うんです。きつい言い方をすれば、本当に地に足のついたものにはまだなっていないんじゃないかというような気がいたします。 第三番目の点と関連するんですが、人的な、人材といいますか、そういうことと関連するのでありますが、ベンチャーといいますと高度な技術のある人ばかりがベンチャーあるいは創業するという、そういう制度にしてしまったら本当に遠く離れたものになる。ベンチャーというのはアイデア一つ、本当に一本どっこでやれるんだというようなあたりをぜひ支援していかなければいけないんじゃないか、そんなふうな見方で政治が関与していかなければいけないんじゃないかというふうに私は思うんです。 そこで、最後の第三番目ですが、ベンチャー支援については現状では私はまだまだ不十分だというふうに考えております。特に各地の創業、ベンチャー企業に対しての経営面でのマネジメントでありますとか、あるいは技術面、先ほどの高度な技術でなくしてもっとローレベルの技術面でのアドバイザーといったようなものがこれから必要になってくるのではないか。 通産省の方からだんだんになされておられます、漏れ聞こえてくるような法案の具体像というか、中にはこういった本当にきめ細かな人的指導といいますか、そういうものが法律の中には、なかなか言葉にするのは難しいんでしょうけれども、少ないのではないかというような気がいたしております。その辺についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(岩田満泰君) 新しく創業をされる方を大いにふやしていかなければいけない、あるいは既存の企業でございましても経営面で革新的なことにチャレンジをしていただくということがぜひこれから必要なことだということでございますが、とりわけ中小企業、それらを担われる方はほとんどが中小企業の場合ということになるわけでございまして、これまでも私ども資金面の支援とあわせて、例えば異業種の交流のような場を設定するとか、あるいは企業経営に必要なアドバイザーを派遣するといったような個別の施策の積み上げをしてきたわけでございますが、御指摘のように、今日できる限り幅広く創業や経営の新しい事業への取り組みを進めようということでございますと、経営のノウハウあるいは技術、情報等々、御指摘のように、技術はあっても販路の開拓がうまくいかないとか、あるいは開発はしたけれどもその製品評価がうまくいかないとか、あるいは開発はしたけれども特許のとり方についていろいろな問題があるとか、さまざまな課題がございます。 その課題の解決を図るために、私どもぜひ中小企業者の身近なところにまずはいろいろな相談をし、いろいろなアドバイスを受ける、そういう機会を提供するということと同時に、ワンストップサービス制度とでも申しましょうか、可能な限り出てきたものについて一カ所でいろいろな支援ができるというような仕組み、それがまた全国的にネットワークを組んだような姿になっていれば、それはまた大いに情報の提供の底の深さと申しましょうか底辺の広さというようなものも確保ができるというようなことでございまして、そうした民間にございますもろもろの専門的な人材あるいは実務的な経験、そういうようなもろもろを活用するような仕組みづくりというものがぜひとも必要ではないかというふうに考えておりまして、そのような方向でできる限り早くそうした対策の整備を進めていきたい、このように考えております。
○鶴保庸介君 そのとおりであろうと思います。本当にありがとうございます。 ただ、実情を申し上げますと、まだまだいわゆるSOHOというような小さな一つのスモールオフィスでやっているようなところでは、えたいの知れないものだというふうに考えられがちなんです、起業をしたとしても。したがって、先ほど言いましたような、国なり県なり市町村なりが経営面でのマネジメントであるとか技術面でのサポートをしてやるということが一種の権威づけになってくるんじゃないか、私はそんなふうにも思うんです。ぜひ御検討いただきたいというふうに思うんです。 時間がなくなりましたので、大蔵大臣に聞きたかったことがありましたんですけれども、本当に最後まで大臣に座っていただいたものですから、今の議論はほとんど大臣がよく御存じの、御造詣の深いことであろうと思います。ベンチャーといいますか、起業、創業というのは、私もそれなりに今まで興味を持って勉強してまいりました。今までの議論の中で、こんなことを思っているとか、もし一言おありでしたら、最後にお話をいただいて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどエンジェル税制のことを政府委員が御説明でしたが、聞いていてもどうも余りはやりそうもない制度だなと思いました。 やっぱりそれはひょっとしたら、一つは時世がそこまで行っていなかったかもしれませんが、さっきからリスクキャピタルということをおっしゃって、日本語にはリスクキャピタルに当たる言葉がありませんですね。そう言うと何か千三つ屋みたいな、そういうとられ方をする。せっかく通産省がこれから日本の中小企業を二十一世紀に向かって育てようとされるんですから、できるだけ私はそれは国を挙げて御支援しなければならない、そういう精神がこれからの我々に要るんではないかということを強く感じております。
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 他に御発言もないようですから、本日の質疑はこの程度といたします。 次回の委員会は明二十七日午後二時三十分に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十四分散会