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145回国会参議院1999/10/15

決算委員会 閉会後第6号

発言数
273
登壇者
26
会派数
6
開催日
1999/10/15

会議録

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十三日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。  また、昨十四日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として石田美栄君が選任されました。     ─────────────

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) 平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。     ─────────────

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 自民党の平田でございます。  通産省全体で約一兆円の予算ということで推移をいたしておるわけであります。全体のことにつきましてお伺いをするのと、後ほど産業局それから中小企業庁等、個別部門につきましてもお尋ねをしたいと思うんですが、当該決算年度、平成八年、九年度のいわゆる仕事の結果とその評価、そしてそれが十年、十一年、そして十二年に向けまして継続する点あるいは変更点、追加点等を具体的に、なおかつまた当面の十年、十一年度予算、そしてこれからの十二年度の予算につきましてのその額との関連につきまして、全体的なことを大臣に御説明いただきたいと思います。  よろしくお願いいたします。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) このたびの小渕第二次改造内閣で通産大臣を拝命いたしました深谷隆司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、平田議員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。  今、日本の経済を取り巻く環境というのはまことに厳しいものだという認識にまず立っております。国際的な大競争であるとか、国内にあってはまだ高コストの構造というのがございます。さらに大きな問題は高齢化社会の状況でございますから、これらのさまざまな取り囲む状況の中で我が国の経済がどういう進展を遂げていくか、本当に重大な時局を迎えているというふうに思います。  通産省といたしましては、これらの問題は短期的に解決できるものではないという観点に立って、経済構造改革の推進に向けて全力を挙げてまいったのがこの数年の経緯でございます。  平成八年、九年度におきましては、御案内のように経済構造改革に向けた取り組みとして、規制緩和などを中心といたします「経済構造の変革と創造のためのプログラム」というのをまとめさせていただいてまいりまして、あわせて研究開発、情報化の推進等において中心的な役割を果たしてまいり、その必要な予算を計上して皆さんの御理解をいただきまして、さまざまな施策を実施してまいったところであります。  このようなさまざまな施策を講じてきたところでありますが、経済構造改革については中長期的な課題としてこれからももちろん継続強化していく必要がありますが、平成十年、十一年度は中心市街地の活性化、新規産業の創造、それを強化するといったようなことなどに特に力を入れて展開を図ってまいったところであります。金融不安等を背景にいたしまして、マクロ的な経済の低迷からの脱却に向けて機動的な経済運営、とりわけ貸し渋り対策などに重点を置いてまいった次第でございます。  こうした取り組みの成果を一層確かなものにするために、二十一世紀に向けて経済構造改革を加速させて経済再生の成果を上げていくことがこれからの最大の課題であると思っております。  そういう意味において概算要求をいたしましたが、公的需要から民的需要に円滑に変えていくというところがまことに大きな課題でございますが、まだまだ腰折れ状態になりかねないというところから、公需についてのウエートも重く見ていかなければならないというふうに思います。  景気回復に向かう動きを力強いものにしていくためには、例えば新規市場の創造あるいは創業ベンチャー支援に向けた中小企業政策の展開などをこれから重点項目として考えてまいりたいと思っております。  全力を挙げて適切な経済運営に努めてまいりたいと思っておりますので、その面の大変卓越したお力のある平田議員を初め皆様の御指導を仰ぎたいと思っております。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございます。  お話しの中に出てまいりました二点につきまして御説明いただきたいと思うんです。  一点は、産業競争力の回復ということでいろんな会議を設けられたわけでありますが、その産業競争力の回復についていまだしの感があると思いますが、できるだけわかりやすく重点的な課題につきましてお話をいただきたいというふうに思っています。  それから、これはかなり中長期的に取り組まなきゃならないというお話しでありました産業構造の転換について、どの部分をどのように転換していくべきか、簡潔かつ具体的にお教えをいただきたいと思います。  以上二点、お願いいたします。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 今御指摘のありました生産性の問題について申し上げると、我が国はその伸び率はむしろ低下傾向にありまして、これは私ども大変心配をしております。八七年から九三年の平均〇・八%、これはOECDの諸国と比べますとそれを下回っているという状態でございます。我が国経済の自律的な発展を図るためには、生産性の向上を図っていくということは当然のことであり、そのことで産業競争力を強化していくように一層努力していかなければならないと思っています。  こうした認識に基づいて、本年の六月に事業再構築のための環境整備、技術開発活性化のための環境整備、中小ベンチャー企業の育成、この三点を柱といたしまして産業競争力強化対策を御承知のように取りまとめたところでございます。  このうち、特に敏速な対応を必要とするという点については、さきの通常国会で産業活力再生特別措置法というのを制定いたしまして、企業の戦略的な事業再構築を円滑化するために商法上の特例、税制措置等を講ずることにいたしたところでございます。  今後とも、規制緩和あるいは年金制度の改革など構造改革を進めるとともに、新しい産業を起こすということがとても大事でございますので、そのことを進めると同時に、それがまた雇用対策、雇用機会の拡大を図ることにつながっていくようなさまざまな観点から努力をしていきたいというふうに思います。特に、中小企業関連及びベンチャー企業の育成あるいはミレニアムプロジェクトの推進、これらは大変重要なことと思っております。  それから、もう一つのお尋ねの産業構造を今後どのように転換していくのかということについて申し上げますと、今までの企業全体の傾向というのはどちらかというと右肩上がりの状況を基本として物を考えてまいりまして、市場シェアの重視とか強い横並び意識とでもいうんでしょうか、そういう考え方がございまして、どっちかというと経済が総花的な物の考えに立って進められてきたという感じがいたします。  私は、そういう意味からまいりますと、伸びるところを伸ばしていくというそういう考え方の転換というのは非常に大事ではないかなというふうに考えております。革新的な新規事業が生まれにくいという状況も踏まえて、これから伸びるところに重点を置いてこれを推進していくということが大変大事なことではないだろうかなというふうに考えます。  事業者が実際に持っている人的な資材、能力を持っている人たちを抱えているわけでありますから、こういうようなところに資本を投入するとか生産性の向上を図っていく、言うなれば選択と集中という、そういう政策の気構えが必要ではないだろうかなというふうに私は思っております。  こういう問題意識のもとで、企業組織の柔軟な再編を通じて、円滑な事業構造といいましょうか体制ができますように、産業活力再生特別措置法の策定を初めとした経済構造改革にこれからもさらに取り組んでいかなければならないと思っています。会社分割制度、連結納税制度の整備など、事業再構築が円滑に進められますように努力をいたす決意でございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございました。  この数日の新聞によりましても、これは銀行でありますけれども、大型合併等がなされております。業種によって違うと思いますけれども、どうも一般的には、分社化、要するに小集団が活力を増すのか、あるいは合併というものが効率化に大いに寄与して企業としていいのか、どうもその辺が明確になっていないような気がするんです。そんな中で、お話のありました連結納税制ということにつきましては、どうぞひとつその辺の方向を明確にして、その上でお進めをいただきたいとお願い申し上げたいというふうに思います。  それでは、それぞれの部門につきましてお尋ねをしていきたいわけですが、通産省の本省部分で、同じように総括的に八、九年度の仕事の結果と評価、そして十、十一年、十二年に向けての継続点、変更点、そして大まかに予算額との関連を御説明いただけるのであれば、お話をお願い申し上げたいというふうに思います。

村田成二通商産業省産業政策局長

○説明員(村田成二君) 今、先生お尋ねの本省部分、大臣からお尋ねにお答え申し上げました経済構造改革あるいは産業競争力の強化あるいは産業構造の転換といった職務を遂行しております産業政策局につきまして、お尋ねの点にお答え申し上げたいと思います。  もう大臣からこの趣旨、大事さ、重要さ、具体的な内容をお答え申し上げましたけれども、再度重複いたしますが、規制緩和あるいは諸制度の改革、研究開発等々、抜本的な経済構造改革の推進というのが産業政策局の中心的な業務でございます。平成八年から今日に至るまでこうした業務を中心に取り組んできているわけでございます。  具体的に申し上げますと、平成八年には、先ほど大臣からも言及のございました「経済構造の変革と創造のためのプログラム」、これを策定いたしました。引き続き、平成九年にはこれをさらに具体化いたしまして、行動計画というものを閣議決定いたしております。これらを踏まえまして、引き続き計画の迅速かつ効果的な実施というものに取り組んでいるわけでございますが、平成十年以降におきましてもそうしたフォローアップを行ってきております。  具体的には、大学等技術移転促進法さらには新事業創出促進法、それから産業活力再生特別措置法といった経済構造改革の推進に必要な具体的な措置を講じてきております。また、この間、御案内のように我が国経済は低迷状態にあるわけでございますけれども、平成十年四月の総合経済対策、あるいは同年十一月の緊急経済対策といったものに関係各省と共同で取り組んでまいっているわけでございます。  なお、産業政策局の予算といたしましては、新規事業の育成あるいは産学連携の強化といったものに必要な経費を計上しているところでございまして、平成十二年度につきましても所要の要求を行っているところでございます。

杉山秀二通商産業大臣官房商務流通審議官

○説明員(杉山秀二君) 引き続きまして、商務流通担当部局におきます点につきまして御説明を申し上げたいと存じます。  商務流通担当部局におきましては、流通・物流の構造改革、中心市街地の活性化等に取り組みますとともに、消費者保護施策あるいは博覧会の推進に努めておるところでございます。  平成八年度、九年度におきましては、大規模小売店舗に関しまして、大店法によるいわゆる商業調整から、町づくりあるいは生活環境の保持を主な目的といたしました政策への転換を図りまして、中心市街地活性化法そして大規模小売店舗立地法を提出させていただいたところでございます。  また、二〇〇五年の日本国際博覧会につきまして誘致活動を精力的にいたしまして日本開催が決定され、さまざまな支援措置に係ります法制の整備等準備活動に取り組んだところでございます。  平成十年度、十一年度でございますが、大店立地法の施行に向けました準備を着実に進めますとともに、中心市街地活性化について各省連携の体制を整えますとともに、予算措置を抜本的に講じたところでございます。  また、博覧会につきましても、環境影響評価あるいは基本計画策定等の準備を行っておるところでございます。  消費者行政の強化につきましても、訪問販売法、割賦販売法の改正法案を提出させていただく、あるいは製品安全対策について基準・認証一括法を提出させていただいたところでございます。  平成十二年度の概算要求に当たりましては、中心市街地活性化の充実を図りますとともに、訪問販売法等の執行の強化等を図るための所要の予算の要求を行わさせていただいているところでございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 今の御答弁のところで、二点だけお尋ねをしておきたいというふうに思います。  お話のありました大店法が改正になりまして、自分も身近に今一つの案件があるんですけれども、これを全国ベースで見まして、大店法の改正による駆け込み届け出、その状況をひとつ対応も含めて簡単にお話をいただきたいのと、もう一点は、中心市街地活性化法の制定によりまして各地でいろんな動きがあると思うんですが、その進捗状況につきましてこれも簡潔にひとつ、この二点をお願いいたしたいと思います。

杉山秀二通商産業大臣官房商務流通審議官

○説明員(杉山秀二君) 第一点のいわゆる大店法の廃止に伴います駆け込み届け出の御質問でございますが、具体的にどういった案件が駆け込みであるかどうか、なかなか判断することが難しいわけでございますが、数字を挙げて届け出の状況を御報告申し上げますと、平成十年度の届け出件数は一年間で一千六百八十一件でございました。これは九年度が二千百十六件、あるいは八年度が二千二百六十九件でございましたので、それらと比較をいたしますとかなり下回っているという状況にございます。また、十一年度に入りましても、九月までの集計でございますが、十一年度で八百八十件というふうになっております。これは、平成八年度が千七十八件、九年度が一千百五十件、十年度が七百七十三件というのが同じ四月—九月の数字でございまして、そういったことを総括いたしますと、現在いわゆる駆け込みが行われているあるいは増加しているというような事態ではないんじゃないかというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても現行の大店法につきまして適切な運用に引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。  第二点の中心市街地活性化法の計画の進捗状況でございますが、中心市街地活性化法は平成十年七月に施行をされておりまして、現在まで約一年間たっておるわけでありますが、この間百七十三の市町村におきまして基本計画が作成され、同計画に定められた事業が実施をされているという状況でございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございます。  駆け込みという言葉を使いましたけれども、中身につきましてはどうぞひとつよろしく御精査をお願い申し上げたいというふうに思います。  旧商店街は壊滅的でございますし、一般的には大店舗というのは二十年、長くても三十年で移転していく、こういうことでございますと、なかなか落ちついてその周辺の町づくりというのができない状況になっておるかと思います。どうぞひとつ、そういったいわゆる昔からの商いに裏づけられた町づくりができるように御指導をお願い申し上げたいというふうに思います。  その部門につきましてほかに御説明いただくところがございましたら、引き続きお願いをしたいと思います。

佐野忠克通商産業大臣官房長

○説明員(佐野忠克君) 通産省予算の一部でございますが、地方通産局について委員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。  通産省には八つの地方通産局がございます。その通産局におきましては、国民の利便性の確保とか行政の効率性、迅速性の確保の観点から、本省の政策実施に必要な許認可、規制、監督、補助金交付等の事務を実施いたしております。また、地域経済の実態、地域の行政ニーズ等を把握するとともに、地域の実情等を踏まえた環境・エネルギー政策や中小企業対策等、通商産業政策の企画立案を行いまして、本省の政策の企画立案過程に適切に反映させていくという重要な任務を果たしていると思っております。  平成九年度におきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたとおり、構造改革の推進の地域での取り組みをきめ細かく行ってまいりましたところでございますが、平成十年、十一年度におきましては、経済の低迷の中、近年の産業の空洞化、既存産業の停滞、エネルギー・環境問題の顕在化等、経済環境の変化が進む中で、地域経済の活性化や地域振興の要請にこたえるべく、各地域の特性を十分に踏まえたベンチャーや地域中小企業の振興など新規施策の企画立案、推進を図るなど、通産局としての役割を果たしてまいりました。さらに、十二年度におきましては、地域活性化に向けた各通産局の政策立案機能の強化に取り組むべく、必要な予算額を計上いたしているところでございます。  ちなみに、通産局の計上予算は、十一年度百八十六億三千万円強でございます。十二年度は百八十九億一千万円を要求いたしております。また、最後に申し上げました十二年度の地域活性化施策の推進という部分につきましては、おのおの十一年度につきましては一億四千八百万円、それから十二年度につきましては現在二億二千四百万円を要求させていただいているところでございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございます。  では、それぞれの出先で、先ほど説明いただきました大店法改正によってその審査の一過程という非常に大きな部分でお仕事していただくところがあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  ほかの局もございましたら簡単に御説明いただければと思いますが、なければ結構です。本省の部分はそれで一括して御説明ということで。  では、中小企業庁には、特に決算におきまして不用額というものが割かし多目に計上されておるわけでありますので、その辺の説明を含めて、同じように仕事の結果と評価、そして十、十一、十二年度の関連につきまして御説明いただきたいと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 平成八、九年度におきます中小企業対策につきましては、従来からの中小企業の経営基盤強化のための中小企業金融対策等々の充実ということにあわせまして、我が国の経済のグローバル化といったような中小企業をめぐります環境の変化に対応いたしまして、一つには中小企業創造法という法律を制定していただきましたことに対応する技術開発の支援、あるいは新規事業の開拓の支援というようなことを実施いたしますとともに、あわせて地域産業集積活性化法を制定していただきましたことに対応いたしまして、地域産業の発展のための施策の充実に努めたところでございます。  平成十、十一年度におきましては、さらに中心市街地活性化法の成立に伴いまして、中小の小売商、商店街を含めます中心市街地活性化対策の充実、抜本的な強化を図りますとともに、あわせて経営革新法の制定をいただきまして、既存の中小企業が革新的な事業に取り組む場合にこれを支援する施策の充実を図らせていただきました。あわせて、貸し渋りというような状況に対応して、中小企業金融安定化特別保証制度を創設し、中小企業に対する金融の円滑化の措置を講じたところでございます。  なお、ただいま不用の点についてお触れでございましたが、中小企業対策につきましては、ほとんどすべてが地方公共団体と連携をいたしまして行う事業であることとの関連がございまして、地方自治体におきます御事情というものもある程度影響を受けます。予算編成当初いろいろと考えました事業計画よりも実施がおくれたり、あるいは地方の財政事情が厳しいというようなことの昨今の事情もございまして、不用が発生しているものと認識をいたしております。  地方公共団体の財政負担能力も勘案をしながら、事業の実施可能性について十分に自治体の実情、お考えも伺い、予算の効率的な執行に努めてまいりたいと存じております。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございます。  では、ちょっと具体的にお尋ねをいたしますが、創業、起業等の支援策の結果、開業率というものがどのように推移しておるか、ひとつ数字で御提示願いたいと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 我が国の開業率は、平成三年から八年にかけましては二・七%となっておりまして、例えば昭和五十年から五十六年にかけてが五・九%でございまして、長期的に低下の傾向にございます。また、米国等諸外国の開業率と比較いたしましても我が国の開業率は極めて低い水準にあるわけでございます。  この開業率が低迷をするという原因でございますが、開業をするための中小企業者が直面するネックと申しましょうか問題がもろもろございます。私どもの調査をいたしましたところでは、一番大きな理由として挙げられておりますのが資金調達の問題でございますが、第二番目に、開業ということにつきまして取引先の開拓でございますとか人材の確保が困難であるというような、経営を行っていく上でのソフトの面の問題にもさまざまな厳しい状況があるようでございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 どうぞひとつ、二・七%と言われましたけれども、これを上向けていただくのは皆さんの仕事の結果だろうというように思いますので、くれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。  開業の資金調達につきましては、いまだに一年あるいはそれ以上の実績がないと新規資金が借りられないというような、政府系の資金もですね、実態がございますので、お願い申し上げたいというように思います。  それから、さらに具体的になりますが、いろいろ中小企業庁の金融課で面倒を見てもらっていますけれども、健全化法について、いろいろ金融監督庁絡みの法律でもっていろんな対策を講じていただきましたけれども、一番弱小である信用組合の破綻、これは知事の認定でもって破綻認定をするわけです。その後の推移、救済等につきましては、これは法律に基づいてやると思うんですが、最下層の金融機関が破綻した場合には、それらの貸付先を引き受ける銀行、例えば具体的に言って、我々の地元で三重信組が破綻をして百五銀行が受け皿になったって、貸付先を引き受けるのは百社に一社もないという現状であります。なおかつ、その貸付債権が整理回収銀行にほとんど行くということについては、整理回収銀行へ行ったら他の金融機関はもうとてもついていけないとかというような実態がありまして、このままではどうもそれはうまく運用できないんじゃないかなというふうに思っておるんです。  企業庁として、今後ともとりあえずは個別対策でもって御指導をいただくしかないと思うんですけれども、その辺のことにつきまして、お考えとそれから対応につきましてお話しいただきたいと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 三重県信用組合の破綻問題につきましては、本年五月十四日の金融整理管財人の選任以来、金融再生法のスキームにのっとりまして、関係者による御努力のもとで、現在、事業譲渡に向けました処理が進められているというふうに承知をいたしておるわけでございます。  私ども、金融機関の破綻に伴う中小企業への悪影響を防ぐということで、中小企業庁として、政府系金融機関や信用保証協会などによります親身に御相談に応じるということから始め、各種の特別融資や信用保証の特別措置を講じております。  具体的に少し触れさせていただきますと、中小企業金融公庫等の政府系金融機関におきまして、破綻によりまして資金繰りに困難を来している中小企業者に対して、必要とされる運転資金を融資するための特別の融資制度をつくり、これを実施いたしております。また、信用保証制度におきましても、取引金融機関の破綻によって金融取引に支障を来している中小企業者に対して、いわゆる貸し渋り対応の特別保証制度の対象とすると同時に、通常の場合よりも保証限度額を高めるというようなことで個別の事情に応じて対応をいたしておる、こういう状況でございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 まあ余り申し上げませんが、全然対応できないと思うんです、現実問題は。  保証の特別枠の中に金融破綻時の制度もあるんですが、五千万の枠の中であるということでもございますし、現実に貸付債権が整理回収銀行へ行くような、百社に九十九社その場合は行くわけですね、整理回収銀行へ。  では、それを救ってくれといいましても、なかなか金融機関がない。保証協会へ行きましても、特別保証枠がまだ三千万あいていても、この内容ではいけないというようなこと、これは世の中の実態でありまして、なかなか難しい場面があります。中小企業と一概に言いましても、現実に今のお話に、俎上にのってこないような企業数がどのぐらいあるのか、ぜひひとつ目を開いて見ていただきたい、このように強く思います。それらは全部内容が悪いんだからつぶれてもいいんじゃないかといったら、何万社、何十万社、何百万社というのがつぶれていくのか、どうぞひとつそれは現場に目を向けていただきたいと、切に希望をいたしておきたいというふうに思います。  それでは、経企庁に一つ御質問申し上げたいと思います。  同じような内容で、決算審議でありますので、八、九年度の仕事の結果評価、そして十、十一年度、これは長官みずから担当なさったわけでありますし、それから十二年度におきましての抱負等ございましたら、お話をいただきたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁の仕事は、大きく分けまして、マクロ経済の政策立案、調査、報告等と、国民生活、物価問題等国民生活に密着した部分との二つから成っております。  経済企画庁といたしましては、従来より年次報告、いわゆる経済白書でございますが、それから月例経済報告など随時出しまして経済の動向の分析調査を行いますとともに、経済運営の基本的な策定やその時々の経済情勢に応じた政策の取りまとめをやってまいりました。また、中長期的な経済運営の指針となります、いわゆる計画と言ってきたわけでございますが、そういったものの策定もしております。  さらに、先ほど申しましたように、消費者政策の推進、国民生活の安定にかかわるような施策も行っております。  特に、平成八年度でございますが、このときには、短期的に経済が回復局面にある中で、経済社会の構造改革を断行することが急務であるとの認識に立ちまして、経済審議会より、特に経済効果が高く急を要する状況にある高度情報通信、物流等の分野における抜本的な規制緩和を提案して、規制緩和を進めれば経済成長率が高まるというような細かな計算をいたしまして総理大臣に建議するなど、構造改革という課題に取り組んでまいりました。  平成九年においては、景気が厳しさを増す中で、景気回復と構造改革による日本経済の再生が重要との認識のもとに、十一月に「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」を取りまとめております。また、九年四月からは、消費税の引き上げに当たりまして、便乗値上げの防止等物価政策にきめ細かな対処をしております。  平成十年度以降でございますが、引き続き景気回復と中長期の発展基盤の整備に努めておりまして、平成十年四月には総事業費十六兆円の総合経済対策を作成いたしました。それでもまだ非常に景気が、急激にこの時期、去年の夏から秋にかけてでございますが、なりましたので、同年十一月には減税規模を含めまして総事業費二十七兆円の緊急経済対策を取りまとめました。この際には、経済企画庁も非常に主体的に先導的に働かせていただいたのではないかと思っております。  また、小渕総理大臣から諮問を受けまして、二十一世紀の初頭、大体二〇一〇年ぐらいを目途といたしました日本の経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針やいかにという諮問をいただきまして、ことしの七月には経済審議会より答申しております。これは従来、経済五カ年計画とか所得倍増計画といったものでございますが、それの系列にあるのでございますけれども、計画という言葉が自由経済、民間主導の時期にそぐわないということで、十カ年を対象といたしましたあるべき姿を書きました。  また、十年三月に成立いたしました特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法でございますが、この活動の環境整備にも努めておりまして、既にかなりの数のNPOを登録するようになってまいりました。  今後の経済企画庁の取り組むべき大きな課題といたしましては、第一に景気及び経済の動向を的確かつ早期に把握し、適時適切な経済運営に全力を挙げること。この点では、統計をなるべく早くするような委員会をつくりまして、早期分析を試みる、あるいは従来ややもすれば財政政治状況等に影響されがちだったものを完全に良心のみに従って見通しを立てるというような点でも改善に努めてまいりました。  第二に、経済新生に向けて経済社会のあるべき姿の実現を目指しまして、各般の施策を充実強化することを考えております。  特に、第三の問題といたしまして、二〇〇一年一月より新中央省庁体制が発足いたしますので、経済財政諮問会議及び経済総合研究院の充実した運営、活動が可能になろうかと思っております。これは内閣府の中にできるものでございまして、経済企画庁と直接一対一に対応しているわけではございませんが、今度の新体制の目玉になるところ、内閣総理大臣の指導性を発揮して縦割りの弊害をなくしようという重要な部分でございますので、これの明確な立案、そしてそれの支えとなります経済総合研究院の充実、これはもう世界一の研究所にしたいと思っておりますが、そういったものの体制整備を行いたいと思っております。  また、同じ内閣府の中で国民生活局というものができるわけでございますし、男女共同参画等国民生活に関係ある部局もできます。経済企画庁は、将来そういった部局にも多くの人材を割愛することで大きな意味がございますので、そういう準備も進めていこうかと考えております。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございます。  もう二点だけ長官にお尋ねをしたいんですが、地域振興券の経済効果は、私は、〇・〇一%から〇・〇六%GDPの押し上げ効果があるんだから公共投資が一回転する以上のものの効果はあるんじゃないかと、工夫によってはと説明しておったんですが、その結果はいかがであったかを御説明いただきたいのと、景気回復宣言、底打ち宣言がまだ明確にされていないとも思っておるんですが、回復宣言というのはいつ、どの時点で、これはできたらおっしゃっていただけたらそれでハッピーなんですけれども、この二点、ひとつお願い申し上げたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) まず、地域振興券の経済効果について御説明させていただきます。  経済企画庁では、ことしの八月六日に公表いたしました「地域振興券の消費喚起効果等について」というものを発表しておりますが、それによりますと、地域振興券は、調査世帯について申しますと、ことしの三月から六月の消費に直接的に振興券を使用されて三二%程度が新たな喚起になった。全部発行された券の中で、従来からどうせ買おうと思っていたものと、これが入ったから新たに買ったものと分けますと、これが入ったから新たに買ったというものが三二%ぐらいあったと。これで計算いたしますと二千二十五億円ぐらいの消費が増加したということになります。  この直接的な消費の押し上げ効果は、生産や所得などの増加を通じまして波及効果を持つものでございますが、そういうことを当庁のマクロ計量モデルに入れまして乗数計算をいたしますと、GDP全体を押し上げる効果は約〇・一%あったということになっております。  ただし、そのほかに地域の方々がいろいろとイベントを行うとか、商店街のにぎわいの行事を行うとかいうようなことをやっていただきましたので、それの意味では地域振興、マクロの消費の振興のほかに地域的な振興の効果はあったかと思っております。  それから、景気の底入れの件でございますが、景気の底入れにつきまして、私たちの方はいわゆる景気底入れというのは、後で指標を見て学者先生が山、谷を定めておりますような習慣がございますので、簡単に景気回復宣言、梅雨明け宣言というようなことはやらないことにしております。  ただ、はっきり私たちが申しておりますのは、景気は暫時改善軌道に乗ってきております。実質国民総生産で申しますと、ことしの一—三月は年率に直しまして八・一%、実数では二・〇%成長いたしました。そして、その次の四—六月には〇・二%、年率で〇・九%成長いたしました。これはかなり高い成長率でございまして、今月の、本日発表いたしました月例報告では、「景気は、民間需要の回復力が弱く、厳しい状況をなお脱していないが、各種の政策効果の浸透などにより、緩やかな改善が続いている。」と。これは二カ月連続して上方修正しておりまして、かなり景気の点では回復といいますか改善が見られているというように思っています。  あえてここで回復という言葉を使いませんのは、回復と言いますと自律的に官公需、公需だけではなしに民間設備投資を含めて循環的に回復しているというような印象を与えるのじゃないかということで、やや慎重な言葉遣いをさせていただいているところが現状でございます。  なお、平成十一年度の第二次補正予算等を考慮いたしまして、さらに景気の後押しをして腰折れのないように努めていきたいと、目下そういう総合的な経済対策にも尽力しているところでございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございました。  振興券の効果は一応お聞きをして、よかったとも悪かったとも申し上げるのは控えたいというふうに思います。  それから、次に移らせていただきますが、先ほど岩田長官からお話がありました中小企業金融公庫が苦しい局面で貸し付けをしておるということですが、ぜひ中小企業金融公庫の決算についての概要と、なおかつ貸付残高、貸付企業数、そして特に新規貸付企業数がどれだけふえたか、そんな推移を御説明いただければと思います。

堤富男中小企業金融公庫総裁

○参考人(堤富男君) 中小公庫総裁の堤でございます。  きょうは当公庫の業務について御質問をいただきまして、大変ありがとうございます。  最近の、特にこの平成八、九年度でございますが、押しなべて申し上げますと、中小企業が大変厳しい経済環境のもとで設備投資が必ずしも思うようにいかない、しかし運転資金は欲しいというような事態が続いたわけでございます。平成八年度では一兆五千、九年度では一兆八千億円の貸付実績となっております。  ただ、特に申し上げたいのは、九年度の後半、十一月以降でございまして、いわゆる民間金融機関の貸し渋りという事態が明快に出てきたときからはやや様相を異にしまして、前年同月比で四〇%ぐらいの貸し付けが伸びております。それに対応しまして、十一月には全営業店、五十九店ございますが相談窓口をつくりました。その実施状況を見ますと、今までに四万件を上回る、相談額にしまして三・三兆円を上回るような御相談がありました。中小企業に対してきめ細かくお話を聞き、適切なアドバイスができたものと確信をしておる次第であります。  そのほか、北海道の金融機関が大変うまくいかなかったときに、むしろ個別に対応したのも中小企業金融公庫の大きな仕事であったと思っております。  平成十年度以降、当然貸し渋りの状況もまだ緩和したとはいえ続いておりますので、貸し渋りの状況への対応、それからさらに新しい貸付制度を次々とつくっております。売上高が減少した中小企業の運転資金、そういうもののニーズにたえられるような貸付制度、あるいは雇用増をつくり出すような新しい貸付制度というようなものをつくり出しておる次第でございます。  特に、平成十年六月には、金融関係の中小企業の定義を一部拡大いたしまして、例えば卸売業については資本金三千万から七千万にするなどの、いわばはざま対策と言われておりましたが、そういうものを実施した次第でございます。十一年度になりましてからは、中小企業経営革新支援法という新しい法律が施行されましたが、これは二十一世紀の中小企業をつくり出すという大変立派な趣旨を持った法律だと思いますので、こういう法律の実施に協力をするということでございます。  振り返ってみますと、八年、九年、大変不況あるいは危機対応というようなことをやってまいりました。それがまだ依然続いておりますが、その中であわせて二十一世紀の中小企業づくりというようなことに参画できればというふうに思っておる次第でございます。  数字等につきましては、もしあれでしたら御説明させていただきますが、直接貸し付けだけ見ますと、最近では大体毎年五、六%の伸びを続けております。これもやはり貸し渋りに対する積極対応ではないかと思います。  それから、委員、特に御質問のございました新しい貸し付けでございますが、平成九年度は二万五千件、平成十年度は昨年比〇・三%増、平成十一年度は八月まででございますが、昨年比で一・二%増ということで、やや平静感を取り戻した中で増加が続いているというような状況でございます。  以上でございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。  新規貸し付けについては、いまだに担保なり土地なり提供しないと新規貸し付けが始まらないという実態だろうというふうに思いますので、新しい時代に向けて担保融資の脱却をどうぞひとつ中小企業金融公庫からお示しいただきたいというふうに要望はしておきたいと思います。  ちょっと飛びまして済みません、時間がもう早く終わりたいんですが、資源エネルギー庁にお尋ねをします。  総括の話は簡単にまとめていただきまして、特に新エネルギーの可能性というのを簡単に数字でお示しいただくのと、それからバイオマスアルコールというものが燃料化できないだろうかどうかということを関係機関で研究していただいて、そして燃料にはもう少し研究の余地があるけれども、通産省の扱っておられます工業用アルコールの原料には可能性が大いにあるなという結論が出たのかというふうに思っておりますが、そうしますと直ちに数万ヘクタールの減反が中止できる、耕作が始められるというようなことを思ってはおるんです。  突然申しまして、ほかの皆さんにはおわかりにくいかと思いますが、エネ庁でその二点を含めてお答えいただければありがたいと思います。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) まず、簡単にという御指摘でございますが、資源エネルギー庁の政策全般について簡単に述べさせていただきます。  私どもといたしましては、エネルギーの安定供給、地球環境保全そして経済成長といういわゆる三つのEの同時達成をこのエネルギー政策の基本原則としているのでございます。平成八、九年度はこの原則を踏まえまして省エネ対策の推進あるいは新エネルギーの開発導入の推進、さらに原子力の開発利用の促進などに重点を置いて各種の施策を推進してまいりました。平成十年、十一年度においてもその一層の充実に努めているところでございます。  また、平成十二年度概算要求におきましても、国際エネルギー協力の推進ですとか、あるいは原子力政策の一層の強化、省エネルギー、新エネルギー対策の推進に重点を置いた要求を行っているところでございまして、これらを通じてこの三つのEの同時達成を図ってまいりたいというふうに考えております。  特に御指摘のございました新エネルギーでございますが、昨年改定されました長期エネルギー需給見通しの中で、二〇一〇年度におきまして現在の導入量の約三倍に相当する、原油に換算いたしますと一千九百十万キロリットルに相当するエネルギーの導入を目標としているのでございます。これは一次エネルギー総供給の三%を占めるものでございます。この目標の中では、例えば一九九六年度から二〇一〇年度にかけまして、太陽光発電につきましては約九十倍、廃棄物発電につきましては約五・五倍の導入量を、そうした増加を目指すという非常に高い目標を設定しているところでございます。  他方、いわゆる新エネルギーにつきましては、既存のエネルギーに比べましてコストが高いこと、あるいは太陽光ですとか風力などの場合には自然エネルギーですので気象条件に左右されるということで、出力の不安定性といった課題をどう克服していくかといったような問題がございます。  こうした資源エネルギーの導入につきましては、現行のこの目標の達成のために難しい課題もございますけれども、今後ともコスト低減ですとかあるいは市場の自立化のための支援といったようなことで、この目標の達成に最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  最後に御指摘のございましたバイオマスエネルギーについてでございますけれども、これは地球環境問題への対応という観点からも私どもとしてもその開発、導入を考えてきているところでございます。  これまで我が国におきましては、いわゆる黒液というパルプ化工程からの廃液ですとか、あるいはチップ・製材工程からの廃材等の廃棄物系のバイオマスエネルギーを熱需要に利用する、こういった導入が中心となって進展してきております。他方、廃食品油でありますとかサトウキビ繊維ですとかあるいはお米ですとか、そういった植物系のバイオマスエネルギーの燃料用アルコールへの転換については、現時点では御指摘のように燃料等と比べましてコストが高いということで実用化段階に入ってはいないわけですけれども、低コスト化を目指した開発段階にあるのではないかというふうに考えているところでございます。  なお、お米の燃料エタノール化につきましては、昨年度のNEDOの調査によりますと、技術的には可能な段階になっておりますけれども、他の燃料や工業用エタノールの製造コストと競合し得るためには生産コストが大幅に低減される必要があるという報告をいただいていると承知いたしております。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございます。  エネ庁としてはそういうことなんでしょうけれども、その燃料化は当面無理でも工業用アルコールという部分で直ちに置きかえしたら相当数の土地が耕せるという実態がございますので、関係省庁の中でぜひともひとつ具体化に向けてさらなる進展をさせていただくようにお願い申し上げたいと思います。  残る一部門で工業技術院が残りましたが、数分ございますので、そのうちの一部で、どうぞひとつ簡潔に御説明いただきまして、終わりたいと思います。

梶村皓二工業技術院長

○説明員(梶村皓二君) 工業技術院といたしましては、平成八年に科学技術基本計画が策定されて以降、鋭意この開発に努力してまいりました。  八、九年度におきましては、かかる観点から、競争的な研究環境の整備のための競争特別研究制度あるいは提案公募型の研究開発制度の導入を含めた研究開発予算を拡充してまいりました。さらに、平成九年度に導入しました技術評価制度に基づきまして、現在までに三十五プロジェクトにつきまして次期のプロジェクトの大幅な見直しあるいは実用化の推進等の提言を含めた評価を行いまして、研究開発の効率化を図ってきたところでございます。  一方、平成十年度、十一年度におきましては、景気の低迷が続く中、技術評価の結果も踏まえて、これまでの研究開発に加えて事業化を念頭に置いた研究開発制度あるいは産学官の連携を中心とした研究開発制度を創設するなどして、成果が広く活用されるようすそ野の広い開発を実現すべく取り組んでまいりました。  平成十二年度の概算要求におきましては、科学技術基本計画の最終年度に当たりますので、技術評価の結果を踏まえつつ、二十一世紀につながるような研究開発を引き続き推進するとともに、各種研究開発の指針となるような産業技術戦略の策定にも注力すべく所要の要求をしているところでございます。

平田耕一自由民主党

○平田耕一君 ありがとうございました。  終わります。

加納時男自由民主党

○加納時男君 加納時男でございます。  今、同僚の平田耕一委員の質問に対して、深谷通産大臣は冒頭、中小企業対策について二つのことを言われたように思います。非常に重要な点だと思うんです。  一つは、緊急対策として金融の流れを円滑化していくこと、貸し渋り対策に全力を挙げること、これは今回の決算対象となった年度を通じてやってこられたことであり、これからもやっていかれるということ、これは大事なことだと思います。もう一つ、これから前を向いて起業の創造、いわば業を起こす方の起業でございますが、アントルプルヌールでございますが、こういったこと、産業の活性化といった前向きの施策。緊急課題と前向きと二つに分けて説明されまして、私も共感するところでありまして、きょうの質問もこれに沿ってまず中小企業対策から入り、後の時間でジェー・シー・オーについて基本的な考え方を議論したいと思っております。  私は、お手元に今配っていただいているかと思うんですけれども、きょうは中小企業向けの貸出残高の推移を少し議論したいと思いまして、同僚議員にもお配りいただくように今お願いしているところでございますが、これを見ながら質問をさせていただきたいと思います。  これは金融監督庁の方につくっていただいたものでございますけれども、この表を見て何を感ずるかということでございます。これは上の方の表は都銀、地銀、第二地銀。信金とか信組はちょっと除いてありますけれども、いわゆる銀行と言われているもの。これで見まして、九七年三月末に比べて九九年、ことしの三月末ではどのくらいになっているのか。一番右の欄を見ていただくと大きな特徴があるかと思います。  まず気がつくことは、都銀、第二地銀、そして合計とも貸出残高が減っている。一番右の欄、二段ずつ書いてありますが、上の段を見ていただくと全部マイナス。地銀が若干プラスになっております。「うち中小企業向」というところだけ絞って見ていただくと、一段ごとに飛んで見ていただくわけでありますが、都銀がマイナス一一・六%と二けたの減という非常に大きな減少になっております。地銀も第二地銀も減少しておりまして、合計で七%も減っているというのが特徴かと思います。  こういった銀行の貸し出しの減少、特に中小企業に対する貸し出しの減少の一方で貸金業というのがあるわけでございます。今回そういう統計はちょっと手元にないのでございますけれども、貸金業というのは、私の記憶では大体六十兆円ぐらいの貸出残高がございます。この表で見ていただくと、例えば上から三つ目の第二地銀、これが五十三兆でありますから、第二地銀を上回る力を持っているのが実は貸金業である。ちょうど信用金庫並みの残高だと私は記憶しておりますけれども、このうちの四分の三が中小企業向けなんです。この貸金業の中には消費者金融というのがあります。それと事業者金融があって、トータルしますと約四分の三ぐらいが中小企業向けなんで、貸金業の四分の三が中小だと考えていただく。  その中小向けによく貸し出されております事業者金融の中で、最近一番話題になったのが商工ローンである。商工ローンの統計もとりたかったんですけれども、なかなか新しいのがとれないものですから、代表格として日栄と商工ファンドという二つの機関を下の方の段で再掲していただきました。これは統計をきょう出していただきましたが、これも一目でおわかりのように、一番右の欄を見ていただくと二けたの伸びなんです。一五%とか九五%の伸びということでございます。  この表を見て感ずるのはそういうことでありますが、これは一体なぜ起こったのか、この表についてどういうふうに読むのか、この辺についてコメントをいただけたらと思います。

乾文男金融監督庁監督部長

○説明員(乾文男君) 今お示しになりました数字、先生の御指示で私ども作成させていただいたわけでございますけれども、この表にありますように、全国のいわゆる銀行と言われるものが全体といたしまして貸出残高の伸びがマイナスになっている。それから中小企業向けがより大きなマイナスになっているということでございます。  その銀行貸し出しの減少の要因につきまして、これは一概に申し上げることは困難でございますけれども、私ども、日本銀行との意見交換でございますとか、それから銀行自身と、いわゆる貸し渋りというふうなことはしないようにということをいろんな機会に言っております。  そうした中で私どもが聴取しておるもの等を通じました印象を申し上げますと、今、日本全体の一層の構造改革と申しますかリストラと申しますか、そういうものに我が国企業が取り組んでいる中で、一つは、企業自身が手元流動性、ランニングコストをできる限り抑える。これはコストがかかりますから、そうした手元流動性を抑えるという動きがあることが第一点。それから、これは好ましいことではないのでありますけれども、新規の設備投資を控える動きがここのところ続いているということ。それから第三番目に、新規投資を行う際にも、最近の傾向といたしまして、銀行借り入れではなくてみずからのキャッシュフローを取り崩す。例えば預金があれば、まず預金を取り崩す等の行動をとっていることも一因ではないかというふうに考えているところでございます。  他方、いわゆる商工ローンの方の問題でございますけれども、ここにありますように計数は確かに大幅に増加をしておるわけでございます。私ども、貸金業者の方につきましては経営上の監督権を持っておりませんので詳細は承知しておらないわけでございますけれども、今こうしたところについて金額がふえて、それに伴っていろいろな問題が指摘されているところは承知しているところでございます。  いずれにいたしましても、金融監督庁といたしましては、金融機関、ここで言いますのは銀行等の方でございまして貸金業者ではございませんが、金融機関が融資態度を萎縮させまして、健全な取引先に対しまして資金供給が円滑に行われないという事態が生じることのないよう、あらゆる機会を通じまして金融機関に問題提起をしているところでございまして、今後ともこうした金融機関の融資動向につきましては引き続き注意を払ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

加納時男自由民主党

○加納時男君 おっしゃっているのは半分はわかるんですが、半分はちょっとわからないところがあります。  というのは、おっしゃっているとおり、手元流動性を抑えていくということ、それから設備投資に対する資金需要が少なかった、それからみずからのキャッシュフローを取り崩してキャッシュフローの中で運用する、これは私は全部賛成、そのとおりだと思うんです。  しかし、どうも一つ合点がいかないのは、全体的に資金需要がないと言うけれども、一方では貸し渋りに対する悲鳴が上がったわけです。銀行に融資態度に気をつけるように指導しておりますとおっしゃったけれども、指導に従わなかったのかどうか。監督権がないとか今いろいろおっしゃったですけれども、金融機関についてはあるわけですね。貸金業についてはない、これはわかります。  一方で、非常に担保担保と言うものですから、無担保で貸してくれる貸金業者、特に商工ローンについて飛びついたというのが実態じゃないだろうか。資金需要が落ちていたのは事実だけれども、しかし新規設投じゃなくて運転資金すら融資を断られたりすれば、電話一本かかってきて何とかしますよと言ったら、どうしてもこれは乗りますよね。担保要りません、保証人だけでいいですと言えば乗るというのは、私は中小企業の気持ちというのはわからないではないわけでございます。無担保、保証人だけ、そういうことで伸びてきたのかなと。ここに実は問題があって、苦情がいっぱい発生しているのじゃないかと思うんです。  この商工ローンのポイントというのはいろんなメディアも取り上げておりますけれども、私はどうも前からよくわからないことなんですが、日本はまさに利息も二本立てでございまして、一つは利息制限法で一五%以下となっていると思うんです。それからもう一つは出資法の規制がありますね。四〇・〇〇何%とかありまして、約四〇%以下。ですから、この一五%は超えて四〇%以下というのは我々はグレーゾーンと言っているわけでありますが、この中で実はすき間産業といいますか、大規模な設備投資ではないんだけれどもある程度の設備投資をやりたい、あるいは運転資金を金融機関から断られた、銀行から断られたといったときに、若干高くても飛びつくというのが現実にあるのでこういう二本立てになっている。そこに問題があるのかと思うんですけれども、しかし現行法を前提とする限り、私はこれらの商工ローンが違法なことをやっているとは全然思いません。これはやはり必要な制度として国会でも承認された法律に基づいて合法的にやっているので、その限りにおいて私はこの二つの企業をここであげつらって非難しようという気はありません。  私の質問は、むしろこれを前提としながら、なぜ苦情が多いのか、この実態を御存じだろうと思うんですけれども、なぜ苦情が多いのか、具体的にどんな苦情があるのか、それに対してどんな対策を打ってきたのか、これをお聞きしたいと思います。

乾文男金融監督庁監督部長

○説明員(乾文男君) 通称商工ローンと言われます主として中小事業者向けの貸金業者につきまして、最近債務者等との間でトラブルが生じているものがあることは御指摘のとおりでございます。その主な内容といたしましては幾つかのパターンがございまして、一つは過剰貸し付けということでございます。これは、貸金業法ではその債務者の弁済能力等を超えて貸してはならない、そういう過剰貸し付けはしてはならないということが書いてあるわけでございますけれども、過剰貸し付けという批判がある。  それから、貸し付けの利率が非常に高いということでございまして、これは先生も今御指摘になりましたように出資法を超えている利率のものはさすがにないわけでございますけれども、しかし通常の利息よりは高い。しかも、おっしゃいましたグレーゾーンのところの金利のもので貸しているという批判があるわけでございます。  あとは、これはもう論外なのでありますけれども、取り立て行為をめぐるトラブルでありまして、いわゆる返済を求めに来たときに暴力的行為といいますか、大声でどなるとか、あるいは会社にがんがん電話をかけまくるとか、そういうふうなことがありまして、そういうことについてのトラブルがございます。  あとは、最近指摘されております契約内容の説明不十分等のトラブルがあるわけでございまして、具体的に申しますと、貸金業者が貸すときに保証人の保証をとるわけでございますけれども、そのときに根保証と申しまして、一例ですけれども、五百万円を借りるときに保証限度額は一千万円に設定しておく。現行の法律では、最初の契約のときには債務者が幾ら借りるかということを保証人に文書で連絡することになっているわけでありますけれども、その後債務者が保証人の知らない間に借り増しをしたとしてもそれを通知する仕組みに現行法でなっていないということで、保証人が知らない間に自分の保証したのが、もちろん根保証の極度額の範囲内ではありますけれども、自分の思っていたのを超えて保証債務がふえてしまっているという批判がある、契約のときにはそうしたことをよく知らなかったという批判があるわけでございます。  私どもは、ことしの夏以降そうした批判が多いことから、この九月以降、私どもの監督下にあります財務局、それから全国に貸金業者が約三万ありますけれども、三万のほとんどは都道府県の監督下にあるわけでございまして、財務局及び都道府県からすべての貸金業者に対しまして文書をもちまして、今申しました過剰貸し付けや違法取り立ての禁止を含めまして適正な業務の運営の確保を求める文書を発出したところでございます。それから、私ども金融監督庁及び都道府県におきまして、全国の貸金業界に対しましてその趣旨の徹底を求めたわけでございます。  さらに、一番の中央組織でございます全国貸金業協会連合会の会長さんに金融監督庁にお越しいただきまして、私から直接に、昨今いろいろな批判が出ていることをどうお考えになるか、このままでは業界に対する国民からのイメージ、信頼感の失墜ということが甚だしいではございませんかということを申し上げまして、先ほど御説明しましたような債務者、保証人への啓発、それから苦情等の相談窓口の周知徹底、それから今申しました根保証につきましての保証人とのトラブルを避けるための自主的な取り組みを要請したところでございます。  また、そのほか財務局につきましても、これは貸金業者は地域限定で商売をしているわけでございますけれども、仮に大阪で登録をした業者であれば大阪府でございますとか近畿財務局の監督になるわけでございますけれども、東京に支店を持ってきてトラブルが起きた場合でも、これは従来、大阪府ないし近畿財務局で処理することになっていたわけであります。それは私どもの関東財務局でもきちんと苦情を受け付けて、近畿財務局と連携をしながら必要な対応をするというふうな措置も講じたところでございます。  最後に、いわゆる暴力的取り立て行為につきまして、これは残念ながら私どもには強制捜査権がございません。暴力取り立てということが認定されましたら登録の取り消しになるわけでございますけれども、そうしたことから、中央レベルそれから県レベルで警察当局との一層の連携を図ることといたしまして、私ども緊密な連携をとりながら、そうした行為があった場合には警察に相談をして警察の方でも必要な対応をとっていただく。そして、そういうことが認定されれば登録を取り消すことを辞さない、そういう強い態度で臨んでいるところでございまして、今申し上げました施策を総合しながら、この商工ローン問題を初めとする貸金業に関するトラブルの解決に努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

加納時男自由民主党

○加納時男君 今の御説明でほぼ対策は尽きているかと思っています。  私の問題意識にあったのは、一つは、ちゃんと説明がされているかどうか。例えば債務者に対して、金利分と元本分とこのように利息を計算しましたということが明確にされていないケースがどうも苦情の中にあるようでございますので、そういうところは一つのポイントだろう。  二つ目のポイントは、督促方法に暴力的な行為が伴っているということが現実にあったようでございます。今お話があったように、これは警察の出番になると思うんですが、よく警察と連携をとって違法な取り立ては厳しく対処していただきたいと思っています。金融監督庁では警察権がないというような、これはよくわかるわけでありますけれども、そのためにも警察との連携ということが大事だろうと思っています。  それからもう一つは、今のお話で感ずることは、この問題で非常に悩ましいのは根保証の問題だと思うんです。根保証の例で五百万円、五千万円というような例がありましたけれども、極度額五千万円だけれども、とりあえず五百万円の保証をしたと。保証した方は五百万円だという意識であるけれども、これは実は五千万円の範囲内では極度額まで保証できることになっちゃうわけですね。  そこで、例えば保証人にそのたびに確認すればいいんですけれども、作成委任状みたいなものを書かせてやっているというケースが私の調べた範囲でございました。こういうことになると、保証人には根保証に対する怖さといいますか認識がないままに書類がつくられてしまうということが非常に問題だと思いますので、今の監督庁の問題意識は非常に正確だと私は思いますけれども、ぜひともこれは気をつけてやっていただきたいと思っています。  これは通産大臣に対する質疑通告はしていない項目で申しわけないのですけれども、もし御感想があれば伺いたいと思うのでございます。  私は、この商工ローンは決して違法ではないというのが一つの前提でございます。けれども、例えばこれだけの社会的な問題を起こしてきた背景というのが、既存の他の金融機関の貸し出し態度に問題があったとするならば、まさに大臣が日ごろおっしゃっております中小企業の血液としての金融を流れるようよくしていくことがすごく大事だと思います。  また、この商工ローン自体についても、九月三日付ですか、今何か文書を出されたということで、文書の内容はそれこそ過剰貸し付けをしてはいけませんよとか、取り立ては常識的にひどい取り立てはやめろとか、それから根保証をよく説明しろとか、利息はできる限り下げなさいと。利息を下げなさいと命令するというのも変だとは思うんですけれども、これは相手は合法的なんですから、高かったら借りなければいいわけですから、市場原理で決まるとは思うんですが。そもそも出資法の限界利率の四〇%というのは高いのではないかという議論が私はこれからの国会でも起こり得ると思っていますし、私も問題提起していきたいと思います。  また、監督責任の問題でありますけれども、金融監督庁に監督責任が及ぶ領域と及ばない領域とがあって、及ばない領域で問題が起きているということも事実なんです。こういう中小企業に対する、後ろ向きと言ってはいけないんですが、金融の流れで非常につらい事件が起こったことについて、何か御感想がありましたら伺いたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 今までの加納委員とこちら側の議論を聞いておりまして、加納委員の心配は中小企業の側に立ってまことにもっともでございまして、このような状態で不幸な結果を生まないようにきちっと監督していく必要は十分にあると思っています。ただ、今トラブルがいろいろ起こっていますが、これは司法あるいは警察関係できちっと徹底してやっていかなきゃならない。  私たちが一番考えていかなければならないのは、いわゆる一般の金融機関が貸し渋りというようなことで中小企業を見放さないような状況をつくるということと、さらには政府系金融機関がきちんとした手だてで対応していくということがとても大事なことではないかと思いまして、そういう点には一層努力を重ねなければならない、そのように思います。

加納時男自由民主党

○加納時男君 大臣、よくわかりました。その方向でぜひよろしくお願いいたしたいと思います。  次の国会からはもう直接大臣と議論する時間ばかりになると思いますが、きょうは若干政府委員の方の出番が多くて申しわけございませんけれども、最後に近いチャンスということで極力政府委員の方にもきょうは御発言をお願いしているわけでございます。  今の最後の大臣のお話の中で感じたことなんですが、商工ローンの一つ前に既存の金融機関の貸し渋りがあるということなんですが、その一つの原因として私が感じているのは例のBIS基準の問題でございます。これについて一言質問したいと思うんですが、国際的な業務を行う銀行は八%の自己資本比率、国内業務であれば四%ということになっているわけでございますが、この基準が金融機関に非常な危機感を与えたということを私も金融機関にたくさんの友人がおりますので頻繁に聞いているわけでございます。  単なる貸し渋りだけじゃなくて、貸しはがしという言葉を私が国会で使ったら品がないと言われたんですが、これは旧債振替と専門語で言うそうでございますが、貸しているものが信用保証協会の特別保証がついたというと、大変おめでとうございます、ついては私の貸していたものは返してくださいと、これを私は貸しはがしと言ったら、旧債振替であって、これはその債務者にとっても有利なケースがある、こういう説明が国会でございました。私も調べて、そのとおりでした。有利なケースも半分近くありますが、そうじゃないケースも実は半分近くあるということも非常に気になるところでございます。  私は思うんですけれども、国際的な銀行、これはまさにグローバルスタンダードとして八%の自己資本比率を維持していくことは当然だと思うんですけれども、例えばリージョナルバンクといいますか、その地域地域の中小企業を相手に個人の信用で貸して共存共栄で支えている、こういった銀行についても全く国際基準というものじゃなくてもっと緩めてもいいんじゃないだろうか。だから四%というんでしょうけれども、これについては厳しい基準がそもそも必要かどうかというのが質問の一つでございます。  中には、公的資金の注入の際だったんですけれども、地方銀行に対して、国内業務をやっていく銀行だと私は思ったんですが、それでも今後は八%ぐらいの自己資本比率を目指してほしいという意向表明があったと新聞に報じられて、私はびっくり仰天したわけでございますけれども、こういうことというのはあるんでしょうか、なかったんでしょうか。事実も踏まえてお答えいただきたいと思います。

乾文男金融監督庁監督部長

○説明員(乾文男君) 二つ御質問がございましたので、最初の方を金融監督庁からお答えいたします。  まず、地域金融機関について自己資本比率基準は四%でございますけれども、果たして地域の金融機関の場合にそうしたことが必要なのかという御質問であったかと思います。  自己資本というのは、貸出資産を抱えているわけでございますけれども、それが通常想定される危険度を超えて貸し倒れた場合に備えるバッファーといたしましての機能がある。そのほか、金融機関が市場において資金調達あるいは資金供給を行う場合に、預金者の安全を確保する上で必要なものだというふうに考えているわけでございます。  その自己資本をどこまで必要かということでございますけれども、いわゆる国際的に活動する銀行につきましては、バーゼルの銀行監督委員会で種々の議論をした上で八%ということになっているわけでございますけれども、国内のみで活動いたします国内基準行につきましては、我が国ではそうしたバーゼルの基準をも参考にしながら、金融機関経営の健全性の確保そしてその預金者の保護ということを考えますと四%は最低限必要な水準であるというふうに考えているわけでございまして、この水準を確保しながらより金融機関の健全性の確保ということに努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。  このことと公的資金の注入との関係につきましては、金融再生委員会から答弁をいたします。

森昭治金融再生委員会事務局長

○説明員(森昭治君) お答え申し上げます。  ただいま乾部長が申しましたとおり、地域金融機関、国内基準行につきましての健全度を示す自己資本比率は四%という数字しかございません。  ただ、ことしの六月十日に早期健全化法に基づきまして地域金融機関にも公的資金を注入するということで「地域金融機関の資本増強についての基本的考え方」というものを発表いたしまして、その中で、申請金融機関が国内基準行の場合には、「最低限の水準を満たすとの考え方ではなく、今後発生し得るリスクにも対応できる水準となることを目指す。」、こういうことを再生委員会として公表させていただきました。  この意図するところは、自分の財務体質をはかって弱いので公的資金を注入して自己資本を上げたいというところがあるのでしたら、四%というのは健全行としての最低限の水準で、それが四・一とか四・三とかそれくらいの四ぎりぎりのところというのはやはり危ないのではないか、公的資金を注入するからにはもっと盤石な銀行になってほしいというふうに考えておりますし、また申請する側もそういうふうに考えておるわけでございます。  ただ、それでは何%が、果たして今私が申しました盤石になるかということについては、それぞれの申請行のお考えをまず私たちは重視したいと考えておりまして、まさに申請金融機関の実態に応じて資本増強額がどれくらいまで必要かということをその申請金融機関と協議しながら考えていくということでございまして、何も八%にならなきゃいけないというようなことを申しているつもりはございません。

加納時男自由民主党

○加納時男君 わかりました。  私も四%が必要だということは納得しておりますし、四%で満足することなく、より経営の健全化を図っていくと、上を目指すということ、これには異議ありません。  ただ、八%という数字が一たん出ますと、これがひとり歩きをしてしまって、いわゆるパニックではないんですけれども大騒ぎになったんですね。ですから、八%ということではないというふうに今の回答は理解しますけれども、今後ともより健全化を目指すということでこの場で確認をさせていただきたい。八%ということではないんだということは確認したいと思いますけれども、よろしいですか。

森昭治金融再生委員会事務局長

○説明員(森昭治君) そのとおりでございます。八という数字に、一律にそれを超えなきゃいかぬなんということを我々は申しておりません。

加納時男自由民主党

○加納時男君 わかりました。これは記録に残りますので、よろしくお願いしたいと思います。  もう一つ、中小企業金融で私が非常に成果があったと思うのは例の特別保証制度でございます。  この特別保証枠の拡大設定が、ちょうど去年の十月一日でしたから一年たったわけでございますが、非常に効果があったという反面、課題もある、光と影があると思うのでございますが、最近のその光と影、どういうところに成果があり、今後どういう課題があるのか、簡潔にお話しいただけたらと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) この特別保証制度導入以来、具体的には倒産件数が大幅に減少をするというような形で、中小企業者の貸し渋りというような状況の中で資金調達の円滑化ということに大きく貢献ができたのではないかというふうに考えておるわけでございますが、同時にいろいろな角度からの御批判があるということも私ども重々承知をいたしておるわけでございます。しかしながら、この制度によって大きな効果を与え得たということも事実ではないかというふうに思っております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 今、長官が言われたように、資金調達の円滑化という面で大きな役割を果たし、倒産件数も前年同期に比べて激減したというのは事実ですね。去年の十二月も今年の三月期も非常に危機的な状況が懸念されたんですけれども、それを回避できたのは一つにはこの制度が私は大きな効果があったと思うんです。  しかし、これは大臣も言っておられるんですが、しょせんこれはもうある程度のリスク覚悟でやった問題であります。いわばある意味ではカンフル注射だったわけですから、これがきっかけとなって経営がよくなっていかなきゃいけないので、これを打ち続けていけばいいというものじゃないと思っているんです。  記者会見で大臣はたしかこれについてももっとフレキシビリティーを持って臨んでいきたいという御発言があって、私も同感でありまして、枠二十兆円のうち今十七兆四、五千億円は実行されているかと思うんですけれども、枠を超えるならば枠を拡大し、それからまた状況がまだ必要とするならば来年三月までの期限を延長してもいいというふうに大臣の御発言を新聞で拝見して、これは共感しております。  私の心配は、今後、代位弁済率がこれから、一年たったところですから、ふえてくるかどうか。今まで事故率の設計はたしか一〇%ぐらいでかなり大事をとって制度設計しているわけでありますけれども、代位弁済率が上がってくるのではないかという懸念でありますとか、またこれはしょせんいわば体の弱った方に注射を打っているわけですから、生命維持装置を外したら死んでしまうんではないかといった厳しい批判もあるわけでございます。何とか緊急避難の段階から経営の健全化に向かっていかなきゃならない、それが今後の課題かと思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 代位弁済にもお触れでございますが、代位弁済件数は確かに制度創設以来各月増加の傾向にございます。  ただ、一言申させていただければ、この特別保証制度に限らず一般の信用保証の制度と申しますのは、大体パターンといたしまして最初の二年間ぐらい後に代位弁済のピークを迎えます。そこまでの間は徐々に代位弁済率が増加をしていくというようなパターンをとるということでございます。  それから、この特別保証制度につきましては、特別保証として特別の制度であるがゆえに、その制度に注目をしてデータをとります関係で逐次対象件数が増加していくということでございますので、その関係で代位弁済の件数も増加をする、いわゆる分母がふえますので代位弁済件数も増加をする、絶対数の議論としてはそういうことでございます。  ただし、確かに代位弁済の比率が過去の一般的な制度に比べてやや高い水準にあるということも事実でございます。この点は今御指摘もございましたとおり事故率一〇%というようなことで制度設計をして、それだけの緊急事態に対応する特別の制度であるということでございますので、そういうことでございます。  いずれにいたしましても、引き続き今後の動向は見守ってまいりたい、このように考えております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 そういう方向でぜひ注目していっていただきたいと思っております。  続いて、SBIRについてこれとの関係で伺いたいと思っております。  これは中小企業の技術革新促進制度でありまして、きょう今まで議論してきたのはどちらかというと緊急の課題、金融を中心とした中小企業対策でしたけれども、大臣がお話しされた二つ目の方向、つまり前向きの施策としてこのSBIRは私は非常に期待をしているということを経済・産業委員会でも申し上げてきたものでございます。  これはこの四月から実施に入ったんです。まだ半年しかたっていないので日が浅いんですけれども、初年度としての現在までの手ごたえといいますか、状況についてわかっている範囲で答えていただけたらと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 今の二十兆の問題については長官からお答えをいたしましたが、私ども党の三役の一人としてかかわってまいって非常に関心を持って見詰めておりました。  一〇%のリスクを覚悟していこうということでスタートしたんですが、一〇%のリスクが当然であるなどとは全く思っておりませんで、できる限りきちんと返していただくのが原則であります。  今日までの状況を見てみますと、もう翌月から九割以上の方がお払いをし始めて、三月ごとに猶予しているところもありますけれども、全体的には私は皆さんが一生懸命頑張って返しておるなと。その中小企業の必死の努力を高く評価して見詰めていきたいというふうに思っておりますが、いずれにしても長官お答えのように、きちっとこの推移を見守っていくことはとても大事なことだと考えています。  今御質問のございました中小企業技術革新制度、SBIR、これはおかげさまで産業と雇用の創出という意味においても非常に高い判断からスタートしたことだと思っておりまして、本年開始した制度でありますが、徐々にいい方向に向かって進んでいると理解しています。せっかくすぐれた技術を持ちながらその力を十分に発揮できない中小企業に対して政府が研究開発資金を投入するというわけでございまして、その機会を広げることは非常に大事なことだと思っています。  五省庁にまたがる問題でありますが、今補助金だけでも三十八種類出ておりまして、中小企業としては百十億円、全体では五百億ぐらいと思われますが、そのうち百十億円ぐらいを現在視野に入れていますが、もっと拡大していくように努力していかなきゃならぬと思っております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 大臣から非常にポイントの御回答をいただいてありがとうございました。  若干細かくなるんですけれども、今の御回答の中で三十八種類設定しているということですね。このうち何本ぐらい採択が決定になっているのかということ、それから競争原理は働いているんだろうか、この辺を、これは政府委員の方で結構だと思うんですが、お願いしたいと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、三十八種類の特定補助金があるわけでございますが、これまでに交付額の決定までの作業が終わっておりますのが二十一の補助金でございまして、採択決定のための審査中のものが十というようなことになっております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 もう一つ伺ったと思うんですが、競争原理が働いているかどうか。  何か一つ予算があるよとか、これは補助金が出るよといってほいほい出てくるんじゃなくて、先ほどの平田委員の御質問に対して深谷大臣が選択と集中と、本当にいい言葉をおっしゃったんですが、まさに選択して集中して助成していくというのが大事だと思うんです。そういう意味で、私は競争原理が働かなきゃいけないと思っています。  そこで、例えばなんですけれども、三十八種類というのは私も一応読んでいますけれども、課題対応の研究開発に関する委託費というのがありますね。これの中では競争率が何倍ぐらいになっているのか。一つ来たから一つ補助金つけましたと、これなんじゃだめだと思うんです。激しい競争の中から選ばれたものに集中して補助が行く、こういうのじゃないといけないと思うんですけれども、実態がわかったらでいいんですが教えてください。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 先生今御指摘の研究開発制度は中小企業総合事業団が実施をしておりますものの関係であろうかと思いますが、課題対応の新技術研究調査事業でございますと、応募総数が三百六十三件ございまして、採択が八十四件、倍率四・三倍ということになっております。  また、同じように課題対応の新技術開発事業では、応募総数二百四十七件に対しまして、採択件数三十二件、競争倍率七・七倍ということになっておりまして、いろいろと厳しい競争の中から極めて有用な技術開発について支援をするというような体系になっているものと考えております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 わかりました。七・七倍というのは私は十分に競争原理が働いているかなと思いますけれども、そういう方向でぜひ進めていただきたいと思っています。  今後の課題としては、関係省庁を今、五省庁と大臣は言われましたけれども、私は五省庁以外にもさらに拡大していく必要があるのじゃないだろうか。例えば、SBIRの研究開発の成果を生かすにはこういう方法があるんです。政府調達をするに当たって、SBIRの成果を、研究開発の成果を生かして優先的に発注していくということもあり得るのじゃないか。そうなると、この五省庁以外にも政府調達をやっている官庁がありますから、そういうところにももちろん今ふやしていくことを考えていらっしゃるとは思いますけれども、ぜひこの場をかりて私は政府調達の対象に入れることも含めて、SBIRを単なる一つの通産省の制度あるいは五省庁の制度じゃなくて、政府全体の制度として活用していっていただきたいということで、これについてのコメントを終わりたいと思っております。  時間内にあと二つ、MOXの話とジェー・シー・オーとやりたいと思いますので、簡単にMOX燃料の輸送について伺いたいと思っております。  MOX燃料の第一回輸送が完了したわけでありますけれども、MOX燃料というのはプルトニウム、ウランの酸化燃料のことでございますけれども、この輸送が終わったわけでございますが、今後も欧州で再処理が行われ、プルトニウムがMOX燃料に加工されて日本に輸送されてくるわけであります。当然のことながら、輸送ルートに当たる諸国の理解促進が重要だと思うんですけれども、この点、これは外務省になるでしょうか、どのように理解促進を図ってこられたのか、そこまでまず伺いたいと思います。

服部則夫外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(服部則夫君) お答え申し上げます。  MOX燃料輸送のまず安全性並びに核物質防護でございますけれども、輸送容器につきましては国際原子力機関、輸送船につきましては国際海事機関がおのおの定めております国際基準を満たすとともに、日米原子力協定の実施取極附属書におきましてかなり細かく守るべき点が決められておりますけれども、そういう関連の国際約束等に従った適切な核物質防護措置が講じられております。  それから、今、先生御質問の件でございますけれども、輸送ルートの沿岸国に対しましては、これまでも在外公館からの説明に加えて現地にミッションを派遣するなど、種々の機会を利用いたしまして輸送の安全性等の説明を行ってきております。一部の国からは懸念の表明が示されていることも事実ではございますけれども、他方で我が方からのこれまでの説明によって一定の理解も得られているものと考えております。  今後とも、引き続き輸送ルートの沿岸国との対話を通じまして、透明性をできるだけ増しつつ一層の理解の促進に努めてまいりたいと考えております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 沿岸国は非常に関心を持っている事項でございます。今までにも増してミッション派遣あるいは日本の現地を見ていただくとか、いろんな努力によって理解を深めていっていただきたいと思っております。  今のお話の中で、何といっても関心は輸送容器あるいは輸送船舶、こういったものの安全性に対する沿岸国の心配だと思うんですが、そういう意味では、この輸送施設の安全対策について、これは運輸省になりますでしょうか、どのように対策を具体的にとられましたでしょうか。

谷野龍一郎運輸省海上技術安全局長

○説明員(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。  まず、海上輸送の安全確保についての制度的な枠組みでございますが、海上輸送されます容器につきましてはIAEA、輸送する船舶の安全性につきましてはIMO、それぞれ国際規則に基づきましてこれを船舶安全法という国内法で担保するように措置をいたしております。  それから、今般のMOX燃料輸送、具体的にどのような安全措置をとってきたかについて御報告申し上げます。  今回使用いたしました輸送容器、五基ございますが、そのうちの一基につきまして、実は容器承認審査中でありました昨年の十月に中性子遮へい材のデータ改ざん問題が発覚をいたしました。このため、設計及び容器承認申請を一たん取り下げていただきまして、白紙に戻しまして再度当該容器について設計段階から審査及び検査をやり直したところであります。  また、こうしたデータ改ざん等が再び出ませんように運輸省といたしましては、再発防止対策として、品質管理に関する審査体制とか立ち会い検査について、原則としてこれを国が直接やるような仕組みに改めた次第であります。  さらに、今般のMOXの輸送に関しまして御報告申し上げますと、今般輸送いたしました船舶につきましては、実は英国籍船でございます。この船は、日本—欧州間でこれまで使用済み核燃料等を安全に輸送した実績がございますが、今般のMOX燃料輸送に当たりまして一部改造いたしましたので、その改造部分を中心に当方の職員を英国に派遣いたしまして所要の安全基準に合致していることを確認いたしております。  さらに、MOX燃料を入れます輸送容器につきましては、承認をいたしました容器であることを確認いたしました上で、燃料そのものを収納した状態で所要の安全基準を満足することを確認いたしております。  さらに、MOX燃料が九月二十七日に福島、それから十月一日に高浜発電所に到着いたしましたが、その際にも陸揚げをする前に船舶に赴きまして、輸送容器等の健全性を確認し、その後の陸揚げを認めた次第であります。  今後、再び出てまいりますMOX燃料輸送の安全確保については、こうした仕組みをフルに活用いたしまして万全を期してまいりたいと思っております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 今、外務省と運輸省から説明があったんですが、BNFLにおけるMOX燃料のデータの改ざんがあったわけでございまして、これに対する対処をいろいろ行ってきたわけであります。  こういうことを通じて、今後MOX燃料についてどのように考えていくのか、今回のさまざまな経過から今後の課題と考えていること、あるいはこれからのMOX燃料に対する方針について、通産省の方に伺いたいと思います。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) ただいまBNFLにおきますMOX燃料についての製造データの一部に疑義が生じた問題についての御指摘がございました。この点について少し御説明をさせていただきたいと思います。  この件は、九月十四日に関西電力から私どもに対しまして、BNFL社において製造中のMOX燃料について品質管理データに疑義があるという報告がまずございました。直ちに関西電力に対しまして徹底調査を指示したわけでございます。その後、九月二十四日に関西電力から、これから申し上げますような調査状況の中間報告を受けております。  まず、高浜四号機向けのMOX燃料の品質管理検査データにつきましては、これは当時輸送中でございましたけれども、外径測定データの流用はない、その他のデータの信頼性があるということで問題はないと考えるというのが第一点でございます。  第二番目に、高浜三号機向けのMOX燃料のデータにつきましては、百九十三ロット製造されつつあったわけでございますけれども、その二十二ロットでデータの流用が見られて、したがって今後さらに調査を継続して行って、再発防止対策も含めて検討していきたいというのが第二番目の報告の点でございました。  私どもといたしましては、現地に職員も派遣いたしまして、この当庁職員を通じまして関西電力の調査が適切に行われていることを確認いたしました。また、高浜発電所四号機向けの燃料品質管理検査データについては問題ないという関西電力の判断は妥当というふうに考えたところでございます。  MOX燃料の健全性につきましては、今後、原子力発電技術顧問の意見もいただきながら、厳正に輸入燃料体検査を行い、総合的に判断していきたいというふうに考えております。  なお、高浜三号機向け燃料につきましては、引き続き関西電力において調査を行っているということでございますので、この結果を十分確認することにいたしたいというふうに考えております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 ありがとうございました。そういう方向でお願いしたいと思います。  最後になりましたけれども、東海村でジェー・シー・オーの事故がございました。九月三十日でございました。社会にも大きな反響、影響を与えたわけでございます。これについて、まず科学技術庁から、詳細な議論は実は来週別の委員会で予定しておりますので、きょうは基本的なところでこの事故についての所感を伺いたいと思います。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) お答え申し上げます。  本年九月三十日、株式会社ジェー・シー・オーの東海事業所で濃縮度一八・八%のウラン溶液を沈殿槽に入れる作業をしていたところ、臨界事故が発生いたしました。  このたびの事故は、日本初の臨界事故であり、従業員三名が重篤な被曝をするとともに、これら三名の方を含め消防署職員等四十九名、さらには臨界反応終息のため冷却水を抜く作業に従事した方二十四名が被曝をいたしまして、周辺住民の避難あるいは屋内退避が行われたということで、起こってはならない極めて重大な事故と認識しております。国民の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけしたことを厳しく受けとめております。  現在、ジェー・シー・オーへの立入検査や他の核燃料製造施設等への立入検査を緊急総点検ということで行っておりますが、さらに関係省庁等と周辺環境のモニタリングあるいは周辺住民の健康相談等もあわせて行っております。  これと並行いたしまして、当庁の事故調査対策本部及び原子力安全委員会に設けられました事故調査委員会におきまして、事故原因の徹底究明と抜本的な再発防止策の検討に全力で取り組んでいるところでございます。  今回のような事故が発生いたしましたことを踏まえまして、改めるべきは改め、法的措置も含めまして原子力の安全確保の強化と信頼回復に努めてまいる所存でございます。

加納時男自由民主党

○加納時男君 私は所感を伺いたいと言ったんです。これは科学技術庁長官に伺いたいものでありますので、来週そういう機会があると思いますから、きょうはむしろエネルギー政策を担っていらっしゃる、原子力政策を担っていらっしゃる深谷大臣が御出席でありますので、通産大臣、今回の事件、細かいことは別としまして、大きくごらんになって何が問題か、お感じがいろいろあると思うんですけれども、御所感を伺いたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) このたびの東海村の事故は、地域住民の皆様にあるいは国民全体に大変御迷惑をかけて残念であります。そして、そのことによって原子力の安全性というものについて国民の皆さんが大きな不信を持つのではないか、それは我が国のエネルギー政策にも影響を及ぼすという意味でまことに遺憾な事故であったというふうに思っております。  原子力は何よりも安全性を確保するということは大前提でございまして、いやしくも人の力の及ばざるところで事故が起こるようなことのないように、このたびの事故を反省材料として、徹底した原因の究明と今後の対策を確立することが私たちに課せられた重大なお役目ではないだろうかなというふうに思っています。  現在、既に科学技術庁等と連携をとりまして共同でこれからの対応について話し合っておりますけれども、具体的には原子炉規制法ということで安全性を確保しておるのでありますが、まだ中身に足らざるところがある。そこで、これらの改正を行おうと考え、また同時に、実際にこういう事故が起こったわけでありますから、原子力防災という新しい法律を打ち立てて安全を期するということもとても大事なことではないか、そのように考えてその作業を進めているところでございます。  原子力発電所の問題と今回とにはかなりの違いがあるわけでありますが、しかし国民の皆様にはそれを分けて御理解いただくということは容易なことではございません。ですから、私たちはこれを機会に原子力発電所についてもきちっとした対応が必要であり心構えが大事だと思いまして、実は昨日、電力各社の社長においでをいただきまして、私が直接お目にかかり、さまざまな要請をいたしたのでございます。原子力発電所において不適切な手順書類が作成、使用されていないかといったようなことについてもきちっと調査しチェックをして、通産省としても現地の調査を行うぐらいの積極的な姿勢で臨んでまいりたいと思っております。  今後とも原子力の安全確保のために全力を挙げてまいりたいと思っておりますし、また加納委員、過日のテレビ出演を私は拝見しておりまして非常に参考になりました。専門家として種々の御意見もお寄せいただくようにお願い申し上げたいと思います。

加納時男自由民主党

○加納時男君 今回の事故はまことに遺憾なものであるというのは全く同感でございまして、これの究明と根本的な対策、安全管理、防災対策、今お話しのあった炉規法の改正も含めまして、あるいは原子力防災法の創設も含めましてさまざまな対策が必要だろう。これが一つ。  それから二つ目は、確かに原子力発電とは違うんですけれども、だからいいんだじゃなくて、あらゆる原子力に関係している者は謙虚に今回の事故から教訓を学ぶべきだと私は思っております。今、大臣がおっしゃったように、昨日、電力各社のトップに手順書の総点検を指示されて、またその結果も聞いたというのはまことに適切だったと思います。私は、科学技術にもともと関係している人は、すべてと言いたいんですけれども、謙虚に今回の事故から教訓を学ぶべきだというのが二つ目であります。  三つ目は、これは質問になりますけれども、それでは原子力政策、プルサーマル政策というものは、大臣、今回の事故で変更なさいますか、変更する必要はないですか、ここを伺いたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 我が国の将来を考えてまいりますと、エネルギーの安定供給というのは最も大事なことでございます。  地球上からやがては石油が枯渇するであろうという、そういう状況もある中で、これから二十一世紀に向けてどうやってエネルギーを安全に供給し続けることができるかということは大変な課題でございまして、そこにエネルギー政策というものがあるわけであります。  そういう中で、原子力というものが極めて長い年数活用できる、それから環境という点においてもいい状況にあるということから、この原子力エネルギーに期待するという思い、あるいはこれから原子力エネルギーを安定的な供給エネルギーと考えているという点、これについてはいささかも変わりはないのでございます。  ただ、それには絶対に安全であるというそれを確保することが大事であり、国民の信頼と御協力をいただくことが極めて重要でございますから、そういう意味では、政府は全力を挙げて国民の皆様に御理解いただけるような信頼確保に努めていかなければならないというふうに思っております。ただいま御指摘のプルサーマル計画やバックエンド対策等を含め、原子力政策は着実に進めていきたい、そう思っております。

加納時男自由民主党

○加納時男君 原子力政策は着実に進めていく、国民の信頼と協力のもとにというのは、全く同感でございます。  エネルギー問題というのは、これは非常にある意味では夢のある領域なものですから私も好きなんですけれども、例えば風力とか太陽光とかこういうのがあると、これがあるからほかのエネルギーは要らないとか、今度のような事件が起きますと、もうともかく原子力とちょっと名前がつくものは全部やめちゃおうとか、こういう極端な議論もあれば、またこれからの増加分は一切やめちゃおう、新しいことはもう一切やらないんだというかなり極端な議論も必ず出てくると思うんです。  いろんな議論があっていいとは思うんですが、私は冷静に考えると、今回の事故から徹底的に教訓を学び、厳しく受けとめて対策を迅速かつ的確に進めることが一つでありますが、加えまして、やはりエネルギー問題というのは、これは冷静に考えていかなきゃいけない。今、大臣が言われたように、ロマンも大切ですけれども現実も大切であります。現実にベースロードとして電力の三分の一以上を占め、東京では四五%ぐらいが原子力になっちゃっているわけであります。  エネルギー問題を考える場合には、量が必要だと。ほんのわずか〇・一%とか一%のものがあるからもう四〇%ぐらいのものは要らないんだというのはめちゃめちゃな議論でありますので、量の問題、それから夜になっても太陽がなくなっても働くか働かないかといった質の問題、価格の問題、それからいつまでといった時間。量、質、価格、時間、四つの要素を押さえてクールにエネルギー政策はやっていかなきゃいけない。そういう意味で、今の大臣のお答えは私の考えている方向とほとんど同じだと思っております。今回の問題を厳しく受けとめると同時に、一方クールにエネルギー政策は議論していきたいと思っております。  どうもありがとうございました。私の質問はこれで終わります。

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として伊藤基隆君が選任されました。     ─────────────

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) 休憩前に引き続き、平成八年度決算外二件及び平成九年度決算外二件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 昼の後、大変眠気がくるところを九十分間いただきまして、しっかり御質問をさせていただきたいと思っております。民主党の木俣でございます。  まず冒頭、深谷大臣におかれましては御就任おめでとうございます。また、堺屋長官におきましては御留任おめでとうございます。お祝いを申し上げます。  今も昼休み、食事をしながら、ようやく涼しくなったなというような感じで外の空気を思い切って吸ってまいりました。ことしは異常な気象でございまして、ことしはというかことしもですね、世界的にも天変地異、こういったものが起きておるわけでございます。ことしも台風の大変な被害に遭われた地域が多うございました。私の地元であります豊橋では史上最大の竜巻が起きまして、特に小学校、中学校が授業時間中でございまして、そこをまともに襲いました。ある中学校では三百人を超える生徒の方が巻き込まれましてガラスの破片でけがをされたわけでございます。本当に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  そういうことを思いながら、外の空気を吸いながら、あの忌まわしいジェー・シー・オー東海事業所の事故、事件のことを思いますと、本当に胸が張り裂けるような思いでございます。雑誌にありますように、「三十一万住民襲った恐怖空間二十八時間」、こういうふうに書かれておるわけでございまして、これは大変な事故、世界最大の事故と言っても過言ではない、そういう事故が発生してしまった。このことを本当に大変残念に思うと同時に、怒りを覚えるわけでございます。  これは発生が九月三十日十時三十五分でございまして、それから十一時十五分まで科学技術庁の方には何の連絡もなかったわけでございます。そしてまた、ようやく住民に呼びかけをしたのは十二時半、二時間後初めて村から警報が出た、こういう事態であります。そして、初めに半径三百五十メーター以内の住民に避難勧告が出たのがまたそれから二時間二十六分後。そして、退避をしたところへもってきて、十時半、夜になってから県知事が半径十キロの住民に自主的な避難ということで、どんどん範囲が広がり、そこに住む方の思い、そしてまた恐怖感というのはますます募ったわけでございます。  まず冒頭、今回のジェー・シー・オー東海事業所の事故、これを生かしまして今後このようなことがないようにするためにどのような方策を考えていらっしゃるのか、今の反省も込めまして科学技術庁の方から伺いたいと思っております。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 政府といたしまして、十月四日の政府対策本部決定を踏まえ、政府一体となって事故原因の徹底究明等を行うことといたしたところでございます。  当庁といたしましては、事故調査対策本部及び原子力安全委員会に設けられた事故調査委員会におきまして、事故原因の徹底究明と抜本的な再発防止策の検討に全力で取り組んでいるところでございます。また、通商産業省と合同で原子力安全・防災対策室を設置いたしまして、原子力防災対策のための新法あるいは原子炉等規制法の改正等についての検討を行っているところでございます。  いずれにしましても、今回の事故を非常に重く受けとめておりまして、このような事故が発生したことを踏まえまして、原子力の安全確保の一層の強化のために的確な施策を講じてまいりたいと考えております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 この事故の、事件の最終的な報告書というのはいつごろまでにお出しになる予定でございますか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 原子力安全委員会の事故調査委員会でございますが、最終報告書は今年内にということでございまして、その前に中間報告を出したいということでございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 とにかく、こういった報告書のたぐいにつきましてはなるべく早く、年内といったって今から二カ月もあるわけでございますから、本当に速やかに一週間とか二週間でやっぱり出していただきたい、中間でも結構でございますから。そんな御要望をしたいと思っておりますが、いかがでございますか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 承りました。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ありがとうございます。やはりこういった正式に物事のあしきところを凝視して、あしきところを直視していくというところからしか新しいものは生まれない、こういう思いからしますと、本当に今の御答弁ありがとうございます。一週間、二週間で中間的な報告をしていただきますようによろしく重ねてお願い申し上げます。  今回のこの事故でございますが、責任がどこにあるのかということでございます。科学技術庁にあるのか、それともジェー・シー・オーにあるのか、それとも、通産省が原子力政策というのをエネルギーの原料というものと原子力発電というものを分けた、このあたりにあるのか。どのあたりにおありだとお考えでございますか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 原因につきましては、先ほど申し上げました事故調査委員会におきまして非常に厳密な議論が今なされているところでございます。八日に第一回会合、実はきょう二時から第二回、毎週一回三時間の会合を集中的に行いまして、あすは委員長以下委員のほとんどの方が現地に行かれますし、そういう中でいわゆる原因究明につきましては徹底的に行っていただきたいと思っておりまして、今すぐに何がということはちょっと申し上げかねます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 だれがというのがわからないとすれば、じゃ科学技術庁のどこに責任があったと思われますか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) その点につきましても、あらゆる面につきまして、我々としては、行われてきたことをそのまま委員会の方に報告いたしまして、今、委員会の方で厳密な評価をいただいているところでございまして、その中から明らかになってくるものと考えております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 せっかく答弁しておるものですから、今わかる範囲でもちろん結構でございます、大分わかっていらっしゃると思いますが、例えば科学技術庁の責任がないとするならば、ジェー・シー・オーがその事故を起こした原因は何だと思われますか。これは人員が不足しているということなのか、それとも技術者の能力的な問題なのか、安全対策というものが総合的に足りなかったのか、どのあたりが一番の問題であったとお考えですか、今現在。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 今現在、我々は立ち入りもいたしておりますし、状況的に申し上げますと、このシステム自体は当然ながら安全裕度は見込んでつくられているものでございまして、例えば規定の量の二倍のウランを入れても臨界に達しないようにつくられているわけでございますが、それを全く想像できないようなやり方で七倍ものウランを入れたというところがまず直接の原因でございます。  しからば、そういう原因に至ったいわば背景といいましょうか遠因といいましょうか、例えば会社の経営であるとか人員の削減とかそういうものであるとか、あるいは教育であるとか、そういうものにつきまして今現在我々の知り得た結果を委員会に提示いたしまして、委員の先生方の御判断を仰いでいるところでございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 これ以上質疑をしても余り出てこないような気がいたしますので、このあたりはカットしたいと思いますけれども、今回の事故の被害の総額というものをどういうふうに見られるか、現在の時点で。ちょっと伺いたいと思います。  これは、被曝されました方々に本当にお見舞い申し上げるわけでございますけれども、その方だけではありませんね。住民の方でそのときに妊娠をされた方がいらっしゃって、ショックで立ち直れないというようなお話も伺ったり、もろもろございます。児童なんかでも、きっとこの恐怖というのは今は出てこなくても将来何かしら結果というか精神的なものが出てくるのではないか。  そういうこともあるんですが、基本的に価額でやはり決めていかないとなかなか処理できませんものですから、被害総額というのはどのぐらいなものか、これを農家の方も含めてちょっと概算をお聞かせいただきたいと思います。  といいますのは、手当てとしまして、補てんとして原子力損害賠償法というのがあるというふうに伺っております。私は専門ではございませんけれども、十億まででございますか、二十億までにふやしたんですか、それで穴埋めをするというようなことが書いてあるというふうに伺っております。これではどうしても足りないんではないかという気持ちがするわけでございます。もし足りないとすれば、どのようにそれを手当てするのか、それも含めてお答えいただきたいと思います。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。  ただいま先生のお話にございました被害の総額のことでございますけれども、先生が御指摘なさいましたとおり、直接的な金額に加えまして、周辺にお住まいの方々の健康あるいは健康に関係するような問題もございます。事故の被害そのものにつきましては、現在関係省庁や日本原子力保険プール等と連携をとりながら、その実態の把握に努めているところでございます。  事故が起こりました直後に、当該事業者でございます株式会社ジェー・シー・オーは、東海駅の近くに窓口を設けてございまして、関係する方々からいろいろと申し入れを受けているところでございます。  今、先生がお話しになられました賠償制度でございますけれども、被害者保護の観点から原子力事業者が過失の有無にかかわらず無限の賠償責任を負うことになっているものでございます。このため、事業者は当座の賠償資金確保のため民間の保険契約などを締結することが義務づけられてございまして、今先生お話しのございました金額につきましては、措置額でございますが、十億円の損害賠償措置が講じられているところでございます。  この問題につきましてはまた後ほど申し上げますが、これと同時に、先ほどお話ししました健康相談、健康管理の問題は厳に重要な問題と受けとめてございまして、これにつきましては茨城県あるいは東海村の方々、さらには厚生省、科技庁、労働省、ともに対応をきちっととるように今努めているところでございます。  事故そのものにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、賠償請求が出され、原子力損害が確定された場合に、ジェー・シー・オーは基本的にすべての損害について賠償しなければならないというふうな形でございまして、その賠償額、損害額が十億円を超えるような場合には、ジェー・シー・オーは残りの総額について、賠償責任額についてみずからの資力により支払う義務が生ずることとなります。また、この問題につきましては、支払い能力を超えるような場合、政府が必要と認めるような場合には国会の議決を経て政府が援助する形となってございます。  科技庁といたしましては、被害者救済に遺漏がないよう今後とも制度の適切な運用が図られますように努力していきたい、このように考えている次第でございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 いずれにしましても確定を急いでいただきたいと本当に思います。  それと、今おっしゃられましたメンタル的な、精神的なケアというのは大変一刻を争う問題でございまして、とにかくジェー・シー・オーがそんなことをやるわけございませんし、親会社がやるということも伺っておりません。やはり政府がきちっと十分な、いや、あり余る対応をぜひこの問題に対してはしていただかなければならないと思います。  損害額についても、この場で発言するのはどうかとも思いましたけれども、ジェー・シー・オーは住友金属鉱山の一〇〇%子会社です。ということは、これは親会社には責任はないというふうに考えていらっしゃるんですか、どうでしょうか。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。  今回の事故を起こしましたジェー・シー・オーは、先生御指摘のとおり、親会社の住友の一〇〇%の出資を受けているところでございます。基本的には、親会社はこれまで記者会見等を通じまして道義的、社会的な責任を全うする、このような御発言を社長がなさっていらっしゃいます。  私ども、この問題は設置許可を受けた当事者が株式会社ジェー・シー・オーでございますので、ジェー・シー・オーに対しまして、先ほど申し上げましたとおり、損害の責めを一〇〇%負うべきものというふうな形で対応していきたいと思います。ただしその際、先ほど申し上げました親会社が道義的、社会的な責任を負うというふうにお話しになられておりますので、当然連携をとって対応することが必要だろう、このように考えてございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ちょっと、連携をとるというのは具体的にはどういうことでございますか。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答えします。  親会社に対して、道義的、社会的な責任をとる、このようにおっしゃってございますので、この点についての指導をしていきたい、このように考えている次第でございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 具体的に指導というのはどういう指導でございますか。もう二度と原子力のこういった関係にかかわらせない、そういうことでよろしゅうございますか。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。  ジェー・シー・オーの今後の問題につきましては、これは原子炉等規制法に基づく問題でございますのでこの点についてはお答え申し上げませんが、住友としてジェー・シー・オーに対する社のあり方の問題につきましていろいろとお考えがあるようでございます。  私どもの方としましては、当該事故に伴う原子力損害の問題につきまして、ジェー・シー・オーが一〇〇%責任がとれるような、そういう努力をしていきたいと思ってございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、原子力損害賠償法の建前におきましては、当該事業者がその支払い能力に限界があるような場合、政府が必要と認める場合に国会の議決を経て政府が援助することになってございます。したがいまして、原賠法の精神というものを踏まえまして今後対応していきたい、このように考えておる次第でございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 いずれにしましても、ジェー・シー・オーが当事者能力がどの程度あるか、これははかり知れないものがありますけれども、一〇〇%の子会社であれば親会社が相当までに介入をしてくるのが普通ですよね。ですから、これはかなり厳しくやはり皆さん方も、今御指導というお話がありましたけれども、御指導をいただきたいな、いただかなければいけないなというふうに思いますので、このあたりよろしくお願い申し上げます。  続きまして、安全確保の問題で、原子力安全委員会の組織の強化ということは題目のように唱えられておりますけれども、もちろん報告書の中でもいろいろそういうことは出てくるんでしょうけれども、今現在、何が原因で、これからどういうふうにその強化をしていったらもう少し防止ができるというふうに具体的にお考えでしょうか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 原子力安全委員会でございますが、今現在、二百名の専門家で構成される十八の審査会、部会等を動かしておりまして、これで審査あるいはダブルチェックを行っているところでございます。行革後には内閣府に移って独立の事務局を持つということになってございまして、我々といたしましては、これを機会に原子力委員会につきましてもより強力な体制を構築していきたいと思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 もう少し具体的に言ってもらえますか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 今現在、原子力安全委員会を支えておりますのは、科学技術庁、特に原子力安全局でございますが、約百五十名近い陣容で支えておりまして、専任の事務局は二十名足らずでございます。  我々心配しておりますのは、内閣府に移ったときにこの事務局が実態的に弱体化をするのではないかということでございまして、この弱体化がないように、もちろん定員の中でどうしてもやり切れない場合に関しましては、ある程度の予算措置を講じていただいてでも実質的な、実員でございましょうか、そこら辺を確保してまいりたいと思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ただの形骸化した委員会ではなくて、またそういった局ではなくて、本当に安全確保のためにしっかりやっていただきたいと思います。  次に、私が大変親しい、支援していただいておる電力総連というグループの皆さんや、それから電事連、会社経営側の方々を含めまして、今回の事故、午前中の加納議員も言われましたように、本当に謙虚にこれを受けとめなければいけない、こういう思いで新聞等々にも発表をされておるのには私は頭が本当に下がる思いでございます。原子力発電所一基をつくるのにどれだけの労力と細心の心配りというものをして、そしてまた三十年とか長い長い期間を経て一つ一つ丹精を込めてつくられるわけなんです。そういうことを思いますと、なぜそういった頑張っている方々がこういう思いをされなきゃいけないのか、本当に苦しい思いがいたします。  日本は資源のない国で、エネルギーはほとんど、八〇%以上輸入に頼っている。安定供給、こういった意味からも絶対に原子力に頼らざるを得ない。三分の一を今現在頼っているんですね。ですから、批判ばかりする人は電気を使わなきゃいいんです。この中の三分の一は原子力なんですよ、電気は。これを消してみてください、本当に。  だから、そういう意味でも、そしてまたCO2の発生、環境問題、こういった意味でも、化石燃料じゃなくて原子力でやった方がよっぽどいいんだ。もちろんそれが外に出てしまったらこれは大変なことでございますが、基本的にそういったCO2ということに焦点を当てれば、環境問題に対する配慮、そしてまたコストの面、こういった面でも本当に原子力発電というのは絶対にこれは必要不可欠な日本の基幹的なエネルギー、ベースのエネルギーだと私はつくづく思うわけでございます。  先ほども申しましたように、電力総連、そしてまた電事連の皆さんが本当にこの事故に対して苦しい思いをしながら、だけれども日本の将来を見たときに、先ほども大臣のお話があったようなプルサーマルとか将来の本当の夢のプロジェクトについては、どうしてもこれはやっていかなければ日本が本当に暗くなってしまう。ですから、そういう中でされておるということを思いますと、本当に苦しい思いをします。  そしてまた、先ほど加納議員が言われましたSBIR、これとも関係ないわけではないんですね。アメリカは、エネルギーやら航空、宇宙といった最先端のところに研究開発助成をどっとしていきながら、二十一世紀も絶対に最先端技術はアメリカが保持するんだ、こういう強い意思で中小企業を育て上げているというのが実はアメリカのSBIRでございます。昨年、一昨年の予算では、アメリカでは日本円に換算しまして約千四百億円。先ほど大臣が言われましたように、日本ではまだ百十億円でございます。まだまだこれは足りません。そしてまた、まだまだこれは予算の配分が悪過ぎると言わざるを得ませんが、その質問は後にします。  今回、私が非常に思ったのは、原子力発電のエネルギー、原料をつくるところの所管が科学技術庁で、発電を実際にするところがなぜ通産省のエネ庁の方にあるのか、どうしてそういうデマケーションがあるのか、どこでそういうふうに決めているのか、これは私はどうも納得いかないんです。縦割りがまさに出てきたということではないかと思うんですが、通産大臣、いかがでございましょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 木俣委員の御発言を伺いながら、このような遺憾な事故が起こったことについて、それでもなお原子力エネルギーが必要であるというお考え、並びに今日まで全力を挙げて原子力発電等に取り組んできた人々がどんな思いをしておられるかということについての言及、まさに一つ一つが胸を打つような思いがいたしてなりません。  この事故を本当に反省として、再びこのようなことのないように、そして原子力エネルギーについての国民の不信が広がらないように、信頼をいただきながら揺るぎないエネルギー政策が打ち立てられるように一層努力しなければならないと思っています。  縦割りの行政のありようについてお触れになりました。どこからそれがスタートしたかということについて私から申し上げる立場ではありませんが、しかし、これから省庁再編が二〇〇一年から行われて、通産省と科学技術庁の一部が一体となるわけでありまして、そういう意味ではこれを一元的にとらえていくという時代に入ったな、そんなふうに思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 何か政府委員の方から──よろしゅうございますか。  大臣、これを機会に原子力政策全般をぜひ見直していただきまして、今御発言ありましたように、やはり一元的に、そしてまた、まじめに原子力発電の中で頑張っている勤労者の方々や経営者の方々が本当に報われるような、そういう政策をぜひ大臣の期間中に仕上げていただけますでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ただいまの大変真摯な御発言については、しかと受けとめて全力を尽くすつもりでおります。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ありがとうございました。  続きまして、万博の御質問をさせていただきたいと思っております。  日本でも一九七〇年、堺屋長官いらっしゃいますが、私が五歳のときでございました。幼稚園をサボりながら大阪の万博に行ったことは本当に鮮明に覚えております。当時、裸の幼稚園なんというところに行っておりましたので、裸で万博の会場を歩いておりまして、初めて見るインド人の女性に非常に好感を持たれたことも大変鮮明に覚えていて、インド人の方に親しみを覚えておるようなそんな次第でございます。  当時六千四百万人が参加されたと伺っておりまして、そしてまた、これはまさに日本の先進国入りのまず第一歩であったということだと思っております。  万博というのは、パリの万博を初めとして、まさに二十世紀を切り開くエネルギーになった、まさに世紀を代表するような、また世紀を切り開くような、そういった推進力になっていくというのが私は万国博覧会だと思っておるわけでございます。  二十一世紀の初頭に、私の故郷でございますが、愛知県で万博が開催される予定でございまして、いよいよ二千日を切るに至ったわけでございます。準備はそれなりに進んでおりますけれども、まだよくこれは見えてこない、こういう声を多く聞くわけでございます。昨今の経済状況もこれあり、財政的にも本当に国がどれだけ支援してくれるのか、もっと言えば、地元の愛知県が今財政難を覚えておりまして、どれほどできるのか、そしてまたオオタカに代表されるような自然環境破壊という問題、その他もろもろで、地元でも本当にやれるのかどうか実際に危惧をしておるようなそんな次第でございます。しかしながら、やはり何といっても今回のテーマである「自然の叡智」をこれから日本の立場から世界にアピールしていく、こういった意味では大変大事な機会であると思っております。  実際に、来年からドイツのハノーバーでハノーバー博が行われるわけでございますけれども、まさにドイツが統一したのは今から約十年前でございます。ちょうど十月三日が統一記念日でございまして、こういった時代の訴えをするのが万博であると思っておりますが、二〇〇五年に日本で愛知万博をする意義を改めて大臣から伺いたいと思っております。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 二〇〇五年日本国際博覧会は、「自然の叡智」ということをテーマにして、自然に学ぶことによって二十一世紀の人間にとって必要なものを探っていこうという非常に高邁な、しかも夢の広がるテーマであります。そして、これを環境、資源・エネルギー、人口、食糧等の人類共通の課題について世界の一人一人が考える機会を提供するという問題提起型の博覧会である、こういう位置づけもしておりまして、人と自然の新たな関係の追求等に世界の英知を集めてその先頭に立って取り組んでいこうと、そういう目標でみなぎっているわけでございます。私は、そういう意味では来るべき時代への実験場だというふうに思っております。  このような国際博覧会の実現を通して、二十一世紀にふさわしい新しい地球文明のひな形を創造していくことが本博覧会の意義であると受けとめております。  私は、党の三役の一人としてこの推進にも努めてまいったつもりでありますが、今回は担当する大臣として、一層責任を感じて期待に沿うような成果を上げるべく努力したいと思っています。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ありがとうございました。  今、大臣は世界的な課題、特に自然と環境の両立、開発か保全か、こういう二元的な論ではなくて、もっと一元的に共存していく、共生していく、こういう実験場にされたいというお話でございまして、まさに本当にそうだと思います。民主党は環境派でありまして、こういったものには反対だというふうによくとられがちでございますが、私は当然大賛成でございます。  そしてまた、この会場となる海上の森、最近は有名になりましたが、海上の森と書いてカイショの森。ここの森というのは、いわゆる二次林でございます。人工林にちょっと毛が生えたものでございまして、こういったものは日本には多く私はあると思っております。そしてまた、もっと言いますと、日本の国土、これは数字を間違ったらあれでございますが、七割弱森林に囲まれて、そのうちの七五%が造林である、植林であるということを考えた場合に、私は親戚が山の方の出身でございますので、そこに手を入れない、間伐をしない、下草刈りをしないと山が荒れるという状況があります。  ですから、そういった意味でも、ただ単にそんなものを残しておくことが大事なことではないと私は思っておりますし、強くこのあたり、いわゆる環境保護だけを訴える方々に訴えを私はしていただきたいなというふうに思うわけでございます。  アメリカでは、例えば今こうやって発言をしますと大体議員の次の生命はありません。環境派、そしてまた女性のいろいろそういったジェンダー問題、人種差別の発言、こういったことについては大変厳しく、大体一回火がついたらもう次の生命はないというふうに言われております。  ただ、私は、今申し上げましたように、やはり日本独特なというか、世界で初めての実験というものをこの場でするわけでございまして、余り細かいところでひるまれてはこれは困る。これは地元の人が困っちゃうんですね。やるのかやらないのかなんということではやはり困るわけでございまして、とにかくやるんだということと、やはりこういった海上の森、こういった里山というのは日本にも多くあるし、造林というものは、人間がつくった人工林というのは手を加えなければ、人が住まなきゃどうしようもないんだということも含めて強く訴えていきたいと思っておるわけでございます。  ある意味で、環境へのアプローチ、アセスメント法の例外適用ということでこの万博の会場というものを扱っていただいておるわけでございまして、十二分な私は環境対策がされておるというふうに思うんでございますが、いかがでございましょうか。

杉山秀二通商産業大臣官房商務流通審議官

○説明員(杉山秀二君) 二〇〇五年の日本国際博覧会でございますが、先ほど通産大臣から御答弁申し上げましたとおり、「自然の叡智」ということをテーマにいたしまして、環境の側面に関しましては、そこに生息あるいは生育いたします動植物、さらには人の暮らしあるいは文化も含めました人と自然の新たな関係について世界の英知を集め追求をしていくというふうにしておるわけでございます。  こういった基本的な考え方のもとに、博覧会協会の中に第一線の学者先生などをメンバーとするプロジェクトチームをつくっておりまして、そこで環境にかかわる具体的な取り組みの検討がなされているわけでございます。例えば、だれもが森あるいは里山を体感できるような機会を御提供申し上げるとか、あるいは二酸化炭素の排出を極力抑制するエネルギーシステムを提案する、こういった構想について今検討がなされているものと承知をいたしております。  また、先生御指摘の環境への影響評価でございますが、現在協会において実施がなされているところでございまして、この評価書がまとまり次第私どもの方に環境影響評価書が送付をされてまいります。環境庁等の意見も踏まえまして、環境保全の観点から意見を述べる等適切な自然環境保全の対応について万全を期していきたいというふうに考えているところでございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ありがとうございました。  そしてまた、この万博、私が思いますのは、今までの万博とはやっぱり違ってほしいということでございます。今までの万博とは違ってほしいというよりも、そのときにその場所である期間やるという万博から、例えば私なんか釣りが好きで、海がきれいだと本当にいいなと思う。三河湾というのは愛知県の湾でございますが、伊勢湾、三河湾というのは閉鎖性水域といいまして入り口が非常に狭い海でございまして、ヘドロが大体水深九メートルのうち一メーター積もっているというふうに言われているんです。  こういったものを、例えばアメリカの事例に倣って要は万博のときまでに浄化していくとか、これはもちろん通産省さんのやる仕事ではないと思いますけれども、またはそういった動いていく万博というんですか、みんなでつくり上げていく。そこまでに環境を浄化して、例えば森も今死んでいるんです、かなりの部分。愛知県には実ははげ山というのか、肌が荒れている山が多いんです。ですから、そういったところをもっと本当にしっかりとした雑木林にしていくとか、二〇〇五年までに何か、通産省さんの所管ではありませんけれども、他省庁の人にも呼びかけながら、要は愛知県全体が日本に誇る、世界に誇るような環境を第一にしたそういう地域である、そしてまた日本はこういう地域をそこここにつくっていくんだと、そういうことをやられたらどうかなというふうに第一に思っておるわけでございます。  また、青年会議所、JCの皆さんもこの機に、一年ぐらい前に環境のNGOの方々や国会議員の方々を呼んで大々的にそういう自然と人間のすみ分けというのか共生を考えるサミットみたいなものをしたいというふうに言っていらっしゃいますので、ぜひ国としても全面的なバックアップをお願いしたいと思いますが、その両点、ぜひ大臣から答えていただけますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 今、木俣委員のおっしゃった、まさに先ほど私も申しました「自然の叡智」ということを大テーマにしているわけで、環境をしっかり守りながら、あるいは育成しながら、そして人類の二十一世紀に向けての共通の課題を語り合っていこうというこの万博の意義は非常に大きいわけであります。同時に、そういう意義ある万博でありますだけに、この開催に向けて、さまざまな角度から現地が開発され、そしていわば注目を集め、それが理想郷になっていくようなそんな形をつくっていくことも非常に大事なことだと思います。  通産省として一体何ができるのか、それらを含めてしっかり御示唆をいただきながら勉強したいと思います。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 それで、万博、今回の予定収容者が全体を通して二千五百万人の方々に来ていただくという見込みでございます。そうすると、一日十四万人ということでございまして、大臣も御案内のとおり、瀬戸というのは瀬戸物ぐらいしかないと言うとあれですけれども、ちょっと人口が少ないですね。まだ開発途上の地域でございます。大変な人間がそこに行くわけでございまして、このあたりしっかりアクセス道というのをしていただかないとなかなか難しいと思います。もちろん、これも所管は建設省さんその他でございますので違いますけれども、しっかり働きかけをしていただきたいと思っております。いかがでございましょうか。

杉山秀二通商産業大臣官房商務流通審議官

○説明員(杉山秀二君) ただいま先生から御指摘ございましたように、博覧会を円滑に実施していくというためには、道路とか鉄道といいました交通アクセスの整備を着実に推進していくことがたくさんの来場者の方の安全性だとかあるいは利便性を確保するという上で大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。  こういった観点から、当省といたしまして、会場へのアクセス道路等の整備につきまして、それぞれの事業を所管しております省庁等と密接な連携を図り、また御協力をお願いいたしまして、その実現に向けて努力をしていきたいと考えております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 実際、今も愛知青少年公園には年間で三百万人の方が来ておるというふうに伺っております。ただ、これが八倍、九倍もなるわけでございますので、本当にぜひ大臣、建設省または運輸省だと思いますけれども、しっかり言っていただけますように心からお願いを申し上げる次第でございます。  最後になりますが、財政の問題もこれありで、来年のBIEの登録申請に向けて今からが大事な時期だと思っております。BIEの事務局もしっかりそのあたり見据えながらいらっしゃると思います。そしてまた、地元を中心として、日本国民一人一人がやはり本当にやるんだろうなという思いでおりますので、国と地方と地元企業の出資の比率が一対一対一というふうに決めていらっしゃいますけれども、こういった不景気の中で、財政もそうでございますが、民間企業からすると大変な気持ちでございます。たとえその財源の配分が、予算の配分が若干は崩れたとしても、ぜひこれはやっていただくということをこの場で誓っていただきたいと思っております。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 来年の六月に国際博覧会事務局に、その総会で博覧会の登録承認を得なければならぬわけで、それを目指して、今二〇〇五年日本国際博覧会協会が具体的なテーマとかあるいは会場等の計画その他もろもろを検討している最中であります。この博覧会が二十一世紀の初頭を飾るにふさわしいものだという認識のもとで、地元の皆様や民間及び国も協力し合いながら、まずその承認を得るということに全力を挙げていかなければならないというふうに思います。  万博というものが経済効果をもたらすものであるという過去の経験も照らしながら、いろんな角度から考えてこれは実現することが最も望ましいことだ、そういう認識の上に立って、担当大臣として全力を挙げていきたいと思います。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ありがとうございました。  本当に地元の住民の一人として、しっかりこの万博、成功に導いていきたいと思っております。本当にありがとうございました。  それでは次の質問でございますが、いよいよ中小企業国会ということで、これから中小企業対策、きょう午前中も同僚議員の方からも質問がありましたけれども、まず中小企業というものをどう見るのかという視点から入りたいと思っております。  中小企業というのは、中小企業というものがあるわけじゃなくて、結局資本主義の誤謬というものの一つだと私は思っております。  と申しますのは、私が尊敬する小室直樹さんという方がいらっしゃいますが、資本主義にあってはならない二つのことがあると。一つはバブルである、一つは経済の独占である、こういうことを言っていらっしゃいます。私も、経済、目的合理的な財の配分、所得の配分その他もろもろがあった場合に、この二つというのは実は起こり得ないことだと思っておりまして、しかしながらこれは実際に起こることでございます。世紀をまたがっても幾つかバブルも起きておりますし、そしてまた経済の独占というのは、戦前の日本の経済に象徴されますように、これは起こるべくして起こることでございます。これは情報が完全でないこととか、その他もろもろあるわけでございます。  中小企業というものは、結局は要するにその誤謬から生まれたものであって、便宜的に政府の方が区切ってここまでを中小企業と呼んで、ここを育てるとか守るとか、そうしていこうというものにすぎないと思っておるわけでございますが、どのように中小企業というのを見ていらっしゃるか、お答えいただけますでしょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 大変難しい御質問でございますが、今先生がお触れになりましたいわゆる経済市場における競争の当事者とその育成というのは、私の知る限りにおきますと、アングロサクソン、アメリカ、イギリスのような中小企業の政策の中に深く根差している思想であるように私は記憶いたしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、今おっしゃいますように、私どもも今回、中小企業政策審議会で御議論をいただきました中に、一方にいろいろな、俗に言う小回りのきくというような意味の中小企業のよさと同時に、規模の小ささゆえに存在をするもろもろの不足、答申の中では経営資源の不足というような言葉が使われておるわけでございますけれども、そうしたものという認識でございます。  確かに、先生がおっしゃいますように、ある意味においては、そういうものはどこかに隔絶をしたレベルがあるわけではなくて、直線でつながっているもののあるところにある種の政策判断を加えて、経営資源の不足あるいは規模の小ささというものをどこにするかは、ある意味では政策判断の問題という御議論は中小企業政策審議会の中の御議論からも推定がされる考えではないかというふうに私は存じております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 中小企業の政策というのは大変幅が広くて、質問も焦点を当ててするのは非常に難しいなというふうにつくづく思うわけでございますけれども、果たして日本の中小企業の政策というものは戦後成功したと思われますでしょうか。大臣でもどなたでも結構でございます。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 大変難しい問題でありますけれども、しかし、日本の戦後の経済の歩みの中で中小企業が果たしてきた役割というのは非常に大きかったと思うんです。にもかかわりませず、例えば昭和三十八年にできた中小企業基本法というのは、今もお話がありましたように、どちらかというと大企業に対する中小企業あるいは零細企業という感覚、そして近代的な大企業に対して非近代的なものあるいは極度に弱いもの、だから保護なんだ、お守りするんだ、こういう視点でとらえてきた。  私は、現在の中小企業の全体に占める数においても働く人たちの数においても、このような単なる保護、育成するという対象で考えるのではなくて、これからの日本の経済を支えていく存在なんだ、むしろ牽引車になってもらうんだ、そのために自助努力に正面から協力をしていくとか、あるいは新しい企業の創業のために中小企業が大きな役割を果たしてもらうとか、いろんな角度から中小企業に対する発想の転換というのをしていかなければならない。そんなふうに考えて、これから行われる臨時国会、中小企業国会と小渕総理がみずから提唱しておりますのもその意味合いだろうと思いまして、これから皆さんの意見を聞きながら本格的な中小企業問題の解決を図っていきたいと思っています。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 私も浅勉強でございますけれども、私は、日本の中小企業政策というのは今まではなかった、もっと言うと、失敗したということだと一つ結論づけたいと思っております。  と申しますのは、冒頭申しましたように、独占というものがございまして、これを財閥解体、戦後の民主化、経済の民主化というところから、中小企業基本法、設置法が施行されてやってきたわけでございます。  民主化ということは、簡単に言うと数をふやして、要はみんなで競争してそれでよい物を安く売ってもらおうじゃないか、こういうことだったと思います。ところが、その方針が一転するわけでございまして、御案内のとおり、ドッジ・ライン、傾斜生産方式、重厚長大なところに傾斜して、とにかく産業構造というのをピラミッド構造につくりかえようということで、もう一度国力を上げるためだと思いますけれども、ぐっとそちらへ展開していくわけでございます。  そして、産業構造を展開する場合に、要はこういうピラミッドでございます。このピラミッドの頭を動かしたときに、体にあるのが大きな中小企業でございまして、全従業員、現在でいえば七八%、当時でいえばもっとかもしれませんけれども、そういった中小企業の方々が、頭が、産業政策が変わる、それにつられて、何というんでしょうか、体の方がなかなかいれなくてぼろぼろっと雇用が落ちていく、その雇用を支えてきたのが中小企業だったんですね。  そういう中で、つまり産業構造を率先して中小企業がしてきたのではなくて、政府による産業政策の、ある意味で犠牲とは言いませんけれども、とにかくなるべく雇用というのをこぼれないように守ってきたというのが実は中小企業の意義であったし、そしてまた政府側もそういうふうに認めて保護しなきゃいけないと。今大臣の御発言のとおりだったと私は思うわけでございます。  ところが、申し上げたいのは、これは中小企業白書にもありますように、会社数の推移、ちょっと見にくいのでパネルにすればよかったんですが、(資料を示す)実はもう明治からずっと急カーブでございまして、要は企業数がどんどんふえていくんです。合理化、近代化、または凝縮して企業数を減らそうと政府がどんなにしても、大企業中心の産業政策の途中でこれはずっとふえていったんです。  だから、要は産業政策、基本的にそういうふうに合理化、近代化しながら傾斜生産でいこう、こういうピラミッド構造をつくっていけば間違いなくできるという信念のもとでやってきて、成功はしたとは思うのでございますが、中小企業政策ということで一点言えば、数という意味でいえばこれは実は失敗している。要は、集中して選択して産業を育てようという思いが政府にあって、それとは反する方向にずっと動いていったというのが私の印象でございますが、いかがでございましょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 先生の今御指摘の点は、今回の中小企業政策審議会で大臣の方からお話し申し上げた理念の次に出てくる議論として出た、まさに今回見直すべきであるとされた点でございます。  そうしたいわゆる二重構造論と言われる考え方のもとに、底辺にあると認識をされた中小企業の、どちらかといえばハードウエアの世界で規模を大きくすることが中小企業問題を解決する手法であるという理解が現行の基本法の中には流れております。  したがって、そうしたハードウエアの世界の規模を大きくすることを中心とした政策をやるべしということでございますけれども、今回の政策審議会での御議論は、まさに中小企業を中小企業として正面から認めて、その存在意義というものを認めて、その上でその意義、役割を果たしていただくために足らないものを政策として施す、これが中小企業政策だというふうに理解すべきであるという提言になっております。  私どもも、中小企業は中小企業として立派な役割を果たしていただけているし、また今後もそうしていただく存在なんだというふうに考えて対応したいと考えております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 かいつまんで、成功したか失敗したか教えてください。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 成功、失敗はなかなか、実体の経済でございますけれども、確かに一部には規模を拡大するという政策によって成功したものもございます。しかしながら、私ども基本法に反しない範囲において中小企業政策そのものも時代の環境に応じていろいろな対策内容を変更いたしております。  その結果として、それなりの時代の変化に対応した施策により、またその効果によって、中小企業者の活力、努力というものが何よりも第一でございますけれども、それによって日本経済がここまでやってこれたのではないか、そのように考えております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 私はそれは違うと思います。それは企業の皆さんが一生懸命駆け足でついてきてくださっただけです。  なぜならば、例えばこれは中小企業白書の中にもありますが、経営実態調査の中で中小企業政策の問題点とあります。まず第一番目に多いのは、利用するのに手続が面倒、四四・六%、どんな施策が行われているかわからないが三九・二%、要件が厳し過ぎて利用困難が三三%、一社当たりが利用できる融資枠や予算枠が小さい、三一・七%、このようでございます。  また、もう一点、これも中小企業庁さんが調べられたと伺っておりますけれども、いわゆる小さなトップシェア企業、グローバルニッチの企業、資本金が二十億円未満並びに売り上げが五百億円未満の企業、株式会社産業立地研究所調べでございますけれども、つまりグローバルニッチとは、小さいけれども日本のシェアが六割、七割、八割、九割、世界でも例えば二割、六割、一〇〇%の企業もあります。こういった企業を県別にとらえられた表でございます。要するに、この企業の皆さんが、つまり中小企業政策というのが成功しているということであれば、まずは喜んで例えばそういう施策を使われておるというふうに私は思うんです。  だけれども、ここの中でどんな施策を使われているかというのを見ても、例えば創造法であるとか、それから投資育成会社からの株式、社債の買い取り、こういったものとか、VECの債務保証とか、こういったものを含めても一割ないんです、使っているものは。  ですから、今申し上げましたように、こういう優良企業についても、要は、頑張っているいわゆる一般的な中小企業の皆さんについても、今までの政策は不満であるというのが私は結論であると思っておるわけでございますが、いかがでございましょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 御指摘の点、私ども今回の政策の見直しの中でも、中小企業者の立場に立った使いやすい、使い勝手のいい政策というもの、あるいは実効性のある政策にという問題点の指摘もいただいておるところでございまして、今御指摘の点を踏まえまして、私ども可能な限りユーザー側の立場に立った政策の再構築ということに努めていきたいと存じます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 余り定性的な話をされるのではなくて、もうちょっと具体的に話してもらえませんか。つまり、どういうふうにしたらユーザー側の使い勝手がよくなるのか。どういうふうにお考えですか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) もろもろの融資制度の手続、書面の多さとかというような点に関してはこれまでもいろいろな形で改善をしてきておりますが、何よりも私ども考えておりますのは、今回、今まさに検討をしてできる限り早い機会に得たいと思っておりますのは、融資制度とかそういうものも重要でありますけれども、別途、もろもろの経営資源の不足を補っていく上で非常に実践的なあるいは実務、専門的な人材、そういった人たちの支援体制を構築するということが非常に重要であると思っております。  非常に限られた人たち、あるいは行政の人間だけで中小企業者のさまざまな悩みの解決ということができるものではない。その意味において、同じお金を使うにいたしましても、そうした民間にあるもろもろの能力を活用させていただくような仕組み、それができるような仕組み、そういったような形に例えばしていくということが大事ではないかと思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 例えばどういうことでしょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 私ども、まだこれから政府部内で議論をしていかなければなりませんけれども、従来、中小企業指導法という法律のもとで行ってまいりましたいわゆる指導事業と言われる経営診断、指導と言われるような仕事でございますが、こういったものにつきまして、例えば全国に三百程度の地域のセンターをつくり、それをさらにサポートする意味で県レベルのセンターあるいはナショナルレベルのセンターというようなものをつくりまして、そこにもろもろの、例えばアメリカの退職エグゼクティブと言われるような退職者を含めた専門的、実務的な人材のデータベースを構築する、あるいは研究者あるいはもろもろの専門家の人たちのデータベースをつくる、あるいはその地域にある企業のデータベースをつくる。それによりまして、中小企業が個別に毎日のように出てくるいろいろな課題に対応する、そこに実務的、実践的なアドバイスが与えられる、あるいは相談に乗ってあげられる、そういういろんな広範な課題があるわけでございますので、そうしたようなものにどこにでもアプローチができる。  先生もよく御案内のことと思いますが、アメリカ中小企業庁がSBDCというネットワーク体制をつくっておりますが、私どもも、あれの成功を見てそれに学びながら日本版のそうしたようなものをつくっていくということも必要ではないか、このように思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 私もアメリカで学んだ方でございますけれども、何かいわゆるアメリカやイギリス型になるのが非常に好ましい、こういうやっぱり議論になっちゃうわけですね。政策もアメリカのSBIRとかそういうふうに出るんですが、どうしてもそういうふうになってしまうんですけれども、果たして本当にそれでいいのかというのは私つくづく考えなきゃいけないことじゃないかなというふうに思うんです。  九月二十二日に中小企業政策審議会の中間答申が出まして、事前にいただいておりましたけれども、中小企業に期待される役割というのは、一、市場競争の苗床、二、イノベーションの担い手、三、就業機会創出の担い手、企業家精神の発揮とかいうことですね。四、地域経済発展の担い手、こういうふうに書いてございますけれども、技術とか地域の活力を高めていく、こういうことに集約されるかと思います。  私は、大きな欠落がこの中にあるのじゃないかなというふうに思えてならないのは、やはり人間が人間らしく、そして雄々しく、時には本当に元気に生きられるのは、やっぱり仕事がある、天職と言われるような仕事があることだと思います。つまり、雇用にもっともっと焦点を当てたような、雇用を創出するような、そういうものはできないんだろうか。欧米型、もちろん雇用も創出しました。いろいろ諸説紛々ありますが、いわゆるニッチな企業が八〇年代中盤から九〇年代中盤にかけまして一千九百万人とかという雇用を生み出していく中で、要は大企業が三百七十、八十万人減らしていく。都合一千五百万人ぐらい雇用をふやしたじゃないか、こういうようなお話だと思いますね。しかし、アメリカ型のような雇用のふやし方、それに追従していくのが本当にいいのかどうかなというふうにつくづく思いながら私は見ておるわけでございます。  なぜかと言えば、例えば今月の三日にソニーの盛田さんがお亡くなりになりました。同郷のよしみというか、大先輩でございまして、本当に尊敬をいたします方でございます。たしか会社を設立されたのが、ちょっと資料が今紛れておりますが、二十五歳ぐらいだったと思います。そのころに初めて会社を設立されたわけで、東京通信工業、現在のソニーを設立しました。または、やはり同郷でございますが、トヨタの前身をつくった豊田佐吉さん。この方は一八九九年、ちょうど百年前に井桁商会ということで三井のバックアップを受けて三十二歳のときに創業し、織機をつくって、そして自動車になっていったわけです。  こういう方々が、盛田さんなんかがよく言われるように、企業の使命というのはやはり雇用である、そしてまた先見性であると。「「NO」と言える日本」という有名な本がございますが、この中でもたしか述べていらっしゃったと記憶しておりますけれども、日本は、例えばトランジスタラジオから白黒テレビ、カラーテレビ、そしてVCR、そしてまたビデオカメラですか、十年ぐらいのサイクルで考えて、十年先を見ながら何をどうしたらいいのかということでやってこられた。まさにソニーの発明力と、そしてまたそれを売り込んでいく、商品化していく能力がそこにあったということだと思います。  アメリカで当時、「「NO」と言える日本」というのが発売された当時でございますから随分前でございますが、言われたのは、アメリカでは十分先のことしか考えないというような話でございます。これは為替のトレーダーとかそういうことでございますけれども、これではアメリカはいずれだめになるなと、こう言われたのがたしか十数年前だったと思います。  今はアメリカは好況のように表面づらは見えますけれども、相対的に言えるのは、例えば先般も日本に来ていましたジャック・ウエルチ、彼はGEの会長ですし、CEOです。このGEが今威張っています。元気がいい。ところが、要はエジソンから始まったGEですね、言ってみれば。この本体は何かというと、GEキャピタルです。金貸しです。GEエジソン生命ですよ。今や物づくりじゃないです。そして、雇用だって三十万人いたのが今十万人しか雇っていないんですから、二十万人も失業させておいて威張っている会社があるんだ。そんなものがあってしかるべきか、そんなものをまねしていいのか、私はつくづく何を日本に来て威張っておるのかというふうに思っておるんですが、いかがでございましょうか、通産大臣。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) この間、GEの会長が私の部屋にも寄りまして、結構謙虚な態度でございました。  余談でございますが、そのときに自分が関係している日本の企業をわずかな間だが一回り回って、大分上向きになってきているという印象だということを語っておりました。余分なことでありますが。  しかしいずれにしても、議論をもとに戻しますと、中小企業の政策が失敗であったかどうかという問いかけに対しては、失敗だという言葉はもちろん言うべきでないし、そう思っておりませんが、足らざるところが多かったということは言わなければならぬと思うんです。  しかし、それは戦後の経済復興の過程の中での、例えば世界の国に追いつこう追い越そうという動きの中でのさまざまな影響というものがあったわけでございまして、まさに時代が変わってきた、これからはむしろ牽引車は中小企業だと、ここに視点を置くということは私は前進だなと、こう思っているわけであります。  そして、中小企業と一言で申しましても、さまざまな多岐にわたるものでございまして、例えば、今度製造業でいうと一億以下の資本金を三億以下に変えると、一万六千社ぐらいの中堅企業が中小企業という形になるわけであります。そうすると、例えば融資の面でいうと、政府系の金融機関から借りられる。そうすると、民間から借りるときに非常に渋られたものが、それをうまく対応することによってより効果を上げることができる。  あるいは一方においては、先ほどお話がありましたように、非常に小さな中小企業については、まずノウハウがわからない。一体何がそこに足りないのか、いろんなそういうノウハウをきちっと御指導申し上げるような機関が必要ではないか、それがセンターという発想にもなってきているわけであります。  さまざまな多岐にわたる中小企業全体を考えながら、それぞれの位置づけでどう対応するか、そういう政策をこれからとっていくことが中小企業対策だというふうに思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 そんなに謙虚な方だとは知りませんでして、おわび申し上げますが、今、中小企業の定義というお話が出ましたので、そちらの方に話を移したいと思います。  資本金の方はメーカーが一億から三億へというふうにふえていき、そしてまたサービス業と小売業、ここを分割しながら、サービス業は人数を百人にふやし資本金もふやし、こういうように基本的には資本金をふやしたということでございますけれども、例えばゼンセン同盟という組合がございます。こちらに加入されている小売業の平均人員が十六人でございます。ということは、小売業の方が要は三店、四店持つとこれは中小企業でなくなるということでございます。ちょっと間違っていたらあれですが、たしか今の定義だと五十人ということだったですね。  ですから、私は、二十六年ぶりの改定ということであるならば、資本金だけふやして人数をふやさないということはおかしいじゃないか、これは合理性が全くないです。しかも、中間答申を見ても余りしっかりした論拠が書いてないんです。ですから、これは私は人数をふやすべきだと思いますが、大臣いかがでございましょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 基本法の御議論の内容にわたることでございますが、今の御質問の点に敷衍して申し上げれば、サービス業とか小売業とか製造業とかというような形で大分類で昭和四十八年以来の趨勢というものを全体として見ますれば、従業員数というのはむしろ企業単位で見まして縮小の方向にございまして、その中で唯一、サービス業だけが企業単位で見て従業員数は拡大をしております。全体が縮小する中で小売業も従業員規模というのは企業単位で見て縮小いたしております。  そういうことの中で、他方、資本金という面で見れば、この二十六年の間にもろもろの物価の上昇とかそうしたような形で増加をいたしておりまして、もともとの、基本法が従業員と資本金をもって中小企業を定義するという考え方、これは踏襲をさせていただくとして、そういう全体の傾向の中から、審議会の中ではただいま先生が御指摘になられましたような従業員についてはサービス業のみをいじると申しましょうか変更をするということが適切なのではないかというような御議論であったわけでございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 意味が余りよくわかりません。全体の平均人数が減っていると言われましたけれども、しかし実際に私が調べたものでは、さっき言いましたように、例えば小売業でいえば、ゼンセン同盟傘下の商店の方は十六人いらっしゃるんです、もちろんこれはパートの方も合わせておりますが。しかし、ちょっとこれは合理性がないと私は思います。  ですから、これはしっかりもう一度よく見直していただいて、やはり人数的にも、銀行だって、きょうも出ておりました、住友とさくらがくっついて大きくなって体力を増強するわけでしょう。ですから、これからはそういうふうになっていくならば、やはりもう少し人数の方もふやしてもいいと思いますので、見直しをぜひお願いしたいと思いますが、大臣よろしくお願いします。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 中小企業基本法をどう変えていくかというのは、今、専らやっている作業の最中でございます。臨時国会に間に合わせて具体的な形をお示ししていこうと思っております。先生の御意見もよく承りました。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いを申し上げます。  次に、決算委員会でございますので、決算の話、予算の話といったものをしたいと思っておりますが、その前に今までの中小企業政策の話でございます。  そこそこできたんじゃないかという御答弁もございましたけれども、今まで、予算、決算をもちろん含めてでございますけれども、この五年間、中小企業対策予算というのは大体総額どのぐらいで推移してきたか、まず初めに伺いたいと思います。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 予算の規模でございますが、私どもで予算の言葉として歳出予算現額という、いわゆる補正後と申しましょうか、そうした金額でございますが、平成六年が千七百億強でございます。平成七年になりますと、これは補正の金額が多きゅうございましたので三千八百億を超えております。平成八年が千二百七十八億、平成九年度が千五百三十五億、平成十年度には特別保証もございましたので五千八百五十四億、平成十一年度がこれまでのところ千四百五十九億というようなところになっておるところでございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 補正前の一般会計でお願いします。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 当初予算のベースで申し上げますと、平成六年度千二百八十六億、平成七年度千二百三十六億、平成八年度千二百三十六億、平成九年度千二百四十六億、平成十年度千三百十二億、平成十一年度千三百十六億ということでございます。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 これは神わざですね。平成七年度と八年度がぴったり一緒、千二百三十六億。そしてまた、この当初予算はほとんど推移が変わっていない。千二百億の後半から千三百億の前半であるということでございます。  そういう中で、ずっと挙げていただいた五億以上の事業の一覧だけでも六十ぐらいあるんでしょうか。本当に見づらいというか、多岐にわたっていろいろまたがっているというのが中小企業予算のように思うわけでございますが、このあたりというのは、中小企業庁の皆さんから見て整理整とんがきちっとされておるというふうに思われますか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 御指摘のように、中小企業施策はわかりづらいという御批判、御指摘はしばしば私どもも承っておりまして、これまでも可能な限り細分化施策を大ぐくり化するとかいうようなことに努めてはきたところでございますが、同時に、極めて多様な中小企業者にそれぞれの配慮をしたような政策ということになりますと、またそれなりの複雑さというのも避けられないということでございますが、いずれにせよ、できる限りわかりやすい予算体系、施策の体系ということには引き続き意を用いてまいりたい、このように考えております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 もちろん補正で補正していくというのはいいんですが、例えば平成七年、十年みたいに四千億も、または二千五百億も、十一年度もそうですね、四千億。要は三倍ぐらい補正しておる。これは補正というよりも、何と言ったらいいんでしょうか、補正じゃなくて、そのもの以上の、三倍ぐらい大きな予算をくっつけているわけでございまして、このあたりは私はおかしいと思います。  それプラス一般会計予算の、不用額の比較はきょう午前中もありましたけれども、不用額、特に不用率のパーセンテージが中小企業対策費の場合は、平成五年から九年を挙げますと、不用率一・九八、三・五八、二・六四、四・九四%、三・三三%。これは実は平均が〇・八八とか〇・三一とか、つまり〇・〇幾つとか〇・幾つというパーセンテージの不用率。他省庁のものに比べて圧倒的に不用率が高いということでございますが、これでよろしゅうございますか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 私の手元に持っております数字、予算現額との対比と支出済みの歳出額との関係で申しますと、一応これを私ども不用率として通常用いますので申し上げれば、平成六年度が五・七、平成七年度四・三、平成八年度七・九、平成九年度五・五、平成十年度四・四という数字になっております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 ですから、不用率が高いでしょうということを言っているんです。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 午前中にも御質疑がございましたところでございますが、確かに不用率が高いということは認識せざるを得ないというふうに思っております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 これは二つの意味のどちらかだと思うんですね。ニーズがないものをやっているのか、それとも使い勝手が悪いか、どちらかだと思いますが、主にどちらでしょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) 中小企業施策と申しますのは、地方公共団体とまさに協力をしながら、大体の施策というのは国と地方が普通の施策でございますと一対一の負担をし合いながら一緒に仕事をするということになっております。地域地域の事情によりまして一斉に仕事を始め得ないような地域がある場合とか、あるいは地方の財政事情に影響を受けるというようなこともございまして、そうしたような事情によって不用が発生しているものと認識をいたしております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 いやいや、もちろん午前中の御討議でわかっていますが、これ見てみますと、例えば下請振興法なんかもずっと決算額で半分ぐらいしか使われていないんですね、これは六年から十年まで過去五年だけ見ても。それから、近代化資金なんかはもっとひどい、二十分の一ぐらいしか最近は使われていないというような、常にマイナスのものがあるということがまず一つ。  もう一つは、新分野進出円滑法とか産学連携の費用、このように例えば新分野円滑法みたいに六倍ぐらい支出されているもの、産学連携のように常に予算よりも多い額を使われているもの、非常にちぐはぐになっておるんですが、これはどういう理由でございましょうか。

岩田満泰中小企業庁長官

○説明員(岩田満泰君) この不用に至っているものの中の、そういう意味で不用率が各年比較的高いものと申しますのは、どちらかと申しますと、ただいま下請の例を最初にお挙げになりました。これも確かに不用が比較的連続して出ているケースではございますけれども、やはりハードウエアに関連をする、例えば商業基盤施設の整備というような土地の取得、あるいはそうした権利者の調整というようなことが伴うものというのが不用が立つ項目としては一番大きなものとなっているというふうに理解をいたしております。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 時間がもうなくなってしまって、全然質問したいところがまだでございますので、次の中小企業国会のときにしっかり質問を、また政策を出してまいりたいと思っております。  今のように不用額、片や先ほどほかの委員が御発言されたSBIRは七・何倍だ四・何倍だとこうやって威張って言っていらっしゃるわけです。片や近代化資金、二十分の一とか三十分の一とか全然使われていないもので改廃が検討されておるというふうに伺っておりますし、とにかく全体の一般会計の予算が千二百の後半から三千三百で全然変わらないで、補正だけで、まさに補正というよりも補正という名の本予算というような組み方しかしていないというのは、これは絶対に僕は予算制度のおかしさだと思うんです。絶対そう思います。大臣、どう思われますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) さまざまな御意見を承りました。十分にお受けしなければならないテーマはたくさんあるというふうに思っています。  不用額の問題にいたしましても、やはり適正なきめ細かな配慮で予算を配分していくということがとても大事なことです。それから、やはり本予算に重きを置くというのは考えていくべきことで、これからの中小企業対策の大きな転換期でありますから、それらを踏まえて対応していきたいと思います。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 最後の質問になるかと思いますので慎重に選びながら質問をさせていただきたいと思うんですが、我々民主党としましては、私としましては、国づくりというのはやはり物づくりだ、物づくりというのは人づくりだ、やはりここに日本の一番の中心的な課題を置きたいなと。  一トン二千円の鉄鉱石が板になるとトン当たり五万円になり、それが自動車になると二百万、百万になっていく、これがまさに付加価値の付加価値たるものでございます。今までどうしても円高になると工場が出ていくとか、こちらで考えたデザインを海外で生産したらいいんじゃないかと、こういう考え方は実はもう世界的には古い。まさに産業の連携というのは、バリューチェーンというのはアップストリームからダウンストリームまで生態系のようにつながっている、これがもう世界の潮流でございます。この潮流を切っては絶対にいけないというのが本当に私思うことでございまして、もちろん新しい時代は脱工業化時代ということでございますけれども、しかしよく考えてみれば、着ているものもそうだし、食べるものもそうだし、脱工業化または農業化しても、やっぱりそれはそうじゃなくて、今までのポーションはあって、それプラスアルファの部分が若干ふえるということだと私は思います。  ですから、アメリカは、さっき言いましたようなIT化、コンピューター産業またはサービス化ということだけでGDP全体を引き上げておりますけれども、これはいずれ破綻しますね。だから、やはり物づくりというものを大事にした、イギリスでもアメリカでも実現できていないような、企業の国際競争力を保持しながら人間生活の豊かさの共存をもっと向上させていく、頑張った者が本当に報われる、さっきの原子力の話もそうでございますけれども、やはりそういう社会を今二十一世紀の日本は目指していかなきゃいけない。  その中小企業を国会で、中小企業を今までのように保護していこうということから、その力を使ってまさに産業転換を図っていくというのが今回の中小企業国会の、またこれからの通産政策の一番の柱になると思うわけでございまして、そういった意味でも、全体、要はどういう国家に、どういう産業体系、構造に大臣としては持っていきたいのかということをぜひ伺って、私は質問を終わりたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) さまざまな御意見をちょうだいいたしました。今までは世界の経済の戦いの中で大企業が大きな役割を果たしてまいりました。その陰でといいましょうか、十分足らざるものがあって、そのために中小企業の皆さんも苦労なさった。その苦労が報われるような仕組みというものをつくっていくことがこれからの私たちの大事な役目だと思っています。  そのためには、中小企業というのはどういう存在であるべきか。中小企業の中に、先ほどのソニーのようにやがては世界のソニーに育っていくのもありますから、そういう育てることも含めながら考えていくということがまさに中小企業国会だと思っています。  大勢の皆さんの意見を聞きながら、御期待に沿うような中身と結論を出すべく全力を挙げたいと思っています。

木俣佳丈民主党・新緑風会

○木俣佳丈君 時間でございますけれども、最後に、ぜひ我が党の意見も十分にまたお入れいただきますようにお願い申し上げます。  ありがとうございました。

山本保公明党

○山本保君 公明党の山本保です。私、十分間しかございませんので、要領よくお聞きしたいと思います。  今、図らずも、最後に木俣委員の方から、本当に予算に反映しよう、政策に反映しようということで、全く私なんかと一緒に木俣君も仕事をやりたいなというような気がしておりまして、レンタル移籍でもできぬかと感じたわけでございます。  それできょうは、今ちょうど木俣さんが中小企業、朝からも話があり、私もそのことについてお聞きしたいんです。  言うならばその中で、今までの施策がよかったか悪かったかということは少しおきまして、ポジティブに新しい課題ということで、今まで公務員が独占していた、特に私の専門であった例えば福祉でありますとかごみでありますとか、どこが共通するのかというと、汚い仕事、福祉に対して失礼な言い方ですが、しかし汚い仕事というのは役所がやるんだと。この体制が、今で言えばアウトソーシングと言ってもいい、民間が支えつつ、民間が地域の中でそれを拡大し、仕事を事業として行っていく。これは、まさに今までの感覚で言えば非営利でやると。しかしながら、介護保険も始まりますけれども、株式会社でもいいと言っている。実は、この非営利と営利というところが今非常にクロスしておるわけであります。この辺についてお話を伺いたいと思っておるわけであります。  ちょっと先に申し上げますと、十二月の予算委員会で、前の与謝野大臣とこのことについてお話をしましたところ、大臣は、中小企業基本法というのは非営利を含まないんだ、というよりも、NPOというのはもともと営利というものを含まない、事業というものを含まないんだと。NPOというものはボランティアのことをいうのであって、そんな仕事をやる話じゃないんだというような認識を示されまして、私とちょっと論争になったわけであります。  私は、もちろん今すぐここでこれを大転換ということは難しいかもしれませんけれども、通産大臣、今いろいろお話がありましたように、図らずも中小企業基本法を大改正しようという話だそうであります。ですから、ここで私は、今申し上げた、政府の方もこのNPOというのが雇用対策であるとかまたは新しい産業構造のセクターとして重要ではないかということが今打ち出されております。前の与謝野大臣はどうも反対されたようであったけれども、着々と進んでいる。こういう状況の中で、一度これを考え直す必要があるのではないかという趣旨で三問ほどお聞きいたします。  最初に労働省。申しわけございません、来ていただきまして。この補正予算で緊急地域雇用特別基金事業というのがあった。この中で私も注目しておりますのは、雇用対策の一環としてNPOというものの活用がうたわれたということであります。私も党内で主張し、我が党も各県にそういう話を出しておったわけでありますが、さてこの交付金、大体決定したようでありますけれども、どの程度NPOに使われているのか、数字について御説明いただきたいと思います。

渡邊信労働省職業安定局長

○説明員(渡邊信君) この特別交付金でございますが、ほぼ交付を終わりまして、NPO関係では、NPOに事業を委託するというものが約十億円、それからNPOの指導者を養成するというようなNPOの育成に関する事業として約八億円というふうに現在把握をしています。  ただ、これは県が委託をするというもののごく一部についてでありまして、市町村はこれから委託先を決定するというふうなことでありますから、NPO関係の事業もこれからまだ上がってくるのではないかというふうに考えております。

山本保公明党

○山本保君 今のお話で、事業関係が十億円という数字を私も見せていただきました。私の方にもそんな話が参っておりまして、まだ実際にはこれからどこへ委託する、やっていただくかということは決めていないところが結構あるようでございます。  私は、この趣旨で、NPOというのが、こんな言葉はまだ正式じゃありませんけれども、ボランティア型NPOと事業型NPO、本来事業型というものがNPOだと私は思っておりますので論争してきましたけれども、今のNPO法は両方とも含むと考えまして、この事業型NPOというものを政府として初めて産業また労働雇用政策として取り上げたということに意義があると思っておるわけなんです。  ただ、残念ながら急に決まった予算であったということもあって、そして各県、新しいものについてはなかなか取りつきにくいということで、どうも思ったように伸びていないんじゃないかと思いますので、局長、ぜひもう一度ここは一押ししていただきまして、この趣旨が徹底するようにお願いしたいということをここで申し上げます。  次に移りまして、ちょっと順番を入れかえさせていただきましたが、通産大臣にお願いしたいんです。  先ほども申し上げましたけれども、中小企業基本法というのがあって、ここには業を営むと書いてあるわけなんですね。確かにそれに絡む関連の法律を見ますと、みんないわゆるお金もうけのことが書いてあるんです。しかし、もう一度見直してみますと、昭和三十八年のときには、お金持ちの仕事ともう一つは公務員型の仕事、二つの単純な立て分けであったはずなんでありまして、民間だけれども人のための仕事というような分野、もともとそういう実態がなかったわけですから、もともと中小企業というような考え方、企業というような考え方にお金もうけだけというのが入っていったのは当然だと思うんですよ。  しかし、今や、先ほどの介護というようなことを一つの例として、大分両方が浸透してきているというときに、私は法解釈論としてどうだという提案をしたところ、それはノーという答えだったと思うんですけれども、これから検討しますよというときに、ひとつ中小企業という概念でそれを入れられたらどうだろうか。  それから、もう一つついでにといいますか、もう一つ例として、例えば企業組合というのがある。これはほとんど、ほとんどというかなかなか使われていない。私も勉強しましたら、なかなかおもしろい制度で、組合員以外にも使えるとかあるんだけれども、やはりまた使いにくいこともあって使われていない。この分野では、今まで非営利と言われた介護などについてもその仕事を企業組合でやりましょうというような動きもあるようであります。これなんかも一つの、まさに今までの通産省の所管と言っていたものが広がりつつあるわけでございますが、こういう具体的な例も含めまして、通産大臣、この辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) NPO法というのがございまして、これは民間ボランティアが保健、医療、福祉、環境など、いろんな分野で活動するということで、営利を目的としないということになっておりますから、そういう意味ではここにただいま御発言になったような内容を盛り込むということは、前大臣と同じように無理だというふうに私は思っています。  しかし、今も例えば企業組合の活用ということについての御指摘がありましたが、私はこれの活用は極めて有効であるというふうに思っております。現に、数値を見てまいりましても、そういう組合の数は今二千件を超えておりまして、これからはだんだんにふえていくのではないだろうかというふうに思います。そして、そういうような企業組合の現にスタートしているところの四〇%は組合から会社形態への組織変更を求めておられるというふうにも聞いております。  ですから、次の国会では、中小企業組合から例えば株式会社等への組織変更を認めていくにはどうしたらいいかということなど、検討していく必要があると思っております。

山本保公明党

○山本保君 ありがとうございます。  ただ、大臣、ちょっと一言だけあれですが、企業組合は、私の聞きました限り、ふえているのではなくして当初より減っているのではないかと思うんです。  それは、最後におっしゃいましたように、使いにくい、またベンチャーなんかで行うためのものであるのにそれが実際には移りにくい、こういう問題があるということは今おっしゃったとおりだと私も思います。使いやすくし、そしてその後の展望をつくればふえるわけでございまして、今までの形ではほとんどふえていかないんじゃないかなと思っておりますので、ぜひここは直していただきたいんですが、もう一言どうでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ただいま申し上げたような中小企業組合という形でスタートしていただいて、それが株式会社へと進んでいけるような、そういう道筋をつくっていくことは大事だと思って今検討しております。  十分御意見を伺いたいと思っています。

山本保公明党

○山本保君 最後で申しわけありません、堺屋長官にお願いいたします。  実は、丁寧に考えますとちょっと論が矛盾しておるかもしれません。しかしここはお許しいただきまして、もう長官よく御存じだと思いますが、特定非営利活動促進法、NPO法ができましたときに、この法にはやはり欠けているところがあるわけであります。いわゆる税の控除など優遇措置であります。今、全党からそれを行うべしという声も上がっているわけであります。  今、通産大臣の方から企業組合というのが出てきまして、企業組合とNPOはどこが違うか。今は会社の方が楽だという話があるわけです。私のところにも、介護をやろうと思ったら有限会社をつくった方がよかった、NPOだと何も支援がないけれどもと。この半年間のことで有限会社にした例を私はよく知っております。その方が応援があって仕事ができやすい。これはお金を出すとか出さないということはできませんが、しかしNPOに対する税の支援が必要だと思うわけであります。  今、経済企画庁長官はどのような態度でこれについてお取り組みなのか、またその決意をお聞かせいただいて、私の最後にいたします。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のとおり、特定非営利活動法人制度というものにつきましては、国会の決議におきまして、特定非営利法人の実態等を踏まえて、税制等を含めた制度の見直しについて、法施行後二年以内に検討し、結論を得るものとするという附帯決議をつけていただいております。  したがいまして、税制上の優遇措置などの制度のあり方も、今後NPOの活動の実態等を踏まえて立法府等各方面で検討されるものと考えておりますが、この法律の所管をしております当庁といたしましても、本年四月から国民生活審議会において税制を含めてNPOに対する政策対応について調査審議しているところであります。  現在まで私どもの方にいろんな団体がNPO法人として認証されておりますが、内容を見ますと非常に千差万別でございまして、一概にどうと言うことができない。また、その千差万別であるところがこれのいいところであって、どんなところでも認めていくというのが基本だと思います。  そういった実態も踏まえて、これはよくよく検討してまじめな団体の期待にこたえられるように考えていきたいと思っております。

山本保公明党

○山本保君 ありがとうございます。終わります。

益田洋介公明党

○益田洋介君 通産大臣が就任直後のある新聞社のインタビューに答えまして、非常に興味深い発言をされておりました。  まず通産大臣として何に取り組まれますかという質問に対しては、政治家としての私の頭の中には常に中小企業のことがあるんだ、中小企業に元気を出してもらわなければ日本の経済の立て直しというのは考えられない、そのような不退転の決意で次国会に臨まれるということでございます。さらに通産大臣が述べられましたのは、理念として、中小企業というのは旧来的な考え方で保護、育成するんではない、これは先ほど同僚議員の質問に対する答弁の中でも繰り返しておっしゃっておりました。むしろ経済の牽引力になってもらうべきなんだと。これは一つの新しいテーゼといいますか大きなテーマとして、日本の企業社会の構造転換という考え方から非常に私はフロントランナー的な大臣の発想だというふうに思って聞かせていただきました。  それでは具体的にそうしたことを実現させる施策は何なのか、こういう質問に対して、大臣は、ベンチャー企業の立ち上げに対して予算、税制面でさまざまな施策を講じたいんだと。さらに第一点、資金の供給方法を検討する。これは中小企業庁から昨今出されました臨時国会提出予定法案というのがありまして、ここにさまざまなお考えが述べられているので本日は割愛させていただきます。二番目に、多額の相続税が事業を継承する上で負担になっている。これも正しいことだと思います。三番目に、ベンチャー企業への投資に対する優遇税制、いわゆるエンジェル税制ということを挙げられています。  二番目の税制改正でございますが、やはり相続税の最高税率が日本の場合は高過ぎる。アメリカの場合は五五%、フランス、イギリスの場合については四〇%、さらにドイツに至っては三〇%、それに対して日本の最高税率は七〇%。これはしばしば通常国会におきましても機会をとらえまして大蔵大臣や総理大臣とも議論いたしまして、最終的には、総理みずからの口から最高税率はやはり欧米並みに下げたいと述べておられます。  一方で、私は気になる一点は最低税率でございまして、これはアメリカの場合は三七%、イギリスの場合は四〇%、それに対して日本の場合は一〇%でございます。だから、税制というのは、御承知のことだと思いますが、やはりバランスのとれた税制というのを考えなきゃいけない。最低税率についても是正をするというお考えは大臣ございますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) このたび通産大臣に就任するに当たりまして、さまざまな抱負といいましょうか、そういうものを発表いたしました。  私は、通産行政というのは大変多岐にわたっているとまず思っています。通商政策、中小企業政策あるいはエネルギー、地方の経済、さらには技術とか、そういう多くの問題を抱えていますから、しかもそれがすべて日本の経済に直結していますから、相当な努力をしなければならない大変な仕事だとまず認識をしています。  そういう中で、小渕総理が中小企業国会と次の臨時国会を定めて、この機会に中小企業の今までの基本的な理念も大きく変えていこう、そして時代の先頭に立って、むしろ牽引車の役割を果たしてもらう、そのためにはどうしたらいいかということを議会において皆様と協議していこうということに相なりましたので、私はこの総理のお考えはまことに時宜を得ていると。長年、中小企業の町に育ってきた私としては、まさにさまざまな問題を認識しておりますから、それを生かせるような努力をしてまいりたい、そんなふうに思っているわけでございます。  そういう中の一つに、例えば税制問題が当然入ってまいります。事業を承継するためにはどうしても相続税の負担が多い、そのために三代中小企業を交代すると財産がなくなってしまうと言われた。近ごろはもっと早いじゃないかという議論さえある。ですから、こういうような状況の中で、例えば相続税率の引き下げとか、あるいは取引相場のない株式の評価の見直しだとか、さまざまなことをやっていかなければならないと思うわけであります。  ただこれは、中小企業対策として考えていき、当然大蔵当局、関係当局と十分な話をしていかなければなりませんし、また与党並びに野党も含めた各政党、各議員のお声も反映していかなければならないわけで、中小企業を活性化するために必要な税制の改正はやりたい、そのためにあらゆる角度から働きかけていこう、こういうような考え方を持っているのでございまして、そういう立場で努力をするということであります。  したがいまして、税の最高税率あるいは一番下の税はどのぐらいがいいのかということにまでこの機会に私が言及するのは必ずしも正しくないと思っております。

益田洋介公明党

○益田洋介君 次に、やはり中小企業の問題でございますが、最近社会問題化しておりますいわゆる商工ローン問題でございます。  大臣御承知のとおり、これは高金利で貸し付けたあげく脅迫まがいの強引な取り立てをするということで、現在わかっているだけで被害者は六十万人を超しているということでございます。これは一にかかって我が国におけるノンバンクのファイナンスマーケットが円熟していないということだと思いますが、やはりこの問題は早急に政府が手を打って解決しなきゃいけない。  ですから、金利の引き下げ、それから債権回収の方法に対する規制、こういった問題をぜひともお考えいただきたいと思っているわけでございます。どのような御所見をお持ちでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 我が国の金融機関は物的な担保を重視するという傾向がございまして、事業リスクの的確な評価に基づく融資を十分行ってこなかったという考え方も一方にあります。これからは、やはり商工ローン等で御苦労なさっているということの裏側には、金融機関が正常な貸し出しを行うとか、あるいはそれを補完する政府系の金融機関がきちっと対応するとか、そういうことが非常に重要なことだろうというふうに私は思っています。    〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕  既に事件になっているような問題等々もございまして、これらについては相当厳しく対応していくことが必要だと考えています。

益田洋介公明党

○益田洋介君 大臣、中小企業問題に関しては政治家としていっときも頭の中から離れたことがないと言われる大臣ですので、この深刻な問題、ぜひとも在任中に解決の糸口をおつけいただきたいとお願いしておきます。  それから、金融監督庁にお聞きしたいんですが、非常に昨今問題になっていますのは、査定を非常に厳しくして、特に地銀、第二地銀に関してでございますが、引当金をもっと積めと言い続けてきている。その一方で、非常に矛盾することでございますが、資本注入する条件として、どれだけ融資残高が伸びたか報告しろと。これは二律背反ですよね。これではやっぱりいじめられているという印象を地銀や第二地銀が持つのは当然だと思いますが、この辺はどういうふうに説明されますか。

乾文男金融監督庁監督部長

○説明員(乾文男君) 金融機関が不良債権処理を的確に進めまして、また、その資本増強等の措置によりまして自己資本比率を改善していくということは、金融機関に対する預金者あるいは市場からの信頼性を高め、ひいては金融システムの安定の観点から非常に重要なことであるというふうに考えているわけでございます。  そうしたことから、昨年の臨時国会、金融国会と言われましたけれども、いろいろな御議論がされまして、そうした中で、国会で制定されました法律に基づきまして資本注入というものも行われているわけでございますけれども、そうした中におきましては、不良債権の処理を的確に進めるという観点から、金融機関において自分の貸出債権の状況に応じた的確な引当金を積むということが必要であるわけでございます。監督庁から幾らを積めということは言っておりませんけれども、それは金融機関自身と、それから監査法人の判断と責任において的確に積むことが求められているわけでございます。  他方、去年の臨時国会で問題になりました民間企業に対する金融の円滑化ということから、早期健全化法の中におきましても、公的資金の注入の中に非常に重要なファクターの一つといたしまして信用供与の円滑化のための方策ということが盛り込まれたわけでございます。これは金融再生委員会の所管事項でございますけれども、既に十九行に対しまして資本注入が行われておりますけれども、その際求められます経営健全化計画の中に、今後民間企業、とりわけ中小企業に対しましてどのように貸出残高を増加させていくかということが求められているわけでございます。    〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕  監督庁、金融再生委員会といたしましては、そうした経営健全化計画の適切な履行を通じまして、金融機関の経営の健全化とそしてまたそうした中小企業に対する資金の供給の円滑化に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

益田洋介公明党

○益田洋介君 最近、自民党の亀井政調会長が非常に積極的で元気な発言を重ねられております。例えば、補正予算額は事業費ベースで十三兆円規模だと言って、整備新幹線に加えて首都圏の第三空港や高速・高規格道路整備だと、さまざまな具体的なプロジェクトまで名前を挙げて言うかと思えば、介護保険制度の全面見直しだと。  さらに、ここで一つ通産大臣に御意見を伺いたいのは、平成十三年四月のペイオフについてはやはり解禁の延長をすべきだと、そういうふうな意見を述べられておりました。これは通産大臣のお考えと若干食い違うような気がいたしますが、いかがでございますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 亀井静香自由民主党政調会長が、もともと元気のいい方でございますから、活発な御発言をなさっていることはよく承知しております。また、私の盟友でございますから、彼が多くの夢を描きながらさまざまな発言をしていることは、それは彼らしい特徴だなと思っています。  ただ、その主張がどう実現されていくかということは、自由民主党の中でも相談事として課題になってまいりましょうし、与党として御党を含むさまざまな政策調整も必要でございましょうし、何よりも一体それができるのかできないのか、政治的な判断を含む行政上の判断というものもございますから、そういう意味では、彼が言っていることそのとおりの答えが出るとは限りませんが、だからといって論理に矛盾があるということは言えないのではないだろうかなというふうに私は思っています。  ペイオフの問題につきまして私の考えを申し上げますと、平成十三年四月に予定されているペイオフの解禁に関してはいろいろ慎重論があることもよくわかっておるのでありますけれども、ペイオフ制度が金融システムの信頼性の維持とか国民負担の最小化に果たす役割を考えてまいりますと、ペイオフ解禁の延期や中止をそう簡単に言うというのは必ずしも正しくないというふうに私は思っています。  ただ、ペイオフ解禁による決済、融資面等における企業活動への影響などを考えてまいりますと、解禁に当たりましては破綻金融機関の極少化、破綻処理における決済機能の保護、間接金融への過度の依存からの脱却など、相当程度の環境整備を行う必要はあろうかと思っております。

益田洋介公明党

○益田洋介君 ありがとうございます。  党の総務会長としてらつ腕を振るわれた大臣でございます。今回、大変重要な中小企業対策を議論する国会を迎えるわけでございますので、ぜひ今度は大臣として敏腕を振るっていただいて、そして日本の中小企業対策に大きなくさびを打ち込むような、そういうリーダーシップをぜひとも発揮していただきたい、そのように思います。  次に、企画庁長官にお願いしたいんですが、まず二〇〇〇年七月の発行を総理が大蔵大臣に指示されたとされる二千円札の問題ですが、これの経済効果についてさまざまな意見が沸騰しております。一つには、コンピューターソフトの業界ですとかあるいは印刷、それから商標、そうした業界については相当な利益がもたらされるであろう。さらには、デザインまで変えるといったタイプのフルデノミが行われる場合には、ATMですとか自動販売機業界に機械の更新が迫られるわけでございますから、相当その押し上げ効果があって、押し上げ効果としてはGDPの〇・六%から〇・八%程度見込まれるのではないか。  それからまた、二〇〇〇年を記念してのイベント効果といいますか、例えば二千円セールやサミット関連商法など、そういうアイデア商品が経済にかなり刺激を与えるんじゃないか、経済効果が生じるだろうという一方で、いやそんなものは余り意味がないんじゃないか、一円が一USドルまた一ユーロと等価になるということで、円の相対的な価値の向上はあるという声がある一方で、やはり紙幣の使い勝手がよくなったり、単位を変えたというだけでは経済的な効果はないんだと、そういった反論もあります。さらには、そうした機械メーカーに特需が生ずる反面、それを装備しなきゃいけない金融機関の収益性は圧迫される。  そういったことで、差し引き効果が出てくるんじゃないか、設備投資そのものについては効果が余りなくて、産業間で所得が再配分される程度ではないかというような議論がありますが、これを長官はどのようにお考えでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) デノミネーションとか二千円札の発行についてどの程度の経済効果があるかということは、現在、定量的に我々の方でもつかみかねております。恐らくいろんな前提を置いて計算しますと出てくるんでしょうが、それはあくまでも前提を置いた話でございます。  例えば、ある民間の調査機関が調べておりますのでは、先生御指摘のように、大体GDPの〇・六%ないし〇・八%デノミで押し上げるんじゃないか、あるいは二千円札で〇・二%押し上げるんじゃないかというような数字を出しているところもございますが、これも内容を見ますと多くの前提を置いておりまして、必ずしもだれもが承知できるものではございません。  デノミをやりましたときにどんな効果が出るか。これは昔、ドゴール大統領のころのフランスが百フランを一フランにした例がございますが、ヨーロッパの中での均衡とか、そういうことを考えればかなり利便性があると思います。日本の場合、ユーロとドルを考えますと、御指摘のように、一ドル、一ユーロ、一円と近づくという意味はあるかもしれませんが、アジア通貨その他を考えますと、いろんな単位が出てきておりましてどれほどの効果があるものか、どれほどの利便性のあるものかはわかりかねております。  二千円札につきましては、世界各国かなり二という数字の、二十ドル札などはアメリカで最も普及しているお金でございますし、アジア諸国でもかなり二という通貨が出ておりますから、ある程度の利便性はあるんじゃないかという感じはしております。経済効果としてよりも、そういう利便性という意味では意味があるんじゃないかという気がします。  二〇〇〇年をきっかけにいたしまして、このお札だけではなしにいろんなイベント効果が出てまいりまして、そういう意味では、世の中を楽しくし消費を引き上げるような効果はあるんじゃないかと思っております。

益田洋介公明党

○益田洋介君 十三日、日本銀行は政策決定会合を催しまして、その結果、量的な緩和をするということで短期国債の買いオペに踏み切ることになりました。いずれこれは短期だけでは済まされないという懸念があるようでございます、中期債あるいは長期債についても買いオペを迫られると。そうしたことのないようにある程度歯どめをかける必要があると思いますが、この量的緩和については反対論がかなり多いです。  例えば、今ゼロ金利政策、これが半年以上続いているわけです。これは、速水総裁は、市場が必要とする資金は十分に供給している、したがってこれ以上ふやしても効果はほとんどないと思うと。  二番目には、通貨供給量の伸びを目標にして緩和をしても、それができるという確証は全くない。経済に与える効果も非常に不透明である。なのに、短期国債の買いオペに何で今この際踏み切らなきゃいけないんだと。  三番目には、新発の国債の引き受けなど、もし応じるようなことは、これは絶対嫌だとまだ総裁は言っていますけれども、際限なく累積した財政赤字を穴埋めさせられることになる。  それからもう一つは、モラルハザード、財政規律の喪失、また円の世界的な通貨価値の下落にもつながると。  そういった非常に真っ向から反対している意見が今申しました三つあるんですが、長官、これはどういうふうにお考えですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 低金利政策、現在ゼロ金利政策と呼ばれておりますが、これにつきましては、現在の経済状況の中で反対論、賛成論両方ございます。しかし、私どもの計算では、やはりゼロ金利政策がこの状態では景気振興のためにぜひとも必要だと考えております。  もちろん、それによって金利所得が減るという面もございますけれども、金利が上がりましたときの住宅投資の減少、あるいは為替に与える影響からの反射効果等を含めますと、やはり現状においては物価が超安定といいますか、むしろ値下がりぎみのときには、こういう金利状態にして実質金利の低い状態を保つべきだというふうに考えております。  日銀が去る十三日に幾つかの発表をなさいました。その第一に「「ゼロ金利政策」の継続」というのがございました。ゼロ金利政策という言葉をお使いになったことは、日銀として大変明確な態度を示されたものだと思っております。また、アウトライトオペ、いわゆる買い切りオペをお始めになったということも、一歩踏み出していただいたんじゃないかと思っております。金融政策は日銀が行うことでございますが、諸般の情勢、私たちと同じような認識を持ってこれはやっていただいたんじゃないかと思っております。  それから、長期債の話がございましたが、長期国債を日銀が直接買うということは、現在も行っておりませんし、総裁も日銀の方も反対しておられます。これはやはり先生御指摘のように、金融の節度という面から、直接引き受けというようなことは考えるべきでないと私も思っております。

益田洋介公明党

○益田洋介君 三党の連立に当たっての政策合意の一つに、消費税を福祉目的税に改めて社会保障経費の財源に充てるということで合意をいたしました。高齢化社会が進展していく中で、社会保障費用がふえていくようになる、これは当然なことでございます。しかし、残念ながら、合意の中身というのは必ずしも明確になっているわけじゃないので、福祉ということを旗印にして安易な税率引き上げが行われかねないという、これは我が党の意見ではございませんけれども、そういった批判も一方であることは承知しております。  これに対して長官は、消費税が引き上げられると決まったわけではないと、このような発言をされている。しかし、基礎年金の国庫負担割合を現状の三分の一から二分の一に引き上げる、その財源はどうするのかというと、どこを探してもないんですね、大蔵省の人から聞いた話だけれども。そうすると、もう消費税の引き上げしかない、これが率直な意見なんですよ。  だから、いずれにしても、消費税引き上げの問題はこれから俎上に上がってくる、真剣にまた議論されるべき問題だと思います。  その一方で、やはり公共事業の見直しをしたり、投げやりな配分をしたりすることなしに、あるいは行政改革の徹底的な断行といいますか、そういった今度は逆に歳出の面での国としての合理化が迫られてきていると思うんですが、長官、どのようにお考えでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 消費税を福祉目的税にいたしましても、現在既に消費税収よりも福祉関係の支出の方が上回っておりますから、福祉を全部消費税で賄うということにはならないと思います。だから、将来福祉の必要量がふえましても、その財源をどこから調達するかというのは別途の問題として検討すべきことで、必ずしもそれが消費税の引き上げに直結するものだとは思っておりません。  ただ、先生御指摘のように、現在の日本の財政から見ると、福祉負担が大きくなるとどこに財源があるんだという問題は確かにございます。今、日本の財政は大変大量の国債を発行した赤字財政を続けておりますが、これはいつの日か立て直さなきゃいかぬ。現在の景気状況ではとてもその余裕はございませんで、まず景気を回復して税収が上がるような経済体質をつくることが先決でございますが、いつか解決しなきゃいけない。  アメリカもかつては三千億ドル近い赤字がありました。今、千億ドル以上の黒字に変わっています。カナダもイタリアも同様の大胆な改革をいたしました。そういう諸外国の例あるいは日本の分析等をいたしますと、まず第一に言えますことは、現在の日本の税収は、来年度四十七兆円ぐらいになろうかと言われておりますけれども、大変不況で企業ももうからない、給与も上がらない、金利も安いという状態での税収でございまして、これが景気が回復すると自然増収、日本の本来の姿になるだけでかなりの税金がふえる、それから経済成長による自然増収を考えることができます。  それからもう一つ、御指摘のように、景気がよくなれば支出を切っても不景気にならない、そういう状態になりますと大胆にやはり支出構造というものを考えなければならないと思います。アメリカやカナダなどの大赤字だったのが黒字になったという例を見ますと、やはり支出削減というのが結構大きな効果を上げております。増税の部分は比較的少なくて、自然増収の部分がその次で、一番大きいのは支出の削減という形になっております。  今、支出を削減しますと日本は不況になってしまいますから、ますます税収が減るからとてもできませんけれども、これが本当に民間需要が出てきて回復軌道に乗るようになりましたら、日本も支出構造について抜本的に研究する必要が出てくるだろう、その際には、福祉の支出をどの程度にして公共事業その他はどの程度にするかというような議論を本格的に展開する必要があろうかと思います。

益田洋介公明党

○益田洋介君 十三日の日銀の政策決定会合の後の記者会見で総裁は、この緩和策の導入について政治的な圧力があったのかという質問に対して、なかったとは言えないけれども、そのために政策を決定したのではないと否定されております。一方で、アメリカのFRBのグリーンスパン議長の場合は、中央銀行の独立性を裏づけるのは世論やマーケットを味方につける政治的感覚であると。同じ中央銀行にしても認識の違いが随分あります。政策への納得を得ようと細心の注意を払う必要が中央銀行にはある。だから政治と中央銀行の間に溝が生じるということは、我が国の場合には若干今そういう状態にあるわけですけれども、グローバルなマネーがすきをついて出ていってしまう、こういう懸念がありますけれども、この点はいかがですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 日本銀行は金融政策におきましてその権限を持っておりまして、政治的圧力ということは考えられないことだと思います。ただ、政府あるいは世論にいろいろ出ますことは日本銀行として独自に勘案されたことは十分に考えられるところだと思います。  それから、マーケットとの関係でございますけれども、やはり金融政策においてこのマーケットの反応というのは無視できない問題、これを無視してやりますと要らざる変動を生んだりいたしますので、グリーンスパンさんのおっしゃるように、マーケットとの対話というのは金融当局として必要なことだと思いますが、それも日本銀行は十分考慮して、経験ある人々でございますから、十分考慮して政策を決定していただいている。圧力というのではなくして、世間の、政府の雰囲気というようなものは一つやはり考慮の中にあったんだろうと思いますが、それは日銀が考慮されたことでございます。

益田洋介公明党

○益田洋介君 終わります。

八田ひろ子日本共産党

○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。私は、二〇〇五年国際博覧会について質問をいたします。  この問題では、環境影響評価をめぐるさまざまな問題や財政規模や負担の問題などいろいろとございますが、本日は時間の制約もありますので、今何が問題か、このことについて大臣に伺いたいと思います。  二〇〇五年博覧会、これは会場候補地とされておりました愛知県瀬戸市にある海上の森で、ことしの春にオオタカの営巣が確認をされて、与謝野前通産大臣もオオタカの保全策に配慮することを発言されました。深谷大臣も当然同じお立場だというふうに思いますが、オオタカの保護を図るために万博会場計画の見直しが始まりました。  このオオタカ保護の世論が高まる中で、抜本的な会場計画の見直しが期待をされていましたところ、先日発表されました案、(図表掲示)これなんですけれども、当初なかった四キロも離れた隣の長久手町にあります愛知青少年公園も会場の候補地として加えられましたけれども、海上の森の方、この緑の方ですね、ここの赤い部分、開発面積というのはほとんど変わらない。これではオオタカ保護が図れないというふうに思いますけれども、大臣どうでしょう。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) まず第一に、現在の会場候補地というのは、地元の総意として選定されて、そして政府において所要の修正を加えて閣議了解したものだと心得ております。これをもとに、瀬戸市南東部で「自然の叡智」をテーマとする博覧会を開催する旨の申請をBIEに行った結果、その総会で圧倒的な各国の支持をいただいて開催が決定したわけでございます。  このような経緯にかんがみまして、本年五月に会場内にオオタカの巣が確認されたということになりまして、六月に愛知県知事からさらなる環境負荷の低減を図るべきとの意見が出されたということを踏まえて、瀬戸市南東部を基本として愛知青少年公園等も一体的に活用する会場計画が博覧会協会において検討されているというふうに私どもは承知しております。  この会場計画の策定に際しては、博覧会協会において環境影響評価の実施を含め自然環境の保全に十分な配慮が払われるものと考えています。

八田ひろ子日本共産党

○八田ひろ子君 環境が問題になって会場の変更計画案も出てきたけれども、自然破壊は変わらないから、発表された会場計画案について、これではオオタカが守れないとオオタカ調査検討会の五人のうち三人が抗議の申し入れをしました。  海上の森には周囲を含めてオオタカの三つの営巣、三つがいが確認されていますけれども、会場計画の作成に当たってオオタカ調査検討会の意見を反映させ、環境万博らしくオオタカ保護をきちんと行うべきだという、そういう考えについて大臣はどうですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 現在、博覧会協会で博覧会事業に関する環境影響評価のための作業が進められております。そして、その結果を踏まえて来年六月のBIEの総会で登録承認を得るということを目指している、それが博覧会協会において今進められている状況であります。  御指摘のオオタカについては、本年五月に会場候補地の道路予定地の近くで営巣が確認された。七月三日にオオタカ調査検討会が巣の確認作業の結果、巣にはひなも卵もなく、繁殖に失敗したというふうな発表がなされたというふうに私は承っております。  オオタカ調査検討会の検討も引き続き進められるというふうに聞いておりますけれども、会場の計画についても、会場の基本計画を基礎にして環境影響評価における追跡調査だとかオオタカ調査検討会の検討も踏まえてより詳細な会場計画の策定作業がこれから進められていくというふうに考えております。

八田ひろ子日本共産党

○八田ひろ子君 そうしますと大臣は、会場計画案を作成するに当たってはオオタカ調査検討会の保護対策の結果を待ってそれできちんとやる、そういうお考えですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 博覧会の承認問題、その他時間的な状況がございますから、それをすべてオオタカ調査を終えてから行動に移すというわけにはいかないかもしれません。調査の動向を見守っていきたいと思います。

八田ひろ子日本共産党

○八田ひろ子君 それは大変なことじゃないですか。  自然を守れという世論があって今大きく問題になっているのに、この会場計画原案をつくるのにオオタカ調査検討会の専門家の意見は聞かずにどこかで勝手に判断をして、これからも調査検討の結果などを待たないかもしれぬ、どんどん進めることもあるなんて、これでは最初おっしゃったオオタカ保護ということは言えないんじゃないですか。  何より、さっきお示ししました九月九日に開かれた国際博覧会企画調整会議での、これは第一線の先生方が集まっていらっしゃるところですね、ここで異論続出で承認もされなかったものが記者会見で公表されました。これが発表されてから、会場プロジェクトチームの委員でさえ新聞に怒りと批判の論文を載せられています。オオタカ調査検討会の委員も抗議の声を上げている。  一方、新しい会場候補地となる自治体には説明もないし再アセスもない。こういう異常な進め方、強引さというのは、住民参加や情報公開、透明性というふうにおっしゃってきたものとはほど遠いもので、こういう会場計画案は認められない、こういう声がたくさん上がっていることをきちんとお聞きになるべきだと思うんです。  会場計画プロジェクトチームの委員の方は新聞の中で、問題は何かといえば、新住事業と道路計画でがんじがらめに結びつけられ、そのために情報を公開した形で環境を真剣に見据えた会場計画を検討することが事実上できなくなっている、これが会場計画プロジェクトチームの委員の先生の意見です。  そもそも新住事業というのは住宅地を造成する事業なんです、ニュータウン。このために海上の森の豊かな自然を破壊して、更地にしたところに最高十五階建てのビルをつくるという、そういうものですね、自然破壊の計画。自然との共生、先ほども大臣おっしゃいましたけれども、環境、「自然の叡智」をテーマとする万博と両立できないはずじゃないですか。  きのう、これは日本自然保護協会、ここが新住事業の環境アセス評価書について、オオタカ調査検討会の検討を待たずに安易な環境保全措置を打ち出すなど不十分な内容だとする意見書を出されているんです。結局、オオタカが象徴する自然、生態系を守るには最悪の会場計画案、これを撤回して海上の森開発を中止する以外にないと思うんですけれども、大臣、こういうような専門家や自然保護団体、あるいは地元の皆さんやこういうのを全部無視して突っ走っていくということなんですか、お伺いしたいと思います。大臣に考え方を聞いています。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 先ほども申し上げましたように、地元の総意を反映しながら進めていくというのが協会の姿勢だと私は思います。オオタカの問題についての調査その他を全く無視しろと言っているわけではありません。あなたのような御意見もありますが、先ほどの木俣委員のような大勢の発言もあるわけでございます。  私どもといたしましては、自然の環境を破壊しないということを前提にしながら計画を進めていくということが大事だと思っています。

八田ひろ子日本共産党

○八田ひろ子君 大臣、一度海上の森に来ていただく、そして中止をしていただくことを強く求めて、質問を終わります。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  東海村の核燃料加工施設での臨界事故について質問いたします。これは日本で原子力災害史上最悪の事件となっております。  我が党は、事故当日、調査団を現地に派遣するとともに、志位書記局長を責任者とする事故対策本部をつくり、政府に緊急対策、原因と責任の徹底究明、全国の原子力施設の総点検などを求めてまいりました。私自身も、東海村の村上村長を初め住民の皆さんと懇談し、現地調査を進めてまいりました。  今回の事故は日本で初めての臨界事故となったわけですけれども、政府として今回の事故が臨界事故である、そのように判断したのはいつの時点で、何を根拠とされましたか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) お答え申し上げます。  我々としては現地の情報をいろいろ取得すべく最大限の努力をいたしたわけでございますが、情報が入り始めたのが夕方でございまして、夕方以降になりまして情報源の確認とか値とかそういうものを総合的に判断いたしまして、夕方から夜にかけて、臨界事故が起きてかつ続いているのではないかというふうな判断を固めたものでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 今非常に重大な答弁をされましたよ。情報取得に努めた、そしてそれが入ってきたのは夕方。本当ですか、信じられない答弁ですよ。  私は東海村で確認いたしましたけれども、ジェー・シー・オーの東海事業所長が事故発生後の十分後に、つまり三十日の十時四十五分には臨界事故だと東海村に伝えているんです。そして、ジェー・シー・オーから科学技術庁にその第一報、ファクスを入れたのは、あなた方自身が午前十一時十五分だと言っているでしょう。  それから、事故現場から二キロ離れた原研の那珂研究所では異常値を観測している。ここに持ってまいりましたけれども、これが那珂研究所の中性子線の状況です。(資料を示す)十時三十七分にこんな異常値が観測されているわけです。これについても那珂研究所から原研、そして科学技術庁に報告しているでしょう。  事件の後、赤旗の取材に対して那珂研究所の安全管理課長がこう答えている。午後一時には科技庁に報告した、そして午後二時前には臨界事故だということがわかったので、それによる中性子線が我々のところに到達していると驚いて緊急の電話を入れているんですよ。受けていないんですか。  それほどなのに、臨界事故という判断、なぜ夕方から夜にかけてなんですか。おかしいじゃないですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) もう少し正確に申し上げますと、事業者からは、発信は十一時十五分でございますが、十一時十九分ごろに我が方に第一報が入ってまいりました。臨界事故の可能性ありとは記してございました。その後、数次の報告を受けたわけですが、十三時四十二分の連絡、第五報でございますが、被曝者一名の話として約十六キログラムのウランを沈殿槽に移入しているときに青い光が出たという報告を受けていたところでございます。  このようなことから、事件発生当座より臨界事故であるという蓋然性は非常に認識はしていたわけでございますが、午後四時ごろに至りまして、放射線医学総合研究所から収容中の被曝者の吐瀉物からナトリウム24が検出されたという報告を受けまして、臨界事故であるという確認をいたしたわけでございます。  しかしながら、一般に臨界が短時間で終息することが多いということでございまして、臨界が継続しているということはしばらくの間認識できなかったということでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 局長、ますます重大なことをあなたは言われていますよ。だって、午後四時にナトリウム24が検出されたと。中性子線が飛んでいるという証拠じゃないですか。それでいながら、なぜ夕方から夜にかけてなんですか、なぜ直ちにやらないんですか。大体、こういう原子力の事故というのは、重大な疑いがある、それだけで住民を避難させる、そしてそのための対応をとる、それが当たり前じゃないですか。そういうお役所仕事を、役所のルールにしたって非常にずさんなそういうやり方をして、とんでもないですよ。  私は、その点で改めて思う。いいですか。この施設は臨界事故が起こる蓋然性が非常に低い、今そう言われたでしょう。そういう頭だから、こんなところでそういう事故が起こるわけがない、だからさまざまな情報、原研からの情報、東海村からの情報、さらにはあなた方が管理下に置いている民間施設の情報、そういうことも全部ネグレクトしたんですよ。その判断が、第一報が寄せられたときに科技庁の原子力安全局の担当部局は臨界事故など信じられない、そう言ったんですよ。私が話を聞いた職員も、起こるはずがない、そう思ったと言っている。これが実情じゃないんですか、局長。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 情報に関しましては、当日非常に混乱いたしまして錯綜いたしておりましたので、だれがどういう情報を得たかということを今追跡いたしておりますが、まだつまびらかになっておりません。  ただ、我々といたしましては、ガンマ線の情報は早くから入手しておりまして、ガンマ線のモニターを続けておりました。しかしながら、確実に臨界であるという情報には接していなかったということで、すぐに現地に人を送りましてそこら辺を確認するとともに、原研やサイクル機構等にも要請いたしましていろんなモニターを始めてもらうということはいたしたわけでございます。  しかしながら、結果的に中性子線の直接の情報というのは、一つは先ほどのナトリウムの情報、五時過ぎから入ってきました実際に現地で中性子を観測した情報、そういうものが非常におくれたということでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 また重大なことを言われた。だれが、いつ、情報をどうやってキャッチしたか。今整理中なんですか。事故から何日たっていますか。そんなことをやっているから、科技庁は信用できない、そういう世論の批判がばっと起こるわけですよ。何が今整理中ですか、冗談じゃない。  事故が起こったことも重大だけれども、起こった後の対策がそんなていたらくだから、住民の方々が本当に心配しているんですよ。ですから、だれが、いつ、どういう情報を受けたか、これは重要な問題ですよ、あなたの責任にかかわる問題になる。あなたの首が飛ぶかもしれないそういう重大な問題、それを時間帯も示さずに夕方から夜にかけて臨界事故だと判断した、認定したと。何ですか、その言い方は。  ですから、この問題についてはきちっと整理したものを後日出していただきたい、直ちに出していただきたい、このことを要求しておきます。いいですね。答弁はいいです、いいならいいということで。今うなずいたから、そういうことで。  そして、私、この事件がどういう性格のものかということについてもいろいろ専門家の方と話したんだけれども、それがよくわからないというのが今出ているわけですね。中性子線が発生しているんだから放射線被曝があることは明白ですよ。また放射能汚染もある。しかし、肝心なことは、どういう規模のどういう性格の事件かということについていまだに原子力の専門家が、原研の専門家も含めてはっきりわからない。これが現状ですよ。なぜですか。それは判断できるだけのデータが示されていないからですよ。  私は、政府に要求したい。直ちに生のデータをすべて公表する、そして国会にも提出していただきたい。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) ちょっと先ほどの件でございますけれども、時系列を整理いたしておりますので後ほど御提出いたしますが、いずれにしましても、すべての状況がつまびらかにできるかといいますと、なかなか当日錯綜しておりましてかなり難しゅうございます。可能な限りということでございます。  もう一つ、今のデータの件でございますが、我々はこれまで得られたデータはすべて公開しております。したがいまして、これまで出たデータはすべて提供いたします。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 今まですべて公表しているんですか。していないですよ。ホール・ボディー・カウンターによる検査、その結果だって報告していないでしょう。結果は出していないでしょう、生の結果。私が言っているのはすべての生の報告ですよ。出していないじゃないですか。それを今の状況、出しているなんて、これも局長、でたらめですよ。出していないでしょう、全部は。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 我々としては出していると思っておりますので、もし出ていなければ出します。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 出ていないんですよ。どういう事件か、どういう事故か判断できるような材料は全く出ていない。だから、専門家も今必死になっていろんな推定をして、こうじゃないかああじゃないかと言っている。正確にこの事故の内容をはっきり突きとめるためには全容が必要なんです。ですから、あなたが今の段階で出しているなんて、とんでもない。ですから、出すということを約束してください、私たち具体的に資料を挙げるから。あなたは今すべて出すと言ったんだから、それを出していただきたい。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 今、原子力はいろいろな事故の経験もございまして、公開に関してはほかの分野よりも進んでいると思っております。今回につきましても、我々が得た情報は基本的にすべて公開しております。かつ、今現在、この時間帯で行われております原子力安全委員会に設けられました事故調査委員会、これは公開でございます、そこにすべてのデータが出ております。したがいまして、もし出ていないデータがあるとすればそれはお出しいたします。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 出ていないデータはたくさんありますので、具体的に示します。  今、局長はすべて出すと言われた。それが基本だと言われた。そうですよ、公開が原則なんです。それを出していただきたい。そのことを約束した、そのことを守っていただきたいと思います。  ところで、中性子線が観測されたわけですから、当然ホール・ボディー・カウンターによる検査、全身被曝検査が緊急不可欠だったわけですね。体内で中性子線に反応したナトリウム24の半減期は十五時間と短い、時間がたてばたつほど検査がしにくくなる、そして被曝したかどうかについてはわからなくなる。被害は時間がたてば実測値から推定値になっていくわけです。  東海村を視察した際に、村当局の方から、一日からホール・ボディー・カウンターをやっていればよかったのにと悔やまれる、そういう声も聞きました。政府は、ホール・ボディー・カウンターをやるように率先して提起しましたか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 我々といたしましては、当初よりホール・ボディー・カウンターによる測定に関しまして原研、サイクル機構から協力を申し出ました。例えば、村の方からの御希望によりまして、まず十三名に関しましてホール・ボディー・カウンターではかっていただいたわけでございますが、いずれの者につきましても検出限界値を下回るという結果でございました。それは、最初は村の御要請でこの人たちをということでございましたが、その後は村の方でも希望者ということにされたようでございまして、その後は希望者に関しましてすべての方にホール・ボディー・カウンターを受けていただけるように手当てをしているところでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 局長、答弁が非常に不正確なんです。いいですか、当初より原研からやるように申し入れたと言われた。そんなことはないんです。あなたが最後に言われたように、村の方から要請があって初めてこれを始めたんです。  これも私は東海村で調べてきました。東海村当局側は、十月三日午後一時半に現地に滞在していた科技庁の役人に申し入れたんです。その場で科技庁本庁の承認を得てからという返事だったんです。科技庁が承諾と村当局に伝えてきたのはいつですか。四日の午後六時なんです。四日の午後六時にオーケーと。対象者を直ちに原研と核燃に運べとのことで、直ちに十人の村民がそこに運ばれて検査を終了した、それが午後九時半です。そして、今言ったように、その結果について資料も示さずに、これだって資料がないんだ、データも。問題ないと言っているんです。  科技庁は、村から要請があって何で二十八時間も放置したんですか。この時間帯は一刻を争う重要な時間帯だったわけです。科技庁は被害の実態を把握するのに不可欠なそういう重要な調査をみずから提起しなかった。それだけじゃない、村当局が申し出たのにすぐ返事をしなかった。なぜですか。何で二十八時間置いたんだ。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 今の件につきまして、私個人はまだ承知いたしておりません。何が行われたのか……

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 無責任だ。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) それは承知いたしておりませんので直ちに調べはいたしますが、我が方からそういうことを言ったということはないのではないかと思っております。いずれにしても調べます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 無責任だよ。国会の場であなた、担当者でありながらそんな無責任な答弁はないですよ。一議員が努力すれば調べられることでしょう。なぜそんな大事なことを今まで把握していないんですか。ますますあなたの責任が問われる。  私は、もう一つ、国際原子力機関、IAEA、この問題について取り上げたい。  IAEAは事故を知った後、直ちに日本政府に援助の申し入れを行ったんです。私は直接ウィーンに電話して確認いたしました。IAEAは三十日、既にウィーン発の便に乗る専門家のリストを日本側に伝えて、アセスと被害の洗浄のために日本に派遣する人員を用意してすっかり出発の用意をしていたんです。  日本政府はそれに対して、ウィーン時間の一日午前六時半、一行の出発時間の二時間前に拒否してきたというんです。これは欧州の新聞各紙にずらっと載っています。例えば、これは十月二日付のインディペンデント紙、日本は国連の援助を拒絶する、一段見出しのこういう大きな報道になっているわけです。(資料を示す)  なぜ拒絶したんですか、IAEAのこういう申し出を。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答え申し上げます。  IAEA側の方から日本側の方に対しまして、ただいま先生が御指摘ございましたとおり、支援協力するための専門家を派遣する用意があるという連絡が十月一日、日本側に届いたところでございます。  私ども、この情報に接しましたのは朝方六時前後でございます。その時点の状況を申し上げますと、ちょうど現場におきまして臨界終息のための水抜きの作業をやっているさなかでございまして、ちょうど六時十分の作業では、六時からの九回目の水抜きの作業におきましてアルゴンガスを注入することによって近くの事務棟の上の空間線量率が大幅に低減したところでございました。  ちょうどそのやさきでございましたので、その直後にIAEAの方に対しまして、臨界終息に向かっているという情報を提供いたしまして、ただしその上で、今後、まず環境に対する対応であるとか、さらには原因の究明であるとか所要の対応をとる必要がございますので、そういう情報はきちっと共有し合うように提供する用意がございますと、こう申し上げたところでございます。  ちょうどその状況のときは、先生御理解いただけるかと思いますが、まさに現場で終息作業のそのやさきでございまして、見通しとしては大体状況は鎮静化に向かい得るだろう、こう判断したところでございました。  なお、IAEAに対しましては、その後、東京時間で三日から四日にかけてだろうと思います、具体的な日時は定かではございませんが、その後のとられました措置を通報いたしまして、これから具体的な原因究明の作業、さらには健康相談あるいは健康管理に関しますいろんなデータが当然入ってくるでしょうから、こういう情報を御説明申したいので、もし日本側においでになるようであれば引き受けます、このように回電をしたところでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 今言われたなぜ拒否したかということで、事態が収拾しつつある、だから結構ですと言われたと思いますけれども、それが大体大変な認識不足ですよ。その時点はどうかというと、非常に早過ぎたと批判を受けている政府の安全宣言さえもまだ出ていないときです。そういうときになぜそういう申し出を断るのか。今IAEAの中では、この問題について日本に対して非常に不信感というか不可解な行動をする政府だという批判が強まっている。私はそのように直接伺いました。なぜこういう申し出を断るのか。  私は、さっきデータの問題を言ったけれども、IAEAが直接乗り込んできて遠慮会釈なく生の情報をつかまれる、このことを一番恐れた。それが最大の動機だと思います。それを恐れたんですよ。だから今回、今始まっているIAEAの調査、それはそれでいいだろう、時間がたっているし、もう中性子線の検出も十分できない。あのとき来ていれば間違いなく彼らはホール・ボディー・カウンターによる検査をやって実測値をはっきりつかむ、そういうことができたはずですよ。それを断ったのは、彼らが不可解と思うまさに生のデータ隠し、そう言わざるを得ない。私はそう思います。  ですから、その点で大臣に伺いたい。こういう重大な、原子力利用の上で大きな問題が起きた、そのときにデータが全面的に公表されていない、その問題。私は、これにははっきり言って非常に大きな動機があると思うんです。被害をなるべく小さく見せたい、住民から被曝者を出すようなことを極力避けたい、そうした事態が起こるならば日本の原子力政策、その転換が強いられる、だからそれを回避する、住民の安全よりも事態をなるべく小さくしたい、そういう動機があったと思うんです。  科技庁が被害レベルをなぜ四としたのか。IAEAでは五ではないか。そのうちはっきりすると思いますけれども、そういぶかっている。それから、避難の指示は大幅におくれながら、安全宣言はいち早く行う。すべてちぐはぐだと思うんです。有馬科学技術庁長官が、科技庁の対応のおくれと安全審査を厳しく行っていなかったことをおわびしたい、そう述べておられる。  大臣、所管大臣として反省はないのかどうか、お伺いしたい。  大臣に聞いているんです。あなたはいい、時間がないんだから。

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) まず所管の局長に最初に答えさせて、それから国務大臣としての大臣から。大臣は原子力の直接の所管大臣じゃないんだ。  大臣、答えますか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 私は、対応の問題について先生がおしかりをなさるようなお気持ちはよくわかるように思います。今度の事故というのはまことに地元住民の皆様や国民の皆様に御迷惑をかけた、このようなことによって原子力についての不信感が生まれて、エネルギー政策をとやかく言われるということになることは非常に残念だと私は思っています。ただ、科学技術庁としても全力を挙げたというふうに私は理解しておりますし、公開の原則にのっとって対処しているというふうに考えています。  ただいまお話がありましたように、資料を出した、出していないということでありますが、どういう資料を出していないとおっしゃるのか、そのあたりも含めてきちっと科学技術庁に対応を求めたいと思っております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 私は監督責任、これも非常に大きいと思っているんです。  それで、この問題では、実はこのジェー・シー・オー東海事業所に対する国の保安規定順守状況調査、これが八五年から七年間毎年行われてきた。これが九二年の十一月の調査を最後に行われていない、こういう問題がある。それからまた、運転管理専門官による巡視、これも二回行われているけれども、しかし施設は運転休止中だった。何でこんなことになるのか、私、考えました。  通産大臣、九五年六月からことしの六月までジェー・シー・オーの社長を務めてきた高木俊毅氏の経歴を御存じですか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) 私の記憶では、高木俊毅さんは平成元年に立地公害局長を最後に通産省を退官された方でございます。今細かい資料が手元にございませんけれども、その後二年ほど経過して、住友金属鉱山に就職をされて、その後幾つか昇進をされた結果、たしか専務のときにこのジェー・シー・オーの社長を兼ねたというふうに記憶しております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 通産省のOBなわけですよね、しかも立地公害局長。どういう仕事ですか。今回のような事故を防止する部署の責任者じゃないですか。さらに、その前には資源エネルギー庁の鉱業課長の経歴もある。  こういう方が、ジェー・シー・オー東海事業所で起こったこと、例のバケツ使用が恒常化された、違法マニュアルが作成された、職員の四分の一を切るリストラが断行された、効率最優先、安全軽視、軽視どころか無視の路線がしかれた。そういうことがすべて起こったのはどういう時期ですか。この通産OBの社長の在任中じゃないんですか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) 今回の事故の原因、それからそれに伴います責任の所在、これらは例えば原子炉等規制法の観点からは科学技術庁が立入検査も含めて現在調査をしておられます。また刑事上の責任については茨城県警が調査をしておられる。そういう状況にございますので、私どもの方から、この前社長の関係について、そういった責任問題についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 七年間も状況調査もしない、巡視も肝心なときを外す。そういう形で、監督する側と監督される側に何の緊張感もないわけですね。当たり前ですよ、科技庁出身の専門官が通産省OBの社長に対してどういう態度をとれるか。そうしたことを考えたときに、やはり私は、この間の調査、これが全く不十分だった、やられてこなかった、これはまさに示し合わせサボタージュの典型だと思いますよ。  大臣にお聞きしたい。こういうことで検査体制はいいんですか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) このたびの事故に関してさまざまな反省点があると私どもは思っています。  そこで、例えば原子炉等規制法を改正して、このようなことが二度と起こらないような体制をつくる。あるいは原子力防災法という法律も新たに考えて、そして皆さんと御相談の上で臨時国会で制定して、どういうときに避難命令を出すのか、直ちにどのような対応をするのか等について明確な体制を築くことが大事だと、そう思っております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 最後です。もう時間がありません。最後に大臣にお尋ねしたい。  こういう安全審査体制の問題、大きな不備があるということが事実で証明された今回、やはり厳しい安全審査体制を確立する、そのためには原子力の計画、建設、運転、廃止に至るそういう安全規制、これを第三者機関によって一元化して行う、そうした権限と体制をきちっとつくっていく、これが不可欠だと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いして、質問を終わります。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 二〇〇一年になりますと省庁再編でまさに一体化してまいります。今まで別の機関であったということなどについてもこのたびの事故を機会に反省をする材料はあるだろうと思っています。  ただ、私たちは、原子力の安全性というものについて、より確かなものを国民の皆さんにわかっていただくために、あらゆる資料も提供しながら、まず御理解いただくということが先決だというふうに思っているわけであります。  しかし、エネルギー政策という観点に立って考えてみますと、環境の保全であるとかあるいは継続的なエネルギー供給であるとか、いろんな角度から考えまして、私はこの事故で直ちにエネルギー政策を大きく変えなければならないということではないだろうと思います。安全確保のために全力を挙げ、昨日も電力会社の社長をすべてお集めいたしまして厳重にお話を申し上げたと同時に、本当に責任体制をしっかりとってくれるような檄を飛ばしたところでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 終わります。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。  まず、冒頭、関西電力が石川県珠洲市で予定している珠洲原発の用地取得についてお聞きいたします。  記事にもありますけれども、珠洲市の土地を買い上げるのに、反対派に気づかれないようにするため、一、地主の土地を九分割して国土法の届けを免れる、二、売買契約書のほかに金銭消費貸借契約を結び金銭を借りているように装う、三、登記を留保する、四、ゼネコンの関係会社や下請など十六社も使い複雑な取引をして最終的なエンドユーザーが関電であることを隠すという。そのような事実はあるのでしょうか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) 珠洲の原子力発電所の用地の取得に関しまして、今引用をなさいましたような新聞報道がなされたことは承知をいたしております。ただ、個別企業がどのような行動をとったかについての事実関係は承知をいたしておりません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 しかし、国のエネルギー政策を行う上で、例えば今までの議論の中でも、原子力をどう見るかというのは非常に大きな争点です。だまし討ちの方法で土地を取得していること、二点目、土地の購入金額がこのように間にゼネコンなどを介在させていることから当初の三倍以上になっています。それが原発の発電コスト、国のコストにもはね上がっているということも言えます。ですから、この点について調査をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) 御指摘の報道も脱税容疑の裁判が行われているというようなことを一つの情報のソースとして御議論が進んでいるように思いますので、この裁判の経過を通じて事実関係が明らかにされるというふうに私どもも考えているところでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 だまし討ちの方法で、このような方法をとることによって原子力の発電コストが極めて高騰している。結局それは消費者や国民にはね返っていくわけですから、私は即座の調査をお願いします。  それから、通産大臣が国税に問い合わせをぜひしていただきたいと思っておりますが、それはこういうことです。土地の権利書は関電珠洲立地事務所に保管され、昨年九月の東京国税局の調査で見つかり、押収されております。これは関西電力が最終的な購入者であることを示すものですが、通産大臣、この点について事実経過を明らかにしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 報道でも言われておりますように、本件に関しましては現在脱税容疑で横浜地裁で既に裁判が行われていることでございます。七月に起訴され、九月三十日第一回公判、第二回の公判は十月二十一日ということでございまして、通産省としてはこれらの一連の中身は裁判で事実として明らかになされるものと考えます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 もしこのことが事実であるとすれば、通産大臣、このような方法で原発の用地取得をしていることについて、いかがお考えでしょうか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) ただいま大臣がお答え申し上げましたように、現在裁判で事実関係が争われているものと承知しております。したがいまして、現在そういう状況のもとで予断を持ってお答えするのは適当ではないというふうに考えます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 次に、東海村の事故についてお聞きいたします。  臨界管理の方法には、一、形状管理と、二、質量管理、三、濃縮度管理などがあります。このうち形状管理が一番安全だというふうに言われております。例えばそこにどんなにウランをぶち込んでも臨界にはならないという形状管理をすべきなわけです。  東海村のこの事故の場合、沈殿槽は形状管理をしていたのでしょうか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 東海村の今回の事故でございますが、安全審査上どういうことになっていたかと申し上げますと……

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 済みません、簡単で結構です。形状管理をしていたかどうか、はいかいいえだけで答えてください。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) はい、わかりました。  沈殿槽に関しましては形状管理になってございません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 なっていない。形状管理はしていらっしゃらないわけですね。  なぜ形状管理をしていなかったのでしょうか。形状管理ができないのであれば臨界事故対策をすべきではないですか。  つまり形状管理というのは、そこに幾らぶち込んでもそれができないようにしてある。そうしますと、誤作動や故障やいろんな事情から臨界事故が発生する可能性があるわけです。臨界事故対策をすべきではないですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 先ほど申し上げようと思った点でございますが、システム全体といたしましては、まさに質量管理と申しましょうか、そういうものが何カ所かに入っている中に、一部形状管理が挟んであるということでございまして、実際に沈殿槽に至るまでには非常にたくさんのバリアが設けられておりまして、それを突破することは非常に難しい。一例で申し上げますと、規定量というのがあるわけですけれども、規定量の二倍を間違って入れたとしてもこれは臨界に至らないようになってございます。  しかし、今回の場合まさに起こったことは、違反に違反を重ねた状態で七倍ものウランを投入したということでございまして、こういうバリアの中でそういう想定したものをはるかに超えるような状況が起こったということで、今回の事故が発生したということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 形状管理ということを誤解していらっしゃるのではないでしょうか。形状管理というのは、どんな人が、例えば何かの間違いで濃度を間違えたり質量を万が一間違えて入れても、そのような臨界事故が起きないように設計をする、そういう設計をしているからこそ臨界事故が起きないということなわけです。  さっきこの沈殿槽は形状管理をしていないというようにおっしゃいました。とすると、今回はそうなんですが臨界事故が起きたわけです。臨界事故がまさに起きた。それで、ウラン濃縮をめぐる裁判で、形状管理ができないのであれば誤操作と故障により臨界事故が起きる可能性があると指摘をされ続けてきました。危険性は実は今まで指摘をされていたわけですが、そのとおりになったのではないですか。  今後、臨界事故対策が不要であるという核燃料施設安全審査指針を見直されますでしょうか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 先ほど申し上げましたように、我々としては十分な裕度を見込んだつもりでございましたが、現実に事故が起きたわけでございますので、今後につきましては、現在行われております安全委員会の事故調査委員会の議論も踏まえまして、改善すべきは改善していきたいというふうに考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 国としてはどうなんですか、国としてどう考えるんですか。  つまり臨界事故を想定していなかった、だけれども臨界事故は起きた。形状管理はしていなかった。とすると、今度は臨界事故対策が不要であるということを見直す必要があるのではないか。実際、再処理工場はそうしております。臨界事故対策は不要であるというふうに今までされてきました。しかし、起きるわけですから、核燃料施設安全審査指針、今まで臨界事故という対策は不要とされていたけれども、この見直しは絶対に必要だと思いますが、お考えをお聞かせください。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) そこはおっしゃるとおりでございまして、実際に起きたという現実がございますので、この現実を重く受けとめまして、まさに先生おっしゃるような方向で検討が進められるというふうに考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 国の考えをお聞かせください。この安全指針を見直すのですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 国ということでございますけれども、安全指針というのは安全委員会がつくるということになってございますので、安全委員会がそのように動くであろうということを申し上げたわけでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 起きないと言われていた臨界事故が起きたわけですから、臨界事故対策はしないというこの指針そのものが必ずやきっちり見直されるということを期待しております。  ところで、今までは臨界事故対策は不要であるという政策がとられてきました。今回もし見直すとすれば、今までの安全審査そのものに問題があったということになるのではないですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) これまでの安全システムがどうであったかということでございますが、安全システムというのはある時代のある状況を踏まえて策定されるものでございまして、その時代に合っていたということであっても、時代が変われば、あるいは状況が変わればそれはそれに応じて見直していくべきものでございます。  今回は現実に事故が起きたということでございますので、そこら辺を踏まえて当然検討されるものであるというふうに我々は考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 いえ、時代が変わったのではありません。安全審査とは、どんな人がどんなにミスをしてひどいことをしても大丈夫なようにするというのが安全審査なはずです。そして、さまざまな原子力発電の裁判、特にウラン濃縮をめぐる裁判で、形状管理ができないのであれば臨界事故が起きるといったことはずっと指摘をされていました。  ですから、だから言わぬこっちゃないということも言われたわけですが、今までの安全審査そのものに私は間違いがあったと。そういう臨界事故対策は不要であるという安全審査は、これは問題があったと思いますが、いかがですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) いずれにいたしましても、現在、事故調査委員会でそれらも含めまして第三者による評価が行われているところでございますので、我々としてはその結論を待ちたいと思っております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 では、またその結果をできるだけ早く教えてください。  国がウラン加工工場の安全性を軽視して臨界事故対策は不要としてきたことが今回の事故のやはり原因だと思います。国がそういう姿勢だからこそ、こういう違法マニュアルが使われて事故の原因となったのではないか。現場に臨界事故は起こらないかもしれないけれども起こる可能性があると、起こり得るということできっちりされていればこういう事故が起きなかったというふうに思います。  では次に、先ほどの緒方さんのと少し関心が重なるんですが、なぜすぐに国は避難勧告を出さなかったんですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) まず率直に認めなければいけないのは、今回の事故は我が国にとって想像できなかった初めての臨界事故であったということでございます。かつ、事故を起こした事業者が中性子線の計測装置を保有していなかったということのために、当初事態の把握が十分にできなかったということがございます。  当庁が臨界状態が続いているという状況を把握した時点では、既に東海村長の御判断で三百五十メートル圏内の住民の方々に対して避難要請が出されておりまして、それは適切であるというふうに我々は認識したわけでございます。  いずれにしましても、今回事故が起きたということで、これを踏まえまして、防災対応をより実効性あるものにするために、原子力防災のための新法も含めまして鋭意検討を行ってまいりたいと考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 驚くべきことに、中性子線をはかる装置がそもそもここにはなかったと。ですから、八時間ぐらい中性子線をはかるデータがないわけです。  そのことそのものも全く管理責任を問われるべきだと思いますが、それからもう一つ私がとてもひどいと思うのは、例えば十一時三十分、事故が起きたのは十時三十五分ですが、十一時三十分には施設敷地境界内で〇・八四ミリシーベルトのガンマ線が出ております。これは専門家に聞けばすぐ中性子線が出ているというふうに判断できる数値であるというふうに聞いています。ところが、避難命令は大変おくれますし、それから次の日の十月一日、中性子線がずっとまだ出続けている、臨界がまだ続いている段階において屋内退避が指示されていることです。  御存じのとおり、中性子線は壁を通してしまいますから、屋内退避ですと中性子を浴び続けるわけです。そうしますと、屋内退避をしろと言われて忠実にそれを守って、水もない食糧もない、でも我慢して家にいた人たちは何と中性子を浴び続けた。中性子線を浴び続けて被曝しているわけです。これはもう本当に住民をばかにしているというか、命を本当に軽視していると思いますが、いかがですか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 先生おっしゃいますとおり、中性子線はかなりのあらゆるものを通過するというのは事実でございますが、逆に距離の自乗に反比例するということで、距離が遠のきますと急激に落ちるわけでございます。  我々としては、三百五十メートル圏内の方々が圏外に出られたという状況を踏まえまして、それから外の世界に関しましては必ずしも中性子がそれほど強くはないということも考えまして、総合的に、その後県とも相談いたしまして、まさにガンマ線の影響等を最小限にするというために屋内退避が念のために適当ではないかということで合意をいたした次第でございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 三百五十メートル、それが妥当かどうかもまた別ですけれども、五十世帯の避難決定がされたのは十五時でありまして、それまではずっと屋内退避が一部に言われただけです。その後、中性子線が出ている段階で、次の日、十月一日の段階でも屋内退避です。これは明らかに政策ミスだというふうに思いますけれども、いかがですか。    〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 今申し上げましたように、中性子線、後でデータが出てきてわかったわけでございますけれども、最初に大きく一回出まして、後、あるレベルは保ったわけでございますが、そのレベルが三百五十メートルを超えて影響を及ぼすという度合いはさほど強いものではないということでございます。  したがいまして、そうなりますと、中性子の直接の影響というよりは、ガンマ線を防いで全体のまさに積算的な影響を少なくする方がいいという判断で屋内退避、つまり三百五十メートルを超えて十キロ以内というところに関しては屋内退避が適当であろうというふうに考えたわけでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 住民に配るマニュアルなんですが、ここにたまたまコネティカット州原子力発電所非常事態対策ガイドというものがあります。これは住民に対して配られている、住民が動くためのマニュアルです。  ところが、科学技術庁にずっとマニュアルを出してほしいというふうに言いましたけれども、これは内部のマニュアルしかどうもないようです。科学技術庁防災業務計画の中でつくられた原子力災害時の緊急時対応マニュアル、科学技術庁の内部のものです。これはまだいただいておりませんが、防災上必要なマニュアルとしては科学技術庁と消防庁でつくっている立地自治体のものもあるようですが、これも住民のものではありません。  アメリカのコネティカット州の原子力発電所非常事態対策マニュアル、近隣住民の方々へのガイドブックでは、読みますと、半径十六キロメートル以内に三百八十一のサイレンがあって、鳴ると、そのサイレンの鳴り方によって何が起きているかがわかる。住民がほぼ全員知ることができる。電話はかけるな、テレビかラジオを聞けというのがあります。ハンディキャップがある人は事前に登録していると救助が得られる、そういうことまで全部あります。これには、州や地方自治体は住民が防護の行動をとらなければならない事故の際には十五分以内にお知らせすることになっていますというふうになっています。    〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕  もちろん、アメリカでも完璧ではないでしょうけれども、十五分以内にほぼサイレンが鳴るのと、きちっとしたマニュアルがない、住民に対してきちっとした広報も避難要請もされないというこの日本の落差、今後きちっとした住民へのこういう対策マニュアル、本当に本人に役立つようなマニュアルをつくっていただけるのでしょうか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) いずれにいたしましても、今回反省すべき点多々ございます。まさに起きたことでございますから、今後もそういうことを想定しながら我々はやらなきゃいけないという中で、先生のおっしゃいましたマニュアルにつきましても当然検討の対象にいたしたいと思っております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 中性子を浴びた住民の人たちは被曝をしたのですね。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) これまでわかっているところでは、中性子を浴びた住民の人の七名が被曝したということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 測定データをください。  それから、先ほど緒方さんもホール・ボディー・カウンター、全身入れて調べる。それも即座にやらないと中性子はどんどん測定できなくなるということなんですが、現在まで住民で受けているのは五十人しかおりません。なぜ住民のホール・ボディー・カウンターをすぐに行わなかったのでしょうか。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) いずれにいたしましても、先ほど緒方先生の方からも同じような質問がございまして、経緯はお調べして後ほど御報告いたします。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) ホール・ボディー・カウンターは、体内にございます例えばナトリウム24とかそういうふうなものを使って体内の放射能の強度を測定するわけでございますが、先生御指摘のとおり、当然時間が経過しますと減衰してまいります、ナトリウム24の場合は半減期は十五時間ぐらいでございますので。  したがいまして、実際、時間が経過しました後の住民の方々に対します健康診断とかあるいは健康相談、健康管理の観点からは、茨城県がその後行われました、例えば地域住民の方々に対しまして血液検査などというふうな形でいろいろな健康相談をやられてございます。そういうふうな形で県がおやりになられますのを厚生省が支援しながら対応してきているという状況でございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 中性子を調べるには、血液ではなくてホール・ボディー・カウンターでやるのが一番よい。それから二番目には、即座にやらないと数値が出てこない。つまり、中性子で被曝はしているけれども数値が出ていかない。それで、しばらくたってがんになったとして、例えば三十年後にがんになったとして、それはなぜかということはわからないわけですよね。  しかも、今の時点で住民で受けたのは五十人ということです。つまり周辺住民は十九時間にわたって中性子線を浴び続けた。どれぐらい被曝したかを調べるというのも広報が十分されていない。それから、損害賠償請求をするにも医学上基礎的なデータがないわけですよね。  今からでもきちっと呼びかけるというふうなことは責任を持ってやっていただけるでしょうか。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答えします。  先ほど御説明申し上げましたとおり、ホール・ボディー・カウンターで計測する場合、先生からも御指摘ございましたとおり、その直後に測定するのは非常に効果があるのだろうと思います。例えばこの中性子が体内にございますナトリウム23をたたきましてナトリウム24が出る。その結果として、後は計測機器の方で測定するわけでございます。  他方、また中性子線等は血液の中のリンパ球とかそういうものに対する一つの、もしそれが影響を与えるとすれば、リンパ球を捕捉していくというのも一つの健康管理の手段でございまして、そういうふうな意味で、時間が経過しました後は、白血球のうちのリンパ球をフォローするというのが現実的な対処の仕方だろう、このように考えてございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 興さんに端的に答えていただきたいんですが、ホール・ボディー・カウンターを即座にやるのが一番効果的であるのであれば、なぜ即座にやらなかったのですか。興さん、お願いします。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答えします。  先ほど間宮局長からも回答申し上げましたとおり、その時点で比較的現場は混乱していたというのはあったかと思います。ただし、必要な方につきまして現場で可能な限り対応してきたものと実は考えてございました。  しかし、ホール・ボディー・カウンターで測定するということになりましても、ホール・ボディー・カウンターが現場に置かれている数、それと測定するのに必要な時間という観点から考えますと、多くの方を受け入れるような状況ではないというのも現実的にはあろうかと思います。ただし、先生おっしゃいますように、できるだけ早くフォローするにはホール・ボディー・カウンターは意味がある、これは確かにそのように思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 中性子の被曝量をはかるのに最も最適であるということを認められながら、混乱していたからそれができなかったと。つまり、住民がどれだけ被曝したかということを確認する一番有効な方法が失われているということなんですね。  これは本当にひどいというふうに思います。住民にとってみれば一番最適な方法、それをなぜやってもらえなかったのか。これは、やっぱりそういう状況だったら、本当に原子力発電所を建てる資格があるのか、原子力行政をやる資格があるのかというふうに私は思います。  今後、チェルノブイリなどもそうですけれども、周辺住民の人たちのきちっとした定点観測的な何十年単位にわたる健康管理等一人一人のフォローを、プライバシーの問題もありますけれどもやっていただきたいというふうにも思います。  それで、核燃料サイクルにも日本原電にもホール・ボディー・カウンターがあって、一日百人以上検査できるわけですね。としますと、先ほどたくさんできないとおっしゃいましたけれども、それについてはいかがですか。つまり、核燃料サイクルにも日本原電にも一日百人以上は検査ができるホール・ボディー・カウンターはあったということです。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) ちょっと物理的にどれぐらいということは私も今すぐにはわかりませんが、いずれにしましても、申し上げていますのは、希望者にはぜひと、こういうことを申し上げてきたわけでございまして、その結果で今百五十名までは……

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 いただいた資料では住民は五十人なんです。希望者にはというのはやっぱり無責任だと思います。一般の人は原子力についての知識や中性子線、あるいはどれだけで半減、すぐやらなくちゃいけないというようなことはわかりませんから、希望者にだけするということそのものが無責任だと思います。それは、国がもう本当に皆さんの健康管理のためにすぐ被曝量を調べてください。  非常に意地悪く見れば、これはある意味で事故隠し、被曝はなかったというふうに言うためではないかとすら思いますよ。だって、即座にやったら被曝した人たちがたくさん出てくるかもしれない。だけれども、今からやったら被曝のデータが余り出てこないわけですね。そうすると、物すごく意地悪な見方をすれば被曝データ隠しというふうに社会的に見られても仕方がないと思いますが、いかがですか。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答えいたします。  当日の現場の状況といたしましては、御案内のとおり、関係する住民の方々が避難をされている、あるいは建物の中に退避をされている、そういう状況でもございまして、また三百五十メートルの域内の方に退避を解除するというふうな状態の中にあって、そういう住民の方々に対してとられた現場における措置としましては、例えばサーベイメーターで放射線の測定をして問題がないかどうかというのを現場で捕捉されたわけでございますが、これも五万二千人以上の方が受けられたところでございます。  そのほか、事故現場付近につきましては、先生今おっしゃられましたように、希望する住民の方に対しまして日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構でホール・ボディー・カウンターを使用しましてその測定をやってきたところでございまして、住民の方にその機会をもう少しさらに広げるべきだったというふうな点についてのお話はきょうしかと受けとめて、今後の防災対策というか今後の施策の中に反映させていかなければならない、そういう問題だろうと思ってございます。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、住民の方々の健康管理の観点からは、血液中のリンパ球を捕捉するという方法もございますので、そういういろいろな方法を同時に併用することによって、地域の住民の方々の健康相談、健康管理に国としても誠心誠意努力していくことが今必要なことだろうと思ってございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 中性子の計測器はそもそもなく、それから臨界事故は想定をしていない。そして、中性子が二十時間以上にわたって出続けているのに屋内退避を言った。それから、中性子を調べるのに最も有効な方法であるホール・ボディー・カウンターをやらなかった。現時点においても五十人にしかすぎない。当日は無理でも、十月七日ぐらいまでの間にホール・ボディー・カウンターを全住民くらいやっていれば、被曝の結果はもっと適切な方法で出ただろうというふうに思っています。これで安全宣言などをすぐされないようにということは思っております。被曝のデータが明確にないにもかかわらず安直に安全宣言などはされないようにお願いをしたいというふうに思っていますし、根本的な日本の原子力政策が問われているということをぜひ考えてください。  それから、この問題のあったジェー・シー・オーの施設の設計及び工事方法の認可申請書を二週間ぐらい前から、事故直後から出してくださるように要請をしておりますが、いまだにいただいておりません。ぜひ大至急出してくださるように、データの公表を速やかにしてくださることが信頼の確保だと思いますので、よろしくお願いします。

間宮馨科学技術庁原子力安全局長

○説明員(間宮馨君) 最後の点でございますが、御請求のありました資料につきましては公開をするという方向で考えてきておりまして、ただ、内容に核物質防護にかかわること、あるいは財産権の保護の見地からやっぱり確認をしなきゃいけないという作業がございましておくれておりますが、近日中にまず一部お渡しできると。その後も作業を進めたいと思っております。我々、公開を前提として物事に対処していきたいと思っております。

興直孝科学技術庁原子力局長

○説明員(興直孝君) お答えをします。  先生がおっしゃられますとおり、安全宣言の問題はございますけれども、今回のこの問題の非常に重要な問題は、地域住民の方々の健康の問題であろう。原子力施設の安全問題は当然のこととして、別途、今社会的に非常に大きい問題になっておりますのは住民の方々の健康の問題だろう、このように考えてございまして、これにつきましては当然、茨城県と東海村を初め関係する地方公共団体の方は非常に憂慮されているところでございます。先ほど申し上げましたように、国はそれに対して積極的な最大限の努力を払っていきたい、このように考えてございます。  再三恐縮でございますが、ホール・ボディー・カウンターは、ある意味ではその瞬間の代表的な方をもし仮に測定することができましたら、どういう状況であるかというのは類推できるだろうと思いますので、それなりに非常に意味のある状況でデータというか健康の状態を示すことができたんだろうと思ってございます。ただし、それで十全だったかということにつきましては、先生の御指摘は十分わかってございます。それらを次の国としてのきちっとした防災対策の中に反映させていくことが今必要な問題だろうとも考えてございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 時間ですので終わります。

岩本荘太参議院の会

○岩本荘太君 本日の最後の時間をいただきました参議院の会の岩本荘太でございます。よろしくお願いをいたします。  朝からいろんな面にわたって通産行政その他、大変勉強になることを教わったわけでございます。特に、エネルギー政策について、東海村の事故の影響か、いろんな面からの御議論がございました。  ただいまは福島議員、珠洲の原発予定地の件について質問が出ましたが、実は私はそこの石川県の出身でございまして、御存じのとおり、地元では地元合意が前提になっているということですので大変微妙な状態でございますので、進むにしろ進まないにしろフェアな進め方で物事を判断されるよう、朝日新聞の記事の真意はわかりませんけれども、担当省としての通産省はぜひともその辺よろしくお願いをいたしたい、これは要望でございます。  質問でございますが、エネルギーにつきまして、原子力発電なりいろいろ発電所の問題というのは、これは供給サイドのことでございますが、私は実は前から需要のサイドについてどのように考えたらいいのか、需要のサイドというのが一つ大変重要であるにもかかわらずどうも抜けているのではないのかなというふうな感を持っていた人間でございまして、エネルギー問題の専門でない多数の国民の方々の素直な気持ちもそんなところにあるんじゃないのかなというふうな気がいたしまして、あえてそういう質問をさせていただきたいと思うんです。  何か今までのエネルギーの需給計画なりを見ておりますと、需要ありきというか、需要があるからそれに対しての供給を考えなきゃいけない。そうすると、電力にしてみれば、いろんな方式があるわけですけれども、そういうものをどんどんやっていって、結局、化石燃料にすればこれはもう先が見えてきたというようなことにもなりますし、原発にしましても、今回の事故が象徴するように、何かまだ危険性というのがぬぐい切れないというような問題があっていろいろと問題を複雑にしているんじゃないのかなというような気がするわけでございます。  一方、それは結局需要をそのまま賄わなきゃいけない。戦後の産業の発展はやはり民間の需要を喚起して、それにしっかりとしたエネルギーを供給して発展してきたということを考えますと、これは決して悪いことではないと思いますけれども、それがだんだん今高じてきた、そのことがだんだんエスカレートしてきたにもかかわらず、同じような傾向でいっているんじゃないのかなというような気がしてならないわけでございます。  それでいければいいわけでございますけれども、先ほど来申し上げましたように、有限なエネルギー源あるいは環境問題ということを考えますと、その辺の検討もぜひ必要である。また、我々需要のサイドからしても、これは象徴的な言い方かもしれませんけれども、何しろ便利になりたいと利便性を求めてエネルギーを使ってどんどんどんどん便利になってきた。これはいいかもしれませんが、逆に便利になって今度は体を使わなくなった。これは健康によくないということで、今度は健康を維持するためにお金を使うなり、あるいはエネルギーを使ってそのための施設を使う、こういうような感じではないかというような疑問を持っているわけでございます。これは我々人間としてちょっと異常じゃないか、需要サイドは本当にこれでいいのかどうか、これは国民、国家的な問題としてこの辺でしっかりと考える時期に来ているんじゃないのかなというようなことを思っているのが正直なところでございまして、その面で二、三質問をさせていただきたいと思うんです。  まず、今までのエネルギー消費の経緯といいますか動態といいますか、そういうものはどんなふうな状況であったか、お知らせを願いたいと思います。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) お答え申し上げます。  我が国の最終エネルギー消費でございますけれども、一九九八年度におきまして、原油換算をいたしますと三億九千万キロリットルでございます。これは、御引用のありましたオイルショックが起こりました一九七三年度に比べまして全体として三七%増加したというものでございます。  ただ、これまた部門別に相当違いがございまして、最終エネルギー消費の約半分を占めますのは産業部門でございます。この産業部門におきます最終エネルギー消費は、一九九八年度におきまして一億九千万キロリットルということでございますけれども、これはオイルショック以降、エネルギー価格の高騰など、また省エネルギー対策を進めたということもありまして、一九七三年度に比べまして一%の増加でございますから、ほぼ横ばいという状況でございます。  他方、そのほかの部門としては、民生部門と運輸部門というのが双璧でございますけれども、民生部門について申し上げますと、一九九八年度の最終消費量は一億三百万キロリットルでございまして、やはり御指摘もございましたような生活の利便の追求、ライフスタイルの変化あるいはオフィスの情報化といったようなこともあろうかと思いますが、一九七三年度に比べまして九九%の増ということでございますので、倍増しているという状況でございます。  運輸部門、これは輸送あるいはオーナードライバーの運転等々でございますけれども、この最終エネルギー消費は九千九百万キロリットルということでございまして、乗用車の保有台数の増加などを反映いたしまして、一九七三年度に比べまして一一〇%の増、こういった状況が現在の趨勢でございます。

岩本荘太参議院の会

○岩本荘太君 単純に言いますと、エネルギーは今まではずっと右肩上がりに続いてきた。特にオイルショック等によってエネルギーを得ようと思ってもなかなか得られないからそうなったんでしょうが、需要の面から見たらそれは賄えなくて下がってきたというようなことになるんじゃないかということが言えると思いますし、さらには今、産業面では大分省エネといいますか、やられておられる。ただ、考えようによっては、民生面の需要というのは、そのもとは産業だと思うんです。だから、生産工程でいろいろと省エネをされているけれども、それが原因となって送り込まれるものというのは依然として膨らんでいるというふうに見れないこともないと思います。  それをとやかく言うわけではありませんが、今、数字で一九七三年と比較されましたけれども、私は先日、「我が国のエネルギー政策」というレジュメ、小さいのをいただきました。それの表を見てみますと、最終的に一九九五年とおぼしきところが実数で出ておりまして、それと十年前の一九八五年のエネルギーを大ざっぱに比較しますと、三割から四割やっぱり膨らんでいるわけですね。  ところが、実際に過去の十年間を比べてみてどれだけ便利になったかな、これだけ三割にも四割にも相当するような便利さが実感できるのかなというようなことを非常に疑問に思うわけでして、その辺はやっぱり我々のライフスタイルなり物の考え方なりを変えて取り組まなきゃいけないというか、変えなければいけない面があると思うんです。それはさておき、したがってこの需要というものを考える時期に来たということを私は申し上げたいし、そう思っているわけでございます。  そこで、日本のエネルギー需要についての最高の調査会といいますか諮問機関、通商産業大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会、その需給部会が昨年六月に「長期エネルギー需給見通し」というのを取りまとめられたわけでございます。その中に、将来の需要について、基準ケース、これは何も施策を講じないようなケース、これだと二〇一〇年に一九九六年比で一六%増、対策を講じると一・八%の増と。恐らく対策を講じた方向に進まれると思うんですけれども、こう見てみますとこれは非常に画期的な数字ではないか。  一九九六年から二〇一〇年といえば十四年、その間に一・八%だけですから、これを単純に十四で割っても年率〇・一幾つというような、そのぐらいになる。これはほとんど拡大しないに等しい、ゼロに近いというふうに私は見るわけですが、私自身としてはこういうふうに考えることを非常に評価いたす次第でございますけれども、逆に見ますと、こういうことを実現するためには相当意識の改革といいますか、皆さんの意識の改革が大事ではないか。  恐らくこういうことを出されるということは、今までの日本人の価値観を変えるようなこと、いわゆる経済成長ばかりを求めずに、利便性ばかりを求めない、そういう方向に行く、世の中を行かしめたい、こういう思いから出たのではないか。日本の国のエネルギー面から見ても、持続可能性社会に行こうというふうな意思表示ではないかというふうに私は受け取ったわけですが、そういうことでよろしいでしょうか。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) 御指摘のとおり、私どももエネルギーの消費面といいますか、需要面は野放しで供給面に一生懸命努力するだけでは足りない、そのように思っております。また、御指摘のとおり、エネルギー資源の大部分は輸入に頼らざるを得ない、またそういう状況のもとで、供給構造自身も脆弱でありますし、地球温暖化問題、これはほとんどエネルギー節約と同義語のような課題を私ども負っているわけでございまして、こういう状況を踏まえまして、御指摘のようにエネルギーの消費を節約する見通しを立ててさまざまな政策努力を実施に移しているところでございます。  具体的に御紹介させていただきますと、例えば省エネ法の改正によるいわゆるトップランナー方式の導入でございます。これは生活の利便という面ではいろいろございますけれども、家電製品ですとかあるいは乗用車について、燃費効率のいいものに基準を合わせていくということが一つでございます。  また、経団連の環境自主行動計画ということで、産業関係でも四十業種以上の業種において省エネルギーを自主的な行動でつくっていくというようなことで努力をしていただいておりまして、二〇一〇年度におきまして先生御指摘のような伸び率に抑えるということは、原油換算で五千六百万キロリットルの抜本的な省エネルギーを行うというのが私どもの課題だというふうに承知しておるわけです。  その中には、住宅におきます省エネルギー、あるいは家電製品、乗用車、そして国民の皆様に対するエネルギーの大切さ、あるいは省エネルギーの重要さ、地球温暖化問題の対応の重要さを私どもなりにPRをさせていただくということで、そういった価値観にも働きかけをさせていただいてこの目的を達成したいというふうに考えておるものでございます。

岩本荘太参議院の会

○岩本荘太君 今、私が次に聞こうと思ったことを長官言われましたが、これを見ましても、そういういろんな対策が書かれておりますが、こんなことを言ってはあれですけれども、やはり日本の官庁というのはどうしても縦割りで横の連携が悪いというようなことが言われておるわけですが、最近は大分変わってきておると私は期待をしておるわけです。  そんな中で、この対策も通産省だけではできないし資源エネルギー庁だけではできない、いろんな面が、ほかの面があると思うんです。そういう面は、やはりこういう新しい方向に持っていくというのはこの総合エネルギー調査会、こういうところが中心になってやられるとは思うんですけれども、ほかの省にもまたがるようなことについてどうやって総括的にやっていかれるのか、その辺の方針なり今やっておられる状況をお聞かせ願いたいと思います。

河野博文資源エネルギー庁長官

○説明員(河野博文君) 実は、御指摘のとおり、省エネルギー対策は私ども通産省のみで足りるわけではございませんで、関係のさまざまな省庁の御協力を得て、また広範に国民の皆様方に働きかけることによって可能になるというふうに考えております。  したがいまして、省エネルギー対策については現在でも多段階で各省が連携を図るような仕組みで推進をさせていただいておりまして、例えば内閣総理大臣に主宰していただいております関係大臣を構成員といたします総合エネルギー対策推進閣僚会議、さらには内閣官房副長官を議長として各省庁の事務次官等を構成員といたします省エネルギー・省資源対策推進会議、こういったものが設置をされておりまして、各省連携のもとで対策を進めているという状況でございます。  また、省エネルギー対策も含めまして地球温暖化問題の対応という意味では、これも政府が一体となって取り組む必要があるということで、内閣総理大臣を本部長、内閣官房長官、環境庁長官、そして通商産業大臣を副本部長とする地球温暖化対策推進本部において、政府内での整合的かつ有機的な連携を図りながら推進しているところでございます。  御指摘のとおり、今後とも関係方面との連携を図りながら推進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

岩本荘太参議院の会

○岩本荘太君 ありがとうございました。  最後に、今のお話では、総理が総括されたり全省にわたってやっておられるというお話でございますから通産大臣にお聞きするのが適当かどうかわかりませんが、やはりこの担当大臣ということで、私の認識ではエネルギーを一番使いたがるといいますか使わなきゃいけないようなところが省エネといいますか、そういうことを考えるというのは、これは非常に意味のあることだろうと思っております。  そういう意味で、今お話しになったいろんな組織がどううまく動くかというのは、これからまたその状況を見ていかなければいけないと思いますけれども、今、長官が言われたもろもろの取り組みについて、これからの国としてといいますか大臣としての取り組み方について御所見をいただけたらと思っております。

深谷隆司自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(深谷隆司君) ちょうどオイルショックがありましたころは、まさに省エネブームのような感じで産業界もあるいは一般の家庭におきましてもどうやって省エネに取り組もうかと真剣に取り組んだ時代がありましたが、時を過ぎますと何となくそういうものが後退していくような感じは否めないことだと思います。  ただ、国としては、ただいま申し上げたような総理を中心とする集まりであるとか、各省庁にまたがる対策で事を進めているのでありますが、これからさらに加速的に省エネ活動を進めていかなければならないと思っております。  昨年の省エネルギー法の改正で、今、長官も申しましたけれども、自動車、電気機器のエネルギー消費効率のさらなる改善であるとか、工場とか事業場におけるエネルギー使用合理化の徹底を図る、省エネルギー対策の抜本的強化を図ってまいったわけでありますが、これらの省エネルギー対策を本当に実効あるものにするためには、国民のお一人お一人が省エネに対する自覚をしっかり持つということが大変大事なことだろうというふうに思います。  このために、省エネに関する情報の提供であるとか、あるいは普及啓蒙活動などを通して国民の皆様に省エネの意識を喚起していくということがとても大事で、そういう意味では国民運動を展開するなど我々のできる限りの努力を尽くしていかなければならないと思っております。

岩本荘太参議院の会

○岩本荘太君 何しろ戦後の追いつけ追い越せという産業発展の価値観の大幅な変更がないとできない。したがって、それはもう国民一人一人の意識も大事ですけれども、国家的な事業だろうと私は思っておりますので、そういう点をぜひともお酌み取りいただいて進めていただきたいと要望申し上げまして、質問を終わります。

鎌田要人自由民主党

○委員長(鎌田要人君) 他に御発言もないようですから、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についての審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十七分散会

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