金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1999/07/09
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に預金保険機構理事長松田昇君、日本銀行理事小畑義治君及び同銀行理事黒田巖君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(坂野重信君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。金融再生委員会委員長柳沢伯夫君。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 去る六月十八日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、同法が施行された平成十年十月二十三日から平成十一年五月三十一日までの間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概略について御説明申し上げます。 まず初めに、特別公的管理が行われております長銀及び日債銀に係る措置につきまして概略を申し上げます。 日本長期信用銀行につきましては、昨年十月二十三日、同行から金融再生法第六十八条第二項に基づく申し出がなされたことを受け、当該申し出及び同行の財務状況を踏まえ、同日、金融再生委員会の権限を代行する内閣総理大臣より、同法第三十六条第一項に基づき特別公的管理の開始決定がなされました。同決定以降これまで、新経営陣の指名・選任、資金の貸し付け、資産判定、取得株式の対価の決定等、金融再生法の規定に基づく所要の措置がとられてまいったところであります。 なお、本年六月四日には長銀が旧経営陣を告訴するなど、同法第五十条に基づく旧経営陣の責任明確化のための措置もとられているところであります。 また、現在、長銀の特別公的管理の早期終了に向けて、フィナンシャルアドバイザーの協力のもとで受け皿金融機関の選定作業が鋭意進められているところであります。 次に、日本債券信用銀行につきましては、昨年十二月十三日、金融監督庁の検査結果等を踏まえ、金融再生委員会の権限を代行する内閣総理大臣より、金融再生法第三十六条第一項に基づき特別公的管理の開始決定がなされました。同決定以降これまで、長銀の場合と同様に、新経営陣の指名・選任、資金の貸し付け、資産判定、取得株式の対価の決定等、所要の措置がとられてまいったところであります。 日債銀につきましても、先ごろ、フィナンシャルアドバイザーとの間でFA契約が締結され、現在、受け皿金融機関の選定作業が本格的に開始されたところであります。 次に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた金融機関に関する措置につきまして御説明申し上げます。 まず、本年四月十一日、国民銀行から、金融再生法第六十八条第一項に基づく申し出がなされたことを受け、当該申し出及び同行の資金繰り状況等を踏まえ、同日、金融再生委員会は、金融再生法第八条に基づく金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行うとともに、同法第十一条に基づき金融整理管財人を選任いたしました。 次に、本年五月二十一日、幸福銀行より、金融再生法第六十八条第二項に基づく申し出がなされたことを受け、当該申し出及び同行の財務状況を踏まえ、五月二十二日、金融再生委員会は、金融再生法第八条に基づく管理を命ずる処分及び同法第十一条に基づく金融整理管財人の選任を行っております。 また、本報告書の対象期間以降の措置でありますが、本年六月十二日には、東京相和銀行に対し、金融整理管財人による管理を命ずる処分及び金融整理管財人の選任を行っております。 さらに、このほかにも、都道府県が監督する信用組合についても金融再生法を用いた破綻処理が行われております。これまでに、本報告書の対象期間以降も含めますと、本年五月十四日に三重県信用組合、五月二十一日に足立綜合信用組合及び日本信販信用組合、六月四日に信用組合大阪商銀、六月十八日に東京都教育信用組合に対して、それぞれ監督官庁である都道府県知事より、金融再生法第八条に基づく管理を命ずる処分及び同法第十一条に基づく金融整理管財人の選任が行われております。 続きまして、預金保険法に基づく金融機関の破綻処理について御説明申し上げます。 金融再生法施行以降、金融再生委員会による預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定または金融再生委員会及び大蔵大臣による預金保険法附則第十六条第二項に基づく必要性の認定が行われたものは、本年五月三十一日時点において、破綻金融機関数で見ると二銀行、二十四信用組合の計二十六金融機関であります。また、これらに係る資金援助の総額は、金銭贈与額で一兆五千六百七十億円、資産買い取り額で六千七百九十九億円となっております。また、五月三十一日時点において、破綻公表を行い預金保険法の適用を予定している金融機関は三信用金庫、二十四信用組合の計二十七金融機関となっております。 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る資金の使用状況について御説明申し上げます。 預金保険機構が行う金融再生法に基づく特別公的管理銀行への資金の貸し付け等や預金保険法に基づく資金援助等の業務は、それぞれ預金保険機構の金融再生勘定並びに一般勘定及び特例業務勘定により経理されております。 その使用状況を申し上げますと、五月三十一日現在で、金融再生勘定の借入残高が四兆百九十八億円、一般勘定の借入残高が一兆二千七百四十一億円、特例業務勘定の借入残高が二兆九千九百六十二億円となっております。特例業務勘定の特例業務基金に交付された七兆円の交付国債の償還状況は、五月三十一日までで一兆五千二十六億円となっております。 ただいま概略を御説明申し上げましたとおり、金融機関の破綻処理に関しましては、これまで関係の法制度にのっとり所要の措置を講じてまいったところでありますが、今後とも我が国の金融システムの一層の安定に向けて万全を期してまいる所存でございます。 それでは、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井國臣君 ミスター長銀こと竹内宏さんでございますけれども、最近でこそ余りマスコミに出ておられませんが、かつては国民的人気の経済評論家であったかと存じます。 その竹内さんでございますが、長銀を退職されましてからずっと長銀総合研究所の理事長をしておられました。長銀の破綻とともに長銀総合研究所はベンチャー企業パソナグループに買収されましたので、当然、竹内さんは理事長をおやめになりました。たしか昨年の十二月ごろだったかと存じますが、竹内経済工房とかなんとかいうシンクタンクをおつくりになりまして、現在いろいろとおやりになっているんじゃないかと思います。 そのことはどうでもいいんですけれども、ずっと私が気になっておりますのは、その新しいシンクタンクをおつくりになるころ、長銀破綻の恨みを晴らしたい、そうおっしゃっていたという点でございます。新しいシンクタンクをおつくりになった理由の一つに、ヘッジファンドに対する恨みを晴らしたい、そういうことがあるようでございます。 基本的には、長銀はまことにずさんな経営をしていたということでありますので、破綻の原因は長銀自身にあった。そのことは言うまでもないことでございますけれども、長銀の病的な傷、その傷をこじあけて死に至らしめたのはヘッジファンドであるというのが竹内さんの見方のようなんですね。つまり、ヘッジファンドのいわゆる六月攻勢、これが致命傷になった、長銀はヘッジファンドによってとどめを刺されたということのようでございます。 さて、そこで質問でございますけれども、まず最初に、ヘッジファンドの恐ろしさについてでございます。長銀を例に質問いたしますけれども、これは単なる一例でございまして、念のために申し上げますけれども、こういったことは一般的に行われる可能性があるということかと存じます。 そこで、六月攻勢のことでございますが、長銀の場合、株価が急落した昨年の六月十七日から二週間の間に、新聞に出ているだけでも、ソロモン七百三十万株、モルガン千百三十万株、ゴールドマン・サックス千三百七十万株、メリルリンチ六百九十万株と大量の売りを浴びせております。もちろん売りのみで、買いはほとんどないということでございます。そういった売りについては多分ヘッジファンドがお客さん、こういうことだろうと思います。 そこで質問でございますが、長銀に対するヘッジファンドのいわゆる六月攻勢について政府はどのような認識を持っておられるのか、ヘッジファンドの恐ろしさというものをおわかりいただいているのかなということでございまして、まことに恐縮でございますが、大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 金融再生委員長の方から。
○岩井國臣君 どちらでも結構でございます。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長銀の破綻に至った背景と申しますか理由について、今、岩井先生の方から、OBである竹内宏さん、たまたま私の同郷の著名なエコノミストでありますけれども、彼の言説を引いてのお尋ねでございます。 ただ、私がまずその点について申し上げますと、承知しているところでは、竹内さんは長銀の破綻の背景というか理由というものをもっと構造的にとらえている論文も同時に発表されておられまして、私もそれを読ませていただいております。 要するに、長銀はいわゆる金融債による資金調達によって日本の成長産業の大きな柱になったところの重厚長大型の重要産業に対して長期資金を提供しておった、こういうことであるけれども、まずその金融債の資金調達面においては、戦後国債が発行されるようになってから大変な競争相手があらわれてきて、金融債に投資をしてきた人たちのマーケットというものを独占できなくなった、そういうことが一つあった。 それからまた、他方、重厚長大型の大企業というものは、もともとがだんだんソフト産業に移行する中で日本経済におけるウエートを下げていったけれども、同時に彼らは資金調達の手段を多様化してみずから直接市場から資金を調達するというようなことを始めたので、この面でも長期信用銀行の活動の範囲というものが構造的に縮小されていった。 これが、長期信用銀行がなかなかその業務において難しい局面に立たされ、そしてそれのいわば脱出口として中小企業者あるいは不動産融資というようなものに流れていった。それがまたバブルの時期に当たってしまって今日のような事態を迎えた、こういうようなことを申されております。そういう論文が本人においてもこれは破綻後でございますが書かれております。 そういったことについてのいろいろな言説というものがマスコミにあらわれて、そしてそれがトリガーになって、いろいろそういう市場でもって先行きを見通してそれに攻勢をかけていくというような資本の動き、やや投機的な資本の動きというものが株価の急落を招いて資金繰り的にも厳しい状況に立たされていったということが、長銀の大体の今日に至る構造的及び現象的な経過ではないかと思います。 すべてがそういう短期資金あるいは投機資金の動きが原因であるというようなことではなくて、私どもは、その全体の過程というものをしっかり視野に置いて今後の金融システムの安定と活性化のためにどういうことを考えていったらいいかということで今取り組ませていただいておるところであります。
○岩井國臣君 おっしゃるとおりだと思います。構造的な問題が一番の問題、基本的な問題であろうかと思います。 しかし、そういった投機的な動きがあるというのもこれまた事実でございまして、そういったことに我々はどう対処するのかという問題がやっぱりあるだろうと。長銀ばかりでなく、拓銀も山一も大体こういう調子で売り浴びせをこうむったということではないかと私は考えておるわけでございます。 それではまず、一連の金融破綻に関しまして、その責任問題について質問させていただきたいと思います。金融機関の経営者責任の問題でございます。 大手十七行中十二行が二〇%ないし三〇%退職金支給を減額する方針と報道されておりました。言うまでもなく、目下六十兆円の公的資金の枠というものを用意して金融システムを何とか保全しようとしているところでございますが、そういった公的資金を用意するという国民的な我々の立場からいたしますと、そういった減給措置というのは当然のことだろうと思います。 そこで質問でございますが、公的資金の投入を機に、金融機関の経営陣の給与水準に対する国民の目というものも大変厳しくなってきている、そういうことが背景にあろうかと思います。各行とも赤字決算でありますとか減配等の経営の失敗、これは明らかでございまして、退職金の減額は当然のことであろうかと思います。残りの五行はどうするのか明らかでございませんけれども、金融機関の経営責任について、一般論で結構でございますが、どのようにあるべきなのか、金融再生委員長の御見解をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 金融機関に限りませんですけれども、一般的に言いますと、企業の役員報酬や賞与あるいは退職慰労金といったようなものにつきましては、個々の役員の業績や企業自体の収益状況等をにらみましてそれぞれの企業が自主的に経営判断の一つとして決定すべきものである、最終的には株主総会の決議によりこの手続が進んでいくものである、このように考えておるところでございます。 そういう中で今度私ども金融機関については金融再生法あるいは金融機能健全化法というようなもので公的な資金のかかわりを持たせていただいたわけでございますが、特にそのうちの金融機能健全化法におきましては、こういった面につきましてはこの法律そのもので、国会の、立法府の皆様、先生方によりまして、資本の充実の度合いによって、これらについての方針の決め方と申しますか、きめ細かい対処の仕方というものについての指針が示されておるというふうに受けとめております。 私どもといたしましては、この法律の運用に当たりましては、そのあたりの国会に示された国民の意思というものを十二分にそんたくをいたしまして、片方において経営責任を追及するというそういう要請、片方において、さはさりながらいろいろな意味で経営が今後に備えて十二分の探求とそれから行動をしていってもらわなきゃいけない、思う存分の指揮権を発動してもらわなきゃいけないという、そういうような要請がありまして、その両者のバランスの上でできるだけ決めていこうということで具体方針を決めさせていただいて、それにのっとっての各行の対処をお願いしておる、こういう段階です。
○岩井國臣君 次に、銀行の貸し渋りの問題、中小企業向けの融資の問題に関連してでございますが、公的資金を受けたにもかかわらず経営健全化計画が達成できなかった銀行というのが相次いでおった、未達成の銀行に上積みを求めたという報道がございました。まず、その点事実関係を確認させていただきたい。 次に、計画の達成は、これはもう公的資金を受けている以上金融機関の責任である、責務である、ちょっとそこまで言えないのかもわかりませんが、やはり条件としてそういうことが書いてあるということの意味は大変重いだろうと思います。そういうことで、やはり金融機関はそういった中小向けの融資についての実績というものを積み上げていく努力をしてもらわないと困るということだろうと思いますが、先ほど言いました事実関係と御見解につきまして金融再生委員長の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 金融健全化法の目的は、申すまでもなく、一つは不良債権の処理でありますし、またもう一つは貸し渋り、クレジットクランチの克服、こういう二つのことで制定されたものでございました。 そこで、信用供与の円滑化という主題のもとで私ども健全化計画というものを提出させてまいったわけでございますが、特にそのときに、単なる信用供与の円滑化ではなくて特に中小企業に対して金融の疎通に遺憾なきを期してもらいたい、貸し出しの増加を図ってもらいたいということを、特に私どものレベルで、法律を上回る一つの要件として健全化計画に盛り込むようにということを指示させていただいたわけでございます。 言いわけがましくなりますのですがちょっと言わせていただきますと、健全化計画のスタートはこの四月以降でございまして、いわばそのスタート時点にぴったり間に合うように三月末に資本の注入をいたしたということでございまして、私ども、しかしこのスタート台の状況というものをより正確に把握しておく必要があるということから、私どもは報告を徴求してこれを公表させていただいたということでございます。 それでは、スタート台の信用供与の状況はどうであったかと申しますと、今先生御指摘のように、十五行中八行におきまして中小企業向け貸し出しが当初の見込みどおりの残高に達していなかった、こういう報告を受けたわけでございます。 この点について先生もっと努力させるべきじゃないかということでございますが、これはもう言うまでもないところでございまして、各行自身がこの報告の中におきまして、今後いわばスタート台の未達の部分も含めて本年度中に当初目標どおりの増加額を確保する、つまり当初目標の増加額に未達部分を上乗せする、そういう努力を図るということを彼らの意図として既に表明をいたしております。 したがいまして私どもは、ぜひそうしてもらいたいということで、今後のモニタリング等に当たってはこのあたりもしっかり監督庁とともに見てその確保に努めてまいりたい、このように考えているところであります。
○岩井國臣君 金融機関自体の経営責任あるいは行政の責任、いろいろ質問させていただきたいこともございますし、通告もさせていただいておった部分があるんですが、時間がなくなりましたので、冒頭に申し上げましたヘッジファンドにつきまして二、三質問させていただきたいと存じます。 最近でこそいろいろとヘッジファンドのことが問題になってきておりまして、規制の必要性というものが真剣に議論されるようになりました。しかし、当時はマスコミも多くの経済学者も大体は市場万能主義で、新古典派が言うところの市場原理がもてはやされておった、そして長銀をたたいた、長銀に対する同情なんて一かけらもなかったように思います、今もないのかもわかりませんけれども。私ももちろん長銀のずさんな経営には大変な憤りを感じますけれども、それと同時にヘッジファンドに対する憤りというものも感じるのでございます。 昨年の金融経済特別委員会、それからことしの予算委員会及び財政金融委員会でも、それぞれ何らかの形で私はヘッジファンドの問題に触れさせていただきました。金融資本市場というものは、近年、金融技術の高度な発達とともに、あるいはまたいわゆるグローバリゼーションによりまして、一つの大きな流れといいますか流行になりました。国際レベルですばらしい経済発展をもたらしていくんだとされてきております。そのメリットというものが大変強調されてきた。しかし、現実に起こったことは、株式などの資産価格の変動だとか行き過ぎ、ボラティリティーだとかオーバーシューティングなんて言われていますが、そういったことでございまして、実体経済に大変なデメリットを与えるようになってきているのではなかろうかと存じます。ヘッジファンドは、その動きに多くの投資家が追随するということがございまして、市場を何とでも操作できるんではなかろうか、そんな心配もあるんです。そういうことで、最近では理論面、実証面でいろんな研究も進んできているようでございます。 理論面では、株価等の金融資産の価格が自己増殖的に変化いたしまして理由のつかない価格変動をもたらすんだというカオスの理論、それから誤った情報等によって価格が大きく変動するというノイズの理論、そんなものがいろいろとあるんです。カオスのことにつきましては私はさきの財政金融委員会で少し触れましたけれども、ともかくこういう新しい理論が最近どんどん出てきておる。勉強する側も大変だと思います。 そこで、質問でございますが、カオス理論とかノイズ理論を踏まえまして、市場の失敗とかヘッジファンドというものに対する基本的な認識を教えていただきたいわけでございます。それでまた、金融資本市場における政府の関与のあり方につきましても御見解をお聞きしたい。これは大蔵大臣にできればお答えいただければと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般に、市場の論理というものは市場に参加する人々が合理的に行動するはずであるという前提に立っておると思います。 しかし、現実には必ずしもすべての参加者が合理的に行動するとは決まらない、誤った情報に基づくこともありましょうし、誤った判断に基づくこともあると思います。そういう場合には、市場が予想されたとおりの反応をしないことになります。また、場合によっては市場外の条件があって、それによって市場の論理というものがそのとおり影響を受けて動かないこともある。そういうことをあわせまして、カオス、ケーオスだとかあるいはノイズだとか言っておるんだと思います。 そのことは、基本的には私は人が誤って行動するということについてそれを防ぐ方法というのは大変に少ないと思いますが、はっきり言えることは、情報が正しく与えられるあるいはディスクローズされるということが比較的そのことを防止するのに役立つのだろうと思います。 したがいまして、政府の機能というのは、市場が合理的に行動していないときに市場が合理的に行動し得るような状況にそれを戻すことであろうと思います。しかし、国が株式市場に直接介入するというようなことは普通はないことでございます、恐らくあっていいことではない、為替市場には時々ございますけれども。 したがいまして、国の仕事は、市場が正常の運営に戻るような何らかの措置及び基本的にはディスクロージャーによってそのような間違いが起こらないように、これは国の責任だと思うのでございますが、そういうことではないだろうかというふうに考えております。 先ほどからヘッジファンドのお話がございまして、いわゆる私どものG7各国の大蔵大臣が何度もこの議論をいたしておりますけれども、投資はいいが投機はいけないということはだれも言い切れないわけで、その区別を言ってみろといっても言えないものですから、結局今G7はやっぱりディスクロージャーということが一番大事なことだというようなところにおりますのはそういうことではないかと思います。
○岩井國臣君 そのディスクロージャーの件ですね。ヘッジファンドに融資している銀行の情報開示の問題、銀行自体それからさらに突っ込んでヘッジファンド自体の情報開示の問題、両方ともさきのケルン・サミットで議論になったんじゃないかと存じます。しかし、私ども大方の期待に反しまして、ヘッジファンドに対する直接規制については見送りになったというふうに報道がございました。この問題はいずれまた別の場でお聞きさせていただきたいと思いますが、時間もございませんので、本日は政府の失敗に関連いたしまして一つだけ御質問させていただきたい。 ヘッジファンドでありますとかあるいは空売り等の情報も含めまして、先ほど大蔵大臣申されましたように、政府関係機関の市場に関する情報把握というものがおろそかになりますと、やはり政府の失敗というものを招きやすい。したがいまして、まことに情報の収集、分析、判断というのが非常に大事だろうと思うんです。政府の情報収集機能というものが現在どうなっているのか、その辺御説明いただければと思います。 これもどちらにお聞きしたらいいんでしょうかね、大蔵大臣か、委員長か。
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろ関係者から報告を求めるということは当然政府はやれますし、またやっております。 それから、政府でありませんでも、例えば取引所のようなところがございます。これは会員の任意の組織ではございますけれども、そういう任意の組織としての取引所はやっぱり会員の行動についてある種の責任を持ち、また会員は自分たちの組織に対してある種の義務を負っておりますから、そういう形で取引所が情報を収集するというようなことはしばしばございまして、そういう中でできるだけ取引が正常に行われるということを確保しようとしておると思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これは私直接の所掌ということではないのかもしれませんが、今金融の行政組織の系統というのが若干不分明なところもありますので、私も今の質疑に対してお答えする義務があるのかなと思っておりますが。 今、監督庁の方でモニタリングということを始めるということが検討され、もうそろそろ始まるころではないか、このように考えております。 このモニタリングというのは、いろいろなリスクが金融機関の中にあるわけですが、一番わかりやすいのは今現在問題になっておる信用供与についてのリスク、いわゆる信用リスクということでございます。しかし、最近になりまして、それ以上に大きな影響力を持って、場合によっては金融機関を破滅に追い込んでしまうような大きな力を持ったリスクとして、市場リスクというものがございます。その市場リスクの中に今言った市場物と申しますか、市場で取引されるいろいろな金融商品の価値が大変な幅で上下するという問題等があります。これについてモニターする、さらにいろいろな事務的なリスクというものがありまして、これについてもモニターする。もうちょっと細かくあるわけですが、大ざっぱに分けますとこの三つのリスクというふうに総括していいと思うんですが、これらについてこれからはきちっとしたモニターを金融機関に関する限り行っていく、こういう体制ができ上がりつつあるということもあわせて御報告をしておきたい、このように思います。
○岩井國臣君 終わります。 どうもありがとうございました。(拍手)
○加納時男君 同じく自由民主党の加納時男でございます。 今、大手行の中小向け貸し出しについて岩井委員から御質問があり、これに対して柳沢委員長からお答えがあり、それを伺っておりました。 その中で、十五行中八行が未達であるということを言われました。新聞情報では、最大の未達の銀行は相変わらず五千億円を超えている、全体を合計して七千百億円を超える未達になったということが指摘されているわけでございます。 先ほどの大臣の御答弁では、繰り返さないようにしますけれども、健全化計画のスタートはことし十一年四月である、これは私も存じておりますが、そういうことでスタートの状況を把握したんだ、あくまでも十二年三月を目標として未達も埋めて頑張るんだ、こういうお話なので、これだけ聞くと非常に安心するような気がいたします。 しかし、新聞記事を見たときに私非常にびっくりしましたのは、これは見込みとか計画とか言っていますけれども、他人が立てた計画じゃないんです、銀行が経営健全化計画として責任を持って出した数字ではないか。それに対して全体で七千億円も超える未達、一行では、ある銀行では五千億円を超える未達を出した、二千億円を超えた銀行がたしか今のも入れて三行ですか、一千億円を超えたのが私の記憶では五行ぐらいあったと思うんです。 これは私は、この半年間というのは実は中小企業は最も苦しかった時期で、中小企業対策を別途ほかの面でもいろいろ打ってきた一番きつかったときに、未達でした、しかしこれはスタート台だから参考までですというような、もしそういう御認識であるとすると非常に私は遺憾というか残念に思うわけであります。もっと厳しく事態を認識すべきではないだろうかと思っております。 もともと当初計画が甘かったから軽く達成できたとか厳しい目標を立てたものだから達成できなかったとか、いろんな事情はあったと思うんです。経済は生き物でございますし、企業は自主的にやっていくものですから、私は統制経済というのには反対なのでございますが、しかしながら公的資本を注入するというその段階において、私はやはりそれぞれの金融機関の持つ社会的な責任をもっと厳しく自覚してほしいし、行政についてもそれについては厳しく見詰めていってほしい。そういう意味では、今回の未達というのは単なるスタート台における一つの参考数字としてお考えなのか、私が今申し上げたようなことを踏まえまして厳しく対処できるのか。 厳しいという意味では、例えば私の理解しているところでは、業務が不適切であれば業務改善命令まで出すことを行政府に私ども議員立法でお渡ししたと言っては失礼ですけれども、お渡ししていると思います。そういうものの反動もこれからは考えて、何としてもこの未達を埋めた上で十二年三月を目指して中小企業に対してしっかりとした支援をしていくのだ、こういう御覚悟があるのかどうか、大きな話だけで結構ですから、ぜひ大臣の御覚悟を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今御指摘のとおり、スタート台の見込み違いがあったということで、これはちょっと先生の数字を訂正というほどではありませんけれども訂正させていただきますと、五千億台が一行、二千億台が二行、それから一千億台が一行ということで、一千億台以上のそごを来しておるのは合計四行ということでございます。合わせての金額は先生仰せのとおりである、こういうことでございます。 これについてどのようにするかということは、先ほど岩井委員にお答えしたとおり既に是正をするということを申しておりますので、これをしっかり確保すべく見守っていくということでございます。それにつけても、なおまた健全化計画を達成しないとかというようなことが起こったときにどうするんだと、これは私も他の党の委員からも答弁を迫られてまいっておるわけでございますけれども、基本的に、確かに具体的に実現できる状況にありながら意図的にそれを履行しないというような、そういうようなことがあれば、そういう前提になっている措置の是正ということを業務改善命令で求めるということを通じて目標が達成するように命令をしていく、措置をしていく、こういうことでございます。 金融機関はお金を貸すのが仕事でございますけれども、何でも貸せと言って貸せるものでも相手もあることでございますのでそれはないわけで、そういうことではなくて、金融機関に対しては、例えば少し融資を抑制しろとかというようなのを組織の意思として決定して流しているというようなことが仮にあるとすれば、これはもうそんなことは是正させなきゃいけない。そういう仕組みになって、またその仕組みに立って我々は行政を運用すべきであろう、このように考えております。
○加納時男君 力強いお言葉ありがとうございました。 冒頭御指摘あったように、五行と言ったのは、私が一足す二足す一で五だと思ったのは四でした。初歩的な算数を間違ったことはおわびいたしたいと思います。 私は何も、何でもかんでも貸せとか、未達はけしからぬ、未達と言ったら即改善命令だなんて、そんな乱暴なことを言っているわけじゃないのでございます。 例えば、実際に大企業、中小企業ともに経営改善、リストラをやっていったので当初借りようと考えていた資金は借りないでも済んだ、立場をかえれば、大企業から中小への貸し出しの資金の実需が減った、こういうことはこれからもあり得ると思うんです。ですから私は、減ったらば即けしからぬと言うのじゃなくて、実態をよく見ていただきたい。見ていただいた上で、大臣が今まさにおっしゃったように、実現できる、つまり融資ができる状況にありながら意図的に貸さないといったようなことが現にあるというふうに私も耳に入っているものですから、それでこう質問しているわけなんでございますが、そういうことがあるとすればこれは厳しく注意をしていただきたい。 繰り返しますけれども、企業は自主的な責任でやっていき、自主独立でやっていき、行政に迷惑もかけないし指図も受けないというのが一番望ましいと思うんですが、何分国民の非常に関心の高い公的資金を注入したというその一点において私はこれにこだわっているわけでございます。ぜひとも、形式的な発動ではなく業務改善命令もあり得るんだということをこの場で今おっしゃっていただきましたので、それも頭に置きながら、しかし企業の自主性も尊重し、弾力的、効果的な行政をぜひお願いいたしたいということで、この問題は打ち切りたいと思います。ありがとうございました。 次に、今大手のことに入りましたので、地域銀行に入ってみたいと思います。 これは監督庁になるのかと思いますけれども、地銀、第二地銀、これは地域経済に大きな役割を果たして、今たしか一つ減って百二十一行ぐらいあると思うのでございますけれども、これも大手銀行と同じように収益の伸び悩みと多額の不良債権を抱えまして、これを処理することによって厳しい経営環境と認識しているわけでございます。 この地域銀行の最近実績が出ていると思うんですが、全体はまだわからないかもしれませんので大ざっぱで結構でございますから、例えば業務収益の前年比ですとか、不良債権の処理額とか、最終赤字は幾らになっているとか、赤字企業は大体何%ぐらいだとか、最後に自己資本比率はトータルで結構ですけれどもおおよそ何%ぐらいか。答えだけで結構ですが、お願いします。
○政府委員(日野正晴君) お答え申し上げます。 破綻金融機関等を除く地銀、第二地銀の平成十一年三月期の決算の状況でございますが、まず第一に業務純益について申し上げますと、地銀が九千五百四億円、第二地銀が三千十五億円でございまして、合計一兆二千五百十九億円でございました。これは前期に比較いたしますと三一・八%の減少でございます。 次に、不良債権の処理額でございますが、地銀が一兆八千七百二十億円、第二地銀が一兆九百五十六億円でございまして、合計二兆九千六百七十六億円でございました。これは前期に比較いたしますと一五・一%の増加となっております。 次に、赤字決算銀行を当期利益ベースで見ますと、地銀が六十四行のうち二十六行で約四一%ございます。それから第二地銀五十七行のうち二十三行ございまして約四〇%でございます。計百二十一行ございますが、そのうち四十九行で約四一%、前期に比較いたしますと十四行増加しております。 それから、次に自己資本比率でございますが、これは単体ベースで申し上げますと、八%未満の金融機関の割合は、地銀が六十四行のうち二十行で約三一%でございます。それから第二地銀が五十七行のうち四十三行で約七五%ございます。計百二十一行でございますが、そのうち六十三行でございまして約五二%ということになっておりまして、これは前期に比較いたしますと七行の増加になっております。 以上申し上げましたとおり、地銀、第二地銀の平成十一年三月期の決算は、多額の不良債権を処理したことによりまして引き続き厳しい決算になっておりますが、各銀行におきましては今後思い切ったリストラあるいは業務再構築等による収益力の強化が必要であると考えているところであります。金融監督庁といたしましても、引き続き各銀行の財務状況の正確かつ継続的な把握に努めてまいりたいと存じております。
○加納時男君 ありがとうございました。大変に状況は厳しいということがよくわかりました。 こういった厳しい状況の中で、地域銀行への公的資金の注入があったのかないのか、あったら幾らか、これを伺いたいと思います。 たしか私の記憶では、早期健全化法で決まった総枠というのは公的資金の注入枠が二十五兆円あって、今まで大手行へは七兆五千億円程度注入されていると思いますが、地域銀行はトータルで結構ですがどのくらいあるでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 預金保険機構の早期健全化勘定、先生御指摘のとおり、二十五兆ございます。そして、大手に対しまして、先生御指摘のとおり、七・五兆出しておりますので、残りがまだ丸々残っております。 先生御指摘は、去年の三月の公的資金注入の際の勘定一・八兆全体で公的資金注入いたしまして、その中には確かに地銀もございました。ございましたが、その注入は早期健全化勘定ではございませんで、金融再生勘定の方にのってございますので、そういう意味では、今後の地銀への公的資金注入という意味でございましたら、二十五兆から七・五兆を引いた残りが丸々用意されているというふうに認識しております。
○加納時男君 私の記憶では何か横浜銀行に二千億円ぐらいやったような気がしますけれども、これは小さな話ですから……
○政府委員(森昭治君) 間違えました。
○加納時男君 いや、いいんです。知っていて聞いては失礼ですから、私の記憶もあやふやなんで、済みません。ほとんどないということは正しいと思うんです。少ないのはなぜかというのをちょっと伺いたいんですが、なぜ、ないとかあるいは少ないんでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 まず、先般大手行という中に地銀の横浜銀行が入っておりまして、まさしく先生の御指摘のとおりでございまして、訂正させていただきます。 それから、それ以外の地銀につきましては、先般、「地域金融機関の資本増強についての基本的考え方」というものを再生委員会で議決させていただきまして、世に公表しております。この考え方が各地銀に伝わりまして、今後公的資金注入の申請が出てくるものと期待しております。
○加納時男君 そこで、私がぜひここで伺いたいことがあります。 それは、地域金融機関に対する公的資金注入についてというのが先般打ち出されたわけでございます。私は実は新聞記事を見て一番びっくりしたのは、注入後の自己資本比率を八%以上にするという項目なんです。これを見た人は、私ももちろんそうですけれども、跳び上がって驚いたわけでございます。 実は、金融再生委員会にお願いして発表文をいただいたんですが、六月十日の発表文を見てみますと、「金融システムの安定化が図られるよう十分な額の資本増強を行う。その際、申請金融機関が国内基準行の場合にも、単に国内基準行としての最低限の水準を満たすとの考え方ではなく、今後発生し得るリスクにも対応できる水準となることを目指す。」、こう書いてあるので、これは一つの見識のある考え方だと思うんです。このことと新聞に載った八%以上というのとちょっと話が同じなのかな違うのかなと思うんです。 私の理解では、例えば国際業務をやらない国内業務だけやっていく銀行であれば、BIS基準でいっても四%あればいいわけですから、何も八%と言わなくたっていいんじゃないか。 さらに、今回拝見しますと、検査マニュアルの前倒し適用ということも考えておられるようでありますから、検査マニュアルの前倒し適用をやればしっかりとした検査もできますので、いわゆる四%であってもいいんじゃないのかなという意見もあるかと思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。この背景とか、私が何か勘違いしていたら指摘していただきたいと思うし、勘違いでなければ、ぜひその八%というものについて御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) まず第一に、地域金融機関、第二地銀それから地方銀行と言われているカテゴリーの金融機関でございますけれども、これらにつきましては、もともと一斉検査が九月期を基準日として、先般の九月の中間決算についての一斉検査が終了しておらないということ、そういう事情がありまして、検査が終わってから資本注入という作業に入ろう、これが別に申し合わせているわけではありませんけれども官民の共通の何というか心構えということになっておりまして、そういうことで大手行に比べてワンステージおくれた形での様相になっておるということで、この点はそういうふうに御理解をいただきたいと思います。 そこで、資本注入の考え方ですけれども、基本的には、先般「基本的考え方」という再生委員会の決定において明らかにいたしましたように、大手行と考え方は軌を一にするわけでありますけれども、あえてそれを再確認しておきたいことであるとか、あるいは大手行の場合にはなかった事情についてうたっておかなきゃならないという事柄を中心としてこの「基本的考え方」という文書を取りまとめさせていただきました。 その中に、今の資本増強の考え方というものが出てくるわけでございますけれども、これは、資本増強の額を幾らにするかというのは、一つは必要性の原則みたいなものがありまして、これは大手行のときにやったように不良債権をちゃんと処理する、とりあえず引き当てであっても処理する。それからまた、私どもは、今は多くの銀行で有価証券については簿価をバランスシート上計上しておりますが、しかしこれについては実質時価で評価をして、それに見合うような資本を用意するようにといったようなことから必要額というものが出てくるであろう、こういうことでございます。 一方、それに対して制約というものもあるわけでございまして、それならたくさん積めば積むほどいいのかといえば、これは実は最終的には投入する政府の側からいたしますと、これを回収しなければいけないということでございます。 せんだってある講演会に行きましたら、財界の人がこれは資本金でなく借金と思えなどというようなあからさまなことを言っておられましたが、そこまでこれは言ったらちょっと言い過ぎなんですが、基本的にはやはり処分なり償却なりという格好で金融機関はその利益を原資としてこの処理をしなければならない。そうすると、自分たちが予想される利益が幾らであるかということがこれは制約条件ということになってまいるわけであります。 それらのことで基本的に決まるのでありますけれども、しかし同時に目標、そういうものが許容できるということであったとき、一体幾ら入れるかというときには、私どもは大手行の場合には大体欧米の一流行並みの一二%ぐらいのところを目標にして、念頭に置いて、念頭に置いてこれを注入していこうという考え方をとったのでありますが、それと同じような意味での地域銀行の場合の数字は一体幾らなんだろうかということを記者会見の席上質問をされまして、私どもとしては八ぐらいをめどにして考えるということでありますということを申し上げたということでございます。八以上を要求とか、翌日の新聞でちょっと誤解を与える表題などがついておった記事には逆に私どももびっくりしたということであります。 そういう趣旨でありまして、これはひとえに、今先生がおっしゃったように、第一線の準備は引当金というようなことでありますが、最後は資本金で受けとめてもらわなきゃならないわけでございますので、今後ペイオフ等のことを考えるとそういうものをしっかり積んでおいていただくということが健全行であるということを主張する何よりの国民あるいは預金者に対する証拠であって、そういうことをアピールできるようなことを、少なくとも政府が資本注入に当たってはそのことを考えてまいりたいということを申したというところでございます。
○加納時男君 私は、自己資本の充実が望ましいということ、大手行も八%に安住することなくもっと高目を目指す、中小も頑張る、こういう基本的な精神は何ら反対しているんじゃなくてもっともだと思いますし、それが今回の金融再生委員会でのまさに大臣がおつくりになった地域金融機関の資本増強についての基本的な考え方を貫いている精神なので、私はこれを非難しているんじゃなくて、まさにこれで行ってほしいと思っているわけです。 あくまでも私は、記者会見のときに恐らく新聞記者にいろいろ質問されて本音をおっしゃったかどうかわからないんですけれども、八%とおっしゃるとその数字だけがどんどんひとり歩きしちゃうので、私は八%と聞いてこれは反対と思ったものですからきょうは早速質問させていただいたわけでありますが、御趣旨はよくわかりましたので、そういうことでこれからも硬直的じゃなくて弾力的な大臣のお人柄と同様にうまく運用していただきたいと思っているわけであります。 さて、地域銀行のもう一つの課題は体質強化。地域銀行は、私どももよくおつき合いしますけれども、地域にあって地域経済の担い手として非常に重要なものである。これがこれから体力を強化するために提携したり合併したりいろんな連携工作をとっていくということは非常に重要だと思うんですが、ちょっと心配なことがありますのは、地銀には非常に歴史のあるまたプライドのある銀行がもちろんございます。そこで、経営風土だとか資産内容だとかあるいは営業基盤とか、いろんなものが異なっている。異なっているから、また異質のものが触れ合って、異文化接触でよりいいものが生まれるという面もありますけれども、このことが、異なる面が余りにも強烈な個性のある政党同士でもうまくいくこともありますので、強烈な個性のある銀行同士でもうまくいくのかなということもあるのかもしれませんが、これが一つの私の悩みなんですが、どういうふうに考えたらいいでしょうか。お考えがあれば伺いたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私ども、この資本注入に当たって、大手行についても再編ということを考えてこれに対処いたしました。大手行の場合には実質の私どもが持つ時間というものが非常に制約がございまして、本当に端緒の端緒といった程度のそうした提携あるいは子会社化といったようなことしか実現できませんでしたけれども、なお今後私どもはそうしたことに努めてまいりたい、このように考えております。 それから、地域金融機関についても同様のことを健全化法の運用については考えております。これは、再生委員会が突如としてそういうことを言い出したということではなくて、健全化法の中に再編を促して効率化を図るということを資本注入に当たっての原則的な考え方にしなさいということをうたってくださっているわけでございまして、それを受けて私どもはそうしたことに努めて、効率化と申しますか、日本の金融機関のシステムの強さというものを実現いたしたいというふうに考えておるわけでございます。 具体的に地域金融機関の場合にそれではどんなことを考えているかといいますと、私どもは今回資本注入の条件を考えるに当たって、その地域の中核的な役割を演じている銀行であるのかないのか、あるいはその中核的な銀行に競争相手としてあらわれんとしている銀行、こういうものも非常に大きな機能を果たすわけでありまして、そういう銀行であるのかないのか、それからそういう立場が占められないというようなことであるならばこれはまた再編等の要素になっていただくというようなこと、こういうことをしていただく場合には、優遇というか、条件設定に当たって奨励的な措置をとらせていただきますよということを先ほど来申し上げておる基本的な考え方で明らかにしておるということでございます。それをさあ具体的にやるときには相当難しいぞという今の加納委員の御指摘は、まさに我々そのとおりだと考えております。 それで私どもとしては、水平的な提携、もちろん一番徹底した場合には合併というようなことになりますけれども、そういうことと同時に、垂直的な第二地銀が地銀とあるいは場合によっては都市銀行とというような形の提携だとか、一番極端な場合には合併だとかというようなことで、縦、横双方について考えてより効率的かつシステムとして強い金融システムをつくってまいりたい、このように考えておるということでございます。
○加納時男君 どうもありがとうございました。 では、大蔵大臣御出席なので、一つ二つ伺いたいと思うんです。ペイオフについていろいろ御意見を伺いたいと思います。 六月一日の参議院の財政・金融委員会におきまして、日銀の速水総裁が二〇〇一年四月に予定されているペイオフ解禁の延期論があることについて触れられました。そのときの御発言では、安易な延期を視野に入れることは、コスト面やモラルハザードなどの副作用を生ずることもあり、適当でないといったたしか趣旨だと思います。こういうことを述べられまして、延期に反対だというような気持ちを述べられたと記憶しております。 いろんな御意見がほかにもございまして、例えば、ペイオフの凍結を延期するということは内外に公約したことが守られないことになっちゃうんじゃないかとか、これを延期しますと、金融機関の不良債権の処理がおくれていて信用リスクがまだあるんじゃないかと海外から見られることにもなりかねないというような意見もあります。一方、ペイオフを解禁すると、預金流出が続いて基盤の弱い中小の金融機関を直撃してしまうことが起こるんじゃないか、その結果、今ようやく安定感を取り戻しつつある金融システムを動揺させる懸念がある、だからペイオフ解禁を延期すべきだというような意見がいろいろあると思うのでございますが、これについて大臣はペイオフは予定どおり進められるのかどうかお考えを、考え方の基本でも結構でございますが、教えていただけたらと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 金融再生委員会あるいは金融監督庁におかれて、今異常な状況にあります不良債権を抱えた日本の金融機関というものをこの際きれいにしてしまおうという大変な御努力があって、また金融機関もそれに即応してそういう努力をしておられるのが御承知のように現状でございますから、そのいわば締め切り時間というものが二〇〇一年の三月である、こういうふうに一般的に理解をされておりますし、また日銀総裁の言われましたこともそのことを言っておられると思います。したがいまして、このことは安易に変更すべきではないというふうに私も実は考えております。 そこで、加納委員の御質問の趣旨は、しかし先般、金融審議会にこれに伴ういろいろな問題について問題点を整理してひとつそれを明らかにして世論の動向にも問おうではないかということがごく最近なされまして、確かにいろいろな問題があるなということを関係者が皆さん感じておられると思います。ですから、それについてなるほどという対応をいたしておきませんと今御指摘のような心配を生ずる、そういうこともございますので、これからこの間問題点として指摘されました論点整理について一つ一つ答えを出していかなければならない、そういう段階にあると考えております。 基本的にはこの方針を動かすということは考えておりません。
○加納時男君 今、大臣のおっしゃいました金融審議会の論点整理、これは私も勉強させていただいているところでございます。いろいろわからないところだらけなのでございますけれども、例えば、今おっしゃったセーフティーネットの話もございます。預金者に不安を与えるおそれがペイオフの場合あるわけでございますけれども、何らかの対応が必要だということはどなたも一致していると思うんです。 例えば、週末を使って破綻銀行を迅速処理するという例のPアンドAでございますけれども、パーチェス・アンド・アサンプションですか、こういった例が挙がっていると思うんですけれども、これをやる場合もやっぱり受け皿がないと完結しないわけでございます。 例えばアメリカで、ロスシェアリングルールというのがあって、二次損失の八〇%程度を連邦預金保険公社、FDICで負担するというのがありますけれども、こういうものは今やるかやらないかはまだ決まっていない、もちろん日本ではそういう話ですけれども、こういうものをアメリカでやったのを大臣はごらんになって、どんな御印象を持たれるか。あるいは時限立法で今ブリッジバンクというのがあるんですけれども、これを活用していくとか、いろんな手が打てるんじゃないかとも思うんですが、これについて何か御示唆があれば伺いたい、まだ決定していないのはよくわかっておりますが。
○国務大臣(宮澤喜一君) パーチェス・アンド・アサンプションというものはどういうものか、実は既に研究に人をやったりいたしましたし、またこれからもあるいは行かれるのかもしれないと思いますが、金曜につぶれたらもう月曜からはどこかへ行けばいいというようなことが、前からわかっていることならともかく破綻というのはずっと前からわかっていることでもございませんから、ある日突然に、どうしてそういうことが二、三日でできるか。恐らくは非常に大きな金融機関についてのことではなくて、セービングス・アンド・ローンぐらいな、それも地方のというようなことではないのか。そういうことができましたらそれは本当に大変にいいことでございますけれども、大きな金融機関のときにそういうことが実際的なのかどうかということがもう一つよくわかっておりません。もう少し突っ込んで調べたいと思います。 それからロスシェアリングも、これも一つのお考えですが、我が国の場合、アメリカのようにプロジェクトごとに担保が設定されておるのではなくて、我が国のように対人的な債務になっておりますと、いろんなものがございます。それをつっくるめて買ってくれ、売りましょうということがしばしば我が国の場合には多いわけでございますから、言葉は悪いですが、玉石混交で売りましょう、買いましょうという中で、これは石だと後になって言われますと、その全体のディールができなくなっちゃうんじゃないかという問題がありそうでありまして、この点も我が国の実情というものを考えながらしなければいけないんだろう、研究を両方とも続けてまいらなきゃならぬ問題と承知しております。
○加納時男君 ありがとうございました。終わります。(拍手)
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。 まず、今回の破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告の中で、透明性といったようなことを前々から柳沢委員長もおっしゃっておられるわけでございますが、その透明性に関してディスクロージャーの観点から幾つか質問をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。 実は、ことしの三月期の長銀の決算短信あるいは日債銀の決算短信というものを金融監督庁の方からいただいておりまして、その決算短信を見ますと、その前の期に出されておりますこういったアニュアルレポートあるいは有価証券報告書に出ていた数字で出ていないものがある。以前は細かく発表していたのにかかわらず、最近の国有化された後は発表されていないものがございます。 幾つかありますが、具体的に申し上げてまいりますと、例えば営業経費の細目が発表されていない。あるいは役務取引の状況についても発表されていない。あるいは有価証券報告書には一般の方々が関心を持っておられます、例えば資産の保有状況、保有の量とか社宅の保有状況、今までは発表されていたのにもかかわらず、今度の決算短信では発表がなされていないわけでございます。 一方で、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告、きょう出していただきました報告には、いろいろな計画、営業経費の削減計画なども詳細に書かれておるわけでございますが、計画は書いてあって報告がないというのはどういうことなのか、ちょっとそこの点を御質問させていただきたいと思います。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、日長銀が特別公的管理銀行に移行する前におきましては、有価証券報告書というものを出しておりまして投資家に対してディスクローズをしていたわけでございますけれども、特別公的管理銀行になりました後は、上場有価証券の発行者ではなくなったこと等によりまして、証券取引法に基づく開示義務がなくなったと承知しております。(「逆だよ」と呼ぶ者あり) 一方、両行、長銀及び日債銀のディスクロージャーにつきましては、これまで同様、商法に基づき、計算書類等を本支店に備え置いているほか、任意ベースで既に決算発表を実施しているところでございます。 銀行法に基づくいわゆるディスクロージャー誌の公衆縦覧を今後行っていく予定でございますが、その中におきましては決算短信以上のことを、すなわちこれまで有価証券報告書に出していたことを要約した形のものをそこに盛り込んでいくことを検討しております。
○浅尾慶一郎君 税金でもってこれから公的資金で債務超過分を穴埋めしていくということでございますから、少なくとも今までどおりの報告を同時のタイミングで当然できるわけでございますので、その資料請求をさせていただきたいというふうに思います。
○委員長(坂野重信君) 後で理事会で諮ります。
○浅尾慶一郎君 もう少し具体的に申し上げますと、なぜそういったようなことを申し上げさせていただくかという御説明をさせていただいた方がわかりやすいかなと思いますが、例えば今までの報告書の中には、人員が何人ぐらいいて平均給与がどれくらいあるかということも当然有価証券報告書の中では出ておるわけでございますが、今回質問に立つに当たりましていただきました決算概要にはそういったような資料が全くないわけでございます。 別にのぞき見趣味的なことをするつもりはないんですが、ただ、これだけ多くの国民の方の関心が高いものでありまして、幾ら税金が使われるかということも当然関心が高いわけでございますから、詳細な今まで以上の開示をぜひ金融再生委員会の柳沢委員長の御決意のもとで出していただきたいと思います。そしてまた、当然、長銀あるいは日債銀は月次でもっていろいろな統計の資料を再生委員会にあるいは監督庁に出しておるところだと思いますが、そのような資料も出していただきたいと思いますし、加えて、せっかくこの報告書ではこういう計画で出しますよということを言っておられるわけでございますから、計画に基づいた予算というものがあるんだと思いますが、その予算を出していただければ、予算に対して実際の決算の段階でどういうふうになったのかということが国民の前で明らかになると思います。 ですから、要約いたしますと、まず予算、今までどおりの報告を出していただくのに加えて、長銀、日債銀あるいはその他の各銀行の予算書といったようなものを出していただいて、そして六カ月に一回程度行われる報告の中で決算と対比をさせていただきたいために、まず予算書を出していただきたい。 それからもう一つは、月次のいろいろなバランスシートの動きというものを報告しているはずでしょうから、あるいは資金の移動といったようなものを報告しているでしょうから、その資料を出していただきたい。その資料請求をさせていただきます。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、決算短信だけでは不十分だという先生の御指摘を踏まえまして、今後ディスクロージャー誌にどの程度、先般の有価証券報告書に出てきた内容の中のどの程度をまた盛り込んでいくのかという、いずれにしても決算短信よりか広い範囲で盛り込むことは考えております。それを行っていく予定でございますけれども、どの程度また入れていくかということについては検討させていただきたいと思います。 また、予算という話でございますけれども、営業経費という意味におきましては、合理化計画の中に盛り込んで公表しているところでございます。
○浅尾慶一郎君 大臣の決意並びに、なぜ今までよりもディスクローズが後退してしまったのか、あるいは今後今まで以上にディスクローズをしていくべきだと私は考えますけれども、大臣の考え方をお願いします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) ディスクロージャーのカバレッジと申しますか、それが国有化後少なくなったんじゃないかという御指摘は、結果においてそうなってしまったということは御指摘のとおりでございます。 これはもう、有価証券報告書は一般投資家向けにつくられる資料ということでございまして、これが必要なくなったということで、財務局の承認を求め、承認のもとで有価証券報告書の資料は提出しない、こういうことを長銀、日債銀はやったというふうに承知をいたしております。 そこで、問題は、委員の仰せのとおり、ディスクローズはこれを縮小するということはあってはならないというふうに思いますし、ただ、その先と申しますか、ディスクローズの先というのは、私は、このようなケースの場合には、多分国会というところがいわば我々のディスクローズのあて先と。そして、国民の監視のもとでいろんな御論議をいただくということになるのが至当ではないか、このように考えております。(「だから、今論議しているんだ」「経理にも触れなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○浅尾慶一郎君 ですから、再度お伺いしますけれども、国会を通して、今の大臣の御見解では、今まで以上にディスクローズをしていただくと。なぜかというと、結果として、また後ほども触れさせていただきますけれども、長銀一行でかなりの額の公的資金、税金が使われることはもう明らかなわけですから、それを少しでも少なくするためにもディスクローズをして、多くの人の目に触れることによって悪くなることは私は決してないというふうに考えておりますが、その点についてもう一度大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生仰せのことは私、理解できるつもりでございます。ただ、その場合も、ディスクローズをした結果、経費は少なければ少ないほどいいということが国民負担を少なくするために必要だという観点、これはもう当然のことでありますけれどもございます。と同時に、しかし、長銀とか日債銀、国有化のもとにある銀行の、フランチャイズバリューという専門用語がよく使われるわけですけれども、そういうものを維持していく、こういう観点も非常に必要だというふうに考えるわけでありまして、今ちょっとお話が不規則的にございましたように、まさにその材料でもってそういうところのあんばいについてファインチューニングをしていくということが我々に課された課題だろう、このように考えております。(「再答弁だ」「だからディスクローズをやらないというのか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○浅尾慶一郎君 今の御答弁を私なりに解釈させていただきますと、国民は知らなくても、専門的過ぎてあるいは開示することによって無用な誤解を生む可能性がある。例えば、営業経費がフランチャイズバリューを維持するためにある程度必要だということがあるとするならば、まあそれはあるかもしれません。あるかもしれませんが、それを開示することが無用な誤解を生むというふうに聞こえたんですが、そうでないということであればそういうふうに御答弁いただきたいと思いますし。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 大変失礼しました。 私の発言の真意は、議論において私どもはそういうことを念頭に置いてバランスのいい判断をしていかなきゃならないということであって、その素材としての資料の提供ということについては、これは国会に対してはやっていかなきゃいけない、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 議論の前提としてデータは今後出していただけるというふうに理解をさせていただきます。その資料請求はさせていただきますので、ぜひよろしくお願いいたします。(「委員長よろしくお願いしますね」と呼ぶ者あり)
○委員長(坂野重信君) 先ほど私が言いましたように、後で理事会で相談します。 それから、皆さん、静かにしてください、質問者以外は。
○浅尾慶一郎君 では、個別の話に入らさせていただきますが、預金保険機構から長銀に対してあるいは日債銀に対して貸し付けを行っております。これは、金融再生勘定という勘定から貸し付けが行われているわけでございますが、その貸し付けされたお金を一部長銀は返されておる、あるいは日債銀は全部返されておるというわけでございます。 きょうは保険機構の理事長もお越しでございますが、ちなみに平均の貸付金利は、長銀、日債銀、幾らくらいでしたか、利率をお答えいただきたいと思います。
○参考人(松田昇君) お答えいたします。 年利にして〇・五%でございます。
○浅尾慶一郎君 平均の貸付利率が年利で〇・五%であったということなんですが。 では、今度返したということは、別に市場から調達をされておるということだと思いますが、その調達の平均金利というのが大体幾らぐらいになっているんでしょうか。 なぜこういったことを聞くかといいますと、城南信用金庫さんの会長ですかも、真壁会長というお名前だったと思いますが、非常に自分のところにダイレクトメールが来ている、ダイレクトメールには、プラスエイジという新しい商品を長銀の場合は発売した、それは今の基準金利に御自分の年齢の〇・何%かを乗っける金利ですと。ですから、例えば六十五歳の方ですと、今の預金が大体〇・一五%だと〇・七%になるということで、しかも、これはわかりませんが、店頭で聞くと、若い方が行くと、いや、お母さんの保険証を持っていらっしゃいという営業をしているということが報道をされておりました。 そういうことがあるものですから、もしかして、いろんなほかの背景があるかもしれませんが、〇・五%のお金を返されて、一体今平均の調達金利が幾らになっているか、その点を教えていただきたいと思います。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 長銀の場合でございますけれども、平成十年度の債券発行利回りは二・〇八%、預金等利回りは〇・六九%となっておりまして、過去に発行いたしました五年物利付債等、そういう長いものも含めた平均資金調達利回りは二・三六%に長銀の場合なっております。
○浅尾慶一郎君 そうすると、〇・五%のお金、これは公的資金の分もありますけれども、を返して、もっと高いお金で調達をしているという理解でよろしいわけですね。事実だけで結構です。
○政府委員(森昭治君) お答えいたします。 その点につきましてはそのとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 わかりました。 いろいろな経営判断があったのだろうというふうに推測をさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。 さて、私が以前から財政・金融委員会でも問い合わせをさせていただいております問題に入らせていただきます。 今回の報告書の中でも、透明性を高めるために長銀及び日債銀についてフィナンシャルアドバイザーを雇われたということでございますが、まず第一点、フィナンシャルアドバイザーが業務に携わるのと、長銀の今の取締役あるいは日債銀の今の取締役がフィナンシャルアドバイザーが果たす役割を単独でやるのと、あるいは金融再生委員会の指導あるいは指示あるいは助言のもとでフィナンシャルアドバイザーなしでやるのと、透明性においてどう違いがあるのか、その点をちょっと教えていただきたいと思います。書いてあることですから、ここに、「透明性が高まる」と。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 我々、長銀の受け皿金融機関を探すときにフィナンシャルアドバイザーを使うということを委員会で決定してそのようにいたしましたが、これは一つには、そこに書いてございますように、透明性を高めるということと、加えて、これは私の個人の気持ちということもありますが、前にも御答弁したように、これは長く置けば資産の劣化を来すからできるだけ早くということの、この二つの面がございました。 透明性については、やはり第三者と申しますか、特にこれにかかわるということになりますと、先生は御案内のとおりでございますが、まさにインベストメントバンキングビジネスでございますから、そういうサービスを受けることによって第三者の目を入れて当事者間の契約が図られる、こういうように独立の企業体が絡むことによって透明性は高まるということは、これは一般の議論として当然御納得いただける話であろうと思います。
○浅尾慶一郎君 金融再生委員会と長銀とは当然別個の、長銀は法人であり再生委員会は行政体ということなんだと思いますが、金融再生委員会が携わるだけでは、後段の、劣化をするために機能的に再生委員会あるいは長銀の今の取締役にそういう機能が果たせないということであればそれはあるかもしれませんが、透明性が高まるということは少し、それだけではそういうことは言えないのではないか。言いかえますと、議論の過程を公表するのであればもちろん透明性は高まりますが、第三者が入るということだけでは透明性が高まるとは思えないわけでございます。 そして、この報告書の中でも、再生法第三条に規定する費用最小化原則も踏まえというふうに書いておりますが、では透明性が高い費用最小化原則ということになりますと、やはり長銀とゴールドマン・サックス社との間のアドバイザリー契約についても公表していただかないと、本当に最小化になったのかどうか、そのデータがないわけですね、先ほどの話じゃないですけれども。判断ができないわけでございますから、ぜひ、当金融経済特別委員会に資料請求をさせていただきますので、長銀とゴールドマン・サックス社との間のフィナンシャルアドバイザリー契約を開示していただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これは、将来ともに開示しないとかというようなことを申し上げておるわけではありませんで、この議論はたびたび財政・金融委員会でもさせていただいておりますけれども、一つにはやはり、私どもの絡みで申しますと、そういうことを開示したことによって、後に同じようなFA契約を結ばなきゃならないときに対して、プラスの影響だけではなくてマイナスの影響も懸念されるというようなことがあって、これはやっぱり私ども差し控えたい、こういうように考えるのが一つ。 それからもう一つは、長銀は今国有化されておりますけれども、民間会社であるファイナンシャルアドバイザーとの間で契約が当然なされておりまして、その契約内容に対しても一定の敬意は払っていかなきゃいけないということがありますので、これは時期を判断させていただいて国会を通じて国民の皆さんの御批判を仰ぐ、こういうことにいたしたいというのが私どもの考え方でございます。
○浅尾慶一郎君 前段の方なんですが、不都合があるということですけれども、契約を開示すると具体的にどういう不都合があるのかなというのがよくわからないんです。一般的に、そういう業務に携わっている人にとってみれば当たり前の内容なんだと思うんですね、契約そのものは。ですから、前段の部分をちょっとよくわからないので御答弁いただきたいと思いますし、それから後段の、ゴールドマン・サックス社との間に、ゴールドマン・サックス社側が困るということなのかどうか、そういうふうに言っておるのかどうか、その点も含めて御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 前段のことは、私どもの思い過ごしではないと思いますけれども、簡単に御理解いただけることだと思いますけれども、例えば、一番端的に言って、その値段あるいは値段の構成、こういったようなものについて、例えば第二番目のケースについてはもっと安価な、国民負担の少ないことを実は考えていたというような方がいた場合に、前の例がこうであるからそれに引っ張られて、いや、そういうことでなくしようなぞというようなことが仮にあるとすれば、これは決して国民負担のあるいは費用の最小化を図るということにそぐわないわけでありまして、そういうことを私どもは考えて、これは、少なくとも私ども再生法を運用させていただく、そういう中で、FA契約というのが他にまた後に続いて出てくるというような可能性を持っている時期については、これについてはそれぞれ独立の御判断をし、競争の中で決めさせていただくのが一番ベストの選択かと、このように考えたという次第であります。
○浅尾慶一郎君 競争の阻害要因になるというふうに御答弁いただいたわけでございますが、契約を開示することが競争の促進要因になることはあるかもしれませんが、阻害要因になることはないはずです。なぜならば、入札で例えば十社ぐらいの人が手を挙げている、前例がこうだということであれば、みんな前例を知っているわけですから、ここの会社がこういうふうにやってくるでしょう、後は自分の費用とのあれで選ぶということだと思いますので、その点、なぜ開示すると阻害要因になるか、もう一度御答弁をお願いします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これはもう、私がこれまで言ったところで御理解がいただけないとしたら、これはもう考え方の相違と言わざるを得ないわけでありまして、通常、私は別に特殊な考え方をしている、あるいは特殊な思惑があってこういうような考え方をしたということではないということをはっきり申し上げておきます。
○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、じゃ別の観点から質問させていただきますが、費用を最小化するということは、もう既に金融再生法の第三条の第六号にはっきりと書いてあるわけですね。 FA契約は十億円とか幾らかと、わからないんですが、総額でかなりの費用を払う。しかも、これは何か物を提供するわけじゃなくてプロフェッショナルサービス、人件費です、人件費を提供する。ところが、しかも、通常MアンドAで一番大変な作業は資産の査定の部分であって、売り先を見つけてくるというのはいわゆるブローカレッジ業務とそんなに違わない。資産の査定は、後ほど質問させていただきますが、金融再生委員会さんの方でやられた。ですから、もうこういう資産がこういうふうにあるということはわかっている。その後、じゃ、売り先を見つけてくるということなんだと思いますが、それはもちろん意図されるところはわかりますから、早く売りたい、それはそれでそういうことが証明されればいいと。 それはやはり国民の方々の関心が高いところだというふうに思っておりますので、ぜひ開示をしていただきたいと思いますから、観点を変えて、同じ質問をしてもなかなかお答えいただけないので観点を変えて聞きますが、そういうふうに言っておられるのは、やはりゴールドマン・サックス社からどうしても開示してくれるなと言われているからでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 そのとおりでございまして、ゴールドマン・サックスといたしましては、これまでのMアンドA活動の中でそのような契約内容を公開したことはございませんし、またそういうことが仮にも公開された場合には今後の活動に大変な支障が生じるということでございまして、ただ、基本的な枠組みにつきましては、当方の方も、先生の御要請を踏まえまして、どこまで開示できるかということでゴールドマン・サックスと交渉いたしまして、基本的な枠組みにつきましては、先方の同意を取りつけ、これは既に財政・金融委員会の理事会に提出し、基本的な枠組みは既に御開示している次第でございます。
○浅尾慶一郎君 基本的な枠組みというのは、月々の基本料を払います、売れた場合には成功報酬を払います、実費は保証します、それしか公表いただいていないわけでございます。ですと、じゃ幾らなのか全然よくわからないなということなんですが、簡単にもう一度確認しますが、ゴールドマン・サックス社がいいと言えば開示するということでいいんですね。
○政府委員(森昭治君) 結果的にはそのとおりになると思います。 当方といたしましては、守秘義務、法的に言えば守秘義務がかかっておるわけでございますので、相手の同意のないものを開示することはできません。したがって、法的観点のみをとれば先方が仮に同意すればできるわけでございますけれども、こちらの方といたしましてはまた別の政策的な観点がございますので、その場合についていろいろ検討をする必要があるかと思います。
○浅尾慶一郎君 答弁が事務局長と大臣と違うと思いますが。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今、森事務局長が申したのは、先生の御質疑に対して、私も触れた点ですけれども、両者の間に守秘義務協定が契約上結ばれておるということで、それとの関係について申し上げました。しかし同時に、事務局長もつけ加えて、もう一つ私どもとしての政策的な立場というものがありますので、これらが両方満足されるような時期になればこれは開示を行う所存である、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 ぜひ費用最小化ということで開示はしていただきたい。ゴールドマン・サックス社と長銀との契約については開示はしていただきたいと思います。 ところで、日債銀はモルガン・スタンレーさんといつ契約されましたでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 六月十四日でございます。
○浅尾慶一郎君 実はこの日債銀の相手方のモルガン・スタンレーの責任者テリー・ポルテさんと電話でお話をいたしまして、モルガン・スタンレーはいつでも開示をいたしますと言っておりますので、ぜひ開示をしていただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これは、モルガン・スタンレーと日債銀との契約では、長銀、ゴールドマン・サックスとの間の契約とは異なって守秘義務協定がないということであろうと思いますが、同時に、先ほど来申し上げておりますように、私どもの立場というものもございますので、それらを総合的に勘案して、適時の時期を我々として選ばせていただいて開示をするということについては変わりはございません。
○浅尾慶一郎君 契約当事者が開示してもいいという話でありまして、しかも費用を最小化するということなので、それを国会の場において議論をするためにデータをくださいということを申し上げておりまして、しかも、先ほど来るる申し上げておりますように、このことを開示することによって何ら不都合があるとはとても思えないわけでありますので、すぐに開示をしていただきたい。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これはもう私の責任というか、これは委員会制度でございますので、委員にも委員会で了承をいただいておる方針でございますけれども、私どもの方針としては、この制度のもとで後続のFAというものが想定される段階においては開示をしないのが適当である、このように考えておるということでございます。
○浅尾慶一郎君 どうやって費用を最小化だということを証明されるのか。じゃ、具体的にお伺いしますが、開示するとそれよりもその契約があるから談合をしてということを考えておられるのか、その点だけで結構です、開示をした場合には今後結ばれるであろう入札において談合を恐れられているのか、その点だけお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 全くそういうことを想定しているわけではなくて、ある破綻金融機関があって受け皿金融機関を探したいというときに、FAを採用したいなというときには独立してFA契約を結んでいただくということが最も適切な措置である、このように我々が考えているということでございます。
○浅尾慶一郎君 今の御答弁では答えになっていないのではないかなというふうに思いますので、再度御答弁を求めます。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私は誠心誠意御答弁に当たっているわけでございまして、FA契約はそれぞれに独立に、前例だとかそういうこと等を参照されることなく、本当に自分たちのそれぞれの契約をどのようなコストと報酬のもとで行うかということを考え、そして競争に参加していただいて値段が決まっていく、あるいはその他の条件が決まっていく、これが最も適切だと考えているということであります。
○浅尾慶一郎君 今の御答弁ですと、もしかしたらモルガン・スタンレーと日債銀との契約は費用が最小ではなかった、開示しちゃうと要するに最小じゃないから困っちゃうというふうに聞こえるんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 独立でありますので、我々としては、つまりモルガン・スタンレーはゴールドマン・サックスのことを知らないで、自分自身として日債銀に対して決められたファイナンシャルアドバイスサービスを行うコスト、報酬をいかにするのがいいかということを考え、その他の会社とともに同様のことを考えて入札をし、それで決まったということでありまして、先生がお尋ねのように何か談合したとかあるいは前例に比べてどうのこうのということを独立なるがゆえに考える、そういう余地はないということが私の申し上げていることであります。(発言する者多し)
○委員長(坂野重信君) 静かにしてください。
○浅尾慶一郎君 独立であれば、逆に開示しても困らないんじゃないでしょうか、以後に影響はないはずです。
○国務大臣(柳沢伯夫君) あるいは先生が私の独立ということの意味を誤解されているのかもしれませんが、要するに前例の情報なくしてということの方が、それぞれに対して一番適切な経費と報酬が算定されて、それで複数の競争者が競争されるというところから値段が決まってくるのが一番適切であろうと考えているということであります。
○浅尾慶一郎君 前例の情報があると適切な費用にならないというお答えだと思いますが、それはまさに先ほど質問させていただいた前例に基づいて談合をする可能性があれば唯一そういうことであって、そうでない場合は、じゃ、談合する可能性はないけれども、費用が最小にならないというのはどういう理由でしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 前例が念頭にあれば前例に影響されるであろう、こういうことであります。そういうことに影響されずに、本当に日債銀が求めているファイナンシャルサービスを自分として一体いかなる報酬と経費のもとでやるかということを考えればそれで足りるということを申し上げているわけです。(発言する者多し)
○委員長(坂野重信君) ちょっと静かにしていただかぬと困る、これじゃ。大臣も一生懸命答弁しているじゃないですか。(「ちょっと委員長、今何とおっしゃいましたか」と呼ぶ者あり)
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
○浅尾慶一郎君 どういう不都合があるかというのを、私の理解が悪いのか、このマイクを通して国民の皆さんも聞いておられると思いますので、国民の方に、年間十億円と言われております、そして先ほど申し上げましたようにこれは人件費だけでありまして、しかも何人の人がべたで張りついているかわからない。もしかしたら延べ一人しか一年間いない、その人に十億円払うということが結果として本当に費用最小化になるかどうかというのは、どういう契約内容であって、どういう費用を払って、そしてどういうサービスを提供しているかということを明らかにしない限りはわからないというふうに思いますし、しかもそれを明らかにすることが、じゃ次の、もう長銀も日債銀も決まってしまったわけですから、あとはどういうところが想定されるんでしょうか。あったとする、あっちゃいけないわけです、しかも先ほど委員長が御答弁されたように優先株を注入してもうそういうこともないだろうという中で、なぜ、何ゆえ、何を恐れて開示しないのか、その点をわかりやすく御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 要するに、各契約が他の契約の影響を受けずにそれぞれにベストの入札を行う、その行ったものの競争の中から決定されるということが最小の費用を保証する仕組みであるということだけを私は申し上げておるわけでありまして、そういうことで、例えば次々に前例が開示されるというようなことになれば、その影響を受けて例えば前例に左右されるというようなことが仮にあるとしたら、我々にとって必ずしも、必ずしもじゃなくて、むしろ適切でないということを考えて、そのような方針を立てたということであります。
○浅尾慶一郎君 前例に左右されると困るということなんですが、では別の観点から伺いますが、多分こういった契約は日時がたてばもう前例ではなくなってしまう、金融環境が変わってしまうから前例ではなくなってしまうと。そうすると、例えば当面、六カ月以内に破綻をして、フィナンシャルアドバイザーを雇いそうな銀行というのはあるんですか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) その問題についてお答えすることができないことは先生も御理解いただけるだろう、このように思います。 しかし、私どもは制度の運用をゆだねられているわけですから、制度としてそういう可能性というものが開かれている、こういう段階で開示することは私の、守秘義務協定の中にその条項がある、ないということは別の議論でございますけれども、そういう観点からいって適切でない、このように考えているということです。
○浅尾慶一郎君 この破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告の中では、再々申し上げておりますが、透明性それから費用最小化ということを言っておられるわけでありまして、それは今の委員長のお話ですとお題目にしかならない、なくとも我々その内容を見ることができない人間にとっては、果たして本当にそうなのかそうでないのか、お題目にしかならないと思いますので、その点御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) ちょっと質問の趣旨が判然といたさないわけでありますが、私どもとしては与えられた法律のもとで費用最小化ということも含めてベストを尽くさんとしてFAを採用し、FA契約を締結しているということでございます。
○浅尾慶一郎君 何回御答弁を伺っても直接答えていただけないような、要するに透明性をどうやって証明するのか、費用最小がどうやって証明されるのかというのはそのデータがなければお話にならないということだと思いますので、再度、時間も大分なくなってまいりましたので、その点ちょっと伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) たびたびお答え、ここまで来ますと繰り返しになりますけれども、私どもこの仕事に携わっている人間としては、やはりこういうような今まで日本が国家としても経験してこなかったようなことについて仕事をさせていただいておるわけでありまして、私どもとしては、委員会制という制度もいただいておりますので、それぞれの立場、専門家の方々ですが、その方々の論議を重ねた上での方針として今言ったようなことを決めさせていただいて、これが透明性あるいは費用最小化の原則その他法律にうたわれている原則というものが実現される上でベストの選択、決定である、このように考えて進めさせていただいておるということであります。
○浅尾慶一郎君 全く答弁がかみ合っていないので、資料請求させていただきますので、ぜひ理事会で御審議いただきたいと思います。時間の方がなくなってしまいまして、ほかの質問もぜひさせていただきたいと思っていましたので、ほかの質問に入らせていただきます。 さて、長銀あるいは日債銀については資産査定が終わっておられる。そして、適と判断された資産というのは全く問題がない資産かあるいは二年以内には問題がなくなる資産だというふうにこの中にも書いてあるわけでございますけれども、イエス・ノーで結構ですけれども、それでよろしいでしょうか。
○政府委員(森昭治君) 基本的にはそのとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 そうしますと、今長銀がいろいろと売却交渉をしておられるということでございますけれども、今残っている資産はきれいな資産なわけでありますので、お土産をつけて、言葉をかえて言いますと、より多くの引当金を積んで売却をする、より多くの税金を使って売却をするということは考えていないという理解でよろしゅうございますね。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 先生がおっしゃっておられるきれいな資産という意味につきましてでございますけれども、当方金融再生委員会における資産判定、債務者の債務の履行状況とそれから債務者の財務内容の健全性、この二つの尺度からはかって資産判定をしたわけでございますけれども、ただ資産判定、先ほど基本的にはそのとおりでございますと申し上げたのは、そのほかに債務者の特殊事情、保証等、そういうものの特殊事情に基づきまして将来の収益や債務の履行の確保を見込んできておりまして、これが合理的なものと認められる場合にはこれらの事情も考慮して判定する、こういうことでございまして、例えばメーン行のその企業を支えていくというような話あるいはそういう約束、そういうものがきちんとあった場合につきましては、そういうものがなければ不適資産になったものについても適資産にはなるわけでございまして、先ほど基本的にはそのとおりとお答えいたしましたけれども、そういうようないわば例外的なものもいろいろ含んでいるということを御理解いただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 この報告書の参考Ⅱ―1のところを読み上げさせていただきますと、繰越損益が繰越利益で債務の履行状況が正常のものはもちろん適当。それから、繰越損失があるか、あるいは貸し出し条件が緩和されているか、元利金支払いの遅延があるか、あるところでも二年後の期末までに正常になるというところは適当だということで、それ以外は不適当という基準でやっておられるはずでありますので、今の御答弁ですと、実はそういう基準はつくったけれども実際の運用面においてはそれに応じてやっていないというふうに聞こえるんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 ただいま私が御指摘させていただきましたのは、同じ参考Ⅱ―1の1に書いてあることでございまして、「当該金融機関が債務者の特殊事情(特許や保証など)に基づき」云々と先ほど申し上げたことがここに書いてございまして、これは2以下の全体のルールにかかっておるものでございまして、そういう場合があるということを御指摘させていただきましたわけでございまして、決して何かルールにないことをやっているという意味ではございません。
○浅尾慶一郎君 いずれにしても、ここに書いてあるのは債務者の特殊事情に基づき将来の収益や債務履行の確保を見込んでいる。これは多分二年以内ということなんだと思いますけれども、そうだとすると、今長銀に資産として残っておる債権はほぼ健全な債権なのかなというふうに思っておりまして、今いろいろと新聞報道等では外資も含めて買収に手を挙げている、秘密保持契約も結ばれたということなんですが、まさか実際にその売却を行った段階で、預金保険機構の特例業務勘定から追加でお金を、それも多少という金額なら別として、一兆円を超えるようなお金がつぎ込まれるようなことはないでしょうねということを確認させていただきたかったんですが。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私どもといたしましては、定められた法律によって定められた手続それからまたここに公表させていただいております資産判定、こういったものに基づきまして合理的な引き当て等を行ってそれを株式なり営業事業譲渡の形で最終的な処分に当たりたい、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 実は、七月七日の北海道新聞の記事がここにあるんですが、まず資産査定で不適とされた特別公的管理に入った銀行が持つのに適当でないとされた不良債権はもうないわけです。残っているのは優良債権であるはず。 にもかかわらず、北海道銀行では、残っている銀行を買っていただくために一兆円ぐらい、北海道新聞の報道によりますと、公的資金を追加で使うというふうに書いてありますが、今の御答弁を伺っておりますと、基準に基づいて粛々とやっているから、一兆円というのは私は大きな金額だと思いますけれども、それほど大きな金額を使われることはないということなんだろうなというふうに思いますが、再度御答弁お願いします。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今の先生の御引用になられた北海道新聞、私大変寡聞で恐縮ですが、見ておりません。したがって、どこの金額かということを、大体見当はお話のぐあいでつきますが、明確な認識を持つということではございませんので、それを踏まえての御答弁というわけにはいきませんけれども、しかし、今この段階で私どもが金額にわたる論議をするということは差し控えさせていただきたいということです。
○浅尾慶一郎君 金額を聞いているわけじゃなくて、もうきれいな、理論的にはきれいな債権しか残っていない。ですから、そこを買っていただく方に過分な金額をつけることはないんでしょうねということを、持参金をつけることはないでしょうねということの確認の答弁を求めているだけでございます。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 資産の状況というのは、私どもが資産判定したときから現実の譲渡が行われるときまでどのくらいの期間がたつかというようなこととも関係がありますが、先生は専門家ですからよく御存じと思いますが、経済状況とかあるいはその企業の財務状況とかというのは変化をいたします。今日の経済状況ではかなりの変化というような変化をいたすこともありますので、今、先生が、我々としては、何か理屈にもあり得ないような引き当てをするということは、これはもう絶対あってはならない、当たり前のことでございますが、そういうふうに考えて対処しておりますけれども、その資産の評価に応じた引き当てをさせていただくということはこれはやっぱりどこまでも申し上げなきゃならぬことである、このように思います。
○浅尾慶一郎君 資産査定をしたときから経済状況が悪化しているかもしれないということでございますが、資産査定をされたときから、ことしの一―三月は経済成長率がプラスの一・九%、マクロの数字であればそういうことでありますし、資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由をその段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいと思いますので、その確約の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 当然のことと心得ております。
○浅尾慶一郎君 そうすると、恐らくいろいろな御答弁の流れから、そういう予測をしてもしようがないんですが、売却されるときには資産が劣化している可能性もあると、個別に見ていくと。そうすると、引き当てを積んでいくということなんですが、先ほど加納委員が御質問をされました実はロスシェアリングという考え方の方が、私は費用が最小化されるのではないかなというふうに思っております。 なぜかといいますと、経済というのはもちろん変動するわけでございまして、そういう中で、持参金を多くつければそれはだれでも買いたい話になるわけで、少なければだれも買いたくないと。公平を期すためには、本当は今の制度上では予算措置あるいは法改正が必要になってくると思いますが、ロスシェアリングというものを導入されたらいいのではないかなというふうに思いますが、その点について財政面からどういうふうに考えるかということをまず大蔵大臣に伺いたいと思います。 また、柳沢委員長には、金融再生委員会の立場からして、経済状況が悪化したから多く引当金を積んだというとなかなか本当に経済成長率は一方でプラスになっている場合もあるでしょうから説明が難しいかもしれませんので、ロスシェアリングという考え方についてどういうふうに考えられるか、御答弁を両大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 実は、住専処理法のときにロスシェアリングという規定が置かれました。そこで、今度の再生法というのは、その上に、その後において立法されたものでございますけれども、この法律におきましては、再生委員会による資産判定ということに依拠するという制度で、ロスシェアリングというスキームを採用されなかったと、むしろ反対解釈をすべきであろう、このように考えております。 そこで、今、先生が提起された立法論としてロスシェアリングということについてどう考えるべきかということでございますが、私どもも、特に私は個人的にもシードマン前RTC理事長の訪問を受けまして、自分の経験をいろいろお話しになられて、そしてロスシェアリングは結局は安上がりであったというような御教示もいただいたわけでありますが、先ほど宮澤大蔵大臣がおっしゃられたとおり、どうも日本の融資というものが人的に行われておる、つまりコーポレートファイナンスというようなことで行われておるということで、ロスというもの、しかもそれがどういう責任、どちらの責任で生まれたものであるかということを、仮にロスシェアリングという規定を法律ですから余り細かく書かないで原則だけ書いていただいて我々が運用するという場合にも、非常に難しい運用になるのではないかというようなことを今雑談的には委員の間で議論をしておる、そういうことでございます。 ただし、そういうことがあって、資産判定をして売るということのもう一つ別の方途としてそういうことを立法していただくならば、選択の幅というものは広がるというふうに思いますが、なかなか運用面になって今度また難しい問題に直面するのではないかということが今現段階での我々の考え方であります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国の今の制度にはないということは柳沢大臣が言われたとおりでございますが、先ほど加納委員の言われましたのは、ペイオフとの関連でアメリカなんかにはこういう制度があるがどう思うかというお尋ねでございましたから、そのことは幾らか存じておりますが、日本の場合には、プロジェクトごとに担保を設定する場合が、アメリカと違いまして、よりは、むしろ対人的にまとめてという感じが多うございますので、玉石混交というようなことをちょっと申し上げかけましたが、そういう問題がやっぱりあるものですから、一括してどうこうという場合がかなり多いのではないか。そのときに、後になってこれは石であったと言われても、どうも困ることがあるんじゃないかとも思いますが、しかし、これは問題提起の中にペイオフの問題でございましたから、検討をいたしますと、こう申し上げたわけでございます。今の長銀のこととは全く無関係のことでございます。
○浅尾慶一郎君 終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜田卓二郎君 公明党の会派を代表して質問をさせていただきます。 最初に、ペイオフの問題が最近マスコミ等もいろいろ取り上げて論じられているわけでありますが、私は前にもこの委員会ですかあるいは財政・金融委員会で申し上げた記憶がありますが、ペイオフ解禁の二〇〇一年四月は我が国の金融制度正常化を実現するためのいわばデッドラインとも言うべきときである、そう考えなければいけないと思っております。 そこで、柳沢委員長に、決意といいますか、今の状況を踏まえて今後の展望についてお伺いをしたいわけであります。要するに、この期間というのは我が国の金融機関にとっては一種の保護観察期間のようなものであって、いつまでもこの状況で続けていいということにはならない。二〇〇一年三月三十一日で金融再生委員会もなくなる、それからこの異常事態を是正するための緊急立法もなくなる、いわば六十兆の保護つき期間というのが終わるということでありますから、そのためには金融正常化をしっかりやり遂げる。その後のことを今議論し始めるようでは私はまことに心もとないという気がするわけでありますので、ひとつどうか今の状況の簡潔な御報告と、それを踏まえて今後の決意というものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 浜田委員御指摘のように、今、我が国の金融システムは国際金融社会から大変大きな関心を持って眺められているという認識を持っております。 バブルの崩壊でこうむった傷とも言うべき不良債権の問題を本当に処理し終えるのかどうか、さらには、同時に進行しておる金融ビッグバンの中で、本当に競争力を持った金融機関があらわれ得るのかどうか、こういうようなことが関心を持って見られておるということでございます。 国会ではこの問題に対処するために私どもに大変強力なツールとも言うべき金融二法をつくっていただきまして、その運用をゆだねていただいておるわけでございまして、私どもとしては、今先生が御指摘のとおり、二〇〇一年の三月いっぱいまでに何とかこの日本の金融機関を本当に健全なものにし、またでき得べくんば競争力の強いものにして、来るべきペイオフの時代になっても、預金者であるとかあるいは株主であるとかというような方々から不信の念を持って眺められる、そしてこのような方々に迷惑をかけるというようなことのないような、そういう金融システムを一日も早く構築いたしたい、こういう考え方で今取り組んでいるところでございます。 大手行につきましては、先般、三月末を期しまして七兆五千億というような巨額の公的資金をもって資本の増強をいたしまして、このいわば結果としてと言わせていただきますけれども、ジャパン・プレミアムが解消し、また株価も、他の株価との関係もありましょうけれども、全体としてかなり回復したというのが現況でございます。 この上は大手行については、やはり健全化法が言うような再編による効率化というものが本当にできたのかどうか、こういうようなことが問われるのであろう、このように考えておりまして、こうした問題について私どもは機会をとらえてその実現に取り組んでいかなきゃいけない、こういうように思っておるわけでございます。 他方、地方銀行につきましては、検査が一斉に行われるというようなこともありまして、マンパワーの点から大手行とはちょっと時期をずらしまして昨年九月期を基準日とした検査が最近了した、こういうような状況でございまして、この検査結果を踏まえまして資本注入を私どもとしてはぜひ行い、そういう過程で地域にとっていわゆるオーバーバンキングというような事態があるとするならば再編を行うことによって効率のよい金融システムあるいは地域金融システムというものをつくってもらいたい、こういうように考えておりまして、この方向での各行の取り組み、それからそれを受けての私どもの措置もいたしてまいりたい。このように思っておりまして、このあたりのことは今後に残された課題であるというように思っております。 いずれにしても、二〇〇一年四月から始まるペイオフのときには、先ほど言ったように、預金者からまた株主等関係者の人たちから信頼される金融機関が残っているという状況をぜひ実現させたい、このように考えております。
○浜田卓二郎君 私は、日本経済のいろいろな条件を考えた場合に、金融制度が、金融のシステムが安定して日本経済の大きな欠点が治癒される、そうすれば世界が日本のマーケットを見る見方ががらっと変わるはずだ、そう確信をしてきましたけれども、昨今の為替の動きや株の動きというのはそういうことではないかと私も喜んでいるわけです。 そういう日本の金融システム安定への期待感というのが、例えば柳沢委員長がアジアの中のリーダーで何かナンバースリーかそのあたりにランクされるゆえんじゃないかというように思うんです。 褒めてばかりはいられないわけですけれども、今の状況で委員長、ペイオフ凍結の期間中に日本の金融制度は正常化できる、そういう確信というか見通しはお持ちになれますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 大手行につきましては何というか次の再編の問題が残っておる、あるいは個々の銀行にとっても単体として生き抜いていこうとする場合でも自行の業務の再構築の問題が残っている、こういう状況であろうかと思います。 これは、私ども、いろいろ直接、間接にお話を聞かせていただきますけれども、かなり各行経営者もこの問題を当然のことながら強く意識してこれに取り組もうというふうにしておられますので、あと残された二年足らずの間に何とかそういうことのかなり進捗がなされたというような事態に持っていきたいものだ、このように思っております。 問題は、地方の地域金融機関の問題でございますけれども、若干認識において少し緩やかなというか、そういう段階にとどまっているような節も見られるようにも感じまして、これについては私どもの啓発の活動というようなものもなお必要なのかなという気もいたしておりまして、この点は御指摘のとおり早く対処して適切な処理をしていかなきゃいけないと考えております。
○浜田卓二郎君 今申し上げたことと裏腹なんですけれども、実は保護観察期間が長くなっちゃ困るんです。 つまり、護送船団とかいろいろ言われましたけれども、過保護行政が金融をだめにしてきた、その一点は我々は忘れていないわけであります。ですから、新しい行政の時代に入ったと言いながら、実は実態からすればもっと手とり足とりやっているわけです。生殺与奪の権まで握って、おまえのところはだめだと言われたらあっという間にだめになっちゃうわけです。ですから、言ってみればこの保護観察期間というのは新しい行政に移行する間の経過期間であって、経過期間だから余計一種、同じ言葉を使うのはよくないかもしれませんけれども、手とり足とりの保護行政になっている。このまま行ったらいつまでたったって自立できない、日本の金融界は変わらないということになるわけです。 ですから、私が申し上げているのは、このプラスの側面とそれからもう一つの側面は早くこの期間を終わらせろということでございまして、早く日本の金融システムが自立して、もう金融再生委員会なんかうるさいと。うるさいんですよね、本当は。だから、そういうものは要らないぞという話にならなきゃいけないわけでありますから、そのためにも期限つきでひとつ答えを確実に出していただきたいとお願いをいたします。 それから、七月から金融検査マニュアル、新金融検査マニュアルといいますか、に基づく検査が行われることになったわけです。この金融検査マニュアル、ここにございますけれども、実に精密にできているというふうに私には思えました。 これをめぐって、かなりいろいろな金融機関の意見を聞いてくれたというプラスの評価があると同時に、これは私の言葉じゃないんですけれども、このマニュアルは金融機関性悪説に立っている、やたらに法令遵守を振りかざしたりリスク管理重視を強調するのはそのあらわれであるというふうな批判があったり、あるいは規模や性格の違う金融機関に同じマニュアルを適用するのは適当ではないのではないかというような注文があったりするわけであります。 これから金融機関というのは、いつも金融検査というものを気にしながら、そこでひっかかる、ひっかからないというのが行動の大きな基準になるわけでありますから、別の言葉で言えば、この金融検査マニュアルの適用の仕方がこれからの日本の国内のバンキングを決めていくと言っても過言ではないわけでありますので、この点について二、三お伺いをしてみたいと思うんです。 まず、信用組合、信用金庫など中小金融機関についてこのマニュアルは一律の適用を考えておられるのか。あるいは都市銀行、地銀、第二地銀とありますけれども、金融機関の特性に基づく配慮というのはこの金融検査の上でどういうふうに加えていこうとしていらっしゃるのか、そこをまず質問させていただきます。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 ただいま御指摘のありました金融検査マニュアルは、我が国のすべての預金等受け入れ機関を対象としておりまして、当然のことながら信用金庫や信用組合もその対象となるものでございます。ただ、その適用に当たりましては、信用金庫、信用組合など中小の金融機関の特性にも十分配慮しております。 幾つかの例を申し上げたいと思いますが、例えば金融検査マニュアルにおきましては、チェック項目につきまして記述されている字義どおりの対応が仮になされていない場合でありましても、金融機関の業務の健全性や適切性確保の観点から見まして、金融機関の行っている対応が合理的なものであり、さらにチェック項目に記述されているものと同様の効果がある、あるいは金融機関の規模や特性に応じた十分なものであるというふうに認められるものであれば不適切とするものではないと明確化しております。 また、金融検査マニュアルにおきましては、大手行など国際統一基準によりまして自己資本比率を算定している金融機関にありましては、チェック項目の語尾、この語尾はいろいろ議論がございまして、最初は「ねばならない」というような形でございましたけれども、いろいろ御意見を拝聴しておりまして最終的にまとまりましたときには、「しているか」とか、あるいは「なっているか」という形でミニマムスタンダードとして求めているところがございます。 ただ、これに対しまして信用組合とか信用金庫等の国内基準によって自己資本比率を算定している金融機関にありましては、同じチェック項目でありましても、「しているか」とか「なっているか」ではなしに、「望ましい」とかあるいはベストプラクティスとして求めている項目に区分している場合がございます。例えば、国際統一基準適用金融機関にありましては信用格付を行う者とし、国内基準適用金融機関にありましては信用格付を導入することが望ましいと記載してございます。 その他幾つかございますが、以上申し上げたように、信用金庫、信用組合などの中小金融機関の特性に十分配慮したものとなっております。
○浜田卓二郎君 確かに、この金融検査マニュアルの最初のイントロのところから含めて、金融機関の規模や特性に留意をしろということが書いてありまして、そういう配慮はするんだなというのはわかるんですけれども、今おっしゃったように、大銀行では必ずしろ、中小では望ましいという書き分けで、具体的に検査に入ったときにそういう配慮というのが生かされなければこれは書いただけの話になります。ですから私は、金融検査官、金融検査に携わる方々への徹底した教育なりそういう趣旨を生かさせるためのトレーニングというのはどうしても必要だと思いますし、この七月から適用されるマニュアルでありますが、今後の金融機関のあり方を決めていく上で非常に大事だというふうに思いますから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それで、実は私どもいろんな御相談を受けるんですよ。一番多いのは最近はやっぱり、何とか事業を立ち上げたいんだけれども金を出してくれるところはないだろうかという話が多いわけでありまして、そういうときに金融機関の断る理由というのは、担保が足らないというのが一番多いですよね。それから、それは別に大銀行じゃなくても、中小の金融機関でも担保が足らないという話が多い。唯一今救われるのは例の信用保証協会でありまして、五千万までは無担保で信用保証してくださる。これで唯一助かっているところがたくさんあります。 それと、それではしかし事業を始められないというところもたくさんあるわけですね。ベンチャー育成などと大げさなことは言わなくてもいいんですよ。新しい起業のチャンス、事業を起こすチャンスというのはいっぱいあるわけで、例えば大企業がリストラをする、そうするといろんな業務がアウトソーシングで外に出ていきます。そういうのを、例えば人と電話と若干のオフィススペースで対応していく新しい事業というのも今どんどんやろうとでき始めているわけです。そういうところはほとんど担保がないですよね。 私は、先ほど申し上げた中小金融機関も含めての話でありますけれども、担保がないから借りられない、そしてそれは金融検査がうるさいからできないというふうな、本当にそうなのか、そういうマニュアルになっており、そういう検査をこれからもされていってそういう指導をしていくのか、そのあたりをちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) 確かに今浜田先生が御指摘になりましたように、従来我が国の金融機関は有担保主義をとっていたことは事実だろうと思います。 ただ、この金融検査マニュアルにおきましては、その総論に当たります基本的な考え方の中に、長らく我が国の貸出業務の前提となっていたそういう有担保主義にも現在は明らかな変化の兆しが見えるということを指摘いたしまして、金融機関の役割につきましては、「適切なリスク管理を行いながら必要なリスク・テークを行っていくことにこそある。」と。我が国が今後創造的な産業構造へ転換していくためにも、「リスクを前提として必要な資金を供給していく金融業の存在は欠かせない」、こういうふうに言及させていただいております。 金融検査マニュアルの各項目は、各金融機関がこうした役割を果たしていくためのリスク管理体制が備わっているかどうかということを確認し、検査するための手引として策定されているものでございます。 今御指摘のありました担保、不動産等が中心になろうかと思いますが、それは経営が困難となった際の最終的な回収手段としての意味合いは確かにあると考えられますけれども、先ほども申し上げましたように、金融機関は適切なリスク管理を前提として必要なリスクテークを行いまして信用を創造するというのが本来の業務でございますので、金融機関が融資を行うかどうかということは、やはり融資先の財務内容あるいは事業計画あるいは投資効果等さまざまなそういう要素を踏まえまして、各金融機関の適切なリスク管理に基づく経営判断により決定されるべきものではないかというふうに考えているところでございます。
○浜田卓二郎君 今のはためにした質問だったんですが、このマニュアルは実にそこはよく書いてあるんです。要するに、担保だけにこだわるなということを金融監督庁が検査の基準として明確に言っておられる。金融機関というのはリスクテークをするものだということも書いておられる。私はこれを読んでみて感心しちゃったんですけれども、もっと宣伝してください。金融監督庁が宣伝するというのはおかしいんだけれども、要は金融機関のビヘービアがそうなっていないということなんです。 ですから、物すごく乱暴な言い方をすれば、土地本位制でやってきて手痛い失敗を受けたわけです。土地本位でやってこなかったらバブルもこれだけ大きくならなかったかもしれない。それから、株式担保も含めて、担保さえあればという盲目的な融資というのがバブルを必要以上に大きくした。それが破綻したんですから、これからのバンキングはどうあるべきか。これはもう釈迦に説法ですけれども、土地本位じゃなくて、言ってみれば事業本位でなきゃ困るので、銀行の人たちがそれをちゃんと身につけてくれなきゃ困る。だから、今私は最悪の状況だと思うんです。土地がだめになった、土地があっても貸せないという気持ちになっている。しかし、事業を審査する意欲も能力もないんじゃないか。失礼な言い方かもしれませんけれども、そういうことだと思います。 ですから、新しい雇用機会をつくるとか雇用創造とか大きな言葉がありますけれども、要は、事業を起こそうとする人たち、意欲のある人たちが担保がないために、しかも事業の先行きを見通す能力が金融機関にないために、結局事業が起こせない、雇用機会が生まれない。これが私は今全体として、先ほど柳沢委員長に金融は正常化に向かいつつあるということを言ってもらったわけでありますけれども、しかしミクロで見るとまだまだそういう話が物すごく多いし、それがしっかりしない限り日本の産業構造なんて変わらないですよ。やっぱり産業構造が変わるためには新しい企業が起きなければいけない。それは何も特許とかそういう大げさなベンチャーという名前がつかなくても、事業チャンスを物にしてそれを事業にしていく、そういうことを可能にするような金融がなきゃだめだ。私はそう思うものですから、せっかくいいマニュアルをつくられてこれで金融検査をやるんだと、だからこれを逆さまにして別の言い方をすればこれで金融業務をやれということにもなるわけですから、どうか金融監督庁ひとつしっかりとした金融のシステムがつくれるようにリードしていってやっていただきたい、そういうことを申し上げたいと思います。 それからもう一点ですが、このマニュアルから連想しての質問ですけれども、業種によって融資先として好ましくないとかいうような基準というのはあるんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 金融検査マニュアルにおきましては、特に特定の業種、業界と申しましょうか、そういったところへの貸し出しの抑制について特段の規制は何らしていないところでございます。
○浜田卓二郎君 しかし現実には、それは断る口実なんでしょうけれども、こういうところは余り好ましくないという指導があるんだというような、それはないんですね。
○政府委員(日野正晴君) その反面といいますか、金融検査マニュアルにおきましては、いわゆる貸し渋りにつきまして、「健全な事業を営む融資先に資金の円滑な供給を行うことは金融機関の責務である。」としまして、そのチェック項目といたしまして、金融検査マニュアルを理由に健全な事業を営む融資先に対する資金供給の拒否、資金回収などを行うなどの不適切な取り扱いを行っていないかどうかと記載しているところでございまして、御懸念のようなことはございません。
○浜田卓二郎君 よくわかりました。 きょうは金融検査マニュアルの宣伝をしようと思ってこういう質問をさせていただいたわけでありますが、どうかひとつ。今本当に町の中で、お金を借りれば事業ができる、お金がもう少し出てくれば事業が続く、切実にそう思っている人たちがおります。それを信用保証協会だけで救っているというのは、私はこれは正常な状況じゃないと思うんです。あれはもたれ合いになっちゃうんですよ。保証が一〇〇%つきますから、窓口は余り審査しないでも通す可能性があるんです。保証協会の窓口に行って審査能力があるかと思ったら、私はそれは無理な注文だろうと思うんです。ですから、金融機関を窓口にする保証枠のとり方がほとんどです。そうすると、金融機関も保証があるからということでどうしても基準は緩くなります。保証協会の方も、金融機関を通ってきたということを口実にほとんど審査なしでパスさせるわけであります。 それでも救われるから私は緊急措置として信用保証協会は大いに結構だと思っていますし、これがまだ日本の経済の実態、特に金融の実態からすれば必要だ。しかし、これがいつまでも必要であってはならないわけで、それを本来やるのが国内におけるバンキングだと思いますから、そういう面でひとついい金融検査マニュアルを軸にしてあるべき金融の姿というのをリードしていっていただきたいというふうに私は思います。 それから、話題を変えまして、日銀から理事においでいただいていますが、これは私の持論で財政・金融委員会でも何度も言い続けてまいりましたけれども、きのうの新聞でしたか、日銀はゼロ金利政策に大変自信と確信を持っているという記事が出ておりました。どういう文脈での記事かちょっと記憶しておりませんが、私はやはりゼロ金利政策というのは、こんなのを長く続けてもらっちゃ困るというふうに切実に訴えたいわけです。 これは何度も同じことを申し上げてまいりました。大体預貯金をしても金利がつかないんです。ゼロと一緒なんです。ですから、ざっと六百兆の預貯金でもし一%金利が上がってごらんなさい、六兆円所得が動くんですよ。三、四%の預金金利は日本の過去の歴史でずっとありました。六百兆で四%なら二十四兆円じゃありませんか。いかに多くの所得が家計部門から移転させられているかということです。 だから、所得減税も必要です。だけれども、所得減税をやるよりも、実は金利水準の改定の方が実質的にみんな効くんです。これは言い古された話かもしれませんけれども、本当にこういうことが起きています。貯金の、定期預金の金利か何かでしょう、おじいちゃん、おばあちゃんで今までは金利だけで年に一遍は特別な旅行をした。ところが今、日帰り旅行でもできません。そういう話というのは、私は社会のいろんなところでいろんなひずみになっていると思うんです。 それからもう一つは、例えば生保業界の問題もこの間財政・金融委員会で取り上げさせていただきましたけれども、構造的に逆ざやになってしまっている。やはり運用利回りというのが正常に確保できなければ、そういうところにもひずみが及ぶ。そして、確かに景気が十分よくなっていないときに金利を上げるというのはこれはできないというお考えでしょうけれども、先ほどの貸し渋りの話でおわかりのように、今金利が高いから、逆に言えば金利がちょっと下がったから、それじゃ設備投資をしようというような状況ではない。むしろ限界的に言えば、少し高い金利でもお金さえ借りられればその企業が事業が起こせるというような話の方が多い。私の議論はかなりミクロを踏まえた議論で、違うと言うかもしれませんけれども、私はむしろ金利よりも資金量だ、資金の回転だというふうに思うんです。 そういうもろもろのことを考えたら、このままゼロ金利政策を自信を持って進めますというような金融政策でいいのかというのは、これはやはりもう一回文句言わなきゃいけないぞと思って申し上げるわけですが、何も急激にうんと上げろと言うんじゃないんです。マーケットで上がるときに、それを無理やり誘導してゼロに持っていくというような金利政策を自信を持ってやっていますというような話にはしてもらいたくない。ですから、上がるときにはそれを奇貨としてシフトさせていくような、そういう政策でいいんじゃないかというふうに思うものですから、どうでしょうか、見解をお聞かせいただきたい。
○参考人(黒田巖君) お答えいたします。 ゼロ金利政策という過去の例から見ると極めて普通でない政策のもとで、金利収入に多くを依存しております家計が大変困った状態にある、あるいはまた先生御指摘のとおり生保を含みます資産運用の責任を持っている方々がこの運用環境がよろしくないということで大変困った状況にある、そういったことはすべて先生御指摘のとおりだろうと思います。 ただ、これまた繰り返しになってしまうかもしれませんが、私ども現在の景気について、まだ下げどまってはいるけれども、回復へのはっきりとした動きは見られていないというふうに判断しているわけでございます。物価面でも当面需給ギャップの明確な縮小が見込みがたいことを踏まえますと、この面からの潜在的な物価低下圧力もまだ残っているというふうに見ておかなければならないというふうに考えているわけでございます。 そのような状況のもとでは、やはり私ども、現在は金融面から経済活動を最大限下支えいたしまして物価の安定と景気の回復を図ることがマクロ的な観点から見て不可欠であるというふうに判断しているわけでございます。決して私ども先生御指摘のような現象が起こっていることを軽視しているつもりではございません。ただ、そういった状況をいかにして改善していくかということを考えますと、やはりマクロ経済全体をよくしていくということを第一義的に考えざるを得ないというふうにただいま考えておるところでございまして、決して不適当な意味で、何か不適当に自信を持ってそういうことをやっているとか、そういう趣旨ではございません。ひとつよろしく御理解いただきたいと考えております。 ─────────────
○委員長(坂野重信君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として宮本岳志君が選任されました。 ─────────────
○浜田卓二郎君 お答えは要りませんが、マクロ的に見てもおっしゃるようにもう金利を、マーケットで少し金利が上がる、それを追認していくような形で金利水準を上げていく、そういうことすらマクロ的に見てできないという判断になるのかどうか。私はそこは疑問でありまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、預貯金の利子所得という面で見てもこれは消費を喚起する効果は必ずあります。 要するに、日本の経済は何が問題かというと、先行きの見通しも含めて、要するに財布のひもを緩める気にならない。家計部門もならない。企業もそうなんですけれども、主として家計部門がその影響が大きいというふうに思いますから、マクロ政策的観点からも、ただ金利を上げるのは経済にマイナスだということだけでなくて、私は多角的に検討してもらいたい。 最後に、大蔵大臣に今の日本の景気の見通しについて御見解を伺いたいんです。 私は、アメリカの経済と日本経済を比較するとよくわかるよという言い方をするんですが、アメリカはもう株価を中心とした資産効果がうんと働いて、それが貯蓄性向がマイナスになるぐらい消費を喚起しているわけで、日本はやっと株価が上がり始めている。それを私はいい兆候だと思っているわけですが、また同時に、アメリカの株が落ちたら日本の株も落ちちゃうよという悲観論も根強く語られるわけです。アメリカの株が一万一千ドルを超えて無限に上がるとは思わない。何かそれと運命共同体にされちゃうのは私はどうも余りおもしろくないし、そんなものじゃないんじゃないかと思っているんです。 というのは、世界の資金の流れがやはりアメリカに集中し過ぎている。日本のマーケットで金融がしっかりしたということになれば、世界の資金の流れも変わる面が出てくる。そうすれば、アメリカの株価が仮に調子が悪くなっても、日本の株価がだめになると単純に見る必要もない。今日本にとって必要なのは楽観論、強気論そして明るい展望、そういうものをきちんと見きわめることだと思うものですから、ちょっとそういう見地も含めて大蔵大臣の景気の観を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般的に、政府のいろいろな政策にもかかわらずなかなか景気が回復してこないのは、消費と設備投資がふだんと違って、いわゆる二段ロケットが点火されないからだというふうに言われておりまして、そのとおりだと思っております。 一―三月で消費が意外に高い数字が出たことについて少し私どもの役所なりに、これはどういうことであったのか、もしちゃんとした理由があることであれば四―六月をそう悲観すべきでないのかあるのかといったようなことを今少し、なかなかわからないんでございます、殊に季節調整というのは難しいものでわかりませんが、その点には注目をいたしております。設備投資の方はどうもこの間の短観を見てもちょっとまだ望めないということでございますから、もし消費が意外に実は堅調であるということであれば、今まで申しておりました二つのうちの一つは何かこう少し支えになってくるかなということを半ば希望しながら思っていますが。 株価のことですが、先ほどお話しになりました日本銀行も好きでああいう低金利をやっておられるのではないので、この数カ月日本の経済の金融面での展開は日銀のあの政策に負うところが実際多い。今株のことをお話しになりましたが無関係ではないので、ですから、異常な経済だから異常なことをやっているので、やりたくてやっているんじゃないというお気持ちだろうと私は思うし、また実際そういう効果もあるわけでございますから、いろんなことをやってみて、ともかく四―六でははあというぐらいまでまず今のところ行きたいものだと思っております。
○浜田卓二郎君 どうもありがとうございました。(拍手)
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 私は、中小零細企業の経営に重大な影響を与える信用金庫、信用組合など地域の金融機関の整理再編がもたらしている事態についてお聞きをしたいというふうに思います。 地域金融機関の融資対象、これはもちろん中小企業が多いわけであります。そして、長期不況のもとで今中小企業の八割以上が赤字企業というふうに言われている。そういう状況のもとで地域金融機関が破綻に追い込まれると、その地域の中小企業も資金調達の道を失って倒産のやむなきに至る、そういう大変な事態が今起こっております。 そこでまずお聞きをしたいんですが、預金保険法に基づく資金援助の手続、この申請がなされた場合に、金融再生委員会は申請を受けて適格性の認定を行うわけですが、この適格性の認定のための三つの条件があると思うんです。それをちょっと述べていただきたい。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、破綻が起こった場合には、預金保険法第六十一条に基づきまして適格性の認定を行うわけですけれども、その際の三つの要件と申しますのは、第一に、当該合併等が行われることが預金者等の保護に資することでございます。第二に、預金保険機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であることであります。第三に、当該合併等にかかわる破綻金融機関につきまして、合併等が行われることなく、その業務の全部廃止または解散が行われる場合には、当該破綻金融機関が業務を行っている地域または分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。この三つが要件になっております。
○小池晃君 今の三条件の一つに、地域経済にとっての不可欠性ということがあります。つまり、その金融機関が地域または分野にとって不可欠である、これが条件となっている。つまりその地域経済を円滑に進めるための資金援助の認定ということになっています。しかし、現実には地域経済に今重大な支障が出ているんじゃないか。 実例を挙げたいと思うんですが、大阪では今信用金庫、信用組合の再編が急ピッチで進められようとしております。信用組合についていえば、大阪では現在ある十三の組合を三つに減らす、こういう猛烈な再編が進められている。例えば、信用組合大阪弘容、ここは昨年五月に大阪庶民信用組合への事業譲渡を発表されています。この両信用組合から資金援助の適格性の認定申請、これはいつあったのでしょうか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 先生御指摘の信用組合につきましては、適格性認定申請書がことしの六月十七日付で監督官庁でございます大阪府に提出されまして、その後、近畿財務局、金融監督庁を経由いたしまして、七月一日付で金融再生委員会に対し当該適格性の認定申請書の進達があったものでございます。今後、金融再生委員会におきまして、適格性の認定に関する審議を行う予定としております。
○小池晃君 まさにこれからその審査が行われる。 ここの貸し出しですが、中小零細企業に二千三百億円ぐらいあるんですね。しかし、そのほとんどがRCC行きというふうになると言われています。数にして約二千五百社です。その九割は都市銀行も貸さないような零細業者。貸出先中小企業の経営危機を招いているわけですね。 ここに、実際の借り手の資料を持ってまいりました。これ、A社。ここは三期連続黒字の企業なんです。借入金は短期の運転資金のみです。預金も三百四十万円あります。優良だと思うんですね。ここはRCC行きというふうになっている。それからこれ、B社。ここも三期連続黒字です。売り上げも毎年毎年伸びていて、一昨年十二月期の売り上げは四億二千六百万円。担保預金は千七百六十万円ある。その他預金も一千二百十五万円ある。こういう企業がRCC送りにされようとしている。 そしてさらにこれは、この大阪弘容の受け皿である大阪庶民信用組合、ここの幹部が配ったものなんですが、営業活動地域は受け皿銀行の支店の半径二キロ以内までというふうになっているんですね。実際どうなっているかというと、その二キロより遠い融資先はこれはもうRCC行きだということがされているそうなんです。非常に乱暴な資産の振り分けがされている。 再生委員会委員長にお聞きしたいんですけれども、こういう非常に恣意的で乱暴な切り捨て、これを許していいんでしょうか。預金保険法の趣旨からして、先ほど言ったような趣旨からして、地域経済への配慮、これは必要だと思うんですが、こういうことを全くお構いなしのこういう合併や事業譲渡、これを適格と認定していいのでしょうか。お聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 信金、信組が破綻した場合、預金保険機構のいわゆる一般資金援助の枠組みで破綻の処理というか合併等がなされるという際の破綻側の資産の振り分けというのはどういうふうに行われるかというと、これは預金保険法の時代というか、そういうこの再生法等があるいは新しい金融二法が制定される前のことでございますけれども、受け皿との協議、つまり民間金融機関の間の協議によって振り分けが行われるということが規定をされておるわけでございます。したがって、そのことについては率直に言って個別的に我々が、行政の側が何らか介入できるという立場には立っておらないというのが実情でございます。 ただ、今先生が指摘をされたような適格性の認定、これは一般的な資金援助を行うのに適格かどうかということで、私はどちらかというと必要条件みたいなものを中心に考えるものですから、非常に今言われたこととの間を制度的にどういうように調整していくかということについてはちょっと今にわかに思い当たる仕組みがありませんが、ただ、この適格性の認定の趣旨にその地域経済あるいは地域金融の円滑化ということがあるがゆえに一般資金援助が行われるという趣旨は踏まえるような、そういう指導というか、そういうことは考えられるかと思います。
○小池晃君 今言われたように、仕組みないんです。そして、その適格性の認定のところで、これはもうよく調べていただいて、やはりそこできちっと役割を果たしていただきたいと思うんですが、結局この適格性の認定、地域においては必要だというふうに言っても、もう受け皿が拒否すればまじめに働いている中小企業もどんどん切り捨てられるということが野放しになっているわけですね。今まさに言われたように、その後じゃそういうことが行われないような仕組みがあるのかというとないんだと。それが非常に大問題だというふうに思うんです。そのことをちょっと指摘しておきたい。 思い起こせばこの一年間というのは、借り手保護のために一体どうするのか、そういう議論をずっとしてきたわけであります。与党が出したトータルプランでも、今までのシステムでは借り手の保護に不備があるということで、健全な借り手保護と金融システム再生をこれは両立させるんだということでずっとやってきた。 こうした国会での借り手保護の議論を受けて出されてきたのがブリッジバンクのときですね。金融整理管財人の管理する金融機関からブリッジバンクが資産を引き継ぐとき、このときというのはちゃんと基準があるんですよ。このときは、引き継ぎが適当か否か、その資産を引き継ぐのが適当かどうかの再生委員会の資産判定基準というのがあります。 きょうここに持ってまいりましたけれども、これはどういう基準になっているかというと、この判定基準によれば、債務が五千万円未満の借り手については、これはたとえ赤字であっても、たとえ債務超過でも、二年で正常化する見込みがなくても、ちゃんとその予定どおり返済さえしていれば整理回収機構送りにはならないという、そういう判定基準があるんですね。これは長銀とか日債銀、こういう特別公的管理銀行にも使われているわけです。これは中小企業を考えてそういう基準ができた。 先ほど委員長おっしゃいましたが、事業譲渡の場合そういう仕組みがないんだというふうにおっしゃいましたけれども、まさにそうなんです。ぜひ合併や事業譲渡の場合、最低でもブリッジバンクに引き継ぐときの資産判定基準のような、この基準に合うところは融資が続けられるようにする、こういうことが私は必要ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。そうすべきではないかと思うんですが、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今、委員がお尋ねのとおり、金融再生法系統の場合の資産判定におきましては、五千万円未満の債務者につきましては、これはもうその元利の支払いが行われている限り財務状況のいかんにかかわらず継続受け皿銀行に引き渡すということになってございます。それとの対照で、預保法上の今の一般資金援助の対象の場合にはそういう仕組み、対応する仕組みがないということは御指摘のとおりでありますので、これはもう少し何とか知恵が絞れないかということで、少しお時間をいただいて検討させていただきたいと思います。
○小池晃君 ぜひこれは前向きに、大変な不備だと思うんですね、これは何とかしていただきたい。それを何とかしないと、中小企業にとってみれば下手な受け皿が名乗りを上げるよりもブリッジバンクになった方がいいということになっちゃいかねないんですよ。ですから、これはやはり基準をきちっとつくってやっていただきたい。 これは一年前、トータルプランの議論と並行して拓銀の最終的な処理が決まりました。その中でどういう扱いをされていたか、このことも紹介したいと思うんですが、北海道拓殖銀行の場合は、融資額一億円未満の債権については原則的にすべて北洋銀行に引き継がせる、こういうふうにやっているんですね。これはまさにトータルプランの議論の背景があったのでこういう扱いをされたのではないかと思うんですが、やはりやる気になればやれるんだというふうに私は思うんです。 大蔵大臣に最後にこの問題についてお伺いしたいと思うんですけれども、信金、信組の破綻の中で今起きている私が紹介したような中小企業の切り捨ての状況、これはやはり一年前の問題意識に立ち返って何らかの措置をとっていただきたい、救う必要があるのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今具体的にお答えをする用意がございませんけれども、御指摘になりました問題は少しいろいろ検討させていただかなきゃならないと思います。
○小池晃君 金融機関に公的資金を投入するのは、これは確実な預金者保護、貸し渋りの解消とかまじめな借り手保護、そのためにそういったことを通じて日本経済を立ち直らせていくということだったはずであります。資金面から中小企業を支える、そういう名分だったはずであります。 しかしこれは、一年たってみてどうかということで見ると、七兆四千五百億円注入された大手行は、みずから出した中小企業への貸し出し目標、これを達成していない、何の改善措置もとられていない。同じように今地域経済の現場では、目の前で融資をばさばさ切られているという実態があるわけです。 結局、公的資金がまじめな中小企業を切り捨ててゼネコンやノンバンクだけ救うものじゃないかと私たち一年間議論を通じてずっと指摘してきたんですが、まさにこの分野では表明したような危惧が現実のものとなりつつあるんじゃないかというふうに思いますので、前向きな御答弁もいただきましたので、ぜひ一歩前進させていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 次は、長銀の売却問題であります。先ほども若干御議論ありました、国有化された長銀の売却先の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 新聞報道によれば、アメリカの投資会社リップルウッド・ホールディングスというところが長銀譲渡先の最有力候補というような報道もありました。買収額は一千億円から二千億円、そんな記事もありました。フランスの投資銀行という名前も挙がっております。 このリップルウッドという会社を見てみますと、ここは機関投資家から集めた資金で未公開企業や破綻企業を買収して経営再建して売却する、それで収益を上げるプライベート・エクイティー・ファンドを運用しているという紹介です。九五年に設立されて、アメリカの国内でのファンドの規模は四億五千万ドル。既に買収した五社は、買収額は合計八百万ドルに対して、三千四百万ドルで売却した。要するに、企業を買ってそれを転売する、それでもうけるということを中心にやっているような会社です。 国有化されたいわば国民の財産である長銀をこういう投資会社に売却する、これはもうもってのほかのことじゃないかというふうに思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長銀の譲渡については、まだ話がすべて途中でございまして、今先生の御質疑に対して真っ正面からお答えするというような状況にもないし段階でもない、これは御理解いただきたい、こういうように思います。 ただ、今先生がおっしゃられた、アメリカでプライベート・エクイティー・ファンドと言われているものだそうでございますけれども、アメリカは御承知のとおり金融というものが非常に自由化されておって、いろいろな形の資本の調達あるいは投資というようなものが行われている中で、最近においてあらわれてきた一つの形態ということであるようです。 そのプライベート・エクイティー・ファンドの投資活動を見ますと、今一見先生が言われたようなプロセスをたどっておって、それはどうも日本の国民の税金を投入したようなファンド、投入したような金融機関の受け皿と言うには余りにも不適切ではないかと、こういう御指摘でありますが、私どもとしては、プライベート・エクイティー・ファンドを頭からだからといって排除できるか。 つまり問題は、経営、マネジメント、これが一体どういう形になるのかということが非常に大事であって、どういうファンドが直接的に長銀の受け皿になろうとも、仮にそれが最終的に上場されてしまうということになりますと、その金融機関のいわば株主というのは結局もう一般の株主ということになるわけであって、そこには余りだれが最初の金主であったか、投資家であったかということが最後まで問題になるという、その資本の何というか種類というか形態というか、そういうものが最後まで問題になるということはどうも余り考えなくていいのではないか。むしろそれ以上に考えるべきは、マネジメントの形態、マネジメントがどういう方であるか、マネジメントを担当する方がどういう方であるかということが最も大きな問題ではないか、こういうように考えておりまして、別に今申したことは今先生が御指摘になったプライベート・エクイティー・ファンドを念頭に置いて言っているわけではなくて、一般論としてそういう感じを持っております。
○小池晃君 五月二十八日に大臣は記者会見で、基本的には短期の転売を目的に買収に名乗りを上げているところへの譲渡は考えていないというふうに答えておられます。 一般論として言われましたので一般論としてお聞きをしたいと思うんですが、一般論として譲渡先として、こういう記者会見での御発言があったわけですけれども、このような投資会社ということも対象としては除外しないということになるわけですか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 一般論としてお答え申し上げますけれども、短期というのをどの程度先生お考えになられて御質疑をなさっているかちょっとはかりかねますけれども、一般に例えば五年というようなことを短期とこう考えるときに、五年内に売り払ってしまうというような、それで一番その企業の価値がピークだと思われるときに売り払ってしまうというようなこと、こういうことを意図表明しているようなところに対して私たちはそれを受け皿銀行とするということは全く考えておりません。
○小池晃君 もう一つの問題をお聞きしたいと思います。 これは先ほど議論になった問題なんですが、現在長銀の保有に適するとされている資産十九兆円というふうに言われています。しかし、その売却に当たってはさらにロスが生じる可能性があるのではないだろうかという問題です。実際報道では、譲渡の条件として追加引き当てを要求している、そういうところもあるようであります。 先ほど大臣は、時間の経過による資産の劣化があるので、その時点での資産の評価に応じた引き当てをしなければならないというふうにおっしゃいました。この中身をちょっと確認したいと思うんですが、そこで言われている評価というのは、これは相手側が、譲渡先がデューデリジェンスするわけですね、その評価のことを言っているのか、それともその時点で再生委員会としての査定を行ったその評価ということを意味して先ほどその時点の資産の評価とおっしゃったのか、そこをちょっと確認したいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 譲渡が行われるときには、当然相手方もデューデリジェンスをするということが原則的には考えられるというふうに私ども思っております。彼らは彼らなりのいろんなその自分たちの資産評価に基づいた引き当てなりなんなりを求めてくるであろう、こう思いますけれども、そこはもういわば取引の問題という範疇に入ってくるのではないか、このように考えまして、相手の言うがままに我々が一方的にそれをのまなきゃならないという立場には私どもはないのではないか、このように考えます。
○小池晃君 さらに、この譲渡、今言ったように、まさに取引ということになってくるんだろうと。その場合にあり得る問題として、FAが絡んできて交渉が進んでいくと、長銀の保有資産の中から相手側が、これは受け取れる、しかしこれは受け取れないという要求をしてくることも考えられるわけです。 大臣は衆議院で二次ロスは負担しないというふうに答弁をされておりますが、そもそも初めの段階で、譲渡先側が二次ロスが発生するような資産の部分についてはこれは除外して継承しないということを言ってくることも十分あり得ると思うんですが、これはどう対応されるんですか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今、先生御指摘のとおり、先般の衆議院の委員会の方でも二次ロスの処理について御質疑がありまして、私どもは二次ロスを処理するというようなスキームのもとにない、つまり私どもの運用に当たらせていただいている再生法にはそのようなことを想定した規定はないということを申し上げて、したがって私どもはそこは現行法に基づく限り不可能な道なのではないか、このように申し上げたわけでございます。 他方、今、先生がおっしゃられるとおり、私どもが適資産、適切な資産というか引き継ぎに適切な資産として分類したものについて相手方がこれを拒否して何らかの別の処分をする、その中にはRCCへの購入を求めるということもあり得るわけですけれども、そういう道が全くふさがれているかというと、実はふさがれておりません。そういうことを想定して預金保険機構ではお金が支出できるという仕組みになっておりますので、そういうことが否定されていないというふうに我々は法を解釈させていただいておるわけであります。 しかし、実態としてこの問題についてどのように私どもが対処しようと思っているかといいますと、基本的には、私どもが適資産と考えておったところのものについてはこれはそのまま引き継いでもらいたいというのがまず我々の原則的、基本的な立場でありまして、例外をつくることについてはこれは個々個別の判断ということになろうというふうに申し上げるほかないと思います。
○小池晃君 結局、評価についても、時間的な経過による劣化というだけじゃなくて、相手側の言い値とこちらの評価とその差はどうなっていくのかという問題もあるし、すべての資産を引き継ぐかどうかということについても、可能性としてはそういうふうにしないということも仕組みの上ではあり得ると。やはりこれ一体追加の負担はどれだけになってくるのかというのは、これはいろんな要素がさらにつけ加わってくる可能性は十分にあるんだということだと思うんですね。 そもそも、こういう交渉がディスクローズされていない、全く秘密裏に行われているということも問題なんじゃないか。FAの契約も先ほどの議論の中でも明らかになっていない。これは、長銀は国有化されたわけですから国民の財産、二兆数千億円もの公的資金を投入して債務超過を消して売却する、国民にとって重大問題なわけですね。そこにさらに、プラスアルファで身ぎれいにした分をさらにきれいにするようなお金がこれからさらに注入されるかもしれない。 大蔵大臣は、昨年十月の当委員会で、長銀が国有化された後の処理について質問されて、こういうふうにお答えになっています。「恐らく処理の後にどこがそれを受け継ぐかということは、常識的には例えば競売とかなんとか、そういうことの方が経済の常識かもしれません。」と言われているんですね。 私これは、国有財産の売却で今言ったようないろんな問題がこれから起こってくる可能性がある、当然公開すべきではないか、価格設定の過程も含めて公開すべきではないかというふうに考えるんですが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今、先生いろいろな想定を置かれてこれからの道行きについて先生の予測されるところについての問題点を挙げられたわけでありますけれども、実にさまざまな問題に直面しているということについては率直に今認めざるを得ません。 私どもとしては、そういう中でいかに国民の負担を少なくするか等を一番、トッププライオリティーとして、いろいろなことを配慮してベストの選択をしていこうというように考えておるわけでございまして、これを公開すべきということについては、法律上そういうような規定は私どもないと承知いたしておりまして、国会への報告、例えば今度の報告もその一つでございまして、なおこれが内容的に不足するところもあるというような御指摘も午前中いただいたわけでありますけれども、これについては私どもはできる限り誠実に国会を通じて国民の皆さんに知っていただいて、私どものもし決定が行われた場合には、それが国民の支持を得られるように実態として努めていきたいし、またそのことについては詳細に御報告をして理解を求めていきたい、このように考えております。
○小池晃君 誠実にとおっしゃいますが、相手は善意で買い取るのじゃないんですね。ボランティアでやるわけじゃない。もうかるから買い取るわけです。事業として利益が上がると思うから買収するわけです。企業の側は利潤追求のためにやるわけだから、やはりこれは競争入札のような形であるとか、そういった形がストレートにこの場合できるかどうかというのはこれは問題があるかと思いますが、やはり価格決定過程が公開される、ある程度のその根拠などが示される、こういう仕組みが必要なのではないか。 アメリカでは、承継先を選ぶ際にはプレミアムをつけたり、できるだけ有利なプレミアムをつけるところに承継するとかやっているわけです。最小コスト原則を貫くためのそういう仕組みができているわけで、日本の場合そういったものが全くないんじゃないかということを指摘せざるを得ない。 お聞きしますけれども、その過程は公開できない、そういう仕組みはないとおっしゃいましたが、国会に報告するというふうにおっしゃいましたけれども、譲渡された後で、どういう過程でその価格が決定されたのか、先ほどの御答弁では、現時点での資産評価と売却時の資産評価の引き当ての変化などについては報告するというふうに御答弁がありましたが、相手側がどういう価格設定をして交渉過程でどういう結末になったのか、どういう価格で売却されるという過程をたどったのか、ここについてもやはり国会に対して報告をしていただくというふうに、そのことを求めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先ほど私が誠実にと言ったのは、別に取引の相手先に対して誠実にということを必ずしも言っておるわけではありません。私が誠実にと言ったのは、我々の法律を通じて持たされている金融の安定化という理念、これに対して誠実にということを申し上げたということをひとつ御理解賜っておきたいと思います。 そして、その上で申し上げますけれども、今、先生がおっしゃったように、どうしてこの相手先が選択されたかということについては当然私どもに説明責任がある、このように考えております。
○小池晃君 終わりますが、このままでは本当に巨額の公的資金がやみの中に行くことになってしまう、これは明確にすべきだということを主張して、質問を終わりにします。(拍手)
○山本正和君 質問をするに先立ってちょっと柳沢大臣に一言申し上げておきたいと思うんですが、再生委員会が発足して以来大変な御苦労の中で、また国民各層の中にも大変な期待が広がって、いろんな意味で鎮静化してきている御努力に対して非常に敬意を表しますし、柳沢さんの持っておられる大変すばらしい見識といいましょうか、それに対しても敬意を表しますが、きょうの浅尾委員の質疑の中でちょっと気になったものですから、改めて真意を伺っておきたい。 この金融問題というのは、私も随分国会の生活の中で、激しい議論、本当に内閣が二つも三つもかわっていく中で乗り越えてきたいろんな議論があるわけです。そういう中で、何とかひとつ国民の信頼を回復するという中で生まれたのが金融再生委員会、あるいは中坊さんの機関です。 そこで、一番大事なことは、可能な限り情報開示をしていく、そして国会の質問に対しても可能な限り応じていこうということで信頼を回復しようという流れで来たと思うんです。 そういう中で、きょうの浅尾委員の質問の中でちょっと気になったのは、再生委員会は各エキスパートを全部入れて、委員の皆さんもおる、また職員も懸命にやっておる、その中での政策判断でそれは開示できませんよ、こういうふうに聞こえたんです。そうじゃないと、もしできないならばできない具体的理由をきちんと明示して、そして国会の判断を仰ぐというのが当然だろう。国会の方でそれでも見たいという場合には、委員会でもって資料要求できるわけですから、これは国会法でも国会の権利として。また、それでも大臣は大臣として見せられないものは見せられない、最終的には内閣が声明を発して、これに対しては見せられない、こういうことになるわけです。 したがって、そういう中で、委員からの質問に対しては可能な限り開示するというのは、これは柳沢大臣の基本方針であると私は思うんですけれども、その辺のことをひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 山本委員の仰せのとおりでありまして、私どもは基本的に情報開示というものに対しては積極的でなければならない、このように考えております。 ただ、その場合も、私どもの仕事の運びについて具体的な支障があるということについては時間的にしばらくタイミングをはからせていただきたい、こういうことを午前中も申したつもりでありまして、ぜひその点は誤解のないように御理解をお願いしたいと思います。
○山本正和君 今の御答弁がちょっと気になるわけですよ。 ですから、具体的な理由が明示できるという形以外のものは、全部具体的に開示できない理由を言っていただく。ただ時間的だとか政策判断とかいうふうに言われると、我々は議論のしようがないんですね。そうでなしに、具体的にこういうことがあるのでという形の問題でこれはお答えいただきたい、これが一つです。 それから、それも可能な限りできるだけ時期を見て開示したい、こういう大臣の意思だと私はわかるんですけれども、その辺の意思表示がちょっとはっきりしないものですから、重ねてひとつお願いしておきたいんですけれども。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今の点についてはもう先生がおっしゃったとおりに考えています。 具体的な支障がある場合には、それのゆえにこれはちょっと御配慮をいただきたいということでありますし、またタイミングの点については、タイミングをはかって開示するということを申し上げておるわけです。タイミングをはかるということを口実にして開示を懈怠するというか、そういうことを考えているわけではございません。
○山本正和君 そこで、お気持ちもよく理解いたしましたが、なるべくそれぞれのもひとつ具体的に実行されるように御努力願いたい。 きょう私は時間が余りないので、質問事項をちょっと入れかえまして、まずペイオフの問題を。 というのは、金融再生委員会が一生懸命取り組んできて、破綻銀行の処理をずっとされてきた。その中で今からさらに、金融機関が抱えている最大の問題は二〇〇一年のペイオフの問題だろうと思うんです。国民の中にも非常に不安がある。そうすると、再生委員会の委員長として、金融機関の問題にずっと対処されてきた中で、本当に一生懸命に努力している金融機関もある、ちょっとどうかなと思う機関もある、いろいろあると思うんです。 そういう中でこのペイオフという問題の与える影響、また当然金融機関としてはこうしなきゃいけない、また政府としても、これは国民のみんながペイオフということを余り知らぬとか知っておるとか言うけれども、実際はよく知っているんですよ。特に年寄りはみんな知っておる、私らみたいな七十代の男はみんな子供や孫にやる預金をどうするだとか心配していますから。そういう中で、ペイオフが一部議論されて延期になるというふうになったら、待てよ、これは一体どういうことだ、こういうふうに思ってしまうんです、預金者の方からいっても。金融機関の方でも、むしろそのことがそうなるならば、一生懸命にまじめにやっている金融機関は大変なことになると思います。 それから私は、私の父親が生きておれば百十歳ぐらいになるんだけれども、おやじが言ったことがいつも気になるんです。昭和の金融恐慌のときに本当に大変なことになった、しかしその後日本人は何を頼りにするか、お国だ、一番いいのはやっぱり郵便貯金だというふうなことで、頼りにするのはお国だということになる。 今度は、金融機関の大変なスキャンダルじみた事件から起こってきた国民の金融機関に対する不信がある。その不信を取り除くためには、政府はこういう格好で六十兆円というお金まで用意してやってきましたよ、再生委員会もつくりましたよと。私が一番苦労したのは、住専機構のときに大蔵省のお役人の言うことを聞いて、六千八百五十億出したら大丈夫かと言ったら大丈夫ですと言うもので、やったらとんでもない話になって弱ったことがありますけれどもね。そうじゃなしに、今度こそ大丈夫だと思っているのに、またいろいろと変わるんですかとなったら、国民は何を信頼していいかわからなくなるでしょう。 そういう中で、再生委員長として金融機関の今度のに当たられた立場から、ペイオフについての見解をひとつはっきりとここでお聞かせいただきたいと思う。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 日本の金融システムが信認を動揺させて国民の皆さんが金融不安というものを現実にお持ちになる中で、暫定的な措置としてペイオフを五年間凍結するということが行われて、今日その時期の中に我々はおるわけでございますけれども、その間に、ペイオフがまた解禁になる二〇〇一年三月末までに金融機関を健全にするように、また破綻した金融機関は市場から退出してもらって、そして残った金融機関については預金者と申しますか国民みんなが信頼して自分の大切なお金を預金できるような、そういう金融システムにしようということで私どもに今金融二法というものの運用をゆだねられている、このように考えております。 したがって、私どもに許された時間というものはそんなに長くはないわけですけれども、とにかく全力を挙げてこの二法を使わせていただいて、今言ったような安定した信頼を寄せていただける金融機関、金融システムをその時期までに構築しようということでやらせていただいておるわけで、それを、いやその時期が来たけれどももうちょっとこの期間を延ばすのだというようなことになりますれば、本当に今山本委員御指摘のとおり、そのことのために懸命に努力した銀行と、まあひょっとするとこれは延びるかもしれないぞといって努力を怠った銀行とが実に不公平なことにもなる。また、国民の政府の方針に対する信頼というものもそこでまた揺らいでしまって、いつまでたっても本当に自己責任というか、ある意味で自己責任が求められるわけですが、そのもとにおける預金等の活動ということがそこである意味で溶融してしまうのじゃないか。このように考えておりますので、私は、とにかくひたすらその時期については、必ず異例の措置というものが解かれるという前提で今この二法の運用に努力させていただいておるということでございます。
○山本正和君 これは私は小渕内閣が発足した当時から代表質問やあるいは予算委員会、こういう席で申し上げてきたのですけれども、私は日本の国はあの当時言われたような沈没するような国じゃないということをずっと繰り返し言ってきたのですよ。そして、問題は政治だという話も何遍もしてきたと私は思うんですね。 実は、金融問題で日本はこんなにだめなのかと思った最大の原因は、国民の間には、働いて一生懸命稼いだお金は銀行に預けたら絶対大丈夫、銀行員は絶対まじめだと、こう思い込んでいたんですね。片や大蔵省というのは、その銀行が怖がる大変な存在で、大蔵検査があると言ったら真っ青になるというぐらい信頼されておる。そういう体制のもとにあるから大丈夫という気持ちでおったのが、とうとう銀行までもかと。政治家はうそばかり言っていると思ったけれども、銀行もだめかと。こういうものがやっぱり国民が国家に対する不信感を持つ最大の原因だと私は思うんです。 そういう中で、あれだけ大変な議論して、私も本当に政治家で一番苦労したのは、久保君が大蔵大臣のときに、与党の理事ですから野党の皆さんの厳しい追及を受けながら、必死になって六千八百五十億をひとつ投資させていただくということでどんな思いをしたか。そういう中で考えれば、今ここで政府が本気になって、日本の金融機関に対して、大丈夫ですよということを国民の前に見せるための施策が今度の政策なんだということできているんだと。ところが、それにもかかわらず、またもやちょっと余りどうかなというような銀行が平然として残るということになると、これはもう大変だと私は思う。 日本の国の明治以来の蓄積された、そしてこんな小さな島国がアメリカと戦争できた最大の力は国力です。国力の基本は国民の貯蓄、政府に対する信頼なんですよ。そういうものとかかわっているんですから、これは重要な問題だと思うんです。 大蔵大臣、ひとつそういう意味で、先ほどのは再生委員会の担当大臣としてのお話ですけれども、もう一番総理も経験されまして日本の戦後をずっと見ておられる大蔵大臣としてこのペイオフ問題についての御見解を賜っておきたいと思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 基本的に山本委員の御主張に賛成でございますし、また今柳沢大臣が言われたところも私と同じ考えでございます。 そこで、ごく最近金融審議会が私どもの問いに答えまして、これを実施するについて起こり得べきいろいろな問題の論点整理をされまして、それが昨日ですか一昨日ですか公表されましたことはごらんいただいたところだと思います。 大変にいろいろ難しい問題があるということを論点整理で述べておりますから、これは一つ一つ解決をしてまいらなければなりませんが、要するに、今目標は先ほどおっしゃいましたとおり、柳沢大臣が言われたとおりで、それに至りますまでの道行きでいろいろ間違いが起こりませんように、そしてソフトランドできますようにやってまいらなければならない、こう考えております。
○山本正和君 大臣がソフトランディングとおっしゃると、何かまたそれを逆にとって安心してサボる人が出ると困るので、そこのところはやっぱりもう少し、大臣、これはもう自分たちの努力をうっかりサボったら大変なことになるぞという印象を与えるような表現をひとつお聞かせいただきたいんですけどね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 論点整理にはいろいろな問題が出ておりますので、私が片一方で申し上げますのは、それに至る間に国民がいろんな思惑を持たれて、ああこういう問題がある、そういう危険があるというようなことでいろいろ思惑を持たれて路線が混乱する心配がある。そういうことがあってはならないと思っておるわけでございますが、現に有力新聞の中でも、今日本がこういう大変なときに理屈はともあれそういう危険を冒すべきかどうかという議論をしておる新聞もございますから、国民はいろいろにお考えになるであろうと思います。 したがって、なるほどソフトランドという言葉が悪ければ、目標はきちんと達成しなければなりませんが、それに向かっての障害はできるだけ排除して、そして国民が御心配をなさらないような形で二〇〇一年三月には原則に返りたい、こう考えておるということでございます。
○山本正和君 今の大臣のお話で私もすっきりいたしましたし、聞いておられる国民の皆さんもよくわかると思うんです。 そこで、実は再生委員会の報告の内容について幾つか質問を用意したんですけれども、どうしてもこういう機会でなければ宮澤大臣からお話を聞く機会がありませんので、金融に絡んで、再生委員会報告からちょっと離れるかもしれませんけれども、お聞きしておきたいと思うんです。 というのは、宮澤構想を出されましたときに、あのときに余り国会では論議がなかった。私は、これはアジアの大変な金融危機、経済低下という中ですばらしい一つの提案じゃないかということで、そのときに大臣から短い時間だったんですけれども国会の場で御質問いただいたことがありました。その後、今日はどうやらアジアの金融も少しずつ改善の向きが出てくる、また経済の動向も少し変わってきている。 ですから私は、ああいう宮澤構想というものに対して外国はいろんな意味での評価をしたと思うんです。アメリカは若干いろいろ批判したようですけれども、いろんな問題点をかなり彼らも言ったようですけれども。アジアの中には、ああいう宮澤構想的なものがもっと本当にアジアの中で具体化していってほしいという願望等もかなりある。 そういう中で、日本の金融そのものもアジアからはね返りを受けて相当衝撃を受けた部分もあったと思うんですけれども、そういう意味で、アジアにおける金融問題、金融の安定というようなことと、それから大臣が当時お出しになった宮澤構想との関係、そしてこれが国際的な意味で今後どういうふうな格好で位置づけられていくんだろうかというようなことにつきまして、大臣から考え方をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) とりあえずの役に立ちたいと思って始めたことでございますが、最初の三百億ドルは、半分は、アジア諸国がこれから立ち直りますために輸出をしなければなりませんが、そのためには原材料を輸入しなければなりません、その輸入資金が非常に困っておりますから、百五十億ドルはそれに、為替に使ってもらったらいい。残りの百五十億ドルは、日本と同じ状況でございますから、企業のリストラクチャーをやるとか銀行の秩序を直すとかあるいは一般的なセーフティーネット、国内の需要でございます、それに使ってもらおうと思いまして、この三百億ドルは四分の三ぐらい行きましたでしょうか、かなりもう使われて、まだ少し残っております。 それから、次に出しましたのは、その次の段階は、各国が自分で政府が起債をして、金は日本にもあるしあちこちにございますものですから、起債をして金をおつくりなさい、ただし政府だけでは信用がないであろうから日本がその保証をいたします、そういうのが第二番目のことでございます。 それで、幸いにして一年余りでアジア諸国も、インドネシアがちょっと政治の問題がありますけれども、概して立ち直ってまいりました。今各国がそういう中で起債をしてアジア市場あるいはヨーロッパ市場から金をつくりたいということは、シンガポールであれ香港であれ東京であれよろしいわけでございますが、そういうことでアジアの全体というものの中で資金をお互いに出したり取ったりする。 あるいは、同じ時期に東京市場でのファイナンシャルビルあたりの流通を緩くいたしましたのと源泉所得税をやめましたというようなこともあって、円というものについて各国が運用できるような形で関心を持とうとしておる、まだ持ったとまでは申し上げられないんですが。そういうことになりますと、円というものに各国も親しんでくれることになろうと思いますし、場合によっては、通貨の仕組みもドルにペッグするのではなくて、ドルも円もユーロも合わせたバスケットにペッグしてもらうとか、だんだんそういうことになればいい。しかし、これは当面ねらっておることではございませんで、そういう方に向かっていく一つの口火になればいい、こういう程度に考えております。
○山本正和君 これは大蔵大臣としてのお立場がおありでしょうけれども、通産大臣等も含めまして、やっぱりアジア全体のそういう問題についての我が国の役割というもので一層ひとつその意義を各国にも説明し、協調を得られるような格好でしていっていただいたらというふうに私は思うわけでございます。 そこで、時間がもう四分しかありませんので、最後に再生委員会報告についてちょっと質問をしておきたいんですけれども。 再生委員会が今度銀行に対するさまざまな検査をおやりになったという中で、従来大蔵検査がやってきた中での問題点との違いというものを随分お考えになったと思うんですけれども、そういう中で、やっぱり今後、銀行検査というものはどのセクションで、どういう発想でやっていったらいいかというようなこともお考えになったんじゃないかと思うので、もしそれがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 昨年、金融監督庁は、従来の金融行政に対するさまざまな御批判を重く受けとめまして、透明かつ公正な金融行政への転換を確実なものとすべく、民間の金融機関に対する検査、監督を専門的に行う官庁として設立されたわけでございます。これまでこの一年間、厳正で実効性ある検査を実施することを通じまして、金融システム全体に対する信頼の確立に努めてきたところでございます。 検査体制でございますが、これまでも強化充実を図っているところでございますが、おかげさまで平成十一年度におきましては検査官八十七人の増員が認められております。今後、これを最大限に活用いたしまして、厳正で実効性ある検査を実施していきたいと考えておりますが、その際には検査の質的な向上を図りたいと考えております。 その一つとしては、検査官に対する研修を一層充実するということが一つ。それから、海外の主要金融検査当局の検査ノウハウの吸収、それから外部ノウハウの検査への活用を図るために海外当局との人材交流を行ってまいりたいと考えております。また、適性ある民間の専門家を登用したいと考えております。また、この七月一日に初めて、今度は検査班の編成方針といたしまして十四の部門制を採用いたしまして、都銀あるいは地方銀行、それから保険、証券とそれぞれの部門に応じた、業態ごとの特色に対応した、より専門性の高い深みのある検査をこれから実施してまいりたいと考えております。 さらに、平成十二年度以降のことでございますが、さらなる整備を図るために、これからも関係当局の御理解を得ながら計画的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
○山本正和君 従来の反省に立ったさまざまな取り組み今御説明いただきましたけれども、やっぱり監督庁はきちっとやっていますよということが信頼になるように、さらなるお取り組みをぜひお願いしておきたいと思います。 どうもありがとうございました。終わります。(拍手)
○入澤肇君 まず最初に、柳沢委員長、委員長就任以来業界も辟易するほどの厳しい毅然とした姿勢で指導をやっていらっしゃることに対して敬意を表したいと思います。 それにしましても、きょうのこの報告書、金融再生法の第五条によりますと、「破綻した金融機関の処理のために講じた措置の内容その他金融機関の破綻の処理の状況を国会に報告」というのがありまして、見てみましても、実は金融二法制定の審議以来、長銀や日債銀のことにつきまして政府の公式な見解が余り出されていないわけであります。新聞では次から次へと新しい事実かどうかわかりませんけれどもスクープ記事が出されておりまして、どの数字が本当の数字なのかさっぱりわからない。不良債権の数字なども日に日に膨れ上がっているわけです。そういう状況下でありますので、私はこの報告書の内容の背景になる事実につきまして、幾つか御質問したいと思うのであります。 〔委員長退席、理事岡利定君着席〕 この報告書の中に、特別公的管理銀行が行いました再生法の第四十六条の部分に基づく報告書が参考資料として出ておりますけれども、これを見ましても、かなり新聞報道や今まで衆議院の大蔵委員会等で政府が答弁したこととかけ離れているわけであります。極めて言いわけ的なものに終わっているわけでございます。 金融二法に基づく金融再生委員会の活動につきまして、長銀、日債銀とも、大蔵省の検査結果、日銀の考査結果とそれから金融監督庁の検査結果が非常にかけ離れている。その理由は一体何なんだろうか。大蔵省の銀行検査が甘かったのか。新聞報道によりますと、不良債権額の査定をめぐって銀行と大蔵省当局の間で甘くしてくれとかしないとかいうやりとりがあったというふうなことも報道されております。 それからまた、参考人として日債銀の頭取を呼びましたときに、途中で検査のルールが変わったんだと。そのために、今までは債務超過でなかったんだけれども、突然あるときから債務超過になるようになってしまった、それが要するに日債銀の今日を招いたんだというふうな表現もございました。これは議事録に出ております。 一体何が理由でこんなに数字が変わったのかということを、当局として公式な見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 金融検査におきましては、業務、財産の状況等につきまして的確な実態把握に努めることが何よりも肝要でございまして、長銀、日債銀につきましても、大蔵省及び金融監督庁いずれの検査においても、その時々の時点における両行の資産内容あるいは財務内容について厳正な実態把握を行っているというふうに私どもは認識しております。 ただ、先生御案内のとおり、金融機関の経営の健全性を確保するために、自己資本比率という客観的な基準を用いまして必要な是正命令を迅速かつ適切に発動していくことにより金融機関の経営の早期是正を促していくということを目的といたしました早期是正措置制度が導入されましたのが、実は昨年の四月だったわけでございます。また、その早期是正措置制度の導入によりまして、金融機関等がみずからの資産を自己査定し、その結果に基づいて償却、引き当て等について公認会計士の監査が行われているわけでございます。 このような金融機関等の自己責任原則を前提にいたしまして、早期是正措置導入後の検査におきましては、従来のような検査官による直接的な資産査定は廃しました。そして、金融機関等が行いました自己査定結果の正確性及び自己査定結果に基づいた償却、引き当ての適切性につきまして、商法や企業会計原則等を踏まえて確認することとなったところでございます。 そういった意味で、資産査定につきましては、実は早期是正措置制度の導入に合わせまして平成九年三月に大蔵省からも通達がなされておりますけれども、通達の発出前後で別に考え方が変わったわけではございません。償却、引き当ての考え方につきましても、この大蔵省の通達が出される前から商法や企業会計原則に沿った処理がなされていたものというふうに承知しております。 ただ、やはり違いますのは、早期是正措置導入前は、検査において償却、引き当ての適切性について指摘する枠組みにはなっていなかったということだろうと思います。償却、引き当てにつきましては、基本的に銀行と監査法人の判断にゆだねられていたという点がやはり非常に大きな違いだろうというふうに存じているところでございます。
○入澤肇君 それでは、公的資金を注入した大手十七行の未処理の不良債権は現在一体幾らあるのか。新聞報道によりますと、九兆円以上を処理して二十一兆円残っているとありますけれども、具体的な事実を教えていただきたいと思います。
○政府委員(乾文男君) お答えいたします。 資本注入を行いました十七行ということではございませんけれども、主要十七行の平成十一年三月期決算の概要を見てまいりますと、いわゆる金融再生法の基準で申しますと、現在二十・八兆円というものが、各金融機関の発表したものを集計いたしますとそういう数字が出てまいるわけでございます。 他方、いわゆるリスク管理債権というのは従来からこれは連結ベースで公表しているわけでございますけれども、この数字では約二十・三兆円ということになっております。ただ、このリスク管理債権の中には引き当てとして引き当てているものも相当程度あるわけでございまして、この全体がいわば手つかずでほうっているというわけではないわけでございます。 他方、これは再生委員会が資本注入を行ったときに発表しておられますけれども、今回の資本注入によりまして、約十兆円でございますか、そうした償却、引き当てということが行われておりますので、過去からのと申しますか、そうした不良債権の処理というのは基本的に終了したという認識を再生委員会においても表明しておられるところでございます。
○入澤肇君 基本的に過去からの不良債権の処理は終わったということでありますと、これは恐らく健全化計画が出ているわけですね、健全化計画の内容を精査した上で各銀行がそのように言っているということは信用に足るものであるかどうかということはどうですか。
○政府委員(森昭治君) お答え申し上げます。 今回、三月に資本注入した十五行につきましての不良債権の処理額につきましては約九兆円でございますけれども、それによって基本的に不良債権は終了しているものと思っております。 〔理事岡利定君退席、委員長着席〕 ただ、基本的にと申し上げますのは、まだ引き当て部分が残っておりまして、最終処理がもちろん終わっていないということも念頭に置いて基本的にと申し上げたわけでございますけれども、しかし最終処理もバルクセール等最近におきまして随分進んでまいりまして、約五〇%をやや超えるぐらい不良債権の最終処理が終わっているというふうに認識しております。
○入澤肇君 健全化計画が出されまして、これは恐らく監督庁の中では厳しい審査がなされていると思うんですけれども、ぜひ、うのみにしないで、追加的に二次ロスがどんどん出てくるようなことがないように処理していただきたい。 さらに、健全化計画の中で、これまた新聞の一面に一覧表が出ていたんですけれども、役員の賃金のカット率だとかあるいは賞与につきましても非常に、リストラで困っているほかの企業、中小企業の皆さんから見ると、甘過ぎるんじゃないかという気もしているわけであります。そこら辺も、世間の常識とのバランスということを考慮して厳しい注文を私はつけていただいたらいいんじゃないかと思っております。 その次に、この間新聞を見ていましたら、柳沢委員長がおもしろいことを言っておりました。資産超過だったはずの金融機関が破綻すると債務超過額が大きく膨らむ事例が相次いでいる、一体どういう理由なんだろうなということを述べたと新聞に出ておりました。確かに長銀につきましては、九八年三月の決算で、長銀の不良債権は回収に注意を要する債権も含めて金融監督庁が約四兆三千億円と査定した。ところが、長銀の自己査定は一兆四千億円も少なかったという事実がございました。 委員長自身として、資産超過だったはずの金融機関が破綻すると債務超過の額が大きく膨らむ、どんどん膨らんでいく、これについては一体どういう理由だというふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) そのくだり、私も記憶をいたしておりますけれども、言ったことはこういうことでございます。 要するに、ペイオフに関係して、銀行が破綻をした、そのときにPアンドAのことが頭にあるわけですけれども、パーチェス・アンド・アサンプションということでアメリカの場合にはうまいぐあいに引き継ぎ銀行に引き継がれていって、いわゆる付保された預金が保険金の支払いとして払い戻されるというようなことがなくて、次の引き継ぎ銀行にちゃんと自分の預金としてうまく引き継がれていく。それで、その預金の金額もほとんど目減りをしない、満額が新しい銀行に引き継がれていくということである。破綻をしたにもかかわらず預金がそのように傷つかないということは一体どういうことなんだろうかというふうに聞きますと、それは少しやはり株主はその株式が紙っぺらになるということはあるんだけれども、それ以上に預金者を含めて債権者がいわば自分の債権の棄損を受けるということがないということなんですが、それはどうしてそうなるかというと、引き継ぎ側がのれん代としてそのぐらいの穴埋めを、自分がお金を出してその金融機関を買う、そうするとそののれん代で投資したぐらいのものがその銀行の資産、負債がぐるぐる回っている間にちゃんと回収される、こういう仕組みだということなのであります。つまり、破綻をしてものれん代で穴埋めされる程度の穴しか実はあかない。これがアメリカの多くの例だというふうに聞かされたわけであります。 日本の場合に、のれん代で穴埋めができてしまって預金者やその他の債権者が泣かなくて済む、いわば自分の債権の棄損を受けなくて済むといったことは一体どうして起こるんだろうか。破綻をしたときに日本の場合には、破綻をしたという認定時における債務超過の額、今先生は資産超過と言われたんですがもちろん破綻しているわけですから債務超過であります、その債務超過の金額が、実際に引き渡しをするというようなときにもう一回調べてみると、すごい膨らむわけでございます。つまり、穴が大きくなる。これは日本の金融機関の場合に典型的にあらわれて、それがアメリカの余り差がないということと対照的だということが私の頭にありまして、一体こういうことというのはどうして両方の国でそんな際立った違いとしてあらわれてくるんだろうかということを申し上げました。 これは今後ペイオフになった場合にどのような形で処理をするか。保険金支払い方式と一般の資金の援助方式と二つあるというのが先般の中間報告の示したところですけれども、できれば保険金支払いで急いで保険金をもらえるかもらえないかというようなことの気をもむよりも、やっぱり預金が他の銀行に移っていくという方がはるかに安定的、つまり一般資金援助のフレームワークの方がはるかに安定的だとこう考えるわけですが、それがスムーズにいくためには今言ったようにのれん代くらいで穴が埋まっちゃうということが必要なのでございまして、そういう仕組みというのを我々の金融の世界でなぜできないんだろうか。それをできるような、もしいろいろな土壌が違うんだったら、それをむしろ接近させていくような努力こそが今後私どもに求められていることではないかという問題意識が私にあったということです。
○入澤肇君 のれん代がということで、非常によくわかるわけであります。私もこの間、ある友人がMアンドAでフランスの会社を買収した、それで債務は十数億なのにのれん代が十億で二十五億で買ったという話を聞きまして、そんなにのれん代って大きいものなのか、せっかく債務超過で大した会社じゃなくても長い間歴史を持ってやっているとのれん代としてそんなにかかるんだと、これがMアンドAの一つの実態だというふうに聞きまして、そんなものかなと思いまして、今委員長の話で金融機関にもそういうことがあるんだなということを実感したわけであります。 そこでもう一つ、この報告書の七ページでは、長銀の経営陣につきまして告発の前段階までの記述で終わっているわけですね。その後告発され、さらに逮捕されたわけであります。 具体的に何が問題で、何を理由として告発されて逮捕されたのか。新聞報道等によりますと証券取引法違反、それから分配できる利益がないのに違法に配当した商法違反が問われていると言われているんですけれども、当局としては公式に何を理由としてとらえているか。また、このように至ったことについて行政責任はないのかどうかということにつきましてお聞きしたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) 現在起訴されまして、既に東京地方裁判所で公判係属中の事件でございますので、私の方から何かコメントをするのはいかがかとは思いますけれども、証券取引等監視委員会の方で実は告発していることでもございますので、その告発の内容についてここで御答弁申し上げることでお許しいただければと考えております。 事案の概要は、長銀は元経営陣が共謀して関連親密先企業への融資に関して、真実は実質破綻しているにもかかわらず、債務者状況を偽るなど回収不能部分について適正な引き当て償却を行わないことにより、財務諸表において当期未処理損失を過少に計上するなど重要な事項につき虚偽の記載のある有価証券報告書を提出した、こういうことで監視委員会が告発しております。
○入澤肇君 時間がありませんので、最後に一言だけ申し上げておきたいんですけれども、この長銀の問題、日債銀の問題、いずれにいたしましても、私は今までの行政姿勢を一回総括しておかなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。どこまでが要するに金融機関の経営陣の責任なのか、それに行政が非常に深く関与していたわけでありますから、行政当局はどういう責任を負うのかというのを、個人の責任というより機関としての責任でも結構ですから、ぜひ総括した文書をまとめてもらいたいと思うんです。 特に、例えば長銀が金融制度改革につきまして証券業に早く乗り出したいと。ところが、それは証券業界の反対によっておくれてしまったということもありましたね。そういうことも含めて、行政が一体なすべきときに何をなさなかったかということも記録としてきちんと明示して示しておいていただきたいと私は思います。 終わります。(拍手)
○田名部匡省君 もう大部分が質問に答えておりますので簡単に基本的なことと、率直に私は金融は余り詳しくないものですから、新聞やテレビを通じてこんなことってあるのかなと思うことが幾つかあるんですね。 今も質問ありましたけれども、銀行の検査というものを大蔵省、日銀が恐らく毎年おやりになっているんだろうと思うんですね。大体一カ月ぐらい入る。銀行がつぶれるということを日本の国民はだれも考えなかったんではないだろうか。しかも、一カ月も検査をして、どうしてこんなふうになってきたというのがわからなかったのかな、もうそれがどうしてもわからないんですね。先送り先送りして、結局もうどうにもならぬ状態になって今みたいな状況になったんではないのかな、率直にそんな感じがする。 それから、有名な料亭に三千億も融資したというのが新聞に出ていましてね、三千億も融資して、どうやって返すと思って貸したのかなと、率直にそう思うんですよ。普通の中小企業なら一千万貸せと言ってもなかなか貸してくれないのに、そんなにもうけて返済できるのかなと、そう思ってみたり。 いろいろ考えてみると、柳沢委員長がさっきも重厚長大企業のお話をしていましたが、やっぱり見通しを誤った。日本の国というのは右肩上がりで、右に下がるということを全く想定しないまま国民をリードしてきたんだと思うんですね。ですから、その見通しあるいは判断を誤った。しかも、私は銀行だけの責任だと思っていないんですよ。大蔵省が何らかの相談を受けたり監査をしたりしていながら、あとは責任をとる者が一人もいない。この責任の明確さというものについて非常に疑問に思うんです。 この前も新聞を見ておったら、長銀の退職金の問題で、何で返済しなきゃならぬかという開き直ったような記事が載っていまして、これだけ国民の税金を投入して、預金者にも迷惑をかけて、いろんな問題を起こしていながら、私の退職金を何で返済するかというあの発想というのは国民が見たら一体どう思うか。 この間本会議場でも言いましたけれども、特殊法人なんかでも赤字でも退職金はもらう、給料、ボーナスはもらう。民間では女房、子供を連れて夜逃げして自殺している。六千何百人ですね、この間発表になったので。一日九十何人自殺している。そういう国民から見て、今やっていることがこれは正当なことだと、わかりますよ、金融破綻して大変なことだということはわかりつつも、今置かれている立場の人たちから見たら、なかなか私は国民は理解できないと思うんです。 柳沢委員長は本当にテレビで時々責任問題についても明確にぴしっと答えておられて、えらい苦労されておるなと、こう思って見ておりますけれども、どうぞ今の私の気持ち、皆さんはどうお考えになっておるか、それぞれお答えいただきたいと思うんです。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 金融機関が破綻した場合の経営者責任について、田名部先生、本当の国民の常識というか良識のレベルからいって今の状況というのは到底がえんずることができないのではないかという問題提起でございます。 私どもも実は、経営者の責任ということは法律に明定されておりまして、ただそれはいずれにしても、健全化法では資本の過少になった度合いに応じてそれを追及しなさいと、こう書いてある。それから再生法では、新しい経営陣がその責任において、つまり自分が責任を民事、刑事にわたって追及しなさいと書いてございます。 そういうことで、私どもとしてはそれを監督するというか見守っている、こういう状況であるし、それから健全化法についてはその法律の命ずるところに従って私どもとして適切と思われる判断をさせていただいておるという状況でございます。 ただ、ここで一つ問題なのは、今先生も御指摘になられた退職金の問題でございまして、再生法適用になりました、つまり破綻した長銀については、過去十年にさかのぼり代表権を持つ方々と常務以上でございましたか、このような方々に退職金の返還を求めた。しかし、これはあくまで道義的責任としての返還を求めたということでございまして、平均すると支給額に対して二割何がしかの返還があった、こういうことでございますし、他方日債銀については、全員が返すとは言っておるけれども、現在まだ具体的な行動というものは出てきていない、こういう状況でございます。 先般テレビで農協、田名部先生も私たち御指導いただいた農政の分野ですが、農協の破綻のケースで、やはり退職金を旧役員にみんな新しい組合長が回ってあれを返してくれと、こう言って回っておられるという報道がありました。亡くなられた方々のところにも行って、そして亡くなった方の奥様がやっぱり何がしか、百万単位のお金だったんですが、それを返済されて、これで故人も非常に気持ちがいいという思いをしているんではないでしょうかというシーンがたまたまテレビに映りました。 それ以後もいろいろこういった問題について私も拾い読みみたいなことをしておりますが、山一の日銀特融のとき、たまたまその会長さんは私の友人の父親だということもありまして、この方は私財を全額提供になられたということを聞いておりますし、また昭和初期のいろいろな問題のときには、これはたまたまそのときの経営者がその責任をとるという形で私財提供したという話も聞いております。 それやこれやをいろいろ考えまして、私はあえて今先生のお尋ねに対する私の感想として申し上げますと、長銀の今出された方々、この方々も今現にその職にいらっしゃらないということでかなり心理的には抵抗があられるかと思うんですけれども、やはり二割何がしかで自分の道義的な責任がこれで果たし得た、あとは国民の税金が何兆円もそこに投じられてやむを得ないんだというふうにお考えだとしたら、私はやっぱり釈然としないという感想を申し上げざるを得ないと思います。
○田名部匡省君 本当にそうだと思うんですね。それができないということを本当に私も残念だと思うんです、これはもう国民感情からいったって。 私は、日本を変えていくということは国民の意識を変えることだと。意識が変わらなければ、ガイドラインをやったって何やったって、君が代だって皆そうなんですが、意識を変えていかなきゃいかぬ。意識の中にないんですよ。もうこんな議論したって、何を議論しているかさっぱりわかりませんから、どうなっているのやら。 ですから、それだけに私はもっともっとこういうものは、起きてから法律をつくるんではなくて、事前にこういうことになったときにはこういう法律を適用するというものを、これは国会議員の責任だと思うんですよ、つくっておくと。何でも起きてから泥縄式に何かやっているような感じを、法律が出てくるたびにそう思う、何でこんなことを前もってつくっておかなかったのかなと。ですから、責任問題まではなかなか波及していかないと、こう思うんです。 特に、さっきもありましたペイオフについても、あるいは私は青森県の保証協会の今の五千万までは無利子だというので、いろんな話を聞くんですよ。当時は、銀行なんかも貸し渋り、貸し渋りという、私はよく演説をやるんですが、あれは貸し渋りでないと。要するに、バブルのときに資産が限りなくふえたわけですから、五千万しかなかったものが一億にもなった。それがバブルがはじけてまた元へ戻っちゃった。ところが、借りるときは一億を借りちゃった。銀行側にすれば、あと五千万担保を持ってこいと言うのはこれは当たり前の話なんです、ない者に貸すというわけにはいかぬから。そうすると貸し渋りだということになったんですが、保証協会を通じて借りられたんですが、その後を見ておりますと、青森県でも最近は返せなくて倒産しているのが出てきた。そのときは助かったんですよ。仕事があれば返す金は出るんですが、仕事がないのに手当てをしたものですから、そのときだけは食いつなぐことができたけれども、返済する金までは出てこないというので、最近、これは青森県だけではないと思うんですが、そんな状況になっている。 ペイオフについても先ほどお話がありましたが、本当に一体どうなるんだろう、企業を経営している人たちがどうなんですか、どうなんですかと。個人の預金なら一千万までというのはありますけれども、そんなことをいろいろ聞かれても、私自身もどうなるか答えられない。自民党でも、小渕さんのところとまた党の方でいろいろ意見があって、準備できないのにやっちゃ大変だとか、いやこれをやらなければ今までやったものがむだになるという意見等もあって、なかなか国民が見ておってもわからない部分があるということがまだまだあるんだろうと思うんです。 私もわかりませんけれども、どうでしょうこの先、かつて渡辺美智雄さんが大蔵大臣のとき、総理が一緒に、だめな銀行はつぶれてもいいんだとあのころはっきり言ったんです。私はそんなことがあるのかなと思って聞いておったが、恐らく渡辺先生はあのときから銀行はつぶれてもやむを得ないという気持ちをいろいろ情報が入ってお持ちになっていたのかもわかりません。私は、あの住専の処理もそういうことでやっぱり法的に処理しておけばよかったな、まさかあれだけの不良債権が銀行に行って銀行がこんなになるということはあのとき全然わかりませんでした。ですから、本当に情報公開ということは大事だし、役所も本当にかかわったら責任をきちっと負うということでなければならない、こう思います。 最近、三重の知事に電話しまして、九百兆円も国の借金があると構想日本で出たものを私は資料をいただきました。四百何十兆じゃないんですね、九百兆円だと、バランスシートでやると。最近すぐバランスシートを国でもやるべきだと。それで、三重の知事に来て一遍話を聞かせてくれと言ったら、そしたら財政部の人が来て、関西大学の先生ですか何人かでこれをやってもらって本当によくわかったということを言われていました。私は本当に、大福帳では、国民に情報を流すといっても、一体幾らの借金があるのかなんというのは全然わかりませんよね、特に地方なんかだと土地公社だとかなんとか第三セクター物すごい赤字を出していますから。 私の家の前に学校の校庭があって、草がぼうぼう生えて、もう何年も放置しているんです。恐らく区画整理事業であのときに市が買ったと思うんです。買ったけれども、あのとき買ったものが今もう相当下がってしまっている。これは一体幾らの損になっているか、そんなものはいっぱいあるんですけれども、今の会計のやり方では一切出てこない。退職引当金なんというのもない。そこには将来払うべき退職金として借金になっているものが表に出てきていない。 いろんなことで、私は、やっぱり国民の意識を変えるということは、すべてそういうものを見せて、これだけありますよ、どうしますかという意識を持たせなかったらなかなか変えることは難しいな、こう思っているんです。どうぞぜひそういう意味で、これからの日本の将来ということに対して、政治家として、元総理経験者としてこのことについてどうお考えになっているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国ばかりでなく地方団体も大きな債務を背負っておる現状について御心配でいらっしゃって、それが必ずしも国民にきちんとわかるようになっていないということは私はおっしゃるとおりだと思います。 バランスシートについても、せんだっても大新聞に一つ御議論があって、いろいろ問題はあってもやるべきではないかという御議論でありました。 私ども、普通バランスシートといいますと、負債もあって資産もあるというふうに考えやすいので、国有財産は資産でございますけれども、しかし、いわゆる各省の用に供している公共用財産、道路とか港湾とかいうものは資産といっても処分ができませんし評価もできませんので、やっぱりそういうものを考えずに、むしろ負債だけ、国の持っている負債だけを、あるいは地方の持っている、それだけをもう少し正確に国民にお示しする方法の方がかえっていいのかもしれない。 しかし、これはアメリカなんかの例もございますので、一遍先入観を持たないで調査研究を政府としてもいたしたいと実は考えているところでございます。
○田名部匡省君 日本とドイツを除くとやり方はいろいろあってもやっておるようですから、日本でも全体の負債というものはどれだけあるかということぐらいは国民の皆さんがみんなわかった上で税というものをやっていかなきゃならぬし、ましてやこの金融なんというものもそういう理解のもとに、いかに金融機関というものは大事なのか、それならばこの程度のことはやるし、しかし責任も一方ではこれだけのものをとってもらう、両々相まって解決していかなければならない、こう思うんです。 検査をしていながらわからなかった、だれも私の責任でしたと言うのは一人もいない。役所というのは、私も経験ありますけれども、自分のときに何かやられると困るんですね。だから、おれのときは我慢してくれと言って次へ行く、次はまた同じことを言ってずっと先へ行くんですよ。そういう体質にこういうことを一切任せっ放しでいると、後になってだれがこれをやったんだと言ったって、だれも私でしたと言う人は一人も出てこない。こういうことが、私は、護送船団であったり、接待行政や裁量行政というものが行われてきたということだと思うんです。 住都公団も八百万参事の人がもらったとか、福島県の土木部が何百万もらったとかいうのばかり新聞に出る。こういうことを見て国民は、本当に喜んで我々もやっていることに協力しようという気持ちが起きるんだろうか。こういうことは、一つ一つはやっぱり政治の責任だ、政治改革が大事だというのもそこにあるんだろうと思うんです。 一方的にお話をしましたけれども、今後国民のために最大の努力をしていただきたいし、負担をなるたけ求めない努力をしてあげないと後世の者たちが本当に困るときが来るだろう、そんな思いで申し上げました。 ありがとうございました。(拍手)
○佐藤道夫君 私も引き続きまして基本的な問題についてお尋ねいたしたいと思います。 私の疑問は、長銀、日債銀がなぜ破綻したのか。破綻するに至る長い長い歴史があるわけですけれども、その間監督官庁である大蔵省は一体適切な指導をしていたのか、しなかったのか、しなかったとすればその理由は何なのか、その辺のところが実はこれ過去の教訓として将来に生かしていくのに大変重要な問題だと思います。いいかげんなことで、まあ仕方がなかった、こういうことであるとすればまた同じようなことが繰り返されるおそれがある。柳沢委員長は、再生委員会の委員長といたしまして、ポストについてまず私が持ったような疑問を最初に考えられたんじゃないか。 なぜ長銀、日債銀が破綻したのか。この日本には何千という金融機関がありますが、そのすべてが破綻したとすればまあ仕方がないということで済んでしまうわけでありますけれども、破綻したのはごくごくわずかな例外的な現象でありまして、仕方がないじゃ済まない話なんです。それに対して私が一番気になることは、やっぱり監督官庁である大蔵省の行政責任いかん、こういうことであります。 そこで、少しく分類してお尋ねいたしますけれども、最初に長銀、日債銀、これは言うまでもなく特殊銀行でありまして、長銀は二十七年、日債銀は三十二年につくられております。国策事業と言ってもいい造船とか炭鉱とか鉄鋼とか運輸とか、そういう事業に対して長期の融資をする、基幹産業に対して長期の融資をするために長銀、日債銀がつくられた。 長銀法の第一条にはっきりと銀行業務を分化するという言葉が使ってあります。一般的な融資は普通の銀行がやるけれども、基幹産業に対する長期融資、これは長銀、日債銀がやるんだと、銀行業務を分化する、要するに役割分担をはっきり法律が決めているわけであります。 ところが、長銀、日債銀が出発してから二十年余りたった記録を見てみますると、基幹産業に対する融資なんというのはほとんどなくなってしまいまして、製造業に対する融資がほぼ五〇%、その他はもうレジャー産業だ、やれ観光だ、不動産だというふうに、今日のバブルの走りが見られるわけであります。それがもう半分を超えている。それから、十年ほど前のバブルが破綻しかけたころのやはり表で見てみますると、何と何と一〇%以下になっておりまして、大部分はレジャー産業に対する融資、こうなっておるわけであります。 これにつきまして、大蔵省は一体どういう行政指導をしたのか。まあ仕方がないや、世の中はバブルで浮かれているからどんどんレジャー産業にも融資してやれや、ほかの銀行を見習って商売繁盛で頑張れや、こういうふうな指導をしたのか。それはおまえたちはもう分が違う、おまえたちのやるのは基幹産業に対する長期融資だけだと法律がそうはっきり言っていると。おのれの分際を超えてほかに融資したい、そうすればやっぱり法改正をしてもらうしかないんです。国会の承認、ひいては国民の承認、これが必要ですから、それのないままにどうしてあそこまで突っ走ってしまったのか。 それに対して大蔵省はどういう行政指導をしていたのか。それは当然委員長としても調査されたと思いますので、その調査をした結果をここで御披露いただければありがたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 佐藤委員は今調査の結果を言えということでございましたけれども、必ずしも私どもそこに焦点を当てた調査をするということを任務としておりませんでしたので、これは常識的にむしろ興長銀というか長期信用銀行二行の置かれている立場ということについてはそれなりに理解をしておりましたので、そういう理解に基づいて以後の行政を進めてきたということでこの点は御理解をいただきたい、このように思います。 いずれにせよ長銀は、今先生御指摘のとおり、先ほど私は重厚長大とちょっと言ったんですけれども日本の基幹産業、こういうものに長期資金を供給するということのために設立され、そういう資金であるがゆえに金融債の発行という、ある意味の特権を与えられて運営されてきた銀行である。それが一方では、先ほど言ったように国債の発行ということの中で、金融債を資産運用の道具とする人たちからは競合的な立場に立たされる。それからまた、重厚長大型あるいは基幹産業についての資金というものは、むしろその人たちが直接社債というような形で市場から調達できるようになってしまったというところから、ファンディングあるいはレンディング両者から実は市場を非常に狭められた、そういう苦しい立場に立たされたということでございます。 苦し紛れにいろいろなことを考えられて、投資銀行になりたいとかというような性格を変えるいろいろな動きもあったようですが、基本的には今言ったようなレジャーとかそういうところへ貸してきて、それがバブルがはじけて困ってしまう、こういうことで破綻をしたということだというふうな認識です。
○佐藤道夫君 申しわけございませんけれども、私の時間はたかだか十三分でございますので、簡単明瞭にお願いしたいと思います。 任務としていなかったとおっしゃいましたけれども、過去のことを調べないでどうして将来の金融機関のあり方に絵が引けるんですか、再生なんかを検討できるんですか。こういう失敗があったから、これはここに原因があった、その対応策はこうだということがあって初めてそれらしい答案が書けるわけでありまして、一体何から出発したんですか、不思議で仕方がない。これまた無責任行政だと言われても仕方がないと私は思いますけれども、本当にそういうことだったんでしょうか。 それから、常識的な線で長銀のやったことは理解できたとおっしゃいましたけれども、法律家としてどうなんでしょうか。長銀法の一条ぐらいは当然検討されて長銀の検査に入ったと思われるんですけれども、こんなことは私が言うまでもなく大臣も大蔵省勤務でございますから当然知っておられるわけであって、長銀の法律違反的な行為をなぜ監督庁である大蔵省は見逃してきたのか、こういう発問を当然されたと思いますけれども、いかがなんでしょうか、したのかしないのか、結論だけでも結構ですけれども。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私どもは、長銀のあり方についてまた日債銀のあり方について、非常に問題のある状況に立たされているという常識を持っていたと私申し上げたんです。
○佐藤道夫君 そういう角度で過去の長銀に対するあるいは日債銀に対する大蔵行政のあり方を検討されたのかどうかという基本的なこと、私はこれだけ聞いていると言ってもいいんですけれども、そのお答えがないように思うんですけれども。
○国務大臣(柳沢伯夫君) ですから、先ほど申し上げたとおり、長銀は投資銀行の方に事業を展開していこうというような動きもされ、そして現にそういう動きもしたんですけれども、それはまたそれでスイスバンクの方にとられてしまうというようなことが起こった、こういうのが事態の経緯でございます。
○佐藤道夫君 余り時間がないのでくどいことは嫌なんですけれども、今回の調査でそれはさかのぼって当時の関係者などに、なぜ長銀に対して監督権を発動しなかったんだ、基幹産業に対する融資がほんの一割程度になってしまったのにもかかわらず、ほかの方にどんどん手を広げていっている。それは長銀設置法の目的にも反するというようなことをどうして当時の大蔵官僚が指導しなかったのか、その理由を私は尋ねておるわけでございますけれども。
○国務大臣(柳沢伯夫君) これは法律もそのとおりになっているわけでありまして、そういう法律の制約のもとで長銀の当事者、経営者あるいは従業員というのは自分たちの活動がいかにあるべきかということで苦悩していたんだろう、このように思います。これは単に行政だけの責任というふうには私は思いません。
○佐藤道夫君 まともに答えてください。お願いいたします。 大蔵省が、当然そういうことを知りながら、なぜ長銀や日債銀に対して監督権を発動しなかったんだと。本来はこれしかできないところをこんなにやっている、おかしいじゃないか、そういうことは法律を改正してからやるべきだ、だれでも役人であればそんなことはすぐに気がつくわけですから、どうしてそれをしなかったのかということを、今あなたが後任者の目でもって眺めているはずですから、だれだってこういうことは気がついて、当時の大蔵省の関係者を呼んでなぜそういう監督権を行使しなかったんだとお尋ねになったはずですから、ならなかったとすればあなた自身もやっぱり職務怠慢だと言われても仕方がないと思いますけれども、そういう反省の上に立って新しい行政を展望していくのじゃないんでしょうか、政治というものは。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私どもの運用させられている法律では、大蔵省に聞けとは書いてありません。長銀に聞きなさい、長銀が何がゆえに破綻に至ったかということを調査して報告しなさいということが書かれているということです。
○佐藤道夫君 何か子供みたいなことを言っておられるような気がして仕方がないんですけれども、過去の事実を総合的に判断する上には、関係者みんなに聞いてみなきゃわからないでございましょう。法律がこうだからここだけだったと、これを聞かないでそんな結論が出るわけないでしょう。大蔵省に対して、なぜ君たちは監督権を発動しなかったんだ、別にあなたが聞かなくてもいい、あなたの部下をして聞かしめてもいい、こんなことは当たり前のことでしょう。まともな役人、まともな政治家ならだれだってそういうやり方をするでしょう。法律がこれしか書いてないからこれしかやらなかったんだと、それじゃまともな判断ができっこないでしょう。おかしいと思いますよ、私。 そんなことで、申しわけございませんけれども、担当大臣が務まるのでございましょうか。これしかやらない、あとのことは知らない、そんなものなんでしょうか、政治というもの、行政というものは。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 長銀の立たされている困難な状況ということについて、私どもは常識レベルでかなりのことを知っております。それで、具体的な長銀の破綻の経緯については、法律によって長銀から聞きなさいということが命ぜられている、そのとおりにやった、そのことがその報告書に書かれているということです。
○佐藤道夫君 別にけんか口論をしているわけじゃないのでありまして、私普通にお尋ねしているつもりで、法律に書いてないから聞かなかったんだと、そういう政治というのは一体あるのだろうかということを私素朴な、そういう行政というのはあるのだろうかという素朴なむしろ質問を投げかけているわけです。 これを調べ上げるのに、関係者がこの辺にいれば皆まとめて聞いていく、そして最後の最良の結論を導き出す、これは当たり前のことでございましょう。なぜそれをやらなかったんですかと。これだけやれば十分だなとはだれも思っていないわけでしょう。 大蔵省がなぜその当時長銀をそのままに見過ごしたのか。あるいは大蔵省はそれはいいんだとその当時そう考えていたかもしれません。その理由はかくかくしかじかで、我々は監督権を発動しなかったんですと。法律違反かもしれませんけれども、それはそれで仕方のないことで、いざとなったら長銀の経営者が責任をとるでしょうと、そういうことで大蔵はいたのかもしれませんし、その辺のことを的確に問いただしまして結論を出して、やっぱりこういうことでは問題だ、これからの行政はこうあらねばならないというふうなことに結論を導かれていくのが、それがあなたの仕事なんじゃないでしょうか。 何度もくどいようで申しわけございませんけれども、遺憾ながらもう時間がないようです。 どうかひとつ正直に答えてください、まともに答えてください。別に議論しているわけでも何でもないんですから。これはなぜやらなかったのか、大蔵省に対する、そういう過去の大蔵行政に対する諮問。法律に書いてなかったからやらなかったと、これ我々の世界では三百代言の法理と言うんです、こういうのは。とてもじゃないけれども、まともな法律家の使う言葉じゃないんですよ。そういうことがありまして、くどいくらい尋ねておるんです。ひとつまともな法律家として答えてくださいませ。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先ほど来申し上げておりますように、長期信用銀行系統の銀行の立たされている困難な立場についてはそれなりに我々はよく常識レベルですけれども承知をしておるということでございまして、それ以外の詳しい具体的ないきさつについては、法律に基づいて当該銀行から報告を聴取したということでございます。
○佐藤道夫君 最後になりますけれども、報告書がそういういいかげんなものだというふうに私は受け取らさせていただきたいと思います。 以上。
○委員長(坂野重信君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十三分散会