労働委員会 第15号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1999/07/09
会議録
○岩田委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件、労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。棚橋泰文君。
○棚橋委員 おはようございます。自由民主党の棚橋泰文でございます。 まずもって、甘利大臣を初め労働省の皆様方におかれましては、大変厳しい雇用情勢の中で連日連夜御奮闘されていらっしゃいますことに心から敬意を表させていただきまして、質問をさせていただきたいと思います。 五月の完全失業率、つい先般出ました。四・六%という、四月に比べれば〇・二%下がりましたので多少低下はいたしましたが、我が国の雇用慣行あるいは過去の歴史から見ると、非常に高い水準をいまだに保っております。まずもって大臣にお伺いをしたいのは、現在の失業率についてどうお考えかということでございます。 特に、非常に難しいのは、労働省の推計等によりましても、現在の完全失業率のうちおおよそ三分の二は、景気の要因ではなくてむしろ構造的な要因である。いわゆる雇用のミスマッチ等を初めとする構造的要因が、今後、中長期的にどうなっていくかということが失業率改善の大きなキーではないかと思います。 そしてまた、それを考えていくに当たっては、なぜこのような構造的要因の部分が今日においてこのように膨らんでいるかということの分析が政策の立案にあって不可欠ではないかと私は思っております。そこで、その点についても大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。お願いいたします。
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、失業率は〇・二改善をしましたけれども、実は、これは手放しでは喜べない中身でありまして、臨時雇用がふえて常用雇用は伸び悩む、むしろ減っているという状況でありますから、常用雇用をしっかりと拡大をして失業率を下げていかなければならないというふうに思っております。 また、有効求人倍率は〇・四六、これは今までで一番悪い数字であります。もちろん、これも分析をしますといろいろな要素がありまして、ただ単に悲観的な要素だけではないんでありますけれども、いずれにしても数字が落ちているのは事実であります。 そして、先生御指摘のとおり、いわゆる需要不足による失業よりも構造的要因による失業の方がはるかに多い。これは、従来からそういう要素はあるんでありますけれども、現在も御指摘のとおりの数字で構造的失業要因が多くなっている。この原因は、要するに各種ミスマッチであります。特に、経済社会構造が大きく変化をしてきておりまして、国際的な潮流もありますし、少子・高齢化という社会現象もあり、あるいは大きな原因として産業構造が大転換をしているさなかにあります。 求職者にしてみても、従来の職業能力では新しい需要をカバーできないという部分があります。今や、再就職をしていく際には、情報機器を駆使するというのは最低限の、昔でいえば読み書きそろばんの能力であるというふうにも言われておりますし、そういう新しい産業構造に経営資源としての人材の能力が追いついていかない、あるいはまだ準備不足であるという部分もあろうかと思います。あるいは、現在は特に中高年の失業が深刻でありますけれども、受け皿側に日本の従来の雇用慣行に関連をして年齢要件が障害になっているとかいう部分もありますし、各種ミスマッチ要因で構造的失業部分のかなりを占めているということであろうと思いますし、それぞれの要因への対処策として各種施策を今講じているところでございます。
○棚橋委員 どうもありがとうございました。大臣のお話どおり、五月の完全失業率、四・六には下がりましたけれども、世帯主という観点から見れば、あるいは男性の失業率という観点から見ると、やはり依然として一番厳しい状態が続いております。労働省におかれましては、ぜひまず雇用の問題、特に失業率の問題に全力を挙げて取り組んでいっていただきたいと思っております。 そこで、もう一点大臣にお伺いをしたいと思います。 今、緊急雇用対策のお話がございましたが、これにつきましては次に御質問させていただくことにいたしまして、完全失業率の問題を考えていくときに、今大臣がおっしゃったように、構造的要因、雇用のミスマッチがその非常に大きな要素であると。と考えてまいりますと、将来的に完全失業率がどういう方向に進むのか、まずこれを省としてある程度の見通しをつけていただいて、それに応じたきめ細かな対策が必要だと考えておりますが、大臣におかれましては、今後我が国の完全失業率はどういう形で推移していくというふうにお考えでしょうか。
○甘利国務大臣 何%という特定した数字はなかなか挙げづらいんでありますけれども、現在各種の雇用対策を講じておりますし、雇用の受け皿としての産業政策も今同時並行で進んでいるわけであります。受け皿ができなければ失業の改善はうまくいかないわけでありますけれども。 これから産業構造が転換をしていく。そうした中で、雇用の流動化といいますか、人材の移動というのは従来よりは頻繁になるというふうに思っております。そこで、労働移動をする際には一時的に当然失業状態が発生をするわけでありますから、言ってみればこの非自発的失業部分というのをゼロにするということは不可能だと思いますし、そんな政策はあり得ない。 ただ、要するに、一時的な人材移動にかかわる失業期間、タイムラグをできるだけ短くするということが大事だと思います。自分が本当につきたい職業、あるいは企業側が求めたい人材が適宜適切に供給をされ、いろいろなパイプで働く側が自分の要望に見合って移動することができるようなシステムを構築していくということが大事だと思っておりまして、まあどうなんでしょうか、三%台の後半ぐらいの数字は別に非健全とは言わないというふうに考えておりますし……。 ただ、失業期間をできるだけ短くする。もちろん、その間に必要な職業訓練を受けるため、職業訓練も今までの短いのから、これからはもうちょっと長いのも組み込んでいこうというふうに考えておりますから、そういう意味では、その期間は失業をしているわけでありますから職業訓練期間を極力短くするという意味ではありませんけれども、ただ手をこまねいて失職している期間はできるだけ短くしていくということに全力を投じたいというふうに思っております。
○棚橋委員 ありがとうございました。現在は失業率が五%に迫らんとするような非常に厳しい状態でございますので、ぜひまず失業率の低下に最大限の御尽力をされますことを心からお願い申し上げます。 まさに大臣がおっしゃいましたように、同時に失業期間を非常に短くするということも大変大事な要素ではないかと思っておりますので、この点についても、労働省においても、これからも全力投球で進めていっていただきたいというふうに考えております。 そこで、今回、御承知のようにこの厳しい雇用情勢に対するために緊急雇用対策を組んでいただいておりますが、まず、この緊急雇用対策の具体的な内容についてお伺いしたいと思います。 大臣のお話にもありましたように、雇用の問題、大きく分けると、まず第一点は、働く場をいかにして確保するか、これは産業政策とまさにタイアップしてやっていかなければいけないことではないかと思います。そして第二点は、働く場があっても現実に個々の労働者がその場につけるかどうかは、これがまさにミスマッチの問題ですが、これはまた別の議論でございまして、能力の問題あるいは求人方法の問題等々、この部分のミスマッチをいかに少なくするか、この二つの観点から進めていかなければいけないのではないかと思います。 後ほど個別にまた御質問いたしますが、例えば若年層と中高年、あるいは男性と女性、あるいはそもそも同じ世代、同じ地域の方でも今は価値観が多様化しておりますので、働くことに対する考えも大きく違っておりますし、それぞれ個々の方々あるいは個々のグループに応じたきめ細かな雇用対策が必要ではないかと思います。 そこで、緊急雇用対策の中身をお伺いすると同時に、一つ大事なのは、その対策がどれだけきいているかというのを常に検証して、そして必要とあればさらに二弾、三弾の策を打っていく。例えが単純かもしれませんが、医者でいうならば、薬の効きぐあいを常に患者の顔色を見ながら、この薬は効きが弱いかなと思ったら次の薬をさらに打つということをしていかない限りは、この厳しい雇用情勢、容体が非常に悪いわけですから、なかなか症状を改善することは難しいと思います。 そこで、雇用政策の評価を適宜適切にやって、そしてそれに基づいてさらに適宜適切に新たな政策を切れ間なく打ち出していくことが大変重要だと思っておりますが、労働省の見解はいかがでしょうか。
○坂本政府委員 今回の緊急雇用対策についての内容でございますけれども、今回の緊急雇用対策におきましては、従来から雇用政策として取り組んでおりました雇用の維持、安定を中心とした施策に加えまして、雇用機会の創出を最大の柱といたしております。また、厳しい現下の情勢の影響を大変強く受けております中高年齢者を中心としました非自発的失業者、それと学卒の未就職者、こういった方を重点に考えまして、七十万人を上回る規模を対象とした雇用、就業機会の増大策を実施をするということにいたしておるわけでございます。 若干具体的に申し上げますと、医療、福祉とか情報通信といった今後成長が期待される分野、こういった分野での前倒しでの雇用創出を図るための施策ですとか、また、臨時応急の措置といたしまして、国や地方公共団体において雇用、就業機会の創出を図る事業、こういったものにも取り組むことにいたしております。また、民間の創意や活力も十分活用しながら、御指摘ございましたようなミスマッチの解消ですとか円滑な労働移動のための支援、また迅速な再就職のための支援措置、さらにはエンプロイアビリティーの向上、こういったきめ細かな施策に全力で取り組んでまいることにいたしておるところでございます。 今後は、これらの施策を円滑に、また速やかに実施できるように全力で取り組みたいと考えております。こういったものを通じて雇用不安の払拭に努めてまいりたいと思っております。またさらに、これらの施策の実施状況を十分見きわめながら、雇用動向を十分注視しながら、雇用の創出、安定が図られるように最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
○棚橋委員 ありがとうございました。特にこれからの時代、非常にスピードが速いと同時に、価値観が多様化しておりますので、個々の政策の効果を常にタイミングよく検証していただいて、そしてその結果、さらに新しい政策をまたタイミングよく打ち出すという観点からの御努力をさらにお願いするところでございます。 そこで、今お話がございました緊急雇用対策の具体的な中身につきまして、特にそれぞれの世代ごとの対策の中身についてもう少し詳しくお伺いしたいと思います。 まず、学卒未就職者の方々が非常にふえておりまして、一生懸命学校で勉強して、社会に出てこれから一生懸命やろうと思ったけれども、自分の努力不足ということではなくて、自分ではどうしようもないところで就職ができない。これは非常に問題でございますし、ここの部分に関しては私は国の責任が非常に重いと思うのですが、今回の雇用対策の中で学卒未就職者の方々に対する対策はどういう形になっておりますでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 今春の新卒者の就職状況について見ますと、四月一日現在の大学新卒者の就職率は九二%で、前年同期と比べますと一・三ポイントの減というふうになっておりますし、短大の新卒者は八八・四%で、全体としては低いのですが、これは前年と比べると一・八%、微増ですが、少しよくなっています。それから、高校新卒者の内定状況は九三・六%で、これも前年と比べますと二・六ポイントの減というふうになっておりまして、総じて新規学卒者の就職状況は大変厳しい状況にあるというふうに考えております。 今先生おっしゃいましたように、卒業者が社会に出る第一歩で就職でつまずくということは大変不幸なことだと思っております。また、そのための対策も強化する必要があるというふうに考えているところでございます。 現在、この学卒の未就職者の方につきましては、きめ細かな職業相談あるいは職業紹介を行う必要があるということで、全国に配置をしております学生職業センターあるいは学生職業相談室というところで、希望者については、登録をしまして、一人一人についてきめ細かに職業相談等に応じるという事業を始めたところでございますが、これに加えて、今般の緊急雇用対策におきましては、登録者を中心にしまして、企業実習を行うとか、あるいは、これは初めての試みですけれども、一般会計によりまして三カ月程度の能力開発を無料で行うという措置を新たに設けまして、そのための予算も一億九千万円計上するということにしておるわけであります。 こういったことによって少しでも早く、卒業はしたけれども就職できない、こういった状態を解消するために努力したいというふうに思っております。
○棚橋委員 どうもありがとうございました。特に、まず社会に出て一生懸命頑張ろうとする学生の方々の夢を壊さないように、学卒未就職者の方の就職問題については最大限の努力を尽くしていただきますようお願い申し上げます。 次に、二十五歳未満、二十四歳以下の方々の就職の状態についてお伺いすると同時に、その対策についてお伺いしたいと思います。 といいますのは、二十五歳未満の方の失業率は、御承知のように、世代の中でも突出して高いと言っても過言ではないと思いますが、一方で、例えば有効求人倍率等は、世代間の比較をしてまいりますと、必ずしも一番低いわけではない。いわゆる自発的失業も多いというふうに聞いております。もちろん、自発的失業をするからいけないというわけではなくて、いわゆるキャリアアップ型の、あるいは自分のやりたい新しい夢を目指すという形で、まさに就業形態の多様化が一つあらわれていると思いますが、とはいえ、この厳しい経済情勢の中で特に非常に高い失業率を記録しておりますので、この方々がいかにして、まさに大臣のお話にあったように、短い失業期間の中で再就職していただくのかということが非常に大事ではないかと思います。 そこで、この世代、二十五歳未満の方々に対する雇用対策についてお伺いいたします。
○渡邊(信)政府委員 二十五歳未満の方の失業率を見ますと、この五月で全体が四・六%という中で、二十五歳未満は九・七%というふうに一〇%近い、かなり飛び抜けた高い失業率になっているわけであります。この方たちは、非自発というよりは自分で転職をしていく方が大変多くを占めているわけでありますが、それにしましても、この人たちの高い失業率というものが日本の失業率全体を押し上げているということにもなっているわけでありますし、例えば大卒について見ますと三年以内に三割転職をする、高卒だと三年以内に五割転職をするというふうに、本人にとっても社会的に見ても大変ロスが大きいというふうな問題があろうかと思います。 今おっしゃいましたように、よりよい条件の仕事を求めて、あるいはより将来性のある仕事を求めて、こういった人たちが自発的にチャレンジをしながら再就職をしていく、転職をしていくということ、それ自体の意味はあろうかと思いますが、職業選択の誤りの結果、あるいは職業意識の啓発が低い結果、離職を余儀なくされる、転職を余儀なくされるということは大変不幸なことではないかというふうに考えております。 そういうことで、労働省としましても、この若年層の雇用対策は大変重要であるというふうに考えております。 本年度から、具体的に申しますと、先ほど申しました学生職業センター等に、新規の学卒者だけでなくて、学校卒業後おおむね三年以内に離職した若年者を対象にしまして特別のコーナーを設けて、先ほど申しましたような、きめ細かい一人一人に対する職業相談とか職業紹介事業を開始したところでございます。 また、ミスマッチの解消のためには、職業に関する情報というものがきめ細かにこういった方たちに提供されることが必要であると思います。 この秋の開設を目指しておりますが、学生センターのセンター・オブ・センターというような形で学生総合支援センターというものを東京に設置をするということにしておりまして、ここにおきまして豊富な情報データベースを構築したい、求人情報あるいは企業や産業の情報等をデータベース化いたしまして、これを地方の学生職業センターと交換をするといいますか、地方にも逐次これを流すようにするというふうなことで、全国通じてこういう情報データベースを提供するという事業をこの秋から新規に始めたいというふうに思っております。 それから、大学のみならず、ことしからは高校についても、インターンシップの事業を推奨する事業を開始する、こういうことを行うことによりまして、何とかこの層の失業率を少しでも低くするというふうに努めてまいりたいと考えているところであります。
○棚橋委員 ありがとうございました。 次に、中高年の方の再就職の問題についてお伺いをしたいと思います。 中高年の方の再就職問題、逆に言うと失業の問題というのは、私はこれが一番厳しい問題ではないかというふうに考えておりまして、特にこの御世代は、教育費がかかるお子さんをお持ちの方も多いわけですし、また、ある意味では社会の一番バックボーンの方々ばかりでございます。そこで、中高年の方の再就職をいかに支援していくかというのが、今回の雇用対策の中でもあるいは労働省の役割としても最重要になっているんではないかと私は思いますが、その点について少しお伺いをしたいと思います。 私は、中高年の再就職が厳しいのには幾つかの要因があると思いますが、第一点は、やはり前の勤務先に比べて再就職をしたときに年収が大幅にダウンするケースが多いということがあるんではないかと思います。もちろん、再就職ですから年収のある程度のダウンは我慢しなければいけないという見方もあるのかもしれませんが、特にこの御世代は、例えば教育費のかかるお子さんなんかをお持ちであったりしてなかなかそう簡単にはそれがいかない、これが一つ再就職を阻む要因になっているんではないかというふうに考えております。 これは質問というよりもまさに大臣に対するお願いでございますが、閣議のメンバーとして、例えばこういう御世代の方の再就職を支援していこうとすると、単に労働省の所管だけではなくて、奨学金制度の充実といったことも含めた教育費の軽減とか、そういった他省庁に関連する問題もあるんではないかと思います。要は、中高年の方の再就職が年収ダウンということが難しいのでなかなかできないんであれば、逆に言うと、少しでもこの世代の生活費を軽減するような努力というのを法的にできる限りやっていかなければいけないと思いますので、また閣議の場等でその点御指導をいただければこんなありがたいことはないというふうに考えております。 中高年の方の再就職を阻む二つ目の要因というのは、多分能力的な問題ではないかと。まさに大臣が最初におっしゃったように、情報関係の操作ができなければ、今は昔の読み書きそろばんと同じ時代ですので、この部分をいかに能力開発をしていただくかということが大事ではないかと思いますので、まず、今回の雇用対策で中高年の方の能力開発に対してどういう支援措置をしているかということをお話しください。 それから三番目は、これはある意味では大変根の深い問題ではないかと思いますが、どうしても求人活動の中でやはり年齢の若い方を中心に要望される企業も多いんではないかと思います。もちろん職業能力の問題もあるんでしょうし、それから、日本の年功序列型賃金制度のもとでは若い方の方が給料が安いですから、使う側としてはどうしても若い方ということになると思いますが、私は、中高年の方に対する求人数自体が限定されている、このこと自体が実は中高年の方の雇用を阻む最大の要因ではないかと思いまして、この点について、例えば年齢制限的な求人活動に対して一定の指導をするということも含めて、中高年の方の求人を少しでもふやすために労働省として何かその施策を考えていらっしゃるのか、あるいは方向性を考えていらっしゃるかということをお話しいただければと思います。
○渡邊(信)政府委員 ただいま中高年の方の就職問題につきまして、賃金の問題、能力開発の問題、それから年齢の問題、御質問がございました。 賃金の問題は、これはもう基本的な問題というか大変大きい問題で、雇用対策だけでどうこうなるということではもちろんないわけであります。実際に、在職者の賃金の平均と、例えば安定所に寄せられる求人の賃金の高いところ、上限の平均、こういったものを見ましても相当の乖離がありまして、年収で百万ぐらい転職をすると下がるんじゃないかといった調査結果もあります。そういったことで、賃金が厚い壁になって、特に中高年の転職、再就職がなかなか難しい、条件が折り合わないということが大変大きなネックになっているのは事実でございます。 この問題は、今お触れになりました日本の年功的賃金体系等のもとで大変な問題であるわけでありますが、例えば賃金面の助成措置といたしまして、現在、安定所の紹介で四十五歳以上の方を採用したときには、例えば、中小企業ですと雇い入れた事業主に対しまして一年間賃金の四分の一、大企業に対しましては賃金の六分の一を助成するというふうなことは行っているわけであります。こういった措置によりましてこの一年間でおよそ三十万人ぐらいの方がこの支給制度の助成の対象になったというふうなこともあって、一定の成果を上げているかと思いますが、根本的な問題としては、日本の賃金制度のあり方あるいは年功的労務管理のあり方、こういうものが大きな問題として背景にあるのではないかというふうに思います。 それから、中高年の方に対します能力開発ですけれども、今回の緊急雇用対策における対策ということでございますが、今般、この緊急雇用対策におきましては、中高年の非自発的離職者の方が民間教育訓練機関の実施をいたします教育訓練コースを自分で自主的に選択をして受講したいというときに、その希望に沿ってその受講を認めていく、こういった新しい仕組みを導入するということにしておりまして、中高年の方が自分で将来の就職をにらみながら訓練を受けられる、自分で選択できる、こういった新しい制度をつくるということにしているわけであります。 また、年齢の問題も中高年の方の再就職を阻んでいる大変大きい壁でございます。実際に安定所に寄せられる求人を見ますと、かなり多くの求人が三十五歳までというふうな条件をつけているわけでありまして、先ほどの賃金と年齢というのは大変大きなリンク関係があるわけで、先ほどから申しておりますが、年功的労務管理、賃金体系、こういったことで高齢者や中高年を雇うと賃金も高くてとても大変だということになって、経営上の理由からそういうことになるということは多いと思いますが、ただ、中高年の方は、年齢三十五と言われるだけでもう再就職とても無理だという、入り口のところで無理になってしまうわけでございます。 この四月には、労働大臣から主要経済団体に対しましてこの年齢要件の緩和ということについてお願いをしてまいりましたし、現場のハローワークにおきましても、常にこの年齢要件の緩和ということを求人を受け付けるたびに指導をしてお願いをしている、こういうふうなことになっております。 この年齢と賃金の問題は大変大きなネックではありますが、そういったことで、現場におきましても努力をしながら、何とか事業主の方の求人側の理解を得るというふうな努力をしているというところでございます。
○棚橋委員 ありがとうございました。 最後に大臣に、将来の雇用のあり方について、まさに今のお話にも関連してお伺いしたいと思います。 大変厳しい経済情勢、特に世界的な大競争時代のもとで雇用をきちんと確保していこうと思うと、今まで以上に、残念ながらある程度の雇用の流動化というのは不可欠ではないかと私は思いますし、そういう観点から先般の派遣事業法の改正もなされたのではないかというふうに考えております。 ただ、やはり多くの方にとりましては、第一に守りたいのは雇用の安定でございます。これは非常に難しい、アクセルを踏みながらブレーキを踏むような感じもいたしますけれども、まず、多くの方にとって基本的に雇用の安定というものを確保する、いわゆる終身雇用制というコアを守りながらも、キャリアアップ型の転職を望まれる方には雇用の流動化の中で円滑に移転できるように支援していく、こういう雇用形態が二十一世紀のあるべき姿ではないかと私は思います。 なかなか難しいのは、長期雇用と雇用の流動化というある種背反するものをミックスしていかなければいけない。といいますのは、多くの方はやはり雇用の安定を求めますし、しかし一方で、流動化しても自分のキャリアをアップしていける、あるいは今回の厳しい経済情勢の中でまさに失業されている方々、こういう方々のためにはやはり雇用の流動化をある程度進めなければいけないというこの二つの要素をいかに雇用形態の中に取り込んでいくかというのが、非常に難しい、しかし労働省の最大の課題ではないかと私は思います。 そこで、大臣のこの点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○甘利国務大臣 まさに、先生御指摘の点が今後の労働行政の課題だと思っております。 終身雇用に代表される長期雇用というのは中核的な柱として引き続き中心に据えていかなければならないと思います。一方で、経済構造の変化、つまり成熟産業が雇用維持の限界に来る、あるいはむしろ合理化を図らなければならない、一方で成長産業には人が足りない、優秀な職業能力を持っている人は特に足りないという、成熟産業と新規、成長を担う産業間の人材の融通のし合いというのが課題になってくるわけであります。もちろん、これは本人の意思によるものが一番の中心でありますけれども、そこらの点がうまくミックスしたような経済社会あるいは就業環境をつくっていかなければならないというふうに考えております。両々相まって、日本が活力を維持して世界の先進国として引き続きアジアをリードできるというために、各種施策を講じていかなければならないというふうに考えております。
○棚橋委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。
○岩田委員長 荒井広幸君。
○荒井委員 自由民主党の荒井広幸でございます。 棚橋議員の質問に関連し、また関係しながら大臣初め皆様方にお話を承るわけですが、本当に大臣そして労働省の皆さん、御苦労さまでございます。なかんずくハローワークの皆さん、本当に頑張っていただいておりまして、地元に行きましても御苦労いただいているなということで、本当に成果が上がって、失業者の皆さんに笑顔が戻るといいな、このように思っております。 さてそこで、まず局長にちょっとお尋ねしたいんですけれども、この間の緊急雇用対策の中で、雇用保険の失業給付の見直しとその安定的運営ということで、抜本的な見直しをということなんですが、いつごろまでにこれをまとめていくのか。次の国会あたりなのか、その辺、目標をお願いしたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 雇用保険の財政も大変厳しい状況になっておりまして、積立金を今取り崩して給付に充てているというような状況でございます。十一年度末の積立金残高も二兆円弱、今、年間一兆円ずつぐらい取り崩しておりまして、十一年度末では二兆円弱というふうな状況でございます。収入の面からもあるいは給付の面からもこの保険制度の見直しが必要ということになっております。 この緊急雇用対策におきましても、雇用保険につきましては必要な見直しをして、次期通常国会に法案を提出するというふうに規定をされているわけでありまして、そういったスケジュールでこの問題に取り組むことが必要かというふうに考えております。
○荒井委員 次の通常国会ということでございますが、そうなりますと、大臣、考え方の整理が少し必要なんだろうと私は思いますので、ちょっと私の見解を申し上げさせていただきたいのです。 まず、昭和二十二年にできて、そして五十年に変えてきた、大きく流れを変えている中身でございますけれども、今回は、失業給付のあり方については、先ほど、そして今までも大臣がおっしゃったように、構造の転換の中でということが非常に大きいと思うのです。原点に立てば、憲法二十五条でいわゆる生存権が保障されて、そして二十七条でいわゆる国民の勤労権ということがあって、その具体的に裏づけるものとして雇用保険の失業給付ということがあるわけでございます。 私はここに資料をいただいておりますけれども、今受給状況というのを見ますと、入っている方々が、被保険者ですが、六十から六十四歳の方々が、平成八年、九年、十年と順番にいきますと四・一、四・二、四・一%なんです。しかし、受給、支給をしていただいている金額は、八年、九年、十年でいいますと六十から六十四歳の方が三八・七、三九・七、そして十年度が三四・六、こういうことになってくるわけでございます。これは、定年退職者の方々が高額の給付を受給しているということであろうというふうに思うのですが、六十から六十四歳の方々が占める割合は、被保険者数は四%である、しかし、今のような実態でいうと、受給額から見たらば三五から四〇近いということになると、果たして適切なのかなという気もいたすわけでございます。 これは心理的なものが非常に多いのだと思いますけれども、保険料を納めたから、ちょっと言葉は悪いのですが元を取りたいというような気持ちももしかしたらあるのではないだろうか。それから、雇用保険は本来は掛け捨てなんだと思うのです。また無事に退職、勤め上げたということはそれも非常に幸せなことでございますから、そういう意味では積み立てである、退職金ではないんだというような考え方もやはり持っていただかないといけないのではないかということだと思います。こうした心理的なものをつくってきたものの背景にあるのは、誤解と言ってもいいのでしょうけれども、在職期間と年齢で自動的に給付日数がふえていく、こういうところにもあるのではないかというふうに考えているわけです。この給付体系というものをどういうふうに見るのかということだと思います。 それをなぜ申し上げるかといえば、先ほど棚橋議員とのやりとりにもありましたけれども、やはり中高年、特に本当に考えるべきところは、世帯を担っている、子供たちもいる、こういうような意味では四十代、五十代の失業者に対してどう配慮するか、ここが極めて対応をしていかなくちゃいけないところなんじゃないかということなのです。ここをひとつ考慮する必要があるのかなと。 それから二つ目ですけれども、失業というとどうしても後ろ向きなイメージがあるわけですけれども、失業している間、自分を磨きながらまた家庭を支え、そして同時に社会に貢献していくという意味でも、次への準備期間であるということでございまして、それはまた日本の経済構造の改革にも寄与していくということにも当然なってくるわけでございますから、現在行われています失業給付期間の訓練中の延長措置ということを今運用で取り組んでいますけれども、今後もそうした能力開発といった視点に立っての失業給付ということは非常に重要になってくると思うのです。 そこで大臣にお尋ねをいたしたいわけでございますけれども、これから関係者との話し合いだというふうに思いますけれども、今私二つ申し上げましたけれども、本当に必要な世代、こういったところにやはりきめ細かく配慮をした、そうしためり張りのきいた給付がなされるような給付体系というのはあるんじゃないか。 それから、後ろ向きばかりじゃなくて、能力開発に積極的に取り組んでいく、それもいろいろな意見がありますから、要望もありますので、そういうものに前向きに取り組んでいけるような支援、こうしたことで御検討いただきたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○甘利国務大臣 先ほど安定局長が答弁申し上げましたとおり、今のままの状況で推移をしましても十三年度中に積立金を取り崩し終わってしまうということで、財政面から抜本改革をせざるを得ない状況に迫られているわけであります。私は、ちょうど基本設計を変えるという段階に至っているので、いろいろ指摘されている問題を全部検討項目に上げて、より時代に適宜適切に対応できるような雇用保険体制にしていくべきだろうと思いまして、各方面から御意見をいただいているところであります。 今先生から御指摘をいただきました、言ってみれば一番緊要度が高いといいますか、家計の支出が最大になっているところが一番大変じゃないかと。御指摘のとおりだと思います。もちろん、失業給付自身が収入をベースに計算をされていますから、支出が一番多いところは収入もそれなりに高いはずでありますけれども、それにしても、緊要度を勘案して、もう少し設計を変更してみてもいいんではないかというふうに考えております。 給付期間に関しましても、諸外国でも単純に延長した例もありますけれども、結果としては失業が滞留するだけになってしまった。そこで、再就職に結びつける前向きのための延長ということからしますと、御指摘のように職業訓練を積極的に組み込んでいく延長ということになるわけでありまして、そういう視点も加味して、各方面から一から設計し直すというつもりで図面を引いてみようということを指示させていただいております。まだ具体的にどこをどう変えますという結論は当然出ておりませんけれども、御指摘の点はしっかり踏まえて対応していきたいというふうに思っております。
○荒井委員 ありがとうございます。大臣が攻めの雇用ということを言っておられまして、全く同感をずっと持ってきているんです。先ほどもお話にありましたように、積立金の取り崩しで財政上からも非常に改革が迫られている。しかし同時に、大臣がおっしゃったように、やはり内容が一番問題でございますので、そこのところを忘れてはならないということを、今大臣のお話で改めてそうだなというふうに思ったわけです。 そこで、大臣、ちょっとくどいようなんですが、その財政的裏づけなんです。 かなりめり張りをきかせたり、それから職業訓練というものに力を入れていけば、そこにもまた必要なものが出てくる。同時に、残念なことながら構造的失業というのは今上昇する傾向にもあるわけです。それの背景のもう一つはやはり少子・高齢化である。いわゆる保険の担い手といいますか、それはもう当然減ってくるし、それで受給者は増大をしてくる。これもまた構造的な話でございます。 こういうところになると、やはり第一義的には、労使双方の負担をどうするかということを丁寧にかつある程度大胆に話をする必要があります。それから、国がきちんと、先ほど申し上げましたような憲法上、言うまでもなく当然支援をしていかなきゃならないことでございますので、産業政策、雇用政策は重要な柱ですから、国庫負担をどうするのかということを、これからの議論だとは思いますが、関係者との連携をとっていただいて、大臣のもとで、中長期をにらんだ、きっちりとした安定的運営ができる財政基盤をつくることが必要だと思いますが、大臣に改めてこの点のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 雇用保険制度というのは、労働政策上の非常に大事なセーフティーネットの柱の一つであります。我々は、あって当たり前というふうに思っていますけれども、まあそれでいいんだと思うんですけれども、実は世界を回りますと、この制度すらないという国がまだいっぱいあるんであります。七月の下旬にワシントンでAPECの雇用関係大臣、労働大臣会合というのがありますけれども、そこでこのセーフティーネットをどうするかということに今悩みながら取り組んでいる国もアジアにはたくさんあるわけであります。いかなる場合にも、このネットの網が破れてしまうことがないようにしなければならないというのが最大の政府の責務であります。 先ほど申し上げましたように、収入が一兆七千、支出が二兆七千でありますから、一兆円ずつ穴があいているわけでありまして、これを心配なくするということがまず第一にやらなくてはならないことであります。 御案内のとおり、今、雇用保険の会計は、労使折半で負担しているのが千分の八、企業に単独で課しているのが千分の三・五ですから、両方で千分の一一・五だったと記憶しておりますけれども、では、この水準が諸外国と比べて高いか低いかということになりますと、圧倒的に低いのであります。もちろん企業や雇用者の負担というのは低ければ低いほどいいと思いますけれども、しかし、制度の安定、維持ということが一番の根幹でありますから。単純に比較をしますと十倍以上の諸外国と日本の開きがある。種々の是正要因を加えても、恐らく日本よりも先進諸国は数倍保険負担が高いと思います。 そういうことも加味して、まずネットが破れないために労使双方の理解をいただく。極力コストは安い方がいいんですけれども、今のままでは運営ができないことは確かでありますから、各方面に御理解をいただきながら、どこをどう直していくか、そのためにどういう負担をお願いしなければならないか、いろいろと御相談をし、御理解をいただいていきたいというふうに思っております。
○荒井委員 当たり前のように思っていて当たり前でない世界の国もあると。本当に我々、今こういう改革、あるいは閉塞状況から少し脱してきたとは思いますが、何か日本はだめだとか、いやというような後ろ向きな、否定的な話ばかりなんですけれども、今の大臣のお話のように、やはり改めて世界と比べてみると、このセーフティーネット、失業している方にはまだまだ不十分、あるいは働く方々にもまだまだ意見はあるだろうけれども、私は、引き続きその網目が崩れないようにしていただくには、今のような、踏み込んでいただいたお話もありました、そういったことも必要なんだと思うんです。 もう一つは、やはり勤労の権利というのは当然あるわけですけれども、当然に働く義務、勤労の義務というものもあるわけでございますから、それは表裏一体でございます。 そういう意味で、雇用保険について言えば、やはり再就職をしていくというような意思をきちんと持っていただく人がその恩恵にあずかれるということもまた改めて国民全体、働く人皆さんで確認をしていかないと、一生懸命ネットを張っても、網目を含めて、働いている人が掛けているわけですから、何かそういう人たちにも申しわけない状況も出ると思いますので、そうした権利とともに義務もあるということも改めて私たち考えていかなくちゃならないと思います。 次は、大臣には最後に総括して御意見をいただきたいんですが、産業政策も大臣は専門家でございますけれども、いわゆるSOHOでございます。スモールオフィス・ホームオフィスというのが非常にいろいろと言われているわけでございます。今、九六年ぐらいからNHK初めマスコミでどれぐらいSOHOというものが取り上げられているかというと、これはSOHOギルドという団体の調査なんですが、七百件以上いろいろな形で記事に出た、テレビで流されたというわけです。 言葉的にはSOHOというふうに言うんですが、労働省では在宅就労、こういうふうに呼んでいるようでございます。在宅就労問題研究会というのもありまして、六月十九日にいろいろな資料をいただいております。労働省では、在宅就業を「「パソコン、ワープロあるいはファックスなどの情報通信機器を使って自宅で請負・フリーの仕事を行うこと」と定義して調査を行った。」こういうふうなことで、その定義が書いてあるのです。まだまだ概念が定まらない部分もありますが、簡単に言えばパソコン、そういったものを使って、通信回線を使って自分で仕事をしているというような形でとらえられると思うのです。 そういうところで、労働省は、これも私は非常に画期的だったと思いますが、今度は、企業へ勤めながら自宅、あるいは遠隔地の事務所、ネットを使ってそこで仕事をするということで、日本サテライトオフィス協会などを中心にテレワーク相談センターというのを設けた。これは非常にいいことなんですが、このSOHO支援が、大臣、非常に不十分だと私は思っているのです。 というのは、先ほども若手の失業者の方のお話が出ましたけれども、やはり自分なりの勤め方をしたいという人が非常に多いわけなんです。委員長、今そういう時代で、委員長も御認識いただいていると思います。 そういう方々というのは、今、どちらかというと役所の壁に阻まれているのですね。一人企業者みたいな話ですから、通産で実際に対応しようか。しかし働くという側では労働省なんです。そして、それらのインフラ的な話は郵政省というふうなこともありまして、この方々も、自分も頑張りたいのだが、役所の方の窓口も一本化してほしいということが大変ございます。 そのSOHOの人たちのお話を聞きますと、ある程度取引先が決まって自分で仕事を受けられるようになれば、ある程度支援はなくてもいい。支援の方法も変わりますが、ある程度なくてもいいのですけれども、これからやろうといういわゆる初心者の人たちに対しては、かなり後押しをしてあげないとなかなか進まないという御意見です。例えば、今まで勤めていた方が自分でパソコンを使って仕事をするというときに、全然帳簿のつけ方もわからないわけです、営業をやったこともない、そういう経営ノウハウなんです。 それからもう一つが、一人でやるというようなことを含めて、規模が小さいですから、まず信用されないのですね。お金を貸してくださいと言っても、何ですかというぐらいの話でございまして、貸し渋りどころか、対象外になっているわけでございます。そういうような意味で、信用がない、こういうようなことなので仕事がやはり得られない、立ち上がり資金にも事欠きますということで困っている人も多いのです。そうした初心者への具体的なノウハウの提供などの支援が必要なんだと思うのです。 サテライトオフィスというのは企業がやっているという場合が非常に多いですから、そことちょっと変わってくるのですが、ここについて御意見をいただきたいと思っております。
○藤井(龍)政府委員 今、荒井先生おっしゃいましたとおり、パソコン等を利用して自宅で自営的に働く方というのが大変ふえてきております。私どもは一応家内労働対策というのも所管しておる関係もございまして、こういった内職的に自宅で働く方々がどれだけいらっしゃるかというようなことで調査等をしておるわけでございますが、先ほどの御紹介のとおり、私どもの推計では、大体二十万人ぐらいいらっしゃるんじゃないかと思っております。 それから、その七割が女性で、かつ子育て中の女性が就業されている。育児と仕事の両立ということで非常にやりやすい仕事だということ。また、企業にあっては特定の専門的な技術的な労働力というのを外部で確保できるということで、これまた企業側の期待も高まってきているところでございます。 ただ、今おっしゃいましたとおり、在宅就労の方々にいろいろ伺いますと、仕事の確保が大変難しい、あるいは契約のやり方もよくわからない、あるいは営業のやり方もわからない、それから税金の問題、社会保険の問題、あるいは先ほどおっしゃいました融資の問題等々、在宅就労を始めるに当たって多くの問題点を挙げられる方が多いわけでございます。 それで、こういう問題点も含めまして、私どもで昨年七月から、学識経験者それから在宅就労の経験者の方にもお集まりいただきまして研究会を開催してございます。ここで、在宅就労の実態把握、分析、それに基づきました在宅就労対策のあり方について検討を行っていただいておるところでございまして、そういう在宅就労の初心者の方々にどうやってスムーズにこの市場に入っていただくか、そしてこの市場が魅力ある市場となるためにはどういう環境整備をしたらいいかということも御検討をいただいているところでございますので、研究会の報告を待って適切な対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
○荒井委員 労働省のいいところは、女性労働課がこの窓口でございまして、思いやり、優しさというのが非常にありがたいのですが、調査にもあって、今局長からもお話がありましたように、女性の方が非常に御興味を持たれたり実際に携わっている。これはやはり非常に少子化対策になるのです。 しかし反面、そこにまたいろいろと問題点も出てくるわけです。労働時間の管理をどういうふうにしたらいいか、安全衛生管理をどうしたらいいか、こういったこともありますから、大臣、私はやはりある程度労働省が踏み込んでいただくということが必要なんじゃないかと思うのです。そういうことを含めまして、これを産業政策に結びつけていただくのは当然なんですが、やはり働くという立場に思いやりをしないと、早晩問題が出てくるんじゃないかなというふうに思っています。 それで、そうやって仮に立ち上がっていったとしましたら、ある程度技術を習得した上で、今度はジョブマッチといいますか、自分の仕事と発注してもらうところを結びつけるというのが非常に難しい話なんです。 この研究会の中間報告にもあるのですけれども、どうやって仕事を得ますかというと、縁故というのが非常に多いのです。ですから、あなたの能力ではこういう仕事もありますよ、うちの会社はこういう仕事をお願いしたいんだというようなところが非常にまだ不十分なんです。ということは、なかなか今後とも難しい問題を抱えますので、言ってみれば、ネット上で仕事の希望をとったり、あるいは、私のところはこういう能力があります、こういうことができますという登録をさせます。そのさせたものをどの程度のレベルかというものも評価をさせて、そして先ほどの信用づけ、与信をしたり格付をしたりして仕事を組み合わせてやる、お見合いを成立させてやるという仕掛けがどうしても必要なのではないかというふうに思っているわけです。 それで、通産省の方は、三百人以下でしょうか、それをいわゆる中小企業というふうにいうのですけれども、SOHOといった場合には、非常に自立的に自営的に、先ほどのお言葉で言えば家内労働、内職的にという意味も含めますと、五人以下ということもあるわけです。四百十万社あるそうです。就労人口は一千七百万。それから、大企業に所属しながらサテライトオフィスとか在宅ワーカーをしている人は郵政省調べで八十万、こういうようなことなんです。かなりこれは広がっていく、失業者あるいは仕事をしたい人たちを吸収できる可能性をSOHOというのは非常に持っていますから、やはり十人、五人以下に対してきっちり対応していくという仕掛けも必要なんだと思います。 そういうところに労働的問題も発生いたしますので、少なくとも、今申し上げましたように労働省ももう一つ踏み込んでいただいて、一人自営あるいは少数の方々で仕事をやっていくようになるわけですけれども、今申し上げましたように、ジョブマッチさせていく仕組み、ネット上で仕事を登録させる、あるいはレベルを評価してあげる、信用も与えてやる、こういうような仕組みが必要じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○藤井(龍)政府委員 日本労働研究機構が平成九年に行いました調査によりますと、発注者側からの問題点として、仕事成果の個人差が大変大きいというようなことが指摘されているところでございます。また、在宅就労者側からも仕事の確保が大変難しいということで、先生おっしゃいましたように、発注者側と在宅就労者をどう結びつけていくか。特に、発注される仕事のレベルと在宅就労者の能力のレベルといいますか、これをうまくマッチさせるシステムというのは大変重要なことであろう、またこれをどう行政として支援していくべきかということも大変重要な課題だと考えているところでございます。 先ほどから申し上げております研究会におきましても、これは一つこの対策の中の大きな柱であろうということで御議論いただいているところでございますので、報告を待ちまして適切な対策を講じてまいりたいと存じております。
○荒井委員 総括的に大臣にお尋ねさせていただきたいと思います。 研究会とか審議会のいろいろな答申や成果を待つというのも大切なんですが、実際にもう進んでいる、そういうようなことでございます。通産では、今度は信用保証の枠で起業家にもお金を出すというような支援もしているわけです。 そういう意味で、もう既に始まっているわけですから、省庁の壁を超えて、こうした新しい就業形態というところに着目をしていただいて、労働省が先鞭を切って、これはやはり、在宅就労、SOHOという言い方でもいいです、この概念が定まらないから役所で縄張り争いもあるところ、グレーゾーンなんですが、中央省庁の再編をやっているときに、グレーゾーンがあって、こっちだあっちだなんて言っているときではないわけでございますから、どうぞ、働き方という形から入っていただいて、積極的にこうしたSOHO、在宅就労の方々を支援していく、縦割りを超えてやっていただきたいと思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 先ほど委員から、労働省のいいところは女性がたくさんいてみんな思いやりがあるところだというお褒めをいただきまして、ありがとうございます。実は、男性もかなり思いやりがありまして、大臣は特にそうだということをどこかで聞いたことがありますけれども。 女性局長から答弁をさせていただいておりますとおり、間もなく諮問機関の研究会の中間報告が出ます。もちろん、その報告だけではなくて、御指摘のとおり、産業政策としては通産省、それから、SOHOは情報機器の発達に支えられる部分が非常に多い、御指摘のとおりでありますから、ある部分は郵政省とも連絡をとりながら、このスモールオフィス・ホームオフィスがこれからの雇用を支える場としても発展をしていくように、各省庁と連携をとりながら環境整備をしていきたいというふうに思っております。
○荒井委員 御期待申し上げますので、中央省庁も再編をしている時代ですから、グレーゾーンにちょうどこれは入っておりますので、どうぞ積極的なお取り組みをお願い申し上げまして、終わります。
○岩田委員長 次に、石橋大吉君。
○石橋委員 まず最初に、新しい緊急雇用対策の中身について幾つか質問をさせていただきたいと思うんです。 今回の補正予算におきまして、民間企業による雇用創出と迅速な再就職の推進、こういう観点から千二百五十五億円の予算が計上されているわけであります。新規・成長十五分野を中心に、中高年の失業者を前倒し採用する事業主に奨励金を支給することにより十五万人の雇用機会増大効果がある、こういうふうに言われているわけであります。 この十五分野のうちどの分野に重点を置いて十五万人の雇用創出をしようとされているのか。十五分野全般にわたって満遍なくということではなくて、効果を上げる観点からいっても、一番緊急に十五万人の雇用確保に向けて雇用をふやせるようなところに恐らくかなり焦点を絞った対策がされるのではないかと思いますが、その点は一体どういうふうに考えられておるのか。 それから、中高年失業者を前倒し採用するという意味はどういう意味なのか。従来、公共事業を前倒しでやるという話はちょいちょい聞いたんですが、人間について前倒しにするとは一体どういう意味なのか、改めてちょっと聞いておきたいと思うんです。 あわせまして、事業主に支給される奨励金の額は一体どの程度になるのか。 とりあえずこの中身について、三つの点を最初にお伺いしたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 まず、成長十五分野のうちどの分野に重点を置くのかという御質問でございますが、この成長十五分野と申しますのは、平成八年の十二月の閣議決定、経済構造の変革と創造のためのプログラムで、今後成長が期待される分野として集中的な政策を講じると言われている分野であります。 そういうことで、当面はこの十五分野が重点とされているわけでありますから、この中でさらに重点というのはなかなか難しいんであろうと思いますが、強いて申しますと、その十五分野の中でも雇用の増加が多数見込まれるものとして、例えば医療・福祉、生活文化、情報通信あるいは流通・物流、こういったところの雇用吸収力が大変大きいというふうに想定をされているわけでありますから、こういったところで雇用の吸収が十分確保されるということを期待したいというふうに思っております。 また、この十五分野で人を前倒しして雇用するというのはどういう意味かということでございましたが、これは、特にこの厳しい雇用情勢にかんがみまして、雇用の吸収が将来期待されるこの成長十五分野に雇用の受け皿としての役割を果たしていただきたいということで、政府として特にお願いしたい、そのために助成金もつけようということでございます。 もともと例えば来年の一月に採用を予定していたんだけれども、この助成がある、この雇用情勢にかんがみてことしの十月に採用するというふうに、企業の努力によって、そういう意味で前倒しというふうに考えておりますが、前倒しをして雇用を開始する。あるいは、そもそもまだ採用の予定はなかったんだけれども、この助成措置を利用して採用したいということで、新たに雇用をつくり出すといいますか新たに採用計画を組む、こういったものを考えているわけでございます。 その際の奨励金の内容ですけれども、非自発的失業者を採用していただいた場合の助成を考えておりますが、年齢によりまして、中高年には手厚くすることを考えています。四十五歳から六十歳未満の非自発的失業者の採用については一人七十万円、それから、三十から四十五歳未満の非自発的失業者については四十万円、こういったことで考えております。
○石橋委員 続いて、国及び地方公共団体による臨時応急の雇用、就業機会の創出、こういうことで約二千億円が計上されているわけですね。 今回の雇用対策の柱の一つは、国、地方自治体等の臨時応急の措置として直接に雇用を創出する事業でありまして、国が臨時応急の措置として緊急地域雇用特別交付金を創設をして、これを都道府県に交付をし、それぞれが事業を実施し、雇用、就業機会を創出する。ただし、事業は民間企業やNPOなどに委託することを中心とし、教育や福祉など緊急に実現する必要性があるものに限定される。創出目標は二年間で三十万人強。 しかしながら、五月の完全失業者の数は三百三十四万人。この三十万人という数は、今言ったように、五月の完全失業者の数の十分の一、非自発的失業者の約三分の一程度ですね。 去年の百万人の雇用創出、今年の春の七十七万人雇用創出、今度の七十万人と、こうあるわけですから、今までの新規雇用の実績がどの程度あるかということも関係をしますけれども、少なくとも、現状に照らして見る限り、三十万人では少な過ぎるのではないか。もっと思い切った雇用創出を考えないと失業者の救済はできないんじゃないか、こういう感じもするんですが、この辺はどういうふうにお考えになっていますか。
○渡邊(信)政府委員 今御指摘の国及び地方公共団体によります臨時応急措置としての雇用、就業機会の創出、これの規模は三十万人強というふうに見込んでおりまして、予算も地方分について二千億ということを考えているわけであります。 今回の緊急雇用対策におきましては、この国、地方による雇用、就業の創出対策だけでなく、先ほどお話のありました新規・成長十五分野でおよそ十五万人、それから人材移動特別助成金、この制度の抜本的な改正によりまして約七万人、こういったものを合わせますと、今般の対策で七十万人を上回る規模を対象とするということにしているわけであります。 もとより、この緊急雇用対策だけで現在の失業者が全員就業の場を確保できるというものではございません。やはり経済、財政、金融政策、産業政策、あるいは常日ごろからの雇用対策、こういったものの積み重ねでもって総合的に雇用対策に当たるというふうに考えているわけでありますが、今般、予算の裏打ちを持った数字としての七十万人強というのは、かなり効果のある数字ではないかというふうに考えているところでございます。
○石橋委員 国と民間における雇用創出について、具体的には、これも新聞等で再々報じられていますが、一つは小中高校のパソコン、語学の臨時講師、二つは小中学校の生活相談員、三つ目はシルバー人材センターや非営利組織、NPOなどによる都市の美化や観光振興事業、四つ目は埋蔵文化財の発掘調査などが挙げられているわけですね。 この人たちについて、一体どの程度の賃金がこの予算の範囲内で支給されるようになるのか。仕事によってなかなか一律じゃないとは思いますが、平均的に一体どの程度のものが保障されるのか。二千億円を三十万人で単純に割れば、一人当たり約六十七万円、一人六カ月以内ということですから、半年程度ということですから、月に直せば十万円ちょっと。とりあえずの緊急対策だからそれはそんなものだ、こういう話もできないことはないかなというふうに思いますが、それにしても、期間が非常に限定をされているということ、賃金もそう高くはないということ、特に中高年の、一家の大黒柱になっている人たちが失業問題、雇用問題で深刻な状況に置かれていることなどなどを考えると、少し手当てが少ないのじゃないか、こういう感じもするんです。また、期間がわずか六カ月間という意味でも、そう魅力のある仕事にはならぬのじゃないかな、そういう感じもするわけであります。 事と次第によっては生活保護を受けた方がいいんじゃないか、こういう感じもしないことはないんですが、この辺をどういうふうにお考えになっていますか。
○渡邊(信)政府委員 この地方におきます雇用、就業の創出事業は、今御指摘のように二千億の予算でもって二年ぐらいの事業で三十万人の雇用、就業の場の確保ということを目指しているわけであります。 この具体的な配分につきましては、各県における人口や失業情勢等に応じて配賦をする。あくまで自治体の、各県の申請に基づいて配賦するわけでありますが、一応の基準は先ほど申しましたようなことで配賦をするということになりますと、各県の配賦分はおのずと決まってくるかと思います。その金額の中で地域の実情に応じていろいろな事業を行っていただくということで、これは民間に委託した場合も、必ずしも直接雇用というものだけではなくて、直接雇用ではないけれども例えばシルバー人材センターで行っているような就業というようなものも対象にしたいと思っております。 そういう意味では、一律雇用で月一律幾らというふうなことは特に考えておりませんで、各県に配賦をされた交付金の範囲内で県及び市町村がそれぞれの特殊性等いろいろ考えながら事業を行っていただく。また、賃金水準につきましても、その中で地方の実情あるいは職種、能力の程度、そういったことを考慮してお決めいただければいいかというふうに考えているところであります。 ただ、これは臨時応急の措置でありますから、余り長期の雇用、就業ということは確かに想定をしておりませんで、長くても六カ月以内というふうなことで考えております。 これではとても生活の安定は図れないではないかという御指摘でありますが、これはあくまで臨時応急の措置ということでありまして、現在、平均をしますと、失業状態に入って再就職するまでの期間が大体三カ月ないし四カ月ということでありますから、この六月の雇用あるいは就業の間に再就職の道を見つけていただく、こういったものを組み合わせながら二千億、三十万というふうなことを考えているわけでありまして、この事業の実施につきましては、あくまで地方の独創性、工夫、こういったものを尊重していきたいと思っております。
○石橋委員 失業状態になってから再就職をするまでの期間が大体六カ月の範囲内だ、こういうことですから、そういう意味では少し説明を聞いてわかった気もしないことはないのですが、今後の状況も見ながら、また事と次第によっては上積みするような手も考えなきゃいかぬかもしれませんので、そういうことも念頭に置いて御検討をいただきたい、こう思っているわけであります。 続いて、厚生省、来ておられると思いますが、厚生省に二、三点伺いたいと思います。 御承知のように、急速に高齢化が進んでおりまして、これから介護や支援を必要とする要援護高齢者の数は、これはことしの労働白書によりますと、現在の約二百八十万人から二〇二五年には五百二十万人にまで、これは厚生省の推計のようですが、増加すると予想される。 新しい高齢者保健福祉推進十か年戦略、一九九四年の新ゴールドプランによって介護や介護保険制度等の対策が講じられているわけであります。そういうこともありまして、このところ、こういう医療・福祉分野に働く労働者というか従事者というか、急速に、しかも大幅にふえている、こういう実態があるわけであります。 なおかつ、さっきもちょっと職安局長からも話がありましたように、成長十五分野のうちでは医療・福祉関係や生活文化関係、情報通信関係が一番これから伸びていく分野だ、そういうこともあるわけでありまして、政府が出されている一九九五年時点と二〇一〇年時点とのこういう分野における雇用の伸びの見込みなどを見ますと、医療・福祉関係では百三十二万人ぐらいふえる、生活文化関連分野で百三十五万人、情報通信関連分野で百二十万人、この三つだけは百万人を超える伸びが見込めるんじゃないか、こういう数字もあるわけであります。 そういう意味で、多くの優秀な人材の確保をしなきゃならぬと思っておりますが、医療関係はお医者さんを中心にかなりそれなりに高い所得というか報酬があるわけですが、特に福祉関係が非常に問題だというふうに私も考えておるわけですが、そこら辺、人材確保とあわせて処遇についてどういうふうに厚生省としては考えているのか。賃金だけではなくて、その他の労働条件もあるわけでありますが、そういうことをこの機会に承っておきたいと思います。
○炭谷政府委員 ただいま先生が御指摘されましたように、本格的な少子・高齢社会を迎えるわけでございます。私ども、より質の高い福祉サービスの提供というものが求められております。そのためにも、質の高い福祉人材の確保が極めて重要であるというふうに私どもは認識いたしております。 このために、既に平成五年に福祉人材確保指針というものを法律に基づきまして定めております。この中では、処遇の改善、また資質の向上、養成力の強化などの総合的な対策を実施するというふうに明示されております。社会福祉施設等に働く職員の処遇につきましては、従来より社会福祉施設の運営費であり、措置費と称しておりますけれども、措置費においてその改善に努めております。 具体的に申し上げますと、人件費については、従来より毎年の人事院勧告を踏まえまして、国家公務員に準拠した改善を図っております。また、労働条件の問題につきましても、労働基準法の改正に合わせまして、労働時間短縮や有給休暇の付与日数の引き上げなどに対応した予算措置も講じておるわけでございます。 なお、社会福祉施設等の職員にふさわしい給与体系をつくるべく、私どもは、福祉職という、福祉職俸給表の導入について厚生省としてかねてより人事院に対して要望いたしております。この早期実現に向けて努力をしているところでございます。 以上であります。
○石橋委員 次に、介護サービスをやっている人たちの研修問題について一言聞きたいのですが、今もお話がありましたように、質的な面で、「雇用創出・産業競争力強化のための規制改革」などに盛り込まれた介護サービス関係職員の研修、試験制度の簡素化については、これは介護サービスの充実という観点からいって非常に問題があるんじゃないか、こういうふうに承っておるわけであります。 来年四月に実施される予定の介護保険制度で中心的役割を担う介護支援専門員、ケアマネジャーやホームヘルパーなどの研修時間の短縮や試験制度の簡素化が図られれば、雇用対策のためサービスの質が犠牲になることになるんじゃないか、こういう心配もあるわけであります。質の確保に重大な支障を来すおそれが強い、こういうふうに考えるわけですが、この点についてこの機会に改めて伺っておきたいと思うんです。 それから、ちょっと質問通告していませんが、さっきの賃金水準の話なんですが、私も二十数年前、自治労の中央本部に十年間おりまして、その当時、ホームヘルパーの措置費の引き上げなんかについては毎年厚生省と交渉したりして少しずつ少しずつ上げてきた経験があるんですが、最近のホームヘルパーさんの措置費、一人当たり単価はどれぐらいですか。わかっておったら聞かせてください。
○近藤(純)政府委員 ホームヘルパーにつきましての研修の簡素化ということでございますけれども、確かにそういう問題が提起されているというのは私ども承知しております。 このホームヘルパーにつきましては一級から三級という形で研修を行っているわけでございますけれども、時間の短縮をしてほしい、こういう要望があったわけでございますが、私どもとしては、やはり質の低下というのは望ましくない、こういうことで研修時間の短縮というのは考えておりません。ただ、実習場所の確保というのが大変難しくなってございまして、そういう面では、対象施設を広げるとかビデオ学習とか模擬実習とか、こういったものも取り込んだような形で工夫を凝らさぬといかぬというふうに思っております。 それから、単価でございますけれども、ちょっと今正確には持ってございませんけれども、ホームヘルプサービスは大変大事でございます、特に介護保険が始まりますと身体介護の関係を非常に重要視せぬといかぬというふうなことで、今までホームヘルパーはどちらかといえば家事援助という形で来たわけでございますけれども、やはり介護保険というのは介護サービスをするということで身体介護を重点にせぬといかぬということで、身体介護の関係で大幅にアップをいたしております。 身体介護につきましては、一時間当たりの単価で、要するに人件費のほかに管理費等も含んでございますが三千七百三十円、それから家事援助につきましては、これは合理化を図るということで千四百六十円、こういうふうな形で、身体介護を上げて家事援助の方は抑えるという形になっております。 これは、来年介護保険が始まりますので、介護報酬という形で決まります。現在、これは審議会の方で審議してございますので、今のような方向でさらに充実を図りたい、こういうふうに思っております。
○石橋委員 次に、緊急少子化対策による雇用、就業機会の創出策として、駅前保育ステーションや駅前保育所の設置、保育所や幼稚園に対する緊急設備等を行う地方自治体に対して緊急的に特例交付金を交付する、こういうことになっているわけです。この交付金は必ずしも人件費に使っちゃいかぬということでもないようですが、金額などからして施設をつくるだけでほとんど精いっぱい。あとの運営にかかわって人件費をどうするか、こういうような問題があるようでありますが、この辺の措置はどういうふうになるのか、伺っておきたいと思うんです。 御承知のように、国の財政も大変ですけれども、地方自治体の財政も火の車というか大変厳しい状況にありますから、なかなか地方自治体でまた改めて多額の人件費を負担する状況にもないようにも思うんですが、この辺どういうふうにお考えになっているか、伺っておきたいというふうに思います。
○横田政府委員 今回の補正予算に計上いたしております少子化対策臨時特例交付金は、市町村が待機児の解消等地域の実情に応じました少子化対策を講じる場合におきまして、単年度限りの臨時特例措置として講じたものでございます。このため、実際の使用に当たりましては、市町村それぞれにおいて御工夫いただくことになるわけでありますけれども、資金の単年度限りという性格から、施設整備なりあるいは設備整備というのが中心になるのではないかというふうに考えております。 お尋ねの運営費でございますけれども、例えば駅前に保育所をつくる、あるいは分園としてそういうものを設置するという場合におきましては、後年度の運営費につきましては、これは既存の補助制度にのっとりまして運営費が出される仕組みになっております。 ただ、駅前保育ステーションのように既存の補助制度がないというものにつきましては、これを整備いただきましても、その運営費については、基本的にはその市町村において負担していただくというふうになろうかと思っております。こういった点につきましては、それぞれの市町村がこの交付金をどのような用途にどのように使うかという点において考える際に十分御検討いただきながら、私どもの方に申請をいただきたいというふうに考えているところでございます。
○石橋委員 以上で厚生省に関する質問はきょうは終わります。ありがとうございました。 続いて労働省に伺いますが、能力開発の関係について少し伺っておきたいと思うんです。 現在、離職者は、公共職業安定所長の指示によりまして公共職業訓練等を受講する場合に訓練延長給付等を受けることができることになっているわけであります。訓練延長給付等を受けるためには国の制度的な職業訓練を受けるしかない。 今回の緊急雇用対策において、中高年齢者非自発的離職者に対しては、専修学校等の民間教育訓練機関が行う教育訓練の中から自主的に選択して受講することができる制度、バージョンアップ・フレックス・プランと言うそうですが、これが実施されますが、今後は中高年齢者非自発的離職者に限らず、離職者自身が職業訓練のコースを選択して受講することができるようなシステムを確立していく必要があるのではないか、こういうふうに考えられるわけであります。 それには、政府などが民間の提供する教育訓練を選択して購入し、政府が教育バウチャーを離職者に支給するようなシステムを確立するのがよいのではないか、こういうふうに考えられますが、この点どういうふうにお考えですか、伺っておきたいと思います。
○日比政府委員 先生御指摘のように、教育バウチャーあるいは能力開発バウチャーという御議論がございます。これにつきまして、ただいままさに先生から御紹介いただきましたように、緊急雇用対策におきまして、離職者の方々が自主的に幅広に選択できる仕組みを導入するということで近々始めようと思っております。これがいわば能力開発バウチャーそのものであろうと思っております。 ただいま御指摘ございましたのは、中高年あるいは非自発的という要件の問題であろうと思います。この点につきましては、公費で訓練というものを受けていただくということとの兼ね合いにおきまして、今般緊急に措置するということで中高年非自発的離職者にとりあえず限定して進めようということでございまして、御指摘の点は今後の課題としてはあろうかと思いますが、当面、緊急的にはこのような形で行うのがよいのではないかと思っておるところでございます。
○石橋委員 もう一つ、能力開発に関連をして、雇用失業対策の問題もありますけれども、各分野において非常に急速に技術革新が進む、そういうような時代に生きる労働者あるいは勤労者の立場からいいますと、何年かに一遍ぐらいは大学へ帰ったり研究所へ行ったりして新しい技術を身につける、あるいは学習をして能力を高めていく、こういうことが従来にも増して非常に重要になってくると思われるわけですね。 そういう意味で、自発的に学校だとか研究機関その他で学習をしようとする人々に対する融資制度あるいは優遇税制、そういうものを本格的に考えていかなきゃならぬような時代に置かれているんじゃないか。同時に、能力開発のためにある程度長期に休暇をとって、その研修期間が終わったらもとの職場に復帰できるようなシステムを我が国でも確立をしなきゃならぬのじゃないか、こういうふうに考えられるわけですが、この点どういうふうにお考えですか、承っておきたいと思います。
○日比政府委員 能力開発に個々の労働者の方々がいわば自主的に取り組んでいかれるということ、これは非常に大切なことだと思っております。 そのためのいわば環境整備として、ただいま先生御指摘の、まず費用面におきましては、例えば融資をする、税制措置を講ずる、あるいは積極的に補助金等で助成する、いろいろな方法があろうかと思います。また、時間面につきましても、御指摘のような長期休暇の問題等ございます。 現在のところで申し上げますと、費用面につきましては、これを積極的に助成するということで、昨年十二月から教育訓練給付制度を実施し始めたところでございます。また、時間面につきましては、これは在職労働者の方々が時間面の制約があろうかと思いますので、そういう方々につきましては自己啓発というふうな形で能力開発を行う、その労働時間面での配慮、これは長期休暇というものも含んでおりますが、そういうことにつきまして配慮をする事業主に対しては金銭的な意味の助成をするというようなことをやってきているところでございます。 今後ということになりますと、費用面の助成は昨年十二月から始めたところでございますので、いましばらくその状況を見る必要があろうかと思います。時間面につきましては、実は今般の緊急雇用対策におきましても、先生御指摘いただきましたような、やはり長期のリフレッシュ休暇というものが教育訓練のためあるいはその他の目的のためにも要るのではないか、そういうことについて検討するということにいたしておりまして、今後十分検討してまいりたいと考えております。
○石橋委員 さっきも申し上げましたとおり、この点、非常にこれから重要になろうと思いますので、ぜひひとつ御議論の上できるだけ早く具体化をしていただきますようにお願いをしておきたいと思います。 次に、年齢差別禁止法の制定について労働省はどういうふうに考えられるか、こういうことをちょっとこの機会に伺っておきたいと思うんです。 御承知のように、アメリカでは、一九六四年に公民権法第七編の制定によりまして、人種、皮膚の色、宗教、性別、出身国を理由とする雇用差別を禁止をする。こういうことから始まりまして、一九六七年に雇用における年齢差別禁止法が制定されておりまして、その後適用範囲の拡大をするなど何回かの改正がありますが、今日に及んでいるわけであります。 一九九八会計年度に雇用機会均等委員会の審査にかけられた件数を見ますと、申し立て処理件数は一万五千九百九十五。うち、和解で始末がついたものが七百五十五件、給付を伴う取り下げ五百八十件、行政手続が終結をしたものが四千百七十五、合理的理由なしということで却下されたものが九千八百六十三、六一・二%、合理的理由ありとして救済されたものが六百二十二件、内訳は調停不成立、調停成立したもの、いろいろありますが。申立人に好ましい結果となった件数は千九百五十七で、全体の一二・二%、こうなっております。 日本の雇用慣行、雇用システムとアメリカの雇用慣行、雇用制度はかなり大きく違ったところはある。そういうことは私もわかるわけですが、しかし、最近の雇用失業問題の実態を見ると、四十五、六歳から五十歳前後にかけて失業者が再就職のため求職活動をするときには、この年齢になるとほとんど仕事が見つからないというか、非常に厳しい状況があるわけですね。 国会議員仲間でも、議論をしていると、率直に言って四十、五十になって我々がほうり出されたときには本当に生活に困るな、こういうまことにもって身につまされるような話が出てくるわけですね。 そういうことを考えると、日本の雇用制度のもとでは、後でそのことについてまた申し上げますけれども、年功型賃金ですから中高年になると比較的賃金が高いというようなこともあって、雇用差別禁止法を一体具体化をするのが好ましいか好ましくないか。定年制の問題もありますからね、いろいろあると思いますが、しかし、一挙に全面的にやるかどうかは別にして、中高年の雇用が非常に厳しいわけですから、ある程度限定的にでも、そういう意味で男女雇用差別禁止法に次いで年齢別雇用差別禁止法みたいなものを考える必要があるんじゃないか、こう思っておりますが、我々は我々の立場でも検討しますが、この際、労働省当局のお考えをただしておきたいのであります。
○渡邊(信)政府委員 我が国の雇用の規制に関する法制を見ますと、まず障害者について一定の雇用率制度を設けるということが随分早くから行われまして、それに続きまして、この四月一日からは男女差を理由とする雇用等の禁止が強行規定をもって適用されるということになりました。 こういった分野については雇用に関する規制の法制が相当確立を見ているわけでありますが、最もおくれているのが今委員御指摘の年齢差別禁止に関する法制ではないかというふうに考えております。一部、定年制につきましては、六十歳未満の定年を定めてはいけないということで、これは高齢者にとって相当の雇用保障の意味も持っていると思いますが、しかし、いずれにしても六十を過ぎれば年齢による差別というのは法的にはいいというふうなことになっているわけであります。 この年齢差別禁止の問題は、なかなか難しい問題であると思いますし、今委員が既にいろいろと御指摘になったような理由だと思います。 日米の雇用慣行あるいは賃金慣行と申しますか、そういったことの差、職種別賃金なのかあるいは年功的賃金なのか、そういったものが背景にあって、直ちに年齢差別禁止法というものを導入するということについては、まだまだ社会、経済、企業の実態がそこまで進んでいないのではないかというふうに思いますし、この段階で法律でもって強行するという段階ではないのではないかというふうに考えております。 ただ、二〇〇五年になりますと、もうあと五年しかないのですけれども、労働力が減少していく。その減少していく中で、高齢者の割合がぐんとふえてきて若年者が減ってくるというふうになりますと、高齢者も相当の正規労働者として働かざるを得ない、いやが応でもそういう社会になっておるわけでありまして、そういった意味では、現在でも相当急速に賃金体系の見直しというものが各企業によって行われていると思いますが、そういう労働力が絶対的に減少していくのが間近であるというふうなこととの絡み合いで、これからの日本の賃金体系というものは相当変化をしていくのではないかというふうにも見ております。 今後、そういった状況を見ながら、この大きな問題については十分検討していく課題ではないかというふうに考えております。
○石橋委員 新たな雇用政策の展開に関連をいたしまして、これから幾つか基本的な問題を大臣に伺いたい、こう思っております。 まず一つは、今の話とも関連をしますが、日本的な長期雇用慣行を転換をすることについてちょっとお聞きをしておきたいと思うのです。 これまでの雇用対策は雇用の維持策が中心であったと思うのですが、今回の雇用対策は、雇用機会の創出や求職者の能力開発など再就職支援策に軸足が移っている、こう思っているわけであります。 先日発表されました労働白書においても、長期雇用の維持に加え、新規雇用の創出などによる労働力市場の流動化促進も重視する姿勢を打ち出しているわけであります。その上で、従来型の長期雇用慣行は今のままではあり得ない、今後緩やかに変化していく、そういう見通しも示されているわけであります。実態面でも政策面でも、日本の雇用のあり方が大きな転換点にあることを浮き彫りにしているように思われるわけであります。 日本的雇用慣行といえば、御承知のとおり、一つは終身雇用、二つ目は年功的な賃金その他の処遇、三つ目は企業別組合、こう言われているわけですが、最近の経済のグローバル化の進展などによりまして、そういう長期的な日本固有のシステムについては経済構造の変革などについて一つの障害になりつつある、そういうような問題意識もあるようです。 そうはいっても、今まで再々の経済危機を日本の経済は戦後何回か経験しているわけですが、そのたびに長期雇用慣行みたいなものはそういう意味では実情に合わなくなったとしばしば言われながらも容易に変わっていないというか崩壊していない。企業の側からいっても、雇用の安定というか会社の繁栄などの観点からいって、そう容易に捨て去るわけにはいかない。こういう面もあって、言われながらも思ったほどにはその雇用慣行が大きく変わるということはなかったと思っていますが、今度はいよいよ本気に変えなきゃいかぬのかどうか、その辺、大臣はどういうふうにお考えになっていますか。
○甘利国務大臣 労働白書の中では、従来の長期雇用システムの維持と労働移動が両々相まって日本の経済社会がうまく運営されていくということを主張しているのでありまして、長期雇用慣行を放棄したということではないのであります。 と申しますのは、先ほども安定局長から説明をさせていただきましたとおり、労働力人口が二〇〇五年をピークに、いろいろ方法は講じますけれども、減少していくであろう。そうした中で、成熟産業が一方にありまして、一方にこれからの日本経済を支える成長産業がある。そうしますと、新たな労働力をふんだんに供給をするということがなかなか難しい。つまり、成熟産業と成長産業との間で人材の融通をしなければならない事態も発生をしてくるわけであります。 これは、企業の側からももちろんでありますけれども、働く側からも、いろいろな可能性を試してみたい、あるいは今の仕事よりも新しく起きてくる産業に取り組んでみたいという要望も当然あるわけでありますから、そういった意味で、人材の流動化ということにもきちんと道をあけよう、そうすることによって、むしろ、ある部分よき伝統だとも思うのでありますけれども、日本型長期雇用慣行を守っていくこともできるのではないか、両々相まって新しい課題に対応できるのではないかというふうに思っております。 そういう意味で、二つの合わせわざで将来の日本の活力を維持していこうということを提言をしているわけであります。
○石橋委員 引き続きまして関連の質問ですが、私は、今日本の労働者、勤労国民は、ちょっときざな言い方をしますが、三つの非常に厳しい状況に置かれている、三重苦のもとに置かれている、こういうふうに言っていいのではないか、こう思っているわけであります。 三重苦の第一は、言うまでもなく、雇用失業問題が非常に厳しいということであります。これについては説明するまでもないですから、さっきも話がありましたし。六月二十九日に発表されました総務庁の雇用失業統計では、完全失業率は四・六%、三百三十四万人の失業者、わずかに減ってはいますけれども、これは求職活動をやめた人たちがふえた、こういうことでもありましょうから、少しばかり減ったからといって喜んでおれる状況ではない。企業のリストラ計画だとか民間のシンクタンクが発表している潜在失業者の数、企業が抱えている過剰雇用の数、四百万から八百万という数字が出ていますから、そういうようなことを考えるとまだまだ雇用失業問題は厳しい状況が続く、こういうふうに思いますから。まず一つは、かつてない厳しい雇用失業状況。 二つ目は、年金、医療を含めて、政府もさんざん苦労はしておられるようですが、なかなかきちっとした政策が決まってこない、そういう一種の混迷状態に社会保障が置かれている。その端で、御承知のとおり、厚生年金基金などは長期にわたる低金利のもとで運営に行き詰まって、小さいところから片っ端から崩壊していく、こういうような状況があるわけです。そういう意味では、社会保障制度の混迷と崩壊が表面化をするような状況の中で、勤労者、国民が老後、将来の生活に安心感が持てない。この春、経企庁でしたか、調査しました調査によりますと、大臣も御承知だと思いますが、二十代の若者たちの五六%だったと思いますが老後に不安を持っている、こういうような数字も出ているわけですね。五十、六十の高齢者が老後の生活に不安を持つというのはわからぬでもないのですが、将来にわたって大きな希望とみずからの人生を開こうとする意欲に満ちた二十代の若者が今から老後に不安を抱くなどということは、私は、先進国日本においては異常事態だ、こう言わざるを得ないことではないかと思っておるわけです。そういう意味では、二つ目の問題点は社会保障制度の混迷と崩壊現象。 三つ目の問題は、今言った長期雇用慣行と関係をしますけれども、失業問題が深刻になっている、社会保障制度もまた深刻な状況に直面をしている。そういう中で、労働省としては、長期雇用慣行を全面的にここでなくすなどということは考えていない、人材の流動化と安定的な長期雇用を両立させながらうまくいくようにしたい、こういう大臣の答弁だったと思います。しかし、日経連が九五年に出した「新時代の「日本的経営」」、こういう文書を見ますと、これは見ようによってはいろいろな言い方ができると思いますが、私は、日経連という経営者団体のやや長期にわたる雇用戦略というか、そういうものだと受けとめているわけであります。 これによれば、さっきも言いましたように、日本的雇用関係の終身雇用制度、年功型の賃金その他の処遇、こういうものは根本的に変えようという考え方が明確になっているわけですね。さっき大臣が言われました長期雇用が保障されるのは、その中で言う長期蓄積能力活用型ですか、全体の大体一〇%程度が考えられておるようですが、企業の基幹要員になる人々については期間の定めのない雇用、終身雇用かどうかはまだはっきりしませんが、比較的それに近い状況が保障される。定期昇給もある、期末手当も業績給が中心だけれども保障される。 ところが、その一番中心に座る人たちにはそれが保障されるけれども、その他の人たち、二番目のところは御承知のとおり高度能力活用型だったと思いますが、研究開発部門だとか営業だとか企画部門で働く労働者については、賃金は年俸給、定期昇給なし。退職金もたしかなかった、賞与なしですか、そういう形に変わっていく。期間の定めのある雇用ですから、これは終身雇用ではない。 それから、一番底辺という言い方はよくないんだが、その次は雇用柔軟型の労働者。これは、パートタイマーだとか派遣労働者だとかあるいは社外工だとか下請の労働者、そういう人たちが当てはまると思いますが、これについては時間給、定期昇給なし、退職金もなし、期間の定めあり、こういうことだと思います。 日経連は何年ぐらいかけてそういう目標を実現しようとしているのか、そんなことは全然明らかにされていませんから何とも言えませんが、しかし、じわりじわりとそういう状況が進んでいくということになると、これは我が日本の勤労者、労働者は生活設計をし直さなきゃいかぬことになってくるわけであります。 第一、第二の問題と絡んでそういう面からも非常に厳しい状況に置かれているわけですから、景気対策としては何としても国民の消費を拡大することが最大の決め手になるわけですが、今言ったようなことを考えると、そうはいってもなかなか財布のひもを緩めるわけにいかない、こういう状況が続いているわけであります。 そういう意味で、景気対策上ももう少し働く人々に対する温かい処遇というものが考えられないといけないのではないかなと思っておるわけであります。これは総理大臣が一番考えなきゃいかぬ話かもしれませんが、しかし、労働担当の労働大臣が閣議でどういう姿勢で対応されるかということは非常に大事ですから、そういう意味で、ここで改めてそのことについて伺っておきたいと思います。
○甘利国務大臣 以前は景気の動向が雇用にはね返るとよく言われたんでありますが、最近の議論は、雇用の動向がさらにもう一回景気にはね返る、つまり、将来不安も含めて雇用の情勢がどうなるか、それによって消費が抑制をされることによって、先生御指摘のとおり、逆にさらに景気が下降していくということも巷間言われているわけでありますし、私もそのことをよく主張しているわけであります。 そこで、現在の雇用の改善に関しましては緊急対策を含めていろいろと取り組んでおりますし、二番目の医療や年金等社会保障システムの将来展望を確かにする社会保険につきましては、厚生省を中心に将来に向けたあり方、法改正というものを間もなく国会に提出できるかと思っております。 そして三点目の、今は職があるけれども、将来どうなるかということの不安、日本型長期雇用慣行が崩れて、このままなし崩し的になってしまうんではないかという御指摘、それで日経連の提言の御紹介がありました。その中で日経連は、将来のコアの部分、終身雇用については、一〇%ですか、という話があったということでありますけれども、日経連傘下の個々の企業に長期雇用の部分をどのくらいととらえるかという個別のアンケートをとりますと、日経連がまとめた数字とは違った数字が返ってきまして、七、八割はやはり従来の長期雇用が企業を支えていくんではないか、ただ、今までよりは流動化部分がふえていくことは確かであろうという回答が返ってくるわけであります。 私は、これから産業構造が変わっていく中で、ある部分は人材の流動化に大胆に踏み込まなきゃ逆に経済活力が保てないということはよく承知をいたしておりますけれども、しかし、あくまでも中心は従来の雇用形態であるというふうに思っておりますし、それは日経連が提言しているような数字にはならないというふうに思っておりますし、また、そうなってしまったら、かえって企業自身の形態も不安定になってしまうんではないか。入ったと思ったら、この人は間もなくまた次に行っちゃうんだろうか、そういうことを抱えながら企業経営をしていくというのは、逆に不安定要因になるのではないかと思っております。 雇用の流動化がよく引き合いに出されます先進諸国を、例えばアメリカを引き合いに出しても、ある年齢まではかなり労働移動というのは激しいんだと思いますけれども、一定年齢が来てからの就業形態というのはかなり長期になっているようでありますし、そうしょっちゅう、何年ごとに移動していくというんであるならば、雇用者の方も使用者の方も余り落ちついていられないという状況になるんだと思いますし、それはそう過激な形にはならないんではないかというふうに思っております。
○石橋委員 まだ三つほどあるんですが、あと時間が五分ということになりましたから、三つをまとめて簡単に質問をしますので、お答えをいただきたいと思うわけであります。 これは最初に自民党の質問者の方もちょっと言っておられましたが、去年の十一月に百万人の雇用創出、ことしの春三月に七十七万人、今度七十万人強、こういうことで、今度初めて雇用対策が始まるわけじゃないんですから、今までの実績がどうなっているかということもありますが、今度出された七十万人の数値目標を達成するためにどういう手段、方法を講じながら、これが実現に向けて、特に雇用問題について主管省としての責任のある労働省として取り組む決意なのか、そのことをまず一つ。 それから二つ目は、今度の雇用対策で、さっき言ったように去年の十一月、ことしの三月、今度と三回目ですね。四回目のまた何十万人かの雇用対策などが出ないようにぜひここできちっとした歯どめをかけて、完全失業率がまた記録を更新するようなことがないようにしなきゃいかぬ、こう思っているわけですが、その辺の歯どめをかける自信があるのかどうか、特に大臣の決意のほどを含めてちょっと伺っておきたいと思います。 それから最後に、今度の緊急雇用対策は緊急という名がついており、また一、二年ということですから比較的短期の雇用失業対策ですね。しかし、労働行政としては短期の雇用失業対策だけではやはりだめでしょうから、一方で中長期的な雇用対策もしっかり立てて具体的に力を入れてやっておかなきゃいかぬ。少子化社会に直面をする、こういうようなこともあるわけですが、同時に失業したりして職を求める人に、新規の学卒者もそうですが、さっきもちょっと紹介しましたように、医療・福祉関係では百二、三十万人、生活関連でも百二、三十万人、情報関係でも百万人を超える伸びが期待できる分野もあるわけですが、就職活動や求職活動をしている人たちに、今何を勉強して、どういう能力や技術を身につけたら完全に職にありつけるのか、そういう意味でのもう少しきめの細かい情報を示すことが非常に大事なんじゃないか、こういうふうに考えられるわけです。 ちなみに、産業連関表なんかを見て、例えば医療なら医療の分野の職種を見ると、普通はお医者さんと看護婦さんがおればいいみたいな感じにもならぬことはないんですが、医療現場で働いている労働者の職種というのは何十もあるわけですね。これは福祉関係でも同じことだ。そういう意味では、十五の将来的に非常に伸びる可能性のある分野であっても、職種という観点からいえば何百もあると思うのですね。そういう中で、自分が今何をやったら一番自分の適性に合った仕事が選べるのか、能力や技術に合った仕事が選べるのか、そういうものをもう少しきめ細かく全国的に最新の情報も駆使して情報を提供することが今非常に重要じゃないか、こういうふうに考えるわけですが、以上三つの点を一まとめにしてちょっと伺って、私の質問を終わります。
○甘利国務大臣 雇用の創出とか安定で、今まで百万人とか七十七万人、七十万人、いろいろな数字が出ておりまして、人によってはこれを全部足すのかとか、いろいろ皮肉を言われていますけれども、マクロ的な効果で創出する効果、それから安定効果が百万人、それから具体的な施策を推進していくとこのぐらいの数字がはじけるが七十何万、今度は予算に対比して具体的な数字をはじかせていただきまして、かなりの部分は今までの数字がオーバーラップしている部分もある。ただし、今回の場合は、つくり出していくという点に主眼を置いて予算を配置したというふうにお考えをいただきたいと思います。 この対策の効果につきましては、助成金の支給状況であるとか、地方公共団体が民間に委託してつくる雇用創出等については地方公共団体からの報告等を受けまして、できるだけしっかり把握していきたいというふうに考えております。 それから、これで歯どめを打てる自信があるかと言われるのでありますが、景気の下げどまりはだんだん形として見えてきたと思います。ただ、先生御承知のとおり、景気が立ち上がるときには、言ってみれば気球が上昇するときに砂袋を落としていくような、余計な負荷は振り払いながら上っていくという部分がありますので、雇用にはね返る、失業率にはね返る部分があります。ですから、立ち上がってから半年、八カ月ぐらいまでが一番注意しなくちゃいけない。その間に臨時的な雇用創出で下がり方がひどくならないように、タイムラグができるだけ短くなるように努めていきたいというふうに思っております。 それから三番目の御指摘、成長する十五分野に関しましても、具体的にどういう職能、技術を身につけると再就職できるのかについては、関係方面と広く情報交換をして取り組めと、御指摘のとおりだと思います。 よく情報関連ということが言われるのでありますが、一番最初に上がりますが、郵政省に対しましても、私、閣僚懇の前の時間に郵政大臣に、具体的にどういう能力を身につけるとそういう分野へ道が開けるのかアドバイスをしてくれないかという話もさせていただいておりますし、これは、十五分野を担う関係省庁ベースで、どういう職業能力が必要か、きめ細かに連絡をとり合っていきたいというふうに思っております。
○石橋委員 時間が来ましたからこれで終わりますが、今、多くの働く労働者、国民から一番期待をされ、また注目を集めている大臣は労働大臣ですから、ひとつそのことを体して頑張っていただきますようにお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
○岩田委員長 次に、城島正光君。
○城島委員 城島でございます。 石橋先輩の最後の言葉は全く同感でありまして、今回の通常国会の最初のときも、私、大臣に同じような趣旨を申し上げたと思うのですが、最重要大臣であるというふうに申し上げましたし、省庁としても、今、働く勤労者だけではなくて、まさしく日本全体にとって最も重要な仕事を、あるいは期待をされているところは労働省である、その責任を持たれているのがまさしく甘利労働大臣だというふうに思っております。したがって、ぜひこれからの労働行政、さらに十分なる対応をお願いしたいというふうに思います。 〔委員長退席、川端委員長代理着席〕 もう既にいろいろな方が論議されてきましたけれども、今の我が国にとってまさしく一番最大の課題である雇用情勢、九八年の四月からだったと思いますが、四%の失業率に乗って以降、数字だけではなくて質的にも非常に悪い状況が続いているということだと思います。 そういうことを裏打ちしたものだと思いますが、先日、非常に胸が痛む数字でありましたけれども、昨年一年間の自殺者の数というのが新聞で報道されていました。警察庁が発表した数字が、昨年一年間で三万二千八百六十三人自殺された。これは一昨年より実に三四・七%もふえたという数字でありました。これは厚生省のデータも全く同じようでありましたけれども、交通事故で亡くなった方の三倍以上になる。一気に昨年ふえたということであります。 また、その内容というか内訳を見てみますと、四十歳から六十四歳の中高年の男性が自殺者の四〇%を占めるということであります。また、その動機が、もちろん病気を苦にしたというのが一番多いわけでありますが、事業不振、失業、生活苦といった経済あるいは生活関連の原因ということが一八%の六千五十八人でありますが、これが何と一昨年より七〇%ふえているということでありました。しかも、今言った経済や生活問題が原因である中高年層の自殺が、そのうちの四千四百九十人、四分の三が中高年の方であるということであります。まさにある面では不況自殺というのが一気にふえたんではないかというふうに思われるわけであります。 ある報告によると、一つの自殺の背景には十倍ぐらいの未遂があるのだということと同時に、その未遂も含めてそういう行為があると、大体一つの行為について五人ぐらいの非常に心が傷つく人がいるものだということからすると、これが三万人、さらには自殺未遂が十倍ぐらいあるとすれば、そういったことで非常に心が傷ついた人が、昨年、単純計算しますと、何と百六十五万人という数字になるわけですね。 そのことだけとらえても、これは大変大きな社会問題ではないかというふうに思うわけでありまして、今の雇用情勢、後から論議させていただきますけれども、一つ象徴的にこういった非常に悲しいところにもつながっているという雇用情勢について、まず大臣の現下に対する御認識と、先ほどもありましたけれども、これを改善していくという面においての決意を冒頭お尋ねしたいというふうに思います。
○甘利国務大臣 自殺者の急増と失業の関係について必ずしも私も正確に因果関係を把握しておるわけではありませんけれども、少なくとも失業率の悪化が社会不安の一因になっていることは事実だと思いますし、この改善のために労働行政の範囲でできることは何でもやっていこうというつもりで取り組んでおります。 五月の完全失業率が〇・二ポイント改善はしましたけれども、先ほどもお話をさせていただきましたが、中身については必ずしも手放しでは喜べないということでありまして、早く名実ともに改善をしていくように努力をしていきたいと思いますし、現在も努力中であります。 従来の労働省を中心とする雇用対策、雇用政策は、いかに雇用を維持していくかというのが主でありましたけれども、今般の緊急対策におきましては、もちろんそれも主でありますけれども、それに加えて、雇用の受け皿たる場所をどうつくっていくかということを、これは産業政策の分野でもありますけれども、タイアップをして具体的な数字をはじき、それに対する施策、予算の手当てをさせていただいたところであります。 それから、時代の変化に対応していく――雇用失業情勢の改善というのは、抜本的には、新しく日本を担う産業がどんどん育っていくということが大事でありますし、その際には経営資源たる資本と労働力が適宜適切に必要とする部分に供給をされるということが大事でありますから、健全な意味での労働の移動政策、人材の移動政策も構築をしていかなければならない。そういった点が従来とってきた労働政策、雇用政策と違う点であります。これらを通じまして、経済が立ち上がっていく間の一時的な失業状況の悪化をできるだけ最小限に食いとめて、その時間差もできるだけ一日でも短くしていこうということで鋭意努力をしているつもりであります。 景気の状況が若干好転をしてきたようでありますので、ぜひ国民の皆さんにおかれましては、たとえ一時的に雇用情勢が厳しい状況を迎えようとも、明るい出口に向かって歩んでいる一過程であるということを御認識いただいて、過度に悲観的にならないようにということをいつも申し上げさせていただいておるわけでありますし、悲観的にならないような対応を私としても全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
○城島委員 ぜひそういう方向で全力を挙げていただきたいわけであります。 少し失業の中身について私なりに調べてみたんですが、幾つかその中で問題提起をしたいと思うんです。 かなり雇用情勢が悪いという中で、現実的に失業の増加に直結をするどういう雇用構造の変化があったのかということを幾つかのデータをひもといてみたんですが、一番目に言えることは、実は自営業部門からの雇用減退というのがかなり失業に直結をしているというのがあります。 二番目には、中小企業部門からの雇用減少。これは、高度成長でずっと来て、つい最近まで中小企業というのはどちらかというと雇用の受け皿として雇用増を図ってきたんですが、この一、二年、中小企業全体も雇用が減少している、減退している。それが、これまたかなり大きく失業増に結びついているということであります。 九〇年代に入って顕著になっておりますいわゆる大企業の雇用減退というのは、この二つに比べると、失業増に対する悪い意味での寄与度というのは相対的に低いということでありまして、恐らくこれは、大手の企業ですと、いろいろな形で就職をあっせんしたりあるいは関連のところへの出向、転籍を一生懸命努力するというようなことで、雇用減が即失業につながっているウエートが低いんだろうというふうに思います。 そういう失業増ということについて見ると、今申し上げました、この数年間のデータから出たところによると、自営業部門、さらには中小企業部門の動向というのが失業に対しては物すごく大きく影響しているなということであります。 逆に言うと、自営業あるいは中小企業の成長というのが失業の増加にある程度歯どめをかけることができる一つの大きな要素であると言ってもいいのかなというふうに思うわけでありまして、この支援策というのは大変難しいわけでありますが、当然、省庁を超えて、起業家育成あるいは新しい事業をどういうふうに起こしていくかといったようなことに対する支援というのも非常に大切だというふうに思いますし、よく言われるようなベンチャー育成といったことも、こうした観点から見て非常に大事だなというのがデータ的にも裏づけられるわけであります。 こうした観点で、中小企業対策、あるいは自営業、家族経営の皆さんのこれからの失業増に対する歯どめをかけるという意味から、何か御見解があれば承りたいと思います。
○甘利国務大臣 非常に重要な御指摘だと思います。 大企業というのはある面でもう成熟産業でありますから、十万人抱えている企業が二十万人に何年でなれるかということを考えるよりは、十人の企業が一万社あれば十万人でありますけれども、十人の企業が二十人になるのにどのくらいかかるか、これはあっという間になるわけでありますから、小さなビジネスを数多く成功させる、あるいは中堅企業にはぐくませていくという政策が雇用の創出という点では非常に大事だと思います。 日本では一番の問題点は開廃業率の逆転現象だと思います。日本とアメリカを比べますと、毎日毎日会社の数がふえているのがアメリカで、毎日毎日会社の数が減っているのが日本であります。しかも、日本の場合、開業率も廃業率も低い水準で、四%台で推移をしている。開業率が四%とすると廃業率が四・二%。アメリカの場合だと、一〇%を超える二けた台で推移をしているわけでありまして、廃業率が一二%とすると開業率が一四%というような、非常に活力がある経済だと思っております。 そこで、自営業や中小企業の倒産や、事業をやめてしまうことが失業率に悪い意味で寄与をしている、そのとおりだと思いますので、先般の対策で、個人事業あるいは中小企業として立ち上げるときに、労働省の政策としても、人を雇う際に賃金あるいは雇用環境の整備のための資金を支援しようという対策をつくりました。これについてはかなり申し込みが来ておりまして、当初設定をしておる目標の五万人雇用については、このペースでいけばほぼ達成するのではないかというふうに思っております。 それから、通産省側からも、小さい企業を立ち上げるための体制整備をしていこうということで、債務保証の制度であるとか融資の制度、あるいは大きい企業といえども事業部を分社化して立ち上げるときには中小企業でありますから、そこが大きくなっていくときに雇用吸収力はあると思いますので、その分社化の手続の圧倒的な簡素化であるとか、あるいは、倒産法制の中で、企業が倒産してしまった、しかし、ある部分の事業部は健全で、これを切り離せば新しい事業分野として立ち上がっていく、その切り離して立ち上げるときの作業をうまくワークするようにしようというような法整備、環境整備、これはかなり長期的な課題だと思いますけれども、そこの議論もなされているところであります。 スモールビジネスの育成、立ち上げが雇用吸収力になるというのは先生御指摘のとおりでありますし、労働政策、雇用政策上あるいは産業政策上からもできる限りの対応をしていこうと今連携をとっているところでございます。
○城島委員 もう一つ、今回の対策の中でも、いわゆる失業、離職の理由ということになるんでしょうか、自発的か非自発的かということの区分がされていますね。非自発的の場合にこうしようということなんですが、これは離職の理由という区分なんですけれども、今回の幾つかの案の中で出されている非自発的というのは、一体現実的にはどの辺まで含むと見たらいいんですか。 例えば、大きく言うと、想像するに、倒産あるいは事業所の閉鎖がありますね、さらには解雇あるいは定年、あるいは契約期間の満了とかいろいろあるわけですけれども、そういうものの全体を含むというふうに見ていいんでしょうか。この非自発的という概念ですけれども。
○渡邊(信)政府委員 本年五月の失業者約三百三十万人のうち百万人くらいが非自発的失業者ということで、これは自分の意思に基づかない失業というふうなことでございます。 具体的には、今委員おっしゃいましたように、会社、企業が倒産をした、あるいは会社によって解雇をされたというものはもちろん入りますし、それから定年年齢に達したので解雇をされたというものも入ります。それから、例えばパートの方で一年間の期間が来たので雇用が終了したというものも入りますし、会社の先行き、事業不振等によって、これは直接的には本人意思でやめたとしても、自分のいる会社が非常に危ないというふうなことでいわば離職を余儀なくされたというものも含めまして、約百万人ぐらいの方が現在非自発的失業ということで出てきているわけであります。
○城島委員 そうすると、これはまたデータがかなり少なかったんですけれども、実は失業の発生理由ということを、今おっしゃったような観点になると思いますが、現実的な理由を明確に区分するというんでしょうか、どういう理由によって失業したかという失業の発生原因がわかるデータというのは非常に少ないんですね。 それで、昨年の特別調査というのがありまして、九八年の求職状況実態調査ということで、唯一最近のデータだとわかるんですが、本当の意味で一番深刻なのは、自分の意思や能力とかいうことに関係なく起こる失業ということで言うと、突然の倒産とか事業所の閉鎖、こうなるわけですね。契約期間の満了とかいうのはある程度事前にわかるわけですし、定年もわかるわけですから、そういう点で言うと、ある面では、一番深刻な失業というのをさらに絞っていくと、今申し上げたように、会社都合、あるいは非自発的といっても会社の倒産、事業所の閉鎖ということが恐らく一番突発的であり、本人の意思とはかなりかけ離れた中で起こる失業ではないかというふうに思うのですね。 では、これが一体どれぐらいあるのか。今局長おっしゃった数字の中でさらにこれを調べてみると、大ざっぱに言いますと、倒産あるいは閉鎖による失業は全体の約一割ということがこの特別調査から出ております。ただその中で、また中高年齢層になりますと、この理由による失業が二割になっているということでありまして、中高年の場合は五人に一人が実に会社の倒産、廃業、事業所の閉鎖によって失業をしているということが明らかになっているわけであります。 こういった失業というのは、今申し上げましたように、本人の能力とか責任範囲を超え、しかも、ある面で言うとかなりの場合が突発的に起こるだろうというふうなことを考えると、深刻度ということから見ると、この部分については失業の深刻度はかなり高いんではないかというふうに思うわけであります。 そういう点からすると、午前中の論議にも若干ありましたけれども、ある面で言うと、こういったところに対する何らかの配慮というものがあってもいいんではないかな。恐らく、社会的セーフティーネットという観点からしても、そういうことについては社会的合意もとられるんではないかというふうに思うわけでありますが、こうした特に深刻度が高いものについて、その失業理由に応じた対策というのは考えられないんでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 今御指摘ありましたけれども、例えば、現在の失業者は三百三十四万人という数字になっておりますが、その内訳を見ましても、非自発的な離職によるものが百六万人、自発的な離職によるものは百十八万人。この非自発と自発については、今まで仕事をしていたけれども仕事を失ったということで、自分の意思かどうかということですけれども、これはまさに失業ということだろうと思うんですが、そのほかに学卒未就職、これから業につこうという方でまだ業につけなかった人、それから、その他の方ということで、いわばフリーター等で今まで仕事をしなかったけれどももう一回仕事をしたい、あるいは家庭の主婦で労働市場に入っていきたいという、業を失った方とこれから職につこうという方と、業を失う中でも自分の意思で転職先を見つけて自分でかわっていくというふうに、いろいろな理由があって、トータルとして三百三十四万、四・六%という失業率になっているわけであります。 したがって、一口に失業者三百三十万と言いましても、その深刻の度合いというのは理由によってやはり相当違うと思います。ある日突然家族を抱えて倒産の憂き目に遭ったという方と、転職先を見つけて転職したい、ある程度めどを持って転職活動をしているという方とはやはり違うわけです。したがいまして、雇用対策といたしましても、特に重点を絞るのは四十代、五十代の非自発的失業者、最も緊要度の高い方はこういった方ではないかというふうに思いますし、今般の緊急雇用対策についても、特にそういった面を重点にしながら対策を考えているところでございます。 具体的に言いますと、先ほど議論に出ておりました新規・成長十五分野における雇用ということにつきましても、非自発の中高年、四十五歳以上の方を採用していただいたときには特に高い助成金を出すというふうなことを考えておりますし、それから、特に中高年のホワイトを中心にしまして、民間の職業訓練について自分でコースを選択してこれを受けられるようにするというふうなことも今般新たに始めております。 また、職場体験をするというような事業を各都道府県ごとに委託をいたしまして、これは一カ月程度ですけれども、中高年の方に職場体験をしていただく、あるいは能力開発の機会を得る、こういった事業も今回の緊急雇用対策で拡大するというふうに、雇用対策の焦点としては、先ほど申しましたような最も緊急度、深刻度の高いところに焦点を当てて雇用対策を行っていく、こういったことが今後とも必要ではないかというふうに考えているところであります。
○城島委員 あわせて、これは今中高年を言ったんですが、実は若い層の失業、失業というよりは離職ですね、正確に言うと離職、失業の最大の原因がどこにあったかというと、就業前に想像していたのと労働条件が違っていたということが若い層は圧倒的に高いんですね。ということからすると、これはある面で言うともっと簡単なことじゃないかなと思うのです。 すなわち、労働条件に関する情報のある面でのミスマッチということによって、若い層の離職、失業ということがかなり起こっているということをあらわしているわけなんですね。したがって、その情報のミスマッチを少なくする方法論というか、そういう施策をとることによって、この部分についてはどれぐらいあれかわかりませんが、ある程度若い層の離職、失業も解消できるということを示しているのではないかというふうに思います。 したがって、そのミスマッチを少なくするための労働条件に関する情報開示の徹底化、あるいは就業決定者に対する労働条件の明示をできるだけ徹底を図るといったような工夫がされれば、今申し上げたようにかなり解消する部分もあるというふうに思われるのですが、この部分はいかがでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 今御指摘のように、若い人の転職、離職の理由の大きいものは、自分が考えていた労働条件と実際とは違っていたとか、あるいは考えていたより悪かった、例えば週休二日だと思って行ったのに二日ちゃんととれなかったとか、制度では二日になっているけれども実際にはとれないというふうなことで転職をするという理由が確かにかなり多いわけです。 この点につきましては、これは職業安定法で規定をしておりますけれども、事業主が安定所あるいは民間の職業紹介所に求人を申し込むときには労働条件を明示するということを義務づけております。特に安定所におきましては、それが正確であるかどうか、あるいは法律に違反していないかどうかというようなことで、求人の受け付けのときにこれをチェックをする、チェックをいたしまして求職者にこれを明示するということにしております。 また、改正をいただきました職業安定法で、民間の職業紹介所は、基本的な労働条件については命令に定める方法、これから定める予定ですが、これは文書によるというふうに考えておりますが、文書によって求職者に労働条件を明示をしなければいけないというふうに改正が行われたところであります。 ただ、これはなかなか根本的なチェックというのは難しいと思いますが、先ほど御指摘ありましたように、若い人の転職のかなり大きいところを占めているものですから、安定所、民間の職業紹介所を通じてこれがきちんと行われるように努力をしていく必要があろうかというふうに思っております。
○城島委員 さらに、このデータの中では、やはり予想したとおり、それぞれの世代で再就職先を探す困難度というのは、非常に大変だったというふうに答えている人が七割から八割。特に四十代以降については八割ぐらいの人が再就職先を探す困難度が大変だったというふうに答えているのです。これは先ほどの石橋先生も御指摘になったところなんですが、繰り返しになって大変恐縮なんですが、再就職が大変だった理由、四十歳代が八四%、五十歳代が七八%、六十歳代が八一%が何と年齢制限であった、厳しかった理由が。四十歳代以降はほとんど八割台の人が、職を探すので一番大変だったのは年齢制限で非常に苦労したと。 このデータは、現実に新宿の職安で昨年九月に面接したデータで、日本労働研究機構のデータなんですが、先ほど局長は三十五歳というのがあるとおっしゃったからなんでしょうが、実は三十代も五六%の人が年齢制限によって再就職先を探すのが厳しかった。圧倒的にこれが第一番目に上がっているのですね。二十歳以下はほとんどこの理由はなくて、賃金や労働条件というのが多いのですけれども。 年齢制限があることによって次の職探しが困難をきわめたということが八割にまで上ると、差別禁止法まではいかないにしても、相当努力をされているかもしれませんが、年齢制限という問題はかなり深刻な問題ではないかというふうに思うのですが、改めてこの問題についての御見解を承りたいと思います。
○甘利国務大臣 確かに御指摘のとおり、一年以上も失業している方にどうして再就職できないかとアンケートをとりますと、年齢制限があるからというのが一番大きい理由で、たしか二三%くらいあったと記憶をいたしております。 年齢制限を禁止する措置はという御指摘は、いろいろな先生方からこの委員会でもいただいておりますが、日本型雇用慣行とバッティングする部分がありまして、年功賃金というのも年齢によって賃金が決まるといいましょうか職能給ではないというところとか、あるいはもっと言えば、定年制をしいておりますけれども、六十歳以下に定年を設定してはいかぬということ、これはそういう裏打ちがあって終身雇用というのが採用もいただいているのだと思うのですが、これも一種の年齢制限でありますので、その辺の部分との整合性がなかなかつかないということで、私どもはどちらかといえば行政指導で年齢制限については極力取り払ってもらいたいという要請をしているわけでありますし、ことし四月には私も主要な経済団体を回りまして、求人をする際に年齢制限を設定しないでもらいたいという要請に回りました。 それから、現場の声を聞いていますと、年齢制限が幾つまでと、もう私は超えてしまっているのですけれどもという相談が来たときには、必ず事業主の方にとにかく会ってみてくれという話をしてもらうようにしておりまして、それをかなり積極的に現場でやっております。会ってしまうと、じゃ、いいですよという例はかなりあるのだそうであります。ですから、求職者の方も、書類に書いてあるからあきらめるというのではなくて、一応とにかく窓口に、自分は超えているけれども先方と連絡をとってもらいたいということをおっしゃっていただくと結構うまくいく例が多いんだそうでありまして、とにかくそういう相談があったときには必ず先方の事業主側と接触をするということを励行するようにしたいと思っております。
○城島委員 中高年層の再就職の最大のポイントになっているところなので、ぜひお願いをしたいですし、先ほど局長は二〇〇五年に労働力人口がピークになっていく中でいうと検討課題だというふうにおっしゃいましたので、そこも含めて、ぜひ積極的な御検討をお願いしたいと思います。 それから、こういう雇用情勢の中で時々聞くのでありますが、身障者雇用もなかなか法定に達していない企業が相変わらず多いというふうに思うのですけれども、身障者の皆さんの雇用情勢についてどういう状況になっているのか、あるいは企業の法定の達成の状況にどういう変化があるのか、御報告いただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 障害者雇用促進法に基づく雇用率の達成状況の調査は毎年六月一日現在で行っておりまして、ことしの分はまだ出ておりませんので、昨年の六月一日現在で申し上げますと、当時は一・六%の雇用率でございましたが、この雇用率が適用されます一般の民間企業に雇用されております障害者数は約二十五万人で、雇用率は一・四八%でございます。この数字はその前の年と比べますと〇・〇一ポイント上昇をしております。なお、昨年の七月一日から知的障害者にもこれを適用するということで、雇用率は一・八%に上がっております。この結果はことしの六月一日現在で近々御報告できるかというふうに思います。 ただ、昨年の数字ですと、その前の年より少し上昇しました。今、手元に具体的数字はありませんが、昨今の情勢を反映いたしまして、今、障害者の雇用というのは大変厳しい状況にあろうかというふうに思います。 昨日も埼玉県でかなり多くの障害者の方が倒産、解雇という目に遭ったというふうな報道がされておりまして、障害者を取り巻く雇用も今大変厳しい状況にあると認識をしております。
○城島委員 ぜひこの点についての目配りをしっかりお願いをしたいというふうに思います。 それでは次に、雇用と時短の関係について少し論議をしたいと思うんです。 今こういう状況の中で、千八百時間という一つの目標を掲げて進んできている時短の状況、労働時間の状況、どういう状況なのか、まず御報告いただければと思います。
○甘利国務大臣 この十年間の数字で見ますと、年間総労働時間が約二百三十時間減っておりまして、十年度でいいますと千八百六十八時間でありますから、おかげさまでかなり成果が上がってきたというふうに承知をいたしております。 〔川端委員長代理退席、委員長着席〕
○城島委員 時間外労働はどんな数字でしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 ただいま大臣の方から答弁申し上げました千八百六十八時間、これが年間の総労働時間でございますが、これを所定と所定外に分けて見ますと、所定内が千七百三十四時間でございます。したがいまして、所定外の、いわゆる残業は百三十四時間という水準になっております。
○城島委員 そういう面でいうと、十年間というタームでいくとかなり目標に近づいているということだと思います。 五月二十六日に社会経済生産性本部が一つのケーススタディーとして出しました、これは当然理論的には考えられたことでありますが、労働時間短縮の雇用効果に関する調査研究というレポートでありまして、今もって、そういう状況の中でもいわゆるサービス残業、これは連合のデータによると月六・九時間ぐらいのいわゆるサービス残業があるということなんですが、例えばこのサービス残業をゼロにすれば、このシミュレーションは一定の前提、関数があるわけでありますが、雇用機会創出効果としては九十万人、残業を、所定外労働時間が産業全体ではこの場合は月十二・五時間というふうになっていますが、これをゼロにすれば百七十万人の雇用機会の創出効果がある。合わせますと何と二百六十万人になるわけであります。 これは、もちろんある一定の前提の中でのケーススタディー、シミュレーションの結果であるわけでありますが、ここまで、先ほど冒頭からずっとやっている、雇用情勢が極めて悪化しているということの中でいけば、考えられる雇用の創出のあらゆる手段を検討するあるいはやってみる必要はあるというふうに思うんですね。 特に、私は、ある面でいうと、労働時間短縮が、大臣おっしゃったように、この十年間でいうとかなり進んできているということからすれば、少なくともサービス残業という残業ぐらいは徹底してなくしていくということは、こういう観点に立っても重要なことではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 サービス残業の実態を労働省としては正確には把握しておりませんが、まさにサービス残業というのでありますから、その残業部分の賃金の一部ないし全部が払われてないんだと思いますが、それは明確に労働基準法違反でありますから、実態を把握しているものについては、当然是正を基準行政として指導していくわけであります。 発表される数字が正確かどうか、どういう根拠に基づいているのか、ちょっと把握し切れないのでありますけれども、当省として把握しているものについては厳正に対処してまいります。
○城島委員 この部分については今おっしゃったような観点も含めて、さらには、この際雇用という面においても少なくともマイナスになる話ではないと思うし、この数字そのものになるかどうかは別として、そういう観点も含めて、これは労使を挙げての話だと思いますが、労働省としてもぜひ力を入れてチェックあるいは指導をお願いしたいというふうに思います。 それから次に、どうもこの延長した国会に提案される可能性があると言われている、産業再生法案というような名前の法案が準備をされているというふうに聞いておりますので、これについて、労働省としての、そしてまた大臣としての御見解をぜひこの際承っておきたいなというふうに思います。 昨日だと思いますが、ある新聞では、法案の中身については省略しますが、明治大学の高木教授のコメントとして、この産業再生関連法案について、どうもこのままいくと「正直者がバカをみる不公平政策にほかならない。しかも、企業はリストラの名の下で安易な人減らし競争を激化させており、政府がこれをさらに推し進めることになる。その結果、失業者がさらに増大し、ようやく底入れした景気を再び悪化させてしまう恐れがある」と強く警告しているということであります。 まだ最終的な中身はない中で、中身の論議をする段階ではないと思いますが、かなり法案の骨格が準備されているようなのであえて論議をさせていただきますが、場合によってはこういう危険性があるというふうに私も思うんです、率直に申し上げて。 本当の意味で、今社会の活力を高めなければならない時期ですよね。それは確かに、産業の構造を変えながら産業競争力を再度強くしていくということについては非常によくわかります。そういう状況にあるということはわかりますが、一番大事なことは、そういう産業の競争力も強化できるようなまさに社会の活力をどう高めていくか、ある面でまさにそういう土壌をしっかりと耕していくということがなければ、どんな法案をつくっても、あるいはどういうことをやっても、そういうところに競争力はつかないわけなんです。 やるのであれば、本当の意味での活力が出、産業の競争力がつくような内容にすべきだというふうに思いますが、今の状況でいうと、例えばこういうふうな見解を持つ人もいますし、私も、下手をするとその可能性がある、第二の財革法になる可能性があるというふうに思うわけでありまして、そういう指摘があるということについて大臣の御見解をちょっと承りたいと思うんです。
○甘利国務大臣 産業が競争力をつけていく過程において雇用に影響が出るということは、可能性としてはゼロではないと思っております。 ただ、競争力をつけていく手法の中で、雇用に手をつけるのはいずれにしても最後にしてもらいたいし、できればそこに手をつけずに競争力をつけてもらいたいというのが私の思いであり、競争力会議等での発言であります。 ただ、いろいろな手法をとるわけでありましょうけれども、そこへの影響がゼロではない。そこで、立ち上がってきて再度雇用吸収力を持つに至るまでの間どうやって雇用を支えていくかというのが我々の方の課題でありまして、ですから臨時、一時的な職の場をどう提供するかということにかなり今回踏み込んでいるわけであります。 まだ産業競争力法の細かい内容を把握はしておりません。まだ提出はされてないわけでありますが、その中で、例えば欠損金の繰越期間を五年であったものを七年にするとか、繰り戻し、納めた税金を還付して体力をつけていけるようにするとか、あるいは、ある事業部門を独立採算制のもとに分社化をして立ち上げていくんだけれども、その手続がやたら面倒なのを簡素化するとか、株式交換を容易にする。あるいは、アメリカでかつて新規産業がどんどん興ってきた、その原点と言われていますバイ・ドール法というのがありますけれども、これは、国が民間の機関に研究費を払って委託研究をする、その成果として生まれてきた特許の帰属をその民間にお渡しをする。従来は金を払った国のものだということだったんですが、これを民間に渡してあげる。そうしますと、国からの研究費用で新しい特許が自分のものになる。とすると、それをもとにしてどう製品化を図るかとか事業化を図るかというインセンティブが働く。 それらもろもろの策を組み立てて、日本の企業があるいは産業界が元気を取り戻していく。その間の一時的な痛みを我が方でできるだけ緩和をしていく。ある部分は雇用政策上は矛盾しているかもしれませんけれども、強くなるために伴う痛みをできるだけ緩和していくという意味で、両々相まって衝撃度合いをできるだけ少なくしながら力をつけていく、活力をつけていくということになろうかと思っております。
○城島委員 大臣の問題意識、願いというのはわかりますが、そのためにもぜひこの今の段階で強く僕は大臣として主張してほしいことは、まさに御認識のとおり、雇用という問題にどの段階で手をつけるかということなんですね。もちろん最後にとおっしゃいましたけれども、これは最後にどころじゃなくて、やはり基本的には手をつけないという中で産業再生を図っていくというような基本的な理念というのは必要じゃないかというふうに思うのですね。ですから、今度の用意されている、検討されている法案には、少なくとも雇用の維持とか雇用機会の創出ということが一つの大きな目的なんだということを趣旨の中に盛り込んでいただきたいなというふうに思うわけです。 具体的には、恐らくかなりな論議になるというふうに現実的には思うわけでありますが、そこの対象の現場はなると思いますので、雇用の維持とか確保という観点に立って、実際、今おっしゃったような具体的なことにのっとって計画の策定、あるいは現実に実施という段階では、少なくとも労働組合とか、組合のないところについては労働者の代表と協議されるということが必要であり、極めて大事だというふうに私は思います。そういったことがこの法案の中でも明示されるようにぜひ大臣としての努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 私の方から、極力雇用に手をつけることなく、手をつけないで済めば一番いいんだけれどもということでかねがね主張させていただいておりますし、競争力会議での議論を聞きましても、日本の経営者はかなりそういう意味では健全な精神を持っている、雇用の確保、維持は経営者としての責任だということを自覚されている方が多いように私は思いますので、これはアメリカ型のようなドライな対応策にはならないというふうに確信をいたしております。 ただ、この法律の中で、今先生からの御指摘でありますが、私どもの方としては、常々雇用に対する懸念、影響がないようにという表明はしておりますし、競争力法がどういう具体的な細部にわたる形になるかはまだ把握をしておりませんが、労働条件が大幅に変わるときには当然労使間の問題になってくるわけでありますから、全く労使の話し合いが無視をされてすべてが進んでいくということにはならないのではないかというふうに思っております。
○城島委員 ぜひそういう趣旨、内容がその法案の中に明確に位置づけられることを強く期待したい。 それは、繰り返しますが、産業構造が生産性の高い部門に転換をしていくということが非常に大事な時期であるということもよくわかりますし、そういうことをやっていかなければいかぬ時期に来ている。と同時に、それを支えるまさに社会の活力をどう高めていくかというところにもきちっと配慮するという意味で私は申し上げているわけでありますが、そういうバランスのとれた社会の中でこそ初めて本当の意味での競争力がついてくるんではないかというふうに思うのです。 この十年ぐらい続いているバブル以降の不況の中で、そしてまた、規制緩和の流れということの中で、大臣も随分御苦労されておりますが、こうしたトンネルをくぐった後に日本は一体どんな社会になるのかということを常に描きながらやっていく必要があるというふうに強く思うわけですね。トンネルを抜けた後に、一体我々として本当に望ましい社会になっていく方向に行っているのかどうか。ぜひそうなってほしいものですから、短期的なところにとらわれず、どういうふうに望ましい社会に持っていくかという中で、極めて重要な法案になると思いますので、ぜひ大臣の主張をその中でもさらに明確にしていただきたいなというふうに思います。 そういう点でいいますと、長期的な観点になると思いますけれども、こういう再生法案、仮称でありますが、そういったことの流れの中でいうと、企業の分割ですとか、あるいは営業部門を含めた譲渡、合併といったようなことで企業組織が変更される、その企業組織の変更に際しての雇用の確保とか、あるいは権利、労働条件の確保、あるいは労働協約が基本的には継続するんだというような、これはヨーロッパ、EUの中では一般的になっているわけでありますが、そういったことについて定める、全体を包括するような法律が一方で準備される必要があるんじゃないかというふうに思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 御指摘のように、大変厳しい経済情勢また構造変化が進みつつある中では企業の再編というようなことも行われてまいるわけですが、そういう際にも、やはり働いている方々の労働条件とか雇用というものが大切にされていかなければならないというふうに考えております。私ども、そうした事態に対しましては、そうした気持ちで、そうした局面局面に関心を持って対処してまいりたいと思っております。 ただ、個々の企業の具体的なケースにおきますと、労働条件等を具体的にどういう水準にし、また、それを通じて雇用等をどう守っていくかというのは、やはり労使間で個々の事情に即してよく話し合われる必要があるわけでございまして、そうした点を包括的な法律で一定の規定をしていくということには大変難しい問題があろうかと思います。将来の検討課題というふうにさせていただきたいと存じますが、私ども、それまでの間におきましても、もしそうした中で個々の労働者の方と企業との間で個別のトラブル、紛争等がある場合におきましては、昨年の労働基準法の改正で各都道府県の労働基準局がそうした問題について早期の解決を促していくための助言指導まで行う仕組みを設けさせていただきましたので、これを通じまして、そうした労働条件の切り下げあるいは解雇等の問題等々のトラブルについては迅速な解決を促していく努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○城島委員 ぜひその分も含めて、さらにはそういう法律案についても御検討をお願いしたいというふうに思っております。 残り五分になりましたので、緊急雇用対策費の中でちょっとこの質問をさせていただきます。 緊急地域雇用特別交付金二千億、これで三十万人強の人員規模ということになっておりますが、これは手続というのでしょうか、各地域での創意工夫に基づきということになっていますが、単純に手続面ではどういうことで申請し、了解されていくのでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 この二千億の特別交付金ですが、これはあくまで補正予算が成立した後の話でございます。交付金要綱というものを今検討中でございまして、これは補正予算成立後にこの要綱をお示ししまして、基本的には各都道府県の人口と失業情勢、こういったものを勘案しながら一応の各県ごとの基準というものを作成したいと思います。 そういったものを勘案しながら各都道府県が事業の計画を立てまして、具体的な申請をしていただく、都道府県はこれを基金に受け入れていただくというふうにしておりますが、地方自治法で基金の設置については条例の制定手続が必要ですので、各都道府県が九月議会でこの条例を制定して基金を設置し、ここの中に基金に受け入れる。都道府県が直接行います事業についてはこの基金を取り崩して行い、その都道府県における市町村の事業についてはその基金から都道府県が市町村にこれを配賦する、こういった手続を考えております。
○城島委員 その中で、六月十一日の緊急雇用対策及び産業競争力強化対策の中で、「地域における政労使の連携」というのがありましたね。「地域ブロックにおける雇用活性化政労使会議の開催」というのがあるんですが、こういった政労使の会議というのはこれに絡むことはあるんですか、ないんですか。
○渡邊(信)政府委員 この地域におきます政労使の会議、これも緊急雇用対策の中で位置づけられているわけですが、これは地域地域における雇用の創出あるいは安定のための対策を議論していただく場ということですから、先ほどの基金の運営あるいは使い方、こういったものに絡むことは当然あろうかと思います。
○城島委員 わかりました。各地域の中でこの雇用活性化政労使会議というのがきちっと開かれていくということが、この本来の三十万人を目指すところにやはり有効に機能するのではないかというふうに思いますし、懸念するばらまき型にならないためにもその点が重要かというふうに思いますので、ぜひ各ブロックにおける政労使会議を早急に各ブロックにおいて設置されるということをお願いしておきたいというふうに思います。 それから、地域に関して、前々から幾つかある中で、いわゆる雇調金、雇用調整助成金についての使い方なんですけれども、特にその業種指定基準の見直し、改善ということによって、特にいろいろな基礎データをとるのが難しいような、収集が困難な業態にある業種についての手続の要件の緩和みたいなこと、さらには、一番多いのは、地域においての地域産業あるいは工業団地グループみたいなところでの適用が可能にならないかという指摘をよく受けるのでありますが、この辺についてはいかがでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 今回の緊急雇用対策の中に「雇用調整助成金の重点化」という項目がありまして、この雇用調整助成金は本来景気の一時的な変動に対応する、その間雇用を抱えていただくというふうな趣旨で設けられているものですが、かなり構造的な要因によってこの業種指定がなされているケースもあるというようなことで、この雇用調整助成金については重点化が課題として取り上げられています。 これをどういうふうに行っていくかということは、至急今後検討していく課題でありますが、今おっしゃいましたように、例えば特定の地域あるいは工業団地単位でどうするかというようなことは従来から議論としていろいろあるわけでありまして、今般の緊急の課題の中で検討するか、もう少し長い課題になるか、いずれにしましても検討の課題であるというふうには考えております。
○城島委員 今、景気動向について見ても、民間の設備投資というのは依然としてかなり低迷をしているということだけ見ても、やはり国や地方の公共団体が当座、雇用増あるいは就業機会の創出に中心的な役割を果たさざるを得ないというふうに思うわけなんですね。 そういう点からも、今回の緊急の雇用対策というのが約七十万人を上回る規模ということで予算が出ているわけでありますが、ぜひこれが本当に目標どおりになるように、当然それぞれの中でしっかりと数字においても責任を持ってほしいわけであります。ぜひそういうふうになるように、さらには、この実施する期間が、一両年で終了となっていますが、終了後は失業にならないように、その後もさらに雇用がしっかり継続されるようなこともあわせてぜひ御検討いただきたいという要望を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○岩田委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○岩田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。前田正君。
○前田(正)委員 公明党・改革クラブを代表いたしまして、今度の緊急雇用対策並びに労働問題について、大臣並びにそれぞれの皆さん方にいろいろと質問をさせていただきたい、かように思っております。 まず最初に、過日、ドイツのケルンでサミットが開催をされました。小渕総理も行かれまして、大変いろいろと活躍をされたことは私も新聞の報道で承知をいたしておりますし、また過日、本会議場におきましても総理みずからがサミットの御報告をされたわけでございます。 そのとき、そのドイツのケルンにおけるサミットに渡邊職業安定局長も同行されたと伺っておるわけでございますが、大変遠いところ、御苦労さまでございました。そのとき各国の首脳も含め雇用問題についていろいろな議論がなされたことだと思っております。それに際し、まず、サミットに出席をされた渡邊局長の御感想をひとつお聞かせをいただきたい、かように思っております。よろしくお願いします。
○渡邊(信)政府委員 ケルンで開催をされましたケルン・サミットに私も総理の随員の一人として参加をさせていただきました。 我が国でも失業率が五%近くなっておりましたし、特にヨーロッパ諸国では日本よりまだまだ失業率が高い国が多いわけであります。特にドイツ、フランスあるいはイタリア等は失業率が高い。こういったことを踏まえまして、この高失業にどういうふうに対応するのかということが各国の共通の関心事になって、その点についていろいろと検討がなされたと承知をしております。この高い失業率の問題は最も緊急な経済問題の一つであるというふうに位置づけをされました。その対策として、雇用拡大のための適切な政策をとることが必要だということが強調されたわけであります。 具体的に強調されました点は、例えば経済の競争力の強化、それとともに長期失業者が労働市場に戻ることを支援するための改革が必要であるといった点、あるいは安定と成長に向けましたマクロ経済政策の追求が必要であるといった点、あるいは、職業能力の開発に関連をいたしまして、労働市場に合った技能や知識の生涯を通じた向上、こういったことが強調をされた点でございます。 さらに、このケルン・サミットでは、去る二月にワシントンで開催をされましたG8の労働大臣会合の結論といいますか成果にも触れられました。ここで触れられました社会的セーフティーネットの構築等々、こういったものをケルン・サミットにおいても支持をするというふうなことになっておりまして、特に各国を通じる失業の問題がサミットにおいて今回大変高い関心事であったというふうなことが言えるかと思います。
○前田(正)委員 大変重要なサミットでの局長の今のお話。日本における雇用という問題は、これは本当に深刻な問題であり、景気と相まって、この雇用の問題は後追いをするわけでありますが、特にこの一月から三月の成長率が若干数字でよくなっておること、我々もいろいろと有権者にもお話を聞きますが、これからの景気がどう推移していくかということに大変強い関心を持っておられるわけでございまして、また、それにあわせてこの雇用の問題も大変重要な問題だと我々も位置づけておるわけでございます。したがって、さらに一層雇用問題に対して対処していただくように私からもお願いを申し上げる次第でございます。 次に、先ほど城島議員からもお話がありました、不況、リストラ、自殺ということで、七月の二日に読売新聞に載っておった記事でございます。 それによると、昨年一年間の全国の自殺者は前年よりも八千四百七十二人多い三万二千八百六十三人、過去最多ということになったことが警察庁のまとめた自殺概要でわかったということであります。動機や職業別に分析した同庁のまとめで、経済、生活問題の自殺は七〇%増の六千五十八人に上り、不況やリストラの影を色濃く落としている。経済、生活問題の割合は一八%で、前年よりも四ポイント上がって、統計のあるこの二十年では最高となった。その内訳は、負債が二千九百七十七人、五九%増し、事業不振が一千百六十五人、七五%増し、倒産が九十九人、五五%増し。その九二%が男性で、しかも働き盛りの人、三十歳から五十歳代が七三%を占める、こういう発表をまとめておるわけでございます。 それからまた、五月の二十七日、木曜日の読売新聞には「中高年八割雇用に不安 収入減や就職難」、こういう見出しで実は出ておるわけでございます。 完全失業率が五%に迫るなど、過去最悪の雇用情勢が続く中、国民の四人に三人が自分や家族の仕事の行方に不安を感じておることが、読売新聞社が十五、十六日の両日実施した全国世論調査で明らかになった。特に、四十代、五十代では、仕事の行方に不安を感じている人が八割を超えるなど、会社の倒産やリストラなど勤め先の都合によって失業した非自発的離職者の多い中高年層が極めて厳しい認識を持っておることがうかがえる。 具体的な不安要因では、収入や収益の減少が六七%で最も多く、ベア凍結など人件費圧縮に悩むサラリーマンや長引く不況で経営に行き詰まっている自営業者のせっぱ詰まった状況がうかがえる。 一方、仮に失業した場合の再就職の条件として仕事の内容と収入のどちらを重視するかでは、仕事の内容も収入も重視するが最も多く三一%を占めておるということであります。 また、雇用状態の改善策については、子育て支援など女性が仕事につきやすい環境をつくるが四七%のほか、新しい産業を育成して雇用をふやすが四二%、景気対策を追加して雇用をふやすも四〇%に上っておる、こういう統計が実は出てきておるわけでございます。 こういうことを踏まえながら、一遍、甘利労働大臣の今のこの状況における行政の心構えというものをぜひお聞かせをいただきたいと思っております。
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、このところ自殺者の総数がかなりふえてきております。厚生省の人口動態調査によりますと、平成十年の男性の自殺者総数は二万二千三百三十八人、これは平成九年の一万五千八百八十六人と比べますと四〇・六%の増加であります。このうち、四十五歳から五十九歳に限って見てみますと、平成十年は八千五百十四人、平成九年の五千七百四十五人と比べましても四八・二%の増加をしているわけであります。 この自殺の急増と失業問題がどう絡んでいるかということについては正確に分析をいたしておりませんが、いずれにいたしましても、雇用情勢の悪化が将来不安、あるいはもちろん現在の不安となって何らかの影響を与えているということは否めない事実だというふうに思っておりますし、現在不安を抱えていらっしゃる方々の具体的な項目の中に雇用失業情勢ということが挙がっているのも確かなことでありまして、労働省といたしましては、従来の労働省の政策の範囲に限らず、他省と関連する分野まで足を伸ばして、雇用の安定から雇用の創出へと各種施策に今取り組んでいるところであります。 雇用失業情勢が五月は若干改善をしましたけれども、これは、先ほど来申し上げていますとおり、その中身については必ずしも手放しで喜べない状況、つまり、臨時雇用がふえて常用雇用は減っている、伸び悩んでいるということでありますから、必ずしも改善をしたと胸を張れる状況ではありません。 さらに、先行指標とも言える有効求人倍率は悪化をいたしております。ただ、もちろんこれも幾つかの理由があるんでありますが、均等法施行に伴って、男性、女性という別なく仕切り直しをして採用を出してくれという要請をしておりますので、それが新たに五月に出る分まで先食いをして出てしまった、あるいは、企業によっては、この法律の具体的な中身、制約についていま一つ把握できていないので、ちょっと面倒だからここでは控えようというような考え方が働いたようでありまして、これは今労働省の方から関係企業によく説明をしておりますので、必要な求人はできるだけ積極的に出してくれということを要請をしておりますので。そういう要因があって若干減ったのも事実でありますけれども、いずれにいたしましても、確固たる足取りで改善をしているとは言えないわけであります。 ただ、景気、経済動向は好転をしてくる兆しが見えておりますので、ここで手を緩めることなく、雇用対策、あるいは経企庁長官はその先のさらなる景気対策まで言及をされているようでありますので、必要に応じて間断なく手を打っていくということになろうかというふうに思っております。
○前田(正)委員 そういう状況の中で今回政府が雇用情勢の悪化に対応した新しい政策というものをまとめられたように思うわけでございます。 しかし、通産省の方のベースは、どちらかというと企業が中心。企業ができるだけ国際的競争力をつけるためには、今の過剰設備というものはできるだけどんどん破棄して、あるいはまた人員の余ったものも全部リストラをして、早く国際競争力にいわば立ち向かっていけるような企業の体力をつけるように、通産省というのはそういう方向に向かっていろいろと努力されておられる。一方、反対に労働省は、できるだけ雇用を求める、失業者を出さないようにできるだけそれぞれの企業に雇ってくださいというふうに、積極的にそれをやっていく。そこらあたり、通産省と労働省がいわば二律背反のちょうど逆の立場になりながら、この辺の矛盾をどうこれから労働省として解決されようとしておるのか。 その辺、できれば大臣としてお答えをいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 産業に、企業に競争力をつけていくという策と雇用を安定化をさせていく、雇用を量的に拡大していくということは一時的にはバッティングする政策であるという御指摘は、そのとおりだと思います。 ただ、日本型のリストラ政策といいますか、企業が単体でも力をつけていく、産業界全体でも元気を取り戻していくというその手法で、極力雇用というものに影響させない、手をつけないで何とか再生を図る方法はないものか、手段としても最後の最後まで手をつけてくれるな、できるならばそこに手をつけることなく再生を図ってもらいたいというのが私の思いで、今までも産業競争力会議等でその発言をしてきたところでありますし、出席している日本の企業経営者は割とその考え方に前向きに取り組んでいてくれる方が多いというのが私の印象であります。 さはさりながら、いろいろな手法で企業の再構築に取り組んでいく中で、人員の削減、雇用者数の削減に結果として全く手が入らなくて済んだということにはならないというふうに思っておりますので、その間にできるだけ失業率を上げないように受け皿をつくっていくという必要が臨時的にも必要かと思っております。そこで、今回の雇用対策では、従来の維持、安定政策に加えて、雇用の場を臨時的にせよつくっていくという政策にかなり大きく踏み込んだわけであります。 これから国会に提出をされます補正予算の中身につきましては、雇用創出を図っていくということが主な中身でありますけれども、大きく分けますと、成長する十五分野の産業界に将来必要である人員を前倒しして今から抱えてもらいたい、そのための奨励金を出しますと。これは給与の補てんなりあるいは訓練費の補てんなりをするわけでありますが、これは、そのまま常用雇用につなげていく雇用であります。 もう一方で、臨時、一時的な雇用の創出ということで、一部国もありますけれども、地方自治体が主になりまして基金を積んで、その基金を取り崩しながら民間に委託をして事業を起こし、それが雇用を創出をする。これは臨時、一時的な職でありますから期限を切られるわけでありまして、そうしている間に産業が競争力を取り戻して、あるいは新しい事業分野が独立をし企業が育っていって、そこが本格的な雇用吸収力になる、その間を臨時、一時的な雇用で支えていこうという策をこれから提出をさせていただくわけでありまして、できるだけ景気の上昇に伴うタイムラグとかあるいは一時的な雇用情勢の悪化を最小限に食いとめたいというふうに考えております。
○前田(正)委員 大臣のいろいろとした今回の施策、我々も多少の理解はできるわけでございますが、果たして、日本の景気が確かに少し明るい見通しが出てきた、そしてまたこの調子で少しずつ回復軌道に乗っていくであろう、私もそう信じておるわけであります。日本の景気がよくなっていくと同時に、甘利労働大臣は、よく景気の約六カ月後ぐらいに雇用が後追いでついてくるといつも口癖におっしゃっておられます。しかし、果たして、景気がよくなって、そしてその六カ月なり例えば十カ月後に確かに雇用がよくなるだろうかどうだろうか、私はその辺が非常に不安に実は思っておるわけでございます。 例えば、御承知のとおり今のアメリカでございます。株価が大変に更新、更新をし、今一万一千六十ドルぐらいですか、これぐらいの大変な株価の上昇でございます。しかも、史上空前の好景気と言われておる中でございます。しかし、その中でも今のアメリカの失業率は大体四・六%台を推移している。以前からかなり高位値であったことはわかりました。この景気によってそういう意味ではかなり雇用がふえておるんだろうとは思いますけれども、しかし、日本と比べてみると、好景気でありながらまだ四・六という数字。 そういうことを考えて、日本の労働、雇用という形態が今はアメリカ型に徐々になりつつある。今までの一たん雇えばずっと終生雇用しますよという時代はもうなくなってきて、今は裁量労働、ある程度それぞれの労働者と契約を結ぶという時代にもなっていますし、あるいはまた、この間我々も随分ここで議論をいたしました派遣労働、こういう労働体系も非常に大きな広がりを見せておる。そしてまた今日、企業も競争力をつけるために、本当に涙をもって今日まで働いてくれた労働者をいわばリストラをしていくわけであります。 こういう思いの中で、そんなに簡単に、景気がよくなっていったからといってすぐに労働者を雇うかどうかというようなことの疑問が実はあるわけでございます。これからの日本の市場もアメリカと同じように、企業が労働力を外注で求め、コストを下げるということに専念をするということになると、これはもう必然的に、労働者をできるだけ少なくして効率を上げていくという企業形態になっていく。そうなれば、なかなか雇用という問題は景気と相まってうまく解消ができるのかどうかというところを私は思っておるわけでございますが、その辺、一遍大臣のお考えをできればお聞かせいただきたい、かように思っております。
○甘利国務大臣 従来の日本の好不況のパターンから見ますと、景気が底をついて立ち上がっていくその半年後ぐらいが一番雇用情勢が厳しくなるというのは過去の経験値で申し上げているのでありますけれども、これが今の産業構造の転換の中で、従来の方程式がそっくり当てはまるのかという御指摘だと思います。 アメリカがたしか九二年の春先から景気拡大をしていきました。アメリカも当時、当然何カ月か後には雇用情勢も改善するさという楽観的な見方があるとき悲観的になりましたのは、一年を過ぎようとしているのに相変わらず失業情勢は悪化をしていった、そうすると、新しい事態が生まれてきたのではないかと。景気は拡大し、景気は上昇していくのに失業情勢は全く改善をしないという、経験をしない事態が来るのではないかという心配が確かになされたわけでありますが、一年二カ月後に底を打って反転して上昇をしてまいりました。これは、景気がある一定の数値を超えて拡大をしていくと、やはりそこに雇用の場、人の要求が出てくることは確かだと思いますが、それが従来パターンで簡単にいくかいかないかということだと思っております。 よく言われるのでありますが、日本は規制に守られている部分が欧米先進国に比べて多いのではないか、それが競争にさらされると、規制に守られて雇用を支えてきた部分が雇用を放出していくから、だから競争力をつけていく過程では果てしなく雇用情勢は悪化をしていくのではないかという指摘もいただくわけであります。私は、従来の景気の拡大、つまり、需要不足を補う、総需要を拡大していく政策だけではこれはなかなかうまくいかないんだと思います。それとあわせて、全く新しく雇用の受け皿を、時代が要請する受け皿をつくっていくという新しい視点が非常に大事だと思っておりますので、そういう点では、小さい事業者をどんどんふやしていくという産業政策上の環境整備がぜひとも必要になってくると思います。 アメリカの雇用吸収力を分析してみましても、大企業が単に元気に活力を取り戻していく過程で雇用吸収をしていったというよりも、むしろ新事業分野がどんどん伸びていって、それが生まれて発展していく過程で強大な雇用吸収力になってきたというのが事実でありまして、そこで産業を担っていく主役の交代がなされていくわけでありまして、新しい時代を担う産業が雇用を吸収していくということから考えますと、日本も成長が期待される十五分野においてどうやって新しい企業を育成していくか。 ベンチャーというのはとかくハイテクとイコールにとられますけれども、ローテク分野の新事業分野もいっぱいあるのでありまして、そういうところでいかにして企業数を立ち上げていくかということに産業政策としても努力をしなければならないというふうに考えておりますし、そこの分野に関しましても、通産省を中心に今国会へ提出する案件、そして来国会に提出する案件等々を含めまして、新しい事業分野を育てていこうという施策を相当綿密にくみ上げていく必要があると思いますし、また、そうしているというふうに考えております。
○前田(正)委員 安心をいたしました。私も全く大臣と同じ考えでございまして、やはり新しい企業あるいは産業、これをどうこれから育成していくか。例えばすぐに雇用に結びつくかどうかというのは、確かにわかりません。しかし、新しい産業がどんどん広がることによる雇用の拡大、大きな雇用の創出というものができるというふうに私は感じております。 そこで、実は、私も労働委員会に所属をさせていただいて、私の選挙区内に北区の梅田というところがございまして、この間、ちょうど時間もありましたので一遍梅田の職業安定所へ寄らせていただいて、そこの所長と、今度女性の所長にかわられて、なかなかすてきな所長さんで、私も初めてお目にかかったわけでございますが、その中でいろいろと今の状況の説明をいただきました。そして、小さなビルでありますけれども、そのエレベーターいっぱいに職を求める方々が上下しながら入ってきてあるいは出ておられる姿を見ると、かなり深刻だなというのを直に実感するわけでございます。 そんな中で、私が聞きましたら、今「創業・異業種進出のための人材確保を応援します。」こういうパンフレットがございました。これはもちろん労働省と中小企業庁でございます。今大臣のおっしゃったように、あくまでも就職ということも大事だけれども、この際ひとつ新しい仕事、企業をつくってみませんか、こういう内容でございます。独立、開業の支援セミナーを、この間五月の十四日にワークプラザうめだ、梅田の公共職業安定所でされたわけであります。ちょっと新聞でそのことをやるんだということを実は取り上げてもらった、そのことが随分いろいろ反響がありまして、職業安定所へ問い合わせがいろいろと来たようでございます。この中で、相談センターには、定年を機にお茶の販売店を開きたいとか、老後のための賃貸マンションを経営したいなど、その支援資金についての問い合わせなどが大変多く寄せられておる、こういうことでございます。しかも、見る見るうちに定員の百名をオーバーした、こういうことでございます。 そういう点について、私は、ぜひそういう意味でもこういう問題のPRをもう少し積極的に進めていただきたいというふうに思っていますし、今これに対する取り組み方というのはどういう取り組み方をされているのか、よければちょっとお答えをいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 ただいま申されました中小企業労働力確保法の改正によります、ベンチャーといいますか新しく事業を起こすあるいは異業種に進出する、分社化するというときに労働者を雇い入れる助成の制度、昨年の法改正で行っていただきまして、今のお話にもありましたけれども、今それが大変な話題を呼んでいるというか関心が高くて、かなりの件数が出てきております。ことしの一月から五月までの数字でも、三千五百十二件の受理件数があるということで、一件当たり三名から四名の新規雇用が生まれているというような状況でございます。 これに加えて、雇用保険の受給者がみずから創業するというときには、約百万円ぐらいですが、立ち上げ資金のようなものも支給するということにいたしました。 私ども、この事業は大変重要な事業だと思っております。先ほど大臣の御答弁にもありましたが、日本では廃業率が開業率を上回っているというようなことで、産業が縮小しているというような状況ですから、何とか労働政策の面においても開業を支援していきたいということで、これは実際に私ども本省の幹部も、実際にこれを扱っております各県の雇用促進センター等、あるいは各県の職業安定課等を訪問いたしまして、その周知について万全を期すように督励をして回っているというふうなことを含めまして、それから今お示しになりましたいろいろなパンフレットもつくって、あるいは安定所にはそういうポスターも張り、リーフレットも置きというふうなことで、周知については今最大の力を注いでいるつもりでございますが、その結果もありましてか、相当の件数が実際に出てきているという状況だと思っております。
○前田(正)委員 開店資金も、百万ということじゃなしに、予算の関係もあるんでしょうけれども、できればもう少し引き上げていただくような検討も含めて、いろいろとやってもらいたいというふうに思います。 それから次に、雇用保険料の引き上げという問題についてお伺いをいたしたいと思います。 過日、新聞で雇用保険の引き上げという記事が出ておりました。今どういう状況になっておるのか、あるいは保険料の引き上げというものを考えておられるのかどうか、その辺、お聞かせをいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 私が具体的に検討を指示いたしましたが、現状では雇用保険の収支の格差というのは一兆円ございまして、収入が一兆七千億で支出が二兆七千億でありますから、これは積立金から取り崩している状況であります。今のベース、失業率が変わらないで失業給付が変わらないとしても今年度を含めて三年で取り崩してしまうという状況になりますので、これは労働雇用政策の一番大事なセーフティーネットでありますから、これがもうお支払いできませんということになりましたらまさにパニックになってしまいますので、この収支状況を踏まえて抜本的に制度設計をし直そうと。 制度設計をし直す、基本設計から変えるわけでありますから、この間、雇用保険制度に関しましていろいろな御指摘を、委員会内外でいただいているものも含めて、すべて俎上に上げて検討して、やる、やらないはその結果でありますけれども、基本から懸案事項を全部詰めてみようということに今しているところでございます。
○前田(正)委員 今大臣が申されましたように、今年を含める三年で取り崩してしまう、こういうことでございます。 雇用保険の会計の財源というのは、労働者の賃金の〇・八%を労使がそれぞれ折半して負担をし、これに給付総額の一四%ですか、これを国庫が負担しておる。雇用保険法では、保険料率は一・一%、国庫負担が約二五%となっておる。保険料の引き上げについては、保険料をもとの一・一%に戻すだけでは、とてもこれからの収支バランスというものが当然改善というわけにはいかないだろうという見方も一部にあるということだそうでございます。 要するに、今〇・八、それを一・一%に戻す、その〇・三%ただ保険料を上げるというふうなことが話題になっておるのか、あるいは、それ以上上げなければとてもやっていけないのか。こういう不況のときだけに、やはり雇用保険の負担というものは、働く人も負担になりますし、また掛けておられる企業にもかなり大きな負担となるわけでございます。かえって、そういうことがいいのかどうかというところも我々は大変危惧するところでございます。 それは大臣の方の諮問機関等々へいろいろとお諮りするだろうと思いますが、ぜひひとつ、今のところは何とか国の負担によってある程度面倒を見てもらえるような方法があれば、我々としては非常にありがたいというふうに思うわけでございます。その辺について大臣のお考えを。
○甘利国務大臣 先ほど申しましたように、収支、収入が一兆七千億、支出が二兆七千億でありますが、国庫負担が占める比率といいますか、金額が今でいいますと約三千億でありまして、仮に例えば国庫負担を倍にするにせよ、正直言って焼け石に水の状況であります。 日本の労使折半、千分の八が水準として高いか低いかということでいいますと、決して高くはないと思います。これは母数の数字のとり方にもよるのでありますけれども、原数値をそのまま比較しますと、欧米では一けた違うぐらい高く取っております。ただ、一概に数字だけ横並びで比べることができませんので、修正値その他を加えたとしても、恐らく欧米の保険料徴収の比率は日本の数倍高いんだと思います。だからそうしろというわけじゃないですよ。 ですから、決して負担水準は日本は高くはないんだろうと思いますけれども、しかし、これはできるだけ低く抑えた方がいいに決まっているのでありますから、企業にとってみても、その他社会に対する負担というのがいろいろありますから、できるだけ低く抑えつつ運営に支障を来さないようにするにはどうしたらいいのか。 あるいは、給付の中身についても、いろいろとめり張りをつけろという御指摘もあるし、つけた方がいいのか、いや、そのままの方がいいのか。これも検討をしていくということで、この機会ですから、洗いざらい、いろいろ俎上に上がっていることを詰めてみたいというふうに考えております。
○前田(正)委員 それから次に、この間、甘利大臣は五月二十一日付で、倒産やリストラにより失職をした非自発的な失業者に支給する失業手当を自発的離職者よりも多くするよう雇用保険制度を見直す、こういうことも発言をされておられます。この件についてお聞かせをいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 たしか政府の何かの会だったと思いますけれども、そこを皮切りにいろいろなところから指摘を受けまして、給付の中身についても、いろいろと緊要度に見合って濃淡をつけた方がいいのではないかということの御指摘がありました。これは失業給付のみならず、雇調金についてもいろいろな御指摘をいただきました。 私は、確かに、緊要度に見合ってある程度濃淡がついた方が親切ではないかと思っていることは事実であります。ただ、そういうことも含めて、いろいろ御指摘をいただいている項目を、基本設計から組み立て直すんですから全部検討してみようということで、検討して結果として項目によってはやらないかもしれませんけれども、一通り指摘されていることは全部検討項目に加えてみようということで指示をさせていただいているところでありまして、この部分をこうすることに決めたということではありませんが、こういう指摘があるから、ここの点も踏まえて検討してみてくれという指示はいたしております。
○前田(正)委員 自発的か非自発的かというのは、この辺の見解も大変難しいところがあるわけでございます。 この制度というのは、あくまでも本人も掛けておるわけでありますから、もらう失業手当というのは権利が発生するわけでございます。したがって、その権利が発生する中で、非自発的と自発的で条件格差をつけるということがいいのかどうかというところの一つの疑問点も、自分自身としてはございます。 それからまた、非自発的である、あるいは自発的である、ここらあたり、会社のやめさせ方が非常に問題があって、例えば、会社にしてみたら、この人はリストラをしたい、そしてできれば自発的にやめてもらいたい、余りこちらからやめろというよりも本人がみずからやめてもらいたいということもあろうと思うんです。そうすると、ある程度仕事を取り上げて、何もさせずして窓際に置いておく、あるいはまた、おまえは月給泥棒だと言いながら罵倒する、もうここまで言われたら、やはりプライドも傷ついて、ならおれはやめてやるぞと言って自発的にやめる。しかし、やめさせられるというところにもつながるわけでございます。 あるいはまた、本来は勤めたいんだけれども、けがとか病気でなかなか勤められない、自発的に離職する、こういうことも実はあるわけでございますので、そういう点も踏まえながら、大変重要なことでございますから、よく検討をしていただきたいというふうに思うところでございます。
○甘利国務大臣 会社側が自発的ですという枠に入れているからといって、必ずしもそれが自発的であるという判断はいたしておりませんで、正当な理由ありとして給付制限を行わないという仕分けも十九項目してあります。 つまり、書面上は自発的であるというふうにされちゃっている場合でも、例えば体力の低下、心身の障害等により退職した場合、正当な理由があるということで給付制限は行わない。それから、例えば上役等からの故意の排斥とか著しい冷遇とか嫌がらせを受けたことにより退職した場合も自発的な範疇には入れませんよという項目を、十九項目ぐらいつくってあるんでありますが、その辺の、会社側が書面上そう記載しているのと本人とのギャップがなるべくないように細かく指導をしていきたいというふうに思っております。
○前田(正)委員 次に、民間企業の来春の新卒四年制大学生に対する求人倍率が〇・九九倍に落ち込んだことが六月十六日、リクルートリサーチの調査で明らかになったということが、実は報道をされております。「求人倍率が一倍を切るのは八四年の調査開始以来、初めてだ。“超氷河期”といわれた九六年三月卒でも一・〇八倍で、不況の影響が色濃く表れた形だ。」二〇〇〇年三月の卒業予定者の大学生で民間企業に就職を希望している者は四十一万二千人と前年より約九千人ふえているのに対し、民間企業の求人数は約四十万八千人と約九万五千人も減少しておるという現象でございます。 まず、この点についてどうお考えか、お答えいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 次の年の大卒の求人倍率がどのくらいになるか、これは実際には把握がなかなか難しいものですから、労働省でもよく把握できないんですが、したがって、今おっしゃった数字も一つの推計の方法であろうか、〇・九九という数字はそういう推計の結果であろうかというふうに思います。 ことしの春の大卒の就職率も昨年の春の就職率より低下をしておりまして、大変厳しかったわけでありますけれども、雇用の回復というのは景気の回復に一般的にはおくれて動くというふうなことからいいますと、来春の大卒生の就職状況も相当厳しい状況が見込まれるのではないかというふうに見ております。
○前田(正)委員 そこで、就職協定が以前に廃止をされました。就職活動が早期化、長期化したことも、学生が大学の講義に出られないという重大な事態を引き起こしておるようでございます。大学生からは、大学生活最後の年なのにこれではゼミにも出られないとか、あるいは卒論が書けないとか、あるいはたとえ就職が決まっても卒業ができないかもという不安の声が続出しておるようでございます。 また一方、大学の方も、就職活動が早まったために三年生の期末試験と重なる例も出てきておるとか、あるいは授業中に携帯電話を鳴らされてすぐに会社に来るようにと言われるなど、非常に行き過ぎたと思われるようなこともたびたびあるということでございます。学生の自由な就職活動を保障する意味で、拘束をとめてほしいといった要望が相次いでおるということも聞いておるわけでございます。 そういうことから考えて、就職協定というものを今後見直されるかどうかという点もちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 就職協定は、基本的には産業界と大学等との協定でございますから、労働省がこれをどうしてほしいと言うことはなかなか難しいわけでありますが、経過としましては、平成九年度から、十年度、それからさらに今年、十一年度についても就職協定は締結をされませんで、それにかわるものとして、企業側あるいは大学等で、それぞれが倫理憲章とかあるいは申し合わせというものを行っておられるわけであります。 例えば、企業側の倫理憲章であれば、内定は十月一日以降とするというふうに規定をしてありますし、採用活動に当たっては、大学の学事日程を尊重し、学生が学業に専念でき、より教育効果が上がるような教育環境の確保に努めると規定しておるわけであります。大学等における申し合わせにおきましても、特に学業上重要な学年の当初あるいはそれ以前については企業説明会には会場を使わせないというふうなことを申し合わせをしているわけでありまして、労働省がこれについてもとに復帰したらどうかとか言うことは、まずこの両者がそれぞれ歩み寄っていただきませんとなかなか難しいかと思っています。 少なくとも、労働行政としましては、こういうふうに企業側の倫理憲章あるいは学校側の申し合わせがあるわけですから、そういった内容をよく周知をしていくという努力はしたいと考えておるわけであります。
○前田(正)委員 その辺も、なかなか入りにくいとおっしゃるものの、やはり学生の立場というものもよく理解をしていただいて、ある程度の指導というものも含めて、いろいろとやってもらいたいというふうに思います。 それから次に、緊急地域雇用特別交付金の創設の問題。約二千億、約三十万人の雇用ということだそうでございますが、特に今政府が検討している教育分野での雇用創出、再就職支援策というものはどういうものなのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 この点は文部省ともいろいろ協議を重ねているわけでありますし、また、緊急雇用対策の中の例示にも掲げられているわけでありますが、教育分野につきましては、例えば臨時講師によるインターネット、コンピューター教育、あるいは海外経験のある方による外国語教育、それから人生経験の豊かな生活指導員による生活指導、こういったものを想定はしておりますけれども、具体的にこれが学校教育でどう生かされていくかというのは、これは各県、各市町村の創意ということになっておりますので、具体的にこれでなければいけないということもないし、余りその趣旨に反するようなものについては指導をするということにはなろうかと思います。
○前田(正)委員 そうすると、これは新聞では少し書いてあるんですけれども、大体どれぐらいの月給を見込んでおられるのか、その辺はわかりますか。
○渡邊(信)政府委員 今回の特別交付金の交付要領で考えております基本的なことは、基本的には地方にお任せするということでございまして、ただ、財源は二千億円で目標は三十万人としておりますから、おのずとその範囲内では処理をしていただかなければいけないわけです。かつ、これが長期の雇用ということにならないように、期間は半年以内ということはお願いしようかと思っておりますが、二千億、三十万人の目標、六カ月以内というふうなことで、ある程度、雇用でありますと、それによって生活ができるというふうなものになるかと思いますが、いずれにしても、その水準というのは各県、各市町村が地方の実情を見ながら決めていただくということになると思います。
○前田(正)委員 これは、新聞では、市町村の教育委員会が一括して採用し、地域内の小中高に振り割る、一日二、三時間教えた場合、月額十万円程度の給料を受け取ることになりそうだと。これはあくまでも予想ですから、今局長がおっしゃるように、それぞれの市町村に任せてある、生活には支障がないと言うけれども、十万円では生活にはとてもおぼつかないというふうに思うわけであります。 そこで、この教育分野という問題は、我々の将来の日本を背負う若い方々の教育であります。だから、教育という問題は我々は大変重きに置いておるわけでございますが、もちろん教員の免許があるとかないとかいうものよりも、私は、むしろ優秀な人材が子供たちの小中高のそれぞれのところでいろいろとした自分の体験、経験、こういうものを教えるということの趣旨は、大変によく理解をするわけでございます。 しかしながら、失業がふえている中での大きいのは、ミスマッチ、要するに、自分がこういうところへ勤めたい、これだけの給料はもらいたいけれども、なかなかそういうところがないというところのミスマッチが多いわけでありますから、その点、十万円がたとえ二十万円になっても、果たして来てくれる人で優秀なのが出てくるかどうかなという、私はそういう意味で大変に疑問を持つわけであります。 優秀な人材に来てもらいたいけれども、ある程度の、そこそこの人材が学校に入り、子供たちに対する影響というものはあるわけでありますので、その辺も十二分に考えてもらわなければ、安易にただ給料だけがどうこう、あるいはまた教えるその人の基準というものがどうこうだけではないとは思いますけれども、その辺どう考えておられるのか、その辺もあわせてお答えをいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 今回の緊急雇用対策は、雇用につながる、就業につながる、その結果、失業率が下がるということが最大の目的ですから、基本的には雇用、就業によって失業率が下がることを目指しているわけでありますが、学校の非常勤講師につきましては、ただ就業の場が確保されればいいというものではもちろんないと思います。この交付金の対象は基本的には民間委託ということで考えていますが、恐らく唯一の例外として、学校における非常勤講師だけは市町村の学校あるいは県の学校における直接雇用でやっていただいたらどうかというふうに考えております。 これはやはり校長先生の指揮のもとで児童生徒に対する教育に当たるということで、やはり一定の資質とか能力とかそういったものは当然必要になり、かつ、それが校長の指揮のもとで授業を行う、こういうことであろうと思いますので、委託の例外として地方自治体における直接雇用としてこういったものを認めようということでございますので、学校の非常勤講師についてはやはり特別の配慮をしなければいけないというふうに思っているところでございます。
○前田(正)委員 わかりました。 それから次に、高齢者の生きがいづくりのための短期の仕事をあっせんするシルバー人材センターというのが実はございます。我が大阪市にも大阪市のシルバー人材センターというのがあるわけでありますけれども、やはりこの不況による雇用状況の悪化のあおりを受けております。 平成九年の春には四千八百十六人だった登録者は、平成十年の春には五千二百七十九、今春は五千六百二十五人と急増をしておるわけであります。一方、企業側でも、短期の雇用により人件費が節約をでき、事務処理も簡単なことなどから、センターに労働力を求めるところが年々ふえてきておるわけであります。 ところが、契約金額は、初年度の昭和五十九年で約七千万円だったのが、平成七年度約十二億四千万、平成八年十四億三千万、平成九年に約十五億四千万と、その伸びが非常に鈍化してきておるということがあります。十年度には十五億六千万円と非常に頭打ちになっておる。 十年度の契約件数は一万五千百四十件と、前年比で一三%の増と伸びているものの、同じ企業が求人数を十人から五人に減らしてみたり、あるいは日数を少なくしたりして、最近では雇用情勢の悪化のために、さらに公共職業安定所から生活維持目的で流れてくる高齢者も非常に多いということでございます。 そこで、生きがいが目的か、生活維持が目的かで登録の差別というのはできないわけでありますけれども、このシルバー人材センターというもの、私は大変いいと思いますし、こういう点を踏まえ、これからシルバー人材センターをどう生かしていこうと考えておられるか、その辺ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 このシルバー人材センターの会員は全国的に見ますと平成十年度で四十七万五千六百人というふうに、既に五十万人近い方がこのシルバーの会員になっておられる状況でございます。 今御指摘もありましたが、現在の雇用情勢を反映して、シルバーに入りたいという希望者もふえているということもあると思いますが、会員数は着実にふえていまして、高齢期における働き方の一つの形態として広く我が国では普及してきているのではないかと思います。 ただ、今御指摘もありましたが、会員数の伸びと年間の契約金額というものを見ますと、会員数の伸びほどには年間契約が追いついていっていないというふうなことがありまして、国としてもいろいろと助成措置を行っているわけであります。今般の雇用対策の中でも特にこのシルバーには着目をいたしまして、シルバーの活動を助成するということにしております。 先ほど御議論にありました、地方公共団体に交付をする交付金の対象にもシルバー人材センターの事業は当然含まれますし、さらに別項目を付しまして、シルバー人材センターにつきましては、何か業務の委託を受けて仕事をするという場合だけじゃなくて、シルバー人材センターが自分で実施をする、例えば塾なんかをやっているシルバーもありますし、特産物の栽培をするというようなことがあります、それから放置自転車を集めてきまして新しい自転車を組み立てるというようなことをやっておりますが、そういった事業にも助成しようとか、あるいは、市町村がシルバーに事業を発注するときに、そういう市町村に助成しようというようなことで、今回の対策の中では特別に四十億をシルバーへの助成として充てておりまして、国としても、高齢者の働き方の一つの典型でありますシルバーについては今後とも支援をしていきたいと思っているところであります。
○前田(正)委員 時間が参りましたのでここで終わらせていただきたいと思いますが、こういう状況の大変厳しい中で、甘利大臣、大変御活躍していることは我々も承知をいたしておりますし、いろいろなアイデアを出しながら、それぞれの雇用対策について必死になって労働省の皆さん方がやっておられることを、私も本当に申しわけない気持ちでございます。 ただ、やはりPRをもっとしてもらいたいなと。やはりいろいろ企業だとかあるいは労働者の中でも、せっかくいい政策をつくってもPRが行き届かないということでなかなか政策がうまく乗っていかないというところも非常に多いだろう、私はそう思っておりますので、あわせて、これからのPRをどうやっていくかということも考えながら、ひとつこれからの労働対策について頑張っていただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○岩田委員長 次に、青山丘君。 〔委員長退席、石橋委員長代理着席〕
○青山(丘)委員 議論も相当いいところへ来ております。しかし大臣は朝からで、お疲れかもしれませんが、いま少しお願いしたいと思います。 たしか大臣は、就任が去年の九月でしたかね。(甘利国務大臣「七月三十日」と呼ぶ)七月でしたか。そのころの完全失業率は四・一%くらいだったのでしょうかね。三%を超えて、ぐんぐんと悪くなってきたときでして、それからまた失業率もぐんぐん上がってきておりまして、今や四・八から四・六。ああ、我が身の不幸と思っておられるかもしれませんが、決してそうではなくて、こういう国難に自分がしっかり取り組んで、そして失業率も大きく改善をして、自分はなすべきことをなした、ある意味では仕事としてやりがいのあったときであったと思っていただけるのではないか。私は、そういうふうに受けとめていただいて、今回の緊急雇用対策もぜひしっかり進めていただきたいと思います。 しかし、考え方はそうですけれども、状況はなかなか厳しい状況でして、四・六%の失業率、三百三十四万人の失業者、これは出てきた数字だけの話ですが、有効求人倍率も〇・四六倍、これはしかし非常に悪い、という状況だとお互いに共通の認識を持っていきたいと思います。中高年の失業率が悪い、求人倍率が低い。 それから、ここがまた大事なところなんですが、きょうマスコミはいないように思いますので、私は本当は通告したことしか聞かない方のタイプなんですけれども、大臣からも本当に率直なところをもう少しは聞いてもいいかな。 小渕総理が、ちょっと物議を醸したようであったかもしれませんが、過剰だと言われているのは設備だけではなくて、雇用も過剰だと言われておりまして、そこへ企業がこれからなお手を入れてくるというようなことになれば、今〇・二ポイント失業率が改善されたということが、これから数字の上でだんだん改善していくというふうにはなかなか見れないかもしれない。このあたり、大臣は今どういうふうに考えておられるのか、率直にお聞きできるのならと思って。いいですか。どうせマスコミもいませんし、大丈夫だと思うから。でも刺激的だと思えば、ころ合いを見計らって答えていただいても、ちゃんとわかっていますからいいですよ。意見ありましたら。
○甘利国務大臣 産業競争力会議が開かれます際に、これはだれが言い出したのかよくわかりませんけれども、三つの過剰があると。それは、一つは債務の過剰であり、一つは設備の過剰であり、一つは雇用の過剰だということが、政府から言ったのではないとは思うのでありますけれども、そういう話が出てきました。しかし、前の二つはともかくとして、三つ目の雇用の過剰ということを同列に扱うのはいかがなものかと私は思います。 というのは、人材というのは簡単に育つものではありませんし、資本であるとかあるいは設備を導入する、購入するというほど簡単な話ではないわけでありますから、企業は人なりと言われるように、人材というのは他の二つとは違った重みがあるというふうに思いますので、ですから、過剰を調整する際にも、雇用というのは別な見方で見なくちゃいけないというふうに思っておりまして、そういうことを再三再四主張させていただきました。日本の企業経営者はその点は我々の心情はよくわかっているというのが私の印象でありました。 ただ、いずれにいたしましても、企業経営上いろいろな分野を見直して競争に立ち行くようにしなければならないわけでありますから、最後の最後の土壇場で雇用にメスが入るということを、一〇〇%ノーと言うわけにはいかないんだと思います。つまり、いろいろ検討しなくちゃならないうちの最後に持ってきてもらいたい。それも、できればそこをさわらずに、将来必要な人員としてむしろ育ててもらいたいということで対処をしてもらいたいと思うわけでありますけれども、それでも、それをためらったために企業全体が立ち行かなくなっちゃったということになりますと元も子もないということは事実でありますから、とにかく最小限の犠牲で立ち直っていけるように我々は最大限の環境整備をする必要があるというふうに考えております。
○青山(丘)委員 雇用と企業経営との関係は健全な形で日本はよく努力されてきたと私は思うのですが、しかし失業率の推移をこれから見ていくとき、そう簡単ではない、一時的とはいえやはりよくないときがなおまだあるかなという気がします。 そこで、完全失業率四・六%ですけれども、一般には皆さん方は、景気が回復しなくて景気が悪くて失業率が高い、こういうふうに見ておられますが、国会議員の中にもそういうふうに見ておられる方がたくさんおられますけれども、深く考えてみますと、なるほど需給関係が悪くて、供給側はあふれているとは言いませんが、あるけれども需要が不足して失業がある。こういう部分がやはり基本的にありますよ。これが一つあります。 しかし、先ほどから議論がなされておりましたように、産業構造が大きく変わって労働者が新しい職種に対応できるかどうか、その能力が備わっているかというと、なかなかそうではないという意味でのミスマッチによる構造的な問題から来る失業、これが実は相当強く今あるのではないかと私は思っておりまして、労働省はそのあたりの分析をどれくらいの割合だと計算しておられますでしょうか。
○坂本政府委員 最近の数字、ことしの五月の完全失業率は四・六%であるわけでございますけれども、このうち、おっしゃいますように、需要不足要因によるものが一・五%程度、そしてまたミスマッチなどのいわゆる構造的あるいは摩擦的要因による失業が三・一%程度、私どもはこういうふうに分析をいたしております。
○青山(丘)委員 そうしますと、まず第一に、需要が不足していて失業になっているというのが一・五%程度と考えますと、計算するとおよそ百十万人近く、百万人以上と見るべきでしょう。景気が回復してくればそれは幾らか必ず改善されていく。ただ、景気がよくなってきたからと言って、雇用に結びつくまでには幾らかタイムラグがどうしても避けられない。その谷間をどう埋めるかというのがある意味では今回の緊急雇用対策であり、臨時的な雇用の創出という意味では私は時宜を得たものというふうに理解しておりますが、数字から見ると、七十万人ないし七十二万人の雇用の創出というと、今一・五%の百万人及びそれ以上というものはなかなかカバーできない。しかし、完璧にクリアすべしとまで私が今ここで言うつもりはありません。 なぜならば、景気がよくなれば需要不足失業はもちろん解消するでしょうが、ある程度ミスマッチの分野まで、例えば経理の人であったとはいいながらも営業でとにかくやってもらわなくちゃならないんだというので、需要不足失業の分野へもミスマッチの分野の人たちは入ることができるし、需要不足の失業になり得る人たちでもいろいろな理由で実は本当は経理の方へ回ってもらいたいんだと。さっきの議論と同じことになるのでしょうが、それはやはり構造的な摩擦の方に入ってくるのでしょうから、余り厳格に言うつもりはないのですが、今回の緊急雇用対策がある意味では需要不足失業をすべてカバーするものではない。不足部分をどうするのかという段階では今はまだありませんから、七十二万人は雇用の道が開けたという段階ではありませんので、余り先走って言うつもりはありません。 しかし、なおここにおいても不足部分があるのではないかと私は今ここでなおまだ言っておかなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○坂本政府委員 今回策定をいたしました緊急雇用対策の基本的な考え方といたしましては、従来からの雇用対策で行っております雇用の維持、安定を中心とした対策と、そういったものに加えまして、雇用機会の創出というものを最大の柱に据えて取り組むことにいたしております。そしてまた、その際には、厳しい雇用失業情勢の影響を特に強く受けている中高年齢の非自発的失業者、こういった方々を中心に焦点を当てるということで、全体として七十二万人強、そういった規模の雇用、就業機会の増大策を実施するということにいたしたわけでございます。 このための具体策としては、先ほど来いろいろお話が出ておりますように、成長分野での前倒し雇用ですとか、あるいは、臨時、応急の措置として、国、地方公共団体における雇用、就業機会の創出のための事業、これは一両年の期間を限って実施するというようなことにいたしておるわけでございます。 御指摘ございましたように、雇用情勢の改善のためにはもとより景気の回復が不可欠であるわけでございまして、適切なマクロ経済運営のもとで財政政策あるいは金融政策の果たすべき役割も大きいわけでございますけれども、私どもといたしましても、これまで講じてきております各般の雇用対策の効果的運用とあわせまして、今回のこの緊急雇用対策に盛り込んでおります施策を速やかに実施いたしまして、雇用不安の払拭に最大限努力をしてまいりたいと考えております。
○青山(丘)委員 私が本当に申し上げたいことは、需要不足失業が仮に改善してきた、景気がよくなってきた、しかし、本来的に企業が欲しい人材をきちっと確保していくという体制がなければ本当の日本経済の再生にも雇用の拡大にもつながらないというのが実は私の本意です。職業能力をどう高めていってもらうのか、産業構造の大きな転換に、日本の働く人々の働く力量というか能力というものをどう高めていってもらうと日本の将来展望が開けてくるか、ここが実は私が一番これからも取り組んでいかなければならないことだと、私自身もそう思っていますし、労働大臣を初めとして労働省の皆さん方も相当これは取り組んでいただきたい。こういう気持ちが実は根底にあるという上で今お聞きしたわけですので、また緊急雇用対策のときはぜひしっかり進めていただきたいと思いますし、大臣、補正予算の方は見通しがもう立っておるようですから、ぜひ進めていただきたいと思います。 そこで、問題は、今申し上げたように、需給ギャップによる失業は改善されてきた、しかしなお残されている三・一%のいわゆるミスマッチ。新しく自分が再就職したいという会社において、自分の能力がそれに適しているのかいないのか、適していない場合にはなかなかそちらに進むことができない、再就職ができない。 こういう段階で、三・一%というと、ちょっと計算してみれば恐らく二百二十万人を超すことになるでしょう。三百三十四万人の一・五%と三・一%。需要不足失業の倍以上がミスマッチによるところの失業で、先般の派遣労働も、そういう意味では、今の段階で派遣労働で一時的な雇用でも確保できれば非常にこれは働く人々にとってよいと考えて私はあの法案の審議に当たったつもりでおりますが、問題は、三・一%のミスマッチによる失業者をどう改善していくかということ。実は、その原因をどういうふうに分析しておられるのかということを、私はお互いに共通の認識を持つ意味で理解したいので、お聞きしたいと思うのです。 例えば、賃金が折り合わない、労働時間が、残業が長くてここは嫌だとか、あるいは休日も働きたくはない。それはだれでもそうですけれども、会社の事情によっては出なければならないというようなことがありまして、そういう労働条件による一つのミスマッチがあるのではないか。 それから、年齢が、これはまた年齢になれば大臣が随分お骨折りをいただいて、いろいろと回っていただいて、先ほどの議論の中にも、年齢の数字は職安にはこういう数字で出しましたけれども、あなたの場合、そんなに離れてもいないのでいいのではないか、来ていただきたいというようなケースはありますよと大臣はおっしゃられたが、しかし、一応資料で見ると、自分は三十六歳、三十五歳までと書いてあれば、これはもうだめかというふうなミスマッチもありますね。 それから、何といったって職種によるミスマッチ、これはなかなか容易ではないなと思います。 ただ、しかし考え方ですね。年齢によるミスマッチというのは、大臣が御努力いただいたように、例えば年齢条件を緩和してもらうという取り組みであるいは改善していくかもしれない。それから、労働条件がどうも折り合わないとはいいながらも、現下の雇用失業情勢はなかなか厳しい、求職者にとってそう生易しい状況でないということをきちっと説明すれば、ある程度我慢をしたり納得したりして応募していただけるのではないか。 問題は、率直に言うと、あなたは経理畑の方だから営業は無理ですからだめですねというような形。あるいは、パソコンが全然使えませんから、うちは全従業員一人に一台持ってやっているので、とても無理です。しかし、それも、景気がよくなってくれば、とにかく使ってもらえるようにあるいは社内における人材育成でできるかもしれないのですが。 社会の仕組みとして政府が今取り組む問題として、職種によるミスマッチも、働きたいという気持ちの人たちに能力開発を進めていくことによってかなりの部分解消していくのではないかと私は思うので、そういう人たちが、働く人たちがみずから新しい職業能力の開発に取り組んでいくんです、そしてまた、社会もそういう人たちをできるだけ受け入れて、新しい産業や企業で事業として発展していきたい、こういう労働市場の整備を進めていくことが行政としては今非常に必要な段階にあると考えますと、このミスマッチの要因を一体トータルとしてどのように分析をしておられるのか、それから、今申し上げたようなことについて、御所見があったら聞かせていただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 今の委員の御質問であらかたお答えもいただいたのではないかというふうに思っているわけでありますが、このミスマッチの問題は大変大きい問題で、今おっしゃいました、現行では失業率の三・一%ぐらいはこのミスマッチによる失業ではないか。問題は、そのミスマッチによる失業率というのが、少しずつ右肩上がりで着実に上昇しておるというのが大変残念なことでございます。 現実の問題としましても、安定所だけをとりましても、年間に約五百万ぐらいの新規求人が寄せられるわけであります、もちろん全国の合計ですが。それに対して、二五%ぐらいが実際に就職をされますが、残りの七五%は求人が出ながら結びつかないというふうなことになっているわけでありまして、このミスマッチが解消できれば、我が国の失業問題も相当大きな改善ができるのではないかというふうに思います。 ただ、実際に結びつかない原因としましては、委員いろいろ御指摘がありましたが、大変大きい要因としては、例えば年齢の条件は三十五歳というのがどうも一つの節目になっているようでありまして、安定所へ来る求人の多くは三十五歳というような年齢の制限をかけています。これは、何とか安定所でいろいろ年齢要件の緩和というようなことをお願いしているわけですが、これが大変大きいということがありますし、それから、企業の求める能力と求職者の能力が合致しない。この点については、能力開発を大いにいろいろな分野でやっていかないと、なかなか企業が欲している人材が市場で見つけられないというようなことがあります。 それから、労働者側から見ると、やはり賃金が、例えば離職前の賃金と比べると、特に中高年については相当ダウンをする。若い層では、むしろ安定所の求人賃金の方が実際に勤めている方より高いというような傾向も非常に若い層ではありますけれども、中高年になると、軒並み離職前の賃金よりはかなり下がるというふうなことでございます。ただ、ここのところも、それでは賃金が低いから何かずっと待っていると高い賃金の求人が出るかというと、それはよほどの能力があるとかそういうことがないと難しいわけでありますから、やはりそこのところは、就職をされる中高年の方の意識の改革も例えば重要な問題である。 今のところ安定所も大変多忙で、そこら辺が十分なかなか相談に応じられないというところはまた困ったことであるのですが、安定所の現場の方の声を聞くと、ともかく賃金は少し下がっても中小企業へ例えば就職をして、本当に自分が実力があれば、賃金というのは、大企業よりはずっと中小企業の方が弾力性が高いので回復するケースが多いというふうな声もあります。したがって、ここのところも、求人側にもいろいろお願いしなければいけませんが、求職側についても、その人たちの意識の改革といいますか、今の労働市場の現状を見詰めた上で、例えば就職をしてそこで実力を発揮していくというふうなことも大変大事であろうかと思います。 いずれにしましても、いずれの問題をとりましても、なかなかこのミスマッチというのは大変大きな問題でありまして、いろいろと地道な努力でこれを少しずつ解消していくということがないと日本の失業率はなかなか大きな改善はこれからできないのではないかと思っている、それほど大きい課題であろうというふうに思っております。
○青山(丘)委員 労働条件の問題は、社会情勢との関係で、ある意味での柔軟性で対応できるかもしれませんし、年齢の話も、何も三十五歳は法律で決まったわけでもなくて、先ほど大臣が御答弁になったように、幾らか年齢条件も緩和の方向に来ておるような気がしまして、その努力は私も評価したいと思っております。 ただ、職業能力については、やはり働く人も意識を持ち、自尊心を傷つけない関係というのか、自尊心を持てる職場で働ける力量を持って働いていきたい。会社もそういう方には来てもらいたいのですけれども、そうでない方を余分に雇い入れるような、そういう社会状況ではなくなってきています。 そういう意味も一つ考えますと、職種によるミスマッチの解消は、これから労働省として相当しっかりやっていただかないといけないかなと思いますので、取り組みをひとつ進めていただきたいと思います。 それから、失業者の中で、四十五歳以上と言われる中高年の失業者が百二十三万人おられますが、中高年の方はある程度人生経験が豊かといいますか、さまざまな人生経験をやっておられる。比較的経験がある。それから、持っておられる能力も、思いがけなくと言っては失礼ですが、多様な能力を持っておられる。しかし、そういう人たちが一たび失業者として将来の見通しが立たない、非常に不安になったというときに、やはり年齢的なものもあったり、会社の方も、その人たちがどういう能力があるのかがなかなかわからない。 そういう意味で、一つは、中高年齢者の失業者の方は、一人一人最もふさわしい職業能力の開発というのがなかなか難しいかもしれない。難しいかもしれないが、これを進めていく必要があると私は思いますので、この点、一点だけ質問しておきたいと思います。
○日比政府委員 中高年の能力開発の問題でございますが、御指摘のように、現在のところ、いろいろな意味で能力開発が大切になっております。これは中期的に考えなければならないこともございますし、当面する状況に対応してということもあろうかと思います。 中期的に見ますと、世の中変化が激しゅうございますので、いろいろな形で中高年の方々みずから取り組んでいただく、そして、それを国としてもいろいろな形で支援していくということでございますが、短期的には、今現実に離職されて再就職先を探そうとしておられる、そういう方々に対しましては、今般の対策等におきましても、中高年の方々の職業訓練等のメニューを種々用意させていただいているところでございます。
○青山(丘)委員 時間がなくなりましたので、最後に一点だけ。 働く人々の意識が、最近、自立心といいますか、企業に今まで相当依存しておったけれども、もういつまでも安心して会社に、終身雇用制でないという意識で、みずから能力を高めていかなければいけないのだ、そういう意識は高まってきていると思います。それから、会社も、そういう社会状況になってきた。そういう社会状況とは、雇用を確実に保障できないような社会状況になってきておる。 こういう社会環境の中で、労働者が円滑に労働移動できる、再就職をすることができる、そういうときに一つの重要な視点がこれから必要じゃないかというのは、働く人一人一人の職業能力の評価が客観的にできる、能力に対する評価という視点がこれから非常に必要になってくるのではないか。 例えば、みずから進んで職業能力を開発していきたい、いこうと思っている人にとっても、自分は客観的に見るとこれぐらいの力量があるんだ、そういう評価がないものですから、なかなか本人もよくわからないし、採用しようかしまいかと迷う方もなかなかこれは難しい。それから、会社の中で人材育成をしようとしても、従業員一人一人の能力がどの段階ぐらいまで高まっておるのか、そういう評価というものができない。会社によってはできているところもあるのでしょうが、なかなか一般的に客観的に評価ができない。 こういう評価できるシステムというものをこれからきちっと仕上げていかなければいけないのじゃないか。そういうことが非常に労働移動を円滑にさせていく大きなファクターになるのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○日比政府委員 まさに先生御指摘のとおりだと思います。 労働者が、従来、企業との関係での訓練が中心であったと思いますが、そういう点は今後も重要ではございますけれども、なおみずからの職業の生涯というものを考えて能力開発をする。その際、やはり能力評価の仕組みが必要でございますし、あるいは、そのことは労働移動の円滑化という面にも資する点があろうかと思います。 能力評価につきましては、いろいろな仕組みを今後十分考えてまいりたいと思っております。
○青山(丘)委員 終わります。
○石橋委員長代理 次に、大森猛君。
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。 先ほど来お話がありましたように、雇用対策あるいは少子化対策などを中心とした補正予算が昨日国会に提出をされました。実効ある予算になっているかどうか、対策になっているかどうか、この点はまた予算委員会等、別途にお聞きをしたいと思います。 私ども日本共産党も、この間、不況打開・雇用問題対策委員会をつくりまして、阪神、中部、京浜と、日本の代表的な工業地帯、そこで働く多くの労働者の皆さんのリストラなどについての生の声をたくさん聞いてまいりました。 その中で、今全国で行われているリストラが、とりわけ中高年に対する集中的な出向、転籍あるいは分社化などなど、実にさまざまな手口を使って退職の事実上の強制、あるいは非人間的なやり方あるいは人権無視のやり方とか過密労働、こういうものがどんどんやられている。産業再生法案、あるいはそれに続く次の国会での産業競争力にかかわるそういう政策がもう既に先取りされて行われている、こういう実態などもつかんできたわけであります。 そこできょうは、今後同様のことが予想されるもので重要な、中身のある、そういう具体的な点について何点かお聞きをしたいと思います。 まず最初に、鉄鋼業界、特にNKK、日本鋼管などで行われているリストラに関してであります。 NKK、日本鋼管では既にリストラ合理化計画が発表され、現にもう既に進められております。このNKKでは、全社で三千三百名、分社化による削減を入れると三千九百名、鉄鋼事業部で二千四百、京浜製鉄で千六百人、こういう人員削減計画が既に発表され、それは主として三つのやり方で進められている。 一つは分社化。表面処理の鋼板事業部門はもう既に今月の一日から分社化がスタートをしておりますけれども、十月一日分社化実施の溶接管とあわせて、こういう分社化による削減。それから外注化。ここでは強制出向などやられておりますけれども、こういう外注化。そして三つ目が転籍という形での削減であります。NKKでは、既にこの間、長期にわたって出向、特に管理職はもう四十代から、一般の労働者でも五十歳前後から出向、出向が行われてきた。 今回の人減らし計画の中でも特にひどいと思ったのは、社長からメール一本で、中間管理職の場合ですが、これまでの五十三歳を引き下げて、五十歳で協議退職という形での事実上の退職強要までやられている。NKK本体の職場には、五十歳代の労働者がほとんどいないような職場、部門、こういうものができてきている。例えば、この六月の定年退職者、京浜製鉄所で合計九名のうち、本社本体にいたのはわずか一名で、あと八名が全部出向先で迎える、こういうことになっているわけであります。 政府はかつて、六十歳定年の一般化を労働行政の最重要課題、これは一九八六年、百四国会の当時の林労働大臣の提案理由説明でありますけれども、こういう立場で、六十歳定年を基盤に六十五歳までの継続雇用の促進をする、これが我が国の経済社会の活力を維持し、発展させていくために不可欠だということで、一九八六年、それまでの中高年雇用促進特別措置法にかわって、いわゆる六十歳定年法、高年齢者雇用安定法が、我が党も賛成して全会一致で可決をされました。そういう立場でこの間、労働省も指導などを行ってきたはずであります。 先ほども言いましたように、九人のうち八人までが本体から離れて出向先で定年を迎えるという状況は、職場に五十歳代の労働者がほとんどいないという状況は、こういう高年法、高年齢者雇用安定法、六十歳定年法の立法趣旨に反するんじゃないかというように私は思いますけれども、大臣はこの点いかがでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 終身雇用というか長期雇用ですけれども、統計というか実態でまずお話をさせていただきますと、大企業でも、その会社に入社をして六十までずっと同じ企業にいるという方の割合は二割であります。それから、中小企業は途中の出入りが激しいのですが、やはり同じ企業に六十までいるという方の割合は二割。最終的には、同じ企業に学校を出て最後までという方は、日本全国の平均で見ても、大企業、中小企業同じように二割というような実態になっているわけであります。 それでは、大企業、中小企業で途中で全部解雇されているかというとそんなことはもちろんありませんで、例えば大企業ですとグループ企業で雇用を維持している。そういったことで、終身雇用というか長期雇用というのは、いろいろなシステムで今日本ではそれが守られて、行われているんじゃないかというふうに思います。 今、高齢法における定年制との関係の御質問でございましたが、六十歳を下回る定年を定めてはならないということは、六十歳を下回るその年齢のみによって雇用契約が終了することはない、あってはならないということでございまして、そのほかの理由によっていろいろ出向等が行われるということは定年制の問題とは別であろうと思います。 出向先の企業で例えば五十八歳定年があればそれは高齢法に違反するということでありますが、出向先の企業も六十歳以上の定年制が定められているということであれば、直接それは高齢法のこの定年制に関する規定とは関係のない事柄であります。
○大森委員 私は本来、日本鋼管に入社してやはり日本鋼管の職場で定年を迎える、こういうのが本当は多くの労働者の率直な気持ちじゃないかと思うんですね。出向で籍はあるからいいんだとたちどころにそれを否定してしまう、私は、かねてからの労働省のそういう立場は納得しがたいわけであります。 ともかくも出向という形で定年を迎えられた。しかし、出向せずに、今も申し上げましたけれども、NKKの社員のまま六十歳定年を迎える労働者は極端に少ない。こういう点で、かつて当委員会でも早期退職制度などとの関係で六十歳定年法が事実上空洞化されている問題を言ったわけなんですが、その出向の場合でも辛うじて籍はあるわけですね。ところが今度、きょうここで問題にしたいのは、籍そのものも抜いてしまう、こういう問題であります。 つまり、今度のNKKのリストラ計画の中で、出向者の五十五歳以上についてはすべて転籍の対象とする、こういうのが今出されているわけであります。これは、出向という形で籍は残っていたということじゃなくて、籍そのものを抜いてしまう。その意味では、高年齢者雇用安定法を文字どおり根本から今度は否定するような形になるわけですね。 NKKのその中身というのは、京浜製鉄の人員削減計画、先ほど言いましたように、千六百人削減をする。現在出向者が千五百人いるわけなんですが、その千五百人の出向労働者のうち、五十五歳以上の出向者を対象に出向先企業に転籍させる、そういう方針を打ち出してきたわけであり、合計で対象者は約七百四十人。これは年齢による事実上の解雇、年齢によるNKK本体からの首切り、五十五歳という年齢でもって辛うじて籍だけあったNKKから籍も含めて退職させる、こういうことになると思うんですね。 労働省は、こういう事態が進行していることを御存じだったでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 出向の中には、在籍出向と転籍出向というものが、これは従来から出向の形態としてはあるということはもちろん承知をしております。
○大森委員 私がお聞きしたのはそういうことじゃなくて、出向のときは大体、六十歳まで出向先で働かせるからということで出向しているわけですよ。転籍とかそういう話じゃないわけですよ。こういう計画が出されて労働者が何と言っているか。こんなばかな話があるか、出向をするときは転籍させないから出向に応じてくれ、こう言ったじゃないかと。ところが今度は、出向先で、五十五歳以上転籍ということになっておるわけなんです。 ですから、現在出向している労働者が五十五歳以上については転籍を事実上強要される、そういう事実を知っているかということを伺っているんです。転籍についての同意を得る、そういうことじゃない。あるいは出向についての同意を得る、そういうことじゃない。現在出向している五十五歳以上の労働者に対して、今度は、本社からの出向先企業への転籍を事実上強要するようなやり方について承知されていたでしょうかと伺っておるんです。
○渡邊(信)政府委員 具体的な企業でどういうふうにそれがあるかということは存じておりませんが、今おっしゃったようなケースが仮にあるとすれば、それはもともとの在籍企業からの籍を切るということなので、これは一方的に行われれば解雇になると思いますから、その場合には解雇についての判例法理上いろいろ確立された制約に服するのではないかというふうに思います。
○大森委員 これは二つの問題があると思うんですよ。一つは、今おっしゃった一方的な解雇かどうか、本人の同意があるかどうかという問題であります。もう一つは、こういう出向をしている五十五歳以上の労働者に対して一律的に会社の方針としてそれを要請、強制している。ですから、これは事実上の五十五歳定年制、これをしくと全く同じことになるんじゃないかと思うんです。その点どうでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 高齢法では、六十歳未満の定年制を定めてその年齢に達したことをもって解雇する、あるいは雇用契約を終了させるということは禁止しているわけでありますから、事実上この規定に触れるような、同じような効果を持つ行為が仮にあるとすれば、それは高齢法の違反になると思います。
○大森委員 本人同意という点では、一応、NKKと出向先企業と本人の同意という建前にはなっております。しかし、実際に行われた事例というのは、本人の同意でこういうものがやられるか、決してそういうことにはならないんです。例えば、一人の対象者を何人もで取り囲んで説得する、あるいはオーケーするまで十回でも面接をやらせてもらう、あるいは制度がある限り面接をやらせてもらう。つまり、オーケーを言うまで面接を何回も何回も繰り返してやる。こういうところが現にこういう発言にあらわれている。 こういう形で、事実上強制のもとに、そしてもう一つの大きな問題として、先ほど申し上げました、一律に集団的に会社の方針として五十五歳の年齢で解雇をする、退職を迫る。これは高年法、高年齢者雇用安定法、六十歳定年法に明らかに違反するんじゃないかということを私は申し上げているんです。その点は明確にお答えいただきたいと思うんです。
○渡邊(信)政府委員 個別事案についてということでありますと、大変恐縮ですが、事実を把握しておりませんので明確に答えることはできませんが、一般的に言いまして、一定年齢になったときに退職を事実上強制するというふうな行為があれば、それは高齢法の脱法行為になるということは十分あり得るかと思います。
○大森委員 今私が申し上げたのは、すべてこれは事実に基づくことでありますから、一般的な見地をおっしゃったわけですが、そういう立場から、これは現場に入ってぜひ調査をしていただきたい、そして、必要があれば、問題があればそれを是正させる、そういう措置を早急にとっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○渡邊(信)政府委員 おっしゃったようなケースですと解雇に該当するかもしれませんので、この辺はよく基準局とも相談してみたいと思います。
○大森委員 では、基準局、どうですか。
○伊藤(庄)政府委員 ただいま御指摘があった件は単に特定の企業の個別のケースでございますので、私の方からも今そういった問題について一律的なお答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、出向につきましてはいろいろな裁判例が出ております。そういった裁判上の考え方に即して、私ども、個別の問題が出た場合には、改正労働基準法に基づいてつくられました個別の紛争を早期に解決へ導いていくための制度を新たに運用いたしておりますので、そういった中で必要な対応をさせていただきたいと存じております。
○大森委員 いずれにいたしましても、これは基準局、安定局とよく相談して、何よりも事実関係を調べなくては全然物事の解決になりませんから、ぜひ現場に入って調査をすることをまず第一に、これは安定局長、基準局との相談だけじゃなくて、調査をする、必要があれば、問題があれば是正させるということを改めておっしゃっていただきたいと思います。
○伊藤(庄)政府委員 私ども特定の企業にそういった問題で調査等に入る場合、二つの道がございます。一つは、そうした問題について、そういった問題の当事者、特に働いている方々から申告という形で実際に労働基準監督署に寄せられるケース、またもう一つは、先ほど申し上げましたように、そういった労働基準法上の問題でなくとも、広く民事上の労使間のトラブルについて私ども新たにそういった紛争の解決を促していくための仕組みを用意いたしましたので、そういう仕組みの中で解決を援助してほしいという申し出があったような場合、そういった場合に、そうした企業の方からも事情を聞いたりして、いずれにしてもそういう問題の解決に当たるわけでございますので、そうしたケース、どういう事業所でどういった形で問題が起きているのか今定かには承知いたしておりませんが、もし所轄の労働基準監督署の方にそうした形で申告なり相談があれば、私ども必要な対応はいたしてまいる考えでございます。
○大森委員 私がNKKの労働者に直接話を伺ってこうやって今申し上げているわけでありますから、基準法との関係、あるいは高年齢者雇用安定法とのかかわりで、必ずNKKについて事実関係を調査し、必要があれば是正させるということを重ねて要請をしておきたいと思います。加えて、これは当然かかわりますけれども、本人同意の強要、先ほど事例を紹介しましたけれども、そういうような点についても、これはもしそうした事実があればきっぱり是正をしていただきたいと思います。 〔石橋委員長代理退席、委員長着席〕 次に、こういうリストラによって人減らしがどんどん進められて、今、去るも地獄、残るも地獄、こういうような言葉も生まれるような状況、つまり、人を減らして後にサービス残業の仕組みを一層高度化させる、あるいは一層の過密労働を導入していく、こういうものが各地の職場でやられていると思います。私、日立製作所の事例をこの場でちょっとお聞きをしたいと思います。 先ほど大臣は、午前中の答弁で、産業競争力会議に経営者の皆さんが参加されているけれどもいずれも健全な方々ばかりだとおっしゃったわけでありますけれども、その競争力会議の委員を日立の社長さんは務めておられるわけなんですが、横浜市戸塚区にある日立製作所通信システム事業本部の製造部門で、これまで座って作業をしていた労働者からいすを取り上げる、一日じゅう立ち作業をさせるということが行われております。私は、一昨年、同じく当委員会で、小田原市の同じ日立の系列会社のいすの取り上げ、立ち作業をやっていることを取り上げて、関係者の皆さんの努力もあってこれはいすが復活することになりましたけれども、この日立の戸塚の通信システム事業本部製造部門で全く逆のことが今やられているわけであります。 この製造部門の職場というのは、NTTに納品する電話交換機などを製造しているわけなんですが、回線ユニット、スイッチユニット、ファンユニット、ヒューズ盤など各単位部品となる製品を組み立てて、電話ボックス大の架と呼ばれる箱に組み込んで完成させる。以前は、各単位部分の製品ごとに、組み立てや下見と呼ばれる検査など各作業を専門の労働者が担当、組み立てに必要な部品は自分たちで倉庫から運搬し、部品棚に置いていたそうです。 しかし、そういう中で、JIT運動、ジャスト・イン・タイム運動というものが会社に導入をされまして、職場からすべてのむだをなくしていくということで、とにかく棚という棚、仕事に関係のない食器棚の扉まで全部外しちゃうということとか、いろいろなむだをなくす、そういうことが今やられる中で、今度はいすに座るのもむだだといって労働者からいすを取り上げてしまったわけですね。したがって、台の高さも立った人間の胸の高さになる、労働者に作業台をつくらせて、座り作業などできないような状態にしてしまったわけですね。 JIT運動をどう位置づけているかというJIT運動のパンフレット、「改革マン教育」というパンフレットがあるわけなんですが、その中で、立ち作業を事実こんなふうに言っているんですね。座り作業は、付加価値に対する人の意識を受け身にしてしまう。立ち作業は、この気持ちの面でも、攻めの作業に切りかえができ、付加価値に対して受け身の姿勢でなくなってくる。つまり、座っていたら受け身だ、立って初めて攻めの姿勢になるんだと。 きょう、午前中、攻めの雇用なんという言葉も出てまいりましたけれども、座っていたら守りで、立って初めて攻めになる、こういうのを本当にどのようにお考えになるのでしょうか。労働省のいろいろな仕事も立ってやったら攻めの仕事になる。全員立ってやったらそれこそ攻めの雇用になるのではないか、こういうことになると思うのですが、大臣、こういう点、まず感想をお聞きしたいと思います。
○伊藤(庄)政府委員 今のお話をお伺いしまして、どういった職場で具体的にどんな作業を、いわば座って行う作業ではなくて立って行う作業に切りかえたのか、ちょっとイメージが浮かびませんので、立つこと、それから座ることが作業の能率等にどういう影響を及ぼすのか。また、労働者の方にとって、その作業姿勢が何か無理がある等、例えば腰痛等の方にとってきつい形になるとか、どんな形になるのか、私ちょっと今想像できません。 いずれにしても、そういった問題につきまして、職場の中で安全委員会等があるはずでございますので、労使でそういった問題について必要な話し合いが行われているのではないかというふうに思います。そういった経過を経てそういった作業の態様の変更等が導入されているのではないかというふうに思います。もし、具体的なことで労働基準監督署の窓口の方にもそうした点について、例えば健康等の問題に関連して相談があったりすれば、どういう経過でそういった作業の変更等が行われているのかについては、これらの所轄の労働基準監督署の方で、いろいろ事業主の方からお話を聞いたりすることがあろうかというふうに考えます。
○大森委員 基準局長はもう何年も基準局長をされていて、大企業におけるこういう職場で申告ということがどういう意味を持つか。それはすべての企業ではありませんけれども、少なくとも例えば日立、かつてサービス残業について申告した人がいました。そういう人たちがどういう報復を受けたか。すべての仕事を取り上げられて、今それ自体がまた裁判になっているのです。そんな安易な言葉で言ってもらっては困ると思うのです。これによって多くの人が足がむくれるとか腰が痛いとか、それを訴えているからこそ私はわざわざここで取り上げているのですよ。しかも二度目ですよ。何回も同じ問題を取り上げたくないのです。そんな安易な言葉で言ってもらったら私は本当に困ると思うのです。 先ほど申し上げたが、まだおわかりにならないようなのですが、ここは電話交換機ですね、もう電電公社の時代から、ここで工場が生まれたそのときから三十九年間やってきたのです。全部座ってやってきたのです。三十九年間やってきて、今度はそういう中で、人を減らす、労働を強化しなければいけない、そういうことでこれが持ち込まれているのです。そういう実態を率直にこれは見ていただきたいと思うのです。 今まで座って三十九年間やってきた、これは座ってできる仕事なのです。座ってできる仕事をなぜ立たせてやるのですか。大体あなたがおっしゃったように、安衛則とか、その規則の中では、立ち作業の場合であっても座れる場合はいすを用意しなければいけない、そうなっているわけでしょう。違いますか。
○伊藤(庄)政府委員 個々の具体的な作業の態様について、それがどの程度体に負荷を与える形が生まれているかどうか。具体的な個別のケースについて今御指摘を受けても、私どもそれらについて直接お答えはなかなか難しいわけでございますが、前回も先生からそういった立ち作業の問題について御指摘を受けたことがございます。 今先生から足がむくむ、腰が痛いというような症状が出ているのだ、こういうお話もございました。もし本当に健康なりそういった問題があるのであれば、私ども当然必要な事項を把握するために事業主の方から事情を聞いたりすることもあろうかと思います。先般御指摘を受けた事例についても、そういった形で私ども必要な対応をさせていただいたというふうに記憶いたしております。 そういったことで、先ほど腰痛等の例も私出しながら、もしそういった状況があれば、それは所轄の労働基準監督署において、必要な状況の把握、また安全衛生法等の規則に照らして問題のあることがあればそれは直ちに是正をさせていく、そういう必要な対応はもちろん私ども万全を期してまいる考えでございます。
○大森委員 もっと問題なのは、ここで長年障害者の方が働いていたのですね。その方が、こういう形が導入されたためにそこの場所におれなくなっているのです。 先ほどもお話ありましたけれども、障害者雇用、障害者が働くことのできる職場環境をつくる。そういう職場環境は、健常者にとっても快適な職場環境につながるのではないか。それと逆に、今こういう座ってもできる仕事を立たせてやる。そのために障害者がそこにおれなくなる。この点では、障害者雇用というお話がありましたけれども、促進法との関係で職安の方から企業へ指導に入る、そういう条項もあるやに聞いておりますけれども、この点どうでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 この点は、私どもの担当の方から事業所に事情聴取したようでありますけれども、事業所からの報告ということでは、今御指摘の立ち作業への移行の関係で障害者の方が配置がえになったということはないそうであります。障害者の方についても担務の変更ということを行っており、その結果、配置がえになったことはあるけれども、立ち作業に移行したということの直接の関連で配置がえになった方はないということであるようであります。現在もその障害者の方は当該事業所において引き続き就業中であるというふうに聞いております。
○大森委員 先ほども申し上げましたけれども、安衛規則第六百十五条では、こういう立ち業のためのいすを設置しなくてはならないということが設けられている。あるいは、事業主に対する助言及び指導、今の障害者の雇用の問題でありますけれども、こういうものがあるわけですね。現実にそれまで長くいた障害者が今いられなくなったということは事実でありますから、これは基準局と職安局、協力してこれも調査し、問題があればぜひ是正をさせていただきたい、改めてこれは要求をしておきたいと思います。いかがですか。
○伊藤(庄)政府委員 御指摘がございました安全衛生法等の関係でもし問題があるということであれば、私ども、そういったものの是正に向けて必要な対応はさせていただきます。
○大森委員 それはぜひ、すぐにも行っていただきたいと思います。 次に、また鉄鋼に返りますけれども、今回のリストラ等々が行われている中で、本当に労働者を、言葉は悪いですけれども、だましのテクニックで転籍などを促進する、そういうやり方もとられております。 これは神戸製鋼でありますけれども、神戸製鋼は転籍先七十二社の一つとして、神鋼建材工業株式会社への転籍を募った。この転籍に当たっては、労使間で、転籍先で六十歳まで雇用を保障する、そういう文書まで交わされているわけですね。管理職を含めて十四名がこれに三月三十一日に応じたわけです。いずれの方も神戸製鋼からの出向者。神戸製鋼を退職して出向先に行きなさいということで、退職を事実上、強要、強制されてこの神鋼建材工業株式会社に行ったわけであります。 ところが、三月三十一日に転籍して、それから三週間もしない四月二十日に再建計画、百十名の削減計画がこの神鋼建材で発表されて、これは事実上、指名解雇に近い、こういうものが行われたわけであります。これは、五十六歳以上の組合員、管理職を対象に、指名解雇も含め早期退職、出向、再配置、こういうことになるわけであります。とにかく転籍してわずか三週間もしないうちに転籍先で今度は指名解雇。労働者からは、これはまるで詐欺じゃないか、こんな声が出てくる。あるいは、神鋼建材というのは、神戸製鋼の下請関係、子会社の関係では一番大きい会社なんです、一番関係も深い。経営状況も当然親会社は知っているはずであります。そういうことを知りながら神鋼建材に送ったんじゃないか。そういう意味で、労働者の方が、これはまるでペテン、詐欺じゃないか、こういう声が出てくる。さきに言いましたように、文書で、転籍先で六十歳までの雇用を保障する、確保する、そういう約束をしながら、こういうことをやっていく。 それで、早速、労働者が親会社の労働室に抗議に、物を申しに行ったわけですね。そうしたら、何と言ったでしょうか。もうあなた方は本社の社員じゃないから知らぬ、こんなことを言っているのですよ。 ですから、道義的に言ってもこういうやり方は許されないと私は思うのですが、これは、先ほど大臣にお聞きしましたけれどもなかなか答弁していただけませんが、大臣どうですか、こういう点。
○甘利国務大臣 まず、転籍の段階で雇用契約が終了して新しい雇用契約が始まるわけでありますから、当然、労働者の同意が必要であります。そして、転籍先でいきなり解雇という場合にも、整理解雇の四要件は当然ありますから、それに照らして不当である場合には当然対抗措置はあるわけでありまして、さきの基準法改正でも、個別案件につきましても基準局長が間に入るということができるようになっております。 実は、個別案件につきまして、この間、中央労働基準監督署を視察しましたときに、新しい基準法改正による、基準局長が間に入って相談に乗り調整をするということの効果について聞きましたところ、来ている相談案件は、そこに関してで言えば一〇〇%解決をしたということでありました。 ですから、当時、基準局長が割って入ることについて、どこまで強制力があるんだ、法の裏打ちはあるけれどもそう役に立たないではないだろうかというような疑念も呈されておりましたけれども、中央労働基準監督署に関する限り、割って入っていった場合すべてうまくいったという話でありましたから、いろいろな相談手段を使って解決をしていただければというふうに考えております。
○大森委員 ちょっとかみ合ったあれになったかどうかわかりませんが、大臣の産業競争力会議での御発言、私も全部読ませていただきました。会社の雇用維持、社会的責任等もお話しになっているわけなんですが、この問題、これはもうそういう話以前の問題じゃないか。雇用のモラルハザードなどと言われておりますけれども、会社の道義的責任も何もないんじゃないか。これは当然、そういう転籍先の企業の経営状況を、三週間後の再建計画発表も知りながら、その肝心の転籍対象の労働者に何一つそれを知らせないまま転籍を募る、それを強要する、こういうやり方は絶対あってはならない。 そういう意味では、私は、ぜひ神戸製鋼に対して事情を聴取し、必要があれば指導等を行うことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 先ほど労働大臣から申し上げましたとおり、転籍出向の場合、判例上の考え方というのは一応の確立をいたしておるわけです。また、在籍出向についても、やはり就業規則、労働協約等で包括的な根拠法がない場合には本人の同意を必要とするというような裁判例もあったり、いろいろなものが積み重なっておるわけでございます。 私ども、そうした事例について、いろいろ裁判の考え方等の周知も図ってきておりますし、また、個別に実際に問題が出た場合には、さきの改正によって都道府県の労働基準局がその問題についていわば間に入っていける、こういう根拠規定もつくらせていただいたわけでございます。 ただ、こうした事案はあくまで民事上の問題でございます。したがいまして、私どもが職権をもって、いわば労働基準監督官の権限として、労働基準法違反という罰則つきの規定に違反したことを前提として立ち入っていく、そういった事案とは性格が違うことは御理解願わなくちゃいかぬと思います。 したがいまして、せっかく改正させていただいて、都道府県労働基準局がそうしたトラブルの問題で労使の間に入っていける根拠規定を持ったわけでございますから、もし、そういう具体的なことでいろいろトラブルがあり、あるいは非常に困っている働いている方がおられましたら、所轄の労働基準監督署にぜひ御相談いただいて、そういった新しい根拠規定に基づいて都道府県労働基準局長が問題の解決に御協力できれば、それは私どもにとっても制度の趣旨に沿った運用ができるわけでございますので、ぜひそうした形で、私ども、必要な協力ができるものであれば、万全を期した対応をしてまいりたいと思っております。
○大森委員 これは、一般的な出向、転籍に対する判例その他の措置の問題を聞いたわけではなくて、先ほど紹介したような会社のやり方が本当にあってもいいのかということを伺って、この点は一つもお答えにならないわけなんですね。これはぜひ、今後こうした出向、転籍等々は残念ながらずっとさまざま予定をされているわけなんですが、こういう点での企業としての最低の道義的な責任、労働者への出向もしくは転籍先の企業についてのさまざまな情報の提示とか、そういう点はこの問題を一つの材料にしてぜひ調べていただいて、必要な、それこそガイドラインとかそういうものを労働省としても研究すべきじゃないかと思う。 もう一つこれに関連して申し上げれば、一つは、この神戸製鋼の場合、丸ごと出向なんですね。 御存じのように、とにかく身柄も機械の設備も一切変わらないで、ヘルメットぐらいは変わるかもしれませんが、同じ場所で出向のその翌日から働くことになる。いわゆる丸ごと出向、こういう形をとっているわけなんです。 それで、出向と同時にさまざま条件変更があります。例えば賃金は三十五万から十七万になるとか、さまざま条件が変わるわけなんです。賃金については一定補てんされるような面がありますけれども、今、一番条件が変わり、かつ大きな問題になっている、それが四直三交代から三直三交代に変わる、これはもう大きな変更になるわけですね。例えば年間休日がそれによって六日マイナスになるとか、三直の仕事を二直でやる、ロング勤務が十二時間になるとか、さまざまこういう条件が変わってくる。特に、四直三交代で本当に厳しい、それでも大変なのに、それが三直三交代になれば将来まで続けられるかどうか心配だ、こういう声がたくさん上がっている。罹病率も、一昨年は五割だったのが今は七割になっているというような状況なんですね。 ですから、これは不利益変更に当たるんじゃないかということが第一点。それからもう一点は、三直三交代、これについては労働省としても何らかの措置をこれまでとってこられたと思うのですが、そういう立場から、こういう三直三交代については調べて、必要があれば是正、その勧告等行うべきじゃないか。この二点、お聞きをしておきたいと思います。
○伊藤(庄)政府委員 先ほど来先生からおしかりを受けておりますけれども、どうしても個別の事案につきまして、私どもいわば公務員の中立性という立場からも、やはり私どもとしても事実を本当に確認させていただかないと正確な感想とか違反するとかしているというふうに申し上げられない点については、御理解をいただきたいと思います。 今先生からお話がございました点についてお答え申し上げれば、一つは、労働条件の不利益変更に当たるかどうかという点がございました。これも事実を見てみないと、どういった経過で、あるいは労使間でどんな話し合いが行われて、あるいはその変更に伴ってどんな代償措置等があるのかどうかとか、いろいろなことを見なくてはいけません。 それからもう一つ、予備要員を置かれていないような形での三組三交代制、これについては、私ども、かねて進めてきております残業時間の削減等の対策といたしまして、予備要員が置かれていない三組三交代制のような場合どうしても長時間労働を生む可能性があるので、そういうものについては、もしそういう事実を把握した場合には必要な是正を指導するように通達を発してきております。 そうしたことを対応しておりますので、先生から今お話あったような点も一つの問題提起といいますか、事例の提起として受けとめさせていただきまして、私ども、そういったことを踏まえて、こういった通達の趣旨に即した対応等が所轄の労働基準監督署でできるようには考えてまいりたいと思っております。
○大森委員 終わりますが、時間は十分でないにしろ、事前にはある程度お知らせもしてある問題であります。調べなくてはわからないという面も当然あると思いますので、しっかり調査し、必要な是正等にぜひ当たっていただきたいということを改めて申し上げて、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○岩田委員長 次に、畠山健治郎君。
○畠山委員 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、当面する緊急雇用対策など現下の労働問題の基本的な点について、大臣並びに関係省庁にお伺いをいたしたいというふうに思います。 大変悲しいことではございますが、厚生省並びに警察庁の調べによりますと、一昨年の自殺者の数、それぞれ三万一千七百三十四人並びに三万二千八百六十三人で、伸び率も三五%ないし三四・七%と急増いたしております。警察庁調べによりますと、自殺の原因として経済問題が七〇・四%増加をいたし、まさに不況と失業が反映しておるというふうに言っても間違いないと思います。そのうち、四十歳代から六十歳代の前半までの層が一八・四%を占めております。もちろんこれら自殺者のすべてが失業に起因するとは考えませんけれども、少なくとも四%後半台に高どまりしておる現在の失業率からいたしますれば、大変社会的な問題であろうかと思います。 失業率と自殺者の関係には、どう見てもやはり何らかの一定の相関関係がありはしないだろうか、しかも社会的な問題である、こういう視点から、大臣、この点をいかにとらえられていらっしゃるのか、お尋ねいたしたいというふうに思います。
○甘利国務大臣 ただいま先生から、昨年の自殺者総数の数字のお話がありました。このうち、男性の数でいいますと、平成十年が二万二千三百三十八人、その前の年、九年が一万五千八百八十六人でありますから、四〇%以上の増加であります。そしてこのうち、年齢を四十五から五十九歳というふうに限って調べてみますと、平成十年は八千五百十四人であり、その前年の九年は五千七百四十五人でありますから、四八%以上増加をしているわけであります。 全体の七〇%以上が経済的理由というお話がありました。それでは、自殺者の急増と失業、この因果関係がどうなっているのかということについては必ずしも正確に把握をしておりません。おりませんけれども、いずれにいたしましても、雇用の不安が何らかの要因に加算されている、あるいは要因そのものになっている場合があることは事実だというふうに思っております。 今回、緊急雇用対策を取りまとめました。延長国会の前半が雇用対策、それにかかわる補正予算、後半が産業競争力の政策という仕分けになっておりますけれども、産業競争力で本当に産業に力がついてきて、あるいは新しい産業が育って、それが雇用吸収力になるまでは当然タイムラグがありますから、その間を臨時、一時的あるいは前倒しで雇用を充足していくという意味で緊急雇用対策があるわけであります。 特に、この緊急雇用対策は、失業者の中でもより深刻な中高年の、さらには非自発的失業に焦点を合わせて雇用対策を組んだつもりでございまして、少しでも雇用不安を払拭することができればということを思っております。
○畠山委員 いずれにいたしましても、五月の失業率が〇・二%改善されたということで、大変いい、好ましい方向だとは思いますが、内容的に見ますと、世帯主の失業率は逆にふえているというような中身でありますから、ぜひひとつ、そういう視点からもこの問題をしっかりととらえていただきたい、お願いを申し上げておきたいというふうに思います。 そこで、内閣の雇用政策の基本数値についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。 当初、小渕総理は百万人の雇用を掲げました。次いで、少し性格は違うとは思いますけれども、すぐ後に七十七万人とうたい上げました。そして今回、緊急雇用対策として七十二万人、こう出てまいっております。トータルすれば二百四十万人。トータルするということ自体おかしいかもしれませんが、一体これら三つの雇用政策はどんな関係にあるのかということをまずお尋ねしたいと思います。 また、このような雇用数値が短期間に並べ立てられるのは、結局は、内閣の雇用見通しが極めて甘かったと言われても仕方がないのではないだろうか。そう言わざるを得ないというふうに思います。そういう意味からすると、内閣責任、とりわけ労働行政をつかさどる労働大臣の責任も当然否定するわけにはまいらないのではないだろうかというふうに思います。 さらにこの間、雇用政策研究会報告では、従来型の政策手法については、これまでの政策効果についての評価を行うとしております。そうしますと、これまでの雇用政策について一定の評価を行い、その上に今回の緊急対策が組み立てられたはずであります。これまでの実績に対する評価の説明なしには今度の緊急対策は説得力はないというふうに言われても仕方がないと思うのです。 この三点についてお伺いをいたします。
○甘利国務大臣 確かに、ここのところ雇用対策の具体的な数字が幾つも出されておりまして、その関係は一体どうなっているんだという御指摘はいただいているところであります。 算定の仕方がかなり異なりまして、最初の百万人は、まず雇用をつくるということと雇用を安定させるということが二つ合わさって百万人という数字になっておりますし、これは、どちらかといえばマクロ効果、全体として経済が補正その他も含めて立ち上がっていくとこういう効果が期待されるというようなはじき方でありました。 二度目に出ました七十七万人といいますのは、特定な分野に限りまして、あのときはたしか四分野でありましたけれども、政策効果を上げていくとこの分野で幾ら、この分野で幾らという数字が一両年期待される。 今度の場合は、具体的な予算を割り振りまして、その予算の消化に従ってこういう効果が生まれてくるということでありますから、より具体的だと思っております。 ですから、この三つは、足し算というよりもかなりオーバーラップするという意味合いが強うございまして、必ずしも全部が全部に含まれてしまうということでもないのでありますが、つまり今回の補正で新たに予算追加をしたりしていますから。ただ、マクロ的に表現したものからより具体的になっていく。今回の場合は、具体的な予算を割り振って、それによってこういう数字が出てくるという、ある程度の計算式が成り立っているわけであります。これをできるだけ早期に具体的な成果に結びついていくように、予算を成立させていただいた後にできるだけ早く執行できるように準備態勢をとりたいと思っております。 例えば雇用交付金に関していいますと、基金として都道府県に積んでいただくために条例改正が必要でありますが、それを待って作業をするのではなくて、並行作業で、要請があって、条例が通って、直ちに対応できるように準備だけは進めたいというふうに思っております。 それから、昨年から実施をしてきた雇用対策が具体的にどう検証されているか、その上に今回の対策も策定したのではないのかという御指摘であります。 昨年の四月に策定をいたしました緊急雇用開発プログラムに基づきまして、例えば雇調金の助成率の引き上げを初めとする雇用の維持、安定であるとか、あるいは特開金、特定求職者雇用開発助成金の年齢要件を引き下げ再就職支援をしたとか、あるいは求人開拓推進員を活用して積極的に求人開拓をしたというようなこと。さらに、昨年の十一月に策定をされました活性化総合プランに基づきましては、中小労確法を改正して新規雇用の創出の対応をした、あるいは中高年労働移動支援特別助成金の創設をして失業なき労働移動への支援をしたということをとり行ったわけであります。 これらの実績につきましては、雇用調整助成金制度の支給の対象となる見込みの労働者数でありますけれども、本年五月に約二十七万人、これはこのプログラム実施前の昨年五月と比べますと七倍くらいふえているわけであります。それから、特定求職者雇用開発助成金制度につきましては、昨年の六月からことしの五月まで約三十三万人の再就職に結びついておるわけであります。それから、求人開拓によって五月に開拓できた求人は約九万人でありまして、これは新規求人数全体の二三%となっております。それから、ことしの一月から五月までで、まず改正労確法に基づく支援を受けるための改善計画の申請を受けておるわけなのですが、これがこの間に約三千五百件受理しておりまして、大体一件当たり四、五人の雇用創出効果とみなしますと、この分でいきますと目標の五万人の達成はできるのではないか。それから、中高年労働移動支援特別助成金の支給の対象となる見込みの労働者は大体二千人ぐらいではないかというふうにはじいております。
○畠山委員 いずれにいたしましても、国会でこんな質問をするというよりも、数字が出てくるたびにやはり説明責任があろうかと思うのですよ。きっちりと国民にわかるようにひとつ対応していただきたいというふうに思うのです。 先に進みますが、先日の経済審議会報告並びに雇用政策研究会報告によりますと、二〇一〇年の完全失業率は、前者で三%台後半から四%台前半、後者でも三・七%から四%とされております。今後十年間の完全失業率をこのように見込むということは、内閣にとってもはや完全雇用は政策目標ではないということを意味しているのですか。この点、大臣並びに経済企画庁からお答えいただきたいというふうに思います。
○甘利国務大臣 完全雇用というのをどう設定するか、認定するかということだと思いますが、アメリカはたしか失業率が四・三%になったときに完全雇用宣言をしたと思います。日本とは事情が当然違いますけれども、これは自発的に労働移動が行われる、つまり自分の可能性を試したり、あるいは今の仕事が向かないとか、あるいは新しい職業能力をつけたのでキャリアアップをしたので新しいもっと待遇のいいところに挑戦したいとか、そういうことの比率というのは実はある程度高まるのではないかと思うのでありますが、そこまで、瞬間風速として失業率が出たものを完全雇用状態ではないと認定してしまうと、これはまさに全くゼロになったときに完全雇用だということになって、これは世の中、地球上不可能だと思いますので、少なくとも自分の意思ではなくて失業してしまったという状況が改善されたあたりを雇用状態がベストになったということで見る方が正しいのかなというふうに実は私は思っております。 そうしますと、三%台後半ちょっと過ぎぐらいの数字はかなり雇用が安定しているというふうにみなしていいのだと思いますし、そういう範囲内を目標として雇用対策、政策を執行していきたいというふうに考えております。
○中名生政府委員 お尋ねのございました経済審議会の答申についてお答えさせていただきます。 今委員から御指摘がございましたように、去る七月五日に経済審議会は総理に対しまして経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針という答申をいたしました。これは今後十年程度の長い期間についてのあるべき姿、それからそれを実現するための政策方針ということでございますので、成長率でございますとかあるいは完全失業率というような数字については、答申の中に一義的に書き込むのはいかがかということで、答申につけた参考の中で記述をしてございます。 それで、その参考の中で挙げてあります数字というのは、今後の十年程度においては、経済が新しい回復軌道に回復した後でも、内外の競争激化のもとで産業構造の変化が速まり、産業、職業のミスマッチが拡大すると見られるということなどから、完全失業率を高める要因が多いということで、これは二〇一〇年ごろということでございますが、そのときの完全失業率ということで、幅を持たせて三%台後半から四%台前半というふうに見込んでおりまして、もちろん経済運営を適切に行うということとあわせて、新規雇用機会の創出、あるいは職業能力開発や評価の充実、さらに労働需給の調整機能の強化、こういうことを図っていくことによりまして、できる限り低くするよう努める必要がある、こういうふうに記述をされておるところでございます。
○畠山委員 完全雇用は対象外だというふうなことになりますとすれば、それじゃ、世代間の失業率は一体どうなるのか、当然このことの積み重ねがあってしかるべきだというふうに思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 世代間の失業率ということでございます。これは現在でも、若年者は自発的転職を理由として非常に失業率が高い、それから高齢者についても高いわけですが、こちらの方は非自発的理由によるものが高いということで、こういった年齢による失業率の高低というのはある程度続くと思いますが、先ほども御議論でありましたが、二〇〇五年ごろからは我が国の労働力人口は絶対的に減少傾向に入っていくわけでありますから、その辺まで見ますと、この失業率の傾向というのも将来はやはり変化が生じるのではないかというふうに考えられると思います。
○畠山委員 時間がなくなってしまいましたので、質問の通告はいたしておりますから、要望という形で最後に二つだけ申し述べさせていただきたいというふうに思います。 雇用保険の改正について、来年度改正に向けて今準備をなさっているというふうな大臣の午前中の答弁がございました。その際ぜひひとつこんな方向でというふうなことで、二点だけ御要望申し上げておきたいというふうに思っているのです。 その第一点は、失業期間の長期化に対応する雇用保険給付期間の延長についてぜひ御検討をいただきたい、これが第一点でございます。 それから第二点は、失業、再雇用、失業、再雇用と重なるわけでありますから、その重なった方からすると、かなり給付率あるいは給付期間が短縮されてしまう、こういうことになろうかと思うのですね、二度目の受給の際には。その際にはぜひ、長い期間入っているわけですから、通算制ということも、全部通算するというのはこれは無理かもしれませんけれども、一定の通算というようなこともやはり検討の余地があるのではないだろうかというふうに考えますので、この二点をぜひひとつ改正に向けて御検討をいただきたい。このことでお願いを申し上げたいというふうに思います。 第二点の問題は、言ってみれば自発的失業と非自発的失業の問題でございます。午前中の問題でも大臣お話ありましたように、給付金に濃淡をつけてはどうなのかということも検討したいというふうなお話がありました。そういう事態になるとすればなおさらのこと、自発的退職、非自発的な退職、退職の理由ということが大変大事な問題になろうかと思うのです。 恐らく、今職安で退職理由についてのいろいろなお尋ねをなさっておるというふうに思いますが、そこの数字は恐らくきちんと把握をなさっておらないと思うのです。だとすれば、これから先はここの部分はもっともっと大事にしっかりと把握してもらわなければ困る問題ではないだろうかというふうに思うのです。退職理由が大変大きな問題になるわけでありますから、ぜひひとつこの点検討していただくように強くお願いを申し上げながら、時間になりました、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○岩田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十三分散会