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145回国会衆議院1999/02/09

労働委員会 第2号

発言数
5
登壇者
3
会派数
2
開催日
1999/02/09

会議録

岩田順介民主党

○岩田委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、労働大臣から所信を聴取いたします。甘利労働大臣。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 労働委員会の御審議に先立ち、今後の労働行政についての所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願いを申し上げたいと存じます。  我が国経済は、景気の低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にあります。雇用失業情勢についても、昨年十二月の完全失業率が四・三%、有効求人倍率が〇・四八倍となっており、依然として厳しい状況にあります。また、中長期的には、産業構造の変化や少子・高齢化の進展により、我が国は大きな転換期にあります。  二十一世紀を間もなく迎えようとしているこの重要な時期に、国民に将来不安を抱かせるようなことがあってはなりません。雇用の改善は景気の回復よりおくれることから、今後しばらくは厳しい状況が続くことが予想されますが、このタイムラグをできるだけ小さくし、雇用の安心を実現すること、そして、働く人一人一人が希望にあふれ、安心して働ける社会を実現することが労働行政が果たすべき責務であると考えております。  私は、このような認識のもと、新世紀に向けた繁栄へのかけ橋を揺るぎないものとするため、雇用の創出、安定という堅固な礎を構築することが必要であると考えており、次のような各般の施策を積極的に推進してまいります。  第一は、現下の厳しい雇用失業情勢に対応した雇用・能力開発対策の展開です。  雇用失業情勢の改善のためには、基本的には景気の回復が必要です。しかし、ただ景気の回復を待つのではなく、積極的に雇用対策を推進し、雇用の維持、安定から、一歩踏み込んで雇用の創出を図っていくことが重要です。  このため、政府全体の取り組みとして、百万人規模の雇用の創出、安定を目指し、雇用活性化総合プランなどの対策を迅速かつ効果的に推進いたします。特に、改正中小企業労働力確保法に基づき中小企業における良好な雇用の機会の創出を進め、総量としての雇用の場の拡大を図ってまいります。  就職が困難な方々に対しては、失業中のセーフティーネットの確保に万全を期すとともに、就職支援策を一層強化することが必要です。  このため、中高年求職者に対しては、各種講習やカウンセリング、職場体験講習、民間の教育訓練機関への委託訓練等を体系的に実施するなど、早期再就職を促進するための各般の施策を講じてまいります。  ことし三月卒業予定の新規学卒者の就職状況は過去に例のないほど厳しい状況にありますが、学校等との連携を図りながら、卒業までに一人でも多くの方が就職できるよう全力を挙げて取り組んでまいります。  また、障害者の方々の能力と適性に応じた雇用の場が確保されるよう、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな施策を総合的に推進してまいります。  また、産業構造の変化、勤労者の就業意識の変化等我が国の労働市場を取り巻く環境が急速に変化する中、労働力需給のミスマッチを解消し、迅速かつ的確な結合を実現するよう、労働市場の需給調整機能を高めていくことが必要であると考えております。  このような観点から、前々国会から継続審議とされている労働者派遣法の改正法案については一日も早く成立させていただきたいと考えておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。  さらに、官民相まった労働力需給調整機能の強化を図るため、現在、職業安定法の見直しに係る検討を中央職業安定審議会にお願いしており、その成案を得次第、同法の改正法案を今国会に提出したいと考えておりますので、労働者派遣法同様よろしくお願い申し上げます。  このほか、経済団体等と連携して、求職者が多様な求人情報、産業雇用情報に迅速にアクセスできるネットワークを整備するとともに、厳しい雇用失業情勢に対応すべく、東京、大阪の公共職業安定所等において、土曜日、平日夜間の開庁を行い、求人情報の提供、求職相談等のサービスを実施することとしております。  第二は、少子・高齢化が進展する中で、生き生きと働くための支援策の充実です。  高齢化が一層進展する中で、アクティブエージングの観点に立ち、働く意欲と能力のある高齢者の方々がその知識や経験を生かして働くことのできる社会を実現することが、高齢者個人のためにも、また社会全体のためにも必要です。このため、六十五歳までの継続雇用の推進、シルバー人材センター事業の発展、拡充等を通じた多様な形態による就業機会の確保等により、少なくとも六十五歳までは現役として働くことのできる社会の実現に努めてまいります。また、自助による老後の所得確保を支援するため、確定拠出型年金制度の導入に向け、関係省庁とともに積極的に取り組んでまいります。  さらに、労働者一人一人が仕事と育児や介護とを両立させつつ、生涯を通じて充実した職業生活を営むことができるよう、育児休業制度や、ことし四月から義務化される介護休業制度の定着を促進するなど、労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための施策を進めてまいります。  第三に、一人一人が意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくりです。  経済社会の構造変化や労働者の働き方の多様化に対応した新たなルールづくりを推進するため、改正労働基準法の的確な施行を図り、労働時間の短縮を初め労働条件の確保、向上に積極的に取り組むほか、増加する解雇や賃金不払い事案等労働条件をめぐる問題についても、全国の労働基準監督機関において、迅速、的確な対処に努めてまいります。  また、働く女性が性により差別されることなく、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することは重要な課題です。ことし四月から全面施行となります改正男女雇用機会均等法のもと、職場における男女の均等取り扱いが実現するよう、全力で取り組んでまいります。  職場における安全と健康の維持、確保については、第九次労働災害防止計画に基づき、建設業対策を初めとする労働災害の大幅な減少を図るための対策の徹底や、労働者の健康を確保するための対策の充実などに積極的に取り組んでまいります。さらに、深夜業に従事する労働者が自発的に受診した健康診断に基づく事後措置の実施等健康管理の充実を図るとともに、化学物質の有害性等の情報提供の充実を図ること等を内容とする労働安全衛生法等の改正法案を今国会に提出し、御審議をお願いすることといたしております。このほか、不幸にして労働災害に遭われた方には、迅速、適正な労災補償の実施に努めてまいります。  第四は、多様な個性、能力を十分に発揮できる社会の実現です。  社会経済情勢の変化の中で、労働者が時代のニーズの変化に合わせて職業能力を適切にバージョンアップできるようにすることが重要です。このため、アビリティガーデン等の公共職業能力開発施設における職業訓練を積極的に実施するとともに、教育訓練給付等により労働者の自発的な職業能力開発を支援してまいります。  このほか、パートタイム労働を魅力ある良好な就業形態としていくための取り組みも行ってまいります。  第五は、地方分権、中央省庁再編等へ対応した労働行政体制の整備であります。  行政改革の要請に的確に対応し、効率的な労働行政体制の整備を図ることは重要であります。新しい体制のもとにおいても、雇用の確保、労働条件の整備等これまで労働行政が担ってきた任務を一層適切に果たすとともに、さらに将来のさまざまな課題に備えて、積極的に施策を展開することができるよう取り組んでまいります。  なお、特殊法人の整理合理化の一環として、雇用促進事業団を廃止し、雇用・能力開発機構を設立することを内容とする雇用・能力開発機構法案を今国会に提出いたしましたので、よろしく御審議をお願い申し上げます。  このような施策の展開に加え、経済社会のグローバル化の中、積極的な国際労働行政の展開が重要であります。国際会議等において我が国の立場を主張しつつ諸外国の経験からも学ぶとともに、アジアの代表としての役割を果たしていくことが必要であると考えております。  また、各般の施策の推進や諸課題の解決には政労使の一致協力した取り組みが必要です。このため、良好な労使関係の維持発展、政労使の意思疎通の促進に心を砕いてまいります。  以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信の一端を申し述べました。今ほど、労働行政がクローズアップをされ、国民の期待が大きいときはありません。私は、労働行政がこれまで積み上げてきた知識、経験と施策の総力を挙げて、国民の雇用に対する不安を払拭し、再び希望と活力にあふれた経済社会をつくり出すべく全力を挙げて取り組む所存であります。  委員長を初め、委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)

岩田順介民主党

○岩田委員長 次に、平成十一年度労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。野寺労働大臣官房長。

野寺康幸労働大臣官房長

○野寺政府委員 お手元の資料に従いまして、平成十一年度労働省関係予算案の概要について御説明申し上げます。  初めに一ページでございますが、全体の予算規模について御説明申し上げます。  労働省所管の一般会計は五千百九十億円で、前年度に対し百九十三億円の増額となっております。  労働保険特別会計につきましては、全体で五兆五千四百六十九億円で、前年度に対し千九百五十七億円の増額であり、勘定別には、労災勘定は一兆九千二百一億円で千二百九十七億円の減額、雇用勘定は三兆六千二百六十八億円で三千二百五十四億円の増額となっております。  また、石炭勘定の労働省関係分は百六億円で、前年度に対し二十五億円の減額となっております。  これを主要事項別に見てみますと、二ページ目にございますとおりでございます。  また、その主な内容につきましては、新規事項を中心に御説明申し上げます。  まず、三ページでございますが、第一は「安定した職業生活の実現に向けた雇用・能力開発対策の積極的展開」でございます。  ここには、今回の労働省予算の最重要課題でございます雇用対策の柱、雇用活性化総合プランを実施するために必要な経費が計上されております。  その一は、労働力の需要サイドについて雇用機会の創出、確保を図るための総量としての雇用の場の拡大であり、さきの臨時国会で改正されました中小企業労働力確保法に基づき、創業、異業種への進出を行う中小企業の雇用管理改善への支援を行うとともに、ベンチャー企業など活力ある中小企業に対する支援をより一層強化することとしております。  その二は、四ページの労働力供給サイドについて、労働者の職業能力の向上を図るための労働者の就職支援対策の拡充強化でございます。  特に、再就職が厳しい中高年の非自発的離職者について就職支援事業を体系的に実施する中高年求職者就職支援プロジェクトを推進していくこととしております。  一方、今春新卒者の就職内定状況についても、例年になく厳しい状況ですので、就職面接会の開催、学生職業センター等における求人情報の提供やきめ細かい職業相談を実施していくとともに、若年者が早い時期から職業意識の形成が図られるよう関係機関と連携しながら、インターンシップの一層の普及促進に努めてまいる予定でございます。  また、働く意欲と能力のある障害者の方々が社会参加することができるようにするため、厳しい雇用情勢を踏まえ、障害者の雇用、就労機会の確保を図るため、障害者緊急雇用安定プロジェクトなどを実施する予定であります。  その三は、六ページの労働力需給のミスマッチの解消でございます。  経済団体と連携して、地方公共団体、公共職業安定機関等に分散しております求人情報等のネットワーク化を進め、求職者が多様な求人情報にアクセスできる仕組みを整備する予定であります。  その四は、七ページの失業中のセーフティーネットの確保でございます。  訓練受講中の失業給付期間の延長措置、その他受給者増に対して、セーフティーネットとしての失業等給付費の増額をいたしております。  第二は、「少子・高齢化が進展する中で、いきいきと働くための支援策の充実」でございます。  その一は、アクティブエージングの観点に立った高齢者雇用対策の総合的推進であります。  その二は、八ページでございますが、職業生活と家庭生活の両立支援対策の充実でございます。  労働者一人一人が仕事と育児や介護とを両立させつつ、生涯を通じ充実した職業生活を営むことができるよう、育児休業制度や、今年四月から義務化されます介護休業制度の定着促進を図るとともに、介護休業給付制度の円滑な施行に努め、育児、介護を行う労働者が働き続けやすい環境の整備に努めることとしております。  その三は、高齢期の生活安定のための勤労者への支援でございます。  少子・高齢化等に対応して勤労者の老後の生活安定を図るため、財形年金貯蓄制度を見直し、勤労者に係る確定拠出型年金制度の導入に取り組んでまいることとしております。  第三は、九ページでございますが、「一人一人が意欲にあふれ、健康で安心して働ける環境づくり」でございます。  その一は、創造的な働き方を促進する労働時間法制及び労働契約等法制の整備でございます。  我が国経済社会の構造変化や労働者の働き方の多様化に対応した新たなルールづくりを推進するため、昨年成立した改正労働基準法の的確な施行を図り、また、厳しい経済情勢を反映して増加する申告、相談に的確に対応することとしております。  その二は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等対策の推進であります。今年四月からの改正男女雇用機会均等法の全面施行とあわせて、職場における男女の均等取り扱いが実現するための施策、職場におけるセクハラ防止対策の推進を図ることとしております。  その三は、十ページでございますが、労働時間短縮対策の推進であります。  小規模事業場における労働時間短縮に向けた取り組みを促進するとともに、引き続き、年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減を図ることとしております。  その四は、賃金対策の推進であり、賃金制度の整備、改善に意欲を持つ中小企業等を対象に支援を行うこととしております。  その五は、労働災害防止対策の推進であります。  昨年策定されました第九次労働災害防止計画に基づき、死亡災害の撲滅や、企業における安全衛生管理活動の活性化を図っていくこととしております。  その六は、十一ページでございますが、労働者の健康確保対策の推進であります。  労働者を取り巻く環境が変化する中、労働者の健康影響への不安が高まっている状況に的確に対応するため、産業保健活動、健康診断の効果的活用による健康管理の充実、深夜業に係る対策の強化及び化学物質による健康障害予防のための対策、研究の推進を図ることとしております。  その七は、十二ページでございますが、労災補償対策の推進でございます。  業務上疾病等の複雑困難事案の迅速処理のための体制整備や、重度被災労働者に対します介護施策の推進を図ることとしております。  そのほか、八の中小企業勤労者福祉対策の推進や、九の労使の合意形成の促進を図ることとしております。  第四でございますが、十三ページでございます。「多様な個性、能力を十分に発揮できる社会の実現」であります。  その一は、多様なニーズに応じた能力開発でございます。  経済社会環境の変化の中で、労働者が時代のニーズに合わせて職業能力の開発、向上を図ることができるようにするため、公共職業能力開発施設における職業訓練の効果的な実施を図るとともに、職業能力開発総合大学校及び職業能力開発大学校の設置による公共職業訓練高度化を推進することとしております。また、教育訓練給付制度等によります労働者の自発的な職業能力開発への支援を行うこととしております。  その二は、テレワーク、在宅形態の労働等の広がりに対応した施策の展開でございます。  テレワーク勤務に係るさまざまな相談ニーズに対応できる各種情報機器を備えたテレワーク体験・相談センターを開設し、テレワークを導入しようとする企業及びテレワークを行いたい勤労者向けの試行、体験に応じられる体制の整備を図ることとしております。  そのほか、十四ページでございますが、三のパートタイム労働対策の推進や、四の産業ごとの特性等に配慮した雇用管理改善対策等の推進、また五の特別な配慮を必要とする人々への雇用対策等の推進を図ることとしております。  第五でございますが、「国際化への対応」でございます。  その一は、労働外交の展開でございます。  我が国経済社会を取り巻く環境の大きな変化に伴い、国際的な協調が一層重要となる中、活力ある高齢化実現のための国際シンポジウムの開催や、経済危機にございますアジア・太平洋諸国における雇用、労働問題の解決への支援を図ることとしております。  このほか、二の開発途上国の人づくりを通じた国際協力の推進や、十五ページにございます三の外国人労働者問題への適切な対応を行うこととしております。  最後に、第六でございますが、行政体制等の整備でございます。  労働行政の情報化の推進など行政体制の一層の整備を図っていくこととしておりますが、地方分権、中央省庁再編及び特殊法人改革等への対応ということで、地方事務官制度の廃止とこれに伴います地方機関の整備、省庁再編に伴う労働行政体制の整備、雇用促進事業団の廃止及び雇用・能力開発機構の設立を予定いたしております。  以上をもちまして、労働省関係予算案の概要の説明とさせていただきます。  何とぞよろしくお願い申し上げます。

岩田順介民主党

○岩田委員長 以上で大臣の所信表明並びに平成十一年度労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。  次回は、明十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時三十三分散会

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