予算委員会 第21号
- 発言数
- 314 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1999/07/15
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 平成十一年度一般会計補正予算(第1号)、平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。
○海江田委員 おはようございます。民主党の海江田でございます。これから、一時間十五分でございますが、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、今回の予算委員会は二日間でございまして、きのう一日終えまして、きょうが二日目でございますが、きのうの予算委員会を聞いておりまして、今度の補正予算、重点的な項目が雇用でございますので、雇用の問題につきまして、一つは甘利労働大臣から、雇用の問題を同列に考えてほしくないと。同列というのは恐らく、超過債務の問題でありますとかあるいは設備の超過の問題でありますとか、そういうものと同列に考えてほしくない、やはり企業がリストラに走らないようありとあらゆる努力を傾けていくというようなお話がございました。 それから、与謝野通産大臣からも、これも昨日佐々木委員の質問でございますか、リストラをどういうふうに考えるのかということで、もちろんリストラも必要だけれども、日本人のメンタリティーというものがあるんじゃないだろうか、特に会社をかわるような場合には、そういうメンタリティーの問題があるから、できることなら、同じ会社の中で新たな成長の分野に、あるいは子会社などのところに労働力を移動していったらいいんじゃないだろうか、こんなようなお話があったかに思うわけでございますが、肝心の小渕総理の基本的な雇用の問題に対する考え方、これがきのうの質疑では出てまいりませんでしたので、ぜひお聞かせをいただきたいと思うんです。 確かに、甘利労働大臣がおっしゃるように、この雇用の問題、とりわけリストラの問題というのは、ほかの過剰の問題と同じような形で考えられない面もあるかと思うんですが、ただ、それとはもう一つ別な考え方としまして、これはアメリカの八〇年代後半から九〇年代前半の景気回復のときに、ジョブレス・リカバーと言っておりましたけれども、雇用を一回失うと、失業者がだから一回大量にふえていく、一時はアメリカも一〇%になりました。だけれども、そうやって一回失業者はふえるけれども、その後新しい産業が起きてくることによって景気全体がよくなっていくんだ、こういうような考え方も片一方にあるわけですね。 ですから、積極的に、そういう意味では失業者がふえてもやむを得ないんだなというような考え方も片一方においてはあるわけでございますから、やはり今の雇用というものを大事に守っていくような方にウエートを置いていくのか、あるいは、いっときはジョブレスになっても構わないから、日本の経済を、構造改革を通じて景気回復をさせていくんだ、どちらのお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 私は、実は、すべからく第三の道ということを申し上げております。 今般のこの雇用問題に対しましても、今海江田委員が御指摘のように、米国の例は、企業の再生の場合には、厳しいレイオフを行うことによりまして、かなりドラスチックに雇用を削減して企業の再生に努力をするという点があるんじゃないか。 この間、ある経済人が私に、ボーイング社が非常に経営危機にあったときに物すごいリストラをやった、シアトルに行きましたときに町でタクシーに乗ったら、タクシーの運転手さんの経歴にみんなDRと書いてあったということでございまして、そういう形で企業再生を願って、そのために、企業が経営を取り戻すのに時間的に非常に早い形でできる。 一方、欧米とよく言いますが、欧州の方は、どちらかというと、いろいろの失業に対する手当そのものが厚遇されております。今でもフランス、ドイツはかなり、一〇%以上の失業率があります。したがって、失業しておりましても生活にさほど困難性を感じないという形だろうと思うんです。 私は、いずれの道でもない形、すなわち、日本において終身雇用制、年功序列型で来た中で、このままでいいとは思いません。また、現下の厳しい経済情勢の中で、それぞれ企業におきましても生き残りをかけて厳しい経営状態にあるということですから、そういった点で、企業がエンプロイについてこのままでいいとは思えないということもこれまた理解するわけです。 さりながら、昨日もいろいろ通産大臣も労働大臣も言われましたように、米国型の状態、これは、米国にはそれなりの、失業した場合にそうした失業者がある程度流通できる市場といいますか、そういうものがありまして、その中で、それぞれ新しい仕事を目指したり、おっしゃられるようなベンチャーに飛び込んでいったりというところがありますが、日本は、長年の労働慣行、また終身雇用制、年功序列型の中で、それほどドラスチックにやっていきますと、先行き非自発的ジョブレスとなった方々が展望がなくなってしまう。さりながら、では欧州型の手厚い保護政策で、失業していてもしていなくても同じだというような形であることも望ましいことではない。 そこで、私は第三の道と申し上げておるんですが、その中で、日本型のこうした事態における対応の仕方を考えるときに、現時点においては、やむを得ず失業した場合に対する手当てというものを、この一両年いろいろな形で手当てをしていくとともに、企業体におきましても、できる限り企業の中で、将来の経営を考えて米国型にすべて割り切って、人が多くなったから全部解雇だというような話にはならない形を目指しているのが、実は、今回こうした形で法律案を出させていただいて予算的措置も講じようというのが私の基本的考えである、こう御理解いただければありがたいと思います。
○海江田委員 第三の道というのはイギリスのトニー・ブレアさんが言ったことで、私どもの党の中にも第三の道ということを考えておる人たちがいるわけでございますが、その意味では大変、言葉としてはなかなかいい言葉でございますが、ただ、総理自身もこれはそういう懸念をお持ちだろうと思いますが、第三の道ということを言うことによって、これまでと余り変わらないんじゃないだろうか、あるいは現存の日本の構造あるいは雇用の慣習をそのまま残した形になりはしないだろうかという懸念ですね、これはやはり恐らく総理自身も、今の答弁の中で、そういう懸念を片一方で持ちながら発言をされたように私は受けとめるわけでございます。 そこで、総理が、これは経済戦略会議でございますが、戦略会議に諮問をなさいまして、そしてその答申をいただいた。ことしの二月二十六日に「日本経済再生への戦略」という、これも何度も総理もお読みになっただろう、あるいは議論もすべて了解をしておるだろうと思うわけでございますが、ここに書かれております「経済回復シナリオと持続可能な財政への道筋」という部分でございます。 そこに結論的に書いてあるわけでございますが、これは、第三の道というよりも、やや米国型といいますか、例えばこういう文句がございますけれども、「雇用流動化が予想以上のスピードで進展する可能性がある。その場合には、一時的に失業率の上昇が不可避となるが、それはむしろ「新しい人的資源大国」としての日本を作る絶好の機会と前向きに位置づけ、必要な対策を採るべきである。」というような表現もあるわけでございます。 中心的になっておる方たちが経済人の方々であるというようなこともあるわけでございますが、これはどちらかというと、第三の道というよりも、むしろ米国型に近い雇用のあり方あるいは構造改革の方向性というものを示しているというふうに私は理解するんですが、いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 経済戦略会議の答申は、今委員が御指摘した方向を述べられておるものと理解しております。これは、中長期的に今後の日本のあるべき姿を描きながら、かなり長い道での方向を打ち出しておるということだろうと思います。 すなわち、欧州型と申し上げましたが、欧州におきましても、今ドイツにおいてはシュレーダーさんが各種の年金、保険の改革をしておる。現在のいわゆる付加価値税の引き上げで賄ってきたものの限界が来ておるということで、かなり熱心に取り組まれておる。 フランスは、実は大統領と首相の間に考え方が若干、これはコアビタシオンですからやむを得ませんが、ジョスパンさんなどはもっとしっかりとした、失業保険も含めて制度改革をやる、一方シラクさんは逆の方向を示唆しておるようですが、いずれにしても現在非常に高い付加価値税によって賄われる失業対策というような形になっています。 そのレポートは、どちらかといえば、おっしゃられるようにアメリカ型といいますか、今グローバルスタンダードというものがややアングロサクソン・スタンダードに近いものでございまして、そういった意味で、経営のあり方その他いろいろ考えましても、もちろん日本の企業も欧州に相当進出しておりますが、やはり何といっても中核はアメリカである。すると、アメリカで経営しておる日本の企業といえどもアメリカンスタンダードでやはり経営をしていかなきゃならぬ、こういうようなこともございまして、やや、おっしゃられるように、私も、拝見してみますれば、そちらの方向性を目指しておるという感じはいたしておるところでございます。
○海江田委員 ということになりますと、それを若干日本的に押し戻しをしたというのはおかしいかもしれませんけれども、日本の現実を見ながら、軌道修正というか少し道を修正しているのが総理の基本的なお考えだ、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
○小渕内閣総理大臣 軌道修正といいますか、その答申は、中長期的にわたって将来の日本を展望した場合、こうした形でいかないと二十一世紀の日本が問題があるのではないかという形で熱心にお取り組みいただいた形のレポートです。が、現実は、今のこの日本において、そのままその物差しを当てはめて、きょうの段階、一九九九年の段階のこうした経済の状況の中での失業問題に取り組むということにおいては、そのままにというわけには、正直申し上げられないと思うのです。 繰り返しますが、日本の長年の慣行の中で、やはり労働者の皆さんも、年功序列型終身雇用の中で生きてきて、将来の設計もその中であるという中で、今日、大きなグローバリゼーションの中で、日本経済も大きく進展をしていかなきゃならない。この厳しい状況の中でどう考えるかということですが、日本の政治をお預かりしている立場とすれば、一遍にドラスチックに変革されるということになると、ますますもって不安感は高まるわけですから、その間をいかに切り抜けていくといいますか、いかに残念ながら非自発的に失業せざるを得なかった方々の生活を安定をさせていくか、そして将来新しい職場を目指すなり新しいベンチャーを目指すなりということの一歩を踏み出しながら現在を何とか乗り切っていく手法として、今申し上げたような形でこの雇用問題に全力を挙げてその対策を試みようというのが、今回この予算をお出ししたゆえんのものもその前提で考えておる、こう理解していただければありがたいと思います。
○海江田委員 どうして私が今のような質問をしているかというと、実は私どもは、今回のこの補正がおよそ五千二百億円でございますが、これはやはり小さ過ぎると思っているわけですね。基本的にそういう認識が、はっきり言ってございます。 それはどういうことかというと、小さ過ぎるということ、何でこんな小さい規模になったのかということを考えてみたわけです。 一つには、財政の側からの枠組みもあるでしょう、これは。ちょうど五千二百億円ぐらいならば、赤字公債の発行あるいは建設公債の発行がなしに何とかおさまることができる、こういう要請ももちろんあるだろうということ。 それからもう一つは、やはりこれからどういう形で失業者が出てくるのかということを、中長期といいますけれども、やはり中長期的に二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇五年ぐらいまでどういうような形で出ていくのかなということをある程度お考えになっていて、そして、今こういう手を打てばこういうふうになるし、そこに対してこれだけの手当てをすればいいというところで、やはりこれは数字が出てこなければ本当に意味のない数字でございますから、そういうためにどの程度の失業というものがことし出てくるのか。それとも、あるいは企業がやむなくやはりリストラをせざるを得ないのか、あるいは企業にリストラをさせなければいけないのか、そういうことをやはり、基本的なことを考えておかなければいけないと私は思うわけですね。 今総理は、るるお話ありました。一言で言えば、なかなか含蓄に富んだお話でございますし、それから、フランスの例ですとかイギリスの例もよく御存じで、それはもうよく、敬服をいたしております。ただ、一つだけ問題なのはやはり日本の問題になりますと、まさに日本の問題が一番大切なわけでございますが、やはり日本の問題になりますとどうしてもいわば問題先送りのような傾向がないだろうか、ありはしないだろうか。 それから、この経済戦略会議では、有識者、学者でありますとか、それからアナリストでありますとか、あるいは民間研究機関にアンケート調査を行っているわけですね、これは参考資料の一のところについておりますけれども。今後六年の日本経済の姿で、どのくらい失業率がこれから六年間、これは九八年の段階でやっておりますけれども、まさに九八年から二〇〇三年までの間に失業率がどのくらいになるかということ。 一つは、標準ケースとなっておりますけれども、現状の政策のままで推移する場合ということで、これは現状の政策というのは去年の暮れからことしの春でございます。ですから、今回の補正なんかは入っていないわけですけれども、ことしの年初までのケースで推移した場合ということで、これで見ますと、九九年の失業率は五・一%、二〇〇〇年が五・三%、二〇〇一年が五・四%。この五・四%、二〇〇一年がピークになりまして、二〇〇二年が五・三%、二〇〇三年が五・二%という形で、現状のままでいくと二〇〇一年がピークになって、しかも五・四%までいって、そこから二年、三年とだんだん、少しずつではありますけれどもよくなっていきますよと。これが標準ケースです。 それから、政策実施ケース。政策実施というのは、まさにこの経済戦略会議が提案をしております政策を実施した場合どうなるかというと、九九年は五・〇%、それから二〇〇〇年も五・〇%でございますが、二〇〇一年から四・七%、二〇〇二年が四・四%、二〇〇三年が四・一%という形で、むしろ失業率は、ことし、それから来年の五・〇%をピークに、これからだんだん減っていくわけですね。 あるいはもう一つ、危機シナリオということを書いておりまして、この危機シナリオというのは、標準ケース、つまり現状維持のままでいくと幾つか危機がありますよということ。この危機にはいろいろな内容がございますけれども、この危機が顕在化をしまして、危機が現実のものとなって、そしてさらに一段の景気後退があったときどうなるだろうかということで考えていきますと、このときの失業率は七・三%にまで高まってしまうということが言われているわけでございます。 ですから、その意味では、私は、この三つのケースをとった場合、それから中長期的に考えた場合、やはりことしの、とりわけこの補正でもって雇用の問題に対してはしっかりとした方向性を打ち出しておいて、しかも、これは総理自身もちょっとお触れになりましたけれども、アメリカ型と言うけれども、アメリカ型にもセーフティーネットがないわけじゃないわけですよ。あるわけですよ。だけれども、もし第三の道を言われるのだったら、原則アメリカ型だけれども、そのかわり、セーフティーネットをしっかりしたものにしますよと。 私なんかの言葉で言うと、人々が安心をして失業できるようなシステムをつくったらどうですかということ。これは、きちっとした給付がもらえるでありますとか、あるいはきちっとした再訓練が受けられますでありますとか、やはりそういうような方向性を打ち出すべきではないだろうかなというふうに私は考えておるわけでございますが、いかがでしょうか。 総理が今のまま、それから、この雇用の対策をトータルで五千億程度の、五千億の中にも種々ございます、少子化対策ということで二千億また中に含まれておって、それを除くと三千億しかございませんけれども、その程度の規模の手を打って、これでもって本当に雇用の対策が十全なんだというようなお考えですと、果たして本当にこれからこの日本の、先ほどお話をした標準ケースの中に含まれている危機のファクターというものが顕在化をすることになりはしないだろうかという心配を私は持っておるのですが、いかがでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 今回お出しをいたしております補正予算につきまして、その原資を国債に頼らなかったことについての御評価をいただきましたが、このことはやはり心していかなきゃならぬことだと思いますが、単に今度の補正だけでなくて、御案内のように、十一年度本予算におきましても、この雇用対策というものは重点の一つであるという前提に立ちまして、約一兆円のお金を用意いたしまして、今継続してその政策を遂行しております。 それに加えまして、やはりこういう問題については即時即決で対応を積み重ねていく必要があるという前提で、こうして夏、国会をお願いして延長していただいて、この補正予算を出させていただいておりますので、単に今回の五千億を超える予算だけですべてを賄うという考え方でなくて、継続した中でさらに追加してこうした対策を講じようということである、こう御認識をいただきたいと思っております。 なお、念のため、申し上げませんが、ブレアさんの第三の道というのは、この間ブレアさんともいろいろお話ししましたが、必ずしも、私が今申し上げておりましたのは、例えば、この雇用問題に対して言えば、これも一つの第三の道だ、こういう考え方で申し上げておる、こう御理解いただければありがたいと思います。
○海江田委員 総理の今の前段のお話でございますが、大蔵大臣は、昨日も、第二次補正に対して非常に柔軟なお考えを持っておるのですが、総理も、今の発言を聞きますと、第二次補正について柔軟なお考えを持っておる、そういうふうに理解していいわけですか。
○小渕内閣総理大臣 昨日から、委員各位からもこの問題をお取り上げされておられました。 しかし、第二次補正予算ということにつきましては、四—六のこれからの経済の動向等も見ながら対処すべきだということでありまして、大蔵大臣の御答弁は、必要とある環境が生まれればこれはなすべきことはしなければならないということは、それはそのとおりだと思います。 ただ、この雇用対策についての第二次の補正ということを今考えていることはないわけでありまして、日本経済全体の中で財政が責任を果たさなければならない問題として、これからの日本経済の状況を時々刻々検討していかなければならないことで、これは一番、専門家である海江田先生御案内のとおりでございまして、雇用の問題も、言えば、日本経済が本当に多くの雇用を抱えることのできるような活性化ができていくという情勢の中であれば、先ほどお示しされました幾つかのシミュレーションの最も低い数字として抑えられていくということがまず政治の大きな課題である、こう考えておるところでございます。
○海江田委員 これも総理に伺っておきたいわけでございますが、特に今、これからの四—六月のQEも見なければいけないというお話がございましたけれども、今の景気の認識というのは、先日の月例経済報告にもありますけれども、景気はやや改善はしている、ただ、やや改善はしているけれどもこれで完全に底打ちではないよと。底打ちではないわけですから、まだまだ本格的な回復と言われるものからほど遠い状況にある、こういうような認識だろうと思うのですね。 そこで、今、やや改善はされた、しかし底打ちではないというところから、これからどうやってこの日本の景気を回復させていくのかというとき、やはりこれも、大きく分けると二つの考え方があると思うのですね。 一つの考え方というのは、今一番大きな問題というのは、一説には四十兆円とも、あるいは八十兆円とも言われておりますが、需給ギャップがどうしてもここのところにあります。このギャップがありますから、民間の設備投資なんかはどうしても出てこない、それからもちろん個人の消費も出てこないということでありまして、このギャップをどうやって埋めるかというときに、一つは、供給サイドの方から、サプライサイドの方からこれを改善していこうという考え方と、それからもう一つは、需要サイドの側からこれを何とか、景気回復の道のりをつけていこうという考え方。 この需要サイドの方からいえば、当然、公共事業をこれからももっともっとやりますよ、あるいは場合によっては減税もやりますよというのは一つの考え方ですね。需要サイドの考え方ですね。それに対して供給サイドの考え方というのは、いや、そうではなくて、例えば需給のギャップの問題でも、先ほどもちょっと触れましたけれども、いわゆる過剰三兄弟のような、つまり、設備投資の過剰もあるし、それから債務の過剰もあるし、雇用の過剰もあるし、この過剰を何とか削減していく努力をしなければいけないんじゃないだろうか。 過剰な債務に対しては、債務の株式化でございますね。それから、過剰な設備には、これから恐らく法律が出てくるんでありましょうけれども、その設備投資の廃棄について何らかの形で税制でもって後押しをしなければいけないということ。それから、過剰な雇用については、やはりこれはリストラを促進して、そしてそれに対して新しい雇用の産業を起こしていこうとか、こういう考え方もあるわけですよ。 総理の場合、やはりこれもまた第三の道とおっしゃるのかもしれないけれども、だけれども、基本的に軸足をどっちに置いていくのか、今喫緊の問題はどこにあるのかということ、このことを総理自身の口からお述べいただかないと、本当に何をお考えになっているのか、それから政策が定まっていかないわけですね、これは。いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 これは何月何日までディマンドサイドの政策を講じ、何月何日からはサプライサイドというようなことはないので、これは、並行していろいろな政策をともに講じていかなければならないのだろうと思います。 ただ、政策的にやってきたことを考えますと、若干ディマンドサイドのことで、減税もお許しいただいて、法人税を初めとして相当引き下げさせていただいておりまして、かなりそうした——効果そのものがどの程度あらわれているかについてはまだ、実際の税の支払いは来年になるのかもしれませんが、それを予定しながら企業も経営をされておるという事実もありまして、そういった点も、政策的にはかなり実行した。 しかし、これから、おっしゃっているように、サプライサイドの問題についてさらに本格的に取り組んでいかなければ、両々相まっての政策効果というのは生まれてこない、こういうことで今御指摘ありましたが、これから法律案も出させていただいてまいりますけれども、ぜひそうした点で、二つの大きな経済政策の根本的な問題について、これがより相乗的、効果的な発揮のできるような政策をこれからより検討して、できるものからやってまいりたい、これが基本的考え方でございます。
○海江田委員 これまでどちらかというとディマンドサイドの方の施策が多かったから、サプライサイドに切りかえをしていかなければいけない、これも確かに一つの考え方だろうと思いますね。そうであったら、やはり先ほどの雇用の問題ももう少し方向性をお示しいただいていいんじゃないだろうか、私はそういうふうに思うわけでございます。それから、そのための、雇用のための補正予算であれば、これは現在のような五千億程度ではとてもじゃないけれども足りないんではないだろうか、私はそういうふうに思うわけでございます。 この議論をもう少しやりたいのですが、一つは、堺屋経済企画庁長官に、先ほど私が、今の景気の状況はやや改善をされた、しかし底打ちではないというのは、これは月例経済報告でございますが、ことしの一—三月、昨年度の一番最後の四半期のQEで、きのうも大分議論になりましたけれども、プラスの一・九%が出てきたということで、これは堺屋長官自身も、ほんまかいなとお国言葉が出たわけでございますが、そういう印象を持たれたということでございますが。 この中身についてもいろいろ問題がありますが、その前に、私は、大変重要だった問題は、あの一・九%という数字が正確にかなり早い段階で、あれは六月の十日のたしか三時半が公表時間だったと思いますが、もうお昼ごろは出回っていたわけですよ。株が高くなったり大きな動きが出てきた。一体、どうしてあんな早い時間に、しかも正確な一・九%という数字が漏えいをしてしまったのでしょうか。調査の結果をお知らせいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 私たちの承知しておりますのは、インターネット、通信社系統のものに出ましたのが一時過ぎだったと思うのでございますけれども、公表時間が三時三十分でございますから、二時間ほど早く出ました。それがどこから漏れたのか、私たちなりに調べてみましたけれども、特定はできませんでした。 それで、今回、次の回から発表時間を八時五十分に繰り上げまして、証券市場が開く前に発表させていただくことで、万一の遺漏があった場合も影響を少なくしたいというように抜本的に変えることにいたしております。事前に漏えいしましたことはまことに遺憾でございますが、そのような対策をとらせていただくことにしております。
○海江田委員 それでもう調査は終わりですか。私はこれは本当にゆゆしき問題だと思うのですよ、この秘密漏えい。秘密といいますか、機密の漏えいは。 これは、その程度、調べてみたけれどもわからなかったというような説明で済む話ではないと私は思うのですね。やはりこれはどこから出たのか、どの部局から出たのか、皆さん方の資料というのは大抵いろいろな仕掛けがしてあるわけでございますから、どこでコピーをしたのかとか、いろいろわかるようにとか、それくらいのことをしていなければまた当然いけないわけでございますから、やはりそんな、調べたけれどもわからなかったというようなことで私どもは引き下がるわけにはいかない。 それから、八時半で場があける前にということをおっしゃいますけれども、場は何も日本だけではないわけですから、世界じゅう駆けめぐっているわけですから。円の問題、為替の問題、株の問題だってそうですけれども、二十四時間ほとんどどこかがオープンしているわけですよ。 だから、問題はやはり、一体どこから漏れたのかということをきちっと調べてその者に対する処分などもやらない限り、時間を三時半から繰り上げて八時半にやった。昔、中国で朝三暮四というのがあって、猿は朝三つ夜四つでそれでだまされるけれども、三時半を八時半にやってそれでわかりましたというわけには私どもはいかないので、もっと慎重になって、もっと真剣になって調べていただいて、きちっとした調査結果を国会に報告していただけますでしょうか、どうでしょうか。
○堺屋国務大臣 本件につきましては、従来QEの発表が大きな影響を与えたことがございませんので、突然のこと、今回初めてのことであったのですが、相当綿密に調べました。 関係者は、これをその時点で知れる状態にあったのは、経済企画庁の中では、大臣の私自身が聞いたのが十二時四十五分でございます。それ以前に聞いていた者が数名。それから、製作に当たった者、これは全部足さないと答えが出ませんから、限られております。それらの者を調べましたところ、そこから報道機関に漏れたという形跡は見当たりませんでした。その人たちがお伝えした相手がおられまして、さらにどこへどう行ったかというところで、そこから先はちょっとわからないということで、決しておろそかな調査をしたわけではございませんが、まずニュースソースの方もこれは非常に困難でございました。 八時五十分という時間でございますが、為替は開いているということでございますけれども、有価証券市場は日本より前に開いているところはございませんので、最初になると思います。 そして、同時に、八時五十分のときにどのような発表の仕方をするか。例えば、政府関係者等、新聞と同じように、別々の場所でありましても、来ていただいて同時にお知らせする。今までのところは、手分けして知らせるような形をとっております。このことに欠陥があるのではないかというようなことも調べまして、今その方法を厳格にするようにしております。
○海江田委員 今回の漏えいは、その一・九という数字まで漏れているわけですよ、はっきり言って。いいだろうとか、二%ぐらいになるのじゃないかとか、そういう話ならまだいいのですけれども、今回は、はっきり言って、予測したのではなしに漏えいしたのですよ、機密が、一・九という数字が。 だから、それは少なくとも何人かもう特定できている、だけれども、その人たちがだれかに話をしたようだけれども、そこから先はわからないなどということをおっしゃるけれども、では、その人たちが、何人かの人たちが話をすること自体いいことなんですか、数字を入れて、一・九ということを言うこと自体が。最後のところまで行かなければ、報道機関に行かなければとか、あるいは株を売り買いしているところまで行かなきゃいいという話じゃなくて、まさに長官のところに報告を持ってこられて、一・九という数字を早い段階で知っておった人たちが第三者に漏らしたりしたら、それは機密を漏えいしたことになりはしないですか。そうじゃないですか。おかしいじゃないですか。
○堺屋国務大臣 従来の慣例、これはずっと長い慣例でございますが、経済関係官僚の中に、必要がございまして伝えるところが決まっております。
○海江田委員 それはおかしな話でありまして、ではそこは、だれだれのところに、もうわかっておるのだったら、そこから先のところを調べてくださいよ。 私は、少なくとも今のお答えだけでは、これは別に野党だから言っているのじゃないのですよ。委員席の与党の席からもそういう声が、私以上に厳しい声が起きているわけでございますから、これはぜひもっと慎重に調べていただいて、もっと真剣に調べていただいて、そしてその結果を国会に対してきちっと文書でもって報告をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 できる限りのことはさせていただきます。
○海江田委員 では、あと、堺屋長官、今長官がおっしゃったように、経済官僚については話をするんだ、従来どおりやってきたんだと。それはだれだれですか。役職名でいいです、官名でいいですが、おっしゃってください。何人ですか。
○新保政府委員 その名簿につきましては、私、今手元にきちっとしたものを持っておりませんが、総理官邸の方に、総理秘書官とか官邸の関係者、それから与党の経済関係の主要メンバー、そういうところに事前に報告するということがございます。
○海江田委員 大臣が十二時四十分と言っているのですから、それより前に官僚に漏らしたのかどうなのか。その資料というのは大事ですよ、これ。出してください。それは出せるでしょう、そのリストは。だれに出しているのかということ、それは出してくださいよ。お願いします。
○堺屋国務大臣 私は十二時四十分でございまして、事務次官がそれより十五分ほど先に聞きます。研究所長がちょっと先に聞きます。それからどこへ伝えるかというのはそのときによって多少違いますが、たしか名簿といいますか、波及した先はあると思いますが、それは一応皆さんに、その先は皆さんに念を押しまして、そこから遺漏はなかったかどうかお調べいたしました。ところが、そこで返ってきた返事で、これが危ない、怪しいというのは今のところ見つかっておりませんが、犯罪捜査でございませんので、それ以上どのような捜査をするか、捜査結果といいますか、調査結果をできる限りお知らせはいたします。事の性格上、そういうものでございますので、その時間にどのようにして漏れたのか、できるだけお知らせいたします。
○海江田委員 こればかりやっているわけにいきませんが、ただ、公務員には守秘義務がございますから、当然守秘義務違反でございますから、国家公務員法違反でございますので、だから、今長官おっしゃったように、これはやはり調査の結果をきちっと文書にしていただいて、そして当予算委員会に私は出していただきたい、それはぜひお願いを申し上げます。委員長、よろしゅうございますね。
○中山委員長 了解しました。
○海江田委員 はい、わかりました。 それから、総理にまた再び戻りますが、九九年度の成長率でございます。きのうの議論を聞いておりますと、総理は、〇・五%成長が国際公約だと、あるいは公約だという言い方は、〇・五という数字はちょっときのうおっしゃっていないのですね、ただ、プラス成長は、これは公約だというふうにおっしゃっておるわけでございますが、これはいかがでしょうか。〇・五%の成長というものは、どういうものなのですか、公約ではないのですか。
○小渕内閣総理大臣 公約というものの概念の規定ということはまだ定かでないと思うのです。例えば国連に行ってこのことを日本政府としてお約束してきた、あるいはOECDに言ってきたとかいうものではないだろうと思うのです。 ただ、日本政府といたしましては、五期にわたりましてマイナス成長を繰り返してきたことに対して、このような状況の中では経済の再生はあり得ない、どうしてもプラス成長になるように最善の政策を遂行してきて、その結果として、十一年度末において〇・五%を目標としてぜひそれが達成できるように最大努力をする、こういうことだろうと思います。
○海江田委員 では目標なわけですね、〇・五%の成長というものが。そういうふうに、では理解をします。 では、その目標が達成できるかどうかでございますけれども、昨日もこの四—六月が重要だというお話がございましたけれども、確かに四—六月というのも重要なわけでございますが、それと同じくらい、あるいは、本当はそれ以上に重要なのは、せんだって発表になったこの九九年の一—三月のQEではないだろうかと私は思うわけでございますね。 その理由というのは、今お手元で、私のつくりました資料をごらんいただいておればおわかりになると思いますが、〇・五%の成長というのは、その一年間の、年度でございますから四月から三月までの、ここで名目GDP、実質GDPという二つの数字がございますが、本当は今みたいなデフレのときは名目GDPを使って構わないのですが、政府は実質GDPを使っておりますので、実質GDPでいきますと、まさにここの九八年の四—六月、これが四百七十八兆八千五百七十億円、七—九月が四百七十七兆四千七百二十億円、それから十—十二月が四百七十三兆五千百五十億円、それから一—三月が四百八十二兆六千四百二十億円。ここで書いてあります実数を全部まとめて、そして九九年度、四月以降の一年間の数字がこの九八年度の数字と比べて大きいか、少なくなっているか、これでプラス・マイナスというものを金額ベースで計算をするわけですよね。 そうなりますと、この一—三月、四百八十二兆六千四百二十億円というのは、前期と比べてプラス一・九%でございましたけれども、この四百八十二兆六千四百二十億円という数字が一つの発射台とよく言われておりますけれども、ここから新しい年度のGDPがスタートをしていくわけでございますから、この発射台が高ければ、仮にこれから、四—六月、九月の十日前後に発表になるということでございますけれども、この九月十日前後の四—六月がマイナスであっても、仮に四百八十二兆円という数字が、四百八十兆だ、それからその次が、やはり同じように、これは四百七十九兆だとか、あるいはその次が四百七十八兆だということになりましても、つまり、マイナスがずっとこれから新しい年度の四期続いたところでも、トータルでこの実数が先ほどお話をしました金額の合計を上回っておれば、これはプラス成長になるわけですよね。大蔵大臣じゃなくて、私は総理にお尋ねをしておるわけでございますが、これはそういうことですよね。 ですから、その意味においては、私は、この一—三月というものが実は四—六月よりもはるかに重要だと。この一—三月の数字でもって、この数字が出たところで、大体これは何とかプラス成長にいけるんだというような判断ができたんじゃないだろうか、私はそういうふうに思っておるわけですけれども、一—三月を見て、小渕総理は、もう大体これで何とかプラス成長にいけるんじゃないだろうかというふうに印象をお持ちになりましたか。どうですか。
○小渕内閣総理大臣 細かい数字の展望につきましては経企庁長官から御答弁いただきたいと思いますが、少なくとも、一・九%プラス成長に一—三月なったということにつきましては、これは好ましい結果だというふうに思っております。 ただ、本会議でも答弁申し上げておりますように、それがゆえに、四—六もそうですし、また、十一年度を締めるところの来年三月まで、同様の数字が傾向としてあるかどうかというようなことを述べるほど、私は楽観主義ではないわけでございまして、やはり、それぞれの期における動向というものを注目しながら、適宜適切に政府としては種々の対応を講ずる必要がある場合にはしなければならないというのが、正直のところでございます。
○海江田委員 今、私お話ししましたけれども、四—六月がどうも、経済企画庁の方から四—六月の見通しを言うことはまだ難しいと思いますが、四—六月がマイナスの〇・一になるんじゃないだろうかとか、民間の調査機関だとかエコノミストですとか、そういうところでは四—六月がマイナスになるということを言っている人たちが多いわけですね。 ただ、四—六月がマイナスになっても、その意味では、もちろんマイナスの範囲になるわけでございますが、そのマイナスの範囲が少なければ、仮にマイナスがずっとこれから四半期続いたところで、これは最終的にはプラスになるということはお認めになりますね。
○堺屋国務大臣 委員御指摘のとおり、年度ではかりますと、これから後、マイナス〇・二ずつ三期続いても〇・五が達成できる、計算上はそうなります。 この一—三でございますけれども、一—三の増加を見ますと、外需は、純輸出の方はマイナス〇・二、内需の方が二・二。そのうちで、官需、公の需要の方が一・一、民需が一・一。格好としては非常にいい格好をしております。 ただ、この中で、例えば民間設備投資は、前期に比べて二・五%の増加ですが、前期が減り過ぎているというようなこともありますし、今期が伸び過ぎているということもありますので、そういうぐあいにならしでいくかどうかということは、今のところ、四—六につきましても、その後につきましても、何とも申し上げかねるところでございまして、この四—六の動き、そして現在、七月の状況に非常に注目をしている最中でございます。
○海江田委員 今、経済企画庁長官が、計算の上ですけれども、仮に〇・二ずつのマイナスが四期続いても、結果的にはプラスになってしまうというお話がございます。これはまさに、いわゆる数字のマジックといいますか、数字の上ではプラスになる、だけれども、人々の気持ちでは一向に景気回復の実感がないということの、ここにまさにその理由があるんだろうと私は思うわけでございます。 今、経済企画庁長官も、前期が大変に落ち込んでおったからそのリカバーが来たんだろうということを言いますが、特に、お手元にお配りした資料を見ていただければおわかりになると思いますが、やはり前期の比と対前年同期の比をしてみなければいけないんですね。 もちろん、経済企画庁も前年同期比も発表しております。ただ、どうしてもマスコミなどでは、前期比、前期比。経企庁がどういう具体的な発表の仕方をしたのかもわかりませんけれども、やはり前期比、前期比で見ていくと確かに一・九%のプラスということがあるかもしれないけれども、これは対前年同期比で見ますと、一—三月期であってもマイナス〇・六%であるということ。 それから、今、企画庁長官自身がお話しになったように、やはり内需のところが、民間企業の設備投資、それから個人の消費、これも、例えば自動車の台数、小型の車も軽の車も全部中型の計算をしたとか、細かいことを言えば実は一・九%の数字のところにもいろいろな疑問があるわけでございます。私は、どちらかというと、これは、景気がよくなっているんだ、よくなっているんだということを余り過大に宣伝をしまして、大本営発表ではございませんけれども、我が方の損害は極めて軽微で、敵の軍艦何隻を沈没させたというようなことを言っているような嫌いがあるんではないだろうか。全くなければいいわけでございますけれどもね。 特に、この一—三月の一・九という数字の出し方については、エコノミストから、あるいは研究機関からいろいろな異論が出ていて、そして経済企画庁では、近々そういう人たちを集めて説明会を開くというようなことも言っておるようでございますが、本当にこの数字でいいのかどうなのかということをお答えいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 この数字で一番わかりにくいのは消費なんでございますが、消費は、主として家計調査というのでやっておりますが、家計調査はサンプルが少ない、それから独身者家計がない、さらには帰属家賃の統計がない等々の欠点がございまして、それぞれのものにつきましてより確実なものを補っております。 その中に、委員御指摘の自動車がございまして、自動車は台数で出しているという問題がございます。もっとも、このときも、自動車が軽にかわっていることでどれぐらいの差があるかということを調べますと、〇・〇一ぐらいしか差がないという数字が出ておりまして、それほど大きなものではございません。むしろ、帰属家賃の方の振れが大きいのではないかと思います。 この調査の統計的な意味は、私たちは絶対の自信を持っておりまして、国連統計に基づいてやっておりますし、すべて統計の方法は公開しております。エコノミストの間でもわかりにくいという方がございますので、今月三十日に開かせていただきます。 ただ、統計と実感ということになりますと、これは常に差がございまして、気象庁がことしは冷夏だと言ったけれども、住んでいる人は暑かったという印象を持つのと同じでございます。 したがって、私たちもこれで決して楽観しておるわけでございませんで、委員御指摘のように、月例では、極めて厳しい、やや改善の兆しは見えるけれども依然として厳しいという認識をさせていただいておる次第でございます。
○海江田委員 恐らく経企庁とすればきちっとした発表をしているんだろうと思いますけれども、ただ、やはり世の中には、とりわけマスコミなんかには、楽観的なところを膨らませたいという気持ちがある、これも確かなんですよ。そういうこともいっときは重要なんですよ。それから小渕総理大臣は、有名な発言で、コップの水が残っていたら、まだ半分もあると思うか、もう半分しかないと思うかということによってえらい違うんだというような、何か禅問答のようなことをおっしゃっておりました。 だけれども、私は、そうやって楽観論が蔓延をすることによって、本当に備えといいますか、日本の社会がそれによって構造改革をおくらせたり、このままでいいんだ、ぬるま湯につかっておれば何とかなるんだ、ほれ見ろ、もうちゃんと一・九%の成長をしてきたじゃないかと。 日銀の短観がその後出ましたけれども、あれは当然ですよ、ああいう数字が出れば短観に与える影響というのは。短観というのは企業のマインドですから、あれが出るんですから、あれは当たり前なんですよ。全部セットになっているんです。 そうやって、全部、経済企画庁の出した数字のところから日本にそういう楽観論が蔓延をして、そしてその根っこには総理の水の半分論があって、日本じゅう全体が楽観論に入って、大事なやるべきことをやるのを忘れたりとか、そういうことになっていくのは大変なことだというふうに、私はそう思いますので、今お話をさせていただいた次第でございます。 宮澤大蔵大臣にあと一つお尋ねをしますけれども、これもきのうの議論でございますけれども、お隣にいる野田自治大臣のきのうの議論を聞いておりまして、一つ、おやと思ったことがあります。 それは、例の五千億円の公共事業の予備費でございますね。野田自治大臣ははっきりと、あれは国家プロジェクトに使うためのお金ですよと。関空の二期工事でありますとか、あるいはリニアモーターカーは入っておりましたか、中部国際、あれも大事です、中部国際でありますとか、そういうナショナルプロジェクトに使うためだということを答弁なさった。ところが、宮澤大蔵大臣は、これは不測の出費に対して、台風でもって災害が来たときとか、いわゆる従来の予備費ということはまさにそういうふうになってしまうのですよ、そういうものであるということをおっしゃっておられるのです。 野田自治大臣のそういう、この予備費の五千億の、予備費が千億とか二千億ならいいんです、五千億ですからね。私らも、別なところにおりまして情報が遮断されておりましたから、そのやりとりは全く知らなかったわけでございますけれども、何でこんなに五千億も、大きいのかということを疑問に思っておりましたよ。そうしたら、それはきのうの野田大臣のお話で納得がいったわけですよ。得心がいったわけですよ。ところが、宮澤大蔵大臣はそのことを一言もお触れにならない。 一体どういうことなんですか、この五千億の中身は。野田自治大臣がおっしゃったような性格のものであると理解していいわけですか、どうですか。
○宮澤国務大臣 きのうも中井委員に申し上げましたが、十二月十六日に両党の間の協議がありまして、確認書がございます。その確認書の第一に、公共事業については、予算ベースでも支出ベースでも平成十年度比一〇%以上とすること、こういうのがございます。 それで、十二月十六日でございますので、この段階で、一〇%以上とするために一つ一つの公共事業を、かなり遅くなってでございますので、追加することは難しい。これはきのう野田大臣もおっしゃいました。難しいので、それで五千億円というものを一つくくった、こういう経緯があるわけでございます。 ただ、漠然と調整費というようなわけにまいりませんから、これは国会に対しても予備費としてお願いをするしかない、こう思いまして、公共事業等予備費といたしてございます。予備費でございます以上は、予備費に求められております条件を満たさなければなりません。したがいまして、当初の予算の編成段階で予見しなかった事態の発生によって公共事業等の経費に予算の不足が出た、こういうときに使う、このルールは守らなければならない、このところまでがこの問題の本質でございます。 ところで、他方で、この両党の間の合意の一つに、国家的プロジェクトについては、優先、重点的にする、また前倒しも実施を図るということがございまして、これは今の話とは切り離されてある話、つまり五千億円をこう使えというふうには直接には書いてないわけでございます。 しかし、そこから先が大事なところなんでして、こういうふうな政治的な合意がございますから、五千億円とは言っていないけれども、まあ国家的プロジェクトは大事にしろとおっしゃるこの精神は、やはり私ども大事にしなきゃならぬ、こう思いますので、それで、その五千億をこれからどういうふうにして使うかということを、国会開会中はこのことを議論することが当然できませんので、それができるようになりましたら考えなきゃならぬと思っております。 したがって、こういう状況の中で、このプロジェクトは国家的にも意味がある、また今の経済状況を脱出するためにも意味がある。例えば土地を買うというようなことになりますと、私は、長い目では必要かもしれないが、大変に土地を買ってしまったりすることが今の経済状況で適当であるかないかとかいう、いろいろ議論はあると思いますし、それから予備費でございますので、殊にこういう経済情勢ですから、この年度内でかなりの部分が使えるということは大事であろう。繰越明許、このものにはございませんけれども、プロジェクト自身には繰越明許はございますから、したがって、全部使わなきゃならぬということを申してはおりません。繰越明許に入ってもいいんですが、やはりこの年度内に、こういう経済情勢ですから、かなり有効に使えるということは入り用ではないかな、こういうことを思っております。 が、それぐらいがこの問題についての議論のルールだと思いますので、そういうルールの中で、時期が参りましたら、また必要が出てまいりましたら考えたい、こう思っておるわけです。
○海江田委員 今の大蔵大臣の話で、国会開会中は議論ができないというのはどういうことですか。ちょっと私は意味がわからぬのですが。 党の間の議論というのは、これは国会開会中でも開会中でなくても、やってもそれはその党の考え方ですから別に私どもがどうこう言う話じゃありません。ただ、もちろん予算の中に五千億という話が盛り込まれておりまして、その性格がどうもいま一つあいまいだということでありますので、それについて国会議員が議論するのは、これは全然、妨げるものは何もないはずでございます。ですから、どういうことで国会中に議論ができないのだというふうにおっしゃったのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 実際上、憲法に、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」こういうふうになっております。恐らく立法の趣旨は、災害は今別に考えております、災害とか、それから全く予見しなかった緊急事態、選挙がありましたときの選挙の経費はそうであったかないかちょっと、そういったようなごく限られたものだけが許されておりまして、物の考え方は、それならば国会でむしろ予算の修正をすべきではないか、こういう立法の精神でありましょうか。 したがいまして、従来から厳しく守られておりますが、予備費の支出は災害等々を除きましては国会開会中はできないというルールを守ってまいりました。立法の理由についてお入り用があれば局長から申し上げます。これは全くそういう慣例を、従来、災害以外はほとんどの場合守ってまいりました。
○海江田委員 これは、ちょっと野田大臣、そういう理解でいいのですか。私、初めて聞いた話でございますが。
○野田(毅)国務大臣 詳しくは、主計局長の方から法律解釈的なことで答弁してもらった方が正確かと思います。 ただ、趣旨は、予算統制といいますか、予算に対する国会のチェックということができるだけきちんと行われるべきである、そういう本筋から言っているので、やはり国会におけるチェックということを最優先しているという、そのことの表現だと思うのです。ですから、問題は予備費を何にどう使うかということについては、実際に具体的な事象が起きてそれに対応するというのが予備費の本来の姿であるということだったのです。 その点は私どもも、先ほど来のいろいろな経緯、きのうから申し上げておりますが、暮れの押し迫った段階でなかなか、これから手を挙げて具体的な配分を決めるということは時間的に間に合わない。そういう意味で、調整費的な考え方はできないかということをいろいろ検討したのですが、若干その辺は技術的に難しいところもあるというので、やむを得ず予備費という中で、率直に言って、我々も時間的な制約もありやむを得ない。 そうであれば、予備費ということの使い方については、実際に具体的にどの時点でどうするかということを正式に決めるのは、少なくとも、その結果について国会に報告するというのは後になるわけです、きちんとした正式な手続を踏まなきゃならぬということでありました。だけれども、そこへ行くまでの内々の話は、政党同士、政治家同士で話をする、それぐらいはあってもいいという整理をして予算編成に臨んだということです。 具体的に国会の云々の話は主計局長から答弁していただきます。
○宮澤国務大臣 閣議決定がございまして、国会開会中の予備費使用については、閣議決定において、その対象を国会審議上問題が生ずる余地のない経費、例えば災害、義務的な経費、比較的軽微な経費に限っており、そういうふうに運用しなければならない。この趣旨は、災害ならともかくそうでないものは、入り用なら補正予算を出せ、そして国会の審議を仰げ、こういう御趣旨と考えます。それは、長いことそういうふうにやってまいりました。
○海江田委員 今、私が言いたいことを、宮澤大蔵大臣、おっしゃっていただいたわけですけれども、まさに予備費というのは、不測の事態だから、これは執行してから後で承認を得なさいよという話なわけです。今、やはりナショナルプロジェクトとかいう話になりましたら、これは全然違うわけですよ。そうですよね、これは議論もしなきゃいけないし。 だから、その意味でいうと、予備費をここで五千億も積んだというのは、もう過ぎてしまった予算の話ですけれども、今補正ですけれども、やはりこれはおかしな話で、本来だったらきちっと、おっしゃるように、補正予算でもって提案をして、そして議論をして、そこで使い道を決めるべきですね、これは。 そういうことに対する、まあこれは両党間の話し合いだということではありますけれども、これはきちっと、国の予算にかかわってくる話でありますので、やはりそういうことはいけないんじゃないですかね、幾ら万やむを得ないというような事情があっても。それは少なくとも私どもなんかには全然関係のない話であります。だけれども、一人の国民として考えればこれは大いに関係のある話ですから、やはりそういうのは改めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 さっきの両党間のお話を申し上げましたが、別途、私は、こういうふうに経済情勢がなかなか読みにくいときに、目いっぱい公共事業等を計上したつもりでございますけれども、しかし、実際何があるかわからないというときに、やはりこういうものを持っておるということは決して無意味ではない。もとより、どう使ったかは国会に御報告をすることでございますから、決して無意味ではないだろう、私はそう思っております。
○海江田委員 いや、それは確かに景気回復だとかのためには意味がないことではないかもしれない。だけれども、そんなことを言うんだったら、予備費をどんどん膨らましちゃって、あとは一切議論なしで、執行した後からこういうことになりましたよということだけで済んじゃうことになっちゃいますから、それはやはりおかしな話なんですよ。緊急避難的なことだったんで、そこにはかなり脱法のおそれとか、そういうおそれは入っているんですよ。やはりそれに対するきちっとした反省をしていただかないと。きちっと補正で出してきますということになれば、まさに議論の俎上に上がってくるわけですよ。 余りこれはできませんから、最後に、では野田大臣の答弁をいただいて、それで次に入ります。
○野田(毅)国務大臣 二つ申し上げたいと思います。 それは、途中で景気が失速して、慌てて補正を組んで云々ということを、そういうやり方よりも、年度当初において、必要な、ここまではやりますということを先にアナウンスすることが大事であるということで、先ほど申し上げました、予算ベースにおいても支出ベースにおいても一〇%以上平成十年度よりもやりますということが極めて大事である。失速してから、後になってストップ・アンド・ゴーをやるというやり方よりもその方が大事だ、これが第一点です。 それからいま一つは、そうであれば、年度当初から具体的な事業ごとの予算の配分をきちんと決めて、国会でその予算の議決を得るべきであるというのはそのとおりの発想だと思います。したがって、予備費そのものを、五千億を途中で好き勝手に使う、内閣だけで使えるというようなことではなくて、今回入っていないのはそういう趣旨だと私は思っております。 そういう意味で、いずれ、具体的な、使う形が出てきた場合に、国会に当然、これはもちろん大蔵大臣のお考えの中でおやりをいただくことになりますけれども、何らかの形でチェックを受けるというのは当然の姿になっていくだろう、私はそのように考えて、実は昨年の暮れに、公共事業予備費という形で両党間で決着をしたという背景があったということを申し上げておきます。
○海江田委員 大蔵大臣、どうですか、今の。当然国会に何らかの形で措置があって、報告があって、報告というか議論があってしかるべきじゃないだろうかというような発言だったと思うのですけれども。今の野田大臣の話について。それはどうですか、大蔵大臣のお考えによるけれどもということで。聞いていなかったんですか。
○宮澤国務大臣 憲法八十七条に「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」この規定は守ってまいります。
○海江田委員 今言っているのは事後じゃないんですよ。事後じゃない。それより、具体的な事業に対して支出をするに当たって、だから、きちっと補正に移しかえをして、補正のところで議論をするという話になるのかどうなのかということなんです。
○宮澤国務大臣 その点は、予備費として、財政法二十四条で、政府の責任においてできることだと思います。もちろん国会に御報告はしなければなりません。
○海江田委員 ちょっともう時間も本当になくなってしまいましたので、この問題、これ以上に立ち入りませんが、ただ、やはり非常にわかりにくい。両党間の合意でもってこうなった、ああなったということを言われても、私どもは当事者じゃないし、それから、その議論がきちっと国会でなされたと思いませんので、わかりにくいので、これはやはりきちっと補正なら補正のところにお金を置いて、そして議論をやって、そこから使うようにした方がいいと思います。 もう一つ別な問題で、今回は、先ほども冒頭にお話をしましたけれども、新規の公債の発行はなしで、余剰金とそれから、あれで、何とか間に合うことができた、そういうことでございますけれども。ただ、今、日本の財政の問題、いわゆる財政の規律性でございますけれども、このままで本当にいいんだろうかという認識を持っていただかなければいけないんじゃないだろうか。たまたま今回新規の公債の発行がなかったということで、何か財政の問題が積み残されてしまっているんじゃないだろうか。本当にこの予算委員会の議論などでもなかなか議論になっておりませんけれども、私は、財政規律の問題、大変大きな問題ではないだろうか。 例えば、去年の秋でしたけれども、ムーディーズが日本の国債の格付をトリプルAからダブルA1にしていますね。その理由というのは何かということで、後から向こうのエコノミストがやってきてセミナーを開いてそこではっきり言っておるんですね。二〇〇〇年の初頭になると、彼の場合はたしか、公債の残高がGDPの一七〇%ぐらいになるというようなことを言っておるんですね。今まだそんな数字じゃありません、大体一〇〇%近くで、恐らく一二〇%ぐらいまでの数字は予測をしておられるようでございます。だけれども、それが二〇〇〇年の初頭に一七〇%ぐらいになるんだというような数字も挙げて、それでもって日本の国債の格付の格下げをやったということがあるわけですよ。 だから、実は、我が国の世界に対して発するメッセージの中で大変大きいのは、確かにサミットなどに行かれて、プラス成長するよと言うことも大事でありますけれども、それと同時に、常にもう一つ、もう片一方でやっておかなければいけないのは、財政規律の問題で、累積する赤字財政の問題をどうやって解決していくのかということについては、やはりこれはいつも発信をし続けなければいけないと私は思うんですけれども、総理はどのような形で財政の規律というものをこれから維持していくおつもりなのか、そのことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 言うまでもないことでございますけれども、財政の規律ということは、きちんとそのことを構えて最善の努力をしていくということだろうと思います。 今般、冒頭委員から御指摘ありましたが、公債の新規発行を経ずして今度の雇用対策をやろうということでございまして、この問題について大蔵大臣から、予算編成がそのことによって可能であるという御報告をいただきましたので、大変僣越ながら、この国会を延長してでもいたすべきこととしてお願いをしておりまして、なお一層公債を発行しなければ諸案件についてできないということでありますれば、そのことも考慮しながら、この対策につきましてもある一定の時間をかけて検討した上で考えなきゃならぬ、こう思ったわけでございますけれども、大蔵大臣から、今回は新規の公債発行なく予算が編成できる、こういうことでございましたので、しからばこの必要性から考えてできる限り早く国会にお願いしたい、こういうことでいたしたわけでございまして、根本的に、財政の規律ということは常に忘れてはならない我々の根本の課題だ、こう考えておる次第でございます。
○海江田委員 忘れてはならないのは当たり前でございます。恐らく寝ても覚めてもこれは忘れられない問題だろうと思いますね。 総理もそういう認識を持っておられると思うのですが、忘れないということだけじゃなしに、じゃどうやってこの問題にどういう観点からどういう解決策を講じていくかということが、実は私は大切だろうと思うのですよ。今回、たまたまこの補正でもって公債の新規発行がなかったから、だから忘れてはいないと。当たり前です、これは忘れていないんだから。そうじゃなくて、やはり常日ごろどういう、解決策がないかということを念頭に置いておかなければいけない。 総理はどちらかというと、前の橋本総理のときは大変財政再建路線をひた走っておりましたから、それに対して、もう財政再建どうでもいいよなんというふうな、これも印象を受けがち。だけれどもそうではないとは思う。だけれども、そうではないと言うのだったら、忘れないんだと言うのだったら、やはりその忘れていないあかしを出してもらわなきゃいけない。 私は、これまでの財政再建論議に欠けていたのは、やはり公会計の制度改革の問題だと思う。これまで確かに議論がなかったのですよ。私なんか、一部は累積の債務の話はあるけれども、じゃストックの方はどういうふうになっておるのという提案はした。だけれども、そのストックの方はどうなっているんだという話とフローとの話が結びつきがなかったということ。このフローの話とストックの話を結びつきをすることができるのは、実は公会計の制度改革なんですよ。 もう時間がありませんから、公会計の制度改革の一番のポイントというのは、きちっとしたバランスシートをまずつくることから始めていくべきではないだろうかという指摘があるのです。これはいろいろなところで議論が始まったのですよ。 御案内だろうと思いますけれども、PHP総合研究所というところが「日本の政府部門の財務評価」ということで、日本は累積債務だというふうなことももう触れられておりますね。まさにこういう視点が出てきたというのは、私は、これまでの行き詰まっておった財政再建路線に対する一つの突破口だと思うのですよ。そういう認識を持っておられるのかどうか。 そういう認識でもって、これからそういう政府のバランスシートの、公会計のバランスシートの作成に向けて可及的速やかに努力をするというお考えを持っておられるのかどうなのか。そのこともあわせてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 海江田先生ほど専門家でないわけですが、きのうも石原東京都知事といろいろお話しする機会がありましたが、何か東京都知事はこのバランスシート論を非常に熱心にお考えのようでございます。 国家としてどうあるべきか、どのような姿にあるかということについては、一番の専門家でございますので、大蔵大臣からちょっと御答弁させていただきます。
○宮澤国務大臣 お時間があればいろいろ申し上げたいことがあるのですけれども、しかしそんなことを言わずに、ともかくこれは研究してみます。
○海江田委員 もうあと二、三秒話してもいいですよ、それは。わかりました。 あともう一つだけ、お手元に先ほどお配りをしてございますが、下の方の図で、小さな表がついておりますけれども、これはきのう議論がありまして、預金金利が減っちゃったから公定歩合を上げてくれという話がありましたけれども、やはり公定歩合を上げたときの企業の貸出金利に与える影響というものは非常に大きなものがあるので、むしろ問題にすべきは、公定歩合はそれはまさに日銀の専管事項ですから任せればいい話でございますけれども、そうじゃなくて、やはり預貯金金利の、人々が預け入れをしたときの金利と借り入れをするときの金利の乖離が今非常に厳しいわけですよ。 お手元にお配りをしました資料を見ていただければわかりますけれども、仮に短プラと一年定期の利幅の比較をしてみますと、八九年の十二月で、このときはほとんど短プラと一年定期の利幅というのはない、プラス・マイナス・ゼロぐらいになっておる。だけれども、九四年の十二月になるとこの短プラと一年定期の利幅が〇・五二%になっておる。それから、九九年の四月になると一・〇八六%になっておるということ。つまり、九四年と比べたって倍近く利幅が開いておるということ。それから、乖離率といいますけれども、これは貸し出しの方を分母にして預金の方を分子にして考えますと、八九年十二月では大体一〇〇%ぐらい。だけれども、九四年の十二月になると八二%、それから九九年の四月になると二一%と、五分の一なんですよ。 これは明らかに、貸出金利はちっとも下がらないで、預貯金金利が余りにも低く下がり過ぎているんですよ。〇・一を切って、〇・〇一、〇〇幾つになったというような新聞記事も出ておりましたけれども。 これは別に日銀に公定歩合を上げろ、下げろとかいう話じゃなくて、政治家がこの問題についてはもっと発言をしていいと思うんですよ。金融機関はもっと預け入れの金利を上げろ、高くしろと、ちゃんと預金者に。あの公的資金でもって資本注入をするときに、確かに中小企業に対する融資はやれということを言った。それと同じように、あるいはそれよりもっと大事かもしれない。これは、銀行はこの金利を上げろ、預金金利を上げろということをもっとおっしゃってもいいんじゃないですか。大蔵大臣、最後の質問でございますので、これは短く、そのとおりだと言ってください。
○宮澤国務大臣 御質問の趣旨はわかっていますし、さらに貸出金利はまた大変高いではないかということもかねておっしゃっていらっしゃいますので、結局、これは銀行がこれからどういう仕事に特化するかということになっていくと私は思います。 企業向けの貸し出しが、ディールが主なのか、あるいは小さい個人が主なのかというようなことで競争が行われていって、結局、あの銀行は預金金利が少し高いから、あるいは貸出金利が少し安いからと、競争の中でそういうふうになっていく、これからそれが始まっていくだろうと私は思っております。よく注意はいたしております。
○海江田委員 どうもありがとうございました。
○中山委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。 次に、山本孝史君。
○山本(孝)委員 民主党の衆議院議員の山本孝史でございます。 きょうは、今回の予算案に盛り込まれております少子化対策の臨時特例交付金等を中心に、社会福祉、社会保障の問題について重点的にお伺いをさせていただきたいと思います。予算委員の先生方にはありがとうございました。お時間をいただき、恐縮でございます。 今回、私どもの党内でこの少子化対策の臨時特例交付金、ことしは国際保護鳥のトキに子供ができまして、何かトキ交付金という感じがするなという思いであります。ただ、子供の方は優優という大変かわいらしい名前がつきましたけれども、残念ながら日本国の財政の方は悠々ではありませんので、思ったようにはいかないのではないかなというふうに思っているわけです。 まず、厚生大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、この臨時特例交付金というのは、ことし四月のいわゆる自自公三党による少子化対策検討会の御提言、緊急少子化対策の基本方針にのっとった施策だと理解をしております。その提言の副題には「保育所待機の解消をめざして」というふうに書かれてございます。 ところで、保育マップという、全国地図をもとにしたマップがございます。きのうの先生方、皆さんきれいなパネルをつくっておられた。お金がないので、紙だけ持ってきて恐縮でございますが。 これは日本地図になっております。これは何かといいますと、「全国子育てマップ」、ゼロ歳から二歳児の保育所入所待機者がどのぐらいいるかということを地図の上に落とし込んだ全国の自治体の地図でございます。白っぽく見えます。白っぽく見えるのは待機児童がいないという市町村をあらわしています。青っぽく見えるところは、一人以上十人未満という数の少ない待機者がいる。大変白っぽく見える。赤く見えているところは実は大都市、東京なり横浜なりといったところが非常に多いというところですね。 白っぽく見えるはずで、全国の八〇%の自治体で低年齢児の保育所入所待機というのがありません。あるのはわずか二〇%です。その二〇%のうちの半分も一けたの子供しか待っていないという状況があります。 提言どおりの保育所入所待機者の解消という目的からすれば、どんなに人口の少ないところでも、あるいは待機児がいなくても一千万円出るといったような今回の交付の仕方ではなく、待機児のいる市町村だけを対象に、しかも待機児の解消に効果的な施策にその使い道を限定したような、そうした交付の仕方をすべきだったのではないかというふうに考えるのですが、その点についてお考えをお聞かせください。
○宮下国務大臣 今回の特別交付金の趣旨は、今委員の御指摘のように、主として保育所の待機児童の解消ということがねらいではございます。しかし、それのみにとどまらず、これからの少子化対策に対応する施策を、この際市町村の自主的な発意とかそういう着想を吸い上げて、これを充実していこうということでございます。この発想については、今御指摘のように三党の合意に基づくものでございまして、私どもとしても、時宜にかなったものであると。一方、政府としても、少子化対策は非常に重視をして、小渕内閣としての一つの大きな政策の柱に掲げてやっておるわけでございますので、そういった趣旨でこれを取り入れることにいたしました。 ところで、一方、今お示しになったように、全国の市町村の約二割、これは六百五十八市区町村でございますが、これに対しまして結果においてどの程度この二千億が配分されておるかということでございますが、この配分方式については、人口比、あるいは就学前の児童比、あるいは待機児童比というものをそれぞれウエートを用いまして配分することにいたしておりますが、その結果、交付限度総額の約七割、千三百七十億円をこの計算によっても交付できるようになっております。 他方、待機児童のいる市町村につきましては、地域の実情に応じましてさまざまな手法によって解消を図っておることも事実でございます。したがって白になっておるという地域もあろうかと存じます。 そしてまた、待機児童のいない市町村であっても、私どもとしては、この少子化対策の重要性にかんがみまして、例えば病後の児童の一時預かり場所の整備とか、あるいは公共施設における育児コーナー、親子サロンとか、あるいは少子化問題のキャンペーン、あるいは保育所の保育士の研修、質の向上等々、これは従来の補助金とちょっと違いまして、自由な発想を取り入れるということで交付金制度によって措置するものでございますので、その点は、待機児童解消のみに限定したものでないことを御理解いただきたいと思います。
○山本(孝)委員 私も、少子化対策の必要性を否定しているわけではありません。近々の課題としてあるということを認識しています。ただ、そのときに、今この時期になぜこういう形で二千億円ものお金を使わなければいけないのかという御説明が、今の御説明では大変不十分だと私は思います。 大臣御出身の長野県を見ましても、平成十年十月一日、年度途中ですら、入所しておられる児童の皆さんは五万一千百九十八人おられて、待機しておられる方はわずか十三人しかおられません。長野ではこの保育所問題というのはほとんどないという状況ではないでしょうか。そうしたところの各市町村にも一千万円ずつ落ちていくという形になっています。そうしたお金の使い方が、いかにそこにメニューがあっていろいろ使い方が工夫されるだろうということを言っても、なかなか私どもは理解しにくいというふうに思うわけですね。 もう一点、理解しにくい点でぜひ御説明をいただきたいと思うのですが、今申し上げましたように、厚生省がおつくりになっておられる、昨年十月一日現在の入所待機者数五万八千人ということになっておりますけれども、とりわけ今入りづらいと言われている低年齢児の子供たちの十月一日現在の入所者数と待機者数を合計しますと、五十八万七千人ということになります。今現に利用しておられる方とさらに利用したいと思っている方を合わせると五十八万七千人おられる。 一方、政府として、緊急保育対策等五カ年事業というのをやっておられます。この事業の中で、低年齢児保育を、平成十一年度の予算の中では五十八万四千人まで拡充するんだとおっしゃっておられます。しかも、本年度末の目標は六十万人です。 既に政府がおつくりになっておられる、厚生省としてつくっておられる緊急保育対策等五カ年事業計画で、低年齢児の子供たちの保育は六十万まで確保したいと言っている。繰り返しますが、平成十年十月一日現在の低年齢児の入所者数と待機者数、合計すると五十八万七千人です。この事業計画がそのとおりに実現すれば、今待っておられる方たちもすべて入れるという計算になるわけですね。 そういう前提がある中で、それでも今回の補正予算でのこうした対応が必要なんだという御説明をもう一度お願いしたいと思います。
○宮下国務大臣 これは、待機児童というのは地域によって非常に違いがあると思うんですね。特に東京とか横浜等の大都市周辺に多いわけでございまして、保育所の数は定数としてはあっても、実際に入っている数は少ないという現象があります。つまり、ミスマッチですね。これは、児童のいろいろの条件選定とか、そういうことによってミスマッチが起こるのでしょう。恐らく、距離も非常に遠くて不便だとか、いろいろな点があろうかと思います。そういう個別の事情がございます。 それから、長野県の例を引かれましたけれども、長野県みたいに田舎なところは、比較的充足率はいいわけです。それは、公立でほとんどやっておりますし、特殊な事情がそれぞれあるということを申し上げたいわけですね。 それから、十年度予算の実績値を今言われました。確かに、低年齢児の受け入れ枠の拡大ということで五十三万五千人を予定させていただきました。これは大体おおむね実績値に近いわけでございますが、さらにこれを六十万人を目標値として、十一年度予算で五十八万四千人といたしております。 しからばこれだけで本当に待機児童の解消になるかどうかは、今言ったミスマッチの問題その他いろいろございますから、私どもとしては、今回のこの施策によって、自治体のいわゆる自由な発想というもの、あるいは自由な構想というものを吸い上げて、従来保育所というのはこうだよということで基準を示して押しつける形のものじゃなく、吸い上げるという形でこれを消化したら、非常に今後の少子化対策に前向きに反映できるのじゃないかという基本的な考え方を持っておりますので、私としては、これは今回計上することについては理解できるということで計上させていただきました。
○山本(孝)委員 法案を出されている側の厚生大臣は理解しておられるでしょう。厚生大臣が理解しておられないのではだれも理解できないと思いますから。我々が、国民全体が理解できるかと言われると、若干首をひねらざるを得ないのではないか。 保育所の入所待機を解消するということであれば、どう考えたって、今入所待機で待っておられる方たち、入所を待っておられる方たちの地域に重点的にお金を入れて解消すべきではないか。しかも、今政府がつくっておられる五カ年事業計画、繰り返しになりますが目標値で六十万あります。確かにミスマッチという問題はありますけれども、ミスマッチの数を含めてもなおかつ六十万今拡充をしようとしておられるわけですから、現状からすれば、目標値の方が高いわけですね。 その中で、なぜここで二千億円ものお金を全国で入所待機のことに使うのか。入所待機者のいない自治体は何に使うのかといえば、それは、これから先日本社会が変わっていく中で、もっと保育所を使いたいという人は出てこられるはずです、それはそう思います。でも、それはもっと都会に集中してくるはずです、今の現状でいけば。だったら、もっと東京とか横浜とか川崎とか大阪とか京都とか、さっきこの地図でお示しをした真っ赤になっているこの地域の人たちが今一番困っておられるわけだから、ここへやはり重点的にお金は使うべきではないんですか。 もともと今、繰り返しになりますが、保育所対策の五カ年事業計画をつくっておられるわけだから、こういったたぐいのお金は本予算の中できっちりと、これから保育はこういうふうにしていきますよという中に組み込みをしてお出しになることであって、年度途中でいかに喫緊の課題だと言われても、本当にそうなのかなというふうに首をかしげてしまう。私は、そういうお金の使い方、言ってみれば小渕内閣全体のお金の使い方がここにもあらわれているというふうに言わざるを得ないと思います。 もう一、二問、この点について御確認をしておきたいのですけれども、いろいろと自治体で、メニュー事業として提起しておられます。厚生省が一番期待しておられるのは、駅前保育所と駅前ステーションの整備だというふうにお伺いしております。 では、この交付金はそれらにどの程度役に立つのかという点です。この交付金で駅前保育所あるいは駅前保育ステーションの整備をしようとして、例えば土地を手当てしようとする。これは土地の購入には使えません。建物を借り上げようとする。その建物の借り上げ費にもこの交付金は使うことはできません。 しからば、厚生省としてはどのような使われ方を、この駅前保育所あるいは駅前保育ステーションをふやしていくという中で、この交付金は使われればいいとお考えなんでしょうか。
○宮下国務大臣 先ほどの議論の繰り返しをちょっと申し上げておきますが、今回の二千億のうちの七割、約千四百億弱でございますが、これは約二割の市町村に配分されるということは、もう一回ちょっと強調させていただきたいと思います。 その上で、メニューが非常に多様化してございます。駅前保育所と駅前ステーションの話がございましたが、これは主として都市部に多いと思うんですね。それはなぜかといいますと、男女共同参画型社会、あるいは仕事と育児を両立されるための手法としてお子さんを、とにかく駅前ステーションというのは駅まで連れてきて、そこから保育所へやるということでございます。 そういうことで、私どもとしては、今仰せられたように、土地の取得とか施設の賃貸料等は継続的なものになりますので、これは一年限りの措置としてやっておりますので対象として見ておりませんけれども、市町村の方で自発的な検討の結果を踏まえて提出されますから、それを見まして把握していきたいと思っております。実際は、駅前保育所、これは保育所でございますから、従来のものと規格は同じでございます。そういうものの出てくることを期待しておるわけでございまして、今直ちに、市町村から持ち上がってきているものをここで何ぼあるということをお示しすることはできないわけであります。 なお、一千万の問題は、何が何でも一千万円交付して渡すということじゃございませんので、少子化対策のいろいろなメニューの中で、また、いろいろなアイデアの中で、私どもが今後参考にして、大変いいものであればこれを取り上げていくわけでございますので、一千万円以下の市町村もあってもおかしくないわけでございまして、何が何でも均等に分けるというものでもございません。
○山本(孝)委員 各自治体のお話を聞きますと、国の方のひもつきでないお金がおりてくるんだから、どの自治体に聞いてもこのお金は反対しません。いただけるものはすべて満額いただきたいという自治体です、それぞれ皆さん。だから、今の御説明、一千万まで出てこないだろう、そんなことはありません。みんな一千万出したいと思っています。お金の七割が待っておられるところに重点的に使われるんだからとおっしゃいます。でも、残りの三割、これは二千億円のうちの三割という話をしているわけですから、六百億円のお金は待機児童のいないところに落ちていくわけです。 しかも、今のお話の中で、何に使われたいというふうに期待しているのか、厚生省の姿として全然見えない。単にお金を出したら何かそこでやってくれるだろうと思っている。しかし、そんなお金の使い方って、いいんですか。子供に小遣い渡している話じゃないですよ。子供に小遣い渡したら、子供だってわかっていますから、自分で使う範囲でやるでしょう。でも、親としてはその小遣いが何に使われるか当然期待をしながら渡すじゃないですか。そういう状態でなしにこういう形の交付の仕方をするというのは、税金のむだ遣いになってしまうおそれはないのですか。そこは厚生省はどういうふうに理解をしながらお配りをしておられるのか、私はやはり説得力がないと思います、今の御説明では。 これ、運営費ないんだもの。どういうイメージを持って一番、駅前の保育所、分園体制、二十九人以下の形で、できれば駅の近くに整備されたらいいと思っておられるんでしょう。でも、そのときにどういうことが起きるんですか。都心の駅の近くで、土地は買えない、建物は借り上げられない。では、どうやってこのお金を有効的に使っていったらいいかというアイデアを持たずにお金だけ出すというのは、私は非常に政府全体の少子化に対する対策の根幹がないというふうに思わざるを得ないんですね。 もう一つ私が首をかしげているのは、低年齢児の待機の多い全国の六十六の市町村を対象に、直接厚生省はヒアリングをされたんですね。その自治体のそれぞれの地域事情の把握と解消に向けての助言をされたというふうに聞いています。ことしの二月から三月にかけて、全国の六十六市町村を対象にヒアリングをされたと。 では、その概要はまとまりましたかと申し上げたら、概要はまだまとまっていないというお返事でした。ということは、市町村が今どういう状態になっているかという現状を把握しないままで、厚生省としては今回の交付金事業を実施することをお決めになったのですか。
○宮下国務大臣 二月から三月にかけまして、特に低年齢児童の待機率が高い六十六市町村を対象に、個別に待機児童の状況、今後の対応策についてヒアリングを実施したのは御指摘のとおりでございます。 これは、保育所等の待機解消という問題意識がずっとございましたから、市町村の取り組み状況を把握いたしまして、国としてどのような対応が可能か、内閣としても少子化問題は非常に対応を中心に据えておりますので、このような取り組みをさせていただいたところでございます。 そして同時に、待機児童を抱える市町村に対しては、特例交付金の申請に当たりまして保育待機児童の解消計画の作成も要請しておりますから、この調査と無縁ではございません。 ただ、全体の調査の結果はまだ公表をしておりませんけれども、これは、今回の交付金によって、調査対象であった市町村を含めて、市町村の自主性によっていろいろな施策が出てくることを我々としては期待するわけでございまして、従来の補助制度からいいますとちょっと新しい手法のように感じます。 従来は、保育所というのはこういうものでこういう基準に合致しないとだめよということで、規格に合ったものだけを上げてくるわけでございますが、今回は、いろいろ地方の自由な発想というものを尊重してこのお金を生かしていこうということで組まさせていただいておりますので、十分これが今後の少子化対策の、ある一面においては重要な参考になるだろうと私どもは考えております。
○山本(孝)委員 そうしますと、今のお話、やはり二つあって、一つは、もともと国のお金、すなわち税金の集まり方と配分のされ方に基本的に問題があって、こんなもの、最初から自治体の方がもらっていたら年度当初からいろいろなものを考えますよ。年度の途中でおりてくるから、そこで何か事業を考えなければいけないという話になる。基本的にお金の、いつも言われている地方と国との一対二の割合をどうするのかという話の基本的な部分にかかわる話だと思いますね。 それで、一発きりでやるということになると、あと運営費はどうなるんですかという話にもなりますし、毎年毎年こういうふうに効果があるものであったら、単発で何でもそのとき効果があるんだといって出していけばいいのかということでもないと思うのです。余りにも唐突な印象を持たざるを得ない。そこの御説明を私はきっちりとしていただきたい。 少子化対策は必要です。何らかの手当ては必要なこともそうです。お金が各自治体、足りないというところでこの待機が解消されないというのも事実です。 それで、年度当初は四万人が、年度途中になると五万人の入所待機になる。年度途中で何とか入りたいと思う人がいっぱい出てくるということですね。そのときに、今、一応厚生省は入所の円滑化ということで定員を弾力化しておられて、年度当初は一〇%まで、年度途中一五%まで定員枠を拡大して受け入れてもいいと言っておられる。でも、申し上げているように、それに対する運営費等々の問題がありますから、なかなかそこは拡大しづらいのですね。結局ここにミスマッチが起きていると思うのですけれども、今、ミスマッチミスマッチとおっしゃっているので、こういうミスマッチ解消のための施策はどういうふうにお考えなんですか。
○横田政府委員 保育所につきましては、全国的には百九十万の入所定員になっておりますのに対しまして実際の入所人員は百七十万人と、二十万人ぐらいのあきがあるわけでありますが、地域的に見てまいりますと、先生御指摘のように待機児が発生しているところがございます。 例えば東京都で、去年の四月一日現在で五千人弱の待機児がおりますけれども、東京都全体として見ますと、一万人ぐらいのあきがあるという状況でございます。さらにそれでは細かく区部別に見るとどうかということでございますと、千代田区とか港区などは待機児がゼロでございますが、練馬とか世田谷とか数百人の待機児がいるような、非常に地域によりましてばらつきがございます。 こういった点で、待機児の解消につきましては、やはりそれぞれの自治体において、地域の実情に即して適切な措置を講じていただく必要があるというのが一つの、私ども今の基本的な考え方でございます。 それから、ことしの二月から三月にかけまして、待機児が多い市町村につきまして、担当課においてヒアリングを行いましたけれども、その結果、詳細はまとめておりますが、基本的に多かった意見というのは、やはりこういう状況の中で財政力がない、それから、組合との交渉が大変だというようなことで、やりたいけれども、なかなか解消策が進まないというような点もございまして、今回の交付金というのは、こういった点で、財政力の点ではまさに今までの隘路を解決するものではないかというふうに考えているところでございます。 したがいまして、あとは各市町村において、しっかりとやる気を出して、それぞれ創意工夫を凝らしていただくよう、私ども指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○山本(孝)委員 今局長お話しになったように、やはり財政力の問題なんですね。財政力の問題だということになればますます、一回限り二千億でどれだけの効果があるのかという御質問を私はせざるを得ない。いいです、答弁は。 それから、保育所の運営の問題として、よく私も地元で言われるんですけれども、今度、大阪の母子家庭の皆さん、母子寡婦福祉連合会に集っておられる母子家庭の皆さんにお話をお伺いしますと、求職、すなわち仕事を見つけなければいけない、求職活動をしなければいけない、でも求職活動の間は保育所に子供を預けることはできないということで、柔軟な対応を求めるという声が出ております。こうした状況にもしっかり対応はしていただけるんでしょうか。
○宮下国務大臣 求職中という理由だけで入所決定を保留することのないように指導はしております。 ただ、入所枠を上回る入所希望者が特定の保育所に集中した場合には、やはり市町村の判断として、現に就業中のケースが優先的に入所決定される場合が多いのも、これは否定できない事実でございます。 また、世帯類型として、母子家庭等については保育所への入所を優先させるとか、いろいろ市町村の判断を行って、そして入所の公平、あるいは実質的な公平、そういうことを期しておるというのが現状でございます。
○山本(孝)委員 私、今母子家庭を代表例に挙げましたけれども、今のように失業率が高くなってきますと、子供を抱えながら失業するという御家庭も出てきますね。共働きの状態がだんだん普通の形になってくるだろう。そうすると、やはり仕事を見つけるという状態におられて、何とか保育所に入りたいんだというようなケースの方たちがふえてくると思うんですね。そういったところにも柔軟な対応をしないと、やはり今政府が掲げておられます失業率の解消という点にも結びついてこないだろうし、あるいは子供たちの少子化対策という、将来の日本の人口を考えた上での少子化対策という点からも、ここは効果的なものにならないのではないかというふうに私は思います。 いずれにしましても、ミスマッチがある、その状況を置きながら、もっともっと保育所をつくれば何とかなるのではないかというのも何か安易なような気もしますし、いわゆる幼保の一元化、幼稚園の方でもっとやっていただく、あるいは学校の施設等々、文部省はなかなか学校施設の転用を認めてくれないので困りますけれども、学校施設の中で保育所の運営もしていくというような形の、もっともっと公設、民営、あるいは施設、柔軟な利用のされ方を考えていただかないと、単にお金を出したから解決するというものではないというふうに思います。 労働大臣に二点ほどお伺いをさせていただきたいと思います。 子育てと関連しての育児休業制度並びに手当です。 育児休業制度、平成七年四月から全事業所が対象になっておりますけれども、平成八年現在、育児休業制度の取得率、四四・五%と聞いております。この取得率をさらに高めるための施策、どのようなものをお考えでしょうか。
○甘利国務大臣 少子化の問題とあわせて、女性が職業の場に参加をしてくるということは、将来の労働力率の問題もあわせて大事なことであります。 要するに、仕事と子育てがちゃんと両立するようにどう環境整備をするかということでありますが、これは、育児休業をとりやすくするということと、とった後、職場に戻ったときに、あなたの机はありませんというようなことがないように、職場復帰がスムーズにいく、その両方の環境を整備するということが大事であります。 御指摘のとおり、この育児休業制度、一年、子供が一歳になるまでということと、その間二五%、保険給付で給与を払うということでありますが、これは、制度を持っていない企業にも、そこで働いている労働者にも権利はあるわけでありますから、これを定着促進しているところであります。 同時に、取得し終わった労働者がスムーズに職場復帰できるような環境整備に企業が取り組んでいくことに対する奨励金の支給、プログラム奨励金と申しておりますけれども、これも行っているところであります。 さらに、普及啓蒙ということで、自主的に仕事と家庭の両立が容易になるようないろいろな制度を導入していく模範的な企業に対しては、平成十一年度から表彰制度というものをつくっておりまして、ファミリー・フレンドリー企業普及促進事業というのを進めているわけでありまして、いろいろな視点から、この制度がちゃんと定着をし、普及していくように努めていきたいというふうに思っております。
○山本(孝)委員 今御答弁の中でお触れになりました育児休業手当、二五%、それをさらに上げていくというお考えは労働省の中にはおありですか。
○甘利国務大臣 育児休業制度というものをつくって、休んでいる間に給与の四分の一を支給するということは、スタートしてそう長い制度ではありませんから、まずこれを定着させていくということが大事だと思います。実は衆参の労働関係委員会でも先生御指摘のようなお話をいただいております。 この二五%の負担は、雇用保険から給付しているわけであります。雇用保険は、御案内のとおり、百分の〇・八を労使折半で払っているわけでありますから、この二五%については労使の意見が一致して現行制度がスタートした。今定着中でありますから、直ちにこの時点、きょうの時点でということは難しいと思います。ただ、仕事と家庭の両立を図っていくためには非常に重要な制度でありますし、引き続き検討するということは大事な課題だと思っております。 いずれにいたしましても、今後雇用保険制度全体のあり方が検討されていきますから、その中で、いろいろな視点から御議論をいただくという問題であろうと思っております。
○山本(孝)委員 仕事と子育ての両立支援という点からも大変大切なポイントだと思いますので、引き続き精力的に御検討いただきたいというふうに思います。 この際ですので、幾つか関連しております質問をさせていただきたいと思います。 先ほど、厚生大臣、今回の交付金は新しい試みだというふうにおっしゃいました。私は、新しい試みをされるときは、その試みがどの程度の効果を持ったのかということを、必ず政策を評価するということが必要だと思います。ぜひ、今回の特例交付金、効果を測定していただきたいというふうに思います。 あわせて、まだ途中ではありますけれどもぜひその効果等々を検証していただきたいと思っておりますのは、例の地域振興券でございます。その政策の冷静な分析と評価というのがやはり私は大変重要だと思っておりまして、この地域振興券は、現在のところ評価が分かれているように思います。 ただ、使用期限まであと三カ月弱。地元の商店街を回っておりますと、これから夏休みを迎えて使っていただけるのではないかといったような期待の声も聞いております。 そこで、まず自治大臣に現状をお尋ねさせていただきたいのですが、この地域振興券約七千億円の交付率、対象者のどのぐらいの人たちが既に受け取っておられて、それは金額的にはどのぐらいの割合になって、そして実際換金をされた、言ってみれば、予算はどのぐらいまで消化をされているというふうに現状で把握をしておられますでしょうか。
○野田(毅)国務大臣 地域振興券の交付事業につきましては、その事業主体である市町村には事務的に大変な御苦労をいただいたわけです。四月一日までに、三千二百五十二の団体、すべての市区町村において交付の手続を終えていただきました。 それから、四月下旬における地域振興券の交付及び使用状況の概略を調査したところでは、交付済みは六千百億円程度、そのうち、商店などで使用された上、市町村に換金の請求があったのは二千四百億円程度、交付済み分のおおよそ四割となっております。その後、六月末の状況については調査をして、現在取りまとめ中でありますが、この交付、換金に関連しては、順調に進んでいると考えております。
○山本(孝)委員 六月末の数字がまた出ましたら、教えていただきたいというふうに思います。きのう、事前のお話をいろいろ聞いておりましたときに、そういった数字を特にお持ちでないというお話でしたので、政治のサイドから要求しているような政策について、政府の側というかお役人の皆さんは割と無関心でおられるのかなというふうに思っておりましたので、今数字を一つお示しいただきました。 六月末までどの程度そこが進捗しているのかわかりませんけれども、経済企画庁長官にお尋ねをしたいのですが、この地域振興券の経済効果、現時点においてどのように受けとめておられるのでしょうか。
○堺屋国務大臣 委員御指摘のとおり、まだ全額が使われているわけでございませんので、これはなかなか把握が難しい問題でございます。また、これが使われたことで他の現金が使われなかったというようなこともございますので、わかりにくいのでございますが、総務庁の家計調査報告の公表データによりますと、消費支出の品目で見ますと、三月、四月には、子供服やテレビゲーム等が前年同月比かなり大幅に増加しております。 例えば、子供服でございますと、三月で九・二、四月で八・九、テレビゲームなどは三月で二一・一、四月で七二・〇という増加が見られております。また、学習机、これが五月に前年同月比で二〇〇%の増加になっているというようなことも出ております。 まだその程度でございまして、企画庁でも引き続きこの点では調査していきたいと考えております。
○山本(孝)委員 きのういただいた資料の数字をお読みいただいたわけですけれども、新聞等々あるいは地元のいろいろな皆さんのお話をお伺いしておりましても、例えば新聞で見ましても、商工会議所あるいは日銀の高松支店あるいは東海総合研究所、全国の信用金庫等々、さまざまな皆さんが調査をされておられる中で、余り肯定的な御意見が出てこないんですね、新聞の記事の取り上げ方が偏っているのかもしれませんけれども。 そういう意味合いで、どの程度の効果があったのか、先ほど冒頭申し上げましたように、きっちりとした測定の方法を何か考えていただいて、今の総務庁の家計調査等々を使うというのも一つかもしれませんけれども、ぜひ考えていただきたいと思っています。 もともと公明党の皆さんが提案された内容と随分、最終的に与党協議の中で、与党というか自民党の中でのお考えで変わってしまって、形が大分違いますので政策としての評価は難しいかもしれませんが、ぜひ大蔵大臣も、この間の推移をごらんになっていて、この地域振興券、どのように今の時点で評価しておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 今企画庁長官が言われましたように、経済的な効果を測定するということはなかなか難しいのだろうと思いますし、殊に、本来買うつもりであったものが代替的に券で買われたということもありそうでございますからなかなか申し上げることは難しゅうございますが、しかし、一つのアイデアではありましたし、また国民的に明るい話題になったということは私は申し上げられるだろうと思います。
○山本(孝)委員 重ねてで恐縮でございますが、たしか去年の秋だったと思いますけれども、常識では考えられないことも考えなくてはならないといったような御趣旨の御発言を記憶しておりますけれども、その御発言からしまして、今の時点でどういう、この御発言はそのとおりなんでございますか、あるいはお変わりになったんでしょうか。
○宮澤国務大臣 そのとおりに思っておりまして、そういうことが国民にわかっていただければそれも一つの効果であるかもしれないと思っております。
○山本(孝)委員 では、総理にお伺いをしたいんですけれども、今後も継続するのかどうかといったいろいろな声が出ております。政府として、今後、この政策はいいので継続していこう、今の段階で判断は難しいかもしれませんけれども、率直な、今大蔵大臣からの御答弁もありましたけれども、総理としてはどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○小渕内閣総理大臣 今後の取り扱いにつきましては、結論を申し上げれば、経済情勢や今回の利用実態及び事業の効果を十分見きわめ、また関係方面の御意見も拝聴した上で考えなければならない課題である、こう考えております。
○山本(孝)委員 お役人の用意された答弁をそのまま読まれるとですね……。 やはり政治家としてそれぞれの、例えば商店街であったり、総理大臣、商店街を回られるということはないのかもしれませんが……(発言する者あり)そうですか。 このごろ私の地元を回っておりましても、スーパーマーケットへ行って、どうですか、よく売れますかと言いますと、いや、売れるのはとにかくその日の目玉商品だけ、きょうの特売はこれだけですというのを朝十時に来られて卵ワンパック持って帰られる、それ以外のものが全く売れないんですと言っておられます。 だから、そういう意味合いでも、こういういろいろな、消費振興という意味合いあるいは早く景気を回復するために必要だということでやった事業ですから、それぞれがどのように効果を持っているのか、ぜひ、今後継続するというような要望の声もあるやに聞いておりますし、よく御検討をしていただきたいというふうに思います。 いよいよ年金法案が自自両党合意というお話も聞いております。そういったところで、介護保険、医療保険あるいは年金等々について、これからの政府の御対応についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。 まず、介護保険ですけれども、介護保険料が高いという声を受けて、その財源構成のあり方について見直しをしておられるというお話を聞きます。そもそも、自由党の皆さんは税方式を主張されておられて、公明党は、新聞だけですけれども、今、在宅は保険で、施設は税でという、財源分離方式を検討されておられると聞きます。私、どちらの御提言も、それぞれにメリット、デメリットのある話だなというふうに思います。さすがに公明党の先生方、地元の声を受けてなるほどと思う案をおつくりになるなと感心をしておりますけれども、いずれも制度全体としては大きな変更を伴うということになります。 今後、いわゆる自自公三党で連立を組んでいかれるといった場合に、この介護保険の財源のあり方、今、年金で自自両党でかなり激しい協議をされたのと同じように、ここのところも今後財源のあり方について協議をされるということになるのか。来年の実施あるいは十月からの認定開始を目前に制度の大きな骨格が変わってくるということになりますと、自治体の側の対応もそれなりの対応をしなければいけないと思いますので、まずこの自由党御主張の税方式あるいは公明党御主張の財源分離方式、検討するのか、あるいはそのまま、現状のままでいかれるのか。総理と厚生大臣、それぞれお尋ねをさせていただきたいと思います。
○宮下国務大臣 自自公の問題等は政治的な課題でございますから、総理の方からそれを踏まえてのお答えがあろうかと存じますが、私の方からは、そういった議論に対してどのように考えているかということだけ申し上げさせていただきます。 今後の高齢化の進行に伴いまして、個人の自立精神を基調としながらも、サービスと負担の関係が明確でなければいかぬ。そして、そのためには社会保険方式による介護保険制度が一番いい選択だということで、これは国会の一年有余にわたる議論の末御決定をいただいているわけでございまして、仮にこれを変えるということになれば、今御指摘のように法律改正その他、来年の四月から私どもは完全実施を予定しておりますから、これは間に合わないということになりまして、到底これは承認するわけにはまいらぬというのははっきり申し上げておきます。 なお、介護保険制度は、個々の市町村が運営主体として責任を持ってやっていただく制度でございますので、税財源で仮に賄うという仕組みをとった場合は、これは私どもはとるつもりはございませんが、地域におけるサービス提供と負担との関係が不明確になるという問題がありまして、サービス提供と負担との適切なバランスをとることが介護保険で非常に重要な視点でございますから、それが崩れる。そして、保険料負担を通じてコストインセンティブが働きにくくはなるというような問題等がございますので、私どもはそれは問題だと。 それから、在宅サービスについてのみ介護保険を導入することにつきましては、市町村においては、保険制度と現行の措置制度の両方の事務を並行して行うという問題がございまして、市町村の事務の混乱のおそれがあるということが一つ。 それから、施設の費用が保険料に反映されませんから……
○山本(孝)委員 理由はわかります。検討しないということなんですね。
○宮下国務大臣 その理由をちょっと申し上げて……
○山本(孝)委員 理由はいいんです。変更しないということですね。
○宮下国務大臣 変更はしないつもりでございます。
○小渕内閣総理大臣 極めて重要な問題でございますので、それぞれの政党の従来からの御主張もありますし、この制度を維持していくためにいかなる財源を考えていかなければならぬということにつきまして、自由党も、そしてまた公明党も検討していただいております。 したがいまして、こうした考え方を、今後政府をともにするということになりますれば、十分各党間で検討し、よりよいものを目指していきたいと思っております。
○山本(孝)委員 総理、重ねてで申しわけありません。 今申し上げましたように、来年四月から実施、今の時点で変えるということは、かなり制度、大きな変更になりますので、この時点でいろいろな御主張はあるけれども、政府としては原案どおりやっていくというお考えなのか。今の御答弁ですと、協議の結果として変わり得るんだというふうにも聞こえますので、検討の余地はあるということなんですか。
○宮下国務大臣 先ほど私がいろいろ説明しかけましたけれども、やるかやらぬかということだけだということで中断をいたしましたけれども、私どもはこれを、法律によって決まっておりますし、仰せのとおり、これを変えようとするならば、法律改正等を行わなければなりません。そういうことは今、十月からの実施をもう前提にいたしておるわけですね。特に認定事業が始まります。そういうことでございますので、大変困難な状況にあると思います。 しかしながら、実際に円滑に四月から実施するためには、今いろいろ指摘されている問題点等が、どのような手当てをすれば円滑に行い得るかというようなことは、私どもは当然考えなくてはいけないことであります、法律の枠内で。それを私どもとしては精力的に考えて、実施に移していきたいと思っているわけです。
○山本(孝)委員 私も思うのですね。よりよい制度に改正をするというのは、制度実施前であっても、あるいは制度後であっても大いにあり得ることだろうと。でも、ここは非常に大きな、根幹にかかわる部分の改正になりますので、今の時点でどたばたされていますと、そうでなくてもおくれている話がもっとおくれてくるわけですね。そうすると、来年四月一日に実施しないで、もっと先に送った方がいいじゃないかという話にもなりかねないわけです。 だから、こういう大きな御議論があるところをどう受けとめて、今後この財源問題、申し上げているように、自由党の税方式あるいは公明党の施設在宅財源分離方式、それぞれ一長一短あります。だから、それを総理として今お考えになって、協議の結果として変えるという余地があるのかないのかという御質問なんです。
○小渕内閣総理大臣 私自身が今ここで結論を申し上げることは、これはできかねることでございまして、ともどもに自由党の主張もあり公明党の主張もあり、一見すれば、まことにそれぞれの主張を長い間検討した結果でありまして、根幹に触れることでございます。 と同時に、自由民主党もございますので、もし三党が連立して政権をともにするということでありますれば、当然、その三党でこの問題について速やかにお話し合いを進めていただかなきゃならぬ。その結果に基づきまして、政府を預かる私といたしましてはその方向で検討する、こういうことだろうと思います。
○山本(孝)委員 それは、いつ連立政権が発足するのか知りませんけれども、今のように、協議をするんだという姿勢を示されますと、では、いつまでにやっていただけるのか。それによって、自治体は全然これは準備の仕方が変わってきますよ。大混乱しますよ、この話は。 いつまでに今の協議をされて結論を出されるのか。そこをお聞かせください。
○宮下国務大臣 総理の御答弁を補足するわけにはまいりませんけれども、総理の真意は、自公民の枠組みが変われば当然基本政策のとおりに……(発言する者あり)自自公です。失礼しました、自自公です。昔の自公民を思い出しまして、つい出てしまいました。自自公の、それは協議の、基本政策が協議されることは私は当然のことだと思います。 しかしながら、この問題はちょっと他の課題と違いまして、今委員のおっしゃられるとおり、来年の四月から実施、しかも、十月から正規の認定開始が始まるわけでございまして、この保険制度をやめて税制度にするということになりますと、従来の福祉政策のパターンに戻るわけでございまして、法律改正等を要します。それは、委員のおっしゃられるとおり、大混乱を私も生ずると存じます。 他方、市長会、町村会等でも諸準備をずっと続けてまいってきておりまして、どうしてもこれは予定どおりやってほしいという希望が強く私どもに寄せられております。 そういうことでございますので、おのずから、総理の、自自公における基本政策のお話し合いは、当然これは私どもとしてとやかく言う筋合いではございませんが、事介護保険に関する限りは、大筋でこれは国会で承認された法定事項でございますから、それを私どもとしては円滑にいかに実施するかということが必要だということをはっきり申し上げさせていただきたいと思います。
○野田(毅)国務大臣 今いろいろ、自自公、自自公の話があるんですが、実は、去年の暮れの予算編成に関連して、十二月十六日に予算編成に関連する、自民党、自由党両党間で協議した中で、公共事業等に関連する御議論がございましたが、もう一つ大事な問題として、「介護制度については、平成十一年度末までに、基盤整備、実施主体の状況などを点検し、円滑な実施が図られるよう財源のあり方などを含め検討する。」という一項目があり、「消費税は、その使途を基礎年金、老人医療、介護に限定する。」これは自民党の文書でございますが、「自由党との協議の確認」という文書になっております。 そういう点で、与党の中で、まず本来なら今までの間に既に与党間で、党ベースでもう少しきちんと議論を進めていっていただきたいテーマでございますが、いずれにせよ、これから必要な事項について与党の中でまず議論もしていただかなきゃならないし、厚生省の方も、そういう点も踏まえて、必要な見直しがあるならば、どういうふうなことがあるのかないのかということを含めて検討しなければならないテーマのことであるというふうに私は思っております。
○山本(孝)委員 厚生大臣がおっしゃっていることと自治大臣あるいは総理のおっしゃっている部分と、私は、随分違いがあると思うのですよ。 こういうふうに、物事を決めないで引っ張っていくこと自体が物すごい混乱を起こしているわけだから、今ですら介護報酬を決めずにやっている、しかも方針が大きく変わるかもしれないというのはおかしい。 年金の今度の法案だってようやく、これは出るのか出ないのか知りませんけれども、自民党と自由党の間が、どこかで、国会の外でずっと協議しておられて、何が何だかよくわからない。私は、自由党の御主張はよくわかるのです、基礎年金のあり方として。でも、そんなのは国会で議論すればいいことであって、そのために、この国会へ出てこないがために年金改正がおくれていくというのは、政府として非常に無責任です。今の発言も、私、非常に無責任だと思います。 これから連立を組んでいかれる、いつ連立が発足するのか知りませんけれども、発足した時点から介護保険制度の実施まで物すごい期間が短いのですよ。そこのところを僕は、今の話の中では、協議をされるならば早く協議をしていただきたい。 これ以上に混乱したときに、総理としてきっちりとした対応がとれるという自信はおありなんですか。
○小渕内閣総理大臣 現行は、先ほど厚生大臣が御答弁申し上げましたように、法定化され、それによって準備も進んでおることは事実であります。また、来年四月一日と定められた日を目指して努力をしております。 だが、同時に、政党政治という立場で、それぞれの政党における御主張というものもたっとばなければなりませんが、近々この三党の連立ということが可能になるという前提で、私としてはそれぞれの政党の考え方も十分受けとめなければならぬ、こう申し上げておるわけでありまして、今の時点でまだ、これからどうなるかということを前提にして私が結論を今ここで申し上げるということはできかねることだと先ほどから御答弁させていただいています。
○山本(孝)委員 もう一問だけ、総理、御確認をしておきたいのです。医療保険制度改革です。 橋本前総理のときから、平成十二年四月を目途に医療保険制度改革はするというのが政府の公約になっています。薬価制度の問題をめぐって、結局、白紙に戻りました。今、医療制度改革の案らしいものは一つも政府の側では提示しておられません。 高齢者の一割負担という話が出てまいりました。介護保険が一割負担を求めていく中で、医療保険の高齢者自己負担割合をどうするのか、大きな議論になると思います。一割負担を求めるということは、医師会の大きな反発が予想されます。そういう中で、高齢者医療制度、一割負担を求めていくというお考えでおられるのか。 あるいは、高齢者医療制度改革を含めた医療制度改革案、一体いつまで、この国会に出していただけることになるのか。ずっと公約になっています。出す出すと言って、いまだに出ない医療保険制度改革、いつまでに案を出していただけるのか。 総理としての御答弁を求めたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 医療制度につきましては、経済成長の伸びと医療費の伸びの不均衡が拡大していく中で、将来にわたって信頼のできる安定した制度を確立することが不可欠であることは申すまでもありません。 このため、医療制度の抜本改革につきまして、現在、制度の全般にわたりまして精力的に検討を行っているところであります。抜本改革の具体的なあり方につきましては関係者の間でさまざまな意見がありますが、政府としては、平成十二年度からの抜本改革の実施に向けまして、成案を得られるよう最大限努力してまいるところでございます。
○山本(孝)委員 一年切れている中で、何でできるんですか。できるのなら、できるなりのちゃんとしたスケジュールを示して国民に説明をしていただきたいと思います。 橋本龍太郎前総理は必ずやるというふうにおっしゃいました。(発言する者あり)そうですよ、全然こんなの無責任ですよ。お約束になっているので、ここはしっかりとしたものを出していただきたいと思います。 残念ながら、質問時間は終わりましたけれども、将来に向かってのきっちりとした社会保障の姿を示していただけないのでは、不安感はちっとも解消しません。医療保険制度を改革しないのであれば、単に医療保険の財政を介護保険につけかえただけだという国民の言っていることが全く正しいという話になります。それは、財源対策でしか介護保険制度がないということを言っているようなものですから、そういう制度にならないように、しっかりとした対応をしていただきたいというふうに最後にお願いをして、質問を終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。 次に、石井紘基君。
○石井(紘)委員 いろいろ補正予算やら経済政策というものを打ち出して、打ち出してはなかなかこれは成功しない。そして、また論議をするわけでありますが、しかし、根本的なことにもう少しやはり考えをめぐらせなきゃいけないんじゃないかと思うわけですね。 実は、我が国の経済社会というものの現状は、本当に自由競争、資本主義経済というものが十分成立する、そういう土壌を保っているのかどうなのか。もっと、マクロ経済における拡大再生産というような、そういう機能というものについて目を向けていかなきゃいかぬわけですね。 今の日本のあり方というのは、これはもう時間がないから具体的なことは申し上げませんが、何しろ正常な、健全な資本主義の状態ではない、いわば官営経済。これはイコール利権的な、利権経済という状態になっておるわけであります。上から金をどんどん流すけれども、それはいろいろな方面に途中で消えていってしまう。砂の上に水をまいているような、そういう状態で、さっぱり芽を出すその土壌というものが失われてしまっておる。こういうことにもう少しやはり政府というものは真剣に目を向けていかなきゃいかぬわけですよ。海抜三千メートルぐらいの高地でもって運動会をやっているようなもので、幾ら一生懸命走ったって、あるいはカンフル剤を打ったってなかなかスピードが出てこない、こういう状態なんだということですよ。 そこで、今日の、官営経済と私は申し上げましたが、それを構成するいわば四本柱、一つは財投という制度、もう一つは補助金というあり方。我が国の予算支出は、大部分が実は広い意味での補助金という形で流れていっているわけですよ、そのことを一々説明する必要はないと思いますが。 それからまた、特別会計という、このとてつもない、えたいの知れないような、特に事業会計なんかの場合には、マネーロンダリングという言葉がありますが、いわば正規に集まってきた税金を、これを逆マネーロンダリングして暗いトンネルの中に入れる、こういうような機能を果たしておって、そしてそこが国家予算の五倍も六倍もの規模でもって運営されておる、事業をやっておる、投機をやっておる。そういうことですから、これは予算に計上できないようなことをたくさんやっておるから、これだけ特別会計の規模というのは膨らんでいくわけです。 もう一つは——だから、今言いましたのは補助金とか特別会計とかあるいは財投、それから特殊法人制度、それから補助金、こういうようなことですね。これらは、こういうことを今の政府の皆さん方に私が幾ら言っても、あなた方は、後で申し上げますように、補助金というものを非常に政治的に利用しておるから、こういうものの改革ができません。だから、これ以上私はこういう高邁な話は短時間でもってしてもしようがないから、ぜひ改めて私もじっくり申し上げるし、また近々本も出しますし、また、あるいは今出ておるこの文芸春秋のこれをお読みください。 それで、この中に若干書いてあることは、農水大臣もお読みでしょう。農水省から早速こんな分厚い、綿々とした反論と称する、何か抗議文みたいなものが来ましたよ、この出版社に。だから、これは農水大臣もそのことを御存じでしょう。いいですか。 ちょっと申し上げますと、土地改良区というのが全国に七千七百ぐらいありますね。それからまた、そういうところには……(発言する者あり)たくさんいるんだけれども、私、失礼ですが、この中に一部しか名前を出させていただきませんでした。もっとたくさんいろいろな政治家の方々がいらっしゃるわけでありますけれどもね。 そこで、これは農水省の二兆円近い補助金というものが流れていく。簡単に申し上げますと、土地改良区の全国組織は全土連といいますね、この全土連に幾ら補助金が行っていますか。莫大な補助金が行っていますね。四十五億円ぐらいじゃないですか。それから、土地連に並行して全国土地改良政治連盟というのがある。この政治連盟がやはり莫大な、こういう補助金が回り回っていく、そういう団体から取り仕切って、政治献金を集めておるのは事実であります。 そして、この全国土地改良政治連盟と、もう一つ、土地改良資金協会というのを農水省が正式につくった、二百億円出して。それは、基本財産は全土連と農水省の予算で分け合って出しておる。これに二千億円の予算を毎月、何年間かにわたって毎年出していこうと。こういうものがずっと末端を通して、業界団体、あるいはまたこれらの土地連の政治連盟というものに回っていって、ついには自民党の政治団体まで来ているじゃありませんか。これは後でよく見てください。それ以上私は申し上げません。 そこで私は、平成七年度のこのお金、国の予算ですから、これがどういうふうに回っていくのかということを調べてみましたら、何と、土地改良政治連盟等々からずっと行って、土地改良人自由国民会議、こういう政治団体があります。これは自民党のいろいろある政治団体のうちの一つでしょう。この土地改良人自由国民会議という政治団体が平成七年に自由国民会議に対して、自由国民会議というのは何ですか、自民党のやはり政治団体でしょう、これに対して四千五百万円を出しておるわけですね。出しておるわけです。 ところが、その四千五百万円というのを出して、その後、六千数百万円というのが自民党から、この自民党というのは自由国民会議という政治団体、そこから、土地改良人国民会議というところに入っておる。ところが、その出したはずの四千五百万が自由国民会議のこの収支報告には記載されてない。これはどういうわけなんですか、御説明をいただきたいと思います。 これは今、自民党の話でございますので、自民党総裁である総理かと思いますが、いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 個々の事例についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますれば、政治団体は、ルールに沿って適切な収支報告書の記載が期待されているところであると思います。
○石井(紘)委員 私は、このことを質問するというふうに通告をしてあります。これは、農業補助金が回っていってこういうふうになっている問題でありますから、明らかにしていただかなければなりません。今のような御答弁では了解できないので、再度答弁をお願いします。
○中山委員長 自治省の選挙部長が来ておりますが。
○石井(紘)委員 じゃ、自治省に。——ちょっと待ってください、農水大臣。大臣にも後で聞きますから。自治省にこの事実関係だけを、あるかないかということを確認させてもらいたいと思います。
○片木政府委員 土地改良人自由国民会議の平成七年分の収支報告書でございますが、この報告書には、自由国民会議に対し、四千五百十三万六千円の立てかえ金という名目の支出の記載がございます。 また、自由社会を守る国民会議(自由国民会議)の平成七年分の収支報告書には、収入として、個人の負担する党費または会費として十四億九千三十二万円、政治団体からの寄附として四億三千百六十万四千円、その他の収入として二十六万五千六百二十六円が記載されておりますが、その中に、土地改良人自由国民会議からの立てかえ金という名目の収入の記載はございません。
○石井(紘)委員 今、自治省が報告をされたとおりであると思います。私の言っているとおりなんですが、これは、土地改良人自由国民会議は自由国民会議に対して出したという記載をしている。しかし、自由国民会議はそれを受けたという記載をしていない。その次の年にもそういうものはない。その次もない。これはどこへ消えたんですか、説明してください。——時間がなくなるから早くしてください。質問は事前にこのことを通告してあるんですよ、きちっと。言ってあるんですよ。官房が来て、ちゃんと聞き取ってメモして帰ったんですよ。二回も来ましたよ。
○中山委員長 今の御質問の趣旨で言ってありますか。
○石井(紘)委員 もちろんですよ。言ってください。
○中川国務大臣 まず、先生も御承知かと思いますけれども、土地改良区の役割、そして、そこに対して国費なりあるいは負担金なりが流れていくお金の流れ、それから、資金協会のお話が出ましたけれども、資金協会というのはできた土地改良事業のお金の流れ、それと政治資金団体としてのお金の流れとは全く違うわけでございまして、それの、土地改良政治連盟のお金の流れについての御質問でございますが、これはあくまでも土地改良事業と直接的には関係のないお金の流れでございますから、それを区別した上で御質問をいただきたいと思います。
○石井(紘)委員 どういう質問をするかあなたに指示される必要はないんだ。私の聞いたことに答えてくださいよ。自民党総裁、どうぞ。
○中山委員長 自民党にも担当がおりますので、総裁がすべて御存じだということにはなりません。ここでまた総裁としての御答弁というのもおかしいと思います。
○石井(紘)委員 最近、若い人の中で、人の金を自分のものだと思っちゃって自由にやるのはサッチーするというふうに言うんですね。こういうものを国民が見ているわけですよ。いいですか。だから、ここで政治への信頼というものが失われていくのですよ、こういう中で。政治資金規正法違反じゃないですか、これは。どうなんですか。違反じゃないのなら違反じゃないと言ってくださいよ。聞いているんだから、私は。
○中山委員長 片木選挙部長。
○石井(紘)委員 私は総理に聞いているんだから、あなた、結構です。結構、結構。あなた、自民党の人なの。あなた、自民党。政府の中に自民党の人がいるの。
○中川国務大臣 自民党総裁に質問をされているということであれば、自民党所属議員である私にも答弁をさせていただきたいと思うわけでありますが、これは政治資金の流れでございまして、それをきちっと届け出をし、自治省のチェックを受けておるわけでございますから、これが不適切であるということであれば、自治省……(発言する者あり)答弁中ですから聞いてください。
○中山委員長 答弁中でございますので。
○中川国務大臣 あなたの質問に対して私が答えているんだから、黙って最後まで聞いてから御質問いただきたいと思います。 きちっと我が党の政治資金団体と土地改良資金団体との関係において正しくチェックをし、届け出をしておるわけでございますから、それについて問題があれば自治省の方から何らかの指摘があるわけでございまして、これに関しては問題がないというふうに聞いております。
○石井(紘)委員 あなたは問題があれば自治省が指摘すると言うが、自治省にその権限があるのですか。あなたはそんなことも知らないで、いいかげんな答弁をしているんじゃないよ。自治省はそんな権限はないんじゃないか。 事実関係を言ってください。私は、自民党総裁である総理に伺っているわけでございますので。 委員長、私の質問時間はどんどん過ぎていっちゃう。
○中山委員長 では、私がどう処理するかお預かりして、御質疑の内容を。適宜総裁として党の方に指示していただくということで、この場、お預かりをさせていただきたいと思います、御質疑を。 そうしませんと、総裁がすべて知っていらっしゃるわけじゃありませんし、党の方には、私も党に所属しておりますが、その担当の者がおりますので。ですから、お預かりをしたいと思います。
○石井(紘)委員 それでは、それは委員長が責任を持ってとりあえず預かってもらって、理事会ないしは、また引き続き別の機会に私は質問をいたしますので、よろしくお願いします。
○中山委員長 理事会で協議させていただきます。
○石井(紘)委員 それから、やはり非常に重要な、さっきの官営経済の問題であります。 電源開発という特殊法人。さっき言った特殊法人、財投を使っておる、そして政府の、行政の出先の機関である。こういう特殊法人である電源開発というのが、民間に、そもそも九電力を初め電力会社があって、電気をつくって供給しているのです。それは、戦後は必要な時期もあったかもしれない。しかし、政府がこれをますます肥大化させて、そして民間のこういう電力事業というもののシェアを奪ってきておる。今、水力発電だけで五十八カ所、ダムもそのぐらいあるのですよ。それで電気をつくって売る商売をしている。だから、これは社会的インフラとかそんなことは言えないのですよ、売る商売をやっているわけですから。 いいですか。政府の出資金は四百七十億円ですね。この特殊法人の三分の二の資本金を政府が出してきているわけですね。それで、出してきた補助金の累計額は千百億円。電源開発が主として財投から借り入れている借入金の総額は二兆円になっておるわけですよ、累積の残高が。それで、最近でも、毎年年間十億円ぐらいずつ政府の補助金を出しておる。子会社を八つ経営しておって、その子会社の経常利益が四十五億円になっている。これは全部黒字です。それから、年間の売り上げが四千五百億円だと言っておる。ところが、経営経費は四千二百億円かかって、新規の借入金を二千億円やっておる。毎年そういうふうに借金をふやしてきているわけです。これでも六%の配当をしているわけです。政府が持っておって、そして九電力にそれぞれ分担させて、さらに残りの三分の一を持たせておる。そういうところが、これだけ莫大な借金を抱えているところが、国の金を使って商売をやっているところが、六%の配当金を出している。これは一体どういうわけだ。 そして、政府の、これは多分特別会計に、産投特会とか石油特会にその配当金を入れてきているわけです。政府が金を出して、そしてまた特会の方に今度はその配当金を入れておる。さっき言った逆マネーロンダリングの特会に入れておる。それを使って一生懸命ダムをつくって発電所をつくっておる、そのために。この石油特別会計に、この税金が電源開発促進税というもので、九電力から税金を取り上げておる。そういう構造の中で電気代という公共料金がいろいろなほかの公共料金に波及して、全体的に公共料金がばっと高くなってきているわけでしょう。そういう高コストの構造というものを生み出しているわけです。 そこで、大変大きな問題があるわけです。 水力発電所というのは、大体日本の国土の中でも山岳地、自然の豊かなところに、川が流れておる、自然の生態系、動脈とも言うべきその川をせきとめてつくるダムであります。こういうものを六十カ所前後つくっておるのですが、これは電力会社だけでですよ。全国のダムは三千カ所ぐらいあるのですよ。この中で、奥只見・大鳥発電所増設工事、これは主として新潟県、若干福島県にまたがる、それから湯之谷揚水発電所、この建設を進めようとしている。この予算はどうなっているか、説明してください。ちょっと詳細にお願いします。
○与謝野国務大臣 まず、基本的なことを申し上げて恐縮なんですが、電源開発株式会社というのは昭和二十年代にできた会社でございます。それから、電源三法の交付金とはまた別に考えていただいた方がよろしいのではないかと思っております。 電源三法交付金制度や、現段階では特殊法人である電源開発株式会社の業務については、電源立地の促進を担当する資源エネルギー庁の所掌するところであり、これが通産大臣の指揮監督下にあることは言うまでもないところでございます。 個別の事案の委細を承知しているというわけではありませんが、これまでのところ、制度全体として適切な運用が図られているものと認識しております。 いずれにしても、電源開発に伴う国の交付金、補助金等の交付については、目的に照らし厳正かつ的確に行われるべきことは言うまでもなく、今後とも、この趣旨に沿った運用が行われるように対処してまいりたいと考えております。
○中山委員長 石井先生、電源開発の杉山社長が来ております。 電源開発株式会社代表取締役社長杉山弘参考人。
○杉山参考人 お答えいたします。 当社につきまして、先生から御説明ありましたこと、ほぼそのとおりでございます。 その中で、交付金というお話がございましたが、これは当社だけの交付金ではございませんで、最近、非常に国内で乏しくなってまいりました水力の開発のための中小規模のもの、これは電力会社にも同じように出されております。 それから、当社の予算規模等でございますが、大体、設備投資で最近では年間約二千億……(石井(紘)委員「今のダムの予算」と呼ぶ)ダムの予算につきましても、これは最近では全部政府保証債で資金を調達いたしております。
○石井(紘)委員 私は、今具体的に二つのダムの建設計画を挙げて、その予算内容を聞いたわけですが、そういう答弁だともう時間が終わっちゃいますので、私があらかじめ調べてあるのを申し上げます。もうちょっと私の質問をよく聞いておいて、それに的確に答弁してくださいね。 この奥只見・大鳥発電所計画というのは、この事業予算は六百六十八億だということですね。そして、もう一つの湯之谷発電所新設工事というのは三千五百九十五億だということですね。これは電源開発の事務方の方で結構です。これで正しいかどうかということと、それから、この内訳もここにありますが、この内訳を言ってください。ちょっと急いで。
○杉山参考人 先生御指摘の奥只見・大鳥発電所増設工事でございますが、事業予算総額で六百六十八億円でございます。内訳といたしましては、土木工事が二百六億円、それから発電機等の設備の購入代が百八十八億円、その他が二百七十四億円でございます。
○石井(紘)委員 今のやつのその過年度分の実績はどうなっていますか。
○杉山参考人 過年度分の支出でございますが、これはトータルで約百四十億円ぐらいになっております。その内訳は、土木工事費が三十一億円、設備購入費が約七億円、その他管理費が百三億円、管理費といたしましては、測量費、補償費、その他ということになります。
○石井(紘)委員 それぞれ幾らですか、仮設備費、測量費、補償費、管理費。
○杉山参考人 仮設設備費が三十二億円でございます。測量費が二十三億円、補償費が十億円、管理費三十八億円、こういう内訳になっております。
○石井(紘)委員 同様に、湯之谷の方も。
○杉山参考人 湯之谷につきましては、過去の支出分が百二十七億円でございまして、内訳は、仮設設備等が十四億円、測量費七十六億円、補償費二億円、ダム分担金十一億円、管理費二十四億円、こういう内訳になっております。
○石井(紘)委員 それでは、この中の一部だけちょっと伺いましょう。 その補償費という部分でありますが、これは奥只見・大鳥が十億円、湯之谷が二億円というふうに言われました。これは、どことどこの、どういう内容ですか。市町村に払ったというものもあるわけですか。大体どんなものですか、中身は。
○杉山参考人 お答えいたします。 奥只見・大鳥発電所の方でございますが、補償費といたしまして約十億円の支払いをいたしておりますが、これは湯之谷村でございまして、湯之谷村に、発電所建設の影響緩和のための自治体が整備をされます公共施設に対する当社の負担分として七億円、それから、湯之谷村の事務経費の増加に伴います、これは発電所建設に伴う事務経費の増加でございますが、それに対する当社の負担分約六千万円でございます。残りは漁業補償、それから、建設のための準備工事をいたします場合に借ります土地の借り入れないしはその返還に伴う場合の原状回復費用等でございます。
○石井(紘)委員 そうすると、今の話だと、この関連の市町村は、ほかにも入広瀬村だとか只見町だとか檜枝岐村だとかありますが、そういうところには全然行っていなくて、湯之谷村だけに行っているということですか、市町村では。
○杉山参考人 御指摘のとおりでございます。
○石井(紘)委員 湯之谷村に関連公共施設建設のため七億円、それから事務経費が六千万、こういうふうに今言われました。そうすると、これはどうも事実と随分違っているのですね。 私は、これは電発法に触れる問題じゃないかというふうに思っております。それからまた、ちょっと電源開発の中の背任罪の疑いがあるのではないかというふうに思いますので、具体的に申し上げます。民間でもやらないようなひどいことをあなた方はやっておる。 その前に、今報告があった、これは通産大臣が最近認可をしたものですから、通産大臣はこの認可をするに当たって、こうした予算関係についての報告は受けていますか。今総裁が言われたようなことは了解していますか。ちょっと答弁してください。
○与謝野国務大臣 当然、通産省資源エネルギー庁としては承知していることでございます。
○石井(紘)委員 大臣個人が、大臣御自身がそれは了解をしておるというふうに、当然、私は大臣に聞いたわけですから、受けとめなければならぬと思います。 そこで、この電源開発は、大変な回数にわたってこの湯之谷村と協定書やら確認書やらいろいろなものを結んで、その都度お金を出してきている。全部でこれは二十数回にわたってお金を出し続けてきているわけですね。 この最初の協定書の中にはこういうものがある。これは対策費としての内容です。 職員の人件費を払いましょう。湯之谷村職員に対して、給料、管理職手当、扶養手当、通勤手当、住居手当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、時間外勤務手当等の支給実費を負担する。それから、消耗品費。事務消耗品代及び関係者との会議の際の諸資料印刷代を負担する。食糧費。食糧費の実費を負担する。備品購入費、ファクス代、電話代、郵便代。これはもうほとんど、役所にかかる経費はみんな何でも負担してあげましょう、こういう内容です。 そして、いいですか、平成七年三月ごろから始まって、協定書をつくって、最初は六百八十三万円。次は平成七年、百七十八万円。次は平成八年三月二十五日、千五百十二万円。平成八年三月二十九日、四日後ですね、一千九万七千円。同じ日に協定書をつくって、翌年の三月二十四日、一千八百九十二万円。三月二十六日、二日後、一千六百八万円。さらに、十年になりますと、三月の二十七日、一千三百八十五万四千円。三月三十日、一千六百十五万円。十年五月二十二日、一億七千万円。 その間に、こういう何でも上げましょうというもののほかにもう一つ、さらに何でも上げましょうというので四億円。これは、平成九年三月二十四日、協定書をつくって、この中に内容が、こういうものが盛り込まれているわけです。八崎地区観光用スロープカーの建設、村民交流施設、銀山平地区公共下水道整備事業、蛇子沢・銀山平開発事業前期分、後期分、その他三項目ありますが、ダムの建設とも何の関係もない、要するに村でやる事業は全部言ってくださいよ、そうやって出しているわけです。 今社長は、数字を、湯之谷村に七億六千万というふうに言われましたが、これらの今申し上げた事業については国と県の補助金が全部ついておる事業です。ですから、電発としては、この補助金でない自己負担部分について負担をしよう、こういうことにしてあるわけですね。ところが、私の今申し上げた数字は全部払って六億幾らになると思うんですね。 そうしますと、今の社長のお話ですと、既にこの七億六千万というのは湯之谷村に支払い済みということでしょうか。それが一点。それからまた、これを見てみると、湯之谷村には何でもこうやって、電源開発法の法律をはるかに逸脱している、そういうものに対してもこうやって出しているわけですが、私が申し上げたこういうことが事実であるかということと、先ほどの金額は既に出した金額なのかどうなのか。
○杉山参考人 お答えいたします。 先ほど私御答弁申し上げましたように、七億円とそれから六千万円、これは既に支出済みでございます。 七億円は、先生今御指摘のございました、湯之谷村が行います、発電所の立地に伴う影響緩和のための各種の公共的な施設の整備に対する当社の負担ということでやっております。 それから、六千万円の方は、先ほども御答弁申し上げましたように、当社の発電所の立地に伴いまして湯之谷村で各種の行政事務がふえてまいりますので、そういうものに従事される職員の方の費用等を当社が負担するということでやりましたので、湯之谷村の職員全部の経費を負担するとか、そういうものではございません。また、その支出の内容につきましては、毎年度村からの報告を求めまして、その実績に応じてお支払いをしている、こういうものでございます。
○石井(紘)委員 大臣もよく聞いておいてくださいよ。これは大臣が認可したものですからね。 それで、電源開発法にはこの目的が書いてありまして、これは第十三条に「電源開発をすみやかに行い、電気の供給を増加することを目的とする。」ということでありまして、このお金の使い方等についても、今時間がありませんから申し上げませんが、発電用施設周辺地域整備法とかさまざまな法律でもって規定されております。 こういう、欲しいというものに対して何でも上げますよ。全国的にも非常に関心を呼んでおりまして、自然を壊すということで、しかもやり方がおかしいということで大きな反対運動が起こっているわけですね。そういう中で、とにかく現地としては、自然を壊す、大切なものをとられる、それに対してはお金でもって解決をしようというのが、何でもいいから金を出そうというのが電発の態度なわけですよ。電発のこうしたやり方というのは民間の電力会社でもやりません、これは。関係のないものまで、人件費でも、あるいは大臣が来れば芸者を上げて接待、それは大きく報道されていますよね。そういうことまで、ありとあらゆることで金を出していく、そういうことは民間でもやらない。 したがって、これは、電源開発法にも触れますし、また、あなたのところは株式会社の形になっておりますから、そういう会社としてもこれは背任の疑惑があります。そのことを申し上げておきまして、私、時間が参りましたので、これは今の数字の内訳を詳しく、今度またやりますので、出してください。 私は、最後に、昨日の私どもの副代表であります石井一委員の質問の中で、野中官房長官、それからまた中山委員長も若干御発言が、問題があっただろうと思います。 特に野中官房長官の発言、いいですか、おれは何でも知っている、新聞にも随分けさ報道されておりますね。お望みならあなたについても申し上げることはたくさんある、どういう言い方ですか、この言い方は。この国会という、国民を代表する、品位と品格を持たなきゃならない、そして今国の未来を責任を持ってやらなきゃならないこういう場で、何ですか、こういう言い方は。お望みならあなたについても申し上げたいことはたくさんある、どういう意味ですか。 これは、私は質問時間がなくなりましたから、このことは重大な発言である、問題であるというふうに申し上げて、そして、ますます、こういうような内閣が、こういうような官房長官が取り仕切っているような内閣で、今いろいろな問題法案が出されて、国民も戸惑っている中で、私たちは断固、これでは国民の期待にこたえることはできない、今後とも追及を強めていくということを申し上げまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中山委員長 疑惑の問題という問題がありましたので、杉山参考人、ちょっとお答えをしておいてください。その後、官房長官にお答えをいただきます。
○杉山参考人 先ほど御質問のありました、当社の補償等の支出が当社の恣意で行われているかのような御質問でございましたが、私ども、二度にわたって政府で閣議決定をされました公共事業費に伴う補償基準というものに基づいてやっているつもりでございまして、その範囲内のものとして支出をしております。
○野中国務大臣 私の昨日の発言についていろいろ御指摘がございました。 全国放送をされておる中で、私の本をとられて、また私のインタビュー記事をとられて、そして雇用問題、産業再生問題の予算委員会で御指摘がございました。 したがいまして、私個人について御指摘がございましたので、あなたのことについて御発言をさせていただくのならば幾らでも申し上げますと。それをおどかしだと言われたから、おどかしと言うなら、私はもっと話をする機会を与えていただきたいと思ったぐらいでございまして、これから私どもとしては、自由党と連立をすることについて、私は、民主党から御指摘をいただく筋合いはないと考えておる次第であります。
○石井(紘)委員 民主党から指摘をいただく、ここは質疑の場ですから、ここは質問としてやっているわけですから。
○中山委員長 時間が来ております。
○石井(紘)委員 それを、自分の方でもいろいろと演説をしたいなんということは、そういうことは遠慮してもらわなくちゃいかぬ。やはり国会の品位というものを守っていただくということで、重ねて申し上げて、終わります。
○中山委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党・改革クラブの斉藤鉄夫でございます。 まず最初に、今回の補正予算案と高度情報化の問題について質問をさせていただきます。 昨日、我が党の太田昭宏議員から、これからの日本、高度情報化社会にうまく転換していけるかどうかが、日本経済が浮揚していくか、また二十一世紀において日本が生き残っていけるかどうかのポイントである、こういう趣旨の質問をさせていただきました。その観点から、太田委員は、情報化推進のための教育の問題でありますとか、また通信料金という観点で話をさせていただきましたけれども、私は別の観点で、同じ問題意識で質問をさせていただきたいと思います。 きのうも堺屋太一経済企画庁長官が答弁の中でおっしゃっておりましたけれども、この七月に経済審議会で発表になりました「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の中に、「目下、進行中の世界文明の変化は、通常の「進歩」や「高度化」ではなく、新たな歴史的発展段階を創るものであろう。つまり、近代工業社会を超越して、新しい多様な知恵の社会に至る転換である。」こういう文章がございます。まさしく私も同感でございます。 私は技術屋出身ですのでどうしても技術の視点から物を見てしまうんですけれども、私は、世の中を、社会を形成するその根本、一番下には技術があると思っております。 狩猟社会、これは石器という技術があって狩猟社会が成り立っておりました。その中で金属器を人間が手にする、そのことによって農業社会ができてきたわけでございます。そして、その農業社会から今度は産業革命、エネルギー、動力、蒸気機関という動力をワットが発明するわけですが、そこからいわゆるエネルギーというものを、その技術を人間が手にした、そのことによって工業社会というものになった、これが三百年近く続いてきた。 そして今、情報化ということが言われているんですが、この情報化というのは、工業社会の延長線でそれを進歩させ、発展させるというものではなくて、例えば農業社会から工業社会に移るような大転換の今その時期にある。それで、その新しい技術というのが情報技術である。ですから、二十一世紀に私たちが生きる社会は、工業社会からいわゆるミレニアム、新しいミレニアムを迎えて情報社会へと、全く別な構造の社会にならなくてはならない、今まさにこの転換期にある。これを経済審議会では、これまでは近代工業社会であったけれども、これからの社会は知恵の社会と、こういう表現になっているんだろうと思います。 今この転換期にあるわけでございまして、それぞれその転換期には、これまで革命がありました。狩猟社会から農業社会に移るときには、いわゆる土地革命というんでしょうか、人間が一つところに定住するという全く新しい生き方が生まれたわけです。そういう中で激しい戦いがありました。農業社会から工業社会、これは産業革命という形で、ここでも社会のあり方が全く変わりました。そして、今の革命はデジタル革命、このように言われております。このデジタル革命がうまくこの日本で進むかどうかが、新しい千年、日本が本当に平和で豊かな国であり続けられるかどうかの瀬戸際にあると私は思います。 このデジタル革命の一つのポイントは、最初にその革命を手にした者がすべての利益を独占するという特徴がございます。それは、コンピューターの世界ですから、あくまでもこれは約束の世界です。そのルールをつくった者にすべて利益が集中する、このように言われております。アメリカ、ヨーロッパ、アジアでもシンガポール、この国は、その問題点を明確に意識して、自分が第一人者になって自分がルールをつくってすべての利益を独占しようという形で今懸命な努力を重ねているわけでございます。 そういう問題意識で、きのう太田委員も、情報化の進展ぐあいが日本は本当に遅い、このままでは日本は本当に立ちおくれてしまう、そういう観点で質問をさせてもらったわけですけれども、私は、ここで一つの提案をしたいと思います。 その提案は、いろいろな努力がこれまでされてきました。いろいろな省庁においても、デジタル化についてのいろいろな検討会をされて、報告書が出てきております。しかしなかなか実を結ばない。現実問題として、このデジタル革命が日本で進まない。こういう中で、デジタル革命を二〇一〇年までに一気に進めるある一つの有力な方法、それは行政のデジタル革命。例えば小渕総理が、中央省庁再編でこれから中央省庁が大きく動きます、そのときに、紙は一切使うな、こういうふうにリーダーシップを発揮されるだけで、随分このデジタル革命は日本で進展するだろう、このようにも言われているわけでございます。 その観点でちょっと質問をさせていただきたいと思いますが、行政の情報化については、平成六年十二月に閣議決定された行政情報化推進基本計画に基づいた施策が平成七年度より推進されているわけですが、現在、中央省庁の文書のデジタル化はどの程度進んでいるのか、その点を総務庁長官にお伺いします。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○瀧上政府委員 お答えいたします。 政府の行政の情報化につきましては、情報化の内外の潮流を踏まえまして、二十一世紀初頭に電子政府の実現を目指すということで、先生御指摘の行政情報化推進基本計画を閣議決定いたしまして、その推進をいたしているところでございます。 そして、具体的には、行政と国民との間におきましては、全省庁がインターネットのホームページを設置し、インターネットホームページを活用した、国民生活に必要な各種行政情報の広範な提供の推進や、国民からの申請、届け出等の行政手続についての情報化の推進を図っているところでございます。 そしてまた、行政部内におきましては、省庁内及び省庁間ネットワークの整備によります事務処理の効率化、そしてまた、これを活用しました内部管理事務のシステム化、いろいろな種類のデータベースの整備による情報共有の推進といったことで、情報化、デジタル化を進めているところでございます。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○斉藤(鉄)委員 私も、お役所の事務所へ行きますと、紙の山に埋もれておりまして、とても進んでいるようには見えないんですが、調査によりますと、中央省庁のお役人一人が、本棚に並べますと大体十二メートルの資料を持っているそうでございます。百万人いらっしゃるとすると一万二千キロ、ちょうど地球の直径になります。 それだけのものをペーパーレス化していく、デジタル化していく、そしてアクセスを自由化していくということが二〇一〇年までに終わるであろうと言われているこのデジタル革命、そのデジタル革命に勝利する一つの大きな要因になると思うのですけれども、今の御答弁、はっきりわからないような答弁ですが、総務庁長官、これからのデジタル化についてどのような計画をお持ちでしょうか。長官にぜひ。
○太田国務大臣 お答えいたします。 先ほど触れました情報の受け渡しや保存、管理のデジタル化につきましては、行政情報化推進基本計画に基づいて的確に推進することといたしております。特に、ワンストップサービスを含む申請、届け出など手続のオンライン化の推進、省庁内、省庁間ネットワークを活用した文書交換システムや情報公開制度に対応した文書管理システムの整備、事務処理のペーパーレス化などに全政府的に取り組むことといたしております。
○斉藤(鉄)委員 どうも熱意が全然伝わってこないのですが。 今回、雇用促進の補正予算が出ました。これから同じお金を使うのであれば、二十一世紀に生き残っていくために、デジタル革命を進めるような形でお金を使っていくべきだと思います。何万キロにも及ぶ文書のデジタル化、これは雇用にも大きく私は貢献をするのではないかと思います。 今回の補正予算の中にもこの文書のデジタル化のアウトソーシングの予算は入っておりますけれども、総理、今後、中央省庁再編、これから大きな作業が起こっていくわけで、これをデジタル革命を進めていく一つの大きなチャンスと見て、このペーパーレス化を、ペーパーレス化もおっしゃっておりますけれども、徹底して推進をする、このようなリーダーシップをぜひ発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 内閣総理大臣といたしまして、高度情報通信社会推進本部の本部長をいたしております。これは、副本部長に郵政大臣、通産大臣にお願いしておりますが、政府を挙げてこれからの高度情報通信社会をつくっていかなければならないということでございまして、今斉藤先生の、二十一世紀、工業社会からいわゆる情報通信社会に大きく転換していく、これは国家としても生存をかけてのことであるというお話は全く私も賛同するものでございまして、そういった意味で、できるものを率先垂範してやっていかなければならない中に、今お話しのような電子政府それから文書のデジタル化という問題があります。 就任して早々で、具体的な成果を今得つつありますが、いわゆるバーチャルエージェンシーを実は考えまして、今検討を四つのものにいたしております。その中の一つとして、行政におけるペーパーレス化につきまして各省庁の若手の方を選んで今検討をさせていただいております。そこでの答えがすべてというわけじゃありませんが、こういうことを通じながら、その方向性はぜひ進めていかなければならぬと思っております。 そして、ある意味では国家としての生存をかけてそれぞれの国が真剣に取り組んでおるわけでありまして、これをなし遂げた国がすべてのリーダーシップを握って席巻するということになりかねない。 細かいことでございますけれども、これはデジタルの問題ではありませんが、かつてビデオのベータとVHS、これがそれぞれ競い合いましたが、一つにまとまりますと、それがもうすべて世界の共通規格になる。それから、いわゆる携帯電話なども今盛んにすごい競争をしていますけれども、ヨーロッパ、北欧の会社その他とその規格をめぐって熾烈な闘いをしているわけですね。こうした闘いに勝ち抜かなければならないという意味では、デジタルの問題、すなわち工業化社会から知価の問題、すなわち知恵ということになりますと、これは堺屋長官の御本にもありますとおりに、まさに知恵の時代を迎えての闘いになってきておるんじゃないか。 それを端的にあらわすのはデジタル化ということは当然でありますので、政府としてできることは、先ほど委員御指摘のような行政におけるペーパーレス化というような問題、それは、デジタル方式を通じながらコンピューターの中にすべてこれで処理できるような形にしていく、そのためには膨大な資金も必要になるかと思いますけれども、委員の恐らくかなり必要な経費は投じてでもこの際やっていかなきゃならぬという御指摘は、全く共通の認識を持っておる次第であり、かつ努力をしていきたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 総理、大変問題意識をお持ちですので、ぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 知価革命というお話もございました。六月十五日の朝日新聞に、このデジタル化に「堺屋長官は熱心 事務方に戸惑い」という見出しで記事が出ました。「堺屋長官はデジタル化の早くからの提唱者で、いわば「言いだしっぺ」。「率先垂範を」と力が入るが、事務方には戸惑いもあるようだ。」こういう記事が出ておりますけれども、このデジタル化、また、この記事によると、事務方が抵抗しているというふうにも見えるわけですが、それを乗り越えてやっていかなきゃいけないんですが、一言。
○堺屋国務大臣 このたびの補正予算の中でも、役所の文書をデジタル化を促進しようというので、総理大臣のリーダーシップによりましてこれを予算化いたしました。金額はわずか四十七億円でございますけれども、省庁再編成に備えてすべてデジタル化しておきますと情報公開にも備えられるというので、できるだけ定型化できるようなものは各省ともやっていただくことになりました。 そこで、経済企画庁でも、私が事務次官に本部長になってもらいましてやってもらったのでございますけれども、決して抵抗があったわけではございません。ただ、どの範囲でやったらどういうぐあいになるかという、そういうところに戸惑いがあったことは事実でございますが、今各省とも順調に始めております。
○斉藤(鉄)委員 先ほども申し上げましたが、一九九五年にこの革命が始まって、二〇一〇年までに決着がつくと言われております。あと十年でございます。この十年に日本の次の百年、千年の命運がかかっていると思いますので、総理、ぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 次に、中国の遺棄化学兵器の問題について質問をさせていただきます。 五月の二十一日、公明党の議員有志四名で、中国吉林省ハルバ嶺にございます遺棄化学兵器の埋設現場、視察をしてまいりました。この遺棄化学兵器、広島県、瀬戸内海に浮かぶ大久野島というところで旧陸軍が製造した致死性のイペリット、ルイサイトというびらん性ガス、それからジフェニルシアンアルシン、一般には赤筒、赤筒と呼ばれておりますが、くしゃみ性ガス、これが大久野島で大量につくられまして、それが中国本土に運ばれて、実際に実戦に使われたというふうに中国側は言っております。 それで、終戦時に旧軍はこの化学兵器を中国国土に遺棄をしてきたわけですけれども、日本側は、全土で七十万発の化学砲弾が残されている、こう言っておりまして、また、中国側は、いや二百万発だ、このように言っております。そのうちのほとんどが、今回私が行きました吉林省のハルバ嶺というところ、まさに山の中でして、道なき道を一時間半歩いて、湿地帯あり、谷あり、山あり、川あり、そういうところを歩いていきました。どうやって運んだのかといいますと、何か、冬、そりで運んだのだそうでございます。日本側の見解では、全土七十万発のうち六十七万発がそのハルバ嶺に埋もれている、このように言われております。 そこに行きますと墓石のようなものが半分埋もれておりまして、よく読めないものですから、飲み水を持っていきましたが、その飲み水を飲むのを我慢して石の表面を洗いましたら、字が出てまいりました。日遺毒弾埋蔵処、日本が残した毒弾を埋蔵しているところ、一九五四年四月という字が浮き彫りになってまいりました。 日本が、特に私の地元の広島県でつくった毒ガスが中国に大量に埋められているその地に行って、私もある一種の感慨を覚えたわけですけれども、外務大臣にまずお伺いします。今回の総理訪中でも、高村外務大臣とトウカセン外交部長との会談でこの問題が話題になったと聞いておりますが、この遺棄化学兵器の処理処分について、中国との交渉の状況がどうなっているか、お聞きいたします。
○高村国務大臣 中国遺棄化学兵器問題につきましては、化学兵器禁止条約上我が国が負っている義務は、中国の領域内に遺棄したすべての化学兵器の廃棄であります。具体的に申し上げると、「遺棄化学兵器の廃棄のため、すべての必要な資金、技術、専門家、施設その他の資源を提供する。」こととされているわけでございます。 本件廃棄処理事業は日中双方にとって大事業でありまして、多くの困難が予想されるところでございますが、遺棄締約国として、化学兵器禁止条約に基づき誠実に作業を行っているところでございます。日中間では本件廃棄処理事業の早期開始のために協議を重ねてきており、今後とも、日中の専門家間の会合を中心に、より頻繁に専門的な見地からの検討を進めていきたいと考えております。 それで今、本件廃棄処理に関する覚書でありますけれども、その内容は大体大筋でまとまっているわけでありますが、まさに中国側との協議は、署名日程の調整を含め最終段階にあるところでございます。日本側としてはできるだけ速やかに署名を行いたいと考えておりまして、このことは、先般総理の中国訪問に同行した際に、日中外相会談の場においてトウカセン外相に対してもお伝えしたところでございます。
○斉藤(鉄)委員 化学兵器禁止条約によって日本に処理の義務がある、その義務を今誠実に履行しようとしている、中国側との交渉中であるというお答えだったと思います。 総理の訪中前に、先ほど外務大臣がおっしゃった覚書を交わしたい、また、交わすんだというふうな新聞報道もございましたけれども、この訪中前に結局交わせなかった、交わすに至らなかったのはなぜか、また、その覚書の内容でどういうところで結局もめたのかについてお伺いします。
○高村国務大臣 特に、現在、どこかネックがあってもめているというふうには承知をしておりません。中国側で内部的に調整をしているというふうに承知をしているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 マスコミ等の記事を読みますと、一兆円プロジェクトなどという字が躍っております。そんな一兆円もかかるのかなという感じはいたしますけれども、本当に巨大な難しい事業でございます。この巨大な事業に日本側としてはどのような体制で臨むのか、その体制がどうなっているのか。これは内政審議室ですか。
○登政府委員 この遺棄化学兵器問題の政府の取り組み体制でございますけれども、本年三月に閣議決定を行いまして、それによりまして、その廃棄処理事業全体は総理府が行うということを決めました。さらに、今外務大臣の御答弁にもございましたけれども、中国側との協議は外務省が中心になって行っております。それに加えまして、他の関係省庁にも十分な御協力をいただくということから、政府全体としての取り組み体制を強化したところでございます。 具体的には、これを受けまして本年の四月一日に、総理府の中に具体的な事業を担当する組織としまして遺棄化学兵器処理担当室が発足いたしました。ここには、外務省、防衛庁などから合計二十名の要員の方に出向してきていただいて勤務していただいております。現在、この担当室におきまして、処理技術の検討体制の構築であるとか、またこのための予算の確保などを精力的に進めておりまして、できる限り早期に処理を始めるということに向けて全力を挙げて取り組んでいるという状況でございます。
○斉藤(鉄)委員 担当室を設けて対処していると。 それで、期間、予算、人員、施設、技術、大体どんなものになるだろうという、概略で結構でございますので、簡単に概略をお教えください。
○登政府委員 これは、化学兵器禁止条約によりますと、原則として十年間で処理をするということになっております。私どもは、それを十分念頭に入れて体制をスタートしたわけでございます。 現在の規模は二十名でございますが、実際に、早ければ、予算をお認めいただければ来年度にも一部の処理、先ほど先生からも御指摘のありましたような赤筒など比較的処理の易しいものから始めまして、来年度中に取りかかりたいと思っておりますが、そういう状況になりますれば、現地にも要員を派遣するなど、日本側の体制も強化していく必要があると思います。 それから、全体の予算につきましては、先ほど先生から一兆円云々という新聞報道がございましたけれども、どんな技術を使うのか、また具体的に中国のどこにそういう処理の施設を設けるのかなど、まだ決まっておりません。それは今後検討していくことでございますので、今全体の予算をはじき出すというのはちょっと無理かということでございまして、具体的なコストについて私ども今試算を持っておりません。
○斉藤(鉄)委員 赤筒など簡単なものからまず始める、しかし全体についてはまだわからないということだったかと思います。中国側は、早く全体像を示してほしい、日本側の誠意はよくわかるけれども、全体像を示してもらわないと中国側としても評価のしようがないというふうなことをおっしゃっておりました。 問題は、私は、やはりコストと技術のバランスの問題に行き着くと思います。日本側としては、それは安ければ安いほどいいわけでございます。しかし中国側は、信頼性のある高い技術でやってほしい、こういうことでございますので、このバランスの問題なんですけれども、私は、この問題を解決するには、技術立国である日本がそういう今持っている技術で対応できるのであれば日本の技術で対応する、また、ないのであれば早急に開発するということが必要だと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○登政府委員 本件の処理技術につきましては、爆発の危険性であるとか化学剤が漏れてしまうというような危険性、もう既に老朽化しております大量の化学兵器を扱うわけでございますので、そういうような環境への影響にも十分配慮して処理を行うことが当然必要でございます。 それからまた、先ほども御説明しましたように、これは中国の国内で廃棄処理を行うということでございますので、安全性とか環境対策の面におきまして十分信頼のできる技術を利用するということが当然必要となってくるわけでございます。 他方、この処理事業は日本政府の責任で行うわけでございます。日本の国民の方々の税金によって実施するということでございますので、当然、そのコストが幾らかかってもいいということではございません。 今後、いかなる技術を選定するかということにつきましては、技術の信頼性ということが一番大事でございますけれども、それを担保した上で、コストにつきましては極力抑制するというような努力を行ってまいりたいというふうに考えております。
○斉藤(鉄)委員 防衛庁長官にお伺いします。 日本に技術があるとしたら化学兵器について研究している自衛隊だろう、私はこのように思います。 自衛隊が今化学兵器について使っている年間予算、人員、研究施設、どの程度あるのか、簡単にお答えいただきたいのと、自衛隊を中国の本土に派遣するというのはまた別な問題がございますので、形についてはいろいろこれから協議、考慮しなくてはいけないと思いますけれども、日本の自衛隊が持っている技術を大いに利用することが税金の有効利用になる、私はこのように思いますが、いかがでしょうか。
○野呂田国務大臣 まず能力の点でございますが、防衛庁としては、化学兵器は保有していないことはもちろんでありますけれども、化学兵器が使用された場合に備えまして、検知、防護、汚染された機材等の除染に関する能力はかなり必要かつ十分に保有していると思います。 その一方で、防衛庁では、化学兵器の廃棄とか、あるいは最終的な処理については、専用の設備や装備、これに必要な知識や経験は持ち合わせておらず、その能力は乏しいと考えております。 防衛庁としましては、化学機材等必要な装備品を逐次整備しておりますが、平成十一年度の予算では約二十一億円を計上しております。また、全国に化学防御に関する部隊を設置しておりまして、六百二十名で各地に配備しております。それから、化学学校を埼玉県の大宮に持っておりますが、そこで研究や教育を実施しているところであります。 今後とも、化学兵器が使用される場合に備えまして万全を期してまいりたいと思いますが、委員が御指摘のとおり、中国の遺棄化学兵器問題について活用するという問題につきましては、先ほど政府委員から答弁ありましたとおり、政府全体として取り組んでいくものでありまして、防衛庁としても、これまで外務省等が行っておる調査団にほとんどに参加してまいりました。今後も、その能力と知見の範囲内で、可能な限りの協力を行ってまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 年間二十一億円、また人員も六百二十名ということでございますので、この持っている能力を大いに使う、もっと具体的にいろいろ御検討いただきたいと思います。 この中国に捨ててきた化学兵器、これは日本が国として処理をする義務が条約上ある。ところが、問題は、国内に捨てられた毒ガス、この毒ガスがそのままになっておりまして、これについては国として処理をする義務がございません。 一九七三年に環境庁など関係省庁による調査で、全国八海域に投棄したと。このように環境庁を中心とした調査がございます。そして、その時点で、日本に残された毒ガスで四人の人が亡くなり、また負傷者も百二十九人出ている。これは七三年の報告書でございます。 こういう状況で、国内に遺棄された毒ガス問題がそのままになっているという問題がございます。この毒ガスをつくった大久野島にもたくさんの、これはまだ砲弾という形はとっておりませんけれども、化学剤の形で大量のものがまだ残って埋められているわけでございます。 実は、どの省庁もこの問題について及び腰といいましょうか、環境庁さんに聞きますと、いや、環境庁は調査を頼まれただけですとおっしゃる。防衛庁は、これは旧軍がやったことですから防衛庁は関係ありません、こうおっしゃる。厚生省さんも、健康被害が出た場合には厚生省が対応しますと。このようなことで、どの省庁が対応するのかが決まっていないというのが最大の問題でございます。 これは、総理が、内閣として、この省庁が担当してやるんだ、責任を持って担当してやるんだということでなければ、国内の遺棄化学兵器の問題は一切進まない、このように思うわけですけれども、いかがでございましょうか。
○野中国務大臣 御指摘のございました国内におきます旧日本軍の化学弾の処理でございますが、発見をされました場合には、発見された場所、また状況等の態様がそれぞれ、委員御指摘のようにさまざまでございますので、その都度必要に応じて関係省庁連絡会議を開催いたしまして対応をしてきたところでございます。今御指摘もございましたが、今後も適切に対応ができるようにしていきたいと存じます。 過去におきましては、昭和四十五年に銚子沖におきまして発見されました場合に、総理府を中心に省庁会議を開催し、四十七年、今御指摘の大久野島につきましても連絡会議を、これ以後は内閣審議室を中心にしまして関係省庁やってまいりました。五十年富津沖及び五十一年銚子沖があるわけでございます。また、最近では、屈斜路湖の発見されました化学弾につきまして、内閣の官房内政審議室を中心にいたしまして、屈斜路湖の老朽化学兵器の処理に関する省庁連絡会議を平成十一年六月二日設置いたしまして、早期の処理をしようとしております。 ただ、御承知のように、観光地でありますこと、さらには雪の多いところでありますこと、こういうときで、この処理の時期を今できるだけ早めるようにしておる次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 海外遺棄化学兵器については担当室を設けてきちんとやっている、これは条約で決められたことだから当然でございます。しかし、国内のものについては、先ほど官房長官お答えになりましたように、内政審議室が担当するとはいえ、担当者がいるわけではなく、結局、見つけた人がその責任の範囲でやってくれ、こういうことでございます。そういう意味で、国内についてもきちんとこの化学兵器の処理、私は、大久野島でつくった毒ガスというのは、日本があの大戦中に行った行為の一つの象徴だと思います。その国内に残されているものをきちんと処理するということについても、ぜひ真剣にお取り組みをいただきたいと思います。 中国の問題につきましてもう一つ、実は最近、宇宙に関するといいましょうか、宇宙関係の研究者の間で、中国が近々有人宇宙飛行をする、こういううわさが飛んでおります。 人間を宇宙に送る技術、これはもう大変高度な技術でございます。無人で宇宙に送るのに比べれば、もう数十倍といいましょうか、数百倍の技術の差がございます。日本はまだ有人宇宙技術を持っておりません。今世界であるのはアメリカとロシアだけです。この三番目の国に中国がなりそうだ、こういううわさが研究者の間で広く浸透しつつあるんですが、こういう情報を外務省、科学技術庁はつかんでおりますでしょうか。
○高村国務大臣 中国政府からは、有人宇宙飛行計画に関する正式な発表は行われていないわけであります。この中国の有人宇宙飛行計画につきましては、ことしの五月以降たびたび国内外で報道されているわけでありますが、公開情報に乏しいためにこれらの報道内容を確認できておりません。今後とも情報収集に努めてまいりたいと考えております。
○有馬国務大臣 ただいま外務大臣よりお答え申し上げたとおりでございます。しかし、我々の仲間の宇宙関係機関の研究者等によりまして、中国の有人宇宙飛行に係る技術開発が進展しているという情報は得ております。ただ、具体的にどこまでどう行っているかということの情報は得られておりませんので、私ども非常に関心がございますので、鋭意今情報を集めているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 アジアの中で資源も何もない我が国が、二十一世紀は科学技術創造立国で生きていく、アジアで群を抜く科学技術立国で生きていく、これは国是だと思います。 そういう中で、有人宇宙飛行、これはある特殊な技術と思われるかもしれませんけれども、違います。人間を宇宙に送るというのは非常に幅の広い、高度な技術でございます。それを中国が先に実行するというのは、これはイメージ的にも、また現実の今の技術のレベルをどう認識するかという意味においても、大変大きなマイナスでございます。 日本はこれまで四兆円近いお金を宇宙開発に注ぎ込んできた、しかし、中国が四兆円もの費用を注ぎ込んできたとは到底思えない、なのに日本はかなりおくれをとってしまった。宇宙開発に対しての戦略、また研究に大きな誤りがあったのではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○有馬国務大臣 実は、私もある研究機関で、日本で有人宇宙をやるべきだという検討をいたしまして、私は推進者の一人でございます。しかし、残念ながら、現在のところはまだ日本の技術はそこまで行っていないと思っております。有人宇宙活動というのは、人類の活動領域を非常に広げる可能性がございますので、新たな知見の獲得等の観点から、先生の御指摘のとおり、重要な意義を持っていると思っております。 ただ、有人宇宙活動を行いますためには、宇宙飛行士の命にかかわることでございますので、信頼性、安全性という点で極めて高いシステムをつくっていかなければならない。こういう点で、我が国では、まず国際的な事業に参加をいたします。まず、国際宇宙ステーション計画のような国際協力プロジェクトに積極的に参加をいたしまして、有人宇宙活動の基盤となる技術を開発しているところでございます。こういう点では、日本は大いに有人宇宙の研究開発に努めているところでございます。 今後とも、我が国の宇宙開発に係る技術力、規模などを考慮いたしまして、ロボットの遠隔操作の技術など、無人システムの高度化をさらに追求するとともに、国際協力プロジェクトへの積極的な参加などを通じまして、信頼性、安全性の高い有人システムに係る技術を我が国に蓄積してまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 今さら有人システムを目指すというふうに戦略転換するわけにはいきませんので、今の戦略を進めていく以外ないと思いますけれども、もう一度その戦略を本当に特化して、どこにも負けない技術を持つ、そういう形で御検討をいただきたいと思います。 それから最後に、今回の敦賀原電二号機の問題と、それから「もんじゅ」の問題で一問だけ、科学技術庁長官、通産大臣にさせていただきます。 「もんじゅ」、高速増殖炉、これは事故が起きて実験がストップしております。この高速増殖炉の研究に費やしてきた税金、一兆五百億にも上ります。高速増殖炉は、私は、完成の可能性がある技術として、これがもし完成すれば夢のエネルギー源でございますし、これほどの世界貢献はないと思います。基礎研究を進めていくべきだ、このように思っております。 そういう意味で、地元の了解が得られれば、できるだけ早い時期にこの「もんじゅ」の運転再開をすべきだ、このように思っているわけでございますが、国会でも科学技術委員会でこの議論を繰り返してきまして、ほぼ大体その方向で議論がまとまってきたそのときに、今回、敦賀原電二号機の事故が起きて、まさしく「もんじゅ」の地元で起きたわけでございまして、大変憂慮しております。 この敦賀原電二号機の事故、マスコミでは大変大きく取り上げられておりますけれども、どの程度の事故なのか、簡単に通産大臣にお答えをいただいて、そして、「もんじゅ」との関連性、地元の了解が得られにくくなって今後「もんじゅ」の運転再開が延びるのではないかということに対して、科学技術庁長官はどのようにお考えになっているかを聞きます。
○与謝野国務大臣 今回のケースについては、外部に対する放射線の影響はなく、いわゆる非常用炉心冷却装置の作動には至らなかったことから、IAEAの定める国際評価尺度としてレベル1との暫定評価を行ったところでございます。
○有馬国務大臣 私も「もんじゅ」は絶対に再開をしたいと考えております。 ただ、その前に、やはり地元の方々、国民の方々に十分「もんじゅ」というものが安全だということをお示ししていかなければならない。そういう意味で、現在、円卓会議などを開き、さまざまな面から議論をしてまいりました。高速増殖炉懇談会というのが円卓会議の推薦によってつくられまして、「もんじゅ」を含めました高速増殖炉関係の研究開発のあり方、進め方について、国民の意見を聞きながら、幅広い観点から検討をしてまいりました。 そこで、先生御案内のように、非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として、高速増殖炉の実用化の可能性を追求するために研究開発を進めること、「もんじゅ」はこの研究開発のための場の一つとすることなどの方針を決定いたしました。そういう点から、「もんじゅ」に関しまして、地元の方々に、私も参りましていろいろ御説明を申し上げてまいりましたし、また今後も続けてまいりたいと思っております。 先生御指摘のとおり、非常に大きな国税を投資してありますし、もうあとわずかで完成をいたしますので、修理費もそれほど大きなものでございません、わずかなお金で修理をし、運転をすることによって、こういう方面の研究開発をさらに一層進めてまいりたいと思っています。何せやはり安全を確保してまいりませんといけませんので、まず安全だということをじっくり検討した上で進めさせていただきたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。
○中山委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。 次に、大野由利子君。
○大野(由)委員 今回、少子化対策として臨時特例交付金が補正予算で二千億円組まれたことを高く評価をしているわけでございますが、総理府が、ことし二月、少子化に関する世論調査を行って、七月にそれを発表しております。その中でも、少子化対策として、育児中でも働ける環境整備など社会的支援が必要と答えている人が七五・五%、実に四分の三がこのように答えているわけです。社会的支援のトップは、育児中の夫婦が大いに働けるような環境整備、これがトップでございまして、続いて税負担の軽減、また児童手当というふうに続いているわけでございます。 総理にお伺いしたいのですが、今回の補正予算、一年限りの補正予算になっているわけでございますが、今後も、内閣として、保育所の待機児童をゼロにするということを内閣の大きな目標に掲げるべきではないか。これは少子化対策の一番大きな目玉でもありますし、もう一点、先日成立いたしました男女共同参画社会基本法にもこういった観点が書かれております。実効性のあるものにしていくためにも、保育所の待機児童をゼロにするということを小渕内閣の大きな目玉目標に掲げるべきではないか、このように思いますが、御意見を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 夫婦共稼ぎの家庭の一般化が進む中で、子育てと仕事の両立を支援する施設として、保育所の果たす役割は重要性をますます増しており、保育サービスの確保は、男女共同参画社会の形成という観点から、重要なものと認識いたしております。 このため、緊急保育対策等五か年事業等の実施によりまして、低年齢児受け入れ枠の拡大に努めるとともに、このたび少子化対策臨時特例交付金を設けることとするなど、待機児童の解消に努めているところであり、今後とも、多様な保育需要に適切に対応できるよう努力してまいりたいと思っております。 目標を立てろということでございますが、既に今御答弁申し上げましたように、こうした五カ年計画の中で拡大をいたしておりますし、特に、今度のこうした臨時特例交付金の制度によりまして、その実効性も見ていかなきゃならないのではないか。先ほども日本全国のマップを見せていただきましたけれども、いろいろ地域的な差異もあるようではありますが、いずれにいたしましても、保育所に入れないという状況というものは、これは大変残念でございますので、ぜひゼロを目指していく、今回のこの措置が効果あるものとして、その状態を検討し、見詰めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○大野(由)委員 この保育所の待機児童は、かなり地域差があったり、また年齢によっても大きな差がありまして、低年齢に行くほど、ゼロ歳ほど待機児童が多い、こういう実態がございます。 平成十年の四月一日現在で待機児童が四万人ということですが、十月一日では五万八千人に膨らんでおります。年度途中は待機児童がどんどん膨らんできまして、三月の時点で一番多くなって、四月でかなり保育所に入って減る、こういうことを繰り返しているわけでございますが、ゼロ歳児の待機児童に関して言いますと、平成十年の四月では待機率一一%、十月では一六・二%というふうに、ゼロ歳児の待機児童が非常に多いんですね。 それで、ゼロ歳児の待機児童のいない市町村の実態を見ますと、二千八百三十一市町村一応あるんですが、これは待機児童がいないということなんですが、もともと待機児童というかゼロ歳児を扱っていなくて窓口で断られているものですから、待機児童がゼロ、こういうふうに報告されている例が実はあるんです。 私も知っている人に聞いたら、もう全く窓口で扱っていませんということですから、届けも持って帰って預けていない、こういうことなんですが、ゼロ歳児をもともと扱っていない市町村がどれだけあるか、厚生大臣に伺いたいと思います。
○宮下国務大臣 平成十年の四月一日現在で、ゼロ歳児の保育所入所児童がいない市町村は、全国で千百九十八ございます。 需要があるのにもかかわらず乳児保育を実施していない市町村がこのうちどの程度あるかにつきましては、毎年の待機児童調査を活用して、把握することができない状況になっておりましたが、今後、これは検討して把握したいと思っております。
○大野(由)委員 ゼロ歳児が全くいない市町村が千百九十八市町村ということでございますが、全く扱っていないというのがどれだけあるか、これは少子化対策として非常に重要な項目でございますので、厚生省はぜひ実態調査をしていただきたい。 そして、ゼロ歳児を預かっていただかないと、女性は育児休業一年、子供が一歳になるまでというのが最大の育児休業でございますので、ゼロ歳児の後半には預かってもらわないと、育休明けから仕事ができない、こういうことでございますので、この辺の大変なミスマッチもございます。こういう意味で、ゼロ歳児の待機児童が大幅に減るように、ゼロになるようにということをぜひ御努力をいただきたい、このように思います。 それから、今、夫婦が共働きで、仕事もまた子育てもという観点からお話をさせていただきましたけれども、もう一つ、今、児童虐待というのが大変急増をしております。児童相談所に届けられた相談件数も、九七年は九〇年の五倍あるという大変な実態がございます。子どもの虐待防止センターのアンケート調査によりましても、育児とか家事に協力をしてもらえないという意識の高い母親ほど虐待が多い、こういうアンケート調査も出ております。 育児における精神的、肉体的負担の大きさというものが虐待の原因になっている、またあわせて少子化の要因になっている、こういうことでございますので、働いている女性だけじゃなくて、専業主婦の方であっても、時にはリフレッシュできるために、一時保育、子供を預けて、だれでも気軽にいつでも子供を預かってもらえる保育所というものにしていく必要があるんじゃないか。高齢者の場合はデイサービスとかショートステイとかというのがあるわけですが、子供に関しても一時保育というものを充実させていかなければいけないんじゃないか。 また、地域子育て支援センターで、初めて子育てするお母さん、育児ノイローゼになったりすることが結構あるわけですけれども、母と子が一緒になって育児相談も受ける、一緒になって子育てのことやいろいろな相談ができる、こういうセンターの拡充が必要でございますが、今伺った状況では、平成十年度では、全国で、一時保育も、十一年度の千五百カ所の目標に対しては六百六十カ所、地域子育て支援センターも、千五百カ所の目標に対して、現在まだ七百カ所しかない。こういう大変おくれている実態がございます。 保育対策五か年事業がことしで終わるわけですが、今後の取り組みを早急に決めるべきではないか、この対応をどうされるか、伺いたいと思います。
○宮下国務大臣 今御指摘のように、地域子育て支援センターとか一時保育、これは在宅で育児する親を支援するためという目的がございますが、緊急保育対策五か年事業に基づきまして着実に努力はしてきておりますが、この五か年事業の中で、今御指摘の一時保育の推進、それから地域子育てセンターの達成率はかなり低いものがございます。これはいろいろの事由があろうかと思いますけれども、事業要件を画一的にしているとか、あるいはそういうことのために市町村からの申請も少ないというような事情もあるようでございますが、今後、私どもとしては、地域の実情に応じた要件の緩和、弾力化を図ってまいりたいと思っております。 例えば一時保育について、事業の人数要件についても、一日当たりの受容人数をおおむね十人以上と決めておりますが、これを大幅に緩和していきたい。それからまた、地域子育て支援センターでございますが、職員の配置を二人というように決めてありますが、これは規模が小さければ一人でもいいのではないか。そんなようなことどもを通じまして、この育児機能の低下を踏まえまして、こういった施策を着実に実施してまいりたいと思っております。
○大野(由)委員 労働大臣に伺いたいんですが、育児休業法、今子供が一歳になるまでが最長でございます。これですとなかなか、保育園のちょうどあきに間に合わないというふうなこともございますので、最低一年半ぐらいに延長すべきではないか、こういう要望がたくさんございますが、これについて伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、育児・介護休業法では、子が一歳に達するまでということになっております。これは、労使を初めとする関係者間におけるいろいろな議論がありまして、その結果、一年ということになったわけでありますが、これはあくまでも最低基準であります。 この延長というお話は、各方面からもいただいているのでありますけれども、実情を十分把握した上で、例えば、企業側の負担もふえることでありますし、あるいは休業者に対する経済的支援のあり方等々、いろいろ議論をしなきゃならない点があるわけでありまして、さまざまな観点からの議論が必要になるというふうに考えております。 先ほど最低基準と申し上げましたけれども、要するに、ここまでは最低限の基準として設定をします、それから先について、この法律の中で努力義務規定ということで、各企業の実情に沿ってできるだけこれにプラスするような措置をとってくださいということを規定しているわけでありまして、この一年が終わった後の、準ずるようなこととか、あるいは、職場に復帰する際にも短時間労働ということで配慮してやってほしいとか、いろいろなことをやってもらいたいということであります。 労働省といたしましては、まず現行制度の一層の定着を図るということが大事でありますし、それに加えて、事業主がこれらの努力義務規定を踏まえて最低基準を上回る措置の実施に努めるように、周知啓発を図るということがまず第一だと考えておりまして、こちらの方で努力をしていきたいと思っております。
○大野(由)委員 ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 それから、厚生大臣に伺いたいんですが、保育園、ゼロ歳児、今待機児童が非常に多いというお話をいたしましたが、私の地元でも、ゼロ歳児を預かっている保育所、なかなか社会福祉法人の法人化がとれないということで、無認可保育所として、国の補助は出ない、東京都と市の補助金で運営している。しかし、とてもとてもそれでは経営が成り立たないということで、市で五園あったうち、二園もう廃園してしまった、こういう実情もございます。 こういう意味で、本当にゼロ歳児を預かってほしいというニーズは都会では特に多いわけでございますし、今も申しましたように、育児休業が最大一年という現状の中では、ゼロ歳児を預かってくださる保育所がなければ母親は仕事をやめざるを得ない、こういう実情でございますので、ゼロ歳児に特にニーズが高いということで、ぜひ、この設置主体、社会福祉法人でなきゃいけない、また市町村でなきゃいけないというのじゃなくて、NPOでもいい、またいろいろなその他の法人でもいい、その設置主体の緩和。 それから、定員規模も、二十人以上とかなんとかとなりますと非常に限定されてしまいますので、それこそ十人、十五人未満でも、私は、きちっと安全が確保されているようであればいいのではないか、このように思うわけですが、この定員規模の緩和、設置主体の緩和について、御意見を伺いたいと思います。
○宮下国務大臣 四月七日に自民党と自由党と公明党・改革クラブの三党で取りまとめられました緊急少子化対策の基本方針におきましても、認可保育所への民間参入等、保育所の規制緩和について協調をいただいております。 私どもとしては、認可保育所の定員要件は今三十人以上を原則、それを緩和することも検討したいと思っています。 それから、今お話しのように、設置主体制限の緩和でありますが、福祉法人以外に、NPOあるいは農協等、あるいは営利法人の一部等もこの条件に、場合によったら加えていきたいなと思っておりますが、ただ、保育事業の公益性とか安定性などをどうやって確保していくかという視点だけはきちっと、これが実効性が保たれませんといけませんので、そうした視点のもとで拡大をしていきたいと思っております。
○大野(由)委員 労働大臣に雇用保険のことについて伺いたいのですが、これからの社会は、高齢になっても働き続けたい、また、女性で子育て中、また子育てを終わった後も余裕を持って働きたい、NPOで働くとか、非常に多様な働き方をする人たちがこれからますますふえてくるんじゃないか。 多様な働き方とはいっても、働いて社会参加をしている、社会を支えているという気概は大変なものがあるわけでございますし、収入はたとえ少なくても、その収入がなくなってしまうとたちまち生活に支障を来すというのが現状でございますので、セーフティーネットをしっかりつくるという意味におきましても、雇用保険、短時間労働被保険者の適用基準をもっと緩和すべきじゃないか。今、年収九十万以上じゃないと雇用保険が適用されないようになっておりますが、この適用基準をもっと緩和すべきではないか。御見解を伺いたいと思います。簡単に御答弁をお願いします。
○甘利国務大臣 御指摘のとおり、働き方がいろいろ多様化してまいりました。従来型常用雇用から、派遣であるとかパートであるとか、あるいは有償ボランティアとか、いろいろな働き方になってきておりまして、そこで、社会のセーフティーネットもモデルチェンジをしていく必要性、それは御指摘のとおりだと思います。 そこで、まずやるべきことは、現行の枠内でもそういう短時間就労に対するセーフティーネットというのがあるのですが、それに対する制度の徹底を図るということがまず第一だと思っております。それから、その枠から外れてしまう、セーフティーネットの網から外れてしまう方々に対して今後どうするかということであります。 先般の労働者派遣法の審議におきましても、「社会・労働保険の在り方について検討する」ということの附帯決議をいただいておるところでありますし、これは、制度全体の見直しの中で十分な御議論をいただく必要があるかというふうに思っております。
○大野(由)委員 ぜひこれも御検討をお願いしたいと思います。 次に、総理にお伺いしたいと思いますが、介護保険の問題でございます。 午前中の審議の中にも質疑がございましたけれども、介護保険はいよいよ来年四月施行ということで、非常に待望していらっしゃる方も多いし、また、新しい成長が見込まれる産業ということで参入を期待している、こういう方もたくさんいらっしゃるわけでございますので、これはぜひ、予定どおり来年の四月には施行をしてもらいたい。 しかしまた、大変多くの、まだまだ課題がいっぱいあることも事実でございます。療養型病床群を抱えている地域は非常に高くなる、地域差で保険料が高くなる、こういうふうな問題等々もございますし、来年四月、介護保険は収入によって保険料も五段階に分かれるわけでございますが、平均すると、六十五歳以上の方は三千円を超える、こう言われております。夫婦で年金生活者の方が一カ月六千円以上、年間七万二千円以上徴収されるというふうになりますと、景気という面からいいましても、非常にまだ、やや改善の兆しが見られるとは言われても、これで来年の四月から介護保険、一挙に年金の中から天引きされるようになりますと、あの九七年の消費税アップ、医療保険アップのあのときを思い起こすわけでございます。 今この介護保険で、在宅で、厚生省資料によりますと約一兆円、施設で約三兆円。この三兆円の内訳は、特別養護老人ホームに一兆円、老人保健施設に一兆円、療養型病床群に一兆円。計四兆円、およそのコスト、費用がかかる、このように言われているわけでございますが、まず、保険で賄う、保険を財源にするのは在宅介護に限定をする。 そして、施設介護は現在税で行われております。特別養護老人ホーム、老人保健施設、それから療養型病床群は現在医療保険で行われているわけですが、これが医療保険の改革と関係なしに一方的に介護保険に持ってこられる。 また、私の地元でも、人口五万人の小さい市で療養型病床群の病院が五カ所ある市もあれば、全くゼロという市もあるんですね。このように、療養型病床群があるかないかというのは、市が選択をしたものでないわけです。それがもろに保険料にはね返ってくるというのは、これはある面では大変な不公平である、こういうこともございますので、これはもう少し長期に、トータルに、医療保険と介護と年金とをトータルに判断をして改革をしていかなきゃいけない、こういう問題ではないか、こういうふうに思うんです。 とりあえず来年の四月から施行ということで、もう市町村が準備を進めているわけでもございますので、この枠組みを大きく崩すというわけにもいきません。ですから、在宅介護というものを保険でやって、今既に税で行われている施設介護は従来どおりということで当面スタートをさせたらどうか、こう思うわけですが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 今後の急速な高齢化の進行に伴いまして深刻化する高齢者介護の問題に対応するため、個人の自立自助を基本として、サービスと負担の関係が明確で、負担について国民の理解を得やすい社会保険方式による介護保険制度を実施することといたしております。また、介護保険制度の実施により介護サービス市場の拡大が見込まれ、雇用創出や景気浮揚効果も期待できるものと考えております。 財源問題につきましていろいろ議論があることは承知をいたしておりますが、在宅介護と施設介護を同時に実施することは既に法律上規定されていることであり、また市町村等もこれを前提に準備を進めていることから、予定どおり実施したいと考えております。 なお、保険料が高額にならないよう配慮すべき旨の市町村からの要望があることは承知をいたしております。これにつきましては、各市町村が介護保険事業計画の策定過程において見込むこととされている介護サービスの必要量を国に提出いただくこととしていることから、その集計に基づく給付費の推計等を踏まえた上で対応を検討することといたしておるところでございます。
○大野(由)委員 医療保険の改革の問題も話題になっておりましたけれども、医療保険は医療保険だけというわけにはいきませんので、医療保険、また介護、年金、こういうものを社会保障制度としてトータルに、包括的にこれは検討をする、こういう課題であろう、このように思いますので、総理のもとにこういう包括的な検討会、協議機関を設置すべきではないか。また、立法府は立法府で、社会保障制度改革特別委員会のようなものをつくって、これは徹底して、二十一世紀に向かってやるべきではないか、このように思うわけですが、あわせて総理の見解を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 少子高齢化が進行する中で、国民が安心のできる社会を築くため、国民に信頼され、将来にわたって安定的に運営ができる社会保障制度を構築していくことが重要であります。とりわけ、高齢化の進展に伴いまして、給付の増大が見込まれる中、社会保障制度、高齢者介護や子育て支援といった国民の新しいニーズにも的確に対応しつつ、経済との調和をとり、将来世代の負担を過重なものにならないようにしていくことが必要であると考えます。 このような考え方に立ちまして、深刻化する高齢者介護の問題に対応するため、まず、介護保険制度を創設することといたしたところであり、これを第一歩として今後さらに年金制度改革、医療保険制度改革などの社会保障全体の構造改革に取り組んでまいらなければならないと考えております。
○大野(由)委員 政府は今月の八日に「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」、いわゆる新経済計画を閣議決定されました。 それで、経済企画庁長官に伺いたい、このように思うわけですが、この新経済計画の中で、大量生産、大量消費、大量廃棄型経済システムが限界に達している、持続可能な循環型社会に変えていく、そのための社会資本が必要であるということがここの中でもうたわれているわけでございます。 我が国の公共投資、九〇年代に入って、過去七回、従来型公共投資が行われてまいりました。しかし、その従来型の公共投資というのは、今もう余り効果を上げていないのではないか、このように言われつつあります。これまで、道路とか港湾とかダムとかセメントとか鉄とか、そういうものを中心とした公共投資が行われてきたわけですけれども、既にその分野はかなり充足をされていて、そして、山の中の一日に十台とか二十台しか走らないようなところの高速道路に大変なお金を費やしても波及効果はほとんどない、こういうふうなことが、最近公共投資のむだということが盛んに言われているわけでございます。 従来型の公共事業から環境負荷の少ない資源循環型社会に公共投資を転換していくべきだ、こういうふうに思うわけです。地域冷暖房システムだとか、またクリーンエネルギーの自動車、また低公害車のためのエコステーションだとか、太陽光発電だとか、いろいろなことが考えられるわけでございますが、これからの公共投資、公共事業が、循環型経済社会の構築のためのインフラ整備というものに重点的に取り組んでいくべきだ、こういうふうに提案したいわけですが、この新経済計画を取りまとめられました経企庁長官に、二十一世紀における公共投資、公共事業のあり方について御意見を伺いたいと思います。
○堺屋国務大臣 先ほど閣議決定していただきました経済審議会の答申の中でも、この点は強く触れられております。 循環型社会をつくるということになりますと、個々の機構あるいは技術、自動車でありますとか太陽光発電でありますとかいうことのほかに、社会全般を原則リサイクル型の社会にしなきゃいけない。二〇一〇年を目途といたしまして、いわゆる静脈産業といいますかリバースインダストリーといいますか、資源から物をつくって消費するのを、逆に、消費を、廃棄されたものを資源に変えていく、そういう産業を社会全般の形態として形づくっていく、そういたしますとかなりコスト的にも、大規模に全体にできればやっていけるんじゃないか、そういうような提案がなされております。 同時に、それは地球環境にも優しいことになりますが、貿易条件等いろいろなことにも影響いたしますので、これからそういうものをつくるプログラムをまず作成いたしまして、日本全体に、そういったリサイクルを原則とした社会に変えていく、こういう提案がなされております。
○大野(由)委員 総理に伺いたいんですが、財団法人の地球環境戦略研究機関というところが試算をいたしました公共投資の試算のデータがございます。 細かいことは省略をいたしますけれども、従来型の公共投資の場合は、四兆円を投じた場合、この効果は七・六兆円だ、しかし、環境保全型公共投資に投資した場合は、その波及効果が一三%程度大きくて、四兆円が八・六兆円になる、こういう試算がございます。従来型の公共投資ですとどうしても建設業とか一次産業に限定されるわけですが、環境保全型の公共投資でありますと、電機とかまた輸送機械、精密機械とか、多くの産業に波及効果がある、こういうことから、こういう試算があるわけでございます。 今、五千億の公共事業予備費の使途について、午前中も大分この予算委員会で議論もございました。景気の本格的な回復のための補正予算も組むべきだ、こういう議論も大分行われているわけでございますけれども、私は、ぜひ総理がリーダーシップを発揮されまして、第二次補正で、政府の国家プロジェクトとして、総理が本部長を務めていらっしゃいます地球温暖化対策推進本部に一括計上をされて、特定地域にモデル的に公共投資を行って、経済波及効果の大きい環境保全型の公共投資というものを集中的に行って、そして国民の皆さんに理解をしていただく。循環型社会というもの、また環境保全型公共投資というものがどういうものかというものを国民の皆さんにも実感をしていただけるような、こうした大きなものを総理のもとにぜひ立ち上げるべきではないか、こう思うわけでございますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 結論から申し上げますと、地球温暖化対策推進本部に予算計上につきましては、財政法第十七条及び第十八条の規定によりまして、計上することはできない仕組みになっておるわけでございます。 ただ、委員御指摘のように、環境分野の重要性につきましては、十分このことは承知をいたしておるつもりでございまして、したがって、社会資本の整備に際して、二十一世紀先導プロジェクトの推進を核とした環境、教育、福祉といった我が国経済の活性化に不可欠な分野について、戦略的、重点的に配分を行っておるところでございまして、具体的に、十一年度当初予算におきまして、廃棄物リサイクル関連施設整備などの環境保全経費といたしまして、前年度一一%増の約三兆円を計上するとともに、環境・高齢者福祉・中心市街地活性化等二十一世紀の経済発展基盤特別枠、公共事業関係費の内枠一千億円を設けまして、廃棄物リサイクル型社会基盤施設整備事業などの環境分野への重点的な配分に努めておるところでございます。 このように、環境分野に重点的に配分を行っておることをぜひ御理解いただきますとともに、今後とも二十一世紀を見据えた社会資本の整備につきましては、資金面も含めまして全力で努めてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○大野(由)委員 地方公共団体におきましても、環境重視の公共投資に取り組もうという地方自治体が出てきておりまして、愛知県は、二〇〇五年開港を目指す中部国際空港周辺や県の各所に燃料電池を導入した分散型発電のモデル都市、エコエネルギー実験居住地域をつくろうとしている、こういう話がございます。また、沖縄二十一世紀プランで沖縄県がそういうことを考えている、また、阪神・淡路大震災からの復興に取り組んでいる神戸市においてもこのような計画がある、このような話を聞いております。 地方公共団体も大変今財政に苦しい状況でございますが、私は、国もこうした地方公共団体と力を合わせてぜひ取り組んでいただきたい、検討を早急に始めていただきたい、このように思う次第でございます。 去る十二日に、ダイオキシン汚染の抜本的解決を可能にいたしましたダイオキシン類対策特別措置法が成立をいたしました。ようやく成立したということで、大変喜んでいる次第でございますが、先日、NHKの「クローズアップ現代」でも最終処分場のことが取り上げられておりまして、焼却炉の焼却灰は管理型の処分場に捨てなきゃいけない、ちゃんと遮水シートが敷いてあって、そして水はきちっと排水処理をしなきゃいけない、そういう管理型の処分場に捨てなきゃいけないのに、素掘りの、ただ穴を掘っただけの最終処分場にいまだに捨てられている、こういう最終処分場がある。このことを直ちに中止ということで、地方自治体も非常に今困って、財政を圧迫している、こういう報道も行われておりました。 政府といたしましても、四年間でダイオキシンの排出量を九割削減するということを、小渕総理の対策本部で打ち出されているわけでございます。 それで、これを何としても実現していかなきゃいけないと思うのですが、今、まず一般廃棄物、市町村が行っている一般廃棄物への補助助成が原則四分の一です。公害の指定地域は二分の一ですが、一般の方は四分の一。これではとてもとても地方自治体も、大変今赤字財政の中でできないということがございますので、助成を二分の一もしくは四分の三というふうに引き上げるべきではないか、このように思いますし、また、今厚生省のやっております焼却炉の助成が、一日処理量が百トン以上にしか助成をしていないという状況なんですね。 さっき言いましたように、社会そのものを循環型社会にしてごみをいかに減らすかという社会に向かわなきゃいけないというのに、地元へ行きますと、百トン未満だと助成が受けられないというので、いかにしてごみをふやすか、いかにしてごみをかき集めるかということに苦労をしているという大変矛盾があるんです。 ですから、本当にこれは私の地元でも、そんなことを言うと助成が受けられなくなりますよと市長さんが言うんですね。おかしいじゃないですか、本末転倒ですよという話し合いをするわけです。一日の処理量が百トン未満でもちゃんと助成ができる、ちゃんとダイオキシン対策ができているきちっとした施設であれば助成がおりる、そういうふうに変更すべきだ、こう思いますが、厚生大臣の御見解を伺いたいと思います。
○宮下国務大臣 一般廃棄物処理の中で今国が助成いたしておりますのは、焼却炉について日量百トン以上でございます。この理由は、百トン以下の小規模のものになりますと、八百度以上で焼却する必要性がありまして技術的にもかなり高度なものを要します。そういう点で小規模のものは排除いたしておりましたが、私どもとしてはやはり、技術改良を重ねることによって百トン以下も同じような効果を発揮できれば、これを取り上げていきたいと思っております。 それから、補助率について、財源措置の話についてお話がございましたが、私どももやはり、国の責任が非常に大きいわけでありますので、あとう限りその充実は今後図ってまいりたいと思っております。
○大野(由)委員 総理にぜひ、この四年間をダイオキシン緊急対策期間、このように銘打って四年間で九割のダイオキシン削減を何としても実現する、そしてまた、ここに思い切って大きく補正予算なりなんなり財源をつぐ、こういうことをぜひ決めていただきたい、こう思うわけですが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 まず、このたび、国民の健康をダイオキシンから守ることを目的とするダイオキシン類対策特別措置法が議員立法により成立したことに、政府として深く敬意を表するものであります。 ダイオキシン対策は、国民一人一人の安全性を確保し、安全へのかけ橋を築いていく上で重要と認識をしており、これまでも政府一体となって取り組みを進めてきたところであります。今後は、法律が成立したことを真摯に受けとめ、その適正な運用を図り、ダイオキシン対策をさらに強力に推進することにより、国民の皆様の不安の解消に努めてまいりたいと思います。 今大野委員おっしゃられましたことにつきまして、政府としてどの程度のことができるか、これから真剣に検討させていただきたいと思います。
○大野(由)委員 不動産の流動性を阻害しております登録免許税、不動産取引税、不動産取得税を撤廃する、そのような問題とかグリーン課税のことについても伺いたかったわけでございますが、時間が来たようでございますので、質問をこれで終了いたします。
○中山委員長 これにて大野君の質疑は終了いたしました。 次に、大森猛君。
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。 きのう来、当委員会でも審議をされております雇用失業情勢、今日の極めて深刻な社会不安として今国民全体に広がっている、このことを私は日々今実感をしているところであります。実は、先ほどこの委員会に参ります直前にも、私の議員会館に見知らぬ男性から、今職安から帰ってきたところだけれども、全然仕事がないじゃないか、本当に何とかしてほしい、こういう悲鳴に近い電話がかかってまいりました。 私は、今毎朝のように通勤電車を利用しておりますけれども、とりわけ最近は連日のように、車内放送で、人身事故のためにダイヤが乱れる、こういう放送がされているわけであります。人身事故、どういう意味を持つか、これはもうおわかりだと思うんですが、それを聞くたびに、車内で、満員の電車の中で、本当に暗たんたる気持ちになる。同じ時刻に、恐らく何百万、何千万という方が同じ思いを持たれていると思うんです。 一家の大黒柱の中高年の自殺が急増する。今、一層世相を暗くしている。自殺者が過去最高、この問題は何度か取り上げておりますけれども、その最大の要因になっているのが今の雇用失業情勢、このことは明確に言えるものと思います。 私、そういう中で特に最近衝撃を受けたのが、これは一部マスコミもあるいは過労死をなくす弁護団などでも作成をしましたが、完全失業率と自殺率の推移、これが、お示しはできませんけれども、六〇年代以降、ほとんどこの推移が、驚くほど、完璧と言っていいほど一致をしているということであります。失業率が上がれば同様に自殺率が上がる、失業率が下がれば自殺率が下がる。 私は、そういう意味では、経済の活性化のためには失業率が少々ふえてもやむを得ないなどというのは、自殺者がふえてもこれは構わぬと全く同じ意味だということを、小渕総理初め全閣僚の皆さん、肝に銘ずるべきだということをまず申し上げたいと思います。 そこで、まず最初に、総理にお伺いいたしますが、このように中高年労働者が死に急ぐ社会現象、なぜこうなっているのか、どのように受けとめておられるのか、率直なお気持ちをお聞きしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 中高年労働者は、我が国経済を支える中核的な労働者層でありまして、その多くは家計を支える世帯主であり、極めて重要な役割を担っておることは申すまでもありません。 こうした中で、失業率が四・六%に達するなど、雇用失業情勢が厳しい中で、特に、中高年層につきましては、一たん失業いたしますと失業期間が長くなりがちであることなど、問題があろうかと思います。このため、中高年層の雇用の改善は重要な政策課題であると認識をいたしておりまして、でありますがゆえに、やむを得ず失業状態になりました方々に対しましてもできる限りの手だてを講じなければならないという観点から、今般の補正予算の提出になったわけでございます。
○大森委員 今回の政府の緊急雇用対策、これで本当に中高年労働者の雇用の安定は図られるのか、私どもそういう問題意識を持って、この間、京浜あるいは中部地域あるいは阪神と、日本の主要な工業地域、経済地域で全面的な調査を行ってまいりました。電機関係でいえば、東芝、日立、三洋、三菱、住友電工。鉄鋼は、神戸製鋼、日本鋼管、新日鉄。商社、丸紅、日商岩井。石油関係、京浜臨海部の主な石油関係の会社全部であります。ここで働く労働者の生の声を私ども直接聞いてきたわけであります。 その中で、今リストラがどんどん進められている、中高年に対する集中的な出向、転籍が行われている、早期退職優遇制度、分社化、会社の分割、合併、さまざまな手口を使って、今退職の事実上の強要、非人間的な人減らしや過密労働が行われている、そういう声を聞いてまいりました。 共通している特徴というのは、四十五歳以上の労働者がどんどん追い出される、これが今のリストラの最大の特徴だと言っていいと思います。小渕内閣、今閣僚の皆さん二十一名いらっしゃいますけれども、四十五歳以上を全部追い出したらどうなるでしょうか。残るのは郵政大臣ただ一人であります。五十五歳以上でも、残るはわずかに四、五人であります。 総理にもう一度お聞きをしたいと思いますが、先ほど、日本の産業における中核的な、こういう位置づけをされましたけれども、現実は、その中核が追い出される。なぜこのように中高年労働者が追い出されるのか、中高年労働者はもう職場で役に立たないのか、率直にこれはお聞きをしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、中高年齢者が極めて厳しい雇用情勢の影響を強く受けておるということは十分熟知いたしておるところでございます。 したがいまして、特に非自発的な中高年齢者を中心にいたしまして、それに対応する対策といたしまして、今般、雇用創出のための施策として、雇用拡大が見込まれる成長十五分野について奨励金を活用した前倒しの雇用を促進すること、人材資源の活性化のための施策として、専修学校等民間教育訓練機関が実施する教育訓練コースの中から自主的に選択して受講できる制度の実施などを行うことといたしております。 これらの施策を講ずることによりまして、極めて厳しい環境に置かれている中高年失業者の雇用の改善に努めてまいりたいと考えておるわけでございまして、今般のこうした事態に対しまして、中高年において職を失うという方々が一刻も早く立ち直るためのその期間の間、生活を守っていくための手段として政府としてなし得ることは何かという観点から考えて、今回のこうした予算を提出させていただいておるということで御理解をいただきたいと思います。
○大森委員 いろいろ今述べられたわけでありますけれども、結局、従来型の対策の枠を大きく出ていないと思うんです。この点で、今対策をいろいろ並べられましたけれども、肝心の中高年労働者に対する求人そのものがないじゃないか、この問題であります。 この点で、最近、日本労働研究機構が失業構造の実態調査結果、こういうものを発表しておりますけれども、未充足求人における年齢制限を設けている企業の割合、その上限年齢の平均などについて、労働省の方、これは承知をされているでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 日本労働研究機構が昨年の九月から十一月に実施をいたしました失業構造の調査というものによりますと、求人を出してそれが充足されなかったという企業について、採用のときにそれが年齢制限を設けているという割合を調べておりますが、その割合は八三・九%であったということになっております。その上限年齢の平均は、全職種で三十七・三歳というふうに報告されております。
○大森委員 今お答えありましたように、年齢制限を設けている企業が八割以上に達している、あるいは平均的な上限年齢三十七歳、こういう状況で、中高年労働者の再就職先とかそういう政策を幾ら用意しても、ここが改善されない限り問題は解決しない、こういう点はもう明らかだと思います。 同時に、労働省にもう一点お聞きしたいんですが、それでは、中高年全体の有効求人倍率、この三年間の推移はどうなっているでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 ちょっと手元に三年間の推移というのはございませんが、直近の状況で見てみますと、完全失業率は、四十五歳から五十四歳で三・五%、五十五歳以上では五・六%、こういうふうな状況になっております。(大森委員「求人倍率」と呼ぶ) 失礼いたしました。求人倍率はちょっと今、年齢別の求人倍率というものが手元にないのでございます。全体の求人倍率は、例えば一昨年が〇・七倍でございましたが、直近におきましてはこれが〇・四倍台、こういったふうなことで推移をしております。 年齢別の内訳はちょっとございません。大変恐縮でございます。
○大森委員 私、最近、地元の横浜の戸塚職安の方にお会いして伺ったんですが、中高年に対する求人倍率は〇・〇一、ほとんどゼロに近い、そういう状況であります。ですから、年齢による差別、ここをきちんと是正しないと本当にこの問題は解決できない。幾ら三十万円、七十万円という奨励金を用意しても、求人がないんだから。 同時に、もう一つ申し上げますと、アウトプレースメント、再就職支援会社、この方の話も聞きました。一人の方を再就職させるのに大体百五十万円必要だと。つまり、企業は百五十万円かけて一人追い出す、リストラをやる。そういう中で、どこの企業が、三十万円助成が出るから一人雇おう、こういうことになるでしょうか。 ですから、重要なことは、こういうような企業における中高年の一斉追い出し、これをやめさせること。有効求人倍率がほとんどゼロに近い中で、この中高年の最大の雇用対策というのは中高年の失業者をつくらないことだ、これが最大の一番効果ある対策だ、このように思いますけれども、労働大臣、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 中高年の失業者、おっしゃっていることは恐らく、非自発的な失業者をつくらないことということは、これは解雇を禁止する法律をつくれという意味でありましょうか。 日本には御案内のとおり整理解雇をする場合の四要件というのがありまして、それに合致をしていないと解雇は無効ということの裁判事例が出ておりまして、これをきちんと指導していくようにいたしております。 それから、御案内のとおり、基準法改正をさきに行いましたときに、個別紛争事案についても、従来は裁判で最後まで闘うしかないというような対応であったかもしれませんが、今度は都道府県の労働基準局長が個別案件に相談に乗って、言ってみれば割って入る、そういう制度の裏打ちができたわけでありますから、これは私が知る限りかなり効果的にワークをしているというふうに理解をしておりますので、解雇を禁止する法律というのは一部外国にはありますけれども、日本は判例をもとに、それに準じた措置をし、そして指導をしていくということで対応していくべきだというふうに思っております。
○大森委員 随分早回りをして解雇規制法まで御答弁をいただきましたけれども、今私が言いたいのは、もちろん解雇規制法の問題は後で問題にしますけれども、それ以前に政府はやることがあるじゃないかということを申し上げたいわけであります。 そこで、この間調査してきた中で、中高年がいかに職場を追われているのか、具体的に幾つかの事例について紹介をしたいと思うのです。 例えば、これは労働委員会でも取り上げたのですが、NKK、日本鋼管。管理職はこれまで五十三歳で協議退職。事実上の解雇が言い渡されていたわけなんですが、それがある日突然、社長からの電子メール一本でこれが五十歳に下げられる、五十歳で協議退職という解雇になってしまう。こういうやり方が本当に企業として許されるかということを申し上げたいと思います。 さらに三菱電機、ここでは今四十五歳以上、すべての四十五歳以上の労働者、管理者も含めて、キャリアプラン申告、こういうものを出させている。これは、労働者に言わせますと首切りの自主申告だというものでありますけれども、このキャリアプラン申告の実施についての通達の中で、会社の方はこういうぐあいに対象者に向けて言っているわけですね。「今後事業の選択と集中を進める中、当社社内、当社関係会社では社員の能力を十分に発揮する場を会社として提供できない場合が増えている。」「出向者の活躍の場は減少傾向にあり、三菱電機グループ外も含めて幅広く出向・転籍を行なう必要がある。」こういうことでこの首切りの自主申告を出させて、場合によっては一日仕事がない、パソコンを見るだけの、そういう仕事に回されるような仕打ちもやられているようであります。 ですから、こういうような中高年労働者、これが本当にこういう形でどんどん追い出されていく、やむを得ず転籍、出向に回されてしまう、こういうことになるわけで、中高年というのは家庭においてももちろん中核的であります。子供の養育費、家のローンあるいは病親の介護等々、そういう中で事実上の解雇が行われて、そこに中高年の自殺者が大幅にふえる、急増する大きな要因があると思うわけであります。 しかし、私どもの調査の中で、今、こうした中高年を職場から追い出すやり方が一層加速しようとしている、全国の大企業の職場で高年齢あるいは中高年労働者の追い出しがやられている。こういうことを本当に焦点にして、対策に真剣に取り組まなくてはいけないと思うわけであります。 そこで総務庁にお聞きしますけれども、バブル崩壊後の一九九二年とことし六月と比較して、完全失業者はどのぐらいふえたのか、何倍になったのか、その中で中高年、四十五歳以上の非自発的失業者は何倍になったか、この数字をお示しをいただきたいと思います。
○井上政府委員 失業者数に対するお尋ねでございますけれども、総務庁が実施しております労働力統計調査がございます。これの本年五月が最新の数字でございますので、本年五月の完全失業者数は三百三十四万人でございました。お尋ねの一九九二年の五月、同月の失業者数は百四十二万人でございましたので、この間に百九十二万人増加、約二・四倍になっているという数字でございます。また、同じ点につきまして、四十五歳から六十五歳未満までの中高年の失業者のうち、非自発的離職で失業になった方々でございますけれども、九二年五月において十三万人、九九年五月、ことしの五月において五十六万人でございますので、約四・三倍になっているということでございます。
○大森委員 完全失業者の数が二・四倍なのに対して中高年は四・四倍、この数字にも中高年の追い出しが今全面的に行われているということがはっきり示されていると思います。 先ほど来たびたび申し上げてまいりましたように、高齢者の失業というのは、もう求人もない中で社会的に死を宣告された、そういう状況と全く同様である。中高年の緊急の雇用対策をとる上で求められるのが、大企業職場での中高年追い出しのこういうリストラにどういう態度をとるのか。これにストップをかけるのか、それともさらに促進するのか。総理はいろいろ述べられたわけでありますけれども、結局は後者の立場だと思うのです。 今回出されている施策の方向でも、構造的不況業種であると見られる企業には、労働者の雇用を維持するための雇用調整助成金、これは支給しない。つまり、一層中高年を追い出そうという施策、これは失業者をふやす方針だと思うのです。失業情勢を悪化させているこういう大企業の中高年の労働者追い出しを規制する対策をとらないで、助成金などで再就職の促進を図るということであれば、政府の雇用対策、全体としてこれは結局、中高年リストラ促進、そういう対策になってしまうのではないかと思いますが、労働大臣、改めて見解を示していただきたい。
○甘利国務大臣 雇用調整助成金は、従来から雇用の維持安定政策でありまして、つまり、景気の変動で今は雇用を支えられる状態ではないけれどもいずれ景気が回復した時点ではその人材は必要になるのだ、そういう企業には、雇用を出したり入れたりして不安定にさせるよりは、不必要だと思われる期間でも、やがて必要になってくるときに備えて賃金の補助をし、あるいは訓練費の助成をしながらその労働能力を高めて待機をしてもらうというような意味合いがありまして対応しているわけであります。 今先生御指摘の雇調金の将来展望についてこれから議論するというのは、これからいろいろな議論をしていただくわけでありますから、結論が出ているわけではありません。 ただ、要は、労働力人口が二〇〇五年をピークにしてふえるという見込みが厳しいわけでありますから、そうしますと、成熟産業とこれからの日本を担っていく成長産業の間で人材の融通というのはどうするんだ。コンクリートしてしまう政策だけであったら、新しく伸びようとするところには人材供給がなされないではないか、労働力人口はふえていかないのだし。そこで、どうやりとりをする、そしてその間に高度な職業訓練をどうかませていくか、これが先取り政策だと思うのでありまして、それをどうするかについて、これからの審議会等々でいろいろな幅広い御意見をいただこうということであります。 それから、中高年齢者には特に労働移動に関しても手厚い措置をいたしますし、あるいは新しく、中高年齢の失業者の方で非自発的失業者の方を中心に、バージョンアップ・フレックス・プランという得意の片仮名の案でありますけれども、これは失業者の方々の自分の意思を尊重して、民間の訓練まで幅広く視野に入れて、どうぞ御自分で選択していいですよという、言ってみれば職業訓練バウチャーということが随分言われましたけれども、その利点もしっかり取り入れて一連のシステムとしてお世話をしようという新しい仕組みも仕組んでありまして、そういう点からいいますと、中高年齢者の厳しい状態には十分にこたえていこうという姿勢は感じていただけるかと思っております。 〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
○大森委員 労働大臣も産業競争力会議の中での発言で、大企業は特に中途採用についてはなかなか門戸が開いていない、このため、出すのは自由にするが、採るのは不自由だということになれば、単に滞留するだけの話になる、こういうことを述べておられるわけなんですが、私もこういう点に着目して先ほど来申し上げているわけであります。今いろいろ述べられましたけれども、まさに、出すのは出すけれども、採るのは採らない。この出すところに何らかの措置が必要じゃないか。 大臣の方から、先ほど解雇規制法のお話がありました。私どもも提案をしております。また、恐らく本格的にそうした問題が出されたのは初めてだと思いますが、アメリカの年齢差別禁止法、ADEA、こういうものもたびたび今国会でも議論をされたわけでありますが、解雇規制法にしろ年齢差別禁止法にしろ、現在我が国には存在しない。しかし、今、現行法の中で、中高年労働者の雇用を安定させる、そういう法体制があるんじゃないか、活用できるものがあるのではないかということを私は申し上げているわけです。 労働大臣、今、現行法制の中で、中高年労働者が安心して働くことができる、雇用の安定を図るためのそういう法制度があるんじゃないですか。
○甘利国務大臣 先ほど申し上げましたが、むやみやたらと解雇ができないというのは、整理解雇をする際にも四要件がある。つまり、そういう手段が適切かとか、人選はどうしてその人なのかとか、ほかに手段がないかとか、あるいは手続はちゃんとしているかとかいう要件があって、それに合致しないと解雇は認められないという裁判事例があるわけであります。そういうことで法的に守られているつもりでありますし、そのはずなのに解雇をされたという際には、都道府県の基準監督署長の方で間に割って入りますよと。 実は、二、三週間ほど前に中央労働基準監督署を視察いたしましたときに、監督署長が割って入る案件が具体的に出たかどうか聞きました。たしか、数件、八件ぐらいだったかな、結果はどうでしたかと聞きましたら、割って入ったら全部解決しましたと。だからこれからも全部するということを言っているわけではありませんけれども、かなり霊験あらたかなのかなという思いがいたしまして、これはいい制度だというふうに思っております。 それから、年齢による差別。確かに、一年以上失業している方の、どうして就職できないのですかというアンケート調査によりますと、私の記憶が正しければたしか二三%が年齢によってはじかれてしまうというお話でありました。 年齢による差別禁止法というのは、アメリカにもあります。ただ、アメリカは、景気の変動による解雇というのは自由にやっていらっしゃるわけであります。年齢によって差別してはいけないというのは確かにありますけれども、これは定年とも絡んでくるわけでありまして、高齢法の中で、定年は六十歳、それ以下に設定してはいけないということが書いてありますから、定年の設定とバッティングをしてしまうということもあるわけであります。 しかも、禁止法、禁止法ということでがんじがらめにしますと、雇用に対して企業が憶病になるという副作用もあると思います。要するに、採った以上は絶対解雇できないんだったら、採用に際してはごくごく少数しか採らないということになりかねない。 ですから、判例その他をうまく使いまして、そして定年を上げていく努力をしながら、うまくランディングするようにしていくべきだというふうに考えておるわけでございます。
○大森委員 整理解雇四要件、それらを満たさない限りはその解雇は無効である、こういう最高裁の判例をもとにした判例法、この立場にしっかり立つということについてはこれは後ほど総理にもお聞きをしたいと思いますけれども、私が今まず問題にしたいのは、今労働大臣からありました高年法、高年齢者雇用安定法の問題であります。 ちょっと触れられましたけれども、この高年齢者雇用安定法、この法律の趣旨はどういうものでしょうか。
○甘利国務大臣 いわゆる高齢法、高年齢者等の雇用の安定に関する法律、この法律の第四条におきまして、事業主が定年の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができないというふうに定めてあります。雇用の安定を図っていくための措置の一つだというふうに理解をいたしております。
○大森委員 お話がありましたように、これは一九八六年の当時の林大臣の提案理由説明でありますけれども、高齢者雇用安定法、「六十歳定年を基盤に六十五歳程度までの継続雇用を促進すること、高年齢者の早期再就職の促進のための体制を整備すること、」こういうことをうたって、我が国の経済社会の活力を維持し、発展させていくために、高年齢者の雇用・就業の機会の確保等を図ることが早急に解決すべき重要な国民的な課題だということで、六十歳定年が一般化され、さらに六十五歳継続雇用、そしてそれが我が国経済社会の活力を維持させるということがうたわれたわけであります。 総理はこれを当然御存じだと思うのですが、念のためお聞きをしたいと思います。
○甘利国務大臣 雇用を安定させ、そして年齢を問わず働く意欲のある者に対して適切に職場を提供する、そのために各般の施策を行っているわけでありまして、その一環でございます。
○大森委員 これは、あえて事前の質問通告、この程度のことについては御存じかどうかお聞きすること、知らなければ知らないとおっしゃっていただければよかったわけですが……。 この六十歳定年法、六十歳未満の定年をしてはならないという法律であるわけでございますが、今、実態的に私どもこれを調査する中で、これは先般、労働委員会でも取り上げました。日本鋼管、NKKにおいて、会社の方針として、出向している労働者に一律に、五十五歳以上の労働者に出向先へ丸ごと転籍を強要する、事実上の解雇を行っている問題を取り上げて、労働省の見解を求めました。 例えばNKK、NKKだけではありませんけれども、この六十歳定年法が、例えば早期退職優遇制度、出向制度などによって本社本体からは早い時期に、四十代あるいは五十代の早い時期にもう本社にいない、出向させられる。本社の中で六十歳定年を迎えられる、それができる労働者はごくまれだ。そういう状況にこれまでも既になっていたわけでありますけれども、これまでと質的に違う形として、今度は出向している労働者に対して、出向先の企業に、五十五歳一律でもって、本人同意という形ではありますけれども、事実上の強要という形でこれを強制する。 これはどうかということに対して、労働委員会では職安局長の答弁として、高年法では、六十歳未満の定年制を定めて、その年齢に達したことをもって解雇することは禁止しているわけでありますから、事実上この規定に触れるような同じような効果を持つ行為が仮にあるとすれば、それは高年法の違反になる、こういう見解が示されました。当然のことだと思います。 六十歳定年が制定されているのに、それを無視して、事実上、五十五歳などで一律に転籍あるいは解雇をさせるなど決してあってはならない。労働大臣に改めてこの点を確認しておきたいと私は思います。
○甘利国務大臣 高年法では六十歳以下に定年を設定することはいかぬということが書いてあるわけでありますから、それ以下でやめさせる場合、あるいはやめる場合、本人の意思であるかどうかということが大事なところでございまして、事実上、本人の意思と違う、やめさせられたということであれば、それは高年法に抵触するということでございます。
○大森委員 事実上、退職の強要、定年制ですね、そういう形になっているわけですね。 これはもう労働委員会でも申し上げたわけでありますけれども、本人同意、この問題でありますが、NKKの場合でも、これは他の企業の場合でも同様でありますが、転籍、出向先で五十五歳になったらもう一律に退職を迫る、転籍を迫るというのですね。とにかく脅迫的な言辞でもって強要する、一人の対象者を何人もで取り囲んで説得する、オーケーするまで十回でもやらせてもらう、こういうことを会社側は言う。制度がある限り面接をやらせてもらう、こういう形でもう同意せざるを得ない、こういうことになっているわけです。 ですから、これは事実上の転籍の強要、事実上の五十五歳定年制、そういう意味で大臣がおっしゃったように、高年法に明らかに抵触する。そして、これはNKKの個別の事例ではないということですね。この点を大いに申し上げたいと思います。 これは同じ鉄鋼ですが、新日鉄釜石では同様に、五十二歳で転籍を強要するとか、新日鉄八幡の方では、既に平成七年から五十七歳転籍という形で事実上の五十七歳定年制がしかれているわけです。 こういうことで、私は、改めてこの点で、こうした事実上の高年法に抵触するような行為が全国の多くの職場でやられている、そのことについて、解雇規制法をつくる前にこういう実態をぜひ調査していただきたい。全面的に調査して、必要な指導、是正、やることがあったらこれをやっていただきたい。これをお聞きしたいと思います。
○甘利国務大臣 出向先で一律五十五歳になったからオートマチックに退職だということであるならば、それは明らかに高齢法に抵触することでございます。 要は、本人の意思をちゃんと確認して、要するに、本人の意思を無視して強制的に退職をさせられたかどうかということが大事なところでありまして、会社はそう取り繕っているけれども実は違うのだとおっしゃる場合もあるかと思います。 要は、自分の意思かあるいは強制的にそうさせられたかということは、退職という事実が起きたときに御本人から、いや、これはもう首切りなんだという意思表示がなければいかぬのですね。全く意思表示がなくて、周りから見ていて、あれはそうだからおまえやれということはちょっとできないと思いますから、明確な御本人の意思表示をいただく、所管行政の中にそういう意思表示をしていただければどういうものか御相談に応じたいというふうに思っております。
○大森委員 今申し上げましたように、あるいは昨日の委員会でも紹介をしましたように、今の本人同意あるいは本人の承諾、こういうものが一〇〇%自由な本人の意思によるものなのか、全く任意のものなのか、こういう点をきっちり見る必要がある。 この点で、労働省の方は、そういう本人の本当に心底からの自由意思なのか、あるいは強制されたものなのか、任意とか自発的な意思を労働省としてどう担保されるのか、これをお聞きしておきたいと思います。 〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
○甘利国務大臣 そういう御訴えをいただいたときにきちんとお話を伺いたいというふうに思っております。
○大森委員 ですから、そういう点で、本人の同意、大体建前としてはそうなっているわけですね。しかし、実態はそうではない。そういうときにきちっとした労働省としての見解を持って臨まなくてはならないと思うのです。 先ほど来お話がありましたアメリカの年齢差別禁止法、ここでは本人同意が有効なのかどうか、八つの要件というのが既に出されているわけですね。例えば、従業員が法令上の請求権を放棄するために経営者と交わす合意書に署名する前に、従業員が弁護士に相談することを勧めるという文面を加えなくてはならないとか、あるいは、合意書には平易かつ明白な言葉を使用し、誤解を招くような表現は避けなければならないとか、こういう八つの要件などを明確に定めているわけですね。 ですから、今私は改めて労働大臣に伺いたいんですが、こういう本人同意ということは建前にして、事実上高年法に抵触するような行為が行われているかどうか、これは調べてみないとわかりませんから、私どもが提起した、あるいはさまざまな形で労基署等、職安局等に提起されたそういう事例について、全面的に調査をやっていただきたい。別に解雇規制法をつくらなくても、あるいは年齢差別禁止法を今すぐここへ導入しなくても、これは労働省がその気になればすぐにできるじゃないですか。ぜひ調査をやっていただきたい。
○甘利国務大臣 アメリカの雇用形態のあり方はけしからぬとおっしゃっていて、アメリカのここがすばらしいと言われると、私もちょっと戸惑うのでありますけれども、あくまでも、本人の意思であるか強制であるかというのは、本人にその意思表示をされていただかないとわからぬことでございまして、ですから、そういうお訴えがあればちゃんと対処をいたします。
○大森委員 そういう訴えがあれば対処するということなんですが、そうした高年法に抵触するような動きがあれば、ぜひ率先して調査などを行っていただきたい。重ねて要求をしておきたいと思います。 同様に、私は今、解雇規制法あるいは年齢差別禁止法をすぐにつくらなくても、それをやることによって雇用を拡大する方向へ進めることができる、こういう問題として、労働時間短縮の問題を残り時間の中で取り上げていきたいと思います。 この点で、今国会でもたびたび言われておりますように、社会経済生産性本部が発表した、労働時間の短縮で雇用増を、これは非常に大きな反響を呼びました。そのことは、長時間残業が今日本の産業社会で大変広範な現象になっているということの反映であると同時に、圧倒的な労働者が内心では深い不満を持っている、そういうことのあらわれであると私は思うんです。多くの国民の皆さんが雇用の危機を肌で感じて、時間短縮による解決を期待している、今回の事象はそういうことの証明ではないかと思います。 こうした点で総理にちょっとお聞きをしたいんですが、きのうの委員会等でも、あるいは本会議でも議論をされておりますけれども、そもそもサービス残業というのはどういうものだ、これはもう犯罪じゃないかと思いますが、総理はいかがでしょうか。
○甘利国務大臣 サービス残業と言われているものは、その多くが、その残業に対する賃金の一部ないし全部を払っていないということだと思いますが、そうであるとするならば、これは明確に労働基準法違反の行為でございます。
○大森委員 総理の認識についてお伺いできなかったわけですが、労働大臣の御答弁でも、法違反で、やはりこれは犯罪である、私はそういう認識を持つべきだと思うんです。 労働基準法は、刑罰規定を盛り込んで、司法警察権にこれは裏づけられているわけであります。そこで、これに基づいて、労働基準監督署が労基法違反の中でも悪質な法違反については犯罪として司法処分をすることになっているわけでありますけれども、そうじゃないですか。
○甘利国務大臣 法違反の事実が確認できれば、厳正に対処しております。
○大森委員 そこでお聞きしたいのは、司法処分をすることになるわけですね。この点、後でもう一度お答えいただきたいわけです。 そこで、労働省基準局の司法処理基準、ここでは、是正勧告による指導をすることを原則としながら、しかし、直ちに司法的な制裁を加えなくてはならない、そういう違反も挙げていると思うのですが、この点、間違いないですね。
○伊藤(庄)政府委員 私どもは、全国の労働基準監督署におきまして、例えば平成十年、千二百件ほど、最終的に司法処理をしたという件数がございます。 労働時間関係で申し上げれば、まず是正をさせるということを先行させてまいります。ただ、そうしたことにも応じない等々の悪質なケースにつきましては、最終的にそうした司法処理という段階に至ることもございます。
○大森委員 そういう悪質な法違反ですね。司法処分を加えなければならない悪質な、これは司法処分を加えるから当然犯罪であるわけですが、労働省基準局の司法処理基準では、そういうとりわけ悪質なものについては是正勧告を飛び越えて直ちに司法的な制裁を加えなくてはならない、こういうこととして三つの事例、基準を挙げていると思うのですが、それはどういうものでしょうか。
○伊藤(庄)政府委員 ただいまその司法処理基準の詳細を手元に持っておりませんので、正確なお答えはまた別途させていただきたいと思いますが、労働時間関係で申し上げれば、まず是正をさせていくということを先行しておるわけでございます。 ただ、労働時間関係以外の例えば安全関係とか、人の生命等にあるいは健康等にかかわる、いわば待ったなしの問題とかそうしたケース、あるいは、そうした違反の事実を監督等に当たってもあえて隠していたケースとか、いろいろな悪質な事例があるわけでございますので、そうした場合にはまず司法処理ということを急ぐケースもございますが、こういう割り増し賃金が絡むケースにつきましては、まず労働者にそうした分の賃金を必ず支払わせて、その所得を確実なものにする、こういう側面も重要でございますので、そうしたことをまず先行させる扱いをいたしているところでございます。
○大森委員 司法処理基準、いわば内部の基準だからということで余り言いたくないかもわかりませんから、私の方から申し上げますと、一般的にはそういう是正勧告、これを挙げながら、しかし、それに続いて、一つ、重大な法違反、二つ、たび重なる法違反、そして明らかに故意に行われた法違反については、もはや行政措置にとどめるべきではなく、直ちに司法的制裁を加えなければならない、こういうぐあいになっているわけですね。 これはちょっと確認をしておきたいと思います。一つは、直ちに司法的制裁を加えなくてはならないのが、重大な法違反、たび重なる法違反、明らかに故意に行われた法違反、これは間違いないですね。
○伊藤(庄)政府委員 一般的に申し上げれば、先生御指摘のような基準がこの司法処理の基準ということになろうかと思います。 ただ、時間関係について申し上げれば、まず労働者の方に所定の割り増し賃金が確保されること、こういうことを先行していくために是正をさせるということをいたしまして、その上で、その過程等に重大な悪質なものがあれば司法処理ということに至るケースもある、こういうことでございます。
○大森委員 先ほどから労基局長は時間、時間とおっしゃっていますけれども、これは二十四条の賃金の不払いですよ。賃金というのは労働者の生活の糧、それを払わないというわけでありますから、今申し上げた第一の基準、もう重大な法違反、これに当然該当するんじゃないですか。
○伊藤(庄)政府委員 割り増し賃金の場合は基準法の三十七条、さらにその不払いの場合には二十四条というのが該当条文になってまいりますが、そうした場合におきましても、それに違反したからといって、重大な法違反ということで直ちに司法処理に至るという意味ではございません。そうした事態の発生していた経緯とか、それに対する事業主の対応、あるいは繰り返して行われること等、総合的に見た上で悪質であるかどうかという判断になるわけでございます。 とりわけ、労働時間にせよ、先生御指摘の二十四条、賃金不払いにいたしましても、まず賃金を確保して、労働者の方に確実に手に入る形をつくるというのが私ども行政官庁としての務めでもございますので、まずそういうことを先行させるのが一般的な扱いかというふうにいたしております。
○大森委員 是正させるのは当然として、しかし、賃金不払いというのが重大な法違反に当たらないというのは、これは大変問題だと思いますね。 それから、第二の基準でありますけれども、サービス残業というのは、労基法二十四条で、賃金支払いの五つの原則のうち、全額で支払う、毎月定期に支払う、この二つの原則に違反をしている。しかも、これは毎月毎月違反をしているわけですね。ですから、その意味では第二の基準であるたび重なる法違反、これに、やはり第二の基準に該当するんじゃないかと思うんです。いかがですか。
○伊藤(庄)政府委員 サービス残業の問題にせよ、労働基準法に基本的な労働条件の部分で違反している場合、これを重大でないというふうに申し上げているわけではございません。 どういう場合に司法処理という最終の処理をすることになるかというわけでございまして、今申し上げましたサービス残業、いわゆる割り増し賃金を払ってない残業につきまして、私ども、割り増し賃金を支払わせ、それ以降についてそういう事態を発生させないように違反を是正させる、こういうことをまずやりまして、その過程で、事業主の方がもしそういうことの是正に応じないとか、いろいろな経緯が生まれてきた場合には、これを悪質なものとして司法処理をするケースがあるというふうに申し上げておるわけでございます。
○大森委員 三つ目の基準が、明らかに故意に行われた違反という点で、とりわけ大企業などは、私どもこの間調べてきたサービス残業、大企業においてもそれこそ蔓延しているわけでありますけれども、労基法に違反することは百も承知でやっていると思うんですね。 ですから、三つの基準、これについて基準局長の方はいろいろ今答弁をされたわけでありますが、私は、三つの基準それぞれについてやはりサービス残業は適用される、直ちに司法処分に付さなければならない、それほどの重大な違反だ、そういう認識をやはり持つべきだと思うんです。 改めてこれは労働大臣、どうですか。
○甘利国務大臣 まず旨とすべきことは、正常な状態に一刻も早く戻すということでありますから、まず正常な状態に戻すための指導を行う。そして、その指導を行ったにもかかわらず、相変わらず改善する意思はないというときに、強硬手段というのはあるべきだというふうに思っております。
○大森委員 私ども、調査してまいり、実際の名前で申し上げますけれども、例えば三菱電機、ここにはかつて労基署なんかも入ったことがありますが、今回調査する中で、サービス残業が、実際には七十時間あるいは三十時間残業をやっている。しかし、最近までは請求の上限額十五時間しか決められていなかった。ところが、今ではそれをさらに十時間まで下げられてしまう。 これは、春闘を前進させる会、こういう団体の皆さんがアンケートはがきでアンケートをとられて、その回答を三百名が寄せられて、残業不払いを受けている、四〇%、それから月平均で二十四時間の残業をやっている、平均額で七万円だ、こういうことを言われているわけですね。 こういう事例について、本当にこれは、かつて入ったところでもあるわけなんですが、きちんと是正をさせる、そういうことがどうしても強く求められていると思います。 同時に、こういうような重大な犯罪をなくす行政側の責任はどこにあるのか。ここはまさに、政府にあり、そして労働大臣にそのなくす責任はあると思うのです。 ですから、そういう点での、本当になくす上で、甘利労働大臣の具体的な決意を示していただきたいと思います。
○甘利国務大臣 今日まで労働行政は、労働者の権利を守って、生きがいを持って働くことができるような環境づくりに努力をしてまいりました。 これからも、労働行政にかかわる各先生方からの御指摘をしっかり踏まえて、きちんと対処をしていくつもりでございます。
○大森委員 問題は、こういうサービス残業が、国際競争力強化の名のもとに、リストラと一体になって進められている。 先ほど申し上げた三菱電機の場合もそうでありますけれども、G7各国の、これは、国際的に見てサービス残業のようなものが存在するのか、こういう点で私どもも調べてみました。過労死と同様、サービス残業という概念そのものが通じない、そういう状況でありますが、念のため労働省の方に、各国のこういうサービス残業の状況はどうなのか、お聞きをしておきたいと思います。
○伊藤(庄)政府委員 他の諸外国におけるサービス残業の実情でございますが、これは、我が国の場合と同様、諸外国、ほとんどの国が、やはり法定の労働時間を超えて仕事をした場合は一定の割り増し賃金の支払いをそれぞれ義務づけておるわけでございます。それが支払われていない状態、こういうことでございますので、そうした状態を把握すれば、当然行政上是正をさせたりして処理をしていくわけでございますが、いわば法律に違反している状態の状況でございますので、これを統計的に把握しているというものは諸外国においてもないかと存じております。
○大森委員 少なくとも、その国の国会でサービス残業なんということが問題になる、そういう事態は日本以外には絶対ないと思うのですよ。言ってみれば、こういうサービス残業を放置したまま国際競争力を強めるといったら、もうドーピングしてオリンピックや国際レースに出るようなものだ、同じようなものだと思うのですね。そういう意味で、私は、ソーシャルダンピングの国際的な批判を必ず受けることになるんじゃないか、強い懸念をこういう点で持つわけであります。 こういう点で、総理、さっき、冒頭お答えありませんでしたけれども、もうすぐ二十一世紀を迎える高度に発達した資本主義国日本で、こういうルールなき資本主義、働いた分だけ賃金が払われない、全く初歩的なルールさえ守れないような犯罪行為、こういうものは本当に一掃すべきじゃないか。明快そして毅然とした総理の答弁をお聞きしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 サービス残業をなくすため、今後とも法の趣旨を徹底して図ってまいりたいと思います。
○大森委員 重要なことは、政府が本当にこれを許さぬという態度を毅然と徹底的に示していく、そういうことが重要だと思うわけですが、この点で私は提案をしたいと思うのですが、先ほど三菱電機の事例を申し上げました。 この三菱電機、平成九年だけで、防衛庁だけでも一千数百億、受注を受けているわけですね。こういうサービス残業、それをやっているような企業に対しては、官公需、こういうものはやるべきではないんです。発注先企業から、サービス残業があるかどうか、やっているかどうか、厳しくそれを受注の基準としていくべきじゃないか、そのくらいの決意を持って臨むべきではないかと思いますが、この点いかがですか。
○甘利国務大臣 私は、民間企業者の労働状況について、法違反があれば正していくという立場でございまして、今のお話は発注すること、発注側の話でいらっしゃいますか。
○大森委員 発注をやめるべきと決意してもいいんじゃないでしょうか。
○甘利国務大臣 私がですか。
○大森委員 政府としてです。
○甘利国務大臣 それは、ちょっと私の直接的な所管ではないものでありますから。
○大森委員 今、五千億あるいは三千億かけて七十万の雇用創出になるということを言っておられるわけなんですが、先ほど、サービス残業をなくせば九十万人の雇用を確保できるということが有力なそういう研究機関から出されている。それだけに、こういうサービス残業あるいは残業全体について、もっと政府として毅然たる態度をしっかりととるべきだということを改めて要求して、私の質問を終了したいと思います。
○中山委員長 これにて大森君の質疑は終了いたしました。 次に、北沢清功君。
○北沢委員 社民党の北沢でございます。 私は、一昨日の代表質問で、補正の雇用の問題に絞りましたが、きょうは、最近の諸問題について、若干お尋ねを申し上げたいと思います。 冒頭に一つだけ、野中官房長官の御認識について伺っておきたいと思います。 今、自自公連立に向けて動きが急であります。さきに、公明党が細川・羽田連立政権に参加したとき、当時野中長官は、政教一致と激しく攻撃をされたわけでありますが、その野中長官が、今般、自自公連立政権の大きな推進役となっているわけであります。政教分離についての野中長官の御見解を、また、自自公連立における政教分離についてはどうなのか、お聞かせをいただきたいと思います。何か具体的な理由がありましたら、御説明もあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○野中国務大臣 宗教法人が支持する政党が政権に参加したからといって、憲法の違反にならないと私は考えております。憲法上の専門的には、法制局長官からお答えをいただきたいと存じております。 今回、公明党との連立、連携につきまして、私は大きな役割を果たしたわけではございませんけれども、今日、この一年を振り返りながら、それぞれ法律、予算案等の局面を見てまいりまして、公明党が現実的な政党としてこの法案の成立のために大きなお力をいただいたこと、あるいはそのことと支援される宗教団体との間に節度ある問題が我々に感じられたことは、私自身の認識の上で申し上げたことはございます。 憲法上の問題につきましては、法制局長官からお答えをいたします。
○大森(政)政府委員 お尋ねの件でございますが、憲法の定める政教分離の原則と申しますのは、信教の自由の保障を実質的なものとするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入しまたは関与することを排除する趣旨であるというふうに解されておりまして、それを超えて、宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨ではないというふうに考えているわけでございます。 憲法第二十条第一項後段は、いかなる宗教団体も政治上の権力を行使してはならない、このように規定しているわけでございますが、ここに言う政治的な権力とは、一般的には、国または地方公共団体に独占されている統治的権力を言うと考えられておりまして、宗教団体が国や公共団体から統治的権力の一部を授けられてこれを行使することを禁止している趣旨と理解されているわけでございます。 そこで、お尋ねの宗教団体が支援している政党の政権参加問題につきまして、これは私の立場から申し上げるわけでございますから、あくまで一般論としてお聞きいただきたいと思いますが、御指摘の趣旨は、要するに、分析いたしますと、宗教団体が推薦しまたは支持した公職の候補者が、公職に就任して、これはまあ、国務大臣その他の公職に就任して、国政を担当するに至ることを指すことになろうと思われます。そこで、仮にそのような状態が生じたといたしましても、当該宗教団体と国政を担当することとなった者とは法律的には別個の存在である、宗教団体が政治上の権力を行使していることにはならないわけでございますから、憲法第二十条第一項後段違反の問題は生じないと考えられます。 なお、当該国政を担当することとなった者は、憲法尊重擁護義務を憲法上負うわけでございますから、その者が、国権行使の面において、当該宗教団体の教義に基づく宗教的活動を行う等宗教に介入しまたは関与することは、憲法が厳にこれを禁止しているところでございます。 したがいまして、宗教団体が支援している政党が政権に参加したということになりましても、そのことによって直ちに憲法が定める政教分離の原則にもとる事態が生ずるものではないということになろうかと思います。 この趣旨は、昭和四十五年四月二十四日付の質問主意書に対する内閣の答弁書以来、しばしば委員会等における質疑で同様の見解を表明しているところでございます。 以上でございます。
○北沢委員 私は、さきにそういう攻撃をされたということが、今日また逆な立場であるわけでありまして、その点を問題にしているわけなんです。 今の御説明でありますが、やはり国民が果たして納得しているかどうかということについて、私は疑問を持っています。特に、ここに宗教団体の七月九日付の新聞がございます。政教分離に大きな懸念を示し、容認することはできない。また、他の宗教団体にも波及をしているのが事実でございます。 したがって、憲法に照らして当然政教分離は確立されておかなければならないものでありまして、そうした懸念に対して誤解を招くようなことがあってはならない考えでございますので、このことについては、我が党としても、今後よく注目をしていく所存でございます。 次に、私は、昨日、本院の災害対策特別委員会の現地視察の調査に加わりまして、広島県の状況を見てまいりました。詳しくは改めて災害特の委員会で御質問をしたいわけでありますが、その中で一つ感じたことがございます。 今回の死者が行方不明含めて三十一名、負傷者が四百七十一名、床上浸水等がございました。 私は、このことは、長い梅雨だとか、または集中豪雨から発して、土石流なり、または地すべりなり、または崩壊が起こっているわけであります。考えてみれば、川筋をずっと私見て歩いて、そこで生花を手向けて御冥福をお祈りしたわけでありますが、共通した面がございます。 そのことは、今後も、危険箇所が全国に今十三万あるわけでありまして、今回は危険箇所に指定されておらないところもあるわけでありますから、そういう面ではなかなか、それも膨大な、これは全国的に整備するということは大変なことなんです。 やはりこのことは、危機管理といいますか、もう少し現場における危機管理、特に情報の伝達。例えば気象台からの広島県に対する予測なり、そのことが市を通じ、また末端に、消防団を含めて通じておったり、不断にやはりそういう個々の危機管理等をすれば、当然そこは、そういう土壌も含めて弱いところでありますから、そういうことが非常に大事であるし、必要であると思うわけであります。 ここら辺について国土庁長官にお願いしたいことは、貴重な人命を失ったということと、私は那須地方も見てまいりましたから、共通していることは、非常にそういう面で、ハードな整備のほかに、もっとソフトな、そういう危機管理というものが個々のうちに徹底しており、その集落に徹底をしておれば、私はある程度防げたのじゃないか。 その一つの例は、博多における地下街の商店街における問題も、その管理者が嘆いていることは、もっと川がはんらんするということが伝達されていれば防げたのじゃないかということも言われておりまして、私が現地を見て感じたことは、それと同じような面が非常に多いわけです。そのことの証拠は、実は向こうで最近つくったパンフレット、災害があってからつくったパンフレットを見て、私の言ったことと全く同じ考えだということを私は感じてまいりました。 ですから、このことをよく読んでいただいて、これはただ単に広島でなくて、全国的な危機管理としてやはり将来生かしていかなければいけない、速やかに生かしていかなければならない。そのことが人命を尊重する立場から非常に大切な問題であるということを私は申し上げたいと思いますが、これに対する御決意。 それから、今回、被災者の生活再建支援法が最初に本格的に適用するケースになるわけでありまして、私も、床上浸水というものの解釈については、半壊ないしは全壊でないともらえないわけで、床上の中で相当な被害を受けていてもなかなか支給をされないということを含めて、ひとつ十分な、かつ円滑な対応をしていただきたい。そうでないと、栃木の例で言いますと、一千万ぐらいかけて壁を塗り直しているのですね。それは一銭も来ないという、まさに居住にたえないところでもそういう支援を受けないという問題でありますから、ひとつ柔軟に対応していただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。
○関谷国務大臣 御質問は二つございまして、まず一つでございますが、その前に、今回私も直ちに広島へ参りましたが、そのときに、その経過あるいは状態を総理に御報告をいたしまして、そのときの指示によりまして、こういうような、例えば宅地造成というものが続いている限りにおいてはまた同じことが起こるであろう。ですから、それを根本的に直すようなこと、すなわち法律でいろいろな条件を縛ってでもやるべきだという御指示をいただきまして、七月の六日でございますが、建設省の中に総合的な土砂災害対策に関するプロジェクトチームというものを発足いたしました。 その大きな目的は三つあるわけでございますが、その三番目に、避難及び住民への情報提供のあり方の検討ということを一つうたっておるわけでございます。 今回も、いわゆる風水害というのは地震とは違いまして、時間的な余裕が地震に比べればあるわけでございますから、住民に的確に情報を伝達し、適切な避難を行うということをもっと徹底すれば人的被害の軽減を図ることができるわけでございますから、先生御指摘の問題は私たちも強く、いたく受けておりますので、この安全管理というものをなお進めていきたいと思っておるわけでございます。 それで、あとのプロジェクトチームの一、二は、いわゆる造成地を山のすそまで許してそこに住宅を建てるということはもう制限すべきであろう、そして現在も、そういう山のすそ野といいましょうか、谷合いにある住宅は思い切って、どういいましょうか、公費でもって買い上げて移転をしていただくというようなこともまた考えるべきではないかというようなことで、今鋭意このプロジェクトチームで対処をしておるところでございます。 それから二番目の問題でございますが、今回初めて適用をされます被災者生活再建支援法でございます。これは、直ちに広島県全域にこれを適用をしたわけでございまして、現在のところ七件の申請が既に来ておるわけでございます。 それで、先生触れられましたように、床上浸水あるいはまた半壊、そういう方々にも適用できないかということはよく聞くわけでございますが、現在のこの法律におきましては、いわゆる全壊をして生活に困った方々に対して百万円を支給するということになっておるわけでございます。ただ、半壊とかあるいは床上浸水ということになりますと、確かに数値的には膨大な数になると思うのでございまして、そこまでの、どういいましょうか、財源的なものが持てるかどうかということがあるわけでございますので、それはまた先生方とるる御討議をいただいて、少しでもそちらを向いた方向に考えていきたいな、そういうふうに考えております。
○北沢委員 今の検討材料でさらに進めていただきたいんですが、私は災害地を回ってみて、栃木も含めて、非常に山の中の農村に多いんですよ。今回の場合も比較的居住条件の悪いところですから、そういう意味では、なかなか再建をするには大変な苦労をされるわけですね。そういう面を含めて、さらに御検討されることをお願いをしておきたいと思います。 次に、私は敦賀の原発の二号炉について若干お尋ねをしたいと思いますが、この敦賀の二号炉というのは、これは九六年のときにも同じような事故がございまして、再発防止をさらに徹底すべきだという意見でございます。 同炉では、九六年の十二月に、化学体積制御系の小さな口径の枝管のひび割れで少量の一次冷却水の漏れが、事故がございました。今回亀裂をした配管も同じ材質であったとのことでありまして、前回事故以降、有効な再発防止策がとられていたのかどうかということは、私は疑問だろうと思います。 九六年の事故後の同炉が、同型炉への再出発、防止対策はどのように行われてきたか、御説明をいただけたらと思っております。
○与謝野国務大臣 敦賀二号機の九六年のトラブルは、製作工程のふぐあいによって金属割れが生じ、これが圧力上昇や熱膨張によって進展したことが原因と推定されたため、同一メーカーによる部品の点検や製造管理の徹底等の再発防止策を実施したところでございます。 今回の発生箇所は、前回対策を講じた箇所と場所が異なり、またメーカーも異なっていることを踏まえ、今後、徹底した原因究明を行った上で必要な措置を検討していくこととしております。
○北沢委員 原子力発電所に義務づけられております定期点検の期間がだんだん短縮をされておりまして、事故を起こした敦賀原発の運転開始後の各年の定期点検の実施期日、日数の一覧表をお示しいただきたいと思うわけであります。 例えば、冷却系の細管の部分は十年に一度すればよいことになっていると聞いておりますが、事実かどうか。だとすると、毎年の定期点検の内容そのものが形骸化していると言えないだろうか。そうであれば、定期点検マニュアルの全面見直しが必要だと思いますが、見解をお伺いいたしたいと思います。
○与謝野国務大臣 原子力発電所の定期検査は電気事業法に基づきまして十三カ月ごとに行われており、試験方法や判断基準等その具体的な内容については、通産省が標準的な実施要領を定めています。その中で、今回問題となった再生熱交換器の検査は、十年に一度所定の方法で実施することとなっていますが、これは米国の機械学会の基準に適用される等、国際的に幅広く認められているものでございます。 他方、今回の問題については、今後、徹底した原因究明を行った上で必要な措置を検討していくこととなりますが、その結果いかんによっては、定期検査や自主検査のあり方も検討課題の一つとなり得るものと考えております。 先生のさらに御質問は、多分、定期検査の内容を強化すべきではないかということだろうと思います。再生熱交換器については、原子炉冷却材圧力バウンダリーを構成する機器に当たらないため、漏えい試験を十年に一度行うということが現在のところは適当とされているところでございます。 いずれにいたしましても、今申し上げましたように、今回の経験に基づきまして、原因究明を行った上、事業者の点検や検査の見直しについても判断をしてまいりたいと考えております。
○北沢委員 今御答弁でございまして、ぜひ原因究明をする中で加圧式軽水炉の総点検を行うべきだというふうに思いますが、その点については、今の御答弁を踏まえて、ひとつ積極的な検査体制をしいていただきたいということを要請いたしておきたいと思います。 次に、資源エネルギー庁は、事故をできるだけ小さく見せるような傾向がちょっと私ども目につくわけでありますが、今回の敦賀事故も、水漏れがとどまっていない時期に早々と評価1と公表しました。冷却水の大量逸脱は炉心融合のような重大な事故に発展する可能性があるわけでありますから、事故を小さく見せかけようとする資源エネルギー庁の姿勢には大変問題があるということを私は言わざるを得ないわけでありますので、御見解についてお尋ねをいたしたいと思います。
○与謝野国務大臣 いわゆるINES、これは国際的な原子力事象評価尺度というものでございますが、ここにおいては、第一が所外への影響、第二は所内への影響及び三番目は深層防護の劣化、それぞれの観点から事象のレベルを評価しております。 今回のトラブルは、まず第一に、所外への放射性物質の放出はなく、所内においても従業員の被曝等に問題はありませんでしたが、深層防護の劣化の観点からは、冷却材の漏えい率が規定で定める値を超えたため、運転制限範囲からの逸脱があったとみなし、これらを総合的に評価し、暫定評価レベルを1としたものでございます。 なお、今後、学識経験者において構成されるINES評価委員会、我が国においては財団法人原子力発電技術機構に設置されておりますが、この委員会において国際的な基準に基づき正式な評価が行われることとなっております。とりあえず、暫定評価としてレベル1としたものでございます。
○北沢委員 私、ずっと一貫して感ずることは、事故の情報というのは、遅くなって出したり、自治体でもそのことについて大きな不満を持っているわけでありまして、そこら辺がまだまだ、小さく見せようとする気持ちはわかるわけですが、ぜひひとつ率直な事故解明をしてもらいたい。 それでまた、今回の事故調査の報告について、情報不足であるというような御意見が実は委員会の中にあったようなんですが、これについて原子力安全の所管官庁としてはどのように考えておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○有馬国務大臣 まず、敦賀発電所二号炉の冷却材漏えいにつきましては、環境への影響がなかったと見られますけれども、地元の方々を初め皆さんに大変御心配をおかけする結果となったことは、原子力行政を預かる者として大変残念に思っております。 原子力安全委員会は、国内外の原子力施設の運転中の事故、故障等について適時的確に情報を把握いたしまして、再発防止とより一層の安全性向上を指導してまいっております。 本件につきましても、原子力安全委員会が発生当時、七月十二日及び翌日七月十三日に開催した委員会において、通商産業省から状況について報告を受けましたが、その際、原子力安全委員より行政庁に対して、安全性に関する判断に必要な情報の提出を求める意見が出されたと聞いております。本日七月十五日の原子力安全委員会では、通商産業省から詳細な報告があったと聞いております。 今後とも、原子力安全委員会が安全確保の任務を全うできるよう、行政庁からの適時的確な情報の提供について私といたしましても努力を傾けていく所存でございます。
○北沢委員 やはり、委員会の内部でさえもそういう不満があるということでありますから、このことは、特に原発の行政のあり方等についてはもっと率直な開示が必要であろうと私は思っております。 次に、温暖化防止の、温室効果ガスの排出量を減らすためにまとめた温暖化対策の基本方針にも、安全性の確保を前提としながら原発推進がうたわれております。 また、日本は地震国だけに、原発の耐震性が大変気になるところでありますが、国民の原発に対する不安は、あの地域も含めて決して払拭されておりません。原発の事故というのは決してあってはならないことでありますから、安全確保への保障と決意について総理からお示しをいただきたいと思っております。
○小渕内閣総理大臣 原子力発電の推進に当たりましては、徹底した安全の確保が大前提でございます。このため、国として、従来から原子炉等規制法及び電気事業法に基づく、設計、建設、運転の各段階におきまして厳重な安全規制を実施するとともに、原子炉設置者に対する厳しい指導監督を行っておるところでございます。 今後とも、これらの対策を徹底して行うことによりまして、原子力発電所の安全性確保に万全を期する決意でございます。
○北沢委員 ぜひひとつ積極的に対応していただきたいと思います。 ついでに、関連してですが、地球温暖化防止対策の一環であります、環境に着目をして新しい発想の自動車税を運輸省が提起したわけでありますけれども、通産大臣は記者会見で批判をされておいでです。ここはもっと地球環境という大きな視点から対処さるべきだと思いますが、通産大臣、いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 通産省としても、地球温暖化防止対策は重要な課題であると認識しております。その一環として、今年度から、トップランナー方式に基づく新燃費基準の導入や低燃費車にかかわる自動車取得税の軽減措置の導入により、低燃費車の普及促進に積極的に取り組んでいるところでございます。 今般の自動車税のグリーン化については、我が国自動車税制の現状との関係や、排ガス対策、騒音対策等との両立をいかに図るかといったさまざまな論点があると認識しており、十分に議論を尽くすことが必要と考えております。 通産省としては、今後とも、低燃費、低公害車の普及促進や、渋滞解消等に効果のあるITSなどを推進することにより、地球温暖化防止対策に積極的に取り組む所存でございます。 記者会見で申し上げましたのは、税のグリーン化も大事だけれども、使途のグリーン化も大事だということを申し上げたつもりでございます。
○北沢委員 私は今、自動車税の問題を取り上げたんですが、これは地球温暖化の問題に含めて、将来、環境税というようなものが当然考えられるべきではないか、積極的に進めるために、そういう趣旨で質問したことがございます。 総理に最後に御決意をお伺いしたいんですが、地球環境に配慮する立場から環境への理解を深めるためにも、こうした税制導入に対し、どうかひとつリーダーシップをとって進めていただきたいということを申し上げるわけですが、いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 地球温暖化対策に関連した低燃費自動車等の普及促進策につきましては、昨年六月に政府の地球温暖化対策推進大綱が決定されました後、平成十一年度税制改正におきまして、低燃費車及び低公害車に対する自動車取得税の軽減措置を講じたほか、本年四月には改正省エネルギー法が施行され、これに伴いまして自動車の新燃費基準を告示するなど、具体的な取り組みを行っておるところでございます。 自動車関係諸税のいわゆるグリーン化等につきまして、関係者の中でもさまざまな意見があるものと承知をいたしており、また、税制の基本的な考え方にもかかわる問題であることから、既に講じられておる措置の効果も見きわめつつ、幅広い観点から慎重に議論されるべき問題と考えております。 北沢委員、先ほど環境税の問題にお触れになられまして、やや賛成のような御意見とも承りましたが、将来、環境税云々の問題は世界的な問題として取り組んでおる国もございますので、参考にさせていただきたいと思います。
○北沢委員 ヨーロッパでは相当そういう傾向になっておるということは、私もヨーロッパへ行って勉強してまいりましたけれども、ぜひ地球温暖化問題については、もっと運輸省なり、または業界の皆さんの御理解をいただくということが非常に大事でございますから、業界を代表するというか束ねておる通産省においても、ひとつ積極的に御協議をしてこの問題に対処されるように、強く要請をいたしたいと思います。 最後に、厚生大臣にお尋ねをしたいのですが、先ほども介護保険の問題について御質問がございました。 それで、これはさっきの御答弁をお伺いする中では、延期はあり得ないし、期待する声が膨大なので、そのことについては進めるんだという御見解がございまして、力強く感じたわけであります。 特にその中で感ずることは、二千五百円の保険料の基準額というものが、ここを党としても昨年来主張をしてきたわけなんですけれども、スタートから三年間に限って保険料基準額を全国一律二千五百円に設定したらどうか、そして超える分については国が何らかの財源措置をすべきじゃないかということもございまして、これは地方自治体のやる事業の問題でございますから、先ごろ、ちょっと私お伺いしたら、過疎村については特別な手当てをするということを厚生省の方で触れられたということを実はこの二、三日前に聞きまして、その点も含めて、この問題についてはどのように考えておられるか、確かな御答弁をいただきたいと思います。
○宮下国務大臣 介護保険につきましては、法定されておりますので、予定どおり実施したいと思っております。 一方、この制度は、各保険者を市町村にいたしております。そして、市町村におきましては、従来、福祉政策として在宅サービスと施設サービスがそれぞれございまして、そのウエート等が異なっております。 例えば一例で申しますと、保険料に大きく影響を与えるのは療養型病床群でございますが、この入所者が多いようなところは、どうしても介護費用が総体としてかさみ、保険料も上がります。また、後期高齢者が多くて介護要因が多ければ、当然介護費用も上がるわけでございますから、保険料も上がるということでございます。 私どもは、二千五百円という数値がかなり行き渡っておりますけれども、これは、立法過程におきまして、一つの試算値として掲げられたものでございまして、現実には、今、各市町村におきまして、保険者におきまして、介護保険事業計画を策定中でございまして、大体どの程度になるかということをこれから厚生省の方としても実態を把握してまいりたいと思っておりますが、これを一律に二千五百円にするというようなことは考えておりません。 なお、離島、山間地等の保険料を低減するというようなことも具体的にはまだ決めておりませんし、これは保険でございますから、一応システムとしては一律になるということでございますが、私どもとしては、この介護保険制度を円滑に実施するためには、法定された制度のほかに何が可能であるかというようなことを含めて今検討中でございますが、それには実態を把握した上で適切な措置を講じてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○北沢委員 保険料については、私も、各市町村で大きな差が起きる、中身にもよりけりですが、たしかそういう問題もやはり自治省なり厚生省なりで検討はされておろうと思いますが、ここら辺については、適切な、目的に近づけるような料金でひとつ国の施策をやってもらいたい、そう思っております。 最後に、ホームヘルパー、百万人というようなことで、いわゆる目標値が大幅にいかないのではないかという心配をする方がありまして、これらを含めて、ゴールドプラン、スーパーゴールドプランというようなものもさらに必要でありますが、そのこともひとつあわせて、福祉も雇用の確保につながるんだということだけは強調しておきたいと思います。 いろいろありますけれども、保険料に対する利用料も含めて、低所得者層に対する保険料の軽減、利用料の減免等についても思い切った負担の軽減を図っていただいて、大変な財政負担にならないような措置も今から御検討いただくようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○中山委員長 これにて北沢君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして平成十一年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○中山委員長 ただいままでに、民主党池田元久君外二名から、平成十一年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。 本動議について提出者から趣旨の弁明を求めます。小林守君。 ————————————— 平成十一年度一般会計補正予算(第1号)及び平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小林(守)委員 私は、民主党を代表して、平成十一年度補正予算二案につき政府が撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、趣旨の弁明をいたします。 まず、補正予算の組み替えを求める理由について申し上げます。 今、我が国は未曾有の長期不況に陥り、国民は不安な気持ちで毎日を送っています。失業率は高水準で推移し、勤労者は雇用不安におののいています。 小渕内閣は、平成十一年度予算審議に際し、民主党の政策提言を無視し、かつ組み替え動議を握りつぶし、利権誘導を優先したばらまき手法をとり、将来ビジョンや哲学、理念を欠き、行政改革や経済構造改革を後退させる平成十一年度予算を原案のまま成立させました。 今般、政府は国会に補正予算を提出いたしましたが、わずか三カ月余りで補正予算に追い込まれたことは、当初予算が欠陥予算であることを如実に証明するものであり、小渕内閣の責任は極めて重大と言わざるを得ません。 ことし一月から三月の国内総生産は六期ぶりのプラス成長となりましたが、強引な公共事業の実施やゼロ金利政策によって達成されたものであり、本物の景気回復と言えるものではありません。年度後半に再び景気が失速するのは必至であり、未来への不安を解消し、将来の構造改革につながる補正予算を編成することが不可欠であると考えます。 しかるに、政府の補正予算はその場しのぎのばらまき対策に終始しており、質量ともに不十分であります。また、将来の財政再建の道筋が明らかにされていないことも問題であると考えます。 以上の諸点にかんがみれば、政府補正予算を原案のまま成立させることは容認できません。民主党は、経済危機、雇用不安を解消し、中長期的に日本経済をプラス成長の軌道に乗せ、国民生活を立て直すために、平成十一年度補正予算を抜本的に組み替えるべきとの結論に達し、動議を提出するに至りました。 次に、予算組み替えの重点事項について説明いたします。 私たちは、以下の五つの柱から成る総額約一兆円規模の補正予算を編成するように提言いたします。 第一の柱は、雇用の創出であります。 将来にわたって社会的ニーズの高い、福祉、環境、住宅、情報通信関連等の分野における雇用の創出と定着を目指し、雇用創出につながる事業の実施を求めます。 まず、介護保険制度を来年四月から円滑に始めるために、在宅サービス等介護基盤の充実を図る必要があり、特にホームヘルパーについて、新ゴールドプランの目標値十七万人を、少なくとも三十万人に拡充すべきであります。 また、喫緊の少子化対策として、都市部における保育所待機児童四万人を解消するため、保育士の増員を図り、共働き夫婦に要望の強い学童保育事業や延長保育、休日保育等の大幅な拡充を図るべきです。 第二の柱は、求職支援策の拡充であります。 民間との連携を強化し、すべての求職者にきめ細かい相談、助言のサービスが提供できるように、カウンセリング機能の充実を要求いたします。また、新卒未就労者に対する職業訓練、職場実地訓練の機会の提供を図るべきであります。 第三の柱は、新しい起業家支援策の実施であります。 実効のあるエンゼル税制の確立、ストックオプション税制の拡充によりベンチャー支援税制を抜本的に強化することを提言します。また、ハイテク技術を持つ中小企業に対する段階的な支援制度、いわゆるSBIR制度の確立、女性起業家への徹底支援、技術系の国立大学等の教員の民間企業などの役員兼務の解禁などに取り組むべきであります。これらの施策を推進するため、民主党としては関係法案を既に国会に提出しております。 第四の柱は、NPOの基盤強化であります。 福祉、教育、環境保全、地域開発など、幅広い分野において新しい雇用増を期待させるNPOの自発的な発展を支援するために、NPO支援税制を確立するとともに、NPO人材育成プログラムを策定し、NPOの経営に係る人材の研修費を助成すべきであります。 第五の柱は、財源対策及び財政再建の道筋確立であります。 公共事業予備費五千億円の一般財源化、平成十年度剰余金の活用、平成十一年度当初予算の予備費削減などにより、約一兆円の補正予算の財源を賄うことを提言いたします。また、可能な限りの国有財産の売却、毎年度改定する中期経済・財政見通しの策定、行政経費削減とアウトソーシングの徹底など、新しい施策に取り組み、硬直的な財政構造改革法にかわる中長期的な財政再建の道筋を確立し、財政の規律を確保すべきであります。 以上が動議の概要であります。委員各位におかれましては、本動議の趣旨を御理解いただきまして、御賛同賜りますようお願い申し上げ、趣旨弁明といたします。
○中山委員長 これにて趣旨の弁明は終わりました。 —————————————
○中山委員長 これより討論に入ります。 平成十一年度補正予算両案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。
○北村(直)委員 私は、自由民主党、自由党を代表して、ただいま議題となっております平成十一年度補正予算二案に対し、賛成の討論を行うものであります。 目下依然として厳しい状況にある我が国経済の回復に向けた動きをより力強いものとし、現在喫緊の課題となっている雇用不安の払拭を図るとともに、それを我が国経済の再生に結びつけるため、政府は、六月十一日に緊急雇用対策及び産業力強化対策を決定したところであります。今回の補正予算は、この緊急雇用対策に盛り込まれた施策を実施するための裏づけをなす、まことに重要なものであります。 以下、賛成する主な理由を申し述べます。 賛成の第一の理由は、今回の補正予算は、先般決定された緊急雇用対策のために必要な対策を実施するためのものであり、その意味で、緊急かつ真に必要な経費等をその内容としていることであります。 今回の緊急雇用対策においては、これまで政府が実施している雇用活性化総合プランにおける各般の取り組みをさらに拡充、推進し、厳しさを増している雇用失業情勢の影響を特に受けている中高年の非自発的失業者に焦点を当てつつ、雇用・就業機会の増大策を実施することとしております。 今回の補正予算においては、これらの施策を実施するため、具体的には、新規・成長十五分野を中心に雇用創出の推進を図るために必要な経費として新規・成長分野雇用創出推進事業費、中高年非自発的離職者の就職の推進等に必要な経費として中高年求職者再就職推進等事業、国、地方公共団体において臨時応急の措置として雇用・就業機会の創出を図るために必要な経費として緊急雇用・就業機会創出特別対策事業費、地域における少子化対策の一層の普及促進を図るとともに雇用・就業機会の創出を図るために必要な経費として少子化対策臨時特例交付金等が盛り込まれております。これらの施策により、七十万人を上回る規模の雇用・就業機会の増大が見込まれ、今後、雇用不安の解消に向けて、着実に効果があらわれてくると考えます。 賛成の第二の理由は、今回の補正予算については、公債の発行によらず、所要額を確保しているということであります。 我が国財政が極めて厳しい状況にある中で、今回の補正予算においては、平成十年度の決算上の純剰余金の二分の一の範囲内で約三千七百億円を計上するとともに、予備費を千五百億円取り崩すことにより、公債の発行によらず、所要額を確保しております。 以上、賛成理由を申し述べましたが、私は、本補正予算がこのように必要かつ不可欠なものであるとして賛成の意を表明するものであります。本補正予算に盛り込まれた諸施策は、現在当面する緊急課題となっている雇用不安を払拭し、我が国経済の抜本的な体質改善に資するものであり、そのためにも、本補正予算の速やかな成立を期するものであります。 なお、民主党提案の十一年度補正予算に対する組み替え要求については、見解を異にするため、反対の旨を申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○中山委員長 吉田治君。
○吉田(治)委員 私は、民主党を代表して、ただいま議題となっております平成十一年度補正予算二案に反対、民主党提出の組み替え動議に賛成の立場から討論を行います。 政府予算に反対の第一の理由は、最大の課題である景気回復、経済構造改革の推進に十分こたえる内容ではないことであります。 平成十一年度当初予算で、小渕自自連立内閣は民主党の組み替え動議を握りつぶし、将来ビジョンや哲学、理念を欠き、行政改革や経済構造改革を後退させる、ばらまき優先の予算を原案のまま成立させました。わずか三カ月余りで補正予算に追い込まれたことは、当初予算が欠陥予算であることを証明するものであり、小渕内閣の責任は極めて重大と言わざるを得ません。 本年一—三月の国内総生産はプラス成長となりましたが、強引な公共事業の実施やゼロ金利政策によって達成されたものであり、本委員会の大臣答弁にありましたように、官需主導であり、本物の景気回復と言えるものではありません。その場しのぎの対策をちりばめた今般の補正予算でも、本格的な景気回復は期待できません。 民主党の組み替え動議は、約五千億円の補正予算を予備費の一般財源化等により倍の一兆円規模にするとともに、構造改革につながる斬新なメニューを盛り込んだものであり、景気の失速を防ぎ、中長期的な新事業創造、新雇用創出につながるものであります。 政府予算に反対の第二の理由は、将来への展望なしに、行き当たりばったりの雇用政策が中心になっていることです。 新規・成長十五分野において十五万人規模の雇用創出が見込まれていますが、政府がお墨つきを与えて特定産業を育てるという発想そのものが間違っており、時代錯誤と言わざるを得ません。 都道府県に配分される緊急地域雇用特別交付金も、基準が不明朗であり、三十万人規模と見込まれている雇用創出効果はそれほど期待できないとの批判もあります。福祉、教育など社会的ニーズの高いものを一時的な雇用の受け皿と位置づけたり、NPOを安価な労働力吸収の場と位置づけることなど、問題であり、将来につながる雇用創出と定着を図るべきであります。 政府予算に反対の第三の理由は、新事業、ベンチャー企業育成のための施策が欠落していることであります。 民主党は、組み替え動議だけでなくきちんと法案まで提出をして、エンゼル税制の拡充、本格的なSBIR制度の確立、女性起業家への徹底支援、国立大学等の教員の民間企業役員との兼務解禁などを提唱しています。 今後、産業活力再生特別措置法案を提出する予定だと聞いておりますが、特定産業の既得権益や役所の権力拡大につながる法案との批判も出ており、今後しっかり審議をして、民主党としての党の態度を固めていきたいと考えています。 政府予算に反対の第四の理由は、少子化対策臨時特例交付金が哲学、理念もないばらまき対策にとどまっていることであります。 少子化対策は、補正予算ではなく、本来は本予算にしっかり盛り込むべき事項であります。民主党の組み替え動議が求めていますように、まず、都市部における保育所待機児童の問題を解決するため、柔軟に保育士の重点配分を図り、共働き夫婦に要望の強い学童保育事業や延長保育、休日保育などの大幅な拡充を優先すべきであります。 政府予算に反対の第五の理由は、今後の財政再建の道筋が示されていないことであります。 今日の経済危機、雇用不安を解消するためには、一時的に財政再建を棚上げして、めり張りある財政出動をとる必要があります。しかしながら、積極財政とばらまきは別物であります。 民主党の組み替え動議が提唱していますように、可能な限りの国有財産の売却、毎年改定する中期経済・財政見通しの策定、行政経費削減とアウトソーシングの徹底など、新しい施策に取り組み、硬直的な財政構造改革法にかわる中長期的な財政再建の道筋を確立し、財政の規律を確保すべきであります。 以上の理由から、政府提出の補正予算に反対し、民主党の組み替え動議に賛成すべきことを最後に申し上げ、私の討論を終わります(拍手)
○中山委員長 大野由利子君。
○大野(由)委員 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成十一年度第一次補正予算案に対し賛成し、民主党提出の組み替え動議に反対の立場から討論を行うものであります。 我が国経済は、本年一—三月期のGDP実質成長率が一・九%、企業の景況感の改善、株価の上昇など、ようやく景気の本格的回復に向けての曙光がうっすらと見え始めてきた感があります。 しかし、他方、個人消費並びに設備投資は低調であり、また雇用情勢も、失業率が戦後最悪の水準にあり、今後一層悪化することが懸念されていること、さらには、唯一景気を下支えしている公共投資も秋口から来年初頭にかけて息切れすることが懸念されており、これらを総合的に判断するならば、決して楽観している状況ではなく、政府として、緊急かつ適切な対策を講じる必要があると考えます。 その意味において、今般小渕内閣が、雇用不安の払拭と経済の再生を図るために、緊急雇用対策として補正予算を編成し、また他方、産業競争力強化対策として産業活力再生法案を策定するなど所与の対策を講じることは、まさに時宜にかなった適切な措置であると考えます。 以下、賛成する理由を申し述べます。 賛成する第一の理由は、厳しい雇用情勢への対応として、追加的に緊急雇用対策として、七十万人を上回る規模の雇用・就業機会の拡大策を盛り込んでいることであります。 特に、企業のリストラによる中高年の非自発的失業が極めて深刻であり、これらの方々の雇用・就業が可能となるよう緊急雇用創出特別基金の発動要件緩和と積み増しなどが行われたことは、セーフティーネットが一層強化されるものであり、評価いたします。 ただし、私は、政府の緊急対策によっても、今後産業再生の過程の中で一層のリストラが促進されることが容易に予想され、雇用のデフレ圧力はむしろ強まる可能性が強いと言わざるを得ません。 政府においては、雇用の安定確保は社会安定の基盤であるとの強い認識に立ち、雇用対策は政治の最重要課題と位置づけ、今回の対策で雇用対策は終わりとした断片的、消極的な対応をとるのではなく、必要となれば間断なく対策を打つという姿勢で、雇用情勢の安定、向上に向けた適切な対応を図るよう強く望むものであります。 さらには、産業構造の変化に対応した新産業、成長産業育成と新たな雇用創出、雇用流動化に対応した職業能力開発の体制の強化充実、雇用保険制度の見直し、拡充などの対策にも積極的に取り組むことを強く期待するものであります。 賛成する第二の理由は、公明党・改革クラブと自民、自由両党との間で検討し、本補正予算に盛り込まれている少子化対策臨時特例交付金が、地域における少子化対策の一層の普及促進と、それに伴う雇用・就業機会の創出にとって極めて有効かつ適切な政策であるからであります。 安心して子供を産み育てることのできる社会を実現するため、子育て世帯の負担軽減と保育サービスの充実などの環境整備が早急に求められております。 現在、保育における待機児童は四万人、ゼロ歳児でも約六千五百人いると言われておりますが、今般の対策で保育所等の整備により待機児童の解消が進むことは、子育て世帯、とりわけ働く女性に対し、強い安心感を与えるものであります。また、地域においても、民間活力を活用することによって新たな雇用・就業機会をも創出する効果を期待できるものと確信いたします。 我が会派としては、引き続き、少子化対策の充実を図るため、エンゼルプランの拡充、児童手当制度の拡充などに全力を挙げる所存であります。 以上、賛成理由を申し述べました。 日本経済は重大な分岐点にあり、かじ取りを間違えればデフレへのふちへと沈む危険をはらんだ航海であると言えます。 公明党・改革クラブは、政策実現の責任ある政党として、景気の早期回復と我が国経済の再生のため、全力で取り組んでいくことを最後に申し上げ、賛成の討論を終わります。(拍手)
○中山委員長 春名直章君。
○春名委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました平成十一年度補正予算二案に対して反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本補正予算案は、今日の深刻な雇用喪失の最大の原因である大企業のリストラ、人減らしや長時間・過密労働を規制する対策が皆無だからであります。 東京商工リサーチの調査では、この三年間で東証一部上場企業だけで五十一万人が削減され、その間、完全失業者は三十八万人も増加しております。大企業によるリストラ、人減らしの横行が今日の深刻な雇用喪失を生み出していることは明白であります。 ところが、本補正予算案は、こうした大企業のリストラ、人減らしには手をつけず、全くの野放しとなっているのであります。これでは深刻な雇用危機への根本的な対策とならないことは明らかであります。 また、大量のリストラ、人減らしを前提とすれば、所得の減少と将来不安から消費が一層減退し、これが需要の減少につながるという悪循環に陥り、不況打開の展望をさらに掘り崩すことにならざるを得ません。 第二は、本補正予算案は、雇用創出ではなく、むしろ今後の大規模なリストラ、人減らしや財界が求める事業の再構築と一体に、その過程で生じる雇用問題に対して一定の対策をとろうというものであり、七十万人以上の雇用創出には確実な根拠がないことであります。 例えば、昨年度、第三次補正予算で創設した緊急雇用創出特別基金が発動された沖縄県での雇用創出は、最終的にはわずか三十二人にとどまり、この間、失業者は逆に全国で五十万人も増加しているのであります。発動要件を若干緩和したところで、二十万人の雇用創出の保証はどこにもありません。 今回、これに九百億円を積み増しし、新規・成長の十五分野で中高年の非自発的失業者などを前倒し雇用する企業へ奨励金を支給するとしています。しかし、日本労働研究機構が三月に行った失業構造の実態調査の結果でも、未充足求人における年齢制限を設けている企業は八三・九%にも及び、その上限年齢は三十七・三歳とされているように、中高年雇用における年齢差別が現に横行している現実では、中高年の非自発的失業者に安定的な雇用を確保する保証となり得ないのであります。 さらに、人材移動特別助成金は、大企業のねらう中高年労働者のリストラ、人減らしをさらに促進するものと言わざるを得ません。 また、緊急地域雇用特別交付金は一両年を限度としたものであり、少子化対策臨時特例交付金も単年度の施策であります。安定的な雇用拡大は期待できません。 雇用対策で今求められていることは、まず何よりも、大企業のリストラ、解雇を厳しく規制することであります。そして、サービス残業や長時間労働を規制することによって雇用を創出することであります。介護、教育、防災など、必要とされる公的分野での雇用拡大を真剣に図ることであります。 なお、民主党提出の組み替え動議は、ホームヘルパーの増員など賛同できる対策もありますが、我が党と考えを異にする部分もあり、賛成できないことを申し添えておきます。 以上で反対討論を終わります。(拍手)
○中山委員長 濱田健一君。
○濱田(健)委員 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、政府が提案している平成十一年度補正予算案に対し、反対討論を行います。 反対の第一の理由は、歳出面で計上された雇用対策費が、わずか五千億円強にとどまったことです。 今回の緊急雇用対策のよって立つところが、雇用不安の克服こそが景気回復の何よりの良薬になり得るとの考えに基づくならば、この規模では極めて不十分であると言わざるを得ません。重要度からしても、壮大なるむだ遣いに終わりかねず、かつ財源手当てもないまま強行された、額に汗する庶民にとってはありがたみが希薄な四兆円もの高額所得者優遇減税との見合いからも、国民的要請にこたえているとは到底言えないのであります。 とりわけ問題なのは、雇用調整助成金の重点化が明記されたことです。雇用不安の発生を事前に予防する施策を最優先すべき情勢下にもかかわらず、その縮減が不可避な重点化が打ち出されたことは、予断を許さない雇用失業の現状を踏まえても、到底容認できるものではありません。 第二の理由は、喫緊の課題である子育て・子育ち支援策においても、多くの成果が望めないことです。 今回の補正予算には、保育所待機児童の解消を初め、地域における少子化対策の一層の普及促進を図るとして、少子化対策臨時特例交付金等二千三億円が計上されています。一歩前進でもあると言えますが、抜本対策にはなり得ていません。 社民党は従来から、待機児童のみならず、乳幼児や病児、障害児など保育を必要とするすべての子供が受け入れられるよう、社会的保育の基盤整備を進めるべきであると強く主張してきました。保育所などの新設、拡充や、必要な保育士、指導員などの身分保障と雇用確保を積極的に支援していくことが必要です。そのため、エンゼルプランを完全達成し、目標を大幅に拡充した新エンゼルプランを策定、実施すべきではないでしょうか。 同時に、働く方々が安心して産み育てられる環境づくりを進めて、子育てと連動、両立した就業・賃金体系への転換をするとともに、現行児童手当を全面的に見直し、全額を国庫負担とする新児童手当の創設などが早期に取り組まれる必要があることを強調しておきます。 第三の理由は、雇用対策の充実を標榜する一方で、リストラ要因となる側面を持たざるを得ない事業再構築関連の支援策等にも政府が取り組んでいることです。例えば、設備廃棄を景気回復の呼び水にという考え方自体、楽観的に過ぎ、工場撤廃などの設備廃棄が進められれば、地域経済に与えられる影響、なかんずく雇用問題は深刻な打撃を受けざるを得ません。 普通のときであれば、このような副作用は低く抑えられるでしょうが、雇用失業情勢の底割れ懸念すら払拭できない現状においては、前向きな相乗効果が望める政策選択にはなり得ないと考えるものです。 最後に、雇用対策の要諦となるべきワークシェアリング実現に向けた着実な取り組みが見られないことに対しても、厳しく批判せざるを得ません。 遠回りなようでも、失業を生まない、つくらないために不可欠の要素となるのが、労働時間の短縮によるワークシェアリング効果を通じた雇用創出を図ることだと、社民党は強く求めてきました。 しかし、今回の政府の緊急雇用対策がこの具体化への歩みを進めるものになっていないことは、やすきに流れた手法そのものと批判せざるを得ないのであります。 今こそ望まれるのは、ワークシェアリングの着実な進展を図る観点から、育児・介護休業給付等に係る所得保障水準の引き上げの実現や、法的拘束力を有する時間外労働等の規制の具体化などに優先的に取り組むことなのです。この点を特に訴えておきたいと存じます。 以上により、社会民主党・市民連合は、このままでは政府案原案を承認するわけにはいきません。 なお、民主党提出の補正予算編成替え動議も、見解を異にするものであることを表明し、平成十一年度政府補正予算案とともに反対であることを明言し、討論の締めくくりといたします。
○中山委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○中山委員長 これより採決に入ります。 まず、池田元久君外二名提出の平成十一年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立少数。よって、池田元久君外二名提出の動議は否決されました。 次に、平成十一年度一般会計補正予算(第1号)、平成十一年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して採決いたします。 両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中山委員長 起立多数。よって、平成十一年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました平成十一年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十一分散会