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145回国会衆議院1999/02/18

予算委員会 第16号

発言数
187
登壇者
31
会派数
6
開催日
1999/02/18

会議録

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山正暉自由民主党

○中山委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に       池田 元久君    海江田万里君       太田 昭宏君 を指名いたします。      ————◇—————

中山正暉自由民主党

○中山委員長 平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算、平成十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、各分科会主査から、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。  第一分科会主査小澤潔君。

小澤潔自由民主党

○小澤(潔)委員 第一分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、皇室費関係では、皇室についての広報の充実化、  次に、裁判所関係では、検察審査会等のあり方、  次に、内閣関係では、男女共同参画社会基本法の制定見通しなど、  次に、公正取引委員会関係では、化粧品の再販売価格維持行為の実態など、  次に、警察庁関係では、交通渋滞及びタクシーの長時間の客待ち停車による駐車違反の解消策、インターネット等によるハイテク犯罪の防止策、犯罪被害者に対する支援体制のあり方など、  次に、総務庁関係では、恩給欠格者の救済策など、  次に、防衛庁及び防衛施設庁関係では、厚木基地周辺の騒音対策、那覇軍港の移転問題など、  最後に、沖縄開発庁関係では、沖縄経済振興二十一世紀プラン等の沖縄振興策などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 続いて、第二分科会主査中井洽君。

中井洽自由党

○中井委員 第二分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、法務省関係では、オウム真理教に対する破防法適用の必要、登記申請手数料の引き上げの妥当性、犯罪被害者の人権確保の必要、人権擁護施策の推進方針など、  次に、外務省関係では、米国原子力空母の横須賀母港化についての日米協議開始の有無、WTOの農業協定を受けた米の関税化についての政府の対応、米軍機の低空飛行訓練への対応策、我が国のODAのあり方など、  次に、大蔵省関係では、国有財産の有効活用、デノミの必要などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 第三分科会主査西村眞悟君。

西村眞悟自由党

○西村(眞)委員 第三分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、科学技術庁関係では、科学技術振興策のあり方、原子力施設の警備体制及びテロ対策などであります。  次に、文部省関係では、国立大学等の外国人学校卒業生の受け入れ問題、老朽校舎問題、大阪オリンピック招致対策、私学助成と大学教育改革問題、完全学校週五日制に向けてゆとりある学校教育実現の必要、国立大学附属病院の夜間看護体制充実の必要などであります。  次に、自治省関係では、定住外国人への地方参政権付与問題、市町村合併促進策などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 次に、第四分科会主査臼井日出男君。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 第四分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、厚生省関係では、介護保険制度実施のための人材育成の必要、要介護認定のあり方、ダイオキシン対策、子育て支援策の拡充、ホームレス対策、医薬分業の推進策、医師の臨床研修のあり方、いわゆる低用量ピル認可の見通しなどであります。  次に、労働省関係では、地域の実情に即した雇用対策の強化、終身雇用制度のあり方などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 次に、第五分科会主査伊藤公介君。

伊藤公介自由民主党

○伊藤(公)委員 第五分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、環境庁関係では、水俣病問題解決のための支援策、ダイオキシン類等の化学物質対策、開発計画に対する環境保全策強化の必要、瀬戸内海の環境保全策などであります。  次に、農林水産省関係では、今後の食料、農業、農村政策の考え方、米の関税措置化と国内産米の需給への影響、安全な食料供給環境の確保のための取り組み、国有林野事業の赤字解消の見通し、日韓漁業協定の一時中断による漁業被害対策、国際的な水産資源管理の必要などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 次に、第六分科会主査谷津義男君。

谷津義男自由民主党

○谷津委員 第六分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、経済企画庁関係では、経済見通しの達成可能性、金融機関の不良債権に対する認識などであります。  次に、通商産業省関係では、資源リサイクルの必要性、愛知万博への対応、伝統的工芸品産業の振興策、中小企業とベンチャー企業の支援策、普通鋼電炉業界の構造転換、貸し渋り対応特別保証制度の現状、石油製品の不当廉売問題、石炭鉱山の閉山に伴う地域振興策などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 第七分科会主査自見庄三郎君。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員 第七分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、運輸省関係では、整備新幹線建設に伴う第三セクターの経営維持策、地方路線バス事業の現状と対応策、乗り合いバス事業の規制緩和の進捗状況、JRの完全民営化の必要、JR四国の経営改善策、二十一世紀の交通政策、首都圏における第三空港の整備に向けての取り組みなどであります。  次に、郵政省関係では、次世代インターネット等の情報通信インフラの整備方策、携帯電話の使用がペースメーカー装着者等に与える影響、地上放送のデジタル化への取り組みなどであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 次に、第八分科会主査北村直人君。

北村直人自由民主党

○北村(直)委員 第八分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なものについて申し上げます。  まず、建設省関係では、国道の整備状況、河川の改修の促進、ダム建設事業の見直し、優良田園住宅の建設の促進、高度道路交通システムの整備の促進、都市基盤整備公団のあり方、吉野川第十堰の建設問題、大和川の水質汚染問題などであります。  次に、国土庁関係では、首都機能移転の是非、豪雪地帯対策の推進などであります。  以上、御報告申し上げます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。     —————————————

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これより締めくくり総括質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。臼井日出男君。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 自由民主党を代表いたしまして、小渕総理並びに関係閣僚の皆様方に御質問申し上げたいと思います。  いよいよ本日、平成十一年度予算三案、予算委員会の審議も大詰めを迎えまして、締めくくり総括を迎えております。  この審議に当たりまして、中山委員長の大変公平公正な、中立な立場に徹した委員会運営、そして小渕総理を初めとする閣僚の皆さん方の御努力に心から敬意を表したいと思います。  特に宮澤大蔵大臣におかれましては、お役目柄とはいいながら、終始ずっとお座りをいただきまして、しかも各議論、逐一じっくりとお聞きをいただきました。大変御苦労さまでございますと申し上げたいと思っております。  この間、与野党の熱心な御審議によりまして、おおむね論点も明らかになったように私は思っております。この上は、一刻も早く予算案並びに予算関連法案、日切れ法案等が成立をいたしまして、我が国の経済再活性化に向けてしっかりと資することができるような、そのような議事運営をぜひとも望んでおる次第でございます。実際、国民も一番そのことを待ち望んでおられる、こういうふうに思う次第でございます。  予定された質疑に入る前に、初めに一言、衆議院選挙関係のことについて御質問を申し上げさせていただきたいと思っておるわけでございます。  今、都知事選挙の問題でもって大変マスコミがにぎやかでございます。このことについて申し上げることではございません。しかし、都知事選挙に関しまして、複数の衆議院議員が立候補をすることになりそうでございます。民主党の鳩山代議士の名前も挙がっておりますし、私ども自民党の柿澤弘治さんの名前も、立候補表明というのをされております。  出られるということは御本人の御決意でございまして、これまた関係ございませんが、御承知のとおり、私ども日本の衆議院選挙のあり方、小選挙区比例代表並立制、拘束式でございます。一度の選挙で地区選挙区の選挙と比例選挙と両方の選挙を同時に行っているという形になっております。  問題でございますのは、地区選挙区と比例選挙が一人の候補というものが重複して立候補をすることができる、このことによりまして、国民の理解の限度を超える事態も起こり得る、こういうことでございます。すなわち、地区選挙区でもって落選をした、しかも得票数が法定得票数にも達しなかった、供託金も没収された、そういう方が突然比例でもって当選をした、こういうことが現にあるわけでございまして、このことが国民の批判を生んでいる、こういうふうに思います。  私は、二つの制度を同時にやっているのでありますから、理論的に言えばこれは全く問題はないわけでありますが、しかしながら、国民の感情というのはそういったものでもないように思います。  また、小選挙区制でございますから、当然、当選者は一人ということになりますので、当選者が亡くなられたり、あるいは他の選挙に出るということによりまして、当然のことながら補欠選挙が行われる、こういうことになります。  平成八年に選挙が行われましてから今日まで、特に平成十年、昨年は大変補欠選挙が多うございまして、七回、逝去あるいは辞職でもって選挙というものが行われている。実際、大変補欠選挙が多い。一カ月半に一度は選挙をしておったということでもございます。これらのことが非常に、落ちついた国会運営というものにも影響があるのじゃないだろうか、こういうふうに思います。  さらに、都知事選挙に鳩山さんが二区から出ること、また柿澤弘治さんが十五区から出ることによって、当然補欠選挙も行われるということになるわけでございまして、これらは今申し上げましたように、地区選挙区と比例と連動しておりますから、大変、玉突き的にいろいろ、議員がやめられたり、再当選したりする。こういうことが現在の政治のシステム、衆議院選挙のシステムになっておるわけでございまして、非常に国民の理解を得にくいようにも思います。  現在、各党におきましては、この問題については鋭意御検討いただいているわけでございますが、やはりこのことは、都知事選挙に関連をしてもまたいろいろな問題が取りざたされるのではないだろうか。ぜひとも、私といたしましては、これらの審議のテンポを速めていただきたい、こういうふうに考えておりますが、自治大臣の御意見をお伺いいたしたいと思います。

野田毅自由党自治大臣

○野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、現在の選挙制度について、いろいろな角度からさらに引き続いて御議論があること、そのとおりであります。  ただ、この制度に至るまでに、各党間で大変濃密な議論を重ねに重ねて、その結果、今日の制度になっておるという経緯があります。そういうことを思いますと、確かに御指摘のとおり、この制度のそれぞれの部分について、有権者から見ても違和感が表明されるようなところも率直に言ってあるわけであります。  その点で、せっかく今政党レベルでいろいろ御検討いただき、是正すべきところについての御議論もいただいておることでありますので、ぜひここは政党レベルの中で互いに議論を重ねていただいて、必要な結論を得た上で対応してまいりたいと考えております。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 お答えとしてはその程度だろうかなとも思います。  しかし、私ども自由民主党におきましても、そうした問題についてかなり多くの御意見を持っておられる方もおります。重複立候補の問題をどうするか、あるいは補欠選挙というものをもう少しまとめてやるような形は考えられないのか、制度全体を大きく変えるということではなくても、そういうことはやはり至急に考えていく必要があるのではないか、こういうふうに私は思っております。  ひとつ、総理におかれましても、今の私と自治大臣とのやりとりをお聞きいただきまして、ぜひともまたいろいろさらにお考えを深めていただければ、こういうふうに思う次第でございます。  さて、初めに大蔵大臣の方に、政府の金融調整政策についてお聞きをいたしたいと思っております。  この問題は非常に、金融政策問題ですからわかりにくうございまして、難しいように思います。しかし、難しいけれども、まさにこの問題というのは、私ども政府・自由民主党、与党が大変苦労して景気対策等をやってきた、こういうものが所期の目的を達成するために、ぜひとも足を引っ張ることのないような環境をしっかりとつくっていくためには、大変重要な問題であろうと私は思っているので、あえて御質問させていただく次第でございます。  日本銀行は、去る十二日の政策委員会・金融政策決定会合で、長期金利の上昇や為替相場の円高の展開、株式の乱調等金融経済環境にしっかりと対応するために、金融市場調節方針を一段と緩和したということでございます。一つには、短期金融市場を大体〇・一五%前後に低目誘導しようということを決められました。また、これに基づいて、企業金融支援のための臨時貸出制度の適用金利を現行の〇・五から〇・二五に引き下げた、こういうことをやったわけです。  こうした決定を受けまして、十五日には、金融機関同士の資金をやりとりする短期金融市場のコール翌日物で、金融機関必要額を八千億円上回る資金を供給するという緩目の調節というものを実施した、こういうことを伺っております。これによりまして、当然のことながら、短期金利は大幅に低下をする、史上最低水準で取引をされたということも伺っております。  今後、国債がさらに増発行される、あるいは地方債も増発行される、こうした国債の長期大量発行というものを控えておりまして、需給関係、大変心配をされるわけでございますけれども、きょうは日銀さんにあえてお伺いをいたしませんが、これらの日銀のとった措置等につきまして、大蔵大臣の御所感をお伺いいたしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 長期、短期の金利につきまして御説明を申し上げます。  御指摘のように、日銀は去る十二日の政策委員会におきまして、今おっしゃいましたような徹底的な短期誘導の方針を決定されました。同時に、国債を対象とするいわゆるリパーチェーシングオペレーションについては従来以上に積極的にやっていくこと、また長期国債の買い切りオペにつきましては今までと同様にやっていきたい、いわゆる日銀による新規発行の長期国債の引き受けというものは、従来どおり、好ましくない、考えない、こういう決定でございましたが、全体といたしまして、非常に、長期に低目誘導を、短期にたっぷりした金融を提供することによって、上がりぎみな金利情勢というものに日銀として最大限の対応をされたものと考えております。  もとより、日本銀行の言われますとおり、直接長期金利に、日本銀行はそれを左右する道具立てを持っておられません。それは私はそのとおりだと考えますので、たまたま、少しおくれましたけれども大量の国債発行をいたしますから、国庫といたしましても、国債の発行の仕方について、その種類を少し、一本調子でなく、あれこれ品数をふやしますことと、それから、資金運用部がこの一、二、三月はいろいろ将来の展望もございまして、市中からの既発債を買い入れすることをやめようと一たんは昨年の末に決定をいたしましたが、その後の市況また資金運用部の資金状況等も考えまして、二月、三月におきましては市中からの買い入れをいたす、従来どおり、月二千億ずつ、一千億ずつ二回、そしてそれを二、三月といたすことを決定いたしました。  昨年の暮れに、大量の国債発行があるという見通しと、資金運用部が市中からの買い入れをやめるということから、やや長期金利は過剰反応をいたしたように私は見ておりましたが、ただいまのところ長期金利は落ちついてまいりました。  もとより、昨年のように〇・六%とか一%とかいう金利はもともと異常であると考えておりますので、正常化していく趨勢にはあると思います。思いますが、そうして多量の国債を発行するわけでございますから、発行者としての心構えも十分に配意をしなければならないと考えております。  幸か不幸か、市中の資金需要、設備投資の資金需要というものは非常に低い現状でございますから、両者が競合して、いわゆるクラウディングアウトというようなことにはなかなかならないのではないかと思いますが、万一と申しますか、仮にそのような民間の長期資金の動意がございますようでございますと、もとより国債発行者としても十分そういうことに配意をしてまいらなければならないと思っておりまして、その点は十分これからも注意をしてやってまいるつもりでございます。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 マスコミ等ではいろいろこのことについて言っておりますが、今回の日銀の措置だけでは不十分じゃないかという声も聞かれております。  また、そういう新聞等で政府筋からもいろいろな発言が出ておりまして、新規発行の国債を日本銀行は引き受けたらどうかという意見があったり、市中にある国債の買い切りオペをしっかり拡大してやったらどうだというふうな御意見があったり、あるいはツイストオペの話も出ておったりいたしております。  今後、大蔵省としてどのようなことをさらに考えておられるか、もしあったらお聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 日本銀行のこのたびの決定は、私はまことに適切な決定であったと考えております。  したがいまして、大蔵省に残されましたと申しますか、主たる仕事としては、長期金利あるいは為替というようなものが残るわけでございますが、長期金利につきましては先ほど申し上げましたようなことでございますから、今後、市場の動向を十分見ながら、いわゆる市場攪乱的な金利の変動が起こりませんように、十分注意をしてまいる考えでございます。  なお、為替につきましても、非常な円高に振れましても、また円安に振れましても、おのおの問題のあるところでございますから、これも市場攪乱的な動きがございましたら即刻に対処しなければならないと思っておりますが、ただいまのところはそのような状況にはないように思っております。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 長期国債を中期国債に移しかえたりというふうなこともお考えのように伺っております。ぜひとも、週末ボンの方に行かれるわけでございますが、G7で、私ども日本のいたしました政策、各国のしっかりと理解が得られますように御努力をいただきたい、このように思います。  次に、経企庁長官にお伺いをいたしたいわけでございますが、先般、月例経済報告が発表されました。長官は七日のNHKの討論番組で、景気は昨年九月末から十月ぐらいに底に到着した、定着したという感じを持っているというお話でございました。長官のそうした積極的な発言というものが国民に対して力強い後押しになっているということは、私はいい意味で理解をいたしているわけでございますが、月例経済報告をごらんになったその上での景気診断、お話しいただきたいと思います。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 先般のNHKの番組で私が申し上げたのは、大体去年の秋ごろに底に着いたんじゃないか、まだ反発までは行っていないけれども、底に着いたんじゃないかというようなことでございました。  その後、十二月の数字等が出ましたのを二月の月例報告で申し上げましたのでございますが、DIの状況判断を見ますと、十一月、十二月、二カ月とも五〇%を下回っておりまして、まだ厳しい状況にあることは間違いありません。ところが、先行指数の方はかなり向上しておりまして、明るさが見えてきた。どの段階を底打ちと言うかというのは議論がありますけれども、そういう点ではよくなっていると思います。  また、公共投資の前半期への前倒しが出てまいりまして、発注ベースはちょっと出尽くした感じで衰えておりますが、出来高、実際に工事をやっているのはかなり進んでおります。  また、保証制度等で倒産件数も大幅に減少いたしました。  個人消費の点でも自動車販売などが下げどまりの兆しが見られまして、やや底打ち感があるんじゃないかと思っております。  特に、ことしに入ってからは、税制、金利等の関係もございまして、住宅販売の動きがかなり活発になっておりまして、まだ着工には出ておりませんけれども、住宅展示場への来訪者もふえておりますし、在庫のマンションの売れ行きも非常に活発だという報告を受けております。そういう意味でいいますと、まだ反発しているとは言えないけれども、底に着いたんじゃないか、こう考えている次第でございます。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 一月の倒産件数等も前年同月比三三・二%の減、これはもちろん政府の中小企業対策、金融対策が成功しているからでございますが、ぜひとも、さらにこうした景気回復の足並みが強くなるように、私も希望いたしております。  前回私が質問いたしました際に、今、地域振興券の問題が非常に取りざたされております。当初は、マスコミ、評論家、もう口をそろえて大変けなしておったわけでございますが、私は、その後、状況をずっと見ておりまして、そういう方々に謝っていただかなくてはいけないような環境になってきているのじゃないか。この地域振興券というものをてこにして、各商店街等がそれぞれ非常に趣向を凝らして努力しておられている姿が見られるのは、大変結構なことだと思います。  私は千葉でございますが、全国で二番目に、早目に施行いたしました野田市で千円ハンバーグというのを出して、千円ぽっきりということで大分売り上げを上げたというふうな話も聞いておりますし、また、地元の習志野市では、地域振興券はこうやって使える、こういうPRの冊子が非常にたくさんはけているというふうなことも聞いておりまして、これはほんの一例でございますが、そういう意味では、何か、単に減税だといってお金で渡すのじゃない、プラスアルファというものが日本全国に満ちあふれておって、私は、大変結構なことではないか、こういうふうに思っております。  また、昨年、一昨年と特別減税をいたしましたけれども、先般もちょっと申し上げましたが、その際も、恵まれない方々に対する臨時福祉特別給付金というのを出しております。ですから、あくまでもこの地域振興券というのは、税金に関係ない、恵まれない方々プラス子育てに苦労しておられる方々、そういう方々に対する配慮であるということで、私は、そういう意味の整合性もちゃんととれているというふうに思っておりまして、ぜひとも政府におかれましては、このことをもっとはっきりと国民に対しておっしゃっていただくのがよろしいんじゃないか、こういうふうに思っております。  大変いろいろ申し上げましたけれども、総理、そのことについて御感想をひとつお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 地域振興券事業につきましては、今臼井委員御指摘のように、当初いろいろと国内に御議論を巻き起こしたことではございましたが、これを、一月二十九日の浜田市が交付を開始いたしまして、二月中に八十五団体が交付を開始するなど、順調に動いていることは喜ばしく思っております。  最初に始めました浜田市におきましては、交付開始日と翌日の二日間で交付対象数の四四・九%に当たる三千八百二十七人が交付を受けたという報告をいただいておりまして、それぞれの地域でいろいろと工夫をしながら、地域活性化のために非常に大きな役割を果たしつつあるということは大変結構なことだというふうに思っております。  そこで、この地域振興券と減税との間につきまして、いろいろと御議論のあることは承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、減税は減税といたしましても、一方、この地域振興券によりまして、相当の方々、すなわち、七千億ですから三千五百万人の方々にこの恩恵が及ぼされるということでございますので、そうした意味におきましての効果というものも現実には生み出されつつあるということにつきまして、今臼井委員御指摘でございますので、もっと政府といたしましても、その振興券の果たす役割につきまして、より一層PRその他についていたしていきたい、このように考えております。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 これからも、もっともっといろいろな知恵というものを各所で御披瀝いただくようなことになろうかと思って、期待をいたしております。  今回、法人税減税をしていただきました。やっと実効税率国際並みあるいは以上ということになったわけで、結構なことだと思っておりますが、ただ、一つ気にかかっておりますのは、今回の法人税減税あるいは中小企業軽減税率のかかった法人、それらの減税が、いわゆる個人企業者、法人成りしていない企業者に対しては何ら影響することはなかったということは、私は大変残念だと思っております。  例えば、個人企業者の中でも、青色申告団体のように記帳もちゃんとつけている、しかも申告納税制度に対して大変協力しているような、そういう企業に、法人に近いような集団に対しては、やはり同じ事業者としてしっかりとこうした減税の恩典を与えるべきじゃないだろうか、こういうふうに思っております。  時間がもう三分しかございませんが、その範囲内で、これらのことについてどういうふうに今後やっていただけるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまのお尋ねは、いわゆる法人成りという場合に、個人の課税と法人、小法人あるいは青色申告等々のバランスのお話でございます。そういう問題は確かにございます。私ども認識しております。  申すまでもなく、法人税率というのはフラットでございますし、個人は累進がある、あるいは事業所得と勤労所得との違いがあるというようなことは申し上げるまでもない、よく臼井委員が御存じのことでございますが、そういうことを考えました上で、特に青色申告などにつきましては、特別控除を昨年三十五万円から四十五万円に引き上げております。また、個人事業主の事業主控除を二百七十万円から二百九十万円に引き上げておりまして、私どもとしてはできるだけ配意をいたしておるつもりでございますが、なおこのバランスというものは十分に注意をしてまいりたいと思います。  時間がございませんので、簡単に申し上げました。

臼井日出男自由民主党

○臼井委員 通産大臣には本当はこのことをお聞きしたかったわけでございますが、財布を握っている大蔵省の方に、時間がございませんでしたので、聞かせていただきました。大変失礼いたしました。  最近、総理の評価というものは大変私は急騰している、こういうふうに思います。結局、就任当初以来、スピードといい施策の中身といい、評価に値するという声が財界筋から大変起きてきているということは、私は大変結構なことなんじゃないだろうか、こういうふうに思います。  特に、先般も、ヨルダン・フセイン国王の御葬儀につきましても、大変機敏な処置でもって行かれた。これは野党の皆さん方も御了解をしていただいた。これは、新しい国会のあり方ということで大変よかったんじゃないかと思います。  国会が粛々として続けばなおよかったと思うわけでございますけれども、そういう意味で私は、総理が大変今まで頑張っておられるということは、これからもぜひとも引き続き、さらに果断なる決断をして頑張っていただきたい、心から望みまして、私のごあいさつにかえます。  ありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて臼井君の質疑は終了いたしました。  次に、中井洽君。

中井洽自由党

○中井委員 自由党を代表して質疑を行います。  きょう総括質疑を行いまして、あした委員会や本会議採決という日程がつくられました。マスコミ等は、かつてない早い予算の成立というようなことを申しております。  しかし、これは、現行の大変な不況の中で、予算の、賛否はそれぞれあっても、十分審議をして早く成立をして国会全体が国民にメッセージを送る、こういう思いで、各党がかつてないハードなスケジュールの予算審議に御協力をいただいたからだ、こんなふうに感謝も申し上げているところであります。  今臼井先生のお話がありました八日の日と、今晩一遍に採決をすればもっと早かったのかもしれませんが、そこまでもまいりません。しかし、そういう形で、国会全体が意思をあらわしてこの予算の成立に向かって協力をしてまいりました。  総理がこの段階で、この予算案、またこれから審議されるであろう大型の減税あるいは諸制度改革の政策、こういったものを含めて、十一年度〇・五%成長をどうしてもやり遂げるんだ、こういう強い御意思を改めてこの場で御表明いただくようにお願いを申し上げたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 十一年度予算の審議に当たりまして、精力的にお取り組みをいただきました予算委員会、委員長初め各委員の御努力に心から感謝を申し上げますが、このことは、昨日記者団に問われましたので、恐らく、これは今時日本の経済の状況にかんがみまして、政府の果たしていくべき役割、すなわち予算の執行ということについて、その期待感も国民の中にあって、そのことを受けとめての御審議であり、また、政府といたしましても懸命にそのことをお訴えして対処してきたつもりでございます。  今般の予算につきましては、私は、率直に申し上げて、先年の臨時国会、あるいはまた、もっと申し上げれば、橋本内閣以来与野党間でいろいろの御議論がございました。財政再建というものは極めて重要ではあるが、現下の問題といたしましては、これを凍結いたしましても積極的な予算の編成に取り組むべきだという御意見等も率直に受けとめさせていただきながら編成いたしたつもりでございます。  したがいまして、ぜひこの予算の一日も早い執行、そしてまた税制面におきましても、これまたいろいろな御批判は率直にちょうだいをいたしておりますが、法人課税、所得課税につきまして、かなりこうした積極的な取り組みを、かねて国会でも御主張があったわけでありまして、これを取り組ませていただきましたので、一日も早くこうした税制につきましても、これが執行のできるような体制を取り組むことができれば、必ず〇・五%のプラス成長に向かい得るものだと、ある意味では背水の陣をしいての今般の政府の対応でございますので、改めて予算の一日も早い執行のできますようによろしく御協力をお願いいたす次第でございます。

中井洽自由党

○中井委員 私どもも、今後とも日本経済を回復基調に、そしてプラス成長に向かい得るように、微力でありますが全力で総理をお支え申し上げて頑張る決意でございます。  しかし、こういう万般の対策をおとりいただいたとはいえ、日本の経済、日本国内の状況だけで動くわけではありません。また、財政そのものが経済全般に占める比率もそれほど大きなものではないわけでございます。私どもも、常に海外の情勢等も含めて注意深く対応して、迅速にその場その場の経済政策を自民党さんと話し合いながら進めていくべきだと考えております。  そういう意味で、GDPの六割を占める個人消費が低金利の中で消費税の三%から五%への引き上げと重なりましてなかなか伸びない、そういう意味で、私どもは、この消費税について常に関心を持って、景気対策の大刺激策として提言を続けてきたところでございます。  個人個人はお金を持っていないわけではなくて、この間も、あるデパートの閉店セールでかつてない売り上げ記録をした、また、昨年末には、消費税還元セールといったような形での特別セールが大変消費者の関心を集めた、こういうこともありますから、これからも個人消費の刺激ということについて、私どもは、消費税のあり方を含めて御提案を申し上げていきたいと考えております。  しかし、今回の税制改革でかなり大型減税が行われて、住宅等も含めて個人消費を刺激している、こういったところもございますので、私どもは、しばらくこの点については様子を見ていきたい、こう考えております。  しかし、この二割を占めております企業の設備投資、この減速が依然として続いている。十数%落ち込んだままで一向に回復をしてこない。ここを刺激していかなければ、なかなか景気回復は本格的にならないんじゃないか、このように考えております。  私どもは、そういった意味で、投資減税あるいは加速度償却制度の時限的実施、こういったことをかねてから主張をしてまいったところでございます。これから、景気対策の一環として、機敏に、時期を見て、こういった制度の活用あるいは創設、こういったものを私どもはやるべきだと考えておりますが、大蔵大臣ですか、経企庁長官ですか、お答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 御指摘のように、国民消費がGDPの六〇%でございますので、いろいろ御審議をいただいておりますような方法で消費が伸びることを政府としても大いに促進をいたしておりますが、御指摘のように、民間企業設備投資というものが、今の状況でございますとなかなか期待ができない。二〇という時代もございましたけれども、恐らくGDPの中で十幾つぐらいまで落ちておるかと思います。これはどうも、在庫等からも判断いたしますとなかなか伸びにくいことでございますが、いわゆるベンチャーキャピタルでありますとか、あるいはおっしゃいましたような設備の速い償却でございますとか、できるだけ民間企業設備投資、製造業も非製造も何とか伸びてもらいたい、あらゆる施策でそれを促進いたさなければならないと思っています。  何といたしましても、政府がいろいろな支出をいたしましても、消費と民間企業設備投資が後を担いで走ってくれませんと、どうしても二段目のロケットに火がつかないというのは常でございますから、御指摘の点は、これから最大限の努力をして刺激をし、促進をしてまいりたいと思っております。

中井洽自由党

○中井委員 ただいまの大蔵大臣の力強い御決意、私どもも大変歓迎を申し上げ、これもまた自民党と協議をしながら、精いっぱいお支え申し上げていきたいと思います。  次に、日債銀の問題について、簡単にお尋ねをいたします。  与党の一員となりましたので、余り質問する時間もございませんでした。他党の皆さん方の御意見をそれぞれ聞かせていただいておりました。日債銀のこの予算委員会で論議になりました点につきましては、また理事会、委員会等で参考人招致が決められる、その参考人の質疑の中で私もやっていきたいと思いますが、全く違った観点から一、二お尋ねをしたい、このように思います。  それは、なぜあの時期に日債銀という大きな銀行をつぶしたのか。これがどうも、私は素人でありますが、わからない。あの前後、私の友人の銀行経営者あるいは私の選挙区の銀行の頭取等が大変心配をいたしまして、政府というのは、国というのはこんな強引なことができるのか、どうなっておるんだ、こういった意味で私どもに声を荒らげて聞いてきたことを強く、印象深く覚えております。  法律が新しくできたこと、その法律の中にこういう措置がとれるということが書かれていることは承知をいたしております。しかし、私どもはあのときあの法案には、実は特別公的管理ということに関して反対だ、こういうことで反対の姿勢を貫いた、そういった立場もございますが、金融監督庁、どういう事情であのタイミングで日債銀を、ああいう措置をとったのか、大きな観点からの御説明をいただきます。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 先生からは金融監督庁長官の御指名がございましたけれども、あの処分と申しますか、決定をいたしましたのは、そもそもがこの権限は金融再生委員会に属しているものでございます。しかしながら、あの時期まだ金融再生委員会は発足前でございまして、法律は施行されておりますけれども、委員会が発足できていない。そこで、法律にその補完をする規定があって、総理大臣が代行する。そして、当時私は国務大臣でございましたけれども、総理を補佐するようにという御指名をいただきまして、私が補佐をしておったその時期のことでございます。  金融再生法というものが施行をされたわけでございますが、その法律の制定等の過程で、もう既に国会で十分論議されたところでございますが、とにもかくにも日本の金融システムについての信認というのが揺らいでいる、これを一刻も早く克服しなければならない、かたがた金融行政に当たる組織についても改革が行われた、こういう背景がございました。  六月であったと思いますけれども、金融監督庁がスタートをいたしまして、新しい体制のもとで七月から大手行について一斉の銀行検査が、金融検査が行われるということがございました。そして、昨年三月末の決算についての検査が行われたわけでございますけれども、日債銀につきましては、その検査結果が判明した十一月のころに、三月末の時点で債務超過と見込まれる、こういうことが検査の結果明らかになったわけでございます。  そこで、銀行法第二十四条に基づき、金融監督庁は、この債務超過の状態を解消するためにとり得る資本充実策、これにつきまして、同行より逐次報告を求めておったわけでございますけれども、十二月の半ばごろまで一カ月近く経過をしている中で、同行から実現性のある資本充実策というものをついに提示していただくことができませんで、その結果、同年十二月十三日、金融再生法第三十六条に基づきまして、当時再生委員会を代行する形の内閣総理大臣によりまして、特別公的管理のもとに入れるということを決定させていただいた、こういう経過でございます。

中井洽自由党

○中井委員 時間の短いときで大変難しいことを論議しますとほかのことができなくなりますが、柳沢大臣がお出かけいただいて、あえて踏み込んでお答えをいただきましたので、もう幾つかの点でお尋ねをいたします。  ただいまお話にありました、再生委員会が間もなく任命されてスタートするという前にこれをおやりになった。来年三月、この三月で債務超過だ、こういうことですから、あの時点でなくたってよかったんだろう、私は素人なりに思うわけであります。  同時に、それならば三十七条での処理じゃないのか、三十六条というのはちょっと違うんじゃないか、こういう感じもまたございます。  また、私も金融監督庁からあの直後、それからその後も勉強のためにお教えをいただきましたが、去年の三月で九百億円の債務超過、しかし中間決算で六百億近い利益を上げていらっしゃる。本年三月には、利益で大体この債務超過というのはなくなっていくだろう、また税効果会計等を日債銀は主張をして、これらを認めていけば何とかやっていけるんじゃないだろうか。  それは、今度の資本注入をやるような都市銀行ほど内容がよかったかどうかということに関しては、私は専門家ではありませんからわかりません。しかし、日債銀は、おととしの四月一日に大蔵大臣と日銀総裁が声明を発表されて、助けるんだ、こう国として言われているわけですね。それを一度も助けないとも言わずに、法律が変わったといってどんとやっちゃう。  あの当時、自慢するわけじゃありませんが、自自連立二回目の党首会談で、評価いただいて、株価平均一万五千円、一週間続いたんですよ。この措置でどんと一万三千円に落ちちゃった。きょうもまた一万四千円ぎりぎりじゃないでしょうか。金融安定ということでおやりになるが、しかし、景気対策とか株とか、日本経済全体ということはお考えにならなかったんだろうか。  これは、私は、あのときに日債銀は株価、十一日が百五十八円。十三日、休みの最中にこういう決定をなさいました。これは、これから価格を決められるんでしょうが、一円かゼロ円か、どちらかでしょう。そうした場合に、百五十八円との差額というのは国家賠償になるんじゃないか。そうすると、万一国家賠償で負けたとしたら大変な金額を国が持たなきゃならない。そんな金額をかけてつぶすんなら、安い金額で、助けるとおととし言うたんですから、もう少し手当てして、後は市場にお任せになった方がよかったんじゃないか、そういう判断もあったんじゃないか、こういう気がしてなりませんが、いかがでしょうか。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 先生から今いろいろないきさつを踏まえたお話をいただきながら、あの決定がなぜ行われたか、それが本当に日本の経済のためであったかというような御質疑をいただいたわけでありますが、とにかくこの金融二法の論議が行われた。  そこでは、日本の金融機関あるいは金融システムに対する内外からの信認というものが動揺しておる、何か日本の金融機関というものは、問題を先送りしたり隠ぺいしたりして、実は健全ではないのではないか、こういうような意味での風評を聞かされるというような状況もありまして、我々といたしましては、健全性の確保ということが最大の眼目としてこの金融二法が制定された、こういう認識であったわけでございます。  そうして、金融の検査が行われた、債務超過が判明したというときに、問題の先送りとか隠ぺいとか、そういうようなことについての疑いというか、そういう気分というものがありまして、それらによって日本の金融システムに対する信認が揺らいでおったという背景があったわけです。そこで、もう一度ちょっと繰り返しになりますが、金融検査が行われ、債務超過が判明した。  したがって、私どもとしては、もう法律に基づきまして、資本の充実策、これをまず求めなければならないということで求めて、あの当時、先生御記憶だと思いますけれども、ある銀行との合併交渉等も行われたわけでありますが、どうも、その後の推移、お答えの状況等を聞いておりますと、その話もうまくいかなくなった、こういう事態になったわけであります。  そうである以上、この状態をそのままにしておくということは、我々の法律のもとにおける行政の立場からとり得ないところだ、このように考えまして、そういたしますと、一番直近の落ちついた、市場等への影響のないタイミングでこの措置をとらせていただくというのが適切であろう、このように判断をしてこのような措置に至った、これが経緯でございます。

中井洽自由党

○中井委員 過般、公明・改革さんの西川議員が、途中で制度を変えたんだ、こういう御質問をなさっておりました。よく調査された質問だと、私も感心して聞かせていただきました。  制度が変わるということは常にあることでございます。しかし、こんなに激変緩和もなしに、あれだけの資産を持った大銀行を、あれだけの債務超過だけでつぶして、今銀行に資本注入を督促されている面では効果があるかもしれませんが、経済全般では私は大変なマイナスであった、こんなことをあえて申し上げておきたい。また、いずれ時間のあるときに御議論をさせていただきたい、こう考えております。  大臣がただいま風評という言葉を使われましたので、ダイオキシンの風評で大変騒がれました所沢の問題について質問をいたします。  本日、私ども自由党の国会議員が所沢生産農家のところへ実情調査に出向いております。先ほど電話がありまして、とにかく農家の皆さんは、厚生大臣と農林大臣に所沢の野菜は安全だと予算委員会の総括質疑で断言してくれ、こういう要望が参りましたので、率直に、一言ずつ安全宣言をお願いいたします。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○宮下国務大臣 事実関係はもう御承知のことと存じますけれども、私どもの見る限り、厚生省の過去の調査結果、それからJAの所沢市の調査等から見て、ほぼ一日の摂取量の範囲内で十分おさまっておりますから、これは、かなり高い濃度であるとしても、食生活上安全であると私どもは思っております。ただ、客観的な根拠が必要でございますから、三省で今、鋭意検討、実際の調査をさせていただいておりますが、まあ安全じゃないか、こういう感じでございます。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○中川国務大臣 一言で申し上げまして、所沢産のホウレンソウは安全でございます。  ただ、私の立場から一言申し上げさせていただきたいのは、現時点において、埼玉県産の野菜において三億円の被害、所沢産のホウレンソウに限っても約四千万円の被害が出ているということは申し上げさせていただきたいと思います。

中井洽自由党

○中井委員 この点に関して二つ、要望と質問をいたします。  一つは、ダイオキシンの測定ということでございます。  大変騒がれておりますが、国民の大半はダイオキシンというのがそもそもどういうことかわからない、何が危ないかもわからない。ここで、厚生省と環境庁は、九六年と九七年に、人体に与える影響で安全値みたいなことを御発表なさいましたが、それが違う。また、WHOが去年お出しになりましたものも、また違う。この単位がピコグラムということでございます。一兆分の一。これは、千ピコグラムで、中国人十億人の中から一人探すというようなことでございます。非常に難しい単位でございます。  これを測定するのが実は物すごい難しいのです。全国に三千ぐらい空気とか水とか土壌の環境測定の会社があります。ところが、このうちダイオキシンをやれるのが二十あるかないかだと私は聞いております。  それはなぜかというと、ダイオキシンの調査をやっているといいますと、隣近所が、危ないことをやっておるから出ていけと騒いで、そこにおられない。もう一つは、そこで検査をする若い人が、環境ホルモンが減って自分の子供ができなくなったらどうしてくれるんですかと言ってやってくれないわけであります。したがって、厚生省等が、焼却場を一年に一遍ダイオキシン調査しなさい、ここからやりなさいと言ったところで、やるところがない、大変高い金額だ、こうなっております。  これは通産省ですか、厚生省ですか、環境庁かわかりませんが、早くこの数値ということを一つにまとめられる、同時に、国の責任でもって検査、研究、こういったことをやっていく、このことが必要だと思います。ばらばらじゃない、これはどこの役所がお答えいただけますか。厚生大臣、お願いします。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○宮下国務大臣 確かに十ピコグラム等を基準値にしておったところもありますし、必ずしも統一されておりません。私どもは今、三省、環境庁と私の方と農林省で協議をいたしまして、一ないし四ピコグラムというWHOの中間報告をもとに基準の統一を図ります。  それから、今先生おっしゃられるように非常に難しい検査でございまして、これが権威ある、私どもが信用できる調査機関というのは、三つくらいだとも言われております。そのことだけ申し上げて、ニュースで伝えられた会社はその三つには入っておりません。

中井洽自由党

○中井委員 そういうことではなしに、とにかく国の責任で検査体制を確立しないと、不安だけが広がって、きちっとした調査をやる会社がないというギャップを埋められない。そうすると、いろいろな数値だけがひとり歩きしますよ。早く対応してください。厚生省が手を挙げたんだ、厚生省がやるのかと思ったら、全然違うことを答えておるじゃないですか。もういいです、時間がありませんから。  もう一つは、テレ朝がこういうことを言われた。これは報道機関の責任ということをお考えいただかなきゃならない。国に例えば所沢市なら所沢市がこの損害賠償を申し出られる、そうすると、三年も五年も裁判がかかる、そして出される金額はごくわずかだ、これが今の日本の裁判や法律の現状であります。  アメリカあたりは、あるいはヨーロッパでは、懲罰的過料というのがありまして、報道会社がつぶれるぐらいの補償金あるいは名誉毀損ということが出てくる。したがって、テレビ会社なんかは、アンカーマンであれニュースキャスターであれ、しゃべる言葉は全部弁護士と相談をして、会社が責任を持つ体制のもとでしゃべる。そして、裁判に訴えたら半年で判決が出て、負けたら会社が払う、こういう制度になっておるわけであります。  ところが、日本では、テレ朝で久米宏さんが何を言われて私が訴えても、久米宏さんの責任。三年ぐらいかかって、勝ったとしても罰金二十万円。最近で一番高いのは二百万でしょう。弁護士の費用を抜いたら百万超えたのはないんですね、名誉毀損なんかでは。そうすると、言いっ放し、好きなことを言えるんであります。ここの責任体制をどうするんだ。  変なことですが、おとといでしたが集中審議のときに、NHKやら他の新聞社は、自民党と自由党と公明さんだけで、他の野党は欠席で質疑を始めた、こう放映されましたが、実はここ御出席でございます。名札が立っておりまして、御出席。だから私は、欠席じゃない、出席だ、直してくれ、こう言ったって、それは直さない。ここら辺は、そういうことがやはり来ておる。  もう一つは、放送の現場に報道の自由がある、会社にないんですね。だから、郵政省が幾ら会社に言ったところで、会社が報道の現場におろさないから、報道の自由だということで、ちっとも直さない。  私は、報道の自由というものは守らなきゃならない、しかし、それは、正しい報道、きちっとした報道の自由というのを守るんだ、名誉毀損したり、違った報道の自由というものを守るのが報道の自由を擁護するということではないんだろう、こう思うんです。  そこら辺を、郵政大臣あるいは法務大臣、どのようにお考えか、お聞かせをいただきます。

野田聖子自由民主党郵政大臣

○野田(聖)国務大臣 ただいま先生の御指摘ありましたテレビ朝日のダイオキシン報道、これで放送の影響の大きさというものを私も改めて実感しておりまして、今回の事態に関して、重く受けとめているところであります。  そもそも放送というのは、今お話がありましたけれども、放送法にあるように、表現の自由の尊重とともに、公共の福祉の適合というものが両方求められています。放送事業者におかれましては、このような原則を大切にして、国民、視聴者の期待にこたえられるよう努めていただきたいと願っているところであります。  このことにつきましては、小渕総理からも放送のあり方を含めて取り組むことを御指示いただいておりますので、政府を挙げて取り組むべき課題と認識をしておりまして、郵政省としても、放送法を所管する立場から、真剣に取り組んでいるところでございます。

中村正三郎自由民主党法務大臣

○中村国務大臣 私には損害賠償のあり方ということだと思いますが、これは、民事上の損害賠償に制裁的要素を加味した懲罰の制度を入れてくるということになりますと、加害者に対する制裁の制度としての刑事責任と、今やっております損害を埋め合わせるという制度との区別が混同されるという問題があります。また、加害者に制裁を加えることによって被害者が損害の範囲を超えて利益を得るのは合理的であるかどうかという問題もあります。また、乱訴が起こるんじゃないかというような問題があります。  したがって、このような制度の導入については慎重な検討が必要でありますと、役所とするとこういう答弁になるんでございますが、これはやはり制度の大転換を目指して、外国ではこういう制度がある、先生おっしゃったような制度があるわけですから、それは国会で大いに御議論をいただいて、方向性を出していただけたらいいんじゃないかと思っております。

中井洽自由党

○中井委員 終わります。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。  次に、池田元久君。

池田元久民主党

○池田(元)委員 池田元久でございます。  きょうは、財政問題、金融再生問題を中心に取り上げてみたいと思います。  現在この委員会で審議されております九九年度予算の大蔵原案が内示された直後の市場はどうであったか、市場はどう反応したか、十二月二十二日でございますが、債券市場、株式市場、外為市場がどのように反応したか、御記憶でしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 あらかじめお話がございましたので、知っております。  十二月二十二日、国債は一・九〇〇、前日は一・五〇五でございますから、かなり利率としては急騰いたしております。日経平均は一万三千七百七十九円、前日が一万四千百五十二円でございますから、かなり落ちております。円の終わり値は百十七円九銭、前日が百十四円九十銭でございます。  したがいまして、この二十二日という日は、長期金利、株式、ダウの価格水準、円相場、みんなかなり大きく変化をいたしております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 せっかく積極財政を打ち出したわけでありますが、今大蔵大臣がお述べになったように、国債が大量に発行されて、債券市場では需給関係が悪化するのではないかという懸念が強まったわけです。債券価格が急落をした。つまり、債券の流通利回りは急上昇したわけです。また、株式市場も長期金利の上昇を嫌気して全面安の展開となって、外為市場も大幅な円安となった。いわばトリプル安となったわけです。  私は、別にマーケットの評価がいつも正しいとは思っておりませんが、この日の東京マーケットの三つの市場の一様に厳しい反応は、この予算案の問題点をまさに浮き彫りにしたのではないかと思います。  つまり、内示直後、この時点で、早くも景気対策のための国債の大量増発が長期金利の上昇を招き、かえって景気の足を引っ張りかねないという状況が浮き彫りになった、明らかになったのではないかと思います。予算がまさに目的とした効果と逆の効果も生んでしまったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいま御指摘になりました特定の日、十二月二十二日は、まさにそのような市場の日でございました。  資金運用部が一月から三月まで市場から国債を買わないことにしたという発表がありまして、これに私はやや市場が過剰に反応いたしたと思いますが、しかし、これはマーケットでございますから、いい、悪いということを申しましても別段意味がございません。  その後に、しかし、これはおっしゃいますように、国債をたくさん発行するときには、やはり発行の仕方等々については十分注意をしなきゃならない、そういう意味での警告として受け取ることが素直だと思いますので、それはそういう対応をいたしつつございます。  この日はそのように多少過剰な反応があって、その後、まあまあ、ただいま今日になりますと落ちついておりますけれども、いずれにしても、大変に難しい財政運営あるいは経済運営をいたしておりますのですから、よほど注意をいたしませんと、マーケットはそれを弱いふうに受け取るということは、私どもは心しておかなければならないことと思います。

池田元久民主党

○池田(元)委員 確認だけしたいんですが、国債発行額は、九八年度三次補正後で過去最高の三十四兆円、九九年度当初で三十一兆五百億円。また公債依存度は、九八年度三次補正後で過去最高の三八・六%、九九年度当初で三七・九%。これまでにない高い水準になっているわけです。国と地方の長期債務残高は、九九年度末でおよそ六百兆円にもなる見込みです。このように理解してよろしいわけですね。

涌井洋治大蔵省主計局長

○涌井政府委員 そのとおりでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 それで、今年度、九九年度を過ぎて、それ以降の国債発行額はどうなるんですか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○涌井政府委員 九九年度につきましては、先ほどの三十一兆ということでございますが、それ以降につきましては、これはその年度、年度の予算編成を行って歳入歳出が決まらないと、公債金収入は決まりません。  ただ、御案内のとおり、非常に機械的な計算でございますが、中期財政試算を御提出しているところでございます。そこの機械的な計算で行ったところでは、一般歳出を〇%、一%、二%伸ばしたケースで、あるいは成長率が一・七五と三・五%のケースそれぞれにつきましても、大体三十兆ぐらいの公債発行が続く、これはあくまでも機械的な計算が前提でございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 国の財政状況見通しを示す唯一の資料がこの中期財政試算であります。今涌井主計局長がおっしゃいましたように、単純計算といっても、ほかに方法があるかという問題もございます。大体、二十八兆から三十三兆の国債を毎年度発行するということになっております。  宮澤大蔵大臣は、大蔵原案内示後の記者会見ですか、もう何度も出ておりますが、大魔神を一回から登板させたようなものだ、財政としては後がないと発言されたようです。最後と言える大盤振る舞いと強調したと思われるのですが、この大盤振る舞いは一年で終わらないのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいまお聞き取りいただきましたように、平成十年度の最後の姿が国債依存率が三八・六%、十一年度の最初の姿が三七・九%で、ほぼ両方とも似たように四〇%に近い。それで、九回に来たピンチが一回から来たというふうに強く考えたわけでございます。  私どもが努力をし、実現したいと思っておりますのは、この平成十一年度、何とかしてプラスの成長をいたしたい。これは、マイナス成長では、税収は再び歳入欠陥を生むと考えざるを得ません。プラス成長して何とか税収が、欠陥がないのみならず、幾らかでもプラスが出るということを努力をいたしたいと考えておりまして、そういたしますと、国債というものも、もとより国債発行しなければならないことは明らかでございますけれども、毎年毎年国債がふえていく、そういう傾向にはここで歯どめをかけたい、こう思っているわけでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 この中期財政試算、私も昨年五月の緊急経済対策特別委員会で、前のバージョン、その段階の試算を取り上げてみたわけです。この場で取り上げました。  そのときは、財政当局は、二〇〇五年度までに財政赤字を対GDP比で三%以下にするという財政再建目標を掲げて、歳出と歳入のギャップを要調整額として計上しておりました。私は、そのときは具体的な財政再建の道筋を示すよう求めました、涌井主計局長は覚えていらっしゃると思うのですが。しかし、それは示されませんでした。しかし、そのときは現在と違って、毎年度三兆から九兆円の要調整額を置いて、要調整額を解消する努力をすると述べていたわけですね。  しかし、今度提出された中期財政試算はどうでしょうか。歳出と歳入のギャップは公債金収入、つまり国債の発行でカバーする、国債の発行を充てるというだけになっているわけです。しかも、その国債発行額は、先ほどから出ておりますように、二十八・六兆円から三十三・四兆円と大変巨額の数字を記しているわけです。調整するとか解消するとか、何もない。  国の財政をつかさどる財政当局の存在理由というのが問われるのではないか、このように考えますが、いかがでしょうか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○涌井政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、財政構造改革法の御審議のときには、法律上、財政構造改革の目標がございました。したがいまして、それに沿って公債発行額を減少させていく。そうしますと、そことの歳入歳出との差は、最終的には要調整額ということになるわけでございます。  しかし、今回は財政構造改革法を、これは当分の間凍結しておりまして、そういう政府としての最終的な到達すべき目標が現在存在しないわけでございます。したがいまして、歳入歳出のギャップは、これはすべて公債という形にならざるを得ないわけでございまして、今回はそういう形で中期試算を御提出しているところでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 主計局長を初め大蔵省の皆さんも、このペーパーを見て、ある種の感懐を持っていらっしゃると私は思っております。  この中期財政試算の内容は、政策的経費である一般歳出の伸びをゼロに抑えても、成長率にかかわらず、一・七五と三・五なんですが、ここにお出ししたのは一・七五の方ですが、毎年度三十兆円前後の新規の国債発行が避けられない、国債残高は雪だるま式にふえ、四年間で百兆円以上増加するとしているわけです。  これは恐るべき事態なんですね。景気が悪くなれば当然だが、よくなっても、つまり、今では本当に想像もできない三・五%成長になっても三十兆円前後の国債を発行しなければならないわけです。そういうことですね。

涌井洋治大蔵省主計局長

○涌井政府委員 先ほども申し上げましたように、中期財政試算というのは、あくまでも機械的に計算したものでございます。  そういう前提の上での数字でございますが、一般歳出を〇、一、二程度に抑制したとしても、大体二十九兆から三十数兆の公債発行額になるというのがこの中期試算で示したところでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 要するに、成長率が高くても多額の国債発行が避けられない。つまり、景気が上昇すれば税収はふえます、しかし、金利もあわせて上昇するので、国債の利払い費が増加するというわけであることはお認めになると思います。  私は、総理にお聞きしたいんですが、このように、景気がよくなっても三十兆円もの国債を発行しなければならないのは大変な事態ですね、財政は既に破綻に瀕している、非常事態と言えるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 現下、我が国の財政はまことに厳しい状況にありますことは申すまでもないことでありまして、非常事態というお言葉でございますが、さればこそ、前内閣におきましても、財政再建の指標を定めて、法律を制定して、これを実現していこうという努力をいたしてきたことでございますから、その認識には私とて変わりないと思っております。  でありますが、今般の日本の経済の状況をかんがみますと、そうした財政の厳しい現況ではありますけれども、財政におきます予算の上での支出等も、これなくしてはまた経済の再生はあり得ないという形で十一年度予算を編成いたしました経緯につきましては、ぜひ御理解賜りたいと思います。

池田元久民主党

○池田(元)委員 宮澤大蔵大臣は、先日、当委員会で、この資料を、ちょっと浮世離れをしたような資料だとか、二重否定で、これからいろいろ努力しないわけではないとか答弁されていました。どっちが浮世離れしているんでしょうか。また、人ごとのように聞こえます。現実を直視するとともに、積極的に財政運営に努力すべきではないかと思いますが、宮澤大蔵大臣、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 結論はおっしゃるとおりと思いますけれども、実はこの資料は、昭和五十年代に予算委員会で、今のまま何もしないでずっとほっておくとどうなるんだということの姿を一遍プロジェクションとして書いてみろ、そういうお求めがございまして御提出いたしましたのが最初のことでございます。  しかし、いろいろ世の中がごらんのように変わってまいりまして、例えば、今ここに「名目成長率一・七五%を前提」と書いてございますけれども、このこと自身も、まことにどうも、今そういうことがすぐできるかねという程度のことで、種類のことでございますし、国債は伸びたら伸びっ放しというような、これは何にも意味がないものとは決して申し上げませんのですが、先ほど池田委員の言われましたように、さりとてほかにつくりようもないのだろうというようなところがございまして、何とか御審議にもっとお役に立つようなものをつくらなければならないのですが、状況がこういうふうに動いておりますもので、一つの仮定を置いてつくるということが、それがまた、なぜそういう仮定が置けるのかという御議論になりますので、いわばプロジェクションをやっておりますような次第でございます。  そういう意味でああいうことを申し上げましたので、これではもう何をやってもだめなのかなということを私どもが申し上げたいという意味ではもとよりございません。

池田元久民主党

○池田(元)委員 プロジェクション、推計とか、それはわかりますが、これがあらわしている事態は大変な事態なんですね。これは試算ですから、一・七五がどうとかという、そういうものは当然与件としてあるわけですよ。しかし、与件を多少変えようとも、大変な事態になっていることはお認めになるでしょう。  報道によりますと、小渕総理大臣は、昨年末、自民党の加藤前幹事長、山崎前政調会長と会談した際、自分は今度の予算編成、税制改正を通じて大罪を犯したかもしれない、いずれ自分の後の人が財政再建をやってほしいと述べたと山崎氏が明らかにしましたが、この発言について確認をいたしたいと思います。小渕総理、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今御指摘のような用語を使用したかどうかについては定かに記憶をいたしておりませんが、大罪という言葉を使った記憶は実はございません。  いずれにいたしましても、現下の経済状況を考えて、できる限りの施策を実施することによってこの難局を乗り越えなければならないが、そのためには大型の十一年度予算を編成しなければならない。そのためには、今財源として、国民の皆さんから税によってその財源をプラス・マイナスでレベニュー・ニュートラルできるような負担をお願いするということは無理である以上は、国家としての借金であります国債によってこれを編成せざるを得ないという状況を申し上げると同時に、何としても将来にわたって日本の経済を活性化し、景気をよくし、そして税収が上がってくるという形をつくり上げていかなければならない。  そのためには、今般の予算編成を厳しい環境の中でいたしましたけれども、山崎代議士も含めまして、我が党の将来を背負う方々につきましても、いろいろな形で将来の政治の責任を持たれる方には、それなりの大きな重荷を背負わざるを得ない状況であるということについては、お互い努力をして、将来にわたって財政再建ができるようにということを申し上げたのがその趣旨でございますので、御理解もいただきたいと思います。

池田元久民主党

○池田(元)委員 一人の私人としては率直な発言だと思います。  しかし、大量の国債発行などに危惧を抱き、いわば自信のないまま重要な判断をされたとすれば、一国のリーダーとしてどうかと思います。要するに、こういう国債の大量増発、そこが今度の予算編成の大きな問題点であります。そこを決断した際にそのようなお考えでいたということは、指導者としていかがなものかと思いますが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 私自身、政治の責任をとる立場から言えば、そもそも財政につきましては、古今東西、それこそ中国で礼記に書いてありますように、入るをはかって出るを制するということですから、そういう意味では、常に健全的な歳入により歳出の制約を行うということは必要なことだと思います。  ただ、近代におきましては、こうした公債制度も認められておりまして、単年度だけでその財政を均衡化するということは難しい状況の中でいろいろな工夫を凝らしておるという形でございまして、その形の一つとして、国としての借金でありますこうした国債によってそれを賄うということで予算を編成いたしておるわけでございます。  しばしば申し上げますように、今次予算につきましては、このような形で日本の経済を、何とかこの不況を乗り越えて、そして各企業が努力されることにより、またある意味では、一般の国民の皆さんの所得も向上し、所得におきましても法人におきましても、日本の財政に対して大きな役割を果たしていけるような経済環境をつくることが政府の責任である、こういう立場でこの編成をさせていただいたということでございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 大罪を犯したかもしれないという認識があるとするならば、国の財政が破局に陥らないように、至らないように手を尽くすべきだと私は思います。  緊縮路線にすぐ戻れとか、そういうことではありません。長期金利の上昇は、国債に依存する財政の限界を示しているのではないでしょうか。国の財政に対する市場の信頼を得るためにも、小渕総理、中期的に歳出構造の改革に乗り出すことを明らかにすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 お説はそのとおりだろうと思います。  やはり、財政構造改革というものの重要性は、しばしば申し上げておるとおりでございますので、そうした観点に立ちまして、かなり将来にわたりましても健全な財政運営ができますような考え方を常時、不断に行っていかなきゃならないという覚悟はいたしております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 財政再建の手法、目標として、ある年度、対GDP比で財政赤字を三%以下に抑える、つい去年までやっておりました。また、長期債務残高の対GDP比を上昇しないようにする、一定に保つ、あるいは残高を、要するにストックをふえないようにする。いろいろな目標設定がございますが、私は、まず出発点として、昨年当初にやりましたが、税収で当該年度の歳出をカバーする、いわゆるプライマリーバランスを確保することから始めなければならないと思います。つまり、現世代の受益が負担を上回る状況を解消することが必要です。  現状からいえば、なかなか容易ではありませんが、ある時期を定めて、プライマリーバランスの確保から財政再建に着手すべきではないかと思うんですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは、確かに一つの御見識だと思います。つまり、公債金支出と公債金収入を両方落としまして、残ったものでプライマリーバランスを、そういたしますと、非常に健全ないい目標ができる、それは大変に一つの財政の健全な考え方であると思います。  今、残念ながら、なかなかそういう計画がかけない。いずれの日かは必ずそういう再建を考えなければならないと思っております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 公聴会でも、ある学者が、できるだけ早い時期に財政再建の仕組みを立てるべきだ、そうしなければ、逆に短期にプラスと思われている政策の担保にもならないと言っておりましたが、これは聞くべき意見だと思います。  今、中期的な歳出構造改革の必要性について小渕総理は同意をしていただいたようでありますが、これだけの危機的なといいますか、もう既に財政は破綻状態にある、そういう状況ですから、単に景気回復に全力を尽くすと言っているだけでは済まされないわけです。国債増発自体が景気回復に悪影響を及ぼしている以上、無視はできません。ぜひ中期的に歳出構造改革に手をつける、これをやっていただきたいと思います。小渕総理の御決意を聞きたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 御指摘のように、かつて政府はいわゆる財政再建を考えました。そのときには、先ほどお話のございましたように、単年度赤字をGDPで何%にする、あるいは累積赤字を何年までに何%ということをヨーロッパの国々のように目標といたしましたが、実はこれは実現が不可能であるということがわかってまいりましたとともに、そういう財政再建というものと不況脱出という二兎を追うことが現実的でないと考えましたので、不況脱出に専念をいたすことにいたしました。  しかし、前々から申し上げておりますように、その結果として、やがて税収がふえ、経済成長が軌道に乗りましたときには必ずや、財政も税制も、中央、地方の関係も、抜本的に二十一世紀の早い時期に改めなければならない、これを忘れるわけにはいかない、しかし、必ずその日が我々の線上に来るというふうに考えております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 別個のものと考えられない事態になってきましたので、財政再建の必要性といいますか、これを明確にやはりメッセージとして発する、出す必要があると私は思いますので、ぜひそのようにしていただきたいと思います。  さて、時間が余りありません。金融再生について取り上げたいと思います。  金融再生委員会は、ことし三月末に、大手銀行十五行に対して公的資金によるいわゆる資本注入を行うことにしておりますが、お手元に資料が行っていると思います。大手銀行と横浜銀行、合わせて十五行に、一番右ですね、七兆四千五百億円余りの公的資金を投入して自己資本の充実を図ろうというものですが、そのこと自体を確認したいと思います。また、現在の作業状況はどうなっているか、柳沢担当大臣、端的にお答えをいただきたいと思います。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 ことし三月末の決算期に向けまして公的資金の注入を行い、それぞれの金融機関の、特に大手行の資本力を増強いたしまして、我が国金融機関に対する内外の信認を回復いたしたい、このような気持ちで目下この問題に取り組んでおります。  三月末ということになりますと、大方の金融機関で、例えば、私ども今、資本性の高い資金を注入いたしたいという考え方のもとで、優先株というような形式の資金を入れたい、こういうような考え方を持っております。そういたしますと、臨時の株主総会を開いて授権をいただかなければならない、こういうような日程がございまして、目下、予備的審査を終えまして、先般、公的資金の注入を前提として株主総会を開く手続を進めることは差し支えないということを、内々、希望をしておった十五行に対して口頭で申し渡した、このような段階にございます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 公的資金投入の内定の前、一月二十日に、再生委員会は「金融再生委員会の運営の基本方針」、こういう文書をまとめました。  これは、何とかの御誓文とも言うらしいんですが、基本原則が書いてありまして、例えば、経営の健全性の確保が難しい金融機関は存続させない、そういうことも書いてあります。いわゆるリストラについても、「金融システムに対する内外の信頼を回復するためには、業務の再構築、リストラ、金融機関の再編を促進する必要がある。このような努力を怠る金融機関には資本増強を行わない」とうたっています。果たしてこのとおりでしょうか。  ここに「リストラの状況」という資料があります。資本注入を受ける銀行の役員数の推移が書いてあります。三和銀行のように、九九年末四十人だったものが二〇〇三年末に十五人に減る、削減するというところもございますが、ある銀行は役員数が変わらなかったり、またほとんど役員数が減らない銀行が多いんです。これでリストラが十分だと言えるでしょうか。端的に答えてください。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 今回の公的資金の増強に当たって、私どもは、御指摘の文書のみならず、あらゆる機会におきまして、リストラクチャリング、業務の再構築についての前進を各行に求めていることは御指摘のとおりでございます。そういう中で、人件費あるいは役職員の報酬、あるいは不要不急の施設、あるいは余り稼働のよくない海外拠点といったようなものについて、その縮減を求めておるわけでございます。  まだ正式申請という段階ではなくて、事前審査という段階でございますが、これらの段階においても、それぞれの立場で各行が自分たちのリストラの構想を経営改善計画の中身の一環として示してきております。  この点につきまして、今先生、役員の人数についての御指摘があったわけでございますが、この役員の人数については、一般的にこれを削減するということがリストラの中身としては考えられるわけですが、そこに非常に大きな差がありますのは、制度として出向役員制というようなものを入れるところと入れないところにも差があるということについては、この際、御理解をいただいておきたい、このように思います。  とりあえず、以上お答えしておきます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 それは承知しております。  役員数は減らない、また、役員報酬・賞与はどうかと見ますと、富士銀行、住友銀行のように、逆に役員賞与と報酬がふえるところすらある。そして、高齢の相談役がまだいらっしゃる銀行もあるわけですよ。銀行経営者は、巨額の公的資金を受けるという自覚と責任感があるのかと私は言いたい。再生委員会も甘いんじゃないですか。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 金融機関のリストラにつきましては、公的資金を受け入れるという今回の銀行の立場、そういうものから、一般的にも国民のひとしく求めるところであろう、このように思います。  しかし、それにとどまらず、実は、このリストラの必要性につきましては、まず第一に、今回投入される資金を返済する原資というのは、これは収益しかないわけでございまして、その収益を上げるためにはコストを削減しなければいけない。その意味でも、彼らは、それぞれの金融機関は、リストラをせざるを得ない立場に実はあるということを指摘しておきたいと思います。  と同時に、さらに我々の立場から申し上げますと、実は、このリストラのいかん、収益力のいかんというものが、私どもの立場、つまり投資家としての国の立場から見て、投入される資金のリスクを左右する側面も持っておる。つまり、リストラをして収益力を上げてくれれば上げてくれるほどリスクは低い、したがって、条件もいい条件になる。こういうようなことで、それ自体のシステムの中に、実はリストラを促進する側面を持っておる。したがって、これから正式申請、正式審査に当たっては、そういう観点からの審査が行われるということを申し上げておきたい、このように存じます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 この運営の基本方針には、今後発生するリスクに対応するためには十分な資本が必要だ、法律に基づき相当規模の資本増強を図るとなっていますが、今回の資本増強額、ここにあるとおり七兆四千五百億円、これで十分だと思っていらっしゃいますか。端的に答えてください。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 今ここで先生にお答えする前提として、今先生が御言及になった金額を私が何かエンドースして、それを前提にお話しするというのは、立場上差し控えるべきだということをぜひ御理解をお願いしたいと思います。  一般に、先生方が御審議をいただいてつくっていただいた補正予算、これでは、私ども、投入する予算として、保証枠でございますが、二十五兆円を示していただいたということも十分承知をいたしております。  ただ、一つ、資本の増強というのは、多々ますます弁ずというようなことで、必要性の観点からいたしますと、多い方がいいということになることは申すまでもございませんけれども、同時に、この資金は返済をしなければならない、こういう側面を持っているわけでありまして、いわばそういう償還の面からの制約もある、こういうことでございまして、それらを先ほど御指摘のリストラ等を踏まえてどのように仕組んでいくかというのがこれから我々が取り組むべき課題だ、このように心得ている次第であります。

池田元久民主党

○池田(元)委員 明確に答えていただけなかったのですが、そんなことで本年三月期において不良債権問題の処理を基本的に完了することを目指すと言えますか。もっと自信を持ったことをおっしゃったのなら、この公約というのは生きてくる。違うじゃないですか。これはちょっと聞きますから。  それで、日銀総裁が来ていらっしゃるので、突然でございますが、総裁は、前にアメリカで、日本の銀行は非常に過少資本だという趣旨のことを言ったと大きく報道されました。それはいいのですが、今回の七兆四千五百億円の資本注入、これは果たして十分なものかどうか、ちょっと見解を簡単にお述べになってください。

速水優日本銀行総裁

○速水参考人 お答えいたします。  私がアメリカで申したことは、自己資本というよりも、資本勘定、コアキャピタルの話なんです。  七兆五千億ですか、これは、今、現状の不良資産、不良貸し出しをどこまで消していけるか、確かに問題はまだ残っていると思いますけれども、各行がそれぞれ検査を受け、自分でも考えて金融再生委員会と話し合って決めた金額だと私は理解しております。大体当面はこれでいけるんじゃないかというふうに私は考えております。

池田元久民主党

○池田(元)委員 当面はという言葉はよく理解できます。  柳沢さんに聞きますが、その前に、民主党が早期健全化法案というのを提出したのです。早期健全化法というのは、我々が名前もつけたのですが、後でほかの党の法案が通ってしまった。我々の早期健全化法案というのは、厳格な引き当て等を行う、これは自民党内にも理解者がいました。  この我々のやり方によって、この大手十七行のバランスシートを総体としてとらえてみた。そして、九八年三月期の自己査定結果、また当局の査定結果の数字を踏まえて引き当てをした。我々民主党のやり方では、第二分類、この場合は二〇%、第三分類七五%というような引き当てをやると、引き当て不足が十兆五千億円になる。そして、自己資本率八%を達成するためには十三兆九千三百九十八億円必要だという試算をいたしました。  ただ、自力の増強というのがございますから、十兆ちょっとは必要ではないか。ですから、今回行おうとしている資本注入の額は、我々の試算の半分だ、こういうふうに言えると思います。本当に必要な額の半分ではないか、こういう見方ができると思います。  現行の早期健全化法は、資産査定基準も引き当て率も甘く、金融システムの不安は解消されない、結局問題は先送りにされる、いずれまた第二弾の資本注入があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 池田先生のお言葉でございますけれども、全く私にとっては不本意な、何というか御質疑の中での御発言と言うほかありません。  私どもも、先生御案内のように、引き当てについては会計基準というものがあるわけでございます。しかし、今回私は、あえてこの会計基準をオーバーライドしても、今度の資本注入に当たってだけ、それを算定するに当たっての引き当てという率をあくまで定量的に示すんだということを事務当局を督励して決めさせていただいて、先生の今の御指摘のパーセンテージより若干低いかもしれませんけれども、アメリカと並んで、私どもが適切と考えた破綻懸念先等については七〇%、それから要注意先の中の要管理債権については一五%、それからまたその他の要注意先の債権については平均の債権の残存期間の貸し倒れ発生の実績率をそのまま適用しなさい、こういうことでやらせていただいておるわけでございます。  さらにつけ加えますと、私どもは、有価証券の含み損につきましてもこれに見合う資本を十分に積むように、こういうことを指導しておりまして、今回の措置でもって、その限りにおいては我々は、特に先生御指摘の不良債権の処理ということについては、今回の措置ででき上がるということを確信をいたしておる次第であります。     〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕

池田元久民主党

○池田(元)委員 我々の金融機関の正味の実力を明らかにした上で十分な資本を入れるという考え方、ところが今の早期健全化法はその前提が大変不十分であると我々はかねてから主張をしてまいりました。しかし、金融再生委員会、我々が立案をしたこの金融再生委員会ができて実行段階に入ったところで、柳沢再生大臣のこの御努力は大変敬意を表しております。しかし、それだからといって、今度の額が十分であるとかリストラが十分であるとか、これはまた話が違います。これは今まで私が申し上げたとおりであります。  ここに一つ大変危惧することがございます。あの長銀や日債銀、大切な我々のお金が全く消えてしまった、その二の舞になるような事態が発生しないか、私は心配をしております。この運営方針には、不健全な銀行は存続させない、要するに淘汰をする、立派な方針です。  しかし、ここに、今度発行する転換型優先株を時価で普通株に転換した場合の公的部分、つまり国の持ち株比率を試算してみました。それによりますと、ある一行は六一%、ある一行は五九%強、さらにもう一行が五二%強となっております。つまり、資本注入を受ける十五行のうち三行で国の持ち株比率が五〇%を超えるわけです。うち二行はその比率が六〇%にもなるわけです。これはもう既に国有化銀行ですね。資本が毀損してみずから立ち行かないから国有化同然になったと言っていいのではないかと私は思います。  これら三行に対して資本注入を行うことを内定した理由は何か、お尋ねをしたいと思います。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 池田委員の御指摘の点は、私ども再生委員会でも最も注意をいたしておるところでございます。  そもそも、この健全化法におきましても、七条におきまして、存続が極めて困難であると認められる金融機関に対しては、投入そのものが実は禁じられているわけでございまして、私どもといたしましては、その見きわめというものが非常に大事だというふうに考えておるわけであります。  それと同時に、今、先生御指摘の株の問題でございますけれども、これは、まず第一に、BIS規制あるいは内外の信認ということを考えますと、入れる資金というものはできるだけ資本性が高い必要があるということで、普通株にしろ優先株にしろ、株式という形態がまず第一にこの法律上もうたわれておるというのはそういうことでございます。  そうしてさらに、では何で転換権を持たせるような商品を我々が推奨しているかというと、これはひとえに、商品性を高めることによって投資家にとって有利なものにし、それが実は条件にはね返って、できるだけ緩和された条件で銀行に入りやすくするという配慮に基づくわけでありまして、この転換権を現実に執行して、何か株主の立場で経営に対して介入しようというようなことを考えているわけでは全くないということを、この際、明らかにさせていただきたい、このように思います。     〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕

池田元久民主党

○池田(元)委員 論点が別のところに行ってしまいましたが、柳沢さんが、日本にジョン・リードはいなかったとか、いろいろ危惧されておられるようです。それでも、申請を受けた全行に資本注入をすることをあなたは決めたわけでしょう。この全行に資本注入をしたというのは、後で後悔するおそれがあるかもしれません。  今、外銀関係者の間では、現行の早期健全化法による資本増強では経営者に対する責任追及やリストラが甘い、私が深くかかわったから言うわけじゃありませんが、金融再生法を適用して一時国有化をした方が公正に処理ができるという意見があるわけです。その辺、いかがですか。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 経営責任の問題は、現行の健全化法でも随分気を使って、何回もその言葉が出て、あらゆるところでこれに配慮するようにということになっております。  私どもの経営健全化計画におきましても、資本の充実の度合いによって我々は経営健全化計画の内容を決めておりますが、その中には当然、その責められるべき状況、資本の充実度が落ちている、そういう金融機関の経営者についてはこの責任を追及する、例えば役員の退任を求めるというようなことが決定されておりまして、この法律に基づいて、私どもは適切にこの経営責任も追及してまいりたい、このように考えておることを申し上げておきます。

池田元久民主党

○池田(元)委員 この三行について今話をしているわけであります。これらの国の持ち株比率が五〇から六〇%になる三つの銀行は、収益の拡大が見込めるのですか。存続できるのですか。これらの銀行には、合わせて九千五百億円余りの公的資金が投入されます。国が引き受けた優先株が紙くずになることはないのか。納税者としては、ここはよく聞いておきたいと思います。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 現在私どもは、まだ正式な手続を始めておりません。したがいまして、個別の銀行の問題について個々に論ずるということは適切でないと私は考えておりまして、この問題については、また、決定のあった後において私どもの見解をもし必要であれば申し上げる機会を持ちたい、このように思います。

池田元久民主党

○池田(元)委員 これは、そんな個別の行の名前を出してやっているわけじゃありません。大手銀行に一兆円近いお金を使うのですよ。その三行の資本が毀損して、ほとんど国有化銀行同然になるわけです。果たして、その九千五百億円のお金がむだにならないか、ここで審議をして聞くのは当然じゃないですか。  そして、正面から答えていない。どうして全行資本注入を認めたのか、ちまたには、マーケットにはいぶかる空気があるわけですよ。いかがですか。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 私どもは、事前審査と申しますか、事前の手続も必要だということで、事前の審査を続けてまいったわけでございますけれども、そこにおける経営健全化計画、それからそれを現実に説明する各金融機関の最高責任の方々の発言、こういうようなものを十分吟味して、今現在段階では、公的資金の投入を前提として株主総会を開くことは差し支えない、手続を進めることは差し支えないとしている段階でありまして、まだ、すべての金融機関に投入するということを決定している、そういう確定的な段階ではございません。

池田元久民主党

○池田(元)委員 そういう官僚答弁は要らないのです。もう内定したと高らかに発表しているわけですよ。今から変えるのですか。もういろいろ資料が出て、一斉に報道されております。まあ、変えるのなら変えればいいと思うのですが。  私は、このような銀行、これらの銀行に対して一兆円近いお金を投入する。ここに書いてあるじゃないですか。「経営の健全性の確保が困難であると判断される金融機関は存続させない」、これは何ですか。単なる紙ですか。そんな、言っていることと違うという以上に、この一兆円近いお金がまた長銀や日債銀と同じようになる危険性があるから聞いているわけです。大変なことです。そこをしっかりと認識していただきたいと思います。  私たちは、この早期健全化法、これは今の景気、不景気の底流にある、背景にある金融機関の不良債権問題、これを早期に処理する、そのためにも早期健全化という名のとおり、市場から退場すべきものは退場して、整理をした上で銀行の再編を図っていく。今、マーケットはむしろそっちですよ。  ところが、またしても護送船団行政とはまだ言いませんよ、だから、そうなってはいけないと思うんですよ。横並びではないとおっしゃるかもしれません。しかし、結果的にそういう健全性の確保が困難と思われるような銀行に対しても巨額の公的資金を投入する、大変問題があると私は思います。ですから、もうマーケットからは、金融再生法による一時国有化でやる方が公正な処理ができる、こういう声があるわけです。  もっともっと議論したいんですが、柳沢大臣初め政府の関係者に申し上げたいのは、資本注入した銀行が、その銀行自身が提出した経営健全化計画の履行状況、これは厳格に監視していただきたいことを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。  次に、海江田万里君。

海江田万里民主党

○海江田委員 民主党の海江田でございます。  時間も限られておりますので早速質問に入りたいと思いますが、小渕総理は、一年前の予算委員会、たしか隣の隣の席に座っておられたと思います。私も予算委員を務めていたわけでございますが、一年たちまして、去年の今ごろというのは、それこそ財政構造改革法が成立をしまして、大変な緊縮予算を審議していたところでございます。  それが、一年たちまして、今度は大変な積極型の大型予算を審議しているところでございますが、この大型予算、先ほど来議論になっておりますように、その財源を大量の公債の発行に頼らざるを得ない。歳出の規模は八十一兆円でございますが、そのうち三十一兆円、新規に国債を発行しなければいけない。また、その副作用とでもいうべき現象も起きているということでございますが、一年前を振り返ってみて、いかがでしょうか。一年前にもっと早く手を打っておけば今回こんな大型の予算を、しかもその財源に公債を充てた予算を組まなくてもよかったのではないだろうか、そのような感想をお持ちかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 一年前の橋本内閣におきましては、財政再建という大きな、国家にとって大切な問題に精力を傾けて取り組んでおられました。したがいまして、その方向性を予算上明らかにしようといたしますと、言葉はなかなか難しゅうございますが、緊縮とは申し上げませんけれども、伸び率の少ない、そうした予算を編成せざるを得なかったと思います。  その後の世界経済、特に金融の問題等でアジアに大きなショックが起こってまいりまして、そういった点で、予算の中で経済の不況感を取り除くためには考え方を変えていかなければならないという国民のかなりの考え方が存在をいたしまして、したがいまして、内閣がかわりました段階におきましては、財政再建につきましては、もちろんその構造改革というものは常に念頭に置きながらも、今次経済再生のために本予算を編成させていただいたということでございまして、当時のことを振り返ってと申し上げられますれば、当時としては、またそういう形でその予算の編成の方針を打ち出し、それを実行しようといたしたことでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 昨年は、私は緊縮だというお話をしましたら、総理は、伸びが少ない、小さいというお話がありましたけれども、今一般歳出の項目別を見ておりましても、昨年は、対前年比でほとんど黒三角がついておりますから、これははっきり申し上げましてマイナスであったと思うわけでございます。それが昨年、とりわけ七月に参議院の選挙があって、その民意も踏まえて大きな路線転換をやったということだろうと思います。そして、この小渕内閣はまさにこの景気再生内閣という旗印を掲げたということだろうと思いますが、総理がまさにこの景気再生内閣の目玉としまして、もちろんことしの予算のポイント、幾つかございますけれども、これだけは何があっても、これだけはイの一番に掲げて景気回復を図りたいという、このポイントはどこでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 これだけということのポイントを一つに絞るということはなかなか難しゅうございますけれども、やはり昨年来、就任いたしまして以来、まず喫緊の金融システムの対策を講じて金融システムの安定化を図ってまいりました上で、今日、経済緊急対策を打ち出させていただいております。したがいまして、昨年の暮れの補正予算から始まりまして、今次十一年度予算にわたる切れ目のない予算編成をいたしてきたところでございまして、いずれの点におきましても、大幅な伸び率を示させていただいております。  そういった点で、工夫を重ねながら、同じ公共事業にいたしましても、公園やその他の施設につきましての伸び率が高い、こういうものも含めまして積極的に取り組むと同時に、この予算の持つ波及性、あるいは特に未来性というところにも観点を置きまして、将来大きく伸ばしていかなければならない予算の、そのまず最初の発端をつくり上げた、こう認識をいたしておるところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 若干お答えが総花的だったかなと思うわけでございますが、予算書から見ますと、やはり昨年の予算とことしの予算の一番の違いは、これは公共事業費でございます。  もうこれは言うまでもございませんが、昨年はキャップがかかっておりましたから、対前年比で七・八%の大幅なカットになった。それが、ことしは、これは公共事業関連費で五%でございますが、本委員会でも議論になりました公共事業等予備費という、はっきり申し上げまして使い道が確定をしていない五千億ものお金がございますから、それも合計をすると、昨年と比べて一〇%の伸びということで、昨年は対前年比七・八%のマイナス、ことしは昨年と比べて一〇%の伸びという、ここのところがやはり一番大きな違いだろうと思うわけでございます。  この公共事業につきましては、今総理からもお触れになりましたけれども、本委員会での公聴会で、これはたしか御党、自民党が推薦の公述人だろうと思いますけれども、一橋大学の石弘光先生でございますが、こういうことを言っておられます。  この公共事業のところにつきましては、「前から言われておりますように、言うなれば本当に重要な社会的インフラに使われているか等々の点から見ますと、疑問なしとしない。とりわけ、土木型の公共事業から都市型へ、そういう視点がよく言われておりますが、果たしてこれがそういう形で生かされているかということになると、やはり問題がある」ようでありますと。  それから、今総理が御紹介になりました公園の伸び率、確かに、この公園の伸びにつきましても、「公園の方も二七・五%伸びておりますから、伸び率にすると他の経費よりは圧倒的に多いわけであります。しかし、そもそも伸び率というのは、発射台が低ければ伸びは多くなるわけでありまして、そういう意味で、発射台というか、もともとの絶対額が低い」、こういうことになるんではないだろうかというような、学者としての見方から発言をしているわけでございます。  私は、まさにこの石先生がおっしゃるように、やはり公共事業の関係費を大きく伸ばしたことによって、やはりここにかなり大きな、同時に税金のむだ遣いも潜んでいるのじゃないだろうか、こういう考え方を持っているわけでございますが、この公共事業費、とりわけ予備費も入れまして九兆九千億円という数字が、本当に一円のむだもなくきちっと使われるという自信がおありかどうか、お尋ねをしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 自信というよりも、そうしなければ国民のとうとい税を効果的に使い得ないわけでございますので、そういった意味で、新しい公共事業に対する評価のあり方等につきましても、最大限の工夫をこれから図っていきまして、効果的、効率的な予算の執行ということに心がけていかなきゃならない、そういうことだろうと思います。

海江田万里民主党

○海江田委員 そうしなければならないという決意のほどはうかがえたわけでございますが、本当にむだなしにきちっと使われるのかどうなのかということになると、やはりそれは一〇〇%の自信がないということは、今御答弁いただけなかったわけでございますから、私はやはりそういうふうに理解をせざるを得ないということでございます。  それから、もう一つ、総理は、減税の問題につきまして恒久的減税という言葉をお使いになりましたけれども、私は、その恒久的という「的」がついた言葉というのは、中国語ならよく何とか的というのがつきますが、日本語では余り見たことがないなというふうに思っていたわけでございますが、ただ、本委員会の議論を通じて聞いておりまして、ああなるほどと、やはりどうしても「的」がつかざるを得ないのだなということを、実はそういう認識に至ったわけでございます。  それはどういうことかというと、結論を端的に言わせていただくと、実は恒久減税というものとこれはおよそほど遠いといいますか、ちょっと言葉はきついですけれども、場当たり的な減税でしかないということから、私は、どんなに使いたくても恒久なんという言葉は使えなかったのじゃないだろうか、こういう認識を持っているわけですね。  制度改正につながる減税というのは、最高税率の五〇%を、これは住民税も入れて今まで六五%になっておったのを所得税と住民税を合わせて五〇%まで下げてきました。確かにここのところは税率を下げましたけれども、それ以外の税率というのは、これは税率をいじりませんで、そして、要するに定率減税という形で、それぞれの人が減税がなかったら払うであろう税額を一律二割カットしますよということにしましたね。そして、ただこれをやったのじゃ、余り高額の所得の方は、全部二割だと、一千万円払うような人がいて二割だと二百万円にもなってしまうから、これは一応頭打ちで二十五万円までにしましょう、こういう決め方をしましたね。  この定率減税と税率の引き下げというのは、これははっきり申し上げまして、これも同じく、公述人も私と同じような意見でございますけれども、これもやはり本当に恒久的というような評価も当たらないのじゃないだろうか、これもやはり場当たり的な減税ではないだろうか、そういうふうに思うわけでございますけれども、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 これは、恒久減税か恒久的かということの御議論もかつてなされたと思いますが、特に昨年を思い起こしますと、参議院選挙の段階におきまして、橋本前総理も恒久減税を実施するかどうかという御議論をかなりいたしました。  どうもあの当時を思い起こしますと、メディアにおかれましても、いわゆる特別減税を、十一年度も含めて、将来にわたって行うことの恒久化を図ることが恒久減税のような認識があったと思うんですが、その後、いろいろ議論をいたしました過程で、恒久減税というものは私は実はないのじゃないかなという感じがいたしております。  ということは、税制というものは、常に、国会にお諮りをいたし、法定主義でいたすわけでございますから、常に変化するので、恒久な減税なんというのはあり得ないというふうに思っておりまして、そこで、やはり制度的な減税を図っていくためには、所得課税、法人課税両方にいたしましても、かなり日本の場合には高い水準に持ってこざるを得なかった。  年々の予算審議の中で税制改正がうたわれましたが、特に、課税最低限の引き上げというような形でその税制改正の大きな部分があったようにいたしますが、今回は、そういった意味で、ある意味で先進国並みの税制を、引き続いて、単年度でなくして、将来にわたってかなりの間、それは政府とそして国会がお決めいただくことでありますけれども、かなりの長期にわたってそうした恒久的と思われるような減税を行うことが必要だということで、かなり今般は思い切った減税をさせていただいて、引き続いて、これが将来にわたっても実行し得るような状況をつくり上げていくという意味で実は恒久的減税と申し上げているわけでございますので、ぜひこの点御理解をいただきたいと思っております。

海江田万里民主党

○海江田委員 私がやはり総理に一番お尋ねをしたいのは、総理が税制をどういう方向に持っていきたいのかというふうにお考えになっているかということでございます。  今、課税最低限の話につきましてもちょっと触れられましたけれども、総理は、課税最低限はもうこれ以上引き上げるつもりはないというか、引き上げる方向というのは、これは本来総理が頭の中で考えていらっしゃるあるべき税制改正から外れる方向だ、こういうお考えになっておられるわけですか。もちろん、この課税最低限というのは、去年の特別減税の前の段階でございますけれども。いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 現在、課税最低限を、さらにこれを引き上げるというような状況ではあり得ない、こう考えております。

海江田万里民主党

○海江田委員 ところが、実際は課税最低限を引き上げておりますね、これは。おわかりだろうと思いますけれども。扶養控除を、我が方は子供手当という話をしておりますけれども、扶養控除をたしか十万円、従来三十八万円のところを十万円プラスをしまして、五十八万円を五万円引き上げをしまして、結果的に、今大蔵大臣おっしゃいましたけれども、夫婦、子供二人で、一人が高校か大学に行っているというケースを計算しますと、およそ二十万円でございますけれども、引き上げになっておりますね。  これは、総理の考え方と違うのじゃないですか。どうしてそういう総理のお考えになっている方向性と違うような結果が出てきたのか。——いや、これは総理にお尋ねをしているのですから。済みませんが、これは総理にお尋ねをしているのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ここはさまざまな方から御質問があるところであろうと思います。  つまり、なぜ三百六十一万円から二十万円上げたかということでございますけれども、この委員会でもいろいろ御議論がございましたように、前の年一遍限りの減税が四百九十一万円という大変に高い課税最低限をつくり上げました。それに返るわけにはもとよりいかない。しかし、そのときに、一遍数百万の方が納税者であることをリタイアされたわけでございますから、平成十一年分所得についてはまた納税者に返っていただかなければならない。それが、ちょうど限界のところでは、ゼロから十万円近い税金になる。これは、御説明は幾らでもできるけれども、いかにもその金額が多いではないかということは、国会の御議論は御議論として、まさにそういうことはどうかできないかな、少しでもということがございまして、それで二つの今おっしゃいました人的控除をいたしたわけでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 そういう経緯はわかっておるわけでございますが、それがやはり二十万円引き上がってしまったということが、総理が本当に、宮澤さんは前は総理でしたけれども今は総理じゃないわけでございますから、大蔵大臣ですから、やはり総理の指示に従わなければいけないわけですから、それは、課税最低限は上げないんだということであれば、やはりその中でこれは工夫をしなければいけないということになって、もし総理が、そういう意味では課税最低限はもう上げたくないんだ、これは一つのお考え、大変立派なお考えだろうと思いますが、そうであるならば、その中で工夫をするのが、やはりそれぞれの税金の専門の大蔵大臣のお務めではないだろうか、そういうふうに思うわけでございます。  ただ、きょうは、私は大蔵大臣とはその話をするつもりはございませんで、総理の税制観といいますか、もう一つ私は大変残念でありましたのは、総理は所信表明で、福祉税への目的化を行ったということをうたっておるわけですね。それは「消費税に対する国民の御理解を一層深めていただくよう、予算総則に消費税収の使途を明記し、広く国民の老後等を支える基礎年金、老人医療及び介護のための福祉予算に使う旨を明らかにしたところであります。」と。そして、これは拍手が沸いておるわけでございますね。この予算書の中にも確かに四行ほど書かれているわけでございますが、これが総理が考えておられる消費税の福祉目的化なんですか、どうなんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 これは自民党、自由党との間での話し合いの中で、消費税についてどういった考え方にいたすべきかという話し合いがなされました。したがって、その予算編成時におきましての基本的な合意をもとにいたしまして、今申し上げた、予算総則上そうした形にいたした、こういうことでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 そうしますと、総理は、今現在じゃないですよ、今現在じゃないけれども、少し将来的に考えて、この消費税を福祉目的化するという考え方には賛成なんですか、反対なんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今の時点でいずれの道を選択するかということについては、なかなかこれこそ難しい問題でございまして、私がこれを明らかにすることは今差し控えます。

海江田万里民主党

○海江田委員 総理、実はその問題は今度の予算委員会の大変重要なテーマであったんですよ。これは私どもだけじゃありませんで、今与党にいらっしゃる自由党さんから、それから自民党の委員の中からも、それからもちろん野党の公明でありますとか我が民主党でありますとか社民党でありますとか、こもごも、やはりこれはまさに国会の一つの議論として、将来的には福祉目的化しようじゃないかという意見が私は大変大きく出ていたと思うんですね。そういうものをどういうお気持ちでお聞きになっておったのか。なるほどやはりそういう声が大きいなというような認識をお持ちなのか、それとも、ああ何か言っておるわいなというような形でお考えになっておるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 消費税を福祉目的税にいたすべきかという議論もございますし、また、細川内閣のときにこれを福祉目的税として、新税としてこれを消費税から変えるべきだという内閣の方針も総理大臣が発表したことも承知をいたしております。  いずれにいたしましても、消費税につきましてこれを福祉目的化すべきか、福祉目的税となすべきか否かは、これは極めて重要な問題でございまして、この議論が本院で行われていることは承知をいたしておりますが、自由民主党におきましてもいろいろ議論は展開をされておりますが、その方向について明らかにされておりません段階で私自身がその方向性を定めることは、先ほど申し上げたように差し控えさせていただきたいと思います。

海江田万里民主党

○海江田委員 いろいろな意見があるから、御自分の意見をしっかり持って、そしてその方向に党全体あるいは国全体をかじ取りをしていくというのが、これがまさに総理・総裁のリーダーシップだと私は思うわけでございますが、この点は小渕総理とは認識が違うようでございますので、時間も限られておりますから、これは大蔵大臣にお尋ねをします。  やはり財政構造改革、端的に言えば財政再建でございますが、これは大蔵省の考え方とすれば、財政構造改革を推進するという基本的考え方は守りつつ、まずは景気回復に向け全力を尽くすため、平成十年十二月、財政構造改革の推進に関する特別措置法は当分の間凍結することとされたということで、そして、我が国経済が回復軌道に乗った段階において、改めて二十一世紀の初頭における財政、税制の課題として、根本的な視点から必要な措置をとらなければならないと書いてあるわけでございますが、これは読みようによっては二十一世紀まではこれは手をつけないんだ。二十一世紀といったってそんな先のことじゃありませんで、来年、再来年でございますけれども、少なくとも今世紀中は、残された期間はわずかでございますが、例えば来年の予算などは、全くこれは財政再建ということは頭の中に入れずに、もう自由濶達に予算を組む、こういうことでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 二十一世紀と申しましてももうすぐでございますから、まず私どもはプラス〇・五%の成長に乗っけたいと思っておりますことは御承知のとおりです。その後に、今度はもうもとへ戻らないという確信の持てる成長のサイクルに乗せたい、それも私は二%ぐらい欲しいなと思いますが。でございますから、それはもう必然的に二十一世紀の初めになるわけだと思います。

海江田万里民主党

○海江田委員 続いて大蔵大臣にもう一つお尋ねをします。  あしたからボンにお出かけになりますが、ボンで、当然ルービン財務長官も出てくると思いますが、ルービン長官から、宮澤さん、一体いつになったら日本の景気は回復するんですかと聞かれましたら、何とお答えになりますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 それは、一九九九年度にプラスの成長に乗せたい、そういう目標を持ち、そういう自信を持って今努力をしているところである、こう申します。

海江田万里民主党

○海江田委員 これもまた希望的観測でございまして、ルービンさんはこれで満足できるかどうかはわかりません。  あと、昨日の新聞報道などを見ますと、我が国がIMFの改革案を出す、IMFの強化案を出すというようなことが報道されておりますが、そのようなお考え方はおありでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 大変事柄はややこしい問題で、長くなってはいけませんので、みんなでIMFをやはり改革しなきゃいかぬなと、それは機構もありますし、仕事の中身もありますので、私もその一部について発言をしたいと思っておりますけれども、急に今度の会議で結論が出るというような様子でもございません。

海江田万里民主党

○海江田委員 あともう一つだけですが、ドイツのラフォンテーヌ大蔵大臣、蔵相、あの方はかなり、目標相場圏というか、あるいは参考相場圏といいますか、為替の問題でございますが、そういうお考えを強くお持ちのようでございますが、これも、ラフォンテーヌさんが議長でございますので当然そういう問題も出ると思いますが、どのような対応をされるおつもりですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 就任当初、かなり強くそれを思われたようですが、まず、ドイツの中で中央銀行との考え方が必ずしも一緒ではないように思われますし、ヨーロッパの中央銀行とはなおまた意見調整が要るようでございますから、そういうお話はいろいろにあるだろうと思いますけれども、何か具体的なものが生まれるような雰囲気ではないように思います。

海江田万里民主党

○海江田委員 あと、ガイドラインの問題で外務大臣とそれから防衛庁長官、お出ましをいただいておりますが、ガイドラインの問題で私が一番気にかけておりますのは、やはり中国がこの問題で大変神経質になっているということでございますね。  去年の秋でございますが、日中民間人会議というのが東京で開かれまして、日本側は後藤田正晴先生が代表になりまして、中国側は宋健さんという新しく中日友好協会の会長になられた方が代表委員になられまして、そして、去年の秋の状況でございましたけれども、ガイドラインの問題が議論になりました。  日本側の委員からはおおむね、このガイドラインというのは地理的な概念じゃないんだ、周辺の事態に着目をした問題だという指摘を随分したんです。ところが中国側は、やはりこれは、例えば一番極端な委員は、まだ日本は台湾に野望を持っているんじゃないだろうか、こんなような発言もあったわけですよ。私どもはもちろん、これはそんなものではないということを言ったわけでございますが、やはり中国側にそういうような懸念があるということ。  去年の十一月に江沢民主席が日本に来たわけでございますが、高村外務大臣、江沢民さんとちゃんとこのガイドラインの問題について話ができたのかどうなのか。あるいは、江沢民さんはどうも歴史問題だけを言ってきたということですが、トウカセン外務大臣でありますとか、あるいはトウカセンさんと一緒に、前の外務大臣でありました、副総理でありますセンキシンさんもお見えになりましたから、ああいう方々ときちっとこの議論ができたのかどうなのかということ。それが今のままでいいのかどうなのか。この議論というのはもう終わっておって、これでいいと思うのかどうなのか。  それから、野呂田防衛庁長官にも。  久間予算委員会理事が、たしか去年の五月でございますけれども、防衛庁長官として中国に行ってきた。ちょうど去年の連休のときでしたね、私もお目にかかりましたけれども。今の防衛庁長官は、この間韓国に行ってこられたということはよく存じておるのですが、この時期にやはりきちっと中国に行って、日本はこういうことを考えているんだということを私はやはりどこかで伝える必要があるんじゃないだろうかと思うわけでございますが、そういう御予定があるのかないのか。  ちょっと恐縮でございますが、お二方それぞれお答えをいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 昨秋の江沢民主席の訪日の際でありますが、江主席より、指針が特定の国に向けられたものではないとの日本政府の指導者のこれまでの説明を守ってほしい旨の発言がありました。これに対して、小渕総理より次の趣旨を十分説明されたわけであります。  日米安保体制は、全く防御的なもので、特定の脅威、国を想定したものではない。指針に言う周辺事態は、その生起する地域をあらかじめ地理的に特定できず、そのような意味で地理的な概念ではないのであって、事態の性質に着目した概念である。そして、台湾に関する我が国の基本的な立場は日中共同声明で表明したとおりであり、日中国交正常化も日中平和友好条約の締結も日米安保条約にかかわりなく達成されており、この立場に変わりはない。今後とも、我が国としては必要に応じてこのような考え方につき説明していく考えであります。  そして、私とトウカセン外交部長との間でも、もちろん同じような話がありました。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○野呂田国務大臣 今まで防衛庁長官それから事務当局から、私どもが中国と話し合っておりますことは、日米安保体制は全く防御的な性格なものである、特定の脅威を前提としたり特定の国に向けられているものではない、それから、周辺事態は、その生起する地域をあらかじめ地理的に特定できないという意味で地理的概念ではなく、事態の性質に着目した概念である、また、我が国としては、日中共同声明において表明された台湾問題に関する基本的立場を堅持した上で、台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いにより平和的に解決されることを希望しているということを累次申し上げてきたところであります。  これに対して、中国からはっきり申してきていることは、日米安保体制に関し、日米安保を防御的な性格のものとしてほしい、台湾問題については、我が国が日中共同声明や日中平和友好条約を遵守することを希望するとの立場を表明しております。  具体的に、今委員も御指摘なさったとおり、去年の五月一日から五日間、久間元防衛庁長官が中国に参り、遅浩田国防部長や朱鎔基総理やトウカセン外交部長と今私が申し上げたようなことについての意見の交換をなさっており、また、在京陸軍武官等に対しては、再三再四、代がかわるごとにこのことを説明してきた。また、防衛庁の幹部が、国防部の外事局の幹部らとそういった交渉を繰り返ししてきたということであります。  御指摘のように、私ももし時間が許せばそういう機会を得たいな、こう思っておるところでございます。

海江田万里民主党

○海江田委員 ありがとうございました。  終わりますが、一言だけ。本当にこの問題は、日中不再戦であるという決意を、やはりこれは繰り返し繰り返し中国側に伝えるということが大事だろうと思います。どうかそれはくれぐれもよろしくお願いをいただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。  次に、太田昭宏君。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 公明党・改革クラブの太田昭宏です。  景気の回復、経済の再生ということが我が国の最大のテーマであって、またこの予算委員会の第一のテーマであったというふうに思います。私は、この委員会でも、特に民需をどう押し上げるかということが大事だ、ここが景気回復への一番の急所であると。そこで、GDPの六〇%を占める消費というものをどう上げるか、一五%、一六%と言われる設備投資をどう上げていくか、五%と言われる住宅をどう底上げしていくのか、そしてまた、あらゆる点で善悪さまざま言われるのですが、公共事業というものの、八%と言われるのですが、ここの効率的な、そうした役割というものが十全の役割を果たせるようにどうしたらいいのか、そうしたことを私は指摘をしてきました。  特に、設備投資の下落というのが、先ほども話がありましたけれども大変顕著であって、これが非常に懸念をされるわけでありますけれども、それも、振り返ってみますと、ちょうど二年三カ月前ぐらい、ちょうど衆議院選挙のころですけれども、第一の貸し渋りというのが起きた。そのころの九月三十日に早期是正措置の委員会というのが設置をされている。そこで貸出残高が低下をする。データ的にも、中小企業等の生産力というのは非常にダウンをしている。そして、一昨年の三洋、山一というあの十一月、ここがまたさらに大きくダウンをする。そして、昨年の夏にさらに貸し出しというのがダウンをする。三連発で崩落過程に入る。  一方では、先ほどから話が出ましたけれども、財革法、緊縮財政、そして九兆円の負担増、両輪というような形で、特に中小企業を押しつけながら今日まで来たという、そういう景気の実態について指摘をさせていただきました。  きょうは総括でありますので、端的に、できるだけたくさんお聞きをしたいというふうに思っております。  まず、今申し上げましたGDPの六〇%を占める消費、これを上げるということについては、減税ということも効果があるでしょうし、地域振興券も効果があるでしょう。しかし、私たちがこの国会で一番強調してきたことは、問題の年収七百九十三万円以下のところが現実には負担増になる、ここに何とか工夫はないものかということについて、何度もこの場で私たちは追及をさせていただきました。  これに対して答弁をさまざまいただいたんですが、例えば堺屋経企庁長官から、限界消費性向というのはいろいろ、第一階位、第二階位というところだけが高いという、そういうデータもあるけれども、最近は必ずしもそうではありませんよというようなことが、座っておりましたら何回もそういう話があったように思います。  私は、それは事実としてはそういうようなデータというのも時には出るかもしれないけれども、だからそういうところに手を打たないということは全く違うというふうに思っているわけなんですが、このデータというものについて何遍もおっしゃるということからいいますと、私は大変不満なんですけれども、これは果たして、それでは第一階位と第二階位というようなところが必ずしも高いとは言えないというような結論というものを明確に政府として出すということであるかどうか、そのことについて確認をします。

堺屋太一経済企画庁長官

○堺屋国務大臣 一般には、所得の低い方が消費性向は高いとずっと言われてきたのでございますけれども、我が国の場合は、年齢層、家族構成等と所得の関係がございまして、平均消費性向で見ますと、やはり低い方が今でも幾らか消費性向は高いんです。ところが、限界消費性向、一万円可処分所得がふえたときにどう使うかということを見ますと、やはり子育て年齢、お子様が高校、大学に行かれる年齢の所得層の多いと思われる第四階位のところが一番高くなっております。  だから、私の申し上げているのは、これは必ずしも低い方が高いとは言えない。所得の低い方が消費性向が低いなどとは必ずしも言えませんが、高いとも言えない。これはいろいろな年齢構成や家族構成等を考えなきゃいけないので、一概にそれは言えない、こう申し上げておるわけでございます。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 私は、これについては長い論議をしようとは思いません。しかし、経企庁がなぜそういうことを言うのかというデータをとったり、あるいは聞いたりしました。九〇年から九七年という調査と。サンプリングをする場合、これは余りにも私は長過ぎる。そこの間に経済変動とかさまざまなものもある、標本も変わっているということからいいますと、限界消費性向ということにしろ、あるいは平均ということにしろ、やはりどちらかといえば、常識的には、それは第一階位とか第二階位の方が消費性向は高いということは当然であろうということは言えるのだというふうに私は思っております。データの乱れとかさまざまな要素がありますから、これは、七百九十三万円以下のところについて手当てをするということについて、全く論理としては成り立たないというふうに実は私は思っております。  総理、私はここでもう一遍、そこへの気持ちの入った、そういう対策を打っていただきたいということを言いたいわけなんです。  例えば、司馬遼太郎さんが亡くなって、ちょうどことしの冒頭で総理が司馬遼の話を引いて本会議で言われましたからあえて申し上げますと、「明治という国家」という本を書かれていますね。三年前のちょうど二月に亡くなったわけなんですが、その「明治という国家」という中で、これは、そういう趣旨であると私が自分で、自分の言葉で換言してやりますと、明治という時代はリアリズムとそして精神性の横溢した時代であった、確かに制度は整っていなかった、制度と制度のすき間は余りにも大きかった、しかし、明治の人たちがその制度と制度のすき間を体を張ってつなぎとめようとした精神性の中に明治という国家の魅力があるということを、司馬遼さんはそんな趣旨を言っています。  私は、減税をやりました、しかし七百九十三万円以下の人が実質的にはその制度と制度のすき間にぽとんと落ちていくというところに、どうやって体を張ってその人たちをバックアップするか、そういう姿勢がなければ、これは消費の低迷というものを打開できない。  その点について、私はもう一遍、国民感情を直視しながら、消費の低迷を打開するために中低所得層に配慮する決断を総理はすべきであるということを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 今回の減税につきまして、いろいろな問題を引き起こしておることは十分承知をいたしておりますが、今回、見直しにおきまして、定率減税に頭打ちを設けて、控除率をある程度大きくすることによりまして、中堅所得者に配慮するとともに、一定の扶養控除額の加算を行うことによりまして、子育て、教育等の負担のかさむ世帯に配慮をいたしておるところでございます。  しかし、いずれにいたしましても、税率構造のあり方については、課税ベースや課税方式のあり方とあわせて、今後、我が国の経済社会の構造的な変化、国際的な進展等に対応した抜本的改革に向けて、幅広い観点から十分に検討していく必要があると考えております。  今、太田委員御指摘のように、減税を考えた場合に、昨年と同じような形での特別減税が実施できないという形の中で、ことしの減税をいたしました。定率減税によりました。委員も御指摘のように、昨年からことしにかけまして、そうした形でいわば税の負担がふえた階層というものがあることは承知をいたしておりますが、それぞれの方々に対していろいろな手当てを講ずることによりまして、それをできる限り平均化といいますか、困難な状況を乗り越えられるような種々の財政的な措置を講ずることによりまして、それの状況を御理解いただけるように配慮したのが今回の予算編成だったということも、ぜひ御理解を賜りたいと思っておる次第でございます。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 その努力をぜひともしていただきたいというふうに思います。  中小企業が傷んでいるとか、サラリーマンの賃金が下落をしているとか、さまざまなことがあるわけなんですけれども、現場を歩いたり町を歩いたりしますと、どの世代が非常に苦しいのかなというと、意外と現場で聞く話は、お子さんが高校生であったり大学生であるというところの教育費とか、そうしたことに大変負担があると。奨学金制度を何とか、教育という意味でも、あるいは可処分所得を上げるという意味からいっても、抜本的な拡充をできないものか、そういう声を非常に聞きます。私たちもそういうことをしたいと言いますと、これはかなり具体的な反応が多いということで、改めて私も、このことは大事なことなんだなということを痛感しております。  その意味で、教育の充実ということも大事ですし、また消費を拡大していく、可処分所得を上げるという上からも、やはり奨学金制度の拡充、例えば所得制限の撤廃であるとか、あるいは個人の成績要件の大幅な緩和であるとか、あるいは無利子にしていくんだとか、あるいは有利子の場合でも利息が上がった場合の国からの支援とか、さまざまなそういう措置をできるだけとっていただけないかということを強く主張したいと思いますが、いかがでございましょう。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 奨学金につきましては、学生たちの勉学に対する熱意にこたえるため、可能な限りその希望にこたえられるよう奨学金制度を充実していくことは、極めて重要と考えております。  そこで、この奨学金制度につきましては、今太田委員御指摘の点がございますので、与党自由民主党といたしましても、今のような御主張をされる御党とも十分相談をいたしまして、前向きな形で措置できるようにこれから努力をいたしていきたい、このように考えております。

有馬朗人自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有馬国務大臣 まず、奨学金が極めて重要だということは、たびたび申し上げておりますように、私自身の経験からもよく認識しております。このために、平成十一年度予算案では大幅な増額をお願いしているわけであります。  具体的には、まず第一に、無利子奨学金の貸与月額の増額、それから貸与人数の増を図るとともに、二番目に、資金を有効に活用し、極力多くの学生を支援するという観点から、有利子奨学金について、貸与人数の抜本的な拡充、貸与に係る学力基準及び家計基準の緩和等を図ったところでございます。  御指摘のような、親の所得制限や成績要件の廃止、全額無利子化については、これまでの国会審議等を通じて、私としても要望が強いことをよく認識いたしております。  いずれにいたしましても、今後とも、無利子、有利子あわせて、奨学金の充実を図りたいと思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 そこで、次に、GDPの五%というところにあります住宅について、一点だけお聞きしたいと思います。  昨日の毎日新聞に「自己破産、初の十万件台」と一面トップで出ておりまして、内容を見ますと、長引く不況で自己破産が急増して十万件なんですが、大半が住宅ローン破産ということがかなり言われているという原因が書かれております。  住宅ローンの困窮者対策として、昨年建設省は、ローン返済期間の、いわゆるゆとり償還ですね、延長等を打ち出した。しかし、この措置は、当面毎月のローン返済額が若干緩和されたというだけであって、ローン返済総額はふえるわけですね。これでは根本的な住宅ローンの困窮者対策にならないと私は思いますし、これは自己責任だという点も当然あろうと思いますが、よく考えてみると、さまざまな政府の失政ということに絡んでのものであるということを考えますと、政府の責任として何らかの救済措置をとる必要があるであろう、こう思います。  今回の税制改正は、私としましては、かなり踏み込んだ税制改正で、二年間の時限でありますけれども、私は個人的には、さまざまな意見もありますが、かなり踏み込んだという評価をしているわけなんです。  そこで、この昨日の記事に即して言いますと、自己破産でマイホームを手放して賃貸に入った、入居せざるを得ない、こういう人こそ、今対策がとられております繰越損失控除を適用して支援すべきである、私はこのように思いますが、この点いかがでしょうか。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣・国土庁長官

○関谷国務大臣 住宅ローンの返済で大変苦労されている方々に対しましては、小渕総理から特段に対策を講じるように指示をいただいておるわけでございまして、昨年十二月より、住宅金融公庫におきましてローン返済相談を積極的に受けるということでございまして、返済期間の延長とか据置期間の設定など、対策を講じておるところでございます。そして、十二月からこの二月の中旬まででも千二百人ばかりの方が御相談に来られておるというようなことでもございまして、また先生御指摘のように、ローンによります住宅の取得や買いかえをする方に対しましては、住宅ローン控除制度の創設など大幅な住宅税制の拡充を行うことといたしております。  それで、最後に先生おっしゃられましたように、売って、そして自分がまた別のところに住むというようなこともされている、だから、そういうふうに売った場合には、損をしたものを税制改正でその損失を控除にすべきではないかということでございますが、これはまた税制の問題でございまして、担当のところでまた鋭意勉強していただかなければならないと思いますが、それも一つの方法であると思います。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 ぜひとも、勉強というふうにおっしゃいましたので、私は前向きだと思いますが、大蔵大臣、これはそのとおりでいいですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 恐らくいろいろ御勉強をなさるんだと思います。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 しっかり勉強して、早く結論を出して、勉強の成果を出していただきたいというように思いますが、総理、これは、私が言ったのは、マイホームを手放した人の例ということで、バックアップしなくてはいけないということを言ったんですが、自己破産が十万件、そのうちかなり住宅ローンというものを抱えて破産した人。破産はしないまでも、大変ローンを抱えていて、ローン地獄ということで悲鳴を上げておる人が多いわけですね。今回の新しい税制というのは新規で買うということなんですが、現実には、そこのところの手当てというもので、これは一体、税制でやればいいのか何でやったらいいかというのは、さまざまなことがあると思いますよ。思いますけれども、その住宅ローン地獄にあえいでいる人、いろいろなパターンがあると思いますが、もう一度、少しずつでも何らかの措置がとれないものかという、これこそ私は勉強を開始していただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 委員みずからもおっしゃっておられますように、自己責任の問題もあるだろうということをおっしゃっておりましたが、しかし現実には、今新聞で報道されておりますように、みずから破産してにっちもさっちもいかなくなっておるという状況のある、大変不幸な、残念な方々のおることも承知をいたしております。どういうことができるかどうか、私自身も一生懸命に勉強させていただきます。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 住宅はかなり即効性があります。この即効性についてはいいんですが、以前、私は、堺屋長官とそれから与謝野通産大臣にもこのことについて聞いたわけですが、住宅対策としてやるということだけでなくて、できるだけこれは、もう少し広い立場から、町づくりとか都市づくりという観点に立って回転をさせていかないと、なかなかこれは本格的なものにならないというふうに考えておりまして、その意味では、総理が生活空間倍増戦略プランというのを打ち上げたというのは、私は賛成です。しかし、中身を見まして、これはちょっと、各省庁のこれまでのものをかき集めただけというような酷評の記事を読みましたけれども、私もそういうところがあるなと正直思いました。  例えば、安全な空間の拡大、こういうふうに称して、浸水対策や都市の内水害対策とか、あるいは橋脚の耐震対策とか、そんなことが全部、何でもかんでも空間ということで言われておりまして、職空間とゆとり時間の拡大とか、交通・交流空間の拡大とか、何でも空間とつくものは全部かき集めてしまって、宇宙の果てまでこれは空間だなというような感じで、これもこれも空間だろうと。安全対策なら安全対策ということではっきりやればいいわけで、何を空間と言うのか。余り拡散しますと、風船も膨れ過ぎて何かやっているような、風船は最後は割れますよ。  ですから、私は、むしろ戦略性といったら、これは絞り込むということが大事だというふうに思います。何に絞り込むかというと、これはまさに都市をどうつくり、直すかとか、町づくりとか、生活環境とか、そういうふうな問題、安全とか安心の都市づくりというものに小渕内閣なら小渕内閣が大きく踏み込む。その上に、住宅というものが減税等でそこに効果を及ぼす。もう一方では、徹底的に今度は情報通信産業なら情報通信産業というところにもっと踏み込んでいく。  情報通信なら情報通信、そして町づくりなら町づくり、そういう絞り込んだところに私は戦略性というのが出ると思いますが、どうも私はそういう感じがしないわけで、もう一遍、ここに魂を吹き込んで、せっかくそういうことをやるならば、踏み込んで思想性を出していただきたいと思いますが、総理が頭の中で描いている町づくり概念とか生活空間倍増というものは一体どういうイメージでなされているのかということについて、ちょっと短くお話をいただきたいというふうに思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御指摘は大変大切なものとして受けとめますが、やはり生活空間倍増戦略プラン、こういいますとあらゆる分野にわたりますので、絞り込むということは非常に必要なことだと思います。特化して、その点について非常に予算も何もかも集中的にやるということは効果が生まれるんでありますが、森羅万象やはりすべてかかわるものでございますので、一応すべての空間についての倍増という計画の中でこれを取り上げさせていただきました。  今後これを実行していく段階につきましては、もちろんプライオリティーもつけていかなければならぬと思っておりますが、簡単にと言われますが、まず生活の基礎を、広く快適な住空間、これが一つだろうと思います。それから、オフィスのスペースや、充実した余暇を過ごすことのできるレクリエーションスペースの拡大など、国民のさまざまな活動の場としてゆとりの、潤いのある生活空間の倍増ということを実行していかなければならないのではないかというふうに考えております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 これもまた、中心市街地活性とかいうこととは別に、今年度予算では地域戦略プラン推進費二千億というのがありまして、これは恐らく目玉というふうにうたっているのだと思いますが、私も、これはちょっと漠然とし過ぎているな、そしてまた、三月までに計画を出せといってもなかなかこれは難しいなというふうに実は思っております。向こう五年間で、一カ所で約百億、四百カ所で四兆円、一気にこれをやるという、私はちょっと無理があるなというふうに思いますが、どういうイメージなのかなと思えてならないわけです。  国土庁として、イメージの強要はしない、地域に任せます、そして、市町村単位ではなくて広域的なものを考えますと。私は、この広域的ということについては賛成です。しかし、その広域で何をやるかというと、町づくりとか全体像というよりも、ごみ処理場を広域でつくりましょうとか、そのアクセス道路をつくりましょうとか、あるいはどんな集落にも下水道を配置しましょうというようなことにどうもなりそうな気がしまして、そういうようなことではなくて、本当は面的な、そういう町づくり概念というものに立った推進というのがなくてはならないというふうに私は思っております。  結局、道路ができました、箱物ができました、今までやりたいと思ったことがこの予算でできましたということに成り下がるのではないかということを私は非常に心配していますが、いかがでしょうか。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣・国土庁長官

○関谷国務大臣 この地域戦略プランの骨子は一月の末までに提出をしていただいたわけでございますが、四百七十六地域からプランの骨子が提出をされまして、三月の末までにそれを最終的に決めようと今考えておるところでございます。  ところが、先生御指摘がございますが、また箱物のようなことになるのではないかとおっしゃられていますが、地方の方々はこれを千載一遇のチャンスと考えていらっしゃるようでございまして、これは四兆円程度で総額は考えておるところでございますが、正直に申し上げまして、今来ておりますのはトータルしますと六十兆円になるというようなぐらいですから、それを四兆円に絞らなければならないほど地方の方々は大変な夢を描いたプランを出しておるわけでございまして、先生の御心配は危惧にすぎないと確信をいたしております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 では、私は、文句を言うのはやめます。やめますが、実は日本の中には、中心市街地の活性でも何でもそうですが、町づくりインフラといいますか、街道沿いに都市ができて町をどうつくるかという、そういう知的インフラが本当に足りないのです。  それで、現実に六十兆にもなったかもしれません。しかし、それが本当に地域というものをどうつくるか、それをどんとコンサルタントに投げて、そしてやるんだとかさまざまなことがありまして、一番の問題は町づくり概念というものを持った——中心市街地でもそうです、役所でもそうです。  ここのところで私はそういう危惧を持ったというのはなぜかといいますと、こういうことの策定の相談の窓口はここにしてくださいよと言って、建設省は地方建設局の名前を、だれだれさんというのを出していますよ。こういう方は能力はあるんでしょう。能力はあるんでしょうけれども、日本の場合は知的インフラという、町づくり概念という、そこのところが非常に欠けているというのは事実で、そういうものの中から六十兆というのが出たということは恐らく非常に乱雑なものになりかねない。私はこのように思えてならないわけなので、本当に、それだけ皆さんがやろうとしていることが出ているのは結構ですから、ぜひとも、よくそこはバックアップするとか中身を吟味していただいたりして、応援をする知的な体制をさらに強化していただきたいというふうに私は思います。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣・国土庁長官

○関谷国務大臣 先生の御指摘の点につきましては私は全く同感でございまして、地方分権、地方分権というようなことをよく言われますが、もちろんそれは進めていくわけですが、果たして地方にそういう方々が十分に育っていらっしゃるかどうかが問題であるということを、私、正直に申し上げたんですけれども。  先生の今の御指摘、確かにこれは国土庁が指導をいたしておるわけでございますが、旧態依然としたそういう内容のものではないように、また、本来でございますと、そういう人物を育てるべく今努力はしておるところでございますが、十分にそれだけの人が育っているかどうかというのはいささか心配なところもございます。しかし、先生御指摘のような旧態依然としたものではないように、意識をして指導をしていきたいと思います。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 委員会でもずいぶん出ました公共事業の問題について一点だけ、絞ってお聞きをします。  それは、公共事業というのは何が問題なのかなと思いますと、一つの角度は評価基準というもの、これはいいのか悪いのか、そういう評価基準というものの手法とかその範囲をどうするかとかいうことが非常に大事な本質的な問題であろうというふうに実は思っております。旧来型だとかあるいは従来型であるとか土建型であるとか、私はそういうようなレッテル張りは好みません。そうではなくて、本当に評価基準をどうするか。  この間、建設大臣、同じ四国の吉野川の第十堰を、ここには先延ばしというようなことが書いてあるわけなんです。これが先延ばしかどうかということについてはいろいろ私聞いております。しかし、新河川法におきましても、住民の声をよく聞くということは非常に大事ですし、それからまた、環境面でも環境アセスメントというのは非常に大事ですから、この第十堰についても、これはそう決めたのかどうかということと、先延ばしみたいなことです、私は、ぜひともそこは住民の声を聞く、そして環境アセスメントをしっかりやるということをまず確認をしておきたいと思います。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣・国土庁長官

○関谷国務大臣 まず第十堰の問題でございますが、これは今日までずっとそのルールに従いまして、手続を一つ一つ踏んで今日まで参ったわけでございまして、一つの瑕疵もございません。片や、住民投票条例というものが出てきたわけでございまして、それは市会の委員会あるいは本会議において否決をされた、この行為も正しい行為でございます。そういう中にあって、この河川の第十堰建設事業審議委員会におきましては、これは可動堰に改築することが妥当であるという意見をいただいておるわけでございまして、建設省といたしましては、整々粛々とこの事業は進めていくつもりでございます。  ただ、その過程において、住民の方々のいろいろな御意見をなお一層聞く、この河川整備計画あるいは環境影響評価の手続に際しまして住民の方々の意見を十分に聞くということは、心を込めて今後とも行っていくということで進めていきたいと思っております。  それで、住民の、その地域の方々の意見を適切に反映する方式、また住民という要素を評価に組み込む方式については、今後どういう形のものがありますか、また検討をしてまいりたいと思っております。  ですから、公共事業の評価基準を作成するに当たりましては、先生の御指摘のように、パラメーターとして住民という要素を組み入れていく、私は、そういう今の時代にはなってきておると思いますから、そういう考えで進めていきたいと思っております。  ただ、これを先延ばしにするというようなことは、新聞報道で一部されておりましたけれども、それは間違いでございます。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 総理、この公共事業問題は、そうした評価基準の問題が非常に大事だと思うんです。  それで、河川なら河川というものが必要かどうかということについては、代替法というようなことで、例えば被害が出た場合にはこう換算されるから、その被害が想定されるということをこういうふうに評価する、されないということですね、プラス、マイナスを。あるいは地価ということに、道路ができました、あるいは何々ができました、地価が上がるということで、地価に換算しながらのヘドニック法というのがあったり、いろいろするわけですね。  そういう技術的な手法とプラスアルファ、今の住民参加。そういうことが非常に大事なことであろうと思いますが、今度は、住民とは一体何かとか、近くの人が住民なのか、あるいはその県の人たちは住民なのか、学識経験者が住民なのか、あるいは日本全国が住民なのか、いろいろな、住民とは何かというような問題もある上に、ではそこで何かの議論をするという場が設定されたとしても、何を基準にそこで判断をしていくかということが非常に難しい。私は、そういう本質的な問題にぶち当たっているように思います。  私は、細かい答弁は要りません。ぜひともその評価基準とかあるいは住民参加とか、そういうことの手法も含めて、内閣挙げて今踏み込んで、そして、アカウンタビリティーが大事な時代ということになっていますから、事後評価とかあるいはアカウンタビリティーということについてこの内閣は踏み込むんだということの決意だけお述べいただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 御主張されていることはよく理解いたしたつもりでございまして、特に住民参加という問題につきましては、今御指摘のように、これはどういう住民かという問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、公共事業をやる場合に、これが的確に国民のためになっているかどうかということについての評価というものについては、本当にあらゆる角度から検討しなければならないということでありますので、ひとつ政府全体の問題として取り組ませていただきたいと思っております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 一月から三月は非常にデリケートだ、景気では。前半が非常にデリケートである。ですから、かなり背水の陣をしいた大型予算ということで、これがカンフルということに終わってはならないということが財政的にも非常に大事だと思います。  私は、例えば一月二十九日の閣議決定の産業再生計画というようなものを見ても、あるいは検査マニュアルというようなこと、非常に一つ一つがデリケートに絡んできているなという感じがしてならないわけなんです。  簡単に、貸し渋り問題というようなことで言う、あるいは言葉は簡単なんですけれども、今の状況は、金融再生システムができましたというが、それが果たして具体的にどう動くのか、金融監督庁の力の入れぐあい、さじかげんというのは非常にまたこれは大事。資本注入あるいは検査マニュアル、ペイオフを控えた銀行のリストラ、運転資金が非常に逼迫をしている中小企業の現状、信用保証協会にも、ことしに入ってから特別融資枠についても変化が出ています。それから、今度は構造改革や産業再生、いろいろなものが非常に絡み合って、どういうふうに政府がここでかじ取りをするのか。検査マニュアル一つの打ち出し方とかそういうことについても非常にデリケートで、その一月から三月という今の時期、それからこれからの時期が非常に私はクリティカルであるし、デリケートだと思います。  ぜひとも内閣挙げてこのさじかげんを、力を凝縮して、如実知見という言葉がありますが、ありのままに物を総合的にきちっと把握しながらという体制をしいていただきたいというふうに思いますが、こうしたクリティカルとかデリケートな状況という認識を総理はお持ちなんでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 年末というのが非常に一つの大きな経済の動向の中で存在するのだと思いますが、これから三月という決算期、この一—三月というのは非常に重要な時期だろうと思います。  したがいまして、刻々と状況も変化してくるだろうと思いますが、適切にウオッチングしながらそれに対処していかなければならない。一つ貸し渋り問題にいたしましても、年末には非常に減少いたしてまいりまして、その後、一月、二月、減少はいたしておりますが、また年度末になってまいりますので、そうしたときにどういう対応をすべきかというようなことも、刻々の変化を見ながら適時適切に対応していきたいというふうに考えております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 通産大臣、一月に入ってから、今二月十八日、ここまでの貸し渋りの現状や資金回収、あるいは信用保証協会の特別枠二十兆、これは一月になりますとかなり件数が減りましたね。そうした事態、特に貸し渋りということや信用保証協会の現状を、どういうふうにこの数字をにらんでいるかということをお述べください。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○与謝野国務大臣 昨年十月一日から信用保証協会に特別枠を設けまして、各県にございます信用保証協会が中小企業に対する信用保証を開始したわけでございます。当初予定しておりましたのは総額で二十兆でございますが、一月末現在の大まかな数字を申し上げますと、六十一万件から二万件、金額にしますと大体十二兆に近い、実際は十一兆三千億ぐらいだと言われております。  十二月末の利用というのは大変多かったわけですが、十二月に入りましてからの保証協会へのお申し出も、また実際の金額も、激減をしております。  これをどう見るかという問題ですが、一つの見方は、年末の資金の繁忙時期が過ぎたので一月に入って減ったという方もおられますし、一応十一兆を超える保証をしたので、六十万件を超える信用保証をやったので、大体行き渡ったんではないかという説もございます。  いろいろな説がございますけれども、私どもとしては、商工中金や中小企業金融公庫、あるいは国民金融公庫等の融資枠も、当初二十兆設定いたしました。これと信用保証協会の枠を使いまして、特に中小企業の資金繰りにつきましては、本当に親身、親切な対応をしていかなければならない。それで、これは一月に減ったからといって油断してはならない。三月には決算期も参りますので、全国の通産局あるいは信用保証協会が十分に中小企業の動向を把握すべきだということで、通産省としては対応しているところでございます。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 今の通産大臣の発言のとおりだと思いますが、私もあちこちいろいろ調べて歩かせていただきました。信用保証協会の人からも話をお聞きして、銀行とかさまざまなところから聞きました。  去年のところは殺到しました。特別保証枠で息をつき、助かったというところは非常に多い。大変なところはみんな行って、九割ぐらい承諾を受けたという現状だと思います。  ところが、ここが今、一応十二月が終わりまして、運転資金がだんだん逼迫してきたら返済資金で大変になってくるということで、この十二月までに借りた人たちは、大体四月、五月、六月ぐらい、そこに運転資金の逼迫ということがあって、そこでもう一回大変な山が来る。三月期の決算、それから六月の綱渡り、それから、ちょうど一年かかりますと今度は五千万の元本の返済にかかりますから、となりますと、ことしの十一月、十二月ぐらいにまたそこに山が来るということです。  では一体何をしたらいいかというと、今何とか一息をついているところのこのときに景気をちゃんとしたものにしなくてはいけないという、悲鳴にも似た、そんな思いが今現場にはあるんだというふうに思います。ぜひとも、三月、六月、そして暮れというところに、せっかく息をついた人たちの非常に大変な時期が来るというような状況の中での今の経済運営であるということを、認識していただきたいというふうに思っております。  そこで、旧債振りかえということが言われましたが、この辺の現状、それから、あっせん屋というのが動いたというようなことがありましたけれども、これについての現状、この二点について、簡単で結構ですからお答えください。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○与謝野国務大臣 簡潔に申し上げますと、旧債振りかえというのは、信用保証の特別枠の制度をスタートした趣旨に全く反していることでございますから、通産省としては、通産局を通じ、また全国の県の商工部、信用保証協会、また場合によっては金融監督庁にお願いをして、この信用保証の特別枠が制度の本旨に従って使われるということを確保してまいるために全力を挙げてまいりましたし、今後もこの点については十分監視をしてまいりたいと考えております。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 ぜひとも対応していただきたいというふうに思っております。  柳沢大臣、金融再生委員会が、公的資金投入の条件として中小企業への貸し出しはふやせ、利ざやも厚いと言っている。また、銀行からいえば中小企業への貸し出しはリスクが高い。一方、再生委員会はリスクに見合った引き当てをやれと言う。そうしますと、貸倒引当金を立てなければならないので、その分貸し出しはふやせないというような言い分になるということが言われるわけなんですが、このデリケートな問題について、柳沢大臣はどういう態度で、またどういう認識をされているんでしょうか。

柳沢伯夫自由民主党金融再生委員会委員長

○柳沢国務大臣 おっしゃるとおり、リスクの高いところにはそれの見合いの引き当てをしてもらいたいということを、基本的に私ども、金融機関の健全性維持の観点から申しているわけでございます。  その場合、他方、私ども、中小企業への貸し出しを原則としてふやしてほしいということを、今度資本注入をする金融機関の経営健全化計画の中に盛り込むように、そしてまた、その実効を確保するようにフォローアップするということを申しておるわけでございますけれども、これが、一体、自己矛盾を起こしているんじゃないかというような観点のお話でございました。  確かにその面はあるわけですが、もともと中小企業者の皆さん方には、政策的な特別な手だて等が行われる場合は格別として、例えば、超優良企業に対するプライムレートなどに比べれば若干割高な条件というようなことで融資が行われておったという事実もございます。  したがって、私どもとしては、そういうことの中で、ある意味で自然の姿をとって、適切な引き当てを行いながら、量的には融資が行われるということで、この両者、そう矛盾を来すということではないのではないか、このように考えているわけであります。  特に、私どもが扱っているのは、先生が今御指摘になられたような期間よりも若干中長期的な観点からの議論もしておるわけでございますが、健全化計画を出していただいたところを見ますと、業務の再構築の中で、我々の銀行はこれからはリテールに特化していきますよということをうたうところが実は非常に多かったのでございます。  それは、どういうわけでそうなったかというと、これから日本の金融というのは、直接金融と間接金融のバランスをとっていかなければならない。そういたしますと、大企業の方々に間接金融で金融機関が貸し出しをもって金融を疎通させていくということよりも、直接金融で直接市場から調達するという金融の形態がとられることが多い。つまり、間接金融に携わろうとする限り、大企業というのはむしろ自分たちの主なお客さんではあり得ない、こういうことが構造的に起こるということが展望されているわけでありまして、その意味でも、各金融機関は、これからは自分たちのお客さんを大事にしていかなきゃいけない、それからそこへの融資を工夫していかなきゃいけない。こういうような観点から、中小企業への融資というものを大事にしていこう、こういう姿勢を示しているわけでございます。  そういうことでございまして、先生の御指摘の点もわからないわけではありませんけれども、実際、私どもとしては、構造変化の中でそういう姿が期待される、このように考えています。

太田昭宏公明党・改革クラブ

○太田(昭)委員 もう時間があれなんですが、現場ではマル中とかいう言葉を使ったりして、今リテールとおっしゃいましたけれども、そういうことを一生懸命やっていることは事実です。だけれども、最後に申し上げますが、セーブ・ザ・バンクス、キル・ザ・カントリーとかキル・ザ・カンパニーという言葉がありまして、リストラというもので、銀行はきれいになりました、周りは切られましたということにならないようにというふうに私は最後に申し上げて、終わります。  以上です。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて太田君の質疑は終了いたしました。  次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 木島日出夫でございます。  日本共産党を代表いたしまして、九九年度政府予算案について締めくくりの総括質問をさせていただきます。  この予算審議を通じましても、今、日本経済は未曾有の消費不況そして財政危機と、二重の危機に直面していることが明らかになってきていると思います。それだけに、今年度予算は何よりもこの二重の危機の打開に正面から取り組むということ、審議を尽くして、各党各会派の知恵を出し尽くして、そして、二十一世紀に向かって、国民の皆さんが本当に希望の持てるものにしなければならぬと私は思うわけであります。  そこで、まず第一に、財政危機打開の展望について、私、時間の限りがありますので、一点だけ総理にお聞きしたいと思うんです。  もう、当然でありますが、最後ですから数字をきちんと述べます。九九年度、この予算による発行国債は三十一兆円、国債依存度は約三八%、年度末の国と地方の債務残高は六百兆円、国内総生産の一二〇%に達するわけであります。大蔵省の中期財政試算でも、今後四年間、毎年三十兆円の国債発行が余儀なくされる、その結果、百兆円以上、国債がプラス、増加する。これはまさに破局的な財政状態である、だれが見てもそう指摘せざるを得ないわけであります。  先ほど、同僚委員からの指摘もありました。財政立て直しの一つの大きなめどは、いわゆるプライマリーバランスを黒字にすることだ、国債費を除く歳出と国債発行分を除く歳入の比率、これを黒字にすることだ。宮澤大蔵大臣も先ほどの答弁で、一つの見識だと言われました。これは見識であると同時に、もう財政学の基本だと思うのですね。  さらに、財政学等の立場からいいますと、経済成長率が公債の金利を上回ることということも指摘されているようでありますが、この財政立て直しの基本的な指標、プライマリーバランスを黒字にすることにしろ、政府のまた大蔵省の見通しですね、今後数年間先まで含めた見通し、全く出てこない。予算審議を通じても、財政を立て直すそのきっかけですね、それが全く語られてこないということが、私、この予算審議を通じての最大の特徴だったと思うんですね。これでは、国民の国の財政運営に対する不安は消えるはずがないと思うんです。  ですから、総理に聞きたいんです。総理は、この破局的な財政の立て直しの、その活路をどこに見出そうとしているのか。あるいは、それとも、もう今景気が大事だからというので、そういうことはもう当面放棄するんだということなんでしょうか。財政立て直しの活路をどこに見出しているのか、端的に総理の所見を述べていただきたいと思うんです。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 財政再建と景気回復、この二つを一緒に解決するのが今時喫緊の課題であるという御主張は、私はそのとおりだと思います。  ただ、先ほど来、大蔵大臣も答弁しておりますように、二兎を追って一兎を得ずという状況であってはならないという形で、この内閣としては、まずは景気回復に最大の努力をするということに主眼を置いて予算編成その他の政策を実行しようとしておるわけでございまして、全力を挙げて、そうしたことの効果を発揮させることによりまして財政再建の道を開いていきたい、このように考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 二重の危機がある、それが非常に大事な課題だということをお認めになった上で、しかし二兎を追えない、こうおっしゃられました。  私ども日本共産党、あしたも提起しますが、抜本的組み替えを求める動議を出しますが、やはり二兎を追わなきゃいかぬと思うんです。なぜ二兎が追えないかといいますと、やはり、今の政府の基本、現在の税制、財政の基本構造、骨格を変えようとしないからじゃないか。  私ども、決定的な問題は、やはりこういう状況で二兎を本当に追うためには、むだ遣いに徹底してメスを入れるということを主張しているのですよ。その中心点は、一つに、ゼネコン型の大型公共事業ということを指摘しているのです。これはよその先進国から見ても異常だということまで指摘して、そこにメスが入る、あるいは軍事費やいろいろあるでしょう、それに徹底してメスが入る。そうして本当に不況を打開できるところに思い切って重点的に投資をするということをやれば、財政の立て直しの切りかえと不況打開の展望を同時に見出すことができるというのが日本共産党の立場であり、あした正式に提起したいと思うのですが、そういう立場に立っていない、そこにあると思うのです。  そこだけ指摘をいたしまして、総理のおっしゃった不況打開の展望について、これも一点だけ聞きたいと思うのです。  現在の不況の根本に、国民所得の落ち込み、将来不安などを背景にした国民消費の落ち込み、これがあるということは、大体衆目の一致するところだと思うのです。金融不安等もあるでしょうが、根本は何といっても国民消費の落ち込み、その背景にある不安。  この予算を通じましても、特に政府が国民消費の拡大の目玉として打ち出してきている四兆円を超える所得減税ですね。先ほども同僚委員から指摘されましたが、七百九十三万以下の所得の人々、中低所得層のほとんどが九八年度より増税になる。ことしよりも増税になる。そのようないわゆる括弧つきの恒久的所得・住民減税では、この大事な層、圧倒的多数、六割ぐらいという答弁もありましたが、七割のこの中低所得層の実質可処分所得をふやすことはできないじゃないか、それでは本当に消費不況を打開できないではないかと私ども再三指摘をしてきたわけであります。  逆になってしまうではないか、ことしよりも減税額が減って逆に増税になってしまうのでは、逆に、この大事な圧倒的多数の部分の国民の消費が落ち込んで、不況が深化してしまうではないか。これは、一昨年の消費税率引き上げ等九兆円の増税に続く第二の失政になるのではないかという言葉まで使って指摘をし続けて、それを変えるべきだということを再三申し上げてまいったわけでありますが、結論的に言いますと、残念ながら、この予算の審議を通じましても説得力のある御答弁はありませんでした。  ないだけではなくて、私、昨日のニュースを見ておりましたら、この予算では景気は回復しない、カンフル剤が効いて、九九年度の前半ぐらいはいいかもしらぬけれども、莫大な公共投資の効果は後半まで長もちしないということで、何か与党の中で、いっそのこと、それなら、カンフル剤がなくなって景気が落ち込んでしまう前に解散してしまえというようなことまでがうわさされていると指摘がありました。私は、こういう論議があること自体が、この予算では景気が回復しない、総理が再三おっしゃる〇・五%の経済成長は、もうその約束は守れそうもないということの自認、自白だと見ざるを得ないんですね。  その論争をする余裕はきょうはもう時間的にありません。そこで、一点だけ総理にお伺いしたいのです。〇・五%経済成長を約束しました、あるいはそれまでは引き上げたいと決意を持って述べられました。もし、それが実行できなかったときの政治責任は、当然おとりになる覚悟はあるわけですね、総理。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○小渕内閣総理大臣 〇・五%プラス成長にできますように、全力を尽くして努力をいたしてまいります。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 希望的な答弁しかなかったわけであります。わずかな二つの質問をしただけでありますが、財政の立て直しでも、この深刻な不況回復でも、政府予算案では全く展望がないということは明らかだと思うんです。私ども、あした組み替え動議を提出する予定であります。  そこで、残されたわずかな時間、私、日債銀問題について、さらに三回目の質問をきょうしたいと思うんです。  日債銀へ投入された六百億円の公的資金が毀損された問題、戻ってこないという問題と、防衛庁調達疑惑の真相解明、これは私は新年度予算の審議の不可欠の前提だと思います。我が党を含む野党三党が提起した証人喚問が拒絶をされ、それを通じての真相解明がうやむやにされたまま予算案の審議を議了、採決することは、これは私は国民の国会に対する期待に反すること、国会の責任放棄だと言わざるを得ないと思います。そこで、この問題について、十六日にも集中質疑で私やりましたが、最後ですから、改めて質問をいたします。  これまでの同僚各議員のたび重なる質疑を通じまして、私は、日債銀への九八年三月の六百億円の公的資金の投入が金融安定化法に照らして正しくなかった、誤りだったということは明白になってきているんではないかと確信をいたします。  日債銀は、九八年三月時点で、既に第三分類の不良債権が一兆円をはるかに超えておりました。正当な引き当て処理をさせれば、保有株式の莫大な含み損などを完全に除外しても既にその時点で債務超過状況にあったことは、種々の資料で明々白々であります。  そして、金融危機管理審査委員会の六人の委員、とりわけ、松永大蔵大臣、松下日銀総裁、松田預金保険機構理事長の三人のうち一人でも、とりわけ大蔵大臣が、九七年九月の大蔵省による日債銀への検査結果と示達の正確な中身——これはもう総理も大蔵大臣も数字は篤と御存じのとおりであります。言いますと、第三分類の不良債権が一兆一千二百十二億円、第四分類、一〇〇%の引き当てが求められる不良債権が千二百七十七億円あった、この事実ですね。  大蔵省検査当局、事務当局が握ったこの事実、直近の検査結果のこの事実の報告を松永大蔵大臣がきちっと受けていれば、金融安定化法で指摘している全会一致、審査委員全会一致でなければ公金投入ができないわけですから、そういう仕組みであるわけですから、たった一人でもだめだということを言えば否決されたわけでありますから、その検査結果報告書、示達のその数字が、自分の直属の部下である大蔵省事務当局から大蔵大臣松永さんがきちっと報告を受けて物を申せば、これは法により公金投入は認められなかった。  金融危機管理審査委員会は、たった一人でもいいわけでありますから、否決をして、引き続く閣議でも、日債銀への公金投入はノーの判断が下ったはずだということは、一昨日までの当予算委員会での審議、あるいは昨日も大蔵委員会で引き続きそこが質疑されたようでありますが、もう明らかになってきていると思うんです。  一昨日のここの場所での私の質問に対して、宮澤蔵相も総理も、特に宮澤蔵相の言葉ですが、「当時の事情を知りませんので判断できませんが、審査がいいかげんだったという結論に同意せよとおっしゃっても、それは同意できません。」こう答えられましたが、それは本当に無責任だと思います。総理自身は確かに当時審査委員の一人ではありませんから、事実は直接には体験なされていないんでしょうが、総理も大蔵大臣も前任者のすべてを引き継いでいるのが政治、行政の基本原則でないんでしょうか。当時の事情を知らなかったで済む問題ではないはずであります。政治責任が問われているからであります。  それで、宮澤大蔵大臣あるいは総理大臣に確認したいのです。ここまで事実が来ているんですから、はっきりしているんですから、金融安定化法に基づけば、経営の状況が著しく悪化している金融機関に公金を入れることは許されないわけですから、昨年三月の日債銀への六百億円の公金投入は、法に照らして正しくなかった、残念ながら審査がずさんであった、そのような事実は、やはりここまで来ているんですから、率直にお認めになるべきではないでしょうか。御答弁を求めたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 金融監督庁長官にお答え願った方がいいと思いますが、お名指しでございますから申し上げます。  この問題につきまして、当委員会におきましてもあるいは他の委員会におきましても何度か御質疑があり、政府委員がいろいろ答えをしておられます。私は大体それを拝聴しておったわけでございますけれども、今おっしゃいましたことの中で、やはり一つ飛躍があると思いますのは、松永大蔵大臣が佐々波委員会において御指摘をされて、この債権債務関連では甘いところがあるのではないかということを言われたということを当時の方々がおっしゃっていらっしゃいます。今、木島さんのおっしゃっていらっしゃることは、松永大蔵大臣がもし第三分類が一兆一千二百十一億ということを知っておられたら、この資金投入は間違いであったとおっしゃっているわけですね。松永大臣がそれを知っておられたら、この金は投入されるはずがない、そうおっしゃっている。  そこのところが、私が伺っている限りは大事なところで違っていまして、その一兆一千二百十二億円というものは債務超過になるとおっしゃっていらっしゃるわけです。しかし、そういうことはだれも言っていないわけです、実は。この部分が実は大事なところなんでして、ちょっと勢いで物をおっしゃいますものですから、そうかなと思うのですが、そこが違う。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 いや。というのは、昨年十二月に、金融監督庁が日債銀は昨年三月三十一日時点で既に債務超過であったと断を下したその根拠が、第三分類がちょっと多いのですよ、数字は、一兆三千百十億円。前の年の九月の大蔵省の検査による示達よりも七千百七十八億円多いのですよ。それで、第四分類、これが千二百七十七億円。これも多いのですよ。  そういう状況の場合は、本当に日債銀の体力、債務の状況を判断するときにどうするか。きちっと引き当てをさせて計算するのですよ。第三分類については、大体六〇%引き当てさせることを念頭に置いて財産状況を把握しているのですね。第四分類は、当然一〇〇%引き当てさせることを念頭に置いて計算しているのですよ。それで、結論的に、九百四十四億円の債務超過と判定したのです。それ以外に有価証券の含み損等一千八百億円あるけれども、これを入れたらもう大変な債務超過なんですが、そんなのを入れなくても債務超過という判定を下したのですよ。この判定は正しいのですよ。  ということは、何も新しい法律ができたからじゃなくて、去年の三月の時点で本当に日債銀の体力があるかどうか、公金投入をしてそれが返ってくる健全銀行であるか。法律の言葉で言えば、経営の状況が著しく悪化している金融機関でないかどうか、これ判断する基準としては全く正当なんですよ。だから私言っているんですよ。私のこの考え方には何らおかしい点は全然ないと思います。  何かあるんですか。反論あるんなら言ってください。——いやいや、大蔵大臣の反論ありそうですから。

日野正晴金融監督庁長官

○日野政府委員 ただいま木島委員が言われたことは、やはり前提において必ずしも正確に事態を理解しておられないのではないかと思います。  その理由は、委員も今御指摘になりましたように、現在債務超過と判断した基準と、当時、それがまだ債務超過であったとかなかったとかいうことではありませんが、の判断基準が全く異なるような状態にあったことはよく御承知だと思いますが、昨年の四月に早期是正措置というものが導入されまして、その早期是正措置が、そこで資産の部に計上する金額が負債の部に計上する金額よりも少なくなった場合にどういう措置をとるかということで初めてその債務超過なる概念、それはもちろん、会計学上は当然債務超過という概念はございますけれども、銀行法で言うところの債務超過といったようなことは昨年の四月の早期是正措置に初めて導入されたわけでございますし、それから、三分類は何%、四分類は何%というふうに今御指摘になりましたけれども、その適切性というのも、検査において指摘する仕組みとはなっていなかったわけでございます。あくまでもその適切性というのは、日債銀、当該銀行と監査法人の判断にゆだねられていたというところがやはり前提において異なるのではないかと存じます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そんな早期是正措置なんて関係ないんですよ。金融安定化法に基づいて、本当にその時点の日債銀が、経営の状況が著しく悪化している金融機関であるかどうか、その実態をどうつかむかが問題だったんですよ。  それで私は、松永大蔵大臣が、前の年の大蔵省が持っていた示達書、検査結果報告書を受けていないというのはどんなに決定的なミスであったか、宮澤大蔵大臣の国会答弁を引いて論証したいと思うのです。  昨年の九月九日に、金融安定化に関する特別委員会で宮澤大蔵大臣は、我が党の佐々木憲昭議員の質問に答えて、こう述べられています。佐々木議員は、いや金融危機管理審査委員会、ほとんどラインシートなんか徹底的に見ていないじゃないかと。委員が見ていないじゃないかというので、徹底的にずさんだということを追及したことに対して、委員が「一つ一つ書類を目で見ろといってもやはり、多識の人は眼光紙背に徹する人もいますし、節穴みたいなのもあるかもしれませんで、それは、どの書類をどう見たというようなことは、ちゃんとやっていないということにはならない、私は実情を存じませんのでね、と思いますが、そう一枚一枚書類を最後の七人の方が見るというようなことが大事なことではなくて、ちゃんとした報告がなされているかどうかということが大事なんだと思うのです。」こう言っているんですよ。だから、大蔵事務当局からちゃんとした報告が大蔵大臣にきちんとなされているかどうかが大事なんだと言っているんですよ。  まさにその決定的なポイントのところで、前の年の検査報告書、示達書、一兆二千億円とかそういう数字が出ています。その内容について私も質問しました。さらにその翌年、金融監督庁がやった検査結果も同じような数字が出て、その不良債権の中身はどう違うのか、一緒なのかと詰めたんですが、答えようとしない。ほとんど一緒なんですよ。ですから、その一点においても、昨年の金融危機管理審査委員会の審査は全くずさんだった、何しろ肝心かなめの大蔵大臣が自分の部下がやった検査報告書を受けていないんですからね、ということはもう明々白々。  どうですか、宮澤さん。自分が去年の九月にこう答弁したんです。上司に部下がやった検査報告がなされていないということが決定的にずさんだったことの証明じゃないんですか。答弁もらって、終わります。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 いい答弁と思います。昨年の九月に申し上げた、いい答弁と思っております。正しい。つまり、この銀行は債務超過であるという認識がないわけでございますから、松永大蔵大臣がそういう報告をお受けにならなかったのは少しも不思議ではない。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そんなこと言ったら……(発言する者あり)終わりますが、大体そんな大事な数字を知らされないで審査に臨んだことが決定的にずさんだということを重ねて私指摘して、この真相解明のため引き続き予算委員会は全力を尽くす必要があるということを申し述べまして、終わらせていただきます。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。  次に、濱田健一君。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 限られた時間ですので、予算そのものとガイドライン関連について、二問御質問をさせていただきたいと思います。  この予算委員会の質疑を通して、日本経済、景気の大きな曲がり角をどうするかということを痛切に私は感じたところでございます。そして、景気回復が進み、経済の安定成長が図られるのか、それとも景気の悪化の傾向をより強くしていくのか、これは当然、ひとえに政府の経済政策いかんにかかわっていることも感じているところでございます。現下の不況は、国民の生活への行く先不安、それに起因しており、景気の現状と厳しい国民の生活を打開するには、提案されている従来の公共事業型中心の景気対策ではなくて、国民の行く先不安を国民個々の生活の場から解消する対策こそ急いで求められていると思っているところでございます。  そういう意味で、私たち社会民主党は、党内外の多くの皆さんの声を聞いて、次のような点を提案してまいりました。  例えば、給与所得者の九割弱が実質増税となる政府提案の定率方式による減税を、過去二回にわたって政府が行ってきた定額方式による特別減税の継続、拡充、そういうことに切りかえるつもりはないかということ。臨時福祉給付金の継続、拡充を図れないかということ。年収一千万までの世帯に最高五万円を給付する、飲食料品にかかわる消費税額戻し金制度の創設は検討できないかという部分。また、二十一世紀へ向け、新しい児童手当を創設すべきではないかという点。そして、今一番問題となっております年金の保険料、これを凍結するのであれば、基礎年金の部分をきちっと確立するために国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げるべきではないかという考え方。また、少子高齢化社会の中で見落とされている出産費用の公的保障は図れないかという点。  そして、大きな問題として、むだな公共事業の削減をし、生活関連公共事業への重点的な配分を行うべきではないかという点。そして、人間が人間らしくほかの生物と一緒に生きていく二十一世紀をつくるために、ダイオキシンや環境ホルモンなどの有害化学物質対策費については大胆に拡充すべきではないかという点。最後に、BMDシステム、情報収集衛星関連予算は、現下の厳しい経済状況を考慮すれば当然削減するべきだと考えております。  こういう部分について、総理と大蔵大臣、国民の消費マインドを高める、生活の不安を解消するという意味で実現すべきだと考えておりますが、御見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 総理がお答えになられます前に、私から申し上げます。  まず、もう一遍定額減税をするつもりはないかということにつきましては、我が国の所得税の課税最低限が四百九十一万円になるということは、私は将来の我が国を考えまして、あってならないことだと思いますので、そのような考えはございません。  それから、基礎年金の国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げるべきではないか。この問題につきましては、当委員会でもいろいろ御議論になっておられますし、厚生大臣もいろいろにお考えのようでございます。財源をどのようにしてするかということが一つの問題になろうと思います。  福祉給付金五千億程度を図れないかということは、社会的弱者の方々に福祉給付金というものは、時として差し上げることは大事なことでございますけれども、恒常的にいつでも大きな金額を差し上げるというものではないだろう、施策はもっとほかの方法があるのではないかというふうに思います。  それから消費税につきまして、御主張は、所得の水準に応じて飲食料品にかかる消費税の負担を返せ、こういう御主張なわけですが、これは非常に難しいと思います。納税者番号でもやりましてお返しするというのでしょうか。しかし、どうして消費税の負担だけをお返しするかというようなことが大変に難しいのではないかと思います。  それから児童手当につきましては、これはいろいろにこの委員会でも御議論があっておりまして、政府としてもいろいろこれから将来に向かって考える問題はあろうかと存じます。  出産費用につきましては、私の聞いておりますところでは、これはかなりもう行けるところまで行っておりまして、特にこれ以上の手当をふやすことは入り用がないのではないかというふうに事務当局から聞いております。  それから、あとダイオキシンとBMDにつきましては、所管の大臣からお答えをいただきたいと思います。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○宮下国務大臣 御指摘の中の年金についての問題、三分の一から二分の一にするということは、私どもとしては、中期的な課題としてはこれを容認したいと思いますが、財源が二兆二千億もかかって、毎年恒常的にこれが続くという点で困難性があるということを申し上げさせていただきます。  なお、ダイオキシンにつきましては、人間の生命に非常に関係の深い重要な課題でございますので、これらは政府として環境庁あるいは所管の関係省庁とよく連絡をとって、国の責任で基準を定め、そしてその規制をきちっとやっていきたいと思っております。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○野呂田国務大臣 いろいろな弾道弾や核拡散が大変大きな問題になっておりますので、私どもとしても、専守防衛という観点からこれにどうしたら対応できるかという観点から、日米共同研究に着手をすることにしたということでございます。  もちろん、これは研究に相当な年数を要しますから、開発とか配備等は全く別次元の問題でございまして、私どもとしては、今日の状況に対して、幾ら専守防衛といっても何の対抗手段もないということは、これは国民の生命財産を守り、我が国の平和と安全を確保するという観点からは当然のことである、こう思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 社会民主党も、あした予算の組み替え動議を出させていただきます。私が申し上げました、ほかにもあるんですが、この九点については、大きく国民の皆さん方が注目している中身でございますので、しっかり検討をいただきたいと要望を申し上げておきたいと思います。  新ガイドラインの関連についてお尋ねいたします。  これまでの審議を通じて、以下六点の疑問を私は持ったところでございます。  一点目が、この間、総理を初め各大臣の国会答弁では、周辺事態とは、日本の存立にかかわるような日本の平和と安全に非常に大きな影響を持つ事態、緊急事態、日本への重大な影響を及ぼす事態だということですが、日本への直接攻撃ではないそのような事態とは、一体どのようなことが想定をされるのでしょうか。日本の存立にかかわるような事態への対応を国会への報告だけで済ませるのか。シビリアンコントロールの観点からも、国会承認が必要ではないのかというふうに感じました。いかがでしょうか。  二点目が、小渕総理は、答弁で繰り返し、周辺事態法は日米安保条約の枠内にとどまるものだということを言われておりますが、それを担保するものは何でしょうか。法案のどの部分を読めばそのことがわかるのでしょうか、御答弁いただきたいと思います。  三点目が、小渕総理は、日中共同声明にあるとおり、台湾が中国の領土の不可分の一部であるとの中国の立場を十分理解し、尊重する立場であることを明言されておられますが、台湾を除外する旨を法案に明記しない理由は何でしょうか。中国に対する無言の牽制でございましょうか。  四点目が、事前協議の対象となる事態とはどういう事態であるのかを明確にすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。  五点目ですが、政府は、国民の生活や権利義務には影響が及ばないとしておりますが、日本の存立にかかわるような、日本の平和と安全に非常に大きな影響を持つ事態において、なぜそのような影響がないと言えるのでしょうか。  自治体や民間にどのような協力を求めることが考えられるのか、防衛庁では検討していないのですか。政府としての責任を持って具体的にすべきだし、その協力要請が強制でない旨の明文化は絶対に必要だと思います。日本の存立にかかわるような事態なのですから協力は当然という答弁もこの間ございましたが、それがどのような事態か明確にされないまま、協力は当たり前と言われても納得できるものではございませんが、いかがでしょうか。  最後に、政府や総理のこれまでの答弁で、自衛隊の活動が戦闘区域外であること、武力行使と一体となった活動にならないことが基本であることが明らかにされてきております。しかし、対応を一歩間違えば、相手国に日本本土を直撃されるという事態も当然考えられます。果たして、近代戦において前線と後方の区別があるのか。逆に言うと、防衛庁は、日本を攻撃した相手国の兵たん、補給路をたたくという発想は持ったことはないのでしょうか。いかがでしょうか。  これらの六点について、総理と外務大臣、そして防衛庁長官の御見解を伺いたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○高村国務大臣 私からお答えすべきなのは三点だと思います。  日米安保の枠内というが、それを担保するものは何かということでありますが、周辺事態安全確保法案第一条は、同法案が我が国の平和と安全の確保に資することを目的とすることを明記しております。したがいまして、同法案が、我が国の安全及び極東における平和と安全の維持という日米安保条約の目的の枠内であることは明らかであります。  また、具体的な周辺事態における日米協力は、あくまで日米安保条約の枠内において行われるものであります。法案第三条第一項第一号においても、周辺事態において我が国からの協力の対象となる米軍は、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っている米軍であることを明記しているわけであります。  それから、日米安保条約上、事前協議の対象となる事態はどういう事態か、こういうことでございますが、日米安保条約第六条の実施に関する岸・ハーター交換公文は、米国軍隊の我が国への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更並びに我が国から行われる戦闘作戦行動、日米安保条約第五条に基づいて行われるものを除く、のための基地としての我が国国内の施設及び区域の使用を我が国政府との事前協議の主題とすることを明確に定めているわけであります。  この三点であります。  それから、この周辺事態安全確保法案の対象から台湾を除外すべきではないかということでありますが、周辺事態の生起する地域は、あらかじめ地理的に特定できません。このような意味で、周辺事態は地理的概念ではありません。ある特定の地域における事態につき、あらかじめこれが周辺事態に当たるか否かの質問に答えることは不可能であります。あらかじめ地理的に定められていないのですから、そこに入るとか除外するとか、そういうことは不可能でございます。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○野呂田国務大臣 余り一括して早口での御質問でしたから、果たして言い尽くせるかどうかわかりませんが……。  とりあえず、周辺事態安全確保法案の、国会承認にすべきじゃないかという御提言だったと思いますが、この法律で言います三つの周辺事態に関する活動は、いずれも、従来から申し上げているとおり、武力の行使を含むものではございませんし、国民の権利義務に直接関係するものでもないことですから、迅速な決定の必要性も含め、総合的に勘案すれば、基本計画を国会に遅滞なく報告し、議論の対象としていただくことは、私どもは妥当なことであると考えております。  それから、周辺事態の地方自治体の協力でございますが、これは、二月の三日に内閣と防衛庁と外務省が統一見解をつくりまして、十項目ばかりの、地方公共団体がこの安全確保法九条において想定される協力項目というものを決めさせていただきました。  これは、先ほども、日本は協力することが当然だと私がお話をしたということを引いてお話がありましたが、私は、再三再四、地方公共団体は協力を拒否することは自由である、しかも、この法律には罰則規定がないから拒否しても罰せられることはない、それから、さらに、これはそれぞれの個別法、例えば港湾法なら港湾法で、それぞれ法令や条例に定めがあって、そういう法令、条例に覊束されることがある、こういうことをお断りした上で、私の信条としては、国の存立にかかわるようなことでありますから、協力していただけるものだと思うということを申し上げたわけでございます。  それから、近代戦においては前方と後方の区別がなくなるんじゃないかということでありますが、私どもは、これを簡単にと言っても、なかなか難しい問題を聞かれているわけでございますから、ちょっとしゃべらせていただきたいと思うんですが、後方地域支援というのは後方地域で行われるわけで、後方地域の定義はもう先生がよくよく御存じのことであります。  ですから、私どもは、武力と一体化になるということは全く想定しておりません。しかも、実施区域の全部または一部がこの法律に定められた要件等を満たさない状態になれば、直ちに実施区域の変更をしたり行為の中断をするわけでありますから、間違っても武力行為と一体になることはない、こういう確信を持って提案させていただいている次第でございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 終わりますが、今の、この予算関連という形でこの論議もなされました。場外では修正の話かれこれも既に出ているようでございますが、これから審議するものを修正云々という話が出ているのであれば、私たち社会民主党は新たに法案を出し直すということを要求して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山委員長 これにて濱田君の質疑は終了いたしました。  これをもちまして締めくくり総括質疑は終了いたしました。  以上をもちまして平成十一年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。  次回は、明十九日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時四十九分散会

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