予算委員会 第6号
- 発言数
- 353 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1999/01/29
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算、平成十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。生方幸夫君。
○生方委員 おはようございます。民主党の生方幸夫でございます。一時間半、総理並びに各閣僚の皆様方に質問をさせていただきます。 まず、安全保障の問題から御質問させていただきたいと思います。 この間、予算委員会の総括委員会で、ガイドラインの問題、多国籍軍の問題、いろいろ論じられてまいりました。 私は、日本の安全保障ということを考える場合、まず、日本国民の安全をどう守るのかという視点が一点、日本が世界の平和にどのように貢献できるのか、そういう点が一点、その相互が密接に関係して初めて日本の安全保障というものが考えられるというふうに考えております。 これまでの論議を聞いていますと、どうしても軍事的な面ばかりに目がいってしまい、全体的なところに私は目がいっていないんではないかなという気がいたします。私は、もっと日本が強調していいのは、軍事的な面における貢献というよりも、経済的な面において日本が世界の平和にいかに貢献してきたのか、この面にもっと着目をする必要があるのではないかというふうに考えております。 日本には憲法がございまして、憲法九条の規定によって、武力によって世界平和には貢献しないということを世界に高らかに宣言をしているわけでございます。そのかわりというわけではございませんが、日本は経済的に世界に非常に大きな貢献をしてきた、そのことが世界平和に大きく役立ってきたということをもっと私は強調しなければいけないんではないかというふうに考えております。 東西の冷戦が崩壊した後、大きな戦争はなくなるであろうというような期待が一時持たれておりましたが、宗教的な問題とか民族的な問題、そうした対立がございまして、地域紛争というのが絶えないのは、これは事実でございます。 しかしながら、その根本をたどっていくと、やはりそこには経済的な不安あるいは貧困というものが根本にあるのではないか。したがって、貧困さえきっちり解決できれば、世界における紛争というものはかなりの面解決できるのではないかと私は考えております。 そこで、総理にお伺いしたいんですが、日本の世界に対する貢献というものは、経済に対する貢献というのは非常に大きいものがあるというふうに思っております。 例えば、多国籍軍というものを派遣する可能性がある国連に対しても、日本の分担金というのは、九八年度一億八千九百万ドル、約二〇%拠出をしております。一位はアメリカで二五%でございますが、御承知のとおり、アメリカは三億七千万ドル滞納しておりますので、実質的には日本の貢献というのが国連においても一番大きいのは総理御存じのとおりでございます。 また、日本のODAを見ても、ドルでいいますと、九七年度の数字が一番新しいんですが、それで見ますと、九十四億ドル、シェアは一九・七%で、これももちろん世界第一位でございます。これ以外に、政府の資金援助が約四十四億ドル、民間資金が二百三億ドル、トータル三千四百三十三億ドル。円に直しますと大体百二十兆円もの海外支援というものを送っております。 このほかに、IMFへの出資金が九八年度で百八十億ドルあって、これは世界第二位でございます。また、世銀への出資金も百五十三億ドルあり、米国に次いで二位、このようになっております。また、今非常に問題になっておりますが、北朝鮮のKEDOに対しても十億ドルを拠出する予定になっております。 こうしたお金が、お金を稼ぐのには日本国民が大変な努力をしてお金を稼いでいて、そのお金を世界に向けて出していて、それが世界平和に非常に貢献している。いろいろな面で世界平和に貢献する道があると思います。これは、軍事的な貢献というのもあるでしょうし、人的援助という貢献もあるでしょうが、やはり、日本は経済において世界平和に非常に貢献しているんだということをもっと私は高らかに宣言をする必要があるんではないか。 アジアにおきましては、ともすれば、軍事的に日本が平和に貢献しようとしても抵抗があるわけで、かえって軍事的なスタンスを強めれば強めるほど、平和に貢献という私たちの意図に反することにもなってしまうわけで、その経済的な面における貢献、あるいは技術的な面における貢献、人的支援における貢献というものをもっと私は強調するべきだと思いますが、総理のお考えはいかがでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 結論を申し上げれば、全く生方委員の御指摘のとおりだろうと思っておりますし、日本といたしましては、御指摘にありましたように、国連に対する協力や、あるいはまた世界各国に対してのODAを通じての支援、そしてまた国際機関に対する出資その他、また北朝鮮のエネルギー開発についての十億ドルのコミットメント等、日本としては最大限貢献いたしておるところでございます。 これを世界に向けて高らかに、こうおっしゃられますが、日本としては、地道にみずからの力を世界の平和と安定のために全力で貢献し、このことについては国民の皆さんの御支持もあってそうしたことがかなっておる、こう考えております。 そういった意味におきましては、日本としては、着実な世界に対する貢献につきまして、これを実行しておるところでございますが、日本の国民の皆さんにも、このことを十分国内的にも理解を求めませんと、タックスペイヤーとしてそれだけの世界に向けての個々の方々の努力というものについての理解が深まらないと、やはり今後ともこのことを継続することはかなわないわけですから、ぜひそれは続けていかなければならぬと思うと同時に、国際社会におきましても、やはりこの点については、日本がこれだけ努力し、苦労し、そして貢献しておるということにつきましての状況については、可能な限り理解を深める努力をしていきたいと思っております。 ただ、直接的に日本の貢献についてこれを評価されるところもありますが、同時に、世界のそれぞれの国々におきましても、日本のこうした対応については、事あるたびに非常に日本の努力を評価しておることはしばしばお聞きをするところでございますので、あえて日本としてはかくかくしかじかということを言わなくても、かなり日本のこうした誠意ある努力については理解が深まっておると私は思っておりますが、御指摘の点はまことにそのとおりでありますので、さらに実質的な貢献を続けることによって、より一層世界の中で我が国の果たすべき役割を実行していかなければならない、こう考えております。
○生方委員 まさに軍事的貢献にまさるとも劣らないという面が、私は本当に重要だと思っております。 野中長官にお伺いしたいのですが、私は、野中長官のあの永年勤続の演説を聞きまして、非常に感動した一人であるのですが、その軍事的貢献にまさるとも劣らないという点をもっと日本は強調するべきだ。今総理もそのようにおっしゃっていましたが、余り声高らかに宣言するほどのものではないというふうにおっしゃっていましたが、やはりそこをもっと強調すれば、軍事的に貢献しろという声よりも、むしろ世界全体的に見れば、経済的に、あるいは人的な交流、そういう面でもっと貢献してほしいという声の方が大きいと思うので、そういうことを前提にすれば、今のガイドラインあるいは多国籍軍に対する援助という面の論議も少し変わった視点になってくるんじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○野中国務大臣 先生御指摘のとおりだと私は思うわけでございます。 わけて私どものように戦争最後の世代というのは、あの幾千万の犠牲を出し、そして国内におきましても、広島、長崎を初め、多くの空襲によって人命を失い、被害を受けて、そして、その犠牲の上に今日の五十数年の繁栄があるわけでございまして、おかげで私どもは、あと一年も戦争が続いておったらこの世に存在をしておらない人間でございますだけに、平和をどのようにして構築していくかということに使命感を感ずる世代でございます。 それだけに、委員が御指摘になりましたように、軍事的な貢献より経済的あるいは人的、今既に災害救助隊とかあるいは青年海外協力隊とか、ボランティア活動が海外に出、そしてODAを初めとする海外への経済的支援が行われておるわけでございます。 こういう問題を通じて、また経済協力も、札束で、あるいは日本の利権で、相手国の心を非常に傷つけるような状態じゃなしに、謙虚に、そして何がその国にとって役立つかを重点に置いて、より積極的に進めてまいらなくてはならないことであろうと思っておるわけでございます。総理が世界へのかけ橋ということを施政方針で言われましたけれども、まさしくそれはそこに原点を置いて言っておられると思うわけでございます。 今後、アジアを中心として、特に発展途上国等に対する心配りを、委員がおっしゃったような気持ちを大切にしてやっていかなくてはならないと思うわけでございます。
○生方委員 今回のコロンビアの地震に際して援助隊を送ったのは、非常に私は素早くていい措置だったというふうに思っております。こうしたことを重ねていけば、日本は経済、いわゆる昔のエコノミックアニマルというような批判だけではなくて、日本も非常に貢献してくれているというのが目に見えてわかってきて、国際的な立場における日本の発言権というものも大きくなってくるというふうに私は確信をいたしております。 さはさりながら、現実の問題としては、北朝鮮に実際の脅威があるということは事実でございます。ミサイルが飛んできたり、向こうの新聞に日本を標的にしたようなイラストが出たりすること、日本国民の一人として極めて不愉快であることは事実でございます。しかしながら、それに怒って軍事には軍事で対抗したというのでは、これは平和を守れるわけはないわけでございます。小渕総理もおっしゃっておりますように、やはり対話というものが非常に重要だと思っております。 政府におきましても、非常な努力をなさっているというふうに思いますが、現在、北朝鮮との対話の窓口を開くためにどのようなことをおやりになっていて、どの程度まで窓口が開きつつあるのか、そこの点についてお伺いをしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 私、外務大臣時代からもそうでありますが、広く門戸を北朝鮮が開いていただくために、太陽政策ということではありませんが、日本としては常に対話と交流を深めるためにいろいろなメッセージを出させていただいておりましたし、それ以前から、特に食糧事情が大変厳しいというようなこともございまして、私も、党の副総裁をいたしておりますときに五十万トン、それからまた外務大臣になりましてからも七万トンの食糧、米の援助等をいたしておるわけでございまして、そうしたことがきっかけになって対話が深まるということが望ましい。そして、どうしても、最も近くて近い国であるべきなのが遠い国になっておるという現状から考えまして、一日も早く国交を正常化するというために全力を挙げておるわけでございます。 御指摘のように、どのようなパイプを通じてということでございますが、残念ながら政府間の交渉が途絶えてきておりますから、これを何とか一日も早く再開のできるようにということでありますし、また、その他、多くの方々が熱心に取り組んでいただいておりまして、ここにおられる中山予算委員長も議員という立場でいろいろの御苦労をされておると聞いております。そうした議員交流を通じてのパイプを、できる限り熱心に取り組んでいただいて、これは各党各派、御努力いただいておるようでございます。 そうした国交のない国における関係をいかに構築するかという問題は、なかなか過去、歴史的にも難しいことでありますけれども、政府といたしましては、接触の場というのはいろいろの場面であるかと思いますし、また国連におきましては、双方加盟国であるというようなこともございますので、積極的なアプローチをさせていただきながら、できる限りその接触の場を広げていくということが必要だと思います。ただ、国交がないだけに、相手国も極めてナーバスであり、かつ慎重であるだろうとは思います。ですから、公の場としては、米国と北朝鮮との間の会議が継続的に持たれていること、あるいは四カ国における会議等がございますから、そうした場所に対しましての日本側としてのアプローチということもあろうかと思います。 いずれにいたしましても、この日本国内にも多くの在日朝鮮人の方々もおられるわけでございまして、そういう意味では、最もいろいろな形で交流があってしかるべきだと思っております。 願わくば、改めてこの場所で、施政方針演説でも私申し上げましたけれども、私といたしましては、北に対しまして、積極的な交流も図る立場で強いメッセージを発しておりますので、それに対する応答があってほしい、こう願って、再三申し上げさせていただいておるところでございます。
○生方委員 二国間の協議も非常に大事でございますが、今総理もお触れになられましたように、四カ国協議というのが行われておりますね。あれ、私、テレビでいつも見ておって、何でここに日本が入ってないんだろうと。総理も、入れてくれ、ロシアと日本を入れろというようなことを要求なさったということですが、四カ国協議という正式な場があって、ここは一応定期的に会議が開かれているわけで、やはり朝鮮半島の平和と安定というのは日本の平和と安定にとっても非常に密接にかかわってくるわけでございますから、四者協議に日本が加わるということをもっと積極的に日本として主張するべきだと私は思うのですが、いかがでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 四者会合は、これは経緯がありまして、既に継続いたしておりますから、正直申し上げて、そこに参加することを強く要請するということも一つだろうと思います。 と同時に、北朝鮮をめぐりまして、この地域の安定、平和ということを考えますと、関係する国としては、実はロシアもございますし、当然我が国もございますので、そういう意味で、四者プラス二国ということで提唱をかねていたしておるところでございますが、まだそれに対する最終結論はありませんが、これも積極的に進めてまいりたいと思っております。
○生方委員 重ねての質問で申しわけないのですが、これは具体的にはどこに、四カ国全部に日本を入れてくれということを言っているのですか、それとも、どこか特定の国に対して日本も入れるべきだというふうに主張をなさっておるのですか、どちらでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 六カ国会合を持ちたいということで、関係する国々のトップの皆さんにお話をいたしておりまして、米国、ロシアそして韓国、こういった国々の首脳は私の考え方に賛意を表していただいておりますが、まだ関係する国々もありますので、積極的に努力してみたいと思っております。
○生方委員 私としては、なるべく早く四カ国協議の中に日本も加わって、やはり日本も入っていないと安定ということはあり得ないわけですから、話し合いを続けていっていただきたいというふうに考えております。 それから、北朝鮮の問題でございますが、三月危機説等いろいろなことが言われております。そうしたことが出てくるのも、基本的に、私たちが北朝鮮に対する情報をほとんど持っていないということがあるんだというふうに思っております。 高村大臣にお伺いしたいのですが、北朝鮮のミサイルが現在どの程度まで配備をされておるのか、どの程度まで開発が進んでおるのかということが一点と、地下核施設の疑惑ということが言われておりますが、日本としては、その地下核施設というふうに言われている部分に対してどんな情報をお持ちになって、どのように理解しているのか、そこをお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 ミサイルについてでありますが、八月三十一日にミサイル発射があったと。あのミサイルの第一段階目にはノドンが使われていたということで、ノドンの開発は終了して、既に配備に入っている可能性が高い、こういうふうに思っております。 それから、テポドンでありますが、八月三十一日の発射によって、その関連技術、各段階の切り離しの技術だとか姿勢制御の技術、かなりの段階で検証をされたということで、開発がかなりの勢いで進んでいるということだと思いますが、配備に入っているかどうかということは全くわからないということであります。 それから、秘密核施設の疑惑でありますが、これはまさに疑惑でありまして、どの程度ということはなかなか難しいわけでありますが、ぜひこれは査察に応じて、国際社会に対する懸念を晴らしてもらいたいものだ、こういうふうに思っているわけでありますが、日米韓、緊密に対処して、ぜひこの査察は北朝鮮に認めてもらうようにしなければいけない、こういうふうに思っております。
○生方委員 地下核施設の疑惑については、一カ所がとりあえず今クローズアップされているようですけれども、何カ所もあるんだという新聞報道もなされておりますが、何カ所ぐらいあるというふうに今高村大臣は知っておられるわけですか。
○高村国務大臣 今クローズアップして査察の問題、現実に査察をしようとしているのは、一カ所であります。 その他、三カ所とか何カ所とかいろいろ取りざたされていますが、正確には知りません。
○生方委員 やはり、正確な情報というものをつかんでおくことが、事態が仮に起こったときの対処の仕方になると思いますので、その辺は十分に情報を収集してほしいというふうに考えております。 それで、これまでこの総括質問の中で、ガイドラインあるいは多国籍軍に関していろいろな質問がなされておりまして、政府側の答弁もいろいろな答弁が出ておりまして、どれが本当の政府見解なのかわからない部分もございますので、ここで整理して質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、もう何度も出ておりますが、周辺事態に関して、地理的概念である、あるいは概念でないというような論議がずっとなされておって、最終的には、地理的概念であるというふうに政府側答弁が統一をされつつあるのかなという気もするんですが、もちろん、政府側としてはっきり、地理的概念であって、どことどこをどうだというふうに特定してしまうことが、防衛上あるいは外交上好ましくないというふうに考えているのはわかりますが、私たちの懸念というのは、自衛隊の活動がどこまでもいってしまう危険性があるので、地理的概念というか、ある程度の場所は特定をしておくべきだというような考え方に立って質問をさせていただいているので、現在の時点でというか、政府の統一見解として、周辺事態の周辺というのが地理的概念であるとすれば、どこら辺までを言うのか、もう一度重ねてお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 周辺事態とは、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であり、その事態の規模、態様等を総合的に勘案して判断をいたします。したがって、その生起する地域をあらかじめ地理的に特定することはできません。このような意味で、周辺事態は地理的概念ではない、こういうことを従来から申し上げてきているところであります。 他方、周辺事態は、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態でありますから、現実の問題として、地球の裏側において生起するようなことは想定されない、このような事態が生起する地域にはおのずと限界がある、こういうふうに思っております。 私が、地理的な要素が全くないかというとそうではないということをこの委員会で述べているわけでありますが、まさにそれは、今申し上げた、現実の問題として地球の裏側において生起するようなことは想定されないから、おのずと限界があるということの意味で申し上げたことであります。
○生方委員 総理にお伺いしたいのですが、総理は、我が党の菅代表の質問に対して、ガイドラインは日米安保条約の対象の範囲を超えるのかという質問に対して、あり得ないというふうに答えております。この日米安保条約の範囲というのは、きのうも質問に出ておりましたですが、フィリピン以北日本の周辺というふうになっておるのですが、この範囲と重なるというふうに考えてよろしいんでしょうか。もう一度。菅代表の質問に対してはあり得ないというふうに答えているので、日米安保条約がいわば適用される範囲内のことであるというふうに私たちは理解するのですが、それでよろしいのでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 日米安保条約の目的は、言うまでもありませんが、我が国及び極東の平和と安全の維持であることは申すまでもありません。 そこで、今般の周辺事態安全確保法は、我が国の平和と安全の確保に資することを目的といたしておりまして、我が国の安全に着目しておることは、これまたしばしば申し上げているところでございます。 したがいまして、周辺事態安全確保法は、日米安保条約の目的の枠内であり、日米安保条約を超えるものでない、これが確たる答弁とさせていただきたいと思います。
○生方委員 ということは、日米安保条約が想定している範囲の中だというふうに考えてよろしいということですね。
○小渕内閣総理大臣 周辺事態につきましては、これはしばしば政府統一で答弁をいたしておるところでございますが、このような周辺事態につきまして、極東における国際の平和と安全の維持といった観点でなく、あくまでも我が国の平和と安全に重要な影響を及ぼすか否かに着目いたしておることも、これまた申し上げているところでございます。したがいまして、周辺事態と極東との間の地理的な関係を一概に論じることはできないということでございます。 他方、周辺事態が我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態であることから、現実の問題として、これも申し上げておりますが、地球の裏側において生起することは想定されず、このような事態が生起する地域にはおのずと限界があるということでございます。
○生方委員 重ねての質問なんですけれども、そうしますと、我が党の菅代表に対して絶対あり得ないことでございますというふうに答えたのは、これは間違いであったということでよろしいんですか。 今ここにあります。ちょっと読みます。「先ほどは日米安保条約というものを円滑にかつ有効に運用するということで言われて、ということは、当然、日米安保条約が対象としている範囲の中でということになるんじゃないですかと言ったら、いや、今度は」云々というふうになっておって、日米安保条約の対象範囲を、「絶対あり得ないことでございます。」というふうにお答えになっているわけでございます。 これを普通に読むと、日米安保条約の適用の範囲内で周辺事態というのは考えられているというふうに読めるのですが、今の総理の答弁とは若干食い違っているようなんですけれども、どちらが正しいんでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 食い違っておるとは思いませんで、日米安保条約の目的の枠内で、この安保条約を超えるものでないというのは、確定したお答えと御理解いただきたいと思います。
○生方委員 きのうも出ておりましたですが、日米安保条約の適用範囲というのは、国会答弁で、大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺地域というふうに安保条約ではされてまいりましたが、そうしますと、この範囲を超えることもあるということですか。
○高村国務大臣 今委員がおっしゃったのは、極東の範囲だと思うんです。だから、極東の平和と安全を守るためにあるんですが、その統一見解の後に、米軍の行動範囲はそこに特定されない、局限されないと書いてあるということは事実であります。
○生方委員 どうも話がわからなくなっちゃうんですが、そうしますと、安保条約が言っているところの適用範囲を超えることもあり得るというふうに解釈をしていいのか、それとも、適用の範囲内なのか、その一点だけお伺いしたいんですが。
○高村国務大臣 総理がおっしゃっている、あるいは政府全体が繰り返して申し上げているのは、安保条約の目的の範囲内だと。ですから、安保条約における米軍の活動範囲というのは、安保条約において、地理的に明確な形でここからここまでだということは画定されていないわけであります。
○生方委員 これはここで押し問答していてもしようがないので、実際の各法案に入ったときに論議をするべき問題かとも思いますので、ここでやめておきます。 もう一点確認をしたいんですが、周辺事態というのが発生する、そしてそれに基づいて計画を立てるということですが、周辺事態というのをどのように、何を基準にして、どこの部署がどういうふうに認定をするのか、それをお伺いしたいんですが。
○野呂田国務大臣 ある事態が周辺事態に該当するか否か、あるいは周辺事態に際していかなる措置を実施するかにつきましては、日米両政府がおのおの国益確保の見地から、その時点の状況を総合的に見た上で主体的に判断するということとなります。その際に、日米両国間においては、随時密接に行われている情報交換、政策協議が一層緊密にそういう事態が接近してくると行われます。こういうような事態につきまして共通の認識がさらに共有されることになる、そういう努力が払われるということになろうかと思います。 この法律には、内閣総理大臣は、この周辺事態に際しては、特定の対応措置を実施する必要があると認められる場合、当該措置を実施すること及び対応措置に関する基本計画の案につき閣議の決定を求めることとされております。政府においては、これに先立ち、安全保障会議における審議を行うこととなっております。 こういうことで、基本計画が内閣の判断と責任において閣議で決定された後、遅滞なく国会に報告される、国会における議論を踏まえつつ対応措置が実施されていく、こういうことで法律上は手順が決められているわけであります。
○生方委員 今のお答えを確認したいんですが、周辺事態を認定するのは内閣だということでよろしいんですか。
○野呂田国務大臣 これは冒頭で申し上げたとおり、日米両国政府がおのおの国益確保の見地から、その時点の状況を総合的に見た上で主体的に判断することになりますが、我が国のこの法律に関して、我が国のとるべき措置は、総理大臣が対応措置を講ずる必要があると認められる場合、対応措置を実施することやあるいは対応措置に関する基本計画の案につき閣議を求めて決定する、その前に安全保障会議等をやる、そして基本計画が閣議で決定された後、国会に報告するという手順になっておるという意味でございます。
○生方委員 よくわからないのですが、総理にお伺いしたいのですが、今のお話では、内閣が措置をとるということはわかりました。ただ、周辺事態の認定自体は、内閣が独自に行うことができるのか、あるいは日米両国政府が同時に行うものなのか。日本が単独で周辺事態というふうに判断をするのか、そこの点をお伺いしたいと思います。
○野呂田国務大臣 何度も申し上げておりますとおり、日米両国政府がおのおの国益確保の見地から、その時点の状況を総合的に見た上で、主体的に判断するのであります。両国政府が主体的にそれぞれ判断する、こういうことになりますが、我が国においては先ほど申し上げたような手順でやるということになるわけです。
○生方委員 そうしますと、例えば、アメリカが周辺事態であるというふうに認定して、日本は周辺事態ではないというふうに認定するということも、主体的に判断するということではあり得るわけですね。あり得るということですか。
○野呂田国務大臣 これは観念的にはあり得ると思いますが、こういう事態が到来する以前から緻密な連絡、情報交換あるいは協議を重ねておりますから、実態上、両方の判断がそごをするなんという事態は全く想定されておりません。
○生方委員 それでは、その周辺事態そのものに対して、どういう事態を周辺事態と言うのか、ある程度の目安というのですか、めどというのですか、こういうことが発生したらこれは周辺事態であるという目安というのは、総理、お持ちになっておるのでしょうか。
○野呂田国務大臣 今からいろいろなことを想定するわけにはいきませんが、あえて求められるとすれば、例えば、日本の周辺において日本の平和と安全を阻害するような武力紛争が発生した場合、あるいは武力紛争が差し迫っている場合、あるいは、ある国の革命とか何かで大量の難民が出て、日本に大量の難民が押し寄せてくるような場合、そういうようなことが具体的な事案として考えられると思います。
○生方委員 その事態が起こった、周辺事態を宣言した場合は速やかに国会に報告をするということになっておりますが、承認という問題を私たちは求めているわけでございます。 この承認に関して、総理、今までの答弁を聞いておりますと、ある程度前向きなお答えも聞いておるのですけれども、国会承認にする、報告ではなく承認に変えるということについて、もう一度総理の御意見をお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 今国会、本会議等でこの問題について各党からもお尋ねをいただいておりますが、現政府として、法案を提出させていただいておることにつきましては、しばしば申し上げておりますように、周辺事態への対応が武力の行使を含むものでないこと、国民の権利義務に直接関係するものでないこと、かつ迅速な決定を行う必要性があること等、総合的に勘案をいたしますれば、政府としての対応は、今回の法案における基本計画について、必ずしも国会の承認を得なければならないものでなく、国会に遅滞なく報告し議論の対象としていただくことが妥当であると考えております。 今の点につきましては、ぜひ何とぞ国会におきましても十分御議論をいただきたい、こう願っております。
○生方委員 これは各法案のときの論議で、また修正等論議されると思いますので、ここでやめておきます。 もう一点だけお伺いしたいのですが、きのうの野呂田防衛庁長官の答弁の中で、自治体の協力についての発言がございました。これについて、一定の行為をなすべき一般的な義務づけをしたということを述べて、米軍への支援活動などの協力は自治体の義務であるということを明確にしたというふうになっておるのですが、これは義務というふうに考えてよろしいのですか。
○野呂田国務大臣 私は一般的な協力義務という言葉を使いましたが、もちろん、この義務は法律上強制力を伴うものでは必ずしもないと思います。
○生方委員 ということは、義務だとすれば、義務に違反した場合はある程度罰則なりあるいは強制するということができるわけですが、そうではなくて、あくまでも、自治体が協力するしないは自治体の自主的な判断において行えるということでよろしいわけですか。
○野呂田国務大臣 この法案の第九条第一項における協力の求めとは、地方公共団体の有する権限の公共的性格及び他に代替手段を求めることは困難であるという事情にかんがみまして、個別の法令や条例に基づいて権限を適切に行使することを求めているものであります。一般的な協力義務とは、したがって、地方公共団体の長がこうした求めに応じて権限を行使することを法的に期待される立場に置かれることを意味するものであります。 協力しない場合に違法となるのかということでありますが、この九条第一項は、地方公共団体の長が同項による協力の求めに応じないことをもって直ちに違法とするものではございません。正当な理由がある場合には、これを拒むことを排除するものではないと考えます。 正当な理由であるかどうかは、本法、法案の第一項に基づく協力の求めを受けたということを前提としつつ、当該個別の法令、条例に照らして判断されることになると思います。
○生方委員 そうしますと、この義務というのはあくまでも一般的な意味における義務ということであって、義務が発生するという意味の義務ではないというふうに解釈してよろしいということですね。もう一度確認で。
○野呂田国務大臣 そう言ってよろしいと思います。
○生方委員 ガイドラインの問題は、後ほど特別委員会もつくられるようでございますので、そこで論議をしていきたいと思います。 次に、今年度予算の問題について質問させていただきます。 これはもう去年の国会でも何度も私も質問をさせていただきましたが、そもそも今回の不況が起きた最大の原因は、一昨年の財革法、あれを無理やり通してしまって去年デフレ予算を組んでしまったことにあるというふうに私は解釈をしております。政府は、私たちが、こんな予算を通してしまったら非常に不景気になりますよと言ったにもかかわらず、デフレ予算を通してしまい、その後すぐに大型の補正予算を組んで、三次にわたる補正予算というのを組んできたわけでございます。 それで今度の予算編成になったわけですが、今度の予算編成、今までやはりあらゆるところを切り詰めて、財革だ財革だ、財政構造を改革しなければいけないというふうに言ってきたにもかかわらず、今度は一遍にそのたがが外れてしまいまして、八十一兆円という非常に多額のお金、これは八十一兆円の財源が全部あればいいのですけれども、そのうちの三十一兆円は国債を発行してまで賄わなければいけない、つまり将来の世代から借金をしてまで賄わなければいけない八十一兆円という膨大な予算を今度は組んでしまった。組んでしまって、これは宮澤大蔵大臣も、大魔神が一回から登場してきてしまったようなものだ、後がないというふうにおっしゃっておりますが。 これで本当に、私たちも景気がよくなることをもちろん期待もしますし、景気がよくなってくれなければ困るわけですけれども、その財政、今出されております予算の中身を見ますと、残念ながら、私たちが批判してきたように、これまでの公共投資中心型の予算、それも、中身が余り、総理がおっしゃるように二十一世紀型の投資というものになっていないように感じられますので、額は非常に大きいのですけれども、本当にこれで景気が回復するのかどうか。これは市場も含めて、極めて疑問を持っているところでございます。 政府は経済成長見通しとして〇・五%を挙げておりますが、現実にことしの経済成長見通しもさらに下方修正をされなければいけないというような事態が起こっている中で、宮澤大蔵大臣にまずお伺いしたいのですが、本当にこの予算で〇・五%成長が可能であるというふうに、現時点でもまだお考えになっておりますでしょうか。
○宮澤国務大臣 そう考えております。
○生方委員 堺屋長官も同じような考えでございますか。
○堺屋国務大臣 もちろんそのように考えております。 この際、小渕内閣が今とっております経済政策の全貌について、時間をとらせていただくと恐縮でございますので、ごく少しお話しさせていただきたいと思います。 小渕内閣の経済政策は、何度も申しておりますように、金融と需要と雇用の三点で不況の環を断ち切ることにしておりますが、特に御質問の需要につきましては、非常に丹念に調べております。 まず、公共事業を中心とする需要創造でございますけれども、この点では、景気に対する即効性、需要に対する波及性、そして技術や社会に対する未来性という三つの観点からプロジェクトを選ぶようにしております。もちろん、この三つを共有しているプロジェクトがあればそれが最良なんですが、それだけでは余り金額が乗りません。規模がありませんので、需要に対する即効性を重視したようなプロジェクトもやはり加わっているということであります。 それから、もう一つは税制でございますが、これも再三委員の方々から質問がございましたので答えさせていただきたいと思うのでございますが、まず、個人減税について、四兆円、四兆円と言うけれども、十年度の特別減税と同じじゃないかという質問がございます。 十年度は緊急避難的なものでございまして、定額減税をいたしました。これで四百九十一万円ぐらいまで平均世帯で税金がかからなくなるというのは、いい形だとは思っておりません。三百六十万円ぐらいの方と四百九十万円ぐらいの方とは、やはり国に対する責任も社会に対する状況も違うものですから、これを全部一律に無税にした十年度のやり方、特別減税というのは、あくまでも緊急避難的なものだ。 じゃ、改めて税金を減税するとき、どういうような所得体系をとったらいいか。これでしばしば誤解が、誤解といいますか、言われておりますのは、低所得者に減税をした方が需要効果が大きいではないかという話でございますけれども、確かに昔はそうでございましたし、私たちも大学でマルクス経済学を習ったときにはそのように習いました。 ところが、最近になりまして、特に八〇年度以降、我が国におきましては、低額所得者の消費性向がどんどん下がってまいりまして、必ずしも低額所得者の方々が限界消費性向が高いとは限りません。特に八五年から九〇年あたりをとりますと、所得第一階位の方、九七年でいいますと、たまたま偶然にも四百九十四万円ぐらいになるのでございますけれども、それぐらいの方々の限界消費性向というのがかなり低くなっておりまして、六二・数%でございます。所得第五階位というのは所得の高い方の方でございますが、こちらの方がわずかながら高いというような状況です。家族別あるいは年齢別、いろいろなことを考えますと、低額所得者、特に三百六十一万円から三百九十一万円という特別減税で引いたところの部分が一番効果があるとはとても言えない、立証できないような状況でございます。 それに比べて、今何が問題かといいますと、自営業がどんどん減っておりまして、自分のリスクで事業を起こして、それで財をなしても、なかなか税金が高くて夢が持てない、あるいは、若いときに非常に稼げて、一時的に稼げるような職業の方々、コンピューターの関係とかあるいは芸能、運動の関係の方々とか、こういう方々が、上がったときだけぽんと頭はねされるというようなことがありまして、みんなが大組織、安全第一で、自営業に業を起こす人が減って、夢がなくなっている。 そういうようなことを中長期的に考えますと、いかなる税制が今一番減税の範囲内で効果があるかということを十分考慮いたしまして、そして、ことしの頭打ち、最高税率、地方税を含めて五〇%、それから定率減税というのをかけ合わせております。 そういうように、単にお金をつけたとか減税をしたとかだけではなしに、それぞれの分野について、かなり、かなりといいますか、我々としてはできる限りの分析をいたしまして、最良の手を打っております。したがって、〇・五%の成長は底がたいものだと信じております。
○生方委員 税理論的、あるいは需要を喚起するという面から、税率を下げる方が効果があるということは、仮に理解したとしても、現実に去年に比べれば増税になる方たちが多いということの心理的影響というのは、かなりやはり私は大きいと言わざるを得ないと思うんですが、そこの点はどういうふうにお考えになっているんですか。
○堺屋国務大臣 先ほども申し上げましたように、十年度の特別減税というのは、あくまでも緊急避難的なものでございまして、それを前提に比較していただくと、極めて、まあ言葉が悪いかもしれませんが、ゆがんだ形と比較するようになりますから、これと比較されるのはいかがなものかと考えております。 また、需要の面でいいますと、先日、自由党の鈴木先生からも御指摘のありました異時点需要転換につきましても、住宅と情報機器の二年間の減税というようなことで採用させていただいておりまして、我々といたしましては、最良の形ということでこの案を提案させていただいているわけでございます。
○生方委員 今住宅の問題が出ましたので、住宅のことについてお伺いをしたいんですが、住宅ローン減税というのを今度取り入れていただきました。これによってかなりの額が住宅を取得する場合に有利になるということは、私もよく理解をしております。 しかしながら、昨年の暮れに長期金利が上がったということがございまして、これは一たんまた今落ちついておりますが、ことしも国債を三十一兆円、来年度以降も、仮に予算の伸びがゼロだとしても、大蔵省の試算でも毎年二十九兆円ぐらいずつ国債を発行しなければいけない。当然、それは、国債の発行高がふえてくれば、需要と供給の関係から債券価格が下がってきますから、金利は上がらざるを得ない、長期的には金利が上がっていかざるを得ないということになると思います。 私、どのぐらい金利が上がると今度の住宅ローン減税との差がひっくり返るのかということを調べてまいりました。 これは、まあいろいろな数字のとり方がございますので、これだけと言うわけにはいかないんですが、仮に年収が九百万円、それで住宅金融公庫から三千万円を借り入れたといたします。そうしますと、現行ですと、六年間で、今までの住宅取得促進税制でいいますと百七十万円、これで減税される。ところで、今回の改正案では、十五年間で三百七十四万九千三百円、これは住宅ローンの控除制度を用いた場合、これだけ得になるということでございます。現行の住宅ローンの金利は二・二%でございます。これがどこまで上がるとこの税制改正によるマイナスと金利上昇による負担が逆転するのかといいますと、二・八%になりますとマイナス二十九万円になるというのが出ております。 もう一方、民間の金融機関からの借り入れということで比較をいたしますと、これは年収がちょっと違ってくるんですが、年収七百万円で三千万円を借り入れた場合で計算をいたします。同じように、これは十五年間で、今度の住宅ローン控除制度を用いますと二百五十四万円得になる。現行では六年間で百三十四万円でございますから、差し引き百二十万円、今度の減税によって利益が出るわけです。現在のローン価格が大体三・〇%前後だというふうに解釈をしておりますが、これが幾らまで上がるとマイナスになるかというと、三・三%になるともう既にマイナス二十一万七千五百円になるという結果が出ております。 今は、長期金利、今月に入っては安定をしておりますが、これから先、国債の発行ということに伴って金利が上がっていくことが予想されるわけですが、どこまで上がるか、これはもちろん想像もつかないことでございますが、仮に上がってしまってマイナスになってしまった場合、当然住宅の需要というのは落ち込んでしまうわけですが、そのときにどういうような対策をおとりになろうというふうにお考えになっておりますでしょうか。
○宮澤国務大臣 ただいまのお話は、金利の問題を片方に置いて、このたびの優遇税制を他方に置いて、金利が上がっていけば優遇税制のメリットがそれだけ落ちるではないか、こう言っておられるわけで、それは私は理屈としてそのとおりと思います。 ですから、優遇税制は優遇税制として、やはりぜひ優遇をしたいということを考えておるわけですし、金利は金利でまた別の現象として上がるかもしれない、下がるかもしれない。しかし、それにかかわらず、優遇税制は優遇税制としてやはりやらせていただきたい、こう思っておるわけです。ですから、そうしますと、金利のメリットがそれを消すかどうかという今度御議論になるわけで、であろうとなかろうと優遇税制は優遇税制としてやらせていただきますが。 それで、金利の状況でございますけれども、三十一兆別に借りかえがございますから、全体としては七十兆ぐらいになると思いますが、その全体の六十兆ぐらいのところは、昨年の暮れにシンジケートと話をしておりまして、まあよかろうと、ただ発行条件によりますけれども。そのころにちょっと金利が上がりまして二を超えました。したがって、一月発行分はクーポンレートを二・〇に御承知のようにいたしましたが、その後金利が落ちついてまいりましたので、せんだっての入札ではクーポンレートを一・九に戻しております。 ただいまの指標銘柄の金利は大体一・八五とかなんとか、その辺でございますから、私は、新しい民間の資金需要が起こってまいりましたらこれはこれで好ましいことでございますけれども、今の状況から見ますとなかなかどうも、幸か不幸かそういうことにはならなくて、まあ長期金利というものはこれでほぼ落ちつくのだな、今そう思っております。 他方で、住宅金融公庫の二・二は今度の三月の十二日まで据え置きます。以前には二でございましたから〇・二上がりましたが、今の金利の大きな情勢から見ますと、住宅金融公庫の金利をそう急激に上げなきゃならない状況なのかどうか、注意深くは見守っておりますけれども、今民間の金利としては、一般の長期金利としては落ちついているというふうに私は思っております。
○生方委員 金利がこれから先どうなるか、これはもちろんはっきりわからないわけですけれども。 もう一点大蔵大臣にお伺いしたいのですが、ハマの大魔神が一回から出てきたようだというふうな表現で、これが本当に最後で、ここできっちりと景気を回復させなければいけないという決意のほどはわかるのですが、仮に、去年は第一次、第二次、第三次という補正予算が、かなりの大型の補正予算が組めたわけです。今度はもうその余地が極めて少ないわけですね。 一般的に言われているのは、公共投資が行われる前半はプラスになるかもしれないけれども、後半部分では、もちろん、そこで民間の景気が立ち直ってきて民間の需要が出てくれば、後半それに引っ張られて景気が回復してくるといういい動きになってくるのですけれども、そういうふうにいかないと、後半は息切れをしてしまって、また公共投資といういわばカンフル剤が切れてしまえば景気が後退するのではないかという懸念が一般に多く持たれているわけです。 そのとき政府に手があるのかないのか。もう手がないじゃないかというふうにみんなが、市場が見越してしまえば、景気は先行きさらに悪くなってしまうと思うのですが、大蔵大臣は、仮定の話で申しわけないのですけれども、ことし前半で民需の方にきっちりと火がつかなかった場合の手だてというのはどのようにお考えになっておりますでしょうか。
○宮澤国務大臣 今の息切れのことでございますけれども、昨年の暮れに第三次の補正を認めていただきました。それで、これは相当大きなものを積んでいただきましたが、さかのぼりまして、昨年の当初予算の前倒しというのは八〇%でございまして、かなり進んでおりますものですから、補正分というものはかなりのものが繰り越されるというふうに見ておりまして、したがって、それと合わせますと、例年でございますと秋に切れるかということがございますけれども、ことしはそれがあるものでございますから、恐らく秋に切れることはなかろう。したがいまして、予算ベースでも支出ベースでも、五千億円加えますとほぼ一〇%昨年より水準が高いわけでございますから、まず切れることはなかろう、こう考えております。 それで、おっしゃいますように、普通の経済循環でございましたら、いわゆる第二ロケットに火がつくという場合には設備投資と消費でございますけれども、消費には期待いたしますが、設備投資には実は余り大きな期待ができないと思っておりますものですから、そういう意味で、五千億も加えて一〇%ぐらいな支払いベースを、息切れにならないように組んでおるつもりでございます。
○生方委員 そうしますと、今年度後半も公共投資が切れるということはないというふうに解釈をしている。仮に——どうぞ。
○宮澤国務大臣 そういうふうに考えております。仮に設備投資等々がうまく動いていきませんでも、住宅にはかなりの期待ができるとは思いますが、設備投資に火がつくということはなかなかのことでございますから、それには余り期待せずに、息切れすることはなかろう、こう思っております。
○生方委員 堺屋長官にお伺いしたいのですが、去年の答弁のときに、景気の胎動が見えてきたというふうにおっしゃったわけですが、それで去年の十—十二はプラスになるかもしれぬというような発言もなさっておりますが、一月に入ってまたかなり景気が落ち込んでいるというような見方も出ているわけでございますけれども、その景気の胎動というのは、いまだにまだ胎動しているのか、あるいは胎動がとまってしまったのか、今どのような御認識でございましょうか。
○堺屋国務大臣 景気状況は、全般的に見ると依然として非常に厳しいという判断は変えておりませんが、一部に新しい動きがある、これを去年の暮れから申しております。 去年の十一月あたりは、白物家電や半導体が出ましたし、また、チェーンストアの売り上げなどもふえました。十二月も、失業率がきょう発表でございますけれども、悪くはなっておりません。また、比較的消費の方もそう悪くはなかった。百貨店やチェーンストアの数字が出たときは、かなり悪いんじゃないかという感じがありましたけれども、まあ維持しているような感じがあります。 問題はこの一月に入ってからでございまして、私も夜明けの前が一番暗いと申し上げて、一—三月から、この年の初めからしばらくが大変問題だと思っておりますが、これも、今まで入っている情報でございますと、消費の方はそれほど回復していないようでございます。 ただ、マンションや住宅の動きは、先ほど申しました減税措置等もございまして、かなり見学者がふえ、注文、相談等がふえているというような動きもございます。これがどうなってくれるか。それから、地域振興券なども出ますので、この一—三月のあたりがそれほど悪くならなければ、この胎動がうまくつながっていくんじゃないか。今、かたずをのんでこの消費動向あるいは住宅投資の動向を見守っているところでございます。 確かに、設備投資につきましては十一年度も期待が少のうございまして、私たちの見通しでも五%以上下がるだろうと思っております。
○生方委員 去年の桜の咲くころの例もございますので、胎動がずっと胎動で全然赤ちゃんが生まれてこないというのも困りますので、その辺は私たちも注目をしていきたいというふうに考えております。 それから、もう一点、今度は銀行の問題についてお伺いしたいのですが、先ほどの住宅ローンの金利に関連をすることなんですけれども、住宅ローンは、前回預金金利を引き下げましたが、長期の固定のものはそのままということで、これと預金者の金利との乖離が非常に大きくなっているということについて質問をさせていただきたいと思います。 今、住宅ローンの場合、十年物の固定金利指定型ローンの金利は現行三・八〇%となっております。これに対して、十年満期のスーパー定期、これは三百万円未満でございますが、この金利は〇・八三%しかございません。つまり、この差は実に二・九七%にも広がってきております。三年前にこの両者の差は一・一八%しかなかった。つまり、三年前一・一八%に対して二・九七%ですから、約三倍に金利差が開いている。 銀行側の言い分は、住宅ローンに対してもリスクが高まっているんだから、住宅ローンの金利が高どまりしているのは当然だということになるのですが、私たちから考えれば、結局、銀行の信用力が低下し調達コストが上がっている分、その分を消費者に安易に転嫁をしているだけではないか、あるいは企業に対する融資というものの金利が引き上げられない、その分を消費者に転嫁しているのではないか。したがって、預金金利とローンの金利差が非常に大きくなってしまう。 こういうことは、やはり消費者保護、あるいは消費者に対してきっちりと配慮しなきゃいけないという立場から、監視をしていくべきだ。アメリカなんかでは、これをきっちり監視して、銀行に対して指導するという制度があるようでございますが、これだけ開くというのは、やはり私は銀行側の怠慢であるというふうに考えますので、この辺は、大蔵大臣、何か指導するというつもりがあるのかどうか。指導というのですか、指導するわけにはいかないのでしょうけれども、これを、こういう現実をどのようにお考えになっているか、お考えをお伺いさせていただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 金利の問題でいいますと、長期と短期が非常に今開いておりまして、特に御指摘は、短期金利が〇・三%とかそれぐらいなのにもかかわらず、長期で借りると三%程度取られるという点ではないかと思います。これは、現在の〇・三%というのは非常に低い金利でございまして、十年のローンということになりますと、大きな差になると思います。 それから、十年、長期ローンで、長期金利でも差がかなり開いておりますが、低金利のときの、比率の問題として見ると、非常に大きく開いているのですね。これは、やはり一部不良債権その他の問題もございますし、金融機関としても今再建段階でございますので、営業利益を積みたいところだろうと思います。 そういう点をどの程度市場に任せるのか、行政が関与すべき問題なのか、これは非常に難しい点でございまして、今の状態でございますと、この程度のことは余り行政が関与すべきところではないのじゃないかなという気がしております。 感想で言いますと、もう少し縮めていただきたいとは思いますが、これを行政が関与して縮めるべきかどうかというと、ちょっと行政の過剰関与になるのじゃないかな、こう思っております。
○生方委員 一方で公的資金を何兆円も投じておきながら、預金者に対しては〇・八三%しか預金金利を出さないのに、貸すときには三・八%も取るというのは、これは幾ら何でもちょっと国民の常識からはかけ離れていると思うのです。もうちょっとやはり銀行側の企業努力をきちんと消費者に対してもしなければいけないと思うのですが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 これは、指導のことになりますと金融監督庁のお仕事ですが、おっしゃるような御批判が、時々耳にいたします、私も。
○生方委員 では、監督庁、いかがでございましょうか。
○日野政府委員 金融監督庁といたしましては、金融機関の健全性確保といった観点から検査や監督をさせていただいているわけでございますが、先ほど生方委員が御指摘になりましたように、消費者といった観点からこの問題をどういうふうにとらえるべきかという大変難しい問題があろうかと存じます。 基本的には、先ほど堺屋経済企画庁長官も御答弁になりましたように、これに対して行政がどういうふうに関与していくかというのは大変難しい問題がございますが、金利の決定というのは市場あるいは民民ベースで決定されるものでございますので、公的な権力がこれに介入していくというのはいかがなものかと存じます。 しかし、私どもといたしましては、企業、各金融機関の健全性確保といった観点から、この検査監督を通じてその金利が適正なところに落ち着くことができるように、できればやっていきたいものだというふうに考えているところでございます。
○生方委員 個人消費を喚起するという意味からも、金利は幾ら何でも今は低過ぎる状態でございますので、預金金利ですね、預金金利は引き上げていただきたい。公的資金も入っているわけですから、銀行側にもうちょっと経営努力を続けていただきたいというふうに私は考えております。 それから、次に日債銀の問題について一点お伺いしたいと思います。これは菅代表も質問をしたんですが、もう一度重ねての質問になります。 金融監督庁が日債銀の債務超過、これを認定して結果を示達したのが九八年の十一月十六日。この時点で、三月時点で債務超過であったことが判明をしているわけでございます。それで、実際に特別公的管理というのが開始が決定されたのが十二月十三日で、この間一カ月ぐらい時間があいているわけでございます。この間に、十一月の下旬には日債銀の中間決算の報告というのもなされておるわけでございます。実際に十一月の十六日の時点で債務超過が明らかになっているということは、いずれ公的管理になるということが明らかであるにもかかわらず、十一月の下旬に決算を発表する。決算を発表するということになれば、当然普通の投資家にしてみれば、この銀行は大丈夫であるんだなという判断をするわけでございます。この間一カ月間株が取引をされていて、結果として株価は、百七十円前後で推移していた株がゼロになるわけで、可及的速やかに、本来であれば債務超過が明らかになった時点で市場にそれをディスクローズするというのが原則ではないかというふうに思います。 これは山一証券のときも、簿外債務というのが明らかになってから最終的に山一を倒産させるまでの間に一週間程度あって、その間に空売りというのが、株の空売りですね、というのが行われて、それに対する指導が行われたという経験もあったわけで、この間、何で一カ月間もたってしまったのか、まずそこからお伺いしたいと思います。
○日野政府委員 金融監督庁が一斉の検査に入りまして、確かに先ほど御指摘がありましたように十一月十六日付で検査結果を通知しております。 ただ、これは一般的に申し上げますと、仮に債務超過の銀行といえども、この銀行の場合には、先ほどもお話がありましたように株式市場で百六十円から百七十円という株価をつけておりましたし、通常の営業を続けていたということでございます。そういった意味では、いわゆるソルベンシーではないかもしれませんけれども、リクイディティーの点においては通常の銀行と同じような状態でございました。 それともう一つ、私どもが日債銀との関係で明らかになりましたことは、私どもは債務超過というふうに認定をして、その結果を通知いたしましたが、日債銀の方では、債務超過ではない、こういう主張をしておりました。 その具体的なことをここで一々申し上げるのはなんですが、例えばその具体的な例の一つとしては、日債銀が第二分類に査定しておりました債権につきましては、日債銀自身は、これは自分がコントロールしている債権であるので自分が倒れない限りは、自分自身、つまり日債銀が倒れない限りはその会社も倒れることはないといったような主張をしておりまして、しかし私どもは、やはりその会社であってもそういうことは認められない、それはやはり三分類に属すべきものだといったことで、自己査定と私どもの査定との間に違いがございまして、債務超過を認めておりませんでした。 しかし、私どもといたしましては、やはりこれは債務超過であるという認定をした上で、先ほど申し上げましたように、現に営業を続け、かつ株価も相当の水準でございましたので、直ちに営業停止とかあるいは債務超過を外部に発表することなしに、何かいい方法はないか、つまり債務超過を解消するような何かいい方法はないかということで、銀行法二十四条に基づきまして報告徴求を求めておったところでございます。 それに対しまして、私どもに対しましては二回にわたりまして報告提出が参りました。それが十一月二十四日と十一月三十日でございます。私どもは二回にわたって報告を受けましたけれども、なおかつ債務超過を解消するような状態ではないというふうに認められましたので、再度報告徴求をいたしましたのが十二月一日でございます。 報道等でも御案内かと存じますけれども、日債銀は当時、債務超過を解消する一つの方策として、中央信託との合併ということを模索しておりました。ところが、中央信託の方では日債銀の財務の状況からして恐らく判断されたのでございましょうか、合併の合意には至りませんでした。 そういったことから、結局十二月九日に私どもの方に、最終的には債務超過を解消するような方策としては具体的な方策の盛り込まれないような報告の提出がございましたために、私どもといたしましては、これ以上銀行法二十四条に基づく報告徴求を求めていても、これだけでは、ただいたずらに時間が過ぎるだけだ、こういうふうに判断いたしました。 そこで、十二月九日、これはウイークデーでございまして、ウイークデーに突如として公的管理ということになりますと市場が大変混乱いたしますし、これは国際的な問題もございますので、十二月十三日という、日曜日を選ばせていただいたということになるわけでございます。
○生方委員 この間一カ月間あったわけですが、インサイダー取引の疑惑というようなものは一切起こっていないということですか。
○日野政府委員 インサイダー取引に関しましては、現在、証券取引等監視委員会の方で、そういった事実があるかどうかといった点も含めていろいろお調べになっているかと存じますが、個別の事案のことでございますので、その点については言及を差し控えさせていただきたいと存じます。
○生方委員 いろいろなやりとりがあったということは今の説明でわかったのですが、やはり私は、一カ月間というのはいかにも長いというふうに考えております。これからもこういう事例が起こってくることもあるかとも思いますので、もうちょっとやはり時間を短くして、市場の信認という意味からもタイムリーにディスクローズするという必要があるのではないかということを指摘させていただきます。 それで、次の質問に移らせていただきます。 一昨日、中央省庁改革大綱というのが発表されました。これを私も拝見をさせていただきました。一府二十二省を一府十二省に変える、単に省と省をくっつけて大きい省をつくっただけじゃないかというふうに批判するのは簡単なんですが、実際問題として、一府二十二を一府十二省に変えるという改革が行われれば行政改革の第一歩になるということは私も評価をしたいというふうに考えております。 もちろん、中身は、二十二を十二にするということではなくて、いかに小さくて効率のいい中央政府をつくっていくのかということと同時に、地方分権をいかに確立していくのかということが大事だというふうに私は考えております。 このスリム化の一つの目玉として独立行政法人というものを取り入れた。今度の大綱でも、八十四の機関や事務を独立行政法人として移すということが明記をされているわけでございます。 そこで、総理にお伺いしたいのですが、この独立行政法人の職員の方の身分はどうなるのかということをお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 公務員型と民間型、こうあると思っております。
○生方委員 ここの大綱にも、どういう方は国家公務員とする、あるいはそうじゃない方はどうだというふうに分けてあるのは承知をしておりますが、現実に八十四のうち、今の時点でわかるとしますと、何%ぐらいが国家公務員として残り、何%ぐらいがそうでない人になるのか、そこをお伺いしたいのです。
○太田国務大臣 国家公務員型を何%にするか、非国家公務員型を何%にするかということは、今の段階で正確に決めてはおりません。四月の大綱の段階までにおおむねめどをつけたいと思っているところです。
○生方委員 私が聞いたところでは、ほとんどの省庁がほとんど国家公務員にしてくれと要求しているというようなことも聞いているんですけれども、その辺、やはりできるだけ多くの人間を、せっかく独立行政法人という形に移るんですから、その後民間に移すとか国家公務員ではなくするとかというような形にしないと、本当の意味のスリムにはならないと思うんですね。ただ名前が、省庁にいる人間かあるいは独立行政法人にいるのかというだけの違いになってしまうおそれがあると思うんです。
○太田国務大臣 大変誤解をされておりまして、独立行政法人化と民営化とは全く違った話でありまして、独立行政法人化の意義は何かというと、従来、国家行政の中で何もかも一緒にされておったものを切り分けて、分離独立をさせて透明化をする、透明化をし自己責任化をするというところが、国民の方から見てはっきり一つ一つが見えるような姿にする。自己責任化をするわけでありますので、定員管理の責任は直接政府が負うわけではなくて、その独立行政法人に定員管理の責任を負っていただくということでございます。政府の方は、それに対して、一括交付金のような形でもってそれをバックアップするということであります。 それと、今までの国がやっておった仕事を国がもうやめるということではなくて、引き続き、これは、国家がやるべき仕事をそういう行政の形態でやっていただくということでございますから、国家公務員型という身分があったとしても、それは何も意味のない看板のかけかえだということでは決してないということを強調いたしたいと思います。
○生方委員 人員の削減ということに関して、総理は、一番最初は十年間で一〇%削減するというようなことを多分言っていたと思います。一〇%、最初に。まあ総理が言ったのか、大綱の方で一〇%というふうに言ったと思いますが。 今度、総裁選の公約のときには二〇%削減するというふうになって、今度自自合意で二五%削減するというふうにパーセンテージがふえてきたんですけれども、実際には、一〇から二〇になって、二〇から二五に変えてきた、多分、一〇から二〇にするんだって大変なことですが、二〇から二五にするというのも自自合意で決めたわけですが、どの部分を削って二〇から二五に変えるというふうに今お考えになっておられて合意をされたんでしょうか。
○太田国務大臣 自自合意では、二〇を二五%にするということを決めて、そしてそれを覚悟する、我々も覚悟をするということで合意をしているわけであります。 今までの二〇%だって大変だったのに二五%をどうするのかというのは、我々も大変苦慮をいたしております。これからその道筋をつけていかなくちゃいけないのですけれども、ともかく十年間、平成十三年の一月一日からの十年間の間に考えられるあらゆる努力をしてやっていこうということでございます。 その中には、さらに独立行政法人化も進めるし、あるいは新採用を削減していくことも含めて、あらゆる努力を十年間の間にしていくということでございます。
○生方委員 これは、独立行政法人に移した部分は人員の削減というふうには考えないわけですよね、人数に入れないんですよね。
○太田国務大臣 先ほど申しましたように、独立行政法人の方で定員管理の責任を持ってもらうわけでありますから、総定員法の対象からは外れることになります。その分は、当然これは削減の中身を構成しているということになるわけで、削減の中に勘定しております。
○生方委員 そうしますと、実際には、独立行政法人をたくさんつくって、そっちへ移しちゃえば定員の削減が簡単にできちゃうということになるというふうに解釈していいんですか。
○太田国務大臣 独立行政法人になっていただくということは決して簡単なことではありません。八十四機関を説得するのにどれだけ我々がこの七カ月間血のにじむような努力をしたかということは御理解をいただきたいと思いますし、各省庁においても、今までは国の直接の機関の中にいたものが、今度は、国家公務員の身分が仮に与えられたとしても、自分たちで、その自己責任で借金の管理もしなくちゃいかぬ、あるいは資産の管理もしなくちゃならぬ、定員の管理もしなくちゃいけない、自己責任の社会に入るわけでございますから、大変な心配をしながら、なおかつ協力をするということでございますから、どうか独立行政法人については評価をいただきたいと思うのであります。
○生方委員 独立行政法人を私評価していないわけでは決してないんですけれども、ただ、これは総理にお伺いしたいんですが、二〇から二五に変えるという、五%削減するというのはこれは大変な合意だと思うんですが、総理が合意をなさったときには、どういうことで五%削減しようという頭にお考えがあったのか、そこをお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 まず、一〇%というのは、前の内閣のときにいろいろな形でお話されておったことだと思います。二〇プロにつきましては、私が総裁選挙のときに申し上げて、内閣をつくりましたときに、内閣の方針としても打ち上げました。しかし、自由党からも非常にこの問題につきまして厳しい御主張がございましたので、目標として二五%を目指して努力をするということで両党間で合意をした、こういうことであります。 ぜひこれを、目標達成のために、これからどのような形でいたしていくかという具体的な問題につきましてはまだ十分精査しておりませんけれども、目標はぜひ達成いたしていきたい、こういうことでお約束をいたしておるところでございます。
○生方委員 余り具体的に何かアイデアがあって五%削減したわけではない、努力目標であるということだと。わかりました。 最後にもう一点お伺いしたいのですが、次の国会から政府委員を廃止するということに決定をして、参考人という形でどういうふうに出てくるのか私はよくわかりませんが、当然予算委員会の形を変えていかなければいけないと思うんですね。 政府委員の方たちがあそこに今ずらっと並んでおるわけですけれども、この方たちが仮にいなくなって、政府と我々が対決しながら論議を進めていくということになると、この格好じゃちょっと、むしろこっちへ出てきてくれるといいというふうに思うのですが、この予算委員会、これは院の構成ですからここのマターじゃないと思うのですが、総理、お考えになるに、どういうふうに政府委員が廃止されて予算委員会を変えたらいいというふうなアイデアをお持ちか、最後にちょっとお伺いしたいのですが。
○小渕内閣総理大臣 これは、新聞その他でもいろいろと、図面まで描いてやっておられるようでございますが、今御指摘のように、院の問題でございますから、議院運営委員会で恐らく、法律が通るということになる過程におきましてそうした仕組みにつきましても十分御論議があって、ぜひ、せっかくこうした方向が定められました以上、それこそ与野党間で、御議論が十分双方向でできるような形になるような形での議席の姿というのが生まれてくるものと思っておりまして、ぜひこの法律が十分生かされるような形になられることを院としておつくりをいただくように願っておる次第でございます。
○生方委員 これは、こういう形はもう何十年も続いているわけで、これはこれで私もそれなりに伝統があっていいとは思うんですけれども、やはり変わったなということを国民の皆さん方に知ってもらう意味からも、皆さん、私なんかも含めて、工夫をして新しい予算委員会の形というのができればいいなというふうに思って、それを申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○中山委員長 これにて生方君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○中山委員長 この際、お諮りいたします。 最高裁判所浜野総務局長、金築人事局長、白木刑事局長及び安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中山委員長 次に、吉田治君から質疑の通告を受けております。これを許します。吉田治君。
○吉田(治)委員 民主党の吉田でございます。 総理、施政方針演説の中で司法制度改革についてあえて触れられました。 私は、去年のこの予算委員会の総括質疑でもその件について御質問させていただきましたけれども、当時の総理の方は、御関心というか、そういうふうな意識というのが余り高くなかった。総理は非常に高いと聞いております。 まず、総理の施政方針演説につきまして、具体的な、今後、本予算にも書かれておりますように、司法制度審議会、これは仮称でございますが、予算づけも、また法案も出る、もう出たと聞いております。 総理が目指す方向、改革というものはどういうふうなものか、まず総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 かねて、司法制度全体につきましての改革につきましては、大変いろいろな角度からのお考えが示されておるところでございますが、いずれにいたしましても、二十一世紀の我が国社会におきまして、社会の複雑多様化、国際化に加えまして、規制緩和等によって生ずる社会のさまざまな変化に伴い、司法の果たすべき役割はより一層重要なものとなっていくと考えております。 このような司法の果たすべき役割を踏まえまして、国民が身近に利用することのでき、社会の法的ニーズに的確にこたえることのできる司法制度の改革に取り組んでまいりたい、その趣旨を実は、二行でありましたが、強く申し上げたわけでございます。 このために、司法制度改革につきましては、調査審議する審議会を内閣に設置することといたしまして、所要の法案を今国会に提出することといたしておりますが、特に、この内閣におきましては、中村法務大臣もこの問題について強い関心も寄せ、みずからもいろいろお考えもあらわしておる点もございます。 内閣といたしましても、こうした直接の担当の大臣のお考え等もあることでございますので、こうしたことを十分精査させていただいた上で、今申し上げたように、具体的な問題として国会にお諮りのできるような形に一日も早くいたしてまいりたい、こう考えております。
○吉田(治)委員 具体的なことは総理からよりも法務大臣の方からお聞きをすればいいかと思うんですけれども、まず法務大臣の方に、憲法三十二条で私たちは裁判を受ける権利、これは民事、刑事、両方とも受ける権利というものを認められております。また、法務予算という形で予算づけもされておりますが、しかしながら、非常に財政が厳しい中にありましても、裁判を受ける権利という部分でいいますと、非常にさまざまな問題点があるのではないかな。 例えば、私どもの地元の大阪拘置所というものがございます。定員が二千二名。現在、きのう付の収容人員は一千九百七十二名と、まさにあふれ返らんばかりだ。大阪府警あたりから聞きますと、いや、拘置所に入り切れない人たちが警察に置かれているんだ、結果として、所轄署の逮捕、捜査等もちょっとなかなか、自分のところの、がら入れと言うらしいんですけれども、そこへ入るのが少ないんだ。 これは、裁判所の権限になるので保釈が少ないということを、私はそういう意見があるということだけは申し上げておきたいんですけれども、やはりこれなども法務予算が関係してまいりますし、また、大阪市議会におきましては、裁判のスピード化、特に民事事件におきまして、裁判のスピード化という中で、法廷をふやすようにという、たしかこれは意見書か決議等が出されております。 また、司法制度改革の一環で、司法試験の合格者というものを、五百人、六百人、七百人、近々一千人にすると聞いておりますが、しかしながら、裁判官の任官については、これは最高裁の関係になるかと思うんですけれども、東京地裁で一人当たりの裁判官が民事を持つ件数が二百四十件から二百六十件。大体適正というか、まあ二百件が限度だなというのをオーバーしている。まさに予算があっての裁判官の任官ですけれども、非常にこの辺も厳しい。 まず、最高裁には、この辺について来年度、また本年度予算の中でどうやりくりをしていくのかということ。 そして、法務大臣におかれましては、大阪拘置所、こういうふうな法務予算、また検事の任官数が、まさに拘置所がこれだけあふれているというのは、取り調べ等における検事の数が少ないのではないかというふうな、拘置所というハードの部分と検事さんというある意味でのソフトの関係を含めて、法務予算というふうなものがこれでいいのかなというふうな強い意見が出ておりますが、それぞれお答えをちょうだいしたいと思います。
○中村国務大臣 お答えいたします。 司法制度改革に関しましては、今総理大臣がお答えされましたようなことでございますが、この委員会、仮称でございますけれども、これは内閣に設置される委員会になる予定でございまして、その中でどういうことが議論され、討議されということは、この委員会ができたときに内閣で決していくべきものと思っております。 ただ、今総理のお言葉にもありましたように、その目的は、やはりこの変革する社会、すなわち、なかんずく規制緩和というお言葉もございました。そして、行政が事前規制でなくて事後監視型になって、社会全体がそういうふうに変革していく、そういうときに、社会にとって司法の果たす役割というのは従前にも増して非常に大きなものになるであろう。また、そうした社会の変化に適応する、そうした社会のニーズに合った司法に改革していかなければいけないという、まさに大きな改革の御論議をいただけるものと思っているわけでございます。そういう中で、今いろいろ御指摘ございましたけれども、そういったことも当然御論議の対象になるのではないかと期待しているわけであります。 特に、法律扶助制度のことをおっしゃいましたけれども、憲法三十二条に言う国民だれしもが裁判を受ける権利というのは、これは大きな問題でありまして、今法律扶助協会という公益法人でやっておりますけれども、こういったものの充実についても、年々の予算では努力しておりますが、こういったものを制度的に確立していく。そして起訴前の法律扶助にしても考えなきゃいけないんじゃないか。また、弁護士会で当番弁護士制で今対応してくださっているようなこともどう制度化していくかというようなことも、御論議いただけるんじゃないかと期待をしているわけでございます。 また、拘置所等のことにつきまして、私、随分就任以来回ってみましたけれども、幸い、この関東の地区においてはそのような状態はなく、むしろ部屋があいているというような、あいている方がこれは好ましいのでございましょうが、状態にございます。 そういうところも、あらゆる面から法曹人口の充実ということが必要じゃないか。また法曹一元という考えの中で、法曹人口の適正な配分ということも必要じゃないか。あらゆる審議がなされるものと期待をしております。
○吉田(治)委員 大臣、私お聞きしたのは、初めの答えは私の次の質問の答えなんですね。司法制度審議会についてどうお考えですかと私は聞くのに、事前に私、法務省さんに事細かな質問を今回出しているはずなんです。質問どおりに答えてもらうようにしてもらうのが今回の役目であるはずなのに、ちょっとこれは前後してもらったら困るんですね。 ですから、法務予算について、法律扶助の話、今大臣は東京近郊の拘置所の話、私は大阪の拘置所の話をしているわけです。その辺の違いという、ごまかすと言ったら語弊がありますけれども、もう一遍答え直してください。その後で最高裁、お願いします。
○中村国務大臣 法律扶助制度に対する考え方は今お話ししたとおりで、現行、ことしの予算も、いろいろ大蔵省にもお願いいたしまして、増額をして対応しているわけでありますけれども、根本的な制度の確立については、司法制度の審議会等で御論議をしていただきたいと思っております。 また、関西の問題につきましては、私、東京の方とか沖縄とかそういうところを回りましたので、つぶさに実態を視察しておりません。ぜひ近いうちに実態も見て的確な対応をしてまいりたいと思っております。
○浜野最高裁判所長官代理者 裁判所全体の事件の動向を見ますと、特に民事事件の増加が目立っているところは、委員御指摘のとおりでございます。 地裁の民事事件につきましては、裁判官の手持ち件数を見ていきますと、バブル経済の崩壊後、大都市部の地方裁判所を中心といたしまして民事事件が急増し、例えば東京地裁におきましては、一時は裁判官一人当たりの単独事件の手持ち事件数が二百七、八十件近くに及んだときがございますが、毎年重点的に増員を行ってまいりました結果、現状では二百三十件から二百四十件というのが一人当たりの単独事件、そういう水準に改善されてまいってきたわけでございます。 ただ、そうはいいましても、単独事件の手持ち事件数が二百件を上回っているという東京地裁等における状況は、適正、迅速な裁判を実現するという観点から見ますと、委員御指摘のとおり、裁判官にとって負担が大きいと言わざるを得ないわけでございまして、このような繁忙庁につきまして重点的に人員の手当てを行っていきたいというふうに考えているわけでございます。 いずれにしましても、裁判所としては、より適正な裁判、迅速な裁判を実現するために、新民事訴訟法の施行を踏まえまして、訴訟手続の運営改善等に努めますとともに、平成九年度、平成十年度にそれぞれ判事補二十人ずつを増員するなど、これまでも着実に裁判官の増員に努めてまいりましたのですが、さらに訴訟事件の審理を充実させるために、平成十一年度予算では判事補の増員を三十人お願いしているところでございます。
○吉田(治)委員 増員はいいと思うんです。 しかしながら、この方々は非常に給料が高いんですね、司法試験を通られていますので。ですから、この辺の、今の任官制度のあり方ということも含めて、新たに始まります審議会で私は御議論をしていただきたい。そうでないと、限られた予算の中でということになると思います。 大臣、先に答えをいただいてしまいましたのでどう質問しようかと思うのですが、司法制度審議会について、今、内閣でというお話をされました。私は、この委員の人選、それから今のこういう時代、アカウンタビリティーという言葉の中での審議の公開性というのですか、審議自身を公開するのか、結果についての議事録をインターネット等で公開する、そういうふうな部分も重要だと思いますし、また、テーマをどういうテーマにするのか。これも内閣で決めるということですけれども、司法制度ということになってまいりますと、後ほど御質問させていただきますが、法曹三者というふうな、あと裁判、それから弁護士というふうなものに対するテーマの設営についての意見の聞き取りというふうな、意見の発露というんですか、ということも必要だと思うんですけれども、その辺、どうお考えなのか。 それから、これは私、個人的な意見になるかもしれませんが、司法試験をどうするのか。現状の司法試験、これは質問項目に入れておりませんが、大学の法学部、私も一応法学部を出ております。四年間勉強させていただきました。多分その力では受からない。まあ、現実に受からなかったんですけれどもね。それでは受からない。大学の勉強だけ一生懸命していても受からずに、今どういう人が、法曹人口が合格者一千人体制になってきてどうなっているかというと、東京も大阪も司法試験の予備校の産業が花盛りだ、そこへ入ると、まあ二、三年で通る、しかも、この値段、非常に高いんですね。学校法人法に基づいておりませんので、授業料はある意味で天井知らずと言ってもいいかもしれない。結構、弁護士さんの御子弟が入られている。私も懇意にしている司法試験予備校の先生に聞きますと、吉田さん、頑張ったら三年で司法試験通るよ、私が通るの、あんたでもという言い方は失礼だなと思うんですけれども、通るよと言うわけなんですね。 そうしますと、では私は、もしも万が一のことがあったらそっちへ転職しようかなとは思うのですけれども、やはりこの司法試験のあり方自身というものも、実はこれは大きなテーマではないか。司法制度改革といった場合には、今、法曹三者の問題、規制緩和の問題と同時に、司法試験というその入り口の部分も問題になってくると思うのですが、この辺についてはどういうふうな議論がこれからなされていくのか。現実どう改良していくのかということも含めて、法務大臣のお考えをちょうだいしたいと思います。
○中村国務大臣 どうも次の質問までお答えして、失礼をいたしました。 先ほどもお答え申し上げましたように、これは、極めて社会全体が変革していく中に、そのニーズに合った司法制度をどう確立するかという大きな問題でありますから、法務省だけでそれはできるものではございませんで、ですから、内閣総理大臣を頂点とする司法制度改革の制度をつくり、その中に審議会、仮称をつくって検討していこうということでございます。ですから、その中の審議事項を私が今ここで、こういうもの、こういうものと言う能力は持ち合わせていないわけでありまして、その点は御理解いただきたいと思うのですが、委員御指摘のような点は十分審議の対象になっていくことではないかと想像しております。 それと、私どもは、この仕事を進めますに当たって、与党である自由民主党で、司法制度の改革に関する指針というのを一年かけてまとめていただきました。その中で御提議いただいたことがやはり大きく取り上げられていくのではないかというふうに考えているわけでありまして、その中に、今議員の御指摘になられました法曹試験のことが述べられております。やはり、法曹人口を充実させていくということ、そして法曹三者の中の人事の交流だとかそういうことを活発にして、有効適切な人材の配置を行わなければいけない。その中にロースクールのようなことも述べられております。 これは、これから審議されていくべきだと思いますが、こういうことを審議しますのも、必ず、教育の問題になれば文部省も関係してくるわけでありますから、そういう意味で内閣全体で取り組むべき問題ということを申し上げているわけであります。 また、審議会の公開はいかがかというお話がございましたけれども、これは、審議会の公開は中央省庁等改革基本法において原則公開ということがうたわれておりますが、この審議会の運用については、審議会が設置されましたとき、こうした中央省庁基本法の精神にものっとって適切に対応されていくべきものというふうに考えております。
○吉田(治)委員 大臣、では具体的にこれはいつぐらいに、これから法案審議に入って、多分予算関連という形で上がるのでしょうけれども、いつぐらいに今申し上げたようなことが具体的に出てくるわけですか、時期的な問題としては。
○中村国務大臣 これは、社会の要請は非常にこういった改革に対して要望が強いものでございますから、審議会の立ち上がっているのは早い方がいいと思いますし、今内閣においてその法案を練っておりまして、近々閣議決定して出てくるものと思っております。それが審議され、審議会ができたら、すぐ審議に入るべきものと私は考えております。
○吉田(治)委員 では、審議会の法案が通ったら、数カ月押さずに、何カ月という単位の中で、こういうふうなテーマだとか人選だとかがなされて審議会が立ち上がると理解してよろしいでしょうか。
○中村国務大臣 これは、たびたび答弁させていただきますように、内閣で決めるわけでございますので、内閣全体の相談になってまいりますが、私は早い方がいいと思っております。
○吉田(治)委員 大きな改革ですので、具体的な日時だとか時期的なものが答えられないのだと私は理解をさせていただきたいと思います。 その中におきまして、この審議会に対して、法曹、今法務大臣は法務という立場、あと最高裁、日弁連さんにそれぞれ、この改革について望むものについて御所見がございましたらお聞かせいただくと同時に、時間の都合がございますので最高裁さんに、私個人として司法制度改革においてこういうことをちょっと検討してもらいたいという中で、一点目は、一つ大きなことは、法曹一元化という、まさに司法試験を通った人たちは皆さん一度弁護士になって、社会経験を積んでから裁判官なり検事さんになってくださいよというお話がございます。 裁判を受けられた方の印象を聞きますと、何か裁判官さんて若いんですねとか、まあそれは民事の一審の話でしょうけれども。また、行かれた場合に、どうも何か、若いと同時に余り話聞いてくれへんな、行ったらすぐ終わったなと。社会経験なき裁判官。また、判決の内容等を見て、これは私たちがコメントすべきことではないでしょうけれども、どう考えても社会ということを余り知らはらへんのと違うかというふうな裁判官さんがいられるという話も聞きます。 この辺を含めて、最高裁としてこの改革について望むもの、そして日弁連さんの御所見も賜りたいと思います。
○金築最高裁判所長官代理者 いわゆる法曹一元の制度につきましては、昭和三十九年に出されました臨時司法制度調査会の意見書におきまして、「法曹一元の制度は、これが円滑に実現されるならば、わが国においても一つの望ましい制度である。」というふうに述べております。この点につきましては、私どもといたしましても特に異論があるわけでございませんで、基本的には同様に考えております。 ただ、この意見書の中で、しかし、この制度が実現されるための基盤となる諸条件はいまだ整備されてないという指摘があるわけでございますが、この点につきましては、意見書が指摘しておりますいろいろな条件、弁護士の地域分布の平均化というような問題一つをとってみましても、いまだ整備がされていないという状況ではないかというふうに思われるわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう点を含めまして今後司法制度審議会での議論を通じて検討されることになるのではないか、そういうふうに考えております。
○浜野最高裁判所長官代理者 予定されております司法制度審議会への一般的な裁判所のスタンスについても委員お尋ねでございますので、その点について意見を述べさせていただきます。 最高裁判所といたしましては、委員御指摘のとおり、司法制度審議会が設置されました場合には、まず、審議会の委員の方々の御経験に基づく幅広い観点から、司法制度に関する事項につきまして建設的な審議が行われることを希望しているわけでございます。 ただいまお話が出ておりますように、司法制度審議会が内閣に設置されるということになりました場合には、そういうことになりますと、審議会の審議内容に対しまして事前に裁判所の方から具体的な要望を現在申し上げるということはちょっと差し控えさせていただければと存じます。 ただ、一般的に申し上げますと、審議会におきまして建設的な審議がなされ、その成果としての実効性が上がる方策を得るためには、司法制度が我が国社会の文化と構造の中でどのような機能をしているかという実情等を客観的に把握、分析し、司法の機能と特質、その果たすべき役割等を改めて検討し、これを踏まえた上で、実証的かつ多角的な検討を進めることが何よりも肝要ではないかと考えております。 司法制度審議会におきましてもこのような形で審議が進められることを希望いたしますとともに、審議に際しましては、裁判手続等に関する実情の紹介、資料の提供等の要請があれば、裁判所としてはできる限りこれに積極的に御協力してまいりたいと考えている所存でございます。
○上田参考人 御発言の機会を与えていただきまして感謝申し上げます。 日弁連は、一九九〇年から、市民に身近でわかりやすく、利用しやすい司法を目指す、いわゆる司法改革運動を展開してまいりました。 日本国憲法の施行により我が国の司法制度が一新されて五十年が経過しました。司法は、さまざまな課題を抱えています。基本的な人権の保障や立法、行政に対する適正なチェックが十分ではなく、社会に多発し、複雑化している紛争の解決についても、司法が十分に機能しているとは言えないという批判が少なくありません。 日弁連は、昨年十一月に司法改革ビジョンを作成しました。 言うまでもありませんが、司法の役割は、一人一人が人間として尊重され、幸せに生活できるように、公平で公正な法が適用されることにより、人権その他の法的利益を擁護していくことであろうというふうに思います。 今、規制緩和のもとで、市場原理と自己責任を基調とする政策が進められつつあります。確かに、創造的で発展的であるべき経済や社会が、既得権益や古い制度のしがらみによってゆがめられる状況は改められるべきであります。他面、自己責任の名のもとに、高齢者、障害者、女性、子供、外国人、消費者、勤労者、中小企業者など、社会的に弱い立場にある人たちが一層苦しい状況に立たされ、新しい社会的弱者がつくり出される危険性もあります。 二十一世紀に向けて、人の個性と能力が生き生きと開花し、自由で公正な社会、質の高い豊かな社会を目指して、憲法の理念に従った司法改革、拡充のための改革が強く求められています。このような時期に、政府に司法制度審議会が設置され、国民的な議論がなされることはまことに時宜にかなったものでありまして、適切なことであるというふうに考えています。 日弁連の目指す司法改革の内容は、司法改革ビジョンということで明らかにしておりますけれども、その方向性についてだけ若干説明させていただきます。 第一は、市民に身近な司法を実現するとともに、司法の容量を拡大するということであります。 諸外国に比べて著しく低いと言われています司法予算の拡充、それから官僚裁判官制を抜本的に改革し、先ほど吉田先生御指摘のありましたように、弁護士経験を一定程度させた上で裁判官を選ぶ制度の実現、いわゆる法曹一元の実現、あるいは陪審制、参審制などが求められています。 第二に、収入や資産の多少にかかわりなく、あらゆる市民の権利の保障、実現のために諸制度を整備することを希望しております。法律扶助制度の拡充、国費による被疑者弁護制度などを求めています。 第三に、立法、行政に対する司法のチェックと、社会のあらゆる分野に法と正義が行き渡ることを目指しております。違憲立法審査権の充実、行政に対する司法審査の充実などを求めております。 司法制度審議会で、日弁連の意見を含め、十分な御検討がされることを期待しているものであります。 以上です。
○吉田(治)委員 どうも参考人、御苦労さまでございます。 ここで、重大事件での弁護士活動のあり方に入る前に、実はもう一つ、先ほど裁判官さんの社会経験云々がありましたけれども、昨日、法務省さんの方に、過去十人の検事総長さん、大変御苦労いただいた方々の、退官後どういうようなことをなさっているのかということをお聞きいたしました。 手元に参っておる資料によりますと、それぞれ公職、また弁護士、司法試験を通られていますから、弁護士登録をなさっていろいろ公職につかれている。しかし、それだけで飯を食っているのかなとふと思いまして、私調べました。 そうしますと、昨年の土肥検事総長はまだ弁護士登録だけですけれども、過去十人、それぞれ簡単にざっと申し上げますと、吉永検事総長は、東京海上及びベネッセの監査役。岡村検事総長は、トヨタの監査役。筧さんは、東レ、三井生命の監査役。前田さんは、住友商事の監査役。そして、過去十人の中で唯一、総長を終わられて二カ月後に亡くなられた、「巨悪は眠らせない」という伊藤検事総長だけは、どこにも勤められずにそのまま鬼籍に入られた。江幡さんは、これはある事件の新聞報道で出てきたのですけれども、日興証券、三菱電機の顧問。そして安原さんは、もう亡くなられておりますが、神戸製鋼、阪急電鉄の監査役をやられ、そして住友銀行の顧問。そして辻さんは、あさひ銀行、三井海上の監査役、大和銀行の監査役も務められたそうですし、東光電工というところの顧問。そして神谷さん、ちょうど十人目になるんですけれども、問題がございました粉飾決算のアイペックの監査役を務められた。私は、これがいいとか悪いとかは申し上げません。事実だけを申し上げさせていただきたい。 そしてもう一点、法務省に聞きたいのは、なぜ資料請求をしたときに、今申し上げましたこれらの民間企業はほとんど上場企業ばかりですよね、このことについては一切触れられずに、法務省が現段階で把握しているものと。ということは、法務省としては、退官された検事総長さんが、今どこで、民間企業でどういうふうな活動をされているかというのは把握していないと。 まず一点目は、なぜそれが出てこなかったのか、二点目、把握をしているのかしていないのか、これをお答えいただきたいと思います。
○松尾政府委員 委員御質問のように、検事総長経験者等が退職しますと、一般的には弁護士として活動するということになるわけでございます。また、弁護士の場合には、民間の企業、団体等の監査役とか顧問とかということで相談に乗ることは当然であります。 ただ、退官後いかなる活動をなさっているのかという点につきましては、法務省はつまびらかには把握していないというのが実情でございます。
○吉田(治)委員 把握していないということですね。それだけお聞きしたら結構です。 ということは、検事総長を務められた方でも、特に検察OB、やめ検とかよく言われますけれども、やめられても、それはそれで、退官されたから御苦労さまでしたということですね。 私は、これを見まして一つ感じましたのは、ある大阪の検事さん、もう名前は伏せておきますが、その方が退官されました。弁護士登録をなさいました。その方は亡くなられたと聞きました。生前、一度お会いしたことがございます。先生ほどの方でしたら、こんなこと言うと失礼だけれども、いろいろな会社の顧問だとか、いろいろなところに話があるんじゃないかとお聞きしました。その先生はこう言われておりました。まあ正直言って退職金も年金もそこそこもらっている、そして、私たちが検事として追及したものは社会の不正だ、ある意味でその相手方というところから、退官をしたからといって、今さらそこからお金をもらうということは私はしたくない。これはそれぞれの検事さんの生き方ですから、それがいいとか悪いとかは申しません。それだけ私はこの場で申し添えさせていただきたいと思います。 さて、せっかく日弁連さん、参考人でおいでいただいております。まず、重大事件でのこのごろの弁護士さんのあり方ということがマスコミ等を含めてさまざまとらえられております。 まず最高裁の方に。この重大事件、特にオウム事件、また和歌山の砒素事件の裁判状況、審理状況、そして、一番関心は、もうここ数日もマスコミ等に報道されておりますが、では、いつ結審がされて、いつ判決が出るのかということが、国民にとっては一番知りたいと思っております。いろいろなその過程において、重大事件での弁護士のあり方ということ、法廷というものが問われているということでございますので、その辺お答えいただきたいと思います。
○白木最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 まず、オウム事件の関係では、百九十四人の被告人が起訴されまして、現在までに百七十三人について判決がなされております。そのうち、教祖と言われる麻原こと松本智津夫被告人の事件につきまして詳しく申し上げますと、同被告人は、地下鉄サリン事件、松本サリン事件、坂本弁護士一家殺害事件というふうに数えてまいりまして、合計十七種類の事件で起訴がなされております。 第一回公判は約二年九カ月前の平成八年四月二十四日に開かれまして、本年一月二十八日、これは昨日になりますけれども、昨日までに百四回の公判を重ね、延べ二百十三人の証人を尋問いたしております。本日は百五回目の公判を行っているところでございます。この事件がいつ判決に至るかということでございますが、訴訟は生き物でございますので正確なところは申し上げられませんけれども、このペースで参りますとまだ数年はかかるというふうに思われるところでございます。 それから、和歌山の事件につきましても、林真須美被告人それから林健治被告人がそれぞれ多数の事件で起訴されましたが、現在のところ、検察官の方の捜査記録の整理も終わっていない段階のようでございまして、したがいまして、弁護人の弁護方針も決まっていないやに聞いております。 そういうわけでございますので、この事件の審理にどのくらい期間がかかる見込みであるのかということは、今のところ何とも申し上げることができない状況でございます。 以上でございます。
○吉田(治)委員 ちなみに、最高裁さんにもうちょっと聞きたいんですけれども、これは刑事事件ですね。刑事事件で、罪を認めている場合と否認している場合、生き物と言われましたけれども、大体平均的にどれぐらいで判決は一審は出ているんですか。
○白木最高裁判所長官代理者 平均的な刑事事件の審理の期間はどのくらいかというお尋ねでございますが、平成九年度における地方裁判所の平均審理期間は三・一カ月となっております。これは否認事件、自白事件全部ひっくるめた数字でございます。否認事件だけに限ってみますと、十・八カ月ということでございます。
○吉田(治)委員 これほど大きな事件で、事実関係、事実認定等も非常にあると思うんですけれども、平均からすると、まだ数年ということは、二年九カ月にもう数年、数年って幅広いですね、三年から、たしか辞典によると七、八年、というと、十年裁判という可能性もある。 まだ被害者の方々はいろいろ苦しんでいられる。やはり被害者の方をいやすという一つが私は判決であってしかるべきではないかなという考えを持つんですけれども、裁判の迅速化という中において、最高裁としてどういうふうな努力をなされているのか。この十年に行かないようにできるだけ早くというのがやはり国民の声でもあると思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○白木最高裁判所長官代理者 まことに委員仰せのとおりでございまして、例えば和歌山の事件につきましては、和歌山地方裁判所の刑事部は、平素の事件数にかんがみまして、刑事事件専門でございますが一カ部三人の裁判官が配置されておりますが、このたびの事件の起訴を踏まえまして、迅速な裁判を実現するために裁判官一名の増配置が希望されましたので、最高裁といたしまして希望どおりの配置をいたすことといたしております。それに加えまして、さらに、職員等の人的、物的な事務処理体制の手当てを行うことを検討いたしております。 オウムの方につきましては、これは東京地裁でございますが、東京地方裁判所刑事部は、大きな裁判所でございまして、裁判官にも多少の余裕がございます。したがいまして、東京地方裁判所の方から増配置の希望は特にございませんで、その余力でやっておるということでございます。
○吉田(治)委員 そういうふうにされている中で、マスコミ報道等を見てまいりますと、非常に弁護士さんの役割という部分、これは俗に言う法廷戦術という言い方がいいのかもしれません。弁護士法第一条では「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」、まさにこの社会正義とは何かということが今大きく問われているのではないか。 こういうさまざまな刑事弁護においての批判というものが、例えばオウム事件においては教祖の獄中説法というふうなものが弁護人を通じて回覧されたとか、また、和歌山砒素事件においては、一番大きな批判になったのは、黙秘というのですか、一切しゃべらないということを弁護士が——これは法廷とか法律で認められている。これは確かに理解はできますけれども、社会正義の実現という部分において、果たしてそれでいいのかなというのは、これは法律というものを除いた、人間としての国民的な感情として私は感じると思うんです。 こういうふうなことに対するさまざまな批判というか批評というか、一部マスコミ等には出ておりますけれども、その辺について、日弁連さん、きょうは参考人としておいででございますので、責めるわけではございませんが、どうお考えなのかということ。 それからもう一点は、これは新聞の世論調査に出ておったことですけれども、例えば司法関係者への信頼度という読売新聞の世論調査では、裁判官は七九%、検察官七四%、検事七二%、しかしながら弁護士さんは五八%と。 先ほど裁判官さんのことについて聞きました、社会経験がという中において。昔、弁護士ですと出すと、ああこの人は偉い人やねん、よう勉強して通らはった偉い人やということで全部受け入れた部分が、その弁護士という名前の上にこのごろ漢字が二つつくようになりまして、悪徳というのが、どうも弁護士イコールその二文字というのが浮かぶような残念な状況。これについては、弁護士さんの倫理ですとかまた信頼度の回復ということと同時に、実はこれは司法の段階でありまして、弁護士さんがこれしている、あれしているということを私たち立法の立場の人間が言うこともできないし、まさに、どうしたらいいのか、罰することもできない。 弁護士さんは弁護士法という中で自分たちで律する。懲戒委員等があるそうですけれども、それがどうも内々で、お手盛りで、中身が、懲戒が甘過ぎるんではないかという厳しい意見もあるのですけれども、この辺を含めて、弁護士会さんに、参考人でございますので、参考意見としてお述べをいただきたいと思います。
○上田参考人 ただいま厳しい御指摘もいただきまして、刑事弁護のあり方等についても国民的な関心が寄せられているということは、私どもも重々承知しております。 御指摘のあった事件は、現在進行中でもありますし、事実関係等を直接に把握しているわけではありませんので、その当否を日弁連として論じるわけにはまいりません。 黙秘権の行使等の話が出ましたので、一般論として若干御説明をさせていただければというふうに思っています。ある意味では釈迦に説法ということを承知の上で、若干コメントさせていただければというふうに思います。 御承知のように、刑事裁判につきましては、犯罪を犯した人を逮捕、処罰するというような大義のもとに数々の冤罪事件が発生し、取り返しのつかない過ちを犯したということが歴史的な経験として存在しています。そうした経験の中から、人類の英知として、種々の人権保障や刑事手続に関する適正手続保障が規定されるようになったというふうに理解をしております。 我が国の憲法でも、特に十カ条の条文を持ちまして、黙秘権の保障など、刑事司法に関する諸規定が設けられています。これも同様の趣旨であるというふうに存じます。これらの規定は、国際的な近代国家としての普遍的な原則であるというふうに理解しておりますし、国際人権法上も同様の保障が規定されていますことは、御承知のとおりであると思います。 このような手続が保障され、権力が乱用されないようにすることも、国民生活の安全の確保のためには大きな意義を有しているのではないかというふうに考える次第です。そして、弁護人の役割も、被疑者、被告人の側に立ってこれらの手続の適正を守るというところにあるということを御理解いただきたいと思います。 黙秘権につきましても、自白の強要の防止の観点から、被疑者、被告人に保障された中心的な権利であります。公正な裁判により有罪とされるまでは、いかに疑わしい者でありましても無罪と推定されます。その論理的な帰結としまして、被疑者、被告人にも沈黙する自由が認められるという形になります。 被疑者、被告人が黙秘権を行使する場合に、これを十分に援助することが弁護人に課せられた責務であります。黙秘権を行使したり事実を争う被疑者、被告人に弁護人が自白を勧めるかのような行動をとるならば、弁護制度の存在意義を否定することにもなるかもしれません。この点についての御理解を十分賜りたいというふうに思っております。 次に、弁護士倫理、懲戒の問題についての御意見が出ました。 弁護士の倫理をめぐりましては、日弁連及び各弁護士会でも、その徹底に力を注いでおります。平成二年には弁護士倫理を抜本的に改正いたしまして、各地で、倫理研修の義務化とその実施、新人弁護士の研修の義務化とその実施などを進めてまいっております。研修には多数の弁護士が参加し、実務に生ずる問題をめぐって倫理の徹底に励んでおります。 また、公益活動に従事することを弁護士の当然の使命というふうに考えまして、法律相談活動あるいは当番弁護士活動その他の活動に参加を促しまして、実務経験を通じて弁護士の公共的使命の自覚を促しております。 懲戒制度につきましては、日ごろからその適正な運営に努力しているところでありますけれども、現在では、裁判官、検察官、学識経験者など、弁護士会外からの委員の方にも御参加いただいております。そして、適正な運用に努めておりまして、これらの会外の懲戒委員の方々からも、その運用につきましては一定の評価をいただいているものであります。 もとより、弁護士数が増加し、また幅広い分野で活動するに伴いまして、新たな懲戒事案も発生いたしております。綱紀委員会を拡充し、事件の迅速な処理に努め、また、弁護士会による立件、懲戒の請求をしていくという立件でありますけれども、あるいは市民からの苦情窓口の設置、非弁提携弁護士の根絶を目指す対策本部などを設置して活動をしております。そういう意味では、懲戒事案の未然防止のシステムの整備というのを図っているところであります。 弁護士の果たすべき役割の増大に伴いまして、業務の質の向上と綱紀の確立は極めて重要な課題というふうに認識しておりまして、弁護士会外の御意見も広く伺いながら、運用の改善にも引き続き努力をしていく所存であります。
○吉田(治)委員 公式見解という形でお聞きさせていただいて、法律をちょっとかじった者としては理屈としてはわかるのですけれども、やはり感情の部分で果たしてそれでいいのかなという部分。 先ほど、信頼度の世論調査、あれは司法だけです。あれがひょっとして政治家とか官僚というふうなのになったら何%になるのかな、一緒に並べてしてほしかったなという感じもするのですけれども、その中でも倫理だとか信頼度ということは、同じことをやはり霞が関の皆さんも言われ、され、それについて信頼が伸びたかというと、余り伸びていないというふうな部分。やはり見える部分。 先ほど、司法改革のところで市民参加ということを言われました。その辺、市民あっての法曹であるということを私はぜひとも認識を深めていただきたいなということを申し上げて、さあ総理、もうずっと座禅をしていただいて、よく聞いていただきました。司法制度改革、先ほど法務大臣のお言葉では、委員の人選、テーマ等内閣がなさっていく。いろいろな議論をお聞きなさって、今どういうふうにお感じになられますでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 これは専門ではないんですが、経済戦略会議におきましても一項取り上げて、この司法、特に弁護士制度のあり方につきまして御議論を願ってきておるんです。 そういった意味で、現下、極めて重要な課題であるという認識をいたしておりますが、もとをたどれば日本国憲法にも司法、行政、立法と三権があるわけであります。立法を我々いたしておりますが、行政の立場にもおりますが、司法というものにつきましては、とかく一般の国民の皆さん、直接かかわり合いを持ち、いろいろの事件に携わった方々は非常に真剣にこの問題に取り組んでおられますが、その他の方々は比較的この問題については直接的な関心が薄いんじゃないかと思っておりますが、その重要性においては、本当に大きな課題だろうと思っております。 よって、今御指摘をいただいたような諸点も含めまして、この内閣といたしましても、総理大臣のもとにこうしたものを真剣に取り組んでいかなければ、真にやはり司法のみならず全体における国民の信頼を失っていくんじゃないかと思っております。 御指摘いただいたこと、十分今拝聴させていただきました。
○吉田(治)委員 総理のお言葉を聞いて、大臣の方々、下を見ながら、ずっとうつむいて目をつぶって聞かれている姿は、本当に委員会のあり方というものを感じさせていただくところでございます。 少年法の改正問題というのが出ております。これはもう、山形のマット事件以来、今回の神戸の事件、それから近々では大阪・寝屋川の事件と、少年法のあり方というものが非常に今問われているところでございます。 時間の関係もございます。さまざまな質問をさせていただきたいんですけれども、各省庁ごとに、省庁というか三者にそれぞれお聞きをしたいと思います。 まず、少年法改正で一番大きな議論になった年齢の引き下げというもの。刑事罰で十六歳という、その十六歳の時点というものも非常に大きな問題になっているんですけれども、この年齢引き下げということを今回の法改正の中においては取り上げなかった、入れられなかったということ。例えば非行率のピークは実は十四、十五が一番多いという中で、取り上げなかった理由というのは何なのかということ。 そして、次には、観護措置期間の延長。観護措置でございますから、勾留というものが最大二十三日間なされて、その後送致をされて、最大十二週間観護措置という形で収容される。これは刑事罰ではございませんので保釈がない。そうしますと、その場合に、少年法にかかわる少年というのは、無職の方もいられるでしょうけれども、義務教育の人、それから何らかの職業に携わっている人がいられる。では、二十三日プラス十二週間とめ置かれた場合に、この子たち、この人たちの義務教育であるとか職業というふうなものはどういうふうに対応されていくのかということ。 そして、今回大きなテーマとして、少年審判がなされた後、結果通知がないではないかということについて、結果通知をするという一項目がございます。しかしながら、私はここでお聞きしたいのは、審判結果が発生した日時を被害者がどう知るのか。知らないままに置きますと、規定によって、三年たったら聞けないよとなっております。その確認方法。そして、では被害者がどういうふうに申し出るのか、その方法と時期。そして結果通知をする内容というふうなもの。 以上、これは法務省の関係だと思います。これについて法務省の方から、今後これは法務委員会で審議されていきますけれども、現時点でのお立場というものを明らかにしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 御質問が何点かにわたっておりますので、順次お答えさせていただきます。 まず、年齢問題でございますが、なぜこれが今回の法制審の答申の中に入っていないのかという御質問でございます。 今回の法制審の審議自体でございますが、これは近年、先生御指摘のようないわゆる山形のマット死事件等を初めといたしまして、少年の事件の中で事実認定が問題となるという事件が発生しましたことから、喫緊の課題としては、少年審判における事実認定手続の適正化を図る、そのために少年法の整備を行ったらいかがかということで、昨年の七月に法務大臣から法制審議会に、審議事項を限ってといいますか、事実認定手続の適正化という内容で諮問をされました。今回の審議会の答申はこれに答えたものでございまして、先生お尋ねのいわゆる少年の年齢問題には触れていないわけでございます。 なお、年齢問題につきましては、現在自由民主党で御検討いただいているところであります。また法務当局としても、最近の少年犯罪の動向あるいは処遇の実情等、所要の分析、検討を行っているところでございます。 次に、二点目でございますが、観護措置期間について、今回の法制審の答申の中で、現行では最長四週間でございますが、これを最長十二週間ということでいかがかという内容の答申をいただいているところでございます。 もとより、今、十二週間というのは、すべての事件で十二週間身柄を収容しておくということではございませんで、現行でも基本は二週間でございます。その二週間をどこまで延長するのかという問題でございます。現行でも、この二週間を更新して延ばす場合にはそれなりの必要性というものが立証されて……(吉田(治)委員「だから内容はいいのです。義務教育とか職業はどうなるのかということ」と呼ぶ) それで、今回の法制審議会の議論の中でも、先生お尋ねの職業教育とかあるいは義務教育がどうなるのかという問題が当然論議されたわけでございます。これは、方向としては、裁判官がその期間を延長する際にそこらあたりも当然考慮して決めるということが一点。 それから二点目は、長期にわたる場合には、この間少年を収容するのは少年鑑別所でございますが、鑑別所で学校や雇用主といったところと緊密な連絡をとるということで、少年の義務教育や職業に与える影響ができるだけ生じないように努めていくことが当然必要になるものと考えております。具体的には、例えば学校教育の問題でいえば、担当の教師と連絡をとりながら、その教科についてどう補充をするか、少年院の教官が考えていくということだろうと思います。 それから三点目でございますが、被害者が審判の経緯についてどう承知するのかという問題でございます。 今回の法制審議会の答申の中にも、被害者に対する通知ということがございます。これは、家庭裁判所がなす通知が触れておるのでございますが、流れからいいますと、まず、事件が起きますと、警察から検察庁に送られてまいります。現在でも一部の検察庁においては、希望する被害者に対して少年被疑者の家裁送致の処分等の結果を伝えまして、この時点で、家裁に行きましたよということについては被害者も承知し得るということになっております。それで、検察庁における被害者に対する通知も、この四月一日から全国に拡大して同じようなことを行うという予定になっております。 また、被害者は、この通知がありますと、事件は家裁に行ったなということが承知できるわけでございますが、家庭裁判所に対しましていつでも、事件が家庭裁判所に係属しているということで、審判結果等の通知を申し出る、通知してくれということを申し出るようにしたらいかがか。この場合には、終局決定があったときに通知を受けられることになるわけでございます。その場合には、被疑少年の名前とかあるいは付添人の氏名とかということの内容を含めまして家庭裁判所から被害者に通知がされるということでございますので、経過の把握は、法制審議会の答申が仮にこのとおり実現されるということになりますと、手続、流れを通じてできるというふうに考えております。
○吉田(治)委員 いや、私が聞きたかったのは、時間がもったいないですから、審判結果が出た、それはだれが教えてくれるんですかと。どこへ聞きに行くんですか、被害者の、親か御兄弟か、そういう関係の人は。どこへ聞きに行くんですか。だれが教えてくれるんですか。
○松尾政府委員 今回の法制審議会の答申を踏まえますと、審判結果が出ますと、家庭裁判所から被害者に対しては通知がされるということになります。
○吉田(治)委員 では、局長、黙っていても来るわけですね、それは。
○中村国務大臣 法律をつくる流れでございますけれども、法律をつくるのは立法府でございますので、法制審議会からの答申は、これは私の諮問機関であり、私に対する答申であり、これをこれから国会で御審議いただいて内容が決まってくるわけでありますので、法制審議会のことを前提にして詰められても、事務当局としてはなかなかお答えがしにくいんだと思うことを御理解いただきたいと思います。
○吉田(治)委員 大臣、これはこれから国会の審議ですとか実際上の運営の中で決められていく、そう理解してよろしいんですね。
○中村国務大臣 まず、答申で出てきたものは、与党がございますから、私ども行政としては与党と御相談をいたします。そこで審議をされて、そして国会に諮られて、与野党全体の御論議があって決まっていくというふうに心得ております。
○吉田(治)委員 わかりました。 それでしたら、この件について最高裁に。 今度、検察官関与の決定というのがなされていく。これは、家庭裁判所決定時の要件ですとか裁判官の裁量というのですか、それから、いろいろ意見があるんですけれども、事実認定のために検察官が関与するのが常態、普通でもいつでも関与をできるという状態にするのか、いや、それはしない方がいい、法制審の、結論的にいうと、常態化はしないという指針なんですけれども、それをどういうふうに最高裁として裏づけていくのか。 また、これはひとつお聞きしたいんですけれども、では、今回の法制審の結果がそのまま法律になった場合に、死亡が確定をして、事実認定を争わないといった場合に、神戸のあの事件では検察官の関与というものがあり得るのかどうか、今の状況からするとないのではないかという話もあります。 そうしますと、裁判官が判断するときに、いや、もう被害者も亡くなられている、事件自身ももう認定はこうこうこうでなされている、だから、検察官は関与もなしで、事実認定についてはそれでいってしまうというふうな可能性になってくると、今度は被害者並びに被害者の家族への配慮というふうなもの、こういうふうなものが大きく関係してくると私は思うんですけれども、この辺については最高裁は、大臣の話からすると、それは法案が通ってから考えてくれということなんですけれども、そういうふうなのを受けて、今どうお考えになられているのか。 そして、付添人という形で弁護人がつきます。現状の少年法審判においては、私選という形で一・五%しかつかない。刑事事件の場合でしたら国選という方向があると思うんですけれども、少年法の性格からして国選という方向がいいのかどうかという意見もあるんですけれども、それについてはどういうふうにお考えなのか。 この二点、簡潔にお答えをちょうだいしたいと思います。
○安倍最高裁判所長官代理者 御説明申し上げます。 ただいま具体的な神戸の事件を例にとっての御質問でございますけれども、なかなか、仮定の問題もあるところから、的確なお答えになるかという感じはいたすわけでございますけれども、今回、検察官の出席を求める、こういう仕組みを法制審議会の答申として盛り込まれたわけでございますが、この趣旨は、証拠の収集、吟味等に対する多角的な視点を確保するとか、あるいは裁判官と少年、付添人との対峙状況を回避するとか、こういったこと、これを手当てしたい、それを防止したい、こういうことがあるわけでございます。 さらに、ひいては、少年審判手続における事実認定の国民全体の信頼を確保する、この点にねらいがあるわけでございますが、今御指摘があった神戸の事件につきまして、これを仮にどうだというふうなお尋ねなんですけれども、実際に事実認定について争いがないとすれば、検察官の関与は考えにくいということが一つあろうかと思うんです。 ただ、委員が御指摘があったような、被害者の立場を考えた場合にそれを全く無視していいんだろうかという点は、確かに御指摘のとおりでございまして、被害者の立場から見た場合に、果たして検察官が関与しない形が本来の国民の信頼の置ける審判であるというふうに見られるんだろうかという点は、十分考える必要がある点だろうと思っております。今後、法案の審議の中でその点は詰めていくことになろうかと考えている次第でございます。
○吉田(治)委員 話を聞いておりまして、実は二点、検察官関与について法務省にお聞きしたいのは、先ほど申し上げました、検事の数、検察官さんの数、それからして、果たして検察官関与という形に、これは裁判官さんが判断なさるわけですね、どんどんなされていった場合に、では検察官の数が足りるのかどうか、実際関与というのが事実認定でできるのかどうかという意見がございます。それについてどうお考えなのか。 そして、最高裁さんに、これはいろいろ言われていることですけれども、少年審判のあり方、審判をされる裁判官、実は、私聞きますと、多くは司法試験を通られて司法研修所を出られて十年未満の判事さんだ。年齢的に言うと大体三十代中心。御家族があるのかどうかはわかりません。そういう方が果たして、こういう少年の審判の裁判官としてされるというふうなことに対して、適正という言い方がいいかどうかわかりません、そこまでいくと関与になってしまいますから言えないかもしれませんけれども、果たしてそれでいいのかどうか。 そしてもう一点は、では、それと、一方、ベテランの裁判官さんがつく場合がある。これは巷間言われていることですから私は事実関係を認めたわけじゃありませんけれども、どうもその裁判官さんというのは、最高裁の方針に合わないというか、言ったら悪いですけれども、そこでそのままとめ置きというか、ずっとそういう方がなる。もっと極端なことを言いますと、意見の中で出てきますのは、少年審判、裁判官の当たり外れが多過ぎるという意見まで出てきている。 先ほどの司法制度改革という中においても、やはり少年審判というものの持つ意味の大きさということを考えた場合に、この辺の意見に対して最高裁としてどういうふうに今後、改正されていったら対応していくのかということをお聞きしたいと思います。
○中村国務大臣 まず第一に、先ほども申し上げましたように、法制審議会というのは私の諮問機関で、私に答申をする、会長は私であります。メンバーは三百何人いるんですけれども、百九十人はその中にお役人がいて、私が会長で、行政機関であります。行政機関の一部が意見を述べたことが決まったということで御論議されると、非常にそれは立法府無視になってしまうわけでありまして、私としてはそれはできないわけでございます。 それは、やはり私どもは立法府に対して重要な企画立案機関だと思っておりますから、まず与党の御意見をお伺いし、その中で調整を図りながら法律をつくっていく。そのときに法制審議会から出た意見を参考にしながらやっていくということでございます。 ですから、その打ち合わせをした中で、与党の意見、そして国会の意見をいただいた中でこの制度がスムーズに機能するように考えて立案をしていく、こういうことでございます。
○吉田(治)委員 大臣、行政の立場で立法へ出すということに、私聞いたのは、検察官の数が間に合うかどうかという話。ということは、今の理屈からすると、いや、それは立法が決めることだから、行政は検察官の数がどういうふうになろうがそれは知りまへん、知らぬけれども、とにかくこういうのを法制審で出したから出しましたよ、そういうふうな無責任な出し方をしたととられかねないのですけれども。私が聞いたのは検察官の数の対応についてですから、それだけにお答えいただきたいと思います。
○中村国務大臣 ですから、委員の御質問は法制審議会の結論を前提としておっしゃっておられます。そういった内容がこれから実態に合ってきちっと機能しますように、与党と調整をし、そして国会で御審議をいただいて法律をつくるわけでございます。
○吉田(治)委員 最高裁に質問の前に、総理、今大臣が内閣の立場、行政の立場ということを言われました。少年法改正についていろいろるる申し上げて、これは法制審からで、立法がやることだということは、理屈はわかります。では、これについて、内閣の長として、この法案を閣法として出すときの責任者として、総理としてのお考えというのは何なんですか。
○小渕内閣総理大臣 それは、法制審で、法務大臣がこれを検討して、そして今お話しのように与党とも相談をして法律を出していくということですが、いずれにしても、この問題について大変世の大きな関心の寄せられていることは事実でございますから、この機会にきちんとした対応をとるべく対処しなければならない時点である、こう考えておりましたゆえに、施政方針演説でも、大変短い文言でございましたが、もろもろこうしたことを含めて、司法全体ではありますけれども、中にこういった問題も存在するという考え方でこうしたことを述べさせていただいたということでございますから、ぜひ、こうした問題についての国民的な論議の中で一日も早く結論を出していきませんと、確かにメディアの報道その他を通じましていろいろな疑念が国民の中にも大きく広がっておるということについての結論を出していかなきゃならないのではないか、こう考えております。
○吉田(治)委員 最高裁、お願いします。
○金築最高裁判所長官代理者 少年事件の審判を担当する裁判官の問題でございますが、全国的に見ました場合には、多くの中小の裁判所におきましては、裁判官は民事、刑事、家事、少年といろいろな各種の事件をかけ持ちしていることが多うございまして、それからその担当というのも時々変更されたりいたしますので、少年事件を担当している裁判官ということで一律に平均年齢とか結婚の、いろいろどういう人かというふうなことを申し上げる全国的な数字的資料は、申しわけございませんけれども、ちょっと持っておらないわけでございます。 ただ、東京とか大阪などの大都市の家庭裁判所では、専ら少年事件を扱っている裁判官というのがおるわけでございます。代表例として東京家庭裁判所と大阪家庭裁判所について申し上げますと、現在、東京家裁におきまして少年事件を担当している裁判官は六人おりますが、平均年齢は約四十五歳、裁判官の経験年数で申しますと約十八年ということになっております。全員既婚者でございます。また、大阪家裁で少年事件を担当している裁判官もやはり六人でございますが、平均年齢はやはり四十五歳、裁判官としての経験年数はやや短くて約十六年、全員既婚者ということでございます。 どういう裁判官が少年審判を担当するのが適当なのかという問題でございますけれども、どういう事件でありましても、それはそれなりの相当の経験を積んでいくという中で事件を担当する方がいいということではございます。少年事件につきましては、御指摘のような点もありますので、新任の判事補には、新任の二年間の間は特段の事情がない限り担当させないということがございます。しかし、判事補でありましても、ある程度経験を積んでおりますれば、少年事件を担当するのは不適当であるというふうには考えておりません。
○吉田(治)委員 最高裁の方に。今、平均で逃げましたよね。四十五歳平均。では大体、イメージ的には四十二、三の人と五十前の人かなというイメージですけれども、実は、四十五歳というのは、例えば六で掛けると二百七十。ということは、ばらつきがあってもわからぬということですね。私が聞いたのは平均じゃなくて、そういうふうな意見が結構多いという点で、六人のうち何人が何歳だとか、そういうふうな部分を私はこれからぜひとも最高裁におかれては反論していただかないと、実際、少年審判を受けた人からは、本当にこんな若い人でとか、どうもええ年いっているけれどもこの人大丈夫かいという人もはっきり言ってあるというんですから。人事局長としてその辺は、これほど大きな改正をするのですから、よく理解していただきたいと思います。 最後になりましたけれども、時間がありませんので、日弁連の皆さんに参考人でおいでいただいております。いろいろ意見をいただいております。少年法に関しても意見があるということを聞いております。時間が余りございませんので、できるだけ手短に、法曹三者の一角を占められる弁護士会としてどうお考えなのか、御意見をちょうだいしたいと思います。
○上田参考人 少年の非行につきましては、家庭、学校、社会に抜本的な原因がありまして、そこにメスを入れることにより、少年法制も含めた総合的な対策が必要ではないかというふうに考えております。このような対策なくしては、真の意味での少年非行の抑制あるいは少年の更生につながらないのではないかというふうに考えております。 日弁連は、少年法は基本的には適正に運用されているとの認識でありまして、少年法の保護主義の基本的な理念は守られるべきであるというふうに考えています。しかし、非行事実認定手続につきましては、憲法、国際人権規約、子どもの権利条約等の観点から、適正な手続の保障が不十分であるというふうに認識をしております。 今回の要綱骨子のうち、再審の規定、被害者への通知については、日弁連としても基本的に賛成をしております。しかし、要綱骨子のような検察官の関与、検察官の抗告権、観護措置期間の延長については反対をしております。 今回の改正がなされますと、大人よりも防御能力の弱い少年が、大人の刑事事件よりもはるかに不利益な状態に置かれることになります。刑事罰対象年齢の引き下げなどの厳罰化の動きと相まちまして、少年自身の立ち直る力を信じ、その支援を目指すという少年法の理念が根本的に変更されてしまうおそれなしとしません。また、少年にとっても極めて不公平な手続になると思います。 御承知のように、現在の少年事件では、刑事裁判とは異なりまして、警察、検察庁で収集された証拠のすべてが家庭裁判所に送られ、裁判官が記録のすべてに目を通した上で審判に臨むというシステムになっています。そのために、ただでさえ少年が有罪だとの予断を抱きやすいという指摘もなされています。そこへ、少年が無罪を主張したり、あるいは事実の一部を否認するというような場合には、裁判官の判断により検察官が登場して、刑事裁判のような手続保障もなく検察官が少年の有罪を主張するということになりますので、少年側に一方的に不利益な制度になるのではないかというふうに考えております。 しかも、窃盗や交通事故による業務上過失致死傷を含むほとんどの犯罪に検察官の関与が可能になります。争われる事実の範囲は動機や共犯関係の程度というものも含まれますので、相当数の事件に制度的には検察官が関与可能でありまして、少年審判が変質する危険性があると言えます。 少年事件の適正な審理のためには、少年の取り調べ状況を可視化するための取り調べ時のテープ録音の導入などの捜査段階の改革、あるいは審判段階での証人尋問請求権などの適正手続の改革などが進められるべきであるというふうに考えております。 以上です。
○吉田(治)委員 参考人、御苦労さまでございました。これはこれから法務委員会に付託されて議論をなされていくというふうなことを理解させていただいています。 時間がございませんので、事前の質問項目の中であと医療保険と年金問題について、これはまとめて、雇用という立場も含めて、総理にまずお聞きをしたいと思います。 非常に雇用条件が厳しくなってきているというふうな中で、総理は百万人雇用創出計画等を申されておりますが、ではその雇用というふうなものについて、総理の御所見。 そして、医療保険の問題については、一昨年九月に薬剤一部負担というふうなものがなされました。あのときの議論からすると、とにかく厳しいから先に負担をしてくれ、抜本改革を必ずするからというふうな話でなされたわけですけれども、昨年十二月十八日、自民党の政調会長と日本医師会の会長の間において——どうぞ、結構でございます。ありがとうございます。
○中山委員長 吉田君、いいですね。 どうぞお帰りください。御苦労さまでした。 最高裁もお帰りいただいて結構です。どうぞ。
○吉田(治)委員 時間がないもので申しわけございません。 両会長の間で、薬剤二重負担の取り扱いについてという形で措置がなされました。抜本改革までのつなぎという位置づけで、医師会からの強い要求がなされたというふうに巷間伝えられております。 堺屋長官、短期楽観、長期悲観というものが余りにも流布され過ぎたからこそ、日本の消費性向が落ち、経済の回復が遅いということをかねがね述べられております。医療保険においても、今は何とかなるだろう。しかしながら、長期的にもつのかな。後ほどの年金の問題もそうです。しかしながら、事ここへ至っては、老人薬剤負担免除という形、一千二百七十億円の予算が計上されております。これについては、医師会の強い要求があって決められた。どうも力の強いところの言うことは聞くのかね、税金まで使ってという声もございます。 また一方、その手続の仕方について、先ほど申し上げましたように、抜本改革をするというのに今こういうことをするのはいかがかという中で、国民健康保険中央会、知事会、市長会、町村会、それから医療保険福祉審議会運営部会長自身も遺憾であるということを出されております。このことについて、総理、どうお考えかということが一点。 二点目は、では、つなぎ措置という形だけれども、いつまでこれをするのか、そして抜本改革はいつし、どうするのか。 もう一点お聞きしたいのは、もしも、一千二百七十億で、これは要するにお医者さんが薬を渡すときに、支払うのは今老人さん、私たちも払っております。見えていますから、余り薬を出したら医療費が高いと言って次来てくれへんかったら、そういう発想はないと思いますけれども、困るなという中で、もしも支払う負担はないという形になると、お医者さんがつい、ではこの薬も飲んでおいたらどうだろうという形になると、一千二百七十億でとまらないのじゃないか。では、おさまらなかったらどうするのか。そして、この負担は何も国だけではなくして、保険料、また地方公共団体も負担しますけれども、この財源措置というふうなものはどうとられるのかということを、これは医療保険についてはお答えをいただきたいと思っております。これはまとめてお答えで結構です。 そして、年金につきましては、経済戦略会議で、ありていに言うと、これから年金制度というのは厳しいから個人の責任でやってえな、そのかわりに四〇一Kだ、やれ何だということを、確定拠出型だ、ポータビリティーだという形でやってもらうよというふうな方向が随分強いように見受けられます。その辺の総理の御所見と、今、厚生年金基金という形の企業年金の改悪、解散が非常にふえております。また今後、国際会計基準導入、時価主義の影響というものを今後十五年間で緩和するとは言いながら、現実に、企業によっては退職金の前払いという形で、これは所得税がかかってまいりますので、そういう方向も進められている。この辺について、一点目は担当大臣のお考えと、それから、退職金制度というのは労働大臣の所轄でございます。労働大臣として、退職金制度は残すというのか、実際上、そういう形で退職金制度が空洞化されていくのを待って、退職金制度というものをなくしていこうというお考えなのか、その辺をいただきたい。 と同時に、最後にもう一点は、今、国民年金委員という制度が実は地域によってはございます。全国には広がっておりません。国民年金三分の一が払われていないという中で、地域の皆さんが国民年金委員になられて啓蒙活動をされたり、場所によっては国民年金の徴収事務にまで携わっているという話を聞いております。この辺の国民年金委員制度というふうなものを、全国大で広げてもらいたいという委員の皆さん方の強い御要望もございます。この辺を含めて、時間がございません、申しわけございませんが、まとめた質問になりますが、お答えの方をまず総理からお願いを申し上げたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 それでは、私から総括的に基本的な方向についてお答え申し上げ、具体的な問題のお尋ねもありましたので、個々大臣から御答弁をさせていただきたいと思います。 まず、雇用の問題でございます。 雇用につきましての現状は、本日発表されました十二月の完全失業率が四・三%と、前月より低下したものの引き続き高い水準で推移し、有効求人倍率も〇・四八倍と、前月よりも上昇したものの低い水準で推移いたしております。雇用関係の指標として改善はしておるのでありますけれども、その内容を見ますと、就業者が減少するとともに、女性を中心に求職活動をあきらめた人も増加いたしておりまして、そういった意味では、この数字そのものが改善されたと考えられず、依然として厳しい状況であると思っております。 こうした厳しい雇用の、失業情勢を改善するために、現在、政府全体で、百万人規模の雇用創出、安定を目指して、緊急経済対策を強力に推進をいたしておるところでございます。 とりわけ、雇用活性化総合プランに基づきまして、中小企業が労働者を雇い入れたときの助成措置など新規雇用創出のための支援、中高年労働者に重点を置いた再就職支援、ホワイトカラー向けの離職者訓練の拡大、経済団体と連携した求人情報の提供による労働力需給のミスマッチの解消に全力で取り組んでいるところでありますが、これらにより雇用の確保を図りまして、国民の雇用に対する不安を払拭し、再び希望と活力にあふれた経済社会をつくり上げていく努力をいたしていきたい、こう決意いたしておるところでございます。 次に、薬剤費一部負担の免除の問題でございますが、本件につきましては、今回の高齢者の薬剤費一部負担軽減の臨時特例措置は、現下の厳しい経済状況にかんがみ、医療機関にかかる機会の多い高齢者に対し、その薬剤費負担を軽減するために、医療保険制度の抜本改革までの応急的な措置として臨時特例的に実施するものでございまして、いろいろ御批判をいただきましたが、こうした制度は全く臨時として考えております。 薬剤費制度の見直しを初めとする医療保険制度の抜本改革の必要性はこの措置によりましていささかも変わるものでなく、平成十二年度からの実施を目指し、精力的に取り組んでまいりたいと思っております。 最後に、年金の問題でございます。 厚生年金の報酬比例部分の完全民営化につきまして、経済戦略会議の中間報告でもいろいろ御指摘をいただいております。ただ、この点につきましては、企業年金のない中小企業などに勤めるサラリーマンの高齢期における所得保障が基礎年金のみになりかねない、将来大きなインフレが発生した場合に対応が困難である、あるいは、移行期に巨額の二重の負担が発生するなどの問題も指摘をされるわけであります。 いずれにいたしましても、年金は国民生活にかかわる重要な制度でありますので、しっかりとした検討を行いまして、信頼のできる安定した制度を確立してまいりたいと思っております。 また、確定拠出型年金制度につきましては、現在、年金制度の一環としてその具体化を図るべく、平成十二年度中の導入に向けまして鋭意準備を進めているところでございますが、厚生大臣、労働大臣から、補足させて答弁をさせていただきたいと思います。
○宮下国務大臣 時間の関係で簡潔に申し上げます。 医療費につきましては、総理が今御答弁いただいたように、予算編成過程で総合判断をして、七月から薬剤費の一部を七十歳以上、身障者等については六十五歳から、七十歳以上の方々の負担を国が行うということにいたしました。それに付随いたしまして、診療率等が上がりますと保険者あるいはその他、波及の問題がございますから、その問題は千二百七十だけでは済まない可能性がございますから、これは国が責任を持って財源を措置します。 それから、抜本改革の内容はもう時間がございませんから申し上げませんが、医療保険の問題、これは診療報酬をどうするか、特に今議論になっております薬価基準制度をどうするか、それからまた老人医療制度をどうするかという問題がございます、それから医療提供体制の問題があります。いずれも基本的な問題がございますが、これらをそれぞれ今、審議会その他を通じて鋭意検討中でございまして、できる限り法案によって十二年中にできるように措置をしたい、こう思っています。 それから、確定拠出その他はもう総理から申し上げたとおりでございますから、あとは会計基準の問題がございます。 これは、平成十二年四月からということが一応予定されておりまして、今までは損益計算の方だけでよかったのですが、貸借対照表にもその旨を表示するということが行われる予定になっておりますから、これは年金の設計その他、非常に関係が深いので、今検討中でございます。 なお、国民年金の委員の問題等は、その趣旨にかんがみまして充実を図っていきたい、こう思います。
○甘利国務大臣 退職金を前払い方式で、毎月の賃金に乗せて支払いをしていくという方法を選択制としてとっている企業が出てまいりました。これを採用すべきかどうかということについては、これは、労使の関係で合意いただければ、私がとやかく言うことではありません。 ただ、傾向としてどうなるかということを申し上げますと、今、国際会計基準の話もありました、これが導入をされていきますと、先生御承知だと思いますが、将来債務を明示していかなくちゃいけない。将来債務がたくさんありますと、企業の格付に影響してくるんだと思います。 そこで、法人税の改革とあわせて退職給与引当金の引き当て率を下げていく、そうすると……(吉田(治)委員「いや、だから、退職金制度だけ、どうなっているかだけお答えください」と呼ぶ) 退職金制度は、企業の判断で残すべきものは残すということでよろしいと思います。それで、これは、あくまでも労使間の話し合いによってどういう方向をとるかということが結論だと思います。
○吉田(治)委員 わかりました。それはもう企業にお任せするというお答えだと思います。 厚生大臣、一点だけ、例の医療保険の老人薬剤の件ですけれども、具体的なお答えをいただきたいのですね。 つなぎ措置ということですから、これはいつまで、先ほど総理は臨時と言われました、具体的にいつごろまでということを考えられているのかということ。 それから、財源措置をすると言われましたけれども、では、いつ、どのような形で財源措置がなされるのか、補正予算ということが念頭にあるのか、それとも別個の考え方があるのか、この二点だけお答えをください。
○宮下国務大臣 いつまでにということでございますが、起点はことしの七月からやりますが、ただいま簡潔に申し上げましたように、医療保険の改革を今検討中でございまして、十二年度実施をめどにしておりますから、その抜本改革までのつなぎの措置という御理解をいただきたい。 それから、先ほどもちょっと申しましたが、波及的な問題等でなお千二百七十億以上かかる可能性もあります。それは、やはり決算的な意味でございますから、今後どのような方法をとるにしても、あるいは補正の機会があるのか、あるいは来年度予算でもこの種の精算的経費は計上可能でございますから、そういうことを申し上げたわけであります。
○吉田(治)委員 それは、一千二百七十億でおさまらなかった場合ですね。それ以外に、地方公共団体負担分、それから保険料としての負担分が出てくるのですけれども、この部分についてはどういうふうに財源措置をされていく、いつ、どのような形にするのかということ。
○宮下国務大臣 これは、一部、地方負担は自治省の交付税措置等で行うように話をしておりますし、保険料の問題は、これは今の、一括して私が波及の問題としてくくった問題でございますから、これらの中で措置をしていくということでございます。
○吉田(治)委員 そこの波及の措置というのがちょっとイメージわかないのですが、具体的にどういうふうなことなのか。
○宮下国務大臣 これは、それによって診療率が上がったりして、医療給付がかさみます。そうなりますと、いろいろのシステムによって負担がそれぞれかかりますね。それらはすべて国の責任でやるという趣旨でございます。
○吉田(治)委員 では、それは大体いつごろ、十二年度予算という中でやるわけですか、それとも、来年度、十一年度予算という中でやるわけですか。
○宮下国務大臣 ですから、先ほど申し上げましたように、今後の財政措置のやり方については、補正計上のチャンスがあればあるいはそういうことになるでしょうし、また、そういうことがなければ平成十二年度予算で措置する、こういうことを申し上げたわけです。
○吉田(治)委員 ありがとうございます。 あと、たくさん残ってしまいました。一般質疑の方で頑張らせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○中山委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後一時開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。池田元久君。
○池田(元)委員 民主党の池田元久です。 本日は、横路委員の質問時間でございますが、昨今、いわゆる財政と金融の完全な分離、金融行政の一元化についての与野党三会派合意につきまして、いろいろ、雑音といいますか、後ろ向きともとられかねない発言また動きがあると思います。そこで、きょうは、先日の仙谷委員また西川知雄委員の質問に続いて、若干この問題についてお尋ねをしたいと思います。 きょうはあえてこの合意文書は配りません。極めて明快です。党首会談では「財政と金融の完全分離及び金融行政の一元化は、次期通常国会終了までに必要な法整備を行う。」そしてまた、去年十月一日夜の三会派合意では、この「次期通常国会終了までに必要な法整備を行い、」に続けて「平成十二年一月一日までに施行する。」こういう文章になっていることは御存じのとおりです。この文章を取り上げて、あいまいであるとか玉虫色であるとか、そんなことは言えないと思います。見方によって色が違って見えるというようなことはございません。日本語として極めて明確です。 そして、この明白な合意についていろいろな発言も出ておりますが、まず、金融行政の一元化をどう理解していらっしゃるか、官房長官に端的にお尋ねをしたいと思います。
○野中国務大臣 専門的な金融、財政の分離について私は所管する立場にございませんので、私から専門的所掌分野について申し上げることは御遠慮申し上げたいと存じます。
○池田(元)委員 野中官房長官も御承知だと思いますが、現在の金融行政、例えば大蔵省の金融企画局、これはもう現在は名前のとおり大蔵省の所管、そして金融監督庁は総理大臣が主任大臣、その他、日銀また預金保険機構ありで、金融行政の組織というのはばらばらであると言って過言ではないと思います。これを危機に当たって一元化していこうというのが、今度の金融再生委員会設置法の大きな目的であります。 これまでの経過は、官房長官は十月一日の夜の三会派合意に立ち会い、また、その前の九月十八日の党首会談にも同席をされました。 それに加えて、この問題の一つの山場でありました九月の二十七日の日曜日の夜、当日は、午後四時から国会の近くのホテルでいわゆる政策実務者協議が行われておりました。その段階では、法律案についてすり合わせをいたしました。我々が出した金融再生四法案の原案に対して、自民党が修正する、修正要求を出すという形でありましたが、自民党はその修正要綱を事実上つくれなかった経過がありまして、そして、我々がつくった共同修正案について協議をいたしました。 そして、いろいろ問題点がございまして、一つ一つ片づけていって、当日の夜、結局残ったのがこの金融再生委員会の所掌事務、これは政策実務者では対応できない、いわゆるマル政だということで、きょう委員として御出席かと思いますが、津島雄二さんが政府・自民党の首脳のところに持ち帰られて、私と同じ名前でございますが、自民党の政調会長などに相談されましたが、結局ゼロ回答でありました。 しかし、当時もそうですが、金融の危機が大変進行しておりました。あの晩は、総理や官房長官もすぐに思い出されると思いますが、日本リースの会社更生法の申請のニュースが夜流れてまいりました。我々は、早くこの金融再生法案を仕上げなければならない、ですから、その問題がデッドロックであれば、我々の主張は主張として、柔軟にその部分だけは対処しようということをお伝えし、細かい経過を覚えておりますが、あの晩のたしか午後十一時過ぎだと思いますが、官房長官から電話をいただきました。 結局、再生委員会の所掌事務として、特別公的管理等の開始の決定とかそういう業務に加えて、金融の破綻処理制度及び危機管理の企画立案、これは本来は再生委員会に専管として当然持たすべきでありますし、我々としては、いわゆる金融の企画立案すべてを一元化するために再生委員会に持たせるべきである、金融再生法の原案もそうなっておりましたが、そういう主張はいたしましたが、官房長官から、その一元化までは、その後それが二〇〇〇年一月になったんですが、金融の破綻処理制度と企画立案については大蔵省と共管として、金融再生委員会の所掌事務として付与をする、そういう連絡がありまして、その場で話し合いがまとまったことは野中官房長官御存じだと思いますが、以上の経過について確認されると思いますが、いかがでしょうか。
○野中国務大臣 今池田委員がお話しになりました、大筋そのとおりだと私も思っております。 ただ、九月十八日の与野党党首会談におきましては、菅党首の方からペーパーを出されまして、そしてそれには、いわゆる確認をしたのは、「金融再生委員会の設置に伴う財政と金融の完全分離及び金融行政の一元化は、次期通常国会終了までに必要な法整備を行う。」ということであったわけでございまして、その後、九月の二十八日に、金融再生委員会及び大蔵省の共管事務の決定が行われたのはお話しのとおりであります。その後、十月一日に、これは、津島先生、中野先生、坂口先生によって覚書が行われたのでございます。 ここで、私はあえて申し上げておきたいと思いますのは、各新聞がそれぞれお書きになりますけれども、官房長官の記者会見というのは、私がすべて私の方から物を申し上げるのでなく、この問題について今日までの経過はどうだと聞かれたら、今日までの経過はこうでございますということを私が申し上げるだけでございまして、きのうもそういう経過を申し上げました。それぞれとり方が違っておりまして、私がまだ何かこの共管事項についてもう一つ引っ張ってやろうかなんて先生は御理解をされた向きがあるようでございますけれども、私は、きのうもこの席で申し上げておりますように、三人の実務者の皆さんで党を代表してこれを確認されたわけでございますので、私どもは、省庁の大綱を決めます際に、太田総務庁長官を通じて、この覚書があるから、この問題については三党間及び与党となられた自由党との協議を含めて決めてもらいたい、大綱は大綱として従来の省庁再編の基本法によって進める、これを確認してやった次第でございますので、さよう御承知をいただいて、私は、きのうの会見は今までの経過を申し述べたということでございます。
○池田(元)委員 これまでの経過だとおっしゃいました。そして、大筋、先ほどの私の経過説明を確認されたと思います。 財政と金融の完全分離、金融行政の一元化まで、破綻処理制度と金融の危機管理の企画立案は大蔵省と共管とする、現在そうなっています。また、現在は国内金融の企画立案、いわゆる金融制度の企画立案は大蔵省に残っております。これが現状なんです。それを二〇〇〇年の一月までに一元化するということであります。 具体的には、破綻処理制度、危機管理の企画立案は、現在大蔵省との共管を金融再生委員会の専管にする、大蔵省にある金融企画局は、再生法案の成立の経過からいって再生委員会に統合する、これが自然な道筋であります。 そして、今先回りして官房長官おっしゃいました。今の発言からすると、このメモが正確かどうかわかりませんが、そのときの話ですが、金融制度の企画立案は大蔵省に残す、大蔵省いわゆる財務省に残すとなっております。また、破綻処理制度、危機管理に関する企画立案については、ここに財務省が入っているのですね、財務省と金融再生委員会の共管にする話だったと、これは何かの間違いではないのかなと思います。今の話からすると、私は素直に受けとめますから、金融制度の企画立案は、財務省はこれからですから、現在大蔵省に残す。 それから破綻処理制度、危機管理は財務省と入っていますけれども、財務省はなしで、再生委員会との共管にする話だった、こういうことであれば、私は全く素直に受けとめることができると思います。
○野中国務大臣 私があえて記者会見に触れましたのは、先ほども申し上げましたように、記者の皆さんの質問に答える形で、過去の経過と現状を申し上げたわけでございまして、もう何回も言っていますように、この覚書の前に党首会談があり、その前に省庁再編の基本法は決まっておりました。したがいまして、省庁再編では、我々の認識では、この基本法においては、財務省ということに大蔵はなっていく名前になっておりますので、国土交通省を含めて、あの基本法で決められたままを大綱として一応決めたわけでございます。 しかし、そういう中で、問題となっておる省庁名については、総理にその時期及び省庁名を一任をされたことは事実でございます。しかし、大綱を出す者は、やはり基本法に基づいて出しますので、これは、大蔵省との共管であったものを財務省と書くのは当然のことでございます。 したがいまして、そのことを申し上げたわけでございまして、さかのぼって考えますならば、当初の党首会談のときは、宮澤大蔵大臣から、わざわざ菅党首の申し出に対しまして、金融庁を分離して立ち上げることになりますのでというお話もございまして、予算化の問題、人員の問題、組織の問題等を話し合って、その結果、日時を入れないで、次期通常国会で法整備を行うということになったわけでございます。 その後、党首会談の後を受けまして、さっき先生おっしゃったような津島委員を初めとする実務者覚書ができたわけでございますので、私自身が当初に申し上げましたように、金融とはどこまでを指すのか、財政とはどこまでを指すのか、これは私は所掌する責任者でありませんし、その内容につまびらかではございません。 したがって、従来の経緯に基づいて、私どもは、これは、政党間で協議をしてもらうべき問題と、そして政府が省庁の基本法を受けて大綱を決める問題、大綱を決めた後、省庁設置法を国会に出すまでには政党間で整理をしてもらう問題とを立て分けて処理しようとしてあえて申し上げたわけでございますし、その流れによって今進められておるわけでございますので、さよう御承知おきを願いたいと思うわけでございます。
○池田(元)委員 政党間の協議等いろいろおっしゃいましたが、私がお尋ねしているのは、まさに将来にわたって共管とするような、誤解かもしれませんが、そういう報道もございましたので、お聞きしているわけです。 官房長官は、これまでの経過として、そういう共管ということになっていると、そこまではわかります。しかし、金融庁というのは、法律によれば二〇〇一年からできるわけです。二〇〇一年を目標にできる。それは、我々政党間の合意による二〇〇〇年一月以降の話です。二〇〇〇年一月には一元化が達成されなければならない。それまでは共管です。その後も共管でいくべきというのは、全く新しいことですよ。それをはっきりしてください。
○野中国務大臣 私の言い方が悪いのかもわかりませんが、きのう西川委員の御質問にお答えいたしまして、私は、覚書にあるとおり、完全分離と理解をしておりますと申し上げました。けれども、あえて池田委員が御質問になりますから、金融とは一体どこまでを所掌するのか、財政とはどこまでをすみ分けるのかというのは私の所掌する範囲でありませんから、私はそこのところを明確に言うわけではありませんが、覚書について、そのまま完全に分離するという覚書に基づいて、合意された三党と、さらに自由党が政権に加わってもらいましたので、そこで協議をいただきたいということをあえて申し上げたわけでございます。
○池田(元)委員 金融とは何かとか、財政とは何かとか、そんなことを今議論しているわけではありません。要するに、方針として明確なんです。財政と金融の完全分離と金融行政の一元化は、次期通常国会、今国会終了までに必要な法整備を行う、そして施行は平成十二年一月一日だという、これは明確なんです。それは確認されました。 私は、あえて聞きたいのは、二〇〇〇年一月以降もあたかも共管のごとき、そういうふうに受け取れる発言があったようですので、この合意に戻して、二〇〇〇年一月までに金融行政の一元化をやるんだ、それ以降は当然のことながら共管ということはない、その確認を求めているわけです。
○野中国務大臣 何回申し上げても一緒でございますが、財政、金融の完全分離というのは、具体的にあそこでは明確になっておらないのでございます。池田先生が解釈されておること、あるいは津島先生が解釈されておること、だから、財政、金融の完全分離というものが何を具体的にきめ細かく決めたかは確認をされておりませんので、これは、我々政府側よりも、むしろ、お決めになったところで、ひとつ政党間で協議をいただき、自由党も含めてやっていただきたいということを申し上げたわけでございます。
○池田(元)委員 答えてないと思うんですよね。お答えになっていないと思う。 要するに、将来にわたって共管をするのかどうか。きのうの記者会見では、財務省も大蔵省もごっちゃになっておっしゃっている。多分これは違うんじゃないかと思うのですよ。ですから、僕は、さらっと聞いたつもりなんですが、将来にわたって大蔵省の後身である財務省と共管になるのかどうか、それを聞いているわけです。
○野中国務大臣 基本法に基づきまして、省庁再編の大綱を決めました。それには政党間の合意に基づくものは入れておりません。 ただ、自由党との大臣数につきましては、内閣総理大臣たる、そして自由民主党総裁たる小渕総理・総裁と、自由党の党首小沢一郎氏との決定でございましたので、大綱に入れることになりました。 けれども、三党の実務者の皆さんの協議におきましては、政府が関与する問題でありませんし、今申し上げましたように、金融と財政の完全分離というのは具体的にこのようなものだということがあの覚書の中には示されておりませんので、私どもは、政党間で合意を受けた後、これを閣法とするのか衆法とするのかを決めなくてはならないということで、三党間及び自由党を含めて御協議をいただくことをお願い申し上げた次第でありまして、私が共管を申し上げたのは、現状を申し上げました。そして、大綱に盛られておるのは、こういう経過で、大綱に今は共管として盛られております、今後は政党間協議でございます、こう申し上げたわけでございます。
○池田(元)委員 一番最後、私の質問に関連して少しお答えになったのですが、現状は共管になっているということですから、将来にわたって共管だというようなごときこの報道は、違いますね。
○太田国務大臣 官房長官は非常に心優しいものですから、親切なことをお答えになっておるのですけれども、私に言わせれば、今はボールはむしろ三党の方にあるわけでありまして、それを今、そのときのやりとりがどうであったかというのは、立会人に、立会人である証言をお聞きになっておるんだとすれば、それはちょっと違うんじゃないかと思うのです。
○池田(元)委員 問題をそらさないでください。将来にわたって共管かどうか、端的に聞いているわけです。
○野中国務大臣 私は、金融というものに、為替とか国際金融とかすべてを入れて、どの範囲までを金融というのか、そこの金融、財政の分離というのを、そこのところを私は所管する立場でありませんから、それを具体的にそこでは定めておりませんから、三党間で御協議をいただき、自由党を入れて御協議をいただきたいということでありまして、完全に私は、将来にわたって共管であるとか、そういう立場で申し上げる立場にありません。そして、そういうことを約束はしておらないし、公言しておらないわけであります。現状を申し上げたわけであります。
○池田(元)委員 金融も財政もわからないと言いながら、きのうは破綻処理がこっちだとかいうことをおっしゃっているわけですから、全然説得力がないと思うのです。 ただ、僕は、別に野中官房長官をどうこうするわけじゃなくて、この問題本来のこれからの進め方と、それから、合意事項に沿って、政党政治家としてこうだということで聞いているわけですから、将来にわたって共管というのは、今の話だと、違いますね。
○野中国務大臣 金融の中で現在の大蔵省に残る部分があるかもわかりません、それはわかりません。私がその所掌する事務についてわからないと言うのはそこであります。けれども、あのときに問題になったのは、少なくとも再生委員会ができる中では、金融行政の企画立案と破綻処理に対する危機管理は共管にしようということで落ちついたという事実と、それから覚書では、財政と金融の完全分離を行うのを法整備をやろうということが協議をされたということでございます。
○池田(元)委員 後半の部分はそうでしょう。しかし、今重大なことをおっしゃいました。金融について大蔵省に残るかもしれない、これは、「金融行政の一元化」というこの言葉に反するじゃないですか。説明してください。
○野中国務大臣 どうぞ三党間で御協議をいただき、自由党を入れて御協議をいただきたいと存じます。政府は、それを受けて処置をいたすつもりでございます。
○池田(元)委員 私が聞いているのは協議をするとかという話じゃないでしょう。私もこれを明確にしてもう早く終わりたいですよ。 要するに、将来にわたって財務省との共管というのが書いてありますから、発言したかどうか聞きたいわけです。
○野中国務大臣 今日に至る経過を尋ねられたら、今日に至る経過は、先ほど繰り返し申し上げますように、省庁再編基本法に基づいて大綱を今月末までにつくる、そしてその大綱は、実務者において協議された問題は政党間協議として置いて、従来の省庁再編の基本法に基づいてこれをつくるということでございますから、その実情を申し上げたわけです。そこでは残っているんです、これは。 けれども、ここのところは、三党の覚書がありますから、三党で協議し、自由党で協議して、それを衆法とするのか閣法とするのかを受けて我々はやらなくてはならないということを申し上げたわけでございますが、これ以上明確に言えと言われても、私は申し上げることはできません。
○池田(元)委員 この問答、私は、要するに将来にわたって共管かどうかと、きのう言ったのか言わないのか聞いているわけです。それを、政党間協議とかなんとか、全然答えてないので、委員長、ちょっと、ちゃんと官房長官におっしゃってください。真正面からお答え願います。
○野中国務大臣 今日までの経過を申し上げたところでございまして、今日は共管でございます。
○中山委員長 池田君。——官房長官。
○野中国務大臣 私、政党間の協議をお願いしておると申し上げたんですが、将来にわたって申し上げたわけではありません、現状を申し上げたわけでございます。
○池田(元)委員 どうして明確に、あなたが共管と、官房長官がおっしゃったわけですよ、将来にわたって。おっしゃったかもしれないのです、このメモでは。だから、将来にわたって共管という考えをお持ちなのかどうか、そこを聞いているわけです。
○野中国務大臣 そこのところは、三党及び自由党と協議をしていただきたいというんですから、私は、それ以上踏み込める資格のある男ではありません。
○池田(元)委員 官房長官が言ったという資料があるから、言ったかどうかと聞いているわけですよ。ちゃんと真正面から答えてください。
○野中国務大臣 将来にわたって共管とは申し上げておりません。ただ、金融というものがどうなるかは別な話でございますということを私は申し上げただけでありまして。
○池田(元)委員 財政と金融の完全分離、金融行政の一元化、これは合意しているわけですよ、あなたが立ち会って。そばで聞いていました。あの官房長官の発言も聞いていました。なかなか、その場合は大変な判断をされました。 しかし、今になって潔くないんじゃないですか。金融行政の一元化。将来にわたって、御自分でおっしゃったと言われているんですよ、御自分で。将来にわたって、要するに財務省との共管にするんだと。財務省との共管というのは、我々は、全くこれは合意に反するわけですよ。
○野中国務大臣 大綱は省庁再編基本法に基づいてつくりましたので、金融、財政の完全分離というのは、三党及び自由党を入れたところで御協議をいただきたいというようにお願いをしておりますと申し上げたのでございます。それがきのうの私の話であります。
○池田(元)委員 私が聞いているのは、将来にわたって共管にするかどうか、野中広務さんのお考えを聞きたいのです。
○野中国務大臣 私が官房長官として答弁を求められて答えるべき話ではありません。 三党間の協議が行われた席に私もおりましたし、そして、その覚書がつくられた経過も党首会談の経過も私は承知をいたしております。ただ、この席で私が申し上げるべき話でないので、これを署名されました三党の代表及びそれぞれ党において御協議をいただいて、政府はそれをお受けするという立場は明確でございます。
○池田(元)委員 野中官房長官の発言は私語じゃないんですよ。定例記者会見で述べているわけです。野中官房長官が、あなたが、金融制度の企画立案を財務省に残すだとか、破綻処理と危機管理に関する企画立案については財務省との共管にする、こういうことをおっしゃっているから聞いているわけですよ。これが正しいか、正しくないか。
○野中国務大臣 現状における大綱は今言われたようになっておるということを申し上げただけでありまして、私は、この後の金融、財政の分離、完全分離ということに言及をしたわけではありませんし、そういう状態は、それぞれ署名された皆さんが整理をしてくださると考えております。
○池田(元)委員 国会の審議のやり方として、これじゃいけないと思うんですよね。私は十五分で終わると思ったんですが、要するに共管発言があったかなかったか聞いているわけですけれども、真正面から全然答えが返ってこない。政党間協議をやるとか、それから、そういうわきの話ばかりしているのはおかしいと思います。これは、委員長、ちゃんとしてくださいよ。
○野中国務大臣 官房長官と指名されてこの場で発言することは、どこで発言することよりも一番重いことでございます。そのことを会見で報道された内容と一緒にしてここで言われることは、むしろ私も迷惑であります。
○池田(元)委員 記者会見も大変重要ですよ、国民に対する発言ですから。 ですから、将来にわたって共管ということは言っていないというのであれば、それでいいですよ。だから、そこだけお答えをいただきたい。
○野中国務大臣 将来にわたる考え方を私に言えとおっしゃるのは無理でございます。それは……(池田(元)委員「きのう言っているじゃないですか」と呼ぶ)それは違います。申し上げておりませんと、現状を申し上げたと言っているじゃないですか。省庁再編基本法に基づいてそのままストレートに大綱を決めましたから、現状はこうなっております、それは共管でございます、こういうことを申し上げて、その中における破綻処理等の問題は共管になっておりますけれども、これは三党及び自由党において協議をしていただきますというのを申し上げているわけです。
○池田(元)委員 では、官房長官、財務省というのは将来の話ですから、ここは間違いですね。
○野中国務大臣 省庁再編の基本法に基づきましては財務省となっておるんです。だから、現在、大綱は財務省ということで共管になっておりますと申し上げるのは当然のことでございます。これが今後与野党間で協議をされて、それを我々は受けるということを申し上げているんです。
○池田(元)委員 財務省というのは二〇〇一年を目標にできるわけですよ。将来なんですよ。それとの共管というのは、言ってみれば、将来にわたって言ったのと同じことなんですよ。日本語として正確に言ってほしい。 だから、過去の話だったら、財務省というのはなかったんですねと、こう言っているわけですよ。
○野中国務大臣 省庁設置というのは、先に向かって申し上げて、その手順を今、大綱、その前の基本法、このように進んできているわけでございます。(池田(元)委員「先に向かって」と呼ぶ)先に向かっています。順序よく申し上げますと、基本法から大綱が定められて、設置法が決まるわけでございます。この基本法のときに既に財務省となっておりますので、今の大綱は財務省と書いておるわけでございます。したがって、私どもが現状を申し上げるときは、この大綱を申し上げますと、現在は共管になっておりますというのは現状を申し上げたんですから、現実に言えと言われても、これ以上の言い方はありません。
○池田(元)委員 財務省の段階では共管はありません、基本法では。そんな子供だましのことを言っちゃいけませんよ。長官、これはやればやるほどおかしくなりますよ。結局、金融制度の企画立案という部分は、これは大蔵省、いわゆる財務省に残す、金融破綻処理制度、金融危機管理に関する企画立案については財務省、金融再生委員会の共管にする話だったと。素直に私は受けとめますけれども、財務省というのは、これは間違いじゃないですか。
○野中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、省庁再編の基本法では既に大蔵という名前はなくなって、財務省となっておるのでございます。したがいまして、これに基づく大綱を決めますときには、いわゆる大蔵の表現を取って、財務省と表現をして大綱を決めたわけでございますので、現在は財務省と金融再生委員会との共管になっておりますと私は申し上げたわけです。
○池田(元)委員 財務省との共管という話はどこもないんですよ。だれかが考えているかもしれませんよ、それは。大蔵省との共管なんです、今。二〇〇〇年の一月にそれが一元化するわけですよ。ですから、それ以降できる財務省との共管なんかというのはおよそあり得ない話なんですよ。皆さんもうこれは常識じゃないですか、日本語として。何をおっしゃるんですか、その財務省と共管というのは。テンスから、時制からいったら将来ですよ、財務省という話は。それとの共管の話をしているわけですよ。
○野中国務大臣 私は事実に基づいて申し上げているので、子供だましなんてこんなところで使われるのはお互いに残念ですけれども、これは池田委員、よく吟味していただいたらいいと思うんです。それは、我々は、省庁再編の基本法に基づいて、そこで来るべき省庁設置のときには財務省という名前を今のところつけております。だから、私どもが大綱に基づいて説明するときには財務省と表現するわけでございます。池田委員は、それまでに既にもう財務省に所管する事項はなくなるんだから、おまえがそれを言及するのはおかしいと言われる意味だと私は思うんですけれども、私は、大綱に基づいて決められております、しかし、これから三党の協議なり自由党を入れた協議が行われて閣法になるのか衆法になるかが決定してまいりますと。そのことについては、西川委員にきのうお答えをしたとおりでございます。
○池田(元)委員 まさに御自身も今言葉の中で認めていらっしゃいましたけれども、財務省との共管というのはないんでしょう、そうすれば。 それから、では、その場合、今おっしゃったとおり言えば、与野党の合意というのはあるんですよ。あなたはそこに立ち会ったわけですよ。しかも、記者会見で、法律解釈じゃないですよ、あなたの言葉として出ているわけですよ。どうしてはっきりおっしゃれないんですか、将来にわたって共管がないと。あなたが発言したことだから聞いているわけです。荒唐無稽な話を聞いているわけじゃない。国会の場ですから、はっきりお答えいただきたいと思います。
○野中国務大臣 将来にわたって共管になるかどうかは、それは三党と自由党とで協議をして私どもに示していただきたいと存じます。あのときの金融、財政の完全分離というのは覚書で決められた事実であるということは、百も承知をいたしております。
○池田(元)委員 ちょっと時間がかかりましたが、今はっきりいたしましたのは、要するに、財務省と共管にする話だったとか、財務省に残すということではなくて、今発言したとおりに私は受けとめたいと思います。 そして、大体、大綱にその後の政治的な経過があるのに入っていない、前の段階でとどまっている、これがおかしい。これは仙谷委員が言ったとおりです。 それから、官房長官のこういう誤解を生むような発言も、これは好ましくない。やはり記者会見というものも大事ですから、ぜひ官房長官——特にこの問題の経過の中では、野中さんがいろいろおっしゃったことを私は評価しないわけではないのです。しかし、なぜこの段階で、これは誤解かもしれないけれども、一斉にこういう報道がなされるのか、残念でなりません。こういうことはいろいろどこかであしき意図を持った方がいらっしゃるかもしれませんけれども、野中さんにはそれは関係ないと私は信じたい。 ですから、ぜひ、この与野党合意、三会派合意の誠実な遵守をやっていただきたいと申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○中山委員長 これにて池田君の質疑は終了いたしました。 次に、横路孝弘君。
○横路委員 地方分権について、特に第五次勧告について御質問しようと思ったのですが、ちょっと時間の関係で、それはまた改めての機会で時間をとりたいというように思います。 地方分権推進委員会は、第一次から第四次までの勧告の中で大変頑張ってやってきたというように考えております。特に、機関委任事務を廃止するということは大変大きな成果だろうと思っています。それに基づいて推進計画がつくられたわけですが、地方分権そのものというのは、いろいろな考え方、とらえ方があるだろうと思います。 しかし、その中で、何といいましても、国際的にいろいろな問題が多くなって、国のやる仕事というのはやはり重点化して、内政面はできるだけ地方に権限を移譲していく、財源を移譲していく。そしてまた、そうした中から中央政府のスリム化を図っていこうということも地方分権の中の大きな要素だと思いますし、これから高齢化社会を迎えまして、公的なセクター、それは中央、地方政府含めた公的セクターと、民間セクター、そして市民セクターというものがそれぞれの役割分担を果たしながらネットワークを組んでいくということでなければ、なかなか日本のこの高齢者時代を乗り切ることはできないだろう。その場合、特に地方の公的セクターに権限と財源を移譲していくということは大変重要なことだと思っています。 そこで、こうした地方分権を進めるということで、やはり大きな点は権限の移譲あるいは国の関与の廃止、地方分権推進委員会が扱ってきた課題だろう、このように思いますけれども、まず御質問いたしたいのは、一次から四次までの勧告、それに基づく分権計画で、一体国家公務員の定数というのはどうなるんだろうかということが一つの課題かと思います。 この地方分権の勧告を踏まえて推進計画をつくり、これから法律案が出てくるわけでございますが、一体国の方はスリムになるのかということでございますが、特に定員の面から、いかがでございましょうか、スリムになるのでしょうか。スリムになるとして、どの程度スリムになるのでしょうか。
○太田国務大臣 地方分権の推進計画の推進によりまして、具体的にどれだけの数の国家公務員が削減をされていくかということは、あるいはその分だけ地方公務員の数が必要になるかということについては、計測は不可能でございます。 ただ、質的には、例えば統合補助金制度というものを五次勧告で盛り込んだわけでございますけれども、統合補助金制度が導入をされることによって、今まで箇所づけをしていたところが人が要らなくなるということはあるわけでございますから、その分は、やはり地方の方においては、あるいは人がふえるのかもしれない。その分は明らかに減っていくであろう。これからその辺は計量的には詰められていくことがあるであろうと私は思いますが、今のところは詰めておりません。
○横路委員 私は一次勧告から四次勧告までの点を聞いているわけですが、国と地方の役割分担というものを進めた結果、結果としては国の定員増になるのじゃないかと思うのですね。 一つは、例えば駐留軍等労務者にかかわる事務というものが国の直接の事務になります。国立公園におけるいろいろな届け出の受理なども国の仕事になります。信組の監督等にかかわる事務も国の事務になります。国民年金にかかわる市町村事務が大幅に改革されまして、印紙検認の廃止とか保険料納付案内書の送付とか年金手帳の交付は、これから国の直接執行になるわけでございます。 今、全国市町村で一万二千人の職員がこれに従事をしておりまして、さらに専任の徴収員も二千人程度おります。話を聞きますと、社会保険庁の方でその仕事を大半はするということですが、どうもやはり専任の徴収員は置かなければいけないだろうということであります。 それから、地方事務官は、御承知のように国の総定員法の枠外にあるわけですが、今度は総定員法の枠内に取り込まれることになります。これが社会保険庁で一万六千人、労働省関係で二千人ということになりますので、国の事務に全部、人をふやすということでないにしても、少なくとも総定員としては、一万八千人プラス駐留軍労務者あるいは信組の関係、一万八千七百プラスアルファといったようなことになるのではないか。 そして、権限移譲の方は、実は、一次から四次の勧告の中でも項目としては非常に少ないわけでして、六十四項目。そのうち、国から都道府県あるいは市町村への権限移譲は十六項目ですね。この中で、では地方に移して中央の仕事が減るんだろうかといって、いろいろとその内容を見てみますと、農地転用の許可が、二ヘクタール以下から四ヘクタール以下へ都道府県許可の拡大が行われます。これで大体、年間件数が今まで二百件のが百件ぐらいに減りますから、その分は少し、十数人ぐらい人は減るかなというように思いますが、あとはどうも余り減る要素というのがないわけですね。 第五次勧告を別にいたしまして、一次勧告から四次勧告までの推進計画に基づいて見ますと、どうも総定員法の方はふえることになるのじゃないか、地方分権といいながら減ることにはなっていないのじゃないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
○太田国務大臣 地方事務官の場合は、今も国家公務員でありますので、ふえる、減るということであれば、変わりがないということだと思います。 今おっしゃるとおり、確かに、では、一次から四次までの勧告で本当に人が国の方が減るのかといえば、ふえる要素もあるわけでございますから、おっしゃるとおりだと思います。しかし、それでもやった方がいいということで、一次から四次までの勧告を地方分権推進計画に盛っておる。地方分権のために必要なことだというふうに思っております。
○横路委員 総理、結局、ここの一つの問題点はやはり権限移譲だったのです。権限移譲をもう少し進めると人を減らすことができる。 それから、あと第五次勧告。行革会議で提案したのは、公共事業がいろいろと議論があるので、一つは、直轄の範囲というのを縮減して、そして個別の補助金はやめて統合補助金にしようということで、これは国の事務も地方の事務も両方減るわけですよ。両方、合理化になるわけです。行政改革になるわけです。 そこで五次勧告というのが出てきたのですが、これはちょっといろいろとやりとりするのに時間がございませんが、総理、地方分権というのを総理自身としてどのようにお考えか。そして、実際、一次から四次の勧告、今の推進計画は、今総務庁長官の御答弁がありましたように、どうも減ることにはならない、ふえる要素が非常にあるという御答弁でございますが、総理としていかがお考えでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 原則論に戻るかもしれませんけれども、地方分権の推進によりまして、明治以来形成されてきた、国と都道府県、市町村といういわば縦の関係でありました中央集権型行政システムが変革をされまして、対等・協力の横の関係を構築するという基本的な考え方に立脚しておるんだろうと思います。 地方分権の推進は、各般の行政を展開する上で、国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、住民に身近な行政は、できる限り住民に身近な地方公共団体において処理することを基本として行われなければならないと思っております。 地方分権推進法には、国は、国が本来果たすべき役割を重点的に担い、地方公共団体は、地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うべきと規定されておりまして、地方分権推進計画にもその旨を記述し、この考え方に沿って地方分権に取り組んでいるところでございます。 いずれにしても、地方分権は、二十一世紀にふさわしい我が国の基本的な行政システムを構築するものであり、地方分権推進計画の内容を踏まえた関連法案を今国会に提出するなど、同計画を着実かつ速やかに実施し、地方分権を積極的に推進してまいりたいと思いますが、横路委員の御指摘をお聞きいたしておりまして、第四次勧告までまいりましたこと、そのことによりまして、第五次にも出てきておるわけでございまして、そうした形で中央、地方もスリム化をすることによりまして、こうした行政がともどもに、地方、中央ともに相協力して、要は国民のためにその成果を上げてくるということでございまして、いろいろ具体的な点についてお触れでございまして、非常に参考になりました。 そうしたことも踏まえまして、これからの最終的な法律案の制定に向けて努力してまいりたいと思っております。
○横路委員 ちょっと、総理、御確認いただきたいのですが、これから推進計画に基づいて一括の法案を提出されるということなんですが、そこの中に、原則、それは今まで地方分権推進法に基づいて推進委員会ができていろいろな活動をしてきた、その一つの原則があると思うのですが、これをいわば国と地方公共団体との関係として、その原則を踏まえた立法をぜひしていただきたいと思うのです。 一つは、まず、国と地方との関係というのは、上下主従の関係ではなくて対等・協力の関係である、これは総理も今まで御確認されている点ですが、その点が一つ。 それからもう一つは、地方分権計画でも述べておりますように、国際社会における国家としての存立にかかわる事務など三つのケースを挙げて、これが国家の仕事だ、できるだけ住民に身近な仕事は身近な地方自治体で仕事をするようにするということなどを原則に今日まで掲げてきたわけですが、総理、そういう原則で法律案の策定に当たられるというように理解してよろしゅうございますか。
○野田(毅)国務大臣 今御指摘のとおりでやるつもりでおります。
○横路委員 それで、これは大体どのぐらいの関係改正法律の数になるんでしょうか、そして、いつごろ提出される御予定なのか、それもちょっとあわせてお伺いしたいと思います。
○野田(毅)国務大臣 今関係法律が約五百本近くあります。正確には四百七、八十本ぐらいになろうかと思いますが、時期的にはこの国会中に提出をさせていただきたい、こう思っております。
○横路委員 この中で、もちろん、一番大事な点は何かといいますと、地方公共団体に対する国または都道府県の関与という問題であります。 今回、関与については、自治事務、法定事務ということの中で、関与の法定主義、あるいは関与については必要最小限度にするということ、あるいは関与の手続における書面主義でありますとか、関与についての原則が推進計画の中にも明らかにされているわけですが、これはもちろんそういう原則を踏まえて立法化されるというように受けとめてよろしゅうございますね。
○野田(毅)国務大臣 原則そのような方向で考えております。
○横路委員 それから、第三者機関の設立ということなんですが、これは基本的にどういう形の第三者機関を考えておられるのか、もう意見としてまとめられたのか、あるいはまだ議論の途中なのか、これはどういうことになりましょうか。 勧告では、内閣に直属する機関として置くことが望ましいが、国家行政組織法上の機関として、府または省に置くことも差し支えないというような記述になっていたかと思うのですけれども、この辺はどういう議論になっていますか。
○野田(毅)国務大臣 今検討をしております形としては、第四次勧告を踏まえて、地方公共団体に対する国の関与に関する争いについて、公平中立な立場から審査をし勧告を行う権威ある第三者機関として、総理府に国地方係争処理委員会というものを設置する予定であります。 この委員会の審査の対象となるのは、地方公共団体に対する国の関与のうち、指示、許認可の許否処分などであります。これらについて地方公共団体の執行機関が不服がある場合には、関与をした国の機関を相手方として委員会に審査の申し出をすることが可能である。委員会は、申し出を受けて審査し、国の関与が違法であると認める場合などには国の機関に対して勧告を行う。勧告を受けた国の機関は勧告に即して必要な措置を講じなければならないこととなり、地方公共団体の執行機関が国の機関の講じた措置に不服がある場合などはさらに訴訟を提起するということも可能にするという形を考えております。
○横路委員 今回、機関委任事務が廃止されまして自治事務が拡大をしたということは、期待としてはもう少し自治事務の範囲が拡大するのではないかという期待がありましたが、いずれにしても、従来と違って地方自治体の方の責任も重くなるわけですし、国と地方との関係も変わってくるということになるわけなんです。 そこで、意見がぶつかったときどうするかというのは、結局、自治事務といっても国と協議しなければいけないというような項目が相当残っておりまして、それに対する対応をどうするかということで、地方分権推進委員会の方での第三者機関という勧告になったわけです。 したがって、この第三者機関というのは大変重要でございまして、これからまだ具体化していくことの中で議論をすることになると思いますけれども、やはり国と地方の対等関係をしっかり保障するということですから、少なくとも地方を代表する者も、最低、国のレベルでも参加するということがどうしても必要だろうというように思っておりますが、その辺のところの原則についてはいかがですか。まだ議論中なんでしょうか。できればそういう方向でぜひお考えをいただきたいと思います。
○野田(毅)国務大臣 御指摘の視点も大変大事な点でございますので、委員の人選については、すぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命するという形をとって、できるだけ偏らないような形を考えております。
○横路委員 第五次勧告が、実は非常に地方分権にとって大事な勧告だったと思うのですね。これからまだ統合補助金の問題とか第五次勧告に基づく推進計画をどうつくるかということでございまして、ぜひその辺も、地方分権という考え方を踏まえて、この推進計画と統合補助金についても考えていただきたいと思うのでありますが、これはいつごろ取りまとめる予定ですか、方向性を出す予定になっていますか、この第五次勧告に基づく推進計画、それから統合補助金について。
○野田(毅)国務大臣 この三月中に、第五次勧告を受けて、それの計画を立てたいと考えております。
○横路委員 統合補助金についてはいかがですか。これは大蔵大臣ですかな。
○野田(毅)国務大臣 それも含めてです。
○横路委員 終わります。
○中山委員長 これにて横路君の質疑は終了いたしました。 次に、大野由利子君。
○大野(由)委員 初めに、通告をしていなかったのですが、総理と外務大臣に質問をいたします。 コロンビアの大地震の件でございますが、コロンビアの中西部で大変大きな被害が生まれている、多くの被災者が生まれているということで、四年前に阪神・淡路大地震を経験した日本人の多くの人が、コロンビアは大変だろうなということで大変今胸を痛めている、これが実情ではなかろうか、このように思っております。 四年前に日本も大変世界各国から御支援をいただきました。コロンビアからもコーヒー豆の支援を受けたというようなことがあるようでございますし、そういった意味で、本当に日本はいち早くこのコロンビアの救援に乗り出さなきゃいけない。 今、国際緊急援助隊の人が素早く向こうに行かれまして、二十七日から救助作業に携わっていらっしゃる、三十五名の方が携わっていらっしゃるということで、これは大変すばらしい国際貢献ではないか、私はこのように評価をしているわけでございますが、その後、どのような人的貢献、また経済的貢献を考えていらっしゃるのか。 我が党でも、衆参国会議員有志がいち早く義援金を募りまして、昨日大使館に、微々たるものでございますが、義援金をお届けいたしました。日本の国としてこれからどのような人的貢献、また経済的貢献をなさろうとしていらっしゃるのかについて伺いたい、このように思います。
○小渕内閣総理大臣 御指摘のように、大変残念ながらコロンビアで地震による大災害が発生しておるわけでございまして、日本といたしましても、今委員御指摘のように、かつての阪神・淡路のことを思い起こしますと、多くの世界各国の協力隊が応援に駆けつけていただきました。 我が国といたしましては、早速緊急援助隊を編成いたしまして、消防、警察、医療団挙げて今応援に直ちに駆けつけさせていただいておりますが、その後に対しましての対応、あるいは資金的援助につきましては、けさほどの閣議でも、外務大臣から御報告がありましたように決定したわけでありますが、詳細につきましては外務大臣から御答弁させていただきます。
○高村国務大臣 二十八日午前二時ごろ、被災地アルメニア市に到着した国際緊急援助隊チームでありますが、現地で二チームに分かれて直ちに救助活動を開始しまして、雷を伴う豪雨にもかかわらず、午後四時半まで十四時間半にわたり救助活動を実施したわけであります。その間に、携行したハイテク機器を使用して、男性一名及び女性一名の遺体を発見いたしました。同チームは二十九日も二十八日と同じ場所で救助活動を継続中でありまして、新たに男性一名及び女性一名の遺体を発見いたしました。 今次救助チームは、災害発生後約十六時間後、これは正式要請を受けてから約四時間後に日本を出発しており、非常に迅速な派遣であったと思っております。 そしてさらに、医療チームは、二十八日午前十一時成田を出発して、首都ボゴタに二十九日午前十時過ぎに到着したわけであります。同日夜から深夜にかけて被災地アルメニア市に移動して、負傷者に対する医療活動を開始する予定であります。現地での活動は十日前後を予定しております。 さらに、物資及び資金の供与でありますが、二十七日午後、次の供与を決定いたしました。テント、毛布、簡易水槽、発電機等二千五百六十五万円相当の緊急援助物資、物資は、二十九日夜ボゴタ到着予定であります。さらに、四十万ドルの緊急無償資金を決定したところでございます。
○大野(由)委員 ODAの無償援助を使って、本当にこういう大変なときですから、ぜひ頑張っていただきたい、このように思います。 緊急雇用創出特別基金の問題について、労働大臣また総理に伺いたいと思います。 一月二十六日の予算総括質疑のときに、我が党の冬柴幹事長が雇用対策についてただす中で、昨年の補正予算で緊急雇用創出特別基金として六百億円が計上されたにもかかわらず、非常に発動の条件が厳しくて、実際にはまだ使われていない、こういうことについて質問をいたしました。 この中で、総理は、できる限り検討して、地域の偏差ということができるかどうか研究してみたいと前向きな答弁をいただいたわけでございますが、沖縄、北海道など、地域的に大きな失業率になっている地域などに適用の緩和を検討されたかどうか、その結果を伺いたい、このように思います。
○小渕内閣総理大臣 緊急雇用創出特別基金につきましては、二十六日、当委員会におきまして、冬柴議員からの御質問に対して私お答え申し上げましたが、この答弁を踏まえまして、地域の状況を勘案して、沖縄県につきまして特別の発動要件を定めることといたしました。 本日公表されました沖縄県の完全失業率によりまして、この発動要件を満たしたことから、明日、一月三十日をもって事業を開始することとし、中高年の非自発的失業者を雇用する事業主に対し所定の助成金を支給することといたしたところであります。これによりまして、沖縄県の雇用状況が改善されることを期待いたしております。 今後の運用につきましては、労働大臣からお答えあろうかと思いますけれども、沖縄県の特別の高い失業率でございますので、一定の基準ということで全国的規模の中で、沖縄県につきましてはこのような措置をいたしましたことを御報告させていただきたいと思います。
○甘利国務大臣 概要は総理から御答弁があったとおりでございます。 先般、冬柴先生から御指摘をいただきまして、総理が前向きの検討の示唆をされました。その後直ちに私の方に検討の指示がありまして、緊急に検討した結果、沖縄は、九州ブロックに入っておりますけれども、経済圏が九州ブロックとは独立をして一つの経済圏をなしているということと、それから、沖縄が非常に高い、直近の数字ですと八・四%という失業率でありますから、これに勘案をしまして、平時、つまり平成八年、九年の全国と沖縄との乖離を当てはめまして、失業率格差ですね、これは二・九%でしたから、全国の要件に二・九を足したものを発動要件とする、八・一%、もう既に超えておりますので、これに二四半期連続を発動要件といたしました。 なお、失業率はブロックごとにしか出ないんですね。ただ、沖縄の場合は、昔から沖縄県の統計が、ピックアップ件数は少ないのですが、あるものですから、それで機動的に対応できたということでございます。
○大野(由)委員 早速の対応を評価いたしますが、沖縄だけではなく、北海道初め全国的に大変今雇用が厳しい地域がふえてきておりますので、ぜひ今後もこの適用について御検討をお願いしたい、このように思います。 次に、行革について質問をさせていただきますが、十年間で国家公務員を二五%削減をするということが中央省庁等改革大綱に盛り込まれて明示されているわけでございます。午前中にも生方委員の質問にもございました。 私からももう一度確認をさせていただきたい、このように思うわけですが、独立行政法人に移行する人、八十四機関、約六万七千人の人がいらっしゃるようでございます。この独立行政法人に移行する人の中には、午前中の答弁では、国家公務員の身分を与えるものと国家公務員の身分を与えないものと両方ある、その比率はまだわからない、こういう答弁だったと思うんですが、この独立行政法人に移行する人はどういう人が、移行する人の中にこの六万七千が全部含むのか、国家公務員の身分を持つ人だけが含むのか、どうなのか、その辺について伺いたいと思います。
○太田国務大臣 二五%の中には、独立法人化をする機関の国家公務員の身分であろうと身分でなかろうと、全部含みます。二五%の内側の数字です。
○大野(由)委員 自由党の幹事長でいらっしゃる野田自治大臣に伺いたいと思いますが、自由党の主張はそういうことではなかったはずだと思いますが、自由党はその見解でよろしいんでしょうか。
○野田(毅)国務大臣 郵政関係についての扱いは別として、その他については、今総務庁長官がおっしゃった考え方で合意をしたわけであります。
○大野(由)委員 当初、私も新進党に同じように属していたときがございました。そのとき、退職する人、やめる人の半数を補充しない、不補充、そういうことで十年間で二五%削減しようということが新進党のときからの日本再構築プランだったと思いますし、また、自由党の当初の行革に対する御意見もそうだったんじゃないかと思うわけですが、では、自民党と合意する段階で意見を変えられたということですか。
○野田(毅)国務大臣 そういうことではありませんで、結局、国家公務員の数を減らすということは、言うなら生首に影響を与えないで減らすやり方もありますね。その一つのやり方として、新規採用を抑制する。だから、不補充、つまり定年退職者の後の不補充を十年間、半分不補充していけば大体十年間で四分の一ぐらい減るんじゃないんでしょうかという数は出てきますね。つまり、生首に影響を与えないでやるとすればそういうやり方がありますねというのが一つですね。 それから、減らしていく、具体的にどういう形でいくか。それは、仕事を減らしていくということが当然の基礎になるわけですが、それに伴って、国家公務員たる身分から今度は一民間人に変わっていくとかいう形で身分が変わっていくわけですから、独立行政法人という形に身分が変わっていく、そのときに公務員でなくなっていくということは、公務員数の削減ということにカウントしてもいいのではないですかというのは、これは別段妥協したとかしないとかいう世界ではなくて、私の率直な感覚からすれば、昨年、十年間で一割という数字を、さらに小渕総理になられて、十年間で二割という目標を掲げられて、これだけでもなかなか大変だろう、具体的にやっていくのは。それをさらに今度二五まで上げるというんなら、本当にこれは、よほど、それこそ腹をくくって臨んでいかないと大変だ。 しかし、それでもやろうという決意でこの連立政権がスタートしたということでありますから、私は、これを本当にみんなでその実行に向けてやっていくということが非常に大事なことだ、そう思っております。
○大野(由)委員 私は、新聞、マスコミ等々を見ていましても、小沢党首の考えは、少なくとも国家公務員の身分を与える者を国家公務員の削減の中に含めるというふうには、とてもそういうふうな主張ではない、こういうふうに理解をしているわけでございますし、また私は、今回独立行政法人で移行する人の中に、国家公務員の資格を持っている人まで削減の中に入れるということは、これはもうペテン以外の何物でもない。私は——違いますか。(野田(毅)国務大臣「違う、違う」と呼ぶ)では、もう一回おっしゃってください。
○野田(毅)国務大臣 ですから、その仕事をする人が国家公務員の身分ではなくて、独立行政法人の職員という形に移管されて、その結果、国家公務員たる資格をなくするということなんですよ。ですから、立場は変わるということであります。
○大野(由)委員 では、もう一回総務庁長官に伺いたいんですが、独立行政法人に移行する六万七千人の中に、国家公務員の身分を持った人と持たなくなる人と両方いるんじゃないですか。国家公務員の身分を持つ人もこの六万七千人の中にいるんじゃないでしょうか。
○太田国務大臣 もちろん、今おっしゃったとおり、国家公務員の身分を持つ人も当然いるでしょうし、持たない人もいるかもしれない。だが、そこは今決めていないということなんですね。 国家公務員の身分を与えたらばペテンだというのは、それはちょっと言い過ぎだと私は思う……(大野(由)委員「身分を与えたのがペテンだと言っているんじゃないんです、それはすりかえです」と呼ぶ)いや、そういうふうに言いかえたのは、要するに、総定員法の管理の外に出るというのは、例えば郵政にいたしましても、総定員法の外に出るわけですからこれはカウントしないということで、これは減ったとカウントするわけですね。そのかわり、郵政公社になった場合には、郵政公社の経営は郵政公社の責任においてやっていただくということでありますので、まさにそれは、定員について内閣が直接責任を持たなくなるわけですから外れるということ。
○大野(由)委員 私が言いたいことは、国家公務員の身分でいる人を国家公務員に入れる入れないはペテンだどうの、そういうことを言っているんじゃなくて、二五%削減する、大変な行革をやっているんだと格好ばかり言いながら、中身は違うじゃないですかということを言いたいわけです。 ですから私は、それなら最初から、この六万七千人のうちどれだけが国家公務員の資格を持つのか持たないのかよくわかりませんが、どちらにいたしましても、給与の面、それから福利厚生の面、両方で国家公務員と同じ資格を持つ、そうして独立行政法人に移行する、こういうことなんですから、二五%削減なんて大きいことを言わないで、それは入れないで計算したら一二・八%の削減になるんです。せいぜい一三%の削減で合意した、そういうふうに言うべきだと思うんですよ。 実際にはその六万七千人の中にもう少しいろいろな人が入ってくると言いたいのでしょうが、いずれにしても、私は、全部それは数の中に入れるというのは、やはりそれは国民を数の上で、形の上だけでごまかしている。
○太田国務大臣 だから、そういうふうにおっしゃるから私はさっきから言っているんですけれども、独立行政法人に移るということは、その定員については内閣の直接の責任が外れるわけですから、総定員法から外れますね。総定員法の上限の数を二五%減らすというのが自自の合意ですから、ペテンでも何でもなくて、これは正しい。法律的にも正しい、明快なことであります。だから、そういうふうにはおっしゃらないでいただきたいですね。
○大野(由)委員 私はその辺非常に、ちょっと中身について憂えるわけですが、これから検討されているものがありますね。国立大学の職員、十一万七千三百人だそうでございますが、独立行政法人に移行するか移行しないかを平成十五年に決定をするということだそうですが、これと同じように、これもその中に含むんでしょうか、含めないんでしょうか。
○太田国務大臣 国立大学の独立行政法人化をするかどうかという問題がまずありますね。それは大変激しい、激しいというか粘り強い文部大臣とのお話し合いでございますから、今は、平成十五年の一月一日までに結論を得るということであって、私はぜひ独立法人化をしていただきたいと思っておりますけれども、そういうふうにオーケーとおっしゃっていただいてはおりません。 それがもし、私が文部大臣を説得しおおせたとしてどうなるかといえば、それは今おっしゃった二五%の中に入ります。 ただそれは、国立大学というのはたくさんの機関がございますから、大学の数だけでも随分たくさんございますから、そのすべてを独立法人化するという話を最初からしているわけじゃありません。
○大野(由)委員 お話を伺っていますと、十一万七千三百人、国立大学の職員、全部が独立法人に行くわけじゃありませんが、しかしかなりの部分が行きますと、一人も削減しなくてもこの二五%は達成できる、こういうことなんですよ。 ですから、総定員数を減らすための数であって、ごまかしているわけでも何でもないということなんですが、私は、言葉の一つのあやで、これで大変な行革をした、そういう国民に誤解を生むような、そういうやり方がまずいと。例えば、総定員で縛られていて国家公務員はふえていません、しかし、かわりに特殊法人の職員がいっぱいふえている。これも目先をごまかしているだけであって、ちっとも本当の行革にはなってないわけです。
○太田国務大臣 そういうふうにあるいはおっしゃるかもしれないと大変恐れておりますので申し上げますけれども、独立行政法人化をするということ自体が一つの大変な行革でございます。そこの意義をぜひお忘れいただかないように。 そうしたらば、その独立行政法人化という改革を進めていったときに、定員削減の一部についてその部分で説明できるということはあるわけですから、こっちが本当で、定員削減だけが本当で、こっちはペテンだというのは、それは考え方を変えていただきたいと思うのでございます。
○大野(由)委員 私は、大臣がおっしゃっていることがわからないで質問しているわけじゃないんです。そのことはもうわかった上で質問しているんです。それは十分わかった上で質問をさせていただいているわけですが、私は、数字の上だけで、看板のつけかえだけでいかにも行革が進んでいる、それは中身は多少違うかもしれません、独立行政法人になれば今までと多少運営から何から変わってくるでしょうが、それで行革が進んだみたいな、そういう錯覚を与えるということは、国民に対して結果として大変なペテンになるということを言いたいわけでございます。 ですから、もうこれはすれ違っていますから。よくわかりました。国家公務員の総定員数を削減するということで二五%とおっしゃっているのはわかりましたけれども、これが大変な行革だと受けとめることは大変な間違いであるということを、国民の皆さんにもよく認識をしてもらう必要があるんじゃないか、こういうふうに思います。
○野田(毅)国務大臣 大変なことだということは、冒頭申しております。だから、大変なことをいかにもごまかしてやろうなどというような発想は毛頭持っておりません。私は、そのことだけは強く申し上げておきたい。 その大変なことをあえてやろうという、これから具体的中身を決めていくわけであって。そうでしょう。まだ中身が何もできていないときから、最初から、いや、言葉だけで中身はできないんですよといってあきらめたような物の言い方というのはいかがなものか。一緒に協力して、ぜひ二五%削減に向けて大野先生、一緒に協力してくださいよ。やりましょうよ。
○大野(由)委員 ぜひ中身の伴った行革をしっかりとやっていかなきゃいけない、このように思いますので、その点、ぜひよろしくお願いしたい、こういうふうに思います。 それから、ちょっと行革絡みでもう一つ質問をさせていただきたいんですが、国家公務員共済制度というのがございます。今回、独立行政法人に行く人にも従来どおりの福利厚生をそのまま続けるということで、そのことは共済制度そのものとしては、私はやはり最低限の、多少の福利厚生というのは必要だと思うんですが、過ぎたるものは及ばざるがごとしじゃありませんが、給与にこれはカウントされるんじゃないか、そういうふうな意見もございます。 それで、厚生省の第二共済制度ですが、国立病院約五万三千五百人の職員がいらっしゃいますが、この人たちはどこの国立病院で治療を受けても、本人負担はゼロ、家族が一割負担、こういうことになっております。これは共済制度でやっていらっしゃるわけですからいいわけですが、この辺もこのまま独立行政法人に移行しても残るのかなとか、これは行政法人であろうと国家公務員であろうと同じなんですが、どこの国立病院で治療を受けてもただという、共済制度と一般の患者さんとは一応立て分けているということですが、私も国立大学の薬学部を卒業しておりまして、国立病院に知人、友人がいっぱいおります。話を聞きますと、結構もうどんぶり勘定らしいのですね。薬も、例えば包帯一つしても、共済制度の組合員はこっちのものを使って、一般患者はこっちを使ってと、一々分けるなんてことはできないわけですよ。まぜこぜで全部使っちゃっている、そういう実態があるようでございます。 それで、国立病院が悠々と経営が成り立っていたら文句ないのですよ。でも、国立病院は大変な赤字です。それは国民の税金で補てんされているのです。そしてなおかつ、どこの国立病院で治療を受けても五万人からの人が本人負担ゼロ、こういうことでいいのかどうか。総理は総裁選で、この定員の削減だけじゃなくて、行革を、行政コストの実質三〇%削減というのを公約で打ち立てられたわけですけれども、ぜひこの辺も私はメスを入れていただきたい、そうでなければ実際の行政コストの削減にはならないのじゃないか、こう思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 私、今お話をお伺いいたしておりまして、その実態のすべてを承知しているわけではございませんが、一般的国民の感覚からいったらいかがになっているかという感じは持たれるのではないかという気がいたしておりますが、私は一般行政経費三〇%と申し上げました。その積算の根拠は、今の点が別に入っておるわけではございませんが、しかし、やはりまず削減ありきという考え方で打ち出させていただきました。ですから、それを達成するために、本問題も、必要とあらばやはり改革をすることによって最終的に行政経費を削減し、もって国民の負託にこたえるということが必要ではないかと思いますが、具体的案件でございますので、ちょっと厚生大臣から実態について御報告をさせていただきたいと思います。
○宮下国務大臣 国立病院のことでございますが、御指摘のように、厚生省の共済組合は、本省と、それから今おっしゃられます、病院を主体にしました厚生省第二共済組合とやっております。 そこで、これは特殊性に基づいてそういう組合を分けておるわけでございますが、委員のおっしゃられるように、本人はゼロ負担、家族は一割負担ということになっております。これは念のために申し上げておきますが、厚生省の病院だけがやっているわけではございません。各種の共済組合において共済組合法の合法的な規制のもとに処置しているわけでございますが、経理はやはり明確であった方がいいと思いますから、お薬のやりとりとかそういうことはきちっと、私も確かめたら、やっておるようです。 これからもやはりそこはきちっと経理はしなければいかぬ。ただ、お医者さんの給与なんかは、それをふるい分けするというようなことはなかなか不可能としてやっておりませんが、大体医療材料その他についてはきちっとやっているようでございますから、そんなことで御了承いただきたいと思います。
○大野(由)委員 ぜひその辺も、行革の一環で明確に御検討をお願いしたい、このように思います。 時間もありませんので、次に行きたいと思います。 これは、ちょっと環境庁の資料をもとにしてグラフをつくりました。これはダイオキシンの濃度です。下の赤いグラフが日本の大気の濃度です。一番下が大都市の濃度。その次、中小都市。バックグラウンド地域というのは、郊外というか農家というか、そういう地域ですね。その上が、紺で塗ったところがアメリカですよ。上が、三つがドイツです。ドイツ工業地域、農村、分かれて。それからその上、またヨーロッパ。これをごらんになったら一目瞭然だと思いますが、日本はともかく欧米のもう十倍以上、一けた完全にダイオキシン濃度が違うのです。 どうしてこのように日本はダイオキシン濃度が高くなってしまったのか、欧米より十倍以上高くなってしまったのか。欧米より十年以上対策がおくれたのか。これについて御見解を伺いたいと思います。
○宮下国務大臣 ちょっと、委員の提出された資料につきまして、私どもの資料と若干数値を異にしておりますが、それは、間違ってはいないのですが、年度が違っております。 我が国の場合は、この一番長い、下の欄ですね、日本・中小都市地域というのが〇・八二ピコグラムになっておりますが、これは実は、この資料は一九九六年でございますが、その次の年になりますと、〇・一六になっております。これは相当な違いであります。これは、私どもの資料、環境庁との相談の上の資料でございますから間違いないと思いますが、それがございます。 それから、一番下の日本・大都市地域一・〇二は、一九九七年でございますと、一年後でありますと、〇・三二ということになっておりますが、それにしてもかなり高いことは、委員の御指摘のとおりでございます。 これの要因につきましては、焼却問題ですね。焼却炉等が日本は千数百、千六百くらいありますが、ヨーロッパにおいては非常にそれが少なくて、早くから処理されてきたということが主因ではないかと思いますが、なお、その要因の欧米との関係はまだきちっと私も承知しておりませんから、これはよく調べさせていただいて、対応しなければならぬ重大な指摘だと思っております。
○中山委員長 環境庁、答弁しますか。いいですか。
○大野(由)委員 いえ、ちょっと時間がないので、次へ……
○中山委員長 ちょっと環境庁からも答弁もらいましょう。 環境庁長官。
○真鍋国務大臣 先ほど先生から出た図面は環境庁の方からの書類だと思いますけれども、しかし、それはいっときのものでありまして、ダイオキシンの濃度の今環境庁が持っております資料によりますと、随分減少いたしております。十倍云々というような数字は、個々の数字では当てはまらないわけでありますけれども、いずれにしても、濃度が高いということには間違いないと思っておるところであります。
○大野(由)委員 測定の仕方につきましてはいろいろ、測定する日とか場所とかにもよりますでしょうから、多少の数値はあろうか、このように思うわけですが、実際のダイオキシン対策が講じられるようになったのが、日本はごく最近です。ヨーロッパでは一九八〇年代の後半から、ごみの焼却炉が大変な原因だということで、大変、対策をヨーロッパでは講じております。 日本は、先ほどお話もありましたように、焼却炉が非常に多い。これが一つの、日本のダイオキシン濃度が非常に高い、こういう原因なんですが、私は、日本のごみ行政、厚生行政に大いなる誤りがあったんじゃないか、ある面ではHIVと同じようなことが行われていた、こういうことを言いたいわけでございまして、日本でも、焼却炉が非常に危険だということはもう一九八三年の段階から、十五年前から指摘をされておりました。しかし、ようやくそれに対して動き出したのが、十五年後の九六年から動き出した、こういう実態です。 そして、その一つの明らかな証拠として、九二年から九六年、この四年間は、厚生省は小型焼却炉に補助金を出しているのです、いっぱい。全国で百七十六市町村に、二万六千八百基のごみ焼却炉に対して補助金をつけているのです。この未規制の小型焼却炉も大変ダイオキシンを発生している原因になっているということに気がついて、ようやく九七年の四月から補助金をつけるのをやめました。そして、国は補助金をつけるのをやめたんですが、市町村でつけているところがある。それで、九八年の四月に、地方自治体も補助金をつけるのをやめなさいという通達を出しました。 ですから、そういう意味では大変な転換なんです。厚生行政の転換。それまでは、焼却炉をいっぱいふやして、どんどん燃やしなさい、どんどん、できるだけもうという、そういう政策をとっていたのを、それはやはりまずいからといって方向転換したんです。まあ方向転換したということを厚生省は明確にはおっしゃいませんが、政策を見ていると方向転換したんです。 でも、でもなんです。今でも、その未規制の小型焼却炉はどんどんそのまま販売されています。また、地方自治体で、仙台市とか松戸市とか幾つかの市は、粗大ごみですが、無料で回収をしているところも出てきました。しかし、いまだにこの小型焼却炉の問題について正式なコメントをきちっと出していない。ですから、なおかつ、まだ買って、そして知らないでやっている、こういう人もいるわけです。 そういうことに対して、私は、厚生省はもっと明確に、厚生省はこういうことで方向転換したよ、国民の皆さん、こういう方向ですよということを明確に出すべきじゃないか、こう思うんですが、いかがでしょうか。簡単にお願いします。
○宮下国務大臣 補助基準を一日当たり百トン以上に限定しているのは、委員のおっしゃるとおり、これを転換というべきかどうかですが、ただ、問題は、小型焼却炉自体の技術改良を今やっておりまして、小型であれ、ダイオキシンが発生しないようにしようということで努めております。
○大野(由)委員 百トン以上の補助金、これはこれでまた問題なんです。地方は、百トン以下は補助金がないものですから、もう本当に大変な苦労をしています。無理にごみを集めています。ごみにしなくていいものまでごみを集めている。これはこれでまた、大変なごみ行政の日本のやり方の失敗なんです。 私は、最初言ったのは、家庭用とか小さな事業所の小型焼却炉のことを言ったんですが、大臣がおっしゃったのは、百トン以上に補助金をつけている、これは地方自治体の大きな焼却炉の話でございます。 それで、これをちょっとまたもう一回見ていただきたいと思うんです。これは、ごみ焼却炉の一トン当たり処理能力、これを民間で調査したものなんですが、これの費用を、日本、北米、そして東アジア、ヨーロッパで出したものです。 これは、赤い一番背が高いのが総建設費、それから、このブルーのがプラントの部分、これは建物部分、こういうふうに、大体これは一日当たり三百トン以上の処理のところ、同じ規模のものを対象にしているんですが、これだけ値段が違うんですよ、これだけ。 どうしてこれだけ値段が違うか、こういうことなんですけれども、日本はこんなに高いんです。一トン当たりのごみ処理のプラントとか総建設費、アメリカもヨーロッパも大体一千五百万ぐらい。ところが、日本は大体二倍から三倍、四千二百万から五千二、三百万、それぐらいの値段がするんですね。こういうふうに、何でこんなに高いか。ごみ一トン当たりの同じぐらいの規模のごみ焼却施設で何でこんな差が出てくるかという、こういうことでございます。 ところで、公正取引委員長に伺いたいと思いますが、ごみ焼却施設の問題について、独禁法違反の疑いがあって、プラントメーカー等の立入検査を行われたと思うんですが、その概要について伺いたい、こういうふうに思います。
○根來政府委員 お尋ねの件は、行政調査の件でございますので、公式にお答えしていいかどうか、若干逡巡するのでありますけれども、公知の事実になっておりますのでお答えいたしますと、ダイオキシンの測定分析業者に対しては、昨年の六月に立入検査といいますか、行政調査に着手しております。それから、ごみ処理施設の製造施工業者等に対しましては、昨年の九月に行政調査、立入検査を行っております。
○大野(由)委員 その調査結果がいつごろ出るのか。ともかく、生命とか健康にかかわる問題でこういう談合の疑いがあるということは、私は大変許せない問題じゃないかな、こう思います。 こういう、ごみ処理施設だけじゃなくて、ダイオキシンの測定分析、これにも談合の疑いがあるということで公取は調査に入られているのじゃないかと思いますが、これについても、簡単で結構ですからおっしゃってください。
○根來政府委員 先ほどお答えいたしましたように、ごみとダイオキシンの件について、双方を調査しております。
○大野(由)委員 いろいろなところでこういうふうに談合が行われている疑いがある。ですから、このダイオキシンの分析にしても、非常に高いのです、日本は。一検体当たり一時五十万しました。今、公取が入ったというふうなこともあって大分値段が下がってまいりました。それでも、非常に一検体当たりの調査費が高過ぎる。これがアメリカとかカナダとかよそだと非常に安い。 こういうふうに、国民の皆さんの健康とかこういうことに対する不安に乗じて、そして談合したり、そして行われているというようなことは、私はこれは全く許せない状態だと思いますので、公正取引委員会は、ぜひしっかりとこの辺は頑張っていただきたい、調査をしていただきたい、このように思います。 それから、もうちょっと時間がないので、次の質問に行きたい、こういうふうに思うわけですが、ダイオキシンは、九割は食べ物から摂取をして、一割が大気からとる、そういうことなんですが、農水省に伺いたいと思うのですが、魚は若干、いろいろ調査しているようですが、農産物について実態調査をしていらっしゃるかどうか、伺いたいと思います。
○中川国務大臣 先生のお尋ねでございますが、魚介類を初め、肉類、乳製品、穀類、豆類、芋類、野菜類等、それぞれダイオキシン濃度の調査をしております。
○大野(由)委員 平成八年に厚生省が食品中のダイオキシン汚染実態調査というものをなさいました。その中で、野菜について実態調査されたのが出ているのですが、ホウレンソウが最も高い数値なんですね、野菜の中では。大根なんかとかに比べて百倍ぐらい高い実態。何か、野菜というのは、葉の裏にある気孔で呼吸をしているものですから、ダイオキシンを吸い込んでしまうと、葉の表面を洗っただけでは取れない。ですから、葉の表面を洗ったりゆがいたりしたって取れない。そういうことで、ホウレンソウだとか白菜だとかキャベツだとか、こういう野菜類にいろいろダイオキシンの汚染が大変心配されていて、実際、ホウレンソウは大根などの百倍ぐらいの実態があった、そういう実態が明らかになっているわけです。 私が住んでいます近くに、例の所沢、産廃銀座と言われていますくぬぎ山を抱えたところがございます。この所沢なんですが、埼玉県というのは全国のホウレンソウの一二%を生産しているのですね。所沢も非常にホウレンソウの生産が多いのです。 それで、所沢の市役所の経済部長が、一昨年、野菜のダイオキシン濃度を調べて、JA所沢市が今調査している、調査結果が出たら市民の皆さんに公表します、こういうふうに言っていたわけです。それで、財団法人の日本食品分析センターに依頼をいたしまして、分析してもらいました。一昨年中にもう調査結果は出ているはずなんです。 ところが、JAはその後公表をやめました。発表していないのです。いろいろなマスコミがJAに問い合わせしても、今担当者は不在です、不在ですということで、所沢の野菜の実態を明らかにしてない、こういう実態がございます。 それで、市民の間では、よほど高い数値が出ているんじゃないかと非常な不安が今広がっております。農家の売り上げが激減している、こういう状況もございます。所沢産と名がついただけで値段をたたかれる、こういう実態もあります。また、農家の中には、心配になって、自腹を切って自分で調べてもらった、そうしたら非常に濃度が高い、これは売っていいものか悪いものかということで非常に悩んでいらっしゃる農家の方もいらっしゃる、こういうふうに伺っております。 先ほど農水大臣は、いろいろ調査をされる、それは伺いました。全国的にどこで調査されているのか知りませんが、全国、平均的にいろいろなところからとって調査をするというんじゃなくて、こういうふうに所沢市で非常に今市民が不安がっている、実際に売れなくて売り上げが激減している、こういう地域を限定して、徹底して早期に調査をして、そして市民の皆さんが不安に思っていますから、安全なら安全ですよ、数値はこうでしたよということを明確に、早急に発表して、ちゃんとしてあげなきゃいけないんじゃないか、こう思いますが、農水大臣の御意見を伺いたいと思います。
○中川国務大臣 先生御指摘のように、まずホウレンソウ、埼玉県が全国一であり、所沢市がその中でも主要産地の一つでございます。 一方、ダイオキシンという、今国民の皆さんが大変心配されておる物質につきまして調査をいたしましたら、厚生省の調査で、一部ホウレンソウにかなり高い量が検出されたということも承知をしております。これは、許容量でいいますと、ホウレンソウを一日一・四キロ食べないと許容量まで達しないという、微々たる量ではありますけれども、いずれにしても、このダイオキシンの問題については国民的関心が極めて高く、我が省としても今真剣に取り組んでおるところでございます。 平成十一年度から、農地あるいは農作物に対するダイオキシン類の濃度を、全国的な調査をすることとしております。(大野(由)委員「何年からですか」と呼ぶ)ことしからです。今年度から、十一年度からです。これは土壌・農作物中ダイオキシン類緊急実態調査事業、これは全国でやりますし、また土壌、水質の調査も全国をピックアップをいたしまして、これはピックアップでありますけれども、やります。これを十一年度からとりあえず十三年度まで毎年やっていこうということでございまして、主要な農作物それから農地を全国的に調査をして、実態把握を早急にしたいというふうに考えております。
○大野(由)委員 全国調査、それはそれで必要なことだと思うんですが、私の質問は、今現実に市民の間に非常に不安が広がっている、そういう地域に限定して緊急の調査をやるべきじゃないか、こういう質問をしているわけです。 わずかな量ですとおっしゃいましたが、決してわずかな量じゃないんです。もう、ホウレンソウのお浸し、毎日朝、朝食に食べていた、でも不安でやめたとか、そういう意見がいっぱい入ってきているんです。 ですから、農水大臣は、全国的に三年間かけて調査をする。もう三年間かけて調査をやるような余裕のある状況じゃないんです。ですから、私は、この所沢だとかこういう特定の地域、非常にダイオキシン汚染を心配している特定の地域に関しては、その気になれば二、三カ月で調査できるんです、二、三カ月で調査していただいて、その結果数値はこうでしたということを公表してほしいんです。 農水大臣、約束していただけますでしょうか。
○中川国務大臣 まず、三年間かけてではなくて、毎年一回ずつ三年間やりますという、三回やるというふうに御理解をいただきたいと思います。 それから、現在、環境庁との間に、農用地の土壌の汚染防止に関する法律に基づいて、特定有害物に指定した場合の対策地域あるいは特別地域、これに指定されますと作付ができないという制度がありますが、実はダイオキシンは、この特定有害物質に現在のところはまだ指定されておりません。したがって、制度としてはございませんが、今先生御指摘のように、消費者あるいは生産者の皆さん、非常に困っているということでございますので、私といたしましては、県とよく相談をして、そういう問題の解明、また対策をとっていきたいというふうに考えております。
○大野(由)委員 いつなさるかだけ、もう一回。所沢の野菜の検査はいつ。
○中川国務大臣 ですから、県と相談して早急にやっていきたいと考えております。
○大野(由)委員 ことしの夏ごろまでにはわかると思っていてよろしいですね。
○中川国務大臣 できるだけ早くやらせていただきたいと思います。
○大野(由)委員 二、三カ月で調査はできますから、ことしの夏までにぜひ何としても結果を出していただいて、そして市民の皆さんの不安というものを払拭できるものは払拭していただきたい。また、払拭できないものに関しては、場合によっては、この地域はもう農産物をつくるのをやめる、そしてこの地域は農業補償をしなきゃいけない、こういうふうな場合もあり得るかと思うんです。 現に、イギリス、フランス、オランダでは農業補償をやっているんですよ。日本は、さっきグラフで見ていただいたように、欧米の十倍以上ダイオキシン濃度が高くて、そういう補償をしたところは一カ所もないんですよ。日本よりうんとレベルが低いところで、イギリス、オランダ、フランス、農業補償をしている地域がございます。ぜひそのことを参考にしていただいて、この数値結果に対して迅速な検討をする、そういうことをお答えいただきたいと思います。
○中川国務大臣 よくわかりました。できるだけ早く検討をし、そして対策をとっていきたいと思います。よろしいでしょうか。
○大野(由)委員 ありがとうございます。 ほかにもいっぱい質問があるんですが、時間がないのでちょっと省略をさせていただきたいと思います。 ともかく、今の法律では、ダイオキシンの包括的な規制が無理なんです。今農水大臣もおっしゃったように、土壌の規制もないんです。これも手落ちになっています。これもいろいろ問題がある。大気だけ今環境庁が規制を設けましたが、大気以外に、水、土壌、こういう基準値を設けることも必要ですし、公明党では一昨日、参議院で、議員立法でダイオキシンの緊急対策特別措置法というものを提案をいたしました。ぜひこのダイオキシンを包括的に削減できるように、今のままではとてもじゃありませんけれどもその削減は微々たるものであるということを申し上げて、厚生大臣また環境庁長官、総理も、ダイオキシンの対策の包括的な特別措置法の制定というものをぜひお願いをしたい、こういうように思います。 ちょっと時間がないので次に行かせていただきます。 きょうは、将来不安という問題から少し、介護保険の問題とか年金の問題とか奨学資金の問題、いろいろ取り上げさせていただきたい、こういうように思っておりました。ちょうど時間が迫ってまいりましたが、まず国民年金について伺いたいと思うのです。 二十歳以上は国民年金に強制加入に今なっております。二十歳以上の大学生、学生ですが、保険料を実際に払っている人は、九割以上は親が負担しています。親です。学費で大変、子供の生活費で大変、それでなおかつ子供の老後資金まで何で親が出さなきゃいけないんだ、みんなそう言っています。そうでしょう。今大変なんです。学費の納入だってどんどん引き延ばし、払えない、そういう人がふえているのです。それが何で子供の老後の資金まで親が出さなきゃいけないのか、これは矛盾以外の何物でもありません。 そして親は、うんと所得の低い人は免除という制度もないわけではありませんが、免除を受けているのは三〇%、保険料の未納者は一一・二、未加入者は一一・五、要するに全体で半分以上払ってないんですよ。そのうち二割、二二%は手続もしないで未加入それから未納金、この人たちが事故に遭いますと、障害無年金になってしまうのです。 私は、学生というのは、自分で働いてそして返す、借りた奨学資金は返す、自分の老後の費用は自分で蓄える、これが当たり前じゃないか、こう思うのです。ですから、これは、学生が社会人になってから保険料を納付できる学生特例というものを創設すべきじゃないか。そして、卒業してから、今まで払わなかった分をさかのぼって払うこともできる、そういう制度ですね。もし、さかのぼって払わないようなことがあれば、それはその分若干少なくなるかもしれませんが、さかのぼって払えばフル年金をもらうことができる、こういう制度を導入すべきだと思いますが、厚生大臣、御意見いかがでしょう。
○宮下国務大臣 御指摘のような趣旨で、今それを採用しようとして検討しております。
○大野(由)委員 ぜひお願いをいたします。 それからもう一つ、私は、学生だけじゃなくて、二十五歳未満の国民年金がどうなっているか聞いてみましたら、五割がやはり支払っていないというのです。免除者が二三・八%、未納と未加入を入れて二八%、全部で、要するに五割が、二十五歳以下は国民年金を払っていない。免除者は、まだ収入が低いということで手続して免除になっているわけですから、事故があったときには障害年金を受けることができるわけですけれども、それ以外、未納と未加入、両方で二八・九%、約三割が、二十五歳以下は、障害に遭ったときにはやはり障害無年金になる可能性がある。これも私はほっておくわけにはいかない、こう思うのです。 ですから、二十五歳未満は、収入も少ない、親元を離れてひとり暮らしをしている人にとっては、国民年金、一万三千三百円、非常に負担が重いです。とても払えない、そういう人がいますので、半額納付に希望者はできる。そして、後から追加で払うこともできるし、半額のままであれば、その期間は支給のときには三分の二になる、こういう制度を導入すべきじゃないかな、こういうふうに思うのですね。この点について、いかがでしょう。
○宮下国務大臣 二十五歳という年齢制限につきましては異存がございますが、私ども、国民年金の未納者、滞納者その他を入れて約三分の一ございますから、生活保護等の方々はもうそもそも免除してありますけれども、非加入、未加入あるいは加入して未納、こういう人がやはり三百万近くおりますので、この問題は看過できません。徴収に努めてはおりますが、制度としてどうかなという点がありますから、大体、今委員のおっしゃっておられるように、月額一万三千三百円の年金保険料をいただいていますが、それを半分にする、一定の所得以下の人はそれを選択できるようにする、給付は三分の二にしようという案を、私ども厚生省として考えておりまして、その緩和に役立たせたい。ただ、年齢は設けることはいたしませんから、求める人に応じてそういう制度を設けたいと思います。
○大野(由)委員 私は、ただ、全期間半額にしたりすると、ただでさえ、今国民年金をもらう人は月額六万六千円ぐらいですか、それが三分の二になったらもう年金の役割を果たさない、こういうふうに思うものですから、全期間、所得が低いからという理由で国民年金の半分の制度を導入することにはちょっと疑問を感じているのですが、二十五歳以下に関してはぜひそういう制度を導入していただきたい。 最後に一言だけちょっと質問したいのですが、厚生年金の基礎年金に当たると思うのですが、介護休業中、育児休業中の本人負担が今ゼロになりましたが、事業負担もゼロにすべきじゃないか、それから、介護休業は三カ月ですが、本人負担と事業主負担をゼロにすべきじゃないか、このことをあわせて最後に質問させていただきたい、こう思います。
○宮下国務大臣 育児の問題は、二五%の賃金が支払われるほか、今、本人の負担は、その期間は有効な期間として免除しております。 介護給付につきましても、これは二五%を認めておる、こういう状況でございます。
○大野(由)委員 では、年金の方も、またぜひ御検討をお願いしたいと思います。
○中山委員長 これにて大野君の質疑は終了いたしました。 次に、春名直章君の質疑に移ります。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。 新ガイドラインには、後方地域支援を行うに当たって、日本は、中央政府及び地方公共団体が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用するということが明記をされておりまして、これに基づく周辺事態法第九条で、戦後初めてだと思いますが、米軍の戦闘行動などに自治体も参加していくといいますか、動員させられる、こういう規定が盛り込まれようとしているわけであります。 これに対しまして、自治体の首長さんなどから、一体どんな協力がやられるんだろうか、協力を拒否することはできるんだろうかという不安の声が今大きく広がっているわけでありまして、この問題について、まず私はただしていきたいと思います。 まず、自治体にどのような具体的な協力を迫るおつもりなのか、その規模とか内容について、想定されていることだとか準備していることについて明確に答えていただきたいと思いますが、これは最重要法ということで準備をされていますので、総理、お答えできれば、考えられていることをお答えください。
○小渕内閣総理大臣 我が国の平和及び安全に重要な影響を与える周辺事態に際しまして、政府一体となって必要な措置を実施いたしまして、我が国の平和及び安全の確保に努めることといたしており、地方公共団体の協力が必要となる場合もあり得ることは当然のことだと考えております。 このため、周辺事態に対する措置の緊急性にかんがみまして、地方公共団体の長に対し、その有する権限の公共的性格及び他の代替手段を求めることが困難であるという事情を考慮いたしまして、関係行政機関の長から必要な協力を求めることができる旨、規定をいたしております。 そこで、必要な協力の内容については、事態ごとに異なるものでございまして、あらかじめ具体的に確定される性格のものではありませんが、周辺事態に対する措置に関連して、関係法令に基づく権限の行使につき協力を求めるものであります。 この場合、あくまでも協力を求めるということであり、強制するものでないということは、しばしば申し上げておるところでございます。
○春名委員 どのような権限の行使について協力を要請しようとしているのか、具体的に決まっているんですか。どういうことでしょうか。
○野呂田国務大臣 国が国以外の者に対しまして求め、または依頼する協力の内容につきましては、事態ごとに異なるものでありますから、あらかじめ具体的に確定される性格のものではございませんが、例えば、公共団体に対して求める協力の例としては、地方公共団体の設置、管理する港湾や空港の使用についての協力、あるいは、建物や設備等の設置許可についての協力を求めることが考えられます。また、民間等に対して依頼する協力の例としては、民間輸送業者等による人員や物資の輸送、あるいは廃棄物の処理や給水、医療のような問題が考えられると思います。
○春名委員 今二つお聞きしましたけれども、私は、そこでも非常にこの法案の恐ろしさを感じるんですね。 といいますのは、自治体の有する権限、能力を活用すると言っておりますけれども、その規模とか内容、どれぐらいの中身なのか、あらかじめ包括的に網羅して言うことはできない、周辺事態はどういう事態になるかわからないのでということをおっしゃいました。そして、有する権限ということで三つか四つぐらい今例をお挙げになりましたけれども、その中で、それをどのように、さらにそれが広がるのか、一体どこまで権限を、やっていただくようにするのか、そのこともいまだによくわかりません。 しかも、法案の中身はまた議論されると思いますけれども、この法案は基本計画というのを策定するわけですが、策定したら、その中に協力が書き込まれて、自治体がそこで協力していくということになるのですが、その基本計画の前は、自治体の意見を聞くような手続はありません。一方的に決められたことで協力をしてもらうということに、中身上なっていっているわけでありますね。 だから私は、今、地方分権、地方自治ということを言っておりますけれども、そういう流れの中で、このような法律がまさに異質だなということを感ぜざるを得ません。無限定、無原則、無制限の協力を白紙委任させるような、そういう性格のものだということを私は指摘しておきたいと思うのです。 そこで、港湾使用に絞って、総理を中心にお聞きをしていきたいと思います。原則的な問題をお聞きします。 米軍が民間港湾を利用する場合に、港湾の管理者として自治体の首長などの意見がまず尊重をされる。当然、同意抜きに優先的に米軍に民間の港湾、これを使用させる、そういうことは絶対にあり得ないと思うのですけれども、その点を明確に答えていただきたいと思います。 総理、どうですか。
○高村国務大臣 米軍艦船は、日米地位協定第五条に基づいて、我が国の港に出入りすることが一般に認められているわけで、我が国の港に入港すること自体ができるかどうかというのは、これはまさに国が責任を持って決めることでございます。
○春名委員 私が聞いているのは、管理の権限を持っている自治体の首長の同意なしに米軍に優先的に使わせる、使用させるというようなことはありませんねと。そんなことは五条でも絶対できないはずですけれども、そこのところを明確にしておきたいのです。 それを総理大臣、こういう問題でも非常に大きな不安を持っておりますので、五条であっても、優先的に米軍が民間の港湾を、自治体が権限を持っているわけですけれども、使う、そういうことはできないと。原則論です。総理大臣。
○竹内政府委員 地位協定の第五条に関するお尋ねでございますが、これによりますと、米軍の船舶、航空機も同様でございますけれども、地位協定第五条に基づきまして、我が国の民間の港湾について出入りの権利が認められております。 その際に、民間船舶との間で、港湾の施設、例えば岸壁とかいう施設でございますけれども、その使用につきまして競合が生じた場合に、その民間の使用よりも優先して施設の使用を認めるというような規定は地位協定にはございません。
○春名委員 優先して使うということはないということを今述べられましたけれども、私は、なぜこのことを問題として言っているかということを今から議論してみたいと思うのです、総理。 湾岸戦争のことを思い出していただきたいと思うのですけれども、米軍が湾岸戦争で周辺国の飛行場や港湾をどのように使ったのかということを、私も、国防総省の湾岸戦争最終報告書を見て勉強してみました。 例えば、米軍機は、固定翼機がサウジアラビアなど七カ国、二十五の飛行場に千二百機以上、ヘリコプターは十一の飛行場に千六百機以上が展開をするということになりました。膨大な米艦艇は、サウジアラビアとかバーレーンとか七カ国で十の港湾に出入りをしたということが報告されています。バーレーンとサウジの三つの港湾では、百隻以上が、戦争の期間、補給、作戦の基地となった。 期間は、御承知かもしれませんけれども、九〇年の八月七日に作戦が開始をされて、延々と準備をいたしまして、翌年の一月十七日に入って用意周到に空爆を開始するということが行われたわけです。つまり、兵たん、準備という問題で、五カ月以上の戦争準備の期間があったということなんですね。しかも規模が大きいということを一つの例示としてお伝えをしたわけであります。 このように、米軍が実際に戦争を始めますと、長期の準備が必要になります。そして、多数の飛行場や港湾を使うということになります。こう言いますと仮定の話だとよくおっしゃるわけですけれども、しかし政府は、どのような事態になるのかはあらかじめわからないというふうに言っていらっしゃるわけですから、こうした事態も当然予測しなければならないのであります。だから私は改めて聞いているわけであります。 仮に今のような事態になっても、日本の民間の空港や港湾から民間を排除するような形で米軍が優先使用することは絶対にない、そんな権利はない、総理の口からそのことを改めて明言をしていただきたいな、こういうふうに考えております。
○高村国務大臣 日米地位協定五条に基づいてはそういうことはないというのは、先ほど申し上げたとおりでありますが、それは、周辺事態安全確保法九条一項について、場合によっては必要な協力を求めることがあり得るということであります。 〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
○春名委員 これは重大であります。 五条では、そういうことは競合した場合優先できない、米軍が優先するものじゃないということは言われた。しかし、そういう枠組みがあるけれども、周辺事態法九条ができることによって、第一項によって、場合によってはその枠組みを取り払うかもしれませんよということをおっしゃったのですよ。そういう意味ですか。
○高村国務大臣 国が決める事務、これは日米地位協定の第五条、これに基づいては、優先させるとかさせないとか、そういうことはできませんということを申し上げているわけです。 そういう調整は、これは後で運輸大臣に答えていただいた方がいいのかもしれませんが、恐らく港湾管理者に任されていることだと思いますが、いわゆる周辺事態というようなことになってくれば、いろいろな協力を求めることがあり得る、こういうことであります。
○春名委員 そこなんですよ。周辺事態という名前になれば、いろいろな協力を求めることになる、そういうことが想定をされる、こういう問題なんです。そこを私は今議論をしているわけでありまして、そこをはっきり、ベールを脱いでいただきたいと思っているわけであります。 そこで、お聞きをいたします。 民間の港湾というのは、御承知のとおり、地方自治体が管理をする、そういうふうに港湾法でしっかりと定められております。 それはもう御存じのとおりですけれども、一九五〇年に、衆議院運輸委員会、四月二十六日、港湾法を制定するとき、当時の運輸大臣がこういう提案理由を述べております。 地方公共団体の自由な意思による港湾管理者の設立、その他港湾の管理運営の方式を確立し、もって港湾の開発と利用の促進を図るために港湾法を提出する。港湾の管理運営に関し、最大限の地方自治権を与え、かつ国家的及び地方的利益に最も適合する形態の港湾管理者を設定する権能を地方公共団体に与える。国は港湾管理の第一線から退き、地方の熱意と工夫によって、活発な港湾の開発発展を図ろうというのがそのねらいであります。 このように述べております。 つまり、民間の港湾については地方自治体にその管理権、権限を移譲するというのはそういう重みがあるんだ。しかも国家的及び地方的利益に最も適合する形態なんだというふうに述べているわけであります。 そこで、私は別の角度からもう一つ聞いておきますけれども、競合した場合はそれはないけれども、周辺事態法になったらどうなるかわからぬという非常に危険なお話なんですけれども、この港湾法の規定からいいまして、地方自治体の自主的判断が何にも増して優先する。いいですか。総理大臣、何にも増して優先をし、その判断に従わなければならないということを明言していただきたいと思っております。 それはなぜかといいますと、皆さん方が、この周辺事態法によって一般的義務規定ができて、従わなければ違法状態になるというような発言だとか、おどしともとれるような発言がされておりますので、自主的な権限としてあるんだ、港湾法の制定の理念からいっても当然だ、米軍が優先使用するような権利はない、この点を、改めて私総理大臣の認識を確認しておきたいと思います。
○川崎国務大臣 運輸省の方から少し答えさせていただきたいと思います。 米軍艦船は、日米地位協定の定めるところにより、その手続のもとで我が国の港湾使用が認められている。ただし、実際の使用については、港湾の管理運営に支障のないように行われることが必要。したがって、港湾管理者は、例えばその使用内容が港湾施設の能力を超える等、港湾の適正な管理運営に支障を来す場合は港湾施設の使用を拒否することもあり得ると考えております。 ただ、協力をいただけるという場合は当然できると思っております。
○春名委員 私が先ほど湾岸戦争の例も一つ紹介したのは、周辺事態という名前でこういう事態がもし起こることも想定しなければなりません。いいですか。今一時的に出入りができる、五条で。五条というのは制限的なものなんですよ、何かいつでも自由にできるみたいなことを言っておられますけれども。 しかし、周辺事態になったときに、湾岸戦争の一つの例あるいは昔の朝鮮戦争の例、そういうものを見たときに、大変な規模の艦船が動くんです。港が必要なんです。そうでしょう。そういうときに民間の港湾、船を排他的にして米軍だけを優先させるというようなことをこの周辺事態法で想定しているのか。そんなことは絶対に許されないので言明をしておいていただきたい、港湾管理者のその権限において自主的に判断できると。 正当な理由が云々ということが言われますけれども、正当な理由が云々じゃないんです。自主的判断をするというのが、それが原則なんです。そこのところなんです。総理大臣どうですか。
○小渕内閣総理大臣 しばしば外務大臣初め答弁申し上げておりますように、周辺事態安全確保法第九条第一項において、国が地方公共団体に対して必要な協力を求めることができるとされておるわけでございまして、今お尋ねの前提として、この周辺事態安全確保法というのは、我が国の平和と安全に重大な影響の及ぶときにどう行使するかということであって、そういう事態においても共産党は、港湾法があるからすべてやってはいけない、こうおっしゃっておるのか、その辺よくわかりかねるんですが、お教えをいただきまして、我々はそうした事態に対して、港湾法はございますけれども、しかし、この法律を通していただくことによって、そのときそのときの状態によりまして必要な協力を求めることができる、こう考えてこの法律を制定させていただこう、こう考えておるところでございます。
○春名委員 周辺事態と認定したらいろいろできてもいいじゃないかというようなことをおっしゃるようですけれども、それは誤りですよ。そんなことができるんですか、この法律によって。港湾法のその権利とか日米地位協定の五条とか、その関係、そこの原理原則論を崩すことになるかもしれないということをおっしゃるのですか。そうではないんでしょう。私が聞いているのは、周辺事態というのは、そういう号令を発したら義務が生じて、優先的にですよ、どんどん米軍が入ってくるときに民間の船なんかを押しのけるようなことは絶対ないか。そこのところは、私は区別をきちっと明確にしていただきたいのでその原理原則論をお聞きしているのでございまして、総理、そういうことでいいですか。
○高村国務大臣 周辺事態、まさに周辺事態の危機管理としてそういうことはあり得るということを申し上げているわけであります。
○春名委員 あり得るということですね。優先的に使うことも危機管理の中身としてはあり得るかもしれないと。 そうしたら、そのときには行政の長の権限というのは一時棚上げをするというようなこともあり得るということですか。本当にそんなことをやるんですか。
○高村国務大臣 法律に「協力を求めることができる。」ときっちり書いてあるので、国としては協力を求めることがあり得るということです。
○春名委員 だから、協力を求めることの中身について、今の法律体系の中でどういうことまでができて、できないのか、そして判断はだれがするのか、そこのところの原則を明確にしてもらいたいということを言っているわけであります。なぜこういうことを言うのか、実態はなし崩し的といいますか、そういう事態がいろいろな形で進行しているということなんです。 例えば岩国の県営埠頭の話があります。九七年十月からは、これまでに五回、米軍関連の輸送船が入港してきました。県の港湾条例も私は見ましたけれども、爆発物その他の危険物を積載した船艦については、災害防止上適当な措置をしていると知事が認められるもの以外は入港を認めない。そのために県は、弾薬など危険物がないかどうかを判断するため、積載内容の明細を提出するように米軍に求めてまいりました。最初の二回はそれに応じるということになりました。ところが、三回目からはその求めには応じていないという事態と変わってきました。 ここにその使用状況の具体的な、土木建築部の港湾課の資料も持ってきましたけれども、三回目、九八年七月からは、日米地位協定に基づく入港だからもうそんなものは出さないということになりまして、拒否をする。態度変更の理由について、二回目までがミステークだったというふうに言って、県が条例尊重を申し入れても米軍は無視して、積載リストの提出を拒否したまま入港を続ける、こういう一つの事例も生まれております。 さらに、九七年の九月には、米第七艦隊の空母インディペンデンスが北海道の小樽港に入港いたしました。横須賀を母港にしている同空母が、民間港に入るのはこれが初めてのことでありました。もちろん住民の同意などはありませんでした。大変危険だということで反対の声も上がりました。しかし、入港いたしました。入港を条件つきで認めた市長も、今回は受け入れたけれども、小樽はこれからも商業港だ、この方向で発展していくんだ、米艦が何度も入港し、軍港にされるようならば拒否もあるということを発言されているわけであります。 こうした心配が現実に目の前で広がっているのです。この心配にこたえて、決して優先的に米軍が港湾を使用しない、周辺事態というようなことがあってもそれはしない、逆に言えば、港湾管理者の判断が何よりも尊重される、このことを言明すべきではないかなと私は思うんです。私は原則的に当たり前のことを言っているわけでありまして、総理、そうではないでしょうか。
○高村国務大臣 そのような言明をするつもりはありません。
○春名委員 非常に危険だということを今の議論を通じて私は実感しております。 しかし、私、一つ紹介しておきますけれども、外務省の条約局とアメリカ局が一九七三年の四月に「日米地位協定の考え方」というのを作成されていらっしゃいます。ここに、「第五条一項に基づく港・飛行場の使用が、施設・区域的な使用の態様」、つまり、これは基地になるということですけれども、「(例えば、一切の民間の使用を長期間排除しなければ米軍の目的が達成してないが如き使用態様)」、これになる場合には、「むしろかかる施設は、施設・区域として提供されるべきものといえよう(逆に言えば、五条使用である限り、右の如き使用態様は、排除される)。」そういう見解を述べております。 この中身を私読みまして、なるほどと思いました。米軍が民間の使用を排除するような形では民間空港や港湾を使用できないということを外務省の見解で明確に言っているということです。それはどんな事態でもです。いいですか、周辺事態でもです。優先的、長期に民間を排除して使用するというのは、それは施設・区域、つまり基地になるんだ。五条使用ではそんなことは絶対できない、やってはならないということが七三年の外務省の見解ということだと思うのですよ。そうでしょう。だから、周辺事態法では、この外務省の見解は一時棚上げをする、そして長期的、排他的、優先的に米軍に使わせるというようなことも考えなきゃいかぬのだということであるとすれば、私は大問題だと思います。 もう一度見解をしてください。
○竹内政府委員 まず、先生が御引用なされました外務省の資料というものがいかなるものか、私つまびらかではございませんが、いずれにしましても、当省の部内参考資料というものでもしあるならば、それは当省の公式の見解を示すものとは言えないものでございます。 また、先生がおっしゃいました地位協定第五条に基づく米国艦船による港湾施設の使用に際しまして、一定の条件のもとで我が国として便宜を図るよう措置するということはございますが、これは、港湾施設の使用において民間船舶との間で競合が生じた場合に、民間の使用を排除する形で優先使用できる権利を米軍艦船に対して認めたということではございません。 ただし、先ほど大臣からも申し上げましたが、地位協定第五条に基づきます港湾使用の権利として優先使用なるものは認められておらず、民間の使用を排除するような使用は施設・区域としての提供が前提となります。 他方におきまして、大臣が先ほど申しましたとおり、地位協定上の米軍の権利としてではございませんが、我が国政府が合理的な範囲内で港湾管理者との調整によりまして米軍の使用に便宜が図られるよう措置するというようなことは可能でございます。我が国がこのような措置を仮にとることがございましても、それは地位協定に反するというようなことではございません。
○春名委員 今、調整と言われましたけれども、調整というのは日米両国政府という意味かもしれませんけれども、調整というのは自治体も入っているんですね、当然のことですけれども。
○高村国務大臣 日本政府と港湾管理者の調整であります。
○春名委員 そして、先ほど言われたもので、この文章は公式なものじゃないと言われたけれども、本当にそうなんですか。さっき質問しなければいけませんでしたけれども。そういうものではないと私は理解しておりますけれども。 そして、私は本当に、協力を要請することができるということを入れておりますけれども、いろいろな米軍のあの戦争の姿、そしてその後方地域支援の規模、中身、大きさ、全くどうなるかわからないわけであります。だから、優先的、排他的にやられる危険性もある。そういう場合、周辺事態であっても、この日本の法規をきちっと守る、港湾の管理者としての権限を最優先するということを私は言明していただきたかった。しかし、周辺事態の場合はそうとは限らないというようなニュアンスのことを言われる。私は、そのことに、今度のこの新ガイドラインと法案の持っている非常に重大な疑義がある、問題があるということを厳しく指摘をしなければなりません。 大体、地方自治体というのは、地方自治法の第二条に書いてありますけれども、住民の安全や福祉や健康を守る、第一義の仕事にしようということであります。そういう任務から照らして、そして港湾法の管理者の任務から照らして、軍港化させない、優先的に使わせない、常時使わせないということなんかは当たり前のことでありまして、そういう対応を私は政府がやるべきだということをはっきり申し上げておきたいというふうに思います。 続きまして、政党助成問題と政治献金の問題についてお聞きをしていきたいと思います。 一月二十二日に中島洋次郎の政党助成金にかかわる疑惑の全容が明らかにされました。総理は、この問題にかかわって、十一月二十七日の所信演説で、「政党助成金の不正使用疑惑により同僚議員が逮捕されましたことはまことに遺憾であり、こうした事件が再び起きないよう、政治家個人が厳しく身を律していかなければなりません。」このように所信演説でなさいました。覚えていらっしゃいますね。 それで、私は、それはそのとおりです、しかし、この問題は政治家個人のモラルの問題に帰結させるわけにはいかない、そういう問題だと思うのです。政治家個人の問題ではなしに、政党助成制度そのものの矛盾の一つ、政治腐敗の元凶に政党助成制度もなりつつあるという問題として、私は吟味が必要だと思います。 総理は、この事件をきっかけにした政党助成制度そのものについての認識、どういうふうにお考えになっているのか、まずお聞かせください。
○小渕内閣総理大臣 御指摘のように、所信表明におきましてそのようなことを申し上げました。 政党は、政党交付金が国民から徴収される税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、国民の信頼にもとることのないような適切な使用をしなければならないものと考えておりまして、これは国会でお決めをいただきまして、こうした制度をつくった。そして、そのことによりまして、過去いろいろ御指摘されたような問題につきましても、これを排除し、政党として必要な経費につきまして、国民の理解を得て、この交付金制度が成り立っているものと考えております。
○春名委員 適切に使用するなんというような生易しいものではもう済まない事態に私は来ていると思うのですね。 それで、この政党助成法の問題、四年たちまして、来年見直しの時期になりますね。これは衆議院の本会議でも質問がありましたけれども、そういう時期ですので、今どうあるべきなのか、ぜひ真摯に議論をしていきたいというふうに思うのです。 中島問題は、政治活動に使うべき国民の税金を私的に使ったということになっているわけですね。公私の区別がなかったということを示したものでありました。 〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕 冒頭陳述を読みますと、本当になるほどなと私も思ったのですね。そこにはこういう文章が出てくるのです。政党助成金は支部長が自由に使える金。支部長は国会議員がやっているから、実質的には国会議員に来るようなものだ。公的な税金が自分のものだ、ポケットマネーみたいなものだというふうに言われたと冒頭陳述に書かれているのですね。これはやはり法律が持っている大きな本質的な欠陥から生まれてきているもので、中島だけが悪かったというふうに帰結できない問題をはらんでいると思うのです。 例えば、人件費と書けば一切内容の細かい報告は要りません。領収書も要りません。他の費目の経費も、五万円以下だったら、金額、支出目的、日付、支払い先も記載の必要がないわけですね。そして、もちろん使い方についての罰則もありません。保釈金に今度は使うんじゃないかという何かブラックユーモアが出ていましたけれども。 支部の会計責任者、会計監査人は、これはどうなっているか。これは朝日新聞の九八年十一月十日付の調査ですけれども、総理もごらんになっているかもしれませんが、会計責任者の職業がわかった五百十七支部、これは全体の九七・四%なんですが、その政党支部代表の国会議員の秘書の方が百七十三名占めていて、三二・六%。そして、加えて親族や後援会関係者などのいわゆる身内と言われる方で三百四十六名、六五・二%ということで占められている。こういう報道をされています。税理士とか公認会計士などの会計に関する資格を持っている者は、その調べの中でわずか十四名でありまして、二・六%にすぎない。この資格は問うていないんですね。国家の介入になるからということで資格要件を法律には定めておりません。 法律の第四条では、乱用防止のためということで、国民の信頼にもとることがないように、政党交付金を適切に使用しなければならないというふうに言っています。ところが、四条の前半部分では、政党活動の自由のために使途は制限してはならない、だから細かく提出、公表しない、こうなっているわけであります。 適切に使われているかどうかについて、じゃどうするんですかというふうに私たちが問いますと、政府は、国民の監視と批判にまつんだ、政党交付金を充当した支出を公表することによって国民の監視と批判にまつんだ、これは九六年十二月十二日の当時の選挙部長の答弁ですけれども、こういうふうに言っている。ところが、肝心の公表された支出内容が政党活動の実態をそもそもあらわせない仕組みになっているのであります。総理、矛盾だと思いませんか、これ。総理、どうですか。いや、総理の御認識を聞きたいんですが。
○野田(毅)国務大臣 この政党助成の制度は、随分大変な国民的論議の中で御案内のとおり成立したわけであります。それについてそれぞれの政党の立場でいろいろ批判があることも承知をいたしております。 いろいろ改善点はそれぞれ指摘もされておりますが、基本的に、この点についてよりよく改善していくということは当然あっていいことだと思いますが、しかし、今御指摘の点は必ずしもそのようには思いません。
○春名委員 これは法律の中にも、政党活動というのは確かに自由なんです、認めなければなりません。しかし、その政党が使うお金は税金なんです。公的なお金なんです。だからそれは透明にしなければならない。しかし、透明にすれば政党活動の自由を侵す。相矛盾するんですね。そういう問題なんじゃないかということを私は述べているのであって、そして、そのことを利用されたのが中島事件ということになったので、その制度そのものについての本質的欠陥ということを私は問題にしているわけであります。そういう御認識はないのかと。総理大臣、いかがですか。今度はお答えください。
○小渕内閣総理大臣 政党助成金を受けたから自由な政党の活動ができない、そのようなことはないと思っております。
○春名委員 質問の趣旨が違います。政党助成金を受けたから政党の自由な活動ができないということを言っているんじゃありません。 そもそも、政党助成金を受けようが受けまいが政党の活動は自由なんです。当然です、自由の結社ですから。しかし、国民の公的なお金、税金を受け取る、だからその使途はきちっと厳格にしなければならないというのが四条で言われているわけでしょう。しかし、それを厳格に厳格に全部公表してしまうと、会計監査の人も資格もつけるというふうなことまで全部やってしまうと、政党の自由な活動を侵すことになるのでそれはできませんと言っているんです。だから、同じ法律の中に矛盾している中身があるじゃないですかと、このことを私は問うているわけです。総理、そういう意味なんですよ、私が言っているのは。 総理、突然のお尋ねで恐縮ですけれども、例えば、私言います。支部の会計責任者と会計監査人が身内で占められているという報道を先ほど御紹介いたしました。私も幾つか調べさせていただきました。総理自身の使途報告書も見させていただきました。 そこで、まずちょっとお聞きしておきますけれども、あなたが支部長をされていらっしゃる自民党の群馬県第五選挙区、ここの支部長をされていると思うんですけれども、九六年、九七年、会計責任者と監査人をされていた方、御記憶でしたらおっしゃってください。九六年、九七年。
○小渕内閣総理大臣 今直ちに記憶を呼び起こすことはできません。
○春名委員 会計責任者は真下利夫さんという方、監査人は野村隆二さんという方です。この真下さんはあなたの後援会の事務所にいた方でして、しかも、群馬県の選挙管理委員会に届け出されている小渕総理の政治団体、新世研、上毛政治経済研究会の代表者になっています。そして、群恵会、恵友政経懇話会、小渕恵三後援会富岡連合会、国際政治経済研究会、群馬振興研究会、これらの団体の会計責任者をされている。監査人の野村さんについても、あなたの選挙で大奮闘されておられる方だというふうに聞いております。 中島の冒頭陳述をもう一回紹介しますと、中島氏は、支部の会計責任者にみずからが最も信頼を寄せる側近的存在の飯田を充てて、使途報告書を提出するに当たっては、印刷業者などから提供を受けた架空領収書を利用し、実際には被告人あてに送金した支部政党交付金をこれら業者に対する支出に充てたように仮装して、使途報告書にその旨の虚偽の記入をすることを指示し、飯田、金子及び清水はいずれもこれを了承し、被告人の指示に従うこととした、このように生々しく出ているわけであります。 だから、マスコミや国民から、身内がそういうものを全部取り切っている、そんなやり方をしていて本当に政党に行くんだろうかということを、疑義の念として、怒りとして感じているんでしょう。 小渕さんの場合も、側近的な方がそういう監査人そして会計責任者をされているわけでしょう。政治家個人の、中島の問題だとはやはり言えない問題ですからね。その点をどのようにこれから正していくのか、また反省されているのか、その辺を聞かせてください。
○小渕内閣総理大臣 いずれにいたしましても、私が支部長をいたしております群馬第五区におきまする会計処理につきましては、すべて信頼し、法に基づいて適正に処置をいたしておる、こう考えております。 なお、中島前代議士の例等を引いて、あたかもそれと類似するがごとく言われますことは、私自身は私として今答弁を申し上げましたが、他のすべての国会議員にもかかわることでございますから、それは全く事案が異なる、こういうふうにぜひいたしておきたい、こう思います。
○春名委員 あなたの個人的に、何か脱法とかそんなことを言っているんじゃありません。いいですか。そうではありません。 しかし、いいですか、政党助成法の中はそういう矛盾があるということを言っている。身内で固めているという事態があって、やみの中である、公表もされることはない、そういう事態になっているんだということなんですね。本当に反省されているのであれば、中島問題を含めて、そういう事態を打開する。これは私は廃止する以外に方法はないと思うのですけれども、そのことを私は小渕さん自身に正面から聞いているわけであります。 そして、政党助成法ができて四年を迎えた。あのときの議論、私はそのときは国会議員ではございませんけれども、そのときに、企業献金は廃止していく方向、腐敗を根絶していくという方向、それと一体にこの政党助成法、公的支援をしてもらう、公的助成を導入するということをおっしゃいました。 そこで私は、その問題を少し聞いてみたいと思うのです。 本部に交付をされた政党助成金、これを受け取る対象が政党の支部であります。自民党の場合、ほとんどが支部長イコール国会議員ということになっておられる。 一方、政治家の資金管理団体は、政治家一人につき一つと定められています。ところが、そのとき大問題になったんですけれども、助成法によってつくられた政党支部も企業献金を受け取ることができるようになったわけです。私どもはその当初から、政党支部をトンネルにした企業献金、この温存のからくりをさんざん追及させていただきまして、こういう抜け道をつくっていいのかという問題提起をいたしました。 自治省の調査によりますと、九八年八月の時点で、自民党の支部は全国で五千八百であります。すべて地域支部。そして、この三年半で実に九百三十五の支部がふえている。これは去年の八月の調査ですから、政党助成法ができてからということになります。そして、政治活動の自由が保障されているため、この実態は調べないというのが見解であります。 九六年に政党助成金の支給を受けた選挙区の支部が八百二。うち企業献金を受けていたのは四百二十三支部で、自民党は二百五十五支部、三十億五百五万円に上る、こういうふうに報道されています。自民党本部は、九七年、百四十六億九千百万円の政党助成金を受け取って、その一方で、国民政治協会から六十億九千五百万円の企業・団体献金をもらう、こういう事態になっているんですよ。 企業献金温存のからくりを私たちは言ってまいりましたけれども、政党助成法のそういう中身がこういう形で、三年半、四年間で今あらわれてきているということを私は指摘をしたい。制度改正を逆手にとった悪らつなやり方じゃありませんか。こうした抜け穴が政党助成法をつくることによって生まれている。政治献金をなくす方向と逆行しているじゃありませんか。だから言っているんです。どうですか。 政治献金をなくすと言っているわけです。そのことによって、国民の公的なお金をいただくという議論をされたわけでしょう。しかし、この政党助成法の中身そのものの中に、支部をつくることによってそこに献金はできるんです。いいですか。政治と金の流れが鮮明になって企業・団体献金への依存は低くなる、そういうふうに言っていたじゃないですか。 だから悪らつと言ったのであって、私は訂正するつもりはありませんけれども、そういう事態が、この法によって企業献金をなくしていくという方向とは逆行する方向で使われているのじゃないですか。これは逆行している方向だと思いませんか。総理、どうですか。
○野田(毅)国務大臣 たくさんのことをおっしゃっているので、二つの点について申し上げておきたいと思うんですが、政党の支部はあくまで政党組織の一部であって、本部と一体となって政治活動を行っているわけであって、いわゆる後援会とは人格を異にする、これは当然のことだと思います。 それから、政党に対する企業・団体献金については、法の施行後五年を経過した場合においては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案して、そのあり方の見直しを行うということになっておるわけでありまして、この問題は各党各会派において十分議論をしていかなければならぬ問題がある。 だから、現在のままで一〇〇%そのとおりでいいということではないでしょうが、しかし、あなたのおっしゃっていることだけがすべて正しいというわけではないので、それぞれ問題を踏まえながら、各党会派の中でこれからも議論をしていただきたい、そう思うわけであります。
○春名委員 今、後援会、資金団体、それから政党支部はそれぞれ違うんだという御説明をされました。そんなことは当然であります。私も知っております。 小渕さん、総理大臣、自民党群馬県ふるさと振興支部という支部がございますね。この支部は、高崎市にあるあなたの政治団体と当時同じ場所にあったんですが、九六年は、企業、団体などから四千三百十四万円の献金を受け取っています。そのうち三千七百十四万円を小渕恵三後援会に寄附をしております。いいですか。そういうふうにやっているんです。また九七年は、三千四百三十六万二千五百三十円の献金を受け取られて、そのうち二千二百万円を小渕恵三後援会に寄附しているということがこの報告書の中でちゃんと載っております。見させていただきました、だれでも見れるものですので。こういうことをやられているんです。 別に法律違反とは私は言っておりません。しかし、政治改革の精神というのはそんなものだったんでしょうか。 企業献金はなくそう、資金管理団体は一つにしよう、個人献金は五年後になくそう、政党への献金も見直しをしよう、なくしていくということが大方向じゃないんですか。違うんですか。それと逆行しているんじゃないかと私は、小渕総理大臣、恐縮ですけれども、その例を挙げてお示しをしているわけでございます。(発言する者あり)いや、これは、総理大臣自身がどういう認識で、どういう態度でこれに臨むかという大問題であります。国民の税金ですからね、いやしくも。だからこういう問題を私は率直に提起をさせていただいております。どうぞ御見解を出してください。
○小渕内閣総理大臣 私自身が群馬第五区の支部長として政治活動を行う、そのためには、公的な政党助成金に基づく党本部からの支援もいただいておると思いますが、そのほかにも、私の政治活動を熱心に支持される方々がいろいろの団体をこしらえて、そうした形で協力をされておられるということでありまして、今お示しのような、すべてその点については明らかにし、そのことについて報告もいたしておることでございまして、そのお気持ちにこたえますように全力で今努力をしておる、政治活動をいたしておる、こういうことでございます。
○春名委員 国民にとってはやりきれないんですね。(発言する者あり)そうじゃないですか。政党助成金はもらう、山分けをされる。一方、企業献金は、その法律の抜け穴的な内容を使って企業献金もそこからもらう、それが後援会に行く、そういう仕組みになっているんです。いいですか。そういう仕組みになっているんです。 法律そのものを言っているわけではないです、今私は言いましたけれども。四年前にさんざん御議論をされて、そういう方針が出された、決められた。しかし、現状は逆行するような方向が生まれているんじゃないですかと。そう思いませんか、総理は。全然そうじゃない、こんなものはいいんだというふうにお考えなんでしょうか。
○野田(毅)国務大臣 今、方向性の話がありましたが、すぐそっちの結論に行く前に、政治資金規正法においては、政党などの政治団体による政治活動が国民の監視と批判のもとに行われるよう政治資金の収支を公開することとしておるわけでありまして、政党支部が行った支出についても収支報告により国民に公開されるものでありまして、その当否はまず国民の判断にゆだねるということからスタートしよう、そういう意味でオープンにしていこうということに主眼があるのであって、今、その先の、さらに献金を廃止する云々というところまでの話には行っていないんですよね。まずはオープンにして、その上でという話であります。
○春名委員 四年間の新しい法制度のもとでの運用について私大分調べてみて、政党助成法というのができたけれども、それと逆行するようなことも生まれておるではないか、そういう御認識はないのかということを私は言っているんですよ。今、国民は、こういう中島問題なんかが起こって、国民は苦しい思いをしているのに、何でその税金がこういう形で使われなきゃいけないんだろうか、こういう思いをしているわけでしょう。それにこたえる義務があるじゃないですか。だから私は言っているんです。政党助成法の憲法違反という問題でも、今大きな問題になってきていますよ。 自民党の過去三回の国政選挙の得票数、政党助成金の金額、国民の数に換算しての比較、私も見てみました。九五年の参議院選挙、政党助成金額百三十五億円、政党助成金相当人数五千三百四十万人分、そのときの選挙の比例の得票が千百九万票、差し引き四千二百三十一万人。九六年、同じく、百三十七億円、五千四百八十三万人分、千八百二十万票、差し引き三千八百六十三万人。九八年、百五十二億円、六千七十九万人分、千四百十三万票、差し引き四千六百六十四万人。 議論を四年前にもされてきましたけれども、国民が支持もしていない政党に、残念ながら回り回って、そのまま行くわけじゃないですけれども行く、政党に配られていくという仕組みになる。そんなことをすれば、憲法十九条に、国民の思想及び良心の自由、これは侵してはならない、こういうことが明記されている、それとの関係で憲法上の疑義がある、そういうことが生まれますよということを申し上げてまいりました。そして、結果、この間、四年間にやられた選挙戦で自民党を支持されておられない四千万人あるいは四千万人を超えるそういう国民の方々が、事実上、寄附を自民党にさせられるという仕組みになっておる。もちろん、二十歳以下の方が入りませんから差し引かなければなりませんけれども、そういう数字が出るわけであります。 総理、第十九条の、思想及び良心の自由、これを侵してはならない、こういう大原則、私は少なくともこの法律がこれに合致しているとは思えない。総理大臣はそういう御認識はないのでしょうか。
○野田(毅)国務大臣 一連の、中島前議員に関する問題からのいろいろのお話について、問題意識はよくわかります。そういう意味で、やはりこの政党助成制度が、今御指摘のような誤解があるようなことがあっては決していいことじゃありません。そういう意味で、中島前議員について、公私混同したようなその種の発言があったりということは厳に慎まなければならぬことであって、ここはお互い理解をしなければならないポイントの一つであると思います。 そのことと今の政党助成制度の話とはちょっと違うのではないかというふうにも思います。これはもう御承知のとおりと思いますが、政党交付金の各党への配分の計算の方法は、当然のことながら、得票数割とそれから議員数割というような形で行われることになっておりますので、必ずしも得票数割だけで計算されるものではないという意味で誤差が出るであろう。 それから、この制度そのものは、もうこの制度を入れるときにも国会でいろいろ御議論がありました。これは、個々の国民がそれぞれ自己の政治信条に基づいて政党を支持する自由、支持しない自由を何ら制限するものではないということは結論が出ていることだと思っております。
○春名委員 私は交付の方針を聞いているわけでは別になくて、こういう四年間の運用によって、事実上そういう事態になったということが証明されておるわけでしょう。だから、そういう問題として、きょうの時点で改めて政党交付金制度、政党助成法自身の持つ問題点について、私は率直に私の意見を申し上げさせていただいたのです。そのことを政府としても本気になって今考えるときに来ている、私はそう思うんですね。 今、自自連立の方で、衆議院の比例の議員定数の削減ということが御議論され、提案をされるということになっておりますね。私たちは、こういう議員定数の削減というのは、ヨーロッパのそれぞれの国々と比べても日本の国会議員というのは非常に少ないんですね。国民とのパイプを狭めることになる、そして小選挙区制の害悪を広げることになってしまう、比例を削るということですから。こういうものには、私たちは断固反対であります。 国会の議員自身が身を削るというのであれば、これだけ害悪も明確になってきているこの政党助成法自身をきっぱり廃止することが、最も身を削る第一じゃないでしょうか。私はそのことを厳しく申し上げたいと思いますし、きょう問題提起したことを真剣に議論していただけますように強く訴えて、質問を終わりたいと思います。
○中山委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。 次に、北沢清功君。
○北沢委員 社会民主党の北沢でございます。 きょうはいろいろ各委員からお話がございまして、私はその中で、今国会の持っているいわゆる問題点というのは、日本のかつてのバブルの解消、景気回復、また、世界的な経済の中における日本の地盤、経済をどういうふうに立て直すかということも含めて、非常に大きな問題を含んでおると思います。 ただ、問題は、今回の予算を見ても、当面の問題を解決することは当然なことでありますが、加えて、首相は、これからの世紀に対するかけ橋という表現をしておりますが、その中身は、今後委員会をつくって、有識者の御意見を聞きながら、これからの社会のありよう、理念、そういうものをつくっていくというふうに言われております。私はこのことは大事なことだと思いますが、しかし、私どもは政治家です。毎日の、選挙民を通じ国民に触れる中で、それなりに私どもは勉強をし、感じております。 したがって、これからの二十一世紀、特に日本の政治のあり方、理念については、私は相当論議をしたし、また、もし足りないとするならば、この論議を深めていかなきゃならぬのじゃないかという、実は思いでございます。 そういう中で、私は実はこの四年間、ちょうど運輸政務次官をしておりまして、海外へ公式に派遣されまして、そのときにたまたまハンガリーの大統領候補、日本人が奥さんでありますから、大変に私は懇意になりまして、いろいろと中欧における状況を知る機会を得ました。 その中で、やはりEUの統合といいますか、その問題は非常に、今日、この一月一日からユーロの幕あけとなっていくわけでございますが、その過程におけるEUの加盟国のそれぞれの国の、極めて厳しい中で赤字を削減したり、また非常に苦しい生活ですが、しかし、そういう中で非常に明るさを見出しながら、一致して、いわば国境を越えて、やはりこのことに協力をし合った姿が今日のユーロの姿である、したがってその一つ一つの国がどんな苦労をしているかということを、私はずっと回ってみまして感じてまいりました。 つい三カ月前もイギリスとフランスへ行きまして、農業事情を中心としたヨーロッパの農業復権の状況というものは、日本の一次産業である農林業の衰退の中で、私は非常に力強くかの国の状況を感じましたし、また、ユーロの目的というのは通貨の統合でございますが、それ以上に、ヨーロッパにおける過去百年における戦争の世紀に、その被害は、国境が接しておりますから、五千万人の犠牲者を出したと言われる中で、いわゆる敵国との関係の中での統合ということは、これは大変なことだと私は思いますね。 実は、きょう、民主党の生方さんの御発言を私は非常に心強く感じておりました。私も前にもこの場で取り上げたんですが、いわゆる、テレビや何かでこの前の北朝鮮のあの原子力の問題について、日本に今にもミサイルが飛んでくるんじゃないかという危機を、実は当時朝から晩までテレビでやっていましたね。それでまさに一色に、その当時、知らない人は相当の危機だと思ったところが、カーター元アメリカの大統領御夫妻が北朝鮮へ行ったら、その晩にぴしっととまっちゃったんですね。私は、今日求められているものは冷静な判断だと思います。 それから、過去の歴史認識というものをやはり我々がもう一度思い起こさないと、特に、私はもう現在七十二歳ですから非常に、戦争を体験した世代でありますから、よく戦争の内容というものは存じております。 今日の自衛隊における装備の不正問題は、これは大変なことです。ただ単に不正じゃないんです。武士たる者が、まあ武士と言ってもいいかと思いますが、みずからあのような、国民の金を不正に使い、なおかつ、それを隠ぺいするために幹部を挙げてやったということ。これは、かつて戦争直後に、テレビ、いやテレビはなかったから当時ラジオで、あの戦争の反省として軍閥、財閥ということを盛んに毎日やっていましたね。私もそのとき、非常に、一体財閥とは何だろうかということを考えたことがありますが、まさにそういう面で、貴重な国民の生活を守る、生命を守るという目的を持ちながら、なおかつ企業の中で支援をし、みずからも地位や、みずからも家族も含めてその恩恵を受けるということ、そしてそれを隠すということは、これは大変な悪行です。これは普通の刑罰じゃないんです。 だから、そういう意味で、国民のいわゆる危機というものに対する信頼を疑わせるものであるというふうに私は思いまして、そういう意味で、私はあえて戦争を知る世代としてこのことを前段に申し上げておきたいと思います。 それから次に、今申し上げましたユーロの問題です。 ユーロの問題というのは、先ほど申し上げるように、そういう敵国が、五千万人の人が犠牲になりながらなおかつ一致をしようとする姿を見て、これはやはりアメリカのドル一極の姿から、世界はドルとユーロの二極的な姿に変わりつつあるんじゃないかと。これは、ヨーロッパ全体の利益にかかわる共同の成果だと思いますけれども、そこら辺についてやはり私は、米国を上回るような、ユーロを国内の総生産や貿易総額を持ちながら誕生させた意味ということを考えるときに、私どもはその政権が、社会民主党というか、中道左派というふうな形で言われておりますが、これは中道左派ではないんです。その前段の保守の皆さんも、そういうことで実はこのことをつくり上げてきたんですね。たまたま今はその問題が中道左派というものの理念に結びついておりますけれども。 そういうことを見るときに、私はいわゆるソビエトとアメリカの対立の崩壊後に当然市場万能主義に行くだろうということは——当時、社会の社の字はない、私どももよく、社会党と言われていましたから、社会の社の字はなくて、今になくなってしまうよ、そういうふうに言われたこともございます。しかし、そういう中で、いわゆる市場万能主義といいますか、市場原理万能主義から今日の社会市場主義と言っていいでしょうか、私は思想のことは言いません、社会市場主義と言ってもいいと思います今日のユーロのそれぞれ構成する人たちの姿を見て、ひとつ首相として、今回のユーロの問題について、我が国との政治的、経済的影響や、または今後におけるユーロの理念というものをどういうふうに理解されておるか、首相の御感想をお伺いいたしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 このたびのユーロの誕生は、欧州各国の強い政治的意思と経済構造改革努力のたまものであろうかと思います。米国と比肩する経済圏を背景とするユーロの動向は、世界経済全体に大きな影響を及ぼし得るものと考えます。また、経済、通貨統合の成功は、今後、欧州における政治分野での統合を一層加速するものと思われます。 北沢先生御指摘のように、ヨーロッパは常に干戈を交え、近隣諸国との戦いに、第二次世界大戦まで争いの絶えざるところでありまして、恐らくヨーロッパの政治家が考えましたことは、今後そのようなことをなくしていくためには、政治的な統合も含めて努力をし、ECから始まりまして現在のEUまで、本当に各国とも努力をしてきた結果、共通通貨ユーロが誕生いたしたのだろうと思います。 時あたかも、この数年、ドルがある意味の一つの軸として、貿易から始まりまして、すべてに大きな影響力を持つ。加えまして、世界の金融・通貨に対しましても大きな影響を及ぼして、世界経済にかなり混乱を招いてきたというようなこともあり、このドルとともに、ユーロというものがこれから大きな役割を果たしていくということは想像にかたくないわけでございまして、そういう中で、日本の円というものもこれからどうして考えていったらいいかということは、重要な課題だというふうに認識をいたしております。 先般の欧州訪問におきましても、ユーロ導入によりまして、欧州のある意味の活力を目の当たりにいたしてまいりまして、今後、日本といたしましても、経済面だけでなく、政治面でもますます国際的な重要な役割を果たしていく必要があろうと思われます。そういった意味でも、欧州との関係を一層強化していかなければならない、このように感じてまいった次第でございます。
○北沢委員 非常に尊重されているという意味で、ひとつ今後、大いに親密な関係を深めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 次に、私は、日本の財政赤字は、国、地方を含めて六百兆に上るということで、前にも橋本総理にもそのことを取り上げて、これは大変なことですねということを申し上げたことがございます。そのことは、私はいつも念頭から離れないことでございます。 今、世に言う不況、しかも消費不況ということ、そういう中における当時の減税の大合唱ということの中で、これは当然、緊急な経済再建を図るといいますか、景気の回復を図るということは当然のことですから、そのことは私は是認をされるし、今回の予算はそういう意味でもある面では是認をされるわけですが、その中身については若干問題を持っております。しかし、基本的にはそういう考えでありますが。 しかし、これだけの金をつぎ込んで〇・五%の成長率をことし予定をしているということで、普通はもうマイナス成長ですから、当然日本経済の深刻さというものはそのことでうかがわれるわけですが、やはり今後の経済成長というものを、景気を回復して、どのような形で回復を図っていくか。そして、その中における財政再建をどうするかということや、またその中における税のあり方、いろいろな企業のあり方、そういう問題は、私は相当今厳しい状況の中におると思います。早く言えば、これは構築をしなければいけない、新しい感度で打ち立てなければいけない問題を非常に持っているわけであって、そのことは従来の形では解決ができぬのではないかというふうに思うわけです。 したがって、私はこれを産業別に実は見てみたいと思います。皆さんこういう見方はないかもしれませんが、私は、農林業は不幸にも大変、私は農村にいますから、大変な時代でありまして、これはヨーロッパを見てきて、いかにヨーロッパが農業を尊重しているかということが実はわかるわけでありますし、きのうの岩國委員の御発言も私は非常に同感を覚えております。 その次に、二次産業ですね。 二次産業の製造業は、中小企業は大変な状況ですね。それで、これはいわゆる日本の産業の空洞化ということも言われましたけれども、これも、もう消費の構造も変わったり、いろいろな面で大きな痛手を負っていると私は思います。 第三次産業のいわゆる商業、特に零細企業など商店は、まさに長年ののれんを閉めなければいけない状態で、私の地方ではもうシャッターがどんどん町の中おりていますし、また観光も、安ければふえると思ったらふえないですね。だから、これも危機であります。 だから、日本を今お考えになられて、アメリカは今非常に景気がいいと言われていますが、これはいわゆる金融とか投資といいますか、そういう問題が非常に活発化をしてアメリカの繁栄がある。必ずしも製造業が盛んではないわけであって、むしろ外国との輸入、特に日本の問題がありますから、そういうことを含めて大したことないわけですね。しかし、金融や投資であれしようと。サッチャーもそういう意味では新保守主義の中でもいわゆる、産業と言っていいかどうか知りませんが、そういう方向での繁栄なりそういうものを考えておられるかどうか。そこら辺について、ひとつ経済企画庁長官から教えていただきたいと思っております。
○堺屋国務大臣 これからの日本の産業、就業構造がどうなるかというようなお尋ねだったと思うのでございますけれども、確かに今、日本は大きな変革の時期を迎えております。明治以来ずっと近代工業国家を育ててまいりまして、規格大量生産、自動車や電気製品をつくるのでは世界一上手になったのでございますけれども、世界の需要も変わってまいりましたし、技術も変わってまいりまして、一方では多様な生産が比較的安価にできるようになり、需要も多様化いたしました。 また、委員、今御指摘がございましたように、アメリカやイギリスでは、金融だけではなくして、いわゆるソフトウエアでございますね、映画のフィルムから映像、情報、そういったものまで含めて、非常にソフトウエアの発達した産業構造が生まれてまいりました。そういう点では日本はやや立ちおくれているということでございまして、目下の不況の解決と同時に、新しい産業構造、新しい就業構造をつくっていかねばならないと考えています。 今回の予算の中には、二十一世紀先導プロジェクトというようなものもございますし、また税制の中では、新しい企業を、業を起こす方々に、勇気づけるような最高税率の緩和とか法人税の緩和等を取り入れまして、産業構造の展開を進めるようにしております。また、就業、雇用の面あるいは業を起こす面でも積極的な援助をいたしまして、単に相似形にもとに戻すのではなくして、新しい産業構造、新しい就業構造をつくっていくようにさまざまな点で配慮しているつもりでございます。
○北沢委員 今の御説明の趣旨はよくわかるんですが、やはりアメリカの経済の中における、ソフトなり、そういう情報産業ということが相当な繁栄に結びつくかどうかということは私はよく理解がしがたいんですが、日本もそのことをまねるというか学ぶというか、そういうことになろうと思います。しかし、やはり今申し上げるように、日本は、そういうものの所得効果というものはなかなか難しいと思うんです。 私は、実は消費構造を見る場合、ヨーロッパは、買うときは高いけれども長期に丈夫でいいものを、そういう要するにヨーロッパ型の合理主義に貫かれておるわけです、それも最近では変わってきていますが。そういうことを含めると、日本の消費構造、例えば自動車をとってみても、かつては、私もよく存じていますが、若い皆さんは三年に一遍は新車に買いかえたんです。その当時は余り自動車の機械もよくなかったし、ですから、それはこぞって、景気も高度成長ですから、よかったから買いかえたんですが、今では十年も十五年ももつんです。北欧へ行ってみたら、私、二十五年前に北欧へ行ったんですが、十五年ぐらいもっているのをみんな乗っているんですね。 だから、日本とそういう意味での自動車の持つ感度というものが違うけれども、しかし、今日の景気の低迷の中では、長くもつということになれば、これは自動車そのものは三分の一の生産をされればいいじゃないかというぐらいに私は消費の構造が変わってくるんじゃないか。今庶民の中では、買うものがないと言っているんですね。そういう中で再建を図っていくということは非常に大変なことでございまして、そういう中ではよほどの経済政策を図っていかないと私は問題点が起きるのではないかというふうに思います。 私は、そういう意味で、よく今度税制の中で、高額所得者の皆さんに低めるということで、いわゆる中堅層は特別、所得への減免というような意味であったわけですが、今回はそういうものがなくなって、いわゆる定率減免ということになるわけです。そのことが即、日本の消費構造、庶民の構造が消費に向くかどうかということについては、私は問題点があると思います。 それにはやはりそれなりきの手だてが必要なわけです。それは、一つには公明党さんが言われたような振興資金というような形での戻し税的な還元ということもこれは一つの方向でしょうし、戻し税だとか、いろいろな形の工夫がされなきゃいけないと思うんです。 しかし、そういう中で、私はこの間行って、イギリスで向こうの労働党の皆さんに言われたことは、あのサッチャー時代のいわゆる高額所得に対する切り下げというものが、今日貧富の差が大きくなって大変に困っているということですね。だから、いわゆる中産階級というものが細ってくる。中産階級の細った社会というものは、私は大変な社会だろうと思う。今までは、とにかく中産階級がよかったからこそ日本の繁栄があったわけでありますから、そういう意味で、やはりそういう減免の手だてというものも、そういう手だてを考えないで、ただ高額所得者の減免を図るということは、私は問題点が出るんではないかということをあえて申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 けさほどもその話をちょっと申し上げたのでございますけれども、税制改革につきましては、去年、十年度の定額減税というのは、特別減税というのは、あれはいわば緊急避難のようなものでございまして、必ずしもいい形ではございませんでした。その結果、標準家庭でございますと四百九十一万円ぐらいまで無税になったのでございますけれども、四百九十万円も所得のある方はやはりそれなりに国に貢献をしていただく、国税に貢献をしていただくべきで、三百六十万円以下の方と同じというのはやや不公平じゃないかと思います。そういう意味では、あの定額減税で課税最低限を非常に引き上げたというのは、やはり正しい形ではなかった、緊急避難だったと言わざるを得ないと思います。 そうすると、改めて、今度どういう減税をするのが景気の点であるいは構造の点で一番いいかということを考えることになります。 そういたしますと、下の方、課税最低限をどんどん上げたらいいじゃないか、その方が景気に効果があるじゃないかと言われがちでございますが、実は、所得の低い人の方が消費性向が高いと一概に言えないんです。 昔はそうでございました。私たちも、大学でマルクス経済学を習ったときには、まさに所得の低い人が消費性向が高くて、所得が高くなるに従って貯蓄性向が高い、こう習ったのでございますが、一九八〇年ごろから、所得の低い人も割合消費性向が低くなりまして貯蓄性向が高まってまいりました。特に、限界消費性向という、一円所得がふえたらどうかという限界消費性向で見ますと、今必ずしも、年によって変わりまして、どの階層が限界消費性向が高いのか明確に言えないのが統計上の現実でございます。 したがいまして、どこを下げたらいいかというのは、そういう観点からは考えられない。むしろ問題は、高額所得者が、非常に税金が高いものですから、リスクを冒して業を起こしても、それに見合った報酬が得られない。したがって、だんだんと業を起こす人が減りまして、世界の先進国の中で日本だけが事業所が減るという、会社、事業をやる方の数が減るという現象が起こってまいりました。 その上、短い間高額の所得が得られる職業、例えばディーラーとかコンピューターのソフトウエアとか、あるいは芸能人なんかそうなんですけれども、こういった人々が所得の高いときだけぽんと高額で取られてしまうというのも問題がございます。 そういうようなことから、委員おっしゃるような産業構造の転換を考えてまいりますと、やはり、五〇%程度に最高の所得課税を抑えまして定率減税をする方が、夢を与えて将来のためにいいんじゃないか、そういうことを事細かに判断した結果、今回の恒久的な減税の形を出させていただいているということでございます。
○北沢委員 現状の所得の、これが消費に結びつくかどうかということについては非常にわからぬということですが、とにかく財布のひもをかたく締めるのは、これは低額所得ですね、年金所得者ですね、お年寄りですね。それだけは私は言えると思うのです。だから、そういうことをやはり景気の回復には考えていかなければいけないのだろう。今、御説明もわかるのですが、そういう面で、私は非常に問題があるのではないか。 私は、ちょうど九六年から、社さ自民の政権をつくったときの実は政策調整と税務の責任者でございますから、この四年間やってまいりまして、低額所得にしたのも実は私は主張しましたし、それから、いわゆる消費税の値上げの中で、私どもは食料品や、また戻し税も主張したのですが、それから所得減税も、二兆円をやれということを申し上げたのですが、そのことはできなくて、わずかに間を置いて、二兆円減税ということに橋本さんが踏み切られたということもあります。 問題は、定率にしますと、当時は、ほとんど六百万円以下の方は減税の恩恵に、その現状の金でさえもその恩恵に浴さないわけなんです。だから当時、出発のときは、たしか定率と定額と半々にまぜて、それから後は定額ということになったんじゃないかという記憶が、私は実はございます。 それと同時に、やはり消費税の値上げに伴う、皆さんには大した額ではないけれども、千六、七百億円、年金生活者とかお年寄りの皆さんには給付金制度を設けまして、そういう面での給付をしたということを含めて、少しでも低額者の皆さんの購買力をふやしたい、また苦しみをあれしたいということでやった経験が実はございます。 そういう意味で、今の恒久減税というのは、私はひがみ根性で言うと、たまたま他の業種、業を盛んにするという意味での高額所得をふやすということもさることながら、いわゆるアメリカ並みの投資や、要するに年金や、そういうものにおける繁栄を図っていこうという意味での、そういうものに対応できるような、金を持つような所得をつくり出していかなければいかないということになると、これは中産階級が非常に細るわけですね。 だから、そういうふうに私はひがみ根性で見ておりますが、これは意見として申し上げておきますから、ぜひそういう意味で手だてを、定額にするにしても、もっと積極的な手だてをひとつ講じて、低額所得者の購買力が少なくとも上向いたり、安心できたり、喜んでいただけるような施策も大いにひとつ、財政的に苦しいときですけれども、考えていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 次に、もう一つございます。これは、失業率の問題ですね。 失業率の問題というのは、ヨーロッパのほとんどの政変は失業からきているのです、全部。イギリスも、フランスも、ドイツも。向こうの方が失業率が高いのですけれども、そのことは大変なことですが、今もなかなか、英国を上回るような失業率でありますが、アメリカの失業率というのは、もうなれているのです、労働の移動だとか、それから終身雇用制というものがありませんから。そういう中で、日本の失業というのは、中高年齢は厳しいし、もう一つ言えることは、これからどうなるかということなんです、問題は。 それで、これから軽減することは、景気の回復にもよるけれども、成長率にもよるけれども、早くそのことを図っていかないと、これはふえたら大変なことになるのですね。そういう意味で、これからどうなるかということをよく見ていかなければいけないが、その見通しを、私はやはり、立てづらいでしょうけれども、労働大臣からお聞きをしたい。 あわせて労働大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、今アメリカでは、日本の終身雇用というものに対してみんな非常に勉強しているのですね。これは、アメリカの働く皆さんなんかそうだと思いますが、アメリカの雇用制度というのは、本当の意味で家族も本人も含めて満足しているかというと、大変毎日、早く言えば綱渡り、生活の綱渡りですね。生活の安住がない。ただ、所得が高いうちはいいのですよ、失業してもその間貯金を出して食っていけますから。 だから、そういう意味で、今学者の皆さんも、口を開けば、日本の終身雇用制や雇用は派遣労働者とかそういうものにした方がいいのではないかと言う。それは、合理化はいいですよ。合理化することの中でのそういう犠牲を、早く言えば働く皆さんに追い込む。例えば今度の政府の予算の削減や、またきのうも銀行の話をすると、まず真っ先にリストラはどうかということを言うのですね。きのう、そういう御答弁でしたね、銀行の再建は。 それもさることながら、そういう形で、日本の経済再建の中で、税金は税金でそういう形で中産階級が多く負担する。後で消費税の問題についても申し上げますが、これも庶民のきじょみの負担である。それから、今言ったように、雇用も今、いわゆるパートや派遣労働者が非常にふえているのです。いわゆる雇用が不安定になっているのです。不安定だからこそ、自分の生活設計が立たないし、家族の生活設計が立たない。うちを建てたくても、子供を大学へやりたくても、それはいつ、そういう不安の中にいれば、これは日本の社会の中では大変な精神的な負担ですね。 だから、そういう意味で私は失業問題というのをあえて取り上げたし、それから、そういうことがやはりヨーロッパにおける政変の大きなもとになっているということだけは申し上げておかないと。 今回、政府は積極的に百万人の雇用の創出ということを言われて、私は非常に力強く感じます。そのことは、ひとつ相当御努力して知恵を働かせてやってもらいたいと思いますが、このことについて、ひとつ労働大臣の、これからの動向、それから今の終身雇用についてどういう御感想をお持ちになるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○甘利国務大臣 北沢先生御指摘のとおり、雇用の安定というのは社会の安心要因の重要な要素でありますから、これは最重要施策として積極的に取り組んでいかなければならないと思っております。 きょう発表になりました失業率、そして有効求人倍率、わずかながら上向きましたけれども、しかし中身を分析しますと、これは手放しで喜べない数字でありまして、労働戦線から撤退をしている人がいるために相対的な数字として〇・一ずつよくなったというだけの話でありますから、これは引き続き厳しい状況が続くと思います。 先生おっしゃるように、日本人というのは失業なれをしておりません。これは後ほど答弁させていただきますけれども、終身雇用ともかかわってくるのでありますけれども、途中で放り出されるということになれておりません。アメリカは比較的なれていますから、自分の職業能力によって勝負をするという世界でありますから、外へ出るのもたやすいかもしれないけれども、次の仕事が見つかるのもたやすいという状況です。ですから、同じ数字だとしても、不安要因は大きいというふうに思います。 結論から申し上げますと、雇用活性化総合プランというのを組みました。これは、予算規模も相当大きく組んだわけでありますし、今までやらなかった各種の施策も組み込んでおります。これを迅速、果断に進めていくということになりますし、これは補正だけじゃなくて新年度予算にもかかわってきますから、予算が成立し次第、新年度分も積極的に進めていくということになります。 それから、総理から御指摘をいただきまして、土曜の職安の開庁と平日の時間延長ということについても、二月中に対応を終わりまして、直ちに三月からでも対処していくということも考えております。当面は三カ所でありますけれども、しかし新年度予算が成立しますれば、いわゆるハローワーク情報プラザ、一県一カ所ありますが、これも同様の対応をしていきますから、新規に五十カ所で土曜開庁、そして平日七時までの体制がスタートするわけであります。 それから、いわゆる終身雇用、日本型長期雇用についてのお尋ねがありました。 労働大臣としてはこれをどう評価するかという御質問でありますが、私は、日本の雇用文化として立派にその使命を果たしてきているし、これからも必要だというふうに思っております。 つまり、新卒で一括して採用して、企業が抱えて社内で職業能力開発をしながら、企業の戦力として能力のバージョンアップを図っていく。そして、長期間の雇用の保障をしながら、その当事者の生活設計をしっかりと図れる。これは社会の安心要因になっております。 ただ、反面で、新卒一括方式でがちんがちんになりますと、自分の意思で、最初に決まった仕事がどうも自分の思っていたとおりのところではない、自分が本当にやりたいのはこういう仕事だというときに、次なる職場に行くシステムがなくなりますから、それは逆に、外へ出たら後はどうなるかわからぬという不安になります。ですから、長期雇用の体制を中心に置きながら、労働者の意思に従って、新しい仕事に取り組みたい、自分の能力をこっちで試したいという人にもちゃんとしたパイプが通っている社会というのも大事だと思いますから、そういう意味で、合わせわざででき上がっているのが一番いいんだというふうに考えております。
○北沢委員 新卒者の雇用ですけれども、今の大学生は非常にちゃっかりしているのです。考えている以上にちゃっかりしています。だから、自分自身を生かすということについては、そう我々が心配するほどのことはないくらいしっかりしていますから、その点、私は非常に、生き方としては我々の時代より変わってきたなという思いをしております。 そういうことで、とにかく大変な仕事だと思いますが、労働大臣には、内閣を挙げて雇用の創出その他、安心して生活できる雇用といいますか、そういうことに取り組んでいただきたい。 それは、ヨーロッパでは相当、古いくらい頑固な考え方を持っていまして、それですから日本でいいことはやはり守るということも、これも日本人として必要だと思いますから、そこら辺もひとつ十二分にお考えになって、ただ単なる風潮といいますか、いわれなき批判については、これは断固守っていただいて、ひとつ日本人らしい生き方を日本の中で打ち立てなければいけない、私はそう思っております。 次に税制ですけれども、税制で地価税の問題をあえて実は取り上げました。 これは、地価税というのは、バブル時代における企業の持っている、都市の中の土地所有の問題でありますから、これは私も、凍結をするとかいろいろそういうことで、これをどんどん解除してきまして、相当、税制の中で論議をしたり勉強をしてまいりました。 問題は、私はそのことをなぜ言うかというと、私どもの与党税調のときに、いわゆる法人減税を九八年かにやりましたですね。たしか一・三兆円の減税をしました。そのときに、九八年度ですが、法人の税制の切り下げをしたんですね。そのときに、相当みんなで苦労をしまして、たった二千億円の財源を充当した。その当時は、余裕があったといえばあるけれども、しかし、いろいろ租税特別措置法やその他を見直ししまして、財源手当てをしたんです。 今、減税の問題が出てくるけれども、財源手当ての問題はもうすべて赤字国債に頼らざるを得ないということで、将来起こり得る問題として、やはり税財源というものをよほど考えていかないと、法人税は下げます、所得税は下げます、キャピタル課税は余りもらわないようにします、そうすると、どこからこの六百兆という財政の赤字を補てんするかということになると、これはおのずから決まってくるんです。 そういう中で、今回、自自連立の中でのいわゆる消費税の福祉目的税化ということが実は出てきておりまして、そのことが、協定ができたかどうか私もちょっと知りませんが、私どもの県の先輩である宮下議員さんからは、保険税は守っていきたいというふうに実は言われておりまして、そこら辺がまだつまびらかでない。 しかし、私は、そういう意味で、減税の中で、法人税の減税は、意味するものは、景気対策として位置づけるばかりではなくて、国際的な大競争にこたえるような強靱な体質づくりを目指す、経済構造改革のために実はあるんではないかというふうに思いますから、このことはこのことで私どもは容認いたしますけれども、ぜひその面については、将来の税のあり方として、総合課税制度とか——今地価税の問題を出したのですが、私は、今残っているのは都市の虫食い状態の土地だと思います。これをどういうふうにするかということを案外皆さん考えておらないのですが、そこら辺の、公共的な資金を入れたりして、やはりこれを有効に活用することを考えていかないと大変ですね。それは、私は地価税は取ってもいいと思うのですが、しかし、土地の流動化をするための、譲渡所得といいますか、そういうものは思い切って下げるとか、租税のあり方の減免を含めて、もっと有効利用するということも大事ですが、地価税は、そういう意味でそのことを浮き立たせるものであるということですから、将来は財源として有効な財源であるということだけは、そういう立場で申し上げておきたいと思いますが、大蔵大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほどからいろいろお話を承っておりまして、考えさせるところをたくさん御指摘になっておられますが、税のことで申しますと、今何としてもこの不況を脱却したいと考えておりますことは御承知のとおりですが、税収で申しますと、平成十一年度の税収見積もりは、実は、十何年逆転しまして、昭和六十二年の税収とほぼ同じ水準にまで落ち込みました。 それは減税をしたからでもございますけれども、こうやってマイナス成長が続いてまいりますと、毎年減収で歳入見積もりがとれませんで、ついに十何年前まで戻されておりますので、やはりマイナス成長では税収が伸びるはずがございませんから、何とかこれを脱却したいというような気持ちで、とにかく景気回復をしたいという気持ちでおるわけでございます。 先ほど土地課税の問題がございまして、もともとならば、本来、税というものは、所得と資産と消費、それへの課税のバランスが大事だと言われておりますから、土地も土地なりの負担を実はしなければいけない。御承知のような事情で、土地の流動化ということから、かつてやりましたことと全然逆のことを今いたしておりますけれども、将来抜本的な税制を考えるとなりますと、これはまた考えなければならない税であることは間違いないと思っております。
○北沢委員 先ほどちょっと触れましたけれども、いわゆる福祉目的税化という問題ですが、これは今度の政策協議の中でされるのでしょうかということなんです。そのことは余り論議が今回出ておりませんが、基礎年金の中における企業の負担の問題が出てきております。そのことは余り論議がないし、また、もともと消費税のアップというかそういう問題は、これは相当逆進性が強いと私は思うのですよ。 日本人というのは非常に消費税を嫌うのです。驚くことに、今まで政権なり政党ががた落ちになるのはみんな消費税なんですね。 私どもは、土井さんがだめなものはだめだと言ったから、あのときはうんとふえたのですね。本当に、比例区では地方でほとんど勝つという状況になりましたね。 だから、そういう意味で、欧米と違って消費税のアップということは非常に問題ですし、また逆進性もあるわけです。逆進性も強い。だから、そういう問題を、目的税化をするときに、一体企業の負担をどうするか。もし負担を税金で賄うとするならば、丸抱え、庶民、一般国民が消費税という形で負担をすることになる。 それから、もう一つ大事なことは、逆進性の問題をどうするかということも論議をしないと、ただ、そういう問題が、これは今はすぐ出ないにしても出るとするならば、私は、大変な政治問題になるということだけは申し上げておきたいと思いますが、ここら辺について、大蔵大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 実は、その辺のところにいろいろ問題があると思っておりまして、今回は予算総則にああいうことを明記させていただいたわけですが、将来に向かってこの消費税というものと例えば年金等々とをどのように関係づけるかというようなことになりますと、年金というのは今はああいう方式でやっておりますし、これが全部税金になってしまえば、それは生活保護のようになってしまうわけでございますから、それは多分いいことではないでありましょうし、今ああいう総則に明記をしたという形は、私は、いずれにしても、物の考え方は方向を示しておりますけれども、将来、ある段階で本当に基礎部分を半分なりなんなり税金にしてしまうのかといったようなことは、税は税の問題として、社会保障の給付は給付の問題として、いろいろおのおの問題がございますので、確かにこの話は多分遠くへ行ってしまうことはない。何かの関係をつけるということは私はもうだんだんコンセンサスができつつあると思いますし、今北沢委員のおっしゃる累退性の問題は、それをある程度福祉と上手に結ぶならば国民に多少受け入れられやすいのではないだろうかと思われる部分もございますから、ここはやはり、ここのところでこれからどうするかということをもう考えなければならない時期が迫っておるのではないかということは感じております。 ただ、目的税にいたしますと、それはそれなりの弊害がまたあったりいたしますから、どうするかということはございましょうと思いますけれども、この基礎部分の年金なりあるいは介護なりなんなりとの関連で消費税というものを考えるべきだということは、かなり広い支持を得つつあるのではないかというふうに考えております。
○北沢委員 私ども社民党は、消費税の目的財源化と一般財源的なものとミックス制にしろ、そういう主張をしております。ですから、これは全般的な総額を見ても追いつかないだろうし、また、上げても今言った企業の負担という問題が出てまいりますから、そこら辺についてはミックスして考えた方がいいんじゃないかという実は主張をしております。 そこらを含めて総理の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 北沢先生お尋ねの点は、社民党として、例えば基礎年金の財源として一般財源と消費税の目的化のミックス方式というようなことをお考えになっておるのかと思いますが、こういった考え方も一つのお考えかと思いますが、なかなか、社会保障の関係を消費税という形ですべて賄うことにつきましてもいろいろの議論があることだろうと思います。 しかし、将来予測される大きなそうした財源を、国民の理解を求めつつ税負担もお願いをしなければならないという段階のことを考えますと、この消費税を福祉の目的として考えていくという方向も一つの問題として考えていかなければならないということを、実は戦略会議でもそのような御議論が既になされております。今後とも勉強させていただきたいと思っております。
○北沢委員 時間がございませんから、二点だけ御要請と総理にお伺いをしたいと思うんです。 情報公開制度については、これは私ども社民党が社会党時代に、八〇年代に実は国会に提案したことがございます。村山内閣当時の主張でございますし、また、自社さきがけの中でもそのことを積極的に進めるということでされておりまして、今回継続審査になっていますが、今国会では、けさの新聞を見ると、自民党の皆さんも修正をして出すということに意思が固まったようで、私は非常に喜んでおります。 やはり、日本のいろいろな面で、国民の皆さんから、行政の面が非常に映っておらないということでありますので、そこについてはやはり国民の知る権利というものを明確にひとつうたい上げていただきたいということを総理に強くお願いをし、御返事をお願いいたしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 情報公開法につきましては、各党とも非常に熱心にお取り組みをいただきまして、ほぼ考え方もまとまりつつあるのではないかというふうに考えております。 そういった意味におきまして、自民党といたしましてもかなり検討が進んできておると思いますので、情報の公開によりまして国民が広くこうした情報を知ることによりまして、基本的には政治に対する信頼が増すということでありますので、ぜひ今国会これが成立されますように、お互い努力をいたしていかなきゃならぬと思っております。
○北沢委員 最後に御要請だけ申し上げますが、私が申し上げたいのは幾つかあるんですけれども、やはり政治倫理の問題ですね。これは長年の政治課題でございますし、引き継いできている問題でございますから、いろいろございますから一々挙げません。しかし、御承知のことですから、ひとつ総理がリーダーシップをとってこのことを図っていただきたい。 また、自自協議の中で自由党さんから入札における問題等が出ていました。これは政権のあれから抜けておりますけれども、自由党の皆さんも、そのことは非常に大事なことですから、ぜひ主張は主張として、この倫理の問題には、ひとつ内閣の中にあっても自民党の皆さんに要請をして強く取り組んでいただきたいことを申し上げ、首相にもリーダーシップをとっていただきたいことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて北沢君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二月一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会