本会議 第52号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1999/08/11
会議録
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。 ————◇—————
○岸田文雄君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。 菅直人君外六名提出、小渕内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
○議長(伊藤宗一郎君) 岸田文雄君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。 ————————————— 小渕内閣不信任決議案(菅直人君外六名提出)
○議長(伊藤宗一郎君) 小渕内閣不信任決議案を議題といたします。 提出者の趣旨弁明を許します。羽田孜君。 ————————————— 小渕内閣不信任決議案 〔本号末尾に掲載〕 ————————————— 〔羽田孜君登壇〕
○羽田孜君 私は、民主党を代表しまして、ただいま議題となりました小渕内閣に対する不信任決議案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。(拍手) まず、決議案の案文を朗読いたします。 小渕内閣不信任決議 本院は、小渕内閣を信任せず。 右決議する。 昨年の七月三十日に小渕内閣が発足して以来、一年が過ぎました。この間、金融再生法、ガイドライン関連法、国旗・国歌法、組織犯罪対策三法、住民基本台帳法等々の重要法を次々に成立させております。これらの法律と関連し、以下、小渕内閣不信任の理由を申し上げます。 不信任の第一の理由は、小渕総理は、本来議論を大切にする方であったはずであります。私どもとともに語り合ったものであります。また、このことは、一般の人たちの中にも、人の話をよく聞かれる方であると、このように受けとめられておったというふうに考えます。 しかし、実態は、国会における数の論理に固執した内閣であり党であるということを申し上げざるを得ません。このことは、単に小渕総理ということではなくて、この背景である自由民主党にその体質が、残念であるけれども、残っておるということであろうと思います。(拍手) 金融再生法案は、政府・自民党の提出した、大手銀行には適応できないブリッジバンク法案を取り下げ、我々野党の共同提案した金融再生法案を丸のみして成立したものであります。このことが日本の金融危機を救済したことは、今日の状況の中に周知のとおりであろうということを申し上げられます。 ところが、昨年十一月十九日に、小渕総理と自由党党首との間に自自連立内閣の合意が取り交わされ、さらに自自公連立の枠組みがつくられると、小渕内閣は、数の力によって、野党の意見には耳をかさず、狂牛のごとく突き進む恐怖内閣へと変貌してきたのであります。 ガイドライン関連法案では、小渕総理の外交日程、いわゆる日米首脳会談のために、山崎拓委員長のリードによる防衛指針特別委員会での真摯な修正協議を踏みにじり、自自公の幹事長、政調会長等による密室協議により、法案を強行可決させております。 まさに、このことにつきましては、山崎委員長は、この特別委員会の中で処理をしていこう、このことが国民にも理解される、世界にも理解される、この旨を山崎委員長は訴え、これで進めてこられたはずだったのであります。しかし、自自公の幹事長、政調会長等による密室協議により、法案を強行可決させております。これは、国会での論議を否定した、議会制民主主義への冒涜であろうということを申し上げざるを得ません。 このような、民主主義の王道を捨て、しゃにむに法案の通過のみを優先させる政治姿勢は、国会の権威を形骸化するばかりでなく、結果として、国民や地方自治体の理解や協力を得がたくし、安全保障を機能させなくなるおそれさえあり、ひいては、日米の信頼関係をも損なうことは自明の事実であります。安全保障は、でき得る限り国論を二分すべきではありません。 加えて、ガイドライン関連法案の船舶検査活動に関する条項は、自公の枠組みを優先し、先送りにしたまま、今なおたなざらしになったままであります。まさに、このガイドラインの中で重要な日米の協力、この問題は船舶検査にあるのです。この検査の問題について、いまだにこのことはたなざらしにされておる、このことについて与党の諸君も猛省すべきであろう、このことを申し上げたいと思います。 まさに、小渕連立内閣は、政策合意により目的を達成するという大義よりも、数の論理により、中身の十分でない法律をつくりましたということを米国に報告するお土産外交、これを優先した政権であると申し上げると同時に、このような姿勢は後々大きな禍根となることを憂えざるを得ない、これははっきり申し上げておきます。 船舶検査活動の棚上げのみでなく、衆議院の定数削減問題について、国民の公約とも言える自自合意が何ら実現していないことも明らかであります。私は、与党の諸君は、ともかく、小選挙区をあるいは定数削減を、また片っ方では中選挙区の話にもきちんと話に乗っておる、このことをやはり私はきちんとした筋道を立てて、このことを国民の前にはっきりさせるべきであろうと思っております。 また、昨年の百四十二通常国会に提出され、問題法案として継続審議になっていた通信傍受法案や住民基本台帳法の一部改正案など、国民の基本的人権やプライバシーを侵害するおそれが強い法案についても、憂慮する各界有識者や国民の真摯な声を一顧だにせず、圧倒的な数の力で強行可決、成立させ、もしくはさせようとしているのであります。 とりわけ通信傍受法案については、八月九日の参議院法務委員会において、政府・自民党は、事前の各党質問者を決めた、これは委員長裁定による理事会での合意、これを無視し、審議打ち切り動議を一方的に提出、採決したばかりか、混乱と喧騒の中、委員長の声も聞こえず、委員の賛否も確認できないにもかかわらず、法案を強行可決させたことにしてしまったのであります。ただでさえ慎重に審議しなければならないこのような法案を、これまた国会での論議を無視し、数の論理で押し切っております。 もちろん、麻薬や銃器など、国際的、組織的犯罪やオウム真理教のような無差別殺人を防止するための手だての必要なことは、私どもも否定するものではありません。また、住民基本台帳のように、コンピューター技術の進んだ時代、効率化のための行政への新しい技術の導入も必要でありましょう。 しかし、こういったことを進めるためには、事前にプライバシー保護法を制定するなどの手当てがなく、法律がひとり歩きするとき、人の基本的人権やプライバシーを侵すことを恐れなければならないのであります。行政は謙虚でなければならないのであります。 さらに、提出するしないで逡巡し、会期末直前に提出した国旗・国歌法案は、国家の象徴とも言える極めて重い問題であり、本来、国民の声を聞く姿勢や、国会に提出するとしても、まず施政方針の際述べるべき課題であり、また各党党首に対しても、こういった問題について総理大臣からきちんと語りかける問題であります。 真摯な論議に加え、国民の意見を十分に酌み入れ、将来に禍根を残さない審議が求められるべき崇高なテーマであります。にもかかわらず、小渕内閣は、これまた数の論理で、国旗・国歌法案の成立が見込めると判断するや、会期延長し、法案を強行可決したのであります。 同様に、延長国会で提出された産業活力再生特別措置法案は、裁量行政によるリストラ優遇措置であり、自由公正な競争を促進する経済の構造改革とはほど遠い内容のものであると申し上げざるを得ません。 小渕内閣は、このように、国民の疑念や不安を払拭する十分な努力もなく、国会での論議を拒否し、数の力に物を言わせて、次々と問題の法案を成立させており、これまでの歴代の内閣になかった危険な体質、何げない恐怖政治への志向をも持ち合わせていることは、国民もそろそろ気づき始めておることを申し上げます。(拍手) このことは、最近の世論調査によりましても、支持率が今まで右肩上がりで上がっておったものが逆に下がってきた、このことにもあらわれているのであろう、私はこのことを申し上げたいと思います。 第二の理由は、小渕内閣は真空内閣などと中曽根総理あるいは巷間やゆされておりますが、その実は無責任内閣ということも申し上げることができます。 小渕総理は、昨年秋の百四十三臨時国会における金融再生関連法案の審議に際し、公党間の約束として、財政と金融の完全分離を文書にして確認いたしました。ところが、自自公の枠組みができるや、手のひらを返したように、公党間の約束をも物の見事にほごにしておるということが言えます。 少なくも、総理大臣、総裁、また代表、党首、こういった皆様方とお互いに議論し、これをもとにしてでき上がった合意というものが、こんな簡単に本当にほごにされていいものでありましょうか。私は非常に危険なものを感ずるわけであります。 加えて、先ほども申し述べましたように、衆議院比例定数の五十人削減やガイドライン関連法案の船舶検査活動については、今国会で処理すると公言していたにもかかわらず、今日に至るまで委員会での審議入りさえされておらないわけであります。 この五十人を削減するという問題については、国民には非常によく理解される問題なんです。こういった問題がきちんとした議論をされない。こんなことで本当によろしいのでしょうか。自由民主党の総裁が自由党の党首と約束をされたことなんであります。 約束したことを守る、少なくともその努力をするということは、政治の基本であり、また人間としての最低限のルールであろうと思っております。ましてや一国の総理と公党の代表、これほど軽く扱われるとしたならば、国民の政治への信頼はさらに薄いものとなっていくでありましょう。このような小渕内閣の延命は、国会の形骸化のみならず、政治不信の蔓延を助長し、民主主義を崩壊させる、まさに二十一世紀の日本にとって極めて危険な状態であると断ぜざるを得ないのであります。 さらには、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行など、決して破綻しないということを答弁の中でも主張されたわけであります。そして、そういう中にありまして、両行合わせて二千三百六十六億円もの公的資金を投入しておきながら、両行は破綻したのであります。 国民の血税を湯水のごとく金融機関の救済に投入しながら、それに失敗しても、政治家や行政の責任は全く問われないというのであれば、血のにじむ思いで努力している中小企業経営者、国民の方々に、何と説明することができるのでありましょうか。 また、相も変わらず利益誘導のためにと指摘されるばらまき型予算によって、今年度末の国債発行残高見込みは約三百二十七兆円、一般会計や特別会計の借入金などを加えた国の長期債務残高見込みは四百四十六兆円と、まさに天文学的な規模に達してしまっております。これらの借金のツケのすべてを後世に残すことについて、一体、私たちの子供たちに、どのように説明したらよいのでありましょうか。 しかも、日本の今日の財政悪化は、今問題にされておる金融問題よりもさらに深刻である、世界経済の足を引っ張るのではないかと指摘する海外の声があることを、皆さんは御存じでありましょうか。総理はこれらについての説明の言葉を持っていないのではないのか、このように憂慮するところであります。小渕内閣は、ひたすら現状を糊塗し、ツケを後世に回し続ける、まさに驚くべき、責任感がない内閣と言わざるを得ないわけであります。 第三番目に、国民の間に、将来への不安、現状に対する閉塞感、無力感を蔓延させている点であります。 小渕総理は、昨年八月の所信表明におかれまして、「一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう、内閣の命運をかけて全力を尽くす」と表明されました。そして、昨年十一月、二十三兆円に上る景気対策を実施し、今年度予算は九兆四千億円の公共事業費を盛り込みました。しかし、経済の現状は、堺屋経済企画庁長官が、夜明け前のほの明るさが見えているが、明けたら大雨ということもあり得ると述べる状態で、依然として楽観できる状況にはありません。 それどころか、雇用問題は深刻化の一途をたどるばかりであります。失業者数は、ことしの六月で三百二十九万人と、昨年に比べて五十八万人増にもなっております。また、完全失業率は、昨年が四・〇%であったものが、ことしは四・九%に上昇しております。企業のリストラ、合併、廃業、加えて倒産による失業はさらに大きなものになろうということが憂慮されておるところであります。 まさに、これらの失業は、日本社会の中心を担い、家庭の大黒柱である中高年層に深刻なダメージを与えており、加えて新卒者も就業の機会が得られないなど、その影響は、自殺者の増加や家庭の崩壊となってあらわれているのであります。暗やみの中を一筋の明かりを求めてさまよい歩くような、日々切実な思いで苦闘し続ける多くの家庭に、小渕政権は何の将来像も示せてない、このことを申し上げざるを得ないのであります。(拍手) また、少子高齢化が進む中、医療、年金、福祉の将来像が示されず、国民一人一人がみずからの未来像が全く描けない状況にあります。こうした国民の不安が強まっている中で、内閣の支持率が上昇しているというのは何とも皮肉な現象でありますが、しかし、先ほども申し上げましたように、最近の調査ではこの支持率も下がりつつあるということを加えて申し上げておきましょう。 昨年夏の参議院議員選挙で示された厳しい民意が反映されない政治の現状に対して、国民の怒りとあきらめの思いが渦巻いているとすれば、極めて危険な現象ではないでしょうか。現在の衆議院、参議院の数の優位は、衆参両院のさきの選挙の結果が反映されたものではなく、野党である政党、議員に対して、国民は、政権を交代しなさい、こういう民意があったはずでありますけれども、今の状況というのは、まさにそれがゆがめられている姿であるということを申し上げざるを得ないわけであります。 最後に、小渕内閣の政治姿勢は、まさに将来のビジョンを提示せず、常に目先の利害を優先した小さな政治に終始している点にあろうということを申し上げます。 小渕総理は、巷間真空総理と言われることにまんざらでもない様子であります。しかし、その真意が、真空であるがゆえに他党を引きつける魅力にあふれているというのであれば、これほど危険な政権はありません。真空であるということは、中身がないということであります。 政策の理念もなく、将来へのビジョンもなく、真空で、政権維持のためには他の党の言いなりに任せているという方に、本来はすばらしい資質を持っている我が国が自民党政権の失政によって未曾有の危機に直面しているときにこの国の命運を左右する総理大臣であるということに、私は背筋が寒くなる思いを禁じ得ないのであります。 憲政の神様と言われました尾崎行雄翁は、旧帝国憲法を新憲法に切りかえる昭和二十一年の臨時国会におきまして、議会は打ち解けて国家全体のために懇談熟議すべき場所であると喝破し、懇談熟議、お互いに譲り、力を合わせて国家全体の利益を図らなければならないと述べ、目先の利害に走る小政治的政党政治に警鐘を鳴らしたのであります。この言葉を必要とするのはまさに今の内閣であり、まさに今の政権与党である、このことをはっきり申し上げ、与党の諸君には、この点について特に反省を求めるところであります。(拍手) 昨年来、自民党政権は、ひたすら政権の枠組みいじりに固執してきました。みずからの理念をかなぐり捨てて自由党と政策合意をしたと思えば、今度は別の党の方が数が多いからと、過去の約束をほごにする。この間、小渕政権が追求してきたのは一貫して数の論理とパフォーマンスであり、政策も理念も、我が国が必要としている真の雇用創出など、取り組まねばならない課題を横に置き、本来でしたら慎重に処理すべき課題を何げなく押し通していくという姿勢は、道義や責任といったものもその陰にひたすら押し殺してしまっているのであります。 このような内閣が、歴史の分水嶺ともいうべき日本のこの困難な時代に、責任を持って対処できるというのでありましょうか。我々の子供たちに、将来の日本のビジョンを示すことができるのでありましょうか。即刻退陣し、政権を我々に受け渡すべきであり、または解散し、国民の信を問うべきであります。 特に、選挙のときと違った体制が今でき上がっているときに、私は、この連立政権が本当に正しいのか、国民がこのことを認めるのか、皆様方、勇気があるならば解散を問うべきであります。私どもは堂々と諸君と戦うことをここに宣言しておきます。(拍手) もはや国会を形骸化させる小手先の政治的手法では、日本のかじ取りをお任せすることはできないのであります。よって、ここに、小渕内閣の不信任決議案を提出いたします。良識ある議員の諸君、それぞれの政党、立場を乗り越え、この国を救うために、勇気を持ってこの不信任案に対して賛同くださることを心から訴えたいと思います。 内閣不信任の趣旨弁明といたします。(拍手) —————————————
○議長(伊藤宗一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。玉沢徳一郎君。 〔玉沢徳一郎君登壇〕
○玉沢徳一郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました小渕内閣不信任決議案に対し、反対討論を行うものであります。(拍手) 小渕内閣は、経済再生に果敢に取り組み、二十一世紀のあり得べき日本の進路を見据え、歴史に残るような大改革をなし遂げてまいりました。国民の求める課題に真剣に取り組む姿勢に対し、国民の皆様からも理解が深まりつつある今日、小渕内閣に対するこのたびの不信任案は、実行力ある政治に期待する多くの国民に背くものであると断ぜざるを得ません。(拍手) 今国会におきましては、国民の輿望を担い、政治の安定を図り、自民、自由の両党の連立内閣をスタートさせた上、公明党・改革クラブと協力して、危機的な経済状況を乗り越えてきたのを初め、数多くの成果を上げてまいりました。 小渕内閣は、経済に関しましては、平成十一年度予算を史上最も早く成立せしめたのを初め、九兆円を超える減税の実施、雇用、少子化対策を含む補正予算、中小企業支援策、産業再生策等、あらゆる施策を次々に講じ、その結果、景気に明るさが見えつつあるのは、御高承のとおりであります。これらの積極的な経済対策につきましては、米国のクリントン大統領を初め、世界各国から高く評価されているところであります。 また、日米ガイドライン法が成立し、日米安保条約のもと、国民の生命財産と日本の平和を守るとともに、我が国が国際社会の一員として、責任を持って周辺事態に対処することができるようになったのであります。 さらに、活力ある政治と行政を再構築し、時代の要請に的確かつスピーディーに対応するために、内閣の機能を強化し、中央省庁の再編を実現いたしました。あわせて、政府委員の廃止や副大臣制度を導入し、我々国会議員が政策立案や議会での議論に当たるシステムができました。 また、地域に密着した行政を実現するために、地方の自主性や自立性を発揮できるよう、地方分権を推進してきたところであります。 このほかにも、画期的な憲法調査会の設置、国の機関の情報公開の促進、男女が共同して参画できる社会の形成、我が国の将来を見据えた食料・農業・農村の基本計画の策定、ダイオキシン等の有害化学物質の管理、北朝鮮の核開発阻止への国際協力などなど、多くの法案や条約が成立をいたしました。 これは、内閣が、一月から始まりました長期の国会審議の中で、与野党の協議を地道に重ね、野党の意見も踏まえつつ、誠意を持って対応した結果であります。今国会におきましては、二百本近い法案、条約が審議を重ねられ、既に百六十本以上の法案の成立を見ております。これは昭和四十三年以来の記録であり、しかも、この中には、国家の基本問題や、我が国の安全と国民の安心の確保、景気対策等に関する重要法案が多数含まれております。 良識ある皆さん、このような小渕内閣の業績に対し、どこに不信任案を突きつけられる理由があるのでありましょうか。まさに理不尽なものと言わざるを得ません。(拍手) 議会は、議論の場であると同時に、国民の期待にこたえ、迅速に結論を出すこともその使命とするところであります。しかるに、野党のとってきた態度は、今日、日本を危機にさらしております。 薬物、銃器、集団密航等組織的犯罪が多発している状況に対し、まさに国際社会が協力して取り締まりに当たっていかなければならない状況において、組織犯罪三法案が衆議院を通過した後においても、参議院において延々と引き延ばしを図ってきたことは、まさに許されないことと言わざるを得ません。 憲法は六十日を合理的な参議院の審議期間と想定しており、野党諸君の審議引き延ばしは、討論によって結論を出すという議会政治の精神を逸脱するものとさえ言えましょう。同時に、このことは、暴力団や国際マフィアの国境を越えた犯罪行為を野放しにしていいということと同義であります。 また、野党は、国旗・国歌の法制化にも無用の抵抗をしてまいりました。この結果はどうであったか。衆議院では、国民の意識と同様、八割以上の賛成をもって可決されたのであります。それに引きかえ、国民、国家の基本問題である国旗・国歌の法制化について、賛成票、反対票が真っ二つに分かれた民主党は、果たして政党としての主体性、一貫性を持っていると言えるのでありましょうか。(拍手) しかも、一昨日の組織犯罪対策三法案が参議院の委員会において採決された際、事もあろうに、数名の衆議院議員が暴徒のように参議院の委員会に押し入り、委員長席に詰め寄るという、国会議員としてあるまじき行為に対しては、断固糾弾し、本院において皆さんとともに猛省を促してまいりたいと存じます。 このことからいいましても、不信任という言葉は、小渕内閣ではなくして、むしろ、国家と国民の安全や生命財産を守るという、政党及び政治家の最大の責任をないがしろにしている野党の側にあることを、明確にここで指摘したいと存じます。(拍手) 小渕内閣は、今現在を、明治維新、第二次大戦後に続く第三の改革のときと位置づけ、新たな世紀に向けて、経済再生、政治、行政、社会の構造改革に蛮勇を振るっている内閣であります。次の世代に、力強い、品格あふれる日本を引き継ぐため、小渕内閣を先頭に、国民こぞって新しい世紀へと前進すべきときであります。 それにもかかわらず、民主党提出の内閣不信任案は、単なる党利党略のための、内閣の足を引っ張ろうとするものであり、このような暴挙に対しましては強く強く反対し、圧倒的な差をもって直ちに否決すべきことを訴えて、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 中野寛成君。 〔中野寛成君登壇〕
○中野寛成君 私は、民主党を代表して、ただいま提案のありました小渕内閣不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手) 昨年の七月三十日に小渕内閣が発足して以来、およそ一年の月日が過ぎました。この間、国民の間には、将来への不安と現状に対する閉塞感、無力感が急速に広がっております。わずかこれだけの期間で、これほどまでに雇用情勢を悪化させ、失業率を史上最悪とし、国民生活を崩壊させ、多くの自殺者を出し、社会のモラルを低下させ、無数のホームレス者を生み出し、子供や若者の夢を奪い、未曾有の財政悪化で後世に膨大なツケを残し、日本の国際的信頼をも失墜させた内閣がほかにあったでしょうか。 小渕内閣は、歴史的にも希有な、無為、無策、無能内閣であります。みずから真空総理と称して、開き直っている小渕総理とその政権の存続を許すことは、政治家の良心にかけて、断じて認めることができません。(拍手) 以下、小渕内閣不信任の具体的な理由を申し上げます。 第一の理由は、小渕内閣が、甘い経済見通しを続け、景気対策、構造改革を後手後手に回し、経済危機を拡大し、失業列島を招来したことであります。 小渕総理は、昨年八月の所信表明で、「一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう、内閣の命運をかけて全力を尽くす」と表明しましたが、これが既に破綻したことは、今やだれの目にも明らかであります。 ことし一月から三月の国内総生産は、六期ぶりのプラス成長となりました。しかし、これに反して、国民の生活実感はいまだ厳しいものがあります。一・九%の成長率のうち、公共投資の寄与度は〇・九%で、全体のおよそ半分を占めております。住宅建設や設備投資の伸びも、異常なゼロ金利政策の恩恵を受けたものであり、本物の景気回復と言える代物ではありません。民間シンクタンクのほとんどが、ことし四—六月期の経済成長は再びマイナスに転じると予想しております。 昨年十一月、政府は、二十三兆円を超える経済対策を決定し、第三次補正予算を組みました。今年度も、当初予算が執行されてわずか三カ月で補正予算を組み、構造改革を先送りした、ばらまき施策を踏襲し続けております。これでは、今日の経済危機を解消することは到底不可能であります。加えて、既に第二次補正の話まで公然と行われているようでは、小渕内閣の責任、整合性、計画性は全くないと言わなければなりません。 雇用問題は一段と深刻化し、失業者数は三百万人を突破し、完全失業率は五%台に達する勢いです。小渕内閣は、新しい雇用の受け皿づくりや、失業に対する十分なセーフティーネットの確立にも真剣に取り組むことなく、悪名高きふるさと創生の二の舞になりかねない緊急地域雇用特別交付金や、当てのない新規・成長十五分野育成による、その場しのぎの対策に終始しております。 小渕内閣が続く限り、日本経済が本格的な回復軌道に乗ることはありません。失業者は増大し、自殺やホームレスがふえ続ける、こう断定しても間違いではありますまい。 第二の理由は、小渕内閣みずからが汗をかくことなく、国民にツケ回しをして、行財政改革を後退させていることであります。 今、民間企業では血のにじむようなリストラ、また家計では苦しいやりくりが行われておりますが、これとは別世界にあるかのごとき日本国の政府は、ぬるま湯につかって、のほほんと日々を過ごしておるようであります。 小渕内閣が成立を強行した行革関連十七法案については、省庁の看板すげかえと巨大官庁の創設などに終始し、およそ行政改革の体をなしておりません。自民党、自由党両党で合意した公務員数の二五%削減についても、具体策が全く盛り込まれておりません。この合意をもまた、必ずや空約束に終わらせるのではないでしょうか。 小渕内閣が財政規律を乱したことも重大な問題であります。国、地方合わせて今年度末におよそ六百兆円、国民一人五百万円の借金を抱える我が国の財政事情を見過ごすことはできません。OECDは、九九年暦年で日本の国、地方債務残高はGDP比で一〇七・二%という数字になると予想しておりますが、米国の五四・二%、英国の五五・二%のほぼ倍の数字であり、我が国の財政事情の異常さをここに明確に示しているではありませんか。 民主党は、凍結する羽目になった硬直的な財政構造改革法にかわる斬新な財政再建策を確立すべきことを主張し、政府は、可能な限りの国有財産の売却、毎年改定する中期経済・財政見通しの策定、行政経費削減とアウトソーシングの徹底など、新しい施策に取り組むことを提言しましたが、政府は私たちの提案を葬り去り続けてきました。小渕内閣が続く限り、税金のむだ遣いは正されず、行政改革は進まず、財政再建の見通しは立ちません。 第三の理由は、小渕内閣が、産業再生に名をかりた、時代錯誤の筋の悪い法案の成立を強行し、新規事業やベンチャー企業を育成しようとする民主党の真摯な提案をつぶしたことであります。 政府が成立を強行した産業活力再生特別措置法は、事業再構築計画を事業者に策定させ、主務大臣が認定すれば支援措置を講じるという枠組みが中心となっており、自由で公正な競争を確立するという新しい時代の流れに逆行するものであり、官庁の権益を増大させ、官民の癒着を温存させるものであります。 かつて世界から言われたノートリアスMITI、すなわち悪名高き通産省の復活につながるものであります。さらに、経営責任を明確にせず、企業によるリストラを促進する内容が多く含まれており、多くの勤労者が、国民の血税で労働者の首を切る首切り法になるとの不安を抱いております。 産業活力再生特別措置法案の対案として我が民主党が提出した起業家支援法案を、政府・与党が葬り去り、新しい雇用創出の芽をつぶしました。私たちは、女性起業家の育成、国立大学教員等の民間企業役員の兼務、エンゼル税制などベンチャー育成税制の抜本的強化など、斬新な施策を提唱しました。私たちの提言の多くは、小渕内閣が鳴り物入りで始めた経済戦略会議も認めた内容と一致します。 民主党の前向きの法案を否定して、後ろ向きの産業再生を優先する、小渕内閣の二枚舌ぶりを絶対に許すわけにはまいりません。まさにエンゼル税制は政府・与党がつぶしたと言わざるを得ません。小渕内閣が続く限り、既存産業ばかりが守られ、新しい事業を育てようという機運は生まれず、日本の活性化はあり得ません。 第四の理由は、小渕内閣が、公党間で約束し合った財政と金融の完全分離をほごにし、悪質な金融機関の救済にまで国民の血税を投入してきたことであります。 昨年秋の臨時国会における金融再生関連法案の審議に際し、野党案を成立させた後、自民党は、財政と金融の完全分離の実施についても私たちと約束を交わしました。これはまた党首合意でありました。今国会が始まるや、政府・与党は手のひらを返したような態度をとり、財金分離の約束を踏みにじりました。 さらに、決して破綻していないと偽ってきたにもかかわらず、長銀、日債銀合わせて二千三百六十六億円もの公的資金を投入したことを、政府は重く受けとめるべきであります。日債銀には日銀による八百億円の出資も行われております。国民の血税を湯水のごとく金融機関の救済に投入しながら、それに失敗しても、政治家や行政の責任を全く問わない小渕内閣の姿勢を許すことはできません。 民主党の金融安定化プロジェクトチームのメンバーは、日債銀と大蔵省が九七年に民間金融機関から集めた奉加帳増資に絡み、不良債権の額を少なく偽って民間金融機関をだまして出資させたとして、大蔵省や金融機関の関係者を詐欺罪と証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に告発いたしましたが、これも、本来は、官僚の責任というよりも、大蔵大臣を初めとする政府こそが責任をとるべきことであります。(拍手) 第五の理由は、小渕内閣が国民のプライバシーや人権を脅かす問題法案成立の強行を図ってきたことであります。 昨年の第百四十二回国会に提出され、問題法案として継続審議となっていた、いわゆる盗聴法案や住民基本台帳法の一部改正案など、十分な審議や国民の合意形成なしに、政府が圧倒的な数の論理で拙速に強行可決を図っていることは断じて容認できません。 小渕内閣が今国会で強引に成立させようとする盗聴法案や住民基本台帳法の一部改正案は、日常的に国民を監視し、あるいは管理しようとするものであります。国家による主権者たる国民の権利侵害、管理強化を進めるものと断ぜざるを得ません。 第六の理由は、小渕内閣が、議会制民主主義の精神を踏みにじり、政党間の数合わせに奔走し、自自連立政権を発足させ、さらに自自公政権の成立を画策していることであります。 昨年の参議院選挙において、国民は、自民党政権を支持せずとの審判を下しました。にもかかわらず、小渕内閣は、みずからの延命策として、自由党と連立を組みました。国民の審判を仰ぐこともなく、かかる連立政権をつくったこと自体が言語道断であります。 七月十三日の本会議質問におきまして、私は、あえて自自公連立政権への動きについて触れ、小渕真空総理は無節操に何でものみ込むが、世の中には食い合わせの悪さもありますと指摘いたしました。今日に至るまでの自自公連立をめぐるどたばた劇を見ますと、食中毒を引き起こすほどの悪質な食い合わせになっていると言わざるを得ません。もはや、自自公連立は、日本の政治の歴史にあってはならない反面教師としての悪名を残し、皮肉にも成立前にその歴史的使命を終えたというべきではないでしょうか。(拍手) 私は、内閣不信任案に賛成する六つの理由を指摘しましたが、そのほか、外交、安全保障、教育、社会保障などについても小渕内閣の失政を挙げれば切りがなく、時間が何時間あっても足りません。 ドイツの作家ゲーテは、私は罪と同様に失策を憎む、わけても政治的失策は特に憎む、それは、幾百万の人民をどん底に呻吟せしめるからであるとの言葉を残しております。まさに至言であります。 総理が良心の一かけらでもお持ちなら、誤った政策を繰り返してきたみずからの国家運営の失態を真摯に受けとめ、直ちに退陣されることが最善の道であることを進言し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 東順治君。 〔東順治君登壇〕
○東順治君 私は、公明党・改革クラブを代表しまして、ただいま議題となりました小渕内閣不信任決議案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手) 今、世界が本格的な大競争の時代へ向かっている中、我が国を取り巻く内外の状況も大きく変転をしております。その激変する政治、経済、社会環境に的確に対処するため、制度疲労の著しい中央集権型社会システムを根底から改革することができなければ、二十一世紀の日本の健全な発展は極めて困難になりましょう。 世界経済も、昨年後半の危機を脱したとはいえ、依然として厳しい状況は変わっておりません。その中で、世界最大の債権国である我が国の責任はますます重大であります。まず、我が国の経済を一刻も早く回復軌道に乗せ、アジア経済、世界経済を発展させる役割を担っていかねばなりません。 かかる現状認識のもと、この一年有余の小渕内閣の対応を見たとき、私は、それなりの評価をすることにやぶさかではありません。 まず、小渕内閣不信任決議案に反対する第一の理由は、小渕内閣が金融危機対策で具体的立法措置等を講じて対処したことであります。 金融国会とも言われた昨年秋の臨時国会において、公明党・改革クラブと自民党、自由党の共同提案で金融早期健全化法を成立させたことが象徴的であります。あの金融早期健全化法があのタイミングで成立していなければ、昨年、間違いなく日本発の世界恐慌へと突入していたと関係者が回想しているほどであります。 第二の理由は、二十一世紀の日本構築のための骨格となる、中央省庁改革と地方分権推進の具体的方途を決める関連法の整備等を進めていることであります。 まだ不十分ではありますが、この通常国会において、中央省庁等改革関連法や地方分権推進関連一括法など、関連する法律の整備を着々と進め、いよいよ二〇〇一年一月一日から、現在の一府二十二省庁が一府十二省庁に統合され、スタートすることになりました。また、我が党がかねてより主張し、長年の懸案でありました情報公開法も成立させることができました。 第三の理由は、国民生活に密着した具体的施策を推進したことであります。 我が党は、国民のためとの政策判断に立ち、山積する諸課題に真正面から取り組んできたことは、周知のところであります。事実、我が党の主張にも理解を示し、地域振興券の実現や奨学金制度の拡充、さきに成立した補正予算では、緊急雇用対策の一環として二千三億円の緊急少子化対策を盛り込んだこと、駅前保育や在宅保育サービスを具体化したことなど、生活者の側に立った具体的施策を積極的に進めてきています。このような小渕内閣の姿勢が、内閣支持率を大きく引き上げていることも事実であります。 第四の理由は、組織犯罪関連三法案などに関する政府の対応については何ら過ちはなく、正当であることであります。 ところが、事もあろうに、不信任決議案では、国民の権利やプライバシーを侵害する法案であるとの懸念も一顧だにせず云々とありますが、全く見当違いも甚だしいと言わざるを得ません。(拍手) 我が党は、犯罪防止体制の危機的状況を払拭し、結果的に犯罪とは何ら関係のない多くの国民の人権を擁護する立場から、組織犯罪関連三法案の成立に全力を挙げてきたところであります。 近年、激増する我が国の組織的犯罪は、国民の生命財産を脅かし、比較的よいと言われてきた我が国の治安体制を揺るがす事態に至っております。とりわけ、薬物犯罪では、覚せい剤が六百五十キログラムの過去最高の年間押収量を軽く突破し、本年上半期だけで、使用人数に換算して三千八百万人分に当たる一トン以上を記録するなど、日本の健全な社会経済の発展に甚だ悪い影響をもたらすものとして、大変に危惧されているところであります。 もとより、いかに犯罪捜査、つまり公共の福祉のためとはいえ、特に通信傍受などで国民の人権が侵害されては断じてなりません。このため、公明党は、通信の秘密の保持や言論の自由などの人権擁護のために、独自の十数項目に及ぶ法案修正を提案し、修正させたことは、皆様も御存じのところであります。したがって、結果的に、人権上の保障は、法案内容や政府答弁で十二分に確保されたと確信をしているのであります。 さらに、衆参両院における委員会などの法案審議においても、参考人からの意見聴取、中央公聴会、両院におけるそれぞれ延べ四十時間を上回る審議時間など、法案に関する重要論点はほぼ出そろい、これらへの誠意ある論戦は十分に尽くされたことは、この数日間の審議のポイントが、既に答弁済みの論点を繰り返していることからも明らかであります。 以上、数点について述べてきましたが、いずれにしろ、本年一九九九年はクライマックスの年とも言われています。ぎりぎりのところで危機を回避できるか、逆に、再び政策の失敗を重ね、さらなる深刻な危機へと陥るか、日本を改革する最大のチャンスの年でもあります。まさに待ったなし、しかもミスの許されない重大な局面に直面しているのであります。 こうした認識に立つとき、各種世論調査において日を追って支持率を高めている小渕内閣に対する不信任決議案は、国民の期待に反するものであり、到底同調できるものではありません。(拍手) 最後に、国旗・国歌法案に民主党の議員が多数賛成されているにもかかわらず、今回の不信任案の中で同法案の国会提出を問題視していることは、全く理解に苦しむことを付言して、小渕内閣不信任決議案に反対する私の討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 金子満広君。 〔金子満広君登壇〕
○金子満広君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました小渕内閣不信任決議案に対し、賛成の討論を行います。(拍手) 小渕内閣を信任せずの最大の問題は、数を頼んで審議も尽くさず、道理も国会ルールも踏みにじって、悪法の数々を問答無用とばかりに強行し、またその構えをとっていることであります。 まず、盗聴法案を強行するという暴挙であります。 言うまでもなく、憲法二十一条は「通信の秘密は、これを侵してはならない。」と宣言していますが、盗聴法案はこれを真っ向から否定するものであります。この法案の危険な本質は、国会審議を通じても次々と浮き彫りにされてまいりました。 犯罪に関連する通信が行われると警察が判断をすれば、事実上あらゆる国民の通信、電話を盗聴することができるという内容になっていることであります。これはどこでも指摘をされております。犯罪と全く関係のない広範な国民のプライバシーと人権をも侵害することにつながるこの違憲立法そのものは、絶対に許してはなりません。 しかも、本法案によって盗聴を実際に執行する警察の姿勢、体質の問題が鋭く問われているのであります。我が党の元国際部長、緒方参議院議員宅の盗聴事件について、東京高裁は明確に、神奈川県警による組織的犯行であると認定し、この判決は確定しています。ところが、警察当局は、この組織的盗聴を行った事実を認めず、真実を明らかにすることを拒否し続けてきたのであります。こうした警察に、合法的に盗聴を行う権限を与えることはどういうことなのか、これは本法案の根本的問題であり、徹底した解明が求められているのであります。 ところが、自自公三党は、参議院法務委員会で委員が質問中に、強引に質疑を打ち切る暴挙に出たのであります。こうした無法は絶対に許されません。もちろん、採決などが行われたという具体的な証拠は何もありません。採決など存在しておりません。だが、小渕内閣と自自公三党は、この無法をさらに続けようとしています。基本的人権と民主主義をじゅうりんするこの暴挙を、断じて認めることはできません。このことを厳しく指摘しておきます。(拍手) 小渕内閣による憲法の原則への挑戦は枚挙にいとまがありませんが、最大の攻撃は新ガイドライン、戦争法の強行であります。 それは、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」との憲法前文のじゅうりんであります。また、第九条で内外に宣言した戦争放棄、「戦力は、これを保持しない。」との原則を正面から否定する重大な暴挙であります。 それは、これまで日本の防衛ということを建前にしてきた日米安保体制を、アメリカの戦争に日本を自動的に動員するという、先制攻撃的な軍事同盟への事実上の大改悪であります。戦争をしない国から戦争をする国への重大な方向転換は、既に国民から痛烈な批判を受けております。戦争法の発動を許さないという国民の世論と運動の高まりはさらに大きくなることを、この際ここで強調しておきたいと思います。(拍手) また、日の丸・君が代の法案を強行した過程も、小渕内閣と自自公体制の本質を露骨に示すものであります。 国旗・国歌という重大問題を決めようとする場合、国民の間で十分な議論を尽くし、国民的な合意を追求することは、民主主義の常識であって、不可欠の前提であります。ところが、小渕内閣は、通常国会の会期がまさに終わろうとした六月十一日、突如としてこれを提出し、わずかな期間で成立を図る暴挙に出てきたのであります。 しかし、短い審議の中でさえ、日の丸・君が代法制化が、日本国憲法の国民主権の原則に反し、過去の戦争に対する反省の宣言にも反することが明瞭となりました。加えて、法制化を教育現場への強制の道具にしようという政府のねらいも、次々に明らかとなってきました。このため、日の丸・君が代法制化反対の世論は、急速な高まりを見せてきたのであります。 特に、今国会で成立を急がず、十分時間をとって議論を尽くすべきだとの声は日に日に高まり、国民多数の世論となってきました。このことは政府自身、否定もできず、国民に理解されていないと答弁をせざるを得ませんでした。政府が法制化の最大の論拠としてきた国民的定着論は、ここに完全に破綻しているのであります。ところが、小渕内閣と自自公三党は、国民のこの声を無視して、強引な法案成立に走ったのであります。ここには、国民無視の小渕内閣の姿勢が集中的にあらわれております。 これらの悪法の数々は、いずれも自民党単独政権時代でさえ簡単には手をつけることができなかったもので、憲法に立脚した戦後政治の基本を根本から変質させるものであります。自自公体制の危険な役割は明らかでありますが、こうした数を頼んでの強権政治は、必ずや国民各層の厳しい批判を呼び起こすであろうことをここで指摘しておきたいと思います。(拍手) 小渕内閣を不信任するというもう一つの大きな論拠は、経済再生内閣という看板の逆立ちぶりにあります。 今、大企業を中心にしたリストラ、人減らしによって多くの国民が職を失い、失業率は過去最高になっています。中小企業の倒産も最悪の水準で推移しています。こうした耐えがたい生活環境の悪化を背景に、御承知のように、自殺者が急増し、男性の平均的寿命を引き下げるという事態まで生まれています。 一家の大黒柱が職を失い、新たな雇用口を探してもかなわず、死のふちに立たされている人たちが今日どれほど多いことか。にもかかわらず、小渕内閣は、この責任を痛感するどころか、大企業を初めとした無法なリストラ、人減らしを支援し、正面から掲げ、そのための法律制定まで強行したのであります。 しかも、小渕内閣は、ゼネコン、大企業に湯水のように税金を流し込む経済政策をとり続けています。その結果、この一年間だけでも、国と地方の借金が五十六兆円も増大しています。他方、福祉や介護といった国民の暮らし、その安定にとって欠くことのできない財政支出は抑制され、不況を打開する上で最も効果ある消費税減税は拒否し続けています。 この逆立ちした財政経済運営を放置するなら、今日の国民生活と中小企業、農業はますます深刻な事態となることは明らかであり、それにとどまらず、将来の世代にわたって重大な重荷を押しつけることになるのであります。 恒久平和の原則、民主主義と基本的人権、国民の暮らしと命、これを真っ向から乱暴に踏みにじる小渕内閣と自自公体制の責任は重大であり、これを許すことはできません。そもそも、この自自公体制は、国民の選挙での審判を全く無視した体制であり、まさに虚構の多数であります。 日本共産党は、小渕内閣不信任決議案に賛成し、速やかな解散・総選挙で国民の審判を受けることを強く求め、賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 安倍基雄君。 〔安倍基雄君登壇〕
○安倍基雄君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました小渕内閣不信任決議案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手) 小渕内閣は、言うまでもなく、自民党と自由党との連立内閣であります。小渕連立内閣は、両党の政策合意に基づき、自民党単独では到底なし得なかった大胆な改革を着実に実現しております。国民に信任を受けこそすれ、不信任される理由など断じてありません。 連立政権発足時には、内閣の閣僚数の削減を直ちに実現しました。これまでの、総理を除き二十人から十八人に削減し、中央省庁再編発足時には、これを原則十四人に削減することを約束しております。また、国家公務員の定員についても、自由党の主張を受け入れ、十年で二五%削減することを決断されたのであります。自由党の主張を受け入れた小渕総理の英断こそ、高く評価されるべきであります。 政府委員制度の廃止、副大臣制度の導入は、自由党結党以来の主張であります。明治以来の官僚主導、行政主導の政治を改め、民主政治の基本に立ち返り、国民の代表である政治家が政治に責任を負う体制に改めるというものであります。関連法案が今国会で成立し、本制度は次期国会から実現することになりました。自民党単独ではなし得なかった連立政権の偉大なる成果の一つであります。 また、自由党は、超高齢社会の中で、経済社会の活力を維持し、国民の福祉向上を図るためには、基礎年金、高齢者医療、介護の財源は消費税で賄い、消費税はそれ以外には使わないことが不可欠であると主張してまいりました。小渕連立内閣は、我が党の主張に沿って、平成十一年度予算の総則において、消費税の使途をこれら三分野に限定することを明記し、社会保障を安定させる基盤を築く第一歩を踏み出したのであります。 さらに、自民党との合意に基づき、衆議院議員の定数削減の問題等が特別委員会で審議されております。この問題は、我が国経済の立て直しや行政改革などの改革に国民の協力を求めている以上、政治家みずからが率先して、みずからの改革に取り組む姿勢を示す必要があるとの高い見地に立てば、おのずと各党の合意を得て解決されるものと信じます。 このように、自自連立である小渕内閣は、国家国民の立場に立って大胆な改革を誠実に推し進めており、不信任どころか、全幅の信頼をもって信任すべきであります。(拍手) 第二は、小渕連立内閣は、政策の優先順位を明確にし、財政再建優先から経済再建を第一とし、その適切な経済政策により着実に成果を上げつつあることであります。 小渕連立内閣は、前内閣の財政再建優先の政策を転換し、経済再建を第一とし、平成十一年度予算編成を初め、そのための政策を着実に実行してまいりました。この結果、六月十日に経済企画庁が公表した国民所得統計速報によると、本年一—三月の実質GDP成長率は前期比一・九%でありました。日本経済は、久しぶりにプラス成長に転じたのであります。 いまだ日本経済は予断を許さない状況にあると言わざるを得ないものの、これはまさしく、早期健全化法による金融システムの安定や、中小、中堅企業向け信用保証制度の拡充強化、昨年の小渕総理と小沢党首の党首会談における合意に基づき、本年度予算において当面の景気対策として盛り込んだ十兆円に迫る減税等の成果であります。株価も上昇を続け、一万八千円台にも手が届きました。まさに、小渕連立内閣の政治決断と政治的リーダーシップの発揮によるものであります。 第三は、小渕連立内閣は、前内閣から積み残しとなっていた国政の重要課題を次々と解決したことであります。 ガイドライン関係法案は、九六年の日米安保共同宣言以来三年、関係法案の国会提出以来一年、たなざらしにされ、日米間の信頼を大きく損なう重大な問題となっておりました。これを小渕連立内閣は、自由党との間で安全保障の基本原則を確認し、公明党の協力も得て、法案を修正の上、今国会で成立させたのであります。北朝鮮の動向が懸念される国際情勢のもと、ガイドライン関連法案が、二十一世紀に向かっての日米の信頼関係を高め、日米関係をかつてないまでに強固なものとした功績は、高く評価されるべきであります。(拍手) 組織犯罪関連法案は、先進国の中で我が国のみが法制度の整備がおくれ、我が国が麻薬、薬物などの国際的な犯罪の抜け道として利用され、また我が国自身が犯罪王国となるおそれがあることから、法の整備が強く求められていたところであります。しかし、この法案も、昨年の通常国会提出以来、一年以上もたなざらしのままとなっておりました。それを小渕連立内閣は、今国会において、野党に十分な審議時間を与えつつ成立させようとしているのであります。 さらに、国旗・国歌法案は、従来からの積み残しの問題ではありませんが、教育現場の混乱を正し、我が国の歴史、伝統、文化を正しく継承していくために、法制化の必要性が求められておりました。これも今国会で実現させました。小渕連立内閣の指導力のたまものであります。 第四は、小渕連立内閣は、議会制民主主義のルールにのっとって課題の解決を着実に進めているということであります。 提案者は、組織犯罪関連法案の採決を議会政治のルールを踏みにじる暴挙だとしております。しかし、参議院においては、衆議院の四十三時間に比し、五十時間に及ぶ審議時間を確保しております。 議会制民主主義においては、審議を尽くすことと同時に、多数決をもって意思の統一を図ることも重要なルールであります。少数意見の尊重も、お互いが徹底的に意見を述べ合う中からよりよいものを見出す努力があってこそのものであります。 最初から反対することを金科玉条とし、妥協は許さないという態度では、反対のための反対でしかなく、民主主義は成り立ちません。また、最後は多数決による結論に粛々と従うことは言うまでもありません。民主主義のルールを踏みにじっているのは、むしろ法案への反対勢力であります。小渕連立内閣こそ、民主政治のルールに従って国会運営を進めているのであります。(拍手) 以上、私は、四点にわたって小渕内閣不信任案に反対する理由を申し述べました。小渕内閣の支持率は、直近のある調査によると、五七・二%にも上っております。過半数以上の国民が支持している小渕内閣を不信任とする理由は、何一つ見当たりません。 政治の本質は、長期的視野に基づき、何が真に国家国民のために必要であるかを検討し、これを大胆に実現していくことであります。私は、自民党と自由党の連立内閣である小渕内閣が国民の信任を受けていることを重ねて申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) 伊藤茂君。 〔伊藤茂君登壇〕
○伊藤茂君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました小渕内閣不信任案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手) 先ほど来、提案理由の説明あるいは賛成の討議がございました。率直に申しまして、私の気持ちからいたしますと、まだまだ物足りないものがございます。社会民主党としての特段の主張と熱い思いを込めて、より厳しく理由を申し述べます。(拍手) 私がまず最初に申し上げたいのは、今時代の大きな転換期、二十一世紀という新世紀を迎えようとしております。時代末とも言われております。こういう時代に当たって、小渕首相は、私は、首相として失格と言わざるを得ないということをまず申し上げたいのであります。 今、時代の大きな転換期であり、新しい次の時代への、新世紀へのビジョンを鮮明に提起すべきときでございます。この長い国会中に、施政方針演説を初めとして、さまざま小渕総理からお話は伺いました。しかし、次の時代への鮮明な目標を、身にこたえるように、わかるように聞いたことはただの一度もありません。 一月から八月までのこの長い国会、重大なさまざまの日本の将来に関する出来事、案件が相次ぎました。私は、この国会終末に当たりましてそれらを振り返りますと、今、小渕内閣がやっていることは、さらにやろうとしていることは、二十一世紀という時代に向かって、右寄りとか右向け右ではない、背を向けた回れ右であるというふうに私は言わざるを得ないのであります。 具体的に理由を申し上げましょう。これから申し上げる理由は、自由民主党の諸君も否定はできないはずだと私は思います。 例えば、日米安保条約についての新ガイドラインの問題がございます。 この問題につきましては、自社さの三党連立の当時に、三点の合意を繰り返しやりました。文書で、記録で残っております。当時の幹事長や政調会長のサインも残っております。何ですか。第一は、有事の備えをする前に平和外交、平和戦略を積極的に展開する。第二は、憲法と現行安保条約の枠組みを変えない。第三は、近隣諸国に懸念を抱かせることはしない。これは繰り返し繰り返し確認をしてまいったことでございます。 しかし、この三点とも、記録に残っておりますこの三点とも全部変更をいたしました。そう私は考えております。 憲法問題がございます。 村山内閣以来何年かの連立の中で、私も参加をして、三党連立政権の協議あるいは政策の合意など、さまざまの真剣な作業を行いました。その合意の中で常に冒頭にあったのは、日本国憲法の理念と目標を尊重する、憲法の理念を大切にするということが常に冒頭に書かれていた言葉でございました。私は、憲法調査会の設置などを見て、単に調査ではない、まさに改憲への一歩を踏み出そうとしている、非常に重大な危険を感じます。 さまざまの委員会その他で憲法の議論はできるわけであります。そんなことよりもまず必要なことは、二十一世紀時代を目の前にした次の時代の我々の国のグランドデザイン、ビジョンをどうするのか、国民はそれを求めていると思います。その議論をすることが、まず政治家がやるべき大きな責任だと思います。これについても、私は、今小渕内閣が提起していることは回れ右と断ぜざるを得ないのであります。 国旗・国歌の問題についての激しい議論をいたしました。 これはナショナルシンボルの問題であります。また、ある意味では今後のナショナルアイデンティティー、言うならば、我々の国がどこを目指すのか、世界においてどういう誇りある国になるのかということが合意されなければならないわけであります。法律で決めて強制をするようなことはあってはならぬと思います。 国民の皆さんが求められているのは、みんなが自分の国と社会を愛しています、誇りある国のナショナルシンボルをどうするのか、国民一人一人の思いを込めながら議論をしていくということが、今まず必要なことではないだろうかというふうに思うわけでございます。 そういうことを考えますと、私は、今小渕内閣は、次の時代に向けて政治をするには失格しているというふうに断ぜざるを得ないのであります。 二つ目に申し上げたいのは、余りにも今日の自民党政治が、また自民党の諸君が、おごりの政治だと思います。 みんながわかっておりますように、皆さんおわかりのとおりに、前回の総選挙、九六年九月解散、十月の投票では、半数以下、たしか二百三十九でありました。その中で、私どもは、村山内閣以来の伝統を受け継ぎながら、よりいいことをやろうではないかということで相談をし合ったわけであります。 そのときの関係者は、そのときの気持ちは忘れていないはずであります。国民の審判は、前回の総選挙で過半数を割っているのです、自民党は。さまざまのことをやって、まるで水増しのように議席をふやすということをやりました。政治家としても政党としても人間としても、私はまことにおかしなことだと思います。 昨年の参議院選挙では明確に自民党は敗北をし、橋本内閣は退陣をいたしました。その経過の中で私ども真剣な議論を随分やりましたが、おごりが目に見えて強くなってくる、これではともによりよき政治を目指すことができないということで、昨年五月に私どもは、社民党はきっぱりと連立を解消したのがその経過であります。連立、連合の時代の政治のあるべき姿を、最も筋を通して私どもは行動してきたつもりであります。 そういう自民党あるいは自自の政権、そのおごりの最たる姿が、一昨日の参議院における組織犯罪対策関連三法案、いわゆる世間で言われる盗聴法の採決なき強行という暴挙、多くの皆さんが、長年国会にいたがこんな姿は見たことないという感想を語っておりましたが、そこにはっきりと今の姿があらわれているというふうに思います。そういう意味で、とても私どもは、今の小渕内閣をこのまま続けさせるわけにはまいりません。 さらに、経済と暮らしの問題がございます。 今、さまざまの緊急の予算や、あるいは膨大なかつてない借金、借金財政、そしてばらまき財政、旧態依然たるやり方と世間でも指摘をされておりますが、続いております。多くの国民の皆さんは、先々どうなるのか、経済はどうなるのか、福祉と負担はどうなるのか、暮らしはどうなるのか、年金はどうなるのか、そういう不安があるから本格的に消費が回復をしないというのが、今、経済の実態でございます。 政治ですから、目の前の対応は当然とらなければなりません。その最たる問題が雇用失業問題であることは、言うまでもありません。しかし、先どうするのか、先々安心できるようにどう設計をするのか、そのことを語るのが、私は政治の責任であり、政府の責任であると存じます。総理からも、宮澤大蔵大臣からも、それを聞いたことはありません。先を語らない、先を語ることのできない、これは無責任であると思います。 さらには、年金改革法案についても、今まで五年に一度の見直し時期において必ず通常国会に提出されてまいりましたが、今通常国会では、与党内の調整が長引いて、最終盤に至ってようやく提出されたものの、審議も行われておりません。 医療制度につきましても、多くの国民が高い関心と懸念を持っている問題であります。これについても、法案も提出できませんでした。 財政、福祉、医療、年金、これらを考えてみましても、責任ある将来を語る能力と資格を失っているというふうに思うわけであります。(拍手) もう一つ、私は厳しく気持ちを申し上げたいのであります。 今の自自、あるいは自自公と言われておりますが、ややこしい三角関係を続けているようでございますけれども、私は、背信の連合、信義に背を向ける、信義を裏切る背信の連合という気持ちを深くいたしております。 率直に申し上げます。今の官房長官と私ども、連立時代には、多くのことを胸襟を開いて語り合いながらやってまいりました。闘うという本を出版されました。その本をちょうだいして、読みました。いいことを書いているねと言って話し合ったものであります。つい最近ブックセンターに行きましたら、それが再刊されまして、最近また出版をされております。 闘うという本を出されましたが、突然に、ひれ伏す、闘うからひれ伏すに豹変をされました。私は、お互いに胸襟を開いて語り合って日本の政治を担当した当時を思い、この豹変を見て唖然といたしました。国民の皆さんにはわからぬと思います。 そうして、自自の政治、自自公へと、その過程の中で、日本の政治と日本の将来にとってまことに懸念すべき重大な問題が起こっているというのが、今日の状態でございます。 私どもがかねてから主張しておりますように、今まずやるべきことは、企業、団体の献金の禁止、急務の課題であります。政治資金規正法附則第九条の実現、参議院で共同提案しているあっせん利得行為処罰などのさまざまの法案、こういうことを緊急に、今、この国会のうちに実現をするということが、私どもが国民の皆さんの前にやるべきことではないでしょうか、そう思うわけでございます。 幾つかの反対の理由を申し上げましたが、先ほど来の提案理由に加えまして、私ども社会民主党としての特段の思いを込めた理由を申し上げました。 今、新しい時代のドアをあけようとしている。みんなで明るくそれをあけなければなりません。回れ右であってはならぬのであります。今必要なことは、憲法にございますように、国際社会に名誉ある地位を占める、そういう誇りを持つ国民であり、そういう誇りを持つ国家でありますように、平和の時代、福祉の時代、民主主義の新しい時代に向けて努力をしなければなりません。 率直に最後に申し上げます。そういう方向に向けてお互いにビジョンを議論し合い、次の時代のグランドデザインを国民の前に議論し合い、そして志を同じくする者が大きく力を合わせ、大きく心を合わせて、今の政治にかわる、小渕政権にかわる新しい力の結集、そこに向けての具体的な努力を求められているという時代だと思います。 私ども社会民主党は、そのために、どこよりも誠実に、どなたよりも力を尽くして努力をしていきたい。最後にその決意を一言申し述べまして、不信任案に賛成の討論とさせていただきます。(拍手)
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。 この採決は記名投票をもって行います。 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。——議場閉鎖。 氏名点呼を命じます。 〔参事氏名を点呼〕 〔各員投票〕
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。——議場開鎖。 投票を計算させます。 〔参事投票を計算〕
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。 〔事務総長報告〕 投票総数 四百八十八 可とする者(白票) 百三十四 否とする者(青票) 三百五十四 〔拍手〕
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、小渕内閣不信任決議案は否決されました。(拍手) ————————————— 菅直人君外六名提出小渕内閣不信任決議案を可とする議員の氏名 安住 淳君 赤松 広隆君 伊藤 英成君 伊藤 忠治君 家西 悟君 池田 元久君 池端 清一君 石井 紘基君 石井 一君 石毛えい子君 石橋 大吉君 岩國 哲人君 岩田 順介君 上田 清司君 上原 康助君 生方 幸夫君 枝野 幸男君 小沢 鋭仁君 大畠 章宏君 岡田 克也君 奥田 建君 鹿野 道彦君 海江田万里君 鍵田 節哉君 金田 誠一君 川端 達夫君 河村たかし君 神田 厚君 菅 直人君 北橋 健治君 北村 哲男君 熊谷 弘君 桑原 豊君 玄葉光一郎君 小平 忠正君 小林 守君 木幡 弘道君 古賀 一成君 五島 正規君 今田 保典君 近藤 昭一君 佐々木秀典君 佐藤謙一郎君 佐藤 敬夫君 坂上 富男君 渋谷 修君 島 聡君 島津 尚純君 城島 正光君 末松 義規君 仙谷 由人君 田中 慶秋君 田中 甲君 高木 義明君 玉置 一弥君 樽床 伸二君 辻 一彦君 土肥 隆一君 中川 正春君 中桐 伸五君 中沢 健次君 中野 寛成君 中山 義活君 永井 英慈君 羽田 孜君 葉山 峻君 畑 英次郎君 鉢呂 吉雄君 鳩山由紀夫君 原口 一博君 日野 市朗君 肥田美代子君 平野 博文君 福岡 宗也君 藤村 修君 古川 元久君 細川 律夫君 堀込 征雄君 前田 武志君 前原 誠司君 松崎 公昭君 松沢 成文君 松本 惟子君 松本 龍君 山元 勉君 山本 譲司君 山本 孝史君 横路 孝弘君 吉田 治君 吉田 公一君 渡辺 周君 石井 郁子君 大森 猛君 金子 満広君 木島日出夫君 児玉 健次君 穀田 恵二君 佐々木憲昭君 佐々木陸海君 志位 和夫君 瀬古由起子君 辻 第一君 中路 雅弘君 中島 武敏君 中林よし子君 春名 直章君 東中 光雄君 平賀 高成君 不破 哲三君 藤木 洋子君 藤田 スミ君 古堅 実吉君 松本 善明君 矢島 恒夫君 山原健二郎君 吉井 英勝君 伊藤 茂君 北沢 清功君 知久馬二三子君 辻元 清美君 土井たか子君 中川 智子君 中西 績介君 畠山健治郎君 濱田 健一君 深田 肇君 保坂 展人君 前島 秀行君 村山 富市君 横光 克彦君 笹木 竜三君 中田 宏君 武村 正義君 栗本慎一郎君 否とする議員の氏名 安倍 晋三君 相沢 英之君 逢沢 一郎君 愛知 和男君 赤城 徳彦君 浅野 勝人君 麻生 太郎君 甘利 明君 荒井 広幸君 井奥 貞雄君 伊藤 公介君 伊藤 達也君 伊吹 文明君 飯島 忠義君 池田 行彦君 石川 要三君 石崎 岳君 石破 茂君 石原 伸晃君 稲垣 実男君 稲葉 大和君 今井 宏君 今村 雅弘君 岩下 栄一君 岩永 峯一君 植竹 繁雄君 臼井日出男君 江口 一雄君 江渡 聡徳君 江藤 隆美君 衛藤征士郎君 衛藤 晟一君 遠藤 武彦君 遠藤 利明君 小川 元君 小此木八郎君 小里 貞利君 小澤 潔君 小野 晋也君 小野寺五典君 小渕 恵三君 尾身 幸次君 越智 伊平君 越智 通雄君 大石 秀政君 大島 理森君 大野 松茂君 大野 功統君 大原 一三君 大村 秀章君 太田 誠一君 岡部 英男君 奥田 幹生君 奥谷 通君 奥野 誠亮君 奥山 茂彦君 加藤 紘一君 加藤 卓二君 嘉数 知賢君 梶山 静六君 粕谷 茂君 金子 一義君 金田 英行君 亀井 静香君 亀井 久興君 亀井 善之君 鴨下 一郎君 川崎 二郎君 河井 克行君 河村 建夫君 瓦 力君 木部 佳昭君 木村 隆秀君 木村 勉君 木村 義雄君 岸田 文雄君 岸本 光造君 北村 直人君 久間 章生君 久野統一郎君 鯨岡 兵輔君 熊谷 市雄君 熊代 昭彦君 倉成 正和君 栗原 博久君 栗原 裕康君 小泉純一郎君 小坂 憲次君 小島 敏男君 小杉 隆君 小林 興起君 小林 多門君 古賀 誠君 古賀 正浩君 河野 太郎君 河野 洋平君 河本 三郎君 高村 正彦君 左藤 恵君 佐田玄一郎君 佐藤 孝行君 佐藤 静雄君 佐藤 信二君 佐藤 剛男君 佐藤 勉君 斉藤斗志二君 坂井 隆憲君 坂本 剛二君 阪上 善秀君 桜井 郁三君 桜井 新君 櫻内 義雄君 桜田 義孝君 笹川 堯君 自見庄三郎君 塩谷 立君 実川 幸夫君 島村 宜伸君 下地 幹郎君 下村 博文君 白川 勝彦君 新藤 義孝君 菅 義偉君 杉浦 正健君 杉山 憲夫君 鈴木 俊一君 鈴木 恒夫君 鈴木 宗男君 砂田 圭佑君 関谷 勝嗣君 園田 修光君 田中 和徳君 田中 昭一君 田中眞紀子君 田邉 國男君 田野瀬良太郎君 田村 憲久君 高市 早苗君 高鳥 修君 高橋 一郎君 滝 実君 竹本 直一君 武部 勤君 橘 康太郎君 棚橋 泰文君 谷 洋一君 谷垣 禎一君 谷川 和穗君 谷畑 孝君 玉沢徳一郎君 近岡理一郎君 中馬 弘毅君 津島 雄二君 戸井田 徹君 虎島 和夫君 中川 昭一君 中川 秀直君 中曽根康弘君 中谷 元君 中野 正志君 中村正三郎君 中山 太郎君 中山 利生君 中山 正暉君 仲村 正治君 長勢 甚遠君 丹羽 雄哉君 西川 公也君 西田 司君 額賀福志郎君 根本 匠君 能勢 和子君 野田 聖子君 野中 広務君 野呂田芳成君 萩野 浩基君 萩山 教嚴君 橋本龍太郎君 蓮実 進君 浜田 靖一君 林 幹雄君 林 義郎君 林田 彪君 原田昇左右君 原田 義昭君 桧田 仁君 平沢 勝栄君 平沼 赳夫君 平林 鴻三君 深谷 隆司君 福田 康夫君 福永 信彦君 藤井 孝男君 藤波 孝生君 藤本 孝雄君 二田 孝治君 船田 元君 古屋 圭司君 保利 耕輔君 穂積 良行君 細田 博之君 堀内 光雄君 堀之内久男君 牧野 隆守君 増田 敏男君 町村 信孝君 松岡 利勝君 松下 忠洋君 松永 光君 松本 和那君 松本 純君 三ッ林弥太郎君 三塚 博君 御法川英文君 水野 賢一君 宮腰 光寛君 宮澤 喜一君 宮路 和明君 宮下 創平君 宮島 大典君 宮本 一三君 武藤 嘉文君 村井 仁君 村岡 兼造君 村上誠一郎君 村田敬次郎君 村田 吉隆君 村山 達雄君 目片 信君 持永 和見君 望月 義夫君 茂木 敏充君 森 英介君 森 喜朗君 森田 健作君 森田 一君 森山 眞弓君 八代 英太君 矢上 雅義君 谷津 義男君 保岡 興治君 柳沢 伯夫君 柳本 卓治君 山口 俊一君 山口 泰明君 山崎 拓君 山中 貞則君 山本 公一君 山本 幸三君 山本 有二君 与謝野 馨君 横内 正明君 吉川 貴盛君 吉田六左エ門君 米田 建三君 渡辺 具能君 渡辺 博道君 渡辺 喜美君 綿貫 民輔君 青山 二三君 赤羽 一嘉君 赤松 正雄君 井上 義久君 池坊 保子君 石井 啓一君 石垣 一夫君 石田 勝之君 石田幸四郎君 市川 雄一君 上田 勇君 漆原 良夫君 遠藤 乙彦君 遠藤 和良君 小沢 辰男君 大口 善徳君 大野由利子君 太田 昭宏君 近江巳記夫君 長内 順一君 河合 正智君 河上 覃雄君 神崎 武法君 木村 太郎君 北側 一雄君 旭道山和泰君 久保 哲司君 草川 昭三君 倉田 栄喜君 佐藤 茂樹君 斉藤 鉄夫君 坂口 力君 白保 台一君 田端 正広君 谷口 隆義君 冨沢 篤紘君 富田 茂之君 中野 清君 並木 正芳君 西 博義君 西川 知雄君 東 順治君 平田 米男君 福島 豊君 福留 泰蔵君 冬柴 鐵三君 前田 正君 桝屋 敬悟君 丸谷 佳織君 宮地 正介君 山中あき子君 若松 謙維君 安倍 基雄君 青木 宏之君 青山 丘君 東 祥三君 井上 一成君 井上 喜一君 一川 保夫君 岩浅 嘉仁君 江崎 鐵磨君 小沢 一郎君 岡島 正之君 加藤 六月君 海部 俊樹君 小池百合子君 権藤 恒夫君 佐々木洋平君 笹山 登生君 塩田 晋君 菅原喜重郎君 鈴木 淑夫君 武山百合子君 達増 拓也君 中井 洽君 中西 啓介君 中村 鋭一君 二階 俊博君 西川太一郎君 西田 猛君 西野 陽君 西村 章三君 西村 眞悟君 野田 毅君 藤井 裕久君 二見 伸明君 松浪健四郎君 三沢 淳君 吉田 幸弘君 米津 等史君 鰐淵 俊之君 園田 博之君 粟屋 敏信君 土屋 品子君 中村喜四郎君 ————◇—————
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後三時一分散会 ————◇————— 出席国務大臣 内閣総理大臣 小渕 恵三君 法務大臣 陣内 孝雄君 外務大臣 高村 正彦君 大蔵大臣 宮澤 喜一君 文部大臣 有馬 朗人君 厚生大臣 宮下 創平君 農林水産大臣 中川 昭一君 通商産業大臣 与謝野 馨君 運輸大臣 川崎 二郎君 郵政大臣 野田 聖子君 労働大臣 甘利 明君 建設大臣 関谷 勝嗣君 自治大臣 野田 毅君 国務大臣 太田 誠一君 国務大臣 堺屋 太一君 国務大臣 野中 広務君 国務大臣 野呂田芳成君 国務大臣 真鍋 賢二君 国務大臣 柳沢 伯夫君