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145回国会衆議院1999/02/09

文教委員会 第2号

発言数
5
登壇者
3
会派数
1
開催日
1999/02/09

会議録

小川元自由民主党

○小川委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  文教行政の基本施策に関し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。有馬文部大臣。

有馬朗人自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○有馬国務大臣 皆さん、おはようございます。  第百四十五回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。  未来の担い手である子供たちがたくましく心豊かに成長することは、二十一世紀を確固たるものとするための基本であり、我が国が活力ある国家として発展し、科学技術創造立国、文化立国を目指していくためには、あらゆる社会システムの基盤となる教育について不断に改革を進めていくことが不可欠であります。私は、人づくりは二十一世紀の我が国の姿を形づくるものとの認識のもとに、教育改革の推進に最大限の努力を払ってまいる決意であります。  文部省においては、教育改革プログラムを策定し、教育改革の具体的課題やスケジュールを明らかにしつつ、教育改革の推進に取り組んできたところでありますが、私は今日、特に次のような課題に重点を置いて取り組む必要があると考えております。  まず第一は、子供たちにゆとりの中で生きる力をはぐくむこと、特に心の教育の充実に取り組むことであります。  子供たちを取り巻く状況が著しく変容し、児童生徒の暴力行為やいじめ、不登校などの問題が極めて憂慮すべき状況にあり、事態を深刻に受けとめております。私は、子供たちが生命を尊重する心、他人への思いやりや社会性、倫理観や正義感、美しいものや自然に感動する心を持った人間として成長してくれることを強く願っております。そのため、幅広く社会の各方面に呼びかけを行い、家庭、学校、地域社会が一体となって力を結集しつつ、それぞれの分野で心の教育を充実し、豊かな人間性を持ち、みずから考え、みずから行動できる人間の育成に取り組んでまいります。  また、特に、平成十四年度から完全学校週五日制が実施されることを踏まえ、平成十一年度より平成十三年度までの三カ年間に、地域で子供を育てる環境を整備し、親と子供たちの活動を振興する体制を整備することを目指し、子どもセンターの全国展開や子ども放送局の創設などを柱とする全国子どもプラン(緊急三ケ年戦略)を策定し、関係省庁の協力も得つつ、緊急かつ計画的に施策を推進することとしております。  教育上の大きな課題となっている不登校問題について、わかりやすい授業の実施に努め、楽しい学校づくりを目指すとともに、適応指導教室等における指導のあり方について研究する事業を新たに始めるなど、学校、家庭、地域が連携して子供たちを育てていくとの観点に立った取り組みを進めてまいります。また、教育相談体制の一層の整備に努めてまいります。  さらに、最近、いわゆる学級崩壊と言われる状況が指摘されており、その実態等についての把握を行うなど必要な対応に努めてまいります。  また、幼児期の教育は人格形成の基礎となることから、幼稚園におけるしつけなど幼児期にふさわしい道徳性を培う活動や自然体験・社会体験活動などの充実を図ってまいります。  第二に、国際社会の中で競争力を維持し、活力あふれる社会を実現するため、大学改革と研究振興の一層の推進を図っていかなければなりません。そのため、人材養成と研究の両面で国際的に通用する大学を目指し、大学審議会及び学術審議会における審議を踏まえつつ、大学改革を進めるとともに、学術研究振興の総合的な展開を図るため、研究費の充実、科学技術庁等との連携の強化、産学官の連携の推進などの諸施策の充実に努めてまいります。  これらの課題を中心に、国民の皆様の幅広い御理解と御協力を得ながら、教育改革の着実な推進に引き続き努力してまいる決意でありますが、以下、文教各般にわたる主要な課題について、私の基本的な考えを申し述べます。  今日、人々がいつでも自由に好きなことを学ぶことができ、学歴によらずに、生涯の各時期において行ったさまざまな学習の成果がきちんと評価されるような生涯学習社会を築いていくことは極めて重要です。このため、大学への社会人受け入れの促進や専修学校教育の充実を図るとともに、昨年一月から全国放送を開始した放送大学や教育情報通信ネットワークシステムを活用した多様な学習機会の充実に努めてまいります。  また、年々進みつつある少子化は、我が国の社会経済に大きな影響を及ぼすものであり、子供を産み育てることに夢を持てる社会をつくっていくための積極的な取り組みが求められております。中央教育審議会においても、少子化と教育について検討が行われているところであり、文部省としても、少子化に対応した関係施策の推進に努めてまいります。  平成十四年度から実施される完全学校週五日制のもと、ゆとりの中で、子供たちが基礎、基本をしっかりと身につけるとともに、みずから考え、問題を解決していく力を養うことが重要であります。昨年十二月、教育内容の厳選、選択学習の幅の拡大、総合的な学習の時間の創設などを盛り込んだ新しい小中学校の学習指導要領を告示し、高等学校及び特殊教育諸学校についても本年度内に告示することとしておりますが、今後、その趣旨の実現のため、広く周知に努めるとともに、円滑な実施に向けての諸条件の整備に取り組んでまいります。  また、環境や科学技術に関する学習を推進するとともに、高度情報通信社会の進展に対応するため、学校における教育用コンピューターの整備やインターネットへの接続などを計画的に進め、情報教育の積極的な推進を図ってまいります。  さらに、子供たちの個性を伸ばし多様な教育を実施するため、平成十一年度から選択的に導入されることとなった中高一貫教育について、今後、各地方公共団体等における取り組みを支援し、その実施を推進するとともに、総合学科など特色ある高等学校の設置や、選抜方法の多様化や選抜尺度の多元化の観点からの高等学校入学者選抜の改善等を進めてまいります。  加えて、教育諸条件の整備のため、個に応じたきめ細かな指導を行うチームティーチングの導入などの教職員配置の改善、耐震性の向上や環境を考慮したエコスクールの整備など学校施設の充実を図るとともに、義務教育教科書無償給与制度を堅持してまいります。さらに、教員の資質能力の向上のため、教職重視、得意分野づくりの方向で改善した新しい教員養成カリキュラムの定着を図るとともに、特別非常勤講師制度等により、すぐれた社会人を学校教育に積極的に活用してまいります。  教育改革を真に実現するためには、教育条件の整備などに関し、国がその役割を果たすとともに、各学校や地域においてその特色を生かした創意工夫にあふれる取り組みを進めていくことが大切です。このため、地方分権を一層推進する観点から、新たな国、都道府県、市町村の連携協力体制をつくり上げ、教育委員会が地域の教育力の向上と地域の振興に主体的かつ積極的に寄与していくとともに、各学校が、保護者や地域住民の期待にこたえ、自主性、自律性を確立し、特色を生かした多様な教育を推進することが必要です。  このため、昨年九月の中央教育審議会の答申を踏まえ、地方教育行政のあり方の見直しに取り組み、関係法律の改正を今国会にお願いするとともに、学校運営組織の見直しなど必要な制度改正や運用の改善に取り組んでまいります。  大学の教育研究の質の飛躍的向上を図り、国際的に評価される大学をつくる観点から、昨年十月の大学審議会答申で示された、課題探求能力の育成を目指した教育研究の質の向上、教育研究システムの柔構造化による大学の自律性の確保、責任ある意思決定と実行を目指した組織運営体制の整備、第三者評価を含む多元的な評価システムの確立による大学の個性化と教育研究の不断の改善の四つの基本理念に沿った総合的かつ具体的な方策を実現するため、今国会に関係法律の改正をお願いするなど、抜本的で大胆な大学改革に全力で取り組んでまいります。  また、高等学校と大学それぞれの役割分担を明確にし、その上で初等中等教育と高等教育を見通した教育のあり方を考えることが重要であることから、昨年十一月、中央教育審議会に対して、初等中等教育と高等教育との接続の改善について諮問したところであり、高等学校と大学との教育の連携のあり方や両者の接続を重視した大学入学者選抜の改善について御審議いただき、諮問時から一年程度を目途に意見を取りまとめていただきたいと考えております。  私立学校につきましては、私立学校振興助成法の趣旨にのっとり、教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減などを図るため、教育改革の推進や学術研究基盤の強化に配慮しつつ、私学助成の充実に努めてまいります。  奨学金については、学生が自立して学べるよう、有利子奨学金について、貸与人員の倍増及び貸与月額の選択制の導入など抜本的な拡充を図るとともに、無利子奨学金についても、貸与月額の増額などさらに充実を図ることとしております。  また、雇用情勢が一段と厳しさを増している中、学生生徒の就職指導の充実について引き続き最大限努力してまいります。  学術研究の振興は、人類の知的共有財産を生み出す未来への先行投資であり、特に、研究費の拡充、若手研究者の養成確保等に努めてまいりますが、中でも科学研究費補助金については、審査、評価の充実や研究者へのよりきめ細かなサービスの向上を図るため、平成十一年度から審査配分事務の一部を日本学術振興会に移管するための関係法律の改正をお願いすることとしております。  また、老朽・狭隘化が指摘されている研究施設設備の改善充実や学術情報基盤の整備、産学官の連携協力による独創的な研究の一層の推進、研究評価体制の整備など、総合的な施策の推進に努めてまいります。  さらに、情報研究や地球環境科学の重点的な推進を図るとともに、生命科学、宇宙科学などの基礎研究を着実に推進します。  今後の学術研究の推進のあり方については、科学技術基本計画はもとより、行政改革や大学改革など学術研究を取り巻く状況の変化を踏まえて学術審議会で御審議いただいており、本年夏ごろまでに答申をいただく予定です。それを踏まえて、学術研究振興の一層の推進に努めてまいります。  スポーツは、心と体の健全な発達を促すとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものです。また、心身ともに健康的な生活を送るためには、みずからの健康問題を認識し、健康の保持増進を図っていくことが不可欠であります。  このため、学校教育において、生涯にわたりスポーツに親しむための資質能力を育成するとともに、総合型地域スポーツクラブの育成定着などの環境整備を図ります。  また、児童生徒の薬物乱用、生活習慣病の兆候などの新たな課題に適切に対応するため、健康教育の推進を図るとともに、学校給食における衛生管理等についても充実してまいります。  我が国では、今後、二〇〇二年ワールドカップサッカー大会の開催が予定されるとともに、大阪市が二〇〇八年夏季オリンピックの国内候補都市として決定されており、こうした大会の招致、開催への可能な限りの支援を行うとともに、我が国の国際競技力の一層の向上を図ります。  なお、スポーツ振興のための安定した財源の確保に資することを目的としたスポーツ振興投票制度が、明るく健全な制度として円滑に実施できるよう努力してまいります。  今後、我が国が心豊かで活力ある社会を形成していくためには、文化を重視した国づくりを行い、文化立国を実現していくことが必要であります。  このため、文化立国実現の基本的指針である文化振興マスタープランに基づき、文化行政機能をより充実させ、芸術創造活動の活性化、文化財の保護を初めとする伝統文化の継承・発展、地域における子供の文化活動の推進、文化を支える人材の養成確保、文化発信のための基盤整備等に積極的に取り組み、文化の一層の振興を図ります。  さらに、著作権制度については、急速なデジタル化、ネットワーク化への対応が重要であり、国際的動向を踏まえつつ、著作権制度や権利処理体制の整備を進めてまいります。  また、昨年新たに創設された登録美術品制度の普及活用に努めるとともに、宗教法人制度につきましては、信教の自由に配慮し、今後とも円滑な宗務行政の実施に努めてまいります。  国際化に対応し、教育、学術、文化、スポーツの一層の発展と国際貢献を図るため、留学生交流の積極的な推進を図るとともに、海外子女教育、帰国子女教育や外国人子女教育の充実、教職員・研究者交流や国際共同研究の充実、我が国のすぐれた文化の積極的な海外発信、海外の貴重な文化財の保存修復への国際協力などに努めてまいります。  さらに、ユネスコ、OECD等の国際機関を通じた協力や途上国への教育・学術協力を推進するとともに、語学指導を行う外国青年招致事業等による外国語教育の一層の充実を図ってまいります。  昨年六月に成立した中央省庁等改革基本法を受けて、平成十三年一月を目途に文部省と科学技術庁が統合され、新たな省が創設されます。今後、中央省庁等改革に係る大綱に基づき所要の準備を進めることとされておりますが、このたび、私が文部大臣と科学技術庁長官を兼務することを機に、一層科学技術庁との密接な連携協力に努め、新省への移行が円滑に行われ、新しい世紀における教育、学術、科学技術、スポーツ、文化に関する行政が、時代の要請に的確に対応し、ますます充実していくよう努力してまいりたいと考えております。  以上、文教行政を担当する者として、私の所信を申し述べました。  さきにも申し上げましたとおり、教育改革は国政上の最重要課題の一つであり、最大限の努力が要求されるものであります。私どもといたしましても、できる限り力を尽くしてまいりたいと考えておりますが、委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜るようにお願いをいたします。  ありがとうございました。

小川元自由民主党

○小川委員長 次に、平成十一年度文部省所管予算の概要につきまして説明を聴取いたします。森田文部政務次官。

森田健作文部政務次官

○森田(健)政府委員 おはようございます。  平成十一年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  教育は、国家百年の大計であります。目前に迫った二十一世紀に向けて、我が国が創造的で活力に富む国家として発展していくためには、教育改革を積極的に推進するとともに、我が国の発展基盤となる人材育成、学術研究などを重点的に推進していくことが極めて重要であります。  このため、平成十一年度予算の編成に当たりましては、厳しい財政状況のもとではありますが、教育改革の着実な推進に配慮しつつ、子供たちにゆとりの中で生きる力をはぐくむことを目指した心の教育の充実、未来の我が国を支える人材の育成、学術、文化、スポーツの振興など、大きな時代の変化に柔軟かつ的確に対応する文教施策を積極的に推進することができる予算の確保に努めたところであります。  文部省所管の一般会計予算額は五兆八千七百六億七千九百万円、国立学校特別会計予算額は二兆七千二百六十億七千二百万円となっております。  以下、平成十一年度予算における主要な事項について御説明申し上げます。  第一は、生涯学習の振興として、平成十四年度の完全学校週五日制の実施に向けて、子供の地域活動の振興や子育てに夢を持てる家庭教育の支援を図る全国子どもプランの推進及び全国どこでも学べる放送大学の充実等を図ることとしております。  第二は、豊かな人間性や創造性をはぐくむための初等中等教育の充実についてであります。  教職員配置改善計画を平成十二年度完成に向けて着実に実施するとともに、ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを目指した新しい教育課程の円滑な実施に向けての諸条件の整備を初め、中等教育の多様化を促進するための中高一貫教育推進事業の拡充に努めます。  また、子供たちの問題行動に適切に対処するためのスクールカウンセラーの拡充や心の教室相談員の配置などの調査研究の充実、特に不登校問題対応として、不登校児童生徒の適応指導のための調査研究を実施することとしております。  さらに、教員の資質向上、社会人の活用や小学校の専科指導の充実のための非常勤講師の配置、公立学校施設の耐震・防災機能の充実強化、心の教室の整備、学校給食における衛生管理の徹底及び薬物乱用防止五か年戦略の推進等に積極的に取り組むこととしております。  第三は、私学助成について、教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減などを図るため、学術研究基盤の強化や教育改革の推進に配慮しつつ、経常費補助を中心に、引き続き社会的要請の強い特色ある教育研究プロジェクトに対する助成重視の観点に立って充実を図ることとしております。  第四は、大学改革の推進や高等教育の高度化等の要請にこたえるため、国立大学における組織運営体制の整備や大学院の教育研究の高度化、多様化を図ることとしております。  また、育英奨学事業については、学生が自立して学べるよう、有利子奨学金を抜本的に拡充する等の充実を図ることとしております。  第五は、人類の知的共有財産を生み出すとともに、社会発展の基盤を形成する学術の振興として、科学研究費補助金の拡充やポストドクター等一万人支援計画の推進及び地球環境や情報などの今日的な重要課題に関する研究の推進等に努めることとしております。  第六は、ゆとりある質の高いスポーツの振興として、広域スポーツセンター育成モデル事業など地域における生涯スポーツの推進を図るとともに、我が国の選手がオリンピック競技大会など国際競技大会において優秀な成績をおさめるための競技力向上事業の充実等を図ることとしております。  第七は、文化の振興について、文化立国の実現を目指し、アーツプラン21や地域こども文化プランなど芸術の創造・こどもの文化活動の推進、文化財の次世代への継承・発展、新たな文化拠点の整備など、文化発信のための基盤整備等を図ることとしております。  第八は、教育、学術、文化、スポーツの国際交流・協力の推進についてであります。  留学生交流、ユネスコ等国際機関を通じた教育協力事業、諸外国との研究者交流や共同研究、文化・文化財の国際交流、日・中スポーツ交流事業など、各般の施策の推進を図ることとしております。  第九は、情報化への対応として、学校におけるインターネットや衛星通信等を活用した情報教育の一層の推進、文教行政各分野における情報通信ネットワーク環境の整備の推進等に努めることとしております。  以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。  なお、その具体の内容については、お手元に資料を配付してありますので、説明を省略させていただきたいと存じます。  ありがとうございました。

小川元自由民主党

○小川委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、明十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十六分散会

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