農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1999/02/09
会議録
○穂積委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の実情を調査し、その振興を図るため 農林水産業の振興に関する事項 農林水産物に関する事項 農林水産業団体に関する事項 農林水産金融に関する事項 及び 農林漁業災害補償制度に関する事項 について、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○穂積委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○穂積委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、中川農林水産大臣から、農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣中川昭一君。
○中川国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し述べます。 農林水産業、農山漁村は、国民の安全で快適な生活の基盤であります。加えて、昨今、ゆとり、安らぎといった価値が重視される中で、国民は、農林水産業や農山漁村に対し、新たな期待を寄せています。こうした期待に的確にこたえていくことが重要であり、国民あっての農林水産業、農山漁村、農林水産業と農山漁村あっての国民との信念のもとに、各般の施策を積極的に展開してまいります。 まず、農業施策について申し上げます。 農政の改革につきましては、昨年九月、食料・農業・農村基本問題調査会から内閣総理大臣に対して答申が提出されました。本答申を踏まえ、昨年十二月、農政改革大綱を取りまとめたところであり、今後、本大綱に沿って、現行農業基本法に基づく農政を抜本的に改革し、我が国農業・農村の持続的発展を目指して政策を再構築します。新たな基本法案を本国会に提出するとともに、中長期的展望のもとに、以下の施策を着実に推進します。 第一は、国内農業生産を基本とした食料の安定供給を確保することです。 国内農業生産の維持、増大のため、需要の動向に即し、生産性の向上、適地適産等を図ります。また、関係者の努力喚起及び政策推進の指針として食料自給率の目標を策定することとし、必要な作業を進めます。さらに、世界の食料需給の安定のため、国際協力の強化を図ります。 第二は、消費者の視点を重視した政策を構築することです。 食生活における安全性、品質の確保と食品の表示・規格制度の改善強化を図ります。また、食品産業の経営体質の強化、食品流通の効率化に努めます。 第三は、農地、水等の生産基盤を確保、整備することです。 優良農地の確保と有効利用を図り、地域の条件に即した農業生産基盤の整備を進めます。 第四は、担い手の確保、育成です。 幅広い人材の確保と育成に努めるとともに、地域の実情に即し、法人経営を含め足腰の強い経営展開を図ります。農業生産法人の一形態としての株式会社の導入については、さまざまな懸念を払拭する措置等の具体化に取り組みます。 第五は、農業経営の安定と発展に向けた支援を行うことです。 農産物の価格に需要の動向や品質評価が適切に反映されるよう、価格政策全般を見直します。また、これとあわせ、価格低落時における意欲ある担い手の経営への影響を緩和するため、所得確保対策の導入に向けた取り組みを進めます。さらに、経営全般にわたる支援策を体系的に整備し、意欲ある担い手への施策の集中を図ります。 第六は、技術の開発・普及を推進することです。 技術開発を重点化するとともに、普及事業の効率的かつ効果的な運営を図ります。 第七は、農業の自然循環機能の発揮を図ることです。 農業が本来有する自然循環機能を十分に発揮するため、望ましい農業生産方式への転換、家畜排せつ物の適切な管理、有機性資源の循環利用の促進を図ります。 第八は、農業・農村の有する多面的機能の発揮を図ることです。 農業・農村の有する多面的機能が十分に発揮されるよう、計画的な土地利用の確保、生産基盤と生活基盤とが一体となった農村の整備に努めるとともに、中山間地域等における直接支払いの実現に向け、取り組みます。 次に、WTO農業交渉に向けた取り組みについて申し上げます。 米についての関税化の特例措置の取り扱いにつきましては、本年四月から関税措置へ切りかえることとしました。これは我が国の国益にとっての最善の選択であると同時に、来年に開始される次期WTO農業交渉において、我が国農業・農村の発展のための確かな成果を獲得するための出発点でもあります。関係者が一体となって、揺るぎない、国民合意の交渉方針を早期に確立する考えです。 なお、国産米の需給と価格の安定を図るため、引き続き生産調整を着実に推進します。 次に、森林・林業施策について申し上げます。 森林は、水と緑の源泉であり、特に、昨年豪雨災害が多発し、国民生活に多大な影響を及ぼしたことから、森林の国土保全に果たす役割の大きさが再認識されました。このため、森林の持つ公益的機能の高度発揮を念頭に置き、森林・林業施策の積極的な展開に努めます。 国有林野事業につきましては、昨年十月に成立した関連法等に基づき、木材生産機能重視から公益的機能重視への管理経営の転換、組織・要員の徹底した合理化・縮減、一般会計繰り入れを前提とした特別会計制度への移行、累積債務の本格的な処理を柱とした抜本的な改革を着実に推進します。 また、地域の実情に応じた多様な森林の整備、間伐の適切な推進、木材利用の拡大及び木材産業の振興等を図ります。さらに、近年の森林・林業をめぐる状況に適切に対処し、森林を、安全で豊かな国土の形成に欠くことのできない国民共通の財産として次の世代に確実に引き継ぐため、森林・林業の基本政策のあり方の検討を急ぎます。 次に、水産業施策について申し上げます。 昨年、韓国との間において新たな漁業協定の署名がなされ、さきの臨時国会において関連国内法とともに御承認をいただきました。その後、協定は一月二十二日に発効し、また、本年の排他的経済水域の操業条件についても先般合意を見るに至りました。今後、新しい操業秩序の早期確立に努めるとともに、実効ある取り締まりに万全を期してまいります。 また、国連海洋法条約の締結に伴う漁獲可能量制度の導入等により、我が国水産業は新たな段階を迎えています。このため、沿岸漁業等振興法にかわる新たな基本法の制定も念頭に置きつつ、今後の水産基本政策のあり方の検討を急ぎます。 このほか、漁業経営の体質強化、消費者ニーズに対応した水産物の供給体制の整備、環境に配慮した増養殖の推進、的確な資源管理の推進、漁協の経営基盤の強化、漁業生産基盤及び漁村生活環境の整備等に取り組みます。 なお、今後の農林水産省の組織のあり方につきましては、中央省庁等改革に係る大綱を踏まえ、新たな農林水産施策の展開に十分対応できるよう、必要な見直しを行います。 以上のような農林水産施策を展開するため、平成十一年度の農林水産予算の編成に際しましては、十分に意を用いました。現行農業基本法にかわる新たな基本法を初め、施策の展開に必要な法制の整備につきましては、今後御審議をよろしくお願いいたします。 以上、所信の一端を申し上げました。 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。 よろしくお願いをいたします。(拍手)
○穂積委員長 次に、平成十一年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。農林水産政務次官松下忠洋君。
○松下政府委員 平成十一年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 平成十一年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係省庁計上分を含めて、三兆四千五十六億円となっています。その内訳は、公共事業費が一兆七千五百八十八億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆三千七百八十一億円、主要食糧関係費が二千六百八十七億円となっております。 平成十一年度の農林水産予算については、農山漁村地域を中心とする地方経済の活性化、再生を図るとともに、二十一世紀に向けて強固な食料供給基盤や、緑豊かで暮らしやすい国土、地域の形成を図るために必要な予算を計上いたしました。特に、農業については、農政改革大綱に沿って、新しい食料・農業・農村政策を推進する観点から、所要の予算を計上しております。 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。 第一は、農業の経営体質の強化であります。 技術革新等に対応した機動的な経営展開を促進するため、リース方式による機械の円滑な導入を支援する事業を創設するなど、農業生産の中核となる担い手農家へ施策を集中するとともに、農業生産基盤の整備を担い手の育成に資する事業に重点を置いて着実に推進します。 また、環境と調和した持続性の高い農業の展開を図るため、土づくりを基本として肥料や農薬の節減を図る農業の生産方式への転換を促進するとともに、家畜排せつ物処理対策の強化等によって、資源循環型の畜産経営の確立を図ります。 さらに、昨年五月に策定されました新たな麦政策大綱に即しまして、麦作農家及び麦関連産業の将来展望を切り開いていくため、麦・大豆の研究開発及び生産・加工対策を抜本的に強化します。 このほか、イネ・ゲノムの有用遺伝子の機能の解明等農林水産関連分野の技術開発を推進するとともに、担い手への技術・経営の普及指導の強化を図ります。 第二は、農山漁村地域の活性化であります。 地域の担い手の確保、豊かな環境の保全等に重点を置いた新山村振興等農林漁業特別対策事業の創設、中山間地域における新規作物の導入等を支援するための基金造成等により、中山間地域活性化対策を充実いたします。 また、二十一世紀に向けた活力ある農山漁村づくりを行うため、集落排水等の生活環境施設の整備を重点的に推進するとともに、地域の特色を生かした田園空間の形成、農山漁村の高度情報化等を推進いたします。 さらに、農協におけるホームヘルパーの能力高度化等により農村高齢者対策を強化するほか、グリーンツーリズムの一層の推進や鳥獣害対策の拡充を図ります。 第三は、安全、良質な食料供給体制等の整備です。 食生活における安全性の確保を図るため、内分泌攪乱物質の総合的調査研究等を推進いたします。また、食品産業の経営体質強化と食品流通の効率化を図るため、食品加工産業の再編整備、卸売市場のネットワーク化等を推進いたします。 さらに、国際的な食料安定供給の支援・確保策を強化するため、緊急食糧支援のための新たな仕組みを整備するとともに、海外情報の収集・分析体制の強化を図ります。 第四は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。 農業生産基盤の整備等に要する経費として公共事業に七百十億円、経営近代化施設整備や農地流動化対策等に要する経費として非公共事業に七百二十七億円、合計千四百三十七億円を計上し、引き続き着実な推進を図ってまいります。 第五は、緑豊かな森林・山村の整備と林業・木材産業の活性化であります。 国有林野事業の抜本的な改革を着実に推進するため、国有林野事業特別会計が負担する債務の利子補給、公益林の適切な管理等に必要な経費についての一般会計繰り入れを増額します。 また、森林の造成・整備と木材の有効利用を通じて地球温暖化防止対策を推進するため、無立木地等における新規造林の緊急実施、放置間伐材等の適切な処理、国民参加による森林整備の推進等に必要な施策を充実してまいります。 さらに、木材産業の体質強化、木材需要の拡大等の施策を推進するほか、森林の防災機能の強化対策等を実施してまいります。 第六は、新海洋秩序下における漁業経営の体質強化とつくり育てる漁業の推進です。 漁業経営環境の変化に対応した経営対策を進めるための長期低利資金の創設を初めとして、漁業経営対策の強化を図ります。 また、環境に配慮した持続的な増養殖の推進等資源の適正な管理とつくり育てる漁業の一層の充実を図ります。 さらに、流通・加工・消費対策を強化するとともに、漁港等の漁業生産基盤や漁村の生活環境の整備を着実に推進してまいります。 次に、特別会計については、食糧管理特別会計について一般会計から調整勘定等へ所要額を繰り入れるとともに、その他の特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額四千百八十四億円を予定しております。 以上、平成十一年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○穂積委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十九分散会