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145回国会衆議院1999/08/04

国会等の移転に関する特別委員会 第14号

発言数
14
登壇者
6
会派数
1
開催日
1999/08/04

会議録

井上一成自由党

○井上委員長 これより会議を開きます。  国会等の移転に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として社団法人日本青年会議所関東地区協議会会長佐藤栄一君、連合石川総合生活開発研究センター専務理事宮本一二君、株式会社インターアクトジャパン代表取締役帯野久美子さん、造形作家・アートプロデューサー夢童由里子さん及び東京都立大学名誉教授石田頼房君に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。  次に、議事の順序ですが、まず各参考人から七分程度御意見をお述べいただき、その後、懇談形式で委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることになっております。御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、佐藤参考人にお願いいたします。

佐藤栄一社団法人日本青年会議所関東地区協議会会長

○佐藤参考人 社団法人日本青年会議所関東地区担当常任理事、関東地区協議会会長の佐藤栄一でございます。  本日は、大変名誉ある参考人としての出席をさせていただきまして、まことにありがとうございます。心から感謝を申し上げる次第でございます。  我々青年会議所は、社団法人日本青年会議所を連絡調整機関といたしまして、北は北海道から南は沖縄までを十地区に分け、それぞれの地区を基本的に県別に分けた五十ブロックから成る団体でございます。その青年会議所数は七百五十青年会議所になり、メンバー数も六万人になります。  私は、関東地区担当の常任理事でございますが、北東地域に立った意見を述べさせていただきたいと思います。  我々青年会議所は、明るい豊かな社会づくりを目指しつつ、近年は特に地域主権型の町づくりを念頭に運動をしてまいりました。そうした地域主権の社会づくりを目指した中で、首都機能移転は必要不可欠であり、これは他の候補地のJCとも一致するところであります。国会等の移転は、二十一世紀の幕あけとともにこの国の形を新体制へと移行する極めて意義深い国家事業でもあります。  東京一極集中を是正し、国の災害対応能力を強化するという東京問題の解決という観点からだけではなく、地方分権、規制緩和などの国政全般の改革の推進、あるいは政治首都と経済首都を分離することによって日本の二十一世紀にふさわしい経済システムを構築するという観点からも、最優先で取り組むべき政治課題であります。  さらには、現在の日本を覆う閉塞状況を打破し、国民が新しい時代の到来を意識して政治、経済、文化を一新する上でも大変重要な歴史的プロジェクトになるはずであります。  これまで我が国は、ほぼ四百年ごとに首都機能を移し、時代の変化に対応した政治行政制度を整えてまいりました。来年は折しも関ヶ原以来の、ちょうどその四百年目になります。国会移転は、いわば歴史的必然的な事業であります。  それでは、JCとして、首都機能移転の必要を述べさせていただきたいと思います。  まず、日本国としての顔をつくる必要があるかと思います。すなわち、自国民だけではなく外国人にも理解できる日本のアイデンティティーがこの国には今必要ではないでしょうか。この国家プロジェクトにより、顔の見えない国というイメージを払拭し、今後グローバルスタンダードの波によって一様に標準化されてしまうだろう日本が、このアイデンティティーの確立によって顔の見える日本として世界に認知をされるはずです。  また、国会を移転しても経済の中心は依然として東京にあることには違いはないわけで、むしろ、経済の中枢と政治行政の中枢を適度の距離に離すことによって、アメリカのワシントンとニューヨークのように両都市の間に緊張状態をつくり出して相互作用を生み出すことが日本の再活性化につながるはずであります。  当然のことながら、東京から首都機能が移転をすれば、今まで東京に負担をさせていた部分が新首都機能地の方に分散をされ、それにより地方分権が促進をされ、それは新首都機能地からドミノ倒しのように日本全土に推進されるはずであります。それこそが自立と共生、連携による二十一世紀のコミュニティーづくりの土台になり、個性あふれる町づくりに寄与するものと考えております。  以上、首都機能移転の大前提とその必要性を述べさせていただきましたが、これからは北東地域としてのその優位性を述べさせていただきたいと思います。  北東地域は、自然環境の豊かさや自然災害の少なさでは他の二候補地よりも明らかに優位性を持っております。また、日本全体の有史以来の開発の歴史を見ても、東京以西よりも以北の方が開発がおくれているのも事実であります。国土の均衡ある発展のためにも北東地域が選定されるべきであると考えます。  しかし、北東地域に仮に決まらなくとも、我々は国会等の移転という国家プロジェクトに対しては全面的に協力をしていく所存でもありますし、そうした態勢にもあります。また、北東地域が選定された際は、地域内のすべての県が協力し合って最終候補地をスムーズに決定していく準備と心構えでおります。  最後になりますが、冒頭でも述べさせていただきましたように、国会移転は二十一世紀の国の形を決める大国家プロジェクトであります。言いかえれば、今必要とされている変革に一致するのではないでしょうか。この変革は過去にもございました。明治維新、戦後の復興でもあります。いわばこれは革命であり、その原動力になったのは我々と同世代の青年でありました。平均寿命から考えても現代の三十代、四十代であり、いわゆる我々責任世代と言っても過言ではないかと思います。  国を考え、そして真剣にそれを行動に移すということがこの二十一世紀の新しい国づくりの土台となるのであれば、我々青年としてのその責務というものは大変重大であるかと思います。  しかしながら、今の日本国を考えると、幕末、明治維新といった時代と比べても大変平和であります。いわゆる平和ぼけをしていると言っても過言ではないかと思いますが、三度の飯にも困るとか、あるいは身分制度が現在あるとか、そういったこともありません。  そうした緊迫をしていない状況の中で我々青年がいかに行動を起こしていくか、そして日本国の中で中枢となって、そして牽引車となってこの国の形づくりをしていくためには、やはり一つの起爆剤が必要かと思います。いわゆる気づきと言ってもいいかと思います。それがこの国家プロジェクト、国会等の移転に私はつながると思います。  この国の形をつくっていく上でも、あるいは責任世代の人間たちを奮い立たせる上でも、ぜひこの国家プロジェクトを推進し、そして速やかに移行できますことを心からお願いを申し上げたいと思います。  いろいろとお話をさせていただきましたが、以上で、私、佐藤栄一の意見とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

井上一成自由党

○井上委員長 ありがとうございました。  次に、宮本参考人にお願いいたします。

宮本一二連合石川総合生活開発研究センター専務理事

○宮本参考人 おはようございます。石川県金沢の宮本一二でございます。  本日は、こういった大変貴重な時間をいただきましたこと、心から厚く御礼申し上げます。ただ、若干戸惑いもしているわけでありまして、実は委員の方から、ぜひとも地方の人間としてこの問題をどう考えているのか率直に言ってほしいというような話がございましたが、ずばり言って、私の方は余り関心がないというのが実は率直な意見でありまして、私だけではなくて、実はここに来る前に、石川県、それから福井県、富山県、新潟の方々、全部で十八名の方に聞いてみたわけでありますけれども、同じような意見であったわけでありまして、そういった意味から申し上げれば、少なくとも北陸四県の多くの方々がこの問題、こういった意見を持って、私と同じような気持ちを持っているんじゃないかなということであります。  きのうも実は、石川県の方の地元新聞の方に、国民的関心が低過ぎるということを憂慮いたしまして、首都機能移転の世論盛り上げに向けて、四議連が結束という見出しがあったわけでありますけれども、多分、国会の皆さん方と候補地の方々と我々の方はかなり温度差があるんじゃないかなということを、今改めて私自身は痛感をしているわけであります。  ただ、せっかくの機会でありますので、きょうは率直に思っていることを述べさせていただきたいというふうに思っております。  実は、この委員会に出る前にいろいろな資料をいただきまして、そういった資料を読ませていただきました。そういった中に、平成二年十二月に内閣総理大臣のもとに設置されました首都機能移転を考える有識者会議というものがございまして、その中に実は、移転の理由というのは、二十一世紀における人心の一新の好機であり、今後の政治行政改革の大きな契機と位置づける必要があると書いてあります。また、平成七年十二月の国会等移転調査報告におきましても、首都機能移転の意義と効果につきまして、そのトップに実は、規制緩和、地方分権など国政全般の改革の契機というふうに書いてあるわけでありまして、そしてまた、政治行政と経済の分離を行っていくべきだというふうにうたっておりまして、私は大変賛同したわけであります。  ぜひとも、二十一世紀に向けたこの問題というのが国政全般の大きな改革につながっていくということを期待しておりますけれども、どうも最近は、候補地がどこであるかということのみの方に話題が行っておりまして、少し私自身は不満があるわけであります。問題なのは、新しい皮袋をどこに持ってくるとか、あるいはどういった形にするとかということではなくて、ある面では、何を一体中に入れてくるのかということの方が私は大きな意味があるというふうに思っております。  私自身は、ぜひとも地方分権を推進してほしいという立場があるわけであります。少し耳が痛いと思っておりますけれども、先般の地方分権整備法なども、かなり権限の移譲がありますけれども財源の方の移譲は極めて少ないという問題、また、一府十二省庁の問題につきましても、何となく形だけだというようなイメージを持っておりますし、今の衆議院における定数の見直しの問題も、恐縮でありますけれども、政党間の駆け引きだというようなイメージを持っているわけでありまして、そういった意味から申し上げれば、ぜひとも本格的な地方分権とかあるいは中央省庁の改革、そしてまた立法府の改革という点から申し上げれば、まだまだ不十分だというふうに私自身は思っているわけであります。  今ほどお話がありましたとおり、どうも日本という国は、大きな外圧があって初めて大事業を行っていくということがあるわけでありますけれども、今回のこの国会等の移転の問題というのは、ある面で戦後最大の国家事業であります。したがって、さっきも言ったとおり、まさに人心の一新の絶好の機会であるというふうに私自身は思っておりますので、ぜひとも大胆な改革というものをお願いしたいというふうに思っております。  多分、この問題に絡みましては、これから地方における道州制の問題とか、あるいはまた中央官庁の見直しの問題等々、私自身は、中央官庁というのは、もう既に多くの方が言っておりますけれども、例えば外交の問題とか安保の問題とか国民年金のような社会保障全体にかかわってくる問題等々を論議するというふうに、これはもう限定をしてもいいんじゃないかというふうに思っておりますし、同じく、そうなってくれば、国会の役割というのもやはり、今の現段階におきましては何となく地域の代表的なイメージがありますけれども、そうではなくて、まさに国がどのような方向に進んでいくのか、そのことを論議する場所として、国会の方はぜひとも新しい形を持ってほしいなと思っております。  そうすれば、多分、今の衆参の議員の定数の方も半分以下で私は終わってくると思っておりますし、行政の縮小あるいは立法府の縮小によって、多分、つくっていきます首都圏の移転の方も、かなり大きな削減ができるんじゃないかなというふうに私自身は思っているわけであります。  それからもう一点、今回の移転の問題の中で、東京の方には経済と文化の中心を置くんですというふうに聞いているわけでありますけれども、今言ったとおり、形だけの例えば行政改革あるいは立法府の改革を行っていきますと、確かに今、情報通信事業が発達をしておりますけれども、経済との分離がうまくいかなくなってしまいまして、最終的には今と同じような、政治も経済も、そしてまた行政の方もまとまってしまった第二の新しい東京ができる可能性が私はあるというふうに思っておりますので、ぜひとも経済との切り離しを行っていただきたいというふうに思っております。  もう一点は、実はこの国会等移転の問題の中で、東京の方に非常に災害の可能性があるんだ、したがってこれは移転をしなくてはいけないという論理があるわけでありますけれども、国会等移転をした、その防災は盤石であった、しかしながら、今、約一億二千万の国民の中で三千万人でありますから、四分の一を占めておりますこの東京圏の方の防災をどうするのか、ここも私は大変大きな問題だというふうに思っておりますので、このところも、移転に伴いましては十分に考慮した中での判断をお願いしたいなというふうに思っております。  この首都圏の移転の問題、多分、経費的には十兆円規模というふうに私自身は聞いているわけでありますけれども、地方の人間からいたしますと、実は今、非常に労使とも苦しんでいるのが現状であります。非常に厳しい今の経済情勢の中におきまして、どうすれば自分たちの企業がよくなっていくのか、それを労使ともに今考えているという現状があるわけでありまして、そういった、我々が納得できるような首都の移転というのをぜひとも考えていただきたいなというふうに思っているわけであります。  我々自身が納得した、そして単に二十一世紀だけでなくて二十二世紀をにらんだような、そういった首都圏の移転というものを考えていく中におきましては、ある面では、今言ったとおり、皆さん方が多分血を流さなくてはいけない、そういった決意というものを私自身はぜひともお示し願いたいというふうに思っております。そうすれば、国民の多くの方々も、さっき私、冒頭に地方の方は余り関心がないと言いましたけれども、国も一生懸命頑張っている、この首都圏移転を契機にしていきながら、相当これは大きな改革をやっていくんだなということが目に見えてくれば、我々自身も大いにこれは賛成をしたいというふうに思っております。  以上、少し耳の痛い話をいたしましたけれども、地方に住んでおります人間といたしまして、ぜひとも、繰り返しますけれども、大きな覚悟で、血を流す覚悟でこの問題を御論議していただきますよう心からお願いを申し上げまして、私の方の意見とかえます。ありがとうございました。(拍手)

井上一成自由党

○井上委員長 ありがとうございました。  次に、帯野参考人にお願いいたします。

帯野久美子株式会社インターアクトジャパン代表取締役

○帯野参考人 大阪から参りました帯野でございます。  国会というところ、きょう初めて参りまして、大変緊張しております。ましてや意見陳述なんということになりますと、もう伺ったときから今まで足の方が震えっ放しで、そんな私でいいのかなと思いますが、恐らくこれが国民が国会に対して抱いている平均的な距離感かなとも思いますので、きょうは一人の国民というか一庶民として、自分の素直に感じていることをお話ししたいと思って参りました。  まず、私がきょう国会で、委員会で首都機能の問題について話をするのよと申しますと、関係者の方から、帯野さん、せっかく国会に行くなら一言畿央のことを話してきてよという人たちがたくさんおりました。もちろん、人に言われるまでもなく、私も一関西人として、少しでも自分の近いところに首都が来てもらいたいものだと思っておりますし、また、国土の均衡ある発展、特に経済の発展を思いますと、東京、大阪というこの大きな二つのマーケットの間に首都機能を移されるのが一番自然な形ではないかなと考えております。  ただ、その前に一言申し上げたいのが、この問題に関しましては、ここにおられる先生方と国民の間に大きな意識の隔たりがあると思います。先ほど申し上げたのは関係者でありまして、一般の国民は、この問題に対して、知らない人がたくさんおります。私の社員も知りません。私の家族も親戚も、私がお世話になった学校の先生方も、この問題については知りません。知らないというよりも、どこかにこういう問題があるのは知っているんだけれども、どんなところで進められているのかがいまいち関心を持っていないというところが本当であると思います。私が、この秋に候補地が決定されるのよと申しますと、まあそんなこと国も本気でやっていないよといういわば疑心暗鬼の人たちと、あとは、本当にそんなことが進められているのという全く知らない人たちでありまして、この意識の低さというのは私は大きな問題だと思います。  なぜなんでしょうか。自分の国の首都が移転するというのになぜこんなに関心が低いのか、先週末、私も少し考えてみました。  まず一つには、告知が十分に行き渡っていないと思います。十分告知の努力をしておられるということは聞いておりますけれども、私も、この三年間、首都機能移転というこの六文字をどこかで見たという強い印象はございません。  それから、片や新しい首相官邸ができようとしたり、新庁舎の建築が進んでいたりということで、どうも国のやっていることがばらばらで一貫性がない。もしかすると国も本気で考えていないのかなというようなところから、非常に現実味が薄れていると思います。  それから、何よりも大切なことに、地方分権が進まない。国民にとって身近に感じる政治というのは地方政治しかありません。自分の住んでいる市、町、せいぜい都道府県、このあたりの地方政治がいつまでたっても全く何にも変わらない、変わりたくても変わりようがない。このような状況の中で、本来、規制緩和がされ、行政改革が進められて、地方分権がなされて、小さくなった国がどこかへ移転する、あるいはどこかへ移転することがそのきっかけになるという問題の中で、四点セットのうちの三点が全然置き去りにされたまま首都機能移転の問題だけが進められているということになりますと、まさにその手段が目的となったような形で、非常に唐突な感じがするといったようなところであると思います。  ほかにも幾つか関心の低い理由はあると思いますが、一口に言うと、一体国が何をしたいのかよく見えないというのが一般的な心情であると思います。その中で、関係者の方が、問題の焦点をどこかに置いたまま候補地を争っているというのが現状ではないかと思います。  話は変わりますけれども、最近、意思決定のプロセスがよくわからない法律があると思います。いつの間にか知らないところで決められてしまって、決まったからにはやるしか仕方がないという。これを見ておりますと、意思決定の機能がどうも国の中でもうまく作用していないのではないか、こんなことを感じられるところで、非常に全般の問題に対して国民が無関心になっていると思います。  無関心という点では、例えば、私自身、ガイドラインの法案を見ましても、三年間かかって法律を成立させたというのは大切なことだとは思いますけれども、その過程の途中で、特に言葉の解釈の問題であるとか、それから党派間の協議、こういうものを見ておりますうちに、政治に疎い私などは、本当にわからなくなって、半ばどうでもよくなってしまったというふうなところでございます。  ガイドライン法案の問題もとても大切な問題だと思いますけれども、首都機能の問題というのは、これは違う意味で同じぐらい大切な問題だと思います。なぜなら、首都というのは国のシンボルであって、国民の心のよりどころであるからであります。この問題が自分たちの知らない間にどこかで進められていた、こんなことを国民が知りますと非常に失意、失望するのではないか、私はそういうことを大変心配しております。  ですから、きょうは、ぜひこの意思決定のプロセスに国民を直接、間接的に参加させていただいて、もっと議論をし、理解をし、納得をできる、そんな機会をこれからもっとたくさん与えていただきたいということをお願いしたいと思います。  と申しますのは、私自身も首都機能が移転できればそれにこしたことはないと思っておりますし、またこれは実現可能な問題であると思っております。今首都機能移転が必要なのか、いつすればいいのか、何を持っていくのか、何を分散するのか、もう一度こんなところに国民を参加させて考えてみれば、私は意外に八〇%くらいの賛成は得られる可能性があるのではないかと思っております。特に外圧もなくて、いわば一応平和時のこのときに、国民一人一人が自分で考えて、民主的に新しい首都を移転させることができたとしたら、私はこの行動こそが新しい日本を創造するパワーになるのではないか、そんなふうに考えております。  どうも失礼いたしました。(拍手)

井上一成自由党

○井上委員長 ありがとうございました。  次に、夢童参考人にお願いいたします。

夢童由里子造形作家・アートプロデューサー

○夢童参考人 発言させていただきます。名古屋から参りました夢童由里子と申します。  私は、名古屋に住みまして約三十年近くなりますけれども、もともとは京都に住んでおりました。京都から見た名古屋、関東というふうにずっと幼いころは見ておりまして、何となく、東京というものは人がざわざわしているし、名古屋あたりだと何か広々とした空間があるんじゃないかということで、大学の四年生ぐらいのときに名古屋のよさというのを発見いたしました。  きょうは、特に首都機能移転の問題でありますけれども、私は、自分たちの住む町がどうあるべきかということをいろいろな形で、市民運動を通じまして、全く主観的に、鳥の目的な、鳥瞰図で見られるようなそれほど大きな目を持っておりませんので、自分から見た首都機能移転ということについて少し、全くの私見でお話をさせていただきたいなというふうに思います。  今ほかの参考人の方々がおっしゃっておられることはほとんど私も賛成なんですけれども、東海地域は特に、今畿央地域のことを、余り皆さん首都機能移転について関心がないというふうな御発言もあったやに思いますが、私ども、今東海地域に住んでいる者は、二〇〇五年に日本国際博覧会を迎えておりまして、非常に燃えております。この首都機能移転についても、非常にいろいろな方々が、知らないという人ももちろん多いですけれども、知っている方の方が、例えばどこかでお食事会をしようが飲み会に行こうが、ざわざわと話している部分が非常に東海地域ではなぜか多いんですね。  これは一つのアクションとしては、かつてオリンピックを誘致いたしましたときに、ソウルと言われまして、見事に私たち東海地域は負けたわけです。そのときに、なぜソウルであって名古屋ではなかったのかという失敗をみんなで克服しようと、そういう状況がずっと続いてきております。もっとさかのぼっていけば、一六一五年に名古屋城が開府されましたときに、それ以来ずっと、御三家筆頭の身でありながら、なぜか尾張藩だけは、六十一万九千五百石も石高を持ちながら、当主といいますか将軍を出せなかったというところまでおりてくるわけですね。  それで、起死回生といいますか、みんなの熱意といいますか、東海地域は首都機能移転について賛成も反対も、いろいろな意見を皆さんが割と言われる地域であります。これは、私たちの熱意といいますか、もちろん申し上げましたように私の主観でありますけれども、そういう市民の運動といいますか、機能、分権、そういうものが来ればいいなというものがだんだん霧とか泡とか雲のようにわいてくるといいますか、そういう状況が今東海地域にはあるように、私は政治家でも何でもありません、一個人でありますけれども、そういうふうに思います。  それは、どういうことが一番自分たちの町づくりでいいか、首都機能移転が一番いいかというのは、やはり日本全国、上から見てみますと、ちょうど人口重心の真ん中に位置するということと、それから、今、万博と空港をつくるということを熱心に行動を起こしております。そういう空港と第二東名、それからリニア新幹線、そういう交通インフラとか、そういうものの整備を非常に一生懸命やっております。  少なからず、愛知県、中部の人たちは、そういう情報を非常に早くに持っております。しかしながら、それが全国民が同じように持っているかというと、どうも私どもは、新聞社が一つ大きなものを持っているために、自分たちが持っているものはすべて日本人が同じように情報を持っているという意識がどこかにありまして、そこがちょっと欠落しているという部分でもありますが、私の印象としましては、中部の地域というのは、木曽三川、天竜川を初めとしたそういう水のよさとか非常に森林が豊かであるとかそういう意味でも、そのあたりに首都の移転が、新都市ができればみんながそこで活躍できるだろう。  一たんはいろいろな、何百年も前に徳川時代から営々と築き上げてきたものが、常に参勤交代ということで東京へ東京へ、知事ですら陳情という言葉で行かなければいけないことを、今私たち東海の人たちは本当に首都機能移転について心待ちにしているというのが、私の全くの個人的な意見として、本来ならば首都機能移転はもっと違う形で物を申さねばいけないかもしれませんけれども、非常に中部のあたりでは首都機能移転ということは言葉としてみんなは知っているというふうに私は考えているということをまず申し上げて、とりあえずの意見を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。(拍手)

井上一成自由党

○井上委員長 ありがとうございました。  次に、石田参考人にお願いいたします。

石田頼房東京都立大学名誉教授

○石田参考人 東京都立大学の名誉教授をしております石田頼房です。  都立大におりましたころは都市研究所の所長をしておりました。専門は、都市農村計画及び都市計画の歴史であります。  初めに、基本的な私の立場を申し上げておきますと、現在検討されている首都機能移転に関する私の基本的な意見は、日本の現状と二十一世紀における都市計画の課題から考えて、極めて問題が多く、積極的に推進すべき計画とは考えておりません。特に、この秋に予定されていると言われております移転候補地の決定については、拙速と申しますか時期尚早と申しますか、はっきり申し上げて反対であると申し上げておきます。  首都移転に関する諸外国の事例についてはいろいろ御調査があるようですけれども、今までにも幾つもの首都機能移転プロジェクトがありました。例えば、オーストラリアのキャンベラ、ブラジルのブラジリアなどです。私も昨年、シドニーで国際会議がありまして、ついでですので、キャンベラに二日ほど行きまして、プロジェクトのでき上がりの状況を拝見し、オーストラリアの都市計画家とこの評価についていろいろ話し合ってきました。また、現在、ドイツにおいてはボンからベルリンに首都機能の移転が進められておりますけれども、このプロジェクトについても、たまたま今、私のところにベルリンの問題に非常に詳しいドイツの都市計画研究者が客員として来ておりますので、いろいろ議論をしております。そういうことを踏まえて御意見を申し上げます。  現在進行中のベルリンは別として、そのほかの首都機能の移転プロジェクトは、一言で言うならば、非常に二十世紀的な都市計画プロジェクトであったというふうに言うことができます。ここで二十世紀的と申し上げるのは、二十世紀は都市拡張の時代でありまして、都市計画もその都市拡張に対処するということを課題にして進められてきたわけです。  実は、昨年私が参加したオーストラリア、シドニーでの国際会議は、二十世紀の都市計画の教訓をみんなで検討するというものでありました。二十世紀都市計画は、今言ったように、都市拡張への対処が課題であったわけですけれども、これを反省しながら二十一世紀を迎えるというのが先進資本主義国からの参加者の一致した認識でありました。キャンベラやブラジリアへの首都移転も都市拡張への対処あるいは一極集中の排除を課題として計画されました。その意味で、二十世紀的首都移転であったというふうに考えます。  では、私は二十一世紀の都市計画の課題をどういうふうに考えているかと申しますと、都市拡張を前提としない都市計画というふうに言うことができるでしょう。あるいは、別の言い方をすれば、これまでの都市拡張の反省の上に立った都市計画と言うことができると思います。  二十世紀は都市の人口が急激にふえ、都市的産業がふえ、これは工業とか商業ですけれども、それが都市の活力だと考えられてきました。都市計画は、この都市拡張を望ましいものに誘導すること、あるいは拡張する都市人口や都市機能を入れる近代的な都市空間を新たにつくるということに力を注いできました。しかし、既存の悪い部分の改造には実は十分に手が回ってこなかった、あるいは、高度経済成長期には少し急ぎ過ぎて粗悪な都市空間をかなりつくってしまったというのが日本の現状だと思います。  新しい都市空間をつけ加えていくということは、それはたとえすぐれたものであるにせよ、農地や山林、あるいは海面や内水面など、貴重な環境資源を都市空間に転換していくことでありますし、その意味で、幾らすぐれた都市空間をつくっても、環境上あるいは国土計画上、ある意味でのマイナスを持っているということは避けられないわけです。  二十一世紀には、新しい都市空間を次々と加えていくという今までの方法ではいけないのではないか、二十世紀の教訓を踏まえて、残された貴重な自然、資源、環境、エネルギーを大切にしなければいけない、あるいは、安易に都市拡張を考えずに、広がり過ぎた都市空間をそのストックを有効に生かしつつ改造する、これが二十一世紀的な都市計画の課題だと多くの都市計画専門家は考えております。  東京の巨大都市化と一極集中問題については、それを肯定する議論というのは二十世紀を通じて公式には全くありませんでした。ただ、対策としてとられたことは、工業、流通、あるいは大学、研究所等、さまざまな機能移転を繰り返して行ってきております。その方法も、大体、工業団地をつくるとか研究学園都市をつくるとか、あるいは業務核都市をつくるという移転機能の受け皿を新市街地あるいは新都市として用意することでした。しかし、それが一極集中問題に効果を上げなかったということは、あるいは逆効果であったということは都市計画の歴史が示すところだというふうに思います。  今回の首都機能移転は、つまり首都機能の受け皿を新首都としてつくることで、これでは二十世紀的都市計画の歴史の教訓をきちんと踏まえているとは言えないというふうに思います。  新首都計画を通じて新しい都市理念や新しい都市像を検討するという考え方もありますが、既に述べてきましたように、現在検討されている首都機能移転は極めて二十世紀的で、これに取り組んでも、求められている二十一世紀的な新しい理念や発想、さらには新しい計画手法を生み出すことはできないというふうに私は考えます。  都市計画学会の機関誌のことしの五月下旬発行の二百十八号は、「首都を考える」という特集を載せています。冒頭で担当編集委員が、特集企画の意図を「首都をめぐる問題を根本に立ち返って概観し、多方面の意見を集約することで、現下の首都機能移転論議についての今一度客観的な考究の機会を提供しよう」というものだと述べております。九本の論文が載っておりますが、その中には楽観的な新首都計画待望論もありますけれども、検討すべき課題が残されているという慎重な議論から投資効果から見ての否定論までさまざまな意見が載っております。また、一九九〇年の国会決議に対しても時のアセスが必要だと述べている論文もあります。  このように、都市計画専門家の多くは首都機能移転問題は検討不足だと考えております。  もう与えられた時間も終わりますので、最後一言申しますと、都市計画学会は会員に問題の根本に立ち返った客観的な考究をいま一度求めておりますけれども、私も、この特別委員会が二十一世紀の都市づくりの課題は何かという根本に立ち返って慎重な検討をなさることを期待しております。  ありがとうございました。(拍手)

井上一成自由党

○井上委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。  この際、委員各位に一言申し上げます。  参考人に対する質疑は懇談形式で行いますが、理事会の協議に基づき、各会派の質疑時間は十五分以内となっておりますので、委員各位の御協力をお願いします。  これより懇談に入ります。  速記をとめてください。     〔午前十時四十一分懇談に入る〕     〔午前十一時五十八分懇談を終わる〕

井上一成自由党

○井上委員長 速記を起こしてください。  これにて懇談は終わりました。  この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。  佐藤参考人、宮本参考人、帯野参考人、夢童参考人及び石田参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして心から厚くお礼を申し上げます。  参考人には御退席をいただいて結構でございます。     —————————————

井上一成自由党

○井上委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、来る八月十一日水曜日午前十時に、参考人として茨城県知事橋本昌君、岐阜県知事梶原拓君及び奈良県知事柿本善也君、同日午後一時に、福島県知事佐藤栄佐久君及び京都府知事荒巻禎一君、以上五名の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上一成自由党

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、来る十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十九分散会

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