P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
145回国会衆議院1999/07/30

外務委員会 第12号

発言数
49
登壇者
14
会派数
6
開催日
1999/07/30

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件、特に、今後の我が国の政府開発援助(ODA)の進め方につきまして調査を進めます。  ところで、我が外務委員会におきましては、かねてより委員会審議のあり方についての改革が論議されていましたが、このほど理事会での協議がまとまり、条約、法案審査と一般質疑の時間とをはっきり区別して行うこと、一般質疑については、政府に対する質疑だけでなく、あらかじめテーマを決めて議員同士や政党間の論議を行う機会も設けることなどが決まりました。  本日は、この取り決めに基づき、テーマを今後の我が国の政府開発援助の進め方についてとして審議を行うこととした次第であります。  この案件につきましての参考人として、ここに、朝日新聞論説委員脇阪紀行君及び社団法人青年海外協力協会理事長貝塚光宗君の御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に、委員会を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、議事の順序等について申し上げます。  まず、政府から、我が国の政府開発援助に関する概要説明を聴取し、引き続いて、脇阪参考人、貝塚参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただきます。その後、参考人に対する質疑を含めて、自由討議に入ることといたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず政府から説明を聴取いたします。外務省大島経済協力局長。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 それでは、委員長の御指示に従いまして、政府開発援助をめぐります概要につきまして御説明をさせていただきます。  お手元に「政府開発援助を巡る最近の状況と課題」と題するメモ、五枚紙でございますが、配付させていただきましたので、これに従いまして御説明をさせていただきます。  まず、ODAの基本的な位置づけにつきましては、おおむねコンセンサスに近いものがあるのではないかと思っております。すなわち、先進国の一員としての我が国の義務、特に、世界第二の経済力を有する国としての責務といった側面と、ODAが国際貢献の柱であり、国際社会の安定、平和に重要な役割を果たすべきであるといった点を含めまして、広い意味での国益の増進を図るという点につきましては、幅広いコンセンサスがあるのじゃないかと思っております。  我が国は、八年連続で世界最大の援助国になっております。ほぼ五分の一ぐらいに当たりますけれども、量的に重要な地位を占めております。ここ数年、非常に厳しい財政状況にあるわけでございますけれども、ほかに国際貢献の有力な手段を必ずしも持たない我が国としては、ODAの重要性というものにかんがみまして、このレベルは何とか維持をしたいと私どもは考えております。  次に、ODAをめぐる最近の新しい状況でございますが、二つあるかと思います。  一つは、冷戦が終わったことに伴ういろいろな新しい状況でございます。  これにつきましては、そこにございますように、幾つかの重要な変化があります。冷戦のもとでは、援助が東西イデオロギー対立というものの手段として使われた面が世界的にはあったわけでございます。我が国の場合には、経済開発援助というものに忠実に徹してきたと思っております。したがって、冷戦の影響というのはそれほど強くはなかったと思いますが、しかし、世界的に見ますとこういう影響が強かった。終了に伴いまして、いろいろ新しい問題が出てきております。  それからもう一つ新しい状況としましては、数年間の国際的な議論を経まして、一九九六年にOECDの開発援助委員会におきまして、二十一世紀に向けた新開発戦略というものが採択をされました。この新戦略は、いわば国際的な援助社会、先進援助国グループス、それから援助を受けます開発途上国にとりましての一つの大きなガイドラインのようなものを提供していると思います。まだ採択されて三年しかたっておりませんので、現在のところは、この新開発戦略というものが国際的に徐々に浸透し、定着化をしている状況かと思います。  一方で、この新開発戦略に盛られましたいろいろな目標、特に数値目標が設けられておりまして、二〇一五年までに世界の貧困を半減させる、あるいは基礎教育を二〇一五年までに普及させる、こういった数値目標が設けられております。こういった目標の達成に向けて、いかに各援助国あるいは国際機関が取り組んでいくかといった具体的な方法論につきましては、まだ模索の段階にあるかと思いますけれども、しかし、これが大きな国際的な目標になっているという事実があります。  それから三番目に、我が国はODAで何を重点としていくかということでございます。  現在、政府部内で今後五年程度を念頭に置きました中期政策を作成中でございますけれども、その中期政策の中で、政府としての重点分野を明らかにしていく方向で作業を進めております。  幾つかございますけれども、第一は、従来の経済社会インフラへの支援、これは経済成長を促すために重要な部分であるわけですけれども、こういった分野に対する支援というものは引き続き重要であるわけでございます。特に、貧困対策とか基礎教育、保健医療などを含みます社会開発分野、こういった分野への支援を従来以上に重視していく。これは、先ほど申し述べました新開発戦略の大きな国際的な方向にも沿った考え方でございます。こういった線を明らかにしていきたいと思います。  それから二番目は、いわゆるハード型の支援に対しますソフト型の支援でございますけれども、このソフト型の支援、人材育成でございますとか法律、制度等の整備にかかわる支援、知的支援と呼んでおりますけれども、こういった分野をより重視していく。留学生受け入れ等もここに入ってくると思います。  それから三番目に、環境問題、人口、食糧といった地球的規模の問題、あるいは紛争の多発、災害等に伴います緊急的な人道支援を含む難しい分野でございますけれども、こういった分野に開発援助がどういうふうにかみ合っていくかといった側面の研究も含めて、取り組みを強化していきたいと思っております。  地域的にはアジア中心ということは変わらないと思いますけれども、最大の援助国として、アジア以外にも適切な目くばせをしながら対応していくことが我が国に期待をされているところであろうと思います。  さらに、外交政策など国益を反映する形でODAを実施していくといったようなことがあろうかと思います。  最後に、我が国ODAの改革の現状と方向でございます。  国会のいろいろな場での御審議で指摘された諸点を政府としては受けとめましていろいろな改革を試みております。さらに、外務省におきましては、二十一世紀のODA改革懇談会ということで、外部の有識者の方々からの御意見も聞きながら、提言を受け、それを実施に移しつつあります。  一つは、量から質への転換ということが柱になるかと思います。それから、何よりも効率的なあるいは効果的な援助の実施に向けてのいろいろな改革を図っていく。それから、国民の理解、支持を得るためのいろいろな工夫、改善を行っていく、情報公開、透明性の向上、こういったことを含むと思います。それから、円借款の問題も含めまして、いろいろな援助の制度、仕組みを適時適切に見直して、状況の変化に対応していくという問題が重要になるわけでございます。こういった諸点を含めて、いろいろ改革の努力を進めておるところでございます。  政策につきましては、既に九二年六月にODA大綱ができておりますので、現在進めておりますのはそのODA大綱のいわば下位に属します中期政策、これは八月中には作業を完了させたいと思っております。それから、秋以降、この中期政策のさらに下に国別の計画を具体的に明らかにしていくということで、目下作業を進めておるところでございます。  それから二番目に、実施体制でございますけれども、今般の政府全体を通じます行政改革の中で援助体制についてもいろいろ議論、検討が加えられました。中央省庁等改革基本法の中で外務省が調整の中核として役割を果たしていくということが明らかになりました。これを受けまして、今般の外務省設置法の中でその規定ぶりが明らかにされたわけでございます。  この実施体制につきましては、従来、援助実施体制がばらばらであるので一元化を図るべきであるという意見が一方にあり、他方で、多岐にわたる専門省庁のノウハウを生かすべきであるという意見もございました。そういった両方面からの意見の中で、外務省を中核とする調整を図っていくということで現在結論が得られたわけでございます。  それから、実施機関におきましては、御案内のとおり、輸出入銀行と海外経済協力基金、円借款を担当しています両機関が統合いたしまして、十月一日から正式に発足し、世界銀行とほぼ匹敵をいたします融資規模を持つ大きな国際協力銀行というものが誕生して新たな活動を始めることになります。別途、国際協力事業団におきましても、二十五年になりますけれども、この二十五年間には達成できなかった大きな内部機構改革を現在実行中でございます。  最後に、運用、実施上の問題につきましては、いろいろ指摘されておりますけれども、調査の充実、モニタリング、事後評価、こういった基本動作をより充実させていくこと。それから、NGO、ボランティア等の参加を促進させる形での国民参加型の援助の促進。情報公開と広報の努力の強化。それから最後に、我が国が世界最大の援助国としていろいろな場で国際的にもリーダーシップをとっていくためにも、さらには効率的、効果的な援助を進めていくためにも、開発援助の専門家が不足をしている、あるいはその能力強化をさらに図っていく、こういった大きな課題があるかと思います。このための我が国自身の人材育成ということも大きな課題になっておるかと思います。  以上で、概況の説明を終わらせていただきます。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 以上で政府からの説明は終わりました。     —————————————

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次に、参考人から御意見を聴取いたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、最初に、脇阪参考人からお願いいたします。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 本日は貴重な機会を与えていただきありがとうございました。ODAの議論を活性化するということをお聞きしまして、きょうはふだん考えていることの一端を個人の立場で皆さんにお話ししたいと思っております。時間の制約もありますので、世界全体の開発援助の新たな流れということから始めて、その後、日本の現状について触れたいと思っております。  皆さんにレジュメをお配りしておりますが、「開発援助の新たな変化」というところで私が言いたいのは、世界の、まさに援助の世界というのは、この冷戦後数年非常に速いテンポで変化しておる、日本は、援助大国と言われておりますが、量の面では確かにそうなのですが、この変化についていっていないのではないか、あるいはあえて距離を置こうとしているのではないかという気がしておりまして、そこにもっと飛び込めということを私はきょうは言いたいというふうに思っております。  どんな変化かということなのですが、これは今大島局長の方から説明があったところと重なるので省きますが、全体の認識としては、急速なグローバリゼーションの進展によって、一方ではその恩恵を受ける国があるわけですが、片や、アジアでは金融危機が発生し、アフリカでは大変な貧困問題、環境破壊、民族紛争などが一層深刻化しておる。私の印象では、二十一世紀には非常に危機的な状況が起こり得るという懸念を持っております。さらに、冷戦終結によって先進諸国は援助疲れに陥っているわけであります。その一方で、あるいはその結果と言ってもいいと思うのですが、次の五点のような流れが、一つの合流する流れが起きているのではないかと思っております。  第一点は、理念の共通化、統一化。これは先ほど出ましたOECDの新開発戦略、これに象徴されるわけですが、自助努力、連帯、あるいはオーナーシップ、パートナーシップ、こういうふうに言われていますが、この理念で各国、各国際開発機関は仕事をしていこうというわけであります。貧困、初等教育等の達成目標を明示する。あるいは民主化、ガバナンスを重視しよう。ここで強調したいのは、この戦略づくりに当たってはかなり日本の外務省の貢献があったわけですが、そのことが忘れられているのではないか。これは後でまた指摘したいと思います。  第二点、これは言うまでもなく、東西冷戦時代の援助競争から、今や各国が役割を分担しながら援助を協調していこう。簡単に言えば、少ない資源、お金、人材をいかに有効に使おうかという時代にもう入っているかと思われます。世界銀行などが主導しての援助協調の動き、これはプラスもマイナスもあると思います。これにどう対応するかということが問われているかと思います。  第三点、開発協力のアクターの増加。NGOがまず挙げられます。コソボなどに見られますが、人道緊急支援では活躍が期待されております。さらには地方自治体。それから東南アジアなどの、かつては日本の援助を受けた国がみずからそのノウハウを日本と協力しながらアフリカなどにやっていこうという、この南南協力という形も非常に注目しております。  四つ目は、こういうまさに少ないリソースをいかに有効に使うかということから、当然の結果として、援助の効率、効果を上げよう、あるいは、出すばかりに注意するのではなくて、どういう結果が出たのかとアウトプットの重視を考えようという流れは、非常に明白であると思います。腐敗、汚職の防止。インドネシアなどでも、これは国内でそういう議論が起きて、きのうのメガワティさんの演説でもそういう点が強調されておりました。無償協力のアンタイド化ということもこの流れにあるかと思います。  評価思想の変化。これは、今まではいい橋とかいい道路とかいい学校ができたらそれでいいじゃないかということであったのですが、現場を回ればわかるように、たとえいい道路ができても、いい橋ができても、そこに取りつけ道路がないとか、いい病院ができても五年後にはメンテナンスができていないとか、あるいはその国の経済全体が破綻しているということがあるわけで、そういった全体的な状況にも注視しようというのがまさに世銀を中心として打ち出している思想の変化であると思われます。  さて、「日本のODAの現状」というところなんですが、今申しました変化が、わかってはいるけれども体がついていかないというのが今の現状かと思います。  基本的な立場としては、非軍事的な手段としての日本の外交政策の柱という認識は一致しております。質の強化の改革も始まっているわけですが、いまだ不十分である。  ここで四つ指摘しておきたいのですが、第一には、援助理念のゆがみが生まれているのじゃないか。  先ほど指摘しましたように、例えばオーナーシップ、自主性とか主体性とか、あるいは自助努力というふうに言っていいと思うのですが、これは、ODA大綱を見ましても日本全体の誇るべき理念だと私は思っております。日本の歴史とか文化、日本人の心性にも合っている理念なんですが。この前のケルン・サミットにおける債務削減の論議で非常に残念だったのは、自助努力のためには円借款を出すべきであろう、円借款をやめたら自助努力がなくなるのじゃないかといったような議論が一部であったのが議論の方向をちょっとゆがめたのじゃないかという気がしております。  第二点、援助力というふうにレジュメでは書いておりますが、これは造語でありまして、老人力とかいう言葉がありますから私は援助力と言っているのです。ここではお金の量とか出した人の数とかそういうことじゃなくて、派遣する人材の質とか、あるいは我々が持っておるソフトの国際競争力、こういうことを称して援助力と言いたいわけであります。  この援助力において、日本は、かつてはまさに誇るべきものがあったのでしょうが、それが年々低下しているのじゃないかという気がしております。社会開発の専門家が不足し、コンサルタント、特に知的支援分野においては非常に国際競争力が見劣りしているということは否めないと思います。  第三点、ODAの動脈硬化。これは多く指摘されていることですので余り言いませんが、非常に縦割り組織の弊害、これは、外務省を含めた十数の省庁がそれぞれのツールでやっておるということにとどまらず、外務省の中でも縦割り組織の弊害というのはあるであろう。ここは国別、地域別に取り組む体制を貫徹するべきではないか。現地事務所への権限の譲渡も必要でしょう。  第四点、制度の壁。これは、要請主義から共同形成主義への転換進まずと。これは、よくもあしくも日本の援助は要請してもらってからやるんだということの非常に役所的な仕組みの中で動いているわけですが、中国で例えば環境協力を進めようということは、日本の主張がまさに通る形で、これを共同形成主義と言っておりますが、実現しているわけで、そういう形をもっと進めていいのじゃないか。それから、NGO支援制度の不備。これも制度的なものだと思います。  さて、「外交とODA」というところなんですが、ここはきょうの外務委員会という舞台の中で少し考えてみたのです。やはり開発協力という仕事は、これは医療の専門家とか教育とか、あるいはエンジニアリングの専門家という方々が現場でやるわけですが、外交官あるいは政治家の分野はその全体的な方向性をつけるという役割分担であろうかと思いますが、そこにやはり矛盾なり対立なりが起きることがある、そこを指摘したいわけであります。  よく言われる日本の顔が見える援助とは何かということなんですが、私の個人的な考えでは、やはり開発協力、現場で日本の専門家が頑張り、その成果が出てこそ日本の顔が見えてくるわけで、この数年非常に顕著ですが、ODAの例えばレッテルを張ろうとか、そういうことだけで日本の顔が見えてくるとはとても思えない。金を出したら口も出すという姿勢が必要じゃないか。  先ほど申しましたように、日本のまさに貢献によって新開発戦略ができたわけであります。これはオーケストラでいえば楽譜ができたわけでありますから、当然日本も一緒になってコンダクターの役割を務めるべきだと思うのですが、そこにどうも日本の姿が見えない。現場でドナー同士の、あるいは相手国を交えて協議をやろうというところに日本の専門家の数が少なくて、いない。援助協調の非常に高度な、専門的な協議に日本のエコノミストはだれも出ていない。こういうことで果たして日本のリーダーシップがとれるのだろうかと思われます。  第二点にODA依存症。これはあえて苦言を呈するならこういうことになるのですが、やはり各国、国際機関とも、欧米ドナーについては外務、外交の仕事と開発協力の仕事というのは一応別の組織であって、さっき申しましたような役割分担をやっておるわけですが、日本の場合は外務省の中にそういう組織を持ってやっておるということのメリットとともに、外交官全体にそういう何か、ODAをやっていることで仕事をしているじゃないかということが仮に生まれたらいけないなということを言いたいわけです。  第三点、これはまさに何のためにODAをやっているかというときに、最近よく聞くのは、現場へ行ってもちっとも感謝の言葉が言われないのじゃないかという議論があります。感謝の言葉は、それは相手政府の役人とか政治家の方は幾らでも言うと思うのですが、そういう表面的なことじゃなくて、やはり信頼ある関係を築くということ、あるいは実現すべきビジョン、目標とする社会像をともにつくっていくんだということを我々は相手と考えを共有するべきじゃないかというふうに思っております。  さて、「残された課題」というところを簡単に指摘したいのですが、まず、開発協力担当の大臣なりしかるべきポストがあってもいいのじゃないかというのが私個人の個人的な考えであります。  第二点、腐敗や汚職の防止策。これはポイントが二つありまして、やはり評価システムの充実ということが大事であろう。あえて言えば、今の評価制度は独立性にやや欠けるところがあるように思います。JICA、OECF、外務省の中にそれぞれ評価室というのがありますが、例えばOECFの場合は研究所の一部の組織でありますし、外務省の場合は調査計画課の一部として独立性に欠けると感じております。  第二点には、今回インドネシアで若干問題になりましたことにも関係するのですが、問題があればあるいはスキャンダルがあれば、当然、日本の側の調査権限、調査ができるというふうな備えにしておかなければいけないかと。契約書には今も適正使用条項というのがあるようですが、これはやはりもう少し強目の内容にしておくべきではないでしょうか。  第三点、緊急人道支援への機動的な対応。これはコソボでも少し問題が表面化しているようですが、日本の中のJICAの緊急援助隊あるいは緊急本部との一種の役割分担の問題があろうかと思います。  あと、国連、世銀への関与等ありますが、それは後でまた議論できたらと思っております。  以上です。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 どうもありがとうございました。  次に、貝塚参考人にお願いいたします。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 御紹介いただきました貝塚でございます。  私は、国際協力の現場に参画し、わずか二年の生活体験と帰国してその後の国内での団体諸活動、その経験談義から何点か御提示申し上げたいと思います。  本日御配付させていただきましたこのレジュメ、(1)、(2)、結論ありきの課題になっておるわけでございますが、特に文言NPOということでくくってございます。  この(1)に関しましては、非常な思い込みでこのくらいの割り振りをお考えになったらいかがなのかなということで、もちろん、今現在草の根無償援助というふうなシステムもございますし、ここにおける原則論、五百万円半額補助、また、これも実質的には金額の上乗せ、あるいは時と場合では七五%ぐらいまでの上限枠があるやに伺っております。まして、この辺の希望条件、何ゆえ非営利機関にこれだけの行為を求めるかというものは、民間発想的なマインドからコスト感覚を生かした事業展開があるのではなかろうかという思い込みでございます。  次に、このNPOが国内外での諸活動をする際に、やはり現状、財政基盤の強化なくして活動対応できなく、ここにも書き上げましたとおり、活動経費がなくて何もできるものではございません。  また、寄附行為に関する免税措置が全くなされていない。これは諸先生方に申し上げるまでもなく、今般のNPO法が登録制が先行しているというようなところに対しての、私個人の経験談義からの多少の不満も踏まえた提言でございます。  結論と申せば、日本社会の国際化を実現するための一つの有力な手段として、こういうふうな民間NGOあるいはNPOが海外援助に取り組むこと、これが、実現させる可及的速やかな手段ではなかろうかなと信じて疑わないところにあります。  さて、私個人の経験談義、冒頭申し上げさせていただきましたけれども、幾多これから発足するであろうこのようなNPOの諸団体、あるいは行政ベースでの、先ほど大島局長の方から御報告があったような、経済大綱に基づく、あるいは地域政策の実現を目指すいろいろな施策、提言のもと実施される事業展開の中、一つの事例としまして、青年海外協力隊事業、また、ここから輩出された帰国隊員一万七千余名が、現在累積数として実績を示しているわけでございます。この協力隊事業の体験者の活用、この辺に対しての視点、思い込みを申し上げたく存じます。  まさに、国際協力に対する後方支援の基地である国内に、そのようなNPOの諸活動に対するはざまの要員としまして、この協力隊帰国者集団の活用が見られるのではなかろうかなと思っております。まさしく、行政ベースとこの民間ベースの諸活動のはざまに協力隊事業の体験者を活用してはいかがかなという思い込みでございます。  他方、昭和四十年にこの事業が発足して以来、先ほど申し上げました約一万七千の若者たちが、特に派遣国に残したヒューマンネットワーク、人脈、概算でございますが、二百万とも二百五十万とも言われております。この三十五年間間断なくつくり上げてきた草の根レベルの途上国に残してある人脈、この人脈の活用。  あるいは、私ども仲間論議でございますが、これから幾多このようなNPOが海外に諸活動として赴くに当たって、一つの国際協力に携わる者たちへの資格制度の導入、御検討はいかがかなという思い込みもございます。過去、これは事業関係者の中、仮称国際協力士とか、幾多支援検討はされたやに伺っておりますが、今もって実現はなされておりません。このような大きな外交の一翼を担う国際協力要員者に対する社会的な資格制度の導入はいかがなものなのでしょうかという思い込みでございます。  さらには、そのような、先ほども大島局長さんあるいは参考人脇阪さんのお話にもありました、人材育成として、やはり国内に人材育成機関の確立が必要なんだろうと思っております。  さらには、地方の国際化あるいは市民化、国民運動的なことが叫ばれて久しいわけでございますけれども、そこにこういうような事業体験者、国内における養成あるいは派遣、これをどこの事業主体でおやりになるかは別にして、体験者を地域社会の中に送り込み、体験者から語らせ、国際協力の重要性を認識させていく、こういうような手段もあろうかなと思っております。  それからもう一点は、この体験者の中でも、既に初期隊員たちが六十歳を過ぎ始めました。また、本委員会において改めて申し上げるまでもなく、外務省指導のもとシニア海外ボランティア制度というものがスタートしております。私ども体験者の集いの中では、シニア海外ボランティア制度、この中核、コアを担うのはやはり協力隊帰国者集団ではなかろうかなという思い込みもあり、この辺の事業の拡大に対するこの体験者集団の取り組みをどうお考えいただけるかなというところでもございます。  あわせ、アトランダムな申し上げ方で、協力隊事業の話にまた戻るようで恐縮ですけれども、三十五年の経年変化から判断し、今後とも事業拡大を目指しながら、先ほど申し上げたNPOと行政のはざまの役割を担っていくとするならば、国内はもとより、本来の目的である、現地における現地の青年たちによる国づくりの自立行為の一助を担うべく、国別の協力隊があってもいいのではなかろうかなと。それには官民問わず、これは協力隊事業の専管でもございませんので、幾多こういうような国際協力に加担しているNPOともどもの連動の中、途上国における途上国の青年たちとの協力隊事業展開があってもよろしいのではなかろうかと思います。  さらには、この国際協力に伴った開発教育の分野において、既に国内に帰国したOB、OGがかなりいろいろな場面で講演依頼を初め諸活動は進めているものの、これを組織的な社会還元の手段として帰国者集団を活用されたらいかがなんでしょうか。まさに国連ベースにはUNVというような国連ボランティア組織もあるわけでございますが、日本版のそういうような国際協力隊があってもいいんじゃないかというのが、最後の締めくくりの思い込みでございます。  いずれこの協力隊の隊員が、日本人による日本人の国際協力という、今、国籍を伴った限定版で行われておりますけれども、果たしてこの事業、インターナショナルを目指すのであれば、国籍条項の撤廃もお考えになってはいかがなのではございましょうか。  また、日本が考える国際協力に対する思い込みからいえば、なおさらのこと、日本の国際協力における世界の青年を巻き込んだ日本版の国際協力隊、仮称でございますが、そういうような組織論があってもいいのではないかなと思っております。  話があちこちに飛んで、まとまりのない提言でございますけれども、御容認くださいますようお願い申し上げます。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 どうもありがとうございました。  以上で参考人からの意見陳述は終わりました。     —————————————

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより自由討議に入ります。  この際、委員各位に一言申し上げます。  発言は、挙手の上、委員長の許可を得た後にお願いをいたします。  なお、理事会の協議により、御発言は一回につき五分程度となっておりますので、御協力をお願いいたします。  御発言のある委員は挙手をお願いいたします。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 参考人としておいでいただいた皆さんのお話に共感できる部分もたくさんございます。問題点をいろいろ指摘されていると思うんです。  この関係で、横浜市立大学の鷲見教授がインドのナルマダの融資の問題に関して、こういうことを書いていらっしゃいますね。ODAで受益者は一体だれなのか。ナルマダ融資の問題との関連では、ダム建設反対運動の精神的支柱となっているババ・アムテさんという人が日本の国民に対して次のように問いかけている。日本の援助が私たちにまで届かないのはともかくとしても、せめて私たちを傷つけることだけはやめてください。これはなかなか痛切な批判として私は感じたんです。  きょうお話しの中でも、例えば脇阪さんのお話では、自助努力というのは円借款を支えるだけの理念なのかどうか、感謝より信頼をとか、あるいは影響力拡大を競うということについての批判とか、そういう点が出ておりましたし、それから貝塚さんのお話でも、やはりそういうところを意識されているのでNPOを中心に置いてというお話になっているのではないかなというふうにも思うわけです。  ナルマダだけではありませんが、かかわっておられて、腐敗の温床になっているというような事実もたくさん知っておられると思います。そこをどう改善していったらいいのか。理念の面、具体策の面、何か一般的には一致しているように経済協力局長は言いましたけれども、実態を見ますと、やはり相当のいろいろな問題点があるのではないかと思うんです。  お二人のお話との関係で、経済協力局長にも政府はどういうふうに改善をしようとしているのかということのお話も聞きたいと思っています。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 既に御指摘があったように、言葉ではいろいろなことが言われておるので、ひとつエピソードというか私の体験を御紹介したいんです。  最近、インドネシアに行ってまいりました。そのときに、INFIDなんというNGO団体、これは国際的な団体ですが、我々は多額の資金支援をいただいておるが、政府が借りるんだけれども、結局返すのはインドネシアの二億人の国民であろうと。したがって、きのうでしたか、インドネシアの支援国会合というのがパリで終わったんですが、そこにおいて、NGOとしては三割減らしてくれと。その三割というのは、別に根拠があるとは思われませんが、それぐらいの腐敗が長年スハルト体制のもとであったのではないかということから、そういう主張をしておりました。  その数字に根拠があるかどうかわかりませんが、ポイントはおっしゃったように受益者はだれかということをドナーとしても非常に重視すべきであろう。したがって、さっきちょっと申しましたように、プロジェクトそのものの影響評価はもちろんですが、相手政府の清潔度というか体制をチェックすること、あるいはインドネシアで現に行われているのはまさにNGOに参加してもらってモニタリングをする、そういう一種のプレッシャーをかけるという手法が国際機関においては採用されておるわけで、そういったことは参考になろうかと思っております。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 私が先ほども申し上げましたように、協力隊事業の参画者の一人として、諸先輩を含めた三十五年間、累計実績一万七千、まさしく幾多の新聞、論調でも出ますように、あるいはきょう本委員会でも何がしかお話が出ましたように、顔が見えない日本、これに対する一つの最良の手段が協力隊なのだろうな。全く草の根レベルでつくり上げた、先ほど申し上げた二百万からの途上国におけるヒューマンネットワークの再活用等々、この辺の経験談義から申し上げますと、まさに日本の志ある若者が、政府事業として送り込まれてこの三十五年間、その間、今脇阪さんよりのお話にもありました現地体験の中で幾多見聞きしたお話でもございます。  ただ、それが果たしてすべてかと我々は絶えず下から見上げる目線で物を言わざるを得ない。日本の青年と現地の青年との触れ合いの中、三十五年の経年変化の中、現実、現地においては既に一つの省庁の管理職、ややもすると最高責任者としての位置づけでおられる方々もいますし、先ほど事例が出ましたように、今般、小さな国でありますが、南部アフリカから駐日大使として来られた大使夫人が真っ先に国内でお会いしたいと名指しを挙げたのは、これは現地でともに働いた協力隊員の女子隊員のことを名指しで挙げてきた。  このような人事交流、人脈が三十五年でつくり上げられてきている等々を考えますと、決して否定的なものではなく、隊員の諸活動ですらそのくらいのものが残せてきているという思い込みの方が私は強いのでございます。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 受益者の点につきまして、これははっきりしていると思います。すなわち、ODAの事業は、基本的、最終的に相手国の国民の福祉、経済的な生活水準の向上、最終的にはそこが目的になっておるわけでございます。それを実現するための手段として円借款、無償の資金協力あるいは技術協力といろいろあるわけでございます。  円借款は、御案内のとおり、公共事業的な性格のもので規模も大きゅうございます。インフラの整備が中心になるわけでございますが、そういうことを通じましてその国の経済成長を支えていく、その結果が最終的には国民に裨益していく、こういうものであるのに対しまして、無償資金協力、これは学校の校舎を建設したり、保健医療分野での協力に直接的に貢献をするわけでございますし、技術協力も、人づくりということを通じて、より身近に、直接的に相手国の社会それから国民の向上に資する、こういうことであると思います。  先ほど、脇阪参考人の方からインドネシアの例が挙げられました。私どもも、インドネシアで過去行われたことについて、一々弁護したりどうこうするつもりはございません。インドネシア自身の経験というのは、インドネシアの国民あるいは政府が学んで前に進んでいくことだろうと思いますが、開発という見地から見ますと、過去三十年近くの間にインドネシアにおけるいわゆる貧困人口が、三十年前の六〇%とか七〇%と言われるものから、先般の危機の発生までの時点においては一一%ないし一二%まで貧困人口が減った。これはやはり、もちろんインドネシア自身の開発努力の成果もあるわけでございますが、日本を含む国際社会からのさまざまな形の援助による協力というものがあずかって大きな力があったということも、これも否定できない事実だろうと思います。  最後に一点、ナルマダ・ダムのお話がございました。確かに、ダムの建設のようなプロジェクトにつきましては、住民の意見とか、あるいは環境破壊を伴う問題が当然生起しております。このナルマダのケースは、住民との調整というのが必ずしも十分でなかったというところに問題がありました。世界銀行がこのプロジェクトを起こし、日本も一部協調する形で協力を当時計画しておりましたけれども、ここで経験を経まして一つの教訓というものを学んだのではないかと思います。住民との対話、それから環境基準、ガイドラインを整備していくということは、それ以後我々としても気をつけて取り入れるようにしたところでございます。

藤田幸久民主党

○藤田(幸)委員 脇阪参考人とそれから大島局長に、私の意見を含めてお聞きしたいと思います。  まず、脇阪さんにお伺いしたいのですが、脇阪さんがおっしゃってこられたこと、重要な点を指摘していただきましたけれども、問題点を解決して実現する一つの大きな考え方として、単年度制の弊害という問題を指摘されたことにあるのではないか。単年度制というのは、やはり不安定な事業執行、長期的な戦略や展望が立てにくい、それから、どうしても箱物になってしまうというような点があるわけですが、これをやはり、これも長年の課題ですけれども、多年度制にしていく必要があるのではないか。  それから、どうしても今まではやはりプロジェクト援助が中心であったわけですが、これをいろいろな意味でプログラム援助にしていく。これは、長期的にやるということもそうですし、包括的な、つまり特定のプロジェクトではなく、プログラム化してやっていく必要がある。これは、大島局長がおっしゃられたような、今外務省の方でお考えになっている理念にも必要ではないかと思うのです。  それで、脇阪さんには、こういった必要性についてどう思うかということ。それから、それに対して大島局長の方で、それはわかっているけれども、実現に当たって難しいんだということがあれば御指摘をいただきたいと思います。  それから、これは大島局長の方ですけれども、今回のコソボの支援なんかでも浮き彫りになりましたが、きょうは自民党の細田部会長もいらっしゃっていますが、いわゆる日本のNGOの緊急援助を支えるインフラがない。もちろん、通常援助でしたならば、国連機関を通して、それに対して日本のNGOを受け皿にしてというので間に合うのですけれども、もうコソボ難民はかなり帰還してしまいましたね。実際にコソボの中に既に日本のNGOが行っている。特に、緊急援助に対するダイレクトファンドがまだ十分でない。今検討中でございますけれども、やはりこれを早急に進める必要があるのではないか。  それからもう一つは、二、三週間前に、私ども民主党の議員二人でコソボの中に入りましたが、まだ外務省が行っていない。したがって、安全対策が不十分だということで、なるべく国会議員は行かない方がいいのではないかという御指示といいますか提案をいただいたのです。我々は入ってしまったわけですが。既に日本のNGOはたくさんいらっしゃる。  調べたら、損保もほとんどないのですね、コソボに関しては。たまたま東京海上だけがあるというのがわかって掛けていきましたけれども、ほとんどのNGOが傷害保険も掛けずに行っている。  こういったケースの場合の緊急援助支援ということとダイレクトファンドということと、それから、日本政府なりの支援体制がまだないけれども既にNGOが入っている場合の安全支援、こういったことを早急にしていただく必要があるのではないかと思いますけれども、それについてどうお考えなのかということをお聞きしたいと思います。  それから、ついでと言ったら恐縮ですが、貝塚参考人で、協力隊のことをいろいろおっしゃいましたが、協力隊の今までの活動、私も大変評価をしております。  ただ、冷戦後、こういういろいろな緊急援助とかいう事態が起きてきた場合に、どうも協力隊のプロジェクトが、つまり相手国と契約しながらやるわけですけれども、ということは、ある程度安定した途上国で、どういったインフラ整備なりをやるか確立したところしか契約ができないので、そこしか協力隊員が行けないというのは、今の流れの中からいいますと、冒頭の脇阪さんの発言にある、ちょっと変化についていっていないのじゃないか。少し緊急性のあるプロジェクトも協力隊員が担えるような形にして、今NGOがやっているものとオーバーラップするようなことも少しずつやっていく時代が来ているのではないかなという感想を持っておるのですが、それについて、コメントがございましたならばおっしゃっていただければありがたいと思います。  以上です。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 かなり具体的な御提言でございました。そういうことですので、まず政府側から。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 まず、プロジェクト援助とプログラム援助の関係と申しますか、それぞれのメリットの問題が御提起されました。  プログラム援助は、典型的には商品援助のようなもの、あるいは昨今はやりの構造調整、国内のいろいろな構造を調整するために、そういう目的に即して供与されるタイプのもの、大体こういうものが代表的であろうと思います。これはこれで必要性は高いわけでございますので、きちんとその構造調整の目的に照らして、なおかつモニタリングもきちっと行われるという手段も組み合わせながら供与されていく、それによって相手国が必要としている構造改革に貢献する、こういう目的はあると思います。  他方、やはりプロジェクト援助の方が最終的には資産を残していく、発電所にせよ道路にせよ。そういうことでございまして、これはこれでまたその国の経済発展上不可欠でございますし、民間投資を引きつけて、民間の力をかりながら経済を発展させていくというためにも当然必要なわけでございますので、どちらがすぐれているかというよりも、その国が直面している問題に即してプロジェクト援助、そしてプログラム援助というものが適切に供与されていくべきものだというふうに思っております。  それから二番目の、藤田先生から御提起ございました緊急援助への対応ぶりでございます。  直接的なファンドを設ける必要性につきましては、これも、細田先生のミッション、現地に行かれまして、我々もそのお話を聞きました。現在、政府の中で、何らかの形で、こういった緊急的な人道援助の場合に、従来の仕組みでは対応できないものが確かにございますので、こういった事態により直接的、緊急にかつ規模も従来のものを超えてきちんと対応できるように、予算それからその仕組みについて検討を進めております。私どももできるだけ実現をしたいと思っております。  それから、より一般的には、今度のコソボのケースで見ますと、まさに紛争があり、それが終息をして、難民問題も徐々に片づいて、それから復興、再建という事態に移るわけですが、この緊急の事態、これは軍隊が介入するケースもございますけれども、そういう緊急事態と、それからその後に来る開発の段階にある種のギャップがございます。  これは、実はUNHCRの緒方貞子さんが鋭く問題提起をされております。各国の国内体制それから国際機関における体制、双方において中間的な事態というのが確かにある、コソボの事態というのは今まさにそういう中間的な事態ですが、体制上きちんと取り組めるようになっていない、ここにある種のギャップがあるという問題提起をされておりまして、アメリカのブルッキングス研究所を中心に政府関係者、民間の専門家が集まりまして、国際的に今議論が進められております。確かにそういう問題がある。これにどういうふうに対応すればよいのかということでございました。  そういうことで、私どもも、NGOの関与、それから政府の関与、国際機関の関与といろいろな側面がございますが、このギャップの問題にどういうふうに対応するかということは大きな研究課題であるというふうに受けとめておりまして、研究をしたいと思っております。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 第一点の単年度制の弊害、多年度制にしたらどうかという点ですが、これは私は全く同意見でありまして、日本は国際的には安定的なコミットをしてきていたのが、最近むしろ、毎年同じ額を出すのがいけないというようなちょっと表面的な議論が出ている方が問題だと思っております。  したがって、その貴重なリソースをどう生かすかということからいっても、相手国のニーズはどこにあるか、そのためにはこういう分野をこの何年かけてやろうという多年度制の発想に当然なるだろう。したがって、必要なのは、やはり国別、地域別の研究あるいは体制づくりであろうかと思います。  第二点、プログラム援助についてですが、これは非常に難しい問題だと思います。国際的な流れは、明らかにプロジェクトからプログラムへということであろうかと思います。しかし、これは日本にとって非常に不得意な分野だと思います。  第一点は、財政援助的な性格がやはり出ますから、そうなってくると、相手国の財政の計画への一種の介入が必要でしょうし、相当な政策対話が必要である。それから第二点は、構造調整という形で世銀などとの協調融資ということが多いので、そうなってくると、その世銀のやっていることが正しいのかという議論が当然ついてくるわけで、アフリカにおいて世銀のやった構造調整に対する批判が多いのは御承知のとおりでありますし、今回のアジア危機において、当初IMF・世銀の処方せんはかなりの誤りがあったのじゃないかと私は思っております。  したがって、その政策はここが問題だということを当然日本が言う形でプログラムをつくるという体制がまた必要になってくるかと思います。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 私が今いただいた御質問で、協力隊事業の派遣条件というのは、今ほどもお話がありましたような天災、人災に伴う人道的な見地からの支援行為とはちょっと違うのじゃないだろうか。まさしく国づくり、人づくりのための、俗な言い方で申しわけございませんが、内科医的な所見行為の一助を担うべくもしも隊員たちが行くのだとするのであれば、やはりそこには、一つの派遣条件は、レッドゾーンではなくそれなりの、先ほど大島局長さんがおっしゃられたような開発行為の一助を担う、これが目的でございましょうから、私はそれが協力隊事業のよさでもあるかと思っておりますし、もう一つ、そういう人道的な支援行為、またその見地からの協力体制は、別途の組織立てが必要なのではないのだろうかと思っております。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 先ほど名前が挙がりましたので、どうですか、コメントがありますか、細田さん。

細田博之自由民主党

○細田委員 自由民主党の外交部会長を務めております細田でございます。きょうはいい御意見をいただきまして、私、若干のコメントと質問がありますので、申し上げさせていただきます。  まず、この一、二年の金融危機を契機にいたしまして、私が率直に感じますことは、特にアジア諸国の日本を見る目と日本に対する期待、評価が変わってきている、明らかに大きく変わったと思っております。それは、あれだけヘッジファンドに痛めつけられ、為替の問題が発生し、経済が停滞したために、韓国はもとよりですが、インドネシアも、タイも、マレーシアも、フィリピンも、余り対米一辺倒というか、日本には、金はもらうけれども、便利には使って、あとは大して頼りにしないというような感覚がもともとありました。私は、役所にいた時代に円借款の担当課長をしておりましたから、しょっちゅうこの円借款の問題で政府と話し合ったことがありますけれども、要するに金づるという感じが強かったのです。  最近は、やはり国の保険を掛けるという意味でも、あるいは、日本も絶対的な力じゃないので、宮澤構想その他しっかりとした支援をしてくれる日本というものを見直して、やはり日本を第一のまた別の極として頼りにもし、それから、そう昔のような悪いことをしそうもないという感覚も定着してきまして、新しい日本との関係を築こうという動きが非常に出てきたのではないかと思います。  したがいまして、私は、経済協力にとっても、これは卒業国もいろいろありますけれども、それも含めて、新しい時代が始まっているから、これはいろいろなあらゆることがうまくいくようになってきているのではないかという気がするわけです。それが環境の変化だと思っております。  それから第二は、日本の得意わざが何かというと、やはり限定されております。工業技術、通信、発電、あるいは土建ですね、土建と言うと言葉が悪いかもしれませんが、治水、治山、農林、橋、空港、港湾、道路のたぐい、これはやはり日本は世界に冠たる技術を持っております。それに加えて医療、それから、忘れてはならないのは、商売のノウハウというのは、やはり世界に冠たる商社もありますし、非常にすぐれておりますね。それから環境技術もまあまあ。だめなのは、金融、証券、言語に絡むもの、情報の一部とか。  だめなものといいものが併存しておりますが、日本はやはり得意な分野で世界においても圧倒的な優秀さを誇っておりますから、そういう意味での重点化は必要じゃないかと思います。得意な分野、期待を受けられる分野が幾らでもあるという感じがします。それは、JICAその他での派遣も含めて、また留学生の受け入れとかそういうものも含めて、分野というものがあるんじゃないか。これが第二点です。  それから第三点は、NGOで、先ほどもいろいろな御質問や御意見がありましたけれども、日本におけるNGOはやはりテークオフしたんじゃないかと私も思っております。ただ、国内的な評価としても、ナホトカ号事件とか阪神・淡路大震災とか、ああいうときに、本当に若い、二十代、三十代の人がボランティアとして働く、そのことに対する世の中の評価も定着しているということで、国内でもいろいろなことができる素地ができた。  他方、この間、マケドニアとかアルバニアへ行ってコソボ難民の支援をしているNGOの何人かの方に会いましたけれども、本当に若い男女の皆さんがボランティアで、団体からはもう月々十万円ぐらいしかもらっていないのですね。要するに、現地で生活できる最低限のお金だけもらってもう必死になってやっているというとうとい姿も見てきたわけです。  そういう世の中の評価があって、政府としてもきちっとした支援がしやすい環境が整い、かつ、実際に相当なNGOの人たちが海外で努力しておるという実態にかんがみますと、先生方がおっしゃっているような政府による直接支援、それから、大事なのは寄附金ですね。やはり世の中から寄附金を募って、それをもとに活動してもらうのが一番いい。そのために税制を確立しなければならない。これまでそれがなかなかできなかったのは、もう怪しい団体がいっぱいあって、極端に言えば、暴力団のたぐいが慈善だというようなことを名目に金を集めたらどうするかとか、信用のできる団体ばかりじゃないよというような、そういうネガティブな評価ばかりで、この制度がなかなか今までできなかったわけですが、ポジティブな面をどう出して、新しい制度をつくるかというときが来たと思っております。  したがって、我が党も今、経済協力特別委員会、外交部会などで一緒になって議論しておりますが、NGOに対する新しい総合的な支援策を、政府の直接の金ももとよりですが、税制その他総合的に打ち出すべきだということで、経済協力局長を初め、関係の政府の方にも強く働きかけておるところです。ぜひ先生方も、そういった御理解をいただきながら、どういう考え方でそういったマイナス面の排除というものをしたらいいかという点について、より具体的な御提言をいただきたいと思います。  欧米は、もう立派なNGOの評価ができていますから、そこへ政府が金を出すこともいろいろな税制で支援することもほとんど問題なく円滑に行われておりまして、そういう団体がコソボで活躍しておりますので、コソボに限りませんけれども、全世界で活躍していますから、ようやく我が国も、そういった意味でのNGO対策元年になるような制度改革をやるべき時期が来たと思っております。  先生方も、一層、世の中に対しまして、そういうふうな一般世論の構築についても御支援を賜りたいと思っております。  何か、先生方の御意見、この三点についてあれば、お願いします。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 参考人の御意見をいただく前に、今の細田議員の御提言あるいはまた御発言に関連した形で、それぞれの先生方、日本のODAのあり方等につきまして、何かありましたら。

上原康助民主党

○上原委員 民主党の上原です。  参考人の御意見、大変参考になりました。  これは申し上げるまでもありませんで、これまでもODAのあり方については、国会で、この外務委員会だけじゃなくして、相当議論はされてきたわけですね。だが、残念ながら、外交権あるいはODAの執行権というのは、政府が専管としてやってきておられる。突き詰めて言えば、今提起されている諸問題というのは、国会の関与あるいは国会におけるチェック機能というものが十分果たされていないということに尽きると思うのですね。  情勢変化はいろいろありますけれども、そういう意味で、特に脇阪さんが「残された課題」の中で、開発協力担当相の任命と国際協力庁の創設等々いろいろお触れになっておる。これは、中央省庁の機構改革法案もできて、新たにこういうのはなかなか大変でしょうが、私たちは、やはり国会の関与、チェック機能を果たすという意味では、ODA基本法とか、もう少し何か包括的な援助のあり方を国会で議論して、チェックしていくということをやることが、今出されているいろいろの課題について、不透明さについて、透明性を高めていく。また、本当の受益者はだれかということがより明確になると思います。そういう基本的改革についてどうお考えなのかというのが私のかねがねの疑問でもありますので、御意見があればお聞かせ願いたい。  貝塚さんも(1)ODA予算のところで、例えば箱物をつくってもということを指摘しておられる。実際に援助国のそういった状況というのがたくさんあると思うのですね。そういうものを改革していくのは、チェック機能というものを果たしていかない限り、私はなかなか困難じゃないかと思いますが、そういうことについてお二人から御意見をお聞かせいただきたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 最後にまとめていただくことにして、ほかにありませんか。

河野太郎自由民主党

○河野(太)委員 今の上原先生の国会のチェック機能の問題なんですけれども、私、きょう幾つか申し上げたいことがございまして、一つは、ODAに関する国民の間での理解といいますか、支持が急速に低下しているというのが現実だろうと思います。これはすべからく、何のためのODAであるのかという説明責任を果たしていない、情報公開のおくれが一つは大きな問題になっていることだと思います。  それからもう一つは、顔の見える援助というのは、これは日本の努力でございますから、ここについてはこれから努力をしていかなければいけないということなんだろうと思うのですが、それ以外の、国際機関について、出している金額に見合うだけの成果が本当に上がっているかといえば、決してそんなことはないと思うのです。  例えば、今一番問題になっている、一番問題にしなければいけないと思いますのが国連の問題だと思いますけれども、国連の通常分担金、一九九八年、昨年度でいえば、アメリカが二五%、日本が約一八%、フランスが六%、イギリスが五%、ロシアが三%、中国が〇・九%でございます。仏英露中、この常任理事国四カ国を足して一五%程度であるのに対し、日本は一カ国で一八%拠出をしている。しかし、この四カ国は拒否権を持ち、常任理事国であるのに対して、日本は安保理の非常任のメンバーにもなっていない。国連改革、国連改革と言われていますけれども、この国連改革の作業自体は遅々として今進んでおりません。  そろそろ我々は、この国連に対する資金提供を見直すべきではないかと思います。私は、この通常分担金というのは国連で決めた国際ルールでございますから、これに逆らって、アメリカのように滞納するというのはいかがなものかと思いますが、日本は、国連に対して任意拠出金、これは日本政府が任意に拠出するお金でございます。この任意拠出金を国連に対して今までどおり継続して払い続けて本当にいいものなのかどうか、私は大いに疑問でございます。  私は、ここで、国連が安保理改革を実行するまで、日本の国連に対する任意拠出金を毎年一〇%ずつ削減をしていくという提案をぜひしていきたい。そして、この外務委員会で御審議いただいて、これを、外交は政府の専権事項であるかもしれませんけれども、予算については国会が、立法府が権限を持っているわけでございますから、国会がこういう法案を通して、政府に対して、拠出金の前年度一〇%削減を義務づける、安保理改革が行われるまで義務づけるというのは、立法府ができることでございます。今度の外務委員会改革で小委員会の設置が認められたわけでございますから、ぜひ国連問題に関する小委員会の設置をお願いして、この問題を外務委員会できちっとした形で取り上げていただきたいとお願いする次第でございます。  それからもう一つは、情報公開の問題でございますけれども、情報公開法、外交案件に関する情報公開が本当になされるのかどうか、私は、今までの政府側の答弁を聞いておりまして、与党の一員ではありますが、大変に疑問に思っているわけでございます。  そろそろ大使の任命を国会の人事案件にすべきではないか。大使の任命の前に、きちんと外務委員会で大使の候補者、お話を伺って、本当にこの方は外交案件の情報公開に積極的な方なのかどうか判断をして、そうでないというならば、大使の任命を立法府が拒否する。そういう形で外交案件の情報公開を担保していかなければ、いつまでたっても、これは外交案件ですから情報公開の対象外ですということになってしまいかねないと思います。  そういうことをずっとやっていれば、何のためにODAという形で日本の税金を海外に出しているのか国民に対する説明責任がなされない。そういうことで国民のODAに対する理解及び支持がどんどん低下してきかねないわけでございますから、そろそろ情報公開についても外務委員会が断固たる立場で実行に移していかなければいかぬのではないかと思います。  私は別に参考人の意見は必要ありませんので、外務委員会の委員の皆さんの御意見をお願いしたいと思います。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 国連改革問題や大使任命問題等も出てまいりましたけれども、それはまた今後の一つの議題とすることといたしまして、少しODA関係を。

赤松正雄公明党・改革クラブ

○赤松(正)委員 ODA全体の総括的な意見をというお話だったので、その段階のことを、簡単な感想というか、先ほどお三人の方の意見を聞かせていただいた部分について、総括的な部分で、ちょっと後ろ向きの形になりますけれども、感想を述べさせていただきます。  まず大島局長のお話、揚げ足をとるわけではないのですが、私、気になった言葉がさっき冒頭でありました。ODAの基本的位置づけというお話の中で、ほかに国際貢献の手段を持たない日本として、こういうふうにおっしゃった。これは謙譲的な意味で言っておられるのかなという気もするのですが。要するに、もっと日本がODAに、世界の中で、八年連続で世界最大の援助国であるという観点から見るならば、他に国際貢献の手段を持たない日本としてはというこの言い回しは非常に気になる言葉として受けとめましたので、日本のODAの基本的なあり方、視点について、改めてその辺について聞かせていただきたい。  あわせて、さっき自民党外交部会長からもNGO元年としたいというお話があったり、あるいは外交青書の中でも、政府と国際機関とNGO、三つの連携ということが強調されておりますが、この辺について、言葉として三つの連携ということが言われておりますが、具体的な手だてをどう考えておられるのかということについてお聞きしたい。  あと、さっき松本委員からもお話があった件ですが、脇阪さんにお伺いしたいのは、要するに、いわゆるODAの、各国に対する過去における日本のありようという部分で、開発独裁に対する関与というか、そういうふうなことが言われてきたことについてはいささかメディアの責任もあるのではないのかなという、メディアの責任というのは言い過ぎかもしれませんが、もちろん国会のチェック機能がないというさっきの上原委員の話も踏まえた上で、国会の責任もしっかり感じた上で、なおかつメディアの、言ってみればODAの全体のありようというものを平等にきちっと報道するということも大事だろう、その辺がちょっと偏っていないのかという点が一つ。  それから、脇阪さんの書かれた平成八年十一月の朝日の「コラム 私の見方」、興味深く読ませていただきましたが、ここで、さっき脇阪さん自身も、金を出すなら口も出すのだというお話がありましたが、金の出し方と口の出し方のバランス、この辺のバランスの哲学みたいなものについて、考えておられることがあったらお聞かせいただきたい。  以上二点。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 大分いろいろと問題点も出てまいりましたし、質問もございましたので、まずこのあたりでひとつ参考人から御意見あるいはまた御回答をちょうだいいたしましょうか。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 まず、アジアが日本を見る目が変わってきたのではないかという点は私、全く同感であります。ただし、対米一辺倒ではなくなってきたという点については、むしろ金融システムのグローバリゼーションということの中でそういう動きがアジアでも起きているのではないかという点を感じます。  ノウハウの問題ですが、日本にノウハウがあるものを生かすべきだというのは全く同感であります。例えば、医療分野の話なのですが、今までは病院を建てようとかハイテクの医療機械を出そうとかそういうことだったのでしょうが、むしろ、最近おもしろいと思ったのは、まさに母子手帳などというのが日本にかつてありました、今もありますが、そういうものが、例えばインドネシア等で普及活動が非常に成果もあり、国際的にも関心を呼んでいるということがあります。ゼネコンというか、土木技術、治山治水ということについていえば、ここは少し民間資金の役割が最近高まっているのであろうという点は指摘したいと思います。  ODA基本法については、私の基本的な考えは、やはり必要であろう。これは透明性と、まさに情報公開という点、国会のチェック機能ですが、まさに日常的に国会の議員の皆さんが途上国に足を運び、そこで考えたり、あるいはこういう参考人質疑をたびたびするということが、その繰り返しが大事でもあろうと思います。  それから最後に、メディアのあり方、開発独裁への報道という点については、批判は甘受せざるを得ないところもありますが、日本のODAの報道というのを顧みますと、八〇年代ですかのマルコス疑惑が一つの発端で、あの功罪は今でもあろうかと思います。どっちかというと専門的な分野なので、どうしても表面的なスキャンダルに追われる傾向があるわけで、そういう点でも、これは新聞社の縦割り組織の問題でもあるのですが、もう少し専門的な記者を育てるということが必要かと思います。  余談ですけれども、こういうODAの問題は各省庁にまたがっているわけですが、各省庁の記者クラブの記者は余り関心がない。それで、外務省の記者クラブの記者がフォローするわけですが、どうしても他に優先すべき問題があって後回しになりがちだということもまた否めないことかと思います。  それから金の出し方と口の出し方、これは非常に難しい話ですが、基本的にはやはり人材の育成であろうかと思います。  ちょっと例はずれますが、緒方貞子さんが今週安保理で、コソボの問題だけではなくてアフリカの問題に目を向けようというような発言をされておりました。ああいう視点がまさに国際的にも一歩も二歩もというか、非常に尊敬も呼ぶあり方であろうか。こういう人材を一人でも二人でも、若い人の関心は全体の中ではむしろ高まっているというふうに私は見ておりまして、大学の先生なんかの講義でも、部屋は非常にいっぱいということで聞いておりまして、そういうところに焦点を絞った取り組みも必要かと思います。  以上です。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 二点ほど。  一つは、先ほど私もレジュメに申し上げたことでございます、このNGOの免税措置、結果的には財政基盤の強化等の中に出てくる、ややもすると脱税の温床とか、ためにするようなお話も間々巷間言われているわけでございますが、これはひとえに監査体制の確立の問題でございますでしょうし、この監査法人、いかように確立されるかが問題なのだと思うのです。ましてやODAの予算の、私の要望でございますが、これをNPOへ振り向けていくとなれば、なおさら公明性の問題が問われるわけでございますので、さらに一歩踏み込んだ公明性を目指すのであれば外国の監査法人にその辺のことは御依頼してもいいのではなかろうかな、非常な極論でございますけれども、そのくらいの自信のもと、臨ませればよろしいのではなかろうかなと思います。  もう一つは、最大の受益者はだれかというようなことでございますが、私どもの経験談義からいけば、当該国の国家ではなく、そこに住む人々に対する受益が最大の目的だと思っておりますので、その受益者に直接還元できるような、地域社会に対する小規模援助、ここに限りなくNGOを活用していくべきだろうなと思っております。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 赤松先生から御指摘をいただきましたODAの意義についての基本的な認識の問題でございます。  ちょっと私の表現に適切さを欠いた部分があったかもしれません。申し上げたかったことは、幸いにいたしまして、我が国の国際貢献の柱として、ODAの重要性に対する国民の支持というのは大変高いものがあるということです。  ただ、この高い支持を当然視してはいけないわけでございまして、総理府の調査等にもあらわれておりますけれども、これは当然視されてはならない。そのためにも、国民の理解、支持を得るように格段の努力をしなければいけない、改革もそうでございます。そういうつもりで、国民の支持、それから国会を通じます国民の意思というものをよくくみ上げ、よりよい援助をするために絶えず努力をしなければいけない、当然視してはならないということを申し上げたかったつもりでございます。

山中あき子公明党・改革クラブ

○山中(あ)委員 先ほどから参考人の方々、それから各委員の方々のお話を伺っておりまして、今まで何度も何度も話し合っていた九二年にできているODAの大綱の中で、やはりNGOの活用ですとか、二国間に偏重している発想を多国間というものにもっと広げていくとか、あるいはハードからソフトへ、つまり人材の登用あるいは育成へ、それから評価法の確立ですとか、情報の公開、あるいは、要請主義からの脱却をどうするかというようなこと、あるいは、多年度予算のことというのは、今までも随分指摘されてきておりますので、今回のさまざまな御指摘もまさにその辺のところは私は全面的に賛成するところでございます。  それでは、日本はどうしていくかという中で、先ほど細田先生の方から日本の得意わざをというところがあったと思うのです。私はもっとこれから中期的な、大島局長も、中期的な、具体的なプロジェクトを今作成していくという中で、本当に顔が見えるという意味は、私たちが国民の税金をどういうふうに使うのか。ということは、日本のアイデンティティーがそこに見えるかということであって、アイデンティティーが見えるということは、ナショナルインタレストに基づいたアイデンティティーがきちっと見えるという意味では、例えばこれは前に申し上げたかもしれませんけれども、イギリスの、新たにできましたインターナショナルディベロプメントのODA庁が格上げして省になったところでは、まさにOECDの示唆に従って、二〇一五年までに世界の貧困を半減するというような具体的な目標を掲げていることを考えますと、これからの日本の十年なり十五年の間は、確かに得意わざはたくさんあるにしても、現在やっている中の延長線で考えますと、例えば環境に関しましては、日本は既にODAの中で一五%以上のシェアがあるわけで、そういった環境、もう一つは、医療分野も世界でトップの貢献をしている。  例えばこの二つに絞って、それを総合的な、十年なら十年、十五年なら十五年のプログラム、プロジェクトをつくって、それに従ってこういう形で日本はODAをやりたい、だから、これに賛成して、こういう形で自分の国の質を向上していくあるいは開発していく、発展させていきたいところは申し出てほしいというような、これは要請主義の脱却にもなりますし、そういったことを具体的につくってもいいのではないかというのが一つの提案でございます。  それから、もう一点でございますけれども、バイからマルチというような発想の中で、先ほど国際協力隊の二百万に上る国際的なやっと築いたネットワークを生かしていないというお話があるのですが、私たちはどうしても今までの高度成長時代の価値観から抜け切れないところがあります。  先日、ミャンマーの援助の状態を見てまいりましたときにも、例えば新ヤンゴン総合病院のすばらしい建物があっても、それを運営するのはミャンマーの軍政府であって、その中で活動している医者も看護婦もミャンマーが費用を払って、ミャンマーの人がやっている。そこには支援がないわけですから、結局は入院は週に二回しかできない、それから大変高度な機械も使われないでいるうちに古くなってしまうという現状を見ました。  もう一方で、例えば女性センター、母子センターに対しての援助のあり方なんかで北京の顔が見えているということなんですけれども、ボケーショナルトレーニング、職業訓練所のミシン百台とか二百台というのは、これは中国から来たものですと私たちに説明するわけです。  ですから、どういうニーズがあるかというのは、一々国会の議員あるいは調査隊が行っても、訪ねていく人がわからない。そういう意味ではぜひ、二百万でもいいわけですが、現地のさまざまなネットワークをもっと活用して細かい情報を得ていく、そういうようなあり方、そういう援助のあり方に切りかえていくという意味で、国内のNGOも国際的なNGOも使っていくべきではないか。その辺、相当思い切った目標を見せて、そして日本の姿勢を見せながらこちらからPRしていくというような発想にならないものかというふうに思っています。  これは、きょうの参考人あるいは大島局長だけじゃなく、ぜひ外務委員会の皆様のお考えも入れていただいて、二十一世紀に向かって、もし、NGOの元年というより、日本の新しい国際援助の元年というようなことで、顔が見えるというのもそういうことではないかというふうに思っておりますが、御意見を賜りたいと思います。

東祥三自由党

○東(祥)委員 参考人の先生、きょうはありがとうございます。自由党の東祥三でございます。  四点お聞きしたいと思うのです。一つは、河野先生が先ほど言われたことは極めて僕は重要なことだということで極めてインプレッシブなんですけれども、それはそれとしてまた外務委員会で議論していかなくちゃいけないと思うのですけれども。  両先生にまずお聞きしたいのは、やはり冷戦構造崩壊した後、私たちが想像する以上に国際社会というのは変貌していると思うのです。日本の政府開発援助をやる意味といいますか、その戦略的な目標というのは一体何なのか、これが非常に不明確なんだろうというふうに思うのです。どうしても、ODAの問題になると、個々のプロジェクトの問題だとか、お金を幾らやっているんだとか、そういう話ばかりになってしまって、要するに、日本の顔云々という話にしても、日本のODAというのは一体何のためにやるのかということが多分それぞれによってみんなばらばらなんだろう。そういう意味で、両先生は何のために日本は政府援助というのを行うんだと。  それは、よく国際会議で、日本の参加者がその会議においてなかなか受け入れられないというのは、常に全体的な視点で物を言えない、また言葉のハンディだとか、いろいろな問題があるわけですけれども、基本的には、世界の国々と共有できるようなグローバルインタレストで話をすることができるか。別の言葉でいえばグローバルインタレストはナショナルインタレストそのものなんですね。それは一体何なんだということが全然ODAに関しては私にはよくわからない。  そういう意味で、両先生に、何のためにODAというのはやるんだと。まさに戦略ですね、それは一体何なんだと。それを国際社会に示さない限り、幾らここでいろいろなことをやったとしても、これは絶対信頼される国なんかになるはずがないというふうに私は思っていますので、この点について、日本のODAの戦略というのはこうなんだというものがあれば、両先生からまず一点お聞きしたいと思います。  それから、NGOとそれから政府のODAの活動に関する役割について両先生にお聞きしたいと思うのです。私も議員になる前、国連職員で世界じゅうでいろいろな仕事をしてきました。UNIDO、国連工業開発機関というところでも援助担当で仕事をしていたのです。その後、難民機関でアフリカだとか中東だとか、そういうところで仕事をしていたのですけれども、日本のNGOと世界各国のNGOの違いというのは、私は、これは完全に分けなくてはいけないのだろうというふうに思っているのです。  それは連携は必要ですけれども、例えば先ほど藤田先生が言われていた、コソボに日本のNGOのメンバーが行っている、それはすばらしいことだと思うんです。日本政府ができないことをNGOの方々がコソボでやっている。しかし、どうしても日本人のメンタリティーというのは政府に保護を求めるようになる。一つはお金、それからもう一つは安全性の問題。人道的な支援というのは、まさに安全ではないところで人道的な支援のニーズがあるわけですから、それに対して政府が行けない、それに対してNGOが主体的に行く。しかし、自分たちの活動の安全弁を政府に求めるということであるならば、それは話が違うのではないのか。  とりわけ、例えば有名なMSF、メドサン・サン・フロンティエール、国境なき医師団というのは、かなりの友人がおりますけれども、やはり政府に期待することなく、独自の力で財政的な基盤もつくり上げ、そしてまた政府が行けない、二十四時間体制でどこにでも行く、そして自己責任で行っていく、そういうスタンスが確立されている。  そういう意味からすると、日本というのはどうしても、産業とのかかわり合い、護送船団方式というのがありますけれども、何かNGOも政府に期待するところが多過ぎるのではないのか、またそれに対して、政府もびしっと明確に言う視点というのはないのではないのか。そういう状況の中で本当の連携なんというのはできるはずがないと私は思っているのですけれども、この点について、両先生の御意見をお聞かせ願いたい。  それから、もう一つは、私は、かつてモザンビークに行ったときに物すごい衝撃的な事象に遭ったのです。それはどういうことかというと、まさに内乱でドンパチしている状況が終息状況に向かう、そういうふうになったときに、いわゆる武装集団の長が、何とかして平和を達成しようとするわけですけれども、平和を達成しようとする意思を具体的に動かしていくためには、どうしても、自分の配下の人間たちにそれなりの財政的支援をしてあげる能力がないと、平和それ自体を構築していく上で全く指導力がなくなってしまう、そういう事態を知ったことがございます。いわゆる平和を金で買えるのかという問題です、一時的な形で。  日本のODAというのは、がちゃがちゃな、ある意味で、一方においては国民に対しての情報公開というのはなされていないと同時に、極めて窮屈な使い方にならざるを得ない。そういう意味では、機動的な形で、本当に今その時点において必要なお金が要るのだけれども、それを十分に使えない。つまり、平和というものを金で買うことができるようなシステムを僕は別の形でつくる必要があるのではないのかと思うんですが、この点について、両先生、いかなるお考えがあるか。  それから、第四番目は、これは大島局長にお聞きしたいと思いますが、いわゆるコソボ問題で、日本は二億ドルの支援を決めました。そして、二億ドルのうちの一億ドルは別として、他の一億ドルはいわゆる国連への拠出として、ジャパン・ファンドとしてその一億ドルを拠出させることを決めたというふうに私聞いておりますが、まさに河野太郎先生がおっしゃられるような視点にかかってくるのですけれども、このときに、ジャパン・ファンドをマネージする人というのはだれなのか、そこへ本当に日本人をちゃんと派遣しているのかどうなのか。日本の金ですから。  かつてアフガニスタンにおいても相当な、アフガンの内乱が終結する状況下において、日本ファンドというものをつくりました。そのときには、ミスター・カーンさんが多分そこの財務担当官になったというふうに聞いておりますけれども、日本はそのマネジメントに全然参加することができないで、結局、日本というのはキャッシュディスペンサーにすぎない。  そういうことで本当にいいのかということで、これは大島局長に聞きたいのです。もし私の理解が間違っていたら訂正していただきたいのですが、もし一億ドルのファンドをつくっているとするならば、そのマネジャーを日本人、もし最高責任者を日本人にすることができないとするならば、ナンバーツーあたりに日本人をそういうときにこそちゃんと送り込むべきだろうというふうに私は思っているのですが、この点について教えていただきたいと思います。  以上です。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 では、山中先生、東先生の質問につきまして、まず参考人お二方からお伺いしましょう。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 非常に難しいテーマをいただいたのですが、答えになるかどうか、幾つかの数字なりを御紹介したいと思います。  何でODAをやっているんだ、日本にとっての意義はということなんですが、一つここで例えばということで紹介したいのは、今月発表された人間開発報告、これはUNDPのものですが、世界の上位二〇%の人口と下位二〇%の人口との経済的格差。これはもう言われて久しいのですが、一九六〇年には三十対一であった。これが、一九九〇年には六十対一、九七年には七十四対一。  ことしの報告の特徴は、こういった格差の広がりにスピードがついてきた。これは、いわゆるインターネットなどに見られる情報化ということでもあるのですが、グローバリゼーションに乗っている国、あるいは乗れなかった国との格差が非常に広がっているであろうということは、次の二十一世紀にとって大変な不安定要素になる。この点に私は非常に注目しておりまして、一種の国際システムを維持するための取り組みあるいはコストというものを国際社会全体が負担し合うべきではないかというのが第一点であります。  それから、最近政府でも唱えられておりますが、人間の安全保障という考え方に関心を持っておりまして、いわゆるナショナルセキュリティーといったことからやや幅の広がった概念になってきているわけで、そういったセキュリティーという言葉の概念の一つの広がりということからいっても、日本の開発援助というのは非常に大事であろう。その結果、日本の顔なり、いわゆる広い意味での国益というものが増進されるであろう。  それで、平和を金で買い取れるかという点、答えになるかどうかはわかりませんが、紛争と開発ということを我々は考えなきゃいけないだろう。これは、ひとりモザンビークなどアフリカの問題ではなくて、北東アジアについても言えるわけで、開発ということ、コソボでもそうですが、紛争が起きる前には必ずそういう開発上の問題がある。これは、環境破壊も含めて、あるいは貧富の格差ということですが。あるいは、紛争がおさまった後の開発問題ということも考えなきゃいかぬ。  これについては、日本の中で、取り組む体制、それから取り組む考え方がまだまだ未熟ではないでしょうか。結局NGOに頼るということになるのですが、JICAについてもそういった仕組みがなかなかできない。  したがって、NGO、またNGOになるのですが、これは東先生おっしゃったように、まさにNGOにそんなに期待していいのか。期待はしたいのですが、そんなに力があるというふうに私は全く思っておりません。これは日本社会全体の問題であろうかと思います。  以上です。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 私ごときにはちょっと重過ぎるような課題かな。  特に、ODAの意義ということでございますけれども、私の感性で言わさせていただければ、我が国が国際社会で自立し続けるための一つの手段だと思っております。ひいては国際、世界平和のため。私、これ以上の論点を持っておりません。  それから、ODAに対するNGOの役割でございますが、今、脇阪さんもおっしゃられましたように、私は、NGOであるがゆえの存在理由があるのだろうと思うのですね。まさしくそれが、GGベースではかゆいところに手の届かないような、また即応性の問題も求められる中、やはり当該国の地域社会の民衆と直結した範囲の中にこのNGOの役割分担があるのだろうと思っております。  また、そこにおけるNGOの役割、当然ボランティアとして動くわけですが、私ども仲間論議でもそうなんでございますけれども、ボランティアの自己犠牲の究極、これに対する団体の諸活動をしておられる方々の論議が、究極的なボランティア、また自己犠牲の究極はというような論議が、そこまで国内ではされていないのじゃなかろうかなと。  単に昔言葉で言うのでしたら、勤労奉仕的な行為の範囲においてのみ善意に解釈し、言い過ぎかもしれませんが、ボランティアの究極がもしも自己犠牲、死まで見詰めるのであれば、これは論議を深めておいた方がいいのではなかろうか。ましてや、海外に根差すNPOの諸活動がこの辺のレッドゾーンに限りなく踏み出していく、ましてやNGOの行為が予防外交の一助を担うというところまで論議を高めていくのであれば、なおさらボランティアの究極の論議をきっちりしておいた方がいいのではなかろうかなと思っております。  それから、モザンビークの例を引きながらおっしゃられた、最終的には平和を一時的な資金援助で買い取るというお話でございますが、私は、この一時的な民生安定を資金援助で行うことの是々非々があるのではなかろうかなと。ややもしますと援助漬け、それが援助なれ、結果的には自助努力の放棄というものになりかねない。ですから、この辺はアメリカのNPO団体でも絶えずジレンマに陥っている。施しと自助努力に対する支援行為、この峻別をいかにしていくのか、この辺が一つのテーマではないのだろうか。  ですから、時と場合では人道的な見地からの資金援助、結果的に一時期民生安定を図ることはもちろん願うところでございますが、長い目での開発行為から見た場合に、自助努力の放棄行為に引っ張る可能性があると思っております。  以上です。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 では、大島局長の方から、ミャンマーの病院の問題と、それから今のジャパン・ファンドの、日本人がどうマネージするかといった問題、お答え願います。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 山中先生から御提起ございました点でございます。  一般的に、NGOとODAの関係についてさまざまな議論があるわけでございますけれども、NGOには、基本的にその独立性、自立性を非常に大事になさっておりますので、ODAとの関係も一定の気をつけてやるべき部分というのがあるかと思います。  つまり、一部のNGOの関係者の中にはODAのいわば風下に立つような形で活動することを潔しとしない、そういう志を立ててやっておられるところもございます。こういうものは、そういう志というものを非常に大事にされているので、そういうものとうまく両立するような形でのODAとの協力があればやっていくというようなことであるかと思います。  いずれにしましても、対話を深めていくということはお互いの利益になります。特にミャンマーの例が挙がりましたけれども、なかなか今のミャンマーにおける情勢ではODAによる活動が限られておるわけでございますので、そういう中でNGOが果たされる役割というのは大きい。そういうことで、私どもも、NGOとの対話をする、協力をする領域があれば積極的にやっていくというつもりでやっているわけでございます。  それから、東先生からお話ございましたジャパン・ファンドの関係でございますが、まず一般論としては、御案内のとおり、ジャパン・ファンドをつくるということは、日本の政策意思なり意向、気持ちというものが反映される形でジャパン・ファンドが設けられるということでございますので、ジャパン・ファンドの資金の活用につきましては、日本側の意向が最大限尊重され、取り入れられるということで運用されております。  例えばUNDPなんかにもジャパン・ファンドを設けておりますけれども、そういう意向を反映するために日本人のスタッフが相当かかわって、直接的にかかわる形でその担保をしておるわけでございます。できるだけそういうふうにやっていくべきものであろうと思っております。  具体的に、今のコソボの件につきましては、復興援助に充てられる一億ドルをどう手当てして、具体的にどうするかといった、なお検討中のものがございます。しかし、基本的に、東先生から御提起いただきましたような、マネジャーとか、あるいはきちんとこれに携わる人が中に入るという点も、これも非常に大事なことであろうと思っておりますので、できるだけそういうことが実現するように、また私どもとしても工夫し、努力していきたいと思っております。

伊藤茂社会民主党・市民連合

○伊藤(茂)委員 社民党の伊藤でございます。  きょうは貴重な試みをやろうということですから、何かこういう議論の中で、各党派、またここにお越しいただきました皆様も含めまして、前向きのコンセンサスが一つでも二つでも形成できれば非常に意味があることだなというふうな気持ちでおります。そういう気持ちで、短い時間、三点だけ意見を申し上げて、御意見があれば伺いたいと思うのです。  一つは、ODAとNGO、NPOの問題です。いずれにしても、先ほど来政府から御説明ございましたように、ボリュームからクオリティーが問われている、そういう時代になった、世界も変わった。また、総理もしょっちゅう言われておりますように、ヒューマンセキュリティーという時代。ヒューマンセキュリティーの時代にさまざま起こってくる問題に、一体日本はどうできるのか。また、世界からも尊敬されるにはどうするのかということになってくるので、やはりそういう意味では、もっとNGO、NPOの協力を含めた形になる。  しかし、どうしても、今の形を見ると、局長の御説明を伺っても、NGO、NPOの皆さんの御協力、御相談、まあ御協力という印象なんですね。アメリカとかみたいに、もう大体何割か、四割ぐらいは任せたというような時代になれば、いろいろな意味でお互いに国民レベルでの共通性が出てくる。それから、国民に向けても、やはりいい意味での明るい話題ができる。グラスルーツODAなんかそうですね。そういうことがやはり望ましいと思うのです。  そういうことを考えますと、できれば今年度中とか、この一年間のうちに何かそういうことを、この問題はこういうNGOの皆さん、NPOの皆さんがやっているからやっていただきましょうというふうな突破口をつくることですね。それがニュースにもなる、みんなに喜ばれるというふうなことがあっていいんじゃないだろうかというふうに思います。私は、グラスルーツODAの規模の五百万円も、どこかでやはり四倍ぐらいにふやしたものでやるとか、そんなに難しくはないと思いますね。  それから、もう一つは、やはり日本のNGO、去年かおととしの外交青書の中に、日本も含めた世界のNGOの現実というリポートがございました。興味深く読んだのですが、それはアメリカと比べたら、残念ながら、スケールにおいても活動能力もまるで違う。さっき税制のお話がございましたが、税制も一つだと思います。しかし、何かそういう意味での機能をいろいろな意味で拡大をして、プランニングも執行もおれたちでやるぞというふうなだけの存在がやはり日本には欲しいと思いますね。そのために多面的な努力をしなければならぬ。  こういうものは、本当にやはり市民ベースの運動ですから、行政が育てるというよりも、育つ環境をつくってあげるというようなことじゃないかと思うのですが、何かビジブルに、とにかくこの一年間の執行の中でやったらどうかというふうな意欲をお互いに持てないだろうかというのが一つですね。ですから、局長それから貝塚さん、どうお考えでしょうか、意見があれば伺いたい。これが一つ。  それから、せっかく自民党の責任ある方々の皆さんがいらっしゃいますから、いただいた資料でも、参議院でも衆議院でも、基本法の問題と、向こうは十六省庁あるいはもっと統一した仕組みにしなければならぬ、連絡会議をつくる、外務省も努力をされている、これは当然のことだと思います。  かつての与党時代にも、行革の中で私ももっと力強く主張すればよかったなという反省もしますけれども、何かやはりそういうものが、もう国会も終わりですから大急ぎでどうというわけじゃないのですが、みんなで議論をして、党派を超えた議論の中で、やはり何かこれからの新しい世界、それからヒューマンセキュリティーの時代、しかもボリュームからクオリティーということを問われている時代ですから、日本はこうだということを鮮明にする意味でもそういうものがあってもいいのじゃないか。提案されている党は別の党ですから言いにくいのですが、そういうことができれば非常にいいことじゃないかなというふうに思います。特にこれは、参議院では自民党さんも含めてやったのかな。どうお考えでしょうか、意見があればと思います。  それからもう一つ、さっきミャンマーの話が出ましたが、きのうの夜もテレビを見たらミャンマー軍事政権云々という話をしていまして、ミャンマーへの援助と、それからスー・チーさんの問題とか何がどうとか、もう長いニュースですね、残念ながら延々と続いている。そのたびに相当セーブをしたり一定規模再開をしたりという経過を、私は御説明は伺っております。  そういうことが、市民運動をするも何も、やはり本当は、よその国に内政干渉するわけじゃないが、よその国にもいいデモクラシーの社会になってもらいたい、朝鮮もそうですけれども、なってもらいたいという気持ちを持ちながらこういう態度をとっているんだということがもっとわかるような態度のとり方があっていいのじゃないだろうかなという気も、きのうもニュースでやっておりましたので、改めてそんなことを思いました。  以上三点。

玄葉光一郎民主党

○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎と申します。  私からは、民主党のODAについての議論の若干の紹介と、私の幾つかの意見を言わせていただいて、それに対する御意見をいただければありがたいと思っております。  民主党では、きょう中野政調会長もいらっしゃっておりますが、外務部会の中にODA小委員会というのを設置しまして、今まで六回ぐらい議論したのですが、秋を目途にODA改革案というのを出すということで、ODAを全面的に、洗い直すと言うと語弊があるかもしれませんけれども、見直しているという状況でございます。特に、ODAの理念、目的という観点、さらに透明性、効率性という観点、さらに自治体、NGOとの連携という観点を重視して、今議論をし始めているという状況でございます。  それで、質問でございますが、また若干の意見でありますけれども、先ほど東先生からも話がありましたけれども、私たちも、ODAの理念、目的に関連して言えば、何のためのODAなんだ、先ほど来から出ている広い意味での国益というのは一体何なんだということを改めて今考えて議論をしています。  先ほど来から外交ツールとしてのODAという議論もありますけれども、外交ツールとしてのODAをどう評価するのか、どのくらい効果が発揮されているのか。先ほど費用対効果という話もありました。我々も納税者の皆さんに対して説明をしなければならない責任がございます。この点について、補足があれば、また大島局長の説明もぜひこういう場でも改めて聞いてみたいというふうに思っています。  次に、ODAの透明化、効率化という観点で一つ二つ意見を簡単に申し上げれば、どうしてもこの点で一つ問題になるのは、十八省庁体制の問題というのが出てくると思っています。特に、細かいと言われるかもしれませんけれども、外務省以外の他省庁分の技術協力、技協は十分に公開されていない。この点は改善をしなければならないし、外務省が調整の中核を担うということを言っていますけれども、本当に中核を担えるのかどうか。内閣を新たに発足するときにはしっかりとそこを改めて明確にしないと、多分変わらないのだろうというふうに思っています。公開の面と実施体制の面であります。  もう一つは、参考人の御意見にもあったと思いますけれども、外務省の組織。これも大島局長に聞いておきたいと思いますけれども、外務省の組織を見たときに、つまり、ODAを外交ツールとして使うんだ、しかも、できる限り戦略的に使うんだというふうに考えれば考えるほど、国あるいは地域にきちっと対応しなければならないだろう。今、援助の、外務省の中の体制がそのようになっているのかどうかと言われれば、なっていないのだろうというふうに私は思っていますので、ここの組織を外務省として考えていかなければならないのではないかということであります。これは効率性とも関連するということであります。  最後に、五分ということですから、もう一つだけ申し上げれば、NGOとの連携の話というのは、ここは私は東先生とは認識が違っていて、この何年間かNGOの皆さんと非常に交流をさせていただいて、精神的なたくましさというのも感じています。まさに精神的にもブレークしそうだなという感じがしているわけです。ですから、結局のところ、問題は税制、NGO税制、NPO税制なんだろうというふうに私自身は思っていますので、この点は私どもはしっかりと政策化をしていきたいというふうに考えております。  以上です。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 ほかに関連はありませんか。  では、今の玄葉先生の御発言に対してのコメントをちょうだいいたします。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 ODAは何のためにやるかという根本的な問いかけなんですが、一つまた御紹介したいのは、かつて外務大臣も務められました大来佐武郎さんの本の中の言葉なんですが、一番いい援助というのは、結局、その相手国が援助を要らなくなるようにすることだというような意味のことがあったと思います。大来さんは、それに続けて、日本が一番それをやっているんだというふうにつけ加えているのですが。しかし、この二十年余りを見てみますと、どちらかというと、ODAを出すことが目的化していた面がなくはない、やはりODA大国ということを目指してきたわけですから。ただ、さっきから申していますように、相手国のニーズに従ってやるということがまず世界の潮流でありましょうから、そういうふうに考え方も仕組みも変えるべきであろう。  それから、ミャンマーの話にも関係するのですが、東南アジア、私実は担当しておるのですが、アジア危機の前にはもう卒業国が既に出て、あと数年内には続々卒業するであろうという時期に危機が起きて、それで今回、宮澤構想ということになったのですが、実は、まさにその卒業を前に、ポストODAをどうするのかという議論が当時、数年前にあったわけで、そういうことを常に考えるのが外交であろう。しょせんODAと言うと言い過ぎですが、ODAの重要性を全体の中で位置づけるということが必要であろう。  その東南アジアの話なんですが、今週ですか、ASEANの会議がありましたが、あの中で、やはり周辺国、ラオス、ベトナム、ミャンマーなどについて、その経済格差を縮めるための努力をしよう、たしか人材育成のファンドをつくろうなんという提案もあったようですが、それに対して日本の外務大臣も支持をしているようであります。  つまり、言いたいことは、開発援助というのは相手を常に包み込もうという性質があるわけで、特に日本においては、制裁というよりも相手を包み込む、その中で改善を図ろうという性格、そういうツールなわけですから、そこはやはり大事にしていいんじゃないか。ミャンマーに限らず世界に軍事政権は多々ありますが、突き放していては全く、グローバリゼーションの波の中、落ちこぼれるだけの話ですから、まさにいろいろなセカンドトラックのNGO等の新しいパートナーを、プレーヤーを生かすということが必要かと思います。  以上です。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 ODAに関する意義の問題でございますけれども、私個人は先ほど申し上げたような認識でおります。  それから、ODAのNGOの存在でございますけれども、まさしくおっしゃられましたような範囲に私は同感でございます。ただ一つ、先ほどどの先生から御質問が出たかちょっと失念いたしましたが、いい機会ですので、協力隊事業の経年変化、一、二、私の経験談義として認識しておるところを申し上げますと、やはり、現状、協力隊事業の展開、基本的には、日本社会の人材供給能力次第で協力形態と協力分野がややもすると変化してきている。まさしく国内の社会変化と現地受け入れ国側、最大の受益者である現地相手側の変化度合いが一致していない。協力隊事業の今後のあり方が問われているところではないのだろうかな。  それは具体的に何を申し上げますかというと、一つは、あくまでも最大の受益者が現地であるならば、現地の背景、要請調査がまず第一であり、それに対する対応を後方支援の地である国内においてどういうような体制づくりがあるのかということなんでございましょうが、現在、国内での応募体制、公募をしいておりますから、ここに応募されてくる志ある若者の数の集まりが、ややもすると社会活動、そこに、二の募集に対して四百も来るとか、あるいは構造的な、社会構造が生み出す職種、農業青年関係ですと要請に対する応募が非常に少な過ぎるとか、この辺、まさに人数のギャップがございます。  これは幾多、先ほど来出ていますNGOのあるいはNPOの今後の育成においても、当然得手不得手な分野の設定、ややもすると、現地の背景、要請から出てくるそのニーズ、要望を拾い出してきますと、まだまだ、都市型の協力ではなく、農村型あるいは国土建設に伴ったような協力体制の依頼がどんどん上がってくるんだと思うんですね。  ちょっと散逸な話になりましたけれども、そんなところを認識しております。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 ODAの意義については、冒頭、ごく簡単でございますけれども申し上げたつもりです。戦後、日本が復興する過程の中で、既に一九五八年にインドに借款供与という形で日本が援助の道に入っていくわけですが、その後、一九八五年、ちょうどプラザ合意の年に日本が世界最大の債権国になるというようなことで、一つ節目が訪れました。八〇年代の後半から最大の援助国に向けて、予算的にもその拡充をしてきたということで今日に及んでおるわけでございます。  当初からするとほぼ四十年近い時間、それから、本当に世界的にも注目される事業を始めるようになってここ十年強だろうと思いますけれども、この長い間にわたってODAの理念とかその基本的な考え方というのもいろいろ変遷をしてきているんだろうと思います。これからも恐らくその意義づけについては変わっていく可能性があるんだろうと思いますし、恐らくそういうものではなかろうかと思います。あるいは、アクセントの置き方というものがいろいろ変わっていくんだろうと思います。  そういうことだろうと思いますが、やはりいろいろな理由から、ODAを通ずる日本の協力あるいは貢献というものが、海外から強く期待されているだけではなくて、やはりこういうことを通じて日本は発信していくというところに恐らく変わらない意義というのがあるんじゃないかなというふうに思っています。それをどういうふうに表現していくかというのを明確にする必要がありますし、時によって変わっていきますので、これはいろいろ議論をしていく必要があろうかと思います。  効果についてでございますが、ちょっと一般的になりますけれども、日本がこういった長い間の協力を通じてやってきたことが、広い意味で日本の国際的な地位を高める上で、あるいは日本の外交力を高める上でやはり大変に大きな支えになっているという事実、これは定量化して言うことはなかなか難しゅうございますけれども、厳然としてあるんだろうということで、この点は日本国民全体として自信を持っていいんじゃないかというふうに私どもは考えております。  具体的に言うのはなかなか難しいんですが、例えば国際的な選挙という場があります。ODAは何も選挙で票をとるためにやっているわけではございません。しかし、常日ごろ日本から得ているいろいろな協力に対して相手の国がせめて恩返しをしたいという機会がそういう場合であれば、選挙という場合に表明されるということであれば、これは非常にありがたいことでございますし、日本の対外的な地位というものを下支えする一つの形になっているんだろうと思います。そういう意味で、一つ重要な効果があるということは言えると思います。  それから、日本はアジアを中心にしてやってきました。そのアジアが被援助国からだんだん卒業していく。今度は、まさに日本のかつてがそうであったように、援助を一方で得つつもみずから援助する側に回っていく、こういう国が出始めております。タイなんかはそうでございます。マレーシアもそうでございます。いずれインドネシアもそうなると思います。そういう国々をさらに日本がバックアップして、より恵まれない国に援助をしていく、そういうプロセスをこれから日本が、南南協力の支援というような形で援助していく。これはすばらしいことだろうと思いますし、さらに、アジアのエネルギーをばねにアジアとアフリカの間の、アジア・アフリカというコンチネント、大陸を目指した形で、いずれアフリカ協力にも、今まで欧米の旧植民諸国ができなかったようなことをアジアがやっていく、あるいはそれを日本が後ろから支えていく、こういうビジョンも将来的にはあるんだろうと思います。  こういうことは、日本が外交活動、対外的な発信をしていく上でやはり非常に重要ですし、TICADIIということをやりましたけれども、そういう気持ちがあらわれ、かつそれがアフリカの国々に一部理解され始めているということもあるわけでございまして、これはまた大変に将来的に貴重な財産になるんだろうと思います。  最後に、外務省の組織と調整についての点でございます。  確かに、国別、地域別の対応をきちっとしていく上で機構の問題は非常に大事でございます。外務省の中には地域局があり経済協力局という機能の局がございまして、その連携でやっておりますが、ただ、世界一の規模の援助をやっているにしては、私どもの経済協力局の中にも、やはり地域的に物事を見ていく、ノウハウを蓄積していくというためには、何らかの地域的な単位の組織がかなり必要であるということで、長い間指摘をされてきました。私自身も、局長を過去二年やってきていまして、その必要性を強く感じておりました。次の機会にそういう組織をやっていく。JICAにおきましても地域別の課を導入いたしております。これはやはり必要な部分であろうと思っております。  調整につきましては、法律的な基礎が初めてできました。これが実際どういうふうにこれから運用されていくかという問題は残っておりますけれども、いろいろな手段、それから政府、省庁の協力を得まして、この調整の実を上げるために最大限の努力をやっていくべきだと思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 ずっといろいろな議論を聞いていまして、やはり今の時点でODAのあり方、理念、何のためにやるのかというような議論が出てきているというのは、この辺はやはりよく議論をしなければならぬじゃないか。私どもは、やはり今の世界は、人類の安全とか進歩とか幸福とか、あるいは地球を守るとかそういうことを第一義的に考えるということ、日本がその先頭に立つということが日本の存在意義でもあるし、アイデンティティーでもあるし、それから、広い意味で言えば日本の国益にもなるんだろうと思うんです。  そういう点でいいますと、ODAのあり方、一体受益者はだれかというのについては、いろいろ皆さんのお話がありましたけれども、これは現地の住民が受益者なんだ。これは真っ正面から議論をすれば、だれも異論のないところだ。ただしかし、そういう問題提起が出るというところに問題があるんだと思うんですね。  それで、ODAが、例えばマルコス政権とかスハルト政権との結びつきだとか、さっき挙げましたインドのナルマダだとか、いろいろなそういうものがありますと、国内でも疑問も起こるし、それから国外でも、日本の企業の利益のためにやっているんじゃないか、こういう疑問が出てくるわけですよ。そこのところをやはりシビアに見詰めながらやる必要があるんじゃないか。  私は、ちょっと具体的にお聞きしたいと思うんですが、一つは、例えば経済インフラのシェアが、二国間ODAの分野で見ると、これは九八年のODA白書で、日本は四五・一%、DAC平均二三・七%。圧倒的に多いんですね。それから、約八億の人が飢餓に瀕しているという食糧援助はどうか。ODA予算割合が九八年度で一・三八%、九九年度で一・二一%という状況であります。それから、LLDCの割合が、これはDAC加盟国の中で日本はやはり低い。これは九六年で十九位ぐらいになっていますか。  大島さん、きょうおいでになるから、これはちょっと大島さんに個別的に聞きたいと思うんですが、うちの議員が参議院で問題にしたときに、いや、無償資金協力で見た場合には五〇%にはね上がる、こう言われたんだけれども、大島さんにお話しして、いただいた資料によると、二十一カ国の中で十七番目、二一・六%。だから、大島さんが参議院で言われたのは何の数字を言われたんだろうかという気もするんです。  そういうことも含めて、私は三人の皆さんにお聞きしたいのは、一つは、やはり経済インフラの問題。そして、企業の利益に日本のODAは見られていないかという問題。それから、本当に私心のない援助というのがうんと大事なんだと思うんですが、そういう点でいえば食糧援助だとかLLDC援助だとか、そういうものをどう見なければならぬのかということを三人にお聞きしたいのと、それから、一つはやはり公開ですね。腐敗の温床になってはならないので、この問題についてどう考えているのか。  それから、特に貝塚さんにお聞きしたいのは、私どもは、NGOに対する援助は、日本はほかの国と比べて非常に低いと思っています。もっとふやさないといけない。貝塚さんのお話の中で私はこんなふうに、いわゆる円借款中心、企業進出中心じゃなくて、やはりNGO中心に変わっていくべきじゃないか、そういう批判であったんじゃないかなと思ってお聞きしたんですが、その辺のことをちょっとお聞きしたいと思います。  以上です。

大島賢三外務省経済協力局長

○大島(賢)政府委員 日本の企業が援助活動に参加することの是非にかかわる問題でございますが、これはかつての、先ほど申しましたような二十年、三十年前の時期はともかく、今日においては、ODAの事業というのは、日本の企業を振興するとか輸出を振興するということを目的にやっているわけではございません。あくまでも相手国の支援ということが第一義であるわけです。  ただ、その目的を遂行しつつ、なおかつ日本の企業あるいは日本人がより多く参加するという目的が達成されれば、それはなおいいことでございますので、この両立が図れるような形というのは、これは特に批判されるべきものではないんじゃないかと思います。逆に、日本人あるいは企業の参加がないということになりますと、いわゆる顔の見えない援助だとか、いろいろなことを通じてODAに対する国民の理解、支持というものにも好ましくない影響が出てくるということでございますので、この辺はそういうふうに私どもは考えております。  あと、食糧援助、LLDCに対する援助の比率でございますが、食糧援助につきましては、御案内のとおり、ここに松本先生が御指摘になった数字は無償の数字でございますけれども、それ以外に技術協力とか食糧増産援助とか関連をいたしまして、いわゆる食糧あるいは農業の分野に相当の量をやっております。これは、ちょっと今手元に正確な数字は持ち合わせませんけれども、農業分野について見ますと全体で二〇%を下らないと思いますので、もっと大きなものがなされていると思います。  LLDCにつきましては、これはやや技術的でございますけれども、日本のやっておりますグラント、いわゆる贈与の中で申しますと、確かにDACの資料ですと二一%ということになっております。無償資金協力というのがそのグラントの一部分としてございますが、これを分母にしますと半分近く、五〇%がLLDCに向けられておるということでございます。  なぜそういうことになるかと申しますと、欧米の国はやはりアフリカ中心でございます。日本の援助は、アフリカもやっておりますけれども、やはり主戦場はアジアでございまして、アジアにおきましては、インフラ整備を通じて経済成長路線をやるという開発戦略をとっている国が大半でございますので、そういう国を主たる相手にODAをやっている日本としてはインフラ部分に対する援助が大きくなりますし、ODA全体を分母にしたLLDC援助の割合ということを見ますと、アフリカを主としてやっておる欧米の数字と比べますと数字としては低くなっております。低くなっておりますが、これはLLDC援助を軽んじているということとはちょっと状況が違うという点はぜひ御理解をいただきたいと思います。

貝塚光宗社団法人青年海外協力協会理事長

○貝塚参考人 参考になることを申し上げさせていただくと、ODAに対するNGOのかかわりでございます。  何をもって民間的あるいは民間発想的な視点、かなり幅のある言葉だとは思うのでございますが、コスト感覚を持ちながら一つの開発援助にかかわれる範囲の場もあるのではなかろうかというような思いから、先ほどレジュメに書き上げた資料を配付したようなあんばいでございます。  これがどのくらい門戸開放され、どのくらい土俵が与えられ、そこに加担できるNPOないしNGOがどのくらい育っていくのかは、ひとえに、(2)でも申し上げましたような、税制面での支援行為なり免税施策がとられない限り、これも絵にかいたもちになるのかなと思っております。

脇阪紀行朝日新聞論説委員

○脇阪参考人 二点だけ指摘したいのです。  一つは企業との絡みですが、これはやはりフェアネスということが大事であろう。そこで指摘しておきたいのは、アンタイドの中で多くは行われているわけですが、今、問題にしておかなければいかぬのはタイドの部分、つまり日本のコンサルタントの競争力ということが少し気になるところであります。  つまり、学校をつくったり病院をつくったり、そういうところのノウハウあるいは技術は大いにあるのですが、この国の教育行政をどうするんだとか医療の仕組みをどうするんだという知的な部分、これはNGOじゃなくてやはり知的な専門家、コンサルタント、コンサルタントというと非常に悪いイメージがあるのですが、そういう専門企業が必要なわけです。ところが、日本には非常にそういう分野が少ない。将来アンタイド化という波がここにも来ておりますから、今の状態では結果的に非常に競争力がないということを指摘したいと思います。  二点目は、国際協力銀行というのがことし十月でしたか、創設されます。今、世界の開発の中で、実際の資金量においてはODAよりも民間資金が多いわけで、その役割を担うのが日本においては国際協力銀行。これによって相当な巨大プロジェクトができるわけで、ここの役割へのチェックが必要かと思います。

山中あき子公明党・改革クラブ

○山中(あ)委員 先ほどのミャンマーのことでちょっと一言補足しておきたいと思いましたのは、五分という中で話したものですから、ヤンゴンの病院のことだけ申し上げましたが、ミャンマーで同じような看護学校というのは大変成功しております。これはやはり建物を日本が援助したわけですが、イギリスの統治時代のナースの精神ということがあって、看護婦養成というのは大成功しているわけです。  ですから、私が申し上げたかったのは、NGOの組織を使うというのは、NGOに直接援助をするというよりも、もし二百万のNGOの組織が世界じゅうにあったら、そこの文化や歴史の情報、何が必要なのかというようなことを担当の方に、情報を収集するという意味で、せっかくできているNGOの組織はそういう形で使っていただけたらというふうに思っておりました。ちょっと時間の制限があったので、一言だけ申し上げます。  あとは、河野先生がおっしゃっていた、私もちょっと申し上げましたが、これから援助に対してメッセージを送っていって、例えばミャンマーの民主化を促進するとか、国連をどう改革するかというか、その辺の問題について、委員長にお願いしたいのですが、ぜひまた時間をとっていただいてディスカッションさせていただければと思います。ありがとうございます。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 議論も尽きないところであろうと思いますが、本日の討議はこの程度で終了することといたしたいと存じます。  参考人のお二人からは、とても有意義な御意見を賜りました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  また、委員の皆様方からも、ODAに関する基本的なあり方や今後の進め方について具体的な御提言もありました。政府にあっても、本日の議論を大いに酌み取っていただきまして対処していただくように要請するとともに、我が委員会においても、これを機に、今後、より議論を深めてまいりたいと存じます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗