予算委員会 第3号
- 発言数
- 366 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/12/10
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度第三次補正予算三案審査のため、本日の委員会に石油公団総裁鎌田吉郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 平成十年度一般会計補正予算(第3号)、平成十年度特別会計補正予算(特第2号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。林芳正君。
○林芳正君 自由民主党の林芳正でございます。きのうに引き続きまして、この予算に関連しましていろんなことを聞いてまいりたい、こういうふうに思います。 きのう、石川委員からも御質疑があったかと存じますが、月例経済報告について堺屋長官にお聞きしたいと思っております。 変化の胎動ということで、かなり大きくこのように新聞にも取り上げられました。私も、昨今、地元で景気はよくなりますかということをよく聞かれます。私自身も自信を持ってもう大丈夫です、こう言うところまではなかなかいかないわけでございますが、もしも間違えてもいいということであれば、いいと言って間違える方が、だめだと言って間違えるよりはまだいいと思っている、こういうふうにいつも地元では言っておるわけでございます。 きのうもお話があったように、いいということをどれだけ多くの人が本当に実感するかということによって、景気は気だ、こういうふうに言いますけれども、ここが底だと思えば皆さん株を買い始める。それは、自己実現的予言という言葉がありますが、みんながいいと思えばそこで買って、実際に株が上がるということも多少あるのではないかな、こう思いまして、同じ間違えるのならいいと言って間違えたいな、こう地元の方には申し上げておるわけでございます。 何も長官が間違えておるということを言っておるわけではございませんで、改善を示す動きと一層の悪化を示す動きと混在しておる、この改善を示す動きの中に変化の胎動がある、こういうような記述であったように思っておりますが、この変化の胎動が感じられるということについて、具体的にどの辺に非常にいい数字があるのかということについて、詳しく経企庁長官から伺いたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) お説のとおり、間違えない方がいいのでございまして、私はかなりの自信といいますか実感を持って申し上げました。 就任以来、日本列島総不況等、かなり厳しい表現を使ってきたのでございますけれども、現在も、実体経済としては極めて厳しい現実の中にかすかに改善の兆候が見える、こういう表現を使っております。決してすぐよくなると言っているわけではございません。 現在の日本では、悪くなる指標とよくなる動き、幾らか改善された動きとが混在しているという状態です。悪くなる方で申しますと、やはり設備投資が、現実にもまた各企業の来年の予定でも年々発表されるごとに低下している現状が続いております。また、雇用についても厳しい状況が続いております。 それに比べまして、変化の胎動が見られるということにおきましては、例えば個人消費や最新の家計調査におきまして、消費支出が対前年比での縮小幅が小さくなり、対前月比では八月以降、八、九、十とプラスに転じております。前年に比べるとマイナスですが、その幅が小さくなって前月比ではプラスを示しております。 また、家電量販店の販売量は顕著に回復しておりますし、十一月の大手スーパーのセールの効果もありました。半導体の価格の低落がとまりまして、むしろ回復ぎみになっているというのも明るい現象だと思います。公庫の引き下げがあったので個人住宅の着工数も下げどまっております。何よりも公共事業では過去最高のペースで前倒しが進みまして、十月には第一次補正予算の効果もあらわれて、二〇%以上九月、十月の発注量がふえております。 こういったこともございまして、生産や雇用も、下落はしているとはいえ、そのテンポが緩やかになってきている。悪い分野は下がっているけれども、いい分野はまだら模様ながらも少しずつ改善の兆しがある、こういった現象は過去の回復のときにも初期にあらわれた現象でございますので期待が持てるのではないか、こういう感じでおります。
○林芳正君 ありがとうございました。 今、長官から過去に数回そういうことがあったというお話でありましたが、まさに私は次にお聞きしたいと思っておりましたのは、戦後何回か景気の波がございまして、私もそう昔のことまで実感として記憶を持っておるほどまだ年がいっていないわけでございますが、実際にそこで底を打ったんだというときと、ああ、あそこで底を打っていたんだなと実際に実感するまでタイムラグがあるというふうによく言われておりまして、今底を打っておっても、なかなか今打ったとすぐにわかるという仕組みでないところがこのずうたいの大きな経済のいわば難点であるかもしれません。 今まで景気の回復過程は何回かあったと思いますが、そこでどれぐらいタイムラグというのがあったものなのか。そしてそのときに、特に経企庁と民間のエコノミストを比べていつも数字が違うんだ、こういう話が出るんですが、その時々において、一体、民間のエコノミストというのはどれぐらい正確さを持って底打ちなり景気の回復過程を認識しておるかということについて、経企庁長官の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 戦後何回か景気の波がございまして、底を打ったときと景気回復が認識されたときとはどれぐらいのタイムラグがあるか調べてみたんですが、まちまちでございまして、一概には言えません。大体、やはり下り坂のときはいつまでも下り坂、上り坂のときはいつまでも上り坂と思うのが人間の本性のようでございまして、かなり認識はずれております。オイルショック以降、景気の基準日をつけて景気の谷と月例報告で景気の回復を認識した時点とのタイムラグを見てみますと、平均五カ月ぐらいずれております。もちろん、谷だけじゃなしに山の方ももっとずれている。ほぼ同じぐらいか、それより多目にずれておりまして、下り坂になってからもまだいい、まだいいと言っていたケースも結構多いのでございます。 民間のエコノミストについてでございますが、平成五年十月、これが直近の、一番最近の谷でございまして、その後平成六年、七年、少し回復をいたしました。その後々に経済企画庁で統計を調べて、平成五年十月が景気の谷であったと断定したのでございますが、月例報告でこれを申しましたのは、平成六年の四月に判断を改めております。だから約六カ月かかっているわけです。平成五年十月当時、景気底入れと判断をした民間エコノミストはほとんどおりません。平成六年四月、エコノミストに対するアンケート調査、これは経済企画庁が底入れと月例を変えたときでございますが、その時点におきまして、三月までに、四月に調査したわけですが、前月までのデータを見て底入れと判断された人は十人中五名でございました。だから民間エコノミストもかなりずれていることが多いということでございまして、その率は、企画庁も民間の方々もそう差がなかったという結果でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 下り坂が続いているときはずっと下り坂だと、上り坂のときは上り坂だというのは、大変に人間の本性をつかれたといいますか、味わい深い言葉だな、こういうふうに思っております。 我々も地元でいろんな方から言われるわけでございまして、どうも実感として、我々自分が商売をやっているわけではないものですから、いろんな方に聞くと、どうも悪い話の方が多いわけですが、ただ、今までの経験からいきますと、いい方というのは余りいいです、いいですと言わないような気がいたします。悪い人の方がどうしても声が大きくなるというのも一方であるのかな、こう思いまして、そこも含めて我々いろんな判断をしていかなければならないのかなと思っておるところでございます。 そこで、五カ月か六カ月ぐらいのタイムラグがあるということでございましたが、前回の臨時国会におきまして私が長官にお願いをした件がございました。それは経済統計をなるべく早く、拙速をたっとんでいただいて、速報値ということで結構でございますから、後で修正あり得べしという形でも早く出していただいた方がいいのではないかというお願いをいたしまして、そのときは財構法との関係で取り上げたわけでございますが、逆に、こういう局面になってまいりますと、またそれはそれで非常に重要なことかな、こういうふうに思っております。 諸外国の例を見ましても、クイックというのを出して、それからもう少しいろんな数字が出てきた段階で修正があれば出すということで、ここで大事なのは、速報値でありますから、後で修正があるよということを聞く方も認識しておかなければいけないということだと思っております。後で間違えたときに、何やっていたんだ、また違ったではないか、五割しか当たらないではないかと言われたのでは速報値を出すというインセンティブはなくなるわけでございまして、まさに拙速をたっとぶという意味で、速報値を早目に出していただくということについて御検討をお願いしておったわけでございますが、この検討状況について経企庁長官から御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) さきの予算国会で林委員よりその指摘がございまして、直ちにその対応をとりまして、動向把握早期化アクションプログラムというのを作成いたしまして、今その実行に当たっております。その第一弾として、既に十月より景気動向指数につきましては二週間早く発表させていただくようにいたしました。また、新たな動向把握早期化委員会というのを設けまして、目下、多方面にわたって検討をして、アクションプログラムをつくりまして来年度には早期化することにしております。この中には現在の統計をできるだけ早くしようというような問題もあります。これには正確を期してきた日本の統計の実務の方々にも考え方を変えてもらわなきゃいけないという点もあります。 そのほかに、母数が全体に及ばないけれども、特定のお店とか一千軒調査とか三千人調査とかいうようなサンプル的な調査を入れていく。特にサプライサイドの、例えば消費でございますと今家計調査という消費者の方の調査が主なんですが、小売店の方にお願いをする。全部を網羅するのは商業統計で通産省でやっていただいているんですが、主なところを全国で千軒お願いするとか、そういうような調査についても考えております。 なお、経済研究所といたしましては、GDPの新たなる速報につきまして検討いたしておりまして、GDP速報化検討委員会というのをつくっていただきまして運営をしております。 なお、当庁所管の統計ではございませんけれども、消費動向の把握等で重要な統計である家計調査等につきましても、本年十一月調査分から勤労者世帯結果の翌月内公表を開始するというようにしております。 御指摘いただきましてからまだ数カ月でございますが、かなり積極的に動いております。
○林芳正君 ありがとうございました。 長官がおっしゃったように、まだ先国会で初めて取り上げさせていただいて、数カ月でかなりの早期化を実現していただいておりまして、大変に感謝をしておるところでございます。 それで、長官が今おっしゃったように、ディマンドサイドとサプライサイド、いろんなところをとってくるんだというお話がありましたが、それとちょっと関連をするかもしれませんが、きのう「不況の環を断つ」という絵を見せていただきました。企業の方はリストラをやったり貸し渋りになったりする、個人の方は所得の減少で雇用不安で消費抑制だ、これが不況の環ということでありましたが、ぱっと見た感じで少しディマンドサイドの方が中心かなと。長官がケインジアンであるかどうかというのは私は余り存じ上げておらないわけでございますが、一方で実は買うものがないんです、欲しいものがなかなかないですという話をよく聞くわけでございます。 以前は、私がまだ記憶がなかった子供のころは、三種の神器というのがあったそうでございまして、もう少しお金があったら、またボーナスが出たら、給料があったら、こういうものを買いたいというものが必ずあって、それは国民の皆さんが、ほとんどの方がこれとこれとこれを買いたいということで三種の神器というのが時代につれてあったということでございます。我々が実際に給料をもらうようになってからは、どうもそういう三種の神器というのがなくなってきたんではないかな、消費構造がそういう多品種少量型といいますか、テーラーメード型ということに変わってきたんではないかな、こういうふうに思っておるわけでございます。 ディマンドサイドを幾ら刺激して可処分所得がふえたとしても、やっぱり余り欲しいものがないと、じゃ貯金に回しておこうかということにもなるんではないかな、こういうふうに思います。供給サイド、サプライサイドの構造改善というものを一緒にやっていかなければ持続的な構造的な景気の回復ということになっていかないんではないかと思っておりますが、この辺について長官の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) お説のとおり、欲しいものがない現象というのがもうこの十年ぐらい続いておるわけです。電気製品にしても衣服にしても日本人はみんな買ってしまった、買いかえ需要ぐらいしかないんだけれども、なかなか丈夫だから買いかえにならないんだというようなこともよく聞きます。しかしながら、これは本当に日本の消費生活が高くなったせいなのか、あるいは日本人が欲しがっているようなものが供給されていないせいなのか、あるいは供給されていてもミスマッチングでわかっていないせいなのか、いろいろの考え方がございます。 それで、アメリカあたりは日本と所得はそう変わりませんけれども、物すごい消費でございまして、家計全体で見ると貯蓄よりも消費の方が多い。今までの貯蓄を取り崩して使っておるというような現象なんです。日本人だけなぜないんだろうかということで、数々の規制緩和の問題もあります。 一九九五年、六年に非常に景気がよかった一つの理由は、携帯電話というのが出てきたということと関係があるというような新製品の問題もあります。また、サービス業その他で日本は非常に規制が強い。例えば、医療にしましても教育にしましてもかなり規制が強いことも関係あるんじゃないかというような点も言われております。さらに、都市構造や住宅になりますと、値段の問題、流通の煩瑣な問題、それから素人は一生に一回ぐらいしか家を買えませんから、ふなれによるやりにくさ、それに伴う手数料や税金の高さ、いろんなことが絡んでいるんじゃないかという感じがいたします。 今般の経済対策あるいは小渕総理の諮問機関であります経済戦略会議等でもそのあたりを取り入れまして、新しい二十一世紀先導型のプロジェクトあるいは空間倍増計画というようなものでサプライサイドにもかなり切り込んだ検討を進めておりまして、なるべくその中で即効性のあるものを取り上げていきたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 まさに衣食住の中で住というところがやはりまだ我が国は潜在的なサプライサイドの改善の余地があるんではないかなと思っておりました。そこをきちっととらえて空間倍増計画というのを出していただいたわけでございまして、即効性のあるものから手をつけるのは当然でございますけれども、中長期的に、これは大平総理のときだったと思いますが、田園都市構想というものがあったように記憶をしております。スペース倍増を考えるときに都市と地方の間のバランスを図るという視点をつけ加えていきますと、さらに大きなスペース倍増ということが考えられるんではないかなというふうに思って、我々も一生懸命この問題に取り組んでいかなければならない、こういうふうに思っております。 今、サプライサイドの規制緩和のお話もありましたけれども、私は、一つはやはり新しい企業が出てきていただいて、消費を刺激するようなものを、またサービスを提供してもらうということが一つのディマンドサイドの改革ではないかな、こういうふうに思っております。 昨日もベンチャーについての議論があったわけでございますが、ベンチャー支援ベンチャー支援といろいろ言われておる割にはなかなか出てこない。いろんな構造的な要因も絡まって、いわゆる八〇年代を通じてアメリカが行ってきたような改革でベンチャーが出てきて、それが雇用や経済を引っ張って景気の回復を果たしておるというような今のアメリカの構造に何とかならないのかということでいろいろやっておるわけでございますが、なかなかベンチャーが出てこない。果ては教育まで少し直さないとそういうようないわばアントレプレナーみたいな人が出てこないんじゃないかという研究会まであるようでございまして、根深いものがあるな、こういうふうに思っております。 一つは、私は、地元でベンチャーの話をしますと、いや、そういうのはうちではと、こうおっしゃる方が多いわけです。どうしても片仮名なものですから、ベンチャーといいますとコンピューター情報産業とかバイオテクノロジーとか、もう最先端のイメージがどうもございまして、ハイテクのイメージというのが強いわけでございます。 例えば、私がボストンにおりましたときに、街角にコーヒーショップがございまして、それはハーバード・ビジネススクールを卒業した人が始めた。ちょっと雰囲気を変えまして、フランス風の名前をつけまして、コーヒーなんかをちょっとおしゃれに売りますと、今までの喫茶店と中身はそんなに変わらないと思うんですが、大変に若者がたくさん集まって、しかもテラスで楽しそうにやっている。たしかオー・ボー・パンとかいう店でございましたが、これが非常にはやっているわけでございます。 私は、ある意味ではこういうのもベンチャーではないかな、こういうふうに思うわけでございまして、ローテクでもいいからとにかく、ベンチャーという名前が悪ければほかの名前に変えてしまってもいいぐらいでございまして、こういうローテクのベンチャー支援を今後はあわせて考えていくべきではないか、こう思っておりますが、通産大臣の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のように、ベンチャーという英語は冒険的というのだろうと思いますが、何かベンチャー企業というとすぐアメリカのシリコンバレーを想像するようなイメージを持って我々は語るわけでございますが、そうではなくて、もちろんベンチャーの中には非常に高い技術を使ったそういう新しい企業もあるでしょう。しかし、そのほかの分野としては、図式的に分類しますと、幾つかのアイデアを組み合わせて消費者のニーズにこたえていくという部分もあるでしょうし、また地域の特性を生かしたそういう新しい仕事もあるでしょう。 そういうすべてのものを含めてベンチャーと呼んでいるわけですが、日本の場合ですと、廃業率が開業率を上回るということで企業の数がどんどん減る。したがって、必ずしも正確な相関関係にありませんけれども雇用も減るという関係にあって、やはり新規開業というものを促していくということが私は大事なことだろうと思っております。 そこで、新規開業のときに、どういう分野かといいますと、もちろんハイテクの分野も一分野ですけれども、やはりアイデアを組み合わせた消費者のニーズに合ったような新規産業、また地域が持っている特性を生かしたような新規産業、こういういろんなものを対象にする必要があるというのは先生の御指摘のとおりだと思います。 そこで、今回も新しい企業を創出するためのいろいろな必要な環境整備のための法案を出しておりますが、新しく事業を始めるという場合には、まずその資金をどう調達するのかという問題から始まりまして、経営のノウハウ、したがいまして人材をどうするかということもありますし、もう少しこの分野の技術があれば事業として成り立つというときには技術支援もあります。そういうあらゆる環境整備をするということが私は国や地方自治体の責任であって、そこから先はやはり一人一人の業を起こす意欲と申しますか起業家精神と申しますか、若干の冒険をするという、そういう精神にかかわってくることでございまして、そういう意味では、先生御指摘のように多少日本の教育の問題としてとらえなければならない部分もあると思います。 ただ、こういう時代でございますから、新しい企業を創出するということはそう短時間でできるわけではございませんけれども、やはり二十世紀のうちにたくさんの種をまいておく必要があるというふうに私どもは考えて政策を推進してまいりたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 種をまくということは大変に大事なことだと思っておりまして、通産大臣が今おっしゃったように技術と、それからよく言われますのはシーズとニーズ、ニーズの方とマッチングさせるということでありますが、加えて、おっしゃっていただいたように資金ですね。どうやってこのリスクマネーを供給するかというところが大変に難しいわけで、これもいわゆるシリコンバレー型ですと、エンゼルという人がいてぽこっとお金をくれたり、ベンチャーキャピタルみたいなのがいて、やってみろと、目論見書一枚だけで金をくれるというようなイメージがあるわけでございますが、どうもそのまますっと日本にやってこないような感じがいたすわけでございます。 大蔵大臣にお聞きをしたいと思いますのは、きのうもちょっと別の観点から同じようなお話がありましたけれども、間接金融と直接金融の割合というのが、大変日本はいわゆる間接金融に偏っておって、GDPの一・二倍だ一・四倍だというような議論もあるようでございまして、アメリカでは〇・六ぐらいだと、こういうふうに聞いております。 直接金融をやらなきゃいかぬということで、証券取引所の改革とか店頭特則とかいろんなことをやりましたがなかなかぱっとしない。本当のもう直接的な真っさらの直接金融と間接金融の間にいわゆる準直接金融といいますか、少し預金に近いものでありますけれども、例えば投資信託ですとかそういうもので、これは預金ではないんだけれども広く薄く集めて、それをポートフォリオを組んでやっていくという、その間ぐらいのところというのが、まだまだ日本では今ビッグバンが始まったばかりでございますから成長していないんです。 この辺の、直接金融とあわせて準直接金融的な分野が今後伸びてもらうということが、ある意味でこの新しいところへリスクマネーを供給しながら、それがお金の出し手にとってはそれほど、株を買ったりするよりもリスクがないというようなことができるんではないか、こう思っておりますが、その点について大蔵大臣の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、最初のベンチャーのことでございますけれども、いろいろありますけれども、私はやはり金融なんではないかというふうに思います。いろいろ不良債権のお話がございまして、その標準からいいますと、ベンチャーキャピタルというのは、貸す方からいえば歴史はないし担保はないし、これは一番低いランクになります。どうしてもそうなります。 ですから、ベンチャーキャピタルに金を出せということは金融機関にとってはなかなか難しい話で、私はむしろこうやって信用補完が行われて、通産大臣がいろいろお考えになって、結局代位弁済の可能性は一〇%ある、しかしそのうちで半分ぐらいは何とかなるから、五%はリスクだとお考えになっているわけです。そう考えるくらいなら、ベンチャーにも同じことを考えてみたらどうだろうかと思いますですね。五%のリスクを覚悟するくらいなら、かなりの基金を出して金融機関にベンチャーに金貸せと言っても私は大丈夫なんじゃないか。こんな大きな五%のリスクを国がしょうということは私は日本でないとできないと思います。よその国なら夜逃げしちまいますと思います。それだけ信用できる国民なんだからベンチャーキャピタルの基金をつくったらいいんじゃないか。そういうお考えはきっと通産にもあると思うんですが、そうされたらどうかなというぐらいに私は実は思います。 総理も通産大臣も、お話伺っていると起業ということを言っておられるんですが、実はあれ起こす業ということを言っておられるんです、よく字を見ますと。ところが、日本には起こす業という言葉がないものですから、聞く方は普通の企業というふうに聞いていますけれども、やっぱり起こす業というのも一生懸命やりますと、意外に今度の信用補完が成功したように、私は起こってくるんじゃないか、若い人たちに。お金さえあればやってみようという精神は決してないわけではないように思いますが、普通の金融機関のリスクに任せますと、これはどうしても一番最低の、一番悪いリスクにならざるを得ないというふうに思います。ですから、それやってみたらどうかなと私は思います。 それから、次のお話は、関連するんですが、独立の話として申し上げますが、確かに我が国は直接金融というのは物すごく低い、アメリカとちょうど反対ぐらい低いわけです。 それは、いろいろ理屈はあると思うんですが、やはりお互いに日本人の頭の中で、勤倹貯蓄ということはいい、これは学校でも教えるし、もう二宮尊徳ははやらないけれども、勤倹貯蓄はいい。しかし、利殖、投資となると少しうさん臭いんですね。あの人株やってんだねとか、あれはなかなか利殖家だと言うと、そいつはどうもいい話になっていない。これは戦前はもっとひどくて、戦後も一遍は証券よこんにちは、銀行よさようならなんて言ったんですけれども、最近になると、証券会社にいろいろあって、どうも政治家は株をどうかしちゃいけないということすらあるわけですね。何かそいつはよくないものだということがどうしてもあるんじゃないでしょうか。 ですから、そこを国民にわかってもらわないと、郵便貯金がいい、銀行がいいとかいうことになって、打って出て投資しようとか株買おうとか、投資証券でもその半分ぐらいですが、そういう話にならないのですから、少しみんながそこを、決して悪いことじゃないんだというふうにしませんと、なかなか直らない。 他方で、しかし、銀行が投資証券を売るようになりましたし、言われてみればこれは悪いことでも何でもないんで、こんなに金利の低い貯金をするばかはいないとみんなが思い始めればいいのかもしれないんですが、やっぱりもとの気持ちを少しお互いが直していかないといかぬのじゃないでしょうか。
○林芳正君 ありがとうございました。 我々もたしか小学校の校庭に二宮尊徳のしょった像がありまして、やはりそういう教育を受けてきたのかな、こういうふうに思うんですが、先ほど通産大臣も教育の話をちょっと打ち返していただきましたけれども、私がアメリカでゴルフ場へ行ったときに、パブリックで安いところですが、民家と隣接しておりまして、余り隔てがないものですから、そこの子供が、多分ロストボールだと思うんですけれども、たくさん集めて売っているわけですね。子供のころから商売やって、また株のシミュレーションゲームをやったりとか、それからモノポリーとかいう独占のゲームがあったりとか、結構子供のころからああいうことをやっているんだなと。 一方、我々はそういうようなことを余りやった覚えがなくて、今利殖家というような言葉のイメージ等を大蔵大臣からおっしゃっていただいたわけですが、まさに、後でちょっと厚生大臣にお聞きしようと思っておりますが、今確定拠出型の年金ということを大変大きく議論をしております。このようなところから徐々に入っていって、この間テレビで見ておりましたら、アメリカも二十年ぐらい前には余り投機をするというのはなくて、徐々に教育をしていく上で、これは有利だということが浸透していく中で、皆さんがことしは私の資産は何%で回ったというのをお茶飲みながら会話をするようになってきたということをやっておりましたけれども、これは大蔵大臣もおっしゃるように時間のかかるプロセスなのかな、こういうふうに思っておるところでございます。 そこで、今資金の方のお話をちょっといただきましたけれども、ベンチャーというのはまさに新しい開業をするということでございますが、こればかりではなかなか現下の経済情勢全部頼るというわけにいかない、こういうふうに思っています。今ある会社もいろんな、例えば組織を改革してみたり分社化したり、また業界の再編をしたりして、今ある人にもさらに筋肉質になってもらわなければいけない、こういうふうに思っておるところでございますが、現在ある人をもっと強くするということについて、これから通産省として、また政府としてどういう施策を講じていかれるのか、通産大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 我が国の企業におきましては、新規事業への進出、既存事業の効率化等のために人材及び資本を初めとする経営資源の最適活用を図る、そういう観点から、分社化及びグループ経営の強化の企業組織改革の動きが今活発になっているというふうに私どもは承知をしております。 通産省としても、こうした企業組織の自由な選択を促進するという観点から、まず株式交換制度の創設、それから連結納税制度の導入などの企業組織、制度にかかわる改革に積極的に取り組んでいるところでございます。 また、経済的環境の構造的な変化の影響を受けております事業者については、これまでも事業革新法に基づきまして、企業の組織改革を含めた経営資源の有効活用のための取り組みを金融、税制面から支援してきたところでございますが、これに加えまして、今、国会に提出しております新事業創出促進法案では、企業が分社化により新事業に乗り出す場合にも支援措置が受けられるよう事業革新法の特例を盛り込んでおります。 こういう税制、金融等々のあらゆる側面から、現在の会社がいろいろな分社化等をやる場合の環境整備をやっていくというのが通産省の方針でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 まさに両々相まって力強い景気の回復を果たしていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。 少し先の話になりますけれども、こうやっていろんなベンチャーが芽生えてくる、また産業も構造改革をやって業界を再編したりするという中で、将来的には株式の持ち合いがなくなったり株主本位の経営というものが行われてくるようになるだろう、こう言われておりますが、そのときに、先ほど大蔵大臣からもちょっと言及がございましたけれども、いろんな会社の不祥事が起きておる。これは個々人の倫理観というのもあるんでしょうけれども、コーポレートガバナンスといいますか、どうやって会社をガバナンスするのかという問題に帰するところが大きいんではないか、こういうふうに思っております。 今までのようにお互いに持ち合って、メーンバンクがいるという状態であれば、一定のそこでガバナンスがなされていたんではないかな。しかし、これが将来的にだんだんなくなっていくことになりますと、やはり本則に返ってといいますか、株主が本当にコーポレートガバナンスを主体的に担っていくというふうにいかなければならない、こういうふうに思うわけでございますが、この辺について法務大臣に将来的なコーポレートガバナンスの形についての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中村正三郎君) 委員が今おっしゃられましたように、このコーポレートガバナンスの問題は会社経営に基本的に大切なことだという認識を持っております。昨日も柳沢大臣から答弁があったときに、貸借対照表そのものが信用できないようなことがあるということでありまして、やはり会社の業務の執行を適正に保持いたしまして、そして企業を健全に運営して企業の経済活動の信頼性というのを確保するということがなければ、今まで御論議になっていたようなこともすべて崩れてしまうという基本的な問題だと思います。 今、委員は株の持ち合いの問題から問題指摘をされましたけれども、私はやはり株の持ち合いがあっても持ち合いがなくても、それは大切なものだと思います。ただ、持ち合いがなくなると少数株主がふえてまいると思いますから、株主の会社に対するチェックというのは希薄になることは事実であると思います。そういう面からはますます重要性が増してくるというふうに感じております。 委員お取り組みになっているので御存じのとおりでありますけれども、商法の改正を何回か行ってまいりました。一つは監査役制度の強化であって、任期の延長、人数の増加、それから情報公開と申しますか百分の三の株主でもって帳簿の閲覧権ができるというようなことがありました。私はもう一歩進めて、将来、自己責任、自己監視型の社会になった場合にはこういった対応だけでいいのかというような気持ちは私自身は持っているわけでありますけれども、今、与野党でもこの問題について熱心に御協議されている面もございますし、各界の御意見も伺いながら、法務省としてはコーポレートガバナンスの確立に向けて御一緒に検討してまいりたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 少し話題を変えまして、アジアの経済について少しお尋ねをしていきたいと思うんです。 先ほど、景気の波が何回かあったということで、一度戻りかけたときにいろんなことがあってまた冷えてしまったという中の、いろんなことのうちの一つの大きな要素がこのアジアの経済危機といいますか、通貨危機であったわけでございます。今までは、いわゆるアメリカにおける南米ですとかヨーロッパにおけるアフリカという意味では日本におけるアジアというような考え方は余りなかったわけでございますが、やはり実際に起こってみて、それまでは奇跡の成長だとか言われておったアジアがこういう状況になってしまった。それがまた日本の経済に大きな影響を与えておる、また、日本の経済が悪いことがアジアの経済にも影響を与えておる、お互いに悪いときは一緒に下がるような状況があるわけでございまして、我々一体感を持って、アジアの経済がよくならなければ我が国の経済もよくならないという気持ちで取り組んでいかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、宮澤蔵相におかれましてはいち早く宮澤構想というものを出されまして、かなりいいタイミングでこれは出たな、こういうふうに思っております。三百億ドルということで、今中身をいろいろ詰めておられるというふうにお聞きしておりますが、バイでいろんな国と交渉をやられておられるということでございます。そのバイのお話が、例えばフィリピンですと七十九億ドルの要望があったというふうにも報道されておるところでございますが、今、バイのお話の状況がどの程度進んでおるのか、また今後どれぐらいのスケジュールでこのプランというのが実現していきますのか、その辺につきましてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 十月にワシントンでG7の会合がございましたときに、アジア各国の大蔵大臣、中央銀行総裁にこのプランの御説明をいたしまして、なるべく早く実行してほしいというお話が各国からございましたので、その後こちらからミッションを出しまして、各国の具体的な要請についてお話を伺っております。十月にインドネシア、タイが十一月の初め、フィリピンが十一月の半ば、マレーシアが十一月の終わり、韓国はつい先ごろ、十二月の初めでございます。 どの国も我が国と同じように困っているわけでございまして、つまり経済がああいうふうになりましたから、失業は出るし、公共事業はしなきゃならないし、物価は上がって補助金も要るでしょうし、社会的なセーフティーネットも要るし、つまり、国が金を必要とするわけですからその金を国にお貸しする、あるいは起債をするならその助けをする、そういう部分が一つ。それからもう一つは、輸出をしなければなりませんが、輸入資金がないわけですから為替のための金、その二つを合わせまして百五十億ドル、百五十億ドルということでございます。したがって、各国の要望は、そういうおのおのの系統についてその国のニーズの御要望があるわけで、普通に我々が考えられるような国としての入り用な金の御要請でございます。 できるだけ早くと思っていまして、早いものは年内にも実行したいと考えておりますし、もし金が足りませんようでしたら、もとより調達することは難しくないと思いますので、また続けてやってまいりたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 早ければ年内にということでございましたが、そこで、今この宮澤プランの方はGツーGといいますか、直接的にはガバメントに対してということであったと思います。 それで、一方で、特に我が国の企業がいろんなアジアの国へ進出をしておりまして、この辺もいろいろと苦労をしておる。私はこの言葉は余り好きではないんですが、いわゆる貸し渋りということに遭っているということをよく聞くわけでございまして、この邦人企業に対する支援をしていかなければならないということで、通産省の方でいろんな検討をしていただいているようでございます。 このときに、これはなかなか難しい話でございますけれども、進出している企業というのはどうしても円だけではなくてドルやまた現地通貨での資金需要というのがあるものですから、この辺についてどうしても我が国からの支援ということになりますとこれは円建てでございます。一方で、向こうは外貨でございますから、この為替のリスクまで何とかしろというのもちょっと行き過ぎかなという感じもするのでございますが、この辺につきまして、邦人企業に対する支援内容とあわせて通産大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生が御指摘のとおり、アジアの経済と日本の経済は深くつながっておりまして、今は悪い共鳴関係になっているわけでございます。アジアが日本に対して持っている気持ちというのは、やはり日本の経済を一刻も早く立て直してほしい、そういうことはどの国の方々に伺っても同じことをおっしゃるわけでございます。 先生の今の御質問を幾つかに分けてお答えしますと、一つは、アジアに進出している日系企業に対する支援として、まず第三次補正予算によりまして、現地の社会・産業基盤を維持強化するという観点から、一万人規模の研修事業を行うということをこの補正予算の中に入れていただいております。これは日本に連れてきて研修するというのではなくて現地で研修をする。これは雇用を維持するという意味も実は含まれているわけでございます。 資金面の支援というのは非常に大事になってきておりまして、現地の金融機関から必要な資金が調達できないという日系の企業は多数に上っております。そこで、今月の一日から、まず中小企業金融公庫などによる本邦親企業経由の融資制度、要するに中小企業金融公庫などが日本にあります親企業に融資をする、それが向こうに渡る、そういう融資制度を開始したところでございます。 それともう一つは、信用を供与する上で大事なのは貿易保険というのがございまして、貿易保険については積極的な引き受けを行ってまいりたいと考えております。さらには、日本輸出入銀行による投資金融の活用というものも大事な政策手段でございます。 御指摘の外貨調達の需要に対しては、ただいま申し上げました日本輸出入銀行の融資制度の活用により対応が可能であると私どもは考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 そこで、対症療法的に今いろんなことをやらなきゃいけないのでございますが、そもそもなぜこういうことが起こったかということを考えて、それを再び起こらないようにするということも考えていかなければならない、こういうふうに思っております。 いわゆる国際短期資本の移動、昨今はヘッジファンドという言葉に代表されておりますけれども、ヘッジファンドのみならず資本が国境を越えて移動するということ自体は、この間大蔵大臣が本会議で御答弁されましたように、これはどんどんやっていかなければいけないことである、ただそれが余りに結果として悪い結果を出したがゆえに規制をしろということがないように、ある程度の歯どめをかける必要がある、こういうようなお話をいただいたと記憶をしております。 いろんな国際会議等でこの議論をしておりますが、私は橋本総理のころから、実はこのお正月ぐらいから早く何とかしてくれと何度も御質問を差し上げてきたわけでございまして、議論を見ておりますと、いわゆるサーベイランス、監視をするというところまではどうもコンセンサスが得られるようでございますが、そこから一歩進みまして何らかの実効的な規制をするということになりますといろんな御意見があるようでございます。例えばヘッジファンドにだれがお金を出しているか。それはやはり資金の供給者がいるわけでございまして、この供給者に対して、どこへどういうお金を出したということを報告させてはどうかと、BISに対して。こういうような案とか、もっと激しいのは、もう税金を取ってしまえというトービン・タックスのようなものもあるわけでございます。 この辺について、どこまでやればいいのか、基本的なお考えはもう大蔵大臣のこの間おっしゃったとおりだと思いますが、それを踏まえて、では実際にどの辺までやるべきなのかということについて、もし御見解がありましたら御開陳願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 林委員が前からこの話をなさっていらっしゃることは私もよく気がついておりまして、先般アメリカでああいうことが起こりましたから、またマレーシアのマハティール首相がいろいろ主張されましてにわかに注目を浴びてまいりました。基本的には私は、おっしゃいましたように短期の資本移動も自由であった方が少なくとも先進国間では望ましいと思っておりますが、マレーシアのような事態が起こって、この間のアメリカのロングタームの話とちょっと分けて考えますが、マレーシアのような事態は、確かにそういうヘッジファンドの恐らく多少スペキュレーション的な動きで国政をあれだけ損なわされたという、マハティールさんの言っていることは全部うそだとは私には思えませんので、したがって何か受け入れる側にそういうことをサーベイランスをする考え、システムというものはできないだろうかと。これは受け入れ側の問題として私は考えられないかというふうに思います。 それをファンドの側から言いますと、これはこの間のロングタームのケースでもそうですが、出資者は個人であり得る、またしばしば個人であるわけで、その人たちにどこに金を出すかということを言わせるということは、個人の投資に権力が干渉するということに明らかになるわけでございますから非常に問題が多かろう、税金を払わないとかなんとかいう話はまた別でございます、そうでない限り。ただ、銀行がそこへ金を貸すとか出すとかいうことになりますと、銀行は普通考えまして免許業種でございますし、報告義務もいろいろに持っておりますから、その部分には手が入れられるのではないか。これはきっと入れられるだろうと思いますので、そこを押さえますと、とんでもない金がレバレッジで集まるということが多分少なくなるのではないか。 デリバティブス一般にどうしても話は及んでまいりますから、金融機関を押さえるということは、そこのところをこれは明らかにできるのではないかというふうに思っていまして、それは私のたった一人の思いで、各国の蔵相、中央銀行総裁がどういうふうに考えられるかといったような機会は近いときに設けまして、できるだけ早くみんなの考えの方向をそろえる必要があるだろうというふうに思っているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 まさにその方向で、ぜひまた新しい新々宮澤構想といったようなものをつくっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、少し話は変わりますけれども、来年の一月からヨーロッパで通貨統合が行われるということでございまして、ユーロという新しいお金が出てくるようでございます。第二次大戦前はたしかポンド体制で、どこかでだんだんとドルが強くなってきてドル本位体制ということだと思いますが、今までは一つの通貨が基軸になって国際的な金融通貨体制というのがあった。このユーロの登場によって、言われておりますのは、二つの通貨が併存した通貨システムということでありまして、基軸通貨といってあぐらをかいておるともう一つの方に行ってしまうというようなことになるのかなという議論もあるわけでございます。 この辺については、まだ始まっていないわけでございますから大変難しい話ではございますが、ユーロ導入に伴いまして国際通貨体制というのがどういうふうになっていくのか、大蔵大臣の見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ユーロの実施を控えまして、既に各国間の金利調整がせんだって意外にも早く行われました。これは、確かに非常に意外でありましたけれども、ドイツを初め各国のもう待ったなしの決意を示したものと思われます。したがいまして金利の調整が行われた。そうしますとやはり中央銀行の力というものはかなり行使がしやすくなると考えるべきであろうと思います。そうなりますと、ユーロというものが実態的に一つの通貨として動き出す、そういう基盤が整いつつあるように思われます。 ただ、その背景となるヨーロッパ各国の経済は、フランス、ドイツが二けたの失業率を持っておりますように、必ずしも強いものではありません。しかし、ユーロという金の位置は恐らくかなりはっきり確立をするであろうと考えるべきでありましょう。したがってイギリスもそれを見ていて加盟をしたいと考えてきているんではないかと思われます。 そういたしますと、おっしゃいますように、やはりドルとユーロというものは、二つの力関係はともかくといたしまして、明らかに通貨として大きな力を発揮することになる、そこまでは多分間違いないと思います。
○林芳正君 ありがとうございました。 そこで、ドルとユーロという中で、我が国の円がやはり私はごくごく長期的には三極みたいな話に、円だけでなるということはわかりませんが、その中心になっていく姿というのが一つ追求されるべき姿としてあっていいんではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。 その長い道のりの第一歩といたしまして、国際通貨として円が使いやすいものになるということが必要だと。もう随分前から東京市場の空洞化なんということがよく言われておりましたけれども、最近になって議論が大分進んでまいりまして、円が国際通貨として使いやすいものになるための円の国際化というものを税も含めましていろいろ検討しておるようでございます。この辺について大蔵大臣はどういうふうにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私自身は、やがて日本の経済が本当に正常化いたしまして、林さんなんかの時代にはそうなったらいいなということをしょっちゅう実は思っているんですが、ただ、そのためにはやはりちょっと国民の決心が入り用だと思います。 つまり、円というのは、今までのところ我々だけのと申しますか日本の通貨であって、日本の経済運営そのものが、もし円がみんなの通貨であったらみんなに影響を及ぼすはずでございますから、そういう制約を受けたくないという気持ちがずっと戦後ございまして、なるべく円というものに重荷を負わせたくないと我々は考えてきたように思います。 しかし、プラザ合意以後、これだけ日本の企業が東南アジアに出ていきましたし、またこの間の通貨危機の際に、東南アジア各国がドルだけにペッグをしておったということが間違いであったと考えるようになってきている、あるいは先ほどお話がございましたように、日本もいろいろ東南アジアの国に金融的な支援をするというようなことから、おっしゃいますような機運がまた少しずつ出てきつつあると思います。 しかし、円を皆さんお使いなさいと言ったときに、おっしゃいますように、持った円をどこでどうやって運用するのかという、東京の市場にはそういう長短のマーケットはございません。現に、アメリカのようにトレジャリービルを皆さん売ったり買ったりなさいといったようなことは決して奨励されておりませんし、またそういう市場もない、長期はなおさらない。ですから、お持ちなさいと言っても、持っただけでどうするのという話でございます。というのが現状ですが、日本銀行などは、為替ビルは少なくともそうやってだんだん自由にしたらいいじゃないかというお考えだし、私どもも、私自身はそうだなと思いつつありますけれども、しかし、そういうことと少なくとも並行して、円というものが、我々だけではなく周辺の国のみんなの通貨になっていいかと、それでいいですかということは、恐らく国内的にもう少しいろいろ議論をする必要があるのではないか。 我が国のことですから、余りそういう議論をしないうちにだんだんわかっていってなっちゃったというのも一つの行き方かもしれないんですけれども、しかし、少なくとも問題は、国民の中でもう少し議論をしておく必要があるように私は思います。
○林芳正君 ありがとうございました。 やはりそういう議論が全くないというわけにいかないと思いますので、我々が積極的にそういう議論をやっていかなければいけないんではないかなと思うわけでございます。 そこで、景気の話に戻るわけでございますが、先ほどサプライサイドとディマンドサイドというお話をさせていただきましたけれども、サプライサイドはいろんなベンチャーや産業の構造改革、ディマンドサイドの方は、よく言われておりますのは、保険料を掛けているんだけれども本当に年金をもらえるのかな、ですから年金は年金で仕方がないから掛けるんだけれども、それと別に老後に備えて貯蓄をしようという、いわばダブって貯蓄をしているようなことというのがこのディマンドサイドの方の問題としてあるのではないかなというふうに私は感じております。 そこで、先ほどちょっと触れましたけれども、確定拠出型の年金というのはまさに、自分の分は今どれぐらいあって、それがどういうように運用をされておるのかというのが個別に全部わかる仕組みでございますから、これが導入されれば、これを任せているところがつぶれるリスクというのはあるわけでございますけれども、自分の分がどのぐらいになるのかがわからないというリスクはかなりこれの導入によってなくなっていくんではないかなと。もう少し自分の今のポジションがよくわかった上でいろんな行動がとれるようになるんではないかという意味でも導入をするべきだと私は考えております。 そこで、実はそれとは別の理由で、会計基準が二〇〇〇年度から若干変更されまして、将来にわたっての年金の給付の債務というものもオンバランスになってくるというふうになっておりますので、今のままで行くと、かなりの債務といいますか、不足があるものですから、それが企業のバランスシートにのってきてディスクローズされますと、今度は格付にも影響していろんな影響が出てくるんではないかということが方々で議論をされております。 こういうようなタイムスケジュールで見ますと、今年度に導入を決定していただいて、そして一九九九年の四月ぐらいからは今度はこのサービスを提供する側が、これはいろんな方に聞いても、初めての制度ですからよっぽど準備期間をいただかないと、こちらの方で決めました、はい四月からやってくれといってもそれは無理だということでございます。サービスを提供するいろんな金融機関の方に聞きますと、コンピューターのソフトウエアをつくったりいろんなサービスの体制をつくるのにやはり一年ぐらいは欲しいなというのが、もうちょっと早くできないのと何度も聞いてみたんですが、まだまだ形も見えないものですからそれぐらい欲しいですなということでございます。 それを勘案いたしますと、もう来年の四月ぐらいにはある程度の形ができて、やりますというようなことを我々のサイドでは決定してあげないと二〇〇〇年四月の導入というのはなかなか難しいのではないかなということでございまして、早急に導入していただきたいという御質問と、それからもう一つは、先ほど投資の話がありましたけれども、倹約を旨とする国民でございますから、これは新しい形でございますから、十分な選択をして自分でリスクを負うんだということに対する教育というのが大変に重要になると思っておりまして、この辺あわせて厚生大臣の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 我が国の年金体系は公的年金を主体にいたしておることはもう申し上げるまでもございません。 公的年金はいろいろな種類がございますが、最大のものは厚生年金、あと国家公務員、地方公務員共済等がございます。これはいずれも給付を設定いたしまして予定して確約をしているわけでございます。これを確定給付型と言っておりますが、最近問題になっているのは、アメリカの四〇一Kなんかで議論になっておりますのは、一言で言うと拠出だけを確定して給付の方はその運用の結果次第、そういう年金設計をしたらどうかということでございます。 私は、確定拠出型年金の採用はぜひ必要だと思っておりますが、しかし同時に、公的年金がきちっとして、その補完的あるいは自主的努力の一つの商品設計として位置づけした方がよろしいというように考えております。 そして、一つはこれができますとかなりな資金量が蓄積されて、貯蓄性のこれは年金制度になりますから、今、委員から金融とか証券にかなり御関心がある御質問がございましたが、大量の資金が株式市場に投入される、あるいは運用されるというようなことになります。アメリカでも一兆ドルないし二兆ドルの資金が株式市場のPKOに貢献しておるとも言われております。そういう意味で、年金制度の視点と資金運用の面、両面から我々は考えていった方がいいと思うんです。 今、委員の御指摘のように、この制度を発足させるには、個人にもこれは及ぼした方がいいと思いますので、企業年金及び個人年金、両方でやった方がいいと思いますから、それがどういう形のものになり、どのような結果を生ずるかということについてしっかりとしたPRが必要です。また、その前提としてはまず設計がきちっとできるということ、それから宣伝をするということ、それからあくまでその資金、ファンドは自主的な運用に任せますから、投資教育がおっしゃるように大変重要です。 そういうことを個人が認識した上で、ハイリスク・ハイリターンになる可能性もあるし、場合によると貯蓄性の積み立てが全く半減するというようなこともあり得るわけですから、そこいらのリスクの問題を含めて徹底した投資教育をやって、そしてこの設計をうまくしていく。それにはやっぱりある程度時間を要します。 しかし、今私どもとしてはこれを平成十一年の予算要求という形で税制改正を要求しています。 今、自主的な年金としては厚生年金基金というのがあります。これは、公的な厚生年金の一部を委託すると同時に、上乗せ年金で企業年金、自主的な面があると同時に、税制適格年金というのがございますが、それもいずれも税制上の優遇措置をある程度認めているわけでありますので、これも税制上の優遇措置をきちっとしていかないといけないということで、その方向で今厚生省として党側にもお願いをし、税制調査会でも御検討いただいておる、こういうことでございます。 できれば私どもとしても、公的年金を補完するといいますか、新しい時代の金融資産の運用形態としても歓迎していった方がいいのではないかと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 ぜひ鋭意検討をしていただいて、導入に弾みをつけていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 今、厚生大臣おっしゃいましたように、これは基礎年金といいますか、公的年金の補完だということでございまして、まさにそのとおりだと私も思うところでございます。 きのう、石川委員の御質問だったかと思いますが、基礎年金について御議論があったようでございまして、若干私の個人的な意見とは大臣の御意見が違ったので残念な思いでお聞きをしておったわけでございます。 今、特に二十代、三十代の方の中では、掛けると損をするんじゃないかというような、これは企業の分も入れるとそうではないんですけれども、そういうような、いわゆる大丈夫かなという思いがあります。それを反映しておるのかもしれませんけれども、国民年金に対する若年層の加入率というのが大変に悪い状況といいますか、低い状況にあるというふうに指摘されておるところでございます。これを何とかしないと、せっかく入っている人が結局入っていない人よりも損をするというか、損得で言うのも余りよろしくないかもしれませんが、そういうようになってくると、ますます加入率が落ちてくるというような悪循環になるんではないか、こういうふうに思っております。 そういう意味で、基礎年金の税方式化という議論がそれを一つの原因として出てきておるんではないか、税方式化の一つのメリットとしてそういうところが挙がっているんじゃないか、こう思うわけでございます。 これは、きのう厚生大臣からいろいろ御答弁があったように、大変難しい問題でございまして、今政局的な話になっておるようでございますけれども、実は我々若手の議員で去年の秋ぐらいから年金の勉強を党の中でやっておりまして、そのときからこういう話が出ておったという前提でお聞きを願いたい、こういうふうに思うんです。 両方にいろんなメリット、デメリットがあると思うんですが、我々がここできちっと押さえておかなければいけないのは、二分の一になっても三分の二になっても、極端な話、保険で賄う部分が一%でも残っておれば税方式のメリットと言われている部分はほとんどないわけでございます。 ですから、どのぐらいまでやるかという議論と全部変えるという議論は本質的に違うというふうに思っておりまして、そういう前提で、このメリットとデメリットについて今どういう議論がなされておって、厚生大臣はきのう御見解を出されたところでございますが、改めて御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) まず第一の国民年金の若い人たちの加入率の話がございました。 ちょっと調査時点は古いんですが、七年の十月調査時点で、二十代、三十代の若者で加入手続をしているのは八八%くらいあります。未加入者が一二%くらいで、全年齢平均では八・二%くらいですから、未加入率は二十代、三十代は高いということが言われます。また未納者、加入していて未納者の割合ですが、これも全年齢平均で一一%でございますが、二十代、三十代では一四・三%ということになっております。申請免除者の割合も同じような傾向をたどっております。 私ども、国民年金の問題の未加入者あるいは未納者それから免除者、これは概略で申しまして約二千万人の国民年金の被保険者の中でそれらを合わせますと約六百万以上、三〇%を若干超えておるという状況でございますから、免除者の問題は、これはいろいろの条件によって免除しておりますが、未加入者あるいは未納者というのはどうしても保険料を、まあ加入していただくと同時に未納者については収納をきちっとやっていかなきゃいかぬ、こう考えておるわけでございます。こういう問題が一方にございまして、それとの関連もありますが、基礎年金の税方式がどうかと。 きのうも、委員の今おっしゃるようにメリット、デメリットについて多少見解を述べておきましたが、受益と負担との関係を明確にして保険料と給付のバランスを確保していくというのが社会保険方式の本質的に重要な点でございますので、我々はこの方式を維持していきたいと思っておるんです。 一方、基礎年金を税方式に切りかえるといった場合のメリットとしては、今言った未納とか未加入問題が解消できますね。いただかないわけですから、その問題は存在しないということになります。 それから、三号被保険者問題というのがございまして、これはサラリーマンの妻が年金保険料を夫の俸給から払っているだけでまた年金受給権が発生するという問題です。その問題も、基礎年金部分について全額税方式でやれば解消できてしまう。独立したらどうかという議論に対して解決の答えになるというようなこともあります。 一方、税方式に切りかえますとどういうことになるかというと、我々の方はそのデメリットの方を非常に重視しているわけです。要するに、巨額の税負担が必要になるというのは当然でございます。例えば今、現行で四兆七千億くらい基礎年金を負担しておりますが、これが全額ということになると八兆三千億の増加になります。二分の一の場合ですと、しばしば申し上げておりますが、二兆二千億の増になります、来年の場合。これがだんだんふえていくことは、年金の給付がふえますから当然ふえていくわけです。そういう実態にございますので、ちょっとことしそれを直ちにというわけにはまいらない。 ただし、二分の一がいいか、九九%はどうかという御議論がありましたけれども、私の感じとしては二分の一までが限度ではないかなと思うんです、社会保険方式。あとは、税の投入をするにしても半々くらいがぎりぎりの限度かなと、あるべき姿として。そう私は思いますが、これが直ちには、今言った巨大な財政負担を伴いますから、不可能ではないかなということが一つございます。 それからもう一つ、全額税方式に近い、あるいは全額税方式でやりますと、生活保護者との関係が一体どうなるのかなと。 生活保護というのは国家による所得保障ですが、これは一定水準の場合は全額税で給付をするわけです。そうすると、社会保険とは言い条、国民年金の方でも全額税でやりますと、所得保障を税で全額やる場合にそれとの差が一体どうなるのかなと。それは六十五歳以上だけにしか支給しないよという差は出てくると思いますが、そうなると、あらゆる人が所得の多寡にかかわらず税金でそういう所得保障を得られることがいいのか悪いのかという判断がございます。端的な例として生活保護と同じようになるという表現で私はこれを説明しておりますが、そういうことがございます。 それから、一律に税金で支えるというようになりますと、一般論としては、勤労意欲を失って倫理観の欠如、モラルハザードが生ずるのではないかと思われます。そしてまた同時に、長年にわたって保険料を納付してきた者に対して不公平になるんじゃないかなというような点が考えられまして、メリット、デメリット等が相互にあります。 私どもとしては、今、解決の方法としてはどうかというと、二分の一に財政上許せばでいいんですが、今申しましたような巨額な財政負担を要しますからなかなか困難である、来年の予算でやるというのは困難だなと思っております。 それから、方法としては、今未納者とか未加入者、未加入者は加入させた上で保険料を半額にするというようなことも厚生省の案では考えているんです。給付の方も、全額を支給しないで三分の二くらい給付する。今、免除者には、負担はゼロですが、三分の一の国庫負担分の給付だけはしておりますが、それに準じた形でそういう領域をつくれば、未納問題あるいは未加入問題等の解消にもなるのかなという感じを持っております。
○林芳正君 時間も少なくなってまいりましたので、あと一問だけお聞きしたい、こういうふうに思うんです。 今、基礎年金ということで一階の部分でございましたけれども、年金はいわゆる三階建てというふうに言われておりまして、この二階の厚生年金の部分について積立方式へ転換をしていくべきではないかという議論がありまして、私も、いろんな難しい点がありますけれども、基本的には徐々に積立方式の方に行った方が二階はいいんではないかな、こういうふうに思っておるところでございまして、これについて大臣の御見解をお伺いしたい。 それから、先ほどちょっと確定拠出型のところでも私も触れまして、大臣からもお触れいただきましたけれども、年金資金の自主運用、財政投融資の改革をやりまして、二〇〇一年の四月からは、いわゆる郵貯で集めたお金、簡保で集めたお金、また年金で集まってきたお金というものを一度理財局の財投へ持ってきてやるということをやめまして、全額預託から全額自主運用にということに方針が出ておるわけでございまして、まさにこの巨大なお金がマーケットへ出てくるということでございまして、これについては一部年福等の事業で今までもやっておったわけでございますが、これとはけた違いのお金が今度は自主運用ということで出てくるわけでございます。郵貯も同じような状況でございますが、郵貯とちょっと違いますのは、資金の性質が年金の場合は非常に長い期間運用をしなければいけないし、できる資金であるというところで、この資金の長短が大分違ってくると思うんですが、この辺につきましても、あわせまして厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 厚生年金は基礎年金部分と報酬比例部分で成り立っております。そして、国家公務員等は、今御指摘のように職務給を加算して三階建て年金に一応なっております。 今、委員の御質問は、厚生年金の二階部分について積立方式へ転換したらという議論があるがどう考えるかということでございますが、二階建て部分についてはもう一つの問題がありまして、これは、基礎年金だけに公的年金を限って、そして自主的な運営、企業年金に二階部分を任せたらどうかという議論がありますが、これは非常に問題が多いので、もう私も問題にいたしませんが、そういう問題が一つある。 それから、積立方式への転換につきましては、賦課方式というのは言うまでもなく現役世代の保険料等で給付を賄う方式でありますし、それから積み立ては将来の給付に必要な原資を積み立てていくという方式ですが、今の公的年金の方式は、いわゆる段階保険料方式といって折衷方式みたいになっておるわけです。そして、積立金を一定額保持しつつ保険料を徴収していくという建前をとっておりますので、我々は段階保険料方式と言っております。 完全に積立方式へ移行することにつきましては、インフレ等があった場合にどういう対応ができるのか、困難性があるのではないかというような点とか、それから制度を完全に積立方式に持っていく場合の移行時の巨額な例えば二重負担が生ずる。若い世代が古い世代の年金を負担していくわけですから、その負担と同時に自分たちの負担の問題もありますから、二重の負担が生ずるというような問題がありまして、私どもは今回の年金制度改革では積立金への転換は困難であると考えております。 次に、年金資金の自主運用についてでございますが、これは長期的な年金財政の中で積立金を有利、安全かつ効率的な運用をしていくというのは当然でございまして、そのためには責任体制を明確にしていくこと、あるいは運用内容に関する情報を公開して透明性を高めていくというようなことが求められております。 同時に、今は財政投融資の原資として資金運用部に預託いたしまして、それが公共的ないろいろな施策に運用されておるわけですが、財政投融資の変更、変化といいますか、これが予定されておるわけでありますので、財政投融資の抜本的な改革に合わせまして、市場を通じた新しい運用方法を基本的に求められてまいりますから、それに即応したような体制をいかにして構築していくかということで今検討中でございます。
○林芳正君 自主運用をきちっと中期的にやっていけば、私は、先ほど言いました二重負担というのが重いというのはわかるんですけれども、今までの運用よりも、自主運用でやっているところを見ますとかなり各国で運用の成績に差が出てきておるようでございまして、この辺を使って何とか長期的には二重負担問題を解消していけるのではないかなと。それと、先ほど言いました確定拠出型等をあわせてやっていくことによりまして、このディマンドサイド、最初に戻りますけれども、もう少し強くできるのではないかなと。 それと、先ほど来いろいろと質問を差し上げましたサプライサイドとあわせ持って構造的な景気回復にぜひつなげていっていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で林芳正君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、岸宏一君の質疑を行います。岸宏一君。
○岸宏一君 自由民主党の岸でございます。 私は、情報公開法、農業その他の問題について、総理を初め皆様方に御質問を申し上げたいと思います。 まず、情報公開法について総理にお伺いいたします。 アメリカのラルフ・ネーダーという方がこんなふうに言っているわけです。情報公開法というのは民主主義のいわば太陽のようなものだ、太陽はまた殺菌剤の役割を果たすんだと。つまり、行政の情報を白日のもとに明らかにすることが、さまざまな税金のむだ遣いやあるいは不正行為、こういったものを防止する、あるいはなくする、そんな意味で非常にいい役割を果たす、こういうふうに言ったそうでございます。 私もまさにそのとおりだというふうに思っておりまして、情報公開というのは民主主義を正しく機能させるためにこれは非常に重要なことであって、かつまた必要不可欠なものだ、こういうふうに思うわけです。そして、この情報公開がもたらす効果というのは、納税者たる国民と行政、政府の間のいわば信頼関係というもの、そういったものを生み出す上で非常にいい効果をあらわす、こういうふうに言われておりまして、私も実はそのように感じているわけであります。 そんな意味で情報公開の制度をいろいろ調べてみますと、非常に驚いたことに、実は世界の各国では非常に早く情報公開制度を採用しているんです。驚いたことに、スウェーデンという国ではたしか一七六六年に出版物の自由化に関する法律というものをつくって情報公開を定めたんだそうです。一七六六年といいますと、総理、江戸時代。調べてみましたら、何か明和四年というんだそうです。十代将軍家治の時代なんだそうです。あの田沼意次が活躍した時代だ、こういうふうに書かれております。本当にスウェーデンという国のすごさには驚かされるわけです。それで、アメリカは一九六七年に情報公開を法として定めたわけでございますが、その後一九七〇年代から八〇年代にかけましてはヨーロッパ先進諸国で、フランスやドイツを初めほとんどの国で情報公開の法令を制定してまいったわけでございます。 さて、我が国の場合を考えてみますというと、我が国においても、総理、情報公開は地方の方から各団体が一生懸命になりまして条例化を進めてきたわけでございます。私はついこの間まで山形県の金山町の町長をしておりましたが、我が町では実は今から十八年前に日本で初めてこの情報公開を制度化したわけでございます。私はそのとき町長をしておりましたので、いささかこの制度に貢献したということになるわけでございますが、その後続々と各市町村がこの条例をつくり始めております。そして、今では三千二百五十五市町村のうち一六、七%の市町村で制度化を図っております。また、全国の四十七都道府県ですか、ここでもすべての都道府県で条例の制定を行っているわけでございます。我が国の情報公開もようやく国がなすべき時期に来ているのではないか、こういうふうに感じているわけです。 そこで、今までの流れを見ておりますというと、大平内閣の時代からこの問題は取り上げられているようでございます。本年の三月にはようやく法案が出されたわけでございますがまだ継続審議、今回もどうやら継続審議ということになったようでございます。 そこで、私は総理に、この情報公開というものが民主主義にとってどのように作用するか、あるいは議会制民主主義にとってどのような効果があるか、そういった観点から情報公開法の意義といったものをひとつ国民の前に明らかにしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
○国務大臣(小渕恵三君) 情報公開法は、国民に開かれた行政の実現を図るため極めて重要な法律であることは深く認識をいたしておるところでございます。 このことにつきましては、これまでも申し上げてきたところでありますが、今後とも与野党間で十分御論議をいただき、速やかに成立させていただくようお願いいたしているところでございますが、今、岸委員みずからの体験を踏まえまして、この重要性につきまして御指摘がございました。町長時代に全国に先駆けて情報公開条例を制定されたということでございまして、そうした流れが地方自治団体におかれましても各市町村並びに都道府県の段階でそうした流れになっておるということは、大変これは大切なことを意味しておることを改めて認識いたしております。 スウェーデンの例、初めてお聞きをいたしましたが、当時江戸時代ということになりますれば、よらしむべし知らしむべからず、そういう政治が行われた時代に、ほかの国におきましては情報公開し、国民の意思によって行政に対しての監視その他が十分行われておったということにつきましては、改めて私も目のうろこを落とされた思いがいたしております。 いずれにいたしましても、従前行政府が多くの情報を秘匿しておる、これは非公開になっておるというようなことがある意味で政府としての大きな力に、源泉にもなっておったところも実はなかったと言えないんじゃないかと思っておりますが、いずれにしても、政治が国民に開かれ、そしてその批判にたえていかなければ真の行政を行えないということでありますから、やはりこうした法律を制定し、しっかりとした監視を行い、同時にそれにたえ得るような行政のあり方というものも考えながら、要は国民のためにどのような政治が行われるかということでありますので、十分勉強させていただきたいと思っております。
○岸宏一君 大変力強いお言葉でございまして、ありがとうございます。 そこで、総務庁長官にお伺いいたしますが、今衆議院の方で政府案と野党案、これでいろいろやりとりがあるというふうに聞いておりますが、もし大臣から、どんな点で今野党とやり合っているというのは失礼ですが、お話し合いをしているかということですね、こんなところも含めてお話をお聞きしたい、こういうふうに思うわけです。
○国務大臣(太田誠一君) ただいま大変御熱心なお立場からの御質問をいただいておりますけれども、今の私が報告を受けておりますところでは、所轄の裁判所をどの範囲にするかという点と、それから費用の負担の問題が主たるテーマだろうというふうにお聞きをいたしております、もし間違っていたらまた御訂正をいただきたいわけでございますが。 そういう点についての意見の相違があり、修正の御要望があっておるということでございますが、私どもの立場といたしましては、ともかく早くこの制度を導入するということが大切なことであって、その周辺での、まあ本質的なのかもしれませんけれども、条件について意見の食い違いというのは何とかそこはのみ込んでいただいて、早く制度をスタートする、そして今行政改革も一方では進めておりますので、行政改革の時期とこの情報公開とが制度として同時にスタートをしていくということが大切なことではないかと思っております。 関係各位の皆様方が、ぜひそのような大乗的なお気持ちでもって法案の成立に御協力をいただきますようにお願いしたいわけでございます。
○岸宏一君 大臣のおっしゃることはまことに私はごもっともだと思います。 今、野党の皆様といろいろ話し合いをしていらっしゃる。政府では二度にわたって野党の皆さんに修正案をお示しになって、大体いいところまで来ているかな、こういう話だというふうにお伺いを、お伺いというよりも仄聞していると言った方がいいんでしょうか。 そこで、私は、我が国のこの法案については、これは率直に言って大変立派なものだと思うんです。いろいろ言えば、総理、これは切りがないわけです。まずつくってみて、やってみて、だめならばまた直すということを、これを早くしないと私たちは国民に対して相済まないんじゃないか。 すなわち、一七六六年に既にスウェーデンではつくっておられる。近代国家日本が今になってもまだこの法律を成立させ得ないということは、私たちは国民に対して恥ずかしいと思わなきゃいけない。これは与党のみならず野党の皆さんもよく考える必要がある。(発言する者あり)いや、ちょっと聞いてもらいたい。 私たちは良識の府参議院でございますから、ひとつ与野党とも心を一つにしてこの法律をぜひ次なる通常国会で成立させたい、こういうふうに願っておりますので、ぜひひとつ総務庁長官、その点、参議院の意欲を十分買っていただいて、できるだけ早くこちらに回していただくように心からお願いを申し上げたいと思います。 その点の御決意をもう一度お伺いします。
○国務大臣(太田誠一君) 大変心強いお言葉をいただきまして、ぜひ参議院の良識と、そしてまた衆議院の方々の御協力をさらにお願いいたしたいと思います。 ありがとうございました。
○岸宏一君 ありがとうございました。 それでは、次に農業問題につきましてお伺いをいたします。 まず、総理にお伺いをします。 総理は、私が参議院に当選いたしまして初めて、第百四十三回の平成十年八月七日の参議院本会議におきまして所信表明演説を行っております。その中で農業問題にも触れていらっしゃるわけです。それは、「農林水産業と農山漁村の発展を確保するため、食料・農業・農村に係る新しい基本法の制定に向けた検討を進めるなど、農政の抜本的な改革にも積極的に取り組んでまいります。」、こういうふうにお述べになっておられます。 また、今国会におきましては残念ながら所信表明の中に農業問題はなかったわけでございますが、しかし恐らくは、総理におかれましては、お生まれも群馬県の農村地帯というふうにも聞いておりますから、農業に対する愛情なり意欲なりというのはいささかも衰えていない、衰えていないというよりも、発言をなさらなかったといっていささかも変わらないものがあるだろう、こういうふうに確信するわけでございますが、昨今の農業はなかなか厳しいものがございます。 そこで、我が日本の農業に対する基本的な考え方というんでしょうか、総理の農業に対する愛情というんでしょうか、そんなところをひとつお話ししていただきたい、こういうふうに思うわけです。
○国務大臣(小渕恵三君) 私ごとでございますが、御指摘いただきましたように、群馬県の典型的な中山間農業地帯の出身でございまして、議員になりましてから、各種の生産物に対する議員連盟の責任者を仰せつかってまいりました。群馬県の特産でありますコンニャクの議員連盟の会長から始まりまして、養蚕の蚕糸業の関係の議連の会長もさせていただきましたし、また野菜その他の議員連盟の会長等々、あまたその責任を負わさせていただいてまいりましたが、いずれにいたしましても、日本の農業は極めて厳しい環境に存することは自覚をいたしておるわけでございます。 その中で、担い手は減少する、また高齢化してくる、食糧供給力は低下してくる、こういった中で、さらに国際化の進展に伴いまして、輸入農産物等との競業等の厳しい状況がありまして、全国の農家の皆さんもこの状況を克服すべく努力はいたしておりますが、客観的状況は極めて厳しゅうございます。 もちろん、政府といたしましても、年来これに対して、農業の近代化のために種々の投資を行ってまいりまして、そうした意味では、地域に、また若い人たちにも大変熱心に農業に取り組むという姿勢が見られることは希望の持てることでございます。 先般も御紹介しましたが、栃木県の高根沢というところに参りまして、高根沢農業技術センター、「高根沢町元気あっぷむら」というところに参りました。カーネーションの専業農家、トマトの温室栽培等の実態に触れてまいりますと、本当に熱心なお取り組みによりまして意欲満々でありました。 この地域に対しましてはかなり投資が行われておるという感じもいたしておりますが、それぞれの方々が自分の仕事に熱心にお取り組みいただいておることを見ますと、いろんな制約はまだかなりありますけれども、必ずこうした方々が元気いっぱいに日本の農業をまた支える力になっていただけるんじゃないかと思っております。 こうした中で、今後とも農業の持続的な発展を通じて国民の安全で豊かな暮らしを確保していけるよう、中長期にわたる農政推進の指針といたしまして、本年九月に食料・農業・農村基本問題調査会の答申をいただきました。また、先日、十二月八日、与党で取りまとめが行われまして、同時にまた、農林水産省も答申の趣旨を具体化する農政改革大綱をまとめておるところでございまして、今後、こうした新たな基本法の制定に向けて取り組むとともに、我が国農業の有する力が最大限に発揮をされまして、食糧安定供給と農業、農村の多面的な機能が十分発揮される政策を積極的に推進していかなければならない、このように考えておる次第でございます。
○岸宏一君 ありがとうございました。農水省が用意したペーパーを超えた積極的な御答弁でございました。 そこで、農水大臣、ただいまの総理の積極的なお話、農水大臣としてもまことに心強いものがあると思うんですね。そこで、農水大臣にもまず最初に、今新しい農業基本法を一生懸命農水省でつくられておると、こういうお話もございますし、去る七日でしたでしょうか、自民党の農政改革大綱が出されました。当然これは新しい農業基本法に、総理も言われましたように、我が自民党のそういった内容が十分組み込まれることと思います。この点について二、三お伺いいたします。 まず最初に、農政改革大綱の基本的な考え方というところがございますけれども、この中で、この文書を全部読めばよろしいんでしょうが、これがいわば我が国農業の戦後の総括であり、これから進むべき方向を示したもの、こういうふうに私は思っております。 例えば、真ん中ごろを読みますというと、「世界の食料需給について長期的にはひっ迫する可能性もあると見込まれる中で、我が国においては自給率が一貫して低下してきている。また、これまでの戦後の農政の展開にも関わらず農業の担い手の減少・高齢化や農地の減少には歯止めがかからず、我が国の食料供給力は低下してきている。さらに、過疎化・高齢化が進行している農村では、地域の活力が低下し集落の維持が困難な地域も生じ」云々というふうになっております。この辺の観点から、新しい農業基本法に対する期待は非常に大きいものと思うわけであります。 どうぞひとつ、農水大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中川昭一君) 今、先生御指摘の農政改革大綱、これはまさに先ほど総理からお話のありました現在の農業の置かれておる厳しい状況、しかし極めて重要な食糧生産あるいはいわゆる多面的機能の保持という観点から、守り、発展をしていかなければならないわけであります。そういう中で、新しい基本法の答申をいただき、現在、通常国会に向けていろいろなところで議論をしていただき、作業を進めておるところでございます。 また、先生が今御指摘になりました農政改革大綱、それからプログラム、三位一体となってこの大きな時代の変革に伴う農政の基本というものをつくっていかなければいけないと思っております。我々は、もう検討段階から推進、実施段階に入りつつあるという認識のもとで、先生が今御指摘になられましたようないろいろな問題点を、きちっと対策をとっていかなければならないと思っております。 ポイントは、大きく分けまして、まず生産サイド。生産サイドにおいて、農地、水、それからいわゆる担い手を初めとする人、さらには技術、そういうものをきちっと確保し、発展をさせていかなければならない。それから、今回は消費者の視点を重視した、つまり国民あっての農業生産活動であり、また日本の国土、農業があっての日本国だという認識のもとで、共存共栄といいましょうか、消費者の視点も十分重視した食糧政策というもの、そして国内農業生産が基本である、それに加えて備蓄と輸入というものがセットになって安定的な供給、また不足時における食糧の確保ということが必要であろうというふうに考えております。 さらには、先ほど申し上げましたように、もちろん農業経営の安定と発展ということがその目的でありますけれども、と同時に、農業の果たすべき多面的な役割、特に中山間地帯というところは大変に重要な地域でございまして、川上が荒れれば川下が大変な被害を受けるということはことしの幾つかの災害でも証明されているところでありますので、そういう意味で、農政というものを国民的な視野あるいは全国土的な視野から守り、発展をさせていくという農政の基本方針のもとで、今、国会の場でも、また団体を初め消費者の皆さんを含めていろんな立場で御議論をいただき、そして実施に向かって進んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○岸宏一君 総括してお考えをいただいたわけでございますが、今回の農業基本法においてぜひ留意していただきたい点について二、三申し上げたいと思います。 一つは、やはり国民という立場に立って農業を考えるということにぜひ力点を置いていただきたい。そういうふうな考えに立ちますというと、食糧自給率の問題、こういった問題が国民にきっと入りやすいんじゃないか、受け入れやすいんじゃないか、こういうふうに思います。 それから、中山間地の問題などにつきましては、ただ単に農業生産という点から考えることだけではなくて、やはり国土の保全なり地球環境の問題など、そういった問題を十分考えた上でそれらを扱っていただかなきゃならぬ。特に、中山間地の皆さんは、例の直接支払いの方式、これに対して非常に期待をしているわけでございます。 これらの点についてはここでなかなかはっきりとしたことはお答えはいただけないかもしれませんけれども、中山間の皆さんに元気を与える意味でお話ができるとすればひとつお話をいただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(中川昭一君) まず、自給率につきましては、大綱におきましても、平時あるいは不測時においてきちっとした食糧確保ができるように生産、消費、両サイドから自給率向上に向けた取り組みをしております。 具体的には、何でもつくればいいというものではなく、消費者のニーズにもこたえられ、また基本的なもの、あるいはまた実現可能なということも重要だろうと思いますので、そういう観点から今自給率の向上、そして関係者の努力、政策推進の指針としての自給率の策定をしてまいりたいと考えております。この場合には、生産者だけではなくて、地域の特色、条件がさまざまでございますので、地方公共団体あるいはまた農業関係者の皆さん、さらにはまた消費者の皆さんの御意見、御協力もいただかなければなりません。 さらに、自給率向上という観点からも、食べ残しあるいは廃棄が結構多いという認識を持っております。また、日本型食生活のあるべき姿から見ても、最近特に脂肪をとる、脂肪のバランスが大きくなり過ぎているということもありますので、バランスのとれた食生活という観点からも、脂肪摂取の削減等による自給率の向上ということにも配慮していきたいと思っております。 中山間地域への直接支払いにつきましては、大綱におきましても、中山間地域がいわゆる条件不利地域であると同時に、国土を保全するための極めて重要な役割を持っておる、農業生産活動だけではなくてそういう機能も持っておるということから、耕作放棄等を何としても防いでいかなければならない、山を荒らしてはならないということで、直接支払いの実現に向けて今具体的な検討に入っております。 この場合におきましても、国と地方公共団体が共同の連携のもとで実施することが大事だと思いますので、今後、地方公共団体の意向の把握、連携等につきまして市町村長さんなど関係者の意見も十分聞いて、その土地土地に合った形の適切な対策がとれるように努力をしてまいりたいと考えております。
○岸宏一君 この新しい農業基本法の問題につきましては、いずれまた委員会の方で詳しくお聞きいたしたいと思いますが、私は今後やはり中山間地の農業を考えた場合に、林業とのかかわりも決して忘れてはならないと。私は、将来は林業基本法の改正なども視野に入れておく必要があるだろう、こういうふうなことを申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので、最後に一つ、木材の利用促進について大至急お願いしたいと思います。 大臣、私も木材の町に住んでおりまして、非常に今困っているわけでございます。倒産も非常にふえているんですね。木材、木製品の業をやっている方々が、大体平成十年の一月から十月の累計の倒産件数で申しますと、昨年対比で一六九%なんですね。それから、木材価格は大きく落ちまして、平成九年ですか、例えばヒノキなんかですと立方当たり十二万円したものが今七万円なんですよ。それから、杉は立方六万五千円したものが四万六千円に下がっているんです。このように大変な状況になってきておるわけです。かてて加えて、転作等々によって農山村というのは非常に今苦況にあえいでいるわけです。 ここでぜひ大臣にお願いいたしたいことは、国産の製材品を公共事業や公共施設にぜひ使うように各大臣からもお願いしたい、こういうふうに思うわけです。前も林野庁ではそういう会議をつくってやっているそうでございますけれども、どうぞひとつ大臣並びに各関係大臣の方から、建設省、厚生省、文部省、郵政省あたりからもお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(中川昭一君) 国産材をめぐる状況は大変厳しいことは私も十分認識をしております。そういう中で、先生から国産材をもっといろんなところで利用すべきだという御意見、私もそのとおりだと考えております。 簡潔に申し上げますが、木材は非常に健康や精神にいい影響を与えるという医学的なはっきりとした根拠が出ておりますし、またつくるエネルギーコストも少ない、また資源循環型であって地球温暖化対策にも役立つということもこの大綱の中にも明確にされております。そういう意味で、農林水産省としても国産材の需要拡大に向け、現在の第三次補正予算においてもPR等、あるいはまた技術開発等の予算をお願いしているところでございます。 なお、木材利用推進関係省庁連絡会議というのがございまして、文部省、厚生省、郵政省、建設省、自治省、環境庁、国土庁、そして農林水産省と連絡を密にとって、それぞれの担当の中で国産材を使った需要拡大に向けてよく連絡をとりながら努力をしている最中でございます。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生、関連の省庁がたくさんありますので、建設ですから私が代表して行い、他の省庁は省くようにいたしますので、よろしくお願いします。 建設省の立場でいいますと、合同庁舎などは耐火あるいは耐震というようなことで鉄筋コンクリートでやっておるというのが現状であるわけでございますが、国立少年自然の家等につきましては国産材を積極的に活用しているのが現状であるわけでございます。 いずれにいたしましても、木造建築工事共通仕様書というものを制定いたしまして、これは平成九年度につくったわけでございますが、積極的に国産材を使用するように指導をしていきたいと思っております。
○岸宏一君 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で岸宏一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。初めて予算委員会で質疑に立たせていただいております。総理を初め全閣僚の先生方を前にやや緊張しておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 まず、きのうの予算委員会で石川委員も少しお触れになられましたけれども、今回の緊急経済対策について、NHKの世論調査によりますと約七二%の人が期待できないと答えられています。そして、その理由として焼き直しにすぎないとか個人消費をふやす対策が少ないといった理由が挙げられています。また、朝日新聞の世論調査によっても七六%の人が期待できないと答えられています。 せっかくの十七兆円を超える緊急経済対策が、消費マインドどころか国民のマインドも完全に政策に対して冷え切ってしまっていることに対して私は大変残念に思っておりまして、何で政策に対する国民のマインドが冷え切っているのかということに対しての感想と原因を総理並びに経済企画庁長官にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、政権発足以来思い切った施策をかなり果断に決定し、かつ実行してきたつもりであります。さらに、今般、総事業費規模にして十七兆円を超え、恒久的減税まで含めますれば二十兆円を大きく上回る規模の緊急経済対策を取りまとめたところであります。これを受けて編成され本国会に提出された第三次補正予算は、国及び地方の財政負担が十兆円を超える規模のものとなっております。本対策を初めとする思い切った諸施策を果断かつ強力に推進することによりまして、昨日も御説明申し上げましたが、この不況の環を断ち切り、平成十一年度には我が国経済をはっきりしたプラス成長に転換させ、平成十二年度までに経済再生を図るよう、内閣の命運をかけて努力をいたしていく決意でございます。 こうした取り組みを通じまして、政府が国民から十分な信頼を得られるよう最善の努力をしてまいりたいと思っておりますが、今御指摘もありましたし、昨日も世論調査の結果をいろいろお示しいただきました。まことに私自身残念でありますと同時に、反省もいたさなきゃならぬと思っておりますが、今回のこの緊急経済対策の規模自体も極めて大きいものでありますし、また現実には税制改正、すなわち恒久的減税につきましては来年の通常国会で国会の御審議を得たいとは思っておりますが、しかしこれだけの税制改正を行うということは、私は近来ないことではなかったかと思っております。 もちろん、所得課税あるいは法人課税も引き下げてはまいりました。また、昨年は特別減税という形で四兆円もいたしてまいりましたが、今後恒久的なこういう減税が行われていくということでありますれば、明年度でも所得課税につきましても四兆円超になっていくわけでございまして、そういう意味では政治としてといいますか、政府としてなすべきことにつきましてはかなり積極的に対処してきておるというふうに思っておりまして、こうしたことが国民の意識の中でなかなか受け入れがたいものを持っておるということにつきましては、我々も改めてその原因その他につきまして考慮しなきゃならぬと思っておりますが、なかなか今日の不況の状況というものが、年来のいわゆる物をつくれば物が売れるという、そういうふうに消費が伸びてくる状況でない中での不況対策というものの難しさを実は実感しつつ対処いたしておるわけでございまして、そういったことを考えながら、さらによりよき政策が生まれるものでありますれば、我々としてもこれは十分謙虚に受けとめていかなければなりません。 何はともあれ、この状況を乗り越えるための三次補正を含めました今回の対策というものにつきましてぜひ国民の御理解を得たいと思っておりますが、背景とするところは、何といっても金融システムの安定ということにつきまして、この問題に対する対処についてまだ終局的解決に相至らないという状況の中で、これが引き起こしてきております不動産を初めとしての活性化その他が行われていないという状況の中で、非常に国民としてはある意味の不安感、将来に対する不安感、こういうものが払拭されない中でございますので、御指摘していただいたような数字に相なっているんだろうと思います。 重ねてでありますが、あらゆる手段を講じて可能な限りこの政策を遂行することによりまして、こうした国民の期待感に全力で努力をいたしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(堺屋太一君) 対策の内容等につきましては総理からおおよそ答弁がございましたので、御質問のございましたなぜ十数%しか信じている人がいないのか、七割の人がだめだとおっしゃっているのか、この点に絞ってお答えさせていただきます。 この理由は三つあると思います。 それは、数次にわたって対策をやってまいりました。そして総額八十兆にも及ぶような政策をとりましたが、これが思ったほどの、期待したほどの効果を上げていない、だから今度もだめだろう、最初からそういうような感じで受けとめられるという点が第一だろうと思います。 二番目といたしましては、第一次補正予算等を発表いたしましてから実行するまでにかなり時間がかかる。これは、地方議会も通していただいて、いろいろと手続その他が要りますから、もう一つ即効性がない。だから第一次が、この六月に決めていただいたのがまだ出ていないような状況でございますので、今回もその効果はどうだろうかと疑問に思う人が多いということでございましょう。 それから三つ目には、やはり現在の不況というのが相当深い状況にあって、オピニオンリーダーとか企業の経営者とかそういった方が非常に冷え込んでいて、どちらかというと、語弊はあるかもしれませんが、余り効果がない、だめだと言った方が流行のような傾向が出ておりまして、何となく批判的に物を見たがる。そういう評価の点でいいますと、非常にそういったもので損をしているという感じがいたします。 我々の方といたしましても、もう少しやっぱり、私も最大限の努力をしていろいろテレビその他で御説明申し上げておりますけれども、このムード全体を動かすには、情報の多い世の中でございますから、あらゆる手段で国民の方々に理解をいただくという努力をこれからももっともっとやっていく。そして、これが実効が上がったときに、やはり我々の言っていることと現実とを合わせて見てもらえばムードが変わってくるんじゃないか。 これからも努力したいと思っております。
○福山哲郎君 長官には大変誠実にお答えをいただいたと思います。 ただ、長官の三つの理由というのは、恐らく私たちがこの補正予算に対して疑問を呈している点とまさに一緒で、これまでの八十兆円が効果を上げていない、では次が上げられる保証がどこにあるのか。それから時間がかかり過ぎるということも、昨日の予算委員会で所得税減税が十二月の年末調整まで、向こうまで行ってしまうということで、これも時間がかかる。では、今回の補正が六月の補正とは違って早く執行できるのかという保証もどこにもない。不況感が強いということも、胎動はあるかもしれませんけれども、実は現実の数値では不況感はかなり強い。ということは、長官が今まさにこの補正がわからないということをみずからお認めになったように私は受けとめるのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 効果がないとは全く思っておりませんが、そういう事実はやはりあります。だから、ある程度のタイムラグを置いて、例えばこの九月、十月から地方でも公共事業が出てまいりまして、やはり雇用はふえ、ちょっと活気づいてきたというようなことがございます。そういったことが一次補正、三次補正と累積していきますと、それが重なって必ず効果が上がると思います。 マスコミも最近ちょっと理解してくれたのか、私が胎動が見られると言ったら袋だたきになるかと思ったら、まあ相当批判もありますが、賛成してくれるところもございまして、ちょっと変わってきているのじゃないかと思っております。さらにもう少しこの内容に踏み込んで御説明できるような機会をふやして、皆様方の御理解と世の中の動きを明るい方向に変えていきたいと思っております。
○福山哲郎君 総理は、何で国民のマインドが冷えているのか、政策に対してのマインドが冷えているのかという私の質問に余りお答えをいただかなかったような気がするんですが、長官とほぼ御意見は一緒だというふうに判断してよろしいのでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 企画庁長官を信頼いたしております。
○福山哲郎君 わかりました。 では、次に行きます。 そのようなお話の中で、実は政府の経済見通しの信憑性という大変大きな問題が出ていると僕は思っています。平成十年度の経済見通しに対しまして、当初のプラス一・九%からマイナス一・八%に十月に下方修正をされました。これはかなり大幅な下方修正だと思うんですが、きのうの予算委員会でも、長官はそのマイナス一・八%もかなりしんどいという御答弁をされたと思います。 しかし、この下方修正、外れるのがいいのか悪いのか、当たるのがあながちいいかどうかは別にして、これは過去においても、平成四年度三・五%の見通しだったものが実績〇・七%、平成五年度三・三%の見通しで実績〇・三%、平成六年度二・四%の見通しで実績〇・六%、そして平成九年度に関しては一・九%プラスがマイナス〇・四%に今なろうとしています。そして、今回の平成十年度で一・九%がマイナスの一・八、またプラス・マイナス二〇%と長官は言われている。 これは、単年度における経済情勢が変化をしたとか、見通しが多少甘かったとかいう御答弁がよくあるんですが、それを超えて、もうそういった状況で説明できるものではなくて、経済見通しのあり方自身の問題が僕は問われているような気がするんですが、長官はいかがお考えですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁の見通しと実績を見ますと、実績の方が高かったのは、平成になってから見ますと、平成元年から平成二年などは上回っておりますし、平成七年、八年も予想を上回る実績を示しております。それに比べまして、五年、六年は見通しが三・三なのにマイナス〇・四になったり、それから平成六年が二・四だったのがプラスの〇・六だったり、かなり下向いております。 どうもこれを見ますと、経済企画庁というのは大体同じような常識的な線を出していて、経済の変動に対して、上がるときは下を出しているし下がるときは上を出しているというような感じがいたします。 今回でございますが、きのうの予算委員会で申したのはややしんどいと申し上げたので、非常にしんどいと言ったのではございません。それから、プラス・マイナス二〇%じゃなしに、二〇%というのは一・八の二〇%だったんですが、その範囲内だ、こういう感じを申し上げたのでございますが、この見通しはあるモデルをつくって見通しするわけです。そういう意味では、非常に科学的というか、数字がモデルできちんと出てきます。 モデルで計算するのと勘でやるのとどっちが当たるかというと、どうも実績は勘の方が当たっておるんですね。これは、モデルの計算というのはある程度機械的にやっているわけなのでございまして、そういう点ではこれが、レオンチェフ以来学問的には積み上げているんですが、当たる確率がどうかということについてはもう少し学問的に進歩する必要があるんじゃないかと思いますが、世界的に今この経済モデルをつくってそういうやり方をしているということでございます。
○福山哲郎君 ですから、そのモデルの信頼性等が大変問題だと思っているんです。 一つ、平成十年八月十一日の参議院の本会議で長官は、政府の経済見通しというのは、経済運営に当たっての政府の基本的な態度のもとをなします経済の望ましい姿、目標値を描いた部分があるから、当たり外れの問題ではない部分も実はありますという御答弁をされているんですけれども、そうすると、望ましい姿とか目標値を経済見通しに入れておられるということは、先ほど言われた科学的な理論値以外の部分の水増しなり、恣意的なものなのかがこの見通しには含まれていると考えてよろしいわけですね。
○国務大臣(堺屋太一君) それぞれのときに要素をとるんですね。その要素のとり方は、なるべく客観的にとっているつもりでございますが、やはりそこに希望的といいますか目標値的なものが入ってまいります。したがって、科学的な箱の中に、機械の中に入れる材料のところで、コンピューターに入れる材料のところでそういう希望的判断が混入することがしばしばあるようでございます。 今回、我々、マイナス一・八から出しましたものからはなるべく、なるべくじゃなしにそういうことをしないで、非常に客観的にやろうじゃないかということでやっております。
○福山哲郎君 私は、ことしのがマイナス一・八でとどまるかどうかという議論をしているのではなくて、こういった状況で、見通しを出せば下方修正、見通しを出せば下方修正する中で政府の政策が発表されても、結局また同じだろうという不信感、オオカミ少年のような状況になっているのではないかというふうに思っております。このモデル自身の考え方、それから先ほど言われたみたいにいろんな要素が入るということは恣意的な状況も加わる可能性があるわけですから、そういう状況の中で経済見通しの発表の仕方、訂正の仕方、それからモデルのもう一度の再検討等を、長官は就任のときに早く発表することに対して大変果断に対応されたというふうに思うんですけれども、この経済見通しについて少し再検討を願いたいと私は思っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) お説のとおり、これから正確にやろうということにいたしまして、それであえて十四年ぶりに修正をいたしまして、マイナス一・八というのはこれは正確にやりました。ややしんどいかなというようなことを言っておりますが、ほぼ、ほぼといいますか、全くそういう思惑なしに計算をしてみた結果でございます。 これを訂正するのは大変珍しいことでございましたけれども、来年度も可能な限り、人知の及ぶ限り正確なものを出したいと考えております。
○福山哲郎君 いや、そうしたら来年度は全く見通しとかを入れないで科学的にきちっと出せば、そのマイナス一・八と同じような数値ですから、別に人知の限り努力されなくても、そのモデルに数字を入れれば客観的な数字は出てくるんじゃないですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 全部が数字どおりになるとは限らない、数字があると限らないんですね。例えば輸出市場というのを考えますと、客観的な数字がないから、アメリカはどうだろうか東南アジアはどうだろうかというところになりますと、やっぱりいろんな幅がありまして、そういうものを利用、考えつくところがあるわけです。 ことしの見通しの非常に誤ったところは、アジア市場が、去年の九月までのデータで入れておりますから、こんなに悪くなると思わなかったというようなことが入っておるわけです。それを割合楽観の方をとっていった結果なんですが、これからは、今度はそういうところもありますけれども、なるべく衆知を集めて客観的な数字を入れていこう、こう考えておるわけです。
○福山哲郎君 実は本題は次からでして、では総理にお伺いをしたいんですが、一・九%からマイナス二・二%、なるべく客観的にマイナス二・二%なりマイナス一・八%に下方修正した平成十年度の予算がスタートしたときは、スタートしたというか、概算要求の時期というのは、十一月二十八日の国会で今回凍結されようとしている財革法が通った時期なわけです。ということは、平成十年度の経済見通しをつくるときには平成十年度の当初予算を前提として経済見通しは立てられているわけですね。当時入閣をされておられた総理に。では長官でも結構です。
○国務大臣(堺屋太一君) もちろんその時点で編成されている予算を前提として立てております。
○福山哲郎君 もう一度確認します。 そうしたら、財革法で当時縛りをある程度かけられた状況の当初予算の中で一・九%という数字が出たということですね。
○国務大臣(堺屋太一君) そのとおりでございます。
○福山哲郎君 そうすると、平成十年度当初予算は七十七兆円、一般歳出四十四兆五千億円で一・九%というふうに発表されたわけです。ところが実際は、橋本内閣のときに所得税減税計四兆円、四月に一次補正の十六兆六千五百億円、そして今回の三次補正と。今回の三次補正は期ずれで来期に回ることも多くあると思いますが、ということは、四月の尾身長官も経済政策発表のときにこれで一・九%が達成できると堂々と言われているわけですけれども、ベースが違うわけです。当初予算の財革法で縛りがかかった予算で一・九だと言っていたのが、四月に十六兆円ぶち込んで、そして三次補正をやって、それでなおかつマイナス一・八という話に今なっているわけです。 ということは、単純に考えれば、一・九%成長からマイナス一・八になるわけですから、プラス・マイナス、マイナス三・七誤差が出たという話になりますが、実はその途中に一次補正も三次補正も入れているということは、全くこれはでたらめな根拠、数字で、ベースが違うということですね。
○国務大臣(堺屋太一君) ベースが違うというか、前提が非常に間違っておりました。これははっきり認めた方がいいと思います。 それはどこが違ったかというと、十一月に破綻があったんですが、このモデルには金融問題に対する破綻という影響が全く入っていなかった。したがって、その後の貸し渋りとかそういうことも入っていなかった。それから、アジアの状態に対しても非常に甘い見方をしておりまして、既にこのモデルをつくるときにはアジア経済は下落していたんですが、それも非常に浅く見ていた。そういうような金融破綻とかアジア破綻というのは過去になかったものですから、その辺がかなり違った。私も後でつくった前提条件を見せていただきまして、今から見ると非常に甘かったという感じがいたします。 当時、やはり経済企画庁だけではなしに各民間のエコノミストなどもかなりその点は間違えていたようでございまして、最近にない激変があったからということだと思います。
○福山哲郎君 そうすると、先ほど僕は四年、五年、六年、九年も大外れというお話をしましたけれども、外れたときも緊急経済対策を打っているわけですよね。ということは、全部当初予算で見通しを立てて、これはまずい、大幅にずれそうだ、そこで経済対策として補正をどんどん組んで、そこのベースで一・九%、いや目標値に近づいたとか目標値に近づいていないとかいう議論をしていること自体僕は非常にナンセンスというか、ベースが違う、前提が違うからその議論はちょっと、それがマスコミに出ること自体非常にナンセンスで納得ができないんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済見通しというのは大変難しい面がございまして、当たり外れいろいろあります。必ずしも上を言っているばかりでございませんで、実際よりも低いことがあるんですが、どうしてもやはりいいときに見通すと高い数字を出す、それが発表されて実際のときには経済の波が沈んでいて差ができる、悪いときに発表すると低く出すから、そのときには景気が回復している。こういう循環の繰り返しで、現在に引っ張られる人間の弱さがあらわれているんじゃないかという気がいたします。 だから、これからはなるべくそういうようなことのないように努力したいと考えておりますが、これは当たり率でいいますと企画庁は特に悪いわけではございませんで、どこのエコノミストでも同じぐらいのことをやっているようでございます。
○福山哲郎君 そうおっしゃいますと、大幅に外れることもいろんな状況であるということはわかるんですが、この前提で、いろんな形の予測によってマスコミにこういう字が躍って、外れたとか長官が修正を発表したとかということで国民に対しての不信感を招き、先ほど言われたみたいに政策に対する国民との関係、信頼性、要は政府との信頼関係の中でこの経済見通しというものの存在の意義とか、何でこれをやる必要があるのかということを根本的に考え直す必要があるのではないかと私は思っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 根本的にということはともかくといたしまして、より客観的に、より正確に出すようにしたいと思っております。あえて十四年ぶりに一・九をマイナス一・八に修正させていただいたのはそのためでございまして、これまで上方修正はございましたが、下方修正というのは十八年間なかったことをあえてさせていただいたのはまさにそのために、国民の方々に正確な予測をするんだという信頼を得るためでございます。だから、就任以来かなり日本の経済状況の厳しさを日本列島総不況などという言葉を使いまして申し上げてきたのも、企画庁として可能な限り正確な経済情報を国民の方々に与えようという私の考え方からあえてやらせていただいたことでございます。
○福山哲郎君 これは話を続けると切りがないのでちょっと話を変えますが、今度は大蔵大臣にお伺いしたいと思います。 さきの臨時国会で十五カ月型の予算編成というような、あれは正式には十五カ月型では組めないと思うんですが、そういうイメージで断続的に景気に対してプラスになるような編成を十五カ月予算で組みたいというようなことを再三おっしゃられたと思うんです。今国会、補正を組まれましたが、十二月に臨時国会が開かれたということですが、考え方という意味では十五カ月編成ということを大蔵大臣は今維持をされているのかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 維持をいたしております。したがいまして、四兆円の特別枠を十月までの概算要求に特例で引き延ばしまして、それをかなりいただいてこの補正に取り組んでおりますけれども、なお次に繰り越すものもございまして、私は、来年度の経済見通しのお話はいろいろございましたが、今年度の中で最後の四半期一―三、十―十二は今歩いておりますので、一―三というところが非常に問題だろうと思っておりまして、これがいろいろ切れかかるときでございますから、それが切れないようにということも考えながら十五カ月ということをやらせていただきたいと思っているわけです。
○福山哲郎君 ということは、考え方としては維持しているというふうにおっしゃられたと思うんですが、そうすると、今回一般会計概算要求が出ておりまして、八十九兆九千六百八十三億という形で一般概算要求が出ています。そして、その中の一般歳出予算としては四十九兆四千百七十六億で平成十一年度の概算要求が出ているんです。そうすると、十五カ月予算ということを考え方として維持するとなると、今回の本補正予算の一般歳出額は、この平成十一年度の概算要求の四十九兆から差し引いた額が来年度の一般歳出というイメージになるわけですけれども、それでよろしいですか。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 今回の補正予算で計上しております四兆円の景気対策枠の中で、三兆五千億円を補正予算、それから五千億円を来年度当初という考え方で、十五カ月予算という考え方のもとに計上しているところでございます。
○福山哲郎君 済みません、最後の部分をもう一回言ってください、三兆五千億の後。
○政府委員(涌井洋治君) 四兆円の景気対策枠につきましては、概算要求の段階では、概算要求ですからこれは考え方としては十一年度当初予算の要求枠という考え方であるわけですが、その中で、十五カ月予算ということで、できるだけ一―三月あるいは来年度の上半期の執行を考えまして、そのうち三兆五千億円を前倒しして今回の第三次補正に計上し、五千億円を来年度当初予算に上積みするという考え方でございます。
○福山哲郎君 そうしたら、四十九兆四千百七十六億円の一般概算要求のうちの三兆五千億をイメージとしては引いた形という形になるんですね。
○政府委員(涌井洋治君) 考え方としてはそういう考え方でございます。
○福山哲郎君 そうすると、来年度の本予算の一般歳出は約四十六兆円になるわけです。十年度の本予算、昨年の本予算は四十四兆五千三百六十二億で、財革法の縛りのかかった緊縮予算を組まれたわけです。今のお話で、概算要求から三兆五千億円、今回の補正の分は十五カ月予算だという考え方で引きますと、今お話しありましたように約四十六兆円です。そうすると、昨年の本予算の一般歳出とほとんど額が変わらなくなって、来年度の当初予算は非常に緊縮型という形になるんですが、これは景気に対して影響はないんでしょうか、大蔵大臣。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 四兆円の枠のうち三兆五千億円を今回の第三次補正に前倒し計上して御審議をお願いしておりますのは、考え方といたしましては、まず、春の一次補正の執行がこの九月、十月から本格的に、これはまさに契約が始まったところでございます。ですから、当初予算と一次補正の執行がこの十二月から来年の一―三月にかけて行われると。 それから、四兆円を来年度の当初予算に計上いたしますと、当初予算の執行となりますと、実際に契約は六月とか七月とか八月になってしまうわけでございます。そうしますと、来年度の上半期の経済に対する悪影響を考えまして、むしろ三次補正にお願いいたしまして、一―三月にできるだけ契約していただいて、その執行が来年度の上半期に動くように、それで切れ目ない予算執行が行われるようにという考え方でございます。これが十五カ月予算という考え方でございます。
○福山哲郎君 そうすると、最初に戻りますが、当初、平成十年度四十四兆円の財革法で縛られた緊縮型の予算を組んで、それで一・九だと言ったものが、全くでたらめになったわけですよね、先ほどの流れの中で。今回十五カ月予算になるということは、今回の補正予算の三兆五千億円が来年度当初予算の概算要求から引かれるということは、やっぱり当初予算の額としては四十六兆で、そんなに大きい額ではない。 総理にお伺いしたいんですが、はっきりとしたプラスになるということはおっしゃっておりますが、概算要求の当初予算の枠とこの補正予算の枠の中の景気対策の中ではっきりとしたプラスになるというふうにおっしゃられているんですね。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 経済的には、先ほど申し上げましたように、当初予算に計上いたしますと、その執行が要するに来年度の下半期以降にいく可能性があるということでございます。ですから、前倒しして計上してその執行をできるだけ来年度上半期に目標を合わせるということでございますので、経済的には国民経済計算上のいわゆる政府投資、IGベースではこの補正予算の相当部分が来年度に出てくるということでございます。
○福山哲郎君 それはわかります。 来年度に出てくるから、今回の補正と来年度の当初予算ではっきりとしたプラスになるということをおっしゃられているんですかということを総理に確認したいんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、何度も主計局長が申し上げたように、予算ベースではなくてIGベースでどうなるかということを考えませんと、今成長率の話をしていらっしゃいますから、IGベースでやらなければだめなんで、IGベースは先へ行って大きくなります、こう申し上げているんです。
○福山哲郎君 では、もう少し単刀直入にお伺いをします。 先ほど言っているように、一・九%ことしがだめでマイナス一・八になった。これはでも、四月に補正を組み今回も補正を組んだ上でやっとマイナス一・八になった。来年度、この十五カ月の考え方の予算を組んでさらに当初予算を組んだ後に、やっぱりはっきりとしたプラスにならない、経済再生内閣が立ち行かなくなったといったら、またどんどん補正予算を組んで、それでやっとはっきりとしたプラスになりましたというと、これは前提が違いますから、はっきりとしたプラスになっても、前提が違うということになるので、総理にお答えいただきたいのですが、だから何回も言いますが、さらに来年度補正を組むようなおつもりは今の段階ではないわけですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 前提とおっしゃいましたから、お言葉を返すようですけれども、あなたの御議論の前提は平成十年度の当初予算でございます。これは非常な緊縮予算であったんですね。それで、平成十一年度の予算はそうでないんでございますから、前提は違います。
○福山哲郎君 いや、ですからその話をしているのではなくて、要は──わかりました、だからはっきりとお答えください。 はっきりとしたプラスに総理がされるという思いは、今回の補正予算と来年度の予算で、そしてさらに来年度の法人税減税と所得税減税をされて、それではっきりとしたプラスにするんだというふうに総理はおっしゃっているんですね。
○国務大臣(小渕恵三君) そうした今回の補正予算も含め、来年度の予算も成立させていただきまして、そして来年度はプラスになるように、またなっていくであろう、こう確信を持って今お願いをいたしておるところでございます。
○福山哲郎君 そうすると、もう一度お伺いしますが、この状況の前提、この前提ではっきりとしたプラスということですね。もう一度お答えください。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうに総理は言っておられるわけです。
○福山哲郎君 もう時間が余りないんですけれども、総理は即効性、波及性、未来性ということを今回の補正で組まれました。私は単純に思うんですが、この即効性と未来性ということに対して非常に矛盾を感じておりまして、即効性があるということと未来性ということがどのようにこの補正の中に盛り込まれているのか、総理の意思を詳しくお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) それぞれ予算を前倒し執行してまいりまして、そうしたことで極めてスピーディーにその効果を発揮させていきたいということでございます。それから、未来性というのは、いろいろな予算の中で、この補正の中で考えておるものもありますが、将来にわたっての情報産業その他に対することも考えて予算の中にいろいろな項目を入れまして、それで将来にわたっての明るい展望を持てるような予算のまず端緒を築くということもありましてそうした言葉を使わせていただきました。
○福山哲郎君 私は実はこの未来性ということに対しては大変魅力を感じました。二十一世紀に対して環境対策、それから医療、保健に対しても非常に逆にうれしく思いました。 しかし、その中で大蔵が、概算要求に対しての基本方針という中で、景気回復に即効性があり、後年度に過度の負担とならないものを計上という基本方針を出されました。過度の負担というのはどういうことを言われるのかよくわからないんですが、未来に対する総理が今言われたようなものをつくっていこうというときに、後年度に対する過度の負担とはならないという縛りをつけたときに、どこまでが未来に対するものなのかということに対して僕はこれは大変大きな縛りがかかったという気がしているんですが、大蔵大臣、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 後年度に過度の負担になりそうなものというのはいろいろございますでしょう、世の中で。例えば年金の話でありますとか税金の話でありますとか、この際減税しちゃったらいいなんというお話も、しかし後をそれでどうするのというようなことがいろいろございますから、そういうことは、今仮にちょっとよくても、やっぱり我々の先も考えなきゃいけない、こういうような意味でございます。
○福山哲郎君 よくわからないんですが、とにかく頑張って、未来に向かってぜひお願いをしたいと思います。 実は、最後にどうしても言いたいことがありました。きょうは十二月十日でございます。実は昨年京都で開催をされました地球温暖化防止京都会議、COP3が開催をされて京都議定書が採択をされたのが十一日の未明、ある意味で言うと十日でございました。それからちょうどきょうで一年たったんですが、先月にアルゼンチンのブエノスアイレスでCOP4という続きの会合がありまして、これに真鍋長官が行っておられました。 私も実は行っておりまして、長官が演説をされたり各政府代表団といろんな形で交渉されて頑張られていることを拝見して大変頼もしく思ったわけですが、しかし中身で言うと、COP3の先送りをして二年後に持っていった、ブエノスアイレス行動計画というのができたわけですが、これは基本的には先送りだという状況になっておりまして、長官にこのCOP4についての率直な評価をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(真鍋賢二君) COP3の折にも先生には大変お世話になり、またCOP4に対しましては御夫妻でわざわざブエノスアイレスまでお越しいただき御協力をいただいたわけでありまして、心から感謝をいたしております。 そこで、京都会議で感動的な目標値を定めまして、それに向かって頑張っておるところでありますけれども、何としても京都議定書の発効に向かって議長国である日本は努力していかなければならないと思っておるところであります。 そこで、余りにも感動的なCOP3でございましたものですから、COP4はどうなるか大変心配をいたしたところであります。それがためにということで非公式閣僚会議を東京で開き、またアジア・太平洋環境会議、エコ会議を仙台で開きましてそれがための対策を講じていったところであります。いろいろと努力はしたわけでありますけれども、結果的に、表面的に数字が出ておりません。 しかしながら、ブエノスアイレスの行動計画というものが決定されたわけでありまして、継続というものが力なりということならば、これは大きな私は意義があったと思っておるわけであります。COP6に向けて努力していこうという一つの目標もできたわけでありまして、私はそれなりの評価はできるのじゃないだろうか、こう思っておる次第であります。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 私は、中身について言うと切りがないので、一つだけ気になっていることがあります。 例えば、宮澤内閣時代、総理が行けなかった地球サミット、大変残念だったんですが、この九二年のリオ・サミットから九八年のCOP4まで、実は環境庁長官が日本は十一人もかわっておられます。日本の政治状況からいってこれは仕方のないことなのかもしれませんが、外交交渉という点で考えると、ほとんど毎年外交会議は続くのに交渉者がかわっていく。さらには交渉担当者でいいますと、日本はCOP1からずっと継続して交渉している担当者というのがゼロなんですね。 ところが、環境問題というのはこれから先、恐らく五年、十年、かなり継続的に物事が進んでいって環境悪化の状況が出てくるときに、こういった間違いなく継続性のある国際会議に、例えば環境庁の役人さんでも通産省でも外務省でも、交渉担当者が本当に継続的にいないというのは、私は外交交渉上大変マイナスではないかというふうに思っていまして、この問題に関しては、できればぜひ御検討いただきまして前向きに考えていただきたいと思っております。 外務大臣それから通産大臣、環境庁長官に御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(東郷和彦君) 一点だけ事実関係について申し上げますが、御指摘のように、地球温暖化の問題に関しまして一貫して交渉に参画した者はおりませんが、現ジュネーブ大使の赤尾は九二年、リオ地球サミット以来、交渉の主要部分には参画しております。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘をいただきましたように、国際会議に出席をされる政府のトップ、大臣でございますが、御指摘のような交代を余儀なくされておられるわけでございまして、経験が豊かだったので大木さんに今回もブエノスアイレスに行っていただきました。 要は、内閣として、大臣がそういう交代をされるということにも起因することであろうかと思いますが、政府の方針はある意味では一貫しておることであります。そういった意味で、常々私自身も考えておりますが、何はともあれ、日本の内閣そのものも相当交代をする機会が多いわけでありまして、イタリアほどではありませんけれども、そういった意味で、これはやはり内閣のあり方、またそれを国民的な御支持を願うこと、あるいは制度的に大統領制を持っておられるような国で、四年ないし、アルゼンチンはたしか五年かと思いますが、六年、七年というところもございまして、そういう中でのキャビネットの編成とやや違っておる日本の形態でございます。 しかし、御指摘をされた点は非常に私は重要なことだと考えておりますので、今後とも経験豊かかつ外交的にも長い間経験を持たれた方々が国際会議には継続して出席のできるような配慮はしていかなきゃならぬ、このように思っております。
○福山哲郎君 大変誠実な御答弁ありがとうございました。閣僚だけではなくて、ぜひ交渉担当者レベルで継続的に人材を養成していただくような方法を考えていただきたいと思います。 最後に、実はこの京都議定書というのは、多数の国が条約に参加をしている中で、我が国の地名が入っているものというのは実は世界でこれしかないんです。気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書ということで、我が国の地名が入っている、多数の国が参加をしている条約ですので、早く批准をしていきたいということで、これからも関係閣僚皆さんの御努力をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十年度第三次補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。 関連質疑を許します。今井澄君。
○今井澄君 それでは、福山委員に続きまして、関連質疑で質問をさせていただきます。 まず最初に、政界というのは本当に驚くようなことが起こるわけで、しかもその中身が全くわからない、今の自自連立の動きというのは。まさにこれが国民の政治不信を強めているような気もいたしますし、合意事項などということがにぎにぎしく言われながら全く中身が伴わないということで、午前中の質疑でも問題になりましたが、やはり史上最大の景気対策を打ちながらも国民の信頼が得られないというところはそこにあるのではないかと思います。 そこでまず、主として自自連立と消費税のいわゆる福祉目的税化ということについてお尋ねしたいと思うんですが、その前に、総理の今回の所信表明をお聞きしても、それから特に今重大な関心事になっている自自連立の「いま直ちに実行する政策」という政策合意の内容についても、重大な問題が欠けていると思うんですね。 今、求められていること、これは先ほど岸委員が大変鋭く指摘されましたように情報公開の問題、これは本当に国民が待ち望んでいることでもありますし、政治の信頼を回復する上で非常に重要な問題ですけれども、これが抜け落ちているのではないか。 それからもう一つ大事なのは、地方分権の問題です。特に、景気対策にも絡むわけですが、今地方が財政的に疲弊していて、幾ら国で予算を組んでもなかなか受けられない、執行できない。ましてや地方単独事業などができないという状況に来ている。これは衆参の質疑でも明らかになってきたところです。 そこで、一つは、総理にお尋ねしたいんですが、自自連立の中で、あるいはその政策協議の中で地方分権とか情報公開の問題は全く話されていないんですか、この文書にありますように。
○国務大臣(小渕恵三君) このたび自由党との間、すなわち小沢党首と私との間で結ばれました合意は各般にわたっておりますが、実は政策すべてにわたりまして論議ということでございませんで、自由党から寄せられました要請、要望につきまして、その時点で合意を見たというもの、合意し、かつその方向性について一致を見たものでございまして、結論から申し上げますと、今、委員御指摘の点につきましては特に触れておりません。
○今井澄君 そこで、その分権の問題でありますけれども、特に公共事業の見直し、効率的な公共事業ということが言われているわけですが、その中で、地方分権推進委員会では非常に前向きの議論がされていると聞いておりました、公共事業についても分権をしていくと。ところがここへ来て、あれは十二月三日だったでしょうか、この地方分権推進委員会の行政関係検討グループの座長を務めておられた、おられると言った方が正確なんでしょうか、西尾勝東大教授が諸井委員長に辞表を提出した。 それはどうしてかというと、公共事業の地方分権に対して建設省が話し合いにも応じない、白紙回答であるということ、そういうことを聞いているわけなんですけれども、総理、このことを一体どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 第五次答申をおまとめいただく前に、諸井委員長ほか小委員と懇談の機会をいただきましたが、私の方から特段に申し上げることはございませんで、十分委員会として御判断いただきたいということでお願いし、そしておまとめいただいて答申を得、得た以上は私はそれを誠実に実行していくという立場であろうと思っております。
○今井澄君 いや、そういうことではなくて、結局、地方分権という非常に大事な問題を進めようとして鋭意検討しているのに、省庁が既得権を守ろうとしてその審議に応じないというか資料を出さない、そういうことが問題だと思うんですよ。これは、総理として地方分権を進める上で重大な問題ではないかと思うんですけれども、何か建設省、こういうふうに新聞報道はされているわけですが、建設省について調査をしたか、あるいは建設省に何かを言われましたか、まずそれを。建設大臣には後で答えを聞きますから。
○国務大臣(小渕恵三君) 申し上げましたように、私に対して諸井委員長から特段のお話はございませんで、懸命に今答申をまとめるべく努力をしておられるというお話を聞いておりましたので、繰り返しますが、しっかりお願いいたしたい、こう申し上げておるところでございます。
○今井澄君 ということは、つまりこういう新聞記事が出たにもかかわらず、大変問題になっているにもかかわらず、総理としては何ら調査とかなんかやっておられないというふうに受け取りましたが、官房長官、何かお答えが。
○国務大臣(野中広務君) 総理が申し上げましたのは、諸井委員長から答申を受ける際のお話を申し上げられたわけでありまして、委員は今、その事前に西尾小委員長からお話が出たときにそれぞれの省庁の取り組みについて報道があったことを御指摘であろうと存じます。 やや省庁によってまばらであったことは事実でございます。しかし、最終的には諸井委員長のもとで整理をされるような対応を建設省もいたしまして、この問題が諸井委員長から総理に答申をされたことでございます。建設省が書類を出さなかったということはございません。
○今井澄君 それでは、何で辞表を──辞表はまだ撤回していないですよね。
○国務大臣(野中広務君) 西尾小委員長が出された案のとおりにはならなかった、最終の答申がそのようにはならなかったと、こういうことでございまして、西尾委員は委員を辞任されたのではないのでありまして、小委員長の辞表をお出しになったということでございます。
○今井澄君 建設大臣にお伺いしたいんですが、こういう新聞報道にあったようなことは事実なのかどうなのか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 私は、建設大臣に就任いたしましたときに役所でまず指示をいたしましたのは、すべてオープンでいきましょうということを指示いたしました。そういうことを言った本人から申しますが、そういうようなことは一切ありません。 その辞表を出されました方は、実にドラスチックといいましょうか、そういう内容を推し進めようとしたわけでございまして、これは私は何も建設大臣だから言うわけではございませんが、私はそれは異常であったと思います。私は異常であると思います。(「記録に残るよ」と呼ぶ者あり)いやいや、一号から五十八号までを全部直轄にして、三けたは全部地方に回そうというんですが、私はまだそれだけの、地方がやれるだけの力を持っていないと思っておりましたから、私はそういうようなことで決して、どう言いましょうか、先生の御指摘のようなことは一切ございませんでした。私は事実そういうふうに感じましたから。
○今井澄君 今の答弁は重大に受けとめておきたいと思いますが、今度の報道に先立つ九月だったと思いますが、実は自民党の建設部会でこの案について猛烈な反対があったんです。そんな地方分権をされたら我々の活動する場がなくなるじゃないかということで大変な反発があったという報道があったということ、このことも自民党総裁としての総理にはよく受けとめて反省していただきたいと思いますが、時間の関係で次に移ります。 今、福祉目的税化の話がどんどん進んでいるようでありますけれども、何か財政構造改革法をつくったと思ったら一年もたたないのにもう凍結と、去年はぎゅうぎゅう締めたと思ったらことしはどんどん出すという、何でもありみたいなこの政治はやっぱりここできちっと筋を通す必要があると思うんです。 一つは、官房長官が重視しておられる信義の問題、これは政治の筋を通す意味で一方で大事だと思いますが、もう一つは、政策というか政策理論と申しますか、こういう点にきちんと筋を通さないで何でもありになるとますます政治不信を招くと思います。 そこで、今、目的税化と言われていることですけれども、これは大きく三つに分けられると思うんです。税法上にきちっと使用目的を書いて税を徴収するという方法、あるいは道路特定財源のように、税法上には書いていないけれども個別法でもってこの事業のためにはこの税を使うと書いてあるもの、それともう一つは、税法にも書いていないし個別法にも書いていないけれども、何らかの形で政治的にあるいは法律的にその趣旨としてこういうものに使いたいと方向を明示する方法があると思いますが、今の目的税化はこの三つのうちのどれで議論しておられますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、先生から目的税化につきましての三つの分類のお話を承りましたが、自由党と私との間におきましては、消費税をめぐりまして、この問題について目的税化といいますか、こういったことにつきましての御議論をいただいておりましたので、これは私としては、自由民主党と御協議をお願いいたしたいということで今されておりまして、先生今御指摘のようなどの点でということにつきましては、実はまだ協議が深まっておりませんので、そこまでのお話は承っておりません。
○今井澄君 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、目的税と言うときには、厳密な意味でいうと、やっぱり税法上、使用目的を書いてある税を国民からいただくということになると思うんですね。今論じられている消費税の目的税化というのがそういうふうに考えられるとすると──私は消費税というのは今後の少子・高齢社会を支える大事な税目であると思います。そういう意味からいうと、私はそういう狭義の意味だと好ましくないと思いますが、どう思いますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 普通、目的税化という言葉があらわしますように、目的税と言っておるわけでもないということを考えますと、かなりそのときそのときで広い意味に用いられているように思います。 恐らく、今、両党でそのトップ同士がお話しになりましたのも、そう厳密に定義をせずに、しかし将来やはり国民負担がふえていく、そのことで消費税との関連を考えるべきではないかといったような意味合いで、あとは関係者がよく相談をせよと、こういう合意であったんだろうと、多分そのぐらいなことと私は思いますが、財政から申しますと、目的税化いたしますと非常に用途が特定をされてしまいますので、一般的に、できるならば税源は全体としてとらえまして、その一つ一つに使わせていただく方が好ましいことであります。 ただ、税とその使用目的が非常に密接に関係しますようなごくごく技術的な場合にはそういうことがあることもよろしいと思いますが、一般的には、なるべく財政が弾力性を持ちますように、硬直化しないようにしていただくことが望ましいし、今の福祉との関連におきましても、例えば福祉政策の中には保険的な性格を持つものがあると思いますし、それから給付と負担との関連というものも、いろいろ議論をする必要があるものも多いと思いますので、そのような意味できちっと目的化をしてしまいますとそういう部分が失われてしまう、あるいはそういう部分についての議論がなくなってしまうという心配もございますから、余りかたく結んでいただかない方が財政の立場から申しますと好ましいことであります。
○今井澄君 かなりいいかげんに使ってきたところに実は問題があると思うんですね。先ほども言いましたように、私は所得税を中心とする超過累進課税が基本であっても消費税というものも大事な税目だと思っているわけですが、この消費税が今国民から非常な不信を買っている、あるいは反対を受けている不幸な歴史があると思うんですね。 それは、平成元年に消費税が導入されたときに、これは福祉目的に使うと言って、実は大して福祉に使っていないわけですよね。それから、昨年三%を五%に上げるときも、福祉目的だと言っておきながら、例えば福祉に特定して使ったのは二%分のうち五千億ですよね。そういうところにごまかしがあっちゃいけないと思うんです。 ところが、驚くべきことに昭和六十三年十二月三十日の税制改革法を見てみますと、第五条に「福祉の充実に配慮しなければならない。」ということとか、第十条に「消費税の創設」で「国民福祉の充実等に」と書いてあるわけですね。それほど消費税を福祉に使ってこられましたか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 福祉の一部に使わせていただいたことは確かですけれども、一般的には福祉の費用の方が消費税の税収よりは大きかった場合が多いように思います。
○今井澄君 だから、その辺をあいまいにしてはならないと思うんですね。私は、やはり消費税は福祉に主として使うべきだと思っております。 そういう意味では、これはむしろ政策の問題として、先ほども申し上げましたように、例えば従来型の公共事業を減らすとか、行政改革によってむだをなくすということで、限られた税源を福祉とか環境とか必要な社会資本整備、そういうものに使うように財政構造を変えていかなければならないんだと思います。 そういう意味で、私は今、福祉目的税化という議論は厳密に議論をしながら、しかし税金はより多く国民の安心のために使うという方向に行ってもらいたいと思っているわけです。 そこで、ちょっと話が飛びますが、大変に心配なことが起こってまいりまして、きのう西川委員の質問に対して、総理はそんなことはないとお答えになったのでほっとしたんですが、またけさの朝刊などを見てみますと、介護保険制度はどうも凍結、延期するという方向が出ているように書いてあります。新聞によって随分違うんですね。例えば官房長官の昨日の記者会見も、ある新聞は「介護保険制度予定通り導入」というふうになっておりますし、ある新聞は「実施先送りの動き」と、こういうふうになっているんですが、官房長官、きのうの会見ではどちらなんですか。
○国務大臣(野中広務君) 総理が答弁いたしましたように、二〇〇〇年四月から介護保険は定められたとおり実施することにいたしております。 私が会見で申し上げましたのは、自由党から凍結の話が出ておるようだけれどもという記者の質問がございましたので、そういう内容は承知をいたしておりません、したがいまして予定どおりやります、ただ、一部町村で人材的な準備ができないとか、施設的準備ができないとか、そういうことで若干見送ってほしい、先送りしてほしいという意見があることは事実でありますけれども、今度の補正、さらに平成十一年度の予算等を十分手当てすることによって予定どおり実施をしていきたいというように申し上げたつもりでございます。
○今井澄君 実は十一月二十七日の某紙に、野田自由党幹事長が談話を発表、そのやりとりの中で、介護保険は廃止をしてこれは税でやるんだ、消費税でやるんだということを言われておられるんですね。ところが、それが消えたかと思ったらそういうことでありまして、しかもこの新聞の記事によりますと、昨日、自由党は消費税を福祉目的税化して、介護保険制度は凍結して、それは税を入れるんだ、こういうことを決めて自民党と交渉するんだということになっているそうですが、総理どうですか、介護保険は断固として二〇〇〇年四月からやるということをお約束していただけますか。
○国務大臣(小渕恵三君) そのことは既に政府としての方針は定まっておると認識をいたしております。
○今井澄君 私も、先ほどから申し上げておりますように、これからの少子・高齢社会の中で安心できる社会をつくるためにはいろいろなことにお金を使わなきゃならない。雇用の問題もあるでしょう、教育の問題、環境の問題、もちろん社会資本整備、住宅の問題もあるでしょうが、社会保障は大事だと思っております。そのためには消費税、将来経済状態が好転すれば増税も含めてやるべきだと思っておりますが、今議論がのっぺらぼうに、医療も年金も福祉も介護もという形でいい加減に議論されておることが非常に心配です。 そこで私は、何といっても今一番国民が不安を持っている社会保障は年金だと、年金の崩壊。先ほども宮下厚生大臣から御答弁がありましたけれども、何と三人に一人が未加入か、お金を払っていないかあるいは免除されているということです。 私は、何よりも、今、税をどういうふうに使うべきか、消費税をどう使うべきかと考えたときには、基礎年金だろうと思います。 そこで、基礎年金の全額税方式というのを民主党は打ち出しているわけですし、当面、来年すぐに二分の一にすべきだということも主張しているわけですが、全額税方式についてもう一度厚生大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 基礎年金の空洞化という問題がございます。二千万人のうち三分の一がとにかく免除されたり、あるいは加入しておっても未払いであったり、未加入者ということでございまして、この国民年金制度を維持していくというのは大変重要なことでございますので、私どもは、徴収の強化とかいろいろ広報をやったり、あらゆる手段を通じて徴収に努めているところでございます。 一方、サラリーマンの奥さんの第三号被保険者の問題とかいろいろありますが、そういう問題があればこそ、そういうものを解消するために税方式を持ってきた方がいいではないかという御議論がございます。しかし、昨日も申し上げましたが、全額税方式によりますと社会保険の負担と給付の相関関係、メリットが失われるということ、これはいろいろな面に影響してまいります。 それから同時に、極端な話、生活保護は全額税でやっておるわけですが、全額税でやるということになりますと、それに近いものになるわけですね。あるいは支給開始年齢等は制限したとしても、本質的には税で生活保護的なことをやるということになると、どうしても資力調査とかあるいは所得の高い者には制限するという、生活保護の面は現にそういうことをやっておるわけですが、そういう体制をとらざるを得ないと思われます。 そういうことがございますので、私どもしては、あくまで社会保険でありますから、ぎりぎり将来の課題として今の三分の一を二分の一くらいにしたらどうかなという御提案もございますので、それは今直ちにはできないにしても理解できるな、こういう立場でやっておりますので、その点は御理解をいただきたいと思うのでございます。 それからもう一つ、この三分の一の免除者あるいは未加入者、それから未納者等のために、今度の私どもの提案では、そういう方々について保険料を半分にして給付も全額を支給しないで三分の二程度にするという一つの提案も申し上げておるんですが、これはまだ決定したわけではございませんのでいろいろ御論議をいただかなくてはなりませんが、そんなこと等も含めて未納者あるいは未加入者の解消に努めていきたい、こう思っております。
○今井澄君 今の厚生大臣のお答えは、私は、大変赫々たる実績をお持ちの大臣であり、しかも私と郷土を同じくする者に対しては失礼かと思うんですが、はっきり言って子供だましの理屈だと思うんですね。 社会保険方式の予算が失われると言うんですが、社会保険方式の予算は拠出ですか、積み立てですか。
○国務大臣(宮下創平君) 社会保険はあくまでも負担と給付の均衡をとっていくということでございますから、保険者が一定の負担をし、そして給付が保障されていく、こういう制度のことを前提に私は物を申し上げております。
○今井澄君 それはちょっと何かあいまいなお答えで、要するに負担と給付の関係が明確だというのは、税というのはだれの出したお金かわからない、だけれども保険料として出すとそれは返ってきたものと一対一の関係がある、そういう意味ですか。
○国務大臣(宮下創平君) 民間保険等を考えていただければわかりますように、自分で全部拠出して、それで設計に基づいて給付を受け取るわけですが、公的年金の場合はそれにプラス公的な補助といいますかサポートが必要でございますから、それをやっておるという違いでございます。
○今井澄君 そうすると、何の意味かわからないんですが、もう一度社会保険の意味が失われるということを説明してください。
○国務大臣(宮下創平君) 税で全額やりますと、保険料を負担いたしません。これは委員の御指摘によると、これは国民の税でやるんだからという、負担はもちろん広範な意味で背景にありますけれども、そのシステムの中における直接的負担はないわけです。そういう意味で、負担と給付との均衡、社会保険方式というのは負担と給付の均衡の間で考えている長期的な設計でございますから、それにもとるということを申し上げているわけです。
○今井澄君 そうすると積み立ての意味ではなさそうですが、お金を出したことが返ってくることと関係を持つということだったら、先ほどの目的税化の議論ではありませんが、国民年金法の中に財源は消費税によると、それで消費税を払うたびにこれが年金の原資になっているとわかればそれでいいじゃないですか。
○国務大臣(宮下創平君) お答えします。 消費税をどう目的税化するかということについては、今、総理並びに大蔵大臣から御答弁がございました。 趣旨としては私も大蔵大臣の御答弁なさったような感じではないかと思っておるんですが、しかし歳出全体の中で資源配分をどうするか、税金で入ったものをどうするかという背景の問題はまずございます。そして同時に、個々の政策がシステムとしてまた制度化されているわけですから、その制度化された、例えば今問題になっているのは社会保険でありますが、厚生年金等の保険システムの中でどう資源配分を考えていくかという課題になります。 その場合に、税を全部投入した方が資源配分としていいのかどうかという問題ももちろんあります。でも、そのシステム自体としては負担と給付というものが厳然としてあるわけでありますから、それが基礎年金といえども全額税でやるということになりますと、これは保険システムではなくなるというように私は思います。
○今井澄君 ですから、その保険システムのメリットということが一向に御答弁の中では見えてこないわけであります、社会保険方式。しかも、社会保険方式にこだわっていてだんだん今未加入者とか何かがふえてきて崩壊しつつあるんです。保険料を下げたところで同じなんですよ、年金の信頼性が回復されない限り。したがって、消費税というこの税の特徴からいって、目的税化という議論に沿って、みんなが消費するときに払うもので払っているんだ、所得税とは違うところで負担しているんだという税方式を私どもは主張しているわけです。 ついでにもう一つお聞きしたいんですが、生活保護と同じと言うけれども、あれは保護でありまして、両方とも何か所得保障みたいなことを言われると全く違うんじゃないでしょうか。それから、ミーンズテストが必要だという意味のことをおっしゃいましたけれども、資産まで調査しないでやっている社会福祉は幾らでもあるんですよ。だから、これは厚生官僚がしょっちゅう言う論理なんですけれども、全くこれは理屈にならない十年一日の言い方ですから、それは撤回してほしいと思うんです。
○国務大臣(宮下創平君) 私どもは、やっぱり社会保険でございますから、あくまで負担とそれから給付の関係を明確なものとしていく必要があると考えておりまして、これは十年一日というように言われますけれども、社会保険システムというのはそういうものだと思うんですね。長期設計に基づいて設計をしております。 一方、生活保護者と同じではないかという御議論に対しての反論でございますが、全く同じであるとは私も考えません。しかしすべて一〇〇%、その財源は税によって賄われるという点では同じになります。 そういう意味で、他の福祉政策でも所得制限を付して給付する例が非常に多うございます。それは税でやる場合は当然そうなります。しかし、社会保険方式でやった場合は、それは自己負担がございますから、ある程度そういう資力制限等はかけません。現に年金におきましても、現在六十歳で年金給付が受けられるようになれば、所得制限によって制限をすることはなしに保険料の支払いを尊重して給付は行っていく、こういう建前になっているわけでございます。
○今井澄君 生活保護とは全く違うものだということは、これはお認めいただきたいと思う。これは保護ですから、別に福祉ではないんですよ、生活保護というのは。 それから、福祉についても、今までは救貧の思想でやってきたのを、これからは利用者の利用方式に変えようという流れが今あるわけです。その中でミーンズテストだとか何かそういうことを言っていると、まさに時代おくれなんですね。新しい時代の流れの中で考えていくべきではないかというふうに思います。 それでもう一つ。来年からすぐにとりあえず全額にするかどうかは別として、二分の一にすることについて膨大な財源を伴うということが反対の理由になっておりました、二兆二千億円。しかし、今度、史上最大の景気対策で一体幾ら赤字国債を発行するんですか、六兆前後の公債を発行するわけですね。そうしたら、本当に景気対策になる、安心できる世の中をつくる、あるいは投資にもなるものに二兆二千億円を回せばいいじゃないですか、どうですか。これは反対の理由にならないと思います。
○国務大臣(宮下創平君) これは大蔵大臣にお答えいただいた方がよろしいかと思うんですが、社会保険のシステム自体としては、仮に二分の一くらいまでが許容される国庫負担の限度かなと私も個人的には思っておりますが、それができれば保険料の引き上げをその分だけ、仮に三分の一を二分の一にいたしますと一%保険料の上昇を阻止することもできますし、国民年金の方で月三千円ですね、そういうことですから、それ自体はそういうシステムの中だけで考えれば好ましいことでございます。 問題は、国家財政全体の中で資源配分の問題としてどうかということのほかに、今はこういった財政が大変な、三十四兆円の赤字国債で国債依存度も戦後最高の三八・六%というような状況でございますから、そのことを考えた場合に軽々になかなか判断ができないなと思うのと、それからこれは単年度だけではないことは委員も御承知のとおりです。来年も再来年もこれはずっと根雪で続きます。なお、受給者はふえてまいりますから、その額はふえてまいります。そういう性格のものでございますから、これを赤字国債等で賄うことは私としてはいかがなものかと、財政全体のスキームの中で、そう考えます。
○今井澄君 時間がないものですから、もう一度介護のところに戻りたいと思います。 どうも今の年金の問題にしても、それから福祉一般もそうですけれども、これは何かむだなお金だというふうな感じがいまだに強い。それが今回の補正予算を見ても従来型と言われる、大転換のできないゆえんではないかと思います。 この介護保険制度、これが経済効果をもたらすということが言われておりますけれども、この辺について経済企画庁長官、国民生活白書にもあったようですが、いかがでしょうか。大蔵大臣いかがお考えでしょうか、その辺。介護保険の経済効果。
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろな見方があると思いますけれども、やはりそれはそれなりの経済効果を大きく持つと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 国民生活白書の中で、将来の長期的な展望について分析させていただきました。 これは、経済効果をIOで出しておりますので税項目の関係は捨象されております。これはやはり将来の安定と、それから就業構造の改革で非常に重要なポイントだと指摘しております。
○今井澄君 つい先ごろ発表された国民生活白書の中では、介護保険制度がないときに抑制されている金額の恐らく八割は消費に回るだろう、消費刺激効果があるだろうと、これは経済企画庁で言っておられるわけです。 最近、「介護の経済学」という本が出ました。この著者は、経済企画庁の幹部、厚生省の幹部の皆さんが私的な立場で書かれておられます。この中にこういうことが書いてあります。 新ゴールドプランの経済効果を実証的に検証してみたところ、その一次的生産誘発効果は約十四兆九千億円。これは約九兆円の投資に対して約一・六倍。公共事業を同じように九兆円投資してみると、公共事業で発生するのが十六兆円ぐらいですから、公共事業の一次生産誘発効果は約八四%ぐらいでちょっと足りない。しかし、一次的総付加価値誘発効果になりますと、これは十七兆円になりまして、これは公共事業よりは一・〇四倍むしろ多い。むしろGDPに対する効果としては公共事業よりも新ゴールドプランの方が多いという計算ができるんだというふうなことが書いてあります。 また、この新ゴールドプランで新たに二十五万人の雇用が創出されつつあるということもありますし、またリスクプールによるマクロ経済効果、つまり、もしこういう介護保険とかそういうものがなければ、さっきのように、お金をため込んで自分の老後のために備える、備えたものが結果的には貯蓄に回って、使い切れずに遺産相続ということでむだになってしまうということ、そのことを計算するとGDPを一・三%押し上げる効果がある、こういうことを言っているわけです。 さらに、今この不況のときに雇用を創出する効果が非常に大きいわけですね。こういうことについて、やはり介護に経済効果があるんだと、またこれが経済対策にもなるんじゃないか、そういう介護だけではなく年金の問題も大事だということを考えますが、総理、いかがですか。そういう意味で介護保険をぜひやってもらいたいんです。
○国務大臣(小渕恵三君) 委員おっしゃることはそのとおりの方向だろうと思っております。 時々テレビで、福祉関係のいろいろ器具に対して、会社をやめられた方が集まって会社を起こしてやっておられる、これが大変な需要を喚起しておるというようなところの一点を見ただけでも相当の効果があるということは認識できると思います。
○今井澄君 ぜひやってください。 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、加藤修一君の質疑を行います。加藤修一君。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 本年九月二十九日の経済・産業委員会で私は次のような質問をいたしました。従来から使用されている商品券について全国の自治体調査を行うべきだ。そうしますと、調査をするという答弁があったわけでありますけれども、その調査の概要と調査結果はどうであったか、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) 通産省におきまして、平成十年十月から十一月にかけて全国三千二百五十五市町村を対象に、地域における商品券発行に係る実態調査を行いました。 具体的には、回答のあった三千二十七市区町村のうち、商品券が現在その管内において発行または使用されている市区町村は八百七十二市区町村、全体の二八・八%で、過去に発行、使用された百七十二市区町村及び発行の計画がある百四十九市区町村を加えますと一千百九十三市区町村、すなわち三九・四%となっております。また、みずから商品券を発行する市区町村が二十一市区町村あり、商店街事業協同組合等の商品券発行に対して補助を行っている市区町村も百十九ございました。
○加藤修一君 それでは、その結果を踏まえて、地域振興券についてはどのように思われますか。
○国務大臣(与謝野馨君) 地域における商品券発行に係る実態調査の結果、市区町村からは、まず第一に、管内での使用が大半であるため購買力の流出防止に役立っている、第二に、消費者の利便を図るとともに商業振興に寄与する、第三に、商品券の発行により組合員に連帯感が生まれ、地元商業の活性化に役立っているなど、積極的な意見がある一方、商品券の流通を多くするには個店の魅力を高める必要があるというような意見もございました。
○加藤修一君 従来の商品券が全国で千百九十三市区町村にわたっているということで、それほどあるとは思いませんでしたので、非常に参考になりました。 次に、総理にお尋ねいたします。 総理は、内分泌攪乱化学物質という言葉を聞いたことがあると思いますけれども、いわゆる環境ホルモン、この問題についてはいかなる認識をお持ちでしょうか。これが第一点です。 第二点は、今週末に京都で環境ホルモンのシンポがございますけれども、このように海外から専門家、学者を招いてやっていくことは、私は、国際貢献という点では非常によろしいと思っています。今後、年に一回程度、いわゆる地球環境ホルモン問題に関しての地球サミット的な会合を設ける必要があるのではないか、それも我が国でやる必要があるのではないかと思っていますけれども、私はそういった点をどのように総理がお考えか、さらに決断を求めたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のございました内分泌攪乱化学物質問題、いわゆる環境ホルモン問題は、国民の健康や生態系への影響を防止する観点から重要な問題と従来から認識いたしておりまして、科学的な調査研究を進めるべくこれまでも重点的に予算措置を行っておるところでございます。今年度第一次補正におきまして、委員御承知のように百二十七億円、七省庁分として特に予算措置を講じておるところでございます。 次に、今月中旬京都で環境ホルモン国際シンポジウムが開催されることになっておりますが、このシンポジウムは環境庁主催で、内分泌攪乱化学物質問題に関する国際シンポジウムということで、明日から三日間京都で開催することとなっております。 内分泌攪乱化学物質問題に関しましては、国際的な連携のもとで科学的知見の集積に努めることが重要と考えておりまして、今後ともシンポジウムの開催などを含めまして、政府といたしましても引き続き国際的な連携に努めてまいりたいと思います。恐らく、この三日間の京都での会議そのものはいろんな意味で大きな成果も得られるものだと考えておりますし、また日本としてこういった点について大変先進的ないろいろの対応を考えていかなければならないという認識が国民にさらに強まってくるということでありますれば、こうした会議を日本で開催する意義は大きいと考えております。
○加藤修一君 今回の環境ホルモンシンポについての御見解だと思いますけれども、今後についてどういうふうに、そういう地球サミット的な会合について考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 最後が明確でなかったかと思いますけれども、今度のこのシンポジウム、恐らく大きな成果が生まれるんだろうと思います。したがって、こうしたことに対して国民の皆さんから、現下日本の中でいろいろこの問題が大きく提起されておる実態にかんがみまして、こうした問題については我が国が率先垂範してやれと、こういう声が生まれてくれば日本で開いていく意義は深いと思っております。
○加藤修一君 もう少し重要な認識を深めていただきたいと私は思います。 そういった点から考えていきますと、重ねて質問いたしますが、多少しつこいようでございますけれども、私は国際貢献という立場からこういった拡充した地球サミット的なものをぜひ我が国でやることを重ねて要求したい、要望したいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) ぜひこういったシンポジウムを開催することによりまして我が国がこの問題に対して極めて認識を深くしておるということが認識されるように、今回のシンポジウムもそうでありますが、こうしたシンポジウムについて我が国で開催できますように努力をいたしていきたいと思いますけれども、この問題は我が国だけが突出してやることがどうかという問題もあろうかと思います。 というのは、ほかの国におきましてももうこの問題に非常に熱心に取り組んでいる国もある。正直申し上げてどの国だか私は存じませんけれども、そういった国々も含めて、やはりこういうシンポジウムの開催というのは、それを通じましていろいろな国における認識を深めるという意味が非常に強いと思うんです。例えばCOP3もそうでございましたが、そういった意味で、全世界的な課題としてお取り組みいただく国もあろうかと思います。 我が国としても、重要なテーマでございますのでより開かれていくように、出席された皆さんのいろいろなお考えもあろうかと思いますけれども、政府としては強力に推進していくことが必要ではないかと思っております。
○加藤修一君 非常に積極的な答弁、ありがとうございました。 それでは次に、環境ホルモンの一つの疑惑になっていますダイオキシンの問題について伺ってまいります。つい先日、環境庁はダイオキシンの暫定的なガイドラインを土壌汚染について出しましたけれども、これについての概要をお願いいたします。
○国務大臣(真鍋賢二君) 答弁に先立ちまして、先ほどの国際シンポジウムの件につきまして、私も今週末からそれに参加させていただく予定であります。総理からも力強い御意見をいただきまして、継続してやっていけるという見通しが立ったわけでありますが、これは大変結構なことだと思っておるわけであります。 それから、このたび土壌中のダイオキシン類に関する検討会から、居住地等で対策をとるべきガイドラインを暫定的に土壌一グラム当たり千ピコグラムとする提案をいただきました。先生御承知のとおりでございます。このガイドライン値は、汚染土壌の処理対策上緊急に必要とされる一方、科学的な知見が必ずしも十分でないという制約のもとで、諸外国のガイドラインを参考に緊急的に御提案いただいたものと認識をいたしております。今後、同検討会において国民の皆さんから御意見をいただき、さらに検討を深めて来年三月までには結論をまとめていただきたいと考えておる次第であります。 環境庁としましても、まずは検討会からの提案を踏まえ、ガイドラインを設定することが緊要と考えております。
○加藤修一君 時間がないからスキップいたします。 東京の日の出町の谷戸沢処分場問題についてお尋ねしたいわけです。この三多摩地域廃棄物広域処分組合がことしの春に行った調査によりますと、周辺土壌のダイオキシン濃度は平均で二十四ピコグラムと言われているわけですけれども、私の理解している範囲では公表の仕方に非常に問題がある。第一点は調査日時が特定できない。第二点は調査地点を特定できない。それから、第三はサンプルの採取方法が不明確である。第四点は異性体、二百十種類のダイオキシン類があるわけでありますけれども、この濃度データがない。そういったことから発生起源が特定できない。そういった意味で、非常に私は中身が不正確だなと思っているわけです。 こういう処分場の管理は都道府県が管轄しているわけですけれども、当然ながら廃棄物行政を行う厚生省も関係しているわけですけれども、これについて明確な情報開示をするように東京都並びに組合について何とか言うことはできないんですか、厚生省は。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘の谷戸沢処分場、これは日の出の処分場で有名でございますが、その周辺の土壌のダイオキシン調査が公表されたことは新聞等で承知をいたしております。これは、三多摩地区二十七市町の広域処分組合がございまして、日の出町におきまして一般廃棄物の最終処分場としてつくられたものでございます。 平成四年ごろからこの問題で紛争が顕在化してまいりまして、平成八年には、厚生大臣から、これは事実上の管理者であります都知事に対して汚水漏れ原因究明のための再調査実施を要請いたしまして、今その調査を組合において実施中であると伺っております。 一方、住民団体も調査をやっておりますが、それは広域処分組合のやっております土地調査と比べてかなり内容的に乖離があるようでございます。詳細な調査方法とか処分場の因果関係についてはそういう意味で必ずしも明らかではございませんが、今、環境庁長官からお話のございましたように、環境基準として一グラム当たり千ピコということでございますから、相当その範囲内であることは間違いないというように私どもも思っております。 したがって、今後どう対応するかでございますけれども、引き続き維持管理基準はきちっと守っていただいて、周辺環境を適切に監視していかなければなりませんし、住民の不安がまだ解消されていないようにも思われますので、東京都を通じて徹底的に指導してまいりたい。 なお、情報開示につきましては、これは私ども具体的にどこまで開示しろという命令をする立場にもございませんが、必要であれば広域行政組合と東京都の間で御協議いただけるものと思います。
○加藤修一君 組合の発表が平均で二十四ピコでありますけれども、先ほど大臣がおっしゃった住民団体の方は三百ピコということで乖離があるという話になっているわけです。調査対象箇所が住宅地、農地、中学校を含んでいるわけですけれども、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 具体的な調査地点等は、ちょっとこれは時間の関係でございますが、谷戸沢の処分場の北、西、東、南というように土壌調査についても分けておりますし、それから堆積土砂の調査も五カ所についていろいろやっております。処分場敷地内の埋立地外側の土壌については四地点をやり、排水路等の堆積土砂については五地点でダイオキシン類の調査を実施しておりますが、これらの調査結果はすべて本年八月に公表していると承っております。 したがって、地域住民の方々の御理解が得られるように、先ほど申しましたように東京都があくまで責任団体としてやっていただいておりますので、同組合の指導にも努めてまいりたいと思います。
○加藤修一君 適切な対応を至急行っていただきたいと思います。 時間がございませんので次の問題に参ります。 特殊法人の問題で、とりわけ今、石油公団の問題が騒がれているわけでありますけれども、この天下りの実態、それを考えていくと、非常に大変なものがあるように私は思いますけれども、天下りの中で、石油公団に融資している金融機関へ通産省幹部がどのように天下りをしているか、その実態について述べていただきたいんです。
○政府委員(村田成二君) 事実関係でございますので、私の方から御説明申し上げます。 現在、石油公団に融資を行っております金融機関等は七十三社ございます。そのうち、現在私どものOBが顧問として就職いたしております機関は五社、五名でございます。なお、最近十年間ということで平成元年以降の実態を申し上げますと、この七十三社の金融機関のうち、私どものOBが顧問として就職したことがございますのは十社でございます。十社につきまして、この十年間に合計三十六件、三十二名のOBが就職いたしております。 〔資料配付〕
○加藤修一君 今、お手元に資料を配付させていただきましたけれども、一番目の方を考えていきますと二十二社、過去に二十二社あったというのじゃなくて、現時点で二十二社の会社役員を兼務しているということなんですけれども、これは本当ですか。
○政府委員(稲川泰弘君) 今、確認は直ちにできておりませんが、石油開発会社はいろいろプロジェクト会社をつくっておりますので、そのプロジェクト会社に対して、あわせ取締役、場合によれば社長ということを兼務することがございます。
○加藤修一君 もう少し丁寧にお願いいたします。
○政府委員(稲川泰弘君) 石油開発におきましてはプロジェクトごとに会社を設立するということがございまして、そういうことによってプロジェクトの経理的な独立性、あるいは産油国がそういうケースを望むということもありまして、産油国との間の関係を取り持ってございますが、そういう中で、こういうプロジェクトカンパニーの取締役は石油公団及び民間出資会社がそれぞれ取締役を送り、代表取締役を送るという形を行っております。 したがいまして、ここに書かれてございます松尾社長、それから河野、岡田、それぞれそういったプロジェクト会社の取締役を兼ねていることは十分あると考えております。
○加藤修一君 今、配付した資料は、通産省OBの石油開発会社への天下りでありますけれども、先ほど金融機関への天下りの件を述べていただきました。九つの金融機関ともほぼ二、三年おきに局長以上の高級幹部OBを受け入れておりますけれども、これについてはどうでしょうか。
○政府委員(村田成二君) ちょっとお尋ねの御趣旨を取り違えているかもしれませんけれども、金融機関からの受け入れでございますけれども、私ども常に金融機関サイドからいろいろな知見、産業政策あるいは国際経済問題等々の知見を求められた上で、だれか推薦してくれということで、お願い申し上げているわけでございます。ちょっと質問の趣旨を取り違えたかもしれません、申しわけございません。
○加藤修一君 いや、そのとおりなんですけれども、もう少し詳しくお願いします。
○政府委員(村田成二君) 通産省と金融機関、これは行政の範囲において直接私ども所管している分野ではないわけでございます。 ただ、当然のことながら、従前よりいろいろな産業政策をめぐって、ないしは国際経済政策をめぐっていろんな方の知見あるいは意見交換という場を持っております。そういった場を通じまして、やはり金融機関サイドとして幅広い視野で私どものこうした知見を活用するという観点からいろいろな接点が出てきておりまして、そういった歴史的経緯から、具体的に例えば次にだれか推薦してくれと、こういうことで御依頼がございます。私どもとしましては、そういった御依頼に極力こたえたいということで従来から推薦を申し上げ、受け入れてきていただいているわけでございます。
○加藤修一君 きょうは鎌田石油公団総裁をお呼びしておりますけれども、鎌田石油公団総裁は、今の金融機関への天下り、我々が言っている天下り、資源エネルギー庁長官を退職した年月日、次の金融機関への顧問の就任日、その金融機関の退職日、それからそれ以降後輩の方々が金融機関に就職したと、そういったことについてお答えいただけますか。
○参考人(鎌田吉郎君) お答え申し上げます。 私、平成元年に役所を退官いたしまして、平成元年から二年間、当時の東京銀行の顧問に就任いたしました。その後、平成二年の七月だったと思いますけれども、から一年間、当時の大正海上火災の顧問をやらせていただきました。 以上でございます。
○加藤修一君 年収はどのぐらいですか。退職金は幾らぐらいですか。会社に自分の部屋がありましたか。車つきですか。出勤は週に何回ぐらいだったんですか。お願いいたします。
○参考人(鎌田吉郎君) 退職金についてはいただいておりません。年収でございますけれども、これは私個人のプライバシーということもございますけれども、銀行、会社のプライバシーということにかかわりますので御答弁は御容赦いただきたいと思います。それから出勤でございますけれども、大体東京銀行には週三日ないし四日、それから大正海上火災には週一日というような勤務でございました。 以上でございます。
○加藤修一君 総裁としまして経験したことの中で、このようなポストが用意されていた理由というのは一体どのように把握していらっしゃいますか。
○参考人(鎌田吉郎君) 一般的なことは私にはわかりませんけれども、私個人について申しますと、当時の東京銀行さんでございますけれども、海外のお仕事が中心でございまして、言い方がちょっと差し支えがあるかもしれませんけれども、国内に弱いということで、国内の産業関係に精通した人を欲しいということで顧問に呼んでいただいたというふうに考えております。 そういった意味で、私なりに東銀さんに御厄介になりました二年間、東銀さんのために役立つような仕事をしたと自負いたしております。
○加藤修一君 詳しいことは別の機会にまたやりますけれども、石油公団の旧東京銀行からの平成九年度末の借入残高、十年間に支払っている利息は一体どのぐらいになりますか。九年度末現在までの十年間でお答えいただけますか。
○参考人(鎌田吉郎君) 東京銀行は、その後三菱銀行と合併されております。したがいまして、東京三菱銀行ということで申し上げざるを得ないわけでございますけれども、平成九年度末の借入残高は千四百五十八億円でございます。それから、お支払いいたしました平成九年度の金利が三十五億円でございます。それから、昭和六十三年度以降十年間の金利支払いの累計でございますけれども、これは旧東京銀行、旧三菱銀行合わせてでございますが、九百五億円ということになっております。
○加藤修一君 銀行にとっては安定的な利息が見込めるということでそういったポストが用意されているという話も聞くわけですけれども、この辺についてはどういうふうに判断されますか。
○政府委員(村田成二君) 御案内のように、石油公団の借り入れにつきましては、協調融資団をつくってそこを中心に決めてもらっているわけでございます。この方法は御案内のとおりでございますが、多額の資金を要する場合、通常政府機関、民間を問わず行われる方式でございます。こうしたことで、この融資につきましては公平性を確保できるような一定の仕組みというものを、それとまたそのプロセスをきちんと整えているわけでございます。 先ほど、私ども五名のOBが金融機関の顧問に就職していると申し上げましたけれども、石油公団への融資額の大きい金融機関であっても当省のOBが顧問就職していないケースもございます。それからまた、石油公団への融資額が小さいところに就職しているケースもございまして、今申し上げましたような公平のプロセスとこの金融機関への顧問就任ということは直接の因果関係は私ども全くない、ないようにまたきちっとけじめをつけているというふうに申し上げさせていただきます。
○加藤修一君 私はそう思っていませんが、それについては踏み込んだ議論は別の機会にまたします。 平成三年から石油公団が銀行から融資を受けている金利、それから通常の長期プライムレート、それを比較して、最近十年間でよろしいですから、お答えいただけますか。
○参考人(鎌田吉郎君) 石油公団は昭和四十七年度から民間金融機関から石油の備蓄のための資金の借り入れを行ってまいってきております。ずっと長期プライムレートを中心に資金調達をしてまいってきたわけでございますが、ここ数年、金融情勢の変化をとらえまして、協調融資団との間で金利引き下げ交渉を行いまして、金利引き下げに努力をしてまいってきております。その結果、平成六年度に初めて長プラマイナス〇・二%が実現いたしました。そして、八年度には長プラマイナス〇・三%、本年度は長プラマイナス〇・五%が実現したと、こういうことでございます。
○加藤修一君 先ほど協調融資団の話をされましたけれども、協調融資団はあくまでも石油公団のためにつくっているわけですから、一般の長期プライムレートから比べるとほぼイコールに近いか──極端に高いというのは私は非常におかしいと思うんですよ。最近十年間を見たって二%の金利の差があるところがあるわけですけれども、これはどういうふうに理解すればよろしいんですか。
○参考人(鎌田吉郎君) 私どもといたしましては、大変巨額な資金を借り入れているわけでございますので、金利条件をできるだけよくするということと同時に、長期的に安定した借り入れということも考えている次第でございます。 金融情勢の変化によって金融機関との力関係というのはいろいろ変わってくるわけでございます。今回、先ほど申しましたように長プラマイナス〇・五%という金利にいたしたわけでございますが、こういったことも多分影響したのだろうと思いますけれども、現在、借入残ベースで七十三の金融機関から借り入れを行っておりますけれども、このうちの八金融機関がこの十年度から参加を辞退されております。また、潜在的にはそのほかにもかなりの金融機関がシェアの引き下げとか脱退ということを検討されているというふうに聞いております。 したがいまして、安定的に資金を借りていくということと、できるだけ有利な金利を獲得する、この両方を踏まえながらやっていきたいというふうに考えている次第でございます。
○加藤修一君 今最後におっしゃいました、できるだけ有利なということですね。だから、協調融資団をつくるということは一つはそういうことだと思うんです。多額なお金も必要だということでそういうふうになっているわけですね。そうしますと、長期プライムレートと比べて考えても、二年物だって高いんですから、おたくが借りるに際しての金利というのは。どう理解すればいいんですか、これも。
○参考人(鎌田吉郎君) ただいま、十年度から実行いたしております長プラマイナス〇・五%というのはかなり有利なレートじゃないかというふうに考えております。今、長プラは二・二%でございますので、〇・五引きまして一・七%になるわけでございます。短プラは今一・五%でございますので、短プラに非常に近い金利で借りられているということでございます。
○加藤修一君 全く納得できませんから、また別の機会にやります。 石油公団は、石油開発会社について融資していますけれども、その利息を棚上げにしていますね。それで、平成九年度末では簿外棚上げ利息の残高の合計が一千八百九十一億円、本来取らなければならない、返してもらわなければいけない利息なわけですけれども、一方、金融機関に対しては利息は滞ることなく高い利息を返却し続けている。金融機関に支払った利息だけでも十年間で九千四百四十億円です。全部国民の税金ですね。非常に大変な話だと思います。 こういった中で通産官僚がお決まりのコースのように天下るという現象がありますけれども、最後に総理にこの辺についてお聞きしたいわけですけれども、どうお思いになりますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 特定のことということでございませんで、いわゆる天下り問題につきましては行政に対する国民の信頼確保の観点から速やかに対応すべき課題であると認識いたしております。 公務員の退職、再就職のあり方に関しましては、職業選択の自由との関連や公務員のライフサイクル全般を視野に入れて検討を行う必要があることから、公務員制度調査会における公務員制度全般の見直しの一環として調査、審議をお願いいたしておるところであります。 政府といたしましては、同調査会において今年度内に取りまとめられた基本方針を踏まえながら、速やかに必要な改革を実施してまいる所存でございますが、具体的な石油公団に関してのことでございますので、通産大臣からちょっとお答えさせていただます。
○国務大臣(与謝野馨君) ぜひ先生に御理解をいただきたいと思いますのは、日本が石油を確保するというのは並大抵の努力ではできないわけでございます。日本人が日本のお金を使って海外の鉱区を確保し、そしてみずから投資をし石油を開発しようとする仕事は大変リスクの高い仕事でございます。 それは掘っても当たらないという場合もありますし、せっかく当たったけれども油の量が少なくて開発できないという場合もありますし、せっかく開発できたけれども契約条件が途中で変わってしまうという場合もあって、そのような非常に多面的なリスクを国として援助しながらやっていくということは、日本が石油を確保する上で大変大事な作業の一つであると私は思っております。中にはうまくいったものもありますし、中には空井戸だったものもあるわけでございます。 それから、ただいま天下りの件につきまして一人で二十二社というような御指摘がございましたけれども、それは給与を受け取っているということではなくて、個別のプロジェクトに会社を設立する必要がある、その取締役に名を連ねる人が必要だということで名前を連ねているということが二十二になった場合でございまして、そこから給与を受け取っているというわけではございません。
○加藤修一君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。高野博師君。
○高野博師君 日ロ関係についてお伺いいたします。 最近のある新聞社の世論調査によれば、日本が優先的に取り組むべき外交課題として領土問題がトップに上がっておりますので、北方領土問題を中心にお伺いします。 まず、先般の小渕総理のロシア訪問、エリツィン大統領との首脳会談の成果は何だったのでしょうか、簡単にお答えください。
○国務大臣(小渕恵三君) 戦後、鳩山首相、田中首相に次いで二十五年ぶりに私としてロシアを訪問いたしましてエリツィン大統領との会談をいたしました。言うまでもありませんが、多年の懸案であります領土問題を解決して二〇〇〇年までに平和条約を締結いたしたい、こういうことで参りました。 今年の四月に橋本総理大臣から提案をいたしておりました件につきまして回答を得たい、こう念じて参ったわけでございます。今回、この会談を通じまして直接的に御回答はいただけませんでしたが、今後これからの、来年、再来年に向けてぜひ前向きに事を進めるために、この交渉を加速するという意味で国境画定委員会の設置等が合意できたこと、そして広くは両国の信頼の強化を通じてこれから合意、さらに実行の時代に入ることができたということが今回の成果といえば成果だと、こう考えております。
○高野博師君 今、国境画定委員会の設置が今回の総理の訪ロで決まったということでありますが、そもそも国境を画定するという考え方は、いつ、どこで、だれから出たんでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 国境が画定されない世界じゅうの平和条約というのはない、私はこう考えております。
○高野博師君 そんなことを聞いているのじゃありません。国境画定委員会を設置するというからには国境を画定しようという議論が当然あったわけでありますが、それはいつから始まったんでしょうか。
○政府委員(西村六善君) 国境を画定するという考え方は我が国の考え方でございまして、総理大臣の方から御提起をいたしましてロシア側が合意したものでございます。
○高野博師君 どの総理が、いつですか。
○政府委員(西村六善君) 今回、国境画定委員会を合意するに当たりましては、小渕総理大臣がエリツィン大統領に対しまして御提起をされまして合意されたものでございます。
○高野博師君 これは小渕総理が提案されたということでよろしいんですね。
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、国境画定委員会の設置について、平和条約締結のための委員会の中に設置することについて合意をした、したがってこのことについて私が提起をしたということでありますが、国境そのものを画定するということは、先ほど申し上げました平和条約を締結する前提でございます。
○高野博師君 明快じゃありませんが、それでは北方領土問題に対する日本政府の考え方、対ロ交渉の基本的な方針について伺います。
○国務大臣(小渕恵三君) これは、戦後、鳩山一郎総理が参られまして共同宣言を発せられて、当時のソ連邦との間に国交が回復をいたして、その後、平和条約を締結するために歴代政府として、総理として考慮いたしてまいりましたが、特にエリツィン大統領、相手国でありますが、ロシア国の大統領として東京に参りまして東京宣言が発せられ、その中で改めてこの問題について二〇〇〇年までにこの四島をはっきり我が領土として画定を、領土問題にこのことが存在することによりまして、これを画定することによりまして二〇〇〇年までに平和条約を締結するということにつきまして我々としては現在その方向で全力を挙げておる、こういうことでございます。
○高野博師君 東京宣言には国境を画定するという言葉は書かれていないと思いますが、それでは川奈会談で橋本総理が出された川奈提案とはどんな内容でしょうか。
○政府委員(西村六善君) 川奈提案の内容につきまして御説明をすることは、外交上の交渉の一部でございますので控えさせていただきたいと思いますけれども、今お話のございました東京宣言におきましては、国境の画定という言葉は使われておりませんけれども、四島の帰属の問題を解決するという言葉が使われている次第でございます。
○高野博師君 政府委員とやっているんじゃなくて、私は総理と外務大臣にお聞きしたいので、ぜひ答弁していただきたいと思うんですが、今、川奈提案については外交交渉の内容だから言えないということでありますが、これが言えない理由をもう少し詳しくお教えください。
○国務大臣(高村正彦君) これは、今まさに外交交渉をやっている内容をその都度明らかにするものでは一般的にないと思います。 大きな方針は、東京宣言で言われているとおり、四つの島の帰属を解決して二〇〇〇年までに平和条約を締結する。そういう中で、お互いにそれぞれの考えを述べ合いながらやっていることでありまして、その一々を明らかにしながらやればかえって非常に難しいことになると私は思っております。
○高野博師君 基本的な考え方も余り明らかにされていないと私は思っておりますが、明らかにした場合、それではどんな悪い影響が出るのか、これについてお伺いしたいと思います。 例えば、スペインとイギリスの場合は二百七十年間もジブラルタルの返還交渉をやっているわけです。その中でスペインが出した提案については明らかにされているわけです。例えば共同主権あるいは共同開発、住民の国籍の自由選択、公用語は英語とする、自治権の保障、かなり具体的になってこれは交渉をやっているわけです。 国民の理解と支持がなくては領土問題についてはうまくいかないと私は思うんですが、どういう悪い影響があるのか教えてください。
○国務大臣(高村正彦君) 四つの島の帰属を確定してそして平和条約を締結するということについては、はっきり国民に東京宣言ということで明らかにしているわけでありますし、モスクワ宣言その他で明らかにしていることもあるわけでありますが、その一つ一つについてどちらがいいかということについては、国民に明らかにするかしないかということについては、それぞれのカードを切るたびに国民にこういうカードを切りましたよとお互いが言っていくことが必ずしもいいとは限らない、こういうふうに思っております。
○高野博師君 領土問題というのは、先ほど言いましたように、国民の理解と支持がなければ一たん解決したとしてもまた再び火種になるということも十分あり得るわけです。そういう観点からすれば、北方領土問題の交渉については秘密主義でやっているんではないか。 ちなみに、川奈提案が公表されていないということによって、サハリン州の幹部は、モスクワは北方領土を日本に賃貸するんではないか、あるいは売り払うんではないか、金はみんなモスクワが吸い上げるんではないか、サハリンにはびた一文入ってこないんじゃないか、こういう疑心暗鬼になっている、不信感を持っているという事情があるわけです。 私は、もっとこの内容についてロシア側も日本側も十分議論をして国民に理解をさせて、そしてこれは交渉すべきではないか、そう思っておりますが、川奈提案が公表できないとすると、二〇〇〇年になったときには公表できるんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 二〇〇〇年になったときに我々が考えているような方向に何とか進みたいと思っていますし、そうして何らかの平和条約を締結するということになれば、そこではっきり国民の前に示すことは当然のことでございます。
○高野博師君 二〇〇〇年までに政府が望んでいるような方向でまとまらなかった場合は、これはどうするんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 我々は今まとめるために一生懸命にやっているわけでありますが、まとまらなかった場合どうするかと言われても、そのときの状況がどういうことかによって決まるわけであります。相手があることでありますから。(「そんなのわかっているよ。外交というのは相手があるんだよ、いつも」と呼ぶ者あり)
○委員長(倉田寛之君) 御静粛に願います。
○高野博師君 永遠に交渉の中身をやみに葬るということはよくないと思う。 そこで、この領土問題についての交渉は、国の政策の一つでありますから、したがってもし外交政策が失敗した場合に、成功したかどうかこれはだれもわからない。秘密裏にだれがやっているのか。これは重大な国益を損ずることになるわけで、一体これはだれが責任を持ってこの交渉を進めているんでしょうか。総理、どうでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 現内閣が責任を持って、外交は政府として専権でさせていただいておりますので、責任を持って担当し、何とかしてこの問題の解決のために全力を挙げ、先ほど申し上げたような形で決着するために連日にわたって努力をいたしておるところでございます。(「総理が責任持つんだよな」と呼ぶ者あり)
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
○高野博師君 ちょっと静かにしてください。 ロシア側の回答を見ると、川奈提案がどういうものであったかということも大体わかるのであります。九日付の新聞報道によれば、サハリン州知事あてのカラーシン外務次官の署名入りの手紙、公文書でありますが、そこでロシア側は北方領土の日本側の主権を事実上認める川奈提案は受け入れられないと。報道によればエリツィン大統領もそういう回答をしたらしいのですが、これについて、新聞等に出ています北方領土について、日本側の潜在的主権を認める、そして施政権についてはロシア側に渡す、いずれか引き渡す、こういう提案をしたということは、これは当然推測できるのでありますが、この潜在的主権とは何でしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 川奈提案の内容は申し上げることができないと先ほどから繰り返し申し上げているところでございます。
○高野博師君 潜在的主権について僕は聞いているんです。潜在的主権です。
○国務大臣(高村正彦君) 潜在的主権という言葉は、後で正確には条約局長等に言っていただいた方がいいのかもしれませんが、例えばかつて沖縄で米国が施政権を持っていたときに日本には潜在主権があると、こういうふうに言われていた、一般的に私はそういうふうに理解しています。
○政府委員(東郷和彦君) ただいま大臣から申し上げましたように、沖縄との関連で潜在的主権ということが一般的に使われておりました。国際法上、潜在的主権は何かというようなことは明確には定義されておらないと承知しております。
○高野博師君 そもそも国家主権というのは唯一絶対、最高、不可分ということでありますが、潜在主権というのは対日平和条約の第三条で沖縄の地位について適用された考え方ですが、主権を潜在的主権と、これは領土処分権、そして施政権、これは立法、司法、行政の一切の権力、二つに分けた考え方。これは国際法上、法律的に怪物だと言われているんですが、こういう考え方を今回の北方領土に適用するというのは若干問題があるのではないかと思うんですが、総理、どうでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほど来外務大臣も御答弁申し上げておりますように、そうした潜在主権論ということで交渉をいたしておるわけではございません。
○高野博師君 中身は恐らくそうであろうと思いますが、それでは、川奈提案がベストだという言い方を外務省の幹部はしているそうですが、交渉に当たって川奈提案がベストだということには変わりありませんか。
○国務大臣(高村正彦君) 日本とロシアの両方の状況等を深く考えれば、私は川奈提案がベストであろう、こういうふうに考えております。
○高野博師君 川奈提案に政府が固執し過ぎるのは危険があるんではないかなと私は思っているんです。スペインとかイギリスの領土返還交渉を見ても、相当長い間、二百七十年もかけてやっているわけです。条件の提案も基本的な考え方についても余り理解されていない、一般に国民に。一部の専門家、一部の政治家だけが特権的に秘密主義でやることではないと僕は思っているんです。そういう課題そのものが、領土問題という課題そのものが国民の大きな支持を得るべきだと、そう思っております。 そしてまた、二〇〇〇年ということにこだわる、これも非常に危険ではないかと私は思っておりまして、もっと柔軟にオープンに、そして粘り強く交渉すべきではないか。ロシア側の国民もこの問題について理解をするような、そういう努力が日本政府は足りないんではないかと私は思っておりまして、ロシア側の考え方には、領土問題については勝者も敗者もあってはならないということを言っておりますが、私も全くそのとおりだと思います。 最後に、総理の認識と決意を伺って、終わります。
○国務大臣(小渕恵三君) 残念ながら、世界の中で国連加盟国の中でただ一カ国、ロシアとの平和条約が締結されておりません。そのために、今日まで積み重ねたことを大切にいたしながら、二〇〇〇年までに平和条約が締結できるよう挙げて政府も努力いたしますので、ぜひ高野委員を初め国民の皆さんの御支援と御協力もいただきたいと思っております。
○高野博師君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で加藤修一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、池田幹幸君の質疑を行います。池田幹幸君。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 まず、金融機関の公共的な役割の問題について伺いたいと思います。 政府は、公的資金を注入して銀行の貸し渋りがなくなるように期待する、そういった政策をとっておられるわけですけれども、昨日来の論議の中で、そういった方向がもう何ら役に立っていない、銀行は好き勝手なことをやっておるということが明らかにされたと思うんです。 そこで、もうここまで来ますと、貸し渋りをなくすために公的資金注入、そんなことはもう役に立たない。どうしても銀行の公共的な役割、こういったことの認識をもう一度はっきりとさせる必要がある、銀行にそういった気持ちに立たせる必要がある。こういった形での指導が今求められておるというふうに考えるわけですけれども、総理のお考えをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のとおりだと思います。
○池田幹幸君 総理、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のとおりだと思います。
○池田幹幸君 さてそこで、今銀行はより収益の高い分野に資金を集中するという戦略をとっておるわけですが、これは民間金融機関としては当然だという面もあるんです。しかし、それが高じてきますと、今言ったような大変な問題が起きてまいります。 そこで、個々の銀行について見れば、対外的にはきちんとした経営姿勢を発表しております。 例えば、さくら銀行についてちょっと伺いたいんですが、金融監督庁、経営健全化計画履行状況報告書というのが出されておりますけれども、その中で、さくら銀行は「銀行の社会性、公共性を踏まえた経営理念」というのを冒頭に述べておりますけれども、それについてまず述べてください。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 さくら銀行の経営健全性の確保のための計画によりますと、「当行の経営理念」として、「総合金融機関として最高の金融・情報サービスを提供する銀行」、「地域社会とのふれあいを大切にし、お客さまとともに歩む銀行」、「人間性にあふれ、働きがいのある銀行」ということが基本的な考え方として述べられております。
○池田幹幸君 非常に結構なことが書かれているわけであります。これがこのとおりやられれば非常に結構なんですけれども、残念ながら実態はそういったところにはないと思います。 お手元にお配りした資料を見ていただきたいのでございますけれども、これはさくら銀行の中期経営計画というものの一部でございますが、この顧客対応方針というものをまず見ていただきたいと思うんです。これは二枚目なんですけれども。 ここでは、「法人マーケット」とそれから「個人マーケット」という形で分けて書いてあります。そこでは、年商三十億円以上の企業については、これは「コアミドル層」という名前をつけて、ここにはきちっと人材を配置する。上の段の右側の方の「対応」のところに出てきておるんですけれども、きちっと書いてありますね、人材を配置する。それから、それに対して、「マス層」という、その下の方に出ておりますけれども、十億円未満の企業ですね、それについては、「マス層」として、人材も余り配置しないということが書かれております。 要するに、中小企業については、ここの左側を見ていただいたらわかるんですけれども、数の上では六五%というシェアを占めておるんですけれども、利益で見ますとその構成比は六・二%ということで非常に低い。そういったことから、中小企業については粗略に扱おう、そう扱ってもいいんだということがここにあらわれてきております。 それから、その下の方の個人の場合について見ますと、〇・五%の「富裕・準富裕層」というのが出ております。これは預かり資産が三千万円以上がその「富裕・準富裕層」だと。ここでは窓口では大切に扱うということを書いておりますが、九九・五%を占める「マス層」というのについては、ATM、現金自動受け払い機ですか、右下の方に書いてあります、ATMとかパート対応などで済ませたらいいんだ、こう書かれております。 これは、まさに徹底した選択と集中、利益至上主義といいますか第一主義といいますか、そういったことがここにあらわれておるわけです。 そこで伺いたいんです。これは、果たして銀行の公共性という点から、先ほど健全化計画の状況報告の中で述べられたそういった経営理念に照らして、これ、いいんだろうか。どうお考えになりますか、小渕総理。
○国務大臣(宮澤喜一君) これだけ拝見いたしましたのでは判断ができません。
○池田幹幸君 それでは、なかなか確かに簡単に書いてありますからわかりにくい面があると思うんですが、実際はもう少し詳しいものがあるんですけれども、中身は今申し上げたとおりです。この点では別に私誇張して言っているわけでも何でもありません。 そこで、貸出計画の方を、今度は一ページの方を見ていただきたいんですけれども。 これを見ますと、左側の四番なんですけれども、「総貸出金」というのは平成十年下期に比べて十一年度は約三百億ほどふえるということになっておりますけれども、しかし、ふえるのは「個人ローン」の方で、「一般貸金」の方は減っていく、五千億ほど減っていくということになっております。 そこで、右側の方を見ていただいたらわかるんですけれども、どこで減るかというと、当然のことながら優良のところではふえるけれども、「問題先」というところで減っていく。そして、その「問題先」というのはどういったところになるのかというと、当然のことながら、先ほど言いましたような「マス層」という、中小企業という方向に傾いてくることは当然なことだと思うんですね。こうなってきますと、結局中小企業についてはどんどん減らしていくということになってきます。 これは、先ほど来私が考えます、公共的な役割に反したやり方だというふうに考えるんですけれども、片一方で、さくら銀行はほかの都市銀行と同様に公的資金の導入を申請すると言われておりますけれども、四千億から六千億申請すると言われておりますが、こういった銀行に対して政府は公的資金を注入されるお考えですか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 今般、成立させていただいた金融機能早期健全化法に基づく資本注入は、その過程にあって、まだ行われたという状況にはないわけでございます。 先生が先ほどからおっしゃられている金融機関がもうけ一方に走り過ぎているのではないか、そういう場合には公共性というものがやや等閑に付されるというか軽視される傾きがないかという問題は、いわば一般的な問題として常に実は伴っている問題でございます。特に金融システム改革、いわゆる金融ビッグバンのもとにおきましては、競争が熾烈になりますからどうしても金融機関というのは収益性の高いところに融資をし、また活動を展開して収益を上げようとする。これはもうむしろそういうことを予定して私どもは金融ビッグバンというものに踏み込んでいっているわけであります。 先進国はどうしているかというと、そうするとある地域には全然金融が行かなくなる、あるいは預金をする窓口さえもそこからなくなってしまうというような事態も懸念されるということがございまして、その場合には特別立法をもって、ちょっと私、急な質問でしたので名前を正確に記憶していないかもしれませんけれども、アメリカの例でございますけれども、地域投資法といったような特別立法をして今言ったような層への資金の確保に努めている、こういうのが状況でございます。 ところで、日本は今どういう状況にあるかといいますと、そうした特別立法をしてそれに備えるという段階にまでは至っていずに、今これから資本注入をする、その際の提出を求めている計画の中で、自分たちが社会性あるいは公共性を自覚した上でさらに収益性を求めていく、その場合にどういうところにバランスを見つけようとしているかということを私どもは見て今後に対したい、こういうように思っております。 しかし、これはもう本当にいろいろぐるぐる回りの難しい議論なのでございます。私どもが掲げている理念の中自体にもいわば自家撞着ではないか、あるいは自己矛盾ではないかといったような側面も見られるわけでありまして、非常に難しいところなのでございますけれども、現在段階ではそうした特別立法を措置することなく何とかバランスのとれたところを見出していきたい、こういうのが現在の私どもの考え方でございます。
○池田幹幸君 ビッグバン対応、大変な競争の中でどういうふうにバランスをとっていくか、そういうことを見るんだとおっしゃったわけですが、私が質問しておりますのは、例えばさくら銀行について見ますと、競争が大変だと、そういうことで自分の経営を分析して、そしてマス層と名づける中小企業分野への融資枠を減らしていこうという戦略をとっているわけです。戦略的にこういう方向をとろうとしておるということなんですが、こういったところにも今度の健全化法に基づいて公的資金を注入するということをやられるんですかと、そのことを伺っているんです。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先ほど宮澤大蔵大臣もおっしゃられたわけで、私も今この資料を急に先生から見せられておりますのでちょっと子細に数字を検討させていただいた上での答弁とはなり得ないわけですけれども、私どもは今度の経営健全化計画の中で、特に中小企業者に対する融資というものをできるだけ増加させてもらいたい。もちろん他方、いわば回収であるとかあるいは償却であるとかというもので残高が減る要因もございますので、ネットでどれだけ本当に増加できるかということはこれはケース・バイ・ケースになるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そうしたことを今要請しております。 これは現在の金融情勢にかんがみて、つぶさなくてもいい中小企業、守られるべき中小企業を見こぼすことによってつぶしてしまうということのないように十分な注意を払ってもらいたいということと同時に、逆に、先生は今マス層はもうからないところだと一概におっしゃいましたけれども、むしろミドル層とか、ミドルマーケットとかマスマーケットというところに実は収益性の非常に高いところがある。そういうようにまた誘導していける分野である。コアミドル層以上というか、高い層は直接金融で社債などを発行していただく。こういうことで、銀行のお客さんとしてはむしろミドル層を中心とした、その層に力を入れてもらうことこそが自分たち金融機関も生きる道なのではないか。 こういう問題提起をしながらそうした資料を求めている、こういうことでございます。
○池田幹幸君 だとしますと、このさくら銀行が書いておる方向は政府が期待する方向とは全く違う方向にある。 先ほど来指摘しましたように、総貸出金は若干ふえても中小企業向けマス層は減らすという方向を戦略的にはっきり打ち出しているんですね。こんなことをやりますと、幾ら期待しても、中小企業に貸すのはもう最初から減らそうとしているわけですから、そうしますと、銀行の戦略がそうなっている以上は窓口の人たちは当然中小企業に対する貸し渋り、それから回収を急ぐということは当然じゃありませんか。 私は、今すぐ見て大変だというのであれば徹底的にこれを調べていただいて、ただ単に窓口指導じゃないんです、経営戦略として銀行全体でこれをやろうとしているんですね、さくら銀行全体で。徹底して調べていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 先生御承知のとおり、現下の金融情勢に照らして、中小企業の皆さん、しかもそれが本来守られるべきが、たまたま今の経済全体の景況からいって厳しい経営状況にある。しかし、いろいろ持っている人材であるとか技術であるとか、あるいはお客さん筋であるとかというものを考えると、総合的には将来これがまた浮上していく、そういう可能性がある。こういうようなところは大事にすべきだというお考え、御主張だと思いますけれども、それはそれで我々はきっちりそういうことをやっていこう、こういう考え方であります。 ただ、あえて私申しますと、中小企業者ですから何でも守ってやってもらいたい、中小企業者の中でもやはりもう業界ぐるみ非常に構造的にどちらかというと市場から退かなきゃならないような状況があるところも、お気の毒なんですけれども、この自由競争、自由市場の状況のもとでは当然考えられます。 そういうようなところについては、また別途に政府機関なりなんなりがどう考えるかという問題でありまして、仮に一時的に公的資金を入れるにしても、私どもは強い銀行をつくってまいりたい、このように考えておりますので、収益性についてはもう放念しろとまでもし先生がおっしゃるんだとしたら、ちょっと見解を異にすると言わざるを得ません。
○池田幹幸君 結局、今伺っていると、このさくら銀行の経営戦略、これはこれでいいんだというふうに聞こえてくるんです。しかし、政府は今度の健全化計画に基づいて資本注入条件というのを決めたわけですね。その資本注入条件という中に明確に、中小企業者向け貸し出しの総額については原則としてその残高を増加させることというのがあるわけですよ。 私は、個々の中小企業について、金を返せないような企業に金を貸せなんということを言っているんじゃないんです。マクロとして、経営戦略として中小企業の方には金を貸さないようにしようと言っている銀行を果たしてそういった形で弁護する必要があるのか、これは総理の考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) この資料をどう読むかということになるかと思いますけれども、この資料は資料として拝見をいたしましたが、それが委員のおっしゃっているようなことを規定していると必ずしも私は思いません。
○池田幹幸君 そうおっしゃるのであれば、これについては徹底して調べるべきだと思うんです。だれが見ても、ここにこうやって、マス層、その六五%を占め、収益では六・二%、だから窓口では粗略に扱ってよろしいというやり方を書いておって、これをその経営戦略として中小企業を大事にしようというふうに読めますか、これが。 そういった点では、私は非常に答弁は不満です。ですが、ちょっとほかの問題についてもやりたいんで、一点だけ伺っておきたいと思うんです。 総理は、所信表明演説で百万人の雇用創出ということをおっしゃいました。そして、産業再生計画ということを唱えられたわけですが、通産省に伺ってもその具体的な内容というのは余り説明されませんでした。今のところ総理の頭の中にしかその産業再生計画の中身がないようなんですが、これはどんなことをやって、この再生計画でどれだけ雇用が創出されるというふうにお考えなのか、お答え願います。
○国務大臣(小渕恵三君) この産業再生計画は、新しい事業をつくり出すことにより、質の高い雇用を確保することと、我が国産業の生産性向上のための投資を拡大することをねらいといたしております。 そこで、その柱は、現在盛り込みたいと考えておりますのは、一つは、開業すなわちビジネスを始めようとする方や成長を期待される企業に対する資金面での支援、中小企業への政府の研究開発費補助金の重点的投下、それから開業予備軍に対する経営ノウハウ等の提供、さらに既存の企業による新たな事業分野への進出を支援するための施策、今後成長を見込まれる医療、福祉、バイオテクノロジー等の新規・成長十五分野における規制緩和及び技術開発、雇用のミスマッチの解消等のための人材移動の円滑化策、創造的技術開発の促進や事業化に直結した技術開発・普及のための施策、産業の生産性、効率性の向上に資する情報化や物流システムの高度化等でございます。 雇用面では、この計画の実施を通じ、新規の開業による雇用拡大を中心に、一両年中に五十万人の雇用創出を目指しておるところでございます。 なお、緊急経済対策におきまして百万人規模の雇用の創出・安定を目指しておりますが、これには産業再生計画のほか、金融システムの安定化・信用収縮対策、雇用活性化総合プラン等さまざまのものが盛り込まれておりまして、これらを総じて百万人規模の雇用創出及び労働者の就職支援、ミスマッチの解消等による雇用安定を目指しておるところでございます。 いずれにいたしましても、総合的にこうした政策を十分駆使いたしまして目標の達成に向かってまいりたいと考えております。
○池田幹幸君 私の持ち時間が短くなってまいりましたので、一点だけ私の問題意識を指摘させていただきたいと思うんです。 総理の今の計画を伺いますと、企業を創出する、新しい事業を起こす、確かにこれは結構なことなんですけれども、じゃ片一方でどれだけ人が減っているのか。例えば今の製造業です。今一番人が減っているわけですけれども、ここの分野でどうするのかという点が余りない。特に私が今一番問題にしていますのは、製造業では産業の空洞化が大変進んでおります。その影響が下請中小企業に及んでおって、総理が今おっしゃった新事業の創出、新技術の開発、こういったことについても、その分野にてこ入れしなければどうにもしようがなくなってきているというふうに私は考えているんです。 そこで最後に、新しい技術を創造するというんであれば、今歯槽膿漏現象と言われておる産業集積地、それに対してどういった対応をしていったらいいのか、ここの技術をどうやって保ったらいいのかということが大事だと私は思うんですけれども、その点についてだけ通産大臣のお考えを伺って、私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま総理が答弁されたとおりでございますが、先生の問題意識の中には、新規に企業を創出するというのは時間がかかるだろう、その間、既存の企業の中で雇用というのは一体どう確保されるのか、そういう問題と、そういう企業群の中で産業の空洞化ということが起きているではないかと。 空洞化というのは、もはや国際競争力がなくなって廃業するケースもございますし、生産拠点を海外に移す場合もございます。そういう中で、まず第一に私どもが必要だと思っておりますのは、マクロの経済をよくするということはいわば日本の基礎体力をきちんとするということでございまして、そういう意味での経済対策、政策というものが必要だと思っております。 ただ、それだけではだめなんであって、やはり個別の行き届いた政策をやっていく必要があると思っております。一つは、やはりきのうもきょうも議論をされました中小企業に対するいろいろな支援策、例えば金融面、人材面あるいは技術面、そういう細かい政策をやっていくことが私は必要になってくると思っております。 一錠飲めばすべて病気が治るというような特効薬は実はないわけでございますが、全体として体力を回復するということと、もう一つは個別に起きている事象に対して適宜適切に対処していく。例えば、金融でしたら中小企業の金融に過度の不安を起こさせないような先般の貸し渋り対策とか、あるいは今回国会でお願いしております新しい事業をやりたい方に対する金融、人材、技術の面での支援とか、そういうもろもろの総合的な対策が私は必要であると思っております。 いずれにしましても、新しい産業というものも大事でございますけれども、今ある企業、今ある中小企業を大切にして、その中で雇用を確保するということを私はやはり最重点に考えていかなければならないと思っております。
○池田幹幸君 私の持ち時間が参りましたので、今後この問題を検討していっていただきたいと思うんですけれども、やはり技術のネットワークというのが破壊されていっているというところで、先ほど総理がおっしゃった新規事業の創出も大事なんだけれども、その一番の今の基盤技術が壊されたんじゃもうゼロからは芽は生えてきませんからね。そういったところを大事にしていただきたいと思います。 あとは小池議員の関連質問をお許し願いたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 長引く不況の中で、今、社会保障制度に対する不安が広がっております。 まず、総理にお聞きいたしますが、この不況を吹き飛ばす上でも社会保障制度の充実が求められているというふうに思うんですね。その中でも、高齢者介護の問題は国民の将来不安にとって今の最重要課題の一つだと思いますが、総理もそのような御認識をお持ちか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 二十一世紀の本格的少子・高齢化社会に向けて、介護を要する高齢者の方がますます増加することは、言うまでもありませんが極めて想定されることであります。そのため、老後生活における最大の不安要因である介護問題を社会全体で支える仕組みとして介護保険制度を創設したものであり、制度実施に寄せられた国民の期待は非常に大きいものと認識いたしております。
○小池晃君 おっしゃるとおり、まさに期待もありますが、不安も非常に強まっているのではないでしょうか。 その最重要問題である介護保険制度の根幹となる要介護認定、この問題についてきょうは質問したいと思います。 現在行われている九八年度の要介護度認定のモデル事業の規模と概要、それから要介護認定基準について御説明願います。
○政府委員(近藤純五郎君) 要介護認定に関します試行的事業の本年度の実施に当たりましては、全国すべての市区町村におきまして共同実施を含めまして千八百三十一地域に分かれまして、一地域当たりにつきましておおむね百名、全国ベースでは約十八万人、こういう方を対象に実施をいたしているわけでございます。 試行的事業の実施に当たりましては、専門職等でございます訪問調査員によります選択的な調査結果をコンピューターに入力してやります一次判定結果、これに記述して調査していただきます特記事項、さらにはかかりつけ医によります意見書に基づきまして保健、医療、福祉の学識経験者から構成されます介護認定審査会の方におきまして要介護度についての審査判定を行うことにいたしているわけでございます。 審査判定に当たりましては、要介護に当たりましての要介護認定基準でございますけれども、この介護法案の審議の段階から介護の必要度に応じまして区分をする、こういうことを申し上げてきたわけでございますが、介護の必要度の客観的な尺度といたしまして八十五項目でございますが、八十五項目にわたりまして心身の状況を調査いたしまして、それをもとにいたしまして要介護認定基準の推計をする、こういう形をとっているわけでございます。 この要介護認定基準でございますけれども、実際に施設等に入っていらっしゃる高齢者約四千人の方につきまして、麻痺しているとかあるいは痴呆があるとかないとか、こういった心身の状況に関します調査結果と、この方々が実際に受けている介護の内容あるいは介護に要した時間につきまして、二日間にわたりまして一分間ごとに内容を記録したいわゆる一分間タイムスタディー調査というのがあるわけでございますが、そのデータを基礎といたしまして推計いたしてございます。 具体的には、訪問調査で得られます八十五項目の状態の組み合わせが同じようなケースのグループをこの一分間スタディーのデータベースの中から引き出してまいりまして、そのグループについてはあらかじめ介護認定時間というのが出ておりますので、それを集計いたしまして要介護認定基準を推計する、こういうことになっております。 本年度用いました要介護認定基準は、昨年行いました試行事業の結果に基づきまして審議会でいろいろ御検討をしていただきました上で、若干修正をいたしております。 主なものを若干申し上げますと、要介護認定時間を算定する介護の内容というものを明らかにいたしまして、その行為に要します時間に基づいて要介護認定を設定する、こういうこととか、あるいは従来の要介護Ⅴの中には最重度のケースと過酷のケースというのが含まれていたわけでございますけれども、この二つを分けましてサービスの枠の充実を図る、こういうふうなことをやっております。
○小池晃君 今回、全市町村で行われているモデル事業、一次判定をコンピューターでやって、二次判定は審査会でやる。その一次判定の結果がおかしいのじゃないか、認定審査会の現場からはことしのコンピューターの一次認定が昨年度の場合よりも低く出ている、そういう声が多数寄せられております。 そこで、資料をごらんいただきたいと思うんですが、私が入手した資料の中から一例目ですね、資料の1。この方は意思疎通が全くできない、経管栄養の寝たきりの方であります。嚥下もできない、寝返りできない、何もできないですね。尿意なし、便意なし、意思の伝達できない、そして経管栄養だと。どう見ても明らかに最重度の介護が必要な方だと思われる。こういう方が要介護Ⅱで出ているんです。 要介護Ⅱというのはどういう程度か、厚生省ちょっと、厚生省が要介護Ⅱの例を示していると思うので、説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 先ほど申し上げましたように、要介護認定は時間数で表示いたしておりますので、時間数ではよくわからないということでございますので状態像を示してございます。 それで、要介護Ⅱに区分されている状態像では、日常生活を遂行する能力の中では、立ち上がり、両足、片足での立位保持、歩行、座位保持などを自力ではできない場合が多く、排尿後の後始末、排便後の後始末の間接、直接的な介助を必要とする場合が増加し、浴槽の出入りや洗身などの入浴に関する一部介助、または全介助が必要な場合が多い。 こういうふうなことで、もう少し書いてございますが、この辺で省略させていただきます。
○小池晃君 全く違うんですよ。ここに書いてあるような患者さんの状態と厚生省が示している例は全く違う。 さらに、こんな例もあります。資料2を見ていただきたいと思いますが、この方は体の機能は一定に保たれているんですが、いわゆる痴呆がある方であります。金銭の管理ができない。幻視や幻聴がときどきある。徘回がある。御家族はこういう方を見るのは大変なわけであります。そして、実際どういうサービスを今受けているかというと、訪問看護を月四回受けている。訪問介護、ホームヘルプサービスを月十二回受けている。そして、デイケアは月十二回行っている。こういう方が、結果を見てください、自立ですよ。自立ということは、介護サービスが受けられない、介護保険の対象とならないわけであります。これでは、判定を受けた方も御家族も大変驚くし、お怒りになるんじゃないでしょうか。 同様なケースが、これは特殊なケースじゃないんです、各地から報告をされている。そして、日本経済新聞でも報道されました。「介護認定ソフト何か変」、「厚生省に苦情殺到」という記事であります。十一月三十日に報道されている。 厚生大臣、こういう結果が出てくる判定の方法というのは欠陥がある、そういうふうに思われませんか。
○国務大臣(宮下創平君) 介護保険制度の実施に当たりまして、認定が公平公正で、しかも納得的でなければならないことは、これは言うまでもございません。 そこで、厚生省といたしましては、平成八年と九年に一部で試行的事業として実施をいたしました。そして、平成十年に全市町村で実施をいたしたわけでございますが、八年、九年の結果、いろいろの点で問題点があることもわかりました。 そこで、平成十年度の試行的事業におきまして、それらを勘案いたしまして変更し、そしてそれに基づく検討を十月と十一月の二カ月かけて実施しておりまして、おおむねの様子はわかりつつありますが、まだ全体として発表する段階にはないようでございますが、そういうことでやっております。 ただ、ここで一つの例を申しますと、確かに従来要介護Ⅴという中に最重度のケースと過酷ケースというものを二つ一緒にしておりました。これは、八年と九年の調査では一緒にしてランクづけをしておりましたが、今回はこれを過酷ケースと最重度というので、過酷ケースの方がⅤの方で、最重度というのはそれよりも軽いものに認定しております。 この介護認定におきましては、誤解があってはいけませんが、介護の必要度というところから審査判定するわけでございまして、要介護者の病状がどうであるとかいうことよりも、その方を本当に介護していくためにはどれだけの手数がかかるかと。したがって、局長の今言われましたタイムスタディーが必要になってくるわけですが、そういう意味で審査、認定をしていきます。 したがって、高齢者の重症度とは必ずしも一致しない場合があるということは、これは御理解いただけることだと思います。つまり、被介護者の方の病状に着目するのではなくて、直接的に介護をどれだけ要するかという視点から認定をしていく、介護保険というのはそういう性格のものであるように思われますので、その点は御理解をいただきたい。 それから、介護の必要度を示す一次判定結果と重症度を念頭に置いた審査会の考え方が一致しないという事例も発生しておりますので、要介護度に対する判定基準というのは国民に本当に理解されませんと信頼を失いますので、私どもとしてはこの二カ年やり、三回目の試行をやっておるわけですから、これに基づく分析等をきちっとやって、そして適正なものにしていきたいし、今後も試行的の事業を通じまして実施主体である市町村からいろいろの意見をいただきまして改善を図るようにしたい、こう思っております。 なお、一次判定に用いられますコンピューターソフトにつきましては、今年度の事業の結果を見た上で、コンピューターソフトは一次判定ですが、その基準、ソフト関係は審議会での結論を踏まえまして必要な見直しは行うようにいたしたい、こう思っておるところでございます。
○小池晃君 介護される方の重症度じゃなくて介護時間だということを言われましたけれども、寝たきりで鼻からチューブが入って流動食を胃の中に流しているような人ですよ。御家族にとってみれば一番大変な介護が必要だというのは、だれの目から見ても明らかだ。そういう人がⅡとかあるいはⅢとかと出ているんですよ。それは介護時間これだけだからと説明して、そんなわかりにくいことを納得できるわけないじゃないですか。 皆さんだれが見ても納得できる、ああそうだと、うちのおばあちゃん、これだけ大変だ、これぐらいのランクだろうということが、だれから見ても納得できるような制度でなければ、これは介護保険制度に対する信頼そのものが揺らいでくる。 それから、今、二次判定で変更可能だとおっしゃいました。ところが、ことしは新たな問題がつけ加わっているんですね。要介護状態区分変更等事例集というのを厚生省は出している。去年、モデル事業で一次判定から二次判定に覆った例が二割、三割、四割あったということで、懲りたんでしょうか、変えてはいけない例というのをいっぱいここに出しているわけですよ、列挙している。 例えば、自立していても全盲なので重度に変更する、これはしてはいけない。褥瘡、床ずれですね、床ずれがあるので重度に変更する、こういうことはしてはいけない。あるいは、徘回、幻覚などの問題行動があるので重度に変更する、介護を行っている妻に腰痛があるので重度に変更する、こういうことをやってはいけませんよと、二次判定で。がんじがらめになっているんですよ。どう考えても欠陥がある、問題がある判定だと言わざるを得ないと思うんですね。 その上で、何でこんなことになっているのか、その問題に触れたいと思いますが、資料3を見ていただきたいと思います。 資料3は、これは先ほどから述べられています九七年度のモデル事業、これでの要介護度の判定の結果の分布ですね。それと、その同じサンプルをことしのロジックで分析した場合、すなわち去年の調査票をことしの判定方法、ことしのコンピューターソフトに入れて出た結果を比較してあるわけです。これは厚生省がやっているんですよ。明らかじゃないですか、全く違う曲線なんです。今、要介護度Ⅴの扱いを変えたから、そこがちょっと変わったというような言い方をされていますけれども、明らかに九七年度モデル事業は要介護度Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、ここをピークとする曲線になっております。ところが、これは同じデータですよ、アメリカの例とかじゃないですからね、去年のデータをことしのコンピューターに入れたならば、要介護度Ⅰをピークとするグラフになっているんです。全くこれによって本当にその要介護度が大きく変えられているんですよ。 こういうことであれば、厚生省の胸先一つでコンピューターソフトに何か手を入れれば、幾らでもその要介護度は変更できるということじゃないですか。そういうふうに思われても全く仕方がないんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 私もちょっと詳細の具体的な個々の認定の基準については必ずしも承知しておりませんが、今、委員が御指摘の資料3の問題でございますが、これは確かに九年度は重点がⅢ、Ⅳ、Ⅴあたりにありました。しかし、今度の結果によりますと、介護をⅠ、Ⅱ、Ⅲあたりに重点が置かれておりまして、介護Ⅴの方のウエートが少なくなっているという実態を委員は御指摘になりまして、その前提は基準改定をやったんじゃないかと、こうおっしゃられるわけでございますが、私もちょっとその辺の因果関係が必ずしも明確ではありませんが、先ほど申し上げたように、介護する側に立っての問題でございまして、病状とかそういうことになりますと、治療を要する場合は介護保険といえども医療行為が介入してくるわけでございますが、それはもう十分委員も御承知のことだと思いますが、そうした前提の上に立って、なおかつ介護としてはどれだけ必要かという恐らく認定をやっておったタイムスタディーの結果であろうと思うんですね。 そんな意味で、もしも個々のケースでございますれば、局長の方から答弁させていただきます。
○小池晃君 これ、答えられないと思うんですね。 総理、最後にお聞きしますけれども、要介護度認定というのは、介護サービスの上限を定める介護保険制度の根幹とも言える部分だと思うんです。そこが、このように恣意的にコンピューターソフト一ついじることでかなり変えられる。これはやはり介護保険制度の根本的な問題として、総理の責任で抜本的な見直しをすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 介護保険制度におきましての要介護認定は介護サービスの給付の要件でありまして、全国共通の基準に照らして公平公正に行うことが重要と考えております。
○小池晃君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で池田幹幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、谷本巍君の質疑を行います。谷本巍君。
○谷本巍君 次期WTO農業交渉に向けて総理は、各界の議論を見守りながら適切に対応したいと答弁されました。大変結構であります。ところが、論議の最大の焦点である関税化問題の議論はどこへ行っても入り口のところで詰まっちゃっているんです。 その一つの例を申し上げますというと、現在の特例措置は関税化を避けるためのものではなかったのか。なのに今、関税化論議というのはどういうことなのでしょう。これが一つであります。 それからもう一つは、WTOのルールは輸出国本位も同然だ。そこを直して新しいルールをつくろうということではなかったか。ところが、なぜ今、関税化論議なのか。 そして三つ目は、全中や農林水産省の事務当局の話を聞いてみると、関税化も検討に値するのではないかと。何でそういう話をもっと早く提起して論議ができるようにしてくれなかったのかという指摘が多いのであります。 総理が期待されるように、幅広い議論を進めていこうというのであれば、こうした疑問を解く努力があってしかるべきだと存じますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 三点御指摘がありました。 まず、前回のWTO協定交渉においては、関税化を日本としては絶対に受けられないということで、先生も御承知だと思いますが、我々も頑張ってきたわけでありますが、例外なき関税化という多くの国々のコンセンサスのもとで、ああいう結果になったことは事実でございます。 次期交渉において、二点目にも関連しますが、ルールを見直すという議論もございますが、次期交渉はあくまでも改革の継続であるというコンセンサスが協定の中にでき上がっておりまして、その中で、次期交渉で日本がとり得る選択肢というのはごく限られたものになります。きのうも総理からも答弁がございましたけれども、何かいい知恵があればぜひ検討したいと答弁がございましたが、私も同じ気持ちでおります。 現在、我々が考えられますのは、先生も御承知のとおり、二〇〇一年以降もミニマムアクセスを維持する、あるいは関税化する、あるいは一九九九年、二〇〇〇年に関税化する、この四つの選択肢しか現時点ではないという中で、何が最善のルール、ベストな選択なのかということを、現在、団体等で鋭意検討していただいておるというのが現状でございます。 なぜ今、関税化なのか、それだったらもっと早く議論すべきではなかったかと。実はお気持ちはよくわかるわけでございますが、九五年からスタートした新しいルールの中で、我々としても次は関税化を守っていくんだという前提でしばらくいったわけでございまして、しかし一方では協定上の決まりというものもある。そういう中で米が余剰になり、義務的な輸入であるミニマムアクセス米がかなりの量、国民の負担によって、現に今売られないまま政府の倉庫に眠っておる。 さらには、農業の転換点ということで、基本法あるいは大綱等、農業の根本的なルール、国内的な新しい農業体制をつくっていこうという諸般の状況を考えた上で、団体におきましては去年の十月から内部で検討をし始めたようでございますけれども、公には先月あたりから新聞紙上等でも大きく報道されるようになったわけであります。 今、政治の場でも団体の場でもまた国会の場でもいろいろ御議論を、今現に先生を初め多くの議員の方から御質問をいただいておるという状況でございまして、国益を考えて、与えられたルールの中で何がベストなのかという議論を尽くしていただくことを今見守っているという状況でございます。
○谷本巍君 今御答弁いただいた点はこれからまた先聞いてまいります。 次に、もう一つ総理に伺っておきたいのは、基本姿勢はどうなのかということであります。 なぜ関税化反対反対という声が続いてきたかといいますというと、食糧を工業品のように扱うのはいかがなものかという国民的判断があってのことであります。だから、何とかしてルールを変えることができないかというのがまた大多数の人たちの声でもあった。日本が一貫して食糧安保論と家族農業の持つ多面的役割を主張してきたのも、実はここにあったわけであります。 そこで伺いたいのは、関税化へ移行した場合の話でありますが、こうしたこれまでの理念、基本的な考え方、ここも転換するということになりはしないかという心配の声があるのであります。その点、総理、いかがでしょうか。 〔委員長退席、理事石川弘君着席〕
○国務大臣(中川昭一君) 仮に関税化した場合という大前提でございますけれども、そうであっても、先生御指摘のとおり、工業品のような産品とは全く性格が違うものである。二倍つくったから二倍食べるか、そういうものではない。テレビ、車であれば、余裕があれば二台でも三台でもということになりますけれども、肉にしても米にしても、じゃ三倍つくったら三倍食べるとかそういうものではないわけであります。一方、なくなったときには、これは国民の生命にかかわる問題であるわけであります。 さらには、農業というのは、日本が主張し続けております多面的な機能、国土保全、環境、いろんな機能があるわけであります。 さらには、現時点におきましても、あらゆる場で農産物の貿易ルールというのは、輸出国、輸入国ともに平等な立場でルールというものは決められなければならない。ともすれば輸出国側の理論だけが先行するような食糧、農業の貿易ルールというものは我々としてはとることができないということを、マルチの場あるいはバイの場で言い続けておるところでございまして、このことにつきましては、仮に関税化という選択をとったとしても、我が国の基本的立場はいささかなりとも変わるものではございません。
○谷本巍君 そうしますと、政府の基本姿勢、つまり戦略は変わらない、ルールの改定の考え方も変わらない、この道は今後も追求していくのだ、しかし当面それを実現し得る可能性が乏しいので次善の策を含めて考えていきたいんだ、こういうことですね。間違いありませんか。
○国務大臣(中川昭一君) 我が国の基本的な食糧に対する考え方は、どういう状況にあってもいささかとも変わりございません。
○谷本巍君 論議を進めていく上でもう一つ疑問点を伺いたいのであります。 それは、ウルグアイ・ラウンドの場合で申しますというと、ECの場合、幾つかの食肉を肉類ということで束ねました。いわゆるバスケット方式であります。そうすることによって、事実上ミニマムアクセスの輸入を避けることができた。日本の場合は、膨大な麦の輸入があります。生産段階でいいますというと、米麦一貫体系ということはこれまでもしばしば言われてきた。これ、何で一つにくくらなかったのか。くくればMA米の輸入なんかないんですよ。これは後になって私どもわかったのでありますけれども、専門家の間でもどうしてそういうことになってきたのかなという疑問が今なお残っておるのであります。 政府、いかがでありましょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のように、前回のウルグアイ・ラウンドの交渉の過程において、ECは当初、食肉という一つのくくりの中でこの交渉を行っていたわけでありますけれども、関心国が異議を唱えまして、最終的には牛肉、豚肉、鳥肉といった品目別でミニマムアクセスを導入するということで決定をしております。 日本の場合に米麦、大麦、小麦を含めて一緒にやったらどうかという先生の御提案でございますが、バスケット方式でやるといっても麦と米とが需要層あるいは必要量において極端に違うわけでございますし、米をふやせば麦が減るみたいな感じになりますので、ここは米は米、大麦、小麦は大麦、小麦として別々にやっていくということで現行のアクセス制度ができ上がったところでございます。 今後も、国民の理解を得つつ、先ほど申し上げたような安全保障あるいは環境の面等々を考えながら、次期交渉に向かって国民的合意のもとで進んでいきたいというふうに考えております。
○谷本巍君 今回の論議では、このバスケット方式というのは初めからどうも農林水産省の事務当局の頭にはないようであります。 しかし、私どもの党は早くからこの点は追求すべきだという提案をしてまいりました。国民的な論議をやろうというのであれば、とにかくそうした可能性を持つ提案、これは実現不可能なということじゃありませんから、可能性があるわけでありますから、そういう点をもきちっとやっぱり対象に含めてやるようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほど申し上げましたように、総理からも、国益を最大に尊重する交渉をする上で何かいいお知恵があれば検討したい、我々も率直にそういう気持ちは変わっておりません。 ただ、このバスケット方式といいましょうか、ECがやろうとした方式は現に実際にはそうではなくなっておるわけでございまして、そういう意味で、今回そういうやり方で次期交渉に臨むという考えは、現時点では我々は持っていないということでございます。
○谷本巍君 今の答弁も納得がいきません。さらにまた農林水産委員会等で提起をさせていただきたいと存じます。 それから、もう一つ伺いたいと思いますのは、大事なのは国論の統一ということなのではないか。これはきのうも農林水産大臣自身がおっしゃっておりました。ところが、今の論議の現状というのを見てみますというと農協先行型であります。農林水産省と農協とそれから自民党、この三者でやっているのだという新聞記事等々も見受けられます。最近ようやく農民団体もこの問題を検討するようになってきた。 翻って考えてみますというと、WTOの場合は、特に大きな支えになりましたのは農業に関心のある消費者団体、それからもう一つ大きいのは自治体論議、これが盛んでありました。 どんな場合でも、上から押しつけられた主張というのは根を張ることができません。下から盛り上げられた主張というのは根を張ることができます。これからの外交交渉で政府がどんな案でいくとしましても、それは相手がアメリカが中心でありますから、かなりの困難が予測される。それを支えるのは何なのかというと、私は国論だろうと思います。そういう力を養うことが何よりも大事だと私は考える。 〔理事石川弘君退席、委員長着席〕 そういう意味で、次の二つの点を伺いたいのであります。 一つの点は、政府は現在の論議の現状をどう見ているかということであります。残念ながら、まだまだ幅広い論議というところまで行っていない現状であります。 それから二つ目は、論議の展開に必要な問題等について、政府は積極的に協力、またはそれに参加をしていくというような考え方があるのかないのかということであります。 総理、いかがですか。質問通告では総理ということで幾つもお願いしているんですよ。総理も答弁してくださいよ。
○国務大臣(中川昭一君) まず、私から答弁をさせていただきます。 先生おっしゃるとおり、国民的な議論、国民的なコンセンサス、共通認識、そして共通目標というものなくしては次期交渉に向かえないことは、先生も私も前回のときに嫌というほど思い知らされたわけであります。 あのときは率直に申し上げて、生産者、そして我々が何としても頑張ろうということでありましたが、消費者あるいはマスコミは、何で日本だけ無理なことを言うんだというようなことで国論が二分していたという印象を私は持っております。 今回は、次期交渉に当たってはぜひそれを避けなければいけないということで、直接の関係者であります生産者団体はもちろんでありますけれども、一方の当事者であります消費者、そしてまた、もちろんいろいろな団体があるわけでありますし、先生御指摘の自治体も含めてあらゆる立場あるいは組織の方々によく意見をお聞きし、そしてそれを踏まえて最終的に国論の統一の上に立って交渉に向かっていかなければならない。そのために今我々が実は見守っているということで批判をいただきますけれども、我々が先に出ることなく、ある一定の時点では我々が交渉の当事者として矢面に出るわけでありますけれども、現時点ではそういう状況でございます。 それからもう一つ、情報につきましてはいろいろと我々も、現行協定のルール等々、結構複雑な膨大なもの、農業協定自身だけでも結構量の多いものでございますので、必要な資料等については求められれば提供をいたしますが、今四つの選択肢の中で何がいいかという御議論をしている中で、予見をお与えするような情報については極力差し控えさせていただき、必要な事実関係等についてはもちろんできるだけ提供させていただいて、議論のお役に立つように努力をさせていただいている最中でございます。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいま中川農水大臣からもお答えがありましたけれども、前回、細川政権時代でございましたが、たしか畑農水相、それから同じく羽田外相時代、この問題にお取り組みをされました。 そのときのいろいろ自由化問題の経過を顧みますると、やはりこういった問題は国民的な視野で十分検討していかなきゃならぬ、こう思っておりまして、そういうことでありますから、谷本議員もこうして御質疑に立っておられるんだろうと思っております。 極めて重要なことでございまして、前回の取り決めによりまして二〇〇〇年にこの再交渉、こういうことでございますので、再び前回のようなことのないように、やはり生産者そしてまた消費者、さらに多くの国民の理解、協力を得られるような形の中で本問題に対して対処いたしていくべきである、政府もそういった観点でこれを見守ってまいりたい、こう思っております。
○谷本巍君 関税化移行論議、地域で行っている状況で申し上げますというと、決まってといいましょうか、この話が出てくるのであります。 関税化に移行した場合、アメリカの言うとおりにこれを運用したら日本の米はもたなくなるでしょうね、これが一つであります。それからもう一つは、全中が試算し、こうしたいと言っているような形でやっていくというと、状況は大きく違ってくるでしょうねということであります。こうした声も示しますように、関税化はもろ刃の剣だなという受けとめが多いのであります。つまりそれは、もう一つはっきり言いますというと、政府の意向を抜きにしては議論になり得ないということなのであります。 今の地域段階における現状で申し上げますというと、大体指摘があるのは次の三つの点であります。 まず第一点は、理にかなう高率関税といいましょうか、政府はきちんと張る気があるだろうか、これが第一の問題であります。二つ目の問題は、二〇〇一年以降のWTO論議に臨んで、この高水準の関税というのをきちっと守っていくという努力をされるのかどうか、これが二つ目の声であります。そして、三つ目の声は、輸入米と分離をした現在の生産調整体制を維持していくことができるのでしょうねということであります。 政府は、その点どうお考えになっているか伺いたい。
○国務大臣(中川昭一君) お答えいたします。 次期交渉におきましては、関税化という大前提が一つ協定の中にありまして、それをとるか、とらない場合は、もう先生御承知でありますけれども、ミニマムアクセスをさらなる代償措置、並びに各国の了解を得た上でという、大きく分ければこういう二つの選択になるわけでありますが、それに対して九九年、二〇〇〇年も含めて四つの選択ときのう申し上げましたが、それぞれに議論する余地が大いにあろうかと思います。 つまり、何が一番生産者にとって、あるいは国全体にとってと、そういう意味で我が国が、先生が理にかなうというふうにおっしゃったことは、国益に何が一番合うかというふうに私は解釈をさせていただきますが、そういう観点から交渉に臨んでいきたいというふうに思います。 そして、二点目の国内生産をきちっと守るということについては、これはもう当然のことでございまして、我が国は今度の基本法、大綱におきましても国内生産を基本にし、しかも米という主食であり、現に生産調整をしながらも一〇〇%の自給でもって消費者ニーズに十分こたえているわけでありますので、それを守っていきたいと思います。 それから、生産調整につきましては、仮に一般論といたしまして、国境措置をどうしていくかという議論と生産調整との関係について申し上げますと、国産米の中で自給と価格の安定を図るという現在の基本的な枠組みの中で、つまり国産米の世界の中だけで生産調整をどういうふうにしていったらいいかということを現時点と同じようにやっていきたいというふうに考えております。
○谷本巍君 中川農林水産大臣ばかりの回答しかいただけないのが残念でありますけれども、中川さんの考え方というのは古くからつき合っていますから聞かなくてもわかるんですよ、早い話。だけど、これは国政の論議をする場でありますし、大臣という立場があるから、どうもこっちが期待するような答弁がもらえないのが残念であります。 だが、そこのところを乗り越えて農林水産大臣に対して申し上げたいのでありますが、今の大臣の答えだけではどの団体も関税化に踏み切りましょうということには私はならないと思いますよ、残念ながら。といいますのは、どの団体にしたって肝心の関税率を決める当事者では全くないからであります。だから、関税化に踏み切る、それで今のままだというと、どうも政府への白紙委任みたいなことになってしまいはしないかなという危惧が出てくるからであります。 でありますから、私が申し上げたことは私の考えということじゃなくて、三つの点では現場でそういう状況がある。でありますから、そういう現場の判断というものを踏まえながら事に当たっていくというような答弁がいただけないのかどうか。その点いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 先生も御承知のとおり、関税化する場合の定性的なルールというのはガットの条文上はっきり書かれておるわけであります。しかし、なぜ仮にでもいいから政府は何%だというようなことを言わないんだという御指摘は、もう先生初め多くの方々からおしかりをいただいております。 定性的なルールは何回もあらゆる場で御説明をさせていただいておりますが、そのとり方に幅といいましょうか、これしかないというようなものではないわけでございます、先生御承知のとおり。ですから、こういう場合に例えばといっても、この微妙な段階で政府が仮にこういう条件でこういうものを引っ張ってきた場合にはこうなりますよということを今の段階で申し上げるということは、私は予見を与えかねないということで非常に慎重にならざるを得ないというのが率直な気持ちであります。 生産者団体の中には、例えばこのぐらいの関税になるだろうとか、あるいはこれは新聞報道でありますけれどもアメリカではこんなことを考えているんじゃないかとか、我々のところには一切何もございませんけれども、そういうようなことがいろいろ報道されておりますが、まさに関係者の皆さんが真剣にこのガットのルールにのっとって、そして国内の米を守っていくという前提に立てばこのぐらいだろうという御議論をしていただいていること自体に、我々は非常に参考になるというか、今後の我々の最終的な判断にとって大きな材料になるということで、逆にそのことを現時点で見守っていることが、最終的に国論を代表して交渉に当たる者としての今の我々の立場であるということを御理解いただきたいと思います。
○谷本巍君 持ち時間があと一分で、この話をまたやっていたらしようがありませんのでこの程度にしておき、最後に総理に伺いたいと存じます。 それは、今の米の問題は一応さておくとしまして、次期WTO交渉に臨む農業全体の基本姿勢についてであります。 WTOの農業協定は、効率性の高い輸出国にとっては多大な恩恵がある。ところが、輸入国の農業にとってはいつもひどい目に遭わされる可能性が高いというような状況になっており、公正なルールではないということはこれまでも歴代の政府も言ってきたところでありました。その状態が今や食糧生産でいいますというと、特定国への生産傾斜、生産集中化、これが進んでおります。そして輸入国の農業が全体として衰退をしていく。そこへ今度は気象変動と相まって需給不安、食糧不足への対応を欠くような状況というのが拡大しようとしております。 そこで伺いたいのでありますが、きのうですか、新しい大綱も出されたようでありまして、そこではともかくも自給率を引き上げていく努力をするんだということが書かれております。WTO協定の言う非貿易的関心事項、これを政府はどう具体化していくつもりなのか。例えば、多面的機能の位置づけを明確化するとか、あるいはまた緑の政策の範囲を拡大していく等々の問題があろうと存じます。いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 日本の食糧を安定的に供給するとともに、不測の事態における食糧安全保障を確保するとの基本的考え方に立ちまして、関係者の努力喚起及び政策推進の指針としての食糧自給率の目標を策定していく必要があると考えております。 食糧自給率の向上は現実問題として相当の困難を伴うものであり、行政だけで実現できる性格のものではなく、農業者、農業団体、消費者自身も具体的な課題に主体的に精力的に取り組み、一体となってその向上の実現を図っていく必要があると考えておりまして、農政改革大綱によりまして政府といたしましてもその方針を貫いてまいりたいと考えております。
○委員長(倉田寛之君) 以上で谷本巍君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、月原茂皓君の質疑を行います。月原茂皓君。
○月原茂皓君 自由党の月原です。ただいまから主として総理にお尋ねしたいと思います。 その前に、発生から四カ月半過ぎて解決に向かうことになった和歌山のカレー事件ですが、それに献身的に努力してきた捜査当局の方々に敬意を表するし、今後一層の努力をお願いしたいと思います。 さて、総理、現在我が国は、かつてジャパン・アズ・ナンバーワンとか言われて大変喜んでおった時期と比べると、今は、おまえのところから恐慌だけは起こさぬでおいてくれよと、こんなことを言われるところまでなっておるわけです。 私が心配するのは、国民が自信をなくすることだと思います。この責任は政治にある。古くいえばプラザ合意のところからいろいろ議論が出るでしょうが、この間、率直に宮澤大蔵大臣が言われた、少なくとも過去二年間どう表現しようとも我が国の経済運営は適切でなかった、こういうふうなことを言われた。私は率直に立派な発言だと思っております。 それだけに、今申し上げたようなところから政治が一日も早くこの危機を突破して新しい社会、二十一世紀に向かう日本を構築する、そういうことが大切であると思います。これはもう当然皆さんも思われていることだと思います。そのためには、政策、そしてその政策を実行してくれるんだな、する能力があるんだな、こういうふうな政治の体制をつくることが私は大切なことだと思います。 そういう意味で、この十一月十九日に自由党小沢党首と自民党総裁小渕総理の強いリーダーシップによって基本的方向で一致を見たことは私は喜ばしいことだ、こう思っております。そして、連立に向けた協議が進められておりますが、内外の期待は高まっている。 そこで、まず両党が共同して責任を持って難局に立ち向かうというその姿勢を示すことだ、姿でそれを示すことだと思います。その姿というのは私は連立政権だと思います。 そこで、総理に、既に合意されたことであるし、総理も多くのところで答えられていることですが、確認の意味で、閣内協力であるということ、そして通常国会前までに連立政権を発足させるということについて、そして今申し上げた現在の日本の諸問題についてどういうふうに立ち向かおうとしているのか、その気概を示していただきたい、このように思います。
○国務大臣(小渕恵三君) これも本会議でもしばしば申し述べておるところでありますが、今回の合意は、自由民主党と自由党との間で真剣な話し合いを続けてまいりました結果、小沢党首と私の間で、現在国家的危機のただ中にあるとの時局認識を共通なものとし、国家と国民のために政権をともにし、責任ある政治を行うことで合意したものでありまして、私はこの合意を真剣かつ誠実に実行していく決意であります。 また、小沢党首提案の政策につきましても党首間で基本的な方向で一致をいたしておりまして、既にこれに基づき両党間で真剣な協議を開始いたしておるところでございます。 私は、この両党間の協議を踏まえ誠実に実行してまいる決意でございますが、今、月原委員から具体的な問題として連立政権のことにつきましてお触れになられました。合意の中で、このことにつきましては、よりかたい形で政権を安定的なものにしていかなきゃならぬという観点に立ちまして考えましたときに、ともに政権を担うという形がより望ましい形であるという認識はいたしております。 ただ、現下、今こうして予算委員会の席で大蔵大臣を初めといたしまして各閣僚の真剣な対応を御存じいただいておりまして、こういうことで、現実の問題としてどのようにこれから対応するかということにつきましては、私この後ハノイのASEANプラス3に行って、帰りました後、小沢党首とこの問題につきましてもお話し合いを進めていくということで考えておりますので、その段階におきまして、この内閣のあり方につきましても実はいろいろの御提言をちょうだいいたしておりますので、すべてこういうことのかかわり合いがございますので、その党首間の話し合いで進めてまいりたいと思います。いましばらく結論につきましては控えさせていただきたいと思います。
○月原茂皓君 強いリーダーシップで、今、総理の言われた、乗り切るためによろしくお願いいたします。 さて、ここで一、二基本的な問題についてお伺いします。 安全保障の関係ですが、国連平和活動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に従いその活動に参加するという合意の内容について、国会で答弁されておるのは、憲法の理念に基づいて議論する、こういうふうに言われております。そして、新聞によれば、野呂田防衛庁長官は、理念というところに非常に意味があるんだということがある新聞に載っておりましたが、憲法の理念に基づいてというのはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 日本国憲法の前文に書かれておりますように、平和主義、そしてまた国際協調主義の理念、これは日本国憲法が制定されてから一貫して国民から広く支持され、また高く評価されてきておりまして、これがここで言う日本国憲法の理念である、こう考えております。
○月原茂皓君 それでは、その理念というものに基づいて、以下二つのことをお尋ねしたいと思います。 一つは、国連の方で安保理事会なり総会というようなことで決まった平和活動があった場合、その平和活動のどういうものが、日本の場合はすべてなのか、あるいはこういうふうな制約に基づいて解釈しないといけないのだという考えがあるかどうか。これは総理でなくて結構ですが、答弁願いたいと思います。 それからもう一つは、もうPKFを凍結して長い間たっておるわけですね。三年後に見直すとか言いながら、その見直しも行われていない。こういうところから、今お話しの延長線上で考えれば、もう国民の理解も深まってきたことですし、PKFそのものの凍結を解除するという法律を準備するつもりがあるのかどうか、この二点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 政府といたしましては、国際の平和と安全のため一層大きな役割を果たすことが我が国の国際社会に対する責務であると考えております。
○政府委員(茂田宏君) お答えいたします。 先生からPKFの凍結解除の問題についての御質問がございました。いわゆる平和維持隊、PKF本体業務につきましては、憲法上の問題はないが、内外の一層の理解と支持を得るため、国際平和協力法附則第二条によりまして、「別に法律で定める日までの間は、これを実施しない。」こととされているところであります。 このいわゆるPKF本体業務の凍結解除の問題につきましては、先般の国際平和協力法の一部改正法案の審議の際にもさまざまな立場からの御意見が示されたところであります。 政府としては、国連を中心とした国際平和のための努力に積極的に寄与するため、これからも憲法の理念に基づき本法のあり方について検討することはあり得るものと考えております。
○月原茂皓君 今の総括的な総理のお話のもとで担当者からお話を聞きましたが、これは国際協調という点で早急に凍結を解除すべきだ、こう思っております。 私の質問の仕方がまずかったのか知らぬけれども、一つ抜けておるというのが、仮に平和活動というものが行われた場合に、憲法の理念に基づいてでしょうが、その場合に後方支援とか、武器を使用する場合もあるししない場合もあり得るとした場合に、それは武器を使用するということはもう理念で認められないんだ、後方支援の方は認めるんだ、そこらのところの考え方はどうでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 御指摘の後方支援についてでございますが、我が国といたしまして武力行使をしない、そしてかつ他国の武力行使と一体化することのない、そういった態様で我が国が後方支援などの協力を行うことは憲法上許されるというふうに考えております。
○月原茂皓君 これは憲法上許されるというか、憲法の理念で許されると、これは一方的な話になるでしょうが、私はそういうふうに理解しておるところでございます。 それでは次に、もう多くの方々が議論された消費税の福祉目的税化でございますが、もうその議論は省きまして、議論を省くというか詳細なことは抜いて、私は思うのですが、今度二分の一に国庫負担を引き上げるというふうに言われておりますが、この二分の一そのものを全部税制度に切りかえるステップとして理解するのかどうかというところです。そして、もう厚生大臣も何度となく答えられた話ですが、それぞれの長短があります。長短はあるけれども、大きな意味で言えば本来保険料の方にはなじまない制度だというふうな学説がこのごろ強くなっております。 だから、そういうふうな観点からどういうふうに取り扱われるのか。もう一回答弁、厚生大臣、お願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 三分の一を二分の一に基礎年金部分について行うことにつきましてはたびたび申し上げているとおりでございまして、これは全額ということになりますといろいろ問題があるということで、許容される限度は二分の一ではないかということは私も申し上げております。 しかし、これはかなり多大な経費負担を伴うことと、これが毎年度増加していくという問題がございますので、なかなか容易ではない。総理も本会議の答弁等で、それは実施は困難である旨をお答えいただいておるところでございます。 なお、消費税の目的税化ということで、どこまで社会保障費の中で目的税化するかという点の議論は、余りまだ議論としては熟していないと申しますか、私どもは、社会保障の方の政策ないし予算を受け持つ者としては、いろいろ受け皿として、例えば年金だけに限るのか、あるいは一番狭く解すると年金の三分の一から二分の一への引き上げ部分に限るのか、あるいは医療の中も老人医療だけに限るのか全体なのか、あるいは介護保険の問題をどうするのか、その他社会福祉事業法に基づくいろいろな諸施設の福祉をどうするかというような点がございます。 なお、消費税の額が五%といえども一%は地方に行きますし、地方消費税ですね、それから、それ以外も交付税措置等によって全体として約四割弱行きますから、国税の実収で計算いたしますと七兆数千億と言われておりますが、それだけでは到底半分にも満たないわけですね。 ですから、そういういろいろな諸限定がありまして、そこをどうするかという課題が、これは私の立場では、社会保障費の立場と消費税という立場だけで考えてそのような感じがいたしますが、あと全体の中で財政のフレームの中でどう考えるかという問題は、これは大蔵大臣がお答えいただくのが適当かと思います。 とにかく消費税の問題、将来の直間比率の問題等もございますので、そういう流れをきちっとできて、そしてそこに国民的合意形成が得られるような状況になれば一つのまたセットが可能になるかなという感じでございますが、今のところはちょっと振りかえだけして、そしてそれで目的税化で本当に趣旨が貫徹できるかどうかについては、多少私は疑問に思っています。
○月原茂皓君 ぜひ、今おっしゃったように、年金、高齢者医療、それから介護、こういう問題もありますが、その中でも特に年金は国民ひとしく受けるという強いものであるだけに、税方式というようなものも頭に置いて検討してもらいたいと思います。 それでは最後に、いろいろ景気対策をされておるんですが、どんどん赤字がふえておる、赤字債券が。今後の財政の見通しというものを大蔵省はどのように考え、政府はどのように考え、どういうふうに手を打っていこうとするかということは、この間ちょっと質問を聞いておったら、いずれの日か債務の累積性を改める経済運営をしなくてはいけない、こう言っているんです。余り借金があったら、また先で税金をとられるのじゃないかなということで、みんな金を使わぬようになると思うんですよ。そこらのところは政府として早めに国民に、安心できるというか、安心がリーズナブルだなと思うような計画を示していただきたい、このように思いますが、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政改革法の凍結を御提案いたしましたことにまさに関連いたしますお尋ねでありますが、今としては経済改革が急務でありますので二兎を追うわけにはいかないだろう、しかし我が国の経済が正常化したいずれの日にか、この問題を放置することはできない、二十一世紀の早い時期において財政、税制を含めました根本的な検討をしなければならないだろうということを考えます意味で、財革法を廃止せずに凍結をいたしました。 それは、そういう我々の将来に対してのやはり約束、将来に対しての果たすべき義務と考えておりますのでそのような御提案をいたしましたわけでございまして、このことは我が国の経済が間違いなくはっきりした成長路線に乗った段階におきまして早く考えられなければならない問題と思っております。
○月原茂皓君 総理の気迫のこもったこの難局を乗り越える姿勢に感謝して、また期待して、私の質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で月原茂皓君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、西川きよし君の残余の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 今回の補正予算では介護保険の円滑な実施という項目に対して千三百六十五億円計上されております。二〇〇〇年度のスタートに向けて解決しないといけない課題が山積しておるわけですけれども、やはり年老いたときにはみんなが本当に一つ屋根の下で、我が家も親子三代生活をさせていただいておりますけれども、改めて老後の生活の場に対する政府の基本的な考え方をまず総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 西川委員御自身も非常に御苦労されておる話は従前からもお聞きをいたして、大変敬意を表しておる次第でございますが、老後の生活の場につきましては、多くの方が住みなれた我が家で暮らし続けることを願っておることだろうと思います。この願いにこたえられますように、まずは要介護状態となることの予防を図るとともに、要介護状態となった場合におきましても、可能な限り必要な介護サービスを利用しながら我が家において生活を維持できるようにすることが重要であると考えております。 ただし、状態の悪化等によりまして我が家で生活が難しくなる方に対しましては、地域の実情に応じまして、特別養護老人ホームなど施設の整備もあわせて進める必要があると考えております。介護保険制度は、こうした高齢者の心身の状況や希望に応じて在宅と施設の両面にわたる必要な介護サービスが提供されることをねらいとしており、その円滑な施行に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。 また、この問題につきまして、私は総理になりまして以降いろんな方々から御希望やらお尋ね等をちょうだいいたしておりまして、いろいろ特別養護老人ホームの状況などにつきましても、著名な国際問題評論家からも、たくさんの方が十人部屋に入っておられて大変実態は厳しいものだと、ぜひおまえもというか私にも現場をよく見てさらにこの問題についての認識を深めろというお話もございました。 私自身も実は先般、中央区の特別養護老人ホーム「マイホームはるみ」に参りまして実態を勉強させていただいておりまして、こうしたことを通じて、みずからその実態に触れてこの問題に対する対応についてより一層自分の問題として取り組んでまいりたい、このように考えております。
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございます。 そこで、老後の生活はたとえ介護が必要となったとしてもできる限り自分の家で生活を続けたいものですけれども、これはもうだれでもが持つ願いだと思います。しかし、住宅、福祉、経済的な問題等と重ね合う中でそれがなかなか実現できないのが現実でございます。親と子が別居したいのに同居しなければならない、これを聞いたら、きよしさんなぜと聞かれたときもあるんですけれども、あるいは今度は同居したくても同居ができないとか、親孝行したいときに親はなし、しかし最近の若い人は親孝行したくないのに親がいるというようなことを言う人たちもたくさんおります。そういう人たちに負けないように我々はしっかりここで頑張ろうと思っております。そういった中で、介護保険を契機としてあらゆる政策に、そしてまた在宅生活、在宅介護を支援するといった視点が必要であると思います。 そこで、自治省にお伺いいたします。 自治省では長年の懸案事項であった在宅の寝たきりのお年寄りに対する郵便投票制度について具体的に研究に着手すると聞いております。この問題については何度も何度も私も御質問をさせていただきましたが、この新しい方向性、経緯と今後の方針について自治大臣にぜひお答えをいただければと思います。
○国務大臣(西田司君) 介護保険制度の進展に伴いまして、今御指摘になりました寝たきり老人等の選挙投票に対する御質問でございますが、現行の制度では投票することがなかなか困難な状態でございます。しかし、そういうことに対しても投票機会を与えるということは重要な問題であると私は考えております。ただ、寝たきり老人に郵便投票を認めることについては、従来よりいろいろな角度から御検討をいただいておるようでございますが、なかなか問題もあったと聞いております。 今回の介護保険制度の創設がこのような問題解決に向けての一つの大きな契機になるのではないかと私も心の中では期待をいたしておるような次第でございます。しかし、いろいろ厚生省の方でも御検討を別の角度からしていただいておるようでございますけれども、これを直ちに使用することはなかなか難しいのではないか、私はこういう判断をいたしております。ですから、これらが活用できる方法をひとつ自治省といたしましても関係各省と連携をとりながら検討していきたい、このように考えております。
○西川きよし君 それでしたらもう一つお伺いしたいんですけれども、大臣、この自治省の官報速報に出ております二〇〇〇年度スタートの介護保険に伴って導入された要介護認定が判断手段となるというところはいかがでしょうか。
○政府委員(牧之内隆久君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、寝たきり老人等に郵便投票等の特別な投票手段を認めるということにつきましては、全国の同じような状況にある方をいかに公平に認定をするか、その公的な認定方法をどうするかという点で大きなネックがあったわけでございますが、介護保険制度のスタートによりましてその認定等が可能になるのではないかということで私どもも研究をスタートさせようということにしたわけでございます。 ただ、先ほども厚生省の方から御答弁等がございましたけれども、要介護状態の区分の認定基準が、歩行困難であるとか寝たきり状態であるとかというような定性的な区分ではなくて、介護を要する時間を基準にして認定をされるというような方向で検討が進んでいるようでございますので、直接これを私どもの選挙権行使の認定基準として使うことはなかなか難しいのではないかというような懸念も持っているわけでございます。ただ、重要な問題でございますので、その活用も含めて幅広く検討したいということでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 そこで、大臣の答弁にもございましたが、本当に寝たきりのお年寄りの方々が今までは障害者の手帳をいただくというのはなかなか困難、手続も大変でございます。どの程度の状態であるかということも今までは把握は大変難しかったと思います。今回、この官報を見させていただきまして、自治省が要介護認定を利用するということでございますけれども、これは他の分野におきましても在宅介護の支援策を広げていくことに大変意義があると思います。 そこで、介護保険における要介護認定の業務には正確さ、公平さ、ずっときのうから、きょうもそうですけれども、たくさん質問の中にも出ておりますが、こういった点につきましてさまざまな課題があると思いますけれども、改めて厚生大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 介護保険における要介護認定業務を公平公正にやるべきであるということは私どももそのとおりでございまして、全国共通の客観的な基準に従いまして公正に実施してまいるつもりでございます。そして、平成八年度から九年度にかけて試行的事業を実施し、その結果を踏まえまして、平成十年度に試行的事業を十月、十一月にかけて実施をしております。かなり広範に行っております。 そういうことで、これからも、一次判定の問題も先ほども議論がございましたが、一次判定あるいは訪問調査員に対する研修を実施したり、介護認定審査会の委員の連絡会議を設ける等、あらゆる手段を講じて公平公正な認定ができるようにしてまいりたいというように考えております。 なお、委員の御指摘のもう一点は、介護認定によって他分野における在宅介護の支援策を広げていくことに大変意義があるんだという御指摘は、大変貴重な御意見だと私は思います。つまり、各保険者である市町村におきましては、介護保険では要支援から外れるような福祉の施策もやっているところもございますから、あとう限りそうしたものの水準を落とさないようにするためには、そういった委員の今おっしゃられたような他分野における在宅介護支援策と言ってもよろしいかと思いますが、他分野というのは介護保険以外の直接的な支援措置があってもいいので、私どもはそれも来年の介護保険の実施までにあわせて検討をして充実をしてまいりたいと思っております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 そこで、次にお伺いしたいのは住宅の取得促進税制、いわゆる住宅ローンの控除についてでございます。きのうははがきですが、きょうは岡山県の主婦の方にいただきましたお手紙なんですけれども、実は遠距離介護、そして介護帰省という言葉が随分一般的になってまいりました。離れて暮らす年老いた親の在宅生活を支える四十代、五十代、六十代、つまり子供世代がたくさんいらっしゃるわけです。このように離れて暮らす子供が親の在宅生活を支えるために親の家を増改築する、そしてまた新築をする、こういったケースは多々ございます。 現行の制度におきまして、こういったケースについてはこの住宅取得促進税制の対象になるのでしょうか。大蔵省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 現行の住宅取得等特別控除の適用を受けますためには、家屋を新築もしくは取得した方、あるいは自己の所有する家屋を増改築等した方がその家屋または増改築をした部分にその取得の日から六カ月以内に入居し、かつ控除を受ける年の十二月三十一日まで引き続き居住していることが要件とされております。したがいまして、ただいま御質問のありました、親が所有しておられる家屋を子供が増改築等した場合や、あるいは子供が新築等した家屋に親の方だけが居住しているような場合にはこの要件に該当しておりませんので、対象にはならないかと思われます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 ことしの春にも自治省にいろいろなそういう意味合いのことをお願いいたしまして、約百六億円という減税もしていただくことができたわけですけれども、今後高齢化がますます進んでいく中で、これだけ政府を挙げてお年寄り、そして在宅介護保険、こういう機運が高まっているわけですから、本当に親孝行はうれしいんですが、できることの幸せは本当に大事ですけれども、毎日生活しておるとこれはもう大変なことであります。ぜひこの住宅取得促進税制においてもこうした視点が私は必要ではないかと思います。 例えば、今回の要介護認定というものを機にして、現在はやむを得ない事情があって子供が離れて暮らしている場合でも、介護を必要とする親のための新築、増改築などの費用、これを住宅取得促進税制の対象とすることについてもぜひともこれから御検討いただきたいと思うわけです。 厚生大臣と建設大臣と大蔵大臣にお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 高齢者の在宅の場合に、居住環境を整備することは大変重要なことでございまして、先ほど総理も非常に広範な問題、温かみのあるお言葉をちょうだいいたしました。私どもも、高齢者の福祉のためにこれをやるわけでございますので、委員の御指摘は一つの魅力的な提案ではないかなと。ただ、今大蔵省の国税庁次長が申されましたように、今の税制の住宅ローン減税ではちょっと無理かなという感じはしないではございませんが、一つの提案として私どもとしては、厚生省の立場としては温かくすべき問題として受けとめさせていただいておきます。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生のところに大勢の方が御陳情に来られておるようでございますが、私の手元にも同じような内容の手紙はたくさん参っております。 それで、全くすばらしい親孝行の一環であるし、ましてや先生の今回介護を要する両親に対する話でございますから、今大蔵省が答弁をいたしましたように、今の融資は促進税制のもとでの対象となる方はその家に住んでいないとだめなんですね。ですから、御両親のために家をつくってあげてもその本人が住んでいないといけない。しかし、本人は勤務の都合で遠くにいて住むことができないというところなんです。 それで私もいろいろ考えるんですけれども、今あります住宅促進税制の範疇では、今の法律においてはなかなか難しい。今検討されておりますローン利子控除制度があるでしょう、あの方でいくと一つ穴を開けることはできるんではないかなと私は思っておるわけでございまして、この住宅政策と福祉政策をうまく何とか合わせていきたいな、そのように考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) お聞きのようなことであったわけですけれども、何か工夫がありますかどうか研究してみます。
○西川きよし君 少し時間がかかってもよろしゅうございますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で西川きよし君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本暁子君。
○堂本暁子君 参議院の会、大変参議院らしい名前でございますが、参議院の会の堂本暁子です。よろしくお願いいたします。 まずは、委員長と各党各会派の皆様に、男女共同参画大臣の官房長官がお帰りになるまで待つために順番を入れかえていただいたことを厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。 では、質問に入ります。 今回の第三次補正予算なんですが、十二兆三千億円の国債の追加発行が盛り込まれました。景気対策だということは理解するんですが、そうであるとすれば、行政改革による歳出削減の数値目標、あるいは福祉社会のあり方の明確なビジョン、きょうも介護保険の問題、医療の問題、年金の問題、いろいろ出ておりますけれども、そういった明確なビジョンが私は示されるべきだと考えております。さもないと、だれもが将来は増税になるんだろう、そういう心配を持ちますし、なかなか消費にお金が回っていかないのではないかと懸念しているということをまず申し上げたいと思います。 きょうは予算委員会の場ですので、二十一世紀に向けてクオリティー・オブ・ライフの視点、つまり日々の生活の質が高い豊かなものとなる社会を実現するという観点から質問をさせていただきとうございます。 まず、総理に伺うというよりもお礼を申し上げたいことが一つございます。それは、去る十一月二十日の中央省庁等改革推進本部の決定ですが、総理大臣の直属の機関として男女共同参画会議が位置づけられたこと、そしてその事務局機能を担う機関として男女共同参画室の局への格上げが決まった。これは総理、大変な総理の御英断だと思うんですが、実はちょっと総理を見直しました。 これは一九八五年に採択されたナイロビ将来戦略にうたわれたナショナル・マシーナリー、日本語で言いますと、女性の地位の向上のための国内本部機構の確立をまさに日本の総理大臣として具体的に政策化されたということで、私たち日本の女性が長いこと夢を見、そして願ってきたことが十五年ぶりに実現したということでございます。 総理については、遅いことは大変遅いんですが、とにかく小渕総理が決めてくださったということで、総理にビジョンを伺いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 御激励をいただきましたので、ますますもって努力いたしてまいりたいと思っております。 中央省庁等改革基本法におきまして内閣府に男女共同参画会議が置かれることになっておりまして、また去る十一月二十日、中央省庁等改革推進本部長として、内閣府に男女共同参画を担当する局を置くことといたしたところでございます。これは、私もお褒めをちょうだいいたしましたが、野中官房長官が担当大臣でございまして、強い強い御要請もありましてこの問題を決断した、こういうことでございます。 実は、省庁におけるこれからの局の数につきましては、従来九十程度に絞ってくる、こういうことでございましたが、これだけの再編成の過程では必ずしも削減することはなかなか困難でございまして、九十に近いところと思っておりましたが、最終的には九十五ということまでいきましたが、さらに男女共同参画のための局を設けよう、こういうことになりまして九十六、こういうことになった次第でございます。 少子・高齢化、経済活動の成熟化、国際化など、社会経済環境の急速な変化に対応いたしまして、豊かで活力ある社会を目指していく上で、男女を問わず個人がその能力と個性を十分に発揮できる社会、すなわち男女共同参画社会の実現は、我が国社会の構造変革を目指すものであり、我が国の将来を決定する大きなかぎとして、政府一体となりまして取り組むべき最重要課題であるとの認識のもと、今後とも男女共同参画社会の実現に向け最大限の努力をしてまいる決意でございます。 そこで、先ごろ男女共同参画審議会において取りまとめられました男女共同参画社会基本法につきましての答申を踏まえまして、男女共同参画社会を実現するための基本となる法律案を次期通常国会に提出いたすことといたしておりますので、これまた御賛同のほどお願いしたい次第でございます。
○堂本暁子君 大変心強い御答弁、ありがとうございました。 つきましては、ナイロビ勧告には、これは九〇年に出たものですが、ナショナル・マシーナリーは十分な独自財源が付与されるべきということが記されています。そして、人員の確保を含めて、総理の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 男女共同参画社会の実現のために、国内本部機構の整備及び充実につきましては、国際的にも重要な課題であると指摘されておるところでございます。 現在の男女共同参画室や、将来内閣府に置かれることになる男女共同参画会議及び男女共同参画の担当局がその機能を十分に発揮できますよう、最大限の努力をいたしてまいります。
○堂本暁子君 次に、男女共同参画担当大臣として官房長官、大変に御尽力くださったこと、厚く感謝を申し上げたいと思います。そして、政府としてこれからどのような政策を具体的におとりになるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 先ほどの定例記者会見でおくれまして、まことに失礼をいたしました。 今、総理からお話がございましたように、今度の省庁再編におきまして、何とかして局への昇格を総理みずからの決断でいただいたわけでございまして、担当大臣である私の顔を立てていただきましたけれども、九十五で整理しておったのを追加決定をいただいたのは総理でございまして、改めて担当大臣としてここで御披露申し上げておく次第であります。したがいまして、内閣府に置かれる男女共同参画会議と相まちまして共同参画社会の実現のためにさらに推進体制を整備してまいりたいと思っておるわけでございます。 また、委員御指摘のように、先般総理に岩男会長から答申のありました男女共同参画社会を実現するための基本法を法案として次期通常国会に提出し、御審議、成立をお願いいたしたいと思っておる次第でございます。 今後とも、この男女共同参画社会の実現が我が国の将来を決定する大きなかぎであるというように考えておるのでございまして、総理からも申し上げましたように、政府一体となりまして取り組むべき最大課題といたしまして取り組んでまいりたいと存じておるところでございます。
○堂本暁子君 私も、これから女性が男性に追いつく平等というのではなくて、男性も変わるということで、地域でも職場でもそして家庭でも男女で二十一世紀はクオリティー・オブ・ライフを実現して、豊かないい生活をできるようにするべきだと思っております。 総理に、もうるるおっしゃったので確認させていただく必要はないと思いますが、頭というかシステムができて手足ができないということは大変困るので、ぜひともこの男女共同参画局は必ず実行していただきたいと思います。よろしゅうございますね、総理。 では、次の質問に移らせていただきます。 今回の補正予算で少子化、それから子育て支援対策として二百二十六億円が計上されているのですが、私ども女性の目から見ますと、どうもピント外れ、それから応急処置的、そのお金の積み重ねに見えてしようがないわけです。例えば未熟児のためには十九億円出ているとか、それから応急処置的なものといいますと、保育園の問題もこれは大事なんですけれども、もっと大事なことは、やはりこれだけでは少子化に歯どめがかからない。もっと大事なこと、本当に女性たち一人一人が子供を産もうと産むまいと健康な福祉のサービスを必要としているということ、そして若い女性たちが子供を産み育てるための環境整備が必要だというふうに私は思っております。 これはカイロ文書という九四年に日本も採択した文書にも出ているんですが、英語で言いますとリプロダクティブヘルスという面倒くさい言葉になっていますが、生涯を通じた女性の健康政策を実現することがとても大事です。ところが、ことしの予算ではわずか四千九百万円。これは母子保健の予算総額二百二十四億九千万円のわずか〇・二%にすぎない。これではやはり少子化に歯どめはかからないと思いますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 今回の補正予算は、これはもう言うまでもございませんが、緊急的な景気浮揚効果を期待する観点から計上させていただいておりまして、今委員の御指摘の二百二十六億円と申しますのは、少子化、子育て支援のための保育所の整備でありますとかあるいは少子化関連の基盤整備等々、あるいは慢性疾患の児童の家族の宿泊施設を新たに整備する等々、ハードの面の整備に重点が置かれております。 もちろんこうした問題は、運用する場合はマンパワーも必要でございますからセットになりますけれども、それは地方自治体の運営その他に任されるわけでありますが、そういった視点がございますので、確かに委員の指摘されるように、平成十年度予算で女性特有の健康状況に応じた健康支援事業というのは四千九百万円でございますが、この項目自体だけではございませんが、この項目だけについて申し上げれば、平成十一年度の概算要求に当たりましては、二・四倍くらいでありますが、約一億二千万円くらいの要求はいたしておるつもりでございます。 それから、委員がカイロ宣言を引用されての女性の生涯を通じての健康保持その他、リプロダクティブヘルス・ライツですか、このちょっと舌をかむような、日本語がまだないようでございますが、こうした理念に基づいて、やっぱり生涯を通じて女性の方が健康で本当に生涯を全うできるように、しかも若いときは若いときなりに、また青春期は青春期なりにそれぞれがきちっとできるように対応していきたいと思います。教育の問題等が背後にあることはもちろんでございます。
○堂本暁子君 総理は少子化対策についてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 安心して子供を産み育てるとともに、健康に老後を過ごすことのできる環境の整備を進めるに当たりまして、女性の生涯を通じた健康支援等、女性の視点に立った取り組みが重要であると考えております。 このため、平成八年に策定いたしました男女共同参画二〇〇〇年プラン、これに沿いまして、女性の生涯を通じた健康支援の積極的な推進を含め、女性の視点に立った少子・高齢化対策の充実に努力をいたしてまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 ぜひ総理のおっしゃったような方向で厚生省にやっていただきたい。二〇〇〇年プランにはきちんと書いてございますし、この厚生白書にもきちんと書いてあるので、それを政策化してくださることを大臣にお願いして、次に環境の質問に移らせていただきます。 沖縄県の西表島でイリオモテヤマネコがすむ大富地区の西工区の国有林が農地開発されようとしています。このイリオモテヤマネコ、皆様御存じだと思いますが、国の特別天然記念物であり、それから国内希少野生動植物種に指定されていますが、国際的にもレッドデータブックで絶滅危惧種のⅠB類に分類されている、世界じゅうから注目されている日本としては大変大事なヤマネコさんなんです。IUCN、国際自然保護連合からも、沖縄県知事に開発は中止すべきであると、これは環境の国連のようなところなんですが、そこから勧告も出されています。ほかにも絶滅種に危惧される種が四十六種も生息しています。 私は生物多様性条約に違反するんじゃないかと前々から申し上げてきておりますけれども、なぜ日本の中で最も生物多様性が豊かな地区を、こんなに世界じゅうから日本は自然破壊をすると言われているときにあえてやらなければならないのか、二十四億円もの総工費をかけて開発する必要があるのでしょうか。しかも国有林です。これまでにももう既に五十八ヘクタールが開発されてしまいました。これ以上開発を進めれば、非常に強い国際的な批判に日本はまたまたさらされます。農水大臣、そして環境庁長官に明快な答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中川昭一君) 西表島の県営農地開発事業につきましては、今、先生御指摘のように、イリオモテヤマネコ、コウモリ等への影響があるとの声が上がりまして、現時点では採択後工事には着手しておりません。そして、まず環境影響調査を実施したところでございますが、これは県営事業でございますので、県におきまして環境影響調査の結果に基づき自然保護団体との調整、営農面を含めた総合的な計画の再検討を行うこととして、平成十一年度においては工事着工予算を計上しないというふうに聞いております。 国としては、地元における調整や検討を十分に踏まえながら対処していきたいと考えております。
○国務大臣(真鍋賢二君) かねてより堂本先生には、環境問題につきまして多大の御高配をちょうだいいたしておるわけであります。とりわけ、この種の保存の問題につきまして、いろいろと御高説を賜っておるところであります。 イリオモテヤマネコにつきましては、環境庁としても種の保存に基づく国内希少種に指定し、捕獲などを規制するとともに、現地の野生生物保護センターにおいて調査研究し、また、保護、増殖などの事業を実施しておるところであります。 イリオモテヤマネコなど野生生物の保護を進めていく上では、地域の理解や協力が大切であります。特に重要であると思って、これらの人たちとの連絡の上に人と野生生物の共存を図っていくべきだと考えております。いずれにいたしましても、イリオモテヤマネコの保護に十分な配慮がなされることを期待いたしております。 以上でございます。
○堂本暁子君 農水大臣、県の事業だからとおっしゃいましたけれども、種の保存法は国の法律です。生物多様性条約は日本国として批准している条約でございます。ですから、そこの県ごとで考えるということでは、私は許されないと思う。 そして、私もIUCNの理事をしていますけれども、IUCNというのは日本国も会員になっている組織です。そういうところでこれはやってはいけないということをきちっと出しているようなものに対して、県の調査の結果も私は見ましたけれども、学者はやるべきではないということをはっきり言っている。にもかかわらず、もう本当にきょうのきょうまで、これは予算がつけられそうだ、この前のときにも、県が予算をつけた途端に私は現地へ参りましたけれども、どんどんブルドーザーで開発されて、赤土がもう流れ込んでサンゴ礁もやられてしまう。 日本の中で、南西諸島というのは本当に微妙で、しかも宝のような、言ってみれば、日本国のこの列島の中でも、大事なところと大事じゃないところがあるないとは申しません、しかし、非常に大事なところなので、私は、今の大臣の答弁は大変不満でございます。 ちゃんと保護区として、環境庁にも指定していただきたいし、農水大臣としては代替地を考えるなり、国際的に日本が非難を受けないだけのことをきちっと、若いんだから農水大臣は、ちゃんと答弁していただかなければ大変困ります。
○国務大臣(中川昭一君) 事業主体が県であるということは事実でございまして、県が環境調査等をやり、先ほど申し上げたような今後の作業を行っていくということで、したがいまして、県が来年度のこの西地区の予算を計上しないということは、国の補助事業としても当然、国としても予算をつけるわけにはいかないわけでございます。 そういう意味で、県の作業を待って、この事業については、昭和六十二年に事業採択を県がしたわけでございますけれども、いまだにその環境等への影響について県が慎重に御判断をされることについて、我々はそれについてやれとかそういうことは毛頭申し上げるつもりはございませんので、県の御判断を尊重したいということを先ほど申し上げたわけであります。
○堂本暁子君 ありがとうございました。納得まいりませんが、これで。
○委員長(倉田寛之君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) それでは、これより平成十年度第三次補正予算三案に対する討論に入ります。 討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。郡司彰君。
○郡司彰君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十年度補正予算案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。 現在、我が国経済は夜明け前の一番暗い状態が続き、迷走しており、個人消費、設備投資とも低迷を続け、雇用情勢は戦後最悪の状況にあります。日々深刻化している我が国経済がここまで追い詰められました最大の要因は、景気回復のための適時適切な施策を怠り、後手後手に回ってきた政府の経済無策にあることは火を見るよりも明らかであります。 私たちは、さきの臨時国会を延長し、恒久減税を含む抜本的な景気対策を早急に取りまとめ、補正予算案を成立させるよう真摯に提言いたしましたが、政府は早々と国会を閉じ不況に追い打ちをかけました。政府・自民党の責任は重大であります。 民主党は、十一月十二日に、減税、安心、未来への投資をキーワードに、総額二十兆円規模の構造改革につながる景気・雇用対策を発表いたしました。私たちの主張に誠実に耳を傾ければ、このような対処療法にすぎない補正予算案になるはずはありません。 政府は、緊急経済対策を発表し、これに基づき本補正予算案を編成いたしましたが、即効性、内容ともに何ら工夫のない、従来の公共事業中心主義を踏襲したものであります。 以下、本補正予算案に反対する主な理由を申し述べます。 理由の第一は、本補正予算案から恒久減税が欠落している点であります。 総理は、夏から減税の必要性を主張してきました。経済の中核をなし、景気を大きく左右する個人消費の喚起なくして、企業の業績回復、さらには我が国経済の再生があり得ないことはだれの目にも明らかであります。政府は、なぜ一月からの減税実施をあきらめ来年度に先送りしたのでありましょうか。これは政府の怠慢であり、国民ははかり知れない失望感に覆われております。 反対の第二の理由は、旧態依然とした公共事業中心の予算となっている点であります。 緊急経済対策では二十一世紀型の社会資本整備を強調しておりますが、その実は総花的で、かつ従来型公共事業中心のやり方から脱却しておらず、踏襲型予算との批判を免れません。国民が切望している経済再生に有効な分野への大胆な配分が見事なまでに欠落しております。 反対の第三の理由は、地方の将来に明るい期待が持てる予算となっていない点であります。 今回の緊急経済対策は、過去最大規模とはいえ、その中身については単なる予算のばらまきで、地方財政を圧迫することになります。真に有効な対策を打ち、経済と財政をともに再建する展望を示すことこそが現下の最大の課題でありますけれども、それとはほど遠いものであると言えます。 第四に、弱者への配慮が足りない点であります。 平成十年度における社会保障関係費は財政構造改革法のキャップにより圧縮されたままであり、これでは国民は安心した暮らしを送ることができず、消費をふやそうという気持ちが起こらないことは明白であります。 最後に、将来世代に負の遺産を引き継ぐことのないよう、間違いのない施策を責任を持って実行することが我々の使命であり、政府にはそのことを行う義務があることを強く訴え、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(倉田寛之君) 金田勝年君。
○金田勝年君 私は、自由民主党を代表して、平成十年度補正予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。 本補正予算は、個人消費の低迷等による経済の後退や金融システム不安に適切に対処し、我が国経済を早期に回復軌道に乗せるための緊急経済対策を実施するためのものであります。短期的には十分な需要喚起が期待されますとともに、二十一世紀型社会の構築に資する景気回復策として適切な措置が講じられており、まことに重要な補正予算であり、大いに賛意を表するものであります。 以下、平成十年度補正予算に賛成する主な理由を申し述べます。 賛成の理由の第一は、中小中堅企業に対する信用供与の円滑化を図るべく、融資及び信用補完を充実させるため、中小企業信用保険公庫に対する出資金等を盛り込んでいることであり、金融システムの安定化と信用収縮の防止に積極的に取り組むこととしている点であります。 賛成の理由の第二は、社会資本整備が情報通信、科学技術等、二十一世紀を見据えた整備内容となっており、景気回復への即効性、波及性にすぐれたものであり、また地域の雇用の確保が期待されるものであります。 賛成の理由の第三は、個人消費の喚起と地域経済の活性化のため、いわゆる地域振興券の支給や経済波及効果の大きい住宅投資の促進を図るため住宅金融公庫が行う貸付金利の引き下げや融資の拡充等に必要な経費を計上しております。かかる施策が相まって、消費回復に大いに資することは明らかであります。 賛成の理由の第四は、雇用の創出・安定をもたらす対策が盛り込まれている点であります。 雇用不安は、申し上げるまでもなく消費の低迷の一因ともなっており、本予算は、中小企業における雇用創出等から成る雇用活性化総合プラン等の実施を図るものであり、まことに時宜を得たものとなっております。 以上、本補正予算への賛成の理由を申し述べました。 内需拡大による日本経済の早期回復と活性化のため、そしてまた、国民にとって夢と希望の持てる施策の実施のため、本補正予算の成立が必要不可欠であることは申し上げるまでもありません。 政府におかれましても、予算成立後の速やかなる執行に努められんことを求め、私の賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(倉田寛之君) 須藤美也子君。
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、九八年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。 反対する第一の理由は、本予算案が今日の深刻な不況の回復に何ら役に立たない内容だからです。 本予算案は、小渕内閣の二十四兆円規模と鳴り物入りで打ち出してきた緊急経済対策を受けて編成されたものですが、一般会計計上分のうち、その多くがゼネコン向けの社会資本整備に充てられています。これは、失敗した公共事業中心という従来の対策を繰り返すものにほかならず、政府自身も役に立たないと禁じ手にしてきたはずのものであります。 その一方で、小渕内閣は、圧倒的多数の国民が切望し、不況打開の即効薬となる消費税減税を拒否する態度をとり続けてきました。これでは、冷え込んだ消費を回復させることは到底できません。 反対する第二の理由は、十二兆三千二百五十億円もの公債を追加発行し、公債依存度を過去最高の三八・六%に膨らませ、財政破綻と国民生活への危機を一層深めるものだからであります。 これまでも、景気回復のためという公共事業の積み増しは地方自治体の財政を悪化させ、そのしわ寄せが福祉・教育予算などの切り下げとなり、住民に押しつけられてきました。 本予算案は、この失政を繰り返し、公共事業を執行するため、さらに三兆円近い自治体負担を強要するものとなっています。これでは国民の将来不安を加速させ、消費不況を悪化させるのは明白です。 なお、福祉・教育予算を抑制してきた財政構造改革法は、停止ではなくきっぱり廃止し、国民が受けたすべての不利益を回復することこそ必要であります。 反対する第三の理由は、銀行支援に使った国債償還の穴埋めとして一兆一千五十四億円を計上したことです。乱脈経営で破綻した銀行救済のために国民の税金をつぎ込むことは、断じて容認できません。 今、景気対策のために必要なことは、六十兆円の銀行支援や批判の多い地域振興券ではなく、国民の八割、九割が切望し、我が党が共同で提案している、消費税を直ちに三%へ戻すことを初め、すべての階層が減税となり、しかも庶民に手厚い七兆円減税を実施すること、医療、年金での国民負担を軽減すること、中小企業への貸し渋りをやめさせること、農家の経営を守るために暴落した米価の補てんを行うことなどです。こうした家計消費を直接温め、実体経済の回復と不況対策の実行を要求いたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(倉田寛之君) 入澤肇君。
○入澤肇君 私は、自由党を代表して、平成十年度補正予算に賛成する立場から討論をいたします。 この未曾有の経済危機は、日本経済社会全般にわたるいわゆる構造問題に基本的な要因があると考えられ、この危機を克服するためには、断固とした決意を持って構造改革を断行しなければなりません。 この日本経済を自律的安定成長軌道に復帰させるためには、旧来の官主導の手法にとらわれない発想と実行が必要であり、今ほど政治の役割が期待されているときはありません。 今日最も必要なことは、政治主導により緊急に先行き不安を解消するため、構造改革についてそのビジョンと具体的な政策を一体として国民の前に提示し、その理解のもとに果断に実行することであります。 減税額については、小渕総理は、十一月十九日に自由党の小沢党首と、今直ちに実行する政策として、その規模を十兆円をめどとすることで合意されております。我が国構造改革に資するためにも、また景気対策に資するためにも、その実行は喫緊の課題であります。 また、恒久減税の財源については、短期的には赤字国債に依存することもやむを得ませんが、中長期的には恒久減税のための恒久財源として行政改革による経費削減を行うべきであります。 自由党は、行革による歳出削減を財源とする恒久減税、すなわち行革減税を主張しております。 また、経済が立ち直れば税の自然増収も当然期待できると考えられ、政府には一層の行政改革の努力を求めたいと思います。 自由党は、他党と協力して破綻金融機関と取引をしていた中小企業向けの融資円滑化法及び貸し渋り対策法を成立させ、また今国会においては、破綻金融機関の取引先はもとより、一般の中堅企業向けの貸し渋り対策法を他党と協力して成立させましたが、それに対する予算措置がこの補正予算案に盛り込まれております。 また、金融システム安定及び貸し渋り解消のため、早期健全化法の有効活用により、我が国金融機関の体質強化を行うことにつきましても措置されておりますが、その実行につき、政府には万全の対応を求めます。 財政の健全化について、自由党は、以前より、経済再建なくして財政健全化なしと主張してまいりました。 平成九年度、政府は七兆円の増税を行いましたが、マイナス成長となった結果、税収が落ち込み、当初の増税分に見合うほどの額が帳消しとなる減収となっております。 財政健全化は増税によって行うのではなく、行財政一体不可分の見直しによる歳出削減と、再建された経済から得られる税収増によって達成することが基本であります。この意味におきまして、財政健全化のためには経済再建最優先政策をとらなければならないのであります。 小渕総理の強力なリーダーシップにより所期の目的が達成されますことを期待し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(倉田寛之君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成十年度一般会計補正予算(第3号)、平成十年度特別会計補正予算(特第2号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(倉田寛之君) 多数と認めます。よって、平成十年度第三次補正予算案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会