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144回国会参議院1998/12/09

予算委員会 第2号

発言数
409
登壇者
38
会派数
8
開催日
1998/12/09

会議録

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成十年度第三次補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  質疑を行う期間は二日間とし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は三百二十二分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党百二十分、民主党・新緑風会七十二分、公明党三十二分、日本共産党三十二分、社会民主党・護憲連合二十四分、自由党十六分、参議院の会十六分、二院クラブ・自由連合十分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十年度第三次補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君及び日本銀行金融市場局長山下泉君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 平成十年度一般会計補正予算(第3号)、平成十年度特別会計補正予算(特第2号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。江田五月君。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 おはようございます。  民主党・新緑風会を代表して、総理大臣及び関係の大臣に質問をさせていただきます。  同僚の委員と分担して、私は主として自民党と自由党とのいわゆる自自連立の問題とか、あるいは地方財政の危機とか、こうした問題を質問したいと思いますが、何といっても今の一番の課題、これはこの大変な不況をどうするかということでございまして、この臨時国会も政府のお出しの補正予算、これをどうするかというのが最大のテーマになっているわけで、ただいまの景気の状況をどう判断されているのか、これをまず伺っていきたいと思います。  堺屋長官、ちょっとお伺いをいたします。昨日の月例経済報告で、変化の胎動が感ぜられるとおっしゃった。長官の勘なのかもしれませんが、多少の根拠もあるのか、別の見方の根拠も何かあるという状況のようですが、今の景気の状況をどう判断されているか、御説明ください。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 私は、昨日、閣僚会議で月例経済報告をさせていただきました。その中で、結論から申しますと、景気は依然として極めて厳しい状況にあるが、一部にはさらに悪くなる動きもあり、また幾分回復する状況もある、こういうものをあわせてみると、厳しい中にも新しい胎動が感じられる、こういうぐあいに述べました。  それで、厳しくなっている方で申しますと、例えば設備投資は、毎月、計画を調べますと下方修正されている状態でございまして、まだ非常に厳しい状況が続くと思います。また、それに関連いたしまして、雇用関係も失業率が四・三%、過去最高の水準で横並びでございまして、改善の兆しが見えないのみならず、有効求人倍率等は減少傾向にあります。  そのほか、生産、消費でございますが、依然として前年同期時に比べると低下しておりますが、下げどまりの傾向が出てきております。  住宅に関係いたしましては、分譲マンションは在庫がふえたものですから減りましたが、個人住宅はこのところ少し回復しております。  一方、いい方では、半導体を初めといたします電気製品、家電製品あるいは軽自動車、それから最近のスーパーの売れ行き等が前月に比べましてプラスになってきております。特に、政府の行いました中小企業に対する貸付保証枠の拡大、これがかなり効果をあらわしまして、中小企業者の動き、顔色あたりがよくなってきている、この辺が勘というところかもしれませんが、そういう影響を感じ取っております。  夜明けの前が一番暗いと申します。これからしばらく、設備投資がふえてくるというのは企業が利益を上げる自信を得たからでございますから、それまでにはやはりリストラという一つの縮みの段階がございます。これから数字の上ではなお厳しいものが出ると思いますが、新しい動きが出てきたという意味では、申し上げましたように変化の胎動があるんじゃないか、そういうぐあいに考えております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 なかなか難しいところですね。いいのもあるけれども、悪いのもあるし、変化だけれども、さらに厳しくなるかもしれないし、しかしその後にはよくなるかもしれないしと。そういうことなのかもしれませんが、宮澤大蔵大臣は、きのうでしたか、ああ見ればそうも見えるけれども、こう見れば別にも見られるというような御説明のようでしたが、どう判断されておられますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申しましたことの表現が何か堺屋さんの御判断に水を差すように受け取られましたらそれは本意ではございませんので、確かにいい兆候が幾つか見えておりますわけですから、それを勇気づけていくということが大変に大事なことではないか、そういう基本的な考え方でございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 総理はどう判断されていますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 私は、表現としてどうかと思いましたが、記者の皆さんにお尋ねいただきましたときに、兆しの兆しが見えてきたのではないかと申し上げたわけですが、それは実は公共投資に対して十年度第一次補正予算の効果があらわれつつあるのではないか、そのことの数字をお聞きいたしましたものですから、そのことが念頭にあったかと思います。  御案内のように、公的固定資本形成、すなわち公共投資につきましては、十年の一―三月期でマイナス二・四、それから四―六でマイナス三・〇、これが七―九になりましてプラスに転じまして三・六、こういうことになってきておるわけでございまして、少なくともこれはおくれての投資効果があらわれてきたということかもしれませんが、こういう数字が続いてまいるということであるとすれば、やはりこれを兆しの兆しと考えてこの傾向を進めていかなければならない、こう実は感じておる次第でございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 景気はもちろん回復をさせなきゃならぬし、していくことはいいことなので、いろいろいい材料を見ながら、よくなるよ、よくなるよと皆さんがおっしゃりたい、そのことがまた気分を変えていくということにつながる、そんなこともお感じなのかもしれませんが、私どもは、暮れですので地元へ戻り、何人かの仲間の皆さん、地域の皆さんと忘年会などをやって安酒を飲みながら話を聞いていますと、どうもやっぱり厳しい声の方が強いんですね。  今いろいろ指標をおっしゃいますけれども、例えば第一次補正の消化率が一体どうなっているのか。これはもう既に衆議院の方でも議論があったことですので、あえて数字のお答えを求めませんけれども、十月末で二割台というんですかね。あるいは今、堺屋長官が信用保証の枠のこともお話しになりましたけれども、これなども後でちょっと触れますが、実態としては非常に厳しい声があれこれ返ってくるわけです。  私たちももちろん景気が回復することを強く願っておりますが、しかしどうも今回の補正予算では極めて不十分だと言わざるを得ない。やはり本格的な恒久減税、これをこの臨時国会で実現すべきだったと思います。しかし、その恒久減税は先送りをされてしまっておる。金融の問題も、さきの臨時国会で金融システム崩壊を防ぐ手だてはできましたが、貸し渋りは依然続いている。  ちょっとそこを聞いておきましょうか。衆議院の予算委員会でも、銀行が信用保証協会の二十兆の特別保証制度を悪用して旧債の振りかえ、すなわち新規の融資をこれまでの借金の返済に使わせているんではないかということが議論されました。横浜銀行のケースなどですね。  金融監督庁長官、この問題の対応はどうなっていますか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。  信用保証制度の特別の枠が設けられまして、この制度を利用することになりまして間もなくのことだったでしょうか、十月の初めごろだったと思いますが、こういった問題が明るみに出ました。官房長官の御発言もございました。  そして、私どもは早速、とりあえずはということで、十月の貸し出しの状況、特に中小企業向けの貸し出しの状況、信用保証協会の保証の金額、それから今御指摘がありました旧債の振りかえの金額などが十月現在でどの程度のものかということを十一月に調査させていただきました。  その結果、金額的には都市銀行を中心にしまして約十九億円の旧債振りかえが認められました。大手十八行だけを中心に今調査させていただきました。信託銀行あるいは長期信用銀行といったところは余り中小企業に対する貸し出しがございませんので、旧債振りかえといった事例は認められませんで、主に都市銀行を中心に旧債振替が、十月だけでございますが約十九億円認められました。  しかし、一昨日でございますか、横浜銀行の問題が表に出てまいりまして、私どもといたしましては、これはむしろ都市銀行あるいは大手の銀行よりも、もっと地方銀行でありますとか第二地方銀行といったところも調べた方がいいのではないかということになりまして、早速、銀行法の二十四条に基づいて調査を開始させていただいたところでございます。  ところが、昨日になりまして、今度は信用金庫にもそういった問題があるぞということを民主党の先生から御指摘いただきましたので、また早速でございますが、その信用金庫に対しまして今調査の指示を出したところでございます。  これはどちらかといいますと、山の上の方よりも下の方にそういった事例がむしろ多いのかなといった感じを今のところ持っているところでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 横浜銀行の例は、通達というのが私の手元にあるんですが、「当行としては、本制度を「貸出資産内容健全化の千載一遇の機会」ととらえ、最優先課題として徹底推進する。」と。まあすごいことを言うもので、千載一遇というのはいつかも聞いたことがあるなという気がいたしますが、庶民が困っているのを千載一遇の機会ととらえて自分のところがもうけるとか改善するとかという、まさにあってはならぬことでございますが、十九億円が旧債の振りかえと。ちょっと今調べただけでということなんだと思いますけれども、信用保証協会連合会の幹部の方はこれを公金横領ではないかとおっしゃったというようなことも聞こえてくるわけです。  信用保証協会の約定書のひな形を私は手元にいただいておるんですが、これは通産大臣ですか、ひな形ですから全部がこのとおりになっているんじゃないけれども、恐らくこういうことを例にしながらつくられている。  この手元にあります第三条は、「乙は、」、「乙」というのはこれは銀行です、「甲」というのが信用保証協会です。銀行は信用保証協会の保証に係る貸し付けをもって銀行の既存の債権に充てない。銀行が持っているこれまでの債権に充当しないものとする。「但し、甲が特別の事情があると認め、乙に対し承諾書を交付したときは、この限りでない。」と。特別の事由があって承諾書を、特に銀行に信用保証協会がこれは従来の債務の返済に充てていいですよという承諾書を出している場合だけはそうしていいですよということになっていて、しかも第三条の本文、つまり「既存の債権に充てないものとする。」。これに違反したときには代位弁済を否認できる。  十一条の「責を免れるものとする。」というところに「第三条の本文に違反したとき。」というのがあるんですが、これがきっちり守られているかどうか。調査をどういうふうにされていますか。実情をどう把握されていますか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 今、江田先生が御指摘になった約定書の一部でございますが、その条文の趣旨は、私どもが理解しておりますのは、要するに旧債の振りかえであっても借り手に有利になる場合には旧債振りかえということはあり得るだろう。借り手に有利になる場合は多分二つケースが考えられて、一つは借入期間が延びる、そういう場合と、もう一つは借入金利が下がるというように、専ら借り手側に有利に働く場合に旧債振りかえということがあってもいい。その場合、そういうことが起きたという承諾書をつけてくださいというのがその全体の趣旨でございまして、そういう場合に限って実は旧債振りかえという形になると私どもは思っております。それ以外は、やはり銀行がみずからの債権を形を変えて回収したにすぎないということでございまして、その場には、先生御指摘のように、約定に書いてございますように代位弁済を行わないケースもあるというかなり厳しい約定になっているわけです。  しかし、実際にはそれぞれの個別の契約の間でどういうことが起きているかということは、こういう場合ですから、借り手の方が弱い立場にありますから、よほどきちんと調査をしませんと本当のことがわからない、多分それが江田先生の御趣旨だと思います。  そこで、我々としては、もちろん中小企業庁を中心に、地方の通産局、地方自治体の商工部関係あるいは商工会、商工会議所等々を通じましてあらゆる苦情、あらゆる御相談を受けておりますし、また相談を受けたものだけではなくて、やはり時々はサンプル調査を行う、あるいは積極的に打って出て調査を行うということをやろうということを昨日通産省の中では決めたわけでございます。今までのように受け身で、こういう事例があったということではなくて、積極的に中小企業や借り手の立場を守るために行動しよう。そういうことを、昨日までの衆議院の予算委員会の議論等を通じまして、また商工会あるいは商工会議所の既に出されておりますいろいろな報告書に基づいて、やはり受け身の相談ではなくて、むしろ積極的に関係機関が出ていって中小企業を守る、そういう立場で調査をし、指導をしていく必要があるのであろう、そういうふうになったわけですし、また金融監督庁にも御協力をいただかなければならないと思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 弁済期が延びるとかあるいは金利が下がるとか、それは借り主にとっては有利なことに違いないんですけれども、しかし旧債を振りかえすればそのくらいのことは起きますよね。新しい融資を受けてそれを旧債の返済に充てて弁済期が近寄るなんということは考えられないわけで、やっぱり弁済期は延びます。こういう時代ですから金利も下がるでしょう。ですから、その程度のことで債務者にメリットがあるんだから旧債振りかえはよろしいなんと言っていたら、それはどんな場合だって全部旧債振りかえがどんどん行われてしまいます。  この約定書にある「特別の事情」というのは、相当きっちり考えて、それに大体債務者の方は、承諾しろと言われて、いや、承諾はしませんなどとはなかなか言いがたいもので、そういうときは承諾したけれどもいろいろな不満がある。これが私ども地元で酒を飲んでいたりしたらどんどん聞こえてくるわけですよ。  今、信用保証協会特別保証枠二十兆、このうち既に七兆を超える貸し出しがあったということなんですが、このうち旧債振りかえがどのくらいあったか、これは今お答えはできますか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 今、先生言われた中で、期間が延びる、金利が下がるということを形だけでこれは旧債振りかえではないと言えるのかと言えば、そうではなくて、やはり旧債振りかえがあって、なおかつ借り手が明らかに有利になる、そういう場合のみを認めているわけでございます。  ただ、古い債権債務関係が新しい債権債務関係にどう変わったかというのは、一つ一つの事例の積み重ねをやらないとわかりませんので、やはり悪質なケースというものをどんどん指摘し、摘発していくということが私は現在とり得る手段であろう、そのように思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 私は、二十兆の枠のうち既に七兆を超える貸し出しがあった、そのうち旧債振りかえは幾らあったか今お答えできますかと聞いたんですが、違う角度からのお答えになっていました。  今のお答えですと、弁済期が延びるとか金利が多少下がるとか、その程度では債務者にメリットがあるから旧債振りかえを認めるということにはならない、そうお答えになったと解釈していいですか。それと最初の質問にお答えください。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 形どおり有利になったということではなくて、やはり借り入れを起こす人が主観的にも有利になったという判断がなければならないと私は思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 七兆のうちの幾らが旧債振りかえか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) それは、申し上げましたように、一つ一つの契約の内容を精査して積み重ねませんと出てこない数字だと思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 今はまだわからないですね。お調べください。年末ですから、皆さんほかの仕事もいっぱいあるでしょうから、これを急いで調べろなどということは言いません。ぜひきっちり見て、監督をしっかりしていただきたい。  いや、本当に総理、信用保証協会へ飛び込んで、特別融資があるというのでいろいろお願いをしたらやっと一千万認めてくれた、ところが、いや、おたくは前に七百万あるからこれを引きますよ、あと三百万ですよというようなことを言われる。特別融資、特別枠の意味がないじゃないかなどといってもう怒られるわけですよ、僕らが酒を飲んでいますと。それで、いや、あなたそれはと言って、これは僕の責任じゃないですけれども、そういう事例があるんです。それは現場の扱い方が、例えば不親切で説明がきっちりできていないのかもしれない、あるいはだれかの誤解があるのかもしれない。しかし、そういう上から見ているだけでは見えないことがあるんです。  総理、今の中小企業の皆さんに対するこういう制度の運用についてどういう覚悟で御指導されるか。ちょっと総理としての決意を聞かせてください。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) この内閣としての施策につきましていろいろ御批判をちょうだいいたしておりますが、そもそも今御質問になっております中小企業に対する貸し渋り対策に対しては、実は八月二十八日に対策大綱を設けまして、御承知のように四十兆の枠組みの中でこの問題を処理いたしておるわけでございます。  特に、中小企業金融安定化特別保証制度につきましては、この二十兆円につきまして、委員が今御指摘のように、既に七兆二千億を超えるお申し込みをいただいておるという状況でありまして、この点につきましては実は各党からも大変その施策についての評価をいただいておることは大変ありがたいと思っておるわけでございます。  しかし、実際やってみますると、今のような旧債振りかえの問題等が起こってまいりまして、御指摘にありましたように、ある銀行などは千載一遇のチャンスだから旧債をすべてこの中で処理しようというような、もってのほかの行為が行われてきておりまして、野中官房長官が、前々、この問題について本当にはらわたが煮えくり返る思いがするというようなことを当時、その発端を見通しながらおりましたが、今なおそのことが大きく問題になっていることはまことに残念至極であります。  我々は中小企業がこの困難に立ち向かって乗り越えるためにこうした措置を講じておるのが、ある意味では銀行救済のためになるのではないかなどということに相なりますれば、全くその本旨を外れることでございますので、今御指摘をいただいた点も含めまして、関係省庁挙げまして、通産省あるいは金融監督庁さらに一層の努力をしてこうしたことのないように、実際に中小企業の皆さんが資金繰りに困っておられるということに対してこの制度が十分生きていくように最善の努力をいたしていきたい、このように考えております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 いろいろ修飾語がつきますとややこしくなるので、旧債振りかえをやったら信用保証協会は代位弁済しない、それが原則、そのくらいぴしっとお答えできませんか。総理、いかがですか、これは総理の所管じゃないけれども。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 今後どう対応していくかということを概括的にお話し申し上げますと、まず第一は、やはり広範な調査を継続する必要があると思っております。第二は、やはり既往貸し付けの回収に利用されているケースが認められた場合は先生言われたように代位弁済を行わない、その旨を信用保証協会から各金融機関に改めて警告をするという必要があります。  それからもう一つは、今は大変現場が込み合っておりまして、銀行員が保証の申請書を五通も十通も書いて保証協会の窓口で奮闘しているんですが、銀行員のみが旧債振りかえを含む保証案件を持ち込む場合には、書類だけで確認するのではなくて、中小企業者に対し保証協会が本人の意思を確認する必要があるという、その用心深さが必要だということにいたしたいと思います。  また、金融監督庁と協力をし、サンプル調査を定期的に実施します。保証後の金融機関の融資状況をフォローし、組織的に問題のある金融機関については政府系金融機関、関係特殊法人の業務委託等から外すと。例えばお金を預けてあるのを引き揚げるとか、そういう厳しいことをやらなければなりませんし、また金融機関名を公表することも含めて検討しなければならないと思っておりますし、これは場合によっては自治省とも調整させていただいて、自治体の預託業務委託先から外すことも検討をしていいのではないかと思っております。  また、金融監督庁にはお願いしなければならないんですが、銀行法に基づく業務改善命令の発動も含めて検討をしていただく場合も出てくるんだろうと思っておりまして、この問題は江田先生御指摘のとおり、口で言っているだけでは直らない。やはり公の機関はこの問題に厳しく対応するということを示さなければならないと思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 この問題は実はあと平田委員にお願いをしておったところで、ちょっと深入りし過ぎまして済みません。本論。  さきの臨時国会の金融経済特別委員会で、私は、参議院選挙後の政治状況、これは衆議院で首班指名を受けて総理大臣となった小渕さんのチームと、参議院で首班指名を受けた、これは受けただけですが、我が党の菅代表のチーム、この二つのチームが次の総選挙までの間どちらが国民の皆さんの信頼を獲得するか、その信頼獲得競争の時期だと申し上げました。そういうつもりで私どもも私どものチームの信頼獲得に全力を挙げなきゃならぬ。最近ちょっとこちらのチームも国民の皆さんの信頼が揺らぐような問題も起きておって、これは私たちも大いに反省をします。きょうの新聞も支持率急落になっていますから、大変だと思っています。一生懸命頑張りますが、皆さん方に対する追及も一生懸命やっていかなきゃならぬと思います。  小渕チームの方も大きな動きがございましたね、自民党と自由党の連立合意。これはどうもまだよくわからないんですが、つまり自由党と皆さんが政権をともにして新たな理念、政策を打ち出して新しい政治をやっていくんだというのか、それとも、何か高いハードルはあったけれども、だんだん下がっていって、何か自由党というものを上手に自民党の巨大な胃袋の中にのみ込んでしまって消化吸収して、最後は種をぴっと吐き出すというような、小渕流というんですか、総主流派体制をつくって、来年の自民党総裁選での再選、その方便として、政略としてやっていらっしゃるのかよくわからない。  いろいろおっしゃることがどこまで信頼できるのかということがわからないからということなんで、最近の事例で重要閣僚お二人のおっしゃることがどうも相当変わっておられるんではないかということを感ずることがありますので、まずそういう点から聞いていきたいと思います。  重要閣僚お二人がともに信義にかかわることで閣僚を辞任されると受け取れるような発言をしたかに報道されているわけです。宮澤大蔵大臣が派閥の会長を加藤紘一さんにお譲りすると。それに当たって、蔵相の職にとどまることは信義にもとることになるのでやめる、そういう発言をしたと報道されているんですが、どういうことですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、私が私的な事情を述べましたことからそのような報道になりまして、これは申した私が悪いんですが、いろいろ御心配をおかけしたことを申しわけなく思っていまして、小渕総理大臣に対して私はそのようなことを一度も申し上げたことはございません。  したがいまして、職責を与えられております限りは、全力を尽くしまして国政に遅滞のないように努力をいたすつもりでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 派閥の会長を譲ってそれでもなお閣僚にいるということは信義にもとるという、その信義というのはよくわからないので、何が信義で、どうもとるのかをちょっと説明してください。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは申すべきことではなかったのでありましょう。私が心の中で思いましたことは、将来、若い人を守り立てていかなければならない立場にあるので、そういう立場で小渕首相にお仕えすることは自分としてちょっと気持ちが相済まぬところがあるということを、口に出して言わなくてもよかったことであったと思いますが、そういう気持ちであったわけです。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 口に出して言わなくてもいいことだけれども出しちゃったわけですから、心の中はそういう信義にもとるなという気持ちがおありだということなんですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そこは、私の気持ちと公のこととを政治家として整理をしなければならない問題だと思います。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 つまり、よくわからなくなってくるわけで、それが国民が政治家というのはどうもよくわからぬなという気持ちを持ってしまう理由になると思うんです。  野中官房長官の場合はもっとすごいんですが、「私は闘う 野中広務」「小沢一郎、大蔵省、オウム真理教」というなかなか立派な本で、この中で、これも信義なんです。  百十五ページで、「政策が似通っていようが、政治の原点は信義であり、それが政治をやっていく芯である。従って自民党を脱走したような信義をわきまえないような人たちと再び手を組んで、この国の将来を一緒にやっていくことは政策以前の問題である。」云々と。そして、「先輩の梶山静六さんにも会って私の考えを伝えておいた。「いくら梶山さんかて、あれだけ大きな内輪もめで世間に迷惑を掛け、日本を混乱させた連中と手を組むようなことには、わしが一人になっても反対しまっせ」」と、こうお書きですが、このときの信義、これと今、自自連立は野中さんがずっと推進をされたと言われるんですが、これは信義はどうなるんですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 政党と政党が連携したり連立をする場合に、いろいろなケースがございます。私どもも、江田先生を初め、それぞれ細川内閣を樹立され、あるいは羽田内閣になってきた経過を知っておりますけれども、そのときに一々他の党から、私どもから連立のあり方について質問をしたことはございません。自由党の皆さんから私の問題について御質問をいただくならば、それは私はお答えをするべきこともあろうかと存じておるわけでございます。  いろんな表現が今使われましたけれども、私は、自分の一回きりの人生でございますから、そしてその人生も残り少のうございますから、一日一日を自分の責任の持てる立場で歩んでいきたいと考えております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 細川内閣でも羽田内閣でもいろんなことがありました。批判をしたことはないとおっしゃいますが、そんなことはありません。批判もされました。それはいろいろあります。ありますが、問題は信義ということなんですね。信義にもとるんだと、小沢一郎という人と腕を組むと、こう書いているんです、本で。  それで、一日一日を精いっぱい人生を生きていくんだ、これは過去のことだからもうほごだと。この本を買って読んだ方々には何とおっしゃるんですか。もうどうぞ古本屋にでも持っていってください、シュレッダーにでも入れてくださいと。これはほごですか、この本は。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 私は自分の言葉と自分の行動に責任を持っておるつもりでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 野中さんは、その後自自連立の合意後に、小沢氏と対決してきた自分が変節して自由党と一緒になったと批判を受けている、これは自分みずから歩んだ道にけじめをつけなければならない、講演などでそういうお話をされた、辞任を示唆されたというふうに報道されているんですが、おやめになるんですか、ならないんですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 自分の言葉と残した活字に責任を持って行動をしてまいるつもりであります。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 つまり、そういう責任を持つといったって、どう責任をとるのか。まあもうちょっと見ていてください、ちゃんととりますからということかもしれませんけれども、まさに信頼が置けない。何をどう信用していいかわからない。  ここに合意書をちょっと大きくしてみました。(図表掲示)  小渕内閣総理大臣・自由民主党総裁、片や小沢一郎自由党党首と、いずれもなかなか字がお上手で立派な字をお書きになっていますが、書いてあることは、果たしてどこまで信義というものがこの中で貫かれているのかどうか。  まず幾つか聞いてみたいんですが、もう時間の方がどんどん来ておるんですけれども、小渕総理、これは特にもう一つ別の政策の方です。(図表掲示)  小沢さんは、国連軍への参加、これは認めるということなんだ、憲法の解釈は変えるということなんだ、こうおっしゃっている。小渕総理は、そうじゃないとおっしゃっている。それは、両方の認識は違うということなんだろうけれども、お二人でお話されたときには、その国連軍という言葉は、憲法解釈という言葉、こういう言葉は出たんですか、出ないんですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 公にすべきことはすべてこの合意書にしたためられております。その合意書の前提は、「いま直ちに実行する政策」として、小沢党首からお預かりいたしました三点にわたる諸点につきまして、私は基本的方向としては一致をし、そして合意をもって両党首が署名した、こういうことでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 公にすべきことはここにあると。公にすべきでないことがほかにあるという意味ですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今の点について触れますれば、政策として御要請のありました第二点、「国民の命を守るために」、すなわち安全保障ということでございますが、その(1)の②、「国際連合の総会または安全保障理事会で国連平和活動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に従いその活動に参加する。」。すなわち、国連の平和活動ということにつきまして合意をして、この平和活動なるものはいろいろな諸点があります、逐一この点ということですべて過去にさかのぼって、戦後の安全保障全体にわたりまして諸問題について一つ一つテーマを定めてその合意をしたと、こういうことではありませんで、総括的に、このことを踏まえて、ともに安全保障に対する基本的姿勢としては、お互いにこれから十分協議をしながら進めていこう、こういうことになった次第でございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 よくわかりません。  二つだけ最後に聞きます。この「いま直ちに実行する政策」の中で、Ⅰに「国会の政府委員制度を廃止し、国会審議を議員同士の討論形式に改める。」、それから「大臣、副大臣、政務次官あるいは政務補佐官として政府に入り、」云々というこの二つがあります。私ども基本的に賛成です。  一つ。この小渕内閣の閣僚の皆さんは、Ⅰの点、国会議員同士の討論形式を行う、政府委員制度は今あるけれども、政府委員に答弁を振るということはしないかどうか。これはもうやらないと言えばそれですぐできること。それが第一点。  二点目。大臣それから副大臣、政務官、政務補佐官、こういう関係について、それから政務次官制度をやめることについて私ども民主党は昨日法案を提出いたしました。賛成をしてくれるかどうか。  その二つの点を伺います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) きのう提出したから今賛成しろと言われましても、余りに早急過ぎることでございますので、十分検討をさせていただきたいとは思います。  それから、私は基本的にこの問題について深い関心を寄せておりますことは、やはり基本的には従前いわゆる官僚中心の政治が行われておったのではないかという批判があります。我々も長らく国会に籍を置かせていただいて政治家としての任務を懸命に務めてきた立場からいえば、いわゆる政治優位といいますか、そうした形でなければならない、こう考えておるわけでございます。  そういった意味で、この副大臣制度等につきましても、かねて民主党でもそういうお話でいろいろと御検討されておったことは承知をいたしておりますし、私も、そうした観点に立ちましてイギリスの制度その他勉強させていただきますと、極めてこの問題については本質的な問題があろうかと考えておりますので、この点につきましても、自由党からの考え方を承りましたので、現在、政府といたしましてはこれは総務庁長官にもきちんとその問題について検討を命じておりますが、同時にまた、党としても十分この問題について真剣な勉強をしていただくようにお願いをしておるところでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 政府委員に答弁を振るようなことはいたしません、閣僚にそういうことはさせないようにちゃんと申しますと。そのことはいかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 私も、みずからのことを申し上げて恐縮ですが、三十五年間国会におります。そういう中で、与党にも、ほとんど与党ですが、野党になりました場合もあります。やっぱり国会での論戦その他を通じまして、大臣あるいは政務次官がみずから御答弁申し上げること、これは基本的な政治的な考え方については当然かと思いますが、詳細な数字その他にわたりましてすべてこれを答弁することはなかなか難しいことだと思っておりまして、その点については参考人というような形でできるかなという気は実はいたしておりますが、こうしたことも、国会のあり方等のことも含めまして我々も真剣に考えていかなきゃならない問題だ、こう考えております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 この両党党首の合意は、内閣総理大臣という肩書も入っていますが、単にお二人が何か合意したと、また会って、いや、あそこはまずいから変えようねとか、ここはもうやめにしておこうねとか、そういう種類のものじゃないと思うんです。やはり小渕内閣はこういう方向で政治をやるんだということを公党と公党の代表で合意をし、国民に約束をしたものじゃないですか。約束をされているんですから、やるべきことはやってください。やっていけないことは我々が批判をし、そして抵抗し、やめさせます。別の方向を示します。ぜひそういうめり張りのきいた政治をやっていただきたい。  私の質問を終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。平田健二君。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 民主党・新緑風会の平田健二でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  先ほど江田議員から特別信用保証制度についてのお尋ねをいたしました。もうほとんどそれに尽きておるわけですけれども、私は、この九月に信用保険法の改正が提案されたときに経済・産業委員会で、この信用保証制度は銀行から悪用されるおそれがありますねと、こういう質問をいたしました。当時、通産大臣は、そういったことも考えられるけれども、これは金融のプロである金融監督庁にお願いをしてしかるべき措置をとりたい、こういうふうにおっしゃっておったわけです。  私は、当初から、先ほどもありましたが、この制度は銀行が旧債を回収する千載一遇のチャンス、こういったことを見逃すはずがない、だからしっかり対応をとるべきだという提案をさせていただきました。しかし、結果として、今日この状況を惹起しておるわけでございます。  そこで、先ほど金融監督庁長官から御答弁がありました数字をちょっと確認させていただきますが、旧債つけかえが十九億円あった、こういうことでございますけれども、この十九億円というのは、実は先ほど議論になりました信用保証協会の約定書、いわゆる旧債をつけかえてもいい、承諾をしたという、その承諾書をもらった旧債つけかえのトータルではございませんか。いかがですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) お説のとおりでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 そうなりますと、金融監督庁がつかんでおるのは、いわゆる借り手の方が承諾をした、旧債をつけかえてもいいですよといって承諾をした金額のトータルじゃないんですか。そうですね。  これでは、本来のつけかえを調査したということにならぬわけですよ。そうでしょう。承諾したものを取りまとめただけじゃないですか。もうちょっとしっかりその内容を把握して報告をいただきたいんですが、いかがでしょうか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。  私どもの調べのやり方でございますが、旧債振りかえというのは、あくまでも原則としては認められていないということが前提になっておるわけでございまして、極めて例外的な場合にだけ認められると。先ほども通産大臣から御答弁がございましたように、借り入れ条件がよいものへの切りかえでありますとか、あるいは実質的な返済期限が延長となるなど、中小企業の事業経営上プラスとなるケースだけに限られているということを前提にしておりますので、やはりそういうことになりますと、確かに都市銀行だけをとってみますと、私もこの数字を見たときには、実は本当にこんなに少ないのかなということを率直に申しまして感じたところでございます。  ただ、この数日間の動きを見ておりますと、実際はやはり都市銀行よりもむしろ、山に例えて大変恐縮ですが、すそ野の方に旧債振りかえの事例は多いのではないかなと。横浜銀行の事例が出ましてから、地方銀行、それから第二地方銀行に対しましても同じように調査を開始いたしましたが、昨日の御指摘もありまして、やはり信用金庫レベルにも結構多いのではないかということを認識しておりますので、私どもといたしましては、さらにそのすそ野を広げまして、そしてこれをさらにより深掘りして調べてみたいと考えているところでございます。  現在のところ、まだ十月分あるいは十一月分の調査しかできないわけでございますが、実際はこれは来年の三月まで二十兆円の枠が使われることになっておりますので、この全部を積み上げていきますと、全体がおのずから明らかになるのではないかなというふうに考えております。  中小企業庁長官からも、こういった本来認めるべきでないような旧債振りかえが行われている場合には、代位弁済は行わないと、私の方にこういう御通知をいただいておりますので、私どもの方といたしましては、各金融機関に対しましてそのことを周知徹底しております。代位弁済が行われないということは、これは金融機関にとりましては、もうその債権の回収ができないということで、これは致命的なことでございまして、完全にこれは、不良債権どころか、不良債権の一番悪い債権になってしまうわけですから、自分で自分の首を絞めるということになります。  中小企業庁長官からいただいたその御通知を金融機関に周知徹底させますので、絶対そういうことがこれから行われないようになるのではないかというふうに今のところ認識しているところでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 これ以上申し上げませんが、先ほど与謝野通産大臣から御答弁あったように、ぜひ厳しく指導していただきたい。やはり、悪徳銀行と言うことはちょっと問題がありますが、そういったことをした銀行は公表する、こういったことをしっかりやっていただきたいというふうに思います。  次に移ります。  また長銀問題ですが、政府は、返ってくるお金だということで長銀に千七百六十六億円の資本を注入いたしました。しかし、長銀は破綻処理をされました。国民の税金千七百六十六億円は返ってくるんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

柳沢伯夫自由民主党国土庁長官

○国務大臣(柳沢伯夫君) 日本長期信用銀行に対して従前のスキームで投入された資金、これは一部は優先株という形式をとり、一部は劣後ローンという形式をとったかと記憶いたしておりますが、これらが最終的にどうなるかということについては、今後いろいろな資産の精査をしていく過程でなければ最終的なことはなかなか言い得ないということでございます。それぞれの財産の性格に応じてその弁済というか充当を受ける優先度合いというものが精密に決まってくる、こういう方向性のもとに置かれているというふうに存じます。  しかし、大まかに言って、余り先入見を言うのはいかがかと思うんですけれども、今の資産と負債の状況からいたしますと長期信用銀行は債務超過の状況にあるということでございますから、これを基礎に考えると、特に株式の形態をとったようなものについてはなかなか返済の充当をいただけるといったようなことは考えにくいと言わざるを得ない、このように考えております。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 はっきりお答えいただいた方がいいんですよね。  優先株千三百億円、劣後ローンが四百六十六億円。劣後ローンは別として、優先株千三百億円、これは返ってこないんじゃないですか。いかがですか。

柳沢伯夫自由民主党国土庁長官

○国務大臣(柳沢伯夫君) 現在の私どもがつかんでいる限りの資産、負債のバランスからいったら、返ってこないということで理解をし、今後を考えていった方がいい、このように存じます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 政府は三月の時点で、長期信用銀行は債務超過ではない、総理はそういう報告を受けていない、こう言いながら千七百六十六億円の国民の貴重な税金を突っ込んだんですよ。だれが責任をとるんですか、どなたが責任をとるんですか、これは。お答えください、総理。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 前国会におきましてこの問題は私がお答えを申し上げておりましたので、引き続きそうさせていただきたいと思います。  三月に、いわゆる佐々波委員会におきまして、各行に対して公的資金の投入がございました。このときには、当時も申し上げておりますが、我が国の金融システムが国際的に非常な危機にございまして、いわゆるジャパン・プレミアムというのは〇・七ぐらいまで上昇して、しかもとれない銀行が多いというような状況でございました。これをやはり何としても打開しなければならないというところから、法律を御制定願いまして資金注入が行われました。その段階におきまして、三月でございますが、預金保険機構の緊急委員会は、長銀にもこれは問題のない銀行としてただいまお説のような優先株と劣後ローンの注入を行ったわけでございます。  問題は、したがいまして、当時の佐々波委員会における判断が正しかったか正しくなかったかということになってまいりますが、佐々波委員長以下、その後、前回の国会におきまして、判断は間違っていなかったと思うということを申しておられます。また、その時点において長銀が非常な不良的な要素を持っておった銀行であったかどうかは、事実に徴しますと、実は佐々波委員会の判断は間違っていなかったのではないか。  と申しますのは、その後、日を追いまして長銀をめぐる風説が高まります。そして、五月でございましたか、そういう印刷物も出たりいたしまして、株は暴落を続ける、長銀債の新規募集は困難になる、旧債のロールオーバーも難しい、まさに風説のアタックするところとなって長銀は沈んでまいります。その間、これをめぐりまして国会でいろいろな御議論があり、いろいろな問答がございました。  そういう中で長銀は、事実上もう自分の運命はないと考えましたから、いわば自分の運命はないものとして住友信託銀行との合併を試みた。これは吸収合併でございます。そのこと自身はまた恐らく間違っていなかったのでありますけれども、たまたまその合併条件の中に、幾つかの融資先についていわば母体行としての責任を負うと申しますか、そういう部分がございまして、これは納税者の負担において救済をするのであるという国会の御批判が高まりました。それによっていよいよ長銀というものは合併すら困難な状況に追い込まれた。  それらの期間を通じまして、長銀は債務超過ではないかという御質問は何度もございました。それに対して金融監督庁長官は、これは三月時点のことでおっしゃっておられますけれども、債務超過と考える理由はないという答弁を何度かしておられます。しかし、その後、いわゆる長銀の合併をめぐりまして、デュープロセス等々の問題の中で監督庁が三月の時点を超えて長銀の監査をなさるに至ったわけでございますが、その監査の結果は国会の会期の中では監督庁長官からお話がございませんでしたけれども、しかし最終的に長銀が三十七条の申請をしたときに、監督庁としては長銀に株式等々の問題もあって債務超過の状態があると判断をされたというふうに私は了解をいたしております。  したがいまして、佐々波委員会が三月時点でなされました判断そのものは私は誤っていなかったと考えます。それによって、しかも日本をめぐる国際的な、あるいは国内的な金融のシステミックリスクというものは一応回避をされたという意味での目的を達したものと考えます。  そこで、しかし、おっしゃいますように、今、柳沢長官の御答弁によりますと、少なくとも優先株に関する部分は、これから株価算定委員会の問題もございますのでしょうが、預金保険機構が持っておられると思いますが、その株式の将来については非常に危惧があるとおっしゃいまして、恐らくそうであるかと思います。その点は、預金保険機構の緊急委員会でそういう判断をされたこと、並びにその判断について誤りがないと考えると私自身が答弁をいたしておりますけれども、私自身の判断が結果として誤っておったということはおわびをいたさなければなりません。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 そうしますと、大蔵大臣、やはり佐々波委員会の議事録を公開してもらわないと内容がよくわからない。  今、大蔵大臣がお答えになりましたけれども、二十一日に、当時の、今もそうでしょうけれども、預金保険機構の松田理事長が、日本長期信用銀行については大蔵省──これは大蔵省と日銀を批判しておるんじゃないかと思うんですが、大蔵省や日銀の資料に基づいて審査したが、資料にさしたる問題点の指摘はなかった、こう述べておるわけです。佐々波委員会としては、大蔵省や日銀が提出した資料で審査をした、こう言っておるわけですよ。その審査をした結果、問題はなかった、こう言っておるわけです。佐々波委員会が適正な判断ができる資料を大蔵省も日銀も提出しなかったんじゃないですか。ですからこういうことを言っておるわけですよ。 しかも、委員の中のメンバーは、委員会には審査のための機能、組織はなく、行政との連絡が十分機能していなかったと。  これを見ますと、責任のなすり合いですよ、長銀問題をうやむやにする。だれが責任とるんですか。風聞ですか、風説ですか。いわゆる佐々波委員会も責任ない。大蔵省も日銀も知らぬ。千七百六十六億円はだれが使ったんですか。だれが許可をしたんですか。だれが責任とるんですか、この責任は。これはっきりしてもらわないと、今この時期、中小企業だって貸し渋りで大変な思いをしておる中で、千七百億円もの税金が責任者もなくぱあっと消えてしまった。だれが責任とるんですか。国民は怒りますよ、これ。きちっとした答弁をしてください。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 佐々波委員会の最終会合のときには私は既に大蔵大臣になっておりまして、その会議に臨んだ記憶がございますけれども、その際、当時の三月の記録を今後どうすべきかということについて御議論がありまして、一定の時間を経た後にこれは公表すべきであるという決定であったと思います。と同時に、それはフルな記録であって、概要については別途もう少し省略された形で比較的早く公表しよう、こういう御決定であったと、やや記憶が不鮮明ですが思います。  それから、当時、同じくその時点で、三月の決定が適正であったかなかったかという御議論がございまして、委員の皆さんが決定そのものに誤りはなかったという御意見でございました。ただし、少数意見として、あのときに非常に短時間で決定をしなければならなかった、そのことには問題があったかもしれない。やむを得なかっただろうが、問題は短時間でしなければならなかったということの御指摘はあったように思います。  したがいまして、佐々波委員会の当時の記録は、これはどなたか政府委員が正確に覚えておられるかもしれません、将来ある時点において公表されることが決定されておると思います。  それからもう一つ、公的資本の注入は佐々波委員会の決定でありましたが、これはたしか閣議決定をいたしております。したがって、政府はそのことに対して責任を持っております。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 改めてお伺いしますけれども、長銀は金融機関として適切な経営を行ってきたけれども破綻をした、不可抗力だったのか、それともバブル期に放漫な経営、ずさんな経営があって破綻に至ったのか、政府としての見解をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとそれは私から正確に申し上げられませんが、もし監督庁長官におかれまして御見解がありましたら、御答弁願いましょうか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。  定性的な分析はちょっと客観性に欠けることがあるかもしれませんので、定量的に私どもが検査をさせていただいた結果に基づいて申し上げさせていただきたいと存じます。  結局、大手十九行に対する検査をやらせていただきまして、その一環としてこの長銀の検査をさせていただきましたのですが、本年三月末現在は、いわゆる第Ⅳ分類が千三百七十三億円ございました。これは自己査定にはございませんでした。それから、第Ⅲ分類は一兆一千二百五十四億円ございました。これは、自己査定は四千四百四十五億円でございますので、六千八百八億円査定に誤りがあったといいますか、私どもの見た査定とそれから自己査定との間に乖離がございまして、総資産は、合計で二十六兆一千九百億円ですが、自己資本の状況は当時七千八百七十一億円でございましたが、今申し上げましたように分類に乖離がございますので、追加して償却引き当てをすべき分として二千七百四十七億円ございましたので、三月末現在での自己資本額が五千百二十四億円に実際は減っていたということが認められたわけでございます。そのほか、有価証券の含み損益が千六百八十四億円ございましたので、差し引きいたしましても、本年三月末現在では、かねてから私どもが御答弁申し上げておりましたように債務超過ではございませんでした。  しかし、その後、九月末現在まで調べさせていただきました。これはいろいろ情勢がさまざまに変化してまいりまして、その結果は、結局、第Ⅳ分類が五千二百億円に増加いたしまして、第Ⅲ分類は八千億円でございましたが、総資産が三月末現在では二十六兆円だったところが二十四兆円、二兆円減っております。自己資本の方も、そういった後発事象を加味いたしましたところ千六百億円に減じたわけでございます。  三月末現在の自己資本額が七千八百七十一億円あったところが、追加償却引き当てをすべきところでまだ依然として五千百二十四億円ございましたのに、わずか半年余りの間にそれが千六百億円に減じたということは、本来償却すべきであった債権を償却しないで、不良債権として本来は償却すべきであったところを健全な債権のように見せかけていた、というとちょっと表現が余り適切かどうかよくわかりませんが、とにかくそういったことで、結局表と実際とがかなり食い違っていたという実情があったところもあったのではないかと思います。  したがいまして、有価証券の含み損益五千億円を加味いたしますと、バランスシート上は九月末現在でも決して債務超過ではございませんでしたけれども、有価証券の含み損益を加えますと五千億円ございます。これは結局、有価証券の含み損益がなぜこれだけふえたかということは、もう御案内のとおり株式市場の下落、最近はかなり持ち直しつつありますけれども、恐らくこの九月末現在では相当株式市場が下落しておりまして、その含み損益も評価すると結局債務超過に陥ったというのが実情でございます。  以上でございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 いろいろ数字を並べられましたけれども、結局長銀の粉飾決算を見抜けなかったんですね。そういうことでしょう。  ずさんな経営をした長銀の旧経営陣に対しての刑事上、民事上の責任の追及について、責任を問われるべきでありますけれども、昨日、衆議院の委員会で旧経営陣の頭取を経験された方が退職金を返還するというような話になったようでありますが、それだけでは足りない。結果として民間の企業が倒産をする、あるいは会社更生法をする場合には、経営者の預金どころか、家も財産もすべてなげうってやるわけですよ。  私はもうこれ以上申し上げませんが、きちっと責任はどなたかとっていただかなきゃ困る。国民は承知しませんよ。そして、やはり旧経営陣は、これは民間会社でいうところの会社更生法、倒産ですから、身ぐるみはげとは言いませんが、世間常識的に民間の企業が倒産をしたときの対応で旧経営陣は責任をとるべきだと思いますし、とらせるべきだと私は思います。そういった方向をぜひとっていただきたい。金融監督庁長官にぜひお願いをしておきたいと思いますし、小渕総理、そういった意味でぜひ責任を明らかにしていただきたい。  あわせて、私は、八月に小渕総理がちょうどこの長銀と住友信託銀行の合併問題を話されているときにも、一民間企業の合併の問題に内閣総理大臣が官邸まで民間企業の社長を呼んで合併話をさせる、こういったことはいかがなものか。しかも、結果として長銀は破綻して、住友信託との合併は御破算になりました。この政治責任も私は問われるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 特別公的管理銀行である長銀が、金融再生法第五十条によりまして、その取締役またはこれらの者であった者等の民事上の責任を履行させるために訴えの提起その他必要な措置をとらなければならないこととされており、またその取締役及び監査役は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発することを義務づけられております。  このため、長銀におきましては、外部の弁護士を委員として構成する調査委員会を早急に設置し、調査を実施していくものと承知をいたしております。旧経営陣の民事、刑事上の責任追及につきましては、このような仕組みを通じて厳格かつ適切に行われていくものと考えておりますが、昨日、衆議院の予算委員会におきまして、現頭取が参られました。この現頭取といたしましては、この責任追及その他につきましても、与えられた責務は十分遂行していくという強い決意を申されましたので、私はそれを信頼してまいりたいと思っております。  最後に、段々の過程の中におきまして、長銀と住友信託の合併問題につきまして私自身が関与したということでございました。私といたしましては、長銀の持つ大きな社会的責任あるいは経済的な力、こういうものを観察いたしますと、この長銀が、当時、金融監督庁長官の報告によりますれば、極めて厳しいリストラ策を打ち出した、こういうことでありまして、そのことでもし住友信託と合併という形におきましてともに生きていくという対応がとることができるとすれば、日本の金融システムもまたこれは安定するものではないかという気持ちを込めてそうした対応をしたわけでございますが、その後の経過は、残念ながら、新しい金融再生法によりまして特別の管理銀行として対応せざるを得なくなったという現在を考えますと、そうした御批判も、委員御指摘の点もあろうかと思いますが、私の当時の気持ちとしては、何とかこの長銀がそうして本当に身をきれいにして、新しい姿勢で合併によって対応が整えられるということであればということで申し上げたことでございまして、その当時の環境でありましたことをぜひ委員におかれましても御理解いただければありがたいと思っておる次第でございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 先ほど金融監督庁長官のお話もありました。推移を見守って、また次の機会に長銀問題については質問をさせていただきます。  次に移ります。  この長銀の資本注入をした三月に、大手金融機関を中心に二十一行に一兆八千億円の資金投入をしたわけですけれども、この資金はどこから調達をしたんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 本年三月に、措置法の規定に基づきまして預金保険機構から資金の注入をいたしましたが、預金保険機構におきまして、日本銀行から一兆三千四百六十一億円、民間金融機関から四千七百二十億円、計一兆八千百八十一億円の借り入れを預金保険機構がいたしております。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 民間の金融機関に資本注入するお金を民間の金融機関から調達する。ちょっと理解できないんですが、金融安定化法による十三兆円の枠があったわけです。しかも、交付国債で三兆円があったわけですけれども、これはどうして使わなかったんですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この段階では、金融の問題でございまして、預金保険機構に損失が生ずるという状況ではございませんから、したがいまして預金保険機構におきまして自己の責任において金融を受けそれを投入した。この借入金についても利子を払っておりますし、投入につきましても利子を徴しておるわけでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 三月に民間から五千億、日銀から一兆二千億、この夏にはそれが逆転しましたね。民間から一兆二千億そして日銀から五千億。民間企業といいましても大体地方銀行ですね、大手じゃなくて。地方銀行、第二地銀から一兆二千億円もの巨費を借りておるわけです。  先ほどの話の続きじゃありませんが、民間の金融機関、特に地方銀行は中小企業相手の融資です。その中小企業相手の融資をする民間銀行から政府が一兆二千億もの巨額な金を借り上げて、そして民間銀行へ投入する。しかも、どうせ金利を払うわけですから、日銀から借りるのと民間金融機関から借りるのとの金利の差があるはずですが、貸し渋りが起こっておる状態の中でどうして民間の金融機関から資金を吸い上げますか。ちょっと理解できない。御説明いただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これはいつまで私がお答えをすべきかわかりませんけれども、おっしゃいましたように先ほど日本銀行から最初一兆三千四百六十一億円借りましたが、八月にこの借りかえを行っておりまして、民間金融機関から七千六百十七億円借りかえました。  これはこういう事情と思います。日銀としてもとより金利を取っておるわけでございますから貸すことに問題はないんだと思いますけれども、実情を申しますと、民間金融機関もコールの金は実はかなり潤沢であるわけでございますね。実態はコールは出したいんだけれども信用のあるところにしか出したくないというような現状がございます。それは御承知のとおりです。ですから、民間でも入札をしますと金を出したいところは幾らもあるわけでございます。そうだとすれば、なるべく日銀からの借り入れを減らして民間のそういう取引にしておいた方がいい、それは自然の考えだと思いますので、まことに矛盾したようなことを申し上げるのですが、片一方で貸し渋りという事態がありながら片一方で確かな先なら貸して金利を稼ぎたいという状況が併存しておりまして、そういう意味で民間の借り入れに移しておるというのが実情だというふうに承知しております。  なお、また要すればもっと詳しい方からお答えをしていただきます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 大蔵省、中小企業向けの貸出残高について、直近の資料でお答えいただきたいと思います。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) これはこれからの貸し出しでございますが、十一月に私どもがヒアリングを行いました。これは主要十八行の国内向けの貸出残高で、ユーロ円の貸し出しなどを除いております。また、どういう観点からこれをやったかということは、一つは最近の中小企業向けの貸し渋りがあるのではないかといった御批判、それからいずれ健全化法に基づきまして資本注入が行われる際の特に大事な点として中小企業向けの貸し出しを見ていくといったようなこともございますので、そういった観点からヒアリングを行ったわけでございます。  対前期比、これは上期でございますが、〇・七%増、それから対前年比では二・五%増ということでございます。これはこれからの計画でございます。しかし、実際問題として恐らくこれが実行されるということになるのではないかと期待しております。このうち中小向けの貸し出しは、これは残高で言いますと対前期比で〇・九%増、それから対前年比で一・一%増ということになっております。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 質問と答えがちょっと違うようですね。私がお聞きしておるのは中小企業向けの貸出残高。資料がありますね。日銀が出しておるんですよ。答えてください、これ。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) これは十八行だけで調べているわけでございますが、中小企業向けの貸出残高は、都銀合計では百五十三兆二千二百七十九億円でございます。それから、長信銀は十二兆六千九十七億円、信託で二十一兆七千五百三十七億円といったところでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 違う。ここに日本銀行が出しておる資料があるんですよ。ちゃんと答えなさい。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 質問に的確にお答えをいただきたいと存じます。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 今のところ日銀の資料をちょっと手元に持ち合わせておりませんで、これは私どもが独自にヒアリングした結果を今御報告させていただいたところでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 私の方から言います。  昨年の十二月、中小企業向けの貸出残高は三百五十五兆、トータルで。ことしの六月、三百四十三兆。去年の十二月からことしの六月までに貸し渋りで十二兆も減っておるんですよ。貸出残高が減っておるんです。ふえていると言いますが、減っておるじゃないですか、十二兆も。どういうことですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 過去の実態はたしかにおっしゃるとおりでございます。  そこで、私どもといたしましては、こういった減っておってはいかぬのじゃないかという観点からヒアリングを行いました結果、これからはそういったことでなしに貸し出しを増加するように努めますということで、先ほど申し上げましたように、それぞれプラスの貸出計画を現在持っておりますので、これに期待しておるところでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 大蔵大臣、お聞きのように十二兆も少なくなっておるんですよ。ですから、先ほど言いましたように地方銀行から金を借りる。やはり信用がある国に貸した方が危険度が少ないから、それは当たり前のことですよ。でも、それをやればこうやって中小企業向けの貸し出しが減ってくるわけです。やっぱり貸し渋りは起こるんです。ですから、その辺のところはもう少ししっかり考えて、次の資本投入には余り民間から金を借りないというようなことをぜひ約束していただきたいと思うんですが、金融監督庁長官、いかがですか。

柳沢伯夫自由民主党国土庁長官

○国務大臣(柳沢伯夫君) 私は今、金融監督庁長官ではなくて、金融再生委員会ができるまでの間、総理がその代行をされておるその補佐役ということでございます。  今の平田委員のお話でございますけれども、これは、さきに宮澤蔵相がお答えになられたように、一般的に資金の流れというのは地方銀行の方が貯貸率が非常に低い、一般に都市銀行の方に資金需要が多くて貯貸率が高いということになっておりますので、一般論として言えば資金というのはどうしても地方から中央に流れる、こういう傾向があります。そのチャンネルとしては、先ほど大蔵大臣がお答えになられたコールというようなものが大きなチャンネルでございましたけれども、最近はこのコール市場についても信用が云々されてなかなかこれがうまく疎通していないというようなこともあります。  そんなこともありまして、地方の銀行としてはそうした国、信用のある貸付先があればそこにいわば資金を供給したいというようなことも一つの経済の流れとしてはこれは完全に否定することもなかなかできない、こういうことであろうかと思います。  しかし他方、地方で大変資金需要がありながら融資が受けられなくて困っている方もいらっしゃる、これにどのように資金を流していくか。これはもう一つの政府の政策課題でございますので、これについては別途の措置を講じていろいろやってまいりたい、このように考えているわけであります。  そこで、私どもの資本増強のための資金調達をどうすべきかということについては、おかげさまをもちましてこの早期健全化法では非常に多様な資金調達の手段を与えられております。したがって、先生の今おっしゃったことも、これは完全に履行する、民間からは全く調達しないとまでは私言う立場にございません。これはいろんなことを念頭に置いて、その調達の都度、ベストの選択をさせていただきたいということでお答えにさせていただきたい、このように存じます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 雇用情勢についてお尋ねいたします。  現在の雇用情勢をどの程度政府は危機感を持ってとらえておるのか、お尋ねいたします。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) お答えいたします。  十月の時点で失業率が四・三%、有効求人倍率が〇・四八、いずれも過去最悪の数値を更新ないし継続をしております。特に昨今の失業率の拡大は、自己都合でない非自発的な失業、つまり会社の都合による失業が拡大しております。これも非常に深刻に受けとめておるというところでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 今回の補正の中で緊急雇用創出特別基金を創設する、六百億円でということですが、これは失業率が全国で五・二%、一地域で五・七%にならないと発動しないということですけれども、五・二、五・七という数字はどこから出たんでしょうか。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) この数字の算定の根拠でありますけれども、全国要件に関しまして、本年度の完全失業率の政府見通し、これは改定後でありますが、これを一%上回った場合ということを想定しておりまして、ブロックはさらに〇・五乗せたということを基準値として置いております。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 私は、今四・三%の失業率というのは大変な状態だと思います。我が国では経験したことのない数字ですね。なのに、さらにこれに一%上乗せしなければそういった特別対策を打たないというのはちょっと理解に苦しむんですが、いかがでしょうか。今すぐやるべきですが。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) 先生御案内のとおり、この基金は、従来ある制度にある一定の部分を上乗せしてセーフティーネットとして設定をしているわけです。つまり、現在も特定求職者雇用開発助成金というのがありまして、これは要件緩和をしまして、四十五歳以上の失業者を職安を通じて採用した企業に対しては最大三分の一の賃金助成がある。これにこの基金の発動要件を上乗せいたしまして、その中でも非自発的な失業者については一人当たり三十万円の金をその企業に支給しますよということにしてあります。  ですから、その安全ネットをさらに後方にしっかり張ったということととらえておりまして、これが実際頻繁に発動されるような状況になる前にいろんな手を講じているわけでありまして、安心のネットがもう一重重なったということで考えております。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 最後に総理、今四・三%、数字ではそうですけれども、実際にはもう一年以上にわたって一家の大黒柱で失業の状態が続いているという方が徐々にふえてきております。やっぱり生活という面では大変深刻な状況です。ですから、さらに一%失業率がふえないとこういう措置は発動しないんじゃなくて、私は今が一番大変な時期と思いますので、こういった時期にこそ本当の意味での対策を打っていただきたいと思います。やっぱり先送り先送りですよ。早目に出すということをぜひ実行していただきたいと思いますが、最後に総理の御見解をお聞きして、終わりたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 委員の御指摘される趣旨は十分承知をいたしておりますが、労働大臣が今御答弁申し上げましたように、二重のセーフティーネットを張るということの安心感の中で、それぞれの企業自体も努力をしていただかなきゃならぬと思っておりますが、実態的には御指摘のように大変厳しい失業率でございます。我々といたしましては、そうしたことが起こり得ませんような全般的な経済政策を打ち出して、その効果をできる限り早く呼び起こしてこうした失業率を低下させていかなければならぬ、こういう決意でおるわけでございますが、改めて労働大臣が今申されましたような趣旨で、安全な対策を講じて、安心していけるような、この政策自体もこれまた効果があるものと認識をいたしておるわけでございます。

平田健二民主党・新緑風会

○平田健二君 終わります。  ありがとうございました。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で江田五月君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、石川弘君の質疑を行います。石川弘君。

石川弘自由民主党

○石川弘君 自由民主党の石川でございます。  補正予算の審議でございますので、その点を中心にして御質問したいと思っております。  実は、補正予算というのはいろいろありますけれども、経済対策というような形の補正予算というのは必ずしも毎年あるわけではございません。たまたま平成五年、宮澤内閣のときでございますが、補正予算で私この場で質問をさせていただきました。  補正予算の場合は、当然のことながら当初で予算を組んでいる、しかし、その後の経済情勢の変化に応じて適切に財政を執行していくという面で、当初と変わった状況に応じた、いわば経済情勢に対応する予算を編成していくわけでございますので、当然今はどんな経済情勢なのかというのが事柄の始まりでございます。  先ほど委員の方からのお話の中で、たまたまこれは衆議院での予算委員会質疑で既に、現状分析の中で、変化の胎動という言葉を使われておりましたけれども、昨日の月例経済報告の中でも、これは底を打ったんだという兆しだとか、いろんな意味での文面が出ております。これも見方一つで非常に変わった見方がある、いい面も悪い面もあるけれども悪い方がむしろ多いんだよという言い方だとか。これを一通り全部見させていただくと、この問題が真に分析することがいかに困難な問題なのかということをむしろわからせるために書いてくれたんではないかと思うような記事がございました。  私は、率直に言いまして、平成五年以来の補正の理由みたいなところをずっと読んでみますと、経済活性化とか、そういう言い方一本で済ませるようなときもありますし、それから、たしか平成七年ですか、円高不況ということで、事柄の原因を円高ということに始まる不況に絞り込んでいる場合とか。そういう面では、今回の補正というのは、補正予算の中でも、金融収縮からいかに守るかというところから始まって、社会資本の整備の話からあるいは労働対策というふうに、従来の経済対策の中のこの種の表現とは、非常にバラエティーに富んだ形になっております。  そういう意味で、まず第一に企画庁長官から、そういう意味での現状というものを御説明いただきたいと思いますし、衆議院では図を使って御説明をいただいておりますので、私もテレビでは拝見しておりますが、そういう形ででもひとつわかるようにしていただきたいと思っております。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 衆議院でもお示しさせていただきました図がこれでございますけれども、(図表掲示)現在の不況というのはどこから始まっているかということを考えますと、やはりバブル崩壊以来のこの金融問題が最初でございました。  そして、ここで金融収縮が起こりまして、大体バブルの前にはGDPに対しまして金融貸出総残高が七〇%ぐらいだったんです。それがバブルの頂点のときには一一〇%ぐらいまで上がりました。それがここで担保価値が下がったこともございまして急収縮をいたしました。その結果、企業としては設備投資を抑えなきゃいけない、リストラをやらなきゃいけない。それで、このことが一つは従業員に不安を与えましたし、売り上げ、需要を減少させました。そして、そのことがまた利潤の低下となり、一般企業の経営不安になり、経営不安だから、財産が減ったからまた信用収縮になる。こういう企業の環と、それから、このことから始まりました雇用収縮あるいは所得の減少、そういったことが雇用不安を呼んで消費が縮小しまして、また悪循環。この企業の部分と個人の部分と二つの収縮が起こったわけでございます。  それで、八回にもわたりまして対策を打ったわけですが、この金融収縮が、大体GDPで一〇%程度進んでおります、貸し出しの減少が。ここでバケツの穴があいたようになっていたものですから、一生懸命政府は対策で水を注いだんですけれども、ある程度の効果はございました、下支え効果はございましたけれども、景気を本格的に立ち直すのには力不足だった。  それで、今回のこの緊急経済対策では、まずさきの国会でお決めいただきました金融対策でこの不安の環を切る、そして今度の経済対策の中で需要拡大をして需要不足の環を切る、それからもう一つは、非常に大きな雇用対策、これは失業率が上がっているということもありますが、それ以外にも紹介、訓練等のこともございまして、この三つの環を切ることによって経済状態を回復させよう、こういう手を今打っているというところでございます。  その点、従来の経済対策は専ら需要不足に着目していたのを、三つのポイントに着目したのが大きく変わったところだと考えております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 そういう説明をしていただきますと、私もこれからの質問がしやすいものでございますから。  先ほど平成五年の補正のときのお話をいたしました、質問いたしましたけれども、私も、この表をつくってもらって見ていますと、あれから五年で大変いろんなことがあったんだなということを実は実感しております。  平成五年は六月八日に補正。これは、本予算が三月三十一日に通っておりますから比較的早い時期ですが、事業規模で十三兆、予算規模で二兆三千億でございます。このときは、経済指標を見ますと、対前四半期、状態が悪い方へ行っているかどうかという意味で前の期と比べてみましても、まだプラスなんです。〇・四という大変低いけれども、プラスの数字なんです。株価を見ましても一万九千六百円台、為替も百七円、失業率二・五。これでも何かやらなきゃいかぬという意味でなさった時期。このころは御承知のように経済の話よりも政治改革の話が朝から晩まで、こればかりみたいな時代でございました。  それから、内閣がかわります。二次が細川内閣のときで、それからわずか六カ月後、十二月十五日。このときのうたい文句は、生活者、消費者の視点に立った社会資本整備。これはどちらかというと、公共投資の話を名前を変えてというか、向きを変えるというような感じですが、このときは指標で言うと既にマイナスが出てマイナス〇・一。それでも株価一万七千円台、円百九円、しかし失業率は二・八と上がってきております。  それから三次の補正。細川内閣でございますが、その次の年の二月二十三日に行われておりますけれども、これは事業規模で十五兆三千億、予算規模で二兆二千億、それからそのほかに減税がこのときにありまして、五兆九千億の減税があります。    〔委員長退席、理事鴻池祥肇君着席〕  このときも経済指標は対前四半期別で言うとマイナス〇・二。これは、マイナスが出てきてこういうことをしなきゃいかぬと。それでも株価は一万九千円台、それから為替が百六円で、しかしこれから先ずっと失業率だけは上がってくるんですが、二・九。  それから六年は、御承知のように予算が通ったのが六月ごろでございます。これは三月に通らずに六月ごろにやっと通った。だから、このときは要するに補正はございませんけれども、株価も二万円台とか、円も百七円。  このあたりから少しずつ変わってくるんです。私、この数字を見て実はびっくりしたんですが、その次の年、村山内閣の一次補正は五月にやっておりますけれども、円高不況が吹き荒れたときです。これでも指標的に見ると、円高対策でむしろ経済的には一・七ぐらいGDPが上がっているんですけれども、株価は実は一万五千円台になりまして、円は八十五円。今になってみますと、そんな八十五円なんというのがついこの間あったのかなと思うんですが、八十五円。それでまた、失業率だけはさっき申しましたようにずっと上がってきて三・一。  それから二次。村山内閣のときは十月十八日にその年はやっておりますが、景気回復を確実にするため思い切った内需拡大ということでやっていただいた。  そういうことから、実は平成八年、橋本内閣が始まったときは、むしろ経済指標もプラスだし、株価も二万二千円近く、円高もおさまって百六円ぐらいまで回復してきている。それでも失業率だけは三・四と上がっている。それで御承知のような九年、十年と、こう来るわけでございます。  私は、先ほど長官のお話の中で、あるいは新聞の記事でいろんな書き方をするときに、非常に短期的に今どうだこうだという話がある。これは間違いないことなので、それをどう見るかということについていろいろ御批判、見解があるんだけれども、非常に短期的な視野でそれを見ることもなぜ大切かというと、九年とか十年のターニングポイントを間違ったんじゃないかという議論が大変多うございましたから、短期的な経済変動をどう見るかということも大事なんだけれども、これをずっと見ておりますと、実は株価を見たって為替を見たって物すごい変動をしている。しかし、一つ失業率だけはずっと上がってきている。その後ろ側に何があったかというと、例のバブルとかそういうもので経済構造がだんだん痛めつけられてきていたんだなと思うわけです。  そこで、これは企画庁長官に伺った後、総理にもお答えいただきたいんですが、総理は今度の小渕内閣の性格を、こうやってきた日本の国の経済構造を転換させて今度は上向きに転ずるようなそういう方向へ持っていくんだということでいろいろお考えになって、その線上で今回のこの補正をお考えになった。  今度の補正は、先ほど長官もおっしゃったように、公共事業をどう継ぎ足したとか、需要創出でございますね、そういうことじゃなくて、今度の補正の第一は金融システムの安定化・信用収縮対策というところに大きな柱が実はある。その次に、二十一世紀型社会の構築に資する景気回復策という柱の中に社会資本の重点的な整備、それから例の地域振興券も実はここへ入っている。それから住宅投資の促進、それに雇用対策というのがまたこの中の大きな柱になる。そしてもう一つ、これは特に今回のいろんな不況がアジアの問題にも絡むということで、世界経済リスクへの対応というようなことでアジア対策と。そういう意味では、長いことこういうことをやっていましても、この補正の姿としては大変いろんな角度の予算になっている。  このことは私は大変すぐれていることだと思っておりまして、長官は先ほどもそういう意味のお答えをなさったけれども、今回の予算はそういう趣旨で私は大いに、中身がいいとか悪いとかというような言い方じゃなしに、そういう今回の経済事態に対応したものだとお考えになっていると思うんですが、いかがでございましょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 大変私たちの小渕内閣の気持ちをよく御理解いただいておると感謝しております。  今回、補正予算を組むに当たりまして、まず、経済の現状を見て、先ほど申しましたような不況の環を断たなきゃいけないということを感じました。  その目標として、まず、平成十一年度は必ずはっきりプラス成長にする。三年連続のマイナス成長にはしない。そして二番目には、失業率をそう大きくふやさない。幾らかはふえるのはやむを得ないと思いますが、大きくふやさない。それから、国際協調に努めて、経済摩擦を引き起こさない。こういう前提を立てまして、そしてその中で、即効性のある社会資本の充実、波及性のあるもの、そして未来性のあるプロジェクトをつくろうということで、小渕総理大臣のリーダーシップによりまして未来型のプロジェクトを、バーチャルエージェンシーなんという言葉も総理はお使いになりましたけれども、そういう未来的なプロジェクトをつくって構造改革を同時に進めていく第一歩にしたいと。  こういうシナリオを明確にした点で、従来よりは少し考え方が進んだんじゃないかと自負しているところでございます。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) ただいま石川委員の御質問をされる前提としての過去の経済対策につきましての資料を拝見いたしまして、かつ委員も御指摘ありましたが、私も改めて御指摘をいただきまして、過去、為替も株価もあるいはその他の経済指標はいろいろ変化しておりますが、ひとり失業率が高まっておると。こういう事態、これを見落とすことなくいたさなきゃならぬという御指摘は全くそのとおりだと思っております。  そこで、橋本内閣もいわゆる六大改革の中で経済構造改革ということをうたわれております。日本が大きな世界経済の荒波に処していくために、大競争時代を行くためには、日本の経済構造を本格的に改革していかなければならないということは、これはやらなきゃならぬことだと思います。そういう過程で実はこうした失業率の問題も起こってくる原因の一つではなかろうかという気もしないでもありません。したがいまして、今後新しい企業を起こすということによりまして、大きな産業構造の変革の中でこうした失業率をどうとらえていくかということは十分これを見通していかなきゃならぬという認識を改めて深くいたしたところであります。  さはさりながら、現在の日本経済を一挙にそうした形で変革するということは、これまた失業がふえていく過程で個々の方々のことを考えますと、こうしたことをダイナミックにといいますか、あるいは急速にいたすことは大きな社会的不安も生じかねない。こういうことの中で、何はともあれ現在の経済を活性化することによりまして、不要なとは言いませんけれども、企業が万やむを得ずリストラをしなければならないというようなところにつきましては、企業が成り立つ体制をつくり上げていくということが極めて重要だということで、今回の補正予算につきましてはそのことを前提に考えて対処したわけでございます。  そういう意味で、企画庁長官から今お話がありましたように、従来はとかく公共事業を中心にという形で、その公共事業が起こす経済効果ということに視点を置きこれを中心にいたしてまいりましたが、将来のことも十分見据えながら、いろんな角度から今回の補正予算につきましては注目をしながら対処いたしておるわけでございまして、今日この時点の日本経済を再生させるという意味合いと同時に、二十一世紀に向かっての新しい産業をどう起こしていったらいいかというその萌芽もぜひこの補正予算の中で見出していきたいという考え方でこれを編成させていただいたということでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

石川弘自由民主党

○石川弘君 そういう前提で考えますと、例の月例報告の中で、何が伸びて何が困難でというああいう言い方もいいんですが、ああいう分析の中で必ずこれでうまくいくかどうかわからぬというような書き方をしていますが、そういう面では一番私は気になりますのは、いわば金融収縮、その前にある金融安定。これは、あの二法が通りました、二法が通ったらもうあれで済んだということじゃなくて、あれはもう本当に入り口をつくったわけでございますね。  かつて苦しい経験がありますのは、証券不祥事、それから暴力団対策、政治改革というこの三つがあり、あの政治不信の原因だと言われたときに、証券不祥事はあのとき法制改正がありました。暴対法もつくりました。残っているのは政治改革だというような話があった時分ですが、あの暴対の話なんか、今考えてみますと、つい最近起こっている各種の不祥事は全部あれがまだ残っていて、いろんなことをやっていたんだなと思う。証券不祥事だって、あのとき対策をつくったけれども、やってみたら出てくるわ出てくるわ、もう限りなく出てくる。  そうなりますと、今度の補正は、金目が多い少ないというようなこともさることながら、その大前提になっている金融安定ということがどうなるかによってその見方はもうまるっきり違ってくる。そこがぐらぐらしていますと、少しぐらい金をつぎ込んだってどこへ行くかわからないというような話になりかねないので、私は金融システム安定ということ、これは前国会で法律もできた、それから現に資本注入も始まっている、そういうことをどう今認識するかというのがとても大事なことだと思っているんです。  そこで、まず資本注入の話からお聞きしますけれども、かなりの金額、当時みんなあっと驚くぐらいの金額を積んで、それから横並び一線はだめよ、本当に個性を持ってやりなさいよとやった。しかし、これは貸し渋り云々という話より前に、本当に金融システムを安定させるためにというような感覚でやってきたわけですけれども、あれは現状をどう理解したらよいでしょうか。    〔理事鴻池祥肇君退席、委員長着席〕  要するに少ないと言う人もいるし、あんなのにやっちゃだめだと言う人もいるし、今の御議論の中にもむだ金にしちゃいかぬよ、国民の税金だよというような御批判もある。しかし、あれじゃなかなか安定しないんじゃないかという話もあるわけですが、その点、担当大臣、いかがお考えですか。

柳沢伯夫自由民主党国土庁長官

○国務大臣(柳沢伯夫君) 資本増強その他の金融安定化措置、特に最近とられた金融安定化措置というものが本当に私どもの経済の基盤であるところの金融を健全、安定なものにし得るかということでございます。  まず、私が担当を命ぜられまして一番心がけましたのは、何といってもバランスシート。バランスシートの信頼性というものを確固たるものにしなければすべてはこれは水泡に帰してしまう、このように考えておりまして、資産の分類、それからその分類に応じた危険度に応ずるいわば評価とその評価に基づく引き当て、これを完全にやってもらいたい、こういうことを今強く私は金融機関の皆さんにお願いをいたしております。  表面上は、先般発出させていただいた告示でございますけれども、告示においては、公認会計士協会の実務指針でやってください、こういうふうに本文は書きました。ただし、次の三月、平成十一年三月の決算期においては、我が方で先般検査をさせていただいた十八行の資料に基づいて、分類の仕方に応じた必要な引当率というものを実態を踏まえて我々の方は定量的に出させてもらう。もちろんそれを強制するというわけではない。アメリカのように指針として与えて、挙証責任を転換して、もしそれよりも低い引当率でいいと言うんだったら、あなたの方でなぜ低くていいかということを挙証してくださいと。こういうような仕組みに、まだ確定的ではありませんが、多分したい、このように考えておりまして、まずバランスシートに対する内外の信頼というものをきちっとしたものにしよう。  そうなりますと、必ず資本が減耗しまして過少資本になってくる、そこで資本の注入というものを行おうというのがこの資本増強の趣旨なのでございますけれども、これも、さあ資本は増強した、自己資本比率が上がった、だからもっと貸し出し余力が出てきて貸し出しがいくんだというふうにすっといくかというと、なかなかそういうものではありません。  恐らく石川委員の御質問というのはそのあたりを突いていらっしゃるだろうと思うんですけれども、実際にはこの資本は政府の資本でございますので、いずれは民間金融機関として自立していくためには返済をしなけりゃなりません。また、その期間中我々の方もある程度のコストがかかりますから、これはできるだけ低目にと思って今努力はしておりますけれども、何がしかのコストもフローとしていただかなきゃならない。そういうようなことを考えますと、これをすべて自分の本当の自前の民間から調達した資本と同一視して、いわば与信の基礎にするということが果たして一〇〇%可能かという問題が実はございます。  そこで、我々は考えに考えて、どうしたらこの隘路を打開して本当に日本の金融機関を健全でかつ強いものにしていくことができるかといったら、これはもうリストラ。リストラと言っても二つある。これは今までの既存の自分たちのいろんなむだを省く、経費を省く、そういう現状をできるだけスリムにしていくというリストラと、もっと前向きに本当の収益源、自分たちの収益源を見つけてそこをもっと拡大していく、こういうようなことをしてこの政府から注入された資本を元利ともに返済していくような原資を収益によってつくり出していく、こういう体質のものでなければ困りますよということでございます。もちろんそれは自分だけの銀行でやることもできましょうけれども、しかしもう少し目を広くとって、ぜひほかの銀行と、もしあそこと一緒になれたらもっとダイナミックな事業展開ができるのではないか、こういうようなことも視野に入れて、今回の機会が本当に絶好の機会なんでございますから、よくよく金融機関の経営者の皆さんは考えてくださいということを私どもは現在お願いしているという段階でございます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 まさしくそこが問題点で、健全になればこちらが出した資本も間違いなくちゃんと利息をつけて返してもらえるわけでございますから、私はそういう意味でこの資本注入、今は大手の話を中心になさいましたけれども、地銀、第二地銀、その他の金融機関も徹底的にこれをある意味で本当に活用して、そのチャンスを生かして健全なものになる、そのことが今度問題になっております各種の予算をどうするかというようなことの大前提だと思っています。しかも、このことはある種のスピードが要ると思います。五年先にこうなりましたというのでは間に合わないので、少なくともこの経済再生のための限られた期間の中でそれが実行できるようにぜひ頑張っていただきたいと思います。  私は、先ほど申しましたように、法律が通ったというのは本当に入り口なんですね。それも、考えてみますと通ったのはついこの間なんですね。ですから、これから新しい意味での金融機関の再生ということでぜひ御努力をお願いしたいと思います。  これから先は予算の方に入った金融の問題ですけれども、特に中小企業金融の問題について、単に量をふやしたというのじゃなくて、今度追加なさる性質の資金というのは、やはり危険負担ということも相当お考えになって積まれた。だから、そういう面では、私は特に中小企業の保証の問題とか中堅企業向けの開銀法の改正の問題というのは、本当にある意味では時宜を得たといいますか、ある意味ではこういう形で資金を投入することを企業者は渇望していたと思うんです。  ところが、さっきから御指摘がありますように、せっかくこっちが種をまいているのに、後ろから掘り起こすみたいに変なことをしますと、本当にこれは業界の信用といいますか、そういう話に実は片方でなってきている。  そこで、常にこういう経済対策をやりますと、行政サイドあるいは政治サイドがこうやった、こういうのになるよと言うと、例えば民間の意見が次の日ぐらいに出ます。きょうも衆議院を通った後どうだと言ったら、あれでは不十分でまた追加が要るかもしれぬというような、何か金融機関にしろ企業側にしろ、自分たちがそれで努力するという話ではなくて、足らないものをまた手を出すみたいな話が来るのは見ていて本当に残念なわけです。  ですから、まさしくこの問題は、官とか政治の話もさることながら、民間がこれをどう受けとめてくれるかというのが大変大切なことだと思っていますが、通産大臣、いかがお考えでございますか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 先ほど、平成五年からのいろいろな経済対策のお話がございました。私も先生のお言葉の中でいろいろ指摘されたことを思い出しながら過去を振り返っていたわけでございます。  今回の緊急経済対策は万やむを得ない、やはり経済を再生させるためにやむを得ない補正予算であったと私は思っております。それは、現に日本の社会に存在いたします大きな需給ギャップ、これをどうしても埋めなければならない、そうでなければ日本は深刻なデフレスパイラルに入る。そういう御判断が総理を初め大蔵大臣、経済企画庁長官等におありになったと私は拝察をしております。  そこで、今回の緊急経済対策の一つの大きな柱はやはり金融対策でございます。さきの臨時国会の金融対策というのは専ら金融システムを立て直すためのいろいろな仕組み、仕掛けでございましたけれども、今回の緊急経済対策はやはり中小企業あるいは中堅企業に対する金融対策、とりわけいよいよ年末も迎え、また来年の一―三月には大量の社債の償還時期が来るとかいろいろな事情が重なっております。  我々としては、日本の中小企業は日本の国力の最も源泉をなすものでありますし、雇用者も大変多いし、また大きな力によって守られているわけでもない。そういう中で政府の三金融機関、すなわち国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金等にも十分の資金の枠を用意しまして、そこがやはりまず中小企業金融をやっていただく。また、保証人もない、担保もない、大変窮状にある中小企業の方々が、資金を調達できれば事業を継続できる、雇用も確保できるというような場合、今の一般の金融機関はそういう中小企業に費用を充てるほど力もないし意欲もないし気力もないしという状況では、どうしてもやはり政府あるいは公的な役割というものは大きくならざるを得ないと思っております。  そういう中で、十月一日から特別保証枠二十兆を用意いたしました。これも現在のところ非常によく私は利用されているし、また各県の保証協会は本当に夜を徹して事務処理をやってくださっていると思っております。  ただ、一部の金融機関は、昨日も衆議院の予算委員会に出てまいりましたけれども、これを千載一遇のチャンスとして自分たちの債権をこの際回収してしまおうなんということを考える人がおります。これは大変情けない話でございまして、やはり日本の金融機関は本来持つべき金融機関としての誇りと自信を持って物事を処理していただきたいというのが率直な気持ちでございます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 今回の金融措置の中で、私ども行革の路線からいうと、どちらかというと民間金融がもっと力をつけて、世に言う政府関係金融機関をもう少しスリムにしていくんだという流れでずっときていました。ところが、民間の資金を使うときは保証がなきゃ動かない。政府資金の方は、もしそういうことを言うと、例えば今度の中堅企業向けの開銀融資なんかを考えてみますと、しかも開銀も運転資金まで出していくというようなことになると、例の行革のときに考えていた、また当時の金融界の人が求めていたことは、自分たちが身を小さくして結果的には政府関係金融機関でやらざるを得ぬようにしているんじゃないかという気さえするんです。  他の金融機関が融通することを困難とするとみんな書いてありますね、政府関係金融機関の法律には、目的が。そうなると、そのとおりなんです。こっちが貸してくれなきゃこっちでやらざるを得ないという形になって、法律は暫定的な措置になっていますけれども、私はこのあたりは民間金融機関も相当考えて、今困っているときは危ないものは向こうでやってもらった方がいいなんという話じゃなくて、金融機関みずからがそういうことを本当にできるようにしなきゃいかぬのだと言ってもらわなきゃいかぬのですが、先ほど大臣がおっしゃったように、とんでもない言い方が表へ出ている。  私は、これは何も金融機関だけを責めるというわけにはいかぬのかもしれませんけれども、あのバブル期にみんな少しおかしくなっているんじゃないか。そのおかしさが直りませんと、いろんなことをしてもみんなそういうところで穴があいて、せっかくのことがみんなだめになるという気持ちがしてならぬわけです。  そこで、金融のところの締めくくりみたいに総理にお伺いしたいんですが、総理は前国会での金融再生の法律、あれも大変な制度だと。これもできる。今度、中小あるいは開銀法を改正して、金融の方はある意味では総くくりで、後ろ向きの整理もさることながら前向きのことも相当展開する。そこにもう一つ、御承知のビッグバン的な流れの中で分野調整していますものを外して競争させますから、いろんな意味で、例えば信託の話とかいろんなのが一緒になって入ってきますけれども、一つはビッグバンのときに言っていましたスピードを余り落としちゃいかぬという説と、あれはちょっと、為替の自由化も含めての話になりますけれども、どうも経済がこういう混乱している中でのスピードを考えて本当に適切だったかどうかというような議論があることも事実ですね。そうかといって、ずっとほっておくとますます競争力がなくなるよという話もあります。  まず、大蔵大臣にお伺いしてから、総理にその辺のこともお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、為替の自由化が一見先行した感がありまして、政府の行政もそうでございますが、民間の経済活動もやや意外な感でこれに対応しなきゃならないと。私は、結果としてはそれはよかった、日本があそこをとめましても国際的な流れはとまりませんので、やや慌てたけれども、あそこであの口火を切ってよかったと思っております。  いわゆるビッグバンが不良債務の処理と一緒に来ましたことは、日本の国際的なチャンピオンにならなければならない金融機関にとってまことに不幸なことでありまして、かつてはあそことここぐらいはチャンピオンになってくれるだろうと思ったところが、残念ながらまだそういう選手は出てこないということも事実であります。しかし、だからといってこの流れがとめられたわけではなかったし、むしろ外国の金融機関が入ってきまして消費者と直結し始めましたので、これが刺激になって、日本の金融機関もやむを得ずと申しますか、もう待ったなしというところに来ましたので、ここはもうそれで辛抱してやるしかないだろうと思っております。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 大蔵大臣が既に御答弁したことに尽きると思いますけれども、私は率直に申し上げて、国の三金融機関が本当に発動しなければならないというのはある意味では残念なことじゃないか、民間の金融機関がみずからの力で本当はやはり経済を活性させていかなきゃならぬというのが本来の趣旨ではないかというふうに思っておりますけれども、現下の状況は大変厳しい環境の中にありますために、委員御指摘のように、後ろ向きと言われますけれども、いろいろ金融二法の中で、そういった点もありますけれども、前向きないろいろのことを行うことによって、真にこの資本主義社会の中においての最大の担い手である金融機関がまさに健全化して世界に伍していくということでなきゃならぬと思いますが、ビッグバンとの関係で考えられれば、あるいはこれはもうやむを得ない大きな世界の流れであったと思います。  しかし、これこれに対する対応につきましては、諸外国もいろいろの経験を経ながらおるわけで、イギリスのウィンブルドン化のような問題もありますし、いずれにいたしましても、日本もこうした大きな流れにあることは十分承知をした上で、金融機関自身も身体を強健にしてそして世界に伍していくという形に一日も早く努力をしていただくと同時に、そのことによりまして日本経済における大きな社会的、経済的責任を負っていただきたいとこいねがい、また政府としてなすべきことはやっていかなきゃならぬ、このように考えております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 金融問題はこの程度にいたしまして、次は今度の補正の二番目の二十一世紀型社会の構築に資する景気回復策、その中の社会資本の重点的整備というところを質問させていただきます。  よく公共事業は余り効果がなくなったとか、要らぬところにどんどん金つけているとか、それは都市がいいんだ、地方がいいんだ、そんな話がよく出てきますけれども、きょうはそういう観点じゃなくて、私は、今度社会資本整備費約四兆、三兆九千六百億ですか、これを情報通信、福祉・医療、環境、物流・産業競争力強化、農山漁村等地域活性化、民間投資誘発等都市再生特別対策と、こういうような柱立てにしたことは私は非常にいいことだと実は思っているんです。  こういうのに分けますと、新聞はよく、その後ろに各省がみんなうまいことひっついて大して変わらぬものを名前だけつけたというような悪口を書く人がたくさんいるんですけれども、しかしそういう悪口を言ったって別にいいことは一つもないんで、私はむしろこういう立て方をいかにして各省知恵を出してやるかという方がよっぽどいいと思うんです。  大蔵大臣、この分け方につきましてどういう御感想をお持ちでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 八月の概算要求をお願いいたしましたときに、いずれ補正予算を組まなければならないが、新内閣が新しい施策をやられるのに、内閣の発足が八月でございましたから恐らくとても各省考え切らない、したがって特別の枠を十月に残しておこうと考えまして、そうお願いをいたしました。  このたびの補正を組むに当たりまして、その十月に残しました枠に各省庁が考えてくれたこと、またその間に、異例のことでございますけれども、大蔵省も多少一緒になりまして何か新しいことがないかというようなことで工夫もいたしました。他方で、総理大臣御自身が経済戦略会議のところからいろんなアイデアを取り入れてこられまして、それで今度のような予算の展開を実はごらんのようにいたしたわけでございます。  それが今、石川委員の言われます社会資本の二十一世紀型社会の構築に資する景気回復策と言われるものになっておるわけでございますけれども、これは大変に将来楽しみなことなのですが、とりあえずこの補正予算で各省庁とも御一緒になりながらこのような仕分けをいたしました。いたしましたが、各省庁からいいますと、これはかなり新しい発想でありますものですから、各省庁も自分のアイデアをいろいろに持っておることはいいことでございまして、無関心でほうっておくということは多分なくて、自分のところのアイデアをいろいろにこれから持って出てくる、そこまではよろしいんです。  さあそれを本当に、この補正はともかくこれで受けとめました、本予算でこれを先へ行ってどういうふうに伸ばしていくかというところの部分は大変難しい部分でございまして、それが何とかいう難しい片仮名で、バーチャルエージェンシーという、その部分は御承知のような役人機構からいいますと非常に難しいところで、ここは私ども財政当局も一生懸命しなきゃいけませんが、総理のところで、内政審議室なりあるいはそこらでよっぽど各省庁うまく二十一世紀に向かって持っていけるかどうかが本予算の私は勝負になる。しかし、これは今までこういうことをやったことがありませんでしたので、非常に楽しみだし、有意義だと。一生懸命やらなきゃいかぬなと思っておるところです。

石川弘自由民主党

○石川弘君 結構なことだと申し上げましたのは、よく新聞で、何かやると在来型とか、そういうことだけで、また在来型にあれした、私ども何かやると農林がまたやったなんて、そんな言い方ばかりされるんですが、建設大臣、例えば道路の側溝に光ファイバーを入れるのはこれは情報の方へ入っているんですね。そうしたら、あんなのつまらぬと言う人がいたから、私は、それじゃ何という名前にしたらいいのと。道路の方に側溝を入れるんだから道路費だというのがいいのか、道路という効用にそういうものを付加するのに何でそう悪口を言うんだろうということを言ったことがあるんですが、建設大臣、御感想いかがでございますか。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣

○国務大臣(関谷勝嗣君) 私はこういう答弁をさせていただく機会を一日千秋の思いで待っておりました。  実は衆議院そして参議院の本会議におきましても、公共事業が云々である、公共事業が果たして景気喚起にかつてのような力があるのかどうかというような御質問がございました。  しかし、本会議場では、当然でございますが、内閣総理大臣にお聞きしたいものでございますから私の方に振ってこられなかった。そして、やっときょう時が来まして、感謝をいたしております。  私は、やはり公共事業、従来型であるとか、また新しい形であるとか等々言われております。そしてまた、新しい形であるというのは、先生御指摘のような科学技術の分野であるとか通信の分野であるとか、あるいはまた環境に関係した分野であるとかいうようなことを言われておるわけでございますが、私は何もそういうものを否定するものではありません。  戦後五十三年もたったわけでございますから、当然公共事業というその性格も、またその見方も効果も当然変わってくるわけでございますから、これは、今後そういう時代の変遷、環境の変化に合ったもの、あるいは国民の豊かな生活をするその内容も当然変わってくるわけでございますから、それに沿ったものにしていかなければならないと思っておるわけでございます。しかし、私は、いまだ公共事業あるいはまた逆に言いますれば日本の社会の資本整備は十分ではない。ですからこれは進めていかなければならないと思っておるわけでございます。  そして、先生御指摘のように、そういう新しい角度からというようなことでございますが、建設省の関係で申し述べますと、道路、河川等の管理用の光ファイバー、そしてその収容空間の整備というようなこともこの第三次補正予算の中に一千九百六十三億円というもので入れておるわけでございます。  あるいはETCと言っておりますが、ノンストップ自動料金収受システムというようなもの、あるいは電線類の地中化ということは、これは環境整備また美観という点においても私は大きなものであろうと思いますが、そういうようなことも含めておる。  そしてまた、住宅面からいいますれば、少子・高齢化社会に対応した公営住宅等の整備というようなことも進めておるわけでございまして、私は胸を張って堂々と今後とも公共事業を推進していきたいと考えております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 そういう考え方、各省の方々がいろんな意味で知恵を出してプラスになることをやろうとするときに、都市だ農村だとか、昔からやっている項の名前、道路建設何とかという項の名前でとらえて言うよりも、各省庁が持っています知恵の限りを尽くして協調しながらやった方がよほど効率が早いと思うんです。それをまた別建てにするとかなんとかいえば、その方がよっぽど時間がかかると思うんです。  そういう意味で、この立て方については実は大蔵大臣がおっしゃったようにいろんなことが起こると思いますけれども、私はそういう各省庁が持っている知恵を本当に持ち寄ってやるという方向でやればいい方向へ行くと思っているんです。そういうことをすると冷やかし半分に言うのは決して建設的じゃないと思っています。  そこで、ちょっと別の角度から伺いたいんですが、公共事業の効率がどうこうという話は、これはむしろ民間投資との関係からいっての話。これは何も公共投資に限らない話です、経済全体の中の民間の活動部分がずっと大きいんですから。だから、それはいかに民間を誘導できるかという話なんですが、もう一つ、これは企画庁長官も前におっしゃっていますが、都市的なものと地域的なもの、これも何かちょっといろいろな誤解があるように思えてしようがないんです。  そこで、国土庁長官にもお伺いしたいんですが、国土庁長官のお立場とすれば、国土全体の均衡ある発展というのが一つの大きな、効果がどんなふうにあらわれてくるという計算のことも私は決して否定しませんけれども、国土全体の発展という観点から、国土庁長官、こういう公共投資のことをどのようにお考えでございますか。

井上吉夫自由民主党沖縄開発庁長官

○国務大臣(井上吉夫君) お答えを申し上げます。  私は、国土の均衡ある発展というのは、今も日本の政治の極めて重大な着眼でなければならぬと思います。都市の過密を排除しながら豊かな空間を、そして地方が過疎に悩む、これを同時に解決する手段というのは、これは別々の問題ではない、このように考えておるところです。  国土庁は、もう御承知のとおり国土政策全般を受け持ちますが、今、建設大臣もお答えありましたように、私は、地方は地方でまだ必要な社会資本の整備というのがあれもこれもある、わけても高速道路という点からいいますと、地方にとって極めて大きな問題だと思っております。  したがって、そういう中にどういうものを取り入れながら従来型ではない公共事業という枠の中に持っていけるか。これはこれからのいろんな工夫だと思いますが、私は、物の考え方の中に、そういうまさに二十一世紀に向けての社会資本の整備のあるべき姿というのをあらゆる面から考えていく。とりわけ最近、環境問題というのがいろんな点から言われております。さらにまた、情報通信あたりをどう取り込むかということなども全部ひっくるめながらこういう対策をしっかり打っていく必要がある。  御承知のとおり、従来の全総計画は、今度三月に二十一世紀の国土のグランドデザインを決めました。今までの一極集中型ではなくて多軸型の国土構造へ転換するという方針を決めたわけであります。このこともまた、地方はそれぞれの地方の特性を生かしながらどういう地方をつくっていくか、そういうことに向けての取り組み方の一つの重大な着眼だというぐあいに思っているところです。  こういう国土づくりを進めていくために、それぞれの地方が、今申し上げましたような視点にみんな立っていただいて、そしてできるだけ効率よく、しかもそのことがその地方の発展のために最も成果を上げる、そういうとらえ方をしてこれらの事業を進めていきたいなと思っているところです。したがって、こういうとらえ方をいたしますと、都会だ地方だというのは、別の問題ではなくて、全くこれは一体のものとして、そういう分け方をすること自体が私は適当ではない、このように思っているところです。  別段、都会と地方の間に対立があるとは思いませんが、最近、都市部における財政環境も非常に逼迫している。税金の負担はおれたちのところで多くを負担しながら、我々のところの公共投資というのはこのところ停滞しているじゃないか、どちらかといえば地方にこのことがどんどん行くんではないか、そういう立場からの議論が間々出てまいりますが、今申し上げましたように、国土の均衡ある発展を遂げることによって、都会のためにもこれが役立ち、地方もまたこれによってまさにつり合いのとれた国土の発展ということが私は十分両立できていく、そういうとらえ方をしながら、国土政策という立場における国土庁長官の役割を担っていきたい、このように考えておりますので、何かとまた御指導をちょうだいいたしたいと思います。

石川弘自由民主党

○石川弘君 今、国土庁長官から環境の話が出ましたので、この項目の中にも実は環境がございます。  環境庁は、今度の省庁再編の中でも、庁でございますけれども省で残るところでございます。ただ私は、省で残るというのは、何もでかい予算を使って何とかというんじゃなくて、そういう調整機能を発揮しながらこういう環境対策をやるという意味では、今回の環境特別対策費と書いてあります金額は結構大きなものです、まあ中身の大半は従来の下水道とかなんとかというところで金目をとっているんですが。  例の京都会議がありましたね。あの話の線上でも、環境庁はいろいろな御努力をなさったけれども、まだまだあの会議の話も実は決着にはほど遠い時点でございまして、御承知のようにブエノスアイレスの行動計画なんか御苦労なされてつくっておられますけれども、こういう温暖化問題なんかに対応してもこれからいろんな対策が、これは環境庁がやるとかやらぬとかということじゃなくて、全政府的にやらにゃいかぬことがある。そういうことをこういう環境特別対策というようなことでまとめられることはいいことじゃないかと思いますが、長官、いかがですか。

真鍋賢二自由民主党環境庁長官

○国務大臣(真鍋賢二君) ただいまちょうど一年前のCOP3の京都会議のことに触れられたわけでありますけれども、当時、画期的な京都議定書ができ上がって地球温暖化防止のための対策を講じたことは先生御承知のとおりであります。  それがためにということで、環境庁といたしましても、この一年間もろもろの対策を講じてまいりました。その中には、地球温暖化防止のためにということで、温室効果ガスをいかに減少していくかということが大事なことであったわけであります。それがためにということで、霞が関にも天然ガスの充てん場所をつくることで今回の第三次補正でお願いをいたしておるところであります。それはと申しますのは、私も天然ガス車を十一月に購入いたしまして、そしてそれを活用いたしておるわけでありますけれども、その充てん場所が遠隔の地にありまして近々にないということで、その近郊性を大切にするということで今回霞が関に設置場所をお願いしておるところであります。  また、第三次補正におきましては、国立環境研究所の地球温暖化に関する新たな研究施設を整備するための予算等も計上いたしておるところであります。さらに、総合環境学習ゾーンとしての体験的な環境学習を行える現場を設けておきたいということで、これまたこの第三次補正でお願いをいたしておるところであります。  いずれにいたしましても、地球温暖化対策の推進に関する法律がことしの十月二日に成立いたしたわけでありますから、これにひとつ、世界で初めての法案でございますから、力をかりながらその目的に向かって頑張ってまいりたいと思うわけでありますけれども、それに対する予算づけをということで今回お願いをいたしたところであります。  また、リサイクル関係で、リサイクルというのはやはり今日置かれた社会環境の中において大変重要な役目を果たしていくものと思っておるわけでありまして、それがための資本投入ということをお願いしなきゃならないと思っておるところであります。地球に優しい循環型社会をつくるということで、それがためにということでこれまた対策を講じておるところであります。  環境庁といたしましても、このリサイクル運動にということで、例えばペットボトルを利用しまして衣服をつくって、そしてその衣服を活用することによって新しい産業を生み出していこう、また成長させていこうというような考えも持っておるわけでありまして、これらの予算関係のお願いもいたしておるわけであります。  あれやこれやお願いしておることが多いわけでありますけれども、これからのこの地球温暖化を防ぐためにはなくてはならない予算だと思っておるわけでありまして、どうぞ先生方の御理解をいただきまして、これが充実また活用できるようにお願いをいたしたいと思う次第であります。

石川弘自由民主党

○石川弘君 もう一つ、環境関連といいますかリサイクル。  この間リサイクルの法律ができました。物によっては、例えばアルミ缶ですか、そういうものは案外簡単にやっている。それから、物によっても、自動車も、きのうテレビでやっていましたけれども、例の、鉄をみんな取り上げた後に、スクラップしたあれを圧縮して、それをまた何か大きなメーカーが五分の一にする技術をつくってうまく回るようにする、そういう物すごく技術的に進むような分野もあるんです。  私、実は分別収集なんかに大変興味がありましてやっていますと、紙ですね、古紙の回収というのはそんなに高くない、五〇%行っていないはずです。あれが、今古紙の相場が高いか安いかすぐわかるのは、交換していく人たちが持っていかなくなって、金をよこせというような時期になったらとってもいかぬ。しかし、これから紙がどんどん出てくるのにこれを回収しなくて、要するに焼却だ何だって向こうへ回せば結局あそこで大きな公共投資が要るんですね。  だからそういうものを少し、回収のサイクルでどこかにネックがあったらそういうところへつけてあげれば、金目が別にふえるわけじゃなくてリサイクルが進むと思うんですが、通産大臣、いかがでございますか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 先生御指摘のように、今の経済というのは、大量に生産をし、大量に消費し、なおかつ大量に廃棄をする、そういう経済になっているわけでございます。こういう経済社会をいつまでも続けられるかといえば、ここでやはり踏みとどまってどういう社会をつくるかということを考えなければならない。昨年あたりから出てまいりまして実際法律になりましたのは、循環型の経済社会をつくろうという機運が社会全体に私は出てきたのだと思っております。  典型的な例といたしましては、昨年四月から施行をされました容器包装リサイクル法、これはなかなか私はいい法律であって、こういうものを通じていわば資源をリサイクルして資源自体のむだを省く、あるいは廃棄にかかるコストを削減するという非常に重要な目的を持った法律だと思っております。また、ことし六月からは特定家庭用機器再商品化法、いわば家庭から出てまいります大型の冷蔵庫とかテレビとか、そういうものについての分野ごとのリサイクルを推進していこうという法律でございます。  そのほかリサイクルにとって重要なのは、リサイクルの関連技術も非常に重要でございますし、それからリサイクルの重要性を国民多くの方に御理解をいただいて、例えば分別収集に対する御協力もそうですし、またこういう大型の廃棄物に対する考え方、そういうものに対する御理解も必要だと思っております。こういう対策も必要でございますが、リサイクル施設の設置等に対する支援が非常に重要だということは先生まさに御指摘のとおりだと思っております。  平成九年度より、いわゆるゼロ・エミッション構想を軸として地域における先進的な環境調和型まちづくり計画をソフト面、ハード面で支援するエコタウン事業を推進しておりまして、新たな社会資本整備の一環としてペットボトルや家電製品のリサイクル施設など、リサイクル関係施設の整備を支援しているところでございます。このため、平成十年度の一次補正後の予算として合計六十三億円を計上しているとともに、今回の補正予算においても追加的に約二十三億円を計上しているところでございます。  通産省としては、今後ともこういった種々の施策を通じましてリサイクルの推進に積極的に取り組んでまいりたいと思います。  なお、紙について特に触れられましたが、古紙は非常に足りなくなったような時代もありますし、現在はやや古紙が余っておりまして、なかなか回収のためのガソリン代、人件費が追いつかない、こういうことでございますが、紙も、木材資源を大事に使うということもありますし、炭酸ガスの排出という面からも大事でございますし、やはり紙のリサイクルについては引き続き重点的にやっていかなければならないと思っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 同様の趣旨で農林水産大臣にお伺いをいたします。  本論のところは同僚議員がやりますので、私は畜産廃棄物、これは御承知のように牛が四百八十万頭いて、豚が九百八十万頭ですか、鶏は三億羽いるわけですけれども、これが出しますふん尿というのは九千四百万トンか五百万トンだと。それから、実はもう一つ材木の方で言いますと、国内で出てくる木材の廃棄、これはおがくずとか端材ですね、これは千七百万トンぐらい出てくるわけです。これをうまくちゃんとまぜて土地へ戻せば世に言う有機質の大変大事な原料になるんですけれども、今まではどちらも個別企業の努力の中、それからちょっと進むと共同で何とかやるという範囲なんです。人間から出てくるものは公共事業の対象の下水とか何とかで実はいくわけです。それと同じにするかどうかは別にして、個別経営の中でいかに努力してもできないようなもの、これは要するに大型経営になったということですね。  小さい経営のときは、例えば牛三頭に鶏二十羽なら自分でやって自分の畑へ入れていたわけですが、こういう企業的な大型化、養鶏なら何十万羽養鶏もあるわけですから、そういうようなことになるとどうしてもこういう大事な資源が廃棄物という感じになります。極端に言うと燃やしちゃえということになるんですが、そうじゃなくて、これは非常に場所が違ったり難しいんですが、何らかの意味の公的なもの、公的というのは何も公共団体でやれとかそういう意味じゃないんですが、公的なものを援助することによって有用な資源を土地へ返して、そうでなくても足りない日本の土地資源を有効に使うという観点から言えば、リサイクル型という方に少し重点を移した方がいいんじゃないかとかねがね思っているんですが、農水大臣の御意見をお伺いしたいと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 家畜ふん尿は、排せつ物処理という観点だけではなくて、先生今御指摘のような貴重な有機質資源でございますから、農地に還元する等自然の循環機能を生かしたリサイクルを促進するということが大切だと私も思います。この場合、地域全体の資源循環あるいは土づくりといった観点からも、今御指摘のように生ごみとかあるいは木材のチップみたいなものとまぜて、一体処理を含めて広域的なリサイクル利用を推進していくことが重要だと考えております。  農林水産省としても、現在、各種の畜産環境対策をとっておりますけれども、今後、個々の経営における適切な処理、利用とあわせて広域的な堆肥センターの整備、あるいは堆肥の需給情報のネットワーク化等、いろいろな施策を総合的に推進してまいりたいと思いますので、また御指導よろしくお願いいたしたいと思います。

石川弘自由民主党

○石川弘君 大蔵大臣にもお伺いしたいんですが、今申し上げましたことは、今までの公共事業概念といったら、何か大勢の人が利益を受けて、それが公共でというような論理でいきますと、例えば紙の話をしますと、御承知のように回収業者がやっているああいう仕事にというようなところから入りますとなかなか寄りつけないんですね。ところが、全体のリサイクルのことを考えて、そこのネックをちょっと外してやる、これはどんなやり方がいいか私もわかりませんけれども、そうすればうんとうまく回るというなら、これこそ公共的なんです。変にみんな焼却場を持って燃やされる方がよっぽど危ないわけです。  ですから畜産廃棄物だって、これはまかり間違うと、病気なんかのことからいうと人命にかかわるような恐ろしい病気も現に埼玉県で起こっていますけれども、そういうことを考えますと、公共投資的なものの中にそういうふうに全体として見れば確かにより多くの人に利益を与えるというものがあると思うんです。  そういうことで、財政当局はいろいろ考えてくださって、今の私が質問しましたようなこともみんな予算の芽みたいなものは出ているんですけれども、もう少しそれを大きくしていただくというようなことについて、いかがでございますか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) やはりエコロジーとかリサイクルとかいうのはもう二十一世紀の一番最初の大きな課題になると思いますので、財政もそういうことは本当に心がけなければならないと思います。

石川弘自由民主党

○石川弘君 もう一つ、公共のところで、民間投資誘発ということを書いて都市再生と書いた項目がございますね。これは例の、単なる公共的な投資だけではなくてそれにあわせて民間が出してくるというあの手法だと思うんですが、建設大臣、この点いかがでございますか。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣

○国務大臣(関谷勝嗣君) 今、法案を提出しようとしております一つのものにPFIというのがありますが、御承知のように今までの公共事業的なものに民間の分野も入れていこうということでございまして、我が建設省の方で言いますれば、一つの例としましては、高速道路のパーキングエリアを民間に開発さすというような形でやっていきたいと思っております。  経済企画庁が発表いたしておりますように、十一年からプラス経済にする、十二年からはいわゆる景気回復の軌道にする、そして平成十三年から民間主導の経済にしていく、これが本来の景気だろうと思うのでございますが、そういうようなことで、そちらの方向にも向かってPFIの法案も進めていきたいという現状にあるわけでございまして、先生御指摘のように、民間と今までの公共事業の合体のような形をつくっていきたいと思っております。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 都市との関連で今度聞いておりますのは、新橋―虎ノ門間の工事であるとか、あるいは地下鉄十三号でございますか、そういうものが挙がっておるように聞いております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 午前中のおしまいとしてもう一つだけお聞きしておきたいんですが、要するに今度のこういう公的な投資、そのこと自身が実需要をどれだけふやすかというような意味で、何%需要喚起するかというようなこともいろいろ言われておりますけれども、何といったって今の経済全体は民間の諸活動が圧倒的に大きくなったわけですから、民間の諸活動が大きくなるようなこと、それは何かというと、それも政府誘導というのじゃなくて、本当を言えば民間そのものがそういう方向、例えば設備投資が今一番いかぬわけですけれども、やろうとすれば売れるという前提がなきゃできぬわけです。  そういう意味で、民間が頑張って、本当に売れるような品物、何か今度の軽自動車がどうこうとかいろんな話がありますね、そういうことをやらなきゃいかぬのだと思うのですが、その点、通産大臣はどのようにお考えでございますか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 経済の担い手はやはり民間でございまして、政府が緊急経済対策とかいろんなことをやりますが、それは民間が元気を出していろいろな経営をする、経営資源を活用するということだろうと思っております。  公共事業が悪だというような説をなす人がおりますけれども、やはり公共事業は、国民生活を直接向上させるか、あるいは目には見えませんけれども国全体としての生産性の向上に寄与するという意味では、将来に対する大変大事な投資であると私は思っております。  ただ、経済全体が国の財政に対して過度に依存をするということは長い目で見ますと健全な姿ではないと思っておりまして、やはり財政というのは民間が全体として元気よく経済活動をするためのあくまでもインフラであり、また国民生活が向上するためのあくまでもインフラである、私どもはそのように考えております。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十年度第三次補正予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。石川弘君。

石川弘自由民主党

○石川弘君 午前中の最後にリサイクル関連の質問をしたのですが、実は一番大どころの厚生大臣に御答弁をいただくのを時間をちょっと間違えて。といいますのは、燃やしてしまうかそれともリサイクルに回すかというのは、実は厚生省の今の施設を通していくか、それとも厚生省自身もリサイクルに回す施設持っていらっしゃるわけですね。その辺の御判断をひとつ聞かせていただきたい。私は、同じ金を使うのならなるべくリサイクルの方へ回したいという気持ちです。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) 午前中の議論で、循環型社会、リサイクル社会というのは、これからの二十一世紀のこの環境基本法でも、それに基づく基本計画でも定められております。各省はこれに準じてやっておりますが、厚生省としても廃棄物処理という大きな課題を抱えています。この点は緊急措置法をつくったりして廃棄物処理計画を進めておりますが、まずごみを出さないようにするということが大切ですね。リサイクルをしていただく、出た物をまたリサイクルする。  それから、とにかく一般廃棄物についてはこれは分別収集等が義務づけられておりまして、容器包装リサイクル法でそれが定められておりますが、それを処理するということは大変なことでありまして、私どもは、緊急措置法で五カ年計画をつくって五兆円規模で今やっておりますが、どうかその処理が適切に行われないといけないという観点から取り組んでおります。  なお、この問題は単に廃棄物処理施設を整備するという問題にとどまらず、ダイオキシンの問題等が一般廃棄物の処理場からも発生している事例が多々ございます。そういった人間の環境、健康等に多大な影響もございますから、私どもは人間の生命等を守っていくという立場でもございますから、そういった点も配慮しながら、もう環境と表裏一体の関係にありますので、委員の今指摘したような視点を踏まえてやってまいりたい、こう思っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 それでは、次に雇用問題。  先ほど申し上げたように、補正でこういう雇用対策がかなり大きな金額で出てくるというのは今まで余り例がないと思うんです。そこで、雇用の話といいますと二つの側面があって、雇っていただいている企業サイドの感覚と、それから現にそこで働いていて例えば結果的には失業になるという、その両サイドがあると思うんですが、私はその両サイドの面で、まず先に雇っていただいているというか企業のサイドで現時点における雇用問題をどのようにお考えか、通産大臣にお伺いしたいと思います。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 戦後五十数年の日本の経済社会を振り返ってみますと、欧米先進諸国に比べては全体として雇用は安定していたと思いますし、それは失業率あるいは有効求人倍率等に端的にあらわれている。完全雇用とまでは言いませんが、完全雇用に近い状況を続けられたというのは、日本の経済としては大変成功であったと思いますし、またいろいろな批判はありますけれども、終身雇用制度というのは、働く人にある種の安心感を与え、会社あるいは仕事に対するある種のロイヤルティーを醸成したという意味では、私は成功した制度だと思っております。  こういうふうに、経済構造改革をやってまいりますと、当然そこに何が起きるかといえば、不要な企業も出てまいりますし、不要な部分も出てまいりますから、それが雇用を脅かす、またバブル以降の経済全体の落ち込みの中で失業者の数もふえてまいっているわけでございます。  今の四・三%という水準は、例えばアメリカに比べればまだ低いですし、ドイツ等は一〇%以上の失業率ですから、まだ日本は失業率は数字の上では低いと言えますけれども、それでも日本の会社というのは、終身雇用であるがゆえに企業内に多くの人々を抱えておりまして、ある種の企業内失業とも言われる現象が起きているわけでございます。  しかし、私は、不況の中で最も我々が心しなければならないのは、やはり雇用を確保するという場でございまして、失業者がたくさんふえるということは、これはもう社会不安につながることでございますから、政治としてはここに最も重点を置かなければならない分野だと思っております。  結局は、今通産省が考えております新規産業を創出することによって雇用の場を確保しようと。これは方向性としてはまさにそのとおりでございますが、ここ半年、一年の雇用のことを考えますと、やはりマクロ経済全体をパフォーマンスをよくして現在の既存の企業の中で失業者を出さない、あるいは雇用を吸収するということとあわせまして新規産業ということを考えませんと、新規産業というのは立ち上がるにはやはり相当のリードタイムが必要なわけですから、そういうものをあわせて私どもは考えていかなければならないと思っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 この話になりますと、よくベンチャーという話が出るわけです。私も各地を回りまして、特に金融機関なんかに行きましたときにベンチャーに対する資金の話を聞きますと、ほとんど実効のあるお話を聞かせてもらえません。したがって、何か過大な期待だけがそこへ行っているような気がしますので、今、大臣がおっしゃったような感覚と同じなんです。  私も、大きな企業が自分の企業の中で例えば分社化するとかいろんな形でミスマッチを直していくというのも大事だし、それから倒れる企業もあるわけですから、そういう意味での会社を離れてからの対策も必要だと思いますが、第一義的には、現に勤めているところでミスマッチが起こっているのであれば、むしろ企業内で研修をするとかいろんな形でやっていくのが本当はまず第一じゃないかと思っております。  そういう意味では、この雇用対策というのは何か労働サイドの話だけじゃないという前提で私は考えていきたいと思っております。  そこで今度は、そうはいいましても、職を離れるということで、そういう場合に、今までのいろんな手法の中で、不安定な期間中いろんな手当を出しますとか、そういういわばつなぐ話と早く新しい職につくという話と二つの側面があると思いますが、労働大臣、今回のこの予算等については、その点どのようにお考えですか。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) 今回の経済対策が過去の対策と大きく違いますのは、雇用対策ということをメーンの柱の一つに据えたということであります。  予算規模でいいますと、春の経済対策のときの雇用対策が五百億の規模でありまして、今回は二十倍の一兆円という規模を確保いたしました。そして、先生今御指摘のとおり、新しい職場をつくるということも大事で、これは労働省としても法律を今提出させていただいて、個人事業あるいは中小企業を起業する、あるいは分社化する。これは、通産省と連係プレーをとって、人の確保それから雇用管理改善という面でかなりの施策を講じております。ただし、これもおっしゃるように時間がかかることでありますから、これ以上失業をふやさないという点も大事なことであります。  そこで、企業が人員を抱えるときに抱えやすいように補助金を出すという仕組みがありますが、これは、その間に職業能力のバージョンアップを図って来るべき時代に備えるとか新分野に行くための人材を強化するとか、そういう重要な意味がありますが、これを機動的に使いやすくする。  あるいは、今回非常に大事なことで据えましたのは、自分のところで抱え切れなくなった労働者を失業という形で出さないで、新しく引き取り先の企業を見つけてきてくれたときには、わかりやすく言うと持参金をつける制度というのがあるんですが、これがなかなか使いづらい。そこで、新しい制度を創設いたしまして、業種の指定要件等なんというのは取っ払って、業績が下がってきた企業が新しい受け入れ手を探せるんだったらそこを対象にしようというようなことで、失業をふやさないという点でもいろいろ努力をしておりますし、職業訓練でもホワイトカラーを含めて万全の体制をとるようにいたしております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私も数字は確かじゃありませんけれども、四・三%の中で三%部分はいわゆるミスマッチだというような言い方をよくされます。でありますれば、やっぱり能力開発、日本人の労働者というのがすぐれている点においては私は世界に冠たるものだと思いますから、そういう能力アップのためのいろんな施策というのはぜひやっていただきたいと思っております。  その点について、労働大臣、どのようにお考えですか。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) 労働省は、職業能力のバージョンアップを図るということをかねてから重要な施策として取り組んでおります。  今までは、どちらかといえばブルーカラー、現業職の方々を中心にきめ細かい施策を講じてまいりました。今般、ホワイトカラーの失業であるとか管理職の失業が深刻でありますから、ホワイトカラー向けに全国で対応できるようにしようと。  アビリティガーデンという専用の機能を持っている職業訓練施設がありますけれども、これは今東京に一カ所しかありません。この機能を全国で受け取れるようにしようとか、あるいは民間の職業訓練施設を使って委託訓練まで図ろうということまで、かなりすそ野を広げまして職業訓練を重点的にやろうということにいたしております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 社会保障関連のことで厚生大臣にお伺いします。  いろんな形で御議論がありまして、最近問題になっていますような基礎年金の国庫補助の問題、これは党内の話だと思っておりましたら、もう少し党の範囲を広げた政党間の話があるわけですが、これに対する批判の一つとして、そういうのはいいけれども財源問題がどうしても表へ出てこない、そのことがまた不安を招くんじゃないかという批判が出ておりますが、そういう点に関連して、厚生大臣、いかがお考えですか。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) 社会保障改革は、少子・高齢化を迎えて二十一世紀を本当に展望のあるものにするためにはこの制度を確たるものにしていく必要がございます。  今、委員は年金の問題について、特に基礎年金部分の国庫負担の問題について言及されたと存じますが、今各種の年金、国民年金、すなわち基礎年金部分と報酬比例部分で成り立っています。国庫補助は基礎年金部分の三分の一を今負担いたしておりますが、これを二分の一にせよ、あるいは全額税方式でという意見がございます。  全額税方式にするかどうかは、これは私ははっきり言って好ましくないと思っています。と申しますのは、全額税でやりますと、社会保険料方式のメリットが失われるほか、生活保護は全額国庫補助で見ているわけですから、ミーンズテストとか資力の調査の問題が出てまいりますから、帰するところはそういう方向に行くんじゃないかなというように思いますので、ぎりぎり将来のあり方として二分の一という問題は十分考えるに値すると。これをやりますと保険料は一%くらい下がりますし、それからまた国民保険料の方も月三千円くらいは下がるという実態、それは当然です。それだけ三分の一から二分の一に上げることによってその額が大きいということですね。来年やるとすると二兆二千億くらい想定されています。  一方、この問題は今党の年金問題調査会で議論されておりまして、そこで集約された意見としては、当面直ちにはこれはできない、しかし次の財政再計算期、二〇〇四年までには財源のめどをつけて実施したらどうかという大体取りまとめをいただいておられるようでございますが、これは当然法案として出す年金改正でございますから、野党の調整も要するということで、まだ最終決定はしておりません。どのようなタイミングでどういうセットでやるかということははっきりいたしておりませんが、いずれにしても、重要な、しかも極めて多額の財源を要する課題であり、総理も本会議等では、これはことしは財源等の関係で実際不可能であるという趣意のことを御答弁なさっていらっしゃいますが、私もそのように存じております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 要は、財源問題ということになると、社会保障問題だけじゃなくて、税負担の問題からいろんなことが全部一緒になるはずでございますね。ですから、どこかの部分だけが先に決まって、あとというんじゃなしに、いわゆる公的負担全体でどうするかという話をある程度スピードを上げながら詰めませんと、私はこの話はできない。したがって、いろんな形で、こういう形にすると不安じゃないかというような批判はあるけれども、公的負担全体で将来目標として少子・高齢化社会でどれくらいにするかということを詰めていかなきゃいかぬというのが正しい方向だと思っています。  そこで、同僚議員に質問の機会を与えるためにやめるわけでございますが、私が気になりますのは、率直に言って、いろんなデータ、それからいろんな批判みたいなことがあるんですが、こういういわば悪い状態にあるときに、なぜこんな悪いんだろうということをいろんな形で追求することも大事なんですが、きょうの新聞にも書いてありますが、景気は「気」だと書いてありましたけれども、どうしたらよくなるかという、どちらかというと積極論で話をしていくことが私は本当に必要じゃないかと思います。  特に、民間の企業については、例えば政府がこんなことをやったら、これでは不十分だからまたやってくれなんという形じゃなくて、これを土台にしてどうやってみずからの活力をつけていくかと。これはさっきの金融機関の話もあります、それから企業家の話もありますが、そういう面でぜひ、いわば経済界も行政あるいは政治の世界も活力を出すようにみんなで努力するというのがこういう時期の対処の仕方じゃないかと思っております。  私も、そういう意味で、先ほど五年ぐらい前からの数字をずっと見ておりましたけれども、あと五年もしたときに、あのときのこういう考え方はそういう意味じゃプラスだったんだ、成功だったなと言えるように努力をしたいと思っております。  同僚議員から発言がありますので、その機会をお与えいただきたいと思います。ありがとうございました。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。矢野哲朗君。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 自由民主党の矢野哲朗であります。関連質疑をさせていただきます。  まず冒頭、我が国の安全保障についてお伺いをいたします。  この件で質問に立たせていただく私、断腸の思いを持って質問に立たせていただくつもりでありまして、野呂田新長官の精いっぱいの御努力をもってして防衛庁は信頼を回復していただきたいな、私はそんな気持ちを持って発言をさせていただきたいと思います。  我が国の安全保障を担う行政機関、もとよりこれは防衛庁であります。ことしの八月に北朝鮮が弾道ミサイルを発射して、そして我が国の上空を横切って太平洋上に落下した事実を見ましても、我が国周辺には以前にも増して不透明、不確実な状況があります。そうした国際状況のもとで、防衛庁は我が国の安全保障を担わなければなりません。  しかしながら、大変残念な事件が起きました。元幹部二人が逮捕されるというような事件であります。そして、装備協会の関連業者が防衛装備品の水増し請求をした問題も次々にあからさまになりました。防衛庁が国民の信頼を失墜させたことは紛れもない事実だと思います。  額賀福志郎前長官は、背任事件に絡む防衛庁の証拠隠滅疑惑の最終報告を行い、発表と同時に辞任されたわけであります。新長官が就任したわけでありますけれども、額賀前長官が取り組んだ防衛庁改革を進めていくことこそが信頼回復の道だと思うのであります。  そこで、野呂田新長官にお尋ねするわけでありますけれども、防衛庁の幹部を前にして、役所の用意したあいさつではなくて、みずからの言葉で新長官はあいさつをされた、こう聞いております。今後、信頼を回復するために、その辺での抱負をひとつ聞かせていただきたいと存じます。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) 私が着任に当たりまして職員を前にいたしまして申し上げたことは、国家の危機管理をつかさどっている役所が自分の役所の危機管理ができなかったことを非常に残念に思う、このことを深く反省していただきたいということを申し上げました。  また、イギリスのチャーチルの言葉を引用して、人間は事実を見詰めなければいけない、なぜならば事実が人間を見ているからだということを申し上げて、証拠隠しなんということは絶対に許される行為じゃないということを申し上げて、職員に猛省を促したところでございます。  額賀前長官が心血を注いで、改革の基本方向というものを示していただきました。私は、防衛庁が国民の信頼を失墜させたことに深い反省をいたすとともに、この基本方向を踏まえて職員の倫理教育、何より意識改革が大変大事だと思います。調達方法や調達機構の改革を含めた施策を早急に実現しまして、国民の負託に十分にこたえていかなければいけないという決意に今燃えているところであります。  防衛庁には、国の平和と独立を守るという重要な崇高な任務がございますので、そういう誇りを一刻も早く取り返してまいりたい、こう深く決意している次第でございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今回の事件で明らかになった問題の一つが、調達本部副本部長だった人物が、企業の水増し返還額を減額する見返りに防衛庁の職員の天下り受け入れを要求していたということであります。  防衛庁制服組が約二十四万、事務方が二万五千、自衛隊については若年定年制の問題があるから制服組はいかなる対応も考えなければいけないということでありますけれども、今回の問題の発覚は制服組ではなくて、どちらかというと事務官の方に起きてしまったわけであります。  防衛庁が再就職のあり方を検討する中で、改めて的を絞って事務方の再就職の問題に今後どう対応するんだと、その点についての再考でいいと思うのでありますけれども、その辺での取り組み方をお伺いします。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) 今、委員が御指摘のとおり、今回の事件は、実施本部の元職員が他の職員の再就職を受け入れさせる等の目的を持って、またはみずからの在職中の職務と関係のある企業に再就職をして顧問料、メーカーからわいろを収受されたというような、そういう事件でございます。  防衛庁としては、これを契機に職員の再就職のあり方について抜本的な改革を図りたい、こういうことで、外部からの学識経験者の意見も入れまして自衛隊員の再就職の在り方に関する検討会の中間報告がなされたところでございます。  これを受けて、前長官は防衛調達改革本部において今後の再就職の基本的な改革の方向を示しております。これは事務官、自衛官を問わず、再就職規制の見直し、再就職の審査体制の充実強化、再就職状況の透明化、あるいは人材の公務内での活用、それから就職援護施策の充実等の施策に強力に取り組んでまいるということでございます。今、委員が御指摘ありました自衛隊の精強性を保持するために若年定年制や任期制をとっている自衛官につきましては、これは早期に退職せざるを得ないという大変お気の毒といえばお気の毒な状況にありますので、安んじてその職務に精励できるような十分な留意を払っていきたい、こういうことで就職援護施策の一層の充実に自衛官についてはやっていきたい。  また、いろいろ問題のありました高官が企業側へ下って非常勤の顧問等をやっておる場合は、今までは長官の承認を得る必要がなく自由にやっていたという点が問題でありました。これは一定の基準をつくりまして長官の承認にかかわらせたい、またそういう状況を国会にもきちっと報告させるような透明性を持ちたい、こういうことで、目下四月を目途にこれらの改革を大車輪で連日検討しているところでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 思い出すのでありますけれども、PKOの法案が成立した段階で、それまでややもすると自衛隊員募集に四苦八苦した経緯がありました。しかし、あの法案成立以降、女性隊員は六十倍、そして男性隊員が十倍以上の競争率をもって自衛隊員に応募してくるという現実があったわけであります。  今回、小渕総理が、地雷禁止条約、外務大臣の折から大変御尽力いただきまして、ことしの九月三十日に承認をされたわけでありますけれども、外務大臣にお伺いいたします。  外務省でもって広くODAの展開の中で、この地雷撤去その他の対応についてどういうふうな考えか、今後の枠組みを含めてお伺いしたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 今御指摘ありましたように、この問題、まさに小渕外務大臣がリーダーシップをとって行ってきたものでありますが、昨年の十二月に小渕総理、小渕外務大臣みずからが署名を行って、その際に犠牲者ゼロ・プログラムというのを提唱いたしました。これは、五年間をめどに百億円程度の支援を行うことを決定したわけであります。  具体的に申し上げますと、従来行ってきた国連等国際機関への資金協力を通じた支援、草の根無償、NGOの事業補助金による支援等に加え、二国間ODAを通じ地雷除去関連機材等の供与や犠牲者支援のための医療や義肢製作、リハビリテーションに係る施設整備、機材供与及びこれらに関する技術協力等を積極的に実施していく、こういうことでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 縁ありまして、私、アンゴラを数度訪問しております。道路からあぜ道を渡って学校へといったときに、ちょっと待ってくれ、そのあぜ道に地雷が埋まっているかもしれない、こういう状態であります。アンゴラが一千六百万の人口でもって二千万発以上の地雷が現在埋まっているという中で、国連を通じてということになると人件費や諸経費でもって三割方、当初この予算から充当されてしまう、実際の執行予算が七割ぐらいになってしまうということなものでありますから、バイでもって積極的に日本の顔が見えるように対応していくことが肝要だと思うのでありますけれども、ひとつお答えいただきます。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 今おっしゃられたように、これはまさに人道上の問題であるとともに紛争解決後の復興のために必要なことでもあるわけでありまして、そういう中で国連を通じた援助だけではなくて二国間あるいはNGO、日本国民もありがたいことに大変NGOとして参加していただいていますし、そういったことも含めてできる限りの支援、お金だけではなくて人も参加するような支援をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 大変危険な作業でありますからそれなりの対価が必要だと思いますので、十分な予算、検討をお願いしたいと思います。  そして、まさにイメージダウンした自衛隊が直接今まで持ち備えた知見やら技術を活用して、安全を確認した上でありますけれども、いろいろな法的なしがらみがあるでしょう。しかし、その中から実際制服組が飛んでいってというふうなことがやはり広く国際貢献する自衛隊なんだというふうな意味合いからして必要かとは思うのでありますけれども、防衛庁長官の所見をお伺いします。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) 対人地雷問題につきましては今、外務大臣が説明したことに尽きるとは思いますが、自衛隊員の有する知見、能力というものを国際的な対人地雷の除去のために活用することは大変意義の深いものがあると認識しております。  防衛庁としては、対人地雷の除去のための活動に求められる人的貢献のニーズやあるいは自衛隊の能力などを考慮しまして、国際的な対人地雷の除去のための活動に対していかなる協力ができるかについて真剣に検討しているところでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 私も先般武器見本市なども実際に見させていただきまして、かなり進んだ地雷探査の機械や車やら、そういうふうな装備があるようでありますから、その点での検討も十分図られたいな、こうお願い申し上げます。  そして、今回、北朝鮮の弾道ミサイルが飛んでまいりまして、的確な情報を入手しよう、米国経由ではなくて日本独自の情報を入手して的確な判断をしていこう、こういうことで調査衛星の導入が決定されたようでありますけれども、今まで科技庁で「ふよう」、「みどり」等の衛星が打ち上げられました。しかし、これももう既に機能停止ということでありまして、我が国における衛星による地球観測技術の現状、そして今後の計画、また平成十四年に我が国が実現できる衛星の性能はどの程度のことが予測できるのか、説明を願います。

竹山裕自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(竹山裕君) 衛星による地球観測技術の我が国の現状はいかがというお尋ねでございまして、先生御指摘のとおり、これまでも我が国では宇宙開発事業団を中心にして海洋観測衛星、地球資源衛星、地球観測プラットホーム技術衛星などを開発して、衛星による地球観測技術の向上に積極的に取り組んできたわけでございまして、これらの衛星の働きは、まさに我々国民の生活に密着した環境の保全、資源の探査あるいは国土開発等に大きく寄与してきた、こう認識をしているところでございます。  今後の地球観測衛星についての予定でございますが、さらにこの地球観測技術の開発を進めてまいりまして、平成十二年度打ち上げを目指して環境観測技術衛星、また平成十四年度打ち上げを目指しまして陸域観測技術衛星、これらの開発を目がけているところでございます。  環境観測技術衛星は、地球温暖化等地球規模の環境問題の解明に大きく役立つデータの収集、取得を目的としておりますし、いま一つの陸域観測技術衛星は、地図の作成、土地利用状況の把握あるいは災害状況の把握、資源探査等に貢献するような目的でございます。  私ども科学技術庁といたしましては、衛星による地球観測技術の開発は非常に重要な分野であると考えておりまして、今後とも積極的に推進し、宇宙の成果を幅広く国民生活に役立てていきたい、こう考えているところでございます。  また、お尋ねの平成十四年度に我が国が打ち上げようとしております陸域観測技術衛星、これは、ビデオ写真を撮るように地表を観測する光学センサー、分解能と通常言っておりますが、分析、解析ができる能力は二・五メートルでありまして、一方で、曇りとか夜間でも電波の反射を利用して地表を観測する合成開口レーダーの分解能は十メートルでありますが、今後技術開発を進めてまいりまして平成十四年度を目標に、前者の光学センサーの分解能は一メートル程度、後者の合成開口レーダーは一メートルもしくは三メートル程度の分解能のセンサーを有する衛星を開発していくことが可能と考えております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 ということだそうであります。  しからば、衛星の平和利用国会決議との整合性を図ることも当然必要でありますけれども、何かその点でもって一緒に相乗りしていこうという防衛庁の考え方も今回一部あるようでありますけれども、逆に私は、今回こういうふうなせっぱ詰まった状況があるわけでありますから、防衛庁としてどういう性能が必要なんだ、どういうふうな情報分析の衛星が必要なんだ、まずはその必要性を訴えてから、どういう方法があるんだろうなというふうな道を模索すべきだと思うのでありますけれども、防衛庁長官の見解を伺います。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) 今、科学技術庁長官から詳細な御説明がございました。  専守防衛を旨とする我が国の防衛につきましては、各種情報機能の充実というのは極めて重要であると思います。我が国が独自の衛星から得られる画像情報は極めて意義があるものと考えます。したがいまして、私どもが考えて今回実現したいと思っております情報収集衛星は、科技庁長官とダブりますが、分解能力一メートルの光学衛星の導入に取り組むこととしたいと思います。これらの分解能であっても、弾道ミサイルサイトの探知、艦艇、航空機の軍民識別等が可能であります。これはぜひ確保したいところであります。  また、合成開口レーダーを搭載した衛星も打ち上げられる予定でありますから、先ほどもお話がありましたとおり、夜間や悪天候時においてもデータの入手が可能となりますので、こういうことを確保したいと思っております。  防衛庁としては、情報源の多様化等、独自の情報収集能力の確保の観点から、今般の情報収集衛星の画像情報は我が国の防衛にとって極めて意義があると思っております。  いずれにしましても、情報収集衛星は我が国及び国民の安全を図る上で極めて有効なものでありますので、今後とも広く国会や国民の御理解を得るように努めてまいりたいと思っております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 その衛星でありますけれども、費用対効果の問題がありますでしょう。他省庁との共同利用というようなことになっているようであります。その辺でもって、速やかに必要情報は必要な役所にというふうな振り分けを官房でやるようでありますけれども、その辺、的確な情報を的確に防衛庁にという対応ができるような体制がどう確立できるのかなと。私は、いまだもって甚だ難しい問題のような感じがするのでありますけれども、その辺の御所見、官房長官ありましたらお願いを申し上げます。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、通産省、科技庁、郵政省、防衛庁、各省庁にわたる問題でございますので、今内閣官房の方でどのようにして情報衛星を我が方で持っていくかということについて検討を加えておるところでございます。  まずはそういう調査を行いますとともに、解析をする人材養成等から始めなければならないわけでございますので、関係省庁でプロジェクトを組みまして、そしてそのもとに一から徹底して、米国及び関係国の協力をもいただきながら、一体となって我が国の安全あるいは災害時における不測の緊急事態のために万全を期すべき体制をつくっていきたいと考えておるところでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 衛星は、予知能力をいかに高めるかということだと思うんですね。それでもってそれを予知して、例えば北朝鮮から日本まで十分余でもって到着してしまうわけであります。それを果たしてどう迎え撃ったらいいんだろうということで、当然のことながらBMD構想が今回検討されるべきだ、こういうふうに私は考えるわけでありますけれども、今回の補正予算にも概算要求されていることは承知しております。  そこで、現在の検討状況についてお尋ねします。  アメリカが積極的に我が国にこの参画を望んでおるようでありますけれども、実際アメリカが我が国に望んでいることは果たして開発費用なのか、それとも我が国の技術を要求しているのか、その辺をちょっと明確にしていただきたいと思います。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) このあたりは防衛政務次官を務められた矢野委員が一番詳しいところだとは存じますが、御質問でありますからお答えを申し上げます。  先ほど来申し上げておりますとおりでありますが、弾道ミサイル防衛は我が国の防衛政策上の重要課題であります。また、純粋に防御的なシステムであるBMDは、我が国の専守防衛という政策にも適しております。ですから、我が国として主体的な取り組みを行ってきたところでございます。  防衛庁としましては、これまでの調査研究の成果及びアメリカの研究開発の状況等を踏まえれば、今後の取り組みとしてはTMDプログラムを進めている米国と共同技術研究を実施することが最も効率的である、適切であると考えております。現在、政府部内で所要の調整を行っているところでございます。  このような日米間における協力は、政策面、技術面における日米安保体制の信頼性の向上に資することに加え、我が国の防衛技術水準の維持向上が期待されており、こうした点については米国側も同様の認識を有していると承知しております。  いずれにしましても、米国が我が国に求めているものは共同技術研究でありまして、開発費用を求めるというものではないと考えております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今、日米安保体制の信頼性の向上ということでの指摘がありました。  最も肝要なことは、今回、ガイドラインの関連法案をいかに速やかに成立させるかということだと思います。そこにおいて、来年の通常国会ではいろんな場面が予想されるところであります。大変重要な問題、国会報告で済まされるものかどうなのか、その辺を含めて重要な問題があろうと思うのでありますけれども、早期に何しろ成立させなければいけない、それが前提だと思うのでありますけれども、その見通したるやひとつお伺いしたいと思います。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) 委員御指摘のとおり、ガイドライン関連法案の早期成立は、我が国の平和と安全の確保のために大変大事なものと認識しております。  国会報告につきましてはいろいろな議論が行われることが予想されると思います。政府としては、周辺事態の対応には、まず武力行使を伴わない、あるいは国民の権利義務と直接関係するものではない、あるいは迅速な決定を行う必要がある、こういうことを総合的に勘案しまして、防衛出動やPKOの凍結業務の実施とは異なる性格のものである、こう判断いたしまして、基本計画については国会に遅滞なく報告をする、そして議論の対象としていただく、こういうことが妥当であるという趣旨で提案させていただいております。  私もこの実現のために誠心誠意頑張りたいと思いますが、何とぞひとつ国会で早く審議の俎上にのせていただいて、成立させてあるいは承認してくださるように心からお願いを申し上げる次第です。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 幾つかの重要な点についてお伺いをいたしました。  先般、額賀前長官がその職を辞するに当たりまして、自分がこの調達問題のしんがりになるとともに、新生防衛庁の始まりとなるように希望されたと聞いております。前長官の辞任をむだにすることなく、防衛庁として何とかしてこのハードルを乗り越えて再生することを期待したいと存じます。  そして、最後になりますけれども、総理にお伺いをいたします。  ぜひともこの経済再生をもってして日本国を再生したいというような並々ならぬ熱意は感じます。しかし、そこには当然のことながら安全保障があって初めて日本の国が存在するわけでありまして、非常に不安定な中での今の日本だということを前提にしまして、私は、八月三十一日のあのときの記者会見についても、ぜひとも総理みずから国民に広く訴えてほしかったなという気持ちでいっぱいなんです。  ですから、今般改めて、きょうはテレビも入っているようでありますから、今後、日本は私がひとつ精いっぱいの努力をもってして守っていく、国民の皆さんよ、ひとつ協力をしてくれ、理解をしてくれ、そんな強い熱意を訴えていただきたいと思うのでありますが、決意のほどをお願い申し上げます。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今、防衛庁長官その他との質疑応答をお伺いしておりました。  国家の存立は何といっても国家の安全保障が基本であります。そういった意味におきまして、憲法の理念に基づけば、各国との信頼関係を築き上げるということでございまして、その点につきましては、外交手段を通じまして諸外国の信頼を得ながら我が国の存在を明らかにしていきたい、こう考えております。  と同時に、やはり国家として経済的安定がなければなりません。そのために、あえてこの内閣を経済再生内閣と銘打たせていただきました。何としても現下の状況を乗り越えて、国家的危機を克服いたしまして、内外ともに信頼される日本の国づくりのために誠心誠意努力してまいりたいと思っております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 以上で安全保障についての質問は終わらせていただきたいと思います。ぜひとも御尽力を心から御期待申し上げます。  我が先輩議員であります石川議員からも指摘がありました。現下の我が国の経済状況は大変深刻、未曾有の危機にあると言っても過言ではないと思います。そして、今回緊急経済対策を発表されて、この臨時国会は師走の臨時国会になったわけでありますけれども、これまた異例な話だと思うんです。  この国会で補正予算が成立することによって、公債依存度が我が国財政の三八・六%にも上る、これは過去最悪な状況、財政状況だと言ってもいいと思うのであります。しかし、そこまでして総理は経済再生にかけるんだというふうなことであります。  その総理の意気込みはわかるので、私どもは十分理解、なおかつ何とかいけるなと、こう思うのでありますけれども、残念ながら、昨日のNHKのアンケートの調査は、二十歳以上の男女千八百人を対象として、小渕内閣に最も期待したこと、これは景気対策だと六三%の方が答えています。そして、景気についてはどう感じているかと、大変厳しいという方が九二%。ちょっとはしょりますけれども、今回の緊急経済対策の効果についてはどうなんだろうと、残念ながら期待できないという方が七二%。そして、期待できない理由に、今までの政策と余り変わりないんじゃないかというふうな話があるんですね。  この辺も含めて、そんなことないぞと、ひとつ国民の皆さんついてきてくれと広く訴えていただきたいと思うのでありますが、いかがですか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) いろいろの調査によりまして大変残念ながらそうした評価をいただいておることは、多く反省をしなければならぬと思っております。  ただ、現下の経済状況にかんがみれば、なかなか難しい問題が率直に言ってあると思いますことは、従来の日本の経済、特にその中で不況自体を乗り越えるためにということにつきましては、例えば、極めて世の中が、不況の中で物は不足し、生産は上げていかなければならない、こういう耐乏の中で存在しました。しかし現在は、なかなか言葉は難しいのでありますが、ある種の豊かさの中でかつてない不況時代を迎えておるということでございまして、これに対する対応の指南というものはいろいろ御指摘をいただいておりますが、なかなか奇手妙手のたぐいはないと考えております。  しかしながら、その中におきまして、今般行われておりますような各種の政策を総合的、複合的に追求することによってこの事態を乗り越えようということで、諸施策を打ち出させていただいておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして、こうした諸政策が必ずや効果を生みだして、将来にわたっての自信を得られるような日本がつくり上げられるものと考えております。  なお、私自身も反省をいたしておりますが、国民の皆さんにこのことをいかにお訴えをしていくかということは、みずから努力が必要でないかと思っておりまして、先般もアメリカのクリントン大統領が参られまして、みずから国民の皆さんにもいろいろな形を通じてお訴えしておる姿などを拝見いたしますと、やはり私自身、みずからあらゆる場面に出まして率直な考え方をお訴えしなきゃならぬと思っております。また、この機会をお与えいただきましたことを改めて感謝いたしますと同時に、ぜひ全力を挙げてこの内閣としての使命を果たしていきたい、こう思っておりますので、御協力のほどを改めてお願いいたす次第でございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今回の緊急経済対策の一つの大きな柱が、個人所得税の減税並びに法人税の減税ということに相なろうと思うのでありますけれども、個人の所得減税一つにしても、最高税率は六五%を五〇%、しかしながらことしの定額減税をもってすると、それ以下の方たちは一体どうなるんだろう、そういうふうな全容がなかなか見え切っていない中で、先ほどのアンケート調査の結果もあるのではないのかなと思うのであります。  また、これは私の意見でありますけれども、せっかく暮れにこれだけの臨時国会を召集して一つの方向性が定まったのでありますから、法人減税などは、できますれば来年、通常国会当初に減税法案を処理して今年度の会計年度からも対応していただきたいなという気持ちがあるわけなのであります。その辺は党税調の意向もまつわけであります。  ですから、大蔵大臣にお聞きしたいのでありますけれども、一刻も早く所得減税の全容というものを国民に広く知らしめていただきたいな、そうすることによって反転のきっかけになる、国民もそういうふうな感じがすると思うのでありますけれども、御意見をお伺いします。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 小渕内閣が発足をいたしました八月早々に所得課税、法人課税の減税につきまして首相がその所信を表明されました。平成十年は既に法人税につきましては減税されました四六%という税率が適用されつつございましたし、また個人課税については、橋本内閣時代の減税が実施されておりますので、小渕首相の表明せられました減税策は、平成十一年分の所得あるいは平成十一年のある時期に始まる法人課税ということに、当然そのようなものとして首相が表明されたことは明らかであったと思います。  またしかし、首相としては、世界に対してもこれから自分が掲げるべき政策、一つは減税について、一つは来年度予算あるいは補正予算の編成について、一つは金融問題について、この三つについて就任早々に施策を表明された、それは八月のことでございます。当然そのときに、そのような施策は平成十一年に関係するものでございますから、年末までの間に諸般の税制調査会等々を経て具体化されるべきものというふうに広く理解されておったと思いますけれども、実際にはその表明が非常に早うございましたために、何となくもっと早くできるのではないかという期待を呼んだことは確かでございました。総理大臣もその点はいろいろに考えられたようでございます。  それは、平成十一年分の所得であるには変わりないが、一月から現実に源泉徴収ができないだろうかとかいうようなことについてですが、現実には今我が国の源泉徴収義務者は四百万いるそうでございますが、大企業はわけはありませんが、三人五人雇っているところの源泉徴収というのは大変なことでございます。はっきり税法が確定しましてから現実に源泉徴収事務が行われ得るまでの間に二月必要であるというふうに言われておりますものですから、そういたしますと、一月に源泉徴収が始まるためには法律が十月には上がっていないといかぬというやむを得ない事実がございまして、したがいまして源泉徴収も一月からというわけにはまいらないということ、そういう問題がございました。  法人税につきましては、四六%に減税された税率が既に適用されておりますものですから、したがって次の減税は平成十一年の、普通でございますとやはり四月から始まる年度であろう、これが当然に一番早い時期における減税策というふうに考えるべきものであったのでございますけれども、その間非常に時間がたちましたために何となく遅滞があったような印象を与えましたことは今申したような理由でございます。  それで、残りました今お尋ねの問題は、それにしてもまず法人税については平成十一年の四月と普通考えられますが、四月から始まる年度。それは一月から始まる年度ということは可能でないのかということはお尋ねとしては私は十分意味のあるお尋ねだと思いますが、一月開始年度の法人というのは実は非常に少のうございますし、普通やはり四月年度をサイクルとして考えられておりますので、四月開始の年度が普通ではないかなと。これは一遍財界の方にも一月という話がありかかっておりましたけれども、御説明をして御納得がいったように思います。  それからもう一つは、所得課税は平成十一年分の所得である、それはおわかりいただけたと思いますけれども、たまたま平成十年分の所得について橋本内閣の定額の減税が行われております結果、二回分行われましたので、現実には課税最低限が四百九十一万円になっておる。法律上の課税最低限は三百六十一万円でございますので、今の時点において恐らく数にして数百万の方々が納税者であることをつまりやめておられるわけで、資格を失格されたといいますか、こういう失格は悪くないと思うんですが、おれはもう納税者でないと思っている方がいらっしゃる。しかし、これが進みますともとへ返りますので、三百六十一万円というところから計算をしなければなりません。理屈はおわかりなんでしょうが、それにしてもせっかく一遍納税者でなくなったのにまた復帰するのかなという思いというものは全くわからないわけでもない。  しかし、そこのところはわかっていただかないとなりませんで、とは申せ、そうであれば何とかそこらのところの階層の方に少しでも減税を余計にすることはできないか。私どもは定率減税を考えております。これは一番税率の刻みが正確に反映されるわけでございますから、定率がよろしいと思うんですが、それに頭打ちをかけるということになるんだと、まだ決まっておりませんが。  そういうことの工夫の中で、一遍納税者であることをやめられた階層の方々へ何とか少しでも減税を大きくできないかという問題が、今政府税制調査会と私どもの党の税調との間で検討しておられまして、今すぐに御返事を申し上げられませんが、問題意識は十分に持っております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今回、それぞれ地方と国でもって綱引きがありまして、財源の確保でもってかなりの熱い議論がなされたというふうに聞いております。その中で、地方財政の借入残高が平成十年度は百六十兆にも上る、財政運営上警戒ラインであります一五%を超える団体が千八百四十七、全国でもって五〇%を超えてしまったという地方財政の現実であります。ですから、今回恒久減税を導入すると、ますます公債負担が地方でも多くなっていくということは必至であります。  そんな中で将来を考えると、地方の財政再建も急務だと考えるのでありますけれども、その辺、総理の御見解をちょっとお伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この点につきましては、矢野委員の仰せられますとおりのことを自治大臣から非常に詳しく承っておりまして、容易ならざる地方の財政の現状でございます。  したがいまして、御承知のように所得課税六五から五〇にいたしますときに、私どもとしてはやはり国の所得税の最高限は四〇を下回りたくない。国際的にやっぱり四〇というのはいいところだと思いました。しかし、どうも自治大臣の御都合がありまして、住民税は自由にはできない、地方財政の実情からとおっしゃいましたので、結局、住民税を一三、国税を三七というところで決めさせていただきました。  同じようなことは法人税にもございまして、法人事業税の減税は非常に地方に響きますものですから、これも国税の方でかなりとらせていただきました。  そういう状況の中で、なお地方財政が御承知のようなことでございますから、たばこ税を国の分を一部お渡しする、あるいは法人税につきましては交付税の交付基準を上乗せする、あるいはいわゆる不交付団体に対する交付金を特別に設けるといったようなことをいたしまして、ともかく今地方財政の当座は自治大臣にまあ御辛抱いただく程度にはお話ができたわけですけれども、これはいっときのことでございませんので、どうしても将来に向かって、おっしゃいますように、国と地方との行財政関係というものは考え直していかないといけないという問題を持っておりますことは御指摘のとおりと心得ております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 もう一つ、法人税についてお伺いします。  今まで法人税率が三四・五%から三〇%に引き下がった、そして中小法人、協同組合等の軽減税率、これが二五%になったわけであります。これは前回の見直しのときに連動して見直された。やっぱりそれだけの一つの意味合い、理論的な裏づけがあったと思うのでありますけれども、今回この二五%から連動して見直すべきなんではないかなというふうな一部強い意見もあるようでありますけれども、その点についての御意見をちょうだいします。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 今、委員から御指摘がございましたように、法人税は基本税率のほかに中小法人の軽減税率あるいは農協等の協同組合に対する軽減税率がございます。現在、三七・五の、引き下げ前でございますが、二五%となっているわけでございます。  これらの軽減税率につきましての考え方といいますのは、経済の中立性とでもいいましょうか、同じような仕事をしているなら同じような税率が適用されるべきではないかというようなことから、なるべく基本税率等の格差を縮小する方向で検討せよというのが政府税制調査会の考え方でございます。  いずれにいたしましても、平成十一年度税制改正は今税制調査会で検討が進められているところでございますので、こうした検討の結果を踏まえて決定されるというふうに承知しております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今の説明は多少不服なんです。やっぱり方向性として、縮めるべきなのじゃないかということも一理あるのでありますけれども、現実は現実として、理由があったからこそその格差ができたということだと思いますので、その辺の経緯も含めて、ここまで私は連動していただきたい、こう期待するところであります。  景気対策、順調に進んでもらいたいなと、こんな気持ちでいっぱいなのでありますけれども、規制緩和について私はお伺いしたいと思うのであります。  もう規制緩和の大きな荒波が立っているわけでありますから、今さらさおを差すことはできないと思います。しかしながら、中長期的に見れば、確かに新しい雇用を創出するというような規制緩和だとは思うのでありますけれども、当面、これだけ厳しい状況の中で本当に中小企業はやっていけるのかというときに、いたずらなスピードで規制緩和をどんどん進めるんだということになると、当然痛みが生じてくるわけであります。つまり、アクセルを踏みながらかえって規制緩和でもって急ブレーキを踏んだというふうなちぐはぐな状況になっているような感じがいたします。  今後の規制緩和について、当面はどうなんだろう、もう少しスローダウンしてもいいんじゃないかという私は考え方なのでありますけれども、その辺の御見解をお願い申し上げます。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 規制緩和につきましては、経済効果が十分にあるということを計算いたしておりまして、例えば昨年の経済企画庁の試算によりますと、五年間の平均で七兆三千億ぐらいのGNPの創出効果があったというふうなことが計算されておるわけでございます。それらの計算結果につきましては、各種国際会議などでPRに努めておりまして、それなりの国際社会からの評価をいただいておると思います。  また、我が国のそういう規制緩和に対する努力の一方で、これは最近のことでございますけれども、例えばアメリカがこの間に我が国に要求していた規制緩和に対して、我が国がアメリカに対し要求したことをどのぐらい実現したのかということをはっきり証明するようにということを今こちらから申し入れているところでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 相関関係で、こっちが言われたからこっちも言い返すよという話、ぜひひとつお願いしたいのであります。  日本の文化の中に根差したいろんな仕組みがあるんです。ですから、要するに基本的に規制をかけることによって自由競争の原理が働かなくなって減退したというのだったら規制を外そうと、私は大賛成なんです。そうじゃなくて、やはり日本の文化として弱肉強食の世界は否定しよう、みんなで結果責任をひとつ共有しようじゃないか、こういうふうなあり方があろうと思うんです。  ですから、もう一度、規制緩和、その辺のスピードの関係も含めて大臣の見解をお伺いしたいと思うのであります。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) つい先日も規制緩和委員会に総理みずから御出席をいただきまして、今の矢野先生のような御指摘を総理の方からも委員の方に問題提起をいたしていただいております。  なお、一つの例を挙げますと、バシェフスキーさんに私が申し上げたのは、日本の損害保険のマーケットというのは非常に普及率の高い大きなマーケットになっておりますが、アメリカの損害保険の市場は非常に矮小なものなわけでございます。そうすると、そういう矮小なマーケットの国が十分に普及した大きなマーケットを持っておる国の制度のあり方について注文をつけるというのは、まことに本末転倒であるということを申し上げているわけでございます。そういうことが随所にあろうかと思います。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 最後に、これは経済の問題での最後でありますけれども、金融はアメリカの方式が世界の標準になってしまいました、私は残念だなと思っています。しかしながら、まだ物づくりは日本の技術もあり、まだまだ未着手な特許もたくさんある。  先般、ある地方紙が、どっこい日本なんということでいろいろ日本の底力を報道しておりました。そこには、アメリカから日本の活力たるやまだあるな、諸外国から本当にまだ日本の流通についても勉強するところ多々あるな、こういうふうな記事がたくさん載っておりました。移動電話についても世界一になるような今勢いだというふうなことも書いてありました。  でありますから、私は、本当に今自信喪失した日本なのでありますけれども、少し気分転換で、まだまだ日本は元気だぞ、そんな日本発のアナウンスメントを世界に発するような元気さが必要だと思うのであります。今の現下の状況を判断しまして、特に製造業なんというのはかなり元気な部分があります。  その辺ひとつ総理の、牽引力になる、迫力を感じつつ、現下の製造業の、大変厳しい部分もありますよ、しかしこういういい部分もあるんだという、先ほどから気分の問題だというような話になっていますから、その気分の問題を転換するようなひとつ発言をいただきたいと思うのであります。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 矢野委員御指摘のように、日本人の持つ能力の中で、物づくりといいますか、そうしたものは大変大きな力があるのではないかと思っております。  先般も、ある物づくりといいますか、世界に名立たるメーカーの社長さんその他とお話ししましたが、大変残念ながら、物づくりにおいてはすばらしい物をつくっておるけれども、貿易収支その他を考えますと、現在の世界的な金融の問題、特に為替の問題を考えますと、その影響が非常に大きい、日本を代表するような自動車企業で一円為替差益差損で百億あるいは五十億円という違いが起こってくるということをお聞きいたしまして、そういったことを考えますと、国際金融問題という問題について我々もこれまた真剣に考えなければならぬと思っております。  先般APECに参りまして、御案内のようにマレーシアのマハティールさんが自国の為替を一時中止しておりますけれども、こういったことを考えますと、この世界の金融問題に対する認識もこれから深くしていきませんと、ドルあるいはまた来年一月からユーロという新しい通貨が発生してくる、その中で日本の円をどう考えるかというような問題も考えてまいりませんとならない、こう考えております。  しかし、いずれにいたしましても、日本人がつくり上げるこの力というものは極めて大きいわけですから、そういった意味で、ますますもってこの仕事にかかわる方々におかれましては創意工夫を重ねて立派な製品をつくっていただくように、そのための協力については政府としても全力を挙げていかなきゃならぬ、このように考えております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 農林漁業関係についてお伺いをいたします。  ことしの一月だったですか、漁業協定を破棄通告して、それから日韓漁業協定の交渉がスタートをしたわけでありますけれども、関係各位の御努力によりまして今年の九月決着を見たわけであります。この点につきましては、かえって私よりも石川議員から質問をいただいた方がいいのかと思いますけれども、あえて私から質問いたします。  しかしながら、内容を見ますと、大変我が国の優良漁場であります日本海並びに九州西部において暫定水域が設けられておる、そこは我が日本の管轄権を行使できない水域になってしまいますから、大変心配が想定されております。乱獲がされないのかな、資源管理は本当に必要なんだけれどもなというふうに地元の漁業関係者たちは大変心配しておるところでありますけれども、その点での今後の対応、並びに今回予算措置も十分盛り込まれているようでありますけれども、その予算措置についての説明も願いたいと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 今回の新協定では先生御指摘のように暫定水域を二カ所設置したわけでありまして、それを初めといたしまして、漁業関係者の皆さんが大変不満と不安を覚えておられることは我々十分承知をしております。  いわゆる暫定水域につきましては、我が国の重要な漁場でもございますので、新しい協定のもとで、日韓漁業共同委員会の協議を通じて、魚種別、漁船の最高隻数を含む適切な管理を行うこと、あるいは現在双方が行っている規制を相手方に通知をして、また相手方はそれを尊重する、十分配慮をするということが決められておるところでございます。  具体的に申し上げますと、日韓両国がそれぞれ魚種、漁業種類別の漁船の最高隻数を設定すること、あるいは操業条件に関して韓国にも日本と同様の規制を求める等、できるだけ実効が上がり、違反あるいはまた資源管理に影響を与えるようなことのないように現在も韓国側と協議をしておるところでございます。  また、具体的には、漁業に、特に日本の漁業関係者に与える影響を防止し、経営の安定という観点から特別の漁業振興対策等を講ずることとしております。  具体的には、現在御審議いただいております第三次補正予算におきまして、二百五十億円の基金造成による漁業対策等の経営対策等の漁業者への支援、これは二百五十億円でございます。また、県営栽培漁業センターの整備等水産資源の培養対策、十四億円。それから、これは海上保安庁でも同様の対策をとっておりますけれども、監視取り締まり体制の整備、これは水産庁として五億円、合計二百六十九億円を水産庁として今回の特別対策ということで三次補正の中に盛り込んで御審議をいただいているところでございます。  これらの活用とあわせて、現在交渉されております操業条件等の内容、また協定実施後の外国船操業対策を実態を十分勘案しながら、漁業関係者の皆さんの不安の払拭に万全を期していきたいというように考えております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 加えまして、昨日、農政改革大綱が省議でも決定されたようであります。二十一世紀に向けた我が国の農業の発展に資するものと私も大いに期待する一人でありますけれども、その中で、多くは同僚議員の質問にゆだねたいと思うのでありますが、食糧自給率を目標設定してやっていこうじゃないかというように明確になったわけであります。現在の我が国の状況、そしてその目標率を設定し目標を達成するのは大変な努力が必要になってこようと思うのでありますけれども、その辺について農水大臣の御意見を伺いたいと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 昨日、農政改革大綱を決定させていただきました。その中で、食糧を将来にわたって安定的に供給すること、またそのためには国内農業生産を基本とする位置づけ、そしてその維持拡大ということが重要だということで、食糧自給率の目標を策定し、そして国民的な理解あるいはまた消費者を初めとする皆様方の関心をいただきながら、関係者の努力目標及び政策の推進とさせていただきたいと思っております。  現在、いわゆるカロリーベースで七二%ということで、世界の中でも大変に低い水準でございますけれども、そういう観点から……

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今七〇と言ったのですか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 失礼しました。カロリーベースで四二%でございますが、どういうふうに設定をしていったらいいかということでございますが、できるだけ国民的な総意のもとで自給率を上げていきたいという気持ちは私も持っておるところでございますけれども、実現不可能な、あるいは実現するのにかなり無理をしたような数字をぽんと挙げていくということも現実的ではないという観点から、かなり具体的また細かい作業を積み上げていく必要があると考えております。  生産面では、品目ごとに品質、コスト面等の課題を明確化して、そしてそれに対して生産者の皆さんの御努力もいただきながら、どの程度生産の増加を品目ごとに盛り込んでいくことが中期的にできるんだろうか。あるいはまた需要面では、食べ残しあるいは廃棄というのは結構量的に多いというふうに我々は認識をしておりますし、日本型食生活が健康にいいんだという観点から脂肪というもののとり過ぎを少し削減していこうというようなことも勘案をして、それによって自給率も上がっていくという方向になっていくわけでございますので、そういう品目別あるいはまた食生活等も含めて全般的な観点からこの自給率というものを設定し、そして生産者の皆さんの努力あるいはまた消費者の皆さんの御理解をいただきながら、日本の安定的な食糧供給に資するように設定をしていきたいというふうに考えているところでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 食糧自給率の必要性を国民に広く理解させることができるならば、いろんな農政展開が容易になっていくということで、ぜひともそれの仕組みをうまく運用していただきたいと思います。  そして、それだけ自給率が低いということは輸入をしておるということになるわけでありますけれども、相当量アメリカからも日本は農産物を輸入しているわけであります。しかしながら、九八年のアメリカの通商政策課題と九七年度の年次報告によりますと、日本は米の有力な市場だと、一層の輸出促進のために圧力をかけていくというふうな今年度の取りまとめでありました。私は、これは大問題だと考えておるのでありますけれども、外務大臣の見解をお伺いします。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) アメリカは、日本に対してだけでなくて常に自国の農産品の参入拡大を各国に迫っているわけであります。そういう中で、日本とすれば今の食糧自給率の問題を含めて日本の農業全般が置かれた状況をアメリカだけでなくて国際社会に理解されるように最善を尽くしていくというつもりでございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 同様の趣旨で農林大臣お願いします。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) アメリカがほかの国に自国の食糧を買えと言っているかどうかとは別に、我が国としては現に食糧の世界最大の純輸入国であり、必要な国産の食糧、備蓄、そしてまた輸入というその三つのバランス、あくまでもメーンは国産という前提の中でこれからの食糧政策に取り組んでいきたいというわけでございますので、我々としては、単に必要以上のといいましょうか、アメリカの要求を一方的に受け入れるということは我々の立場ではするつもりはございません。  そういう中で、食糧生産が大事なことだけではなくて、農業の果たす多面的な機能等々をあらゆる機会、例えばWTO、OECD、FAOの国際機関等のマルチの場あるいはバイの二国間協議でも常に我が国としては主張し続け、そして各国の理解を求めているところでございますけれども、今後もあらゆる機会を通じて我が国の普遍的な主張だと思っております立場を主張し続けていきたいと考えております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 時間になりましたから終わるわけでありますけれども、間もなく九八年も終わって九九年を迎えるわけであります。総理、ひとつ不退転の気持ちでしっかりと日本丸を引っ張っていっていただきたい。我々も全幅の信頼を感じつつ、精いっぱいの御後援を申し上げたいなと、こんな気持ちで質問を終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で石川弘君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 十一月に新しく出直しました公明党の木庭健太郎でございます。  きょうは、総理並びに関係大臣に、景気の現状を含め総合経済対策等について御質問をいたします。  まず最初に、現在の景気の認識についてお聞きをしたい。堺屋経済企画庁長官。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 繰り返し申し上げておりますように、現在の景気の情勢は極めて厳しいものがあります。バブル崩壊以来、さまざまな点で日本の経済構造が傷んでおりまして、なお極めて厳しい状態が続いております。これからも雇用あるいは設備投資の面は後退する可能性が高いと思いますが、そうした中にも一部変化の兆しが見えている、新しい動きが起こってきたのではないかという期待を持っている段階です。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 何か底を打ったとかおっしゃったんじゃないですか、企画庁長官。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 私は、明確に底を打ったとは申しておりません。変化の兆しが見えると、こう申し上げたのでございます。  底を打ったというのはどういう状態をいうのか、これまたいろいろとございまして、例えばGDPが上がったら底を打ったというのか、株の値が上がったら底を打ったというのか、雇用がふえたら底を打ったというのか、それぞれ時期が違ってまいります。  今の状態でいいますと、生産や雇用はなお厳しい状態、特に雇用は遅行指数でございますから厳しい状態が続きます。それから、設備投資でございますけれども、これがふえてくれなきゃ本格的な回復と言えないんですが、設備投資がふえるためにはやはり企業が利益が上がるという見通しが要ります。そのためには、ある程度企業のリストラが必要でございまして、その段階で人員整理や事業整理ということも起こってくるでしょう。したがって、実態的にはなお暗い期間が続く。  その中にも新しいものが台頭してきて、従来のものが下るのと新しいものが台頭してくるのと両方の動きが生じておりますけれども、数でいいますと従来のものが多いものですからしばらくやはり暗い時期を通る、その中にも新しい胎動がある、こういう感じでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 経済企画庁長官に対して最近厳しい苦言を呈していると言われている中川農水大臣の御意見を聞きたい。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) もとより、私は経済・景気分析については全くの素人でございます。  そういう意味で、しかし小渕経済再生内閣の一員として経済に関して関心を持ち、自分なりにいろんな方のお話、また直接的に自分が関係のある例えば地元北海道の状況、あるいは農林水産関係で申し上げますと、農家の実質的な現金支出が対前年比七%減っているという大幅な減少、食品産業あるいは外食産業の落ち込みが、特に外食産業は二十八カ月連続で売り上げが減っている、あるいはまた客単価、客数も落ち込みが続いておる状況、あるいはまたいろんな人の御意見を聞きますとさまざまでございますけれども、それは一々申し上げませんが、そういう中で最も信頼すべき経済企画庁あるいは日銀の統計等を拝見いたしますと、今、経企庁長官からもお話しありましたように、依然として厳しいものが一層厳しくなっている、また厳しさが少し鈍化をしているという数字も出ているわけでございます。  そういう中で、現時点でおまえはどう考えているのかという御質問の趣旨だと思いますので、そういう観点から申し上げますならば、これだけマネーサプライがふえている中でお金の流動性が非常にギャップがある、これはどこにお金が消えていっているのか、企業かあるいはたんすかあるいは金融機関かわかりませんが、あるいは通貨の回転率が非常に落ち込んでいるのではないかというような状況も想像されるわけであります。  さらに、私が気になっておりますのは、名目の経済の落ち込みが実質の落ち込みよりもさらに大きいという、いわゆる逆の意味のデフレギャップという状況もある等々を判断いたしますと、まことに素人ではございますけれども、現時点においてもデフレ状態が続いておると私は考えております。これはあくまでも素人としての考えでございます。  しかし、そういう中で、今回の三次補正予算を初めとする緊急経済対策を積極的に果断に小渕内閣のもとでやっておるわけでありますから、現時点は大変厳しいと私は思っておりますけれども、小渕内閣の政策のもとで一日も早く景気が上向きになり、そして回復をしていくことを私も願い、そして私の立場で全力を挙げて頑張っていきたいと考えております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 もっと厳しいことを実際はおっしゃったんじゃないかなと思うんですけれども。  いつも客観的に物事を見られていると評価されております大蔵大臣、一言、今の景気認識について。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 経済企画庁長官が言われましたこと、実際いい兆候もあっちこっちで出ておりますので、私は水を差す気は全くありません。そういうことを力づけていくことが大事と思います。  それで、今御審議いただいております補正予算あるいは経済対策でもお気づきいただきますように、ここから一番気をつけなければならないのは雇用の問題であると思っています。  それは、何しろ長いこと我が国の企業がいろんな意味で雇用を抱えていてくれました。ここまで来て、しかしこの九月決算あたりになりますと相当つらくなりまして、なかなかもう世間体も構っていられないような雰囲気が出ておりますし、企画庁長官が言われますように、ここでリストラをしなければならないという雰囲気が非常に強くなっております。今我が国の雇用四・三%というのは、それは随分落ちてきたとは申すものの、ヨーロッパに比べれば非常に低い。そのことは今までの企業の努力に負うところが多かったと思います。  それがいよいよリストラに入らなければならないということになると、企業もそうばかりはしてはいられないという様子が見えておりますので、そこでこれはまさに堺屋さんがさっき言われたことですが、そうなると企業の設備投資という話にはすぐにはならないということになりかねないので、私は水を差すというよりは、政府としては雇用というものを十分やっぱり対策として考えておく必要があるということを強調いたしたいと思います。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 しつこくこの景気認識をお聞きしたのは、まさに前橋本内閣の失敗、失政は何かといえば、景気認識を根本的に誤ったからです。そこから始まって国民に負担のツケを回して、その結果今のこの不況を生んでいる。極めて大事だと。堺屋さんもこの前、前企画庁長官のことをして、桜の咲くころとかいろいろ言っていた、その結果が今を招いている。だからこそ、逆に言えば、今の時点というのは本当に慎重に厳しくこの状況を見なくちゃいけない。  私の実感は残念ながら堺屋長官とはやや違いまして、それは消費が少し上向きになった、いろんな商店がいろんなことを、還元セールとかやった。確かにそういうのは伸びたかもしれない。しかし、これから年を越すためにどうなっているか。ボーナスは下がるところが多い。リストラの話もあった。さらに、中小企業が本当に年を越せるのかという状況を迎えた中での問題である。  そういう意味では、この景気認識というのは、私は内閣不一致とか言いません、どんどん閣議で議論してください、それぞれの立場で。いろんな意見があるでしょう。それを本当に厳しく認識した上で、ただ外に出すときはできれば小渕総理、経済再生内閣ですから、今の景気認識、経企庁長官がおっしゃったことはおっしゃったことで結構、ただ総理として今どう認識しているか、これをもう一度きちんと国民の前に明らかにしておいていただきたい、こう思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 政府として公式にということになりますれば、経企庁長官が申されましたように、政府としての現在の経済の状況について発表いたしておることに尽きることだろうと思います。  しかし、委員御指摘のように、それぞれの部門を考えますと、また政府でいえばそれぞれの大臣の立場から所管いたしておりますいろいろな実態を把握いたしますと、現在の状況というものはそれは手放しで喜べるような状況にないということは申すまでもないことであります。きちんと現状を見詰めながら、しかし将来にわたって明るさを見つけていくための施策を今後講じていくということが政府の基本的な考え方であることは、御理解いただきたいと思います。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 ところで経企庁長官、今年度の成長見通しマイナス一・八%は達成なさるんでしょうか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) この七―九月の、第二・四半期のQEがマイナス〇・七%、年率にしましてマイナス二・六%と出ました。そういう状況から考えると、ちょっとしんどいかなという感じはあります。しかし、予測を変えなきゃいかぬほど大きく外れているわけではない。ちょっとしんどいかなというのが正直な実感でございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 その誤差の範囲というのはどれくらいのことをおっしゃっているんですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 大体プラス・マイナス二〇%ぐらいの誤差で言いますから、大体プラス・マイナス〇・四ぐらいの範囲は許容と言われておりますが、その中にはおさまるかと思っております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 プラス・マイナスと言われると、プラスになる可能性もあるということをおっしゃっているんですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) ないとは申しませんけれども、ちょっとしんどいなと申しておりますから、プラスになる可能性は低いと御了解ください。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 そこで、これ一―三月期にもはね返る今回の総合経済対策でございます。二十三・九兆円、これの経済効果はどれぐらいあると思っていらっしゃるか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) この総合対策の中にはいろんなものが含まれておりまして、計量できるものは社会資本整備の部分とそれから所得税減税の部分でございます。この社会資本整備と所得税減税で名目で二・五%、実質で二・三%ぐらいの押し上げ効果があります。  そのほかに法人税の減税、これは年度を送ることもありますし、それから雇用対策とか、こういうのはちょっと計量化モデルがございません。そういうのを加えますとそれより幾らか高いと言えるわけですけれども、数値としてあらわせる範囲では名目二・五、実質二・三というのは確実だということでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 ちょっと今、社会資本と所得税に関してはどんなふうな割合なんですか、これ。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 社会資本の充実の方が名目で二・一、実質で一・九でございます。所得税の減税の方は〇・四でございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 その中で、これはいつも論議になるんですけれども、社会資本の分については一―三月期にきちんとはね返るという計算のもとでしょうか。これは年度でという話でしょう、年度でこれだけだということでしょう。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) このモデルは、数量に乗数効果を掛けておりますから何月に施行するかということは入っておりません。したがって、我々といたしましては、できるだけ各自治体が十二月補正、十二月県会をやっていただいてこれを通していただいて、一―三月に実行していただくとありがたいとお願いしている次第でございますが、このモデルは全体の額を一年間計算しますから、前か後かということは出ておりません。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 一―三月というのは、まさに総理がおっしゃっている九九年度は明確なプラス成長と、こうおっしゃったわけですね、総理は。まさに助走段階ですわな。それを経てプラス成長へというお話なんでしょうけれども、国民にとって、どうして九九年度は明確なプラス成長なのか、よく国民はわからないと思います、言葉だけで。この根拠というのは何ですか、明確にプラスになるという。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 明年度にプラスと言えるような経済状況をつくり上げるということでございます。そのために今回の補正を含めたあらゆる経済政策を実施していくということで、明年はぜひしっかりとしたプラスの状況が生まれてくるような状況をつくり上げる、こういうことを申し上げておるわけでございます。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 今、総理がおっしゃったとおり、自信を持ってはっきりプラスと言えるというのが目標でございまして、それに向かって我々は政策する。それで、この第三次補正予算を含む緊急経済対策というのは精いっぱいのことをやったつもりです。  さらに、平成十一年度の予算あるいは税制、そういったものも含めてこの目標を達成するようにやっていきたいということでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 それでしたら、来年度の予算の概算要求の総額は八十兆ぐらいだったと思います。そういうことをおっしゃるならば、今年度の補正まで見てしまうと、これは緊縮財政の方に回ってしまうんじゃないでしょうか、八十兆というのは。  例えば、この概算要求よりもっとふやすつもりでこの予算編成に当たるんだと、総理がそういう決意でいらっしゃるのかどうか、お聞きしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 来年度予算につきましてはこれから十二分に検討してまいることでございますが、今回の予算は、いわゆる十五カ月予算と言われるように、切れ目なく今年度から来年度に移っていけるために今度の補正をお願いいたしているわけでございます。  今後、十一年度予算につきましては、これから予算編成に入りますが、あらゆる政策を遂行するための予算措置が十分講ぜられるような形にいたしていかなきゃならない、このように考えております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 もうちょっと言いたいんですが、十五カ月予算とおっしゃるだろうと思っていたので。ただ、そこまでお考えになるならば、見たときにああ緊縮だということになってしまうと、やっぱり心というものでいくと緩むところ、緩むというか逆に厳しいなという気持ちになりますし、その辺はよくお考えになられてやっていただきたいと思うんです。  日銀総裁に来ていただいておりますので、日銀総裁から、現在の景気認識と、もう一つ、日銀総裁が法人税減税を来年三月末の決算で使えるようにしてほしいというようなことを言われたとお聞きしましたけれども、その真意について教えていただきたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 私ども、我が国経済は引き続き極めて厳しい状態にあると認識しております。設備投資や個人消費は依然弱い状態でございますし、生産は低水準を続けております。また、企業収益は悪化を続けておりますし、雇用・所得環境も一段と厳しさを増しているというのが現状でございます。これらを踏まえますと、日本経済の生産、所得、支出をめぐる循環は依然マイナス方向に働いていると判断せざるを得ないわけでございます。  ただ、秋口以降、公共事業の発注が大幅に増加してきておりますし、私どももその効果があらわれるにつれて景気の悪化テンポは次第に和らいでくるものというふうに見込んでおります。  また、金融システムの立て直しにつきまして、御尽力によって枠組みが決まりました。そして、長期信用銀行などにつきましても、ある意味では落ちつくところへ落ちついたということになっております。こういうことが今後企業や家計のコンフィデンス、ひいては景気全般にどのような影響を及ぼしていくかについて十分注目してまいりたいというふうに考えております。  それから、ただいま御質問のございました法人税の件でございますが、経済の現状に対する私どもの見方は今申し上げましたように非常に厳しい状態にあるというものでございますから、需要喚起につながる施策は事情が許すのであれば早期に打たれることが望ましいと思っております。私としては、そうした思いから、所得税や法人税の減税も、できる限り早目に実施されればそれだけ企業や家計のマインド等に及ぼす効果、景気に及ぼす効果は早期に期待できるというふうに思っております。  もちろん、これは税制上の事情でございますので、税制の問題は国会で審議、検討されているものというふうに考えております。このことは私も十分心得ているつもりでございます。  日本銀行としては、現下の経済情勢にかんがみて、金融政策運営面から経済活動をしっかりと下支えしていく観点に立ちまして、これまでのかなり思い切った金融緩和基調を維持してまいるつもりでおります。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 日銀総裁、ありがとうございました。この一問だけですので、どうぞ御退席ください。  ちょっと日銀総裁のお話を聞いていて、今危機だと総理もおっしゃった、その危機感の差があるんじゃないかなと。私は最近の日銀の方が打つ手が早いような気がしているようなところもある。  例えば、この法人税の問題についても、先ほど御答弁ありましたから再度求めようかなとも思いますけれども、気持ちとしては来年三月の決算でもう使えるようにしてほしい。そうしたら、一月、二月は少ないかもしれない、それでも打てる手があるならばすべて打ちたい。これは、日銀だけじゃなく、私どもも含めてそういう思いというのはある。  それについてもう御検討はなさいませんか、大蔵大臣。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) まさに日銀はこのごろ非常に早く手を打っていただいておりまして、私もそれを感じております。殊に企業家の心理からいうとそれは非常に大事なことと思いますので、今のお話もそういうことに関係があると思います。  ただ、一月期から始まる法人税から減税を始めましても、それがすぐにキャッシュフローになって出てくるわけではなくて、一月からの法人活動がしょう法人税がそれだけ減る、そういうことでございますので、納税は一年先ということでございますから、どれだけの影響があるのか。  しかし、そういうお話もございますので検討はいたしてみますけれども、いずれにしてもしかし、日銀総裁が企業の方の立場からできるだけ金融的な負担を減らしていこうというお考えでいらっしゃることは私も大変共感をしております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 今度は所得税の方ですけれども、もう一度お聞きしますけれども、例えば実際にサラリーマンの方がこの減税を受け取るのは、もちろん国会審議ということもありますが、いつサラリーマンはこの減税を受け取るんですか、所得税の。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど申し上げましたが、法が確定をいたしましてから、源泉徴収票ができて、そして源泉徴収義務者が源泉徴収義務に入れるまでの時間が二月と聞いております。それは、大企業ではそんなにかからないと思うんですが、何しろ四百万という源泉徴収義務者が、小さいところがおりますものですから、したがいまして、普通に考えますと月々の所得から減税が行われますのは四月と考えます。そうすると、一―三月は年末調整をすると。大体そういうことに、それが一番早い方法であろうと思います。  まことにその二月というのは私も残念なんですが、いかにもしかし、民間の方にお礼もしないであの源泉徴収をやってもらっているんで、大変だろうなと、四百万おられるそうなので無理も言えないなという思いもしております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 一―三を年末調整ですか、これ。そうすると来年の十二月の話ですか、これ。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 現実に給与から引かれます最初の月は四月と存じます。したがいまして、その一―三は残りますから、年末調整になるかと思います。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 年末調整。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) はい、その年の年末でございますね。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 来年の十二月じゃないですか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 来年の十二月です。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 堺屋長官、減税はそれでいいんですか、そんな時期で。来年プラスにすると言っておいて。公約はことし八月にされたわけですよね。一年以上おくれてやる。何ですか、これ。これで本当に景気回復ができると思っていらっしゃるんですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 減税は早い方がいいと思いますが、税の事務手続につきましてはやはり大蔵省の専門家に任すより仕方がないと、経済企画庁でやるわけにはいきませんので。できるだけ早くという要望は持っておりますけれども、技術的なことをいろいろ聞きますと、やはり大蔵省にお任せするより仕方がないと思っております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 二カ月かかるとおっしゃいました、二カ月。四月でしょう、最初は、毎月の分は。ただ、一―三の分については、年末調整とおっしゃるけれども、やりようがあるんじゃないですか、やりようが。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 技術的な点を申し上げますが、四月から始まる年末調整については月額表ということで、実はどのぐらいの扶養人員がおられ、収入が幾らある方はこのような天引きをしてくださいという表をつくることになっております。  ところで、中小企業の実務を聞いてみますと、実は一―三月といいますのは税の本則の方、つまり定額減税のない、今ある本法の世界に戻りまして源泉徴収をやっていただくことになります。さらに、それに加えまして、実は大多数の企業が累積でしかどれだけ源泉徴収したかということがわからないのでございます。つまり、一月、二月、三月と行きますが、一月分のデータというのを捨てまして、二月までで幾ら源泉徴収したのか、その税額だけがわかっているというような状況でございます。  そのような状況でございますので、一―三月分を早目にやるということになりますと恐らく大変な混乱をもたらすのではないか。その分は十二月にまとめてやるのが、いわゆる源泉徴収義務者に対してできる限り負担をかけない方法ではないかというふうに考えているところでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 総理、あれはだめですわ、今の十二月というのは。私は、やりようはあると思います。これは少し御研究なさって、ちょっと十二月の話って、テレビを見ている方は何だその話はとなっていますよ、今、これ。そこは努力をなさった方が私はいいと思う。  一―三のやつ、時間がかかるとおっしゃいましたけれども、夏までできるという話も実は私少し聞いているんです。夏のボーナス時期でもという話を少し聞いておるんですけれども、やりようはあると思います。総理、ぜひこの点だけはきちんとしていただきたいと思う。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 正直申し上げまして、私も徴税に関しての専門家ではありませんが、今、事務当局から御答弁をいたしましたように、また大蔵大臣からもお話しのように、源泉徴収義務者に多大な負担をおかけするという点もございまして、今までの減税の場合にはそうした手続の上に御協力を願って減税という措置を講じたんだろうと思いますが、今、委員御指摘でできますと、こう言われますものですから、委員のお考えもこれから十分お聞きをしながら、一体どういうことができ得るのかということにつきましてはさらに勉強させていただきたいと思います。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 もう一つ、私どもも主張しておりまして、今、自自の協議で福祉目的税化ということに取り組んでいらっしゃる。総理としてこれについてどうお考えなのかという点と、あわせて基礎年金の国庫負担、ちょっと論議になっておりましたね。自民党の中で二〇〇四年からという話もあるそうでございますけれども、これを三分の一から二分の一へ引き上げることについて総理のお考えをちょっとお伺いしておきたいと思うんです。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) これもしばしば本会議場でも御答弁申し上げておるんですが、国庫負担率の二分の一引き上げにつきましては莫大な財源を必要といたしますことから、現下の厳しい財政状況にかんがみて今回の年金改正で実施することは極めて困難である、こう申し上げております。  基礎年金の国庫負担の問題につきましては、新たな財源確保のための具体的方法と一体として検討する必要がありまして、将来の検討課題といたしまして国の財政状況等を踏まえつつ、国民負担の全体のあり方、社会保険料と税の役割のあり方等をあわせて議論すべきものと考えておるところでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 何でこの国庫負担の話をするかというと、一つは二〇〇四年という話が既に出ているわけですけれども、これをやることによって、ある意味では今回減税の部分でも中低所得者にどう配慮するかというような問題もある。その中で一つ考えなくちゃいけないのは、もし基礎年金を二分の一にすると、先ほど厚生大臣がおっしゃったみたいに一人月三千円、夫婦で六千円以上、年間にすると七万円以上、これは国民全体に渡る話になるんです。  もう一つは、これは堺屋経企庁長官もおっしゃると思うんですけれども、今景気が冷え込んでいる一つの理由は老後に対する不安であって、一体年金が今後どうなるかというのは私も含めてよくわからないところがある。四十代から三十代は非常に不安に思っている。その解消にもつながる。  そういった意味では、二〇〇四年などと言わずに、これは早急に検討する必要があるんじゃないか、こう思うんですけれども、総理、どうでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 現在、政党間で鋭意協議をいたしておるところでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 もう一つ、今、来年度に向かって御検討されているそうですけれども、住宅という問題、これはなかなか手がついていない。  総理は所信の中で、住宅投資に関する財政、税制にわたる広範な施策を講じるとおっしゃっているんですけれども、実際の広範な施策が見えないんですけれども、どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 税でございましたら、ただいまローンの元の金額につきまして百八十万までの所得減税をしておりますことは御承知のとおりでございます。これは総体で六、七千億でございますか、租税措置法の減額の三分の一に当たる大きな施策ですが、それでは十分でないという御説があって、ローンの利子を所得控除しろと、こういう有力なお話がございまして、これはただいま私どもの党の税調でも政府税調でも議論をしております。  二つの制度が並行して行われるということも非常に複雑なことでございますし、それなら片方の制度をもう少し拡充するか、しかし数千億という大きな減税はほかになかなかないほどの大きな現状ではある。しかし、何かしなきゃいかぬという、どうもそういう御意見が強いようでございますから、やっぱり何か工夫しなきゃならぬのかなと。皆さん御苦心で、ただいま申し上げられずにおりますけれども、ひとつ一生懸命考えてみます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 担当は建設大臣だから聞いておきます。  住宅ローン利子所得控除、これをやる。住宅取得促進税制も拡充する。さらに、例えば不動産取得税、登録免許税、印紙税、こんなものを含めて凍結する、そういったことまで本当は一緒にやらなくちゃいけないようなときじゃないのかと思うんですけれども、建設大臣から聞いておきたい。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣

○国務大臣(関谷勝嗣君) まず、税の方でございますが、もう先生既に御存じのように、現在は住宅取得促進税制というものがあります。これは今のところ、年で言いいますと百八十万ぐらいになるんですけれども、それを十年間延ばそうかと。そうしますと二百八十万になりますが、それが一つ。  それともう一つは、住宅ローン利子所得控除制度というのが今検討されておるわけでございます。これは、長期にわたるローン返済負担を軽減すること、それから借入金額に応じた投資インセンティブが働くというようなことがあるわけでございますが、この方は、片や金持ちの優遇政策ではないかというような声があるわけでございまして、私は当初から申しておるのでございますが、選択制にすればいいんじゃないかなと思うんです。しかし、こういうようなことを言うと大蔵大臣にしかられるかもしれません。まだ税の体系を十分に知っていない者の考え方でございますが、しかし、今の景気をよくするためにはそれぐらいの荒っぽいことはやるべきであろうというふうに私は思っておるわけでございます。  それで、登録免許税、不動産取得税におきましても、そういうようなことで、できるものならばやっていきたいなと私は思っておりますが、さりとてこれは国全体の財源のことも考えなければなりませんから、この三番目の問題はちょっと厳しいかなと思っておるわけでございますが、さりとて減税でやっていかなければ、これ以上の公共事業でやるかというと、今度は地方の負担の能力がもうこれ以上私はないと思いますから、やはり思い切ったこの減税策を私、個人的に申し述べていけば、やっていきたいと思っております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 私は最後に、私の部分では地域振興券について一つだけお聞きしておきます。  最初は、何か子供にばらまくとかマスコミが流したり、誤解を招いたり、偽造がと、さんざん言われておりました。ただ、自治体に徹底していく中でようやく私はこの意味が少し浸透してきていると思っております。その意味で、自治省、担当になって大変御苦労をいただいておりますけれども、ぜひとも、どういうものなんだという周知徹底及び自治体からの反応あたりも聞かせてもらいたい。  さらに、地域によっては早期に実施したいというところもあります。名前を地域振興券と言うのはちょっと勘弁してもらいたい、例えば元気回復、生き生きとかいろんなのを考えているところはあるらしいんですけれども、そんなのも使えるようにしてもらいたいし、創意工夫を生かせるようなことも念頭に入れて取り組んでいただきたいと思うんですが、自治大臣から御意見を伺って、私の質問の最後にします。

西田司自由民主党自治大臣

○国務大臣(西田司君) 減税の御議論の中で、振興券も配れという御声援がございました。ありがとうございました。  地域振興券事業は、御承知のように、自民党と公明党の合意に基づきまして政府で成案を得ることになりました。  これは、御承知のように市町村が事業主体となるわけでございます。各地方団体の市町村の協力を得る必要がございますので、事業の仕組み等をできるだけ早く取りまとめて、そして事務当局から関係団体に情報提供をして、今準備を進めておるところでございます。その後、市町村から本件に対していろいろな事務の進め方等、問題点、こういうことについての数多くの問い合わせが来ておるわけでございます。  そういう状況でございますので、予算を議決いただければ、改めて補助要綱等の通知を行い、この事業が円滑に実施され、それなりの成果を上げることを心から期待いたしておる次第であります。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。山本保君。

山本保公明党

○山本保君 公明党の山本保です。  私は、今回の予算に絡みまして、特に大きな意味での中小企業対策についてお伺いしたいと思っております。  私は、名古屋、愛知県でございますが、繊維業を初めとしまして大変厳しい状況になっている。ところが、きょうの午前中の堺屋長官でございますか、中小企業者の顔色がよくなっているという言葉がたしかございまして、いつ人相見のようなことをされるのか私はわかりませんけれども、私どもの実感と全然ずれているのではないかという気がするんです。  まず、総理大臣、先ほど経済全般についてのお話はございましたが、中小企業対策について政府は今どのような考え方を持っているのかお話しください。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) まず、基本的な考え方から御説明申し上げますと、日本の中小企業が果たすべき役割というのは、やはり日本の経済のダイナミズムの源泉である、また魅力のある雇用機会を創出している、日本経済の中で大変重要な役割を果たしている、そういう理念のもとで中小企業政策を実は展開しているわけでございます。  これまでの中小企業基本法の理念でございました格差是正、そういう考え方から、新たな理念としては、多様で活力ある独立した中小企業の育成、発展と。従来の格差是正ということではない、今は中小企業の育成、発展、そういう方に重点が置かれて日本の中小企業政策が行われているわけでございます。  具体的な政策の方向性としては、やはり第一は競争条件の整備ということで、その中には、資本、労働、情報、技術への円滑なアクセス支援、また公正な取引条件の確保、または中小企業を組織化する、こういうこと全体を競争条件の整備と我々は呼んでおります。  また、意欲のある中小企業者を支援していこう、そういう努力を支援していこうということで、創業支援、ベンチャー支援等々が入ってございます。また、セーフティーネットの整備ということも実は考えておりまして、これは金融、雇用にかかわる措置とか、保険システムの補完とか、時限的な緊急措置とか、そういういろいろな中小企業に対する支援を考えているわけでございます。  今後、私どもとしては来年三月をめどに中小企業政策審議会でいろいろな点を今議論しておりまして、そういうものを法に取りまとめまして国会審議をお願いしたい、そのように思っております。

山本保公明党

○山本保君 今のお話を伺いますと、非常に順調といいますか、一つの方向で進んでいるようですが、私にはどうもそうは思えないわけです。  当初、大企業中心で、大変な日本の落ち込んだ産業を進めるための政策から、今お話に出た中小企業基本法というのが昭和三十八年にでき、そして格差是正、近代化と。ところが、最近の考え方というのは、まさに限られた業種であるとか、地域であるとか、それを中央で計画して進めていく。  今、多様で活力あるとおっしゃいましたけれども、逆の面で見れば、もうそれに合わないものはどんどん切り捨てていく、それを中央がやっていくんだと、こういう政策ではないかというふうに思うわけですよ。それが、今回のところでは修正をされてきたのかなという気もしないでもない、あらゆる業種、職種に。そして、いろんな形で地方がその計画を進めるというようなことをやっているんじゃないか、こう思うわけですが、総理大臣、この辺についてもう一度お話をお願いします。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 三十八年のこの基本法以来、今、通産大臣お話しのように、格差是正といいますか、あるいは大企業に対する下請というような形での中小企業の存在という問題がありましたが、それぞれが自立して中小企業として特色を生かしながら生産活動に邁進をいたしていける、そういう形での政府としてのバックアップ、それと同時に、また新しいベンチャーも含めました企業体の起業、すなわち業を起こす、そういうことに対しての全面的な協力というふうな形になっておるんだろうと思います。  そこで、切り捨てとおっしゃられますが、世の中どうしても時代に合わないものは、これは真にやむを得ないこととして新しい衣がえをしながら、中小企業の皆さんというのは非常にそういった意味ではみずからの力で生き抜こうという、そういう考え方がありますから、そうしたものをバックアップさせていただいて、そして中小企業としての本当の活力を引き出していく、これが政府としての政策の中心ではないかと思っております。

山本保公明党

○山本保君 これまでのやり方が、中央で決めたあるものに限定していることを、もしここでその人々のやる気、意欲というものに本当に期待をし、地域に期待をしていこうというものであるように、私はぜひ動かしていただきたいと思っておるわけでございます。  関連しまして、そうしますと今度は雇用問題についてどういう考え方なのか。私は、同じように考えれば、これまでの考え方というのは、高度な人材というような、まさに中央で決めたものだけを重視していたものから、何かここでそれを変えていくようなものとしてとらえていいのかどうかと思っておるわけですけれども、雇用対策についてお答えください。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) 雇用対策の上から中小企業政策をどう見るかということであります。  先生もう先刻御案内のとおり、中小企業があらばこそ大企業はここまで発展ができたわけでありますし、部品一つ、ねじ一本、全部大企業でつくれるわけはありません。スペースシャトルの技術から、ありとあらゆる技術まで日本の中小企業が支えているというのは厳然たる事実であります。そして、中小企業にはみずからいろいろと新しい方面に打って出るだけのエネルギーと小回りというのもききますし、それから人材もあると思います。そういうところで起業家精神をしっかり支えて、新しい中小企業が生まれていくところまで雇用政策は踏み込んでいくべきだと私は思うわけでございます。  今回の雇用活性化総合プランの中で雇用の場、受け取る場に人を移すだけじゃなくあるいは支えてもらうだけじゃなくて、いっそのこと雇用の場をつくり出したらどうだ、それくらいのエネルギーは日本の起業家にはあるはずだということで、個人事業も中小企業もあるいは分社化による中小企業の立ち上がりも含めて、高度人材だけじゃなくて一般人材まで支援していく、あるいは雇用管理改善までソフト、ハードを含めて支援していくという新法を今提出しているところでございます。

山本保公明党

○山本保君 本当に個人のやる気が出てくるようなものにしていきたいというふうに私も思うわけでございます。  そういう点ではこれまでの、申しわけないが前大臣までは雇用問題を追及しましても必ず出てくるのが景気の回復が第一であるということしか言わなくて、先ほど数字も挙げられましたけれども、労働省としての対策は非常にいいかげんだったんじゃないかなと思っております。今回、我々はそのことについては評価したいと思っております。  それで、今このようなことをお聞きしましたのは、経済目標というのがまさに変わってきているのではないか。これまでの大量生産そして人間の欲望充足と物質的な欲望というものから人間らしい生き方、豊かな環境、そして年をとってもいつまでも持つ人間連帯というような、こういう新しい経済、これだけではいけませんけれども、しかしこういう今まさに人間の顔をした、我々の党の言い方をすればまさにヒューマニズムの経済というようなものがかわって今台頭してきているのではないかと思うわけですが、経済企画庁長官、この辺についてどうお考えですか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) まさに御指摘のとおりだと思います。会社人間と言われてきた団塊の世代がそろそろ自分の生活というものを目指してきた。総理の所信表明演説にもございますように、二十一世紀の多様な知恵の時代を目指して世の中は大きく変わってくるだろうと思います。  この点につきまして、今回も新しいプロジェクト、二十一世紀先導プロジェクトというのもつくりましたし、また来年早々から新しい経済中期計画をつくりたいと思っておりますが、これはもう経済計画という時代じゃなしに、社会経済の将来の姿を描くような計画の時代じゃないのじゃないか、私たちもそのように理解しております。

山本保公明党

○山本保君 ここからちょっと私は厳しい指摘をしたいんですよ。  というのは、それであるならば、そういうセクターに対してはこれまでのようなもうけ主義というか、営利の事業ではない、まさにもうけ主義ではない人間連帯のそのような団体、または経済セクター、これがまさにNPOですね、これが中心に担わなければそんなきめ細かいヒューマンサービスなんというのはできないわけです。  でありますので、今回の経済対策にはNPOのことについては全く書いてございません。十二月一日からNPOが動き出しました。一体どういう方針でNPOを、単なる行政の下請の従順なボランティアと考えていられるのじゃないかという気がするわけですが、いかがでございますか。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) NPOは非常に多様な団体であり、また自主性を重んじる対象だと思っております。  したがって、役所がこうしろああしろと言うべきではないということで、我々の方といたしましては、まず認定だけを今進めておりますが、ちょっと予想をかなり下回る数しか来ていないのは残念なのでございますけれども、やはり善意でやっていただいているのが基本でございますから、政府が余り口出しすべきではない、自由にやっていただいて市民に親しんでいただくのが基本だと考えております。

山本保公明党

○山本保君 言っておられることがどうもおかしいと思います。  これからの新しい経済セクターとして重要である。そのために新しい創業をしていただこうということで今回中小企業対策として通産省、労働省が出してきた。  お聞きしますが、NPOというふうに届け出て、そして地域の人たちのために仕事をしたら今回の補助金等は出るんでしょうか出ないんでしょうか。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 実は私、NPOをつくりますときに三党協議の責任者をしておりまして、その経過をよく知っております。  これは、そもそも利益を目的としない団体に法人格を与えることによって法人としての活動ができる、例えば不動産を取得できる、あるいは電話の加入権、こういうものを取得することができる。いろいろ団体が活動しやすいような環境づくりのために法人格を簡単に付与できるようにしよう、こういうのがNPOでございまして、それ以上でもなければそれ以下でもなかった。  ただ、NPOの活動の範囲というのは多分広がるだろうということは当然想像をしておりましたが、もちろんこういうふうに比較的簡便な手続で、例えば社団法人、財団法人等の人格権を取得する場合に比べましてはるかに手続としては簡単に法人格を取得できるということによって、ボランティア活動がさらに容易になるだろうということを期待していたわけでございまして、これに対して国、地方自治体が援助をするという考え方はもともとなかったわけでございます。  そういう意味では、任意に集まった方々が善意に基づいていろいろな活動をされる。そういう意味で、法人格を付与するというその一点においてこの法律はできているというふうに御理解をしていただいた方が私は正確な理解だろうと思っております。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 今、通産大臣がおっしゃったとおりでございまして、まず法人格を与える。税制その他につきましては、実態を把握して二年後に見直すということになっておりまして、現在のところそういった特別の措置はとっておりません。

甘利明自由民主党労働大臣

○国務大臣(甘利明君) 山本先生はこのNPO法を取りまとめられた功労者の一人だと承知をいたしております。  基本的な理念については、今まで通産大臣、経企庁長官がお答えになったのが概要かと思いますが、雇用という面に関しますと若干違うところがございまして、政労使雇用対策会議でも、NPOがアメリカにおいて雇用の受け皿としてかなり頑張ってくれた、数百万人規模の雇用を受け取ったという事例が報告をされております。  そこで、私どもの施策がどう絡んでくるかということでありますが、例えば特定求職者雇用開発助成金とかあるいは失業なき労働移動の新しい助成金をつくりました。これは、NPOが専従の従業員として雇うような労使関係、雇用関係がちゃんと成り立つ部分については助成金は行くということになっております。ただ、新しい労確法の改正につきましては、法律の理念の中に、この法律を適用される個人事業者と中小企業者という営利団体ということになっておりますので、そこの部分は行かないのでありますが、それ以外の部分については対応するということになります。

山本保公明党

○山本保君 全くおかしな話ですね。  つまり、今新しい産業を創業して仕事をふやしましょうという責任者である通産大臣がこれは関係ないんだ、こんなものに出すことはないんだと、全然おかしいじゃないですか。  人のために地域のデイサービスを行ったりなんかすれば、通産省が出している資料にこれはまさに新規創業ですよと書いてあるんです。いいですか、事業であると言ったらいろいろの援助があるのに、NPOであると言ったら出ないんです。これじゃだれもNPOなんかやらない方が得ですよ、こんなの。しかも、これ永遠にじゃないでしょう、緊急でしょう。まさに今こそこれを取り入れるべきではないですか。総理、ひとつお願いします。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 間違えていただきたくないのは、NPOというのは法人格を与えるための法律でありまして、その内容を規定しているものではありません。  もちろん、NPO法の対象になる分野というのは幾つかに限定をされておりまして、例えば政治とか宗教というのは除外されているわけでございます。ほとんどあらゆることができるような仕組みになっておりますが、それは公的援助を前提にしてNPO法というのはできているわけではありません。これは善意で任意にいろいろな活動をされるという方のための法律でありまして、もちろんそういうものの中には極めて社会的な有用性の高い活動をされる方というのは当然含まれてくるわけでございまして、それに対して社会がどう評価するかということはNPO法とはまた別の問題であろうと私は思っております。

山本保公明党

○山本保君 最後に一言。時間が短いので残念です。  今の答えは全くおかしいです。それはNPO全体のことを言っております。そんなことを言っているんではないんです。こういう仕事をやり、地域の中で新しい仕事をしている人が、なぜNPOと言ったらお金が出なくて、事業だ、会社だと言ったら出るのか、これが全く法の下の平等に反するんではないかということを私は言っているわけです。中小企業法ではそんなことを意図していないんだと言われるんであれば、それはもともとそんなNPO法がなかったからなのであって、新法ができたときにその調整をきちんとしなかった責任があるわけですから、そんな答えでは全然納得できません。

与謝野馨自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(与謝野馨君) もともと営利を目的としないいろいろな団体に法人格を付与するという法律でございまして、営利のことを前提に物事を論じるというのはNPO法の本質を誤ることになるんではないかと思っております。

山本保公明党

○山本保君 終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。  まず初めに、今消費税の問題がさまざま大きな議論になっております。そこで、まず前提問題として総理に伺いたいんですけれども、大体消費税率を三%から五%に引き上げたこと自体についてであります。  国民の信任ということでいえば、最大の機会は選挙だと思います。総理は一体この五%への増税についてどの選挙で国民が信任の意思表示をしたかというように考えていらっしゃるか、まず前提問題として伺っておきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 種々の選挙を通じまして、国民の皆さんは税制に対して非常な関心を持っておると思っております。この法律が制定をいたしましたのは、過ぐる衆議院選挙においての選挙の結果生まれました内閣におきましてこれを実行したわけですから、強いて申し上げればその前の選挙によって選ばれました方々によって成立したと、こう考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そのことについて国民が選挙で信任をしたと、そういうふうにお考えなのかどうか伺っているんですが、いかがでしょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 選挙というものは、一つ一つ公約を挙げて選挙をする場合もありますし、全体的にその政党を信頼して政権をお任せするということもございまして、この消費税の税率引き上げについて行いました政権に対して国民が信任を与えたものと考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 その政権政党の自由民主党は、その増税について公約化してそれが支持されたと思っていらっしゃるんですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 少なくとも、そのときの総理大臣はこの問題について逃げずに国民に対しましても消費税のあり方あるいはまたこれが必要性について十分お話をし、そして改めて国民の信任を得たと、こう考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 国民の信任を得たと言われましたけれども、あの総選挙では、当選した衆議院議員のうち三分の二の方々が消費税増税については反対、凍結、条件つきという公約を掲げたわけであります。しかも、さきの参議院選挙では消費税増税反対を多くの国民が意思表示をして、今、世論調査でも八割の方々が引き下げを望んでいる。国民は一度も引き上げを信任していないと思うんです。信任されたということにならない。  衆議院の質疑の中で小渕総理は、国民の理解が深まったということを、あの総選挙での公約を挙げながら二つ言われました。一つは、我々の子供や孫の世代にこれ以上ツケ回ししていいのか、だから消費税引き上げが必要だと訴えてきた、そして理解が深まったと言われた、そうですね。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) どういう言い回しをしたか私もすべて記憶しておりませんが、申し上げたことは、今回の消費税率の引き上げを含む税制改正は、少子・高齢化進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えておるわけでございまして、消費税に限らず税というものは低い方がいいということは一般的感情ではありますけれども、税、財政のあり方を考え、責任ある政府といたしましては、消費税率の引き下げは現時点において極めて困難であり、この点は国民の皆さんの理解を求めさせていただきたい、こう考えておるところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私どもは、税は低ければ低い方がいいなどと単純なことを言っていないんです。国民は五%に納得していないんだから、将来の税制をわきに置いて、当面の景気対策として三%にするべきだ、こう言っているわけであります。  先ほどのことを私も会議録で読みました。孫、子にツケ回しをこれ以上しないためだということを総理は言われた。私、この点ちょっと見てみたいと思うんです。  大蔵省に聞きますけれども、消費税が五%に増税された平成九年四月一日の直前ですけれども、平成八年度末時点で国、地方の借金、長期債務残高は合計幾らだったですか。数字を言ってください。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。  八年度末の国、地方の長期債務残高は四百四十九兆でございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 今度の第三次補正予算後の平成十年度末は、国、地方の借金、長期債務残高は合計幾らになると今見込んでいますか。

涌井洋治大蔵省主計局長

○政府委員(涌井洋治君) 約五百六十兆程度と見込んでおります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 驚くべきであります。  総理は、将来のことを考えたときと今も言われました。そして衆議院でもツケ回しをこれ以上しないと言われた。しかし、五%に引き上げてからわずか二年間に、ツケ回ししないどころか二割増です。借金が百十兆円ふえている。国民一人当たり、計算すると百万円ぐらいになるんじゃないでしょうか。加えて、これ以外に、銀行支援のための六十兆円規模の借金の約束までこの前したわけであります。  将来が安心どころか、国民はますます不安だと。公共事業のむだなどにメスを入れずに消費税増税をひたすらやる、だから景気も財政もますます悪くなった。次世代へのツケ回しが減るどころかふえたんじゃないですか。こういうやり方の破綻はこの二年間で証明されたと思うんです。  もう一つ、総理は衆議院での答弁で、お年寄りや障害者の方々が安心して暮らせる社会、これを皆で支える必要がある、これは覚えていらっしゃると思うんですが、こういう言い方で答弁をされて、五%引き上げを訴えてきたと言われました。  みんなで支えるというふうにおっしゃいましたけれども、実際はどうでしょうか。日本経済の大きな支え手は、法人、企業、そして大きく言えば国民、その二つだと思うんです。  大蔵省に聞きますけれども、そのうち企業の方ですけれども、消費税は転嫁をする、そして負担をしないというのが前提ですね。

尾原榮夫大蔵省主税局長

○政府委員(尾原榮夫君) 消費税は、まさに消費者に負担の転嫁を予定している税でございまして、この点は通産省の今回の五%引き上げに際してのアンケート調査でも確かめられているというふうに承知しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そうなんですね。  他方で、最終消費者の国民はもう転嫁する先はありませんから、そして消費者に転嫁するというのがこの税だということになりますと、まさにこの問題が非常にはっきりしてくると思うんですよ。さらに、企業といっても中小企業あるいは業者の方々は消費税を全部転嫁できずに身銭を切っているという現状がある。これは春も私は伺いました。結局、消費税を払って支えるのは国民と中小企業だけで、大企業は転嫁しちゃいますから払っていない。これではみんなが支えるということで消費税増税だということにならないじゃないですか。  以上、見てきましたけれども、総理が言われたこと、衆議院でも答弁された、そして将来のことと今言われました。いずれをとりましても合理的な理由にはならないと私は思うわけでございます。五%に国民の理解が深まった、あるいは信任されたと到底言えないものだと思います。国民から支持も信任もされていないんだから、これはもとに戻すのが筋だと。年末を迎えて、今、町では消費税減税を求めるこの声であふれております。  日本共産党は、参議院に、他の会派、議員と共同で消費税減税法案を提出しまして審議を求めておりますが、今こそ当面の景気対策として、国民が切望する消費税引き下げに踏み切るべきじゃないんですか、総理。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 重ねてでございますけれども、政府といたしましては、消費税によりまして、福祉を初めといたしまして国民にとって欠くことのできない政策を遂行するための税源として考えておるわけでございまして、消費税の引き下げということは現時点においては困難でございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 福祉のためと言われましたけれども、増税して福祉のために使っていない。しかも、今、目的税ということが議論になっていますけれども、福祉のために消費税率をもっと上げようというところに、これまたまさに自動レールを敷いてしまう大変な方向だと思うんです。将来の税制も税の負担能力に応じた負担が原則ですけれども、今度この問題で消費税だということになってきますと、福祉は全部国民負担、そして企業、特に大企業は一円も負担しない、高齢化社会に責任を負わないという方向になってしまうわけであります。  私は、景気対策と言いました。まさにこういう問題では考え方の違いを超えて本当に踏み切ることが大事だと。かつて自民党の税制調査会の会長をやられて元閣僚だった方も、消費を喚起しないと景気はよくならない、自分は消費税率を上げた張本人だけれども、税制調査会長として、この際、反省も込めて引き下げを提案したいと言われたそうであります。今こそ緊急の対策として消費税減税を正面から検討すべきだ、このことを強く申し上げておきたいと思います。  次に、貸し渋り問題、きょうも朝以来議論になってまいりました。特に銀行による貸し渋りの問題というのは極めて深刻であります。  先週、NHKでも、「クローズアップ現代」という番組をやっておりまして、この問題を取り上げておりました。冒頭に、貸し渋りどころではなくて回収競争だということで指摘をされていました。  そこで、まず日銀に伺いたいと思うんですけれども、都市銀行、長信銀、信託銀行のことし九月末の貸出金残高、それから十月末、十一月末、それぞれの貸出金残高の額と前年比はどのようになっていますか。

山下泉日本銀行金融市場局長

○参考人(山下泉君) お答え申し上げます。  都銀、長信、信託、三業態の貸出残高及び前年比の最近の推移でございますけれども、九八年九月が残高が三百二十六兆四千億円、前年比はマイナス三・九%、十月が残高が三百十九兆円、前年比マイナス四・九%、十一月が三百十六兆四千億円、マイナス六・一%でございます。  なお、債権流動化、貸出償却などの特殊要因を調整した場合の前年比は、十月がマイナス二・三%、十一月はマイナス二・五%でございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 いろいろ言いましたけれども、九月から急激に貸し出しが減っている。大変な数字であります。これは貸し渋り、本当にひどい状況の一端、そういうことで出てくると思うんです。野中官房長官も、先日、本会議でも「貸しはがし」という表現をされましたけれども、まさに当然の事態が数字によってもあらわれていると私は思うわけでございます。  日銀の局長の方、どうぞ退出されてください。  そこで、金融監督庁に伺っていきたいと思うんですけれども、去る八月の本委員会で、我が党の筆坂議員が取り上げた三和銀行の貸し渋り回収マニュアル、この問題であります。大問題になりました。その後、この件についてどのように対処したのか、今日までの状況を報告してほしいと思います。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 去る八月二十一日の参議院予算委員会の質疑で、筆坂委員から御指摘がありました三和銀行の「回収・保全強化 マニュアル」の問題につきましては、結論から申し上げますと、銀行法第二十四条一項の規定に基づく報告徴求等の結果を踏まえまして、十月二十二日付で三和銀行に対しまして業務改善命令を発出しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 具体的にどのような業務改善命令でしたか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 具体的に申し上げますと、三和銀行につきましては、「回収・保全強化 マニュアル」につきまして、銀行業務の公共性の観点から不適切な内容が含まれておりまして、行内の融資担当責任者会議等においてこれが配付、使用されるなど、不適切な業務運営が認められました。  また第二といたしまして、この文書が行内ルールに違反して本部のコンプライアンスチェックを受けないで行内会議等において配付、使用されるなど、コンプライアンス体制の不備が認められましたことから、内部管理体制の強化等についての業務改善計画の提出を命じたところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 銀行からは計画書、出たんですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 十一月六日に三和銀行から業務改善計画の提出がございました。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 どういう内容ですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) この調査結果を踏まえまして、今後コンプライアンス体制を強化するということと、それから管理責任者の人事処分ということが主な内容になっております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 こういうことをやって、マニュアルをつくって回収してまずかったということが書いてありますか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 直接、何といいますか、今、委員が御指摘になりました表現ではございませんが、全体としてそういった趣旨のことが書いてあると私どもの方では理解しております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 三和銀行に対する業務改善命令と、それに基づいて出された計画書、提出していただきたいんですけれども、いかがですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 個別行に関する業務改善命令と、それからそれに対する回答でございますので、私どもといたしましては、公務員の守秘義務の問題もございますので、これを直接御提出することについては消極的に考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 あれだけ大問題になったわけです。そして、関係者を処分して、業務改善命令まで出して、計画書を出した。委員会でも問題になって、社会的にも問題になった。その内容を出すことができない。これは何事かということだと思うわけです。ぜひ出してもらいたいと思います。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 同じ答弁で大変恐縮でございますが、先ほど申し上げたようなことでお許しいただきたいと存じます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 これでは相変わらずの不明朗な密室行政が行われているんじゃないかと国民が思っちゃいますよ。  委員長、今申し上げた資料について当委員会に提出していただくように取り計らっていただきたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) ただいまの笠井君の要求につきましては、その取り扱いを後刻理事会で協議することにいたしたいと存じます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 八月に取り上げたときに、予算委員会の理事会でも協議して、三和銀行、それからそれ以外の銀行についても調べることが必要だということになったはずであります。今度またまた、けさもありましたけれども、信用保証制度を悪用すると言われた地銀トップ横浜銀行の債権回収の千載一遇の機会とするマニュアル文書が問題になっているわけであります。  金融監督庁は地銀などを新たにこれからこの問題があったので調査するというふうに言われましたけれども、新たにということは、既に大手の十八行については三和以外にこういう悪質な回収マニュアルなどの文書がないかどうか、これはもう調べたんですね。そして、調べた結果なかったかどうか、その点はいかがでしょうか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) これまで大手十八行につきまして調べたいきさつと申しますのは、この中小企業の保証制度が果たして円滑に行われて、そして貸し渋り対策に本当になっているかどうかという観点から、定量的にその中身を把握したわけでございまして、何といいましょうか、今御指摘になりましたような三和銀行のような文書があるかないかについては、現在のところは何ら把握しておりません。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 驚いちゃいますね、調べてないんですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。  調べた結果として、そういうことはございませんでした。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私、おかしいと思うんですよ。あれは三和の特殊な問題じゃない、ほかにも同様の問題があると。  ちょっと資料を配っていただきたいと思います。    〔資料配付〕

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 私、この問題に関連して、「延滞開始時の対応ルール 融資企画部」ということで資料を入手しまして、抜粋を今皆さんにお配りしております。マニュアル文書でありますけれども、東海銀行のものであります。  これを見ますと、延滞、つまり融資返済期日に支払われずにおくれた場合の対応についてということで、二枚目ですが、「債務者の事情や希望的観測を聞いているうちにズルズルと延滞が長期化し、回収機会を逃したり、第三者の介入を招いているケースが見られる。」、こうありまして、だからということで、一番最後に米印があります。「一旦、延滞した債権は、」云々とありまして、「いたずらに交渉を続け時間と人材を投入するより、いち早く強硬手段に出るのが最も効果的かつ効率的。」、こういう立場が基本的考えとして書いてあります。  これに基づいて、次のページから抜粋してありますけれども、第一ステップ、第二ステップということで、延滞の翌日からひたすらこれは回収だということで、向かっていく段取りをルール化して当然視しているわけでございます。  私は、こんな文書がまかり通っているようでは貸し渋りなどがなくなるどころじゃないと。金融監督庁は一体何を調べているんですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。  ただいま拝見したばかりでございますので、この文書に対する評価を直ちに私のところで申し上げるということは果たして適当かどうかわかりませんが、しかしちょっと見せていただいたところによりますと、これは今、今といいますか、昨日や一昨日御議論をいただいております中小企業の貸し渋り対策のために旧債振りかえが行われているかどうかといったその観点からのものとはちょっと性格が違いまして……

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 それとは別とわかっている。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) その延滞債権ですね、いわゆる延滞債権ですから不良債権だと思いますが……

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そこまでいかないですよ。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 発言があれば挙手してください。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 不良債権の回収のマニュアルといいますか、そういったことを書いた文書のように思われるので、若干、中小企業に対する貸し渋り対策の問題とは世界が違うのかなという感じを、ちょっと見ただけでございますので果たしてそれでよろしいかどうかわかりませんが、よく検討させていただきたいと存じます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 読んでいただきたいと思うんですけれども、不良債権じゃないんですよ。延滞が、一日おくれて不良債権になったら大変ですよ、今。  こういう銀行側のやり方のもとで実際にどうなっているか。三十年も頑張って返してきたのに担保が割れたからすぐ返せと、全然貸してくれなくなったと。こういうことがあっちこっちで今、銀行のそういう姿勢によって起こっているんです。中小企業は大変なんですよ。企業は生き物であります。この不況の中でどんな企業だって、いつだって多少一日二日は延滞することがあると思うんです。それが不良債権なんて言ったら大変ですよ、監督庁長官。銀行とは本来そういうときこそ一路回収に走るんじゃなくて、一体なぜすぐ返せないのか、今後の経営のためにどうしたらいいのかということで親身になって相談に応じる、これが本当の銀行だと思うんですよ。  実際、そういう立場でやっている信用金庫もあると聞いております。それを一日おくれたらいち早く強硬手段に踏み出すのがこのルールの基本的考え方になっている、よく研究してもらいたいと思うんですけれども、余りにひどいと思うんです。  東海銀行が提出した経営健全化計画の履行状況というのがあります。この報告書、四ページをちょっと見てください。銀行の社会性、公共性を踏まえた経営理念の考え方について何と書いてあるか、それを監督庁にちょっと読んでいただいて、今のこととあわせて答弁してください。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) この健全性確保のための計画、御指摘のこの文書はことしの九月付のものでございますが、これはもう既に廃止されました金融安定化のための緊急措置に関する法律二十四条の履行状況に関する報告書でございます。今、四ページという御指摘がありましたので四ページをちょっと開かせていただきまして、東海銀行ですね、八十ページを読ませていただきますと、「業務の健全かつ適切な運営の確保に関すること」として、第一に、「銀行の社会性、公共性を踏まえた経営理念」、その具体的な方策といたしましては、「コンプライアンス体制の確立」、「反社会的勢力への対応」、「外部監査人による監査の実施」、「倫理規定の策定など」が記載されております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 それに全く相違反することをやっていると思いませんか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 私は、決して金融機関をディフェンドするということではないのですが、こういった問題が今なぜ起きているかということをいろいろ考えてみる必要があると思って分析しているわけでございますが、やはり現在金融機関がいろいろ抱えている問題の一つの大きな問題はやっぱり不良債権の処理、それからもう一つは金融信用供与の円滑化、それから業務の再構築、この三つが金融機関の今現在抱えている非常に大きな課題ではないだろうかと思います。  今、御議論いただいているのは、特に第二の、信用機能の円滑化といった点がいろいろな観点から阻害されているということがさまざまな問題を提起されて御指摘されていると思いますが、この三つの問題を同時に解決しようと今金融機関はいろいろな努力をしているわけでございますが、やはりそれぞれその目的を達成するための手段、方法といいますか、時にそれが衝突するようなことがございましてこういった問題が生ずるのかなといったような、分析でございますが、そういう感じを持っております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 監督庁ですから分析じゃないんですよ。ちゃんと指導してください。その辺どうするんですか。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) これは恐らく間もなく実施されるでありましょう経営の健全化のための二十五兆円の資本注入に際して最も大事な三つの眼目だというふうに考えておりまして、この三つの目的はぜひとも達成してもらわなければならないというふうに考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 今初めて見たということ自体驚きですけれども、ちゃんと調べるんですね、三和以外についても。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) 先ほど申し上げましたように、十月分については既に御報告申し上げましたが、十一月分あるいは地銀、第二地銀、信用金庫……

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 文書について。

日野正晴金融監督庁長官

○政府委員(日野正晴君) はい、調べさせていただきたいと思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 東海銀行は九月期の中間決算で中小企業等の貸出率が二・四ポイントも減っております。三月のときに中小企業に貸し出しをふやすという計画を出して、そして公的資金をもらったんですよ。そして、他方でこういう文書を、わざわざその後七月に改定してまだやっているんです、こうやって、回収すると。減るのが当たり前じゃないですか、これ。今度また六十兆円の銀行支援策のもとで数千億円も申請しようというのでしょう、東海銀行も。こんな銀行に入れるなど論外だと私は思うんです。  総理、八月の三和のときにも、遺憾のきわみ、事実関係その他早速調査の上対応させていただきたいと言われました。昨日も横浜の問題で、衆議院で、憤りさえ感じると言われました。こういうことが相次いで出ているんです、次々に明るみに出ている。銀行に本来のあり方をきちっと守ってもらうというしつけをしないで、注入して体力だけつけさせたら暴走するだけじゃないですか、これ。そうは思いませんか。  こういう銀行の経営姿勢こそきちっと改めさせるべきだと思うんですけれども、総理にその点での答弁をお願いしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 金融監督庁を初めといたしまして政府のあらゆる機関を通じまして、こうしたことが現実に起こっておるということでありますれば、これは本来的に国として行うべき、行ってまいりました資本の注入その他につきまして信頼を失うことでございますので、徹底的に対処するように指示したいと思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 このまま放置したら貸し渋りはなくなりません。六十兆円の銀行支援策は中止をして、中小企業への資金供給という銀行の本来のあり方、公共的な責任を果たさせるために、今言われましたけれども、強力な行政指導をやっていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、日下部禧代子君の質疑を行います。日下部禧代子君。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 社会民主党・護憲連合の日下部禧代子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に、相次ぐ防衛庁の資料隠しについてお尋ね申し上げます。  防衛庁では、内局の証拠隠しに続いて、今回は陸海空の各幕僚監部、いわゆる制服組にもその資料隠しの事実が判明いたしました。防衛産業と防衛庁との関係が本当に問題があるということを防衛庁自身が認めたことになるというふうに思います。さらに、今回もその事実が報道されてから調査を開始するという受け身の姿勢というのには、防衛庁の自浄能力というのは全く見られないというふうに思うわけでございます。国民に開かれていない不透明な防衛庁の体質そのものを露呈したものというふうに私は思います。  自衛隊の最高責任者として、総理、国民にどのように御説明なさいますか。政治が軍部をコントロールするというのがシビリアンコントロールでございます。いかがでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) まず、防衛庁調達実施本部の元幹部の背任事件に関する証拠隠しの疑惑をめぐりましては、額賀前防衛庁長官に対しましても徹底的に真相解明を行うように指示してまいりまして、長官といたしましては最終報告をまとめさせていただいたわけでございます。これを踏まえまして、厳正な関係者に対する処分も行ったと認識をいたしております。  また、この機会に防衛調達改革の基本的方向を取りまとめて報告しておりますが、同報告に示された調達制度・機構の抜本的改革等に引き続き全力で取り組むこととなっておりまして、このような施策を通じまして、防衛庁、自衛隊に対する国民の信頼回復に万全を期していくのが私の責務と考えております。  なお、こうした中に、十二月四日、一部報道におきまして空幕監部自衛官が中央指揮所などの施設に資料を隠していたと報じられたことにつきまして、報道直後から、防衛庁長官の指示のもと直ちに事実関係の厳正な調査を開始し、これまで各幕僚監部におきまして九月三日の防衛庁の強制捜査前後に執務室外に資料を移転した事実があったことが判明したと承知いたしております。    〔委員長退席、理事石川弘君着席〕  調査は継続中でありますが、今後ともその進展を見守ってまいりたいと思いますし、野呂田現防衛庁長官に対しましても改めてこの点につきまして十分な調査を命じておるところでございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 徹底した調査、それに経過報告、さらに情報公開、その上に防衛庁の改革ということを強く求めておきたいと思います。  次に、緊急経済対策についてお尋ねいたします。  ここまで深刻な不況を招いたというのは、その根本にある理由というのを総理はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。  私は、国民の政府への信頼の喪失にあるというふうに思うわけでございます。今、国民は将来の生活に対するコンフィデンス、確信を持つことができないのであります。ことしの四月までに国の経済対策に要した金額というのは八十兆円を超えております。我が国の年間国家予算にも匹敵するわけでございます。  政府は、景気回復の兆しが見え始めたと。先ほど総理は、兆しの兆しが見え始めたというふうにおっしゃいましたけれども、確たる根拠は示されていないのでございます。  そもそも政策というのは、短期と中長期、その両方を提示するということが必要だと思うんです。将来の展望が見えるからこそ緊急対策が生きてきて、そして効果があらわれるというふうに思います。今回の緊急対策というのは、当面の需給ギャップを埋めるには役立つかもわかりませんが、どうも将来に展望が開けると感じている国民は少ないのではないでしょうか。これはNHKの世論調査でも出ております。  しかも、公共事業というのは、予算化して契約する、そしてさらに資材の調達を行って、実際に着手できるというのは数カ月後でございます。やっとそこで効果が出始めるということであります。地方自治体では、第一次の補正、さらにさらに今回ということでございますから、もう消化不良を起こしちゃうかもわからない。自動車でいえば、セルモーターは動くかもわからないけれども経済のエンジンは動かないというふうに感じている人が多いのではないかと思います。  本来、今回の緊急経済対策に不可欠でしかも中心的な政策というのは、やはり恒久的な減税、抜本的な税制改革案が出されるべきであったというふうに思います。総理は七月の総裁選で減税を公約なさっております。なぜ今回の補正に間に合わなかったのでしょうか。  年末商戦というのは一年の消費の三〇%が集中するというふうに言われます。今ここで総理が極めてきちんと時期とか内容を明言なされば確実に年末商戦は活気づくと思うのですが、いかがでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 総裁選挙のときに所得課税並びに法人課税についての引き下げを約束いたしました。それが党内でも理解をいただいて、また私自身も総理大臣としての職につくことに相なったわけでございます。  この税制改正というのは抜本的な大変な大改革だと思っております。したがいまして、このことを実行するということの中にはなかなか大きな過程も必要でございまして、政府の税制調査会並びに党の税制調査会で検討を願ってまいりまして、ようやくに来年度の税制改正におきましてこの二つの大きな恒久的な減税が認められて、改革案として出させていただくことに相なりました。  このことにつきまして、委員御指摘のように時期がおくれておるのではないかという御批判でございますけれども、既に法人課税につきましては今年度におきまして四月から減税をいたしておりまして、そういったことを考えますと、できる限り早く実行するといたしましても、今年度中のまた再改革を行うということになりますといろいろな諸般の問題がございまして、そのことにつきましては実行可能性が極めて薄かったわけでございまして、明年の改正におきましては必ずこのことを実行していくということでございますので、この点につきましては御理解願いたいと思います。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 それは非常に遅いと思います。今国民が求めているものをやはり的確におつかみにならなきゃならない。あるいは抜本的な税制改革が出されるのが非常におくれたということは、何か政治的な意味がおありなのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 減税が行われていないのではございませんで、御承知のように前内閣が平成十年分の所得については二回所得税減税、大きな定額減税をやっておられるわけでございますから、減税をやっていないわけではない。また、法人税につきましても四六%という課税の減税を今年の法人所得について行っておられるわけでございます。  したがって、小渕内閣としては、平成十一年についての個人所得あるいは法人所得についての減税を考えるべき立場にあられて、それは明年一月から、法人につきましては四月からでございますが、着実にしかも大きな規模で行われるということを御説明申し上げているところでございます。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 やればいいというのではないと思います。これは景気回復あるいはまた個人の消費が伸びる、個人が元気になる、将来の展望が見えるということで初めてその意味があるわけで、ただやればいいということではないということを申し上げておきたいと思います。  本補正を行う結果、今年度の国債発行額というのは三十四兆円でございます。公債依存度が三八・六%と過去最高になるというふうに思います。依存度が四〇%にならんとしておりますが、何らかの限度というものがやはりここで議論されなければならないのではないかというふうに思います。国、地方の長期の債務残高というのは、今年度末には五百六十兆円に達するというふうに言われておりますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) お挙げになりました数字は正確でございます。そのとおりでございます。  したがって、ほうっておいていいのかということもおっしゃるとおりのことでございますけれども、私は大蔵大臣として考えまして、このような景気状況においてやはり何としても景気の回復が第一であろう、財政も大事であるけれども二兎を追うわけにはいかないだろうという決心をいたしまして、財政構造改革法につきましても凍結をお願い申し上げたいと考えております。    〔理事石川弘君退席、委員長着席〕  もとより、いつまでもこういうことが続いておっていいということはもうあり得ないことでありまして、一日も早く我が国経済が少なくともポジティブな黒字、プラスの成長路線に乗りませんとこの改革ということは難しゅうございますから、早くそれに乗っけてそれを確実にしました上で、そのときはもう財政ばかりでなく税制もそうなると思いますけれども、根本改革をいたしませんとなかなか二十一世紀というものは難しい。できるだけ早くそういう状況をつくり上げましていたしたいと思っておりまして、おしかりがあるのはもっともですけれども、決してないがしろにしていいと思っているわけではございません。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 私がお尋ねいたしましたのは、公債依存度はどのくらいがというところのそのお考えを、大臣がどう思っていらっしゃるかということをお聞きしたかったのであります。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは今申し上げましてもそれをすぐ実現できる見込みがございませんので、私としましては、ともかく日本経済がプラスの成長になって、そして税収が少なくとも弾性値を掛けて幾つかというプラスの税収になって、この何年かのように毎年毎年途中で税収を減らしておる、歳入欠陥が出ておるわけでございますから、こういう経済でない経済にいたさなければ、国債依存度がどのぐらいでなければならないということを十分な意味を持って申し上げるわけにいかないので、残念なことでございますけれども、今それが我々の財政の現状だというふうに私は思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 その点、私が申し上げているのと全くお考えが違うように思います。  私は、将来の中長期の展望を見据えることによって初めて景気回復になるのだと。その将来の展望がわからないでどうして人間が生きていくということを考えましょうか、希望を持てましょうか。その辺のところが私と大臣とはどうも考え方が反対のような気がいたします。二兎を追うというふうな考え方ではなくて、両方を出してその組み合わせがどうなるか、それが初めて政治家のやらなきゃならないことだというふうに思うわけでございます。  ですから、今、財革法が凍結ということもございますが、国民の不安というのはかえってこれで大きくなるかもわからないですね。いずれ増税かあるいはまた大幅な福祉カットかなというふうなことは必ず考えます。だったらば、財布のひもを締めちゃって自衛手段で貯蓄しましょうということになってくる。そういうことで、先が見えないということは本当に不安であるということで、やはりお財布のひもを締めてかかるということになるというふうに私は思うのであります。  そこで、国民に負担を強いるのではない構造改革こそ今国民の前に示すことが必要ではないかなというふうに思います、その手法も示すべきではないか。  私は、二点提案したいと思います。  それは、税財源の地方移譲でございます。もう一つは事業、政策の費用対効果の分析であります。科学的な算定方式、その基準、あるいは政策、事業の評価システムを導入するということ、これは効率的な財政あるいはまた予算編成にとって非常に重要なことではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) まず、前段の問題でございますけれども、中央と地方の財政のみならず行政もそうですが、バランスが非常に悪いということは御指摘のとおりでありまして、日本の経済が正常化いたしましたらこの中央と地方の行財政の再編成、戦後言われ続けておりましてついに一度もできておりませんので、これはしなければならない問題と思います。  それから、その費用対効果の分析はもうまことにごもっともなことでございまして、国の仕事の中でもできるだけのものは費用対効果の分析でやっていかなければならないと思いますが、ただ国の仕事の中にはバランスシートを持っておらないものもございますので、そういうものにつきましてはそういう意味での費用対効果の分析、冗費は避けなければなりませんけれども、適用しないところがございますけれども、一般的に費用対効果による事業効率の算定という考え方は国の予算にあっても私は大事なことと思います。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 今、そのような方式は何らかの形で取り入れられておりますでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もとより事業会計につきましては、基本的にはそういうことを考えております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 むだをなくすということは、やはりそういう科学的な方式というものをきちんと取り入れることだというふうに思います。そのことによって初めて分捕り合戦とか利権政治ということも防止できるというふうに私は思います。ぜひ積極的に考えてみていただきたいと思います。  次に、国民生活白書が出されたわけでございますが、経企庁長官、この白書のポイント、またそれはどうやって実現するのか、お聞かせいただきたいと思います。そしてまた、総理、その実現に向けてどのような御決意でいらっしゃるのか、お聞かせください。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) さきに発表いたしました国民生活白書は、中年を対象といたしまして、人生八十年時代でございますから、四十代、五十代が中年、これが日本の人口で今最も多うございまして、全体の三六%ぐらいを占めている方々であります。特に、その中で団塊の世代という、終戦直後、一九四七年から四九年に生まれられた方が非常に多い。この方々が将来の老後の生活をどのように暮らしていくか、そういうことを一つのポイントとして分析をいたしました。  ここで重要なのは、人口構造が変化することによりまして就業構造も変化する。従来は六十歳定年というようなことになって一般的でございましたが、将来はもっと長く働けるようになるだろう。しかも、数の多い中高年が将来高齢者になるわけですが、その高齢者がマーケットになってまた中高年の働き場所をつくっていく。そういう相互の効果がある。この団塊の世代が、ずっと観察してまいりますと、そのときどきに数の多いことによって流行をつくり、需要をつくり、新商品を開いてまいりました。今後も、この人たちが六十代になり七十代になったらそこにまた大きなマーケットができて、そして高齢者が働くような循環市場が生まれてくるだろう、そういうことを描いています。  そして、この中高年は非常に貯蓄の多い世代でございますから、日本は大変資本蓄積の高い国になっていく。そういった明るい面もあるということを強調している次第でございます。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 国民生活白書につきましては、今、堺屋長官から御説明がありましたが、その前文は長官みずから筆をとって書かれたわけでございます。数ページに及んでおりまして、さすがに団塊の世代という命名をされた御本人として、この世代の今後について非常にお考えを示されておると思っております。  ぜひ、せっかくの白書でございますので、これを基盤にいたしまして、国民生活のあり方、今後につきましてもこれを指針として努力をしていきたいと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 私も大変に今までとは違っている白書だというふうに思います。そして、ただ暗いだけではない、明るい面も提示になったということは非常に評価したいと思います。しかしながら、私は、率直に申し上げて、まだそのあたりかなという感じがするわけでございます。  本院の国民生活に関する調査会で、三年前に高齢社会対策基本法というものをつくりました。議員立法でございます。これは衆参どなたの反対もなく全会一致でございました。もちろん、この法律内容は御存じでいらっしゃいますよね。  この法律というのは、総理のリーダーシップのもとで関係諸施策を縦割りではなく総合的にやろうという考え、そしてその基本は、高齢社会というのは明るいんだよという面を強力に出したという点では一緒の考え方だろうというふうに思います。そしてまた財政上の措置もとらなければならない義務というのを政府に課しております。  しかしながら、国民生活白書が今この時期に、ここで書かれたものと同じ、あるいはこちらの方がもっとよく書いてあるなというところも含めまして、この程度の認識かなというのはちょっと残念な感じがするわけでございます。そうなると、今度の補正予算もこの程度かなというふうなことになってしまいそうなのでございますが、大蔵大臣、もしこの高齢社会対策基本法に基づく線に沿うと、その点から補正予算というものをどのように御説明なさいますでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この法律のもとに高齢社会対策会議におきまして基本理念をつくられて、それに積極的に取り組んでおるわけでございますが、補正予算との関係でございますと、どれを挙げてよろしいか、(「少ない」と呼ぶ者あり)例えばこの補正予算におきまして社会福祉施設整備費等につきましては一千三百六十五億円を計上しておりますので、かなり大きなウエートを持っておるように考えます。

堺屋太一経済企画庁長官

○国務大臣(堺屋太一君) 補正予算との関係で申しますと、例えば小渕総理のリーダーシップで始めました二十一世紀を開く未来プロジェクトがございますが、その一つに「安全・安心、ゆとりの暮らし」というのがあって、歩いて暮らせる町づくりというテーマがございます。これは高齢者の方々が都心に生きられる、暮らせる町をつくろうという、ちょっと従来と違ったことを総理のリーダーシップで、バーチャルエージェンシーでやろうということも言っております。また、雇用の問題でも、四十六歳から六十四歳までの技能再教育等を重点的に置いております。そういうのも高齢化社会に対応した一歩ではないかと思っております。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) この高齢化社会対策に関しましては、そこに御本がございますように、日下部委員御自身も非常に参議院の調査会の委員としてこの問題に深く携わっており、そうした御本もできておるわけでございます。  先ほどお話しのように、この白書におきましては、いわゆる少子・高齢化社会と言われますとすぐ単純に、お年寄りばかりがふえて子供が少なくなって、したがって将来は暗いもの、こういう印象を持ちがちでございますが、それに対して、参議院でもこうした委員会を通じて、そうではないのではないか、またそうでない社会にしていかなければならないということでのいろいろお考えをまとめられて、今回の白書もそうしたことでございます。  それぞれの予算につきまして先ほど来お声もかかりまして、少ない少ないと言われますけれども、いろんな観点に立ちまして、あらゆる項目を見つけまして、私としてはそれぞれ各大臣も精力的に取り組んでいただきまして、あるいは細かいかもしれませんけれども、非常にいろいろ各般にわたりまして将来を見据えて明るい展望が立つような予算措置をできる限りしたつもりでございます。さらに御叱正を待って努力をいたしてまいりたいと思います。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 それでは総務庁長官、もう少し高齢社会対策基本法を、神棚に上げておくというふうなことではなく、もっと積極的にきちんと機能させるように、どのような体制づくりあるいはまた調整財源を確保するおつもりでございますか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 高齢社会対策基本法の理念は、日下部先生が中心になってつくられましたように、本格的な高齢社会を目前に控え、公正で活力ある、自立と連帯の精神に立脚して豊かな社会を構築するということでございます。  そこで、平成八年に総理大臣が会長を務める高齢社会対策会議をつくりまして、我々全閣僚がその委員になっているわけでございます。そのもとでもって大綱を作成いたしまして、それを順次見直していくということになっております。五年後が見直しの時期だと思っております。長生きして良かったと実感できる、心の通い合う連帯の精神に満ちた豊かで活力のある社会を築くということで頑張ってまいりたいと思います。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 お読みになっただけのようでございます。御覚悟が全然感じられません。また次の機会にもっと、レクチャーに参りますから。  次に、子育て支援サービスについて厚生省に伺いたいと思います。  その大きな柱でございます保育所問題でございますが、児童福祉法が改正されまして、行政処分による措置入所からいわゆる利用契約方式に変わっておりますが、実際利用者にとってどのように便利になったのかをお伺いしたいと思います。  また、入所率が八八・三%でございますが、しかしながら、保育所が遠いとか、保育所に入れない、さまざまな時間の制限があるというふうに非常に不満が多いんですね。多様なサービスがどのように提供されているのか、サービス主体の内訳と割合も含めて御説明ください。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) 昨年、児童福祉法の改正が行われましたが、これは保育所の利用者の利便性の向上ということで、利用者が保育所に関する情報を提供していただいたり、希望する保育所を選択できる仕組み等、利用者が利用しやすくするという法改正を図ったところでございます。  全体として今、保育所における入所児童数は百六十九万人おりますが、九年から十年にかけて著しく入所の児童数がふえております。四万八千人くらい増加いたしております。したがって、これは保育所に関する情報提供等の実施の効果が生じ、利用者の利便性に資しているものではないかと思うわけでございます。  それから保育所の方は、認可保育所における保育の状況でございますが、二万二千カ所くらいございます。今入所児童数は百六十九万人と申し上げましたが、約百七十万人。保育所数では公営が六割、民営が四割ということになっております。入所率が八十何%という御指摘はそのとおりでございますが、これはいろいろ地域によって多少ミスマッチがございます。保育所の数が多くて待機者の数が少ないというところもありますし、一般的に申しますと大都市部等では待機者の数が多くて保育所の数が少ないという現状もございますので、ひとつそういう点は精力的に整備をしてまいりたい、こう思っておるところでございます。  なお、保育所の運営の態様でございますけれども、各種の保育所の多様性に富んだ運営、つまり休日保育でありますとか保育の延長でありますとか乳児保育でありますとか、そういったいろいろ多角的な機能はさらに充実して、この少子・高齢化社会、特に共働き家庭が一般化しておりますし、家庭や地域の子育て機能が低下しておりますので、そういった点で十分配慮してまいりたいと思っております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 非常に不満足なお答えでございます。もう少しきちんとどのように……(「レクチャーが必要だな」と呼ぶ者あり)これもレクチャーが必要かもわかりません。どのようなサービスが提供されて、多様なサービスということがどのように提供されているのか、そのサービス主体の内訳と割合というふうに申し上げたんですけれども、それについて何にもお触れになっていない。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) ちょっと詳細にわたりますので割愛をさせていただきましたが、例えば公立と民間別の保育サービスの実施状況等を見ますと、乳児保育等では、公営の保育所が約三千カ所ございますが二二%、民営は五千六百ぐらいございまして六〇%ぐらいのウエートを占めています。それから、延長保育でいきますと、公営が七百四十カ所ぐらいで五・六%、民営の方は二千七百カ所ぐらいで二九%。それから、一時保育につきましては、公営の方が百三十カ所ぐらいで一%、民営が五百二十カ所ぐらいで五・六%ということでございまして、公営の方は僻地でありますとか、あるいは市町村三千三百のうち半分は公営の保育所しかないところもございます。しかし、都市部等においては民営もかなりありまして、どちらかといいますと民営の保育所の方が今申しましたような保育の機能の多様化が進んでおるのではないかというように感じております。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 進んでいるというのは非常に客観的な、傍観者的なお言葉でございます。厚生大臣としてのお言葉とは受けとめられません。民間にそれを任せてしまっているということでございますか。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) ただいま申しましたのは、公私の大体の趨勢値を客観的に申し上げたわけでございまして、これからはやはり効率性を考えたり、そしてまた保育所に対する地域住民の方々の要望あるいは都市部における要望等を踏まえて総体としての整備を図っていくのと同時に、その内容面においても多様化を図っていくべきであるし、これから十分そのような努力をしていくということを申し上げておるわけです。

日下部禧代子社会民主党・護憲連合

○日下部禧代子君 やはりこれからの高齢社会というものをもっときちっととらえて、それにはどういうことが必要なのかというそのニーズというものをきちんと把握する、その姿勢があれば今のような客観的あるいは傍観者的なお言葉にはならないというふうに思います。  最後に、国民が将来の生活に対して確信を持つことができる、今そのための政策の提示こそが政治に求められているということをもう一度強調させていただきまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で日下部禧代子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、阿曽田清君の質疑を行います。阿曽田清君。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。  総理、今、日本は戦後最大の経済の危機に直面をしており、まさに国家存亡の危機を迎えていると思います。そういう認識のもとに、十一月十九日、総理と我が自由党党首小沢一郎との合意がなされました。その合意書に基づいて今直ちに行わなければならないと総理自身重要に考えておられるものは何か、まず教えていただきたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 今回の自由党小沢党首と私との間に合意が成立をいたしまして、文書に署名をいたしました。特に自由党からの御要請のありましたのは三点ございまして、私はこうした諸点につきまして真剣に取り組んでまいりたいと思っております。どれをとりましても緊急に取り組まなければならない課題であるという認識は一致いたしております。  ただ、現実にこれをどう実現していくかということにつきましては、自由民主党といたしましても党内にいろんな御議論もあります。しかし、私といたしましては、せっかくのこの合意につきまして、これを具現化するために御理解もいただきつつ実現をしてまいりたい、この決意でおります。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 誠実かつ適切なる実行を期待いたします。  次に、アメリカの北朝鮮問題の最高責任者であり元国防長官のペリー氏が来日し、政府側と北朝鮮問題で協議が続けられていると聞いております。どのような協議がなされているのか、野呂田防衛庁長官、差し支えない程度でお聞かせいただきたいと思います。  また、もしミサイルが発射され、万が一日本に落下して国民の生命の安全が危ないようなことが発生した場合、政府としてどのような対応をなされるおつもりか、小渕総理よりお聞かせいただきたい。

野呂田芳成自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(野呂田芳成君) 委員から先ほどお話がありましたペリーさんはあす私どもと対談することになっておりますので、その結果でお話を申し上げたいと思います。  総理にも御質問がありましたが、今大変いろいろな報道が乱れておりまして、北朝鮮のミサイル発射等について、その動向について我々も従来から大変強い関心を持って注目し、その状況の把握に努めているところでございます。  しかし、ミサイル関連の動向につきましても断片的な情報はかなりあります。一、二申し上げますと、ミサイル関連の車両が引き出されその後収納されている事例、これは意図はわかりません。それから、ミサイル関連施設と思われるものが建設されている模様、こういう情報がございますが、あくまでも断片的な情報でありまして、これらを総合的に勘案した結果として、防衛庁としては、北朝鮮が近々にさらなるミサイル発射を行うことを準備しているものと判断するには至っておりません。  いずれにしましても、八月三十一日の弾道ミサイル発射に象徴されるように、北朝鮮のミサイル開発は、我が国の安全保障のみならず大量破壊兵器の拡散防止の観点からも国際社会全体にも大きな影響を及ぼし得るものとして強く懸念されているわけですから、私どもはこれからも重大なる懸念を持って適切に状況を把握していかなければならないものと、こう思っております。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 北朝鮮のミサイル再発射問題についての現在の情勢につきましては、今、防衛庁長官から御答弁がなされました。  我々政府を挙げてその状況につきまして注視をしていかなければならない、二度と再び我が国上空をそうしたものが通過することのないように、どのような状況であるかということにつきまして十分な情報を収集してまいりたいと思っております。  もう一点、これに関しまして注目しなければなりませんのは秘密核施設問題でございまして、現在米朝間でこれが協議をされておりますが、現在得られました情報によりますと、なかなかこの米朝間の話し合いが順調に進展しておらない状況と聞いておりまして、危惧をいたしておるわけでございまして、こうしたことにつきましても日本の安全保障にかかわる重大な問題であることを認識いたしまして、政府といたしましてもより情報の収集に万全を期して努力をいたしたいと思っております。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 情報収集につきましてはもちろん万全を期していただかなきゃならないと思います。危機管理の面におきましても気配りといいますか、いわゆる万全な体制、これも重ねてひとつ強く要望を申し上げておきたいと思います。  続きまして、米の関税化問題について質問をいたしたいと思います。  我が国は、さきのウルグアイ・ラウンドにおきまして米の関税化を拒否して、それにかわる二〇〇〇年までのミニマムアクセス米を輸入する特例措置を受け入れました。この措置は、御承知のとおりに九五年から六年間継続され、二〇〇一年以降の取り扱いについて、二〇〇〇年に開始されます次期ラウンド交渉で決着が図られるということになっておりますが、先月半ばごろから突如、関税化問題が取りざたされてまいっております。  特に、農水省としては、その関税化への分析や検証作業を進めるということで何ら方針というものは示されておりませんが、農業団体に対して関税化問題についての組織討議を要請されておられます。熊本県も本日、JAの代表者会議を開いておるところでありますが、聞くところによりますと、今月の十五日に集約を図るということになっておるように聞いております。  これは我が国農業の根幹にかかわる重要な問題でありますので、事の経過、そして政府の考え方をお聞かせ願いたいと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 先生御承知のとおり、一九九五年からスタートしました新しいWTOの中の特に農業分野、米の分野についてのルールは先生御承知のとおりだろうと思います。  そういう中で、今回、この議論を団体の皆様方が今真剣にやっていただいているところでございますが、政府としてこのようなことを要請したことはございません。団体の皆さん方は今どういう選択が現時点において一番いいのかということを真剣に御議論をいただいており、我々はもちろんその中でどうしたらいいというようなことは申し上げておりませんけれども、その成り行きというものを注意深く見守り、最終的には外交交渉になるわけでございますので、そのときには政府、そして政治の場、そして何よりも生産者の皆さんと共通の認識で共通の目標に向かって、国内が一致団結して外交交渉に臨んでいけるように今我々も注視をしておるところでございます。  なぜそういうことを申し上げるかと申しますと、あの九三年の交渉のときに我々幾つかの反省というものも実は感じておるわけでございまして、一致団結をして次期交渉に臨んでいくという前提に立つと、団体の皆さんの議論を真剣に我々は見守り、そして最終的には交渉の責任者は我々ということになるわけでございますので、それを見守ってはおりますけれども、決して突き放したあるいはまた無関係という状態にはないということは御理解をいただきたいと思います。  そして、唐突というお話がございましたが、現時点で農業協定上とれる選択肢というのは、九九年四月からの関税化あるいは二〇〇〇年からの関税化あるいは二〇〇一年からの関税化、もしくは二〇〇一年以降も特例措置を継続するという四つの選択肢が考えられるわけでございますが、それぞれ議論すべきポイントがあるわけでございます。そして、一年経過するごとにその選択肢が一つずつ失われていく。  逆に言いますと、これは仮定の話でありますけれども、九九年四月の関税化というものが、この議論の結果、仮にその中で一番いい選択肢だったということが、その時期を逸した中で、議論が煮詰まらないまま時を経過してしまったことによって後になって失敗をしたということにしてはならないということで、確かに今大変、団体の皆さんもまた各党もそうだろうと思いますけれども、日々熱心に集中して御議論いただいておるわけでございますが、我々としてはそういうこの次期交渉に向かって、国論の統一という観点に立って、我々はむしろ前に出ない形で各方面の御議論を見守り、またいろいろな御指示があればそれについての参加をさせていただくということも考えてやっているわけでございます。  短期間の議論という御指摘についても、現在真剣に関係者が御議論をいただいているということで、ぜひとも国益に最もふさわしい結論が出るように関係の皆様方が御努力をしている最中でございますので、どうぞ先生においても御理解をいただきたいと思います。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 今の大臣からの説明はよくわかります。四つの選択肢がある、農業団体の中で議論を詰めていただいて、四つの中の選択肢を農業団体が決めれば、それが一つの主体性を持って決めた形の中で後は政府が受けて外交交渉をやっていくのだ、こういうような御説明でありました。それもよくわかります。  今まで政府は、二〇〇〇年の改定のとき以前にその論議はするという一つの国会での答弁が行われておったわけでありまして、突如それが出てきたということで、議論することは私は結構なことだと思っているんです。思っておりますが、何せ十一月の中旬から今月中に、九九年の四月から実施しなければならないということであれば、三カ月前ということですから十二月中に通告しなきゃならない。そうしたときに、わずか一カ月の間に本当にこの農家にとって、二千三百農協があり三百三十万農家がおる、そういう方々の議論が果たして尽くされるのだろうかどうだろうかということ、その統一見解のもとで農業者団体が一体となった結論ということには至らないんではなかろうかというところを私は一つ大変危惧するわけであります。  その前に私は、二〇〇〇年に選択肢は三つあったと思うんです。一つは、二〇〇〇年のミニマムアクセスでその後プラスアルファでいくのか、あるいは関税化に志向するということでいくのか。もう一つは、今までの既存のルールの選択肢ではなくて、既に食糧事情は相当変わってきておりますし、日本のいわゆる国の農政というのも大きく変わってくる最中でありますから、まさに新しい貿易ルールを構築するということ。  私は、今の日本において、外務省なりあるいは政府みずからその新しい貿易ルールを構築して、農家の方々が最低これくらいは輸入は日本に必要だというところをみずから決めていくというような制度というものをこのWTOで努力していくということが一番大事じゃなかろうかと思うんですが、総理大臣、いかがでございましょうか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 米の問題につきまして今、阿曽田委員から第三の手法があるのではないか、すなわちWTO交渉を破棄するというわけじゃありませんが、全く新しい視点に立ってやれと、こういうことでございます。  率直に申し上げまして、私、林・水産の問題でAPECに出席をしていました。まことにもって厳しい各国の我が国に対する主張がなされました。しかし今回は、APECにおきましては、この問題につきましては二〇〇〇年のWTOの包括協議にいたそうということにいたしました。これなどを見ておりますと、この新しいルールをつくり上げるということは非常に困難なような気がいたしております。  そういったことを考えますと、先ほど農水大臣がお話しされたような観点で日本の米の生産者の立場を守り、米が我が国の最大の食糧であることを考えると、それが今後とも生産可能なようなことをするために、と同時に、世界の中でどのようにこの米の問題を考えていくかということを考えまして、総合的に今農水省で判断をいたしておることと理解をいたしております。  しかし、せっかくの御指摘でございますので、さらにいろんな方法があり得るのかということにつきましても勉強いたしてまいりたいと思っております。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 総理の答弁に補足をさせていただきますが、現在のWTO協定上のルールによりますと、協定の内容を変更する場合のルールというのは確かにございます。したがって、選択肢として全くないわけではないわけであります。  ただ、例外なき関税化という貿易ルールの中で、その改革を引き続き二〇〇一年以降もやっていかなければならないという大前提がWTO協定上あります。その中で、九五年から日本はその特例措置としてミニマムアクセスという制度をとったわけでありますけれども、その協定上のルールを変えていくということになりますと、加盟国のコンセンサスあるいは三分の二以上の加盟国の賛成、同意が必要になってくるわけでございます。  これは、それでなくても関税化の特例を現在設けている国は、百数十カ国の参加国の中で日本、韓国、フィリピン、イスラエル、イスラエルは乳製品でございますけれども、たった四カ国でございます。しかも、韓国は御承知のとおり十年間ということでございまして、次期交渉でこの例外なき関税化の対象になってくるのは実質日本だけという状況の中で、果たして三分の二以上の同意が得られるかという現実問題もありますが、今、総理の答弁そして指示もありましたので、もちろんそれも最初から捨てるということではございませんけれども、現状は極めて厳しいという認識を持っているのが実情でございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 特例措置は四カ国でありますけれども、その特例措置を引き続き続けていけということでなくて、貿易ルールそのものを再構築し直す努力を日本国としてはやるべきではないですか。それが日本の農協あるいは農業者、また国土を守ることにつながっていく、公益性につながっていくということでありますから、その方面で日本国政府としてはいわゆるWTOに臨んでいただきたいということであります。  そして、仮に関税化を認めたときに、いわゆる何%の従価税、従量税になりますか。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) これはあくまでも仮にの話でございますが、仮に関税化ということになりますと、協定上の関税を張るルールというのがあります。それは基準年、一九八六年から八八年までの三年間の平均の、米なら米についての輸出国の日本に持ってくるCIF価格と日本における主要な米の卸売価格との差というものを関税として張ることができますというのがルールであります。  それが具体的にどうなるかということについては、主要な米とか、じゃどこの国をとってくるのかとかいうことがあって、それについてなぜ農水省は出さないんだという御指摘、おしかりをよく受けるわけでありますが、ルールとしてはそういうルールがあり、それにのっとって仮にやる場合にはそういう計算になりますけれども、そのとり方に現実幅が出てくるものでありますから、どういうふうにとるかによって御議論に不測の影響を与えかねないということに我々は心配をしておるところでございますので、そういうルールにのっとって関税率を算定することはできますというところまでしか現時点では申し上げていないというのが実情でございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 関税化したときに関税率がどのくらいになるかということが明らかにされないで、農業団体に論議して答えを出してくれなんという話には私は到底ならないんじゃないかというように思うんですが、概算でもいいですから、大体の計算の概数を教えてください。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) これは、先ほどの先生のなぜ突然今ごろという御質問にも関係するかもしれませんが、九五年にスタートしたときには関税化なんということは、私もそうでしたけれども、絶対にあってはならないことだということで議論がスタートし、またWTOもスタートしたわけであります。その後、四年間の大豊作で三百万トン、三百五十万トンという米の余剰を抱え、一方ではミニマムアクセス米が六十万トン、七十万トンと入ってきて、そしてそのうちのほとんどが現在政府の倉庫の中に眠っている。  つまり、ミニマムアクセス米として義務的に輸入をしている米についても、消費者ニーズ、需要がほとんどないという実情の中でさらにこれをふやしていくということは、生産者に対してミニマムアクセス米は影響を与えないということで分離をしておりますけれども、逆にこの保管コストが消費者全体、国民全体のコストになってくるという、一方では大きな問題が私はポイントとしてあるんだろうと思います。  したがいまして、今の時点での議論が早いか遅いかということはまた別にいたしまして、今まさにそういうことも含めて、今後の米あるいはまた貿易をどうするかということを今真剣に御議論をいただいておるところであります。  いずれにいたしましても、どういう形になるにしろ、私が国益にとって何がベストかということを繰り返し申し上げているのは、消費者にとってもそのようなメリット、デメリットという議論があります。一方では、生産者にとって、どういうやり方をするにしても、最も国内の米生産に影響を与えない方法は将来に向かって何なのだろうかということを中心に議論をしていくということで、それが具体的に何%になるのかというのは、仮にというお話ではありますけれども、仮のとり方がかなり幅が考えられますので、さっき言った前提で、そういう数字をそれぞれの方が真剣に勉強され、研究され、議論をされているということに対して我々が注意深く見守っているという現状でございます。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 私も農業団体の一員といたしまして、この関税化に踏み切った場合の関税率がどのくらいになって、何年先までには海外から入ってくる米と価格差がなくなってどこまでは大丈夫かというような問題が一番関心なんですよ。ですから、そこをきっちりと政府が指導する立場で、こういうメリットがあるという出し方、あるいはこういう考え方だということをあっさりと出した上で討論していただいて、その関税化の道に踏み込むというようなことができるかどうかの判断になる。  それを出さずして討論せいと言ったら、農業団体がまとめた、いわゆる関税化もわからぬけれどもそっちがよさそうだということをとらえて、後、それをにしきの御旗にして関税化作業で政府は今度通告をするというような形では、私は不完全燃焼で終わってしまうというふうに思いますので、そこのところを明らかにしていただきたいと思います。

中川昭一自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川昭一君) 関係団体の皆様方の真剣な御議論の中でいろいろと試算的な数字が出ているやに聞いておりますけれども、これは農林水産省から出ている数字ではございません。そしてまた、現時点においては、先ほど申し上げましたように、生産者の皆さんの生産あるいはまた生産意欲に影響を与えないという前提で我々は交渉に臨んでいくということが大前提でありまして、具体的に仮に数字を出してみろということについては、現時点では差し控えさせていただきたいということで御理解をお願いしたいと思います。

阿曽田清自由党

○阿曽田清君 最後に要望いたします。  やはり政府が農業者、農村、農家にとってこういう姿の方がいいのではないかということできちんとその説明資料を出して、そして農業者の方々がたたき台にした上で結論を出してくるというやり方をとることで私は本当に納得された形として事が進んでいくと思います。今のやり方なら私はフェアじゃないという感じを強く持っておりますので、その点、よろしくお願い申し上げて終わります。  ありがとうございました。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で阿曽田清君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、菅川健二君の質疑を行います。菅川健二君。

菅川健二参議院の会

○菅川健二君 参議院の会の菅川健二です。  参議院の会は、新たに結成された会でございますけれども、参議院の良識に基づきまして、個々の議員の信念に基づきそれぞれの思いを主張する会でございますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。  まず、経済対策についてお聞きいたしたいと思います。  今回の二十四兆円規模の経済対策については、小渕総理には史上最大規模と胸を張っておられますけれども、先ほども話にございましたように、昨日のNHKの調査によりますと、七十数%の方が期待いたしていないわけでございます。  今回の対策につきましては、例えば税制改正の具体化が先送りになっておるというように、依然として対策が遅過ぎる、小出しである、そして場当たりであるということを国民が見抜いているからではないかと思うわけでございます。これから年末にかけまして税制改正の具体化とか、あるいは来年度の予算編成という重要な時期を迎えるわけでございますが、この際、大胆かつ即効性のある、持続性のある、また先見性のある政策を強力に打ち出していただきたいと思うわけでございます。  小渕総理には川柳の世界では大変人気者のようでございますが、大阪の商店街の川柳コンテスト大賞に、ちょっと発音が悪いかもしれませんけれども、「おおきにと言える景気にはよしてや」とあります。総理は庶民のこの願いに早くこたえていただきたいと思うわけでございます。  そこで質問ですけれども、これから年末にかけての税制改正の具体化、あるいは来年度予算編成に当たっての小渕総理の取り組みの姿勢についてお伺いいたしたいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) いろいろの御批判をいただいていることは承知をいたしておりますが、内閣を発足いたしまして以来、経済再生内閣ということで各種の政策を打ち出させていただいておりまして、先ほどの貸し渋り対策なども、かなり大胆に私はこれを打ち出しておるという思いをいたしておるわけでございます。その他、各種の施策につきましても、挙げればいろいろございますけれども、私としては最善を尽くして対処してきたつもりでございます。  その前提といたしましては、さきの国会での金融問題というものが大きなネックになっておりまして、このシステムが崩壊してしまっては日本経済そのものが崩壊に至るということで、この点につきましては、まず法律を制定し、それに対しての対処を一つ一ついたしておるわけでございます。  次の年に向かって現在補正予算をお願いいたしておるわけでございますが、必ずこうした政策が日の目を見、そして実行されていきますれば、私は景気についての将来というものも必ず明るいものであると同時に、問題となっておりますいわゆる不況の環というものがこれから問題になってまいりますと、それこそどこかで不況のこの環を断ち切ることができれば、また断ち切っていくために、金融対策と同時に今度の各種の対策が功を奏してまいれば、必ず私はよりよい状況が生まれてくると確信を持って今このことをお願いいたしておるところでございます。

菅川健二参議院の会

○菅川健二君 さきの委員会においても、私は、景気対策の一点突破作戦として住宅投資促進をあらゆる方面からバックアップすべきではないかということを主張したわけでございます。先ほども公明党の方から強い要請があったわけでございますが、私も同感でございまして、その際、特に、それぞれ人生におきますライフスタイルあるいはライフステージに応じた住宅政策を強力に推進していただきたいと思うわけでございます。  具体的に二つほど申し上げますと、一つは、買いかえを容易にするために、現在買いかえコストが大変高くついておるわけでございます、譲渡損が出る場合の対策とか、中古住宅に不利な税制を改めるべきではないかということが一つでございます。  それから、少子・高齢化を迎えまして、家族のきずなを強くする、あるいは家庭の教育・福祉機能を強めるためには二世帯、三世帯住宅を推進すべきではないか。そのためのバックアップの方策を具体的に考えていただきたいと思うわけでございます。  総理の基本的な考え方と建設大臣の具体的な取り組みについて、思いをひとつ言っていただきたいと思います。

関谷勝嗣自由民主党建設大臣

○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の、ライフスタイルに応じた住宅の選択、あるいはライフステージも大きく変わってきたわけでございますから、それに対応した住生活の実現のための税制あるいは融資を拡大しろという御趣旨でございますが、私も確かにそう思うわけでございまして、今や戦後五十三年たったわけでございますから、いわゆる持ち家に対します感覚も大きく変わってきております。  御承知のように、最近の若い方々は、持ち家で一生苦労するよりも賃貸ということで、自分のその年収に合ったとき、あるいは子供さんが一人のときあるいは二人のときとか、あるいは職業が変わった場合とか、そういうようなライフステージが変わったときにどうするかとか、いろいろ変わってきておるわけでございます。  そういう中にありまして、平成十一年度の税制改正で今鋭意御検討をしていただいておるわけでございますが、ローン利子所得控除制度の創設ということ、あるいは先生御指摘のように、私も全くそう思うんですけれども、今、日本には中古住宅の市場というものが余り大きなものはございません、どうしても新しいものを持ちたいという感覚があるわけでございますが、今後は私は、この中古住宅に対する税制上の措置の拡大とか、あるいはまた御指摘の譲渡で損失が出ました場合には三年間にわたって控除することができるとか、そういう繰越控除制度の拡充などを今要望しておるところでございますが、そういうようなことで買いかえの一層の促進が行われますように努力をしたいと思っております。  それと、情勢の変わった大きなことで高齢化と少子化でございますが、そういうもとで、二世帯住宅につきましては、今でも住宅金融公庫におきまして融資額の増額とか、あるいは返済期間の延長の優遇措置を行っておるところでございます。一般的なことといたしましても、大体一千万円を限度といたしまして大幅な融資枠の拡大を行い、規模の大きな住宅の建設促進ということにも配慮をしていきたいと思っております。  先般、ある方がこういうようなことを言っておりましたが、やはり昔の家のように、確かに夏は暑い、冬は寒い、そういう家だけれども、それなりに天井の高さがある。そういうところに子供さんが真夏でもごろっと転がって、天井の節穴を数えておるような、そういうやはりスペースの大きなところで育った子供はスケールの大きな子供ができると言っておりましたが、(「大臣がそうだ」と呼ぶ者あり)いえいえ私はぼっとしておりますが、確かにそうだろうと思うんです。この家というのも本当に人間形成に重要な影響を与えると私は思うわけでございまして、少しでもゆとりのある住宅を持つように、税制それから融資、政策、この三位一体で努力をしたいと思っております。

菅川健二参議院の会

○菅川健二君 ぜひ強力によろしくお願いいたしたいと思います。  次に、地方分権の推進と中央省庁のスリム化について御質問いたしたいと思います。  さきに地方分権推進委員会の第五次勧告が中央省庁のスリム化のポイントとなる公共事業の改革を柱とした勧告を出したわけでございますが、これにつきましては、新聞の論調にございますように、負の記念碑とか腰が引けたとか大変な不評でございまして、推進委員会の思いより違って、各省庁の思いをむしろ取り込んだというところにその原因があるのではないかと思うわけでございますが、推進委員会としてこの勧告をどのようにお考えになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。

保坂榮次地方分権推進委員会事務局長

○政府委員(保坂榮次君) お答えいたします。  地方分権推進委員会は、中央省庁等改革基本法を踏まえまして、国と地方の役割分担の明確化、それから国の役割の重点化をする観点から、さらには国の行政組織のスリム化の観点も踏まえまして、地方権限の移譲などの問題につきまして、去る十一月十九日に小渕総理に第五次勧告を提出したところでございます。  同日、諸井委員長は談話を発表しております。  その談話の中におきまして、委員会としては、勧告までの時間との戦いの中でできる限りの努力を重ねた結果、具体的な検討を政府にゆだねたものもございますが、第一点は、中央省庁のスリム化の観点から、直轄事業等の範囲の見直しと縮減に道筋をつけ、統合補助金を創設するなど、事務権限の地方への移譲等に関する当面必要不可欠な改革方策につきましては政府に対してお示しすることができたと考えている。第二点に、国と地方の適切な役割分担に見合った計画権の配分の観点からの大都市圏整備計画や地方開発促進計画の策定手続の見直し、山村振興計画の計画策定権限の市町村への移譲、テクノポリス法と頭脳立地法との統合など、地方分権推進の観点からも幾つかの有益な指針を提示することができたものと考えているというふうに表明されているところでございます。  現在のところ、私ども分権推進委員会といたしましては、勧告した事項につきましてそれなりの成果があったのではないかというふうに考えておるところでございます。

菅川健二参議院の会

○菅川健二君 事務局の説明はそうかと思うわけでございますが、この勧告の取りまとめに当たった委員が最低限の自分の思いすら通じなかったということで辞表を出しておられることは皆さん御承知のとおりでございます。  この間、小渕総理につきましては、推進委員会が孤立無援であるという状況のときに全然手を差し伸べられなかったといううわさも聞いておるんでございますが、いかがでございますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 私といたしましては、この答申をいただきました以上は、これを完全に実行するために最善を尽くしていくということでございます。その過程のことをいろいろお話しいただきましたが、諸井委員長のお話は十分承っておったわけでございますと同時に、私からすべて委員会に指示するという立場でもございませんので、この点は御理解をいただきたいと思います。

菅川健二参議院の会

○菅川健二君 このままの状況でいきますと、公共事業の八割を占める国土交通省という大変巨大な官庁が生まれることになるわけでございます。私は、生まれる前に、中央省庁のスリム化との兼ね合いで、ぜひ公共事業の主な担い手は中央から地方なんだということで考え方の転換を図っていただきたいと要望しておきたいと思います。  あと、奥村委員にバトンタッチいたしたいと思います。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。奥村展三君。

奥村展三参議院の会

○奥村展三君 関連質問をお許しいただきたいと思います。  緊急経済対策に地域振興券が組み込まれておるわけでありますが、実は、先日地元へ帰っていろんな話を聞いておりますと、ある人がこんなことを言いました。お父さん、今度商品券をもらえるらしい、欲しいものがあったら考えておきや。こんなことを子供が言うんだけれども、奥村君、教育上これは問題ないか、こんな質問がありました。文部大臣、どう思われますか。

有馬朗人自由民主党文部大臣

○国務大臣(有馬朗人君) 地域振興券は、交付者として今御説のように十五歳以下の児童が属する世帯の世帯主が含まれておりますが、これはあくまでも若い親の層の子育て支援だと私は信じております。そのために、世帯主に対して交付されるものと思っています。  したがいまして、地域振興券はこのように子育て支援のために保護者に交付されるものでありまして、私といたしましては大いに意義のあるものだと思っております。決して小遣いではないと私は考えております。

奥村展三参議院の会

○奥村展三君 けれども、自治省のQアンドAでは、使用することができるのは世帯主本人またはその代理人、使者である。子供が使えるんですよ、十五歳の子供が。不景気だから国がお金を、商品券をくれる。こんな世相でもっていったら日本は滅びてしまいますよ、本当にしっかりと考えてもらわなかったら。やはりお金は、保護者がもうけ、あるいは家族が一生懸命汗をして、そしてお金をいただいて生活を営ませてもらえる。それによって教育があり、生活があるんだと。その根底が大事なんです。  だから、私の言いたいのは、こういうようなことを子供たちが言っておるということを、しっかり文部省が方向づけをして、意義はどういうことであるのか。そして、これは総理にひとつお伺いしたいのですが、不景気だから十五歳以下の子供たちにこんな商品券を渡すというようなことをやめて、本当に今苦労されておる中堅層、サラリーマンの方々やサラリーウーマンの方々が本当に今不安がっておられるんですよ。こういう人たちのために恒久減税をしたり、しっかり安定したものをしてあげてほしい。  しかし、教育的に考えますと、こういう問題を私は非常に憂う一人であります。総理、どのように思われますか。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 初めてのことでございますので、いろいろな御批判もあるかと思います。しかし、これは十五歳以下の子を持つ親御さんのことを考え、こうした対策を講じようということでございます。これがせっかくに地域の振興になることのために、これから地方自治団体もいろいろ知恵を絞っていただきまして効果をあらしめ、そしてもって地域の振興と景気にいささかの役割を与えるとすれば、この制度は生きていくものと認識いたしております。

奥村展三参議院の会

○奥村展三君 本当に総理が思っておられるようなことで、これがうまく利用されれば私はありがたいと思います。  文部大臣、どうですか。もう一度この意義、利用法について文部省はどのように指導していかれるか、お伺いしておきたいと思います。

有馬朗人自由民主党文部大臣

○国務大臣(有馬朗人君) 私も、やはりお金は大切だということを子供たちに教えなきゃいかぬと思っています。家庭や学校においてお金や物を大切にするということはぜひとも教えていかなきゃいけない、こういうことは心の教育ということで今十分検討中でありますし、実行に移したいと思っております。  したがいまして、各家庭においては、このように十分配慮していただきながら、子育て支援という目的に沿って保護者の方が地域振興券を有効に活用してくださるよう期待いたしておりますし、文部省といたしましても努力いたしたいと思います。

奥村展三参議院の会

○奥村展三君 よろしくお願いいたしたいと思います。  終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で菅川健二君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 よろしくお願いいたします。  短い時間ですので、テンポアップでいかせていただきたいんですが、まず冒頭総理大臣にお伺いしたいと思います。  自民党と自由党との政策協議の中で、介護保険制度の廃止、そしてまた準備の凍結が議論になっている、こうした情報が本当に国会内で錯綜しているわけですけれども、ここで、全国でテレビをごらんになっているわけですからお伺いしたいんですが、二〇〇〇年に向けて今後も全力で取り組む考えに変わりはないのかどうか、まずその真意をお伺いしたいと思います。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) 総理の御指名でございますが、ちょっと事実関係もございますので私の方からお答え申し上げます。  この介護保険法は、制度は、昨年の十二月に両院のもちろん十分な御審議を得て成立したものでございます。これから少子・高齢化社会へ向けまして介護を要する高齢者がますます増加することになりますし、この仕組みはお互いに支え合う制度として大変重要なものだ、そう考えております。  したがって、今、自自の連立協議の場において自由党の方からそのような御意見が出されておるようにも仄聞はいたしています、正式には私は聞いておりません。聞いておりませんが、(「答えさせればいい、総理に」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってください。それで、私どもは介護保険に寄せられる国民の期待の大きさ等を考えまして、これは予定どおり再来年の四月から実施するということにさせていただきたいし、その準備に向けて多くの市町村で事務処理の開発等をやっておりますし、また新しい制度でございますからいろいろ不安感がありますが、何としても円滑にスタートできるように最善の努力を図りたいということで、厚生省も今本当に総力を挙げてこの円滑な実施に向けて準備中でございますから、御理解を得たいと思います。

小渕恵三自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(小渕恵三君) 自由党と自民党とのお約束の中で、特に国民の暮らしを守るためにということが御指摘あったんだろうと思います。この中で、消費税につきましての税率、福祉目的への限定など抜本的な見直しを行うということまででございまして、本件につきましてはこれからそれぞれの問題につきまして自由党と話し合ってまいりたいと思っておりますが、御指摘いただきましたような点につきましては、今後この介護保険の問題につきましては制度の創設に寄せた国民の期待も非常に大きいことを十分認識して対処いたしてまいります。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 けさ新聞を目にいたしましてびっくりした次第で、ひとつお聞きしたいと思いまして。  次に、予防接種に関連をいたしまして御質問申し上げます。  最近の報道等々を通じまして予防接種の見直しという言葉を聞きますが、小さなお子さんを持つ親御さん、また最近ではお年寄りの福祉施設などにおきましてインフルエンザに集団感染するなど、この問題についてはその有効性あるいは副作用のことも含めまして、国民生活におきましては大変関心のあるところでございます。  現在、政府におかれましてはどのような趣旨で検討が行われているのか、ぜひ厚生大臣の方からお願い申し上げます。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) 平成六年度に改正されました予防接種法附則二条がございまして、施行後五年を目途として予防接種のあり方について検討を加えることになっておりまして、現在公衆衛生審議会小委員会で検討中でございます。  御案内のように、現行の予防接種法は七種類の対象疾患が法定されておりまして、インフルエンザにつきましては平成六年の改正においてこれを外してございます。そして、医師による任意接種に移行いたしております。なお、現行の七種類につきましても、強制接種じゃなくて勧奨ということになっておるところでございます。  同小委員会におきましては、今月中に中間報告の取りまとめを予定しておりますので、さらに専門的な見地から審議を進めまして、平成十一年の六月を目途に最終的な報告をまとめることといたしております。  厚生省としては、委員会の審議を見守りながら、最終的な報告が出された段階でこれを受け、予防接種政策の推進に向けて必要な施策を検討してまいりたいというように考えております。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 ありがとうございました。  いつも私は全国からお手紙、おはがきをいただいてこちらの方で質問をさせていただいておりますが、なかなか皆さん方の声が届かない。本日も、  西川さんにお願いいたします。昭和五十年から五十二年生まれの人が乳児期に受けた生ワクチンの効果が少ないとのことで、今頃になって再度受けるようですが、大阪府では各人で大阪府医師会に電話予約し現地まで行かねばなりません。勤めている者はとっても無理です。近くの病院なりで受けられないでしょうか。何か納得できません。こんな事でお忙しいのに悪いですが、一度調べて下さいませんか。 というふうにこのおはがきをいただきました。  そこで、自分で勉強いたしまして、昭和五十年から五十二年生まれ、そして生ワクチンということで調べました。  平成八年十月十六日に公衆衛生審議会伝染病予防部会から出されました当面のポリオ予防対策の中で、昭和五十年から五十二年生まれの方に対する対応についての意見が出されていました。この意見の内容について、また、厚生省としてはその後都道府県などに対してどのような内容の通達を出されたのか。この三年間に生まれた方は何と六百万人もいらっしゃいます。その方々に対する説明という意味も含めまして、再度、大臣お願いいたします。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。  御指摘のように、五十年から五十二年生まれの方々のポリオの、小児麻痺ですが、抗体保有率が低いという問題につきまして、平成八年十月に開催された公衆衛生審議会で御指摘のように議論されております。  厚生省は、平成六年度に実施した伝染病流行予測調査というのがございますが、これは毎年調査を行っておりますが、国民の各年齢階級において感染症に対する抵抗力をどの程度有しているか、また病原体をどの程度持っているかについて調査を行っておりますが、その結果、御指摘のような事実がわかったわけで、抗体保有率としては、五十年から五十二年生まれの方は、通常の人でございますと抗体の率が八割から九割程度でございますが、この年度の方々は五六%から六三%以内ということになっております。  平成八年十月に開催されました公衆衛生審議会の伝染病予防部会でこの問題について御審議をいただいて、当面のポリオ対策等について御意見をいただいたところでございます。  五十年から五十二年生まれの方が、ポリオの常在国といいますか、インド、パキスタン、バングラデシュ、アフリカ諸国等へ渡航する場合には、ポリオに感染、発症する可能性は否定できません。また、極めてまれでありますが、ワクチン接種を受けた家族と接触する場合は感染する可能性も否定できません。これは、生ワクチンを口から投入するわけですが、便等によって感染する可能性があるようでございます。このため、抗体保有率が低い年齢層の方々に対して、予防接種の効果と副反応の可能性等において十分な情報提供を行った上で、希望に応じまして予防接種が受けられるよう対応することが望ましい旨の対応が提言されております。  これを受けまして、八年十一月に都道府県及び指定都市の衛生主管部局長方に通知を発しまして、情報提供、予防接種の機会を確保するように指導いたしました。  また同時に、この予防接種は、予防接種法に基づくものではないというように先ほど申し上げましたが、有料となります。接種を受けた場合の注意事項、副反応等があった場合の措置等についても情報提供するよう通知を現在やっておるところでございます。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 私も、おはがきをいただきまして、早速厚生省の担当の方々にお伺いをいたしました。  各自治体がそれぞれに対応されているということでございましたけれども、厚生省におきましては実情を詳しく把握されているということではございませんでしたので、指導通達を出された後の厚生省のフォローアップがほとんどされていないということをお伺いしまして、正直申し上げまして僕は疑問を感じたわけですけれども、厚生省といたしましてはどのような認識をお持ちであったのか、事務当局で結構ですのでお願いいたします。

伊藤雅治厚生省保健医療局長

○政府委員(伊藤雅治君) これは大変重要な問題でございますので、通知を出した後、各自治体がどのように実施したかを確認する必要があると思っています。しかしながら、厚生省としてこの問題につきまして各地方自治体の詳細な対応状況について把握していないというのは御指摘のとおりでございます。  最近、この問題について心配するお母さん方の声も厚生省に届いておりまして、仮に通知を踏まえた対応が行われていない地方自治体があれば問題でございますので、これまで個別に都道府県等の対応状況を照会してきたところでございますが、議員の御指摘も踏まえ、至急、全国的な実態把握に努め、医師会への協力要請を含め必要な指導を行ってまいりたいと考えております。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 私もみんなで手分けをして各自治体に対応をお伺いいたしました。例えば北海道ですと、通達に沿って対応できるように各市町村、地域の医師会、そして北海道が何度も何度も検討を重ねる中で、情報の提供と接種機会の確保に積極的に取り組まれているところもある。あるいはまた、ある自治体の場合は、独自に専門者会議を開いて検討した結果、先ほど大臣の答弁にもございましたが、これらの病気が発症している外国へ行く場合は受けた方がよいが、日本国内では免疫が全くないわけではないので追加接種を積極的に進めるのではなく、ポリオの接種を受けた者からの家庭内感染予防についての注意を呼びかけたという対応をとられたところもございました。厚生省の通達を受けた後の各自治体の対応にはかなりのばらつきがございました。  私どもが問い合わせをしてから約二カ月になるのですけれども、ただいま現時点での経過、これも事務当局からで結構ですのでお願いします。

伊藤雅治厚生省保健医療局長

○政府委員(伊藤雅治君) 御指摘のように、各都道府県等の対応状況につきましては必ずしも一様ではございませんで、例えば北海道におきましては百カ所以上のところで追加接種ができる対応をしておりますが、大阪府につきましては二カ所というようなことになっております。  したがいまして、今後、抗体保有率が低いということはどういうことなのかという情報提供、それから接種を受けられる場所の情報提供も含めまして、至急全国的な実態調査を行いまして、必要な指導を行ってまいりたいと考えております。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。  これは当人、家族、地域の方々にお話をさせていただいてからは、先ほどもお話に出ましたが、本当にたくさんの方々からの問い合わせもございます。人の健康に関係することですから、厚生省が出された情報が正しく住民に行き渡る、そういう調査をぜひよろしくお願いいたします。  各自治体の対応あるいは現場での問題点など、通達を出された厚生省の責任として把握されるべきではないでしょうかと僕は思います。このままの状態を放置した場合は、必ずしも正確な情報が伝わらない中で、かえって市民生活に混乱を起こしかねないのではないかと心配をいたします。今後の対応のあり方についても再検討していただきたいと思うのですが、厚生大臣の御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。

宮下創平自由民主党厚生大臣

○国務大臣(宮下創平君) 局長からおおむね申し上げたとおりでございますが、国民の健康に関する問題でございますから的確な情報を伝えていくということは極めて重要でございます。また、各自治体に通知したことのアフターケアといいますか、しっかりと厚生省が把握していくことも極めて重要です。この問題は大変重要な指摘でありますので、至急全国的な調査を実施したいと思います。  同時に、都道府県の対応状況の確認の結果や議員の御指摘の趣旨を踏まえまして、抗体を保有していない方がポリオの今申しましたように常在国へ渡航する場合とか、極めてまれではございますが、ワクチン接種を受けた家族と接触した場合にポリオに感染する可能性を否定できませんので、繰り返しになりますが、そういう情報提供をしっかりと行いまして、接種の機会が確保されますように都道府県、市町村へ適切な指導を行ってまいりたい、こう思っております。

西川きよし二院クラブ・自由連合

○西川きよし君 よろしくお願いをいたします。  終わります。

倉田寛之自由民主党

○委員長(倉田寛之君) 以上で西川きよし君の本日の質疑は終了いたしました。(拍手)  明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会

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