行財政改革・税制等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/12/11
会議録
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十日、三重野栄子君及び阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君及び入澤肇君が選任されました。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に谷本巍君を指名いたします。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案の審査のため、本日、参考人として石油公団総裁鎌田吉郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 財政構造改革法の停止法案につきまして質問をさせていただきます。 まず、前回の委員会での質疑におきましては、この財政構造改革法の停止法案の内容につきまして、まだ不明な点が余り質疑がされていなかったということでありますので、その点に関しましてお聞きしたいと思うんですけれども、宮澤大蔵大臣の方にお聞きしたいと思います。 この財政構造改革法の停止法案では、財政構造改革法の全体が凍結されるのか、それとも部分的な数値目標が凍結されるのか、まだちょっと内容が不明な点があります。 例えば、財政構造改革の五原則ということが発表されておりますけれども、その第一項目の目標年度や目標値、第二項目の集中改革期間での規定、第四項目の長期計画の制限、あるいは第五項目の国民負担率が五〇%を超えない財政運営を行う、そのような五項目が基本方針として最初に表明されたわけでありますけれども、これらにつきまして宮澤大蔵大臣にお伺いしたいと思います。どこの部分が凍結されるのか、全体が凍結されるということなのか、具体的に説明をお願いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の財政構造改革の具体案を当時決定するに当たりまして、五原則というものを掲げました。その内容はただいま委員の仰せられましたようなことでございますけれども、それ自身はいわばこの財政構造改革を具体化するに当たっての基本的な考え方を述べたものでございまして、どちらかといえば定量的というよりは定性的なことでございます。 それに基づきまして構造改革の具体策として定量的なものが幾つか決められ、そしてそれが廃止の対象になったということでございますので、厳密に申しますと、五原則そのものはそもそも原則として、財政構造改革の具体的な内容ではございませんでしたし、したがいまして廃止の対象となる具体的な内容ではない、こういうことになろうと存じます。 逆の言葉で申しますと、具体的な構造改革の諸条項は今回停止をされることになりますが、その基本になっておりました思想というのは、その思想そのものが別に否定されたわけではない。思想としてはそういう物の考え方は残っている部分があっても別段差し支えはないし、恐らくある部分は残っておると申し上げるべきでしょうが、したがってそれは本来原則として掲げられた定量的なものでございませんから、そういう意味で厳密に言えば凍結なり停止の対象になるものではない、こう申し上げるべきだろうと思います。
○渡辺孝男君 例えば、その五原則の中の第四項目に、「あらゆる長期計画(公共投資基本計画など)について、その大幅な縮減を行う。歳出を伴う新たな長期計画は作成しない。」という項目がありますけれども、この点はどうなんですか。これは凍結されるんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第四のあらゆる長期計画について大幅な縮減を行う、こういうことは財政構造改革法で一遍試みました。試みましたが、それは結局停止せられましたが、その部分は今停止されました限りにおきまして、平成何年までというようなことを述べておりますものが多うございますから、もうその平成何年までという時期はこの停止の期間に来てしまいますので、実体的な意味を失うことになると思います。 しかし今度は、この「歳出を伴う新たな長期計画は作成しない。」というこの部分について、将来とも政府は歳出を伴う新たな長期計画を作成しないのであるかどうであるかということになりますと、将来、我が国の経済がもっと安定した成長路線を歩むことになりましたその時点において、新しい長期計画というものを政府はつくらないのであるかつくるのであるかということにつきましては、この点は何もいずれとも言っていないと考えておくべきではないかと思います。
○渡辺孝男君 そうしますと、この停止の解除といいますか、その条件がやっぱり必要になってくる。この法案ではちょっと抽象的で、どういうときに財政構造改革法の凍結が解除されるのかなかなかよくわからない点があるんですけれども、その点もう少し具体的に、どういうときに凍結が解除されるのか、お教えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは大変ごもっともなお尋ねだと私も思いますが、実はこの凍結をいたします決意をいたしましたときに将来のことをいろいろ議論いたしましたが、大変率直に申しますと、まず将来このような計画をもう一遍考えられる時期というものは、少なくとも我が国の経済がはっきりした成長路線に現実的に乗るという見通しがきちんとした時点でないと無理であろうということまでは関係者の認識はほぼ一致しておりますけれども、さてその時点になってどういうことをするのかということについては余り細かい議論はいたしておりません。 少なくとも、その時点になりまして、今廃止されましたあるいは凍結されました幾つかの条項が、フリーズされたものが解凍されるようにそのまま生き返ってくることは恐らく基本的にはないであろう。そのときの日本経済というのはもっと新しい姿になっておるわけであるから、今考えたようなことがもう一遍そのまま生き返ってくることは多分ない。殊に、長期計画におきましてはもう既に経過年次が経過するということになってまいりましょうから、それはないであろう。しかし、そうかといって恐らくその段階で我が国の財政は相当の長期負担を背負っておるはずでございますから、それをいつまでもほっておいてはいけないという意識は必ずよみがえってくるに違いない。 ですから、その問題についてどうするかというような議論は恐らく再び行われるのではないかといったようないろいろな予測、議論はございますけれども、基本的には将来もう一遍この問題を考えるときには新しいベースで考える方がいい、こういうふうに関係者の議論はそんなところをみんなで考えておる。 大変ぼんやりしたお答えで申しわけございませんけれども、それが実態であろうと思います。
○渡辺孝男君 財政構造改革法で社会保障の分野等の予算が抑制されて国民生活に大きな負担をかけたということがありましたものですから、そういう意味ではこの財政構造改革法は今のままでは問題があるんではないかということを私自身も思っておりましたので、やはり中身をきちんとしながら、またその財政構造改革の精神は保ちながら現実の状況に対応していくというのが必要ではないかと思います。 次に、厚生大臣の方にお伺いしたいんですけれども、財政構造改革法のもとでは、平成十年度予算、社会保障予算の費用が八千億円から三千億円に縮小されて、国民の負担増を招いて景気悪化の大きな要因にもなっているということでありまして、やはり問題を残したということであります。 そこで、平成十一年度の社会保障費の自然増というのはどのようになるのか、これから予算編成にかかわってまいりますので、その自然増についてお伺いします。
○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。 平成十一年度の概算要求におきましては、厚生省関係の社会保障関係費について、人口の高齢化等に伴う自然増等によりまして、自然増だけではございませんが、自然増を主体にして自然増等により五千五百億円の増としたところでございます。 なお、十年度の自然増が八千億であったというのはそのとおりでございますが、十一年度が減少いたしましたのは、自然増のうちの過半数を占める医療費につきまして概算要求時における伸び率等の動向を勘案してみますと、昨年を相当下回ると見込まれたものによるものでございます。 こうした状況でございますが、いずれにいたしましても、平成十一年度予算における自然増等につきましては、今後予算編成の過程で直近の状況に応じて見直し、適切な予算の編成が行われなければならない、こう思っております。
○渡辺孝男君 本年五月二十七日のこの委員会での質疑におきまして、前厚生大臣は、平成十一年度の自然増はおよそ六千億円から七千億円程度ではないか、しかし概算要求上はそれを全部認めるわけではなくて縮減していくというような発言をされておりますので、厚生省の概算要求で出てきました五千五百億円というのはその義務的経費の自然増よりも圧縮した形での額ではないか、そのようにも思います。 そのもとになった義務的経費の自然増というものは平成十一年度はどの程度になるんですか。それが圧縮されて五千五百億円になったということではないかと思います。そのもとの自然増というのはどの程度あると考えられますか。
○国務大臣(宮下創平君) 平成十年度の予算編成で、それぞれの政策の目的に従いまして大蔵省との関係で折衝して決められたものでございます、三千億増というのは。しかるところ、平成十一年度予算についての特色はどういう点であるかというと、今御審議いただいております平成十年度の第三次補正、これで社会保障の関係の特にゴールドプランに基づく整備でありますとか、あるいはエンゼルプランに基づく保育所の整備等々、そういうものの前倒しがかなり実施されておりますので、通常ですとそういうものがない、これは緊急経済対策でやられる一環として私どもは前倒しをお願いしてありますので、それらを加算しますと六千億をはるかに超えることになるというのが現実だと思います。
○渡辺孝男君 そうしますと、本来の意味での自然増というのは六千億から七千億あるんだけれども、前倒しで実施した分があるので概算要求上は五千五百億円になっている、そういうお答えと解釈してよろしいですか。
○国務大臣(宮下創平君) 概算要求時の八月三十一日の時点では、これは大蔵大臣の方から御説明いただいた方がいいかもしれませんが、十月末までにおける四兆円の特別枠というのを設けまして、いわゆる十五カ月予算的な考え方で追加要求が認められておりますので、大体大ざっぱに言ってそういうことになるということだろうと思います。
○渡辺孝男君 先ほど、昨年が八千億円ぐらいの自然増等であった、来年度の予算編成では五千五百億円ということでありまして、その予算額が縮小したのは医療費等の抑制といいますか、費用が減ってきたと。 平成九年九月の医療保険制度の改正といいますか改悪といいますか、その変更で薬剤費の二重負担と言われるような一部別途負担も起きておりまして、やはり医療費抑制傾向にあるのは間違いないと思うんですけれども、最近の厚生省のデータではどうもその抑制効果も薄らいできて、医療費の伸びがまたことしもふえてくるんではないかというような発表があったわけでございます。 厚生省あるいは政府の方針としましては、国民医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内におさめるというようなのが大きな基本方針として立てられているということであります。そうしますと、医療費がまた自然に伸びてくるというような傾向にあるという発表でありました。ことしの国民所得の伸びというのは経企庁の二月の判断では二%ぐらいではないかというようなお話でありましたけれども、景気が本当に低迷しておりまして、果たして二%の国民所得増があるのかどうか非常に厳しい状況ではないかと思います。 そういう中で、また医療費が上がってくるということになりますと、国民所得の伸びを超えてしまうということになりますと、また来年度も医療費抑制のために国民負担がふえてくるのか。高齢者の医療費が定額から一割定率に移ってくるとか、あるいはまた別な意味での薬剤費の負担が上がってくるとか、今参照価格制等が議題になっておりますけれども、そういう形で新たな医療費の国民負担増が追加されるようになるのかどうか心配な点があります。 そういう意味で、まず平成十年度の国民所得の伸びを超えるような形で医療費の伸びが起こってくるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 平成十年度の国民医療費につきましては、御指摘の平成九年度の制度改正の効果や医療費の適正化の効果を織り込んでございますので、伸び率としてはマイナス一・一と見込んでいるところでございますが、一方、平成十年九月までの状況を見ますと、四月から八月までの平均は〇・七%増、九月は三・八%増と高目に推移しておるのは委員の今御指摘のとおりであります。 一方、平成十年度の政府経済見通しと経済運営の基本的態度という指標によれば、十年度の国民所得の伸び率は二・〇となっておるのは御案内のとおりであります。しかし、経済企画庁で十年度経済見通し改訂試算、これは十月六日に行っておりますが、国内総生産の伸び率はマイナス一・八ということになっております。 したがいまして、平成十年度の国民医療費の伸び率が国民所得の伸び率の範囲内におさまるかどうかについては相関関係がありますので、私の方から申しますと、今後の医療費の動向等を見ていく必要がございますが、現下の状況を総合的に勘案しますと難しくなってきているのではないかというように思われます。 なお、国民医療費の伸びと国民所得の伸びの関係につきましては、平成九年の六月に一応方針として基本決定されておりますが、私どもとしては医療費の効率化その他に努めながらも、それ以下に抑えなくちゃならぬといってもなかなかできないという状況も予想されますので、適切な医療費の抜本的改革をやりますが、検討していきたい、こう思っております。
○渡辺孝男君 平成十一年度の社会保障の概算要求のもとになった自然増の推測が変化してくればやはり柔軟に対応すべきである、五千五百億円ではなくてもう少し多くなりそうだということであれば、やはり柔軟に対応すべきではないか、そのように思います。 医療費がまた少し上がってくるとなると、それを抑制しなければならない、国民の医療費負担、自己負担増を行うということになりますと、また景気悪化の原因になりまして、二の舞になってくる。財政構造改革法の凍結というのも国民のそういう消費意欲を抑えるような緊縮財政ではだめだという精神であろうと思いますので、国民医療費がまた上がってきた、それは抑えなきゃならない、ではまたすぐに短絡的に国民負担増というのはやはり問題ではないか、そのように思います。 時間がないので、交代になりますので発言だけさせていただきますけれども、私としましては、景気悪化の一因となった薬剤費の別途負担というのは高齢者にとってやはり大きな問題でありますので、ただ単にこれから医療費の削減、国民負担増を強いないというだけではなくて、薬剤費の別途負担というような景気悪化の一因となった医療費の問題はやはり廃止をして、別な制度できちんとやっていくべきではないか、そのように思います。 二十分しかなかったものですから、ここで終わりにしたいと思います。よろしく御検討をお願いしたいと思います。
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。 まず、経企庁長官にお尋ねしますが、今般の緊急経済対策の最大の目標は、九九年度にプラス成長となるような需要を創出するということでございます。この緊急対策の効果としまして、実質経済成長が二・三%押し上げられるというふうに言われておりますけれども、九九年度が本当にプラス成長となるのかは大きな疑問を持つわけであります。 金融機関の貸し渋りや不良債権の処理に伴う景気に対するマイナス効果、雇用情勢の悪化、あるいは冬のボーナスも二・一%減というような統計等々を見ますと、どうしても三年連続でマイナス成長という懸念を払拭できないわけです。払拭できないどころか、きょうも新聞を見ておりますと、民間のシンクタンクは一社を除いて全部三年連続でマイナス成長という予想をしておりまして、私も心配をするわけでございます。 そこで、経企庁長官に、本当に九九年度プラス成長に押し上げるという自信を持っているのか、改めてお伺いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 三年連続のマイナス成長は避けて、平成十一年度においてプラス成長にするというのは小渕内閣の最も重要な経済政策と認識しております。そのために、今般お願いしております緊急経済対策を行い、まずさきに成立させていただきました金融対策と相まって、金融不安をなくす、さらには貸し渋り対策その他をとって金融問題をできるだけ早い機会に、今年度中に一応の解決に持ち込み、そして需要をつけていくということでございます。 委員御指摘のように、そういったことを織り込んで民間企業の方は計算されたと思いますけれども、かなり厳しい見通しが出ております。これに対しましては、平成十一年度の予算あるいは税制、そういったものも動員し、また従来以上に前倒しの執行、効率的な執行等も考えて、平成十一年度は是が非でもプラス成長に持っていきたいと考えている次第でございます。
○荒木清寛君 今、大臣からも小渕内閣にとってプラス成長に乗せるというのは最も重要な政策であるという話でございました。 そこで、もし九九年度にプラス成長が実現されなかった場合には、内閣としてはきちんと政治責任をとる、このように理解してよろしいでしょうか。これは大蔵大臣と経企庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 私が内閣を代表してお答えするわけにはまいりませんが、私自身といたしましては、来年度はっきりプラスにならないということが来年の十二月とか再来年の三月にわかりましたら、政治責任はとる覚悟であります。
○荒木清寛君 大蔵大臣はお答えがありませんでしたが、そこで引き続き経企庁長官に、いわゆる現在のデフレギャップ、需給ギャップは金額にしてどの程度であるという認識をしていらっしゃるのか、伺いたい。
○国務大臣(堺屋太一君) デフレギャップにつきましては、いろんな計算方法もございますし、供給力をどう見るかというところもございます。供給力と計算されていて既に劣化しているのもございます。 ちなみに申しますと、OECDという国際機関が試算しているところでは、九八年度の上半期に日本の需給ギャップはGDP比で四・七%という数字を出しております。これは二十三兆円ぐらいに当たるわけでございますが、確定した数字で出しているのはOECDの数字で我々の数字ではございませんけれども、そういう数字が参考になるかと思います。
○荒木清寛君 ただ、民間のそれこそシンクタンクや学者等は、いろいろ読みますと三十兆円から四十兆円という見方をしているわけですね。そういう意味で、今回の緊急経済対策は二十四兆円規模と、先ほどのOECDの数字からすればそれを補うということになるわけです。しかし、一般に言われているような三十兆円から四十兆円ということからすると、まだこれでも力不足ではないか。そういう意味で、私はさらなる減税規模の上積み等の追加対策が要求されるというふうに思うわけです。 そういう観点で一つお尋ねしますが、きょうの朝刊各紙あるいはテレビのニュースもそうでありますけれども、来年行います四兆円の所得税、住民税の減税について、政府と自民党の間で骨子が固まったという報道でございました。そうなんだろうと思います。 それを拝見しますと、全体で四兆円の減税という意味では本年の特別減税を二回やったというのと同じ規模でありますけれども、ただ大きな違いがありまして、いわゆる中所得者あるいは低所得者層、八百五十万円以下の年収の方はもう全部押しなべて実質増税になっているという試算でありました。 そうなりますと、これも何度か議論されておりますけれども、小渕総理がおっしゃっております中所得者層への配慮という減税に当たっての公約のこれはもう重大な違反になることは明らかでございます。 そこで、経企庁長官にお尋ねいたしますけれども、この減税も消費を刺激する景気対策としてこういう大きな減税を考えたんだと思います。しかし、そうであれば、消費性向が強い中低所得者層にこそ手厚い減税をしなければ消費を刺激しないわけでありまして、そういう意味では今回の言われている所得税・住民税減税は力不足じゃないんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 税制の問題につきましては、党と協議があったようでございますけれども、企画庁の直接の所管でございませんので、党との協議について細部については承知しておりません。
○荒木清寛君 私が新聞を読んで承知しているんですから、経企庁長官が承知していないというのはおかしいと思うんです。 では、大蔵大臣にお尋ねしますが、もしそういう形で来年の制度減税を行うのであれば、この中低所得者層については負担増になるのでありますから、そういう負担を和らげる何らかの措置をあわせて実施しなければいけないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、企画庁長官が承知していないと言われましたのは実はそのとおりでございまして、私自身もまだ報告を受けておりません。 ずっと連日こちらへ参っておりますので、その時間がないこともございますけれども、私どもの党の税制調査会でいろいろ議論をしているその議論の中心になる部分がどうやらああいうことだという種類の報道だろうと思います。 私ももうちょっときちんと議論を聞いてみたいと思っておりまして、まだ聞いておりませんので、それに基づいて申し上げることはできませんけれども、今年度にいわゆる定額減税というものが二つ行われました結果、標準世帯の課税最低限は一度四百九十一万円になっておるわけでございますけれども、それは一遍限りという減税がそういうことをしたわけでございまして、本来の課税最低限は三百六十一万円でございます。したがいまして、一遍限りの減税が過ぎました後は、当然課税最低限は三百六十一万円に戻って考えるべきものでございます。したがって、十一年の減税はその三百六十一万円に対してどれだけの減税があるべきかという議論があるのが私は普通だと考えます。 ただ、今の御所論は四百九十一万円に対してさらに減税があるかないかというお話でございますから、そうなりますと、それは一遍限りの減税ということになりませんので、一遍限りの減税が過ぎました後は三百六十一万円というものを基準にして、そしてどれだけの減税があるかということを私は議論すべきものであろう、そう考えております。
○荒木清寛君 そうしますと、大蔵大臣は、小渕総理がおっしゃっておりますこの中所得者層への配慮という公約をどういう形で実際に実現されるんですか。この課税最低限もまた三百六十一万円に戻る、そしてまた言われているように八百五十万円以下の人は全部増税になってしまう、こんな減税でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その全部増税になってしまうというところが私は違う考えを持っておりまして、それは一遍限りの定額減税が済んだ後は三百六十一万円に返るわけでございますから、そこから議論をしていただくのが本当だろう、こういうふうに思っておるわけです。
○荒木清寛君 それでは、あとの残った時間は法案についてお尋ねをしますが、先ほど渡辺委員の質問に対しまして、今回停止をした法案を解除する条件について答弁がありまして、はっきりした成長路線に現実に乗った時点というお話でした。これは非常にあいまいなわけですね。具体的にどういう指標でもってこれを確認するおつもりなんですか。どういう条件が成就した場合にはっきりした成長路線ということになるわけでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点はおっしゃいますように法律には何も書いてございませんけれども、おまえはどう思うかというお尋ねであれば、私といたしましては、日本の経済が少なくとも持続的なプラスの成長路線に確かに乗ったということが判断できる時点ではないかと思います。
○荒木清寛君 さきの臨時国会の八月二十日、日笠委員の質問に対しまして総理はこう答えていらっしゃるんです。この一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せると。この回復軌道に乗せるというのはどういう意味かと御答弁を求めますと、プラス成長が二四半期続いたらそういう判断をするという答弁であったかと思います。ですから、宮澤大蔵大臣が今おっしゃったのも、そのようにプラス成長が二四半期続けばこの解除の条件は整ったということでよろしいんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理大臣がそういうことを言われましたのは、恐らくは、十一年はひとつしっかりして、十二年になったら足取りが大丈夫だ、それは何かとお尋ねがあったときに、二四半期プラスだと、こう言われたんだと思います。 それは、それとしては正しいお答えと思いますが、私が思いますのは、財政構造改革というのはもう少し長期にわたる国の財政あるいは税制のあり方を定めるものでございますから、一遍限り二四半期プラスが出ただけではちょっと危ないな、またぶり返してはいけませんから、やっぱりプラス成長というものが二年やそこらは続きませんと、もうこれで大丈夫だというわけにはいかないのではないかなと私自身は思いますけれども、ここはいろいろそのときの政治判断もあろうかと思います。二四半期ではちょっと心もとないように思います。
○荒木清寛君 私がなぜこの解除の条件を具体的に詰めているかといいますと、これで財政構造改革路線がもう永久に放棄ということになってはいけないわけです。今回法律を停止しまして積極財政で景気対策をする、それはいいわけでありますけれども、そのことによって将来の国民負担がふえるというふうに国民が思ったのではせっかくの減税も意味がないわけです。 ですから、大臣がおっしゃったように、そういう回復軌道に乗ったらきちんと今度は本格的な財政再建に着手をする、要するにふえました税収で国債を返していくということがはっきりしておりませんと国民の不安は増大をしますので、私は質問しているわけなんです。 そういう意味で、私は、小渕総理が二四半期プラス成長になったら回復軌道だと言うのは驚くべき答弁ではないかというふうに思うんです。といいますのは、平成不況と言われながら現実には平成八年まではプラス成長がずっと続いてきたんです。でも、大不況だと言われておった。私は、日本の国の実力相応の経済成長というのは、実質成長でも三%は実力相応の成長率ではないかと思うんです。また、完全雇用というのを達成しようと思ったらやはり二%なり三%なりの経済成長がなければ成り立っていかないのではないか。 今度、この法律の凍結を解除して本格的な財政再建に着手するというのは、私が今言ったような意味において二%、三%の経済成長が確保できるという段階じゃないか。大蔵大臣はこのプラス成長がしばらく続けばいいというお考えなんですけれども、もう一遍どうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も、小渕総理がもし二四半期と言われたのなら、それは足取りがしっかりしたというのはどういう意味かというお答えだったと思いますので、財政構造改革というものをもう一遍議論できる、そういう環境というものは二四半期ではとてもちょっと心もとないと思います。 このゼロ成長とかマイナス成長というのは我々の戦後の経済が動き出しましてからはなかったことでございますので、こんなことが常態になったのではたまりません。やはり経済というのは毎年一%か二%か三%か、少なくとも二、三ぐらいは成長していきませんと物事はやれないので、ですから、そういう状況に日本経済が確かに入ってきたなということでございませんと長期計画というものはなかなかかけないのではないか。そういう意味では、荒木委員の言っていらっしゃるように私も実は思うわけでございます。
○国務大臣(堺屋太一君) 今、委員の御指摘の二四半期プラス成長という意味と財政改革の問題とはちょっと別でございまして、平成十一年度にプラスにして、十二年度にはっきりした成長軌道に乗せる、その成長軌道に乗ったかどうかの判断基準として総理が二四半期以上プラスということをおっしゃった。そういう成長軌道、回復軌道に乗ったらすぐに財政を立て直すような段階になれるかどうか、これはかなり差のある話ではないかという気がいたします。 経済が回復軌道に乗りまして財政を立て直すような状況をつくるためには、やはり単なる経済成長率とか、そういう機械的なものだけではなしに、産業の状況、雇用の状況、社会その他の状況を勘案して考えるべきことではないか。ちょっとディメンジョンが違うんじゃないかと考えております。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 昨年の六月三日の閣議決定によれば、「財政の再建を果たすことが喫緊の課題であり、もはや一刻の猶予も許されない。」、こういうふうに言いまして、大蔵省はパンフレットや政府広報で財政危機のキャンペーンを大々的に展開しました。これが当時の政府広報でありますけれども、こういうものを配ったわけであります。覚えがあると思うんです。そして、あわせて「破局のシナリオ」、こういうのがあります。これは大蔵省が発行したパンフレットでありまして、私がつくったシナリオではありません。ここにこういうふうに「破局のシナリオ」というふうに書いてあるわけです。 この大蔵省のつくったシナリオによれば、今のままで進めば日本の借金がどんどんふえて、二〇二五年には日本の経済と財政は破局を迎える、さらにことし財革法の一部改正のとき、このときの大蔵省のパンフレットでは、ここにパンフレットをお持ちしましたけれども、借金がどんどんふえて九八年度の末には、一万円札を積み上げれば何と富士山の七百五十五倍、エベレスト山の三百二十二倍にもなる、これまた二〇二五年には破局を迎える、こういうふうに言っております。こうやって破局の大宣伝を繰り広げました。 破局を迎えるというと、これは大変だ、その二〇二五年には一体どのぐらいの借金と国内総生産があって、そのとき国の財政規模はどのぐらいになっているのか。私はあらゆる資料を調べてみました。ところが、不思議なことにどの資料を調べても、比率は出ているんだけれども、金額はどこにも出ておりません。根拠になっている基礎的な推計額も公表しないで、危機だ、破綻だ、こうやって国民をおどす。そうやって、破綻するから福祉は削らなくちゃいけないんだ、社会保障は削るんだ、こういうことをやってきました。 こういうことの根拠を示さないというのは、余りにも国民をばかにした話ではありませんか。大蔵大臣、どう思いますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 人口動態から考えまして、老齢化が進むということのほかに、生まれる人の数が従来の予想よりもはるかに少なくなりそうだということは、確かにショッキングな出来事、発見であったわけでございます。そういうことがいろいろ長期計画の将来について考え直さなければならないということの動機になりまして、このこと自身は、人口統計というものが大体そう誤りがないものと考えますと、二〇二五年ぐらいまでの予測ができるということになる。そこまでは私は多分事実であろうと思います。 ですが、そこから突然破局とかいう話は随分飛躍がございまして、国が破局するわけはないわけでございますから。ただ、財政をやっている人間からいえば、それはやっぱり非常に心配でございましょう。今、現に債務の残高よりは国債費、一般会計に占める国債費が、幸い利子が低うございますので逐年累増はしておりませんけれども、二〇%にはなっておるわけでございますから、毎年の入る金の中で二割はもう国債の処理に使わなければならない。いわば、八割しか可処分所得がないとでも申しますか、そういう状況は財政をやる者としては非常に心配でございます。しかも、債務が累増いたしますと、国債費の割合はふえてまいりますので、使える金が少なくなる。 その点についての心配が一番私なんかには大きい心配でございますけれども、財政当局がそういうことを国民の皆さんにわかってもらってなるべく冗費を削りたいと考えるその心情は御理解をいただけるといたしまして、エベレストとかいうことは私は余り感心はいたしません。
○富樫練三君 この「破局のシナリオ」というのは私が言っているんじゃないんですよ。あなたが大臣をしている大蔵省が出したんです。ここに「破局のシナリオ」とちゃんと書いてあるんです。富士山の何倍とかエベレストの何倍というのも全部書いてあるんです。私が言っているんじゃないんですよ。破局が大げさだとか、するはずがないとか言いますけれども、それは大蔵省が言っているんです。ここのところはちゃんと確認をしておいていただきたいと思うんです。 政府は、財政が破綻するから社会保障も公共事業も一切の聖域はつくらないで削るんだ、こういうふうに言ってきました。九七年度、財政構造改革元年だ、これも大蔵省の資料にちゃんと書いてあるんです。この広報に書いてあるんですね。そう言って消費税を引き上げた。さらに医療改悪を強行した。こうやって国民の負担を九兆円もふやしたではありませんか。そうやって去年の十一月に、ついに財政構造改革法を強行しました。これは借金を減らそうというのがこれにも書いてあります。 財政構造改革法をつくって一年、借金は減りましたか、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今おっしゃろうとなすっていることに私は余り逆らって申し上げる気持ちは実はないのですけれども、平成八年に総選挙がございましたときに、この総選挙のテーマというのは各党とも二十一世紀に向かって日本はどうあるべきかという御議論が盛んでありまして、そしていわゆるリストラをしなければならないというところまでは、共産党を仮に別にさせていただきますけれども、各党がそういう議論であったんですね。そのときには、たまたま我が国の経済成長が現実には平成八年度は三・二というかなり高い数値が出ておりまして、何となくやれるのではないかというような雰囲気があったと思います。ですから、この選挙では自民党自身が消費税の引き上げということについて、候補者によってまちまちでございましたけれども、党としてはやはり引き上げるということを看板をおろさずにこの選挙をやっております。 ですから、あのときの認識というものはそういうものであった。それに従いまして財政改革、構造改革というものが行われたということだと思います。
○富樫練三君 私は、財政構造改革法をつくって一年たちましたけれども、この間に借金がふえたのか減ったのか、これを聞いているんです。どちらなのか答えてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十年度の当初予算というものは、国の債務を相当減らすような編成をしております。
○富樫練三君 答えになっていないでしょう。ふえたのか減ったのか、ここを答えてください。事実を答えてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 事実を申し上げているのであって、平成十年度の当初予算というものは債務を減らしております。
○富樫練三君 債務を減らしているというふうに答えましたけれども、実際には九七年度末の国の公債残高は二百五十八兆円であります。それが九八年度末には、今の予測では約三百兆円にもふえる予定ではありませんか。そのうち特例公債、いわゆる赤字国債でありますけれども、これは昨年の八十三兆円から今回の第三次補正、これをやった見込みでは九十九兆円にもふえるわけです。借金が減るどころか、どんどんふやしているのが現状ではありませんか。 大蔵大臣の答弁は、私は事実と違うと思うんです。福祉を削らなければ借金がふえる、破局を迎えると言って福祉をどんどん削ってきた。しかし、減るはずの借金がどんどんふえている。この原因と責任をどう考えているのか。大蔵大臣、財革法凍結を言う前に、まずその責任をはっきりさせていただきたいと思うんです。どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、先ほどのように申し上げようとしているのであって、平成十年度の当初予算というものは歳出削減に取り組んでおりまして、一般歳出は五千七百億円の減です。国債発行額は一兆円超の減です。それが平成十年度の予算であった。しかし、この予算が成立するかしないかのうちに補正をしなけりゃならぬというお話になってきたわけですから、そこを申し上げようとしているわけです。
○富樫練三君 要するに、財革法で当初予算は低く抑えたけれども、その後の補正予算でどんどんふやしたじゃありませんか。ですから、年間の予算全体を見れば当然ふえているわけなんですね。これは借金もふえたんでしょう。このことについてはきちんとしておきたいと思うんです。 そういうふうに借金がふえている原因というのはもうはっきりしているんです。例えば、ことしの財政運営、去年からことしにかけてですね、これを見ても、当初予算は財革法で縛られておりました。ですから、社会保障関係費は金額で言えば前年比プラス二%であります。しかし、自然増を含めて考えれば前年比ではマイナス三・三%になっちゃうんです。公共事業費は前年比マイナス七・八%で当初予算を組みましたけれども、今度の第三次補正まで含めれば、社会保障費はこれを含めてやっとプラス三・二%ですけれども、公共事業費は何と四二・三%もふえるんです、今度の第三次補正を入れると。こういうことになるんです。社会保障の方はわずか三・二%ですよ、公共事業の方はその十倍以上の四二%もふえる。これが今度の補正予算じゃありませんか。 ですから、そういう点では、補正でどんどん公共事業を積み増しする、こういうやり方をやってきたわけなんです。その結果、建設国債が今度は十七兆五千億、赤字国債が十六兆九千五百億、合計三十四兆円、こういうことになるわけですね。公債依存度がこれで三八・六%にもなる。 大臣、この数字は間違いありませんか、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃっている数字に間違いありません。つまり、平成十年度の当初予算というものが財政構造改革の路線によって組まれましたただ一つの予算であって、状況の変化によってその後補正をしながらそれを直していかなければならないような状況が展開して今日に及んでおるということは、御認識として間違いありません。
○富樫練三君 公債依存度が三八・六%、こういうことなんです。伺いますけれども、先進国の中で公債依存度が日本以上に高い国、そういうところはありますか、どうですか。
○政府委員(涌井洋治君) 国によって財政制度は異なるわけでございますけれども、公債依存度という財政指標で比較してみますと、主要先進国中では日本を除いて最も数値の高いのはフランスでございます。これが一六%ということでございます。
○富樫練三君 そうですね、日本は異常に高いんですよ。私の調査でも、アメリカが一・四%、イギリスは〇・九%、そしてドイツは一二・二%、これらの中で一番高いのがフランスの一六・〇%、今の答弁のとおりなんです。公債依存度が世界の先進国の中で最高、フランスの二倍以上。日本の財政運営のゆがみが同じ資本主義国の中でも特別であるということ、こういう状態になっているんです。 財革法制定から一年、このゆがみが一層拡大された、これがこの一年間だったんじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 経済成長がマイナスでございましたら当然税収は減ってまいりますので、何度か国の歳入の削減をいたさなければならない状況で、つまり歳入削減に従いましてそれだけ国債を発行しなければならないということでございますから、まさにこれはマイナス成長でございますとそういうことにならざるを得ないというのは事実でございます。
○富樫練三君 そういう中で、今度はいよいよ財革法の停止だ、こういうことを出してまいりました。ことし五月改定されましたけれども、当時の大蔵大臣は石にかじりついても、こういうふうに言ってからわずか半年であります。この半年で何が変わったというのか。要するに、この間の経済や財政政策が破綻したこと、これをみずから証明したということではありませんか。その責任をどう考えているのか。大蔵大臣、どう考えていますか。破綻したんでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政構造改革法の制定をお願いいたしましてから今その凍結をお願いするに至ったこの間の経緯は、明らかに政府の経済政策と現実の経済の動きとが食い違っておったということ、明らかでございます。 これは私どもの党内のことでございますけれども、公党でございますから申し上げますが、そういう状況の中で参議院の選挙におきまして大敗を喫しました。そのことの一つの原因は、経済運営がよろしくはなかったという党内の議論がございまして、党内におけるリーダーシップの変更があり、したがいまして経済政策の変更があって国会に御審議をお願いしているというのが、私どもの党としてのいわば一つの党内における責任の究明、明確化であったというふうに、これは党内のことでございますが、そういうことがございました。
○富樫練三君 私は、自民党の党内事情などについて聞いているわけではありません。大蔵大臣としてのあなたに聞いているわけです。こうやって要するに責任を明確にしない。それは自民党の中でどういうふうになったかわかりませんよ。しかし、政府として責任を明確にしないまま今度は財革法の停止だと、こういうふうに言っているわけですけれども、財革法が停止をしても、医療や社会保障あるいは教育の削減、こういうことは今まで以上に進めようとしているんじゃありませんか。 去年の九月、医療制度の改悪から一年、お金がなければ病院に行けないという深刻な状況をつくりました。例えば千葉市内のある病院では、ことし初め、通院患者の孤独死が四人、そのうちの一人、五十歳代の男性は糖尿病の治療を、昨年九月から医療費が改定されましたから、昨年八月の受診を最後に中断をして、年末には自宅で死亡しているということが発見されました。 そして、ことしの十月から一般病棟の長期入院患者の診療報酬の引き下げ、こういうことで患者を病院から締め出しております。先月、十一月二十二日付の北日本新聞によれば、大腿部の手術で富山市内に入院中の七十一歳の女性が、院長と主治医から診療報酬引き下げについて説明をされてやむなく退院することにしたけれども、退院の当日になっても切開をした二十センチの傷はまだあいたままで、家族はあきれて物が言えなかった、国は何もわかっていない、こういうふうに言っています。 これらはほんの一例なんですけれども、昨年、財革法の制定のときに参考人として委員会で発言をしました神戸大学教授の二宮参考人は、財革法は医療のカットマシンだ、医療切り捨てのマシンだ、こういうふうに言いましたけれども、本当にそのとおりだと思うんです。 医療の現場ではこういう事態になっていることについて、国民の医療に責任を負う厚生大臣、率直にどう思いますか。
○国務大臣(宮下創平君) お答え申し上げます。 今具体的な事例をお示しいただきましたが、ちょっと私ども具体的な事例については了知しておりませんので、一般的に申し上げさせていただきたいと思いますが、昨年の九月は医療費の一部負担一割をサラリーマンの皆さんには二割にする、あるいは薬価を一部別個に負担していただく、あるいは老人医療の場合に初診料五百円を四回までというようにするとか、また入院費も千百円、これは逐次上げていくことが法定されておりますが、ことしは千百円になります。 そんなことで、医療費の増嵩を踏まえながら、効率化と合理的な制度にすることの努力が求められておりまして、このような改正をやったものと私は思っておりますが、国民医療費はそのために若干調整されて減少傾向にございましたが、最近における時点では再びもとに戻りつつあるような傾向がちょっとうかがわれるわけでございます。私どもとしては、良質な国民医療を国民の皆さんに自由に提供して、そして選択に応じて医療が確保されるということが最大の使命でございます。 したがって、これからも今の医療制度に全く改革の余地がないのかどうかといいますと、これはある程度私どもとしては、昨年の八月、当時の社民党さんとさきがけさんで与党協で合意をいたしておりますけれども、診療報酬のあり方あるいは薬価基準、薬価差があると言われておりまして、この薬価基準の問題あるいは老人保健のウエートが非常に高くなっておりますから、老人医療費をどういう制度にして運営していったらいいかというようなこと、あるいは医療提供体制、レセプトの問題とかいろいろございますが、そういった分野について広範な問題意識を持っておりまして、現在検討を進行中でございます。 医療保険福祉審議会等で御議論をいただいておりますが、私どもとしてはやはり安心、安定できる医療制度ということが極めて重要な事柄でございますので、平成十二年四月を今のところ目標にいたしましてその改革案を取りまとめて、平成十一年中には法案の形でまとめて御審議をいただきたいな、そんな予定にしておるところでございます。
○富樫練三君 今、大臣から医療費が若干落ちたけれども回復しつつある、こういう話でありますけれども、ことしの四月の参議院の予算委員会で当時の小泉厚生大臣は、去年の九月、健康保険が一割から二割負担になる、こういう中で一時的に若干抑制効果が働いた、こういうふうに答弁しております。厚生省の資料によっても、医療費の総額の伸びは対前年度比で言うと、平成七年度が対六年度比で四・九%の伸び率、それが八年度には六・〇%の伸び、こういうふうに伸びていたわけなんですね。それが、医療費改定が行われた去年の九月、九年度、これはプラス一・五%だから大きく受診抑制が行われた、これが実際なんですね。医療費の伸び率が下がったということは受診抑制が行われた、こういうことのあらわれなんですね。 大臣が今戻りつつある、こういうふうに言いましたけれども、それはことしの九月、十月、この段階で前年度比でプラス三・八%、確かにそういうふうになっています。しかしながら、これは実際には病気がひどくなってやむにやまれず医者に行く、こういう状況なんですね。ですから、これは国民が健康になったとか丈夫になったとかということではなくて、苦しくなってお医者さんに行かなければならない、そのことによって医療費が伸びている、こういう状況だと思うんです。 あわせて、今、大臣から、さらに医療の改革をやるという話がありました。この改革の中身というのは、ますます患者にとってみれば、国民にとってみれば安定、安心できない、そういう方向に進むという内容ではありませんか。こういう点は、この財革法を凍結する、中止するというわけでありますから、こういう改革もこれは直ちに私はやめるべきだというふうに思うわけなんです。 財革法の審議のときに、全国の保険医団体連合会の副会長の鮫島千秋参考人、全国の千六百八十一の医科、歯科の診療所のうち外来患者の減少している診療所が医科で六九%、歯科で七五%にもなっている、全日本病院協会の調査では、五七%の病院で外来患者が減っている、こういうことを明らかにいたしました。お医者さんであります鮫島氏は、私が医師として訴えたいのは、社会的弱者である病人、お年寄り、さらに難病患者にまで犠牲を強いなければ日本の経済と国家財政は再建できないのでしょうか。この財革法案に賛成だという方がそうだと言うならば、そんな国にしたのは一体だれの責任なのでしょうか、こういうふうに言っております。そのことを改めて問いたい、こういうふうに鮫島先生はおっしゃっているわけなんです。 これは国会での参考人の意見であります。率直で真剣な国民の声だと思うんです。厚生大臣、このことについてどういうふうに受けとめますか。
○国務大臣(宮下創平君) 最近の医療費の動向についての御指摘でございますが、先生の今おっしゃられたとおり、平成七、八年度は五%ないし六%の増でございました。そして、平成九年度から確かに九月以降低下をいたしまして、これが〇・八ぐらいになりましたが、最近における状況は先ほど申しましたが、最近の九月の速報値でいいますと三・八ということではございます。そして一方、入院と外来で分けてみますと、確かに入院費の方はマイナスになっておりません。例えば、ちなみに平成七年度でいいますと〇・一%の対前年度増加、八年度は六・二、九年度当初は二・三ないし二・四でございまして、それがずっと続いてまいりまして、十年九月の速報値では三・五ということになっております。 しかし、委員御指摘のように、外来、入院外では確かにマイナスが続いております。平成七年度が三・一、八年度が四・三ということでございますが、九年度の九—三月はマイナス二・六というようなことで、以降ずっとマイナスが三、四%続いております。平成九年の九月から十年の八月まででいきましても二・八%のマイナスになっております。しかし、十年九月の速報値で申しますと、これがプラスに転じておりまして一・七になっていると、こういう状況が客観的な事実としてございます。 私どもは、こういう数字だけで判断するわけではございませんけれども、今、鮫島参考人のお話もございましたが、いやしくも先ほど申しましたように、国民がひとしく良質な医療を選択できるという状況をつくり出すのが基本でございますから、私どもはそうしたいわけであります。それが安心、安定できる制度でございます。 しかし同時に、この膨大な医療費の世界で全くむだ、あるいは効率化する余地がないかといえば、かなりあるというのが我々の基本的な認識でございますから、そういった点についてはメスを入れて改革をして、そして本当に必要な良質な医療を受けたい方々に給付が行われるような体制をつくるというのが先ほど申しました抜本的な改革の意図でございます。そういう方向でひとつ努力をさせていただきたいと思っています。
○富樫練三君 むだを省いて良質な医療をつくる、それが安心、安定の医療だと、こういうふうにおっしゃいますけれども、実際には、例えば先ほど入院はマイナスになっていないんだと、こういうふうに言いますけれども、入院している患者さんは直ちに外に出るというわけにはいかないんです。それでも、実際には追い出されているというのが現実です。ですから、重症の患者がお医者さんにかかる、多少の病気があっても外来でかかるわけにはいかない、これが今の医療の現実なんですね。 私は、政治の責任は何よりもまず国民の命や健康を守ること、ここにあると思うんです。憲法の二十五条も健康で文化的な生活を保障しております。その実現にきちんと責任を負うこと、ここが大事だと思うんですが、実際にやっていることは反対なんですね。この弱者切り捨ての政治、こういうことはきっぱりとやめるべきだ。せめて医療や社会保障の改悪、これはこの財革法を停止するというならば、こういう改悪についてはもとに戻すのが当然だ、こういうふうに思うんですけれども、医療に責任を負う厚生大臣、どうですか。
○国務大臣(宮下創平君) 私どもは財革法で社会保障ないし医療費の抑制について法定されていることも承知しておりますが、それが凍結を見ております。 しかるところ、一方、国民健康保険法とか健康保険法におきましては、その趣旨が生かされてはいますけれども、私どもは財革法の有無にかかわらず、委員の今仰せられたような趣旨は私どもも考え方としては共通の認識でございます。そういうことで効率化を図っていこうという趣意でございますから、必ずしも財革法のそういう枠組みがあるから医療費をさらに削っていくんだとかそういうことではなしに、医療制度の効率化、合理化を求めていって、先ほど申しましたような良質な国民医療が効果的に提供できるようにしたいということでございます。 なお、本当に医療費の支払いまでできないような方々が存在するということもこれは否定できないと思いますので、そういう方々についてはいろいろの各種の公的な補助制度、つまり自己負担を国費で見たりいろいろしておる政策も別個に展開しておりますから、そういうのが本当に有効に働くように、しかし一方では効率化、合理化も迫っていくということがぜひともこれから必要ではないかという点は、これは申し上げざるを得ないところでございます。
○富樫練三君 効率化を中心にした今の医療の改革の方向では私は良質な医療はできない、こういうふうに思います。 この問題は教育の問題でも同じなんですね。例えば、私が住んでおります埼玉県の浦和市、国立の埼玉大学があります。ことしの夏、雨が降りました。体育館の屋根の一部が落ちました。きょう現在、まだ直っておりません。文部大臣によく見ていただくために現場の写真を拡大して持ってまいりました。これがその現場の写真、文部大臣見えますか、よろしいですか。(写真掲示)
○国務大臣(有馬朗人君) よく知っています。
○富樫練三君 よく知っていると思います。この白く見えているところ、ここのところが穴のあいたところ、下から見たところです。この下の写真で、この赤丸のところ、ここにぽっかり穴があいております。これが抜け落ちた屋根であります。 こういうことで、雨が降ったぐらいで何で屋根が落ちるのか。雨はどこでも降るんです、いつだって雨は降るんです。そのぐらいでなぜ屋根が落ちるのか。この建物は三十年前、一九六八年の建築。もともと古くて、改築の要望が大学当局から文部省に何度か出されていたもの。しかし、文部省からはなかなかいい返事がもらえない。その背景にあるのが、まさに財革法に基づく教育費の抑制ではありませんか。もともと全面改築が必要であるにもかかわらず、それを放置して、雨が降ったら屋根が落ちた。授業もできない状態で半年近くも放置してきたわけであります。 これでは、財革法のもとで公共事業はどんどんふやしてもう青天井であります。さらに借金もどんどんやって青天井。大学の体育館も穴があいて青天井じゃありませんか。こんなことを放置しているわけにはいかない。大臣、これで本当に教育に責任が負えますか。いかがですか。
○国務大臣(有馬朗人君) お答え申します。 一般問題といたしまして、大学を中心の教育研究施設に関して改善をすべきだということは私の長年の主張であります。努力をしてまいりまして、徐々に改善が行われています。そのことを最初に申し上げておきます。これもよく知っています。何%が三十年かということもよく知っていて、常々私の主張しているところでありました。 そこで、ただいまの御指摘のことでありますが、その前に、まず風水害の被害を受けたところは、確かにちょっとおくれたとおっしゃっておられますが、非常に多いので、こういうものを緊急に改修、改善をすべく補正予算を立てているところです。 御指摘の埼玉大学の体育館につきましては、早急に取り壊しの上、現在審議されている第三次補正予算において建てかえを計画しているところでございます。補正予算成立後に速やかに対処いたしたいと考えております。
○富樫練三君 直ちに補正予算でやるということであります。それにしても半年間、学生は大変つらい目に遭ってきたわけなんですね。私は、財革法のもとで福祉や教育がやっぱり全体としては犠牲にされている、教員増員の問題も含めてですけれども。 先日、十二月四日に本会議で我が党の井上美代議員が質問をしましたけれども、この質問に対して総理は、教員定数増員、これを平成十二年度まで二年間延長したその延長の計画どおり進めると答弁しました。その根拠はことし八月十二日の閣議了解だと言っております。しかし、この閣議了解は、財政構造改革の一環として既に措置された制度改正、計画の延長などは既定の方針に沿って進めるというものでありますけれども、教員定数の延長はまさに財革法そのものであることがはっきりしております。 法律は停止するけれども教員定数の延長は残しておく、これでは停止の意味がありません。もとに戻すのが当然の道理ではありませんか。文部大臣の立場からどうですか。
○国務大臣(有馬朗人君) 御指摘の点でございますけれども、財革法の停止ということは確かでございますが、もう一つ、附則第二十四条によって公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の規定が改正されております。教職員配置改善等を平成十二年三月三十一日までに完成することにされております。今回の財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律により財政構造改革法の施行が停止された場合においても、既に改正された義務標準法及び高校標準法には影響が及ばないものと考えております。 したがいまして、義務標準法及び高校標準法を改正しない限り、平成十二年度完成の現在の教職員配置計画、改善計画は変更できないものと考えております。
○富樫練三君 文部大臣の立場でも延長したそのままでいい、こういうことのようでありますから、これでは教育に責任を負う大臣ではないというふうに私には感じ取られました。財革法が停止してもその中心である社会保障の削減あるいは教育に対する例えば今の延長の問題、こういうこと、これでは国民の福祉や教育、これに責任を負うというわけにはいかないと思うんです。 さらにもう一つの点は、公共事業だけは先ほど言いましたようにどんどんふやす、こういうふうになっているわけでありますから、社会保障が切り捨てられれば将来に対する不安は大きくなる。そうやって消費マインドがどんどん減っていく。ですから、今度は景気対策のために財革法は停止するんだといいますけれども、消費マインドが冷えていけばこれは景気対策にもならないのは当然だというふうに思うわけであります。その一方で、財革法の停止、この公共事業というのはどんどん借金の山をつくってきました。これは地方自治体にもそういう借金の山をつくってきたわけなんですね。自治体に公共事業を押しつけました。 私は、自治大臣に伺いたいわけでありますけれども、地方自治体の借金の山をつくってきたこういう事態、どう反省があるのか。一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) その時々のいろいろな状況というものがあると思いますが、現在の地方財政、御指摘の地方債残高等については厳しい認識と取り組みをしていかなければいけない、このように考えております。
○富樫練三君 財革法を停止して今度は景気対策だ、こういうふうに言っているわけですけれども、例えば今度の緊急経済対策、二十四兆円の中身、これもまた従来型のゼネコン型の公共事業、これの積み増し。 十二月五日付の朝日新聞の社説、お読みになっていると思いますけれども、こういうふうに言っております。「最大の問題は、財政が持続不能な状態に陥っていることである。」「財政の中身がいびつで、」「政府は、景気対策の度に公共投資を膨らませてきた。日本の公共投資はもともと、先進国の中で突出して多い。」「公共投資の総額を減らしつつ、道路や橋といった従来型から、生活環境の改善や福祉の充実、新しい産業の育成に役立つようなものへと、変えなければならない。」、こう朝日の社説が言っているわけでありますけれども、マスコミでもこのように指摘しているわけであります。今こそ公共事業は福祉型に転換すべきであります。 私ども日本共産党は、こんなやり方を改めて、財革法はきっぱりと廃止すること、公共投資の総額を大幅に減らして、その中身をゼネコン本位から思い切って国民の福祉や生活環境、教育に重点を置くということ、そして消費税を減税するということ、国民の消費マインドを低下させている将来不安を一掃するために社会保障制度を一気に充実する、このことが景気を回復する道である、こういうことを主張してまいりました。 大蔵大臣、あなたが国民の福祉充実と景気対策を本当に考えているのなら、福祉を削る財革法は停止でなくきっぱりと廃止すること、そして削減した社会保障や福祉、教育はもとに戻すということ、消費税減税を実施すること、このことが本当に必要ではないでしょうか。国民の願いにこれこそがこたえる道であるということ、このことを強く指摘をしまして、私の質問を終わります。
○大脇雅子君 社会民主党の大脇雅子でございます。 さて、財政構造改革法の凍結法案が上程をされ、凍結の審議をしなければならないということを我々は深刻に受けとめなければならないと思います。 昨年、財政構造改革法の審議のとき、さまざまな警鐘が乱打されております。不良債権の処理がおくれている、その金融不安、そうした状況のもとで雇用の悪化、そして中小企業の不況型の倒産、既に国民の悲鳴が聞こえていたはずであります。したがって、この財革法は景気をさらに悪化する、悪影響を及ぼす、消費が冷え込むということは言われていたわけであります。にもかかわらず、米国の包括財政調整法のような例外規定を設けることもなく本法が成立したわけですが、大蔵大臣はさきの審議の折に、今回本凍結法提出に至ったのは予測を超える要因があったと御答弁をなさっていましたが、どこまでが予測の範囲内であって、どこが予測を超える要因なのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、平成八年度のGDPがプラス三・二であったということを継続的な経済成長の力を表現するものととらえたところに恐らく最初の間違いがあったように思います。それから後で申しますと、昨年の十一月ごろから起こりましたいろいろ大きな金融機関の倒産等に表現されるような我が国の金融状況の不正常なこと、あるいはまた昨年の夏から起こりました東南アジアにおける通貨不安等の事情、それらが予測の範囲に入っていなかったことであるというふうに思います。
○大脇雅子君 そういたしますと、そうした状況のもとで、凍結の期間が当分の間とあります。これまでたくさんの質問の中で、それは持続的成長路線に乗ったときと言われております。さらにまた、凍結の解除、いわゆる解凍というときにはこの法案の規定している期間が経過しているだろうという御指摘もありました。そうしますと、この当分の間のタームというのは、議論を聞いておりますと、とても一年二年ということではなく、三年四年も難しくて、やはり少なくとも数年というのが考えられるのではないか。 凍結の期間について当分の間をあいまいのままにして本法案を通すということは、国民に対して、後世にツケを残さないというこの法案の哲学を考えた場合に無責任だと思われますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当分の間ということにつきましてあいまいのままにしておくのはよろしくないという仰せでございます。 あいまいと申しますよりは、実は政府側においてどのぐらいの期間ということを正確に予知できないという、あいまいにする意図ではありませんで、将来についての見通し能力と申しますか、的確に見通し得ないということを正直に申そうといたしたわけでございます。いつぞや私は、本会議でございましたか、二十一世紀の初頭におきましてというようなことを申し上げたことがございますが、そういう気持ちには、やはり委員の今仰せられますような程度のスパンというものは少なくとも入り用だ、私もそういう見方をいたしております。
○大脇雅子君 それでは、そのタームの後、停止解除の時期の判断が問題になります。持続的成長路線に乗ったときと言われるわけですが、解除する、あるいは見直しをするという場合の持続的な成長路線のメルクマールというものについては、大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 二十一世紀になりまして日本経済が正常になりましたときにと申しますことは、少なくともプラスの成長があるということでございますけれども、どのぐらいの成長能力があるか、潜在成長能力がどのぐらいかということについてはどなたも確たる自信を持って言い得ない、いろいろな説がございます。しかし、仮に今の先進国のペースを考えますならば、二%とか三%とかいうことは高望みではないはずであると考えますものですから、したがいましてその程度の持続的な成長路線に入ったときにと申し上げたらどうかと思います。
○大脇雅子君 さて、このような財政構造に関するさまざまな再建策について、大蔵大臣、自治大臣にお尋ねいたします。 先ほど、凍結をしたのはその法の趣旨を凍結したわけではないということでございました。確かに、後世にツケを回さないという私どもの大きな責任ということを考えますときに、公債発行をすることによってその残高がウナギ登りに上っていって、三八・六%まで公債残高があるということは大変なことだと思います。公共事業がさらに打たれ続けており、累積するのは国債や公債ばかりということも言われておるわけでございます。私は、国と地方の債務の総額管理ということは、この法案が凍結されてもなおかつ政府の施策としては重要であるというふうに思います。 ここでお尋ねをいたしたいわけですが、国債、地方公共団体の公債発行残高について現状を改めてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(中川雅治君) 十年度末の国の長期債務残高は四百十二兆円程度と見込まれております。地方の借入金残高は百六十六兆円程度。国と地方の重複分を差し引きました国、地方の長期債務残高の合計は五百六十兆円程度と見込まれております。
○大脇雅子君 とりわけ現在、地方公共団体の借入残高というものが大変大きな話題になり、住民に深刻な影響を及ぼそうとしております。 そこで、各年度の財政に占める借入残高比率が最も高いワーストテン、最も低いベストテンに位置する都道府県というものはどのようなものがあるでしょうか。
○政府委員(二橋正弘君) 今の公債残高との関係で、私ども公債費負担比率という指標でよく判断をいたしておりますけれども、その指標で高いところ十県と、それから低いところ十県をそれでは挙げさせていただきたいと思います。 まず、公債費負担比率の高い団体を高い順に申しますと、岡山県、秋田県、長野県、富山県、熊本県、石川県、高知県、鹿児島県、山形県、山梨県でございます。 それから、低い方から十申しますと、東京都、愛媛県、神奈川県、岐阜県、千葉県、埼玉県、京都府、愛知県、茨城県、大阪府となっております。
○大脇雅子君 そこで、自治大臣にお尋ねいたします。 地方財政をむしろ生命維持装置のようにして酷使してきたと私は思うわけですが、公共投資も予算どおりの執行が危ぶまれているという現状にあります。とりわけ公共事業の五〇%を占める地方の単独事業はほとんど動かないのではないか、そして地方債発行のコストが上がる中で公共事業への投資の負担はもう耐えられないという声を上げている地方が多いと聞きますが、これをどのように把握しておられるでしょうか。
○国務大臣(西田司君) ちょっと地方財政状況についてお話をいたしますので、お時間を下さい。 現在の地方財政は、いろいろ議論のありますように、一つは地方税の低迷、伸び悩みなどによる多額の財源不足が続いております。数次の景気対策のための特別減税や公共事業の追加等により、借入金残高が先ほど説明がありましたように平成十年度末には百六十六兆円に達する見込みでございます。個別の地方団体の財政状況についても、公債費の割合が高まるなど、極めて地方財政は厳しい容易ならざる状況にあると私は認識をいたしております。 さて、そういうことの中で、現下の我が国の最大の課題は、経済の再生を図ることで底力を上げていかなきゃいけない。これは国と地方が協力をしながら我が国経済を回復軌道に乗せるということが必要であると私は考えております。 このような観点から、毎年度の地方財政対策に対して地方財政の運営に支障が生ずることのないように適切に対処していきたい、個々の団体における徹底した行政改革もやっていただきますが、先ほど御指摘がありました地方単独事業等の財源等についても今後よく検討をしてやっていかなければいけない、このように考えております。
○大脇雅子君 私は、公共事業によって景気回復の軌道に乗せるということについて非常に大きな疑問を持っております。それはこのところ、「デフレ警戒論高まる」という新聞記事もありまして、卸売物価が十九年ぶりに低水準だ、円高で歯どめが外れたということで、卸売物価の下落が続いており、その下落は次第に速度を速めている。十一月期で九六・六ということで、資産デフレもそれに加わって、現在、経営悪化の企業の大規模なリストラ、投資の縮小と人員整理が始まっている。失業率のアップや賃金カットも行われて、さらに生活不安から消費が落ち込みつつある。それがさらに物価の下落を呼び起こし、ローンの返済とかの債務の不履行というものが生活のところでは生じ始めている。景気が低迷し、日本経済が縮小しつつあって、いわゆるデフレがデフレを呼ぶというデフレスパイラルの第一段階に到達しているのではないかということが議論されているわけです。 そういう中で、公的な資金の投入を銀行になし、そして貸し渋り対策は本当に効果を上げるのか、さらに公共事業を追加してもそういった状況では効果は期待できない、市場機能は必ずしも調整的には働かないという認識をやはりはっきりさせることが必要ではないかということを考えますと、新たな道を模索しなければならないというふうに考えます。 物価政策だとか実体経済へのてこ入れなど、政府は具体的にどのような形でその効果を上げようとされているのか、そして本当に効果が上がると考えておられるのか、大蔵大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) かつて、殊に御婦人の議員がお尋ねになりますときは、卸売物価が下がったということは消費者物価につながりますので大抵褒めていただきましたが、まさに卸売物価が下がっていることが問題だとおっしゃいますのは、これは為替の関係も私はあると思いますけれどもややデフレ現象である、その憂いは恐らく正しい、私もそう思います。 したがいまして、全体のことから考えますと、もし経済がデフレに入っていっておるといたしますと、やはり一番ここで警戒しなければならないのは、私は雇用であろうと思っております。 日本の企業はかなり頑張って雇用の維持をしてまいりましたけれども、どうもこの九月期あたりからとてもこれは持ち切れないという感じが出ておりますので、雇用を離すのではないだろうか。そういたしますと、これは今のところはとにかく四・三というようなことを言っておりますけれども、有効求人倍率はどんどん落ちでおりますから、来年に向かってやはり一番問題でございますので、それを今回の補正予算でも一番大事な対策としていたしました。 それから、公共事業について御批判がございます。 それは、在来型の公共事業を繰り返しておっただけでは、ゼネコン型とまでおっしゃらなくてもいいと思いますけれども、問題がございましょうが、しかし新しい型の公共事業というのはやはり一番雇用にはつながりますので、これはあながちだめだと言うわけにはまいらないだろう。そして、なるべく減税をして消費者のマインドを高めていきたい。デフレになりましたら、やはりこれはやむを得ない財政は金を使ってディマンドを起こす、それによってサプライサイドを少しずつ少しずつ元気づけていくということではなかろうかと思って、そういうふうな財政運営を心がけております。
○大脇雅子君 経済企画庁長官にお尋ねをいたします。 月例経済報告閣僚会議の内容について、長官は、さまざまな悪影響の中でかすかながら胎動が感じられると言われました。ただいま申し上げましたように、デフレの傾向というものは非常に私どもとしては用心をしないといけないというふうに思っておりますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 私が先日の月例報告で申し上げましたのは、景気は依然として低迷が続き、極めて厳しい状況にあるものの、一層の悪化を示す動きと幾分かの改善を示す動きとが入りまじり、変化の胎動も感じられるということでございました。 確かに、現在の景気状況は非常に厳しいものがございまして、なお悪化している数字もございます。その中に、一部改善の兆しあるいは悪化の程度が非常に小さくなって下げどまりの傾向が出ているというものもございます。こういったことは、各業界のさまざまなヒアリング、それから各種の統計等と私が直接得ましたちまたの表情を加えて申し上げたものでございます。 これに対しまして、御承知のように、各界各方面から賛否いろいろの議論をいただいております。マスコミの中にも、そういえば胎動を感じるというような論評もございますし、いや、まだまだということもございます。また政府部内におきましても、各省、それぞれの所管しておられる省によりまして温度の差はかなりあるようでございますが、私といたしましては、なおしばらく数字の上では悪化が続くだろうけれども、新しい動きはかすかではあるが感じられるではないか、こう思っております。
○大脇雅子君 ディマンドを追求して景気の回復に熱中するというときに、やはりリスクが二つあると思います。赤字解消の方策というものについて、あるべき財政構造改革の理念というものを離れてはいけないのではないかということであります。 国民一人当たり約二百三十七万円、四人家族で九百四十六万円、これは勤労者一世帯当たりの年間可処分所得を上回る金額であるという恐ろしい状況、それから一般会計からの利払いは十一・二兆円で、これは一日当たり三百七億円、一時間当たりでは十三億円、一分当たり二千百三十一万円の返済が課せられているというふうに資料などの数字は物語っているわけですけれども、経企庁長官は、前に一律の財政規制というものは私は賛成しないんだというような発言をなさいましたが、これについてのあるべき方策というものはどのように考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 財政は大変重要でございますので、景気が回復するのを待ってあわせて財政改革、財政改善もしなければならないと思いますが、経済は生き物でございますので、どういう状況が生まれてくるか。いろんなケースが考えられます。景気が回復いたしまして日本経済が成長いたしますと、当然財政収入もふえてまいります。また、これから行政改革等を行いまして財政支出を引き締めると同時に、国有財産等の活用の考え方も出てくるかと思います。こういった面につきましては、来年早々から始めまして、経済審議会等で中期的な対策を半年ぐらいの間にきちんと立てたいと考えております。 そうした中で、やはりこれから成長していく分野、例えば情報の分野でありますとか、福祉、介護の分野でありますとか、環境の分野でありますとか、そういったところにはきっちり対策をとっていかなきゃいけない、予算もつけていかなきゃいけない。だから、あらゆる分野に一律のというのはどうも疑問があるんじゃないか、そういう発言をさせていただいたわけでございます。
○大脇雅子君 大蔵大臣、今の論点についてはいかがお考えですか。赤字の解消ということを、いつどのような形で考えていかれるのかということで、やはり後世にツケを残さないという責任は、凍結で景気をあおるだけでは何ともならない、こういうふうに思うんですが、そういう道筋についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、恐らく後世にツケを残す大蔵大臣になるような気がいたしますけれども、しかし、そうやって日本経済が順調な成長軌道に乗りましたら、そのツケというものはそんなに怖いものではない、そこへ行くのが大事だというふうに今思っていまして、そういう意味では、そういうそしりを受けることはある程度やむを得ないかな、しかし、早く成長路線に帰りたいというふうに思ってそういう財政運営をいたしておるわけでございます。
○大脇雅子君 そのようにして我が国の金融、財政の再建ということを考えていますけれども、既に我が国一国だけではそうした金融、財政の再建は不可能であると経済のグローバリゼーションとの関連で言われております。世界経済との信用連鎖を確保しなければならないというふうに考えるわけです。 現在、金融と経済のグローバリゼーションのもとで、いわゆるヘッジファンドのような国際的な短期資金の動きによって金融市場と各国の金融・財政政策が翻弄されているという事実があります。政府はこれをどのような形で事実認識され、どのような危機意識をお持ちか、お尋ねをしたいと思います。 さまざまな国際会議ではこの問題が大きく取り上げられるようになりました。国際的に移動する短期資金の規模が膨大になり、いわゆる尾っぽの金融が犬である実体経済を振り回してしまうために金融に対する何らかの抑制策が必要であると言われております。しかも、ヘッジファンドなどの運用はレバレッジ効果を使って総額で数兆ドルを動かしているとも言われ、膨大な利益を上げる一方で、一つ間違えると膨大な損失をこうむります。発展途上国では長年培ってきた経済成長が一夜にして崩壊するということであり、世界の市場の不安定性というものは増大しつつあります。 もちろん一方で、こうしたものが市場のメッセージを殺すことになるという反論もあり、直接規制よりも、現在では融資する金融機関に対する監視と情報開示のシステムを確立しなければならないという見解が有力になっております。 ファンドの危機は日本にも影響を及ぼそうとしている。日本を資金の提供者として重宝に使うという立場もあり、今また日本株を目指して日本向けファンドが設立され始めたという情報もあります。 政府はこうした現象のもとで、我が国の現状をどのように認識され、規制についてどのようなスタンスをお持ちか、お尋ねをいたします。大蔵大臣にお願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の御指摘の問題につきましては、昨年来二つのことがあったわけでございます。 一つは、例えばマレーシアにおきまして、マハティール首相が言いますように、短期の資本取引によってマレーシア経済は荒廃に陥ってしまったと。そういうことについての、短期資本の移動についての、あるいは多少スペキュラティブな移動についての公然たる批判、非難であります。 もう一つの問題は、ことしになりましてからたまたまニューヨークで起こりました長期資本マネジメントというヘッジファンドをめぐる問題で、ニューヨークの連銀総裁が出動して火消しをしたということについての批判であったと思います。 前の問題について申しますならば、マハティールさんの言っていることが全部間違いだとは言い切れないところがございます。したがって、将来そういういわゆる発展途上国と申しますかエマージングマーケットにおいて、そういう短期資本の入り方について、全く無防備でチェックもなく何にもできないといったようなことはやはり問題があるのではないか。そこで、主権国家としてのそれについての何かの監視、スーパービジョンでありますか何でありますか、あるいは法律による制限もやむを得ないかもしれないという議論が一つの系列の議論でございます。 もう一つのニューヨークで起こりましたことについての議論は、これは全く個人が応募をするヘッジファンドでございますから、個人の経済行動について、まあ税金の問題はともかくとして、制約はできないであろうが、しかし、そういう金を銀行が用立てているということになれば、それは銀行についての監督はできるはずである、そういう系列の議論がございます。 二つの問題は多少別々でございますが、あわせまして各国の大蔵大臣、中央銀行総裁等のこれから幾つかの将来に向かっての会議の中で何かのことはしなければならないであろう。少なくともいわゆる新興国におけるスーパービジョンでありますとか、あるいは一般的に銀行に対する規制、監視でありますとか、そういったようなものは何かしておかなければ、それから先は、それによって長期資本の移動というものはできるだけやはり確保しておきたいという気持ちの人と、いや、むしろという人とが分かれるようでございますけれども、いずれの場合にしてもそのような規制が必要であろうということが最小限の合意に、なりつつあるとまでは申し上げられないのですが、そっちを指向しているように思われます。
○委員長(吉川芳男君) 大脇君、時間になりました。
○大脇雅子君 アジアの経済危機における日本の責任というものは非常に大きくて、やはり日本政府のその規制に関するイニシアチブが非常に重要だと私は思いますので、それを最後に申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○入澤肇君 私は、財革法及び財政構造改革をめぐる幾つかの問題につきまして御質問申し上げたいと思います。 まず最初に、この法律は制定して半年たたないうちに一部改正が行われ、また七カ月して執行停止ということでありますが、言ってみれば、経済の実態に法律、制度が翻弄された非常に典型的な例ではないかと思うんです。 これは大臣に聞くより、まず涌井主計局長に、このような例をあなたが役人になってから経験されたことがあるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(涌井洋治君) 突然の質問ですので事前に調べておりませんけれども、少なくとも私の記憶している限りでは承知しておりません。
○入澤肇君 私も役人時代二十余年にわたりまして毎年毎年法律をつくらされました。一つの法律が一年もたたないうちに失効する、これは当然責任を問われます。私の先輩でも、法律ができなくて、命じられたのに命じられた期間内にできなくて左遷させられたりやめさせられたりした人がたくさんいるんです。私は、このような重要な法律につきまして、内閣がかわったということは言いますけれども、発議者、発議責任者はやはり何らかの責任を、とれとは言わないけれども自覚してもらいたいという感じをまず申し上げておきたいと思います。 その次に、この法律を読ませていただきました。この法律は、厳密な意味での法律事項がありません。私は、毎年法律をつくるときに法制局と折衝して、法制局をクリアするのがいかに至難のわざであるかということを身をもって実感してまいりました。いわゆる国民の権利義務に関する法律事項が法律のかなめになければ法律をつくらせてもらえないんです。一部改正法であっても最近はそのようになっています。これは全体として法律の数を少なくしようという内閣の立法上の方針があるようでございますのでやむを得ないのでございますけれども、この法律は厳密に言えば法律事項がない。 一方で、歳出の抑制につきましては、これはいろんなことが言われておりますけれども、財政当局の威令は十分に各省に行き届いておりまして、ゼロシーリングであるとかマイナスシーリングであるとか、これは厳密に守られてきたわけですね。そういう意味では、私は閣議決定で十分ではないかという感想を持っているわけであります。 たまたま、この質問に立つ前に衆参両院の財革法一部改正の議事録を読ませていただきました。片山虎之助議員も同じようなことを言っておりましたけれども、答えとしては十分ではありませんでした。大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃっていることは私も共感することが実は多いのですが、この法律をつくります過程におきまして、昨年の正月でございますけれども、総理大臣が呼びかけられて、当時、政府並びに与党というものがございましたので総理大臣経験者を入れて大きな会議を、これは本当に真剣に十回近くいたしましたが、私もそれに参画いたしまして、この法律には権利義務が規定されていない、したがってこれは厳密な意味で法律と言えるかなということは口に出して申しました。 しかし、閣議決定で足りるという、なるほどそれでわかるのですが、そうでないという意味は、これは極めて政治的な、悪い意味でなく政治のリーダーシップというような意識からこういう会議が行われ法律が制定されたと思われます。 そのことの一つは、やはり急速な老齢化に加えて急速な少子化がわかってまいりましたから、長期計画としてはどうも怖い、このままでは二十一世紀に行けないという感じ。それから、前の選挙でやはりリストラが大事だという意識が強うございましたし、たまたま平成八年度の成長が黒字であったものですからやれるような気がしまして、財政もリストラだと。これは大蔵省を悪者にするのは少しかわいそうなところがありまして、むしろ橋本総理大臣自身がそういうリーダーシップでやられたと思います。 したがって、そういうことからできましたから法律事項は少ないのですが、しかしその中で長い計画にキャップをかけたというようなことは、いろいろ御批判はあっても、やはりそういう広い政府・与党という基盤がございましたのでできましたので、この点は、いろいろ御批判はありましょうが、一つの成果ではあった。ただ、その他の部分で、いかにもこれは経済運営の見通しをいろんな事情はありましたが正確に見ていなかったわけですから、妥当しないものになってしまった、そういう経緯であったと思います。
○入澤肇君 私も、それなりに重要な政治姿勢を示す法律でありますから、わからないわけじゃないんです。ただ、政府が勝手に、例えば野方図な財政運営を行っている、これはけしからぬということで議会側がチェックをする意味で議員立法でこのような法律を出すということであれば非常によくわかるんですけれども、これは政府みずからが自分の手足を縛るような政府提案の法律にしているわけですね。そういうことであるならば、私はもっとつけ加えるべきことがあっていいんじゃないかと思っているんです。 例えば、長年公共事業の執行とか何かに携わってまいりましたので一、二例申し上げますと、毎年毎年予算がつきます、そうすると新規採択の要請が物すごいんです。毎年毎年、公平の原則といいますか、北海道から沖縄まで満遍なく公平に扱わなくちゃいけないということで採択の要望に応じる。これは議会制民主主義で選挙があるからやむを得ないかもしれませんけれども、そのために既着工地区に割り当てられる予算が十分でなくて工期がどんどん延長していくんです。例えば土地改良などは一時二十年近くいっていた。これはだめだというので、私が担当したときに十年ぐらいまで短縮するように、補正予算のときに地区を限定して割り当てをするようにして是正した記憶もございます。 そういう意味では、新規採択地区の採択のルールをきちんと明確にするということ、これによって政府が、議会、あるいはいわゆる族議員と言われていますけれども、そういう国会の圧力によって本来の効果が発揮できなくなるようなことを阻止するということがまず規定されるべきじゃなかったかと。 それからもう一つ、二つ目に言いますと、公共事業は大中小たくさんありますけれども、いずれも毎年毎年予算額が限定されるものですから、また今申しましたように新規地区の採択が多いものですから、完成が非常に延びるんですね。最初採択したときのコストベネフィット、費用便益効果の計算なんというのはいつの間にか吹っ飛んじゃっている。そういう意味では、大中小の公共事業ごとに、例えば三年とか五年とか十年とか、そのように工事の完了期間を一応原則として打ち立てておく。 そのときに、三つ目に大事なことは、完了地区の補完として新規採択を行うんだというふうなことも法律に書いたらどうか。このようなことを十分に検討して条文化することが私は必要じゃないかと思うんです。 停止法が、一定の時期が来たときにそのまま解かれるのではなくて、ぜひ政府側が困っていること、これについてルールを新しくこの財革法につけ加えるということを考えたらいかがかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘の点でございますが、確かに今までは公共事業は非常に年月を要しまして、大体八年から十年ぐらいかかっておるのが現状だろうと思うわけでございます。そういうようなことで、例えば平成十年度当初予算では新規事業箇所数を大変削減いたしまして投資の重点化というのを図っているところでございまして、このことは建設省の今後の公共事業の進め方の重要なポイントとして進めていきたいと思っておるわけでございます。おっしゃるように、今までは全国を平等にということであったわけでございますが、とにもかくにも着工したものは短期間でやっていく、完成をさせていくというようなことで投資分野の重点的な実施というのを推進していくように考えております。 それから、コストベネフィットをちゃんとチェックすべきだということでございますが、このことも全く私もそのように考えておりまして、十一年度実施予定の事業からは原則としてすべての所管事業につきまして費用対効果分析の導入を図るように予定をいたしておるところでございます。そういうようなことで、費用、効果の計測あるいは公表等の手続等、各事業間の整合性を保つ観点から統一化あるいは共通化することが適切である事項についての運用指針の策定も現在進めておるところでございます。
○入澤肇君 ぜひ予算の張りつけの重点化を実施していただいて、例えば土地改良で言えば、採択のときには判こを押したんだけれども完成したときにはもう高齢化でいなくなってしまった、死んでしまったという例がかなり各地にあります。それから、現在WTOを特別扱いされて補正予算でも要求されていますけれども、これは六年間で次の米の関税化か何か、米の開放ですか、それに向かって六年間で基盤整備を十分にやるんだという意図のもとに要求された予算でありまして、こちらも重点的に予算の配分をするようにお願いしたいと思います。 そういう意味におきまして、ぜひ今のようなことで、今度は停止法の執行停止というふうになったときに、改めて閣議決定とか何かでルールをつくっていただくことをお願いしておきたいと思います。 次に、財革法が停止されても、私は財政構造改革は毅然として進めなくちゃいけないと思っております。その一つとして、進めるための手段として、各省で進めている政策について客観的な評価をする仕組みを改めてつくるべきではないか。今、総務庁の行政監察の仕組みがございます。それから支出については、当、不当の問題を会計検査院が指摘して発表しております。しかし、もっと積極的に各省が前向きに自分たちの政策を評価する仕組みがあっていいのではないか。 アメリカでは、一九九三年に政府業績成果法というのが制定されました。これは規則遵守の行政から、今度は業績や成果を重視する行政にするんだということで制定されたわけでございます。評価の基準といたしまして、いろんな政策について、経済的な波及効果をもって測定するもの、あるいは本来の目的が完成したかどうかをきちんと厳密に計測するもの、あるいはお客さんあるいは消費者、ユーザーのニーズ、これが十分に達成されたかどうかということで評価するもの、いろんな評価手段を盛り込みながらこの法律が運営されているようでございます。 我が国でも、建設省とか通産省でこの考え方を取り入れて、一部政策につきまして政策評価がなされているということを聞いておりますし、また平成十年六月十七日には行政評価基本法案というのが議会に提案されているというふうに聞いております。 この政策評価につきましてどういうふうにこれから考えていくか、どのように進めていくかということにつきまして、総務庁長官にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(太田誠一君) 全くおっしゃることに同感でございます。 さきの通常国会で成立いたしました中央省庁等の改革基本法案は、まさに今おっしゃった点を定めているわけでございまして、それぞれの省庁、府省に、行政の政策評価の機関を確立するということ、そしてそれを統一して、新しくできる総務省に統一的な基準をつくり、実施要領をつくる機関を設置してやるということになっております。 そこで、私は、今おっしゃるように、政策評価のことは、ちょっと考えてみればこういうこともできる、ああいうこともできるとあるんですけれども、それを客観的にだれもが見てここはこうだと全部同じ物差しを当てるというのは大変難しいことだろうと。ですから、対象ごとに、ここについてはこういう評価のやり方がある、これについてはこうだということをやって、その基準なり実施要領をちゃんと国民に向かって公表して、そして国民の中にもいろんな問題意識があるわけでありますから、批判にさらされるということが大事だろうと思っております。 御趣旨のような方向でもって今一生懸命準備をしているところでございます。
○入澤肇君 政策評価と行政監察のあり方についてもう一つお尋ねしたいんですけれども、政策評価をする場合にも、私は総務庁の行政官がやれることには限度があると思うんです。 特にこの前、金融経済特委で私は御質問いたしましたけれども、金融問題等の政策評価などといったらこれは専門家に委託しなくちゃいけない。専門家が役所の内部にいないとしたら外部に委託しなくちゃいかぬわけです。私は、特別立法をして、公務員としての刑法等の遵守義務をきちんと明確にした上で、委託監察あるいは委託評価という制度をつくってはどうかということを申し上げましたけれども、これは秘密保持の問題があるから難しい、あるいは公権力の行使であるから難しいんだということを長官おっしゃっていましたけれども、行政監察にしても政策評価にしても、世の中どんどん進んでいってどんどん専門的になっていますから、公務員、行政官として対応できない部分は外部の専門家に積極的に委託していく、そのためのルールを法律化していくということについて私は検討すべき時期に来ているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 私も本当はそのお考えは必要だと思うんです。 まず、そのためには、一体今おっしゃったようなことが可能であるのかどうかということをそれこそ今言った民間の会計の専門家、つまり外部監査をずっとやっている人たちの仕事というものと、今の行政監察やあるいは会計検査院の仕事とどういうふうな接点があり得るのかという検討を早急にすべきだと思っております。 そういう意味で、今おっしゃったことをすぐに実行するということに至らないというだけのことでありまして、お考えになっていることは私も同感でございます。
○入澤肇君 それから、財政構造改革を進めるに当たって、私、非常に残念に思いますのは、政府・与党の重要な決定事項が指示されているにもかかわらず必ずしも実行されていない事例がかなりあります。 一例を申し上げますと、例えば今度の景気対策につきましても、私、非常にいいことだと思っているんですけれども、林業の関係者は非常に疲弊しております。これは本当に現場へ行ってみればよくわかるんです。 そこで、谷林政調査会長のころ、自民党で各省庁が補助金を出したり、あるいは所管している公共施設についてできるだけ木材を使ってくれということを要請しまして、各省庁みんな通達を出したんです。私が調べたら、年間八百から一千、さらに詳しく調べますと、毎年千六百件ぐらい建物が建てられるんです。そのことを通達したんですが、実際私ども現場に行ってみますと、大きな鉄筋コンクリートはできるけれども、木材は全然使われていない。 この間も委員会の視察で山口県に行きましたら、山口大学の看護学科、木材がふんだんに使われていて、しかるべきところで全然木材を使っていない、使ったのは保育園ぐらいなものでして、ほかは全然使っていない。これは自民党、政府・与党が重要な政策として各省に指示して、各省が次官通達なり長官通達を出したにもかかわらず実行されていない、こういう現状があるんです。長官、どうですか。
○国務大臣(太田誠一君) 私も入澤先生も同じころにそういうことを文教関係でもあらゆる場所で主張いたしましたけれども、一向に変わっていないなという実感がございます。 これは、私の担当しておる行政監察の問題にいたしましても、例えば行政を公益法人に委託するということはいろいろさまざまな問題があって、それを見直すということを全省庁に申し上げたけれども、実際には後で見ると全くそういうことはなされていなかったということがございます。 ですから、それは気がつく都度、閣議などでまた同僚の閣僚の方々にお願いして、再度徹底してやってくださいということを申し上げるわけでございますけれども、そういう他の省庁のことについては余り言わない方がいいというような慣例があるものですから、それは自分のところについて余計なことを言われないためにはよその方には言わないというふうなすみ分けになるわけでございますから、それを早くよそのことについても、同じ国務大臣で、閣議はそのためにあるわけでございますから、そういうところでもってびしびしお互いに言い合う、そういう心構えというか、あるいは運用というものも大いにあると思います。
○入澤肇君 財政構造改革を本格的に進めるためには、それぞれの省の行政官の意識改革が必要であって、そして責任を逃れる、あるいは球を後ろへ送るのではなくて、現に自分が任命されてそのポストに座っているときに重要事項については徹底的に取り組むということを、ぜひ政府全体で閣議等でも話題にして御指示いただきたいと思います。 以上です。
○岩本荘太君 参議院の会の岩本でございます。 先日、代表質問で総理に財政構造改革法の凍結について御質問させていただきました。その際、総理から大変御丁寧な御答弁をいただきましたけれども、丁寧ではございましたが、もう一つはっきりしないところがございましたので、本委員会の席をおかりしまして大蔵大臣にちょっとお伺いいたしたいと思うんです。本会議の後、予算委員会並びに本委員会でも大変に財革法の問題については議論をされております。どうしてこういう経緯になったのか、あるいはこれからどうするのかというような議論がたくさんございます。 私も新人議員でございまして、具体的な数字の議論は今ここでできませんし、するつもりもございませんが、ただ新人議員ということで、今まで県民に近づいていた時間も非常に長かったものですから、県民あるいは国民としてちょっと教えていただきたいことを補足という意味でお願いをいたしたいわけでございます。 私は、財革法の凍結が悪いとか、あるいは経済対策が不必要だとかということは一切申しておらないわけで、国民の立場におりますと、今景気対策が必要だということは明らかなわけですが、ただ国民の意識の中に、消費税率のアップあるいは保険料の個人負担の増額とか、現実に負担増が来ていたわけでございますし、さらには財革法という法律も成立したということで、本当に国が財政の危機に瀕しているということが完全にインプットされているわけだと私は思っております。 そういう状態の中でこの景気対策をやった場合に、本当に個人消費が伸びるかという疑問があるわけでございまして、その辺、大丈夫なんだ、国の財政は今はこうだけれども、きちっとこういう方向を考えて、こう認識してこう考えているんだということを国民にわかりやすいように説明していただかないと、この景気対策が成功しないんじゃないかというような気持ちがあるわけです。 先日、総理の御答弁も、財政再建の必要、これは当然ながらお認めになりましたし、日本経済をプラス成長に持っていかなければならない、これも私は同感でございます。ただ、具体的な将来像についての御答弁はいただけませんでした。それと同時に、財政改革の実現は経済を回復軌道に乗せた段階でもう一度十分検討していかなければならない、このような御答弁でございまして、これは何か先送りを考えておられるだけじゃないかな、こんな気がしてならないわけでございます。 巷間、今は財政再建のことなど忘れて専ら景気回復を考えろというような発言も聞きますが、大臣はそんなお考えはないと思いますけれども、このような考え方は、これは民間で言うところの、足りなければ何でも借金すればいいじゃないか、その日暮らしの生活になってしまうんじゃないかなと。国がそういうやり方でやっていれば国民はついてくるわけがないという気がいたしますので、国民の皆さんが安心して経済対策を受け入れて、日本の経済の活性化に向かうようになるための大蔵大臣の御説明をぜひお伺いいたしたい。重複するところがあるかと思いますが、ぜひそういう観点からの御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 長年、地方の行政をやっておられまして、どうも政府が国の将来は大変だということを国民にインプットしちゃったんじゃないかと言われることは、いろいろ反省すべき点があると思います。 平成八年の総選挙のときに、やはり二十一世紀は大変だ、リストラをやらなくちゃというようなことをたくさんの方がおっしゃったし、私どもも申しました。そして、選挙後に、年寄りはふえるし、子供はなかなか生まれないし、本当に大変だということを、それは実は二〇一〇年とか一五年の話なのですが、あたかもきょうの話のように、そうでないとまた長期計画が直らないということがあったのでしょうが、きょうの話のように言ってしまったために国民全体が身構えてしまった、大変に日本国民は情報については賢明ですから、大変なんだなと、こう思ってしまったというのは恐らく本当であろうと思うんです。そういう意味で政治というのは難しいものだと思いますですね。そういう意味でのことというのはやっぱりあるんだなというのが今度の私は体験だと思うのでございます。 しかし、それはそれといたしまして、したがって、消費者のマインドであるとか企業家のマインドであるとかというようなことを、たまたまそういう気持ちのところへ、金融の問題がございましたし、東南アジアのことがございましたから、大変だと思っていたことがいよいよ大変だということ、ここのところを、そうは言っても、そうなってしまったのでは国民経済というのはどうもならぬのだと、将来のためにもここはもう一遍、伸び伸びとやりましょうという言葉はおかしいのでございますけれども、平常心に返っていくしかないなという、そういうプロセスを今やっているんだろうと思うのでございます。 ですから、私なんかも、財政は多少のことはあっても、ここは緩めるものは緩めて、そしてもう一遍、そうは言ってもお互いに大変大変と言っていたんじゃいよいよ縮こまってしまうばかりじゃないのというところへみんなが考え直してもらうように返っていきませんと、ここのところはなかなか抜けられないようなことになってしまいました。 こういうことにしなきゃよかったんだとも思ったりしますけれども、そういうことがおっしゃるように私はあったんだと思います。御経験になったことはそのとおりだと私もいろんな意味で反省もいたしております。
○岩本荘太君 大蔵大臣の大変謙虚なお話を伺わせていただきましたが、国民がこれで本当に安心して消費に向かえるか、この辺はこれからの問題であろうと思います。 私は、経済は素人でございますけれども、経済は結果論だとか言われますので、これはこの先じっくりと見ていかなきゃいけないなと。ぜひとも大蔵大臣のお気持ちが国民に伝わればいいなと思います、伝わりませんと国民というのは厳しい批判をされると思いますので。この件については終わらせていただきます。 もう一点、経済企画庁長官にお願いしたいんですが、さきに国民生活白書、これを発表されました。私は、ESPですか、これを見せていただきまして、長官が書かれておりますことを読ませていただきました。御自身で書かれたのだと私は思いますが、大変分析の鋭さ、造詣の深さに感心した次第でございます。私もあの中で戦中派に属するものでございまして、何か私の心の中が見透かされたような感じがいたした次第でございます。 ただ、ああいうものを読んでおりまして、これからの社会をどうしたらいいのか、前からちょっといろいろ疑問には思っていたんですけれども、今の経済社会の中で経済が優先することは大事だとは思いますけれども、やはり社会そのものというのは、社会の生きがい、個人個人の生きがいをどうつくるかということが基本だと思います。 景気というのもそのためにあると私は思っているわけですが、景気は言いかえれば活気であると私は解釈しているわけです。最近、景気は気だとかよく言っておられますが、あの解釈と私の言っているのが同じかどうかわかりませんが、私は、活気を与えるのには何も金だけではないんじゃないかというような気持ちを持っているわけでございます。 適切な例かどうかわかりませんが、ことしはプロ野球で横浜ベイスターズが三十八年ぶりに優勝したということで、横浜を初め、私は別の地域ですけれども、それだけで活気が出てきたものでございます。 そのほか、最近、ボランティアの活動とかいろいろな文化活動が盛んであるわけでして、NPO法の成立等もこれを応援したものではないかと思うんです。特に中年になってからは、経済だけを求めるという人ばかりではないんじゃないかな、自分の生きがい、豊かさを求める、そういう人たちがふえてくるんじゃないのかな、そういう人たちがふえての社会の活気であれば、経済だけでない、もっと複合的ないい社会になるんではないのかなというような感じを持っているわけでございます。 その点、経済企画庁長官の御見識をぜひお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 過去数年、日本では長期見通しで非常に暗い見通しをたくさん立てました。先ほども御質問がありましたけれども、「破局のシナリオ」などというようなものを書いたりいたしまして、その前提になっていたのがやはり人口の少子・高齢化でございまして、高齢者がふえると負担が重くなる一方だということを非常に強調してまいりました。ところが、このたび国民生活白書でいろいろ分析させていただきますと、高齢者がふえると高齢者がマーケットとなって高齢者自身の働き口が出てくる。これは過去にも、団塊の世代が年をだんだん加えるに従いまして、その世代、その年代の需要が非常にふえているということがございます。これからの高齢者は、平均いたしますとかなり貯蓄力もございますし、それがマーケットになり、そしてまたその人たちのマーケットに同じ世代の人たちが働いていく、そういうような労働の年代的なずれが出てまいります。 そして、その中で六十代、七十代になりますと、賃金、所得だけではなくして、たとえ所得が低くても年金をもらいながらこういう仕事をするというボランティア、NPO的な活動が大きな比重を占めるんじゃないか。アメリカの統計によりますと、非営利団体の活動が経済の三・七%ぐらいを占めているという統計もございます。日本もその程度の規模になりますと、それだけでもかなりのものが出てまいります。そして、その人たちが所得以上に、もちろん所得も大事なのでございますが、所得以上に生きがいを持っていろいろ善意の行動をしていただける、そういうようなことができればいいと思います。そのために規制も緩和しなければならない部分もあるでしょうし、また政府としてもそれを公認し応援していくようなこともあると思います。 また、委員御指摘のように、ベイスターズの例を挙げられましたけれども、イベント効果というのも結構ございます。この数年、長野オリンピックを例外にしましてイベントが下火になっていることも不景気と関係があるかと思いますので、楽しくおもしろい世の中をつくるということがこれから大事になってくる。そういう中で、このNPOの活動、善意の活動も大いに取り上げていきたいと考えております。
○岩本荘太君 これからの日本、ぜひとも価値観の多様化といいますか、そういうものでやっていかなきゃいけないなと私は思っております。また機会がございましたら質問させていただきますが、私の持ち時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○菅川健二君 参議院の会の菅川健二です。残りの時間を若干質問させていただきたいと思います。 先ほど来話がございます財革法の改正につきましては、昨年、私もこの委員会におきましていろいろ論議させていただいた中で非常に目まぐるしく方針が変わってきたということについては大変残念に思うわけでございますが、当初のボタンのかけ違えというものが大変な結果を招いたというふうに思うわけでございます。ただ、過去のことを申し上げてもしようがないわけでございまして、現段階においては、やはり経済再生を最優先するという立場からしますと、財革法の凍結もやむを得ないと思うわけでございます。 ただ、財革法の趣旨そのものは行政経費の節減効率化等に生かされるべきであるというふうに思いますし、また経済再生の見通しが立った段階では速やかに財政再建を図らなければならないと思うわけでございます。その際、特に税制につきましては、これまでとかく取りやすいところから取るというような安易な姿勢がやや見られたわけでございますが、そういった姿勢はぜひ改めるべきでございまして、国民から納得の得られる形の公正公平な税制にぜひ改めるように準備を進めていただきたいと思うわけでございます。 そこで、具体的に三点ほどお聞きいたしたいと思いますが、まず所得の正確な把握という面、それから税務効率の確保という面からしますと、納税者番号制の導入というのは避けて通れない問題ではないかと思うわけでございます。大蔵省におきましても税制調査会等でいろいろ議論されておられるようでございますが、この取り組みの状況並びに今後の対応について、大蔵大臣にお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 納税者番号につきましては、随分長いこと国会においても御議論がございますが、今日まだその結論が出ていないわけです。 ただ私、自分で顧みまして、大分これについてのやはり国民の受け取り方あるいは国会の御理解も変わってきたのかなと思う節もございます。私の記憶しております限りでも、この納税者番号が最初に問題になりましたときに社会党のかなりの方から、これは徴兵制につながるという御批判が本当にあったわけです。そういう時代はそんなに昔ではないのでございまして、今だれももうそういうことはさすがに言わないようになりました。 しかし、何かこれで自由が毀損されるんではないかという漠然とした不安というものがどこかにあるのかもしれませんが、やはりそれはかなり時代とともに変わってきましたし、住民基本台帳法の一部を改正する法律案というものを国会で御審議になっていますけれども、これとの関連でも国民の一人一人のアイデンティティーを番号で表示すること、そのことについての管理が、管理といいますか制度が行われるということについての疑念は大分減ってきたのではないかと、私自身が自分の気持ちがやや変遷しつつございまして、国民はそろそろ受け入れてもいいというお気持ちなんだろうか。 とすれば、御承知のように、これは納税者が取引の相手方に自分の番号を知らせることでございますし、取引の相手方は取引についてその番号を税務署に通報することでございますので、徴税はやりやすくなりますし、還付もやりやすくなる、そういうことは確かにございます。税制調査会なんかでももう少し議論を深めてもらう必要があるかと思います。
○菅川健二君 国民の納得を得られるように着々と準備を進めていただきたいと思います。 それから、消費税の問題につきましては引き上げ論議というのがいろいろあるわけでございますが、将来的に考えますと、直間比率の是正、あるいはこれだけの赤字財政をどう将来的に立て直していくかという問題になりますと、消費税の引き上げ等の問題というのはこれまた避けて通れない問題になろうかと思うわけでございます。 そこで、益税の問題もございますけれども、仮に引き上げるということになりますと、食料品等の生活必需品につきましては、そのまま税率を据え置くとかあるいは特別の配慮がどうしても要るんじゃないかと思うわけでございます。その際、やはりインボイス方式の導入を図っておきませんと、なかなかそういった弾力的な税の対応というのは難しいんではないかと思うわけでございますが、インボイス方式の導入につきましてどのようにお考えになっておられるか、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のところ、複数の税率を設ける気持ちはございませんですけれども、税率が将来かなり高くなる、仮にでございますが二けたになったりいたしますと、これは各国であるように税率は一つでなくなる可能性がある。その場合には、単一税率ですとインボイスというのはほとんどなくてやれると思いますが、複数になりましたときにその問題が起こってくるかもしれない。ただ、今単一税率であります限りは私はこれで大丈夫だろうと思っております。
○菅川健二君 不公正税制のもう一つ、法人事業税の外形課税の問題があるわけでございますが、時間が参りましたので、この問題については引き続き自治省の方で、これまた事業者の納得を得るということが大変重要な問題でございますので、ひとつその辺の機運の醸成を十分図っていただきたいと思うわけでございます。 以上でございます。
○石井一二君 二院クラブ・自由連合の石井一二でございます。よろしくお願いをいたします。 我々は今財革法について審議をいたしておりますが、国家財政全般をどのようにしていい方向へ持っていくかという観点から、財政投融資関連で若干の質問をしたいと思います。 財投の対象となる公庫、公団、事業団などを見ておりますと、例えば直近の決算であります九六年度について見ると、四十八機関のうち十八機関が累積赤字を抱え、その総額は三兆七千億余りと言われております。当然、一般会計からの補てんとか政府出資金の増額等々によってこういった問題に対して乗り切っていっておるわけでございますが、例えば九十二の特殊法人への政府の出資合計は二十五兆円にも近い、このように言われておるわけでございまして、今後我々は、今日的課題であります財政再建という観点から、特殊法人の抜本的な改革について大いに論じてみる必要があろうかと考えております。 一般的に特殊法人の問題点として言われておりますことは、既に歴史的な役割が終わったにもかかわらず存続し続けているものも多いのではないか、あるいはまた親方日の丸的な体質が強く経営の合理化がなかなか進まない、赤字の垂れ流し、そして究極の被害者は国民、こういう姿が見られておるのではないかという指摘もあるわけでございます。 そして第三番目に、特殊法人が官僚の安易な天下り先になっておるということも指摘をされております。その結果、民間業務の範囲をどんどん侵食して民間活力を阻害している一面もあると言われておりますし、自由競争を阻害し、市場を占有化しておる。こういったことが果たして国家全体のプラスになるかどうかという論議も我々はいたさねばならないと思います。 また、高給、高退職金というものが民間より徴収した手数料または税金によって賄われておるということも問題点であると思いますし、こういったことが社会的な不公平感を助長し、ひいては民間の士気の停滞にもつながりかねないということを我々は懸念するわけであります。 また、存在意義を保持せんがために不必要な規制や複雑な手続を要する結果、民間コストの増大とか時間のロス、あるいは国際競争力の減退や内外価格差のさらなる拡大、こういったことも行われるわけでございまして、我々は今後こういった問題に対して大いに論議を高め、国民の期待にこたえていくべきであろう、私見でございますがそのように考えております。 最近のいろんな新聞その他の報道を見ておりますと、数ある問題点を抱える特殊法人のうちでも、例えば年金福祉事業団は九年度末累積赤字が一兆四千四百億円ということで、九一年から七年間連続で単年度の赤字を計上しておる。こういうことについても、地方自治体に移譲するとかいろいろな論議が出ておりますけれども、我々は今後目を向けていかなければならないと考えております。 また、苫小牧とかむつ小川原の工業基地としていろいろ問題を醸しております北海道東北開発公庫は不良債権が四千二百五十億円にも及ぶ、こういった指摘もございます。 こういう問題も我々は看過できないと思っておるわけでございますが、とりわけこういった中で最近物議を醸しておると思われるのが石油公団の話題でございます。 文芸春秋の十一月号によりますと、前通産大臣が「通産省の恥部 石油公団を告発する」という、私はこれは非常に異例な記事であろうと思うわけであります。また、「選択」という雑誌の九月号には、「最悪の特殊法人「石油公団」」というような記事まで出ておるわけでございまして、私はこういう観点から、なぜこの公団がそのような大きな問題を抱えておるのか一つの懸念を持っておるものでございます。 堀内前通産大臣の指摘によりますと、石油公団の再建には不採算会社を清算して三社程度に集約して累積損失の増加を食いとめるべきだというのが集約した御意見であるように感じられます。また、公団側の御意見というものは、事業を継続し出融資金の回収を目指すのが合理的であるという現在路線の継続であります。 そこで、私は通産大臣にお伺いしたいことは、あなたとしては、こういった二つの、前大臣とこれまでのやり方の中に立って、どちらの方向について今後行政の行き先を決めんとされておるのか、御示唆をいただきたいと思うわけであります。 なお、私の持ち時間も短うございますので、方向だけですから十五秒程度でひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 日本には石油資源がないわけでございまして、石油というのは我が国経済にとって欠かせないものでございますから、どこかで確保しなければならない。その一つの方法は、日本みずからが海外に行って石油を見つけ生産し、それを日本に持ってくる。そういう方法も一つの方法であって、その方法を推進するために石油公団がいろいろな海外のプロジェクトを応援してきた。この方向は私は正しかったと思いますし、今後ともそういう自主開発原油を確保するというのは日本のエネルギーを確保する意味で大変重要な位置を占めていくと思っております。
○石井一二君 今現在、一兆四千億の不良債権と言われておりますが、私は、現在の石油公団の姿は小エネルギー国日本の苦悩する姿を象徴しておる。石炭でもあるいは温泉でもそうですが、掘ってみなきゃわからない。しかし、工業国家日本はそれだけの資源としての石油を必要とするわけだからやはり挑戦していく。そういう観点に立てば、むしろ前通産大臣の方が内ゲバであって、言っていることが間違っているのじゃないかという指摘もあるわけなんです。 そういう意味で、今後、通産省あるいは石油公団がどのような方向で、特に自主開発と備蓄、こういう観点から進んでいかれるかということを注目して見詰めてまいりたい、私はそのように感じておるわけであります。 そこで、きょうは鎌田新総裁もお越しでございますが、小松前総裁は懲戒免職になったんですか、あるいは自主的に勇退されたのか。なぜならば退職金がまだ払われていない。これはいつ、幾ら払うつもりなのか。払わなきゃ、その理由は何なのか。なぜ今日までとめておるのか。こういうことをとめておるから、いかにも悪いことがあったような感覚を国民は持っておるのではないか。過去を見ておりますと、長銀の総裁が九億円退職金を返納されたとか、あるいはまた住専の庭山元社長が自宅を売却しておわびのしるしとされたとかいうことがありますが、こういった問題は御本人が決めるべき問題である。 そういう観点から、まず前総裁の退職金についてどうなっておるか、簡単に鎌田総裁お願いします。一分ぐらいでお願いします。
○参考人(鎌田吉郎君) 現在、まだお支払いいたしておりません。 私といたしましては、現在いろいろな課題を石油公団は抱えておりますので、その課題を早急に道筋をつけたいというふうに考えておりまして、それがある程度めどがついた段階で検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
○石井一二君 私は、石油公団開発事業委員会の設置についても知っておりますし、来年一月をめどにいろいろ案を提示される、またその検討事項項目も知っておりますが、こういった御用学者だとかそういう御用専門家を集めて、こういう方向で意見を出してくれというのが、ともすれば日本の役所のやり方だったわけです。私は、この退職金の問題を、やめられたのならすぐに払ってやって、むしろそういった論議の過程で本人に考えさす、そういうことに持っていくべきであろうと思うわけでございます。 せっかくお越しいただいた総裁でございますから、残り時間の範囲で、今後の石油公団のあり方、エネルギー行政についてのビジョンなりなんなり御披瀝を願いたいと思います。
○参考人(鎌田吉郎君) 石油公団は政策の実施機関でございまして、政策自体は通産省がお決めになるわけでございます。そういった政策の実施機関としての立場で考えますと、今回、堀内大臣が御指摘になりましたいろんな問題点というのは大変重要なものと受けとめております。そういった意味で、財務、事業運営あるいは情報の公開、こういった点で改善すべき点は積極的に改善していくということで仕事に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
○石井一二君 大公団の総裁にすれば余りにも短い意見の御表明でございますが、まあ時間的に御協力をいただいた、そういうことであろうと思います。 少エネルギー国日本でございますから、ひとつしっかりやっていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(吉川芳男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村公平君 自由民主党の田村公平でございます。 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案、いわゆる財革法凍結法案でございますが、私、この法律にもともと反対をしておりましたものですから、この凍結ということは大変大賛成であります。そういう立場で質問をさせていただきます。(「変な立場だな、それは」と呼ぶ者あり)前からそういうふうに言っておりました。 実は、ここに「財政構造改革への取組み」ということで、財政構造改革についての御意見、お問い合わせ先、大蔵省主計局調査課という本がございまして、私このパンフレットをいただきまして、とても足りなかったものですから選挙区でコピーをしまして、我が国の財政はこれほど大変なんだ、だから我慢してほしいということを言ってまいりました。そして、最も象徴的なのはここにあります「破局のシナリオ」、二〇二五年には日本の国がパンクしてしまう、そういう話がありましたけれども、(発言する者あり)そんなだれが言ったなんて言わないでください。宮澤大蔵大臣の一昨日来の質問に対する答弁を聞いておりまして、何となく政府も認めたというか、わかってきたのかなという気がしております。 と申しますのは、私ども選挙で選ばれる人間は、日々国民に対していろいろな説明をしております。小さな集会もあれば大きな集会もあります。そこで、政府が方針を転換するということは、またそれについて、これが正しいことだよと言ってきたことをこれは間違っていました、変えます、補正はないだろうと。あるいは公共事業に関して言いますと対前年比マイナス七%だ、補正はありません、そういう状況が平成十六年度まで続きますと。それはもうそんなことを言っていたら、大蔵大臣の御答弁を圧縮して言えば未来の危機が目の前にある、そんなことで人が新たな設備投資やあるいは住宅の買いかえとか住宅の取得に移るはずがありません。そういう意味で、橋本内閣から小渕内閣になりまして、私は五月二十七日に当時の外務大臣でありました小渕現総理に質問もさせていただきましたけれども、大きな方針転換をなさったわけであります。 それで、過去のことは私もとやかく余り言いたくありません。この法律がきょうここで可決され、本会議に上程し可決された場合には、いわゆるキャップというものは外れていくわけであります。 そこで、お伺いをしたいのでありますが、来年度予算の編成について、細かい数字は結構であります。再来年の話ではなくて来年度はどういう予算をつくり、国民に対してどういう夢が与えられるのか。概略で結構でございますけれども、大体のことをお聞かせいただけたらありがたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 来年度予算の編成につきましては、これからこの補正予算が上がりました後、十二月いっぱい検討して、与党の皆さんの話も十分承りながら最終的に編成していくわけでございます。 今回、財革法を凍結して補正予算をお願いしておること、このことを考えますと、これは何といっても日本の経済を再生させて景気を回復するというところに眼目があってこうしてお願いをしておるわけでございます。そうした諸点を十分踏まえながら、今度の補正予算が切れ目なく十年度から十一年度にかかっていくということでございますので、そういった意味での効果を発揮いたしますれば、そのことを含めましていわゆる十五カ月予算という形で来年度につきましてもこの方針がきちんと守れるような形で立派な予算を編成していかなけりゃならない、こういう決意をいたしております。現時点で数字その他につきましてはまだこれからいろいろの御要請を承って対応していきたい、このように考えております。
○田村公平君 在来型の公共事業とそうでない公共事業ということがよく言われますけれども、在来型の公共事業とそうでない公共事業の区別については私自身がよくわかりません。 と申しますのは、私は田舎の人間でありますから、今回総理も視察に参られました栃木や福島の大災害、あるいはそれよりももっと大きな規模で発生いたしました私ども高知県の九月二十四、二十五日の大水害、死者が出たところは全部地方なんです。自分の家で亡くなっています。自分の家で死ぬぐらい情けない、病気で亡くなったんじゃないんです、水害で。あるいは普通に道を歩いていてマンホールに吸い込まれて二名の方が亡くなりました。 そういう意味で、災害で亡くなるというのはどういうわけか全部地方なんです。それほどインフラ整備がおくれております。そういう地方にも元気が出てくる予算をぜひ、災害弱者、これから異常気象のもとで、高知で起きたこと、新潟で起きたこと、福島で起きたこと、栃木で起きたこと、鹿児島で起きたことが今度は大都市で起きるかもしれません。そういうことを踏まえまして、どうか希望の見える予算編成をしていただきたいと思います。 そして、もう一つお願いがあります。 去年の夏、前総理が腕まくりして、一泊二日か何かよくわかりませんが、キャピタル東急で一府十二省ということを二〇〇一年からやる、いわゆる行政改革として。私の同級生が今建設省の九州地建の局長をやっております。年が五十一であります。多分、九州地建の局長が終わりましたら建設本省を退官すると思います、これは予測でありますけれども。そうしますと、通常でありますと、いわゆる特殊法人へ俗に言う天下り。だってそれはそうです、五十一、二で肩たたきに遭って官舎もなくなって、まだ子供は小そうございます。今の現場で本当に実務をやっておられる本省の係長や課長は二〇〇一年以降の先が見えません。それは国家公務員だけじゃなくて地方公務員もそうだと思います。自分たちの先が見えない中でいい予算をつくろうとかいい国をつくろうとかいっても、なかなかこれは大変だと思います。 財政の改革もせぬといかぬでしょうけれども、確かに総理も何回もおっしゃっております大変緊急な経済対策、経済が今第一義であるというのであれば、二〇〇一年の一府十二省の問題はこの際ちょっと置いておいて、財政、景気がよくなることに一層専念するというふうなお考えは頭の中に全然ないんでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今のお答えをする前に災害のことにつきましてちょっと申し上げたいと思います。 田村議員からも地元での大水害の被害につきまして御要請もありまして、これに対する政府の対応をしっかり頑張っていきたいということで申し上げた次第でございます。公共事業につきましては、従来からといいますか昔の発想からいいますと、どうしても救農土木的な発想がありまして、資金を投じて景気の浮揚を図りたいというようなことでもございましたが、今災害の問題については、私はお示しいただきましたように福島県、栃木県へ参りました。 そこで、大変それは未曾有の降雨量であったことは事実でありますが、もし従前の水害に対して福島県、栃木県等でも堤防その他について処置をしておらなければもっと大水害になったと思うんです。それが一部地域が残っておったところに大水が出まして、それが堤防破壊になってあのような被害が出てきたということですから、やはり前向きに公共事業というのはやっていって、そして大きな被害が起こらないように考えていくことが必要なことであって、そういった意味では公共事業の重要性というものを改めて我々も理解し努力していかなきゃならぬと実は思っておるわけでございます。 そこで、お尋ねのこれから一府十二省にわたる日本の行政機構の大改革の問題でございますが、私はこの前国会で御決定をいただいた法律は必ずなし遂げていかなけりゃならないというふうに考えております。 今、委員の御指摘は、それぞれそこに奉職しておられる方々が将来にわたっての機構の中でどういうふうに生きていくかということについて不安があり、かつまたそのことについて仕事に手がつかないといいますか、そういった不安もあるということのお気持ちのほどは私は非常にわかる気がいたしますが、新しい行革とそしてそうした方々の生活を守り身分を保障していくということにつきましては、それはこれからいろんな形で対処してまいりまして、公務員としての士気とモラールともに落ち込むことのないようにこれは全面的に考えていかなきゃならない課題だというふうに、そのように考えさせていただきたいと思います。
○田村公平君 時間ですので、終わります。
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤でございます。短時間の質問でありますので、答弁の方はぜひ短目にお願いいたします。 まず、大蔵当局にお伺いします。 私ども民主党は、今回、この凍結を二年とし、将来的にも財政構造改革の展望を担保することを主張しておりますけれども、本法案にはあえて期限、何年までということが付されておりません。このことは問題であろうかと思っています。 続けて、同様に景気回復とありますが、どの程度の経済成長率になれば景気は回復したと判断するのか、午前中の論議もありましたけれども、あいまいというふうに言わざるを得ません。さらに、国、地方の財政状況を考慮するとありますが、その意味についても不明確でございます。 以上の疑問点についてまずお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総合して簡単に申し上げます。 我が国の経済が順調な経済成長の軌道に乗りまして、恐らく二ないし三%かと存じますが、その見通しがまず将来に向かって確かである、そのときに新しい税財政構造改革の構想が打ち立てられるのではないか。なお、地方と申しますことは、中央、地方の行財政を含めましてという趣旨でございます。
○伊藤基隆君 次に、財政構造改革法凍結法案と平成十一年度予算編成との関係について大蔵大臣に質問いたします。 財政構造改革法は、今世紀の三年間、すなわち平成十年、十一年、十二年を集中改革期間と定めまして予算の上限目標を設定したほか、財政の各分野において量的縮減目標を設定しておりました。この結果、財革法それ自体が予算編成の基本的な方針ということになっていたかと思います。 財革法が凍結されることで平成十一年度の予算編成はどのように行われるのでしょうか。新聞などでは、景気対策は三次補正で行われ十一年度当初予算は従来型のデフレ型になるという指摘がございます。政府は、今回の緊急経済対策において中期的な積極財政が必要であるというふうに考えられておったようでございますけれども、それが盛り込まれるに至りませんでした。この点は、大蔵省が財政すなわち予算の単年度主義を理由に反対したためであると理解してよろしいのでありましょうか。中期的な積極財政が必要であるとすれば、平成十一年度予算がその試金石となると言われております。十一年度予算で積極財政に踏み出すつもりがあるのか。これまでは当初予算で緊縮型の予算編成を行い補正予算で景気対策を行うという従来の手法でありましたが、今回も同じような状況になるのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 将来の財政構造改革の必要性は希望を捨てたわけではございませんが、平成十一年度の予算編成に際しましては、この法案の凍結をお認めいただくことができますと、それらに全く拘泥されずに予算編成をいたしたいと思います。 御審議中の補正予算の延長におきまして十五カ月ということを申し上げてまいりましたが、それぞれにその延長で景気回復に必要な財政あるいは減税等々を講じてまいりたいと思っております。
○伊藤基隆君 経済企画庁長官にお伺いします。 本年十一月七日の日経新聞の記事によりますと、「実質的な財政支出である「真水」を今後、二〇〇二年まで途切れなく合計三十兆円以上投入すれば三年後に二%成長に復帰できるが、追加の財政支出がないとマイナス成長が続く。」という通産省の試算について出ておりますが、経済企画庁はこれをどのように判断しておられますか。
○国務大臣(堺屋太一君) これは通産省のある部局が試算したものでございまして、自然成長率、日本の潜在成長率を一定に置きまして、現実との差額を埋めていくためにどうすればいいかというようなモデルをつくって出したものでございます。 私どもは、これは一つのモデルとしては確かに研究として価値あるものと思っておりますが、経済はもっと動態的なダイナミックなものでございますから、必ずしもそういう形にはならない。経済が回復の軌道に乗りますれば、二〇〇三年まで真水を注入することなく民需の方が出てくる可能性が高いと考えております。
○伊藤基隆君 続いて経企庁長官にお伺いします。 財政構造改革法の凍結に至った責任について質問いたします。 まず、前提として申し上げますが、財政構造改革法が凍結に至ったのは、経済状況を考えずにしゃにむにデフレ型予算編成をした大蔵省と、経済は悪くなっていないと言う経済企画庁の双方がミスを犯したと言うことができると思います。 例えば、平成九年十二月五日に糠谷経済企画庁事務次官が記者会見において、景気が後退局面に入ったという見方を現時点でとる必要はないと強調いたしました。九七年度の実質経済成長率についてマイナス成長になるとは思っていないとの見通しを表明しているが、このときの判断は誤りということだったのか。 本年六月二十二日に経済企画庁調査局長の私的諮問機関である景気基準日付検討委員会が開かれまして、景気が回復局面から後退局面に移った転換点、すなわち景気の山を暫定的に平成九年三月と判定いたしました。この結果、景気が四月から後退していたことが公式的に確認されたわけでございます。 しかし、この時点で橋本内閣は消費税率の引き上げを行って特別減税を打ち切るなどのいわゆる九兆円の負担増を行いました。しかし、振り返ってみればこのときに景気は既に悪くなっていたということなのではないか。それとも、このような九兆円の負担増の結果、景気が悪化したということなのか。 私の冒頭の質問で、大蔵大臣が将来の景気回復と判断することについて申し述べております。午前中の論議でも何度も大蔵大臣は申されました。私は、大蔵大臣の答弁を、今後のことを思えば当然の答弁というふうに聞いておりましたけれども、問題は、景気の状況、経済の状況を判断すべき経済企画庁が誤れば経済政策の根本が揺らぐわけでありますので、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 私の就任する以前のことでございますが、平成九年十二月五日、今から一年ぐらい前に景気が後退してなかった、足踏み状況にあるという発言を前次官がいたしましたのは、景気判断が誤っていたとしかちょっと言いようがない、まことに申しわけないけれども、これはやっぱり誤っていたと私は思います。その後検証いたしまして、昨年の三月という時点に出しました。私は当時はちまたの物書きでございましたけれども、そのときもこれは誤っていると書いたものでございますから、正直言いましてまことに申しわけない判断をしたんじゃないかという気がいたします。 そういう間違いがないように、今後はさらに広く民間の方、大学の方、いろんな意見を徴して経済データを整備していけるように経済の知的インフラを高めることにも努力していきたいと考えております。
○伊藤基隆君 知的インフラの問題も出ましたけれども、昨年のこの特別委員会が財革法を論議しているときに私自身も当時の経企庁長官に言ったんですが、多くの人たちも景気は緩やかな回復基調だけれども足踏み状態、こういうふうな言い方をしていました。 実を言うと、そのときに挙げられたさまざまな指標について、私は経済というのはダムに穴をあけるように一番悪い指標によって崩れるんだから、ある部分は悪くも、ある部分がいいから全体的には回復基調にあるんだという判断にはならないんじゃないか、一番悪い部分で判断しなくちゃならない、それが建設業界の状況じゃないかと。建設大臣はその質問に対してそうだと言ったんですよ。そうなんだと、一カ所悪ければ崩れるということがあったにもかかわらず、断固回復基調というふうに言い通したというのは大変問題だと思いますので、こういうことが二度と、起こるかもしれないけれども、起こらないようにぜひしていただきたいと思います。 以上の質問に御答弁いただきまして、そこで、総理に最後にお尋ねいたします。 財政構造改革が凍結に至った原因としてはさまざまのものがあると思いますけれども、最大の原因は、橋本総理が内閣の目玉とした財政構造改革に固執し過ぎて、目の前の経済が悪化しているにもかかわらず適切な対策を打たなかったということがあるだろうと私は思っております。ただ、根本的な問題としては、省庁の批判を受けないために財政構造改革を聖域化したことから経済の動向との調和を図らなかったことが問題になるのではないかと考えます。 財革法のモデルとなったアメリカの包括財政調整法、またはその前の財政収支均衡法では、不況時には本法を適用しないという免責条項が入っておりました。なぜ財革法にはこのような免責条項が入れられなかったのか。 財革法当初の審議においては財政改革を進めるに当たっての今後の中期的な経済見通しについての質問が出されましたが、政府は平成七年十一月二十九日に経済審議会が出した経済成長率の見通し、すなわち構造改革が進めば三%の実質経済成長、進まなければ一・七五%の実質経済成長率という見通しに基づいて答えられておりました。今後、財政構造改革法を凍結解除するにしても、財政構造改革を進めるに当たっては現下の経済の動向を常に踏まえるべきことは言うまでもございません。 本年春の財革法の一部改正は特例公債発行枠の弾力化を可能とする極めて局所的で微調整の改正でございました。このようなびほう策でなく財革法自体を経済状況に応じて停止できるような本格的な弾力条項の導入が望ましいと思うわけでございますが、この点についての総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今の点はそういうお考えもあろうかと思いますが、政府といたしましては、財政改革法の理念といいますか基本的考え方はこれを維持しつつ、将来財革法をもって財政改革が行えるような経済状況の中で税収が確保できるというためにこの法律は凍結という形でぜひお願いをいたしたいというふうに考えておる次第でございます。 いろいろ見通しの問題につきましてもお話しございましたけれども、やはりこういった点につきましてはいろんな諸般の情勢もあったんだろうと思います。例えばアジアにおける金融通貨の問題、しかしこれもつらつら本当に考えれば、日本がバブルで崩壊した後、アジアも現象面ではああしたビルが建ち並んでおりますから景気はいいと思いつつも、実際はそうでなかったということをやはり十分調査し、判断していかなきゃならなかったんではないかという反省はいたしております。 そういった意味で、民間におりましたけれども、この景気問題に対してシビアに見ておられた実は現在の経企庁長官にあえてその職をお願いしたゆえんのものは、その反省の上に立ってこれからしっかりとした政策を打ち出すべきと、こう認識をしてこの内閣としては取り組ませていただいておる次第でございます。
○伊藤基隆君 終わります。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、畑恵君が委員を辞任され、その補欠として山内俊夫君が選任されました。 —————————————
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案につきまして、小渕総理に質問したいと思います。 現在、景気の悪化で家計が苦しくなり、将来に対する国民の不安が増しております。そのため、来年の年金改正に当たっては国民皆年金制度の安定運営、適正給付の確保、保険料の過重な負担の回避が求められております。その解決策の一案としまして基礎年金の国庫負担の引き上げを求める声が次第に高まっております。 そこで、確認なんですけれども、昨年の平成九年六月三日の「財政構造改革の推進について」の閣議決定では、年金に関しまして、「基礎年金国庫負担率の引上げについては、六年改正の附帯決議等において所要財源を確保しつつ検討することとされているが、現下の厳しい財政事情に鑑み、財政再建目標達成後、改めて検討を行うこととする。」というふうにされております。 これは、財政再建なくしては国庫負担率の引き上げはないというような趣旨に解されますので、今回財政構造改革法の凍結がなされるのであればこの閣議決定も変更される、そういうことになるのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) まず、財政構造改革法でございますが、景気回復にまずは全力を尽くすという観点で凍結したところでございます。財政構造改革を推進するという基本的考え方に変わりないことは申し上げているところでございます。 そこで、基礎年金の国庫負担率の引き上げにつきましては、これは現在の財政状況のもとでは困難であると考えられますので、将来の検討課題として、国の財政状況等を踏まえつつ新たな財源確保のための具体的方法と一体として検討してまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 そうしますと、財政構造改革法の凍結に当たってもこの閣議決定は生きていると。すなわち、年金に関しましては財政再建目標達成後でなければこの基礎年金の国庫負担率引き上げの検討はなされないということですか。 そうしますと、総理はいつごろ財政再建が達成されると見込みますか。その後でないと引き上げができないということになると、遠い先のことのように思えてますます国民の不安は増してくるのじゃないか、そのように思いますが、その点に関してお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 基礎年金の国庫負担率の引き上げにつきましては、昨年六月の閣議決定におきまして、「現下の厳しい財政事情に鑑み、財政再建目標達成後、改めて検討を行う」とされておることは、今、委員御指摘でございます。 その趣旨は、基礎年金の国庫負担率の引き上げは莫大な財源を必要とすることから、財政が健全化された後に改めて検討を行うということでございまして、しからばその時期はいつかというお尋ねでございますが、その点につきましては、今後最善を尽くしてそうした状況が生まれてまいりますように努力をいたしていくわけでございます。 そういった観点に立ちまして、この問題につきましては、従来どおり一日も早い経済の回復を願っておるわけでございますが、今御指摘のように、しからばと言われますと、大変この問題について非常な不安を持たれる方も多々おるわけでございますので、この点につきましてはこれから十分協議、検討してまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 今回の財政構造改革法の凍結というのは、やっぱり財政再建よりも景気回復だと、そちらの方向に方向転換したんではないかと思うんですね。だから、この閣議決定で、これも財政構造改革の推進に関する閣議決定でありますから、これも当然方向が変わっていいんではないか。 財政再建目標が達成された後でないと基礎年金の国庫負担率上げられないというのであれば、今自民党の方でも何か二〇〇四年までに国庫負担率、三分の一から二分の一に引き上げるような方向で検討がなされているような新聞報道がありますけれども、それも根拠のないことになる。財政再建がもう二〇〇四年までに達成されるという強い見通しがあるのであればそれも論議になるんでしょうけれども、その点に関しましてもう一度総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 極めて重要な点についてのお尋ねだと思っております。 ただ、その時期の来るということは想定しにくいことでございますが、極めてこれは重要な問題でございますので、将来の検討課題として国の財政状況等も十分踏まえつつ、新たな財源確保の方法と一体として検討してまいりたい、このように考えております。
○渡辺孝男君 やはり景気回復のためにも、国民の家計の不安というのを解消することが消費回復にもつながるということで大事なことではないかと思います。今、介護保険もそろそろ二〇〇〇年から始まるということで、政府の言っていた全国平均二千五百円以上の保険料負担になるんではないかということがいろいろ各地域で話題になっておりまして、国民の不安がまたそこでも増してきているわけです。そういうときに、やはり基礎年金の国庫負担率を上げて、そして国民の家計の負担を少しでも和らげてあげるということが景気回復につながるんでないか。 しかも、今回の財政構造改革法の凍結は、財政再建よりもまず景気回復だということでありますので、来年度年金改正がありますので、二〇〇〇年度から年金の国庫負担率、三分の一から二分の一に上げて、ああ、やはり国も国民のことを思ってくれるんだなと、そういう信頼感が国民の中に広がっていかないと、この基礎年金に対する不信感というものはますます強くなってしまうんじゃないか、そのように思いますので、そのことに関しましてさらに検討を加えていただきたい、そう思います。 あと、時間余りなくなってしまったんですが、行政改革に関しまして、小渕総理、国家公務員の十年間で二〇%削減、それからコストの三〇%削減をおっしゃられているわけでありますけれども、来年度からいろいろそれに関する法律が出てくるということでありますので、その具体的な方法あるいは年次目標等につきましてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 公務員の定数の問題等につきましては、今御指摘のように、私も総裁選挙のときにお説のような数字を明らかにいたしております。 来年の通常国会におきまして、この省庁再編成をめぐりまして種々の法律案が提案されてまいります。したがいまして、関連いたしまして定数問題その他につきましても、できる限りこの年次的計画をつくり上げて、十年間とこう申し上げておるんですが、これが私は国民の政府に対する強い要請であると心得ておりますので、その実現につきまして具体的スケジュールを立てまして、これから御審議をいただけるように努力をいたしてまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
○吉岡吉典君 野党の反対だけでなく、与党内からも景気に重大な影響を与えることになりかねないという強い危惧が表明されたにもかかわらず、今の財革法は成立させられました。その財革法に基づく医療費の削減などで、またそれは消費税の引き上げとともに国民の間に将来への強い不安を与え、消費を冷やし、深刻な今日の不況の重要な引き金になりました。財革法こそ破局のシナリオだったことが今日明白になっております。 一方、財政は、財革法初年度において財政再建どころか史上最高の公債依存度となる。あなた方が財革法の最大の口実とした、このままでは破局だ、国が滅びるなどとさんざん言ってきた財政危機を一挙に大変なレベルに高めました。景気対策優先だからといって、当分の間財政はどうなってもいいということではないと思います。余りにも無定見ではないかと考えます。こうした破局的事態の責任は一体だれがどうとるのか、総理にはっきり答えていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 財政構造改革というのはこれは極めて大事なことでございまして、そのために前内閣もこの政策を遂行するために法律をお願いしてまいったわけでございます。 しかし、それ以降の事態が大きく変化してきたわけでございまして、その変化にどう対応するかということを考えましたときに、財革法の精神はこれは依然として堅持しつつも、現下これを凍結させていただきまして、今最大の課題は日本経済の再生ということでありますので、そのために必要な財政的な出動も行わなければならないのでありますので、こうした法律はしばらくの間、当分の間凍結させていただくということでございます。
○吉岡吉典君 私は、昨年十一月も、またことしの五月も、この法案に関連する締めくくりの対総理質問に立ちました。そのときにも言いましたけれども、この法案が成立してから後に不況の問題が起こったのではなく、その審議のときに既に野党のみならず、与党からも将来への不安が提起されていたわけです。それをあえて強行された結果、こういう事態になったわけです。 私は、過去の政治への態度、認識というのは今の政治、将来の政治へ直結するものだと思うから、総理にお伺いしたわけです。総理の今の答弁だと、これまでの誤りを二度と犯さないという保証がないという心配をいたします。これからの質問でその点は答えていただきたいと思います。 さて、財革法の路線を転換するということになるなら、何よりも大事なことは、消費税引き上げとともに国民に将来への不安を抱かせ消費を冷やした深刻な今日の不況の原因を取り除くことだと思います。その点で私どもは、消費税率の引き下げとともに医療、福祉の抑制というこの財革法に基づいてとられた措置、これをもとへ返すことを今度の修正案でも要求しております。政府はこれに対して、将来の税制がとか、将来の高齢化社会への対応がどうこうと、こういう将来の問題を持ち出して行わないと表明しておられます。 ところが、その一方で財政再建は将来の課題として先送りし、景気回復優先だということで、経済同友会まで壮大なむだだと指摘して見直しを求めている従来型公共事業はキャップ制を取り除いて惜しみなく投入する。これは論理も逆さまだと思いますし、景気回復という点からも財政再建という点からも逆さまではないかと私は思います。 景気回復優先という論理で言えば、景気対策として将来の問題は将来で検討するとして、とりあえず効果があることがひとしく認められている消費税の税率引き下げ、そして医療、社会福祉の負担増をもとへ戻すということはできると思います。あなた方の論理に沿ってもこれはできる課題だと思います。 総理、こういう点について踏み切る、少なくとも検討してみようというようにお考えにならないかどうか、お答え願います。
○国務大臣(小渕恵三君) 医療保険制度の改革につきましては、急速な人口の高齢化や医療の高度化等により、医療費の伸びと経済成長との間で不均衡が拡大している中で、将来とも安定した医療保険制度を維持する観点から行うものでございます。 また、この改革は質のよい医療を効率的に提供することを目指すものであり、保険料負担など国民負担の水準の適正化につながるものであります。したがいまして、財政構造改革法の凍結のいかんにかかわらず、この改革は必要であると考えております。 また、医療改革のみならず、社会保障をこれから実現していくために必要なこととして、前回消費税の二%の引き上げをさせていただきました。このことも、こうした今後の少子・高齢化に対しての対応のために必要な措置でございますので、いずれもこのことは継続させていただきたいと思っております。
○吉岡吉典君 私が言いましたように、医療、社会福祉は将来の問題としてでなく、今この不況下にやらなくちゃならないという論理は成り立たないと思います。私は、この点改めて検討を求めます。 ついでにこの機会にお伺いしておきますが、総理はこのところの答弁で消費税の税率引き下げについて、今の時点では引き下げない、こういうふうにおっしゃったので、私は、今の時点でということは、ある時点では検討する余地があるということをお考えになっているのかなと思って聞きましたが、そういう含みがあるのですか。これはもう全く検討しないということなんですか。ちょっとはっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今の時点というのを、どこの場所でどういうふうに答弁したかちょっと定かでありませんけれども、消費税につきましては、自由党との合意の中で税の問題としてこれを福祉目的化すべきではないかというふうな論議が行われつつあるということは承知をいたしております。 そういうことを含めて、消費税問題について関心を深くしている、こう申し上げたことと理解しております。
○吉岡吉典君 時間が来ましたけれども、私は重ねて、今国民の間にある将来への不安を取り除くこと、これは景気対策の上からも、また国民に対する政治の責任としても極めて重要であり、その点こそ今政府が一番真剣に考えるべきことだということを申し上げ、そういう見地に立っての検討を改めて要望して、質問を終わります。
○大脇雅子君 財政構造改革法の凍結という事態は、財政改革と景気対策という現状においては見果てぬ夢を追ったツケが朝令暮改を招いたということであろうかと思います。 現状におきましては一つの選択肢だろうと思いますけれども、先例が陪審法であるという異常な状況というものについて、内閣としてはその反省と責任を明確にしなければならないと考えます。総理の反省とおわびのお言葉がいただけるでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 政府として、財政構造改革のためにあえてこうした法律を国会にお願いして通過させていただき、かつこれを修正させていただくこともお願いいたしました。したがって、この法律に基づいて、政府といたしましては日本の財政を健全化するために最善を尽くしていかなきゃならぬ、こう思っておったわけでございます。 にもかかわらず、現下の経済状況にかんがみましてこの法律を凍結いたさなければならなかった事態に対しましては、これは大変残念なことであり、反省をいたしておる次第でございますが、これは万やむを得ず、我々としては日本経済の再生のためにあらゆる手法を講ずるために必要なことでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○大脇雅子君 停止の解除に当たりましては、停止後の経済、財政状況等を踏まえて再施行のために必要な措置を講ずるということになっております。そういう意味では、新たな時代と課題にこたえて財政構造改革法の見直しをお約束いただけるでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 現状におきまして、これは凍結することがやむを得ないと考えましたが、将来再びこういうことを考えますときは、その新しい事態に立ちまして、将来を展望しながら新しい考え方を持ってまいらなければならないと思います。
○大脇雅子君 財政構造改革法の凍結の一つにアジアの経済危機があると思います。 日本の危機の脱出のシナリオを中長期のグランドデザインの中で検討されなければならないという場合には、アジアにおける金融システム改革の長期デザインなくしては解決の道をつかめないと思います。ヘッジファンドに代表される海外の短期資本の移動に対する規制または抑制、そしてアジアにおけるセーフティーネットの構築のために、実体経済とこうした金融の暴力に対する遮断装置をでき得る限り構築しないといけないということが言われております。 アジアにおける日本の責任は非常に重いと考えますが、この点について総理の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 全くその点につきましては先生の御意見と一致するわけだろうと思います。 アジア経済が予想しないような大きな落ち込みになっておりますが、ごく最近はタイの経済あるいは韓国につきましても、昨年末、外貨準備高が百億ドルを下っておるのに比べますと、昨今では三、四百億ドルになっておられるというお話を聞いておりますので、そういう意味では回復基調も一部見えるのだろうと思いますが、依然として厳しい状況であります。 そのよって来る原因には多々ありますが、今、委員御指摘のように金融問題、特に世界的なヘッジファンド等の行動がいろいろ指摘されておりまして、先般もAPECにおきまして、たまたまマレーシアで行われましたが、マハティール首相などはこの点について非常に厳しい見解をされ、みずから為替管理につきましても一国として今回厳しい対応をしておるわけでございます。 したがいまして、日本政府としては、日本の大きな経済的な力から考えまして、こうした国々とともどもにアジア経済を興していかなきゃならぬということで、御承知のように宮澤大蔵大臣御提唱の、イニシアチブによるところのこうした三百億ドルの資金を十分活用していただくということもございますし、また今度補正予算におきましては一兆円を超えるお金を、アジアにおいて活動しておられる日本の企業その他が金融の貸し渋りに遭いまして大変厳しい存在になっておりますので、こうしたことに対する援助、協力、こういうものを全部駆使しながらアジア全体の経済の回復のために尽力をしていかなきゃならぬ、このように考えております。
○大脇雅子君 去る十一月二十三日、社会民主主義の政党が集まりまして社会主義インターの理事会がジュネーブで行われました。そのときのテーマは「すべての者のために機能するグローバル・マーケット」ということでありまして、そこで採択されました決議は、「グローバル化の規制と規制のグローバル化」という決議でございました。そこでは、ブレトンウッズ体制の枠組みを見直し、政府及び多国籍機関は、世界的レベルで持続的かつグローバルな成長と発展を維持するために、金融市場の規制とアカウンタビリティーを確かなものにしなければならないという宣言であります。 金融市場を運営している人の行動規範、モラルハザードのための制裁を定義し強化すること、投資銀行、ヘッジファンドやその他、組織的投資は国際的にガラス張りであること、金融・経済的リスクを監視する世界規模のシステムを組織すべきであること、投機的な資本の流れを規制し、国際通貨売買の過程での取引税の合理性を検討すべきであること、国連の枠組みの中で拡大G7をつくること等、さまざまな具体的な提案がされました。 どうか、こうした世界の潮流をしっかりととらえられまして、よろしく政府の責任をアジア経済危機の中で果たしていただきたいと思います。 終わります。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、本田良一君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君が選任されました。 —————————————
○入澤肇君 総理に対して一、二問御質問させていただきます。 財革法が停止されることになりまして、いつ再発動されるのかわかりませんけれども、私はこの間に構造改革を進めるよい機会を与えられたというふうにとらえ直すことができるんじゃないかと思っております。 従来、シーリングの制度のもとで本当は政策内容の転換を具体的に図っていくべきだったんですけれども、その都度補正予算がありましたものですから、十分な政策転換が各省においてなされませんでした。しかし、各省の問題点がこの財革法には具体的に書かれてあるわけでございます。金額の問題は別として、質的な問題としてまず第一に、この法律の停止期間中に、各条文に書かれている各省の問題点について具体的に期限を示して総点検を指示されることが私は必要じゃないかというふうに考えております。第二点は、今度は省庁の統廃合ございますけれども、今まで縦割り行政が徹底していて、なかなか総合調整がなされなかった。国土庁や環境庁はできましたけれども、その総合調整の役割を十分に果たしているとは必ずしも言い切れません。 そこで、縦割り行政に起因して構造改革が進まなかったもの、あるいは会計検査院が累次にわたって指摘した重要事項につきまして、この際、各省に一斉に総点検を命じて、そうして、この財革法の停止期間中にとにかく改善策を見出せというふうな御指示をされたらいかがかと思うんですが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 財革法の凍結につきまして、従来ここで御答弁いたしておりました中心は、補正予算を含めまして新たな予算の執行についてこの枠を外していただきたいという趣旨でございましたが、今、委員の御提案を聞いておりますと、この機会に財革法の含んでおる意味について、これを前向きといいますかプラス思考で考えてみたらどうかという御指摘だろうと思います。 なかなかそこまで、実際、今度の補正も恐らく来年度の予算もそうした観点には立つことでありますけれども、いま一度、私、御指摘の点について勉強いたしまして、凍結を機会にこの行政機構のあり方その他につきましても、一体どういう形が望ましいかというようなことを検討させていただきたいと思います。 今回も、実はバーチャルエージェンシーの問題などもありまして、ほかの役所と一緒に考えていくべき形をとったらどうかということで、先ほどこの問題について私が辞令も発しましていたしましたが、今御指摘の点、非常に前向きのお話でございますので、今後の予算の編成その他につきましてもさらに一考をしていきたい、再考していきたい、こう考えております。
○入澤肇君 大変ありがとうございます。 具体的に一、二申し上げますと、例えば公共事業につきましても諫早湾干拓、これは大問題になっています、それから中海干拓ですね。あるいは東京都内の都市計画道路も今のままでいけば完成するのに百年かかる、そういう問題があります。それから、この前、金融経済委員会、予算委員会でも質問しましたけれども、東京二十三区内の公的狭小老齢住宅、こういうものもまだ二十三万戸もある。全国でいいますと百万戸以上あるんです。こういう問題を、総理がおっしゃっている生活空間倍増計画に即して直していくことが必要じゃないかと思うんですけれども、なかなか建設省一省だけでもできない、各省にまたがるいろんな問題があります。それから、既存の法体系の問題もあります。そういうものに対して新しい角度から実行していくことが必要でありますし、それから地方の景気振興のために、地域振興立法というのはたくさんあるんですね、過疎法から山村法から半島法から離島法から。ところが、いずれも十分な機能を果たしていない。 こういう問題について具体的に総理が、何年何月までにこのぐらいのことまで解決策をつくって持ってこいというふうな御指示をいただければ、私は日本の官僚機構はそんなに脆弱じゃないと思いますので、相当な活性化につながるんじゃないかと思っているんです。 行政庁だけに任せておくと、一年や二年の任期の中で先送り先送りで問題が延ばされてしまう可能性がかなりありますし、今までもかなりありました。したがいまして、この際、果断なる実行を旨とする小渕内閣でございますから、具体的なテーマを設定して、それに対して回答を求めるという姿勢で御指示いただけたらばありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今日まで制定しております地域立法の問題について、時限的にすべて結論をつけろ、こういうお話でございますが、そのことはなかなか大きなテーマだろうと思います。 そこで、先ほどちょっと申し上げましたけれども、ある一定の期間、各省にまたがることを時限を切ってこれをやったらどうかという形で、先ほどバーチャルエージェンシーの問題を言いましたが、今日、事はそう大きな問題でないかもしれませんが、極めて重要な問題として、自動車保有関係手続のワンストップサービス、政府調達の手続の電子化、行政事務のペーパーレス化、教育の情報化、この四つのエージェンシーを設けまして、各省庁の若手を集めまして、横の連絡を十分とって一年以内に結論をつけて持っていらっしゃいということで命じております。 こういう制度をもう少し活用していきたい、こう思っております。
○入澤肇君 ひとつよろしくお願いいたします。 終わります。
○菅川健二君 改革クラブの菅川健二です。 総理に、財革法に規定しております国民負担率等に関連して御質問させていただきたいと思います。 先般の予算委員会におきまして、総理並びに堺屋長官は、この「不況の環を断つ」という色刷りのものを図示されておるわけでございますが、最初、見せていただきますと、なるほどこれは堺屋長官の大変な労作だなと感心いたしておったわけですが、よく見ますと、何か一番肝心なところが欠落しておるんじゃないかと。これは、先ほど来ございましたように、最近の不況というのは消費不振というのが一番大きな原因でございまして、その背景となるのが将来不安への解消をどうしていくかという問題であろうかと思うわけでございます。それについての項目は一項目もないわけでございます。国民は国に金がないというのはよくわかっておりますので、赤字国債をどんどん垂れ流すことによって赤字を拡大していくということについて不安を持って眺めておるわけでございまして、やがて増税になるんではなかろうかという気持ちを一方に持っておるわけでございます。 さらに、先ほど来議論になっておりますように、とりわけ老後の年金とか医療とか、介護のサービスはどうなるのか、あるいはそれに伴う社会保険料はどうなるんだろうかということの不安があるわけでございまして、とりわけ年金につきましては、最近の新聞におきまして、「年金改革、見えぬ実像」、「財源・時期論議を回避」というような見出しもあるわけでございまして、ここで上智大学の堀教授は、「年金制度への不信感を解消しなければ、国民が老後への不安から消費を抑えて景気の足を引っ張る構造も変わらない」と言っておるわけでございます。先ほど渡辺委員の申されたとおりであろうかと思うわけでございます。 こういった不安にこたえますためには、やはり税制、税金の問題、それから社会保険料の問題、それから財政赤字の問題、これをひっくるめまして財革法では国民負担率が五〇%を上回らないよう抑制していくという考え方がうたわれておるわけでございます。財革法が凍結になりますと、この精神というのはどうなるんでしょうか。今度の補正予算後の国民負担率というのははっきりまだ出ていないようでございます。と申しますのは、国民所得がはっきりしないから出ないんだという答えでございますけれども、いずれにしても大体もう既に五〇%に達しておるんじゃないかと言われておるわけでございます。 総理におかれては、この国民負担率についてどのような程度が適正であるか、あるいは国民がどの程度まで耐えられるのかということについて総理のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 財革法で百分の五十を上回らないようにということで留意事項として国民の負担率の適正水準について述べられております。究極的には国民が必要とする公共支出の水準と表裏をなすものでございますので、最終的には国民の選択、こういうことだろうと思います。 しかし、長期的にある程度上昇していくことは少子・高齢化の進展で見込まれますので、極力その上昇を抑制する必要がある、こう考えております。財政構造改革法で財政赤字を含めた国民負担率が五〇%を上回らないように抑制すると規定をいたしておるわけでございますので、そのことを守れるように努力をしていくわけでありまして、そのためにこの凍結をさせていただく過程の中で、やはり経済を発展させていき、そして回復軌道に乗せ、いま一度この二十一世紀初頭における財政、税制の課題につきましてさまざまな観点から検討をいたしていかなければならない、このように考えておる次第でございます。
○菅川健二君 いずれにいたしましても、国民負担率の中身というものをきちっと国民に安心していただけるような内容にしていくということが重要ではないかと思うわけでございます。そのために将来の生活に国民が安心していただけるようなプログラムを早く示していただきたいと要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。
○石井一二君 二院クラブ・自由連合の石井一二でございます。よろしくお願いいたします。 私の持ち時間は四分でございますので、極めて僣越でございますが、三分四十五秒ほど私の所見を述べさせていただいて、あと十五秒で総理の所信を承りたいと思います。 昨今、増税が大変難しくなっております。それで、大減税を行ってレーガノミクスみたいに消費がふえて景気がよくなって新たな増収ということも一つの手でございますが、我々は歳出の削減について論議していく必要があるのではないか、そのように思います。 私は、以下十点について具体的に申し上げますが、一見非常識に見える面もあろうかと思いますが、こういう時代だから不可能が可能になるということもあろうと思いますので、御清聴をお願いしたいと思います。 まず一つは、思いやり予算を逆思いやり予算に戻せないかということでございまして、御承知のように一九七八年、金丸さんが六十二億円から始めたものが今は七十八倍、四千三百九十二億円。それで、従業員一千四百七十二種類の仕事、ボウリング場とかゴルフ場の係員も含めて日本の負担になっております。これは、今アメリカは財政が黒字になったわけですから、逆思いやり予算に戻すための交渉をすべきだろうと思います。 二番目は、公共事業の省庁事業別シェアを定率配分から改めていくべきだということでございまして、これは経済戦略会議も本年九月六日に配分比率の抜本的見直しということを申しております。また、九六年八月二十七日の日経新聞では、農業予算一七%、九千三百億円が未消化であるといったようなこともございまして、これは未来型公共投資を含めて考え直していただきたいと思います。 三番目に私が申し上げたいのは、ウルグアイ・ラウンド農業対策費の例の六兆百億円、地方でも未消化というものが目立ちかかっておりますし、リフレッシュビレッジが将来の幽霊屋敷になるんじゃないかという話もございます。 また、米余りの国日本が米をさらに輸入しなきゃならぬというミニマムアクセスについても、二〇〇〇年の交渉のときにぜひ関税化に向けていくべきではなかろうかと私は考えております。 四番目は、特殊法人について午前中に申し上げましたので多くを語りませんが、整理合理化、民営化を進めて天下りを禁止する。そのかわりに定年制を六十五歳まで延長してもいいというような格好で、財投の金、特定財源の金の食いつぶしを防いでいただきたいと思います。 五番目に私が申し上げたいのは、議員と公務員の定員を二割じゃなしに三割ぐらいカットする、そういう中で配置転換を大胆に図っていくべきであろう、そのように考えております。 六番目ですが、第二の大赤字国鉄と化す可能性のある整備新幹線について考え直してみる必要があるのではないかと思います。 三線三区間で一兆二千四百億円といいますが、これは必ずしも景気の浮揚につながらない新たな過疎を呼ぶ可能性もございますので、指摘をしておきたいと思います。 第七番目に防衛費ですが、私は大幅な削減が可能ではなかろうかと思っております。 御承知のように、今は二十七万一千の定員のもとで実働二十四万二千六百四十でやっておりますけれども、昔のような大軍同士が長期間対峙して戦争をやる時代じゃありません。二日ほどドンパチやったらすぐ日米安保条約も発動いたしますし、国連安全保障委も入ってくる。そういう中で、近代兵器を備えた中で私は十二万人ぐらい半減しても十分やっていけるのではないかと思います。 また、日経ビジネスの九八年十一月十六日号には、競争なき兵器調達が不正の温床ということで、いろいろ現在の防衛庁の様子について書かれております。こういった中で、千四百二十人も百三十五社の防衛産業に天下っておる体質自体に私は問題がある、そのように考えておるわけでございます。 八番目がODA、これは評価システムをぜひ構築していくべきであろうという中で、聖域化というものについて、ましてやロシアなんかに今金を出してもしようがない、私はそのように考えております。 九番目が医療費でございますが、薬価基準二十八兆八千二百億円という、年々一兆円ふえておりますが、また出来高払い、医薬分業、診療報酬制度の決定方式、レセプトの公開等々、論ずべき問題は多いかと思います。 最後は首都機能の移転でございますが、党議拘束を解いて国会議員に投票させたら私はこれはペケが出ると思うんです。みんな反対を言っている人が多いように感じますけれども、例えばなぜ今総理官邸を二百五十億円もかけてやって、それをパアにしてまた新たにというようなことになりますが、これは二〇〇四年の着工という前に、名総理としての名を残して、小渕さんが一遍考え直していただきたいと思います。 以上、私の所見です。御所見をお願いします。
○国務大臣(小渕恵三君) 十点に触れまして、極めていろいろ示唆の富んだ御提案がございましたが、すべてテークノートさせていただきましたので、真剣にこれを勉強させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(吉川芳男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 大蔵大臣以外の大臣は御退席いただいて結構でございます。 本案の修正について吉川春子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川君。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案に対する修正案の内容及び提案理由を説明いたします。なお、修正案はお手元に配付してありますので、ごらんいただきたいと思います。 その内容は、第一に、財政構造改革の推進に関する特別措置法を停止ではなく廃止することとしています。 政府案は「別に法律で定める日までの間、その施行を停止する。」こととしていますが、もともと財革法は聖域なき歳出削減との名目で国民生活に犠牲を強いる一方、銀行、ゼネコン支援のための財政出動は補正予算などで事実上制限なしに推進できるものでした。実際、財革法施行後も銀行への公的資金投入、公共事業への野放しの積み増しが行われました。この際、国民生活を一層困難に陥れた財政構造改革法はきっぱり廃止すべきです。 第二に、旧財政構造改革特別措置法の施行によって国民生活に生じた不利益を回復させるため必要な措置を政府にとらせることとしております。 雇用保険法を改悪し、難病患者等への補助金を引き下げ、児童扶養手当の支給対象を狭め、教職員定数改善計画を先送りするなど、政府は国民生活に重大な不利益をもたらしています。本修正案はこれらの不利益を回復させる措置を政府にとらせることとしております。これは財革法を凍結、廃止する以上、当然の政治的道理であるとともに、今日国民生活を守る政治の根本課題です。 以上、何とぞ慎重御審議の上、委員各位の御賛同を賜りますようお願いし、提案理由の説明といたします。
○委員長(吉川芳男君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の財政構造改革法の停止法案には反対、日本共産党提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。 そもそも、財政破局を大々的に宣伝し、国民を恫喝して国民生活犠牲の財政構造改革法を強行しながら、わずか一年で自己の責任を何ら反省しないという政府の無責任を容認することはできません。 政府案に反対する第一の理由は、本停止法案によって、今後、大手ゼネコン、銀行支援を中心とした従来型の景気対策のための財政支出を公然と実施することになるからであります。 財政構造改革法は、財政危機の原因となり、強くその見直しが求められております公共事業への支出に補正予算という抜け穴を用意して、前年度比七%減とされていた公共事業関係費を一次と三次の補正予算によって逆に五二・四%、過去最大の規模に膨張させました。政府案は、当初予算を縛ったわずかばかりの公共投資抑制の原則さえ取り払い、政府みずから禁じ手とした公共投資の積み増しによる景気対策を加速させ、財政危機を一層深刻化させるものと言わなければなりません。 第二の理由は、公共事業などが聖域化される一方で、国民の暮らしにかかわる社会保障、教育の予算は引き続き低く抑えられるからであります。 政府は、法律は凍結しても財政構造改革の推進という基本的考え方は守るとして、公立学校の教員定数削減の継続、医療・年金制度の改悪など、国民に我慢と負担を強いる政策だけはあくまで貫こうとする全く道理のないものであります。今回の停止法案審議の中でも、医療制度改悪後における国民の受診抑制の実態など、財政構造改革路線の国民に与えた被害が明らかになりました。これでは国民の将来への不安を取り除くことができず、景気対策とも矛盾するものであります。 第三に、こうした国民犠牲の政策の一方で、九八年度第三次補正予算後の国債発行額は三十四兆円、国債依存度は三八・六%と財政事情は一層深刻化することであります。 財政構造改革法が目指した財政の健全化目標は、補正予算による莫大な大手ゼネコン、大銀行支援など、浪費構造の拡大によって破綻したことは明らかであります。 国民生活関連予算を削減して、国民の将来不安をあおり、消費不況を悪化させた財政構造改革法は停止ではなく、廃止すべきであります。日本共産党提出の修正案は財革法によって国民生活に生じた不利益を回復させるための必要な措置を実施するとともに、財革法そのものを廃止するもので、国民の切実な期待に沿ったものであります。 最後に、緊急の経済対策として最も効果のある消費税減税の実施とともに、逆立ちした財政のあり方を改め、社会保障、教育を重点とした財政へと転換することを主張して、私の討論を終わります。 以上であります。(拍手)
○委員長(吉川芳男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案について採決に入ります。 まず、吉川君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(吉川芳男君) 少数と認めます。よって、吉川君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(吉川芳男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) これより請願の審査を行います。 第二九号消費税率三%への引下げに関する請願外七十九件を議題といたします。 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(吉川芳男君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 行財政改革・税制等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十九分散会 —————・—————