予算委員会 第2号
- 発言数
- 375 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/12/07
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 平成十年度一般会計補正予算(第3号)、平成十年度特別会計補正予算(特第2号)、平成十年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。臼井日出男君。
○臼井委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、小渕総理並びに関係閣僚の皆様方に御質問を申し上げたいと思います。 私どもの日本の経済、バブル経済崩壊後久しくたちましたけれども、いまだ明るい見通しを見ることはできず、低迷をいたしているのでございます。その主たる原因は、個人消費を初め最終需要が収縮をしていること、これが生産、雇用等に強い影響を及ぼしているから、こういうふうに言われております。また、その間、金融機関の経営破綻やあるいはアジアにおける金融・通貨市場の混乱、こういったものが加わってさらに深刻化をしている、こういうふうに分析をされているところでございます。 国の政治の当面の目標というのは、こうした経済の低迷状態を一日も早く脱却する、こういうことであろうかと思っております。そして、二十一世紀に向けて、国民に対してしっかりとした明るい指針というものを示すことであろうと思います。 小渕総理は、本年七月、参議院選挙で自由民主党の大敗の責任をとられまして辞任をされました橋本前総理にかわりまして、我が国の最高の責任者になられたわけであります。 総理は、現下の国政の最大の課題というものは低迷をしている景気の回復である、こういうふうに御判断をされまして、財政構造改革法の凍結をいち早く表明され、今回、過去最大規模の二十四兆円に達する総事業費を盛り込んだ対策を打ち立てまして、内外にそれをお示しになったのでございます。そして、今日まで内閣を挙げて全力で取り組んできておられます。 特に、今回の総事業費二十四兆円になんなんとする緊急経済対策は、景気対策臨時緊急特別枠というものを設けて、また信用収縮対策あるいは雇用対策、アジア経済対策等々、大変幅広い予算を組み込んでございます。私は、今回の緊急経済対策、大変高く評価をいたすものでございます。 もちろん、前橋本総理が提唱されました六つの改革、これは当然やらなければならないことであります。行財政改革はいつの時代にも絶えず努力をしてやっていかなければならないものでございますけれども、現下でもって小渕総理がこうした決断をされたということは、私は、大変御決意も要ったであろうかと思いますが、大変時宜を得て正しい判断であった、こういうふうに思っております。 そこで、総理におかれましては、現在の経済の状況をどのようにごらんになっておられるのか、また、この緊急経済対策でどのような効果を期待しているのか、あわせて、景気回復に対する総理の御決意をお伺いいたしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 この内閣が成立以来、この内閣を経済再生内閣と名づけて、現下の景気回復のために全力を挙げて努力をいたしてきた次第でございます。 前政権におきまして六大改革を実施する過程の中で、特に財政改革というところにも大きな重点を置きながらいたしてまいりましたが、繰り返しますが、タイに始まりました金融・通貨不安、これがアジア全体に及んでくるという中で、日本の経済の運営につきましても、非常な変化が起こってきたわけでございまして、その後、この内閣にかわりまして以降、従来からこの国会でもいろいろ御議論されておりました各政党からの御主張等も踏まえながら、経済政策を大転換させていかなければこの状況は乗り越えられないという判断に基づきまして、今日まで幾つかの対策を懸命にとってきたわけでございます。 そうした中で、何はともあれ、金融問題についての不安が経済全体に大きな影響を及ぼすということで、前国会におきましては金融関係二法を成立させていただきまして、現下、金融機関の健全化のために全力を挙げておるわけでございます。 しかしながら、今、臼井委員御指摘のように、なお現下の日本経済は、金融機関の経営に対する信頼の低下あるいは雇用不安などを背景にいたしまして、依然として家計、企業のマインドが冷え込んでおりまして、消費、設備投資、住宅投資が低迷しておる状況であります。したがいまして、地価や株価の低下と相まちまして、企業や金融機関の経営環境は依然として厳しいものでございます。さらに貸し渋りや資金回収を招くという、いわば不況の環とも呼ぶべき厳しい状況の中にあると認識をいたしております。 こうした中で、政府は、今御指摘のように、総事業費で十七兆円を超える、恒久的な減税を含めまして二十兆を超える大きな規模の緊急経済対策を取りまとめ、これを受けまして、現在、今国会で第三次補正予算の審議をお願いいたしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、この対策を初めとする諸施策を強力に推進することにより、不況の環を断ち切って、平成十一年度、我が国経済をはっきりとしたプラス成長に転換させて、十二年度までに経済再生を図る、これが内閣の最大の使命である、こう認識をいたしておるわけでございます。 そこで、不況の環を断つ、こういうことをよく本会議等で申し上げましたが、不況の環というのはこういうことになっておりまして、本来はパネルを用意して御説明すればよかったわけでございますが、これは堺屋経企庁長官が御説明する方がわかりやすいだろうと思うのですが、要するに、リストラ……(発言する者あり)それでは、委員長、理事の御理解を得まして、御了承いただければ、後ほどまたパネルを用意しまして御説明いたします。 要は、不況というものが環の状況になっておる。個人で言えば、個人の所得が減少すれば、当然雇用不安になり、それが消費抑制になり、会社は売り上げが減少する。会社は、売り上げが減少しますから、利潤が低下して、経営が不安になり、企業信用が収縮して、貸し渋りになって、リストラをする。要するに、こういう不況の環というものをどっかで断ち切っていかなきゃならない、そういうことが最大の課題であります。 そのためには、まずは金融対策によって貸し渋りを断つ、これが第一の問題。それから第二は、景気回復策によって需要不足を断つということでございまして、この需要不足を断つという点におきまして、今次補正予算におきまして種々の政策を打ち出させていただいておるということでございますので、いっときも早くこれらが成立をできますように、御協力を改めてお願いいたす次第でございます。
○臼井委員 不況の環を断ちたい、こういう御意思をお伺いいたしました。先ほどのグラフは、ぜひとも新聞社に取り上げていただいて、国民に見せていただけたら、こういうふうに思います。 経済企画庁長官にお伺いいたしますが、この緊急経済対策でGDP比どの程度の底上げというものを期待しておられるのでしょうか。
○堺屋国務大臣 今次の三次補正では、今総理もおっしゃいましたように、事業規模で十七兆円の事業を行うとともに、六兆円を超える恒久的な減税を行うということになっております。 その中でどの程度の効果があるか。我々の持っております経済モデルで計算できる部分は、社会資本の充実の部分と所得減税の部分でございます。 社会資本の充実でどの程度ふえるかということを見ますと、名目GNPで二・一%、実質一・九%。これに、所得減税の分が〇・四%、これを足しますと、名目GNPでは二・五%、実質GNPでは二・三%押し上げる効果があろうかと思います。 そのほかに、法人税の減税でありますとか金融対策でありますとか、定量的に計算しにくいものもございますので、それを含めると、ただいま申し上げました数字よりも少し上回るような、〇・数%上回るような効果が期待できるのではないかと考えております。
○臼井委員 要は、今国民が一番求めているのは景気回復のシグナルだ、こういうふうに思っています。要するに、いつになったら景気がよくなるのか、このことを国民が知りたがっているというふうに思うのでございます。 先般、堺屋経済企画庁長官は、記者団の質問に答えられた中で、私の勘だがというふうにお断りになった上でございますが、景気の回復は依然として厳しい状況にあるけれども、かすかに新しい胎動が感じられる、こういうお話、また、電化製品や個人住宅、半導体の出荷には明るさがちらちら感じられるというふうなお話をされておったということであります。勘だけでは困るわけでございますけれども、実際、今の景気統計というものは九月現在のものにすぎないわけでございます。 一昨日の産経新聞でございましたけれども、長引く景気低迷ですっかり冷え切った個人消費に回復の兆しが見られるというふうな記事がございました。東京の秋葉原街というのは景気の先行指標だ、こういうふうに言われているそうでございますけれども、その秋葉原で、大型テレビであるとか、あるいは冷蔵庫、デジタルビデオディスク、こういった高級製品というものが売れ始めた、やっと底打ちの手ごたえがあったかなというふうな経営者のお話も載っておったわけであります。その中で、恐らく次に発表される景気統計の中では、大手スーパーの売り上げというのは、少しであるけれどもプラスになるのじゃないかというふうなお話がございました。また、最近の自動車の関連指標によりましても、特に軽自動車等については十三カ月ぶりに十、十一とプラスに転じた、こういうふうな話も出てきております。 実は、私は千葉県に住んでおりますが、千葉県でもここ二カ月連続して県内の企業倒産件数というのが減ったというふうなことで、私も確かに、何かよくわからぬけれども手ごたえが感じられつつある、こういうふうに感じております。 これらのことについてもう少し詳しくお伺いしたいのと、それから、先般、私この予算委員会で御質問申し上げたときに、どうも日本の経済統計は遅過ぎるのじゃないかということをお話を申し上げました。そのとき長官は、大変前向きの御答弁もちょうだいしておりますので、その辺、その後どうなっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 まず景気の現状でございますが、私が記者団等に申しましたことを正確に申しますと、景気は依然低迷が長引き、極めて厳しい状況にあるものの、一層の悪化を示す動きと幾分かの改善を示す動きとが入りまじり、変化の胎動が感じられる、こういうことでございまして、全体として見ると依然として厳しい状況があり、またその中に、設備投資や雇用など一段と悪化しているものもございます。しかしながら、今委員御指摘のように、幾らか明るい星が出てきている、動きが出てきているのじゃないか、そういうところを敏感にとらえると、景気の胎動が感じられるのじゃないか、こう申し上げたわけでございます。 それと、今委員御指摘のもののほかに、やはり金融関係の保証枠の拡大、保証協会にある保証枠の拡大なども中小企業のマインドを引き上げる効果が出ておりますし、また、九月、十月からは前年比で公共事業の請負契約高が二〇%を超える伸びを示しておりまして、これが、これから恐らく工事が大変盛んになるというような期待もできますので、少し胎動はあるだろうと思うのです。ただし、夜明けの前が一番暗いと言いますが、これからしばらく、特に設備投資や雇用の面では、企業のリストラが進む点で悪い数字が出てくると思います。これに慌ててさらに景気が冷え込むようなことがあってはならない、やはり政府のとっている政策もあわせて、これからよくなるんだという信念をできるだけ多くの国民に持ってもらうことが重要だと思っております。 統計の件でございますが、今十月統計がちらほら出ておりまして、近く十月の月例を明日あたり発表できるかと思いますが、確かに遅い点がございます。したがいまして、今これを改善するために、経済企画庁長官の諮問機関といたしまして、早期情報化の委員会をつくりまして、各方面に働きかけております。これは、現場の統計をとっていただいている方々、またその値を出していただく相手方の企業なり都道府県なり、そういうところの方々にまで浸透しなければいけませんので、やはり来年度にかかる問題だと思います。その点、御理解をお願いいたします。
○臼井委員 景気の指標にも、先行係数あるいは一致係数あるいは遅行係数、要するに、景気本体に先駆けてよくなるもの、あるいは景気がよくなってもまだまだ指標的には悪いもの、いろいろあろうかと思いますので、ぜひとも国民の皆さん方にそうしたことをよく御理解いただけるようにPRをしていただければ、こういうふうに思う次第でございます。 金融の収縮の影響で、金融機関の貸し渋りによる中小企業の資金繰りの悪化、それが大変厳しいということで、今日まで国の中でも大きな問題になっているわけでございます。私は、この状況に対して政府の対応というのは大変素早かった、こういうふうに思っているのです。その一つは、政府系三公庫の借り入れ対象となるいわゆる中小企業の定義というものを見直した、これによって大変多くの中小企業が救われたということがございます。 そして今回、総額四十兆に及ぶ中小企業貸し渋り対策を十月一日からスタートをさせました。この成果というものは、私は大変すばらしいものがあろうと思っております。私のところにも、数人の中小企業の経営者から、よくやったな、ありがとうという声を電話でちょうだいをいたしました。現場におきましても土日返上でもって対応していただいているということで、大変ありがたく思います。 しかし、そういう列をなすような状態がいつまで続くのか、一体どういうふうになっているのか、心配でもございます。したがいまして、その後の状況がどういうふうに、対応がうまくいっているのか、通産大臣にお伺いをしたいと思います。
○与謝野国務大臣 中小企業及び中堅企業等に対する年末の資金繰りというのは非常に重要な問題でございまして、特に、金融システムがいまだ不安定な状況の中で、中小企業等が必要となる資金をどうやって確保するかということは、すべての経営者にとって非常に深刻な問題であるわけでございます。したがいまして、一般の都市銀行、市中銀行等に本当には頼れない中小企業にとりましては、やはり政府系の三金融機関、すなわち、商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫等が既に持っております貸出枠を本当に活用して中小企業に対して必要な資金を供与するということが、私は非常に大事な時期になってきたと思います。 かてて加えまして、十月一日からスタートいたしました信用保証協会の二十兆円の保証枠、まだ半分まではいっておりませんが、大体七兆を超えるところまで保証枠が使われております。こういうものはやはり積極的に活用をしていって、中小企業が必要な資金を確保できるように最大限に努力をしなければなりません。 これは、各県とも相当努力をしておりまして、保証協会では、過去、既に退職された方を含めて、すべての人材を動員して審査を進めておりますので、こういうものが円滑に年末に向けてさらに進むことを私どもは期待をしております。 加えまして、現在法律が国会にかかっておりますが、信用保証協会法を変える法律と日本開発銀行法の改正と両方ございますが、これは今回の小渕内閣の緊急経済対策の中で、中小企業だけではなく、中堅企業に対しても政府の何らかの関与が必要ではないかということで、特に日本開発銀行の機能は従前よりも大幅に強化をされまして、代理貸しを含め、信用供与、保証あるいは社債の引き受け等々もろもろのことをやりますので、中堅企業等に対しても、約七兆円のいわば信用供与の枠ができたというふうに私どもは考えております。 いずれにいたしましても、経営者がまじめにやり、またバランスシートも黒字であるにもかかわらず、資金繰りで会社が行き詰まる、そういうことだけはやはり許してはならないと思っておりまして、政府が持っておりますあらゆる手段を駆使して、年末に向けまして資金需要に対してどうこたえていくかということをやっていかなければならないと思っております。 また、年が明けますと、また別の事情で資金繰りの問題が出てまいりますので、その都度、政府全体として、全力を挙げて中小企業、中堅企業の資金繰りに対応するという姿勢を強く持っていかなければならない、そのように思っております。
○臼井委員 ありがとうございました。 今お話しのとおり、金額にして七兆二千億に達する保証承諾が既に行われているということで、私は大変結構なことだと思っております。私は、ぜひともこの四十兆を使い切ってほしい、こういうふうに思っております。 また、年末の金融繁忙期を控えておりまして、対策資金というものが足りなくなることもあり得るんじゃないだろうか、こういうふうに思っておりまして、そうした際には、政府はぜひともこの対策資金というものを追加して、しっかりと対応するという決断をしていただきたいと私は思いますが、総理、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 十分な用意をいたします。
○臼井委員 ありがとうございました。 簡潔にして率直な御意見で、ぜひともその姿勢というものを貫いていただきたい、このように考える次第でございます。 さて、こうした国の貸し渋り対策、大変一生懸命やっていただいているわけでございますけれども、いわゆる旧債振りかえ、古い債権、自分の債権というものを振りかえる、金融機関の債務を国の機関に肩がわりをさせようとする、いわゆる旧債振りかえを行う金融機関がある。きょうもテレビでそういう報道もされておりましたけれども、このような行為に対しては、信用保証協会は代位弁済をしない、こういうふうなことになっているんだ、こういうお話もございます。 例えば、国の方から金が借りられるぞ、国の保証をとって公庫の方からお金を一千万借りられた、やれやれよかったな、こういうふうに思っておったら、紹介をしてくれた銀行の方から我が方で貸している八百万返せ、結局手元には二百万しか残らぬ、こんなことがあるのかと、そういったことが大変多くあるんじゃないだろうか。私の周辺でもそういう声がございます。一体、その辺、どういうふうになっているのでしょうか、お聞きをいたしたいと思います。 また、私は、単に代位弁済をしないということだけではなくて、公表、そういった罰というものをしっかりしていくべきだと思いますが、その辺のこともお伺いしたいと思います。金融監督庁長官。
○日野政府委員 この信用保証制度は、ただいま御指摘がございましたように、これは銀行を救済するものではございませんで、あくまでも中小企業に対する円滑な資金の供給を行うために存在するものでございまして、旧債振りかえについては、従来からこれは認められていないところでございます。 ただ、極めて例外的なケースといたしまして、金利など借り入れ条件のよいものへの切りかえが行われる場合であるとか、あるいは実質的な返済期間の延長となるような場合とかいった極めて例外的な場合にだけは、これは信用保証協会、中小企業、それから貸し出しの銀行、この三者との間でそういった条件がある場合には、旧債の振りかえが認められているのが実情でございます。 金融監督庁といたしましては、その実情を把握するために、先日、大手十八行に対しまして、どのくらいの旧債振りかえがあるかということを調査させていただきました。そうしましたところ、この保証協会の貸し付けが行われておりますのは、どちらかといいますと中小企業に対する貸し付けを中心としております普通の都市銀行が中心でございまして、長期信用銀行とかあるいは信託銀行といったところは、ほとんど貸し付けそのものがございませんので、当然のことながら旧債振りかえもございませんでした。しかし、この大手の都市銀行は、トータルで、現在のところ約十九億円の旧債振りかえが認められているところでございます。 そして、先ほど御指摘がございましたが、最近の報道によりますと、地方銀行の中にも、旧債振りかえについて何か問題のあるようなことをしているといったようなところもございますので、これはちょっと遅きに失したかもしれませんが、本日付で、地方銀行と第二地方銀行に対しましても、旧債振りかえの実情が一体いかなるものであるかということを調査していきたいと思いますし、その調査によりましては、内容に問題があるものにつきましては、改善命令を発することとしていきたいと存じております。
○臼井委員 ありがとうございました。 例外というのはあくまでも例外でございまして、もちろんこれは信用保証協会がオーケー、こう言わなきゃだめなわけでありますから、例外というものはないものだ、こういうふうに私は考えていただく必要があろうかと思います。早速対処していただけるということに感謝を申し上げる次第でございます。 総理、今お話を伺いましたとおり、中小企業というのは、まさに今この不況の時期で、政府がどのようにいろいろなことについて対応してくれるかということを大変注目をし、また願望もしているように私は思うのでございます。 総理は、かつてこの委員会で、深谷委員の質問に答えられまして、機会を見て中小企業の皆さん方のお考えをできるだけ早い機会に伺いたい、そうした方々の御意見を中心に施策を進めるように努力をしたい、こういう御発言をされまして、その後、大変お忙しい日程の中、市中、市井にお出かけになりまして、商店街あるいは町工場等々に足を運んで、国民の生の声を聞いておられるわけであります。私は、このことは大変結構なことだと思います。 日本の国の最高の責任者が、あの官邸の中だけにおって来る人だけの意見を聞いているというふうなことでは、本当に国民の声なき声というものをしっかり反映する国の政治というのはできない、私はこういうふうに思っておりまして、ぜひともこのことを続けていただきたいと思うわけでございますが、これまであちこちにお出かけになりまして、総理がそうした皆さん方の声を伺って、何を感じられて、それをどのように政治に反映する努力をしておられるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 臼井委員初め諸先生方も、常々みずからの選挙区を中心にいたしまして、経済の実態を把握するためにそれぞれの地域を視察し、また声をお聞きしているかと思いますが、内閣総理大臣になりまして、従来私自身も、みずからの選挙区を駆けめぐってそうした生の声を聞いて、そのことを政治の上で反映してまいりましたが、この役につきますとなかなかその機会を得ませんでありまして、今御指摘のように外交日程も立て込んでおりますし、また国会のこともございますが、その間を縫って全国を駆けめぐっております。 まだまだと思っておりますが、例えば埼玉県の川口の鋳物工場などを訪ねました。それぞれそう大きな工場ではありませんけれども、日本にとりましては、かつてその名を残しておる鋳物の産地ということでございまして、そういうところをめぐってまいりますと、従来こうした都市における工場群につきましては、それをほかの地域に工場を設置することで政府としてもいろいろな手だてを講じてきたわけでございますが、さりながら、いろいろの取引上のこと等もありまして、こういった工場が必ずしもその地域を離れられないという実態もあります。こうしたことの現状にかんがみまして、この設置の問題について、国土庁柳沢長官にもいろいろお話をいたしまして、もう一度その実情をよく認識した上で、必ずしもいわゆる工場を追い出すというばかりではないだろうというようなことの現地の生の声を聞かせていただいて、対処させていただきました。 あるいは商店街等も、なかなか苦労されておられまして、やはり空きの店舗がだんだんふえてくる。そういう中で、どういう店舗がそういうことになるのかなと。いろいろありますが、回転の速い遊技場その他がどんどん変わっていく、しかし、その場を離れられない、長い間の伝統ある商店が苦心を重ねながら営業を展開しておるというような実態も勉強させていただきました。 また、福祉の面では、中央区の特別養護老人ホーム「マイホームはるみ」というのも参りました。私は専らその専門じゃございませんけれども、一つのやかたの中で、老人ホームと中学校そして保育所がある、そういう中で学生は、時にはお年寄りのところへ行ってともに生活をいたす、またお年寄りは、孫やひ孫に近い保育所に来ている子供たちとずっと接しながら人生をそれぞれ楽しみつつある、こういうような施設もおいおいでき始めておるというような実態に触れまして、なるほどなという印象を深くいたしたわけでございました。 また、農業の面では、栃木県の高根沢町というところへ参りまして、花の栽培とかあるいはトマトの温室栽培とか、いたしましたが、農業は比較的どこでも厳しい環境にあるといいながら、これは非常に特色ある町であったんでありましょうし、その地域にあられる国会議員を初めとして、非常に予算的な措置も十分やっておるなという印象を深くいたしました。そういった意味で、若い人たちが、いろいろな課題は抱えております、おりますけれども、そうしたことを乗り越えて新しい農業を展開しようというその息吹というものを非常に感じまして、日本の農業もそうした方向にこれから進んでいけば間違いない方向だという認識をいたしました。 今後とも、機会を見てさらに全国をめぐりまして、真に生の声を吸収しながらこれを政治の上に反映する努力を続けていきたいと思っております。
○臼井委員 どうもありがとうございました。 先般、私、テレビを見ておりましたら、総理が市場を視察されたときにカブを両手で高く掲げまして、株よ上がれ、こういうジェスチャーをしておられる姿を拝見いたしました。野菜のカブを上げて男の株を上げたのは総理だけだと思いますけれども、ひとつその必死の気持ちというものをぜひとも持ち続けて、またこれからもお続けをいただきたい、こういうふうに思います。 大蔵大臣にお聞きをしたいわけですが、今回、所得税減税等もいたすことになりました。その中で、定率減税を取り入れるということであります。最高税率は下げる、最低は下げない、その間定率を入れるということでございまして、予算としては二兆九千億程度、こういうふうに伺っております。 その金額で、例えば八百万、七百万以下の中堅所得層の方々はむしろ前より税金がふえてしまうのじゃないだろうかというふうなことも聞かれますが、その辺の整合性をどういうふうにとっていかれるのか。ある方々に言わせると、定額も取り入れて併用するんだという話も聞きますし、どうなんでしょうか。私は、もし整合性のとれたバランスのいい税体系ができないとするならば、多少減税の額を上積みしたっていいんじゃないか、こういうふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 ただいま政府税調並びに私どもの党の税制調査会において、まさにその点をいろいろ検討していただいておるところでございます。 問題の所在は、まさに臼井委員が言われますように、ただいまこの年度は定額減税が行われておるわけでございますが、その結果として、標準世帯の課税最低限は四百九十一万円になっております。たまたま定額減税が行われた結果そういうことになっておりますが、本来の我が国の所得税の課税最低限は三百六十一万円でございますので、定額減税が終わりまして本則に返りますならば、課税最低限は法に定める三百六十一万円でございます。 その三百六十一万円をベースにいたしまして、今度は定率減税を考えておるわけでございますが、定率減税の方が所得のいわば累進をそのまま反映することができますので、本来の所得税の体系に忠実であるということが言えると思いますので、私は、定率減税で考えは間違いないと思っておりますが、定率減税をいたしまして、しかし青天井というわけにいきませんので、それに恐らく頭打ちをかけなければ高額所得者に有利になりますので、そういうことを考えることになると思います。 そういたしますと、御指摘のように、今この段階で四百九十一万円までの人は所得税の納税者でないわけでございますから、それが三百六十一万円に戻りますと、数百万の納税者がそこで生まれるはずになります。それにどう定率減税をかけましても、あるぎりぎりの、恐らく四百九十一万に一番近いところの方々、現在納税者でない人々は新たに納税者にならざるを得ません。その金額が幾らであるかは、これからの計算のやりようでございますけれども、どうしてもそのところの方が一番、定率、頭打ちということをどうやりましても新たにまた納税者に復活をするということでございますね。そういう意味では、その方々については、今年度に比べますと、来年度は新たに納税者になるわけでございますから、いわば増税ということが、適当かどうか存じませんが、新たな納税者になる、そこのところをどうやったらば緩和することができるかという問題であろうと思います。 根本的に解決する方法はなかなか見つかりませんけれども、それを緩和する方法はないか、所得税あるいは住民税にかけまして緩和する方法はないかということをただいま両方の税制調査会でいろいろに検討をしておられますので、私どもも大変に関心を持ちまして、当然のことでございますが、その検討に関与をいたしておりますが、もうしばらく結論の出ますのをお待ちいただきたいと思います。 問題の所在は、まさにおっしゃいますように、私どももよく意識をいたしております。
○臼井委員 御苦労されることだろうと思いますけれども、ぜひとも、国民みんなが喜びが分かち合えるような、そういう税体系というものをお考えいただいてお進めをいただきたい、こういうふうに思います。 地域振興券のこともお伺いをしたかったわけでございまするけれども、時間も余りなくなってきておりまして、ぜひとも私からお願いをこの際しておきたいわけです。 地方団体といっても、ピンからキリまであるわけでございまして、新聞にちょっと出ておりましたけれども、ある町ですと、もうほとんどお店屋さんがない、スーパー一軒しかないというふうなところもあるというふうに伺いました。ですから、周辺の自治体が共同してやるというのも大変いいんじゃないだろうか、そういうふうに思いますし、また、地域外であっても、ぜひともやらせてもらいたいというふうなところがあったらそういうところも認める。ひとつ、そういう柔軟性に富んで、せっかく地域振興券をやるわけでありますから、ぜひともそれが有効に働くような、そういった方法というものをお考えいただきたい、こういうふうに思っております。 特に、私は、かつて特別減税をした際には、福祉減税というのを一緒にやったことがございました。一万円とか三万円とか、こういう要介護者の方々にお出しをしたわけです。私は、今回この地域振興券というのは、そういう福祉対策、それから、十五歳以下の子供にも一人について二万出すわけですから、少子化対策、こういうものは減税とは別個にやるんだ、こういう整合性があるんだぞということをやはりPRしていく必要があるのではないかな、こういうふうに思っている次第でございます。 さて、マスコミの招待でもって、先般、OECDのドナルド・ジョンストンさんという方が来日されました。その方が講演をされたわけですが、その講演の中で、なぜ日本人がもっと楽観的に考えられないのかわからぬ、こういうお話をしたそうであります。最高の野球チームだってスランプがあるじゃないか、こういうこともお話しになった。もっと日本人は自信を持ってくれ、こういうふうなお話だったそうでありますが、そのとき出席をされた日本のエコノミストの間からは悲観論が相次いだ、非常に対照的だったというふうなことを聞いております。 また、先般、総理、クリントン大統領をお迎えになりまして、そのときも、共同記者会見でクリントンさんは四つのことを言った。 一つは、金融安定化対策、よかったよ、それから今回の緊急経済対策、これもよかった、もう少し規制緩和をして雇用というものを広げるようにしてもらいたいということをおっしゃって、その最後に、私たちがというのは外国の方々は、もっと強い日本が必要だと思う、過去五十年間、日本ほど変化に対応できて、しっかりと劇的にその力を証明できた国はないというふうに日本を絶賛して、政府の努力だけではこのことは達成できない、平均的な国民が国民の力を使って国の潜在的な能力を発揮してほしい、国民が物やサービスを使うことで日本の経済は上向くんだというふうに述べた、こういうふうに出ておりました。 私は、この見方は大変正しい、こういうふうに思っておりまして、今必要なのは国民に元気を出していただくことだ、こういうふうに思っております。ぜひとも、この際、総理がはっきりとこの御決意を国民に伝えるということが必要だと思っております。 大変短くて恐縮でございますが、あと二分しかございませんが、総理の最後の御決意を伺って、終わりたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 政府としては、全力を挙げて各種の政策をすべて総合的に実施をする努力をいたしてまいりたいと思っておりますが、委員御指摘のように、要は、国民それぞれの皆さんが元気を出すということでなければ総体的に日本経済は復帰しないわけでございまして、そういう意味で、政府としてなすべきことは全力でなします。 と同時に、国民の各位におかれましても、諸外国から見ても、その能力やその努力あるいは創意工夫の力、こういうものに対する日本に対する評価というものは極めて高いわけですから、必ずや国民の皆さんも奮起され、この難局を乗り越えていただけるものと確信し、かつ、我々としても全力を挙げてまいりたいと思っております。
○臼井委員 どうもありがとうございました。終わります。
○中山委員長 この際、柿澤弘治君から関連して質疑の申し出があります。臼井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。柿澤弘治君。
○柿澤委員 臼井委員に関連して質問いたします柿澤弘治でございます。 きょうは都市問題についてお伺いをしようと思ったのですが、先ほど臼井議員に対する小渕総理の答弁の冒頭で、「不況の環を断つ」というパネルをお示しされるというお話がありましたが、何かでき上がったそうでございますので、お時間がありましたらちょっと説明をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 これは非常にわかりやすい図表でございまして、実は、堺屋長官がこれを作成して私のところへ持ってきていただきましたので、つくっていただいた本人からよく説明をさせていただければありがたいと思います。
○中山委員長 それでは、堺屋経済企画庁長官から先ほどのパネルの御提示を委員長として許可いたします。
○堺屋国務大臣 これは、総理大臣が、国民に直接わかりやすく説明したいから何か考えろと言われましたので制作をいたしました。 この不況の環でございますが、まず始まりは、やはり金融問題から始まっております。そして、その結果、企業がリストラをやらなくてはいけなくなって、売り上げが減少し、また個人の方でも、雇用が不安になって、所得が減って、消費が抑制される。こういう企業の環とそれから……(発言する者あり)
○中山委員長 長官、御自身でお持ちいただいて御説明いただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 済みません。 この不況の環は、企業の不況の環と個人の不況の環と二重になっております。そして、始まりは、信用収縮から企業がリストラをやり、それの結果売り上げが減る。また、雇用が減って個人の所得が減る、それが信用不安になり、そして消費の抑制になって、また消費を冷やす。企業の方も、その結果利潤が低下して経営不安になり、さらに信用収縮する。この環をいかに切るかということでございます。 それで、まず今度の第三次政策では、この貸し渋りの環を切ろう、この金融対策を第一にいたしました。そしてその次には、需要不足をなくするというので十七兆円の事業をつけました。そして雇用対策に対して、従来にない一兆円規模の雇用対策。この三つで不況の環を切る。こういうような発想でやった、それを説明するパネルでございます。
○柿澤委員 ありがとうございました。 時間の制約もありますので本論に入りたいと思いますが、きょうは、都市問題対策協議会の三提言、それから空間倍増戦略プランについてお伺いをいたしたいと思います。 御承知のとおり、参議院選挙の敗北の後、特に大都市における敗北の後、自民党の中に総裁直属の機関として都市問題対策協議会が設置されまして、都市政策の充実について勉強会を、努力をしてまいりました。首都圏、近畿圏そして中部圏だけではなく、福岡、北九州、広島、また仙台、札幌等の政令指定都市の自民党の議員の皆さんも一緒になって勉強をして、提言をまとめてきたわけでございます。その都度小渕総裁にはお渡しをして、政策の中に取り入れていただくようにお願いをしてまいりましたが、既に、住宅対策そして第三次補正予算の中にも組み込んでいただいておりまして、そうした努力については心から感謝を申し上げたいと思います。 これからの公共投資のあり方として、都市と農村、また大都市と地方とのバランスのとれた配分が必要である。二十一世紀に向かって、これから大事な公共インフラを整備していくという課題を私ども持っていると思っておりますので、そうした点で、今後とも都市問題対策協議会の提言について、政府、大臣の皆様方の御理解と御協力をいただければ幸いだと思っております。 第一の提言は、九月の末に、住宅政策についての緊急提言というのをやりました。私どものところへも、従来住宅ローンを借りて家を建てた方々の返済が困難になっている、自己破産がふえているという声がたくさん届いておりまして、金融機関についての対策をやるのであれば、我々零細な住宅ローン債務者についても対応してほしいという要望がありまして、これについて提言をさせていただきました。十年間の返済の延長、そして三年間の元本の支払いの猶予、そして金利を三・五%まで切り下げて、それ以上は政府が負担するという政策の提言をさせていただきました。 これについては十二月一日から実施をされることになりましたが、残念ながら、金利については五%超を免除するということでございますが、現在、住宅金融公庫の借りかえについては行われておりません。制度がございません。そういう意味でも、ぜひ現行の金利水準に合わせて三・五%まで引き下げていただく必要があるのではないかというふうに思っているところでございますが、この点について政府のお考えを伺えれば幸いだと思っております。建設大臣からお答えをいただければありがたいと思います。
○関谷国務大臣 先生御指摘のように、大変まだ経済情勢が厳しい状態の中にございまして、住宅ローン返済困難者の方が大変大勢いらっしゃるということで、御指摘のように十二月一日より、返済期間の延長、それから据置期間の設定、据置期間中の金利の引き下げなどを始めたところでございます。 御指摘のように、五%を超えております金利については、超えている部分は五%まで引き下げるというところといたしております。ただ、今回の住宅ローン返済困難者対策につきましては、公平性の観点や財政負担の面から私は最大限の措置と考えておるところでございまして、基本金利も、御承知のように、二・五五でございましたのを思い切って二%まで下げてまいりました。 しかし、今住宅金融公庫の支店、それから関連の金融機関に返済困難者対策の窓口を置いておりまして、先般も東京の金融公庫も視察をいたしましたが、一日に約五十名の方が御相談に来られている、そしてその方のそれぞれ事情が違いますから、その内容に即してこのことは細かく対処をしていく。これは小渕総理の大変重い御指示をいただいておりまして、現在進めておるわけでございます。 しかし、なお、先生御指摘のように返済負担の軽減ということにぜひ取り組んでいきたい、そのように考えております。
○柿澤委員 これからも低金利が続くようでございましたら、その点について再度御検討いただければありがたいと思っております。 また、住宅建設につきましては、一時、年間百六十万戸台まで参りました。平均的には百三十万戸台というのが我が国の建設戸数であろうかと思っておりますが、ことしは大変落ち込んでおりまして、このままでは百十万戸、もしかするとそれも割るかもしれないということで、これが民間設備投資、そして個人消費とあわせて景気の足を引っ張っている、内需の低迷の原因になっているということは重く考えなければならないと思っております。つい先日発表されました七—九月の四半期統計でも六%台のマイナスを記録しておりまして、民間住宅の回復は景気対策としても非常に大事な柱であろうかと思っているわけでございます。 今関谷大臣からお話しのように、住宅金融公庫等の融資の枠を広げていただいた、また金利を二%という低金利まで下げていただいたことは大変評価したいと思いますが、あわせて、住宅ローン減税の拡充、その他住宅取得者に対するさまざまな対策が大事ではないだろうかと思っております。 この点については現在自民党の税調でも検討中でございますが、先般の本会議では、野党の皆さんからも住宅ローン減税の充実についての強い要望があったと承知をいたしておりますので、この点について、既存の住宅ローン減税、税額控除制度の拡充、そして住宅ローンの利子の所得控除制度の創設、また生前贈与制度、これは子供たちのために両親が家を建てる場合に、今の贈与税ではほとんど税金で持っていかれてしまう、その点、特例制度が一千万円まであるわけですが、これについての拡充。 また、既存の住宅等の売買にもかかわりますけれども、登録免許税それから不動産取得税、これらが五%、四%と消費税以上の重い税率になっています。もちろん住宅部分については軽減税率がありますが、住宅に関する土地については軽減税率がないということで、これが住宅新規取得者また中古住宅の流通を妨げているというふうに聞いております。この点について、ぜひ是正をしていく必要があるのではないかと思います。 特に、これからは住みかえ需要というものが必要になってくるだろうと思いますが、この点で日本とアメリカを比較いたしますと、住宅の建設戸数は大体百三十万戸台で、日本とアメリカと並んでいます。しかし、中古住宅の流通を見ますと、アメリカが三百万戸、日本が三十万戸ということで、大変中古住宅の流通が悪い。そのたびに登録免許税が必要だ、そして不動産取得税を払わなければならない、この点はやはりこれから是正すべき大事なポイントだと思っておりますが、この点について、大蔵大臣のお考えをいただければありがたいと思います。
○宮澤国務大臣 住宅対策の必要性、現在のこの不況下におきまして、それについて特段の措置、殊に税法上の措置を必要とするという御主張は確かに有力でございます。与野党を通じてそういう御主張は強うございます。 ただ、政府としては、従来、これはよく御承知のように、ローンにつきましてはローンの本体について税額控除をするという制度を設けておりまして、これは実は非常に大きな減税になっておりまして、六、七千億円でございますか、全部の租税特別措置法の減税分の三分の一に及ぶ大きな金額と承知しております。 そういうことが現に行われて効果を発揮しておりますことの上で、さらに柿澤委員の言われますようなローンそのものを所得控除するということについて、税額控除でなく所得控除をするということについてどう考えるか。現行制度とこれをどのような関係においてとらえるか、あるいは、それであれば現行制度をもっと拡充した方がいいのであるかといったような議論は、政府の税制調査会におきましても、私どもの党の調査会におきましても、御承知のように非常にたくさんの方が関心を持って今議論をしておられます。 それと同時に、今の生前贈与、五分五乗の方式が十分であるかとか、あるいは流通税も随分減税しておりますけれどもまだ十分でないとかいうこと、一緒にしまして、今まさにこの問題が政策減税の一つの恐らく一番大きな問題として、政府税調におきましても、党税調におきましても、御論議の最中でございます。 私どもとしても何かをしなければならないのではないかということは、現行制度のさらに上に加えまして考えておりますけれども、もう少し議論の趨勢を見させていただきたい。もうしばらく御猶予をお願いいたしたいと思います。
○柿澤委員 ちなみに、今申しました登録免許税というのは、起源をたどってみましたら日清戦争の戦費調達のために創設された制度でございまして、これも数千億台の財源があるのですけれども、どうもやはり時代の趨勢に合わないのではないかというふうに思っておりますので、その点もつけ加えさせていただきます。 小渕総理はかねてから生活空間倍増をということを主張されまして、大変時宜を得た御提案であったかと思いますし、また総裁選挙のときには、住宅ローンの利子所得控除の問題も含めて公約をされているということだったと思いますが、ぜひこの際、日本人は、衣食足りて礼節を知るという言葉がありますけれども、やはり衣食住足りて礼節を知る、住が非常に大事だと思っておりますので、その点についての小渕総理の御決意を伺えれば幸いでございます。
○小渕内閣総理大臣 自民党の都市問題対策協議会長として常々御提言をいただいておりますこと、感謝いたします。 都市政策というもの、私自身記憶しておるのは、かつて田中角栄先生が自民党の都市政策調査会長をされまして、膨大な都市政策大綱を発表されたことを思い起こしておりますけれども、一九六〇年から七〇年にかけての都市政策と今日の都市政策というものにはかなり差異があるのではないか。例えば大都市につきましても、かつては流入する多くの人口を都市で支えなきゃならぬ、今は逆にUターン、Jターン、そういう時代を迎えております。 それだけに、その中で都市に生活される方々の環境をよりよくしていくということは大きなテーマであると考えておりまして、そういった意味で、今お話しのように、衣食住ということがございますが、衣食足りておるかどうかについてのいろいろ議論はありますけれども、世界的なレベルからいって一番劣っているのは住ではないか。もちろん戸数においてはすべての方々が住まいを持つという環境にありますけれども、その住宅の規模、面積、内容を考えますと、やはり一流国と比べるとまだまだ劣っているのではないか。そこで、生活空間倍増戦略プランなるものをこれからお示しをして、それに対する対応を考えていかなければならぬと思っております。 そういう意味で、住宅については、もちろん現下の景気対策に対して取り組まなければならない大きなテーマであるという意味での対策も必要でありますが、と同時に、やはり人生生きていく上に一番重要な住宅を、今後の世紀に向けて、日本人として快適な生活ができるような住宅をつくっていく、そのために何をなすべきかという点で、今御指摘のような住宅に対する各種の減税の問題、対策の問題等は喫緊の課題だという認識をいたしております。 そこで、総裁選挙のことを申されましたが、重要な課題だということは十分承知をいたしておりますし、今大蔵大臣からも御答弁されましたが、具体的な減税の問題については、現下、政府でも党でも非常に熱心にお取り組みいただいております。 昨日も、たしか政治討論会、各党出席された各議員のお話を聞いておりましても、かなりこの点については一致しての御要望も強いようでありますし、自民党でも津島小委員長を中心に検討していただいておるようでございますから、そうした、冒頭申し上げたような概念をもちまして、それが実現するためにできる限りの措置を講じていくべきだという認識に立って、せっかくの党内における御論議をお待ちしたい、こう考えております。
○柿澤委員 ありがとうございました。 そして、第二次提言といたしましては、十月に、少子化の問題も含めて女性対策、そして高齢者対策、また中小企業対策というものを三本の柱に提言をさせていただきました。補正予算の、第三次補正の問題もありましたので、この点の提言をさせていただいたわけでございますが、やはり都市問題といいますと、いろいろ幅広い問題があります。 一つは、働く女性に対して子育ての機会をもっと容易にしてさしあげる。これは少子化対策にとっても大変大事な課題ではないかと思っております。その意味で、都市に住む働く女性に対する子育てのための対策としては、保育施設の整備が一つあると思います。駅前保育所の整備、それから、例えば学校の空き教室等を活用した保育所の新設、また現在の保育サービスの多様化という問題もあろうかと思います。例えば、ゼロ歳児から三歳児までの子供たちの保育、また遅くまで働いていらっしゃるお母さんに対する保育時間の延長、幼稚園における保育サービスの提供、そうしたさまざまな課題があります。 何としてもこれからの日本を活力ある国にしていくためには、やはり今の出生率を上げていく、そのためには子育てに伴うお母さんたちの苦労をできるだけ軽減してあげるということが大事であろうかと思いますが、こうした問題について、厚生大臣のお考えを伺えれば幸いです。
○宮下国務大臣 お答え申し上げます。 これからの社会、少子・高齢化と一言で言われますが、少子化対策が非常に大きな課題でございます。これは都市、農村を問わず重要な課題でありますが、特に都市におきましては、委員の御指摘のような観点がより強く求められるのじゃないかと思っております。 少子化の進行に伴って、また夫婦共稼ぎ家庭が一般化してくる、女性の労働の問題もあります、それから家庭、地域の子育て機能が低下してきているというように、児童とか家庭を取り巻く環境が大きく変化しておりますので、子育てをしやすい環境の整備が極めて重要な課題であるというように認識をいたしております。 こうしたことのために、エンゼルプラン、御案内のように緊急保育対策五カ年計画というようなものをつくりまして、ゼロ歳、一歳児、二歳児くらいまでの受け入れ枠の拡大、保育の延長等をやり、保育所の多様化にも努めておるというのが現実でございます。 また、昨年児童福祉法を改正いたしまして、利用者が希望する保育所を選択できるような仕組みにもいたしました。 こうした子育て支援をやっておりまして、今回の補正予算におきましても、低年齢児の受け入れ拡大のための増築、改築等、拡張整備の経費を計上してございます。面積を加算するというような特例も設けさせていただきました。 また、学校の空き教室の活用等もございまして、これは昨年の秋、保育所への転換の際の手続の簡素化等を行うようにいたしております。文部大臣の方の所管事項でございますが、実際は、簡素化して、従来承認を要しましたが文部大臣への報告にとどめられることができる、あるいは補助金の返還もしないで、他用途に転用、保育所に転用できるというような措置等も講じております。 都市政策の一環としての御提言でもありますが、私どもとしては、少子化問題は非常に喫緊な、大きな課題であると思いますので、関係省庁とも連絡をとりながら、利用者の視点に立った保育サービスの充実に一層努力してまいりたいと思っております。
○柿澤委員 どうもありがとうございました。 ぜひとも保育サービスの提供についてさまざまな御工夫をいただければ幸いだと思います。 また、高齢者対策でございますが、高齢者率というのは確かに農村社会の方が高いと思います。そういう意味で、そちらの方の高齢者介護施設等の整備は進んでおりますが、都市では急速に高齢者の数がふえてきておりまして、絶対数としては大都市中心部の高齢者の数というのが非常に多いというのが実情でございます。 しかしながら、地価が高い、その他の事由によりまして、大都市部における高齢者の介護施設の整備は遅々として進んでいないというのが実情でございます。自分たちが生まれ、育ち、そして働いてきた地域社会の中で老後を迎えられるかどうかということを心配しているお年寄りの方々がたくさんいらっしゃるということが、都市問題として大きな課題でございます。そういう点で、ぜひとも都市部における介護施設の整備の促進のためにさまざまな御工夫をいただきたい。 例えば、補助制度の要件の緩和等も必要ではないだろうか。地方であれば、五十人の定員というところを今三十人にしていただいておりますが、三十人でもなかなか、大きな土地の区画が整備できない、また、さまざまな施設をつけていくということになりますと用地の取得ができないというようなことがございます。そういう点について、ぜひとも都市部における介護施設の整備を促進するためにさまざまな条件の緩和をしていただければありがたいと思っております。 また、もう一つは、お年寄りの方々また障害を持った方々がこれから大都市の中でも活動できるような公共施設の整備が大事であろうかと思います。この点では、現在、主要駅のターミナル等のバリアフリー化、エスカレーター、エレベーターの設置等進んでおりますけれども、まだまだ全体としては一割にも満たないという状態でございまして、私も両親を持っておりますが、地下鉄へ乗るときは、よっこらしょと大変な苦労をして階段を上がり下がりしなければならないということを聞いておりますので、ぜひともその点は、運輸省におかれまして、主要ターミナルのバリアフリー化を進めていただきたいというふうに思います。 今の高齢者介護施設の都市部における整備のための条件緩和、また交通施設のバリアフリー化についての問題、厚生大臣、運輸大臣から御答弁をいただければありがたいと思います。
○宮下国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘のように、都市部では、老人ホームとかそういうものをつくろうとしても、用地の取得が高価格のために困難であるというような事情は確かにございますので、これらを克服していかなければなりません。そのためには、都市部について特別な補助基準等も設けさせていただいておりまして、今委員が御指摘のように、都市部における特別養護老人ホームの最低定員は通常五十人以上でございますが、これを三十人に引き下げるとの特例措置を講じておりますが、なお、必要に応じてこれは多少弾力的に私は考えてもいいんじゃないかなと思います。 もう一つは、国庫補助基準の割り増し等、都市部の場合は一〇%加算をしておりますし、また三階以上の高層化というようなこともございますから、そうした場合は、基準面積を加算する等の措置も講じさせていただいております。 さらに、やはり都市における高齢者の老人クラブ活動の支援とか、それから企業を退職されてからそういった社会に入られるシニアボランティア育成講座等を開催する等、高齢者が都市で快適な生活を送って定着できるような施策も講じていかなければならぬ、こう思っております。
○川崎国務大臣 柿澤委員の御質問でございます駅のバリアフリー化の取り組み状況でございますけれども、対象は五メーター以上の段差がある、それから五千人以上の乗降客がある。この数で考えてまいりますと、一千九百四十五が対象になります。御指摘のとおり、エレベーターで二八・七%、エスカレーターで五四・三%という設置率に今なっております。 なるべく高齢者、障害者に優しい駅づくりを指導いたしておりますけれども、一方で、必ずしも収益性に結びつく話ではございません。そういった意味で、私ども、補助金を出して、二〇一〇年までにはすべての駅につけようと決断をいたしたところでございます。 今回御審議いただいている補正予算で五十億円を計上させていただいております。どうぞ御支援のほどをお願い申し上げます。
○柿澤委員 ぜひともバリアフリー化を進めていただいて、お年寄りが都市生活の中で活動できるような施設ができるように、心から期待をいたしております。 それから中小企業対策でございますが、この点についても、先ほど貸し渋り対策等臼井委員からお話がありましたので触れませんけれども、中小企業の皆さんにとってこれからの大きな課題は事業承継税制の拡充の問題でございます。 事業を子供たちに譲ろうと思っても、相続税で工場やまた商店を売らなければならない、そして立ち退かなければならないというようなケースも多々出てきておりまして、この点が大きなネックになっております。また、株式会社化した中小企業についても、その株の評価等が非常に高いということで、結局は株を手放す、土地を手放すということになってくるわけでございますので、そうした点についてぜひとも対策を講じていく必要があるのではないかと思います。 また、これは小渕総理が視察のときにお話しになった工場等制限法、これについても、大都市における工場が密集していたころと変わりました。そういう点でも、制限法の廃止、緩和等も考えていいのではないかと思いますが、この点について通産大臣、国土庁長官から御答弁をいただき、あといろいろ質問があったのですが、時間の制約もありますので、よろしくお願いいたします。
○中山委員長 短くお願いをいたします。
○与謝野国務大臣 承継税制については、政府・自由民主党、長年の議論でございますから、ことしも真剣に議論してまいりたいと思っております。
○井上国務大臣 工場等制限法の問題につきましては、総理からの具体的指示もいただきました。しっかり検討して対処したいと思います。
○柿澤委員 では、これで終わります。
○中山委員長 この際、虎島和夫君から関連して質疑の申し出があります。臼井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。虎島和夫君。
○虎島委員 ただいま御指名をちょうだいいたしました自民党の虎島和夫でございます。 まず最初に、現下、周囲を見渡してみますと、国内的にも大変に困難な状況下にございます。そしてまた、複雑な国際情勢の中でも真摯な努力を続けられておる総理を先頭に日夜御精励の閣僚の皆さんに心から敬意を表しながら、国政各般にわたり質問を申し上げます。 まず第一は、生活空間倍増プランについてでございます。総理と関係大臣に御質問申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。 第一に、プランの基本とするところは活力とゆとり、潤いを実感できる空間を多方面にわたって拡大し、緊急性の中にも中長期的な国民生活を展望しながら、着実に実現されるべき課題として、我々も、国民もまた高く評価している計画でございます。 この際でありますから、総理の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 先ほども柿澤委員にもお答えを申し上げましたが、衣食住と考えますと、生活の基盤である住宅につきましては、諸外国に比べまして、まことにまだまだ到達しない点があります。そういったことを考えまして、必ずしも住宅のみではございませんが、向こう五カ年間を視野に置きまして、生活空間の倍増に向けたこれからの投資を積極的に推進することを目指しまして、明年一月を目途に、その具体的内容を策定いたしてまいりたいと考えております。 そのプランを取りまとめるに当たりましては、一つは都市住空間、高齢者に優しい空間、そして安全で環境に優しい空間、交通・交流空間の拡大など、民間投資の誘発や投資の拡大といった経済効果の高い施策を特に配慮して取りまとめたいと考えております。こうした空間を大きくすることによりまして、要は人間としての生活が豊かなものになるように最善の努力を続けていきたいと思っております。 委員の御指摘も踏まえまして、十分検討してまいりたい、このように考えております。
○虎島委員 国土庁長官にお伺いいたしますけれども、地域戦略プランというのが今地方の方に樹立すべくおろされておるわけでございます。これに対します地域地方、特に地方自治体の受けとめ方等々について承りたい。 もう一つは、新全総の趣旨を踏まえるということに相なっておりますけれども、新全総によると、全国を九地区とし、これに沖縄地区、離島等の地区が特性ある地区として開発されるべきものに列挙されておるわけであります。したがって、これらの十一地区に対する配慮は、この中においても当然に尊重されるべきであると思いますけれども、この点。 次に、事業はハード面に偏ることなく、ソフト施策の実施に配慮することとなっております。私は、当然至極の指摘であると思っておりますが、このことは、ややもすると在来型公共事業の排除に直結するおそれがあるわけであります。もちろん、在来型公共事業というのは別に概念がはっきりしておるわけでもありませんし、あるいは二十一世紀型公共事業というのが概念が確定しておるわけでもありませんけれども、ややともすれば、従来型の公共事業に対する縮減という方向に向かう空気がある。こういうことでありますから、これらについては十分な配慮が必要である。つまり、ソフト、ハード、バランスのとれた計画というのが必要であるというふうに考えますけれども、長官の御所見を承っておきたいと思います。
○井上国務大臣 地域戦略プランについての御質問をいただきました。 御承知のとおり、地域戦略プランは、複数の市町村等が、広域的な連携のもとに、関連施策間の連携を図られた総合的なプランを主体的につくるというのがまず第一であります。言葉をかえて言えば、地域をどう決めるか、その地域みんなで地域自体のプランとして計画を立てていただくというのが考え方の中心であります。 これに対しまして、国といたしましても、国土庁を窓口といたしまして、関係省庁が一体となった推進体制のもとで、都道府県等の協力も得ながら最大限の支援を行っていくというぐあいに考えております。 具体的には、各省所管の国庫補助事業等として重点的な予算配分を行いますとともに、事業の円滑な推進を図るための予算措置を講ずるなど、政府が一体となって積極的な推進を図ってまいりたいと考えております。 この際、虎島委員お話ありました地域をどういうぐあいにとらえていくかという場合は、今お話のありましたようなとらえ方を今のところ考えているわけではありませんが、全国を四百ぐらいの地区として考えております。一カ所百億ぐらいの事業規模というぐあいに考えておりまして、五カ年間の事業として実施をするという大づかみのもくろみであります。 したがって、この一月には、それらのどういう地域を一体の地域とするか、そこでどういうテーマを取り上げていくか等々の基本的なまとめ方は一月に決めてほしい、さらに、三月末までにその構想の中身をまとめて提示してほしい、それに基づいて、一等最初、五年間でありますから、一年目は百地区ぐらいを考えていくかなということになろうと思いますが、あくまでも、これは地域の皆さん方が一体的に御検討いただいて、それでもって進めていく。 今まで、どちらかといえば、いろいろな事業というのは一番住民と直接の関係にあります市町村単位でありましたが、その弊害は、どちらかといえば、同じような施設をAの町にもつくる、隣にもつくるというふうなことで、需要度というのが必ずしも高くありません。そういうことなどを考えますと、できるだけむだを排除しながら、連檐する一定の地域をとらえてこれから先の施策を考えていくということが大事ではないのかな。 お話にありましたような、こういう事業の中で、今までどちらかといえば何かといえばハード中心でありました。これは、ソフト面というものをしっかり取り上げていかないと、これから先の二十一世紀を目指す地域形成というのはできないと考えておりますので、ハード、ソフト、それぞれに連携のとれた、しかも、つり合いのとれた事業展開をしていきたいな、そういう考え方に基づいて、この事業の地域戦略プランを所管するいわば総合窓口としての国土庁の仕事をやっていきたいと考えておりますので、御指導をちょうだいしたいと思います。
○虎島委員 政府の対応策については私もかなり承知いたしておるつもりでありますけれども、ただ、流れとして、ソフトなんだ、ハードというのはむだな投資が多いんだというようなことがいろいろ言われてきておる経緯もありますので、そういう中では、やはり、地方には地方の特性があれば、ハード面も必要なんだという取り上げ方はぜひお願いしたいと思うわけです。 特に地方の声を私が聞きましたのは、非常に総理が打ち込んでいい傾向をつくられたけれども、やはり地方は地方としての財源の問題もある、これらについても十分な対応が欲しいということでありますから、私は、地方の人方には、総理の大英断だから、地方負担については心配しますなということを申し上げておりますので、そのようなことでぜひ御理解し推進をしていただきたいと思うわけであります。 この際でありますから、企画庁長官にもお伺いしたいんですけれども、御答弁を簡明にお願いしたいんですが、実は、総務庁発表、一九九五年の産業連関表というのが出ました。これに対する新聞報道に、土木工事の波及効果が低下をしたというふうに見出しがなっておるわけです。中を読んでみますと、そうじゃないんですね。中を読んでみますと、新聞の分析も、一兆円の土木工事を実施した場合の産業誘発効果というのは前回調査より三%低下した、確かに低下しておるわけです。ところが個人消費の方は、これも一兆円に換算して計算していくと三・九%波及効果は低下しておる、こうなっておるわけであります。したがって、公共工事の経済波及効果は低下しつつある、そのことは否定しませんけれども、かといって、じゃ消費がふえれば波及効果が飛躍的にふえるかというと、必ずしも総務庁の統計はそうなっていない。 このことについては、公共事業対応と含めて堺屋長官は、過去からの配当、補助金という説をかねて立てておられますので、その点から含めまして、どうぞ、どういう公共事業に対する御見解か、簡明に御答弁をお願い申し上げます。
○堺屋国務大臣 公共事業に限らず、政府の施策の波及効果が経済の進展に従って低下していることは、二、三例外がありますが、全般的な事実でございます。 その中で、公共事業でございますけれども、しばしばマスコミ、ジャーナリストでは、東京等の大都市で税金を上げて地方に配分しているということが強調され過ぎている嫌いはございます。東京は先につくりましたから非常に安価なときにつくられている。それに比べて、地方はこれからつくりますから非常に高価だ。コストが違うものを比較いたしますと、地方の方は非常に効率が悪いというようなことがあります。また、国有地等がただで計算されておりますから、実は大変高い土地に建てているものでも効率が計算されている。そういう意味では大都市は有利で地方は非常にむだ遣いだというのが、特に東京を発信基地とするマスコミで強調されている嫌いはあります。 けれども、地方でやっているものでも東京でやっているものでも、どちらにもむだなもののあることもまた事実だと思いますから、こういう点はハード、ソフトあわせて効率化していく必要はあると考えますけれども、一概に地方はむだだと言うのはやはり言い過ぎではないかと考えております。
○虎島委員 時間がありませんので次の課題に移らせていただきますが、第二番目は沖縄振興策についてでございます。 十日には稲嶺恵一さんがいよいよ沖縄県知事に就任されると承っております。戦後長年にわたって苦しみ、生き抜いてきた県民の厳粛な選択の結果であるというふうに承知いたしております。 県民支持の基本には、いろいろありましょうけれども、私は、知事選挙に臨んでの稲嶺さんの基本政策の存在があるということを確信いたしております。すなわち、この基本政策の中には、産業の振興、経済の自立発展等もあります。あるいはまた、米軍基地問題を整理縮小を基本に現実的に対応するということもあります。そして創造的な解決を図りたいという提言もあるわけであります。あるいは、亜熱帯性の特性を生かして頑張っていきたい、教育、文化、スポーツの振興と青少年の健全育成を図りたい、あるいは国際交流拠点、平和な沖縄を建設するということ等がうたわれておるわけでありますが、私は、稲嶺さんの掲げる政策というのは、現実に立脚した、しかも沖縄の将来を見据えた誠実なものであるという認識をいたしておるわけであります。 その実現に、政府はできる限りの支援を惜しんではならないという考えを持っておりますけれども、総理、官房長官、沖縄開発庁長官、それぞれ御所信を承りたいと存じます。
○小渕内閣総理大臣 さきの沖縄県知事選挙で、政府と十分連携をしながら経済対策の重要性を訴えてこられました稲嶺氏が当選されたこと、その結果を重く受けとめております。 沖縄県の振興策につきましては、同県が直面する深刻な経済、失業の状況を踏まえまして、沖縄政策協議会を今月十一日にも開催するなどして、効果的な振興策を速やかに、かつ勇断を持って実施いたしてまいりたいと思っております。 特に、沖縄の現状の中で失業の問題が非常に指摘をされておりまして、先般も稲嶺新知事がごあいさつに参られましたときに、沖縄県の失業率は本年八月で九・二%、過去最悪になっている、これは本土に比較しても約二倍だということでありますし、なお、沖縄は、結いという社会での助け合いが行われることによって、実は潜在的失業もこの中にかなり含まれておるんだ、加えますとかなり数字にあらわれている以外の失業もあるということであります。 私は、そういった観点に立ちまして、新知事が、先ほど虎島委員御指摘のような諸政策を勇断を持って実現をしようという決意のもとに知事に就任されておることにかんがみまして、政府といたしましても全幅の信頼を寄せ、かつ力強く応援をして、沖縄県の発展のために意を尽くしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○野中国務大臣 沖縄問題を担当する官房長官といたしましてその所信を求められたわけでございますけれども、先般の知事選挙におきまして沖縄県民が示されました結果は、稲嶺候補及び大田候補を支持されました六十数万の県民が、長い間沖縄県民がたどってきた苦しみと大きな犠牲を伴った歴史について、あるいは我が国の米軍基地の七五%を今なお背負わされておるその苦痛は、共通したものだと私はとらまえております。 ただ、その中において、先ほど小渕総理からもお話がございましたように、現実的な問題として深刻な失業問題、経済問題を政府とともに連携しながらやっていこうとする沖縄県民の願いが、大田県政を批判し、かつ稲嶺県政への期待に結びついたんだと思うわけでございます。 それだけに、私どもは、深刻な沖縄の不況、さらには深刻な沖縄の失業問題を四十七都道府県の一つととらまえるのじゃなく、沖縄の長い今日までの痛みと苦しみを自分たちのものとして受けとめて、真剣に取り組んでまいりたいと考えておる次第であります。
○井上国務大臣 沖縄の振興開発を主たる任務といたしております沖縄開発庁長官といたしましては、この前の選挙におきまして当選をされました稲嶺新知事は、御承知のとおり、最も今沖縄にとって大事なのは経済問題である、さらに雇用の問題である、そういう立場から、基地の問題も決して忘れてはいないけれども、まずは沖縄の経済をどういうぐあいにして伸展させ、自立させるか、そのことに全力を傾けて努力をしたい、そのことが選挙戦の場合に大きく受けたのではないかなと思います。 私は、そういう立場から見ますと、私ども開発庁としては、今まで第三次の振興開発計画の中でも考えられるいろいろな手だてというのは構想の中に盛り込んだつもりでありますが、経済界にあって多くの体験を積んでこられた稲嶺さんでありますから、沖縄県の立場から見れば、もっとまだこういうことに力を入れていきたいという提言が幾つかあるのではないかと思います。 私どもも、開発庁の物の考え方もしっかり出しながら、相互に徹底して意見の交換をしながら、有効な手だてをさらに追加する必要があるならば、来年度予算に向けても、できるものならば追加措置も考えつつやっていく必要があるのではないか。せっかくの勢いづいた沖縄のこれから先について、それなりの成果が上がるように全力を挙げて開発庁としても努力をしてまいりたい、このように考えております。
○虎島委員 次に、高度情報社会の創造について官房長官にお伺いをいたします。 高度情報通信社会推進本部長は総理であります。このことにかける内閣の熱意はつゆ疑うものではありませんが、革命的ともいえる今日の国際情報通信社会の進展というのは、推進本部の基本方針のさらなる変化も迫っておるというふうに私は思うわけでございます。 それは、方針は民間主導でやるというふうになっております。民間主導で、言うなれば官が追随するということでありましょうが、そういうことでなくて、国際情勢を見て各国の進展状況を見ると、官民が一体となって、両輪となって進めていかなければ、私は、高度情報社会というのは日本では立ちおくれていってしまう、将来に禍根を残すという思いを深くいたしておるわけであります。 例えば、教育現場におけるインターネットの推進計画が米欧に比べた場合は大変に貧弱であります。そしてまた、指導教師の絶対数の不足など、基礎的に準備すべきものも足りておらないのであります。あるいはまた、省庁間や中央と地方機関との情報の交流、地方におけるワンストップサービスのためのインターネットの普及など、あるいはまたインターネットの新技術の国際標準化の推進などを考えますと、民主導で官が後を追うということでは、とてもじゃない、これは実現できるような高度情報通信社会にはならないと思っておるわけであります。 したがって、対応が各省庁にまたがりますので、この際でありますから一括して官房長官、担当長官の方からひとつ御見解を承っておきたいと思います。
○野中国務大臣 お答えをいたします。 ただいま委員が御指摘になりました、去る十一月の九日に高度情報通信社会の推進のための基本方針を定めたところでございますけれども、今回の改定の主眼にいたしましたのは、委員が御指摘のように、官民一体となってやっていかなくてはならない。それについての官民の役割分担というものを明確化したわけでございます。すなわち、今日の情報通信分野におきます急速な御承知のような技術革新の流れの中におきましては、何といっても民間主体の自由競争が活発でなければ高度情報通信社会を築き上げていくことはできない。 したがって、そのための、政府としては不必要な規制を緩和していく、あるいは基礎的、先端的な研究開発の推進、または基盤整備における公的な支援等を行って、民間の活力が適切に引き出せるようにやっていかなくてはならないということを、民の主導ということに位置づけておるわけでございます。 同時に、民間の努力や競争のみでは、委員が御指摘になりましたように実現しがたい分野が多数あるわけでございまして、先ほどの規制の緩和あるいは基礎的、先端的な研究開発の推進ももちろんでございますけれども、特に具体的には、個人の情報活用の能力の向上の問題、あるいは情報化の地域間格差の問題、委員が御指摘になったとおりでございます。ネットワークを利用した犯罪防止の問題等々、いわゆる政府の努力をしなければならない問題、また政府みずからが、先ほど御指摘ございましたように、行政事務の効率化とか、あるいはサービスの向上のために政府自身がやっていかなくてはならない情報化の推進、こういうものを積極的にやるべく位置づけたわけでございまして、それぞれ官民一体となってやっていかなくてはならないことは委員御指摘のとおりでございます。
○虎島委員 次に、農林水産関係について、農水、外務、運輸、各大臣に所見を承りたいと存じます。 まず、日韓漁業協定が妥結をしたわけでございます。総理の決断を初め、関係者の御努力に感謝を申し上げたいと存じます。 そしてまた、農林関係では新農業基本法が今論議をされておるわけであります。私どももこの作業には携わっておるわけでありますけれども、食糧の安定的な供給を強化するものでなければならないという思いをいたしておるわけでございますが、常態での需給の処置は大体わかります。普通の状態での食糧の需給の状態は大体わかります。 ただ、ここで一点農水大臣にお伺いしたいことは、不測の事態が発生した場合、需給不均衡が国内において発生した場合の対応、このことについて御所見を承っておきたいと思うわけでございます。 次は、日韓漁業協定でございます。 先ほどお話し申しましたように、関係者大変な御努力でございましたし、決断もあったわけでございますが、最終的には、あるいは基本的には、我が国総理と韓国大統領との絶対の信頼を基本にこれは成立したということを両国関係者は、当事者は銘記すべきであるというふうに私は思っております。これにもとることはいささかでもあってはならない。 ところが、過去の協定時代を振り返ってみますと、西日本海域あるいは一部日本海海域におきましても、不法操業、協定違反という事犯は後を絶たなかったのであります。このことが今でも我が国の関係漁民の間に深いわだかまりとなって残っておることは、これは事実であります。 したがって、私がここで申し上げたいことは、海上保安庁あるいは水産庁、そういうものの指導、取り締まりというものもきちっとしながら、両国共同委員会の実効性が不可欠であり、協定に違反したものについては、やはり国際協定として、漁場秩序の保持という一点を明確に堅持しながら対応する必要がある。このことについての関係外務、運輸大臣の御所見も承っておきたいわけでございます。 長期的には資源管理の方向が出ることは当然であります。資源管理型漁業の推進でありますから、限られた漁業資源というのがこのことによって確保されていく、継続されて漁獲としてあらわれてくるというふうに私も承知いたしておるわけでありますし期待しておるわけでありますが、中短期的にはやはりマイナス影響を受ける漁業家の方々、漁民の方々もいらっしゃるわけであります。それらに対しては、やはり相当の漁業者対策というものを考える必要がある、このことについては万全を期すべきであるというふうに考える次第でありますから、御所見を承っておきたいと思います。 なお、我が国は海洋国家であります。四面海がめぐらされております。先般は、国会の決議として海洋関係、海の日を国民の祝日に指定をいたしました。こういう国柄でありますので、私どもは、法的にも、国民意識の上からも、海洋国家という認識をさらに深める必要がある。 そういう意味では、今、水産関係に関連します事項として漁業基本法の制定は早急に成立を図らるべきである、このように考えますけれども、あわせて、それぞれ担当大臣、主管大臣の御答弁をお願いする次第であります。
○中川国務大臣 私に対しまして、虎島先生から四点の御質問がございました。 まず、不測の事態に対応することについての御質問でございますが、今回新しい基本法の御議論をいただいておるところでございますが、もちろん食糧は、平時における安定供給について万全を期すということももちろんでございますが、不測の事態に対して対応し得る食糧安全保障の確保が必要だという御指摘はそのとおりでございます。 不測の事態とは、いろいろな場合が考えられるわけでありますが、短期、長期、いろいろな状態、自然災害、あるいはまた輸出国の政治的な意図による輸出制限、あるいはまた今後予想されます人口と食糧供給とのアンバランス、さらには戦争等の悲惨な事態等、予想されるわけでありますが、今回の基本法の議論の中でも、不測の事態に備えた万全の対策をとるべく、今、提示をし、御議論をいただいておるところでございます。 具体的にいろいろ考えておりますけれども、例えば、まず備蓄という食糧の基本的な体制をとっておるところでございますが、さらに加えまして、価格監視でありますとか、あるいはまた緊急の生産転換、多収品種や熱供給効率のいいものへの転換、あるいはまた農地等への転換、技術開発、いろいろ考えております。 いずれにいたしましても、不測の事態、あらゆる事態に対応すべく、今、いろいろなシミュレーションを考え、ぎりぎりの対応をとっていけば、国民が必要とする最低限の熱供給量は確保できるものという前提で対応をとらせていただきたいと思っておるところでございます。 二点目は日韓関係、過去の経緯を踏まえて今後に対して万全の対策をとれという御指摘でございます。 今回の協定につきましては、漁業関係者の皆さんが大変な不安、不満をお持ちであることは、私自身重々承知をしております。その最大の原因は、今後、新たなルールのもとであっても、ルールがきちっと守られていくのか、資源管理がきちっとされるのかということが最大の心配であろうと思います。 今回、協定、そして現時点におきましても実務的な詰めをやっておる最中でございますが、そのような信頼関係が損なわれないという大前提は両国で一致をしているところでございますので、それが適切にルールとして遵守されるように万全のルールづくりをしていくべく現在も努力中でございます。 なお、万が一そういうことがあった場合には、漁業者の皆さんの被害というものに対して、国としても万全の対策をとるべく、今、三次補正におきましても御審議をお願いしている中で、運輸省、そして水産庁と、それぞれ取り締まりのための船舶等の整備について御審議をお願いしているところでございます。 それから、資源管理につきまして、中長期的にいろいろなマイナスが国内的にも出てくるのではないかという御指摘でございますが、きちっとした資源管理をやっていくということになりますと、漁業者の皆さん方にはそれを守っていただくということで、漁業経営に対してマイナス効果が起こるのではないかという御指摘でございますが、つくり育てる漁業、あるいはいろいろな技術開発、さらには今回の二百五十億円、二百六十九億円トータルで、水産庁としては今回の漁業対策を要求しておるところでございますが、その中でもいろいろな対策を講じておるところでございます。 例えば、新しい漁法あるいはまた県営の栽培センター等の施設整備等々の御審議をお願いしているところでございまして、安定的に日本の大事なたんぱく資源でございます漁業資源を確保し、そして関係者の皆様方が安定的な経営ができますように、中長期的な観点からも対策をとっていくべく今万全の努力をしておる最中でございます。 最後に、漁業についても新しい基本法の制定が必要ではないかということでございます。 現在は、御承知のように沿岸漁業等振興法というものが基本法的な役割を占めておりますけれども、これからの漁業のあり方、特に排他的経済水域の設定あるいは漁獲可能量の制度等新しい段階、さらには水産業が資源状態の悪化、担い手の減少、高齢化等の厳しい状況に対応するために、昨年九月から水産基本政策検討会というところで、新たな基本法の制定も念頭に置きながら、来年夏を目指して答申に向かっているところでございます。 以上でございます。
○中山委員長 外務大臣高村正彦君。御答弁を簡潔にお願いいたしたいと思います。
○高村国務大臣 御指摘のように、今まで旗国主義、韓国の漁船は韓国が取り締まるということでやってきたわけでありますが、これからは沿岸国主義、日本の沿岸は日本が取り締まるということで資源管理をきっちりやっていこう、こういうことでございます。 ただ問題は、どっちの沿岸であるかということがきっちりわからない暫定水域というところがどうしてもできてしまいますので、その暫定水域の中では、日韓漁業共同委員会というものをつくって、そこの協議のもとに資源管理をやっていこうということで、その運用をきっちりやって、そして日韓両国民が未来永劫おいしい魚を食べられるようにしてまいりたい、こういうふうに思います。
○虎島委員 勝手がましいですけれども、次に移らせていただきますので、時間がありましたらまたお願いします。 次は、防衛問題であります。 防衛庁長官にお尋ねをいたしますけれども、最初に、ホンジュラス医療・防疫活動を立派に終了されました援助隊の皆さん、その御家族、この自衛隊の活動を支援された国民の皆さんに心から感謝を申し上げたいと存じます。 ところで、報道によりますと、八月から九月の時期に、空幕の幹部自衛官が航空機の機種選定などに関連する大量の資料を中央指揮所などの施設に隠していたということであります。その事実関係。さらに、同時期、陸海の幕僚監部においてもこのようなことが行われておると報道されておりますけれども、この事実関係。 それから、一括して申し上げますけれども、防衛庁長官は先頭に立ってこれらの事案についての迅速、厳正な処理を行う、このことによって国民の信頼を回復し、自衛隊員、全国津々浦々で頑張っておるわけでありますから、この人方が誇りを持って任務遂行ができる、そういう環境を速やかに確立すべきであるというふうに考えるわけであります。 こういう状況の上に立ちながら、今日の我が国をめぐる情勢というのは極めて厳しく、ある意味では緊迫したものもあるわけでございます。北朝鮮弾道ミサイル情報のごとく、我が国に脅威を与えつつある事柄をみずから的確に把握し得る、そういう情報衛星の導入等、あるいは解析、あるいはまたガイドライン関連法の早期成立など、防衛庁が果たすべき役割、また国民の期待しておることも極めて大きいわけでございますので、このようなことを、前段を処理しながら、防衛庁長官を先頭に、庁内一致結束して特段の奮起を切望するものであります。期待を申し上げるものであります。 防衛庁長官の御所見を、この際、承っておきたいと存じます。
○野呂田国務大臣 空幕等が中央指揮所に書類を隠したというのは事実かという御質問でございますが、先般、十一月の十九日に公表した最終報告書は、まさに前長官の額賀さんが心血を注いで作成した最終報告書であります。防衛庁改革の基本方向がきちっと示されているものであります。 しかしながら、この報告書は、調本元幹部の背任事件に係る資料隠しの有無を明確にするため、検察当局の強制捜査の主な対象となった調本及び内局を調査対象としていたために、陸海空幕における事実関係の調査は行っていなかったのであります。十二月の四日に一部報道が、今先生が指摘されたとおりの報道がありましたので、私は、統幕議長、陸海空各幕僚長に命じ、直ちに事実関係の調査を行いました。 これまでの調査では、各幕僚監部において、九月三日の強制捜査の前後に執務室以外に資料を移転した事実が判明しております。その主なものは、十一年度の概算要求資料、それから十年度の予算執行資料等の予算関連業務資料のコピーの保管、あるいは退職予定者の再就職についての援護業務関係の資料、それから会社の規模、防衛庁との契約額、OBの就職状況などを記載した企業概要といった調達関係の資料であります。これまでの調査では、報道されたようなU4とかT7などの機種選定に係る資料が移転等をされたという事実は確認されておりません。 今回、最終報告では調査の対象としなかった各幕で新たな資料移転事例が判明したことについては、私からも深くおわびを申し上げたいと思います。防衛庁では、今後、移転された資料の内容等の精査を行うとともに、この機会に技術本部や施設庁も含む防衛庁全体の調査をきちっと行ってまいりたいと思っております。 私の決意でございますが、防衛庁が我が国の平和と安全を守るという崇高な任務を全うするためには、国民に信頼される組織であるべきことは言うまでもありません。私も就任の際に、国家の危機管理をつかさどる役所が自分の役所の危機管理に不備であったという点についてはまことに残念である、こういうふうに申し上げて注意を喚起したところであります。国民の信頼を失わせたことに深い反省をするとともに、職員に対する倫理教育あるいは意識改革をやって、調達機構の改革や、あるいは調達制度の改革等に全力を傾注してまいりたいと思っております。 情報収集衛星の導入やガイドラインの関連法案につきましては、いずれも国の平和と安全を守るために最重要な法案であると思いますので、その成立または承認に全力投球してまいりたいと思います。
○虎島委員 時間が迫ってまいりましたので、要望だけ申し上げておきますが、行政改革、特に特殊法人の整理等に対する問題であります。 これは申すまでもありませんが、過去三回、閣議決定をいたしまして、徹底してやるという意思は、政府の意向は固まっておるわけであります。これが集中的に、実は来年度、十一年度に特殊法人の整理合理化の期限が来るわけであります。総務庁長官の特段の勇断ある行動を期待するし、また、他に私も委員会に参りまして、このことについては、他日、総務庁長官のまたしっかりした御答弁を期待したいと思いますので、この際、時間が参りましたから、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて臼井君、柿澤君、虎島君の質疑は終わりました。 次に、前田武志君。
○前田(武)委員 前田武志でございます。民主党を代表して、総理初め関係閣僚に質疑をさせていただきます。 まず初めに、いわゆる自自連立、自民党と自由党が連立を組むということで、今いろいろニュースをにぎわせているところでございます。 十一月十九日に、小渕恵三総理大臣と小沢一郎自由党党首とでこの合意が成ったというふうに承知をしております。これは非常に大きく内閣のあり方を変えるわけでございますから、しかも、選挙によって国民の意思を受けて内閣の形を変えるという憲政の常道に沿うものではございません。それだけに、国民の納得を得られるような説明をする責任というものが、総理初め自民党にも、また自由党にもあろうかと思います。 特に、つい最近まで、自民党政治のあり方について一番鋭く、大きく切り込んで、そのあり方を否定して、新しい政治をつくろうということでやってこられた勢力と一緒になるわけであります。後藤田元副総理大臣が述べてもおられるように、こういったことに関する説明責任というものが政治家にとっては一番重要なわけでありまして、本来ならば、選挙を経て国民の意思を確かめてやるべきことだろう、こういうふうに思うものでありますから、ぜひ総理に誠実な御答弁で御説明を願いたいと思います。 まず第一点、この自自連立というものがどういう合意であったのか、御説明を願います。
○小渕内閣総理大臣 このたび、自由党党首と私との間におきまして、相協力して現下の緊急の課題に対処し、国家と国民に対する責務を果たしていきたい、こういう考え方のもとにおきまして連立政権を樹立すべき合意がなされたわけでございまして、その合意は、すべてはこの合意書の前文に書かれておることに尽きるだろうと思います。 すなわち、今、日本は国家的危機の中にある。世界経済の先行き不安やアジア経済の混迷を背景に、我が国経済の停滞と不況の深刻化は戦後最大の経済危機に至った。政治への不信、行政の肥大化、北東アジアの安全保障の不安など、緊急に解決しなければならない課題が山積している。我が国は、急速な少子・高齢化、情報化、国際化などの進展する中で大きな変革期に直面し、国民の間に国や社会に対する不安感が生じている。これを払拭し、人々に自信と誇りと希望を与えることが政治の責任である。そのために大胆な構造改革も断行していかなければならない。かかる危機を乗り切り、国家の発展と国民生活の安定を図るため、自由民主党と自由党の両党は、政権をともにし、日本国と日本国民のために責任ある政治を行うことで合意をするということになったわけであります。 私は、こうした合意書に盛られておりますように、まさにこの危機的日本の状況にかんがみて、両党が力を合わせてこの難局を乗り越えるという意味でこの合意がなされ、それを実行いたさんといたしておることでございまして、ぜひ御理解をいただきたいと思っておる次第でございます。
○前田(武)委員 本会議においても、総理はそのような説明をされておられたように思います。 しかし、これだけの連立をやるわけですから、例えば、小沢党首は、一月前のあの臨時国会のあたりでもいろいろ発言をされております。「リーダーなき談合政治は日本を滅ぼす」というようなタイトルの週刊誌も見たことがあるのですが、「自民党がやっているのは結局は責任回避、今の自民党は政権与党の体をなしていないんだからもちろん下野した方がいい」、つい一月前にここまで言っておられたわけでありますから、これはやはり、国民から見ると、よほどの納得できる説明がなければ、今のような御説明だけでは、これは何でもありの政治だなということになってしまうわけですね。これが何度も繰り返されて、結局は日本の民主主義が危機に陥る、こういうことにもなりかねません。 したがって、もちろん政治のことでありますから、ここに至るまでにはいろいろなプロセスがあったことと思います。本来ならば、そのプロセスというものは、選挙を通じて国民に訴え、そして連立政権をつくるなら、お互いに各党が、連立する党が寄って、連立政権の基本政策をお互いに合意を見て、それこそ選挙を通じてその合意事項を国民に理解してもらうということが正当なる手続と思うのです。それが全くなき、いわゆる小沢さんが一番嫌った談合政治によってこの国の権力のあり方を変えてしまうということでありますから、そのプロセスについて、今ならもう少し詳しく御説明ができるだろうと思います。せっかくの機会でございますから、もう少し詳しく御説明を願います。
○小渕内閣総理大臣 政権を常に安定させるということは、究極、国家国民のためになると私は思っております。そういう意味で、相協力してこの難局を乗り切るために、政権の基盤をよりかたくするという形で御協力をいただく、また、その協力いただく政党との基本的政策その他についての合意をなしつつ、同じ目的に向かって進むということは、私はあり得ることだろうと思います。 そこで、選挙を通じてというお話でございまして、これは原則論そうだろうと私は思います。ただ、現実の世界の政治のそれぞれのところを見ましても、選挙のときに、では、連立をするからといって選挙されたという経緯が必ずしもすべてでない。我が国におきましても、細川政権におきましても、当時八党会派が集まりましたが、選挙前に全部これが連立を図るというようなことを主張されて選挙したとは私理解しておりません。 また、ドイツにおきまして先般連立政権ができましたが、これはあらかじめある程度は予想されたことでありますけれども、やはり政権をともにするという過程の中でいろいろの合意をされて行われたというわけでありますし、また、イタリアにおきましては、先般、閣外協力しておった共産党が、かつての共産党でありますが、協力をされなくなって、途中で今新しい政権に変化しているというようなことでございまして、例を言わせていただければ、それぞれの国においてそれぞれの実情においてそれぞれ対処するということは私は許されることであると思っておりまして、我々としては、ぜひ力を合わせてこの状況を乗り越えるために安定した政権をつくっていくということについて合意したということでありますので、ぜひ国民の皆さんにも御理解いただきたい、こう願っております。
○前田(武)委員 政党政治家小渕総理の該博な知識を勉強させていただいたわけでありますが、一点、我々がつくりました細川政権というのは、あれは選挙によって、各野党があの当時基本政策というものをちゃんと提示して、協議もしてやりました。そういう意味では、我々は誇りを持って戦後初めて連立政権を、非自民の連立政権をつくったという気概を持っておりました。むしろその後の自民党の政権のつくり方に、今総理が御指摘あったような、選挙を経ずして自社政権をつくったということがあったわけであります。 さて、そういったこの新しい政権の枠組みということでございますが、小沢一郎党首の提案であります「いま直ちに実行する政策」というものがございます。見せていただきました。この政策についてほぼ基本的な方向で一致した、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
○小渕内閣総理大臣 基本的に一致をしまして、合意をいたしたわけでございます。
○前田(武)委員 ところで、もちろん公党の党首同士ということでありますが、この合意文書を見ておりますと、小渕総理、内閣総理大臣ということになっておるわけでございますから、内閣の長としての性格の小渕恵三さん、そして総裁の小渕総裁、この二面を兼ねて合意をしたということに形式上はなっているわけですけれども、内閣の長としてこの合意を見たということになりますと、この政策というものは内閣の基本政策そのものであるというふうに考えてよろしいわけでございますね。
○小渕内閣総理大臣 合意文書の署名につきましては、小沢一郎党首並びに自由民主党総裁、そして総理大臣小渕恵三ということで署名させていただきました。 そこで、合意文書の中にありますように、いろいろの問題が列記されておりまして、例えば連立内閣をつくるという項目がありまして、これになりますと、自由民主党総裁としてはこれを実行することは立場上あり得ないわけでありまして、そういった意味で、項目それぞれを考えますと、内閣総理大臣としての立場もありますし、自民党総裁の立場がありますけれども、これを仕分けしてここまでがというようなことは、これは一人の人間でございますので、あり得ませんので、列記をさせていただいた上で署名をさせていただいたというのがその真実のところでございます。
○前田(武)委員 いささかあいまいな御答弁のような感じがするんですが、その基本政策の中の一つに、直ちに実行すべき政策の一つで、「国際連合の総会または安全保障理事会で国連平和活動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に従いその活動に参加する。」これは、従来から言われている政府の見解、政府の憲法解釈と同じなのか、あるいは異なる部分を含んでいるのか、総理の御見解をお伺いします。
○小渕内閣総理大臣 我が国としては、国連を中心とする国際平和のための努力に対し積極的に寄与することが必要と考えております。 今後、国連総会または安保理の決議に基づき、国連から要請のあった場合の国連平和活動への参加のあり方につきましては、憲法の理念に基づきまして、両党間で協議をいたしていくということでございます。
○前田(武)委員 前回までの政府の言い方と若干変わってきたところがある、こういうふうに思いますね。特に、国連平和維持軍に参加するというような検討が始まっているということも報道を通じて知るわけでありますが、このあたりになってくると非常に大きな問題になってまいりますね。 それだけに、冒頭私が申し上げた、余りに、談合といいますか、国会の場の議論を通じてあるいは選挙を通じて、民意を集約して、そして国会の場において日本の基本方針を定めていくという手続ではないものでありますから、この辺については、非常に国の将来について不安を醸成させることになってまいります。それだけに、総理におかれましては、まさしくここにおいては誠実な御返答をいただきたいわけであります。 ところで、十一月二十二日のテレビ、これは田原総一朗さんの例のサンデープロジェクトですか、あのテレビに小沢党首が出られまして、田原さんの質問に関して、日本が国連軍に参加することですか、こういうふうに問うたところ、「そのとおりです。国連軍に参加することです。」こう明言をされております。これは、憲法解釈あるいは戦後の政策を根本的に転換することになるが、こういう問いに関して、「そのとおりです。憲法解釈の基本的転換です。」テレビの話ではあるんですが、そういうふうに答えておられるわけであります。 今の御答弁と矛盾はしておりませんか。
○小渕内閣総理大臣 合意の前提になりましたのは、自由党からの「いま直ちに実行する政策」という三項目にわたる文書を検討させていただいて、これを基本的方向で一致して努力するということでございました。 そこで、この中で、今御指摘の点は国連軍というお話をされておりますが、この文書を見ますと、国連軍という用語は使っておりません。したがいまして、テレビで小沢党首がお話しされたことにつきましては、かねて来小沢党首の基本的考え方はそこにあるかもしれませんけれども、いわゆる国連軍なるものについての概念、これも検討しなければならない課題でございますので、そうした点も含めまして、今後両党間で十分話し合っていこうということが合意したものと私は理解しております。
○前田(武)委員 どうも根本的なところで不一致があるように感ずるわけでございますが、要は、従来の政府の憲法解釈、それが変わりつつあるのか、その辺のところなんですね。全く変化はない、こうおっしゃるのか。いやいや、これはもうまさしく内閣の方針でございますから、総理が変えるんだとおっしゃれば、それはそれで一つ大きな政策、政治課題として、国会の中で議論をし、国民の意向を確かめていけばいいことでありまして、そこをあいまいなままに過ごしていくことに一番問題がある、私はこういうふうに思うのですね。 これは解釈を変更されようとしているのですか、それとも、現状のこの政府の解釈をずっと踏襲しよう、こうされているのですか。明確にお答えを願いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 現時点では、そのような変える意思はございません。
○前田(武)委員 基本問題で一致をしたということでございますから、ただいまのところはこの合意の中で最も骨格部分をなすものだと思うのですね。変えるとおっしゃらないわけでございますから、そこはどうも基本的方向で一致したというふうには思えないわけでありますが、いかがでありましょうか。
○小渕内閣総理大臣 私は、現内閣の責任者といたしまして、本会議でも申し述べておりますように、現内閣でこのような憲法解釈を変更する考えはないといたしておるわけでございまして、これに尽きる、こう思っております。
○前田(武)委員 それでは、憲法の解釈についてはこれまで長年の国会議論の積み重ねという重いものがあるわけでありますから、その統一的な解釈が示され、これによってさまざまな施策が講じられてきたわけであります。当然、来年の予定されているガイドラインの問題についても、ここが基本になってくると思うんですね。 したがって、ここはやはり総理なりに相当の決意があって合意を見られた、こういうふうに思うものですから、そこはやはり総理の責任において明確な御答弁をいただかないと。このままいくと、この自民党と自由党とが連立した、それはもう国民一般から見たらわかっていると思うのですね。要は、かつての自社さ政権というのが、これは憲法の枠内でという、むしろ自民党が多少左に寄ってずっと政権を運営してきた。それが今度、国連軍にも参加すると言っておられる小沢自由党と連立するわけですから、当然、この内閣は右にシフトしたというふうに国民は感じているわけですよ。内閣の意思として、自民党の意思としてあるなら、それはそれでいいと私は思うのですよ。日本がそれだけの責任を持って世界の中でやっていこうということを決意された、国民はそういうふうに思うじゃないですか。だから、そこをごまかさずにはっきりと御答弁をいただきたい。総理のこの合意に至った御決意をお聞きします。
○小渕内閣総理大臣 タカとかハトとか、右か左かというのは、それはお考えになられる方々の認識でございまして、要は、日本の安全保障につきましても真摯に自由党とも話し合っていくということに合意した、こういうことでございまして、我々としては、そのことと、憲法に対する対応につきましては……(発言する者あり)
○中山委員長 お静かに願います。
○小渕内閣総理大臣 現内閣としては基本的に従前の考え方を維持している、こういうことでございます。
○前田(武)委員 それでは、内閣法制局長官にちょっとお聞きいたしますが、内閣がかわったり、あるいは内閣の枠組みが変わることによって、憲法の解釈、こういうものを変えることができるのか、変えるときの必要なる条件と申しますか、ひとつ。
○大森(政)政府委員 憲法解釈の変更に関するお尋ねでございますが、内閣法制局は、その職務と申しますのは、法律問題について内閣に意見を申し上げるという立場でございます。そういう立場から、一般的な見解を申し上げたいと思います。 これはもう重々御承知のとおりだと思いますが、憲法を初め法令の解釈と申しますのは、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立法者の意図あるいはその背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものにつきましては、全体の整合性に留意して、論理的に確定すべき性質のものであるというふうに考え、日ごろそのような立場からその見解を申し上げているわけでございます。 したがいまして、政府の憲法解釈等につきましては、このような考え方に基づきまして、それぞれ論理的な追求の結果として示してきたものでございまして、一般論として言えば、政府がこのような考え方を離れて自由にこれすなわち憲法上の見解を変更することは、そういう性質のものではないというふうに言わざるを得ないと思います。 特に、国会等において、ただいま御指摘にありましたように、議論の積み重ねを経て確立され、定着しているような解釈につきましては、政府がこれを基本的に変更することは困難であると考える次第でございます。今問題になっている憲法九条をめぐる諸問題についての見解、これはその一例ではなかろうかというふうに考える次第でございます。
○前田(武)委員 ここに実は朝日の「声」欄というものに載った、国民のある一人、この方はしかし元防衛庁の官房長までやった方のようですね、竹岡さんという方の「声」の欄がございます。 「自由党の小沢党首は小渕首相との二人の合意で、」云々、こう書いてありまして、「自衛隊発足以来四十四年。例えば、中曽根康弘元首相は、国連四十周年の演説で「わが国は、平和国家を目指して専守防衛に徹することを内外に宣明したのであります」とアピールし、歴代の首相、防衛庁長官は「専守防衛は国是」と口が酸っぱくなるほど繰り返している。」「これらの発言を信じて入隊した自衛隊員は祖国を守るためには生命を惜しまぬが、いかに国連軍とはいえ、外国人の指揮下で遠い異境での戦争まで覚悟はしていまいし、もし、殺されたなら隊員の家族も黙ってはいまい。」というようなことを指摘されて、これは憲法の大変革であって、「二人の政治家の独断で決められるべきでない。」というような投書がありました。 もちろん、今までの総理の御発言を聞いておりまして、こういうものに当たるとは私も思いはいたしませんが、サインをされたこの合意書に基づいて、既に国連平和維持軍、PKF、これを討議し始めたということをテレビや新聞で見るわけであります。事態がそういうふうにどんどん動いていく。しかし、そのことについて、国会では、いや全然変わっておりません、こういうことになります。 その辺、不透明さであったり、説明責任をしっかり果たされていないということになるものですから、この委員会は、こうやって討議をしながら、国民も見ておられるわけでありますから、そこは明快に、総理は本当に責任を持って言われたらいかがでしょうか。そうでなければ、この合意というものは合意でなかったということに映る、こういうふうに思うのですが、いかがでありましょうか。
○小渕内閣総理大臣 あるいはお尋ねの点について十分理解していないかもしれませんが、PKFのことについてでございましたら、この点については、両党首間で話し合ったという経緯はありません。 ただ、この問題につきましては、本体業務について、既にこれは、別に法律で定める日までこれを実施しないとされておることは十分承知をいたしております。 いわゆるPKF本体業務の凍結解除の問題につきましては、先般の国際平和協力法の一部改正法案の審議におきましても、さまざまな立場から御意見が出されておるところでありまして、国連を中心とする国際平和のための努力に積極的に寄与するために、これからも憲法の理念につきまして、本法のあり方については検討することはあり得るもの、こう考えております。
○前田(武)委員 そのテレビの放送を私も多少見たのですが、小沢さんは「ええ、これは大変なことなんですよ。」こういうふうに言っておられるのですね。要するに、憲法解釈を基本的に転換したんだ。「いや、そうなんです。これはまことに大変なことなんです。」こう言っておられるのですね。 総理は全然大変なことでないような感じに映るのでありますが、そこでお二人が連立内閣をつくられるわけですから、それだけではなかなか国民は理解しにくい、こういうふうに申し上げて、ぜひ、これから同僚議員等もこの面についてはいろいろと疑義を呈すると思いますので、誠実なるお答えを期待いたします。 それでは、次に、景気の問題について御質疑をいたします。 先ほど懇切なパネルを見せていただきました。不況の環を断ち切る。この不況の環を断ち切るという中で、総理は十二年と申されましたね。平成十二年ごろには力強い景気回復といいますか、景気拡大というようなことを考えておられる。 そこに至るここ二、三年の総理の持っておられるプログラム、要するに金融不良債権処理であり、減税も含めて財政出動、そして今のどんどん落ち込んでいく不景気を反転に転じて、力強く、こういうシナリオだろうと思いますが、その辺の総理の描いておられる景気政策についてお答えをいただきます。
○小渕内閣総理大臣 前国会並びに今国会での所信表明でも申し上げさせていただきましたが、特に今国会におきましては、ぜひこの一両年の間にプラス成長にできるようにということでございまして、そのために、来年度はぜひ、三年連続マイナス成長というようなことのないように、全力を挙げて対処していこうということでありまして、十二年度になりましたらより明るい経済状況になるように、今日から努力をしていくということでございます。 そのために、しばしば申し上げておりますように、何といっても、金融機関の不良債権問題にかんがみまして、金融機関自身が不健全な状況にあるということに日本経済のまず根本があったということでありまして、この点につきましては、前国会におきまして、国会の御同意を得て二つの金融関係法案を通過させ、これに対して、それぞれ、長銀も含めまして、現在対処いたしておるわけでございます。 それと同時に、これから財政の可能な出動を考えますと同時に、しばしば御批判はちょうだいいたしておりますけれども、来年の通常国会におきまして、税制改正につきまして、これまた抜本的な改正を私は行おうとしているわけでございまして、正直に申し上げて、歴代、法人課税あるいは所得課税につきましても、このような税率の引き下げというのを一挙に行った内閣というものはそんなになかっただろうと私は自負しておるわけでございまして、こういうふうなことが国民のマインドを刺激することによりまして、あらゆる手法を通じて、ぜひそうした、冒頭申し上げたような環境になり得るように今最善を尽くしておることであり、その一環としての補正予算の審議もこうしてお願いをいたしておるところでございます。
○前田(武)委員 経済企画庁長官にお伺いいたしますが、七—九月期の国民所得統計がまとまってきたようでございますね。簡潔に、主な項目、今の経済の状況が国民に数字でわかるように、二、三御説明をいただきたいのです。例えばGDP、あるいは国内民間需要であったり、あるいは名目所得、どういうふうになっているか。
○堺屋国務大臣 さきに発表いたしました七—九月期のGDP、実質GDPを見ますと、成長率は前期比で〇・七%のマイナスでございます。これは、年率に直しますと二・六%のマイナスということになります。本統計をとり始めてから四期連続のマイナスは初めてでございますから、極めて厳しい状況かと思います。特に内需が〇・九%のマイナスでございまして、財貨・サービスの純輸出が〇・三%のプラス、差し引き、今申し上げたような数字になっているようなところでございます。 その中で、特に落ち込みの大きいものを挙げさせていただきますと、まず企業の設備投資、これが中小企業から大企業まで減ってまいりました。それから、住宅投資も前期比で六・二%の減少になっております。個人消費の方は〇・三%のマイナスで、かなりマイナス幅が減ってきておりますが、全体としてはかなり厳しい状況になっております。ただし、十月になりまして少し、先ほども申し上げましたように、明るいものもあらわれているというような状況でございます。
○前田(武)委員 地元に戻って聞く、非常に御苦労されている皆さん方の受けとめている状況と、どうもまだぴんとこないところがあるのですね。 今住宅が前期比六・二%と言われましたが、これは年率に直すと二二、三%ぐらいになるのでしょうか。それから、乗用車の方も前期比で一三、四%、トラックに至ると、たしか三〇%以上というような落ち込みが出てきております。まさしくこの不況の環というようなものの中で、こういうものがスパイラルになると大変なことになるわけであります。それだけに、意気込みを持って当たられた緊急経済対策だろう、こういうふうに期待をしておるわけでございますが、これからの議論の中からも明らかになるように、かなり問題点を含んでいると思うのですね。 そこでまず、企画庁長官からは今お聞きいたしましたので、日銀に来ていただいておりますね、速水総裁に、あるいは日銀さんの景気認識を、この間発表された政策者会合ですか、ああいったものを中心にして簡単にお聞かせをいただきたいと思います。
○速水参考人 委員御承知のとおりに、日本銀行では、新法のもとに、金融政策を決定する会を月二回開催いたしております。その要旨につきまして、一カ月後に緑色のこういう政策決定会合議事要旨というもので内外に公表をしております。よく読んでいただいていることを感謝いたしますが、これと、その後のこと、毎月二回、十一月にも二度決定会議をいたしまして、そこで景気の現状、とるべき政策について議論をしたわけでございます。それはこの月報に書かれておりまして、これも公表されております。 これらを踏まえまして、またその後に公表されました数字を見ましても、現在の私どもの景気判断を述べさせていただきますならば、我が国経済は引き続き極めて厳しい状況にあると認識しております。 設備投資や個人消費は依然弱い状態にありますし、生産も低水準を続けております。また、企業収益は悪化を続けておりまして、雇用、所得環境も一段と厳しくなっていると思います。これらを踏まえますと、日本経済の生産、所得、支出をめぐる循環は依然マイナス方向に働いていると判断しなければならないと思います。 金融面では、企業の資金調達をめぐる環境は、ひところに比べまして幾分落ちつきを取り戻してきているようではございますけれども、全般に依然として厳しい状況が続いていると判断いたしております。こうした状況で、私どもも先月、年末、年度末を控えて、企業金融を円滑化するための措置をとらせていただきました。 ただ、明るい面といいますと、秋口以降公共事業の発注が大幅に増加しておりまして、私どもも、その効果があらわれるにつれて景気のテンポは次第に和らいでくるものと見込んでおります。また、金融システム立て直しの枠組みが整いましたので、これをうまく運用していけば、幾つか明るい材料になり得るものと思っております。これらが今後、企業や家計のコンフィデンス、ひいては景気全般にどのような影響を及ぼしていくか、注目しているところでございます。 補正予算案につきましても、可及的速やかに、なるたけ早く実行に移し、効果を上げることを期待いたしております。 日本銀行としても、金融政策決定会合におきまして引き続き十分な討議を尽くして、景気判断に誤りなきを期しておるところでございます。
○前田(武)委員 速水総裁から景気認識、金融状況等お聞きしたわけですが、抑制された言い回しながらも非常に深刻な受けとめ方をしておられるのではないかな、こういうふうに思うのですね。もちろん、あすに希望を持って、そんな悲観的なことばかりではなしに、企画庁長官が言われるように、堺屋さんが言われるように、あすに希望を持ってやっていかなければなりません。 ただし、政府におかれましては、現状の厳しさということについてはきちっと分析されて、その厳しさというものをよく認識されてもちろん政策を立てていく必要がございます。言ってみれば構造改革につながるようなことをやっていかなければならないでしょうし、そして、政府として監督し指揮しなければならないところは厳正に、公正にやっていかなければならないでしょう。しかし、そこがいささかも癒着しておったり、あるいは情報が開示されないままにその誤りに気がつかずにどんどん進んでしまうというようなことになりますと、この二十四兆円の緊急景気対策というものも、あるいは春の十六兆円が余り効果を生んでいないのと同じような結果になるのではないか、それを恐れるわけであります。 ことし、春と今回、両方合わせて四十兆ですから、大変なものだと思います。今まで、バブル以降これで八回目になるのでしょうか。宮澤大蔵大臣にお聞きいたしますが、バブル後のこういう緊急景気対策というのは今回がたしか八回目になると思いますが、総額事業規模でおおよそのところどの程度になるのでありましょうか。
○宮澤国務大臣 ほぼ八十兆ではないかと思います。
○前田(武)委員 その半分に当たる額をことし一年の間にやろうとするのですから、これでやはり来年、再来年、景気が反転して力強く復興してこなければ、この四十兆のツケというのは必ず後年国民に回るわけであります。したがって、これはもうのっぴきならない事態で、今回お組みになった二十四兆円、国民が認めていただけるかどうかというのは、そこの政府の本当の中身と意気込みにかかっているのではないかと思います。 そこで、多少申し上げますと、今ここに私はこの一両年の国会のずっと審議してきたことを、私自身もその議論に参加して、私なりにその時々、一生懸命やらせていただいた、それを思い浮かべているんですね。 例えば去年の春の国会、この国会においては、いわゆる九兆円の増税国会、こう言われた大変な負担を伴うあのデフレ予算を組んだわけですね。そして——ことしの春もデフレの通常予算を組んだ。その直後に第一次の景気対策を出した。 翻って、春のこの予算の前の、去年の財革法がございました。その財革法を組んだときには、たしか金融機関がばたばたと倒産をいたしておりました。そんなときだけに、なぜあれをやったのかということが国会内でもさんざん議論をされたわけですが、政府が提出したものに対しては誤りがない、そういう思考停止に陥ったような感覚でずっとやってくるものですから、同じことを繰り返しているのではないか、こういうふうに心配をするわけであります。 例えば、去年の、減税をストップした平成九年度のあの国会でございますが、あわせてビッグバンをやりました。為替自由化ですね。このときにも私は本会議において代表質問に立って、準備なきままのこのビッグバンというものは大丈夫かと。言ってみれば温室の中で育てられた日本の大銀行、からだけは、関西弁で恐縮でございますが、からだけは物すごく大きく、当時世界の銀行のトップテンの中に日本の銀行の大銀行がほとんど入っているというようなあんばいでありました。良妻賢母と見られていた大蔵省、この大蔵省に温室で育てられたのが日本の金融機関。 そして、筋肉をつけて、知恵をつけて、作戦を練って、そして金融ワールドサッカーに出場させてやればいいものを、何の準備もなしに金融ワールドサッカーにほうり出した。国際認定アンパイアもいなかった。それで、急遽金融監督庁をつくったわけであります。そして、国際ルール自体も、この日本のローカルルールの中ではなかなか消化し切れない。慌てていろいろな法改正をやっていった。準備が足りなかっただけに、形だけは横綱級のマンモスの巨人がたちまち大変なことになっったじゃないですか。これも政策の失敗でありますよ。そして、もちろん、財政の状況、このままずっと後世代にツケを回すわけにいかない、当然のことであります。 それは、体力をつけてから、銀行と同じように日本の経済も体力をつけてから、今だと約二年前になりますね、平成九年の初めのころ。景気が立ち直ってきたと言われていたときに、あの増税予算を組んで、そしてまた財政構造改革、金融機関が破綻をしている中を、ああいう、世界に対して、日本の経済に対して、もっともっと引き締めをやるぞというようなアナウンスをした。これはすべて政治の失敗じゃないですか。その政治の失敗に対して、私は、やはり政治家たるもの、きちっと説明責任があると思うんです。 私自身があえてここまで政治改革の道をずっと貫き通しておるのは、まさしくその政治責任、説明責任、そういうものを国会を通じてきっちりとやっていけるような、そういう政治にしたいという思いいちずでありますが、どうも、この大失敗というものについて、政府は、あるいは内閣は、あるいは自民党はきちっとした説明をしておりません。そういう中で、十六兆、さらに二十四兆という、先ほど宮澤蔵相の御説明だと、ずっとバブル後やってきた八十兆円のその半分に当たるぐらいの大変な財政出動をやるということになっているんですが、本当に大丈夫なんですかね。今までも失敗の繰り返しでしょう。 そこで、一体何が間違っていたのか、どこをどう直すのかという一番基本的なところについて、総理自身のお考えをお聞かせ願いたいのです。
○小渕内閣総理大臣 最近の日本経済の動向の中で、極めて厳しい状況でありまして、その中で、消費税の二%引き上げその他を含めまして、その引き上げ前の駆け込み需要等がありまして、それで一たん下がりまして、そして、その後、一時右肩上がりになりました。この状況をどうとらえたかということが、御指摘の点にもあるのだろうと思います。 しかし、そのときに、いろいろの状況、すなわち、今御指摘にあった、ビッグバンを行った時期が適切であったかどうかという御意見もありますが、前の政府、私もその閣僚の一人でありましたから大きな責任は負っておると思いますが、そうした若干の右肩上がりという状況の中で、これから日本経済も引き続いて上昇気流に乗れるかという段階におきまして、これはひとり我が国のみならず、各国の経済状況が大きな変化を遂げてきた。それは、御案内のように、タイに始まった金融・通貨危機というものが韓国に及び、インドネシアに及び、東南アジア全体が極めて大きなパニックになってきた。そういう状況の中で、再び低落傾向が起こってきた。こういうことがその状況ではなかったかと思っております。 したがいまして、私といたしましては、そういう状況の中で、これからこれを再び上昇気流に乗せるためには、マイナス成長を何としても来年度はプラス成長になれるように、そういうことで各種の政策を打ち出してやってきたわけでございまして、そういった点を考えますと、これからあらゆる手法を講じてこの段階に対処いたしていくことが極めて重要であるという観点で、最善の努力を今いたしておると御理解いただきたいと思います。
○前田(武)委員 時間が迫ってまいりましたので、次に参ります。 中小企業対策でございます。 中小企業金融安定化特別保証制度による中小企業向け融資が今始まっております。十月一日から特別枠五千万円までということで、二十兆円が用意されたわけでございます。本会議におきましても、また先ほどの同僚議員の質疑の中にも、これがいわば振りかえ融資に使われているんじゃないか、旧債務の振りかえに使われているんじゃないかというような指摘がございました。 この融資自体は非常に期待を持って迎えられておりまして、私も、この制度が発足するときには、地元の中小企業者から随分と相談を受けました。ぜひこれを利用して、大いにこの厳しい中を何とか頑張ってほしいというようなことも言っていたわけでございます。そしてまた、協会自体は、たしか全国五十二カ所ぐらいなんでしょうか、そういった中で、職員も六千人ぐらいというふうに承知しておりますが、一挙にこういう特別の枠組みが来たものですから、協会の方々にも聞いておりますと、大変な業務をこなしておられます。そういった意味では関連の皆様方に敬意を表する次第なんです。 ただ、先ほど来、政府の方は、きっちり指導している、こういうふうに答えておられるのですが、きょうの日経新聞にも載っているのですね。銀行名を言っていいのかどうか、ある銀行が、「中小企業金融安定化特別保証制度を利用して、融資の一部を回収するよう文書で各支店に通達していたことが明らかになった。」これは、きのうの夜にも同趣旨のテレビの放映があったようであります。それから、私自身も、十二月一日に本会議でこの問題が取り上げられて政府の答弁があった夜、たまたまNHKの、これは「クローズアップ現代」といいましたか、九時半からの番組で、同じように、金融プロパーが貸し付けた旧債務、この旧債務を今度五千万の無担保保証の新しい枠組みを使って振りかえをやっているということを、ニュースで、この番組でかなり克明にやっておりました、現場も押さえまして。 だから、政府が考えておられるような、そんな安閑としたものではないと思うのですね。通産大臣、どのように把握されておりますか。
○与謝野国務大臣 十月一日から発足しました特別枠の制度自体は、全体としては私は順調に動き始めたと思います。 ただ、前田議員が御指摘のように、例外的にこの制度を悪用する者も出てくる。これはやはり私どもは、県の商工部あるいは金融監督庁等にお願いをして厳重に監視をしていかなければならないわけでございます。また同時に、銀行と保証協会との間のいわば約款には、旧債振りかえの目的だけで保証行為をさせたというような場合には、代位弁済を場合によっては停止できるという厳しい条項もございまして、私どもとしては、全体、このような保証枠を供与するということが中小企業の経営にとって役に立っているという現状を考えれば、そのようなふらちな行為は断固として排除をしていく、そういう強い姿勢でいかなければならないと思っております。
○前田(武)委員 どうも通産大臣の御答弁、まだ私は楽観的なような感じがいたします。 というのは、今申しましたニュース、けさの新聞あるいはきのうのテレビ番組、あるいはNHKの番組等を見ていましても、事実関係が確かにあるのですね。私のところにも実は、これも固有名詞は申しませんが、他行に先を越されることのないように、保全強化の必要な先等についてリストアップを行い、積極的に本制度の保証を利用し、割手圧縮、そして貸し付けの回収等による保全強化、改善を図られたいというようなことを、金融機関によっては文書を回しているのですよ。だから、十月一日以降、今注意をされ始める間に相当のものが、七兆円と言われましたが、そういったもののかなりの部分がそういう使われ方をしている可能性もあるのですね。 今、通産大臣の言われるとおりなんですが、これは中小企業金融安定化特別保証制度の要綱、県は申しません、ある県が出しているところなんですが、わざわざこれの取扱要領の中に申込人の資格、保証の申し込み、そして三番目に旧債の肩がわりの添付書類というものまでついているんですよ。まるで初めから旧債の振りかえをやってもいいよ、やりなさいよと言わんがような、あるところはそういう書式までつけている。こういうのを見逃してはいけません。 これは、テレビの中でどういうふうに放映されていたかというと、もちろん自治体の承認が必要ですね。自治体の承認をとりに行くのが、企業者本人ではなしに、たくさんの企業者の申請書を銀行の融資担当者が持って東京の区役所の窓口に行っているんです。完全にこういうことをやっております。 この年末の一番厳しいときに、私も帰るごとに身につまされる思いをしておるわけでございますが、こういった二十兆の新しいせっかくの枠組みを通じて、銀行の不良債権処理、しかもせっかく六十兆、二十五兆用意しているのに、そちらは横並びでなかなか、我々の言ったような法案ならば強制注入になったのでしょうが、横並びで、そこは様子うかがい。そして、こういった中小企業者のための、大変困難な状況にある方々のために用意したものを、裏から回ってこれを旧債の振りかえに使おうというようなことを組織的に、これが全体であるかどうか、全体であったとしたらこれは大変な許しがたい反逆行為でございます。ひとつ、金融監督庁長官においては、先ほどちょっと調べたと言いましたが、そんなことでは納得できません。ちゃんときっちりとした報告、例えば総体で、この十月から始まって一月間にどれだけの貸し出しがあって、その具体的な貸出先についてどれだけの返済があったかというのは直ちに調べられると思いますが、そういったことを調べ、そして、中小企業者が安心してこの制度を活用できるようにしていただきたい。 通産大臣、総理の御答弁をお伺いします。
○与謝野国務大臣 当然、銀行から融資を受けます場合には、ある一定の融資が期限が参りまして、それを継続するかどうかという場合もあって、それをその旧債の振りかえということはできないと私は思っております。専ら銀行が自分の融資を回収するために行う行為、これは許してはならない、そのように思っております。
○小渕内閣総理大臣 今お話しのように、この二十兆円を含めました資金というものは、中小企業を救済し、今の経営を安定させるために行うわけでございまして、金融機関を救済するためにつくった制度ではないことは言うまでもないことでございますので、私、金融監督庁の上におるわけでございますので、監督庁長官をしてさらに徹底的に調査し、この実態を把握し、改善をさせるように努力いたしたいと思います。
○前田(武)委員 この問題については、総理のただいまの御答弁に期待して、ぜひそのように進めていただきたいと思います。 時間が迫ってまいりまして、実は議論したいことがまだありました。 私ども民主党の方で提案しております、不良債権処理が進むにつれてとにかく実体経済をどういうふうに浮上させるか、二十四兆円の中にもいろいろありますが、与党側の空間倍増と考えはあるところ共通しておりますが、やり方が全然違います。にぎわいの街再生プランというのを提案しております。要は、都心部の空洞化というものを、中心市街地の活性化法案もございますが、こういったことも含めて、都市再開発等を含めて、職住接近、職住遊の接近というようなことをやっていく。まずは国公有地の低・未利用地、さらには不良債権の裏である不動産、こういう不動産の日本版RTCに集約されてきたものを使い、それをやっていく。そのときに、町づくりの市場化という考え方でSPCなんかをもっと使えるようにしていく。そういったことでございますが、時間がございませんのでこれは避けます。 最後に、この間のユネスコの会議で、古都奈良が世界遺産に登録をされたわけであります。中山委員長を初め我が予算委員会において十一月の半ばに関西方面を現地調査いたしましたときに、ここも、平城宮跡あるいは春日大社等を見てまいりました。 そして、この中身についてはもう多くは申しませんが、日本に登録された文化遺産というものは、白神のあのブナ林あるいは屋久島等、自然遺産も含めまして、そのほとんどは共通したものがございます。もちろん、広島のあの原爆ドームというのは、あれは世界の平和のシンボルでありますが、歴史的に積み重なってきた日本の遺産というものについては、古都京都につきましても、あらゆるものについてこれは木の文化であります。仏閣にいたしましてもあるいは町にいたしましても、人が住んで、その文化の中で、その生活の中で守り、あるいはそれを利用し今に至っている、歴史的な積み重ねがあって初めて守られてきた文化遺産であります。それが木である、木の文化である。その源流が山であり、中山間地であったり、山地であったり、そういった意味において、日本の木の文化、あるいは木材、あるいは森林を守っていくこと自体が日本の文化、そして日本の歴史を長らえていくことだというすばらしい象徴になったんではないか、こういうふうに思います。 時間がありませんので、最後に、総理にその辺の御見解と御決意、特に森林、中山間地、農山村、こういった木の文化の担い手に対する総理のお考え、御決意をお聞きして、終わります。
○小渕内閣総理大臣 このたび奈良県における文化財が指定を受けまして、これで我が国九つの世界遺産となったわけでございます。 今委員の御指摘をお聞きいたしましてなるほどなと思いましたのは、木の文化、こう言われまして、確かにそれぞれの遺産が木の文化を前提にしておるわけでございます。 したがいまして、この木をいかに守るかということにつきましては、国土の七割を占める森林がまことに重要なものである、かけがえのない役割を果たしておる、こう考えております。そのためにも、植林、伐採の適切な実施や、林道の基盤整備等通じまして、計画的かつ着実に森林整備を行って、日本古来のこの木の文化を守り抜くように努力をいたしてまいりたいと思っております。
○前田(武)委員 終わります。
○中山委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、海江田万里君から関連質疑の申し出があります。前田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。海江田万里君。
○海江田委員 民主党の海江田でございます。 午前中の前田委員の質問に引き続きまして、まず自民党と自由党の間で取り交わしましたいわゆる自自合意書について幾つか総理にお尋ねをしたいと思います。 総理は、もちろん、これに署名をしておるわけでございますから、その中身はよくおわかりだろうと思いますが、「合意書」、「一、自由党党首提案の政策については、両党党首間で基本的方向で一致した。」こういう文言がございます。 そして、自由党党首提案の政策というものはどういうものかということで見てみますと、大きな三つの柱がございまして、二番目に、「国際連合の総会または安全保障理事会で国連平和活動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に従いその活動に参加する。」とございます。 総理、改めて確認をしますが、この提案につきまして、この政策につきまして、基本的方向で一致をしたわけでございますか。
○小渕内閣総理大臣 委員御指摘のように、大きく分けますと三項目ございまして、いずれにつきましても、基本的な方向におきまして合意をし、署名したものでございます。
○海江田委員 今、「国際連合の総会または安全保障理事会で国連平和活動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に従いその活動に参加する。」ということをその基本的方向において合意をしたとありますが、この中身につきまして、先ほど前田委員も指摘をしましたが、もう片方の当事者であります小沢党首は、田原総一朗さんの質問に対しまして、これは日本が国連軍に参加するということですか、そのとおりです、国連軍に参加することですという認識を持っておるわけですが、これについてはいかがお考えですか。
○小渕内閣総理大臣 この点につきましては、我が国としては、国連を中心とする国際平和のための努力に対し積極的に寄与することが必要である、こういう考え方で一致をいたしております。 今後、国連総会及び安保理の決議に基づき国連から要請があった場合、国連平和活動への参加のあり方につきましては、憲法の理念に基づきまして両党間で十分議論いたしていくことといたしております。
○海江田委員 今私がお尋ねをしましたのは、小沢さんは、今総理も確認をしました、この基本的な方向性の合意というものについて、その中身は、国連軍に参加をするという認識を持っておられるわけですね。この小沢さんの認識と同じですか、それとも違うんですか、どうですか。
○小渕内閣総理大臣 この点は、先ほど前田委員にもお答えをいたしましたように、この「いま直ちに実行する政策」の第二の(1)の2の中で申し上げておりますように、国連平和活動に対する対応でございまして、いわゆる国連軍というものにつきましては、この合意に基づいて考え方をすり合わせて決めた、こういうことではありません。
○海江田委員 では、総理は、この文言というのは国連平和活動に関する政策である、こういうふうな認識を持っておるということでありますね。ところが、小沢さんは、これは国連軍に参加をするという中身である。こういうふうに、両者の認識はここのところで違っているわけですね。
○小渕内閣総理大臣 委員の指摘をする国連軍というものがどういうものかということを御指摘いただいておらないわけでございますが、いわゆる七章国連軍につきましては、我が国の関与の仕方、参加の態様につきましては現在研究中であり、結果はいまだに明確に申し上げる段階ではない、こう考えております。
○海江田委員 法制局長官にお尋ねをしたいのですが、いわゆる七章国連軍について、これは現在検討中なんですか、憲法との関係で。これはもうはっきりと方針が出ているのじゃないですか。いかがですか。
○大森(政)政府委員 お尋ねの国連憲章上のいわゆる正規の国連軍への参加の問題につきましては、かつて、湾岸危機の際以来、たびたび私どもの方にもお尋ねがございまして、一貫して答えておりますところは、要するに、これまで、憲法第九条の解釈、運用の積み重ねに基づきますと、正規の国連軍への参加については、憲法上問題が残る、あるいは場合によっては疑義が残るという言葉で答えているわけでございます。しかしながら、正規の国連軍はいまだに編成されたことはございませんし、したがいまして、その前提となる特別協定なるものの内容もどうなるかいまだ不明でございます。 したがいまして、確定的な見解、すなわち現行憲法第九条に照らして、いわゆる正規の国連軍に参加ができるかどうかについての確定的な見解というものは、将来、その編成が現実的なものとなり、具体的な特別協定の内容も明らかになるそのときに確定的な見解を申し上げたい、また、そのときでなければ確定的な見解を申し上げることはできないというふうに申し上げてきているところでございます。
○海江田委員 私は、まさにおっしゃったように、七章の国連軍、正規の国連軍については疑義が残るということは、このとおりだろうと思うのです。 これについて、正規の国連軍について疑義が残るということであれば、多国籍軍については、これはもちろん今の憲法で参加できるはずがないですよ。参加できるのですか、多国籍軍について。これは法制局長官、いかがですか。参加ができるのですか。
○大森(政)政府委員 先ほどから、この合意書に関連いたしまして、国連平和活動というものについてその内容をどう考えるのかという問題があるわけでございますが、これは、私の立場からは一般論として申し上げる以外にないわけでございますが、国連の平和活動にも、いろいろな次元におけるいろいろな種類のものがございます。 過去におきまして、古くは朝鮮国連軍から、平和維持活動、PKO法、そして多国籍軍、そしていまだに編成されたことはございませんが、憲章上の正規の国連軍への参加問題、そのようにいろいろな次元のものがございます。 そこで、お尋ねは、多国籍軍というのは、多分湾岸危機の際に結集されました湾岸多国籍軍というものを念頭に置いたお尋ねだろうと思いますが、それに即してお答え申し上げますと、あのときの多国籍軍と申しますのは、武力行使をそもそも目的とするものであった。したがいまして、その武力行使を目的としていわゆる多国籍軍の一員として参加するということは憲法上できないということは、従前も答えているところでございます。 ただ、他方、参加に至らない協力、多国籍軍に対する協力につきましては、そのすべてが許されないわけではなく、当該多国籍軍の武力行使と一体となるようなものは憲法上許されませんが、当該多国籍軍の武力行使と一体とならないようなものは憲法上許されるということになろうかと思います。
○海江田委員 今の後半のくだりはよくわかっておりまして、それで掃海艇を派遣したわけで、あれがぎりぎりの憲法で許される範囲で、まずぎりぎりの自衛隊の行動であったというふうに認識をしておるわけでございますが、いずれにしましても、小沢党首は憲法解釈の基本的転換が必要であるということをはっきり言っているわけですよ。ところが、小渕総理は憲法解釈の基本的な転換は必要でないというふうにお考えになっているわけですよね、この基本的合意の範囲内では。 それだったら、恐らく近々、小沢党首と小渕総理がお会いになるそうですから、そのような報道もございますから、そのときに、私が考えていたこの「国際連合の総会または安全保障理事会で国連平和活動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に従いその活動に参加する。」というのは、小沢さんが言っているようなことじゃありませんよということを、やはりはっきり言わなければいけませんね。そのおつもりはありますか。どうですか。
○小渕内閣総理大臣 何事であれ、忌憚なく自由党の党首と話し合いたいと思います。
○海江田委員 その場合、では、もし自由党の党首が、いや、これはもう憲法解釈を変えるんだ、そういうことを言ったらどうされますか。
○小渕内閣総理大臣 ちょっと仮定の問題にはお答えしにくいと思います。
○海江田委員 仮定じゃなくて、これはテレビで言っているわけですよ。私も直接この耳で聞きましたし、それから多くの雑誌などにも書いているわけですから、見ている人はたくさんいるわけですよ。小沢さんが言ったらどうするんですか、これは。そのとおりだということになるので、国民はみんな知っているわけですよ。仮定じゃないですよ、小沢さんが言っているのですから。いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 仮定と申し上げたのは、私と小沢党首はこれからも十分話し合っていきたいということで、いわゆる党首会談なるものも従来のような形で形式を踏まずに、きちんと機会があれば話し合っていくということでありまして、いろいろの御意見があればそれはそれなりにお聞きしてまいりたいと思います。
○海江田委員 では、党首会談でなくてもいいですけれども、小沢さんがこういうことを言っているけれども、そのことは小渕総理が認識をしていたことと随分違うねということは言っていただけるんじゃないですか。小沢さんが今言っていることと小渕総理が考えていることは随分違うなと。違うんじゃないですか、どうですか。
○小渕内閣総理大臣 御親切なお尋ねでございますが、自由党の党首とは、同じ署名した相手方でございますので、あらゆる点について十分話し合ってまいりたいと思います。
○海江田委員 この問題だけじゃありませんで、本当に国民生活に重要な影響を与えます例えば消費税につきましても、この合意書、まず「いま直ちに実行する政策」という小沢党首がお出しをしたこのペーパーでは、政策では、「消費税については税率・福祉目的への限定など抜本的な見直しを行う。」とあるわけですけれども、これについても総理は合意をしているわけですから。合意をしているわけですね、これは。
○小渕内閣総理大臣 十分話し合ってまいることを合意いたしております。
○海江田委員 いやいや、話し合っていくことを合意したのではなくて、もう話し合いはしているわけですから、この中身について、どこにも話し合いに合意したなんて書いていませんよ。 もう一度読みますけれども、「自由党党首提案の政策については、両党党首間で基本的方向で一致した。」と書いてあるわけですよ。だから、「消費税については税率・福祉目的への限定など抜本的な見直しを行う。」消費税の税率について抜本的な見直しを行うということを認めたわけですね、合意したわけですね。
○小渕内閣総理大臣 合意書で、先ほど前田委員にも全文朗読いたしましたけれども、それがすべてでございまして、そして、その前提としての自由党の御提案については、これはその方向性について一致をした、こういうことでございます。
○海江田委員 では、これは方向性について一致をしたのですね。では、消費税について税率など抜本的な見直しを行うという基本的な方向性について合意をしたのですね。もう一度聞きます。
○小渕内閣総理大臣 基本的にその方向について一致をし、したがって、現在両党間で話し合いを始めさせております。
○海江田委員 大蔵大臣、税率について見直しをもう既に総理は決意をされておるようでございますが、大蔵省の中のお考え、大蔵大臣のお考えはいかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 両党首の合意というのは非常にクラスの高いお話でございますので、具体化いたしましたら、私ども考えさせていただきます。
○海江田委員 あともう一つございます。 「所得税、住民税等の減税規模は十兆円を目途とする大幅減税を実施する。」とございますけれども、小渕総理が総理に立候補されて、政権構想のときから六兆円を超える大幅な減税というお話は承っておるのですが、十兆円を目途とした、めどとした大幅減税をやるおつもりがあるのですか、ないのですか。
○小渕内閣総理大臣 各種の政策減税も今検討中でございますから、あらゆるそういった政策を込めて、それに近づけるよう努力いたしたいと思います。
○海江田委員 六兆と十兆というのは、四兆円差があるわけです。六兆円を超えるという、まあ七兆円ぐらいなら、七兆から八兆の間だったら、これは六兆円を超えるでいいわけですけれども、十兆円を目途としたということになると、じゃ、八兆から上の減税をやるということですか。
○小渕内閣総理大臣 自由党からの強いこの減税に対する御意思を承りました。我々としては、国民生活を安定させるためにより多くの減税が好ましいと考えておりまして、現時点では、私としましては六兆円超でございますけれども、これから十分両党間で話し合って、できる限りの積み上げをいたしてまいりたい、このように考えております。
○海江田委員 今、総理は、自由党から減税について強い要望があるというお話がございましたけれども、実は、この減税を一番熱心に言っておられたのは小渕総理じゃないですか。 あの自民党の総裁選挙のときに政権構想を小渕さんはおつくりになって、もう一人、もちろん対立の方もおつくりになりましたけれども、この小渕さんがおつくりになった政権構想を読みますと、まず第一に掲げてございますのは、不良債権の処理でございます。これは、時節柄この問題が喫緊の課題であったということはわかるわけでございますが、二番目に掲げているのが、実は六兆円を超える減税なわけですね。所得税、住民税の減税とそれから法人税の減税を直ちにやるべきだということをおっしゃって、小渕さんの主張が自民党の多くの方々の支持を得て、そして自民党総裁になられたわけですから、これは。 そういう意味では、小沢さんの自由党が言ったのじゃなくて、もちろん民主党も言っていますけれども、小渕さん御本人が減税をやる必要があるということをずっと認識をされておったわけだというふうに私は認識をしておりますが、それならば、じゃ、どうして今回補正予算にこの減税の問題を入れなかったのか。その点をお尋ねしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 詳しい減税法案というものの処理の実務的な諸問題につきましては、できれば大蔵大臣から御答弁いただきたいと思いますが、法人課税につきましては、既に今年度四月一日から減税をいたしておりまして、その減税につきまして、付加的に、総裁に当選しかつ総理大臣になりましたから直ちに実行するということは、税の徴収その他の問題からいきまして極めて難しい問題があったということが事実であります。 したがいまして、臨時国会冒頭におきましても、両二回、この点については次期通常国会に法律案を提案いたしまして処理をいたします、こう申し上げておるわけでございまして、この点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
○海江田委員 法人税についてはやったばかりだというお話もありましたし、それから、中身について今詰めをしてもらっているんだというお話でございますが、私が読みましたこの総理の、当時は総理候補のこの政権構想の中では、はっきりと減税の中身についてうたっているわけですね。法人税の実効税率を四六%から四〇%程度にするということ、これはやったばかりですけれども、それじゃ国際的に比べてまだ高いからもう一段下げて四〇%程度にしますよということを言っている。それから所得、住民税の最高税率を六五%から五〇%にする、これも中身に触れて言っています。それから中堅所得層、年収七百万から一千万円の負担を軽くするために税率を緩和する。この三つの原則を言っているわけじゃないですか。この三つの原則を言って、そしてこの三つの原則が多くの自民党の党員から受け入れられるなら、もうこれはすぐにでも法律化、法案化できますよ。どうしてそんなにおくれているんですか。 こここそまさに、総理が我が党の菅党首と金融再生法の党首会談のとき、僣越ながらリーダーシップを発揮させていただきますと、まあお人柄が言わせた言葉でしょうけれども、総理がリーダーシップを発揮するのは僣越でも何でもないです、これは当たり前のことですから。こういうときこそリーダーシップを発揮して、そして、私はこういう減税の中身についての案があるんだから直ちにこれに着手をしろということを言えば、七月三十日ですから、もうでき上がっていますよ。この予算委員会でもって法案の審議をまさにやることができたわけですよ。何でこんなにおくれたんですか。
○小渕内閣総理大臣 先ほども御答弁いたしたんでありますが、この法人課税並びに所得課税の減税というのは、長い間我が国の税体系の中で実行してこなければならない税の引き下げであったというふうに私は認識をいたしております。しかし、歴年の予算編成、その前の税制改正などを見ますると、どうしても、結局課税最低限の引き上げというようなことにおきまして、抜本的ないわゆる恒久的減税というのはなかなか行われにくい状況でありました。 したがいまして、今委員からリーダーシップを問われておりますけれども、私としては、これを次期通常国会で実現するということにおきましても相当の困難性を党内外にあって起こしておるわけでございますが、幸いにこれは認めていただきまして、実行することに相なりました。 そこで、これを総裁選挙で言ったから直ちに短い期間で実行しろとおっしゃられることはわかりますけれども、党には党の税調あり、政府には政府の税調あり、現在精力的に御審議をいただいておりまして、これが結論を得ました暁において初めて実質的には国会に法律案を出せるわけでございますので、その間についての御指摘は私もわからないではありませんけれども、現実これだけの大改正をやろうというのに、きのう言ったからきょうできますというたぐいのものでないということだけはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○海江田委員 総理、総裁選で言ったからおやりなさいということを言っているんじゃなくて、総理が何で総裁候補のときその問題を、まさに第一は金融再生でしたけれども、二番目に言ったかは、やはりこの日本の景気を回復していく上で、減税をやって個人の消費を拡大させるということが喫緊の課題であった、こういう認識を持っておったから恐らく言われたんだと思いますね。 私はまさに、やはりこの年末ですね、これからボーナスもある。ただ、このボーナスというのは前の年と比べると少なくなるだろうとかいろいろな、ここでもって、今この十二月という時期に個人の懐を暖めるとか、あるいは年明けに、一月に個人の懐を暖めるとか、やはりお金の必要なときにこれは減税がなきゃだめなんですよ。 私は、小渕総理の失政、経済的な失政ということでいうと、減税を先送りにしたというのは、実は後から考えて、やはりあのとき、あのタイミングを間違えたことが日本の景気回復にとって大きな一つの失敗になったんじゃないだろうかなということを、そういうおそれがあるから申し上げているんであります。 実はきょう、ここにパネルをつくってまいりました。先ほど総理がお示しいただいたものより、はるかに手間暇をかけてございます。 お手元には同じ内容をお配りしてございますからそれを見ていただけばわかりますが、これは言うまでもないかもしれませんけれども、自民党の経済失政の歩みということでございます。去年の四月の消費税の税率アップのところから始まりまして、九月に入って医療費の負担がふえて、そして財革法をわざわざここで提出をして、実はこのあたりで、先ほどもお話がありましたけれども、去年の夏は大変暑かったですから、暑かったことによって家電製品なんかも若干売れて、少し消費が四月の消費税税率アップの戻りが出てきた。そのときに財革法を提出して、そして財革法を成立させてしまった。この十一月に成立をさせたときは、まさに三洋や山一や拓銀が破綻をしたときである。これでもって、慌てて橋本総理は二兆円の減税をこの十二月になって表明しました。だけれども、十二月になって表明をしましたから、実際に減税ができたのは二月なんですよ。 そしてそれから、今度は十年度の予算。これはもう完全なデフレ予算ですし、三月に銀行に資本注入をやったけれども貸し渋りは一向におさまらない、ますます深刻化をした。そして四月に十年度の予算が成立をして、直ちに翌日に追加景気対策十六兆円の表明をした。財政構造改革法をこの五月でもってもう一回、これは改正をした。改正というか、要するに、厳しいデフレ予算でしたから、これを改めたわけですね。改めまして、そしてその後、十年度の第一次の補正をつくりましたけれども、ここでも、選挙の直前になって減税でダッチロールをしましたから、それで選挙で橋本さんは退陣をされました。 結局、小渕総理の顔写真の下に「二兆円減税実施」として書いてございますけれども、これは実は小渕さんがおやりになったんではなくて、橋本さんのここで出てきた案をやっとここで、八月にやったということでございますね。これも二月と八月にやっているんですよ。二月と八月というのは、世間では俗にニッパチなんて言われているように、消費がもともとそんなに活発な時期じゃないんですよ。この二月を例えば十二月にやって、この八月の減税を例えばもう二カ月早くやって、それこそ夏のボーナスなんかに間に合えば、これが消費に回る可能性もあった。 その意味では、小渕さんに入ってから、やはり減税を先送りにしましたから、ではこの減税が一体いつ実際に本当にできることになるのかということ、このスケジュールはある程度おありですよね。これからこの通常国会で提出をして、早くていつごろ所得税の減税はできるんですか。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○小渕内閣総理大臣 これは、通常国会に入りまして法案を提出いたしまして、速やかに国会の御議決を得られれば、さかのぼって、所得税につきましては暦年でございますから、一月一日からの減税になる、こういうことであろうと思います。
○宮澤国務大臣 御承知のように、一番問題は源泉徴収の技術的な問題でございますが、税法が確定いたしましてから、源泉徴収票をつくって源泉徴収が実際に行えるまでの期間は二カ月だそうでございます。御承知のように、大きなところはともかく、小さいところで四百万件源泉徴収をお願いしておりますから、そういう方々が現実に源泉徴収の事務が行えるのは、税法が確定してから二カ月というふうに承知をいたしておりますから、したがいまして、所得税減税を通常国会で御決定いただきまして、恐らく源泉徴収ができますのは四月からではないかと考えております。そうしますと、あと、年末調整をしなければならない。これは、御承知のように後になるということであろうと思います。 先ほどから委員がおっしゃっていらっしゃいますように、早くやったらよかろうということでございますけれども、まさに一月ごろから現実に源泉で引ければ、あるいは十二月ならもっとよろしゅうございますが、二カ月というものを考えていきますと、そのためには、十月には減税が成立していなきゃならないということになりますので、それは技術的に難しいということであったわけでございます。
○海江田委員 私どもは、この臨時国会も前の臨時国会も、これはもっと長くやれとかもっと早くやれとかいう話を主張しておりますから、だから、十分間に合うわけです。 あともう一つ、今、所得税についてはどんなに早くても四月から、早くて四月ですから、場合によっては五月、六月になる可能性もあると思いますが、もう一つ、法人税の問題がありますよね。法人税の減税というのは、これは早くて四月決算からですか、間違いありませんか。
○宮澤国務大臣 法人税の減税は、平成十一年四月以降に始まる年度から適用する、こう考えております。
○海江田委員 これはもう私が申し上げるまでもないと思いますけれども、企業の決算というのは三月に集中をしておりますね。資料を調べてみますと、三月に決算月になっております法人の数は全体の二〇・二%でございます。その次に多いのが六月の一一%、それから九月の一〇・八%、こういう順番になるわけです。 ただ、三月の法人の数は二〇%でございますが、法人所得の割合でいうと、六二・五%の法人所得を結局二〇%の企業がここで上げているというわけでございますから、実は四月からの決算ということになりますと、これはこの三月のそうやって一生懸命頑張って黒字を出した企業がそのほとんどを税金に持っていかれて、そしてちっとも手元に残らぬわけですね。これはやはり大きいんじゃないですか。 この企業をやっておる方たち、これは大きなところでは経団連もそうですけれども、みんな、何で三月に間に合わせないんだ、このことはやはり主張しておりますよ。それをこの区分でもって四月以降なんだということで、どうしても突っぱねてしまうのですか。私は、この影響というのは非常に大きい。それだけ企業の手元に資金が残れば、やはりそれはこの資金を使って設備投資もできるでありましょうし、あるいは消費に回すこともできるでありましょうし、あるいは貸し渋りに対する対策にもなるでありましょう。 やはりこの三月の決算、大体ここの三月の決算でもって減税効果が二兆円弱というような数字も経団連は試算をしておりますけれども、これは民間のお金ですから、そのお金を何で減税ができないのか。私は、これは本当に大きな判断ミスだと思うんですが、これは総理、いかがですか。
○宮澤国務大臣 いっとき、そういう御主張があったように伺いましたので不可解に思っておりましたが、やはり御主張の方が少し混乱しておったようでございます。 つまり、ただいま進行しております法人の企業活動は、先般の減税になりました四六%、そういう税金を背負っておるわけで、法人は当然そういう計画でこの年度も仕事をしておられます。それは三月で終わって、四月からは新しい四〇%、これはもう織り込み済みのことでございます。 そこで、この間うち、何かそれと違う主張をされたように思いましたが、よく解明してみますと、それを一月にさかのぼらせろとおっしゃったのではなくて、さすがにそうではなくて、一月に開始する年度から適用できないか、こう言っていらっしゃるらしい。海江田委員がおっしゃいましたように、一月開始年度の法人というのは非常に少ない、金額でも非常に少のうございますが、そこまでさかのぼらせろとおっしゃるのであれば、それは一つの御主張ではあるが、しかしそれは、四月から開始の会社に適用があるわけではございませんので、そのことには関係がない御主張であろう。
○海江田委員 大蔵大臣、じゃ、一月から開始の年度の企業については、法改正は四月でありましても、これを適用するということはお考えなんですか、どうですか。
○宮澤国務大臣 それは国会の御意向あるいは税制調査会等々のお考えいかんでございますけれども、私は普通、サイクルを四月に考えておりますので、それによって、一月開始の企業のお方が何ぼかおられます、その方だけでも少し早くなる、それはそうには違いないが、さあそういうことまでするのかな、どうかなと、私はちょっと十分は納得しない気持ちでおるのでございますけれども。
○海江田委員 ちなみに、法人の数でいいますと一月が三・六%、所得の構成でいきますと二・二%。二月が六・六、四・〇%。そして三月が先ほどお話ししたような二〇・二で六二・五ということになるんですから、私はここは何も、確かに役所ですから年度の変わり目というのは四月ですけれども、これは役所の考え方はそういうふうになるんでしょうけれども、一月に前倒しをしてもこれは別に、確かに税収はその分取りっぱぐれはあるでしょうけれども、やはりその与える経済効果というのは私は大きいと思いますから、これはぜひ御検討をいただきたいと思います。 これは、総理、いかがですか。よく相談をして、これは大蔵大臣よりは、総理、いかがですか。それとも、そんなのは全くだめだという話になりますか。
○宮澤国務大臣 そうしても罰は当たらないと思いますけれども、どうも、さあというような気がしておりまして、よく検討いたします。
○海江田委員 これはぜひ総理、お答えいただきたいわけでございますね、本当に。そんなに難しい話じゃないのですから、これは。 それから、これはぜひ総理にお話をしていただかなきゃいけないのですが、私どもは、やはり所得税の減税もできるだけ早くやるべきだという考え方ですから、本当はできたら十二月がいいんですが、これはもう無理な話ですから。 そうなりましたら、今、国会の召集というものが、どうも年が明けて、外交日程もあって、中旬以降じゃないだろうかというようなことも言われておりますが、私は代議士になりましてから、細川内閣のときはたしか一月の八日ぐらいからもう国会をやったわけですよ。(発言する者あり)一月の四日でしたか、一月の四日からですよ、八日じゃないですよ。もう本当に三が日が終わってすぐ国会に集まって、あのときは政治改革でしたけれども、国会を開いたわけですね。 ですから、私は、総理が本当にその気になれば、ほかの政党も反対をするところは恐らくないだろうと思いますから、やはりこれは一月早々、もう三が日が明けて四日ぐらいから国会で議論をして、そしてそういう減税の法案を通せば、これは第四次の補正になりますけれども、そういう可能性だってあるんじゃないですか、できるんじゃないですか。いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 国会の召集につきましては政府がお願いすることでありますが、国会との関係もございますので十分検討しなきゃならぬかと思っておりますが、ひとりこの税法の問題だけでなく、万般にわたりましての問題もございますので、国会の召集につきましては、今の段階では特に日にちを指定しているわけではございません。
○海江田委員 では、緊急経済対策とそれから補正予算、第三次の補正に入りますが、十一月十六日に緊急経済対策を発表されて、総額二十四兆円、二十兆円を大幅に上回る、戦後というより史上最大規模の経済対策だというふれ込みでございましたけれども、私は、こういう二十四兆円、史上最大規模の景気対策だということでございますので、これを受けて、一体どういう補正予算が出てくるのかということを期待しつつ、注目をしていたわけでございますね。 ところが、十二月四日に提出をされました補正予算を見ますと、はっきり申し上げまして、私の期待を裏切るものでございました。これは私個人だけではありませんで、特に私は野党でございますから、野党だからけちつけをやっているんだろうということを言われても困りますが、私以外の多くのエコノミストや市場関係者もやはり、確かにこの緊急経済対策のところでは大きなふろしきを広げたけれども、そのふろしきの中身であります補正予算は随分小規模だったなという感想、意見が実はあるわけですね。 あの緊急経済対策の中には、これはいわば作文というか夢を語る部分もありますから、景気対策に何をしたい、あれもやりたい、これもやりたいということでいろいろ盛り込んであるわけですけれども、やはり新規の支出ですよ。新規の財政支出がどれだけあるのか。これを予算書から調べてみますと、社会資本整備費として三兆九千六百一億円、そして、地方が財政難でありますから、交付税の交付金の追加分が四千億円、そのほかに地域振興券の七千億円、これを入れましてもやっと五兆円になるかならないかの数字でございますね。 緊急経済対策はまさに二十兆を超える二十四兆円。だけれども、実際に新規の支出として補正予算の中に出してきました数字は五兆円という数字、これはやはり少な過ぎるのじゃないですか。羊頭狗肉という言葉がありますけれども、この中身は本当にこれで十分なんですか、大蔵大臣。これで十分だと思いますか。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤国務大臣 緊急経済対策を十年度補正予算に展開いたしまして、これで私は十分に展開をいたしておると考えております。
○海江田委員 足りないということは言えないと思いますが、ただ、二十四兆の夢を語っておいて、実際にこの三次補正で出てきたのが五兆円だ。私は、大蔵大臣は、恐らく地方の公共事業の分を入れていないから地方の公共事業分を入れるともう少し七兆円ぐらいになりますよというようなことを、あるいは、よく真水十兆円というようなことを言っていますから、そういうお答えが出てくるかと思いましたけれども、そういうお答えは全然出てこなかったので、別に私からは言いませんけれども、やはり真水の部分が大変少ないということ、このことを指摘をしておかなければいけないと思うんですね。 大蔵大臣、もう一度いかがですか。
○宮澤国務大臣 一つ一つ事業規模で申し上げますと長くなりますからいたしませんけれども、全部事業規模で十七兆円を超えますので、私は、展開としてはこれで十分ではないかと思っております。
○海江田委員 では申し上げますけれども、先ほど経済企画庁長官からもお話がございましたけれども、七—九月期のGDPが前年比でマイナス〇・七%、年率計算にするとマイナス二・六%。一応、政府では十月に下方修正をしてマイナス一・九%という数字を出しておりますが、このマイナス一・九%を達成するためには、十—十二月と一—三月がそれぞれプラス〇・七にならなきゃいけないわけですよね。 だけれども、このプラス〇・七の自信があるか。それから、マイナス一・九というのをさらに下方修正する可能性というものがあるのかどうなのか。これもお聞かせいただきたいと思います。
○堺屋国務大臣 御指摘のとおりでございますけれども、今のところマイナス一・八でございますね。一・八をさらに変えるつもりはありません。やや、マイナス一・八にとどまるのはしんどいかなという印象はないわけではございませんけれども、これを今変えるつもりはございません。大体予想の範囲には入っていると思っております。
○海江田委員 マイナス一・八がしんどいかなというのは正直なお話だろうと思うんですが、まさに、来年、九九年度にプラス成長にするということ、それから、その後の二〇〇〇年は安定成長にするということ、これはもう国際公約になっておるわけですね。 来年度のこのプラス成長、あるいは再来年の安定成長、二、三%の成長だろうと思いますけれども、そこへ持っていくのには、実はやはりこの一—三月期が一番重要なわけですよ。もうこれは言うまでもないことでありますけれども、その一—三月期というのが、まさに今私がお話をしております、あるいは本委員会で議論をしておりますこの補正予算がこの一—三月期に執行されるわけですから、そのときに、私の言った、私の数字では、どう計算をしても実際に支出があるのはまず五兆円がいいところだろうという考え方なんですが、それで本当に十分だと言い切れるんですか。来年プラス、プラスだと言いますけれども、プラスの〇・一や〇・二じゃだめでしょう、これは。プラス一%ぐらいを考えているんじゃないですか。そこに向かっていって本当にできるんですか。私はそういうことを申し上げているのです。 どうぞ堺屋さん、できるんならできるとおっしゃってください。
○堺屋国務大臣 そのお話でございますと、これから編成いたします平成十一年度の本予算、それから、さっき大蔵大臣、総理大臣もお答えになりましたこれからの政策減税、そういったものとの関係もございますけれども、私といたしましては、この第三次補正に関する限り、今度の緊急経済対策に関する限り、このタイミングとしては精いっぱいのことをしたつもりでございます。
○海江田委員 経済企画庁長官も、やはり長官になりますと、ここまで出かかっていても言いにくいことがいろいろあるんじゃないかなと思いますが、最近やたら明るい見通しを振りまいておられて、ただ、それがきちっと守られなければ、確かに景気は気という部分がありますからマインドも大事なわけでございますけれども、ただマインドだけで、国民のマインドだけのコントロールということを考えるんなら、これは宗教法人の方がおやりになればいい話であります。 やはりもう少し実際の経済の動きというもの、それからそれに対する対応、対策というもの、政府が責任を持ってやるべきことはもっともっとあるんではないだろうかという気がしておりますが、私は、何といいましても、今景気が低迷しております理由、幾つもございますが、一つは民需が全く出てきていないという話。特に民間の設備投資なんかは、これはもうそう簡単には出てこないわけです。 もう一つは、個人消費の話でございまして、一体何でこんなに個人消費が回復をしないのかということで、いろいろなデータがございますけれども、貯蓄広報中央委員会というところが調べました九八年版貯蓄と消費に関する世論調査では、やはり老後の生活に対する不安が一番多いんですね。二十代では何と九〇・五%の人たちが、将来が極めて不安だ、あるいはかなり不安だという。九〇・五%ですよ。三十代が八八・六%、四十代は八七・四%、五十代で八一・五%、六十代でも七五・六%、七十代で六二・一%。 これは笑い話でございますけれども、きんさんとぎんさんがテレビに出て、そしてテレビに出たから出演料をもらいますから、この出演料を何に使いますかと言ったら、老後のために使いましょう、老後のために蓄えておきましょう、こういうことを言ったということが巷間言われておるわけでございますが、やはり、この老後に対する不安というもの、この老後に対する不安の一番の中身が、実は年金に対する不安なんですね、これも貯蓄と消費に関する世論調査に出ておりますけれども。 この年金、とりわけすべての国民がひとしく加入しております国民年金からの脱落者が実は相次いでいるわけでございますね。この国民年金の保険料を免除されている人、払えないで滞納している人、あるいはもう最初から国民年金に加入しないでいる人、これらを合計すると実は三四%でございますから、もう三人に一人が実は国民年金から抜け落ちているということ、このことをやはり私たちは深刻に考えなければいけない。 どうして国民年金からみんな抜け落ちるんだろうかということを考えましたら、やはり保険料が高いんですね、これは。総理もたしか国民年金の第一号加入者じゃありませんか、国会議員はそうなんですが。そうですか、これは。もしそうだとしたら、今、月幾らだか、大体御存じでいらっしゃいますか。
○小渕内閣総理大臣 詳細な計数につきましては十分承知いたしておりません。
○海江田委員 大体でいいんですが。一万……(小渕内閣総理大臣「一万二千円ぐらい」と呼ぶ)一万二千円ぐらい、それはちょっと昔のことですね。今、一万三千三百円ですね、これは。 ですから、国民年金の方は大抵夫婦で入りますから、二万六千六百円。それから、二十歳以上の大学生なんかがいますと、その分も親御さんが払わなければいけないということになりますから、三万九千九百円で、毎月毎月四万円払えるかということですね。 これは、アバウトな話ですけれども、大体国民年金の保険料が一万円を超えたころから、この国民年金の制度から脱落をする人たちがふえてきたと言われているんですね。私は、確かに生活実感から考えれば、月一万円ぐらいなら何とか出してもいいだろうということですけれども、やはり一万円を超えたらなかなか出せないんですね。 私は、この国民年金の保険料をどうやって安くすることができるかということで、実は民主党の景気対策の案がございまして、これもちょっとパネルにしてございますが、一番初めは「減税」ということで、減税につきましては先ほどるるお話をしてまいりました。後で少し、これはまた時間があればお話をしたいと思いますが、この二番目の「安心」ということで、基礎年金の国庫負担を、現在は三分の一が国庫負担になっていますけれども、これを二分の一に引き上げをする、そうすると保険料が一万三千三百円が一万三百円になる。ほぼ一万円でおさまるわけでございますね。 自民党では、実は党の中の年金の調査会のおおよその結論で、たしか二〇〇四年ですか、二〇〇四年までにはこの年金の国庫負担の割合を二分の一にしようというような結論を出しているというようなことも伺っておるんですが、どうですか、二〇〇四年なんというようなことを言わずに、なるべく早いうちにこの国庫負担の二分の一ということをおやりになったらいかがだろうと思いますが、これは厚生大臣にお尋ねをしましょうか。
○宮下国務大臣 国民年金の問題は答弁を求められておりませんので省略させていただきますが、基礎年金の国庫負担水準の引き上げにつきましては、全額税方式それから三分の一から二分の一への引き上げという議論がございます。 私どもといたしましては、全額国庫負担による税方式がなぜまずいかといいますと、給付と負担の関係が明確である社会保険料方式になじまない、それからまた、全額税でやりますと、生活保護費等の所得保障と何ら変わるところがなくなって、ミーンズテスト等も必要となる、こういう点がございますから、これはできないと思います。 それから、基礎年金の国庫負担の二分の一への引き上げにつきましては、今、委員の御指摘のように、自民党の年金制度調査会を中心にして検討が進められておりまして、まだ最終的結論を得たわけではありませんが、試案の中で提示されております。私どもは、これも総理が本会議でも答弁なさっていらっしゃいますが、莫大な財源、つまり、三分の一を二分の一にいたしますと、来年度の予想で申しますと二兆二千億くらい、これが歴年、毎年続いて増大していくわけですね。そういう大きな課題がございますので、今年の年金改正で実施することは困難であるということを申し上げておるわけでございます。
○海江田委員 三分の一から二分の一にやることによって二・二兆円の財源が必要になるということはもうわかっておる話で、まさにこの二・二兆円というのは消費税の一%分にほぼ相当するわけでございますから、私どもは、消費税は歯を食いしばって現行の五%を頑張らなければいけないということを主張しておりますが、それでも、そのうちのまず一%分をこの基礎年金の部分に充てていくということ、このことはやっても一向に差し支えないんじゃないだろうか。それこそ、総理が自由党との間で言っております消費税の目的化にも、全体の目的税化ということにはなりませんけれども、やはりその一部をまずそうやってはっきり使い道を決めるということにつながってくるわけですから。 そして何よりも、私が先ほどお話をしたように、この毎月々の国民年金の保険料の負担が軽くなる。月は三千円でございますけれども、夫婦で六千円でございますから、一年を通せば約七万円負担が軽くなるわけですよ。 このことは、特に保険料というのは、所得税を払っていない人たちだって、課税最低限以下の人たちだってここは払っているわけですから、低所得者や中所得者層のところにやはり恩恵が行き渡るということなのですが、総理、二分の一へ少し前倒しをやる、私たちの主張というのはもちろん直ちにということでございますけれども、できるだけ早くやるというようなお考えはお持ちでないでしょうか、どうでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 ただいま厚生大臣からも答弁されましたし、私自身も本会議場でそのことを申し上げておるわけでございまして、直ちに三分の一を二分の一にすることは甚だ難しいことだと思います。 ただ、委員御指摘のように、この保険料につきましては、いろいろと問題を提起されていることは事実でございまして、私ごとですが、私の家内も子供が三人おりまして、私も、二人で三人おるわけですが、この保険料につきましては、やはり非常に毎月それぞれ指摘がありまして、大変国民の中では厳しい御意見があることは十分承知をいたしております。 しかし、消費税五%のうち一%を引きかえろ、こういうお話はなかなか税源の問題から難しい問題だというふうに認識をいたしておりまして、この点につきましては、本当に将来とも安心のできる国をつくるということから考えますと、年金の問題について、抜本的な方向性につきましては、政府のみならず、もちろん国会でも御議論いただいておるわけでございますが、真剣に考えていかなければならない課題であることは十分承知をいたしておる次第でございます。
○海江田委員 あともう一つ。民主党では、児童手当を抜本的に拡充をして、まあ拡充というよりは新しい、私どもは子供手当という名前に変えようということですが、現在、児童手当は御案内のように三歳で打ち切られますが、三歳で打ち切られるのは少しおかしいのじゃないだろうか、まさにそこから教育費などはかかるわけでございます。 もちろん、三歳で打ち切られても税金で扶養控除があるということでございますけれども、扶養控除の控除額は所得控除で三十八万円、十六歳から二十三歳までは五十三万円でございますけれども、所得控除の三十八万円というのは実際の金額で幾ら安くなるかというと、まあ大体一割を計算すれば三万八千円ぐらいにしかならない。十六歳から二十三歳でも五万円ぐらいにしかならないということでありますので、一体何で児童手当が三歳で打ち切られるんだろうか。 ヨーロッパなどでは、この民主党の案に非常に近い、教育手当でありますとか育児手当でありますとか、大体大学を卒業するぐらいまでそういう手当が支給されて、しかも月一万円ぐらいになっているということでございます。私たちは、この子供手当というものを創設しまして、毎月一万円、そして三人目からは月額二万円、総理の奥様は三人お子さんがいるわけでございますから四万円の計算になるわけでございますけれども、やはりそういう制度を創設するということ、これは大きな流れになっておるんではないだろうか。 ただ、そのかわりに、子供の扶養控除にかかわる分は廃止をしなければいけません。お年寄りなどの扶養控除というものはしっかり残さなければいけないわけでございますが、この考え方というものを総理はどういうふうにお考えでしょうか。
○宮下国務大臣 ちょっと事実関係等ございますので私の方から答弁させていただきます。 主要国の児童扶養手当制度を見ますと、フランスを除きまして支給対象は、フランスは第二子からでございますが、基本的に第一子からになっております。支給額も、今委員仰せのとおり一万円から二万円程度でございます。それから、支給年齢は原則十六歳から十八歳まで、学生の場合には延長がございます。 一方、児童手当と関連の非常に大きい賃金構造とか税の扶養控除、委員も御指摘のとおりでございますが、これらと非常に相関関係がありまして、賃金の構造につきましては、欧米の賃金というのはおおむね能力給体系になっておりまして、三十歳ごろから横ばい、フラット化しているという特色がございます。ところが一方、我が国の賃金はおおむね生活給、年功給でございますので、五十歳前後まで賃金が上がる仕組みになっておりますね。 そういうことがございまして、扶養控除につきましても各国それぞれまちまちでありまして、スウェーデンやイギリスなどは扶養控除はなくて、ドイツでは扶養控除と児童手当の選択制になっています。アメリカでは児童手当制度はなくて税額控除をやっています。我が国では児童手当と扶養控除が併存している。 こういう事実を前提にいたしまして、なぜ三歳になったかといいますと、制度は四十七年創設でございますが、これは、中学の義務教育修了まで、そのかわり三子以降ということで、逐次この年齢を引き下げまして、第一子から支給するようになった経緯がまずございます。 それから、児童手当のあり方につきましては、子育て支援のサービスの充実を優先すべきではないかという意見があることは委員も御承知のとおりだと思いますが、そういった議論。 それから、今の扶養控除の扱いにつきましては……
○中山委員長 簡潔にお願いします。
○宮下国務大臣 各種扶養控除との関係がございまして、これは税体系全体の問題がございますので、私どもとしては、慎重な検討が必要であるというように考えております。
○海江田委員 私は総理にいかがですかというお尋ねをしたので、今厚生大臣がお話をしたようなことは全部わかっているわけで、私もその要点をかいつまんでお話ししたわけですよ。それをここへ出てきて、時間が限られているのに何分おしゃべりになりましたか。そういうことをやるから本当に国会の議論が盛り上がらないし、総理のリーダーシップを損なうことになるわけですよ。 私は、ぜひ総理にはリーダーシップを発揮していただきたいと思うわけでございますが、住宅のローン控除、これはぜひ実現をしていただきたいと思うわけでございます。 とりわけ、新規に住宅を建てた人に対するローン控除ももちろん必要でございますけれども、私は実は、今もう既にマイホームを持っておって高い金利に悩んでおる、あるいは、金利は低くなったけれどもやはり収入が減っておりますから、ローンの負担、返済に悩んでおります人に対する控除というものを、しかも所得控除でもって、金利分が毎年控除になる制度をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 ローン利子を所得控除するという話になってまいりますと、これまた長い答弁を申し上げなければならなくなると思います。 しかし、いずれにいたしましても、住宅ローンに係る政策減税というものは極めて重要であると考えておりまして、中堅所得者のローンによる住宅取得を支援することが肝要であり、この具体的方法につきましては、政府及び党の税制調査会におきまして、税制として適切なものについて検討いたしてまいる所存でございます。
○海江田委員 時間が参りましたので、岩國委員に交代します。どうもありがとうございました。
○中山委員長 この際、岩國哲人君から関連して質疑の申し出があります。前田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岩國哲人君。
○岩國委員 民主党を代表いたしまして、質問させていただきます。岩國哲人でございます。 まず最初に、小渕内閣の政治姿勢と経済運営を中心に質問させていただきます。 最初に、総理の政治姿勢につきまして。 今、平成の時代、小渕総理は平成という年号をお決めになったときの官房長官でした。早いものであれから十年、そのときの総理は竹下総理だったと思います。リクルート問題とともに幕あけをしたこの平成の時代、平成元年二月十日、所信表明演説が衆議院本会議において行われました。竹下総理は当時所信表明において、全国民注目の的の中で改革、改革と政治改革を強調され、わざわざ一章を設けてそういう政治改革について情熱を傾けて国民に説かれたのであります。それから十年、そうした竹下総理を師匠として、あるいは大先輩として仰いでおられる小渕総理、所信表明においてあなたは政治改革という言葉で国民に語りかけたことがありますか。お答えください。
○小渕内閣総理大臣 二回所信表明いたしましたが、政治改革、その言葉をそのままに使った覚えはありませんが、この内容とするところは常に、政治改革といいますか、政治は改革しなければならないという精神で対応してまいっておるつもりでございます。
○岩國委員 今のように政治不信が非常に高まっておるときに、なぜ総理は自分の言葉で政治改革についてお語りにならないのですか。 あの長い所信表明演説の中で、政治改革という言葉が出てきたのはたった一カ所しかありません。政治改革関連法案という法案の説明のところに政治改革が一回出ただけです。竹下さんは五回も六回も、あるいはその他の総理は、前内閣の橋本総理も五回、七回、四回、三回。この平成に入って、政治改革という言葉が小渕総理で限りなくゼロになってしまった、私はそのことを大変悲しく思います。あの平成の時代に始まった政治改革への情熱はどこへ消えてしまったんでしょうか。 次に、総理は先ほど午前中の答弁で、政治の安定こそ国民に対する最優先の課題である、このようにお述べになりました。自自連立に関しての答弁でありました。 政治の安定こそ国民に対する最優先課題である、憲法のどこにそんなことが書いてありますか。政権の安定は、国民がその内閣に対する信頼感を高めることによって政権が安定する、それが政治の使命ではありませんか。そういう政治の信頼を損なうようなやり方で政権を安定させることを国民が願っているでしょうか。お答えください。
○小渕内閣総理大臣 まず、政治改革につきましてですが、御指摘のように竹下内閣で官房長官といたし、また政治改革の国民の声の厳しい中で審議会をつくりまして、その答申も得て、政治改革の緒につく努力をしたつもりでございます。 したがって、政治改革という言葉はなるほどそのように御指摘かもしれませんが、私といたしましては、第一に政治倫理を確立していくこと、第二には政治がみずから効率的な体制を目指すこと、第三には政治が責任を持って決断し実行していく体制をつくること、このことが政治家に課せられた任務だと心得て、そのために努力をいたしておるわけでございます。 御指摘のように、国民の信頼と支持があってこそ成り立つわけでございますが、しかし、現実に国会の中で政府として各種の法律案その他を御審議願い、これを通過させていただかなければ国民の負託にもこたえられないという観点に立ちますれば、それぞれ協力を得られる各政党との間におきまして十分話し合いをし、そして事においては連立という形態をとることも、私は国民の期待をされる一つの方向性であると認識をいたしております。
○岩國委員 総理も政治家の一人として今の政治不信をそのままでいいとは思っていらっしゃらないと私は信じたいと思います。大切な所信表明の中で歴代の総理が何度も何度も使われた政治改革という言葉をあえて避けられたとは思いたくありません。しかし、そういうところに、そういう本音というか、政治改革というものに対する意識の低さというものを、はしなくも物語っているんではなかろうか、言葉さえもなくなってきたのか、私はそのことを懸念しております。 同じように、総理の政治姿勢について、もう一つお伺いしたいことがあります。先ほどから何度も各委員が質問しておられる、いわゆる自由党との自自連立についてであります。 総理は、午前中、答弁の中で、自民党総裁として、並びに内閣総理大臣として、こういう答弁をされました。これは順序が逆じゃないでしょうか。ここは自民党の党本部ではありません、国会の中です。国会の中で、内閣総理大臣の前に自民党総裁という肩書が出てくるんですか。自民党総裁並びに内閣総理大臣、これを聞いている国民は悲しく思っていると思います。内閣総理大臣というのは、自民党のための仕事ではなくて、国民のための仕事をするための肩書ではありませんか。 これは自自連立の合意書であります。私はこの合意書のコピーを見たときにびっくりしました。内閣総理大臣という肩書がここに使われているではありませんか。今まで政党間の合意の文書に内閣総理大臣という肩書を使って合意文書がつくられた例はありますか。お答えください。
○小渕内閣総理大臣 すべてを承知しているわけでございませんが、その時々、いろいろなものがあったのではないかと思っております。
○岩國委員 その時々なる政党間の合意文書、平成の時代から始まって、村山内閣のときも、細川内閣のときも、橋本内閣のときも、私は全部調べてみました。一つもありません。全部党首として、党の総裁として合意文書に署名しておられるのです。 小渕総理は、歴代の自民党総裁、歴代の総理の中で初めて政党との合意文書に、しかもその合意文書の中には内閣としての関係もあるという答弁をされましたけれども、選挙区における選挙協力の合意について、なぜ内閣総理大臣の肩書が必要なんですか。これはまさに公的な肩書、地位を私のために、私物のために私用していらっしゃるということではありませんか。日中共同宣言に内閣総理大臣として署名できなかった総理が、なぜ自由党との間にはいとも簡単に内閣総理大臣という肩書を使用されるんですか。これは国民に対する侮辱ではありませんか。お答えください。
○小渕内閣総理大臣 ちょっと岩國委員誤解しているんじゃないかと思いますが、政党間の合意を私のものだということでは私はないと思う。公党というものがお互い政党政治に立脚をして議院内閣制が成り立っておる以上は、やはり公のものとして考えて対処したわけでございまして、確かにこの内容にわたりましては、内閣総理大臣としてお約束をしなければならないこと、すなわち、連立内閣という形は、これは総理大臣の権能で閣僚は決めておりますので、そうしたものもありますし、また、選挙協力というような形になりますと、政党間の話し合いが主たるものだろうと思います。 そういう意味で、厳密に言いましたら、合意書のそれぞれの内容にわたりまして、ここは内閣総理大臣分、ここは政党の総裁分、こういうふうに分ければ一番明快なのかもしれませんけれども、これを引き分けるということはなかなか困難なことでございますので、私自身、総理大臣であり、かつ自由民主党の総裁であるという立場において、責任を持って署名し、公党に対しての約束を果たしていこう、こう考えておる次第でございます。
○岩國委員 公党としての責任を果たされるのであれば、私は、自民党総裁という肩書で十分だと思います。だからこそ今までの歴代の総裁は、自民党総裁として公党に対する義務を実行してこられたんじゃありませんか。 これは、自由党から内閣総理大臣という肩書も必要だということを要求されて、それに応じられたのですか。それとも、要求もなかったのに、自発的に総理のお考えとして使用されたのですか。どちらですか。
○小渕内閣総理大臣 場所が官邸でございまして、内閣総理大臣の執務室に小沢党首においでをいただきまして、そこで話し合いがなされたことは事実でございました。自由民主党も、党の五役の皆さんにもお集まりをいただきまして御相談をしているわけでございまして、その過程でそのような文書ができ上がりまして署名に至った、こういうことであります。
○岩國委員 官邸の中なら内閣総理大臣という肩書を使わなければならないという解釈は、私は初めて聞きました。また、自民党はいつから政府機関になったのですか。私は、このような政党間の合意文書というのはやはり政党の肩書でなさる、それが正当なやり方だと信じたいと思います。 次に、質問をかえまして、こうした政治姿勢の問題についていつも国民の間に不満がありますのは、一票の格差の問題です。 これは、定数格差二倍あるいは参議院選挙は定数格差六倍、いろいろな数字が出てまいりますけれども、民主主義の根幹というのは、天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず、日本で生まれ、日本人である以上はみんなが平等な権利を持つというのが政治の根幹であろうかと私は思います。 定数格差二倍ということは、ある人は一票の権利を二倍持っている、ある人は半分しか持たないということであります。平成二年の段階で、二十八の選挙区がもう既に二倍を超えておりました。それから五年後、平成七年のデータによりますと、六十の選挙区が既に二倍を超えております。 つまり、日本の中で六十以上の選挙区において一票の価値が半人前の人がふえておるということであります。私の世田谷選挙区もそうであります。税金は十割払って権利は五割しかもらわない。これは半人前ということです。税金十割、権利は五割。同じ権利一つをもらうために、東京、大阪を中心として、一票の権利を得るために二倍の税金を払わされているということでしょう。税金を半分にすべきじゃありませんか、一票の権利を同等にするためには。 この一票の格差について、総理はどのような意見を持っていらっしゃるのか、御意見を伺わせていただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 一票の格差といいますか、その不平等性につきましては、最終的には最高裁判所の判断に今ゆだねておるわけでございますが、この問題につきましては、国会の定数の問題あるいは選挙区の問題、その他万般ございまして、これにつきましては議会におきましても十分検討の上、選挙法というものが成立をいたしておるわけでございますので、その点につきまして、委員御指摘のようなお考えがございましたら、国会において御審議をいただけたらありがたいと思います。 政府といたしましては、この問題について、国民の考え方の中に、確かにそういった一票の重さにつきましていろいろの議論があればこそ、提訴されて最高裁の判断を求めておるというような実態のあることにつきましては、これは承知をいたしております。
○岩國委員 私は、総理に、一政治家として政治改革にかける熱意があるとすれば、こういった問題について自分はこうしたいんだということを、そういう裁判所はどうとか、あるいは合法性がどうとかいうことではなくて、一人の人間として、これがいいことかどうか、それを私はお伺いしたいと思いました。 次に、政治改革について最後の質問としたいと思いますけれども、政治改革についての情熱は失われていないということであれば、具体的に、世田谷の八百屋のおかみさんにも散髪屋のおじさんにもわかるように、小渕さんは政治改革について具体的に何をやってくれるのか、一つだけわかりやすい例でお答えいただけませんか。中選挙区にするとか。
○小渕内閣総理大臣 いろいろな問題がありますけれども、当面、政治改革といいますか、省庁の再編成というようなことを通じまして、やはり行政のあり方についてきちんとした対応をすることが一つの大きな課題であると認識しております。
○岩國委員 経済運営についてお話を伺いたいと思います。 昨夜私は、世田谷区内の経堂とか深沢とか、いろいろなところの会合に出ておりました。皆さん、とにかく景気が悪い、商店街の人たちを中心にしてそういう御意見もあります。法人会からのいろいろな要望を私たちもいただいております。 そういったいろいろな話題の中に、マンション建設で環境が悪くなったとか、あるいは、世田谷区あるいはその他の区長選挙が来年行われますけれども、区長の多選問題についてもいろいろな批判的な意見が多うございました。世田谷だけが特殊な例ではないと思いますけれども、全国各地でこの多選の問題はあろうかと思います。二十年間も同じ人が区長をやっておっていいんだろうか。これに対しては、世田谷区の自民党の越智委員、いらっしゃいますけれども、越智委員を先頭に、自民党としては多選反対という申し入れをされました。私は立派なことだと思っています。民主党はちょっとおくれましたけれども、石井紘基委員と一緒に私も多選反対の申し入れに参りました。 そういった問題について総理の御意見も伺いたいと思いますけれども、きょうは時間の点で次の質問に移らせていただきます。 それは、経済、暮らしの問題であります。 去年一年間、橋本前内閣によって、総理は先ほどきちっと責任ある言葉をおとりになりました。前内閣で私も重大な責任を負っているという答弁がありました。そのとおりであると思います。 前内閣のときに、昨年何が行われたか。消費税を上げる、景気は下げる。所得税を上げる、そして株価が下がる。医療費負担を上げる、預金利子は下げる。失業率を上げる、国の格付を下げる。上げてほしくないものはみんな上げてしまって、下げてほしくないものはみんな下げてしまった。そして、五十年ぶりの不況です。 アメリカでは何が起きたか。所得は上がる、税金下がる。株価は上がる、失業率は下がる。上げてほしいものはちゃんと上がって、下げてほしいものはちゃんと下がる。百年ぶりの好景気。株価がそれを物語っています。八年間にアメリカの株価は四倍、日本の株価は三分の一。向こうが四倍、こっちが三分の一、差し引き十二倍の差をつけられてしまったんです。 何が違ったのか。政策が間違っておったからだと私は思います。そういう内閣の一員として責任を痛感しておられることは、私は当然のことだと思います。 昨年の春、消費税を上げるときに私たちは反対しました。それでも、当時の大蔵大臣、経済企画庁長官は、一・九%大丈夫でございます、このマイクに向かってテレビを通じて何度もおっしゃいました。一・九%をはるかに上回る、一・九%にプラスオンしていく。私はそのことを今でも鮮明に覚えております。はるかに上回るどころか、はるかに下回ったではありませんか。プラスオンどころか、さっぱりのパアじゃありませんか。パーの下のマイナス一・七%。そして、ことしもまた同じ問答が繰り返されました。こういう景気予測の見通しを大きく間違えたということも、これは内閣の責任だと私は思います。 そういういろいろな集会に出ますと、消費税のことについて質問されることがよくあります。例えば、自由党の小沢一郎さん、世田谷区の深沢にお住まいです。当然、深沢の区民センターでゆうべ出た話題は、自由党は国民の生活を守るために消費税を凍結してくれるんでしょうか、小沢さんは私たちのためにやってくれるんでしょうか、そういう期待する意見があります。 同時に、もっと直截的な意見として、年末までに家具を買いたいけれども、今買った方がいいんでしょうか、それとも消費税が下がるのを待ってから、来年の四月一日になってから買った方がいいんでしょうか。小沢さんが下げてくれるんだったら私は四月一日まで待つ。うちの主人は自由党ファンで、四月一日まで待てと言っているんですが、私はどうも信用できない。それは奥さんの声です。世田谷に住んでいる竹下さんは、消費税は下げてはならないとおっしゃっている。小沢さんが正しいのか、竹下さんが正しいのか。 民主党はどう言っているかという質問が出なかったのが私は寂しい思いをいたしました。しかし、小沢さんと竹下さんのどっちが正しいんでしょうか。家具はいつ買った方がいいんでしょうか。やはり年内に買いたい、あるいは主人が言うように、小沢さんが下げてくれるんだったら四月一日まで待った方がいい、私は主人にこう言われております。簡単に、わかりやすく、総理としてどうされるのか。家具はいつ買うのですか。年内ですか、四月一日ですか。
○小渕内閣総理大臣 岩國議員、長らくその世界で御活躍されたことは承知をいたしておりますが、されど今のようなことに対しての答弁はなかなか難しかったのではないかというふうに認識をいたしておりますが、私自身が現下の株式市況に対してどのような手を下すべきかということは、申すべきことではなかろうかというふうに思っています。
○岩國委員 私の発音が悪かったのかもしれません。百万円ぐらいの家具ですよ。総理は家具よりも株の方がお好きかもしれませんけれども、カブを持ってこんなことをやられていましたから。 私の近所の奥さんが、何か百万円ぐらいの家具だそうです。消費税が五万円、商品券よりはるかに高い消費税を払わなければいかぬ。その五%の消費税を、家具を買ったとき、今払わなきゃいけない。しかし、四月一日まで待てば、小沢一郎さんと自由党の人が立ち上がって私たちの消費税を下げてくれる、それまで待った方がいいとうちの主人が言っております、こういうことなんです。だから、家具はいつ買ったらいいんですか。
○小渕内閣総理大臣 大変失礼をいたしました。岩國議員のお顔を見た瞬間にすぐ株と、昔のことを思い起こして、株と家具を間違えたことは大変申しわけないと思っております。 要は、消費税が下がるか、そのままであるかということでお話をされているのだろうと思いますが、政府といたしましては、せっかくに二%引き上げさせていただきました。この創設に当たりましては、竹下内閣におきまして、私自身もあるいは小沢党首も、ともに官房長官、副長官としてこれに対処したわけでございますが、その後いろいろの考え方がいろいろの政党の中における個人といたしましても主張がございます。 したがいまして、消費税率につきましてのいろいろのお考えは私も拝聴はいたしておりますが、政府といたしましては、現在の五%を維持し、このことによって、社会福祉も含めました諸政策を実行するに極めて重要なことであると認識をいたしておることだけ申し上げさせていただきたいと思います。
○岩國委員 大変明快な御答弁をいただきまして感謝いたします。私は、早速今夜その奥さんに、やはり家具は早く買った方がいい、小沢一郎さんが消費税を下げてくれることはない、竹下さんの方を信じなさいと言いたいと思います。 次に、このパネルであります。経済企画庁長官が午前中お使いになったこのパネル、私も説明を聞いておりましたけれども、何やら総理の眼鏡の形に非常に似ておりますし、堺屋長官の眼鏡の形にも似ております。しかし、この眼鏡のフレーム、至るところに、不安とか、不況とか、不信とか、不の字がずっと並んでおりますけれども、不の字の連続線。つまるところ、この中にたった一つ欠けている言葉は、雇用不安でもなければ信用不安でもない、私は政策不安じゃないかと思います。総理の眼鏡の中に政策不安が消えない。 今の消費税についても、国民を、人をたぶらかすという日本語を私はずっと聞いたことがありませんでしたけれども、ゆうべの集会ではそういう日本語さえ出ました。消費税を上げるのか下げるのか、人をそういうふうにたぶらかすようなことはぜひやめてもらいたいと。これは私に対する言葉でありますから、総理に対して私はそういう言葉を使うことは遠慮いたしますけれども、しかし、この不況の環を断つ、環を断つという以上は、まず一番最初に断たなければならないのは私は政策不信だと思います。政策に対して国民が信頼を寄せるように明快に総理が語っていただくこと、それが私は一番大切ではないかと思います。 次に、堺屋長官が別の答弁のときに、東京と地方の問題について触れられました。東京は過去の遺産をもらっているから、東京の住民はその対価を今払っている、そういうふうに思えばいいんだ、東京の悪いマスコミも目を覚ませと。そのとおりおっしゃったわけじゃありませんけれども、内容的にはかなり暴論に近いものであると思います。私は、そのような単純な割り切り方で東京と地方の問題は割り切れないと思っております。 きょうは時間がありませんから、いずれ別の委員会で堺屋長官のあの発言に対してはしっかりと我々は説明を聞かなければならないと思っております。 次に、地方分権についてお伺いいたします。 地方分権については、分権推進委員会がいろいろな答申を出しておりますけれども、小さな中央、大きな地方、これを目指すことは私は正しいことだと思っております。しかし、その分権メモの中で、内閣が公共事業の長期計画をつくり、そして地方の県、市町村が短期計画をつくっていくという考え方が述べられておりました。私は、それは逆ではないかと思うんです。 超短命内閣と言われるぐらいに、平成の時代に入ってもう既に九人の総理大臣、十以上の内閣がつくられては消えていきました。そういう短命内閣に長期計画をつくらせて、地方では、多選、長命政権が短期計画をつくる、全然これは逆じゃないでしょうか。長期にやる人は長期の計画をつくり、短期の内閣は短期の計画しかつくれない、これが世間の常識です。それを、地方の時代といいながら、依然として、寿命が一年かそこそこの内閣が長期計画をつくって、地方はその長期計画の枠の中に入るような短期計画をつくりなさい、これは逆じゃないでしょうか。地方にこそ長期計画をつくらせる、内閣はそれを短期に修正していく、それがこれからの地方分権の時代の姿勢であるべきだと私は思います。 例えば道路計画についてもお伺いしたいことがあります。建設大臣に答弁をお願いしたいと思います。 まず最初に、建設省五十周年を記念した公共建築百選に出雲の木づくりドームを選んでいただきまして、そのことをお礼だけは申し上げておきます。 私は、これからの地方の活性化には道路が一番大切だと思っています。道路なくして分権なし、私はそれをずっと言い続けてきました。ところが、この道路のつくり方が時間がかかり過ぎるんです。計画の段階から完成の段階まで二十年、三十年かかる道路は日本じゅう至るところにあります。つまり、地方の若い人は三十年待てないんです。三十年待てないから、おばあちゃん、僕は東京の日立へ行く、大阪の松下へ行く、みんな出ていってしまうんです。そして、その地域が過疎になったらやっと道路がついてくるんです。過疎地帯へ向けての立派な高規格道路はやっとそのころに完成するんです。 そういう道路を三年間でつくる。三年間だったら、若い人も地元の企業も目の色が変わってきます。三年と言われたら、我慢して僕は残る、そういう若い人がたくさん出てきます。 考えてみてください、経済学的にも。最初の一メートルのためにかけた税金が三十年後になってやっと動き出すのと、最初の一メートルに使った税金が三年後には貫通してどんどん国のために役に立つのと、どうですか。もっともっと前倒しで道路建設をやるべきじゃありませんか。簡潔に。
○関谷国務大臣 簡潔にでき上がりますように簡潔に答弁をさせていただきます。 二十一世紀の初頭までに一万四千キロのネットワークの概成を目標といたしておりますが、現在のところ、その約半分の七千二百キロでございますので、急ぎこれをやっていきたい。 ということは、すなわち重点配分をやっていく。その緊急度、効率、そして未来性というものを考えまして重点配分をやって、重要なところは早期に完成をやるということでやってまいりたいと思っております。
○岩國委員 もう時間がなくなりましたから、最後に短い質問。 銀行献金。国家の救済を仰いできている業界から百億円自民党は政治献金を受け取っております。これは橋本総理も答弁されました。その銀行業界に対して、ましてやそれ以上に、責任もないのに負担を押しつけられた国民に対して良心にとがめることはありませんか。自民党として、銀行献金百億円は銀行業界にお返しになりますか。 総理のお考えを聞かせてください。
○小渕内閣総理大臣 自民党総裁としては、今、銀行からの献金につきましては自粛しておるところでございます。
○岩國委員 総理としてどういうふうにお考えになりますか。銀行業界に返還をさせるべきか、自民党にそういうことを指導されるお考えはありませんか。
○中山委員長 時間でございますので、ひとつよろしくお願いします。
○岩國委員 では、質問を終了します。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて前田君、海江田君、岩國君の質疑は終了いたしました。 次に、太田昭宏君。
○太田(昭)委員 太田昭宏です。公明党・改革クラブを代表し、質問をさせていただきます。 総理、今回の二十三・九兆円の緊急経済対策、そして補正予算、これは財政構造改革法の凍結とセットになっております。 しかし、ちょうど一年前、私たちはこの財革法には徹底して反対をし、時はちょうど山一、三洋あるいは拓銀等の破綻という大変なときでしたが、無理やり通したのは政府そのものであります。私たちはそのときに主張しました。景気回復に全面的に展開しろ、あるいはまた、経済再建なくして財政再建はないんだ、景気回復なくして財政再建はないんだということを私たちは主張し、私も、この一年間、そうした財革法の論議にはずっと加わってきました。 ところが、政府は今回凍結という事態になりまして、わずか三行の表現です。 あるエコノミストがこう言っています。一昨年回復軌道に乗った日本経済、ちょうど一昨年は三・九%の経済成長率、ところが昨年、猛反対の中で、消費税、特別減税打ち切り、あるいは医療費の値上げ、まさに日本経済号の主力エンジンである個人消費に九兆円増というミサイルを撃ち込んだ、そしてこれを撃沈させた、その上、とどめを刺すように緊縮財政へのこの財革法を通したんだ、これがとどめであった、こう言っています。 私も全くそうであると思いますし、特に、昨年無理やり通したというよりは、ことしに入ってからもずっとこの財革法というものに固執をして、あるいは予算等についてもこれが最善である、今ではもう忘れかけていた言葉かもしれませんが、最善だ最善だと言い続けて、財革法に非常に固執をしてきた。そして、その結果がかくもひどい不況の状況です。 要するに、この財政再建路線は、この一年間、少なくとも誤りであったということを御認識されますか、どうですか。
○小渕内閣総理大臣 前政権時代も私もこの大臣席に座っておりましたから、段々の各議員の御主張も拝聴いたしておりました。 ただ、その時点におきましては、橋本内閣としては財政改革が六大改革の一つの大きなテーマであり、五百四十四兆円を超えんとする財政赤字をいかに脱却すべきかということに専心しておられたわけでございますが、その後、日本の経済のみならず世界の経済の大きな動向あるいは変化というものも予想しがたい諸点もございまして、単年度におけるレベニュー・ニュートラルあるいはかなり期間を置いての財政再建の目標というものは立ちがたいという結果になったことは、そのとおりだと思っております。 でありまするがゆえに、私としてはこの内閣の中で、今回お願いしておりますように、財革法を凍結しても、なおかつ今回これから財政を出動させて、景気の回復ということが最大の課題であるということで取り組んでおる、こういうことでございますので、私、今御質問の、誤っておったかと言われれば、財政改革そのものの方向性は誤りはなかった、しかし、それに従いまして経済の大きな変化を見誤ったという点においては、適切でなかったと言えばそうであったかと存じております。
○太田(昭)委員 私は、率直に今国民の皆様の前で、この一年間の動機ということについては御容赦いただきたいが、しかし、結果としては誤りの面があったという表現であったと思います。 確かに、この一年間、倒産があったり自殺があったり大変な状況で、例えば建設業界でも、財政再建路線という中で七%削減、現実には当初予算では七・八%の削減であったという事態の中なんですが、しかし、現実には新規事業というのが多いわけですから、これにおいては三〇%の削減である。もう大変な、どんと落とすような、ちょうど野茂や大魔人の佐々木のフォークボールのような、もう真っ向から落とすというようなことを政府自体がやった。当然これは国民は三振するしかない、こういうような事態であったというふうに私は思います。 ぜひともその朝令暮改の責任、あえて申しませんが、今率直な総理の発言でありましたから、そこのところを明確にして、そして責任をしっかり感じて、路線転換をしたんだということを再度、短い答弁で結構ですから、お話しください。
○小渕内閣総理大臣 路線と言えるかどうかわかりませんが、経済政策を大転換させなければ、現下の経済状況を乗り越えられないという認識をいたし、しかるべき対処をいたしておるところでございます。
○太田(昭)委員 実は、ことしの五月十四日、私は橋本総理に、ちょうどこの場ですけれども、質問をしました。そのときに小渕総理は主要閣僚の外務大臣です。 そのときの論議は、目標年次を二〇〇三年から二〇〇五年にする。私たちは、この二年停止ということをそのときに強く主張をしました。今ごろになって凍結するならばそのときにやればよかったというふうに私は思うのですが、そのときに答弁をしました橋本総理は、二〇〇五年はどんなことがあってもきちんと仕上げておかなければならない年だ、これ以上ずらすことはすべきではない、このように明言をされております。 私は、財政の規律はこれは大事である。そして、手を放すのではないかというふうに、ある意味では、世界の信頼ということから見ますと、これで手をぼっと放してしまうのではないかという心配が世界からは寄せられて、それが例えばムーディーズ等の指摘になっていると私は思います。 その意味で、一両年の景気回復だというふうに総理がおっしゃるならば、ちょうどこれは二〇〇三年から二〇〇五年に延ばすわけですから、二〇〇五年までにちゃんと仕上げます、きちんと仕上げますというこの橋本前総理の発言、これ以上ずらすべきではないという発言、これについて総理の見解をお示しいただきたいし、私は、その意味では、財政再建ということについて基本的に考え方があるというならば、まず景気回復なら景気回復をしかるべくどういうふうにするのか、その後に財政再建なら財政再建をどうするのか、期間は二年なら二年というような、ある意味で、明言はされないかもしれないけれども、そういうような含みを持っていらっしゃるかどうか、このことについてお聞きをいたします。
○小渕内閣総理大臣 今度の財革法は当分の間凍結させていただくという趣旨で法律案を出させていただいております。そうしたことをなさなければなりませんことは、この財政再建は当分の間差しおきましても、現下の経済の状況を活性化しこの不況を乗り越えるというところに全精力を傾けるということに尽きるんだろうと思います。 したがいまして、その結果として、将来にわたりまして日本経済がより発展をすることによりまして財政再建にも大きな寄与ができるというときの一日も早からんことを願い、全力を挙げて今景気回復に取り組んでおるということだと思います。
○太田(昭)委員 二〇〇五年にきちんと仕上げるということについては、同じような願望は少なくとも持っていらっしゃるかどうか、お聞きします。
○小渕内閣総理大臣 前の総理が答弁されました二〇〇五年ということを考えますと、やはり、その期待を強くいたし、たまたま戦後生まれの世代が六十歳の年齢を迎える年であり、G10レポートにおきましても貯蓄率が顕著に低下し始めるという予想をされる年と考えて、二〇〇五年ということを橋本総理としては答弁しておったようでございます。 私といたしましては、その思いは思いとして受けとめましても、現下の厳しい状況を乗り越えるために、何としても、全力を尽くし景気回復に努力をするということであろうかと存じております。
○太田(昭)委員 そこで、その論議の中で、一つ私は大事なことを聞きまして、ぜひともここはきちんとお答えをいただきたいし、くぎを刺しておきたいと思いますが、私はそのときに、これは二回にわたって聞いて、また二回にわたって答弁をいただいたんですが、増税による赤字削減はしない、このことを二回にわたって明言をいただきました。これについては変わらないということを確認したいと思いますが、いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 そのようにならないために、国家としても財源が確保できるような税収が得られる、その背景を全力でつくり上げていくということだろうと思います。
○太田(昭)委員 何となく、ちょっとあいまいな気がしましたが、増税による財政再建はしないという私の質問ですが、もう一度お答えください。
○小渕内閣総理大臣 財政再建のために現下増税をするというような環境でないことは、言うまでもないと思っております。
○太田(昭)委員 さて、今回の二十三・九兆円の緊急経済対策、そして第三次補正。問題は、これで景気が持ち上がるかどうかということであろうというふうに思います。 総理は所信表明演説で、来年度ははっきりしたプラス成長に転換させると、はっきりという言葉を二回言われております。非常に明快にはっきりということを二回言われている。この点について、はっきりというのは何%かという論議があったりして、新聞報道にもありますが、与謝野大臣、一%という発言をされましたか、はっきりということで。
○与謝野国務大臣 小渕内閣は、経済再生内閣としてスタートしたわけでございます。昨年はマイナス成長をして、ことしも、一応現段階までの予想というのは多分マイナスであろうということでございます。 私どもは、やはりこれだけの経済対策を打ち、また金融システムの安定化のためのいろいろな仕組みも導入をしていただいて、来年こそは現在のマイナスからプラスの成長軌道に乗せたいという気持ちで政策を運営しよう、こういうことでございます。 それが〇・何%になるか、一%台に乗るかは、これからの平成十一年度の予算編成等々、もろもろのこととかかわりますけれども、姿勢としてはやはりプラス成長を目指してあらゆる政策運営をやっていく、私はそういう気持ちでやらなければならない、そのように思っております。
○太田(昭)委員 巷間、一%という数字が与謝野大臣から発言をされたと聞いておりますが、事実はありやなしや、イエスかノーで結構です。
○与謝野国務大臣 そう言われると、イエスでもノーでもないということです。
○太田(昭)委員 そういう発言をされたことがあるかどうかということで、イエスかノーかです。
○与謝野国務大臣 経済の成長過程というのはいろいろな経路をたどるわけですから、ある前提を用いて経路をかけば一%ということになりますし、その前提を用いなければ、もうちょっと低いところで進んでいく。いろいろな考え方、いろいろな前提から物事を考えていく、そういう頭の体操の中では、そういう一%という数字もあるんだろうと思います。
○太田(昭)委員 そこで、実は多くのエコノミストを初めとして、これではっきり持ち上がってもらいたいという願望はあると思う。 私は、非常に今はデリケートな時期だと思うのですよ。堺屋長官の午前中の話を聞くと、胎動があると。私はここで、胎動があるかないかなんということを質問はしません。しかし、いいデータが出始めていることも若干ある。 しかし、だからこそ、今非常にデリケートだから、どういう手を打っていくかということが大事だということが私の質問の一番のポイントなんですが、この緊急経済対策について、さまざまな意見の中で、例えば減税の実施がおくれた、これは非常に厳しいぞと。特に暮れから正月、そして春先、このあたりで減税がないということはどれだけ響くか。 ここのところは非常に大事な問題ですし、貸し渋り対策で少し緩和したというが、どうもそこにはいいところと悪いところが非常にまだら模様になってきている。ここを一体どう考えるかというようなことも非常に大事だし、あるいは住空間というのを倍増しようというけれども、もっと私はダイナミックな展開というものが必要であろうというふうに思っていますし、あるいは社会資本整備といっても、旧来型だとかなんとかというレッテルを張るということではなくて、もっと中身をよく吟味しながら、私は、規模もまだ不十分、そして新しい展開も不十分、こういう感じがしてならないわけなんですが、総理、なぜこれで景気が回復するという、一%という数字は出ませんでしたが、なぜはっきりこれから景気が回復するという確信がおありなんですか。
○小渕内閣総理大臣 太田委員御指摘のように、来年度ぜひプラスと言える状況をつくり上げるということでございまして、そのために、今般の補正予算、あるいは来年度行います減税その他の効果を総合して相まてば、必ずそうした状況が生まれる。と同時に、国民の皆さんも、将来的に不安を感じてはおりますけれども、この際、日本人としてのすべての能力を傾けてこの難局に向かっていただければ必ずそうなる。そのための指針を政府としては掲げ、そのための財政的な措置、減税の措置を講じていけばなる、この確信でございます。
○太田(昭)委員 後からこれは分析させていただきますので、お答えいただければ結構なんですが、しかし、少なくとも、四月のいわゆる総合経済対策十六兆。このとき経企庁は、GDPが名目で二%膨らんで、一・九%の実質成長と見通しを立てた。もろくもこれが外れた。また外れるんではないのかなという、こういうふうな危惧もあるわけですね。ところが、経企庁は本年度の成長をマイナス一・八%に改定をしたけれども、この外れた原因というのは何でしょうか。
○堺屋国務大臣 十六兆円の第一次補正予算が執行されるようになったのは、つい最近、地方議会が九月県会、市会を通した後でございまして、かなりタイムラグがあったと考えられます。 経企庁の方は、ことしの初めから桜の咲くころとかいろいろなことを言って、ことごとく外れました。まことに申しわけないことだと思っておりますが、その最大の理由は、やはり金融問題を初めとする日本経済の状況に対する認識が甘かった。それからもう一つは、やはりアジア経済を中心とする海外事情に対する見方も甘かった。そういったことが重なって、意外と下落が大きかった。それに対して、対策の発動は予想以上に時間がかかった。そういうことが重なったのではないかと思います。
○太田(昭)委員 私は、実はことしの二月であったと記憶をしておりますが、この不況はどこから来たのかと聞きましたら、何か答弁をする方はアジアから来たみたいなことを答えたような気がするんですが、しかし、このアジア経済というのは去年の話で、ことしということを考えると、この間の七—九の結果が発表されましたが、実は十六兆をやりました。 しかし、GDPの六〇%が個人消費だ、そして一五%が設備投資だ、五%が住宅である。そういうように、いわゆる民間需要というのは全部で八〇%。ここをどう温めるかというような本格的なことをやらないとだめな時期に来ている。公共事業というのは八%ですから、あるいは九%ですから、これをもって一気にそれを何とかするというよりは、民需をどう拡大していくかという、そういう戦略を立てないと私はだめだというふうに思うんですね。 現実に、この七—九という結果を見ましても、これは、例えば設備投資を見ましても、昨年十月—十二月期、これが八十八兆円。今回、七—九を見ますと七十六兆円。十二兆円これは下落しているわけですから、そういう意味では、真水を十兆なら十兆をつぎ込んだといっても、現実には設備投資というふうなことだけで十二兆下落をしておる。ここの民需をどう拡大をしていくかという、そこの戦略が私は非常に今弱いと思うんです。それについて、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 まさに御指摘のように、民需の冷え込みは予想以上に大きかったと思います。 消費需要につきましては、所得が伸び悩んだこともありますし、マインドも冷え込んで、財布のひもがかたかったということがあります。特に、御指摘の設備投資それから住宅投資、これがどんどんと悪化をしているという現実があります。 その設備投資がこれだけ冷え込んだ大きな理由は、やはり金融問題にあったんじゃないか。この金融不安を去年のうちに停止できなかった、解決できなかったことが大きな問題であり、また、もっと言えば、九三年ぐらいに手を打てばよかったのでございますが、ずるずると土地、株の値下がりの中で不良債権が増大するのを看過した点がここ数年間あったんじゃないか。それがたまりたまって、去年からことしにかけて爆発してきた。これが貸し渋りになり、経営者のマインドを引き下げた点が非常に大きかったと思います。それによってまた土地が下がったものですから、住宅投資の方ももう少し待とうかというような悪影響が出てきまして、人々の不安をかき立てた。先ほども説明いたしました、そういう金融から始まった悪循環が、不況の環がまさに働いたのが去年からことしにかけてではなかったかと思います。 したがって、この第三次補正予算、緊急景気対策では、何よりもまずこの金融の環を切って、それから需要不足の環を切って、雇用不安を切ってというようなシナリオをつくっておるわけでございます。
○太田(昭)委員 今おっしゃった、設備投資と住宅が低落した、これが底が抜けたみたいになった、それで金融問題であると。私はそのとおりであろうと思います。 物事には急所というものがあるんだと思いますが、二十三・九兆円、非常に規模は大きい。しかし、内実はどうか、どこが急所であるかということについて私は論議をしたいというふうに思いますが、どこが傷んでいるのか、だれが苦しんでいるのか、そしてどこにダメージがあったのか、何ゆえにそういう事態に陥ったかという、全体の二十三・九兆円で何となくお金を出そうというのではなくて、どこが一番今の日本で傷んでいるのかというと、私は、中小企業であったり商店街であったりあるいは個人消費ということ、六〇%、これをどう温めるか、そういう問題であろうと思います。その背景には、実は間違いなく金融問題というのがありますよ。 ここにパネルがあります。生産指数、大企業と中小企業、これの差を見ています。 実はここのところ、平成八年の十月のところで、上が大企業、下が中小企業、ここの生産指数に急に落差が出るのです、落差がここに出てくる。こういう事態が起きて、ちょうどこれが二年前の秋です。一方ではこの生産指数に、中小企業と大企業に急に落差が起きる。そして、九六年ですから経済は上がりますから生産指数は少し上がるのですが、これが急激に落ちる。落ちるところは、これは去年の十一月ですよ、金融問題ですよ。それからぐっと大企業も中小企業も落ちるのですが、この両者の生産指数格差は非常に広がりながら来ているのですが、注目すべきは平成八年十月、ここのところに非常に急激な中小企業と大企業の落差というものがあります。 私は、まさにここのところ、実はこれが中小企業先行型の不況になったという認識をしているのですが、この認識はございますか。
○堺屋国務大臣 御指摘のとおりだと考えております。 といいますのは、御指摘の平成八年の夏ぐらいから、金融機関が中小企業、特に不動産を担保にしていた中小企業に対して厳しい態度をとり出した、そういう認識は私たちも持っております。したがって、これを解消するために、今、不動産担保の足りない部分に保証協会等の融資をつける。この金融問題の解決に、前の国会でもスキームをつくっていただきましたけれども、今度の補正予算でも貸し渋り対策に五兆九千億円お金をつけておりまして、この点にまず第一点の全力を挙げている次第でございます。
○太田(昭)委員 私は、中小企業と大企業という、ここの急激に広がっている落差、ここのところを、全体の貸し渋りとかいうことも大事ですよ、しかし、ここから始まっているという認識はしっかり持っていただきたいんです。 それから、もう一点。実は、日銀の調査統計の月報があります。銀行の企業向けの貸付残高、これがプラス傾向であったんですが、急激に落ちる、この時期があるんです。それが二回ありまして、一回は、ここに矢印が書いてありますけれども、やはり大体秋、一昨年、二年前の秋の、先ほど申し上げた生産指数が大きく格差が開くというときに、真っ先に中小企業への貸出残高ががあんとマイナス二・一に減っているという時期が一回あります。 それから、ことしの三月、この前に、当然これはBIS規制ということで、しっかりと回収というような動きになったんでしょう、そういうことで、もう一回ここに二回目の矢印があります。実はもう一回あるわけですが、これはまさにことしの七—九というところにもう一回。まさに日本のこの貸し渋りというのが、一昨年の秋に始まって一回、そして二回目はことしの一—三月、そして今度の七—九。三連発のようにどんどん落ちるという中に、そして同時に、ここで注目すべきことがあるんですけれども、この貸付残高の減少を中小企業が全部というほどかぶっているということです。 中小企業庁、日銀のデータによりますと、一昨年三月と昨年三月を比較しますと、企業向け貸付残高が三兆円減る。その中で、中小企業が、減少分を全部かぶるどころか、三・九兆円実は中小企業の方が減少しておりますから、全体が三兆のうち三・九兆円中小企業がかぶっているという状況がございます。 それから、昨年三月からことしの三月末、この一年間、ここで全企業で九・七兆円の約十兆、貸付残高が減るわけです。そのうち何と中小企業が八・四兆円、大体八五、六%ぐらい、つまり九割近くは中小企業が貸し渋りということに遭って、午前中に図表をわざわざ示して、金融ということが最初だよと言ったけれども、時系列に見まして、この中小企業という角度の中の貸し渋りというのが今日の大変大きな本質問題になっているということを私は指摘したいわけです。 しかも、日銀の調査月報では、九・七兆円のうち七兆が、ほとんどこれは運転資金ということが減少しているというデータが出ております。まさに運転資金がとめられて、この二年間の間、一番最初に中小企業が締められて、運転資金であえいで、そして不況の先導役になってきたということが明確にデータに出ているんですが、この辺の認識は、総理、ございますか。
○小渕内閣総理大臣 御指摘をいただきまして、過去のこのグラフは私自身も拝見をいたしておりますが、そうした中で、大企業と中小企業との生産指数が推移している、その原因の一つとして、中小企業に対する諸施策の問題もあったことは、改めて承知をいたす次第でございます。
○太田(昭)委員 そこで、それがそのまま現在の時点に続いておりまして、今回、五・九兆、一番の目玉は貸し渋り対策だと。そこが、私はここにも落差が出ていると。そこをよく見て、どこが一番傷んでいるか、ダメージを受けているかということについて、ぜひとも、総理初め閣僚の方々がよく認識して、何を今政府としてしていかなくちゃならないか、際どいところに来ている、瀬戸際だよと私は申し上げましたが、そのときに、どこに焦点を当ててバックアップしていくのかということが私は大事だと思います。 中小企業庁の最近の調査では、金融機関の貸し出し姿勢がことし三月中旬最も厳しくなった。一たん和らいで、八月、九月、十月と三回、三カ月厳しくなった。それから、十月一日から、何度でも午前中から出ておりますように、特別保証枠ということで一たんは和らいだように見えるかもしれないけれども、全国商工会の調査を見ますと、貸し渋り解消せず、貸し渋り解消せずと、非常に厳しいということを訴えているわけですね。 特に、建設業と製造業への貸し渋りが厳しいということがデータにくっきりと出ておりまして、そういう点では、この急所をよくにらんで、銀行が中小企業へ貸し渋りのない、貸し渋りに対しての徹底した調査をしながら、そして、貸し渋らないように、貸し出しをするようにという指導が私は今非常に大事だと思います。 そういう意味では、公的資金導入というのはまさにそこに主眼があったはずで、やっておいてから、これが果たして効果があるかないかなんという論議をするのは言語道断であって、まさに中小企業等が年を越せるか越せないか、ここについてもっと徹底した応援をやはり政府はしなくてはいけない、それが政治であると私は思いますが、いかがですか。
○堺屋国務大臣 全く同感でございますが、ことしの前半においてはその認識がやや薄かったんじゃないかという反省をしております。特に、金融機関に、貸し渋り体質のほかにもう一つやはり護送船団体質がございまして、みんなでやったら怖くないというので、貸し渋りを平気でやっておったのですね。だから、まずこの護送船団意識もなくさなきゃいけない。そして、そこへ資本注入をする、保証枠をする、そういう仕掛けをつくらなきゃいけない。これがようやく小渕内閣になりまして、この秋になって護送船団意識が大分薄れてまいりましたから、世論の指摘にもかなり反応するようになりました。 そういう意味で、この金融問題も、解決したとは言いかねますが、解決の方向に向かっているんではないかと考えております。
○太田(昭)委員 私は、今まで申し上げてきたように、二極分化傾向あるいは優勝劣敗傾向、置いておかれる人たち、そういうものをよく見て、そこをバックアップしたりフォローしないと、この景気というのが際どいところに来ているのは、マクロで見て、上から見ている、しかし、現場の方でどう見るかということが私はこの数年間非常に欠けていたのではないかというふうに思います。いろいろなところへ視察に総理は行かれるわけですから、そういう点では、そこの現場というものに近い対策をどう打っていくかということをぜひとも認識していただきたいと思います。 そこで、今、既存融資を信用保証協会の保証のついた融資につけかえる、振りかえるという論議が午前中からもなされました。 これも、全国商工会の十月末のデータというものを見ますと、こういうデータです。「保証協会条件の付加」というのと「既往貸付の回収」、ほかの担保が要るとかいろいろな項目はあるんですが、この「保証協会条件の付加」と「既往貸付の回収」、この二つが極めて伸びている。一二・九%から一八・九%、一・五倍ぐらい「保証協会条件の付加」というのが伸びているというデータがありますし、また「既往貸付の回収」が急増している。 私は、これは倫理問題ではないと思うのです。倫理の問題ではない、これは法的な問題だと。現に、信用保証協会法第二十条、これに基づいて信用保証協会と銀行との間には約定が交わされているはずです。ここのところをきちっとやって、これは何となく倫理の問題みたいに言われているけれども、倫理ではないんです。これは明確な法的な問題だと私は思いますが、そうした認識をお持ちでしょうか。
○与謝野国務大臣 当然そういう認識を持っておりまして、保証協会が行う保証行為は、その債務が履行されない場合には保証協会が代位弁済をするわけでございますが、既往債務のつけかえ、貸し出しのつけかえというようなことに専ら利用された場合には、場合によっては代位弁済に応じないということもその約款には書いてあるわけでございまして、私どもが保証枠を新たに設定しましたことは、これはもう中小企業が運転資金に困らないように、また、この十二月という厳しい時期を越せるようにということでつくった制度でございまして、銀行を救済するためにつくった制度ではないということは言うまでもありません。 したがいまして、こういうものがきちんと利用されることはともかくとして、悪用されたような場合には、当然その約款に書いている条件というものが発動される場合もあり得るということは、我々、当然意識を持ってこの制度を運営しているわけでございます。
○太田(昭)委員 十月の初めだったと思いますが、野中官房長官がこういうお話を聞いて、とんでもないことだ、こう言って調査をされたんだと思います。それで、調査をしましたら、余りくっきりしたデータがありませんみたいな報道を私は見ました。これは、官房長官ではありません、役所の人がそういう答えをしている。私は当時、とんでもないことだというふうに思いました。 現実に、商工会とかそういうところのデータですと、今申し上げましたように、貸し渋りに遭った中の三分の一ぐらいの人が、資金回収であるとかあるいは保証協会条件の追加ということを、悲鳴を上げてきています。ところが、ある意味では、役所の方では、どういうデータがあるかお知らせくださいと。信用保証協会の中に、調べてみますと、大体こんな例、こんな例があるということが、私も調べて聞きましたら、幾つかそれはあるそうですが、少しもそれは本格的に、三〇%とか三三%なんという数字が出たわけではない。どれだけ真剣にそういうことについて調査をしているのかということをお聞きしたいと思います。
○与謝野国務大臣 当然、通産省では、出先の通産局、また各県の商工部あるいは各種の商工会、商工会議所等々、あらゆる機関を動員いたしまして、この貸し渋り対策が有効に働いているかどうか、そういうことは常に調査をしておりますし、現に、それらの機関が横の連絡をとってある種の協議会をつくって、貸し出しに対するものあるいは保証に関するもの、そういうものの制度の知識の徹底を図っております。 しかしながら、今申し上げましたように、保証枠を本来の目的以外に使うというようなケースもありますし、また理由なき貸し渋りというものもまだ存在をする、私はそう思っておりますので、特にこの十二月は中小企業等は大変資金繰りに苦しむわけでございますから、そういう点はよく周知徹底し、よく監視をしてまいりたいと思っております。 これはまた、一方では金融監督庁の責任でもあると思いますので、金融監督庁にもよく要請をしなければならないことだと思っております。
○太田(昭)委員 金融監督庁、しっかりやってくださいよ。
○日野政府委員 私どもは、去る十一月に、銀行法二十四条に基づきまして、主要十八行に対しまして、この旧債振りかえ事例の報告徴求を行いました。その結果、いわゆる都市銀行では、保証協会保証つきの貸し付けが全部で約五千三百三十八億円のうち、大体十九億円がその旧債振りかえということになっていることがわかっております。 実は、昨日来、さまざまな報道がございまして、私どもはこれまで主要十八行に対してだけこの調査を行っておりましたが、本日付で、地方銀行あるいは第二地方銀行に対しましても、実態がどのようになっているかということを調査するために文書を発出したばかりでございます。その結果、本来中小企業のために貸し付けるべき債権を旧債の振りかえのために、使ってはならないようなやり方をしている場合には、それにしかるべく措置をしたいというふうに、今考えているところでございます。
○太田(昭)委員 まさにそこの地方にという、きょうやったということなんですが、そこのところが非常にデータに出ていますよ。ですから、通達を発したとかいうことを今ごろ言っていないで、私は、そこのところは厳密にしっかりやってもらいたいと思います。担当大臣、どうですか。
○柳沢国務大臣 旧債振りかえのことについては、ただいま監督庁長官の話をお聞きいただいたとおりでございます。 中小企業向け新規の貸し出しは、この十月で十兆五千八百十三億四千九百万円であった。そのうち、保証協会の保証つきの貸し付けが五千三百三十九億円であった。そのうちで旧債振りかえという事態が伴っておったものが十九億二千九百万円であった。 こういうことで、この都長銀十八行に関する限り、言われているようなことが大変な規模で行われているということはないな、こう思ったわけですが、昨日来の報道で、実は有力地方銀行の中にそういうことをやっている向きがあるということを私ども知らされまして、今先生から御注意をいただいたわけでありますが、これは早速に地方銀行それから第二地方銀行に対しても同様の調査をしなければいけない、こういうことを考えたという次第であります。 ただ、これまでにも、では手をこまねいていたのか、何もしなかったのかといえば、それは実はそうではなくて、地方の分につきましては、地方の金融機関等、財務局、それから都道府県、商工会議所等が地方の融資実態に関する情報交換会というものをこの二カ月ばかりやってまいりまして、情報の交換をしてまいりました。そういうようなことからあらわれておるところでも、今先生御指摘のようなことがどうもあるかもしれないといったようなことも出てまいっておりますので、これもまた後手ではないかといっておしかりをこうむるかもしれませんけれども、もう一つ、私ども、貸出計画調査というものをやらせていただいております。 これもしょっぱなといたしましては主要十八行に対してやらせていただいたわけでありますけれども、これも地銀、第二地銀に対して拡大をして貸出計画というものを聴取させてもらって、今後の中小企業融資に対して遺憾なきを期してまいりたい、このように考えておりますことを申し添えさせていただきます。
○太田(昭)委員 中小企業の人たちが大変であるということについて、貸し渋り等についてずっと申し上げてきたのですが、従業員がこれに直撃されているということは当然であります。 中小企業の従業員というのは全部で四千五百万人、全従業員数にしますと大体七七%ということになります。私は、この人たちの賃金が下落しているということが今のまた非常に特徴で、どこが傷んでいるかというと、そこのところが非常に大変だということを指摘したいと思います。 労働大臣、賃金の下落の状況、あるいはパート等がどうなっているのか、こんな十二カ月以上も賃金が下落というような事態がかつてあったのか、お答えいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 太田先生御指摘のとおり、労働省の統計調査によりますと、これは事業の規模が従業員五人以上で調べておりますが、現金給与総額の推移を見ますと、平成十年四月以降、前年同月比で七カ月連続でマイナスが続いております。これは、所定内給与の伸びの鈍化に加えまして、いわゆる残業が減っているということが主な原因でございます。それからパートタイムの労働者の賃金につきましても、このところずっと伸び率が鈍化してきまして、七—九には〇・二%減と減少に転じております。それから実質賃金、これは物価指数で割り出したものでありますけれども、前年と比べまして、平成九年八月以降十五カ月連続のマイナスになっております。 こういうことがかつてあったかという御質問でありますが、この五人以上の統計は平成二年以降でありますから、それ以前は従業員三十人規模以上の統計しかございませんが、昭和五十五年一月から昭和五十六年三月まで十五カ月連続してマイナスということがございました。そこで、今回はそれに並んでしまったということになります。
○太田(昭)委員 特に総務庁の調査によりますと、一人から二十九人、こういう企業でいきますと、この八月の前年同月比でマイナス一万二千円。一万二千円毎月減るなんということは大変なことで、これは十二掛けますともう大変な額です。そうしますと、中小企業も傷んで、働いている人も傷んでいる、そして商店街は大変な状況だという、そこをバックアップしなくちゃいけない。だからこそ私は、例えば減税というのは非常に大事であるというふうに申し上げたいと思います。 ところが、今回の臨時国会で、当然これは最優先課題で減税法案が出てしかるべきであったのですが、これは出ませんでした。これは非常な欠陥であろうというふうに思いますが、しかし、ことしは二度にわたり特別減税がありまして四兆円。結局来年も四兆ということになります。しかも橋本前総理は、四月の九日だったかと思いますが、四兆やりますということで、特別減税の四兆ということをおっしゃって、そして二兆が既にやられ、そして来年も二兆やりますということを明言されて、またそれは書類にもなっております。来年も二兆円の特別減税を行うという形で明言しておりますが、これは一体どこに行ったんですか。
○尾原政府委員 来年の一月分から最高税率の引き下げ、定率減税を合わせて四兆円の減税が国、地方を挙げて行われることになっておりますが、橋本総理の言われました二兆円はその四兆円に吸収されているというふうに解しているところでございます。
○太田(昭)委員 だれが吸収をされたということを明言して、国民に、四月の時点で二兆円の特別減税は、これは公約であり約束事です。そして、来年もということを明言して、書類にもなっている。こういうことが一体どこへ消えたのですか。これは総理でしょう、答弁は。
○小渕内閣総理大臣 今主税局長が答弁申し上げましたように、来年度の所得減税の中で、橋本総理として特別減税という形の定額減税ではございましたが、これを恒久的減税に振りかえて、来年度はそれ以上の減税を行うということで処理をする、こういうのが現内閣の対応でございます。
○太田(昭)委員 明確にそういうふうに国民の前に言ってからでなければいけないのだというふうに私は思います。 ところが、そういうことが経過としてあって、二兆円の特別減税ということが明確に言われて、国民の間には、それは二兆から四兆にふえたという——私が先ほどから申し上げているのは、二十三・九兆も大きい話に全部巻き込まれるが、しかしどこが傷んでいるかというと、先ほどから論議のように、七百万円以下の人は定率減税で、二〇%にしても、二五%、定率がどうなるかわかりませんが、そういう中で、結局はことしに比べて増税になってしまう。こういうことが一番の問題だとするならば、去年のこの定額減税二兆円という約束事、それは一人一人にとりましては、例えば年収が五百万円の人がいます、あるいは五百五十万円の人もいます、その人の頭の中には、あ、来年もこれは橋本総理以下のみんなの閣僚の公約だから六万五千円はことしと同じようにあるのではないかというふうに、これは公約事ですから当然頭の中にあるのですが、それが現実には六万五千円にも及ばないという減税規模にしかならないということを皆さん方が考えているとしたら、これは公約違反じゃないですか。
○中山委員長 どなたから……。ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○中山委員長 それでは、速記を起こしてください。 大蔵省尾原主税局長。(発言する者あり)今答弁させて、その後やります。(発言する者あり) ちょっと、じゃ速記をとめて。 〔速記中止〕
○中山委員長 速記を起こしてください。 大蔵大臣宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 失礼いたしました。 政府委員の記憶しておりますところでは、橋本総理大臣は、二兆円減税を平成十一年度において行うということを言われたということがあるそうでございます。その点につきまして、私ども小渕内閣が発足をいたしまして、あわせまして、いわゆる今度は一遍限りでなく恒久的な減税として、平成十一年度から四兆円の、平成十一年分所得から四兆円の所得減税をお約束した。したがって、それが先ほど、それに包摂されたというお答えになるわけであります。
○太田(昭)委員 委員長にも出しましたが、それは、十一年度ではなくて来年というふうに明確に書いてありますよ。年度ではありません、年です。 包摂されたと言いますが、はみ出ているから私は、それでは結論から言いますと、上積みをすべきで、やはり国民への公約ですから、減税額を上積みして、五百万とか六百万という人には上積みすべきだということを申し上げます。
○宮澤国務大臣 もう一度申し上げますが、政府委員の申し上げるところによりますと、橋本総理大臣は、来年、というのは平成十一年分というふうに理解いたしますが、もう一遍二兆円減税をするということを言われたそうであります。小渕内閣は八月に発足をいたしまして、平成十一年分所得について所得減税四兆円をお約束をいたしましたから、したがいまして、橋本さんの言われました平成十一年所得の減税はこの中に包摂される、このように解釈すべきものと思います。
○太田(昭)委員 それぞれの人にとってはそれは包摂をされないわけで、私はそのことをまず申し上げているわけですよ。五百万円の人、五百五十万円の人、六百万円年収の人は、包摂されたなんということは納得できませんよと。そこについて政府は、景気対策、緊急経済対策というならば、緊急ですから、景気対策ですから、そこのところを手厚くする、そういう精神がなければ私は緊急経済対策にならないと思いますよ。そういう意味では、定額減税ということで特別減税ということを言っているわけですから、ここは包摂されたのではなくて、定額の、やはり特別減税という範疇の中で何かの上積みをしなくてはいけない、こういうことを申し上げたいと思います。
○宮澤国務大臣 そこは必ずしも明らかでないと思います。 橋本さんは、平成十一年分所得に対して二兆円の所得減税が行われる、こう言われたわけでございますから、平成十一年分所得について我々は四兆円の減税を行うと言っておりますので、これに包摂されたと考えて問題はなかろうと思います。
○太田(昭)委員 それを担保にとって私はここであれこれ言わないんですが、少なくとも中低所得者ということに対して手厚くということで、先ほどから申し上げておりますように、橋本総理の時代、そのときは閣僚の外務大臣であったわけですから、そういう意味では、やはりそういう一人一人に対しても手厚い、そういう精神、気持ち、そういうものが私は景気回復に大事であると。せめてこのくらいは総理、認めなくちゃいけないんじゃないですか。
○小渕内閣総理大臣 できる限り、あらゆる各界各層にわたりまして減税の恩恵が受けられるようにいたすべきということはもう論をまたないところだろうと思います。 ただ、今申し上げましたように、二兆円の所得減税、あるいはまた、いわゆる定額の特別減税であったかどうかわかりませんが、橋本総理が言明されておったということはそのようでございます。 いずれにいたしましても、十一年におきましては所得減税を行いますので、ぜひその中で二兆円でなく総額におきましては四兆円超の減税を行うということでございますので、その中でいかにこの定率減税と組み合わせながら、どのような措置ができるかについては現下検討中だろうと思いますが、我々としては、内閣もかわりまして、別に橋本総理の考え方は考え方として尊重いたしていくべきことではあると思いますが、現内閣としては、財革法の凍結もこれまた前内閣とは異なった手法で対応しておるということでございますので、これから、減税につきましては十分党内におきましても御議論いただいておるところでございますので、御指摘を待ちながら対処いたしていきたい、このように考えております。
○太田(昭)委員 ぜひともそこは、減税の上積み、そして一番最初の答弁で各界各層ということを総理もおっしゃいました、本当にそういうふうに私はしていただきたいというふうに思うんです。 そこでもう一つ。働いている方たちと同時に、私は商工委員会にも所属をして、ことしは中心市街地の活性化とか、あるいはまた都市の問題等についても、どういうふうにこれをしていくかということについて論議を相当やらせていただきました。 先般、政府税調の加藤会長が、減税の上積みが必要だ、税負担がふえる七百万円以下の人も恩恵が受けられるように一定の上積みが必要だ、こういう新聞報道がございました。私は大変大事な指摘だというふうに思います。そして、このときに、中低所得層はことしより税負担がふえる見通しだ、こうした層への配慮は本当なら商品券でやるはずだったというふうに述べております。 今回、公明党の提案もあり、地域振興券という新しい試みが実施をされました。対象は、十五歳以下のお子さんのある世帯主、お子さんに行くというふうに誤解されている向きがあるんですがお子さんのいる世帯主にこれは行くわけですが、市町村民税非課税の六十五歳以上の高齢者、永住外国人の該当者などに二万円が支給をされる。対象者は三千五百万人。千円の商品券が恐らく二十枚つづられて行くということで、それぞれ市町村が実施主体になるということでございます。 私は、規模が七千億ということは不満でありますけれども、間違いなくこれは地域の振興とか、市町村が考えてやるわけですから、大変な状況に追い込まれている商店街の振興、あるいは消費の上乗せ、消費拡大、景気回復に役立つというふうに思います。かなりいろいろな論議もありましたが、これは効果ありということで私は世論も落ち着いてきたように思います。意義は大きいと思いますが、総理、いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 委員御指摘のとおり、地域振興券交付事業は今、対象が若い親の層あるいは所得の低いお年寄りなど、比較的可処分所得の少ない層を対象者といたしておりまして、限られた期間に使い切るという地域振興券をお渡しするという仕組みをとることから、地域の消費を拡大する効果があり、地域振興に資するものと考えております。 この地域振興券をそれぞれの市町村でそれぞれの事業との組み合わせ等いろいろ考えていきますと、これがある意味では小さな子が大きく育つということにもなりかねないことでございますので、ぜひそのことを強く期待をいたしておるところでございます。
○太田(昭)委員 なりかねないというよりは、なるということを断言していただいたらいいんですが、実は、なるというふうに私が断言するのは、この間本会議では野中官房長官の弟さんのところのお話がありましたが、私の住んでいる板橋区で十年前の平成元年から、板橋区の商店連合会が中心となって区内の商品券を発行してきたんですね。この間、ちょうど十年ということもありまして、九月二十日から二十万枚、五百円の券を四百五十円と今回だけはプレミアつきで売りましたところ、大体一週間でこれが売れてしまいました。これは大変いいということで、十一月二十日からまた売り出しまして、これが大体一週間で七割ぐらい売れてしまう。今までプレミアムなしでやっていた商品券もこういう動きの中で一緒に売れているという状況にございます。 また、福岡県の筑穂町では、このほど独自に、一世帯一万円の商品券を全世帯に渡すということになった。それで、目的は明確に書いてあるのですが、「不況と旧産炭地という二重の苦しみから、住民の元気回復と町内商工業者の活性化を促す」ということで、元気回復いきいき事業、こう銘打っている。ここに私いろいろ知恵が現場にはあると思うんですね。 先ほど申し上げましたことしの通常国会、この中で、中心市街地の活性化をどうするか、あるいは町づくりをどうするか、大店立地法あるいは都市計画法、そうしたものを組み合わせて何とかこの町づくりをやらなくてはいけない、こういう動きは私は非常に大事な政府の主流でなくてはならないと。そういう点で、地域振興券というのはその思想上に立つもので、政府はもっとそういう点について強く打ち出すべきであると私は思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 私の立場から申しますと、長年の不況がいろいろに、先ほどから御指摘のように、公共事業等々を積みましてもなかなか打開をいたさないということをいろいろ考えておりますと、在来の手法ばかりにこだわるということもいかがなものか、やはりそこは国民の心理がいろいろに影響いたしますから、それを一つ越えた、オーソドックスでないにしても新しいこともやはり考えるべきではないかというふうに私自身は考えまして、賛同いたしました。
○太田(昭)委員 経済効果と景気対策ということからいきますと、ともすると従来型の消費の中に組み込まれて、商品券は使うけれども現金の方が貯蓄に回るというようなことを言う方がいるんですが、エコノミストと私さまざま話をしてみますと、公明党は現場に近いですねというお褒めの言葉もいただいた。現場に非常に近いそこの知恵というのが私は非常に大事な気がします。 子供を抱えている家庭が二万円、四万円と、現実にはこれをどう使うか。家族で一泊旅行をしようかとか、あるいは我慢してきたものを、教育費等々かかりますから、これをこの機会に何とかしようかとか、親と子が相談をしながらやるとか、あるいは三十代、四十代前半の世帯が多いわけですから、ここがひとつ元気になるということは私は非常に大事なことであろうというふうに思っております。 上乗せ消費が私は非常に期待できる。そういう意味では、現場でも、やはり商店街でもかなりいろいろな、グッズを出していくとか、工夫とか、お祭りをやるとか、そういうような、景気の気は気分の気ですから、そういう意味ではいろいろな知恵が現場の中から出てくる。政府だけが考えて上から流していくというのじゃなくて、現場の知恵をどう引き上げていくかということもまた、GDPの六〇%を占める個人消費の喚起ということは非常に大事ですから、私は、これは間違いなく上乗せ効果が期待できる。減税の乗数効果が幾つだとか、こういうことは申し上げませんが、減税以上の効果ありということを役人の方からも現実には聞いていて、こういうところではなかなか言いにくいのか、言っていただけるかわかりませんが、私は、そういう景気回復の効果についてお答えをいただきたい。自治大臣。
○西田国務大臣 お答えいたします。 それぞれ総理、大蔵大臣からお答えをいただいておりますので、重複を避けますけれども、今回実施しようとしております地域振興券の交付という方法をとりました。ここで一つ御注目をいただきたいのですが、それは、各事業主体は市町村、こういうことにいたしております。あるいは連携をするかもしれません。それからもう一つ、使用期間というものを六カ月に限定いたしております。 そういうような方向で、これをひとつ間違いなく実施していこうとしておるわけでございますが、これは初めての事業でございますから、経済企画庁の方でもモデル的な計算というのはなかなか難しいようでございますけれども、私は、この事業は地域の消費拡大に相当な効果があるのではなかろうか、このように思っております。そして、商店街の活性化を図っていくということが、究極は景気対策に大きな役割を果たすであろう、こういう強い期待を持っております。
○太田(昭)委員 経企庁長官も御答弁したいようなあれですから。
○堺屋国務大臣 前例のないことでございますので、モデルで計算するというわけにはいきませんが、仮にこれを減税と同じような可処分所得の増加としてみますと、乗数効果は一年目が〇・四三でございますから、その数字を掛けるとGNPを〇・〇六%押し上げるということになりますが、今自治大臣もおっしゃいましたように、期間が限定されておりますから、一年目で使う率は高いだろうと思います。したがって、〇・一%ぐらいGNPを押し上げるんじゃないかと大ざっぱに思っております。 ただ、それ以上に、今委員おっしゃったように、いろいろな地域で知恵が出てきて、おもしろくなるんじゃないか、こういうイベント効果があるんじゃないかという気もいたしております。
○太田(昭)委員 終わります。
○中山委員長 この際、中野清君から関連質疑の申し出があります。太田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中野清君。
○中野(清)委員 改革クラブの中野清でございます。私は、公明党・改革クラブを代表し、特に、今、太田議員が質問しました金融問題、貸し渋り対策について質問いたします。 今日、貸し渋りという段階から、貸しはがしという企業から融資を強引に回収する段階に入ったと言われております。連続四期のGDPマイナス成長、また四・三%の失業率と、すべてにおいて戦後最悪の状況だということは御承知のとおりであります。 私は今日まで、貸し渋り対策については、借り手の中小企業の立場に立った施策が不足している、貸し手への資本注入だけがすべてではないと指摘をしてまいりました。また、金融監督庁に貸し渋り一一〇番を設置せよ、そして、金融監督庁は、貸し渋りを行う金融機関に、ヒアリング等あらゆる手段、権限を行使して指導や状況把握をし、貸し渋りの解決に全力を挙げよと提言をしてきました。 これに対して、貸し渋り大綱に基づく貸し渋り対応特別保証制度の創設等、政府も努力をしていることは私も認めております。しかし、そのような政府の姿勢が余りにも遅かったために、現場では非常に苦しみがありまして、もっと早く貸し渋りのこの制度が発足していればあるいは倒産を免れたかもしれない、そういう全国における本年だけでも二万件近い企業の悲痛な思いと、私自身が商店経営三十七年、川越でやっておりますが、現場での声を、まず私からお伺いしたいと思います。 この質問に入る前に、総理に、実は法人税減税の前倒しについてちょっとお伺いしたい。 総理が先ほどもおっしゃっていましたけれども、緊急経済対策の減税として、個人所得税課税、これが五〇%を一月から。法人税については来年の四月からの開始という話でございますね。つまり、実質的な法人税減税というのは再来年の三月以降ということになりまして、これでは法人税減税のメリットは生まれない。先ほども総理は、緊急経済対策のいわゆるマインドの問題をおっしゃっておりましたけれども、御承知のとおり税金というのは、利益の中で、いろいろなものがありますけれども、そのうち現金で払わなきゃ、国家に入れなきゃならない。そうしますと、いわゆる手元流動性というものが欠けてくるというのは御承知のとおりです。そうしますと、これでは緊急経済対策にならないだろうと私は思うのです。しかも、新聞によれば、減税するから今度はいわゆる租税特別措置は大幅にもう圧縮だという話もあります。 私は、こういうことでは、率直な話、今一番困っている景気対策について、ちょっと本当にこれは大変だろうと思いまして、私じかにお伺いしたいのですけれども、この法人税減税を前倒しできないかどうか、まずこれだけ簡単にお願いしたいと思います。総理、お願いします。
○小渕内閣総理大臣 来年度におきましての法人課税の減税につきましては、既に公約しておることでありまして、来年の通常国会においてこれを処理させていただきたいと思います。 今委員の御指摘は、それを前倒しできないかということですが、既に今年度におきましては法人税減税をいたしております。したがって、途中でこれを減税するということになりますと、前に既に法人税を納付された方々との間においてのバランスをどう考えるかという問題も出てきまして、先ほど大蔵大臣が御答弁されておりましたが、一月から企業を起こした企業に対する減税について、法人税についてどうだというお話がございました。 しかし、いずれにしても、事務的な点を考慮いたしまして、今回は来年度の法人課税減税ということで御理解を願いたいというのが政府の見解でございます。
○中野(清)委員 それでは、きのう日本テレビでニュースがございまして、きょう大勢の議員から、いわゆる有力銀行が今回の政府の二十兆円の保証枠、この中小企業安定化制度の枠を活用して、いわゆる貸し出し内容を健全化させる千載一遇のチャンスだという議論がございまして、御答弁がございました。この問題が一つ。 それからもう一つは、実は私は中小企業の経営者でございますから具体的にそれを知っておりますけれども、この間の十二月一日のNHKの中でも取り上げておりますからきょうは一つ具体的に例を申し上げますと、例えば、ある企業が保証協会に五千万円保証を申請して、これが決定した。この融資が実行されたらば、銀行から即座に返済に回せと。半分以上を返済に回されて、本来の資金繰りがつかずに倒産してしまった。 こういうことは、銀行のいわゆる自己保全中心、中小企業対策じゃないということは御承知のとおりでありますけれども、これについて総理はどうお考えになっていらっしゃるのか。特に、これは根が深いんだということだと私は思うのです。そういう見地でもって、御認識をまず伺いたい。 〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
○小渕内閣総理大臣 中小企業の金融を考えての貸し渋り対策に対しての二十兆円の手当てにつきまして、これはあくまでも、先ほども御答弁申し上げましたが、年末が参りまして中小企業の皆さんが厳しい環境の中でいかに対処するかという政府の考え方に基づいているわけでありまして、金融機関を救済するためのものでないということでございます。この点につきましては、そのような実態が存在するとすれば、直ちにこれをやめていただかなければならぬということで、関係機関に対処方を十分指示して、これが実行できるように今最善を尽くしておるところでございます。
○中野(清)委員 今の御答弁でございますけれども、私は、これは一つに、有力な銀行だけじゃないと思うのです。恐らく全国の各地の銀行でこういうことが起こっているはずだと私は思うのです、はっきり申し上げまして。そうしますと、このような金融機関の貸し渋り、この現象に対して、放置してきた政治の責任というのは私はあると思うのです。決して貸し渋りはきのうやきょう始まったのじゃないのです。政府はこのことについてどういう責任を感じていらっしゃるか、どうかお答え願いたいと思うのです。 もう一つは、これは保証協会の方との関係でいろいろ話がありました。その中で、公的資金で中小企業を救済する制度で金融機関が不良債権の回収をするのは公金横領だ、ここまで言わせなければならないという現実ですよ。 私は、このことはいいのか、すぐに法律をつくれと言っているんじゃないのですよ。この政府の姿勢について、もう一回、今の御答弁の、これは一生懸命やりますというような感じじゃなくて、国民がどういうふうに考えるのか、お願いしたい。特に再発防止については具体的にどう考えているか、総理。
○小渕内閣総理大臣 金融機関がなぜ貸し渋りになっているかということは原因は幾つかありますが、それは、一つは、金融機関自身が、経営上、BIS規制にのっとりまして資本金のパーセンテージに限定があるということでもございますし、同時に、基本的には、金融機関が大量の不良債権を抱えておりまして、その処理に非常に苦心をしておるというような形の中で、健全な中小企業等に対して、本当に金融機関としての責務を果たしておるかどうかというところに帰着するんだろうと思います。 したがいまして、この問題につきましては、先ほどもお話し申し上げましたが、貸し渋り対策特別保証制度、こういうことで、中小企業に対する円滑な資金供給の確保を目的としてこうした制度を設けておりながら、今委員御指摘のような実態にあるということにかんがみまして、まことに政府としても、せっかくのこうした制度を生かし切っておらないということがかりそめにもあるとすれば大変なことだということで、先ほども御答弁したように、徹底的にこれについて対処いたしていくべきだ、こう考えております。
○中野(清)委員 総理、今、銀行にいろいろ資本注入している、私もこれはやむを得ないと思っています。しかし、この貸し渋りについて言いますと、銀行の方は、いわゆる自分の立場と借り手の立場の認識の差だとか、それから、貸したくても貸せないなどと言っているわけですよ。しかし、これはもう間違いだと私は思うのです。 今度も、ネガティブリストというので、いわゆる新しい基準もつくっておりますね。そういう中で、少なくとも政府が、今まで貸し渋りについて、定義づけとか共通の認識、政府も銀行も、いわゆる借りる方たちも、貸し渋りが何だということについて、ないのですよ。確かにこれは現実に難しいかもしれないけれども、これをやらなければいけない。公取も私はそうだと思うのですよ。 それをしないから、何を言ったって全部やり放題で、先ほど長官が護送船団でみんながやれば怖くないとおっしゃったけれども、まさにそれをやってきた。だから、それについては、やはり一つのルール化、共通の認識が必要だ。それは何かといえば、やはり経済に対する常識とか良識じゃないかと思うのですね。それを法的にどうだこうだといったらば、もう全然切りがない、そのことをまず私は言いたいと思います。 そうしますと、今まで果たして、政府がいろいろやってきたけれども、貸し渋りという問題に絞って総合的に全官庁がやってきたか、私は疑問だと思うのですよ。これについてひとつお伺いをしたいと思うのです。だから後手後手になってしまった。 ですから、これは後ほど質問しようと思ったのですけれども、時間がないと思いますから申し上げますと、実は——では、その件についてまずお伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 今、中野委員のおっしゃっていらっしゃいますこのたびの、いわば末端と申しますか地域における貸し渋りというのが起こりましたのは、昨年の夏の少し前ころからであると思いますが、大抵の人がその現象に気づきませんで、私も実は気づかなかったのでありますけれども、ある日突然にというのではなくて、政府が早期是正措置というものを信用金庫までかけたというその行政そのものを、うかつといえばうかつでございますけれども、私どもも知らない。 それから、地方のお方は直接にその影響をお受けになるのですが、金融機関との関係でデリケートですからおっしゃらない、新聞のニュースにもならないということのうちにだんだんそれが進行いたしまして、信用金庫あたりですとお互いの間の競争関係のようなものが起こりまして、できるだけ自分のところは資本比率をよくしたいということから、回収の競争が現実には起こっておった。そのことを政治が長いこと気がつきませんでしたし、行政は、いわば早期是正行政をやる人たちはそれが自分たちの仕事であると思ってやったかと思いますが、そういう状況が数カ月続いて、気がついたときには実は遅かった。 そのころ私どもは、私は野におりましたけれども、大蔵省に要望して、八%銀行でないものについては、早期是正行政を、今年の三月末というターゲットはやめてくれと申しまして、一遍そのターゲットをやめました。 やめましたが、競争が始まってしまっているものですから、なかなか貸し渋りの方はおさまらなかったという経験がございますので、これからの教訓といたしましては、早期是正措置はようございます。ようございますが、だれも国際銀行になるわけではありませんし、また地方の実情というものがいろいろにございますから、単純に早期是正措置を一方的に、機械的に当てはめるというような行政は、これは監督庁のお仕事になりますかと思いますが、私は、やはりそういう点を現実的に考えていただくということがこのたびの教訓ではないかというふうに、これは実感で申しております。
○中野(清)委員 今大臣から反省の念がございましたから、ぜひ現場の声を大事にしてもらいたいということをまずお願いをしたいと思います。特に中小企業のですね。 それで、私は、実はこの間の金融特でもって、今まで大蔵省を中心にして、現場の声が全然入っていない。ですから、今、金融、貸し渋りのことを言いますと、これは銀行と借り手の中小企業との力関係なんですよ、この間、私、大臣にも申し上げましたけれども。これが今は十対一だったのを、八対二でも七対三でも、五分五分とは言いませんよ、少なくともそういうふうにすべきだということが一番大事なんだ。そのときに大事なのは、何かがあったらば、中小企業の皆さんが、例えば私がこの間お願いした金融一一〇番、それで金融監督庁に物を言いますよと。また、場合によったらば、公取でもって、独禁法の優越的地位の乱用があるのだから、これはそうじゃないですかと言いますよということを銀行に言えるような、そういう仕組みにつくってやらなければ、いつになっても、幾ら金を入れたってだめなんです。 それで、そういう点でお伺いしますと、二カ月前につくっていただいた、逆に言えば、二カ月前まではそういう庶民の声を受け入れるという気がなかった。先ほど柳沢大臣もおっしゃった、私はやはりこれをお願いしたんだ、県単位でもってのいわゆる商工会議所、商工会の意見を聞けと言いました。 では、金融一一〇番について申し上げますと、二カ月でもって苦情が三百十一件、そして相談件数が六千五件。これは皆さんにとっては多いかしらないけれども、先ほど総理、特別保証では、四十万件以上の申し込みが二カ月であるわけですよ。そう考えると、決してこれは多い数字じゃない。ですから、これは少なくとも政府全体がやらなきゃいけない。 ところが、金融監督庁、これを見ますと、全部大蔵省なんですよ、しかも、銀行協会とか信用金庫さんとか。しかし、実際には、生保とか証券業協会とか自動車保険請求相談センターに貸し渋りで行くかというんですね。そうじゃない。むしろ、商工会議所や商工会を使って、地域の人たちは地元のところへ行って、その話をぜひ金融監督庁に、そしてそれをぜひ調査をしてもらいたい。個別はだめだと言うかしらないけれども、そういう仕組みをつくらなきゃだめだと思うのですけれども、いかがですか。簡単にやってください、時間がないですから。 〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
○日野政府委員 お答えいたします。 かねてから中野委員が御提言になっておりましたネットワークづくり、これは、苦情相談窓口を中心といたしまして、各地の銀行協会や信用金庫協会等の金融関係団体に設置されまして、金融機関と利用者の間の関係の円滑化が図られてきたと存じます。 私どもといたしましても、この相談窓口のリーフレットなどを配布いたしまして周知徹底しておりますし、それから苦情相談状況の報告徴求の措置も講じておりまして、さまざまな生の声というのが上がってきております。 また、商工会議所や商工会とのネットワークにつきましては、各都道府県ごとに、財務局や通産局あるいは都道府県の主催で開催しております、先ほどからお話の出ております地域融資動向に関する情報交換会におきまして、借り手側の代表者として各地の商工会議所や商工会に参加していただいて、その中で、借り手側から見た貸し渋り等の状況について説明を受けて、金融監督庁としてもさまざまな報告を受けているところでございますので、これからさらに、その報告に基づきまして一層の実態把握などに努めてまいりたいと存じております。
○中野(清)委員 例年、年末の中小企業に対する金融円滑化という要望が、中小企業庁とか通産大臣から大蔵省を通じてとか各銀行へ行きます。私は、はっきり申し上げて、今の銀行のいわゆる年末におけるところの融資姿勢というものは圧縮方向だと思うのですよ。これを、どうやって圧縮方向を撤回させるか、ぜひ大蔵大臣にお伺いしたいと思うのです。 それからもう一つは、先ほど柳沢大臣が言った、銀行に対するヒアリング、これはやはり何といっても効果があるんだ。先ほど私が申し上げた金融一一〇番でとった御意見も、このヒアリングをして、報告してもらう。場合によったらば、問題があったらば、それについてはいろいろ対策も講ずる。これはそういうお話があるわけでございますから、どうかこの点について、二点、簡単に御答弁を願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 信用補完制度が、政府のバックによりましてこれだけ利用されることになりましたことは、やはり金融機関に対して、自分たちが一方的に貸し渋りをしてきたことの、ある意味での問題点を確かにはっきり認識させてまいったと思いますし、先ほどのような、いろいろ金融監督庁による注意も、これもかなり徹底をしてきまして、さすがに末端の金融機関も力関係と申しますか、世間の批判と申しますか、そういうことに対してかなり神経質になってきたということは多少の収穫であると思いますので、そういう行政の手を緩めないようにいたすことが大事と思います。
○柳沢国務大臣 貸し出し計画のヒアリングにつきましては、今先生も御承知いただいたわけですが、これを地銀、第二地銀にまで広げます。その際、特に、私ども今回は気をつけたいと思うのは、各行の幹部にこれをいろいろしてもなかなか限界がある。第一線の窓口事務、こういうようなものに当たっている人たちにまで、このヒアリングというか、我々の趣旨を徹底させる方法を講じてまいりたい、このように考えております。
○中野(清)委員 ぜひ、中小企業の年末の金融問題、よろしくお願いしたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて太田君、中野君の質疑は終了いたしました。 次に、東祥三君。
○東(祥)委員 自由党の東祥三でございます。どうぞよろしくお願いします。 前置きなしに、質問にずばっと入らせていただきたいと思います。 このたびの我が党小沢党首と自民党の小渕総理・総裁との合意は、両党首がまさに今政治に何が求められているか、今政治が何をなさなければならないかを真剣に議論し決断されたものであり、私は歴史的な決断であったと思います。 我々は、この合意に基づく自民党と自由党の協力によって、全力を挙げて、一億二千六百万人の国民のためにも、また日本のためにも、本当によかったと思うものにしなければならないと思っております。我が党の小沢党首は、このたびの合意した政策が本当に実現されたなら政界を引退しても本望だと、非常な決意を述べられております。 総理の自由党との協力に臨む決意をまずお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 このたびの自由党との合意を決断いたしました背景につきまして、改めて私の立場から申し上げたいと思います。 現在のこの経済危機を乗り越えて、国家の発展と国民生活の安定を図り、明るい未来を切り開いていくことがこの内閣の最大の使命であり、また政治に課せられた最大の責任であると考えております。こうした政治に課せられた責任を全うするために、経済再生を初めとして必要な施策を適宜適切に行ってまいらなければならない、こう考えております。 こうしたもろもろの問題意識に立ちまして、自由党との間で真剣な話し合いの結果、私と党首の間で、現在国家的危機のただ中にあるという時局認識を共通にいたしまして、御案内の合意をいたしました。 この合意によりまして、両党力を合わせてこの状況を乗り越えて、真に二十一世紀に向けた日本の発展のために最大の努力を尽くしていく基盤が成り立つものと考え、その責任の大きさを改めて深く認識をいたしておるところでございます。
○東(祥)委員 今まさに総理が、我々が直面している状況は国家的危機の状況にある、その決意のもとに両党党首間において合意がなされた、このようなお話でございました。そのためにも、両党で合意した「いま直ちに実行する政策」を着実に実行していくことが不可欠であると考えます。 自民党は議員の数も多くて、いろいろな意見もあり、合意に時間がかかるのは私も十分理解できます。しかし、最高指導者である党の総裁が決断したことであります。総理は、もう既に本会議において、両党の協議を踏まえて実現していきたい旨の答弁をされておりましたが、私は、このように政治家の大先輩に対して言うことは失礼かもわかりませんが、総理自身がリーダーシップを発揮して自民党をリードしていくことこそ必要と考えますが、改めて総理の御見解を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 自由党との合意を決断した背景につきましては再び申し上げませんが、この党首の提案の政策につきましては党首間で基本的な方向で一致をしており、これに基づきまして、既に真剣な各問題についての話し合いもそれぞれ行われ始めております。今回の合意の持つ重み、国家国民への責任という点で、与党たる自由民主党の各位も私と基本認識を同じくしていただけるものと確信をいたしており、こうした立場から、真剣に議論をそれぞれ既に行っておるところでございます。 私は、この両党間の協議を踏まえ、誠実にこれを実行していく決意でありますし、また同時に、御指摘いただきましたように、私、あるいは微力でございますけれども、お約束をいたした点については、自由民主党、与党の皆さんにも、十分な御理解が得られるための努力はこれから一生懸命尽くしてまいりたいと思っております。
○東(祥)委員 それでは、今の話を踏まえた上で、合意した政策の柱の一つであります安全保障の問題に関連いたしまして、総理に、我が国の安全保障と憲法とのかかわり合いについて、そしてまた国際の平和と安全、言いかえれば国際社会の安全保障と憲法について、虚心坦懐に質問させていただきたいと思います。 日本国憲法は、もう言うまでもなく、敗戦直後の昭和二十一年に公布されて以来、日本国民の心の支えであったと思います。私たちの戦後は日本国憲法とともにあったと思います。また、私たちの未来も日本国憲法とともにあると思います。そこには、戦争の惨禍を二度と繰り返さず、繰り返させず、世界の諸国民とともに生きていくという崇高な理想が掲げられています。それはまた、さきの大戦で生き残った日本人が、惨禍の中に命を失った多くの同胞に対し、償いの心を込めて立てた、日本人として絶対に裏切ることのできない誓いである、このように私は思います。 総理、日本国憲法の前文は次のように言っています。「日本国民は、恒久の平和を念願し、」中略「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」するとの決意を鮮明にしています。また、日本国民は、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」と述べて、国民の赤心を高らかに宣言しています。 さらに、憲法第九条は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」として、我が国に国家の間の私の闘争たる戦争を放棄させました。 私は、まさにこの戦争放棄、平和主義と国際協調主義こそが、我が国憲法の根幹をなす理念と考えます。我が国は戦後、国際協調を柱とする世界平和の先駆けになろうとしたはずであります。 まず、この点について、総理のお考えを伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 憲法の前文に、国民主権、基本的人権の尊重の理念とともに、平和主義及び国際協調主義の理念がうたわれていることは、御指摘のとおりでございます。また、憲法第九条には、平和主義の理念を具体化した法規範として、戦争と武力による威嚇または武力の行使を放棄し、戦力の不保持等が規定されております。憲法九十八条第二項には、国際協調主義の理念を具体化した法規範として、条約及び確立された国際法規の遵守が規定されておるところであることは、申し上げるまでもありません。 これらの理念は、日本国憲法が制定されて今日に至るまでの間、一貫して国民から支持されてきたものでありまして、その理念を高く評価し、将来にわたっても堅持すべきものであると考え、また、私自身新しい憲法のもとで育ち、今日を迎えておるわけでございます。
○東(祥)委員 総理、他方、人類はまた、戦争の時代と言われたこの二十世紀に、数千万の人命と引きかえに我が国と同様の結論に至っておると私は思います。それは、我が国の憲法公布の一年前、昭和二十年に署名され発効した国連憲章であります。国連憲章は、その前文において、我ら一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨禍から将来の世代を救い、国際の平和及び安全を維持するために我らの力を合わせるとの決意を宣言しているのです。 国連憲章は、一九二八年のあの不戦条約にうたわれ、我が国憲法に刻まれた戦争放棄の考え方を世界的な次元で実現しました。それは、すべての武力の行使と威嚇を禁止し、侵略国に対しては国際社会全体が立ち上がるという普遍的な機構をつくり出したわけであります。それが国際連合です。まだ不完全でありますが、国際連合は、二十世紀の人類の歴史が生んだ、次の世代に引き継ぐべき大きな遺産であると私は思います。 総理、私は、先ほど申し上げました日本国憲法の戦争放棄、平和主義と国際協調の精神は、まさにこの国連憲章の掲げる戦争放棄、平和主義と国際協調の理念と同じものだと思っております。この点について総理のお考えを伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 国連憲章にお触れでございました。この憲章は戦争の放棄と国際協調を理念としているという御指摘でありますが、国連憲章第二条四項におきまして、「武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」と書かれております。こうして規定を考えますと、我が国憲法前文において、国際の平和及び安全の維持や人民の経済的、社会的発達の促進等のため努力を結集することとしていることを踏まえておるものと考えます。 かかる意味におきまして、国連憲章は、基本的には平和主義、国際協調主義を掲げる日本国憲法の精神と軌を一にしているものと考えております。我が国は、このような理念を掲げる憲法のもと、国際貢献を積極的に行ってまいるべきと考えております。
○東(祥)委員 総理、それを踏まえた上でさらに質問させていただきますが、冷戦終了の直後、私たちは、まさに私たちの戦後の生き方を大きく国際社会から問われました。私が議員になって間もないころでございました。それは湾岸戦争であります。湾岸戦争は、人類の理想に対する野蛮で残虐な挑戦でありました。国連安全保障理事会は、決議六百七十八を採択し、国際社会に対して、すべての必要な手段を用いてクウェートの平和と独立を回復するように要請しました。日本は、戦後初めて、独立国家として国際社会による正義を実現し、平和を維持するための努力に自主的に参加するかどうかを問われたのであります。しかし、日本政府は、この国際社会の呼びかけをお金以外拒否したのであります。 憲法前文において、平和を維持し、専制と隷従を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと述べ、そしてまた、憲法第九条の冒頭において、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求すると述べた我が国の政府が、この国際社会の呼びかけを拒否しました。その理由が、国連がよって立つ国連憲章と同じ理念、精神を持つ日本国憲法であったということに私は深い疑問を覚えているわけです。 憲法第九条は、私の闘争、すなわち国権の発動たる戦争を放棄しているのです。しかし、もし攻撃されれば、座して死を待つのではなく戦う、つまり自衛のための戦争は放棄されていない。だから、自衛のための最低限の武力を保持することができるのであります。そしてまた、憲法第九条は、国際平和を破壊する侵略国に対して国際社会全体が立ち上がるとき、その一員として立ち上がることもまた禁止されていない。どこにも書いておりません。なぜならば、国連憲章の理想は、日本国憲法と同じ、戦争放棄、平和主義、そして国際協調主義であるからです。 その理想を武力をもって打ち破ろうとする国に対してみんなが立ち上がろうとするとき、なぜ我が国だけそれに参加できないのでしょうか。それは、国権の発動たる戦争ではないことは明らかであります。国際社会において名誉ある地位を得んとする我が国の、戦後の初心に合致することであるはずであります。総理はこの点についてどのようにお考えでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 政府といたしましては、国際の平和と安全のために一層大きな役割を果たすことが我が国の国際社会に対する責務であるとは認識いたしております。 我が国は、このような認識に基づきまして、平和主義と国際協調主義をその理念として掲げる日本国憲法のもと、国連を初めとする国際社会の平和と安全を求める努力に対し積極的に協力をいたしておると考えております。政府のこのような姿勢が、議員の言う国際社会における名誉ある地位を得んとする我が国の戦後の理念に沿ったものであることは、御理解いただけると思います。 いずれにいたしましても、国連総会または安保理の決議に基づき国連から要請のあった場合の国連平和活動への参加のあり方につきましては、憲法の理念に基づき、今後両党間で十分議論していく考えであります。 御指摘いただきましたような湾岸戦争時点におきまして、私もたしか幹事長をいたしておったと思いますし、そこにおられる加藤さんも政調会長であったと記憶いたしておりますが、いろいろの議論が積み重ねられまして今日に至っておるわけでございまして、そうした意味で、憲法の理念というものをきちんと踏まえながら、いかになすべきかということにつきまして、これから両党間で十分議論していく必要があるとは考えます。
○東(祥)委員 総理、湾岸戦争当時、私はまだ議員になりたてでございました。これからちょっと乱暴な言い方を許していただきたいと思います。 そのとき、私たちは、多くの奇妙な新しい憲法解釈が生まれるのを目の当たりにしました。その多くは、憲法のどこにも書いていない、極端に言えば役人の作文でありました。まさにヤブカが山を覆うがごとく憲法の周りに群れて、憲法を私している役人のつくり上げた作文が、我が国の政治を麻痺させ、国際連合に対する協力を阻んだのだと私は思っています。 代表的なものが、武力行使の一体化という言葉です。憲法のどこにそのようなことが書いてあるのでしょうか。憲法公布時の内閣総理大臣である吉田茂が、ただの一度でもこのような言葉をもてあそんだことがあるのでしょうか。全くありません。 昭和三十四年、ある長官がこれに近い言葉を言いました。そして二十三年後、この言葉が日の目を見てまいりました。そして、湾岸戦争後には別の長官が、まさに精緻な理論としてつくり上げてきたことです。過去の内閣法制局長官がただ一度そう言ったことがあるという、たったそれだけの理由で、日本政府は湾岸戦争に意味のある協力をすることができなかったと私は思っています。 その後、武力行使の一体化という言葉は、さらに役人の手によってどんどん肥大化して、およそ武力行使を含む国連の平和活動に対し、何ら意味のある貢献をなし得ない国になっていっております。例えば、戦場における医療活動がなぜ武力行使と一体化するという理由で禁止されるのでしょうか。医療活動は戦場に近いほど必要であり、多くの命を救い得ることは当然であります。 皆さん御案内のとおり、赤十字の活動がなぜとうといかというのは、白地にあの赤い十字の腕章を腕に、戦場で身を賭して傷病兵の治療に当たるからであります。軍の衛生要員は、戦場では人道的な理由から、赤十字の医者や看護婦と同様に、敵味方の区別なく保護されます。赤十字に許されることがなぜ自衛隊に許されないのか。それが武力行使と一体化するから憲法違反と、憲法のどこに書いてあるのか。総理、素朴に何かおかしいとは思いませんか。いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 政府といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、国際の平和と安全のために一層大きな役割を果たすことが我が国の国際社会に対する責務であるということは、間違いのないことでございます。 そこで、委員が御指摘の医療活動について、我が国として、武力行使をせず、かつ他国の武力行使と一体化することのない対応で、我が国が医療活動を含む後方支援などの協力を行うことは、憲法上許されるものと考えております。 いずれにせよ、国連総会または安保理の決議に基づきまして、国連から要請のあった場合の国連の平和維持のための活動への参加のあり方につきましては、先ほど来申し上げておりますように、憲法の理念に基づきまして両党間で話し合ってまいりたい、こう考えております。
○東(祥)委員 すごくまだまだ不満であります。 総理、僕は生まれてまだ間もないころでございました。五歳のときに、日本は独立国家として一九五六年、国際連合のメンバーになるわけでございます。当時、ここにいらっしゃる方々、大先輩がいらっしゃいます。その当時の思いというのは、まさにあの第二次世界大戦を踏まえた上で、どのように国際社会に復帰していくのかということを考えたのではなかったでしょうか。 それはまた、今るる申し上げましたとおり、日本国憲法の理念というものが戦争放棄であり、平和主義であり、そして国際協調主義を高らかに掲げている憲法でございます。そしてまた、それはまさに人類的基盤でもって展開された国連憲章の理念と合致します。 国際社会にその平和を破壊する破壊者が出てきたときに、それに対してなぜ協力することができないのか。だれが、どの大臣が、どの総理大臣がそのようなことを言ったことがあるのか。一切ないではありませんか。まさにここに、憲法の理念をゆがめてしまっている危険に陥っているのではないのか。 総理を初め、ここに居並ぶ大臣の方々がいらっしゃいます。僕がそのようなことを言うこと自体非礼かもわかりません。おこがましいことなのかもわかりません。しかし、私は、断言して申し上げることができます。武力行使の一体化論、だれも政治家は言っていません。昭和三十四年に、一人の法制局の長官がたった一言言った。二十三年後にそれをよみがえらせる。さらにまた、湾岸戦争のときに何かないかということで一生懸命探して、そこに理屈をつけて、そして孤立主義また利己主義の方向に持ってきているわけでございます。 非礼な言葉を再三申し上げますが、お許しいただきたいんですが、私は、戦後の政治が憲法解釈を役人に任せ切ってきたことが憲法の理念をゆがめる危険をはらんでいたことを率直に認めるべきなのではないのか、このように思います。国家の安危にかかわる安全保障の問題を、一人の安全保障の専門家もいません、一人の外交の専門家もいません、一人の軍事の専門家もいない内閣法制局という一官僚組織にゆだねてきたことが、国権の最高機関である国会の権威をおとしめているのではないのか、政治の責任を放棄せしめているのではないのか。一部役人の憲法簒奪、憲法を横からひったくってきているという危険を、そういう事態を招いているのではないのでしょうか。だからこそ、核兵器は合憲だけれどもミサイルは違憲だというような、国民のだれも理解できない解釈がまかり通っているのです。これこそがまさに、私は、日本の国自体を空洞化する深刻な危険をはらむものだと思っているわけです。 総理、我が国が国際貢献を問われるたびに、外国からの圧力や国内の政治状況を横目に見ながら役人がさじかげん一つで憲法解釈を行うようなことは、もう断固やめなければならないのじゃないでしょうか。 なぜならば、官僚は国民に対して責任をとりません。憲法に対して直接責任を負っているのは、私たち政治家です。私は、諸先輩に比べるならば、まだまだ子供の政治家かもわかりません。しかし、国民に対して責任をとれる政治家になりたい、このように思っております。政治が責任を持つべきだと思います。 官僚の陰に隠れて政治家が憲法に対する責任をもし放棄してしまえば、憲法というのは死んでしまうのではないでしょうか。まさに、自由党小沢一郎党首が、国連の平和のための活動に対する我が国の責任のあり方について与党自民党総裁であります小渕総理と真剣な協議をしたのは、このためだと私は思っております。この点について、総理のお考えを聞きたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 東議員、長い間国連でも活動し、国際的なそれぞれの国の平和活動に対しての対応につきましても認識をされておられ、議員になられましてからこの問題を中心に、私も外務大臣としても問われましたし、総理になりましてもお尋ねをいただきました。 そういう意味で、思いのたけを申されておることはよく理解しますが、さりながら、先ほどのお言葉の中で、役所の人がそのことを判断して政治家が対応してこられなかったということは、私はない。政府の見解というものは、少なくとも当時における内閣総理大臣を中心にしたその内閣の見解であったということは言うまでもないわけでございますし、また同時に、憲法問題につきましては、昨今の状況からいいますと、まだ設置が決まったわけではありませんが、この国会でも、国会として憲法問題についての論議を深めようという動きがあるやに承知をいたしておりまして、私もみずからの、議員として三十五年、当初の思いを言わしめれば、憲法に対する認識、国民の考え方、あるいは国会におけるいろいろな御論議等におきましても、それから冷戦構造がなくなりまして今日に至る間、いろいろの議論が生まれつつあるということも承知をいたしております。 いずれにしても、今、東議員のおっしゃられましたことにつきまして、貴重な御意見として承りましたし、先ほども申し上げておりますように、国連から要請のございました場合、国連の平和維持のための活動への参加のあり方につきましては、十分これから憲法の理念に基づきまして両党間で話し合ってまいりたいと思っております。
○東(祥)委員 まさに総理がおっしゃられるとおりに、内閣の責任をもって憲法がどういうものなのかということを下していかなければならない。そこにまさに本質的な問題が私はあると思います。 締めくくりに申し上げておきますけれども、私は、やみくもな自衛隊の海外派遣を唱えているのでは決してありません。それは、既に小渕総理と小沢党首の合意の冒頭に、自国防衛のため以外には絶対に武力を行使しないと述べているのは、まさに戦後の国際社会において厳しく禁止されている、私闘ともいうべき戦争は絶対にしないということを確認し合っているとおりであります。しかしながら、私は、日本国憲法と同じ理念を掲げる国連憲章に基づく国連という普遍的な組織の一員として、国際社会全体が侵略国に対して立ち向かうとき、決して利己主義と孤立主義の殻に閉じこもらず、まさに平和主義と国際協調主義に従って積極的に行動することこそ、憲法の求めるところではないのかと申し上げているのです。 先ほど申し上げました医療活動でもそうです。戦場での医療活動が、今までの憲法解釈によればだめだと言っているのです。まさに、合憲でない、違憲だというふうに言っているわけです。それはおかしいということを私は申し上げているわけでございます。 総理が真剣にこの問題に対してお考えになっていることを私は感じます。強い責任感とリーダーシップを強く感じる思いがいたします。その延長線上に、自由党と、そしてまた自由民主党両党首間で結ばれた合意が確実に具体化されていくということを私は確信いたしまして、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございます。
○中山委員長 この際、西川太一郎君から関連して質疑の申し出があります。東君の持ち時間の範囲内でこれを許します。西川太一郎君。
○西川(太)委員 自由党の西川太一郎でございます。 日本は、もう、かつてという言葉を使うことすらしゃくにさわるのですけれども、経済大国ということで大変称賛をされ、不死鳥のように敗戦からよみがえった、世界が日本を奇跡ととらえて、そして高度成長、さらに経済大国、国際貢献、いろいろな面で日本を見習おうという空気が世界を支配したことがありました。しかし、戦後五十数年をして、ついにその仕組みが制度疲労に出会い、新たなリーディング産業もまだ明確に生まれていないという中で、国民が元気を失ってしまっているということは否定できない。今そこにある危機というふうに私どもは言ってもいいと思うのでございます。 そこで、それをどのようにして再建をしていくか、明るい未来像をどのように描いていくかということは、これは政治に関与する人間、与野党を問わず大変重要な目的でなければいけないと思うわけでございます。 そこで、今この厳しい不況、長い不況、深い不況の中で、小渕総理は先日の所信表明演説の中で、平成十一年度においてははっきりプラス成長に転ずると自信を持って言える需要を創出する、こういうふうにおっしゃっているわけでありますけれども、この第三次補正予算がプラス成長に必ずなるというふうな、堺屋長官的に言えばその勘はどこから来るのか、それをまず伺いたいと思うわけでございます。
○小渕内閣総理大臣 今回の緊急経済対策では、まず金融システムの安定化・信用収縮対策、あわせて社会資本整備、所得税減税、住宅投資促進策、雇用対策等を緊急に実行することといたしておりまして、これらは短期的にも十分な需要を喚起するとともに、供給サイドの体質強化を図るため構造改革を進めることから、景気回復に大きな効果をもたらし、我が国経済を厳しい状況から脱却させるものと考えております。 加えまして、第三次補正予算におきまして、信用収縮対策金融特別対策費等、二十一世紀を展望した社会資本の整備、地域振興券、住宅金融対策、雇用対策費あるいはアジア対策費を計上するとともに地方交付税交付金を計上いたしておるところでございまして、先ほど来も他の大臣から御答弁ありましたが、まず、金融対策についてきちんとした対応をとり、日本の金融システムが健全化するという中でこうした諸施策を講じていくということでありますれば、必ず、委員御指摘いただきましたが、政府といたしましては、来年度におきまして、この景気、二年のマイナス成長をプラスに転じて、そして上向きの状況ができるものと、強い確信のもとに現在諸施策を講じておるわけでございまして、その実効が上がってまいりますれば必ず所期の目的は達するもの、こう考えておる次第でございます。
○西川(太)委員 堺屋長官に伺いますが、今のような総理の御認識、これは当然閣僚として等しくされていると思います。 私は、いわゆる勘発言というのは尊重したいと思っている一員でございます。と申しますのは、私と長官は、もう既に四十五分にわたってこの問題については質疑応答を繰り返しました。その中で、長官は、科学的根拠に基づいて、そして御自分の長年のいわゆるエコノミスト、評論家としてのセンスによってこれを認められる。だからこそ経済企画庁長官に御就任になった、三顧の礼をもって迎えられた、こう思うわけでございます。したがいまして、その根拠というものは、今総理がおっしゃったような明るい前向きのものというものを共有しておられると存じます。 私どもとしては、この三次補正というものにもちろん賛成をするわけでございますが、その根本にあるものは、これ以上景気は悪くならないといういわゆる下支え的な効果が最低限でもあるんじゃないか、こういうふうにむしろ消極的に理解をしている面もあるんですが、そうじゃないんだという点がございましたら、堺屋長官の御見解を伺いたいと思うのでございます。
○堺屋国務大臣 第三次補正予算で必ず来年度プラスになるかというお尋ねでございますけれども、これには、平成十一年度の本予算の姿、あるいはこれから決まる税制の問題、特に政策税制の問題等が絡んでおりまして、そういうものを万全を期すればと思いますが、とにかくこの時期といたしまして、緊急対策の時期といたしましては最大限のことを行ったと思っております。 これは、総理もおっしゃいましたように、まず金融対策をやるということでございますが、需要面でも、単に数字を積んだだけではなくして、かなりサプライサイドの構造改革を目指しております。 特に、総理の主導によりまして二十一世紀先導プロジェクトというのを展開いたしまして、この中には省庁を超えて新しい産業を起こしていこうというようなプロジェクトもつくっております。そういうこともやがて芽が吹いて、新しい状況が生まれてくるのじゃないかと思っております。
○西川(太)委員 そこで総理に伺うのですが、飛行機や車が巡航速度に達するとき一生懸命加速をしていくように、日本経済も安定成長にたどり着くまでアクセルを踏み続けなければならぬ。ましてや日本経済は二年連続のマイナス成長で、かなり激しい勢いでジャンプアップをしないといけないのじゃないかというのは、国民の皆さんが思っておられるわけでございます。 そこで、今度の補正ももちろんですけれども、来年度当初予算、プラス成長が確保できるような心構えで編成をしなければならないというふうに思うわけでございますが、当初予算は組んだ、しかし経済運営が思うに任せない、また補正をというようなことになりますと、これはもうストップ・アンド・ゴーということになって、国民の信頼は大きく揺らぐ、こう思うんですね。 そういう意味では、私は、当初予算を大型の、景気回復最優先政策の理念を体現する予算としなければいけないのではないか、こう思うわけでございますが、こういう考えに対して、総理なり大蔵大臣なり、御所見を賜れればと存じます。
○小渕内閣総理大臣 来年度の予算編成につきましては、まだそこまで具体的な対応につきまして勉強いたしておりませんけれども、しかし、御指摘にありましたように、来年度予算というものは極めて重要な予算になるだろうと思っております。 いろいろ反省もございまして、ことし公共事業その他の第一次補正をやりました実効が実はこの七—九月にようやく上がってくるというようなことで、これは若干のタイムラグがあることはやむを得ませんので、こうしたことにならないように、地域の状況もございまして、寒冷地では予算の執行はなかなか難しいということでございまして、そういった意味で、この補正予算と来年の予算をいわゆる十五カ月的予算として切れ目なくやっていこうというのが今回の補正の意味でもあるわけでございます。そういう意味で、切れ目があってはいけませんし、それからまた、来年度予算につきましても、極めて重要であるという御指摘はそのとおりでございますので、ぜひ予算編成におきましては、自由民主党、自由党と相協力してやっていかなきゃならぬと思っておりますので、十分いろいろな御意見をひとつ拝聴させていただきたい、こう思っております。
○西川(太)委員 毎度この委員会でも、けさから議論になっておりますけれども、その意味において、私ども自由党は、消費税の時限的凍結というものを主張しているわけでございます。 本年、四兆円の特別減税を定額方式により行ったために、課税最低限が三百六十一万円から四百九十一万円へ上昇してしまったといいますか、上昇したという事実があります。来年度の恒久的減税では、最高税率の引き下げと四兆円という額だけは決まっていますけれども、課税最低限についてはまだ結論が出ていないわけでございますが、どういうお見通しなのか、この機会に御披瀝いただければと存じます。
○宮澤国務大臣 御指摘のように、本年度におきまして定額減税が行われました結果、標準世帯における課税最低限は、御説のように四百九十一万円になっております。しかるところ、所得税法における、本法における本来の課税最低限は、これもおっしゃいましたように三百六十一万円でございます。したがいまして、現在の四百九十一万円、この時点において納税者でなくなった人の数、それは、三百六十一万円の場合に比べますと、恐らく数百万人おられると思います。 しかし、このことは、もとより課税最低限を上げたという国会の御意思ではありませんで、定額減税をやったということの結果でございますから、理論的には標準世帯の課税最低限は三百六十一万円に戻るべきものと考えております。その三百六十一万円ですら、実は諸外国に比べますと甚だ高うございますので、本来ならばいずれの時期かにこれは下げることが好ましいのであろうと思いますが、それは今申すべきことではございません。 今問題になりますのは、おっしゃいましたように、四百九十一万円になって納税者からいわば自由になったと思われた方々のかなりの多くの方が、再び三百六十一万円という課税最低限で納税者に復帰されるという、そのことにつきまして今回の税制改正においてどのように扱うべきかということ、御指摘のとおりの問題と思います。理屈では私の申し上げたとおりであろうと思いますけれども、例えば、四百九十一万円ぎりぎりの近いところの方、今納税者ではいらっしゃらないそういう方々は、三百六十一万円で計算しましたならば、新しくかなりの税をおしょいになることになるはずでございます。 でございますから、そういう方々についてどのような激変の緩和の仕方があるかということは、理屈の上ではどうでも、何とかと思いますものの、現実にはやはり何かを考えなければならないのではないか。それは非常に考えにくい、やりにくい問題で、ほかに影響する種類の問題でございますが、やはり、政府税調なり私どもの党の税調で今そこをいろいろに検討してもらっているところでございますので、しばらく御猶予をお願いいたしたいと思います。
○西川(太)委員 非常に含みのある、幅のある御答弁であるというふうに理解をいたしますが、私は、あえて意見を言わせていただければ、この景況の中での所得減税は貯蓄に回りかねないというふうに私どもは思います。 やはり、所得の層に関係なくあまねく国民から、消費活動についてかけられている消費税を凍結していくことが、減税効果も早いし、大型消費も喚起するし、また、将来の福祉目的税化ということについては、初めはだれも目をつけませんというか、相手にされなかったけれども、このごろは福祉目的税大事だねと。そのゆえんのものは、人口比率からいっても多くなる大勢の高齢者の方々、またその予備軍の方々にとって、いわゆる負担が高くなるんじゃないか、給付は減るんじゃないか、暗いこの未来社会に対して、いや、そうじゃないんだ、消費税というものを福祉目的税化することによって、多くの人にプラスの明るい、特に高齢者社会については健全なものが保障される、そういう財源になるんだということを宣言する効果というのは極めて大きいというふうに思っております。 そこで、小沢党首と総理の間で合意をされました精神にのっとって誠実にこれを検討され、そして少しでも多く実現されることを希望したいと思いますが、総理の御決意を伺いたいと存じます。
○小渕内閣総理大臣 ただいま、消費税についての税率、福祉目的への限定など抜本的な見直しを行うという自由党の小沢党首からの御提言をいただき、この問題につきましては、少子・高齢化のさらなる進展という我が国の構造変化に税制面から対応するためのものであり、長期的に見れば、税率の水準について国民の皆さんに御理解をいただけるものと考えております。 今後の少子・高齢化の進展に伴って増大する年金、医療、介護等福祉のための財源を国民にどのようにお願いするか、重要な課題であると認識をいたしております。少子・高齢化がさらに進展する二十一世紀を展望しつつ、直間比率を是正していく流れの中で中期的な税構造はどうあるべきか、建設的な議論を行っていくことは重要と考えております。 いずれにせよ、小沢党首の御提言の政策につきましては、両党間の協議を開始しているところであり、私としてもその協議を踏まえ対応していく考えでありますが、今、西川委員御指摘のように、福祉目的への消費税の考え方につきまして、将来を見通した上で、そうした形でこの資金が確保されるということにつきまして国民の同意が得られるということであるとすれば、この点につきましても論議を進めていかなきゃならぬということは、私は、自由民主党の中にもそうした考え方も生まれつつあるのではないかという気がいたしております。 いずれにしても、本件につきましてはこれまた両党で十分話し合ってまいりたい、また、誠意を持って私としてはその合意を達成するように努力いたしてまいりたい、このように考えております。
○西川(太)委員 ぜひお願いいたします。 人口構成で御高齢者の皆さんの比率がふえていくわけでございます。一生懸命我が国のために尽くして、そして老後を安んじて暮らせるという仕組みを政治が用意することに反対しようはずもない。若年者もいずれ高齢者になるわけでございますから、そういう精神でひとつぜひリーダーシップを発揮していただきたいというふうに要望申し上げたいと存じます。 通産大臣に伺います。 実は、前回もこの席で私随分過激なことを申し上げて、宮澤前総理、また与謝野通産大臣からお褒めをいただきました。自由党はよくここに着目した、よくできている、こういう具体的な表現で言っていただきました、いわゆる中小企業に対する信用保証協会または中小企業信用保険公庫、この法律を変えて、今大変評判の高い、すばらしい成果でございまして、日本商工会議所の調査によりますと、貸し渋りが随分と緩和したというつい数日前の発表もございます。 そこで、大臣に伺いたい点は二点でございますけれども、現在どれぐらいの実績を、これは臼井先生の御質問でもう既にお答えになっておりましたが、重ねて私からも、どれぐらいのものがあったのかということが一つ。 それから、これもいろいろな議員の方々から御指摘がありましたが、いわゆる債権のつけかえ、この制度を、せっかく努力をされて、合計一兆円の補助金や出捐金を出してこの機能をしっかりさせていこうというのが、金融機関にとっては、早期健全化スキームで六十兆のものを目の前に用意したのだからそれを使えばいいのに、後ろでできた新しい中小企業のこの方法、またさらにこの国会で議論されている中堅企業の二兆円弱の融資について、これを自分のところの貸し金とかえて、それを融資を受けたという決定があったらそこからなるべくとってこいなんという、そういうふざけた金融機関が中小企業を脅かしているという事実は、これはもうみんなが認めるところですね。だから、そこで、誤解をされているところがあるんじゃないかと思って調べたら、実はこういうところがあるんですね。 「取引先の利益となる事由がある場合には特別に旧債の振替が認められる。」というんですね。しかし、それはよく読むともっともなことが書いてあるんです。「複数債権の一本化により返済負担が軽減される。」こういうこと、よくありますよ。それから、「短期資金を長期資金に振りかえることにより資金繰りが安定する。」これもそのとおりです。それから、「変動金利から長期固定金利融資にシフトすることによって将来の金利上のリスクが回避され、または金利負担軽減が図られる。」 このことに限って、借り手の側が承諾したら初めて振りかえられるべきなのに、その最初の大見出しだけでどんどんやっているというところに問題があるので、これは、野中官房長官が一番初めに怒られた。いい人を怒らせたですね、今一番おっかない人を怒らせた。それは、野中先生の御関係者が九千万円を借りたら、六千万円をその銀行が返せといって取り上げた。こういうようなことをやるから、銀行は何だかんだ言われるんですね。 このところに対して、通産大臣、強く御指示を願いたいと思うのですが、御決意を伺いたいと思います。
○与謝野国務大臣 まず第一点の実績の問題でございますが、十月一日からこの制度を開始いたしまして、現実にはこの二月間に約四十万件の申し込みが全国でございまして、金額にして九兆八千億の申し込みがございました。大変件数が多いので、各県も職員を総動員し、またOBなどの手をかりて全力で審査をやっておりまして、現在のところ三十一万五千件、金額にいたしまして七兆二千億の保証ができております。順調だろうと私は思っております。 そこで、第二点の旧債振りかえの話でございますけれども、この保証枠を設けましたのは、中小企業の資金繰りが大変だということで設けたのであって、もともと銀行を救済する目的でもありませんし、銀行の債権をうまく回収できるようにするためでもございません。そういう制度の趣旨にのっとってこの保証枠というものは供与されるべきものであって、かりそめにもこの制度を悪用するような金融機関があるとすれば、それは厳重に注意をしなければなりませんし、またこれは、金融監督庁にもお願いをして警告も発していただかなければならない、この点については、運用はさらに厳重に行うべきものだと考えております。
○西川(太)委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 もう最後でございまして、時間も一分しかございません。私は、財政投融資について、総理、大蔵大臣にお尋ねするつもりでございましたが、簡単に申しますと、財政投融資は二十一世紀においても効率のよいシステムとして存続をさせなきゃならない。 また、きょうも同僚議員から質問がありましたけれども、高速道路について、これを早期施行命令を行うとともに四車線化を進めてほしい、こういう声が多いわけでございます。高速道路の償還期間を四十年から五十年に延長するということもぜひひとつやってほしい、こういう要望も全国からございます。この点について、大蔵大臣の簡単な御答弁で結構でございますが、お気持ちを伝えていただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 財政投融資は、多少の改革は必要といたしますけれども、大変に大切なものであると考えておりまして、御同感でございます。 それから、今の年限延長の件は少し検討をさせていただきたいと思っております。
○西川(太)委員 これで私の質問を終わらせていただきたいと思いますが、こんな機会はめったにないことでございますので、総理初め居並ぶ閣僚の皆様に御要望を申し上げたいと思いますが、どうか、日本がとても元気になるような、そういう政策をしていただきたいということ。それから、特に文部大臣に申し上げたいのは、日本には人的資源しかないという認識に立って、立派な青年を育成する。先般、ネパールで海外経済協力隊員、私どもにわざわざお見えになるのにバスの停留所まで二日間歩いて、バスに三日間乗って、そんな山奥にたった一人で日本の青年が農業指導に出かけている。こういう人が私は世界じゅうに大勢いると思うんです。そういう人が日本に帰ってきたら、文部省は特別の予算をとって、中学校や小学校に特別講師としてそういう方々を回すべきではないか。 私はそのことを要求いたしまして、答弁は、うなずいておられるからやってくださると思いますので、以上で私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○中山委員長 これにて東君、西川君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君から質疑の通告を受けております。これを許します。木島日出夫君。
○木島委員 木島日出夫でございます。日本共産党を代表して、総理以下関係閣僚にお尋ねをしたいと思います。 今、国民の暮らしと営業は本当に未曾有の危機に直面をしております。十一カ月連続でマイナスを記録した家計消費の落ち込み、戦後最悪の失業と倒産、多くの国民が無事に年を越せるのだろうか、そういう大変な不安の中でこの年の瀬を迎えようとしています。 そこで、私はきょう、この深刻な不況をどう打開するのか、政治は今何をやらなければならないのかという、この問題に絞って質問をしたいと思います。 十一月の緊急経済対策は、事業規模で二十四兆円。しかし、この超大型の施策に対して、国民の評判はまことに低い。評価はまことに低い。朝日新聞の世論調査によりますと、期待できるというのはわずかに一一%、期待できないが七六%にも達しております。 そこで、まず総理にお聞きしたいんです。国民の期待がこんなに低いのはなぜなのか。国民の支持がこんなに低いのでは、総理の言ういわゆる国民の消費マインドが高まらなくて、結局、この経済対策は効果が薄いんではないかと思わざるを得ませんが、なぜこういう状況なのか、総理に簡潔に答弁願いたい。
○小渕内閣総理大臣 結論から申し上げれば、実態がまだ明るい曙光が見えにくいという状況でございますので、各般の打ってまいりました政策そのものが効果を十分発揮しておらないということでございます。 しかし、これは、私のこの小渕内閣になりましてからとられた政策を列挙するつもりはありませんけれども、幾つか申し上げれば、事業費規模で十兆円を超える補正予算の編成を表明いたしまして、中小企業等の貸し渋り対策を決定し、公共事業の施行促進の強化策も決定し、またアジア通貨危機のための総額三百億ドルの資金支援を強化し、また金融機能再生法案あるいは金融機能早期健全化の法律を制定いたしまして、今次緊急経済対策を決定いたしたわけでございまして、特に金融関係につきましては、先国会七十九日間かかりまして国会の御審議をいただいて、二つの法律が通過いたしました。 その法律に基づきまして、日本の今経済の根本問題である金融機関におけるこのシステムの健全化が図られるという見通しを立たせていかなきゃならない。こういうものが、金融機関自身がより健全なことにおきまして経済の動脈たる資金をそれぞれに供給できるというような体制が生まれてくるということであろうかと思いますが、その点については、先ほど来いろいろと各議員から強く御指摘いただきましたように、そのために今申し上げたような貸し渋り対策を講じておりながら諸問題が生まれておるわけでございまして、そうした効果が十分発揮をされ、本予算を通過させていただき、その執行が行われてくるということになりますれば、必ず今委員御指摘のような状況から脱却し得るもの、このように確信いたしておるところでございます。
○木島委員 総理は、この対策が徹底すれば、特に金融問題の対策が徹底すれば、必ず景気はよくなるとおっしゃいますが、私はそうならぬと思うのです。 なぜかといいますと、国民経済の六割は家計消費なんです。今ここが落ち込んでいるのが根本問題。ですから、家計消費の回復なしに景気の回復なし、こうじゃないんでしょうか。 ところが、今度の経済対策をよく見ても、肝心の個人消費、家計消費を拡大させるための施策が全然見えてこない。だから国民は、これじゃだめだと。幾ら大銀行に金をつぎ込んでも、国民の家計消費は一銭も上がるわけじゃない、一円もよくなるわけじゃない。 つらつら見ますと、二十四兆円、この中に国民の家計消費を直接に潤すのは、商品券七千億円と、来年という所得税減税四兆円ぐらいのものかなと思うわけであります。違いますか、総理。直接に国民の家計消費を潤す経済対策があるのか。回り回ってじゃだめなんです。端的に答えていただきたい。
○小渕内閣総理大臣 経済というものは全般がよくならなければだめでございまして、そういった意味で、やはりあらゆる手法を講じていく中では今言った減税もございましょう。そうした点を十分活用しながら、経済を再生させていくということだろうと私は考えております。
○木島委員 結局答えられませんでした。私が指摘した商品券、地域振興券と所得減税、これ以外にあるかどうかという質問に対して答えられなかった。ないんですね。 そこで、堺屋経済企画庁長官にお伺いをいたします。 地域振興券、いわゆる商品券のことですが、二日の本院財政構造改革特別委員会で、長官はこう答弁されました。 地域振興券は大変高度な政治的判断で決められたものと承知しておりますが、この経済効果でございますけれども、初めてなので、これを正確に計算するモデルはございません。そして先ほど御答弁になったように、仮にこれを減税と同じような可処分所得の増加ということで計量計算してみますと、約〇・一四%ぐらいの押し上げ効果、〇・一%強の押し上げ効果があるのではないかと思っています、こういう答弁であります。 先ほど、さらに詳しく説明をいたしまして、仮に減税と同じだと扱いますと、押し上げ効果は、いわゆる乗数、掛け率が一年目〇・四三だ、だから半分の効果しかないんだと、正確におっしゃいましたね。 ところが、さっきの長官の結論は、押し上げ効果がGDP約〇・一四ないし〇・一ということは、掛け率、押し上げの乗数効果が一と計算しているわけですね。七千億円が全部使い果たされて、そして経済効果一としますから、五百兆円、GDP分の七千億円は〇・一四ですから約〇・一になる。そういう計算だと思います。 そこで長官にお伺いしたいのですが、しかし、経済企画庁がことし十月にも「経済分析」、かなり詳しいものを発表しました。なぜ所得減税の効果が〇・四三なのか、一の半分以下なのかということについて、こう答えています。「減税乗数が公共投資乗数に比べ小さいのは、公共投資が公的部門の支出という形で需要を直接的に拡大するのに対し、」これが大事です、「減税の場合、家計の支出行動によってその効果が左右される」、「当該期の家計可処分所得が増加するほどには消費支出は拡大しない。」全部支出に回らない、半分ぐらいしか回らない、だから減税の効果は半分なんだという分析をしています。私はこのとおりだと思うんです。 それで、お聞きしたいんですが、端的に聞きますが、そういう数字、先ほど長官挙げられました。しかし、商品券の場合、地域振興券の場合は、地域も限定されているし、期間も短いし、そしてイベント効果も出るんじゃないか、だから乗数効果は一でもいいんじゃないかということだと思うんです。しかし、今いろいろな評論家や経済学者や国民が考えているのは、一人二万円、三人の子供がいる家庭でも六万円、このぐらいの配分では、それは全部使うでしょう。しかし、結局、ほかの所得をためる、ほかの収入、所得、給与、それにかわって先に商品券を使うだけであって、全体の乗数効果は減税とそう違わぬじゃないかと考えているわけですね。 この問題を長官はどう見ているのか、その点だけ一点、お聞きしておきます。
○堺屋国務大臣 減税の場合には、おっしゃるように貯金に回るものがあります。当然、商品券も、商品券使ってこっちの現金を貯金するということもありますが、商品券くれたら幾らか使う気になるのが多いんじゃないか。だから、七千億で五千億ぐらいの効果があるんじゃないか、こう言っておるわけでございます。大ざっぱな話です。
○木島委員 わかります。 十一月二十八日の読売新聞は世論調査の結果を報じております。商品券方式が景気回復に効果を発すると思うか。思うは七・二%しかない。思わないというのが七九・二%もある。私は、この問題はどうも国民が決着をつけているんじゃないかと思います。 そこで、次に、四兆円という所得減税についてお聞きをします。 今政府が検討している中身は、所得、住民あわせてでありますが、最高税率の五〇%への引き下げで約五千億円の減税、定率減税を二〇%から三〇%にするということでこれで約三兆五千億円、この二つの組み合わせで合計四兆円規模の減税を行うというものであります。そして、その一方で、ことし行った四兆円の特別減税、一納税者当たり十三万七千五百円の定額減税ですが、これはことし限りで打ち切る、こう確認していいですね、総理。確認ですが、大きな流れ。
○宮澤国務大臣 前の方のことはちょっとまだ確認ができません、仕事の途中でございますから。従来のものは打ち切るそうでございます。
○木島委員 しかし、大筋はそういうことで今検討がされているというわけですね、細目は別にして。 そこで、何しろ、ことし、四兆円の特別減税を定額でやったんです。来年やろうとしていることは、そのうち五千億円を最高税率を下げることによって高額所得者がとっていってしまうわけですから、残りは三兆五千億円。どう考えても多くの国民納税者が事実上増税になってしまう。避けられない。総理もそのことは認めているわけですね。 そこで、具体的に聞きます。納税者のうちの何割ぐらいが、ことしに比べて、来年これをやると事実上増税になってしまうと考えているのか。大ざっぱでいいです、何割ぐらいが増税になってしまうのか、答えていただきたい。
○宮澤国務大臣 どのような定率で、頭打ちをどうするかということが決まっておりませんので、正確にお答えできません。
○木島委員 そういう答弁が来ると思いましたので、私は計算をしてきました。そして、細目は当然まだ決まっておりませんから仮定でありますが、これもある程度幅があって決まってくるわけです。そして、その計算をパネルにつくってきましたのでお示しをしたいと思います。よく見てください。 横軸は、これは給与所得です。申告所得は数も少ないし、除いています。給与階級別年収額です。縦軸には、特別減税が打ち切られることによってことしに比べて来年分どうなるか、差し引きの実質増税、減税であります。二本の棒グラフで示しました。 赤い棒が仮に定率を二〇%とした場合どうなるか。そして当然、全額二〇%減税するわけにはいきません、三兆五千億円しか財源がないわけですから。ですから、頭打ちが必要であります。減税限度額が必要ですから、これも大体決まってくるのですが、一応仮定として二十四万円と設定をいたしました。緑の棒が仮に三〇%の定率減税とした場合で、減税の頭打ち、いわゆる限度額を、これはちょっとふやすことができますから、十万四千円といたしました。 棒グラフが下の方に向かって伸びているのが事実上増税になってしまう納税者であります。上の方に向いているのが実質減税になる納税者であります。ことしの十三万七千五百円減税と比べての数字であります。青色で塗りつぶした部分は、そういう所得階層のサラリーマンが一体何人いるかということであります。三百万以下が一千万とか、四百万クラスが七百万ちょっといる、そういう人数であります。 政府が今検討している最高税率の引き下げと定率減税の組み合わせによる四兆円所得減税がどういう結果をもたらすか、もう明確ではないでしょうか。五百万の収入のサラリーマンで定率減税二〇%としますと、ことしに比べて十万五千円も増税になっちゃうんですよ。こういうことになるわけであります。人数はもう青い部分を見ていただければ一見明瞭。年収二千万以上の方がどのくらいいるかはもう線で表示するのが困難なほど数が少ない。 これを見ますと、要するに年収八百万以下のサラリーマンはもう間違いなく増税になってしまう。定率を三〇%とした場合は、これはもう年収千二百万クラスまで増税になってしまう。結局八割、九割のサラリーマンが今政府が検討しているやり方だと実質増税になってしまう。 再三聞いてもなかなか、どのくらいのサラリーマンが増税になるかは政府は答えないのですが、その数字、大体八、九割が増税になってしまうんじゃないかという点はお認めになりますね。
○宮澤国務大臣 先ほども申し上げましたように、どのような減税を行うかということが最終的に決定しておりませんので、正確に申し上げることは困難でございますけれども、四百九十一万という課税最低限が三百六十一万という本則に戻ることは事実でございますから、その間に数百万の人がその影響を受けるということは事実だろうと思います。
○木島委員 お認めになりました。 もう驚くべきことは、ごくごく少数の超高額給与者が非常に多額の減税の恩典を受けるということであります。年収三千万円のクラスで五十万を超える減税、年収五千万円クラスで三百万円近くの減税になる。金持ち減税、庶民増税の姿が一見明瞭ではないでしょうか。 総理、それではお聞きしたいのです。 八、九割の国民がことしに比べて実質増税になってしまうような、そうした四兆円恒久減税で、どうして来年家計消費が回復をして景気がよくなるでしょうか。逆ではないでしょうか。これではことしよりも家計消費が冷え込んで不況がますます深くなってしまうんじゃないんでしょうか。政府の四兆円所得減税の今検討しているやり方は、不況打開の方向が逆立ちしているんじゃないでしょうか。総理の明確な答弁を求めたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 減税はといいますか、税制は極めて重要な政治のテーマであると思っております。しかし、日本国経済全体が不況になり、そして雇用の状態が危うくなるというような状況の中で考えますと、それを回復するということがこれまたプライオリティーからいえば極めて重要なことだろうと思っております。したがって、経済全体を大きく伸ばし、そのことによって雇用も確保して、そして税も納めていただけるような状況をつくることが私は政治の最大課題である、このように認識いたしております。
○木島委員 ことし臨時異例の措置として、これまで政府・自民党が考えてきた所得税体系を変えてまで四兆円を一律定額減税でやったわけですね。この四百万クラスからずっと一律で減税した。それでも国民の家計消費は伸びなかった。こういう現実があるわけですよ。 ところが、そのサラリーマン層が、これで見るように、四百万、五百万、六百万、七百万、八百万クラスの中堅の中核的サラリーマン層が減税じゃなくて、ことしよりも増税になったら、それでなくてもことし消費が落ち込んでいるんですから、逆じゃないのですか。どうですか。このやり方を変えてもらわなきゃだめなんじゃないですか。
○宮澤国務大臣 定額減税、一遍限りの減税に寄せられました批判は、現に我々はその批判を受けているわけですが、来年のことはわからない、ことしだけ減税を受けても、先のことはわからないからそれは使わないんだということでありましたわけです。そこで、私どもは、そうかもしれない、それでしたら継続的な減税を提案しよう、こういうふうに考えたわけでございます。 現実にまた減税の額から見ますと、マクロで見てこの方が大きいわけでございますから、木島委員のようにはならないだろうと思います。
○木島委員 私は、これは継続的減税じゃなくて、こうした人たちにとっては、ことしに比べると継続的な増税じゃないかと言わざるを得ないんです。 こういうことだから、先ほど私が示した、十一月十四日から十五日にかけて読売新聞が全国世論調査をして、この四兆円減税が日本の景気を回復させるだろうかという質問に対して、そう思うという国民が一一・四%しかいない。そうは思わないというのが何と六八・八%もあるわけです。どちらとも言えないというのが一八・四%。答えない、わずか一・四%なんですね。もうこれじゃだめだということは、圧倒的多数の国民が決着をつけているというふうに思います。部分的手直しじゃだめなんです。 それで、これで見ていただければ明らかなんですが、年所得三百万以下のサラリーマン、当然納税がありませんから減税もありません。しかし、この皆さん、消費税は払っているんです。この皆さんの実質可処分所得をふやさなければ、本当に私は、日本経済、不況は打開できないと思うんです。 そこで次に、消費税三%への減税問題についてお聞きします。 日本共産党は、消費税の減税こそが冷え込んだ家計消費を温める決め手だと考えています。そして、一日も早く今の深刻な不況を打開するために、今国会冒頭、他会派の皆さんとともに消費税三%への引き下げ法案を参議院に提出しました。 今、どの世論調査を見ても、圧倒的多数の国民の皆さんが、景気回復の第一に消費税減税を求めているんです。その一つ、日本世論調査会の九月二十六、七日の調査では、消費税廃止、引き下げ、これを望む声は実に七九%、八割の国民にも及んでいたわけであります。 総理に聞きます。圧倒的多数のこの国民の要求にこたえて、消費税の減税に、今こそ不況打開のために足を踏み出すべきではないか。総理はなぜ拒み続けるのか、明確な答弁を求めます。
○小渕内閣総理大臣 消費税率の引き上げを含む税制改正は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。 消費税に限らず、税は低い方がいいという面はありますが、税財政のあり方を考えるとき、消費税率の引き下げは困難であり、この点は国民の皆さんにも御理解いただきたいと思いますが、消費税を二%引き下げる、その中には当然、消費税五%のうち半数近くは地方の方々に振り向けられておるわけでございまして、そういった点をどう考慮するかという点もございますし、消費税は下げる、今のお話を聞きますと特別減税は継続すべきだ、一体、共産党様の財源というものはどのようにお考えになっておるか、このことも国民の中にお示しをいただければありがたいと思います。
○木島委員 消費税は下げない、逆にふやしたい、また、消費税をつくったときも五%に値上げしたときも、必ず政府が出してくる理屈が、少子・高齢化社会への対応なんだ、高齢者福祉のためなんだということでありますが、私はそんな理屈は通用しないと思うんです。 消費税導入後、現実はどうか。高齢者福祉のためだと言いながら、現実はどうか。高齢者医療も年金も、逆に切り捨て、後退を続けているではないですか。 例えば老人医療費一つだけとります。消費税導入のとき月額八百円だった外来通院費は、今二千円であります、五百円掛ける四回。日額四百円だった入院費は、今一千百円プラス給食費七百六十円であります。来年四月からは一千二百円にされようとしているんです。一層の改悪もされようとしています。 政府は言うこととやることが違うではないか、国民はだまされたんじゃないか、こう国民は思っているのではないでしょうか。 こう私が言うと、総理は恐らくお年寄りがふえて大変なんだと言うでしょう。そこで私は、本当にこれから先、日本の将来はお年寄りがふえて大変なのか検討したいと思うんです。いわゆる高齢化社会大変論、高齢化社会危機論というものです。 政府は大体こういう理屈なんです。いろいろ考えは違います。しかし、十五歳ないし二十歳から六十四歳までの年齢の人を全部ひっくるめて生産年齢人口と呼んでいます。この生産年齢人口と、六十五歳以上の高齢者、これは高齢者人口、これだけを比較して、生産年齢人口対高齢者人口だけを数字の上で比較をいたしまして、現在は四・四人の生産年齢人口が一人のお年寄り、高齢者人口を支えている。ピークになるんでしょうか、二〇二五年にはこれが二・一七人で一人を支えることになり、大変だ。今四人で一人を支えているが、将来、二十数年後には二人で一人を支えることになるから大変なんだ。 この考え方を老齢人口指数と言っているようですが、総理もそういう見方なんでしょうか。高齢化社会が来て、これに対応する税制を考えるために消費税を下げるわけにいかぬとおっしゃっているわけですが、やはりそういう見方をされているんでしょうか。(発言する者あり)総理、これは基本問題ですから、少子・高齢化のためと総理が言ったんだから、そういう見方をしているのか。総理、自分が少子・高齢化のためにと言っているんですから。
○中山委員長 厚生大臣宮下創平君。前提でちょっとお答えいただきます。
○宮下国務大臣 高齢化問題に関してのことでございますから。 やはり少子・高齢化を支えていくためには、ある程度国民が安心、安定できる長期的な見通しが必要でございます。私どもは、そういう視点に立って、国民が見通しが得られるように、年金制度も医療改革も、それから介護等の問題も十分対応していく、そういう基本的考え方でございます。
○木島委員 聞いているのはそうじゃない。そういう見方、要するに、分母を生産年齢人口にして分子を老齢人口にする、そうすると大変だ、こういう見方をしているのかと聞いているのですよ。そうなんでしょう。政府の税制調査会答申なんかにはそういうことがずっと書いてあります。そうだと思うのです、答弁しないのは。
○小渕内閣総理大臣 そういう見方もあるかと思います。
○木島委員 また、それが基本になっているのです、税制調査会答申の文章を見ると。 そこで私は、その問題は本当か、検証したいと思うのです。 一つは、支える方の人口、分母の問題。これは、日本の社会や税制、財政を実際に支える労働力人口をとるべきではないか。十五ないし二十歳から六十四までという抽象的な年齢を全部ぶち込むのではなくて、労働力人口を当てるべきではないか。総理も一つの見方だと今答弁されました生産年齢人口を当てるとどういう矛盾が起きるかというと、支える方の力に、働く高齢者の力を計算に入れないことになるんです。しかし、実際は違うんです。 労働省の職業安定局が九八年十月、つい最近その推計をいたしました。六十五歳以上の高齢者の労働力人口は、九七年に何と四百七十五万人、全体の労働力人口の七・〇%になっている、こう書いています。そして、二〇二五年にはこれが何と七百五万人になる、全体の労働力人口の一一・四%になると推計しているのです。この推計も、最近ちょっと小さくしたのですよ。 そして、二〇二五年の六十五歳以上の推計人口は、厚生省が出しまして、三千三百十二万人ですから、実に、二〇二五年の六十五歳以上の全体の人口の二一・三%のお年寄り、高齢者が労働力人口に計算されている。皆さんがやっているのですよ。(発言する者あり)いいことかもしらぬが。 総理、ですから言うのです。さっきそういう見方もあると言いましたが、現在から将来へのこの巨大な高齢者パワー、これを無視して、高齢者社会になり大変だ、大変だと危機感をあおって消費税引き下げを拒否する理由はないんじゃないか。どうですか。
○堺屋国務大臣 御指摘の点は、最近国民経済白書で中高年の高齢化時代について分析したものでございますので心得ておりますが、その際、所得構造がどうなるか、いろいろな問題があります。そうすると、やはり広く国民に負担していただく仕組みが大事でございまして、その意味でいいますと、消費にかかる税金、所得で累進するんじゃなしに、消費に安定してかかる税金の構造が必要だと我々は考えております。
○木島委員 説得力、全然ないと思います。 もう一つは、支えられる方の人口、分子の問題。これを、さっきの理屈は高齢者人口だけを持ってきているんですが、実際、税財政で支えられているのは高齢者だけじゃなくて、再三国会でも論議してきましたが、教育、扶養費のかかる子供も、住宅、子育てなど大変な中堅層も、もちろん高齢者もみんな税財政で支えられているんですから、分子の方は全人口ではないか。そうすると、我が日本共産党が再々主張しているように、全日本国民を労働力人口で支えているんですから、その数字をとると、政府の出している数字でも、現在も一対二、将来も一対二、大体一人の労働力人口で二人の国民を支える、その数字は変わらないというんですよ。だから、高齢者社会危機論を大騒ぎして消費税を引き上げたり減税を拒否する理由はないということを申し添えておきたいと思います。 そう言うと、もう必ず金がかかるというんで、先ほども言いました。私は、高齢者がふえて年金、医療などに金がかかること自体は否定いたしません。しかし、だからこそ、政府のように冷たく福祉を切り捨てるんじゃなくて、もっと予算を注ぎ込む必要があると思います。 そのためにも、財源の問題ですが、むだな公共事業や、今水増し問題の起きている軍事費などは削る、国民の税金を食い物にしている政党助成金は廃止する、大銀行救済、支援のための六十兆円、とんでもないと思うわけでありますが、時間がありませんから、その問題はきょうは主張だけにしておきたいと思います。 もう一つ、よく政府が税構造とおっしゃいました。これは恐らく直間比率是正の問題だと思います。先ほども同僚委員の質問に答えて、これを総理、言いましたね。直間比率の是正の流れの中で云々ということを言いました。所得税、法人税などの直接税と消費税などの間接税の比率、これの是正だというんですが、大体、そういう直間比率の是正をしなきゃならぬ根拠は何ですか。大体どこまで是正しなきゃならぬという基準はあるんですか。総理、答弁願います。
○宮澤国務大臣 我が国は、現在かなり国民的に平均所得水準の高い社会でございますから、そういう意味で、間接税を国民が負担できる力は他国に比べて相当高いと考えることができます。 それに対しまして、直接税の税率は今日までかなり高い。国際的にも高いし、また国内的に、勤労意欲なり企業意欲などをそぐかもしれないというふうに考えられるほど高いわけでございます。したがいまして、国民全体から見て、こういう直間比率というものは是正をする必要があるだろう、基本的にはそういう考えでよろしいと思うのです。
○木島委員 宮澤大蔵大臣は、今、我が国の直接税の税率は国際的に見て高いとおっしゃいました。直間比率を論じるなら、日本の税の全部の直接税がどのくらいで、全部の間接税がどのくらいか、それを公正に比較して高いか低いか論じなきゃだめなんですね。 細かいことは避けますが、そういう目で見ますとどうか。直接税が何で、間接税が何であるか、その定義が、日本の大蔵省がとっている定義と国際基準、違うのですよ。OECDの基準、違うのですよ。 大蔵省がとっている基準というのは、直接税というのは、法人税、所得税、そういうもの、そういう税目は全部直接税だというのですね。間接税は、消費税、そういうものは全部間接だ。もう税目できちっと区別しちゃうのです。しかし、国際基準、OECDは、決してそんな大ざっぱな区分けをしていないのです。 私は、きょう、この問題を質問するために、大蔵省に、OECDによる直接税と間接税の区分けを出してほしいと朝から要求をしましたが、届いたのはこういうペーパーです。OECDによる定義については、公定訳はございません。訳がないから出せない。本当にふざけているのです。 しかし、既に我が国の経済企画庁は、ちゃんとOECDの基準は文書に載せているのですよ。一九九八年、経済企画庁なんです。大蔵省はこれを出さないのですよ。 経済企画庁は、OECDの定義による間接税は、そんな抽象的なものじゃないんだ、「財貨・サービスの生産、販売、購入または使用に関して生産者に課せられる租税で、」二つ、「税法上損金算入を認められ、」三つ、「その負担が最終購入者へ転嫁されるものである。」こう言って、間接税の例として、「消費税、関税、酒税等の国内消費税、営業許可税、印紙税等の取引税、事業税、固定資産税、企業の支払う自動車税などがあげられる。住宅に対する固定資産税も、帰属家賃の一部を構成するとみなされ間接税として扱われる。」というのですね。これが国際基準なんですよ。 恐らく日本では、こんなもの直接税ではないでしょうか。そういう目で、では本当に日本の直接税が高いのか、間接税が低いのか、これを見てみなきゃなりません。OECD基準で見てみなきゃいかぬと思うのですね。 そういう基準が違うということ自体は、大蔵大臣、認めますか。あるいは大蔵省、認めますか。もう結論だけでいいですよ。OECD基準とあなた方がとっている基準が違うということを認めますか。
○尾原政府委員 いささか誤解がございまして、我々、直間比率といった場合には、財政学上、租税法学上どう考えるかということでございます。 今、OECDのお話をなさいましたが、これは、国民所得計算をするとき税をどうカウントするかという話でございまして、税の特徴をあらわす場合の、我々の使っている直間比率とはいささか違うように思います。例えば相続税とか贈与税は、OECDの統計には入っていないわけでございますが、私どもは直接税だというふうに考えております。 なお、一言。OECDの租税委員会のグループでは、そのような問題もございますので、所得、消費、資産等ということで税のグループでは分類してございまして、私ども、消費の地位は、OECDのほぼ最低でございます。
○木島委員 ごまかしじゃないですか。先ほど総理が、直間比率の是正の流れの中で考えると言って消費税減税を拒んだ。直間比率の是正の流れといったら、直接税と間接税の比率の問題です。今大蔵省が言うのは、ごまかして三つを言ったでしょう、資産、所得、消費と。ごまかしてはだめなんですよ。 OECDも、本当に税金が間接的に国民が負担しちゃっているのか、そうではなくて、企業など直接に負担しているのか、そこが大事なんだ、国民経済でも、財政上も税制上も大事だという観点からそういう概念をつくっているんです。まともですよ、これは。 それで、そういう概念で、日本の税金はどうかというので調べてみました。あるんですね、その数字が。大蔵省は出していないです。日本銀行国際局が、国際比較統計というのを出しているんですよ。一九九八年。OECDの、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダとあります。そこで全部の国税、地方税が幾らかという数字が出ています。その中で、OECD基準による間接税が幾ら納めているか出ています。間接税、日本でも大きい数字ですよ、それはそういう基準ですから。実際に企業が負担しているように見えても、最終的に国民に転嫁されているのは、間接税に入れて数字を出しています。 その数字で私、計算をしてみました。日本が高いなんていうこと全然ないんです。これでいくと、日本は間接税の比率四三・九%ですよ。これは日本、九五年。アメリカ、九五年三九・〇%ですよ。私、ヨーロッパが物すごく高いかと思ったら、そうではなくて、イギリスだって、ああいう国でも九四年五〇・九%、ドイツ、九五年五四・九%、フランス、九五年五七・八%、イタリア、九四年四一・二%。日本よりアメリカ、イタリアの方が低いんですね。 こういうまともな、どういう税金かという税の名目、形式だけではなくて、実質を本当に深く分析して、ほかの先進諸国がやっているような数字のとり方をすれば、決して直接税が高いとは言えない。 どうですか、大蔵大臣。何かあったら、言いたいことがあったら言ってください。なければいいです。もう時間が迫っておりますから、答弁がなければいいです。 私は、今、直間比率是正論の問題、高齢化社会大変論の問題、二つの問題だけわずかな時間で質問いたしましたが、これはいずれもまともな根拠がない、消費税三%への引き下げを拒む理由にならないということは明らかだし、国民は、だからこそこういう理屈、直間比率を是正しなければいかぬとか、高齢者社会になって大変だなんという理屈に同意を与えていないんだと思います。 確かに、将来の税制のあり方については、各党間で、また国民各界各層でそれぞれ考えはあると思うんです。いろいろな考えはあると思うんです。これからの社会保障制度をどうするかもそうです。直接税、間接税の比率、どのくらいがいいのかもそうだと思うんです。外国との比較はどうか、バランスはどうかというのもあると思うんです。 私ども日本共産党は、消費税はなくすべきだと考えています。それはなぜかというと、税制の基本は、直接税中心、総合累進課税、生活費非課税という戦後日本の税制の原点であるこの税制三原則、これをより徹底することが大事であり、そのことが、税金の基本的な役割である所得移転機能、税金というのは担税力、税金を負担する能力のある者からより高くいただいて、力のない、収入のない皆さんに配分する、この税金の一番の目的である所得移転機能をよりよく発揮する道だと考えているからであります。 しかし、今大事なことは、こういう各党各会派の税財政に関する将来像の違いは、これはもう棚に上げましょう、それをもってぜひ消費税引き下げの拒否の理由にしてほしくない。将来像は各会派違うけれども、今不況だ、この不況打開のために国民世論の最大公約数になっている消費税を三%に戻せ、こういう声に国会と政府がこたえることだ。違いは棚に上げても、不況打開の決め手として消費税減税に踏み込むべきだ。 小渕総理が、これまでの消費税減税はできないという立場を変えて、思い切った、本当に思い切った施策の一つとして、消費税減税に一歩踏み出してほしいということを重ねて強く要求して、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中山委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。 次に、濱田健一君から質疑の申し出があります。これを許します。濱田健一君。
○濱田(健)委員 濱田健一でございます。社会民主党・市民連合を代表して質問をいたします。 あす十二月八日は、太平洋戦争の開戦の日でございます。教師出身の私にとって、戦後、先輩たちがみずからのざんきと悔恨の情のもとに不滅のスローガンとして打ち立てた、教え子を再び戦場に送るなという言葉が、本日の質問をするに当たって、改めて私の胸にふつふつとよみがえってまいるところでございます。 それは、新旧保守の自由党と自民党が連立を組むことによって、新ガイドラインの関連法案の審議、国連軍参加問題、憲法調査常任委員会の設置のための国会法の改正問題、この三点セットで、戦後五十有余年の護憲と平和が二十一世紀の扉を開く入り口のところで大きく揺らぐのではないかという国民的な不安、これを私みずからが感じるからでございます。 では、まず自民党と自由党の連立問題から総理に質問をさせていただきたいと思います。 まず一点目に、社会民主党は、一部野党のように、自民党と自由党が連立をされるということを否定しようとする余り、連立政権そのものを否定する立場はとりません。政策協議を行い、政策で一致すればいいと思います。それは、過去を振り返ってみると、福祉国家スウェーデン、ここを四十四年間も支えましたスウェーデン社民党、ここもほぼ全期間連立政権であったという事実を思い起こすところでございます。 しかし、連立政権で重要なことは、連立政権の運営のあり方と、その政権が何を目指すかというところでございまして、まずそこで総理にお伺いいたしたいと思うんですが、細川内閣以来、これまでの連立政権に対する総理の評価というものをお聞かせいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 それぞれの時点におきまして政権が各党の連立によって成り立ってきたということで、それなりの歴史的意義があったと思いますし、それを否定するものではありません。 したがいまして、近々の自社さも、あるいはその前の細川政権におきまして八党会派がまとまって政権をつくり、そしてその政策をもって国民にこたえようとした連立政権のあり方というものは、それぞれの時点における要請としてこれは評価するものだ、こう考えております。
○濱田(健)委員 その場合に、特に自社さ連立政権の場合には、連立を組むに当たって最初から政策の協議がしっかりなされ、その後にどういう形でやるのかということがなされておりますが、現在進もうとしている自民党と自由党の連立もそうなっているのでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 いろいろの形態がありまして、総選挙後における首班指名選挙におきましてある党の首班候補に票を投じていただくことによっての、しかし閣内に入らないという形での連立という経過もあったかと思います。今のように具体的な自社さにおきまして、そのような経過の中で政権が成立した事例は私も承知をいたしております。 それと今回全く同じであったかと言われれば、基本的には党双方の関係者の皆さんで合意を得るべく努力をしてという経過の中で、一つ一つ政策についての合意という形ではありませんけれども、最終的には党首間において合意文書をまとめ、それによる署名を行ってこうした連立政権の姿をつくったというのが今回の連立政権への道でございました。
○濱田(健)委員 総理、小沢自由党党首との十一月十九日会談で、連立政権をつくることに合意し、基本的な方向性で一致したということでございますけれども、この間のいろいろな機会での論議を聞いておりますと、総理の答弁と自由党の皆さんの見解が違っている。そして、その中で、政府委員の廃止、副大臣の導入以外は余り一致点がないように感じているところでございます。自衛隊の国連軍参加、そして消費税の凍結、これはできないというふうに総理ずっと答えておられるようですが、閣僚数の削減などについて、党首会談では本当に一致されたのでしょうか。 これまで総理が率直に、第百四十三臨時国会ではいろいろな法案を通すのに組み合わせに苦慮したと述べられておりますけれども、国会対策、数合わせというようなことのために、事の重大性を認知せずに丸のみして持って帰ったら問題が党内で明らかになったということでは、総理の資質にもかかわる問題だというふうに私は思っているわけですが、実際のところ、どういうところまできちっと小沢党首との合意がなされているのか、明快に答えていただけませんか。
○小渕内閣総理大臣 公になっております合意書に尽きるわけでございまして、その合意書をつくり上げるに当たりましては、両党で近々実行していかなければならない大きく三つの問題についての基本的合意が成り立ってそうした文書の取り交わしになった、こういうことでございます。
○濱田(健)委員 つまり、来年の通常国会前に連立という形をつくられる、閣内か閣外かわかりませんけれども。それまでには、政策協議という形が連立という性格を持つものに合致するような中身に、きちんとしたものが出てくるというふうに認識すればよろしいのでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 一つ一つは申し上げませんが、予算編成の過程で両党で話し合って、具体的な政策としてこれを実行し得るものもありましょう、可及的速やかにその合意に向かって努力いたさなきゃならぬものもありましょう、現実に既に協議に入っているものもございます。 したがいまして、できる限り両党間に合意を得るべく努力をしてまいることは事実でございますし、具体的な問題につきましては、そうしたことを両党で協議しながら、連立としての責任をともに負っていきたい、こういうことで今回の合意が成り立っておる、こう御理解いただきたいと思います。
○濱田(健)委員 社民党が、さきがけ、自民党と村山政権をつくったのは、当時言われていた言葉で、強権的でタカ派的な政策を打ち出した小沢政治の方向に対する強い危惧感、これによって、憲法の理念に基づくハト派のリベラルの結集を目指した結果だと私たちは振り返っておりますけれども、今回の自民党と自由党の連立は、何を目的として、日本をどういう方向へ、どういう形で持っていこうとしておられるのか、総理のその日本の方向性というものを明確にお答えいただけないでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 方向性と言われますが、日本がまさに憲法の理念に基づくように国際社会に信頼を受けて、世界の中で日本として、きちんと世界で評価されるような日本をつくる、そのためには経済的基盤もきちんと備えていかなきゃならないということでありまして、そして、自由と民主主義を前提にいたしまして、諸般の政策を遂行することにより国と国民に対しての責任を負っていくという点において、まさに現在の時代認識と、それから今後におきましてともにその責任を負っていくということについての合意が成立し、今回このような連立に至った、こういうことでございます。
○濱田(健)委員 今の総理の御答弁にありました、世界的に評価される日本の姿というのは、二十一世紀に向けてどういう姿なんでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 憲法の前文にありますように、諸国から、我が国の存在について、この地球上で日本という国が存在することが、世界のために大いに貢献できるという国を目指して今日まで努力をいたしてまいりましたが、さらに今後、国民総意のもとに、そうした方向に努力をしていくということだろうと思います。
○濱田(健)委員 今憲法の前文のことを触れられましたけれども、大変失礼な言い方になるかもしれませんが、日本国憲法は、総理の目から見て、今、実施されて五十数年がたちますが、その理想がより現実に近づいていっているというふうに認識をされておられるでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 新しい憲法が制定されました以降、国民もこの憲法を十分認識をし、その憲法のもとに我が国が、日本としてあの戦後の困難な状況を乗り越えて今日の日本をつくり上げるということにおきましては、現憲法の存在というものは、高くこれは認識していかなきゃならぬと理解しております。
○濱田(健)委員 自民党と自由党さんが連立を組むという、国民のだれの目から見ても保守勢力同士の連立によって新旧の保守主義的な政策が遂行されるならば、私たちから見て、平和や福祉や雇用、そして環境や教育といったものが国民生活の課題の中から自助努力や自己責任にゆだねられていくのではないか、そういうおそれを感じざるを得ない昨今でございます。 そういう懸念について、日本の国をどのように国民のために、総理として、本当にこの国に住んでよかったという方向に持っていかれようとするのか、その辺はどうでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 言葉で言いますと、臨時国会の所信表明でも申し上げましたが、我が国がまさに有徳国家として存在する、世界各国からも尊敬されるような我が国をつくり上げていくということだろうと思います。 そのためには、国際的な協力もしなければならない。それは、安全保障の面のみならず、経済の面においてもしかりでありまして、その経済が今、日本は混乱の状態に入りつつある。いずれこれは回復してまいりますけれども、政策のよろしきを得て、何とか世界の中でも十分の責任を持ち得る日本として経済を再生していかなければならない。 これは、我が国のみならず、我が国の経済の動向そのものが世界のGDPの一五%を超えるというような世界第二の国になっておることを考えますと、そのよって立つ責任も極めて大きいと認識をして、そのために諸政策を遂行していきたい。そのためには安定した政権もぜひ必要であるという考え方に基づいて、自由党との連立を決断し、実行しようとしておるところでございます。
○濱田(健)委員 では、この問題について最後の質問ですが、いろいろと政策協議、こういう方向でお互いに協力して仕事をしようということが連日のようにマスコミで報道されておりますが、次期通常国会等と申し上げましょう、次期通常国会以降、今言われております新ガイドライン関連法案、そして国際平和維持活動協力法の改正によっての国連平和維持軍への参加、もしくは、きょうも話がありました正規の国連軍への参加できる道、また、憲法改正のための国会法の改正に踏み切られる、そういう動きが、この国会では無理でしょうけれども、次の国会から始まるのでございましょうか。明確にお答えいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 幾つか例証されましたけれども、今後の両党間の話し合いの中で、ガイドラインの問題を含めましていろいろ議論していくことは当然だろうと思いますが、現下、与党自民党として取りまとめましたこうした問題につきましても御理解を得ながら、今後ともお話し合いを慎重に進めていきたいというふうに考えております。 しかし、いずれにいたしましても、今自民党と自由党とのことだけお話しをいただきましたけれども、この政府といたしましては、すべからく諸問題につきまして、前の国会でもそうでございましたが、各党とも十分お話し合いをさせていただきながら、政府の考え方をぜひ国民のために実施する努力をいたしていきたいということは、言うまでもないことであることを申し添えたいと思います。
○濱田(健)委員 一連の防衛庁の疑惑と政治改革についてお尋ねをいたしたいと思います。 政官業の癒着という形で一大汚職事件となりつつあります一連の防衛庁疑惑について、総理はみずからのリーダーシップで事件の全容解明を図るとともに、再発防止に向けて構造的な腐敗の温床を徹底的に断ち切ってもらわなければならないというふうに考えております。 総理御自身のリーダーシップによって、防衛庁に根差す政官業の腐敗の構造を徹底的に暴き出していただくことも必要であろうと思っております。また、こうした腐敗が根絶されない限り、情報衛星やTMD構想などの巨額の予算を必要とする取り組みについては、そもそも提案する環境にはないと私たちは付言をさせていただきたいと思います。 また一方、政治家もみずからの政治倫理をはっきりさせなければならないというふうに思います。野田実議員の失職が記憶に新しい中で、逮捕されています中島洋次郎議員の受託収賄疑惑も明らかになりつつあります。政治家がみずからの襟を正して国民から疑惑を受けることのないように、私たちが提案をしております政治腐敗防止法を確立するために、企業・団体献金、これらをきっぱりと早く前倒しして廃止し、あっせん利得処罰法や政治倫理法の強化、これが今国民の政治の信頼を取り戻すための急務の課題だと私は思うところでございます。 どのような立派な政策や美辞麗句を並べてみたところで、政治への信頼がなければ国民の理解と協力を得ることはできないというふうに考えておりますが、一連の防衛庁の疑惑解明と政治改革に取り組まれる総理の御決意はいかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 委員の御指摘はしかと受けとめさせていただきますが、政治改革あるいは政治倫理、国民の信頼をかち得るためには政治家みずから襟を正していかなければならないということは、全くそのとおりだろうとは思います。そうした意味で、国会におきましても、種々の法律が制定をされ、みずから規範としてその線にのっとって対応しているわけでございます。 特に献金の問題につきましても、いわゆる政治改革の一つのポイントとして、選挙制度の改革とともにこれが取り上げられたわけでございまして、この政治資金の問題につきましても、平成六年の政治改革で規正法によって規制されておりますが、改正法附則によりまして、施行後五年を経過した場合の取り扱いが定められているところでございまして、こうした問題につきましても、各党各派十分御論議をいただきまして、国民の信頼にこたえるような対応をいたしてまいるべきことは、これまた当然のことと認識をいたしております。
○濱田(健)委員 福祉に関する質問ですが、現下の深刻な消費不況、これは老後の生活不安や雇用不安、これらの暮らしの不安に起因するものであります。 総理は所信で年金や介護、医療、福祉の将来についてはほぼ一言も触れておられない、読ませてもらってそのように私は感じました。 この消費不況は厚生省不況とも言われているところでございます。厚生省は、医療や年金、これらについて国民負担の増大ばかりを示して、将来不安を意図的にかき立てているとは申し上げませんけれども、そういう将来不安を起こしているというふうに私は思うのでございます。国民の不安の解消にこたえるためにも、総合的な福祉の将来像を示すことが求められていると私は思います。 急速に進展した少子・高齢化社会に対応するために、これまでの既得権益や利害を超えて、諸制度の総合的な抜本的見直しが必要であるというふうに思っております。 また、消費税の福祉目的化、福祉目的税ではなくて福祉目的化、それも、医療、介護、年金、教育、環境、こういうものに集中的に使っていくという方向については私たちも賛成をしているところでございますが、これらの展望についてどのようにお考えなのか、総理と厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○宮下国務大臣 御指摘のように、これからの急速に進む少子・高齢化社会に対応いたしまして、私どもは総合的に考える必要がございます。 一つとりましても、国民負担率をどうするのか。例えば、医療と年金と介護というものをとりましても、それぞれ強制保険でございますから保険料の負担を伴います。また、給付もどうするか。総合的に考えることは必要でございますが、今私どもがしておることは、少子・高齢化社会を迎えて、安定した制度をとにかく国民の前に示して、二十一世紀に不安感のないようにしなければなりません。それには、税とそれから保険料と利用者負担という構成になりますので、若干の負担増等をお願いせざるを得ない点もあろうかと思いますが、しかし、それはかえって安心、安定を与えるゆえんでもございますから、そういった点で総合的にやってまいりたい。 なお、医療保険と年金と介護、これは相互に非常に密接な関係がございますから、当然総合的に考えていかなければならぬ、このように思っております。
○小渕内閣総理大臣 所信表明の中で十分触れなかったという御批判でございますが、社会保障制度につきましては、今厚生大臣が御答弁申し上げましたように、極めて重要な問題であることは十分熟知しておるつもりでございます。 したがいまして、この社会保障にかかわる給付と負担の増大が見込まれる中で、経済との調和を図りつつ、必要な給付は確保しながら制度の効率化、合理化を進めるなど、年金制度、医療制度の抜本的改革など、社会保障構造改革に引き続き取り組んでまいりたいと考えていることは間違いないことでございますが、現下、今回のこの国会におきましては補正予算審議ということを中心でお願いをいたしておりまして、そうした意味で、この所信表明で申し述べましたが、こうした点を決して忘れることなく対処いたしていきたいと思っております。 なお、消費税の問題につきまして、これが将来の社会保障の関係、年金の問題等について、これをどう考えるかということにつきましては、昨今こうした御意見が非常に出てきておりますので、先ほども御答弁申し上げましたが、与党といたしましても、この点につきまして今いろいろな角度から検討を願っておるところでございます。
○濱田(健)委員 これで質問を終わりたいと思うのですが、きのう、教育界の先輩とお話しする機会がございました。その方が親しくされておられた、もう故人ではございますが、ある町の元町長さんのところに行かれたときに、その元町長さんが奥様に体をふいてもらわれていたところだったそうでございます。そのお体は満身創痍、顔以外、砲弾の破片で、傷で見るにたえなかったそうでございました。 そのときに、その方が、君だから見てもらって結構と言われながら、体の弱かった若い部下を後方に残して、体を大事にしろと言い残して前線に行った、私は満身創痍の傷を負ったが生き残り、その彼は一発の流れ弾で死んでいた、生と死はだれが決めるんだろうかと悩みに悩んだという話をされたそうでございまして、私は、その話をきのう聞きながら、護憲と平和の根本的な出発点がこれなんだなということを自分なりに感じたところでございます。 社会民主党は、改憲と軍拡志向を警戒し、第二次保守合同のような自民党と自由党の連立に対しては、憂慮を覚える多くの方々と手を携えて対応していくということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○中山委員長 これにて濱田君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○中山委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十年度補正予算三案審査のため、明八日、株式会社日本長期信用銀行代表取締役頭取安齋隆君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明八日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時一分散会