大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/12/03
会議録
○村井委員長 これより会議を開きます。 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に小池百合子君を指名いたします。 ――――◇―――――
○村井委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国の会計に関する事項 税制に関する事項 関税に関する事項 金融に関する事項 証券取引に関する事項 外国為替に関する事項 国有財産に関する事項 たばこ事業及び塩事業に関する事項 印刷事業に関する事項 造幣事業に関する事項 以上の各事項につきまして、今会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 ――――◇―――――
○村井委員長 大野功統君外四名提出、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。大野功統君。 ――――――――――――― 日本開発銀行法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○大野(功)議員 ただいま議題となりました日本開発銀行法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由並びにその内容につきまして、提案者を代表して御説明申し上げたいと思います。 私を初め提案者一同は、金融機関のいわゆる貸し渋り等による信用収縮を防ぎ、中堅企業等に対する信用供与を確保することが現下の経済情勢から重要であると考え、日本開発銀行、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の機能を適切に活用できるよう、時限的措置として所要の法的措置を講ずることとし、本法案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、企業の資金需要に機動的に対応すべく長期運転資金の融資等を本格化することとしております。 第二に、今後見込まれる社債の大量償還に適切に対応できるよう、社債償還資金の融資等ができることとしております。 第三に、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫について、転貸資金の貸し付けを可能とすることとしております。 また、その他所要の法律措置を講ずることといたしております。 本法律案は、喫緊の課題である中堅企業等に対する信用供与を確保するための緊急措置であり、速やかに成立することがぜひとも必要であります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○村井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○村井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鴨下一郎君。
○鴨下委員 今御説明ありましたように、今いわゆる貸し渋りというようなことが非常に世の中にありますけれども、それに伴って信用の収縮が起こっている。これを防止する意味でも、中堅企業等に対しまして信用供与が確保されるよう、さらに開銀などの融資及び保証制度の拡充や活用が図られるべきだ、こういうふうに考えておりますが、今回の議員立法による日本開発銀行法等の一部を改正する法律案についても、こうした趣旨を踏まえてのものであると受けとめておりますが、まず、基本的な問題について二、三質問をさせていただきます。 まず、提案者に対しての質問でありますが、今回の開銀法等の改正の背景とその趣旨について説明をいただきたいと思います。どうぞよろしく。
○大野(功)議員 開銀法改正の背景、趣旨についての説明でございますけれども、今現在の景気情勢あるいは経済情勢にかんがみまして、一番我々政治家としてやらなきゃいけないのは、貸し渋りとかあるいは貸しはがしとか、そういう信用収縮に対して断固戦っていくことではないでしょうか。 そういう意味でまず基礎工事、つまり金融二法、いわゆる安定化法あるいは健全化法につきましては、さきの臨時国会で成立いたしました。基礎工事は終わりました。しかしながら、やはりきめ細かな対策が重要だと思います。 この点につきましては、昨年の末から、いわゆる二十一世紀を開く緊急経済対策といたしましていろいろなことをやっております。中小企業対策としても別枠融資をやった、あるいは融資期間についても五年を七年にしている、それから中堅企業対策にいたしましても、例えば設備投資資金に付随する資金、人件費等でございますが、こういうものについても手当てしている、こういうことを順次やってまいっております。国民金融公庫の方のマル経についても枠を拡大した。 こういうことをやってまいりましたが、ことしに入りまして、十月一日からいわゆる信用保証枠の拡大、これはびっくりするほどでありまして、この二カ月間で既に七兆円を超える信用枠が拡大されている、こういう状況であります。 また、今回、十一月十六日の経済閣僚会議で決めました緊急経済対策でありますけれども、その中でも、信用保険法を改正して、例えば資本金五億円以下の企業に対しては特別な措置を講ずる、こういう対策を中堅企業の方へも講じているところでございます。 今回、融資――金融の方の問題としては、先ほどの経済対策ではっきりとうたわれていることでありますが、法律を改正しなくてもできることが幾つかある、それを大いにやろうじゃないか、こういうことをきちっとうたっております。 例えば代理貸しであります。代理貸しにつきましては、大いに導入していきましょう。あるいは、融資比率を弾力化していきましょう。今まででありますと、事業規模につきまして、開銀でございますと五〇%しか貸してくれない、例えば北東公庫でございますと七〇%を限度とする、こういう枠がございましたけれども、この融資比率を弾力化していきましょう。これは法律改正しなくてもやれるわけであります。さらに、転貸資金も考えましょう。転貸資金の方は、開銀の方は法律改正しなくてもいいわけですが、先ほども御説明申し上げましたとおり、北東公庫、沖縄公庫の場合は法律改正をしなきゃいけない。こういう問題がありますが、こういうことも一生懸命やっていきましょう、こういうことがうたわれているわけであります。 しかし、法律改正をしないとどうしてもできないことがある。それは何かといいますと、社債償還等の問題、それから長期運転資金であります。この二つは法律改正をして、今、年末を控えて本当に運転資金等の需要がふえておる、こういうところを手当てしてあげましょう。特に平成十年度は社債の償還が大量に発生しております。こういうところもやっていきましょう、こういうことであります。 ただ、歴史の流れは行革、行政改革であります。行政改革の中で政府系金融機関の業務を拡大する方向であるわけでございますが、これはやはり我々政治家の決断だと思います。政治家として、今現在の状況にかんがみて絶対断固戦っていかなきゃいけないのは、やはり信用収縮に対抗することではないでしょうか。そういう意味で、平成十三年の三月三十一日まで、こういう時限を切って、そしてまた議員立法として今回御審議をお願いしている次第でございます。 ありがとうございます。 ―――――――――――――
○村井委員長 議事の途中ではございますが、ただいまアメリカ合衆国の下院議員一行が当委員会に傍聴にお見えになっております。 センセンブレナ議員 〔拍手〕 ミンジ議員 〔拍手〕 ホートン議員 〔拍手〕 サカグス議員 〔拍手〕 ハスタート議員 〔拍手〕 ファレオマヴァガ議員 〔拍手〕 を御紹介申し上げます。ありがとうございました。 ―――――――――――――
○村井委員長 では、鴨下委員。
○鴨下委員 今、提案者の大野先生より、今回の開銀法の改正によりまして長期運転資金の貸し付けが可能になるというようなことでありますけれども、事業者は具体的にどのような資金が借りられるのか、こういうようなことについてお答えをいただきたいと思います。
○大野(功)議員 具体的にどういう場合に長期運転資金が借りられるか、こういう御質問でございます。 まず第一に、改正法にも書いてありますとおり、やはり貸し渋り、例えばお金を貸してくれと頼んだけれども拒絶された、あるいは貸し付けの回収がある、つまり借り手にとりまして融資の残高が減っているということが第一だと思います。そういう中で、事業が遂行できないということが第一の条件でございます。簡単に言いますと、融資の残高が減っている、こういうことだと思います。 それから、長期運転資金といった場合、これは今さら御説明することはないと思いますけれども、当然一年以上の資金でございます。 それから第三に、これも大切なことでありますけれども、何が何でも貸していいぞ、こういうわけではないと思います。これは本則の方に書いてございます。例えば開銀法でございましたら十八条二項に書いてございますが、やはり借りた金は返さなきゃいけない。つまり償還の可能性、これが大変大事なことでありまして、将来にわたってお金が返せるという見込みがはっきりしている。ただし現在は赤字でもいいじゃないか、私はそのように解釈しておりますが、そういう条件を満たして初めて長期運転資金が借りられるだろう。 では、長期運転資金の具体的なイメージといいますと一体どういうものかという問題でありますけれども、例えば製品を納入する、ただし代金が返ってくるのに相当時間がかかる、その間に人件費が要るとかその他のお金が要る、そういう場合には直ちに長期運転資金として借りられるのじゃなかろうか。そういうイメージでおります。
○鴨下委員 ということは、一年以内の短期資金は適用にならないのかということの再確認と、それから赤字の運転資金についてはどうなんでしょうかということ、この二点についてはいかがでしょうか。もしよろしければ開銀の方にもお伺いをしたいと思うのです。
○大野(功)議員 第一の御質問でございますが、短期資金は一体借りられるのだろうかどうかという問題であります。 短期資金といいますと期間が一年以下でございますが、一年以下にしますと、それぞれお金を借りる相手側が口座を持っていなきゃいけない。開銀の場合、そういうことがまだ手当てできておりません。現実問題として、技術的にそれは不可能じゃなかろうか、こういう問題が一つあります。 それから、もう一つの問題点としては、短期資金で、例えばこの秋にこういう金が要るんだといった場合に、開銀は設備投資中心に貸しておりますからそのノウハウがありません。なぜ要るんだろうということで、ノウハウが全くないんじゃないか。そういうことで短期資金は御勘弁願う、こういう趣旨だと思います。 それから、赤字を補てんする場合ということでございますが、私は、赤字会社でもきちっとした償還計画があって返せるものであれば、この趣旨に従って、企業が回転していくように、そして雇用が安定するようにどんどん貸していただきたいな。ただし、将来返せないようなものであれば貸すべきではない、これは当然であります。 これは、実際の現場で当たっている開銀の方からお聞きになった方がいいのではないか、このように思います。
○小粥説明員 ただいまのお尋ねでございますが、今回の法改正によりまして一年以内の短期資金に対応できるのか、あるいは赤字運転資金は含まれるのかというお尋ねでございます。提案者でいらっしゃる大野先生からはっきりした御答弁をいただきましたが、私から念のために若干補足をさせていただきます。 今のお話にもございましたけれども、私ども開銀の性格といたしまして、いわば企業の日々の資金繰りを見る、そういう機能が実はございません。取引先企業の預金口座がないこと、あるいは当座取引に応じられないこと、さらに短期資金の調達のノウハウ、機能も持っていないわけでございます。 私ども、考えますのに、この分野はまさに民間の商業銀行のメーンバンク機能によって対応すべき分野ではないかと考えているわけでございまして、今回の法改正により追加されます長期運転資金は一年以上の資金でございますから、短期的な資金不足を埋めるような資金繰り資金と申してよろしいんでしょうか、それには対応しない、こういうことでございます。 それから、もう一つのお尋ねの赤字運転資金でございますが、これも先ほどの御説明にございましたように、私ども開銀は、法律上いわゆる償還確実性の原則が明記されておりますので、今回追加されます長期運転資金につきましても、当然この原則の対象でございます。 また、申すまでもないことでございますけれども、開銀が融資をいたします目的は、政策的に望ましい事業の遂行ということかと考えております。したがいまして、事業遂行のめどが立たないような事業、プロジェクトに融資をすることは法の目的にも反するように思います。 したがいまして、お尋ねのいわゆる赤字運転資金、例えば赤字が続いて償却前も赤字になっている、そのような企業に長期運転資金を融資することは、融資目的に恐らく反する場合がほとんどであろう、こんなふうに考えている次第でございます。
○鴨下委員 これは貸し渋り対策ということと多少パラドックスを持っているのだろうと思いますけれども、後ほどまた少しその辺については触れたいと思います。 あと、もう一つの件なんですが、今回の改正によりまして開銀等が社債の償還資金の貸し付けができるようになる、こういうようなことでありますけれども、先ほど大野先生お触れになりましたけれども、この措置をする必要性、背景等について御説明をいただけたらと思います。
○大野(功)議員 社債等に対する手当てについての背景でございます。 まず申し上げたいのは、平成十年度の社債の償還額は極めて多くなっている、こういう事情がございます。通年でございますと、例えば平成六年度、七年度は大体年間三兆円ぐらいの償還額でございます。それが、平成十年度になりますと六兆九千億円ということでございます。 最近伺ったところによりますと、だんだん社債の償還についての御相談も開銀の方にあるやに聞いております。そういう中で、これまで日本開発銀行ができましたことは、いわゆる設備投資に絡む開発資金の調達のための社債の発行については、開発銀行は私募債だけ応募できる、公募債は応募できない、こういう形になっておりました。それを、あらゆる形で貸し付けができるし、社債の償還のためにまた社債を出す場合も応募ができる、公募債、私募債ともできる、こういうことにしているわけでございます。 いずれにしましても、社債の償還額が極めて多くなってきた。これは、考えてみますと、ちょうど七年から九年前に相当大量の社債が発行されたという事情があるわけでございまして、私見でございますけれども、七年前あるいは九年前といいますとバブルのころでございます。バブルのころは、やはり社債発行の条件が極めてよかったのかな、設備投資もそれ行けどんどんといってやっていたのかな、こういう気がいたします。 実際に平成十年度に償還期限が来る社債につきましてちょっと分析いたしてみますと、三千件ばかりある中で二千件ぐらいがいわゆる中堅企業。中堅企業といった場合、とりあえず資本金が一億円から十億円ぐらいの幅だと思いますけれども、件数にして、三千件の中で二千件ぐらいはどうも中堅企業らしい、こういう問題点があります。したがいまして、どうしてもこの手当てをしていかざるを得ない、私はこのように信じます。 もう一つぜひとも申し上げなきゃいけないのは、残念ながら日本企業の格付が低下していることでございます。企業の格付が低下した場合には、当然金利が上昇するし、社債の発行が極めて困難になってくる、こういう事情がございます。したがいまして、社債の償還につきましてどうしても手当てをしていく必要がある、このような背景があるわけでございます。
○鴨下委員 私も全くおっしゃるとおりだろうというふうに思うのです。ただ、裏腹には、そういうようなことに貸し付けをしていくということが、言ってみれば償還確実性の原則とどういうふうに整合性をとっていくかという問題が多少あるのかなというふうに思うわけでありますけれども、これは、これから代理貸しを含めて、言ってみれば開銀そのものの審査機能をどういうふうに活用し、機能をどうフルに発揮するか、こういうようなことにかなりの部分がかかってくるのだろうと思います。 これは開銀に伺った方がいいのだろうと思いますけれども、この業務についてはどのようにお考えになっているのでしょうか。
○小粥説明員 ただいまのお尋ねでございますけれども、社債の償還業務、さらにまた、今回それと並びまして、法律改正が行われれば追加される業務である長期運転資金についての中堅企業に対する代理貸し制度の活用、いずれにいたしましても、私ども開銀のこれまでの業務を拡充をする、新たな融資業務を行うということになります場合に、私も先ほど申し上げました償還確実性の原則との関連で、開銀がどのような審査を行って融資需要に対応するか、こういうお尋ねと理解をしております。 今回の緊急経済対策のもとで、私どもは、中堅企業等への信用供与を図るために融資窓口を大幅に拡充をしなければいけない、そういう判断をしております。先ほどお尋ねがございました代理貸し制度の導入は、まさに業務の拡充に伴い、開銀が貸し渋り解消のために必要な資金をできるだけたくさんの窓口で、迅速な決定をもって対応する必要がある。そのために、これまで制度的には可能でございましたが、開銀としては実行しておりませんでした代理貸し制度を広く、これはあくまで法律改正を前提としてのお話でございますから、現在、内々検討させていただいている、そういうことでございますけれども、代理貸し制度の導入の準備に取り組んでいるところでございます。 さて、その代理貸し制度を含めてでありますけれども、今回の緊急経済対策は、あくまで健全な中堅企業等の資金繰りを支援するために、いわば民間銀行が融資を行いたくとも資金調達上、資金繰り上これが困難な場合、あるいは自己資本比率の悪化を防ぐために貸し出しをふやせない、そういう場合に私どもがこれを補完させていただく、そういうことであろうと思います。 しかし、このような要請におこたえする場合にも、当然のことでございますけれども、法律上明記されております償還確実性の原則を維持しながら、しかし企業の事業性、キャッシュフローを審査いたしまして、あくまで健全な企業に対して幅広く現下の要請にこたえて信用供与を図っていくこととしたいと考えております。 したがって、審査の点につきましては、私ども伝統的に審査という業務を非常に大事にしてきているつもりでございます。一件ごとに審査を実施し、償還確実性の原則にのっとって融資を行う。しかし、当然のことでございますが、現下の緊急な要請にも私どもとしてできるだけの対応をすべく、審査体制の整備を図りながら鋭意対応していきたい、そういうふうに考えております。
○鴨下委員 今回の改正は時限でもありますから、現下の経済状況の中で、業務がある意味で非常にインテンシブに、集中する可能性があるのだろうと思いますけれども、それには開銀は対応できますか。
○小粥説明員 お尋ねでございますけれども、確かにこれまで開銀が行ってまいりました業務は、今回法改正が成立いたしますと、かなり大幅に拡充することになります。 そこで、この拡充された暁の業務をなるべく現下の要請にこたえて迅速に対応いたします場合に、先ほども申し上げました代理貸し制度の導入は、いわば私どもの仕事をある部分に限って民間の金融機関にお願いをする、こういうことでございます。 その点で、いわば私どもの人的資源の制約、あるいは、今審査のお話を申し上げましたけれども、審査にある程度の時間がかかりますけれども、代理貸し制度に関しましては原則として審査は代理店である民間金融機関にお願いをする、その結果の保証責任割合の分担はまた別途対応していただく、そういうことでございますから、代理貸し制度の導入は、今お尋ねの開銀のこの際の業務の拡張について、人的資源の制約をこれでできるだけカバーさせていただく、そういう趣旨と御理解をいただければと思います。 それにいたしましても、開銀は、現在、本支店を含めまして総員千百人という陣容でございます。実は、現在も実際に仕事をしております職員は大変忙しい毎日を送っているわけでございますけれども、これから法律が成立をいたしますと、この代理貸し制度の実施も含めまして、新たに拡充される業務を、現在の幅広い要請にこたえて私どもの銀行の目的に従ってこれに対応していくためには、私ども相当厳しい業務体制を求められていくと思います。 これは一つの構想でございますけれども、どうしても人的資源に不足が出る場合には、例えば専門的な知識を持った人員を外部から臨時的に補充をしていく、いわばアウトソーシングと申しますか、そういう点も考慮に入れながら現下の限られた人員でできるだけの対応をしていきたい。そして、今回御提案の法律改正の趣旨に私どもとして最大限の対応ができるように、審査体制の整備を含めて一生懸命対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○鴨下委員 先ほどから申し上げていますけれども、貸し渋りにいかに対応していくかというようなことと、その後の償還確実性を含めて後顧の憂いのないような状況で冷静に資金を出していく、こういうようなことの両方を全うしないといけないわけであります。これは開銀だけに申し上げるのではなく、むしろ提案者を含めて、大蔵大臣もいらっしゃいますから大蔵省も含めて、後顧の憂いのないような貸し渋り対策になるように、このことを私は最も心配をしております。 今、代理貸しの件についてちょっと開銀の総裁お触れになりましたけれども、こういうような場合に、この措置をなぜ今回必要とするのかということについての背景と、具体的にはどういうような形で行われるのかということについて御説明をいただきたいと思います。
○大野(功)議員 まず第一点の、鴨下先生がおっしゃる後顧の憂いのない貸し渋り対策につきましては、いやしくも公的資金でございますから、これは、我々が監視してそのようなことが絶対ないように守っていきたいと思っております。 具体的な運用につきましては、開銀その他の公庫の実績にまつわけでございますけれども、先生がおっしゃったところは大変重要な問題でありますから、我々一同が監視していかなきゃいけない、こういう問題であろうかと思います。 それから、もう一つの代理貸しの問題でございますけれども、代理貸しにつきましては、今代理貸しを例えば日本開発銀行はやっておりません。代理貸しをやる場合に、いわゆる中堅企業を中心にやってもらう、これが一番大事なことであります。 例えば日本開発銀行の例で申し上げますと、先ほど、三千件ぐらいお客さん、顧客がいるんだ、こういう話をいたしました。三千件の内訳を申しますと、中小企業が大体六百件、それから大企業が、大企業といった場合に資本金十億円以上ということでございますが、これが千二百件ぐらい、それから中堅企業、資本金一億から十億までの間、これが千二百件ぐらいであります。開銀においてはまさに中堅企業のところをふやしていく、このような方針で今準備をしている、このように聞いております。 細部につきましては、開銀の方から答えてもらいます。
○小粥説明員 ただいま大野先生からお答えをいただいたところでございますが、若干の補足をさせていただきます。 私ども、代理貸し制度を現在検討中と申し上げました。代理貸し制度は、現行法制度のもとで可能でございますけれども、実際に実施いたします場合には、当然大蔵大臣の御指定という行為をいただかなければいけません。 それから、今回私どもが検討しております代理貸しの対象は、今大野先生から御説明がございましたとおり、中堅企業をその対象とする。そして、資金の内容は、今回の法律が成立をしますれば、私どもの業務に加えられる長期運転資金ということでございます。 そして、代理店の範囲といたしましては、私どもこれはまだ検討中でございますけれども、一応私どもの取引先の構成等を考えまして、それからできるだけ迅速に、例えば法律改正を前提といたしますと、できますればこの年内、年末までにこの制度が実際に動き出す、スタートができるように考えたい。それから考えましても、代理店の対象はある程度絞らざるを得ないと考えます。 具体的には、例えば全銀協加盟の銀行、すなわち、銀行法に基づく銀行を主体に考えておりまして、その銀行の中で私どもが個別に御希望を伺いまして、代理店として機能していただける御希望があります金融機関に対して代理店契約を結ぶ、そういうことを考えているわけでございます。 さらに、細部につきましては現在まさに検討中でございますので、何より大事なことは、私どもの窓口、開銀だけで申しますと、本店のほかには地方支店が七つ、事務所が六つしかございません。従来、開銀の業務についてアクセスが不足しているのではないかという御批判を間々いただいたこともございます。したがいまして、まずできるだけ広く窓口を設定するということ、それから、年末に間に合うようにということを申し上げましたけれども、できるだけ融資の実行が迅速に行われる、そういうことを考えまして、現在そのような内容で代理店制度の活用を構想しているところでございます。
○鴨下委員 代理貸しというようなことで民間金融機関を利用しようということなわけでありますけれども、今、例えば中小企業金融公庫等の貸し付けの問題で、世の中で多少問題になっているのは、民間金融機関がその融資を受けたものを回収したりつけかえしたりというようなことがあって、非常にそれが問題になっているという話を私も直接耳にするわけでありますけれども、このたびの開銀の中堅企業向けの貸し渋り対策が、ある意味で裏腹になってしまったら困るなというようなことを考えるわけであります。 これは、大蔵省、金融監督庁にもお伺いしたいんですが、こういう問題が起きないために、今回の法改正に基づいて何らかの措置をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○溝口政府委員 御指摘のように、今回の中堅企業に対する融資が民間金融機関の既存の融資の肩がわりということになってはいけないわけでございまして、そのために、開銀が貸し付けの申請を受けまして融資をする過程、あるいは融資をした後、民間金融機関とよく協調する体制を整えるということが基本的に大事かと思います。 特に、代理業務のような場合には委託契約というのが結ばれるわけでございますし、そういう中でも肩がわりというようなことがないようによくモニターをし、よく協調していく。そういう意味で、開銀と民間金融機関、それから借り手、その三者の連絡、協調というのを強化していく必要があると思いまして、私どももその方向で開銀によくやっていただくように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○乾政府委員 ただいま大蔵省から答弁があったところでございますけれども、今回の議員提案されております法律の趣旨を踏まえました円滑な信用供与が確保されるように、私どもも注意を払っているところでございます。 ただ、この長期運転資金の貸し付けの中には、制度上、既存の運転資金であるとか、あるいは先ほど先生おっしゃいました社債の償還資金のための貸付制度もあるわけでございまして、そのような場合に実際にどういうふうに判断されるか。これは、当事者である開銀ないしは申込者の間でいろいろな検討が行われるべきものと承知をしております。 いずれにいたしましても、金融監督庁といたしましては、民間の金融機関が融資態度を必要以上に萎縮させまして、健全な借り手の方々への資金供給の円滑化が阻害されることのないよう、これまで以上に十分な注意を払っていきたいというふうに考えております。
○小粥説明員 ただいま当局からの御答弁がございましたが、私どもから若干つけ加えさせていただきます。 今の先生の御質問でございますけれども、これを代理貸し制度に限って申しますと、代理貸し制度の対象とする資金は、私どもが今検討しておりますところでは、民間の金融機関が自行の資金回収を目的とする肩がわり資金については明確に契約上対象から除外をするというつもりでおります。したがいまして、仮に御指摘のつけかえあるいは回収のため、もしそういう資金の使い方を代理店がするとすれば、これはもちろん契約ができ上がってからの話でございますけれども、今申し上げました契約内容に明らかに違反をするということになろうかと思います。したがいまして、これは代理店と私どもの関係で十分チェックができるはずでございます。 さらに申し上げますと、代理店業務の契約の内容として今検討しておりますところでは、委託業務の取り扱いに関しまして、開銀あるいは開銀の指定した会計監査人が代理店の帳簿書類等を検査をすることが可能となっております。したがいまして、このような契約の内容が実際に行われるといたしますと、今御指摘のようないわば不正な取り扱いについては、私ども開銀自体の契約条項に基づくチェックに加えまして、この監査人のチェックということも有効な抑止策として機能をし得るのではないか、こんなふうに考えているところでございます。
○鴨下委員 それぞれ三者のお考えを伺ったわけですけれども、今回の法改正後に、例えば三者がある意味で協議をしてフォローアップする、こういうようなお考えはないでしょうか。大蔵省、そういう考えはありますか。
○溝口政府委員 開銀が融資を直接する場合あるいは代理業務でする場合、開発銀行は借り手等いろいろな情報の提供を受けますし、それから、借り手の方は開銀以外に民間金融機関もあるわけでございまして、そういうところの状況はどうなっているかということにつきましても、当然契約の過程あるいは融資を実行している過程におきまして、話し合いが業務の過程であるわけでございますから、そういうプロセスを綿密にやっていくということによりまして、そういう単なる肩がわりのようなものはないように努めていく必要があるというふうに考えております。
○鴨下委員 ぜひ今回の法改正に基づいたフォローアップをそれぞれの方々がしっかりとやっていただきたい、このことを申し上げておきたいというふうに思います。 それから、今回、開発銀行がより業務を拡大していくというふうにも解釈できるわけでありますけれども、少なくとも今まで民間の金融機関はほとんど土地に金を貸している、こういうようなことを言ってもいいぐらいだと思いますが、不動産以外の担保をどう活用していくか、そして、それに対してどう貸し付けていくか、こういうようなことの我々の考え方を多少変えていかなければいけない時期なんだろうと思います。 ある意味でこの貸し渋り対策ということも、例えば知的所有権に対しても貸すとか、ある意味では多少のリスクを伴うベンチャーにも貸していくとか、こういうようなことも含めて、これからの流れを変えていく上でも重要なことなんだろうと思いますが、開銀はこのことについてどういうふうに取り組もうと考えていらっしゃるのか。
○小粥説明員 ただいまのお尋ねは、私ども融資をいたします場合に、償還確実性の原則にのっとりまして、まず、対象事業の政策性あるいは採算性、事業性を十分審査をいたしますが、その上で必要な債権保全策、これは担保の場合、保証人の場合といろいろございます、それを検討して最終的な融資判断を行っているところでございますが、それでは、債権保全策として担保を徴求する場合に、民間金融機関では一般的に不動産担保であろう、しかし、開銀の場合にはそれ以外にいわば非不動産担保の活用についてこれまでどう対応してきているか、こういうお尋ねかと存じます。 土地を含め建物など不動産を評価するケースのほかに、私ども、機械設備などの動産を評価する場合、それから有形資産ではございません債権、あるいはお話がございました例えば知的所有権、こういう無形の資産を評価するケース、さらに資産の評価法としての収益還元法等を活用するケースなど、幾つかの場合が考えられるわけでございまして、特にお尋ねの、例えば知的所有権のような無形と申しますか無体財産権、これを担保として徴求するという点につきましては、私ども多少は市中金融機関に先駆けた形でこれまで既に導入をしております、規模はそれほど大きくございませんけれども。 したがいまして、今回の貸し渋り対策におきましても、先ほど来御議論がございますように、一方では償還確実性の原則を踏まえながら、しかし一方では、例えば単に土地資産が担保として不足である、そういうことだけをもって私ども融資ができないという判断は必ずしもすべきではない。場合によれば、今申し上げましたような担保につきましても、かなり幅広い考え方でこれを評価いたしまして、そして、いわば総合的な評価として融資対象の事業の採算性あるいは事業性を判断していく、その上で償還確実性が確認できるというところで融資をしていきたい。現下のこの事態の中で私ども政府機関に課せられました責務を果たしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。 したがいまして、事業性の審査を十分に行った上で、担保については、御指摘のように、いわば不動産担保以外の面にも私どものこれまで培ってまいりました経験、ノウハウを精いっぱい活用いたしまして対応してまいりたい、こんなふうに考えております。
○鴨下委員 今回、北東公庫と沖縄公庫において転貸資金貸し付けを導入するというようなことも盛り込まれておりますけれども、この手当てをする理由等につきまして御説明をいただきたいというふうに思います。
○大野(功)議員 今回、開発銀行については手当てをしなくて、北東公庫、沖縄公庫だけ手当てをしている、これはなぜか、こういう御質問でございます。 これは極めて技術的な問題でありまして、それぞれの法律の立て方の問題でございます。なぜかといいますと、まず開発銀行の方は、いわゆる借り手について云々言っておりません、融資の性質に応じて法律を立てておるわけであります。したがいまして、長期の設備投資等開発資金については貸してあげますよ、こういうような立て方をしているわけであります。したがいまして、転貸、つまり又貸しをしていいのか悪いのか、それは全く書いておりませんので運用上できる、このような解釈だと思います。 それから、北東公庫、沖縄公庫の場合は、現行のそれぞれの法律では、融資を受ける者が「事業を営む者」、このように書いてありますので、事業を営む者というと、又貸しをした場合には、転貸した場合にはそれに該当しない。こういうことで、転貸を改めて法律に明記する、こういう形になっております。 念のために申し上げますと、現在、どの公庫をとりましても、開発銀行その他の公庫を見ましても転貸はございません。その転貸をすることによって融資の信用供与枠を広げていこう、こういう趣旨でございます。 今のは全く技術的な話でございますが、大事なことは、まさにグループ内でお互いに金融の、融資の面倒を見ていこう、こういう動きが最近高まっていることでございます。グループの中の親会社がグループ全体の金融の面倒を見ていこう、あるいは金融子会社がグループを見ていこう、そういうことで、信用のある親会社が借りて、それを子会社に転貸する、これが実質的には一番大事なことだと思います。 ただ、この場合、親会社、子会社といっても、会計法上のいわゆる資本参加が五〇%以上の者でなければいけないとか、あるいは関連会社として二〇%の資本参加がなきゃいけないとか、こういうことは全くありません。取引が密接であれば転貸を認める、こういう精神でございます。
○鴨下委員 もう時間がございませんので、あと一問だけにさせていただきます。 今回、緊急経済対策が策定されて、その中での金融収縮対応として中堅企業に対する開銀融資の機能拡充が叫ばれたということがバックグラウンドにあるのだろうと思いますが、先ほどから伺っていまして、開銀はきちんと審査をする、しかしながら、必要とするところには大いに融資をしていく。全くそのとおりだと思いますし、私も、中堅企業を通して経済対策が非常に前に進んでいくということについてはもろ手を挙げて賛成でございます。 ただ、一つ懸念されることは、それによって、ある意味でリスクの高いところへの融資が最終的に開銀の不良債権という形で、将来何らかの形で心配があると困るな、このことがあるわけでありますけれども、ある意味で民間金融機関が非常に貸し渋っているところで開銀という蛇口を全開に開くわけでありますから、そこの危険性について、せっかく大蔵大臣いらしていますので、ぜひ一言御答弁をいただきたいというふうに思います。
○宮澤国務大臣 まさにただいま御指摘になられたような問題意識を私どもも持っておりまして、このたびのこういう異常な経済状況の中で中小企業に対する金融というのは、在来も不況がございますと時々例がございました。今度のはスケールが違いますが、パターンがあったわけでございますけれども、いわゆる中堅企業というものを相手にこういう必要が生じましたのは、実は初めてでございます。 おっしゃいますように、ここは金額も大きゅうございますし、場合によってリスクも大きい。しかし、我が国経済を今こうやって担っておりますのは、中小企業に限りません、いわゆる中堅企業の担う役割は大きゅうございますし、しかも、その中堅企業もまた同じように非常な困難に遭っておるという状況が現実でございますので、いろいろに考えておりましたが、先般の十一月の緊急対策におきまして、これはどうもやはり開銀を煩わすしか方法がないのではないか。 従来、日本開発銀行は、かつて日本の好況時には民業を圧迫するなというふうに言われた時代が長いことございますけれども、今やそれどころではございませんで、どうも開銀のエキスパティーズを、またはその資金力をかりなければならないような状況になってきたと考えておりまして、幸いにして、議員各位がそのような立法をお考えくださいまして、これによってこの道が開けますならば、問題にしておりました一番大事な部分の解決ができると考えております。 同時に、鴨下委員の言われますように、それだけ新しい例を開く、また社債の問題もございますし、従来のいわゆる運転資金の融資等々も初めてのことでございますので、いろいろな意味でのリスクというものはあり得ることである。ただ、貸し渋り解消とリスクとの間の問題は、申し上げるまでもなく非常に微妙な問題でございますので、開銀当局におかれても恐らくそこは十分注意をしてやっていただけることと思いますが、いずれにしても、こういう道の開けましたことは非常に幸せなことと思っております。
○鴨下委員 くれぐれも後顧の憂いのない貸し渋り対策でありますことをお願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○村井委員長 続いて、古川元久君。
○古川委員 民主党の古川元久でございます。 最初に、私どもは、現在の極めて深刻な貸し渋り状況に対するいわば緊急避難措置といたしまして、今回のように政府系金融機関を利用するという本法案の基本的な趣旨には賛成の立場であることを表明をいたしたいと思います。 しかしながら、提案者の皆様も御承知のとおり、今回の制度によりまして真に救われるべき企業に資金が供給されるのか、あるいは民間の不良債権を国につけかえるだけに終わり、結果として国民に膨大な負担を負わせることになるかは、まさに先ほど鴨下委員からもいろいろと懸念が示されておりましたが、運用いかん、そしてその運用の監視、監督いかんにかかわっております。 したがいまして、私どもは本法案に対して賛成するといたしましても、将来国民に無用な負担を負わせることがあってはならない。そのためには、制度の実際の運用担当者であります開銀、北東公庫と、監督当局であります大蔵省、そして会計検査院の覚悟といいますか、決意をこの委員会の場で確認させていただき、私たちが持っているような懸念を解消しておきたい、そんな気持ちで本日は質問をさせていただきます。 まず最初の懸念でございますが、今回の改正によりまして、開銀等による運転資金の融資が可能となりますけれども、これは政府によって使途不明金の垂れ流しにつながる危険があると思うわけであります。 そもそも運転資金という定義そのものが不明確でございまして、下手をすると、要は使途を問わない資金の融資ということになりかねません。これを政府が率先して行うこととなれば、バブル期に民間銀行がノンバンクを通じて行った不透明な融資を今度は政府が進んで行うこととなったり、あるいは返済のめどがない企業に対しても安易な融資が行われ、不健全企業の延命策となったり、あるいは民間銀行への返済資金に回ったり、果てはいわゆるブラックマネーを新たに生み出すおそれさえもあります。 またさらに、融資を受けた企業が、他の企業、個人に対していわゆる迂回融資を行うことも十分想定されるわけでありますから、その場合には、ゼネコン、不動産など特定業種のみを救済する手段に用いられたり、いわゆる風俗産業などへの融資も事実上可能となるのではないでしょうか。場合によっては、政治家を初めとして特定の個人に資金が供給されるなんということもあるかもしれません。 こうした問題点は、社債返済融資とかあるいは転貸資金融資にも共通する問題でありまして、今回の法改正は運用によっては膨大な金額の使途不明金を垂れ流すことにもなります。したがいまして、こうした事態を生じさせないためにも、例えば今回の対策に伴う部分については別勘定化するなどの工夫が必要ではないかというふうに私は考えております。 加えて、これは法改正事項ではありませんが、今回の貸し渋り対策におきましては、開銀、北東公庫等による非不動産担保の活用が盛り込まれております。先ほど小粥総裁からも、民間に比して若干のノウハウを持っておられるというふうな御答弁がありましたが、本当に果たして、これだけ拡大した融資対象に対しまして、収益還元法や無体財産権についての担保評価ノウハウがあるのか。 私は正直申し上げまして、まだまだこうしたノウハウについては未整備なのではないか、まさにそれが今こうした厳しい貸し渋りを生んでいる大きな要因にもなっているのではないかというふうに考えておりますが、もしそうした状況でこの非不動産担保の活用を安易にやっていきますと、これは、すなわち担保もろくにとらずに目をつぶって融資するという方針を明確にしてしまうということにもなりかねません。これでは開銀、北東公庫に対してモラルハザードを発生させるおそれがあると言ってもいいのではないでしょうか。 そこでお伺いいたしますけれども、こうした問題が生じないように開銀及び北東公庫はどのように今度の制度の運用を行っていくつもりなのか、そこについて両総裁からお話を伺いたいと思います。
○小粥説明員 今回の緊急経済対策による要請にこたえまして、ただいま御提案、御審議がなされておりますこの法改正が実現いたしますと、先ほど来御論議がございますように、私どもの業務が新たな分野に拡充をするということでございますが、今の御指摘では、私どもの意に反しまして、それが融資目的に沿わない、例えば使途不明金のような、内容が解明できないような使途に使われてしまう、そういうおそれはないのか、それについてどのような考え方で臨んでいくかという御指摘でございます。 私どもも、例えば長期運転資金融資につきましては、これまで設備資金との関連性ということにおいて運転資金の供給を行ってまいりました。しかし、今回法律改正が実現をいたしますと、設備資金と必ずしも関係がなくともこれは融資の対象になり得るということでございますから、ある意味では、私どもとして必ずしも経験が十分でない融資分野に取り組む、こういうことでございます。 しかし、先ほど来私も申し上げておりますように、開銀はこれまで融資の検討に当たりまして、申すまでもなく法律上の原則でございます償還確実性を確保する観点から、これは多少口幅ったいことでございますけれども、金融機関として最も大切な業務は審査であるという考え方に基づきまして、審査を念入りに行ってまいったという伝統、あるいは審査手法の蓄積というものがあると考えているところでございます。 この審査につきましては、先ほど来も申し上げておりますけれども、あくまで融資対象の企業の業務内容、償還確実性、そして要請されている資金がどのような使途に向けられるか――この資金使途につきましても、これはしばしば取引先企業からも大変煩雑であるというおしかりまで受けながら非常に資料もきちんと提出をしていただきまして、資金使途について十分念入りなチェックを行った上で融資決定をしているのがこれまでの例でございます。 そこで、今回長期運転資金を新たに取り入れるということになりましたが、そのうちで一つ、先ほど来私が申し上げております代理貸し制度の活用という分野がございます。 これは、先ほど申し上げておりますように、今検討しておりますのは、専ら新たに事業を拡充することになりました長期運転資金につきまして、恐らく中堅企業に対して一社当たりの融資限度を設けることになると思いますけれども、都長銀、信託、地銀、この対象を幅広く取り入れまして、代理貸し制度を運用していきたい。 その場合には、ただいまお尋ねの審査につきましては、当然のことながら代理店にゆだねるわけでございます。それによって迅速な資金供給が行われるわけでありますが、その場合に、いわゆるモラルハザードを防止するために保証負担割合を設けます。 もし代理店が審査の上融資をした債権の内容が後に償却を要する、つまり償還が行われなくなった、いずれ償却をせざるを得ない、そういう場合には、例えば中小企業金融公庫の代理貸しの例で申しますと、代理店について八、公庫側で二、そういう保証責任割合でリスク分担をいたしまして、それによって代理店側の融資判断のいわばモラルハザードを防止する、そういう仕組みで行っているわけでございます。 私どもは、先ほど来申し上げておりますように、この点についてはなお検討中ではございますけれども、仮に中小企業金融公庫の例で申せば、代理貸し制度によって供給をされる私どもの長期運転資金につきましては、今申し上げましたような仕組みで一応モラルハザードの問題はとりあえずチェックをされるであろう、こういうふうに考えております。 それからまた、先ほどもちょっと申し上げましたように、代理貸しの個々の代理店契約におきまして資金使途が目的に従って十分確認ができるかどうか、その点についてのチェックは、事後的な監査人の監査も含めまして、私どもとしては万全を期していきたいと思っております。 ただ、今のお尋ねは、代理貸し制度の対象になる長期運転資金の例ばかりではなくて、さらに一般的に社債償還資金も含めて、今回拡充された私どもの業務内容全般についてのお尋ねであろうと存じます。 私ども、冒頭に申し上げましたように、資金使途のかなり念入りなチェックというものを行ってまいります。具体的な例で申し上げますと、長期運転資金の内容として、当該企業の事業の実施に伴う業容の拡大あるいは稼働率の上昇等によって必要となる増加運転資金というものを必要な資金として私どもが審査の結果融資決定をしたといたしますと、実際にそのような増加運転資金に使われたのか、あるいは御懸念のように、実は他の金融機関との取引過程において借入資金の返済に使われてしまっている、あるいはさらに使途不明金のようなものに使われる、そういうことは、私どもが審査内容でいわば特定しました資金使途と照らし合わせてチェックをすることで、私どもが通常の業務で行っております審査内容を十分に満たす限りは、当然排除されていくであろうと考えているわけでございますが、しかし、何分新しい業務でございます。 それから、先ほども人的資源の制約ということを申し上げましたが、具体的な業務を担当いたします職員にとっては、今後極めて多忙な、いわば業務に追われるという状況になろうかと考えますが、その中で今回の緊急の対応であり、我々としても新しい業務に踏み込むことであるだけに、御指摘のような、本来の目的に反して大変おかしな結果になることのないように、私ども、これまでの審査のノウハウあるいは審査の実行例をよく踏まえながら十分に気をつけていきたい。いやしくも使途不明金のようなものにすりかわってしまうということは審査の過程におきまして厳重に排除していきたい、そういう点については特に心していきたいと考えている次第でございます。
○濱本説明員 大変重要な御指摘を賜っていると感じております。 ただいま開発銀行の総裁から御答弁がございましたとおりでございますが、融資に際しまして、資金の使途というのは基本の中の基本であるというふうに我々も思っておりまして、今回の措置によりまして、使途が何であるか、しかもそれが長期の適切な使途であるかどうかということを、当然まず融資に当たって判断すべきであるというふうに思っております。 実際にそういう融資が行われました後に、それが本当にその目的に使われているかどうかという点も大事であろうと思っておりまして、融資実行後におきましても、必要に応じましてその資金の使途を確認するということを心がけたいというふうに考えております。 それから、二番目に御指摘がございました不動産担保以外の担保を活用した融資についてでございますけれども、これは融資に当たっては当然のことかと存じますが、その当該事業が、担保の問題は別としまして、事業としてしかるべき収益性を備えておるかどうかという点に着眼して専らまず審査をしておりまして、それが一つの事業として十分成り立つと考えました上で、保全のために万一に備えて担保を徴求する、基本的にはこういう考え方でございます。 したがいまして、担保の形というものを余り固定的に考えるべきではないという点については、従来からそういうふうに考えておりますけれども、これをどこまで拡大するかということにつきましては、正直に申しまして、私ども、まださほどのノウハウはございません。したがいまして、これから勉強してみたいと思っておる問題もたくさんございます。例えば特許権を担保にするといたしましても、いざというときにそれが本当に換価できるかどうか、そういったものを担保に取り込むベースになっております状況というものも十分考えてみなければならないと思います。 したがって、一言で申しますと、ただいまの御指摘に対しましては、私どもとしましては、慎重に、しかし意欲的にやってみたいと考えております。
○古川委員 今回のはかなり緊急に迫られているということもありますし、同時に、今お話をされたような、そういう新しい業域に踏み込むということで慎重でなければいけない、ある意味で二律背反のことをやらなければいけない、そういった意味では、気をつけられるところは今まで以上に極めて気をつけていかなければいけないと思うのです。 これは監督当局においても、やはりこれまで開銀、北東公庫等が融資していたのとは違う、新たな、これから業況を拡大する部分については監視体制といったものもとっていかなければいけないのではないかというふうに思っているのですが、大蔵大臣はこの点についてはどのようにお考えですか。
○溝口政府委員 先ほど両総裁から御説明いたしましたように、審査を丁寧に、綿密にやるということが基本であろうかと思います。融資の対象になります事業の内容でありますとか、償還の確実性でありますとか、そういう点を十分やっていくということが基本でございますので、私どもも、両機関の貸し付けの業務につきましてそういうことが徹底されるよう、新しい業務でありますだけに、慎重によく考えて、徹底されるようにチェックもし、指導もしてまいりたいというふうに考えております。
○古川委員 それは、何か特別に新たな体制をつくるとか、もう少し厳しい基準を設けるとか、そういうことですか。
○溝口政府委員 両機関におきまして、どういうものを融資の対象にするとか、そういう審査の仕方というのはお考えになりますし、私どもとしては、両機関の融資の状況をモニターすることによりまして、適切な融資が行えるように見守っていきたいということでございます。
○古川委員 これは、今まで以上に厳しくモニターしていくというふうに受け取ってもよろしゅうございますね。 これから開銀等が出します融資について、会計検査院としてもやはり資金の使途については十分確認していかなければいけないと思うのですが、そこについては会計検査院はちゃんとやられるのですね。
○小川会計検査院説明員 お答えを申し上げます。 会計検査院の検査は執行された会計経理を対象として行うものでありますが、一般的に申し上げますと、いわゆる長期運転資金の融資については設備資金と異なっておりまして、設備資金の場合は貸付対象となる固定資産があるわけですけれども、こちらの場合はないとか、そういうようなことで従来の検査とは異なる面が出てこようかと思います。 したがって、今お話がありましたように、開銀等で適切な貸し付けが行われるのはもちろんでございますけれども、会計検査院といたしましては、長期運転資金の検査を実施していくに当たりまして、事前に職員の能力を高めるとか、あるいは検査方法を工夫するとか、そういう必要があろうかと思います。したがって、今後、今申し上げましたようなことをさらに検討して、それに対処してまいりたいというふうに思っております。
○古川委員 それでは、そこの資金使途についても、今後そういう体制をとってちゃんと検査をするというふうに受け取ってよろしいですね。
○小川会計検査院説明員 お答え申し上げます。 設備資金と異なるところがございまして、制度の整備もまだ十分でないわけでございますから、今後、我々そういうところを検討していった上で検査に臨むということになろうかと思います。
○古川委員 わかりました。 今のお話をお伺いしても、最終的にはこれは開銀と北東公庫等の審査体制にかかわってくるというわけでございますが、今申し上げましたような問題のある資金の提供が行われないようにするためには、やはりそこの審査体制をしっかりさせるということが不可欠であることは言をまたないことだと思うのですね。 ところが、今回の政府・与党の貸し渋り対策においては、開銀、北東公庫などについて審査体制の強化というものは含まれていないわけです。 先ほど小粥総裁も大変厳しい状況が職員にはあるだろうというお話がありましたけれども、こうした新たな融資業務を行うに当たって、現行の人員、スタッフで、本当に皆さんがおっしゃられたような慎重な、念入りなチェックというものができるのでしょうか。一方で、審査期間を非常に短縮して、今まで一カ月以上かかってきたものを一週間とかそういうものでやると言っていながら、もう一方で、今まで以上に念入りなチェックをしなければいけない。しかも、膨大な金額のお金をこれから短期間で出さなければいけない、そういうものが本当に今の人員、状況で大丈夫なのですか。 これは大蔵省としても、やはり開銀等の審査機能を低下させることのないように、組織面においては万全な体制整備を確保すべきじゃないかと思っていますけれども、その点について大蔵省は考えているんですか。
○溝口政府委員 今般の措置が年度の途中に補正という形で行われるということがございます。それから、中堅企業等を対象にした対策が十三年の三月三十一日までの時限措置ということもございます。そういうようなことがあるわけでございますから、現在の体制をできる限り機動的に有効に使うことによりまして、例えば開発銀行等におきましては、審査部門以外の調査部門等から審査部門に人を年度末、年末の繁忙期につきましてシフトするというようなことも考えておりますので、そういう体制を通じまして、現在の体制の中でできるだけ効率的にやっていくことを旨として対応すべきではないかというふうに考えているところでございます。
○古川委員 ぜひそこのところは監督当局としてしっかりと指導していただきたいと思います。 また、開銀や北東公庫は、本当に今の人員でそうした使途不明金なんか出ないような融資ができるという自信があるのか。また、そういう自信を裏づけるような、今大蔵省の方からお話がありましたけれども、そうした人員をシフトしたりとか、あるいは厳格な審査を行うための審査マニュアルとか、この法案が通ればすぐお金は出ていくわけですから、そういうものはもう既に用意されているのか、そこについて御説明いただきたいと思います。
○小粥説明員 ただいまのお尋ねにつきまして、既に大蔵省官房長からの御答弁もございました。ちょうど私どもが今部内で考え、あるいは実行に移しつつある、限られた人員ではございますけれども、部内の人的資源の再配分、効率化を最大限に行うということは現在既に実行しつつあるところでございます。 先ほど大蔵省官房長の方からも一つの具体例をおっしゃっていただきましたように、比較的ゆとりのある部門、例えば調査研究部門から融資審査部門に人員配置を行うというようなことを初めといたしまして、これは、現在相当な規模でその方面に向かって部内の人員の再配置を検討し、かつ行いつつあるということは改めて申し上げたいと思っております。 それから、私、先ほど他の議員の御質問にもお答えさせていただきましたけれども、私どもの人員でどうしても対応できない場合の一つの対応策として、アウトソーシングというような言葉を使いましたけれども、臨時的に専門的な知識を持つ外部の人の助けを求める、これはまだ実行はもちろんしておりませんけれども、そういうことも視野に入れております。 それから、審査体制の効率化という点につきましても、私ども、この法律改正が実現をし、例えば先ほど申し上げた長期運転資金についての代理貸し制度が動き始めるときとタイミングを合わせまして、今申し上げましたような部内の体制がそれと平仄を合わせてうまく動き出すように、そういう用意を今懸命にしているところでございます。 ただ、一つ申し上げなければいけませんのは、私ども、確かに、もし今回の改正が実現しますれば、全く新しい業務を含めまして非常に大きな、質量ともに大変難しい仕事にさらに取り組まなければいけないわけでありますが、人員が足りないからといって、これを直ちに例えば定員の増という形で対応を求める、あるいは関係当局にお願いをするということは、私はこれは簡単にはすべきではないと考えております。 これは何よりも、私ども、昨年来、行政改革の御議論の中で、来年度、業務の見直し、減量再編成という考え方で、他の機関との統合、再出発という方向が既に定められているところでございまして、そのような考え方に立ちますと、私ども緊急の対応には、先ほど来申し上げました、あらゆる手を尽くして現行の与えられた人員の枠内で懸命の対応をする。一般的な姿としては、人員につきましても、新たな増員をぎりぎりまでみずから求めることなく対応していかなければいけない。むしろ、私どもはそういう効率化のいわば限界を求めながら今回の新たなる業務に対応していきたい。しかし、その場合には、決して、御指摘のございましたような償還確実性を実質的に担保する入念な審査というものをおろそかにするつもりはございません。 したがいまして、先ほど来具体例の一つとして申し上げております代理貸し制度の活用というのは、実は、私どもがこの状況を何とか打開したいというために、これまで制度が設けられていながら私どもがあえて行っておりませんでしたこの制度を今回時限的に活用しようというのは、まさにある意味ではアウトソーシングの一つの典型的な例と申し上げてもよろしいんじゃないかと思っております。その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
○濱本説明員 これまで御答弁がございましたところと、私どもの考えておりますところは同様でございます。 北東公庫と申します機関は、全体で職員の数が二百八十人でございます。よほど頑張りませんとこれらの要請にこたえられないというふうに考えておりまして、部内の研修、一人一人の心がけというものを十分はっきり持ちまして御要請にこたえるように努力してまいりたいと考えております。
○古川委員 これは濱本総裁の責任ではないんですけれども、しかし、とりわけ北東公庫につきましては、むつ小川原開発とか苫小牧東部開発を初めとする大型プロジェクトについて多額の不良債権を事実上抱えていることは周知の事実です。先日の読売新聞の記事を皆さんにお配りしていますけれども、まさにこういう形で実質不良債権額はもう四千億円を超えている。既に事実上の債務超過状態にあると言ってもいいんじゃないでしょうか。 貸し渋り対策が喫緊の課題であることは確かでありますけれども、こうした財務状況を見る限り、残念ながら北東公庫さんに十分な審査能力があるとは考えられないんじゃないかと私は思うんですね。仮に、今回の法改正によりまして、北東公庫においてもさらにリスクの高い案件に対して極めて短期間のうちに大量の融資を実行することになれば、十分な審査能力がないわけでありますから、遠からぬ将来にさらなる不良債権を抱えてしまうと考えるのが自然な考え方じゃないでしょうか。 政府・与党としては、北東公庫を開銀に吸収させることによりまして、この不良債権を開銀の自己資本によって償却することを考えていらっしゃるのかもしれませんけれども、そもそも開銀の自己資本比率は、現状でも輸銀に比べて半分程度の水準しかありません。また、今回の大規模な融資を実行する結果、三千億円程度の増資を行ったとしても、その自己資本比率はさらに低下してしまうことになると考えられます。その上、こうした北東公庫の不良債権を開銀に負担させるということになれば、開銀と北東公庫が統合してできる新銀行の財務の健全性自体が最初から損なわれて、今度は新銀行によって貸し渋りが発生する、そんなことさえも私は懸念されるんじゃないかというふうに思いますが、この点については、北東公庫をある意味で吸収することになる開銀総裁の御所見をお伺いしたいと思います。
○小粥説明員 先ほどもお答えの中で申し上げましたように、昨年九月の閣議決定におきまして、私どもは北海道東北公庫と統合の上、新銀行は来年度の新銀行根拠法の成立をもちまして発足する予定でございます。したがいまして、私どもも、また北海道東北開発公庫におかれましても、その方針に従って鋭意準備を進めているところと承知をしております。 そこで、ただいまのお尋ねでございますけれども、私ども日本開発銀行といたしましては、北海道東北開発公庫と統合を予定しているわけでございますが、ただいまのお尋ねにございました二つの大規模なプロジェクトにつきましては御案内のとおりでございますけれども、昨年九月の閣議決定におきまして、この両プロジェクトの処理方針につきましては、新銀行発足までの間に関係者が協議をされてその処理方針をお決めになる、こういうふうに閣議決定の文言にも記されておりますし、私どももそれを前提として新銀行に向けての準備を進めているところでございます。 それからまた、御指摘の新銀行の財務内容という点につきましては、私は、一般的に申し上げまして、新銀行というものは、間もなく世紀も改まるわけでございますけれども、新しい時代の政策金融機関として新たに発生する諸政策ニーズに効率的に、的確にこたえられるような政策金融機関でなければいけないと思っておりますので、当然その財務内容につきましても、今申し上げました新銀行の機能が十分に発揮し得るような健全な財務内容を維持すべきである、こういうふうに考えているわけでございます。 この点につきましては、その根拠法の国会成立をもちろん前提とすることでございますし、それまでなおしばらくの時間もございます。広い意味の関係者間、もちろん政府部内の関係御当局におかれましても、この点につきまして妥当な解決が得られるべくさらに踏み込んだ御検討が行われるものと考えているわけでございまして、あえて一般的に申し上げましたけれども、私どもは、そのような考え方のもとに健全な新銀行として再発足をすべく鋭意準備を進めているところでございます。
○濱本説明員 恐縮でございますが、新聞の記事につきまして御指摘をいただきましたので、簡単に一言御説明を申させていただきたいと存じます。 この読売新聞の記事でございますが、ここに書かれてございます破綻先債権、延滞債権、確かにそういったものを私どもは持っております。しかし、非常に大きなウエートがここに示されてございます貸し出し条件を変更した債権、これが問題債権ということにされておりますけれども、こういうことなのでございます。 つまり、一般の民間金融機関というのは普通変動金利で、せいぜい五年とか十年ぐらいの運転資金を貸しているわけでございますけれども、私どもの公庫というのは固定金利で、十年、二十年の資金を貸しております。その十年、二十年の間には必ず経済変動がございまして、山あり谷ありということになります。その山あり谷ありのときに、民間金融機関でございますと、貸出期限が参りますので次の新しい条件で貸せるわけでございます。こちらは、長期固定で走っておりますから、協調融資の中で条件を整えたいという気持ちが双方に働きます。 そのときに私どもはどうやっているかと申しますと、一時的に金利の支払い期限を延ばすとか、償還期限を調整するとか、そういう微調整をいたします。しかし、それはまた次の期に回復させる、一定の期間が経過しました段階あるいは最終的に償還される段階でもとに戻すということでございまして、そういったことによって長期のローンというものを生かしていくということが従来から行われてまいりました。これを一括して問題債権というふうに言われますことに対しましては、私どもはいささかそういった点をお聞きいただきたいという気持ちになるわけでございます。 また、若干債務超過になっている企業もございますけれども、東北、北海道の企業で一生懸命やっております企業が多少債務超過になりましても、立ち直って、歯を食いしばって成功する企業はたくさんございまして、ほとんどは正常な弁済を最終的には果たしております。 ただ問題は、むつ、苫東でございまして、この大きな債権につきましてどう処理されるかということが我々の眼前にある一番大きな問題でございます。そういう意味におきまして、私どもは債権管理になお努力を尽くさなければならないというふうに考えてございますけれども、この記事をお読みいただきますときに、ただいま私が申し上げました点も含めてお読みいただきたい、かように存じた次第でございます。
○古川委員 わかりました。 今の総裁のお話も含めてなのでございますが、大蔵大臣からちょっと御見解をお伺いしたいのです。 もちろん、むつ、苫東だという話はありますけれども、それが相当な重荷になっていることは事実でありまして、これを、ある意味で今や政府系の機関で唯一と言ってもいいぐらい国民にとって大変優良な資産である開銀というところにひっつけることによって、開銀自体が、開銀を引き継いだ新銀行が最初から灰色銀行みたいになってしまったら、これは国民の資産をまさに害することになってしまう。そんな点から考えましても、むつ、苫東の問題も含めて、この二つの合併についてどうやって考えていくのか、そこについて大蔵大臣の方から御所見を伺いたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 むつ小川原と苫東をこれからどうするかという問題につきまして、私もいろいろに考えておりますけれども、今私が意見を申し上げるのは実は少し早いのだろう。私が今まで申し上げておりますことは、おのおのの地元におきまして、あるいはプロジェクトにおきまして、どういうふうにされるかということをひとつ御自分方で考えていただきたいということを申し上げておりますし、また、北海道開発担当の国務大臣に対しましてもそういうこともお願いをいたしておって、それはよくお考えいただいておるわけでございます。 この両方とも、過去四十年の我が国における全国総合開発計画の何回かの過程において施策が行われた地域でございます。そして、必ずしも我が国のその後の発展が当時の予定どおりまいりませんでしたために、当初予定していたような開発なり発展が現在達成されていないということも確かであります。 殊に、今我が国の経済がこうなりましたから、それについて、将来を非常に暗く考える方々もあるいは多いかもしれない。しかし他方で、過去四十年の間に、そしてまたこれから我が国の長い将来を考えた場合に、これらの二つの地域というものをどういうふうに見ておくかということは、ただいまは非常な負担であります、確かにそのとおりでありますけれども、またある意味で、将来に向かって大事な問題であるかもしれない。殊に、北海道というような地域はまたいろいろな問題を持っておりますから、そういうこともあるであろう。 大蔵大臣がこういうことを余り早々申してはならぬ話であることはよく承知しておりますが、私は、この両地域の過去数十年における過程をたまたま知っておりますものですから、ただいまのところは両方の地域あるいはプロジェクトの方々に対して、御自分方でどうされるかひとつよくお考えくださいませんかということを申し上げております。 また、北東公庫につきましても、これもたまたま発足当時のことから私は存じておりますので、この公庫はある意味でそのような地域の開発というために設けられたものであって、非常に順調に利益の上がる仕事であれば民間機関がやり得た種類のことでもございますから、そういう歴史的な使命というものをこの公庫が持っていたことも事実であろうと思いますので、そういうことをあれこれ考えながらこの問題を処理していかなければならない。 なお、どのような処理にいたしましても、やがてこの北東公庫を受け入れます開発銀行のこれからの仕事に大きな支障があるような形で開発銀行を発足されるということがあってはならないだろうというふうに考えております。
○古川委員 いずれにいたしましても、今最後に大臣がおっしゃられましたように、この問題については、やはりちゃんと新銀行発足のときに切り分けるなら切り分けるとか、そういうような形で、問題を先送りするような形でなく、しかも新銀行が最初からそういう重荷を課せられるようなことがないような、そういうしっかりした措置はとっていただきたいということをお願いしたいと思います。 ちょっと時間が短くなってしまいましたが、先ほどから代理貸しの話が、何度か小粥総裁の方から、これを非常に活用して、そこで今足らない部分を補っていくんだというお話がございましたが、これも、よくとればそうなんですが、あえてうがった見方をしますと、これが民間銀行の資金回収の道具になるのではないかという懸念があるんじゃないかと私は思うんですね。 仮に代理貸しによりまして運転資金融資が行われることになりますと、民間銀行は、既に取引のある企業に対しまして独自の判断で一たん融資を行い、それを自行への返済資金として回収することが可能となります。要するに、民間銀行での債権を開銀が肩がわりするにすぎず、実際には企業の手元には資金が残らないという事態も予想されるのではないでしょうか。こうした事態は現実に信用保証協会の保証において発生していることでもありますから、そういうことになりますと、今回の貸し渋り対策の意味がなくなってしまうわけであります。 また、これを突き詰めていきますと、灰色の企業にとりましては、開銀が事実上のメーンバンク化していくことも予想されてしまうんじゃないかと思います。そして、仮にその企業が灰色から破綻寸前に陥った場合を想定しますと、開銀としては、政府が破綻の引き金を引くわけにはいきませんから、企業の延命を図るために追い貸しを続けざるを得ず、結局開銀の不良債権は雪だるま式に増加していく、そんな危険もないとは言えないのではないでしょうか。 こうした事態を引き起こさないためにも、代理店となる民間金融機関にも、独自の判断ではなくて、開銀や北東公庫などがマニュアルを作成して、それに沿った制度運用を義務づけるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。仮に民間金融機関が独自の判断で融資を行うということになると、これは公平性の原則にも反してくるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点については、小粥総裁、どう思われますか。
○小粥説明員 代理貸し制度につきましての御指摘でございます。 私どもが今考えております代理貸し制度につきましては、先ほど来申し上げておりますように、私は一種のアウトソーシングというようなことを申し上げましたけれども、あくまで貸し渋りの被害にいわば直面をしている中堅企業に対して、代理店を通じて開銀の資金が迅速にスムーズに流れるように、そのための仕組みを構想しているわけでございます。 そこで、それにつきましての御懸念、この代理貸しが、せっかくの開銀の資金が、実は企業の必要とする資金にではなくて、民間金融機関の資金回収のいわば道具として使われてしまうおそれがあるのではないか、こういう御指摘であろうと存じます。 その点は、なるべく簡単に申し上げますけれども、先ほど来も、私どもが考えております代理貸付制度の内容として、その代理店である金融機関がみずからの資金回収を目的とする肩がわり資金にしてしまうということがないように、契約の内容として明確に対象から除外をしているわけでございます。したがいまして、私どもは、その点についてははっきりモニターができる、チェックができると考えております。 それから、これも申し上げたところでございますけれども、さらに念を入れまして、この代理店の業務の取り扱いにつきましては、開銀自体それから開銀の指定した会計監査人が検査をすることが可能となっている、そういう契約としてつくり上げたいと考えておりますので、このようないわば二重のモニタリングチェックを通じまして、御指摘のような不正の取り扱いについては厳しく対応していきたいし、また、今のような仕組みで実効が上がるものと考えているところでございます。 しかし、いずれにしましても、この代理貸し制度の活用は私どもとして初めての経験でございます。既に、中小企業金融公庫を初め他の政府関係の金融機関には、かなり長い期間この代理貸し業務の経験のある組織もございますので、他の組織の経験、ノウハウ等も十分に私ども吸収をしながら、今の御指摘に対しまして私ども万全を期して対応をしていきたい、こういうふうに考えております。
○古川委員 この代理貸しについて、会計検査院としては、民間金融機関についても開銀とか北東公庫等と同じように厳格な検査を行うべきじゃないかと私は思いますが、その点については会計検査院はどのように考えていらっしゃいますか。
○小川会計検査院説明員 お答え申し上げます。 北東、開銀につきましては従来代理貸し制度はございませんけれども、ほかの政策金融機関におきましては代理貸し制度はございましたので、会計検査院としましては、融資の検査に当たりまして、代理貸しについても、今までも必要に応じて直貸しと同じような検査を実施しておりまして、今後もこのような方針で検査を実施してまいりたいと思っております。
○古川委員 ぜひともそこのところはしっかりやっていただきたいと思います。 時間がなくなってしまいましたので、いろいろお話を伺いたかったのですが、最後に総裁にちょっとお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。 私は大蔵省時代に、財政というのは常に財政規律というものを保つことが必要だ、そのように教えられてまいりました。規律がない財政は放漫財政につながる。今回の政府系金融機関による融資につきましても、最後は財政によって担保されることになる以上、そこには財政と同じ最低限の規律が維持されてしかるべきだと思います。とにかく目先が大変だから何でもありというわけではないはずです。 制度を運用する開銀、北東公庫の総裁については、これは結局、制度の運用の最終責任者がやはりしっかりしていただかないと、この制度はある意味でどのようにでも悪用されかねないということでありますから、仮に不良債権が膨大に膨れ上がる、緊急措置とはいえ、とった結果そういうようなことがあった場合には、これは総裁を含め、役員を含め――今、金融機関の不良債権処理に公的資金を使うことに対して、中小企業であれば、そうした場合には家、財産、全私財をすべて失ってそういう処理をしなければならないのに、銀行の経営者はただやめるだけでいいのか、退職金さえも返さないじゃないか、そういう批判が世間であることは承知だと思います。 これは最後は国民のツケにも回ってきかねないものでありますから、そのような場合には、総裁を初め役員の方々は私財をなげうってでも責任をとる、それくらいの覚悟を持ってやっていただきたいと思うわけでありますが、その点についての覚悟を最後に開銀総裁の方からお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○小粥説明員 今回の緊急経済対策の重要な項目であります貸し渋り対策、特に私どもの銀行につきましては中堅企業を中心とする貸し渋り対策でございますけれども、その実行、運用に当たって、御指摘のように、結果として例えば私どもの資産内容が著しく悪化をする、そのようなことでは結局――今回の対策はもちろん、法律自体も時限的なものと承知はしておりますけれども、現下の緊急の対応に私ども政策金融機関としてできるだけの対応をしながら、しかし、先ほども申し上げましたように、来年は新銀行として再発足をいたしますけれども、新しい時代の要請に効率的に的確にこたえ得るような健全な財務内容を持つ新銀行として来年再出発をさせていただきたい、こういうふうに考えているわけでございまして、現在のこの緊急の信用収縮対応におきましても、私ども、知恵と力を振り絞りまして全力で対応する所存でございます。 御指摘にございますように、いやしくも結果として不良債権を著しくふやすというような、私は組織の責任者といたしまして、そういうことの決してないように、私自身そしてまた役職員一体となって全力を尽くして取り組んでいく覚悟でございます。 なお、一言つけ加えさせていただきますけれども、それにしましても、先ほど来御議論がございますように、私ども、かなりある意味では経験に乏しい新しい分野に取り組んでいく、それも、踏み込んでリスクをとるという対応も時には必要であろうと思います。そのために私どもが時にはとらざるを得ないリスクについてバッファーとなる、直接的に申し上げれば自己資本の充実、そういう対応をこの際関係当局にも別途お願いをしているところでございまして、私ども、単に決意だけでは対応できない面があることは、これはまた御指摘のとおりでございます。 そのようなリスクバッファーとしての自己資本の充実という対応もぜひ実現をさせていただきまして、私どもに課せられました非常に厳しい環境の中での重い責務にこたえていきたい、そのように考えております。
○古川委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○村井委員長 次に、谷口隆義君。
○谷口委員 まず初めに、宮澤大蔵大臣に対しまして、貸し渋りの概括的な質問をさせていただきます。 御存じのとおり、前国会で金融再生法案また早期健全化法案が成立し、公的資金が六十兆円用意されたわけでございます。また、信用保証協会の特別信用保証枠二十兆円も用意されておるわけでございますが、私の地元大阪市におきましても、毎日千名以上の方がこの融資の申し込みに並ばれておるというような状況のようでございます。この十月の一月間の特別保証制度の申し込みは十五万四千件、四兆三千億に上っておるというようなことのようでございます。 しかし、貸し渋りはどうもおさまらないような状況になっておる。全国商工会連合会の調べにおきましても、どうも貸し渋りがおさまった形跡がない。また、日銀がこの十一月十一日に十月の貸し出し・資金吸収動向を発表したところでございますが、これを見ましても、前年同期に比べて貸出残高が三・三%の減。これは前月が二・七%の減でございましたので、調査を開始した九一年七月以降最大となっておるというような状況でございます。 今このような状況の中で、宮澤大蔵大臣、この貸し渋りに対してどのようにお考えか、まず冒頭お伺いいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 いわゆるマネーセンターバンクについて考えますならば、ただいま御指摘のように、前年同月対比で貸し渋りの状況は改善をいたしておらないように思われます。それは、かつて公的資金を投入いたしましたし、今、まだそういうことが行われておるにもかかわらず、一向にそれが貸し渋り解消につながらないではないかという御批判の厳しいところでございます。 いろいろな事情があろうと思います。前年同月に対してその後新しい不良債権が発生しておるとか、いろいろなことはあろうと思いますけれども、片方でリストラをやりなさいと言いながら、片方でしかし貸し渋りはなるべくしないようにと言うことは、基本的に、短期間にはなかなか難しい要因がございますので、リストラをしようとすればどうしても分母を小さくしたいという衝動はなかなか否定できないというところがございますので、そういう銀行についてはもう少し様子を見ていなければならないかもしれないと思っています。 ただ、それよりもこの問題が大きかったのは、むしろ地方におけるいわゆる中小企業の金融の方の問題でございまして、これは今お話しになりましたように、今年の夏ごろから信用補完ということを思い切っていたしましたところが、これはおかげさまでかなり効果がございました。今お話しになりましたように、信用補完を受けることによって貸し出す方も貸し出しがしやすいということになってまいりまして、それが、政府がこのたびの緊急対策でも二十兆というようなことを目標にいたしまして対策を展開いたしておるところでございますけれども、これはかなりの効果があって、また心理的にも好評を受けておるように思います。 何といっても日本は市場経済の国でございますので、政府関係金融機関、国民金融公庫とか中小企業金融公庫とか商工中金とか、それは直接政府関係機関もいたしますけれども、何といっても、やはり信用補完を受けて、市中金融、民間金融から受ける金額が大きいのでございますので、そちらの方をさらに充実していきたい。今御審議をいただいておりますこの開銀の問題につきましても、先ほどまで申し上げましたのは中小のことでございましたが、中堅金融についてはどうもそこのところの手がうまく及びませんので、開銀の活用をこうやってお考えいただいておるわけでございます。 それらを含めまして、一番中心になりますのは、政府が信用補完を出資あるいは補助金の形でできるだけ広げていって、民間金融機関が活用される、そういう形がさらにこれからの施策の重点になっていくであろう、さらに必要であれば必要ななりの補助なり出資なりをいたす用意は十分にございます。
○谷口委員 貸し渋りの信用収縮が実体経済に与える影響は後ほどまたお聞きいたしたいというように思うわけでございますが、今回の開銀法の一部改正案は、まさに貸し渋り対策というようなことで改正されるわけでございますが、このベースになっておるのは、自民党の緊急経済対策がベースになって今回の開銀法の一部改正が行われた、このようにお聞きいたしております。 それで、この自民党の緊急経済対策の骨子、これは平成十年十一月十二日に出ておるものでございますが、この「金融対策」の「中小・中堅企業等への信用供与」というところで「いわゆる貸し渋り・貸しはがし等」、貸しはがしとは大変うまいこと表現したなというように思うわけでございますが、今貸し渋りじゃなくて資金をどんどん回収しているというようなことを貸しはがしとおっしゃったのだろうと思いますが、まさに現場は大変な状態になっております。 私の地元大阪は、完全失業率におきましても、全国平均四・三%でございますが、北海道と並んで五・二%というように大変景気の落ち込んでおるところでございます。そういう状況の中で、冒頭お話をさせていただきましたように、一刻も早く金融機関の貸し渋りをやめさせなければいけない、こういう思いは全く一緒のわけでございます。 そこで、何点かの質問をさせていただきたいというように思います。 まず初めに、先ほどの自民党の緊急経済対策の骨子のところに「中小・中堅企業等への信用供与」とございますが、この「等」の中には、私は大企業が入っておるのだろうと。後でこれも含めてお聞きしたいと思いますが、大企業が含まれておるということかどうかということと、大企業が入っておるとしましたら、開銀で五兆強の融資を行うというように聞いておりますが、どの程度大企業に対する信用供与を予定されておるのかどうか、これについてお伺いいたしたいと思います。
○大野(功)議員 冒頭、谷口先生に自由民主党の緊急経済対策の骨子の中で貸しはがしという言葉、表現を使ったとお褒めをいただきまして、ありがとうございます。 我々が戦っておりますのは、貸しはがしとか信用収縮でございます。谷口先生十分御存じのとおり、信用収縮、貸し渋りとか貸しはがしで一番苦しんでいるのは中小企業でございます。そして、今やその貸し渋りとか貸しはがしという苦しみが中堅企業にまで及んできた、このことも事実でございます。 先生の御質問は、この「中小・中堅企業等」という表現の中に大企業が含まれているのか、「等」には大企業が含まれているのかどうか、こういう御質問でございます。 精神はあくまでも今申し上げたようなことでございますけれども、これは表現で読んでみますと、中小と中堅企業と書いてございますから、その他「等」で残るのは大企業かな、そんな無責任なことは言えませんが、大企業も含まれている、排除できない、これが率直なことでございます。 では、そこのところはどう考えるんだ、一番苦しんでいるのは中小企業じゃないか、その次に、その波及が中堅企業に来ているじゃないかと。私は、経済というのは全く総体としてとらえるべきである。 大企業というのは、考えてみますとすそ野が大変広いわけでございまして、取引関係は中小企業もあれば中堅企業もある。大企業でもしこういう困難な目に遭っているところがあれば、それも含まれてしかるべきなのかな。そうした場合に、中堅企業にその経済効果、事業の効果が及んでいくだろう、そのことによって、私は中小企業なり中堅企業の雇用も安定するんじゃないか、このように考えている次第でございます。 しかし、「等」と書いておって明々白々に書いていない、その気持ちをぜひとも酌んでいただきたい。中小と中堅企業主体である、このところをはっきり申し上げたいと思います。
○谷口委員 大企業の場合は、御存じのとおり、多様な資金調達の方法を持っておるわけですね。後ほどお話をしますが、開銀さんにおきましても、社債の償還資金の融資というようなこともございますが、転換社債を出したり新株で資金を調達したりというようなことで、資金調達は、中堅、中小企業に比べますとはるかに多様な形態があるわけでございます。 一方、中小、中堅企業の場合は、御存じのとおり、我が国は間接金融主体の国でございますので、金融機関におまえのところは金は貸さないぞと言われると一遍にだめになっちゃうというところがあるわけで、そういう意味において、政府は、優先順位、プライオリティーから考えますと、やはり中小、中堅企業を主体に行うべきではないのか。 特に、先ほどこの審議、議論の状況を聞いておりますと、開銀さんには取引先が約三千社あって、このうち千二百社が大企業、中堅が千二百社、あと中小企業が六百社というようなお話でございました。千二百社の大企業を抱えていらっしゃる。 そういう状況の中で、今回、開銀が窓口になって市中の貸し渋りを解消するような融資を行うということでございますが、まず一つ、これは開銀でなければいけない理由があるのか、まずそういうことからお聞きしたいわけでございます。以前は、例えば中小公庫を使ったらどうかとかいろいろあったんだろうと思いますが、これが最終的に開銀になった理由をまずお伺いいたしたいというように思います。
○大野(功)議員 中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の場合には、中小企業を対象にした融資を行っているわけでございます。その場合、きちっと決められておりまして、御存じのとおり、十五業種にわたって資本金並びに従業員の数で考えている。そこを使ったらどうかという御議論もあろうかとは思います。 しかしながら、言ってみれば、大は小を兼ねる、小は大を兼ねにくい、こういうような現実の問題があるのではないでしょうか。つまり、中小企業を対象として考えている中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫では、これまでやってまいりました長期の設備資金等を中心とした体系になじまない、私はこういう問題があると思います。 したがいまして、先ほども申し上げましたが、中小が一番大事だ、それから中堅に及んできた。しかし、中堅を今回やることによって、その波及効果が小にも及んでくるということで、開銀の方で手当てをする、こういう考え方でやらせていただいております。
○谷口委員 それで、開銀の総裁にお伺いいたしたいわけでございますが、大企業も入っておるわけですね。先ほどもエクイティーファイナンスのお話が出ておりました。バブルのピークのころに、各大企業はどんどんこのエクイティーファイナンスを発行してというか、例えば転換社債を出した。それで資金調達をしたわけですが、その後の株式市場が御存じのとおり低迷をしておりますから、これが社債のままに残った。これは本来なら株式になるだろう、株式市場に上場するだろうというように予想しておったのが、それが転換されないというような状況の中で、昨今、急にこの償還が迫られてきた。 データを見ましても、平成十年度はこの社債の償還予定が六兆九千億あるというようなことでございますが、このうちCB、WB――転換社債、ワラント債が四兆円程度あるというようなことのようでございます。この資金調達でかなり大企業は、こういう資金調達はほとんど大企業しかやりませんから、大変な状況になっておるわけでございます。 これを開銀の方で資金調達ができればというように考えておるのではないかと思うわけでございますが、先ほど私が冒頭お尋ねしましたように、今回の開銀さんの融資枠は大体五兆円程度ですね。五兆九千億のうち五兆円程度は開銀さんが使うということでございますので、ざっと考えて、このうちどの程度が中堅、中小企業に行くのかなというようなことを考えておるわけでございますが、総裁の方から御答弁をいただけましたら大変ありがたいというふうに思っております。
○小粥説明員 今回の対策におきまして、私ども日本開発銀行に対して要請される融資あるいは広い意味での信用供与の増は、ただいま御指摘いただきましたように、総額で五兆円程度ということになっておりますが、その内容といたしまして、そのうち三兆円程度が融資、二兆円程度が債務保証、一応そういう構成と私ども承知をしております。 したがいまして、ただいま御質問いただきました、例えば社債の償還資金、長期運転資金の分野は、いずれも保証という場合もあり得るとは思いますけれども、とりあえずは、非常に多くのケースは融資が求められる場合であろうと思います。 さてそこで、三兆円という大変大きな金額でございますけれども、お尋ねは、そのうち――例えば、先ほど提案者でいらっしゃる大野先生から明確なお答えがございましたが、今回の対策は開銀の担当する分野も中堅企業が中心でございますけれども、しかし、結果的に大企業が含まれるということも、そのとおりだと存じます。 この三兆円のうち中堅企業にどれだけ向けられるのかという点につきましては、ただいまの段階で、実は私ども、定量的なめどをまだ持つに至っておりません。これは、先ほど来申し上げておりますように、社債の償還資金あるいは長期運転資金は、いずれも私どもにとりましては今回の法改正が実現して初めて認められる融資分野でございますから、実は経験がございません。 それから、ただいま先生から、社債の償還予定額が平成十年度に六・九兆円と、その内訳のお話がございまして、私どもも概数としては承知をいたしておりますが、そのうちどれだけが私ども日本開発銀行に対する融資期待として向けられるかということは、これは率直に申し上げまして、ただいまのところ私どもに十分なデータは実はございません。 私どもの業務は、資金ニーズのある民間企業からの融資期待、融資の御希望を待って対応すべきものでございますから、ある意味で私どもから出向いてこの金額だけぜひ遂行しようという性質のものでもないわけでございますから、定量的に金額の見通しを申せという御質問につきましては、ただいまのところその用意はございませんが、今後、法律改正が実現しまして、私どもが早速にこの業務に取り組んでまいります過程で十分精査をし、数字の見当をつけていきたいと思っております。 ただ、先ほど御質問にもございましたように、私どもの取引先三千社のうち、合計約千八百社が中堅及び中小企業であるということはそのとおりでございまして、私どもといたしまして、今後対象とすべき新規の取引先も含めまして、その過半は中堅及び中小企業金融公庫の対象にならない中小企業、そういうことであろうと考えております。 それから、社債の償還についてのお尋ねがございましたけれども、実は償還予定件数が今年度三千件のうち、二千件は中堅企業であるということは御存じのとおりでございますから、私ども、やはり考え方としては、中堅企業を中心に据えて今回の対策に取り組んでまいりたいということを申し上げまして、とりあえずのお答えにさせていただきます。
○谷口委員 時間がございませんので、簡潔に御答弁をお願いいたしたいというふうに思います。 中小企業と申しますか中小零細企業は、今回の例の二十兆円の特別枠の恩恵を受けているところが多いのですね。また、大企業のところは、これは先ほど申し上げましたように、多様な資金調達形態があるわけで、大変厳しいところは別にして、それなりに調達できる力を持っておる。そうしますと、中堅企業あたりがちょうどはざまになっておるのではないかというように思ったりもするわけでございますが、この五兆余りの金額をバランスよく融資をやっていただきたいということを強くここで申し入れたいというように思います。この状態が大企業に偏ったりすることが決してないように、ぜひやっていただきたいというように思うところでございます。 先ほど代理店契約、代理貸しのお話が出ておりました。総裁の話を聞いておりますと、代理店契約で契約書の中に例えばプロパーの融資がある。今回の代理貸しの開銀の融資があったときに、借りかえをさせるというようなことは契約書の中に盛り込んでおるからできないのだ。仮にあった場合は、こういう代理店は契約を破棄するということになるのですか、それだけちょっとお聞きしたいと思います。簡単に。
○小粥説明員 申し上げましたように、私どもが考えております点は契約上の明確な条項でありまして、それに違反をすれば、私ども、おっしゃられるように、契約違反として解約も含めて対応することが可能であろうと考えております。
○谷口委員 余り時間がございませんので、最後にこの質問をしたいと思います。 経済企画庁、本日来ていただいておると思いますが、冒頭お話ししましたように、貸し渋りによる信用収縮が大変厳しい状況になっておる、これが実体経済に大きな影響を与えておる。実体経済の悪化、さらに景気が悪化し、資産デフレが再燃し、またデフレスパイラルが現実のものとなってきている。卸売物価、消費者物価等を見ますと、現実のものになってきた。 そういう状況の中で、先ほどの話にもありましたように、金融機関が信用を収縮し、また企業間信用と申しますか、手形のサイトが短くなったり、現金で決済しろと言われたり、このような企業間信用が収縮したり、外貨の調達も大変厳しい状態になっております。 どうも農中あたりが格下げをされて、輸銀か何かで外貨を調達しないと、なかなか国内の企業は調達できないというようなことさえ言われておりまして、越年資金等々、大変な状態になっておるわけでございます。 このような金融機能低下によって実体経済にどのような影響を及ぼすかということで、日本総研のエコノミストの方はいろいろなケースを、これは前提条件がございますが、現状維持のケースにおいても、金融機能低下による成長率の低下がマイナス一・二%程度じゃないか、また、完全失業率が五・五%ぐらいになるのではないかと。これが極めて厳しい事態になりますと、成長率がマイナス一一・一%、また完全失業率が一六・五%というような最悪の事態も、何パターンかあるのですが、やっていらっしゃいまして、このような大変厳しい経済の見方、信用収縮がもたらす実体経済への影響があるわけでございますが、これに対する見解を述べていただきたいというふうに思います。
○新保政府委員 貸し渋りが実体経済、特に設備投資だと思いますが、どういう影響を与えているかという点でございますが、御承知のように、去年の秋から貸し出し態度が非常に厳しくなりまして、これは中小企業、大企業を問わず、非常に厳しくなっております。 ただし、設備投資の動向を見ますと、大企業設備投資よりも、特に中小企業設備投資が大きく落ち込んでおる。四―六で見ますと、大企業設備投資はマイナス一・三%でございますが、中小企業はマイナス三二%という大きな落ち込みになっております。 これは、先生の御指摘のように、大企業はいろいろな資金調達手段があるけれども中小企業についてはその調達のルートが限られておる、そういうことの影響であろうというふうに思います。したがって、中小企業設備投資に対しては、昨年秋からの貸し出し態度の厳格化というものがかなり大きなマイナスの影響を与えている可能性があるというふうに思っております。 したがって、こういう状況が長く続きますと、先生御指摘のように、デフレ的な様相を強める大きなファクターになる危険がございますので、今般の緊急経済対策にも盛り込まれているような対策を思い切って大胆に推進していくということが必要であるというふうに思います。 既に宮澤大蔵大臣からも御指摘ありましたように、信用保証等ではかなり大きな前進が見られておって、少しプラスの効果が出てきているようなデータもございます。 以上です。
○谷口委員 最後でございますが、私、冒頭お話ししましたように、経済の実態は大変厳しい状態になっておるわけでございます。とにかく打つ手打つ手を早くやらないとだめだ、このように思いますので、ぜひそのようにやっていただきたいというように申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○村井委員長 次に、鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。 私ども自由党は、かねてより貸し渋り対策あるいは破綻金融機関の借り手企業対策は、中小企業に限らず中堅企業についても実施すべきだということを主張してまいりました。そして、御案内のとおり、前国会、百四十三回の臨時国会には、民主党、平和・改革さんとともに野党三党で、中堅企業についても、中小企業信用保証制度を拡充することによって破綻金融機関の借り手中堅企業に保証をつける、こういう法案を出したところでございます。この中堅企業の部分についてはもう少し詰めなきゃいけないという自民党さんのお考えもありまして、中堅企業のところだけ外した形で前国会で成立したわけでございます。 この積み残しになった中堅企業対策について、自民党さんと私どもの合意に基づいて休会中に鋭意政策協議を重ねました結果、出てきました法案の一つが今御審議いただいておる開銀法改正であり、北東公庫法の改正であり、さらには商工委員会に出ております中小企業信用保証制度を中堅企業にも拡大する法案でございます。 したがいまして、私ども自由党は、この法案を自民党さんと一緒に考えた立場でありますし、私自身も自民党さんとの政策協議に終始参加しておりましたものですから、何かここで質問するというのは非常に奇妙なものでありまして、我が小沢党首が小渕総理・自民党総裁に提案して、お二方の間で同意されましたように、近い将来、もし、副大臣あるいは政務次官という形で与党の大勢の人が政府に入って、政府・与党一体化して野党との間でディベートをするという形になれば、恐らく私はこんな奇妙な質問をしないで済むのではないかというふうに思っております。 しかし、だからやめたと言ったら身もふたもありませんので、私は、この法案の中身について質問するのではなくて、この法律を一刻も早く成立させ、年末の中堅企業金融対策として役立てなきゃいけないと思っておりますが、したがって、法案の中身ではなくて、この法律を施行したときに考えておかなきゃいけない点をいわば確認するという意味で質問をしたいのであります。主として、我が党の提出者である小池委員と、せっかくお越しでございますので、開銀、北東公庫の総裁にお伺いしたいと思います。 二つ確認したい問題というのは何かといいますと、一つは、長期的な構造的改革とこの法律とは実は矛盾しているところがあるということ。それからもう一つは、さっきから出ておりますように、これは実は開銀さんも北東公庫さんも大変難しい仕事を請け負ったわけで、一つ間違えたら不良債権をしょい込みますという話、その二点でございます。 まず、長期的な構造改革と実は矛盾しているという話から入りたいと思います。 多くの委員の方が賛成してくださると思うのですが、日本経済の構造改革としては、やはり今の公的金融というのはちょっと肥大化しておる、官業は民業の補完であるべきなのに、公的金融は民間金融を圧迫してシェアが大きくなり過ぎておるという議論があります。私もそうだと思うのです。 だから、大きな方向としては、公的金融は出過ぎておるところをやめて縮小する。大いに規制緩和をして民間金融機関の活動の場を広げ、また金融市場、資本市場をより使い勝手のいいものにしていかなきゃいけない、これが構造改革の方向だと思うのですが、今回はその縮小方向にあった公的金融の担い手である開銀さんあるいは北東開発公庫さんに新しい仕事をやってくれという法案を出してくるわけですから、これは大きな方向とはちょっと矛盾をしているわけであります。恐らく、大蔵省の理財局さんも言うなれば面食らっておる。 つまり、運用部をどちらかといえば縮小しろという方向に今動いているわけで、運用部が公的金融を通じて民業を圧迫している点は全部整理しろ、こういう議論で来ていたのに、それと反対方向の法案が出てきた、それをどう考えるのかということなんですが、我が党の提出者である小池委員に伺いますが、この点は小池委員としてはどういうふうに整理しておられますでしょうか。
○小池議員 ただいま鈴木委員の方からの御指摘の趣旨については全く同感でございますし、また、ある意味でこの議員立法の生みの親でもある鈴木委員がこの点について逡巡なさるというお気持ちはよくわかるところでございます。また、我が自由党といたしましても、常に官は民の補完的な形であるということを常々訴えてきたわけでございまして、今回のこの措置と申しますのがそれと裏腹ということになっていくことは、まさにそのとおりだと思います。 しかしながら、現在の日本経済が直面しておりますこの危機的な状況に一刻も早く対処していかねばならない。一方で、民の金融機関につきましては、早期健全化措置におきましてこれからの金融再編化を抱えているというようなことで、非常にここは現実を見なければならないのではないか。まさに冒頭の趣旨説明のところにございましたように、これは臨時措置であって、そしてこの間に日本経済の立て直しを一刻も早くやらなければいけない、そういう思いで、また政治の責任においてまとめられました議員立法であることをだれよりも御存じのことと思っております。 その意味で時限立法にし、いつまでもだらだらとやるのではなく、そして、現下の直面しておりますこの問題を一刻も早く救うもしくはそれを構造的に変えるきっかけをつくるという法案、そういうふうに理解いたしております。
○鈴木(淑)委員 ありがとうございました。 小池委員おっしゃるとおり、これは今の経済危機、金融危機に直面していわば緊急避難的に臨時の措置として行うものであって、だからこそ時限立法になっているんだということだと思います。 したがって、大きな方向としては、先ほども申しましたように、規制緩和を一層進め、またさまざまの措置によって民間金融機関を再活性化し元気になってもらって、そしてさらに金融市場、資本市場を発達させるということで、公的金融の方はやや肥大化している部分を整理してもらう、これが構造改革の長期的な方向だと思います。 そうなりますと、開銀総裁と北東公庫総裁に確認のような質問で恐縮でございますが、これは非常にやりづらい話なんですね。 さっきから出ていますように、審査部門を拡充しなきゃいけないとか、そういういろいろな話があるんだけれども、これは二〇〇一年三月でおしまいと言われると、どうやって人繰りをつけていいかわからないとか、大変無理な、無理というか難しい注文を二つの金融機関にお願いをしておるということだと思います。だからおれも悩んでいると言われるとそれまでですが、確認の意味でお二方に、これは時限立法なんだ、それを承知の上でこういうふうにやるんだというようなお返事をいただければと思います。
○小粥説明員 鈴木委員御指摘のとおり、今回の措置が緊急、いわば異例の政策要請であり、この御提案の法案も時限立法ということでございますから、私ども、当然その前提で対応しつつございます。 したがいまして、先ほど他の委員の御質問にもお答えいたしましたように、私ども、人的には極めてつらい思いをしておりますけれども、あえてここで定員の増をお願いするのではなくて、部内の人員再配置で何とか対応したい、あるいは臨時にアウトソーシングを考える場合がありましてもと、そういうふうにお答えした次第でございます。 それから、申すまでもなく、私ども日本開発銀行は、法律にも明記されておりますように、本来設立時から民業の補完ということが性格づけられているわけでございまして、その点は全く変わっておりません。 先ほど申し上げましたように、来年は、昨年の閣議決定の方針に従いまして、北東公庫と統合の上、新銀行に移行いたす予定でございますけれども、その際も、これまた明文で記されておりますように、これまでの業務を見直しをして減量再編成をする、そういう考え方のもとにこの移行も行われるものと承知をしております。 ただ、最後に一言つけ加えさせていただきますと、政策金融機関でございますから、その政策要請は時とともに、経済、金融環境の変化に応じてかなり変わることがございます。今回、率直に申しまして、私どもが想定しなかった緊急しかも極めて厳しい内容の御要請、しかし、私どもとしてはこれに何とか歯を食いしばっても対応せざるを得ない、これも政策金融機関の宿命と考えております。
○濱本説明員 御指摘のとおり、指示いただきます政策の方向が変わったという感じは多くの人が持っておると思いますけれども、なぜそれが変わったかということについては多くの人が同じく理解をしておると思います。 したがいまして、私どもの立場も、ただいま開銀の総裁からお答えがございましたとおりでございますけれども、基本原則は補完のための機関でございます。したがって、補完の哲学は変わっていない、補完の形が変わったんだというふうに思いたいわけでございます。 具体的にどうしているかと申しますと、追加融資をどんどん行わなければいけない事態でございますけれども、その場合、当該相手先企業のメーンバンクあるいは関係先に必ず問いただしまして、私どもがここで融資をすることにつきまして、民間の金融機関としてはいいのかどうかということを確認して融資をするという考え方をとっております。 ただいまお話ございましたとおり、この措置が時限措置であるということを承知いたしておりますけれども、その時限が参ります時点におきましてどういう状況になっているか。いずれにしましても、私どもの政府関係金融機関というのは、私が以前に思っておりましたよりも即応力を問われる機関だなという気がいたしておりまして、そういった意気込みで取り組んでいきたいと思っております。
○宮澤国務大臣 政府からも一言申し上げたいと思います。 前国会におきまして、金融二法の御審議の過程におきまして、信用保証、信用補完につきまして、鈴木委員から大変貴重な御示唆がございました。その結果といたしまして、信用保証、信用補完はかなり大きな成果を上げつつございます。 また、今回、中堅企業につきましてこのような御提案をしていただきました。政府といたしましても、法案が成立いたしますれば、その効果を最大限に上げますように努力をいたす所存でございます。
○鈴木(淑)委員 ありがとうございました。 宮澤大臣、また両総裁から大変頼もしいお言葉をちょうだいいたしました。大変難しい仕事を両総裁にお願いするわけですが、ただいまお話しのようなことで頑張っていただきたいというふうに思います。 もう一つちょっと確認しておいた方がいいなと私が思っておりますのは、さっきも言いましたが、これは貸し渋り対策というわけですが、これは大変難しいですよということです。 なぜ貸し渋りが起きているか、これは単純にお金が足りないから貸し渋っているわけではないということは、もう十分御承知だと思うのですね。 私は時々、当委員会あるいは予算委員会あるいは金融特でも言っておりますが、今の民間金融機関というのは三つのことを一遍に要求されているわけですね。一つは不良債権の早期処理、もう一つは自己資本比率を一定の水準以上に保て、三番目にビッグバンなんだから経営効率をよくしろ。リストラをやって、言うなればROEを上げていかなければだめだというわけですね。 この三つのことを一遍に要求しているわけですが、これは明らかに三つ矛盾しているわけです。不良債権を早期処理すれば、自己資本比率とROEは両方どんとそのとき下がります。さあ大変だ、両方上げようといって資本増強すればいいかといえば、資本増強すれば自己資本比率は上がるけれどもROEは恐らく下がってしまうでしょうね、こういう状況の中で効率の悪い貸し出しを無理にしていったら。 そこで、唯一の対策が貸し渋りなんだと思うのですね。不良債権を早期処理した後に自己資本比率とROEを両方上げようと思ったら、融資先を全部点検して効率の悪い融資を切っていく、そうすれば上がってくる、そういう大きな背景があって貸し渋りが起きているわけです。 したがって、貸し渋り対策として開銀さんあるいは北東公庫さんにこの法律に基づいてやってくるお客様というのは、民間の金融機関の目から見ると、融資構造をリストラするときにはねられた連中が来るわけですよ。もちろん、その中には本来ちゃんとした企業なのに中小あるいは中堅であるためにはねられているというお気の毒なところもあるかと思いますが、しかし、そうではなくて、民間の基準でいったら、この際融資構造をリストラするのだったらあの企業に対する融資は外したいと、そういうところが困って来るわけですから、大変これも難しい仕事をしょい込むわけですね。 そういう状況の中で、今までやったことのない長期運転資金に貸そうとかいうような話が出てくる。それから、それ以外にもたくさんございますね。収益還元法を使って動産だの債権だの知的所有権みたいなものを担保に金を貸すんだという、何か非常に難しいことを言っておられます。 それから保証枠、保証の比率ですね。今八〇%が保証限度額比率。これを弾力化するとか、数々のことを言っておられるわけですが、これはいずれも貸し渋り対策としては好ましいです。大いに研究していただきたいと思います。だけれども、大変難しい話だと思います。 したがって、非不動産担保の活用、融資比率弾力化、保証限度額比率の弾力化、それから保証金や非設備資金の返済資金を金融環境変化対策に入れる、この辺の一連のことについて、両総裁、どういうふうにして不良債権化を防ぎながらこういうことをやるのか、もしお答えがあったらお伺いをしたいと思います。
○村井委員長 小粥総裁、短くお願いします。
○小粥説明員 大変難しい御質問でございますし、今鈴木委員がお挙げになりました数点は、私ども非常に苦しみながら、しかし、現在の緊急要請に対応するためには、我々として考えられるあらゆる方策をとらなければいけないということで考え出したものでございます。 しかし、いずれの場合でも、何遍もおっしゃっていただきましたように、非常に厳しい道であることは承知でございますけれども、審査をきちんとさせていただいて、償還確実性の原則を守りながら、しかし踏み込んで時にはリスクもとっていく、そういうことで現在行内を督励をしているところでございますので、私どものその真剣な対応をぜひひとつ御賢察いただきたいと思います。
○濱本説明員 要するに、我々の立場を案じての御指摘ということがよくわかります。 一言で申しますれば、先ほども御答弁申し上げたとおりでございますけれども、慎重に、しかし意欲を持って取り組みたいと存じます。
○鈴木(淑)委員 時間でございますので、これで質問を終わりますが、ただいま確認した二点、いずれも開銀あるいは北東公庫さんにとって難しいことは承知の上でこういう法律をつくってお願いしているんだという、その確認をさせていただいた。 ただいまのお話にありましたように、私どもとしても、この法律をつくった責任を果たす意味で、両金融機関を大いに支援して、応援していきたいと思っておりますので、ぜひともこの使命を完遂するために頑張っていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
○村井委員長 佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 最初に、大蔵大臣にお聞きします。 政府の緊急経済対策の一つの柱として、中堅企業対策が強調されております。中小企業でもなければ大企業でもない、中堅企業向けの対策が今なぜ特に必要なのか、政府の考え方を簡潔にもう一度説明してください。
○宮澤国務大臣 大企業が我が国の国民生活に大きな寄与をしていることは申し上げるまでもありませんが、ただ、こういうことになりますと、中小企業については、大変に皆さんが関心を持ってくださいまして、いろいろなことをおっしゃっていただきますし、また施策もいろいろにできておりますが、中堅というところがちょっとその間で抜けておりまして、一種のエアポケットになることが多うございました。そういう意味で、特に注目をいたしておるわけであります。
○佐々木(陸)委員 先ほどから、中堅企業も銀行の貸し渋りを受けて苦しんでおる、それに対する対応が必要だという説明がありました。 我々の立場は、貸し渋りをしている銀行自身がけしからぬというのが基本ではありますが、しかし、銀行の横暴や身勝手のもとで中小企業に手厚い対策をとること、さらには、大企業のような力のない中堅企業にしかるべき対策を講じることの必要性という点では認識を共通にするものであります。 以下、この前提で質問をしたいと思います。 最初に、提案者に御質問をしたいと思いますが、今度の法案で新設される長期運転資金の貸し付け等について、中堅企業対策という点が法案の中でどういうふうに担保されているのか。条文に中堅企業に限定する規定があるのかないのか、端的にお答えを願いたいと思います。
○大野(功)議員 端的に、法文上中堅企業に対する貸し渋り対策が担保されているかどうかという御質問に対しては、それは明白には書いてないということを申し上げたいと思います。 ただし、事実をもってお答えしたい。それは何かといいますと、例えば開銀でございます。顧客三千社のうち、中堅というのは資本金が一億から十億まで、中小というのは一億円未満でございますが、中小と中堅合わせまして千八百件でございます。パーセンテージでいいますと、六〇%近いところに貸しているわけでございます。北東公庫で申し上げますと、千百の顧客の中で実に八百八十社が中小並びに中堅でございます。 こういうような数字を見ていただき、かつ、今回運用面で実施をいたします代理貸しにつきましては、御存じのとおり、資本金が一億から十億円の中堅企業を中心に、代理貸しは十億円以上はいたさない、こういう方針で今開銀等が準備中であると聞いておりますけれども、そういうことを考えれば、この中堅のところがますます膨れ上がってくる、中小のところがますます膨れ上がってくる、これは事実として言えることではないでしょうか。 また、もう一つ申し上げたいのは、金融統計によりますと、中堅企業の貸付額は、現在四十七兆円ございますが、全体として減っております。マイナスの〇・二%、これは九月末の統計でございます。ところが、大企業につきましては、現在九十六兆円ございますが、ここは全体として三%ふえておる。そういうことを見ますと、どうしても中堅企業のところに需要がたくさんある。 この事実をもってお答えするし、かつ、法の精神はあくまでも中堅企業を中心とする対策でございますから、もし実際の開発銀行の体制がそのような法律の精神にのっとって運営をしないこととなれば、我々はそれは問題にしなければならないことだと思っております。
○佐々木(陸)委員 いずれにしても、しかし、中堅企業に限定するという条文はないわけであります。先ほども答弁がありましたように、大企業にも適用できるものであります。 適用対象に大企業が含まれることによって、中堅企業への必要な円滑な資金供給が阻害されるおそれはないのかという問題は、当然生じてくると私は考えます。今提案者からはそういう心配はないだろうという発言がありましたが、新聞報道によりますと、例えば日産自動車の社長は、「開銀からの融資は具体的に決まってはいないが、(資金調達の)チャンスをつくっていただけるというのは非常にありがたい」と言っております。 こういうように、大企業がチャンスだ、貸してくれと言って求めてきたら拒むことはできないのではないかと思いますが、開銀の総裁、いかがでしょうか。
○小粥説明員 今回の信用収縮対策が中堅企業中心であるということは、ただいま提案者の大野先生がおっしゃられたとおりでございますし、私どももそのようにわきまえております。 ただ、大企業が明示的に除かれているわけではないということも御指摘のとおりでございまして、私どもも、ただいま具体的にお話がございましたけれども、大企業からこの貸し渋り融資についてのお問い合わせ等も現場ではあり得ると考えております。私どもは、あくまで今回の対策の趣旨にのっとって対応していきたい。 ただし、一言だけつけ加えますと、例えば大企業におきまして、その下請を初めとして極めて多数の取引企業がその大企業との取引で事業を行っているという現実がございます。したがいまして、例えばある大企業に貸し渋り対策の要件に合致する融資が政府関係金融機関から行われた場合に、その融資が大企業を通じて多数の取引先、中堅ないし中小企業の資金を円滑にし得る、そういう場合も当然あるわけでございまして、その辺のところは、私ども、政策効果として十分認識をしなければいけないと考えております。
○佐々木(陸)委員 大企業がうまくいけば、それがすぐに中小企業がうまくいくことにつながっていくのだというようなことは、最近の経済の実態にも余り証明されていない問題であります。 日産だけではありません。新聞報道では、大企業が次々と名乗りを上げそうな雰囲気であります。十一月十七日付の朝日あるいは日経金融によりますと、NKKとか神戸製鋼所とか沖電気工業、あるいは西友とかダイエー、いろいろなところが名乗りを上げたい。 使える資金は限定されているわけでありまして、さっき定量的には決まっていないとおっしゃいましたが、申し入れてきた大企業にどんどんこうして断れずに使っていけば、肝心の中堅企業を助ける分が減ってしまうということは、総裁、ありませんか。その心配はありませんか。
○小粥説明員 先ほどお答えしましたように、私どもは、あくまで今回の信用収縮対策の趣旨にのっとって可能な限り対応してまいりたい。その結果として、貸し渋りに直面をしている中堅企業をできるだけその趣旨にのっとって対応させていただきたい、こういうふうに考えております。
○佐々木(陸)委員 当然そう努力していただきたいと思います。 総裁が先ほど言われましたように、大企業の要請を拒否することはできないわけでありますから、そういう法律にはなっていないわけでありますから、これは重大な欠陥でもあり、私たちは懸念を表明せざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。 それからもう一つの改正点、社債の償還資金を開銀が貸し付けたりできるという制度が創設されているのであります。 大蔵省に具体的に聞きますが、今年度末までに償還すべき中小企業、中堅企業の社債はどのくらいありますか。また同様に、大企業の社債はどのくらいありますか。件数と金額。
○溝口政府委員 御質問のデータを示す統計は正確にはございません。したがいまして、代替の指標を使うわけでございますが、中堅企業の場合は私募債という形をとったりすることが多いわけでございまして、私募債をとりますと、今年十二月から来年三月末までの社債償還額が全体で三・九兆円でございますが、私募債は約三千億、これは民間の調査機関でございますけれども、そういうデータがございます。(佐々木(陸)委員「大企業」と呼ぶ)先ほど申し上げましたように、企業の規模別のデータが、私ども探してみたのでございますけれども、現在のところございませんものですから、私募債が一つの指標になるわけでございまして、その数字を申し上げたわけでございまして、大企業の分が幾らかというのはちょっと把握をしていないわけでございます。
○佐々木(陸)委員 大企業はわからないということですが、それでは、普通債とCB、WBで、ことしから今年度末に償還期限を迎えるものは金額としてどのくらいありますか。それが大企業ではありませんか。
○溝口政府委員 来年の三月末までの社債の種類別の償還額の見通しでございますが、全体で四・五兆円で、うち国内債の普通社債が九千億円、CB、ワラントが二・七兆円、それから私募債が三千億円、国外債が七千億円という、民間のデータに基づく、これは一部開銀の推計が入っておりますけれども、そういう数字がございます。
○佐々木(陸)委員 もちろん大まかな数でありますけれども、しかし、金額的に言いますと、今年度末、来年の三月三十一日までに償還期限を迎える社債は、大企業が四兆円を上回る程度、そして中堅企業の私募債は〇・三兆円程度、大まかな数字ですけれどもそういうことになるわけであります。 ですから、この問題でも、中堅企業だけにやってやるという規定があるわけじゃありませんから、大企業からそれを要請されれば貸し付け等々に応じざるを得ないはずでありまして、そうなってきますと、もちろんこれが中堅企業対策にならないということを私は言うつもりはありませんけれども、金額的に言ったら、圧倒的に大企業対策になってしまう可能性があるんじゃありませんか。提案者に伺いたいと思います。
○井奥議員 先生のお尋ねでありますけれども、小粥総裁からのお話もありましたけれども、あくまでも本改正法案は中堅企業を基軸にしておりますから、それにのっとって、大企業からの要請があればそれはそれとして受け入れなければならないと思いますけれども、あくまでもこれは中堅企業を対象にしているということについては、私は、今回はこの改正法案の趣旨というものを重んじていきたい、そのように思っております。
○佐々木(陸)委員 しかし、それは法律上には条文はないわけです。大企業から要請された場合に断れないわけです。しかも、今実態を聞けば、四兆円何がしの償還期限を迎えるものがある中で、中堅企業のものは〇・三兆円という実態なんですから、これは全体として大企業対策ということにならざるを得ないんじゃないかと率直に申し上げたいと思います。 そういう大企業の転換社債などをいろいろ調べてみましたけれども、来年の三月三十一日に期限を迎えるものとすれば、例えば大林組の十四億円とかフジタの二百九十二億円とか西松建設の百億円とか、この三社だけでも四百六億円。そして、二〇〇一年三月三十一日までということを加えれば、この三社だけでも九百二十八億円というようなものが、これは端的な例ですけれどもあるわけです。 これらは、先ほど提案者からも説明がありましたように、あのバブル期の一九八〇年代後半に発行された、そしてそれが収拾つかなくなっているものが実態でありまして、そういう大企業の転換社債などの償還資金の面倒を見てやるというのは、要するにバブルの後始末にならざるを得ない。既に銀行に六十兆円の支援が進められているわけですが、その上、その銀行の貸し渋りの対策として、銀行の肩がわりをするような形で、中堅企業のためといいながら、中堅企業にもやりますけれども、その資金を主として大企業のために使うということになってしまったら、これは大変じゃないかと私は率直に言わざるを得ないと思います。 大蔵大臣に一般論としてお聞きしたいと思うのですが、私たちは、政府系金融機関としての開銀を中堅企業のために使うという方向そのものには賛成なのですが、その方向をもっとはっきりと進めるべきじゃないかと思うのです。開銀の改組も含めた今後のあり方について、大蔵大臣、どういう認識をお持ちでしょうか。
○宮澤国務大臣 提案者からもお話がございましたし、総裁も先ほど何度もおっしゃいました。そのように運営をしていきたいと思います。
○佐々木(陸)委員 我々は、開銀について、業務の重点をもっと改めて、中小企業や地域経済の振興、国民生活や環境などの分野への公的融資にもっと使っていくようにしなきゃいけないという見地を持っています。 この法案は、開銀が中堅企業向け融資を拡充するという側面を持っていることは私たち否定しませんが、同時に新たな大企業支援策となる重大な内容を持っておりまして、全体として、政府系金融機関としての開発銀行の大企業向けの役割を拡大するものとなっている、そういう点でこの法案には賛成できないということを申し上げまして、質問を終わります。
○村井委員長 続いて、中川智子君。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。 民間金融機関のいわゆる貸し渋り等による大幅な信用収縮が懸念されているところでありますが、こうした中で、従来から議論されてきた中小企業に加えて、中堅企業等に対する信用の供与を確保するために、開銀等の融資や保証の制度を拡充、さらに活用することが求められています。本法案もそうした趣旨を踏まえての御提案だと考えております。 そこで、提案者に質問いたしますので、提案者、しっかり答えてください。 まず第一に、今回の法改正による貸し渋り対策は民間金融機関の不良債権のつけかえにすぎないのではないか、また、開銀等が融資した資金が結局は民間金融機関の資金回収に回されるのではないかという懸念を強く持っているのですけれども、そこらあたりはいかがでしょう。
○濱田(健)議員 今回の法改正に伴う対策は、いわゆる貸し渋りにより資金調達に困難を来している民間企業が事業活動を行うために必要な政策的な支援をすることが目的であります。民間金融機関を救済するためのものではございません。 こうした趣旨を踏まえて、不良債権のつけかえはあってはならないことと考えております。また、開銀等が融資した資金が専ら民間銀行の資金回収に充当されることのないよう、御心配の点については、監督官庁においてきちんとしたチェックを行うべきと考えているところでございます。
○中川(智)委員 今チェックをきっちりするというふうにおっしゃいましたが、そのチェックする機関に対しての具体的なものというのは、今おありでしょうか。
○濱田(健)議員 金融監督庁を含めて、今の金融への厳しい世間の目というものに対しては、総合的なチェック体制というものを政府も強化をされているところでございますので、そこのところはやはり世間の目というものをきちっと気にすることがこれからの金融機関の信頼性を取り戻す大きなポイントですので、これは政治の場でも私たちがあわせてチェックをしていくということも含めて考えなければならないと思っております。
○中川(智)委員 わらをもすがる思いで、今のこの不況の中で期待しているところでございますので、しっかりとやっていただきたいと思います。 次に移ります。 昨年の行政改革の議論のときに、社民党、社会民主党は、金融ビッグバンや不良債権問題の深化によって金融の市場化、すなわち収益重視の体質が一段と強まりかねないのではないかということを危惧いたしまして、市場の失敗を補完していくためにも、政策金融の果たすべき役割は重大であるということを強調したところであります。 こうした立場を踏まえてお尋ねしたいのですが、現下の厳しい経済情勢の中で、開銀等政策金融の必要性や役割をどのように認識していらっしゃいますか。それともう一つ、その中で、開銀等による今回の貸し渋り対策というのはどのように位置づけられているか、そこを伺いたいと思います。
○濱田(健)議員 現下の厳しい経済状況の中にあっては、民間企業の事業活動を支援することは喫緊の政策課題であるというふうに思いますし、経済社会政策への寄与を目的とする政策金融機関は、当然その役割を十分に果たすべきであり、その必要性は大きいというふうに思っております。 特に、今回の貸し渋り対策は、民間金融機関側の事情による信用収縮がその中心的な要因でございます。民間の金融の補完、協調の観点からも、その対策に政策金融機関が乗り出すことは行革の考え方と相反するものではないというふうに思っておりますし、政策金融機関が必要とされる意義やその役割をこのような機会に十分に発揮すべきというふうに思っております。
○中川(智)委員 それでは、開銀及び北海道東北開発公庫は、昨年の九月の閣議決定で、次期通常国会に提出される法律によりまして、廃止の上統合、新たに新銀行としてスタートすることになっておりますね。 新銀行においても、政策金融機関として社会経済情勢の変化に素早く対応できるように機能が備えられることになると思いますけれども、今回の法改正によって追加される業務と、また新たに設立される新銀行の業務との関係はどのようになっているかということをお教え願いたいと思います。
○濱田(健)議員 来年の通常国会での法改正により設立されることとなっております新銀行においても、今回の貸し渋り状況への対応に見られるようなさまざまなニーズに適切にこたえるための業務機能をそれ相当に備える必要があるというふうに思っております。 今回の法改正によって追加された貸し渋り対策については、必要に応じて新銀行が引き継ぎ、現在の開銀等と同様に、中堅企業等への貸し渋り対策に積極的に取り組んでいく必要があるというふうに思っているところでございます。
○中川(智)委員 健全な財務内容をきっちり保って、将来的にも国民による負担を生じさせないということを担保するためにも、開銀等が有する審査機能というのをきっちりと活用すべきではないかと思いますが、その審査機能というところが活用されるかどうかというのが懸念としてありますが、そこの部分はいかがでしょうか。
○濱田(健)議員 御案内のとおりに、個別の案件についてきちんと審査をするというのは当然のことでございます。償還の確実性が定められている現行の開銀法にのっとって融資を行う必要があると思います。これによって、開銀等によっても不良債権のつけかえが行われないよう十分にチェックを行う必要があるというふうに思います。このところは非常に重大なチェックポイントだというふうに思っております。 また、開銀等の健全な財務内容を維持するために、自己資本の一層の充実を図る必要もあるのではないかというふうに提案者としては思っております。
○中川(智)委員 先ほどの佐々木委員の質問を聞いていてなるほどと思ったのですが、やはり中堅企業を救うということで、大企業の方に関しては、きっちりとすみ分けをして、よろしくお願いいたします。 以上で終わります。ありがとうございました。
○村井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○村井委員長 この際、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。大蔵大臣宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 大野功統君他四名提出の日本開発銀行法等の一部を改正する法律案につきましては、政府としては異議ございません。 ―――――――――――――
○村井委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 日本開発銀行法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○村井委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、井奥貞雄君外四名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。上田清司君。
○上田(清)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し趣旨の説明といたします。 日本開発銀行法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。 一 日本開発銀行、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の融資等に当たっては、償還確実性の原則の趣旨を踏まえ、これらの政府系金融機関の健全性の保持に配慮すること。 一 日本開発銀行等においては、資金量の拡大に伴い、安易な融資を行うことのないよう、融資審査について十分な体制整備を図り、適切な信用リスクの把握に努めること。 一 日本開発銀行等においては、明確な融資選定基準を事前に作成すること。特に、融資の際、事業収益の回復が見込まれない企業に対する運転資金を対象除外とする。なお、日本開発銀行等からいわゆる代理貸しを委託される民間金融機関においても、この融資選定基準を遵守すること。 一 日本開発銀行等においては、本法施行の時より、不良債権比率等の状況について、半期毎を目途にこれを主務大臣に報告・公表に努めること。 一 日本開発銀行等によって融資される資金が、民間金融機関の資金回収に充てられる事態を回避すること。また、運転資金融資及び返済資金融資の実施に当たっては、民間金融機関との協調体制を維持すること。 以上であります。 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願いいたします。(拍手)
○村井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○村井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえ、配慮してまいります。 ―――――――――――――
○村井委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○村井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 金融に関する件調査のため、来る十一日金曜日、日本銀行役職員の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村井委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次回は、来る十一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十一分散会 ――――◇―――――