安全保障委員会 第3号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/12/18
会議録
○塩田委員長 これより会議を開きます。 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 この際、外務大臣から、イラク情勢に関する報告について発言を求められておりますので、これを許します。高村外務大臣。
○高村国務大臣 御承知のとおり、日本時間で昨日午前七時前及びその後断続的に、米国及び英国の合同軍がイラク国内の軍事目標に対する爆撃を実施いたしました。 本件につきましては、既に昨日、内閣総理大臣コメントにおいて我が国政府の立場を明らかにしておりますが、イラクのUNSCOM、大量破壊兵器の廃棄に関する特別委員会への協力再開は不十分であると言わざるを得ません。イラクの対応は、九一年の湾岸危機の際の停戦条件を定めた国連安保理決議六八七を含む一連の関連安保理決議及び本年二月にアナン国連事務総長とイラク政府との間で合意された了解覚書に対する重大な違反であります。 これまで国連安保理及び関係各国は、イラク政府がUNSCOM及び国際原子力機関、IAEAに対し完全かつ無条件に協力し、関連安保理決議を完全に履行するよう最大限の外交努力を行ってまいりました。我が国も、イラク政府に対し申し入れを繰り返し行うとともに、安保理での対応を含め、関係国と協力しつつイラク側の対応是正を求めるべく努力してまいりました。しかし、まことに遺憾ながら、UNSCOMに対するイラクの協力が得られず、このような事態に立ち至ることとなりました。 我が国としては、このような経緯にかんがみ、今回の米国及び英国による行動を支持するものであります。我が国の立場は、日本時間の昨日開催された安保理公式会合の場でも表明いたしました。 なお、米国及び英国による行動に先立ち、我が国は、日本時間の昨日午前六時過ぎ、米国のスローコム国防次官より斉藤駐米大使が連絡を受けました。また、昨日午前、フォーリー米国大使より私に対して、クリントン米大統領の小渕総理に対するメッセージを携えて今回の行動に関する説明がありました。米国及び英国よりは種々の説明や情報提供を受けており、今回の爆撃につきましては、その対象は軍事関連施設と承知をしております。 また、イラクに滞在している邦人の方々の安否状況でありますが、昨日夜の時点で十一名の邦人が滞在していることが判明しており、在外公館等を通じて安否照会に努めた結果、全員の安全が確認されております。邦人保護に関しましては、外務省として引き続き万全を期すつもりであります。 今回の米国及び英国の行動に際し、我が国は、イラク政府が関連安保理決議上の義務を即時かつ無条件に受け入れることを強く求めます。そして、これにより国際社会との関係が正常化され、国際の平和と安全が一日も早く達成されることを改めて強く希望いたします。また、あわせて、イラク国民の窮状が速やかに是正されることを強く希望いたします。 今後とも、本委員会の皆様に対しては随時本件に関する情報提供や状況説明を行うことといたしたく、皆様の御理解と御協力をお願いいたします。 —————————————
○塩田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浅野勝人君。
○浅野委員 イラク情勢に入る前に防衛庁長官に伺っておきます。 韓国の国防合同参謀本部の発表によりますと、釜山の沖合で北朝鮮の半潜水艇と交戦して、けさ五時五十七分に撃沈したということですが、続報はありますか。
○佐藤説明員 先生今お話しございましたように、韓国軍が昨夜十一時十五分ごろ、釜山の巨済島沖合で北朝鮮の半潜水艇と推定される船舶を発見いたしまして、五時間余り追跡した後、巨済島沖合周辺で銃撃戦の結果この北朝鮮船舶は撃沈された模様、こういうふうに承知しております。 現在、事実関係につきましてさらに確認中でございます。
○浅野委員 実は、当安保委員会は、十一月の十六日、対馬に委員派遣をして対馬海峡の監視所を視察してまいりました。対馬は福岡から百六十キロ、釜山へ五十キロの地点ですから、目と鼻の先で起きたということになります。 その監視所の望遠鏡ですが、赤外線などを利用した夜間暗視装置、夜も見える装置が備わっていないため、せっかく二十四時間体制でやっておられても、夜はほとんど役に立ちません。それを懸念していたやさきの出来事なんですね。予算措置を含め早急に改善する必要のあるところがたくさんあるんじゃないんですか。
○佐藤説明員 対馬地域につきましては、現在、上対馬、それから下対馬、それから壱岐、それぞれの警備所につきましてその監視体制を整備しているわけでございますが、今先生おっしゃいましたように、下対馬それから壱岐の警備所につきましては赤外線暗視装置つきで対応してございますが、上対馬につきましてはそこまで整備が至っておりませんでした。 私どもも、ぜひこの上対馬の警備所にも赤外線の暗視装置を設置する方向で検討しているわけでございますが、現在、部内で、赤外線暗視装置も含めまして、この地域全体の監視情報システムの改善を計画しているところでございました。そういうものも踏まえて改善型の赤外線暗視装置を事業化したい、こういうふうに思っているやさきでございましたけれども、今回こういう事態もございますので、早急に検討をさせていただきたいと思います。
○浅野委員 イラク情勢に移ります。 ただいまの外務大臣の報告によりますと、アメリカ政府から事前の通告はあったそうですが、その際、攻撃目標などの空爆の態様や理由について詳しい説明はございましたでしょうか。
○高村国務大臣 この内報自体ではそれほど詳しい説明があったというわけではないと思いますが、イラクの大量破壊兵器開発を防ぐため軍事関連施設に対して相当規模の攻撃を行う、こういう説明があったわけであります。
○浅野委員 政府がアメリカ、イギリスの武力行使を支持する方針を決めたのはきのうの午前九時十五分ごろと聞いておりますが、間違いありませんか。
○高村国務大臣 正確な時間はちょっとわかりませんが、八時四十五分から野中官房長官のもとで話し合って、そして、その後野中官房長官が小渕総理と連絡をとり合って、そして決定したものであります。今おっしゃった時間とそれほど差はない、こう思っています。
○浅野委員 具体的な情報が比較的薄い段階で、空爆の態様もよくわからない、そういう状況の中で早々と支持を表明したのは軽率ではないかという指摘がありますが、いかがですか。
○高村国務大臣 UNSCOMによる査察の受け入れということは、イラクのクウェート侵攻により引き起こされた湾岸戦争の停戦の条件として国連安保理決議によってイラクに義務づけられて、イラク自身が受け入れたものであります。 しかるにイラクは、昨年六月ごろよりUNSCOMの査察に対する協力拒否や妨害を再三繰り返しているわけであります。そのたびに国連が中心になって、国際社会がイラクに無条件かつ完全な査察への協力を再開するよう繰り返し働きかけてきたわけであります。米国も外交努力による解決を望みつつも、それが不可能な場合にはあらゆる選択肢をとる可能性が排除されないと繰り返し警告を重ねてきたことであります。 以上の次第にもかかわらず、今回再びイラクが査察への協力を拒否したことはまことに遺憾なことでありまして、米英による武力行使に至ったのはやむを得ないと考えております。したがって、我が国の支持表明が軽率であるとの御指摘は当たらないと思います。
○浅野委員 ことし二月に緊張が高まった折に採択された安保理の一一五四にロシア、中国、フランスが反対したこともあって、それまでの一連の決議、六七八、六八七それから一一三七がオーソライズされていないのではないか、玉虫色だという見方もありまして、武力行使を正当化するには新たな安保理の決議が必要ではなかったかという指摘が一部にありますが、いかがですか。
○高村国務大臣 十五日のUNSCOMの報告書にもあるように、イラクのUNSCOMへの協力再開は不十分であると言わざるを得ないわけでありまして、イラクの対応は、九一年の湾岸危機の際の停戦条件を定めた安保理決議六八七を含む一連の関連安保理決議及び本年二月にアナン国連事務総長とイラク政府との間で合意された了解覚書に対する重大な違反を構成しているわけであります。 イラクについては、そもそも安保理決議六七八に基づいて、この地域における国際の平和及び安全を回復するためにあらゆる必要な手段をとることができるとされているわけでありまして、この決議を含む累次の関連安保理決議は現在においても有効であるわけであります。このような停戦の基礎が損なわれ、この地域における国際の平和及び安全が脅かされている状況のもとにおいては、イラクに対し武力行使を含む必要な措置をとることは、イラクに関するこれまでの安保理決議の内容からして、これに整合するものと認められ、その意味で新たに決議を採択する必要はない、こういうふうに考えております。
○浅野委員 ラマダン以降も爆撃が続いて、もう少し事態を見ないとわからないとは思いますけれども、長期の様相になった場合、目に見える形で日本政府が何らかの協力をするというようなお考えはございますか。
○高村国務大臣 現時点でまだ具体的な協力要請も来ておりませんし、もしそういうものがあればその時点で考慮することになると思います。
○浅野委員 防衛庁長官に伺います。 これまでに米軍からどんな情報の提供がありましたか。
○野呂田国務大臣 防衛庁、自衛隊は、日米安保体制のもと、平素より米軍や米国務省との間で広範かつ緊密な情報交換や意見交換を行ってきたところでございますが、今般のイラクに対する爆撃に関しても、さまざまなルートを通じて種々の情報が提供されているところであります。 しかしながら、米軍の軍事情勢に係る情報については、事柄の性質上、具体的に今お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○浅野委員 結構でございます。 例えば、在日米軍が在日米軍基地から直接イラクへ部隊を出動させる計画について、今の時点で打診があるかどうか、そのための補給の協力要請などはございませんか。
○野呂田国務大臣 湾岸地域には十一月中旬より、佐世保に前方展開している水陸両用艦艇、それから沖縄駐留の海兵隊部隊の一部が展開しているものと承知しておりますが、この展開に当たりまして日本政府に対して何らかの支援要請が行われたことはありません。
○浅野委員 横須賀をホームポート、母港にしているアメリカの空母キティホークは、今どこにいますか。
○野呂田国務大臣 キティホークは横須賀に所在しているものと承知しております。 なお、一般論として申し上げますと、米軍部隊の行動は米軍の運用に係る問題でありますので、今後の同艦の動向につきましては確たることを申し上げることは困難であります。
○浅野委員 軍事行動の機密というのはおっしゃるとおりであると存じますけれども、日米間のミリタリー・ミリタリーのさまざまな規則の中で正式の要請があった場合は、国会及び国民にいち早く知らせてもらいたい、また、そうする義務があるということを指摘させていただいておきます。 今回の空爆が北朝鮮への抑止のメッセージになることを期待しますが、けさの事態を見ても、それは悲観的に受けとめるしかないかなと存じます。北朝鮮の大浦洞から弾道ミサイル二号を発射する気配はありますか。
○野呂田国務大臣 防衛庁としましては、北朝鮮のミサイル発射等に関する動向につきまして、従来より強い関心を持って注目し、状況の把握に努めてきているところであります。 御指摘の北朝鮮のミサイル関連動向につきましても、種々の断片的な情報を有しております。例えば、その意図は不明でございますが、ミサイル関連の車両が出し入れされている例や、あるいはミサイル関連施設と思われるものが建設されている模様といった情報もあります。しかしながら、これらを総合的に勘案した結果、防衛庁としては、現時点において、北朝鮮が近々にさらなるミサイル発射を行うことを準備していると判断するには至っておりません。
○浅野委員 ありがとうございました。終わります。
○塩田委員長 次に、前原誠司君。
○前原委員 民主党を代表して質問をさせていただきます。 まず、我が党の今回の米英両国によるイラク空爆についての見解を幹事長談話として申し上げさせていただきます。 今回、イラクの査察受入れの外交努力が実ら ず、米英両国が武力行使に訴えざるを得なかっ たことは誠に残念であり、アナン国連事務総長 の「国連と世界にとって悲しい日になった」と の発言に強く共鳴する。 私たちは、大量破壊兵器を開発・使用するい かなる国に対しても断固たる姿勢を貫くという 立場から、イラクに査察への全面協力を履行さ せるには、武力行使しかなかったという米英両 国の判断について一定の理解を示す。しかし、 本件に関連して、国連での協議が行われている この時期がぎりぎりの判断であったかどうかに ついては、今後更に検証を要すると考える。 イラク国民の窮状を改善するためにも、イラ クが直ちに安保理決議を遵守し、査察を無条件 且つ全面的に受け入れるよう強く求める。 また、米英両国がいたずらに空爆拡大を図る のではなく、国連の場を通じて事態の早期打開 を図るよう求めたい。 日本政府は、イラクにとっても世界にとって も不幸なこの事態を打開すべく外交的努力を尽 くすべきである。 これが我々の党の考え方でございます。 それに基づきまして、幾つかの点についてまず質問をさせていただきたいと思います。 先ほど外務大臣が、バグダッド在住の邦人の確認をされたところ、十一名おられて、無事安全が確認をされたということでありますが、この方々に対する今後の措置、つまり、そこに残ってもらうのか、あるいは国外退去ということを外務省として指示をするのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 外務省としては、湾岸危機以来、イラクに対しては、海外危険情報危険度五、退避勧告をもう既に発出していたわけでありますし、十二月十七日付で退避勧告を改めて発出をいたしました。 そういう状況でありますが、御本人たちがそれぞれどう考えるかということもあるわけですが、そういう中で、今イラクに日本の大使館はありませんので、アンマンの大使館を通じていろいろ努力して、それで御本人たちが出るということであれば、できるだけのお手伝いをあらゆる手段でしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○前原委員 退避勧告が出されていたということでございますけれども、事情がまた一変をいたしました。実際に武力攻撃が行われたということでありますので、今おっしゃったアンマンの大使館を通じてでもその方々と連絡をとっていただいて、そういう御希望を持っている方々についてはできる限り外務省として、日本国政府として御協力をいただくようにお願いをしておきたいと思います。 それに関連してでございますけれども、湾岸戦争を思い出しますと、クウェートをイラクが侵略をして勃発をしたわけでありますけれども、その後、サウジでありますとかあるいはイスラエルに対してでありますとか、いわゆるスカッドミサイルを使っての攻撃というものがございました。今のところそういうニュースは私は耳にしておりませんけれども、昨日の時点でフセイン大統領は国民に対して、徹底抗戦をせよ、こういう指示を出したということでございまして、やられているのをそのまま見過ごしているということにはならないのではないかということも懸念されるわけであります。 今、外務省あるいは防衛庁の持っておられる情報で結構ですので、イスラエルあるいはクウェート、サウジなど近隣諸国へのイラクからの攻撃、また、そういった地域にはイラクよりもかなり多くの邦人の方々が在留をされていると思いますので、そういった方々に対するいわゆる警告、そういうものはどう考えておられるのか、外務大臣にお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 十一月以来、クウェートに対して、海外危険情報危険度一、注意喚起を発出していたところでありますが、十二月十七日付で、海外危険情報危険度三渡航延期勧告をクウェート、イスラエル及び西岸ガザ地区に、同危険度二観光旅行延期勧告をサウジアラビア(カフジ地区)、ジョルダンに、危険度一注意喚起をイラン、カタル、サウジアラビア(カフジ地区を除く全土)、それからシリア、トルコ、バハレーン、レバノンに発出したところであります。 現在まで、イラク側から反撃があったという情報には接しておりません。今後いかなる反撃があるか否かでありますが、現在の時点で、残念ながら予測するに足る情報には接していないということであります。
○前原委員 これについては予想はなかなか難しいかもしれません。我が国のことばかりあるいは邦人のことばかり考えるというのは、ある意味でエゴかもしれませんけれども、しかし、まず邦人の命というものをいかに扱うかということが在外公館の大きな仕事であると思いますし、また、在外公館に働いている方々の安全というものも確保していかなければいけませんので、その点について、事態が変わったわけでありますので、特段の配慮といいますか、さらに危険度を上げて注意を促すとか、そういうふうに外務省としてお取り組みをいただくおつもりがあるかどうか、もう一度お尋ねをしたいと思います。
○高村国務大臣 注意深く状況を見ながら、その危険度等についても見てまいりたいと思います。
○前原委員 これは事実関係だけお伺いをさせていただきますが、アメリカとイギリスの爆撃の標的とその被害状況はどのような状況になっているのか、日本政府として持っておられる範囲で結構でございますので、お教えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 米英軍は、イラク軍及び親衛隊の軍事拠点を重点的に爆撃していると承知しておりますが、これまでに十数名の死者、数十名の負傷者が出たという、必ずしも確認した情報ではありませんが、そういう情報があるわけであります。
○前原委員 イラクのテレビ報道ですので確たることはわかりませんが、町中が攻撃を受けている映像というのが映っていました。これは米英からの攻撃ではなくて、米英の航空機を撃つためにみずから撃ったものが落ちてきたのかもしれません。しかし、日本に対しては、いわゆる軍事施設のみを標的としているという通告があったのかなかったのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 軍事関連施設と言っておりました。純粋の軍事施設から少し広い意味かもしれません。
○前原委員 またそういう状況というものがわかれば、逐次国会等に報告をしていただきたいというふうに要望させていただきます。 次に、大方の見方としては、ラマダンに入ればこの空爆というものは一たん休憩に入るのではないかということでございますが、十二月の二十一日か二十日ですね、そこから後がどうなるのかという見通し、どういう見通しを外務省として持っておられるのか。また、前回の湾岸戦争というのが、ラマダン明けの直後の一月十七日だったと思いますけれども、行われたということを踏まえると、またその後に何らかの攻撃というものが引き続き行われるのかどうか。そこの見通しを外務大臣、お話しをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 余り確度の高い見通しというものは、私はちょっと、現時点で英米軍による爆撃が行われている中で、難しいのだろうと思います。例えば、コーエン国防長官が、イラクはラマダンに入ったら米英の爆撃がやむと思っているというような情報があるなどということを言っていたわけでありますが、それがどういうことを意味するのかよくわかりません。
○前原委員 きのうのきょうのことですので、今の程度でしかなかなかお答えできないのかもしれませんが、見通しについては、やはり外務省として、しっかり分析をしていただいて我々に示していただく、それによって日本の政府の支持表明が的確であったかどうかという判断にも私はつながってくると思いますので、そこを含めて、今すぐにはお答えが出ないようでありますので、ある程度の時期においては逐次また発表していただきたいと思います。 さて、ちょっと本質に入っていきたいと思うのでありますが、我々の党は、先ほど申し上げましたように、イラクの査察拒否というものは安保理決議に反するものであって、到底イラクの立場を擁護するものではありません。したがって、ある一定の武力行使というものに対する理解はしておりますけれども、しかし、それが果たして国際法的に見て妥当だったのか、あるいは国連という場の手続から見て妥当だったのか、あるいは今アメリカで弾劾の下院の決議が行われようとしている直前に行われたということに対して、アメリカ国内でもかなり懸念の声が大きい中で行われたということに極めて政治的な意図を感じざるを得ないというのは、これは多くの方々が考えておられることだと思うんですね。 そこで、七時に空爆ですから、その一時間前でしたか、斉藤大使にスローコム国防次官から電話があったのは。それから日本時間で九時十五分という時間に日本国政府がもう支持の表明をされたということは、相当短い、三時間前後で判断をされたということでありますけれども、まず、国際法的に見てこの手続というものは、アメリカ、イギリスが空爆を行うというものは妥当であったのかどうなのか、その点について、外務大臣、お答えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 先ほども浅野委員にお答えしたことと重複をいたしますが、十五日のUNSCOMの報告書にあるように、イラクのUNSCOMへの協力再開は不十分であると言わざるを得ず、イラクの対応は、九一年の湾岸危機の際の停戦条件を定めた安保理決議六八七を含む一連の関連安保理決議及び本年二月にアナン国連事務総長とイラク政府との間で合意された了解覚書に対する重大な違反を構成しているわけであります。イラクについては、そもそも安保理決議六七八に基づいて、この地域における国際の平和及び安全を回復するためにあらゆる必要な手段をとることができるとされているわけでありまして、この決議を含む累次の関連安保理決議は現在においても有効であります。でありますから、私は国際法的に問題がなかったと考えております。
○前原委員 要は、今外務大臣がおっしゃったのは、安保理決議の六七八の二番目、「同地域における国際の平和および安全を回復するために、あらゆる必要な手段を取る権限を与える。」こういうことでありますけれども、これは「加盟国に対し、」ということでありますが、これは単独でもいいのか、あるいは加盟国が話をしなきゃいけないのか。それは勝手に、加盟国だったらこの安保理決議に基づいていきなり、例えば安保理を開催せずに攻撃を行うというふうにとらえることができるのか、どっちですか。
○高村国務大臣 純粋に法的に言えば、それぞれの加盟国に判断が許されているということであります。
○前原委員 条約局長、今のでよろしいですか。
○東郷説明員 大臣の申し上げたとおりかと思います。
○前原委員 では、日本の解釈としては、安保理決議の六七八というものに「あらゆる必要な手段を取る権限を与える。」と書いてある、そして、それについては加盟国のおのおのがその決議に基づいて行うことができるという解釈のもとで、日本国政府としては、国際法上は問題ない、こういう判断を下したということですね。
○高村国務大臣 その後に六八七という停戦決議があるわけでありますが、その停戦決議が事実上基礎を失った段階において法的にはそういうことだと思います。
○前原委員 今、条約局長が前へ出てこられて、そのとおりですとおっしゃったんですから、その解釈についてはそうだということにいたしましても、しかし、まだやはり納得できないものがある。 きのう安保理が極めて紛糾をしておりましたし、アナン事務総長が、先ほど我が党のコメントにも引用させていただきましたけれども、国連と世界にとって悲しい日になった、こういうことをおっしゃっているということは——UNSCOMにしても、国連のUNというのが頭についているわけですから、これは国連の機関ですね。また、今まで、例えばことしの二月にしても、空爆かどうかというぎりぎりの判断のもとにおいて、それを回避するためにアナン事務総長がわざわざバグダッドに行かれて、そして合意履行に対しての話し合いをされてきたということから考えると、私は、今回のやり方というのはいささか国連軽視、今までの法的には問題ないということに仮にしたとしても、手続的には、多くの国々の理解を得るには到底難しい判断でなかったのではないか。 空爆という結論はあったかもしれない。あったかもしれないけれども、しかしながら、今までの手続あるいはあらゆる国連の場での努力というものを踏みにじって、その中で議論した国々に対して極めて不快感を持たせた、ひいては国連安保理というのは余り意味のないものじゃないかというふうに思わせたということで、私は、法的には問題なくても手続的には大きな問題があったのではないかというふうに思いますが、外務大臣、いかがですか。
○高村国務大臣 国連の努力を踏みにじったのはイラクでありサダム・フセイン大統領だ、こういうふうに思っております。まさにたび重なる警告にもかかわらず、たび重なる国連決議に違反をした、万やむを得ず踏み切った、こういうふうに思っておりますから、私たちは支持をしたところであります。
○前原委員 いや、その前提は、私も認識は一緒なんですよ。先ほど申し上げたように、イラクのフセイン大統領あるいはイラクの国自体が極めて不誠実な対応であった、そして停戦合意に反するいろいろなもめごとを起こしてきたという前提は全く一緒です。ですから、その上で私は申し上げている。 手続的に今まで国連の場で、アメリカもイギリスも入って、またアナン事務総長も汗を流して当地まで行かれてやってきたのに、それを踏みにじるから……。じゃ、米英が安保理に全く諮ることなく——安保理に諮ったってロシアや中国がどういう対応に出たかわかりません。P5のうちの一国でも反対すれば安保理の決議はまとまらないわけですから。そういうものはあったとしても、手続としては踏むべきじゃなかったか。それがなかったということが、私は、国連軽視というものをこれからつくり出す大きなきっかけになってしまうのじゃないか、そういうことを申し上げているんです。
○高村国務大臣 イラクがたび重なる国連決議の違反をしている、さらに外交努力を続けていればそれがなくなるというような見込みがまだまだあるというのであれば、日本も平和外交努力を第一にしている国でありますから、そうすべきだ、こう思いますけれども、今までの流れを見ていると、それが非常に困難である、そういう状況の中で、国連決議が無視され続けているのが果たして国連の権威のためにいいことなのかどうか。 逆に、そこで武力行使したのが国連の権威のためにいいことなのかどうかという委員のお考え方だと思いますけれども、無視され続けてきて、それを放置して、そのまま時が流れていくのが果たして国連の権威のためにいいことなのかという考え方もあるし、私たちはそういう考え方に立っている、こういうことであります。
○前原委員 私は、いたずらに時間をかけて平和外交努力をし続けるべきだと申し上げたのではありません。つまり、空爆というのは一つの手段としてあっていいのだろうと私は思っています。我が党の声明にもそう書かせてもらっています。 しかしながら、いわゆるUNSCOMという国連の機関で査察を行ってきた。また、それがうまくいかなかった。そしてまた、国連でことしにかけてずっと長年の努力がされてきた。にもかかわらず、要は国連の安保理での最終的な議論を経ずにアメリカとイギリスが、いわゆる努力をしてきた、汗をかいてきたほかの仲間の国々を無視して行ったことは手続的に問題じゃないかと申し上げているんです。だから、ずっと平和外交努力をし続けろなどということは言っていないですよ。そして、国連決議がまとまらなかったら、そのときはやむなしということで米英の空爆については支持をするということならすんなりくる、そこが足りなかったんじゃないかと申し上げているんです。
○高村国務大臣 それは委員と私たちの見方の差でありますが、今まで随分忍耐強く国連の場でみんなで努力してきたんだ、こういうふうに考えております。
○前原委員 ロシア、中国、またフランスなどの国々も含めて反対の意見もかなり出ているわけでありますし、何よりもアメリカの国内、議会の中で大統領の決定に対しては余り多くの支持が得られていないということも考えると、私は、この問題については、今おっしゃったことが適切であったかどうかということは、手続的には相当疑念が残ります。私は、そのことについてはしっかりと政府に対して、手続的にはやはり国連軽視だ、そして、そのことについて日本は盲従をしてしまった、こういうふうにとられても仕方がないということを私ははっきりこの場で申し上げておきたいと思います。 大臣が考え方が違うと言われるならそうでしょう。しかし、我々は、多くの国民の皆さん方も多分、日本の政府の対応というのは、やはりちょっと早く賛成し過ぎじゃないの、もっとある程度詰めて仕方なくやるんだったらまだしもという意見が多いということだけは申し上げたいと思います。 これについては平行線ですから、私はもう議論を差し控えたいと思います。 イラクの問題について、あと二つ。 先ほども浅野理事がお話をされましたけれども、在日米軍の動きは、このイラク問題を契機に新たな動きはないということで、防衛庁長官、よろしいんですね。
○野呂田国務大臣 そのとおりでございますが、少し付言しておきたいと思います。 政府としては、米軍の行動に関して、イラクにおける活動のいかんにかかわりませず、日ごろから湾岸地域において活動している部隊のローテーションのため従来より世界の他の諸地域から湾岸への航空機、要員等の一時的な移動が行われていることにつきましては、平素から種々の連絡を通じて承知しております。しかしながら、今般のイラク情勢に関連するものを含め、米軍の運用の一々についてその詳細を承知しているわけではありません。 また、今後の在日米軍等の行動については、第一義的には米国の問題であり、確たることを申し上げることは困難であります。
○前原委員 日本は支持を表明いたしましたけれども、事態がこれからどう展開していくかわかりませんが、日本へ何らかの協力が要請される可能性について、外務大臣、お答えをいただきたいと思います。
○高村国務大臣 少なくとも現時点では何ら要請をされていないという以上のことは、ちょっと申し上げにくいんですが。
○前原委員 これは、長期化をしてくれば、湾岸戦争のときのような要請が出てくると思いますので、そういう要請があった段階で、また速やかに国民、国会の前に示していただきたいと思います。 イラクの問題と関連して、北朝鮮の問題について、残りの時間を使って御質問をさせていただきたいと思います。 私は、党の代表団の一員といたしまして、十二月の頭にアメリカのワシントンに行かせていただきました。そのときに、国務省、国防総省、ホワイトハウス、それからいろいろなシンクタンクの専門家等との意見交換をしてまいりましたけれども、北朝鮮に対する見方が相当厳しくなっているという印象を受けてまいりました。 特に、今までは国務省のカートマンさんという大使が、今も北朝鮮と直接対話をされておりますけれども、国務省だけではらちが明かないんではないかという中で、前の国防長官のペリーさんが政策調整官に任命をされて、そして日本にも来られましたし、中国、韓国も訪問されて意見交換をされているということであります。 今の北朝鮮の情勢分析、けさ未明ですか、昨日の夜遅くと言っていいのかもしれませんが、起きたこと、あるいは今の北朝鮮の情勢を政府としてどのように考えておられるのか、あるいは、高村外務大臣はペリーさんに会われたと思いますけれども、北朝鮮問題についてどういうお話を交わされたのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○高村国務大臣 ペリー調整官としては、要するに、アメリカの政策を立てるために、日本、韓国あるいは中国、そういった北朝鮮の近くにある国の意見を聞きたい、そういうことでありました。 まさにアメリカという国は、例えば北朝鮮の核を初め大量破壊兵器を阻止するために、日本と違っていろいろな選択肢を持っている国でありますから、常にどういう選択をするかということを考えているんだろうと思いますが、日本は軍事オプションというのを、少なくとも日本自体としては持っていないわけでありますから、私から申し上げたことは、少なくとも第一義的には、今のKEDOの枠組みを大切にしていくべきだと。 そして、それと同時に、そうはいっても、テポドン二号の発射、それがまた日本列島を飛び越えるなどということになれば、幾らKEDOが大切だということが頭でわかっても、日本国民を説得するのはなかなか難しくなるという状況にあるので、そういったことはないように、日米韓、一緒に努力して、ないようにしていかなければいかぬしと。 そういうようなもろもろの話をいたしました。
○前原委員 今大臣のお話の中でもございましたけれども、我が国としては、また第二のテポドンのようなものが撃たれた場合にはKEDOへの拠出は難しい、協力は難しいということでありますし、またアメリカでもそういう意見というのは中心的なんですね。 大臣御承知だと思いますけれども、アメリカの中での法律が取り決めをされておりまして、三月一日と六月一日にKEDOに対する拠出日が決められている。三月一日が千五百万ドル、そして六月一日が二千万ドル、合わせて三千五百万ドルの拠出というものを議会が承認する。しかし、その前提として三つのことが必要だと。地下核施設、疑惑施設の査察、それからミサイルの拡散がなされていないかという確認、そしてそれ全体をカバーする政府からのレビュー、これはペリーさんがやるわけでありますけれども、これがないと議会としては出せない、こういうことであります。 地下核施設については、もしそういうものについて査察をして何もなかったじゃないかということになれば、北朝鮮としては三億ドルのいわゆる補償金、慰謝料をよこせと、こういう話で今米朝の間で議論が進んでいるということで、とてもじゃないけれどもそれは応じられないということはカートマンさんもおっしゃっていました。 私が懸念しているのは二つあります。 一つは、北朝鮮について、もし誠実な態度がとられないんであれば、アメリカはいわゆる武力の手段も含めての対応を検討せざるを得ないということを政府関係者を含めて方々の方から聞きました。これが私の申し上げたいポイントの一つです。 あとは、特に議会関係者の中で、KEDOへの拠出に当たっての問題でありますけれども、アメリカは北朝鮮にはちょっと甘いんじゃないか。イラクには厳しいけれども北朝鮮には甘い。つまり、同じ核の疑惑、ミサイルの疑惑を持っている国に対してのダブルスタンダードじゃないか、こういう批判というものがかなり議会の中で多く聞かれております。 となると、この交渉というものがどうなるかはわかりません。わかりませんけれども、うまくいかなかったときには、ひょっとすれば今回のイラクのような状況に北朝鮮もなるかもしれない。最悪の事態ですね。そうならないことを求めますし、そういう外交努力をしてもらわなきゃいけないというのはわかりますけれども、最悪のシナリオとして、我々としてはそういうことも想定をしていかなきゃいけないということだと思います。 そういう事態にならないようにどう努力をするのか、外務大臣にお伺いし、また、そうなったときに、では、ガイドラインの法整備もできていない中で日本としてはどういう対処をするのか、防衛庁長官、お二人に御答弁をいただきたいと思います。
○高村国務大臣 日本国民がKEDOの協力はもう嫌だという場合というのはどういう場合かと考えたら、それはまず第一に、テポドンがまた発射されるというような場合があり得るわけで、あるいは、KEDOの目的そのものが北朝鮮の核開発を阻止するためにあるのに、疑惑核施設の解明ができないなどということになれば、これはまさに理論的にもKEDOの意味がなくなってくるねという話にもなりかねないわけであります。それは、日本国民もそうでありますが、アメリカ国民としてもまさにそういうことを考えるでありましょう。 ですから、今一番我々、アメリカ政府もそうだと思いますが、日本政府とすれば、KEDOの枠組みを維持することによって核開発を阻止しよう、少なくともこれは第一選択肢ですから、アメリカ政府としても第一選択肢だと思いますが、それをするためには北朝鮮に建設的な対応をさせる以外にないわけでございます。北朝鮮に建設的な対応をさせるためには、まさに日米韓協力して、そしてそのことで厳しく対応していく。そうすれば必ず大丈夫だとかそういうことの保証のない国ではありますけれども、そういった努力を最大限にしていく、これに尽きるんだろうと思います。
○野呂田国務大臣 そういう事態にならないことを努力することが最大の問題だと思いますが、仮にそういう事態があるとすれば、やはり関係各省がそれぞれの職務を果たしていく必要があると思います。私どもとしては情報収集体制を一層強化していくとか、あるいは外務省はそういったものに対するいろいろな抗議、申し入れをするとか、あるいは官房においては必要があれば安保会議の開催とか、いろいろな措置があると思いますけれども、そういうことできちっと対応していくべきだと思っております。
○前原委員 防衛庁長官の答弁は全然わからないんですが、防衛局長か官房長、どっちか僕の質問に答えてください。
○佐藤説明員 基本は今防衛庁長官から答弁されたとおりでございます。 若干補足させていただきますと、まさにその状況がどうなのか、具体的な状況を踏まえませんと対応は出てこないと思いますけれども、その状況を踏まえて日本政府全体として一定の態度を決める。そういう中で、私ども防衛庁、自衛隊として対応する部分があれば、その点についてはその時点における法令の範囲内で私どもとしての最善を尽くすということにならざるを得ないと思います。
○前原委員 仮に予算案が一月から審議されて、そして三月ごろ、そこからいろいろな重要法案の審議になると、ガイドラインの法整備のできるのが四月とか五月とか、そういうことになりますね。最悪の場合、仮にそれ以前にそういう事態になってしまった場合、日本としてどういう協力の可能性があるんですか。防衛局長、お願いします。
○佐藤説明員 これは先生の方がお詳しいと思いますけれども、まさに現行の我々防衛庁、自衛隊に与えられている任務の範囲内で行動するわけでございますから、その中で現行の自衛隊法に従って行動をとるということになろうかと思います。そのためには、いろいろな状況がございますから、それに対応して行動をとるということになろうかと思います。どういうことができるかというのは、やはりその状況を踏まえて判断をしなければならないと思います。
○前原委員 時間がもうそろそろ参りますので、まとめさせていただきたいと思いますけれども、外務大臣については要望させていただきたいと思います。 一つは、この北朝鮮の問題は相当深刻であるという認識、持っておられると思いますが、僣越ながらこの間アメリカへ行かせていただいてそういう思いを強く持ちましたので、ぜひこの点については、極めて深刻な状況であるということは受けとめていただきたいというふうに思います。 その上で外交努力は、今、日朝間でのパイプというものがほとんどない状況で、大臣がおっしゃったように、KEDOの枠組みの中で日韓米を中心として対処するというのはおっしゃるとおりだろうというふうに思います。 しかしその中で、アメリカの中でもいろいろな意見があり、そしてまた、ペリーさんがなられたというのは、今までの国務省のやり方ではなかなか難しいんじゃないか、政府全体として、CIAや国防総省も含めて対処するためには、あるいは議会対策も含めて、ペリーさんに任せるしかないんじゃないかということで、ランクアップしたということは、アメリカもそれなりにこの問題についての深刻さ、緊迫さというものを考えて対処している。こういうことを踏まえて、日本としても軽々な判断をしないような努力をしていただきたい。 特に私は、KEDOの拠出について、この間ミサイル発射があって、そしてミサイル発射の後に、一旦凍結をすると言いながらすぐさまKEDOに対してまた拠出をするという表明を小渕さんがされました。私は、あれは外交的にいかがだったのかという気がしてなりません。アメリカの要請ということがありましたけれども、例えばアメリカの議会の中ではいわゆる公聴会というものが開かれて、いろいろな専門家が呼ばれたときに、日本の立場の方がよくわかる、私たちも日本の政府の人間なら凍結をするというようなことを言っている方々も多いわけですね。 ですから、もうちょっと日本の独自性というものを出してもらいたい。あるいは、日本の置かれた、日本がさらされた危機というものをやはりもっと考えて、もっと日本の主体性を出して、KEDOの枠組みでの日韓米というものの交渉を行っていただきたい。その点について私は強く要望させていただきたいと思いますし、余り軽々に、事態の推移というものをしっかり見きわめないままに簡単にお金を大量に出す——日本の拠出額については比率にも大分問題があると私は思っていますよ。きょうは時間がありませんので、これについてはまた改めて質問をします。 防衛庁長官については、外務省はそういう外交的な努力を行うということでありますけれども、危機管理体制、特に、近辺でけさもこういう、韓国に対して不審船が、潜水艦ですかが侵入して大きな問題が起きているということは、やはり対岸の火事ではない、つまり我々もいつそういう身にさらされるかわからないということを考えて、極めて気を引き締めて、周りの動向を見きわめていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高村国務大臣 日本政府は、KEDOへの協力を当面見合わせるといったその時点で、同時にKEDOの枠組みは壊さないと最初から言っていたわけでありまして、そして、そういう中で、この北朝鮮に対応するには日米韓の緊密な協力体制を絶対に崩すわけにはいかないということを主体的に判断して決めたものであります。
○前原委員 終わります。
○塩田委員長 次に、赤松正雄君。
○赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。私、主にイラク情勢を中心に、外務大臣を中心にお伺いをいたします。 私どもの党も、今日までに至るイラクの態度をもちろん是認するものではありませんし、また、日本がアメリカとの完全な形ではないにせよ軍事的な同盟関係にある、いわゆる日米安保条約というもとにある、その日米安保条約を堅持するという立場で、今回のイラクに対する英米の武力行使、空爆、こういったことに対する一連の日本の対応の仕方というものに大いに疑問を感じるという観点で、まず御質問をしたいと思います。 まず冒頭、外務大臣にお聞きしたいのですけれども、今回のこの空爆に対する日米政府の対応ですけれども、先ほど来、二人の委員が質問をされましたけれども、まず、私たち国民に対して最初に政府の考え方として伝わってきたのは総理のコメントであります。官房長官がそれを読まれるという形で発表されましたけれども、この総理コメントについて外務大臣はどういうかかわり方をされたのか、お聞きをしたいと思います。
○高村国務大臣 昨日八時四十五分に野中官房長官のもとに私を初め数人の関係者が集まって、そして、みんなの意見が支持すると、そして、このようなコメントを総理に出していただいたらどうだろうかということについてまで意見の一致を見て、そしてその場で野中官房長官が総理に電話をし、いろいろ話した結果、あのような総理コメントだか談話を出すことになったわけであります。
○赤松(正)委員 皆さん集まられて相談をされてああいうコメントを出されたということですが、実は、きのうの安全保障委員会の塩田委員長を中心とする理事懇談会の場に内閣総理大臣のコメントが出されておるわけですけれども、ここのペーパーの中に、上に「中近東第二課」と書いて入っているのですね、「平成十年十二月十七日 中近東第二課」。これは、中近東第二課が、先ほど大臣がおっしゃった、要するに総理コメントをつくるに当たっての素案を、いわゆるたたき台を、こんな感じでどうでしょうかと出されたのでしょうか。この私たちの手元に来るものに堂々と「中近東第二課」と、内閣総理大臣コメントの右上のところにこうやって書かれているというのはどうもよくわからない。これはどういう意味なのでしょうか。
○高村国務大臣 私もその経緯、つぶさに存じませんが、事務局として事務局がどこであったかということを示したものだと思いますが、私が今持っているのは、案というものにそういうことが書かれていますが、それは案が取れているものに書かれているのですか。(赤松(正)委員「案が取れております」と呼ぶ)そうですか。「中近東第二課」ということが書いてあるということは、それは事務局がそうであったということだと思います。それが適当であったかどうか、ちょっとまた考えてみます。
○赤松(正)委員 これは文字どおり、要するに中近東第二課の方がつくったんだということを想像するに十分な資料だと思うのですね。私は、これにそう長く時間をかけて触れるつもりはありませんけれども、極めて不用意ではないのかな。要するに、総理大臣が世界に向かって発表するペーパーにこういうものを残すべきではないというふうに思います。ということは、ここから先、私が先ほど来二人の委員とのやりとりを聞いていて強く感じたことと関係するわけです。 といいますのが、先ほど、前原委員の質問に対して外務大臣は、要するに、過去の経緯を踏まえれば、国際法から見て、法的に見て問題はない、むしろ国連の努力を踏みにじったのはサダム・フセインであるというふうなお話をされ、万やむを得なかったというお話をされましたよね。そういうふうな説明、今まで忍耐強くやってきたというふうなお話もありました。 私は、先ほど来のそのお話を聞いていて、この総理のペーパー、これに、大臣が先ほど二人の委員の質問に答えられた、そういうふうなことに対する答えの反映というものが全くない、万やむを得ないとかあるいはいろいろ忍耐強くやってきたということも全くない、際立ってこれは乾いたコメントだと思いますけれども、その辺のことについてはどう考えられますか。
○高村国務大臣 この文章の三の中の一番末に「誠に遺憾ながら、」という言葉があるのでおわかりのように、私たちが最初から武力行使ということを言ってきたわけではない。ここに立ち至っては、万やむを得ずとここに書くか、まことに遺憾ながらと書くか、それはちょっと書き方の相違なんだろう、私はそう理解しておりますが、こういうコメントの中ですべてを言い尽くせないからこそ、こういうところの委員会で質疑をして、私が補わせていただいているというふうに御理解いただければありがたいと思います。
○赤松(正)委員 このペーパーの中の二つ目、三つ目で、この四番目の結論「我が国としては、上記のような経緯に鑑み、今回のアメリカ及びイギリスによる行動を支持する。」という、この四番目の結論を持ってくるために二番目と三番目があるわけですけれども、私これを読ませていただいて、きょうの委員会冒頭の外務大臣の報告もほぼ同じなのですけれども、要するにこれは理由になっていない、なぜ支持をするという結論に至ったかという理由になっていないと思うのです。単なる経緯説明にすぎない、そんなふうに読まざるを得ません。 さっきも同僚の委員から話がありましたけれども、安保理での協議再開をなぜ待たなかったのか。きょうの朝、テレビのニュースを見ておりますと、アメリカのオルブライト国務長官が世界の支持を今集めつつあるという話をしているということが伝えられておりましたけれども、少なくとも安保理常任理事国の三カ国、まあ、中国、フランス等は立場は違うでしょうけれども、少なくとも日本とは違う表現をしている。また、それ以外の国でも、やはり今回のアメリカ、イギリスの対応についてはいろいろな批判がある。 そういう状況の中で、日本の、先ほど来大臣のお話を聞いておりますと、流れを見るとこれからのイラクの態度の変化というものを期待するのは非常に困難であるとか、非常に明確な形でおっしゃっておりましたけれども、私は、そういった結論を得るにはまだまだ国連における努力が足りなかったんではないかというふうに思わざるを得ないわけであります。 そういったことを踏まえまして、中近東諸国、イラク周辺の各国の今回の事態に対する反応というものをどういうふうに認識しておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○天江説明員 お答えを申し上げます。 中近東諸国、特に湾岸諸国は、今回の武力行使につきましては特段のコメントは出しておりません。
○赤松(正)委員 このあたり中近東がどういうふうにそのことを受け取っているのかということについては、なかなか複雑な、イラクとイランの関係でありますとか、サウジアラビアあるいはまたトルコ、さまざまな国の置かれる位置づけというものがあるので、そう簡単には出てこないと思いますけれども、やはり先ほど来の議論の中でもありますように、日本の今回の態度決定というものは非常に私は早過ぎた結論ではないかというふうに思います。 平和憲法を持つ、そして、国際の平和と安全の確保にどの国よりも熱心な強い関心を持っている日本というそのありようからして、日本の物の考え方のメッセージというものがこういった総理のコメントでは伝わってこないというふうに私は思います。さっき大臣は、こういうコメントにすべては盛り込めないというおっしゃり方をされて、だからこそこういう場は必要なんだとおっしゃいましたけれども、それは、この場はもちろん必要でありますけれども、この短いコメントの中にもそういった政府の、総理の物の考え方というものがきちっと入ってこないといけない、そんなふうに思います。 さっき、「誠に遺憾ながら、」とあるじゃないかとおっしゃいましたけれども、この「誠に遺憾ながら、」という表現は、私の読むところ、必ずしもこれはイラクに対する武力行使、空爆をしたということに対する表現とは思えないというふうな感じがしてなりません。非常にあいまいな、どうとでも受け取れる表現になってしまっているということを強く指摘をしておきたいと思います。 さっきも出ていましたけれども、アナン事務総長の、国連と世界にとって悲しい日だという発言がありました。こういう発言をせよとは言いませんけれども、これに近いような、もう少し陰影を持たせた政治家の判断、日本国の外交を預かられる立場の外務大臣あるいはその周辺の人々が一生懸命考えられた日本の対応、それを表明するペーパーとしては際立って私はできが悪いなという感じがいたしますけれども、例えばアナン事務総長の、国連と世界にとって悲しい日だというこの発言に対して、どう大臣は聞かれましたでしょうか。
○高村国務大臣 国連事務総長として、そして特にこの問題に直接かかわってきた方としてそういう気持ちを持たれるのはごくもっともなことだ、こういうふうに思っております。私としても、できればこんな武力行使ということにならないで、そして、イラクの方が国連決議を遵守することによって平和的に解決すればそんなによかったことはない、残念だというのは、その限りで同じ気持ちでございます。
○赤松(正)委員 今外務大臣はそうおっしゃいました。私がなぜこういうふうにこのペーパーにこだわるかといいますと、やはり三月二日のあの国連安保理採択の警告決議を日本が、当時小渕外務大臣ですけれども、イギリスと一緒に共同で提出をされた。その「いかなる違反もイラクにとって最も深刻な結果をもたらすであろうことを強調する。」というくだりが、あの三月二日以降日本の外務委員会でもたびたび取り上げられたり、本会議で取り上げられたり、話題になっておりましたけれども、そのときに、当時の小渕外務大臣の答弁もしっかり読ませていただきましたけれども、日本政府はこの決議それ自体で武力行使を容認するものではないというふうにしていたという受けとめ方が一般的であったと思うんです。 もちろん、それを重ねて民主党の議員あるいは私たちの仲間の議員が聞いた場合に、必ずしもその決議があるから武力行使をしない、する、そういったことに直結する言い回しではないんだというふうな答弁を当時の外務大臣、現総理大臣はされておりましたけれども、しかし、私たち一般国民の側に立つ方から見ますと、あの日本とイギリスが共同で出した警告決議のことについては、やはり日本外交の新しい方向性というものを感じさせるものであったと思うんです。 現に、日本を代表する中東問題の専門家の大学の教授が、日本外交の中で、いわゆる中東関係で初めて出た新しい方向性を感じるというふうな表現もして評価をしておりますし、あるいはまたロシアが、日本のこの警告決議を出したことに対して当時の時点で評価をしていたというふうなことを踏まえて、今回のコメントあるいは先ほど来の大臣の御発言を聞いておりますと、要するに、三月二日の時点の、英国と共同で提出したときの日本政府の、アメリカとかイギリスとは少し違うニュアンス、武力行使を容認するものではないんだというこのニュアンスというものが、私は、少なくとも今回の、こだわりますけれども、今回の新しい事態を迎えたときの、少なくともきょうの委員会を迎えるまでの間の政府の側から出てくるさまざまなメッセージには入っていない。つまり、こういう事態を招かざるを得なかったことに対する日本の立場、メッセージというものは全くなくて、単にアメリカ、イギリスの結論に盲目的に追従している印象しか受けないというのは非常に残念な気がするわけですけれども、今の点に関して外務大臣の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○高村国務大臣 委員のようなジャーナリスト経験を持った文章の専門家である方から見るとそういうふうに感じ、お考えになるのかもしれませんが、あの文章の中で私たちの立場をできるだけ簡潔に、紛れがないように示したつもりでございますが、ただ、全体としてそうならざるを得なかった残念さ、無念さみたいなものがそこににじみ出ていないということであれば、そういう批判は甘受しなければいけないのかなとも思います。
○赤松(正)委員 今の御発言はそれでまあいいんですけれども、その前半の部分、いわゆる三月二日の日英の共同で出したあの警告決議におけるところの日本のスタンスというのは、要するに私なんかの今言ったような受けとめ方は間違っているわけですか。要するに、武力行使に直結しない、武力行使を容認するものじゃないということを非常に膨らませて、そのこと自体、あれ以降今日までの流れの中で、武力行使に至らないために日本は独自の努力をするんだ、アメリカやイギリスとは違うんだというふうに受けとめた私たちが甘かったんでしょうか。
○高村国務大臣 その時点で、日本は英国と行動をともにしながらああいう決議案をつくるのに大変努力をして、そして、やはりイラクの側に建設的な努力をしていただく、建設的な努力というのは、安保理決議を遵守してもらう、こういうことをしてもらおう、そのために、もし守らなかった場合には重大な結果を招くこともあるということを強く打ち出すことが守ってもらう道だ、そう信じてこうやったわけで、そのこと自体で戦闘行為をするとかあるいは逆にこっちの道だとか、そのことだけでなるわけではないわけですが、全体としてこの決議はイラクに対して今後国連決議をきっちり遵守してほしいという強いメッセージを出したものだ、そして、イラク側がそういうことをしないということが、そういうことをしないというのは国連決議に違反するようなことをしないということがまさに平和的に物事が解決することになるんだ、そういう強いメッセージを出したものだと私は理解しております。 さらに総政局長から、補うということを言っていますので。
○加藤説明員 ただいまの外務大臣の答弁に本質は尽きていると思います。 三月二日の決議でございますけれども、これは、あの時点であの決議がなければ今日のような武力行使という事態もあり得た、緊迫した時点での決議でございます。その前に、アナン事務総長がみずからイラクとの間に了解覚書を締結いたしました。そして、我々としては、そういう緊迫した事態であったので、もう後がない、今度イラクが引き続いて義務違反というものを続けるのであれば一番厳しい結果がイラクに生ずるであろうということを警告する決議を行ったわけであります。逆に申し上げますと、こういう警告を行うことによってイラクに時間を与えて、いま一度真摯に国連決議上の義務を実施してほしい、そうでなければ大変なことになりますよ、こういうメッセージであったわけでございます。 したがいまして、その決議自体が、それをもって武力行使を容認するとか、あるいはこれをもって武力行使の引き金をとめるとかいう性質のものではない、イラクに対して厳しい状況であるということを、一回チャンスを与える内容の決議であったと御理解いただければと思います。
○赤松(正)委員 今の総合政策局長の答弁は、もう既に三月に同じ趣旨のことを繰り返されておるんで、ちょっと私の意図したこととは違う答弁でありますけれども。 先ほど来申し上げておりますことは、冒頭に申し上げましたように、要するに中近東第二課、事務方の皆さんが考えられたもの、もちろん総理大臣や外務大臣がいきなり原稿を書くということではないんでしょうけれども、やはりこういったところにこういうものが出てくるということに私は少し不安を感じます。外務省の当局のお方の傲慢性なんということは言いませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、日本外交のありようというもののいろいろなところに目配りした文案になっていない、やはり外務大臣や総理大臣が直接生の声をこういったところに反映させるべきだ、こんなふうに思うわけでございます。そういったことを強く主張いたしまして、私の質問は終わります。
○塩田委員長 次に、田端正広君。
○田端委員 私は、今の赤松同僚議員の後を受けて、残りの時間、お伺いしたいと思います。 ことしの二月にイラク危機が起こった際に、当時私、党の申し入れを当時の小渕外務大臣に行いました。そして、そのときに、日本としてできるだけ平和的な外交努力をすべきである、こういう我々の要望をいたしたわけでありますが、小渕総理は、それを踏まえて、たしかロシアにも赴かれたと思いますし、そういう努力をいろいろな形でされたという記憶をしております。そのことと同時に、国連におけるアナン事務総長を初めとした御努力によって、この二月の危機は一たんは回避されたんだ、こう思うわけであります。今回の米軍の攻撃というのは、そういう意味では私は非常に唐突な感じを受けるわけです。それに対して、特に日本が即支持ということを表明したこと、これもまた国民的には非常に理解しがたい、こういう率直な感じを持っています。 今回、先ほどから議論のあるように、国際社会においても何も意見の一致はしていない、こう思いますし、また反対する国もあり、一歩下がった国もあり、いろいろあるような感じであります。そういう中で、なぜ我が国が即全面支持のような表明をされたのかということをお伺いしたいと思うわけであります。 九一年の湾岸のときは、イラクのクウェート侵攻という明らかな武力行為があったわけで、それに対しての多国籍軍という形での対応ですから、それは日本国民も理解はできた、こう思います。そういう意味で、九一年のときとは状況は全く異なるわけであり、今回はなおまだ交渉の余地は、アナン事務総長をしてある、こう言われているわけですから、そういう事態で今回のようなことになったということはまことに残念だ、こういう思いがしてなりません。もう少し状況を見て日本の対応をすべきであったんではないかなと私は思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○高村国務大臣 先ほどから申し上げていることの繰り返しになって恐縮でありますが、UNSCOMによる査察の受け入れということは、イラクのクウェート侵攻により引き起こされた湾岸戦争の停戦の条件として国連安保理決議によってイラクに義務づけられ、イラク自身が受け入れたわけであります。しかるに、昨年六月ごろからイラクはUNSCOMの査察に対する協力拒否あるいは妨害を再三繰り返してきて、そのたびに国連が中心になって、国際社会がイラクに対し無条件かつ完全な査察への協力を再開するよう繰り返し働きかけてきたわけであります。米国も、外交努力による解決を望みつつも、それが不可能な場合にはあらゆる選択肢をとる可能性が排除されない旨繰り返し警告を重ねてまいりました。そういったことがあったにもかかわらず、今回再びイラクが査察への協力を拒否したことから、万やむを得ず米英による武力行使に至ったものと考えますし、このような経緯にかんがみ我が国は支持を表明したわけであります。 現時点で、本件対イラク武力行使に対するすべての国の反応を承知しているわけではありませんけれども、カナダだとかドイツだとか豪州だとかニュージーランドだとか韓国が既に米英両国の行動に対する支持を明確にしているものと承知をしております。
○田端委員 大臣、私が言っているのはそういう経過を伺っているんではなくて、即、直ちにそういう表明をされたというところに何かあるのかということをお伺いしたいわけで、もっと率直に言えば、つまりイラクと朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮の地下核施設隠しの疑惑といいますか、そういった問題も念頭にあるがゆえに、即日米協調というものをアピールした方がいい、こういう政治的判断があったがゆえに直ちに支持を表明したんだ、こういうことが口には出さないけれどもあったんだ、これならこれではっきりされた方がいいんではないか、こういうことで申し上げているわけです。
○高村国務大臣 北朝鮮の問題はこのことに直接関係がないことでありますし、この問題について何か第三国のことを言うという意図は私はないわけであります。 もちろん、日本の外交の目的というのは、日本の平和と安全を守るあるいは日本の繁栄を図る、これが最終目標でやっているわけでありますから、日本の安全保障全般、そういったことが当然頭の中にあることは事実でありますが、北朝鮮という第三国に関連づけて申し上げることはいたしません。
○田端委員 建前はよくわかりますが、しかし、私が申し上げたいのは、国民の皆さんは、なぜそんなすぐに決断したんだろうという疑惑を今も持っている、不審を持っている、こういうことだけは申し上げておきたいと思います。 先月、私、米国の国連協会の御招待でニューヨークの方に行かせていただきました。超党派の国会議員団で行かせていただきましたが、そのときに、幸運にもといいますか、リチャード・バトラー国連大量破壊兵器廃棄特別委員長に約四十分ほどお目にかかって、いろいろと御懇談をさせていただきました。そういった意味では、直近で日本の政治家でバトラーさんにお会いできたのは我々であったかなと思うわけであります。ちょうど十一月の十七日でありまして、十一月のイラク危機が決着した直後でありました。 バトラーさんは、安保理での五日間の夜を徹しての会議の疲れを大変残した感じで応対をしていただきましたが、しかし、大変な御努力をされたということをじかにお伺いする機会があって、我々もこの問題の根の深さというものを非常に感じたわけです。そういう意味では、こういう国連の関係の皆さんが本当に夜を徹して努力されているということについては、私も高く評価したい、我々超党派で行ったメンバーも一様にそう感じたわけであります。 そのときに、バトラーさんが我々に言ったことは、我々は勝利した、それは、今回はイラクとアメリカ軍との交渉であるということをイラクはよく承知している、だからぎりぎりの線で査察を受け入れるということになった、これが恐らく最後になるだろう、こういうことで、これでもう大きな一つの山を越すことができるんだということをそのときおっしゃっておりました。私は率直にそれを、そういう意味でよかったなという感じを受けたわけであります。それが十七日で、翌日十八日から査察団がバグダッド入りをし、バトラー氏もその後を追っかけて行ったと思います。 そして、十二月九日に、イラク与党のバース党本部の査察に対して拒否があったということから今回話がこじれて、十二月十五日にバトラー報告書が安保理に提出され、そして十六日に査察団が退去する、こういうことだと思います。 こういう流れの中で、即この十七日に空爆を行った。私は、そういう意味では、国連の関係者が努力されたことを高く評価していますけれども、国連とアメリカ軍との関係というのは一体何だろうということが強く頭の中にひっかかりました。アメリカ軍イコール国連軍なのか、こういう感じで、アメリカ軍が正義の旗印を担って今回行っているんではないか、そういうことが、どこでどういうことで認知されているんだろう。そういう意味では、国連軍という形といいますか、そういう名前はとっていないと思いますが、しかし、アメリカの行っていることがまさに国連軍的役割をしているところに非常に理解のしづらいところがあるんだろう、こういうことを痛切に今感じているわけであります。 この点がはっきりしないと、これからこの問題については日本国民もなかなか理解しがたい、こう思いますので、大臣にこの点に関してぜひ明確に御答弁をいただきたい、こう思います。
○高村国務大臣 国連の安保理決議六七八で、各加盟国がしかるべき手段をとることを認めている。そういう中で、そういうしかるべきとる力のあるアメリカが今そうしているということだと思います。 もちろん、御指摘のように、国連自体がもっと力があって、国連自体がきっちりした形で世界の安全保障を担えるようになることが理想だと思いますし、そういう世界を日本政府としても目指さなければいけないんだ、そういうことはわかりますが、現時点で、例えばいわゆる湾岸戦争のときも、あれは国連軍ではなくて多国籍軍であるということでもおわかりになるように、まだそこまで、国連というものがその段階に達していない中で、少なくとも国連決議という権威の上に、その加盟国であるアメリカが国際社会の平和のために努力するということは、私は感謝することがあっても責めるべきことではないだろう、こういうふうに思っております。
○田端委員 以上で終わります。
○塩田委員長 次に、二見伸明君。
○二見委員 若干問題を整理しながらお尋ねをしたいと思います。 私は、今回のアメリカとイギリスによるイラク空爆について、国連の査察を再三にわたって拒否してきたイラクに全責任があることを確認し、その認識に立って、米英の行動について論評をする必要があるんだろう。全責任はイラクにあるんだ。米英の行動について、温度差はあると思いますけれども、一番大事なことは、全責任はイラクにあるという認識が必要なのではないかというふうに思っております。そして、この議論が、査察を拒否するフセインの態度に若干なりとも免罪符を与えてはいけないというふうに私は考えておりますけれども、その点についての外務大臣のお考えはいかがでしょうか。
○高村国務大臣 日本政府としても、委員と同じような考え方に立って支持ということをしたわけであります。
○二見委員 そういう認識に立って、実は、今度の問題は、新たなる問題提起かなと思うものがあるわけです。 というのは、湾岸戦争というのは、私は曲がりなりにも国連による集団安全保障体制という枠組みができたんだと思うんです。アメリカ、イギリスは、一九九〇年八月二日のイラクの侵攻に対して、集団的自衛権の行使ということでもって、クウェート、サウジ周辺に兵力を展開した。そのとき、アメリカやイギリスの考え方というのは、クウェートからの要請があれば、憲章五十一条の集団的自衛権に基づき、安保理の許可がなくても武力を行使してクウェートからイラクを追い出せるという見方を当時とっておりました。 しかし、安保理では、ソ連や中国やフランスが反対をし、あるいは他の安保理理事国も反対をし、事務総長も、これはもう安保理で決議を発信しているのだから、安保理がかかわっているのだから、勝手な行動をとってもらいたくないという世論が国連の中ででき上がったというふうに思っております。本来のアメリカの立場からいけば、集団的自衛権の行使でクウェートに入ってイラクを追い出すことができたんだろうけれども、そういう当時の国際情勢、国連の中の情勢ということを考えて、アメリカとしては、国連の枠外での活動というのではなくて、やはり安保理決議というにしきの御旗が結局は必要だったんだというふうに私は思います。 今度の場合に、安保理のにしきの御旗というのは、中国やロシアやフランスが賛成しておりませんし、湾岸戦争のときのようなきらびやかなにしきの御旗というのはないと私は思います。だけれども、十一月十五日のクリントン大統領の声明、この中で、イラクは査察拒否を撤回したが、これだけでは十分ではない、義務を果たす必要がある、イラクの義務は、国連大量破壊兵器廃棄特別委員会と国際原子力機関により提起された諸問題の解決、すべての施設への査察官の無制限立ち入りの容認、あらゆる関連文書の提出、大量破壊兵器に関するすべての国連決議の受け入れ、査察への不干渉、こういう五つの条件をクリントンさんは言いました。 私は、これはこのとおりだと思います。その点ではイラクには弁明の余地は全くないと思っています。それだけに、これはアメリカの国連観と日本の国連観の違いなのではないかなと思うけれども、例えば、ロシア、フランス、中国が反対したとしても、事前にその根回しをきちんとしておくことが必要だったのではないかなというふうに私は感じております。国連が、安保理が正面切ってやっていたところですから、アメリカにはアメリカの論理があるとしても、その手順は踏んでもらいたかったなというのが私の率直な気持ちではあります。これが国連の権威に水を差すようなことがあっては困る、あるいは見方によっては、国連の権威に水を差したのではないかなという見方が出ておりますけれども、これは先ほど前原さんとでやられていましたから余り深い議論はしませんけれども、外務大臣いかがでしょうか。
○高村国務大臣 委員の立論の前提に立つと、やはり国連の権威に水を差したのはイラク以外の何物でもない、こう思いますし、根回しをすることによってうまくいくことであれば、私は、その根回しというのは一つも悪いことだとは思いませんし、それは日本の中でも国際社会でもやっていいことだと思いますが、やはりそのことをあらゆる場合にやった方がいい結果が出るか出ないかという判断はあったんだろう、こう思いますし、この場合は、この時点での米英合同軍のイラク空爆は万やむを得なかったと私は思っております。
○二見委員 湾岸戦争後、核だとか生物化学兵器といういわゆる大量破壊兵器は国連が管理するといいますか、国連が、具体的には安保理だけれども、それが真正面から取り扱ってきましたね。それはイラクだけじゃなくて、北朝鮮もそうですね。今後、そういう枠組みは今回の空爆によって壊れてしまうのか、あるいはそれはそれとして、空爆が終わった後、そうした国連による大量破壊兵器の撤去とか撤廃とかそうした枠組みがさらに構築できるものなのか、そこら辺はどうでしょうか。
○高村国務大臣 これからのことでありますから、確定的な予測はできないのですが、全く武力を行使しないままにいつまでも交渉をしている場合と、そしてここで武力を行使した場合と、どっちが将来イラクが国連決議を遵守する可能性が強いかといえば、武力を行使した場合の方が強い、私の判断はそうであります。
○二見委員 私は、この種の交渉といいますか、これはエンドレスにやるものじゃなくて、いずれかの段階で武力行使も辞せず、武力を行使するということが担保されなければ、これは解決しないと思います。ですから私は、こうした問題、イラクばかりではありません、武力の行使を最終的にはやるというところまで踏み切らなければできないというふうに思っております。 それはそれとして、今度は、日本政府は支持を打ち出した、その支持の中身について伺いたい。 今回空爆をした。最大限二十日までという話もあります。空爆したというこのことについて支持したのか、あるいは、クリントン大統領はフセイン政権を打倒すると言われておりますが、そこまで日本としては視野に入れて支持されたのか、その中身はどうなんでしょうか。
○高村国務大臣 大量破壊兵器の開発を阻止するために空爆をしたということを支持しているわけであります。
○二見委員 クリントン大統領の考えでは、今のフセイン体制では大量破壊兵器の阻止はできないという基本的認識に立っていると思います。外務大臣はどうですか。
○高村国務大臣 少なくとも公式に言われていることは、この空爆は大量破壊兵器の開発を阻止するためである、そして、それにもかかわらず、さらにイラクが国連決議を遵守しない場合はという中長期的なことも触れていますけれども、この空爆の直接的目的は大量破壊兵器の開発を阻止することである、そういうふうにアメリカ側は公式に述べていると承知しております。
○二見委員 ということは、日本政府としては、いろいろな思惑はあるにせよ、当面の問題を解決するために支持したんだというふうに理解してよろしいですか。長期的にはいろいろあるとしても、あるいはイラクの国内問題も絡んでくるんだけれども、クリントンさん、そういうふうに明確に言っているからね、新政権をつくるんだと言っているから。アメリカはそうであっても、日本はまだそこまでは視野には入れてないというふうに理解してよろしいですか。
○高村国務大臣 アメリカ自身もこの空爆の直接の目的は大量破壊兵器の開発を阻止することだと言っていると聞いておりますし、そのことを日本政府は支持しているわけであります。
○二見委員 私は、この空爆が功を奏して、イラクが直ちに無条件査察に応じることを心から願っております。それがこの空爆の意義だと思います。 だけれども、必ずしもそういうふうにうまく動くとは限りません。フセインが、もうこれで国連の査察とは関係ない、御破算だといって査察拒否というかたくなな態度をとり続けることになりますと、これは長期化するおそれも全くないわけではありません。そうならないことを願っています。 そうなった場合に、日本としては、例えば財政支援ということはあり得るのかどうか。今はまだその段階ではありませんから、ここで何とも言えないと思うけれども。あるいは、恐らくないと思うけれども、一〇〇%ないと思うけれども、自衛隊の参加要請とか。そんなことについては、現時点ではまだないと思うけれども、いろいろなことを考えますからね。そんなことについてはどんなような心づもりでおられますか。
○高村国務大臣 現時点でそのような要請が全くないということだけ申し上げておきたいと思います。何かやるといって、何かこっちがオファーするようなことは言うべきではない話だと思っております。
○二見委員 実は、イラク問題というのは日本人にとっては人ごとではないのですね。対岸の火事ではありません、お隣に核疑惑があるわけですから。私は、今回、政府が異例に早い支持決定を出したというのは、いわゆる北朝鮮の核疑惑というものも全く念頭になかったとは言えないと思います。 今度の支持決定について、北朝鮮の核疑惑というものが日本の政府の念頭に全くなくてこの早い決定を出したのか、若干なりともそういうものがあって今回の決定が迅速だったのか、その点はどうでしょうか。
○高村国務大臣 北朝鮮の問題は直接的には関係ないことでありまして、イラクの問題を処理するに当たって第三国との関係を云々することは適当でない、こう思っています。 先ほども申し上げたのですが、日本の外交の目的は、日本自身の平和と安全を守ること、そして繁栄を築くこと、そういったことが日本の外交の目的でありますから、日本の安全保障全般について私たちは頭の中に入っている、そういう中でイラクについては直接的にはイラクの問題を考えて早い決定を出した、こういうことであります。
○二見委員 十日ほど前ですか、私はニュースで聞いたのだけれども、アメリカの国防省が、偵察衛星か何かでもって北朝鮮に三カ所、地下の核の開発施設があるということを確認したという報道がありました。その情報は防衛庁にも伝えたというふうに言われておりますけれども、この点について、防衛庁はどういうふうな考えを持っていますか。
○野呂田国務大臣 日米間におきましては、日米安保体制のもと、日ごろから御指摘のような北朝鮮の核開発問題等についても密接に情報交換を行ってきているところでございますが、その個別具体的な内容につきましては、相手国との関係上、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○二見委員 場所等はともかくとして、三カ所あるというような情報はありましたか。
○佐藤説明員 今大臣からお答えいたしましたように、米国との関係もございますので具体的には言及できませんけれども、地下のこの施設につきまして何らかの建設があったのではないかとか、こういうふうな情報というのはいろいろな形でもって出ているところでございます。
○二見委員 外務大臣は、イラクの問題はイラクの問題で第三国の問題とは絡めないという御答弁がありましたね、支持決定について。私はそれはそうだと思います。 今度のことはイラクの問題ですから純粋にイラクの問題として考えればいいのだけれども、しかし、フセインが核や生物化学兵器を握ったときも恐ろしいけれども、どこかの国が核を持ったときの恐怖というのは、これは日本にとってはまさに死活の問題になります。ですから、私は、この問題は単にイラクの問題だけではない、日本の問題として、日本の安全保障としてとらえるべき問題だというふうに考えております。 それで、時あたかもこのときに、北朝鮮の潜水艦か何かが韓国の沖合に来て撃沈されたというニュースがあった。それはイラクの問題と全く関係ないと思うけれども、そういう事件があった。 しかも、これは防衛庁からもらった資料だけれども、「最近の事例」として「六月二十二日、韓国東岸東方沖で韓国漁船が北朝鮮のユーゴ級潜水艦を発見。韓国海軍が出動し、同艦を韓国に曳航。内部から九名の遺体を発見。七月十二日、韓国東岸で北朝鮮の武装スパイと水中推進機(三〜五人乗り)を発見。十一月二十日、韓国北西部沿岸の海上で不審船舶(半潜水艇との報道あり)を韓国海軍のレーダーが捕捉するものの逃走。」こういう事例があるわけです。 別に私は脅威や恐怖をあおる気はないけれども、いわゆる北朝鮮の不審船舶に対する対策というのはきちんとしておかなければいけないのではないか。日本の近海にあるわけですからね。その点についてはどういうふうに今後考えていくか、お答えいただきたい。
○佐藤説明員 私ども、日本周辺海域につきまして、航空機あるいは艦艇によりまして常続的に監視をしているところでございます。 なお、今回の事例に対応いたしまして、私どもは、直ちにP3Cを対馬海峡周辺海域に派遣するなど、その情報収集に努めているところでございます。
○二見委員 きょう、お昼のニュースで私は聞いたので、聞き間違いだったらば訂正しなければならないのだけれども、安保理でアメリカとロシアで応酬があった、ロシアはイラクを擁護する立場で米英を非難したという趣旨のニュースがありました。これはそのとおりでしょうか。
○加藤説明員 事実関係について申し上げます。 日本時間の本日の午前五時半から約三時間にわたって、ロシアの要請に基づいて安保理の非公式協議が行われました。今回の米英の武力行使が国連の人道プログラムに及ぼす影響、現地に残留している人道支援要員の状況などについてまず議論が行われました。 協議はロシアなどからの質問に国連事務局が答えるという形で淡々と進められておりましたが、途中でロシアから今回の事態を踏まえての議長声明案が提示された。その議長声明案において、安保理として、今回のイラクに対する武力行使に遺憾の意を表明すること、敵対行為の即時停止及び地域の緊張増大につながり得る行為の回避を呼びかけること、政治的解決を強く選好することなどが記載されている、こういうことはあったようでございます。 ただ、いずれにいたしましても、これまでの間、ロシアや中国などからいろいろな発言がなされているということは報道にもあるとおりでございます。しかし、こうした発言の中において、米英の行動が国連憲章や国際法に違反しているというその主張の根拠を明らかにするようなものはないというふうに承知いたしております。
○二見委員 わかりました。 私は、安保理での議論がいわゆる中東におけるアメリカとロシアの覇権争いでやられたのではたまったものではない、イラクの行為を阻止するにはまさにロシアも中国も腹を据えてやってもらわなければできないのではないか、いたずらに安保理が紛糾して議論が分かれるということは、結果としてイラクにプラスの影響を与えてしまうのではないか、そういう危倶を持っております。これは外交上非常に微妙な問題ですからそれ以上申し上げませんが、そんな感じを持っております。 最後に、いずれにいたしましても、この問題が早期に決着をし、イラクのかたくなな態度がなくなって査察が無条件で行われるような事態になるように、私はこれからが日本の本当の出番だろうというふうに思っておりますので、外務大臣にその御決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
○高村国務大臣 議員がおっしゃったような方向で、できるだけの外交努力を尽くしてまいります。
○塩田委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 この問題は、世界の平和にとりましても、国連のあり方という点からも極めて重大な問題だと思います。 今回のアメリカ、イギリスによるイラク攻撃は、国連の安保理事会が非公式協議を行って、イラクの査察拒否にどういう対応をするかということをまさに協議しているさなかに、一方的に強行されたものであります。 既にいろいろ議論もありましたけれども、言うまでもなく、国連は、紛争の平和的解決を原則としていて、安保理事会の決議なしの武力行使を認めていない。これをめぐって安保理事会での見解が違って協議中に、この協議を無視して武力行使をしたというところに問題がある。一体こういうことをしていいというふうに日本政府は考えているのだろうか。これは国連憲章の仕組みをじゅうりんする重大な問題ではないか。 外務大臣はその点についてどうお考えですか。協議中にこれを無視して武力行使をするということがいいのか、それを日本政府は認めるのかということです。
○高村国務大臣 UNSCOMによる査察の受け入れは、イラクのクウェート侵攻により引き起こされた湾岸戦争の停戦の条件として、安保理決議六八七によってイラクに義務づけられ、イラク自身が受け入れたものであります。 しかるにイラクは、昨年六月ごろよりUNSCOMの査察に対する協力拒否や妨害を再三繰り返してきており、そのたびに、安保理が中心となって国際社会が、イラクに無条件かつ完全な査察への協力を再開するよう繰り返し働きかけてきたわけであります。 本年初頭に緊張が高まった際にも、安保理は、イラクによる関連安保理決議の不履行には最も深刻な結果がもたらされることを警告しており、これは決議一一五四でありますが、さらに、最近では、十月末のイラクによるUNSCOMへの協力の完全停止決定が決議六八七の重大な違反であることを、これは決議一二〇五でありますが、認定していたところであります。このように、安保理においてはこれまでも本件につき随時協議を行い、イラクに対し明確なメッセージを発出してきているわけであります。 そのような中で、今回のイラクは、みずから約束したUNSCOMとの協力再開を十分に行わず、UNSCOMの査察への拒否をさらに重ねてきたことでありますから、米英が武力行使に至ったのは万やむを得ないと考えますし、日本政府としてはこれを支持しているところであります。
○松本(善)委員 外務大臣、今まで答弁されたことを何遍繰り返されても前進はないのですよ、今までの答弁をよく聞いておりますから。 問題は、日本政府やアメリカ政府はそういう見解でいるかもしれないけれども、安保理事会の重要な諸国がそうではないということで議論をしている最中にこの協議を無視してやっていいのか、それは国連憲章の仕組みをじゅうりんすることじゃないか——我々は既に国連憲章と国際法違反だという見解を発表していますけれども、しかし、その協議を無視してやっていいという見解なのか、ここなんですよ。 ほかの安保理事会の諸国は、今、反対だ、あるいは懸念を表明する、いろいろ言っています。その根本は、その協議を続行中にやったということなんですが、それをやってもよろしいのかと、ただ一方的な見解で、アメリカがそういうふうに考えていれば、もうそのまま何でもやれると……。 既に国際的な世論も、アメリカ国内の世論も批判的です。日本の国内でも、アメリカは何をやってもいいのかという社説も出ています。この行動がアメリカに対する不信を増大しているという論調で記事をつくっている新聞もあります。 この問題をどう考えるか。アメリカがそういうふうに考えたら、一国がそういうふうに考えたら、協議中に勝手にやっていいのかという問題なんですよ。
○高村国務大臣 アメリカの世論も反対だとおっしゃいましたが、アメリカの世論の大部分は支持しているというのが客観的な事実だと思いますし、日本に反対の社説があったと言いますが、賛成の社説もあったわけであります。 私は、アメリカがそう考えれば何をやってもいいということを言っているわけではなくて、先ほどから繰り返して述べておりますように、六七八という決議に基づいて加盟国がそれに対して対応をすることが国連によって許されている。それは六八七によって停止をされていたわけでありますが、その停止をするについての条件について、イラクは、再三の警告に対して、これを無視して違反をし続けている。こういう状況の中に、アメリカが参加国の一つとして適当な手段をとったということは、それは国際法に反するものではないと私は考えますし、そして、政策的に、今これをやることがイラクの大量破壊兵器を開発させることを阻止するために万やむを得ないことであったと考えているわけであります。
○松本(善)委員 外務大臣、そういう見解を何遍繰り返されても、これは反対している諸国を納得させるものでは全くありません。 この決議一一五四についても今触れられたし、同僚委員も質問をされました。これは言うまでもなく日本が提案したものでありますけれども、これが、新たな決議が武力行使に要るのかどうかという問題になるわけなんですが、私は、ここに、この決議が行われた三月二日の安保理事会のプレスリリースを持ってきております。これによりますと、三月二日の安保理事会で、決議案の提案者である日本の小和田大使が、義務違反はイラクにとって最も深刻な結果をもたらす、しかしながら、決議案はオートマティシティーの考えを提起しているわけではないと演説した。これがプレスリリースなんですよ。提案国としての日本の立場なんですよ。しかもこの提案者である小和田発言に対し、異論はだれからも出されていないということです。 私は、ことしの三月十三日、衆議院外務委員会で、このときの安保理事会でのフランスの代表の発言を引用して質問をいたしました。それは、この小和田発言を受けて、一切のオートマティシティーの考えを排除するものである、ある国の行為を評価し、必要な場合には潜在的な違反について確認し、その結果として決定を行うのは理事会の権限であると明確に言っているということを引用して質問をいたしました。そうしたら、ここにおられる加藤総合外交政策局長は、フランスの代表が言っていることを間違いだと申し上げるつもりはありませんと明言をされました。これがフランスやそれから中国、ロシアなど、提案者の日本の代表の発言を聞いていれば、これは新たな決議が要るというふうに考えるのは当然であります。提案者としてのこういう立場なんです。 これについて弁明は外務委員会でされましたけれども、私は、安保理事会での小和田発言が根本になっているわけで、これを覆すようなことをやったら日本の外交の信頼は全く失墜をすると思いますが、外務大臣、いかがですか。
○加藤説明員 委員長の御指名を得ましたので、ちょっと私から一言だけ申し上げたいと思いますが、確かに当時の小和田国連大使の発言の中に、共同提案国の理解では、このパラはいわゆる自動性の問題を扱うことを意図したものではない、そういうくだりがございます。 でも、これは当然でございまして、この決議の一一五四というのは、これをもって自動的に武力行使を容認する、武力行使せよという決議ではございませんし、また武力行使をしてはいけないという決議ではない。その意味で、この決議があることによって自動的にどちらかということを決めるものではないんだという説明をしたということなんでございます。すなわち、それでフランスとの間に何らフランスの理解が間違っているということを言わなければならない関係にはないわけでございます。 要するに、根本は、こういう一一五四という決議をイギリスと日本とが共同して提案することによってイラクに時間を与えた、すなわち、その間にイラクがちゃんと国連安保理決議上の義務を守るような、そういうふうな行動をとってください、そうしないと一番厳しい結果が出ますよ、こういうことを警告する決議を出して時間を与えたということなんだろうと思うのでございます。 そういう機会が与えられたにもかかわらず、その後、イラクは一貫して決議の遵守を拒んできた。特に、この八月五日とか十月の三十一日は、UNSCOMへの協力を停止するということを言って、これが国際の平和と安全に対する脅威を構成するものだということで、満場一致で決議一二〇五というのが通ったわけでございます。 そういうイラクの行動と申しますか、決議の不遵守というものが国際の平和と安全に対する脅威を構成するという認定が改めて出された、これがたしか十一月五日のことだったと思いますけれども、そういう展開があったもので、要するにイラクが我々のメッセージを十分受けとめずに今回の事態につながった、こういうことであろうと思います。
○松本(善)委員 そういうことが国際的に理解されていれば、今のような国連安保理事会の事態は起こらないんですよ。それは先ほど外務大臣も、この一一五四がこういう事態になっていった経過の中であるんだということ——それはやはり武力行使につながっているんですよ。外務大臣なんかの見解では、これは関係ない、六七八からだということであるかもしれませんけれども、国際的に日本のこの発言がそういうような理解をされている、提案者としてはそういうことだったんだ、これは動かせない事実だと思います。もし加藤総合外交政策局長の言うことが理解されていれば、今のような事態は起こらないんですよ。 私は、日本外交がアメリカの見解そのまま同じ見解で、見解の違いがあってもそのままやっていく、これでは国連のあり方として仕組みをじゅうりんするということになると思いますが、外務大臣はどのようにお考えか、簡潔にお答えいただきたい。
○高村国務大臣 イラクが国連決議を守らないままに放置しておくことこそ国連の権威をじゅうりんするものだ、こういうふうに考えております。
○松本(善)委員 それはもう既に日本国内の世論でも国際的な世論でも受け入れられていないですよ。 私は別の角度からお聞きをいたしますが、この武力攻撃は、紛争解決は平和的外交手段によるという国連憲章の原則に反するだけではなくて、安保理事会とかあるいは中東諸国が平和的解決を求めている、そういう現実を無視して強行された。ロシア、中国だけではなく、フランスも反対ないし批判的主張ですね。私は、こういう問題については、平和的外交的解決という一点で国連が一致をして行動する、これが十一月の査察への全面協力を約束させたような決定的な力を発揮すると思います。 アメリカ、イギリス以外はそういう方向で努力をしようとしているときに、アメリカ、イギリスだけが武力攻撃に走る、これはイラクに国連の不一致をさらけ出すようなものです。国連が団結してイラクに当たることが、イラクの不法を封じ込めて大量破壊兵器を地球上からなくす第一歩になる、こういうことだとは考えませんか、外務大臣。
○高村国務大臣 もちろん国連加盟国が一致して対応できればそれにこしたことはないわけでありますが、一応直接の法的根拠とすれば六七八があって、そして日本、イギリス共同提案のものについては、これはイラクに対しても時間的猶予を与え、そして強い警告も与えた、そういう文脈で申しているので、これが直接の法的根拠ということを言っているわけではありません。 そういう中で、私たちは、イラクの今までの違反の態様を見て、そしてイラクがまじめに、ケアレスミスである決議違反ということではなくて、大量破壊兵器を開発しない、そういう国連決議を遵守しようという気持ちが全くないと断ぜざるを得ないような状況であれば、私は今度の米英の攻撃は万やむを得なかった、こういうふうに思って支持をしたところでございます。
○松本(善)委員 外務大臣は、私から言わせれば、問題を全く理解していない。問題は、イラクが悪いとかどうかではなくて、国連のあり方としてこれでいいのかという問題なんですよ。先ほど来同僚委員の提起しているのも皆同じです。 私は、この問題では、全く説得力がない、これでは国民の理解も世界の理解も絶対得られないということを申し上げて、次の問題をお聞きしようと思います。 それは、この攻撃についてクリントン大統領が演説をされました。この攻撃がアメリカの国益のためだった、文章どおり言いますと、アメリカは、武力を使用したくないが、我々がアメリカの死活的利益のために行動しなければならないときには行動するのだということだ、十七日の演説です。それから、最善の解決策はイラクに新政権を誕生させることだ、こういうことを明言しています。 アメリカの国益のために武力攻撃を強行する、これは国連憲章上許されないことです。また、イラクの内政に干渉する、新しい政権をつくるためにやるんだ、これは再々公言をしていることでありますけれども、それも国際法上許されないことであります。クリントン政権の、アメリカの国益のために武力行使をする、フセインの政権を転覆して新しい政権を樹立する、そのために武力行使をする、まさにアメリカの覇権主義であります。これを国連は許さないと言っているんです。日本政府はそれを認めるのですか。
○高村国務大臣 私は、国連はそれを許さないなどと決めたことは知りません。そんなことはないだろう、こう思います。 それから、今正確には、今文書がありませんからわかりませんが、クリントン大統領が言った言葉は、アメリカの国益にもかなうし、近隣諸国の利益にもなるし、世界の利益にもなる、こういうようなことを言っていたと記憶をしております。 それから、先ほども問題になったことでありますが、この攻撃の目的自体はイラクの大量破壊兵器の開発を阻止するためだと日本側にもはっきり説明がありましたし、ただ、国連決議を遵守しないような場合に云々ということにクリントン大統領が触れていることは事実でありますが、これはアメリカ独自の中長期的な目標であろう、こういうふうに解釈をしております。
○松本(善)委員 外務大臣の言っていることはちょっと間違っていますよ。 国連憲章は、武力の行使は、自衛のためと、それから国連安保理事会で決定した場合だけなんですよ。だからこそ、国連安保理事会の決定に基づくものかどうかということが大問題になっているのですよ。アメリカの国益のために武力を行使していいなんということは、これは許されないことなんですよ。 戦争は原則として許されない、そして紛争は平和的に解決をするというのが国連憲章の原則じゃないですか。そして、内政干渉はしないということが国際法の原則じゃないですか。私は、そのことについても外務大臣が明言できないというのは、まことに、日本外交がアメリカに従っていさえすればいいという、そのことをさらけ出したものだと思う。この日本政府の対応について厳しく糾弾をして、質問を終わります。
○塩田委員長 次に、辻元清美君。
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。 私は、まず最初に、今回のアメリカとイギリスによりますイラクの攻撃に対する社民党の立場を表明させていただきました後に質問させていただきます。 これは、先日幹事長名で談話を発表いたしました。 本日アメリカとイギリスは、イラクが国連安 保理決議違反である大量破壊兵器の査察を妨害 しているとして、空爆を行なった。社会民主党 は、このアメリカ、イギリスの行為を批判する。 わが党は、空爆によって問題はかえって悪化し、 さらに武力によっては解決できないと考える。 これまで、アナン国連事務総長による調停作 業と国連チームによる査察が行なわれてきた。 イラク政府は、調停の努力を尊重し査察を受け 入れ、平和的な解決に全力を尽くすべきである。 日本政府は、米英の軍事力行使を支持すべき ではなく、直ちに軍事力行使を中止するように 求めるべきである。また、関係諸国に自重を求 めるように働きかけるべきである。 という談話を発表させていただきました。 また、昨日、アメリカ大使館の方にも出向きまして、土井たか子党首名でアメリカの今回の行動について批判させていただくという行動をとりました。 さて、その上で、まず最初に経過について御質問したいと思います。 本日御報告いただきました中に、日本時間の昨日の午前六時過ぎ、米国のスローコム国防次官より斉藤駐米大使が連絡を受けたとありますが、この内容はどのようなものだったのでしょうか。具体的に教えてください。それから、どれぐらいの、何分間といったらおかしいのですけれども、どれぐらい報告を受けたのでしょうか。
○高村国務大臣 何分間受けたのかは私存じませんので、もし後で政府委員がわかれば答えさせますが、内容は、米英共同でイラクに対して攻撃をする、それは軍事関連施設が対象である、そして、その目的はイラクの大量破壊兵器の開発を阻止するためである、こういった内容の説明を受けました。
○辻元委員 さて、きのうの午前中に、日本政府はその米英の行動について支持表明をいたしましたが、六時過ぎにまず事前の通告を受けてから支持表明の間に、米英からさらに攻撃をした後の模様等の報告があってからの支持表明でしょうか。その間に米英と話し合いましたか。
○高村国務大臣 私自身は、攻撃の内容等について通知があったという報告は受けておりません、その決めるまでにですね。もし間違いがあったら訂正させますが。
○竹内説明員 大臣が申されたことに特段つけ加えることはございませんが、先生御指摘のとおり、六時二十分ごろにスローコム国防次官の方から斉藤大使に電話連絡があった。それから、大きな動きとしましては、これは官房長官の記者会見の後でございますけれども、午前十時にこの東京におきまして、フォーリー在京大使から高村大臣に対して、総理へのクリントン大統領からのメッセージの伝達があった、こういうことでございます。
○辻元委員 そうしますと、支持表明をなさるまでは、たった一回の連絡で、それも攻撃をした後の状況についての説明を受けずに日本政府は支持表明を決定したと理解してよろしいですね。
○高村国務大臣 事実関係としてはそのとおりであります。
○辻元委員 私は、そのような早急な支持表明をする必要はないと考えます。というのは、攻撃された後どのような結果をもたらしているかということ等をかんがみて、通常であるならば、政府は、その行為について支持するか不支持であるか決定して、慎重に発言すべきだと思いますが、軽率であったと考えませんか。
○高村国務大臣 同盟国である米国からきっちりと、軍事関連施設に限ってするのだ、そしてそれは大量破壊兵器の開発を阻止するという目的でするのだという説明を受けておりますので、そういうことを、それと全く違った事実でも出てくれば別ですけれども、そういうことについては信頼し、その上に立って私たちは、これはイラクに国連決議を遵守させて、そして大量破壊兵器開発を阻止するために万やむを得ない措置とその時点で判断をしたわけであります。
○辻元委員 さて、その日本政府の支持表明の根拠が、国連の安保理決議の六八七を含む一連の関連安保理決議と、それからアナンさんとイラク政府の間で合意された覚書に対する重大な違反であるというふうに昨日説明を受けました。 さて、そういう中で今回の米英の行動なんですけれども、これは六八七の違反ということですから、六八七を決議したすべての国で議論すべきであると私は考えているのです。この六八七の決議は何カ国で決議されたのでしょうか。
○加藤説明員 決議六八七は、安保理十五カ国の全会一致で採択された決議であると承知しております。
○辻元委員 そうしますと、十五カ国で採択された決議を、この武力行使というのは非常に重大な決定でありますが、二カ国で実行したということなんですね。私は、これはおかしいと思うのですけれども、大臣、いかがですか。
○高村国務大臣 最終的には、適当である措置をとることを加盟国に許しているのは六七八なんです。その六七八が、イラクが停戦を受け入れて、そして六八七によって停止がされていた。しかし、その六八七について違反があるということは、これは明白なんです。六八七にイラクが違反していないなんという国は一つもないだろうと思います。そういう六八七が現実に機能しなくなった、その停戦の条件が機能しなくなったということで、六七八の各加盟国に許されている行為として、アメリカとイギリスが今度の行動をとったということだと思います。
○辻元委員 六七八に基づいてそれぞれの加盟国に権限があると申しますか、それに基づいてという御答弁でした。 そうしますと、この六七八の国、どこにでも許されているのであれば、同じ行動を例えばロシアや中国がとった場合も日本は支持する、同じ行動ですから、ということになると理解してよろしいわけですね。
○高村国務大臣 法律的にとり得るかどうかということとその行為が適当かどうか、どういう時期にどういう目的でどの程度行われるかということがあるわけですね。だから、我々は、今イラクに大量破壊兵器を開発することを阻止するためにこれは適当だという判断に立っているわけです。そういう判断と、どんなに適当であったって法律的に勝手にできませんねという話があるわけで、法律的にもそれはクリアできるんですよということと、そのことが適当であるということは、これは別な話で、法律的に許されることであれば何をやっても支持するということではありません。
○辻元委員 論理的に申し上げれば、他国が行った場合も可能であるという理解であると思いますが、今の質問は、今回アメリカとイギリスがとった行動と同じことをロシア、中国が同じように行った場合です、その場合でも日本政府は支持するという態度をとらなければならないということになるかと思いますが、いかがですか。同じ行動をした場合です。
○高村国務大臣 周囲の状況が全く同じ条件で中国、ロシアがそういうことをとるということはあり得ないわけですから、その設問自体が、大変申しわけないのですが、余り意味のある設問だとは思えません。
○辻元委員 といいますのは、国連中心に決議に基づいてという御説明であったわけですが、先ほど大臣のお言葉から、同盟国だったから信用したと言われたわけですね、実際に御答弁の中で。そうすると、実際に国連の決議に基づいて、その整合性で日本はさまざまな外交事について判断していくというのと、同盟国であったからということは矛盾しませんか。
○高村国務大臣 全く矛盾しないと思います。 私たちは、現実の問題として、一〇〇%信頼できる国と一〇〇%信頼できない国なんというのはないと思いますが、それぞれの国の中に、日本国としてこれはこの程度信頼できるとか信頼できないとかいう国があるわけで、そして相当程度信頼できる国として同盟関係を結んでいるので、全く信頼できない国と同盟関係を結ぶわけがないわけで、私たちは、その事実の判断の根拠として同盟国であるということをひとつ言っていることが、国連中心主義ということと矛盾するとは全く思いません。
○辻元委員 というお答えでしたら、今回の場合は、アメリカとイギリス、主にはアメリカが行った行為であるからというのが大きな理由になるわけですね。
○高村国務大臣 中心的な理由は、まさにイラクに対して国連決議を遵守させよう、そしてその国連決議の目的は、大量破壊兵器を開発させない、そういったことを目的とする行為である。そして、その目的、どういうところをどのように、それはその目的のために最小限に攻撃するという技術を持っている国が最小限に行うということでありますから、私たちはそれを支持したわけで、何か、アメリカだから支持するとか、アメリカじゃないから支持しないとか、必ずしもそういうことではないので、同盟国の言うことだからその点については信頼したということと、アメリカだから支持する、アメリカじゃなかったら支持しないということは直接的に結びつかないと思います。
○辻元委員 アメリカ自身がこの査察についてこういう発言をしています。 十一月に、これはクリントン大統領ですが、実際に攻撃すれば査察体制の終わりを意味する可能性がある、オルブライト長官も、その攻撃後、査察に全面協力するかどうか確信は持てないというような発言をしていまして、これは国際世論でも、今回の行為が国連の査察体制の崩壊につながる可能性があるのではないか、検証すべきだというような報道もなされていますし、世論も起こっていると思いますが、この点について日本政府はどのような検証をされたのでしょうか。
○高村国務大臣 細かい検証については政府委員から答えてもらいたいと思いますが、全体の確率の問題だと思うのですね。こうやれば一〇〇%うまくいくとか、こうやったら一〇〇%失敗するとか、そういう話はないからこそいろいろな選択肢に、どっちを選ぶかということで我々は苦労することがあるわけであります。そういう中で、今までのように何度も何度も繰り返して違反し、そして、そんなことすると攻撃するぞという形をするとすっとまた引いて、そしてまたやるということを繰り返しているような状況の中で、私は、イラクが国連決議を遵守して大量破壊兵器の開発をあきらめるという可能性は、著しくゼロに近かったと思います。 そして、そういう状況よりは、今度攻撃したことで、それによって一〇〇%うまくいくかどうか、それはわかりませんけれども、何にもしないよりははるかにうまくいく確率は高いだろう、私はそう思っています。
○辻元委員 最後に一問だけ質問して終わりたいと思います。 今回のこのイラク攻撃なんですけれども、新ガイドラインとの関連で一問だけ質問させていただきます。 現在、政府が提出している新ガイドライン関連法案で定義されているところの周辺事態という言葉が議論されておりますが、今回の事態はこの定義の周辺事態に当たるのでしょうか、当たらないのでしょうか。
○高村国務大臣 周辺事態というのは地理的概念ではありませんが、気持ちとして、無制限に遠くまで広がることを阻止しようと思って入れている言葉でありますから、イラクの事態は周辺事態に常識的に当たらない、こういうことであります。
○辻元委員 質問を終わります。
○塩田委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時八分散会