安全保障委員会 第1号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/12/03
会議録
○塩田委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国政に関する調査を行うため、本会期中、国の安全保障に関する事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○塩田委員長 この際、新たに就任されました野呂田防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。野呂田防衛庁長官。
○野呂田国務大臣 このたび防衛庁長官を拝命いたしました野呂田芳成でございます。 国家の独立と平和を守る崇高な任務を仰せつかり、まことに身の引き締まる思いでございます。この場をおかりしまして、塩田委員長を初め委員各位にごあいさつを申し上げます。 今般、防衛装備品の調達をめぐる不祥事により防衛庁が国民の信頼を失うに至ったことはまことに遺憾に存じます。 しかしながら、後ほど御報告いたしますとおり、額賀前長官がみずから先頭に立って今後の防衛庁の改革の道筋をつけられ、まさに今新しい一歩を踏み出したところでございます。私も、今後この改革の実現のために、防衛庁の職員と一丸となって渾身の努力を傾注してまいりたいと意を決しております。 八月三十一日の北朝鮮のミサイル発射に見られるように、我が国を取り巻く情勢が不透明性を増している中、防衛庁においては、弾道ミサイル防衛に係る日米共同技術研究、情報収集衛星、さらには、沖縄に所在する在日米軍施設・区域の整理、統合、縮小など重要な課題が山積しており、防衛庁として的確な対処が求められていると認識しております。 特に政府は、周辺事態安全確保法案等を国会に提出しております。我が国の平和と安全にとって極めて重要なこれらの法案等について早期の成立、承認を得られますよう、私も真摯な努力をしてまいる所存でございます。 本委員会は、国防に深い見識をお持ちの委員各位が御議論される場であり、国政におけるその重要性は極めて大きいものと認識しております。かかる立場におられる皆様方に今後とも御指導、御鞭撻をいただきますよう切にお願いを申し上げ、簡単ではございますが、私の就任のあいさつとさせていただきます。(拍手) ————◇—————
○塩田委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 この際、防衛庁長官から、四社事案関連文書の管理実態に関する報告及び防衛調達改革本部の報告について発言を求められておりますので、これを許します。野呂田防衛庁長官。
○野呂田国務大臣 四社事案関連文書の管理実態に関する報告及び防衛調達改革本部の報告につきまして御報告いたします。防衛庁におきましては、先日、調達実施本部元幹部の背任事件に関連して各種の報告の公表等を行いました。本日は、これらにつきまして順次御説明させていただきます。 まず、四社事案関連文書の管理実態に関する報告につきましては、額賀前防衛庁長官がみずから先頭に立って自浄能力を発揮し、国民の信頼回復を果たすべく、徹底的に調査を実施し、国民的な視点に立ってその結果を取りまとめた上、先月十九日に公表したものであります。本報告における調査結果を総括して申し上げますと、強制捜査の直前に防衛庁幹部による資料の移転や処分が行われていた事実を初め、組織的に証拠隠しを行っていたと受け取られてもやむを得ない事例があったことが明らかになりました。また、東京地方検察庁に任意提出する資料から一部を抜き取るといった捜査に非協力的な態度を見せていた事例など、国民の奉仕者たる公務員として厳しく叱責されなければならない事例もありました。国民の信頼を裏切った社会的、道義的な責任は極めて重いと考えております。 さらに、装備品調達に関する疑惑について防衛庁がみずからの手で真相解明や適切な処理ができなかったこと、また、不十分な事実認識に基づいたまま評価書という形で提出した防衛庁としての見解を撤回することにより、当庁の行政遂行能力や自浄能力について国民の間に重大な不信を招来しました。 本報告は、今申し上げたようなことを「前言」でまず述べ、幹部については、実名も含め事実関係について詳細に記述してあります。次に、昨年九月以降の事案への取り組みの問題や資料の移転、処分の理由について評価を加えた上で事案を総括し、最後に、かかる事態の再発を防止し国民の信頼回復を図るための今後の対応について記述してあります。内容の詳細につきましては、配付されております報告本文をごらんいただきたいと存じます。 防衛庁としては、本報告を踏まえ、関係者に対し前例のない厳しい処分を先月十九日に実施しました。具体的には、四社事案関連資料の取り扱い及び実態解明に向けての一連の取り組みが不十分であったこと、並びにこれらに関する指導監督が不十分であったことを理由として、秋山前事務次官以下三十一名に対し停職、減給を初めとする処分を実施しました。 また、このような事態を招きましたことについてのけじめの姿勢を表明するため、額賀前長官及び浜田防衛政務次官が俸給の一部を自主的に返納いたす等しております。 なお、秋山事務次官以下三名については、辞職願が出されましたので、これを許すこととし、幹部人事の異動を先月二十日に発令して、防衛庁の改革を担っていくための新たな体制を整えたところであります。 さらに、額賀前長官におかれましても、防衛庁の改革の道筋をつけたことを受けて先月二十日に防衛庁長官の職を辞されたことは、皆様御承知のとおりであります。 次に、防衛調達改革について申し上げます。 防衛庁では、防衛調達に係る一連の不祥事を厳粛に受けとめ、早急に国民の信頼を回復するべく、先月十九日、額賀前防衛庁長官を本部長とする防衛調達改革本部において「防衛調達改革の基本的方向について」を取りまとめ、公表したところであります。内容の詳細につきましては、配付されております報告本文をごらんいただきたいと存じますが、以下、その概要について御報告させていただきます。 まず、今般の背任事件の原因となった問題点は幾つかありますが、第一に、調達実施本部内において、原価計算部門と契約部門の相互牽制が働かなかったこと、さらに、これらの業務をチェックする立場にある防衛庁内部部局の機能も働かなかったことから、企業及び職員の不正行為をチェックできなかった点が挙げられます。また、第二に、随意契約に代表されるように、防衛調達システムにおける契約方式なども、外部から見て不透明なものとなっております。三点目として、調達実施本部では、調達事務に精通する人材が不足していたため、繰り返し同一部門に特定の者がつくこととなり、組織を閉鎖的にした面があります。以上に加え、今回の事件に関連して、自衛隊員の再就職規制の問題なども提起されたところであります。 防衛庁としては、これらの背任事件に係る問題点のほか、従来から抱えてきた調達の基本的課題をも踏まえ、次のとおり二十一世紀に向けた抜本的な防衛調達の改革を実施することとしました。 すなわち、まず、相互チェック機能を確実にするため、調達実施本部を廃止し、ここで行われていた原価計算業務と契約業務をそれぞれ別個の組織に実施させるとともに、内部部局の責任体制を整備するため、調達に係る装備局と経理局の機能を統合するなど、抜本的な組織改革を実施することとしました。また、随意契約等の防衛調達の透明性、公正性を確保するため、装備品の仕様の見直し、民生規格の採用拡大を通じた企業間の競争原理の強化など、大幅な制度改革を実施するとともに、公認会計士など部外者から成る第三者監視機関を設置し、契約内容の適正性をチェックすることとしました。さらに、調達事務に精通する人材の不足に対応するため、教育システムや研修制度の整備、各自衛隊との人事交流の拡大、民間監査法人の知見、能力の活用等を図ることとしました。 このほか、自衛隊員の再就職のあり方の問題につきましても、長官の承認を必要とする再就職先の地位の見直しや承認する場合の判断基準等の明確化、再就職の審査体制の充実強化、再就職の承認状況の国会報告などを積極的に推進してまいることとしております。 以上、申し述べました諸施策については、来年四月までに成案を得ることとしており、私といたしましても、額賀前防衛庁長官に続き、国民各位の防衛庁、自衛隊に対する信頼を早急に回復するため、実現に向けて全力を挙げてまいりたいと考えております。 私としては、額賀前長官がみずから先頭に立って、まさに血を吐く思いで道筋をつけられた防衛庁の改革を、防衛庁職員全体が一丸となって実現し、二度とこのような不祥事を起こさないようにするとともに、一日も早く国民の信頼を回復できるよう渾身の努力をしてまいりたいと考えております。 —————————————
○塩田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉川貴盛君。
○吉川委員 自由民主党の吉川貴盛でございます。 ただいま野呂田新長官から報告がございました四社関連事案、さらには防衛調達改革本部の報告について質疑を行わせていただきたいと存じます。 その前に、新長官におかれましては大変な時期の御就任だと思いますが、御期待も大きいところがございますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っております。 ことしは、言うまでもなく、この防衛庁調達本部の幹部らの背任事件を契機に国民の防衛庁に対する信頼が非常に大きく揺らいだと思っております。さらに、八月には北朝鮮の無警告かつ無謀な弾道ミサイルの発射がありました。一時は決して楽観できない周辺軍事情勢に発展したと私は思うのであります。そういったことを踏まえながら、今申し上げましたように、この報告についての質疑をさせていただきたいと思います。 時間が余りございませんので、余り細かな議論はと考えておりましたが、どうしても疑問に思う点等がございますので、これは事務方でも結構でありますから、率直にお答えをいただきたい、こう思っております。 最初に、この防衛庁調達実施本部における過大請求事件の経緯について私なりに調べさせていただきましたので、そのことを申し上げさせていただきたいと存じます。 一九九三年の六月に、この調達本部、日本工機による過大請求の事実を認知をしているようであります。特別調査を実施しておりますが、考えてみますと、五年前からこの事件が発覚をしたということになるんだと思うんです。その九三年の九月には、日本工機が過大請求分の返還を終了いたしておりますし、翌年の九四年には東洋通信機が過大請求、六月に返還方法について合意、そしてさらに九五年の五月には藤倉航装及びニコー電子による過大請求の事実を認知、六月には藤倉、ニコー過大請求分返還終了、そして十一月には東洋通信機過大請求分の返還終了、九八年の二月二十六日の日に防衛庁再発防止策を発表、五月二十一日には大越官房長、記者会見で返納は適正と表明、さらに六月二十二日、防衛調達制度の改革案を発表、七月中旬、東京地検特捜部にいわゆる上申書を提出、こういった経緯があるわけであります。 以上の経緯からかんがみて、過大請求問題はこのときに一件落着のように見えたと思うんです。ところが、九八年、ことしでありますが、七月の二十三日の日に日本航空電子工業による過大請求問題が発覚をいたしました。その後、いろいろとまた経緯がありますが、背任容疑で関係者の逮捕が続出したのであります。 そこで、この九八年六月二十二日発表の調達制度の改革案というのは一体何だったのかと思わざるを得ません。最終報告が出された現時点で六月二十二日の調達制度の改革案をどのように評価をされているのか、五月二十一日のこの大越官房長の、もう前になりますか、返納額は適正と表明したのは一体何だったのか、そのことを、深い反省の意を込めて、これは事務方でも結構でありますから、お答えをいただきたいというふうに思います。
○及川政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの、まず六月二十二日の調達制度の改革案の件でございますが、通称取得改革というふうに私ども呼ばせていただいております。これは、装備品等のライフサイクルコストを総合的に抑制したい、そのために効率的な調達補給態勢をどうすればいいかという検討を行って、御指摘の六月に発表したものでございます。 二年の歳月をかけて行ったわけでございまして、主たる検討の成果は、研究開発、それから調達段階等、取得にかかわります各段階別の、言ってみればコスト抑制のための施策を講じたものでございます。例えば研究開発につきましては、見積量産単価の低減をどうすればいいかとか、あるいは調達段階においてはISOの9000シリーズを導入して手続の簡素化によるコストの低減を図るとか、そういったものを打ち出したものでございます。これそのものにつきましては、現在も、積極的に導入し、かつ促進しなければならないということで、鋭意これを推進すべく検討し、かつ実施に移しているところでございます。引き続き行ってまいりたいというふうに思っております。 他方、第二番目のお答えでございますが、大越官房長が九八年の五月、四社事案についての返納額が適正であったと表明した件でございますが、これにつきましては、当時は適正であったという認識を示したわけでございますが、御案内のように、本年九月、地検によります東通機に関する起訴事実等を踏まえますと、そのような見解の前提は覆ったというふうに考えるところでございまして、本年九月二十五日にこのような認識は撤回させていただいたところでございます。
○吉川委員 具体的に二、三お伺いをさせていただきたいと思います。 東京地検の公訴事実によれば、国には東洋通信機株式会社及びニコー電子株式会社に対して、それぞれの返還金額である約二十一億円と十四億円についての債権が残っているとのことでありますが、これらの返還について、防衛庁としてどのように処理をされていかれるのでしょうか。
○及川政府委員 お答え申し上げます。 現在、東洋通信機及びニコー電子にかかわります返還金額につきましては、関係機関と協力しながら、その返還金額の確定のための積算の基礎となります資料の収集に努めますとともに、東洋通信機につきましては返還金額の積算作業を行っている最中でございます。また、返還時期につきましては、適正な返還金額を確定し、関係法令に従いまして、年度内を目途に国庫に一括返還を求めてまいる、そういう所存でございます。 なお、両社に一括返還を求める際には、当該返還と同時に、国も既に両社から徴収している金額がございますので、覚書契約に基づきまして減額変更された金額を返還する必要がございます。したがいまして、平成十年度のただいま御審議をお願いしております第三次補正予算案において必要な措置を講じたい、こういうふうに思っているところでございます。
○吉川委員 先ほど私が経緯の中で申し上げました、ことし七月二十三日に発覚した日本航空電子による過大請求事案について、その過大請求金額はどのぐらいだったんですか。
○及川政府委員 日航電の件につきましては、再発防止策の一環といたしまして制度調査を行ったわけでございます。同社の工数について、これまで実績報告として提出されたものと異なる数値があるということが判明したものでございます。これを踏まえまして、平成九年度末に確定時期が到来した監査つき契約について確定等を行ったところ、当初の契約金額から約十億円の減額になったものでございます。これは平成九年度末の分だけでございます。したがいまして、同社との監査つき及び一般確定契約等すべての契約につきまして、平成四年度にさかのぼって現在調査中でございます。 防衛庁といたしましては、早急に当該調査を進めまして、返還額の算定方法等について関係省庁と連絡をとりながら作業を進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○吉川委員 九年末で十億円、平成四年にさかのぼって調査中ということでありますが、これは早急にやはりやっていただかなければなりません。いつまでをめどにやられるつもりなのですか。 それと、あわせて日本電気及び日本電気電波機器エンジニアリングにも過払い事案が発生していると聞いております。防衛庁としてこれらの過払い額の算定及び返納についてどのように考えていらっしゃるのか。あわせて、いつまでにこの返納をさせようとしておるのですか。現在の段階でのことをお聞かせをいただきたいと思います。
○及川政府委員 日本航空電子につきましては、比較的早い時期から作業を進めておりますので、可能であれば年度内に何とか返還作業を終えたいというふうに思って、目標として立てているところでございます。 御指摘の日本電気あるいは日本電気電波機器エンジニアリングにつきましては、御指摘のとおり過払い事案が発生しているわけでございまして、十月二十二日にその報告を受け、先月三十日に特別調査に入ったところでございます。調査につきましては、かなりの事業場等に立ち入りを行って調査をしなければなりません。したがいまして、現時点ではいつの時点でこれが終了するかという確たる見通しは申し上げられる段階にはないわけでございます。また、日本電気電波機器エンジニアリングにつきましても、去る十一月の十一日、同社から過大請求があるという報告を受けたところでございまして、これも特別調査を行うべく準備中でございます。できれば調査を年内に実施したい、かように考えているところでございます。したがいまして、返還がいつになるかというのは、その調査をした上で見きわめをつけたいというふうに思っておるところでございます。
○吉川委員 年内に調査をされるということでありますから、少なくとも年度内に返納をきちっと終えていただくというような段取りを私はすべきだと強く指摘をさせていただきたいと思います。続きましてお伺いいたしますが、七社以外にこの過払い事案は今発生していませんか。もうこれで終わりですか。
○及川政府委員 現在判明しております過払い事案は、平成五年から判明いたしましたのは七社でございます。それ以外については、現在のところは判明をいたしておりません。 なお、調達実施本部におきましては、このような事案が他の企業にないかどうか確認する必要があるということで、今後五年間で、一般確定契約を主体といたします企業約二百八十社につきまして、これに制度調査を行い、そういった事案がないかどうか調査をいたしたいと思っているところでございます。
○吉川委員 時間もありませんので、この点についてもう少し聞きたいのですけれども、二百八十社に対して調査をされるということでありますから、早急に調査をされることを望みたいと思います。 そこで、次は長官にお伺いをさせていただきたいと思いますが、先ほど長官の御報告にもございましたように、額賀前長官が心血を注いで、先頭に立って取りまとめられたこの四社事案関連文書の管理実態に関する報告について所見を伺いたいと思います。 その前に、私は一つだけ、これは長官ではなくて防衛庁の幹部の皆さんに申し上げたいと思うわけでありますが、つい先日のある新聞社の額賀前長官のインタビューに対して、前長官は危機管理の欠落を強く指摘をされております。 少し紹介いたしますと、事務当局が当初まとめた最終報告案について、幹部の実名を出しただけで、中間報告と同じようなものだった、このため最も責任が重いのは最高幹部だと指摘し、秋山前事務次官の部分をみずから書き加えた、さらに次官、藤島前官房長ら各幹部が疑惑にどういう対応をしたかまとめろと全面書き直しを命じたことも明らかにされております。そして「「防衛行政が問われている」と筆を入れると、事務方が「防衛調達行政が」と勝手に書き直す。役所では何もしない意味の「検討」という表現をやたらと使う。」とか「このため前言を全文書き換えたほか、文章をいちいち直した」と、痛烈にあなた方を批判しているわけです、前長官が。額賀長官の百十四日間というのは何であったのかということを、私は非常に強く心に思うところであります。 そういったことを考えますと、防衛庁はもっともっと反省の色というものを国民の前に、前面に私は出さなければならぬと思うのです。そして、新しく長官に就任をされました野呂田長官におかれましては、このような状況の中での長官就任でありますから、本当に大変なことだろうと思っております。 そこで、先ほど申し上げましたが、この四社事案関連文書の管理実態に関する報告について、野呂田長官の所見をお伺いをさせていただきたいと思います。
○野呂田国務大臣 吉川委員の先ほどからの御叱正を、まことにはらわたにしみる思いで伺っておりました。御指摘のとおり、庁を挙げて一生懸命信頼回復のために頑張りたいと思っております。 先ほどの報告書にありますとおり、調査の結果、組織的に証拠隠しを行っていたと受け取られてもやむを得ない事例や、国民の奉仕者たる公務員として厳しく叱責されなければならない事例があったことが判明しております。その社会的、道義的な責任は極めて重いと考えております。また、刑事事件として立件されるまでみずからの手で事実関係を明らかにできなかったことなど、取り組みに不十分な面が多々あったことを申しわけなく思っております。防衛庁は、これを深く反省し、今後こうした事態が再発しないよう、前長官のもと、監督面の責任を含めた責任者のこれまでにない厳しい処分と人事の刷新を行ったわけであります。 防衛調達を抜本的に改革するための基本的方向を先ほど説明したとおり取りまとめたわけでありますから、今後とも、職員の綱紀粛正に万全を期する、そして、私は隊員の自覚と意識改革が何よりも大事だと思いますから、職員のみんなと一丸となって、再びこういうことが発生しないよう努めまして、防衛庁、自衛隊に対する国民の信頼の回復をぜひともなし遂げてまいりたいと考えております。
○吉川委員 新長官の手腕に大いに御期待を申し上げたいと思います。 続きましてお伺いをさせていただきたいと思いますが、我が党は、この防衛庁の問題が発覚をいたしましてから、早速防衛庁の在り方に関するプロジェクトチームを設置いたしました。そして、背任事件の原因と背景、あるいは装備品の調達のあり方、自衛隊の再就職問題など、防衛庁の信頼回復などについて、五回にわたり外部の有識者の意見を聞きながら、そしてそれらを真摯に踏まえて、防衛庁の調達行政を改めるために、例えば先ほどもこの報告の中にもございましたが、公認会計士を職員に登用することや、あるいは第三者によるチェック機能の強化などを求める四項目の提言をまとめたところであります。 既に長官初め防衛庁の幹部の皆さんもこのことは御承知のとおりだろうと思いますし、さらにそれを踏まえて、今申し上げましたような公認会計士の職員登用などを入れられた、私はこう思っているところであります。 そこで、お伺いをさせていただきますが、この調達の改革の基本的方向についての部分でありますが、この報告に盛り込まれた今後の施策の内容及びその実現に向けた長官の決意をぜひお伺いさせていただきたいと思います。
○野呂田国務大臣 これらの報告書をまとめるに当たりまして、自由民主党の皆さん方の御報告も十分参考にさせていただきました。 先ほど来説明申し上げたとおり、調達制度、調達機構の改革及び自衛隊員の再就職のあり方の見直し等を内容とする防衛調達改革の基本的方向を取りまとめたわけでございます。調達実施本部の廃止、それから調達に係る内部部局の組織的統合などの抜本的な組織改革を行いたいと思います。装備品の仕様の見直し等を通じた企業間の競争原理の強化などの制度改革も進めてまいりたいと思います。それから、自衛隊の再就職規制の見直し等の諸施策も盛り込んで、これも是正しなければいけないと思っております。 これらの施策につきましては、来年四月を目途に具体的な成案を得ようということで、既に庁内の幹部会議を数度開きまして、私自身が先頭に立ってこれらの改革の方向を着実に速やかに実現してまいりたい、そういう決意であります。
○吉川委員 来年四月に具体的成案を得る努力をされるということでありますので、これまた大いに御期待を申し上げるところであります。 私は、冒頭に、九三年に発覚をしたこの問題の経緯を申し上げながら、そしてさらに、事務的なことでありましたけれども、七社以外に過払い事案は発生していないのか、そういうこともお伺いをさせていただきました。これに関しては、二百八十社に対して調査中。何度も申し上げますが、これは早急に調査をして、きちっと国民の前に明らかにすべきだと私は考えております。 この背任事件について、国民の皆さんはいろいろな思いがあります。そして、我々も思いもございまするけれども、要するに、防衛庁にしっかりしていただいて、我が国の国民の生命財産、その安全に邁進してほしい、こういう気持ちでいっぱいなわけであります。 時間も多少残っておりますが、最後にお伺いをさせていただきたいと思いまするけれども、この調達関連問題につきましては、今も申し上げましたように、私は、早急にこのけじめをつけた上、ガイドライン法案や沖縄問題など、本来の防衛行政にかかわる重要課題に努力を傾注しなければならぬだろうと思うわけであります。そして、政策官庁への脱皮を一日も早く図っていくべきであると考えるものであります。今も申し上げましたけれども、国民の生命と財産を守る自衛隊、あるいは防衛庁として、国民の信頼を損ねることが二度とあってはならないと私は思うのであります。冷戦構造が崩壊したとはいえ、私の郷里北海道は、野呂田長官のところももちろんそうでありますが、寒いところでありますし、雪に耐えて実戦部隊は頑張っているわけであります。それを思うときに、私は、防衛庁は生まれ変わったと言われるくらいにならなければいかぬと思うのであります。最後に長官の決意のほどをお聞きいたしたいと存じます。
○野呂田国務大臣 一連の不祥事件に関するけじめをしっかりとつけまして、今委員から御指摘いただきましたように、防衛庁には国の平和と安全を守る、あるいは独立を守るという大変大事な責務があるわけでございますから、その本来の任務に一日も早く力を傾注できる体制をつくってまいりたい、こう思っております。御叱正いただいたように、沖縄の基地問題もこれは解消していかなければいけません。また、新しいガイドラインに関する法案の審議も進めていただかなければいけません。やらなきゃいかぬことが山積しているわけでありますから、私ども、決意を新たにして、政策官庁への脱皮を目指して一丸となって頑張っていきたいと思っております。
○吉川委員 野呂田長官の御手腕に御期待を申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○塩田委員長 石井紘基君。
○石井(紘)委員 石井紘基でございます。 野呂田長官、防衛あるいは安保の関係では、従来、国会での特別のお仕事というものは余りなかったように伺っておりますので、突然防衛庁長官ということになって、この混乱のさなかに対応していかれるのかなどうなのかなと、私、大変心配なんでありますけれども。 この防衛庁背任事件、当時は原価差異事案というようなことで言われておりましたけれども、その後防衛庁は、そうではない、過払いの問題であるということで、今や背任事件というふうに言われているわけでありますが、この問題に関する防衛庁の責任について、久間長官が以前言われたことがございます。私の質問に答えまして、確かに責任がございますということでしたので、どの時点でどういう責任があるのかと言いましたら、覚書を締結する時点までは責任があるでしょうというようなことを言われておりました。しかしその後、この覚書自体も大変な問題である、それ以降の責任というようなものも含めて、今回防衛庁がその対応を明らかにしたわけであります。 そこで、野呂田長官に幾つか御認識を伺っておきたいのであります。 覚書を締結する以前、これはさかのぼって五年間ということで解決をした、和解というような形でもって解決をしたんだ、こういうふうに防衛庁は言ってきましたが、それも間違いであったということを後に言われたわけです。そうしますと、NECの事案などについても明らかになっておりますように、民事でいきますと五年間が時効なので五年間さかのぼってやったけれども、それ以前の過払い、国損を生じさせたという問題も当然ありますということを久間長官はお認めになっていたわけでありますが、その点、ひとつ野呂田長官の御意見を、お考えを伺いたいんですが、どうでしょうか。この過払いというものは、どの時点までかわからないけれどもずっと以前から行われてきたんだというふうに私は思っているわけですが、いかがですか。
○野呂田国務大臣 以前からそういう事実があるいはあったかもしれないと推量される面もありますが、しかし、税法上の文書保存義務というのが、時効が五年ということになっておりますので、私どもはその時効の範囲内においていろいろな問題をただしてきた、こういうことでございます。
○石井(紘)委員 税法上といいますか民事上といいますか、そういうことで五年ということを言われているわけですが、これはあくまでも現行法の話でありまして、政治的な責任というもの、防衛庁が国に損害を与えてきたという問題は、これはまた別の範疇の問題でありまして、そういう点での責任というものはどうお考えですかということです。
○野呂田国務大臣 少なくとも、公務に携わる者が国損を与えるということは、これはやはり大きな責任があるのじゃないか、こういうふうに思っております。 ただし、久間元防衛庁長官が国会で答弁した従来の見解は、その時点における当庁の調査を前提にしたものでありますから、返還額を決定した諸冨元調本長あるいは上野元副本部長から十分な真相の説明が得られなかった、また、関係会社役員等に対する聞き取りによっても同様に適切かつ十分な説明が得られなかった、こういうことがありまして、過去に決裁を経た返還額に誤りがあったと判断するには至らなかったという面が確かにございます。 しかし、本年の九月に諸冨、上野両氏らが逮捕、起訴されるに至りまして、その起訴事実及び当時の一部関係者がそれまでの考え方とは異なった見解を示すに至りましたことから、従来の見解は覆ったと考えまして、当時、和解交渉により国への返還額八億七千万円と決定し、履行中契約から減額させる方法により返還させたことは不適切とは言えなかったとの国会答弁等、従来の見解を撤回したということでございます。 強制調査権がないとはいいながら、当庁の調査が非常に十分じゃなかったということ、そのような状況の中で当庁としての見解を申し上げていたことにつきましては、今から考えれば配慮に欠けた点があったかと思います。 久間元防衛庁長官の責任につきましては、防衛庁長官が自衛隊員の身分を有している者ではないし、また、同長官が既に離任されているということもありまして、今、当庁において御質問にお答えすることは必ずしも適当ではないのじゃないか、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
○石井(紘)委員 今、反省の弁を述べられたと思いますが、再三再四事実を突きつけられて、それに対して違う違うと言って言い逃れてきたわけで、国会答弁というものに対して、そういとも簡単に、例えば当事者からの聞き取りが得られなかったというようなことでもってそれが間違ったんだと言われても困るわけでありまして、聞き取りを得られなかったことの責任というもの、これが監督責任ということなんですよ。だから、そのことも反省されているんでしょうけれども、しかし、責任はやはり追及をしてもらわなきゃ困るわけですね。 最高責任者の一人である事務次官の責任あるいは処分は行った。しかし、一貫してそういうふうに間違った答弁をしてきた過去の防衛庁長官あるいは過去の装備局長、こうした者に対しての、これは防衛庁としてこれこれこういう処分をしますということはできないでしょう、今防衛庁にいない人ですから。しかし重大な責任があるということは、どうなんですか、あるんですか、ないんですか。
○野呂田国務大臣 大変制約された調査権の中で久間防衛庁長官は真剣に関係者を調査したと思います。しかし、検察当局の調査権とは違いまして、本人があくまでも否定すると、これはなかなか真実を得られないという面があります。しかし、その調査の結果が不十分であったと言われれば、それはある種の責任はあると思います。しかし、今、私、防衛庁長官として、前長官にそういった法的責任があるというようなことは、申し上げることは差し控えなければならないと思います。
○石井(紘)委員 それは、同じ政治家同士で、同じ党の方だからそういうことが言えない、そういう意味ですかね。 では、鴇田装備局長はどうなんですか。鴇田装備局長は明らかに具体的な当時の経過というものを徹底的に調査をされて、そして国会答弁をやってきたわけですね。それはもう専ら国会答弁の中心的な役割を果たしたのは鴇田装備局長ですよ。この人は今通産省に戻りましたけれども、責任はあるとお考えですか。重大な責任があると思いますか。どの程度の責任があると思うんですか。
○野呂田国務大臣 この事件究明の中心的な役割を果たしておったわけでありますから、その結果が非常に不十分であった、四社事案の解明等に取り組む立場にありながら、それが不十分であり、その結果として防衛庁の調達行政に関する国民の信頼を傷つけた責任はあると考えております。しかし、先ほど前久間長官の話もありましたが、私は同長官の任命権もありませんので先ほどのようにお答えさせていただきましたが、この鴇田前装備局長につきましても、そういう責任は十分あると思いますけれども、当庁で関係者の処分を行う時点では既に通産省に帰っておりまして、自衛隊員としての身分を持っておりません。当庁においては、自衛隊法の処分を行うことができないために、実情をつぶさに通産大臣に通知をして処分を依頼したわけでありますが、通産大臣の判断が出たわけでありまして、私どもは、所管大臣がそういった処分をされたことについては、通産大臣の責任においてされたもの、こう考えておる次第であります。
○石井(紘)委員 その当時重大な責任ある任にあって、そしてその人がポストが変わったからといって、あるいはほかの役所へ行ったからといって、処分ができない——それは制度上そうなんだけれども、しかし、次官は事実上首にした、あるいは前の官房長も事実上首にした。石附氏もそうだ。そういう中で、国会というのは国民に対して正式に物を言う場でありますから、そういう場でもって専ら答弁を防衛庁を代表してやってきたところの人のその重大な責任というようなことを、この文書の中には何にも書いてないじゃないですか。そんなことじゃ、これは全然報告にも何にもならない。そこのところは大変重大な手落ちであります。いいですか。 あの鴇田さんは当時、原価計算のもとになる資料はなかったと言っているんですよ。企業にも存在しなかったと言っていたんですよ。ところが、あなたが、防衛庁が出したこの報告書の中には、企業にあったとかなかったとかいうようなことは全然触れられてないじゃないですか。資料が、何らかの資料がどこにもなかったというようなことは触れられてないです。 しかも鴇田さんは、私が不法行為あるいは背任でもってなぜ告訴しないのだ、しなかったのだと言いましたら、そういうことも可能ではあったけれども、しかし、そういう裁判を起こして勝てるかどうか難しい点もあるのではないかという議論があったのでそういうことをしなかったと。企業の方がうその申告をしてきて、これはもう詐欺ですよね、それに対して払い過ぎたから戻せという問題が、なぜ堂々と法的な争いに持っていくことができない問題なのか。その点を防衛庁の内部でいろいろと検討した結果、難しい点もあるのではないかという議論もございましたので、そういうことはできないで和解でしたと。 こんな和解なんてあり得ないんですよ。過払いを一方では請求する。一方では、これはうその申告をしたんだから詐欺だというような立場同士が争っているわけですね。そういう中で和解なんということはあり得ないんです。これは刑事上の問題ですから。 それなのに、いろいろ難しい点があると言ったことはどういうことかというと、天下りを入れてくれ、あるいは当時の担当者、責任者の何人かがいろいろな癒着があって、接待を受けたり、あるいは株を提供されたり、ゴルフの会員権を提供されたり、いろいろなことがあった、そういうことがあったから、背任で訴えることができなかったんじゃないですか。和解なんということで、つまり、わけのわからない、過払い分を国が取り返したかのごとき言い逃れをできるような方法を考えついた、こういうわけですよ。 だから、鴇田さんに対する責任追及というものを、少なくとも防衛庁としての見解の表明はしなきゃいけません。 そこで、長官にお伺いしたいのですが、背任罪だとお思いですか、どうですか。
○野呂田国務大臣 鴇田前局長につきましては、私どもとしては、公務員として非常にこういうことがあって問題であるので、適正な処分を通産大臣に対して通告をしたわけであります。 防衛庁としては、同氏が通産省へ行った以上処分するわけにいきませんので、これは通産大臣として事の軽重をどう判断したかということでありまして、これ以上のことになれば、通産大臣の所見を伺ってもらうよりしようがないことだと私は思います。 背任事件になるかどうかは、これは司法当局の判断する問題でありまして、私が今軽率に背任になるとかならないとかという私見を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。 ただし、これまでのように、私どもは、防衛庁の透明性や情報公開というのをきちっとやって、国民に不信を抱かれないようにしようということでありますから、捜査当局に対しては進んで調査に協力してまいりたい、こういう方針で臨みたいと思っております。
○石井(紘)委員 背任事件であるかどうかということは、防衛庁の答弁の中にも防衛庁の背任問題というような表現が、背任事件というような表現があるのですよ。だから、これはお認めになるべきですよ、長官。 いいですか、その立場に、任にある人が、その地位、立場を利用して、そして第三者に利益をもたらすために国に莫大な損害を与えた。天下りを送り込む、あるいは自分の目をかけた人を防衛産業の顧問や何かにするというようなことが一方では行われておった、贈収賄も行われておった、その結果、国に重大な損害を与えることになった。これは背任じゃないのですか。
○野呂田国務大臣 刑法の背任罪の構成要件は、委員よく御承知のとおり、一つは、他人の事務を処理する者が、利益を図って、害を与える目的で任務違背行為を行い、財産上の損害を生じせしめる罪である。こういうふうに解されていると思います。 そういう意味では、私どもも、委員がおっしゃるとおり、背任的な要素があるのじゃないかとは思いますが、これは背任罪かどうかということになりますと、司法当局が決めることであって、私は、そういうことを言うことは差し控えたい、こう申し上げたわけであります。
○石井(紘)委員 わかりました。そういうことで結構だと思います。背任的とおっしゃいましたけれども、背任の要素が多分にある。 では、いろいろ調査をされたと思いますが、上野氏やあるいは諸冨氏等々の関連で贈収賄というようなこともございましたでしょう、いかがですか。
○野呂田国務大臣 お答えいたしますが、今名指しをされたような元幹部が収賄罪という国家公務員にあるまじき犯罪の容疑で逮捕、起訴された、これはまことに遺憾でありまして、心から国民の皆さんにおわびを申し上げなければならないと思っております。 既に逮捕されて起訴されているわけですから、私は、贈収賄の疑いが濃厚だと思いますが、今後の司法当局による判断を見守ってまいりたいと思っております。
○石井(紘)委員 額賀前防衛庁長官は、過払いを返納したけれども、それは適切な方法で行われていないということをお認めになった。そこで、東洋通信機初めその他の企業に対してもさらなる過払い分を徴収するつもりであるという意思を表明しておられましたが、野呂田長官はいかがですか。
○野呂田国務大臣 現在、東洋通信機それからニコー電子に係る返還金額につきましては、関係機関と協力をしながら、返還金額の確定のために積算の基礎となる資料の収集に努めるとともに、東洋通信機につきましては、返還金額の積算作業に今入っておる最中でございます。返還時期につきましては、先ほども局長から答弁がありましたが、適正な返還金額を確定した上で、関係法令に従いまして、年度内を目途に国庫に一括返還を求めてまいる所存でございます。 なお、両社に一括返還を求める際は、当該返還と同時に、国も両社に対し覚書契約に基づいた、先ほど委員が御指摘のとおりの覚書契約があって、それに基づいた減額変更された金額を返還する必要がありますため、平成十年度の第三次補正予算案において必要な措置を講ずることとしております。
○石井(紘)委員 今おっしゃられたことを確認いたしますが、これは、かつて行われたような、現在履行中の契約から差し引くなんというような、返還させたんだかさせないんだかわからないような方法ではなくて、一括返還をさせて予算に計上するということでよろしゅうございますね。
○及川政府委員 先生おっしゃるとおりの方法でいたしたいと思っております。
○石井(紘)委員 その後新たに出てきているNECとかの過払いについてはいかがお考えですか。
○及川政府委員 NECにつきましては、去る十一月三十日から現場、府中の事業場等に立ち入りまして、そして特別調査を実施し、過払いの実態がどうなっているかといった調査を行っております。 したがいまして、その他、例えば日航電でございますとか日本電気電波機器エンジニアリングといった会社がございます。いずれも調査を進めるべく態勢を整えているところでございまして、御指摘のとおり、額が確定次第、返還作業に入りたいというふうに思っております。
○石井(紘)委員 そうすると、かつて行われた、契約の中から差し引くという方法は誤りであったということですか。
○及川政府委員 債権管理法等に基づき、適切でなかったというふうに思っております。
○石井(紘)委員 そうしますと、それはどういう意味で適切でなかったと言われるのかちょっと確認したいのですが。返還はさせたという理解なのか。私に言わせれば、それは国の収入の中に計上されていないわけですから、予算の中に計上されていないわけですから、返還という形になっておりません。どうなんでしょうか。 そうすると、防衛庁としては、それは返還はされたんだけれどもどこかへ消えたというふうに言われるのか、あるいは、返還はされていなかったので、その分もさらに返納を求める、こういうことなのか、どうなんですか。
○及川政府委員 既存契約からの減額という返還措置をとったわけでございますが、検査院等の御指摘にございますように、会計法令上は、その返納額は現年度の歳入に計上すべきであった、こういうことでございますから、その御指摘を受けまして、当時の処理は適用に問題があったというふうに認識をしているところでございます。 したがいまして、先生おっしゃるように、一括して返還をさせるべきであったというふうに思っております。
○石井(紘)委員 ちょっとそれでは足りないので。 ということは、東洋通信機でいえば、例えば八億七千万でしたか、それは返納になっていないという理解なんですか。あるいは、そういうことであれば、もう一回さらにそれを請求しなきゃならぬことになりますが、どうですか。
○及川政府委員 防衛庁には形として戻ったわけでございますが、国に、いわゆる国庫に戻ったという形にはなっていないのかと思います。 したがいまして、今回私どもは、一度防衛庁に戻ったとされているお金を会社の方に返しまして、そのかわり根っこから全部返してもらう、こういう方法をとるべきだということで現在関係当局と打ち合わせをしているところでございます。
○石井(紘)委員 そうすると、防衛庁に戻ったというお金をまた戻すということは、それはきちっとしてもらわないとまたわからなくなっちゃいますが、これは支出に計上するんですね、防衛予算の支出に。
○及川政府委員 いたします。
○石井(紘)委員 しかし、そのお金はないはずです。そうすると、新たに予算をとるんですか。そういう金はないはずじゃないですか。それとも、責任ある方々がそれぞれ自己負担をされるんですか。
○及川政府委員 防衛庁予算の全体の枠の中から、現在の予算の中から捻出をいたしまして返却をする、こういうことになろうかと思います。
○石井(紘)委員 それはおかしいんじゃないですかね。これはもう二重に国損を生じさせることになりませんか。
○及川政府委員 財源につきましては、一度かつて私どもに入った、過去の話でありますけれども、入ったわけでございます。したがいまして、今回返すに当たりましては、私ども防衛庁の予算の中の整備等にかかわる経費、そこに前回入ったわけでございますので、その中から財源を捻出する、こういうことで返還財源を手当てしたい、こういうふうに思っているところでございます。
○石井(紘)委員 それは入っていないはずですよ。契約の改定をしたわけでしょう。契約の変更をして、契約をやり直したわけですからね。ですから、それは入っていないんじゃないですか。
○及川政府委員 それは一応、従来の、例えば百万なら百万の契約を減額して、例えば減額分を返してもらったという形にして防衛庁の方に入ったものになっておりますから、返った形になっていると私どもは考えております。
○石井(紘)委員 野呂田長官、それでよろしいんですか。そういうことで責任を持っていただけますか。
○野呂田国務大臣 和解契約と申しましょうか、契約で相殺的な契約を結んだんですが、それが適正じゃないということでございますから、これは、私どもに入ったものを一回返して、そしてそれを上回る金額を一括して企業側から返還を求めているわけですから、国損には当たらないんじゃないかと思います。 なお、手続につきましては、債権管理法とか財政法とか会計法とかいろいろありましょうから、関係当局とよく相談して、そごのないようにしたいと思っております。
○石井(紘)委員 そこは野呂田長官、まだ御就任間もないので、よく勉強していただかないとまた責任の問題になってまいりますので、慎重に、研究してください。 それはこうなっているのですよ。覚書というものによって原契約は変更されて、新たな契約、新たな債権債務関係を生じさせたということになっているわけです。そこは、防衛庁に言わせれば、あうんの呼吸でその分を契約から減らしたというふうに言われるかもしれないけれども、しかし、形の上でも実体上も、過払い分というものは今まで国庫に、あるいは防衛庁にも入っていないし、入っていない形にもなっているわけです。 何かまだ御発言がございますか、長官。
○野呂田国務大臣 御注意いただいたとおり、よくよく究明いたしまして、誤りのないように、委員の方に御説明に上がるか、あるいは次回の委員会までにきちっと答弁をしたいと思います。
○石井(紘)委員 その件は一応そこまでにいたします。救難飛行艇US1A。中島議員は、九三年の三月から九六年の一月に政務次官に就任するまで富士重工の顧問をされていたそうです。政務次官に就任するときにはこうした民間の仕事ができなくなりますから、そこで退任をされたわけですが、一方、この救難飛行艇の改良機の開発というのは、九五年の十二月に決定をされた。九六年から発注先の検討に入った。そこで、九六年に、多分早い時期だと思いますが、富士重工の小暮専務は、政務次官に就任したところの中島氏に対して、就任祝いを兼ねて、次期練習機の発注獲得に向けての取り組みについて説明をした、こういうわけですね。 これは、その直前まで顧問をやっていたわけですから、こういうことは大いにあり得ることじゃないかと思いますが、長官、感想はいかがでございますか。
○野呂田国務大臣 これは犯罪構成要件に触れる問題の一部でもありましょうから、私の方から、そう思うかと問われても、ちょっと見解は差し控えたいと思います。もう御指摘のように、US1A改に係る試作担当会社の担当部位に関する決定過程において中島元政務次官がいかなる関与をしたかということが捜査の焦点になっており、今捜査が鋭意進められているわけでございますから、それに立ち入るような私見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。また、従来のように、事実の解明を隠すというような非難は絶対に避けなきゃいけませんので、私どもとしては、捜査当局に積極的に、事実の解明に協力してまいりたい、こう思っております。
○石井(紘)委員 捜査当局にもそうですが、国会に対してもやはり包み隠さず明らかにしていただきたい。もちろん、捜査との関連でもってそれは言えないこともおありかと思いますが、これは極力オープンにやっていただきたい。私が今聞きましたのは、そういうあいさつに行って、つい数日前まで顧問をやっていたわけですから、こうこうこうなっておりますというようなことの説明をするというのはあり得ることじゃないかということですよね。それは捜査との関係は何もないわけですから、感想を述べていただけばいいわけで、そんなことまで別におじおじされる必要はないことだと思いますよ。 それで、富士重工は、自分のところの飛行艇を初めとする防衛庁からの受注のシェアが、どうもそのころかなり減っておるということで、自社の分担シェアについての情報、あるいは受注情報と言ってもいいんでしょうかね、防衛庁の発注情報と言ってもいいのかもしれませんが、そういうものを防衛庁からどうも得ていた節があるわけですが、そういう点についてはいかがですか。
○及川政府委員 大臣も御答弁申し上げましたけれども、そのシェア問題等につきましては、現在捜査の中核的な点ではないかと思います。そういうことでございますので、御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○石井(紘)委員 では、もうそのことは、ちょっとここではやめておきましょう。何聞いてもだめでしょう。もうちょっとオープンに次回からはやっていただきたいと思います。 そこで、次の問題は、空自の次期初等練習機の選定問題。 これで昨日も決算行政監視委員会で経過を若干伺いましたが、その上に立ってちょっと幾つか伺いますが、ピラタス社というスイスの会社、これは丸紅が入っております。それと富士重工というのが二つ残って、最終的には富士重工ということになったそうですが、これを決定して発表されたのはいつですか。
○佐藤(謙)政府委員 最終的に決定いたしましたのは、八月二十七日でございます。それで、その時点でもってこの二社につきましてその結果を連絡している、こういうふうに私は聞いております。
○石井(紘)委員 ピラタス社の方は、それは受けていないというのですが、どういう形でこれは通知をしたのですか。
○佐藤(謙)政府委員 私ども提案を受けておりますのは丸紅から受けておるわけでございます。したがいまして、機種決定をいたしまして空幕の担当の方に二社を呼びまして、そこでもってその結果を連絡した、こういうふうに聞いております。
○石井(紘)委員 そこのところはちょっと、大変食い違うところでございますが、当初は七月にこれは発表する予定というようなことになっておりましたか、どうですか。
○佐藤(謙)政府委員 特にそういうことは決まってないと思います。
○石井(紘)委員 六月に提案を出させる際に、これはどういう形で見積書あるいは提案書というものは出させるのですか。製図板、製図の形を含めるのですか、あるいは実際の、何か機体とか、そうした具体的なものを添えて出されるのでしょうか、どうなんですか。
○佐藤(謙)政府委員 今先生お話ございましたように、私どもの方から五月十五日にこの提案要求書を通知いたしまして、それに対し六月十五日に丸紅とそれから富士重工から会社提案書が提出されておりまして、これは文書の形でもって提出されているわけでございます。
○石井(紘)委員 外国の企業なんかの場合、一カ月の間にというのはなかなか大変なようですね、具体的なことは申し上げませんが。 ピラタス社の主張していることは、ピラタス社というのは世界じゅう二十八カ国の軍隊と取引をしている、実績も相当高い航空機会社だというのですが、防衛庁が真にコストや練習機の質というようなことを考えていたのであれば、富士重工の製図板上の機体よりもピラタスの修正版のものを選んだはずである、コスト的にもピラタス社の方がすぐれておるというようなことを言っているわけです。 これは、そういう提案書、見積書との関連で、富士重工は製図板上の機体だ、ピラタス社の修正版を選んだ方がいいんじゃないか、選ぶはずだったと言っているのですが、どうお思いですか。
○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、今申しましたように、こちらの提案要求書に対し提案書を出していただき、それに基づき、要求性能との適合性を含めまして、技術的それから経済的な見地も含めまして総合的に検討、評価させていただいたということでございます。
○石井(紘)委員 さらに、このピラタス社の調達ということにすれば、五十機を使用した訓練、要するに五十機を発注しているわけですが、それをピラタス社の提案するある種の機体を使用すれば三十五機で賄える、そういう提案を取り入れれば三〇%の支出の削減になる、したがって、こういう能率の悪さというものは、防衛庁が真剣にコストや訓練の質を考えているとは言えないのであって、ただ富士重工の提案に適応するように意図的に公募したとしか思えない、こういうふうに言っているわけですが、どうですか。
○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、空自のパイロット教育の最初の課程におきまして、基本的な操縦法の習得のために必要な航空機としてどういうものが適当かという観点から要求性能を定めているわけでございまして、そういうものに基づき、また経済性も含めまして、それでもって御判断をさせていただいた、こういうことでございます。
○石井(紘)委員 この入札の過程で富士重工の方には見積価格等々が漏れておった、あるいはメディアにも、マスコミにも一部漏れておった、これは非常におかしいんじゃないか、問題なんではないかという指摘があります。防衛庁は、そういう点でその価格について漏らしておったのですか。あるいは、富士重工の意見を聞いたり、そうしたやりとりというようなものがあったのかも含めてお答えいただきたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 私が承知しているところですと、両社とも六月十五日に提案書の提出があったというふうに承知しております。それから、提案書に記載されている価格につきましては、機種選定作業等を通じ提案者の方からこれを変更するとか、こういうことは許されないということになってございます。
○石井(紘)委員 大変あいまいな答弁でございますが、時間が参りましたので、まだまだこの問題は続けてやらせていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○塩田委員長 次に、佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。 きょうは四十分時間をいただいておりますので、最初の三分の二ぐらいの時間を使って防衛庁の一連の不祥事につきましてお伺いし、残りの三分の一ぐらいの時間でTMD構想につきましてお伺いをしたいと思っております。 まず、今回の調達実施本部の背任事件並びにそれに伴う証拠隠滅事件、そして今特捜部が捜査中の富士重工及び中島洋次郎代議士の絡む装備品調達をめぐる汚職事件等を見ておりますと、本来国民の生命と安全を守らなければいけない、いわゆる国家の危機管理をつかさどる防衛庁が、自分の省庁内の危機管理もできていなかったという、ずさんで、また、しかも深刻な実態というものを明らかにしておりまして、この相次ぐ不祥事というのは一言で言うと国民への重大な裏切りであり、今もはや防衛庁を見る国民の目というものは、また信用というものは失墜しているというふうに私は思っております。このままこの信用の失墜をほうっておくと、やはりこれからの国民の安全にかかわる防衛政策にも大変重大な影響を与えるのではないのかな、そのような感がいたしております。 ぜひ新しい防衛庁長官のもとで、私は、今まで聖域とされてきておりました国防に対して、本当にみずからもう一度腐敗している部分についてはメスを入れて、そして襟を正して、防衛庁の職員の皆さん、また自衛隊員の皆さん、綱紀の粛正をみずから課して、そして国民の信頼回復に一歩でも二歩でも前進をしていただきたい、そういう思いで最初に防衛庁長官にお伺いいたします。先ほど、一連の、最終報告も踏まえての通り一遍の御報告はいただきましたけれども、改めてお伺いしたいのですが、この困難な時期に就任された長官として、今までの一連の、また今も起こっている汚職事件に対していかなる認識を持たれて、どういう改革ビジョン、また改革の決意で防衛庁を国民の信用に足る庁にしていこうとされているのか。特に、内閣はもしかすると来年改造されるかもわからぬというようなニュースも出ておりますからいつまで防衛庁長官をされるのかわかりませんけれども、野呂田長官の時代に、自分の時代にこれだけはしておきたい、そういう改革をしなければいけないというものを自分でお持ちであればお伺いをしておきたいと思います。
○野呂田国務大臣 お答えいたします。 先ほども御報告したとおりでありますが、前長官を本部長としまして防衛調達改革本部では、この一連の不祥事を厳粛に受けとめまして、早急に国民の信頼を回復するということで、調達制度や調達機構の改革、それから自衛隊員の再就職のあり方等についての基本方向を示したわけでございます。 いわゆる証拠隠し疑惑につきましても、前長官の指導のもとに事実関係の徹底した調査を行い、その調査結果を取りまとめて公表したわけでありますが、この中で、組織的に証拠隠しを行っていたと受け取られてもやむを得ない事例などが判明し、また刑事事件として立件されるまで事実関係を明らかにできなかったことなど、事案への取り組みに不十分な面があったことを率直に認めなければなりません。防衛庁は、これらの調査結果を踏まえて、その監督面の責任を含め、関係者の厳しい処分と人事の刷新を行ったところであります。 私といたしましては、この改革の基本方向に盛り込まれておりますように、調達実施本部の廃止、それから調達に係る内部関係部局の統合、組織化、それから、いろいろな調達に関する競争原理の導入、あるいは第三者機関によるチェック体制の確立など、こういうものをきちっと速やかに四月までに全部実現する、こういう前提で連日、今、組織内で作業を進めているところでございます。 〔委員長退席、浅野委員長代理着席〕
○佐藤(茂)委員 私は、今の防衛庁長官の答弁ではもう一つ不満足なんですね。というのは、既にそれはもう前長官のもとで打ち出された内容でして、それはある意味でいえば庁として機関決定したものをほとんど述べられているだけでありまして、やはりこういう困難な時期になられた長官としてのリーダーシップという、もとから独自の、自分としてはこれだけをしたいというものをぜひお伺いしたいな、そういう気持ちがあったわけですが、その部分が若干感じられなかったことが残念でなりません。 それで、このことをやりとりしていても仕方がありませんので、具体的に最終報告の内容につきまして若干お伺いをしていきたいわけです。 今、防衛庁長官も改めて答弁されておりましたけれども、最終報告で表現が「組織的に証拠隠しを行っていたと受け取られてもやむを得ない事例があった」、そういう一言で言うとあいまいな表現になっているのです。そこで、ずばりちょっとお聞きしたいのですけれども、防衛庁は本当にみずから組織的な証拠隠しをした、そういうように認められたのかどうなのか、そのことを明快にお答えいただきたいと思います。
○野呂田国務大臣 ちょっと前の質問に関連して御指摘を受けましたので補足したいと思いますが、今度の報告書は、部外の学識経験者も集めまして、相当な期間をかけて、血のにじむ思いでまとめた改革案でありますから、当面私がやるべきことは、これを着実に、速やかに実行することである、こういう意味で申し上げたわけであります。 その場合に、ここに書かれたこと以外に一番大事なことは、隊員一人一人が本当に自己改革に燃えて、そういう意識改革というものをきちっと喚起することが今私に課せられた大変大事なことである、そのために私は今、日夜腐心しているところであります。そして、本当にやらなきゃいかぬことは、国家の平和と安全を守るということが本来の務めでありますから、今防衛庁が当面して山積しております沖縄の基地問題とか新しいガイドラインの関連法案をつくることとか、そういう問題を着実に乗り越えていくことが私に課せられた使命でありますし、それに向かって精いっぱい頑張っていきたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。 それから、組織的な証拠隠しがあったかといえば、今回の報告において、調査の結果として組織的な証拠隠しがあったと言われてもやむを得ないと思います。 具体的には、石附前副本部長が部下を用いて資料を何度か移転させた事例、あるいは藤島前官房長とか石附前副本部長とか田中前副本部長等が強制捜査前に資料の移転や処分をした事例、あるいは石附前副本部長からの電話連絡を契機にヒアリングファイルが処分された事例、あるいは担当課長の了解のもとに地検提出資料の一部を抜き取った事例などがありますので、これは組織的に証拠隠しをしたと受け取られてもやむを得ない面だ、私もそう思っております。 これらの行為が刑法上の証拠隠滅罪に該当するか否かは捜査、司法当局の判断にまつべきものでありますが、私の任務としては、二度とこういうことが起こらないように、また、捜査についても今後は隠すことなく積極的に協力してまいりたい、こう申し上げておきたいと思います。
○佐藤(茂)委員 今の長官の答弁で、表現に非常にこだわっておられるというか、そういう部分を感じながらも、防衛庁としても、それはもうほとんどそう受け取られても仕方がないんだ、そういう評価だというようにお受けをいたしました。 それであるならば、十月の十四日の中間報告の時点では、防衛庁のこの内容を見ますと、疑惑について、現時点では組織的な証拠隠しの事実は確認できていない、そういうように大見えを切って言われたのですね。それが、一月ちょっとたった十一月十九日のこの最終報告では、ほとんど組織的な証拠隠しと受け取られても仕方がないんだというふうにお認めになったんです。この間で新たな事実関係というのは、最終報告にも出ておりますけれども、中間報告以後新たな事実というのは二つぐらいしかないのですよ。ほとんど事実関係というのはふえていないにもかかわらず、そういう形で見解を変えられたのはなぜなのかということを明快に御説明をいただきたいと思います。
○守屋政府委員 お答えいたします。 中間報告は、その時点で判明していた事実に基づいて作成いたしております。聞き取り結果等に矛盾がある場合には調査を継続するという立場に立ちまして、事実関係を慎重に記述したものでございます。 それで、今回、最終報告に当たりまして事実関係を精査したわけでございますけれども、石附前副本部長が部下を用いて資料を移転させた事例、それから、藤島前官房長、石附前副本部長、田中前副本部長が強制捜査直前に資料の移転、処分をした事例、三番目に、石附前副本部長からの電話連絡を契機にヒアリングファイルが部内で処分された事例、四番目に、原価管理課長の了解のもと、地検提出資料の一部を抜き取った事例ということが明らかになりました。このうち原価管理課の事例は中間報告後に判明した事実でございます。 こういう事例が精査した結果明らかになったわけでございますけれども、今回の報告ではこういう事実関係を徹底的に調査した結果を踏まえまして、これは国民の目から見て組織的な証拠隠しと受け取られてもやむを得ないと思われる事例、こういうものについては、防衛庁として、そのように評価した上で、みずから報告書に記載することが防衛庁への国民の信頼を回復する第一歩であると判断しまして、このような表現をとったものでございます。御理解いただきたいと思います。
○佐藤(茂)委員 この問題をいろいろやりとりしても時間がたつだけですので、続いてこの最終報告にない新たな調本をめぐる疑いがあるかもわからないという点についてお伺いをしたいのですが、新たな改革案でも解体されることがほぼ決まった防衛庁調達実施本部ですけれども、これは、「産経新聞が入手した調本の内部資料には、防衛装備産業各社をさまざまなデータでランク付けし、自民党の政治資金団体への献金目標額を査定していた実態が記されている。」そういう報道があるのですね。 十一月二十六日付の産経新聞によると、「防衛庁調達実施本部が平成三年ごろ、航空機や船舶、電機、通信機器、自動車メーカーなど主要な装備品調達先の企業五十六社を対象に、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対する一社ごとの献金目標額を査定し、総額一億四千五百二十万円の献金を割り振っていたことが二十五日、分かった。」と報道されているのです。 もしこれが事実だとすると、今までは官と民とのそういう癒着ぶりだったのですけれども、平成三年ごろの話ですけれども、巨額の装備の調達を背景にして、官がその威光を背に与党の資金調達を支えていた、そういう図式が明るみになることになるわけですけれども、まず防衛庁として、私は昨日の朝にこの質問を言っていますので、この報道は事実なのかどうなのか、そして平成三年ごろとなっているけれども、つい最近このようなことが行われていたのかどうか、そして、もしつい最近までないのなら、いつからいつまでそういうことが行われていたのか、御答弁をいただきたいと思います。
○守屋政府委員 新聞で報道されました日以降、私どもは、報道されたような事実関係が本当にあったのかどうかということで、平成三年当時の内部部局それから調達実施本部の職員及び報道にございます日本防衛装備工業会の職員に対しまして、現職の者とそれからやめている者を問わず、個別聴取を実施いたしました。 その結果でございますが、報道されたような、調本が企業に対する献金の割り振りに関する資料を作成し、または内局が作成を指示したという事実は確認ができません。それから、防衛装備工業会にも聴取したところ、報道されているような資料を作成した事実はない、こういう調査結果を私どもとして有しております。
○佐藤(茂)委員 そうすると、産経新聞の報道、またB4で三枚刷りのそういう一覧表が写真で報道されているのですけれども、そういう報道というのは全くにせの報道である、そういう御認識であるというふうに承ってよろしいのですか。
○守屋政府委員 新聞で写真が載っておりましたから、あの写真で見る内容につきまして私どもの方でチェックをいたしましたけれども、あの内容でございますけれども、会社四季報や防衛庁の調達要覧といった公刊資料を通じまして資本金それから防衛庁の契約高等の企業情報というのは入手できるもので、記事にあるものと類似する資料を作成できる可能性というのは、防衛庁あるいは日本防衛装備工業会しか作成できないというものではございません。 それから、先ほども申し上げましたように、防衛庁でも日本防衛装備工業会でもこの資料は作成いたしておりません、こういう調査結果を得ております。
○佐藤(茂)委員 そうであるならば、ぜひ、防衛庁の名誉にかかわることですから、防衛庁の方から産経新聞社に対して、記事の取り消し、訂正を要求すべきだと思うのですけれども、いかがですか。
○守屋政府委員 私どもは、事実関係を的確に把握するため、関係する報道機関に問い合わせを行いましたところ、ニュースソースについては明らかにできないということでございました。 それで、報道内容が数年前のことでございますし、報道された資料の性格も不明でございまして、現在防衛庁として特段抗議等の措置はとっておりませんけれども、私どもとしまして、報道されたような事実は全く確認していないということを申し上げたいと思います。
○佐藤(茂)委員 今国民の厳しい目にさらされている防衛庁ですから、こういう、もしマスコミの報道が間違っているなら、ただ受け身になるだけじゃなくて、やはりきちっと法的にも訴えるなりなんなりすべきだ、私はそのように思うわけでして、そのことを訴えまして、次の質問に移らせていただきたいのです。 今回新たな再発防止策として、特に三項目にわたって、来年の四月を目途に成案を得ることとしながら、掲げられております。内容も大体読ませていただきました。調達制度の改革、また調達機構の改革、そして自衛隊員等の再就職のあり方の見直しと、それぞれ内容的にも、調本の解体を含めた、詳しく言いませんが、それなりにうなずける方向性は示されているのではないのかなと。ただ、若干惜しむらくは、四月までとは言わずに、私の感覚からするとできるだけ早期に国民の前で、防衛庁は変わり出したな、そういうものもできるところから改革していくことは大事ではないのかな、そういうように思うわけであります。 そこで、再発防止策の三点目の、自衛隊員の再就職のあり方の見直しについて若干お伺いをしたいのです。 ずっと内容を読ませていただいて、結論から言うと、今後はやはり防衛庁は、若年定年の自衛官の再就職をきちっと確保しながら、しかしながら幹部の天下りにどう規制を加えていくのかという、そこがこの問題については大事な中心課題になっていくのではないのかな、そういう感覚を持ちながら読ませていただいたのですけれども、自衛隊法の六十二条でも既に、「私企業からの隔離」ということで一応は定められております。しかしながらあの法律の中に抜け道があって、顧問等の非役員で就職する場合には規制を受けない、そういうことが今回の一つの大きな事件の温床にあったというように言われております。 この五年間の防衛庁からの天下り、上位取引先の二十社、これの実態も各紙に報道されておりますけれども、計二百二十五人に上るというように言われているのですね。私は、この自衛隊員の再就職のあり方の見直しについては、ほかの調達機構の改革とか調達制度の改革じゃなくて、防衛庁がやる気になれば、例えばことしから、また来年の初頭からでも一つの具体的な行動としてあらわすことができるのではないのかなと。例えば、この五年間のそういう長官による隊員の再就職の承認状況をすぐにでも国会に報告するとか、これは具体的にもう既に改革案の中身として書いてあることですから、即実行に移せるものは国民の目に見える形で明らかにしていくということをするとか、さらには二点目に、やはり今回こういう厳しい事態に陥っているわけですから、装備品の納入に関するそういう契約状況と天下りの実態、それについて、国会に報告するだけではなくて定期的に国民の前に公表していくというような、そういう努力を防衛庁みずからされていくべきではないのかな、そういう情報公開ということが一つのやはり国民の信頼をかち取る大きなポイントになるのではないのかなというように思うのですが、防衛庁としてどういうようにこのことについて考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
○坂野政府委員 お答えいたします。 自衛隊員の再就職につきましては、自衛隊法六十二条で一定の規制がなされております。しかし、この規制につきましては、一般職との比較におきまして、先生御指摘のように、実効性の面でいろいろ御指摘がされてきておりました。そのような事情で、今回この四社事案を契機といたしまして、再就職のあり方につきましても検討会を設けまして、現在検討を行っているところでございます。 基本的な方向としては、報告書にもございますように、自衛隊員の中でも事務官等につきましては、一般職との類似性も高いということで、一般職に類似した規制の内容にする。また、今御指摘がございましたように、現在顧問と非役員につきましては承認の対象になっておりませんので、こういった点につきましても、役員、非役員を問わず在職中に関係のあった場合には承認の対象にする。そういったような改善策を現在検討しておるところでございます。 〔浅野委員長代理退席、委員長着席〕
○佐藤(茂)委員 次に、先ほど石井委員から質問があった問題ですが、中島洋次郎代議士並びに富士重工業が絡む汚職事件の問題の、二つあると思うのですが、そのうちの一つで、海上自衛隊の救難飛行艇の試作品の受注分担をめぐる汚職事件についてお伺いしたいのです。 先ほどの答弁をお伺いしておりますと、今これが非常に捜査の焦点になっておるので差し控えたい、そういう答弁だけいただくと全然前に進みませんので、ちょっと聞き方を変えますが、これは十二月の二日の朝日新聞ですけれども、防衛庁として、「中島代議士と富士重工とのかかわりが報道されるようになってから、防衛庁は政務次官当時の装備部門の担当者らから話を聴いた。中島代議士が同社の受注にかかわったかどうかを調べるためだ。」ということで、既に話は何件かお聞きになっていると思うのです。 そこで、その話を聞いた結果、果たして中島洋次郎代議士が内局に働きかけをしていたのかどうなのか、また、働きかけを、また口ききをしていたとしたらどういうことをされていたのかということをお伺いしたいし、さらには、今新たな疑いとして、中島洋次郎代議士を介するだけじゃなくて、富士重工が直接防衛庁に受注工作や働きかけをしていた疑いも出ているというように言われているのですけれども、その点について事実関係はどうなのか、お伺いをしたいと思います。
○及川政府委員 大変恐縮でございますが、先生の御質問にございました点につきましては、まさに今回の事件につきましてどのような意思決定等がなされていったかということにかかわることではないかと思っております。したがいまして、検察当局の捜査が進められている現在の段階で申し上げることはお許しをいただきたいというふうに思う次第でございます。
○佐藤(茂)委員 大体予想された答弁なんですが、もう一点、航空自衛隊の次期初等練習機の選定の問題ですけれども、もう端的に伺いますが、先ほどの伺い方をするとやはり同じ答弁になると思いますので、この中で、十二月一日の朝日新聞ですけれども、富士重工業の逮捕された小暮容疑者が、航空自衛隊の次期初等練習機の選定に関する部外秘の公募条件、これは最重要秘事項らしいのですけれども、これを、公表された五月の約半年前から把握して、他社よりも受注競争を優位に進めていたことが関係者の話で明らかになった、そういう記事が出ているわけです。このことについて防衛庁で事実関係をどのように把握されているのか、お伺いをしたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 私どもといたしましては、この新初等練習機にかかわります運用要求書、性能要求書等につきましては、四月の下旬にこれを決定しているところでございます。それから、これを通知いたしましたのが五月の十五日ということでございます。
○佐藤(茂)委員 防衛局長、今の答弁だと、半年前にそういう公募条件なんというのを把握するというのはあり得ない、そういう答弁だというふうにお受けしてよろしいのですか。
○佐藤(謙)政府委員 公募条件ということがどういうことなのかあれですが、少なくとも、私どもといたしましては、その性能要求書なりなんなりを決めておりますのは四月下旬でございますし、それから、提案要求書というものを通知しているのは五月の十五日、こういうことでございますので……。
○佐藤(茂)委員 次に、TMDの問題につきましてお伺いをしたいと思います。 私は、TMD構想についてはまだやはり五つぐらい大きな課題点が残っているのではないのかなというように認識しております。一つは技術的問題、二つ目が膨大な費用の問題、三つ目が中国などの近隣諸国との関係、四つ目が武器輸出三原則との整合性、五つ目が昭和四十四年の宇宙の平和利用に関する国会決議との整合性をどう政府としてきちっと処理されていくのかということがこれから注目しなければいけないことだと思うのですが、その前にあって、これは、特に今申し上げた四番目と五番目なのですけれども、十月二十五日の読売新聞によると、先ほど言いました国会決議との整合性と武器輸出三原則との整合性について政府は基本的見解をまとめたというように報道されているのですけれども、政府としての考え方をまとめられたのかどうなのか、また、まとまっていなくても、基本的な考え方の検討状況はどうなのか、いつまでにまとめられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 BMDにつきましては、先生御存じのとおり、現在政府といたしましては、アメリカとの共同技術研究の着手ということに係ります概算要求をしておりまして、その中でもって政府部内の今の調整を行っている、こういう状況にございます。 したがいまして、今の段階でこういった課題について取りまとめをしているとか、こういう状況にはございません。
○佐藤(茂)委員 前任の秋山事務次官が、たしか十一月だったと思うのですけれども、十二月の概算要求のころまでにはそういう二つについてはまとめたいんだ、そういう記者会見をされている記事があるのですけれども、これはもう人がかわったので全く関係ないんだということで受けとめておいてよろしいですか。
○佐藤(謙)政府委員 このBMDにつきます政府としての判断をするに当たりましては、こういった問題についても整理をする必要があろうかと思いますけれども、その段取り等については、現在定まったものがあるわけではございません。
○佐藤(茂)委員 そうしたら、ちょっとお伺いしたいのですけれども、今回特にTMDで日本側が要求されているものとしては、海上配備型の上層システムにおいて、イージス艦に長射程、大気圏外迎撃用のSM3というミサイルを搭載して、弾道ミサイルをこのSM3で撃ち落とす、そういう構想だというふうに私は承っているのです。その三段式ミサイルの先頭となるはずのものがLEAPという部分でして、そのLEAPの部分について共同研究をしていく、これはたしか国会の委員会でも防衛局長は御答弁されたと思うのですが、四つぐらいの部分についてそれぞれ技術研究する余地があるんだ、候補になるんだということを言われていました。 一つはノーズコーンという部分、二つ目がキネティック弾頭という部分、三つ目が赤外線シーカー、四つ目が第二段ロケットモーターという部分なのです。しかし、この四つとも、どこで機能するのかということを見たときに、赤外線センサーにはノーズコーンをかぶせて、大気圏外に出てからコーンを飛ばしてこの目を開いて、相手の弾道ミサイルが出す赤外線を探知して、接近して、直接衝突して弾頭を破壊する、そういう機能から見ましたときに、共同研究で四つのどこをきちっと担当することになっても、大気圏外の宇宙で役に立つ、機能する部分を担当する、そういうことになるかと思うのですけれども、そういうことになると、利用が一般化していない、LEAPというのはそういう軍事目的の内容ですし、そしてさらに宇宙でそういうものが使われるということですから、研究段階から一歩進んで開発とか実戦配備に進んでいくということになると、先ほど申し上げました昭和四十四年の宇宙の平和利用に関する国会決議にまるっきり抵触してしまうのではないのか、そういうふうに私は懸念するのですけれども、防衛庁としてどういう見解をお持ちなのか伺いたいと思います。
○佐藤(謙)政府委員 今先生お触れになりましたように、私ども、現在概算要求しておりますのは、海上配備型上層システムのミサイルの四つの部位についての設計、その一部試作費として約十億円の概算要求を提出しているところでございます。 四つの部位というのは、今先生がお触れになったようなところでございます。 いずれにいたしましても、この海上配備型上層システムが機能いたします場所を考えますと、今お触れになりました国会決議との整理ということも当然必要なことだろう、こういうふうに我々は認識しているところでございます。
○佐藤(茂)委員 さらに突っ込んで聞きたいのですが、外務大臣、お忙しいところお越しいただいているので、最後にお伺いをしたいと思いますが、このTMD構想に絡んでの近隣諸国との関係の問題についてお伺いをしたいのです。 中国が、十月の二十二日に、これはロシアの国防大臣が北京に行かれて話し合われたのですが、そのときに、日米が共同技術研究しようとしているこのTMD構想というのは、新たな軍拡競争を引き起こし、世界と地域の平和と安定に不利益だ、そういうふうにそろって懸念を示したという報道もありますし、新しく就任された陳健駐日中国大使も、十月の二十七日に東京で講演されて、一言で言うと、研究、配備の再考を促したい、そういうふうに表明されているのです。 それと前後して、特に中国、ロシアさらには韓国と一連の首脳会談もありました。この一連の首脳会談の中で、TMD構想について、それぞれの近隣諸国との間の何らかの話題になったのかも含めまして、やはりこの周辺諸国の理解をどう得ていくのかということがこれからのTMD構想にとって大きな一つの課題になると私は思っているのですけれども、具体的に中国政府、ロシア政府、韓国政府がどういう反応を示しておって、日本政府として、このような近隣諸国に対して今後どういう対応をされていこうとしているのか、外務省としての見解をお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 弾道ミサイル防衛の問題につきまして、中ロ韓三カ国首脳と小渕総理大臣との会談においては、全くどちら側からも触れられておりません。 それで、それぞれの反応につきまして、私の方が承知している限りで申しますと、まさに中国は、今委員がおっしゃったように、一般的に否定的な反応をしているものと承知をしております。それから、ロシアについては、御指摘のような報道もあったわけでありますが、我が方としてロシア側に対してこれまでも我が国の考え方を説明する機会があったわけでありますが、これに対して、ロシア側から我が国に対して特段の否定的反応が示されたことはありません。それから、韓国についても、特段の否定的な反応を示したということは承知をしておりません。 いずれにしても、弾道ミサイル防衛というのは純粋に防衛的なシステムでありますので、本来的に軍拡競争を引き起こしたり地域の平和と安定に悪影響を与える性質のものではない、こういうふうに思っております。 我が国としては、今後もこの問題については、しかるべく透明性を確保していきたい、こういうふうに考えております。
○佐藤(茂)委員 ついでにもう一問お伺いしたいのですが、昨日の七時からのNHKニュースを見ておりますと、台湾がアメリカからイージス艦を購入するという報道がされておりました。これは、ただイージス艦購入したからどうこうというものではなくて、しかし明確な意図として、弾道ミサイル防衛に備えるんだ、そういうことまでニュースの中で触れておられましたけれども、外務省として、台湾が購入するという事実を把握されているのかどうかということと、これによって、今度また、今外務大臣の答弁にもありましたが、中国側の反応というのがさらに厳しくなる可能性、波風が立つ可能性というのがやはりTMD構想自体に対して出てくるのではないのか、そういう懸念を私自身持つわけですが、どう考えておられるのかということ。もう一つは、TMD構想自体が日米の間のものから、台湾までが入った形になると、地域の集団的自衛体制という形にさま変わりするというか、色合いが変わってくるのではないのかな、そういう懸念を持つのですが、この報道に関しての外務省の見解をお伺いしたいと思います。
○高村国務大臣 御指摘があったような報道は知っているわけでありますが、その真意については私どもは承知しておりません。 我が国は、現在、弾道ミサイル防衛に関する日米共同技術研究を実施する方向で作業を進めているところでありますが、この枠組みを第三国、地域に広げることは考えておりません。
○佐藤(茂)委員 私は、このTMDの問題を初め、また最近の情報では北朝鮮がテポドンの再発射の準備をしているというような、日本の防衛にとって大事な課題がメジロ押しの状態でありますので、冒頭幾つか質問しましたけれども、ぜひ防衛庁がもう一度みずから襟を正して、全庁一丸となって国民の信頼回復に努められんことを期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○塩田委員長 次に、西村眞悟君。
○西村(眞)委員 西村です。 質疑に先立ちまして、質問のお知らせをしておりませんので、私の意見を長官にお伝えしたい、このように思います。 まず、前内閣から行政改革の流れといいますか空気が非常に速くなっておりますが、この機会にこの流れを切断して、取り組み直す必要があると私は思っております。 なぜなら、長官の就任あいさつにもありましたように、国家の独立と存立を確保する重要な任務であるという旨のごあいさつをされましたが、その長官のおられるところが国防省にならない、国防省一つ設置できない行政改革の流れはこの際切断して、新たな観点から取り組み直すべきだと私は思います。 この理由をあと一つぐらい挙げろと言われれば、抽象的ではありますが、この流れにおいては、行政組織というものが国家と国民のためにかけがえのないものであるという観点が余りにも希薄である、こういうことでございます。 まあ、これは長官に、御就任あいさつの委員会での一委員が要望することでございますから、御意見はお伺いしませんが、どうか国防省の設置ということ一つできない行政改革など我が国ではあり得ないんだという認識だけはお持ちいただきたいと存じます。次に、質疑をさせていただきますが、これは長官と私の意見のやりとりという形でお願いしたいと思います。自衛権についてでございます。我が国は、自衛権はあるんだ、行使もできるんだと、そのときに、私が一つわからない要件がございます。自衛権の行使は必要最小限に限る、また自衛力の保持は必要最小限に限る、この必要であるということはわかるのですが、必ず最小限という限定がついておる。この最小限という限定はどこから来るのだろうか。 つまり、最小限という言葉をつける限りは必要最大限という言葉がある。で、必要最小限という言葉がある。この間に幅があるわけですね。必要最大限を超えれば、過ぎれば及ばざるがごとしで、これは自衛権の行使でも何でもない。やり過ぎておるということですから、自衛権の行使ではなくなるわけですが、自衛権の行使であって、これが必要でありかつ最大限の自衛権の行使であるという領域から、自衛権の行使でとして必要であり、かつこれは最小限だという領域の間のことをこれからちょっとお伺いします。憲法上、最小限に限らねばならないという限定はどこから来るのでしょうか。
○野呂田国務大臣 憲法は、委員よく御案内のとおり、九条でいわゆる戦争を放棄し、戦力の保持を禁止しているわけでございますが、前文で「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」し、また十三条においては、生命、自由、幸福追求に関する国民の権利については公共の福祉に反しない限り立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする旨を定めておりますから、我が国がみずからの存立を全うし、国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであります。また、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されません。 しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右に言う自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのでありますから、それはあくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものでありますから、その措置は、以上述べた事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきであると解されていると思います。
○西村(眞)委員 ということは、必要最小限であらねばならないと認めた途端に、自衛権の行使は必要であるけれども行使できないという領域を認めざるを得ないのですね。それは最小限ではないから。 ではお聞きしますが、自衛権、国家が身を守るために必要である、しかし最小限ではない、したがって、必要であるけれども我が国は何もしない、ここにおいて、我が国が損害をこうむることを我が国の国家と国民は受忍しなければならないのですかという疑問がわいてくるが、これは受忍しなければならないのですか、我が国においては。耐え忍ばねばならないのですか。
○野呂田国務大臣 多少繰り返しになりますが、我が国憲法のもとでは、自衛権の行使は、あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるべきだと解します。したがって、この措置は、以上の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきである。したがって、自衛権の行使が認められる場合であっても、これがやむを得ない措置としての限度を超えた過剰な防衛となるようなことは行えない、こういうふうに考えております。
○西村(眞)委員 自衛権の行使が必要になる事態というのは、何も急迫不正の、突然後ろから殴りかかられるとか、そういう状態に限定はできないわけですな。つまり、世の中には、例えば刑法には正当防衛、緊急避難はあるけれども、正当防衛、緊急避難だけの条項があって、それですべての国民の権利が守られているということではないから、いろいろな、刑法典でも百数十の犯罪の構成要件があって、これで国民の権利を守っておるわけですね。 だから、私が聞いておるのは、今の長官の御答弁では、我が国には正当防衛と緊急避難の要件さえあればすべての国民の権利は守られるんだということになりますが、我が国防衛政策はそれを認めるのですか。つまり、正当防衛、緊急避難に当たらない事態においては国民は損害を受けるが、それは我が国に生まれた宿命として受忍しなければならない。国民よ、何兆円の防衛予算を税金で負担しておっても、我が国にある以上はそれは耐え忍んで、受忍せよということになるが、これでいいのですかとお聞きしておるのです。
○野呂田国務大臣 御指摘のような問題につきましては、そのときそのときの相手の出方あるいは兵力量、そういうものによって、過剰防衛にならぬ範囲において認められると解しております。
○西村(眞)委員 過剰防衛にはならぬのです。過剰防衛にはならぬ。必要最小限を超えてもすべて過剰防衛にならないのですね。しかし、防衛が必要であるという領域の中でさらに最小限という限定を付した。 そして、個人的な犯罪行為なら正当防衛においてもいろいろなことがありましょうけれども、これは武器の質と量と能力から見て、国家と国家の間、またゲリラとの間では、個人間の厳密な意味での正当防衛で過剰になるとかならぬとかいう問題、警察比例の原則のようなものは通用しないというのが軍事の世界ですから。 それで、この問題は、本当に我が国の防衛政策の今まで呪縛されておったような、この言葉を使えば何か我が国が憲法を守っているようなマインドコントロール下にありましたけれども、突き詰めれば、この言葉を使い続けておれば国民は守れませんよということを明確に見詰め直さねばこれからはだめだ。行政改革、行政をいじくるだけが改革ではないのだ。行政というのは、また国防組織というのはいかなる思想といかなる方針において動くのかという、ソフトの部分を組み立て直すべきです。それでお聞きしておるのですがね。 この必要最小限という言葉はいかなるものを射程にして生まれてきたかといえば、これは明らかに、集団的自衛権はあるけれども行使できない、この論理づけとして生まれてきたわけですね。これは、政府答弁をいろいろ見てみたらそうです。我が国は、国家固有の権利として自衛権はある、その自衛権の中には個別的な自衛権と集団的自衛権が国際法講学上ある、しかし集団的自衛権は必要最小限の範囲を超えるから行使できない、こう来るわけですな。 ただ、戦の実態として、我が国防衛の実態として、集団的自衛権こそ最小の力で我が国を守ることができる自衛手段なんです、長官。その理由は、まず、日本一国で対処しない。そうでしょう。そしてもう一つの理由は、日本本土に来る前に対処し得る。必要最小限じゃないですか。 長官、この点についてはいかが認識されますか。集団的自衛権の行使によって、他国とともに、同盟国とともに、我が国領土に敵が侵攻する前にそれを未然に防ぐ、これが我が国防衛の必要最小限です。長官の御認識をお伺いします。
○野呂田国務大臣 お答えいたします。 国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているということは、委員御指摘のとおりであります。我が国が国際法上このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であります。 我が国が憲法のもとにおいて認められている自衛権の発動としての武力の行使が許されるのは、我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られているのであって、したがって、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することをその内容とする集団的自衛権の行使は、憲法上許されないというのが現在のところの政府の解釈であります。したがって、集団的自衛権の行使が認められないのは、自衛権の行使が我が国に対する急迫不正の侵害に対処する場合に限られているからであると考えます。
○西村(眞)委員 従来の政府見解なんですな。しかし、従来の政府見解を言っておったら国を守れませんよというのが私の質問の趣旨でございまして、それは実にそのとおりでございまして、海洋国家の我が国に対するアメリカの戦略爆撃報告書は、あの爆撃をする必要はなかったのだ、なぜなら、潜水艦攻撃で我が国に対するシーレーンが切断された結果、工場は稼働していなかったのだ、このように言っておりますね。だから、我が国の死活的死命、我が国の存立を崩そうと思えば、本土にのこのこ上がる必要はないんですよ。海を閉めればいい。したがって、そこを守るのは必要最小限で、集団的自衛権の行使によって守れる。集団的自衛権の行使こそ、必要にしてかつ最小限で我が国を守る方法なのだ。 それで、我が国に対する急迫不正の侵害というのは、詰めていけばいろいろなものがある。我が国の漁船がその海域に一隻おればいいのか。それは我が国に対することになるだろう。我が国の国民一人が、外国にですよ、おればいいのか。一人ではだめだ。それなら一万人ならどうだ。大体、そういう邦人救出というのは自衛権の発動の範囲にあるとして考えなければならないと私は思っているのです。島の、本州と四国と北海道と九州、これにのこのこ上がってくることが我が国に対する急迫不正の侵害だという十九世紀的な領土意識で、このネットワークがあって、我が国は何で存立しているかと考えた場合に、防衛なんか果たせませんから。我々の頭にインプットされて、そしてそのことによって長官の組織が動いているそのソフトを今こそ改革すべきです。改革せずして我が国の存立はあり得ないし、我々は国民に防衛力負担をお願いすることはできない、このように思います。 これで質問を終わりますが、この点についての、長官、今までの述べられた政府見解はわかりますけれども、これを将来の日本の存立のためにぼつぼつ検討はする必要はあるなという御答弁でもいただけますでしょうか。
○野呂田国務大臣 総理大臣が本会議で答弁している答弁の中にも、憲法の理念に沿ってこれから検討していきたい、特に自由民主党と自由党との協議の中でそういうことを検討対象にしていかれる方向にあるのじゃないかな、こう思っております。私どもはそういった取り決めに従って対処してまいりたい、こう思っております。
○西村(眞)委員 我が国憲法は国民に損害を受忍せよ、耐え忍べという憲法ではない。そして、繰り返しますが、これだけ最後にまた長官にお伝えして終えますけれども、集団的自衛権の行使こそ必要にして最小限の我が国を守る方法なんだ。 これで終わります。
○塩田委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 防衛庁長官はこの委員会の冒頭に報告されました。そこにはこう書いてあります。 防衛庁としては、本報告を踏まえ、関係者に 対し前例のない厳しい処分を先月十九日に実施 しました。具体的には、四社事案関連資料の取 扱い及び実態解明に向けての一連の取り組みが 不十分であったこと、並びにこれらに関する指 導・監督が不十分であったことを理由として、 秋山前事務次官以下三十一名に対し停職・減給 をはじめとする処分を実施しました。 というふうに言われました。 三十一名の処分のうちの十一人については、これは懲戒処分がやられたということが発表されております。秋山事務次官以下の懲戒処分をやられた人たちの懲戒処分理由は何なのか、御説明をいただきたい。
○守屋政府委員 今回の防衛庁の処分に当たりましては、四社事案が起きてからのこの問題に対する取り組み姿勢が不十分であったこと、それから、事件が起きましてから地検の捜査というのが入ったわけでございますけれども、それに関連しまして、国民の目から見て組織的な証拠隠しととられかねないというふうな判断をしたこと、それから、その二点にかかわりまして上司の指揮監督が不十分であったこと、この三点から今回の処分がなされたものでございます。
○東中委員 懲戒処分は自衛隊法四十六条によってやられたと思うんですが、そうですか。
○守屋政府委員 そのとおりでございます。
○東中委員 四十六条では、懲戒処分の理由は、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」「隊員たるにふさわしくない行為」、いわゆる全体の奉仕者としての背信行為があったということ、一般公務員でいうならば全体の奉仕者にふさわしくない非行があった場合、「その他この法律又はこの法律に基く命令に違反した場合」、この三つに限定しているんです。 それで、お伺いしますが、秋山事務次官は減給を三月五分の一という懲戒処分がやられました。義務違反があったというのか、あるいは隊員たるにふさわしくない非行があったというのか、法令違反があったというのか、その点を、秋山事務次官についてはどういうことを言われているんですか。
○守屋政府委員 お答えいたします。 秋山防衛事務次官につきましては、防衛事務次官として防衛庁長官を助け、庁務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する立場にありながら、四社事案に係る資料の取り扱い及び実態解明に向けての一連の取り組みに関する指導監督が不十分であり、結果として防衛庁、自衛隊に対する国民の信頼を傷つけた、こういうのが処分理由でございます。
○東中委員 そんなことを聞いているんじゃないんです。職務上の義務に違反したか、あるいは隊員たるにふさわしくない非行があったか、あるいは法律及びこの法律に基づく命令に違反したか、その三つのうちのどれに該当するのかと聞いているんです。
○守屋政府委員 自衛隊法第四十六条第一号の「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」に該当するという判断でございます。
○東中委員 そうすると、事務次官は職務上のどういう義務に違反をしたんですか。これは懲戒処分ですから、こういう義務があるのにそれに違反してということを明らかにしてください。
○守屋政府委員 四社事案に係る資料の取り扱い及び実態解明に向けての一連の取り組みに関する指導監督が不十分だったということでございます。
○東中委員 不十分だったら職務上の義務違反なんですか。何ということを言っているんです。防衛庁はそういういいかげんなことを言うているから、この報告書全体が間違ってくるんです。 この処分について聞きますと、例えば減給で一番重い処分は今の事務次官ですが、次に重いのは石附弘長官官房付、前調本副本部長、これが次に重いんです。それから、一番重いのは高橋調本原価管理課長。これは停職十日。それから、今おられる及川装備局長も戒告を受けております。この戒告はやはり義務違反があったということですが、装備局長、お伺いしますが、あなたは、懲戒理由、どういう義務違反をしたのか、あるいはどういう非行をやったのか、あるいはどういう法令違反をやったのか、装備局長に答弁を求めます。
○及川政府委員 私のちょうだいしました処分は、本年の六月末以降、装備品の調達行政を担当する装備局長として四社事案の実態解明及び適切な処理に取り組む立場にありながら、これが不十分だということで受けたものでございます。
○東中委員 防衛庁というのはそういう抽象的なことを言うて、それで物をごまかそうとしている。この報告書は全部それで貫かれている。ここに問題があるんです。私たちは、この処分は厳正どころか、極めて問題点をそらした軽い処分だというふうに思うています。例えば秋山事務次官について言えば、秋山事務次官は、本年夏にはいわゆる評価書を取りまとめ、防衛庁として地検に提出したが、この見解は背任事件の起訴後撤回されることとなった、これらは当庁の行政遂行能力や自浄能力について国民に重大な不信を抱かせる結果となったというふうに、「事実関係」の「幹部の対応」においてこの報告書は書いています。これだけじゃ何でもないみたいですけれども。評価書というのは、いわゆる上申書問題であります。私も本会議で質問しましたが、一切防衛庁は答弁しなかった。この評価書です。ここで書いておるのは、この中身は、予定価格算定の訓令は一般的な基準を示しているにすぎない、そして、担当者により計算値が異なることもやむを得ない、算定は担当者の裁量にゆだねられているんだ。だから検察庁が、会計法、債権管理法、予決令、予定価格算定の訓令等に従い返還金額を確定すべき任務に背いて、そしてあの背任行為をやったんだ、過少に圧縮したんだということを言っているわけです。 それで、検察庁が捜査を始めているときに、その内容について調査した防衛庁が、検察庁が認定するような背任の事実があるのに、あの圧縮をやったのは担当者の裁量の範囲内の行為で、何ら犯罪にならぬのだと。 また、法令、要するに訓令、予定価格訓令は従わなくていいんだ、従うことは不可能だと書いています。そういう見解を事務次官が中心になって、背任罪が現実に自分の部下の中で起こされておるのに、そしてそれに対する捜査が進まっているときに、ことしの七月の十四日になって、これは背任罪ではないんだという理論づけをして出したんでしょう。 こういうことは、職務を行うについて犯罪があるということを思料した場合には、これは刑事訴訟法の二百三十九条でしたか、官吏、公吏、要するに公務員は告発しなければならない、これは法律上の義務ですね。ところが、自分のところで、自分の監督不十分で犯罪が起こっておるのに、それは犯罪じゃないんだと。法令に従うべき任務に背いて背任罪をやったと検察庁が言うておるときに、あれは任務に背いているのじゃなくて、そういう権限があってやったんだということを書いて出したんでしょう。そして、起訴されて初めて撤回したんです。撤回したら済むという問題じゃないんだ。 だから、事務次官の責任は、調本の本部長、副本部長が中心になって組織としてやった、あの職務行為としてやったことが背任罪になるということが明らかになっておるのに、そうじゃないんだという理論づけをして、そんな文書を出した。これは公務員としての義務に違反していることは明白であります。だから処分したんじゃないんですか。それは当たり前のことなんだ、ただ指導が不十分だったんだということで処分したんですか。長官、どうですか。
○野呂田国務大臣 処分した根拠法は、自衛隊法の四十六条、先ほどから先生がお話をされております「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」、これであるわけでありますが、事務次官としての職責は何かということは国家行政組織法に根拠がありまして、「事務次官は、その機関の長たる大臣を助け、省務又は庁務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。」こういう、大臣を助けて省務や庁務を整理して各機関の事務を監督するのに、今先生がるる述べられたような事例にありながらこの監督権を怠ったところが処罰の根拠だと思います。
○東中委員 何を言っているんです、長官。 それではこう聞きましょう。 「東通事案に対する現時点での評価について」という平成十年七月十四日付、防衛庁の検察庁へ出した文書ですね。お読みになりましたか。
○野呂田国務大臣 熟読玩味はしておりませんが、一応目を通したつもりでございます。
○東中委員 これを取りまとめたのは、事務次官を先頭にして、そして調本の原価差異事案対策特別委員会の責任者であった調本の総務担当の、警察官出身の、警察庁刑事局第二課長も務め、県警本部長も務めてきた人ですよ、あの石附さんというのは。それが対策委員会へ行って、犯罪があったかどうかということを調べに行って、そしてそれは犯罪にならぬのだと。資料は全部調べているわけでしょう。調べる立場にある。それで、犯罪にならぬのだということで、次官の指示のもとにいわゆるこの評価書をまとめたんですよ。 しかも、その評価書の中身は、私先ほど言うたように、検察庁が犯罪だと言うておることについて、それは犯罪じゃなくて正当な行為なんだということの理論づけをやっているんですよ。そういう中身なんですよ。だから撤回せざるを得なくなったんです。撤回せないかぬようなものを書いて出した。 次官として、あるいは対策委員長として、これは職務行為としては大変なことではないんですか。そういうことについて、国会でもあれくらい問題になっているんですから。なかなか撤回しなかったんだから。内容にさえ触れようとしなかったんだ。それがこの処分の理由にならないというはずがない。これこそまさに職務違反じゃないですか。職務義務違反なんですよ。それを堂々とやっておった。犯罪があったら告発せないかぬと法律で決まっておるのに、告発どころか、調べて十分わかっておるはずの背任罪があったかなかったかということを、警察庁の刑事局の捜査二課長までやった捜査の専門家が、背任罪だとは思わなかった。そんなことで済みますか。 しかも、それは背任罪にならないんだという理屈づけをして出しておる。これは義務違反だけじゃなしに、公務員としては非行だと言ってもいい。私は、こういうことはそれこそ懲戒免職に値するような重大な問題だというふうに思っているのですが、その評価書の内容、それの持っている意味ということを、長官、ざっと見ただけで、これでは済まされぬと私は思うのですよ。本会議場でも私は追及したんだから。もう大分前ですよ。答えなかったんですよ、捜査中だからといって。そんなばかなことありませんよ。その後撤回したんですよ。 長官、その点どう思われますか。
○野呂田国務大臣 今先生がるる挙げて説明されたようなことを次官が認めてそういうものを書いたということが、私は、事務次官が大臣を助けて組織の部局を監督するという責任を怠ったゆえんだ、こう申し上げているわけであります。
○東中委員 そういう責任というのは、政治的な意味での責任とか、それから次官としての能力を欠いておったとか十分でなかったとかいうのは、それはいろいろな意味の責任というのはありますよ。ここで問題になるのは、懲戒という場合は、職務上の義務違反、あるいは公務員にふさわしくない非行、あるいは法律に基づく命令に違反した場合、この三つになっているのです。だから、監督上の責任を問われたというような問題じゃないのです。はっきりと職務上の、これはあなた方が処分しておきながら、かつてない厳格な処分をやったと言いながら、処分理由を今言われているようなとらえ方をしている。こういう体質では、本当に綱紀粛正なんて言えますか。処分しておきながら、義務違反だということ自身を認めない、監督上の不十分さの責任である、こんなことでは話になりません。全面的にこれは事実関係の責任の認定をし直さないと、話になりません。 もう時間が来ましたので、聞きたいことがまだ十倍ほどあるのですけれども、きょうはこれでやめておきます。引き続いて聞きます。
○野呂田国務大臣 改めて申し上げておしかりを受けるかもしれませんが、私どもがそういう監督義務を怠ったことが職務の義務違反につながるので、それに沿って処分をしたということでございますので、どうかそのあたりはもう少しひとつ、詳しく説明に参りますので、御了解いただきたいと思います。
○東中委員 監督上のということを言われましたが、法律は、職務上の義務違反というふうに書いてあるのですから、それも自衛隊法です。長官の所管の法律なんです。だから、その解釈を、そんないいかげんな解釈をしておるということだったら、もう本当に異常です。 終わります。
○塩田委員長 次に、辻元清美君。
○辻元委員 社会民主党の辻元清美です。 私は、昨日、決算行政監視委員会の方で同じ件について質問させていただきましたので、その続きをさせていただきます。 昨日も、今回出されましたこの四社事案関連文書の管理実態に関する報告につきまして、まずその経過について何点か質問させていただきました。それで、どう考えてもちょっと腑に落ちないところがありまして、これを読ませていただいても、経過がどうなっているのか、なかなか見えにくいので、その点について質問させていただいています。 さて、今共産党の議員の方も質問されましたけれども、「東通事案に対する現時点での評価について」というのが七月十四日に出ておりますが、この内容については、再確認させていただきたいのですが、内容を撤回したということでよろしいのですね。
○及川政府委員 さようでございます。
○辻元委員 そうしますと、この評価書、これも本委員会でかなり以前から問題になっていたものであります。この評価書については、七月にヒアリングファイルというものを作成されていると思うのですが、これとの関連性ではどうなるのでしょうか。今回の報告書の中にも、このヒアリングファイルが処分されたとかということもありますが、これが七月ごろに作成されていると聞いているのですが、この評価書作成について、省内で行われたそういうヒアリングを参考にしてこれがつくられていたわけですか、当時は。
○及川政府委員 いわゆる上申書につきましては、地検に提出した資料でございますので、作成の経緯、内容等は、なるべくなら差し控えさせていただきたいと存じますが、ヒアリングファイルとの関係というものにつきましては、恐らく、それまでに集まった幾つかの資料がございましたから、そういったものが参考になったかもしれませんけれども、少なくともファイルとしてまとまったのは、もう少し後ではなかったかなと思っております。
○辻元委員 そうしますと、今回の報告書でもこのヒアリングファイルの内容について少し触れられているわけですけれども、中間報告を出されるまで、十月十四日の時点ですけれども、この中間報告はヒアリングファイルに基づいて作成されたと理解してよろしいのでしょうか。
○守屋政府委員 中間報告は、防衛庁が四社事案に関連いたしまして大量の資料焼却というふうな報道がなされましたので、その事実解明について調査を行いまして、それを中間報告として行ったものでございます。
○辻元委員 いや、私が今伺いましたのは、このヒアリングファイルも参考にしてつくったのかどうかという点なんですが、いかがでしょう。
○守屋政府委員 そういうものではございません。
○辻元委員 そうしますと、昨日までの私の確認させていただいた点は、石附前副本部長や藤島前官房長が御自宅に持って帰って、資料を移転、処分されたり、部下に処分を指示されたということは中間報告以前にわかっていたというふうにきのうお答えになりましたけれども、それはそれでよろしいですね。
○守屋政府委員 そのとおりでございます。
○辻元委員 そうすると、やはりきのうの続きですが、中間報告のときに組織的であるという判定をせずに、最終報告でされています。要するに、上司が部下に対して処分するようにと指示をしていた時点で、これはなぜ組織的じゃないというふうに断定できたのでしょうか。
○守屋政府委員 昨日も御答弁申し上げましたように、中間報告は、大量の資料焼却という報道に接しまして、そのような事実があったのかどうかということを防衛庁等調査いたしておりまして、その時点までに明らかになったものを報告したものでございます。その時点で、先生御指摘のような事実は確認されておりまして、そういうふうな事実があったということは報告いたしておりますけれども、それをどのように評価するかということは最終報告において行ったところでございます。
○辻元委員 といいますのは、先ほど私、これ何回聞いてもやはりおかしいなと思うのですね。それと、先ほど事務次官の件も監督不行き届きであったというような発言がありました。しかしこれは、、監督が不行き届きだったのか、最高責任者を含めた責任をとる立場にある人たちが隠ぺいを指揮していたのかでは大きく違うと思うのですけれども、そこのところを、私は、どちらなのかというのが最終報告を拝見してもなかなかわからないわけです。 先ほどからの御答弁によりますと、監督は不行き届きであったということは何回も答弁いただいておりますが、秋山事務次官を含めてみずから隠ぺい工作を指揮していたというような、そのようなことが考えられることはないと長官はお考えなんでしょうか。
○野呂田国務大臣 私は、仮にあっても、そういうことを含めて監督義務を怠った、そして職務義務違反である、こういう理由で処分したというふうにお答えしているわけであります。
○辻元委員 しかし、長官、監督不行き届きとみずから指揮したというところは、私は大きく違ってくると思います。今後そこのところがまた徐々に明らかになってくる可能性もあるかと思いますけれども、そこの違いをやはり御認識していただかないと、防衛庁を再編していくといいましても、なかなか身内でかばい合ってはっきりとした事実を示さない態度に私には見えるんです。これはまた引き続きこの続きをやらせていただきたいのですが、きょうはちょっと会計検査院の方にもお伺いしたいことがありますので、検査院の方に引き続き質問させていただきたいのです。 この委員会でも会計検査院のチェック体制ということが問題になりました。防衛庁の方は庁内での調査等を進めた報告を示していただいているわけですが、会計検査院が今回の事件を受けてどのような議論を内部でして、今後どのような検査体制を進めていこうとしているのか、それを例えば冊子等にまとめて報告するおつもりなのか、そして、肩越し検査ということが問題になりましたが、今後この肩越し検査を行っていくのかやめるのかという点についてお伺いしたいと思います。
○諸田会計検査院説明員 お答え申し上げます。 今回の事案によりまして、会計検査院に対する国民の信頼が揺らいでいるという点につきましては、会計検査院といたしましても重大なことと受けとめているところでございます。本件事案を発見できなかったことにつきましては謙虚に反省し、その上で防衛装備品の調達契約に対する検査のあり方を総合的に検討し、その効果的な検査の実施を図るための具体的な方策を検討しているところでございます。 例えば、原価検査を担当する専従班を設置したり、原価計算に詳しい調査官を重点的に防衛検査課に配置したり、原価計算に関し職員への研修を強化したりすることなど、内部体制の充実強化を行うこととしております。 また、従来、ただいま先生御指摘ございました肩越し検査の件でございますけれども、会計検査につきましては、会社の協力のもとに肩越し検査に対応していたわけでございますが、事態の解明にとって有効と考えられる場合には、会計検査院法第二十三条の規定を積極的に適用しまして、検査指定をいたしまして、会計検査院が直接に会社を検査するということにしたいと考えております。 また、会計検査院法第二十六条では、検査を受けるものに対しまして帳簿、書類等の提出等を求めることができますので、この第二十六条をまた積極的に適用していきたいというふうに考えております。 これらの措置を行いまして、防衛装備品の検査に万全を期していく所存でございます。
○辻元委員 今御答弁いただいたのですが、会計検査院の責任も重大であるというのはこの委員会でも再三指摘した点であると思います。今御答弁いただいたようなことを何かまとめられて公表されるとか、そういう予定はあるのでしょうか。
○諸田会計検査院説明員 お答えいたします。私が答弁するのがよろしいかどうか何とも言えませんけれども、ただいま平成九年度の決算検査報告を鋭意作成しているところでございます。これは近々国会に報告されると思いますけれども、その中で何らかのコメントをするということになるかと思います。
○辻元委員 それでは、それはしっかりチェック体制を整えていただきたいことと、オープンに、見えるようにしていただきたいと思います。 さて、そろそろまた時間になってしまうのですけれども、きょう長官の御就任のごあいさつを受けまして、一点だけ長官のお考えをお聞かせいただきたい点があります。 それは、きょうの新聞等でも、私きょうの朝刊を見まして、このところPKO法をめぐりさまざまな議論がされているというのは長官もごらんになっていることだと思います。私は、このことにつきまして、先ほどから憲法の範囲内で日本の防衛政策を考えていくという長官のお考えはよく理解いたしましたが、一点、国連平和維持活動協力法につきましては、参加五原則というのをさんざん議論してつくって、そのもとで日本は参加していくということに決まっておりますが、長官の御認識も現状と同じと考えてよろしいのでしょうか。
○野呂田国務大臣 御説のとおりでございます。
○辻元委員 それでは、今のことを長官に確認させていただきましたので、私は今後議論の基礎にさせていただきたいというふうに思っています。 そろそろ時間が参りましたのでこれで終わりますが、また引き続き委員会でこの防衛庁背任事件についても、私の場合時間が少ないので細切れになるのですが、継続して追及させていただきたいと思います。 それでは、質問を終わります。
○塩田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会