予算委員会 第4号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/08/24
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君及び預金保険機構理事長松田昇君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。笠井亮君。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 まず最初に、アメリカのスーダン、アフガニスタン軍事攻撃問題について伺いたいと思います。 このアメリカのスーダンとアフガニスタンに対する武力攻撃は、国際法と国連憲章、この立場から見ると、これを踏みにじる乱暴きわまりない行為であって、我が党は厳しく糾弾をいたします。我々は、いかなる理由によるものであっても、あらゆるテロ行為を拒否してこれを強く批判してまいりました。テロ事件の真相解明、犯人の逮捕、法による適切な処罰が必要なことはもちろん言うまでもありません。しかし、テロリズムに反対するという口実で国際法や国連憲章を無視して勝手にほかの国に対して武力制裁をする、攻撃をする、こういうことは、それ自体が国際社会に無法を持ち込むテロ行為となるものであって、絶対に許されないと思うものであります。 ところが、総理は二十一日の早い段階からアメリカの行為を理解するという態度をとられました。週末を経まして事態の新たな進展もありますので、改めて伺いますが、何を日本政府としては理解するというふうに言われるんですか。
○国務大臣(高村正彦君) テロ行為に断固たる姿勢をとるという側面を理解するということでございます。
○笠井亮君 十分な情報はあったんですか。あのときは十分な情報はないということを言われましたけれども、この問題に関して先週は十分な情報はないと言われましたが、それから十分な情報はありましたか。
○国務大臣(高村正彦君) 完全に事実関係を掌握しているわけではありませんが、テロ行為に対して断固たる姿勢をとるという側面は理解する、こういうことを申し上げております。
○笠井亮君 おかしいと思うんですよね。完全に十分な情報がない、そういう中でアメリカの行為、これに対して、テロ行為に対する断固たる姿勢は理解すると。一体何を理解したのかまだわからないんですが、御答弁をもう少しちゃんとわかるように言ってください。
○国務大臣(高村正彦君) これ以上言いようがないんですが、日本政府としては、テロ行為に断固たる姿勢をとること、その側面については理解する、こういうことを申し上げております。
○笠井亮君 テロは許されないと私も申し上げました。しかし、だからといってやみくもに何をやってもいいということにはならないと思うんですよ。今回のような軍事行動はやっぱり別問題になる、そこはきちっと見なきゃいけない。やみくもに何を理解するのか、こういうことになりませんか。
○国務大臣(高村正彦君) やみくもに何をやってもいいとは言っておりません。ですから、事実関係が明らかでないという現時点において、テロに対して断固たる姿勢をとるという側面については理解をする、こういうことを申し上げているんです。
○笠井亮君 アメリカは、これだけに終わらない、再攻撃があり得るということも言っております。こういうことが繰り返されても理解をする、米軍の攻撃は正当だということも含めてそういうお考えを表明されるということになりますか。
○国務大臣(高村正彦君) アメリカ側の説明では、国連憲章との整合性についてでありますが、米国は、連続的なテロ行為が米国及び米国民に対して向けられており、また同様なテロ行為が再度計画されていることにつき確証を得ている、こういうことを言っております。そして、今回の行動を、かかる継続的、連続的テロ行為に対する国連憲章五十一条で認められている自衛権の行使として行ったとして、行動後、直ちに国連安全保障理事会に通報した、こういうふうに承知しているわけであります。
○笠井亮君 今、アメリカ側の説明と言われました。他国やそれから国連とも相談をしない、そしていきなり単独でアメリカの一方的な判断と意思でやる、今回のような米軍の行動が国連憲章と合致すると日本政府としては思うんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 現在では、全体的事実関係を把握しておりませんので、今は、先ほどから申し上げているように、テロ行為に断固たる姿勢をとるという側面は理解する、こういうことを申し上げているんです。
○笠井亮君 アメリカの説明は今説明した、そして現在では事実関係を十分把握していない、テロ行為に対しては断固たる姿勢だと。日本政府として、どういうふうなことを検討して、どういう国連憲章との関係で判断をする、こういう方向になるんですか。
○国務大臣(高村正彦君) それは、もろもろの事実関係でアメリカ側が説明したことの裏づけがどこまでできるかとか、そういったかなり広い事実関係の把握が必要になるかと思います。
○笠井亮君 国連憲章は、これは言うまでもないと思いますけれども、一国の判断と意思で事を起こしていくということは、これは極めて危ないから、国際的に集団的に物事を解決しようということをうたっているわけでありまして、経済封鎖の場合もやはりそういう立場でやるんだと、ましてや他国への攻撃の場合には、国連憲章というのは非常に厳密に、そして慎重に問題に対処するということがうたわれていると思うんです。今回の行動というのは、こういう国連憲章の立場から見て、日本政府としては、これでどうだということはもっときちっと踏み込んで言うべきだと。明らかにこれは違うと思うんです。 国連中心主義というふうに言ってきました、それを唱えてきた日本が、アメリカ側での説明はこうだ、テロ行為への断固たる姿勢については理解する。こんなに事態が進展して、そして世界じゅうで大変な不安や、そしてテロに対するテロというようなことも言われている中で、世界では、日本政府、アメリカに理解、こうやってみんなに言われているわけです。これでいいんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 国連憲章五十一条は、自衛権の行使ということは認めているわけであります。そして、その自衛権に当たるかどうかということについて、アメリカ側はこういう説明をしている、日本はまだ詳細な事実関係を把握していない、こういうことでございます。
○笠井亮君 どこまで事実を把握した、この問題が問題だと思うんです。どういう努力をしたんですか。
○国務大臣(高村正彦君) もろもろのところで情報の把握に努めております。
○笠井亮君 もう先週から週末と週を越しました、そして事態がどんどん進展している。そういう中で、テロに対する断固たる姿勢、これは理解するとだけ言い続ける、まだ情報はない、こんなことでは国際的に日本の政府の対応が問われると思うわけであります。 しかも、二十一日のAP電は、米国防総省の当局者の話として、今回の攻撃に加わった七隻の艦艇に横須賀を母港とするミサイルフリゲート艦サッチというのが含まれているということを報じております。このことについて、報道もされていますけれども、政府としてはアメリカに確認していますか。
○政府委員(竹内行夫君) 今、先生が御引用なされましたのは報道でございますが、一般論から申し上げますと、日本にございます施設・区域を米軍が利用しておりますのはまさに安保条約の目的のためでございますが、そういう中の艦船がその他の地域において活動を行ってはならないということにはなっておらないわけでございまして、これは従来から重ね重ね申し上げていることでございますが、我が国から他の地域に移動いたしましてそこにおいて作戦に加わるということは何ら安保条約に反するものではございません。
○笠井亮君 そんなことは聞いていないんです。確認したかどうか聞いているんです。
○政府委員(竹内行夫君) 事実で申しますと、米軍の個別の今のような運用については確認いたしておりません。
○笠井亮君 これは重大な問題だと思うんです。 問題は、アメリカから通告もない、一方的にアメリカがやった攻撃に対して日本の米軍基地が関与しているかということにかかわる問題です。昨日も公然とアメリカへの報復宣言がなされたりしている。日本も巻き込まれかねない。在日米軍基地も急遽警戒強化をあちこちでやっているという状況です。そういう中で、それでも理解する、こういう立場をとり続けるんですか。日本に直接かかわる問題です、これは。
○国務大臣(高村正彦君) 問題は国連憲章五十一条の自衛権の発動に当たるか当たらないかということでありまして、報復テロがあるから断固たる措置をとらないということは私は本質的な問題ではないんだろう、こういうふうに思っています。
○笠井亮君 そういうことを言っているんじゃないんです。 国連憲章をめぐっては非常にこれはいろいろ議論もあります、五十一条問題。そして国際的に言えば、テロに対してやれるということは、自衛権の発動ということについては極めて少数意見だと、国際法でも。ニカラグアの問題をめぐっての国際司法裁判所の問題もあります。事情がわかったからといって、この問題、テロに対して、しかもこういう事態に対して、じゃそれがよかったなんということが言える状況じゃないと思うんです。一方で日本の米軍基地が自動的にこれにかかわっている、こういう問題として今言っているわけであります。 国連安保理は、現地時間の二十四日、米国による工場攻撃に関するスーダン政府の要請を検討するということで非公式の協議を行うということになっているということであります。日本政府はこの協議の場で安保理のメンバーとして事件に対する何らかの判断をする場面が当然出てくる。国際法と国連憲章に基づく道理ある態度こそ求められると思うんですが、政府は国連の場でどのような態度をとっていくという方針ですか。
○国務大臣(高村正彦君) それまでに事実関係がはっきりすれば、そのはっきりしたことに基づいた対応をとることはあり得ようと思いますが、事実関係が今の状況であれば、何度も申し上げているように、テロに対して断固たる姿勢をとるということは理解する、そして日本はテロに対しては一貫して断固たる姿勢をとってまいりたい、こういうふうに思っております。
○笠井亮君 テロに対する断固たる姿勢、それをこういう形でやることが問題になって、おかしいということが世界じゅうで今言われているわけです。テロに対しては国際的にそれを許さないということできちっと合意をつくっていく、まさにそういう方向で日本政府が役割を発揮する、これが必要だし、同盟国と言われるなら、アメリカちょっと待ってください、事実はどうなんですかと、おかしいんじゃないのといさめることこそ必要だと思うんです。詳細がわからないうちから、断固たる行為は理解する、こういうことでは国際的に通用しない。私は、この点で日本政府の態度が厳しく問われている、このことを申し上げておきたいと思います。 次に、長銀問題であります。 先週末から日本長期信用銀行の問題をめぐって大きな展開がありました。政府と協議の上で長銀がリストラ策を発表して、六千億円を超えるともされるそういう公的資金が投入される方向だということが問題になっております。国民の血税投入にかかわる重大問題だと思うわけであります。 まず、伺いたいんですけれども、総理、民間企業の合併にみずから乗り出されたことを、それ自身が異例だと、先週もそういうことを言われておりました。政府として、長銀対策として一体何をすることをお決めになったのか、まずお話し願いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今回、私が住友信託と長銀の合併が円滑に進むように促しましたのは、この合併がうまく進まないと内外の金融システムに重大な影響が出る可能性があると判断したからであります。 私は、これまで申し上げましたように、日本発の金融恐慌は絶対起こしてはならない、こうした観点から物事を考えておりまして、一銀行の救済云々ということは念頭にあるわけではありません。
○笠井亮君 これから伺おうと思ったことを先におっしゃったのであれですけれども、金融システムが大変に危ないということを言われました。私、金融システムを守ることは必要だと思います。しかし、本当にどうやったらこれを守ることができるか、そこが問題だと思うんです。破綻前の処理は銀行自身の責任でやるのが原則だし、それが一番の最小限コストになる。 問題は、それをやらなかったらどうなるかという、現状も一切明らかにされないで、首脳が集まられて関係者と話し合ったかもしれませんが、しかしそれをやらないとシステムが大変だと幾ら言われても、世界同時恐慌と言われても、これは国会も国民も到底納得できないと思うんですよ。そこに公的資金をつぎ込んでいく、そこが問題になっている。こういう性格の問題として、これは政府としての対応というのが極めて大きな問題になってくると思うわけであります。 ちょっと事実関係等から伺っていきたいんですけれども、大蔵大臣も金融監督庁長官も、長銀からの申請があれば公的資金導入について適切に対応すると。これは談話で言われているというふうに私は理解をしているんですけれども、この三十兆円の仕組みがございますが、これのうち、申請があればいわゆる十三兆円の方を使うということを念頭に置いているということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 恐らく、申請がありますと、それは十三兆円の系統だと思います。
○笠井亮君 今回のスキームで、私、談話その他拝見しておりますと、長銀そして住信との合併問題、そしてこの公的資金を投入していくという問題をめぐって三つのルートがあるんじゃないか。そういうスキームを今度つくろうということではないかと思うんです。 まず第一のルートは、今回の長銀の経営改善策に基づいて申請があった場合の資本注入であります。今言われました十三兆、恐らくそうなるんだろう。その規模は六千億とも一兆円とも言われておりますけれども、これはどれぐらいを想定しているんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 金融安定化緊急措置法という法律、先ほど宮澤大蔵大臣が十三兆円ということでお話しになりましたが、どのくらいの金額が必要かはすべて長銀が判断して申請されることでありますので、私から特に申し上げる筋合いではないと思います。
○笠井亮君 これはいつごろ投入するというふうに予定として考えていけばいいんですか。 長銀の頭取は、できるだけ早く九月中にも申請するということを言われております。報道によりますと、金融監督庁としては、十月をめどに預金保険機構の金融危機管理審査委員会が開かれて投入が決まるとの見通しを述べたというふうにもされておりますけれども、そういうことなんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 ただいまの御質問も、すべて長銀が判断して、いつ申請するかということを決めることになろうかと思います。
○笠井亮君 できるだけ早く九月中にも申請すると長銀は言っています。そうなると、大体どういうテンポでこれが進むということになりますか、一般論として。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 これは一般論でございますが、申請がありましたならば、金融危機管理委員会、これは預金保険機構に設置されている委員会でございますが、ここでその申請に対してどういうふうに対処するかということを御審議なさるのではないかと思います。
○笠井亮君 申請があれば速やかに開かれるということですか、審査委員会。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 これも金融危機管理委員会の方で御判断なさることであろうかと思います。
○笠井亮君 松田理事長もメンバーのお一人でありますけれども、大体どういうことでこれは想定されていきますか。申請があった場合の段取りです。
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。 まだ具体的な申請は出ておりませんので全く一般論でございますけれども、まず、整理回収銀行にその申請を要請する銀行がいかなる形態の、例えば劣後ローンであるか劣後債であるかあるいは優先株であるかという申請をいたします。それは整理回収銀行から預金保険機構に回ってまいりまして、私といたしましてはできるだけ速やかに審査委員会の開催の手続をとります。 そして、そこで慎重な審議が行われまして、その審議は主に、ただいま議論になっております緊急措置法の法の趣旨を生かした審査基準が既に公表になっておりますので、その審査基準に基づいて厳正な審査が行われて、次にいかなる条件で発行するかということもあわせて審査をして決定し、その後、閣議決定を経た後で私どもの機構から整理回収銀行に当該申請についてはどれだけ引き受けてよろしいという通知を出して手続が完了する、こういう運びになっております。
○笠井亮君 ありがとうございました。 第二のルートとして私はあると思うのは住信の側であります。今回の長銀との合併によって住信も資産がふえます。自己資本比率が低下していくというようになりますと、それを補うために資本注入を申請する、そういうことになっていくんじゃないでしょうか。そういう可能性は否定できないと思うんですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 住友信託銀行と日本長期信用銀行との合併は両者が現在話し合いを続けているところでございまして、将来合併が成立した暁にお説のように自己資本比率が下がってその申請をするかどうかといったようなことについては、すべて住友信託銀行といいますか、新しい銀行においてお考えになることではないかと思いますので、私からお答えさせていただくことは差し控えさせていただきたいと思います。
○笠井亮君 日野長官は、住信の高橋社長ともお話しされたようですけれども、こういう問題については話していませんか。
○政府委員(日野正晴君) たびたびお尋ねがございますが、銀行の合併は内閣総理大臣の認可、それを金融監督庁の長官が法律上委任をされております。 したがいまして、これだけ大規模な銀行の合併になりますと、例えば四月一日から新しい銀行を発足させたいと申しましても、その前日やあるいは一週間ぐらい前にお話を聞いてもとても手続が進められるものではございませんので、六月二十六日に合併の構想が発表されて以来、随時その都度その進捗状況をお聞きしておりますが、そういった話は聞いておりません。
○笠井亮君 これは仕組み上は否定できないと思うんですよ。当然合併に伴って下がってくるわけですから、今の仕組みを使おうということになってくる。 それだけではないと思うんです。既に、合併に伴って、住信の高橋社長は正常債権しか合併後は引き受けないんだということを明言されておりますが、長銀の場合は、今度の経営改善策を見ましても、七千五百億円という不良債権を処理してもまだ相当膨大な不良債権がある。今後、住信が求めていくようなペースでこの処理を進めていけば、長銀の自己資本が再度損なわれて、三月から見ると三度目の、そういう公的資金投入も否定できないと思うんですけれども、その点についてはどうですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 このたび発表されました長銀のリストラ案によりますと、ただいまお話がありましたように、七千五百億円を償却することとされております。ただ一方で、業務純益あるいは本店の売却等によりそれを差し引きいたしますと、七千五百億円全体でなくて、それよりもやや少な目の金額になろうかと思いますが、今お話しになりましたように、さらにその次のことは、これは仮定のお話になりますのでお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○笠井亮君 可能性は否定できない問題がある、こういうことだと思うんです。 橋本前総理は衆議院の予算委員会の中で、本来「それぞれの金融機関が申請を行ってきた段階で審査委員会が審査基準に基づいて、引き受けを行うかどうかを決定する仕組みでございます。政府として、引き受けの可能性及び引き受け対象となる金融機関について云々できる立場にはございません。」と、この仕組みをつくる法案のときにそういうふうにはっきり言っていたんですね。 ところが、今度は総理御自身が乗り出されて、大蔵大臣、監督庁長官、日銀総裁がひざ詰めで相談して関係者とやったと。そして、三つのルート、公的資金注入のルートをつくろうという、こういう極めて重大な問題になってきているということだと思うわけであります。 そこで伺いますけれども、政府は十三兆円の公的資金の使途について、これまで、基本的にきちっと経営を行っている金融機関の経営基盤の強化に限るというふうにしてきたと思うんですけれども、これは変わっていませんね。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 先ほど総理からも御答弁がありましたように、今回の措置を講じなければ信用秩序の維持と国民経済の運営に重大な支障が生ずるのではないかということから、政府としては全面的な支援を行うということになっているのであります。その内容につきましては、委員御案内のとおり、長銀というのは資産規模、取引先等も大変多うございまして、また国際的なデリバティブ取引なども行っておりますので、国際的にも業務も大変広範囲に展開している金融機関でございます。 仮に今回の措置を講じなければ、長銀は市場の不当な攻撃を受けることがあり得ますし、その場合には、長銀のみならず金融市場全体が攻撃にさらされて、ひいては金融システム全体が不安定という状態になるのではないかというふうに思われるわけでございます。
○笠井亮君 幾ら大変になると言って、システムが危ないということで言われても、これはさっきも言いましたように、実態もわからないのにそういうことを幾ら言われても、国民も国会も納得しようがないんですよ。 私が聞いたのは、基本的にこの法律ができたときどういうことでつくったのか、どういう趣旨だったかということであります。 あの法案審議に当たって大蔵省は、「金融に関する緊急対策について」というパンフレットをつくりました。非常にわかりやすい。私、今から見れば、政府の態度は非常にわかりやすいと思うんですけれども、問い二、その答えについて、何と書いてありますか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 今、先生の言われましたパンフレットの問い二ということでございますが、問いは、「個別金融機関の救済じゃないということだけど、では、優先株等を引き受けるのは、どんな場合なの?」、いわゆる資本注入はどんな場合かという質問に対しまして、答えは、「公正・中立な審査委員会が金融危機を防ぐために、どうしても必要と認めた場合だけです。」と。さらに、「公正・中立な審査委員会」、先ほどから出ております危機管理審査委員会でございますが、法律上新しく設置いたしまして、「審査委員会が全会一致で、金融危機を防ぐためにどうしても必要と認めた場合に限ります。」と。「その必要がある場合とは、」「破たん処理の受皿金融機関が、資産の増加により悪化した自己資本を改善する必要がある場合、」、もう一つは、「金融機関の内外の金融市場における資金調達が極めて困難な状況となり、我が国の金融機能に著しい障害が生じるおそれがある場合、などです。また、その時には、当該金融機関に対し経営の合理化や責任ある経営に関する計画を要件としています。」ということで、いずれにしてもこの答えは金融機能安定化法第三条ほかの条文を引用した格好で解説しております。
○笠井亮君 極めて限定的に議論もあったし、言ってきたと思うんです。そして三月の資本注入もそれが貸し渋り対策にも寄与するということでやられました。 今回、金融監督庁の長官談話で、「長銀は、本年九月期に、合併を前提とした不良債権の抜本的な処理を行うことにより、一時的に過少資本となることから、」「資本注入を申請する予定」と、こういうふうに書いてあります。こういうふうになっていますけれども、危ないからと、これ危ないこと自体がよくわからない。しかし、危ないからということで不良債権処理のために資本注入できるというふうにはなっていないと思うんですけれども、その点はどうなんですか、今までそうなっていないと思うんですけれども。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 長銀は、まずこの九月期で、先ほどお話のありました七千五百億円を落とすために、結局トータルといたしましては約六千三百億ぐらい落とすことになろうかと思いますが、これは資本勘定が七千八百億余りございますので、かなりこれだけ落としますと過少資本になるということでございますが、お話しのように不良債権を処理するためにこの公的資金を注入するのではないかということではないのではないかと思います。つまり、不良債権を処理した結果過少資本になるので、この際資本の注入が必要ではないかということだろうかと思います。
○笠井亮君 処理したら足りなくなってそこに入れるというのと、処理するために入れるということと、どう違うんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねが不良債権処理のために資本投下をするのではないかとおっしゃいますから、あの銀行の計画では七千五百億円の不良債権をさしずめ処理いたしますと、銀行の考え方として。そうなりますと過少資本になります。したがいまして、その過少資本を充てんするために公的な資金を導入することを申請します、それを審査する、こういう道筋であります。
○笠井亮君 同じことですね。不良債権が処理されたことによって過少資本になる、その分を補うためにやる、申請する、申請があったら適切に対応すると。不良債権処理のためにこれを使うということじゃないですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは同一のことではございません。過少資本に……
○笠井亮君 わかりません。
○国務大臣(宮澤喜一君) いや、ちょっとお考えになったらすぐわかることで、過少資本になったら申請をするんであって、過少資本になるということにはいろんな原因があると思います。その一つが不良債権なんであって、ほかの事由でも過少資本になれば申請することができます。
○笠井亮君 違うんですよ。金融監督庁の長官談話、その部分を読んでください。
○政府委員(日野正晴君) 長官談話の第三項になろうかと思いますが、「合わせて、長銀は、本年九月期に、合併を前提とした不良債権の抜本的な処理を行うことにより、一時的に過少資本となることから、市場の信認を回復するため、資本増強を行う必要があることから、金融機能安定化緊急措置法に基づく資本注入を申請する予定である、」「との報告を受けた。」と、こういうふうに書いてございます。
○笠井亮君 大蔵大臣、ほかの要因じゃないんですよ。そのことで過少資本になるから申請すると書いてあるんです。そういうふうにはっきり言っていて、それに対して適切に対応する、これが政府の立場でしょう。ほかの要因はないんですよ、ここには。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御質問の趣旨もはっきりしていますし、私のお答えもはっきりしているのであって、過少資本になった場合に銀行から資本の充てんを申請することがある、それが第一です。過少資本になることについてはいろんな原因があり得るでしょう。この場合は不良債権の処理の結果、過少資本になったということです。ですから、申請は過少資本になったらばそれを審査するのであって、その原因が何であるかは一つではないということを言っているわけです。
○笠井亮君 ちょっとわかりませんね、今のは。 このことによって過少資本になるというふうにはっきり言っていて、それを充当すると言っているわけですから、原因はこれだけじゃないというのはこれについては該当しないじゃないですか。どういうことなんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 何度申し上げても同じことで、先入主なくお聞きいただけばいいと思うんですが、過少資本になるのにはいろんなケースがございますね、一般的に。
○笠井亮君 今回のことを言っているんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般的にです。ですから、そのときに政府は資金を導入するかどうかを決めるのである。今回の場合はおっしゃるように不良債権を処理していきますと過少資本になるのですが、しかし資金導入は何もそういう場合だけに限っていないということだけを言っているんです。今回の場合そうであることは少しも否定いたしません。
○笠井亮君 資金導入はどういうときかというのはもともと議論してきたことなんですよ。今回、だから不良債権処理ということで導入してほしいということを言うわけですから、具体的な問題なんですよ。
○国務大臣(宮澤喜一君) それだけのことであれば、監督庁長官の談話にそう書いてありますからそのとおりです。
○笠井亮君 今回そういう形でやる、これはもうはっきりしました。公的資金の利用範囲の拡大については、これはもう明らかに拡大だと、今までやっていなかったことをやるんですから。異論が出て、私が承知しているところでは、自民党の中からさえこの法律を何とかしなきゃいけないんじゃないかという動きもあったと思うんです。 それを今度は、リストラ計画を出せば経営責任もただ役員の退陣と退職金の返上程度でよいということとして、巨額の不良債権を積み上げて経営を行き詰まらせた責任も徹底的に追及して厳しく問うのではなくて、申請があれば適切に対応して注入する、新たに拡大すると。余りにもめちゃくちゃじゃないですか。これは銀行救済じゃないといっておいて、まず救済ありき、ルールなき支援策ということになっていくというふうに思うわけであります。不良債権の処理は自己責任でやる、ここをはっきりさせるべきだと私は強く主張したいと思います。 先ほどからありました、大変危ないんだ、だから入れるんだと。しかし、わからない。この問題を次に聞いていきたいと思います。 今回のスキームをめぐって、私は余りにブラックボックスが多過ぎると。まずわからないのは、この三月に千七百六十六億円の資本注入をしたときには基本的にきちんとした経営を行っている金融機関、いわゆる健全銀行だったのが、なぜ五カ月でそうではなくなったのか。判断を間違ったのか、何かあったのか、どうなんですか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 一般論的なお答えになって恐縮ですが、三月の資本注入の時点でも、金融機関から提出されました申請と、健全性の確保のための計画に基づきまして各金融機関の代表からヒアリングを行った結果、これは先ほどの金融危機管理審査委員会の定められました審査基準をクリアしているということでこの資本注入が行われたものと承知しております。
○笠井亮君 一般論で答えてもらったら困ります。今、長銀問題をめぐって、システムが危ない、だからやるんだというふうに総理も言われた。それに対して、具体的な問題でわからないといって疑問を提起しているのに、一般論としてほかの銀行と並びでやられても、これ全然答えになっていません。
○参考人(松田昇君) 長銀の前回三月の資本注入の状況でございますけれども、ただいま伏屋局長からも御答弁ございましたけれども、審査委員会としては三月末までに決定をしなければいけないというので非常に日程がタイトでございましたけれども、集中的な審議を行いました。 そこで、一番気をつけなきゃいけないのは、既に公表してある審査基準と合うのかどうかということでございました。第一基準では債務超過の銀行はだめだとなっておりますので、その点を注意して見ましたけれども、債務超過という時点ではございませんでした。 なお、ほか四つほど基準がございまして、それぞれ先ほど局長からも御答弁ありましたけれども、頭取から直接ヒアリングをする、例えばいろいろな事実関係の数値については検査、考査の権限をお持ちの大蔵大臣や日銀総裁からも直接所感をいろいろお伺いする、その他事務局の事前ヒアリングを十分に行う。そういうことでいろいろ審査をいたしまして、長銀につきましては優先株は千三百億円、ただし劣後ローンについては七百億円の申請でございましたけれども減額をいたしまして四百六十六億円ということで、その時点では本当にまじめに審査をしまして審査基準すべてクリアしたということで閣議決定にお回しをした、こういうことでございます。
○笠井亮君 今、減額をしたということについては、経営状態が悪いということによって減額をされたのですか。その辺の理由をちょっと言ってください。
○参考人(松田昇君) お答えいたします。 先生御指摘のように、経営状態が悪いので減額したという事実はございません。あくまでもティア1の資本勘定になる優先株ではなくて、劣後ローンでございますのでティア2でございます。そうしますと、申請額をそっくりそのままのみ込みますと、ティア2がティア1をオーバーしてしまいましてこぼれるものですから、こぼれる部分は公的資金でございますので不必要な額であろう、あくまでも資本充実の原則に従って行動すれば足るという判断のもとに減額をしたということでございます。
○笠井亮君 そうすると、その五カ月で何かあったんですか。その辺はどういう状況でしょうか、監督庁。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 五カ月で何かあったのかというお尋ねですが、今回は長銀自身が経営状況にかんがみましてリストラ策を実施し、あわせてその後で公的資本をお願いしたいということでございますので、私どもはその長銀のリストラ内容を今後ともよく検討したり、あるいはこれから、まだ検査が依然として行われておりますので、その検査を通じてどういうことが実態としてあったのかということは調べてまいりたいというふうに考えております。
○笠井亮君 私の伺った疑問は解けないんですけれども、この問題はさらにあれしたいと思います。 さらに、今度、今まさに議論がありました。破綻の蓋然性がないということで、債務超過でないことが重要な基準の一つになっておりますが、今回の場合、長銀はこれにかなうと言い切れるんですか。
○政府委員(日野正晴君) また仮定の御質問にお答えするのは大変難しゅうございますが、現在、当庁におきましては大手十九行に対しまして本年三月期の自己査定について鋭意検査を続けているところでございまして、私が現在持ち合わせている情報では、長銀は債務超過であるといったような情報は持ち合わせておりません。
○笠井亮君 検査を終わっていないと言われました。終わっていないときに幾ら現時点では債務超過だという情報はないと言ってみても、これは何の意味もないんじゃないでしょうか。わからないから検査しているんでしょう。終わらなかったらわからない。それなのに、今のところ情報がない、だから大丈夫だと言わんばかりにこんな話を進めていいんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 検査が終わってみなければ何とも申し上げようがございませんので、あしからず御了承いただきたいと思います。
○笠井亮君 では、今どういう状況で、現時点ではそういう情報がないというんだったら、国会に明らかにしてください。
○政府委員(日野正晴君) これは一般論でございますが、個別行の検査内容については申し上げることを差し控えさせていただくという方針をとっております。
○笠井亮君 それを明らかにしないで、とにかく税金あるいは公的資金を投入する、危ないから危ないから、こんな話は通用しませんよ。
○政府委員(日野正晴君) たびたび恐縮でございますが、個別行の検査内容については御答弁することを差し控えさせていただきたいと存じます。
○笠井亮君 まだ検査中なのに、今度長銀から申請があったら公的資金投入へとすぐ適切に対応する。何でそんなこと言えるんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 今回の公的資金の投入はあくまでも長銀が申請なさるということを前提にしたお話でございまして、長銀からいろいろ聴取したところを今申し上げているところでございます。
○笠井亮君 これじゃもう責任を持って国会で議論できませんよ、こんなことじゃ。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 私もこの金融危機管理審査委員会のメンバーの一人でございまして、長銀から資本注入の申請がありました場合には、私の方の検査で把握した情報を活用することによりまして審査委員会の的確な判断に寄与させていただきたいというふうに考えております。
○笠井亮君 新聞報道の中でも、当事者の社長には、今こういう状況だから合併をとにかくやってくれと、守秘義務にもかかわる問題という報道もありましたけれども、そういうことは絶対言っていないですね。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 私どもはとにかく、個別行の検査内容に関しましては一切金融監督庁以外の方々にはお話を申し上げないという方針をとっておりまして、ましてや一企業の社長に対して他行の検査内容をお話しするはずがございませんので、どうかひとつその点を御理解いただきたいと思います。
○笠井亮君 では、公邸でどういう話をしたのか。これもブラックボックスですよ。関係者とどういう話をしたかなんて全然わからないでしょう、国民にも。どういう話をしたんですか。
○政府委員(日野正晴君) たびたびお答えさせていただいておりますが、合併を認可する職責を与えられておりますので、その合併に向けたもろもろの手続が果たしてどういうふうな進捗状況であるかということを絶えずお聞きしているわけでございまして、その一環として今回もお話をお伺いしたということでございます。
○笠井亮君 常識的に考えて、相手が危ないかどうかわからなくて合併なんか進められませんよ。それを促進しようということで話し合いをしてきて、どういう状況かというやりとりがなくてどうして住信の方だってやれるんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたしますが、住友信託からはもちろん、住友信託側が今合併に向けてどういうお考えを持ち、どういうふうに対処しようとしておられるかということは十分その都度お伺いさせていただいております。
○笠井亮君 これは当事者の話でやっておりますみたいな話じゃないですよ、この一連の談話を見ると、先週末確認したことは。政府が乗り出して合併を進める、そのために必要なこと、長銀は身ぎれいにしてあげる、その上で公的資金を入れる、そういうことで話が進んでいるじゃないですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 住友信託の側では、かねてからずっと主張しておられるとおり、長銀からは正常債権のみを引き取る、それからもろもろの条件を提示しておられます。例えば、私どもの検査が終わった後に改めてデューデリジェンスの観点から幾つかの公認会計士事務所あるいは法律事務所などにお願いしてそういった債権の再評価をさせていただくということはお聞きしております。
○笠井亮君 長銀の検査というのはいつ終わる予定なんですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 現在鋭意検査をやっておりまして、まだその終了時点を申し上げることができません。
○笠井亮君 合併の話だけは進めると。 検査が終わったらその報告は当然公表して発表するんでしょうね。国会に報告しますね。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 たびたび申し上げておりますところですが、個別行の検査の内容については、これを公開するということは差し控えさせていただきたいと存じます。
○笠井亮君 ルール型行政を進めるということで金融監督庁をつくったんじゃないですか。そして、情報公開する、明らかにする中で金融行政をやっていくということを言ってきておきながら、検査結果も発表せずにやみの中で処理すると。ノンバンクの問題があります、この債権も全部チャラにすると。そうしたらその中身も全部やみですよ。政治家だって暴力団だってかかわっているということが言われている中で、そんなやり方で今処理したら、それこそ国際的な信頼を失う。システムだって危なくなりますよ。日本はどうなっているんだ、全然変わっていないじゃないか、こういうことになると思うんです。 委員長、今の長銀に対する検査結果、これについては、現段階での中間報告とそれから検査結果の最終報告、これを国会に提出する、こういうことでぜひ取り計らっていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○委員長(倉田寛之君) ただいまの笠井君の要求につきましては、後刻その取り扱いについて理事会で協議をさせていただきたいと存じます。
○笠井亮君 時間になりましたから終わりますけれども、危ない危ないと言いながら、国民にも国会にも事実を明らかにしないで暗やみで処理をしていく、そのために必要なことは税金投入と。こんなことでは日本の経済の再生も、そして金融の再生もできない。 総理、最後にその問題どうですか。一体どういうふうに考えられますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私も、しばしば申し上げておりますように、日本の現在の状況というものを深く認識いたしておりまして、そのことによって預金者を徹底的に保護しなきゃならぬということと同時に、金融システムを守ってこれを安定させることが極めて重要な問題と認識をいたしております。そのために全力を挙げておる次第でございます。
○笠井亮君 深く認識されていたらこういうことは出てこないです。国民の前にきちっと明らかにして、どうやったらいいか、税金投入しないで銀行業界の自己責任でやりなさいということでやることこそ本当に日本経済と金融の立て直しの道だ、私はこのことを最後に強調して、質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、市川一朗君の質疑を行います。市川一朗君。
○市川一朗君 市川一朗でございます。 参議院予算委員会総括質疑もきょうが最終日でございますので、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。 実は私も、今回の参議院選挙を戦ってきた一人でございますが、小渕総理も所信表明の中で、さきの参議院議員通常選挙において示されたのは、国民が何よりもまず我が国の経済情勢を極めて深刻に感じ、その一日も早い回復を願っているということでありましたと。私はこうした国民の声を真摯に受けとめて、そして経済再生内閣をスタートさせるという御決意を述べられたわけでございますが、私も選挙戦を戦っている中で、まさに国民の皆さん、会社の経営者やサラリーマンはもちろんでございますが、農業や漁業に携わっている方、それから今は主婦の皆さんも含めまして、とにかく何とか一日も早いこの不況からの脱出、景気の回復を願っていると実感しているところでございます。 先日も、当予算委員会におきまして、我が党を代表して鴻池理事が質問に立たれまして、極めて真摯に心を込めて、中小企業経営者としてのみずからの立場も踏まえまして、現下の厳しい情勢の中で必死に戦っている、頑張っている中小企業者の皆さんのそういう実情を踏まえた御発言がございました。私は、まさに今我が国の中小企業経営者の皆さん、中小企業に関係している大部分の皆さんの気持ちと全く同じ気持ちを鴻池理事は述べられたと、まことに緊張の面持ちでお聞きした次第でございます。 小渕総理のお気持ちを改めてお伺いしたいと思います。国民のそうした一日も早い経済の回復をという気持ちに対し、そういう熱い思いに対しまして、小渕内閣としての改めての御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 私、この総理大臣の大任をお受けいたしますに当たりましては、市川委員が今御指摘のように、過ぐる参議院選挙の結果も真摯に受けとめまして、この内閣としては経済再生内閣ということでスタートさせていただいておるわけでございます。そのために、何よりも不良債権問題等につきましても対応しなければならないということで、この臨時国会を早期に開かせていただきまして、政府提案の閣法その他につきましてこれから御審議をいただくわけでございますが、私はこの点につきましては与野党を超えて皆同じ思いをいたしておるのではないかと思っておりますので、政府としてもよりよい形でこの事態に対処いたしてまいりたいというふうに考えております。 そこで、経済が極めて停滞した状況の中で推移いたしておりますので、それに対しましては、政府といたしましては、一般的には金融それから税制あるいは財政、あらゆる手段を講じて対応しなければならないわけでございますけれども、申すまでもなく、金融におきましては金利が高いからこれを引き下げたら企業は設備投資に資金を活用するというような状況でありませんで、まれに見る世界的に低いこの公定歩合に伴う金利でありますが、にもかかわらずこうした手段がとれない以上は、税制あるいはまた財政の出動でできる限りこの状態を一日も早く回復させていかなきゃならないということで御承知のような提案をさせていただいておる、こういうことでございます。
○市川一朗君 どうもありがとうございました。 これからいよいよ金融関連法案の審議もございますし、また平成十一年度の予算編成もあるわけでございますので、そういう過程も踏まえまして、ぜひとも強力な政策の実施によりまして、一日も早い経済の回復ということを国民のためにぜひとも実現したいものだと私も思っておる次第でございます。 とりあえず補正予算も成立いたしまして、現在総合経済対策が実施されているわけでございますが、私も国会の立場になりますと、なかなか実際に政府がどういうふうにその仕事をやっているのかよくわからない部分がございます。まして国民の皆さんにとってはよく見えないと思うんです。必死に頑張っておられるんだろうとは思いますけれども、なかなかよくわからない。その辺をやはり予算委員会の場で、時間も余りございませんけれども、ある程度各大臣にもお聞きしながら、大体どのくらいまで進んでおるのか、内閣総理大臣の趣旨を踏まえて小渕内閣としてどのように真剣に取り組んでおられるのかということにつきまして、具体的な内容も含めて国民の前でぜひとも明らかにしていただきたいという気持ちを込めまして、しばし御質問させていただきたいと思います。 まず、大蔵大臣に、政府全体としての総合経済対策といいますか予算の執行状況等につきまして、まとめて現在の状況をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総合経済対策を含みます本年度の予算執行は、各方面の御努力によりまして比較的順調と申し上げることができるかと思います。 公共事業につきましては、上期の契約率を前倒しいたしまして八一%、これは過去最高でございますが、せんだって私はこの委員会で八三%と申し上げましたが、誤っておりまして、八一%でございますが、促進に努めております。また、促進のために閣僚会議を設置いたしまして、この状況をチェックし、促進に資したいと思っております。 六月末の契約率は五六・五%でございますが、これは六月末としては過去最高でございます。なおそのような努力を続けていきますとともに、前倒しをいたしておりますので、一次補正もございますが、来年の年初から年度末にかけまして過去の経験によりますと切れ目が生まれる心配がございますので、第二次補正におきましてはいわゆる十五カ月予算ということで、来年度本予算編成と同時に並行して編成をいたしまして、そして本予算のうちのある部分を第二次補正の方にそのまま移しかえまして切れ目をなくすようにしたいと考えております。 なお、本予算につきましては先般、御承知でもございますけれども、このたび緊急対策として特別枠を設けることにいたしました。公共事業については二兆七千億、非公共につきましては一兆三千億でございますが、要求枠といたしましては、公共はその五割増し、非公共は一・七五倍までの要求枠を設定いたしました。これは急なことでございましたので、各省庁にできるだけいい知恵を出してもらいたいと考えまして、具体的には十月末までを期限にして要求をしてほしい、その間にいろいろ各省庁にも工夫をしてもらいまして、それらのことによりまして市川委員の御指摘のような景気回復に財政も最大限の奉仕をする、協力をする、この気持ちでおります。
○市川一朗君 財政当局のそういう取り組みの姿勢はわかりましたけれども、契約八一%を目標に五六・五%と、数字だけはわかるんですが、現実にどのくらい進んでいるのかなというところがいま一つわからない部分もございますので、各大臣にいろいろちょっとお聞きしてみたいと思います。平成十年度の当初予算だけじゃなくて、できれば補正予算も含めまして大体どういった状況になっておるのか、それも最近のデータでお聞かせいただければと思うわけでございます。 補正予算の多い順と言ってはなんでございますが、まず建設大臣にお伺いしたいと思いますけれども、建設省所管の事業について、例えば契約率だけじゃなくてできれば着工ベースとか出来高までわかれば本当は国民の皆さんにはわかりやすいと思うんです。 それと、補正予算では建設省でも情報通信高度化に資するための電線共同溝の整備とかあるいは民間投資誘発のための中心市街地活性化とかいろいろ並んで工夫が試みられておりますが、実は私の地元の例でいきますと、国道の二車線を四車線化するというのが平成十三年まででないとできないということで工事が遅々として進んでおったわけでございますが、ここへ来まして補正予算が使えるので平成十年度中にできるということでありまして、地元は大変喜んでいるということでございます。 そういったようなことが、地元にも喜ばれ、そして実際の景気効果も出てくるということが私は一番いいんじゃないかなと思っているのでございます。しかし、やはり公共事業に対する厳しい批判もございますし、また二十一世紀へ向けたいろんなことを考えますと、新しい試みをどんどんやっていくことが国民の期待する線でもあるというふうに思いますので、その辺の思いを込めまして御質問させていただきますので、しっかりとした元気のいい答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 建設省は元気を出して公共事業を一円のむだもないように、いわゆる緊急度、重要度、そしてやはり地元の熱意というものも的確に評価いたしまして現在進めておるわけでございます。 数値的に申し上げますと、平成十年六月末の建設省所管事業の契約状況でございますが、予算の現額が十兆八千百四十七億円になっておりまして、契約額は六兆三千二百六十九億円でございまして、六月末まででは契約率は五八・五%ということになっております。これは直近のいわゆるこういう促進を進めました中でも平成五年度と並びまして高い契約率になっておるわけでございます。先ほど大蔵大臣の御報告の中にもございましたが、建設省といたしますと、上半期の契約目標は九月末で八二・九%を計画いたしておるところでございます。 なお、六月に成立いたしました補正予算による追加事業につきましても早期に実施するように努めておるところでございます。 それで、この再評価システムというものを今実際に動かしておるわけでございまして、先生御承知のように、五年たってもまだ土地の買収ができないとか、あるいは十年たってもその進捗率がまだ一けたであるとか、そういうようなときには休止あるいはそれ以上の中止ということもやっていくということで、世間でとやかく言われた時期もございましたし、今も多少そういうようなことがあるかもしれませんが、公共事業のむだ遣いというようなことは一切起こさないように細心の注意をいたしております。そのことは私は自信を持って御報告ができると思っております。 そういう中にありまして、二十一世紀に向かいましての新しい諸策でございますが、先生御指摘のように、情報通信関係の電線の共同溝の整備であるとか、あるいはまた民間投資を誘発するであろう再開発、区画整理等の中心市街地活性化法、これは私は時代の要求に合ったすばらしい法律だと思っておりますが、中心市街地活性化法を着実に進めていきます。 それから、これからはいわゆる建設行政は今まで以上に自然環境と共生できるものをやっていかなければならない、そのために整備がおくれるのであればそれは私はやむを得ないと思うわけでございまして、何もかもすべてのものが合致するということはありません。しかし、私は、その整備の促進よりも自然環境を守っていく、自然環境と共生できる方に重きを置きたいと思っております。ですから、それで進捗率がおくれるのであれば、それはひとつ御理解をいただきたいと私は思っております。 そういうような考え方のもとで、下水道でございますが、水質を改善するための下水道の整備であるとかあるいは河川の整備ということを進めていきたいと思っております。 それから、先ほど大蔵大臣の御答弁にもございましたように、一千億円設けられました二十一世紀の経済発展基盤整備枠、このことも活用をさせていただきまして、来世紀に向かって力強く進めていきたいと思っておるところでございます。
○市川一朗君 やはり国民の目から見ますと、目に見えた成果が上がるということが非常に大事だと思います。特に中心市街地の活性化は大変大きな問題でございまして、全国的なテーマでございます。建設省だけではとてもやり切れるテーマでないと思います。各省挙げて取り組んでもらいたいと思います。今のお話でも、やりますということで、ここまでやりましたというところまではちょっとお伺いできなかったのは残念でございますが、しようがないと思います。 次は、農水省にお尋ねをしたいと思います。 大体似たようなことでございますが、特に環境保全に力を入れるということも補正予算で言われておりますので、その辺、新しい農水省としての方向も含めまして、大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 市川先生の御質問にお答えいたします。 まず、農林水産省といたしましても、先ほど宮澤大蔵大臣が申されました閣議決定に沿って鋭意やっておるところではございます。 第一・四半期は契約率で四四・二%、過去最高でございます。ただ、ほかの省庁より第一・四半期が若干低いと思われがちなのは、受益者負担がございますので、受益者の同意という作業が若干かかりますのでスタートは若干遅いのでございますけれども、上半期につきましては八一%以上という過去最高の契約率に持っていくべく今鋭意努力しておるところでございます。 そして今、先生から特に御指摘のありました新たな社会資本整備、真に必要な社会資本整備といたしましては、環境・新エネルギー対策として、都市に比べて大幅におくれておる農村の汚水処理の問題、いわゆる集落排水、これは都市の飲用水の水質保全にも役立つ極めて大事な事業だと思っておるところでございます。 また、物流効率化対策といたしまして、高速道路網の整備の進展に対応しまして、農林水産物の物流を高速道路にアクセスさせていくための農道整備事業等も必要だというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、二十一世紀に向けての日本の農林水産地帯、そしてその先にはすべての一億二千万の国民がいらっしゃるわけでございますから、都市と農村、また生産者と消費者という共通の認識を持って農林水産行政を進めていかなければならないと思っておるところでございます。 そういう意味で、先生から御指摘がありましたように、国土保全、環境あるいはまた情報通信も含めまして、我が省としても国民ニーズに対応できるように、そしてまた一銭のむだもないように常にチェックをしながら大事な事業の推進に努めてまいりたいと思っておるところであります。
○市川一朗君 次に、運輸省にお聞きしたいと思います。 運輸省の場合は港湾問題も含めましていろいろ公共事業のあり方でしばしば予算委員会でも議論されておりますけれども、新しい物流を考えますと、これから物流の効率化を図っていく上において運輸省として果たさなきゃならない役割は非常に大きいと私も実感しておりますが、補正予算でもその辺がきちっとうたわれております。 実際の実行状況はどういうふうになっておるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 市川委員にお答え申し上げます。 最初に、進捗状況でございますけれども、本年度当初予算で公共事業の運輸省所管は一兆三千億でございます。そのうち、六月末で五一%の契約率、私ども運輸省の場合、成田の問題で地元の皆さん方と十分話し合いを続けていかなきゃならぬということで、九月末七一%、今御説明がありました建設省より少し低い数字にさせていただいております。既に五一%の契約率でございますので、過去最高の七一%を超える契約率が達成できる、このように考えております。 それから、運輸省の所管事業、特に補正予算の問題でございますけれども、まだ全体的な数字は掌握いたしておりません。その中で、補正予算で特に力を入れました二点について御説明申し上げたいと思います。 一つは、港湾の中の廃棄物の海面処分場の問題でございます。ごみ処理をどうしていくか、極めて重大な課題であると思っております。当初予算は五百十一億、四十二港でございます。補正予算では六百四十五億の事業費をつけていただきました。二十九港を前倒しにする。 事例を申し上げますと、例えば徳島県の橘港、当初予算が七億、補正予算は六十億でございます。これで工事を進めてまいりますと、八月には既に二十四億円契約をいたしました。十月に残りの三十六億円の契約をやる予定になっております。そうなりますと、十一年度にはごみの投げ入れをできるような体制になる。まさに社会資本整備の課題に合った一つの事例かと思っております。 それからもう一つ、航空の問題をお話し申し上げますと、私どもの推定で、特に国際関係がふえてきておるわけですけれども、改めて申し上げますと、国内の旅客数は一九八七年、今から十年前が五千万人でございます。今が八千五百万人、そして二〇〇五年には一億を超えると考えております。一方、国際は伸びが激しゅうございまして、八七年度二千二百万、今現在倍になっておりまして四千六百万、そして二〇〇五年は八七年度に比べますと三倍、六千四百万人ということになります。 当然そうなれば拠点空港の整備というものを急がなきゃならないと同時に、我が省の最大の課題としては、安全というものをどうやって確保していくか。当然、航空の量がふえてまいります。今、GPSというもので、どこに飛行機が飛んでいますかということは上から全部確認できるようになっておりますけれども、今度、管制をどうしていくか。数がふえてまいりますので、飛行場の離発着をどうやって管制していくか。その問題で情報通信というものに着目をさせていただいて、来年は運輸の多目的衛星を、HⅡロケットになろうと思いますけれども、上げさせていただくことになります。 当然、宇宙の準備は来年でき上がる。一方で、国内の整備はということになりますと急がなきゃならぬ。神戸と茨城に管制装置を置いて、それで飛行機をGPSとかみ合いながらコントロール、制御して、安全を確保しながら離発着量をふやしていくということになります。これができ上がりますと大体三倍の容量でできるだろう。まさに次世代に合わせた一つの考え方だろうと思いますし、こういう補正予算を利用しながら積極的にやってまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○市川一朗君 運輸大臣、どうもありがとうございました。やはりこういう質問でございますから、今のようにPRも兼ねてどんどんやっていただきたいと思います。 七億円で、六十億円という補正予算ですね。やっぱりそういうところへきちっと執行してもらいたいという声もあると思いますし、なかなかこの辺は幅広に使わなきゃならないという場合もありますから、いろいろあるとは思いますけれども。 次に、厚生省にお尋ねいたしますが、厚生省は、補正予算を見ますと、項目も環境のところでトップバッターに出てきますし、それから金額も非常に、補正予算追加額は割合でいきますとトップでございます。厚生省に今回の総合経済対策は非常にウエートがかかっているんじゃないかなというふうに思いますが、中身を見ますとなかなか難しい問題がいっぱいありまして、新ゴールドプランの前倒しとか、あるいは介護保険法の円滑な施行に向けた経費とか、社会的に注目を浴びているテーマに関する予算も多いわけでございますので、その辺を含めまして大体どんな状況になっているのか、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 厚生省所管の公共事業は、事業費目としては上水道、それから廃棄物の処理施設等、これはダイオキシンなんかの関係もございますが、その保健衛生施設、それから今御指摘の新ゴールドプランの前提となる社会福祉施設の整備あるいは国立病院の整備等でございます。 当初の予算につきましては、六月末の契約率は五九・七%ということでございまして、各省の所管に比べて最高の実施率になっているかと存じます。これまでのところ順調に進んでおりますので、さらに促進を図っていきたい。 それから、補正予算につきましては、今御指摘のように厚生予算のダイオキシン対策、あるいはゴールドプランの問題に重点を置いて編成をいただきました。 ダイオキシン対策につきまして申し上げれば、これは一般廃棄物の最終処分場がございますけれども、埋め立てた廃棄物からはみ出した水がここから埋立地以外、外部へ流出するようなことがございますが、これはどうしても防止しなきゃなりませんので、遮水工や、それから浸出液が処理施設外に出る、それを防止する等の対策を中心にいたしましてかなりの額を計上させていただいております。また、前倒し実施もさせていただいているところでございます。 それから第二番目の、平成十二年度から施行されます介護保険制度の円滑な実施の前提となる基盤につきましては、例えば特別養護老人ホーム等につきましては前倒しをいたしまして、約二千八百人分の増設を図っておりますが、これは七十人平均といたしまして四十施設を前倒しして実施することにいたしております。 また、ショートステイ施設でございますが、これも千九百人弱の前倒しをできるようにする、あるいは日帰りの介護施設でありますデイサービスセンターにつきましても七百カ所の前倒し等を実施しております。 なお、十二年の介護保険の実施に向けて私どもとしては最重点に考えておりますので、この補正でも介護保険の事務処理システム、つまりコンピューターとかあるいは事務処理機器等の整備も計上いたしていただきまして、これらの促進を図っておるところであります。 また、平成十一年度の予算要求につきましても多大な、いろいろの面で御配慮を大蔵大臣の決定その他でいただいておりますから、これらの国民生活に密接な関係のある社会保障施設の整備については万全を期していきたい、こう思っております。
○市川一朗君 よろしくお願いしたいと思います。 郵政大臣、この予算委員会でも野田大臣の答弁、いろいろ聞いておりますが、大変真剣に取り組んでおられました。また、口幅ったい言い方ですが、よく勉強もされておられると伺うわけでございますが、総合経済対策、郵政大臣は一生懸命取り組んでおられると思いますけれども、改めてどういうふうに取り組んでおられるのかお尋ねしたいと思いますので、どうぞひとつ張り切ってお願いします。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 総合経済対策におきまして、情報通信というのはこれからの日本の新社会資本という位置づけをいただいたところであります。一次補正におきましては一千百億円の予算総額でございました。 具体的な例を挙げまして御説明申し上げたいと思うんですけれども、例えばギガビットネットワーク。これは片仮名なのでわかりづらいと思いますけれども、ギガビットというのは、新聞紙一年分の情報を三秒で送ることができる大容量の情報通信網であるわけです。これを利用して現在さまざまな研究施設で実験が行われていますが、迅速に進めていただいて実用化していただこうということで、十三カ所を予定しているところでございます。 また、デジタル、デジタルということで、随分日本でもデジタル化について皆様方御研究されているわけですけれども、放送もデジタル化の時代を迎えています。CSとかBS、またCATVというのはもう既にデジタル化が進んでいるわけですけれども、最後のとりでであります地上放送に関しましても二〇〇〇年度にはデジタル化をしたいということで、そういうことがスムーズにできるように、この地上放送におきましては全国七カ所、七地域に実験施設をつくる予定となっています。これは総額三百五十億ということで、実は十月には入札をすることになっています。 さらに、地方自治体から一番要望の多いものが格差是正事業。これは移動体通信用の鉄塔を建設する事業なんですけれども、既にこれまでのところ百二十ほどの要望がございまして、今検討中ですけれども、九月の終わりにはきちっと決定いたしますが、すべての御要望にこたえるような手はずになっているところでございます。 これらの事業は、現在、事務的には順調に進んでおりまして、年度末には必ず実行させていただきたいと思います。 後先になりましたけれども、郵政省も公共事業は若干ございまして、平成十年度は千九百七十一億円、これに対しまして六月末までの契約率は千三百八十一億円、七〇・一%を達成しているところであります。ですから、お約束の八〇%を達成することは可能でございます。 以上でございます。
○市川一朗君 文部大臣にお尋ねしたいと思いますが、補正予算では科学技術振興対策というのが大きな柱になっておりまして、その中で大学の研究施設を中心とした国立学校施設費が大きく計上されております。 実は、私も、現役の大学教授陣から前々から、科学技術振興ということで新しい研究施設の予算はつくけれども、実は大学にはそれを入れる入れ物がないということで、老朽化して狭いということでございました。これを文部省にいろいろ話すんだけれども、何か一向にらちが明かない、何とかしてくれという話をいろいろお伺いしているわけでございます。 もちろん、今回、文部大臣に就任されました有馬大臣に国民が期待しておりますものは、二十一世紀の日本の人づくりの基本となる教育のあり方についてしっかりとした方向を見出していただきたいということではございますけれども、大学の現場も御存じの大臣でございますので、今の点につきまして、大臣の取り組む方針も含めましてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 御質問ありがとうございました。 私も長年、日本じゅうの国公私立の大学あるいは国立研究所などが非常に狭隘化していること、それから建物が非常に老化していることを大変心配している次第でございますが、特に昭和三十年代後半から四十年代にかけて建設した建物の老朽狭隘化が著しく進行しております。その改善整備が喫緊の課題と強く認識しております。私自身も最近それを詳しく調査した次第でございます。 そのため、平成十年度予算及び第一次補正予算において大学改革等に伴う施設の高度化、今おっしゃられました科研費等々が入ったときに狭くて困るという問題、独創的、先端的な学術研究を推進いたしますための基盤となる学術研究設備の重点的整備を着実に実行していくこととして、総額で約三千二百四十億円を計上したところでございます。特に御指摘の点、喫緊の課題となっております老朽狭隘施設の改善整備計画につきましては、事業量約三十七万平米、事業費約千三百九十億円を計上いたしました。 また、もう一つ大きな問題は国立大学の附属病院でございます。これは非常に汚くなり、不便でございます。そういう意味で、二十一世紀を見通した高度先端医療を行うことのできる病院といたしまして再生するため、神戸大学医学部附属病院の病棟建設等の再開発整備事業等を行っているところでございまして、事業費として約千二百四十億円を計上したところでございます。 文部省といたしましては、厳しい財政状況のもとではございますけれども、今後とも教育研究の発展充実に資するよう設備の整備充実に一層努めていきたいと思っております。 なお、公共事業がどのくらい今進行しているかということでございますが、一言申し上げておきます。 文部省の公共事業等の当初予算における施行状況は、六月末現在でまだ四〇%にすぎない。しかし、これは二つ理由があります。一つは、公立小中学校の施設整備等におきましては、授業に支障を来さないようにということを図りましたので、夏休み期間中にぜひともこれを実行したいと思っておりますし、既に夏休み中に相当実施されていると思いますので、すぐに八〇%に達するものと思っております。 なお、国立学校施設整備のうち大型の研究装置等につきましては、工事期間が四、五カ月要るというふうなことで、政府調達の契約の手続を経る必要がございますが、これがちょっとおくれておりますが、必ずこれは完全に健全に使うことができると思っております。
○市川一朗君 いろいろ各省にお尋ねしたわけでございますけれども、私だけじゃないと思いますが、実はこういった事業を進めるに当たりまして皆さん心配しておられるのは地方公共団体の財政事情でございます。平成十一年度予算でもかなりの大型予算を国は考えるわけでございますが、私の知る限りにおきます県や市町村の財政事情からしますと、なかなかそれをしっかりと受けて実際の事業に結びつけるのは難しいんじゃないかなというくらい心配な状況が今できつつあるように思う次第でございます。 そういった点につきまして、ここで簡単な答弁は難しいかと思いますが、自治大臣の決意を含めました御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) それではお答えをいたします。 地方単独事業を含む公共事業の施行につきましては、地方公共団体に対し積極的な施行促進を図るよう要請いたしておるところでございます。 都道府県における上半期の契約目標率につきましては、その平均が国の定めた目標である八一%を上回りまして八二・八%と高いものとなっております。六月末の契約率を見ますと四五・四%と、契約はおおむね順調に推移しておると思われます。地方公共団体においても、公共事業等の施行促進につきまして積極的な取り組みをいただいておると思います。 次に、公共事業及び地方単独事業の追加につきましては、既に六月補正において追加計上を行った地方公共団体があるほか、九月補正におきましても計上をすべく現在準備を地方公共団体の多くが進めておるところでございます。 さて、委員大変御心配をいただきました地方財政にかかわる問題でございますけれども、自治省といたしましても、それぞれ地方公共団体が、地域経済の状況、それからもう一つは地方財政の状況を十分に考慮しつつ、できる限りの予算計上を行っていただくよう引き続き協力を現在要請しておるところでございます。 以上でございます。
○市川一朗君 総合経済対策につきまして、一通りではございますが、総理の御決意も確認し、各省大臣のいろいろ取り組みの姿勢についても聞いてまいりました。平成十一年度予算編成について、政府としてなおさらなる取り組みも言われているところでございまして、こういった総合経済対策の結果として果たしてどういう日本経済全体への効果があるのか。補正予算を審議した際にも議論されておりますけれども、ここまで参りました時点でどういうふうになっているのかということは大変私どもも知りたいところでございます。 それなりの試算もいろいろあるわけでございますが、経済企画庁長官、専門家でもございますので、その辺、どういうふうに見ておられるのか、長官というお立場でひとつ御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) お答え申し上げます。 従来型の公共事業の経済効果が低下してきているんではないか、こういう疑問がございまして、公共事業による景気振興について疑問を呈する民間の経済学者がいることは事実でございます。 公共事業による社会資本の充実、経済効果というのは、総需要に与えます効果という点ではいろいろの経済指標から見ましてそれほど変わっておりませんが、バブルの後遺症等で供給施設の過剰等がありますので、その点では私たち経済企画庁が用意していますもの、世界モデルのころよりは低下している可能性はあるかと存じております。 従来型の公共事業というのはどういうものを指すのか、この点の定義はまだ不明でございますけれども、できるだけ新しい時代にふさわしいものにして、社会的な影響、需要が出ることによって確実に発生いたします経済の波及効果、乗数効果のほかに、社会的な意義づけのあるものを多く取り上げていきたいと思っております。 現在の総合経済対策におきましては、二十一世紀を見据えまして、環境・新エネルギーあるいは情報通信高度化・科学技術振興、そして福祉・医療・教育、それから物流の効率化、緊急災害、中心市街地などというようなものを重点的に取り上げて、徐々に構造の転換を図っております。さらに今後、事業規模十兆円を超える第二次補正をやっていくというようなことになりますと、かなりの影響が出ると思います。 既にお決めいただきました十六兆円の総合計画で、GNPで二・〇%程度押し上げる効果があると見られておりますが、諸般の経済情勢が甚だ厳しい情勢でございますので、これがどの程度の下支えとして景気を維持できるか、ちょっと今のところ不安を感じるような状態でございます。したがって、途切れなく第二次補正十五カ月予算ということで、景気の底が抜けることのないように万全を尽くしていきたいと考えております。
○市川一朗君 私も、不良資産問題を解決しないと本当の意味の経済効果は出ないんじゃないかなという実感を持っておりますが、きょうは余り時間がありませんので、その辺、触れることができません。 通産大臣、経済企画庁長官も今答弁されましたけれども、大臣も就任の際のインタビューなどで新社会資本への取り組みの必要性、重要性を大分言っておられます。新社会資本とは一体どういうものなのか。いろいろ言われているようなもので、やはり今までとは違った二十一世紀に向けた必要性と、しかも経済効果も大きいというような点について、私もそれなりに勉強はしているつもりですが、きょうは大臣の話を聞くのは初めてでございますので、皆さんの前でひとつどういう考え方でおられるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御承知のとおり、二十一世紀の日本の社会というのは大きく変わろうとしております。それは、少子・高齢化社会というものが到来するということが一つでございます。それからもう一つは、大きな経済力を持っている日本でございますけれども、やはり中長期的に考えますと世界の中で日本の国際競争力がこのまま維持できるのかどうかという、将来に対して私どもは漠然たる不安を持っております。 それから、一方では、経済は発展したけれども、国民の生活の質が本当に向上したのかと。また、二十一世紀は国民一人一人の生活の質の向上が強く要請される時代にもなるんだろうと私は思っております。いろいろな時代的な背景がございますので、新社会資本整備というのは、その時代のニーズにやはり適合したものでなければならないと思っております。 また、企業が国を選ぶ時代でございますから、日本の経済社会というものがそれなりの健全性を維持できるかどうかというものも我々の喫緊の課題であると思っております。 私は、新社会資本整備という言葉を聞きましたときに直ちに頭に浮かびますのは、やはりそういうものは国民の生活の質の向上にまずつながる分野、これが必要だろう、あるいは国全体として考えた場合、生産性の向上に直接間接寄与する、そういう分野、またそういう新社会資本整備を行うことによってある種の波及効果が期待できる分野、あるいはそういうことを行うことによって技術の進歩、技術開発、技術の進展等に寄与する分野、いろいろな分野でございますけれども、総じて言えば、今は非常に国も地方自治体も財政難にあえいでいるときですから、お金を使う以上、将来の世代に褒められるようなお金の使い方をするというのが現在の我々の将来の世代に対する大きな責任であると思っております。 また、加えて申し上げれば、先ほど建設大臣も少し触れておられましたけれども、そういう新社会資本整備ということをする場合にはコスト意識というものをやはり持たなければならないと思っております。 いずれにしましても、財政窮迫の状況でそういうことをやっていくわけですから、将来の世代に責任を持ってそういう判断を下すということでなければならないと思っております。
○市川一朗君 まだいろいろお聞きしたい点があるわけでございますが、時間との関係もございますので。 こういった公共事業を中心とする総合経済対策、これはなかなか大都市に住む市民といいますか、住民にとりましてはいま一つぴんとこない面があるということが今回の参議院選挙の結果でも示されたのではないかなというふうに思います。遠くへ住んで毎日満員の通勤電車に乗って職場に通う、うちへ帰っても余り広い家ではないといったような状況が日常の生活である大都市のサラリーマンにとりまして、きょう今、御議論し、そしてお話しいただきましたような経済対策の推進というのは、数字の上ではわかるかと思いますが、いま一つ内容的にはぴんとこないという点もあると思います。 私は、そういう意味ではやはり広い意味での住宅問題というものを特に大都市に焦点を当てて解決していかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うわけでございまして、その点につきまして二、三の質問、体系的な質問はまたじっくり別の委員会でさせていただきたいと思いますが、まず小渕総理にお伺いしたいんです。 小渕総理は自民党の総裁選挙で住宅ローンの利子控除制度の創設を表明されまして、私も実は大変なことだと思いまして、大きく評価させていただいた一人でございますが、現在は住宅取得促進税制というのがございますので、税制のあり方としてはなかなか厳しいいろんな議論があるところでございます。参議院の本会議でも公明の浜四津議員が取り上げられましたときは、ちょっと私聞いておりまして総理の御答弁は少しトーンダウンしたのではないかなというふうに感じたのでございますが、誤解でなければよろしいと思いますけれども。 現在の我が国の住宅取得促進税制といいますのは、簡単に言いますと住宅を買ってから約六年間に限ってその分減税するということで住宅取得を促すということでございますが、アメリカ型の場合はローンを借りている全期間利子を所得から控除するということでございまして、初めの六年間に限って見ますと日本の現行制度の方が手厚いのではないかと思いますし、それからアメリカ型は所得控除ですから、所得の低い人にとっては日本の方が有利な場合もあると思います。 そういったわけで、いろいろ議論が分かれる部分ではございますが、しかしとにかく住宅を今買う人、建てる人は必ずローンを組みますので、そのローンの金利分は、全額払い終わるまで所得から経費として控除しますというのは、なかなかインパクトがある政策であり提案であると思います。どうぞひとつトーンダウンすることなく取り組んでいただきたいと思いますが、今時点でのお考えを改めてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほど通産大臣がお話しの中で、二十一世紀を目指しての日本人の生活を考えたときに、衣食住とありますけれども、何と言っても住宅問題というのがこれからもますます必要なことで、ハイクオリティー・オブ・ソサエティーといいますか、そのためには、着る物とか食べ物はかなり世界的にも充実しているのではないか、しかし住宅に至ってはという感じがまだまだいたしておりまして、そういった意味でこれからの政策の重点は三原則からいえば住宅問題というのは非常に大事だ、こう思っておりました。 そこで、今お尋ねの点につきましては、私は総裁選挙に立候補するに当たりまして政権構想をまとめさせていただきましたが、そのときにいろんな方々、特にこの点について大変御熱心でございました国会議員、我が党所属の先生方にもいろいろ御意見を拝聴いたしました。それにつきましては、やはりこれからの減税の一つのテーマとして住宅関係の減税というものを考えた方がいい、そのためには利子控除制度について少し検討すべきではないかというお話がございました。したがいまして、そうした点に触れて、特に中堅層の方々が一番ローンで悩んでおられるという点をこれから何とか解消する方法はないかということで、そうした希望を申し上げておったところでございます。 しかしその後、市川委員が今お話しのようにいろいろ精査してみますると、我が国の場合に、税額控除方式で控除されることによって利益が得られる階層といいますか、あるいはローンの組んでおる額にもよりますけれども、いろいろ問題があろうかと思います。そこで、アメリカの方式につきましてかなり主張される方々がおられましたので、この利子控除方式が考えられないかなという考え方を実は申し上げておるわけでございます。 したがって、今後どのような形にすることが一番中堅所得者にとって住宅ローンの重荷というものを解消し得るのかということにつきまして、要はそこに問題意識があったことは事実でございますので、今後、専門家といいますか、党並びに政府の税調等におきまして、こうした点につきましても十分検討していただきまして、委員が一番御専門家でございますけれども、そういった点で、どうしたら重い負担が軽減できるかという観点に立ちましてさらに検討させていただきたい、このように考えておる次第でございます。
○市川一朗君 どうもありがとうございます。 税の体系がアメリカと日本は違いますので簡単にいかない、議論をきっちりしなきゃいけないと思いますが、総理がそういった問題に熱意があるかどうかということで大分違ってまいりますので、ひとつぜひともよろしくお願いしたいと思います。 そういう意味では、やはり政治は国民に夢を与えなきゃいけないということで、その夢を実現するために今のようなローン控除制度とかそういった問題があるわけでございますが、私は、これはいいなと思いましたのは、平成十年五月、スペースとゆとり研究会ということで経済企画庁長官の主導で「スペース倍増緊急アピール」というのをつくられた資料を手にしたんですが、住宅スペースを倍増してホームパーティーができる住宅を実現しよう、都心居住を推進して通勤楽々住宅を手頃な家賃で手に入れよう、こういったことがずっと並べられております。 メンバーを見ましたら、堺屋太一、作家、経済学者となっておられますが、今度は経済企画庁長官になられましたので、そういう意味も含めまして、やはりこういう夢を国民に与えながら、そして総理と今議論いたしましたような税制改正問題を議論していくということがもっと我々政治の場で必要なのではないかというふうに思いますので、その辺ぜひとも取り入れてもらいたいなという思いを含めまして、改めて堺屋経済企画庁長官に長官としての御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) お答え申し上げます。 この「スペース倍増緊急アピール」というのは、尾身前長官の私的な研究会として組織されたものでございまして、私もそのメンバーの一人でございました。 この研究会の結果といたしまして、今土地の価格が以前よりかなり下落しております。また金利も低下しております。そういうことを考えますと、住宅あるいはそれ以外の施設でも土地を広く使った、スペースを広く使った施設をつくるのに有利な条件ができているのではないか、そのことがまだ国民一般の方々に浸透していない面もあるんじゃないか、そういうような発想で始めました。 そして、委員が今御指摘の税制の問題、これは住宅取得の利子の問題だけではなくして、土地の流通にかかわる税金、あるいは登記にかかわるような諸公租、そういったものも加える。また、建築にかかわる制限、都市計画にかかわる線引きの問題、そういったものも改善していき、使用目的も変える。さらに、現在かなり都心等で土地が余っておりますが、これを適時活用できるように十年建築というような、現在の建築は仮設建築と恒久建築でございまして、その中間がございません。したがって、十年程度の耐用年数を目標としたものをつくって、それで減価償却ができるというような制度をつくる。そういったものを総合的に考えていったらどうかということでございました。 現在、日本の新しく建ちます持ち家は平均百四十一平米になっておりまして、これは欧米に遜色がございません。借家の方は五十三平米でございまして、欧米に比べてかなり小さくなっておりますが、これは日本特有のワンルームシステムなどが一戸に数えられている、外国の場合にはそれが一戸になっていなくて大きな家の附属になっている等のことがございまして、一般に言われているほど日本の住宅が貧弱だというわけではございません。かなり改善はしておりますが、まだまだ二十一世紀に向けて日本人が豊かなゆとりのある生活をするのには欠点もございます。 また、高齢化社会に対応いたしまして、歩いて行けるコミュニティー。だんだんと自動車社会になりまして買い物も遠くまで行かなきゃいけない、あるいは大きなショッピングセンターだけがふえるということにもなりますと、高齢者が歩いて行けるコミュニティーというようなこともございます。 そういうことも含めまして、この土地の問題と二十一世紀の生活の問題をあわせて経済戦略会議等でも積極的に検討していきたいと考えております。
○市川一朗君 住宅問題は、やはり今お話も出ましたように土地問題も絡みますし、その土地の有効利用ということになりますと、容積率を上げること一つとりましても国の政策だけではうまくいかない部分もありまして、なかなか大変な問題です。私は、今のこの住宅問題を現実に解決するためにはやはり土地問題をしっかりと解決する必要があるというふうに思っておりまして、その辺につきましては、この予算委員会では時間がございませんので、また個別の委員会でしっかりと議論させていただきたいと思います。 そういった中で、私が一つ指摘しておきたいのは、一般的には地上の土地の有効利用でございますが、当然空を見まして容積率を高めるということと同時に、やはり日本の場合は地下利用ということをしっかり考えた方がいいと。特に、はっと驚くような施策と言うにはちょっととうが立ってしまったような感じもしますが、大深度地下利用ですね。最近答申も出たようでございますけれども、余りどうも進んでないようですが、ここにおられる予算委員会の筆頭理事の野沢理事がずっと取り組んでおられるテーマでもございますので、やはりこういった問題も含めて、本格的に地下を利用して、そしてできれば通勤地獄からの解消も含めて、大都市問題をしっかり解決しなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。 大深度地下利用問題は、特にどちらかというと高速交通体系の中で議論されてきたと思いますが、大都市問題の解決のために非常に着目すべき問題なのではないかなというふうに私自身は思っているわけでございまして、きょうは御質問をするつもりでございましたが時間がなくなりましたので、大答弁を期待しておりました国土庁長官にはおわびを申し上げますが、またの機会にひとつよろしくお願いしたいと思います。 最後に、貸し渋り対策についてお尋ねしたいと思います。 もう既に何回も議論が当委員会でも出ておりまして、特に鴻池理事も真剣に取り上げましたので既に二番せんじめいているわけでございますが、しかし、もう出たからいいというには余りにも貸し渋り問題は深刻だと私は思います。 銀行といいますか金融機関の一つの論理として理解はできないわけでもございませんけれども、しかしその結果として、本当に真剣に取り組んでまいっております個々の企業、こういった厳しい経済情勢の中で真剣に取り組んでおりますけれども、取引銀行の都合といいますか、場合によっては倒産したという例も宮城県の場合はあるわけでございますが、そういったようなことも含めて、本当につらい立場になっておられる中小企業関係者が現実に今非常に多いわけでございます。 ある意味では、銀行は今まで何のために保護されてきたのですか、こういうときに政府は何をしてくれるんでしょうと。そして、きょうは日銀の総裁をお呼びしてございますが、日銀はこういうときはどうしてくれるんでしょう、何かしてくれるんでしょうかというような悲痛な声が私のところにも来ておるわけでございます。そして、ある日銀行から呼び出しを受けますと、もう日参しなきゃいけない。その結果、仕事の量も受注も減ってくる、あるいは売り上げも落ちてくる、銀行対応でもうだめになってしまうといったような話がいろいろ出ておりまして、何とかしてほしい、何とかなってほしいという悲痛な声、こういった声に対してやはりしっかりとこたえていく必要があると思います。 通産大臣ひとつ、通産大臣だけでは私ちょっと心配なんです。やっぱり大蔵省や日銀の力もかりて、もちろん政府を挙げてやるという総理の姿勢があるわけでございますが、そういった中でしっかり取り組んでいただきたいと思う次第でございます。 時間がございませんので、端的な御答弁で結構でございますから、苦しんでおられる中小企業の皆さんに対して、しっかりやりますという決意も含めて通産大臣、大蔵大臣そして日銀総裁からそれぞれお言葉をいただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先般の閣議で小渕総理から、関係省庁は特に貸し渋り対策、中でも中小企業に対する貸し渋り対策に全力を挙げよということでございまして、その後、相談をいたしまして、今週の金曜日の閣議までに貸し渋り対策に対する大綱を取りまとめようというふうに考えております。 その一番大きな幹は、やはり何といっても、中小企業が例えば一般の銀行から借り入れを起こすときに担保もない、保証人もないというときにどうするかと。これはやはり全国各県にございます保証協会が一役買わなければならないわけでございますが、その保証協会の内容あるいは財務体質、財政基盤等をしっかりさせるということが私は一番効果のあることではないかと思っておりまして、現在、財政当局等ともその話をしているところでございますが、金曜日までにその大綱をお示しできるものと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 市中金融機関の貸し渋りが依然として解消していないことはまことに残念なことでありまして、この際、改めて市中機関の御注意を促したいと思います。 そこで、通産大臣が今言われましたような政府関係機関が何とかこれを補おうという努力をしておられますが、そのためにさらに必要であれば予算措置、財政措置、幾らでもやってまいりたいと思います。
○参考人(速水優君) 民間の銀行貸し出し、五業態でここ数カ月の数字を見ますと、やはり平均残高前年比二、三%減ということにマイナスが続いておるわけで、依然として低迷基調ということだと思います。 その背景にございますのは、基本的には経済情勢が全般的に悪化している、それから市場金利が低下していること、こういうことから見て資金需要そのものが低迷しているというふうに思われます。しかし、民間金融機関が中期的な収益性、健全性、これをよくしていくという課題を抱えて慎重な融資姿勢になっているということもかなり影響しているのではないかと思います。 また、資本市場の方につきましても、信用リスクに対する警戒感が投資家の立場から非常に強くなってきておりまして、格付が高くない企業の社債発行は容易でないという状態が続いております。 このように、企業によっては厳しい資金調達環境が続いておるわけで、日本銀行としましてもこの点を十分に認識しております。 このために、今後とも企業金融の動向について注意深く点検していきますとともに、市場への潤沢な資金供給、それから最近また始めておりますコマーシャルペーパー、CPオペ、企業の出す商業手形を日銀が買い取る、これをかなり大きく実行していく、特に期末を控えてそういうことを始めようとしております。金融機関の資金繰りの緩和と企業金融の円滑化に今後十分注意を払っていくつもりでございます。 日本銀行として以上のようなことがございますが、貸し渋りの不安は、これは主として地方を含めて中小企業が非常に強い不安を持っておられることは先ほどからおっしゃっておられるとおりでございます。 これについて産業界の話としては、やはり先ほど通産大臣もおっしゃった信用保証制度、これをできるだけ活用していくこと、これが拡張されていけばかなり中小企業に安心感を与えることができるというふうに産業界の声が強くなってきているように思います。政府においてもお考えいただいておられることのようでございますので、この点が非常に期待できることではないかというふうに考えております。
○市川一朗君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で市川一朗君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。平田健二君。
○平田健二君 民主党・新緑風会の平田でございます。どうぞよろしくお願いします。 まず最初に、小渕総理にずばりお伺いいたしますが、橋本前内閣の経済政策は失敗だったのでしょうか。お認めになりますか、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 橋本内閣のとられたすべての政策につきましてはそれぞれ御批判があるかと思いますけれども、私といたしましては、とられた六大改革というものにつきましては、これは基本的には継承していかなきゃならない問題だと思っております。 ただ、今申し上げた経済政策につきましては、その後の経過の中で、思わざるアジアその他の金融危機等が発生をいたしたというような点がございまして、時あたかも財革法の審議あるいは成立というようなこともございまして、若干その過程におきましてタイミングを失した点もあったかなという、実は私自身も閣僚の一人でございますので反省をいたしております。でありますがゆえに、私といたしましては、そうしたことの上に立脚いたしまして今日この内閣としての各種の経済対策を打ち出させていただいておる、こういうことでございます。
○平田健二君 参議院の本会議で、自民党の議員が代表質問の中でこう言っております。誤ったタイミングで財政再建に取り組み、それが今日の事態を招きました。誤ったタイミングということで今日のこんな大変な経済状況をつくり出した、こう言っておりますけれども、いかがですか。もう一度お答えください。
○国務大臣(小渕恵三君) 前内閣の政策の遂行についての御指摘かと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、申されれば、すべての点についてタイミングよくこれができたかどうかということについての反省は、私も閣僚の一人としていたしておりますということは申し上げたとおりでございます。
○平田健二君 総理は、所信表明演説の中で、この内閣を経済再生内閣と位置づけ、今日の危機的な状況を乗り越えるために、政治主導のもとに責任の所在を明らかにして一両年で経済を回復軌道に乗せる、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、総理、再生という言葉は、広辞苑で見てみますと、死にかかったものをよみがえらせると最初に書いてあるわけです。 ですから、総理がこの内閣を経済再生内閣だと、どなたがネーミングされたかわかりませんけれども、こうおっしゃっておるわけですから、やはり死にかけておった前内閣の経済政策をよみがえらせる、それがこの小渕政権の責任だと、こう実は所信表明で言われておるわけです。 では、現在どうなっておる経済をどのようにしてどの時期に、一両年ですから二年以内ということですけれども、どのような状態に持っていこうと小渕経済再生内閣は思っておられますか、お尋ねいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) 経済を見るのにはいろいろの見方があると思います。 なかなか計量化できないのはいわゆる景況感というものが一つあると思います。ただ、数字的に言えば、やはり経済成長率というものが一つのメルクマールではないかと考えておりまして、昨年、残念ながらマイナス成長になってきておりますし、またことしの状況につきましては、経企庁長官もしばしば申し上げておりますように、当初の目標が達成できない、そういう厳しい環境だ、こういうことでございまして、まだ数字は明らかにできませんが、〇%上下〇・五%と経企庁長官は見通しを述べられておるわけですが、いずれにしても経済成長がプラスに転じていかなければ、これは安心のできるこれから国家運営はできないわけでございます。 そういった意味で、一両年でぜひ経済を回復基調に乗せると同時に、経済成長におきましても、目標をこれから来年度も立てていくわけでございますけれども、そう高いものは望めないかと思いますけれども、少なくともマイナスというような事態が継続して続くという状況は一日も早く脱却してまいらなきゃならぬ、このように考えております。
○平田健二君 今、総理のお答えをお聞きしまして、先日来マスコミ等で少しやゆ的に報道されておりますけれども、総理の決意がよく見えない、経済再生をしようとする総理の決意が国民によくわかっていない。 例えば、この委員会でもそうです。総理に質問をしておるのにお隣の宮澤大蔵大臣がお答えになる。質問者は総理、総理と言っておるにもかかわらず宮澤大蔵大臣がお答えになる。本来なら逆なんですよ。いろんなことを聞くのに大蔵大臣が答えようとしておるのを、ちょっと待て、私が答えると、こういった姿勢を国民にしっかり示さないと、本当にこれ経済再生内閣かな、こういったふうに国民は思いますよ。 この点について、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私も内閣を組織して、その中心におるのでございますから、日本国民一億二千五百五十七万と言われるすべての方々の一挙手一投足についての責任もすべて負わなきゃならぬかというふうに思っております。 そうした意味では、すべからくすべての点についても私自身が、みずからが答弁に立って御説明をすることがしかるべきだとは考えておりますが、今般、この内閣におきましてはそれぞれの分野における実にエキスパートにその任に当たっていただいております。正直申し上げまして、すべての点について私が、このメモも含めまして読み上げるよりも、むしろそれぞれの大臣がみずからの責任において御答弁をいただくということもこの内閣としてあってしかるべきだと実は考えました。 ある意味でのアカウンタビリティーといいますか、説明能力からいいまして私にまさる各大臣でございますから、その御説明を十分お聞きいただきたいというふうに思いますし、また、もしその発言そのものと総理たる私の考え方に差異があるということでありますれば、そのことは内閣の不一致にもなることでございますので、私といたしましては最終的には私の責任ですべての政策その他につきましても判断をさせていただきたい、こう考えております。 ぜひ御了解をいただきたいことは、それぞれの責任において大臣各位が十分お答えすることが説明ぶりとしてより国民にわかりやすいということであれば、その点についてはお許しをいただきたいと思っておる次第でございます。
○平田健二君 こういった事態、状況ですから、やはり総理の強力なリーダーシップを国民は求めておると思いますよ。橋本内閣の経済政策が間違っておった、そしてこんな不況になった、新しい小渕内閣になった、よし期待しようというのが、国民のすべてのとは言いませんが、大体の国民は、新しく変わったんだから、やはりしっかり経済政策をやっていただいて、この景気を早く回復してもらう、これに期待しておるんですから、総理、ぜひこれから総理が率先して御答弁をいただきたいと思います。 それでは、ずっと先日来続いております長銀問題についてお尋ねいたします。 八月二十一日の新聞各社の報道を見てみますと、長銀の問題とあわせて、商社ですけれども、大倉商事という会社が倒産をする、破産をするというニュースが一緒に載っておりました。長銀のリストラについては政府が公的な支援をするという記事も出ておりました。 片や一商社、三千億程度の負債を抱えて倒産ということですが、支援は何もない。片や長銀については政府が手とり足とり支援をする。国民が見たら、どうもおかしいぞ、この両者は何が違うんだろうか。この相違について、総理ひとつ教えていただきたいんです。よろしくお願いします。
○国務大臣(小渕恵三君) すべての企業体はそれぞれ日本の経済に大きな役割を担ってまいったと思っております。 そこで、お話ありました大倉商事が大変残念ながら倒産のやむなきに至りましたことは、まことに残念だと思っております。 ただ、金融機関と一般の法人との違いを考えますと、金融機関には銀行法、法律をもってこれが日本の経済の中で大きな役割を果たしておるということでございまして、もちろんそれぞれの企業体がこの厳しい環境の中で倒産やむなきに至るということも大きな社会的な影響を及ぼすことでありますが、金融機関の持っておるその大きな役割を考えますと、おのずとその間には違いがあるのではないか、こう考えておりまして、そういった意味で金融機関につきましての対処につきましては慎重でなければならない、こう考えておる次第でございます。
○平田健二君 北海道で拓銀がつぶれました。北海道では経済が非常に混迷をしておることはもう周知の事実であります。拓銀も合併で生き残ろうとしましたけれども、政府は公的資金の支援に乗り出しませんでしたね。拓銀と長銀の違いは何ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど大倉商事のお話がございましたが、やはり金融機関の場合には、預金者あるいは金を借りている人、それに日本全体の信用あるいは国際的な信用という問題がございますので、その銀行が大事だというよりは、そういうことを考慮して政府が特段の処置を講ずるということであると思います。 それから、拓銀の場合でございますけれども、事実問題として私の見ておりますところでは、やはりインターバンクの金融に突然思わざる事態が起きたというのがきっかけであったように思われます。したがって、拓銀からは政府に対してそういう要請はございませんでしたし、また拓銀は、当時少なくとも債務超過と考えられておりませんでしたから、資本強化という問題はなかったのではないかと思います。 ただ、政府は、御承知のように、その後北洋銀行がこれを承継するということで、せんだっても申し上げましたが、北洋銀行にとっては大変に大きなものをしょうことになりますので、当然資本強化をしなければならないという問題がございますから、北洋銀行に対しましては申請を受けて政府がそういうことをすることがあり得る、こう考えておりまして、全体としてのやはり後始末は、先ほど申しましたような理由で、要請があれば預金保険機構として考慮することになるのではないかと思っております。
○平田健二君 ちょっと大蔵大臣、今のは納得できないんですが、インターバンクは拓銀も長銀も同じじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今インターバンクと申しましたのは、実はオーバーナイトの金がちょっと余り露骨だったものですから。
○平田健二君 政府が公的な資金を投入する場合は、今どういう状態だからこれだけの金を投入して、こういう状態になります、こうよくなりますということをきちっとやはり説明をする必要があると思います。国民はそれを求めているわけです。 これは先日来のいろいろなマスコミの報道ですから、余りマスコミの報道を取り上げていろいろ言うのはまたいかがかと思いますが、総理も大蔵大臣も国民に向けての説明だとか、こうしたらこうなるから公的資金で支援をすることを今考えているんだと、こういった話が全くない。国民の代表である国会議員が国会のこの場でそういった議論をしないと、いつどこでだれに説明するんですか。首相官邸でマスコミの皆さんを集めて発表するだけじゃないですか。そのことで私たちが情報をとってこうやって質問をする。おかしいじゃありませんか。いかがですか。もっとしっかり説明してもらわないと。
○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜私からお答えを申し上げますが、長銀当局が先週末に出しましたリストラ計画によりますと、いわゆるノンバンク三行五千二百億円、その他の不良債権と思われるものを合わせまして七千五百億円の処理をこの九月期にいたしたい。それに対しまして長銀としては、資本金並びに当期利益それから予定される財産の売却、この両者を合わせまして千二百億円ですが、資本金と合わせますと九千億円の金がございます。九千億円がございまして七千五百億円を支払うわけでございますので、千五百億円というものが残る。そうなりますと、資本レート、資本率が非常に低下をいたしますので、その低下分につきましていずれ政府に公的な資金の導入をしてほしい、こういうのが長銀の先週末のステートメントの要旨でございまして、それにつきましては、役員の退任あるいは海外活動の停止、本店の売却等々、かなり厳しくとらえた責任のとり方あるいは再建を考えておられるように思います。 ただいままでのところはそのような状況でございます。
○平田健二君 その程度というと大変失礼ですけれども、そのくらいの話で公的資金を投入するなんということをよく考えられたものだなと国民は思いますよ。中身が全くわからない。 投入される金額の算定根拠は事前に公表いたしますか。総理、いかがですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 このたび長銀がリストラを行います結果、過少資本になりますので長銀が公的な資金の投入を申請されるわけですが、それはその時点において長銀がいかほどの金額かということを算定された上で金融危機管理委員会の方に申請されるものと承知しております。
○平田健二君 八月二十日の夜の総理公邸でのことについてお尋ねをいたします。 首相公邸に住友信託の高橋社長が来られた。これは総理がお呼びになったのですか、それとも自主的に来られたのですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 現下の状況につきまして私なりに憂慮することもございました。ただ、衆参両院の予算委員会にずっと出ておりましたので、時間的には大変失礼かと思いましたけれども、夜八時半でしたでしょうか、私がお招きしてお話をする機会を得ました。
○平田健二君 民間企業の経営者を呼んで、経営の行き詰まった会社との合併話を要請をして、民間企業に国策を遂行させてということは異例どころか異常なんですよね。住友信託にはメリットがないんですよ、この合併は。国策で、総理が強引に住友信託の社長を呼んで合併しなさいと。住友信託銀行がうまくいかなくなったらこれは国が責任をとるんですか。総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今回、私が住友信託と長銀の合併が円滑に進むように促しましたのは、この合併がうまくいきませんと内外の金融システムに重大な影響が出る可能性があることからでございまして、私は、これまでも申し上げましたように日本発の金融恐慌を起こさないという観点から物事を考えているのであり、一銀行の救済云々が念頭にあっていたしたことではありません。 また、法的にも金融監督庁の上に内閣総理大臣が存在するという立場もございますし、また同時に、私も政治家の一人として、国のこの大きな重要な問題について責任を負う者の一人といたしまして、この合併が円滑に進むことを祈念しておりましたのでこうした行動をとった次第でございます。
○平田健二君 長銀が債務超過ではないと先日来この委員会で金融監督庁の長官がおっしゃっておりますけれども、本当にございませんか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 本年三月期の長銀の自己査定及びそれに対する日銀の考査、これは本年の五月から七月に実施されたものでありますが、それによりましても債務超過ではないと承知しております。
○平田健二君 もし長銀が債務超過でないのなら、長銀自身の自己資本で不良債権処理できるじゃないですか。いかがですか。
○政府委員(日野正晴君) ただいまの御質問に対してお答え申し上げたいと思いますが、現在の長銀の自己資本勘定は七千八百億円ございます。今回償却いたします損益計算上の損の方は七千五百億ですが、益の方は合わせて千二百億円ございます。これは先ほど宮澤大蔵大臣も御答弁されたところでございますが、損益を差し引きいたしますと六千三百億円を落とさなければなりませんが、それは現在の資本勘定の七千八百億円で処理されるものというふうに理解しております。
○平田健二君 いや、答えてない。ちゃんと答えてくださいよ。
○政府委員(日野正晴君) 現在の資本勘定が七千八百億円ございますが、それでもってその六千三百億円を落とすというふうに私どもは聞いております。
○平田健二君 いや、債務超過かどうかということです。
○政府委員(日野正晴君) したがいまして、七千八百億から六千三百億円を引きますと、依然として千五百億円の資本勘定が残るわけでございます。したがいまして、債務超過ではないということになります。
○平田健二君 もし長銀が債務超過をしていないというのならば、長銀を整理すればいいんですよ。公的資金を一銭も使う必要はないじゃないですか。どうですか、これは。
○政府委員(日野正晴君) お答え申し上げます。 ただいま申し上げましたように、資本が千五百億円程度に過少資本と相なります。したがいまして、長銀は自行の判断で、この際公的資本を注入していただきたいという希望をお持ちだというふうに聞いております。
○平田健二君 それではお尋ねいたします、総理。 公的資金の投入の目的は何なんですか。預金者保護ですか、それとも借り手の保護ですか、長銀の保護ですか。どうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 前回注入いたしましたときは、それぞれ金融機関が健全な経営を行うために必要なお金として注入したわけでございますが、もちろんそのときに期待したものの中には自己資本比率が高まることによりまして貸し渋り等を解消する一助にもなるということもその目的の中に入っておったかと存じます。
○平田健二君 八月二十二日の新聞ですが、金融監督庁長官が、公的資金投入を他行に適用、もし今回の長銀の処理が、長銀方式といいましょうか、こういうことをやれば次から次に大手銀行に公的資金の投入について要件に当てはまれば適用もあり得ると。これは金融監督庁長官が言うことですか。銀行に長銀のような破綻があれば次から次に公的資金を突っ込みますよ、金融監督庁長官がこんなこと言えるんですか。総理、いかがですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 今回の長銀が申請された際にとる措置は、仮に両行の合併が円滑に進みませんと内外の金融システムに重大な支障を生ずる可能性があるという判断を踏まえ講じたものでございます。 今後どのようなケースが生じるか今から判断することは大変困難でございますが、いずれにいたしましても、内外の金融システムに重大な支障を生じることのないように対処することを基本といたしまして、法令にのっとり最善と思われる措置を講ずる所存でございます。
○平田健二君 二十日のこの予算委員会で、我が党の今井議員が、新聞には政府が公的資金の投入を検討しているがということをお尋ねいたしました。総理は、金融監督庁の検査中で現時点では私のところにその中間報告も得ておりません、調査の結果を得ておりませんのでそうしたいわゆる資金投入を政府が検討しているんじゃないかということについて事実はないと理解をしておりますとはっきりお答えになっております。二十日、つまり支援表明の前の日ですよね。先ほど最初にお尋ねいたしました総理公邸にどなたがということです。 総理は、検査の結果が出るまで資金投入の検討はないと言っておきながら、その翌日、結果の中間報告があったんですか、なかったんですか。ないまま資金投入を含めた、精神的なとかおっしゃっていましたけれども、諸支援を表明しております。金融監督庁からの中間報告もないままに、精神的なかどうかは別として支援を表明しておるんですね。二十日の予算委員会では、そういう中間報告を受けていないからそんなことを決めるはずがないじゃないかと言っておきながら支援表明しておりますが、納得できません、私は。いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今の時点におきましても、そのような報告を受けてはおりません。 それと、私が住友信託と長銀との合併の問題につきまして高橋社長にお話し申し上げたのは、いわゆる長銀がリストラ計画につきまして検討されておられるという報告を、監督庁長官からもその状況につきまして御報告もございましたので、そういった長銀側の努力といいますか、そうしたことについて私自身も承知をし、かつそのことを相手方にもお話しすることによって合併ということが推進されるということは望ましいということで、私といたしましては、先ほど御答弁申し上げたように、金融システムを守り預金者を保護するという立場で、この合併についてはそれが促進されることが望ましいということでお話を申し上げたわけでございまして、今どのような形に長銀が相なっておるかということにつきましての報告は、中間報告も含めまして、現在は私は得ているものではございません。
○平田健二君 それではお尋ねいたしますが、二十日の夜にどうして住友信託なんですか。一番原因になっておる長銀を呼んで、長銀からいろいろ事情を聞くべきじゃないですか。なぜ長銀じゃなくて住友信託だったんですか。どうも理解できない。 それから、これもまた新聞で申しわけないんですが、金融監督庁長官は二十日の夜に第一次報告をしておるんじゃないですか、長銀の検査の。これは書いてあります、新聞に。それを受けて官房長官が話をされておるんですね。そのことに気づいた事務方が後で訂正する、こういうことが報道されておりますけれども、これは事実じゃないですか。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 まだ検査が終了しておりませんので、総理に御報告するようなお話は全くございませんので、お話し申し上げておりません。
○平田健二君 検査の報告も検査の内容も何もわからないで、どうして支援のことを決められますか。どうして金額だけが先にひとり歩きしますか、五千億だ、六千億だ、七千億だと。どういうことですか。全くないですか。
○政府委員(日野正晴君) お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたが、今回のこの長銀のリストラを受けまして、長銀自体が過少資本に陥ることから公的資金を投入していただきたいということでありますので、それはいかほどの金額が必要かにつきましては、これは長銀の方でお考えになり、申請されるものというふうに理解しております。
○平田健二君 長銀が幾ら欲しいと言ったら出すんですか。一次検査は終わっておるんじゃないですか。はっきり答えてください、はっきり。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 金額を決定いたしますのは金融危機管理委員会でございます。私も確かにそのメンバーの一人ではございますが、金融危機管理委員会がいろいろな事情を考慮して決定されるものというふうに理解しております。
○平田健二君 委員長、今お聞きのように、先日来の議論のやりとりの中で、長銀の経営実態は全く明らかにならない。公的資金投入の決定までが不透明。中間発表はありませんが、債務超過はないと金融監督庁長官もおっしゃっています。破綻してもいない長銀に公的資金を投入してまで救済しなければならぬ理由がわからない。 ですから、委員長、本委員会でぜひ、日を改めてでもいいんですが、長銀、住友信託から参考人を呼んで集中審議をすることを要求して、私の質問を終わります。よろしくお願いします。
○委員長(倉田寛之君) 平田君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議させていただきます。 関連質疑を許します。堀利和君。
○堀利和君 堀利和でございます。 再びこうして国会の場で仕事をさせていただくことになりました。よろしくお願いしたいと思います。 ただいま平田委員の大変緊迫した質疑を横で聞きながら、この空気の重さを感じながらの、また角度を変えた各論にも似た質疑になりますけれども、その点はまた十分お聞き取りください。 今回の当委員会では、長銀を初め金融システムの問題あるいは経済の深刻な問題、国難とも言うべきこの時期ではありますけれども、私はやはり今後の大改革というのは前に向かってやらなきゃならないと思っています。つまりは、金融、経済の構造改革にしても、自由化なり規制緩和というのをやっていかなきゃならない、グローバルスタンダードに基づいてやっていかなきゃならない。そうなると、ともすれば強者の論理といいますか、弱肉強食、こんなふうにもなりがちだと思います。 そういう意味では、一方で安全、安心な社会づくり、社会システムというのをやはり構築しなきゃならないと思っておりまして、そういう意味で、私自身障害者として、すべての人がハンディキャップを持とうが安心して暮らせる社会、福祉社会をどうしてもつくっていかなきゃならない、またそれが政治の役割だと思っています。 そこで、現下の不況というのは大変深刻であります。今失業率四・三%、その前が四・一%でございますが、障害者の雇用の状況も、それよりも直前の数字では、六月に労働省が発表した資料を見ますと、障害者が解雇される際には職安、ハローワークに届け出をしなきゃならない義務づけとなっておりますので、その数字を見ましても、ことしに入って失業が倍増しているんですね。 これは、やはり基本的には不況を克服しなきゃならないわけですけれども、しかし、当面、この失業対策について労働省としてどのような対策を組んでいるのか、お聞きしたいと思いますし、同時に重度の障害者の場合ですとなかなか職につくことができない、そういう点では、厚生省と十分協議しながら福祉支援、生活支援との連関で雇用対策をやっていかなきゃならぬと思いますけれども、この辺についてどういうふうに見通しを立てているのか、労働大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) お答えをいたします。 先生御指摘のとおり、障害者を事業所が解雇する場合には、再雇用が健常者よりもかなり大変ということがありますので、事前に届け出を義務づけております。そして、御指摘のとおり、直近の情報によりますと昨年の同期から比べて二倍にふえておりまして、健常者以上に障害者の雇用状況が大変な状態に至っているということは重大に受けとめております。 そこで、労働省といたしましては、緊急雇用開発プログラムにおきまして、障害者の雇用支援ということで、御承知かとも思いますが、以下の四点を設定いたしております。 まず第一点は、障害者求人開拓推進員の職安への配置によります積極的な求人の開拓であります。これは、障害者の求人登録が多いところから人員を順次配置いたしておりまして、積極的に求人開拓ができるように機動的に対処をするということであります。 二点目といたしまして、障害者向けの就職面接会の積極的な開催であります。 そして、三点目といたしましては、事業所を活用いたしました知的障害者等の就業体験支援事業の拡充であります。これは、事業者にも協力をいただきまして、比較的平易な事業を体験してもらい、そして事業者が受け入れやすいような環境整備をしていくということであります。 そして、四点目に、障害者の再就職に必要な職業訓練の機動的な実施というのを進めているわけであります。 それから、大事な点、先生から今御指摘をいただいた点であります。つまり、障害者の福祉政策、これは厚生省の政策、それから障害者の雇用政策、これは労働省、これがスムーズにつながるように、あるいはあるときは福祉政策から雇用政策へ、あるいは雇用政策からさらにまた福祉政策に戻る、そういう継ぎ目をなくす政策は御指摘のとおり非常に大事であります。 そこで、例えば地域レベルでの授産施設と職安との連携を綿密に図るような点を考慮いたしまして障害者雇用支援センターを設置いたしております。これは私の記憶でありますと二、三年前からスタートしたと記憶をしておりますが、御案内のとおり、社会福祉法人を指定いたしまして、そこに障害者雇用の専従の職員をつけていろいろ企業関係を含めて活動をしてもらうということであります。 実は、私の姉夫婦も重度の障害者の施設を運営いたしております。それこそ毎日、悪戦苦闘の連続でありますけれども、余りに重度な場合は福祉の世界からなかなか表へ出るということができませんけれども、ある程度のハンディキャップの方あるいは知的障害の方は事業所に協力をしてもらって、できるだけ雇用体験を組み込んでいただく、それでできるところから協力をしていただくと。 その福祉と雇用のしっかりとした連携を厚生省と連絡をとりながら進めていきたいと思っております。
○堀利和君 ぜひ力強い対策を組んでいただきたいと思います。 そして一方で、もちろん雇用対策という観点からやると同時に、やはり仕事そのものを、あるいは職業開発ということも私は重要なテーマだろうと思っております。 そこで、通産大臣にもお聞きしたいんですけれども、これからの産業構造の転換、ベンチャービジネスあるいはリーディング産業の育成ということが大きなテーマになるわけですけれども、その流れの中で、私も障害者の観点からひとつ御提案といいますか、対策を講じていただきたいわけですけれども、例えば障害者の経験やノウハウを生かした新しい分野、ベンチャービジネスといいますか、そういうやはり開発というのも私は必要ではないかなと思っております。 例えば、介護サービスや福祉機器の開発、こういういわゆる二十一世紀に向けた福祉産業への分野。あるいは郵政大臣にも聞いておいていただきたいんですけれども、これからの情報産業でも、提供する側の、言うなればユニバーサルサービスという観点と、情報ハンディを持ったユーザーの側から、使いやすい機器、情報機器の開発。これはもうすべての人が使える、使いやすいことになるわけですので、つまりは提供する側とユーザーの側のハンディを埋める分野という観点から、やはり情報産業に対しても障害者の経験やノウハウを生かすような新規産業への参入、こういうことが私は重要だろうと思っております。 そういう意味では、ぜひ障害者がまさにニュービジネス、リーディング産業に食い込んでいく研究開発、あるいは障害者が企業を創業する際の国としてのやはり支援対策というのがあれば、まさに後ろ向きではなく新しい時代に向かって障害者が働くことを通して自立していく、これはやはり労働省の雇用対策とあわせて重要なことではないんだろうかと思っておりますけれども、この点について、通産大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 急速な高齢化の進展や障害者への対応が急がれます中で、福祉サービスの向上は我が国経済社会の緊急の課題になっていると私は認識をしております。また、こうしたニーズにこたえることは新たな産業の創出にもつながるものでございます。 通産省としては、医療・福祉分野について、「経済構造の変革と創造のための行動計画」の中で、今後成長が期待される十五分野の一つとして位置づけております。 具体的には、先端的な福祉機器の開発や実用化の支援、福祉機器の安全性に関する評価システムの整備等の施策を積極的に推進しているところであります。こうした福祉分野において障害者がみずからの経験に基づいた新たな提案を行い、新規創業していくことは極めて意義深いことだと考えております。 通産省としては、障害者に利用しやすい情報システムの開発普及に取り組むことを初め、関係省庁と連携しながら福祉産業への障害者の積極的参入を支援してまいりたいと考えております。
○堀利和君 ぜひ前向きにお願いしたいと思います。 次に、働くことが困難な重度の場合、やはり地域生活をいかに送るかということがまた重要な課題でありまして、そういう意味では介護の問題というのは大変大きいわけです。 この二〇〇〇年、平成十二年から介護保険制度がスタートするわけですけれども、現在、地方自治体が単独で行っている重度の障害者のための全身性障害者介護人派遣事業というのがございます。これは国のホームヘルプ制度に上乗せした形で単独事業として市町村なり都道府県がやっているわけですけれども、この全身性障害者介護人派遣事業は介護保険制度の法制度上の仕組みとどううまく整合性が保てるのか、不都合はないのか、この制度の上から少し心配がございますので、その点についてまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(真野章君) お答えいたします。 現在、先生御指摘のとおり、幾つかの自治体におきまして全身性障害者介護人派遣事業等の事業が行われておりまして、身体障害者施策として主としてひとり暮らしの重度障害者の方々に対しまして比較的長時間の訪問介護員の派遣が行われております。 介護保険制度の創設によりましてそれらのサービスとの関係がどうなるかという御心配があることは私どもも承知をいたしております。基本的には、介護保険制度が施行されました以後は、障害者が六十五歳に達しました以降介護保険制度のサービスが給付されることになりますが、介護保険の導入に当たりましては、障害者施策による介護サービスから介護保険によるサービスに円滑に移行をする。それから、障害者の方々にとりましてその置かれている状況に応じて必要なサービスが低下することなく適切に提供されるよう配慮する必要があるというふうに考えておりまして、このような観点から障害者施策としての対応について検討してまいりたいというふうに考えております。
○堀利和君 同様に、この介護保険制度と現在生活保護における他人介護料という介護に関しての制度がありますけれども、これがまたどうなるかというのがよくわからないので、そこら辺もちょっと御説明願いたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 生活保護を受けていらっしゃっても、六十五歳以上の人などに対しましては介護保険の被保険者となりまして、介護保険の給付が受けられることになります。介護保険の保険料については、生活扶助、保険給付を受ける際の利用者負担については新たに創設いたします介護扶助に応じそれぞれ対応することとしております。 また、介護扶助と先生がただいま御指摘されました現行の他人介護料との関係につきましては、法制度上の仕組みといたしましては、介護保険の保険給付が受けられる場合は生活保護の原則でございます補足性の原理によりまして、まず介護保険給付を受けていただくこととなります。介護保険による給付は基本的には現行の他人介護料と同等以上の水準になると考えております。 いずれにいたしましても、生活保護の受給者である障害者の方々の介護につきましては障害者施策全体での検討が行われますが、それを踏まえまして適切に対応していかなければならないと考えております。
○堀利和君 いずれにしましても、地方自治体が単独で行っている介護事業にしろ生活保護における他人介護料にしても、介護保険制度導入によって障害者が現在受けている介護サービスの水準が下がらないように、これ大変心配ですので、大臣、ここについて全国の障害者が安心できるような明確な御見解を示していただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) ただいま総務審議官と局長の方から、障害者の介護人の派遣事業の問題とそれから生活保護と他人介護との問題について御質問がございまして、制度の仕組みは御説明がございました。 委員の大変御心配なさっている点は、従来そうしたサービスが受けられるにもかかわらず介護保険が創設された場合にそれが一部取り上げられない、あるいは低下するのではないかという御疑問でございますが、私どもとしては、障害者の方々につきましてはこの保険制度が施行された場合におきましては十分に介護保険の方でも手当てをすることを考えておりますが、しかし保険制度でございますから、それからあるいは漏れるというような可能性のあるサービスも予想されないではございません。 私どもとしては、今考えられるのは、例えばガイドヘルパーでありますとか手話通訳の問題とかいろいろございますが、そうした障害者固有のサービス事業等は従来と同様にこれは保持してまいるつもりでございますから、介護保険によってそのサービスが受けられないからといって従来のサービスが中止になるとか、あるいは低くなるというようなおそれはいささかもございませんから、その点ははっきり申し上げさせていただきます。
○堀利和君 それでは、次に総理府の障害者推進本部から先般、障害者施策に関する計画の策定等の状況というのが発表になりました。 これは、障害者基本法の七条に基づいて障害者計画の策定というのがございます。この実施状況なんですけれども、それを見ますと、都道府県では計画はすべてつくっておりますけれども、国の障害者プランに当たる数値を入れた実施計画を見ますとまだ少し未達成のところが都道府県でございます。この点についても、ぜひ政府として、すべて都道府県が実施計画、数値を盛り込んだものをつくるように御指導願いたいと思います。 あわせて、市町村計画を見ますと、計画をつくっているところが三割三分なんですね。これは野球の打率ですと高いんですけれども、どうも市町村計画で三割、三分の一というのは低いんですね。これはどうしてかといいますと、法律では努力目標になっているんです、努力規定。したがいまして、ここのところは義務づけをしなければやはり達成率が高まらないというふうに思っております。 実は、平成五年、九三年の基本法改正の際、市町村計画も義務づけということで私もそこに参画して働きかけたんですが、自治省の方が首を縦に振ってもらえなくて努力規定におさまってしまって、その結果が三割三分ということなので、この点について政府としてどういうお考えか、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) お答えいたします。 障害者施策推進本部の事務局を総理府が担当いたしておりますので、私から答弁をさせていただきます。 委員御指摘のように、都道府県、政令指定都市におきましては、現在九割以上で数値目標が定められておるところでございまして、今後なお計画見直しの中でさらに数値目標の策定が進むように我々としても努力をしてまいりたいと存じております。 また、委員が御指摘になりましたように、議員立法で制定されましたこの障害者基本法におきまして、市町村は、いろいろな議論があったようでございますけれども、策定の努力義務が規定をされたところでございまして、現在、委員が御指摘になりましたように、約三割よりまだこの目標を策定しておらないところでございまして、今それぞれ各面にわたりましてお願いをして、ほぼ来年三月には五割を超えるであろうと言われておるところでございます。 十分委員は御承知でございますけれども、市町村におきましては障害者の施策が行政の各般にわたっておりまして、その実施主体も市町村だけに限ることができないという難しさがあるわけでありますし、市町村の障害者の実情、施策の推進状況、財政状況、住民の意向等にもそれぞれ差がございますことは委員十分御承知のとおりではございます。 また、地方分権の今の流れの中で、法律をもって一律に義務づけることにいろいろな議論が存在をしておる等理由がそれぞれあるわけでございまして、市町村が主体的に今後なお努力をして策定していただきたいものと私ども期待をいたしておりますし、また政府といたしましても、これまでの策定に関する指針を周知すること等をさらに強めて指導いたしまして、この策定がさらに実が上がるように努力をしてまいりたい決意でございます。
○堀利和君 さらに、総理にお伺いしたいんですけれども、小渕内閣としての人権政策がいかがなものかということなんです。 この基本法にぜひ障害者の人権にかかわる条文をつくりたいと私は思っております。といいますのも、知的障害者の雇用企業や福祉施設において今なお人権侵害にかかわる事件が起きております。そういう点では、障害者の憲法ともいうべきこの基本法にそういった人権にかかわる条文をつくりたいと思っていますけれども、そういう人権に関することについて総理はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 国民の基本的人権は憲法に定められておるところでございまして、障害者基本法に規定を置くまでもなく、障害者の人権の侵害があってはならないことはまことに明らかであります。 政府といたしましては、これまでも人権侵害が起きないよう広報啓発に努めておるとともに、人権の侵害が起きた場合にはそれぞれ行政機関で適切に対処いたしておるところでございます。
○堀利和君 この基本法は議員立法ですから、むしろ我々国会の方の仕事になると思います。 もう時間も参りましたので最後にお伺いしますけれども、この法律では障害者の社会参加全般にかかわりますので各省庁にまたがる政策がいっぱいあります。もちろん、保健福祉ということが中心になりますと厚生省なんですけれども、そこでこの法律の中に中央障害者施策推進協議会というのがございまして、この事務局の所管が厚生省なんですね。私は、そういう意味では総理府の障害者推進本部に置くべきと考えているんですけれども、政治のリーダーシップという観点からもぜひその点についてのお考えを最後にお聞きして、終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 堀委員御指摘のように、この法律は昭和四十五年に基本法として議員立法されておられるわけでございますが、その後この組織につきましては、従来総理府で一括しておったようです。ところが、五十九年に総理府の組織改正におきまして、むしろそれぞれの審議会その他は各省庁が責任を持つことが望ましいという形になりまして厚生省に移管されておるような経緯があるようでございます。 今、委員御指摘のように内閣総理大臣、すなわち総理府の組織においてこれを全般的に見られた方がいいという御指摘でございます。従来の経緯で、初めは総理府にあってその次に厚生省になってということのようでございますので、今の点につきましては、その経過も踏まえながら、いずれの機関がこれを専任することがいいかどうか研究、検討させていただきたいと思います。
○堀利和君 終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で平田健二君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 私は、最初に厚生大臣にお伺いをいたします。 一昨日の八月二十二日、学童疎開船対馬丸で犠牲になった方々の五十四回目の命日でございました。五十四年という長い歳月を経て、なお犠牲者のみたまは船体とともに海の底深く眠ったままでございます。 厚生大臣、去る三月に第一回目の洋上慰霊祭を行いました。遺族の皆さん、県民の皆さん大変感謝をしておりますが、第一回目の慰霊祭に船の定員の都合で参加できなかった多くの遺族のための二回目の慰霊祭は、いつ、どの規模で実施されるんでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 御質問にあります対馬丸の洋上慰霊式でございますが、今お話しのように、本年三月七日に厚生省の主催で洋上慰霊祭を実施いたしました。しかし、乗員定員等の関係もございまして一部の遺族の方々が参加できなかったことはお話のとおりでございます。 したがいまして、年内に第二回の洋上慰霊祭を計画して実施したいと思っておりますが、規模といたしましては前回程度の規模を想定いたします。そしてまた、この経費負担につきましては、前回同様、国が全額負担をいたしましてこれを実施する予定でございます。
○照屋寛徳君 対馬丸を含む戦時遭難船舶の犠牲者の件について、私、現在質問主意書を提出中でありますので回答を待ちたいと思いますが、厚生大臣、他の戦時遭難船舶犠牲者の御遺族の方々から二回目の洋上慰霊祭の際に合同で慰霊祭をぜひとり行っていただきたい、こういう強い御要望がありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 対馬丸以外の戦時の遭難船の犠牲者のお話でございますが、私ども今まで実施いたしましたのは、先ほど申しましたように、原則として対馬丸関係者の遺族を対象といたしておりますが、しかし一方、厚生省としては、従来、海域ごとにその海域で亡くなられた方々のみたまを対象とした洋上慰霊祭を実施しているところでもございます。軍関係者も当然その中には入ると存じます。 したがいまして、こういった遭難船舶の来年度以降の問題につきましては、御遺族の御希望も踏まえながら、そうした海域を対象とした方式による洋上の慰霊祭も実施する前向きの方向で検討もいたしたい、こう思っております。
○照屋寛徳君 それでは、次に嘉手納基地内におけるPCBの投棄事件について質問をいたします。 一九六〇年代から七〇年代にかけて、有毒物質であるPCBを含んだ変圧器のオイル廃油が基地内につくられたため池状の穴に投棄され、それが近くの海浜に流れ込んでおった、こういうことが発覚をいたしまして、今大変沖縄で大きな問題になっております。PCBなどの有害・有毒物質が基地から垂れ流しされる、そのことによって土壌汚染あるいは海洋、大気、水質の汚染による深刻な環境破壊が進行いたしております。 防衛庁並びに環境庁長官にお伺いいたしますが、今私が申し上げたPCBの嘉手納基地内における投棄事件の実態について承知をしておるでしょうか。
○政府委員(竹内行夫君) ただいま先生御指摘の件に関しましては、嘉手納基地におきますPCBについてでございますが、報道において承知をいたしております。 この報道が出ましてから直ちに日米合同委員会のもとに設置されております環境分科委員会の枠組み等を通じましてその事実関係を現在米側に照会しておりまして、その照会の結果を、回答を待っているというところでございます。
○政府委員(遠藤保雄君) お答え申し上げます。 本件が八月十七日に報道されました直後、在日米軍に対しまして事実確認を当庁として申し入れておるところでございます。現在のところ、事実確認に対する回答はまだ米軍からは届いておりません。
○照屋寛徳君 この件については連日のように地元の新聞で報道されておりまして、しかも基地労働者や民間業者のさまざまな証言が出てまいりました。 基地労働者の証言によりますと、素手で何の防護服もつけないで変圧器、トランスからの油の処理をさせられておった、こう言うんです。しかも、基地内にため込んだため池から民間の廃油業者がそれを回収してボイラーで燃やしておったというんです。それどころか、一九七五年から七六年にかけて大雨が降って、ため池から盛り土が壊れてこれが嘉手納マリーナという海水浴場の近くにどんどん大量に流れていった、こういう実態が報道されておるわけであります。これは私は大変な問題だなというふうに思っております。 そこで、外務大臣、一般国際法上、外国の駐留軍隊はホスト国の法令遵守義務があるのではないでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) おっしゃるとおりであります。
○照屋寛徳君 日米地位協定十六条の米軍の国内法遵守義務、これについては外務省はどんな考えを持っておられますか。
○政府委員(竹内行夫君) 一般国際法上、受け入れ国の同意を得て駐留する外国軍隊は、接受国、この場合は日本でございますが、の国内法令を尊重すべきものとされております。こういう一般国際法を受けまして、日米地位協定におきましては、在日米軍が我が国の公共の安全に妥当な考慮を払うこと及び我が国の法令を尊重することを定めておりますが、これは今申し述べました一般国際法上外国が負っている義務を確認するものでございます。
○照屋寛徳君 私は今度のPCBの投棄事件を見ても、一般国際法上の法令遵守義務を守っていない、日米地位協定で言う我が国の法律を遵守する義務すら守られていない。もうやりたい放題なんです。だから、それによってもう深刻な環境破壊が起こっておる、このことを強く指摘せざるを得ません。 外務大臣、防衛庁長官、このPCBの投棄事件については積極的に強い姿勢で政府は取り組んで、アメリカに対して具体的に交渉をする、そして情報を開示してもらう、そのことを政府は行うべきであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 嘉手納基地におけるPCBの問題でありますが、日米合同委員会のもとに設置されている環境分科委員会の枠組み等を通じてその事実関係を現在米側に照会中であります。 政府としては、米側に対し、機会あるごとに環境保全を含め我が国の公共の安全や国民生活に十分な配慮が払われるよう求めてきております。この問題に対する地元の方々の不安の解消のためにも今後ともしかるべく対処していきたい、こういうふうに考えております。
○国務大臣(額賀福志郎君) ただいま照屋委員からの御質問の中で、状況について御説明をいただきました。私も全部を掌握しているわけではありませんけれども、地域住民の不安、それから環境問題等々からして、これは米軍に透明性を持った形で我々に明らかにしてもらって、その上できちっと対処をしていくことが必要であるというふうに思っております。
○照屋寛徳君 環境庁長官、この問題が報道されて嘉手納町の住民が物すごい不安を抱いているんです。それから、基地労働者も大変不安を抱いているんです。嘉手納町は近々に臨時議会を開くという運びになっているようですが、このPCBが投棄された、そしてそれが流れ出して土壌汚染や海洋汚染を発生していると思われるその地域、環境庁として緊急にせめて環境調査を実施する、それをぜひやっていただきたいと思いますが、長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(真鍋賢二君) 環境庁としても、米軍基地の周辺環境につきましては十分配意をしておるところであります。先生御指摘のように、PCBの問題で汚染された地域があるか、そしてどのような存在になっておるかということにつきましては、先ほど外務大臣からも御報告がございましたように、日米合同委員会のもとにあります環境分科委員会において十分議論を深めていただきまして、その問題に対処してまいりたいと思っておるわけであります。 いずれにいたしましても、八月十七日に出ました事実関係の確認を現在行っておるところでありまして、この回答がまだ参っておりませんけれども、回答が来次第、環境庁としていろんな問題に取り組んでまいりたい、こう思っておるところでございます。
○照屋寛徳君 ちょっと納得できませんね。 アメリカに対してその照会を求めるのは大いに結構であります。資料もぜひ開示をさせていただきたいと思います。 私が環境庁長官にお願いをしたいのは、基地内だけじゃなくして、このPCBが投棄され、そして海洋に垂れ流しにされた、それは市民生活を営んでいる場所なんです。まさに環境庁の管轄すべきところなんです。日米合同委員会で論議されるのも結構でしょうけれども、これだけ県民が健康への不安、命への不安、環境汚染への不安を抱いている。それでもなおかつ速やかな環境調査すら実施できないんですか。こんな情けない政府なんですか、環境庁なんですか。沖縄県民は本当におびえているんですよ。
○国務大臣(真鍋賢二君) 環境庁としてもただ見守っておるというわけではないわけでありまして、これまでもいろんな調査をしておるところであります。ちなみに昭和五十一年にも、この嘉手納基地の問題地点の周辺海域においてPCB等の有害物質の水質調査を実施しておるところであります。平成九年までの間にPCB等の有害物質は検出されておりませんけれども、その問題につきまして関心を持って行政を遂行いたしておるところであります。 決して見逃しておるとかいうようなことではございません。精いっぱいの頑張りをしてまいらなければならないと思っています。
○照屋寛徳君 環境庁長官、過去に調査したというのは、それはわかりますよ。しかし、今は、今回起こっている問題についてこれだけ多くの県民が、地域住民が不安を抱いているのに、なぜ環境庁として市民が生活を営んでいる場所でこのPCBの速やかな環境調査できないんですか。もう一度お願いします。
○国務大臣(真鍋賢二君) 先ほども申し上げましたように、環境庁としては、今回のPCB問題に関しましても、八月十七日に指示をしましてその回答を待っておるところでありますけれども、これは待つだけでなくて、これからも果敢な処理をしていかなきゃならない、こう思っておるところであります。 しっかりした対応をしてまいるつもりでございますので、よろしくお願いします。
○照屋寛徳君 小渕総理、今の環境庁長官の答弁をお聞きになっておったと思いますが、しっかりやりますじゃなくして、先ほど言うように、アメリカに情報の提示を求めるのはいいですよ、今県民は大いなる不安を持っているんです。政府として速やかな環境調査をやる、こういうことを総理としてお約束できませんか。
○政府委員(遠藤保雄君) 調査の件につきまして補足的に御説明申し上げます。 ただいま真鍋長官から回答申し上げましたとおり、環境庁は昭和五十一年以降平成九年までの間調査を実施してきております。そして、この調査につきましては、平成十年度以降も実施するということになっております。これにより適切に対応していきたいと思います。
○照屋寛徳君 過去のことを聞いているんじゃないんですよ。今、環境調査を実施してもらいたいという県民の強い要望に対して、総理の御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今回起こりましたことに関連いたしまして、周辺の住民の皆さんが大変不安に駆られておるというお話は今、委員から御指摘いただきました。 先ほど来環境庁長官からも御答弁されておられますけれども、いついかなる方法でこれが可能なのかどうかにつきましては私も承知をいたしておりませんが、そうした不安を解消することのために何ができるかということにつきまして、さらに環境庁におきまして検討していただきたいと思っております。
○照屋寛徳君 返還された軍用地でもPCBなどの有害・有毒物質が見つかりまして、なかなか跡利用もうまくいかないというのが現状なんですね。 地位協定四条によりますと、返還軍用地の環境浄化の責任はどこにあるんでしょうか。外務大臣、だれが負うんでしょうか。
○政府委員(竹内行夫君) お答え申し上げます。 日米地位協定の第四条、先生御案内のとおりでございますが、そこにおきまして、米国は施設・区域の返還に際して原状回復の義務またはそれにかわる補償義務は負わないとの趣旨が定められております。 なお、環境基準につきまして一言補足させていただきたいのでございますが、現在、先生御案内のとおり、米軍におきましては、国防省の方針によりまして、環境につきましては米国国内法の基準と接受国、この場合は日本でございますが、その基準のうちより厳格な方を選択してそれを守るということを行っております。
○照屋寛徳君 また、この問題については引き続き質問をさせていただきたいと思います。 それでは、次に野中官房長官にお伺いをいたします。 私は、官房長官が前橋本政権のときに自民党の幹事長代理として沖縄の基地問題や振興策の樹立のために大変な御苦労をいただいたということをよくよく承知をいたしておりますし、感謝を申し上げます。 ところが、去る八月六日の夕方の官邸での記者会見で、官房長官は前日の宮平県副知事との面会を拒否した理由にお触れになりまして、橋本前首相が辞任表明してから官邸を出ていくまで半月あった、大田知事は真っ先に前首相にあいさつをしてしかるべきだ、それが人の道であり行政をやった人たちの道だと。小渕内閣ができた後、副知事を派遣して面会を求めるというのは人の道に反すると思ったので会わないことにした、事務当局にも話をし、両官房副長官にも会わないようにしたと、こういう趣旨の発言をされておりますが、その真意についてお伺いをいたします。
○国務大臣(野中広務君) お答えをいたします。 私のさきの記者会見におきます発言について御質問をいただいたわけでございますが、さきにも申し上げましたように、平成八年の一月二十三日に大田知事と橋本前総理はお会いをいたしまして、委員御承知のとおりに、普天間の基地の返還を知事から要請を受けました。その一カ月後、クリントン大統領に会いまして、沖縄知事の切なる願いをクリントン大統領に橋本前総理は話をいたしまして、二カ月後の四月十二日に、普天間の飛行場の返還が劇的な場面として我々に届けられたわけでございます。 その後、それぞれSACOの合意を含め、さらには沖縄の県道一〇四号の演習地を含めた基地の本土への移設を含め、それぞれ可能な限りの努力をしてまいり、私どももまた、委員が御指摘になりましたように、党の中においてあるいは当時の与党プロジェクトの中において、沖縄振興のためにあるいは普天間の飛行場返還に伴うこの代替処置としての海上ヘリポートの問題等についてそれぞれお話をし、また私個人といたしましても大田知事さんとは個人的にいろんな話をして、沖縄振興や基地のために、将来のために、そして沖縄の長い犠牲になった歴史の一つ一つの痛みを解消するために、いささか努力をしてきたつもりでございました。その気持ちがあり過ぎたわけか、私自身、今、委員が御指摘になりましたような発言を申し上げましたことは事実でございます。 また、その後、知事さんから私にも面会の要請が事務当局を通じてございました。しかし、過去の経過を振り返ってみると、ことしの二月六日、突然あの名護の市長選挙で知事さんが海上ヘリポートを拒否される発言をされました後、政府とは話し合いの糸口がないままに来ております。そして、今度会うときはお互いに建設的な場面づくりで会いましょうというのを双方、県当局も政府当局もまた合意をし、そのまま今日に至ってきたわけでございますから、私自身は、何らかの建設的な御意向があるとすれば、大田知事さんとは久しぶりでございますし、そしてじっくり時間をいただいて会いたい、そんな気持ちでおりましたけれども、県当局からは、今度は予算の要望のみでございます、それ以上新たな提案はありません、こういうお話でございましたので、まことに残念に思いました。 私もいささか沖縄に四十年ほどかかわった人間として、この職についたときから何とか転換の道を求めて、そして沖縄の基地問題や、抱える振興策がお互いに相リンクしてやっていけるようにぜひ努力をしたいと思ってきた私だけに、非常に残念に思う気持ちが私の率直な言葉になって出てしまいました。そのことについて、いささか政府と県との間に距離があるような印象を与えたことは、私の至らなかったことだと思っております。 きょうまで沖縄にかけた私の情熱、そして橋本前内閣以来、当時の梶山官房長官、その後の村岡官房長官を初めとする沖縄にかかわった皆さん方の努力を引き継ぎながら、小渕総理もまた沖縄のこれからの道筋に、長い歴史の痛みを修復するために一生懸命頑張りたい決意を申していらっしゃいます。 私もその意を受けて、これから、先ほど申し上げましたように、表現する言葉が政府と県との間の距離感になったり、あるいはそれが県民との対立になるようなことの結果にならないようにみずからに言い聞かせながら、照屋委員のまた御指導をいただきながら、沖縄振興のために、また懸案する基地問題等の解決のために微力を尽くしてまいりたい決意でございます。
○照屋寛徳君 私は、先ほど申し上げましたように、野中官房長官が沖縄のために御苦労いただいた、情熱を傾けてこられたというのをよくよく承知いたしております。昨年、知事からも、官房長官との話し合いの結果を踏まえてそういうことを私、強く言われました。 しかしながら、公選された県知事に対して名指しで人の道に反する、こういうふうに言われますと、これはもう全人格が否定されるようなことなんです。私は非常に残念でありますし、今も毎日のように官房長官の人の道に反する発言が地元の新聞で報じられておりまして、もう一冊のファイルになるぐらいなんです。だから、私は極めて残念でありますし、ぜひこの発言は撤回をしていただきたいと思います。 官房長官、直接確かに知事は駆けつけなかったかもしれません。しかし、大田さんに言わせますと、まさか自民党が大敗をして橋本さんがおやめになるなんて思っていなかったと。そういう状況の中で大田さんは、非常に丁寧な電報と、それから、新聞ではランの花と言っておりますが、実際は泡盛をお贈りになっているんです。そういうことで礼を尽くしているんです。 官房長官、この御発言の前に、大田知事が橋本前総理にお送りになった電報はごらんになりましたですか。
○国務大臣(野中広務君) 電報は見ておりません。
○照屋寛徳君 私は非常に残念であります。官房長官がもしこの大田知事の電報をごらんになっておればそういうふうな発言にならなかったんじゃないかということで、後でお渡しをいたしたいと思います。大田さんは前総理に対して、結びのところで「私心をなくして、沖縄のため、また、国のため御尽力されたことに対し、御慰労申し上げるとともに、重ねて心からお礼を申し上げます。」長い長い非常に懇切丁寧な電報を打っておられるんです。 官房長官、私はぜひ、先ほど申し上げましたように、八月六日の、知事が人の道に反しておる、この発言だけは撤回をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか、重ねて。
○国務大臣(野中広務君) 私が会見の席で申し上げたことでございますので、先ほど申し上げましたように、言葉の一つ一つが、私が至らないために県民感情を悪くし、政府と県とが対立したり、あるいは本土と沖縄県民が対立したり、そんな結果になることを私は本意といたしておりません。 したがいまして、今後お時間をいただいて、前提を置かないで大田知事とじっくり時間をかけて話し合いをすることにして、そして、今後沖縄の問題をすべてトータルしてお話をしていく機会を私自身も持ちたいと考えております。
○照屋寛徳君 官房長官、ここに「激動八年 屋良朝苗回想録」というのを持ってまいりました。御承知のように、初代の公選主席、そして初代の沖縄県知事であられました。 一九六九年十一月二十二日に佐藤・ニクソン会談で七二年沖縄返還が合意に達した。そして、歴史的な日米共同宣言が発表されました。それを受けて、十一月二十六日に佐藤総理一行が羽田に戻ってくる。そのときに、主席みずからが上京して羽田で出迎えるかどうかと大きな問題になったことがございました。しかしながら、屋良さんは苦悩した上で上京されましたが、羽田には出迎えに行きませんでした。そのときにもいろいろ屋良さんなりに苦労されまして、当時の総務長官などを仲介して官邸で出迎えたいという要請をしたら、そのとき筋違いだとしてけられたんですね。 ところが、その後にどうしても佐藤総理とお会いしたいという屋良主席の御要望にこたえて、一九六九年十一月二十八日に官邸で佐藤総理がお会いになりました。そのときに屋良さんは、「「この度、総理のお迎えに上京したものの、遺憾ながら沖縄の政治情勢はそれを許さなかった。御理解を願いたい」と挨拶すると、総理は私の手を固く握って「屋良君、キミもボクも大人だ。よくわかっているから気にすることはない。そんなことより、今後が大事である。お互いに提携協力して沖縄の問題をぜひ解決していこう」と力強く話された。一昨日の出来事にこだわらず、淡々と直ちにやるべきことを約束して下さる態度は、さすがに一国の総理の器であると私は感じ入った。」と、こういうふうに述べております。 官房長官、この佐藤総理の件を長々と申し上げましたけれども、これからの沖縄と政府との関係、このことを踏まえて、どうでしょうか。るる申し上げたような、将来に向けて御発言にとらわれないで、私は、知事とも話し合うべきところは話し合う、こういう姿勢をぜひ官邸としておとりになっていただきたいと思いますが、重ねて野中長官の所信を伺います。
○国務大臣(野中広務君) 先ほども申し上げましたように、沖縄問題というのは我が国にとって最重要課題でございます。しかも、沖縄県民が長年にわたり犠牲となられ、歴史の痛みを刻んでこられた事実を思うときに、佐藤栄作先生のお言葉を引用されましたけれども、佐藤元総理に及ぶはずはございませんけれども、沖縄を思う気持ちは私ども同様でございます。 それだけに、大田知事さんのお時間をいただくとするならば、私ども心を開いて、そしてそんな間柄でございました、私と大田さんは。また、時には大田さんの話のできないときは人を通じてやるほどの間柄でございました。それが今日こういう結果になったことを私も悲しく思っております。時間をいただいて、じっくり沖縄の諸問題について話をしていきたいと存じております。
○照屋寛徳君 私は、くどいかもしれませんが、五十四年前の沖縄戦の悲劇はまさに国体護持の捨て石作戦をとった結果、すなわち当時の日本政府の人道に反する、人の道に反する行為の結果であった。さらに、沖縄は日本の独立と引きかえに二十七年間の長い間アメリカの軍事支配下に放置された、これはまさに政府の人の道に反する行為の結果だと。そして、戦後五十三年余り日本の安全保障の犠牲と負担を沖縄は強いられてきた。 しかしながら、私ども県民からすると、みずからは痛みを分かち合おうとしない本土の人々の行為、これこそ私は人の道に反することだ。 官房長官の、長い長い海上ヘリ基地の経緯に照らして、御批判はあるかもしれませんが、それはやっぱり知事と橋本前総理との個人的な問題であって、そのことをもって、先日も私の質問に対して、守礼の民としていかがなものかと、また新たな発言が出てまいりまして、これにはまた沖縄じゅうが今大きな問題になっておるんです。確かに沖縄は歴史的に守礼の民でありました。二十一日の官房長官の答弁を聞いて、今の政府こそ沖縄が守礼の邦であれば非礼の国ではないか、こういうことすら今感情的に言う人がおるわけであります。 どうか官房長官、ぜひ県政との関係がうまくいくように、そして最後にお伺いしますが、官房長官は、大田さんが海上ヘリ基地を受け入れる、こういうふうに言わない限り会うこともしない、話し合うこともしない、あるいは沖縄振興策もやらない、こういうお考えなんですか。
○国務大臣(野中広務君) 先ほど御答弁申し上げましたように、前提を置かないで沖縄問題について知事さんとじっくりお時間をいただきたい、こう申し上げた気持ちが私の率直な気持ちでございます。
○照屋寛徳君 時間になりました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、鈴木正孝君の質疑を行います。鈴木正孝君。
○鈴木正孝君 鈴木正孝でございます。 きょうは予算委員会の三日目、最後ということでございますが、いましばらくお願いをいたしたいというふうに思います。 初めに、小渕総理、そしてまた閣僚の皆様、本当に御就任を心からお祝い申し上げたいと思いますが、また、まことに国難とも言えるようなこの時期にこうして国家国民のために大きなかじ取りということで大変なことだというふうにも思います。そんなことを思いますと、ぜひ全身全霊をもって、文字どおり全力で国家国民のために対応をしていただきたいというように思います。 このことは、恐らく野党の皆さんのみならず、私ども与党のだれもが、そしてまた何より国民のお一人お一人が、一つの小渕内閣の命運ということではなくて自分自身の事柄、そういうような命運そのものとして小渕総理を初め皆様方を見守っている、見詰めているというような思いをしているわけでございます。 そんな中で、私も最近、ちょっと古い話かとは思いますけれども、日露戦争の終わりましたときに、当時の陸軍の参謀次長でありましたですか、児玉源太郎大将が凱旋した直後に、まさに精も根も尽き果てて、言ってみますれば過労死といいましょうか、殉職といいましょうか、そういうような形でお亡くなりになったというような古い話を思い起こしまして、明治の先達の国家国民を思う、運命をともにするというようなそういう熱い思いを感じているようなところでもございます。 小渕総理にはぜひとも日本の政治家として世界をリードする、あるいは国内だけではなくてそういう生きざまを力強く国民の前にお示しをいただき、そして世界に向けて堂々と対応していただきたい、そのような思いを非常に強く持っております。 初めに、大変経験不足の一参議院議員がこういうことを申し上げるのはいかがかというような思いもありましたけれども、恐らく国民の皆さん大勢の方がそういう思いを今、切に願って持っているんではないかというような思いもいたしますものですから、あえてお話をさせていただいたわけでございます。 今まで本会議あるいは予算委員会で大変いろんな議論が出ておりますけれども、国民の中にあるいろんな意味での不安、不信といいましょうか、そういうことを現在払拭していくことが本当に大事な課題、これは政策そのものではないかというような感じがいたします。 不良債権問題、雇用不安あるいは将来の年金、医療、介護、さらには環境ホルモンの問題、天候不順、食糧不安あるいはまた毒物事件等、いろんなものが起こっているわけでございますが、こういうものに非常に迅速に対応して国民の不安を取り除いていくということが非常に大きな課題だろうというふうに思っております。 いわば安心と安全、言ってみますと安住の地日本、そういう国づくりをやっていただくこと、このことがまた経済の再生に非常に効果的ではないかというような思いもいたしますので、その点、総理から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 改めまして、現下の厳しい困難な時代にこの大役をお引き受けすることになりまして、ますますもってその任重く道遠いという気が深くいたしておる次第でございます。 この十五日に、終戦の記念の日に夜NHKテレビを拝見しておりました。今、住管機構で体を張って債権の回収に努めておられる中坊公平社長の言がございました。お聞きをしておりまして、現下日本に若干パブリックという概念が薄くなっておるのではないかということを指摘されたと同時に、大きな欲望の後始末に今専念しておるということを言われました。 日本の最近の大きなバブルがはじけまして、その後、金融が大変な大きな不良債権を抱えておるという状況は、歴史的にはあるいは何回かこうした時代を経たのかもしれませんが、二十一世紀を前にして、実は今の日本というものは大変難しいそうした時局に際しておるというふうに思っております。そういう意味で、私自身もこの時局に際しては、それこそ全知全能を微力ながら傾けてこの難局に立ち向かいたい、こう考えておる次第でございます。 この状況の中で、委員御指摘のように、将来に対する不安といいますか、そうしたものが暗然と国民の中に定着しつつある。このことが、仮に経済の面を見ましても、消費の動向などにつきまして、できる限りみずからのことはみずからで守らなきゃならないという、そういう考え方が消費の動向も規制をするというような環境になっておりまして、こうしたことが何としても解消されない限りにおいては明るい展望が開けない、こういうことでございます。 何はともあれ、この内閣といたしましては大きな重荷を背負って、そして経済におきましてはそうした金融機関の不良債権をまず解消することによって実体経済を少しでも明るいものにする。そのことが国民の皆さんも将来的には大きな明るい展望を抱けることだと、こういうふうに考えております。安心と安住の国づくりと委員おっしゃられましたけれども、そのためにまずやらなければならないことは何かという観点に立ちまして、現下、経済再生ということを第一の課題にいたしまして、何はともあれ全精力をその点に傾けるということで今対処させていただいておる次第でございます。 どうぞ、そういう意味におきまして、私も、いつまでもと、こう申し上げておりませんで、まさに一両年、そうした回復のめどをまず打ち立てていく、そして国民の皆さんも、先ほど御指摘のような少子・高齢化の社会の中で、みずからの年金あるいは保険、こうしたものに対する給付というものが受けられなくなるであろうという将来の不安等々を解消するためにも、まずは財政的な基盤、それを生み出すところの日本国の経済の活力、これをつくり上げなきゃならぬ、こう考えておりまして、懸命な努力を行うことによりまして将来に対する安心を形成できますように全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○鈴木正孝君 ぜひにそういう大きな力強い流れをつくっていただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 次に、経企庁長官、昨年来の経済、我が国は非常に厳しい状況になっているんですけれども、いろんな意味で諸施策が適時適切に打てたのかなというようなこととの絡みで、反省すべき点は反省をし、今後に生かしていくということが大切なんだろうと思いますが、その要因の一つとして経済白書でも最近言われましたけれども、とにかく景気の低迷の要因の状況の把握といいましょうか、そういうものがなかなか適切迅速でなかったというようなこと、そういうことを考えてみますと、国民の経済に対する不信、不安、そういうような不安を取り除く過程で最も的確な景気判断といいましょうか、そういうことが大事だと、これがもう大前提だろうというふうに思います。 今度、経済戦略会議をつくられてそれでやっていくということも、まさにそういうことの体制づくりだろうというふうに思いますが、事はスピーディーに、迅速に行うということも非常に大事だろうと。もたつきという印象を与えますと、これは非常に悪いということにかえってまたなるだろうというような思いもございます。 そんなことで、政府の経済見通し、これにつきまして、私も、これは民間のシンクタンクの単なる見通しというものとは違いまして予算の大前提ということですから、大蔵省、通産省あるいは経企庁が中心になってやられるわけですが、単なる経済予測ということではなくて、望ましいといいましょうか、そういう状況を示すものということは承知はしているんですけれども、その経済見通しそのものが実現困難な見通しを抱えたままいつまでもずるずるしていくというのは、これは内外に対して、政府そのものの信用性、日本そのものの信用の喪失ということにつながって、非常に影響が大きいだろうというふうに思うんですよ。ですから、四半期ごとあるいは六カ月ごとぐらいにその改定をする、見直しをするということも非常に大きな政治的課題だろうというふうに思うんです。 就任以来、大変いろんな発言をされておられまして、ちょっと触れているような感じもありますが、私は、ぜひそういう見通しを積極的に勇気を持って見直すということも大事だろうというふうに実は思うものですから、個人的な見解を含めてでも結構ですから少し大きな声で前向きに御答弁いただければありがたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁長官としてお答えします。 景気の判断あるいは経済政策の前提としての経済の見方のために、景況判断あるいは日本の経済の現状、構造の判断というのは極めて重要だと思います。 その時々の担当者は一生懸命いろんな方法でデータを集めてやってくれたのでありますけれども、予測というのはやはり外れることもあります。調べてみますと、民間の予測に比べて経済企画庁の予測が外れていることが多いというわけではありません。民間も外れていることもあれば、企画庁も外れていることもあります。 ただ、この改定の問題が、今まで現実離れをしていても一回立てたのをずっと言い張っているんじゃないか、そのために信用がなくなっていたんじゃないかという点がございまして、これは確かに反省すべき点だと思います。したがって、できるだけ正直に、現実離れをしたら変えていきたいと考えています。 しかし、余りまた頻繁に変えますと、二度変える、三度変えるということになりますと、これまた信用を失うところになりますので、ある程度慎重に現実を見ながら変えていきたいと思っています。 同時に、国会で申させていただけるのは一番大切なことでございますけれども、マスコミその他を通じて一般国民にもわかりやすい言葉で、できるだけ迅速にその都度その都度のことを申し上げたいと思っております。 もう一つは長期的な判断でございますが、この長期的な流れにつきましては、ここ二、三年、これは政府だけではなくして一般のマスコミもジャーナリストも含めまして、個人的には私自身もその一端の責任があるかもしれませんが、日本の将来について暗い話を少し言い過ぎた。例えば、少子化で将来介護する人が少なくなるんじゃないか、人手が足りなくなるんじゃないかとか、年金が破綻するんじゃないかとか、あるいは今減税すると将来えらい増税になるんじゃないかとか、もう非常に選択肢の狭い話をし過ぎた点があります。この点は、経済戦略会議等を通じて、もっと多くの選択肢のある、日本人が自信を持って将来を選べる社会を描いてみたい、こう考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○鈴木正孝君 まさに今一億総自信喪失症候群の中に取り囲まれているような、そんなような思いもしないわけではございません。 次に、先ほども話に出ましたけれども、地方財政の悪化ということがいささか懸念をされているわけでございますが、四月以降今年度に絡みましても、総合経済対策あるいは十年度の一次補正、そしてまたこれからは十年度の二次補正、そして年末にかけて十一年度予算、いわば十五カ月予算というようなことで景気浮揚策を講ずるということでもあります。私は、これで次第に景気も最悪期を脱して、先行きに明るさが見えてくるのではないかというような期待を持っておりますが、景気は気であり勢いでもありますので、その辺は総合的に強力に進めていただくしかないというふうに思います。 また、その反面、地方にこのしわ寄せといいましょうか、補助事業の地方負担分あるいは地方の単独事業の追加、景気低迷による地方税収の落ち込み等、いろいろと課題も多くなってきている、先ほどもそんなお話がございました。私も、地方が息切れしないようにいろいろと工夫をしていただきたいと思います。 その点、自治大臣、そしてまた大蔵大臣、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 御指摘のように、景気対策につきましては極めて厳しい認識をいたしております。それとあわせて、地方財政の状況を見ますと、これまたかつて体験をしなかったような状況に立たされておると考えております。 そういうことの中で、地方団体の財政運営に支障がないように対処していく、これは私どもの重大な責任だ、このように考えております。特に、税制改正につきましては、地方の独立財源を確保するという観点に立ちつつ対処してまいることが非常に重要だ、このように思っております。 今後、景気対策の円滑な実施により、我が国経済を回復軌道に乗せるとともに、地方団体における徹底した行財政改革を推進して、地方財政の健全化を図りつつ当面を乗り切っていかなければいけない、このように考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、中央だけ景気がよくて地方は悪いというようなことはあり得ないことでありますし、また地方の景気が回復しなければ中央の景気もよくならない、当然のことでございます。 先般来、とりわけ今後の減税の歳入減の負担を中央、地方どうするかということは、委員各位から御懸念の御表明もございまして、今回のように国を挙げて景気回復に取り組まなければならないときに、地方の財源はどうでもいいというわけにはまいりません。ただいま自治大臣の言われましたように、また鈴木委員の言われますように、御指摘の点は十分考えてまいりたいと思います。
○鈴木正孝君 本当に穴埋めのためにまた地方債が増発されるというような見方がかなり強くなってはおりますけれども、ぜひその辺を総合的に御勘案いただきたいというふうに思います。 次に、先ほど同僚の議員からもちょっとお話がございましたけれども、スペース倍増計画といいましょうか、特に都市政策の一環としてという位置づけだろう、こういうふうに私も思いますけれども、我が党の方でもこういう都市部を中心とした大きな政策課題になり得るのではないかというような思いがあるものですからちょっとお尋ねいたしますが、気持ちのいい広いスペース、緑といい空気に囲まれたスペースの倍増を図る、こういうことが非常に今、国民、市民の間で求められている共通の願いではないかというような思いをいたしております。 こんな中で、公共投資あるいは民間の投資を進めていく際にこういうことを積極的に進めていただく。もうこの具体的なスケジュールをどんどんつくって、経済戦略会議、こういう中で格好のテーマではないかなというふうにも思いますので、総理、その点で心強い御意見、これに対する思いをひとつよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 現在、我が国の都市におきまして依然として人口集中による過密問題等を抱えておりまして、その結果、住宅の狭さや通勤時間の長さが克服すべき課題となっております。そこで、二十一世紀における豊かな国民生活を実現し経済の活力を高めていくために、居住スペース、ビジネススペース、行動のスペース等を拡大するための政策を積極的に推進していくことが極めて重要なことと考えております。 そうした観点に立ちまして、与党自民党といたしましても国民生活における「スペース倍増緊急アピール」というのをされておりまして、ホームパーティーのできる住宅・住宅スペースの倍増、通勤が楽で手ごろな家賃の住宅・都心居住の推進、フランス並みのバカンス生活・田園住宅の建設、趣味を生かした悠々生活・ガーデニング住宅の普及、個人の情報発信の能力を高める快適オフィス・一人当たりオフィス床面積の倍増、気軽に出かけて土地の魅力を満喫する旅行・宿泊スペースの倍増、気に入ったお店でじっくりリッチな気持ちで買い物ができる・都心商店街の活性化とスペースの倍増、手軽にスポーツ、おしゃべりのできる触れ合いの場所・公園など交流スペースの倍増を実現いたしたいということで案を練ってきております。 こうした問題につきましては、政府としてもこうした考え方を取り入れまして、すべてにわたりまして倍増計画、所得倍増でなくしてあらゆる住宅その他のスペース倍増計画ということを実現するためにこれから夢のある計画をひとつぜひつくり上げてまいりたい、今国会、この経済問題がまず優先ではございますけれども、次に向かってはこうした明るい問題を取り上げて、スペース倍増計画に邁進をいたしてまいりたいと思っております。
○鈴木正孝君 ぜひ邁進をしていただきたいというふうに思います。 次に、いろんな意味で経済が将来に向かって安定的に成長するためには、どうしても新しい産業の育成ということが必要だろうというふうに思います。この十数年、我々日本そのものが欧米にもう学ぶものはないとだれもが思ったような時代が確かにあったんだろうというふうに思います。そういう中で、特にアメリカの情報ハイウエー戦略のような通信、情報に絡んでの新しい流れ、こういうものを日本は、言ってみると、一生懸命それなりにやってはおったけれども、やはり新しい産業を起こすという意味で努力の足らざるところがあったのではないか、そういう意味でのおごり、反省というものが当然あってもいいのではないかというふうに私も思っております。 二十一世紀は環境あるいは福祉、こういうような時代であるということはだれもが認めているところでもありますので、こういうようなものを含めまして新しい国際経済社会にリーダーシップを振るえるような新しい産業をつくっていくということ、そういうことが大変大事だというふうに思っております。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 そんな中で、技術開発支援をするための税制の改正、あるいは産学官連携による新しい体制づくり、そんなことがどうしても必要だろうというふうに思いますが、こういう新しい産業をつくるための環境づくりをぜひ通産大臣、非常に知恵のある、また行動力豊かな大臣でもございますので、そんなことを含めまして御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御承知のとおり、日本の経済はどう成り立っているかといえば、これは資源を輸入して日本の技術でいろいろな製品をつくって諸外国に売る、こういうパターンというのは二十一世紀になっても私は続くんだろうと思っております。したがいまして、日本の将来にとって、また日本の国民生活を二十一世紀も引き続き豊かなものにしていくためには、やはり日本が持っている国際競争力というものが維持発展していくということが私はすべての前提であろうと思っております。 そういう中にありまして、先生御指摘のように新規産業を創出するということは、やはり雇用を吸収するという側面でも大事でございますし、また国際競争力を持った新たな産業分野をつくり出すという面でも私は大事であろうと思っております。そのための基礎として、一つは研究開発あるいは技術の分野に対する投資、こういうものが民間においても行われ、あるいは国の研究所においても行われ、また大学等の研究でも新しい分野に挑戦するという姿勢がさらに大きくなる、こういう中で産学官の連携というものも図っていく必要もございます。 そういう意味の研究開発を促進していくためには、やはり研究費をどうするかという問題がありまして、これは直接国や地方自治体が予算の面で研究開発費を確保するということのほかに、税制でそういう研究開発を誘導していくという方法も実は大事なわけでございまして、それが多分先生が御指摘をされた点だろうと思っております。 そのほか、知的所有権を大事に取り扱うとか、日本が持っている特許の数というのはもう四十数万になんなんとするわけでございまして、そういうものはよく利用されるということも必要ですし、また新しい分野に進出しようとする意欲に燃えた人が出てきたときに人材を確保する、中でも資金を確保するという、そういう面でやはり国が果たすべき役割は私はたくさんあるだろうと思っております。 二十一世紀の日本を豊かにするというのは我々政治家が共通に描いている夢でありますし、またそうすることによって日本の少子・高齢化社会もいろいろな施策が遂行できるゆとりのある社会になっていくと思いますので、そういう新しい分野の創出ということは今後の日本の社会の安定のためにも大変大事なことだろうと思っております。あらゆる努力をいたしますので、ぜひお知恵をいただければと思っております。
○鈴木正孝君 まさに研究開発は失敗を恐れていては物事が進まないわけでございます。いろんな意味での御努力をぜひお願いいたしたいというふうに思います。 次は、雇用問題でございますが、先般来、四・三%ですか、大変高い完全失業率というふうなことでございました。また、間もなく新しい統計も出るのではないか、数字も出るのではないかというふうに思いますけれども、どちらにいたしましても、こういう雇用情勢の悪化、このことが国全体の大きな不安という要因になっているだろうというふうにも思いますし、これが改善しないことには個人消費がなかなか拡大をしない、あるいはそのことによってまた企業の設備投資も停滞するというようなことで、こういう悪循環がいつまでも続いているようではこれもなかなか困る。特に、中高年にとってみれば一家の働き手というようなことで、非常に早期の雇用安定を図るということは大事だろうというふうに思います。 また、ことしも九五年のときの新規学卒の方々と同じように非常に厳しい状況が言われているわけでございますが、総合経済対策の中で言われました緊急雇用開発プログラム、これは言葉だけでなくて中身の濃い、国民が自信を持てるような、そういう流れでおやりになっているというふうに思いますけれども、状況をぜひ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 私が労働大臣に就任した途端、失業率が過去最悪になりまして、労働大臣がだらしがないから雇用情勢が改善しないと言われないように懸命に頑張りたいと思っているところでありますが、悲しいかな、雇用・失業統計というものは景気の後追い指標的な面があります。景気の後を数カ月のタイムラグを追って数字が出てくるということがありますから、何としても景気をよくしなくちゃならない。そのために今やるべきことは、さきの総合経済対策を迅速果敢に執行していくということであります。御指摘のとおりであります。 そこで、私どもの政策が緊急雇用開発プログラムということで組み込まれております。もう御承知だと思いますが、雇用調整助成金対象事業がもう既に百四十九になりましたけれども、これの深掘りをする、中小企業はさらにそれの上乗せをする。あるいは特定求職者雇用開発助成金、今、委員が御指摘の中高年齢者の失業というのが深刻になっております。特に世帯主の失業というのも深刻になっております。そこで、従来は五十五歳以上が対象であったこの助成金を四十五まで下げて実施するということをしているところであります。 特に、昨今ホワイトカラーの失業が深刻であります。従来の職業能力開発は、どちらかといえばブルーカラーを中心に技術的なことをやってきましたけれども、一年前、昨年のたしか七月だったと思いますが、官民一体でホワイトカラーを対象とする職業能力開発、アビリティガーデンというのをスタートさせました。先般、私も視察に行きましたが、大変たくさんの時代のニーズを先取りした科目が設定をされておりまして、競争率も高くなっております。その間口を広げたりしたわけであります。 それで、私は、労働大臣に就任をいたしまして、景気がよくならなくちゃならないんですが、今やれることが何かないだろうかということをない頭を絞って考えまして、そこで一つ指示したことは、雇用情報のネットワークをつくろうじゃないかと。つまり、職安だけじゃなくて、経済団体が持っているものにそのままつなげなかったら宝の持ちぐされになっちゃうよ。規模は小さいけれども、それと職安の持っているデータとをつなげられないか。これは、各経済団体を私が回りまして、問題点があったら指摘してくれ、このネットワークをつくろうと。これは新政策でぜひやらせていただきたいと思います。 それから、雇用をつくっていくということが大事です。この雇用をつくっていくということは、第一義的には産業政策であり財政政策であります。ただ、雇用政策も遠慮しないで乗り込んでいこうよと。つまり、今までは要するに維持をする政策ですね。失業が出そうになったら、ちょっと待ってくれ、助成金を出すから支えていてくれ、そのうち景気がよくなって必ずおたくの会社は人が必要になりますよ、だから今放さないでくれということでやっているんですが、これも未来永劫続けるわけにはいきませんから、これは守りの雇用政策でありますけれども、もっと踏み込んで、つくる方に労働省も行ったらどうだと。つまり、産業政策とタイアップができないか。 一部やっているんですよ、人材の面では。中小企業労働力確保法というのは産業政策と一体でやっていますから。これをもっと踏み込んで、これも新政策で考えてくれないか、通産大臣と打ち合わせをして、新しい政策でやっていこうと。これも新政策に盛り込みたいというふうに思っております。
○鈴木正孝君 新しい産業の育成とともに、新しい知恵を絞ってぜひ国民の期待にこたえていただきたい、そのように思います。 次に、厚生年金に絡みまして年金基金のことで少しお尋ねしたいのでございますが、企業年金の一つということで厚生年金基金、大企業を中心に約千九百くらいですか、聞きますれば加盟のサラリーマンも千二百万ぐらいになるのではないかというような大変大きなものでございますけれども、どうもその積立金が不足しているのではないかというような話がございます。年金自身、厚生年金基金そのものは幾つかの部分から成っているわけですけれども、特にその年金の一部を国にかわって支給する代行給付制度の部分で、超低金利の影響で代行部分の積み立て不足が伝えられるところによると五兆円内外の非常に大きな不足になるのではないかというようなこと、そしてまたこの不足を公的年金の積立金で補てんするというような考えも伝えられております。 政府全体として、年金制度全体にかかわるような話であると思うんですが、年金そのものの行方については大勢の方が心配をされている状況でもございますので、この対応に遺漏なきをぜひ期していただきたいというふうに思います。また、産業界そのものにはこういうものを廃止したらどうだというような意見もあるというように承知はしておりますが、その辺どういうふうな状況になっておりますか、お願いをいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 我が国の年金制度は国民皆年金でございまして、七千万人くらいの加入をしております。 今、委員の御指摘の問題は、厚生年金にかかわる分で約三千万人、そのうち厚生年金の公的年金で施行をしている一部につきまして、その代行をやりながら企業年金として上積み年金をしておるということで、今御指摘のように千八百八十組合くらいございます。これは企業年金ではございますが、一般的に申しましてこの年金基金の財政運営は株式とかあるいは金利その他に影響を受けるわけでございまして、例えば金利で申しますと今平均二・六%くらいのようにお聞きしておりますが、実際の設計は五・五%くらいでございますから、かなり悪化をしつつあることは御指摘のとおりでございます。三分の一くらいはまあまあ積立金が十分でございますけれども、三分の二くらいはなかなか厳しい状況になりつつある、こういう状況にございます。 そこで、私どもとしては、この資産運用の問題は今まで省令等によってかなり規制をしてきているんですね、それは安全確実に運用するということがどうしても重要でございますから。例えば、五・三・三・二規制といって、元本保証のある債券とかあるいは貸付金は資産総額の五割以上でなければならぬ、株式等はちょっと危ないから三割以下だ、あるいは外貨建て資産は三割以下、不動産は二割以下というような規制を設けておりましたが、これも撤廃いたしました。そして同時に、予定利率の弾力化を図ったり、積立金の強化を図るような措置を講じております。 そんなことで、企業年金の全体としてはあと税制適格年金とかいろいろございますけれども、公的な年金を補完するものとして十分私ども念頭に置きながら、今後の体系化について検討していきたいと思っています。 なお、委員の御指摘の、代行部分について欠陥がありそれの補てんをどうするのかという御疑問がございましたが、代行部分というのはあくまでも公的年金自体の給付の問題で、その一部が代行で年金基金に移しておるわけでございますから、これは何ら基本的な年金と変わらないわけであります。厚生年金のルールに従ってこれはきちっと対応してまいりますから、給付等の心配はございません。
○鈴木正孝君 ぜひ国民の不安を取り除いていただくようなことでお願いをしたいというふうに思います。 次に、最近、ちょうど一カ月くらい前になるわけですが、和歌山あるいは今月に入りましては新潟で毒物に絡んでの事件が起きているわけでございますが、経済生活の不安に重ねてこういう社会生活の不安ということが助長されるようなことがあっては、これは大変なことであるわけでございます。 それで、実は、総務庁の五つの管区、地方行政監察局が大変いい行政監察をやられたんです。これが七月の末に出まして、これを拝見しますと、たまたまこれは国立の高等専門学校を対象にしてやられたわけでございますが、中を見ますと非常に示唆に富んだ毒物、劇物の管理の実態というのがうかがえるんです。ちょっと挙げてみましても、保管庫が堅固な構造となっていない、施錠されていない、あるいは盗難、紛失の防止上不適切なものがあるとか、不要なものを長い期間保管しているとか、あるいは保管庫以外の場所に放置しておくとか、逆を言えば大変恐ろしい、身近な危険というものから見ますとそういうものが出ておるんですね。 これ自身は六十一年のグリコ・森永事件ですか、あの後の反省に基づいてということで行われたわけでございますが、文部省、厚生省あるいは農水省、非常に薬物に絡んでの、持っておられる、管理されているところのことでもございますので、そういう管理実態というのはどうなっているか、御説明をぜひいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 今回の総務庁の地方行政監察、今お話しになられたことでありますが、高等専門学校における毒物、劇物等の管理状況が不適切であるとの指摘を受けたことはまことに残念に思っております。教育や研究に携わっている者、私もかつてそうでありましたが、いささかこういう毒物や劇物になれがあって油断があるということがあろうかと心配をしております。 高等専門学校や大学の理工系の実験、実習等で主として使用されます毒物、劇物の管理につきましては、既に昭和六十三年に各国立学校等に対して指導、通知を出しておりますとともに、常日ごろから各学校における適正な管理及び使用について指導してきているところでございます。 しかしながら、今回の総務庁の指摘等がございますので、それを踏まえまして、高等専門学校、大学を含む各国立学校等に対しまして七月三十一日付で毒物及び劇物の適正な管理について通知を出しました。改めて専用保管庫の設置や管理体制の充実等徹底した管理を指導した次第でございます。今後とも、さまざまな会議等あらゆる機会を通じて毒物、劇物の管理の適正化について指導をしていく所存でございます。 なお、今回の通知に合わせまして、指摘を受けた学校を含め、管理に不備があるものにつきましては早急に具体的な是正措置を講じるよう指示をいたしております。 また、公立大学、公立高等専門学校等に対しても、及び工業系の高等学校等に対しましても、教育委員会などを通じて十分管理をするようにということをお願いした次第でございます。
○国務大臣(宮下創平君) 文部大臣の方から今、高等専門学校における状況については御説明がございましたので、私の方からは毒物及び劇物取締法を所管する立場から全体的なお話を申し上げたいと思います。 この法律に基づきまして規制をいろいろいたしておりますが、毒物、劇物の製造業者、輸入業者、販売業者等につきましては、事前にまず登録をしてください、あるいは毒物劇物取扱責任者を設置しなさい、それからまた販売の際の譲渡記録の義務づけをいたしております。また、盗難等の防止措置の義務づけ等もこの法律によって行っております。 それから、今お話のあった学校あるいは農家等の毒物、劇物の取扱者につきましても、盗難防止の義務づけや貯蔵場所の表示の義務づけ等、必要な措置を講ずるように指導をいたしております。 また、毒物、劇物の管理状況につきましては、全国に約三千人の毒物劇物監視員というのを置いておりまして、これは地方公務員でございますが、この方々が毎年六ないし七万件程度の立入検査をやっておりまして、その実態を把握して必要な指導等を実施いたしておる次第でございます。 今回、和歌山あるいは新潟等のいろいろの事件がございましたので、各都道府県に対しまして改めて適正な取り扱いができるように再度いろいろ通知を申し上げ、指導いたしておるところでございます。
○国務大臣(中川昭一君) もとより、農業あるいは農家にとって農薬というのは非常に身近なものであるだけに、その管理についてはきちっとした対応をとらせているところでございます。 農薬の管理につきましては、農薬取締法という法律に基づきまして、販売業者からの報告あるいは立入検査等で実態把握をきちっとやっておるところでございます。また、万が一、盗難、紛失等が起こった場合には直ちに警察に届けることを義務づけております。周知徹底をしております。 さらに、昭和二十八年から毎年六月を農薬の危害防止運動という実施期間をやっておるところで、農薬の安全使用や適切な保管、管理の指導を行っているところであります。 なお、今御質問ありました最近のいろいろな事件の発生にかんがみまして、今月十四日、都道府県に対し、農家等への一層の指導の徹底及び注意喚起を促す文書を通達したところでございます。
○国務大臣(太田誠一君) 鈴木委員には行政監察につきまして大変深い御理解をいただいておりまして、ありがとうございます。 今、三大臣からそれぞれ答弁がございましたけれども、それがただの紙一枚で終わらないかどうかということをきちんとその後の状況を検討いたしまして、さらなる監察が必要であるかどうかということを決めたいと思います。
○鈴木正孝君 最後に、総務庁長官から前向きのお話がございましたけれども、やはり行政監察というのは、国民が行政にどういうものを求めて、それを検証しながら機動的に適時適切にぱたぱたと見ていくということも非常に大事な要素だと思います。 そんな中で、学校教育機関でさえもこういうような、ずさんなと言うと言葉は悪いんですが、非常に管理状況に問題が大きいということを考えてみますと、民間はどうなっているかということを多くの方が心配しているところだろうと思います。そういうことを含めまして、せっかくここまで詰めてきておられますから、ぜひ全体の計画を推し進めていただく、あるいはつくっていただく、あるいは民間を含めましてやっていただくことが今国民の皆さんは言葉には出さなくても非常に望んでいることではないかというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。 次に、私の持ち時間もそれほどないものですから大変詰まってまいりましたが、ことしは少々異常気象ぎみかなというような、そんな感じもいたします。先般の新潟での集中豪雨のようなもの、そういうことで、間もなくことしの米の作柄の報告もあろうかと思いますけれども、その辺どうなっているか、余り定性的でなく具体的にひとつお願いをしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、先生から御指摘のとおり、ことしは非常に天候不順、これは世界的にもそうでございまして、中国の大洪水とか大干ばつとかいろいろありますが、特に八月初めのあの新潟を中心とする集中豪雨では大変な被害が出たわけで、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。 先生からも御指摘のとおり、正式の米の作況は八月十五日から一カ月置きにやっていくわけでありまして、今その数字の取りまとめ中でございますけれども、現時点での作況の状況は北海道、東北の太平洋側及び北関東では七月中旬以降の低温、日照不足で生育、登熟が緩慢な状態でございます。北陸におきましては、八月以降の多雨、日照不足で登熟への影響が懸念される状況でございます。他方、西日本は順調な生育となっているということでございますが、いずれにいたしましても最終的な作柄につきましてはこれからの登熟期の天候によるところが非常に大きいというふうに考えております。 正確な数字は八月末に第一回目作況を御報告させていただきたいと思います。
○鈴木正孝君 先般来、中国での長雨による長江周辺の洪水あるいは韓国での状況、そして「ひまわり」の映像を見てみますと、雨雲が朝鮮半島を含めまして北陸から東北の方に抜けているような感じを非常に長く持っておったわけでございます。 そういう中で、食糧の安全保障といいましょうか、そういうことについていろいろと御意見はあろうかと思うわけでございますが、その辺を今どういうふうに農林大臣はお考えになっているか。今、総理の諮問機関でいろいろと農業の問題を取り扱っておりますけれども、自給率は落ちているし、そういうことを含めまして、いろいろと目標値を設定すべきであるというような議論もございます。その辺についてどのようにお考えになっているか、ひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) まず、国民的関心がこの問題に対して非常に広まってきているのではないかという認識を持たせていただいております。つまり、平成五年にあの大凶作がございました。五年前のことでありますけれども、あのときの混乱ぶりは我々もまだ記憶に新しいところだと思っております。 そして、御承知のとおり、日本は世界一の食糧輸入国であります。カロリーベースで四〇%ちょっとしか国産のものが自分の体の中にないとか、あるいは穀物自給率は三〇%を切っておると。そして、先進国の中でも圧倒的に自給率の低い国家であるということは、やはり国民の皆さん、将来に向けて大変不安を感じていらっしゃる方が多いというふうに私は確信をしております。 したがって、あるべき農政の方向といたしましては、すべての消費者の方に関係のある食糧でございますから、国民の皆さんの御理解をいただきながら、できるだけ安定的に国産の食糧を確保していくという方向で農政を進めていくべきではないかと思っておる次第でございます。 世界的にも人口の急増あるいは砂漠化とか、いろいろな不安定要因があるわけでありますから、日本はお金があるから農産物を輸入すればいいのだということではなくて、むしろ世界じゅうで、世界の八分の一の方が飢餓に瀕しているとか、悲惨な数字も我々は承知しておるところでございますので、むしろ食糧安全保障で日本が世界に何が貢献できるのかという、そういう観点からも食糧政策を考えていかなければいけないのではないかと思っております。 そういうようなことを、総理大臣の諮問機関であります食料・農業・農村基本問題調査会、間もなく九月初めに最終報告が出ますので、それを踏まえまして改めて国会また国民的な議論を深めて、これからの中長期的な日本の食糧政策にたえ得るような基本方針をつくらせていただきたいと思いますので、御指導よろしくお願いいたします。
○鈴木正孝君 食糧問題というのは、まさに国の根幹部分をなすような基礎的な事柄というふうに私も思っております。ぜひ、いろいろと多角的に御研究、御検討をいただきたいというふうに思います。 それから、総理、例の対人地雷禁止条約の批准、これはもう総理が主体的に非常に指導力を発揮されて今までやってこられたわけでございますが、これに絡みまして、まず最初に防衛庁長官、これの代替措置といいましょうか、こういうものについての研究状況は今どうなっているか、ちょっと御説明いただけますか。
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、鈴木委員がおっしゃったように、小渕総理のリーダーシップのもとで対人地雷禁止条約の署名が行われたわけでありますけれども、防衛庁といたしましても、我が国の安全をどう考えるかというときに、この代替手段をどういうふうに持っていくかということは大事なことでありまして、目下研究をしているところでございます。 また、これまで持っておった地雷をどういうふうに処分するか、廃棄をしていくかということも大事なテーマでございます。安全保障を全体的に考えるためには、これは外務省ともよく相談をして、日米安保条約の機能も低下させない形でどういうふうにしていくかということも視点に置いて考えていく必要があろうというふうに思っております。
○鈴木正孝君 まさに人道的な配慮からこの批准、全面的な禁止ということで、その方向は大変結構だと思いますし、また日本がそういうことを模索していくということは大変大事だというふうに思っておりますが、今言われたように問題は問題としてあることはあるわけです。 それは安全保障上の問題でございますので、その手当てに遺漏なきを期すというのも、これはまた政府としても大変大事な配慮をすべきところではないかというふうに思っておりますので、その辺の総理の御決意をぜひいただきたい、このように思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 対人地雷に対する我が国の対応につきましては、前内閣、橋本総理の決断もありまして最終的な結論に達したわけでございますが、その過程では第一に日本の安全保障という問題を考えなければならない、またそのためには米軍の持つ地雷の問題もどのように現実的に対応しなきゃならないか、対米関係の問題もありました。 しかし、世界的な大きな対人地雷禁止の流れの中で、我が国としてこれに署名をしないということは、我が国が世界の大きなこうした流れに逆らうことにもなりかねないということで決断をしたわけでございますが、今、防衛庁長官からもお話しのように、代替の問題につきましても研究を進めておるわけでございますから、こうした点については来年度予算も含めまして種々検討し、日本の安全保障にとっては万遺漏なきを期していかなきゃならない、こう考えております。 そうした条件をすべて乗り越えまして、ぜひ、できれば今国会に、せっかく署名をいたしました同条約につきまして、それが批准ができますように国内法の整備に全力を今挙げておるわけでございますので、一日も早く国会にこれを提出し、国会の批准を得たい、こう願っておるところでございます。
○鈴木正孝君 総理の、言ってみますと国内的な担保措置といいましょうか、そういうものについて遺漏なきを期す、こういうお話でございます。まさに、そのようにぜひ取り扱っていただいて、この四十カ国目で六カ月後に効力を発生という条約上の願いが日本国民の総意で達成できるようなことにぜひ向かっていければと、このように思うところでございます。 最後に、官房長官、大変申しわけございません、先ほど来の大田知事との会見のお話でございます。 私も昭和四十六年、返還の前の年から現地に調査に行ったりなんかいたしまして、沖縄との絡みというのは結構重い、深いものがあるわけでございますが、いろいろと言葉のやりとり、エスカレートが大変気になるところでもございます。そのようなことは決してないというふうに思いますけれども、言ってみれば幅広いお考えでさらなる工夫と知恵をぜひに絞っていただければ大変ありがたいというふうに思います。これは、一個人ということではなくて、県民のあるいは国民の皆さんは同じ思いではないかなというような感じもしないでもないものですから、ちょっとその辺の御見解をもう一度いただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 先ほども照屋委員にお答えいたしましたけれども、前橋本総理のときから昨年の二月六日以来は、今後建設的な意見であれば知事さんとお会いをさせていただきたい、知事側もまたそういう御意向を示していらしたわけで、残念ながら今日に至るもお会いする機会がなかったわけでございます。 今、委員御指摘のように、そういう中で前提を置いてお話を聞こうとすると言葉が先に走りまして、私どもの沖縄にかける気持ちと、そしてその沖縄の扉をあけていく道が開かない、かえって閉ざしてしまうという感じを照屋委員の質問なり鈴木委員の質問を今承りながら感じて、私はむしろお会いして、その中からゆっくり話をすることがまた建設的な道を開いていくことに通ずるのではないかと、そんな思いを込めながら、これからも大田知事とお会いをさせていただきたい、じっくり時間をかけて沖縄問題を語りたいと念願しておるところでございます。
○委員長(倉田寛之君) 以上で鈴木正孝君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、月原茂皓君の質疑を行います。月原茂皓君。
○月原茂皓君 自由党の月原茂皓です。 きょうは、防衛、外務、そして金融関係、総理大臣を含めてお尋ねしたいと思います。 まず、金融の問題について今大きな議論がされておりますけれども、日本の国にとってそれと同等に重要なのが安全保障の問題だと私は思っております。そういう意味において、この前、中央省庁の改編というものがありましたが、審議会では両論併記、そしてまた、党の方ではまた政治の場で検討する、三党合意。その三党が集まれば、対等に話をすれば、まとまる話もまとまらないのはわかっておるんです、防衛問題については。だから、当然そういう結論に達するだろうと思います。 昭和三十九年に内閣が省昇格問題を取り扱ってから、その間何の動きもなかった。しかし、二十一世紀に向かって日本の国がしっかりした態度を示すためにも、自分の国は自分で守るんだと、そういうような強い意思を表示する。何もアジア諸国に侵略するわけでもなければ、我が誇る法体系も持っているわけですから、堂々と省にすべきだと私は思っておるわけであります。隊員の士気を考えてもそのように思います。 ただ、閣僚としていろいろな意見があろうと思いますが、冒頭ではありますが、防衛庁長官としてではなくて、額賀さん、政治家としての発言をお願いしたいと思います。どのように省昇格問題について考えておられるのか、それを冒頭に質問させていただきます。
○国務大臣(額賀福志郎君) この中央省庁の再編の問題につきましては、橋本内閣において議論をされておったときは私も行政改革会議のメンバーでありました。したがって、防衛庁の省昇格の問題については、さまざまの意見があった末に総論的に現状のとおりになり、そして今後、防衛の基本問題については政治の場で議論をしていくということになったことは月原先生御承知のとおりであります。 私個人の見解ということでございますけれども、私は、月原先生がおっしゃるように、やはり主務大臣として日本の安全保障の問題にきっちりと責任を持てるような体制をとるということは大事であるというふうに考えておりますし、国民の皆さん方の納得を得られる形で防衛省に昇格することが将来の課題ではないかというふうに思っております。
○月原茂皓君 今後も政治家としてこの問題に大いに取り組んでいただきたい、このように思います。 さて、安全保障の問題で最近一つ課題になっておるのは対弾道ミサイルのことだと思います。TMDと俗に言われておりますが、外務大臣、新聞によれば、この前コーエン国防長官と会談した際にその種の話が向こうの方からも出た。もちろん大臣も理解されておるわけですが、どういうふうな話の内容であったか、御紹介願いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) コーエン国防長官から、TMDの問題は大変重要な問題である、こういう指摘がありました。私の方から、日本としてもこれは重要な検討課題である、こういうふうに答えておきました。
○月原茂皓君 防衛庁長官、今、外務大臣がコーエン国防長官と話をし、また日本を代表して、日本の方もそれを重要なものと考えておる、こういうふうにお話し合いがされたということであります。 そこで、そもそもこのTMDの対象は何かということになってくるといろんな問題があると思いますが、周辺諸国のミサイルの状況、ミサイルといっても最近、先を見越したミサイル、今まで既にあるのじゃなくて、将来の開発も含めてどのような状況であるのか。そして、それについて防衛庁長官として対弾道ミサイル防衛の必要性を認識されておるのかどうか、当然だと思いますが、その点をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) これはもう月原先生御承知のとおりでございまして、世界的に今大量破壊兵器が拡散をしている、そしてまた弾道ミサイルも拡散をしている、アジアにおきましてもさまざまの問題が起こっていることは御承知のとおりであります。 そういう中で、我が国の安全と平和をどうやって守っていくか、そしてまた弾道ミサイル防衛をどういうふうに考えていくか、これまた重要な問題であるというふうに認識をしております。
○月原茂皓君 今は全般のお話でありましたが、特にノドンの問題について、開発が終了したということはわかっておるけれども、配備はいろんな情報がある。その点について、得ている情報ではどのようなものか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、新聞とか雑誌とかさまざま情報が飛び交っておりますけれども、防衛庁が入手しているというか得ている情報によりますと、北朝鮮におきましては、射程が約一千キロとも言われているノドン一号を開発してきていると見られ、またノドン一号よりも射程の長いミサイルの開発を目指しているという情報もあるわけであります。また、中国におきましても、新型中距離弾道ミサイルや新型ICBM及び潜水艦発射弾道ミサイルなどの開発を進めているというような情報を得ているわけであります。 こんなことから、長射程化等によりさらに近代化されたミサイルが配備されていくことも考えられるわけでありますけれども、まだ将来に対しまして確たる見通しが出るわけでありません。 いずれにいたしましても、この弾道ミサイルについては、我々は大きな関心を持って見ていかなければならないということは確かなことであります。
○月原茂皓君 弾道ミサイルについて大いに関心がある、その防衛について当然のことであります。 そこで、今まで防衛庁、日本国は、調査研究という名目のもとに四年間かかって五億五千万を超える研究を重ねてきたわけでありますが、聞くところによれば、今度は共同で技術研究をしなければならない段階に来ておるというふうに聞くわけであります。そうすると、それは安易にそれに乗るんじゃなくて、今までの成果を踏まえた上で、あるいはその他の情報も得た上でそれに踏み切るかどうかということは、米国の資料等によれば海域関係の高度の迎撃体制についてはそろそろ技術研究の段階に入っていくんだというふうなことでありますから、日本の国としてもその中に同時に、同じに研究を、日本にふさわしいものをその分担としてやっていく必要があると、私はこのように思っております。 そういう意味で、今までの研究の上に立って技術研究に踏み切るために、いろいろな問題があると思いますが、そのことについてクリアされているのかどうか。その上で私は入るべきだ。そして入る場合には、防衛庁長官と国防長官なりしかるべき人間、代表者がちゃんとそれを確認して歩み出すべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(額賀福志郎君) 月原委員御指摘のとおり、平成七年度から我々は総合的な調査研究を米国とともに進めてまいったわけでございます。 これまでの研究成果を踏まえて、今後我が国が弾道ミサイル防衛の必要性とか効果について考えていくためには、弾道ミサイルの脅威をどういうふうに我々が位置づけていくのか、あるいは研究をしている防衛システム、防空システムというものはどういう形でどういうシステムになっていくのか、そういう具体的な内容をよく把握していかなければならない。それからまた、非常に難しい問題でありますから、今まで蓄積をしてきた技術で実現可能性があるのかどうか、そういうことも見きわめる必要がある、そういうことを考えながら十分前向きに取り組んでいるということを御報告させていただきたいと思います。
○月原茂皓君 先ほど私が申し上げたように、来年度が一つのまた大きなステップでありますから、防衛庁長官、十分その点を理解の上で今発言されているわけですが、できるだけ早い時期に国防長官なりと話し合って、ちゃんとしたステップを歩んでいただきたい。そのためには、繰り返しますが、十分今までの問題をクリアして、後でいろいろな方から言われても、胸を張ってこういう判断でやったんだと言えるだけのことはお願いしたいと思います。 さて、防衛問題はそういうことでありますが、次に、現下の経済の景気の問題とか、そういうことをいろいろお伺いしたいと思います。 この前、かつての宮澤総理大臣、大蔵大臣は、一九八五年のプラザ合意以来の流れをいろいろお話しされていました。 そして、一九九三年三月を景気の転換、緩慢な回復の方向に向かっていたんですが、私が思うのは、去年の三月、経企庁の最近の報告によれば暫定的にそれもトップから落ちていったんだという話になっておりますね。 そのときにそのことについて、タイミングが悪かった、アンタイムリーだったということを総理大臣はおっしゃっているわけであります。これは先輩のことを考えて言葉を慎重に使われておるんだと思いますが、政治家の大事なことは、哲学者とか学者ではありませんから、どんな正しいことでもいつの時点でどういう手を打つべきかということを誤ったら政治家としては失敗だというふうに私は定義づけるべきだと思うんです。 そういう意味で、あえて答弁していただかなくても結構ですけれども、アンタイムリーというのは、私たちの仲間で見ればこれは失政だった、こういうふうに私は理解されるということを総理はよく頭に置いていただきたいと思います、もう既にわかっておることと思いますが。 そこで財革法の問題ですが、今まで財革法については大蔵大臣が廃止という考え方を一時示されて、そして今、内閣では凍結というふうに考えられておるわけでありますが、これは法律改正をするおつもりでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは総理の御決定により凍結というふうに決定をいたしました。 それで、凍結ということの内容は、実は月原委員はよく御存じでいらっしゃいますので申し上げるんですが、これから予算を編成していきます、あるいは税制を検討していきますと、一体どういう点で財革法に触れるか、どういう点は触れないかということが具体的に明らかになってまいると思いますので、それを今正確に申し上げることが実際困難でございます。 したがいまして、予算編成をし税制改革を決定いたしまして、その中で、財革法の中でどうするかということを決めてまいらなければならない。現在ある規定の中で、これはちょっともう現実の編成された予算あるいは税制と対比すると、これはこのまま置くのは無理であるといったような部分は凍結せざるを得ないということになると思います。 そうしますと、やはりその部分を凍結するという法律を書きますのか、あるいはもう全体を凍結するというふうに書きますのか、これは法制局の御意見もあろうと思いますが、まず実態が今の段階では正直申し上げようとしてもわからないことが多うございますので、予算編成作業あるいは税制改革の作業を終わりました段階で決定をいたしまして、その法案は予算案あるいは税制改革案と同じ時期に国会に提出をして御審議を仰ぎたい、こういうふうに思っております。
○月原茂皓君 国会というのは法律をつくるところなんですよ、当たり前の話ですけれども。そして、自分がこの間つくった法律を超えて、今の予算編成のとうとうと述べられておる四兆円の金の枠にしたって、トータルを出したら、どうしてもその財革法におさまらないということはわかっておるわけですよ。おさまるのなら別ですよ。おさまらないのならば、法律を守る立場の人間はやはり法律を直してからそれに取り組むというのが当たり前のことじゃないですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) お言葉を返すようでございますけれども、従来しばしば予算編成に際しましていわゆる特例公債を出させていただいております、歳入補てん公債です。これは財政法では許されないことでございますので、予算提出と同時に特例に関する法案を御審議いただいております。それと同じことだと思います。
○月原茂皓君 それは、最初からそういうふうに予算編成のときから特例公債を出すんだと。大平さんのときにつくったわけですね、特例公債。だから、そのときになってどうしてもこれは特例で出さなきゃいかぬ、そしてこれは一年一年かけて国民に痛みをわかってもらわぬといかぬ、こういうことであの法律はできたわけですよ。今度の場合は、財革法という大きな枠をつくっておきながらもう最初からそれを破ると言って、今何月ですか、年の暮れになって言うのなら別ですよ。もう今のまま動いていたら当然財革法は守れないということがみんなわかっている。だから、法治国家ならば法律を直すべきだと私は思っておるわけです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申しますのは、予算編成をしている過程から既に実はこれは歳入補てん公債がないとできないなと思いながら、しかしそれは一遍限りの法案でございますから、その編成の過程はいわば法律違反を前提にしているかとおっしゃれば、そうだとも申し上げかねるというのと私は同じようなことだろうと思います。
○月原茂皓君 総理、今の話、議論を聞かれてどのように思われますか。どう対処したらいいと思われますか。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいま宮澤大蔵大臣の御答弁のとおりでございますが、実はこれは、自民党の総裁選挙におきまして私自身も立候補に当たりましていわゆる政権構想というものを発表させていただきました。その過程で減税あるいはその他補正予算の問題等につきまして言及をいたしまして、その方針につきまして党内の御理解を得て総裁になり、かつ今こうして総理として対応しているわけでございます。 したがって、そうした法律案を提案するに当たりましては財革法というものの存在というのはしかと承知をいたしておるわけでございます。考え方の一つとしては、それはきちんと財革法を改正して新しい予算をつくるべきだというのも一つのお考えかと思いますが、概算要求を八月いっぱいまでにまとめ上げるという従来の予算編成の方式をとる場合に、この問題についてそうした方向性をまず打ち出しませんと概算要求の、予算編成の前段の手順を踏めない。こういうことがありましたので、既に閣議におきまして凍結の方針を定めて、そして概算要求を認めるということの行為に決定をいたしたわけでございます。 そうした手順をもちまして次期通常国会には必ずこれを提出し、そして予算の成立も期して、執行ができますように努力をいたしていくということだと思います。
○月原茂皓君 これは押し問答のようになりますから、そういう問題点が、国会ということを無視したというような考え方も強いということを念頭に置いておいてもらいたいと思います。 それでは次に、今長銀の問題でいろいろ言われておりますが、例えばこれは長銀という意味でなくて、一般に破綻と合併というと、その責任の追及のところはどのように、不良債権の扱いのところがどういうふうに違いますか。大蔵大臣、お答え願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 破綻の場合には、これは経営者に責任があるということはもうほとんどそう断定してよろしいわけでございますから、その責任の追及がある、不正事件があればもとより、民法上あるいは刑法上の追及がある、ここはもう間違いございません。 それから合併の場合には、いろいろな態様がございますので、全く将来の競争力を得るために必ずしも経営が悪くないけれどもだれかと一緒になるといったような場合には、これは文字どおり、その間必ずしも経営が悪くないということになれば追及されるべき問題は少ないかもしれません。また、合併については株主総会の決議を要しますから、したがって、株主がその合併に満足であれば基本的には外から容喙すべき事情はないのではないか、それは普通の合併の場合と存じます。 ただ、今度は客観的に合併をする方の、合併される方のと言わせていただきます。当事者がいろんな意味で市場であるとかあるいは債権者との関係で追い込められた形でと申しますか、そういう言葉を使わせていただきます。それで合併を求めるような場合、それは時として吸収合併などと言われることもございますけれども、そういう場合にはいろいろな責任問題が合併をされる方の会社について生ずる。それはいろんな問題が生ずるし、恐らく株主は合併比率などにおいて不利なことになるでございましょうし、それはいろんな問題が生じ、またしばしば株主総会はそういう合併に満足でございませんでしょうから、経営者の責任の追及が行われるということだと思います。
○月原茂皓君 そこで、今回の問題で指摘されていることは、合併というものはむしろ不良債権等の責任問題を明確にしないためのものでないかなと。(「隠ぺい」と呼ぶ者あり)隠ぺいと言うんですか、難しい言葉で。今教えていただきましたが、そういうふうに見ている方もおるわけであります。 私が思うのは、公的資金が導入されるならば、破綻して公的資金によって処理する場合と同じぐらいの責任、経営者あるいは債務の追及、こういうようなものを、中坊さんの発言ではありませんが、中にはごみ捨て場のようにノンバンクを使った、こういうふうな言い方もあるわけでありますから、私はそれと同等ぐらいの追及する姿勢が政府に必要だ。そうしなければ国民はなかなか納得しないなと。 そして、債務というものが本当にないのかどうかというような点についても、検査というものを早めて、その結論が出た後から、実は検査の結果こうなりましたと、こういうのでは、拓殖銀行の場合を見てでも、三月には黒字でそして株の配当までしておった。ところが、どうだといったら、あけてみたら一兆一千億の債務だった、こういうような例もあるわけですから、その点は十分間に合うような検査をし、我々に提示していただきたいということをお願いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 金融監督庁長官の御答弁があるかと存じますが、先ほど私が追い込められた云々と申しましたのは、具体的なケースを想定して申したわけではございませんので、御了解いただきたいと思います。 したがいまして、今回の、今度は具体的なケースでございますが、拝見しておりますと、長期銀行は今度のリストラについてかなり徹底した関係者の責任のとり方、またはリストラのやり方であると私は考えておりまして、この間の長期銀行の方針決定を見ますと、十分にと申しますか、経営者としては最大限のいわば責任を負っての決心をしておられますし、また、株主も結構不利な立場に立たれる処理になるようなこの間のリストラ案の発表と私は見ております。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 ただいま宮澤大蔵大臣から御答弁がありましたことに尽きると思いますが、若干補足させていただきますと、今回のリストラ案には大変厳しい措置が盛り込まれているのではないかと思います。 まず第一に、九月期において七千五百億円の不良債権を処理いたします。それから、合併比率を通じまして普通株主への負担がかなりあるかと思いますし、それから九月期には無配当ということになっております。 また、会長、頭取及び副頭取の辞任並びに取締役及び執行役員の合併時までの辞任、それから取締役、執行役員の報酬の削減、役員の退職慰労金の支給停止、それから旧経営陣からの退職慰労金の返還の要請、それから人員のスリム化、行員の処遇引き下げによる人件費の削減、海外業務からの全面撤退、国内拠点の統廃合、それから本店、社宅など保有資産の処分、物件費の節減などなど、大変厳しいリストラ案になっているものと存じます。
○月原茂皓君 最後に三十秒いただきます。 監督庁自身初めての仕事であるし、これはさすが監督庁だ、新しくできたものであったなと国民が思うような報告をし対処することが日本の金融システムを維持する、守る一つの大きな要因となりますので、頑張ってもらいたいと思います。 以上をもって、時間が少なかったので申しわけありませんが、終わらせていただきます。
○委員長(倉田寛之君) 以上で月原茂皓君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、西川きよし君の残余の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 官房長官がお戻りではございませんので、恐れ入りますが、一番、二番を後の方に回させていただきたいと思います。三番から御質問をさせていただきたいと思います。 まず、和歌山市の毒物カレー事件に関連をしてお伺い申し上げます。 今回の事件で被害に遭われた方々の健康面の状況について、これまでの経緯を厚生省よりまずお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府委員(伊藤雅治君) お答えいたします。 今回の毒物混入事件では、平成十年七月二十五日の事件発生直後から翌日までに、激しい嘔吐などの症状を呈した上、四名の方がお亡くなりになられまして、六十三名の方が医療が必要な状況となり、翌々日の七月二十七日までには四十四名の方が入院するに至りました。 去る八月二十一日までに入院していた患者さん全員が退院いたしましたが、患者さんの中には手足のしびれ、筋力低下などの症状が残っていること、また尿や髪の毛の中に残っている砒素濃度の検査などを続ける必要があることから、しばらくは通院の上、経過観察が必要と聞いております。 今後は、患者が大きな精神的ストレスを受けていることから、身体面の治療に加えまして心のケア対策が重要になってくるものと認識しております。
○西川きよし君 ありがとうございます。 今、御説明いただきましたように、四名の方がお亡くなりになったということでございまして、御冥福をお祈りいたします。そして、多くの方々が通院による治療を受けていらっしゃるわけですけれども、一日も早く全快されることをお祈りし、お見舞い申し上げます。 先日、今回の事件によりまして被害に遭われた方々の砒素濃度を測定する尿検査の費用について、厚生大臣より保険を適用するという御判断をお伺いいたしました。大変に適切で迅速な対応をおとりいただいて感謝をいたしております。 しかし、毛髪中の検査費用については検討中というような新聞も読ませていただきました。こういう点について、治療行為的なものであるのか、また健康診断的なものであるのか、大変難しい問題ではあると思いますけれども、やはり被害に遭われた方々に対しては、全国の人たちがみんなそうですけれども、お互いが支え合って生きていく、そういう意味におきましても尿検査と同様の対応を私自身はぜひおとりいただきたいな、こういうふうに思う次第です。 この質問に対して、厚生大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 和歌山の毒物カレー事件は本当に残念なことでございまして、まだ未解決であるということは、本当に早期に解決を望まれるわけでございまして、一日も早いこの原因究明がされることが必要だと思います。 さて、御指摘の尿中の砒素の濃度検査につきましては、今の診療体系の中では、技術的な問題がございまして、ほとんどそういう可能性がないものですから、医療保険体系の中で支払いができませんでした。しかし、これはやはり考えてみますと、砒素中毒ということでございますから、これを取り入れ、即刻対応いたしました。 しかし同時に、知事と市長がおいでになりました際に、毛髪の検査、これが必要ではないかということがございましたので、いろいろ今後のアフターケアの問題からしてそういう必要性は感じます。しかし、今御指摘のように健康診査事業に類似するものではないかなという点もございますので、医療保険で対応することが適当かどうか、あるいは研究費、研究対象として研究補助金等で対応した方がいいか、いずれにしても委員の御指摘のような問題がございますから、対応してまいるつもりでございます。
○西川きよし君 先ほど厚生省からの経過報告をお伺いいたしまして、被害で入院された方々皆さん退院されたというお話をお伺いいたしまして我々もほっとしている次第です。しかしその後、ただいまもおっしゃっておられましたように、手にしびれがあったり、寝ていても無意識のうちに体がぴくぴくと動いて十二分な睡眠がとれない、そういう症状が残っている方々もたくさんいらっしゃるということでございますし、お医者様からは急性砒素中毒の症例は資料を調べてもない、こういうふうに言われているということでございます。不安が完全に払拭されずに、後遺症に不安を抱いている方々がたくさんいらっしゃるわけです。 そうした患者さんに対する精神的なケアについてでございますけれども、この点につきましても、厚生省では地域保健推進特別事業を適用されるということでございます。今回の患者さんあるいは地域住民に対するその心のケアというのがこれからはまた大変なことだと思います。この心のケアの対策について、厚生大臣より御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) こうした事件被害者の心のケア問題は、一番象徴的に出ましたのが阪神・淡路のときでございました。これは対応いたしました。 そして、今回の和歌山県の毒物カレー事件におきましても、委員今御指摘の地域保健推進特別事業として、知事あるいは市長の要請等もございまして、直接市に対する十分の十の補助をいたしましてそうした心のケアの対策事業に対応いたしまして財政措置を講ずるようにいたした次第であります。言うならばこうした目に見えないケアの問題、そしてまた、それが非常に市民生活の間で不安感を持っている原因でもございますから、十分な対応をしなければならないなというように感じております。
○西川きよし君 今回のこの事件後の地域医療あるいは救急搬送については、現状においてできる限りの対応がとられたのではないかという評価の声がある、その一方では、解毒剤の常備の問題あるいは情報提供体制の整備など、毒物の中毒事故における救急医療体制についてのさまざまな問題が指摘されているところでございますけれども、今後、厚生省といたしましてはどういうふうな対応をおとりになるのか、その基本方針を改めてもう一度厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 解毒剤の常備等の問題でございますが、解毒剤の常備につきましては、現在、常備すべき薬剤のリストを検討中でございます。これはかなりの数になりますので、それらを整理いたしましてリストにする。このリストを参考にいたしまして、救命救急センターというのが全国で百四十二カ所ばかりございますけれども、和歌山県は一カ所でありますが、そのセンターを中心に備蓄することを都道府県に検討するように指導してまいりたいと思っております。 それから、中毒事故等に関する情報提供につきましてでありますが、財団法人の中毒情報センターというのがございます。これまで化学物質ごとに診断、治療方法等に関する情報を二十四時間体制で医療機関に提供もしておるところでございますが、今後とも中毒情報センターのより一層の拡充強化を図ってまいりたいと思います。 今、中毒情報センターは、御案内のように大阪に二十四時間体制のものが一つ、それからつくばに、これは日中だけに限られておりますが、一カ所中毒情報を提供しております。 なお、厚生省といたしましては、化学物質のデータベースの作成、更新のために八百万円強の補助金を計上してその整備を図っておるところでございます。 今後、医療機関が中毒情報センターをより一層利用することによりまして、患者へ適切な医療が提供されるように図らなければなりません。したがって、中毒情報センターの活動について医療機関等の相互関係あるいは周知徹底を図ってまいりたい、このように感じておるところでございます。
○西川きよし君 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。 皆さん大変不安だということでいろいろお便り等もいただいております。どうぞいい方向に、よりよい方向によろしくお願いを申し上げたいと思います。 官房長官がお戻りではございませんけれども、最初の質問の方に移らせていただきます。官房長官の御答弁もあわせて総理大臣にお願いをいたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 阪神・淡路大震災の被災者に対する被災者自立支援金についてお伺いを申し上げます。 さきの通常国会では被災者生活再建支援法が成立いたしました。兵庫県では被災者に対してこの支援法と同程度の支援金の受け付けが既に始まっているわけですけれども、先日の代表質問の際にも、総理、官房長官より御答弁がございましたが、今回の自立支援金制度への国の支援に対しての基本的なお考えについて、まず小渕総理の方から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 兵庫県におきまして、被災者生活再建支援法の成立を契機といたしまして、同法に相当する程度の支援措置を実施するため、阪神・淡路大震災復興基金より既に実施中の生活再建支援金などを拡充し、被災者自立支援金を創設したところでございます。 政府といたしましては、与党阪神・淡路大震災復興対策プロジェクトチームの決定を踏まえまして、阪神・淡路大震災復興基金の一部といたしまして設置期間を延長するなど地方財政措置による支援を講じることといたしておるところでございます。
○西川きよし君 今回の兵庫県のこの制度に該当するのは言うまでもなく兵庫県の方々でございますけれども、しかし被災者の方々の中には大阪府内で被害に遭われた方々もたくさんいらっしゃいます。残念ながら、現状におきましては大阪府の対応が明らかにされていないということもありまして、大阪府の被災者の方々にとっては大変不安感を持っておられるわけですけれども、大阪府としては同一災害同一対応の基本原則から兵庫県と同様の支援を実施する必要があると考えているということでございます。 何分、財政状況が厳しい中で財源面での調整に困っているのが現状ではございますけれども、大阪府内の被災者の方々に対しても少しでも不安を取り除いていただくために早急な対応が必要であると思います。 ぜひ総理にお願いしたいんです。大阪府と政府における調整が早急にまとめられますように、政府におかれましてもより一層積極的にこの対応をお願いしたいと思うわけですけれども、御答弁をお願いします。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 今、委員からお話がございましたように、現在、大阪府におきましては兵庫県のように特別の基金は設置しておりませんが、これまでも地域の実情に応じて独自に被災者に対する各種の施策を講じておるところでございます。 次に、被災者生活再建支援法の成立を契機といたしまして、支援措置については現在大阪府において関係市と検討をされておると聞いております。 そこで、国においてでございますが、いずれにいたしましても、災害が財政に及ぼした影響や財政状況等について大阪府や関係市の実情を十分に伺った上で、その財政運営に支障がないようにするよう適切に処置をしていきたい、このように思っております。
○西川きよし君 官房長官、今お戻りになりましたので、御答弁だけいただけませんでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 阪神・淡路大震災におきます兵庫県と大阪府の関係だと思います。 委員御承知のように、兵庫県では被害も甚大でありまして、県と関係市町が基金を積まれまして生活支援をやってこられました。大阪府、そして被災しました豊中等ではそういう処置がなされなかったわけで、先ほど来それぞれ御答弁がございましたように、被災者の個々について生活支援の施策をやってこられ、あるいはそれを自治省で特別交付税あるいは交付税で見るということをやってまいったわけでありますが、先国会におきまして被災者生活再建支援法が成立をいたしましたことを契機に、大阪府におかれましても、財政が厳しい中においても豊中市と協議をされておる段階だそうでございまして、それを受けて、私どもも自治省ともども支援策を考えていきたいと存じております。
○西川きよし君 お願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で西川きよし君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、奥村展三君の残余の質疑を行います。奥村展三君。
○奥村展三君 もう最後の方になりますと、ほとんど各先輩の方々が聞かれておりますから二重になるところがあるかもわかりませんが、よろしくお答えをいただきたいと思います。 まず、減税の財源確保でございますが、今回の選挙もそれぞれの政党が恒久減税等々、何十兆円、何兆円というような話をされたわけであります。ある意味では、国民はそれに共鳴を抱いて投票なされた方もあると思います。 しかし、総理がいろいろ今回の減税も言われておりますが、赤字国債を発行してやる。必ずこれは子や孫にツケ回しになってしまうわけであります。我々は何としてもそれを少額にしてバトンタッチしなければならないと思いつつ、しかしながら現況を考えてみますと、今回のこの経済不況、ある意味ではやむを得ないと思うところでありますが、もっと行政改革をやったり、あるいは先日も申し上げましたリストラをしたり、いろんな面で改革をしていかなければならない。 一方では、やはり少子・高齢化を考えてみますと、社会保障が一体どうなるんだろう。先ほども鈴木議員の質問の中で、堺屋長官が選択肢の狭い考え、不安感だというようなこともおっしゃっておりましたが、そういうような流れでいきますと、本当に国民みんなが不安感を持ちながら生活をしていかなければならないということであります。 確かに、赤字国債は出していかなければならない。しかし、一方ではしっかりと行政改革をやり、リストラをやり、コストダウンをやって、そして財源を見つけていくんだというようなことも大変大事なことではないかなと思いますが、総理のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今般、政府として実行してまいりたいと思っております所得減税、法人課税減税等につきましても、新聞その他には、赤字公債でこれを賄うということに対して、小渕総理は大盤振る舞いをするばかりではないかという極めて厳しい御批判もあることは承知をいたしております。でありますが、今回、この経済情勢を乗り切るためには、万やむを得ないこととしてそうした施策を遂行しようといたしますと、他に財源を求めることは極めて困難であるという立場から、この方針を実行せざるを得ないということだろうと思います。 委員御指摘のように、そのためには行政改革あるいは規制緩和、また申し上げられたようなあらゆるリストラ等も通じまして、そして一方ではできる限りの努力を傾注していかなきゃならないわけでございまして、そういった意味で、財革法を制定したゆえんのものも将来においては財政的なやはりレベニュー・ニュートラルの形として、入るを図って出るを制するという形が達成できる経済情勢、あるいは国民の富というものがそこまで至るということが望ましい方向だということは私も重々承知をいたしておるつもりでございます。 しかし、現行におきましては他に財源を求めるということ、すなわち増税その他によってそれを賄うということはまことに困難でございますので、この際お許しをいただいて、ぜひ諸般の政策を実行するためにこの赤字公債をもってその財源とさせていただきたい、このように考えておる次第でございます。
○奥村展三君 私ごとですが、先ほどもいろんなお話の中にありましたが、一般企業、私も零細企業の店主でありますが、考えてみますと、予算を組んだりいろんな流れ、一年間あるいはまた月次、いろいろやっていくわけですが、やはり入りを考えて歳出を見ていくわけであります。どうも私もこの二十数年、地方議員から今国政の場に置いていただきましたが、歳入の方は余り議論をされないで、歳出の予算ばかりを赤字公債だとかそういう借金に頼っていく。本当にもっと入りの議論をしていく、そしてまたいろいろ貸してあるところがあればそれを何とか早く返済していただくとかして、財源をまず確保してから歳出をやっていくということが、これはもう商売の鉄則だと思うんです。 それと、私は滋賀県ですから近江商人の端くれでありますけれども、あの近江商人は、いろんな御批判もあろうと思いますけれども、三方よしというのが基本なんですね。相手によし、そして自分によし、みんなによし、この三方よしというこれを基本にして近江商人が今も営々と続いておる。日本の企業の中でも頑張っていただいておる。自分だけがよかってもこれは絶対だめなんです。あるいはまた、相手だけがよかってもこれは当然だめでございます。そういうふうにして私らは教えられてきましたが、そんなこともなかなか難しいわけでありますけれども、ぜひそんな思いでひとつ取り組んでいただきたいと思います。 次に、自治大臣にお伺いをいたしたいと思います。五月二十九日に閣議決定なされました地方分権等々、これからいよいよ実施段階に入ると思います。 総理は四兆円の減税を今言われておりますが、地方の財源というのは御承知のとおり三割自治だとかいろんなことを言われております。それだけに、特に個人所得税の減税等々になりますと、住民税等、先ほどもお話が出ておりましたが大変地方は不安感を持っておる。しかし、これをどんどんやられていきますと、今は三割自治かもわからない、これは全国平均でいきますと大体三六%ぐらいだと思うんですけれども、これが減税になっていろんな負担がかかってくるともう二割自治なんだと。 だから、こんなことで一体地方が成り立っていくのだろうか。一方では地方分権だと言っておられる。しかし、やはり地方分権をしていただくには、地方の財源をしっかりと確保していただく、あるいは組織もしっかりと連携をとりながら移行していただく。つまり、これからは地方分権じゃなくて地方主権なんだと。 地方の時代と言われて久しいものがありますが、そういう流れの中ではっきりと財源の確保ということを明確にしてあげていただきたいし、そしてまた、先日も宮澤大蔵大臣からも自治省と十分に連携をとりながらという御発言もこの場でいただきましたが、その点を私は大変懸念している一人でございますが、ぜひ大臣のお考え、所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 委員御指摘のように、個人住民税というのは地方財源の中で非常に重要な役割を占めております。地方税収の約四分の一が個人住民税でございます。それから市町村税の約三分の一を占めております。そういうことになってまいりますと、これはもう御指摘のとおり、全く地方の基幹税目であるわけでございます。現在の地方団体の置かれておる厳しい財政状況を考えますと、御指摘のとおり改正内容によっては地方財政の運営に深刻な影響を及ぼすおそれがございます。そういうことを考えあわせ、地方税の充実確保は地方分権を推進する上においても極めて重要な問題であると考えております。 去る五月二十九日に閣議決定された地方分権推進計画におきましても、「地方における歳出規模と地方税収入との乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、その充実確保を図る。」こととされておるわけでございます。 したがいまして、今回の個人所得税課税の減税に当たっては、こうした今日の厳しい地方財政の状況や今後の地方税源の充実確保の要請等の点を十分に考慮しながら検討を加えてまいりたいと考えておるわけでございます。
○奥村展三君 今、都道府県なり市町村の基幹税だとおっしゃいました。その実現といいますか、大蔵省と十分調整をしながらぜひしっかりと進めていただきたいと思います。 最後になりましたが、大蔵大臣、大変申しわけございませんが、日本版RTCについてお伺いをしたいと思います。 現在、不良債権そのものは整理回収銀行に行っていただいておりますが、いろいろ今日まで与党三党でも議論がありましたし、そしてまたそれ以後も選挙中もありました。大蔵大臣として、日本版RTCについてどのようにお考えか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) RTCの場合は、御承知のように、八九年でございますか、政府機関としてつくられまして、いわば破産管財人のような大変強固な強い機能を持っておりまして、SアンドLの問題の解決に中心的な役割を果たしました。 回収銀行は、それに反しまして民間組織にいたしておりまして、できるだけ自由に動けるようにということで、それなりにその目的を達しておるように思います。ただ、財産調査について預金保険機構そのものの権限が弱うございましたので、この点は先般改めまして、財産調査について、これを妨害する者並びに拒否する者は罰則を適用するということに改めましたので、その点の問題も解決をいたしたと思います。 我が国なりに、民間企業の機動性を生かして活動してもらえるならば、有効に働いてもらえるのではないかと思っております。
○奥村展三君 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で奥村展三君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、菅川健二君の残余の質疑を行います。菅川健二君。
○菅川健二君 改革クラブの菅川健二です。 最後でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、先ほど来質問等ございますけれども、総合経済対策と地方団体の関係について、若干補足的に御質問いたしたいと思います。 先ほど、自治大臣、大蔵大臣から御答弁もあったわけでございますが、地方団体の実態を見ますと、今度の総合経済対策に対して、公共事業については何とか消化できるけれども、地方単独事業にはとても手が回らないというのが正直な声ではないかと思うわけでございます。現に、東京都が九月補正も単独事業は見送ったということを聞いておるわけでございます。 そこで、自治大臣にお聞きしますが、一・五兆円の単独事業を組みます経済対策の規模達成は可能なのかどうか、再度お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 地方公共団体は、極めて厳しい財政状況のもとではありますが、政府の総合経済対策を受け、それぞれの地域における住民ニーズ、地域経済の状況等に応じた取り組みを現在行っているところであります。既に、六月補正において追加計上を行った地方公共団体があるほか、九月補正においても予算計上すべく現在準備を進めているところでございます。 自治省といたしましても、それぞれの地方公共団体が地域経済の状況、財政状況等を考慮し、できる限りの予算計上を行っていただくよう、引き続き協力を要請していく考えでございます。
○菅川健二君 さらに今後、小渕総理が十兆円程度の補正予算を組むやに表明されておられるわけでございますが、地方団体がこれを消化するのにはさらに悩みが大きいわけでございます。地方団体の実情を踏まえまして、公共投資を中心とする事業の円滑な実施について特別な配慮をお願いしたいと思いますが、総理、総括的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 第二次補正予算の編成に当たりまして、公共事業につきまして、景気回復のための即効性がありまして、また後年度に過度の負担をもたらさない経費を対象とすることにいたしておるところでございます。 そこで、今御指摘のように、地方財政の問題でありますが、地方税収等の低迷や公債費の累増等によりまして極めて厳しい状況にあることは承知をいたしております。地域経済も深刻な状況にありますことから、今後、地方団体の理解と協力を得つつ、補正予算の円滑な執行を図ってまいる所存でございまして、国からの一方的な押しつけというようなことのないように十分心して地方団体等と話し合ってまいりたいと思っております。
○菅川健二君 地方財政に対する特別の配慮をお願いいたしたいと思います。 そこで、話題を変えますけれども、堺屋企画庁長官には、最近ベストセラーになっております「あるべき明日」という本を書いておられますが、この中に、この国が第一になすべきことは信の回復である、それに必要な施策は現状の解明と情報の公開であると述べておられるわけでございます。私、全く賛成でございます。長官の口から、別に企画庁長官という立場でなくて、国務大臣という立場でも結構ですし、御自身の思いのたけをひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 今回は御質問が私の就任前の著書でございますので、個人として答えさせていただきたいと思います。 私は、今の日本の大きな問題は、あらゆるところで信用、信頼というものが薄れているんではないか。これは、政府と国民の間も一つございますし、従業員と経営者の間でも今までほどの信頼性、かつてほどの信頼性はない。あるいは消費者と供給者の間、そういういろんなところで信頼が失われてきているんではないか。 これは、日本の社会全体が規格大量生産という一つの目標に向かって走っていた。そのときにはみんなが同じことを考えていた。政府が電機産業や自動車産業を興したいと思ったとき、国民も電気製品や自動車製品が欲しいと思っていた。だからぴたっと一致していたんですね。それに金融は庶民のお金を預かって、そういう規格大量生産のところへ流せばいい、これもまた目標が一致していた。だからこの護送船団方式もうまくいっていたんだと思うんです。そういうことが乱れてまいりまして、先生と生徒の間にも、親と子の間にもいろいろと昔のような信頼感のないところがあるんじゃないか。 それで、これをまず回復するために日本の現状というのを正直に言うべきだと思います。正直に言いますと、一方においては五百数十兆円の公的債務もあるんですが、他方では七千四百兆円という巨大な国富もあります。これは日本の偉大なインフラストラクチャー、ファンダメンタルズでございます。あるいは国民の教育程度も高いし勤勉の習慣もある、こういうこともまたはっきりと言っていきたい。 そういう日本の現状を常に政府は正直に、迅速にわかりやすく言う、これが信を回復する道だと私は信じておりまして、経済企画庁長官としてもできる限りそのようにしたいと考えております。
○菅川健二君 今の言葉をひとつ小渕総理以下、各大臣ともよく頭に入れておいていただきたいと思うわけでございます。 そこで、最近の金融問題につきまして、私、住専問題のとき以来予算委員等をやらせていただいておるわけでございますが、そこの時点からまともに説明を受けたことはないわけでございまして、知らしむべからず、よらしむべしという精神がなおこの国政の場でも横溢しておるんじゃないか。そういった中で税金を投入しようとしておるところに国民のガスがたまっていらいらが募っておるわけでございます。 小渕総理には、総理自身は非常に御実直と受けとめておりますので、長銀問題の処理等につきまして説明責任を果たしていただきたいと思いますが、御決意のほどをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) すべからく、経企庁長官の言われるように、広く公開いたすべきことは公開いたしていかなきゃならぬと思っておりますが、具体的に長銀の経営状態と、こう言われますと、実は私が金融監督庁の上にある責任者ということに新法でなっておりまして、そういう意味ですべからく把握をしておらなければならないかと思いますが、現在、金融監督庁におきまして、十九行につきまして鋭意、少ない人員の中ではありますけれども全力を挙げて今検査のさなかでございますので、その状況につきましては、まだ最高責任者たる私のところにも報告は得ておりませんので、お話を申し上げるような立場にないと思っております。
○菅川健二君 総理が得た情報は、正直に迅速に我々に対して御説明いただきたいと思うわけでございます。 そこで、長銀の救済につきましては、事実上、大手十九行というのはシステミックリスクを伴うものでつぶさない、そういった政府の市場へのメッセージであるのかどうか。そうしますと、他の大手銀行も同様な状況に至りますと、今回の事例が先例になるのかどうか。仮に先例になるとすれば、公正なルールのもとに法制上きちっと処理していただく必要があろうかと思うわけでございますが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは銀行行政そのものの問題になりますので、監督庁長官からお答え願った方がよろしいんじゃないかと思います。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 金融機関の監督につきましては、金融機関の経営に市場規律と自己責任の原則を徹底させまして、市場の信認を得ていくことが重要であると考えております。決して大手行はつぶさないという方針をとっているわけではございません。 今回のこの住友信託と長銀の合併構想は、両行の経営戦略に基づいた通常の合併でございますが、監督当局といたしましては、両行の合併が市場の信認を得ることにより金融システムの安定に資するとの観点から、これに対し資本注入の申請に対する前向きな対応を含めまして支援を行うことを表明したものでございます。
○菅川健二君 ただいまの件について、この長銀問題を契機として一つの明確なルール、いわゆる破綻前の処理を仮にするとすればどういうルールにすべきかということの法制化という問題でございまして、この点は金融企画について責任を持っておられる大蔵大臣に御説明をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それでは、今後の企画立法等の問題として申し上げますが、恐らく普通に考えますと、いろいろ問題が出てきますときにそのパターンが私は違うのだろうと思います。 今回の場合には、本来長銀の経営内容が私は悪かったようには見ておりませんが、ある月刊誌が報道したことが発端になりまして、市場でいろいろうわさが出まして長銀株が暴落をした、そういう経緯の中で、いわばどう申しますか、かなりの部分がそういう経緯で長銀を苦しめるに至った。しかも、その間に合併の話がたまたま出ましたので、そのような方に問題が転換をいたしてまいりますが、したがいまして、これが今後一般的なパターンになるかどうか、私はどうも必ずしもそうではなかろうという思いがいたします。 しかし、問題は、先ほど監督庁長官が言われましたように、金融の内外におけるシステミックリスクにつながるときには、関係者から申請があれば預金保険機構としては公金の投入を考慮する、こういうことが原則であろうと思います。ただ、その場合にも債務超過になりましたときにはそういうことはできない、これをそういう形で救う方法はないというように、いろいろ対応が異なってまいると思います。 昨日あたりも各党の間の討論が行われましたときに、一つのパターンとしてこれを法律でとらえることはどうかという御意見があったようでございます。それは各党の間の御折衝によることでございましょうから私からかれこれ申し上げるのは出過ぎと思いますが、私としては、どうも一つのパターンで法律で処理できるものかどうか、まだ十分考えを詰めておりません。
○菅川健二君 この問題は引き続き審議させていただきたいと思います。 もう一つ事実解明で大変重要なのは、最近、特殊法人におきます巨額の不良債権や不適切な経営の実態が明るみに出ておるわけでございます。特に、最近問題になっております石油公団とか北東公庫の膨大なる不良債権、問題債権が出てまいっておるわけでございますが、この二つの公団等についての実態及び処理策について、それぞれ所管大臣から御説明をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御存じのように、日本の周辺は新潟沖などで若干石油が出ますが、日本の経済全体が必要としている石油の量というのは日本の国内で生産はできないわけでございます。石油資源は海外に依存をしているという状況はこれまでも続いてまいりましたし、今後も私は続いてまいると思います。 そこで、やはり石油を安定して確保するということが大変大事だということになりました。そのためには、一体今までどおり海外のメジャーから買っていくのか、あるいは日本人がみずから出かけていって石油を探してということにするのかということになりました。 そこで、いろいろ考えてみますと、石油の開発あるいは探鉱というのは恐ろしくリスクの高い仕事でございまして、井戸を掘っても掘っても油が出ないというのは極めてよくある話でございます。これは石油もそうですし、天然ガスもそうですが、一本掘ると何十億かかるという井戸を何本掘っても石油が出ないというのはよくある話、決して不思議な話ではない。そういう意味では大変リスクの高い仕事をするわけでございます。 ところが、外国ではメジャーという大変歴史も持ち、技術も持ち、また資金的な力も持っているところがそういう探鉱開発をやっておりますが、一方、日本の石油会社というのは、どちらかといえば精製、流通を中心としたものが日本の石油会社でございまして、そういう中で日本の会社が海外に出ていって石油の探鉱開発をやろうと。そのためのリスクの高いお金は一体だれが供給するのかということで、やはりこれは国がある部分供給せざるを得ないということで発足したのが石油公団でございます。したがいまして、石油公団が融資をした先は、うまく石油が見つかったところもありますし、空井戸だったところもありますし、それは成功した例、失敗した例、それぞれいろんな例が実はあるわけでございます。 まして、そのような状況ですから、仮に石油が出ましても、その石油の価値が一体どのぐらいかということは、出てまいりました石油の量だけで決まるわけではありません。石油の量だけではなくて、出てきたときに一体幾らか、石油がバレル当たりドルベースで幾らか、あるいは今後石油の価格が一体どうなっていくのかということだけでは実は決まらないので、その上に日本の円の為替レートによって実は決まってくるものであります。したがいまして、これは特殊法人が抱えている不良債権と一概に言っていただくということはやや誤解を招くのではないかな、私自身は御質問を聞いてそう感じたわけでございます。 それは、将来の成功払い融資という性格をぜひ御理解していただきたいのと、将来お金が幾らまで回収できるかということは、実は出てくる石油の量とその時々の石油の価格と、またその時々の為替レートによって決まってくるものでございまして、にわかに全部の一兆三千億が回収不能になっているというふうに御理解はしていただきたくない。仮に、非常に高い原油の価格と非常に安い円レートを想定しますと、あっという間にそのお金は戻ってまいりますし、非常に安い原油価格と高い円レートを想定しますと、なかなか一兆三千億までは回収できない。 そういう変動するという意味では不良債権とは呼べませんけれども、大変回収に関して不安定要素があるという御指摘は私は十分理解できると思いますし、また石油公団もひっきょう国民のお金を使っている特殊法人でございますから、どのようなお金を使ったかということについては、やはり国民がわかりやすいというような情報公開は必要だ、そういう御指摘は私どもは十分理解しているつもりでございます。
○国務大臣(井上吉夫君) 北東公庫の問題債権が指摘されました。 十二日の読売新聞に四千億余りの不良債権というか問題債権という形で報道されましたので、私は北東公庫の総裁に来てもらって内容の説明を受けました。 報道された金額と全部合致しているわけではありませんが、大綱を申し上げますと、北海道東北開発公庫の債権のうち、いわゆる破綻先債権、さらに六カ月を超えるいわば延滞債権、これは二百九十七億という報告を受けました。これは十年の三月末の時点でありますので北東公庫の数字の方が間違いないと思いますが、読売の記述による金額はそれよりも若干金額は高うございます。 ところで、その次にはまた貸出先への金利減免だとか貸出期間の延長などの条件変更債権が一千億余りあるという説明でありました。延滞債権の処理については、債権を放棄するとかいうことではなしに、しっかり回収に向けて今後とも努力をしていくという方針も説明をしてくれましたし、減免なり条件変更については、まさに最近の低金利時代でありますから、協調いたします他の銀行等との関連も考えながら条件の変更をしたということでありますので、当然のことながらこれらについてはしっかりと保全措置を講じていく、大部分は回収できるという感じのそういう報告を受けました。 さらにもう一つは、最も大きいのは苫小牧東部開発の関係とむつ小川原開発関係であります。 この二つともいわば国家プロジェクトとして、なかなか簡単には採算に乗りにくいが一般金融機関では到底対応できないということから、いわば北東公庫の政策金融として実施をしたものでありますが、まだどのくらいがいわば回収困難な債権かということは定かにはわかりません。 したがって、これもすべて不良債権という枠組みに規定するにはいささか全体が、全部取れないというわけではなくて、土地もちゃんとあるし、このままではどうにもならないということで、どういうぐあいに苫東は今後進めていくかということにつきましては、私が就任いたしまして早速、五日の日に北海道に参りまして、現地も見る、それから知事にも会う、苫小牧の市長にも会う、財界の皆さん方ともお会いをして、これだけの北海道に、恐らくもう二度とこういう土地を手放したら手に入らないだろう、日本全体から見ても全体面積一万ヘクタールのこれだけの土地。しかも千歳に近い、それに港も近い、道路も完備しているという地域でありますから、何としてもこれは全体をもう一遍しっかりとした事業計画を組み直し、しかも今までのようないわば経費を投入するのじゃなくて、よほどリストラをして少ない人数で管理できる、そういうしっかりとした事業計画を立てる必要があるなということを話をしながら関係の皆様方と御相談をしましたところ、これだけは何としても続けてほしい、その中心はぜひ北海道開発庁が受け持ってほしいという希望がすべてでありました。 こういうことを含めまして、御承知のとおり、平成十一年、開銀と北東公庫は合併をすることになります。新しい銀行ができ上がるということになりますが、今まで菅川議員がおっしゃいました趣旨を考えますと、私はこういう場合に、こういうときに債権をうやむやにしてはいけないよ、しっかりとしている債権は可能な限り徹底して回収をするということ、たとえ政府系金融機関であろうともいいかげんな管理をしてはならないということが、私は先生の意見の中心だと受け取ったわけであります。 私も、実はこの問題に対処しながら、北東公庫総裁と話す中でも、この問題の処理に当たってはもういささかも国民から疑惑を受けないような対応が基本的に必要だということを強調しながら対応することにいたしました。 したがって、総裁もそういうつもりで対応をし、それにふさわしいあらゆる準備と対応の仕方をやってくれるというぐあいに信じておりますし、これからもそのことに向けてしっかりと仕事をやっていきたい、このように考えております。
○菅川健二君 今それぞれお聞きいたしておりますと、国家プロジェクトというのは始めた時点においては大変正当性を持っておったけれども、時代の変化によりましてその要請というものが非常に変わってくる。その場合に、プロジェクトをやめる、それをまた変換する、そういった対応がおくれてきておるんじゃないかと思うわけでございます。特に、今は時代の転換期でございますので、この際、ぜひ処理策をきちっとつくっていただきたいと思うわけでございます。 最後に、総理には速やかにこれらの特殊法人の実態につきまして総点検していただき、特殊法人の改革について積極的に進めていただきたいと思うわけでございますが、決意のほどをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 特殊法人につきまして、これを不断に見直しを続けていくことはまことに重要なことだと存じております。 政府といたしましては、中央省庁等改革の議論と並行いたしまして、平成九年に三次にわたり廃止、民営化、統合等を内容とする閣議決定を行ったところでございまして、さらに中央省庁等改革基本法におきましてもその整理合理化を進めることとされております。 今後とも特殊法人の整理合理化を着実に推進してまいり、国民の信頼をかち得るよう最大努力をいたしてまいりたいと思っております。
○委員長(倉田寛之君) 以上で菅川健二君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二分散会 ─────────────