予算委員会 第2号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1998/08/20
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 質疑を行う期間は三日間とし、総括質疑方式とすること、質疑割り当て時間の総計は四百四十分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党百五十四分、民主党・新緑風会百七分、公明四十五分、日本共産党四十五分、社会民主党・護憲連合三十四分、自由党二十二分、二院クラブ・自由連合十一分、新党さきがけ十一分、改革クラブ十一分とすること、質疑順序についてはお手元に配付してあるとおりでございます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。今井澄君。
○今井澄君 おはようございます。 いよいよ参議院予算委員会で政府に対する質疑を行うわけでありますが、私は、民主党・新緑風会を代表して、小渕総理初め関係閣僚に質疑を行いたいと思います。 最初に、小渕総理、総理大臣御就任おめでとうございます。大変な状況の中で就任されたということ、ある意味では御同情を申し上げるわけであります。お祝いを申し上げたわけですが、しかし、参議院として、また我が民主党・新緑風会としては、心からのお祝いが申し上げられないことが実は大変残念だと思っております。と申しますのは、御承知のように、本院におきましては、菅直人衆議院議員が百四十二票という圧倒的な差で首班指名を受けたわけであります。 そこで、最初に小渕内閣の正当性についてどういう御認識をお持ちかということをお尋ねしたいと思います。 参議院の結果は今申し上げたとおりでありますが、衆議院におきましても、実はさきの衆議院選挙におきまして自民党は過半数を超えていないわけであります。その後いろいろな多数派工作によって辛うじて過半数になっているとはいうものの、国民の審判であるさきの衆議院選挙においては過半数に達していないわけであります。このことは本会議でも扇議員の方から厳しく指摘があり質問があったわけですが、総理はそれにまともにお答えになっておられないと思いますので、改めてこの場で御認識をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 改めまして、このたび内閣総理大臣という大任をお引き受けすることになりました。今井委員御指摘のように、現下まことに厳しい環境ではございますが、誠心誠意務めてまいりたいと思っております。参議院議員各位並びに特に本予算委員会諸先生方の御指導、また御鞭撻もいただくよう心からお願いを申し上げる次第でございます。 そこで、私、今回総理大臣に就任するに当たりましての正当性ということにつきましてお尋ねがございました。 結論から申し上げれば、憲法六十七条の規定によりまして私自身がその責務を負うことになりましたが、その間に至りまして衆参両院の決定が異なったことも承知をいたしております。そういう意味で、このことも過ぐる参議院選挙の結果でもございまして、そのことは国民の意思にもかかわることでございますのでこれまた謙虚に受けとめなければならないとは存じておりますが、参議院の選挙結果も、自由民主党は議席こそ減少いたしましたが、第一位の、比較第一党であったことは事実でございまして、そうした重みもしっかり受けとめてその責任を果たしていかなければならないというふうに実は感じておる次第でございます。 また、衆議院における前回の選挙結果、すなわち選挙の結果二百三十九名であったかと思いますが、その後の党籍の移動もございまして現在は二百六十五名かと存じますが、過半数以上の者を有しておりまして、その結果、衆議院の決定によって私が選ばれたということでございます。 その間、議員各位が党籍を移動されるということにつきましては、それぞれの議員御自身の御判断、哲学あるいは主義主張、その他もろもろありましてそうした結果になっておるわけでございまして、私がこのことを申し上げる立場にないと思います。 ただ、一般的に申し上げれば、この政権が、だれがその任に当たるかということは、必ずしも衆参両院において第一党が過半数を有しておるということばかりでなくして、その政治の流れの中では、いわゆる多党化の中では当然のことですが連立政権というものもございますし、また閣外の協力を得て橋本内閣は政権を維持したということもございますので、その時々の事情もあるのかと思います。 ただ、結果的に、私としては、憲法の規定に基づきましてこの内閣総理大臣の議席を得たということは、それをもって正当性は何ら欠くるものでない、このように認識をいたしておる次第でございます。
○今井澄君 確かに憲法に基づいてそうでありますからきょうもこういう形で質疑をやっているわけでありますけれども、しかし、問題は実態だと思うんですね。本当に国民に支持されていないとこの難局は乗り切れない。(図表掲示) それだけではなく、今御配付いたしました資料、このパネルにも示しましたように、まことに残念ながら、小渕内閣が成立して以降、円はどんどん安くなりますし株も安くなってきております。これは別に国民一般だけでなく、国際的にも市場も支持していない。この難局を切り抜けるにはやはり国民の圧倒的な支持を受けてやっていかないと私はできないんだと思うんですね。 そういう意味では、本院の本会議でも、総辞職するか選挙管理内閣として解散・総選挙を行うべきではないか、こういう提案があったわけですが、そのことについて御質問いたします。 さらにもう一つ、さきの衆議院選挙で二百三十九議席しかなかったのに、今いつの間にか過半数になっているのは、その一人一人自民党に移られた方の哲学とかお考えとかというお話があったんですが、実態は哲学などというものではなく、もっと生々しい、やはり与党に行くことによる利益の問題とか、あるいは野党にいることによる不利益で責め立てられた結果とか、そういうことが多々あるというふうに私は聞いておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほども御答弁申し上げましたが、それぞれ選ばれた方々のみずからの御判断によって政党の帰属がございますのでございまして、現行法の中ではそのことは当然許されておることでございますので、その結果として現在の各党の所属、国会議員のその数字は決定をされておるものだ、こう認識しております。
○今井澄君 総辞職するか、解散・総選挙をして選挙管理内閣に徹するかというその質問に対しては、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私の就任以来と申し上げますより、以前から大変厳しい御批判の前に立たされておりますことは私自身も十分承知をいたしております。私も、目もあり耳もありますので、いろいろとあらゆる日本語を駆使されまして大変御批判もいただいておることは承知をいたしております。 民主政体下における政治家としては、いわゆる世論といいますか、それぞれマスメディアにおける批判、こういうものも通じまして、よりよいスタートに当たっての高い支持率というものを好まない者はないと思っております。かつて細川政権で八〇%を超えてスタートしたことを考えますと、うらやましい限りだとは思いますけれども、ただ私自身は、この与えられた任務は、今直ちに衆議院を解散して国民の信を問うということよりも、むしろ現下こうして八月のさなかに国会を開かせていただきまして、当面する経済の問題に立ち向かっていかなければならない。 こう考えますと、私といたしましては、所信表明で申し上げましたように経済再生内閣、これが今内閣の果たすべき当面の最大の課題である、こう考えまして、このことをなし遂げるというためには、解散・総選挙を今する余裕はない、こう考えて対処させていただいておる次第でございます。
○今井澄君 大変そういう前内閣の支持率が低下し選挙に敗北した中で、低支持率の中で、しかも先ほどのパネルにもお示ししましたように市場の支持もない中で政権運営をなさっておられるわけですが、やはりそうだとすれば、そこで国民から不信任された、レッドカードを突きつけられた前橋本内閣の何を引き継ぎ何を変えていくのか、改革するのか引き継がないのか、そこをはっきりさせないといけないのではないでしょうか。 その点について、まず基本的に何を引き継ぎ何を改革するのかを明確にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 橋本内閣は、いわゆる六大改革というものを目指しておられました。二十一世紀に向かって現下日本のこの状況というものは、私自身思いますに、明治の第一の改革、そして終戦後のあの敗戦の中で立ち上がってきた日本経済再生の時期を第二の改革とすれば、まさに第三の改革の時期に来っておる。そして、いわゆる一九四〇年体制と申し上げますか、いわゆる大戦を前にしての官僚機構の集約、挙国一致的な官僚制度、こういう中でやってまいりました制度疲労がまさに現下最終、極めて厳しい状況でありまして、これを乗り越えるために橋本内閣としては六大改革を打ち上げて着実にこれを実行しようとしてきたことに対して、私自身はその方向、方針について何ら否定するものでないと思っております。 ただ、先ほど申し上げましたように、この内閣を経済再生内閣と銘打ちましたゆえんのものは、その中で財政構造改革ということに極めて熱心に取り組まれました。このことは、これまた長き日本の財政を考えましたときに、今は五百四十四兆でありますが、やがてはさらにこれが中央、地方含めまして六百兆にあるいはなんなんとする状況も想定される中で、この財政というものをきちんと公平、中立でいかなきゃならぬという考え方は、これは当然であったと思いますし、この考え方は将来においてもその理念というものは引き継ぐべきだと思っておりますが、そうした中で日本経済が、アジアの経済その他大きな影響を受けながら、またこれから申し上げますところの金融の不良債権のまことに想像し得ないような大きな数字の中で幾多の金融機関が破綻をしてきたというような実態の中で、経済が非常に停滞してきたということでございまして、そういった点で財政構造改革を熱心にこれに取り組むが余りに、経済の姿の中でややタイミングを失して種々の政策がアンタイムリーになった点もあるんじゃないか。 もちろん、総合経済対策を初めといたしまして種々熱心に取り組まれましたけれども、残念ながら世界の大きな動きの中で適時適切であったかどうかについての反省もございまして、私といたしましては、特に経済の再生ということを考えまして、橋本内閣の基本的理念は理念といたしましても、発表いたしておりますように、財政構造改革法を一時凍結をいたしましても現下なすべきことはなさなきゃならぬ、こういうことで今取り組ませていただいておる次第でございます。
○今井澄君 そうしますと、端的に申し上げますと、その六大改革の方向は正しい、経済構造改革を除く五つについては基本的に正しい、ただ経済構造改革は、内容はともかく時期を、タイミングを誤った、こういうことですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 結果的にはそういう認識をいたしております。
○今井澄君 そうすると、基本的には変わらないけれども、経済構造改革のタイミングを誤ったために大変な不況になってしまった。そうすると、小渕内閣は基本的に橋本内閣の路線を引き継ぎ、価値観を引き継ぐけれども、要するにたまたま不景気になったから景気回復内閣だ、経済再生内閣というよりは端的に言えば景気回復内閣だと、こういうことですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 冒頭から申し上げましたけれども、現下の最大の、また緊急になすべきことは、日本の景気を回復し実体経済を上向きにし、そしてそのことによって最終的な国民の利益になるための政策をまず行わなきゃならない、そのように考えております。
○今井澄君 どうも全然あれですけれども、時間の関係もありますので先に行きますが、私はやっぱり問題の本質をとらえておられないんじゃないかと思うんです。何で国民の信を失ったか。それは確かに景気を悪くしたことは一番問題なんです。そのことが国民が橋本内閣にレッドカードを突きつけた背景にあったことは間違いないですね。 しかし、例えばさきの参議院選挙を見たときに、もうこれは皆さん御承知のとおり、どこで選挙の情勢が変わってきたか、これはもう明らかでしょう。橋本内閣が恒久減税をやるのかやらないのかはっきりしない発言を繰り返して、そこで一挙に情勢は変わってきたんじゃないですか。そういうふうに認識しておられませんか、どうでしょう。
○国務大臣(小渕恵三君) 率直に申し上げれば、選挙のさなかにおきまして、総裁として選挙遊説された中で、今申されました恒久減税の問題についての考え方が国民にそのままに受けとめられなかった。もっと端的に言えば、若干右往左往したんじゃないかという批判も実際あったことは認めざるを得ないと思っております。
○今井澄君 そのことが端的にあらわれているのは、結局、橋本内閣の政治が、本当に国民の心情を踏まえて、国民の意見を聞く政治ではなくて、だれの意見を聞いていたかというと、官僚の意見を聞いて右往左往していた、実はそのことが非常にはっきりしているわけですよね。国民はそれを見抜いているんじゃないかと思うんです。 ですから、先ほど小渕総理が言われました制度疲労が来ている、このことについてはこれまでも本会議でも各種の委員会でも議論をしてきたところでありますけれども、一時は日本が発展してくるのに大変意義を持った官僚主導の政治、そして官僚と業界と政治家がそこでうまくチームを組んで、別の言い方で言えば癒着をして、そこで国民のことを忘れてやってきた政治、これに批判が向いたんじゃないでしょうか。その端的なあらわれがあの橋本総理の右往左往、この中にそれを見たんじゃないかと思うんです。 私は、そのほかの面でも、例えば、小渕総理が今六大改革は基本的に引き継ぐというふうに言われましたけれども、例えば行政改革、これは本日は時間の関係で取り上げません、別の我々の民主党・新緑風会の仲間が取り上げることになると思いますけれども、例えば行政改革についても、国民はもう役人支配は結構だと言っているのに、役人支配をむしろ強めるような、巨大省庁をつくるような改革をした。そういうことも橋本内閣不信の背景にあると思いますから、それを全部引き継ぐと言うのであったら、やっぱり小渕内閣は橋本内閣に突きつけられたレッドカードを引き続き突きつけられたままだというふうに深刻に認識される必要があるのではないかと思うんですね。 景気を回復するためだけだったら、どうして自民党さんがやらなければならないんですか。野党に政権を渡してもいいわけですよね。そういう国民の不信を背景にしている内閣、例えば小渕内閣の支持率は二五%からせいぜい三三%ぐらいしかないわけですよね。それよりは、もっと国民の信頼を得られるような形の政権をつくってこの難局を乗り切ることを考える方が国民に対しては私は真摯だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) このたびの所信表明でも私、その後の御質疑等につきましても、政治主導のもとにということを強く申し上げております。単に言葉の問題だけでなくて、私自身がそうした考え方で、常に政治がリーダーシップをとらなきゃならぬという考え方に基づいてこれから懸命の対処をしてまいりたい、こう考えております。 そこで、橋本内閣といたしましても、そういった点では行政改革に熱意を燃やされまして、法律も制定をさせていただきました。よって、長々申し上げることは恐縮ですが、日本のビューロクラシーというものは、基本的には世界にまれに見るような制度として明治以来その姿を保ち、そして日本の行政をリードして、しかも立法に当たりましてもその原点は役所の中で生まれてきたというケースも非常に多かったわけでございますが、今やそのシステムが崩壊に来りつつある。さればこそ、例えば金融の問題につきましても、大蔵省の銀行局だけの行政なくして金融監督庁を設けられたという新しい方向性が打ち出されておる。 ただ、すべてそのことがシステムとして完全になっておるかということは、それこそこれからやらなきゃならぬ課題もありますが、しかし、考え方としては、そうした中であっても政治主導で事を進めていかなければならないという観点に立ちまして、本内閣としては、その原点に立ち戻って懸命の努力をいたしていくということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○今井澄君 そこのところが問題だと思うんですね。金融監督庁が本当に大蔵省から独立をして政治主導のもとに動けるのかどうかということでありますが、この点については、この金融問題、本会議でも我が会派の峰崎議員が御質問をいたしましたが、明確な御答弁がありませんでした。 それは、大蔵省の主導による情報隠し、それから先送り、そして当事者責任の回避、こういうことがずっと続けられてきているんだけれども、拓銀問題を具体的に挙げて質問をしていることを思い出していただきたいと思います。 簡単に申しますと、不良債権は破綻前の昨年三月期で九千億円余りあった。破綻後のことしの三月期で二兆三千億円余りと一年間で二・五倍にふえているけれども、これは新たに不良債権が発生したと考えているのか。そうではないんではないか。既に一九九四年八月の大蔵検査のときに問題債権が二兆円を超えていた。このとき既に実質的な超過債務になっていた可能性もあるのではないか。こういう事実を大蔵省は知っていながら、なぜ事実を隠し、放置してきたのか。また、それをどうして政治がきちっとできなかったのか。 橋本総理は、この拓銀が破綻するわずか四日前の本会議で、「現在、金融機関は、不良債権の早期処理に取り組んでおり、個々の経営状況はさまざまでありますが、全体の状況は改善しております。」と、こう発言している。この点を峰崎議員がついているんですが、何のお答えもなかったんです。いかがですか。
○政府委員(日野正晴君) 金融機関の財務の健全性の確保につきましては、御案内のとおり、これまで大蔵省において検査や検査結果等を踏まえた指導監督をすることによりまして対応を図ってきたところでございます。 拓銀につきましても、検査結果等を踏まえまして審査管理の充実強化、不良債権の計画的な処理と適切な管理などについてその時々指導するとともに、定期的な報告を求める等その時々の状況に応じた対応が図られてきたものと金融監督庁としては理解しております。 しかしながら、このような指導や監督にもかかわらず、結果といたしまして拓銀が破綻したことは真摯に受けとめるべきであると考えておりまして、金融監督庁といたしましては、情報開示の充実あるいは本年四月から導入されました早期是正措置の枠組みのもとで明確なルールに基づく公正かつ透明な金融行政の確立を図り、金融機関の健全性確保に一層努めてまいりたいと思います。
○今井澄君 私は別に今金融監督庁に質問をしたのではなくて、政治主導という点で、こういう拓銀の破綻に至る過程でこういうことがあったことをどう考えるかと。端的に言えば、橋本総理は御存じでいてああいう答弁をされたのか、それとももし知らされていなかったとすればこれはまた大変な問題ですけれども、そういうことについての総理の御感想あるいは直接の大蔵省の監督の任にある宮澤大蔵大臣のお考えなり、伺いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 拓銀破綻の前後における当時の橋本総理自身の御答弁につきまして、どのような情報を御本人が持たれておったかにつきましては、大変申しわけありませんが、私存じておりませんでした。
○今井澄君 それは、もちろん橋本総理がどういうあれを持っていたか御存じないか、そういうことをお聞きしたんではなくて、少なくとも一国の総理としてそういう過去の事実を、もう拓銀については長い経過があるんですね。はっきり言えば、昔から危ない危ないと言われてきていたわけですよ。そしてああいう事態になって、今北海道経済は大変なことになっているわけですね。これに対して政治主導と言われるからには、そのことについて今どう考えているのかということをお聞きしたかったんですが、どうもお答えにならないようですので。 それは過去の橋本内閣の問題ではないと思うんですね。既に小渕内閣の問題として今拓銀と同じようなことが進行しているんじゃないんですか。けさの某紙のトップにも出ておりますし、特に、これもやっぱり本会議での峰崎議員の質問で、この春、二十一行に対して一兆八千億ですか、公的資金が投入されたわけですね。 これは、健全な銀行であるという前提のもとで貸し渋りをさせないために公的資金を入れたということになっているわけですが、その中に日本長期信用銀行というのがあるわけですね。そこにも千七百六十六億円公的資金が資本注入されたわけですけれども、そこで、峰崎議員が、健全な銀行であるとして注入されたけれども、経営が危ぶまれているけれどもどうかということを質問したのに対して、小渕総理の御答弁はこうなんですね。「先般、金融監督庁が資本注入を行った各行から聴取したところでは、安定的な資金供給の継続に寄与しているなど、資本注入は一定の効果があったものと認識をいたしております。」ということで、経営の危機の問題なんかは一切触れられずにうまくいっているということなんですね。これはちょうど拓銀破綻の前に金融問題、銀行問題についておおむね全体的にはうまくいっているとお答えになった橋本総理のとられた態度と私はそっくり同じだと思うんですね。 ところが、このお盆明けになってどうでしょう、連日新聞をにぎわせているではないですか。かつて拓銀は非常にピンチになったので合併しようと思ったわけですね。北海道銀行に引き受けてもらおうと思ったけれども、この合併話がうまくいかない。不良債権がどうも公表されたものより多そうだというのでうまくいかない。なかなかうまくいかないで、そうこうしているうちに株は下がってくるし、資金調達がうまくいかないし、そのうちに金を貸していたゼネコンの東海興業が倒産するなどということがあって、ついにどうにもならなくなったんですね。 これと同じようなことが今、長銀について進んでいると考えてもおかしくはないと思うんです。合併話はうまくいっておりませんですよね。そして、不良債権はない、健全な銀行だということになっているけれども、本当にそうかどうかということはみんな非常に疑っている。株はもう額面を割っている。四十何円ですね。一時三十七円まで下がりましたね。こういう状況で、非常にこれはまずいんじゃないですか。 ある新聞によると、金融危機管理委員会の議を経ずしても超法規的な措置で資金を投入することを政府が検討している、そういう記事があったんですよね。これは本当なんでしょうかね。そして、きょうの新聞にも、公的資金をさらに五千億から一兆円入れるんだというふうなことになっているんですけれども、これは全く去年の橋本内閣のもとにおける拓銀の道と同じ道を小渕内閣のもとで今歩んでいると理解するのは邪推のし過ぎでしょうか。あるいは政治主導で解決をするということはどういうふうにお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 種々いろいろ報道されていることは承知をいたしておりません。 しかし、それぞれの十九行につきましては、現在金融監督庁におきまして懸命にその検査に入っておるわけでございまして、現在の時点では私のところにその中間的報告も得ておりません。したがいまして、私はそのような報道の事実はないと理解をいたしております。
○今井澄君 今のお答えはちょっと問題だと思うんですね。 重立った新聞の重立った記事というのは総理のところには大体集まってくるものじゃないですか。もしそれを総理官邸でやっておられないとすれば、これは全く職務怠慢と言う以外の何物でもないんですよね。いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 言葉が足りなかったようでございますが、報道されておることは私は拝見をいたしております。しかし、そのような事実として、現在監督庁で調査をされておる調査の結果をまだ得ておりませんので、そうした事実はないと理解しておりますと、こう申し上げたわけでございます。
○今井澄君 端的に伺いますが、三月の時点では健全な銀行として資本注入をした、それは間違いない、そして現在も健全だ、超過債務はないと、そういうふうに御認識ですか。
○政府委員(日野正晴君) 三月の時点で資本注入をした際は、御案内のとおり金融危機管理委員会で決定されたものでございますが、そのときはその時点で当然のことながら債務超過というようなことは全くなかったというふうに聞いております。 また現在でも、今お尋ねの個別行につきまして債務超過であるという情報は私ども持ち合わせておりません。
○今井澄君 この問題につきましては、いろいろ微妙な問題もありますし、この程度にしておきたいと思いますが、これは本当に政治主導で責任を持って日本の経済を再生しようとする場合に非常に大事な問題でありますので、しかも、これは国会の場における責任ある答弁でありますので、十分その点は御認識をいただきたいと思います。 さて、もう一度経済の問題に戻りますけれども、先ほどお話をお聞きしておりますと、基本的には橋本政権のやってきたことを引き継ぐ、それを正しく評価しているが、どうもタイミングを誤って財政構造改革に踏み込んだのでまずい、これは一時凍結して景気回復をするんだというふうなお話でありますが、現在政府がなさろうとされていることは大きく分けて二つですね。減税、恒久的減税とそれから追加の景気対策だと思いますが、これについては、これは新聞の報道ですので正確さを欠くかもしれませんが、宮澤大蔵大臣が幾つか大変興味あることをおっしゃっておられます。 それは、一つは、公共事業には批判もある、公共事業を拡大することやその効果についても御批判がある、企業の設備投資は当面期待できない、とすれば家計消費を促すしかない、減税がすぐ消費に向かうかとの問題はあるが最も有効な方法だということをあるところでは述べられたというふうにお聞きしています。また、あるところでは、公共事業は評判はよくないけれども雇用効果はばかにならないよということをおっしゃっていたというふうに新聞報道では聞いております。 そうしますと、景気回復内閣として小渕内閣が今掲げている減税それから財政出動、これが主に公共事業ということになると思いますけれども、このどちらも余り期待できないがほかに方法がないからこれしかない、こういう御認識なんでしょうか。これは宮澤大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘になりましたような趣旨のことを確かに私は申しております。つまり、経済の不況の深さが非常に深うございますから、そうそう簡単に立ち直るということは難しい、しかし継続的な努力を続けていかなければならないということを考えてさようなことを申しております。 私は、公共事業について、それが全面的に余り意味がないと申したのではございませんで、このたびの来年度の予算編成方針、いわゆるシーリングにつきましての方針でございますが、従来と考えを改めまして、別枠で二兆七千億円にわたる公共事業の枠、それから一兆三千億円に上る非公共事業の枠を別枠で設定いたしまして、これについては、公共事業については一・五倍、非公共については一・七五倍の予算要求をしてきてくれて結構である、その期限はさしずめみんなに知恵を出してもらうという意味で十月まで考えてもらって結構だ、それでお互いにひとつ即効性のある、しかも新しい考え方で予算をつくってみようではないかということを申しております。 なお、そのほかに、公共投資のいわゆる再検討と申しますか、シェアを改めますために重点化枠を別に五千億円とっておりまして、これは物流でありますとか環境でありますとか高齢者あるいは中小企業、生活関連等々、これも今までのマンネリズムにとらわれずに新しいシェアをつくってみよう、こう考えました。したがいまして、そういう意味では、公共事業は新しい観点から検討するならば依然としてそれなりの大きな力を持つものというふうに考えたわけでございます。 減税につきましては、これも御指摘のとおりでございますが、限界消費性向というものは確かに高くございません。七〇を前後しているわけですから、普通の場合に比べるとここから来る消費刺激の効果は一遍限りでは少ないかもしれないが、しかし継続して行っていけば、これは必ず従来の蓄積の上に消費に回ってくるであろう、こういうことを考えてあのような発言をいたしております。 決して政府のとろうとしております施策が余り有効でないであろうと思って申しておるのではございませんで、不況の度合いが非常に深うございますから、継続した努力が必要だということを申そうといたしました。
○今井澄君 確かに金融政策は今なかなかとれない、一部にまた調整インフレ論なんというのがありますけれども、これも非常に危険なことだと思います。そうすると、財政出動と減税しかないかと思うわけでありますが、しかし問題はそのやり方でありますし、やはり単に景気対策にとどまらずに将来の経済構造改革につながるものでなければならないと思うんです。 時間の関係もありますし、ほかの議員がまた減税の問題等について取り上げますが、公共事業について一点お尋ねをしたいと思います。 今、景気対策は急を要するわけでありますし、かなり大幅な公共事業への投資を、財政の投入をやろうとしているわけであります。今いろいろ経済構造改革に結びつくような新しい社会資本への投資ということも盛んに言われておりますけれども、私が心配いたしますのは、手っ取り早くお金をつぎ込むには、もう何年も前からやってきている、もう設計図もできている事業が一番簡単だということで、ダムだとか干拓だとか道路だとか、そういう従来型の公共事業にほとんどお金が行っちゃうんじゃないか、そのことが心配なんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは大変に気をつけなければならない点の御指摘だと思います。土地の取得に金がかかりますし、地元の合意というようなことにも時間がかかりますものですから、とかく今おっしゃいましたところへ投入することがじきじきの効果が大きいというふうにとられがちでございますので、ダムなどは多少見直しもいたしておりますけれども、そういう態度でこのたびの予算要求にもまた査定にも臨みたいと思っております。
○今井澄君 そこで、非常におもしろい記事があったんですけれども、これは十六日の某紙の、地方分権推進委員会の第五次勧告にかかわることなんです。十二日の自民党建設部会で、第五次勧告で公共事業を基本的には地方分権しよう、そして都道府県をまたがるものとか非常に大きなものについては国でやるけれども、基本的に公共事業ももう地域に任せようというのに対して、議員の中から、分権はいかがなものか、余り大胆な案については委員会の意見を聞きながら対応を考えたいとか、すごみをきかせたり、いろいろあるという記事が載っているんですね。 どうもこれが、自民党政治が変わらない、せっかく改革をしようとしているときに、またまたここで国民の税金をむだ遣いするのではないか、既得権の上に乗ってやるのではないかという心配があるんですけれども、小渕総理、どうでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 地方分権推進委員会の諸井虔さんほか委員の皆さんが、私が就任直後参られまして、現下の検討課題につきましての状況につきまして御報告がございました。 本件につきましても、現在せっかくの御検討中だと聞いております。こうした点につきましては、もとより与党の諸先生方の御意見もこれから拝聴しながら、そしてこれからどうあるべきが最も地方自身の財政の基盤の強化にもつながっていくか等々を十分検討して、政府としては最終の判断をいたしていかなきゃならぬと思っております。
○今井澄君 いや、私はその地方分権推進委員会の第五次勧告についてお聞きしたのではなくて、そういう方向で進もうとしているときに、おひざ元の自民党さんの建設部会で大変なことが起こっていると。ここにはこう書いてあるんですね。補助金の箇所づけは国会議員にとっては自分の実績を地元の選挙区にPRする絶好の機会だ、そのためこれを奪われることは特に抵抗が強い、国会議員だけではなく関係省庁も同様だ、建設省も一緒になってやっているということが書いてあるのですが、まあこのことはこのことにとどめて、ちょっと社会保障の方に移っていきたいと思うんです。 実は、減税は私どもも主張しておりますが、減税だけではやはり景気刺激効果がない、不足すると思っております。それはなぜかというと、将来が不安だから。この将来というのも、最近では遠い将来じゃなくてすぐあすの将来も不安だから、減税されてもお金を使わない、これはもう国民一致して言うところなんですね。もうそれは皆さん方一人一人国民の皆さんとお話しすればわかると思います。 私もこの一年間地元を歩いてきて、年金はもらえないとどれだけ多くの人が思い込んでいるのかということに実はびっくりいたしました。特に若い人は、年金はもうもらえないんだと、幾ら説得をして話をしてももらえっこないんだと信じ込んでいるわけですよ。どうして国民が年金はもうもらえないんだと信じ込むようになってしまったのか。私はこれは政府の宣伝の仕方が悪いと思うんですね。 確かに、今のままでは年金制度がもたないから保険料を上げてもらわなきゃならない、給付水準も少し下げたい、そうなると国民の抵抗が強いから大変だということをまず言っておどかす。この手法が今までの政治の手法なんですね。国民はどうせばかだから、何か上げるとか何か言うとすぐ反対するから、大変だということをまず知らしめようというおどしになって、それが結果として年金はもらえないということになり、国民年金、基礎年金を払わない人がもう三割を超えているという状況になっているわけです。 しかも、これには記者クラブ制という今のマスコミの体制も大きく影響していると思うんです。大蔵省なり厚生省なりが記者クラブへ行ってこれは大変だと言う、それをばあっと新聞で発表する。だから国民がそういう不信感を持ってしまう。私は、この不信感を払拭するのは非常に大変だろうと思います。 そこで、私はたびたびこれまでも申し上げているんですけれども、もし公的年金制度がなくなって全部個人でやるなんということになったらこれは大変ですね。絶対それは個人でやっていけないからこそ公的年金制度があるんだと思うんです。だから、制度をどのようにするにしろ、今後とも国は年金を保証しますということをまず総理の口から一言言うべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 我が国の制度の中で、委員今御指摘のように、社会保障関係の中で公的年金、また医療費につきましても皆保険の制度、これは私は世界に冠たる制度であるというふうに認識をいたしております。アメリカのごとくすべて医療費につきまして、すべてとは申し上げませんが、医療費につきましてもすべて自己負担でやっていくというふうな社会の中で、非常な差別が生じてくるということを考えますと、私はこの制度は何としても守り抜かなければならないと考えております。 ただ、財政状況の中で種々の検討がなされ、その点につきましては厚生大臣からも御答弁いただければありがたいと思いますが、種々の改革を行いながら結果的には必ずこの制度は守っていくと。したがって、保険料を納めた方も必ず将来にわたってその給付がなされるということが確実なものだということを政府を挙げてその努力はしていかなきゃならぬと思っております。 一点、御指摘のように本問題につきましては、少子・高齢化の社会でございますので、ごく単純に言いますと、保険料を納める方が少なくなって、そして給付される方が多くなるという単純なそうした図柄を描きますと、極めて悲観的なことを国民の皆さんもお持ちになっておられるということも承知をいたしておりますので、政府としても今後こうした形を具体的に計画的にいたしていくということを明らかにすることによって安心のできる形にしていかなきゃならぬ、このように考えております。
○国務大臣(宮下創平君) 基本的な方向は総理が今答弁されたとおりでございますけれども、委員の今御指摘のようにPRというのは非常に重要だと思います。しかし、委員の今指摘されましたように、私どもは少子・高齢化社会を迎えまして、客観的に見てこういう制度が今のままではどういう状況になるかということをお示ししているにすぎないのでございまして、故意に危機感をあおっているようなことはございません。正しい認識のもとに正しい解決ができるというのが私どもの態度でなければなりません。 そして、年金は言うまでもなく非常に世代間の重要なことでございますし、受給者にもまた保険料を負担する若者にも、制度がどうなっているのかということをよくPRして、そして今現在那辺に問題点があるのか、今のままでは本当にどうなのかということを率直に訴えながら新しい制度を構築して、少子・高齢化社会、二十一世紀に向けて安心、安定できる制度をつくり上げることが政治の大きな課題だと私は思っております。 そういう角度から今、年金審議会等におきましても昨年来精力的に取り組んでおりますし、また特に年金白書というのを初めてことし二月ごろ出しました。これは市販されております。五万部くらい売れておりますが、これらをもっとわかりやすくさらに国民の皆さんに敷衍をして、そして御理解をいただくようにというような努力は続けなければならない。そして、国民合意の形成がなければいい制度はできないということも確かなことでございますので、そうした広報的な努力は続けていきたい、こう思っております。
○今井澄君 今御答弁がありましたけれども、やっぱり今の政府のやり方についての反省がないと思うんです。 一つお尋ねしたいんですけれども、景気が悪くなった原因の一つに、去年の医療費の自己負担の増があったとお考えですか、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一つの要因であったと私は考えています。
○今井澄君 そうすると、去年の四月に消費税を上げ、特別減税を打ち切った上に、九月に医療費の自己負担を上げなくても半年は延ばせたという事実を御存じですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう選択の余地はあったと思います。ただ、私どもは今になりましてそういうことをいろいろに考えますが、あの段階でやはり将来の高齢・少子化を考えて、この際、二十一世紀に対応してきちんとした制度の整備をしてしまいたいという気持ちが非常に強く働きまして、またそのような同じ意見を持たれる党も幸いにしておられましたので、そういうところに踏み切ったわけでございます。技術的には延ばすことができたかといえば、それは私は多くの者が気がついておったと思います。
○今井澄君 技術的には延ばせたということですけれども、そのときに厚生省が出した文書の中には、政府管掌保険の資金が平成九年度中に枯渇をするという、こういう資料を配ったんですよ。御存じですか。
○国務大臣(宮下創平君) ちょっと具体的にその資料を私は見ておりませんので、担当局長から答弁させていただきます。
○政府委員(羽毛田信吾君) お尋ねの具体的な資料を今持ち合わせておりませんけれども、大変政府管掌健康保険の財政状況が悪いということは申し上げたし、そういうことをあらわすような資料というものは御説明を申し上げたというふうに思います。
○今井澄君 では、羽毛田局長にお尋ねしますが、どのように財政状況が悪くて平成九年度中に枯渇するというふうな資料を出したんですか。
○政府委員(羽毛田信吾君) あのままで推移をすれば単年度赤字が生ずるような状況であるということを申し上げたと思います。そういったことで、先般の改正をお願いすれば政府管掌健康保険としても財政が好転するということを申し上げたというふうに思います。
○今井澄君 単年度赤字はその前からでしょう。平成九年度だけじゃないでしょう。
○政府委員(羽毛田信吾君) 失礼いたしました。 当時の認識あるいは当時の申し上げようとして言えば、単年度に大幅な赤字が出る結果、それまでのいわゆる収支差を積み立てております積立資金も枯渇をしてくるというようなことで申し上げたかというふうに思います。
○今井澄君 政府は政管健保に借りがあったんじゃないんですか。それを入れてもらえば大丈夫だったんじゃないんですか。
○政府委員(羽毛田信吾君) そのときに改正をしましたところで、確かにまだ国庫補助のいわゆる棚上げ分と申しますか、そこの部分があったことは事実でございますけれども、その改正の際には政府管掌健康保険の財政状況が悪いということに対応する改正をするということももちろんございましたけれども、医療保険全体としてやはり財政的に非常に悪いわけですし、そういったことを考えて、負担の公平なりも念頭に置きながら、あの改正は必要な改正であったと。しょせん医療保険というものは保険料と自己負担と国庫負担という構成の中で成り立っておりますので、そうした枠組みの中でやはりある程度の負担をお願いすることは必要であろうということの中で改正をお願いしたというふうに思っております。
○今井澄君 私の質問に答えるように言ってください。
○政府委員(羽毛田信吾君) 失礼いたしました。 確かにその時点で先生のおっしゃっているいわば繰り延べ分というものを全額あれすれば、政管健保自体はその時点だけ見ればそういう対応はとりあえずはできるということでありましたけれども、一方、国の財政全体がそういうことを許すような状態ではなかったことも事実でございますので、そうした中で十分お願いはしましたし、今後もそういう繰り延べ分を返していただくという姿勢はとりつつも、その時点で全額を返していただくというところまでは至りませんで、それとあわせまして今のような制度改正をお願いしたということで、当時の対応をいたしたわけでございます。
○今井澄君 財政だけで見ればそうかもしれませんけれども、今になってみれば景気の方がもっと大事だったんじゃないですか。どうでしょう。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私、当時政府におりませんでしたけれども、そのときのやりとりは、厚生省として要求すれば要求できないわけではない、しかし国庫全体のことを考えるとそれにも限度があるといったようなことで、両省庁の間でそういう結論になった。厚生省だけを責めるのも酷でございまして、全体の財政あるいは厚生行政のバランスの上でそのような結論が出たものと、私は部外者でございましたけれども見ておりました。
○今井澄君 今のことについて経済企画庁長官のお考えを。
○国務大臣(堺屋太一君) 私は、当時単なる一私人でございまして、政府にも国会にも何ら関係ない身でございましたけれども、そういう観点から見ますと、昨年の四月から九月にかけて委員が問題にしておられます時期の政府の発想は、非常に短期的には景気は上昇過程にある、そして長期的には年金、財政その他いろんな面で日本は将来は危険だという短期楽観、長期悲観という方にやや偏っていたのではないか、そういうような目で見ておりました。 これはあくまでも当時の私の個人的な立場での判断でございます。
○今井澄君 確かに、「政管健保はこのままで推移すれば平成九年度には資金が枯渇。」ということが第一行目に書いてあって、これが九月の値上げにつながったんですよ。隠れ借金を返してもらえば少なくとも半年やそこらはもったんですね。 しかも、この九月一日から自己負担が上がるという直前に厚生省は医療保険改革案を八月七日出しましたね。その中で自己負担を将来は三割、病院にかかる人は五割、老人は一割から二割という案を出したんじゃないですか。これは単に経済情勢、景気判断を間違ったというだけではなく、経企庁長官が今言われたように、長期悲観的、これが国民に対する説明ではなくおどしになって国民の信頼を失ったんだと私は思うんですけれども、この点、総理いかがでしょうか。そして、自己負担を三割にふやすこと、老人を二割にふやすこと、こういうことを政府は本当に考えているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員御指摘のように、昨年の八月にこれからの医療改革の基本的方向についての厚生省案なるものを出されたことは御指摘のとおりでございます。 その中では、今おっしゃられたような三割負担とかあるいは外来五割とかというような数字も出されていることも事実でございますが、私どもは、それが最良の選択かどうかということは今検討中でございまして、決してそれにとらわれるものではございません。したがって、医療保険福祉審議会で今検討中でございますから、これは多岐にわたるいろいろな問題点を議論いたしておりますが、そういった中の一環として検討さるべきものでございますが、当面は今御指摘のように、昨年の九月からサラリーマン等については一割を二割にするというようなことどもが行われておりますので、負担の問題を含めまして総合的には検討していきたい、こう感じているところでございます。
○今井澄君 負担の問題を含めて総合的に検討ということは、上げることもあり得るということですか。
○国務大臣(宮下創平君) ただいまのところ、論点としては診療報酬の問題とか薬価の問題とか老人保健の独立化の問題等を主眼といたしておりますので、九月に改正したものを直ちにまた引き上げるというようなことは、ただいまのところは私は考えておりません。
○今井澄君 時間が来たので終わりますけれども、先ほどからの景気対策、十分効果がないかもしれないけれども、ほかに手段がないからいろいろやるわけですから、まして自己負担の引き上げなどというものをこういうときにやったらどうなるかということはよくお考えいただきたいと思います。 もう一つ、財政は非常に大事でありますけれども、先ほどからの何人かの方の御答弁で明らかなように、まず財政があって大変だと国民をおどかして政策を遂行するようなことはやめていただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。千葉景子君。
○千葉景子君 関連で質疑をさせていただきます。 先ほど今井理事の方から、小渕政権の政治姿勢というような点についてお尋ねをさせていただきました。 金融対策でこれまでの政権運営はどういうことをしてきたか、改めて考えてみますと、この間の政府の姿勢というのは、よく言われておりますように隠ぺい、先送り、そしてその場しのぎ、こういう手法をもってこの間政治運営を続けてきたのではないか、そう思います。こういう対応を続けてきた結果、金融危機は一層深刻さを増し、そしてふたをあけてみればのっぴきならない状況になっていた。この間一体どれだけの血税が、公的資金がむだに使われてきたのか。さきの参議院選挙というのは、やはりこういう政治姿勢、政治手法、こういうものに対して、いわば納税者、一生懸命頑張って働いて、そして税金を納める、そういう国民、市民の異議申し立てであり、反乱であったのではないかと思います。 そういう意味では、これから小渕政権がどういう姿勢をもってこの金融問題に対応されていくのか。これまでの隠ぺい、先送り、その場しのぎ、無責任、こういうこれまでの状況を踏まえながらどう考えておられるのか、どういう姿勢で臨んでいこうとされているのか、改めてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 大変厳しい御指摘をちょうだいいたしましたが、申すまでもなく、現下の最大の経済問題の中で、金融機関における不良債権の処理というものがここにすべて集約されつつあるということを認識いたしております。 その前段といたしまして、私が知る範囲でも、住専問題で六千八百五十億円の国費の投入、この時点における政府の考え方、あるいはまた当時の国会のいろいろ御議論等を通じましても、ある意味では私自身の反省もありますが、ここをもってこの金融問題についての不良債権問題の一つの締めくくりができるかという認識もいたしておりました。 いずれにおきましても、その後、信用組合、そして最終的に北拓の破綻等々、また現下の厳しい情勢もございまして、私は、そういうことを考えますと、できる限り問題のあり方につきましては、政府挙げてその問題点を明らかにしながら適宜適切に対処いたしていかなければならない、みずからの反省も込めてそのように考えておる次第でございます。
○千葉景子君 そうしますと、これからやはり実態を開示する、できるだけ明らかにする、こういう姿勢は当然持たれておられると思いますし、そうしていただかなければいけないと思いますが、改めてその一番のポイントとして、金融監督庁の検査結果、これについてきちっと発表、公表される、あるいは開示をされる、そういう御決意があるのかどうか、十九行についてどのように考えておられるのか、改めてお尋ねしておきたいと思います。 総理にお尋ねしますので、よろしくお願いします。
○政府委員(日野正晴君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、この金融機関の情報開示の充実というのは、金融機関経営の透明性を高め、市場規律によりまして経営の自己規制を促すとともに、預金者の自己責任原則確立のための基盤となることから極めて重要であると考えております。 そこで、現在の開示の枠組みにつきましては、御案内のとおり、銀行法に基づきまして来年の三月期から不良債権など全般的なものにつきまして米国のSEC基準にのっとった情報開示を行うと。そして、それは単体だけでなしに連結ベースで行われることになっておりまして、しかも罰則つきという大変厳しい内容の情報開示が求められることになっております。 ただ、ただいま委員お話のありました個別金融機関の検査結果、現在十九行につきまして検査を行っている最中でございますが、これを開示いたしますと、取引先に不測の損害を与えたり、あるいは個別私企業の内容を当事者の意に反して開示することになるなどの問題があるばかりでなく、場合によりましては金融システム全体に対して信用不安などの不測の影響を与えるおそれもあると考えられますので、公表することは適当でないと考えております。
○千葉景子君 総理に私はお尋ねするんですけれども、これまでやはり物事をはっきりさせないままに公的資金を投入してそれがむだに使われてきたと。こういうことを考えたときには、当然この検査結果を公表した上で、さて皆さん、こうしたいんですけれどもどうだろうか、こういうことをしなければ納得できないじゃないですか。 改めて総理にお尋ねします。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、監督庁長官から御答弁申し上げたことでございますけれども、金融機関そのものは、政府としてこうした開示を強制するということになりますと、かつて大蔵省がそれぞれ民間企業に対してある種の行政権限で強制したようなことはある意味ではこの自由主義経済社会の中でいかがかなという問題も実は一方ではあるのではないかというふうに考えております。であればこそ、こうした金融機関におきましては、自己査定の結果というものをきちんと開示していくというみずからの姿勢がまずあるべきではないかというふうに考えております。 そこで、それぞれの個々の機関についてこれを明らかにするということにつきましては大変困難だというふうに認識をいたしておりますが、ただ検査を今行っております十九行、まだすべてにわたってこれが進んでおりませんけれども、十九行全体の検査の集計結果を公表することにつきましては、その問題その他を配慮しながら検討はしていかなきゃならない問題ではないかと考えております。
○千葉景子君 先ほども触れられましたけれども、例えば金融安定化法によって二十一行に一兆八千億円、長銀には一千七百六十六億円投入をされた。このときには優良な銀行だ、こういうもとに投入されたわけですね。ところが、今どうですか、長銀についてはいろいろなことが取りざたされている。万が一にもきちっとした事実の公表なくして公的資金を超法規的な形で投入するようなことはないでしょうね。 総理、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 預金保険機構に関係いたしますので私から申し上げますが、どういう事情があれ、超法規的な運用をする考えはございません。
○千葉景子君 それだけは、ぜひ今の御答弁を守っていただきたいというふうに思います。 こういう、情報が開示をされない、あるいは隠ぺいされていく、そのためにはやはりきちっとした情報公開の制度、私はこれを改めて確立することが必要であろうというふうに思います。 情報公開制度の実現について、小渕総理、どうですか、その御決意のほどをまずお聞かせいただきます。
○国務大臣(小渕恵三君) 情報公開法は、言うまでもありませんが、国民に開かれた行政の実現を図るため極めて重要な点でございます。 また、であればこそ、法律としてこれを国会にお諮りいたしておるわけでございますので、速やかに成立をさせていただきますようにお願い申し上げる次第でございます。
○千葉景子君 国民は、やはり物事が隠ぺいされて、そして結果的にはツケだけを回される、こういうことにはうんざりしているわけですね。情報をきちっと得て、みずから責任を持って意思決定をしたい、これが今の国民の声だというふうに思うんです。 そういう意味では、情報公開法の制定に向けてぜひお取り組みを強化していただきたいと思いますが、ただし、何でもつくればいいというものではない、やはりその内容はきちっとしておく必要があると思うんです。 民主党、私どもも一定の取りまとめた案を出させていただいておりますが、やはりこの際、国民の知る権利、情報にアクセスする権利、こういうことを明確にすると同時に、できるだけ非公開の部分を少なくする、例えば企業の情報などについても政府が所持しているものは開示をする、こういう姿勢が必要だろう、そういう内容を盛り込むことが必要だろうというふうに思いますが、政府案はその点についてはいささか後ろ向きだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田誠一君) 情報公開法につきましては、千葉委員も御案内のとおり、例えば二年前の民訴法の改正のときに衆議院の法務委員会の方で政府の原案を修正するというようなことがございまして、随分と与党や政府の中でもこの問題についての考え方は変わってきたと思います。その結果としてこういう形の情報公開法が出されたわけでありまして、その内容は五年前、十年前に比べますと随分と私は進歩をした、変わったというふうに思っております。 そういう意味で、いろんなそれぞれの部分を取り上げますと足らざるところがあるということはわかるわけでございますけれども、大局を見て御判断をいただければと思うのでございます。
○千葉景子君 総理、大局を見るからこそ申し上げているわけですから、今の案をよりよいものにする決意、あるいはそういう声を受けとめていく、こういうお気持ちはありますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、千葉委員御指摘のように、民主党におきましてもあるいは各党におきましてもこの問題に真剣に取り組んでおられるということでございますが、今の私の立場では、政府で提案させていただいておりますので、ぜひ各党各派、十分御検討されまして、そして真に国民のためになる情報の公開とは何ぞやということを御議論いただければ大変ありがたいと思っております。
○千葉景子君 そういう姿勢で私どもも取り組んでおりますので、ぜひ前向きに頑張っていただきたいと思います。 次に経済、この不況の状況を考えますと、さまざま深刻な問題が山積をいたしております。 そこで、何点かお聞きをいたしますが、今不況が非常に深まる中で、雇用の問題が大変深刻さを増しております。ことしの六月の統計で見ますと、完全失業者数が二百八十四万人、そして失業率四・三%、こういう数字でございます。しかも、この内容を見てみますと、世帯主あるいは一家の大黒柱、こういう人たち、そこの層が非常に厳しい雇用環境のもとに置かれている、こういう状況をいかにお考えになっておられるか。そして、今後の雇用状況の見通しあるいはそれに対する対策をどのように御検討されているのか、総理、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のとおり、現在の雇用状況、特に中高年層を中心といたしまして極めて厳しい環境にあることは承知をいたしております。抽象的に申し上げるかもしれませんが、額に汗して働く勤労者の方々が希望にあふれて安心して働けるような状況をつくり上げていかなければならない、こう考えております。 したがいまして、この内閣といたしましても、この問題に関係する主要閣僚全員一致でこの問題に取り組ませていただいておりますが、この問題につきましては労働大臣といたしましてもいろいろの処方を考えておられるところでございますので、労働大臣から御答弁されることをお許しいただきたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 総論につきましては総理がお触れになられましたので、若干各論に触れさせていただきます。 特に中高年齢層の失業が深刻になっております。御案内のとおり、有効求人倍率でいいますと〇・一九であります。これに対してどう対応するか。抜本的には景気をよくしなければなりませんので、総合経済対策の迅速な推進、その中での緊急雇用開発プログラムというのがございます。そうした中で、雇用開発助成金、従来は五十五歳以上でありましたのを四十五歳以上というふうにいたしました。 あわせて、中高年齢者、ホワイトカラー層がかなり多くなっているわけでありますけれども、従来の職業能力開発に加えて、一年くらい前からホワイトカラーを対象にアビリティガーデンという、労働省に似つかわしくないしゃれた名前がついておりますが、ここの職能開発施設の受け入れ枠を拡大いたしまして、世の中のニーズに沿った職業開発を今進めているところであります。 あわせて、私、労働大臣に就任をいたしましてすぐ指示をしたことがありますのは、データベースのネットワークをつくろう、つまり雇用情報というのは職安に集中的にあるわけでありますが、規模は小さいんですけれども、それ以外にも経済団体に幾つかデータベースがあります。例えば、商工会議所には事業者の側からこういう人材が欲しいというのが登録されているんですが、それがつながっていなかったわけでありますから、これをつなげることができないかということを指示し、経済団体に協力要請をしているところであります。
○千葉景子君 例えば、考えられるのは、これまでも雇用調整助成金などの発動がされてまいりましたけれども、中小企業にはなかなか使いづらい。あるいは雇用給付ですね、これが三百日、そろそろこの期限も満了しようという人たちも出てきている状況、そういうことについて対応を何かとられることはできませんか。例えば給付期間を延ばす、あるいは雇用調整助成金をもう少し中小企業にきめ細やかに使えるような方策を考える、この辺緊急な問題だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) 失業給付というのは基本的には九十日から三百日でありますが、先生御案内のとおり、これもある種の特例がございまして、特定不況業種であるとか不況地域であるとか、あるいは障害者とか高齢者とか、それに対応して六十日ないしプラス九十日という仕組みがございます。そうしたところを柔軟に対応していくということがまずお答えできることであります。 それから、中小企業に対する雇用調整助成金の対応でありますが、御案内のとおり、大企業に比べて大体五割ぐらいでしょうか、深堀りをしてあります。これも、いろんなことを考えておるのでありますけれども、中小企業に柔軟に対応できるようにこれからも運営していきたいというふうに思っております。
○千葉景子君 さらに、この不況の背景にあるのは将来への生活不安、こういうものが横たわっておろうかというふうに思います。 そこで、何点かお聞きをいたしますけれども、少子・高齢化というのも大変これからの厳しい問題でございます。少子化に対してどのように受けとめておられるのか、そしてそれに対する対策あるいは方策、総合的にどういうお考えがあるのか、総理、御認識をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 少子・高齢化社会を迎えるというのは厚生省の人口問題の統計等によりまして明らかなことでございます。したがって、これが各面にわたり非常に大きな影響を与えることになります。社会保障制度の分野におきまして考えた場合におきましても、年金の問題、それから医療保険の問題、あるいはこれから開始しようとする介護保険の問題等々、すべてこれらに関係をいたしております。 しかし、特に少子化ということでございますれば、やはりことしの厚生白書が指摘しておりますように、産み、育てることに喜びを感じるような社会をつくらなきゃいかぬ、そのためにはどういう条件整備が必要かということで、物的な面あるいはソフトウエアなり、その他さまざまな分野の対応が必要でございまして、これは厚生省の管轄ばかりではございませんで、全省的にいろいろな面で検討しなければならないということになっております。 今、少子化問題につきましては総理の諮問機関として有識者会議を設置いたしましてこれで議論をされておりますが、私どもとしても、将来の日本の国民の状況を考えた場合に、来世紀の中ごろには一億人になってしまう、それから来世紀末には六、七千万人になるとも予想されておりますから、大変我々としては重視していかなければならない課題でございます。そのようなことでいろいろこれから対応をきちっとしていきたいと思っております。
○千葉景子君 子供を産む、産まないというのは基本的には個人の意思にかかわることですから、それを云々するわけにはいかないと思います。しかし、産みたいけれども産めない、子供を育てたいけれどもなかなか育てにくい、こういう状況についてはやはり解消していく必要があるだろうと思います。 そこで、一つ、今育児休業中の所得保障というのは二五%しかございません。介護休業についても同様のことが言えるわけですけれども、これを六〇%に引き上げる、こういう提案を私ども民主党でもさせていただいております。こういうことを一つ一つ実行していく、積み重ねていく、これぐらいの予算というのは、これまでの膨大な金融問題に対して使ってきた額から考えれば、これからの将来に向けては大変貴重な問題ではないかと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 雇用保険制度におきまして支給いたしております育児休業給付の給付率につきましては、関係審議会、国会の論議を経まして、委員今御指摘のように二五%で発足をいたしたところでございます。 これを直ちに見直すということはなかなか困難なことだと考えておりますが、いずれにいたしましても、育児休業の取得促進を図り、職業生活の円滑な継続や家庭生活との両立を支援するため、育児休業の取得状況等を勘案しつつ、諸制度の内容等について今後検討に努めてまいりたいと思います。 今御指摘のように六〇プロにすぐというわけにはなかなかいかぬと思いますけれども、先ほど厚生大臣が答弁されましたように、やはり周りの環境をきちんとつくり上げていく、また本人に対しましてもいろんな形での援助というものがなされていくということも、子供を産み、育てるという方向に益することでございますので、勉強いたしてまいりたいと思っております。
○千葉景子君 漠然とした話だけでは事は進まないわけで、そういう意味では、現実に運用されているこういう制度を一つ一つ充実させていく、あるいは使いやすいような制度にしていく、こういう積み重ねが必要なんじゃないかと思うんですけれども、一気に六〇%に行かないとおっしゃいました。ただ、そういう方向性をやっぱり検討していこう、そういう前向きな姿勢を持っていこうと、そこは大丈夫ですね。
○国務大臣(小渕恵三君) 今答弁申し上げましたように、発足してわずかでございますが、これは財政その他全体にわたる問題もございましょう。その保険の会計の問題もいろいろありましょうけれども、やはりその環境を整えていくというためにそうした制度を充実していくということの方向は、これは当然だと考えております。
○千葉景子君 さらに、先ほど今井理事からもお触れになりましたけれども、年金の問題もこれからの大きな課題です。特に、将来安心できる社会ということになれば、この問題の解決というのは大変重要なことであろうと思いますが、この中でいわば女性の年金がどういう状況になっているかということについて総理はどんなふうに御認識になっておられますか、その実情というのをどんなふうに御理解いただいているんでしょうか。そこをちょっとまずお聞かせいただきたいと思います。 女性の年金の制度がどういう形になっているのか、総理は御存じですか。総理にお聞きしているんです。
○国務大臣(宮下創平君) 事実の細かな関係になりますので、私の方からちょっと前に答弁させていただきます。 御承知のように、年金は国民皆年金でございます。そして、グルーピングいたしますと、大きく分けて厚生年金の公的年金、その中には国家公務員・地方公務員共済、あるいは私学共済、農林年金等もございますけれども、基本的には厚生年金グループ、それから国民年金というのがございます。 国民年金は、年金制度を改正いたしまして基礎年金ということになっておりまして、被用者のサラリーマン等の方々は、基礎年金の上に報酬比例部分を構築いたしまして年金体系ができております。 さて、今御指摘の女性の年金問題でございますが、これは第一号被保険者、第二号被保険者、第三号被保険者というような言葉が使われておりますが、第一号と申しますのは自営業者でございます。この方々は、国民皆年金でございますから女性も一千万人くらいいらっしゃいますが、それぞれが加入して年金権を取得するようになっております。 それから、第二号被保険者といいますのは、民間の被用者あるいは公務員等の場合でございますが、独立して女性として職業をお持ちの方は約千三百万人くらい働いておられます。これは独立した主体でございますから、その厚生年金の体系がそのまま適用になるということでございます。 一番問題になると思われるのは、専業主婦と言われる第三号被保険者でございまして、これは主人がサラリーマン等でお勤めいただいておる、しかし専業主婦でございますから、特にお勤めはしないけれども夫婦相助け合って生活を支えているわけですね。したがって、両方にどうかという議論がありますが、今のところは、サラリーマン本人の方々が保険料を納めていただきまして、そして妻の国民年金基礎年金相当部分は妻も権利を有しておりますから、これは保険料を納めないで夫の中に包含されているという観念で年金を受給することができます。 しかし、この方々はもしも主人が亡くなった場合はどうなるかといいますと、国民年金は継続して支給を受けられますし、御主人の報酬比例部分等につきましては四分の三が遺族年金として加算される、こういうシステムになっております。 委員がいろいろな問題意識をお持ちであるということも事前にお伺いしておりますが、これはまた御質問があればお答えすることにいたします。
○千葉景子君 制度はいいんですけれども、総理、聞いておいてください。 この制度というのは一九五五年に基本的に設計をされています。その当時の考え方としては、女性は働かずに主婦として家庭に、そして連れ合い、夫が働いている、ある意味ではこういうことを基盤に設計をされた制度なんです。それによって今非常にいろいろな矛盾が生じている。例えば、働いている女性と専業主婦でいる女性との間の格差が出ている、あるいは離婚をすると結局は比例報酬部分を取得できない。離婚はしないものだということを前提にしていたのかもしれませんけれども、男女共同参画の社会、あるいは人生、生き方の多様化、こういう中で大変いろんな問題点や矛盾が出てきている。 そういう点について、そういう視点をきちっともう一度考え直して年金問題も検討していくということをぜひしていただきたいと思いますが、総理、いかがですか。そういう女性の非常に矛盾に満ちた中に置かれている状況を考えて、総理としてはどんなふうにお感じになりますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、委員御指摘のように、現在の社会の情勢の中で女性が社会に共同参加して大いにそれぞれの立場で活動されておる、こういう世の中になっておる状況につきましては私も承知をいたしておるつもりでございます。 ただ、そのことを年金制度の中でどう生かしていくかということにつきましては、先ほど厚生大臣からも御答弁がございましたけれども、既存の既得権を持っておられると思われる方々の権利はどう保障していくかというような問題もございまして、また新たにみずからが個人、単位化するというようなことになってまいりますと、みずからの保険料の支払いというようなこともございます。 要するに、そうした全体の状況の変化の中でこうした年金のあり方等につきましてはやはり真剣に取り組まなければならない時代に参っておることは承知をいたしておりますので、今後厚生省を中心にいたしまして十分検討いたしていくべきものと考えております。
○国務大臣(宮下創平君) 基本的な方向は総理の今御答弁されたとおりでございますが、委員の御指摘は恐らく専業主婦の問題があろうかと存じます。 専業主婦の方が、今離婚という話がございましたけれども、離婚した場合は基礎年金だけしかもらえないということになる不合理性がございます。これは、不合理であるかどうかについては異論のあるところでございます。 つまり、日本の夫婦の財産制度は、専業主婦の場合に、御主人がいろいろお働きになって財産もできてくる、しかしそれは半分は主婦のものだというようなことが必ずしも定着はしておりません。それから、民法上も、夫婦は別産制、別の財産だという観念のもとに、財産分与の問題につきましては、財産分与の請求権を行使することによって行使されるというような法制的な仕組みにもなっておりましていろいろ問題がある。 それからまた、この制度は年金だけでございませんで、税の問題なんかでも扶養控除という形で今設けておりますが、ある一定の、百二、三十万以上になりますと扶養控除を打ち切りまして独自の体系になっていくわけです。 そういういろいろの絡みがございますので、これは検討させていただきますが、いろいろの側面を慎重に検討していかなきゃいかぬというように存じております。
○千葉景子君 それで、この女性の問題については男女共同参画社会の実現ということが非常に今重要な課題になります。社会の改革、その大きなポイントだというふうに思います。 政府の方でも基本法への取り組みがなされておりますが、その取り組みの基本的な考え方、総理、男女共同参画本部の本部長としてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 本部長を仰せつかっております。 男女共同参画社会の実現は、少子・高齢化、経済活動の成熟化、国際化など、経済社会環境の急速な変化に対応いたしまして、豊かで活力のある社会を目指していく上で我が国の将来を決定する大きなかぎであり、政府一体となって取り組むべき重要課題であると認識をいたしております。 このため、本部長を務める男女共同参画推進本部におきまして男女共同参画二〇〇〇年プランの着実な実施に努めるとともに、男女が共同して参画する社会を形成するための基本的な法律の検討を進めるなど、今後とも男女共同参画社会の実現に向けて最大限の努力を尽くしてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 基本的にはどんなポイントでこの基本法をつくられようとしているのか、そこをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) お答えをいたします。 官房長官とともに、男女共同参画のための副本部長として事務を担当させていただいております。 現在、先ほど総理がお答えをいたしましたように、男女共同参画社会を実現いたしますために、国民の幅広い理解を得ることによりまして施策を効率的かつ計画的に実施をし、職場、家庭、地域などの多くの領域にわたりまして総合的に取り組むことが必要であるという趣旨に基づきまして、ただいま男女共同参画審議会におきまして鋭意その実現をするための基本法の御審議をいただいております。秋ごろにはその答申をいただけると存じておりますので、総理が所信演説で申し上げましたとおり、この基本法につきましては次期通常国会に出させていただきたいと願っておるところでございます。
○千葉景子君 何か話が非常に抽象的、漠としておりまして、だれでも男女共同参画社会、この言葉は言えますが、ただそれを本当に実行していく、実現していくとなれば、この姿を見てもわかりますように、そんなに簡単なことじゃない。今答弁されているのも男性の皆さんばかりと、こういうことでもございます。 そういう意味では、この基本法、それを本当の意味で実のあるものにしていく、そういう決意が本当にあるのか。こういう社会が求められているから基本法をつくらなきゃならないなと、どうもこんな感じがするわけですけれども、ここは、その目的あるいは趣旨、そしてそれによってどういう実効力あるものにしていくか、こういうことをきちっとまとめてつくっていただく必要があると思いますけれども、総理、改めてどうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 自然の流れの中で、特に女性につきましては社会的な大きな活躍の場を得ておられる方々がおられまして、現に今、千葉委員のように御活躍をされておられる方々もおられるわけでございまして、そういう自然の流れの中でありますことと同時に、やはりそれにこうした法律を考えてそうしたことの流れをつくるという努力も一方ではしていかなきゃならないんじゃないかというふうに私は考えております。 両々相まちまして、ともども男女が共同でこの世の中をつくっていくという形ができるように、なすべき点につきましては先ほど官房長官が御答弁されましたけれども、そうした考え方に基づきまして法律も出させていただきたい、このように考えております。
○千葉景子君 これはいろいろな機会に全大臣にもいずれお聞きをしたいというふうに思っております。 ちょっと従軍慰安婦問題についてお尋ねをいたします。 ことしの四月二十七日に山口地裁の下関支部で一つの従軍慰安婦問題に対する判決が出ておりますが、その内容等について総理は御存じでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) この判決は、国会議員が賠償立法しなかったこと、この違法性につきまして下されたものと考えておりますが、政府といたしましては意外な判決であったと受けとめております。 なお、控訴中と聞いております。
○千葉景子君 意外というのはどういう趣旨でしょうか、総理。
○国務大臣(中村正三郎君) 千葉議員よく御存じのことだと思いますが、立法府の不作為を理由に政府に損害賠償を求めるという訴訟でございますから、私自身もこういう訴訟があるのかなと思ってびっくりしたんですが、随分こういう訴訟もあると聞いております。私は、総理も同じ趣旨で言われたと思います。 前に、最高裁の判決で、立法府が憲法に大変抵触するような立法行為を行う、こういうときは訴訟の対象になるかもしれませんけれども、そうでない場合は非常に限定的に損害賠償の対象にすべきだという判例がございます。そういうものもございますから、今高裁の判断を仰いでいる、こういうことでございます。
○千葉景子君 そういう意味ではなくて、この判決全体の内容を読んで、あるいはどういうふうにそれについて受けとめているかということをお聞きしたいんです。 この内容については、従軍慰安婦問題についての重要な指摘もあるわけです。立法不作為という問題もありますが、全体のこの厳しい判断についてどう感じておられるでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 今答弁申し上げましたように、現在控訴中の問題でございます。内閣として、その衝に当たることにつきまして、私が今その是非を論ずることは差し控えさせていただきたいと思います。
○千葉景子君 この従軍慰安婦問題については、近隣諸国からも大変いろいろな問題が提起をされております、いまだに。それについて、各国の対応あるいは厳しい意見、こういうものについて小渕総理はどういうふうに御認識なさっているんでしょうか。これから江沢民主席が来日されたりあるいは金大中大統領が来日される、こういうこともございます。そういう状況も踏まえて、各国の対応について総理はどういうふうに受けとめておられますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 本件につきましては、外務大臣時代もこの問題に対しまして種々御意見も承りましたし、またそれぞれ関係する方々がおられる国々のその衝にある方ともお話をいたしてまいりました。 いわゆる従軍慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけました問題であることを認識いたしておりまして、日本政府はこれまでもおわびと反省の気持ちをさまざまな機会に表明してきておるとともに、御承知のように、元慰安婦の方々に国民的な償いを行うことなどを目的に設立されましたアジア女性基金に対し最大限の協力を行ってきておるところでございます。 政府といたしましては、アジア女性基金にあらわされた慰安婦問題に対する国民の真摯な気持ちにつきまして、関係諸国の理解が得られるように今後とも努力をいたしてまいりたいと思います。それぞれ国々におきましても若干対応が異なっておりますが、あくまでもこうした方々に対する対応として、日本政府としてはこのアジア女性基金を通じまして誠意をあらわしてまいりたい、このように思っております。
○千葉景子君 そのアジア女性基金が、十分にそれだけでは納得されていない、そういう実態じゃないんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 総理がおっしゃったように、日本政府とすれば、アジア女性基金について最大限の協力をしているということであります。それに対して韓国政府は、日本側に要求したいのは心からの反省の気持ちだ、こういうことを言っておられます。そして、この基金のいわゆる償い金については極めて消極的な意向を表明しているということであります。 我が国としては、基金ともいろいろ相談いたしまして、そして韓国側とも相談して、これからどういうふうにしていくのかということを検討してまいりたい、こういうふうに思いますし、中国側もやはりこの基金に関心は示しておりますが、どういうことを中国でやったらいいのか、これも基金あるいは中国側の意向もいろいろと確かめながら検討をしてまいりたい、こういうふうに思っています。
○千葉景子君 基金に頼るということではなくて、やはり政府の姿勢これ自体が今改めて問われているのではないか、各国からもですね。総理、その点についてどうですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 政府としては、今申し上げたような施策を忠実に実行するということで日本政府の誠意というものを示してまいりたいというふうに思っておりまして、この償い金を提供するに当たりましても、内閣総理大臣自身のお手紙も付してその気持ちをあらわしておるということ、このことをもっても政府の誠意というものをぜひ御理解願いたい、こう思っておる次第でございます。
○千葉景子君 改めてこれもまたお尋ねしたいと思います。 そこで、ちょっと基地にかかわる問題をお聞きいたします。 神奈川県というのも沖縄に次ぐ第二の基地県でございまして、このたび横須賀に配備されている空母がインディペンデンスからキティーホークという空母にかわりました。この配備について今とやかく申し上げませんけれども、やはり基地の存在というのは、周辺の住民あるいはその町の発展、いろんなものにかかわってくるわけです。そういう意味では、こういういろんな条件が変わる際に、やっぱり政府としては米国との間でその運用あるいはそれによってもたらされる影響、こういうものを十分に協議して、そして地元にとっても安心できるような体制、あるいは将来に不安を残さないような条件整備をすることが大事だと思いますけれども、今回についてはどんな形で協議あるいはそういう問題提起などをなさってきたんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 先般、私、アメリカに行ってまいりました。そして、そのときにコーエン国防長官と会って、この厚木の問題、直接ではございませんが、日米安保全体の問題から、ますますこの安全保障関係を強固にするためにも、やはり在日米軍の方たちが日本側の地元住民のよき隣人として振る舞ってもらわなければいけないんだ、事件、事故が起こるようでは困るんだ、そういうことを言ってまいりました。コーエン国防長官の方からは、そのように今までも努力してきたつもりであるが、ますます気をつけると、こういうことでありました。 そして、この厚木の米空母交代につきましては、地元自治体から、安全の徹底、厳重な規律の維持等について米軍に要請してくれ、米側に要請してくれという要望が外務省にあったわけでありまして、そのことについては早速米側に伝えてありますが、今後とも我が方からこういったことはずっと続けていきたい、こういうふうに思っています。
○千葉景子君 それにかかわりまして、やはり今、地元住民の安心できる条件整備というのが大変重要でありますが、その中で厚木基地では、ジェット機の訓練、NLPが硫黄島へと随分移転をされました。そういう意味では改善されているんですけれども、いわゆる開放日ですね、オープンハウスという地元の皆さんに基地を開放する日があるんですけれども、その日にいわゆるデモンストレーション飛行、アクロバット飛行などが今行われているんです。 これを楽しみにしている人もございますけれども、周辺住民はむしろそれによって迷惑をこうむっている。落下傘の降下事故があったり、そういう状況もあって、せっかく静かさを取り戻してきたのに、わざわざこういうときに無理やりデモンストレーション飛行をやる必要はない、むしろそれが地元住民の感情を逆なでしている、こういう指摘が非常に出ているわけです。 これの中止を申し入れたらいかがかというふうに思います。それが地元の声でもありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 今おっしゃられたように、展示飛行については、米側によれば、これを大変楽しみにしている人が多いんだ、彼ら独自に行った世論調査でもこうだ、こういうことを言っているわけでありますが、地元の要望、自治体自身も私たちに、これはやっぱりやめてくれ、こういう要望があるわけでありますから、そういう要望に真剣に耳を傾けるように、米側には、ことし初めてでないわけでありますが、伝えているわけでございます。
○千葉景子君 その根拠になっておりますのが昭和三十八年につくられている騒音軽減措置、日米合同委員会のですね、そこに、こういう特定の日に行うものは例外として認める、そういう規定が盛り込まれています。 ただ、それは昭和三十八年ですから、厚木基地の周辺、人口五万人の当時です。今、人口は二十万。そういうど真ん中でデモンストレーション飛行をやるということは、もう時代も、そして条件ももう変わっている。 むしろ、日米合同委員会でこの軽減措置、そのただし書きの内容を削除する、こういう交渉、話し合いをぜひすべきだと思いますけれども、その点、総理、いかがですか、総理みずからやはりこういう問題についてきちっと対応なさっていただきたいと思いますが。
○国務大臣(小渕恵三君) ただいま高村外務大臣からも御答弁申し上げましたこのデモフライトにつきましては、米軍としても、よき隣人として日本の国民の皆さんにもぜひ観覧していただきたいという気持ちも一方で強くいたしておるんだろうと思いますが、その地域の状況というものも変化しておることは今御指摘のとおりだと思います。 外務大臣といいますか外務省といたしましても、この点につきまして地元の意思というものを、外務大臣より地元の意思につきましても米側に要請をいたしてまいる、こう申し上げておりますので、その事態を十分見詰めてまいりたい、このように思っております。
○国務大臣(高村正彦君) 米軍側によれば、今やっているのは曲芸飛行ではないんだ、単なる展示飛行であって、日本側からの要請に基づいて、ここ数年いわゆる今おっしゃったただし書きに触れるような曲芸飛行は自粛しているんだと、こういう見解であることも申し添えておきたいと思います。
○千葉景子君 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で今井澄君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。鴻池祥肇君。
○鴻池祥肇君 自由民主党の鴻池祥肇でございます。 長時間にわたる衆議院の予算委員会の審議も終えられ、ほっとする間もなく舞台が参議院に移りまして、総理を初め閣僚の皆様方には日夜御苦労さまでございます。 今この参議院が大変注目をされておるときでございます。さきの選挙結果、まずは投票率の高かったこと、あるいは後ほども申し上げたいと思いますけれども、大変残念ながら政府・与党自民党が改選前の議席を大きく割り込んでしまいました。衆議院に対して参議院は抑制、均衡、補完という、こういう役割を自負するものでございますが、よく民主党の角田幹事長が言われます対決の衆議院、それに対して合意形成の参議院、我々与野党力を合わせながら、ただいま当面をしております経済危機、日本の危機に対処をしていかなければならないと決意を新たにいたしているところでございます。 参議院選挙で自民党が負けました。多くの優秀な、有能な同志がこの政界を去りました。大変残念無念でございます。しかし、我々はこの選挙戦を通じて反省するところはやはり十分反省をしなければならないと思っておる者の一人でございます。長い間の政権、それを支えてきた責任政党、いっときは風で舞い上がった細川内閣や羽田内閣というのがありましたけれども、随分長い間私どもは政権の座に着き、それを支えてきたわけでありますが、このような経済状況の中で国民の多くの方々は、あすが見えない、どんな状況下の中においても未来が想像できない、こういうところにたたずんでしまった、たたずませてしまったというその責任というものは、やはり謙虚に反省をしなければならないと私は思います。その反省を国民の皆様方に理解をしていただきながら、そしてそれをうなずいていただいた上で、新しい経済の再構築に向かって進むのが本来の筋だろうと思います。 私は、総理や閣僚の発言というものは極めて重いものだと思います。ですから、衆議院の審議に一部行われておりましたように、失政なのか失政でないのか、そういう議論については私の方から申し上げるつもりはございません。しかし、そういう思いの自民党に所属する国会議員、参議院議員がいるということもひとつ御認識をいただきまして、質問に入らせていただきたいと思う次第であります。 この分厚い本を持ってまいりました。(資料を示す)フランシス・フクヤマという学者の書きました「トラスト」、信頼。これは今から三年前に出版されました。日本では二年前に慶応義塾大学の加藤寛先生が「「信」無くば立たず」という題名で翻訳をされました。これは五百ページにも余る大変な大著でございますけれども、歴史経済学の一般的基礎教養、これを前提としてかなりアカデミックな著作でありますにもかかわりませず、全米ではベストセラーのトップになったという本でございます。 さて、このフランシス・フクヤマ教授の著書の中で何が書かれているか。五百ページでございますから、これを一挙に一言二言で申し上げるのは大変無謀でございますけれども、話の切り口としてあえて申し上げますと、こういうことだと私は思います。 企業と国の繁栄を約束し、社会を改革する推進力となるもの、それは信頼である。日本が経済的な繁栄、そして安定してきたのは、日本が高信頼社会であったからである。これに要約されているような思いでこの本を読ませていただきました。 我が国の政治・経済情勢、これを見ますとき、まさに日本経済の発展というのは高信頼社会であった、それが基礎となって今があったというふうに、私はこの本を読み、改めてその感を強くしたわけでありますけれども、しかし、今はその信頼社会というものが音を立てるようにして崩れてきておる、このことに大変危機感を持つものでございます。 戦後の焼け野原から五十三年、経済の危機あるいは日本の危機とも言われたニクソン・ショックや二度にわたるオイルショックあるいは円の暴騰、三年前の一ドル七十九円七十五銭を記録した円高不況、それぞれ苦しい努力を重ねてまいりました。そして、その苦境を乗り切ってまいったわけであります。 それがどういう原動力であったかということを考えた場合には、何度も申し上げますように、この信頼社会、どんな場合でも、今のように政府や日銀や銀行や大蔵省やこういった機関に対して国民や企業が信頼感を失っていなかった、このようにも私は思えてなりません。日本社会を構築する組織、機関には確固たる信頼があった、だからその苦境を乗り切ってきたのだというふうに私は今強く思うわけでございます。 現在の経済状況をかんがみて、総理、どうでしょうか。経済再生内閣とみずから銘打ってこの苦境に挑んでおられるわけでありますけれども、単なる経済不況だけで片づけていいんでしょうか。経済不況だけでなく、日本社会の危機、国家的な危機だと私は思いますけれども、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 信なくば立たずということは、私は、その本の題名にもなっておりますが、まさに古今東西、政治を担う者の基本的な考え方の真ん中に置くべきものだというふうに考えております。 そういった意味におきまして、現在、政治も含めまして、ある意味で信頼ということにつきまして、これがいささか揺るぎ出しておるという現下の状況の中でいま一度過去を振り返り、そして現在を見詰め、将来にわたってこの問題を真剣に考えていかなきゃならない時局と考えております。 先ほど鴻池委員は、戦後のあの焼け野原に立って日本の再生を願い、国民挙げて経済復興に尽力をしたあのときの思いを振り返り、かつ、もっとさかのぼれば、明治の時代におきましても近代国家を目指して「坂の上の雲」をそれぞれ国民も国家も目指してきた時代を振り返りますと、今日の時点というものはある意味では非常にふくそうしておりまして、国民意識も必ずしも一つにまとまっておらない。あるいはまた、この時代の中で経済を見詰めてみましても、焼け野原でもございませんし、また明治のように世界の中で不平等条約の中で生きてきた時代とは異なりましていろいろと世の中が複雑になっておる、こういう中で国民の信頼をかち得ながら政治を行うという難しさも一方ではあろうと思っております。 経済にいたしましても、今考えましても国全体としてはまことに不景気であり経済を再生しなければならぬということでございます。一方、外国との貿易収支などを見ていますと、円高の結果にもよるのでありましょうけれども、黒字幅はますますふえてきておるというような中でありまして、戦後一時期のように、それこそ貿易収支は赤字、インフレはとどまるところを知らずと、こういった時代と異なりまして、物価も卸売物価等はむしろ下がりぎみであるというような中にありまして、国民の気持ちを一つにまとめて新しい世紀を目指して考え方を、信頼をかち得ていくということは非常に難事ではございますけれども、微力ながら私自身もこの時代に当たって全力を挙げて国民の信頼をかち得ながら政策を実行していかなきゃならぬと、改めて委員の御指摘を受けて深く認識をいたし、全力を挙げて努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
○鴻池祥肇君 先ほど多くの国民はあすの見えない不安の中で立ちすくんでいる、このように表現をさせていただきました。 先ほど千葉委員の方も、完全失業率四・三%に至った、このような御議論もございました。企業倒産件数は過去最高の千六百七十三件、これは七月のデータであります。また、最高裁が発表いたしました個人の自己破産件数も、ことしに入ってから五月まで三万七千件を超えております。前年比で見ましても三八%ふえている。こういう状況であります。 このように我が国の経済は日に日に深刻さを増し、八月の月例経済報告では「景気は低迷状態が長引き、はなはだ厳しい状況にある。」と認識を示すに至っております。 総理及び経済企画庁長官にお尋ねいたしますけれども、このように深刻さを増す我が国の経済についてどのような現状認識をお持ちでいらっしゃいますか。貸し渋りに手痛い思いをしておる中小企業者、あるいはリストラの対象にならないかとおびえておる勤労者、この審議を息を詰めて見守っている方がたくさんいらっしゃると思います。どうぞ、生の声でそういう方々にその認識をお語りいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほどさらに申すべき点を申し残しましたが、今、鴻池議員御指摘のように、現下の経済情勢というのは、先ほど申し上げましたような中でいよいよもって厳しさを加えておるわけでございまして、日本の国が日本の国として、世界の中で大きな責任を持つ日本の経済の状況が停滞し、かつ低迷しつつある、こういう中でございますので、その中では日本の産業の大きな役割を果たしておる中小企業の問題に触れられました。 先ほど、貿易収支の点では、これはどちらかといいますと大きな国際競争力に耐え得るような企業体の中で黒字基調にあることを申し上げたんですが、一方、中小企業におきましては、まさに今金融の貸し渋り等も受けながら、なかなか企業体としてまさに生死の間をさまよっておる、あるいは既に残念ながら企業をやめざるを得なかった、この実態というものはまことに厳しい環境でございます。 そういった意味で、いろいろと経済に対する指標というものが企画庁を中心にして出されておりますけれども、我々は正直にこの実態というものを見詰めながら、それに対する方策をあらゆる点において実行することによって反転基調にこれを持っていかなければならない、このように強く考えておる次第でございまして、現在企画庁におきましても、現実を厳しく見詰めながら、正直に現在の実態を国民にもお知らせすると同時に、その上に立っての政策を実行していくという考え方に立って努力をいたしておるところでございます。 企画庁長官からもお聞き取りをいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 現在の経済情勢がまことに厳しいことは、議員指摘のとおりでございます。 私の認識を少し申させていただきますと、現在の日本の経済は三重の問題を抱えていると思います。 その第一は、工業社会から知恵の社会に変わろうという大きな歴史的転換時点に差しかかっている、これに日本が一歩立ちおくれているというところでございます。 第二番目には、高度経済成長の後に、歴史上どこの国でも起こっておりますバブル現象、これが崩壊した直後の大きな波の下降線に乗っている。 そして、三つ目には、昨年から始まりました経済不況、この三つが重なっている状態にある、これが大変大きな問題だろうと考えております。 したがいまして、そこに世界的にアジアの経済危機、またロシアの問題も起こり出しました。そういった諸外国の周辺諸国の問題も重なりまして、現在は甚だ厳しい状態になっていると言わざるを得ないと思います。 したがいまして、まず短期的には経済再生プランを起こしまして、金融再生トータルプランでまず金融問題を解決する。同時に、財政出動によりまして需要を喚起するということと同時に、やはり委員がおっしゃいましたように、日本経済全体に信頼を回復し、あすの自信をもたらす長期的な戦略が必要だと思います。 その点で、小渕内閣では、経済戦略会議などを設立いたしまして、長期的に日本の未来に対して国民に自信と期待を持っていただくような構造政策も展開したいと考えている次第であります。
○鴻池祥肇君 この関連で、経済識者の間では、引き続きデフレに対する懸念が強く表明をされておるところであります。 先ほどの月例経済報告等政府の発表では、卸売物価は弱含みで推移しているが、消費者物価は安定している、こういう認識を示しておりますけれども、現実には資産デフレというものは着実に進んでいっておるという認識を私は持っておるわけであります。 先日、国税庁が発表いたしました平成十年分の路線価格は、全国平均で五%下落しております。六年連続の下落でございます。株価の低迷は改めて言うまでもありません。また、ゴルフの会員権相場、日経新聞の指数で見れば、一九九〇年三月のピーク時に比べて八分の一の水準にまで下落し、これはまた五十三週連続して下落しておる、こういう状況であります。 国民の方々も、マンションをローンで購入したものの価格の下落ということで買いかえができない、多大な住宅ローンを抱えたままその返済に苦しんでおるというのも現状でありますし、私の知り合いなどは、やっとマンションを買った、その一カ月後にはっと気がついてみれば同じグレードの同じ環境のマンションが既に買ったときよりも何%も下がって売っておる、こういう状況でございます。この資産デフレの進行で苦しんでおる国民の声をどのように受けとめておられますか。 また、この経済の現状がデフレ状態にあるのかどうなのか、政府としては明快な意思を表明されるべきではないかと考えますが、総理、企画庁長官の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員御指摘のように、卸売物価は五月、六月下落をしております。五月に二・三%、六月に二・一%、そして七月に二・二%と卸売物価は下落をしております。 この原因でございますが、その中には原油の輸入価格の下落、それに伴います電力等の引き下げなど、どちらかといえば日本国民の生活にプラスになるような下落要因もかなりございます。また、生産性の向上等によって値下がりしたと思われる工業製品の値下がりもございます。 消費者物価の方はほぼ安定しておりまして、六月には〇・一%の上昇というような状況でございます。 なお、規制緩和等によりまして電話料金その他が下がったのがやはり〇・五%ぐらい消費者物価を引き下げているだろう、こういう見方もございます。 そういうことをあわせて見ますと、現在の物価の値下がりがデフレ状況にあると私たちは認識しておりません。デフレの悪循環が始まる、デフレスパイラルに入るような状況だとは思っておりません。したがいまして、この状況に対して、物価に対して特にこれを引き上げるような政策をとるべきではない、この状況を見詰めていきたいと考えております。
○鴻池祥肇君 今の長官のお話につきましては私はまだ納得しかねるなというのがいわゆる町場の思いでありますし、そういうスパイラルに入っていないということが確かであれば、この議論を聞いておる国民の皆さんもある程度安心されると思いますけれども、果たして安心されるだろうか。こういう状況下に至っているということの御認識を、どうぞ町の声、町の経済の動きというものを長官にもしっかりと見詰めていただきたいということをあえて申し上げておきたいと思います。 さて、話を金融システムに転じたいと思います。 総理の施政方針演説でも述べられておりますとおり、日本経済の再生のためにまずなし遂げるべきは金融機関の不良債権問題の抜本的な処理を行い、金融システムにまつわる国民の不安感を解消することだと、これは確かでございます。このためにもトータルプラン関連法案を早期に成立させる必要があります。ブリッジバンク法案等について衆議院予算委員会でも多くの議論があったことは承知をいたしておりますが、金融システムに対する国民の不安を一刻も早く解消することが今政治に求められている最大の課題であることを考えますと、総理がみずから法案の早期成立のための強い決意を国民の皆さんに伝えられることが大変大事だと思います。 どうか、強い決意を今ここで国民の皆さんにお訴えいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) しばしば衆参におきまして、今次内閣の姿につきまして御批判もいただいておりますが、その中で、この夏、参議院選挙直後にこうした国会を開かせていただきまして御審議を願おうと申し上げますゆえんのものは、現在の金融のあり方につきまして、国内はもとよりでございますが、国際的にも我が国の金融のシステムについて強い懸念を持たれておる、このことは言うまでもありませんが、金融機関の持つ不良債権の処理についてどのように対処するか、こういうことだろうと思います。 そのために、政府として閣法二法、議員立法四法をお願いして、一日も早くこの国会で御成立をお願いいたしておるわけでございまして、政府といたしましては全力で、党内におきましても宮澤先生を中心にしておまとめいただきました金融再生トータルプランに基づくこの法案の一日も早い成立をお願いいたしておるわけでございます。 と同時に、これは政府・与党のみならず、野党各党におきましても今次時局に対しての認識はある意味では一致しておられまして、それぞれに原案を今おまとめ中とお聞きをいたしておりますので、これから開かれます金融関係の特別委員会が設置されますれば、その各党の案につきましても当然のことながら御審議があるんだろうと思います。 政府としては、よりよきものを目指して、ぜひ一日も早い成立をお願いいたしておりますが、ともかく政府といたしましては、提案をいたしております法案をぜひ御審議いただき、そして御討議をちょうだいしながら、その成立のために我々は全力を挙げて頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたす次第でございます。
○鴻池祥肇君 ただいま総理の御発言にもございましたように、野党各党におきましても、この法案のあり方あるいは対案と申しますか、そういった最終的な思いは同じの議論が随分活発であるというふうにも聞いておるわけでございます。いずれにいたしましても、金融システムの安定のためには内閣が責任を持ってこれに当たることが必要だと考えます。 国家行政組織法第三条に基づく委員会を設置すべきと、こういう提案もあるようでございますが、金融行政機構のあり方につきまして、総理と大蔵大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大蔵省の行政に対するいろいろな御批判の結果、国会で御決定がありまして、一般的な銀行行政は金融監督庁のもとに置かれることになりました。大蔵省は企画立案を担当するばかりとなったわけでございますが、ただ、従来からの経緯もあり、また預金保険機構をその任に置いておりますので、その限りで大蔵省に関係がございます。 私ども考えますと、やはり金融監督庁による検査あるいは日銀による考査等によって、ここで初めて銀行間の優劣というものが出てまいると思います。それはいわゆる護送船団行政からの決別でございますが、具体的にはそういう検査の結果を監督庁が公表されませんでも、一つの物差しによって初めて、各銀行が今までいわば自分なりの分類をしておりました債権の区分あるいはその引き当てが一つのスタンダードになってまいりますから、一つのスタンダードで彼我の優劣が比べられるような関係が生まれると思います。 そのことは恐らく、市場におきまして、例えば財務諸表であるとかあるいは格付であるとかいうことがわかってまいりますし、また配当などでも市場がそれを知ることになる。そして顧客はまた、優良な銀行はいい商品を出す、そうでないものは出せないというようなことから初めてここで優劣がはっきりしてまいります。これが私は不良債権の処理の原点になってくるであろう。優劣がございませんときはみんなぬくぬくとしておるわけでございますから、そういかない。 そこから再編が生まれるだろうと考えておりまして、私どもとしては、その結果生ずべきいろいろな事態、御審議いただいておりますブリッジバンクもそうでございますが、預金保険機構による公的資金の導入もまたそれを促進することができる、そういうことでいわゆる護送船団方式から、むしろ事後における消費者のためのチェック、そういう方向へ銀行行政の姿勢が転換をしてまいると考えております。
○鴻池祥肇君 次に、いわゆる貸し渋り、これについて私の御意見を申し上げ、お答えをいただきたいと思います。 金融再生のために必要なのは、今話題になっておりますブリッジバンクの制度の創設などによりまして、万一金融機関が破綻をした際のセーフティーネットを整備したり、預金者保護、善意かつ健全な借り手対策に対して万全を期すということで国民の不安を解消していくということは大変大事でございますけれども、一方、いわゆる貸し渋りによって今言った善意かつ健全な借り手にも十分な資金が供給されていない、積極的な企業活動が制約されている以上に、あすの資金繰り、今月の資金繰りといったことにも大変な思いでいるということも現実でございます。金融再生のためのセーフティーネットが整備されたら直ちに貸し渋りが解消するということは考えられないと私は思っておるわけでございます。 このような、大変失礼な表現でありますが、民間金融機関が頼りがいがないこの時期に期待される機能を十二分に発揮していただかなければならないのが政府系金融機関であると思います。民間金融機関が不良債権を処理して積極的に本来の金融機関としての力を発揮していただけるようになるまでの間、政府系金融機関が民間の金融機関を代替する、そういった融資ができるような体制を整えなければ、抜本的な貸し渋り対策を打つことができないのではないかと私は考えます。 特に、我が国の産業を下支えしておる中小企業あるいは地場産業、こういう一連の企業への政府系金融機関のこれまでの担保徴求原則、担保がなければ貸さない、これは民間金融機関と一緒であります。基本的にはそうだろうと思いますけれども、この際、無担保でも資金を融通するぐらいの大英断というものが国にとって必要なときに来ているのではないかと私は思います。 我が国経済の早急な活性化のためにも、貸し渋りに遭って大変苦しんでおる中小企業のためにも、その大英断を私は総理、宮澤大蔵大臣に求めたいと思いますけれども、御見解を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 都市銀行に対しての資金注入等もこうした貸し渋りに大きな役割を果たすであろうと期待をして行ったわけでございますが、現況におきましてはなかなか十分な効果が生まれていないということでございます。 今御指摘のように、貸し渋りの状況は依然として解消されませんので、明日、閣議がございますが、私から各関係の大臣に改めてその問題について積極的に取り組むように指示を申し上げたいと思っております。 現況並びに現在御指摘をいただいた国の関係の金融機関の対応ぶりにつきましては、通産大臣から御報告をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 中小企業の倒産の統計を見ておりますと、放漫経営で倒産することはいたし方がないといたしましても、やはり資金繰り等で倒産する、あるいは不況型倒産というのが最近非常に目立っているわけでございます。 これは北海道で見ますと、例えば北海道拓殖銀行の破綻によって、北海道拓殖銀行と取引のあったところが今までのような自由な金融取引ができないということで苦境に立たされ、中小企業が倒産をするというケースも見られます。 また、一般的には、昨年の特に十一月ごろから目立ってまいりましたのは、銀行みずからがBIS規制を何とかクリアしようとか、あるいはなるべく早く融資先からお金を回収しようとかという銀行独自のいろいろな行動が目立ちまして、それが一番弱い中小企業にしわ寄せが来たということは、私は事実だと思っております。 中小企業庁を中心といたしまして、全国五千の会社に今、毎月聞き取り調査をしておりますが、中堅・大企業においては貸し渋りはやや改善の傾向が見られますが、やはり中小企業では相変わらず貸し渋りの状況が続いていると言わざるを得ない状況であります。 そこで、私ども考えておりますのは二つの方向でございます。 一つは、商工中金、国民金融公庫、中小企業金融公庫等の政府系金融機関と言われるものの貸し出し、これを弾力的にする。これは、担保の面でも保証人の面でもあるいは限度額の面でも、そういうものは十分緩めてきたつもりでございますけれども、今後の経済の状況にきちんと対応できるような運営をしていかなければなりません。また、そういう金融機関の窓口での親切な指導ということも大変大事なことでございます。 一方、中小企業が受けております融資の大宗は、やはり民間の金融機関からでございます。しかし、こういう民間の金融機関から融資を受けます場合に、やはり保証というものが大変重要になってまいります。この保証を提供しておりますのが各県にございます信用保証協会。信用保証協会もむやみと自分の体力以上の保証はできないわけでございますから、各県の保証協会の体力と申しますか基盤と申しますか、そういうものを強化していく。また、保険公庫というものが最終的な責任を持つ形になっておりますから、そういうところの財政、財務基盤というものをしっかりさせる。 そういうものは今までの予算でもやってきたつもりでございますが、今後の第二次補正あるいは十一年度当初予算においては、中小企業予算の中心的な要求として政府の中でぜひ実現をしたい、私どもは努力をいたしたい、そのように決意を新たにしております。
○鴻池祥肇君 総理は、この貸し渋り問題について関係各大臣に強く指示をしたい、このような御答弁をいただきました。また、与謝野通産大臣からも詳しくお述べをいただきました。しかし、以前からそのような御発言が続いておりながら、今なお、今なおというよりも今まで以上にこの貸し渋りというものが中小企業の経営を混乱にあるいは悲嘆に陥れているというのが現状でございますので、私は大変乱暴な表現をしたかもしれません、無担保で資金を供給する、そういう英断ができないかと。政府・与党ですから、余りこれ以上のことも申し上げられないかもしれませんけれども、ぜひともそのことをとどめていただきたい、このように思っております。 なぜ私がこれを申し上げておるかといいますと、私は、実は二十九歳から中小企業、本当に五十人程度の運送業でございますけれども、そこの経営者になりました。鴻池という名前とか比較的顔が上品でありますから随分大企業の御曹子のように思われておりますけれども、そうではありません。今現在も、宮澤内閣のときに政務次官を仰せつかりましたとき以外は中小企業の運送屋のおやじでございます。そういう仲間、そういう私の現状、それを生の声でお訴えを申し上げているということをお聞きいただきたいと思うわけでございます。 あわせて、先ほども千葉委員の方からのお話もございました。雇用を確保したいんです、首切りをしたくないんです。どんなことがあっても親の代からいた従業員の首は切りたくないんです、みんな。雇用の確保をしたい、しかし資金が回らない。リストラに踏み切らざるを得ない、会社の維持のためには。そういうジレンマの中で、雇用の問題について先ほどお触れになりましたけれども、労働大臣あるいは通産大臣が、雇用にしわ寄せをすることなく企業活動を継続したいと考えておる経営者の悩みにどのようにこたえられるか、一言で結構でございますのでお願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 鴻池先生御自身、中小企業の経営者でいらっしゃいますから、まさに肌身感覚のお訴えと理解をいたします。さらに、かつて中小企業の経営者が中心に組織をしておりました青年経済団体であります日本青年会議所の会頭をされておられました。お忘れかもしれませんけれども、先生が会頭のときに私が所属をいたしております青年会議所で講師としてお招きをいたしました。片や会頭、片や平会員と。今は逆転しましたけれども。中小企業が今大変な窮地に陥っているのは、私も産業政策をずっとやってきましてよく理解をいたしております。 雇用調整助成金というのがありますが、これは、企業が従業員を解雇しそうだ、それを何とか解雇しないで景気がよくなるまで支えてくれ、そのために補助金を出すという仕組みでありますし、その間に職業能力開発をして時機に対応してほしいという制度があります。これについて、中小企業についてはかなり深掘りをさせていただいておりますし、そして雇用開発の助成金についても中小企業については深掘りをさせていただいております。 さらに、私は考えておるのでありますけれども、今までの雇用政策というのは雇用を支えていくということが中心でありましたけれども、これから雇用を開発していくということについても、これは産業政策とあわせて取り組んでいくべきであろうと思います。これは新政策の分野にもなりますけれども、積極的に通産省と連絡をとりながら、新しい雇用を開発していくために何ができるか、これを鋭意努力していきたいというふうに思っております。 先ほど、ちょっと舌足らずの点がありました。逆転をしておりますということは、これはまあ、済みません、ジョークでございまして、鴻池先生と私との関係で御理解をいただきたいと思います。全面撤回をさせていただきます。失礼しました。
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○国務大臣(甘利明君) 失礼いたしました。 立場が逆転をしましたと申し上げましたが、正確に申し上げますと、講師としてお招きをして私が質問をし、御答弁をする立場をいただきました。今度は、私が答弁をする立場で、かつての会頭が質問する立場で、ちょうど逆転をしたということでありますが、ジョークというのは取り消させていただきます。失礼しました。(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○国務大臣(甘利明君) 誤解をお与えしましたことに関しては心から深謝申し上げます。
○鴻池祥肇君 甘利労働大臣には本当に昔から親しい間柄でございますので、どのような表現をされても、悪意でとったといたしましても、まあそのうち見てろ、また逆転してやるからと、そんな思いもございます。 いろいろ申しておりましたが、この問題でどこまで話したかわからなくなりました。 総理、総理の施政方針演説を聞かせていただきました。今の現状は一億総自信喪失、こんな時代とも言えるんではないかと思います。こんな現状だけれども二十一世紀における豊かな社会を構築しようじゃないか、こういう総理御自身の言葉も今の国民にとって大変大事だと思います。総理の生のお言葉で今の現状の問題、そして未来に対する考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 所信表明の末尾で申し上げましたが、今我が国の国民の持てる個人資産あるいは外貨準備高等々を考えますと、まさに日本は今や世界の大きな経済力を持つ、また指導力を持たなきゃならない国となっておりますが、残念ながら国民も現在のこの厳しい経済状況も含めましてやや自信を喪失しているのではないか。したがって、いま一度国民の力を結集して、二十一世紀に向けて努力をしようではないかと実は呼びかけさせていただいた次第でございまして、私どもは、自信をしっかり持ってこれから進むようにさらに政策を通じて政府としては努力をいたしたい、このように考えております。
○鴻池祥肇君 ありがとうございました。 総理がつくられていく将来ビジョンの中に、私はぜひとも都市のあり方というものを積極的に御検討いただきたいなというふうに思っております。なぜならば、現在、全国民の約七割が都市に住まいしている。七割の人口が都市に集中をしているということでありまして、これら大多数の国民の生活の場である都市空間、これが活気があってかつゆとりがあり潤いがあるものでない限り、日本国民の真の生活の豊かさというものは実現できないのではないかと思っておるところでございます。 現在、大都市では空洞化が進みつつあります。中心市街地における土地の有効利用は経済、金融の活性化との関係でも大変大きな課題となっております。また、引き続き環境、景観あるいは高齢化等への対応は都市における優先度の非常に高い課題でもあろうかと思います。これらの都市をめぐる重要な問題を総理はどのようにお考えであろうか。都市の再構築、都市問題の解決、あわせて国土庁長官の御答弁もちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 私は、国土政策あるいは土地政策を担当している立場から申すわけですけれども、国土政策あるいは土地政策にとって都市というものはどういうところであるかといいますと、これは最も難しい政策展開の場であるということを私は考えております。 これはもう申すまでもないことでございますけれども、土地政策あるいは国土政策については昔から計画論と申しますか、都市計画あるいは農村計画、こういう用途についての計画こそがもうすべてに優先すべきである、こういう立場が一方にある。他方には経済論というものがありまして、地価の高いところには高度な利用で対応すべきであるというようなことで、この両論のせめぎ合いというものが最も厳しく先鋭に対立し、対峙しているのが都市空間であるということでございます。 経済論の立場に立てば、こんな地価の高いところに例えばたばこ屋のおばあさんがいるというようなことは本来おかしいではないかというようなことすら言われるわけでありますが、都市の本来のあり方からすれば、やはりそういうところにたばこ屋があり、おばあさんが番をしているということは、経済的にはなかなか難しいことであっても、それが本来の都市のあり方である、こういう考え方で従来ぶつかってきたわけであります。 こういうぶつかり合いの中でそれぞれのこれまでの当局者というものは懸命の努力をしてきたわけでありますが、今日、顧みますと、今、鴻池先生が御指摘になられるように空洞化が進んでいる、あるいは実際にその場で、都市で働く人たちは大変過密な電車に乗せられて長い距離を通勤しなければいけない、こういうようなことになっていて、これは決して成功した都市政策の所産とは言えないではないか、こういうようなことになるわけでございます。 今回、私ども、三月の末に全総計画というものを決めさせていただいたわけですが、その中で、初めて都市についてはリノベーション、都市再開発ということを数個の戦略的なアプローチ、政策の一つとして取り上げさせていただいております。 この戦略に基づきまして、私どもの予定では、これについての基本計画、三大都市圏についての基本計画というものをこれから練り、定めさせていただくわけでございますが、これらについてももちろん各方面の意見を聞きながら決めるわけでございますが、これが成った暁にはまた各省庁と十分協議をして強力な施策を展開していきたい、このように考えております。 なお、ちょっとつけ加えますと、今回、先ほど先生もおっしゃったように金融絡みの、いわば不良債権絡みの資産の受け入れ先として住都公団に三千億円の資金を用意して、これにいろいろ利活用をするということをやりましたが、これに対して千件以上の応募が内々寄せられておるということでございます。 もちろん、これらには非常に狭いところもございますのですべてがリノベーションの種地になるというわけではありませんが、私は事務当局を督励して、ぜひともこういうものを利活用して、フランスではミッテラン大統領のパリ改造計画であるとか、あるいはロンドンではヘーゼルタインのドックランドの再開発とかというようなものがありまして、これはもうしょっちゅう耳にしまた目にするわけですけれども、それと同じようにこういったものを種地として、いわば状況を逆手にとって小渕プロジェクトとでも言うべき二十世紀が二十一世紀に向けたメッセージとしての都市改造、こういうものも心がけていったらなということを考えておる次第であります。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 建設省といたしましても、快適で、そして安全な都市を再構築していくということで、この十年四月十日でございますが、これは初めて東京都と都市再構築トータルプランというものをつくりまして進めておるわけでございまして、この基本的な考え方でもって各都市にこういうプランを出してほしいということを今指示いたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、重点的な施策、重点地域というものを明示したプランを今後進めていきたいと思っております。 それと、私が役所へ来ましてもう一つ考えておりますのは、今後の建設行政は自然と共生のできるもの、それをやっていきたいと思っておりますから、都市の再開発にもその角度からも十分注意をして進めていきたいと思っております。
○鴻池祥肇君 建設大臣から最後に自然と共生できる町づくりというお話がございました。 経済企画庁が発表している新国民生活指標、これによれば、五年連続で福井県が豊かさのトップ、ナンバーワンだということでございます。住むことだけをとれば、第一位は富山県だということです。私の生まれ育ちました兵庫県は第四十五位、埼玉県が四十六位、東京が四十七位でございまして、ゴルフのコンペで言いましても賞品も当たらないような場所でございます。 ただいまゴルフの例を出しましたのは、同じ腕で、そして参加費もどっちかというと都市の方がたくさん出しておる、その中にあって賞品も当たらないといったような不公平というものを都市の住民七割は口に出さなくても感じているんではないだろうか、こういう思いがいたすわけでございますが、まずは都市住民にとって住宅環境というのは最も深刻な問題でございましょう。 都市住民対策として、特に良質な住宅の供給といった住宅対策につきまして、再び建設大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 建設省のもう一つ大きな社会資本整備の住宅の問題でございますが、確かにいろいろデータを調べてみましても、一戸当たりの床面積の国際比較を見てみましても、全国でいきますと日本とドイツとフランスは大体似たところでございまして、日本が九十二平米、ドイツが九十三、フランスが九十五ということでございますから大した差はないのでございますが、それを都会だけで見ますとそれが七十二であるとか、あるいは京浜地区になりますと四十というふうに半分以下の数値に落ちてくるわけでございます。 それほど密集市街地、あるいはまた不十分な、つくり自体も不完全な住宅がたくさんあるわけでございまして、全国で四千五百万戸の住宅があるようでございますが、そういうようなことで都市におきましては少子・高齢化社会に対します基本的な課題にも対応した良質な住宅の供給というようなことを進めていきたいと思っておるわけです。 それから、勤務をしている場所と住宅が非常に近い距離にあればもっと私は豊かな生活ができると思いますので、いわゆる職住近接した住宅もつくっていくということで努力をしたいと思っております。
○鴻池祥肇君 七月から中心市街地活性化法が施行されました。各省庁あるいは多くの国民の皆様方の御支援のおかげで私どもの被災地、大震災の復興も相当進んでまいりましたけれども、まだまだ都市開発等が進んでいないところも多く残っておるわけでございます。 特に一番ひどかった、どこもひどかったんですけれども、シューズの町、シューズタウンとして有名なあの長田地区周辺、これも何とかみんな頑張ろうという御支援のもとでいい状況になってまいったことは事実でございますけれども、この中心市街地活性化法等を十分活用していただきまして、緒についております阪神・淡路大震災の復興に対しましてなお一層の御尽力をここで御要請申し上げたいと思います。 大分いろいろ御質問を申し上げました。後に我が党の林理事からもお話をさせていただく予定でもございますので、特に経済の問題につきましては、金融の問題につきましてはこのあたりで終わらせていただきたいと思います。 ただ、今大事なのは当面の減税あるいは積極的な公共投資といった需要面での下支えの努力を最大限に行いつつ、金融システムの不安を解消することであろうかと思います。しかし、それは国民の自信回復のための必要最低限の条件であり、より重要かもしれないのは国民が将来の日本に自信を持ち、活気を取り戻せるような展望を政治が国民に示していかなければならないと思います。 先ほども答弁をいただきましたが、なお総理の御決意というものをもう一度ここで聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 重ねての御答弁になるかと存じますけれども、今の内閣の最大課題は経済再生ということでございます。 このためには、税制あるいは財政の出動、そして金融面の対応というのが古来とるべき対策の三要素であったと思いますけれども、申し上げるまでもなく、金融につきましては金利を下げて、そして設備投資をふやすというような時局でなく、むしろこの問題がすべての足を引っ張っておる感じでございますので、含めまして、今国会での金融問題に対する対応のための法案をお願いしておるわけでございます。 さりながら、減税あるいは財政出動、いろいろと今日まで言われてまいりましたが、この内閣といたしましてはできる手段はあらゆるものを講じて対応しようということで、所得課税あるいは法人課税につきましての引き下げ、あるいは十兆円に上るところの補正、すなわちその以前に十六兆円にわたる経済対策は講じておりますけれども、これとあわせて切れ目なくこの経済が活性化できるような諸施策を一つ一つ取り組むことによりまして、将来に対する展望を開けるように頑張っていきたい、このように考えております。
○鴻池祥肇君 小渕総理、ありがとうございました。 総理大臣が元気を大いに出していただきませんと国民も元気が出ません。心から御健闘をお祈り申し上げますとともに、与党といたしましても一生懸命汗をかきながらお支えをさせていただきたいと思っております。 突然でございますけれども、自治大臣にちょっと発言をいただきたいと思います。 けさの新聞を見まして驚きましたと同時に、各地方自治体も大変混乱をしているというふうなニュースも入ってまいりました。それは、昨日、個人所得課税の最高税率の引き下げについて衆議院で質疑があったようでございますが、今申し上げましたように、けさの各紙にその件が載りました。 きのう、自治大臣は御答弁の機会もなかったようでございます。この際、この個人住民税の最高税率を一五%から一〇%へ引き下げるとの考え方について、自治大臣はどのようにお考えか、承っておきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 大変重要な御質問をちょうだいいたしました。率直にお答えをいたしたい、このように思っております。 委員御存じのとおりでありますが、個人住民税の現行の税率構造は既に五%、一〇%、一五%の三段階で、所得税に比べ簡素、フラットな構造となっており、こうした緩やかな累進構造は、地域社会の費用について住民がその能力に応じて広く負担を分任するという個人住民税の性格から望ましいものと私は考えております。 また、税率の引き下げについては、個人住民税の最高税率を一五%から一〇%にしたらどうかというような御意見も聞いておりますけれども、この方法は、最高税率が適用される所得区分が個人住民税と所得税とでは大きく異なることなどから、地方の側からこれを見ますと慎重に検討をしてほしいという強い声があるわけでございます。そういう問題を含んでおるということを私たちは十分考えていかなければいけない、このように思っております。 いずれにせよ、このたびの減税における個人住民税の具体的対応については、先ほど申し上げた税の性格、地方財政に与える影響、また今後の地方分権の推進に伴う地方税源の充実確保の要請等の点も踏まえつつ、これから政府税制調査会等を初め各方面において幅広い議論と検討をしていただきたい、このように思っておるわけでございます。 以上でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 関連して発言をお許しいただきとうございます。 この件につきまして、昨日私が衆議院の予算委員会で舌足らずの発言をいたしました。誤解を生じましたことをまことに遺憾に存じます。今、自治大臣の言われましたとおり、最終的に関係者がよくよく相談をいたしました上で決定をし御審議を仰ぎたいと思っております。
○鴻池祥肇君 突然御指名を申し上げまして失礼をいたしました。ただいまの御発言どおり十分なる御検討をお願い申し上げたいと思います。 さて、有馬文部大臣、私は東大というのはもう一生無縁だというふうに思っておりましたし、まして東大学長という方と対話することはないだろうと思っておりました。しかし、このような場所で、逆転ではありませんけれども、御質問を申し上げる機会を得たということは大変光栄に存じておるところです。 しかし、何から言っていいかと思って、実は私としては、こういう新聞の切り抜きを、まさか有馬先生が文部大臣になられるということは全く知らない、あるいは選挙にお出になるということを全く知らない、この平成十年四月十六日の毎日新聞を私は切り抜きをして持っておったんです。とても共感を覚えました。項目だけ申し上げたいと思います。「日本が忘れた美徳」、「「家風」を作ろう」、「宗教の影響消えた」、「子供をほめよう」と、こういうタイトルで、まさにこの日本の国柄について大変大事なことが書いてありました。 せっかくの機会でございますので、質問という形ではないことをお許しいただきたいと思いますけれども、国民の皆様にも一言二言語りかけていただきたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) ただいま私が前に新聞に申しましたことを引用されまして御質問賜りました。 私がそこで述べようと思っておりましたことは、日本人というのは極めて倫理観のある清潔な国民であったということでございます。それがやはりこの五十年ぐらいというか三十年ぐらいややそういうことが欠けてきているということが残念であるということで、そのようなインタビューを受けた次第でございます。 教育において徳育というのは極めて大切なことと考えており、道徳性を身につけた子供たちを育てることの重要性はいつの時代でも変わらないものだと思っております。現在の学校教育においても、正義感であるとか基本的な倫理観、他人を思いやる心、信頼などということは道徳の時間を中心に教えることになっております。ただし、徳目を表面的に教えるだけの指導になるということが多くありまして、必ずしもまだ十分ではないと思っております。 私も中央教育審議会の会長時代にこの問題について大変心配をいたしまして、日本人が培ってきた美徳というものを大切に家庭や地域社会の協力を得て教育をさらによくしていくべきだということを常々言っていた次第でございます。そういう点で、中央教育審議会の答申の中でも、そういうふうに正義感であるとか倫理観であるとか道徳であるとか、あるいは宗教的な情操という言葉を使っておりますが、自然の中で人間が大変尊敬すべき力があると思いますので、そういうものに対する真摯な気持ち、そういうものを子供たちに育てるべきであると考えている次第でございます。 その新聞に出ておりましたことについてお答えを申し上げた次第でございます。
○鴻池祥肇君 有馬大臣、まことにありがとうございました。 私も本当に大事なことだと存じます。文部行政の中にその先生の大切な哲学といいますか、これを生かしていただきたいということを心からお願いを申し上げたいと思います。 私は、こんなすばらしい機会を与えていただき、ここに立ちまして、次のようなことを思い浮かべながら発言をさせていただいております。 昭和十一年二月二十六日に、というのは二・二六事件、その後の国会で、軍人の政治運動は撤廃すべきである、厳禁すべきであると、こういういわゆる粛軍演説をされました斎藤隆夫先生。また昭和十五年二月には、政府は聖戦の美名のもとに隠れて国民の犠牲を忘れていると軍部の全盛時代に軍部と政府を痛烈に攻撃し、軍部の反発を買って衆議院議員を除名されました斎藤隆夫先生でございます。 私も兵庫県人でありまして、私の尊敬する政治家でいらっしゃるわけでありまして、兵庫県は但馬路の出石の町の郊外に斎藤隆夫記念館、静思堂という記念館ができております。小雪の舞い散る但馬路に、あるいは新緑の但馬路に参りましたときには私もそこを訪れ、そして斎藤隆夫先生のまさに信なくば立たず、言うべきことは言う、あるいは党利党略を図らず、選挙区にもこびを売らないその政治家の姿勢を少しでも自分のものにしたいという思いでそこにたたずむことがたびたびでございます。 幸せなことに、最近は軍部はございません。しかし、軍部に遠慮するかわりに、遠慮をしなきゃいかぬというような状況が起きているように思います。いわゆる近隣諸国という、過去の軍部のような、発言に気を使わなければならない。気を使わなければならない政府の気持ちはわかりますけれども、私はやはり言うべきことは言う政治家が日本の中にいてもおかしくはないのではないかと申し上げたいと思っておるわけであります。 歴史認識を中心にした質問を一つ二つ申し上げたいと思います。 来春から高校で使われる教科書、教育出版の「政治・経済」の靖国神社に関する記述に、「同神社は日本の軍国主義を象徴する施設であったから、韓国や中国などの批判を浴び、首相は翌年から公式参拝を取りやめた」などという驚くべき記述があるということを産経新聞の八月十五日の朝刊で拝見したわけであります。この記述は既に検定をパスしていると聞いております。政府は靖国神社を軍国主義の象徴などと考えていらっしゃるのか、第一点お聞きしたいと思います。 また、高等学校検定基準には、政治や宗教の扱いは公正であり、特定の政党や宗教またはその主義や信条に関しては非難したりしてはいけないというようなことも平成元年四月の文部省告示であると聞いておりますけれども、この記述はまさに靖国神社という一宗教法人に対する非難であり、検定基準にも違反しているのではないか、このように思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) お答え申し上げます。 御指摘の教科書記述は、来年度から使用予定の高校教科書「政治・経済」において、閣僚の靖国神社への公式参拝に対して韓国や中国などから批判があったことを記述している中で、その批判の理由として御指摘のことが記述されているものでございます。 この記述につきましては、教科用図書検定調査審議会の審議においても、韓国や中国などからの批判の理由として記述されたものであるとの理解のもとに許容されたものと承知しておりますが、発行者といたしましては、より適切な記述をしたいという考え方から、この記述について訂正を行う考えであると聞いております。 文部省といたしましては、教科用図書検定調査審議会の意見を聞き、適切に対処いたしたいと思っております。
○鴻池祥肇君 ただいまの文部大臣の御答弁で、多くのあの産経新聞を読まれた方が一応の安堵をされております。どうか、いわゆる国柄というものを大切にしたいという文部大臣のお気持ちが文部行政に浸透しますように、先ほども申し上げましたけれども、心からお願いを申し上げる次第であります。 もう一点、外務大臣、九月に予定されております江沢民国家主席の訪日に関してでありますけれども、共同文書なるものが作成されて、その中で村山談話の内容を踏まえた歴史認識が表明されると新聞が報じておりました。事実関係はどうなんでしょうか。 また、歴史認識につきまして既に日中共同声明文に、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」と述べられており、それで外交的には済んでいるはずだと私は思います。あえて屋上屋を架すがごとくそのような内容をつけ加えなければならない理由というのが一体どこにあるのでありましょうか。日中共同声明というのは不足があり、だめだということなんでありましょうか。 村山談話というものに政府が拘束されるというのは私は理解をいたしますけれども、それを改めて共同文書で確認するようなことは私は必要ないのではないかと思いますが、御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 突然の御質問でありますが、共同文書は日中間でできるのであればつくろうと、こういうことになって、そしてその中身とともに今協議中でございますので、現時点で今どういう内容が入るとかいうことはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○鴻池祥肇君 これ以上のことは私は追及するものも持っておりません。ただ、私の発言につきましてもひとつ外務大臣におかれましては十分意を酌んでいただきたいということもお願いを申し上げたいと思います。 今日の日本の今求めておりますのは、オーソドックスな政治哲学、大変生意気なことを言うようでありますが、そのように私は思っております。この日本という国家の歴史的な成り立ちについて深い見識を持って、この日本という国家の目に見えない秩序や安定感、こういうものがいかなる基盤から形成されているかを深く洞察すること、そしてそれを維持するために、これからも我々政治家、国民の努力と献身というもの、先ほどの文部大臣のお話にありました美徳の涵養というものが必要なものであるということ、私は強くそういう思いをいたしているということもつけ加えさせていただきたいと思います。 残りました時間につきましては、我が党のホープであります林理事から御質問をさせていただきたいと思います。まことにありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。林芳正君。
○林芳正君 委員長、ありがとうございます。関連を許されました自由民主党の林芳正でございます。 先輩の鴻池委員より大変に心を打たれる質問をここで聞かせていただいておりまして、果たしてその後に続くものが用意できたのか心もとないところでございますが、経済について若干の質疑をさせていただきました後、せっかく総括ということで全閣僚、大臣の皆様方おそろいでございますから、経済以外のことについてもお聞きをしてまいりたいと思います。 そこで、私もまだまだ若輩で三十七でございますから、今までいろんな、今までどうだった、歴史はどうであったという大変に深い御質問があったわけでございますけれども、では一体そういうことを踏まえてこれからはどうしていくのかという点に重点を置きながらお伺いをしてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。 我が国もいわゆる発展途上国のモデルというものから先進諸国へのモデルということで今ちょうど過渡期にあると、先ほど堺屋長官からも似たような趣旨のお話があったわけでございますけれども、わかりやすく言いますと、今までは自転車であった、今度は自動車になって、自転車というのはこぎ続けていないと横に倒れてしまうわけでございます。我が同僚の橋本聖子議員であれば走らなくてもずっととまっておれるわけでございますが、自転車というのはこがなければ倒れてしまう。自動車は、赤信号になればきちっととまって待つこともできるし、またアクセルを踏めばスムーズに動き出す。我が国もそろそろ自動車型にだんだんなっていかなければいけないのではないか、こういうふうに思っておりまして、自転車が自動車になっていく過程においていろんなヒッチといいますか、難しい過渡期を今から過ごしていかなければならないのではないか。 まさにそのときに、余りポンコツではなかなか変換ができない。経済をまず強いものにして、それから厳しい変換をやっていかなければいけない。この重大な転換点に、まさに小渕総理をトップとされます経済再生内閣が誕生したというのは大変に意義深いことである、こういうふうに思っておるわけでございます。 国民が大変注目しておりますのは、今からどうなっていくのかという意味で、経済戦略会議というものを総理みずからのリーダーシップによって打ち出され、今からビジョンについて、いろんな各界各層の方の知識を結集して日本のあるべき姿を打ち出していくんだということで大変な注目をしておるわけでございます。 まず、先ほど鴻池委員からも御質問があったところでございますけれども、改めてどういうテーマでどんなような会議になっていくのかということについて、総理にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今回、自民党の総裁選挙に立候補するに当たりまして、もし内閣を組織する栄誉を得られれば、そのときには内閣総理大臣のもとに経済戦略会議なるものを設置して、その会議の中で自由活発な御議論を展開していただきまして、総理大臣に対して献策をいただければ、これを可能な限り政治主導、ある意味ではトップダウンで政策として生かしていきたい、こう念願したわけでございます。 もともとの発想は、実はアメリカの大統領のもとに同様な機関がございまして、かなり大きな実績を残しております。そういった意味で、日本におきましても、民間の中で、実経済の中で活躍をされておられる方々を中心に、あるいはまた学者の中で、みずから学説をあらゆる機会に申し述べられてはおりますけれども、やっぱり学者の御意見を実際の政策に生かすことができないか、こう考えましてこの会議を主宰することにいたした次第でございます。 実は、まだそこで取り扱う課題というもの、すべて定めておりませんけれども、私、総理に就任いたしまして以来、全国の津々浦々と申し上げてはいかがかと思いますが、たくさんの、今こうした時期に当たってこういう政策を遂行すればいいということで、土地政策を初めといたしましてもろもろの御意見を寄せられております。私は、ぜひこういったものをこうした会議にもかけさせていただきまして、具現化できるものはいち早く打ち出していかなきゃならぬ。今回の経済再生内閣といたしましては、若干トップダウンになることもやむを得ないかと存じまして、そういった意味で、スピーディーに果断にこういった政策を遂行していきたい、そのためには官僚機構の皆さんにもぜひ御理解をいただきたいと思っております。 重ねてでありますが、ぜひ政治的なリーダーシップをできる限り発揮させていただく、それを実行するためにこの会議を最大限に活用させていただきたい、こう考えておる次第でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 政治のリーダーシップで時にはトップダウンもあり得るんだと、まさにそこを私はお聞きしたかったわけでございまして、まさに我が意を得たりでございます。 CEAのことについてお触れになっておられました。後で外務大臣にもお聞きしたいと思っておりますが、この間、日米外相会談のときにもとのこのCEAの長官にも外務大臣はお会いになってこられたということであります。 アメリカにおきましてこのCEAが果たしておる役割というのは、まさに官僚機構と別のところからいろんなアイデアを引き出して、日本でいいますと霞が関とそれ以外の政策のいい意味での競争をすることによりまして、よりお互い高め合っていくというのが私なりのアメリカのCEAに対する理解でございまして、ぜひそういうような形で運営をお願いしたい。そして、最後はやはり総理のリーダーシップということにかかっていくと思うわけでございます。 そこで、従来ですと、経済でございますから、例えば通産省ですとか経済企画庁ですとか、そういうところもいろんな提言をしたりプランニングをしたりという役割を負っておるわけでございまして、その辺との関係についてどうなっていくのか。また、いろんな問題につきましていわゆる省庁の縦割り、これはあと数年で省庁が再編されればある程度は片づく問題でありますが、それまではいろんな問題につきまして省庁の縦割りというものに我々もぶつかることが多いわけでございまして、そういった経済関係の他省庁との関係について、総理、どういうふうにお考えがあるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 日本の経済官庁のみならず官僚機構というものは世界最大のシンクタンクだ、こう言われておるくらいでございます。したがいまして、いろんなグッドアイデアも恐らくそれぞれ検討しておるんだろうと思いますが、実際、それが法律となりそして実行されていくという経過を従前とっておりますし、今でもその必要はあると思っております。 ただ、現在のこの状況は、可及的速やかに諸問題を解決する、時間に追われておるような感じがいたしておりまして、そういった意味で、官僚機構の中で温められておるいいアイデアあるいは政策というものがボトムアップで出てくる間に、そう言ってはなんですが半年一年かかってしまうということでございますので、そういった意味で、先ほど申し上げましたように、そうした考え方は従来とも大いに活用しなければならぬと思っておりますけれども、この際はぜひトップダウンでできるような方式というものも考えていかなきゃならぬ。 今、カウンシル・オブ・エコノミック・アドバイザーズですか、このアメリカの例を私は引かせていただきましたけれども、そういった形でこの際は両々相まってぜひよい政策を一日も早く実行させていただきたい、このように考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。大変に期待をいたしておるところをお伝え申し上げたい、こういうふうに思います。 それで、時間がないということでございまして、まさに総理がもう総理になられる前からこの減税のお話をされておられまして、直接国民にかかわる問題でございますから、大変な関心を持って国民の皆さんが、これが具体的にどういうふうになっていくのかということを待っていらっしゃる、こういうふうに思うわけでございます。 先ほど来いろんな議論がありましたように、所定の手続を踏んでいくわけでございますが、今回の減税とそれから長期の関係、いろいろ難しい問題があるわけでございますが、今回総理がおやりになろうとしている減税について大まかなところをひとつ、テレビでたくさんの国民が見ていらっしゃいますから、私にというよりも国民の皆さんに、こういうことになるんだ、こういうことを考えているんだということを総理のお言葉でいただけたら幸いに存じますが、お願いいたします。
○国務大臣(小渕恵三君) これまた異例のことであったかと思いますけれども、自民党総裁選挙というものがございまして、そこで、考え方として政権構想というものを出馬した三人とも出させていただきました。私といたしましては、特に税の問題あるいは補正予算の問題等に触れまして提案をさせていただきまして、その者が実は総裁として当選をさせていただき、今日はこの責任を負っておることを考えますと、先に公約ありきだという感じもしないでもありません。 この点につきましては、宮澤大蔵大臣にもお願いをしまして、党内的ないろいろ手続も後でお願いをするようなことになりましてまことに恐縮でございましたけれども、私といたしまして、今御指摘の税の問題につきましては、いわゆる所得課税につきましては、現在最高税率六五プロになっておるわけですが、これを五〇プロまで引き下げる、あるいは法人課税につきましても四六・三六と言われるものを四〇%まで引き下げると、これが実はみそでございます。 なぜその数字が出てきたかということは、長い間私いわゆる国際的な税制を考えまして、今世界がグローバル化しまして、彼我の間の税制が余りにも高低あっては、そのことによってやはり企業なり個人なりが資産を移動させる、あるいは企業体もその低き法人税のございます国に流れてしまうというようなことを考えますと、そういった点で本当の意味での競争が同じベースで戦われておるかということに対する反省もございましたので、この際はそういった点で二つの税につきましてある意味で国際並みに引き下げることを念願しておりましたので、この機会にそのことを主張させていただき、これからそれを実現させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。 それと同時に、ただ、将来にわたる制度的な減税の中ですべて法人税、所得税、そしてその他の税にわたりましても、今の時点で長きにわたってこの際申し上げることはいささか一内閣としては僣越かと思いましたので、言葉としてでございますけれども、恒久減税改めまして恒久的減税と、こう実は申し上げさせていただいておる次第でございますが、こうした税制を通じまして現在の内閣の最大の課題であります経済活性化、再建、こういうことにつきまして、この税制改正も必ず大きな役割を果たし得るものと、こう認識をいたしまして、提案させていただこうといたしておる次第でございます。
○林芳正君 大変わかりやすいお言葉で御説明をいただきまして、ありがとうございました。 まさに総理が公約をされて、総理の政治的なリーダーシップでやると言ったことが、いろんな手続もありますけれども、本当に実現するんだという、先ほどの経済戦略会議でもそうでございますが、これが一つの宣伝になっていくんではないかなと大変に期待をしておるところでございます。 そこで、今スピードとそれからグローバルスタンダードという御趣旨の御答弁いただきました。 まさに、昔は弱肉強食とか大きいものが小さいものを食べてしまうということでありましたが、私の大変に親しくさせていただいております竹中平蔵先生という方がおられますけれども、最近はそうではなくてファスト・イーツ・スローだと。速く動く者がゆっくり動く人を食べてしまう、こういうふうになってくるんだということでございまして、まさに制度間の競争をいろんな国と一緒にやっておって、遅くなっちゃったら人材もいろんな企業も外に出ていってしまう。こういうことで、大変にいい御認識をしていただいて、実は私も当選以来、毎年毎年年末になりますと党の税調で、なかなか手を挙げても当ててもらえないんですが、そこをかいくぐって早く法人税を国際水準並みに下げてくれと、もう三年越しでずっとお願いをしてまいりまして、やっと総理のリーダーシップで少し今までの予想よりも早く実現できるのかなと大変にうれしく思っておるわけでございます。 そこで、総理に大変わかりやすく、しかも詳しく御答弁いただいたので、大蔵大臣にあえてお尋ねしようと思っておりましたけれども割愛をさせていただきまして、経企庁長官にお尋ねしたいわけでございます。 短期的に減税をやりますと、これは短期的には大変に景気に対してプラスの影響が出ると、こういうことでございますが、一方で財源がやはり赤字国債に過半は頼らざるを得ないということでございまして、長期的にはやはり赤字がふえる方向になるわけでございますから、長期の我が国のいわば潜在的な成長の見通しといいますか期待成長率というものは若干下方に押し下げられるんではないか、このバランスをどうやってとっていくかというのが大変に政治のリーダーシップに最後はかかってくると、こう思うわけでございますけれども、このバランスのとり方について、長官、どういうふうな御見解をお持ちかお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済の長期の見通しは、今の変化の大きな時代には容易にわかりにくいところがございます。 例えば、今から十年、十五年前、レーガノミックスというのをアメリカでレーガン大統領が行ったとき、双子の赤字ということが盛んに言われました。そのときに、増税なくしてアメリカの財政が黒字になるとはだれも思わなかったんです。確かにその後幾分増税いたしましたけれども、それほどの増税なしに現在アメリカの財政は黒字になっております。それは一方では経済が成長したこと、もう一方では冷戦構造が終わって軍事費を削減したことが結構大きいのでございますけれども、そういう前例を見ましても、日本の将来も、今赤字ならすぐ増税というように考える必要はないんじゃないか。経済の成長、あるいは支出の削減、もしくは国有財産等の売却あるいはこれの高率収益化、そういったいろんな観点を考えていく必要があると思います。 先ほど小渕総理がおっしゃいました経済戦略会議でも、そういう点も含めて検討して、多くの選択肢を持って日本の未来を見ていきたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 レーガノミックスについてお触れになられましたけれども、まさに一九八〇年と八六年と二回大きな税制の改革をやりました。一度目は大減税で、全くレベニュー・ニュートラルではなかったということであります。このときの大減税とそれから規制緩和をあわせてやったということが、まさに今の、十数年たちましてからの景気の好調さに結びついているんではないかと私は理解をしております。 そこで、今赤字が積み上がったからといってすぐ増税ということにならないというお話でありました。まさに、次に大蔵大臣に大変聞きにくい御質問をするわけでございますが、大蔵省では中期の財政見通しというのはつくっております。例えば経済成長率が二・五とか財政・税収構造はこういうこと、前提を置きまして機械的に五年間でこうなりますというのはつくっておりますが、じゃ、ことし法人税をこうやって、来年、再来年、例えば五年後に景気がよくなって戻ってくるといったような税制の改革も含めた五年ぐらいの中期の財政計画、これは政治的な意思も入ってくるわけでございますが、こういうものをつくってある程度国民にこうですと言うことが大変に国民にとって将来的なビジョンと安心感を与えるのではないか。これは現実的には大変難しいと思いますが、いわば御質問というよりも提案ということでございますけれども、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) あの資料は、もう大分昔になりますけれども、予算委員会の御審議の場においてこういうものを提出せよということがありまして、その後ずっと今年まで提出をいたしております。 林委員の言われますように、あれは変動する経済というものをほとんど考えておりませんで、ある意味では何かのお役には立っておりますけれども、余りリアリティーのないものに実はなっておるということを私はよく事務当局に申しまして、何とかならないのかなと言うんですが、将来の減税、増税を予想したり、将来の歳出歳入を予想するということは、行政府としてはある意味で全く僣越なことでありますし、また心もとないことでございます。 国全体のそういう計画がございませんので、それでどうもどうしようもございませんというようなことで、また仮にそれをあえて一つの想定を置くといたしますと、今度は将来の政策決定にまた影響を与える、それはまた僣越なことでございますから、というようなことでああいうことに落ちついていると私は理解しています。 ただ、お時間をそんなに食いませんので、ちょっと主計局長からお聞きくださいますか。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 ただいま大蔵大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、やや技術的にわたる点につきまして私から御答弁申し上げます。 現在、予算委員会に提出しております中期財政試算につきましては、中期的視点に立って財政を進めていく上での手がかりとして提出しておるのでございます。これは、まさに提出された予算を前提にいたしまして、機械的に将来を投影した姿を示しているものでございます。 先生御指摘のような将来どのような政策が行われるか、そういうものまである程度織り込んだものができないかということでございますが、それはまさにその時点での政治的判断に基づくものでございまして、行政府としてそれを織り込んだ財政計画を作成することはなかなか難しいのではないかと考えております。
○林芳正君 主計局長の答弁はよくわかるんですが、例えば先ほど総理がおっしゃいましたある程度の大枠で、仮に数字を置いてケースA、ケースB、ケースCというような前提で、別にそれをやるとかやらないとかじゃなくて、やった場合どうなるかということでの試算が三つか四つぐらい出てくるというのはいかがでございましょうか。
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。 先生の御提案のような形を考えてみますと、多分、経済の姿から始まって財政支出あるいは税制政策を含めていろいろなケースの組み合わせになるのではないか。それから、それがまたそれぞれ経済に対してどういう形になっていくか、それが成長率にどう与えるかということはそう簡単には出てこないのではないか。そういう意味で、行政府として責任ある数字を議会の方に提出することは困難ではないかと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 主計局におつくりいただくというよりも、先ほどの日本版CEAとか堺屋長官のところの経済企画庁ですとか、そういうところへお願いをするものだろうなと私も知りながら聞かせていただいておったわけでございます。 そこで、今回は補正と来年度の予算を一緒にして十五カ月予算だということで、新聞紙上で私も拝見をさせていただいておるところでございますが、今までにそういうような予算編成、言い方の問題だと思うんですが、そういう例がございますでしょうか。大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五十二年と思います。福田内閣で私おりましたときに、十五カ月予算というものをたしか編成した記憶がございます。
○林芳正君 そういう実例があったということでございます。そのときと比較していただいても結構なんでございますが、どういう状況の中でそういうことをやって、どういうようなメリットといいますか、与えるイメージでも結構でございますし、予算編成の自由度が広がったとかいろんな事務的なことでも結構でございますが、どういうことがあったのか、そして今回またどういうようなメリットを期待しておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) あのときもやはり世界不況でございまして、日本が機関車になれ、なる、ならないというような議論があった年でございますけれども、今回もやはり大変な不況でございまして、今執行しております当初予算の公共事業は大変な前倒しをいたしております。かつてない大きな前倒しで、八三、一番大きな前倒しをしております。したがって、これは、ある段階、来年の一、二、三、どこかそのあたりで切れていきますことがわかっておりますので、追加をいたさなければならないことも明らかです。 したがいまして、来年度の予算編成をいたします、先日別枠を設けまして、合計四兆円の特別枠を公共、非公共に設けまして、その一・五倍あるいは一・七五倍の要求を十月までにしてもらって、少し普通よりおくらせてございますけれども、その時期に合いますようなプロジェクトを要求してもらいまして、そして本予算を組みますが、相当部分を第二次補正の方に移しかえたら来年の春から年度初めにかけましての切れが防げるだろうと。そういうことを考えますと、十五カ月というような名前を使いませんでも自然にそういう作業のフローになりますものですから、そういうフローをしてこれをこっちへ移すというのが現実的だろうと考えたわけです。
○林芳正君 ありがとうございました。 まさに前倒しをするということは、前の方に寄って後ろの方が薄くなっちゃうなというのはだれでもわかるわけでございますから、その辺の不安に対してきちっと十五カ月というネーミングで不安を解消しということだと思うのでございますが、十五カ月がだんだん延びていって中期財政計画というようなものになればいいなと思ったりもするわけでございます。ただ、大蔵大臣がさっきおっしゃったように、政治的に次の方を縛るということになりますから、十五カ月というのはそういう意味ではなくて、むしろ前倒ししたもの、またスムーズな移行という意味だというふうに私も理解をするところでございます。 それで、少し今お触れになりましたけれども、十一年度の予算は十五カ月含めて特別枠を今までと違ったものをおつくりになるということでございます。しかも、その一・五倍要求してみろ、知恵を絞って今までのもの、また今までとちょっと違ったもの、そして景気に大変いいものというふうにお伺いをしておりますが、どういうような内容というのが、財政当局といいますか、大蔵省としてはこういうのがいいんじゃないかなというのを少しイメージができるようなお答えをいただけるとありがたいのでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) こういう枠を設けるということは、実は突然と申しますか、予告なしに決定いたしましたから、各省ではいろいろ思っていることがございましても、今までの考えですと、新しいものを持ち出すときは古いものをスクラップしなきゃならぬ、スクラップ・アンド・ビルドということで制約がございました。今度はそれをかけてございませんのが特別枠の一つの特徴でございます。 二・七兆円の方は公共事業でございますが、その公共でない方、一・三兆円の方はいわゆるあらゆる分野と申しますか、こういう景気回復のために即効的な効果のあるものを考えてほしい、これ十月までに考えてくれればいいということで、その間に各省庁、今までやりたくても何かを犠牲にしなければできないのでやれなかったとかいろいろ前からの順序があったとか、そういうことでない、そういうことを離れてやってみようじゃないかということで新しいものが出ることを期待しておりますが、そのほかに情報通信とか科学技術あるいは環境等々二十一世紀向きの特別枠というものをつくっておりまして、これは千五百億円でございます。これでも一つの新しいものが今までのいわゆる前向きのものが出てくるのではないかと思いますが、これは千五百億円でございますから、大きいのは前二つの四兆円であろうと思います。 既に各省庁でいろいろお考えになっておられるようですし、今まで考えていたけれどもいろんな事情で持ち出せなかったというようなものも出てくるのではないかと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 本件につきましては、実は私、自民党の幹事長をいたしておりましたときに旧来の予算編成、その後予算に対する党の立場で生活関連の特別枠というのを設けることにいたした経験がございました。従来の各省庁間の配分が何年たっても実は大体同じシェアで続いておる、やっぱりこういうものを打ち破らなきゃならぬということで一つの考え方として取り上げさせていただきました。 今般、大蔵大臣から今御説明いただきましたように、三つの枠を設けさせていただきまして、できれば内閣総理大臣枠といっては大変恐縮でございますけれども、そういう形で配分につきましても各省庁、従来のことでなくしてそれぞれが、コンペ方式というのもいかがかと思いますけれども、知恵を絞ってこういう予算を必要とするということでありましたら十月まで十分検討していただきまして、その中でよりよき予算を編成できたらよろしいのではないか、こういうことで大蔵大臣に特にお願いしてこういう形式にさせていただいたということでございます。
○林芳正君 総理ありがとうございました。大蔵大臣ありがとうございました。 まさに総理枠と総理おっしゃいましたけれども、思い切って総理の決断で一・五倍来るということは〇・五は捨ててしまうわけでございますから、全部横並びで一・五分の一になるようなことではなくて政治的なリーダーシップでめり張りのきいた枠の使い方をお願いしたいな、こういうふうに思うわけでございます。 特に、大蔵大臣お触れになりました公共、非公共もそうでございますけれども、特に情報通信、科学技術、環境等千五百億円と大変小さい、二・七、一・三に比べれば小さく見えるわけでございますけれども、新しいものというのは大変に小さな種からだんだん大きくなるというようなこともあるわけでございまして、ぜひここでやっておいたことが私が定年を迎えるころには、あのとき小渕総理が御決断なさったのが今できているなと思うような御決断をいただきたいな、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、経企庁長官にもう一回お伺いしたいんですが、前の参議院の本会議で多少議論があったところでございますが、景気判断指数の早期の発表ということでございまして、実は我が党の野沢筆頭からもいろんなお知恵をいただいたわけでございますが、財構法を最初に提出したときのタイミングというものと、我が国の景気がちょっとよくなったかなと思ったら実はもう悪かったというのが微妙に絡んでおるというような気が私はいたしております。これは私の個人的な見方でございますが、実は去年の七月でございますけれども、いわゆる一致指数、先行指数と一致と遅行というのがあるわけでございますが、七月の一致指数は九〇%、二重丸だということだったわけでございますが、八月は逆に一〇%に急低下と、この新聞記事を持ってまいったわけでございますが、(資料を示す)こういうことになっておるわけでございます。 しかしながら、この七月の大変いい数字が実際に発表されたのは九月の二十二日でございます。大体二カ月ぐらいおくれて出てくる。で、財革法の提出が九月二十九日、そして八月の数字が大変悪かったというのが出てきたのがもう十月の二十四日でございますから、まさに八月の数字が九月ぐらいにわかっていればちょっと考え直したというような余地も出てくるんではないか。 アメリカではフラッシュと言いまして速報値で、これは大事なところなのでございますが、後で修正あり得べしと。ただ、拙速をたっとぶということで先に出して、とにかくそういう前提で使ってくださいということで、三カ月たっていろんな数字が出てくればきちっとしたものを出すという前提でフラッシュというものを出しておるというふうにもお伺いしておりますが、本会議でちょっとお触れになりましたけれども、その辺について詳しくお話を聞かせていただけたらと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 我が国の経済指標、統計につきましては、専ら正確を旨としておりますのでどうしても発表が遅いんです。それに比べまして、アメリカの方は速報値とか暫定値とかいうのを出しまして、後で正確なものに修正する。その修正の幅が大き過ぎて判断をかえって誤らせるというようなときもあるのでございますけれども、今御指摘のございましたDI、景気動向指数で見ますと、大体速報値が二カ月弱のおくれ、そして確定値が三カ月おくれというような数字で出てまいります。 そうなりますと、こういう景況の変化の激しいときには御指摘のようにずれが出てまいりまして、まさに財政改革法の審議をしておりましたとき、昨年の十月分、これは既に悪くなっていたんですが、それが出たのが十二月の二十日でございまして、財革法の審議のときにちょうど挟まっているというような状況になりました。 それで、今十五カ月予算というようなこともございまして、ひとつ日本の統計、経済指標の新しいつくり方というものをこれから経済企画庁としても研究させていただきまして、速さと正確さとわかりやすさ、この三つを兼ね備えたものにしたい。それからもう一つは、サンプル的な調査というものも加えていったらどうか。例えば小売店販売でも、全部の百貨店でなくてもサンプルでとれるような方法でも速報値を出せるような方法を考えたらどうか。この点につきましては、統計の専門家あるいは情報技術の専門家の方々にも御参加いただきまして研究をして、新しい体制をできるだけ早い機会に、きょうあすというわけにもまいりませんが、来年のうちには必ずつくりたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 大事なことは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、速報でせっかく出していただいたのがちょっと違っていたから、また何やっているんだと、こう特にメディア等がたたきますと、せっかくやってもらったということが意味がなくなってしまうということですから、修正あり得べし、スピードをたっとぶんだということを我々も肝に銘じて、来年とおっしゃいましたけれども、なるべく早く取り組んでいただければというふうに思います。 長官にもう少しお伺いしたいのは、先ほど鴻池委員からもデフレについてのお話がございました。そして、現状認識についてはいろいろ御議論がありましたけれども、いわゆるこれに対してどうしていくかということについて、いろんな方が調整インフレという言葉をお使いになって議論を展開されているようでございます。いわゆるインフレの目標を設定して、インフレターゲットと言うそうでございますが、自然の経済ではなくて、ある程度政策ツールを使ってそこまで誘導するというようなことだと私は理解をしておりますが、欧米で使われておりますのは、むしろ高くなっちゃったインフレのときに、高過ぎるインフレを下げるということで低い目標を立ててそこまで締めていく、その結果下がり過ぎちゃったということもあったようでございますが、今のようにデフレ的な余り元気のない状況で、高く目標を設定してやるというのはなかなか難しいんではないかなと私は思っております。この調整インフレについて長官、また経企庁はどういうふうにお考えか、そして今からもし使えるとしたらどういうふうな手段があるのか、その辺について御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) まず、これは私の個人の意見でございまして、役所として、また内閣としてこの問題を議論したことがございませんので、私の個人の意見として聞いていただきたいと思います。 いわゆる調整インフレという言葉には二種類ございまして、第一は物価を上げるということを目標としたものであります。一定の物価を上げるといたしますと、それにはディマンドプル、需要でどんどん引っ張って物価が上がるという状態と、それからコストプッシュ、コストが上がるから物価が上がるという状態と二つございます。 一般に調整インフレ論者が申しておりますのは、金融を大いにつけることによって需要を拡大して、それによって物価が徐々に上がるような形になればいいのではないかという意見でございます。ところが、現在の日本の状況から見ますと、今金融を豊富に提供いたしましたら需要がどんどんふえて物価が上がるほどになるだろうかといいますと、これは甚だ疑問でございます。もちろん貸し渋りその他の問題もありますけれども、今の状態で政府、日銀が資金を提供いたしましても、その資金が必要なところに、需要を生むようなところに流れるかどうか疑問でございますので、そう簡単ではないと思います。 逆にコストプッシュで、何らかの形でコストを引き上げる形でインフレを人為的につくっていくということでございますと、逆にこれは公共料金を上げるとか人件費を上げるとかいう形で企業を圧迫する、また所得が一定の方々を圧迫するという状態になるので、今はやるべきでないと考えております。 したがって、調整インフレというのもいろんな言葉の使い方があるようでございますけれども、人為的に物価を上げるということでございますと、今はやるべきでないと私は思っております。(「長官としてはどう考えているのか、個人ではだめですよ」「個人の意見は聞いていない」と呼ぶ者あり)
○委員長(倉田寛之君) 委員長として申し上げますが、国務大臣としてのお立場でお答えはいただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 国務大臣といたしましては、調整インフレはやるべきでない、今はやるべき時期でないと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。 国務大臣になられる前の堺屋先生をお呼びすると大変な謝礼を払わないとお話が聞けない、立派なお話を聞かせていただいた上で、長官としてまた簡明な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 そこで、これはなかなか難しい議論になるわけでございますけれども、先ほどちょっと冒頭で触れました高村外務大臣、早速太平洋を渡っていただきまして、私も同郷長州の末席の後輩として大変にうれしい御活躍ぶりでございますけれども、オルブライト長官初めコーエン長官にも会ってこられた、こういうことでございまして、特に経済について、日本経済のアジア、欧米に与える影響についてどういうお話し合いがあったのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) まず、オルブライト長官の方から、現下の最大の問題はアジア経済危機である、日本が経済再生することはその解決に大変役立つんだ、世界のためにも役立つんだ、こういうお話がありました。 私の方からも、小渕新内閣の経済再生に向けた努力、決意、そういったものをお伝えし、そしてそのことがアジア経済あるいは世界に対する貢献にもなるという認識をお伝えしたところでございます。 オルブライト長官の方からは、特にここはこうしろとか、あるいはここはもっとこうやってくれとか、そういう注文はありませんでした。ただ、早くやってもらうことを期待します、こういう言葉はありました。
○林芳正君 ありがとうございました。 クイック・アンド・ディサイシブ、迅速かつ決定的な政策に対する期待を表明したい、こういうことであったというふうにいただいた資料にはあります。アメリカから日本経済に対してこれまで助言をしてきたけれども、これは全部やれとかそういう意味じゃないんだ、誤解しないでほしいんだということをオルブライト長官がおっしゃったということもレポートではいただいておりますし、また、アマコストとかパッカードといった知日派の人が、余り干渉し過ぎだった、今までのクリントン政権の対日外交はというようなことを、日本の新聞ですけれども討論でおっしゃっておりまして、私はブリッジバンクなんかの話にしてもそういう傾向が少しあるのかなというふうに思っておりますが、その辺について外務大臣、もし何かございましたらお願いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) オルブライト長官からは、私たちがいろいろ言うのは何とか日本経済に対してお手伝いができることがあれば自分たちもしたいという意味で言っているんだ、誤解しないでほしいと、別に私は誤解していませんでしたが、そういうお話がありました。 それでよろしいですか。
○林芳正君 ありがとうございました。 まさにちょっとやり過ぎたなということが伝わるようにいろんなチャンネルでおっしゃっているんではないかなと、こう思うわけでございます。 ブリッジバンクのことを少し申し上げましたけれども、アメリカの八〇年代、RTCでいろいろ処理をしたときも、実はSアンドLとかブリッジバンクみたいなところでやったのはかなり規模の小さい銀行であって、特にアメリカは日本のような全国銀行というか都市銀行みたいなのは余りなくて、州の中でしかできないというのが原則でございますから、ちょっと我々の常識とは違う処理をしておった。預金保険公社、FDICというのがございますが、ここのいわゆる折衝ということで、ごみ箱に入れずにやったという例も実はあるというふうにもお聞きしておるわけでございまして、その辺がちょっとにじみ出てきたのかなという印象を持っております。 この辺につきまして、通告は差し上げておりませんが、外務大臣また大蔵大臣、もし御見解があれば賜りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) たまたま私は自民党の方でこの立案をやっておりましたので、その経験だけしか申し上げられませんが、北海道拓殖銀行でああいうことが起こりまして、北洋銀行があれをしょうのはなかなか実際上難しい。それは昨年の十一月、十二月ごろの判断でございますけれども、恐らく非常に難しいだろうと。実際難しくなりましたが。そうすると、銀行がつぶれて預金者は保護されている。しかし、善意の、いいお客さんというのはもう路頭に迷うわけでございますから、何とかしておかないとつぶすものをつぶすというときにやっぱりちゅうちょが出る、そういう気持ちがございまして、お客さんを保護することを考える必要があるというふうにみんなで思ったわけでございます。 それを、さあしかしどういうことでやればいいかというのでいろいろ議論をいたしましたけれども、私はたまたまアメリカでやっておることにヒントを得まして、その銀行をあり姿のままで金融管理人を入れて、経営陣を追っ払って、そういうふうにやるのが一番簡単だろう。今まで勤めている人はお客さんもよく知っておりますから、そういうことなら一番コストが少ないし、新しい人も雇う必要がないじゃないかと。それが原型で考えついたことでございまして、別段、プレッシャーとはおっしゃいませんでしたが、そういう意味でのアメリカとの関係はなかったように思います。
○国務大臣(高村正彦君) いわゆる有識者、四人の方といろいろと話をさせていただく機会を持ったんですが、その中で一人の方が言っておられたのは、日本ではアメリカにおいては調子が悪くなった銀行は大銀行であっても市場の趨勢に任せて平気でつぶしちゃうように誤解されているけれども、アメリカだって大銀行をそう簡単につぶしませんよ、いろいろ手を打つんですよ、そういうお話があったことは印象的でありました。
○林芳正君 次に御質問しようと思っておりましたが、外務大臣からお答えいただきました。 先ほども申し上げましたように、ポーラ・スターンとか、世銀で先ほどのもとのCEAのジョセフ・スティグリッツとお会いになっておられるようでございますが、そこで、今につけ加えて、北米局長、どういう方とお会いになってどういうお話があったか、もう少し詳しくお聞かせ願えればと思います。 大臣、もしつけ加えることがあればまずお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 実は四人の方にお会いした私の方の最大の関心事は、小渕内閣で断固たる姿勢で経済を再生しようとしている、そして具体的政策も打ち出している、それにもかかわらず市場が必ずしも評価していない理由はどう考えますかということをお聞きしたいと思ったんです。 それで、実際お聞きいたしました。そうしたら、その政策の内容がいいとか悪いとかいうことではないんだ、むしろこれが本当に早くできるかなということについて半信半疑なんだと。特に、参議院での構成が、みんな知日派の方ですからよく知っているわけで、自民党が過半数を割っている、大丈夫なんですかと、こういうお話がありました。そのとき私は、合意形成の参議院ということを言わなかったわけでありますが、それはそれとして、日本経済の国難とも言えるこの時期に、参議院の方は与野党とも含めてやはり国益ということを第一に考えていただいているから、何らかの形できちっとした法案の処理ができるでしょうと、こういうことは申し上げておきました。
○政府委員(竹内行夫君) 大臣の訪米中の有識者との会談は、十四日の夕方、日本大使の公邸で行われましたが、出席者は、先ほど先生からお述べになりましたポーラ・スターン元国際貿易委員長、スティグリッツ世銀上級副総裁、これは元大統領経済諮問委員長でございますが、に加えましてウィリアム・ブリア戦略国際問題研究所日本部長及びフレッド・ハイアット・ワシントン・ポスト論説委員でございました。 この懇談の中身につきましては、実はオフレコということで自由な懇談ということとさせていただきましたが、先ほど来大臣から御説明がございましたとおり、日本経済の再生策につきましていろいろな観点から活発な意見交換があった、こういうことでございます。 加えまして、政治問題といいますか国際情勢問題につきまして、例えばイラクの問題、ロシアの経済、金融危機の問題ということが話題になりました。
○林芳正君 ありがとうございました。 向こうは有識者といいましても政府におられた方とか、まさにお会いになった方皆さんそうですけれども、今からまた政府に入られるかもしれないということですから、大変有意義なお話をされて、また我々にも参考になるお話だったというふうに思っております。 そこでもう一つ、この前の予算委員会で私が当時の外務省にお聞きしたことで最近また再燃してまいりましたのは中国の人民元の問題でございます。当時もいろんな状況の中からいろんな御指摘がありまして、人民元が引き下がることによってまたスパイラル的にアジアの金融危機が再発するんではないかということも指摘をされておりましたが、その後の中国の断固とした態度、大変にコンフィデンスを持って市場に迎えられまして今まで来ておりますけれども、またここに来て大丈夫かなというようなことを言われております。 そのとき私が申し上げたのは、単に輸出競争力だけではなくて、例えば台湾との外交上のバランスですとか、それから国内の、国営企業の改革によって改革の苦しみを味わっているという国内的なプレッシャーという問題もあるんではないかという御指摘をしたわけでございますが、他国のことですからどうだこうだというんではなくて、むしろその取り巻く状況について我が国の外務省としてどういう認識を現在されておられるかということについて、外務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 御指摘のように、数度にわたって中国の当局者は、元は切り下げないんだ、こういうことを言明しているわけであります。 確かに、輸出競争力の問題はあるにしても、中国全体にとっても元を切り下げないことのメリットの方が大きいのではないかと思われますし、世界じゅうがまた中国の元は切り下げないということについて高く評価しているわけでありますから、中国もその国際公約とも言うべき元は切り下げないということは守っていかれるのではないか、こういうふうに私は感じております。
○林芳正君 ありがとうございました。 ここでもやはり政治的な決断というかリーダーシップというのが大変大きく経済に影響を与えるということだと思います。 そこで、経済にもかかわりますけれども、先ほど民主党の今井先生、千葉先生からもお話があった年金問題についてちょっと総括的な御質問をしたいと思うんですが、来年、財政再計算、五年に一回ですが、今後どういうようなスケジュールでそこへ改革案をまとめていくのか。 そして、一部では、この一階の基礎部分はもう税方式にした方がいいんではないか。特に二十代では加入率が大変低い、どうせ払っても、将来払ったより少ないぐらいしかもらえないんじゃないか。私は三十七ですから、ちょうど払った分が戻ってくるぐらいのはざまでございまして、私より年の下の方はもう損するんだというような記事がメディア等を通じて流れておるわけでございます。この議論についていろいろメリット、デメリットがあると思いますが、いかがか。 そして、まとめてお聞きしますけれども、例えばその二階、三階、そしてその上について、いわゆる確定拠出型の年金ということの導入普及を図るべきではないか。今のままでいきますと、負担と給付が一つの式で決まるものですから、どうしても考え方が狭くなってしまうわけでございますが、これを導入することによって、いわゆる自己責任というものもふえますけれども、うまくやれば大変な年金額の積み上がりというのも期待されると思うわけでございますが、そのような諸問題についていかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) お答えを申し上げます。 今、委員の御指摘は三点ございますが、一つは、平成十一年に向けまして五年ごとの財政再計算期に今入っておりますから、今年中にその見通しをつけなければなりません。年金は所得保障を通じて国民生活に非常に密接な関係があります。そして同時に、若い方々が今の状況で人口の少子・高齢化が進むと一体維持できるかどうかなという不安感もございますから、私どもはこれは非常に重要な課題だとして受けとめております。 今の予定で申しますと、年金審議会というのは一昨年から審議を開始しまして、もう二十数回やっておりますが、九月ごろを目途に意見書を取りまとめていただくということで、今総括的な審議をいただいております。この意見書が出ますれば、年金審議会の意見等を踏まえまして、ことしの秋には厚生省としての案も取りまとめていきたい、そして関係各方面との調整を経て通常国会に法案を提出したいということでございます。十分な国民的な論議を尽くしませんと、負担と給付の均衡、バランスの問題がございますから、私ども国民の意見を聞く機会も設けていきたい、こう思っております。 それから二番目の基礎年金、御承知のように今の年金は国民皆年金でございまして、基礎年金という上に報酬比例部分を組み立てております。その一部は国民年金とは基礎年金だけを国民年金として扱っておるわけでございます。そして、今の補助制度でいいますと、基礎年金に対する三分の一の補助が今の現行制度でございますが、税方式ということになりますと、これを一〇〇%税金投入によって基礎年金は賄うという趣旨であろうかと存じますが、こうしますと、いろいろな面で今、年金の保険料の滞納があったりいろいろしますけれども、そういうものは解消するとかいうようないろいろのメリットも考えられるわけでありますが、何せこれは非常に財政負担を伴うものでございます。 ちなみに、基礎年金国庫負担の平成十年度における額を申しますと、今四兆七千億ぐらいかかっておりますが、これを一〇〇%税で見るということになると十三兆三千億だという試算もなされております。 いろいろ、そういうことになりますと、税の負担の問題のほかに、一律にやりますから、ミーンズテスト、つまり資力調査もやらなくちゃいけないとか、そうなりますと、全然自己の負担がないわけでございますから、第二の生活保護になりかねないというようなおそれもございます。 それから、老後生活を税金だけで賄っていただくことになると、やはり勤労意欲との関係でモラルハザードの問題等々、いろいろのデメリットも指摘されておるところでございます。そういう主張も年来あることも十分承知しておりますが、大所高所からの検討課題ではございますが、今直ちにというわけにはなかなかまいらぬのではないかと思っております。 それから、第三点の確定拠出型年金の導入についてでございますが、今、日本の公的年金はすべて確定給付型ですね。給付がまず確定してあって、それに見合う保険料を設定して負担していただくという仕組みになっております。公的年金はすべてこういう確定給付型でございます。 ところが一方、現在アメリカ等で非常に盛んになっているのは給付の確定ではございませんで、拠出の確定ですね。出すものをきちっきちっと確定しておいて、あと給付はその資金の運用に任せてやろうという発想であろうかと思います。これは企業年金等で行われるものでございますが、アメリカでは四〇一のKというようなことで言われておりますが、我が国においてもその必要性がだんだん言われるようになってまいりました。 自民党の年金調査会等におきましても、これを取り上げようということで今検討が進められております。私どもとしてはそのメリット、デメリット、つまり一番のデメリットは、それは確定拠出ですから企業の負担もありません。しかし、それが確定的になりますが、その運用次第によっては確定的な年金給付が得られないおそれもございます。そういう不安定な要素もございますが、一方メリットもございますから、それらを勘案してやっていきたい。 しかし、この導入に当たりましてはやっぱり税制上の問題もあります。今、企業年金としては、委員御承知のように厚生年金基金とか、税制適格年金ですね、御論議いただいた、あるいは財形年金、貯蓄年金等がございますが、これらはそれぞれ扱いは違いますが、事業主の負担あるいは保険者の負担あるいは年金受給時の年金税制等々、これはやっぱり統一的にやる必要がございますから、そういう成案が得られて、私どもはそれを否定するものではございませんから、導入の暁にはそんな点を含めて総合的に検討していきたい、関係方面と調整しつつ前向きには対応していきたいなというように感じております。
○林芳正君 ありがとうございました。 大変わかりやすく御説明いただきましたけれども、税のお話が出ましたので、大蔵大臣もしくは政府委員でも結構なんですが、一階建ての部分を税でやるということについて技術的にどういうような問題といいますか、クリアしなきゃいけないところがあるか、詳しく御説明いただければと思います。
○政府委員(尾原榮夫君) 今、厚生大臣から既にお話がございましたが、基礎年金の財源を税方式、つまり使途を特定した目的税のようなもので賄うということになってまいりますと、財政の一般論でございますが、一つは目的税、この資源の配分をゆがめる、あるいは財政を硬直化させる傾向がある、こういった点についてどう考えるんだろうか。 それからもう一つは社会保険方式、まさに受益と負担の対応関係が明確でございまして、保険料と給付のバランスを確保できる、こういう利点がございます。社会保険方式のこういう長所をどう考えるのか。 また、今の税で、逆に申し上げますと、目的税ということになりますと受益と負担との対応関係が必要になってくると思われますが、そのような税が果たして仕組み得るのだろうかというようなこともあろうかと思います。 それから、これも大臣からお話がございましたが、税方式へ転換する場合には、まさに税金で賄っておりますほかの社会保障制度と年金制度、これがどう違うのか同じなのかという問題も出てくるような気がいたします。 いずれにいたしましても、今言ったような問題につきまして慎重な検討が必要であろうというふうに考えているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 冒頭に申し上げましたように、将来にわたってどういうことかということで、年金も大変に大事な関心深い問題でございますが、ちょっと話題を変えますと、最近は環境についても将来どうなっていくのかということをいろんなところでいろんな議論がされております。そこで、温暖化のときもCO2の話がいろいろ出ましたけれども、身近なところで自動車、低公害車ということについて今から我々は考えていかなければいけないんではないかな、こういうふうに思います。 そこで、インフラを整備したり、それからどうやったら少し高いようなものを買っていただけるのか。インセンティブとか意識改革とかいろいろあると思うんですけれども、低公害車の普及についてどんなようなビジョンがあって、どういった普及策が考えられるのか、環境庁長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(真鍋賢二君) 林議員にお答え申し上げます。 地球規模で見ましたら、温暖化現象が呈されておるということは御承知のとおりであります。そしてまた、それに伴いましていろんな変化が生じております。御承知のように、このところエルニーニョ現象ということで、世界各国に干ばつとか洪水とか、また農産物被害とか食糧問題等々に関しまして大きな被害が出ておるところであります。 予測によりますと、この温暖化現象ということで、二十一世紀にまたがって世界は温度が二度ぐらい上がっていくんじゃないか。二度上がると水面が五十センチ上がるそうでございます。五十センチ上がりますと、世界の中での生態系というのが大きな変化を来すと同時に、日本でも今すばらしい海浜地帯がありましてもそれが水没する、また太平洋地域にありましても小さな島が水没してしまうんじゃないだろうか、こんな予測さえ立てられておるわけであります。 それは何が原因かということになりますと、去年の十二月、京都で行われました地球温暖化防止国際会議におきましても、CO2の影響、二酸化炭素の影響が非常に大きいというふうに位置づけられたわけであります。そこで、一九九〇年の一つの想定をもとにいたしまして各国の二酸化炭素減少目標を立てようということで、日本、アメリカ、EU諸国におきましては六、七、八%という削減目標を立てたところであります。この目標値に向かって頑張っていかなければならないわけでありますけれども、それがためにはということで自動車の排出する二酸化炭素をできるだけ少なくしていこう、それが目的達成に最も近い道じゃないか、こう考えられるわけであります。 日本国といたしましても、低公害車であります電気自動車、それからメタノール自動車、ハイブリッド自動車、また天然ガスを利用した自動車等々が考えられておるところであります。これらを駆使して何とかその目標を達成していこうということでありまして、役所の車もできますれば平成十二年度までには低公害車を導入していただいて、その普及率も一〇%ぐらいにしてもらおうという計画を立てておるところであります。 実は昨年、ハイブリッド車に対しまして税の軽減措置を講じていただいたわけでありますけれども、その軽減の効果が随分出ておりまして、今九千台ぐらいこの近郊で出ております。これをもう少し採算ベースに乗せて三十万ぐらいのところまで推し進めていくならば、これまた排気ガスも少なくなるんじゃないだろうかということでありまして、その対策はある意味においては非常にこの疲弊した経済状態に活力を与えるのじゃないかと思っておるわけであります。 そんな点で各省庁とも連携をとりながら、今あるべき税制について検討を進めておるところであります。 以上が現況でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 思わぬところに景気対策があるんではないかなと、環境庁長官の今御答弁を聞いておりまして思いました。ディマンドアーティキュレーションと、こう言うそうですが、政府がこういうものが必要になるんだということを言うことによって技術がそちらへ収れんしていく、それが新しい産業を生むという言葉だそうでございますが、まさにその先頭に立っていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。 そこでもう一つ、環境ホルモン問題ということもよく言われておりまして、先ほど下関地裁のお話が出ましたけれども、私の地元でございまして、ホルモンといいますと焼き肉なんでございまして、ホルモン焼きというのは福岡、太田先生がおられますけれども、実は下関がオリジナルでございまして、方言でほうるもの、捨てるものだと、それがホルモンになったという語源があるそうでございますが、ホルモンというとそんなようなイメージがあるわけでございます。 内分泌攪乱物質と、聞いただけではちょっとよくわからないような言葉でございますが、一体どういうような問題で、政府としてといいますか我々としてどういう対応をしていかなければならないのか、若干詳しく御説明いただければと思いますが、環境庁長官、お願いいたします。
○国務大臣(真鍋賢二君) 環境ホルモンといって耳新しい言葉だと思うわけでありますが、この問題については世界各国で研究を急いでおるところであります。まだこれがすべてだというような研究成果も出ておりませんので、いろんなところからそのデータを集めて、そしてこれからの検討課題にしていこうということであります。 非常に重要な環境保全上の問題であると考えておるわけでありますが、このところ雄が雌化するとか、人の精子が減少するとか、生殖機能に大きな影響が出るのではないか、さまざまな影響があると言われておるわけでありますが、そういうことがあってはならないということで、その研究成果を待っておるところであります。 このようなことで、環境庁でも環境ホルモン問題には今後どのように対応していくかということを戦略的に計画いたしておるところであります。全国一斉に調査しておりまして、このデータをもとにこれから日本の果たすべき役割を果たしていかなければならないと思っておるわけであります。OECDなどからの協力要請もございまして、この分野についても日本のしっかりとした研究調査を出していかなきゃならないと、こう思っておるわけであります。また、国立環境研究所に世界の環境ホルモンの研究の拠点になるような総合的な施設を今建設中であります。それやこれやということで、データを集めてこれからの対策を急いでまいろうと思っておるところであります。 いずれにいたしましても、未解明なところが非常に多いわけでございまして、これは何としても各国が情報を持ち寄って、環境ホルモン対策ということで危害の減少を図っていく努力をしていかなければならないと思っておるところでございます。 以上でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 なかなかつかみにくい問題でありますけれども、正体がわからない間もどんどんその現象が進行していくということでございまして、ぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 そこで、次に教育問題に移りたいと思うわけでございます。 文部大臣は心の教育ということを大変に強く訴えておられますが、具体的にどういうようなことを諸施策に落とし込んで進められようとしておられますのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) お答え申し上げます。 どなたでもお考えになりますように、二十一世紀を背負っていく人々というのは、まさに今小学校あたりにいる人々です。その子供たちがたくましく心豊かで伸び伸びと成長していくということが非常に大切だと思っております。こういうことから、これまでも教育改革プログラムにより教育改革の課題やスケジュールを明らかにしつつ、改革の推進に努めてまいりました。 今特にやろうと思っておりますことは、生きる力というものをはぐくみたいと。生きる力というのは、簡単に申しますと、単に勉強したということだけではなく、それを身につけて自分で問題を発見し、そしてそれを解決していくという力、これが第一点。それから第二点は、人に思いやりを持つ、倫理観をしっかり持つ、そして美しいものを美しいと思う、こういうふうなこと。これが二つのことでございまして、こういうことを育てていきたい。そのためにはゆとりが要るということでございまして、例えば学校を五日制にしたいというふうなことを考えております。そこで、そのゆとりの中で、正義感とか倫理観とか思いやりの心など、豊かな人間性をはぐくむ心の教育を充実していきたいと思っております。 もう一点は、これまでやや行き過ぎておりました平等主義を是正いたしまして、子供たちが持っている個性に応じて多様な選択ができる学校制度を実現していきたいと思っております。 それから、地方の教育に参画すること、すなわち教育の地方分権を進めるということを考えております。そして、主体性のある学校運営など、現場の自主性、自律性を尊重した学校づくりを進めたいと考えております。 それからもう一つ、国際社会の中で競争力を維持し、活力ある社会の実現のために、国際的に通用する大学を目指すということで大学改革を現在考えております。そして、大学における教育及び研究をさらに一層推進していきたいと思っています。 特に心の教育について御質問でございますので、現在どういうことをやろうとしているかということを具体的に申し上げますと、中央教育審議会における審議を踏まえまして、既に心の教室の整備や心の教室相談員によるカウンセリングの充実などに取り組んでおります。 また今後、平成十一年度概算要求においてもさらに具体的な施策を積極的に講じていきたいと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 各般にわたってお答えいただきました。特に心の教室とか心のカウンセラーというのはまだ知らない方も多いんじゃないかと思いますが、もう少し具体的に大臣もしくは政府委員の方からお答え願えるとありがたいんですが。
○国務大臣(有馬朗人君) 心の教室というのは、子供たちがそこに行っていろいろ相談ができるというような教室でございます。そして、カウンセラーを充実して心の教室相談員などというものをそこに設けたいと思っております。 なお、もう少し具体的に説明をさせていただきたいと思います。
○政府委員(辻村哲夫君) 大臣の答弁に補足して説明させていただきたいと思います。 まず第一、スクールカウンセラー配置ということでございます。 これは平成七年度から全国の学校に配置しておるものでございますけれども、今年度は千五百名ほどのスクールカウンセラーを配置いたしております。これは、臨床心理というものにつきましての高度の専門性を持たれた方々でございます。主として大学院で養成されるわけでございますけれども、そういう方や精神科医の方々、こうした方々を学校に配置いたしまして保護者あるいは子供のカウンセリングに応じていただく、あるいは教師の助言をいただく、こういった方を配置するというのが一つでございます。 それからもう一つは、全国の中学校八千校ほどに配置しておりますけれども、心の相談員ということで、学校外の方で子供たちが気楽に気安く自分の悩みを相談する、そういった方を週に三日ないし四日ほど学校に来ていただきまして、そして相談に応ずるような方でございます。これは今年度から開始しているものでございます。 ただいま大臣が御答弁申し上げましたのは、こうしたスクールカウンセラーの配置あるいは心の教室相談員の配置等を中心といたしまして、子供たちの心の悩み等に対しまして対応を充実していく、こういった施策を今後ともさらに充実していきたい、こういう趣旨でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 実は、去年だったと思いますけれども、現地にスクールカウンセラーの視察に行かせていただきまして、小中一貫してやっていじめが大変少なくなったという報告を聞きまして、予算のときに要望をお願いした経緯もあるわけでございます。まさに、だれかに相談するという、なかなか相談できる人が周りにいないという問題もあるわけですが、相談できる人を置く、また相談されたときにきちっと答えられる、先生に対して教えてあげるということが大変重要になるというふうに思うわけでございます。 今、文部大臣がちょっとおっしゃいましたけれども、総理の所信にも入っておりましたが、国際的に通用する大学、大変に今から人材の空洞化対策として重要になると思いますが、具体的にはどういう改革をお進めになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(有馬朗人君) 最初に私の感想を申し上げますが、日本の大学というものがかなり努力をして既に相当のレベルにあるということを申し上げておきたいと思います。 しかしながら、なおまだ十分ではないということがございまして、特にこのような国際化の時代でございますから、国際社会で活躍できる人材というものをさらに多く養成をしていかなければならないと思っております。そして、あるレベルのところにあるとは申しましたけれども、さらにより国際的に評価されるようにするために、大学の教育、研究についての質を飛躍的に向上したいと思っております。 先般、大学審議会の中間まとめにおきましては、このような観点に立ちまして、まず責任ある授業、運営など学部教育の再構築ということ、実践的な高度専門職業人養成等大学院の高度化、多様化、特に私は休講を絶対にするなということを述べている次第であります。 次に、学部の三年次卒業あるいは大学院修士課程の一年制コース等の多様な学習需要への対応、そして地域社会や産業界との連携、この辺が特に日本の大学は弱いと思うんですね。地域社会ともっと積極的に連携をしていくべきだと思います。 それで、私も何年か学長をやっておりましたけれども、日本の大学の学長はリーダーシップを発揮しにくい、そういう面がございますので、学長の補佐体制の整備、学外有識者の助言等を大学運営に取り込んでいく仕組みなど、責任のある運営体制の確立や、大学情報の積極的な提供ということを考えております。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 それからさらに、教育及び研究を通じまして、特に国立大学の場合には国税を使っているわけでありますから、説明できる、説明責任を果たすべく、自己点検・評価の充実や、第三者機関における客観的評価システムを導入すべきだと考えております。 こういうことで現在大学の活性化、充実化を図っているところでございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 そこで、国際的といいますとやはりこちらからも出ていくし、いろんな国からも留学生が来るということもあると思いますが、そこで英語教育について、アメリカ、イギリスで英語を話すのはこれは当たり前ですが、特にアジアの国でも、単語を記憶したりするのはあれですが、しゃべる能力はむしろ日本よりも一般的に高いんじゃないかと思うぐらいな気がするわけです。我が国でも早い段階から、ディス・イズ・ア・ペンではなくて、おはようございますとかそういうところから、会話から始めるということを早期に進めるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(有馬朗人君) 大変重要な御指摘を賜りましてありがとうございます。私も長い間アメリカの大学で講義をしておりました。そういうときにもやはり語学力ということが常に問題になります。 今御指摘の点についてどういうことを考えているかと申しますと、小学校の段階からさまざまな時間を使って外国人を招くということを考えております。今おっしゃられましたあいさつなど簡単な英会話、英語を使ったゲームであるとか歌などを既に行っていると思います。 本年七月の教育課程審議会の答申では、中央教育審議会の答申を受けまして、小学校における外国語の取り扱いにつきまして、各学校の実態に応じて総合的な学習の時間や特別活動などの時間において、国際理解教育の一環といたしまして、児童が外国語に触れたり外国の生活や文化などになれ親しんだりするなど、小学校段階からふさわしい体験的な学習が行われるようにする旨の提言がなされておりますので、それに従って文部省といたしましてもこういう考え方を進めていきたいと思っております。 すなわち、文部省といたしましては、教育課程審議会答申を踏まえまして、全国の小学校においてそれぞれの実情に応じ、さまざまな形で外国語の学習が展開されるものと考えております。
○林芳正君 ありがとうございました。 まさに好きこそ物の上手なれという言葉がございますが、やはり最初から難しいことではなくて、親しみを持てる導入をお願いしたい、こういうふうに思います。 もう一問だけ文部大臣にお伺いしますが、国際的に通用する大学との関連で、大学間の単位の互換性について、まだ規制がいろいろあるようでございますし、また海外の大学に行ったときの単位の互換性についてもなかなか厳しいところがあるわけでございます。今後、拡充していくべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(有馬朗人君) 私も大学にいたころからそういうことを考えておりました。極めて重要なことであると思います。 国の中だけでの単位互換もなかなか行われておりませんでした。ましてや国の内外での単位互換というのは非常に難しかったのですが、現在は、各大学におきまして単位互換制度を積極的に活用しております。この制度を利用いたしまして他大学での単位が認められた学生の数は、既に平成八年度で一万二千六百七十六人、そのうち海外の大学で取得した単位が認められましたのは三千八百六十一人となっていると聞いております。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 なお、随分前からこの考え方を議論していたのですが、ヨーロッパではエラスムス計画というのがございまして、イギリスの大学の学生がイタリーで勉強するとか、そういうことが自由にできるようになっております。日本はそれがそこまでいっていなかった、アジアではそこまでいっていなかったことが大変残念でございましたが、このところ、アジア太平洋地域の大学間交流、学部、学生交流などを目的といたしまして、当該各国、地域の大学等を構成員とするアジア太平洋大学交流機構が来年度から単位互換システムの実験を行うと聞いております。この実験がうまくいけば非常にすばらしいことと思い、文部省といたしましてもこれを積極的に支援しているところでございます。 なお、先般の大学審議会の中間まとめにおきましても、単位互換の一層の拡充を図るために、これまで三十単位を上限としておりました単位互換の認定の範囲を二倍の六十単位に拡大することを提言しております。したがいまして、文部省といたしましては、その答申を待ちまして所要の措置を講ずることといたしております。このことによって各大学がより積極的に取り組まれることを望んでいるわけであります。
○林芳正君 ありがとうございました。ぜひその方向でどんどんと拡充をお願いしたいと思います。 ちょっと順番が後先になりますが、外交、ごく最近のことについて若干お尋ねしたいのは、総理が外務大臣でいらっしゃったときに対人地雷の禁止の条約について一歩進めていただきました。最終的なゴールに向けて、まず早期締結ということに向けての総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 言うまでもありませんが、対人地雷問題は非戦闘員に大きな被害を及ぼす深刻な人道問題でありまして、その解決のために国際社会が結束して取り組んできております。 我が国といたしましても、このような国際的努力に呼応いたしまして、対人地雷の普遍的かつ効果的な禁止を目指し、イニシアチブを発揮し、昨年十二月のオタワでの対人地雷条約の署名式には私自身出席をさせていただきまして署名をいたしたところでございます。 この条約につきましては、できる限り早い発効が必要である、我が国といたしましても可能な限り早期の締結に向けて取り組んでおるところでございますが、現在、条約の早期国会提出に向けまして、条約の詳細な検討とあわせて我が国の安全保障の確保や国内法制の整備等につき鋭意検討を進めているところでございます。 また、我が国といたしましては、対人地雷の除去活動の支援等に積極的に取り組むことによりまして、二十一世紀のできるだけ早期に犠牲者ゼロの目標を実現するよう努力いたしておるところでございますが、現在、この署名をいたしました国の中で四十カ国をもってこれが発効するということになりまして、私自身、他国がどのような状況であるか実は非常に関心を深くいたしております。 ぜひ願わくは、我が国としてせっかく署名をいたしましたのでございますから、四十カ国をもって発効するその以前に我が国としてやっぱり批准の行為が行われるべきだと思いまして、政府部内を督励いたしまして、一日も早く国会にこれが条約批准のための手続をとらせていただくために今最善の努力をいたしておる次第でございます。国会に提出をさせていただきましたら、一日も早い御批准のほどもお願いいたしたいと思っております。
○林芳正君 ありがとうございました。総理の御決意が大変強く伝わってまいりました。 もう一つ、実は、武見外務政務次官、参議院から初めて外務政務次官になられたわけでございますが、総理の御決断だと思いますけれども、着任早々タジキスタンに派遣をされました。私は、大変タイムリーなスピーディーな御決断であった、そして我が国が断固としたポジションをキープするんだというメッセージを送ったことになる、こういうふうに思いますが、どのような思いでこの御決断をなさったのか、まず総理にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) タジキスタンは、御案内のとおり、かつての旧ソ連邦でございますが、独立をいたしまして、中央アジア五カ国とよく称しておるわけでございます。その中でタジキスタンが現在におきましては最も和平への道が遅かったわけでございますが、今、政府あるいは反政府側も含めまして平和に向けて努力を傾注しておるところでございまして、そのために国連の監視団も派遣されたわけでございます。言うまでもありませんが、私自身、外務大臣のときにお願いをして、秋野豊さんにその職員となって行っていただきました。 秋野さんとは実は昨年の七月に、私自身、中央アジア五カ国をともに旅行いたしまして、大変勉強をさせていただきました。 御本人は、学者さんであると同時に、大変自分の体で物を学ぶという形でございまして、当時私も、五カ国の残す一カ国に行かないことは残念だということでお話ししていましたところ、秋野さんから、タジキスタンだけは大変危険なところだからここは少しスキップしようと、こういうことになりました。そのタジキスタンに秋野さんが参られましてとうとい命を落とされまして、私自身も何とも言いがたい思いを実はいたしておるわけでございます。 こうした中ではございますけれども、この際、武見政務次官みずから乗り込まれるということでございまして、正直申し上げますと、必ずしも身の危険が、安全であるかどうか疑問のあるところでございましたけれども、今後この地域が、将来にわたって和平が達成されることが中央アジア全体にとりまして極めて重要である。そのためには、もちろん秋野さんが亡くなられたその原因、すなわち犯罪者がおるわけでございますが、そうしたことに対する状況についてみずから確かめたいというお気持ちを持っておられましたし、同時に、タジキスタンの方々をこれから日本にたくさんお呼びして少し勉強の機会もお与えしたらどうかということで、五年間、たしか五百人の方をお呼びしよう、こういう計画も持ちまして参られました。 その方向に向かって政務次官として最善の努力をされたと思っておりまして、こういう意味で、必ずこうした地域がより一層平和に向けて前進されることを日本としても応援をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○林芳正君 ありがとうございました。 同僚の武見政務次官の御活躍、うれしいところでございます。成果が大変上がったと。また、これはこぼれ話でございますが、風貌が現地の人となじみやすくて非常に仲よくなれた、こういうお話も聞いております。 それはそれとしまして、目的及び成果が大変あったことではないかと思いますが、外務大臣にこの所見をお伺いしたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(高村正彦君) 武見政務次官の訪問の目的は、総理も今触れられましたけれども、この殺害事件の真相究明、そして処罰の要求、これが第一であります。そしてさらに、関係者に和平努力をもっとしてほしいと、これを促すということであります。 武見政務次官自身、秋野さんとは国際政治学者としてももともと友人でありますし、それからラグビーの選手としてもお互いおつき合いがあったということで、本人、一生懸命やって大変な成果を上げてきた、こういうふうに評価をしております。
○林芳正君 ありがとうございました。 残り少なくなってまいりましたが、情報通信に関連しまして、野田大臣、私の最年少入閣記録の望みが絶たれた同じ年の大臣でございますが、情報通信関連で、報道によりますと、各省が連携をして、なるべく重なってむだのないようなことをやっていきたいと。アメリカではいろんなインフォメーション・スーパーハイウエーですとか先行しておるようですが、どういうものを目指しておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 林委員の御質問にお答えいたします。 この小渕内閣の最重要課題というのは経済の再生でございます。その中で、小渕総理はみずから郵政行政に深くかかわっておられた御経験から、情報通信がうまくビッグバンしてくれれば必ずや日本の経済再生の原動力になるということを信じておられ、所信の中でも語られ、また先ほどおっしゃった総理枠の中であえて情報通信という枠組みをつくっていただいたわけでございます。 私はその期待にこたえなければならないということで今取り組んでいるところでございますけれども、これまでの情報通信というのはそれだけ、例えて言うならば電話機で電話をするといったような形で国民の社会生活に役立ってきたわけであります。ではこれからの情報通信はというと、それ自体が高度化して、まさに土台とか道具という形になって改めて社会生活に貢献していく時代を迎えたのではないかと思っています。 どういうことかといえば、例えば教育の場にあっては、電話回線を使ったインターネットを利用して全国の小学生、中学生が瞬時に同じ教材を手に入れる、提供されることも可能ですし、今まで学校の先生が教えてくれなかったこと、教科書に載っていないことも、みずからインターネットを通じて調べること、検索することができるわけであります。 また、例えば医療にあっては、遠隔医療なんかよく言われているわけですけれども、高速通信網を利用することによって、例えば大変へんぴなところで事故に遭ったりけがをしたとする、そこには診療施設しかない、そこでレントゲンを撮ったりとか、けがをしているところの写真を撮って、高速通信網で専門病院に瞬時に送れば迅速にその病状がどうであるかを専門医に所見していただき、的確な医療ができるのではないかということが考えられているところであります。 そこで、じゃ郵政省はといいますと、情報通信ではエキスパートを自負することができるわけですけれども、残念ながら、必ずしも教育とか医療といったことには専門でないわけであります。国であれば文部省、厚生省がそれぞれ所管、窓口となってノウハウを持っている、それも現場や利用者の立場になったきめの細かい行政サービスを今までもやってきているわけであります。ですから、それと郵政省の情報通信という土台が結婚することによって、結びつくことによって初めて新しい付加価値のあるサービスが国民生活に提供できる、使っていただけるということになるのではないでしょうか。 つまり、連携というのはそういうことの積み重ねであり、当然これからしなければならないことであるわけです。 予算要求におきましても、繰り返しになりますけれども、その考え方が十分生かされており、とりわけ特別枠の施策に関しては、今申し上げたように、郵政省と厚生省とか、郵政省と通産省といったチームで行う施策がやはり今大多数、計画として占めているというところを御報告申し上げたいと思います。これは、先ほど来小渕総理がおっしゃっておられる政治主導の形、今まではとり合いになっていたさまざまな施策を情報通信という枠組みの中でそれぞれができることを努力し合い、溶け合っていく、これが小渕総理の言うところの新しい政治主導ではないかと思っているところでございます。 林委員は同い年でありますし、情報通信に関して一緒に勉強してきた仲間であります。だれよりもデジタル化された同僚議員だと私は信じておりますので、どうかいろいろ具体的な、そして国民一人一人に本当に役に立つような情報通信関連の施策がこの日本から生み出していけることにお力添え、御支援をお願い申し上げます。 以上でございます。
○林芳正君 ちょっと顔が緩んでしまいましたけれども、野田側近の私としては大変にありがたいお褒めの言葉をいただきました。 今、大臣からいろんなお話があった中で、すべて科学技術に直結する問題でございまして、科学技術基本法をつくりまして基本計画というのをつくって、とにかく我が国はやっぱり中長期的には科学技術だという決意を我々しておるわけでございます。 最近の新聞で、今度は海底のマントルを採取する、七キロぐらい入っていって、今まで到達できなかったようなところまで入っていくんだというような計画も科技庁の方でされておられるようでございまして、いろんな技術があるんだなと感心をいたしたわけでございます。 そこで、時間も迫ってまいりました。最後に科技庁長官に、大変に重要なこの振興計画について、政府としてどうやって取り組んでいくのか、御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹山裕君) 物的資源に恵まれない日本列島としましては、まさに科学技術の振興、寄与なくして今日の日本国はない。まして、新世紀へ向かっての科学技術の寄与度の大きさ、これを十分自覚しながらやっていかなければいけない。科学技術創造立国というのを大前提にこの具現化に努めていきたいわけでございます。 一方、我が日本列島には高いレベルの人的資源は豊富なわけで、若干最近自信が揺らいでいる面もありますが、その中でちょっと科学技術庁の責任者として心配なのは、若者の科学技術離れ。これは総理府や文部省の資料を見ますとそういうデータが目に入るわけでございまして、特に学年別でいえば、小学校の高学年は高くても中学へ行って低くなって高等学校へ行くとなお低くなっている。こういうようなことで、むしろ中高年層の方々の方が科学技術への理解度といいますか信頼度、期待度が高いというような傾向が出ております。 参議院におかれましては、もう既に委員会の編成も文教・科学委員会と先取りをしておられるわけでありますので、きょうの場面はどうか参議院における文教・科学委員会でこの辺の御審議も賜れば科学技術庁の責任者としてありがたいなと、こんな思いでおります。 そしてまた、郵政大臣からも今お話がございました。まさに新しい方向へ向けて、平成七年の夏に議員立法で科学技術基本法をおつくりいただきまして、それに基づいて翌年夏に科学技術基本計画をおつくりいただいたわけでございまして、これに基づいての社会的、経済的な要求に合ったような新技術の創造、開発、そしてまた通信技術の開発、こういうこと。 一言で言えばそういうことでありますが、それじゃその新技術創造をどうやってやるんだということを例えば一例挙げますと、いわゆるベンチャービジネス、アメリカにおいては非常に意欲的にベンチャーキャピタルを含めて企業化が進んでいるようでありますが、どうも我が日本におけるベンチャービジネスの企業化という面で、なかなかいま一つリスクを負うてチャレンジしていただけるベンチャーキャピタルが思うようにいっていない。こんなこともありまして、科学技術振興財団というのがその場づくりをしようではないかと。 発案者がいて、研究者がいて、具体的な研究成果、結果を公募いたしまして、そしてそこでそのテーマ、内容を学者先生あるいは研究所、もちろん発議者自身の説明、解説を入れて、私どもはベンチャービジネスの前段階というのでプレベンチャー事業なんと言っておりますが、その場を提供させていただいて、そこへベンチャーキャピタルの事業家の方も出かけてきてもらって、その多くの公募の中からよく中身を説明し御理解をいただく。と同時に、埋もれてしまうような研究開発の成果をまないたの上へ出して多くの人の目に触れてもらうと同時に、よく吟味していただく機構をつくっていこうではないか。これが一例でございますし、あるいは眠れる特許関係のデータバンク的なそういうものも整備していかなければいけない。 こんなことで、新しい、先ほど大蔵大臣からも特に科学技術、情報産業、環境と、まさに二十一世紀へ向けての予算措置もお考えいただいている、これらを有効に使っていかなきゃいかぬと、こんな思いでおります。 また同時に、一方では基礎的な研究、これも追いつけ追い越せで来て、これからは前を走ろうとしているところでありますが、実際に欧米先進国から比べるとどうも若干見劣りがすると。こういう基礎的な研究の場面でも十分な人材を、まさに人的資源を投入していくことが大事ではないか。それとまた林理事の御指摘のとおり、私ども科学技術庁は、そうした各省庁の科学技術に関係するテーマについて一層綿密な連携をとりながら方向づけをさせていただこう、こんな思いでおります。 よろしく御理解いただきたいと思います。
○林芳正君 ありがとうございました。 実は、我がオフィスでは今学生のインターンを受け入れております。若い世代と今、竹山長官おっしゃいましたけれども、政治に対する関心が少し戻りつつあるのかな。先ほどのマントルの話も実はその学生のインターンの方が見つけてきてくれたわけですが、そういう若い世代から見て小渕内閣は本当にいろんな仕事をやってくれているなということの一端がきょうはお聞きできたと思っておりますけれども、最後にそれを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で鴻池祥肇君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、日笠勝之君の質疑を行います。日笠勝之君。
○日笠勝之君 私もかつて衆議院に十三年近くおりまして、この七月の参議院選挙、公明の比例区の方でこちらの方へ当選をさせていただきました。まだ参議院の慣例といいましょうかマナーがわかりませんので、もし失礼がありますれば、どうぞお許しをいただきたいと思うわけでございます。 まず小渕総理、三十数年間衆議院議員としての政治生活、そして今は一国の宰相として今日いらっしゃるわけでございますが、私は、マックス・ウェーバーというドイツの方がいらっしゃいますが、あの方が一九一九年でございましたか、ミュンヘンで学生団体の皆さんに公開講座をした、それをまとめたのがあの有名な「職業としての政治」という本でございます。その本の中に政治家の三つの資質ということで、情熱と責任感と判断力というものを取り上げております。まことにそのとおりだと思います。 そこで、総理としてこの三つの政治家としての基本的な資質、今日までどのように対応してこられたか、そしてまたこのキーワードについてどのように総理としてお考えになっているか、できれば自己採点をしていただければと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 日笠議員と衆参変わりましたがまた相まみえることができまして、大変うれしく思っております。 今、日笠議員からマックス・ウェーバーのことにお尋ねがございました。私も久しぶりに今このことを日笠議員によって思い起こさせていただきましたが、私、学生時代に政治家を志して二つの本、一つはマルクス、エンゲルスにおける「共産党宣言」でありますが、一方、今お話しのようにマックス・ウェーバーの「職業としての政治」──「共産党宣言」の方はすぐ書棚にしまい込みましたが、マックス・ウェーバーのこの本は長きにわたってずっと通読をさせていただいております。 久しぶりに実は学生時代のドイツ語を思い起こさせていただいておるわけでございまして、三つの要素、すなわちライデンシャフト、フェアアントヴォルトゥングスゲフュールそしてアオスレーゲンマヒト、これがいわゆる情熱、責任、そして判断力と、こういうことになっておるわけでございます。特にその中で責任ということなんですね。これがいわゆる俗に言う心情倫理、そして結果責任。政治家の負わなければならないのはすなわち結果責任だということを教えられておるわけでございまして、このことを拳々服膺しながら今日まで参りましたが、いかが点数をみずからつけられるかと言われますと、必ずしも高いものではありませんが、しかしこのことは真剣に、やはりマックス・ウェーバーのこれは、ある意味では私にとりましてもバイブルにかえられるような御本でございまして、常にそう考えていかなきゃならぬと思っております。 実は、この間、総裁選挙に当たりましてテレビに出ましたときに、このマックス・ウェーバーの一つの言葉だと思いますけれども、政治家とは何ぞやということで、国民の嫌がることであっても、ここが大切だと思うんですが、十分納得していただきましてこれをなし遂げることが真の政治家であるという言葉がございまして、この言葉も実は頭に刻み込んでおりますが、なかなかもって十分な成果を上げ得ません。 しかし今、久方に委員からお示しをいただきましたこの本の中に書かれた事柄、こういうものを忘れずにこれからさらに全力を尽くしていきたい、このように考えております。
○日笠勝之君 ぜひ、一国のかじ取りでありますから、この三資質を大いに発揮していただきたいということを御期待申し上げます。 さて、経済再生内閣と銘打って出発されました。現下の経済不況ということで、十兆円規模の追加景気対策だとか七兆円規模のいわゆる恒久的減税であるとか金融の不良債権の問題であるとか、こういうことをおっしゃっておられますが、私どもが国民、庶民の皆さんと話をすると、今の状態もいろいろ改革していただくのは必要だけれども、二十一世紀の日本の福祉は一体どうなるんでしょうか、年金、介護、医療、こういうものの青写真を早く出していただかないと将来の不安が払拭できません、だからこそ、少々減税されても将来どうなるかわからないということで、ますます貯蓄といいましょうか財布のひもがかたくなっておるんですと。これは恐らく経企庁長官に聞かれてもそのとおりだとおっしゃると思いますよ。 ですから、どうでしょうか、小渕ビジョンというか小渕福祉ビジョンといいましょうか、ぜひひとつこれを早目に発表されることがいいのではないでしょうか。アメリカも御存じのように、大統領がかわりますと、ハネムーンということで百日間ぐらいは何も批判がないんですね。百日たったらもうマスコミもちょうちょうはっしと政府のいろんな批判、追及をします。百日以内ぐらいに出されたらいかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、スタートする前から大変厳しい批判の前に立たされておりますが、これからぜひ委員御指摘のように、二十一世紀に向けての新しい内閣としての考え方を陸続として提案をすることによって国民の皆さんの理解と協力を得たいと思っておりますが、今般はどうしても経済再生内閣と言い、喫緊の課題がここにございますので、これを中心にいたしまして、実は所信表明の半分以上はそのことを申し述べさせていただきました。 しかし、御指摘のように、二十一世紀、特に少子・高齢化社会と言われるように、人口減少の中で一体今の方々が将来にわたっての安心をいかに持てるかということは福祉政策にかかわる重大な問題でございますので、時を経ず、ぜひそうした全般のビジョンにつきましても懸命にこれをつくり上げて、そして国会にも示し、御理解も得てまいりたいと思っております。
○日笠勝之君 大変細かいことで恐縮なんです。 実は、恒久的減税もどういう意味なのか、一両年中というのはいつのことまでを言うのか、いろいろお聞きしようと思いましたら、衆議院の方でもう終わってしまったようでございます。 ただ、恒久的減税の御説明はちょっと適切的確でなかったような気もいたしますが、きょうは、もう衆議院の方で終わりましたので、所信表明の中で総理、こうおっしゃっていますね、「一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう内閣の命運をかけて全力を尽くす覚悟であります。」。この「一両年」というのはわかりました、二年ということでしょう。あと「経済を回復軌道に乗せる」、これは具体的なメルクマールがないと、いや、今景気はよくなったよと言ったってなかなか信頼できません。 どういう具体的なメルクマール、指標といいましょうか、どういうことを考えて、想定してこういうふうにおっしゃったのでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 昨年の経済成長がマイナス〇・七というような数字になっております。これは戦後で非常に厳しい、最近では一番低い数字になっております。 そこで、経済成長がどのくらいになるかということにつきましては、先般来、堺屋経企庁長官もことしの状況についての推定もされておりますが、少なくとも経済成長につきましてはプラスの数字が出てくる、それが回復基調になるということだろうと思います。 それが二%か三%かという数字につきましては、なかなかこれを特定することはできないと思いますが、少なくともやはりプラスに回復していくということでなければならないし、またその基調というものは連続してそうした数字が続くことのできるようなこと、これが回復基調であり、一両年にぜひその方向性をつくり上げる努力をしていかなきゃならぬ、こう考えておる次第でございます。
○日笠勝之君 今のお答えをしんしゃくいたしますと、二期以上プラス成長率になるということが経済が回復軌道に乗ったと、こういうふうに理解していいんでしょうか。二期、ことし、来年どうか。
○国務大臣(小渕恵三君) ですから、一両年のうちに、二年でも結構ですが、ぜひ回復基調、少なくともマイナス成長なんということはない、プラス成長に引き上げていくという形でいくことができるように、各種の経済政策を複合的に実施することによってそうした姿に持っていきたい。そして、安心して将来にわたってこの傾向が進んでいくことのできるようにと、こういうふうな考え方をいたしております。
○国務大臣(堺屋太一君) 私どもの月例その他で回復基調と申し上げますのは、やはりお説のように、四半期で見て二期以上、個人消費、設備投資等が上昇したこと、これが一つでございます。 それからもう一つは、やはり気分の問題というのがございまして、日銀短観とかそういうようなもので見て、人々の気分が明るくなったと、この両方があるものだと考えております。
○日笠勝之君 そういう方向で頑張っていただきたいと思います。 では、俗に言う恒久的減税、税制について少しお尋ねいたします。 先ほども同僚議員から御質問がありましたので、私の方からは観点を変えてお答えいただこうと思っております。 それは所得課税、いわゆる最高税率六五%を五〇%に引き下げる、これはもう間違いないんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私ども党内で、税制調査会ではございませんけれども、その何人かの中心になる方々と検討いたしましてそういう結論に達しております。
○日笠勝之君 そうしますと、これから調整をされるということですが、いわゆる所得税は四〇%に下げて、住民税を一〇%にする、それで合計五〇%。こういうふうにお聞きしましたが、それはこれから自治省と御相談をする、こういうことでよろしいんですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は自治省、大蔵省よく協議をいたしまして、閣内で最終的な調整をして決めなければなりませんので、今後の問題でございます。
○日笠勝之君 そうしますと、例えば所得税ですが、一〇%、二〇%、三〇%、四〇%の四段階。この一〇パー、二〇パーという区切りのいいパーセントは、これは変わらないんでしょうか。ひょっとすれば一五パーとか一八パーとかそういう区切りになることもあるんでしょうか。 段階とその区切りのパーセントは非常にわかりやすい区切りなのか、ちょっと複雑な一七パーとか一八パーとかいうこともあり得るのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まだそこも未定でございますけれども、基本的には今の所得区分と税率とをそのままにしまして、それに定率で削減をする、そういうふうに掛けていくのが一番わかりやすいのではないかと思っておりますが、これもまだ最終的には決定しておりません。考え方はほぼそういうことと思います。
○日笠勝之君 ちょっと説明が悪かったです。私は累進構造の段階を一〇パー、二〇パー、三〇パー、四〇パーという区切りのいいものにするのか、それとも、自治省の方から見れば、住民税は五パーと一〇パーの二段階だと。そうすると、試算しますと、住民税の減税はこれだけでもう六千億、所得税の方は二千億と。六千億と二千億で住民税の減税幅が三倍多いわけですね。 そうなると、トータル五〇%というのは変わらないとおっしゃいました。例えばアメリカのように、アメリカは五段階ですね、所得税課税。一五パー、二八パー、三一パー、三六パー、三九・六パーと、こういう区切りが一〇パー、二〇パーというふうじゃないんです。ひょっとすれば三八・五と一二・五とか、そういう構造になる可能性もあるかどうかということをお聞きしておるわけです。
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいますように、住民税にとって難しいのは、住民税は最高税率になりますときにかなり低いところで、七百万とかなんとか、その辺でなりますから、それでやりますと非常に税収の減がおっしゃるように多うございますので、そこのところは住民税についての問題でございます。 所得税については、仮に定率を幾つにしますかによりますが、今の区分と今の税率を一定率で、仮にと申しますが、二〇%なら一割なら一八になりますか、そういう定率で減らしていこう、考え方はまずそういうことでございます。
○日笠勝之君 それは恒久減税じゃなくて、特別的な一定期間だけの定率減税になるわけですね、当然。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただ、平成八年あるいは平成十年のように、平成八年分所得、平成十年分所得の減税という一本、一年限りの法律ではなくて、当分の間とも申しません、それから何年までという期限もつけません、そういう意味で永続的なもの。
○日笠勝之君 そうしますと、大体わかってきましたが、上限とか課税最低限は、これはいらうんですか、いらわないんですか。 上限というのは、例えば、定率減税の複数化であるとか、一律なのか複数なのか、課税最低限は今特別減税で四百九十二万ぐらいになっていますが、このところはいらうかいらわないのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一年限りの減税が終わりますので、本則の所得税法に返りますから、課税最低限は三百六十一万円と考えております。 それから、定率減税の削減率を一本にすべきか、複数にすることができるかということは、課題として与えられておりますけれども、源泉徴収をいたしますときに、零細な源泉徴収義務者は非常に難しい事務にぶつかるようでございまして、削減率を異なることにいたしますと、年末調整なんかのときに区分ごとに税金をはじかなきゃならないようなことになりますから、それはちょっと技術的にできるかなということを今検討しております。 それから、いずれにしても恐らく減税の額の頭はどこかで切らなければならないと思います。
○日笠勝之君 実は、大蔵大臣に就任されて、テレビや新聞のインタビューを見たり、それから衆議院での議論を聞いていると、この恒久的減税、定率減税というものは、私自身あいまいな、漠としてまだはっきりとした姿形が見えてこないわけなんです。表紙はあるけれども中身がないということで、何かひとり歩きして、七兆円規模らしい、こういうことなんですが、もう少し早く、スピードが要求されると先ほどから皆さんおっしゃっているわけですから、早く詰めて、早く国民にいわゆる定率減税なるもの、恒久的減税なるものを発表しないと、これは先ほど長官もマインドですよと。この不景気のときに一体私の税金どうなるんだろうか、まだわからないという、これじゃやっぱりスピードがない。だから早く詰めて、早く定率減税とはこういう姿形、あなたの年収で見ればこれだけの減税ですよというものを早く発表する、このことが大事じゃないでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は普通で申しますと、毎年税制改正の決定は年末でございます。翌年の国会にお願いをする。 ただいま比較的所得税と法人税だけを早く骨格として決めましたのは、私どもの党内にも総裁公選がございましたりしまして、この問題についての世論の関心が非常に高うございましたから、小渕総裁、総理が誕生されましたときに、小渕さんのおっしゃったことは、まずはっきりした形で国会に、国民に申し上げた方がいいと思いまして、首相が所信表明でおっしゃったわけでございます。 しかし、実際にはことしの税制改正はこれから、御承知のように政策減税の要請がたくさんございます。これはいずれにしても各省から出てまいりまして、年末まで政府あるいは党の税制調査会で決定いたさなければなりません。それによって税制改正の全貌が決まるわけでございますから、今そっちの方には全く手をつけておりません。 それから、先ほどからお話しの自治省との調整は、地方自治体の財政、財源の問題でございますものですから、トータルとして自治体の財源をどのように確保するかという問題がございまして、これは当然のことながら予算編成そのものとかかわりますものですから、なかなかそこらが今決められない。ただ、中心の所得税と法人税だけ国会あるいは国民にわかっていただこうと、こう考えたわけでございます。
○日笠勝之君 ですから、国民はトータルはわかったけれども自分はどうなるかということがわからない、だからマインドが冷え込む、こういうことを申し上げておるわけです。だから細かな、特に所得税と地方住民税については、どういう定率減税、これを早く発表されるべきだろう、こう思います。 それと、先ほどいみじくも政策減税いろいろ要求がたくさん来ていると、こうおっしゃいました。私も二年間ほど浪人をしておりましたけれども、この間いろんな方々に会って、まさに庶民の第一線の方々の声として三つほどの要望を聞きましたけれども、これが一番やはり私もそう思うし、これはぜひ実現しなきゃいけないなと思うのがございます。 一つは自動車重量税でございますが、これは新車の場合ですと三年分先払いをします。極端に言えば、翌日自動車事故で全損した場合は返ってこないわけですね、三年先払いしておったけれども。自動車税の方は返ってくるわけです。自動車重量税は返ってこない。この矛盾はどうなのかという声も聞きました。 それから二つ目は、俗に受取証、領収書ですね。印紙税、これの免税点は三万円です。この三万円という免税点をつくったのは昭和四十九年です。もう四半世紀前なんです。以来全然上がっていない。きょうび物価上昇とか給料との対比を見れば、せめて十万円ぐらいまでは領収書に印紙は張らなくてもいいんじゃないでしょうかという中小零細企業の方が多いです。 これらのこともあわせて御検討していただきたいし、それからパートですね。年末になるとどうしても時間調整をされて、百三万円の壁というのがある。五百二十万ぐらいまで課税最低限を上げるべきではないかという声が多い。 この三つは、御答弁要りません、ぜひ真剣に前向きに検討いただきたいということだけでもひとつお答えいただきたいと思います。検討するかしないか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘でございますから、よく検討いたします。
○日笠勝之君 では、またもう少し定率減税のことに戻りますが、この定率減税を実施するとすれば、いつからできるんですか、実施は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十一年分所得から実施いたします。
○日笠勝之君 だから、いつ、何月ごろ、国会に法案を出すとか、いろいろなことがあるでしょう。何月ごろからならこれ実施が可能かどうか。
○政府委員(尾原榮夫君) 今回の六兆円相当程度を超える減税でございますが、所得課税につきましても来年の通常国会に法案を提出させていただきたいと思っております。 なお、所得税について申し上げますと、今お話がございましたように暦年課税でございますから、一月にさかのぼって適用するということになるわけでございます。ただ、現実に減税がいつから具体的にどのような形で行われるかにつきましては、今後、政府、党の税制調査会で具体的に検討してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○日笠勝之君 まさかちびちび返すんじゃなくて、夏のボーナスぐらいでまず半年分どん、それから冬のボーナスでどん、こういうふうに思えばいいでしょうか。毎月少しずつ返すんですか。
○政府委員(尾原榮夫君) 今のような選択肢があることも承知しておりますが、毎月返していくという方法もあるように思えます。いずれにいたしましても、そのような技術的な問題を含めまして今後幅広く税制調査会で検討いただきたい、こういうふうに思っております。
○日笠勝之君 もし夏のボーナスで一月から六月分を合わせて還付するというのであれば、来年ですよ、来年六月、七月、早くて一年後に初めて定率減税なるものの果実が手元に来る。これは景気対策上即効性は余りないんじゃないんでしょうか、来年六月のボーナス期でなきゃ返ってこないというようなもし選択をされた場合は。還付じゃないですね、いわゆる少し税金の負担が減るということですが、負担が減った分がどんと来るのか、毎月毎月ちびちび来るのかで違うわけです。どんと来るのは、先ほど申し上げたように来年七月ごろのボーナス期に返ってくるわけですよ。この間、定率減税はやりますと決めた、もう決められたわけですね。法律は来年通る、しかし返ってくるのは七月、このタイムラグ。これで本当に景気対策上資することになるんでしょうか。どうでしょうか、経企庁長官、ちょっと聞いてみたいですね。
○国務大臣(堺屋太一君) ことしの特別減税も行われておりますし、来年、手続上の問題はありますが、所得がふえるというのは、これがいつから返ってくるというアナウンス効果がありますから、景気対策上はかなり早い時期に効果をあらわすものだと予想しております。
○日笠勝之君 今のは個人ですか、長官としての見解ですか。 まあわかりました。アナウンス効果ですね、景気の気は気分の気ですから。私は経済学を学んだときに、経済学とは心理学なりと学びましたけれども、おっしゃることはわかります。しかし、まず全体像もわからないし、どうも来年の七月まで待たなきゃいけない。来年分ですけれども、半年間待たなきゃいけない。こういうものはかえってマイナスのアナウンス効果ということもあり得るんじゃないかなと思いますから、それの工夫をしなきゃいけない。 ということで、私たちが考えました工夫、持ってまいりましたが、これが京都府園部町で発行しております商品券でございます。(資料を示す)これは、野中官房長官の弟さんがアイデアを出して考えられて、非常に町内三百余りの商店街の活性化になっておるということで、今度はもう町の記念品がわりに商品券を出すんじゃなくて、町そのものがこれを発行しましょうと。法事とかまた結婚式のお返しだとか、こういうものもぜひ買ってくださいよということで大変活性化しておるようでございます。 いかがでしょうか、官房長官。弟さんは園部町において善政をしいておられると思いますが、いろいろ五月五日の新聞にも弟さんの提言が出ておりました。お兄さんと相当やりとりして、いろいろあったけれども、最終的にもう国がやらぬなら町でやろうということを決断してやった、こういうことですが、いかがですか。
○国務大臣(野中広務君) 官房長官の答弁と申しますより、日笠委員から御指摘いただきましたのは、たまたま私が居住しておる町におきまして昨年から、従来それぞれ起工式とか竣工式が行われました際にいろんな記念品をつけて渡しておりました。なかなか職員の皆さんも今度の竣工式には何を記念品にするか迷ってみたり、あるいはもらった方も家にあるものをもらってどこかの隅の方に置いておくということが多いわけでございますので、今、日笠議員が御指摘になりましたような商品券を、千円券と三千円券を発行して町内の商店街、スーパー、すべてにおいて使用して、そして千円以下で買われてもそれはもう適用しないということで、千円、三千円でやってきて、町内で消費されるために非常に好評を生んでおるということを私も聞いております。 そしてまた、ことしの七月には商品券条例をつくりまして、特別会計で、町民の皆さんが冠婚葬祭やら竣工式等に商品券を出されるときも役場の方で商品券をお売りしまして、それで各商店がまた収入役室へ持ってこられて商店の判が押してあるものを換金する、このようなことで先月から始まったと聞いておるわけでございますけれども、このごろなかなか帰れませんので実態に私は触れておりませんので、以下のようなことを承知しておりますことを申し上げた次第でございます。
○日笠勝之君 お忙しいから連絡をとれないと思いまして、私が地元の町会議員さんに連絡をとりましてお聞きしましたところ、非常に売れ行きが好調だそうでございます。そういうことでございます。 そこで、港区の方も、これは与謝野通産大臣の御地元ですが、区が商店街連合会へ補助金を出して大いにこれを利用していただこうと、先ほど言った敬老お祝い品だとかいろいろなものに。何か数千万円の購入予定が数億円今売れているそうです。やはり即効性があるわけですね。 ぜひひとつ通産省としても、私どもが言うところの一人三万円近い戻し金、これをやれば商店街の活性化も、別に法律をつくらなくても大いに潤ってくるんじゃないか。商店街活性化の所管大臣でもあります与謝野大臣、地元でもやっておられますので、ひとつ前向きな答弁をお願いできませんか。
○国務大臣(与謝野馨君) 現金でなく商品券でいろいろな諸行事あるいは冠婚葬祭の用に供するということは、紙幣、貨幣ではございませんから、消費をいたしませんと、物を買いませんとその商品券自体の価値がないということで、消費に結びつくということは先生御指摘のとおりでございます。 港区の場合は、三年前から港区という地域の中の商店街の共通の商品券という企画を立てまして、これの企画立案あるいはその発行等のいわゆる経費を港区役所が持ったわけでございます。ことしからは、十万円購入いたしますと一割割引、百万円購入しますと二割割引ということにいたしました。 一体何が起きたかと申しますと、その一割割引をする、二割割引をするという費用は港区役所が全部持つ、そういうことにいたしまして区役所が六千万円の予算を用意いたしましたら、何と一年分の予算が三カ月で消化されたというぐらいで、あっという間に売れたのではございますけれども、その二割あるいは一割の割引というのは一般区民の負担となっているわけでして、それ自体が商店街の振興ということにはなっていないという問題点はあると私は思っております。 ただ、地域の商店街に共通の商品券を出すということは、やはり通産省が全国の地方自治体等とも御相談しながら、その発行のための企画あるいは立案、ノウハウの提供、そういうものをするということは、消費を促すという意味では一つの有効な方法ではないかというふうに思っておりますが、割引の部分を地方自治体が助成するということは、少額である場合においてはそれは可能でありますけれども、それが多額にわたりますとやはり納税者の負担になるという欠点はあるのではないかなというふうに私は思っておりますが、何しろ私の地元の区議会議員が決めたことでございますので、余り批判はしたくないと思っております。
○日笠勝之君 割引が云々じゃなくて、商品券というものがいかに市民に受け入れられて、景気活性化になるのではないかという一例を申し上げたのです。 それで、最後に総理にこの件についての御答弁をお願いしたいのですが、つい先日もある新聞を見ますと、ロンドン大学のロナルド・ドーアさんという教授、スーザン・ストレンジさんという国際政治学会の会長さんがこう言っていたという報道のニュースがありました。それはこういうふうな内容でございました。減税なら皆貯金をしてしまうから効果がない。減税などよりも国民全員に六カ月以内に使わなければ無効になるような商品券を配ればいいのにというふうに国際政治学会の会長がおっしゃっていたそうでございます。 確かに、即効性のある景気対策ということ、そして一番消費行動が激しいのはいわゆる低・中所得者でございます。こういう方にも戻し金としての商品券などが行き渡ると、日本の経済は大きく、これはマインドですから成長していくのではなかろうかと思っておりますので、我々が主張してまいりました一人三万円、有効期限つきの商品券による戻し金、ぜひこれを前向き、積極的に御検討いただきたい。このことについて総理の御答弁をお願いします。
○国務大臣(小渕恵三君) 所信表明に対します浜四津代表の御質疑がございまして、そのときにこの商品券についての即効性その他の問題につきまして、なかなか厳しい状況につきまして御答弁を申し上げました。その後、衆議院におきましても冬柴委員からもそのことに触れましてお話がございました。そしてまた、今商品券そのものについては京都あるいは東京においてそれぞれ発行されて有効に活用されているというお話をお聞きしました。 そういった事例があることは承知をいたしましたが、全国的に行うといった場合には、実務上種々の困難な問題もあると考えますので、衆議院でもお答えいたしましたが、これから具体的に研究をさせていただきたい、このように考えております。
○日笠勝之君 官房長官の弟さんの新聞への提言によりますと、最後にこう書いています。「このテーマに限らず創意工夫をこらし、生きた政治を実行しようという決意が政治家にあれば、道は開けてくると思う。」と。 ぜひ官房長官も総理を補佐する立場として賢兄賢弟となれるように、ひとつ最後にこのことについて官房長官からお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) お答えいたします。 今、総理がお答えされましたように、全国的にこれを展開した場合どうなるのか、いろんな問題があろうかと思うわけでございますので、総理がお答えをされましたように、いろいろ御提言を受けて研究をすることを私どもも努めてまいりたいと考えております。
○日笠勝之君 ぜひひとつ前向き、積極的に御検討いただきたいと思います。 あと時間もわずかとなりましたので、いわゆる金融再生法に絡む、ブリッジバンク法と言った方がいいかもしれません、我々も一生懸命今どうすれば本当に日本の金融機関の再生ができるのかな、日本発の世界同時不況だけにはさせたくない、そういう見識を持ちながら、日夜お互いが議論をしておるわけでございます。 その中で、きょうお聞きしたい点が何点かございます。一つは、破綻の認定とか、また善意の借り手の基準とか、どうも勉強すればするほどその辺のところがあいまいもことして、いわゆる行政とか政治家の裁量とか介入の温床になるんじゃなかろうか、こういう一つの考えを持っておりますが、どうなんでしょうか、行政とか政治家の裁量とか介入というのはこのブリッジバンク法案できちっとそれは排除できる、こういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まず破綻でございますが、法律的には預金保険法の第二条に「「破綻金融機関」とは、業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれのある金融機関又は預金等の払戻しを停止した金融機関をいう。」と書いてございますので、この点の定義は比較的分明であろうと存じます。 それから、善意の、つまりいいお客さんという意味では、従来の借入金の返済状況あるいは財務内容等々を勘案して、これは危機管理委員会がそういう定義を下しましてその定義に基づいて判断するわけですが、私は、実際には地方におきましては、例えば宮澤銀行がある日破綻をいたしまして宮澤ブリッジバンクになってしまいまして、金融管理人が来るわけでございますから私はもう力がない。その残ったブリッジバンクがお客さんの預金を払い、それから不良債務を売り、いいお客さんを選んで、ここのところで、従来銀行に勤めていた審査部の諸君なんかは一番地域のことを知っておりますから、どの人がいいお客さんだということは大体わかっているはずでございますので、そういう絵を描いてまず選択を誤らないようにする。私がいない限りこの銀行はもうおかしな経営はできないわけでございますから、もう銀行ではないと申しますか、そういうブリッジバンクになりますから、あるいは金融管理人が監督する銀行になりますから。そう思っておるわけでございます。
○日笠勝之君 そうすると、行政の裁量的なものとか政治家などの介入ですね、ここはどうも融資をさらに継続してもらおうと思ったんだけれども、だめらしいけれども何とかしてやってくださいよと、そういう裁量とか政治家の介入は防止できるんですかということを申し上げておるんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一々金融管理人が判断をいたしますし、またそのために必要な資金は結局預金保険のところへ行かなきゃなりません、公金になります可能性がございますので。 結局、私はむしろ、日笠委員どうお考えになりましょうか、地方ですとかなり厳しい選択をするのではないか、選別をするのではないか、そういう心配も少し持っております。
○日笠勝之君 地方にも地方政治家の方がたくさんいらっしゃいまして、そういう方々が、あそこは善意の健全な借り手じゃないか、何とかしてやってくれよと、こういうふうなことがないような、きちっとしたやはり透明性、公平性のあるような、そういうものでなくちゃいかぬということを申し上げておるわけでございます。 それと、ここ一、二日の新聞を見ますと、大手行がいよいよブリッジバンクに移行しないで、いわゆる破綻前の救済といいましょうか、破綻前のやり方があるということで、御存じのような、資本注入するとかしないとか言っておりますが、結局破綻をする前の救済措置といいましょうか、これはだれがどこで考えるんですか。破綻したら、またおそれがあることが監督庁の検査でわかれば自動的に行くわけですけれども、いわゆる破綻をさせられないというか、させちゃいけないような、そういうものはだれがどこで判断し、どういう形の対応をしていけるのか、このことをお聞きしたいんです。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 このブリッジバンク法案は、字面からだけ見ますと、その金融機関の規模の大小を問わない法律案になっていると思います。 ただ、その前提といたしまして、受け皿となる金融機関がもしございましたならば、そちらの方で受けていただく方が、全体的に見ますと金融システムの安定にはより資するのではないかというふうに考えられるわけでございます。 受け皿金融機関ということになりますと、そこに対しましては合併でありますとかあるいは営業譲渡といったようなものが考えられると思いますけれども、合併や営業譲渡と申しますと、これはいずれも通常、両行あるいは両金融機関の合意に基づくものでございますので、この両者がお互いに話し合いをすることによってそういった道筋がつけられるものというふうに理解しております。
○日笠勝之君 だから、だれがそういう道筋をつけてあげるんですかということを言っているわけです。不良債権の額もわからないで何のしようもないじゃないですか。
○政府委員(日野正晴君) 合併の当事者はお互いの資産の内容をお互いにチェックいたしますので、お互いがよく話し合いをすることによって合併なり営業譲渡の道を選ぶということがまずあるのではないかなというふうに考えております。
○日笠勝之君 時間が来ましたので、終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で日笠勝之君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時一分散会