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143回国会参議院1998/10/15

本会議 第18号

発言数
27
登壇者
6
会派数
5
開催日
1998/10/15

会議録

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。  日程第一 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案  日程第二 国有林野事業の改革のための特別措置法案  日程第三 国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案  日程第四 森林法等の一部を改正する法律案  日程第五 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置に関し承認を求めるの件  日程第六 一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案   (いずれも第百四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議院送付)  以上六件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員長中曽根弘文君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔中曽根弘文君登壇、拍手〕

中曽根弘文自由民主党

○中曽根弘文君 ただいま議題となりました六案件につきまして、日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革等に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案は、事業団の債務等の抜本的な処理を図ることが緊急の課題となっていることにかんがみ、政府による事業団の債務の承継等の措置を講じようとするものであり、衆議院において、鉄道共済年金の厚生年金への統合のため事業団の負担とされていた移換金負担に係るJR等の負担を二分の一に軽減すること、施行日を公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日に改めること等の修正が行われております。  次に、国有林野事業の改革のための特別措置法案は、国有林野事業の危機的な状況等にかんがみ、国有林野事業の抜本的な改革の趣旨及び全体像を明らかにするとともに、累積債務の一般会計への帰属その他改革のために必要な措置を講じようとするものであり、衆議院において、施行日を公布の日とすること等の修正が行われております。  次に、国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案は、国有林野の管理経営に関する計画の策定、公益的機能が高い森林における森林保全経費等についての一般会計から国有林野事業特別会計への繰り入れ、営林局から森林管理局への組織の再編等の措置を講じようとするものであり、衆議院において、施行日を公布の日とすること等の修正が行われております。  次に、森林法等の一部を改正する法律案は、公益的機能を重視し、かつ、地域の実情に即したきめ細かな森林の整備を促進するため、保安林における間伐手続の簡素化、市町村森林整備計画の拡充、森林施業計画の認定等の権限の都道府県知事から市町村の長への委譲等の措置を講じようとするものであります。  次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置に関し承認を求めるの件は、森林管理局の再編に伴い、東北森林管理局を秋田市に、関東森林管理局を前橋市に、それぞれ設置することについて、国会の承認を求めようとするものであります。  最後に、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案は、国鉄長期債務等を一般会計へ承継等することに伴い一般会計の負担が増加することにかんがみ、郵便貯金特別会計から一般会計への特別繰り入れ及びたばこ特別税の創設等の措置を定めるものであり、衆議院において、施行日を公布の日とすること等の修正が行われております。  委員会におきましては、これら六案件を一括して議題とし、小渕内閣総理大臣及び関係大臣等に対し質疑を行うとともに、参考人より意見聴取を行いました。  委員会における質疑の主な内容を申し上げますと、たばこ特別税創設と郵便貯金特別会計からの繰り入れの経緯、年金移換金のJR等への追加負担及び衆議院修正の是非、JRへの経営支援策、国鉄長期債務の元本償還の財源見通し、事業団職員の再就職対策、国有林野事業の四次にわたる改善計画の実施経過、国有林野事業特別会計の債務負担の是非及び返済可能性、森林整備に必要な組織、要員のあり方、間伐促進対策等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案に対し、民主党・新緑風会及び公明を代表して寺崎理事より、JR等の負担の削除等を内容とする修正案が、日本共産党を代表して宮本理事より、JR等の負担の見直し等を内容とする修正案がそれぞれ提出されました。  次いで、六案件及び両修正案を一括して討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して寺崎理事より、民主党・新緑風会及び公明の共同修正案に賛成、日本共産党の修正案、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案、国有林野事業の改革のための特別措置法案、国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案及び一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案に反対、自由民主党、社会民主党・護憲連合及び自由党を代表して鈴木理事より、両修正案に反対、六案件に賛成、公明を代表して魚住理事より、民主党・新緑風会及び公明の共同修正案並びに森林法等の一部を改正する法律案に賛成、同法律案を除く五案件に反対、日本共産党を代表して須藤委員より、同党の修正案に賛成、民主党・新緑風会及び公明の共同修正案並びに森林法等の一部を改正する法律案を除く五案件に反対の討論がそれぞれ行われました。  討論を終わり、順次採決いたしました結果、両修正案はいずれも賛成少数をもって否決され、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案、国有林野事業の改革のための特別措置法案、国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案及び一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案は多数をもって、森林法等の一部を改正する法律案は全会一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。また、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置に関し承認を求めるの件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。川橋幸子君。    〔川橋幸子君登壇、拍手〕

川橋幸子民主党・新緑風会

○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、森林法の改正を除く日本国有鉄道清算事業団の債務処理及び国有林野事業の改革に関する関係五法案のすべてに反対する立場から、討論を述べさせていただきます。  国鉄長期債務、国有林野事業の累積債務は、そのいずれもが国がかかわって生じさせた債務であり、そして根雪と称されるようになるまでかたく積もらせてしまった不良債権であります。しかも、この処理の過程では、我が国の鉄道事業、林野事業の再生を図らなければならないという意味で、まさに金融再生の課題と共通する問題を抱えております。  法案に盛り込まれた内容につきましては、何よりも国がかかわって生じさせた債務であるだけに、処理のルールを明確にしなければならないこと、また、政府、行政が国民の信頼を失い、政治のモラルハザードを起こすようになってはならないことを、初めに肝に銘ずべきであると申し上げたいと思います。  まず、国鉄長期債務の処理については、なぜ二十八兆円もの巨額の債務に膨れ上がってしまったのか、その責任はだれにあるのかが第一に問われる問題であります。  国鉄清算事業団の任務は、旧国鉄から引き継いだ二十五兆円余の借金を土地などの資産の売却によって十四兆円程度に減らし、残余を国民負担によって処理するということであったはずであります。それが、借金を減らすどころか、逆に借金をふやしてしまっている。その原因は、この当時は地価の高騰が鎮静化するまでは用地売却を見合わせることが世論の要請であったとか、そのために借金返済ができず、利子が利子を呼んで借金が膨らんでしまったとか、いわば仕方がないことだったという政府の説明は、はっきり申し上げて責任逃れの一言に尽きるものであります。  バブル経済の崩壊が明らかになった九二、三年以降も、何ら手を打とうとしてこなかった運輸省、大蔵省の問題先送り体質、加えて、あえて困難なことには手を染めようとしない政府・与党の責任逃れ体質、また、そもそもバブルを生み、バブルの崩壊に対して何ら有効な対策が打てなかったのは明らかに政府の失敗であります。さらにさかのぼれば、もともと旧国鉄時代の債務には、我田引鉄と言われたように、不採算路線を次々と引いた長期自民党政権のもとでの政治の責任が大きく加担したのは、紛れもない事実であります。  金融問題では絶えず経営者の自己責任を追及し、また、国民個人に対しましても自己責任原則を問うことの多い今日ですが、一体政治の側の自己責任原則はどうなっているのでありましょうか。こうした政府・与党の政権運営の愚かさや醜さが政治に対する国民の不信感を生み、お金の面のツケにとどまらず、日本の民主主義にとって高い代償となっていることを私は指摘せずにいられません。  債務の処理スキームについて、筋が通らない、理屈に合わない、何ら抜本策になっていない等々の批判が、ほとんどすべてのメディアからと言って過言でないほど噴出しているところであります。  処理策のポイントは、年金負担金、利払い費、元本償還の三点にあります。当面の処理策として、根雪の部分の債務はともかく、これ以上利払いによる新雪によって雪だるま式に借金がふえるのを防ぐ、とにもかくにも政府が長期債務の処理に着手した点を評価することはやぶさかではありませんが、余りにも遅きに失したと言わざるを得ず、また、三点の処理策のすべてに次のような大きな欠陥が存在するのでございます。  第一の最も大きな欠陥は、年金負担金についてのJRの追加負担を求めたことであります。  国鉄改革に当たり、昭和六十三年の閣議決定では土地処分等の収入を充ててもなお残る債務については国において処理するとされ、これが国とJRの負担のあり方についての基本ルールとして約束されたところであります。また、二年前の厚生年金法の改正による年金統合の際には、事業団の負担、JR各社の負担の額が確定し、最終的な決着を見た問題でもあります。決着済みなのに、なぜJRに追加負担を求めることができるのでしょうか。  衆議院の修正により、足して二で割る妥協の産物として政府案の金額が半分になりました。しかし、事は金額の問題ではありません。国が一方的に基本となるルールを踏みにじったという契約違反、信義則違反の問題、見方によっては法律違反、例えば後藤田元自民党副総裁の弁によれば、憲法違反と言ってもいいほどの、法治国家としてあるまじきルール違反があるというふうに考えられるのであります。現に海外からの批判もございます。  民主党・新緑風会は、公明と共同させていただき、JRの追加負担を削除する修正案を提出いたしましたが、委員会においては残念ながらお認めいただけませんでした。しかし、私はこのようなルールを尊重するという私どもの姿勢が、今後は世論の支持を得ていくであろうことを自信を持って断言することができます。民主党・新緑風会としては、私どものこの姿勢をさらに世論に訴えてまいるつもりでございます。  第二の欠陥は、利払い費の財源が郵貯特別会計からの繰り入れ、たばこ特別税の新設など、国鉄債務の生じたところとは全く無縁の一部の国民の方々の負担に回されたことであります。  取りやすいところから取るというなりふり構わない負担のツケ回しは、国民の間に税や負担の不公平感を増大させております。特に、郵貯については超低金利政策のもと、年金生活者に不利な影響を及ぼしていることに照らしますと、いずれ郵貯の利益は郵貯の利用者のものでありまして、今回の負担に報いる意味での利益還元を行うべきことを要請いたします。  第三の欠陥は、二十四兆に及ぼうとする債務の元本の償還についてであります。  二〇〇〇年以降六十年間で返済するということだけで、何ら財源措置については触れられていないことが問題であります。二十一世紀に先送りするものというそしりを免れません。政府として、最低限何らかの検討の方針、対応の姿勢を示すべきであります。例えば、総合交通利用税の検討など、道路と鉄道の縦割りを取り除いた負担のあり方、こうした例が諸外国からも示唆されているわけでございますが、このような質問に対しまして、宮澤大蔵大臣は、車と鉄道は長年の宿敵でありまして、既得権というあしき慣行を破ることは大変に難しいとお答えになっておられました。しかし、答弁の率直さは買いますけれども、こうした既得権の壁を破ることこそが政治に求められている使命なのでございます。  次に、国有林野関係法案であります。  今回、森林法の改正により、森林の持つ公益的機能を法律上明確に打ち出したことにつきましては評価するものですが、その累積債務の処理及び今後の事業展開のための組織、人員配置のあり方について、以下の理由から反対いたします。  第一に、三・八兆円の累積債務のうち二・八兆円を一般会計によって処理することは是といたします。しかし、残る一兆円の処理を依然として国有林に残すことにつきましては、問題の抜本解決にはならないということを申し上げたい。一兆円が根雪となり利子負担が新雪となっていくであろうことは、これまでの経験、事業の推移から容易に推察されるところでございます。  せっかくの、森林の公益的機能を重視するという政策転換を打ち出されても、その裏づけとなる予算が借金返済にとられたままでは、十分な活動を期待することができないのは火を見るよりも明らかでございます。この際は、すべて一般会計に移換するということに踏み切るべきであります。  第二に、職員数をいたずらに削減することは、山を荒らすとともに、長年にわたって蓄積されてきた技術、技能の維持や伝承を不可能にするものであります。森を守るためには、人工林は無論のこと、天然林も、下刈り、除間伐、植栽、伐木などの手入れのための施業が必要であります。今日、日本の森林が荒れているのは、こうした施業のための現場の職員が極端に手薄になっていることが原因となっております。なお、民間委託につきましても、民間の森林組合自体が高齢化し、民有林が国有林以上に荒れていることから、ナンセンスという言葉が専門家から聞かれていることでございます。  以上をもちまして、私の反対討論を終わります。(拍手)

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 成瀬守重君。    〔成瀬守重君登壇、拍手〕

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合、自由党を代表して、ただいま議題となりました国鉄債務処理法案等六案につき、賛成の立場から討論を行います。  最初に、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案についてであります。  約二十八兆円にも及ぶ日本国有鉄道清算事業団の債務は、従来の処理策によっては到底解決できるものではないことは周知の事実でありまして、この本格的処理はもはや先送りのできない問題であり、緊急に処理しなければならない最重要課題であります。そして現在、この法律案がいまだに成立していないことから、支払わなければならない事業団の債務償還等のために、財政投融資などにより事業団の日々のつなぎ資金を融通するという異例の事態を招いております。この資金さえ十一月中には底をつく見通しであります。この異例の事態を一日も早く解決するために、本法律案の速やかな成立が望まれているところであります。  今回の処理策の焦点は、JR各社に対する年金負担の追加でありましたが、衆議院における修正では、国鉄共済年金を厚生年金へ統合した際に清算事業団が負担することとされた移換金負担のうち、JRの社員分について、三千六百億円を事業主であるJRの負担としていたものを、JR各社の経営状況も勘案して半分の千八百億円に軽減しております。これは旧国鉄時代の職員の年金負担にかかわる経営者負担部分はJRが負担すべきという考えによるものでありますが、JRが平成九年四月の年金統合前まで行ってきた企業としての負担と同程度であり、適切な措置であります。  次に、国有林野事業の改革のための特別措置法案等についてであります。  我が国森林面積の三割を占める国有林野を管理経営する国有林野事業は、現在三兆八千億円の累積債務を抱えており、まさに危機的な財務状況に直面しております。  国有林野は国民共通の財産であり、将来にわたって適切かつ効率的に管理し、国土の保全、その他公益的機能の維持増進等、その使命を十分に果たすことができるよう、今抜本的な改革が必要なのであります。  今回の改革案では、管理経営の方針を木材生産機能重視から公益的機能重視へ転換し、保健利用への活用も含め、国民の多様な要請に対応するとともに、民間事業者への委託、雇用問題及び労使関係に配慮した組織、機構の合理化、累積債務の縮減を図るものであります。  財政の健全性を回復し、国有林野事業の使命を果たすため、関係四案を成立させ、早急に実施しなければなりません。  最後に、債務の承継に伴う財源確保法案についてであります。  我が国財政は危機的状況にあり、財政構造改革は先送りの許されない重要な課題であります。そしてそのためには、国鉄長期債務及び国有林野累積債務の処理に国を挙げて、また、国民の皆さんの理解を得ながら取り組むことが必要であり、将来の世代に過大な負担を残すことがないよう、果敢に処理を行わなければなりません。  今回は、現在の財政状況を踏まえながら、国鉄及び国有林野問題の抜本的処理の一環として、一般会計の負担が増すことに伴い、郵便貯金特別会計から一般会計への繰り入れ、たばこ特別税の創設等、可能な限りの努力をして財源を補完するものであり、適切な措置であると思います。  以上、賛成の理由を申し上げましたが、言うまでもなく、これらの法律案は緊急に処理を要する最重要課題であります。早期の成立に向け、真摯に、速やかに対応された委員の皆様に敬意を表するとともに、満場の皆様の御賛同をお願いいたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 弘友和夫君。    〔弘友和夫君登壇、拍手〕

弘友和夫公明

○弘友和夫君 私は、公明を代表して、ただいま議題となりました各案件中、森林法等の一部を改正する法律案に賛成、いわゆる国鉄清算事業団債務処理法案外四件に対し、反対討論を行います。  今、世界は日本経済の再生を、そして安定化を願い、日本が二十一世紀に向けてどういう国になっていくのか大変に注目しています。  その中にあって、二十八兆円にも及ぶ旧国鉄債務を初め、膨大な長期債務の処理の仕方が、この日本の行く末を占う大きなかぎを握っていると言っても過言ではありません。であるならば、この際、行財政改革を断行して、省益あって国益なしという省庁間の壁を取り払い、族議員の圧力をはねのけて本格的な処理スキームを断行すべきなのであります。  私は少し剣道をやっておりますけれども、剣道言葉に遠山の目付というのがございます。遠き山を見るがごとし、目の前に相手はいますけれども、その手先や足先を見るのではなくて、遠くの山を見るような目で見ておりましたら、相手の動きがよくわかるということでございます。これはすなわち、二十一世紀のこの日本の国のあるべき姿、形を見据えて、どういう国をつくるのか、つくらなければならないかを考えたときに、おのずから現在とらなければならない判断が明確にわかるということでございます。  そうした観点から、今回のこの処理スキームを見ますと、まさに小手先の御都合主義の典型的なものであり、戦後、我々の諸先輩が血のにじむような努力で築き上げてきた世界からの信頼を一瞬に破壊しかねないものであり、断じて容認できるものではありません。私は、こうした処理案に反対の立場に立って、以下この理由を申し述べます。  まず、反対の第一の理由は、既に決着済みの年金移換金を民間会社のJRに強制的に追加負担をさせようという点であります。  二年前の年金統合の際に、九千四百億円の移換金の負担割合を、国鉄在職期間中は清算事業団が、JRに在職期間中はJRが持つという明快なルールによって、清算事業団が七千七百億円、JRが千七百億円と決定し、法律で明記いたしました。また、平成八年三月八日の閣議において、清算事業団の移換金債務は「最終的には国において処理する」と明確に決定したところであります。  ところが、ここに至って、「国において処理する」とは、国が処理する、国が払うということではなくて、国が処理の仕方を考えるということなのだと、こういう詭弁を弄しております。こんな詭弁が通用するならば、別に国において処理してもらわなくても、だれが処理してもよいではありませんか。弘友和夫において処理すると、このように決めていただければ、直ちに私は、これは国が払いなさいと決定いたします。  そもそも、清算事業団の巨額な長期債務を膨らまさせたのは、政府・自民党の失政の結果であることは明らかであり、また、国の借金を返済するのに、みずからの行財政改革も満足にできずに、そのツケを取りやすいところに回すというのは、まさしく暴挙であり、断じて許されません。  反対の第二の理由は、今回のような不条理なことがまかり通れば、我が国は国際金融市場から相手にされなくなるという点であります。  政府案のJR追加負担である三千六百億円が衆議院で修正され半額になったにせよ、JR三社などの株価に影響するのは必至であります。また、三社の株主は約二〇%が海外の投資家でありますから、国の強引とも言える介入は国際社会の信用をも失いかねません。ニューヨーク・タイムズにも、JRの追加負担は日本政府の信頼を損ない、海外投資家はそのような市場から逃げていってしまうだろうと論評されていました。  したがって、これは、二十一世紀へ向かって我が国が内的にも外的にも歩んでいけるのかどうかという本質的な問題を含んでいるわけであります。日本という国が異質な国として、国際社会から一人前の扱いをされないことほど恐ろしいことはないということを指摘しておきたいと思います。  反対の第三の理由は、財源確保法案のスキームが余りにもでたらめだという点であります。  国鉄清算事業団と国有林野の長期債務等の処理のために、たばこ特別税より毎年二千六百億円程度を一般財源に繰り入れるわけでありますが、長期債務とたばこ特別税の間に一体どのような関係があるのか、喫煙者に対し長期債務の負担を求めるという理由が全くありません。  さらに、「たばこは地元で買いましょう」と小売店に張ってあるように、地方財源の一部が入っております。厳しい地方の財政事情を考えると、大事な地方財源の一つが国債整理基金特別会計に直接入るというイレギュラーな形が長期固定化するということは、余りにも問題が多いわけです。法案では、「当分の間」とごまかしてございますけれども、特別委員会の議論の中で、当分の間とは六十年が一応のめどであるとの答弁があったように、明らかに長期化を想定しており、税の仕組みとしても問題を残すことは明らかであります。  また、郵便貯金特別会計から毎年二千億円、五年間で合計一兆円を繰り入れるとなっておりますが、郵便貯金の特別会計に余剰があるとするならば、それは預金者に還元するのが筋であります。余っているから持ってくる、あるいは取りやすいところから取る、こういうことがまかり通るならば、国民はたまったものではありません。  反対の第四の理由は、元本償還についての明記があいまいな点であります。  毎年度、元本償還のための財源として四千億円の捻出について、当面、一般会計の歳出歳入両面にわたる努力により対応するとなっていますけれども、事実上何の具対策も明示されておりません。例えば、徹底してむだな公共事業を見直すとか、あるいは総合交通体系を抜本的に見直すなど、少なくとも方向性だけでも明示すべきであります。これでは、国民がさらなる負担を余儀なくされるのは目に見えています。  なお、時間の関係で、国有林野事業二法案、森林管理局設置に関する承認案件につきましては、詳細に論ずることはできませんけれども、人員削減及び機構改革の計画等、余りにも無理や問題が多いため、反対を表明するものであります。  私は、国鉄林野の長期債務問題というのは、まさに日本の金融安定化、そして経済の安定化のために極めて重要な問題であると考えます。そして早期に解決しなければならないことも十分承知しております。しかし、今回の債務処理法案は、単なる財政上のJRの負担の是非とは違うのであります。一度国会で決定したルールを政府の都合でいとも簡単にひっくり返すという民主主義の根幹にかかわる問題だから、断じて容認することはできないのであります。  私は、今回衆議院から参議院へと参りました。この四カ月の間でもいろいろな面で、さすがは参議院は良識の府だなと、こう感じさせていただいております。今まさしくこの法案の賛否は良識の灯が消えるか消えないかという重大なものであり、ぜひとも参議院の良識を発揮していただきますよう、訴えさせていただきまして、私の討論を終わります。(拍手)

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 富樫練三君。    〔富樫練三君登壇、拍手〕

富樫練三日本共産党

○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、森林法改正を除く旧国鉄の長期債務処理関連法案、国有林野事業の改革特別措置法案など、政府提出五案件に対する反対討論を行います。  冒頭に、国民に大きな負担を押しつけるとともに、国民の共有財産の安易な切り売りと貴重な山林の荒廃を招くことになるこれらの重要法案が、わずか三日間の極めて不十分な審議のままに採決に持ち込まれることに厳しく抗議するものです。これでは、参議院に寄せられた国民の期待を裏切るものであることを強く指摘せざるを得ません。  次に、まず、旧国鉄の長期債務処理関連法案について反対理由を述べます。  第一の反対理由は、これらの法案は、当面の利払いについて対応するものにすぎず、元本返済の財源には全く裏づけがなく、長期債務の抜本的処理とはほど遠いものであることであります。  これまでの国会論議を通じて明らかになったことは、当初定められた債務負担のルール無視を初め、高利の借り入れの継続、JR資金の流用など、分割・民営化の時点で二十五兆五千億円とされていた国鉄の長期債務を、今日、二十七兆八千億円に増大させ、国民負担を二倍に膨らませるに至った根本原因について、政府に重大な責任があるということであります。  政府は、その反省の上に立って、今後のおよそ五、六十兆円余の債務処理について、その財源を含め、国民負担としないための根本的解決策を示す義務と責任を果たすべきであります。  第二に、しかも当面の利払いの財源は、旧国鉄とは全く関係のない郵便貯金特別会計からの繰り入れや、新設するたばこ特別税の増税分を充てるものとなっており、これは、政府の無策によって膨らませてきた借金のツケをほとんど国民に負担させるものであり、絶対に認めることはできません。  第三に、長期債務の国民的解決の方向が、発生原因に即した現実的で合理的解決策となっていないことであります。  そもそも政府は、国鉄分割・民営化における債務負担のルールとして、JR本州三社には適正利益一、二%を保障しつつ適正な債務を受け持たせるというルールを決めていたのであります。それにもかかわらず、三社はその後政府の予想を大きく上回る利益を上げており、当初のルールに従えば、債務の追加負担は当然の道理ある措置と言えます。  そればかりか、分割・民営化のときにJRは、鉄道事業に必要な土地として、国鉄の優良資産を明治、大正時代の簿価で承継しました。JR本州三社は、この土地を活用し、駅ビルなどの関連事業に進出したり、簿価で手に入れた土地を時価で売却して大もうけをしています。  さらに、新幹線施設譲渡の経過に重大な過失があったことも明白であります。JR本州三社は、年間売り上げ一兆七千億円に上る新幹線を、当初価格に一兆一千億円を上乗せしただけで買い取るという優遇措置を受けました。参考人質疑でも明らかにされたとおり、JR本州三社に応分の負担をさせるのは道理に合った当然のことであります。  また、分割・民営化に際して、政府は、国鉄職員を一人も路頭に迷わせないと明言していたにもかかわらず、一千四十七名採用問題がいまだに解決を見ていないことは極めて遺憾なことです。莫大な長期債務は国民に押しつけ、その一方で、労働者とその家族の苦しみは野放しということでは、国民だれもが納得できないのは当然ではありませんか。  この機会に、政府は、責任を持って、全力を挙げて、人道上もはやこれ以上放置できないこの課題解決に当たるよう強く要求します。  次に、国有林野関連法案について述べます。  第一の反対理由は、国有林野事業の累積債務が三兆八千億円に膨らんだ原因が、独立採算を押しつけたままで木材の輸入自由化を進め、赤字対策に財投資金を投入し続けた政府の失政にあります。にもかかわらず、法案はそのツケを国民に押しつけるものとなっているからであります。  第二に、営林署の統廃合や職員の大幅削減が、国有林野事業を事実上機能停止させ、国有林の公益的機能を守れなくするからであります。  第三に、債務処理スキームが国有林の一層の荒廃を招くこととなるからであります。  企業的運営の国有林特別会計のもとで、不確実な林産物収入や土地切り売りに頼った一兆円の債務返済計画では、無理な収入を上げようとしたり、国有林管理経費の削減で国有林がさらに荒廃することは必至ではありませんか。  今必要なことは、地域住民や自治体、国民の期待にこたえ、国が国有林に全面的に責任を持つ原則を確立することであります。このことを強く指摘しておきます。  以上、国民負担なしの現実的解決の道でなく、国民に負担転嫁を押しつける政府の国鉄、林野の長期債務処理法案に断固反対することを申し述べて、討論を終わります。(拍手)

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。  まず、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十二     賛成            百二十九     反対             百十三    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 次に、国有林野事業の改革のための特別措置法案及び国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律案を一括して採決いたします。  両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十五     賛成            百三十九     反対              百六    よって、両案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 次に、森林法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十五     賛成           二百四十五     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置に関し承認を求めるの件の採決をいたします。  本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十六     賛成            百三十七     反対              百九    よって、本件は承認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 次に、一般会計における債務の承継等に伴い必要な財源の確保に係る特別措置に関する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十五     賛成            百三十七     反対              百八    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

斎藤十朗各派に属しない議員議長

○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十一分散会      ─────・─────

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