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143回国会参議院1998/09/17

総務委員会 第3号

発言数
244
登壇者
22
会派数
8
開催日
1998/09/17

会議録

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る八日、森田次夫さん及び阿南一成さんが委員を辞任され、その補欠として石井道子さん及び矢野哲朗さんが選任されました。  また、昨十六日、吉川春子さん及び足立良平さんが委員を辞任され、その補欠として市田忠義さん及び小川敏夫さんが選任されました。     ―――――――――――――

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 おはようございます。民主党・新緑風会の今井澄でございます。  本日は、先月出ました人事院勧告及び公務員制度の問題について質問をしたいと思います。  まず最初に、総務庁長官とそれから官房長官にお尋ねしたいと思いますが、八月十二日の人事院勧告を受けて、政府の基本的な姿勢及び取り組みの状況について基本的なことをまずお伺いしたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 八月十二日に人事院勧告を受けたわけでございますが、同日中に給与関係閣僚会議を開きまして国家公務員の給与の取り扱いについて検討に着手したところでございます。政府としては、人事院勧告の制度を尊重するということで、国政全般との関連を考慮して早期に結論を出す必要があるというふうに考えております。  総務庁としては、国家財政におきます大変厳しい状況はございますけれども、憲法に定められました労働基本権の適用をされないということの趣旨を十分に踏まえまして、早期完全実施を目指して努力をしてまいりたいと思っております。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) ただいま総務庁長官から御答弁を申し上げましたとおりでございまして、私どもといたしましても人事院勧告制度を尊重するという基本姿勢のもとに、財政事情は委員御承知のとおり非常に厳しいものもございますし、国民各層における今日的な経済不況等、また失業率の増加等厳しい環境があるわけでございますが、そういう中にありましても関係機関の御同意をいただく努力をいたしまして、誠意を持って対応をしてまいりたいと存じております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 給与関係閣僚会議議長でしょうか、その責任者は官房長官だと思いますが、八月十二日の勧告を受けてその日に開かれたようですが、早期にということですが、その後は開かれておりますでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) まだ二度目の給与関係閣僚会議を開催するに至っておりません。このことは、先ほど申し上げましたように厳しい財政事情あるいは国政全般との関連から慎重に検討をしておるところでございまして、現段階において今後のスケジュールについて確たることを申し上げる状況には至っておらないわけでございますけれども、私どもも今臨時国会の会期等も十分踏まえた上で、可能な限り関係閣僚会議を急いでまいりたいと考えております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 人勧を受けての閣議決定の状況を見ますと、この十年ぐらいの間にだんだん早期実施という形の流れができてきたと思います。一九八九年から九一年までは十一月という大変遅い時期の閣議決定でありましたが、翌九二年から九四年は十月、そして九五年、九六年は九月と年々早まってきていたわけです。ところが、一転して昨年は十一月という遅い時期になり、しかも指定職については勧告どおり実施しないという不完全実施になったわけでありますけれども、ことしはやはりこの十年間のいい流れの方向、これを実現すべきではないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) その年その年で国会の日程などとの関係もございまして今のような経過をたどってきたわけでございますけれども、ことしにつきましては何とか早期の完全実施ということで努力をしてまいりたいと思っております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 官房長官どうですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 総務庁長官の申し上げたとおりでございます。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 ところで、昨年は指定職の一年間実施見送りとなりましたけれども、なぜ指定職だけ実施しなかったのか。また、そのことによってどういう不都合、あるいは例えば民間との較差が拡大したとか、そういうことが生じたかどうかということです。  また、そもそも指定職と一般職とかなりいろいろ違いはあるわけですが、人事院勧告制度そのものの趣旨からすると、こういうふうに一部、千数百人ですか、特別な立場にあるからということで指定職だけを見送るということは制度そのものをゆがめることになるような気もするので、昨年見送ったことの反省、その辺、どういうふうに考えておられるか。それを踏まえてことしはどんなお考えかもちょっとお聞きしておきたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 昨年、今井委員が御指摘のように、指定職について見送りをしたわけでございます。私どもその衝にあったわけではございませんので、そのときの事情をつまびらかには承知をいたしませんけれども、恐らくあの当時危機的な財政事情にございましただけに、指定職の諸君にはこの厳しい財政状況の認識をさらに理解をいただいて、一年おくらせることになって本年四月に行ったと承知をしておるわけでございます。  委員が御指摘になりましたように、給与体系全体を考えますときに、決してこの形は望ましい形ではないことを十分承知しておるわけでございまして、今後、この改定につきましては、そういう反省も含めて私ども努力をしてまいりたいと存じております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 先ほどからの御答弁の中にも今の御答弁の中にも、国家財政が非常に厳しいというお話がありました。それは確かにそうでありまして、昨年はそういうことから、景気判断を一方で誤ってということもありますが、財政構造改革法などが決定された過程にあったわけです。  財政事情の厳しさということだけから見れば、ことしは昨年よりさらに厳しいということが言えると思いますので、そういうことでこの人事院勧告の実施の問題を考える大きな要因にするとかえって問題だと思うんですね。現在は、財政事情が厳しいからということで景気判断を無視して、あるいは間違って国家財政の緊縮に走ったことが今日の不況の大きな原因になっているということが言われているわけですから、そういうことを考えますと、今年度の人勧の完全実施あるいは時期の問題を考慮する上で、財政の厳しさというのは当然あるんですけれども、それを第一に判断のもとにすべきではないと思いますけれども、その辺いかがでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) お説のように、人事院勧告制度というものは、財政事情とは別に、この制度の基本に立って尊重をしていかなくてはならないものだと考えておりますけれども、一方、私どもは国政全般への責任を持つわけでございます。そういう意味におきまして、結論を得るに至るまでの国民各層の理解が得られる、それがまた国会のあるべきことでもあろうかと存じまして、今慎重な審議への努力を傾けておるところでございます。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 そうしますと、今の御答弁は、国家財政が厳しいということが主たることではないと理解してよろしいでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 国家財政が厳しいということも私ども十分認識をしながらも、この公務員制度の勧告というもののあり方というものを尊重していかなくてはならないと存じております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 そこで、先ほども今国会は十月七日が会期末だということを認識してという御答弁があったんですが、それに関連してお伺いしたいのです。  今、世上では臨時国会はかなり大幅に延長されるのではないかといううわさが一方にあるんですが、もう一方、この臨時国会がいつ閉会になるにせよ、次の臨時国会が年内に開かれる可能性は少ないということもお聞きしているんです。そうなりますと、これまでの人勧の実施は、完全に凍結された年はともかくとして、ここ何十年年内に差額を精算する、そういうことがずっと行われてきているわけですね。そうすると、年内に給与法の改正等が行われないと、年内にそういう差額精算がされて実施されるということがなくなるおそれがあるわけですね。  そこで、官房長官にお尋ねしたいのですが、臨時国会は十月七日までとなっておりますが、会期延長についてどういうふうに見通しをお考えになっておられるのか。あるいは、もしここで何らかの形でのことがあった場合でも年内に、例えばこの人勧を実施して年内の差額精算をするための臨時国会などを開くようなおつもりがあるのかということについてちょっとお尋ねしたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 私どもは、十月七日までいただきました臨時国会の中におきまして、お願いをいたしております諸懸案の法案を処理していただきたいと今心から念じておるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、人事院勧告を受けての国家公務員の給与の取り扱いにつきましても、可能な限りその会期内においてお説のように処理してまいる努力を今続けておるところでございます。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 そうしますと、これは閣議決定が終わった後各種の作業、法案改正作業等があって国会に提出されるわけですね。これに一定の日時がかかると思うのですが、十月七日の会期末ということを考えますと、例えば明日の閣議あるいは来週最初の二十二日の閣議、この辺で閣議決定していかないと十月七日には間に合わなくなるのではないかと心配しているんですが、その辺いかがでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 公務員給与の改定の手順といたしまして、今おっしゃいましたように、給与関係閣僚会議あるいは取り扱い方針の閣議の決定、さらには法案作成、そして法案の閣議決定、国会への提出という手順があるわけでございますので、そういう点を踏まえて鋭意努力をしてまいりたいと存じておるところでございます。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 鋭意努力ということは、先ほどお聞きしたことに対して具体的にはお答えはないんですが、早急にというふうに理解をしたいと思います。  事務当局にお伺いしたいんですが、この給与法改正法案の作成作業、これはどうなっておりますでしょうか。

中川良一総務庁人事局長

○政府委員(中川良一君) 人事院勧告処理の手順については、ただいま官房長官から御説明があったとおりでございます。  事務当局といたしましては、閣議決定がなされれば給与法改正法案を速やかに国会に提出できるように事務的に努力をさせていただくということかと思いますが、そのためにいろいろ事前の勉強等をしておく必要がございますので、既にその辺の勉強はいろいろな角度からさせていただいておりまして、さらに事務的に可能な準備作業には今後とも鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 そこで、これは大変急を要する事態になっていると思うわけでありまして、そのことについては内閣に対してもいろいろな申し入れも行われているんですが、最近ちょっと新聞記事で気になる記事があります。これは一部の中央紙それから地方紙にも幾つか出たことなんですが、現在国会で一番大変な問題になっております金融問題、何かこれと絡めるような形での発言を官房長官がされたという報道がされているんですが、この辺について官房長官にお伺いをしたいんです。  例えばある新聞では、括弧づきで官房長官がこういうふうに発言されたかのような表現で、金融システムの問題など景気回復の努力を野党にもお願いしないといけない、人事院勧告だけはぜひ実施してくれというわけにはいかないということで、何か人勧の実施の要求が身党の要求であるような、そしてそれに対して与党の側としては、金融問題に協力してくれれば人勧のことも考えるみたいな、こういう発言をされたかのように報道されているんですが、これは事実なんでしょうか、また官房長官の真意はどういうところにあるんでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 平素不規則発言の多い私でございますので、いろいろ報道され誤解をされるわけでございますけれども、少なくとも国家公務員の給与について、私は、今問題になっておりますブリッジバンク法案等と絡めてこれを発言した、あるいはそのように自分で考えておることはございません。  ただ、背景として、私どもは常に国の厳しい財政事情、さらには現に今不況の中で倒産をしていく人あるいは失業をしていく人たちを視野に入れながら、国家公務員の給与のあり方を考えてまいらなくてはならないという私の素朴な気持ちは今も現に持っておる次第でございまして、そういうことがやや法案と絡めたように報道をされた向きがあるかもわかりませんけれども、私自身、報道に言われますように、ブリッジ法案と野党の対応とが絡められたような認識は持っておりませんし、与野党熱心に今この法案の出口について御協議をいただいておるところでございますので、私どもはその熱心な御討議の成果を待ちたいと存じておる次第であります。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 今、これは他の法案とかあるいは与野党のいろいろなこれをめぐる折衝、そういうものとは関係ないというふうに御答弁いただいたものと考えております。  しかし、また今ここでちょっと心配になるのは、今の御答弁の中にも再び国家財政の厳しい折と、これはわかっていることなわけですが、それが検討の材料としてまた今も強調されたということ、先ほどの御答弁とちょっと違うように思います。  もう一つ、国民の感情、確かに民間企業では倒産をしたり失業をしたりあるいはさらに自殺したりする人も出ている、こういう非常に厳しい経済情勢、その中で確かに今、後ほども質問したいと思いますが、公務員の大変な不祥事が出ている。特に、国家公務員に対する国民の不信と申しますか反感というものが一方で高まっているのは事実だと思うんですね。しかし、そのことと人勧とはまたこれも直接は関係がないんじゃないかと思うんです。そのことはやはり政府当局としてはしっかり考えていただきたいと思うのです。  というのは、例えば今の国家財政の問題にしろ景気が悪いという問題にしても、だからこそ景気対策をやり減税をやろうとしているのではないんでしょうか。とすると、この人事院勧告の問題は景気対策の問題としてみれば、やはり積極的に行っていくべきものだと思うんですね。特に、やはり国としては、こういうふうな長年やってきたことでありますし、そしてこれは先ほど総務庁長官も言われたような憲法との関係もある大事な制度であるわけですから、そのことを正々堂々と実行することで、例えば消費刺激なり、国家公務員が先頭に立ってそういうこともやっていくということ、不祥事の問題はまた別の問題でやりますけれども、そういうふうにむしろ前向きに考えていくべきだと思うんです。  このことについて、もう一度官房長官それから総務庁長官にもお尋ねをしたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 諸般の情勢はありますけれども、国家公務員の給与勧告の基本に立って、誠意を持って対応してまいりたいと存じております。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) この人事院勧告は、私は、景気対策という声もございますけれども、結果としてそうなることはあると思うんですけれども、やはり国家公務員と使用者側である我々との間の信頼関係を守るということの方に重点があると思っております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 むしろそういうことだと思いますけれども、したがって、国家財政が厳しいとか民間の人が苦しんでいるんだから国家公務員も我慢しろとか、そういうものではないということを私は申し上げたかったわけで、そういうことでぜひ政府の方も頑張っていただきたいと思います。  ところで、今回の人事院勧告の中に五十五歳での昇級停止勧告というものが盛られているわけであります。これは今度の給与表を改定するとか何%上げるとか、そういう給与関係の項目の中に含まれておりますけれども、これはむしろ公務員制度全体の見直しに係る高齢者雇用の問題ですとかあるいは公務員制度のあり方に関する問題にもかかわってくると思うわけなんです。  人事院総裁にお尋ねしたいんですが、五十五歳の昇級停止、現在は五十六歳から昇級延伸で五十八歳で昇級停止になっておりますか、それが急にここで五十五歳で昇級停止勧告が出たということは、例えば公務員のライフサイクルなどを十分考えて、その実態調査をした上でのことなのかどうかということについてお尋ねをしたいと思うんです。  それは、一つには民間との比較の仕方にも問題があると思うんですが、私どもの方でいただいた概要の説明のほかにパンフレットとして「人事院勧告・報告についての説明」という十五ページほどのものと、それから内閣総理大臣及び衆参両院議長にあてて出された報告、勧告の本文、これが五十ページ余りですか。そのほかに参考資料というのも配られておりまして、これが六十九ページのものがあります。  その説明の中には、円グラフを使いまして、民間における昇級停止年齢というのが五十五歳以下が六四・五%だと。民間ではもう過半数が五十五歳で昇級停止になっていますよという説明があるんです。ところが、「一定の年齢により定期昇給を停止することとしている事業所を一〇〇とした割合」というこの説明書きがちょっと気になったものですから、私は参考資料の方を見たところ、参考資料によれば、昇級を停止したりあるいは賃金を下げたりする企業が調査した事業所のうちの五二・六%だというんです。この五二・六%について調べてみると、六四・五%は五十五歳以下だ、こういうことになるんです。非常にこういう説明自身が私は何というのかフェアでないと率直に思います。  というのは、この説明だけを見れば、そうか、民間も過半数が五十五歳で昇級停止にしているのかというふうに思っちゃうわけですよ。この分厚い最後の参考資料まで見なければ実態はわからないんです。民間で五二・六%ですね、そのうちの六四・五%、掛け算しますと、全調査企業の三三・九%では五十五歳で昇級停止しているということになるわけです。そうすると、これは三分の一でやっと五十五歳で昇級停止しているということになるわけです。過半数というのと三分の一というのでは随分印象が違うんです。こういうことは私はある意味で一つの情報操作ではないかということで非常に不満を持つんです。  そのことはそのこととして、民間で今やっと三分の一が五十五歳で昇級停止になってきているということですと、今五十八歳で昇級停止なのを五十五歳という、三年一挙にここで縮めるということです。このことが本当にいいのかどうか、どこまで検討されたかということをお聞きしたいと思います。  特に、同じサラリーマンでも国家公務員とそれから民間のサラリーマンとのライフサイクル、生活実態がどう違うかということについて、私もなかなか資料を手に入れることができないんですが、一部聞きますと、例えば国家公務員の場合には、転勤が随分若いころにある、あるいは官舎がある程度整備されているということから、若い時代には給料も安いこともあってなかなか家を持てない、中年になってからやっと家を持つ。そうすると、そのローンが五十五歳になってもまだ重くのしかかっているということがあるという話も一部伺っているんです。  逆に民間の場合は、持ち家政策で若いうちから家を持つようにということで、会社の方で利子補給をしてみたりいろいろな制度もあって、民間サラリーマンの方は比較的若いうちに家を建てて、ローンも五十五歳ぐらいまでには払い終えるとか随分軽くなっているというふうな話も一部に聞いているんです。  人事院としては、そういう公務員のライフサイクルあるいは生活実態、消費の実態、そういうことを十分調べた上で、民間がようやく三分の一、五十五歳の昇級停止になったということを分析し、それで来年から公務員も五十五歳にすべきだと、こういうふうなことなんですか。その辺についてちょっと説明をお願いします。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) お尋ねの件につきましては、いろいろな機会をとらえまして各方面によく御説明を申し上げているわけですが、改めての御質問でございますのでよく説明をさせていただきたいと思います。  民間企業の方におきましては、この大競争時代というものをどのように勝ち抜いていくかということで、かなり以前から給与体系の改革というものを実施しております。その基本線というのは、やはり年功的な部分というものを抑えぎみにして、能力とか実績というものをどのように給与体系の中に反映していくかということで給与体系の改革というのをやってきております。  そこで私たちも、今までは毎年の勧告の際にそういう方針を踏まえまして各階層別、年代別の給与配分というものをかなり工夫してきたわけでございますけれども、それのみによってはやはり民間との年代別、階層別の較差というのが埋まってこない。  具体的に申し上げますと、若年層、中堅層のところの官民較差というのは若干広がりぎみである。ところが中高年層の方にいきますと、その較差というのが非常に少ないといいますか、年齢層によりましては逆較差になってきておるというような状況になっておりますので、これではやはり対民間との関係において、すべて一〇〇%民間と同じでなきゃならないとは考えませんけれども、若年層、中堅層のところにおいて較差が広がりぎみになってくるということは避けなければならないというので今度私たちはこういう提案をさせていただきました。  させていただきましたその背景の数字等につきましては後ほど局長から御答弁申し上げますけれども、この問題について、今まで議論されていなかった少し違った角度から御説明させていただきますと、一つは、やはり現在の中高年層の給与水準というのが、十年前の中高年層あるいは十五年前の中高年層の給与水準と比べますと、到達号俸とかあるいは級別号俸別の在職状況を見ますとかなりよくなってきておるということがございます。したがいまして、現在の中高年層の方の給与水準というのはかなりいいところまで来ているなというふうに思います。  そして、今回私たちが提案申し上げましたようなことをさせていただきましても、毎年の人事院勧告によるベースアップというのは五十五歳以上の方にも適用されますし、またそういう方たちが労働の中で非常にいい成績を上げられた場合には特別昇給ということももちろん考えております。そしてまた、昇進された場合の一号上位の昇級というのも考えておりますので、すべて給与というものが抑えられるということではございませんので、そういうことも含めまして御理解をいただければというふうに思います。  なお、このことにつきましては、私たち各省の官房筋あるいは労働団体の方からいろいろ話を伺いまして、激変を緩和するための経過措置というのも考えていかなきゃならないというふうに思います。  以上申し上げまして、今井先生の御理解も得たいというふうに考えます。

武政和夫人事院事務総局給与局長

○政府委員(武政和夫君) 民間の定期昇給制度の状況でありますが、先生お挙げになりましたように、定期昇給制度がある事業所の五二・六%は賃金の上昇を停止あるいは賃金を減少させているというところであります。この中をまた開いて、五十五歳以前で昇給停止というのを見ますと六四・五%、こういう状況になるわけであります。さらに、定期昇給制度がない事業所、これも若干あるわけでございますが、賃金の上昇を停止または減少させるという事業所があるというふうな数字が出てまいります。  私どもとしましては、まず、中高年齢従業員の賃金水準を抑制しているというのは過半数である、これは間違いなく過半数であるということを重要なポイントとして考えて今回の措置を提案した。その場合に、では何歳で昇級停止をやっているかというと、先ほど申し上げたように六四・五%と、その辺に着目して今回の勧告をさせていただいたということであります。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 確かに、年功序列型で高齢になればなるほど給与が上がる、あるいは緩くなっても高給であるということは、これからの高齢社会の中での高齢者雇用の問題を考えたときにそれでいいのかという問題は一つあると思います。  今の御答弁の中にあったように、基本的な方向についてはそれぞれ考え方があると思うのでそのことについて私は特別申し上げているのではないんですが、先ほどのことについてちょっとお答えをいただけていないと思うのは、では実際にそういう制度を来年からやるということについてなぜ急に五十八歳の現在の昇級停止を三年も、というのは、三年一挙に縮めるというのにはそれなりの理由がなければならないと思うんですね。  そういう意味で、公務員の生活実態やライフサイクルについてきちっとした実態を把握した上でやっているのか、それともただ、今、人事院総裁の言われたように、一般的にそういう方向なんだから、そして今は大変厳しいからそういうふうにやっているのか。その辺のことを、やっぱりきめ細かな配慮が必要だと思うんですが、そこをもう一度お尋ねいたします。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) いろいろな角度からのいろいろな御議論というものがあると思います。  私たちも、そういう議論を院内でよく行いましてこういう結論を出したわけでございますけれども、一つは、やはりこういう給与体系の変更というものをやっていかなきゃならない、そのこと自身が将来の高齢時代というものを迎えたときの人事管理のあり方にとって必要だということは、かねがね私たちはそういうことを各省の任命権者に対しましても、また労働団体に対しても申し上げてきたわけですけれども、それが具体的に定期昇給の停止だという形で出てきたのは今回が初めてでございます。  したがいまして、先ほど私が申し上げましたように、そのことに伴う激変というのはやはり緩和していかなきゃならないだろう、その激変というものをどのように緩和していって公務の世界の中でスムーズに受け入れていただくかということにつきましては、なお任命権者とか労働団体の意見もよく聞いてその措置を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  私たちも、勧告いたしましたからそれに基づいて一方的に私たちの考えを強行しようということではなくして、任命権者とか労働団体の意見を聞きながらその内容というものを決めていきたいというふうに考えております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 今の激変緩和ということ、これはぜひやっていただかなければならないと思いますので、政府側もその辺についてはきちっと受けとめていただきたいと思います。  どうもなかなか御答弁いただけないようですが、この問題だけにかかわっていても仕方がないのでこれでやめますけれども、しかしやっぱりこういうことは単に理念とか基本的な方向だけではなく現実の実態を踏まえて考えなければならないので、特に公務員制度の改革などを考える場合も、公務員の生活実態というものがどうなのか、ライフサイクルがどうなのか、そのこと自身が民間と比べて違いがないのか、あるいはそこにゆがみがないのかとか、そういう実態調査というのは十分やっていただきたいというふうに思います。  これは総務庁でも消費生活実態調査とかいろいろやられているわけですが、例えばそういう中から公務員と非公務員というのを取り出して分析をしてみるとか、そういうことをやればある程度違いがあるのかないのかということもわかってくると思いますので、違いがあって当然なのか、あるいはそういうライフサイクルの違い自身も変えていくべきなのか、そういうことも含めての議論をきちっとやっていただきたいと思います。  ところで、今の昇級停止のこととも関連するわけですが、世の中、高齢化が進むに従って高齢者の雇用、定年延長、そういう問題が起こっているわけです。今度、高齢者雇用制度については再任用制度というものが提案されているわけですけれども、これはどういう内容でどういうスケジュールで導入する予定なのか、現在の法案の準備状況、いつ法案を出す予定なのか、その辺についてお聞きをしたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 公務部門における高齢者雇用につきましては、公務部門における高齢者雇用問題検討委員会を設けておりまして、本年六月に最終報告が取りまとめられたところでございます。そして、現在、最終報告を踏まえて、定年退職者等を任期を定めて再任用する制度を設けるべく国家公務員法等の改正法律案の立案作業を目下進めているところでございます。  改正法律案については、平成十三年度からの実施ということで、それまでの間に所要の準備を考慮してできるだけ早い機会に国会に提出できるよう努力をしていくということで今やっているところでございます。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 そこで、国家公務員の定年の問題あるいは給与の問題と関連して、それから今回の報告の中でもⅠ種とⅠ種、Ⅲ種採用職員のその後の庁内での昇進といいますか登用の問題についても、Ⅱ種、Ⅲ種職員を幹部登用するようなことも報告の中に、すべきであるということで出ているわけです。  こういう問題は、いわゆる天下り問題とも密接に絡んでいると思います。そして、今回大変大きな問題になっております防衛庁の問題も、その核心部分の一つは民間企業への天下り、そのことをめぐって返還金額を少なくさせたりいろんなことがあるというふうに思うんですね。しかも、私は、今度の防衛庁の問題でこの天下り問題が密接に絡んでいることで大変またショックを受けましたのは、会計検査院まで絡んでいるんです。  私は、一期目の六年間はずっと決算委員会に所属させていただいておりまして、その関係もありまして会計検査院の方たちなんかとも随分いろいろな議論をさせていただいたんですが、国の役所の中にも、例えば会計検査院とかきょうお見えの人事院もそうだと思いますし、総務庁の大部分も天下り先を持っておられないわけですよね、全然利害関係のある業界がない。そうすると、今度の防衛庁のあの問題でもあるように、天下り先のない会計検査院に天下り先を紹介してあげるから会計検査を甘くしてくれ、見逃してくれみたいな、本当に情けないというかあきれたというか、こういうことまで行われてきているわけです。  この天下り問題、これは早急に解決をしなければならない問題だと思いますし、このことにも関連して、現在、総務庁に公務員制度調査会が設けられてつい先ごろ中間報告というか論点整理も出されたわけですが、まだ天下り問題というのはその論点整理の中でも議論が足りないように私は思うんです。  この天下り問題について、人事院の立場として、あるいは総務庁として、また内閣官房長官としてどういうふうに今取り組んでおられるのか、あるいは今早急にどういうことに取り組まなければならないと思っておられるのか、三人の方にそれぞれ御答弁を願いたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) この問題を考えるときに重要なことは、天下り問題という視点からのみ考えるのか、あるいはまた不祥事という視点のみから考えるのかということだと思います。そういう視点のみからとらえた場合には、恐らく私は対応策としては不十分なものしか出てこないだろうというふうに思います。やはり、人事管理政策、トータルに把握してどういうふうにこれに対応していくかということを考えなければいい答えは出てこないというふうに思います。今回の防衛庁の事件を見ましてもそういう感を深くするわけでございますけれども、ただ一つの問題の視点からのみとらえてはだめだというふうに思います。  そこで、一般の民間企業への再就職の問題も含めましてお話し申し上げますと、やはり基本は、公務員には定年制というのがある、その定年いっぱいまで働くためのシステムというのをどのようにつくり上げていくかということが基本でなければならないと思います。時によれば定年というものを延長していくようなことも将来必要になるでしょう。そういう場合にはそういう議論もしていかなきゃならない。  しかし、その議論を今するよりも、現在の六十歳定年、次官等につきましては六十二歳定年ということになっておりますけれども、その定年いっぱい働く、しかも知識経験豊富な人間というものをどのように公務の組織の中で有効に活用していくかという視点から考えていかなきゃならない。そのためには、まず幹部職員の今の退職年齢というものが早過ぎる、それをどのようにして長くしていくかということを考えていく必要があるというふうに思います。  私は、第一歩といたしましては、やはり幹部職員の早期退職というこの慣行というものを是正していくために、それぞれの任命権者サイドにおいて努力していただかなきゃならないというふうに思います。その上で、民間企業への再就職につきましては、権力とかあるいはまたその他の力を背景にして民間企業に送り込んでいくという、こういうことをなくしていくということでなければならないと思います。  片一方、公務員の中では非常に知識経験が民間企業サイドから高く評価されておって、その高く評価されていることをもとにして民間企業サイドから人材を求める声があるのも事実でございます。そういう人たちについては、やはり透明な国民から疑いを持たれないようなシステムで民間企業に送り込んでいくということにも配慮しなきゃならないというふうに思います。  いろいろなサイドからこの問題について把握し対応策を練っていかなければ、やはり私は公務の世界あるいは民間の世界、そういう両方の世界からの理解というものは得られないのじゃないかというふうに考えております。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 今、人事院総裁の答弁のように、要するに最後はピラミッド型の省庁組織になるということでありますので、その限りではピラミッドは当然上は狭くなるわけですから、ほかの人たちは途中でやめていくということを前提にして今までの人事政策あるいは人事そのものが行われているわけでございます。そうではなくて、そこで退職をするんではなくて、じゃどういうふうにしてその能力を各省庁によって活用するのかということに対する答えがなければならないと思うわけでございます。  天下りということも、これは全く個人としてその能力を買われ、またそのような人生のチャンスにめぐり会うということは、個人としては職業選択の自由があるわけでございますから、これはどうしようもないということはあるわけであります。ただそこで、そのような天下りというか再就職について、権力か何かの裏づけがあるからそれができるとか、あるいはそういうものが手伝ってできるというふうなことになるとその部分が問題なんだろうと思います。  ぜひこれは、公務員制度調査会においても重点的に検討をしていただいておりますし、早急に我々も頭の整理をして、両方のことにきちんと答えを出さなければいけない時期だと思っております。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) いわゆる天下り問題につきましては、ただいま人事院総裁なり総務庁長官から御答弁がされたとおりでございまして、一般論といたしましては答弁にありましたように公務員全体像のあり方を早急に見直さなくてはならないと私も考えておる次第であります。  すなわち、四十歳過ぎからそれぞれ同期で入った者が肩たたきをされまして、その人たちの受け皿として特殊法人や公益法人がつくられ、あるいは関連する民間団体に天下っていくという現在のシステム、そして最後は一人しか事務次官ポストが残らない、こういう公務員のあり方が今日の天下り問題の大きな問題点をはらんでおると思うわけでございますので一少なくとも定年まで公務員として働けるような全体像を、今それぞれ答弁がありましたように公務員制度調査会におかれましてもぜひ御審議を早急に賜り、天下り問題を取り巻く国民の不信感を払拭するための早急な努力を私どもはしていかなくてはならないと思うのでございます。  ただ、御指摘のございました、ちょうど細川、羽田内閣のときの防衛庁の装備品の調達業務に従事をしておりました調達実施本部の元本部長あるいは副本部長が背任容疑で逮捕されるという事態を惹起いたしましたことは極めて遺憾でありますとともに、残念であると思います。と同時に、このことでこの天下り問題が正当化されてはならない。すなわち、それぞれ防衛庁の幹部を歴任した人間がこのような事態を惹起したというのはまことに遺憾なことでございまして、事実関係については今後検察当局において厳正な捜査で徹底的に究明されることを期待いたしますとともに、政府といたしましてもこのような事態が再び起こることのないよう、防衛調達業務の改善はもちろんでありますけれども、全体の行政につきまして国民の信頼を回復できるように厳正に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 この天下り問題は、確かに今三人の責任者の方から御答弁がありましたように、非常に幅広い内容を持っていることは間違いないんですね。  しかし、確かに個人としての公務員が請われて自分の能力を生かす、あるいは自分自身として公務員の場よりは民間の方が能力を発揮しやすいということでみずから望んで転職をするということは十分あり得ることだし、それはまたこういう時代ですから、終身雇用制も崩れてきている時代ですから、大いにあっていいことだと思うんです。  しかし、天下りの問題というのはそうじゃなくて、その人の能力が生かされるということで職場を変わる、あるいは望まれて行くんではなくて、いわゆる能力じゃなくてその人の持っているパイプ、コネ、要するにこれは背景に権力、裁量行政その他あるわけですね。そのことが天下りの問題なんですね。ですから、国家公務員として採用されて働いている人たちがその後自分の人生の中でどこにどう行くかという、そういう職業を変える問題というのはいわゆる天下りの問題ではないんですよ。  だから、事天下りというのをそういうふうにはっきり、今問題になっているその権力を背景として無理やりある民間企業が押しつけられるだとか、ある民間企業が中央省庁とのパイプをつなぐために天下りを積種的にもらうだとか、これがまさに天下りなんですから、そういうことはまず全面的に禁止するということをはっきりさせて、その上で国家公務員のライフサイクルの中での職業選択はどうあるべきかという議論を公務員制度との関係でする、これが順序じゃないんですか。公務員制度全体を議論しながら天下りの問題にはあれもある、これもあると言っていたんじゃ解決しないんじゃないですか。  まず、天下りは禁止する。要するに、権力を背景とし、人脈、パイプ、そういうコネのためのそういうものは禁止するということをまず決めて、そしてその上で公務員制度と公務員一人一人のことを考えるべきじゃないですか。どうなんですか、そこは。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 私の認識も、多くの場合は現実には省庁の権限というものを背景にしてそういう再就職が行われているのではないかと、私もそういうふうに思っております。  ただ、また多くの場合は、逆にこれは本人の能力が評価され、それを請われて行ったんだというふうに恐らくは説明をされると思うわけでありまして、権力を背景にして行ったんだというふうには言わないと思うんです。ですから、そこは大変注意深く扱わなければいけないと思いますけれども、今まさに問われている課題は先生の今おっしゃった問題意識のとおりであろうと思っております。  ただ私も、じゃ、今のこのピラミッド型のことをそのままにしておいて禁止をする話だけでいっていいのかどうかというと、それはやっぱり同時並行でいく方がいいんではないかというふうには考えております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 ですから、やっぱりそこのところははっきり、いわゆる天下り、権力を背景とする、利害関係を背景としたそういう再就職は禁ずるということの上で考えていただきたいんです。  もしそうだとすれば、例えば各省庁、何かうわさによると官房長とかが天下り先の世話役だとかいう省庁も多いように聞いているんですけれども、そうじゃなくて、例えば人事院の方で一括して再就職をしたい人を募集する。それから、民間企業からはこういう人材が欲しいというのを出してもらう。そういうふうな形でやれば、これは早速にでも解決する問題です、とりあえず仕組みの問題としては。そして、公務員制度の問題についてじっくり時間をかげながらやるべき問題もあるでしょう。だけれども、当面の問題はそういうことにしたらどうかと思うんです。  例えば、先ほども人事院総裁の御答弁にもありました民間からの公正な人材活用システム、これはやっと今年度発足した。今年度発足して半年たつわけですけれども、そこに現に民間から希望が出ているのかどうか。それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、例えば会計検査院とか総務庁の行政監察局とか、こういうところの人たちがその能力を生かせば、会社がリストラをする、スリム化する、効率的にやるための民間企業内の監査とか、そういうことに非常に役立つ人材じゃないかと思うんですが、そういう人たちのところには今まで一向に天下りをしてほしいというのがないわけです。そういう過去の実態などを含めて今ちょっと御提案を申し上げましたが、お答えをいただければと思います。まず人事院総裁。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 今井議員が今おっしゃいましたように、私たちはことしの四月から日経連の協力を得てそういうシステムをつくりました。民間企業サイドから若干指名がございましたけれども、民間企業から指名されるような人は公務の世界でもう少し使いたいという人がやはり指名されるわけです。したがいまして、現在まだ実績としてはございませんけれども、そういうシステムを普及していく、そのことによって、才能があり能力がありそして本人の希望もあり、そういう方が皆さんの理解を得ながら民間企業に再就職していくというようなことが常態として行われるようなことにしていかなきゃならないという認識は持っております。  民間企業への再就職についての基本的な物の考え方については、先ほど総務庁長官がお答えになりました考え方で私たちもおりますけれども、そういう考え方をどのようにして具体的に今の公務員の世界の中で浸透していくかというそのプロセスについて、これからじっくり関係省庁と議論をしていきながら軌道に乗せていかなきゃならないという、非常に大きな重い仕事だというふうに思います。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 官房長官及び総務庁長官、先ほどちょっと御提案いたしました、公務員の天下りは禁止する、再就職については、では差し当たって人事院なりどこか統一的な機関をつくって、そこであっせんするということを早速着手されてはどうかと思うんですが、いかがですか、そういう考え方は。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 公務員制度調査会においては、人材バンクというものをつくって委員の今御指摘のようなことについて取り組んでいこうということで問題意識を持って今検討しておるところでございます。一つのやり方だろうと思います。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 繰り返しになりますけれども、事はやっぱり急ぐと思うんですね。公務員に対する、あるいは国の行政に対する国民の信頼を回復させるためには、やはりきちっきちっとやっていかなきゃならない。それは検討すべき課題が多いのはわかりますけれども、いわゆる天下りを禁止する、だけれども、当面そうはいったって気の毒な人たちがいるし、欲しい人たちもいるんだから、それはこうやりますというやっぱり暫定的にでもそういうことをどんどんやっていってもらいたいと思うんです。  全体の答申、この公務員制度改革に向けての論点整理、確かにこれは非常に幅広い範囲にわたっていろんなことが書かれています。だけれども、やっぱりポイントが欠落していると思うんですよ。ですから、この調査会についても総務庁長官としても督励をして、その中でも一部実行すべきこと、例えば退職のあり方については別途もう答申が出ているわけです。それがまた再任用のことにもつながっていると思うので、例えば天下り問題について解決するということをやってもらいたいと思うんです。  そこで、私がこの公務員制度調査会の論点整理を拝見しましても、やっぱり議論が不足している、あるいはちょっとピンぼけだと思うのは、今度の防衛庁汚職を見て、この防衛庁汚職の際立った特徴は何かというと、特に最近、経済成長率が落ちてきた、経済の問題が非常に大きな問題になってくるにつれてはっきりしてきたのが、いわゆる国民が納めた税金をどう使うかという問題が大きいわけです。住専のときにもそれで非常に国民の反対が大きくなったわけですし、今も金融問題は公的資金をどういう場合に導入すべきかすべきでないかということなわけです。  今度の場合の防衛庁汚職でも、単にこの論点整理に書いてあるように、全体の奉仕者としての自覚がどうのこうのとか、それから今度もそうですが、裁量行政とか権益がどうのこうのとかということもあるんですけれども、問題は国民の血税をむだに使ったり自分たちの裁量で額を決めたりする、そういう意識が一つ問題だと思うんです。  それともう一つ非常に大事な問題は、証拠を隠滅した、しかもその中で私は焼いてしまったなんというのを聞いて背筋が寒くなるような思いをしたんです。隠すならまだかわいいですよ。後から出てくるかもしれないし、何とかすればいい。だけれども、一たん焼いてしまったらこの貴重な資料というのはなくなるんです。これは少なくとも国民の血税に関するものである以上、国民が知る権利を持っている資料なんですよ。それを一防衛官僚の裁量で永遠になくすような、焼いてしまうということをやるところに私は今の官僚の感覚の麻痺があると思うんです。  そういう国民の貴重な血税を自分たちは扱っているんだということ、それからそれにまつわる資料というものも国民に属するものなんだという、こういう感覚がないところに非常に問題があると思うし、そういうところにこの論点整理は踏み込んでいないという意味で非常に不十分だと思うんですが、官房長官と総務庁長官の御答弁をお願いいたします。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおり、今回の防衛庁の問題は、一つには国民の血税をむだなく使うという意識が欠如しておったということ。さらには、これは今検察において調査中でありますけれども、仮にその経過において証拠隠滅などがあったとするならば、これは許すべきことではありませんし、国民全体の奉仕者としてその意識が欠けておったということになるわけでございますし、国民の知る権利に対しても公務員としてあるまじき行為であったと考えるわけでございますので、検察において徹底した調査が行われますとともに、また政府といたしましても、防衛庁を中心に、みずからこの実態を解明するようにやってまいりたいと存じておるところでございます。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 防衛庁の調達本部の件につきましては、報道されているとおりであるとすればとんでもない話であって、むしろこれ、論評するというよりも、犯罪になるんですから、これは犯罪として厳正にやらなければいけないというふうに思います。また、そういうとんでもないことを、焼くなんということを決める背景にあるこの土壌というものは、これは決して見過ごすことはできない。  そのことも含めて、我々、今ちょうど省庁の再編成とかあるいは公務員制度の見直しとかいうことをやっているわけでございますから、ぜひこれからそういう視点を、そのことも踏まえた制度をつくることにしなければならないと思っております。

今井澄民主党・新緑風会

○今井澄君 時間が来ましたので終わりますが、先ほどから繰り返しておりますように、公務員制度調査会、せっかくいろいろ議論しているんですが、ちゃんとピントの合った議論をするように指導して、部分的にでもできることから実行してもらいたいと思います。よろしくお願いします。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 自民党の海老原義彦でございます。  初めに官房長官に伺います。  非常に鋭い識見と大変な調整力をお持ちの野中官房長官をお迎えいたしまして、私ども非常に歓迎いたしております。  官房長官の初めのお話を伺いまして、危機管理も重要な所管であるというお話でございました。野中官房長官は前に、自治大臣、公安委員長の時代にも大変な危機管理の問題をこなされてきた。あの阪神大震災、それからオウム真理教事件もございました。そういった方でございますので、全幅の信頼を持って危機管理をお任せできると思っております。  さて、今般、八月三十一日に北朝鮮でミサイルを発射した。だんだん後になってみると、これはミサイルでなくて人工衛星のロケットなんだというような話も流れておりますけれども、いずれにせよ、ミサイルを日本へ向けて発射した。これは大変なことでございまして、これはミサイルであってもなくてもともかく我が国の危機管理に対する一つの警鐘を乱打した事件だろうと思うのでございます。  我が国は、陸海空いずれをとっても一応の自衛力を備えておりまして、みだりに諸外国からの侵攻を受けた場合には応じて立つ力はあるはずだと思いますけれども、事ミサイルとなりますと全く裸同然でございまして、これは国民として与野党を問わず考えなきゃならぬ問題だと思うんです。  さて、どうするんだろうか。それで今いろいろな議論がなされております。例えば、今後、アメリカで考えておる戦略ミサイル防衛構想、いわゆるTMD、これに積極的に参加していくんだという構想もございましょう。それから、それだけじゃ足らぬ、日本独自の情報収集衛星、警戒衛星といったものを打ち上げていくんだということも言われております。  こういった諸問題について、官房長官、いかようにお考えになるか、御見解を伺いたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 今回の北朝鮮の弾道ミサイルの発射に関する問題につきましては、我が国の防衛政策上まことに大きな課題でありまして、現在、米側の協力も得ながら鋭意検討をいたしておるところでございます。  今それぞれ海老原委員から御指摘がございましたように、一つには戦略ミサイルの防衛のあり方、これにつきましては、今日までもやってまいったところでございますけれども、我が国安全保障、日米安全保障体制の運用の中において大きな課題でございますし、アメリカ側の協力を得ながら日米間の技術協力の可能性や、あるいは法制面での整備の必要性の有無をも含めまして、その取り扱いについて検討をしてまいりましたし、今後も検討をしてまいらなくてはならないと思っておるのでございます。  我が国の危機管理につきまして、先ほど御指摘ございましたように、阪神・淡路大震災の際に大きな危機管理のあり方が問われまして、その後内閣に危機管理室、危機管理監を設けたりいたしまして対応をいたしてまいりました。したがいまして、先般の福島、栃木を中心とするあの大水害におきましても、私は、少なくとも自然災害等につきましての我が国の危機管理体制は、一応この危機に対応できる体制ができ上がったと存じた次第でございますけれども、今御指摘ございました北朝鮮のミサイル発射にかかわる経過を振り返ってみましたときに、果たして我が国の国民の生命、財産を守る上に立ってこの危機管理が十分であったか否かを問われると、私自身危惧するところあるいは反省するところが非常に多いわけでございます。  そういう意味におきまして、情報を早期に収集するこの衛星のあり方につきましても現在技術的な見地から各種の検討を行っておるところでございまして、そのような方途を講ずることによって、一方においては、一に外交努力を重ねることにより、さらには日米安保体制をより確実なものにすることにより、そして我が方としても可能な限りの情報収集ができるような体制を確立することによって、この種事犯に対応する危機管理に努めてまいらなくてはならないという認識を強くし、その反省の上に立って今取り組んでおるところでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 情報収集体制として、官房長官からも今お話しありましたように各種の方法がある。例えば商業衛星を買い切って活用するという方法もございます。それから、そのための独自の衛星、そのためだけでということでなくて、多目的に地球観測衛星という形で独自のものを打ち上げるということも必要かと思います。  また、もう一つここで御提言いたしたいのは、実は成層圏プラットホームという構想。これはもう官房長官のお手元に科学技術庁から出ていると思うんですね。本来、この科学技術庁で計画しているものは、地球観測の分野とかそれから情報通信分野、郵政と共同でございまして情報通信分野、この二分野でもって活用しようというものであります。成層圏に飛行船を上げる、この飛行船が地面から見て一定の位置にいるように少しずつ移動させる、成層圏の偏西風に逆らって移動させて地面から見て一定の位置、それで高度は二万メートル。二万メートルありますと随分遠くまで見えるんです。仰角十度で百キロと言われております。仰角六十度という狭い範囲、一番よく見える範囲ならばこれは十キロでしょうか。ところが、これは資料にないんですけれども、じゃ仰角零度、つまり水平線、見通せる水平線がどこまでか。私、計算してみましたら五百キロ。五百キロのかなたまで見えるんですよ。  こういうものを日本本土の上に幾つも打ち上げて情報通信なり地球観測なりに使うという構想でございますが、これを日本海の真ん中に一つ打ち上げておくと、北朝鮮でミサイルを発射したのを全部赤外線センサーで見えるわけですね。二つ打ち上げておけば距離も速度もわかって軌道計算ができる、こういうものも大いに活用できるのかなと、これは御提言申し上げておきます。  あわせて、どうしても申し上げておかなきゃならないのは、こういった科学技術的な整備が進められますと、同時に、せっかくミサイルが把握できて軌道計算までできた、それをつなげてパトリオットシステム、迎撃体制をとるということになるわけで、それは科学技術的にすぐできると思うんです。コンピューター技術が日本ほど発達した国はないんですから、これはアメリカはできなくても日本はできると思うんです。それができても、じゃ本当に発射していいのかということで安全保障会議を開くなんてなったら、もうミサイルは日本へ落っこっちゃいます。だから、これはあらかじめそういう体制をつくっておく、安全保障会議は何度もあらかじめ開いておいて、そういう事態になったら、コンピューターでそういうことが把握されたら、直ちに迎撃ミサイルを出すんだということをあらかじめ決めておく、そのためには法的な整備も必要かと思います。そういったことも含めて、いろいろと整備しなきゃならぬことは多いんだなと思います。  官房長官、お忙しくて時間がないようでございますからあと質問をまとめて申し上げますけれども、いま一つ私が申し上げたいことは恩給改善に関する基本的な考え方でございます。  軍人恩給というものは、軍人が命をかけて戦ったいわばその命の補償であります。あるいは生きて帰った人にしても、とうとい青春の一時期を国のためにささげ、全くしゃばでは役に立たない人殺しの生活の中で過ごした。ですから、いわばその期間は一般の社会からいえば全くむだな期間でありましたけれども、そのことに対する補償であります。  そういう意味で、軍人恩給というのは極めて国家補償そのものでもあるというふうに私は考えておりますが、その辺に関する官房長官の御見解も承りたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおりに、恩給の受給者の多くは、さきの大戦においてみずからを犠牲にして国のために尽くされました方々とその御遺族たちに誠意ある処遇を国家としての責任で行おうとしておるのでございまして、たしか昭和五十一年、三木内閣の植木総務庁長官のときに、当時の岡田議員からの御質問に答えて、恩給というのは社会保障でなく国家が補償する性格のものであるというように答弁をされてきたと承知をしておるわけでございます。今後もその特殊性を配慮しつつ、誠意を持って対処してまいらなくてはならないと存じておるところでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 ありがとうございました。  以上で官房長官に対する質問は終わらせていただきまして、次に総務庁長官に移ります。  太田総務庁長官はかねてから私の大変敬愛する先生でございまして、行革担当大臣として今非常に熱意を燃やしておる、また人事担当、給与担当でもあり、あるいは恩給担当でもあるということで、この恩給についても太田総務庁長官は前から非常に御理解のある方だとよく存じ上げておるわけでありますが、いい大臣に来ていただいたと思って私非常に喜んでおるところでございます。本当に御就任、おめでとうございます。  さて、行政改革につきまして、初めの所信、あいさつの中で大臣からいろいろお話を伺いました。本当にこれからの行政改革、大変な時期に差しかかっておると思います。中央省庁等改革基本法、この前の通常国会の末期に通ったわけでございますけれども、これによりますと、二〇〇一年に新体制へ移行するということであると、来年四月ごろまでにはいろんな法案を全部国会に出さなきゃならぬという今大変な時期でございます。また、独立行政法人の問題、日本にない新しい制度を導入する、これも大変なことだろうと思います。  そういった諸問題に係る立案方針や今後の進行手順について、担当大臣としての御抱負を交えてお話を伺いたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 海老原委員には、御専門の領域を私担当させていただくことになりますので、これからまたよろしく御指導をいただきたいと存じます。  今後の行政改革の推進にかかわる手順でございますけれども、委員今おっしゃいましたように、来年の四月には内閣法、国家行政組織法、そして各省庁の設置法について改正案を出す。そうしなければ二〇〇一年の一月には間に合わないわけでございますから、そういうふうに期限を切ってさまざまな仕事をしなければならないわけでございますが、今月末に法案、計画の立案方針というものを中央省庁等改革推進本部において決定することといたしております。二十九日でございます。そこで立案方針を決めて、できれば来年の一月に大網を決定いたしたい、そのように考えております。  その中で、基本法にも盛られております内閣機能の強化でありますとか、あるいは事前調整から事後のチェックヘと行政の姿勢を転換していくこと、あるいはスリム化、効率化ということを進めていかなければならない。今、言及をいただきましたように、独立行政法人という全く新しい制度も導入しなければならないわけでございますので、大車輪で作業を進めているところでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 行政改革の問題は非常に大事なこれからの日本の進路を決める問題でございますので、ひとつ一生懸命御奮闘いただきたいと思うわけでございます。  あわせて、新しい器ができますと中身も、中身と申しますのは公務員の問題でございます。  今の公務員制度、これもいろいろな矛盾があるわけでございます。直していかなきゃならぬところは多々あります。それについては公務員制度調査会において御検討いただいておるということでございますが、この審議の状況、それから今後の進め方について伺いたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 公務員制度につきましては、公務員制度調査会において七月にこれまでの議論を整理して論点整理を取りまとめたところでございます。本年度内に基本答申の取りまとめに向けてさらに具体的な検討を進めていくつもりでございます。そういう予定をいたしております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 人事院勧告の取り扱いにつきましては既に今井先生から大分御質問がありました。実は私、そのことについてさっと聞いておこうかと思ったのですけれども、これは重複いたします、だれが聞いても同じお答えになるんだろうと思います。  そこで、私は恩給改善について伺いたいと思います。  まず初めに、先ほど官房長官からもお答えいただきましたけれども、恩給というものの性格、殊に軍人恩給というものの性格、これは社会保障と明らかに違う国家補償であります。このことにつきまして、非常に恩給に理解ある太田長官の御誠意ある御見識をひとつ御披露いただきたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 恩給受給者の多くの方々は、さきの大戦においてみずからを犠牲として国のために尽くされた方々とその御遺族でございます。また、長年公務に従事された方々とその御遺族でありますので、誠意を持って処遇するということは国家としての責務であると考えております。  特に、私常々申し上げておりますことは、例えば過ぐる大戦の性格がどうであったかというその評価は別にいたしましても、国のために命をささげられた、あるいは大きな犠牲を払われたということに対して私どもはその処遇をきちんとしていなければ、今後も何か戦争とは限らず国や社会全体にとって大きな危険が迫ったときに、災害のこともそうでございますけれども、我々みずからもそうでありますし、また同胞に対してもここで、危険を冒したりあるいは犠牲を払ったりするということ、それは自分のことは自分でやらなければいけない、自分たちの社会は自分たちで守らなければいけないという原則があるわけでございますから、そういうことを期待するということであれば、これまでそのような犠牲を払われたあるいは危険を冒された方々に対してはきちんと処遇をしなければ、将来に対しても我々はそのような心構えを持つことができないというふうに思っております。  そういう意味で、まさに恩給は国家補償的な性格を持っているということを確信いたしております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 非常に前向きな御見解をいただきましてありがとうございます。  そこで、ひとつ個別の問題について伺いたいわけでございます。  平成十一年度の恩給改善の中で、従来から問題になっております短期在職者の仮定俸給の格差の是正という問題でございます。これは言葉で言うとややこしいんです。ですから言葉でなくて精神で申しますと、この話は、戦前の恩給制度と違うものを戦後導入してしまった、そのことに問題がある。戦前から恩給には加算年というものがありまして、加算年の趣旨は、戦地へ行きますと同じ一年でも内地の一年と全然消耗の度が違う。鉄砲玉が飛び交っていつ敵襲があるかわからない、常に緊張しておる、また現実に戦闘に従事して周りの戦友がばたばた倒れていく、そういう中での一年というのは内地の三年にも四年にも当たる大変な消耗でございます。そういうことを考えて、軍人の場合は一年を三年に見たり四年に見たりする制度がある。  ところが、戦後、恩給が復活するに当たりまして、一年は一年じゃないか、だからこれは一年しか見ないんだよということになってしまった。それがまたかなり緩和されて直されてきておりますけれども、まだその思想の残りかすがある。それが号俸の格差にあらわれておるわけでございまして、戦前は兵なら兵、下士官、伍長なら伍長、軍曹なら軍曹ということで一階級一つの仮定俸給で処理しておりましたところを二種類に分かれてしまった。それが昔の公務員の八十何号俸の通し号俸の中で言いますと四号俸、今の俸給表の四号俸と思ってもいいんですが、四号俸ぐらいの違いがあるわけでございまして、それを直さないとこれは根本的な解決にならない。  今、最低補償の適用を受ける者が九七%ぐらい、だんだん改善されて九五%ぐらいになっているかもしれませんが、ともかくそういう状況でありまして、これを改善しなきゃいかぬということで昨年から始まったことでございますけれども、昨年一号、ことし一号と、二号改善されてまいりました。まだ二号残っておるわけで、これを早急に改善しなければならないというのが平成十一年度の課題かなと考えておるわけでございますので、その点についての総務庁長官としての対処方針を伺いたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 海老原議員や御関係の方々の努力によりまして、今御指摘のような格差の是正という努力が続けられてきたところでございますけれども、今後それをどうするかということは、恩給制度の中のバランスでありますとか、さまざまな御関係の方々の御意見あるいは御要望を踏まえながら、平成十一年度以降の予算編成過程で検討をしてまいりたいと存じます。  また御指導をよろしくお順いいたしたいと思います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 前向きの御処置をよろしくお願いいたしたいと思います。  さて、調達実施本部の問題について、先ほど今井先生からも質問がいろいろと出たわけでございますけれども、私はちょっと観点を変えまして、今度、行政監察局で調達実施本部に対する監察を行うということでございますので、この監察の際の調査はどんな視点からやるのか。私は、監察局としてオーソドックスな手順があると思うんですが、まずその手順を伺ってから私の意見を申し上げたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 経緯を申し上げますと、防衛庁の調達実施本部及び陸上自衛隊を対象といたしまして本年四月から調達業務、補給業務、整備業務の全般について幅広く調査を実施してまいったところでございますが、この調査は調達コストをもっと低減できないかという観点からの調査であったわけでございます。  今回改めて指示をいたしましたのは、この低減ということではなくて調達業務の透明性、公正性の確保という観点から、今の価格の算定基準や防衛庁内部チェックシステムが制度上、手続上の改善の余地がないかどうかということを集中的に最重点に取り組むようにというふうに軌道修正をいたしたわけでございます。  つまり、低減、もっと安くできないかということから透明性、公正性というふうに視点を移したということでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 当初は経済性ということに力点を置いたけれども、さらに透明性、公正性ということに力点を移して調査するぞということで、それは大変結構なことだと思います。  私は、今度の事件のそもそもの根源は、やはり一人の人間に能力が集中して、一人の人間の能力に頼って業務が行われるというようなこと、これは割合どこの役所でも往々にして見受けられることですが、そういうことに問題がある。だから、かなり一般的な問題であろうかなと思うんです。やはり特定の一人が仕事を抱え込んで、おれでなきゃわからぬぞということでやっておって、職場では何々天皇などと、陛下に対して大変失礼な言い方で呼ばれておるわけでございますけれども、そういうのが往々にして見られる。  これはやはり業務の手順として直さなきゃならぬところがあるんじゃないか。まず業務をマニュアル化する。それから、人事の面でも人事異動をもっと頻繁に行って、一人の人間が一つの職場に集中、いつもその席にいるということのないようにする。  それから、基準を明確にする。今度の調達実施本部の問題も基準が明確でないということにどうも問題があるようでございまして、原価計算の問題だろうと思うんですけれども、一般に認められた原価計算基準というものは、これはかなり幅のあるものでございます。その幅のどこかには当たっておるんだろうと思うんです。  しかし、全くその幅の中で恣意的に裁量できるということで、ある企業に対しては、例えば返還方法にしても一括返納であって、金利は八・二五%である、これは国の債権管理に関する延納利息を準用するとそうなるわけでございます。原価計算上も一般事務費の配賦、殊に交際費とか広告費とかそういったものの配賦を〇・一%という非常にシビアなものにする。ところが、他の企業に対しては、これは売上実績に比例して配賦する。どちらも会計原則上認められない話ではないと思うんです。そういうことをやって、金利についても標準実績金利の平均値である四・八六%を取るというようなこともやっておる。さらに返し方についても、一括ではなくて変更契約によって順次今後の契約の中で返していくということをするというように、基準が非常に裁量幅が広くて、その中で恣意的にとられたということがある。これがそういったベテラン職員のにらみのきかせどころだと思うんです。そういうことがあってはならない。ここら辺を改善していく必要があるのかなと思うわけでございます。  また一方、人事管理の面で言えば、定期異動もさることながら、やはり基本的には、先ほど御批判もありましたけれども、私は今井先生とはちょっと違って、人事上、公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないということを十分徹底させるということが大事なんじゃないか。国民の税金を使う仕事であればなおさらその国民の税金が一部企業の利益のために使われるということのないように、ただ、この一部企業の利益と申しますけれども、ある程度利益を出させてその企業の研究を育成するという意味も含んでおるんだというような説明も当然あると思うので、そこらは大変難しいところだろうと思いますけれども、ともかくいつも全体の奉仕者の立場に立って自己チェックをしていく、あるいは他からのチェックをしていく、さらに内部だけでできないならば外部監査もしていく。その外部監査の一環として今回の監察局の監査があるんだろうと思うんですが、それは大変結構なことだと思うんです。  こういうふうに私は考えるんですが、こういう点についていかがお考えでございましょうか。

東田親司地方分権推進委員会事務局長

○政府委員(東田親司君) お答え申し上げます。  ただいま大臣からお答えがありましたとおり、先般、大臣の方から調達実施本部に対しましては、特に調達業務の透明性、公正性に重点を置いて早急に調査に着手し、取りまとめるようにという御指示がございましたので、現在これに対応しております。  その際、ただいま海老原先生おっしゃいましたように、恣意的な判断に陥らないようにという観点から、特に価格の算定基準が客観的に確立しているのかどうかという問題点、あるいは防衛庁の組織的なチェックシステムが有効に機能しているのかという問題点などに力点を置きまして調査をするよう今準備しているところでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 大臣からさらにこの問題について、この調本の問題は調本だけの特殊な問題ではなくて、いろいろな公務の部門において起こりがちな問題であるということを踏まえて、今後のこういったことに対する対処方針について一言お願いします。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 私は、我が国では従来から公務員、とりわけ国家公務員に対して高潔であるということを期待いたしておりますし、また基本的には高潔な方々が多い、普通は高潔であるというふうに今でも思っております。しかし、人間でございますから、中には高潔でない人もいるわけですし、また同じ人が高潔でない心境に至ることもあるだろう。そういうことを考えて、もしもの場合に備えて、よく言うわけでありますけれども、利益相反といいますか、この人とこの人が、別の人が担当しておった方が不正が起こらない、あるいは相互チェックというふうなことがあらゆる行政の、特に巨額の予算を執行する部分では必要であるというふうに思っております。  それが、従来は、国家公務員は高潔である、公務員は高潔であるに決まっておる、それを疑うのか、こう言われると、いやいやとこう言って後ずさりをしてなかなかできないということを、これから相互チェック、それからまたさまざまな仕事を分けることによって公正性が保たれる、透明性が保たれるというふうに変えていくのは、これはあらゆる行政機関についてこれから考えていかなければいけないことだと思っております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 総務庁長官ありがとうございました。  次に、人事院総裁に質問を移らせていただきます。  幾つか今度の勧告について伺いたい点があるわけでございますが、一番最初に伺いたいのは、今景気が低迷して、いわば低迷状況が長引いて極めて厳しい状況にあるというように言われておるわけでありまして、非常に厳しいときでございます。完全失業率四・三%というのも最近の数字でございます。こういう厳しいときに、民間春闘は過去最低とはいえ幾らか上がった。上がったのが私は不思議でならないんですが、ともかく上がったんですね。これは大変なリストラをやって、苦労して苦労してベースアップしたんだろうと思うんです。  そういった中で、人事院勧告をあえて打ち出されたということ、これは大変な御決断だと思います。私は、人事院勧告制度は公務員の労働基本権の代償措置であるということから、もういささかもゆるがせにできない重要なものであって、完全実施についての質問はいたしませんけれども、これはもう今井先生が十分やっておるから、お答えはあそこまでしか今の時点では得られない。早期完全実施を望むものでございますけれども、しかしこの時期によく踏み切ってなされたな、大変な御苦衷があったろうなということで、その辺について、こういった厳しい民間の情勢を受けとめて、その中であえて勧告を行った、そこら辺のお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) おっしゃいますように、民間の状況は非常に厳しゅうございます。いろいろ御説明は申し上げませんけれども、そういう状況をつかまえて私たちは勧告したわけですが、ただ民間企業全体を見渡しました場合には、あれっと思うぐらいのベースアップをしている業種もございますし、比較的いいベースアップをしているところもございます。また反面、先生が今おっしゃいましたように、大変厳しい、例えて言うと新規採用を抑制する、初任給は引き上げない、あるいはまた人員の削減というものもやっておるというような厳しいところもございます。  いろいろな民間企業がございますけれども、それを全体としてつかまえた場合にどういうような官民較差が出てくるかという数字を算出いたしまして私たちは勧告することにしたわけでございますけれども、今回の官民較差の二千七百八十五円、〇・七六%というのは、平均的な公務員で申し上げますと年間の額が五万円になるということでございます。この五万円というのは、平成八年でしたか二兆円減税というものを実施していただきまして、平均的な労働者というのがその二兆円減税の結果、年間五万九千円という効果がございました。それとほぼ匹敵する額でございますので、やはりこれはどうしても勧告をさせていただきまして公務員の処遇の改善というものをお願い申し上げたい。  そういうことによりまして、公務員がやはり各職場において自分たちの勤務条件の改善については人事院の勧告、それを受けていただく政府の方の完全実施の姿勢、そのことを信頼して公務員にしっかり仕事をしていただく必要があるだろうということで、公務員全体のこと、また公務全体の適正な執行ということを考えて私たちは勧告をさせていただいたわけでございます。  その間の事情というものを、言葉は足りませんけれども、よく御理解いただきまして、この完全実施について御努力をお願い申し上げたいというふうに思います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 もう一つ伺っておきたいことがあるんですけれども、ただいまも議題になっておりました公務員の倫理の問題でございます。  今回の事件は特別職でございますからこれは人事院の所管外ではございますけれども、人事院の所管内の一般職の公務員については背任、横領ではなくて汚職でございましたね。汚職の事件はたくさんあった。  私は、以前、内閣委員会の時代でしたか質問いたしまして、こういった問題は非常に国民から見た公務員に対する目というものをおかしくするものである、本来公務員は九九%以上、ほとんど全部の人が太田長官の言われる非常に立派な人間でございまして、一生懸命やっている公務員が肩身の狭い思いをしていかなきゃならない、本当に職員の士気の上でゆゆしい問題がある、こういうことを申したことがあるわけでございます。  そういったことから、これは信賞必罰と申しますか綱紀粛正、いろいろ考えていかなきゃならぬわけでございますが、これは人事院勧告の際の報告の中でも触れておられますけれども、勧告を行うに当たってこういった公務員の綱紀の問題についていかように考えられたか、基本的な認識をお伺いいたしたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 給与の勧告をさせていただきまして、その勧告を完全実施していただくということになりますとどうしても国民の理解が必要でございます。  そこで、国民の理解を得るためには、先ほど先生から御質問がございましたように、公務員の世界においてもひとつ合理化していく、リストラをしていくということで、定員とかあるいは組織についての改革をしていく必要があるだろう。それと並びまして、やはり今お話がございましたように、このところ幹部公務員について不祥事が出てきておる、そのことによりまして公務員の世界に対する国民の信頼が失われておる。このことをぜひともこの際是正して、信頼を回復していかなきゃならないだろうということで、私たちは今回の勧告をする前提の認識として、この不祥事というものについての是正策というものをどうしても報告の中で書こうじゃないかということで報告の中で記述させていただいたわけでございます。  報告文書というのは、この部分についてはかなり要点を絞り込んで書きましたのでなかなか理解をしていただくのは難しいかもわかりませんけれども、私たちが要点を絞り込みましたこのことにつきまして、私たちはこのことを実施することによって公務員の世界から汚職というものはとにかくかなり縮減できるだろうというか排除できるだろうというふうに考えております。  この汚職防止のための施策というものを総合的に講ずることによって公務員の世界が国民から信頼を回復する、そういうことを祈って今回報告の中で提言させていただきました。その提言に基づきまして、私たちは一つ一つ施策を実施に乗せていきたい、そうすることによりまして、これからの公務員の給与改善についての国民のよき理解が得られるだろうというふうに考えております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 次に、天下り問題について伺いたいと思います。  先ほど今井先生からも天下りについての御議論がございましたけれども、私は天下りというものを全面的に禁止するとか禁止しないとかいうよりも、やはりその根源を根絶することが何よりも大事なのかなと思うわけでございます。  それは、官民の人事交流というのも必要でございます。また、世の中の流れが終身雇用制から離れていったという見方も一部にはあると思いますけれども、しかし私は基本はやはり終身雇用制であるべきだろうなと。一度公務に入った者はこれは最後まで公務を貫く、こういうことになれば天下りの問題は全くなくなってしまうわけです。  今は、本人が天下りしたいというよりも役所としてもうここらになったら邪魔だからいないでくれ、いないでくれといっても首にするわけにはいかないから、どこか行き先を見つけてやるからおまえはそこへ行け、こういう話になるわけでありますけれども、そうでなくて、では一生いるということになるとどういうことになるんだと。一部の人間はどんどん偉くなる、一部の人間は偉くならない。ヒエラルキー構造が崩れるという問題、これをどう考えるかというのも難しい問題でございます。  よく複線型人事構造というようなことも言われておるわけでございまして、それは専門職制度の拡充とかいろいろなことでみんなが最後まで勤められる、定年まで勤められる、さらに欲を言えば定年の後の再任用もしていく。私は、定年を過ぎたら毎日が日曜日というのはおかしいと思うんです。これは、日曜日でなくて何か働こうと思うとシルバー何とかクラブなんというのがあって、おまえは植木屋をやれ、長年経理事務なり何事務なりをやってきたベテランが今度は植木屋を覚えるんだ、そんなばかなことはないのでありまして、それは今まで一生懸命やってきた道を活用して定年後もそれを十分国のために活用していくということが大事なんだろうと思うんです。  思いつきでばらばら言って恐縮でございますけれども、そういったことは私が思いつきで申し上げなくても人事院で随分と御検討なさって大変な識見がおありだろうと思いますので、ひとつ人事院総裁からお話を承りたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) この問題につきましては、総合的といいますか、広い視野から検討していくということが必要だと思います。そして、現在はそれを検討するに当たりましてかなりいい時期ではないかというふうに思います。  一つは、やはり公務員が民間企業に再就職していくときに公務員サイドの原因になっております許認可権とか、あるいは情報の独占とかあるいはまた補助金とか、そういうものにつきまして整理合理化ということが一つの大きな国政上の課題になっておるということでございます。  また、先ほど先生がおっしゃいましたように、専門職とかスタッフ職というふうに言いますけれども、この専門職、スタッフ職の重要性というものが日本の経済社会の複雑高度化、国際化というものを背景にして非常に重要視されなければならないような時代になっておるという気がいたします。先ほどからの議論を聞いておりましても、情報の収集とかあるいは分析をする、そういうハード面の整備ということもさることながら、ソフト面の対応というのが十分できるのかということになりますと、そういうことの専門家も養成されていないんじゃないかというようなことがございますので、そういう情報の収集、分析のための専門官というものもこれから国内あるいはまた国際社会というようなところから連れてこなきゃならないということもあるかもわかりません。  あるいはまた、これから十年先あるいは十五年先を考えました場合に、公務の世界でどういう政策課題に取り組んでいかなきゃならないのか、そのための政策というものはどういうふうに組み立てていかなきゃならないかということを考えますと、これはまたスタッフ職というものが必要になってくるだろう。  そういうような背景を考えますと、公務の世界で、先生が今おっしゃいますように、定年まで働いていただく環境というのはかなり違ってきておるというふうに考えております。  したがいまして、この問題を考える場合に、そういう背景を総合して考えますと、おっしゃいますように公務の世界で定年まで働いていただくことにつきましてそれほど国民の間から非難は出てこないだろう。むしろ、そういうことについての制度的な環境的な整備というものを公務の世界でしっかりやりなさいというような声がむしろ強くなるだろうというふうに私は思います。  そういうことを考えますと、公務員という職業を選ばれた方が、先生が今おっしゃいますように公務の世界だけで生涯の生活設計が立てられるということを検討するに当たりまして、今はその一つのいい時期が来ているというふうに考えます。  そういうことを考えまして、私たちは広い視野からこういう問題について検討していかなきゃならないというふうに思います。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 次に、給与勧告の中身自体にだんだん入ってまいりますけれども、高齢者の昇給ストップでございます。  この昇給ストップの年齢を今回五十五歳に引き下げたということ、これは今井先生から種々御見解の御披露もございましたけれども、私は私なりに一つの考え方を持っておりますので申し上げたいと思います。  公務員の賃金曲線、年齢別賃金曲線と申しますが、これはしばらく前までは非常に若いところが安くて、それで高年齢層へ行くと民間よりもずっと突き抜けて高い。平均すれば民間並みだということで、毎年の勧告でも平均だけを見ますから、そうすると若い者は非常に気の毒、それで高齢者は非常にもうかっておるという状況が続いてきた。それはもう年々手直しされて今ではもうそんなことはないはずでございます。昔はあれは大変なことがございました。ですから、それを直すために標準生計費で突き上げたり、十八歳独身男子のところで初任給のところを突き上げたりいろいろと工夫したわけでございますけれども、今はもう生計費なんかは使わなくても若年層は若年層なりに毎年の改善の積み重ねがありますからよくなってきておる。それで大分民間に近づいてきておる。  ただ、今でも私は、あるいは昔の観念が残っているのかもしれませんけれども、やはり若い年齢が悪くて高齢者が高いというのがどうしても続いている、そういう意味で、そういった賃金曲線の手直しの意味で五十五歳からストップするというのは少しでも民間に近づける方途であって非常にいいんだなと思います。  ストップした理由などあらかじめ伺おうと思ったんですが、既にこれは今井先生の質問に対するお答えがございましたけれども、確かに民間の状況もそこら辺で折れ曲がるだろうということも考えられますし、あるいはもう少し早く折れ曲がり始めるのかな、五十歳あたりから折れ曲がり始めるのかなという気もいたします。ともかくそういう意味で、生涯の賃金曲線を考えた場合に妥当な方向へ近づける一歩なんだろうなと。  なぜこういうことを申しますかといいますと、それは、先ほど来申し上げております終身雇用ということに絡んで、やはり一生公務で過ごしていただくためには一生公務の賃金体系の中で生活設計を立てていただくことになるのであって、それに無理が、あるいは役所の給与制度上の無理があっても役所の側に無理があってもこれは長続きしない、もう給料が高過ぎるやつは切って天下りさせろということになってしまうので、そういう無理のない賃金体系というのに一歩でも近づいてきたのかなと思って歓迎しておるわけでございます。  このことがいわば終身雇用に役立ち、さらには言うなれば天下り防止にも役立つということかなと私は理解しているのでございますが、そこら辺について総裁の御意見を伺いたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 先生のお話を伺っておりますと、もうかなり十分な知識をお持ちでございますので余分なことは申し上げませんが、これからの公務員の世界の高齢対応というものを考えてみますと、やはりどうしてもこの賃金体系というものを少し手直ししていく必要があるだろうという問題意識はかねがね持っておりました。恐らくこれから六十一歳以降の雇用というものが重要になってきますし、そのときの賃金体系のあり方というものも議論になってくると思います。そのときのことを考えますと、今回御提案申し上げました五十五歳以降の公務員の給与体系というものをどうしていくかということは、問題意識としては非常に重要な問題意識を持たざるを得ないということでございます。民間においても同じことを考えておるんだというふうに思います。  そういうことを考えますと、今回私たちが提案申し上げましたこの五十五歳昇給停止というのはかなり厳しい議論というものがあちらこちらから聞かれますけれども、私たちはできるだけ御説明申し上げまして、そして御理解を得て実施をさせていただきたい。そのことが結局は、私は六十一歳以降の公務員の雇用というものを考えた場合に決して悪い結果は生まないだろうというふうに考えております。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 次に、勧告になかったことでおやと思うようなことがあるわけでございます。  扶養手当でございますけれども、配偶者に係る扶養手当、これは民間給与調査の資料をずっと過去から見できますと、民間における配偶者の扶養手当は昭和六十三年度に一万四千五百十一円でございまして、このとき千円引き上げて公務員は一万六千円としたんですが、その後着々と上がってきておりまして、ことしは一万八千五百二十一円。しかし、配偶者に対する扶養加給は一万六千円。  これは、私はどういうことかなと思って聞いてみましたら、なるほどと思ったんですけれども、要するに扶養手当全体として見てバランスをしておるんだと。言うなれば、子供に対する手当を多くつける、この方が政策的に大事じゃないかということはよくわかるんです。配偶者に対する加給とか配偶者に対する税額の控除とか、そういったものは男女共生社会という立場から見て余り拡充すべきものでもないだろうなと、急になくすというのも問題ですけれども、余り拡充すべき性質のものでもないだろう。  また年金などでは、配偶者といえども一定の年令になれば自分で年金をもらう、基礎年金をもらうというようになってくるわけでございまして、そういう意味でもこのように共生社会的なバランスを考えた施策があるんだろうなと思うんです。  ところが、これは総務庁長官にお聞きいただきたいんですが、やはり恩給制度というのは戦前からの制度でございますから、恩給ではそういう共生社会的なバランス配慮はないんですね。そうすると、公務員の扶養手当の配偶者分が上がらないから恩給の家族加給は上がらなくていいと考えていいのかどうか。例えば、民間の家族手当の配偶者分は上がっておるんだということもございますので、そこら辺は十分御配慮いただいた方がいいのかなという感じもするわけでございます。  少なくとも、給与に関しましてはそういうことで私自身は問題提起しながら納得しておるわけですが、私のような納得の仕方でよろしいんでしょうか。ちょっとその辺を伺いたいと存じます。

武政和夫人事院事務総局給与局長

○政府委員(武政和夫君) 先生大変お詳しいのでるる申し上げることはないわけですが、御指摘のように民間の配偶者における家族手当の状況を見てみますと、数字を挙げられておりましたが、年々増加しております。  現在段階、確かに公務の配偶者に係る扶養手当分を上回っております。これをどう見て扶養手当全体に配分するかということでございますが、先生御指摘になりましたように標準的な世帯で見て、子供、配偶者を含めた段階で見て合わせているということでございます。また、その際には職員団体の意見というのも十分念頭に置いて配分を決定している、そういうことでございます。

海老原義彦自由民主党

○海老原義彦君 終わります。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 公明の日笠勝之でございます。  総務委員会では初めての質問でございますので、ひとつお手やわらかにお願い申し上げたいと思います。  まず官房長官、今回の防衛庁の調達実施本部の背任事件、証拠隠滅疑惑に関しまして、綱紀粛正の徹底はされましたですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) このたびの、それぞれ先ほど申し上げましたように細川、羽田内閣の当時に調達実施本部長をいたしておりました者及び副本部長をいたしておりました者が背任容疑によって東京地方検察庁に逮捕され、かつ九月十四日までに防衛庁が二度にわたりまして家宅捜索を受けるという事態が発生しましたことは、まことに遺憾であり、残念に思う次第であります。  私どもといたしまして、このような事態を深刻かつ重大なものとして認識をしておりまして、防衛庁においても防衛庁、自衛隊に対する国民の信頼を回復するため一層の綱紀粛正を徹底いたしますとともに、防衛調達制度調査委員会の設置を今準備いたしておりまして、早急に設置をいたしまして、今問題になっております自衛隊の再就職の問題あるいはその他諸施策の推進について再点検をいたすことにいたしております。  また、委員が今御指摘のように、証拠隠滅があったのではないかという報道が行われておるわけでございますが、仮にこれが事実であれば大変重大な問題であると考えておりまして、今後、検察当局の捜査等により事態が究明をされますとともに、防衛庁においても、長官を中心にし、事実関係を徹底的に解明をいたしまして、その結果を踏まえて厳正な処置をとっていく必要があると考えております。  さらに現在、政府全体として、公務員の綱紀粛正を図るため、この種事犯を謙虚に受けとめて、国民の信頼回復に取り組むようにいたしておるところでございます。  また、議員立法によりまして国会に現在提出をいたしております国家公務員の倫理法案等の早期成立をいただくようにも期待をいたしておる次第でありまして、今後さらに政府は一層綱紀の粛正に努めてまいりたい決意であります。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 かつてリクルート事件のときには「官庁綱紀の粛正について」ということで閣議決定をされております。それから、地方公共団体による各省庁に対する接待の問題に対する取り組みは、平成七年八月十五日、官庁綱紀の粛正についてということで閣僚懇談会における内閣官房長官及び総務庁長官の発言ということで、これまた対外的にまた対内的にも徹底をされていると思います。  今回、綱紀粛正を徹底するということは、どういう場でどういうところにこれを投げかけて行うと、具体的にそのところをお教え願いたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) ただいま捜査過程を見ておるところでございまして、事件の推移を見まして、閣議及び閣僚懇を通じまして、それぞれただいままでとられたような措置と同じ綱紀粛正の決定をいたしてまいりたいと考えております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 さて、会計検査院の方へお伺いしたいと思います。  今回の背任事件と称するものは前々から、一年前から既にそういう新聞のスクープによりましていろいろ検査もされておられたと思うわけです。  去年の十一月十二日の衆議院の決算委員会で、会計検査院はこの調達実施本部の水増し請求についてこのように答弁されていますね。「調達実施本部の計算した過大額について、著しく実情に沿わないものとは認められなかったものでございます。」というふうにおっしゃっていますが、間違いございませんか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) お答え申し上げます。  そのように答弁したことは間違いございません。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 現状は今どういう認識をされていますか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) その当時は現在のような事態が発生しているということは全くわかりませんので、その当時、私どもといたしましては個々の契約ごとに原始資料等に基づいて数字等を確認する方法をとっております。しかしながら、今回の件につきましては調本におきまして、あるいは会社において、これは二社でございますけれども、それぞれの検査をした結果、原始資料等を作成していない、あるいは保存していないということから、今回の返還額の処理については会社の決算書等に基づいて計算されたという説明を受けたところでございました。  本院といたしましては、個々の伝票類で正確な算定を行うことが困難であったということから、当時、調達実施本部が計算した額を否定することができなかったということでそういう答弁になったわけでございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 それは検査でも何でもない、報告を聞いただけじゃないですか。  それからまた、伝票がなかったらそれは証拠隠滅で燃やしておったのかもしれません。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 今回の四社の件につきましては、ほとんどが一般確定契約であったということから帳票類、原始伝票等を作成する義務がないということでございまして、もともとその原始資料がなかったということで答弁を受けておりまして、それが証拠隠滅といいますか隠されていたというようには我々としては把握していなかったわけでございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 そうすると、検査じゃなくて会計報告院ですね。自分は検査しなくて、報告聞いて、はいよろしいと、こういうことじゃないですか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) これにつきましては、それぞれの件につきまして一応私どもとしてできる範囲の検査はやったつもりでおります。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 検査じゃなくて報告を受けただけでしょう。ちゃんと書いております。「東洋通信機株式会社についてでございますが、」「この結果、六年から七年にかけて約八億七千万円の是正処理を行った旨の報告を受けた」と。  そういうことで、会計検査院といえば、これは内閣から独立した機関であって非常に重要な部門であるということは重々承知しておりますが、この前も参議院のある委員会で、いわゆる会計検査院のOBの子弟が何人か今回逮捕された方のお世話で就職したんではないかということで調査を今しているということですが、調査結果は現状いかがですか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 子弟が今の会社にいるということにつきましては事実でございますけれども、それが防衛庁のお世話になって入ったという事実はございません。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 それは、じゃ本人の実力というか、本人がその会社に行きたいといって試験を受けて通ったと、だれからも世話もあっせんもなくということですか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 本人の実力で入ったというふうに認識しております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 本人に当たったんですか、その子弟に。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 私は当たっておりませんけれども、父親といいますか、親はそういうふうに言っております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 もう一度、聞こえない。

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) 少し聞こえにくいので、もう少しマイクに近づいてください。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 子弟の親はそのように言っております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 それは言われたらそう言うでしょう。当たり前のことじゃないですか、そんなのは。  まさに公務員は、先ほど太田総務庁長官がおっしゃったように、高尚な高潔な、こういう意識がなきゃいかぬわけですよ。では、局長は、昔から言いますね、李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れず。これはどういうことですか、今のことは。そういう高潔な格言、そういう精神でやっているんですか。  まず、李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずとはどういう意味なんですか。それをあなたはどういうふうに理解しているんですか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 何といいますか、誤解されるようなこと、あるいは言ってみれば疑われるようなそういうことは慎むんだということだろうと思っております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 慎むじゃない、やるなということなんです、これは。全然認識が違うんじゃないですか。正さず、正しちゃいけませんよということ。慎みなさい、時々は片手でも冠を正してもいいですよ、そういう意味じゃないでしょう、これは。  そういうまず防御が甘い。ですから、OBの子弟が何人か就職をしている、世話を受けたということについて、これは本人まできちっと当たって、きちっとやるのが会計検査院の私は仕事だと思います。  実地検査やるんでしょう、いろいろ地方に行かれて。実地検査やってください、これ。日当も出るんだから、ちゃんと。やりますか。

諸田敏朗会計検査院事務総局第二局長

○説明員(諸田敏朗君) 各種の実地検査はやっておりますし、また今後も厳正にやっていくつもりでございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 ここで余り大きな声を出してもいけませんので、というぐらい、私がここでこういう大きな声をするぐらい国民の怒りは頂点に達していると思いますよ、これは背任罪ですから。証拠隠滅、これはもう大変な罪ですよね、公用文書の毀棄というのは普通の証拠隠滅とは違うわけですから。  それからまた、刑事訴訟法の二百三十九条、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」という義務規定まである。いわゆる調達本部、いろいろ水増し請求でどう減額するか、証拠隠滅で焼いたり、あちこちその書類を移動させたんでしょう。みんな知っているわけですよ、これは悪いことをしているんじゃないかと。  ということは、本当はその一係員であれ指示を受けた人であれ、告発をしなきゃいけない。これ一が二百三十九条、刑事訴訟法にあるということで、きょうは防衛庁、来られておりませんが、公務員というのは、人事院総裁、このことをきっちり徹底しなきゃいけませんよ、この二百三十九条。こんな事件があっても、知っているわけでしょう、その部下とか周りの人は、だれも告発する人はおりませんよ。なれ合い、癒着、なあなあ、まあまあ、そういう公務員の綱紀を粛正しなきゃいかぬわけですよ。一人でも出てきましたか、内部告発みたいなのが。だれも出てこないじゃないですか。なあなあ、まあまあ、なれ合い、癒着。ということで、こういうところをきちっと徹底すべきだと思います。  これは人事院で監修された「信頼」という公務員倫理研修ビデオです。これを見ましたけれども、全然そういうことは言っておられませんよ、これ。このビデオ、四万二千円もするビデオで結構高いんですけれども、後でお返ししますけれども、ぜひひとつこのところをきちっと今後公務員に徹底する、どうですか。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 公務員がその仕事をするに当たりましては、国会で制定されました法律というものを遵守するということは当然の責務でございますので、法律の規定に従って誠実に職務を執行するようにいろいろな場面をつかまえて徹底していきたいというふうに思います。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 では会計検査院、最後に、いわゆる行革、行政改革について、総務庁長官は本当に男子の本懐ということで今大変な作業をされていると思うんです。  そこで、会計検査院はこの行革ということについてどのようにとらえ、またどういう方針で臨もうとされているか。これは内閣から独立した機関だから私は関係ないというのか、その点のところのまず方針なり今後の取り組みなりについてお考えをお聞きしたいと思います。

白石博之会計検査院事務総局事務総長官房総務審議官

○説明員(白石博之君) お答え申し上げます。  会計検査院は国の行財政活動に対します唯一の財政監督機関ということで適切に対応するよう従来から努めてまいってきたところでございますが、一方、人事当局、財政当局等の御理解も得ながら効率的な体制の整備ということにも努めてまいってきたわけでございます。  しかしながら、なお現状におきましては検査施行率が低位にとどまっているというような問題もございまして、必ずしも万全な検査を実施し得るという体制にはないという面もあるわけではございますが、なお私ども、先生も御指摘のように憲法上の独立機関ということではございますけれども、国の機関ということでもございますし、省庁再編等によります国の行財政活動の変化、対応というものには十分留意をしてまいりたいということを考えている次第でございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 行政改革会議の最終報告、去年の十二月三日、「会計検査院による評価」というところに、「同院の機能の充実強化を図るべきである。」と。ですから、行革だから人数を減らせ、庁費を減らそうとかいうんじゃなくて、大体年間二、三百億円ぐらいですか、不当事項だとかなんとかということで指摘されているのが、これはやっぱり行政のむだをきちっと指摘されておるわけですから、別に行政改革だから減らさなきゃいかぬというわけじゃなくて、きちっとした対応をこれは総務庁長官なり総理なり、予算をふやすこともまた人員をふやすことも、あわせて機能の充実強化を図るための方針、そういうようなものを念頭に入れながらやるべきじゃないですか。

白石博之会計検査院事務総局事務総長官房総務審議官

○説明員(白石博之君) 今、先生からもお話しございましたように、昨今、私ども会計検査院の活動に対しましては、例えば政策評価とかあるいは事業評価という観点からの活動の機能強化ということに対する期待も寄せられているわけでございまして、私どももそういう方面にも十分配慮しながら今後の活動を行っていかなければならないということは肝に銘じているところでございます。  先ほども申し上げましたように、一方で効率的、効果的、能率的な体制の整備も図りながら、他方、人事当局、財政当局等にもいろいろ御理解をいただいて、適正に的確に対応していきたいというふうに思っております。そういう次第でございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 次に、官房長官、よろしいですか。  八月末に北朝鮮のミサイル、テポドンというんですか、打ち上げられました。初めはミサイルの実験とかということでして、何か最近アメリカの方では人工衛星ではなかったのかとか、いろいろ今もってその実態というものが把握、掌握をされていないような感じがいたしますが、今現在、官房長官は、あれは一体何だったのか、どういう御認識でしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 御指摘の北朝鮮のミサイル発射についてでありますけれども、当時から、米軍情報によりまして、私どもミサイル発射と考えてまいりました。その後、米国におきまして、これが人工衛星であったのではなかろうかという指摘もありますし、北朝鮮当局は人工衛星だと声明を発表しておるわけでございます。  ただ、私どもといたしまして、これが人工衛星であったという確証を得られる状態にございません。率直に申し上げまして、我が国の現在の情報収集手段によって、人工衛星であったとかミサイルであったとか確定できる我が国の確証条件はないわけでございまして、仮にこれがミサイルでありましょうと人工衛星でありましょうと、長距離の射程運搬装置でございまして、その弾頭に衛星がつくか、あるいは衛星に類するものがついておったか、あるいは弾頭そのものであったかははかり知れないわけでございます。現在、私どもが米軍を含めました状況におきましては、これが北朝鮮当局の言う人工衛星であったという確証は得られませんし、郵政省におきまして二十四時間体制でその電波を傍受いたしました中にも検証されませんし、この衛星が軌道上にあるという確証も得られないというのが今日の実態でございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 おっしゃるように長距離ミサイルなんでしょうね、頭についておるのが何だったかということがいろいろ言われているんだと思うんですが。もう射程距離なんかはいろいろ報道によりますと五千キロとか、アメリカの近くまで飛ぶというような、そういうことだそうでございます。いずれにしても、原因がはっきりしなきゃ対処法がないわけで、しっかりとまた情報収集していただきたいことをお願いしておきたいと思います。  それから、このテポドンの問題についてふと思うのは、何で即日、その日に安全保障会議が開かれなかったのかな、こう思うんですね。  これは重大事態ならば開くことができるんですが、重大事態になるのかならないのか、そのところはいろいろ御議論があると思います。しかし、八月の中旬ぐらいからもうそういう観測情報があったわけですから、もしそういうことがあれば直ちに安全保障会議を開く、それが国民に対する危機管理の一つのあらわれじゃなかろうかな、このようにも思うわけですが、安全保障会議をその日になぜ開かれなかったのか、お願いします。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 八月三十一日の十二時二十五分ごろ、北朝鮮がテポドン一号の発射実験をした模様であるという情報を受け取りました。早期情報としては非常に早くキャッチをしたと思っておったわけでございます。  その後、午後三時半ごろになりまして、この日本近海に落ちたと思われるテポドン一号が、日本海上じゃなく三陸沖に落ちたようである、着弾をしたようであるという情報が入りまして、その情報を急いで確認するよういたしております中に、韓国から、既に太平洋岸に、太平洋地域の公海上に着弾したという放送が入ってまいりまして、その確認作業を急いでおったわけでございますが、残念ながら午後四時の私の会見には、第一回目の状況を報告せざるを得ない状態でございました。  その後、外務、防衛両省を初め、それぞれ関係のところに確認作業を急いだところでございますけれども、残念ながら午後十一時に、太平洋岸に着弾した模様であるということの報告をまとめざるを得ないという、まことに私は当時、国家としての危機管理を非常に深刻に受けとめるとともに、むなしい思いがすると語りましたほど、情報のあり方について、ある意味においては総合的な情報の収集と言いながら、我が方は残念ながらみずからこれを検証する能力を持っておらなかったんではなかろうかと危惧せざるを得ない、そしてアメリカの情報のみに頼らざるを得なかったという、そういう危機感を痛感する状況でございました。  深夜でありましたけれども、総理と協議をいたしまして、翌朝直ちに関係閣僚会議、引き続いて安全保障議員懇談会を開催いたしましてこれに対する対応を考えた次第であります。  今御指摘をいただきまして、安全保障の会議そのものを開催するべきでないか、こういう御指摘も当然であろうかと思いましたが、その当時の状況としては、これ以上危機を増幅するという認識にはなかったわけでございますので、二度にわたる安全保障懇談会をもって対応策を講じたというところでございます。  今後、この種の事案に際しましては、必要に応じまして直ちに安全保障会議を適時適切に開催する等、国民に見える形で国の安全保障と危機管理のあり方というものを追求して万全を尽くしてまいらなくてはならないと存じております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 総務庁長官、ちょっと時間もなくなりましたので、はしょってだだだと言うかもしれませんが、御答弁をお願いしたいと思います。  まず、省の名称ですが、教育科学技術省ですか、教科省なんて言われているんですね、略語で。やっぱり名は体をあらわすですから、きちっとした名前を早くつけなきゃいけませんが、今現在どうなっていますか。いつまでに名称は確立される方向ですか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 新省庁の名称につきましては、それぞれ関係の皆様方が高い御見識をお持ちでございまして、その中で一応基本法の中には名称を付しておるわけでございますけれども、最終的には来年四月ごろを目標として進められる各省設置法の立案作業の中で決めていくことだと思っております。来年の四月の提案までに考えていくということでございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 この際、国民総ぐるみで行革ということで、これはどうですか、公募でもされたらいかがなんでしょうかね。今インターネットもありますし、ファクスもありますし、いかがですか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) そういう御意見もあることも踏まえて、大変しかし大論争が起こるわけでございまして、何とか整然とこのことが進むように考えてまいりたいと思います。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 ぜひ、インターネットは別に人が来て大きな声をするわけじゃありませんし、さっとEメールで来るわけですから、整然とできますから、御検討いただければと思います。  それから、通達行政でございますが、総務庁は各省庁の通達が何ぽぐらいあるか把握はされているんでしょうか。

瀧上信光総務庁長官官房審議官

○政府委員(瀧上信光君) 通達の件数につきましては把握をいたしておりません。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 通達というものは国家行政組織法十四条で明確に規定をされておるわけですが、どうも裁量行政というか、例えば先日、ある町村が入札の条件に株価が百円未満はだめだとか、こういうことを言いますと、直ちに建設省と自治省が共管で俗に言う通達を出されたようですが、こういう権限はどこから出てくるんですか。恣意的な裁量行政にならないんでしょうか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 私は、各大臣が内閣において法律によって与えられた権限というものの中で、法律は国会で決める、そして内閣はその法律に基づいて政令を決める、そしてさらに法律と政令に基づいて各省において各大臣が省令、訓令、そして通達を出すというようになっておるわけでございますけれども、今大変言葉が混乱しておって、日笠委員が今言われる通達というのは、ここに書いてある通達ではなくて、つまりいわゆる指導、助言のたぐいであろうと思っております。だから、ちょっと言葉を我々等しく、国家行政組織法十四条の通達ということと一般に言われております局長通達というようなものとは僕は法律的な性格は違うものだというふうに思っております。指導、助言だと思います。

木下博夫建設省都市局長

○政府委員(木下博夫君) 今、長官からお答えいただきましたからつけ加えることはございませんけれども、御紹介のございました通達は九月二日に出しておりますが……

日笠勝之公明

○日笠勝之君 通達と言っている。

木下博夫建設省都市局長

○政府委員(木下博夫君) 通知でございます。  それで、建設省といたしましては、本来、建設業の健全な発達とかあるいは改善の助長に努めるということの立場で関係法令で位置づけられておりますし、それから自治省の方からも入札契約制度の改善を促進するということで、これは地方分権推進委員会等の基準の中にもそういう技術に関連いたします基準を設けておりまして、長官が今申し上げたようなことでの考え方に沿って今回出させていただいております。  あくまでも、もちろん団体事務でございます各公共団体の持っております発注制度、これについては当然それぞれの公共団体が基本的にはお考えになることだと思っております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 聞いていますと、これは小さな親切、大きなお世話ですね。地方自治体が地方分権の時代で自分たちが税金でつくる建物や土木工事をこういう基準でやりたいと言うと、直ちにばあんと、今通達とおっしゃって通知と訂正されましたけれども、こういうものは地方分権に反するんじゃないかと思います。  もう一つ、これは私の地元ですが、岡山県の倉敷市内のJR各駅にバリアフリー、高齢者の皆様に優しい町づくりということでエスカレーターとかエレベーターをつけたい、全額市が負担してもよろしい、こういうふうに考えておりましたところ、自治省の財政局長通達で禁止されておる、できないと。これは先ほど申し上げた地方分権、バリアフリー、高齢者に優しい町づくり、地方が一生懸命やろうとしているのにこの自治省の財政局長通達によってできない、こう言っている。これは昭和三十年ですか、その法律に基づいて出された通達だそうですが、もうそろそろ考えられてもいいんじゃないでしょうか。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 今お挙げになりましたJRに対します地方団体のいわば寄附の問題につきましての財政局長名の通知は昭和六十二年に出したものでございます。これは国鉄が民営化されました際の国会審議の過程におきまして、地方財政再建特別措置法の二十四条に基づきます寄附の禁止、それから自治大臣の承認があった場合の解除ということが、民営化後におきましても地方団体に二十四条の趣旨を超えるような負担を求めないことという附帯決議がつけられました。そのことを受けて通知を出しておるものでございます。  なお、この通知におきましては、全額負担することを禁止しているということは特にそういう通知の中には書いておりませんで、個別にいろいろJRと関係地方団体で協議をしていただく、その際に私どもの方にまた協議をしていただくということになっております。  エスカレーター、エレベーターを最近のいわゆるバリアフリーの関係でつける実例は多うございますが、JR西日本の管内におきまして設けましたものにおきましても、地元の地方団体が負担いたしましたのは、半分ないし多い場合でも三分の二ぐらいが限度になっているというのが実例でございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 ですから、優先順位があって、JR西日本だったら大阪とか神戸とか、ああいうところを先につけないと予算がないわけですよ。バリアフリーで高齢者に優しい町づくりということでつけたいけれども、全額負担してはだめだと。だから、そろそろこういうのも地方の自主性に任せる、高齢者に優しい町づくり、駅を使うお年寄りがエレベーターやエスカレーターを使うのは当たり前であるわけですから。ところが、順番が来ないわけですよ。大阪だとか神戸の方からどんどんつけていっている、JRも予算がないから、一遍に。来るのはずっと後、聞いたら二十年ぐらい先かもしれぬと言っていましたね。  だから、そういうことがあるわけですから、この通達もそろそろ改善をすべきじゃないか、こう思いますが、もう一度。

二橋正弘自治省財政局長

○政府委員(二橋正弘君) 今のエスカレーターやエレベーターをつける件、これはJRの管内におきましても、必ずしも大阪とかそういう大都市だけではなくてほかのところでも行われております。岡山県内で行われた例もございます。もちろんJRなりに整備をしていく順番というのはお持ちだろうと思いますが、片方で、やっぱり事業者であるJRといたしましては、こういう施設は乗客のサービス向上になる施設でございますから、そういう施設をつくる際にJRが全く負担しないというのは、地元との負担関係において果たして適正かどうかということからこういう国会の附帯決議がつけられておるものというふうに理解いたしておりまして、そういう面での協議というのはやはり必要じゃないだろうか。  現実に行われている負担の実例におきましても、これは西日本だけではなくて東日本の管内におきましても、先ほど申しましたように、地方の方がおおむね二分の一、多い場合でも三分の二ぐらいが限度になっているという実例が非常に多いということでございます。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 それは、二分の一、三分の二、わかっているんですよ。では全額負担でつくっちゃだめなんですね。なぜ、地方分権であり、高齢者に優しい町づくりで。  だから、私が言いたいのは、そろそろ通達行政なるものを、二十一世紀まであと八百日ほどですから、そろそろ行政改革して新しい省庁再編しようという中で、通達行政そのものも大きく見直していかなきゃいけない、だって省庁が統廃合されちゃうんだから。例えば、自治省の財政局長なんという役職はなくなるかもしれませんよ。その通達が生きているかどうか。引き継ぐのかどうか。一本ずつこれは、本当は総務庁がやるべきだと思うんですけれども、この通達はやめようとか。  ですから、そういう意味では、通達行政をもう一遍見直しするということ、新しい省庁再編に伴って、この辺のところをきちっと念頭に入れておいていただきたい、大臣。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) そのような、本来、国会から内閣総理大臣、そして内閣に対して行政権がゆだねられておる。そして、そこから各大臣を通じて局長、課長、そういったところに権限をゆだねてきて仕事をやっておるわけでございますけれども、その中で、今おっしゃったのは、行政指導行政というものをどうするのかということについて私も今このポジションに参りまして一生懸命考えているところでございます。問題意識はよくわかりますので、また勉強させていただきたいと思います。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 いや、時間がなくなっちゃったけれども、総務庁長官、情報公開法ですが、野党が言っている知る権利だとかそれから手数料の問題とか、いろいろ大きなハードルはあるんですが、これはぜひ与党の方にも、何とかすり合わせて、修正できるところは修正して今国会でやるように、長官は長官で御努力いただきたい。と申しますのは、所信でおっしゃっているわけでしょう、情報公開法は今国会でぜひやりたいと。いかがですか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) ぜひ、この情報公開法は画期的なものでございますので、日笠委員もかねてから御努力されてきたことでもございます、我々は一日も早く今国会において成立することを願っております。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 修正。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 修正は、立法府におかれましてさまざまな御努力がなされる中でそれらのこともおのずから答えが出てくるのではないかというふうに思っておりますが、ただ、私が出したわけじゃありません。私どもといたしましては、これは一番ベストなものだと思っているということを言わなくちゃいけない立場でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 これから修正論議をさせていただこうとは思っております。江田先生も一緒にやっていただくようになっておりますが、いずれにしても歩み寄るところは歩み寄って、とにかく小さく産んで大きく育てるということも大事ですから、ぜひひとつ与党の方も歩み寄るべきところは歩み寄っていただきたい、こういうことを思っておるわけでございます。  時間もありません。最後に人事院総裁、一問だけ。    〔山本正和君「大分超過しているよ。何しとるんだ。だめだよ。四十分で終わるんだろう、これで」と述ぶ〕

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) 十三分まででございます。山本委員、少しおくれておりまして、十三分まででございます。  どうぞお続けください。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 今ので三十秒ほどおくれましたから。

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) そうですね、はい。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 最後、一問。  扶養手当、いわゆる高校、大学生の扶養手当でございますが、十六歳以上二十三歳未満ということですね。ところが、今、医学部の学生は六年ですし、大学院もありますし、そろそろそういうふうなことも想定してこの扶養手当は今後お考えになるかどうか。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) そこまでまだ事実が進んでいないんじゃないかというふうに思います。将来のひとつ勉強の課題にさせていただきたいと思います。

日笠勝之公明

○日笠勝之君 終わります。

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十四分休憩      ―――――・―――――    午後一時開会

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) ただいまから総務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。  初めに、官房長官に質問いたします。  私は、常々日本がアジアや世界の人々の信頼を得て進んでいくためには日本の侵略戦争に対する深い認識と反省、これが不可欠だろうと思っています。しかも、この戦争中に起こった問題は二十一世紀に持ち越すことなく二十世紀の間に解決をするべきである、こういうふうに考えています。  その一つとして、きょうは従軍慰安婦問題について質問したいと思います。  初めに、中川農水大臣の発言に関連して伺いたいと思うんですが、報道によりますと、農水大臣は就任直後の記者会見で従軍慰安婦の強制性に疑問を呈し、教科書への記載にも疑問を呈しています。後で誤解を与える発言ならば撤回させていただきたい、政府があったなので、あったという立場に立つ、シロかクロかと言われれば政府の見解を信じる、こうおっしゃって撤回をしました。侵略戦争に対する無反省とも言うべきこうした発言が繰り返される限り、日本は国際社会から不信感を抱かれるのではないかと私は思うんですけれども、そもそも歴史教科書から従軍慰安婦の記述の削除を求めているという日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の代表を務めていた方を日韓漁業交渉を前にして農水大臣に選んだのは何か意図があったんでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 過去の我が国が歩んだ道筋の中で、アジアの皆さん方に耐えがたき多くの傷跡と苦痛を与えてまいりましたこと、特にその時代の一端を生きた私としては率直にその認識を強くする一人でございます。  そういう意味におきまして、委員おっしゃるように、過去の重い傷跡を何とか二十一世紀に残さないように我々現代に生きる政治家は努めてまいらなくてはならないという思いを強くしておるところでございます。  つきましては、先般の組閣に当たりまして中川農水大臣の本問題に関連する発言について御指摘があったわけでございますけれども、政府といたしましては、いわゆる従軍慰安婦問題につきましては、平成五年八月四日の当時の河野官房長官の談話が政府の基本的立場でございます。中川農水大臣がその発言について誤解を与えるようなことがあったようでございまして、本人は委員御指摘のように直ちにその発言を撤回し、内閣の一員としてこの方針を遵守してまいることを表明しておるところでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 念のために聞きますが、そういう方を農水大臣に選んだのは特に意図があったというわけではないということを確認してもよろしいですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 全く意図はございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本政府のこの問題についての公式の立場、到達点というのが九三年八月四日に発表された内閣官房長官談話だということを長官の口から今お聞きしましたが、この九三年の官房長官談話では、慰安所が当時の軍当局の要請により設営されたものであること、慰安婦の募集、移送、管理等も甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われたこと、慰安所における生活が強制的な状況のもとでの痛ましいものであったこと等が述べられております。また、「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」とも述べています。  野中官房長官は、報道によりますと、また今のお話でも、日本政府としては、従軍慰安婦問題に道義的な責任を痛感し、おわびと反省の気持ちを示してきた、私もその気持ちに変わりはないと述べておられますが、九三年のこの官房長官談話の見地を閣内や政権政党内はもとより日本社会に定着させるために努力する決意がおありかどうか、伺いたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のように、政府といたしましては、河野官房長官の談話を基本といたしまして、この問題について多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとの認識のもとに、これまでもおわびを申し上げ、反省の気持ちをさまざまな機会で表明をしてきたところでございます。また、元慰安婦の皆さん方に対する償いの事業を行う目的といたしましてアジア女性基金が設立をされ、このアジア女性基金を通じて日本政府の真摯な気持ちをあらわすために今後とも努力し、そしてこれを支援することとしてまいった次第でございまして、さらにアジア関係諸国・地域の理解を一層求めるように努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。  委員が御指摘になりましたいわゆる従軍慰安婦問題について、さらに政府の方針として、女性の名誉と尊厳を深く傷つけたという問題を十分認識いたしまして、このような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視をし、今後とも誠実に対応し、各種政府広報活動を通じましても積極的に取り組んでまいりましたし、取り組んでまいりたいと考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 次に、政府の慰安婦関係調査結果について幾つか質問をして確認をしたいと思います。  まず、九三年の官房長官談話によりますと、「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、」とありますが、政府の調査では、軍は何のために慰安所を設営したのでしょうか。

登誠一郎内閣官房内閣外政審議室長兼内閣総理大臣官房外政審議室長

○政府委員(登誠一郎君) 政府がこの問題につきまして調査をいたしました際には、幅広く各種の資料、当時、昭和七年ごろ以降の資料を調べました。その結果、当時の旧軍の資料の中によりますと、慰安所の目的として幾つか書いてございます。  例えばその中では、旧日本軍の占領地域の中において日本の軍人が住民に対して強姦その他の不法な行為を行うことがもしありますれば、その結果日本に対する反日の感情も醸し出されるということになりますので、それを防止することである、そういう必要性があったこと、あるいは兵隊さんが病気等によって兵力の低下が起きることも防ぐ必要があったこと、さらには相手国の諜報活動に対応する必要があったこと、そういうようなことから慰安所を設置するに至ったというふうな記述がございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は、政府によって公表された資料で今のお答えについて後づけをしてみたいと思うんですけれども、これは一九四〇年九月十九日付の陸軍省副官通牒、「支那事変ノ経験ヨリ観タル軍紀振作対策」です。  これを見ますと、「事変勃発以来ノ実情ニ徴スルニ嚇々タル武勲ノ反面ニ掠奪、強姦、放火、俘虜惨殺等皇軍タルノ本質ニ反スル幾多ノ犯行ヲ生シ為二聖戦ニ対スル内外ノ嫌悪反感ヲ招来シ」、「慰安施設ニ関シ周到ナル考慮ヲ払ヒ殺伐ナル感情及劣情ヲ緩和抑制スルコトニ留意スルヲ要ス」、「特ニ性的慰安所ヨリ受クル兵ノ精神的影響ハ最モ率直深刻ニシテ之カ指導監督ノ適否ハ志気ノ振興、軍紀ノ維持、犯罪及性病ノ予防等ニ影響スル所大ナルヲ思ハサルヘカラス」とあります。  略奪、強姦、放火、捕虜惨殺等の犯行や性病の予防、士気の振興、軍紀の維持が目的だったと言っているわけです。  次の質問ですが、軍のこうした要請でつくられた慰安所に内務省もかかわりを持っていたのでしょうか。

登誠一郎内閣官房内閣外政審議室長兼内閣総理大臣官房外政審議室長

○政府委員(登誠一郎君) 先ほども申し上げました調査の過程におきまして、いろいろな資料を調べました結果、内務省も一部関与しておったという資料も発見いたしました。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 これも資料で後づけてみたいと思うんですけれども、これは一九三八年二月二十三日付で内務省警保局長が各庁府県長官あてに出している「支那渡航婦女ノ取扱二関スル件」という資料です。ここで、「婦女ノ渡航ハ現地二於ケル実情二鑑ミルトキハ蓋シ必要巳ムヲ得ザルモノアリ警察当局ニ於テモ特殊ノ考慮ヲ払ヒ実情ニ即スル措置ヲ講ズルノ要アリト認メラルルモ」、こういうふうに言って適正を促しているのですが、「一、醜業」、これは売春です、「ヲ目的トス婦女ノ渡航ハ現在内地ニ於テ娼妓其ノ他事実上醜業ヲ営ミ満二十一歳以上且花柳病其ノ他伝染性疾患ナキ者ニシテ北支、中支方面ニ向フ者ニ限リ当分ノ間之ヲ黙認スル」、こう言って身分証明書の発給を求め、いわゆる慰安婦の移送に加担をしているわけです。  こうして陸軍省、内務省等、国家ぐるみで設営されたのが慰安所であり、それは戦争遂行上必要なものとしてつくられていったわけです。  次の質問ですが、九三年の官房長官談話は、「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」と述べています。また、「当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。」とも述べられています。  「本人たちの意思に反して」といい、「強制的な状況の下での痛ましいもの」といい、これらは強制があったということですね。

登誠一郎内閣官房内閣外政審議室長兼内閣総理大臣官房外政審議室長

○政府委員(登誠一郎君) 今のその強制という点でございますけれども、私どもがいろいろな資料を調べましたところでは、一時言われておりましたような強制連行というようなことを直接示すような記述は発見することができませんでした。  そうしますと、この官房長官談話に言っておるところ、今まさに委員のお読みいただいたところでございますが、こういう甘言、強圧等による本人の意思に反して集められた事例が数多くあったというのが事実でございまして、これをもって強制というかどうかというのは言葉の問題かと存じますけれども、私どもの認識しておりますのは、まさにそういうような本人の意思に反して集められた事例があったということ、さらに慰安所における生活というのが強制的な状況であったということは、そのように認識しております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 政府が公表した資料で今復刻版が販売されていますが、これも資料によって後づけてみます。  これは、陸軍省副官通牒として出された「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」という資料です。これを読んでみますと、「募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少カラサルニ就テハ将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於テ統制シ之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ其実施ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連携ヲ密ニシ以テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス」とあります。つまり、誘拐まがいのことまで行われていたわけです。  これは、一九四四年の独立歩兵第十三旅団中山警備隊の一軍人倶楽部利用規定一です。利用時間を見てみますと、兵が朝九時半から午後三時半まで、下士官が午後四時から八時まで、将校が午後八時半から翌朝までとされています。三十分当たり、あるいは一時間当たりの料金、夜間料金、終夜通しの料金なども定められています。  慰安婦たちを待ち受けていたのは性交の強要でした。一日に七、八人、多い場合は二十人から三十人にもなったという証言もあります。休日は特にないし、あっても月一、二回、許可なきところに外出することを禁止され逃亡もできず、借金を返し終えて帰国したくても交通手段がないために帰国もできなかったんです。戦況次第で全く帰国する道は閉ざされました。まさに本人たちの意思に反した、強制によってしか成り立たない生活ではなかったでしょうか。  これは官房長官に伺います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 幾つか過去の例を検証するときに、強制的な状況のもとでの痛ましい問題が数多くあったことを認めざるを得ないわけでございまして、今私どもはそういう意味におきまして、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたと認識をしておる次第でございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は、まさに彼女たちは性的奴隷状態におとしめられていたのだと思います。  次に、国連人権委員会の差別防止・少数者保護小委員会におけるマクドガル特別報告官の報告に対する日本政府の対応について質問いたします。  報告は、日本政府が従軍慰安婦問題について事実を認め道義的責任を認めていることを前提としている文書です。日本政府がそこまで認めておきながら法的責任を認めていないことを問題視して、慰安婦政策が奴隷制や強制的売春と強姦を禁止した当時の国際法に違反し、人道に対する罪を犯していることを論証しています。  これに対して日本政府は、この法的解釈には同意できないと、機械的、硬直的対応をしています。これは当時は合法だったんだと、居直りそのもので、九三年時点の調査に基づく認識と反省を掘り崩すことになるのではないかと私は思うんです。底の浅い表面的なものだと不信感を持たれるのではないんでしょうか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) 御指摘のマクドガル特別報告者の報告でございますが、若干経緯を申し上げますと、国連の人権委員会、これは国がメンバーでございますが、その下に専門家の方々から成りますこのいわゆる差別小委員会がございまして、その委託を受けたマクドガル女史が特別報告を出されたわけでございます。その中に確かにその附属書の方で、いわゆる日本の慰安婦問題に関しましてさまざまな点を指摘しておられます。  今申し上げましたように専門委員の方々から成る小委員会でございますので、政府はオブザーバーの立場でございますけれども、その特別報告者の報告の中に我が国の法的な賠償を勧告する等の点がございましたので、国としては受け入れられるものではないという観点から、オブザーバーの立場で政府の考え方をその小委員会において表明したところでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 マクドガル報告書というのは、日本政府の事実認識と、それに基づくおわびやこれまでとってきたさまざまな措置、それらを認めた上で、それに基づいてつくられている、大変理路整然とした説得力のあるものです。細部において法解釈上いろいろと言い分があるとしても、戦後五十年近くかけてただしてきた事実認識の上に立って、せっかくここまで来たんだと思うんです。法的責任問題についても報告書が言っていることをよく検討していく、そういう態度をとるのが前向きの姿勢というものではないかと思うんですけれども、どうですか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) この国連人権委員会におきましては、かねてからいわゆる従軍慰安婦問題について検討ないし議論が行われてまいりまして、例えば昨年の国連人権の小委員会におきましては、日本が、国民と政府がとっておりますアジア女性基金の事業に対して肯定的な評価をしているところでございます。  ことしのいわゆるこのマクドガル報告書の中には、先ほど申し上げましたように、個々の点につきまして日本政府としての立場から見て受け入れられない点がございましたので、オブザーバーの立場で意見を表明いたしましたが、この小委員会そのものにおきましてその後このマクドガル報告書についての決議がなされておりますが、その決議におきましては、一般的なこのマクドガル報告者についての努力を多とするというようなことはございますけれども、いわゆる慰安婦問題についてこの決議では触れておられませんので、この問題についてこの小委員会で我が国に対して勧告がなされたというふうには考えておりません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 マクドガル報告書の附属文書が権威なきものだと言わんばかりのそういう受けとめ方をして、そしてその法的解釈には同意できないという、そういう機械的対応をするのではこれはまた私は不信感が募っていくというふうに思うんです。  私自身も深く検討する余地があると思いますが、当時の国際法のもとで日本政府がどういう審判をしたのか、そしてそれに基づいて今、日本政府としての補償はどうあるべきなのか、この両面から検討が求められているんですね。ですから、門前払いのようなそういう対応をするのではなくて、やっぱり深く探求していく、検討していくという姿勢が示されないといけないと思うんですけれども、もう一度どうですか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) 先ほど来官房長官から御答弁がございますように、この慰安婦問題につきましては、政府としては多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるという認識のもとにおわびと反省の気持ちを表明いたしまして、先ほど申し上げましたように国民と政府のこの問題に灯する真摯な気持ちのあらわれであるアジア女性基金の事業を展開しているわけでございまして、この点につきましては、先ほど申し上げましたよりに人権委員会の場、小委員会の場においても評価されているわけでございます。政府としては、このような努力を引き続き継続してまいりたいというふうに考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 報告書は、アジア女性基金が日本政府の法的責任を果たすことを企図したものではなくしたがって賠償を提供するための新しい行政的な基金が適切な国際的な代表者とともに設立されなければならないとも求めています。来日予定の金大中大統領もこの基金については厳しい見方をしています。  これに対して日本政府は、現に進めている以上に償いを前に進めることはできない、そういう旨反論しているんですけれども、これも性急に過ぎるというふうに思うんです。報告書は元慰安婦個人の賠償請求権は消滅していないこと、日本政府による個人補償が必要なことを指摘しているんです。  つまり、大事なことは、求められているのは、単なるお金の大きさではなくて政府の責任による個人補償だということだと思うんです。金大中大統領の来日を前に今以上やる気はないと、そういうことでよいんでしょうか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) これはかねてさまざまな御答弁がなされておりますけれども、さきの大戦にかかわります賠償・財産請求権の問題につきましては、サンフランシスコ平和条約、それから二国間の平和条約及びその他の関連する条約等に従って誠実に対応してきたところでございます。我が国とこれら条約の当事国との間では既に法的に解決済みのことでございます。  しかしながら、先ほど来申し上げておりますような観点から、国民と政府の真摯な気持ちのあらわれということでアジア女性基金の事業を展開しておるわけでございまして、この法的な側面につきましては、マクドガル特別報告書の内容につきまして、先ほど来申し上げておりますように我が国として受け入れられない点がございましたので、そのことは委員会の場で我が国の立場を述べたということでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 マクドガル報告書は極めて理性的に論証しているんですね。サンフランシスコ平和条約やあるいは二国間条約で賠償請求権問題はもう決着済みという日本政府の対応についても、例えば従軍慰安婦問題について言えば、これは九三年時点までずっと隠されてきたわけです。解決したと言いながら、その問題を公然と明らかにして取り組んできた足跡はないわけなんです。そこでもう破綻していると、そのことだけとっても。もちろん、細部に至って全面的にマクドガル報告書に同調せよとかそういうことを私は言っているんじゃないんです。相手が探求をし、論証してきたら、こちらもそれにかみ合った探求、検討が必要じゃないかと、私はそう思うんですね。  今後、この報告書に基づいて国連人権高等弁務官や他国の裁判所、元慰安婦たちはアメリカなど日本以外の外国の裁判所に訴えることもできるわけです。こういうところから日本政府への働きかけ、直接であろうと間接的であろうと、こういうことが予想されます。その前に日本政府の自主的な検討と取り組みが求められているのではないんでしょうか。そうでなければ、九三年の認識と反省、おわび、これを掘り崩すことになってしまう。つまり根本的な認識と解決はしない、表面的なものでしかないんだという不信感を広げることになると思いませんか。

上田秀明外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○政府委員(上田秀明君) 先ほど来御説明いたしておりますように、この差別小委員会は専門家の皆様から成る人権委員会の下に設けられました小委員会でございまして、その委託を受けてマクドガル女史がこの報告書を提出されたわけでございます。  それで、この小委員会としての結論は決議で示されておりまして、その決議では、このマクドガル報告書を人権委員会として配付、国連文書として配付すべきであるとか、あるいはまたマクドガル女史の活動を延長すると申しますか、そういうために手当てをするべきであるというようなことを人権委員会に勧告しているわけでございますが、人権委員会がこれを今後どのように扱うかは人権委員会にゆだねられているわけでございます。今後の人権委員会の会期で主として予算的な手当てを要することでございましょうから、そのような観点から人権委員会である種の決定がなされるだろうというふうに推測しております。  いずれにいたしましても、マクドガル報告書の中身につきましては、差別小委員会におきまして、日本からも専門の委員の方が出ておられますけれども、専門家の方々の間でのさまざまな角度からの御議論があったということは承知いたしておりますけれども、繰り返しになりますが、法的な賠償責任その他の面で政府の立場と相入れない点がございましたので、オブザーバーとして意見を申しておいたというところでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 官房長官に伺いたいと思います。  私は、本当に風格ある国、国民として日本が歩んでいけたらいいなと心から心配をしているんです。  それで、日本政府は、軍や日本政府の慰安婦問題、その問題において果たした役割を認めました。関与を認めました。強制的な痛ましい慰安婦たちの生活を認めました。そして、戦後五十年近くかけてこういう事実認識をした上で、国として道義的な責任を認めて反省とおわびをし、一定の措置をとってきました。ところが、いや当時は合法だったんだ、賠償請求権問題はもう決着済みなんだ、こういってまた開き直ってしまったんでは、これでは事実認識や反省とおわびの誠意が伝わってこない。こういうことが私はいつまでも通用するはずがないと心配をしています。  日本政府は、戦後、韓国併合が植民地支配ではなかったという立場、そういう見解をずっととってきて、日韓併合条約についても、自由な意思、対等な立場で結ばれたという見解をとり続けてきました。しかし、この問題も九五年、当時の村山総理大臣の我が党議員の質問に対する国会答弁で、日韓併合条約というのは、当時の力関係から決して平等に結ばれたものではないというふうに思います、植民地支配があったという現実はこれは否定し得ない事実であります、直視して厳しい反省をし、おわびをするべきことはおわびをするべきだと、こういうふうに言いました。つまり、この問題での認識も戦後五十年間かかって正してきているわけなんです。  本日付の報道によりますと、金大中大統領が訪日を前に、「二十世紀が終わる時点で日本から勇気ある、思い切ったおわびと反省を聞きたい」と、こういうふうに願っている旨のことが伝えられています。  私は、今までの歩みを掘り崩さないで魂のこもったものにしていくための検討と対策の努力が求められていると思うんですが、官房長官、その努力の決意はできないでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 先ほど来政府委員が答弁を申し上げておりますように、過ぐる大戦におきまして、財産あるいは賠償請求権の問題につきましては、サンフランシスコ平和条約及び二国間のそれぞれ当事者同士の条約によりまして一応法的に決着をしたという立場をとってまいりまして、その上についてこの官房長官談話を受けまして、さはさりとて従軍慰安婦の皆さん方には多数の方々に女性の名誉と尊厳を傷つけたという反省の上に立ちまして、御承知のようにアジア女性基金を創設し、国としてもその支援を行ってきたわけであります。  先ほど来お話がございましたマクドガル特別報告書なるものも、人権小委員会の報告には一切触れられておりませんが、しかし、そういう個人的なものとしてもマクドガル特別報告書のような視点があるということを私どもは謙虚に踏まえておかなくてはなりません。  また、先般、「世界」の十月号に載せられました金大中大統領のいわゆる同誌編集長との会談の中におきます言葉も重く受けとめまして、そして金大中大統領は十月の初旬にお越しになるわけでございます。できるだけ大統領の訪日が円滑かつ成功に終わるように私どもきめ細かく配慮をしていかなくてはならないと思うわけでございます。過去の経過は経過としながらも、大統領と一番近くて近い国としての関係を、これから後世に信頼関係を残していくために一層政府及び党関係を含めて努力をしてまいらなければならないと考えておる次第であります。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 マクドガル報告は、「終戦後半世紀以上もこれらの請求権の解決を怠ったことは、女性の人生が軽視され続けていることの証左である。」「適切な救済を提供するために必要な最終の措置をとることは、今や、日本政府にかかっている。」と結んでいます。謙虚に受けとめて、ぜひ前向きの検討と対策を進めていただきたいと思います。  次に、人事院総裁に伺います。  今回の人勧の最大の問題点は、民間企業における賃金動向などを口実として五十五歳昇級停止を打ち出したことです。機械的に民間に追随するだけなら人事院の存在意義はないんだろうと思います。今回の五十五歳昇級停止が公務員労働者の現実に即して厳密な検討をしたものなのかどうか、まず伺いたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 午前中から各党の議員よりその問題が提起されております。私たちが繰り返し御答弁申し上げましたように、要はベースアップの財源をどのように年代別に配分していくかという問題に帰着するわけでございます。そのときに、やはり公務組織全体としてどのようにすれば一番効率よく仕事ができるか、また公務組織全体として一番据わりがいいかという観点からそういうことを私たちは勧告したわけでございます。いろいろな御批判があり、いろいろな御意見があるということは承知しておりますし、またそのこと自身にも非常に私は聞かせていただくべき理由があるだろうというふうに思います。  ただ、私たちが今回勧告せずになお従来のように若年層、中堅層のところの給与水準よりも高齢層の方の給与水準というものに重きを置くということを続けるならば、やはり官民の比較においても不都合が生じてきますし、公務員全体として見た場合にも、やはり組織として活性化して仕事ができるかということになりますと疑問を呈ささるを得ないというそういう考えでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私はかつて公立の学校教育現場で働いていたことがあるんですけれども、教育職の場合、昇格の機会というのは校長と教頭になるしかないんです。日々、児童生徒と直接交わりながら教科指導、生徒指導を初めとした学校運営に携わって、保護者や地域との対応にも追われる教育現場は、今日、とりわけ児童生徒のいじめや不登校、学級崩壊とか学年崩壊とか言われるまでのいわゆる荒れなど困難と多忙をきわめています。教諭職にとどまって定年までその仕事を全うする教諭が圧倒的に多い教育職の現状に照らして、今回の五十五歳昇級停止というのはその実情を無視した給与体系の改悪と言わざるを得ないと思います。このことを指摘して、次の質問をします。  今回の勧告の中で、給与制度の改善方向の一つとして福祉関係職員の処遇の確立が挙げられています。  そこで、まず伺いますが、人事院勧告は直接的には国家公務員の処遇にかかわる問題ですが、その影響は地方公務員、さらには民間の福祉関係職員にも及ぶのだというふうに思うんです。全国福祉保育労働組合の調べによりますと、保母や寮母、ホームヘルパーを初めとした社会福祉労働者の数は百万人を超え、第八回中央社会福祉審議会社会福祉構造改革分科会によりますと、平成二十二年には社会福祉労働者が百九十五万二千人になると推計しています。こうした広範な福祉関係職員の処遇にも大きな影響を与えるというのが実際の姿だというふうに思うんですけれども、この点はお認めになりますね。

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) 時間が来ておりますので、短くお答えください。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 簡単に申し上げますと、私たちが勧告いたしました内容につきましては、すべての俸給につきまして、地方公務員とかその他公的団体、準公的団体ですか、そういうところにそれなりの影響はあるだろうというふうに思います。ただ、どういうふうに影響させていくかということにつきましては、それぞれ所管当局がございますので、そちらの方でお考えになることだというふうに思います。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 質問に入る前に、少し委員長に私の方から注文をつけておきます。  きょう配付されましたこの本日の質疑時間表、これは変更する場合もあると思うんですよ、私は、確かに。政府側の答弁云々ともかかわりますからね。その場合、理事の皆さんはひょっとしたら知っておるけれども、我々は知らないんですよ、変更がどの程度になるかというのは一切ね。午前中の日笠委員の質問は十一時三十分から十二時十分と書いてある。そうすると、私の方はそう思わざるを得ないわけだ。それを委員長から何にも通告がなかった、私どもに一切ね。そういう運営を今後はしてもらっては困ると、これを申し上げておくけれども、委員長、どうですか。

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) なかなか時計どおりいかないものでございまして、私がそのことをお断りしなかったことについては申しわけなく思います。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 それからもう一つ、これは私の希望を言っておくんですけれども、私はやっぱりさんと言われるよりも君と言われた方が気持ちがいいんですけれども。これは趣味の問題ですからそれ以上は言いませんけれども、希望だけ言っておきます。  そこで質問に入りますが、官房長官の午前中からのいろいろのお話の中で、人勧についてのお話がございました。そこで、私は少し申し上げておきたいんですけれども、当然、官房長官というのは内閣のかなめの立場ですからそういう中での御発言と思いますけれども、人勧の実施に当たっては、国政全般また財政事情その他をもって考えていって、誠意を持ってこの会期も念頭に置いて判断をして実現のために努力したい、こういうお話であったわけです。私はその気持ちは、表現において一生懸命言っておることはよくわかるんですけれども、少し私自身の体験も含めて申し上げておきたいと思います。  これは、公務員として働いている労働者の気持ちからいくといろんな要素があるんです、この人事院勧告には。私ももうあと数日で七十一歳になります。大体長官と同じ年ですね。私どもが戦争に負けて帰ってきて、本当に貧しくてどうにもならぬときに、とにかくお金が欲しければやみ屋をやればよかったんですよ、やみ屋を。あるいは建築屋に入っていて何かやっていけばやれたんですよ。そのときに、公務員になった者は、要するに日雇い労働者の一日の日当二百四十円のときに一カ月働いて六百円なんです、月給が。その中で公務員労働者がずっと今日まで働いてきているという歴史があるわけなんです。しかもその間、国の財政事情とかいろんなことが言われましたけれども、その間じゅうずっとこの人事院勧告、人事院制度によって、労働者の労働基本権は我慢しなさい、日本の国はこんなに貧しいんですから、何とか立て直そうということで基本権も取り上げられてきた。その中で、しかし必死の思いで労働者の権利を主張して、違法ストと称せられるストライキもありました。ようけの処分者も出た。組合もつぶれたりいろんなことがあったんです。  しかし、今やっと公務員組合のほとんどがそういう政治イデオロギーを乗り越えて、労働組合としてのあるべき姿、また公務員労働者とは一体何をしなきゃいけないかということに目覚めて一生懸命取り組んでいる今日なんです。そういう公務員労働者が今までどうやってきたかということについての感覚からいうと、野中長官のお人柄からいったら、私はまだもう少しいい言葉が出てもいいんじゃないかという気がいたします。しかし、それはちょっとおきまして、もう少し中身に入って質問をしておきたいんです。  今度の人勧、ずっと見てきました。随分いろんな形で人事院はさまざまな議論をしただろうと私は思うんです、勧告に当たって。しかし、人事院というのは政局を考えたらいけないんですよ。国政全般じゃないんです、人事院というのは、公平中立な機関なんだ。人事院が政治的な判断をしたらいけないんです。そのことは、先ほどから総裁の答弁の中にどうも何か知らないけれども政治家の判断があるように聞こえてならない部分があるから、ちょっと気になるので、質問の前にそれだけ触れておきます。  私がまず質問をしておきたいと思いますのは、簡単に言います、長官としては何としてもこの国会内にこれを法案として成立させたい、こういうお気持ちがおありになるのか、そのことについてまずお伺いをしておきたい。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 引き続いて給与関係閣僚会議を開催いたしまして、先ほど来るる申し上げておりますように、現下の厳しい財政状況あるいは国全体を取り巻く経済的状況等を十分踏まえて、国会の御了承を得られ、かつ国民皆さんのまた御了承が得られるような状態を私どもは見定め、かつ会期が既に決定をいたしておりますこと等も踏まえ、公務員制度の給与勧告の基本に立って誠実に実施をしてまいりたい、このように考えておる次第であります。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 ちょっと今の私の質問の仕方が悪いのかもしれませんけれども、本臨時国会中にこの法案が通らなければ現実問題として地方公務員全体に及ぼす影響というのは大変大きいというところから、その点を私は非常にやかましく主張しているんです。これは官房長官という内閣の大番頭という立場からいえば、今の御発言の中にいろいろな意味が込められているというふうに私は理解しますが、総務庁長官はもう一つ違った立場で物が言えるのじゃないかと思うので、御決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 総務庁長官としては、早期完全実施を目指して最大限努力をするということをずっと申し上げておりまして、早期完全実施ということは、私は今国会中のことだというふうに思っております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 それでは、ひとつそういうことで、ぜひ人勧については全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。  質問の中になかったんですけれども、けさほど来の質問を聞いておりまして少し官房長官にお尋ねしたいことがありますので、お伺いしたいと思います。  北朝鮮からいわゆる飛行物体が飛んできて三陸沖に落ちたという事態があります。これは私どもにとっても大変けしからぬことだと。人の国の上を通過していってぽんと落とすとは何事だ、こういうことを思うんですが、と同時に私は、国民一般の中にある感情は、日本の安全は何によって守られているかと。自衛隊がおるというけれども、自衛隊は攻めてきたときに、例えば海上から船でもって上陸してきたというときには戦うだろう、あるいは日本の国に攻めてきたときは戦うだろう、しかしそれ以上の戦闘能力は我が自衛隊にはないと。それを守るために日米安保条約を組んでいるんだ、こういうふうに国民は理解しているわけですね。  要するに、ミサイルが飛んでくるとか、大変強力な部隊が来るという段階では、これは日米安保条約があるから大丈夫なんですよと。だから沖縄の県民の皆さん、大変だけれども日本の国全体の中の七五%、ひとつ我慢してくださいということでお願いしている。また、あちらこちらの基地もそうですよね。そしてもっと言えば、かつて政府が思いやり予算と称して国際的には考えられないようなことまでアメリカ軍に対して予算措置を講じている。しかし、今度の飛行物体事件についてアメリカ軍から何らの具体的な情報提供がもしなかったとするならば、こんなにばかにされた国はないんですよ、世界じゅうで。  私は、これは当然、外交当局を通じて政府として日米安保条約の趣旨を体して厳重にアメリカ政府に対して申し入れをすべきだったと思うんです。そういうことはおやりになったんでしょうけれども、新聞に書かれなかったのかどうか、ちょっとその辺承っておきたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 先ほど私が北朝鮮のミサイル発射問題について御答弁を申し上げました中に、八月三十一日以来の情報の収集の経過を申し述べました。  この情報を私自身総合的に検証をすべてでき得たわけでありませんけれども、総じて私は、我が国自衛隊にこのミサイルの発射から落下に至る間、あるいはミサイルと言われ、北朝鮮は人工衛星と言っておる、こういうものを検証するものは残念ながらなかったというように私は考え、ほとんど米軍の情報に頼らざるを得なかったというように率直に考えておる次第でございます。  そういう中から、今後私どもはこういう情報を総合的に把握できる衛星を持つことを検討したり何らかの方途を考えなければならない、こう考えてまいりますとともに、私どもはそれぞれ会見をいたすたびに、今回の北朝鮮の行為は、日米安保体制下における我が国の上空を通過したということは、ある意味において日本と米国が射程距離にあったと解釈するべきでありまして、米国を含めて攻撃をしたとさえ言われるのではなかろうかという立場に北朝鮮は立たなくてはなりませんし、北朝鮮は国連に加盟をしておるわけでございますから、これがミサイルでありましょうともあるいは人工衛星でありましょうとも、事前通告をやるのが国際連合に加盟しておる国の当然の務めであるというように申しておる次第であります。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 今の官房長官のお話はちょっと官房長官らしくないように私は受けとめるんですが、もうちょっとずばり物が言えないだろうかと私は思うんですよ。  要するに、日米安保条約、これは安全保障上の軍事的な側面も含めた条約です。経済的なものも持っている。しかし、日米両国間にあの第二次大戦後の、これから日本の国が平和国家として生きていこうということに対する信頼とアジアの平和という問題を含めた条約だろうと思うんです。我が党は長い間反対しておったけれども、現実にこれは日米安保条約を維持するということをはっきり私たちの当時の村山総理も言ったわけです。そういう立場に立って、本当に日米安保条約のそういうすぐれた面を国民に十分理解させなければ、国民は、何で思いやり予算をやるの、何で基地はこうなのというふうにしか思わないと私は思うんです。  そういう意味からいっても、本当は今度の問題ぐらい、逆に言えば政府としてはアメリカに対して物を申さなきゃいけない問題はなかったと私は思うんですよ。アメリカは知っておるんです。我が自衛隊は知らないんです。我が日本政府は知らないんです。しかし、アメリカ政府はこの飛行物体が何であったか、どういうふうな状況であったか知らないはずはないんです。  私は、そこのところがどうしても政府の言い方が何か国民にとって理解しにくいんじゃないかという気がしてならないんですが、その辺は長官 これ以上まこういう場ですから御答弁しにくいのか、それとも本当はアメリカも知らないのだと、こう言うのか、その辺はどうなんですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 私どもは、在米大使館を初め、さらに国際連合を通じ、今回の北朝鮮のミサイル発射に伴います諸般の問題については米国政府あるいは国連当局にも申し上げ、安保理事会の議長声明にも入った次第でございまして、アメリカとしても可能な限りの情報を提供してくれたと考えておるわけでございます。  ただ、今我々が人工衛星であったと言われましても、それを検証し認定するものをこちら側に持ち合わせないということでありまして、米軍も引き続いてこれを分析中であると聞き及んでおりますので、今後継続して私どもはその内容の公開を求めてまいらなければならないと存じておるところでございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 そうすると、確認していいのは、アメリカ軍もまだこれはミサイルなのかあるいは衛星なのかわからないという判断に立っている、こういうことでよろしいですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 人工衛星であったようだという報告がございますけれども、これをすべて人工衛星であったと検証する分析はまだ継続中であるというように報告を受けております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 そうすると、要するに人工衛星であった確率が高いというふうにアメリカ側は認識している、こういうことですね。我が国としてはそれを察知し得る能力は持っていない、こういう段階であるので、そういう形での答弁にならざるを得ないと。  私がここで申し上げておきたいと思いますのは、そうは言いながら、けさの新聞にも載っておりましたけれども、北朝鮮が日本との関係は半ば戦争状態に近づいていると、こういう報道がきょうされておるんですね、そういうことを北朝鮮が言っている。ところが、アメリカに対しては一切そういうことは言わないんです、北朝鮮は。  私は、日本政府というか日本国民というか、余りにも人がよ過ぎる。ドイツとアメリカも同様に、かつてNATOの時代からずっといろんな軍事基地も提供しながらの関係がありますね。日本は何でこんなにアメリカの言うことを黙って聞いているんだろうかと、片務条約も甚だしいというふうにだんだん国民は思ってきますよ、正直言って。今のようなあいまいな、アメリカ政府が日本政府に対して言っている、要するに衛星であるかどうかはわからないが衛星である確率が非常に高いということで、日本政府もその報告を黙って聞いている。こんな信頼できない軍事同盟はないですよ、簡単に言えば。  私は確かに今の小渕内閣の最大の課題は経済問題だと思う。しかし、日本の国の一番根幹にかかわるような問題でなぜはっきりと物を言わぬのか。これは私は心外でならぬのです。官房長官は少なくともあの戦争中の体験を私どもと同じようにされた人ですよ。何ぽ言っても、私は思うんです、橋本さんにしても小渕さんにしても若いんですよ、戦争に負けたときまだ子供だった。その戦争の厳しさを我々がきちっと今の政府の責任者に伝えていかなきゃいけない義務がある。それから言えば、こんなことは小渕さん、黙っておれませんよと官房長官が言っていただかなくちゃいかぬと私は思うんだけれども、その辺はどうお考えですか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 総理も今回国連総会のために訪米をいたします。その際には、約三時間余りと聞いておりますが、クリントン大統領とお会いをして会談することになっております。そういう際には、今我が国で起きておりますこの北朝鮮のミサイル発射問題を含め、忌憚ない会談をすることと存じております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 ひとつぜひとも総理にも、官房長官からよろしくお伝えいただきたいと思います。  それから、先ほど冒頭に申し上げました、人事院総裁にあえてお尋ねしておきたいんですが、あなたも恐らく、人事院総裁、若いときにいろんな経験がおありになると思うんです。そのときに人事院というものに対してさまざまな議論があった。そうすると、人事院というのは、これはまさに公平な機関であるという認識は間違いなくお持ちですか。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 当然持っております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 となると、例えば民間でいろんな議論があります。そのときに、民間の場合は給与はどうやって選ぶかといったら、会社が経営能力があるか、今発展しているか、会社が今落ち込んでいくか、そういう中で従業員と経営者が話し合いをして給与が決まるんですね。それだから、うんと高いところもあればうんと安いところもある。  しかし、公務員というのは、国の景気がいいとか悪いとかということじゃないはずなんです、決める基幹は。何を一体基礎に公務員給与の決定をしていくんですか。総裁、あなたはどういうふうに考えておられますか。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 長い間の人事院の職務の積み上げによりまして、官民の給与を均衡させるということがやはり国民の理解を得る一番いい方法だということで私たちは認識し、またそういうつもりで今まで仕事をしております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 どうも総裁、そうすると人事院の歴史をもう一遍読んでもらわなきゃいかぬと私は思うんです。官民の較差を是正するために人事院勧告をやるんですか。どこに書いてある、そんなことは。どこの法律に書いてあるんですか。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 国家公務員法の中に情勢適応の原則というのがございますが、その情勢適応の原則というものを具体化するということで、私たちはそういうふうに認識しております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 そんなことを聞いているんじゃないんだよ。法律のどこに官民較差ということが書いてあるか聞いているんだよ。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 官民較差という言葉が法律にあるわけではございません。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 ないと言ったらいいじゃないですか、あるかと聞いているんだから。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) あるわけではございませんけれども、情勢適応の原則というものを具体化すればそういうふうに表現するということでございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 あなたもそれはいろいろやってきたでしょうけれども、私も人事院勧告の問題をめぐって、人事院なんて要らぬよというところから始まった議論もしているんです、長い間。その中で来ているけれども、何か知らないけれども、人事院がこのごろ勧告するに当たって、民間との較差がどうだこうだ、ああだこうだということばかり一生懸命言うんですよ。しかし、公務員足るにふさわしい賃金というものであるならば、人足るにふさわしい賃金というものがあるんですよ。そういういろんな要素の中で、人事院は公務員の賃金について、さまざまな数字を使いながら、民間との較差が今これだけあります、かくかくしかじかです、較差がこれ以上開いた場合に勧告しなきゃいけませんよということで出るんですよ。  しかし、本来公務員給与の決定というのはそうじゃないんです。本来公務員給与の決定というのは別なところにあるんですよ。その辺のことを何か人事院が、このごろ見ておるとどうも官民較差のところばかり一生懸命計算しておる。それは官民較差がこれ以上開いたら勧告しなきゃいけないということがあるだけの話なんです。しかし、その辺のことを何か人事院総裁が、公平機関としての本当の任務を忘れてもらったら困るということで、私は今あえてこういうことをきつく言うわけなんですよ。  私はここで申し上げておきたいけれども、今の官民較差の話に戻りますが、現在何%あるというふうに、どこから〇・七六と出したんですか。ちょっとそれを言ってください。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) ちょっと最後のところがよく質問の意味がわからなかったんですが。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 〇・七六%の根拠。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) それはまさに私が御説明申し上げていますように、官民の給与比較というものを職種別、地域別あるいはまた年種別、そういうもので算出した結果でございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 したがって、これは正直言って人事院は随分苦労された勧告であるということは私よくわかるんですよ、報告を見て。ただ、この報告を見て、〇・七六%という数字を出したということについての明快な説明をしないと、民間から、あるいはさまざまな公務員給与をめぐる誤解が解けない部分があるから、この辺のところはやっぱり人事院としても、もう少し国会の審議に当たって、国民の皆さんに理解を得るための資料提供が必要であるということを私は指摘しておきたいんです。  これについて、例えば日経連だとか経団連だとか連合だとかいうものに対して、〇・七六%の根拠についてかくかくしかじかというものをもうお出しになっていますね、これは。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 勧告する前にもそういう各種団体から話を聞いておりますし、勧告した後もデータを示しながら各団体に御説明をしております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 それでは最後に、官房長官に改めてまたお願いしておきますが、先ほどの官房長官あるいは総務庁長官の御答弁で、人勧についての御決意のほどは十分に承りましたので、その御決意に従って、一生懸命に全国で働いている公務員の皆さん、それは中には悪いのがおるですよ。特に防衛庁のあれなんてけしからぬと私思う。縛り首にしてもというぐらい気持ちとしては思いますよ。しかし、本当はほとんどの公務員労働者は一生懸命に頑張っておるんです。その人たちのことを思いながら、ひとつ勧告の完全実施を強く要望して、私の質問を終わります。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 自由党の月原です。  両長官、大変重要な時期にポストにつかれて、今後の御活躍を期待いたします。  それでは、質問に入りたいと思います。  先ほどから何人かの議員がお話しになっておりました防衛庁の今回の事件については、他の委員会でも審議が行われているし、検察庁の結果が出た後、私はまた質問していきたいと思っておりますので、それは省略いたします。  そこで、北朝鮮の問題でありますが、人工衛星だったのかミサイルだったのかということについて、今、官房長官は山本委員を初め多くの方々にお答えになっておりますが、まずこれに精力的に取り組んで、速やかにどちらであるかという決断をしていただきたい、こういうふうに思います。  確かに、ミサイルであろうが人工衛星であろうが、その手法、そして国民に与えた影響、そして軍事的にそれを側面的に見た場合の非常に大きな影響、それはもうどっちであっても同じ影響を与えていると思いますが、今そういうふうな人工衛星かミサイルだったのかということについて国民の多くが関心を持っているだけに、ぜひその点、早急に検討をしていただきたいと思います。  米国の方の情報もさることながら、我が自衛隊の、日本国の自衛隊がキャッチした情報も、海のあるいは陸のそういうものがあるわけですから、そういうことで、情報というのは独自の判断でいろいろな情報を集めた上、自国の判断をしなければならないものだけに、そういう観点から早急に結論を、どちらであるかということを判断していただきたい、このことをお願いいたしますが、官房長官、どうでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 今、委員御指摘のように、また私たびたびお答えをいたしてまいりましたように、今回のミサイル発射に当たりまして、実際に人工衛星であったのかどうかというのはいまだ十分な確証が得られないところでございますし、米国の情報も含め、子細に分析をする必要があるというように認識をしておる次第であります。  そういう立場に立ちまして、本日、関係職員を米国に派遣いたしまして、米国の情報を詳細に調べて、米軍関係者との意見交換もしてくるように、本日派遣をした次第であります。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 その点よろしくお願いいたします。  この間の情報のときにも、ある国の国防部がリークしたり、あるいは正式の発表が非常に早かった、そんなことから、日本の判断はどうなっているんだというふうに言われておりますが、子細に検討すれば、そこの発表の多くは米軍のをそのまま伝えておるという感じがいたすだけに、我が国自身も独自の情報も持っておるわけですし、現にキャッチしているわけですから、そこのところは我が国の立場に立って、米国の意見も聞きながら判断していただきたい、このことをお願いしておきます。  さて、もう本質的な話ではないようでありますが、危機管理の一連の新聞情報を見ながら感じたことを申し上げ、そして官房長官の御意見を伺いたいと思うんです。それはどういうことかというと、情報が入ってきてからどういうふうに情報が上がっていったか、そして、その情報の配付はどのように行われたのかということであります。  新聞によると、ある自民党の有力国会議員でありますが、今、党の役職を離れている方が座談会に出てどう言っておるかといったら、「三陸沖の着弾をいつごろ知ったのか。」。それに対してこの座談会で、岡崎さんとかが出られておる座談会ですが、「直後。かなり早く、防衛庁から連絡を受けた。」。「自衛隊が捕そくしたということは今初めて言うが。」、自衛隊も捕捉しておるということ。そして「太平洋側まで分離してミサイルが飛んだ可能性があるという話はきびすを接して防衛庁から私にあった。」。「これは未確認であるし、あまりに反響が大きいと思うので、公式発表まで待ってくれということだった。」。これは日刊紙に座談会で出ておるわけです。  そしてまた、関谷建設大臣が、新聞の情報でありますが、「(三陸沖着弾は)夜のニュースで知った。電話一本でも知らせて欲しかった」、こういう言い方をしておる。また、自民党の深谷総務会長は、三十一日十八時過ぎ、「六時過ぎ」という表現ですが、外務省より第一報、日本海に着弾ということを聞いたと。三陸沖のことは聞いていない。そして、「危機管理の対応がまったくなっていない。両省庁に厳重に抗議する」と、こういう表現。これは非常にニュースとしてはおもしろいんですが、国家の情報というものが非常に粗末に扱われておるのではないかと私は危惧するわけであります。  情報というのは、一番大事なところに早く上がる、そして関係したところだけに限定してやっていく。例えば、K国の国防部が発表したその言葉を見れば、これはアメリカからそのまま写していったんだな、かぎがかかっているぐらい、この言葉が入っておればここの国がリークしたんだなということがわかるわけであります。そのくらいは情報戦のイロハであります。  そのことを考えたときに、かつて中国にキッシンジャーさんが行ったときに、なぜ日本に知らせなかったのかと言ったときに、日本は秘密が漏れやすいからだ、情報が漏れやすいからだと、こういうふうな表現を既に彼の秘録にも書いている。そして、何でおれに知らせなかったんだと、後でそういうことが日本ではよく起こる。それはキッシンジャーの別のところで語った言葉でありますが、今の日本の風土というのは、とにかく実力者のところへは全部情報を持っていって、よう言ってくれたなと、井戸端会議的な意味でそういう扱われ方をしておる。  そうすると、最近米国のアーミテージさんとかブラウン元国防長官なんかがレポートを出したのを見ると、人工衛星の情報を流しても日本には秘密保護法がないからこれは守られないおそれがある、そこが一つのネックである、こういうふうに言われておる。大臣は特別に秘密を守る義務があるわけですが、国会議員は、それは倫理的なものは別として、国会議員に伝えたものがどこへ行ったって法律的には何の縛りもないわけであります。  そういう意味で、私が官房長官にお尋ねしたいのは、個々にだれに知らせてとかそんなことを私は言っておるのじゃありません。危機管理の一つとして情報の管理ということは、同盟国あるいは多くの国々から与えられた情報というものは大切なことであります。だから、それをどういうふうに配布し限定していくかというような観点から、危機管理の問題として取り上げて検討をしていただきたい、そのようなことをお願いするんですが、いかがでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 今回のミサイル発射につきまして、それぞれ情報伝達の問題あるいは情報収集のあり方等について月原委員から御指摘をいただいたわけでございます。  私ども、防衛庁から米軍からの情報として、八月三十一日でございますが、十二時七分過ぎにミサイルの発射実験が行われたという報告を受けましたのは十二時二十五分でございました。けれども、その後の経過は先ほど来それぞれ関係の委員の皆さんの御質問にお答えをしたとおりでございまして、果たして今回の場合、情報の収集あるいは情報の伝達、これに伴う国家の危機管理、これが万全であったかどうかというのは多くの反省点を持っておるところでございます。  したがいまして、一応、古川官房副長官のもとにそれぞれ、今回の反省の上に立ちまして今後起こり得るこういう国家危機管理に対する情報の収集、伝達のあり方を協議することにいたしまして、既に成案を得たところでございます。  先般の問題につきましては、それぞれ与野党を含む幹部の皆さん、さらには衆参両院の関係委員長、政府部内等、十分な情報の提供が行われなかった面があったことを反省いたしておりますし、原則的には私は情報はできるだけ公開すべきであると存じております。一部、委員が御指摘のように国家の危機管理、機密性にかかわる部分につきましてはこれを留保しておかなければならないものもあろうかと思いますけれども、原則的には可能な限り情報を広く伝達していかなくてはならないと存じておるところでございます。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 官房長官としてはそういうお答えだろうと思いますが、私はその重要度に応じて、当たり前のことでそれはもうわかっておられることだと思いますが、政府だけが握っておかなければならない情報もある。議員だから、かつて偉かった人だから御注進御注進と言っておいたら後は何となく協力してくれるだろう、そんな感じで情報が扱われる傾向が日本の場合はその風土からいって非常に強い。キッシンジャーが言っておる話でもおわかりのとおりでありますが、その点も御配慮の上、今お話しのような方向で進んでいただきたい、こういうふうに思います。  それでは、太田長官に、本質的な話はもう皆さんがやっておられるので、長官から見ればそうウエートを置かなくてもいいと思われておる問題かもしれませんが、中央省庁の行革のときには、公務員の削減の議論ですが、十年間で少なくとも十分の一の削減を行うため新たな計画を策定という表現になっておりますね。ところが、小渕内閣総理大臣になられてこれが、国会での所信表明演説の中に公務員の定員は二〇%と、こういうふうに言っているわけであります。  これは長官もお答えになったと思いますが、ここで確認の意味で申し上げます。まず、これがネットであるのかどうか、また新たな需要があって、いつも行政府はそうしますね、それでそれが相殺になっていくというようなことがあります。それからもう一つは、エージェントをつくった場合に長官はそれもこの二〇の中に入るんだぞというふうに言われておる、その点をまず確認したいと思います。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 小渕総理が国会で話されました十年間で二〇%の削減ということは、削減であって純減ではないのであります。  もうちょっと説明いたしますと、これは自民党の総裁選挙のときに公約として掲げたわけでありまして、ちょうどこのテーマについての相手と申しますか、主としてこのテーマについて問題提起をした、最初にテーマとして掲げたのは小泉純一郎代議士でありまして、小泉代議士が言っておった意味は、十年間で五〇%削減、その中には郵政の公社化ということで入っておるということでありました。それを横目に見ながら、小渕候補の方はそれは除いて二〇%というふうに言っておりましたので、そこの場所にいた者はだれもが、これは独立行政法人一般のことはこの中には入っているなということがよくわかったわけでございます。  ですから、もう一度確認いたしますと、二〇%の削減の中には通常の定数削減のほかに独立法人化によって総定員法から外される部分も入っているということでございます。  それから、今、やや私も総務庁に参りまして言葉の使い方で随分混乱を招くものだなというふうに思いましたのは、定員削減というといかにもどんどん人数が減っていくように見えるけれども、これはそうではなくて新陳代謝でございます。古い細胞がどのぐらいのスピードでもって落ちていくかということを、それを目標として、古い細胞がなくなっていく速度のことを定員削減と言っておるわけでございます。そして、それに新しい細胞の方も生まれてくることもあるわけでございますから、新しい細胞の方を差し引きしたら純減ということになるわけでございます。だから、私は今、定員削減というのは誤解を招く言い方だから新陳代謝とでも呼んだらどうですかということを言っておるわけでございます。そこはまだ統一がとれないわけでございます。  ただし、月原先生もそういう意味でおっしゃっておるんでしょうけれども、じゃ新陳代謝さえすれば純減はなくていいのかというと、それは純減はやっぱりなくてはいけないわけでありまして、ここで数字的な目標は掲げないけれども、この時代でございますから、それは全体として絶対的なスリム化を図らなければいけないということはよくわかっておりますので、そこは別途努力をさせていただきたい、こういうことでございます。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 その点、詳しくはっきりしたので。  そこで、これは今急に内閣が発足して間もないときにそういうことを答えろというのは私は無理だろうと思いますので、要望を申し上げておきます。  小渕総理大臣の所信表明に、「十年の間に、国家公務員の定員は二〇%、コストは三〇%の削減を実現するよう努力をいたします。」と、こういう書かれ方をしておるわけです。このことについて、今どういう積算で二〇%なり三〇%が出てくるのかということは私はあえて聞きません。しかし、これを目標とする以上は、少なくともこういう柱を検討しながらこういうものにたどり着きたいというのが私はあってしかるべきだと思います。今答弁をお願いはいたしません。次にこういう機会があるときには、国民の方も、すごいな、二〇、三〇と、こう思っておるわけですから、少なくともこういう手法を講じてこういうものを検討してこれに持っていくんだということを長官の指導力のもとでぜひ検討し、早目に国民に知らせて我々と議論していただきたい、このことを要望しておきますが、どうでしょうか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) よく承りました。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 それでは、次に人事院の方に。  いろいろ今回の答申については多くの委員からお話しになりましたので、その中の一、二について、あるいは現在の人事院のことで私はこういうことに関心を持っておるんだがどう考えておるかということを人事院総裁にお尋ねしたい。  人事院はいろいろ配慮されて、公務員がより活発に国のために奉仕できるように環境をつくられておるわけですが、その中の一つに特別昇給というのがあるんです。その特別昇給というのは、目標は非常に立派だったんですが、大きな組織に不平が起こらぬように順繰りにそれを充てていくわけです。本来、成績優秀な者が特別昇給していかないといけない。ところが、何年かたったら、おまえまだやっていないなということでぐるぐる回っていって、結局インセンティブにならなくなってくる。組織全体のインセンティブだったら、これ底上げなら給料でやればいいんですよ、国民をごまかすことでなく。ごまかすと言うとちょっと言葉はきついですが、問題意識を持たさないままに上げたのと同じ感じになっちゃうんです。  だから、私は今そんな状態になっているということを憂うるわけで、この問題について現状をどう認識されておるか、そしてこの目的のインセンティブを与えるために今後軌道修正というか本来の姿にどういうふうに持っていかれようとするのか、それを総裁にお答え願いたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) 先生、公務員の御経験があるので、あるいはその御経験に基づいての御発言だと思います。  特別昇給制度という制度の趣旨に沿ってこれを運用している省庁もございます。また、今おっしゃるような形に近い形で運用している省庁もあるだろうというふうに思います。私たちは、この制度を設けました趣旨に沿って各省庁が特別昇給制度を運用してくれるようにかねがね指導しておるわけでございますけれども、先生から重ねてそういう強い御指摘がございますので、これからそういう指導をより強めてまいりたいというふうに思います。  なお、現在の実態等につきましては所管局長から補足して御説明申し上げたいと思います。

武政和夫人事院事務総局給与局長

○政府委員(武政和夫君) 先生御指摘のように、公務におきましても能力主義、成績主義が基本であるべきだと思います。  そういう意味におきまして、まず制度改正をしました。一昨年ですか、特別昇給をなるべく弾力的にできるようにと、一定期間たたないとできないということではありませんで、弾力的な期間でできるように、しかも十二月ということでなくて六月効果といいますか、非常に技術的ですが、半分の効果を持つようなそういったたぐいもできるようにという制度改正をしました。昨年は、勤勉手当、やはりこれも成績率に基づきましてボーナスを支給されるわけですが、これにつきましても成績率の幅を広げる、ましてや課長以上等につきましてはより広げるという形で制度改正をしました。  そんなこともありましたから、ことしの四月にそれぞれその運用状況について調べました。特別昇給につきましては、特に優秀な者につきましては二号俸以上の、そして弾力的に効果を短くという意味でやったところもあります。  さらに、持ち回り運用ではないかということでございますが、確かに私どもが見たところ、採用後最初の特昇の時期というのは割合五年から六年といいますか、そういうところであるんですが、それ以後につきましてフォローしますと、それはかなりばらつきがある。そういう意味で、必ずしも持ち回りでやっているというふうな実態は見られないという調査を行いました。  勤勉手当につきましても同じように調査をして指導をしておる、今後も続けてまいりたいと思っております。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 今のお話で大筋そういう努力をされていることがわかりましたが、非常に立派な制度をつくった以上はその目的を達するために強い指導をしていただきたい、このように思います。  今度の改革で私は非常によくやったなと俗な言葉で思ったのが、刑務所の看守の方々の待遇を改善するために新たな手を打たれたということであります。  総裁も何回か刑務所をごらんになったと思いますが、囚人相手にじっと立っておる、塀の外に官舎があって、もし凶悪犯が逃亡したときは家族が人質になる可能性もある、そういうところで朝から晩まで単調な仕事をされておるというような方々、そういう人がいないとまた社会は成り立っていかぬわけですから、そういうところに目を当てられたことは非常にありがたいことだ、皆さんさらに士気が上がってくる、こういうふうに私は思っております。  さて、最後に、公務員の養成のシステムからいってなかなか今まで難しかったけれども、これから大変大きな役割を果たす問題として、例えば本社がこちらにあって子会社が外国にあった場合に税をどういう割合で取っていくのかというようなのが、相当外国の方はベテランの弁護士の経験があり税にも詳しい、生まれたときからもうちゃんと議論することになれておる、そういうような人たちがおるわけですが、日本の場合に今の公務員の制度ではそういう国際的な問題で戦える人の養成ができておるんだろうか。各省それぞれ努力はされておるようですが、これは非常に大きな国損を与えるわけでありますから、国損というか本来得べかりしものまで向こうに持っていかれる可能性もあるんだから、ちゃんと勝負できるような人間を私は養成していただきたい。  それからまた、今後、郵政にしてもあるいは厚生省の年金関係にしても、その運用というものが非常に大きな役割を果たすわけです。一歩間違えたらもうそれは外国にかすめ取られるわけです、向こうのなかなか投資のうまい連中に。そういうことを考えたときに、そういうことについても理解できてちゃんとしたことができる、そういう公務員を私は養成しておかなかったらいけない、こういうふうに思うんです。  そういうものも含めて、今後国際化において日本の国益を本当に戦えるような公務員、そういう者をどういうふうにつくられようとしておるのか、お話を伺いたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府委員(中島忠能君) おっしゃる必要性といいますか、背景はよくわかります。  まずは採用に当たってどのような工夫をしていくかということがあると思います。通常は学卒を採用してそういう養成をしていくわけでございますけれども、やはり間に合わない場合には民間とかあるいは広い範囲からそういう人たちを採用していくシステムというものも整えなければならないというので、私たちの方では既にそれは整備しております。その制度に乗っかって新しい専門家を採用した省庁もございます。  また、採用の後どのようにして養成していくかということでございますが、国際関係について活躍する人についてはまず国内の情勢をしっかり勉強していただく必要がある。それで、それぞれの省庁で勉強していただく必要もありますし、他の省庁に出向して勉強していただく必要もありますし、国内の教育機関に派遣して勉強していただく必要もあるだろう。そういう国内的な知識というものを十分積んだ上で国際的な知識も持っていただく必要があるというので、外国の大学とかあるいは研究機関とか国際機関等に派遣する制度も整備しております。  そういうことで、私たちは国内、国際的な知識を持った人間が、今御指摘になられますように日本の立場というものを十分理解した上で国際的な交渉をしていただく、国際的な接触をしていただくということが必要だと思います。なお、そういう関係の省庁の意見もよく聞いて、どのような採用をしていけばいいか、どのように養成していけばいいかということについて改めて問題意識を持って対応してまいりたいというふうに思います。

月原茂皓自由党

○月原茂皓君 こういう恵まれない人たちに俸給の方をつくられたんですが、勲章ですね、賞勲でやはりそういうものの配慮をしていただきたいと私は思います。恵まれないところで、しかし社会にあるいは公務員として働いている方々の配慮をさらに強くしていただきたいことをお願いいたして、私の質問を終わります。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 きょうは北朝鮮のミサイルの問題、それから金融の問題等、いろいろ官房長官も総務庁長官も大変頭の痛い問題をたくさん抱えていらっしゃるところですが、私は、この経済危機と申しますか金融の問題とそれから男女共同参画社会の問題についてまず質問をしたいと思います。  先日、九月八日の所信のあいさつの中で、現下の最大の問題は景気の停滞と金融システムの危機的な状況というふうに官房長官は指摘されましたが、続いて男女共同参画社会の実現が我が国の将来を決定する大きなかぎになるとも述べておられます。  そこで、官房長官に、経済危機の今なぜ男女共同参画社会なのか、両者の関係と申しますか関連をどのように考えておられるのか、まず伺いとうございます。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 委員もう十二分に御承知のとおりに、男女共同参画社会の実現は我が国にとりまして深刻な少子・高齢化、経済活動の成熟化、さらには国際化など、経済社会環境の急速な変化に対応いたしまして豊かで活力ある社会を目指していきます上におきましては我が国の将来を決定する大きなかぎでございまして、政府一体となりまして取り組むべき重要課題であると認識をしておる次第であります。私自身、男女共同参画を担当する大臣といたしまして、男女共同参画の推進に責任を負う立場として、これからもその責任の重さを痛感して歩んでまいりたいと考えておる次第であります。  このため、男女共同参画二〇〇〇年プランの着実な実施に努めますとともに、小渕総理がさきの所信表明演説で明らかにいたしましたとおり、男女共同参画社会の実現のための基本的な法律を次期通常国会に提出いたしたいと考えまして鋭意検討を進めておるところでございまして、今後とも男女共同参画社会の実現に向けまして最大限の努力をいたしてまいりたいと存じます。  委員初め、関係の皆さん方のまた御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 今、男女共同参画社会基本法、仮称でございますけれども、にもお触れいただきました。  この基本法をつくる基本法検討小委員会の会長をしていらっしゃいました古橋委員長がこんなことをおっしゃっていたんですね。男女共同参画というのは単なる男女平等ではないんだ、それは男性の地位に女性が追いつくという種類の問題ではない、これからは男性も女性も一緒にその価値を上げていかなければならない。例えば、イギリスのブレア首相の言葉で言えば、生活の質を向上する、クオリティー・オブ・ライフのようなことをおっしゃっていますけれども、そういうことかと思いますが、単に男性と女性が平等になったところでとどまることではないということで、二十世紀型の画一的な大量生産社会から個性的で多様な社会への転換が求められているそういった時期に、男性も女性とともにその地域とかそれから家庭とか職場という複数のところに参画しなきゃいけないし、そしてそのためには仕事だけではなくてもっと家庭や地域活動にも自分の時間を費やすことが大変大事だというようなことを述べていらっしゃるんですね。  私はこのとおりだと思うんです。男女平等ということでも日本は大変おくれているということをもうるる指摘されておりますけれども、それだけではないと。二十一世紀に向かっては違った形でもっと積極的にこの男女共同参画という概念を受け取るべきなのではないかというふうに考えておりますけれども、官房長官はどのようなお考えをお持ちでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 今、委員がおっしゃったとおりでありまして、今後私どもが目指すべき方向といたしましては、御指摘になりましたように、男女平等を前提に男女が性別のいかんにかかわらず個人として尊重をされ、またみずからの意思によって社会のあらゆる分野に積極的に参画する機会が確保されまして、もって男女がともに支え合い、そして未来に向けて豊かで活力ある社会を築いていくべきであると考えておるところでございます。  このような認識から、男女平等を前提といたしまして男女共同参画社会の実現を目指してまいらなくてはならないと思っておる次第であります。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 国連が毎年、人間開発報告書というのを出しています。教育のレベルとかいろいろなレベルが出ています。日本はことし八位ぐらいに位置づけられているようですが、その中に男女の社会的な性差、ジェンダーに関しての指数もあるんですが、去年は日本は三十四位でした。  決算委員会で、ちょうど当時の男女共同参画大臣でいらした武藤総務庁長官に、この点日本は三十四位ですよ、これをどうごらんになりますかと言ったら、いや二十一世紀の早い時期には世界の十位ぐらいに日本はしたいというふうに、これが総務庁長官の御答弁だったわけですが、ことしはその三十四位からさらに落ちまして、日本は三十八位ということで報告が出ています。これは行政職ですとか管理職に占める女性の割合、あるいは国会議員に占める女性の割合、専門職、技術職に占める女性の割合なんですが、それから女性の稼働所得の割合なんかをいろんな指数で計算したものです。  去年、総理府がつくりました「男女共同参画の現状と施策」という報告で、その女性の稼働所得の割合というのを除きますと、国会議員の占める女性の割合、あるいは行政職などの割合でいきますと、上位から五十位をとってそれを計算すると日本は五十位と、もう非常に低いところなんですね。これは私はやはり大変にある意味で言いますと、日本はもういわゆる途上国よりはるかに低い。  金融の状態も、これはちょっと話が飛びますけれども、やはりグローバルスタンダードに日本がおくれた。十年おくれたのか二十年おくれたのか私は金融の専門家でないのでわかりませんけれども、何しろ大変に国際的な金融市場から日本のあり方がおくれたという現状だと思います。同じように、この男女のあり方、これも国際的な状況から極端におくれている。これの関連性というものがあるように私は思っております。例えば、アメリカは、第一次オイルショックのときはいわゆる非営利の法人、よくNPOなどと申しますが、そういったところで女性たちがどんどん経済活動を行ってその下支えをしたという報告も出ています。  そのように、やはり余りにも日本の男女のあり方がある意味ではバランスが欠けているためにいろんな形で今そのツケが回ってきているのではないか。金融のあり方も大変今国際スタンダードからおくれたためのツケが回ってきていると思いますけれども、やはり男性と女性のあり方ももう少し健全なあり方に一刻も早く変わっていかないと日本の経済の状態も好転しないのではないかということで、今頭を悩ましていらっしゃる経済、景気の問題とか、それから事によったら金融の問題などとも全く無縁だというふうに思っておりません。  この点について、官房長官、特にそういう理屈としてはないかもしれないんですが、感覚的に、そういった国際的なことから金融もおくれ、それから男女の問題もおくれているという今の状況、これは日本にとって相当危機的な状況だろうというふうに私は認識しておりますが、いかがお考えでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 女性が積極的に経済界やあるいは政治、社会に参加をいたしまして意思の決定に参加できるかどうかというのをはかるものが委員が御指摘になりましたGEMだと認識をしておるわけでございますが、我が国といたしましても、行政が率先して取り組むために審議会の委員への女性の登用の促進や、あるいは社会の各方面への女性の参画状況を調査、公表してまいったところでございます。  日本も、本年のGEMは、数値といたしましては昨年より上がっておるわけでございますけれども、しかし諸外国がさらに努力をされましたために三十四位から不名誉な三十八位に下がったわけでございます。もう委員御承知のように、平均寿命とか教育水準とかあるいは国民所得等を数値にしましたいわゆるHDIは八位を確保いたしておりますし、GDIはまた十三位であるわけでございまして、それぞれトータルいたしましてまだまだ我が国の男女共同参画社会は世界に比べまして非常に数字的に高いものではないわけでございますが、十分これから法律を出す上におきましてもそういう点を配慮しながら施策の上に生きるようにしてまいりたいと考えておる次第でございます。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 ぜひとも十位ぐらいまでは日本が上がるように、飛躍的に変わっていくことが経済のあり方とか社会のあり方とか豊かにしていくんではないかと思っております。  よく少子化と言われますし、論点整理の中でも少子化、高齢化する中で女性の社会進出が必要だというふうな言い方をされているんですが、私はこれは逆だろうというふうに思っております。もっと地域あるいは家庭、そして職場で男女がもう少しバランスのとれた生き方ができるともっと高齢者の問題も解決し、そして少子化の問題も解決していくのではないか、そのためにもぜひとも日本の国にとっては大変大事な問題だというふうに思っております。  次に、具体的なことで伺いたいんですが、内閣府の中に位置されることになった四つの会議がございます。男女共同参画会議も総合調整の実際に実効があるような会議にぜひともしていただきたいと思っておりますけれども、そのための裏づけあるいは工夫、そして事務局のあり方はどのような形で今考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 太田総務庁長官もいらっしゃるわけでございますが、中央省庁等の改革基本法におきましては、男女共同参画につきまして、各省の事務に広範に関係をする国政上重要な事項でありますために、これに関する企画立案及び総合調整を内閣府の事務と位置づけられたところでございまして、内閣府に置かれる男女共同参画会議は、その施策の実施の状況を調査いたし及び監視いたしますとともに、政府の施策に男女共同参画の視点が反映されるよう関係大臣に必要な意見を述べること等を任務といたしておるところでございます。この調査・監視機能は、男女共同参画関連施策の総合的推進のための極めて重要な機能であると認識をしておるところでございます。  男女共同参画会議の事務局につきましては、内閣府の内部部局のうち男女共同参画に関する総合調整を担当する部門が事務局としての事務を行うこととされておりまして、この会議がその任務を十分に果たすためにその事務局機能にかかわる事務を的確に処理できるよう組織をしていくべきであると思うわけでございます。  以上のような仕組みのもとに、男女共同参画について強力な推進体制が整備されるようにさらに努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。この席に総務庁長官がおられますので、男女共同参画を担当する所管担当大臣といたしましては、現在の室からぜひ局に上げるぐらいの御理解をいただきたいと存じております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 官房長官からとても心強い、今女性の委員もきょうここは大変多い、委員長も女性ですが、伺いましたが、総務庁長官、いかがでしょうか、局に昇格というのは。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 私どもの仕事はなるべく行政をスリムで簡素にするということでございますが、今のような官房長官そしてまた堂本先生の御意向、お気持ちをよく踏まえさせていただきたいと思います。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 行政全体をスリムにするということは必要なのかもしれませんけれども、必要な部分を追加していくということもまた必要だと思っております。  二十一世紀に向けて、やはり日本が世界の三十八位というのは大変、恥ずかしいだけなら事は簡単、そうではなくて、やはりこの不自然さと申しますか、それはどなたでも感じていらっしゃると思います。突然死で亡くなるような男性の働き過ぎ、そしてやはり今子供が切れるというような言葉で使われているような形での何かひずみやゆがみが社会に出ていることを思いますと、そこのところはこれから是正しないと日本の社会全体がおかしくなっていく、経済的にももちろんだと思っています。金融がグローバルスタンダードにおくれたことと同じぐらい男女共同参画が国際的にこれだけおくれていることは、やはり日本にいろんな形でツケとして今降りかかってきている。ただ、それが金融の場合ほど明確に数字で出てないだけのことではないかというふうに思っております。  あと、情報公開について総務庁長官に伺いたいのですが、今回の防衛庁の不正問題は、私は、情報公開も大変大事でございますが、それ以上に行政文書の管理、行政文書の作成、保存それから保存期間、廃棄手続、公開の基準など、そういったものが我が日本国としてきちっと決まっていない。その結果、燃やされてしまったんだとか隠されたとかいうことが今問題になっています。  きちっとした行政文書を管理するための管理法のようなものがぜひとも必要だと考えますが、いかがでしょうか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) 情報公開法におきましては、行政改革委員会の意見を踏まえて、第三十六条において文書管理に関する基本的な骨格を明記している。そして、文書管理の基準については政令で規定することといたしまして、行政文書の分類、作成、保存、廃棄に関する基準などを政令で規定をしなければいけないということになっております。さらに、行政機関の長は、行政文書の管理に関する定めというものを作成して、それを公開しなければいけないというふうにされております。  今のところはそういうことで、法律でそのことを義務づけて、各省においてまず政令でその基準を定め、そして各省においてそのようなルールをつくって公開をするということにいたしておりますので、この情報公開ということと文書の管理ということは車の両輪のようにして機能していくということだろうと思っております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 与党三党で情報公開法について議論しましたときにさんざん問題になった箇所なんですが、先ほども通知とか通達とかいろいろ、法律ではない、国会で審議されない領域の問題が出ましたけれども、これも政令の領域なんですね。  そうではなくて、長官も国会議員でいらっしゃるわけですが、やはりこういった行政文書の管理、作成、そして保存ということをどうするのかということについては、私は国会の場で決めるべきだと思うんです。ですから、政令のレベルで情報公開法の中に決めるのではなくて、あくまでも別の法律で、国会で審議し、国会議員が考えること、そこのところをきちっと決めることによって今度の防衛庁のような事件が起きない、少なくとも国民に対しての責任として私たちはそれをやらなければいけないんじゃないか。  どう税金が使われているのか、そしてそれを示す公文書がそういう形で焼かれちゃうなんということはあってはいけないことなんですね。それについては国会議員がきちんと決めるべきだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

太田誠一自由民主党総務庁長官

○国務大臣(太田誠一君) ここで定められているような行政文書の分類、作成、保存、廃棄に関する基準をつくるといっても、一体どのぐらい膨大なものがあるのか、そしてそれがどの程度ルール化して実現が可能なものであるのかということは、ちょっと想像を絶するものがあると私は思います。  これは、例えば一つの例を挙げますと、一番役所の中で、法律上は大臣が決裁する、大臣の国家行政組織法上の命令は、省令、訓令、通達、告示とこうございますけれども、これについても恐らく全部のものに各大臣が目を通していないということが現にあったと思うのでございます。そうすると、そういう法律に明記された事柄、文書でさえそのように慣例としてなっているという現状で、今ある末端に至るまでの、本当に予算を執行しておるというふうなところに至るまでの文書を管理するというのは、内閣全体としてそれはこういうふうにやりますといって国会にお示しをするということが、私は、この基準とかガイドラインとか、そういうことはつくれると思うんですけれども、各省の政令、省令、恐らくこれは省令に最後はなる、省令に至るところまで法律で定めるというのは、まことに膨大な法律になるのではないか。  ですから、一たん私はここでこの法律を通していただいて、そしてこの法律にのっとって政令をつくって、そして各省にこの管理に関する定めをつくらせて、それを見て、これだったらばもっと法律でどうかした方がいいというふうにして改善をしていく方がいいんではないかというふうに思っております。

堂本暁子新党さきがけ

○堂本暁子君 もう時間がございませんので、どんなに大変なものでも私は法律でできると思います。  といいますのは、例えばそれでしたら医療制度の問題、保険の問題、私たち国会議員、その微に入り細に入り、これはもうなかなかわかりません。それでも、だからそれは閣法でなければいけないという議論にはならないんじゃないでしょうか。今までそういうことでずっとすべてが閣法で九五%が内閣から出されるような法律だったというところの方が、やっぱり立法府が立法府として機能していなかったということだと思いますので、どんなに大変でもそれは資料を出していただいて、方針を国会の場で決めていくという、そういった形に私は切りかえていくことが日本国にとってはこれから二十一世紀に向けてもっと大事なことだろうというふうに思っている感想を総務庁長官に申し上げて、終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 沖縄について官房長官にきょうはちょっと伺いたいと思っているんです。  今、男女共同参画社会というお話が出て、堂本さんから、これはグローバルスタンダードからおくれているというお話がありましたけれども、そして、そのついでの例として金融も同じじゃないかというお話がありました。  その二つだけでなしに、いろんなことで、おくれているというのか、おくれているというのはちょっと余り愉快な言葉じゃないんですが、少なくともグローバルスタンダードと食い違ったところは直していかなきゃいかぬ。食い違っていると言うからには、ただ追いつくだけじゃなしに、向こうにも直してもらうところは直してもらう、よその人たちにもということだろうと思うんです。  去年から前内閣で六つの改革というのがありました。最近はその改革の一つの財政改革というのを去年手がけて、それがはっきり言えば失敗みたいな話になったために、いろいろとみんなかすんでしまいましたけれども、私はあれはあれなりに、この六つの改革というのは少なくとも日本がこれから考えていかなければいけないという項目を網羅的に示したということでは非常に意味があったように思っております。  それをどう片づけていくか。本でいえば六章の筋立てをやったわけですが、その順番をどういう、第一章を何にするかとかいうような手順にそごがあったということであるのかもしれない。  ただ、私はもう一つ、あるところでも話をしたんですが、実は七つ目の改革というのがある。これは一年先にやってしまったために六つから外れておりますけれども、日本の安全保障ということに対する問題であります。  九七年に六つの改革なんですが、九六年にクリントン・橋本共同声明というのがあって、これも私が見ておりまして幾分食い違っているというのか、おくれているのか、どっちかわかりませんが、とにかく直しておかなければならない問題としてこれが先行をした。どちらかといえば、私は日本全体の改革ということからいうと章立ては七つだろうと思っておるわけです。  そういうようなことを踏まえて、九六年に橋本さんとクリントンさんが再確認の宣言をしたわけですが、そのいわば具体的な足として日米共同ガイドラインというものがあり、そしてもう一つは沖縄問題をどうするか、この二つが具体的な事案としては非常に大きな問題であったと思っております。ここでガイドラインの話なんというのはし始めたら切りがありませんし、ここでは指摘だけをしておきます。  そこで、沖縄の問題であります。沖縄の問題もそういう脈絡の中でやはり考えていかなければならない問題であるかと思っております。  最近、ミサイル発射なんというようなこともありましてにわかに騒然といたしましたが、単に日本に向けられるだけでなしにミサイル技術の世界的な拡散というようなことをどうやってとめていくか、あるいは新しい核保有国ができたときに一体どういうふうに世界じゅうで考えるか、こういうような大きな問題を含んでいる中で、日米の同盟関係の中で沖縄というのは非常に大きな問題である。しかし、言うまでもなしに大変に過重な負担と言っていいような基地の負担があるわけですね。これをなるべく軽減して、しかし、あえて沖縄と限定してはいけないのかもしれませんけれども、在日米軍基地の円滑な運用、そして安定した運用ということは非常に必要であるということから、沖縄問題ということは考えなきゃいけない。  とりあえず、SACOの取り決めができましてだんだんに進んでいる面もありますけれども、あのときの一番の目玉は普天間基地の問題である。いわばこれが宙に浮いたような状態になっているのではないかと私は思っております。政府はやはり県内で移設をする、いろいろ技術的な問題があるけれども、浮体構造の代替基地をつくるというようなこと、この態度を変えておられませんが、あくまでも普天間の代替というのは沖縄でなければいけないのかということについて、長官はどうお考えでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 普天間に駐留いたします海軍、航空部隊は、沖縄に所在する地上部隊と一体となって効果的な訓練を恒常的に行う必要があるわけでございまして、もう委員はすべて御承知のとおりでございます。したがいまして、普天間飛行場の返還後もこれら地上部隊の近傍に所在する必要があるわけでございまして、普天間飛行場に駐留している航空部隊のみを県外に移駐させることは甚だ困難なことであると認識をしておるわけでございます。  また、普天間飛行場に駐留をいたしております航空部隊とともに、沖縄に駐留しておる海兵隊の地上部隊及び支援部隊をすべて県外に移駐させることも実際上現実的な施策としては多くの無理があると認識をしておりまして、このことは沖縄県にも終始お伝えをしてきたと承知をしておるところでございます。  今御指摘ございました普天間の代替へリポート問題につきまして、本土の中で引き受けてもよいという話はまだ私も具体的には承知をいたしておらないわけでございます。一〇四号県道越えの演習場等、それぞれ北海道を初め本土に移転をさせて努力はこの二年間続けてきたわけでございますが、代替へリポートにつきましては岩国の一部の方からお話はございますけれども、先ほど申し上げましたように、関連する地上部隊全体を受け入れるような具体的なお話は現在のところ残念ながら聞いておらないわけでございます。  それだけに、返還に伴います代替施設は県内に必要だということをぜひ御理解いただきたいと存じておるところでございます。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 お聞きする前に岩国の話が出ましたけれども、恐らくそうだろうと思うんです。一部の方が非常に熱心に我々のところで引き受けてもいいということでやろうじゃないかというような、いわば半分運動みたいなことを起こしている。この特定の地点に限って言えば今おっしゃったとおりかもしれないので、あそこがいいかどうかということは別ですが。  そういたしますと、非常に大物は嘉手納の空軍基地、それから普天間及び海兵隊の演習場ということであるわけで、いろいろな方が当時大勢おっしゃったことですが、やっぱり何か本土に持ってくるべきじゃないか、全部あそこに押しつけておくのはひどいじゃないかというふうなお話も特措法をやったときには随分聞きました。  しかし、今のようなことで、もしも全部、全部といっても演習場なんという問題があるからなかなか難しいにしても、そこのところは技術的にいろいろ考えるとして、これならば本土へ持ってきてもいいなというようなことがあらわれたときにはお考えになるのか、あるいはとりあえず八割、九割は沖縄の那覇でやる以外にないとお考えなのか、それはどっちでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 委員が先ほど御指摘されましたように、戦後五十数年にわたりまして米軍基地の我が国全体の七五%を沖縄に強いてまいったわけでございます。しかも、沖縄の中において一番利用価値の高い場所が米軍基地として利用をされておる状況を見ますときに、これから沖縄に所在する米軍の施設あるいはこれの整理、統合、縮小ということについて私どもは一生懸命努力をしなくてはなりませんし、また本土においてもその痛みを分かち合うことを日米安保体制を堅持する上で考えなくてはならないと思っておるわけでございますが、現実問題としては、椎名委員十二分に御承知のように,非常に難しい問題でございます。  それだけに、まず市街地密集地域に近接する普天間の返還を大田知事も橋本総理に要請されましたし、これを受けて橋本総理もクリントン大統領に要請をいたしまして、昨年の四月十二日にあの普天間の返還が決定をしたわけでございます。  それだけに私どもとしては、まず普天間の代替へリポートを成功させ、そういう中から沖縄の振興を初め基地の整理、縮小にさらに努力をしてまいりたいというように考えておるわけでございます。固定して沖縄にすべてを依存しなければならないと考えておらないのでありまして、できればこの痛みを何とか和らげる努力は不断に行っていかなくてはならないと存じておるところでございます。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 それで、基地問題もあるしということで沖縄の経済振興策というのがありますね。これがまたどうも少し食い違いがそれこそあるんじゃないかと思うんです。  大田さんなどの考えとして、二〇〇五年ですか、もう少し先でしたか、要するに選挙公約として沖縄から基地を全部なくしてもらうということをおっしゃって、そして今度はそうなるとその後どうするかという、実現すれば考えなきゃいかぬ。  そうすると、沖縄の将来についての振興策というのが、ある時点で、割にある意味では近い時点で基地が全部なくなってしまうということを下敷きにしながら、その上に沖縄の経済計画というのをおつくりになっているような心理状態にあるわけですね。これでは相当ひどい食い違いだと思うんです。私は、そういう時点で、あそこからそれこそ嘉手納までも全部なくなるという話なんですが、ということはもう無理だ、難しいというより、そういうことは起こらないだろうと思うんですね。  そうすると、とにかく努力をして幾分は減らすにしても、基地がある沖縄ということで中央は考える、向こうはなくしてしまうということを前提にして計画を練る、そこのすり合わせということについては今のところ何も言わない。とにかくとりあえずのことを、普天間は普天間で何とかお願いしますと言うし、向こうはとにかくおれたちはつらいんだからいろいろやってもらってもいいじゃないかということでやっておりますと、私は沖縄の経済計画すら非常に物事がゆがんでしまうと思うんです。  ですから、沖縄の振興計画ということとそれからこの基地の問題と、どのぐらい本音で言って関連をしているのか。あるいはもう基地は基地として、沖縄という日本の四十七都道府県の中でも非常に貧しいところに当然のこととして、基地のことは忘れてもてこ入れしようというのか、そのあたりの関連は一体どういうふうにお考えでしょうか。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 非常に私どもの悩みであります問題を指摘されたわけでございますけれども、沖縄の振興策というのは、私は基地問題との関係において密接な関連がある課題だと認識をいたしております。  政府におきましては、沖縄にあります米軍の施設あるいは区域が整理、統合、縮小をされました場合に、跡地対策が大きな課題として生じるわけでございまして、その効果的なあるいは効率的な施策の検討が求められると考えるわけでございます。  委員御承知のように、非常に今、それぞれ軍用地主の借用賃を考えますときに、果たしてあの賃貸料に値する跡地利用というものがどのように確保されていくのかというのは非常に難しい問題でございまして、この基本に立った本音のところが語られないままに、私は今沖縄問題というのは委員が言われているような大きな認識のすれ違いが不幸を呼んでいるんではないか。そして、それぞれ沖縄県の皆さん方の気持ちもまたそこに思いがあるのではなかろうかと思って、政治の場にある者の責任というものを痛感するわけでございます。  また、ある意味において私どもは、沖縄で地上戦が行われ、かつその後長い間米軍の統治下にあり、そして返還をされたこの歴史を考えるときに、沖縄の痛みにこたえて償いをするために、沖縄の振興策というのは積極的にやっていかなくてはならないというように考えて、当時の橋本総理や梶山官房長官、村岡官房長官、それぞれ内閣を挙げ今日まで努力をされてきたわけでございます。  そういう意味におきまして、県が言われております国際都市形成の構想というものも、米軍の施設あるいは区域の整理、統合、縮小と振興策というのはある意味において表裏一体の課題として取り組むべき課題だと認識をしているわけでございます。振興策としてはこのような基地のありようと密接に関連しますことから、基地問題の前進が見出せない中で、限界がおのずから出てくるのではないかということをぜひ御理解いただきたいと存じておるところでございます。  今後も、現実的な形での具体的進展が沖縄県で、また沖縄県当局とできるようには私どももせっかく努力をしてまいりたいと存じておるところでございます。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 今のお話でよくわかりました。  何よりこの問題は情緒的な要素が余りにも多過ぎて、こちらもいや沖縄の方の苦労はわかると、あの戦争末期のひどい目に遭ったのはよくわかりますというようなことを割に気楽に皆さんおっしゃるけれども、わかりようがないほどひどい話だろうと思うんですね。  また、この沖縄の方々は、一部にはとにかくそれを言っていればいろんなことが出てくるだろうというようなことで、それに情緒的にこたえて非常にその場その場のいわゆる振興策の一部というんでしょうか、ができてしまって、それこそ日本全体で問題になっているようなつまらないことにお金を使ってしまうというようなことを繰り返し、そして基地問題も片づかないというようなことでは、私は非常にお互いに、特に沖縄の皆さんにとって不幸なことだと思いますので、これからもいろいろな機会があるんだろうと思いますが、やはり最終的には沖縄の方々がその情緒的なところを除いて真剣になって自分たちの将来の計画を現実的に考えるというような土壌をつくる御努力をぜひ政府はやっていただきたい。その上に立って、沖縄の方々自身の中でさまざまな御相談が進み、そしてこれはどうしても必要だからという話が出てきたときに、こちらはそれにまた現実的に対応するという関係をぜひおつくりいただくようにお願いをしておきたいと思います。  もう特にお答えは要りませんが、もし何かございましたら一言。

野中広務自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(野中広務君) 委員が御指摘になりましたように、情緒的にとらまえてきた問題が多々あったと私も率直に思っております。  沖縄の現実的な問題を考えるときに、これからもこの現実論に沿って心を開いて本音で沖縄県と、県民皆さんとも話し合いを進めていかない限り道は開かれないし、私ども心の中に多くの問題を持っておりましても、これを沖縄振興のために十分生かす手だてを持たないことになると考えておる次第でございまして、ただいまの椎名委員の御発言を重く受けとめてこれからも沖縄問題に取り組んでまいりたいと存ずるところでございます。

椎名素夫各派に属しない議員

○椎名素夫君 総務庁長官にも伺おうと思ったんですが、時間もなくなりましたので、またこの次の機会に。  どうもありがとうございました。

竹村泰子民主党・新緑風会

○委員長(竹村泰子君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時二十分散会

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