災害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 1998/09/11
会議録
○委員長(海野義孝君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二日、鶴保庸介君及び但馬久美君が委員を辞任され、その補欠として戸田邦司君及び渡辺孝男君が選任されました。 また、去る三日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として和田洋子君が選任されました。 また、去る四日、戸田邦司君が委員を辞任され、その補欠として阿曽田清君が選任されました。 また、去る九日、阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君が選任されました。 —————————————
○委員長(海野義孝君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(海野義孝君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に渡辺孝男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(海野義孝君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 去る八日に行いました平成十年八月豪雨による被害の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。長谷川道郎君。
○長谷川道郎君 派遣報告を申し上げます。 去る九月八日、海野委員長、本岡理事、市川委員、田村委員、脇委員、藤井委員、和田委員丁渡辺委員、大沢委員、大渕委員、阿曽田委員、そして私長谷川の十二名は、栃木県及び福島県における平成十年八月豪雨による被害の実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。 なお、岩城議員、太田議員、国井議員、矢野議員が委員外議員として参加されましたことを申し添えさせていただきます。 本年は、エルニーニョ現象が終息したものの、世界的に天候が不順で、我が国においても、東北、北陸地方において梅雨明け宣言が行われず、また発生した台風の数も例年に比べ極端に少ないなど、いわゆる異常気象が顕著な状況にあります。 このような中で、八月上旬には、日本海中部から新潟県付近に延びた梅雨前線の活動によって、新潟県を中心に、羽越豪雨の記録を超えるほどの大雨となり、人的、物的被害が生じております。また、八月末には、日本付近に停滞している前線に台風四号の影響で南から暖かく湿った空気が入り込み、前線が活発化し、栃木県と福島県の県境付近を初めとして、各地で記録的な集中豪雨が発生いたしました。 この八月末豪雨による被害は、死者・行方不明者二十二名、床上、床下浸水を含む住家被害約一万四千棟、主要河川のはんらんによる浸水面積八千ヘクタール以上、土砂崩落、橋梁損壊等による道路の通行どめが六百四十五カ所、土砂災害ニ百九十六件といった極めて甚大なものとなっております。 私たち派遣委員は、特に被害の大きかった栃木県北及び福島県南の地域について調査を行い、まず宇都宮市から自衛隊のヘリコプターに搭乗し両県の被災現場を視察いたしました。 上空から俯瞰した被災現場は極めて広域的で、河川の流量は平常に戻りつつあるものの、依然として河川のはんらんによる堤防の決壊や橋梁、家屋の流失、農地被害などが顕著に見受けられ、そこここに流木、家屋の残骸が散乱する状況でありました。特に、福島県南の地域では、勾配が緩やかな里山が多数土砂崩れを起こし、山肌をむき出しにしている極めて異常な状況が特徴的でありました。 その後、福島空港に着陸して福島県南地域に移動し、県の白河合同庁舎において、佐藤知事など関係者から、福島県の被害の概況及び要望を伺いました。 まず、福島県全体の被害状況でありますが、先月二十六日の降り始めから今月一日までの間に西白河郡西郷村において総雨量千二百六十九ミリ、最大時間雨量九十ミリが記録されるなど、短期間で断続的な豪雨があったとのことであります。このため、社会福祉施設「太陽の国」での土砂災害などによって死者が十一名、また住家被害約四千世帯、水田、畑の冠水被害面積三千二百八十九ヘクタール、道路の通行どめ約四百カ所、阿武隈川、堀川等のはんらんによる河川被害二十九カ所などの多大な被害が発生し、被害額は、七日現在、農林水産業関係で百四十三億円、河川、道路などの公共土木施設関係で二百四十八億円を超えており、今後の調査により増加する見通しとのことでありました。 福島県での今次災害の特徴として、「太陽の国」の裏山を初め、予想もしない普通の山が各所で崩れたことが挙げられるとのことであります。また、全県世帯数の六%に当たる延べ四万世帯が避難指示や避難勧告を受け、その避難誘導あるいは災害応急対策は、阿武隈川がはんらんした昭和六十一年の八・五水害の教訓を生かし、おおむね円滑に行い得たとのことでありました。さらに、今後の課題として、内水の排除対策が挙げられるとのことであり、また住家の主要構造部に被害がなくても、全家財が流失した場合や床下浸水で土台がえぐられた場合などの住家被害認定基準について、一定の基準が必要であろうとのことでありました。 また、激甚災害の指定、被災者生活再建支援法の趣旨を踏まえた予算措置、被災農地や公共土木施設等の早期復旧のための特段の配慮、「太陽の国」の早期復旧と他施設への一時入所等のための措置制度の弾力的運用、中小企業者への金融支援策、災害対策経費に関する財源措置などについて、県及び県議会から要望がありました。 次いで、西郷村の「太陽の国」被災現場を視察いたしました。 「太陽の国」は、特養老人ホーム、精神薄弱者更生施設等から成る総合社会福祉施設で、県が整備を進め、約八百五十人が入所しております。八月二十七日午前五時ごろ、折からの豪雨により、施設の一つである救護施設「からまつ荘」裏の五十メーターほどの山の斜面が、避難勧告が行われないまま崩落し、土石流が同荘を襲い、入所者のうち五名の方が土砂に埋まり、あるいは押し流され、亡くなられたのであります。土石流が発生した裏山は、沢もなく傾斜度も低いため、危険箇所に指定されておらず、土石流発生も予想できなかったとのことでありました。亡くなられた方々の居室跡に実際に入り、そこから今は沢となった土石流の発生箇所を視察いたしましたが、現場は、発災後十日以上経過した今も、室内に泥が残り、極めて悲惨な状況であり、土石流の発生時のありさまはいかばかりかと身の引き締まる思いがいたした次第であります。 現在、「太陽の国」の各施設のうち使用できない施設の入所者は全員自宅や他施設に移っておりますが、一時帰省された三百五十人に上る入所者の扱いなど、今後取り組むべき課題は少なくないと実感いたしました。県は、九月補正予算で応急仮設施設を建設するなど、復旧作業を早急に進めたいとのことであります。 次に、白河市内において県管理の一級河川堀川のはんらん箇所を視察いたしました。 堀川は、阿武隈川への合流部付近において八月二十七日など二度にわたりはんらんし、堀川右岸の約三百五十メーターが破堤、浸水家屋四百七十七戸の被害を生じたのであります。視察時は、堤防に土のうを敷き詰め、仮の締め切りを行っている状況でありました。破堤は河川未改修箇所で発生したのでありますが、河川改修が行われている部分では越水はあっても堤防自体は残っておる例が多いことを見ても、河川改修の必要性について認識を新たにした次第であります。 次いで、栃木県に移動し、黒磯市役所において渡辺知事など関係者から栃木県の被害の概況及び要望を伺いました。 まず、栃木県全体の被害状況でありますが、那須町では、八月二十七日の一日間で八月平均降水量の二倍以上に当たる六百七ミリ、二十七日から三十日までの間に年間降水量の三分の二に当たる千二百ミリを超える雨量を記録するなど、県北地域を中心に豪雨に見舞われました。 そのため、予想をはるかに超える膨大な水量が短期間のうちに余笹川、黒川等に流入して水位が上昇し、通常二、三十メートルの川幅が三百メートルに広がるなどの状況となり、河川流域の農地、樹木等が流失し、橋梁が損壊するなど、未曾有の大災害となったことが栃木県における今次災害の最大の特徴であるとのことでありました。 主な被害は、死者・行方不明者七名、住家被害約二千七百棟、避難者数四千百二十六名、八日現在で依然避難所におられる方が約七十名、橋梁被害は二十八カ所、道路の通行どめ八十八カ所、堤防決壊千九十九カ所などの状況であり、被害額は、七日現在で、農林業関係が約二百億円、公共土木施設関係が三百七十億円、今後の調査により増加する見込みとのことであります。 なお、被災時の連絡体制について、県と市町村を結ぶ連絡網は機能したものの、市町村と住民を結ぶ連絡網はサイレン等が雨音のため聞こえなかったなど、反省すべき点があると認識しているとのことでありました。 また、激甚災害の指定や災害査定の早期実施、災害救助費に係る国庫負担、被災農家の経営再建に対する助成措置、地方交付税・災害復旧事業債、被災者生活再建支援金に相当する程度の支援措置などについて、県から国に対し特段の配慮を求める旨の要望がありました。 さらに、黒磯市長及び那須町長から、避難勧告に関し適切な判断が行い得るよう、時間雨量等の情報を地元自治体へ通報する体制の確立、同一流域における激甚災害の一体的適用、町道等の復旧のための助成などについて要望がなされました。 次いで、那須町において、国道四号余笹橋の被災現場を視察いたしました。 この余笹橋は、余笹川にかかる約五十五メートルの建設省直轄の橋梁ですが、八月二十七日午前、余笹川上流からの流木が橋脚に滞留して中央部の流れを阻害し、橋の両サイドに向けて水流が変化したため、福島側の橋梁の取りつけ部が流失し、国道四号が不通となる被害が発生いたしました。 被災現場には、地下タンクもろとも流失した橋のたもとのガソリンスタンドの残骸が残ったままで、自然の力の恐ろしさをいや応なしに見せつけておりました。 視察時には、建設省が備蓄資材を利用して短期間のうちに応急橋を設置し、車両が通行できる状況に至っていましたが、本格復旧までにはさらに時間がかかるとのことでありました。 次に、那須町の寺子乙字下川地区の農業被災現場を視察いたしました。 同地区は、余笹川のはんらんにより、川沿いの水田が途中からざっくりと切り取られ河原となり、残った水田の部分にも土砂が流れ込み、稲が無残にしおれており、農地等の復旧のため、今後多大の労力と時日を要すると思われる状況でありました。 次に、黒磯市の寺子字寺子地区において集落被災現場を視察いたしました。 同地区は、同じく余笹川のはんらんにより、全半壊、床上浸水等で住家二十一棟が被害を受けた集落地区で、視察した家屋の中には、主要構造部が残るものの、内装や家財がことごとく流失し、使用にたえがたいと思われる状況も見受けられました。しかしながら、当該家屋は現行制度上、単に床上浸水と認定されることとなり、住家被害の認定基準のあり方について検討の余地があるのではないかとのことでありました。 以上が調査の概要であります。 最後に、復旧作業等でお忙しい中、調査に御協力をいただきました方々に厚く御礼を申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げまして、御報告を終わらせていただきます。
○委員長(海野義孝君) 以上をもちまして、派遣委員の報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(海野義孝君) 次に、災害対策の基本施策について国土庁長官から所信を聴取いたします。柳沢国土庁長官。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 災害対策に関する私の所信を申し上げます。 まず最初に、今般の各地で相次いだ豪雨災害により亡くなられた方の御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。 政府といたしましては、災害発生直後より総力を挙げて警戒、応急対策に取り組んできたところであり、今後とも行方不明者の捜索・救出、適切な応急対策、被災者に対する支援、復旧事業の早期実施等、被災地の一日も早い復旧に全力を尽くしてまいる所存であります。 我が国は、その位置、地形、気象などの自然的条件から各種災害が発生しやすい国土となっております。 近年では、平成七年の阪神・淡路大震災において六千四百名以上のとうとい人命が失われております。最近では、八月上旬豪雨及び八月末豪雨災害により二十二名の死者及び二名の行方不明者が生じております。また、幸い大きな人的被害はなかったものの、長野県の上高地において震度五弱、また岩手県雫石町において震度六弱の地震が発生したところであります。 これら各種災害から国土を保全し、国民の生命、財産を守ることは国政の基本であり、災害対策につきましては、従来より政府一体となった体制のもとに全力を挙げて取り組んできているところであります。 国土庁といたしましても、災害対策に関する施策の総合調整官庁として、災害対策基本法や防災基本計画を踏まえ、今後とも関係機関と密接な連携をとりつつ災害対策を積極的に推進してまいる所存であります。 以下、各施策ごとに、国土庁及び阪神・淡路復興対策本部としての取り組みの概要を申し述べたいと思います。 阪神・淡路地域の復興につきましては、政府として、これまで地元地方公共団体の取り組みを最大限支援してまいりましたが、仮設住宅から恒久住宅への移行が本格化する中で、今後とも生活再建の支援や産業の復興などに取り組んでまいります。 初動体制につきましては、災害発生時の情報収集連絡体制の一層の充実強化を図るため、中央防災無線網の拡充を進めるほか、地震発生直後における迅速かつ的確な対応を図るため、地震防災情報システム、DISの整備を推進してまいります。 震災対策につきましては、引き続き大規模地震対策特別措置法の的確な運用に努め、地震対策緊急整備事業を促進するとともに、地震防災対策特別措置法に基づく地震防災緊急事業五カ年計画の円滑な実施の促進及び同計画において位置づけられた地域防災拠点施設の整備を推進してまいります。 特に、大都市地域の震災対策につきましては、本年六月の中央防災会議大都市震災対策専門委員会提言を踏まえ、南関東地域直下の地震対策に関する大綱及び南関東地域震災応急対策活動要領を改定し、広域的な対策を関係機関の実践的連携のもとに一層推進することとしたところであります。 中でも、本年八月には、南関東地域における広域医療搬送活動に関するアクションプランを関係省庁間で申し合わせたところであり、今後も広域輸送活動に関するアクションプランの策定など、大都市地域の震災対策の充実を進めてまいります。 津波対策につきましては、それぞれの市町村の実情に応じて迅速な避難対策が講じられるよう、津波浸水予測図の作成について地方公共団体の支援を推進してまいります。 火山対策につきましては、引き続き活動火山対策特別措置法に基づく各種対策を推進してまいります。なお、岩手山の活動等につきましても、関係機関と連携をとりながら観測体制の強化などの対策を講じてまいります。 風水害対策につきましては、昨年の鹿児島県出水市の土石流災害、今般の豪雨災害などの教訓を踏まえへ総合的な土砂災害対策などを一層推進してまいります。 復興対策につきましては、引き続き雲仙岳噴火災害などの復興への地元地方公共団体の取り組みを促進するとともに、今後の復興対策を円滑に進めるための復興対策マニュアルの策定等を推進してまいります。 また、本年五月に成立した被災者生活再建支援法につきましては、来年度の適用に向け鋭意準備を進めるとともに、法の公布日から適用日までの間において発生する災害については法と同様の支援策を講じることといたしたところであります。 防災に関する国際協力の推進につきましては、本年七月にアジア防災センターが開所したところであり、同センターを中心としたアジア地域における多国間防災協力を推進してまいります。また、日米地震防災政策会議の場を利用し、地震対策に関する日米協力を進めてまいります。 以上、災害対策に関する私の所信を申し上げました。防災行政の責任者として所管部局を督励し、また、関係省庁の協力を得て、常に緊張感を持ちつつ災害対策に全力を尽くしてまいる所存であります。 委員長初め委員各位の御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(海野義孝君) 以上で所信の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。 ただいま長谷川委員から委員派遣報告が詳細にございましたし、また、国土庁長官からも所信表明の中でお話がございました。平成十年八月末豪雨による災害と政府の方では名称を統一されておられるようでございますが、これに関連いたしまして質問をさせていただきたいと思います。 質問に先立ちまして、私からも改めて今回の災害によりお亡くなりになられました方々に対しまして御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の方々に対しまして心からお見舞い申し上げる次第でございます。 今回の災害は、いわゆる異常気象によりまして東日本を中心に各地で記録的な集中豪雨が発生し、それによって大きな被害が生じたということかと思います。そして、ただいま御報告がございましたように、私どもも福島県、栃木県の災害現場を視察してまいりましたが、例えば私の選挙区でございます宮城県におきましてもいろいろ被害が生じておりまして、全国各地で今回の災害は大きな被害をもたらしているところでございます。福島、栃木でも、知事さんからもお話がございましたが、各地でぜひともこの災害を激甚災害に指定してほしい、しかも一日も早くしてほしいという要望が強くございます。その点につきまして、まず政府の方に激甚災害の早期指定の見通しにつきましてお尋ね申し上げます。
○政府委員(林桂一君) 激甚災害の指定基準につきましては、公共土木施設の場合にはその被害額あるいは被害を受けた地方公共団体の財政状況をもとに、また農地、農業用の施設等につきましてはその被害額や被災地方公共団体におきます農業所得の状況をもとに判断していくことになるわけでございます。このために、指定につきましては、まず地方公共団体の被害報告を受けまして、その後関係省庁において指定の前提となる被害額、これはすなわち災害復旧事業費の確定の作業ということになりますが、この作業を行うことが必要であります。 現在、その作業を地元市町村、公共団体、各省庁に鋭意急いでいただいているところではございますけれども、その結果を踏まえまして、指定基準に該当するものにつきましては速やかに対処したいと考えております。
○市川一朗君 速やかに対処するという御答弁でございますが、一日も早くという各地の御要望がございますので、いろいろ作業はあるとは思いますけれども、急いでお願いしたいと思う次第でございます。 その際、栃木県黒磯の市長さんから強いお話がございましたんですが、今回の災害、例えばあの地域ですと黒磯市と那須町というのが隣り合っているわけでございますが、同じ集中豪雨で同じ河川の流域で同じような被害が生じているけれども、現在の激甚災害の指定では局地激甚災として指定されて、結果として黒磯市と那須町では違った取り扱いになってしまうおそれがないわけではないと。ずばり言いますと、那須町の災害は激甚災害として指定されるが黒磯市は指定されないという、そういうような心配があるんですと。その点、そういうことのないようにぜひよろしくお願いしたいという強い御要望もございました。 その点につきまして、政府側の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(林桂一君) 激甚災害の指定につきましては、全国的な被害額を基準といたします激甚災害、いわゆる本激と申しております。それと、局地的な被害額を基準とする局地激甚災害、局激と申しております、がございます。ただ、いずれの場合にいたしましても、あるいは農業の場合でいきますと、農家の負担する事業に係る特別の財政支援をする対象につきましては、市町村単位で指定するということにされているわけでございます。 市町村単位で指定をするとしていることの理由でございますが、まず公共土木施設の災害復旧事業等の特別措置につきましては、事業費用の負担者である市町村がその財政状況に比して著しい被害を受けたかどうかということを判定いたしまして、そのような著しい被害を受けている場合にその財政負担を緩和するということを目的としているところでございます。 また、農地、農業用の施設の災害復旧事業の特例措置につきましては、農家一戸当たりの負担額の大小に応じた支援をできるだけきめ細かく行うということで、その最小行政単位であります市町村ごとに農家の費用負担を緩和するという趣旨で市町村ごとにそれを判定するということにいたしているところでございます。 そういう意味で、二つの制度は若干違いますけれども、基本的には災害復旧事業費等の費用負担者の負担額が負担能力に比して著しく過大となるかどうかということを市町村単位で判定し、指定をしているという制度になっているわけでございます。
○市川一朗君 私もかつて防災行政に携わった一人でございますので、大体予想された答弁のような気がするんですが、それではちょっと政治家としては物足りないという感じがするわけであります。 今の日本の行政が市町村単位で行われている、処理されていることによる問題点ですから簡単ではないと思いますが、ここから先はやはり政府委員の答弁では何だかはっきりしない部分があると思います。大臣も急に聞かれてもいろいろ難しい問題等があると思いますが、今申し上げましたように、全く同じ原因で災害が発生して、そこに一つの町境が設けられていることによって取り扱いが違ってくるという問題ですね。この問題はやはりできるだけ早急に解決すべき問題なのではないかと私もかねがね思っていた問題でもございますので、長官としてひとつお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 何もかも御存じの委員からの御質疑でございます。 激甚災害ということの指定があるかないかということは、一般的な人々の印象からいうと、何か災害そのものの性格を指定するというか規定するというか、そういうことのようにとられがちなんですね。したがって、これはひどい災害じゃないかということになれば、ある町村でひどい災害であった、この隣の町ではひどくない災害であった、これはいかにもおかしいじゃないか、こういう印象を持たれるというのも非常に自然な成り行きだと思うわけであります。 しかし、この制度は災害そのものの性格を規定するものではなくて、激甚災害ということの災害を指定することによって財政措置、これをやるかやらないかということを決めるということなのでございます。財政措置の問題なのでございます。 したがいまして、財政措置ということになりますと、必要な災害復旧費に比してその市町村の財政力というものがどういうものであるかというような観点からこの取り扱いを決めるということでございまして、そういう意味では、現行の制度というのは私はそれなりに合理的な制度になっておると、このように考えておるということでございます。
○市川一朗君 一応所管大臣の御答弁として承っ ておきたいと思います。 次の問題に移らせていただきますが、先ほど長谷川委員から詳細な報告がございましたように、私どもは、委員長以下、精力的に各地を拝見させていただきました。ヘリコプターからも拝見いたしまして、まことに今回の被災状況、大変だなという実感を持ちました。 いろいろとお話ししたい点がいっぱいあるわけでございますが、先ほどの国土庁長官の所信表明の中で、被災者の方々に対する生活支援も含め、全力で政府として取り組みますというお話がるるございましたので、一応それはそれとして承りまして、しっかりそういうことで取り組んでいただきたいということを御要望申し上げたいと思います。 そういった前提の中で、幾つかの問題につきまして私なりに気づいた点、二つ三つ取り上げてみたいと思います。 まず、御報告にもありましたけれども、橋の周辺の被害というのが結構多うございまして、一見しますと、やはり橋の橋脚に流木が引っかかっておりますから、この流木が原因でダム化して、そして橋の両側に水があふれ出た、そういう被害なのではないかなというような感じの現場がたくさんございました。現地での御説明でも大体そういつたことに観点を置いた説明がございましたが、私は非常にその点を危惧しているところの一人でございます。 今回の災害は、先ほど来お話がございましたように、何といっても記録的な集中豪雨によって計画を上回る量の水がその河川の中に流れ込んできたというのが原因で、その結果として流木の問題もあり、家屋の問題もあり、あるいは家畜被害の問題も出てきて、それがまた二次災害的に河川のはんらんまで影響しているということで、基本的な原因はやはりあの異常とも言うべき集中豪雨だったんじゃないかなと思います。 しかし、先ほど申し上げましたように、その現場を見る限り、橋と流木の問題というのが非常に顕著に見えるわけでございまして、やはりそういった問題について、川と橋との関係というのは非常に古くて新しいテーマでございますから、当然研究はされておられると思いますが、原因の分析も含め、これからああいったことが起きないようにするためのいわゆる技術的な解決方法ということもしっかりやっていただきたいと思うんでございます。 あわせまして、私は、日本の道路交通の状況を見ますと、日本は橋は少ないと思うんです、アメリカやヨーロッパに比べまして。したがいまして、今回の災害の一つの教訓として、やはり川には橋は余りかけるべきではないというような方向に行政が向かっていくことはないとは思いますが、そうならないようにということを私は危惧しておるわけでございまして、日本じゅうのいろんなところで橋がないために、橋が少ないために交通上非常に苦労しているところが各地にございますので、そういった意味では、技術的にしっかり解決しながら、しかしやはり必要な橋はむしろ今はまだ少ないんだという観点でしっかり進めていただきたいというふうに思うわけでございます。 そういった問題につきまして、建設省の方のお考えなり、またしっかりした決意なりをお伺いしたいと思います。
○政府委員(井上啓一君) 今回の被災は、お話しのように大変記録的な集中豪雨でございまして、そのために二十九カ所で橋梁の損壊がございました。早速、建設省では現地に土木研究所の河川、橋梁の担当者を派遣いたしまして、今回の河川や橋梁等の被害状況、周辺地域の状況調査などを行っておりまして、今回の被災状況の分析を通しましてより安全で信頼性の高い橋梁また河川、両方合わせた基準等を目指して整備を進めてまいりたいと思っています。 また、あわせまして道路ネットワークでございますが、国民生活や経済活動を支えるための安全で信頼性の高い道路ネットワークの確保が必要であると考えておりまして、ことしから始まりました新しい道路整備五カ年計画におきましても、安心して住める国土の実現というのを施策の四本柱の一つに位置づけております。 そういうことで、今回の災害の経験を踏まえまして、国土保全や危機管理の観点から、災害に強い幹線道路網の整備や代替道の整備によりましてりダンダンシーの確保ができるように積極的に努めてまいりたいと思っております。
○市川一朗君 道路局長の基本的な考え方の御披瀝があったわけでございますが、横に河川局長おられますので、少なくとも道路行政、河川行政の連係プレーがこういう問題については極めて重要だと思います。お考え方、一言ちょっとお願いしたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 道路と十分連携をして、丈夫な橋かつ安全な橋をつくっていただくように努力したいと思っております。
○市川一朗君 今回視察した箇所でもあったんでございますが、それ以外でもいろいろ全国各地でいろんな被害がありまして、私は手元に、これは阿武隈川の出水状況ということで、皆さんにお回ししょうと思って借りてきたんですけれども、ちょっとわかりにくいと思いますから、こういうのがございますという程度で質問をさせていただきたいと思います。(資料を示す) これは阿武隈川と釈迦堂川の合流点なんです。ここは、私は非常に問題だと思いますのは、こういうのは各地にあるんですが、六十一年の八月五日に阿武隈川ははんらんいたしました。六十一・八・五災というのは各地で大災害を及ぼした水害でございますが、その災害が起きましてこの地域でも被害を受けまして、そして事業を進めておったんでございますが、聞くところによりますと、片側の堤防は完成していると。これは写真を見るとよくわかるんです。それから、もう一カ所は今度ついた補正予算で今年度中に完成する予定だったと。もう一つのところはあと三、四年かかるということでございました。 今回の災害が、先ほど来何回も申し上げております、話題になっておりますように、まさに記録的な、計画を上回る異常降水ではありますが、しかし災害現場という観点でいえば、この地域はわずか十二年前に起きたところで、まさに河川事業が完成しておれば防げたであろう災害が、事業がおくれておったために、また同じように再度災害が発生してしまったという典型例だと思います。しかも、普通の川じゃないんです、阿武隈川というまさに日本を代表する大河川でこういう事態が起きておるということでございまして、この問題はやはり大変重要な問題ではないかと私は思うのでございます。 現在の防災それから治水の予算のつけ方からいきますと、まず最初の三年間は災害復旧費で予算がついて、いわば応急的な、原形復旧的な災害復旧をやって、あと改良復旧的なものは治水特会でやっていくと。ですから、激特とかそういう特別のものに指定されれば四、五年で完成するかもしれないけれども、あとは一般的なシーリングの中で、何せ公共事業はむだが多いというようなことで予算を抑えられている状況の中での事業ですから、急いでやってもこんなような状況になるわけで、それは各地にあるわけです。 したがって、治水特会の予算を、つまり治水予算をふやすということは一つ大事なことでございますが、しかし日本の今の財政事情その他から考えますとなかなかそう簡単にはいかないとすれば、こういった問題はどういうふうに解決すべきなのかという非常に難しいテーマであると思います。 現在もいろいろ政府部内では研究がなされていると思いますし、私も党の方でいろいろ勉強をしている一つのテーマなんですが、災害復旧費と治水特会という両会計間のあり方も含めて、実はこの災害の前の八月上旬の新潟の災害でもやはりその辺を考えさせられるような災害が起きているわけでございまして、もう災害が起きてしまいますと被災者の方の状況は本当に悲惨でございますから、起きてからでは始まらないという意味も含めまして、思い切った取り組みがこの際必要なのではないかと思います。 これは政府側だけでは解決できないかもしれません。しかし、担当省庁におかれてはやはりその辺、いわば発想の転換も含めて取り組むべきテーマではないかと思いますが、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 今、先生お話しございました阿武隈川支川の釈迦堂川につきましては、広域基幹河川改修事業という治水特会の枠の中での改修事業を実施しているところでございますが、今回の災害にかんがみまして、できるだけ短期間に改修工事が完了するように精いっぱい努力してまいりたいと思っております。 また、先生御指摘のとおり、今回の八月の新潟の豪雨、また今回の八月末の栃木、福島等を中心としました豪雨におきまして非常に災害が頻発しているわけでございますが、これがあったときに数年間で、できれば五年以内ぐらいで迅速に抜本的な改修をするという制度を一般会計をも含めた形で整備するということの必要性は私どもも痛感している次第でございます。 したがいまして、治水予算を確保するという努力をすることはもちろんでございますが、上流部で災害発生した場合に下流部への流量増が生じます。その下流部の流量増にも一般会計をつぎ込んで通常の改修と合併して一緒になって抜本的な改修をするという制度、これを私ども河川災害復旧関連緊急事業制度というふうに申し上げておるわけでございますが、そのような制度の要求をしているところでございます。 また、災害復旧、そのものの原形復旧が原則でございますが、このように非常に多くの雨が降ってたくさんの流量が流れ、堤防を越流するというふうな事態が生じたときには、そのままの堤防の高さではまた越流するわけでございまして、越流するということはいつ切れてもおかしくない状態になるわけでございますので、そこのところは原形復旧の中で越流しないという工法をとるというふうなこともあわせて制度の拡充を要求しているところでございます。
○市川一朗君 大変厳しい財政事情のもとですので、知恵も必要だと思いますし、私も微力でございます、知恵はございませんが、できるだけ協力したいと思っておりますので、頑張っていただきたいと思います。 それから、「太陽の国」に行きまして、お話がございましたが、私もびっくりしました。ほとんど傾斜のないような里山がああいう形で土砂崩れが起きる。これはちょっとなかなか予防困難な面があるんじゃないかなと思いますが、この点に関しまして担当部局としてはどういう所感を持っておられますか。そしてまた、今後の対応について何かいろいろ打つ手がないわけじゃないと思うんですが、その辺についてお話をお伺いしたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 西郷村の「太陽の国・からまつ荘」での災害は私ども土石流によるものというふうに認識しておるわけでございますが、現在、土石流危険渓流は全国で約八万渓流存在いたします。また、今回の土石流が発生しましたあの裏山につきましては、二万五千分の一の地形図で谷地形を呈していないというふうな非常に緩やかな谷でございまして、土石流危険渓流とは読み切れなかったわけでございます。 災害弱者、そういった施設に関連しました土砂災害危険箇所の整備につきましては、平成七年度より重点的に実施しているところでございますが、十一年度の予算要求につきましても重点的にやっていきたいと思っております。 また、今回の災害にかんがみまして、「からまつ荘」のような災害弱者に関連した施設を土砂災害から守るために、厚生省と連携いたしまして一斉点検をしていこう、それも緩やかな勾配のところでも土砂災害の危険が本当にないかどうかという目から点検をしていきまして、その警戒避難体制の充実に資する、反映させるということもやると同時に、必要な箇所があれば防災工事等も実施していきたいというふうに思っております。 なお、その一斉点検調査につきましては、九月三日に各県に依頼いたしまして、九月いっぱい、九月末を目途に取りまとめたいというふうに思っております。
○市川一朗君 ああいう里山がああいう形で崩れるという前提だとなかなか立地場所を探すのも大変なくらいですから、やはり避難体制も含めた総合的な防災システムをつくるよりないんじゃないかなというふうには思いますが、しかし一歩でも二歩でもそういったことに対する対策が進めばそれだけ被害は少なくて済むという面があるように感じた次第です。 それで、「太陽の国」には、先ほど御報告にもございましたように、七百数十名の入所者がおられて、今各地に散らばっておられるわけですが、今その方々は大体どういう形でどういうところに仮入所されておられるのか、非常に大ざっぱで結構です。そして、できたらそれから先どうなるのか、その辺の見通しを簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 今回「太陽の国」において被災された方々は七百五十名いらっしゃるわけでございます。この七百五十名の方々の現在いらっしゃるところですけれども、一時自宅に戻られた方は約二百五十名、「太陽の国」の中で被災しなかった施設に約二百名、福島県内の他の施設に百七十名というふうになっております。福島県内だけでは応じられませんでしたので、市川先生の御地元の宮城県にもお願いいたしまして、宮城県の「船形コロニー」に約百十名お世話になっております。 今後の見通しですけれども、福島県では被災した施設の入所者が早くもとの生活に戻ることのできるよう施設の復旧を急ぎたいという方針を持っておりますが、施設周辺の工事が完了し安全が確実に確保されるまでは施設の使用を見合わせたいというふうに判断いたしておりますので、仮設施設の設置を現在検討されていると承知しております。 そこで、既に厚生省と福島県との間で事務的な打ち合わせをやっておりますが、福島県で今後具体的な検討が進められるのに合わせまして、私どもとして、その支援策について積極的な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○市川一朗君 しっかりよろしくお願いしたいと思います。 それから、今回被災地を回っておりまして、農地の被害が非常に多いことに驚きました。報告にもございましたようなああいう状況ですとなかなか、農地はまた個人のものでもございますので、あれをどういうふうに復旧するのかな、大変じゃないかなというふうに思いまして、特に農家の方々への負担まで考えますとちょっと胸が痛むような思いをしたわけでございます。ああいう悲惨な状況になりました農地、簡単には復旧は難しいと思いますが、大体どういう手だてを今政府としては考えておられるのでしょうか。
○政府委員(渡辺好明君) 今お話がございましたように、全国十八道県で四千カ所、百三億円の農地被害が報告をされております。 農地が流亡をする、あるいは埋没をしている場合にはここに盛り土をする、あるいは上に重なったものを排土をする、場合によりますと雑物を除去するというふうなことをいたしまして、原形に復旧するというのを基本にしているわけでございますけれども、中にはそれがなかなか難しい、例えば河川工事とあわせて状況を変えていく、むしろ堤防を強化する、川幅を増すというふうなこともございますので、そういう場合には区画の整備といいますか、区画変更による復旧ということもやるわけでございます。 いずれにいたしましても、今、先生から私有財産という言葉もございましたけれども、高い補助率をもってできるだけ早く復旧をするということで現地の農業者の方々の調整あるいは河川局、県との打ち合わせを急いでいるところでございます。
○市川一朗君 被害を受けた農家の方々の心境からすれば、ぜひとも全額補助で復旧してもらいたいという気持ちだと思います。かつてそこに田んぼがあったかもわからないくらいの状況のもとで、しかも大きな石がごろごろあるわけですよ。そういう状況からかつての農地に復旧するのはなかなか大変だろうと思いまして、本当に胸が痛む思いでございましたので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。 そういった中で、私は自分の選挙区のことで大変恐縮なんですが、伊豆沼という沼がありまして、そこの沼の水があふれて、沼ですから排水する場所がないんです。それで結局、これは一番新しい資料をけさいただいたんですが、まだ二つの町を合わせまして百九十五ヘクタールが冠水したままの状況でいるわけです、もう災害が起きましてから二週間近くなるわけですが。 これが、話を聞きますと農家の負担でポンプアップしているというような話も聞きまして、一日に幾らやっても何センチしか水が引かないという状況がずっと続いているようでございます。また、もともと沼の周辺のあれなんだから、そんなところは遊水地化することはある程度想定されていたので、そこでやっているんだからしようがないんだというような位置づけもいろいろあるとかいうふうに聞きました。理屈はいろいろあると思いますし、立場立場での議論もあると思いますから、これはなかなか難しい問題かなと思いますけれども、しかし今、日本のいろんな災害現場の中で、なお約二百ヘクタールに及ぶ田んぼが水浸しになったままで水がなかなか引かないと。それでポンプは置いてあるんですよね。あるんですけれども、なかなかそれがはかどらないという、まだそういう状況なのかなということで改めて驚き入った部分もあるわけでございます。 政治家として、地元の政治家としての力の足りなさをまた痛感している点もあるわけでございますが、その点、情報をお持ちでしょうか。また、どういつだような対策が考えられ講じられているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(渡辺好明君) 私どもも当地の湛水が一日も早く排水完了するように心から願うものでございます。そういうこともございまして、実はきょう亀谷政務次官が現地に赴きまして、また実情をお聞かせいただき、対策についてもこれから検討したいと思っておりますが、これまで行ってきております対策は、国が所有しております能力の高いポンプを四台貸し出しをいたしまして、排水の促進をやっております。今、先生からお話がございましたように水位がまだ九十センチぐらいございまして、第一の地区では中旬まで、もう一つの地域では二十日前後まで排水に時間がかかるのではないかというふうに考えております。 ただ、激甚に指定をされますとこの湛水排除事業には十分の九の補助率の適用がございますので、そこにかかりました費用につきましては激甚の指定があれば所要の調整をした上で対応したいというふうに思っております。
○市川一朗君 いずれにしても、一〇〇%補助ということはないわけですけれども、やはりこうやって災害を受けますと、それぞれのところでは持ち出しも含めて被害があるわけでございまして、日本の社会構造システムの中でこの問題をどういうふうに解決するかというのはなかなか難しいんですが、しかし一つ一つ災害現場を見てまいりますと、これはなかなか大変だなという感じがしまして、やはり災害が起きないようにするということが大前提だなというふうに思うわけでございます。 そこで、最後に国土庁長官にお伺いしたいんでございますが、お伺いするというのもちょっと私としてもやや失礼かもしれません。私の考え方も含めて一長官としてのお考えなりそして決意なりをしっかりと伺っておきたいということになります。 この場合は国土庁長官という立場もございますが、国務大臣として、また将来、現在もそうですが、将来の日本の政治を背負って立つ柳沢先生としてしっかり取り組んでもらえればと願いを込めるわけでございますが、やはり今景気対策ということで、平成十年、平成十一年度の予算はやや公共事業もふえるような状況の中で、災害対策、防災事業もある程度進むとは思いますが、こういった考え方でいきますと、じゃ景気がある程度おさまればどうなんだといったような状況が一つあるわけでございます。また日本じゅう、行財政改革だけじゃなくていろいろと厳しい経済情勢の中でいろんな問題を処理していかなきゃならないということになりますと、公共事業ひとりほっておくわけにいかないというよりは、むしろ公共事業の方が先頭に立ってむだな公共事業を排除しなきゃならないという、そういう相手といいますか対象に今なっているように思うわけでございます。 こういった状況の中で、しかし一度災害が起きてしまうと、もう今いろいろ話が出ましたように、それでもたくさんある話の中のほんの一部を取り上げただけのつもりでございますが、農家の方々にとりましては、農地の復旧でも今の湛水、その水を引かせる話にしても、高率の補助はありますけれども、結局何がしかの負担というのは取られるわけです。しかも、今の農業の厳しい状況でいきますと、そういうものにお金を支出する余裕なんて本当はないんですね。 そういうことですと、やはり災害を未然に防ぐということがしっかりと確立されない限り、本当の意味で安心して住める安全な国土建設ということに、国土の状況ということにならないと思うのでございまして、やはりそういった観点での社会資本の整備というのは、これは私ども政治に携わる者の原点でなきゃならないと思うわけでございますが、必ずしも世の中の今の風潮はそういうことをしっかりと確立しているようにも思えないわけでございます。 社会資本整備だけの問題ではない、日本の安全保障の問題あるいは食糧安保の問題とか解決しなきゃならない問題はいっぱいあるわけでございますが、今回災害視察をさせていただきまして、またいろんな状況の御報告、お話もお伺いいたしまして、私はやはり長い目で見た日本の国土づくりというものをもう一度、特に防災の観点で、しっかりとした社会資本整備を計画的にやっていくという政治の決意が必要なのではないかというふうに実感した次第でございまして、長官の大臣としての御答弁を含めまして、政治家としての長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 市川委員、長い御経験それから高い御見識のもとで、今大変御高見をお述べになられました。私自身も全く同感でございます。 もともと私どもの役所が防災というか国土保全というものを総合調整しながら推進していくということのかなめにある役所だということがございますけれども、本当に今回の災害というもので改めて私どもの役所の責任の重大さというものを認識し直させられたというのが実態でございます。 先生のお言葉の中にもありましたように、公共事業につきましては、特に都会の皆さん方がたまたま地方の方にいらっしゃる、そうすると、特に道路等が割とふくそうしていないにもかかわらずよく整備されているなというような感じを持つことがあるようでして、そういう観点からこれは十把一からげにして、もう地方への公共事業は十分ではないか、こんなことが世論形成の上で大きな力を持ちつつある。しかし、今回のようなことが起こりますと、本当に国土の保全、このことのためにやらなければならないことがまだ実は大きく残されている、このことをお互い再認識できたんではないか。その意味では、ある種不幸の中に私どもが直視しなければならない事実を再認識させられたという意味では、今回のことにもそれなりに国民にいろいろ訴えるところがあったんではないか、こういうように思っておる次第でございます。 この上は、まさに今、先生がおっしゃったように国民の身体、財産を守っていくというのは政治の一番の基本中の基本ですから、その基本をしっかりと礎として力強く国土保全の事業を進めていっていただくように、我々微力ですけれども関係の役所にも働きかけ続けていきたい、こんなふうに思っておることを申し上げたいと思います。
○市川一朗君 終わります。
○和田洋子君 民主党・新緑風会の和田洋子でございます。 八月上旬、下旬の豪雨災害につきまして質問をさせていただきます。 私も、質問に先立ちまして、お亡くなりになられました皆様に心から謹んで御冥福をお祈りしますとともに、また災害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 今、長官の所信表明とか長谷川委員の視察報告とか市川委員の質問の中で私が意図するところは全部出てしまったのかなという思いがいたしますが、重複は承知の上で、この災害に対して国がどうこの状況をとらえて対処していかれようとするのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(林桂一君) 平成十年八月上旬豪雨あるいは平成十年八月末豪雨によりまして各地で大きな被害が発生したわけでございますが、これに対しまして政府としましては、まず八月上旬豪雨による災害につきましてでございますけれども、防災局担当審議官を団長とする関係十一省庁から成る調査団を新潟県の現地に派遣しております。また、各省の対応といたしまして、厚生省による災害救助法の新潟県内の三市町村への適用、あるいは知事の要請に基づきます自衛隊の災害派遣、あるいは警察、消防による水防活動、警戒等、各省庁において災害発生直後から総力を挙げた対応を行ったところでございます。 また、八月末豪雨に対しましては、内閣総理大臣が福島県、栃木県の現地に赴きまして被災現場をつぶさに視察されるとともに、被災者へのお見舞いと激励をされておられます。国土庁長官もこれに同行いたしております。 また、これに先立ちまして、政務次官を団長とする関係十五省庁から成る政府調査団の現地調査も行っております。厚生省におきましては、災害救助法の五県十市町村への適用、あるいは自衛隊の派遣、あるいは警察、消防による人命救助、捜索、水防活動等、各省庁において総力を挙げた対応をいたしたところでございます。 八月三十一日には、内閣総理大臣を会長といたします中央防災会議を開催いたしまして、この問題に関しまして厳重な警戒と適切な避難措置の実施、あるいは適切な応急対策、被災地の早期復旧について重点的に実施していくということが決定されております。なお、これらの措置に万全を期するために、九月一日に予定しておりました中央における総合防災訓練を取りやめております。 このようなことをいたしてきておりますが、現時点においても、復旧はかなり進んでおりますけれども、東北本線、上越線における盛り土崩壊とか道路の通行どめ等の箇所もあり、また行方不明者もまだ二名おられるということ、あるいは避難者等の対応あるいは被災者等への支援策等々、いろいろ課題が残っております。 こういうことで、今後とも行方不明者の捜索・救出、適切な応急対策、あるいは被災者に対する支援、復旧事業の早期実施等、被災地の一日も早い復旧に全力を尽くしてまいる所存でございます。
○和田洋子君 ありがとうございます。 この委員会の視察を含めて、私は地元ですのでもう何回も現地にお邪魔をしております。 最初にお邪魔をしたときは、まだ物すごい雨が降っていて、濁流の跡の傷も生々しくて本当に目を覆いたくなるというような、流失をした家屋とか土砂に埋まった家とかがまだまだいっぱいあって、避難場所にはたくさんの方々が憔悴しきった顔をしておられて、大変な状況を見てまいりました。 避難されている方々にちょっとお尋ねをしますと、阪神・淡路大震災のことがテレビや何かで報道されていて、ああ大変だな、気の毒だなという気持ちはしたけれども、まさか自分がこんな思いをするとは思わなかった、本当にいつ来るかわからないものですねとしみじみおっしゃっておられましたし、私なんかが思うには、やっぱり人間というのは自然というものを恐れて、また敬って一緒に共存していかなければいけないのかなと。余り利便さを追求していって、真っすぐにしてしまったり、切り開いてしまったりした結果、今回とは言いませんが、そういう人間のおごりというものはもうそろそろやめなければいけないのかなという思いをしたことも事実であります。国の心の通った対応というのが被災者の皆さんの心に響くものだと思いますので、何とぞよろしくお願いします。 市川議員もおっしゃいましたが、どこに行っても、和田さん早く激甚災害の指定を受けさせてくれということを皆さんおっしゃいます。例えば、西郷村には一級河川の支流というか、源流というか、そういう小さな村に七本も走っていて、その川が全部暴れたのでございますから、安心して復旧に取り組むためには補助率のかさ上げというのは、これは町村には大変なことだというふうに思います。 激甚災害の指定というものがどういうものであるか、そしてどういうメリットがあるかというのをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(林桂一君) 激甚災害制度の概要についてのお尋ねだと思いますが、著しく激甚である災害が発生した場合には、国の地方公共団体に対する特別の財政援助を講ずるために、政令で当該激甚災害を指定するということにいたしているところでございます。その指定とともに、適用すべき措置をあわせて指定するということになってございます。 適用すべき措置にはいろいろございますけれども、例えば公共土木施設等の災害復旧事業等に対する国庫負担率のかさ上げの措置、あるいは農地や農業用施設の災害復旧事業については、これらの事業に対する国の負担率のかさ上げ措置といったような内容がありまして、それのどの措置を適用するかということをあわせて指定するわけでございます。この措置ごとの指定基準に該当すれば、地方公共団体の負担が通常の負担に比べて緩和されるという効果が生じるわけでございます。 指定基準につきましては、その措置ごとに指定基準はございますけれども、例えば公共土木施設の場合は、その被害額と、あるいは被害を受けた地方公共団体の財政というようなものをもとに基準を定めております。また、農地、農業用施設については、その被害額あるいは被害を受けた地方公共団体における農業所得の状況をもとに基準を定めているところでございます。 この指定につきましては、現在、被害報告を受け、関係省庁においてその指定の前提となります被害額と復旧事業費の確定作業を進めているところでございます。その作業を今鋭意急いでいただいているところでございますが、その結果を踏まえまして、指定基準に該当するものについては速やかに対応するということにいたしております。
○和田洋子君 速やかな対処ということでございますので、何とぞ速やかに対処していただけますようにお願いいたします。 また、これも重複しますが、被災者生活再建支援法、これは総理が現地に赴かれて、まだ法は施行されていないわけだけれども、何らかのことが考えられないかというふうな御指示があったというふうに聞いていますが、長官の前向きの答弁をもう一度お願いいたしたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 被災者生活再建支援法というものが制定をされまして、現在その実施細目等を定める政令の策定作業を行っておる、そして来年の四月からこの法律が現実に適用可能の状況になる、これが現在の法律制度そのものの状況でございます。 ところが、八月の豪雨で、法律がもし適用になっていれば適用ができるようなあるいは適用しなければならないようなそういう事態が発生した。それを我々と申しますか、総理に私同行したのでございますけれども、総理もこの目で見られるという事態となりました。総理はバスの中で、ああやってうちが壊れちゃってなくなっちゃった人はどうするんだろうねということを、福島県におったものですから、佐藤福島県知事と話をされるということがございました。そういうことが発端になりまして、視察を一区切りした後の記者会見の席上で、何とかならないかということを私に向かって検討を指示されると、こういうことになったわけでございます。 私もこの総理指示を重く受けとめまして、東京に戻った後に、防災局長を初め関係の部局の者に、このような総理の指示があったこと、そして私自身としてもこれを前向きに検討してもらいたいことを伝えました。防災局長以下非常に懸命な努力をしまして、財政当局等との協議も一応でき上がりまして、昨日、総理の最終の決裁をいただきまして、支援法そのものの適用はないけれども同じ趣旨での支援をすると、こういうことを決めさせていただいた、これが今日の状況でございます。 したがいまして、これから具体の作業に入っていくわけでございますけれども、先生の御趣旨を体した措置が行われる事態が実現できたということでございまして、先生方の御督励に対しても心から私どもお礼を申し上げておきたいと、このように思っております。どうもありがとうございました。
○和田洋子君 昨日お決めいただいたということですので、本当に地元では大変な喜びではないかというふうに思います。よろしくお願いします。 そして、その支援法の内容なんですが、五百万円以下の収入で全壊の家屋はとかどうのこうのということでありますが、全壊、半壊というのがこれは極めて問題であります。さっきの報告にもありましたとおりに、住宅被害の認定に問題ありというふうに言っておられましたが、まだ屋根が残っていて柱があってももう完全に住めないうちがたくさんあるわけですね。屋根があって柱があったら全壊とは言わないんですけれども、かえってそれは住めないだけに壊さなければいけないという、そういう処理の方が大変だということもあるとすれば、全壊、半壊の認定というのがこれは問題になってくるというふうに思いますが、そういうことはどういうふうにやっておられるんでしょうか。
○政府委員(谷合靖夫君) 住家の被害に対する具体的な判定基準ということにつきましては、従前から政府で統一的な基準を設けておるわけでございます。 御指摘のございました全壊ということにつきましては、住家が滅失したもので、住家の損壊、焼失もしくは流失した部分の床面積が住家の延べ床面積の七〇%以上に達した程度のもの、または住家の主要構造部の被害額が住家の時価の五〇%以上に達した程度のもの、こういうふうに統一基準的には決められておるわけでございます。ただ、この判断は、その市町村におきまして個々具体のケースに応じて判断をしていただく、このような形になっております。
○和田洋子君 地元の新聞、九月六日付の地方新聞に、被害者に涙という見出しで、県内外から駆けつけられたボランティアの方々がすばらしい活躍をしていただいたとかいう記事がたくさん載っていました。そしてまた、今回は消防職の方と消防団の方たちの不眠不休の御活躍というか本当にすばらしいものがあって、住民の皆さんも自治体もこれは大変な感激をしていたところでありますが、こういうことを消防庁として御承知いただいているのでしょうか。もちろん御承知いただいているというふうに思いますが、どういうふうに把握をしておられるか、お尋ねをします。
○政府委員(谷合靖夫君) このたびの八月末の豪雨災害におきましては、現在まで、各被災市町村全部でございますが、消防職員は延べ約二万八千人、それから消防団員は延べ十三万三千人という方の出動がございました。お話がございましたように、それぞれ全力を挙げて危険箇所等の警戒、巡視でありますとか、あるいは要救助者の救助、行方不明者の捜索、避難の誘導、土のう積みと、さまざまな分野にわたって一生懸命活躍をしていただいておりまして、本当に大きなかつ重大な役割を果たしていただいてきておるものというふうに承知をいたしております。
○和田洋子君 稲の被害というのは、今取り入れを迎えています。そして、トマトは収穫の最盛期でありました。大信村などはトマトの協同組合が去年は一億円を達成したといって表彰を受けたなんて大変喜んでいたやさきの大変な被害だったわけです。共済金の即刻支給というのが一番大切なことだというふうに思いますが、共済金はいつ支払われるか、そういうスケジュール等はあるんでしょうか。
○政府委員(石原葵君) お答え申し上げます。 今回の豪雨によります農作物等の被害につきましては、現在、農業共済団体等が被害面積等の調査を行っているところでございます。農林水産省といたしましては、先般通達を発出いたしまして、迅速な損害評価それから事故確認の実施、及び共済金の早期支払いにつきまして農業共済団体等を指導しているところでございます。 具体的な共済金の支払い時期でございますが、家畜と園芸施設につきましては九月下旬から十月中旬、水稲と果樹につきましては年内支払いを予定しております。少しでも早期に支払いができますよう努力してまいりたいと思います。
○和田洋子君 米以外の共済に加入していない人たちの支援というのはどういうふうになっていますか。
○政府委員(石原葵君) 被災農家の経営再建の対策であろうかと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、共済制度によります減収補てんをやっていくのが基本になりますが、そういう共済に入っておられないという方もいらっしゃろうかと思います。こういう方のための対策といたしまして、経営の維持継続を図っていただくということで、農林漁業金融公庫の自作農維持資金の融通、それから既往の貸付金、もう既に公庫資金等の融通を受けておられる方がいらっしゃいますので、そういう方々に対する貸付金の償還条件の緩和等を行うということにしております。 これらにつきまして、例えば償還条件の緩和につきましては九月一日にその旨の通達を発出したところでございます。
○和田洋子君 最後に厚生省にお伺いいたします。 これは、水害に当たられたらもう全部同じだと思うんですが、感染症予防のために各自治体は万全を期しているというふうには思いますが、今までのこういう状態とか過去の災害等なんかからもよく見て、国は各自治体と連絡を取り合ってきちんとした感染症予防の消毒、そういうことは連絡を取り合っておられるのでしょうか。これをお聞きして最後の質問にします。
○政府委員(伊藤雅治君) 厚生省におきましては、洪水の発生に対しましては、感染症を予防する観点から、従来から避難所での避難者への健康調査、健康診断の実施でございますとか、浸水家屋の消毒など必要な対策につきまして、都道府県、市町村に対して指導してきているところでございます。 今回の洪水の発生に際しましては、現在までのところ感染症の発生を未然に防止しているという報告を受けておりまして、私どもといたしましては、避難者の健康状態、それから消毒の実績などにつきまして、日々報告を受けているところでございます。
○和田洋子君 済みません。質問が残ってしまったんですが、藤井議員が控えておられますので、終わります。
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。私に与えられた時間は十分ということでございますが、時間が限られておりますので、私は端的に三点ほど一括して質問をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 まさに今回の災害を視察の中から私は目の当たりにしまして、その自然災害の大きさに驚いておるところでございます。災害は忘れたころにやってくる、備えあれば憂いなしということわざがあります。そこで、今回災害に対する情報伝達システムについて万全であったのかどうか疑問を感じております。 今回の災害で情報伝達のおくれが被害を大きくしたと考えられます。地元の新聞報道によると、栃木県が情報を収集し始めたのは警報から三時間後であったと記載されておりますが、実際はどうであったのか、消防庁長官にまず質問いたします。 さらに、災害情報伝達システムについて質問いたします。 一つには、社会福祉施設「太陽の国・からまつ荘」の被災者への情報伝達についてであります。 被災地の西郷村は防災行政無線が未整備であると聞いております。同施設のような災害弱者に対しては格段の配慮が求められます。災害時の情報伝達等は電話本でも自治体から連絡をすべきと考えますが、「からまつ荘」への連絡は実際はどうであったのか、お聞かせを賜りたいと思います。 さらに、「からまつ荘」施設内部での避難誘導の情報伝達はどのように行われたのか、お聞かせを賜りたいと思います。早期の危険予知、避難対策がとられていれば、五名のとうとい命が救われたのではないかと思います。まことに残念であります。 二つには、防災行政無線についてであります。全国的には六一・四%、三月末現在の整備状況でありますが、設置がおくれている地域について整備促進が求められておるところであります。現地視察の際に福島県では、配置されているものの防災行政無線が豪雨の中で聞こえなかったという指摘がありましたが、どうであったのか。災害時の情報伝達システムの強化という点で御意見をお聞かせいただきたいと思います。 二点目は、河川改修整備についてであります。 今回の災害では雨量の増大の中で、河川の護岸工事が行われていたところと行われていないところの差が歴然としておりました。一級河川とはいえ今回未整備の護岸の決壊が多くありました。日本の河川は蛇行が多い中で、対策といえば川幅を広げるか、川底をしゅんせつするかということであります。ショートカットや調整池の設置についても考えていくべきと思います。今回の豪雨により甚大な被害を受けた余笹川、黒川等の抜本的な復旧の考え方についてお聞かせを賜りたいと思います。 三点目は、防災を配慮した今後の開発のあり方についてであります。 集中豪雨とはいえ洪水を未然に防ぐためには保安林や森林の保水機能が重要であると考えます。現に、今回の災害について被災地周辺の状況を見ますと、余笹川流域から上流二十キロメートルの地点に五十六・五ヘクタールのスキー場が平成六年十二月に完成し、その開発行為で森林の保水効果を損ねたのではないかと考えられます。また、保安林の解除等が災害の拡大につながったのではないかと私は考えますが、この地域での実態についてお聞かせを賜りたいと思います。 さらに、防災を配慮した今後の開発のあり方について、国土庁長官の所見を伺いたいと思います。 時間の関係で三点一括してお聞かせをいただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○政府委員(谷合靖夫君) 初めに栃木県の情報収集体制の御指摘でございましたが、確かに八月二十七日の午前一時五十分に、気象台の方から栃木県北部に対し大雨洪水警報が発令をされたということでございます。これを踏まえまして栃木県では、午前五時四十分ごろには県の災害対策主管局の職員が参集をして本格的に情報収集を開始したというふうに聞いておりますが、実はそれ以前におきましても担当の職員はやはり気象状況等の推移に注意をして、そして午前二時四十五分ごろにはそうした担当の職員が登庁をし、水位の監視、水防活動の情報収集あるいは関係土木事務所等への必要な連絡ということを事前にはやっていたというふうに聞いております。これが一点でございます。 それから二点目の、「からまつ荘」に対する情報伝達の件でございますが、西郷村につきましては、御指摘のございましたように同報無線というのはまだ未整備でございます。実は、昨年度実施設計をして、今年度から本格的に整備に入るということであったわけでございます。したがいまして、八月二十七日午前三時に水防本部を設置いたしまして、伝達につきましてはやはり消防自動車等による村内の警戒パトロールということを通じて伝達をされていたというふうに聞いております。 それから、「からまつ荘」の周辺でございますが、そうした警戒の際に特に危険が認められなかったことと、また同施設については土砂災害の発生のおそれのある危険地域に指定をされていなかったというようなことなどから、西郷村といたしましては、「からまつ荘」に対して避難勧告等の措置は行わなかったというのが事実であるというふうに聞いております。 それから第三番目の、防災無線の今後の整備の問題でございます。確かに、同報無線を整備する際には屋外の拡声機ということが中心になるかと思いますけれども、それ以外に戸別受信機をつけることも可能でございます。確かに、豪雨等において非常に外が騒がしいときに聞こえづらいという声があることも私ども承知をしておりますが、今後同報無線の整備に当たりましては、そうした戸別受信機というものが夜間や雨などで屋外にいる方々に情報を伝達することができる非常に有効な手段でもございますので、今後整備を進めるに当たってはそうした面にも配慮をしながら整備をしていただくように、これから市町村等にお願いをしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○政府委員(炭谷茂君) 「からまつ荘」の中での情報伝達の状況でございますけれども、「からまつ荘」につきましては日ごろから防災に関する計画を持っております。夜間の防災組織につきましては、避難誘導の担当のほかに通報連絡担当を置くということになっておりまして、被災時には迅速に管理者、消防等に連絡するという計画になっておりました。 そこで、当夜の状況でございますけれども、「からまつ荘」では夜間の巡視を通常は四回行うということでしたけれども、当日は七回巡視を行っております。被災の五分前にも巡視を行いましたけれども、異常は認められなかったというふうな報告を受けております。被災後におきましては、「からまつ荘」から「太陽の国」の管理センター、消防署、施設長等に連絡が行われるとともに救助活動を行ったというふうに報告を受けております。
○政府委員(青山俊樹君) 余笹川、黒川等の抜本的な復旧の考え方でございますが、記録的な集中豪雨により現在の流下能力をはるかに超える規模の洪水が生じたため甚大な被害をこうむったものでございまして、通常の災害復旧では十分な効果は期待できないという認識をしております。 余笹川等の復旧に当たりましては、河道の拡幅や橋梁の改築はもとより、例えば橋梁付近の堤防は水が越えても壊れないというものにするような強化対策とか、また先生御指摘のような調整池のような降雨を貯留する機能を持たせるような対策、そういったものも視野に入れた広範な対策につきまして県とともに検討してまいりたいと思っております。
○政府委員(山本徹君) 先生御指摘のとおり、洪水防止に果たす森林また保安林の役割というのは大変重要な意味を持っておりまして、私どもも、健全な森林の育成、整備、また保安林制度の適切な運用に努力しているところでございます。 余笹川につきまして、この上流の最近二十年間の保安林の解除の面積でございますけれども、先生御指摘のスキー場を含めまして、あとは道路用地等でございますが、これは過去二十年間で五十八ヘクタールでございまして、これは余笹川の流域面積三万四千ヘクタールの〇・一七%の面積でございます。 また、保安林の解除に当たりましては、洪水調整等の機能を持っている保安林のいわば代替施設として、洪水調整池や土砂流出を防止するための谷どめ工などの災害防止施設の設置を要件としておりまして、この流域内でもこれらの災害防止施設を保安林の解除に当たって整備しているところでございます。 今回の余笹川の降雨でございますけれども、通常の年間総雨量が千八百ミリに対して、八月二十六日から三十一日までの六日間に余笹川上流に年間の三分の二に相当する千二百五十四ミリの記録的な豪雨がございまして、私どもとしては、今回の余笹川の災害は保安林の解除が原因となったものではないと考えております。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 藤井委員の方から、防災を念頭に置いて開発と保全の関係を今後どう考えていくんだというお問いがあったわけでございます。 開発と保全の問題というのは、これはもう大変、特に経済の成長を期そうということの中でこれまでも大きなテーマでありました。今後も、当然のことでございますけれども、ある種永遠のテーマというようなことになっていくのではないか、このように思います。 現在でも開発に対しては、野方図な開発を許すというようなことにはなっておりませんで、いろいろな法制度で、開発をしたい側からすればむしろ厳し過ぎるほどの保全の規制があるじゃないかというようなことも現実あるわけでございます。しかし、どうも最近の気象の状況というようなものを考えてみますと、この保全の要請というものがそういったこととの関連で今後ますます増してくるのではないかというようなことも我々は念頭に置かなければいけない、そういう環境になってきているんじゃないかとも思われます。 そういったことにも配慮して、今後とも我々は法制度の運用に十分配慮して、開発と保全がある種の緊張、それからまた均衡をとったものになりますように努めてまいりたい、このようにお答えを申し上げておきたいと思います。
○藤井俊男君 ありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 今回の豪雨災害に関しまして質問をしたいと思います。 まず、質問に先立ちまして、今回の豪雨被害によりお亡くなりになりました方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されました方々に対しましても心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。 さて、今回の豪雨被害の中でも、犠牲者五名、重傷者一名という特異的被害をこうむりました福島県西郷村の県立総合社会福祉施設「太陽の国」の災害に関しまして、厚生省にまず質問いたしたいと思います。 被災された「太陽の国」の入所者七百四十九名の中で、「太陽の国」以外の県内、県外施設に入所されている方々が九月十日正午現在でまだ二百六名おられるということを聞いております。心身の状態によりましては、もとの施設の職員との人間的コミュニケーションを必要とする方々もおられることと思います。「太陽の国」の職員の方々でこれら転出先の施設にフォローアップのために行かれている方というのはどれくらいおられるのか、その点に関しまして質問いたしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 被災した施設の入所者を受け入れていただいている施設に対しまして、人数が多い場合、例えば、これは福島県内の施設ございますけれども、四十四名受け入れていただいております「矢吹しらうめ荘」という施設がございますけれども、このような施設につきましては十名とか、また他の、先ほどの宮城県の「船形コロニー」では百五名を受け入れていただいておりますので三十五名といったように、「太陽の国」の職員の方々を、顔見知りの方、常日ごろからお世話、ケアに当たっていらっしゃるという職員の方を派遣いたしております。 中には少数の方を引き受けていただいている施設もございます。そのような施設におきましては、週に二回とかという形で巡回で「太陽の国」の職員が処遇に当たっているというような方式をとっております。 したがいまして、今後とも、他の施設で処遇を受けていらっしゃる被災施設の入所者の方々につきましては、先生の御指摘のように適切なフォローアップを行われるよう指導してまいりたいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 災害の後に被災者におきましてはいろいろな精神的ストレスも起こってくるということでありまして、心的外傷後ストレス障害というふうに言われておりますけれども、施設に入所されている方でも恐らく恐怖感、不安、不眠、興奮などの症状が見られているのかもしれません。 そういうものに対しての対処は今回なされておるのでしょうか。その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) 「太陽の国」の入所者に対しまして、入所者の心のケアの問題でございますが、精神面のケアが必要な者に対しましては、太陽の国病院の精神科医師や施設の心理判定員によりまして必要なケアを実施しているところでございます。
○渡辺孝男君 災害の場合には、被災者だけではなくて救援に当たった方々等も精神的な疲労、肉体的な疲労で、そういう災害の後に燃え尽き症候群みたいに、一生懸命やり過ぎて後で疲れてしまっていろんな症状が起こるというようなこともありますので、そういう意味では、救援に当たられた方々に対してもメンタルヘルスケアの配慮をしていただきたいな、そのように思うわけであります。 次の質問でありますけれども、被災後二週間になったわけでありますけれども、現段階で家庭に一時的にお戻りになった方が三百二十七人おられるというふうに聞いております。 受け入れ先の家族の方から、介護休暇の取得が困難だとか、介護疲れで大変だというようなお声が寄せられているのかどうか、また早く再入所させてくださいというような強い願望、要望といいますか、そういうものが起こってきているのかどうか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 「太陽の国」から現在一時的に自宅に戻っていらっしゃる方、先生ただいま三百二十七人という数字を御披露いただきましたけれども、きのうの夕方現在では二百五十四名という形になっております。 この方々につきましては、確かに先生御指摘のように、家庭の中で長い間お世話をするというのはなかなか無理が生ずるだろうというふうに思っております。その点について私ども十分気をつけていかなくちゃいけないわけでございまして、家庭の中での処遇が困難になったという方々につきましては、施設に戻りたいという御希望があればいつでも施設でお世話ができるように受け入れ先の施設について十分確保いたしております。
○渡辺孝男君 「太陽の国」の被災施設に関しましては、やはり復旧あるいはまた今後災害が起きないように改善をしなきゃならないわけでありますけれども、今後の改善の方向、原形復旧、今のままの施設を使うような形になるのか、一時的にでも仮設の施設をつくらなきゃならないのか、そういう点を含めまして、今後の復旧、改善の方向性につきましてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 福島県では、被災した施設に入所されていた方々が早くもとの生活に戻ることができますように、施設の復旧を急ぎたいという方針を持っております。しかしながら、施設周辺の工事が完了し一安全が確実に確保されるまでの間は施設の使用を見合わせるというふうに判断いたしておりますので、まず仮設の福祉施設の設置を検討されておるということでございます。 既に、私どもと福島県との間で事務的な打ち合わせを進めております。また、福島県でさらに具体的な計画が今後進められておりますので、それに合わせまして、私ども厚生省といたしましてはその支援の方法について積極的な検討をしてまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 次に、建設省の方にお伺いしたいのでございますけれども、建設省の方は厚生省と協議しながら災害弱者の居住施設とも言えるような今回の社会福祉施設等、山間部に立地しているものに関しましては、今まで土砂災害の危険地域に指定されていないところもあるということで、新たな危険地域に指定するのかどうか、点検作業をしながら再検討していくというふうに聞いておりますけれども、今後新しく危険地域に指定された場合のその施設の土砂災害防止対策につきまして、その方向性につきましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 今、先生御指摘のとおり、今回の災害にかんがみまして、「からまつ荘」のような災害弱者に関連した施設を土砂災害から保全するために厚生省と連携して一斉点検を行い、実態の把握をしたいと思っております。そして、それを市町村の警戒避難体制の整備に反映させるとともに、必要な箇所につきましては防災工事を実施してまいりたいと思っております。 なお、この調査につきましては九月三日から依頼いたしまして、九月末を目途に取りまとめたいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 今回犠牲者が出た障害者救護施設「からまつ荘」でも通常の防災訓練というのは行っていたというふうに聞いておるわけでありますけれども、そういうような防災情報ネットワークのより以上の確立、それから避難救助体制の整備はもとより、ハード面でも改修すべきそういう山とかありましたら、あるいは施設を移転する、移動するといいますか、少しずらすとか、そういうハード面での対策もやはり必要になるんじゃないか、そのように思っております。 次の質問に入らせていただきます。 消防庁の方にお伺いしたいんですけれども、流水によって行方不明者が三名ですか、先ほど何か二名というようなお話もありましたが、まだおられるということでありまして、その方々に対しまして今後の捜索・救出の方針につきましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷合靖夫君) 栃木県の那須町において家ごと流された方がいまだ二名行方不明になっております。この行方不明者の捜索につきましては、消防職・団員及び警察が協力をし合いまして今日まで懸命の捜索を続けてきておるという状況でございます。捜索範囲も地元だけではなくて、下流の近隣市町村を含めて捜索に当たっているようでございまして、消防職員二十五名程度、それから消防団員は二十名から五十名程度、それから警察官が約百四十名程度で連日捜索を行っているというふうに伺っておりまして、今後ともそういう警察の協力を求めながら引き続き捜索を続けていくというふうに聞いております。
○渡辺孝男君 大変な作業かと思いますけれども、万全を尽くしていただきたい、そのように思います。 次も消防庁の方にお尋ねしたいわけでありますけれども、今回の集中豪雨は局地的には時間雨量が九十ミリに及ぶところもあったり、あるいはまた一日降雨量が六百ミリというような記録的な豪雨でありまして、それによる土砂崩れ、河川はんらんなど、今までの概念からは超えたような被害が出たわけであります。 今後、消防庁としましては、こういう世界異常気象といいますか、そういう折でありますので、また同じような局地的な豪雨災害というのは起こる可能性も高いと思います。やはり地域防災計画の、このような局地的な豪雨が起こり得るんだということで新たな見直しが必要なんではないかなというふうに思うわけであります。その点に関しまして、今後の方向性につきましてお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷合靖夫君) 実は、この地域防災計画につきましては、阪神・淡路大震災後に国の防災基本計画が抜本的に改正をされまして、これを受けまして各都道府県あるいは市町村の地域防災計画につきましても、そうした阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて抜本的な見直しをしていただくようにということでこれまでもずっとお願いをしてきたわけでございます。都道府県段階ではすべて終わっておりますが、市町村ではまだ見直し途上というところも数多くあるという現状になっております。 ただ、そうした阪神・淡路大震災の際の教訓と今回の集中豪雨の教訓というものを今後どう生かしていくかということにつきましては、地域防災計画は必要に応じて随時見直すということになつておりますので、特にこうした被災を受けられた市町村、都道府県におきましては、今回の教訓というものをこれから十分点検をして、そして現在の地域防災計画と突き合わせをしながら、必要があれば今回の災害を教訓にした見直しということを今後進めていただけるんではないだろうかというふうに考えております。
○渡辺孝男君 今まではそういう豪雨による土砂崩れ等が起こる可能性は少ないというようなところでも起こってしまうことがあり得るんだということを十分考慮しながら、地域防災計画をやはりもう一回見直しながらやっていく、点検していくべきである、そのように考える次第でございます。 では、次の質問に移らせていただきます。建設省の方にお伺いしたいんですが、今回の集中豪雨では余笹川を初めとしまして河川のはんらんにより大きな被害が出ておるわけでございます。河川等の災害復旧工事はこれまでは原則原形復旧という方針で行われていたようでありますけれども、今後は、再度の災害を防ぐためにはやはりある程度改良復旧ということを念頭に置いて防災対策に万全を尽くすべきである、そのように考えるわけでございますけれども、先ほど市川委員も質問されておりましたが、その点に関しましてもう一度お答えいただきたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 今回の八月上旬の新潟の災害、また八月末の余笹川等の豪雨災害では、堤防からの越水や破堤によりまして床上浸水の甚大な被害が発生したわけでございまして、先生が御指摘のとおり、従前の原形復旧のみの災害復旧では十分な効果は上げられないという認識を私どもも持っております。 そういった意味で、川幅を広げるとかまたは堤防の補強をするとか調節池機能を持たせるとか、いろんな広範な改良復旧の方策を考えたいと思っておりますし、また上流部の改修が進みますと下流部への流量増が起こります。それをも含めた手当てを一般会計でやるというふうな制度も含めまして、改良復旧の制度充実に取り組んでまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 最後の質問、柳沢国土庁長官にお伺いしたいと思うんです。 記録的な局地的集中豪雨によりまして、福島県白河市周辺地域や栃木県の黒磯市、那須町周辺の地域、そのほか関東、東北地方の各地に大きな被害をもたらしたわけでありますけれども、被災地の復旧のためにはやはり激甚災害の早期指定が不可欠であるということであります。災害復旧事業にかかわる査定を緊急に実施していただきたい、これは要望でございます。 質問の方になりますけれども、激甚災害の適用に当たっては、同等の被害を受けた方々が平等の補償や支援が受けられるように、市町村あるいは県単位での行政単位で格差が出ないように配慮していただきたい、そのように思うわけであります。同じ川を挟んで、県が違った、市町村が違ったから向こうはいっぱい支援を受けられて、こちらは受けられなかったというような差別があるとやはり問題ではないか、そのように思うわけであります。その点に関しましてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 激甚災害の指定についてまず早急に手続を進めるようにという御要望でございますが、この点については、私ども御趣旨に沿って鋭意努めてまいりたいということを改めて申し上げておきます。 それから、指定のいかんによってほぼ同じような災害をこうむった地域が同じように扱えるようにできないか、こういうお尋ねでございます。御趣旨はよくわかるわけでございますけれども、私ども行政は法律のもとで行政を行っておるということでございまして、この現行の制度は財政措置等につきまして市町村ごとにこの適用基準に合致しているかどうかの判定をしてこの法律制度を実行するようにということになっておりますので、先生の御趣旨も体しながら実務の、基本的にはまず市町村等の動きがスタートになりますけれども、法律の運用ということでございますので、この法律の運用に適正を期していくということを申し述べさせていただきたい、このように思う次第でございます。
○渡辺孝男君 やはり地域住民にとりましては不平等感とか不公平感がないように本当に極力御配慮をいただきたい、そのように思うわけでございます。 話は別になりますけれども、最後になりますが、公明の方は衆議院の新党平和と共同で、豪雨災害発生の翌日の八月二十八日に小渕内閣総理大臣にあてまして、激甚災害早期指定やそれから災害援護資金の貸し付けの早期実施などを求めました東日本等集中豪雨災害対策に関する緊急申し入れというものを行いました。その折に、明年より施行される予定の被災者生活再建支援法を実質前倒しする形で生活再建支援金類似の支援措置を講じられないかということで野中官房長官にも要望したわけであります。今回、政府の方がこれを実施する旨の発表をされたことに対しまして高く評価するところでありますが、なお、さらに今後、景気低迷の折で被災者にはより以上の窮乏が強いられるような状況になるんじゃないかと心配されるわけでありますので、災害関連の融資制度の拡充等に対しましても特段の配慮を行ってほしい、そのように要望させていただきまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○大沢辰美君 大沢でございます。 先ほどまで質問が続いているわけですけれども、私も、八月上旬、下旬に発生した集中豪雨による災害対策を中心にお尋ねしたいと思います。 日本共産党を代表して質問するわけですが、三点についてお尋ねしたいと思います。その一点については大きく農業災害について、そして河川災害について、そして被災者の支援の問題についてお尋ねしたいと思います。 大臣は就任以来、直ちに阪神・淡路大震災の神戸市の方にも視察をされていますし、また、この八月末にも総理とともに集中豪雨の福島県、栃木県の方に調査をされて、被害の深刻さを十分に把握されていると思います。 私も阪神・淡路大震災を経験した一人として、仮設住宅にまだ住まわれている方や県外に避難されている方のことも思いながら、本当に支援をきちっとしてほしいと考えながら、八月五日に直ちに新潟の水害の視察に参りました。そして、二十九日には茨城県の水戸市の方へ、先日は委員会として福島県と栃木県の方の調査に参加をしたところです。 皆さんおっしゃったように、本当に想像以上の大災害だったと思うんですよ。だから今後の対策は、もう国の責任、役割が大きいなと痛感しております。被災地の要望に即した、今激甚災のことでずっと質問がありましたけれども、このことも私は早期指定を求めて質問に入りたいと思います。 第一点は農業被害の問題です。 面積については、本当に調査が進むにつれてふえてきていますね。現在のところ約二万七百十ヘクタールですか。それから、農地の被害もそうですし、そして、各地の田畑が川となって流失して、新潟を中心とした被害で農作物の被害面積が一万一千三百ヘクタールに及んでいるんですか。ですから、もちろん共済の早期仮払いや実調をしていただきたいんですけれども、今回の災害は、これだけでは生産を再開できないというところに私は大きな問題があると思うんです。 そこで、私は新潟の笹神村という小さな村を視察したんですけれども、ここは転作で大豆を七十町歩つくったそうなんですけれども、そのうちの三分の一近い二十町歩が冠水で壊滅状態になったと。宮城県の角田市も大豆四百十四ヘクタールが冠水して被害を受けたと。御存じのように、大豆は水につかったら使えません。そういう点も踏まえて、やはり減反面積の拡大に対応してことしから大豆に転作した農家もあるわけです。だから共済に加入できなかったという人もあるし、加入者が少ないという実態があります。ですから、本当にこの人たちは政府の減反政策に協力して転作したためにこの被害を受けたということを私は指摘したいと思う。だから、もう続ける気力を失った、こういうふうにおっしゃる方もありました。 これらの方の救済をどう考えているか、転作大豆に対する損害補償を本当にやっていただきたいということをまずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(樋口久俊君) お答え申し上げます。 今回の災害で大きな被害を受けております転作の大豆につきまして特段の救済措置が必要ではないかとのお尋ねでございますが、御承知のように、先ほど先生もお話しございましたが、農家の皆さんが不慮の事故で損失をこうむられたときの損失の補てんにつきましては、農業災害補償法という法律がございまして、これに基づく共済制度があるわけでございます。 そこで、災害による農作物への被害に対する救済措置は、この共済制度によります減収の補てんが私ども基本と考えておりまして、今回の災害によります被害につきましては、被害の程度に応じて共済金を支払うことになるわけでございまして、その支払いを早期にするようにということで必要な作業をすることになっておるところでございます。 御質問の趣旨は、何らかの理由によりまして共済に加入しなかった人たちについても特段の措置がないのかということだろうと思われるわけでございますが、片方で共済制度がありまして一定の負担をして加入をしておられる方々がおられることを考えますと、事後的に特別の救済措置を講ずるのはなかなか難しい面がある、困難な面があるということを御理解いただきたいと思います。 なお、転作の大豆、お話しのとおりことし伸びておりますけれども、これは、生産調整の実施計画に従って大豆の作付を行っておられる場合に、市町村によりその確認を受けた水田でございますと、その実施状況に応じまして助成金が交付されることとなっております。その助成金が、大豆の転作であるということでありますとこの助成金の体系の中で手厚いものになっておりまして、大規模なものあるいは組織化されておりますものにつきましては、最高で十アール当たり五万円の金額になるというようなことになっている仕組みもあるということも御説明をしておきたいと思います。
○大沢辰美君 そういう交付金、奨励金を出しているからほぼ大丈夫だという御答弁のように私はとったんですけれども、笹神村の場合、大豆の打撃というのは、これは私、村会議長にお聞きしたんですけれども、米と大豆では大豆の方が収入が半分になると、今回の場合。米が打撃を受けて大豆が打撃を受けた場合、大豆はもう本当にひどいという実態を言われています。ですから、来年もこれでは生産ができないというのが実態なわけです。 ですから、形どおりだったら今の答弁だと思うんですけれども、来年の生産に見合うような特別な補償をやっぱりこの大災害ですからお願いしたいということで、次に農地復旧の問題についてお尋ねしたいと思います。 農地の復旧については、今激甚災害の指定の問題も質問ありましたけれども、もしこの激甚災の指定を受けたとしても約一割前後の自己負担が生まれるんじゃないかと、それぞれ違いますけれども、私は考えるわけです。だから、何とかこれを免除してもらえないかというのが私たち調査団に寄せられた要望だったんですけれども、私は、今回被害の規模が大きいだけに、農作物の被害の上に農地の復旧の被害ですから二重の災害だと思うんです。 ですから、これも重ねて、農作物の特別の援助というのと同じように、やはり農地の復旧にも特別の措置が必要ではないかということを私はお尋ねしたいんですが、いかがですか。
○政府委員(渡辺好明君) 農家負担が過度にわならないようにということで暫定法なりあるいは激甚法によるかさ上げがあるわけでございます。実効補助率という点で見ますと、農地の復旧の場合には過去五年の平均で補助率は大体九三%になっております。したがって、残り七%を農家もしくは市町村が負担をするということになります。これは地域によって実情が違うわけですけれども、全市町村の大体一七%ぐらいのところでは残りの負担全部を市町村が行っている、一部を市町村が行うという点まで入れますと、半分ぐらいの市町村がそういうことをやっているという実情にございます。 ただ、全額を国庫ということになりますと、農地にいたしましても農業用の施設にいたしましても、やはり受益者が特定をされるないしは個人の財産ということもございまして制度になじまないというふうに考えているわけでございますけれども、市町村が政策的にそういった御負担をなさるということにつきましては、地域ごとの実情に応じておやりいただきたいというふうに思っている次第でございます。
○大沢辰美君 同じような答弁になるわけですね。だけれども、実態は私はそうスムーズにいくような内容ではないと思うんですよ。負担がわずか三万円であっても五万円であっても、今農業をしていらっしゃる方は高齢の方が多いでしょう。そういう人たちに今度負担を負わせるわけですから、自治体がわずか負担していても、やはりそれだけの負担は個人負担になりますから、ここは本当に再度要請をしておきたいと思います。 次に、河川の改修についてお尋ねいたします。 先ほども阿武隈川の質問があったわけですが、私は那珂川の、特に水戸市内における水害対策についてお尋ねしたいと思います。 私もお伺いして、茨城県の県庁所在地の水戸市内を流れる一級河川に無堤防地域があったことにまず驚いています。上流に集中豪雨が今回あったとしても、堤防が整備されていたら、これは約千戸に浸水をしているわけですけれども、防止できたのではないかと素人の私でも視察をして強く感じました。 まず、その一点なんですけれども、ここは十二年前にも大洪水がありましたから、その後、水戸市の、中心は水府地区というんですが、激甚災害対策特別事業また緊急改修事業が指定されてやられてきているわけです。しかし、今日なお肝心の水府地区の橋の前後約二キロにわたって築堤がされていなかったことで私は今回の被害が発生したと思うんです。ですから、ここの住民の方は、建設省の方が立ち退いてくれと言ったから立ち退いた、だけれども、行ったところも一メーター二十くらい、自分の胸までつかるくらい今回もまた被害を受けた。強制収用もしますよと言われて立ち退いた、それでもまた今回被害を受けたと。だから、もう二重にも三重にも苦しみを切々と訴えて、それでも今回間に合わなかったというのが実態なんですけれども、これでは本当に人災だとこの人たちもおっしゃっていました。 ですから、私はもう本当に行政に対する怒りが押し寄せるような要望を聞いてきたんですけれども、統計を見たら十年に一回災害が発生しているというのがこの地域の実態のようですけれども、やはり那珂川のこの水府地区の整備がおくれたことが原因なんですから、これはもう建設省の重大な責任だと思うんです。ですから、本当に直ちにこの工事着工の補正予算を組んで、来年の予算にも推進できる築堤の対応をつくって、被災住民の方に本当にもう水害から守りますよ、安心してくださいと言えるような建設省の誠意ある答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) 昭和六十一年の災害以降、今御指摘のありました水戸市の水府地区につきましては、河川激甚災害対策特別緊急事業とか床上浸水対策特別緊急事業、また緊急改修等で各種の事業を組み合わせて改修を促進してきているところでございます。 また、改修に当たりましては、三百七十六戸に上る多大な家屋移転や用地買収が必要なことから、今日まで時間を要しているというのが実態でございます。平成十年度末で、万代橋からJRの常磐線橋梁までの水府地区におきましては用地取得が約九割、築堤が約五割となる予定でございまして、一日も早い完成に向けて努力してまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 お願いします。実態をよく把握されていますから、やっていただけると私は特に念を押して次に移りたいと思うんですが、実態はまだ河川敷に、住民は立ち退いたけれども、あるホテルはまだ営業しているという実態、これではやはり建設省の推進のあり方が問われると思うんですよ。ここもやっぱり踏まえて、住民の方に納得できる対策を一刻も早くお願いしたいと思います。 特に建設省の関係で、那珂川の点でもう一点お尋ねしたいと思うんですが、今回この那珂川の支流がはんらんしたことも御存じだと思うんですけれども、この支流は西田川と藤井川というんですけれども、この場所は今指摘した水戸市内の水府地区から約十二キロ上流になります。岩根地区というんですけれども、この地域もやはり十年前に水害を受けたと。だから築堤の計画はあるんですよ。だけれども、無堤防のまま放置されていてこの結果になったわけですから、避難所にお伺いしたときに、ある人は十二年間今度はしてくれる今度はしてくれるということで待っていたと言うんですね。この災害はやっぱり人災だと、このようにこの場所でも指摘をされていました。 ですから、私も素人ということを表現しましたけれども、この対策は、本流の那珂川の無堤防地区の築堤と、そして支流の藤井川、西田川とありますけれども、この合流部分に水門をつくれば、この岩根地区という今回浸水したところは水害はこれから発生しなくなるということを私も思いましたし、今計画も進んでいるようですけれども、この点については県との協議もあろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。答弁をいただきます。
○政府委員(青山俊樹君) 岩根地区につきましては、まず築堤のための用地取得が必要なことから時間を要しているところでございます。今後は、当地で並行して進めておられます県営の畑地帯総合土地改良整備事業と連携調整して速やかに築堤工事を進めてまいりたいと思っております。 また、西田川と藤井川の合流部の改修工事におきましては、西田川に水門を設置することといたしております。今回当該地域で浸水被害が発生したことから、できるだけ速やかに水門を設置すべく努力してまいりたいと思っております。
○大沢辰美君 最後に長官にお尋ねしたいんですけれども、被災者の方への支援でございます。 きょう所信表明の中でお聞きいたしました。この五月に成立した被災者生活再建支援法が、この法の公布日から適用日まで、来年までにおいて発生する災害については法と同様の支援策を講ずることとするということでお聞きいたしまして、一定の被災者の方はお喜びなられたということをお聞きしました。 それで、総理が一緒に行かれて、とても優しい言葉を聞いて私はもう本当にうれしいなと思ったんですが、家が壊れてどうするんだろうねという言葉を使われたということで、私はこれは人間としての本当に最初の観点だと思うんですね。ですから、そういう言葉を発せられたならば、災害の支援をやっぱり実態に合わせた形でやっていただきたいというのを私は総理初め長官にお願いしたいと思うんです。 と申しますのは、私も、今説明いたしましたけれども、そういう阪神・淡路大震災を経験した一人として、今回水害で全壊と認定された方は数字では七十戸になっていますね。そして支援法が、もしこれが適用されたとしても最高百万円ですから、支援金がこの七十世帯に支給されるかどうかもまだ、その所得制限だとか年齢制限だとかありますから、本当に総理が言われるようなそういう解決にはならないんじゃないかという、その点が本当に適用されるのかどうか、すべて七十戸適用されるのかどうか一点お聞きしたい。 私は、床上浸水があったのが三千六百十七世帯ですか、半壊の数字が九十六世帯になっていますね。こういう人たちはこの支援法の適用によって、私の法の解釈では適用しないと書いてあるわけですけれども、総理大臣が本当によくしてやりたいなというその気持ちがあるならば、こういう人にもやっぱり支援の手を差し伸べていただきたい。そういう支援の内容の改善について長官に本当に効果ある……
○委員長(海野義孝君) 質問時間でちょっとまとめてください。
○大沢辰美君 あと三分ぐらいありますよ。
○委員長(海野義孝君) いやいや、答弁まで含めていますから。
○大沢辰美君 はい、なるほどね。お聞きしたいと思います。お願いします。
○政府委員(林桂一君) 今適用戸数についてのお尋ねでございましたが、消防庁の現在の調べでまいりますと、八月上旬豪雨による災害の全壊戸数は三棟でございます。また、八月末の豪雨によります全壊は七十棟ということでございます。 したがいまして、全体としてはそういう数字でございますがこれについてすべてが適用になるのかというお尋ねでございますが、その点に関しましては、現在、法制度として、市町村ごとにどういつだ災害であれば対象にするのかということを政令で検討しているというところでもございますし、もう一つ申し上げますと、何といいますか、それらの戸数につきまして、この法律の適用のあるようなものであるかどうかにつきまして市町村なり県で精査していただいているという状況でございますので、現在までのところ、これら全体の戸数についてその適用があるということは申し上げられないと思います。むしろ制度のこれまでの経緯から見まして、こういった全体が適用になるということはないであろう、部分的な、ここの中の一部が適用になるということがあるのではないかというふうに考えているところでございます。
○大沢辰美君 委員長、あと一分ありますね。 そういう内容では救済できないということで、すべての被災者を救済する立場で今後取り組んでいただきたいということをお願いいたします。私は、この災害でもそうですし、阪神・淡路大震災でもそうですけれども、やはり全壊の方には最低五百万要るじゃないかと。総理のあのお気持ちからいったら、半壊の方には二百五十万必要だと支援金を求めていきたいと思っております。現在もその提案は変わりません。 政府は、今回の水害を踏まえて、住宅再建にやはり支給対象の範囲の拡大だとか金額について抜本的な改善を行わなければいけないなというのが今回のまた教訓だと思いますが、住宅の再建支援を行う検討が必要と考えるが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 委員から、支援の内容の改善あるいは住宅の再建のための新たな措置等についての御質疑がございました。 まず、現在の支援の内容でございますけれども、これはもう委員もつとに御承知かと思いますが、知事会の方の要望で、まずこうした方々、地方公共団体が基金をおつくりになってその基金から支援を行う、それに対して政府が支援をすると、こういう仕組みででき上がったものでございます。私どもといたしましては現在、この支援法をいかに円滑に適用していくかということについて準備をしておるところでございまして、今後もそういうようないきさつを踏まえて、まずこの法律をいかに適切に運用するかということに努めてまいりたい、このように考えております。 また、住宅再建のことにつきましては、これは御承知のとおり、この新しい法律の附則の二条でございましたか、今後検討するということになっておりまして、これらのことについてはこの附則でうたわれているところに従って今後検討をしてまいりたい、このように考えておりますことをお答えしておきます。
○大渕絹子君 私も、今回の災害の視察に参加をさせていただきまして、本当に自然が安定を失ったときの破壊力の物すごさというのをまざまざと感じさせていただいたところでございます。人間が安全に住むにはやはり安全な場所に生活の場をきちんと持っていかなければならないということを痛感したところでございます。特に重度の身障者や要介護のお年寄りなど、いわゆる災害弱者という人たちを収容しておられる福祉施設などが安全な場所に設置をされておらなければならないということを痛感したわけでございます。 残念ながら今回福島県の総合福祉施設「太陽の国・からまつ荘」では五名もの命を奪われるという災害でございました。皆様方の御質疑あるいは長官の御答弁等聞いておりますと、本当に避けられなかった災害なんだというふうに認識をしておられるように思います。本当に避けることができなかったのかもしれないけれども、違う見方をした場合に、もう少し何か再発防止のためのヒントを得ることができないだろうか、そんな思いをしながら私は視察に参加をしてきたところでございます。 そこで、昭和六十年七月二十六日、長野市で特別養護老人ホーム等が地すべり災害によってつぶされて二十名もの被害が出た災害がありましたけれども、その後厚生省のとられた対応について的確にお答えください。
○政府委員(炭谷茂君) 先生御指摘されました長野県の特別養護老人ホームの事故以来、私どもといたしまして、まず全国の都道府県に対しまして社会福祉施設の一斉点検を指示したところでございます。その結果、地すべり等の危険区域にある施設を把握いたしました。その施設につきましては、移転等の措置を早急にとるように指導をしてまいったわけでございます。その中に、特に緊急に対策が必要だという施設がたしか十四ばかりこれまであったわけでございますけれども、これが逐次減少いたしております。 これに対する対策といたしましては、私ども、国庫補助の優先採択ということ、並びにその裏負担の社会福祉法人等の負担につきましては社会福祉・医療事業団の無利子融資という形での対応という形で進めてまいっております。
○大渕絹子君 地すべり等危険地域に所在をする社会福祉施設の数を教えてください。
○政府委員(炭谷茂君) これは平成七年六月の調査でございまして、五百四十五ございます。この数字につきまして、いささか三年前の数字でございますので、今回の福島県の事故の起こりました直後の八月三十一日に、全国に対して直ちにその再調査を命じたところでございます。
○大渕絹子君 五百四十五の施設の中に「太陽の国」は含まれていますか。
○政府委員(炭谷茂君) この中には含まれておりません。
○大渕絹子君 書類審査によって地すべり地域に指定という、余りにもここのことにこだわり過ぎていて、施設が本当にどういう状況のところに置かれているかという実地の調査がなされておらないのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(炭谷茂君) 私どもといたしましては、法令やその他の通達に基づきます危険区域というものに対しまして重点的に対応をとらなければいけないということで、まず公によって危険とみなされている地域というものを重点的にやっているわけでございます。 しかし、先生今御指摘されましたように、「太陽の国」につきましてはその区域に入っておらないということにかんがみまして、建設省さんと協力をいたしまして、その区域内に入っていない地域につきましても防災上の問題があるかどうかということにつきまして現在一斉点検をやっているところでございます。
○大渕絹子君 災害が起きなければ一斉点検ができない行政のあり方というのは、本当に極めて問題があるというふうに思います。 私は現地視察のときに、この「太陽の国」のパンフレットの表紙だと思われますけれども、このコピーをいただきました。(写真を示す)皆さんも行かれた方は同様にいただいてきたんですけれども、このパンフレットは豪雨災害が起こる前に当然つくられていて、「太陽の国」が建設されたときに航空写真によって撮られた写真というふうに私は認識をしているものです。この写真を見る限りにおいても、既にもう崩落地、土砂崩れの跡というのが五、六カ所、この小さな写真でも確認ができます。コピーを拡大して見させていただきましたけれども、崩落地として土砂崩れの場所だと認識できる場所は各地に点在をしています。 そしてまたさらに、私はこのパンフレットで集落の位置が非常に気になりました。本来ならば、こういう山間地の農村部ですと集落は山際にうちを建てます。それはなぜかというと、耕地が非常に重要だからなんです。平たんな場所はできるだけ作物をつくるために、山際にうちをつくることを常としています。私も山の中に住んでいますので、そのことはよくわかっているつもりです。 しかし、これを見せられたときに、集落がこの土地の真ん中につくられているということに気づきました。それはもしかしたら、この山が住民にとって昔から安らかな山ではなかったのではないか、里山として常に生活の場で使われている山ではなかったのではないかという認識をしたわけでございます。 そしてさらに、現地に参りまして崩落地の山を見させていただきました。時間がなくて本当に駆け足で、中をよく私は見たかったわけですけれども、そばまで行って手で岩をさわってみることはできませんでしたけれども、写真等で検証させていただきますと、この崩落地、これは大きい方の左側の崩落地なんですけれども、この崩落地のすぐ際に岩盤がむき出しに出ている状況がございます。これは、この上に表土が薄く載っていたということがあらわされている地形だろうと思います。そしてさらに、その岩盤がえぐり取られたところはくぼ地になっておりまして、地形の中では池状の状況に岩盤がなっているということがこの写真によって判明することができます。 そうしますと、前日、二十六日の五時から六時までの間に一時間に九十ミリという記録的な雨が降ったわけでございますから、当然この山のこのくぼ地の中に水がたまっていた状況にあると私は認識をします。 そういう状況で、これは左側のくぼ地ですけれども、同じように表土の下は凝灰石なんです。これは白いのが凝灰石、それから安山岩の成層をなしているいわゆる火山地帯特有の地層なんですけれども、こういう地層になっている状況。この凝灰石、安山岩というのは水の浸透力が極めて小さい、水を浸透させない。だから崩れないというのはそこから来ているんですけれども、しがし表土を保てない土地である、山であるということだけはこの写真を見ても私は認識することができるというふうに思います。 そういう中で、このくぼ地にためられた水が翌日の午前五時、本当に一挙に上の表土と一緒に流れ出たというのが今回の災害なんだろうというふうに認識をしているんです。 そこまでは合っていますでしょうか。
○政府委員(青山俊樹君) 「からまつ荘」の問題につきましては私ども、土木研究所の担当官また本省の担当官が現地に参りましてつぶさに調査をいたしておりますが、今、先生がおっしゃったような事実は確認をまだいたしておりません。
○大渕絹子君 ぜひそういう観点からも確認をしていただきたいと思います。 そしてさらに、この。パンフレットで私は見つけたことがございます。虫眼鏡で見ないと見つけられないようなことなんですけれども、これが災害のつめ跡で、現地からいただいてきたパンフレットなんですけれども、このつめ跡と同じ形状をした、この森林が覆っている地域とは別のところにこの形状と同じ薄い緑色の形状があることに気づきました。 それは、ここの地域、今土石流の流出の通路になったこの地域は森林が覆っていたのではないというふうに認識をしますけれども、いかがでしょう。
○政府委員(青山俊樹君) 今回の災害は、記録的な豪雨となり、災害発生時まで約四百五十ミリもの雨量を記録するなど、集中豪雨により土石流が発生したものと考えておりまして、多少の雨で崩壊が発生するような場所ではなかったという認識を持っております。
○大渕絹子君 聞いたことに答えていただきたいと思います。
○政府委員(青山俊樹君) まだそのような確認はいたしておりません。
○大渕絹子君 それでは、この写真を見ていただきたいと思います。(写真を示す) これは崩落地を上から撮った写真ですけれども、土砂が通ったと思われる地域のところを私は足で踏んでまいりましたけれども、この周りの黒い表土とは違ってササが一面に生い茂っていました。ササというのは日照のよい土地でないと生えない性質がございます。それは、流出をしたこの土地が長い間日照にさらされていた土地だというふうに認識することができる、ササの群生によってそれを認識することができるというふうに私は思うんですけれども、そのササの上を一気に土砂が流れ落ちている。 これは災害が起きた翌日の写真なんですけれども、きれいな水が流れています。もうここは沢の状況、いわゆる降水が多ければ沢の状況になるという形状のところだというふうに思うわけですけれども、かつて崩落をして既に表土が失われて、そこにササが群生をし、そして流れやすい形状が起こっていたというふうに仮定ができるならば、ここは土砂崩れの常襲地帯であるということが特定をできると思います。いかがでしょうか。
○政府委員(青山俊樹君) 建設省の調査では、御指摘のような事実は確認しておりません。 なお、「太陽の国」で長年御勤務されている職員の方に県の方から聞き取りをしていただいたわけでございますが、二十年の間に御指摘のような事実はないというふうに聞いております。
○大渕絹子君 二十年の間にはなかったかもしれないけれども、地域住民が山のそばに住居を構えないというような流れの中で、あるいはまた平時のときに写した写真の中に崩落地がこれだけ点在をしていることが見えるこの地域で、認識をしておらないということ自体がおかしいのではないかと私は言っているんですよ。だからこそ今回の事故が防げなかったんじゃないですか。そうだと思いますよ。 ですから、この地域の山のありようというものがちゃんとわかっている住民の皆さんと意見交換をすることも必要でしょうし、その地域がつくられてきた歴史というようなものもきちんと踏まえた中で、こうした災害弱者の施設をつくる場合は徹底的な事前調査というものがなされて、そして初めてつくられなければ今回のような災害がまた起こってくるということは、ここは厳しく指摘をしていかなければならないというふうに思います。 私自身は確信を持って言っているわけではありません。短い時間の視察の中で直観としてそう思っただけなんです。私、山好きです。とてもよく多きます。ですから山のことはよくわかるんですけれども、この写真を見ていただければ、明らかにここのところはもう土手状になっていて、今度の崩落によって削られたところでないということはわかりますし、ササが群生じているこのところを多分土砂が滑ったんだなというのはだれが見てもわかることだというふうに思うわけです。 そういう状況をしっかりと踏まえた中で、今後新たなこういう施設建設のときの用地、私は人里離れたところに災害弱者を収容するというやり方はもう間違っていると思うので、これは厚生省にも反省を促したいというふうに思うわけですけれども、これからは本当に大衆の中でそういう人たちが暮らせる環境づくりをどうつくっていくかということも重要だというふうに思っています。 最後に、国土庁長官に防災の知識の広め方というのを。 防災白書の中でも、防災週間などを設けて地すべりとかあるいは土砂災害についての知識を広めるための努力をなさっていると聞いているんですけれども、さらにそうした担当される職員であるとか、あるいはすべての皆さんを啓発するための努力をしていただきたいと思います。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 大渕委員から防災の知識の普及啓蒙ということについてもっと努力すべきではないかという観点からの御発言だったと思いますけれども、私も現地を視察しながら全く同じことを考えました。 現地を視察して、先ほど来お話がたびたび出ておりますように、あの六日間に千二百五十四ミリ降った、あるいは一日間で六百ミリ降った、あるいは一時間あたり九十ミリの雨が降った。それがもたらす危険ということをもっと早くにその近隣の住民の皆さんが知り得なかったんだろうかと、こういうことをやっぱり思わざるを得ませんでした。 我々は、先ほど来の御答弁でたびたび申し上げておりますように、防災のためにはまず国土の保全ということが第一でなければならない、このように思っておりますけれども、河川局長等が御答弁に当たっておりますように、やはり一つの施設というものにつきましては整備の目標の数値というものがあるわけでございます。一般的に言えば、日本の河川は大体一時間あたり四十ミリから五十ミリの、あるいは四十ミリぐらいの雨に対して流水能力を持っているということで整備されておるということでございます。したがって、それをオーバーするような降水があった場合には溢流あるいは溢水ということは容易に考えられるわけでありまして、これが破堤に結びつぐというようなことで災害を引き起こすということが考えられるわけであります。 したがって、私どもは国土保全のためにいろいろな土木施設を整備してまいりますけれども、しかしそれでもなおそれをオーバーするような自然現象というものは起こり得る。その場合にどうしたらいいかといえば、これはもう警戒し避難するしか方法はないのでありまして、早期に避難をしていただくということが絶対に必要でございます。 そのためにはどうしたらいいかといえば、これは要路の者がそれぞれその情報を流すということと同時に、国民一般がそういった防災に対する知識というものを日ごろから培っておくということがどうしても望まれることになるというふうに私ども思っておりまして、その面につきましては今後とも最大の努力をしてまいりたい、建設省等にも私から早速にそのことを申し上げているところでございます。
○大渕絹子君 終わります。
○鶴保庸介君 自由党の鶴保庸介でございます。 自由党としては、本日、福島、栃木の集中豪雨の方へ政党として視察団を送りました。当地の亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災者の方々へ心からお見舞いを申し上げたいと冒頭申し上げたいと思います。 さて、福島、栃木の集中豪雨についてまずお伺いをしたいんですが、先ほど各委員がお話しされました被災者生活再建支援法、これが昨日ですか、決定されたというようなことでしたけれども、それ以外に被災者に対してどういう対応をとっておられるのか、各省庁それぞれお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(炭谷茂君) 厚生省といたしましては、基本的には災害救助法に基づきます避難所の確保、また食料の提供ということをまず始めております。またさらに、落ちつきましたら応急仮設住宅というものの整備も入るのではないかと思っております。 そのほか、災害の犠牲者に対しまして、災害弔慰金の支給等に関する法律というものがございます。これに基づきまして、今般犠牲になられた方につきましては該当する市町村において被災の状況を調査中でございます。この支給要件に該当する場合は速やかに手続をとるよう市町村にお願いいたしておりますので、地方自治体と連携をとりながら迅速に対応してまいりたいというふうに思っております。 主なものは以上でございます。
○鶴保庸介君 ほかの、建設省等いかがでしょうか。
○政府委員(小川忠男君) 被災した住宅の再建に関連してお答えさせていただきたいと思います。 基本的には、住宅金融公庫に災害復興住宅資金貸付制度というのがございます。これは、通常の貸し付けに比べまして、利率でございますとかあるいは償還条件が最優遇の制度になっております。これにつきましては、今回の災害に対応いたしまして、既に九月四日から受け付けを開始いたしております。 以上でございます。
○鶴保庸介君 住宅関連であるとか、そういったことについてはお伺いをいたしました。 ただ、今非常に私思いますのは、生活資財でありますとか、こういったものに対する支援であります。この辺のところはいかがでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) 生活資財につきまして、例えば災害救助法に基づきまして各種の施策をやっております。用意がございます。 例えば、差し当たって必要な生活の必需品、例えば服とかまたは寝具とか、そのようなものがもし必要があるならば、災害救助法の適用地域において適切に対応いたしておりますし、また、貸付金制度がございます。これは災害援護資金というものでございまして、先ほど引用いたしました災害弔慰金の支給等に関する法律の中で定められているものでございます。 災害援護資金は、限度額は三百五十万円でございまして、被害の程度によってその額は違ってまいりますけれども、これを貸し付けという制度で対応しているわけでございます。
○鶴保庸介君 生活資財、いろいろおありであろうと思います。 ただ、私が申し上げたいのは、これが家財道具とかあるいは旧来の生活資財というよりも、だんだん時代も変わってきておるようなわけであります。例えば自動車一つとってみても、各家庭がそれぞれ持っておるというふうな時代が今来ているわけですから、その辺のところ、新しい対応というか、生活資財一つとってみても、その品目であるとか、そういうところに対して何らかのこれからの対処方針といったようなものがおありであればお伺いをしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) ただいま先生が御指摘されました耐久消費財、例えば自動車というような大型のものに対して、災害救助法という体系ではなかなか対応が難しいのではなかろうかと思っております。 このようなものにつきましては、貸付制度、先ほど申しました災害援護資金の活用が考えられるのではないか、これによって対応していただければというふうに考えております。
○鶴保庸介君 例えがちょっと悪かったみたいで、自動車というのは、生活そのものの資財というふうなことではなくして、生活様式が変わってきたということの例えにしたんですが、善処していただきたい。できるだけ被災者の方々のニーズに合った対処をしていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。 最後に、福島、栃木のことについて気象庁にちょっとお伺いをしたいんですが、先般、世界的な異常気象というようなことでこのような集中豪雨があったというふうなことをテレビ等でも報じておりました。この辺について、集中豪雨が異常気象のものである、なぜ起こったのかというようなこと、それから、これからもこのようなことが起こり得るのかというようなことについての認識をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(瀧川雄壯君) 世界の異常気象と先日の豪雨との関連でございますけれども、確かに昨年から世界各地で非常に異常気象が起きてございます。例えば中国の洪水でございますとか朝鮮半島のいろんな洪水、日本でも非常に大きな降雨が起きております。しかしながら、これがこれらとどのように関係しているか、これは非常に難しい問題でございます。昨年は一部にはエルニーニョ等の問題がございましたけれども、これらとどういうふうに関係しているかということにつきましては、これは非常に難しい問題でございまして、私どもとしましては、この栃木と福島の豪雨につきましては、停滞した前線に台風の影響が加わって非常に大きな降雨が起きた、そういうふうに考えてございます。
○鶴保庸介君 じゃこれからも起こり得るという認識でいらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(瀧川雄壯君) 同じようなものが同じ場所で起きる、こういうことはちょっとお答えできませんけれども、しかしながら、前線が日本付近に停滞して、それにさらにまた今回のような台風の影響が加わる、そういうことが起こりますとかなりの降雨が予想される、そういうことは考えてございます。
○鶴保庸介君 わかりました。 一番心配されているのは、ほかの地域の方々も同じようなことになるんじゃないかというふうなことを恐れておられると思うんです。被災者の方々も含め、予知という面も含めて物すごく重要なことですから、行政の方々の御努力をお願いしたいと思います。 さて、今回の災害の中でも、余り被害が少なかったものですから取り上げられることはなかったんですが、岩手県雫石の地震についてであります。 岩手山の地震について、これが火山性のものではないという正式な発表が気象庁の方からなされておられるというふうに聞いておりますけれども、今後の予測といいますか、この地震が火山性の活動を活発化する恐れがあるというような指摘が一部新聞等でも報道されておりました。この辺について気象庁の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(瀧川雄壯君) ただいま御指摘のように、岩手山の周辺ではことしの二月ごろから地殻変動が観測されております。また、地震も多数発生するなど火山活動が継続しております。一方、九月三日に発生いたしました岩手県内陸北部地震は、この岩手山に隣接しております。しかし、この地震の前後で、岩手山の火山活動に関連いたします火山性地震、また地殻変動に顕著な変化は認められておりません。また、火山の表面の噴気活動などにも変化は認められてございません。 岩手山の火山活動につきましては、消長を見せながら今後も継続していく、そういうふうに考えております。したがいまして、噴火の可能性も含めまして火山性地震の活動の推移を今後とも注意深く監視していくことにしたいと思っております。
○鶴保庸介君 日本は火山国であります。山の多い国であります。その初動体制も含め行政の対処を本当にお願いしたいと思います。 その初動体制のことについてお伺いをします。 国土庁長官、所信表明をいただきました。その中で「迅速かつ的確な対応を図るため」とおっしゃいました。これをもう少し具体的に、いろいろ地震防災情報システムであるとか中央防災無線網というようなことを掲げられておられますが、どういつだ対応になられるのか。私自身も阪神大震災の経験者でありますから、その辺のところ、起こってしまったことに対して何をするべきかということをどう考えておられるか、ちょっとお伺いをしたいんです。
○政府委員(林桂一君) 地震等を初めとする災害につきまして、初動体制が非常に重要であるという認識で先ほど長官の所信表明の中にも触れておりますけれども、災害発生時の迅速なる情報収集連絡体制を図るということが基本的に必要であるという考え方でございます。阪神・淡路の震災の経験から、このことに国土庁としても最大限の努力をしていろいろな施策を講じてきたところでございます。 ハード面では、一つが中央防災無線網の拡充でございます。これにつきましては基本的には、マイクロウェーブを活用いたしました中央省庁間の連絡網、それから指定公共機関と言っておりますけれども、NTTとかあるいはエネルギー関係のそういった公共機関相互の連絡もこれで行うということで、これらにつきまして回線の充実等を図ってきているところでございます。 また、東京におきます、南関東におきます直下型の地震のおそれがあるということでございますので、その場合にそういったマイクロウェーブによる中央の防災無線網が機能しないというようなおそれも考えられますので、フェールセーフという観点から、衛星を使って緊急にそれらの機関を結ぶようなシステムを今現在整備中でございまして、三分の二ほどできておりますけれども、なるべく早くそれを完成させたいというようなことを考えております。 また、中央防災無線網の拡充の中におきましては、初動体制を図る上で画像の伝送と画像による災害の把握ということが非常に重要であるというふうに考えておりまして、ヘリからの画像をそういった関係の機関に一刻も早く提供できるような、そういうようなものも図りつつあるところでございます。 また、初動体制の中で大きなことにつきましては、地震発生直後に、その地震がどのような規模のものであるか、そして政府の初動の体制として、例えば一例を申し上げますと、緊急対策本部を立ち上げる必要があるような規模の災害であるのか、あるいは非常災害対策本部を立ち上げる必要があるような災害であるのか、あるいはそれ以下の対応ということで当面対処してよい災害であるのかと、そういうようなことなどを早急に判定する必要があるわけでございますが、これにつきまして地震防災情報システム、DISというものを整備してきておりまして、その中でも特に早期評価システムといいまして、気象庁の方からの地震計の震度というものをオンラインで国土庁の方に流していただきまして、これによりまして面的な震度の分布状況、それから建物倒壊数の予測、あるいはそれに伴います死者なり負傷者の予測というようなものを瞬時に、地震の規模によりまして少し違いますが、三十分以内ということでそれらの情報をコンピューターで計算いたしまして推測いたしまして、そしてそういうデータを一つの補助手段といたしまして、先ほど言いましたような政府全体の初動体制というものを決定していくというようなことなども工夫しているところでございます。 以上でございます。
○鶴保庸介君 もう時間がありませんから、最後の質問にさせてもらいたいと思います。 先ほど申されたとおり、その初動体制ですごく大切なのは連絡網の拡充というようなことのお話でした。その連絡網ということで、被災者の方から見た大切な思いというのは、私が阪神大震災のときに経験した思いでありますが、電話連絡、被災者とそれからその関係の家族との連絡が不通になってしまうんじゃないかというような連絡網のことであります。ちょっと聞いたところによりますと、奥尻の地震なんかでは携帯電話の貸し付けなどというようなこともあったというふうに聞いております。 その辺について、郵政省、最後にお願いをいたします。
○政府委員(天野定功君) 災害発生時の通話のふくそうに対しまして、最近でございますけれども、NTTの方から災害伝言ダイヤルという新しいサービスを提供することにしております。これは、被災地の人があらかじめ録音しておきまして、そして被災地以外の親類の方々などが安否などに関する情報をお聞きする、こういう仕組みでありまして……
○委員長(海野義孝君) できるだけ簡潔にお願いします。
○政府委員(天野定功君) はい。逆に被災地以外の方々からまた被災地への伝言もできるというような仕組みでございまして、ことしの三月からサービスが開始されまして、去る八月の関東北部あるいは東北南部の大雨におきましては五万九千七百六十二回の利用があるなど非常に災害時に有効であるということで、私どもはこれを積極的に、NTT以外の通信事業者も接続してサービスができるように取り組んでおるところでございます。
○国務大臣(柳沢伯夫君) 委員に対して私一言も発言しないんで大変失礼かと思いますので一言つけ加えますと、今郵政省の局長が言われたのはイナイというダイヤルなんです。私、せんだって現実にやってみました。一七一とまずやるんです。自分の声を録音する場合には一とやるわけですが、あるいは聞き取り用のときはその次は二なんですが、その次に暗証番号を言ってくださいとNTTの録音は言うんです。この暗証番号を言ってください、ダイヤルしてくださいというのはよく聞こえないんですよ。ですから私は、これは連絡番号にしろということを言ったりしております。 そういうことで、まず初動、救援のためのネットワーク、これが一番大事だということでございます。
○鶴保庸介君 ぜひお願いします。
○委員長(海野義孝君) 本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十六分散会