国民福祉委員会 第3号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/09/17
会議録
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十六日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(尾辻秀久君) 精神薄弱の用語の整理のための関係法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本法律案は、第百四十二回国会におきまして、本委員会提出の法律案として本会議に上程し、全会一致で衆議院へ提出したものであります。 衆議院では、継続審査に付された後、今国会、厚生委員会における審査を経て、全会一致で本院に送付されました。 ここで、去る九月九日、衆議院厚生委員会において行われました審査の概要を簡潔に御報告いたします。 まず、提出者として参議院国民福祉委員会の委員長である私から提案理由の説明を行いました。 その後、提出者である私並びに厚生大臣、厚生省及び文部省の事務当局に対し質疑が行われましたが、その主なものは、法律案の提出に至る経緯、「精神薄弱」の用語を見直す必要性、「知的障害」という用語に改めた理由、障害者に対する施策を全般的に推進し充実させる必要性等についてでありました。 これらの質疑に対して、次のような答弁が行われました。 精神薄弱という用語については、知的側面における障害の用語であるにもかかわらず、精神、人格全般を否定するかのような響きがあり、また障害者に対する差別や偏見を助長するおそれもあるため、用語の見直しが必要であるということが関係者の長年の要望であったこと、知的障害という用語については、このような知的機能の障害をあらわす言葉として適切であるという意見が関係団体等においてほぼ一致しており、広く一般にも普及定着していること、障害者施策を推進するためには、用語の見直しだけでなく、施策全般の見直しを行うことが必要であり、ノーマライゼーションの理念の実現に向けてさらに一層の努力が必要であること等であります。 以上、衆議院厚生委員会における主な議論を御紹介いたしました。 衆議院の審議においてこのような御指摘を受けたことを踏まえ、法律案の提出者であります本委員会といたしましても、障害者施策を一層充実させるためにさらに努力する必要があるものと考えます。「精神薄弱」を「知的障害」に改めようとする本法律案をそのための第一歩と位置づけることとし、改めて委員各位の御理解と御賛同を賜りたいと存じます。 この際、お諮りいたします。 本法律案は、先国会、本委員会から提出した法律案でありますので、趣旨説明の聴取はこれを省略し、質疑、討論の申し出もございませんので、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより直ちに採決に入ります。 精神薄弱の用語の整理のための関係法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(尾辻秀久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(尾辻秀久君) 次に、社会保障等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 大臣、きょう一日、御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。 党内きっての経済に強い政策通として鳴らした宮下大臣のことでございますから、もうこの大変な時期に厚生行政のかじをとられる、大変私たちは期待をしているところでございますけれども、しかし重責を担って本当に御苦労さまだというふうに思っております。 ところで、この新しい内閣が発足いたしますときに、堺屋経企庁長官が九八年の実質経済成長率、政府見通しの一・九%はとても難しいということを断言されました。先週、それを裏づけるように三期連続のマイナス成長のデータが公表されたこともありまして、昨日は経企庁長官もマイナス一%をかなり超えるマイナスになるというような予測をされたというふうに伺っております。 何といってもこの疲弊してしまった日本経済の活性化のためには、個人消費を何とか伸ばさなきゃいけないわけですけれども、どうも厚生行政にもいろいろ問題があるんじゃないだろうか。 昨年の九月から行われました医療費の個人負担の増、あるいは今検討されております介護保険にしても、本当に将来の安定になるんだろうか、安心になるんだろうかというふうな問題、あるいは年金の問題にしても、また保険料が高くなるんじゃないか、そしてちゃんと年金をもらえるんだろうかという不安もありますし、また引き続く医療費の改定、医療費の抜本改正につきましても、これも不安材料であるというようなこともありまして、厚生行政の今の取り組みがむしろ個人の財布のひもを余計締めてしまっているんじゃないかという、いろんな意見がございます。国民はお金を持っていないわけじゃないんだということでございますけれども、やっぱり先行き不安に備えなきゃいけないという気持ちになっているんじゃないかというふうに思います。 そこで、幸いと言ってはなんですけれども、この経済不況下で財政構造改革法も凍結もされましたし、社会保障費の例の二%のキャップも外されたという現下の状況でございます。もちろんむだは大いに省いて縮小しなきゃいけませんけれども、この際、余り国民を萎縮させるような政策は少し先送りしてでも、もう少し国民に元気をつけさせなきゃいけないんじゃないかということがいろんな識者からも言われているわけでございます。 さはさりながら、やはり二十一世紀に向かっての安心、安定のためには国民に負担もしてもらわなきゃいけないという厳しい情勢の中で、宮下大臣、何とかこの経済不況の中で国民が厚生行政に本当に安心してお願いできる、信頼できるというふうに信頼を高めていく、そういうかじ取りをぜひやっていただきたいわけですが、国民に対するメッセージをぜひ大臣の口から聞かせていただきたいと存じます。
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員の御指摘のように、社会保障と経済成長率との関係は極めて密接な関係がございます。現在のような不況の状況で、今マイナス成長ということがございましたが、当分の間なかなか景気が回復できないだろうという状況のもとでは、国民に保険料負担、その他医療費の負担等をお願いしにくいという面がありますし、またそれらが消費支出を減退させる、つまり可処分所得を減らしていくという側面があることも事実でございます。そういう経済状況の変化を私どもも重く受けとめまして、小渕内閣としては経済再生内閣ということでその一点に課題を集中して取り組んでいるというのが実情でございます。 一方、社会保障の分野は、今おっしゃったように、年金問題の改定を本年中に結論を出さなければなりませんし、医療改革につきましても平成十二年に実施できるようにさらに抜本改革をやるということも必要でございますし、御承知のように介護保険も平成十二年の四月から実施に移されることが既に決定を見ております。その他いろいろ、身障者その他の恵まれない方々の福祉の問題等たくさんございます。 その中で、私は、景気との関係で申しますと、社会保障、例えば年金に対する不安感があるから減税をやってもなかなか消費に回らないという意見もございます。それは一つの理由であることは否定できないところでありますが、一方これから二十一世紀に向けて一番の最大の特色は、言うまでもなく少子・高齢化が極めてスピーディーに進行していくという実態でございます。したがって、私どもは、これから年金の問題、医療の問題、介護の問題を考えるには、この前提の上に立って、年金も将来維持できるような制度のシステムを維持していくということが今の若い方々に対する安心、安定感を与える大きなねらいであろうと思うんです。そういう点でひとつお取り組みさせていただきます。 したがって、消費支出の可処分所得を減らすというだけでもって判断すべき問題じゃございませんで、もちろん中長期的な制度の安定を図っていくということが極めて重要でございます。また、高齢化社会を迎えますと医療費等もかさみますから、当然この医療制度、国民皆保険の制度が維持されていくということが極めて重要だと考えておりますし、介護保険も福祉の分野に初めて社会保険方式を取り入れることにいたしたわけですが、これが円滑に実施されて在宅介護を中心にした福祉政策がより一層充実されていく、こういったことが国民の皆さんに二十一世紀に夢を与える一つの大きな要因であろうかと思うんです。 そういう意味で、私もこの重責を仰せつかりましたが、二十一世紀に向けて国民が単なる悲観論だけでなしに、生き生きと高齢化社会を生き抜いていくんだというような感じの持てるシステムづくりに精いっぱい努力をさせていただきたい、このように存じております。
○清水嘉与子君 本当に私たちの周りに百歳以上の方が普通にいらっしゃるような時代が迎えられるようになるんだと思いますが、これからはそういう方々が生き生きと元気にしていらっしゃるというような時代をつくるのが厚生行政の目的じゃないかと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 ところで、今御指摘のありました医療保険改革の問題でございますけれども、平成十二年から抜本改革をしようということで今政府内で検討されていることは承知しております。恐らくその下敷きになっておりますのは、昨年の夏に厚生省が出しました「二十一世紀の医療保険制度」、あるいはその後、与党協、当時の与党三党でつくりました「二十一世紀の国民医療 良質な医療と皆保険制度確保への指針」といったことがその一つの下敷きになっているんだろうというふうに、この一年の厚生省の動きを見ておりますとわかるわけでございます。 これもやはり財政構造改革の枠の中でつくられた作業であるということを考えますと、いろいろ問題があることは事実でございますが、しかし私はこの中で、確実に財政支出は伴うんだけれども、そういう方向で指摘されている問題として人材の育成の問題、これに力を入れているということには評価をするわけでございます。 例えば、医師、歯科医師の臨床研修を義務化する、そしてこれにも手当を出すんだという前向きの姿勢、そして薬剤師の教育も六年を検討するんだというようなことが出されております。恐らくもうこれは当然のことながら患者サービスの向上につながっていくということで私は大変賛成するわけでございますけれども、こういった方向というのは、当然こういう職種の需要がある程度満ちてきた、需給がうまくなってきたということを背景にこういった改革が行われるんだというふうに思います。 看護婦についてはどうかといいますと、看護婦についても資質の向上が求められている、そして入院期間の短縮あるいは社会的入院の是正、このために看護体制の充実あるいは訪問看護など在宅ケアの整備を進めることが指摘されているという時代になってまいりました。つまり、こうした意味で、看護婦の量的な確保だけでなくて、資質の向上が良質な医療保険サービスの提供にかかわっているんだということを認識してくださったことは、これは当然のことではございますけれども、大変よかったことではないかというふうに思っているわけでございます。 ところが、その看護婦の方でございますけれども、また一方において病床のこれからのあり方を検討するんだと、急性期病床あるいは慢性期病床、療養型病床群に分けて、そして医療従事者の人員配置もそれに合った人員配置をまた考えるんだと。特に看護については、従来のように患者何人に看護婦何人じゃなくて、看護の必要に応じて、そういう必要度も加味するというようなことがうたわれているわけでございます。 現在のままの需給計画というんでしょうか、看護婦の見通しを見ますと、ほぼいいところをいっている、かなり予定を上回っているんだということは聞いておりますけれども、この新しい考え方で整理されたときに、一体看護婦の需要というのは高くなるのか低くなるのか、また需給状況が再び逼迫するというようなことがあるのかどうか、その辺についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) お答えを申し上げます。 今、先生が御質問されましたように、ただいま厚生省の方で医療保険制度の抜本改革に向けていろいろな問題を検討していることは先生御承知のとおりでございます。その中で、患者の病状にふさわしい医療を効率的に提供するため、一般病床を急性期病床及び慢性期病床に区分し、それにふさわしい人員配置基準や構造設備基準を設定すること等を提言する二十一世紀に向けての入院医療の在り方に関する検討会の報告書がさきにまとめられたところでございます。 また、先生が今おっしゃいましたように、九年の八月二十九日に与党協の方で「二十一世紀の国民医療 良質な医療と皆保険制度確保への指針」の中で「良質な医療を確保し、医療における規制緩和を図るため、医療従事者の人員配置基準及び構造設備基準を見直し、急性期病床及び慢性期病床にとってそれぞれに適したものとする。」と、こういうふうに書かれているわけであります。 したがいまして、これからの医療というのは、急性期、慢性期に分けていくと。急性期には必要な職員はどの程度要る、構造はどうであるか、慢性期についても同じように職員数がどう要るか、その中には看護婦さんもどの程度置くのかというようなことがみんな入ってくるわけであります。ただ、現段階では、急性期と慢性期をどういう条件で二つに分けるのか、それから急性期病床をどの程度と考えるのかというところまではまだ議論が厚生省内でも進んでおりません。 九月三十日だと思いますが、そこからいよいよ医療審議会を開いて、そこで専門家の御意見を聞きながら我々としてもだんだんその点について固めてまいりたい、こういうことを考えている次第でございまして、先生がおっしゃいました数がどうなるかということは今具体的にまだわからないというのが現状だと思っております。 それから、あと先生がおっしゃいましたように、医療をよくするということは、一番大事なのはやっぱり人材をよくしていく、医療に携わる人たちの質を上げていくということが非常に重要だと私どもも考えておりまして、ただ数だけの問題でなくて質の問題もあわせて健康政策局としては重要な問題として考えていきたい、このように思っております。
○清水嘉与子君 看護婦の平成八年のデータが出ていますが、百三万人、恐らく今ごろは百十万くらいにはなっていると思いますけれども、相当な数がふえてまいりました。今、局長は将来のことはわからないというふうにおっしゃいましたけれども、恐らく今のベッドはもうこれ以上ふえていくことはないと思いますし、その中で仕分けがされたにいたしましても、看護婦がこれ以上もっと必要になる、もう需給が逼迫するということはないんじゃないかと私は思っているわけなんです。むしろ、仕分けをしたところで、あるいはまた在宅、地域にもっと看護婦が行かなきゃいけないというような部分も出てまいりますけれども、恐らく准看護婦というよりも看護婦の方の需要が高くなるんじゃないかというふうに思います。 というのは、今でも、例えばこの五年間くらいを見ますと病院に十万人の看護職がふえていますけれども、このうち九万人は看護婦です。一万人が准看護婦。診療所においてもむしろ准看よりも看護婦の方がふえているということを見ますと、もうこれからは余り准看護婦に頼るということはなくなるんじゃないかな、そういう期待をしているわけです。 ところで、こんなふうになってきた看護婦、現場に行ってみますと、看護婦さんたちが非常に自信を持って豊かに一生懸命仕事をしているという姿に触れまして本当に私もうれしく思っているわけですけれども、その看護婦の問題について、一昨年の十二月に、二十一世紀の初頭に看護婦養成制度を統合しようというような厚生省がつくった検討会の報告が出されたということで、今まで看護婦不足がひどいときにはとてもこんなことを言っていられなかったわけですけれども、やっとこんなふうになってきたのかなと。 もちろん今足りていると言っているわけではないわけです。まだまだ足りないけれども、やがてはそういうふうになるんだということでこういう報告が出されたということでございまして、確かに制度創設のときと比べますと、今やもう准看学校に入っている人の九五%以上は高卒になつちゃっている。そして、准看になりたいというよりも、看護婦になりたいけれども道がないから准看から行くというような人が実際にふえているという現状を見ますと、やっぱりこの辺も整理しなきゃいけないなというふうに思っているわけでございます。 ところで、昨年の四月一日、当厚生委員会におきまして同僚の南野知惠子議員が准看養成の停止について質問したのに対しまして小泉大臣が、できるだけ早い時期、二〇〇一年、できればそういう目標に向かって進みたいけれども、その間いろいろな事情があると思います、できるだけ准看護婦から看護婦になる道を大きくあけて、資格を取りたい方についてはそういう環境を整備して、できるだけ早い二十一世紀、本来なら二〇〇一年と言いたいところでありますけれども、それに目標を持って早く到達できるように努力していく、それがいいんじゃないかというふうな御答弁をされております。 まず、宮下大臣に改めてこの問題に対します基本的なお考えを伺いたいと思いますし、またこの二年間、いろいろな事情というのをどうやって厚生省がクリアして、どんな手順でこの作業を進めていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員御指摘の看護婦の養成制度の問題でございますが、これは二十一世紀初頭の早い段階を目途にして看護婦養成制度の統合に努めるということが提言されておるのを承知いたしております。 良質な、本当に質の高い看護制度ができるということが望ましいわけでございますが、一方、この問題の具体的な扱いにつきましては、前厚生大臣の小泉大臣の国会等における答弁等も今ございましたが、基本的に私も大体そんな感じでございます。この問題は率直に申しましていろいろな意見がある。つまり、准看護婦制度と養成制度を堅持してほしいという要請が一方にありながら、一方で准看護婦養成制度の統合、廃止を要求すると。 准看護婦というのは、ただいま委員のおっしゃるように九七、八%が高校卒であるということで、これがつくられたときは中学卒を前提にしてつくられた制度でございますが、実態は高校卒で看護学校、正看になられる方と大体同じ学歴を前提にしておりますので、そういった問題等がありまして両論がありますが、これは極めて重要な問題で、我が国の医療供給体制の中でも人的資源の均衡のある供給体制をつくっていくということも重要な視点でございますから、私としてはなるべく早くそういった問題の結論を得たいなというように思っております。 いずれにしても長年の懸案であり、直ちにこれができるほど簡単なものでないこともまた委員御承知のとおりでございまして、そういう統合に向けて提言もなされておるわけでありますから、今後ともできるだけ早くそういう方向に持っていきたいなというように感じております。
○清水嘉与子君 大臣、大変お答えにくそうな御答弁でございまして、前に行っているのか後ろに行っているのか、後ろに行っていることはないと思いますけれども、その報告というのはいろんな関係者の方が一緒になって検討した結果そういう結論を導いたわけでございまして、今すぐどうしようというわけではありません。将来のことを考えたら、お医者さんたち、医療関係者がみんなレベルが高くなるときに一緒に働く人が一緒に働けるようなレベルでなければ効果が上がらないと思いますので、ぜひ前向きにお願いしたいと思います。 そこで、実際にその後二つの検討会を発足させて今検討しているというふうに伺っておりますが、一つ、これは必ずしも准看の養成制度の廃止には絡まないと思いますけれども、移行措置というのがありますね。これは今の准看の方々でなかなか進学コースへ行くチャンスがなくなってしまったような方々を何とか看護婦にしてあげよう、看護婦の全体のレベルアップを図るということだとか、あるいはずっと准看として働いてきた方がまた看護婦になってそこに定着するという意味では私は考えていかなきゃいけない問題かなと思っているのでございます。しかし、一方におきまして、准看養成廃止と言いながらこの道を、特例的にしろ新しい道を開くということは、逆に准看養成がやめられなくなるんじゃないか、拡大してしまうんじゃないかという心配をしている向きもございます。 これも当然私も理解できるわけでございまして、この移行措置をすることによりましてそういう心配、つまり准看制度が逆にやめられなくなってしまう、定着をむしろ促してしまうようなことになるのかということについて、一体この移行措置のねらいは何なのかということについて、そしてスタートさせることによって准看養成を存続させる結果になってしまうのかどうかということについてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 先ほどの御質問の中で若干大臣のお答えの中に触れていなかったことを先生は今おっしゃったんですが、今その准看護婦問題につきましては、准看護婦の資質の向上に関する検討会というものと、もう一つ、准看護婦の移行教育に関する検討会というのが進められておりまして、その検討もまって適切に進めようと、このように考えておるわけであります。 そして、先生が今おただしの問題は准看護婦の看護婦への移行教育についてのおただしでございますけれども、この移行教育は看護職員の資質の向上のため、また就業経験の長い准看護婦が希望している看護婦への道を広げるために検討を行っているものでございます。移行教育の内容等は現在准看護婦の移行教育に関する検討会で検討が進められておりますが、准看護婦が移行教育を受講することは、准看護婦の質を高め、看護職全体の質の向上に貢献するものと考えております。 移行教育は就業経験の長い准看護婦を対象に絞って看護婦への道を設けるものでございまして、准看護婦の看護婦への移行教育が准看護婦養成を増加させるというような認識は私ども持っていないのが現状でございますし、私どもも就業経験の長い看護婦に限ってこういう道をつくるということが准看護婦の養成を増加させるということにはつながらないと確信をしているところでございます。
○清水嘉与子君 ぜひその辺、きちんと歯どめをかけてやっていただくことが必要ではないかというふうに思っているところでございます。 それから、せっかく文部省に来ていただいたんですけれども、ちょっと私も持ち時間がなくなりましたもので申しわけありません。文部省の資料をちょうだいいたしておりますけれども、今、日本で看護系大学というのが随分ふえてきております。急速にふえておりまして、今六十五校、そして定員も四千二百五十三人ですね。さらに、修士コースが二十二校、博士コースが七校というふうな姿になってきております。伺いますと、短大への移行だとかあるいは公立学校が大学になるというようなことで、もっともっとこの大学化が進んでいくというようなことを聞いているところでございます。 そういう背景のもとにちょっとお伺いしたいんですけれども、先週の朝日新聞なんですが、英国が医師並みのナースを導入するという囲み記事が出ました。ブレア首相が、一般の看護婦とは別に、一部の診療行為ができ、自分の診療所を持つことができる新たな看護資格の導入計画を発表した、長時間労働で重責を負わされる割に給与が低いことから、英国では看護婦のなり手が減っている、医師並みの待遇を保障したスーパーナース制度を発足させるというようなことが書いてあるわけでございます。 これによってどういう効果があるか。イギリスもこういうことを始めたということなんですけれども、実はアメリカが既にこれはもうとうの昔に始めているわけでございまして、州によって違いますけれども、相当教育が進んできたものですから、例えばクリニカル・ナース・スペシャリストあるいはナースプラクティショナーという資格をつくりまして、診療の部分で相当活躍しているわけです。一定の治療行為ももちろんいたしますし、健康診断なども受け持つ、つまりお医者さんたちが本来はプライマリーフィジシャンとしてやらなきゃいけないようなところを一部看護婦が担当するというようなことをやっているわけです。そして、健康保険会社も、医者よりは恐らく安いと思いますけれどもお金も払うというような仕組みでやっているというようなことが出てきているわけです。 こういうことによりましてどういう効果があるのか。在院期間がまず短くなります。アメリカと日本とこんなに在院期間が違う。これはもう御承知のとおりでございますけれども、あのアメリカのように在院期間を短くするにはどうしてもこれが必要なんですね。看護婦さんたちに相当力がなければできないことだと思います。あるいは病気が悪化するのを防ぐというようなことで、これは患者さんにとっても大変なメリットがあるというようなことで、こういうふうに変化してきているのだと思います。 日本でも、さっき申し上げたように、大学も大学院もふえてきました。こういう看護婦さんたちを現場に引きつける、教育をやるだけじゃなくて、やっぱり現場に引きつけていくような政策をしなければいけないんじゃないか、質が上がっていかないんじゃないかというふうに思うものですから、ぜひこういう制度も考えていただきたいというふうに思うわけです。 既に日本看護協会でも専門看護士だとか認定看護士の制度も持っておりますし、そういったものを日本でも医療制度の抜本改革の中でぜひお考えいただきたいというふうに思うわけでございます。例えば、人工肛門あるいは人工膀胱をつけた人の管理だとか、あるいは排尿の失禁の管理だとか、こういうところに非常に、もう余りお医者さんが手を出せないところを看護婦さんがやっているというような現場があるわけでございますから、こういう方々を、例えば介護保険の開始に向けて開業してそういう人たちを雇うとかというようなことをやれば相当効果があるんじゃないかというふうに思っているわけでございます。そういう専門看護婦制度の問題。 当然そうなりますと、やっぱりいろんな今の保助看法の改正の問題もあると思いますので、それもあわせてやっていただきたいというふうに思っているわけでございますけれども、特にこの専門看護婦制度の問題、それからそういうことに合わせた保助看法の中でいろいろと問題がございますものですから、その辺もあわせて抜本的に見直しをしていただきたいということについて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) まず、専門看護婦制度についてのお答えを申し上げたいと思います。 平成六年の十二月に、少子・高齢社会看護問題検討会報告書におきまして「医療全体の動向を踏まえ、当面は、現在職能団体が検討している専門看護婦等を認定する仕組みを確立することが望まれる。」という報告をいただいておるところであります。 大学院修士課程以上を前提とする専門看護婦の養成に当たりましては、大学院の整備が進んでいる状況もありまして、厚生省といたしましては、今年度予算で用意をいたしております医療の効果を高める看護の役割に関する検討会において検討をしてまいりたい、このように思っております。 次に、今言われました保助看法の見直しというお話でございます。 私、昨日、先生の方から概略のお話をお伺いして少し調べてみましたら、今一番気になっていますのは、いわゆる患者さんや何かのプライバシーを守るための守秘義務というのは、実はお医者さんだとか歯科医師さんだとか、ほとんどの方々については法律上ちゃんとした根拠があるわけでありますが、なぜか保健婦さんと看護婦さんと准看護婦さん、それからあと歯科技工士さん、この四職種だけは守秘義務が法律に書いていないということを発見いたしました。 そういうことから、この守秘義務については、最近言われていますカルテ等の診療情報の公開という中に看護の日誌の問題もレポートされているような状況下にありまして、この問題については少し考えていかなくちゃいけないな、こんなように思ったわけであります。 先生がその前におっしゃいましたいろんな傷の手当てや何かのことについて、医師の職能との境界の問題についてはまだもう少し時間がかかるかと思いますが、守秘義務だとか思いついたところから解決するのがまず先かな、こんなふうに思って先々検討していこう、このように思っております。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。
○常田享詳君 私は、先般の厚生大臣の所信表明のうち、医療制度並びに健康危機管理について数点お尋ねをしたいと思います。 最初に、医療制度についてお尋ねをいたします。 宮下新厚生大臣は、所信表明の中で、医療制度については平成十二年度からの抜本改革の実施を目指すと明確に述べておられます。要するに、小泉前大臣の方針を踏襲して必ずやるんだというふうに受け取ったわけでありますが、改めて平成十二年度までに抜本改革をやるという新大臣の決意のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 所信表明でも申し上げましたように、安定した医療保険制度を今後維持していくために、医療提供体制のあり方を含めまして、制度全般にわたって総合的、抜本的に改革に取り組みたいということを申し上げておりますが、これは、今お話しのように、昨年の与党の協議会の案とかあるいはそういうものを踏まえて基本的な方向の枠組みが示されておりますから、それに基づきまして現在検討中でございますが、十二年からの実施を目指していきたいという点は明確に申し上げさせていただきたいと思います。 その中身としては、今、医療保険福祉審議会等で議論をされておりますが、診療報酬体系の見直しでありますとか、薬価基準制度の見直しでありますとか、老人保健の制度をどうするかというような点について精力的に検討をいただいておりますが、それらを踏まえまして十二年に実施できるように努力していきたい、こう思っております。
○常田享詳君 今、大臣のお話にもございましたように、大きな柱の中の一つが医療保険福祉審議会において論議されております薬価基準制度の問題であります。 いわゆる薬価基準制度を廃止して新たに日本型参照価格制度、参照制度を検討されているということでありますけれども、このことにつきましては、医師会を初め製薬団体工業会、そのほか各団体からもいろんな提案なり意見も出ておりますし、これらを集約して平成十二年までに日本型参照価格制度を導入するというのは、相当なリーダーシップと決意を持って当たられない限り私はできないんではないかという危惧さえ抱いております。 そういう意味で、日本型参照価格制度の現在の進行状況と、平成十二年度実施に向けての今後の見通し、手順についてお尋ねをさせていただきます。
○国務大臣(宮下創平君) 薬価制度につきましては、現行の薬価基準制度が医薬品の価格を公定価格で決めておる、それによって点数算定が行われておりまして、ややもすれば薬価差が生ずるというような問題、あるいは多剤投与とか高薬価シフトを惹起している等の指摘もございまして、この是正は必要であろうかと思っております。 こうした点から、医療保険福祉審議会でも、ただいま申しましたように薬の償還限度額を定める制度、いわゆる日本型の薬価参照価格制度というものの導入について議論を積み重ねておるところでございますが、これは具体的に言いますと、委員のおっしゃるように大変難しいいろいろな問題があろうかと存じます。 しかし、どうしてもこれにある程度めどをつけていきたいなと思っておりますが、その際、償還限度額をどう決めるかとか、あるいは同一償還限度額が適用される医薬品の範囲等をどうするか、いわゆるグループ化等について具体的に審議会の依頼を受けて専門家において検討が進行中であるというように伺っておりますので、これらの審議会の結果を踏まえながらさらに議論を深めていきたい。そして、ただいま申しましたように、審議会としての意見がまとまり次第、平成十二年度からの抜本改革の実施を目指して所要の法改正に取り組んでいきたいと、このように存じております。
○常田享詳君 薬価差問題を解消するための新たな薬剤費の支払い方式として日本型参照価格制度が検討されているわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、日本医師会を初め多くの関係者が指摘しているように、本当に参照価格制度が目的どおり機能するのか、懸念する声がたくさん出ているわけであります。 そこで、時間の関係上、絞って何点かお尋ねをしてみたいと思いますが、基本的なことについてであります。 参照価格制度では、医療機関や保険薬局は薬価基準にかわって実購入価格で保険請求することになります。しかし、現在の医薬品の流通実態を見てみますと、薬価差益を求めようとする医療機関のいわゆるバイイングパワーが強くて、医療機関への納入価が決まるまでに数カ月を要している等もあり、また仮納入、仮払いというようなこともまかり通っているのが実態であります。 実購入価格が正確に把握できない場合、新たな薬価差益を生むことにもなってしまうわけであります。日本型参照価格の前提として医薬品の流通における価格形成の透明化が必要であると私は考えております。例えばメーカーの仕切り価格の公表、卸の公定マージン制の導入、こういったことを入れることによって透明化を図っていかない限り日本型参照価格制度というものは有名無実なものになってしまうし、目的を達成することはできないというふうに考えますが、このことについてお尋ねをさせていただきます。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生御指摘のように、この参照価格制度と申しますか薬価制度の見直しに当たりましては、やはり流通段階の透明性と申しますか適正な形が透明化をされるということが非常に大事であります。 そういう意味で、メーカーが公表される仕切り価に一定の流通経費と付加価値税率等を乗せた価格を医薬品の価格としているというようなドイツのやり方などもございますが、こういった仕組みも含めまして、流通段階の透明化ということをどのように図っていくかということも大きなテーマとして、作業チームにおける検討、この中にそういったことも検討の結果出てまいりまするが、それを踏まえてさらに検討してまいりたいというふうに考えております。
○常田享詳君 前の委員会では当時の局長がそういうことは今のところ検討課題としていないということでありましたが、ただいま新局長は検討課題として取り組んでいくということでございますので、ぜひともこういった問題について取り組んでいただきたいと思います。 次に、日本型参照価格では安い薬価の後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の確保が重要であります。現在の後発医薬品については、医療機関は品質的な懸念を持ち、公的病院など主要病院では余り使用されていないというふうに聞いております。 厚生省は後発医薬品の品質確保のために溶出試験による後発品の品質再評価を進めていると聞いているわけでありますが、これにより後発品について品質的に選別が可能なのかどうかということをお尋ねしたいと思います。 また、現在の薬価基準には約一万二千品目の医薬品が収載されております。品質、情報活動、供給量等を評価し、収載品目数を整理するということも考えるべきではないかと思いますけれども、いかがでありましょうか。
○政府委員(中西明典君) 前段の御質問にお答えいたしたいと思います。 後発医薬品につきましては、現在、先発医薬品との生物学的同等性を確認して承認してきているところでございますが、先生御指摘のとおり、溶出性の問題等その品質に不十分なものがあるのではないかという指摘もございまして、一層の品質の向上確保というのが必要だというふうに考えております。 そうした見地から、溶出試験規格、これを先発品を基準といたしまして設定し、これに後発品が本当に合致するのかどうかということを確かめ、もし合致しないのであればこれをはじいていく、合致するのであれば正当に認めていくという角度から再評価を実施しつつあるところでございます。 このような溶出試験規格が策定されますと、後発品メーカー自身もみずからの製造品目につきまして継続的に品質管理を行っていくことができますし、また薬事監視に当たっても、そうした溶出試験規格を活用してきちっとした監視を行い、その品質を確かめていくことができるという効果をもたらすものだと考えております。 そうしたことを通じて、今後より一層恒常的に後発品の品質確保という目標に向けて私どもとしては取り組んでまいりたい、かように考えております。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生お尋ねの後段の部分につきましてお答えをさせていただきます。 医療保険で使用いたします医薬品の薬価制度上におきましての収載についてのお尋ねでございました。 薬価制度におきまして安価で良質な後発医薬品の使用が促進されるということは、これは患者にとりましても、また保険財政上も望ましいことでございます。こうした観点から、先ほど医薬安全局長より御答弁申し上げましたような溶出試験における品質再評価などの薬事法上の対応を踏まえまして、品質等に問題のございます医薬品については薬価基準から削除するなど必要な保険上の措置を講じまして、こうした整理を通じて望ましい薬剤使用が促進をされるという方向に向けての検討を私どもとしてもしてまいりたいというふうに考えております。
○常田享詳君 日本型参照価格制度を導入するということからいきますと、ジェネリックの品質確保の問題は避けて通れませんし、そのことがなければ参照価格制度を導入した意味も半減してしまうわけでありますので、ぜひともこのことについては真剣に取り組んでいただきたいと思います。 次に、社会保険診療報酬支払基金の薬剤師審査委員の配置についてお尋ねを申し上げます。 近年、医薬分業が順調に進んできておりまして、平成十年五月の社会保険分では全国平均で三〇%に達しております。また、先ごろ厚生省が発表した「平成九年度医療費の動向」によれば、平成九年度の医療保険医療費は総額二十六兆八千二百四十六億円となっていますが、そのうち保険調剤報酬の比率は六・一%、金額にして一兆六千億円となっております。 そこで、現在、診療報酬支払基金におけるいわゆるレセプト審査の審査委員は医師、歯科医師の委員が配置されていると聞いていますが、現在、それぞれの委員の配置状況はどのようになっているのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 社会保険診療報酬支払基金の審査委員につきましては、平成十年の八月一日現在でございますけれども、専任の審査委員といたしましては、医師が四百七十八名、歯科医師八十一名の合計五百五十九名でございます。それから、非専任の審査委員といたしまして、医師が三千二百五十八人、それから歯科医師が七百四人、合計三千九百六十二人と、こういう実態になってございます。
○常田享詳君 現在の支払基金の委員の中には、先ほど申し上げましたように薬剤師の審査委員が入っておりませんが、調剤報酬の審査はどのように行われているのか。 またあわせて、国民健康保険連合会には審査委員として薬剤師が配置されていると聞いておりますが、どういう状況になっているのか、これまた簡潔にお答えいただきたい。
○政府委員(羽毛田信吾君) 調剤報酬につきましては、現在、支払基金におきましては請求点数が一定以上、二千点ということになっておりますが、二千点以上のものでございまして、保険者が不適切な投薬が行われているというふうに認められまして、支払基金に対してそういった請求書の審査を行ってほしいというふうに申し出がございました場合に審査を行うということで対応いたしております。 支払基金の審査委員会のメンバーは、診療担当代表、保険者代表、それから学識経験者の三者で構成をされている審査委員会が合議体で審査を行っております。その際、審査に当たりましては専門的かつ臨床上の医学的知識が必要ということでございますので、原則として臨床に通暁された医師あるいは歯科医師が調剤報酬の審査を行っているというのが実態でございます。 次に、国保連合会の実態でございますけれども、国保連合会の審査委員につきましては、平成九年五月現在でございますけれども、三千百七十四人の委員総数のうち六十五人が薬剤師という実態になってございます。
○常田享詳君 平成八年度から支払基金の北海道、東京、大阪、福岡の各支部に薬剤師審査専門員が計五名置かれていると聞いておりますが、正式の審査委員ではないのか、どのような資格、また業務となっているのか、伺いたいと思います。 あわせて、医薬分業の進展により、既にレセプト件数の総数では保険調剤分が歯科件数を上回っていると聞いております。また、先ほどの「平成九年度医療費の動向」の資料によりますと、保険調剤報酬が歯科診療報酬を上回っている県が青森、秋田、山口、佐賀、宮崎の五県に上っております。厚生省はこのような状況をどのように把握しておられるのかもあわせてお尋ねいたします。
○政府委員(羽毛田信吾君) まず、前段の支払基金の薬剤師の審査専門員のお尋ねでございますけれども、現在支払基金の支部に薬剤師の審査専門員が五名置かれております。四つの支部でございます。北海道、東京、大阪、福岡でございます。これを調剤報酬専門役という形で置いております。 この調剤報酬専門役でございますけれども、審査委員ではございませんで、都道府県知事の推薦に基づきまして薬剤師の資格をお持ちの方の中から幹事長、つまり支払基金の支部の長でございますが、が委嘱をしているという方でございます。その業務につきましては、薬剤に関しまする審査に当たりまして調剤報酬請求書における点数設定の誤り等について点検等をお願いするというような形での役割をお願いしているものでございます。 それから、いわゆるレセプト件数で保険調剤分が歯科件数を上回っている、あるいは保険調剤報酬が歯科報酬額を上回る県が五県に上っているというような状況について把握をしているかというお話でございました。先生御指摘のとおりでございまして、私どもの方もそのようなことを把握いたしております。
○常田享詳君 支払基金の審査委員は支払基金法により「診療担当者を代表する者」とあり、法律上は薬剤師の審査委員があってもよいと解釈されます。適正な医薬分業の推進、保険医療における医薬品使用の適正化のために、薬剤師の審査委員の配置について先ほど来申し上げたような背景からも検討すべき時期に来ているのではないかと私は思うわけでありますが、この問題について最後にその決意のほどをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 審査委員会におきます審査に当たりましては、基本的には全体の審査の業務ということを考えますと、専門的かつ臨床上の医学的知識ということを基本に置きながらやっていかなければならないという必要性がございますので、原則の問題としてはやはり臨床に通暁した医師あるいは歯科医師が調剤報酬の審査を行っているという現在の基本的な仕組みについては今後ともこれは維持をしていくべきものかなというふうに考えております。 しかし、先生今御指摘のございましたように、医薬分業が推進をされるということの中で、年々調剤レセプトの審査の件数も増加をいたしております。その実態等については先生御指摘のような状況にございますので、そういった調剤レセプトの審査の充実を図るという観点に立ちまして、これはいわゆる審査委員にどのような方をお願いするというだけではなくて、調剤報酬の審査対象の範囲でありますとか、あるいは審査方法のあり方等も含めまして少し広い観点から御指摘の点について今後検討していきたいというふうに考えております。
○常田享詳君 ちょっと最後のところが歯切れが悪いんですが、薬剤師の審査委員ということについて検討すべき段階になっているんではないかと私は申し上げておるわけでありまして、広いあれの中でどうこうというような話を申し上げていない。そういう段階はもう過ぎているんじゃないか。それで数字を挙げて先ほど来申し上げているわけでありますから、そこのところを答えていただきたい。
○政府委員(羽毛田信吾君) 御指摘の点ももちろんでございますけれども、要はやはり調剤報酬の審査というもの、あるいは調剤レセプトの審査の充実というのが大きな目的でございます。そうしたことを考えますと、現在、先ほどお答えを申し上げましたような支払基金における調剤報酬の審査の対象をああいう形でやっていることがいいかどうかといったようなことも含めてあれしたいと思います。当然、先生の御指摘の点も含めての話ということでお考えおきをいただきたいと思います。
○常田享詳君 わかりました。 それでは、次の健康危機管理についてお尋ねを申し上げたいと思います。 志方帝京大学教授は、「危機管理の理念と実際」の中で、危機管理にとって最終的に問われるものは政治のリーダーシップであることに帰着する、なぜなら危機管理のための行動ではそれぞれの組織がそれぞれの特性と能力を生かして調整された行動をすることが重要であるというふうに述べておられます。私は至言であると思っております。このことはこの委員会で前の小泉厚生大臣にも申し上げました。 健康危機管理を預かる厚生省の責任者として、宮下新厚生大臣にもこの健康危機管理に対する決意のほどをまずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 御指摘のような健康危機管理の問題は、感染症でありますとか食中毒等、国民の生命、健康に極めて影響を及ぼす事態の発生を予防したり拡大を防止したり、それから治療等の健康危機管理対策は厚生行政の原点でございまして、極めて重要な政策課題であると認識をいたしております。 厚生省におきましては、感染症とか食中毒等の健康被害の防止につきまして、部局の横断組織である健康危機管理調整会議というのをさきに設置をいたしました。そしてまた、平時及び緊急時における対応等を規定いたしました健康危機管理実施要領等も策定して、健康危機への取り組みに万全を期しておるところでございます。 これは非常に重要な観点でありますし、また政治のリーダーシップを必要とするという点も全く同感でございまして、今後とも健康危機管理の充実強化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○常田享詳君 けさ方も国立環境研究所地域環境研究グループ統括研究官森田昌敏先生のお話を部会で聞いたわけでありますけれども、最近、有害物質による環境汚染が大変問題になっております。通産省の諮問機関化学品審議会の安全対策部会リスク管理部門は、先日、内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンや発がん性物質など、人の健康や環境に悪影響を与えるおそれのある化学物質の排出量を事業者が行政に報告することを義務づけるべきだとする報告書を提出したと報道されております。これを受けて、通産省は化学物資審査製造等規制法の改正案を国会に提出すべく準備中であり、また環境庁は環境ホルモンの排出規制に対し、より規制色の強い制度の導入を計画しているとのことであります。 厚生省も、この際、環境ホルモン問題に疑わしきは規制するという明確な方向転換が必要であると私は思います。少なくともPRTR制度確立へ向けての積極的な役割と規制に向けての情報開示をぜひやっていただきたいと思うわけでありますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 内分泌撹乱化学物質の問題につきましては、国民の健康影響を未然に防止する観点から極めて重要な課題であると認識をいたしております。しかし一方、その健康影響については未解明な部分がいまだ非常に多い。現在、OECDにおきましてその試験法の開発等、国際的にも調査研究が緒についたばかりとも言ってよろしいかと存じます。 厚生省では、国際的動向も踏まえながら種々の調査研究を積極的に推進いたしていきたいし、その結果等を踏まえ、審議会等の御意見も承りながら的確に対応していきたいと思います。 なお、PRTR、化学物質排出量・移動量登録制度の導入につきましては、通産省を初め関係省庁において検討が進められておるということは承知いたしております。通産省、環境庁中心でございますが、現段階ではその制度の具体的枠組み等、詳細が必ずしも明らかではないけれども、対象物質の選定につきましては、人への健康影響の観点から厚生行政とのかかわり合いが極めて大きいものと認識しております。したがいまして、厚生省としてもこのPRTRの問題につきまして関係省庁と連絡をしながら十分に検討してまいりたいと思っております。
○常田享詳君 特に大臣がおっしゃいました関係省庁と十分連絡をとりながら、調整しながらと、このことは大切なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後でございますが、P4研究施設についてお尋ねをいたしたいと思います。 御存じのように、P4施設はエボラ出血熱、ラッサ熱などの致死性が高い感染症を引き起こす病原体を扱う最高安全研究施設でありますが、現在、我が国にはP4施設が国立感染症研究所、武蔵村山市と、理化学研究所、つくば市に設置されております。ところが、住民の反対で両施設とも全く使われていない状況であると聞いております。 このことは、国内ではエボラ出血熱などの治療法の研究もできない上、万が一発生した場合、ウイルスの分離検査は米国に頼らざるを得ず、十分な感染対策がとれないということであります。したがって、新しい感染症予防法が成立したとしても、検査機関が動かないのでは実効はおぼつかないと考えるわけであります。 欧米各国が着々と危機管理体制を整備している中、我が国も感染症対策の議論を盛り上げ、国民に対する情報開示を十分に行って施設の活用を実現させるべきだと考えますが、大臣、いかがでありましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 今のP4施設について、御指摘のように存在はしているわけですが実際は使えない。これは住民その他周辺地域の懸念があるからでございます。 しかし、今御指摘のように感染症の新しい枠組みもつくられましたし、どうしてもこういった施設は必要でございますので、地域住民の方々に対してもよくPRをして施設の安全性について理解を求めて、そしてそれが本当に稼働できるようにしたいというのが現在の私の気持ちでございます。
○常田享詳君 大臣から御答弁いただきましたように、国民の不安を解消するシステムが必要だと思います。 例えばP4施設ですが、遺伝子組みかえ実験も頻繁に行われることになると思うわけでありますが、その過程で自然界に存在しない病原微生物がつくられる可能性が当然あるわけであります。そのような改造微生物やエボラ出血熱、ラッサ熱などの病原体が自然界に偶発事故によりあるいは人為的に流出しないような何重にもわたるチェック機構が必要であります。 現在設けられているP4施設の危機管理システムがこれら国民の不安を払拭するに十分な内容かどうか、最後にお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) P4施設の安全性の確保につきましては、具体的にはWHOの定めました実験室バイオセーフティー指針というのがございます。これに基づきましてこの施設設備の整備でございますとか取り扱いを行っているわけでございまして、また所内でこの施設を取り扱う場合にはその職員に対して講習会を受けさせるというようなこともやっているわけでございます。 そのようにやっておりまして、国立感染症研究所におけるP4施設については安全性を確保しているというふうに考えておりますが、今御指摘のように、新感染症の法の施行に伴いまして何とかこれを稼働に持っていきたいというふうに考えております。これは長年使っておらないものですから、来年度耐震性を含めまして点検するための措置を講じ、その結果を住民にも公表いたしまして理解を求めていく努力をしたいと考えているところでございます。
○常田享詳君 終わります。
○森田次夫君 森田でございます。 このような立場で御質問させていただくということは私としても初めてでございます。そうしたことでもって大変緊張しておりまして、少しピントのずれたような御質問もするかもしれませんけれども、その場合にはひとつお許しをいただきたいと思います。 そこで、本日は戦没者遺族の援護行政についてお伺いをさせていただきたいと思っておるわけでございますけれども、これにつきましては後ほど大臣にお伺いさせていただきたいというふうに思っております。 そこで、最初に腎不全の患者の食事療法、こうしたことについてお伺いをさせていただきたいと思います。と申しますのは、この治療法によりますと医療費が相当節約ができる、こういうふうに聞いておるわけでございます。高齢化は確実に進行をしているわけでございます。そうした中で医療費の方もますます増大をしてくるわけでございます。そうした中でもっていかに医療費を抑制していくか、こういったことが今後の医療行政の大きな課題ではないか、このように考えるからでございます。 そこでお伺いをさせていただきますと、我が国の人工透析患者の数でございますけれども、これは世界で一番多い、こういうふうに言われているというふうに聞いておるわけでございますけれども、その点につきまして間違いはないかどうか。そして、もしそうであるとするならば、その理由について厚生省はどのようにお考えになっておられるのか。その辺わかりましたらお教えをいただきたいと存じます。
○政府委員(伊藤雅治君) 御指摘のように、人口当たりの透析患者数は我が国が世界の中でも最も多いのではないか。直接我が国の統計はございませんが、ミシガン大学の研究によりますと、一九九五年の人口百万人当たりの透析患者数は日本が九百九十六、アメリカ八百二、フランス四百九、イギリス三百八十二となっております。 この透析患者が多い理由といたしましては、まず人工透析を受けやすい医療環境が整備をされているということが一つでございます。二点目といたしまして、透析技術の進歩によりまして透析患者の生存率が非常に向上してきたということ。さらに三点目といたしまして、保険給付及び医療費の公費負担制度によりまして透析を受ける患者さんの経済的な負担の軽減が図られているということ。最後に、四点目でございますが、新規に透析に入ってくる患者さんがふえておる中で、特に糖尿病を原因といたします腎不全がふえていると。以上のような原因から我が国が非常に多いということだと思います。
○森田次夫君 私も、局長さんがおっしゃるように日本が一番多くて、アメリカそしてスペインということでもってお聞きしておるわけでございます。 そこでお尋ねをするわけでございますけれども、現在の透析患者の数と、数というのは失礼ですけれども患者数と、そして人工透析に要しますところの医療費でございますね、これはどのくらいかかっておられるのか、お教えいただきたいと存じます。
○政府委員(伊藤雅治君) 日本透析医学会の調査によりますと、一九九七年の十二月三十一日現在で透析を受けている患者さんの数が約十七万五千人でございまして、外来患者における平均的な医療費は一人一カ月当たり四十万から五十万程度と考えられます。
○森田次夫君 そうしますと、我が国の医療費の総額と申しますか、これが現在二十八兆円ぐらいではないかと思うんですね。そして、実は十七万五千という数字は私も新聞等で見ておりまして大体わかっております。また、四十万から五十万というのも大体知っておりました。そうしたことから計算をいたしますと、大体、日本の医療費の総額の三・七%から三・八%ぐらいに当たるわけでございまして、これは医療費としては相当のウエートを占めていくのではないかな、このように思うわけでございます。そうしたことで、人工透析をやることによって、患者さん等におきましても大変苦痛なわけでございます。 そうしたことでもって、これを食事療法で、いわゆる透析をやらなくちゃいかぬような患者さんでもそれを先延ばしできる、こういうようなことを研究しているグループがあるわけでございます。いわゆる低たんぱく食を中心とした食事療法でございまして、慢性腎不全の進行を抑制して、そして透析の導入までの期間を先延ばしする、こういう研究でございます。 そして、この研究グループのお一人でございます総合病院取手協同病院椎貝達夫院長でございますけれども、この先生のお話によりますと、この方法でもって茨城県の取手市を中心とする七市町村在住の取手協同病院への通院患者で計算してみますと、年間でもって一億七千五百九十五万円の医療費が節約された、このように言っておられるわけでございます。 この方法について厚生省としてどのように評価をしておられるか、その辺につきましてお話を承りたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) 低たんぱく食を中心とした食事療法の評価でございますが、厚生省におきましては、平成五年度より特定疾患調査研究事業の一環といたしまして、進行性腎障害調査研究班の中で腎不全の進行をおくらせる低たんぱく食の治療効果などについての研究を推進してきているところでございます。平成六年にこの研究成果をもとに食事療法のガイドラインを作成いたしまして、関係学会、医師会及び都道府県などに配付いたしまして、臨床の現場への還元を図ってきたところでございます。 今後ともこの効果につきまして引き続き研究していく必要があるのではないかという判断をしております。
○森田次夫君 ぜひとも研究していただきたいわけでございます。 そこで、もうちょっとお尋ねしたいわけでございますけれども、透析患者の数を減らすにはやはり腎疾患の予防、そして早期治療が最もよい方法であり当然だと思うわけでございます。しかしながら、まだ十分な成果が上がっていないということでございます。そして、腎移植は医療費節約の効果も大きく、また患者さんも大変歓迎するよい対策でございますけれども、これにつきましてももろもろの事情がございまして、移植の件数につきましては伸びていない、これも事実であろうかと思います。 そこで、食事療法につきまして、日本腎臓学会でも治療方法の啓蒙普及に努力しておられますし、しかしながらこれにつきましてもまだまだ研究段階と今おっしゃられるように進展していない現状であるわけでございます。 ただ、研究段階ということでおっしゃっておられますけれども、この食事療法で既に十年以上にわたりまして社会生活を支障なく送っておられる患者というのも多いと、こういうふうなことも実は聞いておるわけでございます。 今日、厚生省といたしまして、患者を救い、そして医療費を抑制する立場からこうした方法に何らかの、今いろいろとお聞きしましたけれども、もう一度その辺の支援につきましてお尋ねをさせていただき、そしてこの項につきましてのお尋ねは終わらせていただきたいと思うのでございますけれども、もう一度ひとつお願いいたします。
○政府委員(伊藤雅治君) 人工透析に入っていく患者さんをどうやって減らしていくかということになりますと、原因によりまして総合的な対策が必要になってくるわけでございます。 一つは、先生御指摘の低たんぱく食による、透析に入っていく期間といいますか、透析導入をどのくらい遅延することができるかということについての研究、これは特にまた平成十年度から規模を拡大して取り組んでいきたいと考えているところでございます。あわせまして、この原因疾患が糖尿病が約三分の一を占めているわけでございまして、この糖尿病対策に本格的に取り組んでいくということ、さらに腎移植の推進を図っていくということなど総合的に取り組んでいく必要があるものと考えております。
○森田次夫君 ありがとうございます。 この食事療法につきましては、患者さんにとりましても、また医療費の抑制につきましてもまさに一挙両得ではないのかな、このように思うわけでございます。したがいまして、ただいまも積極的に取り組んでいただけるというお話でございましたので、いわゆる低たんぱく食と、それと腎不全の因果関係と申しますか、こういったことが一日も早く究明できますようこれからもひとつよろしくお願いを申し上げまして、一応この項につきましてのお尋ねは終わらせていただきます。ありがとうございました。 そこで次にお尋ねを申し上げたいわけでございますけれども、これは援護行政についてでございます。 戦後五十三年が経過するわけでございます。戦没者遺族も大変高齢化をいたしております。そして、遺族等の援護の施策の対象となられるそういった方々も年々減少し、それに伴いまして当然ながら予算等も減少傾向にある、こういうことでございます。 しかしながら、国のためにとうとい命をささげられました戦没者に対する補償というものは、あくまでもやはり国家理念に基づいて改善が図られるべきではないのかな、このように思っておるわけでございます。そして、その援護施策の重要性というものはこれからも何ら変わらないものであるということでございます。また、社会情勢の変化や遺族の高齢化等の事情の変化に対応した施策の充実が必要であろうかと思います。 そこで、厚生大臣にお尋ねしたいのは、遺族の高齢化などの事態に対応し、今後援護施策をどのように進めていっていただけるのか、そういったことにつきまして、大臣の御見解を賜りたいと存じます。
○国務大臣(宮下創平君) 森田先生がこの戦傷病者戦没者遺族の援護施策について本当に熱心に取り組んでおられまして、その点は深く敬意を表したいと思います。そして、これらの援護施策は、今御指摘のように国家がみずからの責任において実施すべき重要政策であると私も考えております。 御指摘のように、だんだん遺族が高齢化いたしまして、遺族年金の受給者数も減ってきております。このことは本当にやむを得ないことでありますけれども、同時に遺族年金受給者の平均年齢も八十二歳を超えるというような状況になってきておりますが、遺族が高齢化するからといって、援護施策の対象者が減るからといって、この施策の重要性はいささかも変わりないというように存じております。したがって、今後とも遺族年金等の支給や遺骨収集あるいは慰霊巡拝の着実な実施には精力的に取り組んでいきたい、このように存じております。
○森田次夫君 大変ありがたい御答弁をいただきましてありがとうございます。 戦没者遺族でございますけれども、一家の支柱といいますか、そういった方を失いまして、経済的、そして精神的には大変苦しかったわけでございます。そうした中を戦後頑張ってこられたわけでございます。そうしたことは、やはり亡き肉親が国のために亡くなったんだ、国に命をささげたんだ、こういったことが心の支えで今日まで頑張ってこられたわけでございまして、これからも大臣が申されたとおりに、国家補償の理念と申しますか、こういったことに基づきましての改善をぜひともひとつお願いを申し上げたいと思います。 そこで次に、もう一度大臣にお尋ねしたいわけでございますけれども、実は特別弔慰金の問題でございます。 戦没者遺族に対する特別弔慰金につきましては、前回の改定、これは平成七年、すなわち終戦五十周年でございましたけれども、から来年四月でもって四年が経過しようとしておるわけでございます。その間、先ほどお話がございましたとおり受給者が八十二歳ということでございますので、受給されておった方が何万人も亡くなっておられるわけでございます。そして、新たに特別弔慰金の受給資格を有する遺族も相当出ておられるんじゃないのかな、生まれておられるんじゃないかな、このように思います。よくわかりませんけれども、恐らく対象者は五万から六万人ぐらいになられるのかなというふうに思うわけでございます。 過去の例からいたしましても四年ごとに、いわゆる昭和五十四年、それから平成元年ということがあるわけでございますけれども、基準日の見直しを行ってきておりますけれども、そういった制度の経緯を踏まえまして来年度においてもぜひとも行っていただきたい、このように思うわけでございます。 そこでお尋ねするわけでございますけれども、特別弔慰金の来年度における基準日の見直しについて厚生大臣の御所見を賜りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 今お話しのように、現行法に基づく特別弔慰金の支給は基準日で見直して、その後資格が発生した方々に給付を申し上げるということでありまして、平成七年四月一日以降、受給要件に該当する遺族が今お話しのように多数発生しております。また一方、高齢化も先ほど申しましたように進んでおるわけでございます。 そこで、御指摘のように、前回の基準日の後に受給要件に該当することとなった方々について、新たに平成十一年四月一日を基準日として特別弔慰金を支給するということの可否につきましては、予算との絡みがございますけれども、予算編成の過程で検討することになると存じますが、その実現に向けて私としては最大限努力したい、このように感じております。
○森田次夫君 最大限ということでもって、ぜひともひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 なれないので時間の配分がなかなか難しいのでございますけれども、次に遺骨収集につきましてお尋ねをさせていただきたいと思うわけでございます。 これも戦後半世紀で、戦没者の遺骨も徐々に土に返りつつあるわけでございます。このため、遺骨収集は計画的また速やかに実施をしていく必要があるのではないかな、このように思うわけでございます。既に南方におきましては、昭和二十七年から第一次、第二次、第三次というような形でもって厚生省は銘を打って行ってまいっておりますけれども、近年、平成三年からでございますけれども、いわゆるロシア、モンゴル、この地域についての遺骨の収集の道が開かれたわけでございます。まだまだ多くの遺骨がロシアあるいはモンゴルに眠っておられるわけでございますけれども、こういった御遺骨の収集、未収骨遺骨の収集、これを優先的または積極的に進めていく必要があるのではないかなと、このように考えるわけでございますけれども、それらの収集の状況等につきましてお教えをいただきたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 先生のお尋ねのロシアにおける遺骨の収集の状況でございますけれども、平成九年度までに六千三百十一柱の遺骨を収集いたしたところでございます。今年度においても、さらに先生の御指摘のように私ども精力的に取り組んでおります。平成九年度の実績を申し上げますと、九百四十八柱の御遺骨を収集したところでございますけれども、今年度におきましては、きょう現在までに既に千四百七十五柱の御遺骨を収集し、昨年度よりも努力をして成果が上がっているわけでございます。まだあと四団体派遣する予定でございますので、さらに成果があるだろうというふうに思っております。 遺族の高齢化されているという状況にかんがみまして、私ども遺骨収集に積極的に今後とも取り組んでまいりまして、できるだけ早期に収集がおおむね完了できるよう努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○森田次夫君 ロシアのシベリア抑留者、これは五万五千あるいは六万というふうに言われておるわけでございます。そうした中でもって、ただいま局長の方から御答弁がございました平成九年度までで六千三百十一柱、そして現在まで、平成十年度においては千四百七十五柱ということでございます。両方足しましても七千七、八百というところでございまして、まだまだ全体からいきますと本当に二割にも満たないような状況だろうと思いますので、これからもひとつ積極的にお願いを申し上げたいというふうに思います。 そこで、またお尋ねを申し上げるわけですが、遺骨収集の実施に当たりましては、遺族会だとか戦友団体あるいは青年団体、学生でございますが、協力が不可欠であるわけでございます。しかるに、これらの者に対する補助金は現在旅費の三分の二となっておるわけでございます。したがいまして、三分の一というのは自己負担であるわけでございます。申すまでもなく、遺骨収集は国の責務であり事業であるから全額国が負担すべきである、このように考えるわけでございます。 実際に体験していただければわかるわけでございますけれども、遺骨収集は気候風土、それから生活環境の全く異なる異郷の地での、それも二週間、三週間という長期にわたりましての作業でございまして、その苦労というものは大変なものであるわけでございます。これらの方々が、それでも仕事や学業をなげうって参加しようというのは、あの極寒のシベリアの凍土の中で寂しく眠っておられる英霊を一日も早く祖国にお迎えしたい、そういった一念からでございまして、非常に私もいつも頭が下がるわけでございます。 また、遺骨収集の補助団体でございます青年遺骨収集団というのがあるんですけれども、これはその三分の一を借金までして、団の代表が借金をして、そして団員には負担をかけさせない、学生には負担をかけさせないというようなことまでして参加をさせているというのが現状であるわけでございます。戦争を全く知らない世代が頑張っておるわけでございます。それなのに自己負担させるということは、私としては非常に心苦しく、また申しわけないと思うわけでございます。 そこで、国の事業でございますので、全額国で負担すべきではないのか、負担していただくべきではないか、このように考えるわけですけれども、その辺につきましてひとつよろしく御答弁のほどをお願い申し上げます。
○政府委員(炭谷茂君) 先生がただいま申されましたように、遺骨収集に当たりましては遺族会の方々、また学生の方々の多大な尽力があるということは、私ども大変ありがたく、また敬意を持って考えております。 しかしながら、この問題につきましてはやや経緯がございまして、お話をさせていただきますと、昭和四十八年度からこの制度ができたわけでございますけれども、当時は遺族、戦友等の関係団体の方々が単独でそれぞれが遺骨収集を行っていただいておりました。その後、この遺骨収集をより組織的にかつ効果的に実施しなければいけないということで、官民が一体となって実施しようという観点から、これまで単独で実施されておりました民間の参加者に対して航空運賃または宿泊費等の旅費の補助をするという形でこの制度が発足いたした経緯がございます。 このような経緯から考えまして、今日までこれをもって来ているわけでございますけれども、先生のただいまの御指摘の全額国庫負担というのは今日なかなか難しい問題があると考えております。しかしながら、平成四年度におきましては補助金の補助対象事業費を引き上げましたが、平成七年度からは遺骨収集応急派遣事業というものを新たに設けまして、その方々につきましては全額国庫負担とするという形で補助制度の改善に努めてきているということで御理解を賜ればというふうに思っております。
○森田次夫君 時間配分が非常にまずくて、もう少したくさんお聞きしたがったわけでございますけれども、これはあくまでもやはり国の事業でございまして、いろいろと経緯はあろうかと思いますけれども、何とかひとつ国で全額負担していただけるように、日当まで要求しているわけじゃございませんので、かかった費用だけは何とかひとつ国が面倒を見る、こういうようなことでひとつこれからも御検討をお願いしたいと思いますし、恐らく、今、局長さんがあのように答弁されておられますけれども、今までの経緯はいろいろとあるわけでございますけれども、局長さん自身も本心は、私はやっぱりこれはちょっとおかしいなというふうに考えておられるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 それから、学生なんかにつきましても、実はきょうもたしか遺骨の引き渡しがあると思うんですよ。そして、私もできるだけそれには出させていただいているわけでございますけれども、先般、九月八日でございましたけれども、やはりロシアから遺骨が戻ってまいりまして、そのときには審議官が代表で出ておられましたけれども、そしてその参加者につきましては抑留者はゼロでございました、相当御高齢でございますので。そして、遺族会が八人でございます。青年遺骨収集団、いわゆる学生が男女でもって十四人おられたわけですね。学生が一番多いわけです。 ですから、学生はたくさん出せば出すほどそれだけ自分たちの負担がかさんでくる。そして、今までは先輩あたりからいろいろと回って寄附を仰いできたようでございますけれども、なかなか今のこの状態でもってそういった寄附等もできないというようなことでもって何百万借金して、そしてそれらを負担してやる。こういうような状況でございますので、どうかこれにつきまして今後も積極的、前向きにひとつ御検討をいただきたいなというふうに思います。 ちょうど時間になってしまいましたので、ちょっと中途半端でございましたけれども、この辺でもって私の御質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○久野恒一君 私は久野恒一と申しまして、初めてこういう会でもって発言するわけでございますけれども、先ほどから聞いていますと、時間の配分というのは難しいなと思って聞いているわけでございます。十二時五分までに上がるということでございますので、そのような質問をさせていただきたいと思います。 私は、実は職業が医師でございますので、そういう意味から平成十二年度から開始される介護保険法、これの内容をずっと見ておったわけでございますけれども、どうも同僚の医師が、お医者さんたちが在宅医療というものに関して全く無知な状態ではなかろうかな、自分の同業者の文句を言って甚だ恐縮でございますが。 そこで、介護保険問題を中心にこれから質問を進めさせていただきたいと思いますけれども、実は十問用意してしまったもので、御答弁の方は簡潔によろしくお願いいたしたいと思います。 ところで、この介護保険の導入に当たりまして、医療費が上がっていくとか、だんだん受給者がふえて年金が下がっていってしまう可能性もある、そういう中で介護保険制度を導入する理由と、なぜこれを社会保険制度でもってそういう方式にしたのか、まずお尋ね申し上げます。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護保険制度を導入した目的でございますが、老後の最大の不安定要因でございました介護問題にこたえるというのが第一でございまして、高齢者の介護を社会的に支える仕組みをつくろうというのが一点でございます。それから、現在では福祉と医療に分かれている制度を再編成いたしまして、医療サービスも福祉サービスも総合的、一体的に受けられるような利用者本位の仕組みを創設する。それから、増加いたします介護費用を社会全体の連帯によりまして安定的に賄うために給付と負担の関係がわかりやすい仕組みと、こういうことで創設したわけでございます。 それから、社会保険方式にした理由でございますけれども、戦後、我が国の社会保障制度は基本的には社会保険方式で行われてきたわけでございまして、介護につきましても、配偶者でございますとか、その親までも含めましてほとんどの人が直面する問題でございますので、若いうちから高齢で寝たきりになった場合に備える、そういった意味で社会保険の考え方になじむのではないか、こういうことが一点。それから、高齢化の進展に伴いまして、その財源を安定的に賄う仕組みといたしましては給付と負担の関係が明確な社会保険方式の方がわかりやすいのではないか、こういうこと。それから、社会保険方式を採用いたしますと、租税で行いますよりは利用者の選択によるサービスの利用が可能になる範囲が広がるのではないか。こういうふうなことから社会保険方式という形で創設されたわけでございます。
○久野恒一君 大体見当がついたわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、お医者さんが余りまだ理解が足らない。今、政省令をつくっているところでございましょうけれど、も、その中でもって医者のあるべき姿とかなんとか、そういうものが盛り込まれていくんじゃないかなというふうには存じます。 そういう中で、簡潔で結構でございます。先輩方は御承知だと思いますので、そういう意味で確認のために聞いておきます。 介護保険の中にどのような種類があるのか、まずそれをお尋ね申し上げます。確認です。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護保険制度におきましては、ホームヘルプサービス、訪問介護でございますが、それからデイサービス、通所の介護でございます。こういったものを中心といたします在宅のサービスと、それから特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群等におきます施設サービス、この在宅と施設サービスがあるわけでございます。
○久野恒一君 そこで、かかりつけ医だとか、それから病診連携の問題だとか、そういう問題が入ってきていない。入ってきていないということは、在宅医療というものがこのお考えの中に入っているのかどうかという問題です。 当初、介護保険、十二年度から徴収する費用が四兆二千億円となっておりますけれども、その費用は将来的にどのように上がっていくのか、その増加のぐあいをちょっと教えていただきたいなと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 私どもの試算で、平成十二年度の介護費用の総額が、平成七年度の価格でございますけれども、約四兆二千億円と推計いたしております。これが、これから要介護者の増加によりまして介護基盤が整備されていく、こういうことで、同じく平成七年度価格でございますけれども、これが平成十七年度には四兆二千億であったものが五兆五千億円、それから二十二年度には六兆九千億円、こういうふうな見込みを持っております。
○久野恒一君 その中に、かかりつけ医さんの費用だとか訪問看護ステーションの費用とか、こういうものも入っておられると、こういうことですね。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護報酬で支払われるものにつきましてはすべて入っております。先生の御指摘のものも入っております。
○久野恒一君 ありがとうございます。 介護保険制度につきましては一割負担、この一割負担が、例えば老人保健施設に入った場合、給食の代金ですとか、あるいは自己負担を含めると大体五万円ぐらいで統一されているようでございます。一般の年金生活者を考えてみますと、今も森田先生の方から遺族年金の話が出たわけでございますが、支払える額であるかどうか、今現時点では五万円負担というのはとても基礎年金だけでは払えないんじゃないかなとか、そういう心配もございます。 その辺のところ、年金問題でもってこれから討議されるところであろうと思いますけれども、大体その辺のところをどうお考えなのか、ちょっとお尋ねいたします。
○政府委員(近藤純五郎君) 先生御指摘の老人保健施設の例で申し上げますと、現在の老人保健施設の利用者の負担状況を申し上げますと、これは利用料全体、大体六万三千円程度いただいております。この中に日常生活費も入っておりますので、これを除きますと大体五万円程度いただいているわけでございます。 それで、今度、まだもちろん中身は決まっていないわけでございますけれども、私どもの現在の試算では、介護保険導入後におきまして一割の利用者負担、それから食費の標準負担ということでいいますと大体これも五万円程度でございまして、日常生活諸費はこの中に入っていないわけでございます。したがいまして、介護保険導入前後では変わらないというふうな理解をしております。 低所得者に係ります負担につきましては、これは高額介護サービス費という中で、低所得者に対しましては低い自己負担額を設定することでございますとか、あるいは食事の標準負担、これにつきましても低所得者には低い設定をしたいというふうに考えております。 具体的には、まだこれから審議会の方で十分御審議をいただくということになっております。ちなみに、これは年金だけで払うということにはならないと思うわけでございますけれども、他の所得でございますとかあるいは貯蓄、こういったものも合わせて払うわけでございます。国民年金の現在の基礎年金でございますが、これは四十年加入ということでございますけれども、夫婦ともに入れば十三万円、六万六千余りで十三万円ぐらいになるわけでございまして、これとの直接の比較はいかがかと思いますけれども、これに相当する額は払えるのではないか、こういうふうに思っております。
○久野恒一君 今、老人保健施設のことを申し上げました。この介護保険の中に療養型病床群あるいは特別養護老人ホーム、こういうものも入っておりますけれども、それも含めて大体年金の範囲の中でもって支払える、こうおっしゃっているわけでしょうか。 そこで、要するに、四十歳以上の国民の方々から、六十五歳以上は年金受給者だと思いますけれども、そういう方々から介護保険料をちょうだいするということになりますと、大体、将来要介護の人は五百二十万人ぐらいになるだろうと。そういう中で本当に全員が、医療みたいにいつ風邪を引くとかなんとかというそういうことではなくて、要介護認定でもって認定された人でなければ介護保険が使えない、こういう意味合いもあろうかと思いますけれども、そこに該当しない人もあるいは出てくるのではないかなと思いますけれども、その辺のところは、何か掛け捨てみたいな形になっちゃうような気がいたしますもので、いかがなものでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護を要するかまたは虚弱な状態で日常生活に援助を要する、こういう高齢者の割合でございますが、これは加齢に伴いまして増加してくるわけでございまして、何歳まで生きられるかによってもちろん結果は変わってくるわけでございますが、人の一生、今の平均年齢ぐらいまで生きられるということで計算いたしますと、大体二人に一人弱の方が寝たきりまたは虚弱になる可能性にあるわけでございまして、御本人だけの計算でございますから、配偶者、またその親までを考えますと、大部分の方が自分か身の回りで介護保険のお世話になる方というのはあろうかと思うわけでございます。したがいまして、社会連帯を基本といたします相互扶助の仕組みでございます社会保険による対応というのが適当ではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
○久野恒一君 ありがとうございます。 そこで、また年金のところにこだわるわけなんですけれども、これから年金が、働く世代がだんだん料率が上がっていく、受給者の受給率が下がっていく中で、六十五歳の方々は月二千五百円から十二年スタートするわけでございますけれども年間で三万円かかる、年金から天引きされちゃう、そういうことになりますと、これは事実上、約半分の方は年金のていのいい削減ではないか、そういうふうに私は感ずるわけでございますけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 高齢者の保険料でございますけれども、決して支給されている年金額だけで決まるわけではないわけでございまして、その他の所得も含めました負担能力に応じて決められるということになるわけでございます。それから、年金額が一定額以上の方につきましては、これは保険料の収納の確保という面と事務効率と、こういう両方の観点から年金から源泉で天引きをする、こういう仕組みも入れているわけでございます。 言うまでもなく、年金は老後の生活保障といいますか所得保障、こういう形で支給されるわけでございますけれども、いざ介護を要する状態になりますとやはり年金でこれを賄う必要が出てくるわけでございまして、そうなりますとその介護に関するリスクを分散させる、このための費用を年金から支給するというのはやっぱり年金制度の趣旨からしてもそれほどおかしなことではないのではないかな、こういうふうに考えている次第でございます。
○久野恒一君 年金そのものが社会保障制度だと私は思っています。そういう社会保障制度の一部から新しい社会保障制度をつくる、これが何となくそぐわないんじゃないか。 私の言いたいのは、介護を自分が受けたい、そういうときに要介護認定がありまして、そこでもってチェックされちゃう。あなたは使えるとか、第三者が使えるとか使えないとかというところに何となく社会保障制度にちょっとギャップがあるような、うまく言いあらわせないんですけれども、そういう感じがいたします。その辺のところをちょっと詳しく。
○政府委員(近藤純五郎君) この介護保険制度ができて施行されますと、今までと医療と同じようにアクセスというのが非常にやりやすくなる。今までみたいに市町村あるいは福祉事務所が措置をする、こういうことがなくなるわけでございまして、そういう意味では使いやすくなるわけでございますが、やっぱり制度でございまして、全国共通の要介護認定というものを客観的な基準に基づきまして何人かの専門家が集まりまして認定をすると。この認定された介護度によりまして限度額が決まってまいりますので、この限度額の範囲でいわゆるケアプランというのが専門家によってつくられて、本人の希望も入れてつくられるわけでございますが、これの中でそれを消費していく、こういうことでございますので、やはり第一段階としての要介護認定というのはこの制度としては避けて通れない関門である、こういうふうに考えております。
○久野恒一君 わかりました。 そこで、今度は六十五歳以下の若年層の保険料ですね。医療保険の上に上乗せして徴収するわけでございますけれども、現在でも国保はなかなか九十何%でもって一〇〇%に行かない。そういう行かない人がいるわけでございます。そういう人たちから取るというか徴収するというのは非常に難しい問題があろうかと思います。 そういう場合はどんなふうに、自治体も公費負担を四分の一持っているわけですから、負担しなければならないわけですから、取れない人が例えばかなりいたとした場合、そういう場合はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 国民年金の保険料の収納というのは大変市町村の頭を悩ませている問題でございまして、そういう人たちからさらに介護保険料をいただくというのは御指摘のとおり大変難しい問題だというふうに思っております。 ただ、第二号被保険者、四十歳から六十四歳の方の保険料でございますけれども、これは医療保険の保険料に上乗せして納めていただくわけでございまして、その場合に、老人保健の拠出金の負担が医療の方から介護の方に医療が移ってくる部分があるわけでございますから、その分の負担が当然軽減されるわけでございまして、介護保険料がそのまま丸々ふえてくるというわけではないわけでございます。先ほど申し上げましたように、医療保険料と一体として徴収されるわけでございます。 それから、これは介護保険制度そのものの目的でございますけれども、自分の親も安心して介護サービスを受けることになるわけでございまして、家族という立場からも利益を受けるわけでございます。したがいまして、こういった制度の趣旨とか内容を十分御説明いただきまして、御理解をいただきながら市町村の方で徴収に御努力していただく必要があるというふうに考えております。 それからもう一点、介護保険料の未納者に対しましては保険給付の全部または一部の支払いを差しとめる、こういうペナルティーの措置も考えているわけでございまして、それで最終的に徴収できなかったという場合でございますけれども、その場合にはその保険者の責任において負担は出していただく、こういうふうなシステムになっております。
○久野恒一君 わかりました。ある程度のペナルティーがあるということですね。 要するに、医療費がどんどん上がっていっているから在宅に戻した方が医療費が安くなる、そういうことでもって、本来、介護保険の目的が在宅福祉だとか在宅医療とかそっちの方向に向かっているんだろうと私は理解しておりますけれども、その在宅にどうしても帰れない独居老人とか、うちの者が理解できなくて引き取ってくれないとか、いろんな理由があろうかと思います。 それと第三者、ほかの人が、自分はお父さん、お母さんを見たんだから当然自分の子供は見るべきであるという頑固な人もいるわけでございまして、外から入ってくる訪問看護ステーションとかホームヘルパーとかそういう人たちを拒否する、そういう人からも保険料を取ってしまうのか、それはちょっと問題があるのではないかなと。介護を受けたくないという人からも制度上取ってしまうのにはちょっと問題があるんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 先生御指摘のように、できるだけ地域で住みなれた場所で過ごしたい、これをかなえられるような、今すぐというのはなかなか難しいわけでございますけれども、そういう水準を目指してやっているわけでございます。 どうしても介護を拒否されるという方について保険料を取るのはいかがかということではございますけれども、やはり先ほど申し上げましたように、介護というのは大きな社会問題であるわけでございますし、介護を放置して、介護を必要な親を持つまさに我々壮年期の方というのは非常に多いわけでございまして、そういう意味でもそういう方々の社会的な要請に基づいて社会連帯と、こういう形で強制加入という社会保険の仕組みでやっていくわけでございますので、やはりそうしたことを理解していただきまして、いずれそういう方も、あるいはその親、配偶者、こういうお世話になるというケースというのは当然あるわけでございますので、そういう意味ではそういうものに理解をいただいた上で協力を願う、こういう形でお願いをしていかなければならない、こういうふうに考えております。
○久野恒一君 よくわかりました。 よくわかりますけれども、私の言いたいのは、結局、強制加入しているんだから自分が介護を受けたいといったときにはそれを認めて、要介護認定をしてチェックするのではなくて、だれもが受けられる、そういうのが社会保障じゃないかなという感じもいたします。だけれども、もう既に決まってしまった問題ですからこれについてとやかくは言いません。 ただ、この介護保険があと一年半ぐらいでもってスタートしちゃうわけでございますけれども、これをまだお医者さんが理解を十分できていないのに、在宅医療の点、あるいはそういう施設が十分、療養型病床群という施設が余りまだできていないんですよね。そういう中で、さてスタートはしましたけれどもなかなか、保険あって介護なし、こういう状態がもし出てまいりますと、物すごく国民にとっては不幸な出来事ではなかろうかなというふうに思います。 これがもしそういう、保険あって介護なしの状態になってしまったら、これはとんでもないぞという意味を含めまして、最後に大臣に、何とかこの介護保険を成功させるにはどうしたらいいのか、この御決意をお聞きいたしたいのと、年金問題も含めて医療費の改革の問題、それからいろいろとこれから決まってくる問題の中で介護保険をうまく運用していただきたい、その御決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 介護保険制度の仕組みについてはただいま御議論のあったところでございますが、私もこの介護保険が円滑に実施できるかどうかというのは非常に最大の重要課題であると考えております。 したがって、この円滑な実施を目指しまして、例えばゴールドプランを完全実施あるいは前倒し実施をしていこうというようなこととか、それから要介護事業計画等をつくっていただきますが、それに基づくサービスは万全であるかどうかよくチェックしていくというようなこととか、あるいは制度の実施主体でございます市町村等の施行の準備を円滑にするために要介護者の認定事業を試験的事業としてただいまやっておりまして来年の本番に備えると。それから、介護需要の調査を徹底的にやるというようなこと、あるいは介護保険の事務処理システムの構築等についても地方公共団体等に補助を手厚くしていくというようなこと等も通じて、何としても、この制度がつくられておりますから、国民的な理解を得て円滑にスタートできるように最大限の努力をしたい、こう思っております。
○久野恒一君 あと二、三分ありますので追加させていただきます。 どうしても在宅に行けない、そういう人に対してはどうするのか、その一点だけちょっとお願いいたします。
○政府委員(近藤純五郎君) 先ほども申し上げましたように、できる限り在宅でいて幸せな生活を送れるというのが一番いいわけでございますけれども、同居の家族が全然いらっしゃらないとか、しかも非常に重くて寝たきりである、こういうふうな方で在宅ではどうしてもお世話ができない、こういう方につきましてはやっぱり施設で処遇するというのがとるべき姿じゃないのかなと、こういうふうに考えております。
○久野恒一君 施設と申しますと、具体的にはどういう施設でしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護の関係の施設は現在の特別養護老人ホーム、老人保健施設、それから先生先ほど御指摘になりました療養型病床群で届け出があったもの、こういったものが中心になります。
○久野恒一君 あと一分ございますので。 私は、やっぱりこの介護保険が入りますと、どうしても病院そのもののあり方が問われる時代が来る。急性と慢性の話が最初に清水先生の方から出ました。そういうのを含めて慢性の方の病院でもって何とかならないのかということを、イエスかノーだけで結構でございます、もう時間ですから。
○政府委員(近藤純五郎君) 慢性的なものが療養型病床群という形、経過的ではございますけれども介護力強化病院、こういったものも介護保険の対象になる、こういうふうになっております。
○久野恒一君 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十分開会
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから国民福祉委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松崎俊久君 民主党・新緑風会の松崎でございます。 医療費が上昇するという背景にはさまざまな要因があるとは思いますけれども、一番基本的に医療費を左右するものはやはり人口の年齢構造の変化、すなわち老齢化だろうと思います。この老齢化の背景には、寿命が全世界に例を見ないほど急上昇してきたという背景が日本にはあります。 戦前、日本は世界の短命国代表と言ってもいい位置におりました。明治、大正、昭和を通じて、文明国数十カ国の中で常にびりの位置を日本は歩んでいたわけであります。それが昭和二十二年から平均寿命五十歳を達成した途端に急上昇を開始いたします。そして、数十カ国を一つ一つ追い抜くわけであります。そして、今日、数年前から男女ともに世界一の長寿国となってまいりました。この問題を抜きにしてこの医療費の問題、それから医療制度の問題は論じられません。 今後の寿命の動向というものを察する意味もありますし、そういう意味でこの寿命の急伸長というものを厚生省はどのようにお考えになっているか、まずお答え願いたいと思います。
○政府委員(真野章君) 先生御指摘のように、我が国の平均寿命は、昭和二十二年に男性が五十・○六歳、女性が五十三・九六歳でございましたが、平成九年には男性七十七・一九歳、女性八十三・八二歳ということで、世界トップクラスという状況でございます。 この要因でございますが、まず、戦後すぐ昭和二十年代から三十五年ごろにかけましては、乳幼児死亡率が非常に低下をした、また結核などの感染症によります死者の減少ということで若年の死亡率が低下したということでございます。それから、四十年代になりますと、脳血管疾患の死亡率などの改善によりまして壮年層、更年期の死亡率が低下をいたしました。また、六十年代以降は、七十五歳以上の後期高齢者の死亡率が低下をするということによりまして、平均寿命が延びてきたというふうに考えております。これは、我が国全体の医療、それから福祉の水準の向上によりましてこういう死亡状況が改善されてきた結果ではないかというふうに考えております。
○松崎俊久君 医療の進歩あるいは公衆衛生の内容の進歩というよりは、はっきり言って私は、戦後の経済の高度成長に裏づけされた生活水準の上昇並びに学校給食こそがこの日本の高い寿命を短期間に達成させた原因だと考えております。しかし、この高い寿命の、あるいは急速な寿命の延びも一様ではございません。(図表掲示) 四十七都道府県を県別に検討いたしますと、昭和の初めを横軸に、最近の年度を縦軸にとりますと、このようにそのときの全国平均で色分けいたしますと、日本の四十七都道府県は寿命を急速に延ばした県と非常に緩くしか延びない県、かつては日本の長寿県を代表したような県でも今日の日本の中では短命県の位置に甘んじている県、それぞれの性格を持っております。 特に、この医療費の問題で問題になります長野県でありますが、長野県は今日、男では沖縄を追い抜いて日本一の長寿県になっております。だめなのは東北三県と大阪、ここはいつもだめというところに位置しているわけでありますが、大都市群が急上昇をしてきております、大阪を除く大都市圏ですね。あとはかつて長寿県を誇った九州、四国は大体寿命が追い抜かれていく低落県という位置を持っております。この問題、この性格を基本にして医療費の問題は考えていく必要があるだろうというふうに思っております。 長野県は、男第一位、女第四位、ところが医療費で見てまいりますと非常に安い。先日、衆議院の予算委員会で深谷議員が、長野は三〇%もほかより医療費が安い、これを見習えば、勉強すれば、あるいは予防を徹底すれば二兆五千億円が節約できるはずだとおっしゃっております。余りこういう楽観的な意見には賛成できませんが、とにかく長野が医療費が安いという理由を、やはりこれは真剣に考えてみなければなりません。 一方、最も医療費の高い高知県はなぜなのかと。寿命でいいますと長野県の方がはるかに長寿であり高齢者も多い。それよりずっと低いはずの高知県、寿命で言えば男三十七位と、こういうような高知県がなぜ医療費が高いのか、やはりこういう問題を抜きにして医療制度の改革あるいは介護保険の問題を論ずることは実態を無視することになります。ましてや、保険というものは公平、平等ということを常に厚生省は言われてまいりました。しかし、もしもこのまま同じ負担を仮に高知も長野もやったとすれば、まさにこれは不公平、悪平等、こういうような問題を背景に持っているからであります。 さて、その次の問題でありますが、医療費を抑制するためには、深谷議員もおっしゃったようですが、特に慢性疾患の予防ということが大事だと、それはもうだれも異論のないところであります。特に老人の病気で予防が可能であり、その道筋がわかっているという病気、しかも寝たきりを生産する代表的な病気ということになりますと脳卒中、次に骨粗鬆症ということになります。この二つの病気の医学的な予防法は、もちろん今日わかっているわけでありますが、自治体に対してこの二つの病気を減らしていくために厚生省は具体的にどのような指導方針をお持ちか、伺います。
○政府委員(近藤純五郎君) 先生御指摘のように、健康づくりでございますとか疾病予防の推進というのは、これからの高齢社会を明るく活力あるものにしていくために、老人医療の適正化のみならず、大変重要な課題であるわけでございます。このために、がん、心臓病、脳卒中のいわゆる三大成人病対策を中心にいたしまして、老人保健法の中でその保健事業、ヘルス事業の推進に努めてきているところでございます。 具体的には、健康教育、健康相談等によりまして生活習慣の改善を図ると同時に、健康診査、その結果に基づきます事後指導等によりまして疾病の適切な管理に努めているところでございまして、これからも国民が高齢期をできる限り健やかに過ごせるような施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 先ほど申し上げました老人保健法によりますヘルス事業につきましては、昭和五十七年度から第一次、六十二年度から第二次、それから平成四年度から第三次、計画ごとに重点施策は変わってきておりますけれども、この第三次計画が来年度をもって一応終了いたしますので一次の計画をどうするかということについて私どもこれから真剣に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○松崎俊久君 そういう通り一遍の予防方針の指導で私はそんなに簡単に効果を上げられるとは思っておりません。私は、これを言うからには、自分が行った自治体への一つの実験をここで御紹介して、ぜひ厚生省が一県一自治体でもいいからそういうモデルをつくって、それを他の自治体に見習わせ競争させる、そのぐらいの感覚で問題を見ていただきたいと思います。 場所は福島県西会津町であります。人口一万。ここは厚生省の言う基準によりますと保健婦を二人置けばよろしいわけでありますが、ここの町長も非常に熱心で、私と心中するつもりで町を変えてみたいと。要するに、福島県九十自治体の中で寿命が八十八番目、脳卒中は一番多いというようなとんでもない町であったわけでありますが、これを五年間でとにかくがらっと変えてみようというような実験を開始したわけであります。 それには、まずマンパワーを急速に整えます。ほかの事務職員を削ってもマンパワーを整えます。保健婦を人口一方に対して十名、それから管理栄養士三名、その周りに百名の家庭の主婦を組織し、栄養改善推進員をつくります。もっとも、それはきちんと選抜して各集落に配置できるようにします。そして各家庭にケーブルテレビの光ファイバーを導入いたしまして、双方向利用で心電図、血圧を毎日保健センターに送らせるというようなシステム。それから、三メートルの雪に冬は半年閉じ込められますので、屋内温水プール、屋内ゲートボール場、これらをつくってやりました。そして約束の五年後に、脳卒中はSMR、これは標準化死亡比と言いますが、全国を一〇〇とした場合、年齢やその他を考慮して、この町は一七八の脳卒中死亡率を持っておりましたが、五年で一二〇に落ちてまいりました。寿命は四十位上昇いたしました。そして食事の内容もがらっと変わってまいりました。 それだけではございません。最も具体的なのは医療費であります。医療費は、福島県は上がり続けて、まあ全国そうでありましょうが、ここの町は三二%の老人人口でありますけれども、老人人口三二%にもかかわらず五年間で一万六千円の国民健康保険の減税に成功いたしました。これに驚かれたのか、昨年秋、小泉厚生大臣はこの町に表彰状を贈られました。 とにかく、このように一つの目標を立てて、どの病気がこの町の健康状態を悪くしている、だったらこの病気を集中的に攻撃するというような、やはり戦略目標と戦術を明確にしてその自治体ごとに目標を与える、こういうやり方をしなければ医療費は上がりっ放し。厚生省がよく言われるのは、老人がふえれば医療費は上がる。そんなことはありません、老人がふえても医療費は下げられるんです。 こういうことで、やはり各県に一つでもそういう自治体をつくられて、そしてその自治体をモデルにしながら各県、自治体同士に競争させる、そういうような感覚をぜひ厚生省は持っていただきたい。そうでなければ二十一世紀の医療費の高騰、破産という状況を避けることはできません。ぜひともこういう感覚を持っていただきたいと思います。 それからもう一つ、脳卒中はそれでよろしいとして、骨粗鬆症でありますが、骨粗鬆症は御存じのように閉経後の女性に多発する病気でありますが、骨折、腰曲がり。これは最近各国の医学の研究が競って出してきた中に重大な発見があります。それは、骨粗鬆症の予防の最もいいのは、中年女性ではない、中年女性時既に遅し。女性で言うと大体十歳から二十五歳までで運命は決まる、この間にどれほどカルシウムをとらせたかによって決まるということが確定的になってきております。 私も平成七年、八年、農水省から億の単位の研究費をいただきまして、日本全国ランダムサンプリングで、三つの大学を結集して四千五百五十人の十五歳から八十歳までの女性を九四%の受診率で精密な骨梁と血液の内容を採取し、これをオーガナイズいたしましたが、その結果わかったことは、やはり大腿骨が特に十歳のときに完成してくる、骨梁が最大量を獲得するのは十歳代である。そうなりますと、小学校、中学校、高等学校というところのカルシウム摂取が五十年後の骨粗鬆症で大量のお金を使うかもしれない者に対する予防になるわけであります。最も安い投資になるわけであります。 そこで私はお尋ねしたいのですが、高等学校の女の子、これを私は全国各地で調べましたところ、最も必要とする牛乳を五〇%が飲んでおりません。安室奈美恵か何かを夢見てダイエットにうつつを抜かし、親も教師もそれに何のアドバイスもせず、ましてや厚生省も口を挟まず、そして野放しにしている結果、これらの子供は太りたくないと牛乳を一番先にやめます。この間違いを指導するのは直接的には文部省でありましょう。しかし、厚生省が小学校から老人に至るまでの人間の命に対する責任、健康に対する責任を持つ省である以上、やはりこれを見逃しにせず、文部省に勧告をすべきであります。 私は、二百十四万かと思いますが、全国の高等学校の女子生徒に無料で国家補助により牛乳を飲ませるということ、これの必要経費を計算してみますと約二百億円。二百億の金で将来の日本女性の、平均寿命八十五歳を恐らく超えるであろう女性たちの大量の骨粗鬆症を予防できるなら安上がりです。それと同時に、学校の教科書の中にも明確に子供のときからカルシウムをきちんと摂取する、運動がいかに重要かということをやはり文部省にやらせるべく厚生省は協議を進めてほしいし、プレッシャーをかけてほしい、こういうふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(伊藤雅治君) 先生の大変貴重な研究結果をお聞きいたしまして、厚生省としての自覚をしなきゃいけないと思っておるところでございます。 今御提言のように、特に生活習慣を是正して疾病を予防していくというのは厚生省にとりましても大きな課題になっておりまして、来年度、健康日本21計画というものをつくりまして、二〇〇〇年から二〇一〇年を目標にいたしまして、今、先生御提言のように、特に生活習慣病の対策を立てまして健康な寿命を延長していくということを今計画しております。その具体的な作業と並行いたしまして職域、学校に協力を呼びかけてまいりたいと思っておりますので、特に文部省に対しましても協力して策定していくよう呼びかけていきたいと考えているところでございます。
○松崎俊久君 大臣にお伺いいたします。 先ほど触れました長野と高知の医療費の差は一人当たり二・五倍でございます。とにかくこの二・五倍という極端な差をどういうふうに厚生省は考えておられるのか、この考え方によっては対策が根本的に異なるわけでありますから、よく俗に医療費は西高東低だなどと言われますが、その理由をどのようにお考えか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 先生、今お挙げをいただきました老人の医療費の場合ですと、長野が全国一番低くて、高い方が北海道ということで、二・五倍とおっしゃいますけれども、二倍ぐらいだと思いますけれども差がございます。そのほか、国民健康保険におきましては、最も高いのはやはり北海道でございますけれども、最も低いのが沖縄県というような実態になってございます。 どうして医療費にこういった地域格差が生ずるかというところが問題でございます。もちろん高齢者の割合など年齢構成の違い、その場合も高齢者に対してどれだけの健康な高齢者づくりが行われているかというようなことは当然そこに関係をしてくるわけであります。あるいは人口当たりの医師数だとか、入院医療費の場合ですと人口当たりの病床数といったような医療提供体制の違い、また診療行為の違いというようなものもございまして、例えば同じような疾病の場合におきましても地域によりまして薬剤費が異なるといったような、そういった医療プロパーの要因もございます。 それに加えまして、先ほど来の先生のお話にございますように、その地域における保健事業に対する取り組みの違い、あるいは住民の生活習慣でございますとか、あるいは健康意識の違い、また健康意識を啓発する力の入れぐあいの違い、そういったようなものが総合されました結果こういった地域差が生じておるものというふうに考えております。
○松崎俊久君 私は根本的に意見を異にします。 とにかく今のお答えですと、診断の習慣だけだとかいろいろな、そうすると何かやたら高知に金が二・五倍注がれて、長野は注がれないことになっているわけです。もうここに徹底した悪平等が存在して、不公平が存在しております。 まず、見てまいりますと、医療費二・五倍、ベッド数を見ますと二・二倍高知が多い、そして平均在院日数は高知が五十五・四日、長野二十二・四日、二・五倍の差であります。ほとんどが二・五倍。私は病気が二・五倍高知に多いということは信じられませんし、それを信ずるのはよっぽどばかだろうと思いますが、とにかく信じられません。とするならば不正診療が起こっている、私はそう思いたくはない。とすれば、これはやはり構造上の問題である。 これははっきり言って日本の健康保険が病名主義であって、例えば脳卒中となれば脳血管障害疾患と書いて何カ月でも医療費が取れるという、こういう問題。これがもしも症状名でいく、いわゆるDRG方式と呼ばれる症状名の組み合わせによって保険点数が決まるようなやり方でいけば、いわゆるもう三カ月たてば脳卒中は治療の範囲じゃございません、リハビリの範囲であります。治療ではないのであります。だとすれば治療病棟から出さなければいけません。いわゆる長期療養型の厚生省がおっしゃる療養型病床群の中に入れなければなりません。そういうものの組み込みが最も高知はおくれている。 そして、それはもう老人ホームの建設状況と比較してみると一目瞭然であります。老人ホームの建設状況が最も高知はおくれていて、平成の初期にはゼロという状態の数字が出ております。ようやく平成六年から七年にかけて長野並みの人口に追いついてまいりました。この間にとにかく使われたいわゆる老人ホーム、老人施設、特養に入るべき老人が病院にいるということが在院日数の長いことに、そしてやがてはこれが医療費の二・五倍というものをつくっているわけであります。こういう混合型のものをつくっておいてはいけません。 先ほども自民党の議員の先生のお答えに、届け出があったら長期療養型の病床には介護保険で、在宅ができないものはそちらというようなお話がありましたが、いわゆる療養型を届け出制ではなくてもう病院としてきれいに分けるべきです。療養型病院と治療型病院、これを分けないから日本の医療費はいつまでも医療状態は赤字、病院の運営もまずい。分けてしまうと病院の経営は非常に効率的になります。そういう点をぜひ御考慮願いたい。 さらに、これを外国と比較してまいりたいと思います。日本の病院構造がいかにまずいかという理由で内容を御説明して御意見を伺いたい。 日本のベッド数は百二十六万ベッド、アメリカのベッドは五十万ベッド、人口はアメリカは日本のほとんど二倍であります。そうすると、これを単純に計算いたしますと日本はアメリカの五倍のベッドを持っている、こういうことになります。 その次に在院日数を検討してみたい。日本は三十三・五日平均、一人の患者が。アメリカは六・五日から七日。ドイツ十一日、フランス十四日、これは逆だったかもしれません。アメリカは日本の在院日数の五分の一、ヨーロッパは三分の一、こういうように短い。これは、要するに治療型の病棟で治療をしてさっと出すからです。日本は、要するに後遺症を抱えた長期患者までいわゆる治療ベッドに入れているからこういうことがあいまいになり、このことが医療費の差を生んでまいります。 おまけに看護婦さんの定員までそうであります。日本が最も水準の高い特三病院、特三型で患者二に対して看護婦一名という配置。これは最もいい病院であります、質の高い病院。ところが、アメリカの某大学病院を調査してみましたが、患者一に対し看護婦三・五、アメリカとヨーロッパは平均して全部患者一に対して看護婦一以上であります。中国、シンガポールでさえ一対一なのです。日本は一対〇・五、恥ずかしくありませんか、こんな看護婦の数で病院を運営させている厚生省は。こういう問題からやはり医療制度の問題は見直していただかないと困ります。 とにかく療養型の病床、それから急性型の、これを病床として分けるのではなくて、できるだけ病院として将来は分けるべきである。でないと医療設備は中途半端になります。看護婦の訓練、それから技術者の訓練、これも中途半端になります。このことが病院の経費を高くするのです。はっきり割り切って療養型病院か治療型病院か、これをきれいに割り切っていけば非常に合理的な運営ができる。 さて、これに近いものとして厚生省が考えておられるのは療養型病床群と言っておられる病棟だと思いますが、この病床数は医師の自発的届け出を待っておられるつもりなのでしょうか。それとも、将来、百二十六万床のうち何万床をこのタイプにしようと計画なさって目標を立てておられるのか。ここをぜひ、できたら大臣にお答えいただければありがたい。
○国務大臣(宮下創平君) ちょっとその前に、長野県の例を申されましたので、私は長野県の出身議員として先生の御関心のあるところは全く共鳴いたしますし、同感でございます。 さて、今の問題はちょっと数字にわたりますので、局長の方から答えさせていただきます。
○政府委員(近藤純五郎君) 療養型病床群につきましては、届け出を待って介護保険の方に取り込むということでございますが、目標といたしましては十九万床というものを目標にしております。現在のところは七万数千床が既に転換をされております。
○政府委員(小林秀資君) 今、先生がお話しされましたように、病院を急性期の病床と慢性疾患の患者さんのための病床に分けるべきだというお話でございましたが、実は昨年の八月二十九日に与党協で出された二十一世紀に向けての医療保険改革の中でも、今の病床を急性期病床と慢性期病床に分けるということが書かれております。ただ、実際には私どもがそれをやろうと思いますと医療法の改正ということが必要になります。 したがいまして、それへ向けての検討を今しておるところでございますけれども、まだ具体的に急性と慢性をどういう基準で分けるのかとかいうことも詰まっておりませんし、急性と亜急性をどうするのかという細かいところが実は残っております。しかし、与党協でも出されたし、実は厚生省も前から急性と慢性は分けるべきだというふうに考えております。 それで、急性期病床の方は、先生が今おっしゃられるようないわゆる病院というイメージを皆さん持たれているわけでありますけれども、問題は慢性期病床について、厚生省はこれもあわせて療養型病床群にするんだと。この数は、今、老人保健福祉局長が言われた十九万床とまた別に、今までの一般病院の中からも、急性にならない、私は慢性をやりたいという先生のところも出てきますので、それが全部出ても十九万に満たないかもしれませんけれども、そこはまだ具体的に計算ができない。 ただ、我々が考えていることは、介護型の、介護からの保険が出るのは十九万床を目途にと、こう言っていますが、それ以外の病気の方で、介護には関係ないけれども慢性の病気があって、このためにゆっくり治療をしたい、部屋の環境ももっと療養環境のいい病院、病棟、病室でケアをしたいという人のための慢性病床というのもあり得る、私たちはこのように考えておって、まだそこについて何床になるかということの計算までは至っていませんが、考え方は先生が言われたような方向に私どもも動いている、このように考えております。
○松崎俊久君 療養型の病院、私はベッド数は少なくとも五十万を目標にしなければならないというふうに考えております。治療型の病院のベッド数がアメリカと同じならば十二万五千でよろしいのに百二十六万あるわけですから、せめて治療型をアメリカの倍の比重だと仮定しても二十五万、四倍と見積もっても五十万であります。そうしますと、大半をこれから療養型病院に切りかえるべきであろうというふうに私は思います。 なぜそれを考えなければならないのかといいますと、今、大臣は長野の問題、私は先ほど言い落としたのでありますが、長野はいわゆる在宅介護がかなり進んでおります。長野はそういう意味では厚生連の佐久病院を先頭とする予防体制も大変立派ですし、動物たんぱくを昆虫食や川魚に昔から頼りながらやってきた非常な賢明さと、いわゆる先見的な長野県の気風というものが長野県を非常に押し上げたんだと私は思いますけれども、もっと大事なことは、実は長野の住宅面積が百十五・六平米であるということなのです。要するに、広いから介護が家で可能なんです。またそれが当たり前という考え。高知は八十五・二であります。 ところが問題は、高知はまだいい、今度は団塊の世代を大量に抱えた首都圏、千葉県、埼玉県、神奈川県、もちろん東京もでありますが、これらが最も老人の比重の多い県になる可能性が十五年後から二十年後にかけてあり、明確に推定できます。 ところが、こういうところこそ五十平米とか六十平米しかないわけですから、とても家で老人を介護することは不可能なのです。だとすれば、大都市型は、少なくともナーシングホームヘ、あるいは療養型の病棟へということになりますし、いわゆる農村は介護保険の在宅を主力にするという、明確なすみ分けを考えていかなければならない段階に入るだろうと思うんです。 さて、大都会の場合、農地規制を緩めて郊外病院を建てようといっても何年もかかります。こういう規制が幅をきかせておりますし、現在のこの経済の不況の中で自分の家を売って老人ホームに入ろうと思っても老人は入れない、こういうような状況にあるわけですから、こういうような規制を取り払うために他の省庁と交渉して、大都会で老人ホームをつくったり老人病院をつくる場合には、大幅な補助と農地規制による農地の規制をいち早く緩めるというようなことを農水省にぜひ、あるいは国土庁にも働きかけていただきたい、それが非常に重要だと思います。 昭和二年に健康保険法はつくられました。私の家内の祖父が当時の政権の幹事長で、大学の学長をしておりましたので、これをつくることに携わったのでありますが、当時の記録を調べてみると明らかにこれは富国強兵、労働者にあめを持たせ、労働運動に対するあめの役割を果たす。戦後、GHQがこれを維持し、冷戦構造の中でいわゆる共産主義に対抗するためにヨーロッパなどと似たような形の、すなわち健康保険法を維持してきた。やっぱり健康保険にはそういう基本的な性格が私はあると思います。それが今破綻に瀕しつつあると。昭和十六年に戦争のためにつくられた食管法は今や破綻しました。そろそろ健康保険も抜本的に考えるべきときが来たのではないかというふうに思います。 貧しき者には徹底した保護を与えなければなりませんが、豊かな階層にまでそれを及ぼす必要はありません。だとすれば、これは民間保険を導入する自由化の問題を含めて幅広く検討する段階にもう入ったのではないかというふうに思います。 ぜひ厚生省は、一部の審議会などではなく幅広く民間保険を導入、一部導入するような自由化の問題をもあわせ考えつつ、貧しき者の健康保険、病める貧しい老いた老人たちを十分に介護できる介護保険、こういうものはきちっと守らなきゃなりませんが、相当部分に自由化を進出させるという、やはり健康保険の世界、医療制度の世界におけるビッグバンを意識されて行動されるべきではないかと思います。 以上で私の話を終わります。
○堀利和君 午前、精神薄弱者の用語の関係の法律が採決されました。実は、平成二年に私は当時の社会労働委員会で、精神薄弱という言葉は余りにも耳ざわりが悪いし、非常に差別偏見に思える用語だから言いかえたらどうかということで取り上げたわけです。当時、厚生省としては、その問題意識はあるけれども適切な用語がないということで悩んでもいらっしゃったわけですが、八年たってまた私もこの場でその法律の改正に立ち会うことができたということで大変感無量であるわけです。 しかし、実はそのときにも申し上げたのは、用語は用語として変えなきゃいけない、しかし言いかえだけで実態が変わらないのではどうにもならない、まさに実態そのものを、差別偏見を変えていく方向でやるべきだということも申し上げたわけですけれども、つい最近各省庁がまとめたものに障害者にかかわる欠格事項の見直しの結果が出ました。それによりますと、法律では七十九本ありまして、うち厚生省が四十三本、パーセントで言いますと五四%なんですね。ですから、用語を変えると同時に、障害者がやはり社会に積極的に自立参加できるようにこの問題を含めて厚生省にしっかりお願いしたいということを冒頭申し上げたいと思います。 そこで、私は障害者プランの実効性についてお伺いしますけれども、平成十一年の概算要求の数値を見ますと、障害者プランは二〇〇二年目標ですから平成十一年の達成率をちょっと見ましたら、グループホーム、福祉ホームは六二・四五%、授産施設、福祉工場が八四・〇七%、重症心身障害児通園事業が五〇・〇八%、通院患者リハビリテーションが八六・一%、援護寮が六五・三三%、市町村障害者生活支援事業が二三・一九%、地域療育等支援事業が四六・三八%、精神障害者地域生活支援事業が二二・三一%、この後、ホームヘルパー、デイサービスなどがあるんです。 現在、平成十一年の概算要求の達成率を見ても、いわゆる箱形はもう八〇、九〇%いっているんですが、地域密着の生活支援関係の事業が二〇%台。確かにもともと箱形が歴史的には持っていまして、障害者プランではこの地域密着の支援事業というのはスタートしたばかりですからこれはもう当然数字でやむを得ないところはありますけれども、障害者が地域で自立するということをメーンにしたときにこの二〇〇二年までの七カ年戦略で達成できるのか、具体的に大臣にその御決意をお聞きしたいんです。 実は二、三日前、私の活動仲間が福岡県の八女市で作業所や自立体験施設を運営していまして、これは八女市の公立民営で、民営といいましても法人でも何でもないわけですけれども、市が用意した家を少し大きくしたようなところを改造して、重度の障害者が自立の体験ができるようなそんなのを仲間で運営しているわけです。それが五月に始まったばかりなのに、既に本当に重度の方が三名ほどそこを利用しながら、親からあるいは施設から離れて自立生活をしているという非常に有効な資源だというふうに思うんですね。そういう意味でもこういった地域密着型の事業というものにぜひ力を入れていただきたいと思うんですけれども、達成も含めて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 障害者プランというのは障害者の自立と社会参加を促進するという意味で重要な計画でございます。今御指摘のように、八年度を初年度とする平成十四年までの七カ年計画でございまして、十年度までの実績、進捗度につきまして今御指摘がございました。 確かに多少ばらつきがございまして、生活支援事業等が低位にとどまっているのは甚だ残念なことでございますが、これらの事業は、支援事業等は創設後間もないというような事情も一方ございますし、地方の実施体制の整備も十分でないという問題がございますけれども、これらを踏まえまして、都道府県等に対しましては広域圏域、つまり複数の市町村等で行う障害保健福祉圏域を設定いたしまして、広域的な調整のもとでその整備を図るように指導をいたしております。それから同時に、市町村の障害者生活支援事業につきましても、その実施体制づくりを促進するために、市町村職員等に研修を行って幅広く参加できるようにしたいというようなことどもも行っております。 障害者プランの数値目標の達成はこれからの社会保障の中で極めて重要な点でございますから、さらに今後都道府県ないし市町村を強力に指導して、そして予算面でもきちっと裏づけをして施行できるように努力したいと存じております。
○堀利和君 大変前向きに受けとめていただいているところで大変ありがたく思います。 次に、やはり同じく障害者プランの中で無年金障害者の問題についても提起されているわけです。 これは、前回の国民年金法の改正の際に、無年金である障害者の所得保障について大変論議になりまして、衆参では附帯決議がつきました。平成六年のことですけれども、ほぼ衆参同じ文面なんですが、一つ違うのは、附帯決議としての実施に当たっての文言では「速やかに」というのが参議院の方には入るわけです。つまり「無年金障害者の所得保障については、福祉的措置による対応を含め速やかに」、これが参議院に入るわけですね、「検討すること。」ということであるわけです。 大臣、これは障害者の側でも大変要望が大きいんですけれども、無年金になった事由というのはそれぞれあるわけですね。したがって、解決も一概に一面的には言えないと思います。ただ私は、もうこの問題を二十一世紀に宿題として残すべきではないだろうと思います。それを福祉的措置によるのかあるいは年金によるのかはともかくとして、ある程度方向が見えておればぜひお聞きしたいんです。いずれにしても、もうことし来年ぐらいでこの問題には決着をつける、解決するんだという、そういう意味での政治的な決断が私はもう来ているんではないかという状況を感じるんですけれども、その辺の御決意は大臣としていかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 無年金障害者の問題につきまして、今、過去のいろいろのいきさつがあるという話でございます。これは確かに、例えば五十七年一月の国籍要件撤廃前の適用除外の外国人でありますとか、六十一年四月前の適用除外の在外邦人、あるいは任意加入期間に未加入であった学生とかサラリーマンの妻等の障害者の方々、あるいは制度の未加入者及び滞納者等、そういう要因がいろいろあろうかと存じます。 年金というのは、申し上げるまでもなく、保険料の負担をしていただきまして、そして給付を行うというのが原則でございますし、制度に加入して保険料を納めていた人々と納めておらない方との公平の問題等も確かにございますので、なかなか困難な問題があろうかとは思います。 しかし、今御指摘のように、平成六年に前回改正の附帯決議がございまして、無年金障害者の所得保障ということであります。この点については、障害者プラン、ノーマライゼーション七カ年計画の中においても触れられておりまして、年金制度全体のあり方を一方でにらみながら、年金制度の中で対応をするのか、あるいは福祉措置で対応することを含めどちらがいいかという幅広い観点が必要だという七カ年戦略の中の御指摘等もございます。 そんなことでありまして、私といたしましても、問題の所在は十分重要な視点だと存じておりますから、幅広い観点からひとつ検討をやっていきたい、このように思っております。
○堀利和君 この問題は、二十一世紀に宿題として残さないようにぜひお願いしたいと思うんです。自治体の中には百数十ぐらい、もちろんこれは無年金になった事由にもよりますけれども、国が所得保障、年金などの手だてがないために、かわって自治体がやるということでやっておりますので、そういう意味では国として必ずこの一、二年の今世紀中に決着、解決を見ていただきたいというふうに思います。 次に、昨今人権の時代とも言われるように、大変人権にかかわる諸問題が取り上げられるようになりました。以前からあったと思いますけれども、特にマスコミ等でも福祉施設なりあるいは民間事業所なり、そういったところで迫害、人権侵害という事件が発生しているわけです。厚生省として、そういった全国で発生しているこういう事件、人権侵害の問題についてどの程度把握しているのか、認識しているのか、そこをまずお聞きしたいと思います。
○説明員(今田寛睦君) 最近、障害者の福祉施設でありますとか障害者を雇用いたします企業あるいは精神病院などにおきまして、入所者の預かり金の不正使用あるいは虐待、このような障害者に対します人権侵害事案というものが発生しておりますことにつきましては、まことに遺憾なことだと考えております。 厚生省といたしましては、これまで障害者の人権侵害はあってはならないという心づもりで取り組んできたところでございますが、このような事案に的確な対処を迅速に行うというためには、できるだけ早い段階でその事案の状況について正確に把握することが重要でありますし、このことがまた人権侵害の発生の未然防止にも役立つというふうに思っております。 厚生省といたしましては、都道府県に対しまして、人権侵害に関します情報が福祉事務所等に寄せられた場合には、速やかに保護者あるいは施設関係団体その他関係者の御協力を得まして、情報の収集、分析を行いますとともに、必要に応じまして立入調査を行うよう指導してきているところでございます。 さらに、そういった事件が明らかになった場合、これらにつきましては関係者等を通じまして、事件の状況の把握はもちろんでございますが、都道府県に対しまして立入調査それから改善命令などの厳正な対処を行うと、このように対処している状況でございます。
○堀利和君 私は、こういう人権侵害の事件が施設なりそういう民間の事業所で起きるという背景には、ある意味で構造的に問題と感じるのは、例えばお客さんなり他人が我が家に来るとなれば、多少散らかっているものを片づけたり見ばえも含めて整理整とんするわけですね。そういう意味で、施設なり事業所が地域の方なりいわゆる第三者も含めて風通しのいいようになっておれば、私はそういう事件の発生というのはかなり防げるんだろうと思うんです。 ところが、それがいわばお客さんも来なければもう散らかしっ放しになってしまうような意味で、つまりはそういう意味で閉鎖的になってしまうがゆえにそういう事件が発生する可能性が高くなってしまう。私は、そういう意味で、構造的に言えば施設なりそういった事業所もいろんな方々が出入りする、他人の目が光る、そういうやはり構造上の問題の解決を基本的にはしなきゃいけないなとは思っております。 そうはいっても、具体的な対策を私は考えなきゃいけないと思うんですが、国連も人権教育のための国連十年ということで、総理府にも推進本部が置かれておりますし、法務省の関係でも人権擁護推進審議会も開かれております。多少そういう取り組みもされてはおりますけれども、今申し上げたようなことに関して厚生省として具体的にどういうような予防も含めた対策を講じているんだろうかと思うんです。まず、それについてお聞きしたいと思います。
○説明員(今田寛睦君) まず、その人権侵害が起こるという段階におきましては、その人権侵害をお受けになった障害者あるいはその家族の相談に速やかに応じられる体制というのが必要ではないかと思います。 これらの相談につきましては、福祉事務所等が関係機関と連携を図りながら対応をしておるところでありますけれども、本年度から都道府県それから指定都市を実施主体者といたしまして、休日も含め三百六十五日体制ということで常設の相談窓口を設けまして、さらに必要に応じては弁護士等の相談チームによります専門相談を行ういわゆる障害者一一〇番という事業を創設することといたしております。さらに、これらにつきまして、窓口に当たります職員を対象といたしますハンドブック等の作成をしているところでございます。 また、第三者の目に触れないというところに一つの原因があるのではないかという御指摘でございますが、現在、人権擁護の視点を踏まえまして障害者福祉施設におけるサービスに対する評価基準、これを作成いたしまして、この基準に基づきまして適切な施設運営ができるかどうかを第三者によって点検していく仕組みについて検討いたしておるところでございます。 今後ともこれら人権侵害が起こらないようその防止に積極的に努めていきたいと考えております。
○堀利和君 ぜひきめ細かな対策を講じていただきたいと思いますけれども、どうも私としては障害者の一一〇番にしろ、不十分だなというのを実際感じるわけです。 私は、先般予算委員会でも取り上げさせてもらいましたけれども、障害者基本法は議員立法ですから私どもの問題なんですが、障害者基本法第三条の理念のところでは、尊厳が保障されるようなそういう処遇を受ける権利を有するという極めて抽象的な理念規定はあるんですが、私はもう少しきめ細かな、世間で言ういわゆるオンブズパーソンのようなものを設置する方向の基本法の改正もしなきゃいけないかなとは思っているわけなんです。 ただ難しいのは、障害者が地域で暮らす場合にも、いわゆる福祉関係の、言ってみれば厚生省所管の人権侵害の事件もあれば、民間企業という意味ではこれは労働省の関係にもなるわけですので、その縦割り行政をどう整理したらいいのか。あるいは、そういう意味では個々の形のオンブズパーソンをつくった方がいいのか、この辺、私自身はまだどういうふうにしたらいいかという結論も出ていない、検討中なんです。 いずれにしても、私が興味深く見ましたのは湘南福祉ネットワークという、湘南地域にそういうネットワークがあるんですけれども、これは昨年できまして、施設と地域で暮らす障害者たちのまさにサービスを受けた際の苦情、そういう苦情処理とか、あるいは人権にかかわることに対する相談やら、あるいは監視も含めたまさに地域型のオンブズパーソンともいうべきネットワークをつくっているんですね。 私は、厚生省の関係で申し上げれば、こういった施設と地域を一体にした地域型のきめ細かなやはりこういうネットワークのオンブズパーソン制度をつくっていかなきゃいけないんだろうと思っているんです。ただ、この場合、ではどう国なり地方の行政がかかわるかということもまたこれNPOの活動ですから大変難しいんですが、いずれにしても、私はこういう形に一歩踏み込んでいく必要があろうかと思いますけれども、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今、一部の民間団体の例を引かれまして、オンブズパーソンという制度を導入してはどうかという御意見でございます。 これにつきましては、今お話を承っておりまして、湘南福祉ネットワークの問題等はまさにNPO的な組織によって施設との協調が行われて会員相互の福祉の向上に役立っておる、そして利用者の意見、相談等も十分受けつけるというようなことでございまして、今後の利用者等の意見、相談を受けるということはいろいろの施設におきまして非常に重要な点でございますので、これは重要な提案として受けとめさせていただきます。 現在、障害者関係の三審議会で、つまり身体障害者福祉審議会とか中央児童福祉審議会、公衆衛生審議会等のそれぞれの障害福祉部会等におきまして障害者の保健福祉政策全般について御審議をいただいておりますので、ただいまの御指摘を含め、障害者の権利擁護施策のあり方についてはひとつ施策の充実に今後努めてまいりたいと思っております。
○堀利和君 より具体的な、しかも施設なり地域で暮らしている障害者がその制度をみずからの立場で活用できるような具体的な対策をぜひ講じていただきたいことを重ねてお願いしたいと思います。 次に、少し話題、質問が変わりますけれども、私自身視覚障害者でございまして、最近、我々視覚障害者にとってこれまで伝統的な職業、生業とでも言うべきはり、きゅう、マッサージにかかわることについて不安材料がありまして、そういう意味では将来安心できるようなことになればということで取り上げさせていただきます。 その前に、まず一般的に申し上げれば、金融なり経済は今後グローバルスタンダードということで規制緩和、自由化が進む、またそうしなきゃいけないとは思いますけれども、事人権とか命とか福祉、環境にかかわっては、私はむしろある意味で規制を強化することも必要ではないかと思います。 取り上げる問題としましても、保健、医療の分野にかかわっては、さまざまなある意味での規制というのも私は必要だと思います。それはやはりサービスを提供する側の、従事者側の技術も含めた資質の維持向上、このためにもきちんとしたやはり枠組みといいますか、規制が必要でしょうし、同時に今後の需給バランスを見た上でも安定した供給体制がとれるようにというふうにも思いますけれども、この点について、保健、医療の分野でどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) お答え申し上げます。 御指摘のあんま、マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師にかかわるサービスの質の確保につきましては、当該職種が古くから国民に親しまれてきたものでありまして、今後とも国民のニーズと信頼にこたえていくことが大切であるという観点から重要なものであると認識をしているところであります。 また、当該職種の今後の需給バランスに関しましては、当該職種に従事する者が過剰になり、過当競争により経営の不安定化及び施術の低下を招くような事態が生じることは望ましくないことと考えているところであります。
○堀利和君 国民の側からすれば、質の高い充実した施術、サービスというのを当然受けるようにしなきゃなりませんけれども、やはりそういった質の高いサービスを提供する側の立場をきちんとすることがまたそういう質の向上につながると思います。 そこで、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、実は第十九条というのが重要な条文としてございます。それは、先ほど申し上げたように、視覚障害者にとってはほとんど唯一とも言えるような生業としてはり、きゅう、マッサージ業があるわけです。これは、ある意味では身勝手なと言われるかもしれませんけれども、視覚障害者の側では、この技術を発展しながら自分たちの職業として守っていかなきゃならぬ。 これが、今申し上げた法律の十九条では、最近、特に目の見える方々の参入というのもあるものですから、その辺のバランスというのは非常に問題が難しいんですけれども、十九条では、丸めて一言で言えば、文部大臣または厚生大臣は、視覚障害者のあんま、マッサージ、指圧師の生計維持が困難にならないよう、目の見える方、晴眼者の学校の養成施設の認定あるいは定員の増の承認、これをしないことができると。つまり、認定承認をしないことができるということで、ある意味で目の見える方、晴眼者の参入を制限しているわけですけれども、これはやはりサービス技術の質をある程度管理していく、そして同時に視覚障害者にとってはほとんど唯一の職業を守っていくという観点から非常に重要だと思っています。 視覚障害者の方でも、この十九条を踏まえて、新たに定員増やら新設についてはいわば反対運動もしてきたわけです。十九条では、あんま、マッサージ、指圧に関してなんですが、やはりこの精神というものが、理念が、言うなればはり、きゅう師の新設、増員に対してもある意味でそういう拡大解釈で、あるいは運動である程度功を奏してきたわけですけれども、厚生省としてはこの第十九条について意義をどういうふうに御理解しているか、改めてお聞きしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 御指摘のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条につきましては、視覚障害者であるあんま、マッサージ、指圧師の生計の維持が著しく困難にならないようにするため、視覚障害者以外のあんま、マッサージ、指圧師にかかわる養成施設等の認定または生徒の定員の増加の承認をしないことができる旨規定したものと理解をしているところでございます。
○堀利和君 そこで、大臣にぜひともお伺いしたいんですけれども、以上のやりとりをお聞きした上で、つまりあんま、マッサージ、指圧等の施術、技術の質の向上、維持、そして視覚障害者のいわば唯一の職業を生業として守っていかなきゃならぬ、こういうことを踏まえて、今後この政策運営についての前向きなお考えをぜひお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 今お話しのように、あんま、マッサージ師、指圧師、はり師、きゅう師等の施術は古くから国民に親しまれてきたものでございます。これらの業種は、視覚障害者が生計を維持する上で重要な役割を果たしてきたものであるという今のお話は十分理解できます。 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律の運用につきましては、これらの考え方に配慮しながら適切にやってまいりたいと思っております。 十九条は、御案内のようにはり師、きゅう師等に関する規定で、社会的規制だと私は思います。視覚の障害者に限って需給の均衡を図るようにという特別な配慮をしているものだと存じますので、はり師、きゅう師等には今適用されておりませんが、同じような趣旨で考えるべきものかなという感じを持っております。
○堀利和君 ありがとうございました。大変前向きな御答弁をいただいたので、大変勇気を持って今後も、一方では技術の向上、そして他方ではいわば視覚障害者の生業を守るということでまた私も頑張っていきたいと思います。 次に、介護保険法との関係で、特別養護老人ホームに働くマッサージ師の身分についてお伺いしたいと思います。 まず、介護保険の導入に対して反対する意見もある意味で根強いわけです。それは現在かなりの水準のサービスを受けている自治体の方々からの心配なんです。つまり、介護保険が導入されると全国一律になって、結果的に今受けているサービスが低下するのではないかという心配なんです。この心配は私は当然だと思うんです。そういう意味では介護保険法の制度、枠組みからどう考えたらいいのだろうかと。つまり、制度、枠組みからそこのところを十分御説明願いたいわけです。 例えば、本法の六十二条では市町村の特別給付という条文の中で、市町村が特別に給付を多くするのであれば、いわゆる上乗せ、横出しをするのであれば条例でそれを定めることになるわけですけれども、その際に上乗ぜ、横出しをすれば当然財源が必要ですから、これがよく言われるのは第一号被保険者の保険料の値上げ、つまりある意味では保険だからあくまでもそういう保険料との関係で進めなきゃならぬというふうにかなり思われているんですね。そういう意味では、これまで地方自治体が単独でやってきた税を上乗せしてきた問題と絡んで、まずその辺の制度、枠組みについて明確に御説明願いたいと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護保険制度が導入後の話でございますけれども、現在、地方自治体で行っております上乗せのサービスでございますけれども、これが介護保険の導入によって直ちに行えなくなると、こういうことではなくて、これは地方自治体の判断によりましてこうした上乗せサービスは引き続き実施することが可能であるわけでございますが、その際の財源をどうするかと、こういうことでございます。 一つは、先生が御指摘のように、上乗せのサービスを第一号保険料のプラスアルファの徴収によって賄う方法と、それから、もちろん自治体の判断によるわけでございますけれども、一般財源を使いましてこのサービスを実施する、こういうことも可能なシステムになっております。
○堀利和君 いずれにしても、保険料のアップなりあるいは税による手だてなり、そういう意味ではそれなりに道は選択としてあるんだというふうに理解したわけですけれども、保険が導入されたからこれまでやってきた自治体の上乗せ部分、単独事業がなくなってサービスが低下した、結果的に保険が導入されたからというふうにされてはやはり私はいけないと思っています。私は、保険をきちんとやるべきだ、介護保険は進めるべきだと思っていますので、そういう意味ではぜひ国の方からも地方自治体に対して十分御理解を得るようにお願いしたいと思います。 ついては、このような関係にかかわるんですけれども、現在、特別養護老人ホームで人員の配置基準に基づいてマッサージ師が二百名弱働いております。その現行の配置基準を見ますと、理学療法士または作業療法士が望ましいけれども、看護婦、あんまマッサージ指圧師、こういう資格を有する者等でやってくれという、やりなさいといいますか、そういう配置基準があるんですね。ところが、これが同時に兼務になっておりますので、実態を調べますと、理学療法士、作業療法士はもとより、看護婦やあんまマッサージ指圧師ではなくて、特養における機能回復訓練指導を寮母さんがやっているんですね。私はこれは寮母さんという仕事を批判しているんじゃなくて、寮母さんが機能回復訓練指導をやっているということはいささか問題だと思うんですけれども、その実態評価についてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 特別養護老人ホームの機能回復訓練の指導員でございますけれども、この職種につきましては、理学療法士それから作業療法士、こういう方が一番望ましいわけではございますけれども、その施設の職員の中で看護婦さんでございますとかあるいはあんまマッサージ指圧師の方、そのほかに御指摘のように寮母のような方でこの機能回復訓練等の業務に関しまして熱意と能力がある方、これを施設長が認定をいたしましてこの職種に充てると、こういうことでございまして、現状から見るとやむを得ない措置かなと、こういうふうに考えております。
○堀利和君 私はやむを得ない措置というだけでは済まされないと思うんですね。機能回復訓練指導を少なくとも有資格者の兼務といえども看護婦さんなりあんまマッサージ指圧師がやるんじゃなくて寮母さんがやるというのは私はゆゆしき事態だなと思います。 そこで、私はこの新制度へ移行する際には、現在行われているサービス、これを低下しないように速やかに円滑に移行させるということはもう当然なんですが、この件に関してもう一歩踏み込んで申し上げれば、この人員配置の先ほど申し上げた基準では「看護婦、あん摩マッサージ指圧師の資格を有する者等」で、「等」になっています。この「等」が結局は今申し上げたように寮母さんが機能回復訓練をやってしまっていると。ですから、この「等」というものを私は外すべきだと思うんです、削除。少なくとも有資格者が機能回復訓練に当たるべきだと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 特養におきます機能回復訓練は生活面での訓練と、こういうことでございまして、有資格者でやる方が確かにいいことには間違いないわけでございますけれども、介護保険制度におきましても、最低基準でございます施設の指定基準といたしましては基本的には現行の取り扱いにすると、こういうことで現在医療保険福祉審議会の方でお示しをしまして御議論を願っているわけでございまして、この御議論を踏まえまして私どもは決定してまいりたい、こういうふうに思っております。
○堀利和君 確かに現行のサービス水準を前提に、しかも保険ですから、いわば全国公平、公正に実施されなきゃいけない、確かにそうなんですね。しかし、私は現行の制度においてすら問題を感じているわけですから、やはり介護保険に対する期待のある中で一歩進めていただきたいというのが私の気持ちであるわけです。 実は、特養に働くマッサージ師の方からもお聞きしますと、単にマッサージをして運動療法をして機能が回復するわけはないよと、お年寄りの方とまさにスキンシップで、マッサージしながら、お話ししながら、非常に心理的にもお年寄りが和やかになっていくという意味で非常に効果もあるわけですね。 時間が来ましたので、最後に大臣の御決意をお聞きしたいんですけれども、やはりそういう意味でサービスを向上させていく、せっかく保険を導入するということなら今よりもよくなったなということが必要ですし、先ほどのあん摩マッサージ指圧師法の第十九条のように、視覚障害者の社会的、経済的自立を進めるという意味でのマッサージ師の働く機会をふやすという観点から、ぜひ特養における視覚障害者のマッサージ師の雇用、身分というのを広げていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のとおり、特別な視覚障害者に関することでございますので、その趣旨を踏まえまして総合的に検討してまいります。
○堀利和君 以上で終わります。
○渡辺孝男君 公明の渡辺孝男でございます。 本年の九月十日の宮下厚生大臣の所信表明に関しまして質問させていただきたいと思います。 大臣は、所信表明の中で「介護保険制度につきましては、平成十二年度の施行に向けて、介護サービスの供給体制の整備を進めるとともに、制度を実施する市町村が円滑に取り組みを進められるよう準備に全力を挙げてまいります。」、そのように述べておられます。 そこで、まず厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、来年度の平成十一年度は新ゴールドプランの最終年度に当たるわけでありますが、この新ゴールドプランの達成状況、現状をお聞きしたいと思います。時間も短いので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 達成率の数字になりますので、政府委員の方から答えさせていただきます。
○政府委員(近藤純五郎君) 達成率ということでございますけれども、全国ベースではおおむね順調にまいってきております。ただ、地域やサービスの種類によりましては当然差が出てきているわけでございまして、その中で介護利用型の軽費老人ホーム、いわゆるケアハウスでございますけれども、これにつきましてはなかなか進捗状況はよくない、こういうこともございまして、十一年度ではすべてのものにつきまして目標達成を目指したいと考えておりますけれども、残念ながらケアハウスについてはその目標達成というのはもうほとんど不可能なわけでございまして、これを除いた部分につきまして達成を目指したい、こういうふうに考えているわけでございます。
○渡辺孝男君 今ケアハウスのことをお示しになられたわけでありますけれども、平成十一年度の概算要求におきましては新ゴールドプランの目標達成、一応予算概算要求上はかなり目標達成に近づいているわけでありますけれども、このケァハウスに関しましては新ゴールドプランの目標値が十万人に対しまして八万三千四百人分と、まだ目標に達していないわけであります。いろんな原因があるんだとは思うんですけれども、その達成できない見込みの主な原因となりますとどういうものがあるんでしょうか。まず、その点に関しましてお願いします。
○政府委員(近藤純五郎君) ケアハウスでございますけれども、身体機能が低下をいたしまして独立した生活をするには不安で家族の手助けもなかなか得られない、こういう高齢者がこれからふえてくることは当然予想されるわけでございます。しかし、都市部以外ではそういう需要がまだ顕在化するのがおくれている、こういう事情がございまして、無理をすれば経営問題になる、こういうことでなかなか目標達成というのは難しいと。ただ、今後はやっぱり大事な施設でございますので着実にこれからも介護保険施行後もふやしていく必要がある、こういうふうに思っております。
○渡辺孝男君 やはり経済的に大変な状況の独居の御老人の方とか、それから子供さんがいらっしゃらなくて老夫婦だけで暮らしている、経済的にもちょっと大変だというような方が今後またふえてくるんじゃないか。今回の介護保険制度では要支援の場合には特に施設とかに入れる基準に入っておりませんので、やはりこういうケアハウス的なものがないと困るんではないかな、そのように思うわけであります。今後、先ほど松崎委員もいろいろお話しされていたわけでありますけれども、そういう要支援あるいは軽い要介護状態の方にとってはやはりこういうケアハウスというのは大事になってくるんではないか、そのように思うわけであります。 これは大臣にお伺いしたいんですけれども、この目標は達成していないわけですが、今後どのようにこれを目標に向けて、さらに達成に向けて推進するのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 今、局長が言われましたように、ケアハウスにつきましてはまだまだいろいろの問題がございまして、都市部等ではある程度普及してもそれ以外では需要が顕在化していないというような事情がございますので、十一年度の数値目標の達成は、今お話しのように現実的にはなかなか困難だと思います。 しかしながら、身体機能の低下等によって独立して生活するには不安が認められるような高齢者、こういう方々に対する重要なサービスの一つでございますので、介護保険制度においてのその需要を勘案しながら十二年以降も引き続きこれを継続して充実していきたいというように考えております。
○渡辺孝男君 ゴールドプランあるいは新ゴールドプランできちんと目標を立てたわけでありますので、それが達成できるようにやはり全力を尽くして頑張っていただきたいなと、そのように思うわけであります。 次に、質問が変わりますけれども、所信表明の中で大臣は少子化への対応方策について総合的な検討を進めると、そのように述べておられました。それに関連しまして、不妊治療の保険適用並びに不妊相談センター事業について質問させていただきたいと思います。 不妊治療に関しましては、体外受精等では数十万円の費用がかかる場合もありまして、しかも保険適用にはならないということでありまして、不妊治療にも何とか保険適用をお願いしたいというような声も多く上がってきている時代であります。 そこで、まず厚生省の不妊治療に対する保険適用、それに対する考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 不妊治療につきましての保険適用についてのお尋ねでございます。 いわゆる不妊治療の中で、ホルモンの異常でございますとか、あるいは子宮、卵管の機能障害といったような母体の異常に起因する不妊につきまして、ホルモン剤等を投与する、あるいは検査をする、あるいは卵管の手術をするといったようなものにつきましては原則として保険給付の対象にいたしているところでございますけれども、人工授精でありますとかあるいは体外受精といったような受精そのものに対する人工的な処置でございますが、これにつきましては現在のところ保険給付の対象にはいたしておりません。 そのゆえんは、やはりこれらにつきましてはまだ成功率が低いといったようなことでの安全性の問題、そういった医学的見地あるいは倫理的な観点を含めました社会的合意というものがまず十分に得られていないというようなこともありまして、現在のところは保険給付の対象にはいたしておりません。現状はそういうところでございます。
○渡辺孝男君 厚生省はそういうふうに認識されているということでありますけれども、先進諸外国ではそういう不妊治療に対する保険適用というのはどのようになっておるんでしょうか。もし把握しておられればお願いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 外国での人工授精あるいは体外受精の保険適用の状況につきましては、申しわけございませんが全体的な状況はまだ把握をいたしておりませんけれども、アメリカにおきまして一部の公的保険制度で保険適用となっているというふうに承知をいたしております。
○渡辺孝男君 倫理上あるいは安全性等で余り問題にならないと私自身は考えているわけでありますけれども、配偶者間の人工授精、いわゆるAIHというふうに略されておりますけれども、それは国内ではどの程度現在実施されているのか、まずその点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(横田吉男君) 不妊治療の一つでございます人工授精につきましては、先生御承知のとおり、精子が少ない場合等、夫側に不妊の原因がある場合におきまして行われる治療方法の一つでございます。個々の実施状況につきましては統計等がございませんので正確な把握は困難でありますけれども、日本産婦人科学会が非常に大まかな推計をしているところによりますと、年間数万例実施されているというふうにされております。
○渡辺孝男君 もしこういうものに保険適用がなされるとすると医療費的にはどのぐらい必要になるのか、その点に関してお伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 恐れ入ります。費用についてはちょっと今手元に持っておりません。
○渡辺孝男君 数万件で、一回につきまして恐らく一万円以上医療費がかかるんじゃないかと思いますので一億から二億、数億になりますか、その程度かかるんじゃないかと思うんですが、私自身は、まず最初は社会的に合意が得られそうな部分、さっき言いました配偶者間の人工授精等に関しましてやはり保険適用を考えていったらどうなのかなというふうに思うわけでありますが、その点に関しまして厚生省の考え方、もう一度お伺いしたいと思います。
○政府委員(羽毛田信吾君) 現段階での考え方を先ほど御説明させていただきましたけれども、そうした中でこういうものを保険の中に適用していくということになるならば、やはり一番最初に考えられるのは配偶者間であろうという点は私もそのように思います。ただ、配偶者問でございましても、やはり先ほどの現段階における成功率といったような医学的な問題、あるいは社会的な合意の問題ということについて言えば、まだ踏み切れないものが残っているというふうに考えます。 したがいまして、こういった問題につきましては、今後におけるそういった医学的な状況の変化あるいは社会的合意といったことについての状況の変化も踏まえまして、関係者の意見をお伺いしながら慎重に検討を進めていくべき問題であろうというふうに考えております。 なお、保険適用に関する若干技術的な問題としていえば、そういった場合に本人が御希望されれば何回でも保険の適用対象にするのかどうかといったようなことも、もし取り上げるという段階になればそこらも詰めなければならないことが恐らく出てくるであろうというふうに考えます。
○渡辺孝男君 時間になってきましたので、最後に一言大臣の方からお答えいただきたいんですが、平成八年度において公費によって不妊相談センターが創設されておりますけれども、同センターの今後の事業の推進に関しましての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 不妊専門相談センター事業は、御指摘のとおり平成八年から実施しておりますが、不妊に悩む夫婦等に対しまして治療に関する専門的相談や不妊による精神的な問題への対応をこのセンターで相談にあずからせていただいておるところでございます。 不妊に悩む方々に的確な情報を提供したり、それから専門的な相談に応じられる体制というのは非常に重要なものであると思いますので、今後とも同事業の充実に努力していきたいと思います。
○渡辺孝男君 どうもありがとうございました。
○沢たまき君 公明の沢たまきでございます。 日ごろから私は、政治家は大衆とともに語り、大衆とともに闘い、大衆の中に死んでいくという姿勢で国民生活の向上と幸せのために働いていかなければならないと思っております。一年生議員としてこのことを肝に銘じて頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ただいまは渡辺先生より大臣の所信に対しての質問がありましたので、私は音楽療法士に対する専門職の認定、健康保険の適用について伺ってまいりたいと思います。 音楽の特性を生かして障害者や高齢者の機能回復や健康維持を図る音楽療法が注目を集めております。言葉を超えて心や感情に直接働きかける音楽特有のリズムは、心の安らぎや体の活性化をもたらす効果があり、欧米では古くから取り入れられております。日本でも音楽療法の普及が望まれてくるようになりました。 まず、厚生省はこの音楽療法士に対してどう認識なさっていらっしゃるでしょうか。また、関係者の方々が四十年近い長きにわたって研究されました成果についてはどう評価なさっていらっしゃいますか、まずお伺いをしたいと思います。
○説明員(今田寛睦君) 音楽療法につきましては、音楽の持ちます働きというものを、心身の障害の回復でありますとか、あるいは心身の機能の維持改善、あるいは生活の質の向上に活用する技法ということで、現在でも幾つかの施設あるいはグループの活動の中で取り組みが図られている、このように承知をいたしているところでございます。 また、音楽療法を行う人の仕組みということにつきましては、現在、民間の任意団体ではございますが、全日本音楽療法連盟が行っている任意の認定制度というものがございます。平成八年に開始されまして以来現在までに二回の審査が行われておりまして百七十一人が認定を受けている、このように聞いております。 この団体の資料によりますと、当該連盟の傘下にございます日本バイオミュージック学会、それから臨床音楽療法協会、この正会員であるということを条件といたしまして、認定に際しまして、音楽療法に関する知識あるいは音楽療法の臨床経験、あるいは研究発表、論文発表、こういった実績、これら一定の基準に従って審査されている、このように聞いております。 なお、平成十年度の障害保健福祉総合研究事業におきまして、応募された課題の中に音楽療法に関する研究がございました。そして、ことし初めて「音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究」というものが採択されたわけでありますが、過去のこれまで積み重ねられました研究成果も含めましてこの研究班の中で調査研究されるものと考えております。
○沢たまき君 ありがとうございました。 聖路加看護大学の日野原先生がそのバイオミュージックをおつくりになったわけでございますけれども、日野原学長は、音楽療法士は医療職としての心構えが必要である、学問その他を吸収して国民の健康のためにその技術や知識をうまく使う専門家でなくてはならないと意義づけをなさっていらっしゃいます。また、音楽療法士の目標は健康をつくるためのプロでなければならない、国民の健康のために、日本人の健康のためばかりではなく世界の人の健康のために自分の努力によって身につけた知識とサイエンスを用いて使命感を持ってそれを果たしていかねばならないと、音楽療法士としての高道な理念と人格の重要性を訴えていらっしゃいます。このように真剣に取り組んでいらっしゃる方を、今本当に局長がおっしゃったように御認識をいただいていることで、ありがたいことでございます。 そこで、先ほども自民党の先生方が医療費の総額が一年間で約二十七兆円から二十八兆円、私は二十七兆円と確認しておりますが、国家予算の半分近くになろうかと思います。十年先には八十八兆円にも達するのではないかと言われております。このうちの三分の一がもちろん六十五歳以上の医療費で占められているわけです。イギリスのプライマリーケアのオーソリティーでいらっしゃいますジョン・フライさんは、日本人の長生きは誇るべき長生きではないと、こう定義されていらっしゃいまして、寝たきりという不幸な条件で命を長くしている、こう言っているんですね。 薬物を投与していた痴呆性とか寝たきり老人に音楽療法を施すことによってクオリティー・オブ・ライフ、生活の質を高める、また当人の満足度も高まるということも音楽療法をすることによって得られております。ということは、これまで使われていた医療費も軽減されているということです。生き長らえるだけというところから生きがいのある医療へ転換していくことが医療費の抑制の抜本的な改革への道だと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員のおっしゃるとおり、患者が人間として生きがいを持って療養生活を送ることができるというのであれば大変すばらしいことだと思います。そして、そのための音楽療法というものも一つの大きなモメントになるという御意見、傾聴に値すると思います。 それで、患者の立場や価値観も尊重しながらそういった意味で適切な医療を提供していくということは医療の基本的な問題であろうというように認識しておりまして、医療の今後のあり方につきまして、医療費の抑制という観点だけから考えるべきものではなくて、今御指摘のような、患者が生き生きと生きがいを持って生活できるような、そして健康が早期に回復し、結果として医療費が抑制になればこれはもう大変望ましいことでございますから、委員の御指摘を参考にさせていただきたいと思います。
○沢たまき君 ありがとうございます。 WHOの憲章では、健康とは身体的、精神的かつ社会的に完全な良好な状態にあることであって、単に疾病や病弱の存在しないことではないとあります。すなわち、健康というものは疾病や病弱を医学的に治療するだけではなくライフスタイルそのものの改善が重要であると。そのためには、医療は本来はチームワークの仕事であって個人わざではないと私は思います。医師だとか看護婦さんだとか社会福祉士等、歯医者さんも、プロフェッショナルが協力してチームを組んで、あるいは連携をとって患者さんのいやしに当たるのが医療の本来のあり方ではないでしょうか。 二〇〇〇年から介護保険もスタートいたします。諸先輩の議員の先生方がいろいろとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、今後は関係の機関が連携を密接にしてチーム医療による効果的なシステムをつくっていく、拡充していくということが大事になっていくのではないかなと愚考しておりますが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮下創平君) 医療サービスの提供は、本来、医師、看護婦初め医療関係職員が患者の立場に立ってそれぞれ専門性を発揮しながらお互いに連携を図って一体となって行われる、今御指摘のチーム医療ですね、このことは極めて重要であろうかと思います。 そして、この医療、福祉の連携がより一層これから重視されていく中で、医療関係職種間で連携を図るだけではなくて、患者の心身の状況に応じまして福祉関係職員やその他の従事者とも適切に連携を図りながら、医療・福祉サービスを受ける者が求めるサービスが提供されるような体制をつくるということは極めて重要なことであるというように考えます。
○沢たまき君 そのようにお考えいただけると大変ありがとうございます。 昨年の三月に日本学術会議の高齢化社会の多面的検討特別委員会が「医療面、福祉面からみた高齢者のQOLと生きがい」という注目すべき提言を総理府に行っておりますが、厚生省はこの提言をどう思われますでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 御指摘の日本学術会議の報告書は昨年の三月に出されたわけでございますが、本格的な高齢社会の到来を目前に、高齢者が生きがいと高い生活の質、クオリティー・オブ・ライフを維持しながら生活ができるようにと、こういう観点から、健康、経済、生きがい、こういったものを中心にいたしまして多岐にわたる分野につきまして問題を提起したものと、こういうふうに受けとめているわけでございます。 全部が全部同意見というわけではございませんけれども、基本的には私どもと同じ方向に向かっているんじゃないか、こういうふうに思っているわけでございまして、今後さらに高齢者の生きがい等につきまして私どもも努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○沢たまき君 ありがとうございます。その日本学術会議の提言の中でも、音楽療法士による生きがい対策の拡充が望ましいと提言をしております。 平成十年度の厚生科学研究費の中で「音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究」として四百万円が計上されております。大変にありがとうございます。そこで、平成十一年度の概算要求が決定いたしましたけれども、音楽療法士についての予算はどういう方向で対応なされていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(今田寛睦君) 御指摘の「音楽療法の臨床的意義とその効用に関する研究」についてでございますけれども、十年度の障害保健福祉総合研究事業で応募されまして、その多くの研究課題の中からこのたび採択を初めてされたというものでございます。 したがいまして、そこでこれまでの研究成果あるいはその意義につきましてさまざまな研究がなされるものと思われますが、この研究班の成果によりまして、私ども改めてまた評価をし、見守る必要があるのではないかと思っております。 なお、平成十一年度の予算に対する取り組みということで御質問ございました。私ども、この総合研究事業に関しましての必要な研究費の確保につきましては最大限の努力をしているところでございますが、ことしの研究を来年度継続するかどうかということにつきましては、厚生科学研究費補助金の規定がございまして、専門家によりまして、お示しいただきます研究の進捗状況、こういったものを評価された上で、今後引き続き研究を継続するかどうかの決定がなされるような仕組みになっております。
○沢たまき君 伺いまして、音楽療法については局長も大分お勉強いただいたようで、大変うれしゅうございます。 バイオミュージックもそれから全日本音楽療法連盟が設立されてから既にもう百七十一名、あるいは岐阜では県で音楽療法の研究所をつくって六十三名の音楽療法士の方が認定されて、百以上の施設でもう既に活躍なさっております。バイオミュージックの学会の方では臨床の物件も四百八十件にも上っております。また、奈良県の奈良市では市長みずからが積極的に取り組んで奈良市音楽療法研究会をつくって普及なさっておりますし、私もこの間、調布の総合福祉センターで音楽療法の現場を視察してまいりましたけれども、現在三十五人の知的障害児を対象に行っております。希望者が待機している状態でございます。 音楽療法士の方は、健常者も障害者も疾病患者も平等に生きがいのある人生を送るべきで、そこには何の差別もあってはならないというすばらしい使命感で仕事をなさっております。しかし、大変に仕事場の働く状況は悪条件でございますし、国の資格の認定もございませんし、保険の適用もございませんし、アルバイト並みの身分で必死に頑張っていらっしゃいます。これまで普及するには関係者が本当にボランティアで血のにじむ研究と努力によって築き上げられたものだと思っております。 自閉症の子供さんは大人に体を預けないというのが通例でございますが、しっかりと療法士に体を預けて、そしてなおかつ自分に合わせて歌う、ちゃんと声にならないんですけれども口を動かすようになって、おんぶならおんぶをしてという意思表示をしているのに大変感動いたしました。 今おっしゃったように、公募による研究というところからこれはもう一歩踏み込んでいただきまして日本もそろそろ、外国ではもう五十年前からやっていらっしゃるわけですから、一歩踏み込んだ形の研究費というのはお考えになっていただくことはできないでしょうか。
○説明員(今田寛睦君) 今回の採択の経緯につきましては先ほど申し上げたとおりでありますが、この音楽療法につきましては、現在、医療のみならず、福祉とかあるいは教育の分野、非常に幅広くそのすそ野を持っている、このように思っております。したがいまして、それぞれの分野でどのような研究がなされ、どのような効果を生んでいるかというようなことをこのたび初めて国として研究をさせていただくという状況になったものでございますので、これら基礎的な調査研究結果を見ながら、今後その専門性でありますとかあるいは効果などにつきまして検討していくことが必要ではないか、このように認識をいたしております。
○沢たまき君 あと二分ぐらいでございますが、大臣いかがでしょうか。 介護保険が二〇〇〇年から実施されます。医療費抑制の改革はクオリティー・オブ・ライフの視点に立って、医療、介護、福祉とそれぞれの持っている機能を効率的に生かすべきだと思います。各種制度が連携し合うシステムを拡充する時代に来ていると思います。 音楽療法士は、今日の医療の目標である単なる疾病の制度から、本来の健康と生きがいをつくるという新しい医療制度を拡充するために大きな役割があると思っております。厚生省として、国家資格、健康保険の適用を本格的に検討していただく時代に入ったと思います。どうぞ大臣、ぜひ前向きのお考えをいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(宮下創平君) 音楽と人間の関係、それから病気と音楽との関係、大変貴重な御意見を承りました。しかし、今お話しのように、まだまだ音楽療法ということになりますと、現時点で専門性とかあるいは効果について評価検討することもちょっと尚早ではないかなと一般的には見られています。したがって、まずその実施状況とか研究実績などの基本的な事項について調査研究を行うことが必要であろうというように思っております。 それで、先ほど来、本年度から障害保健福祉総合研究事業におきまして、日野原先生のお話もございましたが、そういう調査研究項目として取り上げさせていただいたわけでありますが、そういう今までの申し上げたような状況でございますので、音楽療法士の国家資格化とか保険適用というのはその専門性とか効果との医学的評価がもっともっと確立されて、そうした段階でなるほどそのとおりだということであれば検討をしなければならないと思っておるところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 まず、厚生大臣にお伺いします。 八月二十日の予算委員会で宮澤大蔵大臣が答えていらっしゃるんですが、景気が悪くなった原因の一つに去年の医療費の自己負担増があったのではないか、こういう質問に対して、一つの要因であったと考えていますというふうに答弁をされています。この点について厚生大臣も同様の御認識かどうか、最初にお尋ねします。
○国務大臣(宮下創平君) 現在の経済情勢につきましては、御承知のようにいろいろ国内的、国際的な要因が、悪条件が重なりまして現在のような景気低迷が続いております。その要因の発端になったのは、消費税の値上げであるとか医療費の改善であるとかいろいろ言われておるわけでございますが、あるいは特別減税の打ち切り、その後も復活をいたしましたが、そういったことが指摘されております。なるほど重要項目としてそれが影響なしということはないと存じますけれども、一方、昨年の九月の医療保険制度の改革は、大幅な赤字基調にあります医療保険の当面の運営の安定化を図るということも極めて重要でございまして、給付と負担の見直しを行ったものでございます。 私ども、医療保険財政を見るときに、まだ今後改善すべき点が多々あろうかと存じますが、国民皆保険を堅持し、健全な医療給付が行われるためには、昨年九月の医療費の改定はやむを得なかったものというように考えておるところでございます。
○小池晃君 いろいろ数ある中の一つというようなことじゃなくて、僕はかなり大きな要因であったというふうに思うんですね。 厚生省の保険医療費の動向を見ましても、九七年度の医療費の伸び率は対前年比一・五%増ということで、これは史上最低なわけです。とりわけ、被用者本人は昨年の九月からことしの三月までで五・六%の減、大変な受診抑制が起こっているわけですね。ぜひこの機会にこれをやめさせるために健康保険の本人、これを二割から一割に戻す、それから医療費と薬剤費の二重負担、これはやめる、こういったことは日本医師会も薬剤師会も歯科医師会も、いわゆる三師会も要求されております。ぜひ国民の生活を守る上でもこのことを最初に強く主張しておきたいというふうに思います。 その上で、この十月から行われる診療報酬の改定の問題についてお尋ねをしたいと思います。 今回の改定は大きく言って二点であります。一つは、一般病院に六カ月を超えて入院する高齢者の看護料が大幅に減額されるということであります。さらに、看護料算定における平均在院日数の要件が短縮をされたということがあると思います。 大臣は、九月八日の衆議院の厚生委員会で、六カ月を超えて入院する高齢者については、この改定によって医学上の必要がある場合は十分検討しなければならない、そういうふうに答えておられますね。しかし、医療の現場では、この改定によって医師が治療や処置が必要だと認める、いわゆる医学的に必要だと思われる患者、これが大量に病院から追い出されるのではないか、行き場がなくなるのではないか、そういう可能性が懸念をされております。 そこでお聞きしたいんですが、衆議院の厚生委員会では、老人保健福祉局長が、医学上どうしても必要だという場合の例外として七項目を設けた、そういうふうに説明をされております。 一般病院で六カ月以上の入院患者、実際に今いる患者さんでこういう例があります。これは大阪の民間病院の例なんですが、六カ月を超えて今も入院されていると十一歳の男性で、病名はアルコール性の肝硬変だと。それから食道静脈瘤があって結核性の胸膜炎も起こしている。低アルブミン血症と腎機能低下があって利尿剤のみでは腹水が減らない、腹水のコントロールがつかないんだと。月一回、腹水ろ過濃縮再静注を施行している。そのほか結核に対する治療なんかもいろいろと並行的に行われている症例なんですが、これはいわゆる七項目の除外規定に該当しますでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 挙げられた例でございますけれども、状態にかなり幅がある可能性があるわけでございまして、そのような患者さんがいらっしゃるということだけの理由で除外規定に当たるかどうかというのは判断しかねるわけでございます。例えば、先生が御指摘のような事例で、症状がさらに進行いたしまして、腹水がたまりやすい状況になって頻繁に腹腔穿刺法によりまして腹水を抜く、こういうふうな状態になりますと当然この項目に当たるわけでございますけれども、状態の幅によってそこは変わってくると、こういうふうに認識しております。
○小池晃君 その医学的な問題を議論してもしようがないと思うんですが、腹水を二週間抜くような症例というのは、これはほとんどもう現場ではあり得ないと思います。二週間という縛りがかかっているんですからね。 それで、こういう患者さんですね、先ほどわからないとおっしゃったけれども、明らかに今の七項目を見ればこれは適用しないですよ。なおかつこういう患者さんは、老人病院とか先ほど議論のあった療養型の病床群では診ていくのがかなり困難なケースです。今回のこの七項目の除外規定というのは、やはり医療の現場一あるいは特に高齢者医療の現場の実態を反映したものとはとても思えないんですね。 例えば、ほかにもいろいろ例を挙げますが、がんの患者さんがいるとします。今回の例では、七項目の除外規定では、抗がん剤とか放射線治療を行っていなければ、幾ら末期状態でひどい状態であったとしても当てはまらないわけですね。高齢のがん患者さんの場合はクオリティー・オブ・ライフを尊重して、できるだけ疼痛対策とか全身管理に力を注ぐ。これは今までの厚生省の方針でもあったと私は理解しているんですが、そういったことがやっぱり最も手間暇かかるんだと。特に看護婦さんのところでは一番大変なわけですね。それを一般病院で今苦労しながらやっている例が多いわけです。そういったことが評価されない仕組みだと。 それからさらに、心臓病とか呼吸器の慢性疾患であっても増悪を繰り返すようなケースがあります。ただ、今回の例で言えば人工呼吸器を使わない限り一切認められないわけです。さらに、ほとんどの難病患者さんも該当してこないと思います。例えば、あと脊髄損傷であるとか事故による患者さんがおられますけれども、そういったケースも全く該当しない。四肢麻痺があっても適用されない。これは全くひどいと思うんですね。 局長は、衆議院の厚生委員会で、七項目は中医協で考えられるケースを想定して決めた、八番目に「その他上記に準ずる場合」というのがあって、すべてをカバーしたというふうに答えられておられますけれども、今まで挙げたケースというのは準用不可能だと思うんです。「準ずる場合」に当たらないと思うんですね。つまり、七項目の設定そのもの、七項目の内容そのものにやっぱり根本的な問題があると思うが、どうでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 今回の改定は、一般病棟におきます社会的入院的なものを適正なそれにふさわしい評価にしようと、こういうことで決めたわけでございます。 それで、私が七項目のほかに八項目めで準ずる状態というふうに申し上げましたけれども、あれは一般的ということではなくて、あれにつきましてさらに中医協の方で議論をして決めると、こういうことになるわけでございます。準ずる状態であるか、それから新しい項目を追加するかどうか、こういう問題は医学的な検討を踏まえまして中医協の審議を経て行われる、こういうことであるわけでございまして、これについては適宜検討する必要があると、こういうふうに思っているわけでございます。
○小池晃君 もう最初から中医協で検討しなければだめだと、不備であるということがはっきりしているわけですから、これはやはり十月実施ということはやめていただきたい。 それからさらに、その二点目の看護料算定における平均在院日数の短縮の問題ですけれども、ちょっと時間がないので一つの例に絞りますが、総合リハビリテーション施設というのがございます。全国二百五十八カ所あるそうですが、いろんなところで聞いてみたんです。 例えば京都の京都市立身体障害者リハビリテーションセンター。ここは四十床の病院で、現在特二類看護です。平均在院日数はもともと百四十日ぐらいだったそうなんですが、いろいろと改定があるので苦労されて、今ようやく九十日になったと。このままだと三・五対一看護となって、年間二千万円の減収になるというんですね。ここはどういう患者さんを診ている病院かというと、交通事故による脊髄損傷の若い患者さんを多く診ているんだと。かなり情熱を持って医療に当たっていらっしゃるんですね。今後こういった改定が行われればこういう医療が継続できないんではないか、そういうふうに言われていました。 また、首都圏の七百七十床のかなり大きなある総合のリハビリテーションセンターですけれども、ここも総合リハビリテーション施設ですが、現在三対一看護です。長期入院患者を在宅とかほかの医療機関に今一生懸命移しているんだと。平均在院日数がようやく七十二になったが、六十日は切れないと。三・五対一に格下げして、この改定が行われると半期で約一億円の減収になるんだということでした。 このようにかなり高度なリハビリを専門にやっているところ、こういったところでは総合的なリハビリテーション施設としての機能を維持していくことが非常に困難だということが言われております。こうしたリハビリの専門病院であるとか、あるいは小児の難病患者さんを多く抱えていて、学校に通いながら治療しているような病院もあるんですね。 こういういろんなケースについては、本当に今度の改悪で病院の存続、病院の機能を維持していくことの危機に瀕しているということが言われております。こういった実態を厚生省は承知されているんでしまうか。実態調査、影響調査をされているんでしょうか。
○政府委員(羽毛田信吾君) 看護料についてのお尋ねでございますけれども、今回のこの改定の趣旨と申しますのは、先ほども委員の方から御質問ございましたように、我が国の入院日数が非常に長いという問題意識に立ちまして、これを是正するということが必要であるということで中医協での御議論がございまして、平成十年の診療報酬改定におきまして、看護体制の厚さに応じて算定に際しての平均在院日数の要件を短縮するということにしたわけでございます。その際には、要件とした日数につきましては、それに先立ちまして実態調査を行いまして、その結果に基づきまして、看護類型ごとに大体八割程度の病院は既に満たしておるという日数を設定するという考え方に立ってやりました。こういった合理性がその点ではあるというふうに考えております。 その中で、総合リハビリということでリハビリテーションについてのお尋ねが特にございましたけれども、これにつきましては、御案内のとおり、いわゆるリハビリテーションの中には看護職員配置の高い一般病棟の総合リハビリテーション病院、これがございます。これは、その性格として言えば、一定期間集中的にリハビリテーションを行う、そのことが適切な施設であるというふうに考えられますので、そういった意味から申し上げれば、平均在院日数の短縮化は一つの妥当な方針ではないかなというふうに思います。 また、その場合に、先生おっしゃったお話の中で、長期にわたるいわゆる維持期のリハビリテーションというようなことになりますれば、これは療養環境を整えた療養型の病床群を有する病院において実施するという考え方が妥当してくるんではないかなというふうに思います。そうした場合には、療養型病床群における看護体制の問題につきましては、その性格上、平均在院日数の算定要件は定めておりませんので、したがいまして病院の機能に応じました看護料の算定ということを選択していただくということになるんだろうというふうに思うわけでございます。
○小池晃君 私ども別に病院の機能分化というのを原理的に否定しているわけではないんですよ。必要なこともあるとは思うんです。ただ、今回のようなボーダーラインのようなケースがいろいろあるわけですね、こういう機能分化を進めていく際には。そこに丁寧な手当てをしなければ、例えば今おっしゃいましたけれども、リハビリというのは急性期と維持期とはっきり分けておられますけれども、長期にわたる方でもかなり医療的な処置が必要な方、例えば嚥下困難で肺炎を繰り返すようなケースであるとか、オーバーラップするケースというのはいっぱいあるわけですよ。 それから、頚椎損傷なんかお話を聞きましたら最低六カ月かかると。若い人でもその障害を受け入れて、それに対するケアを、心のケアも含めてして、それから自宅に帰る場合の家の機能評価なんかもしていけば、最低でも六カ月かかるんだというふうにおっしゃっていました。そういうボーダーラインのケースなんかについて丁寧な対応をしなければ、一番しわ寄せが来るのは医療の現場であり、患者さんであるということを強く指摘しておきたいと思います。 その上で、最後に大臣にお聞きしますが、大臣はまずスタートさせていただきたいというふうに衆議院でもおっしゃっておりましたけれども、やはり実態調査、影響調査も、先ほどお答えありませんでしたが、十分されていない。いろんな問題が起きることが、七項目も中医協で再検討しなければならないということがはっきりしているわけですから、これはぜひ中止をしていただいてもう一度検討すべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下創平君) この問題は、今お話しのように、一般病院でいわゆる社会的入院と言われるようなものを調整していこうという趣旨から出るものでございまして、そしてどうしても必要なものは今の七項目に、必要に応じてその他で追加できるようなシステムになっておりますので、主として看護の点数の改定が基礎になっているわけでございます。 私としては、診療報酬改定の一部分でございますし、ことしの医療費改定のセットとして十月一日からやることが定められておりますので、事情はいろいろ聞いてみましたけれども、とりあえずスタートをとにかくしていただいて、衆議院の方でもお答えしましたように、その他で追加すべきものがあるかどうか、あればそれを検討することは当然こういうルールを決めたときの考え方でございますから、そのような措置はとらせていただきたい。そして、診療報酬のあり方についても中医協等で十分議論をなされているものだというように承知をしております。
○小池晃君 最後に。 今言われたように、スタートさせてとおっしゃいますが、スタートさせたら大変な問題が起こります。これはもうはっきりしていると思います。今まで一般病院でかなり頑張って支えていたボーダーラインの患者さんが一気に吐き出されたときに患者さんたちが一体どういうことになるのか、そのことをよく考えていただきたい、再度御検討いただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 現在、二〇〇〇年度から施行される介護保険の準備が進められていることは先ほどからの審議の中でも出ているとおりでありますが、この一年数カ月の間に利用者本位、そしてまた国民本位の制度づくりを進めることは行政の責任であり、そしてまた政治の責任であると私は思っております。 今、介護保険法施行を目指す準備にずっと取り組まれておりますけれども、特にその中でホームヘルパーの派遣時間が削減されているという実態が今、東京や岩手、滋賀、こうしたところで明らかになってきております。一日六時間、週四回受けていた介護サービスが一日二時間にされたなど、派遣時間のカットが続出しているんです。 家事をこなすので精いっぱい、ほとんど会話ができなくなりましたと、こういうふうに訴えられておりますし、また別の地域では、仕方なく全額自己負担でホームヘルパーを頼まざるを得なくなりましたと。また別のところでは、一回当たりの訪問時間が短縮された上に午前中に数軒の訪問をこなさなければならなくなり、ヘルパーがへとへとになっていますと、こういう訴えがいっぱいなんです。 全国各地のお年寄りや障害者、そしてヘルパーさんのところからも悲鳴の訴えが上がっております。これは板橋の例ですけれども、板橋区の場合には、高齢者への派遣時間を去年の四月、そしてことしの五月で比較してみますと、二千八百十九時間減っております。そして、障害者のサービスについても六百七十五時間減っております。本来でしたら、これはもう当然前進していると私たちは思っているわけです。去年よりもことしはもうちょっとよくなっているだろう、こういうふうに思っているんですが、この両方合わせますと二千四百九十四時間も減らされてしまっているという現状がここにあります。 私は、こうしたことが一層全国規模で広がっていくのではないかということを大変心配しているのであります。私は、こうした現状を自分の目で確かめたい、足で確かめたい、そういうふうに思いまして、最近東京のお年寄りのところを訪問しました。 その実態を見てまいりましたけれども、時間の関係でたったお一人しか例を挙げることができませんけれども、七十三歳の女性は、背骨の病気のために、立つと体が揺れてしまうんです。そのために立っていられない、本当に今にも倒れるんじゃないかというふうに思いました。これまで週三回、一日三時間来てくれておりましたヘルパーさんが、七月から週一回、一日二時間に変わってしまったんです。ヘルパー派遣時間の削減で何が困っていますかということを尋ねましたら、買い物に行ってもらえなくなった、それで食事は今は店屋物が多くなったし、おふろは銭湯に行っていたが、二階の物すごい急な階段を一人ではおりられなくなったために、十六日間、今の季節です、おふろに入っていないということでした。 そこでお聞きしたいのですけれども、大臣、このような介護保険の準備の中でもう早くもサービスの低下、削減が起きているということが事実としてあります。こういう実態をどのように考えておられるでしょうか、ぜひ聞かせてください。
○国務大臣(宮下創平君) もう言うまでもございませんが、介護保険は十二年の四月から実施するということで今準備をやっております。そして、来年の十月からは認定その他実務に入るわけでございますが、今その円滑な施行のためにいろいろの施策を前倒しして、実験的にあるいは本格的にやる体制を整えておるわけでございます。 このホームヘルプサービスにつきましても、従来はこの訪問看護事業に対する補助は人件費で一人頭幾らということで算定をしていたと存じますけれども、介護保険制度への移行になりますと、サービス提供の実績に応じたいわば事業費の補助方式、どれだけ介護の実働時間がなされたかということに応じて報酬を算定するというように変わってきているように承知しております。したがって、サービスの提供量に応じて補助もふえるという方式でございますし、それから利用者一人一人に対しまして、その状況に応じた適切なサービスが確保されるように市町村が計画を策定していただけるという前提のもとに立っております。 したがって、今、例を申されたのでございますが、まだ介護保険がスタートしておりませんのでどういう御比較をなさったか、ちょっと詳細が多少理解できない点がございますが、事業費方式への転換を理由として個々の利用者に対するサービスの低下があってはならないわけでございますから、それは低下することのないようにしていきたいと、こう考えております。
○井上美代君 サービスの低下があってはならないと大臣が言われた点は非常に重要だというふうに思います。だから、決してサービスの低下があります。事実、私が見てきたものでは低下があります。だから、私はぜひ厚生省がその事実を調べていただきたい、事態を調べていただきたい、そして正しく対処をしていただきたいというふうに思いますので、その点よろしくお願いをいたします。 私は、この問題の直接の原因は、今、自治体で一人一人に対する介護サービスを決める個別援助計画というのを立てているんですけれども、その立て方に問題がある。これだけではありませんけれども、問題はいっぱいあるんです。だけれども、ここではまず個別援助計画の立て方の問題を取り上げたいというふうに思います。 個別援助計画の作成の際には、短時間の中に非常にたくさんのサービスを詰め込もうとしております。皆さんのお手元に資料をお配りしておりますが、厚生省が「ホームヘルプサービス事業実務問答集」というのを出して都道府県にお配りされているんですね。これはこういう厚いものです。(資料を示す)その中の一ページだけを、大体一単位というのがどういうものを入れてあるかということでお手元にお配りしました。 事例の二ですけれども、これは大体一時間当たりの介護サービスの事例を示しているというふうに言われております。一枚のみですけれども、前後があるということも考えながらその表を見ていただきたいんですが、事例二で見ますと、一単位の家事援助の中心業務というのがあります。そこには、安否の確認だとか顔色、全体状態、発汗だとか体温等についてのチェック等、換気だとかいろいろ書いてあります。下には洗濯、洗濯機による洗濯、乾燥、取り入れと収納、そして掃除などずっと書いてありますけれども、かなりたくさんあります。 それで、私はヘルパーさんに聞いてみたんです。これだけのことを一時間でこなすことはどうですかというふうに聞いてみたんですけれども、常識的に考えてとても大変ですということを言われました。 ここで厚生省にお聞きしたいのですが、このホームヘルプの事例というのは、これだけのことをすべて一時間でやれということでしょうか。そうではないんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) お示しの資料は厚生省が示した一時間当たりのサービスの内容のモデル的なものでございまして、必要な時間数を算定する際の一つの参考資料、こういうことでつくったものでございまして、これをもって市区町村の判断を拘束するものではございません。まさに参考でございます。
○井上美代君 ところが、そうは受けとめていない自治体があるんです。 ここに私は「高齢者ホームヘルプサービス事業実務問答集」というのを持っております。これは東京都が出したものですけれども、ここの中に日野市が質問したのがあるんです。その質問したのは、「サービス内容の参考例の一単位の業務内容が過大と思われるが」どうかと。多いと言っているんですね。「過大と思われるが」どうか、こういうふうな問いに対して、東京都の回答は、皆さんのところにお配りしているその資料の一部ですね、それが国通知なんですが、「国通知の事例を指摘しているものと思われるが、効率的かつ質の高いサービスを提供することを前提にするのであれば妥当な業務内容といえる。」、このように回答をしているんです。これでは、一時間にこれだけのサービスをすべてやるのが基準だということを言っているように、それしか解釈のしようがないんですね。 東京都のこのような回答は、厚生省の先ほど回答してくださいましたその趣旨とは違うのではないかなというふうに思っているんですけれども、いかがですか。
○政府委員(近藤純五郎君) 私どもの考えは、先ほど申し上げましたように、一つの参考としてお示ししたものでございます。
○井上美代君 厚生省が今言われましたように、趣旨とちょっと違うわけなんですね。厚生省が言われても、やはり県段階、市段階におりていきますと解釈が違ってきます。東京都のような考え方で介護の計画を立てていったら、派遣時間の削減を進めていくというのが当然になっていくと私は思います。だから、このような厚生省の考えと違うのであれば、そういう理解ができていないわけですから、厚生省としてはやはりこういう問題については対処していただかなければいけないというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) よく東京都から事情を聞きたいと思っております。
○井上美代君 ホームヘルプサービスに関しては、厚生省は昨年度から介護保険制度の導入を展望して、国の自治体に対する補助金の支払いの方法を変更されました。それは先ほど大臣が言われたことでございますけれども、ヘルパー一人当たりで出していた人件費補助方式というのを、今度はサービス一時間当たり幾らという出来高制で出していく事業費補助方式というものに変えられたわけなんです。このため多くの自治体が、先ほど板橋の数字を私は挙げましたけれども、国からの補助金が少なくなって、自治体からの持ち出しがさらにふえているのであります。派遣時間の削減にはこういった背景があるということを私はここで指摘しておきたいというふうに思っております。 私がここで、もう時間もありませんので、さらにこれはよくないというふうに現場で思っていることがあります。それは、援助計画の説明の際に役所の担当者が、あなたよりももっと悪い人もいるんだ、我慢しないなら区はお金がないので負担しないよと、我慢を強要しているという問題です。 介護サービスを受けている人たちがどんな気持ちでいるか、考えたことがあるでしょうか。ただでさえ迷惑をかけて済まないと感謝をし、同時に肩身の狭さとそして悔しさで身を切られる思いで生きておられる方たちがたくさんいらっしゃいます。私が訪ねた人たちも介護時間削減は情けないと言われました。もう死にたいほどだと、会話の途中何回も泣いておられました。老いは私たちに平等にかかってまいります。孤独と貧困に苦しみながら生きている方々に一方的な押しつけがあることを私は厚生省が知っておられるのだろうかということをお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 個別の事案につきまして私ども承知はいたしておりませんけれども、今回のといいますか、事業費補助方式に変わって、東京都の関係でどう変わったかというのをちょっと御説明申し上げたいと存じます。 ホームヘルパーの派遣に当たりましては、私ども従来から、市区町村におきまして利用者の心身の状況でございますとか、世帯の状況でございますとか、こういったものを十分考慮して、利用者一人一人に対しまして事前にサービスの内容や所要時間等を定めました先ほど先生御指摘の個別援助計画、こういったものをつくってほしいということで要請をしてきたわけでございます。 東京都ではこの方式はとられていなかったわけで、計画をつくられていなかったわけでございますが、事業費補助方式になりますと、個別援助計画で定めました内容と所要時間によりまして個別の利用者ごとに必要な活動単位を定めるわけでございまして、その実績に基づきまして補助金を交付する、こういうことになりましたので、個別援助計画をつくらないと補助金は出ない、こういう仕組みになったわけでございます。 したがいまして、東京都は今までは個別援助計画を策定しませんでしたので必要なサービス量の精査というものは余りされていなかった、こういうことでございまして、そういう必要なサービスの精査に東京都が当たられた、こういう結果としましてサービス量に増減が生じた、こういうふうに理解をいたしております。
○井上美代君 私は、一つは、個別事例は存じませんというふうに言われましたけれども、個別事例こそ大事だと思います。これは、やはり国民がどういう状況にあるかということを知らないで政治はできないです。だから、個別はそれぞれ違ってはいますけれども、個別事情を知ることによって全体を知ることができる、現状をつかむことができるというふうに思うんです。だから、国民の医療、福祉、こういうものを知る意味でも私は個別事例をよく知るということが大事ではないかなというふうに思います。 そして、東京都が特別のように今御回答ありましたけれども、私はこれは東京都だけの問題ではないというふうに思いましてきょう出しております。だから、東京都だけで、東京は個別援助計画を持っていなかったということを言っておられるんですけれども、それだけではなくて、やはり個別援助計画をつくるに当たっても非常にまだ不備なところ、もう全く情けない思いに私はなりましたけれども、そういう対応をしながらやっているんです。 私は、今ここに「ホームヘルプサービスの個別援助計画」、これは厚生省が推奨して、今、全国民に普及されているというふうに聞いておりますけれども、この十一ページには「利用者の意見を尊重し、さらに計画表を利用者に提示することが重要です。」ということが書いてあるんですね。このとおりだと思うんです。これがやっぱり現場で実際にやられるようにならなければうそだと思うんです。これが本当に一人一人の利用者の意見を尊重し、そして計画表を利用者に見せて、そして意見を聞く、このことが重要だと思うんです。だけれども、現場はそのようにやられていません。 これは東京都に限ったことではないんです。だから、そういう意味で東京都だけに狭めて考えないでほしい。私は、全国的にこれが広がってくるということを恐れてきょう取り上げております。
○委員長(尾辻秀久君) 井上議員に申し上げます。 時間が来ておりますので、手短にお願いします。
○井上美代君 はい、もう終わります。 私は、きょうは国民の声の一端を質問いたしましたけれども、介護保険法の実施に当たっては、果たして保険料が払えるのか、どんな認定がされるのか、利用料まで払っていたらいよいよ生きられなくなるというような国民の不安というのはいっぱいあるわけなんです。だから、だれもが安心して介護が受けられるためにも、派遣時間の削減という問題は、やはり私たちが願っている安心して介護ができるという、そこへたどり着く問題を抱えているというふうに思いまして、きょうはこの問題を取り上げました。 私は、新ゴールドプランの完全達成も含めて基盤整備のために厚生省が一層の努力をしていただきたい。そして、ぜひ最後に大臣に一言決意を述べていただいて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 手短に答弁をお願いします。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘、いろいろ参考にさせていただきます。そしてまた、本当に介護サービスが国民のためのものでなければならぬこともこれも言うまでもないことでございますので、そういった角度から円滑に実施できるためにいろいろな面からまたさらに検討を続けていきたいと、こう思っています。
○井上美代君 ありがとうございました。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子でございます。 小渕内閣は財政構造改革法は凍結すると言っておるわけですが、宮下厚生大臣はこの財政構造改革法は凍結されていると認識されているでしょうか、また廃止されるべきものと考えておられるでしょうか、大臣のスタンスをお伺いしたいと思うわけです。また、凍結という場合、その凍結の対象は財政構造改革法の全体に及ぶのか、各行政分野ごとに定められている上限の枠、いわゆるキャップの部分だけが凍結されるのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。 引き続いて、ちょっと時間がないので急いでいるわけですけれども、来年度の厚生省予算の概算要求とは別に今年度は四千三百八十七億円の景気対策の特別枠が設けられておるわけです。私は、こういう景気対策の枠組みがあるならば、老朽化した福祉施設を建て直していく、そしてまた福祉施設は非常に古い基準で建てられておりますからとても非人間的な施設の設備が多いわけですけれども、そういうものを積極的に今日的な人権尊重、または自立支援のようなものにつくり変えていくという、そういうことを要望したいわけですけれども、厚生大臣はこの特別枠をどのように使おうとされているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 幾つか御指摘がございましたが、まず財政構造改革法の凍結問題でございます。これは、小渕内閣としては凍結ないし廃止ということも言われておりますが、実際に最終判断をするときは来年度の平成十一年の予算編成とセットの話になると存じますからそのとき最終的に決められると存じます。 私個人としては、中長期的な展望を描くということはとても必要だと思いますが、当面の景気がこのような状況でございますから全体として凍結をしていくというように考えておりますので、特にキャップ制だけを外すとか、あるいは発行がGNPの三%以内、年次をどうするとかというようなものではなくて、全体として凍結をするというように私は理解しております。したがって、それは予算編成の状況を踏まえながら、内閣として重要な課題でございますから、最終的には決められるものというように承知しております。 それから社会保障制度は、御指摘のように所得保障制度等々を通じまして購買力を国民に付与したり、また医療、福祉等のサービス分野におきましては新たな産業とか雇用の創出にもつながります。こうした経済の発展に寄与する積極的な面をこれからの社会保障の中では正当に評価し位置づけしていくことがとても重要じゃないか。今までややもすると社会保障はコストだけかかって節減節減ということだけが言われたような感じがいたしますが、積極的な意味合いを認めていきたいというのが私の気持ちでございます。 そして同時に、景気対策の臨時緊急特別枠の話でございますが、これは御案内のように、全体として四兆円の規模の枠組みを、八月三十一日の概算要求までに決めなくていいから、あらゆる工夫をして景気に対して影響のある政策で意味のあるものをいわばコンペ方式で出してほしい。十月末までに出しますと、それに基づいて八月三十一日に出された概算要求として一体として処理するということになろうと存じます。 厚生省といたしましては、新ゴールドプラン等の保健、福祉の三つのプランがありますが、この前倒し実施をしていきたいし、それから介護保険導入に向けた準備のための経費も要求をしていきたい。それから、医療、保健、衛生等の分野での施設設備の整備でございますが、これもゴールドプランその他の関係する面もございますが、そうした施設設備の整備も景気に対する刺激、影響度はあると存じます。その他、少子・高齢化社会に向けて、保育所の問題とかいろいろございますから、そういった点、万般の点を我々が希望の持てる社会保障の基盤をつくるという視点で要求してまいりたいと思っています。 また、厚生省の公共事業の中には御案内のように水道施設と廃棄物処理施設の整備事業がございますが、これも現在、水道はもちろんのこと、廃棄物処理のダイオキシン問題その他多々問題もございます。そういうことで、これらの施設の整備促進も図ることを念頭に置きまして、御指摘のように四千三百億強ございますから、その中でこの特別枠のそういった趣旨に沿って要求をいたし実現を図ってまいりたい、このように思っております。
○清水澄子君 非常に積極的なお考え方で、ぜひそれを実行していただきたいと思います。 昨年の介護保険法案成立のときにやはり参議院で修正をしました。それは、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるには国の責務として介護サービスを提供する体制を確保すべきだということが修正されたわけですね。ですから、これは前の大臣も何回もそのことについては実行していきたいとおっしゃっていました。それで今、予算の配分では非常にその姿勢が見えているわけですけれども、そうした経緯のもとで、平成十一年度予算の概算要求と景気対策特別枠によって新ゴールドプランのメニューが前倒しになった。 そういう意味で、ホームヘルパーと特別養護老人ホームについては、平成十一年度の整備目標であった数値を上回るという成果が上がっていて大変私は評価したいと思います。デイサービスとかケアハウスはまだだということなんですが、それらは今後さらに積極的に進めていただくことにしてほしいんですけれども、結局新ゴールドプランの役割は一応終わったわけですね、ある程度目標が達成されれば。それならば、引き続き次の整備目標を新たにやはり提示していく必要があると思いますが、その点について、今いろいろお答えになりましたけれども、私は再度決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 現在の新ゴールドプランは御案内のように十一年までを目標年次としておりますから、今回、今お話し申し上げた概算要求等でやれば、前倒し的にその目標数値を超えるところも出てまいります。しかし、これからもなおほかの項目等でも計画的に整備する必要がございます。高齢化が進みますから、それらの方々のサービスを本当に同じ水準もしくはそれ以上にしていくには、やっぱりそういうゴールドプランの新しい計画策定等もまた必要かと私は存じております。
○清水澄子君 ぜひ引き続いてスーパーゴールドプランを設定していただきたいと思います。 次に、平成十二年度の介護保険制度の運用開始まで残すところ一年半となったわけです。その準備の進捗状況と、あわせて顕在化してきた問題点についてお伺いをしたいわけです。 まず初めに、昨年のこの法案審議の際に、本委員会は、政府に対しまして、要介護認定の基準とか介護事業者の指定基準とか介護報酬とか保険料の算定方法とかの介護保険制度の基本事項について、適正な手続のもとに決定過程の透明化を図りつつできる限り早急にその基本的な考え方を明らかにしなさい、そしてまた法律によって政省令にゆだねられた重要な事項については本委員会に報告することという附帯決議を行っております。 そこでまずお伺いしたいのは、介護保険法とその施行法によって政省令にゆだねられている事項というのは一体幾つあるのか、そのうち既に政省令として公布されたのは幾つなのか、そしてさらに、政省令にゆだねられた重要事項については国会に報告することになっているわけですが、本委員会への報告の時期、手順、様式など厚生省はいつどのような形で報告を行おうと考えていらっしゃるのか、お答えいただきたい。
○政府委員(近藤純五郎君) 介護保険法によりまして政省令等にゆだねられている事項は約三百項目ございます。これらのうち、介護保険に関します事項を審議する審議会を定める、医療保険福祉審議会でございますが、この審議会を定める政令等四件を公布いたしております。中身は、一部の施行期日を定める政令等を含めているわけでございます。 これらの政省令のうち、重要事項につきましては先ほど先生御指摘のように国会に報告すると、こういうことになっているわけでございます。現在、重要事項につきましては医療保険福祉審議会で議論をしていただいている段階でございまして、この意見を踏まえて策定すると、こういうことになってございますが、地方自治体とか保険、医療、福祉の関係者の準備が必要でございますので、こういう面からできるだけ早く内容を固めたいと、こういうことで現在鋭意審議会も取り組んでいただいているわけでございます。介護報酬等の予算に密接に関係するものはこれは大分おくれるかと存じますけれども、その他のものにつきましては今年度内に審議会の御意見を踏まえて主な政省令は公布したいと、こういうふうに思っているわけでございます。 これらの政省令の重要なものにつきましては、決定次第速やかに委員会に御報告したいと思っていますが、どういうふうな形で御報告したらいいかルールを決めていただければありがたいと、こういうふうに思っております。
○清水澄子君 では、委員長にお願いをしたいわけですけれども、ぜひこれらの政省令事項を委員会に報告してもらって、そして十分審議が行えるように理事会でお取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 後ほど理事会で協議をいたします。
○清水澄子君 次に、介護認定の基準についてでございますが、要介護認定の基準は、一分間タイムスタディーという方法で介護に必要な行為に要した時間をはかった、そういう要介護認定基準時間が示されているわけです。ところが、この要介護認定基準づくりの基礎となった一分間タイムスタディーというのは、特養とか老人保健施設とか介護力強化病院に入所している、すなわち施設入所の要介護高齢者約四千人を対象にしたものであって、こういう四千人の人たちのタイムウォッチでもって在宅を含めた介護サービスを受ける人たち全体の要介護認定の基準としてこれで問題はないのかどうかということでございます。 ですから、私は、平成十年度の要介護認定の施行的事業の結果を踏まえて最終的な認定基準の見直しを行うというのであれば、それに向けて在宅を含めた要介護認定基準の基礎となる物差しというのは明確につくるべきだと思いますので、それは今年度の第二次補正予算でさらにきちんとそれを実行していくように要望したいと思いますので、ぜひ在宅を含めた認定基準というものをつくるべきだということを主張したいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(近藤純五郎君) 御指摘のとおり、現在の今年度行っております施行事業のもとになります要介護認定は、施設の関係の高齢者四千人の方々について一分間スタディーを用いまして、これを物差しにいたしまして要介護度を認定すると、こういうことでやっているわけでございます。 在宅者の場合やったらどうかと、こういう意見は前々からあったわけでございますが、受けている介護の内容とか量、地域で利用可能な介護基盤というものが大分差があるわけでございますし、それから家族がいらっしゃるかいらっしゃらないかによっても全然変わってくるわけでございまして、いわば標準化されたような状態でタイムスタディーがつくれない、こういう事情もございまして要介護度の認定だけであれば施設の一分間タイムスタディーを利用したもので十分通用するんではないか、こういう識者の意見もございましてこういう形で進めさせていただいていると、こういうことであるわけでございます。
○清水澄子君 四千人の例だけで、しかも施設内にいる人だけの例ではやっぱり適当じゃない。在宅にいる人たちはさまざまな生活をしているわけですから、ぜひそのことはもう一度真剣に考慮していただきたいと思います。 ところで、昨年の介護保険法の審議の際に私どもが説明を受けていたのは、この要介護認定の区分は、例えば要支援ということから要介護が五段階にあるわけですけれども、要支援という場合でも、食事、排せつ、着脱のいずれもおおむね自立しているが生活管理能力が低下する等のため時々支援を要する、これが要支援であると。要介護Iというのは、食事、排せつ、着脱のいずれもおおむね自立しているが一部支援を要する、こういうふうに要介護者の状態を五段階で客観的に提示して私たちに説明してこられたと思います。 ところが、審議会に提出されている厚生省案というのは、要介護状態区分を今度は時間で説明されている。そうすると、要介護Ⅰというのは要介護時間が三十分以上六十五分未満の状態、こういう形で三十五分単位でずつと要介護を五段階まで数字を示しておられるわけですけれども、一体三十五分単位で介護というのはぴちっとできていけるものなのか。そういう意味で、これは何を根拠にされているのか、そしてまた時間の長さで要介護度を段階区分になぜ説明が変わってきたのかという点について、ぜひその根拠をお知らせいただきたい。
○政府委員(近藤純五郎君) 要介護度の区分に当たりましては、法案審議の段階から介護の必要度に基づきまして要介護度を区分する、こういうことで来たわけでございまして、平成八年度から実施いたしております試行事業におきましても、介護の必要度の客観的な尺度といたしましては介護に要する時間を推計する方式を用いてきているわけでございまして、その定義とか推計対象となる介護の種類などを具体的に審議会にお諮りした、こういうことでございます。 前に、先生御指摘のように状態像で示す、こういうのを七年度でございますかお示ししたことがあったわけでございますけれども、これは在宅では五項目程度、それから施設では七項目、こういう非常に限られた項目数で状態像をあらわしますので、確かにわかりやすいことはわかりやすいんですが、実際にそれで要介護時間をはかってみますと、これは主観的な要素というのが中に入ってまいりますので非常にばらつきが多い、結果としては問題が非常に多い。こういうことで、八年度からは指標の数というのを七十三項目にふやしまして現在の方式を用いてきているわけでございます。 それで、単位の時間三十五分、最初のが三十分、その後三十五分ずつということでございますが、三十分というのは要支援か要介護か、こういうふうな区分けに一応あとは用いているわけでございますけれども、三十五分間ということで、三十五分というのは実際の介護時間ではないわけでございまして、まさに直接処遇の介護時間を累積する、こういうふうなことでございまして、介護と関係ない部分については当然入っていないわけでございまして、実際の介護時間とは異なってくるわけでございます。物差しを実際に立ち上がらせるためには一分間スタディーを用いましてどの程度必要かと、こういうふうなことで積み上げたということでございまして、そういう意味では物差しとしてしか意味がないわけでございます。 それで、三十五分均等というのは、三十五分そのものが絶対的なあれではないわけでございまして、介護度を五段階に分けるときにはっきり言って対角線グラフみたいなものを描けるような線はどうか、こういうことで三十五分の等間隔の刻みと。かつてはこれを分けて、最初は三十分、後は五十分とか分けたこともあったわけでございますけれども、やっぱり等間隔の方が客観性があるのではないか、こういうふうなことで今御提示しているわけでございますが、実際これに基づいて現在要介護度の調査を全国的にいたしておりますので、この結果も踏まえましてさらに審議会で御議論いただきまして、その上で正式な介護認定基準を決めたい、こういうふうに考えております。
○清水澄子君 より現実に即した基準を検討していただきたいと思います。 次に、ホームヘルパーの介護報酬については先ほどから皆さんおっしゃっているわけですが、これも本委員会では随分議論されたところでございまして、この介護報酬上の評価等の措置というのは随分論議がされてまいりましたし、附帯決議もあります。介護保険制度が平成十二年度からスタートすることを念頭に置きますと、介護保険発足の前年に当たる来年度の予算といいますか、そこでのホームヘルプサービスの予算単価の設定というのは今後のホームヘルプサービスに対する評価として重要な意味を持つことになると思うのです。 ところで、この平成十年度予算におけるホームヘルプサービスの単価というのは、滞在型身体介護で時間当たり二千八百九十円と出されています。そして、それが今度、平成十一年度の概算要求では三千七百三十円となっているわけですが、家事援助はむしろ値下げして引き下げているというふうな数字が出ておるわけです。これは先ほどからも質疑がありましたように、この単価はひょっとするとヘルパーの個人の労働に対する対価のような認識が非常に多いわけですね。しかし、実際はこれは事業所補助方式の単価であって、ですからその辺でこれに非常に問題があります。ヘルパー自身がいろんな労働に対して一体どれだけの賃金というかその対価を保障すべきかということはどこにもないわけですね。 現在は措置費として身体介護百時間で二十八万九千円が支払われているわけですが、今現在三千七百三十円にこの身体介護の場合の単価があって、このままもらったとしてもやっぱり三十七万幾らぐらいの報酬でしかないわけですね、もしこれを個人がもらっても。ということは、これがただ事業所の運営費であるならばこれからそれで運営全体を賄うわけですから、とてもそういう単価では七年以上のベテランヘルパーを雇用することは難しいということは事業者自身が言っておるわけですね。となれば、非常に安いヘルパーを採用するということになって、むしろ本当に質の高い良質なホームヘルプサービスというものを提供していくには、専門的な技術や体験に培われた人たちがどんどん養成され、そういう人たちが採用されていくというシステムが保障されなければ、本当に質のよい介護というのはできないと思うんです。 そういう意味でのホームヘルパーの介護報酬については再度もっと真剣な議論と大幅な水準向上というものを検討すべきだと私は考えますが、その点についての御答弁をお願いします。
○政府委員(近藤純五郎君) ホームヘルパーの単価でございますが、先生先ほど平成十一年度予算の概算要求の数字、三千七百三十円という話がございましたが、これは標準的な訪問看護の事業単位を設定いたしまして、これに必要な経費を勘案して算出したものでございます。これらはまだ要求段階のものでございますので、今後予算編成の過程において決定されるべきものでございますけれども、厚生省といたしましては、対前年度三〇%増という大幅な引き上げを図ったわけでございまして、必要なサービスが適切に提供されるように配慮したものと考えております。 ただ、確かに介護保険を踏まえた上でのこういう単価の設定ではございますけれども、具体的な介護報酬の設定につきましては審議会でまだ御議論を行っている最中でございまして、健全な事業者が適切な事業運営が図れるような適正な報酬の設定、こういったものに努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○清水澄子君 時間がございませんのでちょっとはしょりますが、もう一つは、厚生省が訪問介護の指定基準、ヘルパーステーションとかヘルパーセンター等についてはホームヘルパーの員数を二・五人以上配置してあればいい、そのうち一人が常勤であればよいという、こういう基準を示しているわけです。しかし、二・五人で一人だけが常勤していればいいという中で身体介護の質は担保できないと思いますし、二十四時間体制の介護支援体制というのはとても不可能だと思います。 ですから、そういうふうに最初から非常に低い基準を出してしまうということはとても問題があると思います。ですから、厚生省が今審議会に出している指定基準とかいろんな先ほど申し上げた基準は、介護の質を本当にこれからつくり出していくには実に問題の多い基準を提出しておられるわけです。そして、今お尋ねすると、今審議会で議論していただいていますということになってしまうわけです。 私はここで提案したいのは、介護報酬に伴う基本的な部分である基準案、こういうものはもっと介護保険法案審議入りの際にみんなが求めていた、またみんなが主張していた、審議していた、そういう趣旨とか確認質問の答弁とか、それから附帯決議等を反映させて、そして現在行われている審議会においても委員は皆同じようなことを疑問視し一質問をしておりますね。それらの委員から出された問題意識、それは現場の声も多いわけですから、ですから厚生省がそういう委員から出された多くの疑問や改善を取り入れて、そして修正案を出していく、そういうことで内実のある審議に私はもっと努力をしていくべきだと思うんです。 そういう形で審議が民主的に進められていかない限り、今、厚生省が当初の事務局案にこだわってそのままにしてあれば、委員の意見やこの審議内容は反映していかない。ですから、それを反映させた複数の案を提出しながら、もっと審議を促進していく、そしていいものを国民に早く知らせていく、そういう努力をされることを私は提案したいんですが、厚生大臣、そのことをやるというお約束をお願いいたします。
○国務大臣(宮下創平君) 今お話しのように、医療保険福祉審議会におきまして保健医療・福祉関係者等の幅広い関係者が委員として参画して介護保険制度の問題を議論していただいております。したがいまして、さまざまな立場からの意見を踏まえた検討が行われているものと認識をいたしておりますが、厚生省としても、審議会における幅広い御意見を踏まえまして、審議会の意見を十分尊重してまいる所存であります。
○清水澄子君 時間が来ました。終わります。
○入澤肇君 私は、介護保険制度につきまして、今いろいろと御質疑がありましたけれども、運用の状況につきまして若干御質問すると同時に、医療費削減のための健康生活維持の国民運動につきまして、提案型の質問をさせていただきたいと思っています。 平成十二年から介護保険制度が発足するということでございますけれども、各地に行きますと特別養護老人ホームに入れなくて困っている人がたくさんおります。私自身も福祉施設の理事をやっていますし、親戚も特養ホームを経営しておりまして、事情を聞きますと、今の要望を聞くのにあと何年もかかるというような施設もございます。一体全国平均でどのくらいの待ち期間になっているのか、それから最高と最低の数字がわかりましたらちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 申しわけございません、今、手元に待機者の数字はございませんけれども、特別養護老人ホームに対します要望というのは年々高まってきているわけでございまして、かつては施設としては余りいい施設ではないイメージがあったわけでございますが、建物も非常によくなり、処遇もそれなりに改善されてきたということもございまして、特養への入所希望というのは非常に高いわけでございます。 そういうことで、つくってもつくっても待機者が出る、こういうふうな状況にはあるわけでございますけれども、その待機者の中にはいわゆる要介護認定を受ければ自立と、こういうふうに判定できるような方もいらっしゃるようでございまして、必ずしも待機者全員が入所適格ということではないようでございます。 いずれにしましても、そういう方々がいらっしゃるわけでございますので、特別養護老人ホーム、先ほど大臣から申し上げましたけれども、前倒しをしてでも景気対策の中で増加を図りたい、こういうふうに考えております。
○入澤肇君 平成十一年度で新ゴールドプラン、これが達成するとなりますと、今の入所待機者、これは仮に認定基準から外れる人があったとしても、相当部分は認定基準に該当して待ちの状況にあるわけでございますから、これは全部要望を満たすことになるんでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 高齢化が進んでおりますので対象者そのものも当然ふえてくるわけでございまして、達成されればかなりの部分をカバーできるとは思いますけれども、その後さらに対象者がふえてまいりますので引き続き整備は進めていく必要がある、こういうふうに考えております。
○入澤肇君 前回の介護保険制度の審査は私はもちろん携わっておりませんのでよくわかりませんけれども、保険料算定の前提といたしまして在宅介護七五%、施設介護二五%という数字がございますね。これで見ますと、今度の介護保険制度の前提として、当然のことながら在宅介護が優先するというふうに考えていろんな施策体系を組んでいるんでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 現在四兆二千億円、こういうことで介護費用を算定しておりますけれども、その前提として考えておりますのは、施設の関係では新ゴールドプランが達成ということで一〇〇%目標、それから在宅の関係では四〇%程度、こういうふうなことであるわけでございまして、要介護層の在宅・施設の割合というのは、平成十二年度では五対五、それから平成二十二年度では六対四、こういう想定で一応試算はいたしております。
○入澤肇君 二千五百円、先ほども質問がありましたけれども、年間三万円ですね。月二千五百円の算定基礎としては、一応出発点は在宅介護は七五%、それから施設介護は二五%で出発するけれども年度が進展するによって違うと、そういう考え方ですか。
○政府委員(近藤純五郎君) 先ほど申し上げましたように、二千五百円の前提は、施設一〇〇%、それから在宅四〇%と、こういう前提で組んでおります。したがいまして、在宅は残念ながらその施行後において徐々に挽回していく、こういうふうな形で試算をいたしております。
○入澤肇君 わかりました。 高知県の例で、高齢者の割合が多いあるいは施設に入っている人が多いということで、保険料算定の基礎として、在宅を六〇%、施設を四〇%で計算すると三千八百円になる、既に二千五百円という標準の保険料の価格を上回ってしまうんだというふうなことが報道されていましたけれども、これは各地によってかなり状況が違うと思うんです。 私は、この保険料の算定につきましてもう少し統一的な厳格な基準があっていいんじゃないかと思っているんですけれども、各地によって余りばらつきがあった場合には、後々地域間格差あるいは個人間格差を含めて相当なトラブルが発生する、平成十年の発足を待たずにその準備段階においてトラブルが発生するというふうに考えてしまうんですけれども、そういうことはないような仕組みになっているんでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 高知県でございますけれども、私どもが承知いたしている限りでは、高知県の場合には後期高齢者、七十五歳以上の方が非常に多い、それから高知県は非常に病院が多うございまして、その中でも療養型病床群が全国平均の数倍、約三倍から四倍ございます。これが全部介護の方に流れてくる、こういう前提で試算されているわけでございます。 したがって、そういう形になるかどうか、三千八百円になるかどうかわかりませんけれども、たとえ三千八百円という試算が正しいといたしましても、国庫補助が全体で二五%あるわけでございまして、二〇%は一律に流れるわけでございますが、五%につきましては所得分布、それから要介護者が多くなる後期高齢者の数、こういったもので調整をする、こういうことになりますので、全国平均をすれば、これは七年度価格でございますけれども、二千五百円を大幅に上回ることはないというふうに考えております。
○入澤肇君 その事情は一応理解したとしましても、先ほども清水委員からお話がございましたけれども、ホームヘルパーの手当のアップの問題がございますね。これは十一年度で既に一時間当たり八百四十円をアップして要求しているという話でございますけれども、十一年、十二年と同じようにもし要求するとすれば、出発の直前でもう既に想定された最低の保険料の基準というのが改定されなくちゃいけない、見直さなくちゃいけないということになりませんか。
○政府委員(近藤純五郎君) 現在は補助金のシステムで十一年度までは行うわけでございますけれども、十二年度からはいよいよ介護報酬、こういうことになりますので、介護報酬として先ほど申し上げましたように事業者が健全に事業運営できる、こういう線がどれが妥当かということについてはさらにこれから審議会で議論していただきたい、こういうふうな形になっているわけでございます。
○入澤肇君 それからまた、市町村の職員の皆さん方といろんな話をしますと、とにかく準備のために事務量がふえちゃって大変だという悲鳴に近い声があるわけでございますけれども、都道府県の職員あるいは市町村の職員で、この介護保険の発足を前提として、要員の増加とかあるいは他の要員との仕事の間の分担関係の調整とか、そういうふうなことについてはどのような指導をされておられるのでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) この事務に、私どもも大変でございますけれども、市町村も大変御苦労されているわけでございます。市町村の職員につきましては、これは交付税の形で積算をさせていただいているわけでございまして、十年度の地方財政計画の方で市町村分といたしまして千四十六人、それから都道府県で九十四名と、こういうふうな積算をいただいているわけでございまして、これはまさにまだ準備ということでございますので、当然実施になりますとこれをふやすようにお願いしなきゃいかぬ、こういうふうに考えております。
○入澤肇君 私は長く役人をやってきましたから、今の発想は逆じゃないかと思うんです。準備のときにはいろんな試行錯誤がありますから要員が必要ですけれども、これが軌道に乗りますとかなり機械的にマニュアルどおりにやるところが出てくるんじゃないかと思うんです。ですから、今臨時にいろいろな職員をふやすのはいいけれども、調整しながらだんだんそれは減らしていくというふうな姿勢を私はむしろとるべきじゃないかと思うんですが、それは見解の相違もありましょうから、私の意見もひとつ述べておきたいと思っております。 それから、先ほど保険料の一〇%の自己負担につきまして、久野先生ですかから御質問がございました。高齢者、これは年金生活者の場合にかなりの負担になるんじゃないかと思います。一割というのは大変なものでございます。しかし、今貯金もあるんだから貯金をおろせばいいんじゃないかという話もございましたけれども、その前提として高齢者の貯金の分布、ローレンツ曲線みたいなものはお持ちでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 私どもで調査したものはあると思いますが、今現在持ち合わせておりません。
○入澤肇君 こういうことは当然前回の介護保険制度の審議のときに問題になったと思うんですけれども、いろんな数字を見てみますと、高齢者は必ずしも大変な貯蓄を持っているわけじゃない。年金から差っ引いていかれるということが非常に厳しくなる。したがいまして、私は、この制度が発足しますとこの保険料をめぐってまたいろんな社会運動が起きるんじゃないかということも若干危惧しているところでございます。ここら辺はこれからも発足までの間にいろんな詰めを行うことが必要じゃないかと私は考えます。 それから、もう一つの視点としまして、介護保険制度を本格的に実施するためには、当然のことながら保険制度そのものだけじゃなくて関連する制度の整備も必要だし、その協力を見なくちゃいけないというふうに思うんです。 その一つといたしまして、生活コーディネーターの制度でございます。これはドイツとかフランスとか外国ではかなり普及しているらしいんですけれども、痴呆性老人だとかあるいは知的障害者の皆さん方の権利を擁護する、そういう意味での生活をコーディネートしていく制度、これは我が国ではどのような仕組みになっているのでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) ただいま先生が言われましたように、現在ドイツでは、翻訳によっていろいろと使い方は違いますが、たしか世話人とか、イギリスにも同じような制度があるようでございます。我が国におきましても現在先駆的な社会福祉協議会でこのような試みをやっているところがございます。 例えば、そのはしりといたしましては東京都の社協、最近では大阪府、大阪市、それから埼玉県、それからことしになりまして滋賀県も実施いたしております。そのような社協におきましては、利用者の立場になりまして適切なサービスの利用を援助したり、また日常生活の金銭管理等、直接的なサービスをあわせて提供する取り組みを行っております。このような取り組みを行おうとする社会福祉協議会はどんどんふえてくるのではないかというふうに期待いたしております。
○入澤肇君 そうすると、厚生省としましては、先ほどから多くの委員からお話が出ておりますホームヘルパーとか、そういうこととは関係なく、新しい職種としてコーディネーターというものを認定していくというか創設していくというか、そういうお考えでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) 現在社会福祉協議会がやっております考え方というのは、自己決定能力にやや問題があるというような痴呆性老人の方々の権利を守るという形のものでございますので、ホームヘルパーとは違う位置づけになろうかと思います。 そこで、ちょっと話といたしまして、私どもといたしまして、今年の六月十七日に中央社会福祉審議会から社会福祉の基礎構造の改革についての中間取りまとめをいただいております。この中におきましても、現在法務省が検討いたしております成年後見人制度とあわせまして、社会福祉の分野においても権利擁護の仕組みが必要であるというふうな御提言をいただいております。 そこで、私どもといたしましては、現在外部の弁護士を初め識者の方々の参加をいただきまして具体的な検討の場を設けております。そしてまた、それに必要な経費といたしまして来年度の概算要求に既に盛り込んでおるわけでございまして、自己決定能力の低下している方々に対する権利擁護のためのシステム、これを社会福祉分野においても確立していくよう努力してまいりたいというふうに思っております。
○入澤肇君 まさに介護保険制度を側面から充実させ、それから援助していく仕組みの一つとして今おっしゃられたような成年後見制度ですか、これが今法務省を中心に議論されているということでございますけれども、現在民法では禁治産者の制度、準禁治産者の制度がございますね。これについて、新しく成年後見制度をつくるということであれば、法務省の従来の法制論的な議論も大事でございますけれども、健康管理のプロとしての厚生省の皆さん方の意見がもっと色濃く反映されなくちゃいけない。禁治産制度にしても準禁治産制度にしても司法制度、裁判制度との関連が非常に強うございますから、それとは別にもっと臨機応変に成年後見制度が運用できるようなことを私は厚生省は考えていくべきじゃないかと思うんです。 そういう視点から、法務省に対して厚生省としての見解をどのように申し入れているか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(近藤純五郎君) 私どもの職員が法制審の民法部会成年後見小委員会に参加いたしております。関係団体も委員としてあるいは幹事として参加させていただいております。その中で、厚生省として、高齢者とか障害者にとって利用しやすい制度であることということで簡易な鑑定方法とか法人とか複数後見人の採用をお願いしたい、あるいは家庭裁判所に対します成年後見開始決定の申し立て権を福祉関係の行政機関にもいただきたい、こういうふうなことをこの委員会の中で発言させていただいておりますし、要望させていただいております。
○入澤肇君 今のような見解、私は非常に重要だと思いますし、また妥当だと思います。ぜひ強く法務省に申し入れて、そのような内容で答申がなされることを期待しております。 それから、介護保険制度と医療保険制度の関係でございますけれども、一般的に介護保険制度を導入すれば社会的入院費が安くなるなど、マクロで見て例えば五千億とか六千億とかいう金額が削減されて、国全体の財政にとったはいいんだというふうなことが言われておりました。現在の時点で見てこれは数字としてはどのくらいになるのか、算定したものはございましょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) 御指摘の五千億円でございますけれども、これは平成七年度現在の社会的入院、いろいろな調査から十万人ぐらいであると、こういうふうなことを前提といたしまして、仮にこれが全部解消したということで試算いたしますと五千億円程度減るんではないのかなと、こういうふうなことでございます。 社会的入院の関係につきましては、介護サービス等の基盤の充実、それから長期療養に対します診療報酬の評価、こういったような措置を総合的に講ずることによりましてできるだけ早く解消したいと思っておりますけれども、残念ながら、今までかなりこの十万人そのものは減ってきたとは思いますけれども、どの程度であるかということになりますと確たることは今の段階ではわからないというのが実情でございます。
○入澤肇君 では次に、医療費の増嵩、これが社会保障費全体の増嵩になって、この間も財革法の中で社会保障費だけはキャップ制の原則から外すんだなんて議論がございましたけれども、これが余りふえていくというのは大変だと思うんです。 自由党としては消費税を全部充てて対応するんだというふうな方針を一応持っていますけれども、その前にやっぱり国民全体として医療費削減のための自己責任原則というのを確立する必要があるんじゃないかと思うんです。そのために、例えば健康生活に関する十二章なんて、昔は何とか章というのがありましたね、そういうふうなひそみに倣いまして、医療費削減のための国民運動を具体的に起こすことが私は必要じゃないかなというふうに思っているんです。 例えば、食生活の前提として食品の分析、これは私、農林省にいましたときにかなり力説したんですけれども、厚生省の分野であるということもありましてなかなか農林省でできなかったんですが、同じニンジンやトマトでも昭和二十年代に測定したビタミンの含有量と現時点における含有量ではかなり違うと。幾つかの事例によりますと五分の一ぐらいに減っているというんですね。そのせいか知らないですけれども、ビタミン剤が非常に売れていると。 私は、地域によってかなり違うと思うんですけれども、基礎的な食品については定期的にその内容構成それから栄養分析、栄養がどうなっているかということをぜひ厚生省として分析していただきたい。分析結果を今度は農林省に提示して、農林省のどういう政策でよいものをつくるかということを導いていただきたいというふうに思うんですけれども、その食品の栄養分析について、今行われている制度あるいは今後の見通しにつきましてちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(伊藤雅治君) 食品成分分析表というのがございます。これは科学技術庁が政府の調整機関としてやっているものでございますが、厚生省といたしましても、今御指摘のように、例えば野菜につきましても露地栽培とハウス栽培では含有される栄養素が非常に違うというような御指摘もございますので、この食品成分分析表の改訂に当たりましては、特に今後の国民の健康づくりなり食生活の改善という観点からどういう要素を厚生省として提言していったらいいかということ、御提言の趣旨を踏まえまして対応してまいりたいと思っております。
○入澤肇君 きょうたしか官邸で総理に新しい食料・農業・農村の調査会の検討結果が報告されまして、その中で自給率の目標を掲げるとか、あるいは自給率の向上のための施策を強力に展開するんだとかいうことがうたわれていると思うんですけれども、大事なことは、国産の農産物、食品が新鮮で良質で安全だということを国民の皆さん方に認識してもらうことが必要なんであって、外部的に、このグローバルな社会あるいは世界情勢の中で輸入をストップするとか削減するとかあるいは制限するとか、そういうことはなかなか難しい。そういう意味では、この自給率を向上させる政策は農林省の仕事ではあるけれども、その基本は私は厚生省にあるんじゃないかと思っているんです。 したがいまして、ぜひこの点につきましては全国的な規模で、また定期的に食品の内容分析、栄養分析、これを実行していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。 それからもう一つ、これは食品ですが、国民医療費削減のために重要なことは今度は住宅ですね。住宅の面でも私は厚生省は建設省とかあるいは林野庁等々にいろんな提言をしていってしかるべきじゃないかと思っております。 東京都の二十三区内だけで限ってみましても五十平米以下の、しかも一九七〇年代にできた狭小老齢住宅が二十三万戸もございます。こういう住宅の中で、福祉のもとは住宅だ、住宅こそ人権そのものなんだというふうな言葉がございますけれども、先ほどの介護保険制度で在宅介護を前提とするんですか、優先するんですかという質問の意味は、こういうところからも私は考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思っているんです。この狭小老齢住宅の解消につきましても、私は厚生省が積極的に提言をしていくべきじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(近藤純五郎君) まさに在宅対策の基礎というのは住宅だと思っております。特に暮らしやすいバリアフリー住宅、こういったものが大変大事だと思っております。確かに、狭い家でございますと当然のことながら在宅対策というのはできないわけでございまして、私ども狭小なものを直せとかなんとかいうことではやっておりませんけれども、私ども厚生省の方からも建設省の方に住宅関係の方に出向しておりますし、私どもの方にも建設省の住宅関係の方もいらっしゃっております。 高齢者の住宅、こういうことでは住宅とか施設というのはかなり密接な関係があるわけでございまして、こういう関係で両者共同して高齢者のためにいい住宅をつくっていこう、こういうことで両省大分前から共同しておりますけれども、今後ますますそういう面では協力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○入澤肇君 時間が来ましたので最後に。 ぜひ厚生大臣の研究会でも設けて、健康生活を維持するための国民運動を提唱するようなことで衣食住全般にわたって、あるいは学校教育あるいは毎日の生活行動、これらにつきまして幅広い見地から具体的な指針を出してもらってマニュアル化して、そして運動を提起していただきたいと思うんですけれども、最後に厚生大臣のお考えをお聞きして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のとおりでございまして、健康というのはあらゆる総合的な諸条件が整って初めて健康が維持できます。そしてまた、私どもも食生活を通じ、また運動をし、休養をとり、そうした健康な生活習慣を確立していくということは極めて重要だと思いますから、委員の御指摘のような方向でひとつ厚生省の枠組みを超えたような呼びかけも本当に総合的にやる必要があるというようにも感じますので、また検討させていただきたいと思います。
○入澤肇君 終わります。
○西川きよし君 私で最後でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 先日来、大臣には予算委員会の方でも御質問をさせていただきました。一つは、小児慢性特定疾患治療研究事業についてでございます。もう一つは、和歌山県の砒素中毒事件の問題も御質問をさせていただきました。 いつも私は質問をさせていただきますときには、日々の生活の中から皆さん方が感じておられるそういうお便りをもとに、そして不安をできる限り行政の皆さん方にもお伝えをして、場合によっては各施策や制度の改善をお願いするということを本日まで十二年間やってまいりました。本日もそうでございますけれども、その中で、先日、大臣が砒素中毒事件の患者さんに対する尿検査を保険適用すると。神戸市の七十三歳の方からおはがきをいただきまして、一枚だけ読ませていただきたいと思います。 「和歌山の砒素事件の患者(被害者)さん」と、こう書いてあります。「事後の治療、検査費等の負担が軽減される目処が予想外の早さでついた事には行政の姿勢が進化した感じです。このような態度が行政の色々な面で発揮されて来たら日本の政治も大きく変って来ると私は喜んで居ります。」。御質問のおはがきとか、そしてまたこうして心のこもった礼状もいただいております。 ただ私だけが御紹介をさせていただくということではなしに、こういういただいたおはがきを御紹介させていただいて、大臣に一言感想を聞かせていただけたらなと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 和歌山の砒素中毒の問題につきまして、尿検査が保険の対象になっていないということは、私自身も素人ではございますけれども、今までそういう臨床例がなかったということもございましょうが、不自然なことだなというように思いまして即決をさせていただきました。そのことが今お手紙のあるように評価されているということで大変ありがたく、恐縮に思っています。
○西川きよし君 また、小児慢性特定疾患治療研究事業につきまして、先日の予算委員会でも大臣に御質問をさせていただきました。あの日はテレビ中継がございまして、全国から終わりましたらたくさんのお父様、お母様からもお電話をいただきました。その後、概算要求に向けて厚生省といたしましてどのように対応いただけたのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) さきの予算委員会におきまして委員から御質疑がございました。私は、小児慢性特定疾患治療研究事業というのは大変重要なものだと思っておりまして、特にその中の低身長症という問題もつぶさにお伺いすることができましたが、こうした子供たちの病気への補助という問題は、児童の健全育成という点では大変重要なものだと私は感じております。 したがって、今回の概算要求もシーリングというかキャップ制は失われたものの、しかし同時に補助金等の削減につきましては一割削減ということが閣議了解の方針で貫かれておりますが、あのとき申しましたように、厚生省の中の全体の中で私はやりくりすべきであるということを西川委員にお答え申し上げておりますが、要求もそのとおりになっておりまして、前年度より削減することはいたさない方針でございますから、御理解いただきたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。 続きましては、ことしこれまでに自分自身が質問をさせていただきまして、定期的に必ず途中でやめずに質問を何度かさせていただいているようにいたしております。 六月四日の委員会で、小児救急医療についてでございますけれども、小児科医の確保の問題、そして救急医療体制の整備の問題等々を質問させていただきました。来年度の概算要求の資料を拝見させていただきましたところ、小児救急医療支援事業として新規の事業が盛り込まれておりましたけれども、この事業の内容をぜひお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) お答えを申し上げます。 昨年十二月にまとめられました救急医療体制基本問題検討会報告書において、小児救急医療体制については、在宅当番医等の初期救急医療機関を支援する救急病院を二次医療圏単位で確保することが望ましいと指摘を受けたところでございます。この検討会の報告を踏まえまして、小児の救急医療体制の充実を図るため、小児科医による対応が可能な救急病院を、当番によりまして二次医療圏単位で一カ所確保することを目的とした小児救急医療支援事業を平成十一年度予算の概算要求において計上したものでございます。 本事業は、平成十一年度から三カ年計画で全国すべての二次医療圏、全部で三百五十五ございますが、そこにおいて整備することを目標といたしております。十一年度の予算要求額は二億五千万円、約十八カ所分でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 続きましてもう一点、共済年金における現況届に関してお伺いいたしたいと思います。 現況届の市町村長の証明の問題についてお聞きしたいわけですけれども、厚生省がことしの一月から年金の現況届にありました市町村長の生存確認証明の廃止をいたしました。ことしの三月にこれも予算委員会におきましてその他の各共済年金の対応について質問をいたしましたところ、各担当大臣のお考え、御答弁をいただいたわけですけれども、当時の大蔵大臣からは大変前向きなお答えをいただきました。そしてそのとおりに四月から廃止ということになりました。しかし、自治省、農水省、文部省各大臣からは、住民基本台帳のネットワーク化によってそれが導入された時点で廃止という答弁をいただきました。 その後、各共済では新たに検討をいただいたのかどうなのかということを自治省、農水省、文部省にお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木正明君) 地方公務員の共済年金の現況届書に係る市町村長の証明について、私の方からまずお答え申し上げます。 自治省といたしましては、今お話ございましたように、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を現在国会に提出いたしております。この法律案に基づきまして、住民基本台帳ネットワークシステムを活用することによりまして、年金受給者の方の生存の効率的な確認が可能となり、現況届書における生存に係る市町村長の証明というものは要らなくなるというふうに考えております。 種々検討いたしましたが、それまでの間において年金受給者の方々の負担の軽減等を図るというために、暫定措置といたしまして、ことし十一月一日から、現況届書に係る市町村長の生存証明にかえまして、年金受給者本人に署名をしていただいてそれで足りるということといたしたいと思っておりまして、所要の措置を講じております。
○政府委員(竹中美晴君) お答え申し上げます。 農林漁業団体職員共済組合年金制度、いわゆる農林年金の制度でございますが、これにおきます身上報告書に関する市町村長の証明につきましては、年金受給権者の負担の軽減を図るという観点から検討させていただきました結果、ことしの十月一日からこれを廃止することといたしまして、年金受給権者本人の署名にかえることといたしまして、関係省令の改正など所要の措置を講じたところでございます。
○説明員(高為重君) お答えいたします。 文部省といたしましても、私立学校教職員共済組合の年金の受給者の届け出に係る市町村長の生存証明につきましては、先ほど自治省の方から御答弁ありましたように、住民基本台帳のネットワークシステムが利用可能となれば廃止することができると考えておりますが、それまでの間におきまして年金受給者の負担の軽減等を図るための暫定措置といたしまして、本年十一月一日から、現況届書に係ります市町村長の生存証明にかえて年金受給者本人の署名で足りるということにいたしまして、所要の省令等の改正の措置を講じたところであります。
○西川きよし君 ありがとうございました。 お忙しいところ御出席いただきまして本当にありがとうございました。どうぞ御退席いただきたいと思います。 私は、正直申し上げまして自治省が一番時間がかかるのではないかなというふうに思っておりましたので、本当に安心をいたしました。ありがとうございました。 これから少し話題を変えたいと思います。 福祉人材確保、特にお年寄りの直接介護についてお伺いをしたいと思います。 敬老の日がございまして、きょう質問をさせていただくに当たりまして、七カ所から八カ所、老人ホームやいろいろなところにお訪ねをして、現場のお話やら、おうちの方々のお話もお伺いしたわけですけれども、直接介護に従事するスタッフの人材確保、そして養成、現状と今後の方針等々についての質問をさせていただきたいと思うんです。 この福祉人材確保・養成については、平成元年の社会福祉士、介護福祉士の国家資格化、平成四年の福祉人材確保法の制定、さらに現在、中央社会福祉審議会におきまして新たな方向性に向かって検討がされていることだと思うわけです。今日までさまざまな分野においてお取り組みいただいたわけですけれども、厚生省といたしましてはどのように評価をされておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下創平君) 福祉の分野で水準の高い人材を確保するというのは極めて重要でございまして、今御指摘のように、福祉人材確保指針というのが平成五年につくられております。そして、就業の促進あるいは処遇の改善、それから養成力の強化等々、総合的な対策を実施することにいたしております。その結果、社会福祉従業者数、社会福祉士あるいは介護福祉士の資格取得者数が順調に拡大するなどの成果を上げておると存じます。 今後、介護保険の実施に伴う需要の拡大に対応いたしまして、引き続き量的な確保と質の高い福祉人材の養成に努めてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
○西川きよし君 私もこちらでもう十二年お世話になっておりますが、当時を振り返ってみますと、老人福祉施設におきましても、例えば寮母さんになりたい人はほとんどいらっしゃいませんでしたし、なかなか人が集まりませんでした。そしてまた、現場でもそういうことをよく耳にいたしましたし、まさしく人材そのものが不足していたわけです。 もう一通、こういうお便りを紹介したいと思います。こちらの方は奈良県の方からいただいたわけです。 毎週ラジオに出させていただいておるんですけれども、きょうはきよしさんにお礼を言いたいというお便りを突然いただきました。介護の専門学校へ長男が行きたいと、そのころ言い出しました。私は、家にはそれだけの余裕がなかったのでどうしようと悩んでいたときに、ラジオからきよしさんが、介護へ進むには地方において市から奨学金が出ますよということを、私がおしゃべりをさせていただいたんですけれども、早速お母様は問い合わせて、手続を済ませて、無事子供さんが卒業して老人ホームに就職をされたというので、この一枚のおはがきをいただいたわけです。これをいただいたときは大変うれしゅうございました。 この制度の担当者の方々にもぜひこうした国民の声があるということを僕自身もお伝えしたがったわけですけれども、社会福祉士、介護福祉士の国家資格化から十年です。また、その間、福祉人材情報センターの整備、さらに今のお便りのように皆さん努力をなさって、福祉にという若者も大変たくさんふえてきております。福祉人材の確保という点では大変に大きな成果に結びついたのではないかなと思います。 そうした中で、ここ数年前より介護福祉士の養成に当たっている現場などでは、例えば読み物そしてまた座談会等で、量の確保から質の向上という言葉をよく耳にいたします。量から質に重点を置きかえての養成、そして育成に意識の転換が図られているのではないかなと、こういうふうに思うわけですけれども、この点につきまして厚生省としてはどういうふうに考えておられますでしょう。
○政府委員(炭谷茂君) 今、先生が御指摘のように、介護福祉士の養成につきましては、これまで量的な確保ということを重点的にやってまいりました。しかしながら、まだまだ介護福祉士の人数は足りないだろうと思っておりますので、量的な確保というのもこれからも進めなければならないと思っております。ただ、先生が御指摘のように、これからは専門的な知識とか技術とか、それにあわせまして豊かな人間性を備えた介護福祉士というような形での質の向上という面に重点も置いていかなければいけないというふうに考えております。
○西川きよし君 介護保険がスタートして、自立支援、そしてまた利用者本位の介護、そして利用者一人一人が持つ多様なニーズに対応していかなければいけないわけですけれども、その方々に応じたケアプランを作成して、そしてさらに実行するための技術が必要になってくるわけです。そういった質を高めるためには、やはりこの研修制度というものを充実させることが本当に必要ではないかな、これも現場の声であります。 ところが、福祉士の現場ではこの研修、特に現場での実習を実行するにはいろいろな課題が指摘をされております。例えばヘルパーさん、二級の研修生が現場研修で現場に出向いたときに、担当してくださった職員の方がたまたま同じ研修を受けている仲間であったというようなお話もよく耳にいたします。つまり、実習指導者が少ないという問題がそこにあるのでございます。こうしたことは、医師や看護婦の場合の実習ではあり得ないと思います。しかし、福祉士の現場におきましては、現実に現場で働いている方々の中にはまだまだ無資格の方々がたくさんいらっしゃるわけです。当然そういったケースはあるわけです。 そういう意味で、実習生に対する研修、現場で働いておられる方々に対する研修、さらに実習生を指導する実習指導者の研修、そうした段階、階層別の研修制度をより充実させることが本当に大切な問題であるわけです。厚生省におかれましても実習指導者の特別研修会を行うなどさまざまな取り組みが行われておるということも承知はいたしておりますけれども、お願いですが、今後は例えばこういう部分をどういうふうに対応されていくのかというのをぜひきょうはお伺いしたいと思います。
○政府委員(炭谷茂君) 先ほども申しましたように、質の高い専門職をこれから養成していかなければいけない、そういう場合は、養成施設における単なる座学、講義を聞くだけではなくて、実習教育を通じた勉強というものが必要になってくるだろうというふうに考えております。 厚生省といたしましては、実習の充実を図るために社会福祉施設における実習指導者の養成研修を実施しております。これにつきましては、これまで定員は二百人ということでやってまいりましたけれども、非常に需要が多いということで、今年度からそれを二倍の四百人にふやして拡充を図っております。また、専門職にとって資格の取得が到達点というわけではございませんでして、その後もみずから資質を高めていただくという努力をしていただかなければいけないと思っております。このため、職能団体であります例えば日本介護福祉士会とかいうような団体による卒後継続教育の充実ということもあわせて図っていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○西川きよし君 恐れ入ります。時間の都合で、たくさん用意をしておりましたけれども、次、三つちょっと割愛させていただきます。十番目からということでお願いをいたします、どうしても御迷惑をおかけしそうでございますので。 先ほどのお便りにもありましたけれども、養成施設を卒業して介護福祉士になられた方が約六万人近くいらっしゃるわけです。現在二百九十校養成施設があるわけですけれども、定員も約二万人近いということです。 聞くところによりますと、この養成施設の中での教育水準のばらつきの問題、あるいは最近では定員割れになるような養成校もあると聞いておりますし、この養成のあり方についても見直しが必要な時期であるというふうに私は考えます。 そうした中で、中央社会福祉審議会において共通卒業試験制度の施行などについての審議も行われているようですけれども、今後の介護福祉士の養成のあり方、養成施設のあり方、また今後量的にはどの程度の確保が必要とされるのか、さらにその受け皿になる雇用面においても、朝からずっと先生方の質問にも出ておりますけれども、十分な確保の見通しがあるのかどうか、こういうことも全国参りますと本当にたくさんの方々にお伺いをされます。どんなものでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) まず、介護福祉士の養成施設のあり方でございます。介護福祉士の養成施設の指定を厚生大臣が行っているわけでございますけれども、必要な教員が確保されているかとか、適切な教育を行う施設があるかどうかといったようなさまざまな点に十分審査を行ってやっているところでございます。 またさらに、先ほど先生からも御紹介いただきましたけれども、中央社会福祉審議会において、現在社会福祉の基礎構造改革について御議論をいただいております。六月十七日にその中間まとめをいただいておりますが、その中におきまして介護福祉士の養成施設についてさまざまな提言がなされております。一つは保健医療との連携の必要性、介護支援サービスの実施等に対応した教育課程の見直し、それから介護福祉士養成施設における養成の質の向上を図るため共通卒業試験、教員研修などの自主的な取り組みの促進、それから職能団体等による卒後継続教育の充実というようなものが提案されておりますので、これについてさらに厚生省として検討してまいりたいというふうに思っております。 それから、介護福祉士の今後の需要でございます。ただ、この介護福祉士と申しますのは、ある意味では職場が非常に多岐にわたっております。ですから、どれだけ必要かということについての見通しというのはなかなかつきにくいところがございますけれども、現在私どもとして平成二十二年までに高齢者介護などに必要な介護従事者は年々増加すると見込んでおりまして、その人数は平成二十二年度で約百万人、平成七年度の数字では二十五万人でございますので約四倍の需要、これは高齢者介護に関連するというような人数で約四倍というふうになります。 ただ、介護福祉士の職場というのはここに限られるわけじゃございません。例えば、福祉機器の用具を販売しているような会社でも介護福祉士の需要がございますので、非常にまだニーズが多いんじゃないかというふうに思っております。それに合わせたような介護福祉士の養成というのは今後も相当数行っていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○西川きよし君 現場の方は弱音を吐いたりぼやいたり文句を言ったりというような人は本当に少のうございます。本当に大変なお仕事ですけれども、皆さん真心で一生懸命頑張っておられますので、我々もこちらの方で少しでも処遇を改善していただいたり、身分の保障とかというようなことでしっかり頑張らないといけないと思います。 そこで介護福祉士、この資格の社会的意義を明確にするためには、このあたりでそれぞれ資格等々体系的に整備をしてもらいたいというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(炭谷茂君) 先生の御指摘は、多分現在いろいろな介護に伴う資格が存在するということの整理を行えというような趣旨かと思います。 まず、介護福祉士につきましては、これは昭和六十二年度から実施しているものでございますけれども、介護福祉士の名称を用いて専門的な知識及び技術をもって介護及び介護に関する指導を行うことを業とする者をいうわけでございます。いわゆるホームヘルパーというものもまたあるわけでございますけれども、これにつきましては研修を行うということを条件にしているだけでございまして、これは資格とは違うものでございます。介護福祉士との調整につきましては、ホームヘルパーの研修を行った修了者とみなすという形で調整を行っております。 そのほか、労働省の方で実施されております介護アテンドサービス士というものが平成二年度に実施されております。これもそれぞれ労働者の技能向上に資するためという形で制定されたというふうに聞いておりますので、それぞれ異なる目的を持って設けられてはいる制度であろうかと思いますが、先ほども引用いたしました中央社会福祉審議会の中での社会福祉の基礎構造の改革というものを通じる中で、介護福祉士の養成に係る教育課程等の見直しに当たっては、他の制度との関係も考慮してその資格の確立、充実というものに努めていきたい、図ってまいりたいというふうに思っております。
○西川きよし君 本当にわかりにくい部分、細かく、ありがとうございました。資格がどういう役を持っているのかなということがちょっとわかりにくいということで御質問させていただきました。 最後の質問にさせていただきます。処遇面の問題といたしまして給与体系の見直しについて最後にお伺いしたいと思います。 この給与体系の見直しにつきましては、橋本前総理も長年にわたりまして福祉職の俸給表の創設に取り組んでおられました。今年度の人事院の勧告で福祉職の俸給表の新設が実現するものと私自身も大変楽しみにしておりましたけれども、結果的には今回の勧告では見送りということになりました。この点につきまして、これまでの準備段階におきまして、国、地方財政への影響の問題、また一部の職員団体から検討するための時間を求められたというようなこともお伺いしております。 この問題について、これまでの経緯と今後の方針、まず人事院からお伺いいたします。そして、この問題の厚生省の考え方、今後の取り組み方をまとめていただきまして、大臣に御答弁をいただきまして、終わりたいと思います。
○政府委員(武政和夫君) 私どもが検討を進めております福祉職俸給表ですが、先生大変お詳しいので細かく述べることはないと思いますが、国立リハビリテーションセンターとか国立保養所等の国の社会福祉施設に勤務する指導員とか保母さんとか介護員といった方々、対人サービス業務に直接従事している職員の方々を対象として考えております。これらの方々につきまして、非常に専門的な知識、技術を要する職種でございますので、これを専門職種として適正に評価し、そして勤務に見合った処遇を図ることが重要ではないかというふうに考えております。現在は行政職俸給表を適用しているわけですが、その専門性にふさわしい新しい俸給表をつくろうということで検討を進めてきたところであります。 ところで、福祉関係職員のその多くは地方公共団体あるいは民間施設に勤務し、そしてその勤務といいますか勤務形態というのは非常に多岐にわたっているという実態が見受けられます。地方公共団体あるいは民間施設でこういった俸給表というのを、類似のものを導入する場合には十分な環境整備が必要ではないか。その制度の円滑な導入を図るためには、厚生省におかれましても、十一年度から実施という要望をいただきました。その辺を勘案しまして、私どもとしましても、福祉職俸給表の導入が円滑に実施されるということが大変重要ではないか。国立だけできればいいというわけにもまいりませんので、平成十一年度に新設するということを報告にうたいまして、関係省庁、特に厚生省におかれましては環境整備をやってほしいということで強く要請をしているところであります。
○国務大臣(宮下創平君) 今、人事院の給与局長の方から福祉職の俸給表について適切な御説明がございました。 私ども厚生省としては、かねてから人事院に対しまして福祉職俸給表の創設について要望しているところでございます。今、給与局長のおっしゃられたように、平成十一年度の実施を前提として私どもは環境整備をやっていくということでございまして、国立の該当職員は数はそんなに多くないと思いますが、今まで一般職の俸給表を適用されておりますから、特別な、高原状と報告には書かれておりますが、特殊な給与体系の俸給表が来年人事院で勧告なされるものと私も期待しておりますので、そういった方向で実現を図ってまいりたい、こう思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十五分散会 ―――――・―――――