経済・産業委員会 第4号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1998/09/24
会議録
○委員長(須藤良太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。 また、去る十八日、星野朋市君、福本潤一君及び北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として渡辺秀央君、加藤修一君及び福山哲郎君が選任されました。 また、本日、前川忠夫君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君が選任されました。 —————————————
○委員長(須藤良太郎君) 中小企業信用保険法の 一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。与謝野通商産業大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業信用補完制度は、中小企業者の信用力、担保力を補完し、その事業資金の融通を円滑にすることを目的とし、信用保証協会が債務保証を行い、これについて中小企業信用保険公庫が保険を引き受けるものであり、保証債務残高は平成十年三月末現在で二十九兆五千億円を超える規模に達しております。 昨今の景気低迷により、中小企業の資金操りは極めて悪化していることに加え、金融機関によるいわゆる貸し渋りという事態が深刻になっていることから、間接金融に依存せざるを得ない中小企業の資金調達は引き続き大変美しい状況になることが予想されております。 このように大変厳しい状況に置かれている中小企業に対する資金融通の円滑化を図るため、今般、信用補完制度の拡充、政府系金融機関の融資制度の拡充等を柱とした中小企業等貸し渋り対策大綱が取りまとめられたところであります。その中で、今臨時国会に中小企業信用保険法の改正法案を提出するとされているところであり、これを踏まえ、今般本法律案を提案した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 本法律案は、中小企業に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図るため、物的担保を必要としない保険である無担保保険につきましては、現行三千五百万円の付保限度額を五千万円に、無担保・無保証人による保険である特別小口保険につきましては、現行七百五十万円の付保限度額を一千万円に、それぞれ引き上げることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(須藤良太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うことといたします。
○委員長(須藤良太郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題といたします。 まず、大変ハードなスケジュールで訪問されました通産大臣から、ASEAN諸国経済の現状と展望について御報告をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、九月二十日から二十四日までの海外出張において、インドネシア共和国、マレーシア及びシンガポールを訪問し、各国首脳、閣僚等との会談を行いました。 今回は、小渕政権成立後、閣僚による初めてのASEAN訪問であり、各国において経済再生内閣として我が国の経済回復にかける決意を表明するとともに、アジアに対する我が国の責務遂行の考えを説明いたしました。 まず、我が国の経済再生策については、金融システム安定化策、第二次補正予算の編成、所得税及び法人課税の減税などの景気回復策等を説明いたしました。各国からは、アジアの発展の牽引車として、我が国の経済回復に強い期待が表明されました。 また、我が国のアジア支援策については、これまでに表明した四百三十億ドルに及ぶ支援及び今後の支援策、特に現地中小企業に対する貸し渋り等に対する資金調達円滑化のための施策、雇用確保のための人材育成策等について説明し、各国から高い評価を得るとともに、さらなる支援の要請を受けました。 来るべき十一月のAPEC首脳・閣僚会合については、現在のような世界的な経済困難の時期にこそアジア太平洋地域の経済発展に向けて力強いメッセージを発するべきである旨を強調し、各国の賛意を得ました。また、林・水産物を含む早期自主的分野別自由化については、APECの自主性の原則が重要であるとの我が国の立場への理解を求めたところ、各国から我が国がすべての分野で参加することを望む旨の期待が表明されました。 インドネシアにおいては、ハビビ大統領から、民主化や法の支配の実現など、政治改革推進への決意が述べられるとともに、金融システム改革などの経済改革についての説明がありました。また、米の追加的支援の要請がありました。さらに、中小企業に係る金融・政策面での支援の要請があり、年内に実務者ミッションを派遣することで合意するとともに、内需低迷で大きな打撃を受けている自動車産業分野を活性化するために、官民によるダイアログの場を設けることに合意するなど、両国間の産業協力の推進を図りました。 マレーシアにおいては、マハティール首相から、円借款について可能な限り早期の実行を期待する旨の表明があり、さらに案件を精査するために専門家を派遣する旨の説明を行いました。また、最近同国が導入した為替管理の強化策の評価について意見交換を行いました。先方からは、所定の効果を上げている旨の説明があったのに対し、当方からは、緊急避難的措置としては理解できるが、専門家の間では長期的に維持可能な措置であるか否かについて懸念があること、特に投資環境への影響が懸念されていること等を指摘いたしました。 シンガポールにおいては、リー・シェンロン副首相との間でASEANの経済情勢に関する意見交換を行いました。また、我が国の経済回復とアジア支援に向けた具体的措置について広く理解を求めるため、シンガポール政府・貿易開発庁及び在シンガポール日本大使館の共催により講演を行いました。 私は、今回の訪問において、ASEAN諸国が現下の経済危機を乗り切るために我が国の経済回復及びアジア支援に期待するところが極めて大きいことを強く感じました。今回の意見交換を踏まえ、今後とも我が国の速やかな景気回復と金融システムの安定化のために万全の措置を講ずるとともに、アジア経済再生のために積極的な支援を行う必要があると考えます。 引き続き、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(須藤良太郎君) 以上で報告の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。さきの参議院選挙で初当選をさせていただきまして、本日は経済・産業委員会において初質問でございます。やや緊張いたしておりますが、与謝野大臣を初め先輩の皆さん、何とぞよろしくお願い申し上げます。 また、鴇田中小企業庁長官におかれましては、私の地元であります京都府の元副知事をされておりまして、大変御尽力をいただきまして、また今後ども御指導をよろしくお願い申し上げます。 ではまず、現下の大変厳しい情勢の中で景気の問題等があるのですが、平成七年度、政府の御尽力におきまして中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法というのがつくられまして、中小企業の創業及び研究開発等を支援することにより、中小企業の創造的事業活動を促進し新たな事業分野の開拓を図るということで、その法律によって認定を受けたにもかかわらず、現状におきまして、この認定を受けた企業の倒産が平成九年で五件、負債総額で言いますと約四十三億円、平成十年三月までで言うと三件、負債総額で言いますと七十一億円を生じている。 こういった状況の中で、この認定に対してどういった基準であったのかということと、私はこれを悪いということではなくて、ベンチャー支援でございますからこういうリスクは生じるものだとはわかっておるのですが、今後の対策なりこういったことが起こった原因についてお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(鴇田勝彦君) 委員にも御指摘をいただきましたが、平成七年度に中小企業創造活動促進法という制度を設けたわけでございます。この趣旨は、中小企業の創業あるいは研究開発等の創造的な活動を総合的に支援しようということでこの法律を制定いたしまして、信用保証、税制、財政、各般の支援策を講じているところでございます。 同法に基づきまして、これまでの認定件数はこの八月末現在で約四千件、正確には三千八百十四件を数えております。今、委員の方からも御指摘をいただきましたが、中小企業庁で把握している経営破綻によります認定の取り消しの件数は総計で十八件でございまして、これは三千八百十四件の中のウエートで申し上げますと全体の〇・五%、正確には〇・四七%程度になっております。 これ自身、高い比率であるか低い比率であるかという評価についてはなかなか難しい点がございますが、認定企業の破綻の直接の原因を精査させていただきますと、若干無理な業容の拡大があったりあるいは手形を詐取されたり、いろいろさまざまなケースがございます。私どもの評価では、こういったベンチャー企業特有の経営管理に関する未熟さといいますか、ふなれさがその遠因にあるのではないかと認識しております。 このため、我々といたしましては、当然この破綻要因について分析をこれからも進めてまいりたいと思っておりますが、同時に、経営面でのサポート、今までは技術、情報を中心にやっておりますが、経営管理の面についても必要な手だてを設けるべきだろうということで、地域活性化アドバイザー制度というソフトな、人的な指導・支援の活用を今既にやっておりますので、これらについて認定企業も含めて一般的にベンチャー企業についてこういったソフトの指導体制を拡充していきたいと考えております。 ちなみに、先ほどの〇・四七%という倒産比率でございますけれども、一般的にマクロで見ますと、製造業全体で現在〇・四九%ぐらいの倒産比率になっておりますので、まあほぼ同じ程度であろうかというのが一点と、もともとこの新規性を持った技術、サービスで創業されている方々ですので、そういうリスクというのはどうしても若干重くなっているんではないかという感じがいたしております。
○福山哲郎君 それと同様に九月十六日の日経産業新聞に、失業サラリーマンの起業を支援するということで、失業のサラリーマン、また主婦、学生にも助成制度を新設するというのを通産省が発表されましたが、これも、今のとは多少色合いは違うにせよ、かなりのリスクを背負いながらの制度が導入を図られるということになっておるんですが、この制度についての基本的な概要を少しお教えいただけますでしょうか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 新しい制度の概要でございますが、現在ございますマル経制度、小企業等経営改善資金融資制度につきまして、いわゆる脱サラといいますか、サラリーマン失業者の方々も容易にこういった制度融資が受けられるような道を開きたいということで、現在十一年度の予算要求におきまして要求をさせていただいております。 実を言いますと、昨年の十一月に「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」ということで、新規開業者向けにこのマル経制度を使えるように若干の要件の緩和を行ったところでございます。この際の基準といたしましては、過去六年間例えばある業種に従事をされてそれと同じ業種で新規創業をされる、俗称のれん分けと我々称しているんですが、そういった限定された分野でマル経資金の活国策を講じておったところですが、これからは新規雇用といいますか、雇用創出の観点も踏まえてマル経制度について緩和を図りたいということで、先ほど申し上げましたサラリーマン失業者等の新規開業資金についても、実際にその六年という事業要件等を要求せずに活用できる道を開きたいと思っております。 これから具体的に制度設計をする必要がございますが、我々のイメージでは、例えば公共の職業教育訓練機関である程度の訓練、研修を受けられた方、あるいは中小企業事業団、商工会、商工会議所等がやっております新規開業の研修を受けられたような方についてはこのマル経制度が使えるようにしてみてはどうかということで、現在要求をさせていただいております。
○福山哲郎君 今のお話を受けてですが、私も実は国会議員にならせていただきまして、中小企業施策総覧というのをじっくり見ようと思うと、大変いっぱいありまして何が何だかわからない。地元の西陣織工業組合に行ってきまして、皆さん、これをどうやって使うのかよくわかるんですかと言ったら、さっぱりわからぬと。屋上屋を重ねているようなものもありますし、現実問題としてはもう保証枠がいっぱいになって使えないような状況も出ている。後で質問させていただきますが、商工会議所の活用等も含めてこういった施策のもう少し整理整とんができないのかなと。 それから、こういう言い方をすると大変いけないのかもしれませんが、中小企業で働かれている方というのは日々の経営活動で大変忙しくしておられる。その中でこういった情報を精査し、自分に見合うものを探しに行って、そしてそれに見合って審査書類を出してというようなことがきちっとできるようなところは、逆に言うと余裕があるのではないかと私は思ってしまっているような状況もあります。いろいろ御努力はされているとは思うんですが、もう少し中小企業に対する情報開示のわかりやすさみたいなものに対する工夫をしていただけないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 中小企業対策というのは大変長い歴史を持っておりまして、その間、先達がいろいろな知恵を絞られてさまざまな中小企業者のニーズにこたえるということで多種多様な施策が整備されているということは委員御指摘のとおりでございます。基本的に、我々としても中小企業者がわかりやすいような施策にできるだけ大ぐくり化をしたり単純化をしたりということを、現在、作業を進めている最中でございます。 ただ、現時点の対応策ということで考えますと、私ども中小企業庁あるいは通産局に相談窓口というのを設けさせていただいております。あるいは県にも同じような窓口もつくっていただいていますし、政府系の金融機関については当然のことながら各種の融資要望についておこたえをする窓口をつくらせていただいております。とりあえずは、どういつだニーズがあるかについてそういったところにも声をかけていただいて、そこで親身な対応を図るように我々としては指導をしているところでございます。 それから、最近、昨年の秋からでありますが、特に貸し渋り対策ということで政府系金融機関についても各種の特別貸付制度を整備させていただいております。これにつきましては、例えば去る七月に大変わかりやすいパンフレットを百万部ばかりつくらせていただいて、各地の県商工会、商工会議所等の経営指導員の方から、受け身ではなくて積極的に配って説明をしていただくというような対応策を講じておりますし、今後十月発足を目指しております貸し渋り保証制度につきましても、やはり同じような部数で広報に努めていきたいというように考えております。また同時に、インターネット等の最新設備についても、ホームページを開いたりして広報に努めておりますが、今後とも御指摘のような点については改善を図っていきたいと思っております。
○福山哲郎君 先ほど長官が言われました商工会議所の件に関してなんですが、最近、新聞や雑誌で商工会議所に対する問題点等がるる指摘をされている記事が多く出ています。基本的には、大都市における商工会議所の組織率というのが二〇%と言われまして、さらに並行して、ほかの中小企業の団体もあちこちに雨後のタケノコのようにたくさん出てきている。 その中で、先ほど長官が、経営指導員が一軒一軒回っているとおっしゃられましたが、現実問題としては、商工会議所にちゃんと入会ができるというのはそれなりの企業の方が多いというふうに私は承っております。その逆に、指導員が行くたびに、今うちは不景気やから、もう商工会議所を脱会させてもらうわという、行った効果とは別の効果が出てくるようなこともあるというふうに承っておりますし、九州の方では二割脱会をした商工会議所があるというふうにも承っています。 現状の商工会議所についてどのような御認識を持たれているかということについてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(鴇田勝彦君) 商工会、商工会議所につきましては、委員御指摘でございますけれども、私ども、商工会等の組織率について調査をいたしましたところ、平成五年以降ですと、商工会の場合は組織率が六五%前後で推移をしております。もちろん、より高い組織率になることが望ましいわけでございますが、片や商工会議所につきましては、若干右肩上がりで組織率が具体的に上がってきております。私の資料によりますと、平成元年は三一・七%でございましたが、平成九年には三六・一%、約五ポイントぐらい伸びてきております。 ただ、いずれにいたしましても、商工会、商工会議所というのは、中小企業施策を進めるに当たりまして、指導行政あるいは情報行政各般で大変な協力をいただいている組織でございますので、こういったところにつきましてより活性化を図り、予算的にも手当てをしていくということで対応していきたいと思っております。
○福山哲郎君 今の組織率に関してはいろんな見方がございますので、非常に会員増強を図っているようなところもあるというふうに承っております。ですから、実効性とか、本当に機能しているかとか、例えば地方の商工会に行きますとほとんど専務理事さんもいらっしゃらない、事務員の方もいらっしゃらない状況の中で、がらんとしていて、ごあいさつに行ってもいつもいらっしゃらないような商工会も散見されるようなところがございまして、そういったところの一つ一つの商工会なり商工会議所の状況についてはどの程度の把握をされているんでしょうか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 商工会議所、商工会につきましては、特に商工会は二千数百という数がございますので、規模において大変大きなものから極めて零細なものまであるというのは我々も承知をしております。 具体的には、都道府県を通じまして、各種事業予算、人件費等々の助成をさせていただいておりますので、一応そういったチャネルを通じて個々の商工会、商工会議所についても我々は把握をさせていただいているというように認識しております。
○福山哲郎君 中小企業の問題については、地元のことも含めて、今後経済・産業委員会でもっと勉強させていただきながら、いろいろ御指導いただこうと思います。 質問を変えさせていただきまして、昨年、地球温暖化防止京都会議というものがございました関係で、この会議については通産省、環境庁さんを初め、大変御尽力をいただいて、京都議定書という画期的なものができ上がって、私なりにも大変思い入れを強くしておるところでございます。そのことについて少し質問をさせていただきたいというふうに思います。 まずは、地球温暖化対策推進大綱というのがことしの六月十九日につくられたのですが、実はこの地球温暖化対策推進大網に二酸化炭素を含めた三ガスが二・五%、それから代替フロンがプラス二%、それから森林の吸収源が三・七%等、政府としての二酸化炭素排出削減の見通しが述べられています。しかし、これは実は京都議定書がつくられる前に日本の政府が目標にしていた数字とほぼというか、全く数字が変わっておりません。六%削減ということを対外的には約束して、日本の国民、またNGO、NPOも含めて、大変日本は頑張る決意なんだなと思っておったところが、現実問題としては、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素に関しては二・五%の削減と、全く実はCOP3以前と数字が変わっていないという現状がございます。 そうすると、六%の約束をしたけれども、現実の三ガスでは二・五%で全く変わっていない。あとは、先行きCOP4以降によって決められる三・七%吸収源も含めて、大変あいまいな数字の中で日本は六%の約束をしたのではないかというふうな思いが実はあります。この二・五%の削減について、COP3前も後も、スタンスとしてはできないものはできないということで全く変わっていないのかということを通産省にお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(太田信一郎君) 福山委員御指摘のように、昨年のCOP3で、日本の場合、マイナス六%の削減目標を立てさせていただきました。具体的な内訳としては、委員言われましたように、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素でマイナス二・五%、残念ながらフロンについては、フロンから代替フロンに移行している過程でございますので、これはぎりぎりいろんな努力をしてプラス二%ということになっております。そのほか、森林の吸収でマイナス三・七%、それから柔軟性措置という排出権売買、あるいはクリーンディベロプメントメカニズム、あるいは共同実施ということでマイナス一・八%、全体として都合六%の削減目標を立てさせていただきまして、私どもとしては関係各省合わさって一生懸命この目標に向かって努力していきたい、その基本となるのが委員御指摘のように六月十九日の地球温暖化対策推進大綱になっておるというふうに私どもは考えておるところでございます。
○福山哲郎君 ですから、その数字はよく承っておるんですが、政府はもともと六ガスは認めないというスタンスでずっとCOP3に臨まれたわけですが、それが六ガスを認めることになったときに、もともとCOP3前に三ガスで二・五%だと言っていたものが、COP3が純わってもまた二・五%、変わらずこの六月十九日の大綱で述べられているわけです。ここのスタンスは変わっていないのかということです。
○政府委員(太田信一郎君) 二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素に関して言えば、マイナス二・五%というのはCOP3前から政府の中でいろんな議論をしてきて、そういう観点からいえば、最終的にまとまった段階と変わっていないというのは御指摘のとおりでございます。
○福山哲郎君 そうすると、その二・五%削減のうちの二%が二酸化炭素というふうに計算上はなるんですが、この大綱によりますと「エネルギー需給両面の対策や革新的技術開発、国民各界各層の更なる努力などを着実に推進することにより、二・五%の削減を達成する。」というふうにあるんですが、具体的にこの革新的な技術開発というのはどういったものを想定されて、どのように今推進をされようとしているのかということを少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○政府委旦(太田信一郎君) 今、委員から御指摘のありましたように、地球温暖化対策推進大網においては、まさにその対策の柱の一つとして革新的な環境・エネルギー技術の研究開発の強化が位置づけられております。 私ども通産省としては、ことしの一月から六月にかけまして産業技術審議会という場におきまして、二十一世紀、もちろん二〇一〇年を踏まえ、さらにその先も踏まえた温暖化防止技術の研究開発に向けた検討を行いました。 その報告を受けまして、具体的な取り組みとして例えば幾つか、三つぐらい申し上げたいと思いますが、一つは超臨界流体利用ということで、水とかアルコールをある温度、ある気圧でもって気体とも流体ともつかない状況に置きますといろんな化学反応がその中で加速される、その結果非常に省エネルギーに役立つ、そういう超臨界流体利用技術。あるいは超高効率の太陽電池、今太陽電池というのはかなり普及しておりますが、さらにそれをアモルファス等、例えば通常のシリコンをハイブリッドした形でのそういう超高効率、具体的な数字でいけば変換効率が三割近くになるようなそういう太陽電池あるいは超電導発電など、現在の技術水準ではやはり開発リスクがかなり高くてなかなか難しいものを加速的に進めていきたいということで考えているところでございます。 こういう革新的な技術開発を進めることによりまして、先ほど来御質問ありました二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の排出量の二・五%削減を達成し、ひいては温室効果ガス六ガス全体の目標である六%の達成を目指していきたいというように考えておるところでございます。
○福山哲郎君 それは二〇一〇年というおしりがあるわけですが、そのおしりに対してどの程度のスピードでやられるというめどがあるのかをお聞かせいただけますか。
○政府委員(太田信一郎君) 今の御指摘でございますが、例えば太陽電池を一つとりますと、我々今までアモルファスで何とか二〇一〇年ぐらいまでに変換効率一五とか二〇ぐらいを目指していたわけでございますが、こういうCO2の問題がさらに重要なことになるという認識のもとに、私も詳しくは説明する能力もないんですけれども、先ほど申しましたように、そういうハイブリッド型とか、ガリウムとか砒素とか、そういうものをいろいろ活用した形での超高効率の太陽電池を、従来ですとやっぱりコストとか技術開発の程度を考えますと二〇一〇年を超えないとなかなかできないところを、できる限り前倒しで加速的に進めていきたいということで審議会の御報告もいただいておりますし、予算等措置を含めて我々懸命に努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 私は実はこれからちょっと細かい数字の質問にさせていただくんですが、通産省に対して温暖化防止に前向きではないというようなことを言いたいわけではなくて、実はいろんな数字が出ているものに対して、これがどの程度の整合性があるのかということについていろんなところから疑義が出ております。そこを明らかにすることは、大変関心の高まっている地球環境の問題に対してまず国民にそこを理解してもらうのが大事だというふうに私なりに考えますので、少し細かい数字について聞かせていただきたいと思います。 六月三日、産業界におけるCO2排出削減対策についてという、四小委員会による第一回の合同小委員会というのがございました。この状況の中で、「電気事業の取組の概要」という欄がございまして、CO、の排出量が二〇一〇年、丁二倍程度ということで、約二〇%ふえるというふうな報告が出ています。これはこれでいいわけですが、一・二倍程度というのが出ている。ところが、六月四日、電気事業審議会需給部会の中間報告というのがございまして、この中間報告によりますと、一九九〇年が七千六百万トン排出して、二〇一〇年は六千九百万トンを排出するということで、実はここは九%ほど削減計画が出ております。 私は細かいことがちょっとわかりにくいんですが、先ほど申し上げた「電気事業の取組の概要」の一・二倍、二〇%増と出ている報告と、その次の日にありました電気事業審議会のこの九%削減という見通しと、これは恐らく数字の積算とか状況、前提とかが違うからこういう数字になると思うのですが、よくここの整合性がわかりませんので、お答えをいただければというふうに思います。
○政府委員(稲川泰弘君) 御指摘のございました六月三日の四審議会合同小委員会における電力業界の数字でございますが、これは自主行動計画に基づきます炭酸ガス削減目標を出しておりまして、基本的には原子力発電の導入等電力業界において行い得る供給サイドの努力をあらわしたものでございます。具体的には、自然体であれば二〇一〇年度に九〇年比一・五倍になるところを一・二倍に抑えるというものでございまして、電力業界サイドのみの、供給サイドのみの努力による炭酸ガスの削減努力でございます。 他方、御指摘のございました長期電力需給見通してございますが、これは先ほど申し上げました電力供給サイドの努力に加えまして、需要サイドにおける抜本的な省エネを行うことを前提といたしておりまして、その分が追加的な炭酸ガスの削減になります。 そういう意味で、両者の数字の違いは基本的にはこの需要サイドにおける今後の追加的に行われる省エネルギー対策の効果を含んでいるか含んでいないか、需要サイドのものは電力会社の努力の及ばない範囲、範囲外でございますので、そういう意味でこの需要サイドにおける数字を含んでいるか含んでいないかがこの数字の差でございます。 したがいまして、この電気事業者の努力の経緯のほか、需要面のいろんな総合的な対策の効果、その二つを今後注視してまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 ということは、先ほどの一・二倍というのは産業界が努力をした結果という話で、こちらに関しては省エネの技術を含めて需要サイドの話を抑えた結果の差がここに出ている、それが約三割近くあるということでございますね。 次に行かせていただきます。 その同様の合同小委員会において、製造業について三%削減というような意見が通産省から出たということを漏れ伺っておりますが、この四小委員会の第一回合同小委員会の議事録というものは拝見させていただけるものでしょうか。
○政府委員(太田信一郎君) 公開になっておりますので、お届けさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 そこで、三%削減という話が出ているのですが、それが昨年の十月十三日、地球温暖化問題の国内対策に関する関係審議会合同会議というところへ出された資料がございまして、これによりますと、CO2排出量は産業部門で言うとマイナス七%という表記になっております。 先ほど申し上げましたように、ことしの六月三日の合同小委員会で産業界として三%削減だと言われたことと十月の審議会合同会議での七%削減についてもやはりちょっと数字が違うというふうに承っておりまして、そこについて御説明をいただければと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 日本の地球温暖化対策を進めるに当たりまして、CO2等の排出削減に向けた産業界の自主的取り組みを促進することが極めて重要であることはもう論をまたないところでございます。こうした観点から、経団連の環境自主行動計画を初めとした産業界の自主計画について、福山委員おっしゃられたように、産業構造審議会、総合エネルギー調査会などの四審議会の合同小委員会のもとで業種別の分科会を設け、ことし六月に各業種ごとの行動計画についてフォローアップを行ったところでございます。 御指摘の三%という数字は、こうした各分科会における行動計画の聴取に基づきまして産業界による自主的取り組みの削減効果を計算したものでございますが、こうした産業界の自主的取り組みによる効果のほかに、私ども今度省エネ法を改正させていただきまして、中堅工場における省エネルギーの強化、あるいは必ずしも産業界の自主取り組みの中に織り込まれていないものも含めて今後の技術開発、さらには、ただいま資源エネルギー庁長官から御説明を申し上げました、電力部門における需要がある想定のところで落ちついたときにおけるCO2原単位の改善効果を加味することにより、産業部門全体としてマイナス七%の二酸化炭素排出削減の効果を目指していかなければいけないと思っております。そういう観点から、今後ともフォローアップをこれは毎年必ずやっていきたいと思っております。 それに加えて、トップランナー方式の導入等による省エネルギー法の施策の実施、さらには技術開発の支援などを進めて二酸化炭素の排出削減に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○福山哲郎君 ということは、先ほどと大体同じような見解だということですね。なるほど、わかりました。 それでは、またもう一点お伺いさせていただきます。 本年の六月十一日に総合エネルギー調査会需給部会において、エネルギーの長期見通しを出していただきました。大変御苦労があったというふうに思うんですが、一つは、例えば地球温暖化の対策に関して言うと、六省庁の九審議会から成る地球温暖化問題関係審議会合同会議というところで地球温暖化対策というのは行われまして、先ほどのいろんなものが決まっていくという状況でございますが、このエネルギーの需給見通しの策定は通産省の総合エネルギー調査会で行われているということになります。 私は、エネルギー部門というのは日本の産業政策そして日本の経済問題も含めて大変根幹をなすものだというふうに認識はしておりますが、これだけ地球環境の問題、温暖化の問題が出てくると、通産省一つの省庁だけにかかわる問題を超えて大変大きな、横にまたがった横断的な問題となってきているような気が私個人としてはいたしております。例えば、エネルギーの長期見通し等は、一省庁ということではなくて、地球温暖化対策のように各関係省庁と横並びというか横断的な形で議論をするような問題ではないかというふうに考えておるんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 今回、長期エネルギー需給見通しを改定いたしましたが、これは総合エネルギー調査会設置法に基づきます総合エネルギー調査会において、エネルギーの専門的立場から審議を行い取りまとめたものでございます。 今回の改定につきましては、先生から御指摘をいただきましたようにむしろ横断的な問題意識を踏まえました経緯をとってございます。昨年八月以降、関係各省の御協力を得ましてこの省エネ対策というのを積み上げてまいりました。 また、この積み上げた対策内容につきまして、先生からも御指摘のありました関係九審議会合同会議でこの対策内容、全体的な考え方、この検討が行われまして、むしろこうした検討を土台といたしまして、今回総合エネルギー調査会でエネルギーの側面も含めまして政策対応の可否を検証してまいったものでございます。また、当然この見通しの審議は全部公開で行っておりまして、審議を含めて全部公表をいたしてございます。 こういった意味で、委員の方々によりまして、国民各層の御意見も踏まえつつ現在の見通し改定が行われたものというふうに理解してございまして、むしろ先生から御指摘をいただきました横断的な問題意識を持ち、関係省庁との横断的な協力のもとでこれをつくり上げた、あるいはこの審議会で御審議を賜ったと我々は理解をいたしてございます。
○福山哲郎君 各省庁から省エネについて集められたというのは、何かそういうテーブルがあって集められたんでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 昨年の七月中旬であったかと思いますが、当時、総理から通産大臣、環境庁長官、その他の大臣が呼び集められまして、COP3の京都会議のために国内で相当の省エネを進めなければこの炭酸ガス削減目標をつくる過程での議論も非常に難しい、ついては各省それぞれ省エネルギー対策を積み上げるべしという御指示がございまして、資源エネルギー庁、通産省がその幹事役となりまして政府部内での事務的な連絡をとり合いながらこの対策を積み上げていったものでございます。その成果は先ほど御指摘のありました関係九審議会合同会議に上げまして、その中身の御検討を賜ったものでございます。
○福山哲郎君 ということは、その事務レベルの会議に関しては表に出ていないわけですね。
○政府委員(稲川泰弘君) 広く公開をして各省の会議の内容をお示ししたものではございません。まさしく政府部内の相談として対策を積み上げていったものでございます。
○福山哲郎君 今のは省エネの方ですから需要側の話ですが、供給側に関しては横断的に省庁間で議論が行われたという経緯はないんでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 供給サイドの大きな枠組みにつきましては、先ほどの関係九審議会合同会議の方に、九〇年レベルに安定化させるために二つのことをなすべき必要がある、一つは今の省エネでございまして、これは各省の対策によって実現をお願いするものでございまして、それからいま一つのものは、既に目標にございます原子力発電あるいは新エネルギーについて現在まで掲げてきた目標を達成することによって供給サイドで炭酸ガスを発生しないエネルギー供給を図り得る、そういう枠組みをこの関係九審議会合同会議にお出しをして、そこで御議論を賜っております。その議論の経緯は関係九審議会合同会議の最終報告の中で触れられているところでございます。
○福山哲郎君 その合同会議というのは、今言われたのは六月三日の話ですか。
○政府委員(稲川泰弘君) 十一月であったかと思いますが、数度にわたります関係九審議会合同会議の審議の結果を取りまとめたものでございます。
○福山哲郎君 それは議事録残っているわけですね。議事録というか、それは公開されているわけですね。
○政府委員(稲川泰弘君) 最終報告はもちろん世の中に公表されております。
○福山哲郎君 それを踏まえて、六月十一日の長期需給見通しにつながったということですね。
○政府委員(稲川泰弘君) さようでございます。 一月の下旬から総合エネルギー調査会が審議を開始してございますが、その中における大きな枠組み、省エネ、あるいは原子力、新エネに係ります大きな枠組みについては関係九審議会合同会議の取りまとめを土台として検討を続けたものでございます。結果においても同様の結果になっております。
○福山哲郎君 そして次に、そのエネルギー長期需給見通してございますが、私の承っているところによると、この見通しの数値としては、二〇〇〇年までは経済成長率を三%という前提で積算をする、そして二〇〇〇年以降は経済成長率を二%ということで積算をして今回の長期エネルギー需給見通しを出しているというふうに承っているので、それで間違いないでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 御指摘のとおりでございます。
○福山哲郎君 現下このように低成長時代に入りまして、本年も残念ながらマイナス成長になるかもしれないという状況の中で、まず二〇〇〇年までに三%成長で長期見通しを立てられたという根拠はどこにあるのかお教えいただけますでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 二〇〇〇年までの数字あるいは二〇〇〇年以後の数字につきましても、既に発表されております経済審議会あるいは産業構造審議会の報告をベースといたしてございます。 ただ、この作成過程は、途中年次を区切ってエネルギー需要量を出すというやり方ではございませんで、二〇一〇年までに長いいろいろな経緯を経ながらどういう収束の仕方をするものかということでございまして、結果的には期間を通じておおむね二%程度の経済成長を前提としたものになっていると考えてございます。
○福山哲郎君 済みません。もう一回確認させてください。 今おおむね二%程度と言われまして、その前は、二〇〇〇年までは約三%、二〇〇〇年以降は二%と言われましたが、押しなべたときの二%というのと今の表現はどこが違うんでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 冒頭先生が御指摘になりましたように、二〇〇〇年まで三%、その後二%という前提に変わりはございません。 ただし、長さを考えますと、全体的な効果としては、二〇〇〇年以降のものの効果の方が非常に大きく出ている結果だと我々は理解してございます。
○福山哲郎君 もう一度お答えをいただきたいんですが、三%と二%の積算の根拠は、先ほど審議会での議論を踏まえてとおっしゃられたんですが、じゃその審議会も含めて、どうして三%と二%というのを前提として置かれているのかということをお聞かせいただけますでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) この経済成長の見通しそのものについては、総合エネルギー調査会自身が数字を定める性格のものではございませんので、既に公表されている経済審議会あるいは産業構造審議会の数字を見て、おおむね二%程度というのはこの二つの数字のまとまったところでございますので、それを前提に作業を行ったものでございます。
○福山哲郎君 そうすると、その経済審議会等で踏まえられた数字が、今後ひょっとすると日本の経済状況の変化に伴って、例えばじゃその経済審議会ではゼロ%なり一%の成長で審議を進めていこうということになったときには、通産省の言われているこのエネルギー見通しもそういうように数字は変化をするということでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 長期的な見通しを国として数字を置きかえて検討するということであれば、我々もこの長期エネルギー需給見通しをいずれ改定する段になってくると考えております。
○福山哲郎君 そこで、これはよくわからないんですが、現下、本当に日本は低成長に苦しんでいます。先ほども言われました三%、二%の経済成長をすればそれだけ景気はよくなるわけですから、それを僕はあえて否定をする気は毛頭ないのではございますけれども、現状がマイナス成長か辛うじて一%かと言われているところで、二〇一〇年までに三%、二%の前提でエネルギー見通しを立てることについて、結構そこのギャップというのが大きくなるんではないかなということを私は今考えております。逆に、ある積算モデルを使って長期エネルギー需給見通しがつくられているということならば、じゃ二〇〇〇年までに例えば今の現状に合わせて一%、二〇〇〇年以降は希望も含めて二%というような形で、いろんな数字を入れかえればそれでエネルギー長期需給見通しというのは全体として変わった数字が出てくるというふうに考えていいわけですね。
○政府委員(稲川泰弘君) 需給見通してございますから、前提条件を置きかえればいろんな数字が出てくることは確かだと思います。 ただ、我々考えてございますのは、資源開発とか関連施設の整備等に非常に長期間を要するというのがエネルギー分野の非常に大きな特色でございますので、したがいまして、こうした需給見通しを考えるに当たっては、短期的な経済動向というよりも長期的な経済の先行きということを前提にしてひとつ物を考える必要があるというのが第 一点でございます。 それから、さらに、この長期エネルギー需給見通しというのは、エネルギー需給に関する単なる試算といいますよりも、これに関して達成すべき政策目標あるいはそのための具体的な対策を明らかにするという役割があると我々は理解してございます。いわば一定の成長率、望ましい成長率と申し上げた方がよろしいかもしれませんが、そこであるべき需給両面の努力、需給構造というものを示すという政策的な意味合いがございます。 したがいまして、経済成長率を落とした場合の試算というものはやっておりませんけれども、結果としてあらわれております今回の需給見通しは、二〇一〇年までの十数年間、エネルギーの伸びをほぼゼロにして経済成長を支えるという結果になってございまして、いかなる経済成長率を前提とした場合においても非常に厳しい内容であろうと我々は理解してございます。 日本の現状、既に世界的に有数の省エネを実現したエネルギー効率の非常に高い国でございますので、今後、このエネルギー効率をさらに上げるためには、技術開発のほか、かなりの省エネ投資が必要でございまして、こうしたものを実現するためには、むしろ逆に、ある成長率がなければエネルギー効率というのは今後高まっていかないのではないか、かようなことも考えている次第でございます。
○福山哲郎君 大変今のお話はよくわかります。 ただ、今おっしゃられました国家としての大変大きな政策目標であり達成目標であり、長期的なところで見て大変重要なものだということは理解しました。 今そのようにおっしゃられたので、これも素朴な疑問としてお伺いするんですが、先ほどから何回も申し上げていますように、我々の環境、人体に対する影響、また生態系に対する影響も含めて重要にかかわってきている状況の中で、政策目標でありますこのエネルギー需給見通しは、それならば、逆に言うと、その結論について国会等での承認なりの手続を踏まえるということに関してはどう思われますか。
○政府委員(稲川泰弘君) 今回の改定の経緯はるる先ほど申し上げましたとおりでございますが、形式的には、これは総合エネルギー調査会設置法に基づきましてエネルギーに関する重要事項を調査、審議するという一環としてエネルギー調査会が策定をしているものでございます。 もちろん、この議論の過程で、各省、各界の御意見を賜りながら審議を進めており、公開のもと、資料も公表して現在までやっておること、御報告のとおりでございますが、我々としては、各界の御意見を踏まえた内容となるよう今後とも努力していきたいと思っております。
○福山哲郎君 ですから、国会の承認等を受ける等についてはどのようにお考えになられますか。
○政府委員(稲川泰弘君) 現在の長期エネルギー需給見通しは、総合エネルギー調査会設置法に基づいて行われているものでございまして、その後、総合エネルギー対策推進閣僚会議その他にも御報告をしているものでございまして、我々がその取り扱いをとやかく申し上げる性格のものではないと思っております。
○福山哲郎君 どうもありがとうございます。 また、もう一つ、先ほど原発等の話が出まして、私は別に原発に対してあえて反対をする立場ではございませんが、現状の住民投票の問題、いろんな地域住民等の問題の中で、原発の二十基増設を含めてCO、の排出削減の計画が立てられていると思っているんですが、原発の二十基増設というものが二〇一〇年までに本当に進むのかどうかということに大変私は疑問に思っていますが、そこに関してはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 昨今の原子力に対する一般の信用、信頼感が失われていることを考えますと、大変厳しい課題であるということは我々も百も承知をいたしてございます。 現在、二〇一〇年までに原子力発電所を運開しょうとする計画が通産大臣のもとに二十一基分提出をされてございます。これは、それぞれ一九六〇年代から立地交渉を開始しているものでございまして、決して今から新たに立地を交渉しようという性格のものではございません。 この二十一基の中で、増設分が九基ございます。既に原子力発電所がありその隣に新たに増設をする性格のものが九基。それから、新たに新規立地のものでも、既に十数年、二十年の歴史を経ておおむね土地の取得を終了したものが六基ございます。したがいまして、土地の確保については実質的に終了していると考えているものが合わせて十五基ございます。 もちろん、土地を確保すればそれで原子力発電所の立地ができるという性格のものでは全くございませんけれども、ただ、全く不能な課題を考えているかというと、それは二十数年の電力会社の立地の努力がありますし、また我々も来年度予算において要求中でありますが、各原子力立地地点の地域振興を含めた、雇用をキーワードにした各種の対策を検討いたしてございまして、そうした政策努力、それから電力会社のさらなる立地努力、そういうものを含めていけば決して不能の課題ではない、努力に値する課題であるというふうに考えて努力をしているところでございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 少し最後に細かい質問をもう一個だけ、忘れていまして、させていただきたいと思います。 先ほどお話がありました二酸化炭素を含めて六%削減の中で、フロン、HFC、PFC、SF6に関して言うと約二%増というふうに増加を見込んでおられます。しかしながら、本年五月二十九日の化学品審議会によりますと、HFC、PFC、SF6に関して言うと二〇一〇年までに約四%増というものが見込まれているわけです。 これは四%増というと、数字のマジックで何かややこしい話なんですが、日本全体の温室効果ガスの排出量の中でこの今言った三ガスの占める割合というのは、一九九五年ではわずか三・四%ですし、一九九〇年では二・九%にしかすぎないんです。全体の中では、その三ガスの占める割合というのは二・九と三・四%にしかすぎない。その状況で、化学品審議会では二〇一〇年までに四%しかふえないというふうに言われているわけです。 ということは、全体のマスの中でたった三%のものが全体で四%しかふえなくて、この目標全体の中でフロンが二%増加をするという見通しは、増加の見通しとしては余りにも大き過ぎる見通しではないかなというふうに思っているのですが、そこはいかがでしょうか。
○政府委員(河野博文君) 確かに、御指摘の化学品審議会で取りまとめました中間報告の対策を計算いたしますと、フロン等の三ガスの排出量は微増にとどまっているのは御指摘のとおりでございます。 ただ、これはCOP3を受けまして、かなり高い努力目標を設定した各業界の努力をさらに集計した結果でございます。それぞれの分野で今後の技術開発の進展あるいは関係者の幅広い協力、そしてまた国際協調といったような諸要素が所期の計画どおりに実現する、また関係者も最大限の努力をするということで何とか到達できるかもしれない試算ということでございます。また、それぞれの分野の推計値でございますけれども、これも同様に最大の努力が結実した場合という試算でございますし、その前提条件も分野ごとによってかなり差があるということは認めざるを得ないところでございます。 したがって、御指摘の数字はあくまでそういった種々の前提条件がすべて実現された場合を前提とした仮定の試算でございますから、より高い努力目標を設定してそれに邁進することによって、御指摘の炭酸ガス換算で二%増の範囲内で何とか抑制していきたいということを考えているところでございます。
○福山哲郎君 ということは、このフロンに対しての二%増加という見通しというのは多少、変な話ですけれども、水増しというか、ぎりぎりのところで今計画をつくっているから、そこの努力も踏まえた上で少しは余裕を持ってプラス二%と見ているというふうな表現、お答えと受け取ってよろしいんでしょうか。
○政府委員(河野博文君) 正直申し上げて、余裕を見て二%というほどの自信はないというのが申し上げられることだと思います。 確かに、試算をして企業種の努力目標の結果を足しますと、炭酸ガス換算で二%とはいかず、むしろもっと低い数字になるのは御指摘のとおりでございますけれども、それぞれの業界が非常に高い努力目標を設定するための前提を置いておりますので、その前提がすべて、しかも企業種にわたって実現するかどうかというのは技術開発要素も含めて未知の分野もございますので、これをもって余裕を持って二%がクリアできるというふうに申し上げるのはやや私どもとしては僭越かと思っております。
○福山哲郎君 どうもありがとうございました。 いろいろ本当に重箱の隅をつついたような質問をさせていただいて大変失礼だとは思ったんですが、私は、現下の不景気に対して国民の皆さんが大変不安に感じているとともに、中長期的には昨年のCOP3というのは、ある意味でいうと、いい意味で環境に対する意識を国民の皆さんに持っていただいた反面、その分、将来に対する不安も非常に中長期的にもかき立てたというふうに思っています。 それは両方功罪相半ばだというふうに思っておりまして、短期でいうとこの景気の不安、長期でいうと環境を含め年金等の不安も含めて、どうも日本は元気がなくなっているような気がしておりまして、それを含めてこの二〇一〇年までの六%の削減というものに対して国民の皆さんは本当にできるんだろうかという懐疑心を持っているということで、大変細かい失礼な質問をさせていただいたことをおわびさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。
○委員長(須藤良太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、渡辺秀央君が委員を辞任され、その補欠として戸田邦司君が選任されました。
○加藤修一君 公明の加藤でございます。 私はまず最初に大臣にお伺いしたいわけでございますけれども、塩ビ関係とそれが焼却炉で燃やされる場合のダイオキシンの発生のメカニズム、そういった面について何回か通常国会においても取り上げてきております。 前国務大臣も、これに関しては、ごみの中の垣素量とダイオキシンの発生量という因果関係は必ずしもまだ解明をされているわけではないというふうに承知しておりますと、このように話をしたり、あるいは小泉厚生大臣は、プラスチック容器でありますけれども、どのような容器がダイオキシンを出し出さないか、必ずしも塩素だから出す、塩素じゃないから出さないというようなことは言えないようでありますと。サンマの塩焼きの話とか焼き鳥の話を持ち出して、どこからでもダイオキシンは出るんだと、そういう話も前厚生大臣から伺っているわけであります。 それから、政府委員の方からは、現在の知見では、例えば焼却場で燃やします塩化ビニールが必ずしもダイオキシンの発生には結びついていない、そういうことを話ししながら、今後科学的な知見を十分に集める努力をしていくと、そういうふうに言っているわけでございますけれども、大臣はこの関係についてどのように御見解をお持ちですか。
○国務大臣(与謝野馨君) ごみの中の塩化ビニール類とダイオキシンの発生の因果関係につきましては、塩化ビニール類をごみから完全に除去いたしましてもダイオキシン類は発生をし、またごみの中の塩化ビニールの量と生成するダイオキシンの量の間には相関関係が認められないとの報告もございまして、現時点では科学的に十分解明されておりません。 通産省といたしましては、ダイオキシンの発生メカニズムの解明やダイオキシン発生抑制技術の開発等を行うとともに、塩化ビニールを含むプラスチックのリサイクルの一層の推進によるごみの減量化等を進めてまいる所存でございます。
○加藤修一君 今の大臣の御答弁でございますけれども、相関関係が認められないと、そういう報告があるという話ですけれども、それはいかなる報告でしょうか。
○政府委員(河野博文君) 例えば、私どもが参考にさせていただいております報告の例を一、二御紹介させていただきますと、厚生省が発表されました「廃棄物処理におけるダイオキシン等の発生メカニズム等に関する研究−昭和六十年度〜平成元年度」というものの中で、焼却ごみ中のプラスチック類含有率とダイオキシン発生量についての結果が報告されておりますけれども、明確な相関関係があるかどうかというふうに疑問に思っているものもございます。 また、米国機械学会研究報告シリーズの中にも、「廃棄物中の塩素と廃棄物焼却炉排ガス中のダイオキシンとの相関性」に関する報告がございますけれども、これについても必ずしもその間の相関を認めがたいといったような研究報告になっているかと承知しております。
○加藤修一君 一番目の厚生省のレポートでありますけれども、これは私が調べた範囲では、ダイオキシンの発生とプラスチックの関係の投入量を含めて、こういうやり方をするとあれは相関関係はなかなか出てこないと私は思います。 というのは、なぜかといいますと、要するにプラスチックの種類とか焼却炉の形、焼却条件、塩素、水素の濃度、それから集じん機の運転条件、こういうさまざまな変動要因があるわけですけれども、こういうものを一緒くたにしてやっていますよ。それぞれ条件設定して、その条件における因果関係あるいは相関関係を検知するというか、検定するというか、そういうことになっていないんです。何でも一緒くたにしてしまえばそれは相関関係は普通はあり得ないことだと私は常識として持っているわけですけれども、この辺についてどうですか。 それともう一つは、アメリカの機械学会の報告という話ですけれども、リゴレポートでしょうけれども、それでよろしいと思うんですけれども、あれは集じん機の後の排気ガスとの相関関係だと私は思っているんです。要するに、燃焼室における発生の量とどういうふうにその辺を考えているか、そういった点をやっていないわけですから、それは私はちょっとおかしいんじゃないかなと思いますけれども、これについてどうですか。
○政府委員(河野博文君) 御指摘のような点も引き続き研究をさせていただきたいと存じます。
○加藤修一君 非常にこれは大きな問題になっておりますから、そういう一方的なレポートに基づいて答弁すべきではないと、私はそう思います。これは検討した中身を十分考えていきますと、先ほどの答弁は私は事実認識に間違いがあると思いますが、どうですか。
○政府委員(河野博文君) 今、私ども参考にさせていただいております報告書を幾つか御紹介させていただきましたけれども、それらを総合してまだ科学的な解明について私ども十分な知見を有していないという見解に達しているところでございます。
○加藤修一君 私は、通産省は非常に力があると思っています。人材も豊富だし、ノウハウもたくさん持っている。そういった中でいろいろなことを今までやってきて、我々が得ていない情報もたくさんありますよ。しかし、私の印象としては、この辺のことについては非常に不確かなことしか言わないわけです。この辺については明確に言ってほしいですね。
○政府委員(河野博文君) 現有する資料に基づきまして今のような見解を申し上げているわけでございますけれども、私ども、このダイオキシンの発生メカニズムの解明ですとか、あるいはダイオキシンの発生をどうやって抑制することができるか、そういった技術開発にはもちろん一生懸命取り組むつもりでございます。
○加藤修一君 この点につきましては別の機会にまたやりたいと思います。 それでは次に、塩ビを製造する過程の中でダイオキシンが発生すると私は認識しているわけですけれども、通産省はこの辺についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(河野博文君) 塩ビ業界は、自主的に各社の工場からの排ガス中などにダイオキシン類がどの程度含まれているかという排出状況の測定を実は既に実施いたしまして、その結果を私どもの環境問題連絡会ダイオキシン対策検討会に報告をしてきているところでございます。 ことしの七月に公表させていただきました調査結果によりますと、塩化ビニールの製造業からの年間発生推定量は約O・九九四毒性等量グラムでございまして、ダイオキシンの年間発生推定量であります五千毒性等量グラムの約〇・〇二%ということになっております。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、産業活動におきますダイオキシンの排出実態の把握と業界の自主的取り組みの促進に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○加藤修一君 その報告書については私も存じ上げておりますけれども、垣化ビニール製造業、そのうち排ガス濃度等を含めて調査してやっておりますけれども、最終的に年間排出量の試算の値は載っております。しかし、試算の算定のプロセス、それが明確になっておりませんから、計算しようと思ってもデータが足りなかったので私できなかったんですよ。この辺について資料を提出していただけませんか。
○政府委員(河野博文君) 私ども持っております濃度計算等の諸元、お届けいたしたいと思います。
○加藤修一君 それで、塩ビを製造しているメーカーが当然あるわけでありますけれども、私が最近入手した情報によりますと、日本の企業が海外に進出する、その中で例えば信越化学がアメリカのルイジアナ州に塩ビ工場をつくると。将来の計画としては百万トン製造するという話になっております。 過日、もう一カ月ぐらいになるかもしれませんが、ルイジアナの住民運動をやっているNGOの方々が国会に参りました。私もその意見をお聞きいたしましたけれども、要するに大変な状況なわけです。といいますのは、まだ生産されている段階ではございません。しかし、その舞台となっているルイジアナ州のコンペント、別名がん横町と呼ばれている町でありますけれども、多くの化学関連工場が集中している。がんを初めとする健康被害が出ている。そういうところに追い打ちをかけるように日系の企業が進出するという計画が出ているわけであります。 ある意味で、この集中しているところが、実は白人以外が多く住む低所得階層地域である。環境を汚染する施設がそういったマイノリティーが住むところに集中する傾向が見られているということで、いわゆる環境人権差別である、公民権にも関係してくるという話になっているわけです。 こういうところに追い打ちをかけるように日系の企業が進出して、しかも住民運動という非常に一つの乱れが生じるような形になることについては、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 信越化学が出資しておりますシンテック社が、米国のルイジアナ州において塩化ビニール樹脂の工場を建設する計画を有していることは承知しております。 工場建設については、基本的には民間企業の自由な経営判断であると認識しておりますし、また当該工場にはアメリカの関連法律が当然適用され、その中で判断されるというふうに理解をしているわけでございます。
○加藤修一君 ある意味で企業の自由な投資という観点から考えているのでという、そういう意味合いだと思いますけれども、対外投資されるということについては、当然外為と関係してくるわけであります。 これについて大蔵省にお伺いしたいわけですけれども、要するに海外進出するということは、やはり出資あるいは融資という形になってくる。お金が国内から国外へ投資される、そういう場合ですが、それがいわゆる対外直接投資ということになるわけですけれども、当然外国為替管理法の規制を受ける。最近変わりましたので必ずしもそうではないですけれども、政府への届け出を要しますし、政府のチェックを受けるわけであります。この外国為替管理法では、例えば公の秩序の維持を妨げる、そういった場合については中止勧告をすることになっているようでございますけれども、この辺についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(黒田東彦君) ただいまの御質問に対してお答えいたします。 御案内のように、確かに現行の外為法におきましては、基本的に自由化ということでございますので、ごく一部の制限業種を除きまして事前届け出制は要らない、原則事後報告ということになっているわけでございます。 具体的に申し上げますと、外為法の二十三条の四項によりまして、我が国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼす場合及び国際的な平和及び安全を損ないまたは公の秩序の維持を妨げる場合には事前届け出を要するということができるようになっていまして、具体的には現在、漁業、皮革または皮革製品製造業、武器の製造業、武器製造関連設備の製造業、麻薬等の製造業を政令で定めているところでございます。 今、委員が御指摘になりました公の秩序の維持を妨げるものといたしましては、今申し上げたもののうち麻薬等の製造業がこれに当たると考えられますので、それに限っておりまして、現行法令上一般に企業が海外で環境問題を引き起こすおそれがあるというような理由で直接投資の中止を勧告するということはできない形になっております。 そういった政省令をどう考えるかという御質問もあろうかと思いますが、先ほど通産大臣もお話しになられましたように、環境問題、当然重視すべきでありますけれども、基本的には当該進出先の環境規制あるいは国際的なルールというものが最も優先するものではないかというふうに考えているところでございます。
○加藤修一君 私は、政令の中にきちっと環境項目というものを入れるべきだと考えているんですけれども、これはどういうふうに考えますか。
○政府委員(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、外為法はあくまでも内外の資本取引の自由化ということが原則になっております。ちなみに現在の外為法は、そういうこともありまして、資本取引について部分的に残っておりました規制をすべて原則として取り払いまして、法律の名前も外国為替及び外国貿易管理法から外国為替及び外国貿易法というふうに名前も改めてこの四月から施行されているわけでございます。 基本的な考え方が内外の資本取引の自由化ということでございますので、先ほど申し上げたように、まず何よりも当該進出先の環境規制の問題、あるいは国際的な環境ルールの問題がまず第一にあろうと思います。さらに、今申し上げたような外為法の原則からいいますと、我が国の側で規制することの必要性の有無とかあるいは規制することが国際的に見て十分に合理性を有するかとか、いろいろな観点からやはり慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。
○加藤修一君 この点については別の機会にまた取り上げたいと思います。どうもありがとうございました。 それでは次に、豊能郡美化センターの冷水塔の汚水飛散問題、つまりダイオキシンの問題になるわけでございますけれども、報道によりますと、土壌の関係でも五万二千ナノグラム・パー・グラム、五千二百万ピコ。あるいは八十ナノと比較しますと三万七千五百倍と大変な濃度のダイオキシンが周辺にある、汚染された状態になっていると。この点に関しまして、似たような形の焼却炉三十六カ所について立入調査するという話になっておりますけれども、この点について、調査した内容については当然公表を速やかに行うという考え方でいくべきだと私も思っていますが、厚生省と、立入調査については環境庁の方から御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(浜田康敬君) 今先生からお話のありました大阪府の豊能郡美化センターの焼却施設周辺土壌につきまして、ことしの四月に高濃度ダイオキシンが検出されたということがございまして、厚生省といたしましては生活環境審議会の中にダイオキシン対策技術専門委員会を設置いたしまして、その現地調査あるいは原因究明を行ってきたところでございます。 去る九月二十一日に開催されました同専門委員会におきまして、先生お話しのように、高濃度なダイオキシン汚染物が施設内にあったこと、また同施設近傍土壌、これは先生御指摘のありました五万二千ナノグラム・パー・グラムというのは、施設の中の冷却塔の、冷却水の貯水槽の周辺でございます。こういったものも含めまして高濃度な汚染が見られたということが明らかになりまして、専門委員会の検討の状況におきましては、これは施設内で濃縮されたダイオキシン汚染物が開放型の冷却塔からの飛沫水滴とともに排出されたということが原因であろうということの推定がなされたところでございます。 これを受けまして厚生省といたしましては、豊能郡美化センターと同様な開放型の冷却塔を有します三十六施設につきまして調査を緊急に実施することといたしておりまして、その調査結果につきましては、取りまとめの上、至急報告するように指示しているところでございます。厚生省といたしましては、この調査結果につきましては、取りまとめができ次第、公表をするということにいたしております。
○政府委員(遠藤保雄君) 環境庁といたしましては、厚生省の調査結果を受けまして、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の適切な施行という観点から、豊能郡のごみ焼却施設に類似の三十六施設への立入検査の実施を今月二十一日付で都道府県、政令市に緊急に指示したところでございます。 立入検査に当たりましては、適切な運転管理が行われていたかどうか、冷却装置の冷却水がミスト等により周辺に飛散していないかなどについて確認を行い、その結果を早急に環境庁に報告するよう求めたところでございます。 環境庁といたしましては、立入検査の結果を取りまとめて公表したい、こう考えております。
○加藤修一君 環境庁の報告によりますと、施設周辺の環境調査等とございますけれども、農産品に関しての調査はする予定ですか。
○政府委員(遠藤保雄君) 一般にダイオキシン類といいますのは、植物に吸収されたりあるいはそれが地上部に移行するということがほとんどないというふうにされております。したがいまして、その点についての必要性の問題はありますけれども、残念ながら現時点におきましては農用地と農作物中のダイオキシンについて我が国においてデータが非常に少ない現状にございます。 そういうことでございますので、まずは我が国における農地、農作物に含まれるダイオキシン類の実態把握をすること、これが必要だと思っております。したがいまして、農林水産省とも連携して全国的な農地、農作物の調査を実施することが先決と考えております。
○加藤修一君 調査によっては、今回の開放型冷水塔を有する類似施設の使用停止を考えておりますか。
○説明員(浜田康敬君) まず、開放型冷却塔が今回の豊能郡の件で新しいダイオキシンの排出経路であるということになったわけでございまして、先ほど申し上げたように調査をしているところでございますけれども、今回の問題の根本原因と考えられました構造あるいは維持管理基準の遵守の徹底というのがまずはダイオキシンの生成を抑制する上で重要であろうかと考えておりますので、この点に万全を期すということが必要だと考えております。 また、先ほど申し上げました調査の結果を踏まえまして、必要に応じて冷水塔に関する措置についても講じられるようにしてまいりたいというふうに思いますけれども、その内容につきましては、密閉型の間接冷却装置へ変更する、あるいはフィルターなどをつけまして冷却水中のダストを除去する、それから、先生御指摘の冷水塔の使用をとめるなどなどいろんな選択肢が考えられると思っております。調査の結果を踏まえまして、厚生省といたしましても技術的支援等を行いまして、早急に適切な対応が図られるよう指導してまいりたいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 使用禁止の話もございましたけれども、現段階で私が知っている範囲では、排ガスについての環境基準はありますけれども、それ以外の基準はない、土壌に対しても基準がない、水に対しても底質についてもないといった状況の中で、何をもって使用停止とかそういったことが言えるわけですか。つまり、いかなる根拠に基づいてその行いを進めるかということなんですけれども、根拠法は何になりますか。
○説明員(浜田康敬君) 先生御指摘のとおり、今そうした冷水塔からの飛散につきまして判断すべき根拠基準はございませんが、私どもとしては、冷却塔による飛散の状況が環境保全上問題があるかないかということをある程度見ながら、関係省庁とも相談しつつ対応を考えていくということになろうかと考えておりまして、その過程におきましては、先ほど申し上げました専門委員会等の御知見もお聞きしながら必要な対応をしていくということを考えているところでございます。
○加藤修一君 今の答弁ですけれども、答えになっていないと私は思っています。いかなる根拠に基づいて、法律に基づいてそれができるかできないか。いろいろ考えてと、ある程度いろんな問題があるか問題がないか。問題があるとか問題がないというのはどこで決めるわけですか。法律ですね、基本的には。そこはどうであるかというふうに私は聞いているんですよ。何をもって使用停止にするか。法律体系の問題です。
○説明員(浜田康敬君) 私どもが所管しておりますものは廃棄物処理法でございますので、廃棄物処理法に基づいて維持管理上必要な内容であるかどうかということを、現在具体的な基準はございませんけれども、そうした精神で、つまり廃棄物処理法のもとで周辺に対する環境保全上の措置の一環といたしまして指導していくことになろうかと考えておるところでございます。
○加藤修一君 いや、今の答弁も答弁でないと私は思っているんです。精神でという気持ちはよくわかります。それは、みんなよくしていこうという精神はお持ちですから。それは官庁も同じ、私も同じ、ほかのNGOの方々もみんなよくしていこう、こんな状態ではとんでもないという話は共通の認識としてあるわけです。 ということは、逆に考えますと、根拠になる法がない、そこには欠陥がある、今の法体系については。そういう理解でよろしいと、そういうことですね。
○説明員(浜田康敬君) 現実に、廃棄物処理法におきましても今回の問題に対応する基準がないことは事実でございます。そういった意味で、予想できなかった事例が出てきたことでもありますので、私どもとしては廃棄物処理法上の基準が必要だというふうに考えておりますので、先ほど申し上げましたように専門委員会の御意見も伺いながら早急に必要な基準を検討していく、そうした中で環境保全上万全な措置を講じられるよう指導していくということを考えておる次第でございます。
○加藤修一君 今の答弁は理解しました。基準をつくるという理解でいいですね。
○説明員(浜田康敬君) 廃棄物処理法上の構造基準あるいは維持管理基準として検討してまいりたいというふうに考えております。
○加藤修一君 それでは、水とか土壌関係については環境庁はどうですか、この辺については明確な基準はないわけですから、これは早急に私はつくるべきである、そう思っていますけれども、どうですか。
○政府委員(遠藤保雄君) まず法制度から簡単に言及させていただきます。 大気汚染防止法、これは先生先ほど御指摘になりましたように、ダイオキシンにつきましては指定物質抑制基準というものを定めて、それで問題があれば勧告できるようなシステムをとっております。 それに対しまして、今回のような問題で水ないしは土壌に影響を及ぼした場合につきましては、一応今回立入検査を行うことといたしましたけれども、これは端的に言いますと、鉛あるいは水銀等々の重金属もあわせて排出されているであろう、そこに着目して今回立入検査をさせていただくということでございます。そして、相手方の同意を得て、その際あわせてダイオキシンについても調査させていただく、こういうことにしております。 先生、こういう法制度のもとにおいて、では基準について定めてきちんと法に乗っけた対応を図るべきではないか、こういうことでございますが、先生御案内のように、ダイオキシン類につきまして特に土壌汚染あるいは排水汚染につきましては、科学的に未解明な部分が多々ございます。したがいまして、多くの先進国におきまして法規制基準を定めていないというのが現状でございます。ただ、例外的にドイツ等においてはガイドライン的な指針が設けられておりますけれども、これもあくまでガイドライン的なものであるということでございます。 それで、我が国でございますけれども、ダイオキシン類の土壌汚染については重要な問題と認識しておりまして、現在専門家の御意見を伺いながら対策に必要な指針の設定を含めて検討を進めているというところでございます。
○加藤修一君 最後の質問になりますけれども、早急にその辺についてはきっちりとやっていただきたいと思います。 ダイオキシン類の中には、現在、コプラナPCBが入っておりません。それから、臭素系のダイオキシンについても入っておりません。あるいは耐容一日摂取量、これを早急に変更すべきだと思いますし、焼却炉の基準については前倒しを図るべきだと考えておりますけれども、この辺について御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○説明員(浜田康敬君) まず廃棄物焼却炉に関して私の方から申し上げますが、排ガス中のダイオキシン類の規制につきまして、コプラナPCBあるいは臭素系ダイオキシンをどうするかというお尋ねでございます。 本年五月にWHOの専門家会合におきましてダイオキシン類の耐容一日摂取量、これを十ピコグラムをさらに低減すべきではないかという意見にあわせまして、コプラナPCBを加えることについての合意がなされたということでございました。 これを受けまして厚生省におきましては、生活環境審議会及び食品衛生調査会の合同の部会としての特別部会を設置いたしまして検討を開始したところでございます。廃棄物処理施設におけるダイオキシン類の排出基準についても、この検討結果を踏まえまして必要に応じて検討することといたしておりますが、その際コプラナPCBの取り扱いにつきましてもあわせて検討してまいりたいと考えております。 なお、臭素系ダイオキシンにつきましては、まだ国際的にも毒性評価あるいは測定方法について検討すべき課題が多く残されているということでございますので、引き続き知見の収集に努めてまいる所存でございます。 それから、規制基準の前倒し実施ということでございますけれども、これにつきましては法律上の基準は既設の廃棄物焼却施設につきましては十四年の十二月から適用ということで、これは大幅な改造に必要な合理的な猶予期間ということでこの期間を設定したものでございますけれども、厚生省といたしましてもダイオキシン対策のための改造の事業、市町村から要望がありますれば優先的に国庫補助事業として採択することなどによりまして、できるだけ早期にこの基準の適用への事業が行われますように、引き続き必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○説明員(冨岡悟君) ダイオキンン関係の大気汚染防止につきましては、昨年八月に大気汚染防止法施行令を改正しまして抑制対策を進めておりますが、その後のことしのWHOのダイオキシン類の耐容一日摂取量の再評価の際にコプラナPCBを含めて評価が行われたところでございます。 これを受けまして、今年度予定しております環境庁のダイオキシン類緊急全国一斉調査におきましては、コプラナPCBについても調査を行うこととしております。コプラナPCBの取り扱いを含めましてダイオキシン類の健康リスク評価について再検討を進めておりまして、この検討状況や廃棄物焼却炉等からの排出実態等を考慮しつつ必要な排出抑制対策を検討することといたしております。 それから、臭素系ダイオキシン類につきましては、その毒性評価や測定方法につきましてなお検討すべき課題が残されているものと思っております。 そういうことで、関係省庁と連携しまして、引き続き知見の収集に努めますとともに、その測定方法を確立するなど適切に対応してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 きょうは、中小企業の経営は引き続く不況の中で極めて深刻になっているわけですけれども、とりわけその中で女性の自営業者、あるいは女性の経営者の角度から質問させていただきたいと思います。 言うまでもなく、中小企業の事業所数というのは、日本の全事業所の中で九九・八%も占めております。いかに中小企業が日本経済の中で中心的な役割を果たしているかということがわかるわけでございますが、その中での従業員の数はやはり全体の中で七七・六%を占めております。 その中で、女性はどれぐらいの率を占めているかといえば、約四二%でございます。とりわけ私が注目したいと思いますのは、その中小企業の中でも従業者規模が四人以下という非常に小規模な事業所の数というのは、全体の約六三%も占めているわけでございます。それでは、そのごく小規模な四人以下の事業所の中で働いていらっしゃる経営者あるいは従業員の女性の数はどの程度かといいますと、五〇・六%、つまり過半数を超えているわけでございます。全体では四二%、しかし非常に小規模な事業所では既に女性は過半数を超えて、実際の仕事の上でも経営の上でも大きな役割を果たしているわけでございます。 私は、九五年十二月八日、中小企業対策特別委員会の審議の中で、いわゆる業者婦人という言葉が通称使われているわけですけれども、こういう言葉はお役所の用語にはありませんで、小規模事業婦人経営者というふうにお役所では呼んでいるわけですが、その業者婦人の役割について、当時の橋本通産大臣に、その役割をどのように認識し評価をされるかというふうにお聞きをしたことがございます。 当時、大臣は、「家族、そして家庭、経営、労働という各面において非常に大きな役割を果たして」、「同時に、地域の美化活動でありますとか、あるいは奉仕活動など非常に地域社会と密着した活動にも積極的に参加をしておられる、地域の活性化の中でも大きなウエートを占めておられると思います。」というふうに述べて、高く評価をされたわけでございます。 改めて、与謝野通産大臣に御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 小規模の商工自営業で経営に携わる女性の方々は、我が国の企業の大部分を占める小規模企業の中で、本人が経営者である場合、経営者の伴侶である場合を含めまして、家庭、経営、労働という方面において非常に大きな役割を果たしていると私は認識をしております。同時に、地域の美化活動や奉仕活動など、地域社会と密着した活動にも積極的に参加し、地域の活性化の中で大きな役割を果たしていると考えております。 地域の総合経済団体である商工会、商工会議所においては、女性経営者及び商工自営業者の女性配偶者の方々で構成される婦人部等が存在いたします。研修会等の開催や社会福祉活動等の各種の事業をしており、こうした活動を通じて地域の商工業の総合的な発展を支えていると私は考えております。 すなわち、元橋本通産大臣の御見解と全く同一でございます。
○西山登紀子君 地域の商工業の総合的な発展を支えているというふうに与謝野大臣も高く評価をされたということでございます。 前回の質問のときにも申し上げたんですけれども、一九八〇年に中小企業庁が全国商工会連合会に委託をいたしまして、女性の就労と生活実態調査を実施したんですけれども、その後こういう実態調査がされていないから実施すべきじゃないかということで質問いたしました。中小企業庁の井田小規模企業部長も検討を約束されたんですけれども、その後どうなっていますか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 御指摘の調査でございますが、我々中小企業庁といたしましては、政府関係機関あるいは各省もろもろの調査、統計というのも活用をさせていただいて、行政施策に反映をさせていただいているわけでございます。 まず第一に、私どもといたしましては、平成八年十一月に中小企業庁といたしましていわゆるベンチャー、創造的な中小企業の実態調査をやらせていただいております。また、関係省で言いますと、労働省で女性の起業支援に関する調査などを、これも平成八年七月から九月にかけてやっておられまして、この成果も活用させていただいております。また、政府関係機関では、国民金融公庫が平成九年にやはり調査を行っております。 これらの調査結果を見てみますと、近年女性の社会進出を背景といたしまして、女性の経営者が事業活動に参加する割合が大変増加してきております。今後、我が国産業の多様な発展を期する意味でも、女性の方々の活躍を大いに期待させていただきたいと考えております。 ただ、以上申し上げた調査結果にも出ておるんですが、他方で女性であるために不利を感じた経験のある方も大変多くございます。今後ともこうした実態については配慮して施策の展開を図っていきたいと考えております。
○西山登紀子君 もちろん、何にもしていないということでは答弁にならないわけですからいろいろ言われたわけですけれども、八〇年のその全国商工会連合会に委託をした実態調査というのは、こういう非常に分厚い調査報告書にまとめられていまして、婦人の就労から育児から介護から、その二十四時間の生活実態調査、詳しくさまざまな角度から調査されているわけです。 ですから、もちろん今ベンチャーの実態だとかということで各省庁に聞いたというようなことなんですけれども、その当時私がるる説明をいたしまして、こういう調査をというふうに申し上げた中身とは少し、全く違うとは言いませんけれども、少し薄過ぎはしないかという気がいたします。 大臣にもう一度お願いしたいわけですけれども、八〇年の当時の生活実態も含めた、これは商工会連合会の婦人部が非常に協力されて一緒にやった実態調査なんですけれども、今日、厳しい不況、それから育児に加えて介護、こういうふうな問題も含めまして、自営業の女性は大変苦労していらっしゃいます。また、確かに新しい意欲も出ているわけですけれども、そういった点で改めて、そういう八〇年の生活実態調査を踏まえたような調査の御検討を、今お答えになったことでいいんだというふうにしないで、もう少し検討を深めていただきたいと思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) いわゆる小規模企業の女性経営者等の実態調査については、私どもとしては各種調査等により把握しているというふうに思っております。 しかし、近年、女性の各方面における活動、活躍ぶりを考えましても、今後ともそういうことは必要性を見ながら検討させていただきたいと思っております。
○西山登紀子君 引き続きよろしくお願いをしたいと思います。 次に、これは十日の朝日新聞なんですけれども、女性向けの起業講座が非常に満杯になって盛んだという記事が載っております。「不況なんかに負けないワ」ということで、リストラに遭って自立をしたい、あるいは定年後に事業をしたいということで、女性が起業家を目指すということで非常に人気があるという記事が載っておりました。 これは何も東京だけではありませんで、私の地元は京都でございますけれども、京都では伝統産業を守る女性の会というのができておりまして、こういうきれいなパンフレット、リーフレットを出しております。これは私も非常にすごいなと思ったんですけれども、京友禅だとか西陣織、清水焼、京表具、こういうものを女性自身がつくっているわけですが、そのつくり手としての誇りも、こういうリーフにいたしまして、全国に作品の展示あるいは販売、発信をして訴えているというのがこの女性の会。「京の手づくし」という名前のリーフレットですけれども、つくっています。 こういう京都の伝統産業、いずれも今大変な実態になっております。例えば京友禅だと逆輸入によりまして生産が最高時から十分の一に落ちているだとか、西陣織は今織機を半分に減らしているだとか、清水焼もピーク時から三分の一に仕事が減ってしまった、丹後ちりめんも今半分以下。こういう深刻な中で、もうやめてしまおうかというそういう思いにも駆られるんだけれども、いや、そうじゃなくて、こういう伝統産業を支えているのは私たち女性なんだという新たな誇りに燃えて頑張ろうというふうに女性の会を結成して頑張っている状況がここに出ております。 そこでこうやって頑張っている女性の起業家、もちろん女性だけが頑張っているとは言いませんけれども、今までは何かお父ちゃんの仕事の手助けというふうな感じでいた人たちが、自分たちが主要な担い手として頑張ろうというそういう意欲に燃えて頑張り出した。こういう女性の経営者や自営業者や起業家を積極的に援助するどのような施策をやってこられたのか、どんな対策があるのか、教えてください。
○政府委員(鴇田勝彦君) 我が国経済の活性化を図るためには、起業家精神にあふれた事業者が活発に開業をされ、新規企業が続々と創出されることが必要だと考えております。これが昨今の深刻な雇用対策の一助にもなるという期待も持っておるわけでございます。 我々としましては、このため、女性の起業家あるいは女性所有に成る企業等を含めまして、新たに事業を開始しようとする起業家及び成長が期待される企業に対しまして、資金面、技術面あるいは経営面で集中的な支援を行いますとともに、地域における県等も交えた支援体制の構築など円滑化策について重点的に今取り組んでいるところでございます。 委員御指摘のように、女性経営者の方には、女性らしさも生かした斬新な発想をもとに新たな事業に取り組まれているというケースも多々ありますので、こういった施策全般を活用させていただきながら、女性経営者の企業努力について支援をさせていただきたいと思います。
○西山登紀子君 いろいろ言われました。私もいろいろと調べてみました。しかし、女性向けの、女性の経営者あるいは女性の起業家を本当に支援していく具体的な施策というのは残念ながら見当たりません。いろいろ探してみたら、来年度の通産省関係の財政投融資の概算要求の中にありました。女性・高齢者起業家支援貸し付けの創設というのがあって、起業意欲のある女性、高齢者の行う事業活動に対して必要な資金を確保するとしているわけですが、具体的にこれはどんなことを考えているのかお聞かせください。
○政府委員(江崎格君) 委員御指摘の要求でございますけれども、これは事業を起こしたいという意欲のある女性とか高齢者に対しまして、政府系金融機関を通じまして低利の貸付制度をつくろうというお願いでございます。 具体的に申し上げますと、女性とか高齢者が起業する際の設備資金、それと運転資金、両方を対象にいたしまして、中小企業金融公庫と国民金融公庫を通じまして低利で融資をしようというものでございます。 この制度によりまして、女性の起業家ですとかあるいは高齢者の起業家の資金調達が円滑になりまして、こういった方々の自己実現を通じまして豊かな社会の実現に貢献する、お役に立つようにと思っておりますし、また経済の活性化という観点から見ましても、こうした方々の事業起こしということが我が国の経済の活力維持に非常に重要なものだというふうに私どもは認識しております。
○西山登紀子君 創設ということですから、私もこれはいいことだと思います。 先日、NHKのニュースを見ておりましたら、女性の経営者の方たちが貸し渋りの中でお互いに資金を出し合って助け合おうじゃないかということでレディースバンクをつくったというような報道があったので、やはり要求があるんだろうと思います。 しかし、いろいろ私も地元で保証協会なんかに行ってみましたけれども、依然としてやっぱり担保をとると。もちろん担保は必要ですが、そのときにいわゆる物件主義というのは非常に牢固としてあるというお話を聞いたわけです。信用保証協会の方が言ったんじゃないんですが、保証渋りに遭っているような人たちが、どうしても物件主義だと。そうすると、女性の場合はいろいろ土地だとか建物なんか名義がない場合があります。また、あっても自由に使えない制約が非常に多うございます。 そういうことで、こういうものを創設した場合に、やはりより実効性のあるような制度に改善充実をして、また女性の皆さんにもそれが周知できるようにぜひ努力をしていただきたい。概算の段階からきちっと予算化するために大臣の御努力を お願いしたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(江崎格君) 委員の御指摘でございますけれども、私ども、この制度を男女共同参画型の社会の実現に向けて、もし実現できれば大変役に立つように思っているわけでございます。 起業家風土醸成のために、今御指摘のように、利用者が使いやすい制度にしていくということは大変重要だというふうに思っております。先生の御指摘のとおり、関係機関との連携を通じまして制度の周知徹底を十分図っていきたい、このよう に思っております。
○西山登紀子君 そのようにぜひ大臣、お願いします。よろしいですね。大臣の御答弁。
○国務大臣(与謝野馨君) 私どもの目前には少子・高齢化社会あるいは考え方としては男女共同参画型社会の実現ということがございまして、こういう社会状況あるいは物の考え方の変化ということを考えますと、本制度の創設は大変重要な課題だと考えておりまして、私としても全力を尽くしてまいりたいと考えております。 また、起業家風土の醸成という制度本来の目的を達成するためにも、利用者が使いやすい制度とすることが重要であるというふうに考えております。 なお、先生の御指摘のとおり、関係機関との連携、制度の周知徹底等を十二分に図り、積極的にPRをしてまいるつもりでございます。
○西山登紀子君 よろしくお願いをいたします。 女性が企業を起こす、女性が経営者になるというのはやはり日本の歴史はまだ浅いと思います。また、その人数にいたしましても正確に把握されていないようにお伺いをいたしましたけれども、これはこれからの将来の見通しを持った施策が要求されていることだと思います。 そこで、アメリカなんかの事情はよく知られていることなんですけれども、アメリカでは女性の経営者というのは中小企業の中の三分の一を占めていると、そういうことでございます。これは歴史的にも社会的にもいろいろ違うわけでございまして、もちろん安易に外国の例を即日本にという立場は私はとりませんけれども、しかし、いろいろなハンディキャップを持っていた女性が中小企業家としての三分の一も占めているという、これはやっぱり新しい未来に向かっての一つの施策をとってきた社会じゃないかなというふうに、私はそういう観点からいろんな点を学ばせていただきました。戦前、日本のように財産権も相続権もない準禁治産者として扱われていたというような国とはもちろん違うわけですけれども、しかしやはり参考にすることは多々あるというふうに思っています。 この女性企業家はアメリカではふえているんです。八〇年のときには中小企業の二六・一%を占めていた女性のオーナー、九〇年には三二・二%ということでふえているというデータもございます。 そこで、中小企業庁の管轄にあります中小企業事業団ニューヨーク事務所、こういうところが発行している資料をちょっと読ませていただいたわけです。米国の中小企業庁は女性事業家を支援していくという三つ大きな施策を持っているということでございます。 一つは、女性事業家育成プログラムというものを持っておりまして、特に女性の新規開業率が男性に比べて高いというところから、全米の大学とか非営利団体などの協力機関を通じて、女性起業家を対象にした長期の研修、カウンセリング、こういったものを行っているということでございます。それには経験豊かな女性の実際の事業家が一年間にわたっていろんなノウハウを伝授するというようなことをSBA、全米の中小企業庁のフィールドオフィス、こういうところにずっとそういうシステムを導入しているそうでございます。 そういう点は、今地方自治体などが起業家講座という形で行おうとしているのをむしろ国がリーダーシップをとってやっている、旗振りをやっているということなので、これは非常に参考にできるんじゃないでしょうか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 御指摘のように、事業団のたしか九五年の調査で委員がおっしゃったようなSBAの制度についても我々承知をしております。 委員の御指摘の中にもありましたように、我が国の方、これは正式な統計じゃありませんが、女性経営者の全経営者に占める割合、五・五万人で約五%程度ということで、女性経営者の方に私がお聞きしたんですが、割合が大変まだ低うございます。それから、米国に見られますように新規開業率が男性と比べて特に高いという状況にもございませんので、我々といたしましては、今委員の御指摘になったようなデモンストレーションプログラム等々につきましては、現実にその女性経営者も含めたすべての新規開業者対策ということでいろいろな事業をやらせていただいております。 一つには、具体的にビジネスプランをつくって、起業化をする際に必要なセミナー等を事業団等が中心になってやってございますし、また実際に事業のパートナー、お金の面、技術の面あるいはマーケットの面、必要になるパートナーとのいわゆるお見合い、マッチングを行うベンチャープラザ事業とか、あるいはベンチャーフェア事業というのも各地でここ数年実施をさせていただいております。 具体的には、女性経営者の方が大変多数これらのプロジェクトに参加をされておりますので、我々といたしましては、一般的に今ベンチャー対策が必要な状況にございますので、女性経営者の育成にも配慮しながら積極的にやってまいりたいと思います。
○西山登紀子君 米国がやっている二つ目の女性事業家の支援策というのは、女性向け事前承認ローンということで、SBAが保証をつけるということをやっているんです。これは、我が国の信用保険制度の中に女性事業家を対象にした特別枠を設けるというふうなものなんですけれども、こういうようなのは参考になるのではないでしょうか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 御指摘のように、米国のSBAにおかれましては、女性向け事前承認ローンという制度を試験的に今実行されているようであります。これは九四年の六月に開始されたプログラムでありますけれども、具体的に女性事業家が金融機関にローンの申し込みに行く前に、SBA保証を受ける資格を審査してさしあげて、いわゆるSBAのオーソライゼーションをしてもらって融資を受けやすくするという仕組みと考えております。具体的に女性向けに特別の枠を設けてやっているのか、あるいはこの制度自身がどれだけの成果を上げているかについては我々の調査もまだ行き届いておりませんが、今後必要な実態調査などを含めて研究をさせていただきたいと思います。
○西山登紀子君 確かに試験的に九四年からやられているんですけれども、女性がSBAの保証を受けたいという利用者の率は一四から二四%に増加していると、これは当然のことですけれども、そういうデータもあるようですから、ぜひ研究をしていただきたいと思います。 それから、三つ目の支援施策というのは、調達支援というんですが、これは官公需のことだと思うんです。翻訳がそうなっていますから、調達支援と言うんですけれども。 これは非常に私もびっくりしたんですが、強制ではないですけれども法律で目標を勧告しておりまして、連邦調達合理化法という法律でもって全調達計画の五%を女性が所有する中小企業から行うよう目標を勧告するということまでやっているんです。実際、それを各省庁と協力して女性の所有している企業のパイロットプログラムというようなものをつくってやっているというようなことなんですが、これは中小企業全体の官公需をもっとふやすと、そういうことを大前提としてですけれども、とりわけ女性の起業家を援助する、支援する、激励するというような意味で、こういう制度についてもやはり参考にして研究をしていただくということをお願いしたいんですが、どうでしょうか。
○政府委員(鴇田勝彦君) 委員御指摘のように、連邦政府購買合理化法という法律に基づきまして、米国におきましては女性所有の中小企業が調達の優先目標プロセスに組み入れられております。具体的には官公需総額の五%という水準が設定されておりますが、これについては当然のことながら強制的ということではなくて、あくまでも目標という意味合いで設定されているようでございます。 我が国では、御存じのような官公需法がございまして、中小企業者全般について最近では約四〇%の目標を設定して、平成九年度も実績を上げているという実情にございます。 女性向けにこういった特別の官公需目標を設定すべきか否かという問題、これは米国の場合にはほかにもいろいろな形で個別の目標値が内訳として設定されておりますので、そういった点をすべて勉強、検討させていただいて、研究をしたいと思います。
○西山登紀子君 どうぞよろしくお願いいたします。 最後に、大臣。私たちは、かなり前のことですが、こうした業者婦人といいますか女性の経営者、従業者の対策を所管する窓口を設けるべきだということで要求をいたしまして、一定期間窓口が決められてきた経過もあるんですが、最近はなくなっているようでございます。改めて私は要求したいと思いますが、今どき窓口というような時代でもございません。 それで、米国中小企業庁には女性事業主局、中小企業事業団の翻訳によれば女性事業主局というように訳されておる局がございます。とりわけその局がどういう役割を果たしているかということが非常に私は大事だろうと思います。 ここにアメリカの中小企業庁発行のパンフレットの少し翻訳したのがあるんですけれども、九六年に大統領に対してアメリカ経済に女性所有企業がいかに貢献しているかを証明する報告書が提出されているんです。その報告書をつくったのが、そのSBAの女性事業主局とそれから全国女性事業評議会というのが合同委員会をつくりまして、一年をかけて考察をして調査と報告を大統領に提出をしているわけでございます。 その中に、先ほど言ったようないろんな事業主の支援策の効果とか、それがどうなのかということもちゃんと出されているわけでございます。その冒頭に、特に「女性所有事業は今日の我々の国家において」、これは米国ですが、「経済成長と雇用創造の隠れた推進力である。アメリカ経済に対する女性起業家の重要性が高まっているために、政府と議会は、これら道を切り開く事業の成功を育てるような先を見通した主導権をともに追求するよう努力している。」という報告文を寄せております。 ですから、大臣に最後にお伺いしたいんですけれども、今どき窓口というようなレベルではもうない。日本の社会もうんと進んできております。ということで、いきなり局とまではいかないまでも、こうした問題を担当するセクション、それを通産省の中に設けるべきだと思うわけですけれども、アメリカのそういう女性支援策も含めまして、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 日本の経済の活性化を図るために、女性を含めまして起業家精神にあふれた事業者による活発な起業、創業が行われることが必要であります。中小企業施策におきましては、経営者の性別に関係なくこのような起業、創業支援を行っております。 なお、SBAの女性事業主局の創設との御提案でございましたが、現在政府には労働省に女性局が設置されておりまして、また総理府にも男女共同参画室が設置されていることもございまして、行政機関の内部で連携をとりながら女性の社会参加を推進しているところでございます。中小企業庁に女性の社会参画推進のための新たな部局を設けることは、行政組織の簡素化という中央省庁等改革基本法の考え方にはそぐわないのではないかという感じがいたします。お気持ちはわかりますけれども。
○梶原敬義君 喫緊の課題というのは景気対策でありまして、景気対策絡みで、エネルギー・太陽光発電、それから住宅政策、この二つについて意見も申し上げながら質問をしたいと思います。 〔委員長退席、理事成瀬守重君着席〕 去年の四月に、本委員会で木宮委員長を団長として三井三池が最後の石炭の閉山をするというときに大牟田に現地視察に行きました。そのときに私は現地の関係者の皆さんとも意見交換をしたんですが、戦後あるいは炭坑節がはやっている時代に、あなたたちは石炭がなくなる、あるいは採算がとれなくなるようなことを想定したことがありますかと、こう聞きましたら、現地の商工会議所の皆さんやあるいは石炭関係の皆さん、全くないと、こういうお答えでした。 今度、私が言いたいのは、石油を今のように自動車でどんどんたく、工場でたく、こういう状況が世界各地でどんどんふえておりますが、こういう状況が続いた場合に石炭と同じように石油の資源の底が見えてくる、こういう時代が非常に近いだろうということをずっと委員会でも申し上げてきました。真剣にこのことを突き詰めて考えていくと、恐らく石炭と同じように石油も、世界の資源が、いつまでもこんなに消費にたえるだけ地下に埋まった石油があるわけがない、先の見える通産大臣はこのように恐らく気がつくんじゃないかと、私はこう思っております。 そこで、省エネの問題とそれから新エネルギーの開発の問題というのは非常に重要になってくるわけです。きょうは短い時間ですので太陽光発電に限って質問したいと思います。通産省担当の方から簡単に太陽光発電の状況というものを少しお聞きをして、次に質問に入りたいと思います。
○政府委員(稲川泰弘君) 御指摘のございました太陽光発電につきましては、平成六年度からモニター制度によりまして家庭への太陽光発電の設置を進めてございます。 〔理事成瀬守重君退席、委員長着席〕 このモニター制度は平成八年度までの三カ年間行いまして、合計約三千台強が家庭に普及したことになってございます。その後、九年度、十年度と具体的な一般普及を行いまして、設置コストの約三分の一程度を助成いたしてございます。このねらいは、これによりまして具体的な製造コストが下がることを見込みまして、それにより今後商業ベースでこの設置が進むというものでございまして、一台当たりの設置コストは平成六年度二百万円程度でございましたが、現在は八十万から九十万程度まで下がってございます。また、ユーザーの負担額としましては、当初百十万円程度でございましたが、現在五十五万から六十万円程度にまで下がっております。 九年度の実績が八千台強、今年度は一万五千台を目標としてございまして、予算措置は百四十七億円の用意をしてございます。また、来年度は、要求ベースでございますが、二万一千件、補助金ベースとして百六十億円強を準備したいと考えております。
○梶原敬義君 そういうことで、お手元に行っておるのは、私のところは大分県ですが、大分県の大分合同新聞という新聞です。これはほとんど県民に行き渡っている非常にシェアの高い新聞ですが、新聞の社会面にこれだけ大きく載ったわけです。「懐もポカポカ太陽光発電」ということで、この新聞では今一キロワット当たり百万円ぐらいかかると。今、長官は八十万から九十万と、こういうことでございますが、ほぼ同じと考えていいんじゃないかと思うんです。要するに、この記事を見てもおわかりのように、これはお医者さんがつけている写真でありますが、九州電力の調査をした結果によりますと、必要な電力の四五%、ほぼ半分を自宅で消費、残り半分を売電するということで、もう少し全体のコストが下がってくれば家計にとっても非常に有力な感がするわけであります。 先ほど通産省から話を聞きましたら、産業とすれば現状は大体四百億から五百億ぐらいの産業のようであります。私はこの今の不況な時期に、もう少し通産省は力を入れて、そしてメーカーにも早く多量生産に入れるように、あるいは多量生産に入ればコストが非常に下がりますからこれを急がせる、それは即産業の設備投資につながり、景気回復に非常に好影響をもたらすと思うのでここを急ぐべきだと、このように考えるんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) これは梶原先生御承知のように、実は二つの問題にかかわっているわけです。 太陽の光が当たって光が電気に変わることを媒介している物質はシリコンという金属でございますけれども、これは結晶シリコンを当初使っておりましたが、結晶シリコンは非常に高いということで、非結晶アモルファスシリコンというものを使いましてからは非常に廉価な太陽電池ができるようになりました。スタートしたときは、光が電気に変わる率が五%前後でしたが、現在は光が電気に変わる率というのは一〇%前後になっております。仮にこういうものが、光が当たってその光の持っているエネルギーの二〇%とか三〇%が電気に変わるということが実現できればこの分野は飛躍的に発展するわけでございますから、そういうものに対する研究や開発というものを重点的にやっていかなければなりません。 また、先生御指摘のように、こういうものは既に実用的な段階になっているわけですから、そういう実用的な技術をいろいろな家庭で使っていただく、なるべく多くの家庭で使っていただくということによって量産というスケールメリットも出てまいりまして、そういう両方の方向で私どもは努力をしていかなければならない。 そして、各家庭で使っていただくについては、いろいろな知識の普及を初め、あるいは費用の一部負担ということを含めまして今までやってまいりましたけれども、これは大変有望な分野だという先生の御指摘はまさにそのとおりでございまして、一般家庭に対する普及、また基礎的な技術の確立ということにさらに通産省を挙げて取り組まなければならない課題であると私は思っております。
○梶原敬義君 ありがとうございました。 全くエネルギー資源のない国ですから、やがて将来石油資源が枯渇してくるということを想定すれば、日本がこの分野をどんどん急速に技術開発を進めていき実用化がもっと進むようになれば世界の皆さんに対しても貢献することになります。シリコンが足らない、シリコンに問題がある、こういうことは担当者からも聞いておりますが、大臣、小さいことは言わないで、これは私の希望でありますが、今までの計画でいきますと二〇一〇年に五百万キロワットという目標ですが、これは先ほどからも質問がありましたようにCOP3との関係等もあり、本当に本腰を入れて、景気対策にもなりますから急がせてもらいたい、このことを要望しておきたいと思います。 次の問題は、この前もちょっと話をしましたが、住宅政策の問題です。 今建設省の方もお見えですが、前の住宅局長はどうも消極的だったと思うんです。この前の質問のときにも、住宅金融公庫はもう要らぬというようなところまで閣議決定をされた当時の局長は少し弱腰であったと、今来ておりますが、私はそういう感想を持っておるんです。 住宅政策について建設省が担当ですから、景気対策絡みで、そしてこの不況な時期に日本は住宅がよくなったと世界に胸を張れるようにやってもらいたいわけです。建設省がどういう取り組みをしているか大臣が聞いて、今度は閣議でそれを反映していただくわけですから、建設省の状況を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(小川忠男君) 住宅関係でございますが、長期的に見て住宅は頑張らなければならない、御指摘のとおりだと思います。また、当面の話として、景気対策の観点から思い切ったてこ入れを必要としている状況にあるというふうに認識いたしております。 若干、数字で恐縮でございますが、住宅着工は十九カ月連続で対前年マイナスを続けております。ここしばらく年率換算で百二十万戸前後で推移していたわけでございますが、直近時点の七月の統計ではついに百十万戸の水準にまで落ちました。先行き相当懸念をいたしているというふうな状況でございます。 住宅投資と景気回復は鶏と卵みたいな関係があるかと思いますが、やはり政策で可能な限り住宅着工を促すべきであろうと思います。そういうふうな観点から私ども、住宅金融公庫を軸といたします政策金融、それから住宅税制双方にわたって年末に向けて相当思い切った形で手だてを講じてまいりたいと思います。住宅税制も相当程度拡充してきていたとは思いますが、やはり発想を変えて思い切ったてこ入れがあるのかないのか、全面的に根掘り葉掘りいろんな角度から検討を進めてまいりたいと思います。 御指摘のとおりだろうと思います。
○梶原敬義君 自民党の中ではローン減税等も考えておられるようです。私は本年二月の本会議でも言ったんですが、三年なら三年間住宅取得に係る消費税、これはただにするとか、何か飛びつくやつを考えないとなかなか難しいのではないか。あるいは企業に減価償却制度がありますように、働く人たちにも減価償却制度みたいな、その間は税金は控除するというようなものとか、そういう具体的なものを建設省で知恵を出して、そして建設省もこの際住宅をよくしましょうよということを国民に対して大きくアピールするようなことが今は本当に必要なことではないか、このように思うんです。 それからもう一つ、前から私どもの先輩の赤桐先生あたりがずっと主張してきました、開発団地の公園とか道路とか公共部門、これは全部取得した人にコストがかかっておるわけです。これは地方自治体や国がそういう大きな開発団地についてもその分は半分でも見ると、こういう制度の拡充をすればそんなに高い団地じゃなくて安く取得できまずから、この辺のこともあわせて取り組む気はないか、お尋ねします。
○政府委員(小川忠男君) 先に若干、税制のことについて一言だけお答えさせていただきたいと思います。 今先生お触れになりました投資を経費とみなして所得から控除するというふうな方式、確かにアメリカでは行われております。ただ、今までやってまいりました税額控除方式と原理原則を相当程度異にするというふうな点もございます。ございますが、やはり将来に向けてどちらがより基本的にベターであるのかというふうな観点を含めまして、昨年までとはかなり趣を異にして、基本的な点で実現が可能なのか否か、あるいはどういうふうな形で制度化すべきなのか、こういうふうなことに踏み込んで検討をいたしたいと思います。
○政府委員(木下博夫君) 公園、道路の公共施設の整備について御質問がありましたので、その点について私の方からお答えしたいと思います。 お話しございましたように、本来、住宅宅地の関連での公園とかあるいは道路の公共施設の整備につきましては、専らその開発区域内の住民が利用される施設を除きまして、国とか公共団体が整備する、費用を負担するというのが基本であろうと考えております。 古くなりますが、先ほどお話のございました点でも、昭和五十三年から本来事業で国なりが補助事業でやってまいっておりますが、これらの関係はいわゆる住宅宅地関連公共施設整備事業ということでございまして、最近は補正予算なども入れますと、年間で約千六百億から千九百億ぐらいの予算を入れたりしております。考えようによってはまだまだ数字が少ないんじゃなかろうかという印象を持ちますが、本来の事業費もあるわけでございますので、予算的にも大変厳しい環境を我が国の財政の中で迎えておりますが、これからはできるだけ重点的にかつ計画的にやりまして、今お話のございましたように、いわば土地の購入者、住宅の購入者の負担をできるだけ安くする姿勢の中で、こうした事業も生きてくるようにやってまいりたいと思っております。
○梶原敬義君 通産大臣、今建設省の方からいろいろと答弁がありましたが、これは今の景気というのは生半可なものじゃない、果たしてこのまま放置できるかどうか、そういう状況ですから、内需拡大に向けて一体何と何と何があるのか。ざっと並べるんじゃなくて、何と何が重要なのか、実際に効果があるのか、どうするか、こういうことをやっぱり突きとめて、そして本当に効果のある、あるいは国民が幸せになる、将来世界の人たちにプラスになる、こういう観点から思い切って手を打っていく必要があるんじゃないかと、このように思うんです。そこらを主張する閣僚の中での一番有力な担当というのはやっぱり通産大臣だと思うんです。通産大臣がそこを整理してどんどん追求していく、そこで全体のムードが出る、行政もやりやすくなる、そういう方向に持っていってもらいたい。 今、建設省が来ておりますが、一番頭が痛いのは、大蔵省の主計局が何やかんや理屈をつけて言うと、なかなかそれは動けないんです。私はよく知っているんです。その辺で建設省も苦労が多いと思いますよ。だから、通産大臣が、今、景気、経済に対して非常に大きな責任があるし、また引っ張っていく重要な立場におりますから、通産大臣の決意を聞いて、私の質問を終わります。
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御指摘のとおり、日本は豊かになったとはいえ、住宅事情を見ますと、その面積あるいは住宅の周辺環境というのは欧米先進国に大幅に劣っているのではないかと私はいつも思っております。 そこで、国民の本当の豊かさを目指すためには、住宅というものに対して重点的な施策をとっていくということが大変重要だということは先生御指摘のとおりだと私は思いますし、また民間部門の投資あるいは公の部門の投資がどの方向に向かっていくべきかという投資の方向ということを考えますと、住宅というのは直接国民の生活の質を向上させるという意味では、大変投資の方向として私は望ましい方向だと思います。 ただ、これをどういうふうに促進していくかということになりますと、建設省所管の建築基準法あるいは都市計画法等々の法律との関連もございます。また一方、税制では、細かいことから申し上げますと、不動産取得税、登録免許税のあり方、都市計画税のあり方、あるいは支払い利息と所得との関係、あるいは個人に償却を認めるかどうかという個人の償却制度の問題等々ございますし、また住宅建設を促進する意味では、住宅の中古市場と新規取得者との関係はどうなっているのか。例えば、私が申し上げたいのは、自分の家を手放したときに大幅な損失を出したという方に対する今の税制上の制度というものは十分かどうかとか、万般住宅に関する法制度あるいは住宅に関する税制。 これはもう国税、地方税を含めてのことですが、そういうものを年末にかけて、政府においても、また各党においてもやはり検討すべき時期が私は来たと。そういうことは非常に強く感じておりまして、多分この考え方は、先生が今質問の中で御指摘された問題意識と同一方向にあるのではないかと私は思っております。
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。実は、本日は我が党の渡辺秀央議員がちょっと所用がありましたので、私が差しかえで質問に立たせていただいております。 与謝野大臣、東南アジア諸国を回られて大変お疲れのところ甚だ申しわけありませんが、二、三、大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。 第一の問題、ちょっと質問として通告しておりません、一般経済の問題ですが、与謝野大臣は常日ごろから大変ストレートにといいますか、はっきりと物をおっしゃられるということで、ぜひ一度お伺いしておきたいと思っていた件がございます。それは、現下の非常に厳しい我が国の経済情勢、この原因はいろいろ言われております。 既に御存じのとおり、九兆円の増税とか国民負担がふえた、あるいは東南アジア諸国の経済が非常に急激に悪くなったとかというふうなこともあると思いますが、私どもは今まで、さきおととしから減税の重要性を主張してまいりました。今まで、一昨年の衆議院選挙の際も大幅減税を主張しまして、これが言うなれば悪く言えば嘲笑の的になったというぐらいの思いでおります。 過去のことを、あれをやっていたらとかどうこう言うつもりはありません。ただ、過去一年ぐらいのことを考えてみましても、昨年の今ごろは財革法が非常に重要だという議論があった。さらに財革法については改正を行い、今は凍結か廃止かと、そういう議論がなされている。私は、一国の経済運営というのは相当長期的な視点に立って対応を考えていかなければならないのではないか、こういう思いがしております。 そこで、そういうような対応をしていくために戦術的、戦略的対応をするということになりますと、今の政府・与党にそういうメカニズムがはっきりと確立されていないというような気もしております。政策がダッチロールしたとか、あるいは小渕総理の言葉をおかりすれば極めてアンタイムリーな政策をとってきた、こういうことを言っておられますが、そのような政策がおくれてしまったとかダッチロールしてしまったとか、また今後そういうことを避けていくためにはどういうような対応が必要だと大臣はお考えになっておられるか、御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 自由党は、またその前身の新進党は、平成八年の衆議院選挙のときから大幅減税を主張されていたということは私どもよく承知をしております。私どもはやや大きいなと素直に思ったことも事実でございます。 そこで、財政というのは一体どういうふうに運営していくのかといえば、オーソドックスには、やはり入るをはかって出るを制すというのは、私は今も財政の基本であろうということには変わりはありません。また、その歳入あるいは将来の歳入の見通しに基づいて、建設国債なり赤字国債をどの程度発行しても無理なく元利が払えるかということも財政の運営をやっていく上には大切なことだろうと思っております。したがいまして、財政の節度というのは、どの時代であってもやはり国会も国民も皆考えなければならない大事な物の考え方であるというふうに私は思っております。 そこで、昨年の財政構造改革法と不況との関係でございますけれども、実は私は財政構造改革法に深く携わっておりました。そのときの前提というのは、日本の経済もやや持ち直してきて、大体二%前後の成長というものは将来期待できるのではないかということを実は前提にあの財政構造改革法をつくりました。しかし、財政構造改革の内容について、あの当時は自民、社民、さきがけ三党が連立を組んでおりましたが、その三党間で考え方がまとまりましたのは六月でございました。これを法律にするということが三党の意思でございまして、これを秋の臨時国会に法律という形で出したわけでございます。 そのころからそろそろ景気が怪しくなったということでございます。これは実は後講釈でございまして、その当時、我々が気がついていたかといえば、気がついていなかったというのが正直なところでございます。国際的には、米国の経済は好調でしたが、昨年の春からタイのバーツの通貨危機から始まりましたアジア全体の通貨危機の広がり、あるいは消費税が三%から五%になりました後の、その前の購入意欲よりは、消費税が導入された後はその反動として大幅に下がったとか、いろいろな事情が重なってまいりました。 私はまだこれははっきり検証をしておりませんけれども、十月、十一月にかけまして起きましたある種の危機的な信用収縮、これは一つはBIS規制に何とか適合しようとして金融機関が資産を圧縮し始めた。あるいは取り戻せるところからは取り戻すというふうに貸し出しをどんどん減らすような努力をした。 そういうことがあったときに、やはり国民心理に致命的な打撃を与えたのは、三洋証券の破綻、山一証券の破綻、北海道拓殖銀行の破綻、こういうものが致命的な心理的な影響を与えたと私は思っております。統計を見ますと、国民の消費性向ががくっと下がりましたのは、山一のような大きな会社でも倒れるのかと、北海道のいわば国営銀行的な北海道拓殖銀行が倒れるのかということを目の当たりにしたときの国民の消費に対する冷めた目あるいは用心深さ、こういうものが重なって今の不況の原因になったと私は思っております。 しかし、もう一つ考えなければならないのは、日本の産業というのはそういう循環的な不況あるいは心理的な不況ばかりでなく、日本経済そのものに潜む構造的な要因があって、日本の産業がよって立つ国内のいろいろな指数を見てみますと、土地に関する税金は高い、労賃は高い、倉敷料は高い、運賃は高いという高コスト構造がやはり日本の産業の競争力を奪っているという点では、そういう競争力の減退ということによる不況、現在の状況ということもあわせて私は考えていく必要があるのではないか。 ただ、今の不況の原因を一つの原因に求めるということは多分無理だろうと思っていまして、外国との関係、日本の産業構造のあり方あるいは信用収縮、もろもろのことがやはり重なって現在の不況に私はなっているんではないか。 そういうことを考えますと、我々が当初考えておりました成長率二%ぐらいを当てにした財政構造改革法というのは、現在のような危機的な状況では成り立たないということはもはや明白なことだろうというのが私の今の心境でございます。
○戸田邦司君 大変御懇篤かつ正直なといいますか、お話をお伺いしてありがたく思っております。 ただ、振り返ってみますと、大変残念であったなという思いを私たちが持っていますのは、金融問題も、それからこういうような不況になっていくんじゃないかということもたびたび重ねて国会の場で街忠言申し上げたつもりでおります。ですから私は、そういうような全く違った議論があるときに、それをきちっと精査してみるという姿勢、そういうような体制、そういうことが今後こういったことを避けていく場合に必ず必要になると思っております。この点はひとつ大臣に今後お願い申し上げておきたいと思っております。 それから、今後の経済運営について、ことしどれぐらいの成長になるか、これまた非常に厳しいことになるのではないかと思っております。一%はとても不可能、そういうような状況になってきておりまして、これからの補正予算の効果、さらに十五カ月予算の組み方、そういったものも今後の景気の上昇にどういうような影響を与えていくかをきちっと見ていかなければならないという状況にあるかと思います。 公共事業一つとってみましても、例えば北海道、東北、北陸、そういった地域ですとこれから仕事がほとんど進まなくなっていく、そういうようなときに幾ら予算を組んでみてもそれほどの効果があらわれてこないというようなこともあります。 そういったことで、大臣にはひとつ経済閣僚の最右翼の大臣として、今後の経済運営についてしっかりと状況を見きわめて適切な対応をしていただきたいということをお願いしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) せっかく十六兆の規模の経済対策をつくりまして、国会でそれに必要な予算を御承認いただいたわけですから、これを早期に、実際に仕事が進む、予算が出ていくという状況をつくり出しませんと、先生御指摘のように、雪の降るところでは冬の時期は仕事が進まないということでございますから、やはりこれは政府を挙げて予算の実際の実施ということに心がけていかなければならないというのは、先生の御指摘のとおりだと私は思います。今与えられている、国会から御承認いただいているその範囲内においては、それを最大限に生かすような方法で私は物事を進めていかなければならない。 また、秋にかけましては、小渕総理が公約されている十兆円規模の経済対策も、景気対策に資するような方向で予算を編成していくということも心がけていかなければならないと思っております。
○戸田邦司君 その点はひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 きょうは、実は中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に関連したこともお伺いしたいと思っておりましたが、この件については一言だけ申し上げますと、保証渋りというのが現実にはずっと起こってきておりまして、この点はひとつ前広に、よく地方自治体その他を指導していただきたい。これはお願いでございます。 それから、時間もありませんので、最後に一点だけお話しいたしたいと思います。中小企業のべンチャービジネスですが、これは通産省としても相当の力を入れて今までやってきていただいていると理解しております。しかし、現実にベンチャー企業を始めたい、あるいはその企業の中身を拡大していきたい、そういうようなことを考えておられる方々の話を聞きますと、やはりこれはベンチャー企業に対する金融問題が一番大きな点になると思いますが、一つの問題は、金融機関がベンチャービジネスの中身をなかなか理解できない、非常に技術的な内容を持ったものなどについてその評価が適切にできないという一面があると私は思っております。 それからもう一つは、貸す側にとってリスクをどう回避するか。全くリスクがないベンチャーだけを選ぶなんということになれば、それはベンチャービジネスが育つわけがない。一〇〇%確実と、それならどこの金融機関でもきちっと貸してくれる。しかし、ベンチャー企業というのはそれなりの危険性を持っている。そのリスクを回避しながら、実際にそういうものに金融機関が対応していくとなるとこれまたなかなか難しい問題。 そういった点から考えますと、一生懸命やっていただいているんではありますが、その効果がいかがであろうかということを考えますとなかなか難しいなと、こう言わざるを得ないと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) ベンチャーという名前のとおり、ベンチャービジネスというのは冒険的なという意味ですから、多分これはいけるだろうというアイデアから出発をして一つの事業をやるわけですが、こういう技術をこういう製品に仕立てて会社をやろうというような場合を考えますと、一つはやはり技術がしっかりしていなければなりません。それから、やはり会社の経営ということをよく知っている人がやらなければならないということで、人材の確保ということが非常に大事になってまいります。 先般もある大学の先端的な研究をされている教授が三人来られまして、随分いいアイデアを持っているんだけれども経営のノウハウは全くないと。ですから、自分たちのアイデアを事業化するためには、どういう人たちに相談し、どういう人たちと手を組んでやったらいいのかというようなことを御相談に来られたケースもありまして、人材というのは、技術的な分野のほかに経営ノウハウという面でも実は非常に大事なわけです。 それからもう一つは、最後に先生が強調されましたように、それじゃその事業を始めるためのお金は一体だれが出すのか。中小企業の、予算の中にも、ベンチャーキャピタルに関して何とか御支援申し上げたいという意味の政策が幾つかございます。しかし、それだけでは不十分なんで、民間からベンチャーキャピタルを募るということが、日本とアメリカの場合を比べますと、アメリカの方がはるかに制度的にもしっかりしておりますし、国民もベンチャーキャピタルというのは何かということをよく理解をされております。 そういう意味では、そういうものがスタートするときの御支援は、公の予算というものを通じて、十分とは言えないまでも制度としてはできておりますが、それに加えまして、やはり一般国民の方々が直接ベンチャーキャピタルに乗り出せるような仕組みというものも必要ですし、また、先生御質問の中で指摘をされましたように、金融機関もベンチャーというものに対してある程度の判断力というものを持ちませんとこういう事業が進まない。 これはこれからの課題でございますけれども、今のところ通産省としてはできるだけのお手伝いをするということで、細々というおしかりを受けるかもしれませんが、きちんとした予算を計上してやってまいるつもりですし、また、研究開発あるいは人材確保等についてもできるだけのお手伝いを予算、制度を通じてやってまいるというのが現在の通産省・中小企業庁の立場でございます。
○戸田邦司君 よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○水野誠一君 まず私は、地球温暖化ガス削減策に占めます森林吸収の問題、この算定について伺いたいと思います。 COP3の京都議定書で定められました温暖化ガスの六%削減目標、これをどう実現するかということは、我が国にとりまして、技術的にもまた京都会議の議長国の責任からいっても重要な問題だと思います。 この六月に定められました地球温暖化対策推進大綱、これを拝見いたしますと、温暖化ガス削減項目の中の森林吸収分につきまして、議定書にある規定を我が国に当てはめた場合、通常の計算ではO・三%の削減効果を算定できるというふうに書かれております。さらに大綱は、今後の国際交渉いかんによっては追加的吸収分について最大三・七%程度まで見込めるとしているわけでありますが、これは我が国のすべての森林の二酸化炭素の純吸収量を推計したものであると思います。マスコミではこの三・七%という数字がひとり歩きをしている感じもあるわけでありますが、この三・七%と想定、算定した場合、排出権取引での一・八%の削減が求められることになる。 しかし、京都議定書を検討してまいりますと、森林吸収分は、さらなる積み増しを可能にする追加的な人為的活動の部分は、一九九〇年以降にとられたものであることを前提にという条件が明記されているわけです。この内容からすれば、今後の国際交渉による部分がまだ残されてはおりますが、日本全土を算定根拠とする三・七%という数字は非現実的な数字であり、これをもって温暖化ガス削減の目標数値とすることには無理があるのではないかと思うわけであります。森林吸収以外の部分でのさらなる数字の上積みがいやが応でも必要になってくる、こう思うわけです。 そこでまず伺いたいんですが、〇・三%と三・七%の算定をされました林野庁に、それぞれの数値の意味をもう一度しっかりと確認をしたいと思います。 その上で、通産省として現時点で森林吸収にどの程度の削減効果を期待しているのか。三・七%を見込んでおられるのか、あるいは三・七%が無理であると考えるならば、大綱上にあるほかの目標数値を積み増して六%を達成していかなければいけないわけでありますが、それはどこで補おうとしているのか。例えば目標数値が二・五%削減となっております二酸化炭素をさらに削減するおつもりなのか、また二%の増加を見込んでおります代替フロン、この数字を削減へ向けて修正をされるのか、その辺について伺いたいと思います。
○政府委員(山本徹君) 二つの数字の御質問でございますけれども、まずO・三%でございますが、これは京都議定書に規定されている方式に従って計算いたしますとこれが出てまいる数字でございます。具体的な計算内容は、一九九〇年以降の新規植林あるいは再植林でございますけれども、いずれにしても植えられた森林の二酸化炭素の純吸収量、これを削減目標期間でございます二〇〇八年から二〇一二年、基準年次から約二十年後になりますけれども、この間の年平均で約百万トンと見込まれるわけでございます。すなわち、一九九〇年以降に植えられた木が二〇一〇年ごろに、一年間年輪が一つふえる、成長することによって約百万トンの炭酸ガスが吸収されると見込まれる。これは、削減目標の基準年でございます一九九〇年の温室効果ガス総排出量約三徳三千万トン余でございますけれども、これの〇・三%に当たるという数字でございます。 次に、三・七%でございますけれども、これは京都議定書に規定されている方式とは異なりますが、削減目標期間でございます二〇〇八年から一二年において、すなわち目標期間におきまして一九八九年以前に植えられた森林も含めた二〇一〇年前後に存在する日本の森林全体が二酸化炭素を一年間にどれだけ吸収して成長するかという数値でございまして、この目標期間の年平均で約千二百四十万トンと見込まれます。これは削減目標の基準年でございます一九九〇年の温室効果ガス総排出量約三億三千万トン余の約三・七%に当たるという数字でございます。
○政府委員(太田信一郎君) 我が国全体の温室効果ガスの削減量は六%でございます。内訳は、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素でマイナス二・五、代替フロンでプラス二、水野先生御指摘のように柔軟性の措置でマイナス一・八、それからただいま林野庁長官から御説明がありましたように、森林の吸収でマイナス三・七ということでございます。 マイナス三・七については、その推計の根拠あるいは吸収源に係る現在国際的な交渉が行われておりますが、私ども直接携わる立場でございませんので責任を持ってお答えできませんが、今後の国際交渉の場でぜひともこの三・七という数字、量を確保していただいて、六%の最後のまさに削減量の目標を達成したいというふうに考えているところでございます。
○水野誠一君 〇・三と三・七の意味というのは何となくわかったんですが、いずれにしても三・七という目標数値というのは大変高いんじゃないかなというふうに考えています。というか、三・七%というのは無理があるのではないかということからいくと、実際上はさらなるほかの数値目標の中でもうちょっと頑張っていかなければいけないんじゃないかなという感じがするんですが、この質問については、先ほど福山委員からも同様の御質問がございましたし、時間の関係もありますので、また改めてゆっくりとその辺を御説明いただきたい。 次に、今のお話の中にもあった代替フロンの削減、この問題をちょっとお聞きしたいと思います。 この代替フロンというのは、御承知のようにオゾン破壊には効果があるわけですが、実際、温暖化には大きな影響があるということで、代替フロンが二%増加というのも何とかこれを食いとめていかなければいけないと私は思うんです。 今、産業界では冷却剤として炭酸ガスを使うとか、あるいは自社工場内での代替フロンの使用をゼロにする目標を掲げている企業が出てくるとか、大変民間レベルでの努力が実際起き始めている。これは大変うれしく感じております。こういった産業界の動向の中で、ことしの通常国会で法改正を行いました省エネ法でおとりになった、つまり導入されたトップランナー方式、これを代替フロン規制でも導入できないものなのか。私はこのトップランナー方式というのには大変大きな期待を持っておりまして、非常にこれは知恵だと思うんです。そういう意味では代替フロンにおいても導入できるものなのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(河野博文君) お答えさせていただきます。 脱代替フロンの問題でございますけれども、こうした技術開発には非フロン系の冷媒を使う、あるいは断熱材を使うことから始まりまして、そもそも冷媒としてのガスを使わない冷蔵庫など、非常にさまざまな技術が開発されつつある。しかしながら、本格的な代替物質については必ずしもめどがたっていないという状況にあるわけでございます。 他方、御指摘のトップランナー方式でございますけれども、これは自動車の燃費基準、あるいは電気機器の省エネルギー基準、こうした機器で現在商品化されているような製品のうち、最もすぐれている機器の性能あるいはそれに関連した技術開発の将来見通しを勘案してあるべき水準を決めるという仕組みでございます。 ところで、代替フロンの代替物質あるいは代替技術は、今申しましたように非常に多様なものでございまして、しかもできてきました製品について、省エネルギー効果とかあるいは安全性ですとか、そういった総合的な比較検討が必要だということになりますので、今の段階で省エネ法におきますようなトップランナー方式を機器ごとのある種一律の評価尺度といいますか、そうしたものとして設定することは難しいのではないかなというふうにも考えておりますので、御指摘の点は今後の検討課題というふうに認識をしております。
○水野誠一君 ありがとうございました。 前回の一般質疑の中で経済企画庁長官に御質問をする時間がないといいますか、機会がなかったものですから、きょうは新長官に幾つかの点でお尋ねをさせていただきたいと思っております。 日本が抱えています問題の中で、少子・高齢化、これが我が国経済に与える影響が非常に大きい、とりわけ青壮年労働力の減少がGDPを引き下げる、こういう問題があると言われているわけであります。そうなったときに、日本の経済の活力を維持するというときに、今まで以上に意欲のある女性であるとかあるいは高齢者の就業促進がますます重要な課題となってくる、かように思うところであります。 最近、国家の経済、あるいは民間経済に加えて、第三の経済としてのボランタリーエコノミー、これはアメリカでは大変大きなポーションを占めるものになっているわけでありますが、このボランタリーエコノミーの必要性ということが言われる。あるいはソーシャルリプレースメント、これは高齢者の再雇用に資するNPOとかあるいは有償ボランティア的な新社会事業を創出していく、こういうことが必要になってくるんじゃないか、こんなこともいろいろ言われているわけでございますが、今後の日本のマクロ経済を運営する上で、この少子・高畠化社会に対してどんな知恵が必要なのか、長官にぜひ伺いたいと思っております。
○国務大臣(堺屋太一君) 高齢化につきましては、私も古くから大変関心を持っておりまして、二十二年前に「団塊の世代」という本を書いたときからこの問題をずっと指摘してまいりました。加えて、最近は少子化が非常に進んでまいりまして、若い労働者が減ってくる、労働力が減ってくる、既に二十歳人口が激減期に入っておりまして、これは日本経済の将来にとって重大な問題だと認識しております。 まず、高齢化につきましてでございますが、第一にやはり考えるべきことは、今までの概念では十五歳から六十四歳までが生産年齢だということでございましたけれども、今や十五歳から十九歳までは二割以下しか働いておりません。非常に多くの方々が勉学にいそしんでおられるという状態でございます。 高齢化の方、上の方を見るとどうかと申しますと、実を言いますと一九六三年には六十歳から六十四歳までの人々の八〇%以上が有職労働力でございました。それが現在では七〇%、一時七〇%ぐらいあって、少し最近上がってまた下がったりしておりますが、実を言いますと、この六十歳から六十四歳までの労働力化というのが下がっているんです。これは、昔は農業とか自営業とかがございまして、六十歳を過ぎても自分の田んぼに出れば働けた方々が、今はサラリーマンになりますとなかなか勤めるところがないという形なんです。 それで、これから我々が考えなきゃいけないのは、この六十歳以上の方々も労働適性人口だという発想を持って、それにふさわしい就業方式あるいは雇用慣行、または技術、就労形態、そういったものを総合的に開発していく必要があると思います。あわせてまた、女性についての職場、パートタイムじゃなしにこれの完全な利用というようなことで日本の労働力を確保していくことが必要だろうと思います。あわせて、特殊分野も含めて国際的な視野ということも不可欠だと思います。 第二に、議員の御指摘になりましたボランタリーの部分でございますけれども、現在、日本では財団法人、公益法人、それからNPOまで含めて約十五兆円、GDPの三・一%ぐらいのものがボランタリー分野になっております。これはアメリカなどに比べてまだ低いわけでございまして、特に善意によるNPOと言われる組織でございますが、これは非常にわずかになっております。この十二月からNPO法が施行されまして、こういったものに対して法人格を与えるようにして振興していきたいと考えております。 これから財政的にも窮屈でございますので、できるだけ人々の善意を生かしていきたい、そのために、さらにこの法律が施行された後も注意深く見守って、発展するような方策をとっていきたいと考えております。
○水野誠一君 ありがとうございました。 堺屋長官になられてから、月例経済報告で今まで国民の実感とかけ離れていた経企庁の表現、これを改善するということでいろいろ御努力をなさっていらしているわけでありますが、まだ依然、発表タイミングみたいなことからいくとちょっと遅いんではないか、もう少しタイムリーに診断をしていただけるとありがたいなと、かように思うわけであります。 そういった御努力をなさっている長官なので一つお尋ねしたいと思っているんですが、財政構造改革あるいは行革を通じて国の歳出を非常に合理的なものにしていくということが必要なのはもうそのとおりなのでありますが、しかし、一方では国民負担、これは日本の財政赤字を改善していくためにはどうしても増大せざるを得ない、こういう問題。これは単に税負担の問題だけではなくて、年金の問題も含めて、大変深刻な問題だと思うんです。そういうときに国民にわかりやすく説明して理解してもらう努力、やはり経済関係についてのスポークスマンとしての役割を経済企画庁長官はお持ちになっていると思うので、この点について伺いたいと思うんです。 特に私は、今盛んに使われておりますGDPという指標、これが本当にわかりやすい指標なのか、これにかわるわかりやすい指標というのが何かできないものか、こんな点も日ごろ考えておりますので、何かお答えをいただければと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のように、アメリカ等に比べますと日本の統計の発表が遅いということがございまして、次の回からDIの発表を二週間早めさせていただくことになりました。また、その他の統計につきましても、できるだけ早くするためにどうしたらいいか、今事務当局に検討していただいておりますけれども、これは各省のいろんな統計の上に積み上がってくるものですから、いろんな統計を現場でとっておられる方々もやはり頑張ってもらわなきゃいけない。それから地方の方もございますし、いろんな意味でかなり大きな訂正作業が必要でございます。それを何とか来年度には間に合うようにやっていきたいと、目下鋭意検討しているところでございます。 財政でございますけれども、財政では確かに仰せのとおり、議員の御指摘のように、今減税をやってくれるのはいいけれども、後でまた増税がすぐ来るんじゃないか、だからそれを考えるとお金が使えないから貯金がふえるだけだと、これは確かにある現象だと思います。程度はどの程度かわかりませんが、ゼロではないと思います。したがって、将来の財政について今経済戦略会議でも検討していただいておりますが、財政の問題につきましては、単に増税だけではなしに、経済成長率を大きくしたらどうなるか、あるいは国有財産の売却、民営化等の点もあります。あるいは将来になると財政は削減できるんじゃないかという問題もあります。そういったことを広く取り上げて検討したいと考えています。 GDPにかわる指標でございますが、これは企画庁でもいろいろと研究しておりますけれども、数値化することが大変難しいんです。満足度指標とかいろいろ提案はあるんですが、一つに数値化して合計で出すことが非常に難しいものですから、これは長期的な研究課題として考えていきたいと思っております。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(須藤良太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時十九分散会 —————・—————