金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第11号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1998/10/16
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、佐藤道夫君が委員を辞任され、その補欠として島袋宗康君が選任されました。
○委員長(坂野重信君) 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案(衆議院提出)及び金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案(本岡昭次君外二名発議)、以上両案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井國臣君 いよいよ本特別委員会も最終ラウンドに差しかかってきております。発議者の皆さん方には大変な御苦労をいただきまして、この場をかりまして心から敬意を表し、厚くお礼を申し上げる次第でございます。 また、宮澤大蔵大臣におかれましては、終始熱心に大変な誠意を持って丁寧にお答えいただきまして、本当に心から感謝を申し上げたいと思う次第でございます。本当にありがとうございます。もう少してございますので、最後までよろしくお願いします。 いろいろな議論をしてまいりまして、いろいろなことが明らかになってまいりました。しかし、私自身、どうしてもこの段階ではっきりさせておきたいといいますか、お聞きしておきたい点がございます。それがないとどうも今晩からゆっくり寝られないような気がしますので、二点御質問させていただきたいと思います。 先般、民主党の発議者池田先生が、私の質問に関連いたしまして、相場は相場に聞けと。株式市場というものについてある種の信頼を寄せながら、これは格言というか、相場の世界では普通にそう言っておるわけでありますが、相場は相場に聞けと。私は相場に対する一つの信頼感というものがそこにあるように思います。 私自身は空売りの話とヘッジファンドの話をさせていただきました。ヘッジファンドというのは、かってない特別のファンドといいますか、一般の投機筋とは違う特別の投機筋のように思うわけでありますが、株式相場の世界で空売りということは昔から行われておった。いわゆるマージン取引でございますけれども、本当に相場を張ってもうけるのは空売りなんです。したがって、そういう投機筋におきましては、相場は相場に聞けではなくて、人の行く裏に道あり花の山と言うんだそうでございまして、やはり裏をかくというそういうことをしょっちゅうやらにゃいかぬわけです。それで株価は動いていく、こういうことであろうかと思います。 そういう意味で、私はもともと相場というものは余り信用しておりません。特に近年はヘッジファンドが本当に、私は悪魔の見えざる手とこう言っておるわけですが、日本には悪魔はいないんですけれども西洋には悪魔がおる。悪魔の見えざる手とこう呼んでおるわけですが、そういう大変な暴力とでも言うべき力が市場に働く、マーケットに働く。したがって、市場というものが大変ゆがんでくる、そういう現実が今あらわれておるように思うんです。 そういうことで、例えば為替相場について言いますと、百四十六円、百四十七円、百五十円に迫ろうとしているときでも、私は日本のファンダメンタルズからいって百十円から百二十円あるいは百二十円前後かななんと思っておったんです。株式のダウ平均でいきますと、株式の方は、私は日本のファンダメンタルズからいってやっぱり一万八千円ぐらいのところがいいところじゃないかな、何ぼ悪く見ても一万七千円、一万五千円を割るようなことはないだろうとずっと思っておったわけです。したがって、現在の状況につきましては、私はかなりゆがんでおるというふうに思うんです。 そういうことで、例えば自己資本比率の資産の評価、有価証券の評価について、低価法であるとか原価法であるとかいろんな議論があるわけですけれども、私はそういうことで、本当の我が国経済のあるいは個々の企業の実力というものをどのように評価するのかというのはなかなか難しい。乱高下する相場の中である時点だけばっと切って、その時点の評価額で果たして評価していいものかどうか。かといって、私は原価法がいいとかそんなことを言っておるんじゃないんです。わからないんです。ただ、時価の評価で、でもそれはちょっとやっぱりおかしいんじゃないか。じゃどうなんだと言われると困るんですけれども。土地の価格につきましても、最近は収益還元率でどうのこうのというようになっておるわけでありますので、何か真値があるんですよね。それがちょっと私はよくわからないんです。 そんなことでございまして、市場、マーケットというものにつきましての基本的認識を発議者のお二人にお聞きしたい、こう思うわけでございます。ひとつよろしくお願いします。
○衆議院議員(保岡興治君) 先生が御指摘のように、相場というものが実態を離れて取引されるということは往々にして起こるんだと思います。もちろん、企業、金融を含めたそういった事業というものの実態を正確に把握して開示するという方法、手段もこれから非常に充実していかなきゃならないわけでございますけれども、同時に、市場も多くの関係者が考え判断し動く流れですから、それは七、八割、あるいはもっと高い水準で一般的には正しい、それを基本にするということはとても大事なことだと思います。 しかし、私は昨年の秋以来の経済、金融の動きを見ておりまして、北拓がつぶれたときに日本の金融当局は銀行をつぶさないという原則を放棄したんじゃないかというようなことが世界に広がって、そして言われた投機筋が動いて、幾つかの銀行グループが慌てて株を買い支えて難をやっとのことで逃れる。そういうようなことから日本の経済が崩れていく。 彼らにしてみれば、何かのすきを見て売りをかけて、そして金融農閑が持っている株あるいはそこの株というものを集中的に売る、そしてその結果日本の実体経済も崩れていく、その崩れの差額をもうける。こういうことでございますから、昨年の秋以来の日本の経済状況が崩れていく中でヘッジファンドに幾度かやられている。 私は、金融監督庁が発足する六月二十二日、その直前の十九日に長銀が売りをかけられて、それから長銀問題が一気になだれを打つように日本の金融界の大問題になっていく、こういった動き、そして長銀がまたいろいろ国会で議論される中で、次の標的をねらう動き、こういったことで日本経済を崩して差額をもうける、こういう大変な投機の動きがあったのは事実だと思うんです。 そういうものに対して、私たちは政策手段としてすきを見せないということがとても大事であって、今度の金融再生法あるいは金融安定化法というのは、破綻後の処理というものがきちっとできて、ちゃんとセーフティーネットが用意された、それから未然に、破綻に至る前に金融の弱っている状況をちゃんと解決できる金融健全化スキームというものが今度用意された、このことはとても大きいことだと思います。 同時に、我々はそういう不公正な市場の動きに対して、今先生も言われましたとおり、空売り規制を前倒しした今度の国会の措置、あるいはまた証券取引監視委員会等で監視を強化してちゃんと公正な市場になるようにチェックしていくということがとても重要なことでございます。そういった意味では、今議員立法で空売り規制はあっという間にできましたが、提案から施行まで二週間でできたんです。私はこれは大変なスピードだと思います。 監視委員会の数は非常に足りません。我が国は証券取引等監視委員会のメンバーは三人で職員は百人、株を常時監視したり分析したりしているのは三十五人、これでは大変だ。アメリカなどは三千人も証券取引委員会、SECにいる。こういう市場の公正さを守る、担保する手段というものも我が国は強く求められている。 こういうふうに議員立法であるいは政治主導でこういうものは進めていかないと、従来の役所が対応してきたようなスピードではなかなか私は変化の激しい、いろんなことが起こっていくこういう時代の変化についていけないものだと思います。そういった意味で、いろいろ市場の暴力に対しては未然にこれを防ぐという手段もとても大事だと思います。
○委員以外の議員(峰崎直樹君) 岩井委員にお答えします。 本当に市場というのは、私ども十分ここで語れるだけの資格を持っていると思っておりませんが、保岡議員の方からも今お話がありましたように、やはり市場というものは絶えずオーバーシュートする傾向があると思います。 私は、実はジョージ・ソロスというヘッジファンドの王と言われた方がある雑誌に、もっと自由放任の弱肉強食の考え方を披瀝するのかと思ったら、いやいや、もっと国がきちんとこれを規制しなきゃだめだぞと。 先日も大蔵大臣の方から、ヘッジファンドが一国の民主主義国家を本当にある意味では経済的にめちゃめちゃにしてしまう、こういうあり方に対して、やはりきちんと規制をする、そのことはこれから国際経済のルールの中でしっかり図っていくべき課題だと思います。その意味で、トービン・タックスというようなことも一時議論されておりました。これからぜひそういう方向で、投資ではなくて投機に対する規制というものは非常に必要になってくるのではないかというふうに考えています。 ただ、今回の長銀問題を含めた金融問題に関して言えば、やはりどこか弱点を持っているがゆえにこの市場の暴力に対してどうしても防ぎ切れない。やはりきちんとした体力をつける、本当にしっかりとしたどんな暴力にも抗すことのできるそういう力をつけなければいけない。その意味で、私は、きちんとしたルール、それからそのことに対する検査、監視、そして何よりも情報公開というものが正しくされていることがやはり今必要になってきているのかなと思います。 御存じのように、昨今の新聞によりますと、長銀は債務超過であったというようなことをお聞きして、我々が危惧していたことが本当になったわけでありますが、その意味で、私どもは、やはり早く本当にきちんとした実態を明らかにする、そしていつでも市場の暴力に対抗できるような力を持つことが必要なんだろうというふうに考えております。
○岩井國臣君 企画庁長官に、これからのビジョンとか新しい政策展開、例えばPFIとか、もちろんSPCを使っての土地の証券化であるとか、あるいはさらに言ってプロジェクトそのものの証券化だとか、いろんな課題があります。聞きたかったんですけれども、恐らく長官、大分時間をゆっくりしゃべっていただかなきゃいかぬと思いますので、これは場を改めさせていただきまして、ちょっと中途半端に終わりそうなので、きょうはこれで終わらせていただきたいと思います。まことに失礼でございましたけれども、ひとつまた次の機会ということでお許しいただきたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
○齋藤勁君 おはようございます。民主党・新緑風会の齋藤でございます。 今、市場の話が出ました。大臣、我が国の経済が深刻な不況の中で、私たちの国会での動きというのが市場にどう影響を与えるかということについて、日々それぞれ関心を持って取り組んでいることはだれも異存がないというふうに思います。そこで、たびたび金融関係に関します法案が議論され、あるいは修正を加えられ可決され、その時期に株価なり、いろいろ一喜一憂と申しましょうか、大変注目をしているわけでございます。 今回のこの三党提出の金融健全化法案、我が党は参議院で議員提案させていただきましたけれども、それと違い、これは不良債権の早期一括処理をまたまた先送りするのではないかということを指摘せざるを得ないわけでございまして、金融システムの安定化とはほど遠い法案であるというふうに改めて申し上げさせていただきたいと思います。 それで、市場関係者によりますと、本法案が衆議院を通過して以来、ジャパン・プレミアムがむしろ拡大をして、〇・七%ぐらいまで拡大をしているということも聞いておりますし、二十五兆円プラス十八兆円と公的資金の規模だけを大きくしても、この使い方が間違っていたのでは、やっぱり市場というのはそのことを見据えて敏感に私は察知をするのではないかというふうに思います。日経平均株価がまた一万三千円を割ったという、そんな報道もございます。 冒頭、大蔵大臣としまして、現時点での市場に与える影響ということで、この三党提出の金融健全化法案、法案と市場ということになりますと非常に大きな話でございますけれども、ある程度限定したこの間の動きということで、大臣としてのお考え方を述べていただければありがたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私、余り市場のことを詳しく存じませんけれども、今回の二法案、二セットの法案と申し上げるべきかもしれませんが、この帰趨というのは、日本が世界の不況の発生源であると考える多くの海外の人たちからも非常に注目をされました。 今、齋藤委員の言われますように、まずこれが通過するかどうか。殊に、後の方の健全化法案は大変注目をされたわけでございます。市場の反応は、最初のうちは一喜一憂のような感じでございましたけれども、各党間のいろいろお話が詰まってまいりますと、これは決して私は悪いことだと思って申し上げるのではないのですが、いろいろなことが非常に厳しくなって、それ自身私は悪いと申し上げているのではありません、ある意味でちょっと甘い期待があったとすれば、なかなかそうばかりでもないなというようなのがこの何日間かの私は受け取られ方ではないか。 そこで、これからこの法案が法律になりまして施行せられました後、果たしてどういうふうに運営されるのか、政府がどのような運営方針でいくのかというようなあたりを見きわめたいということがあるのではないだろうか。当委員会におきましても資本注入の仕方、あり方についていろいろな御議論が各党によってなされておりますので、その平均的な最後の落ちばどの辺だろうかというのを市場が見ておるのではないか。銀行株の動きを見ておりますと、非常に飛び上がった日があったり、また急落した日があったりして、まちまちでございますので、恐らくはこの法案が成立しました後、これがどのように運営されるかということが注目されておるのではないかというふうに考えております。
○齋藤勁君 ありがとうございます。 次の質問は、大蔵大臣に御答弁いただくか金融監督庁に御答弁いただくか、ぜひ聞いていただきましてそれぞれ御判断いただきまして答弁いただきたいと思うんです。 これからどう運営をされていくかという大臣の答弁でございますけれども、過日、十月一日に私ども民主党も含め自由民主党、そして平和・改革の三党で交わしました覚書がございます。その覚書の中に、「金融再生委員会規則、」「政府は、金融再生委員会規則の作成にあたり、三会派にその内容を中間報告し、その意見を聴くものとする。」。こういう覚書を取り交わしているところでございます。言ってみれば、中間報告をし、その意見を聞くものとするという覚書なわけですが、「金融再生委員会規則の作成にあたり、三会派にその内容を中間報告し、その意見を聴くものとする。」、こういう取り決めてございます。 だから、いわゆる不良債権の分類基準、引当基準、有価証券の評価方法に関する金融再生委員会の規則についても遵守をしていくということになれば、当然のことながら相談があり、相談があったら一〇〇%盛り込ませようというのはなかなか無理な話にしろ、当然このことの約束は反映される、そして当然のことながら、自由民主党、民主党、平和・改革の三党で覚書を交わしているわけですから、これは反映されるという理解でよろしいでしょうか。 大臣にお答えいただくのか、金融監督庁にお答えいただくのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ここに今覚書を持っておりますが、「金融再生委員会規則について」、「政府は、金融再生委員会規則の作成にあたり、三会派にその内容を中間報告し、その意見を聴くものとする。」。誠実にこの覚書は履行せられるべきものと思います。
○齋藤勁君 ぜひ覚書を履行していただきたいというふうに思います。 さて、そこで、この臨時国会の中でも長銀と住信の合併問題というのがずっと議論になりました。これはこれからもずっと続いていくというふうに思いますけれども、例えばこのことについては、総理官邸での私企業に対する、大蔵大臣も含めて総理の合併に対する預金保険法のいわゆるあっせん、一つの介入ではないか、こういったやりとりもございまして、佐藤議員からは預金保険法に違反するんではないかと、こんな指摘もございました。 さて、きのうとおととい、きょうもですが、長銀が実質債務超過になっていると、既に金融監督庁もこのことについて確認をして、それらに対する国有化の申請後のそんな準備も行っているというふうに報道されております。 この長銀が実質債務超過になっているという事実認識に立ち、そしてその後の対応を金融監督庁とされているのかどうか、現時点で長銀の申請なり準備行為が政府の方にされているのかどうか、お尋ねしたいというふうに思います。
○政府委員(日野正晴君) まず、最初の方のお尋ねでございますが、九月三十日に立入検査を終了いたしまして、現在金融監督庁においてその取りまとめを行っているところでございまして、検査の結果の通知というものは長銀に対していずれ行われることになりますので、その検査の結果の通知の中に金融監督庁としての判断をお示しすることになると思います。 ただ、現在どういつだ判断の過程にあるか、固めつつあるかということになりますと、これは、検査の結果を通知してから後もそうでございますが、個別行の問題でございますので、その検査の結果の内容については当方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。 それから第二点の御質問でございますが、現在長銀からはどういった方法で将来の道行きを考えるかということについては正式には何も聞いておりませんが、この国会でいろいろ御審議いただいて成立いたしましたさまざまな法律がございますので、特にこの金融再生化法について、それを適用したらどうなるかということは恐らく長銀においては検討しておられるものと存じます。
○齋藤勁君 金融監督庁としては、今度のいわゆる一時国有化についての長銀からの働きかけというんでしょうか、事前の申請に当たっての相談とか協議というのはまだ今されていない、長銀側があくまでもされているということで、監督庁自身はないということですか。
○政府委員(日野正晴君) これは一般論になりますが、仮にこの再生化法を適用するということになりますと、その適用に当たりましては、政府が職権で適用する場合、あるいは当該金融機関が申し出、これは申し出でございますので、事実の通知といいますか預金の払い戻しができなくなった、あるいはできなくなるおそれがある、あるいはそういったことが生ずるおそれがあるといったようなそれぞれの態様に応じまして、手を挙げるといいますか政府に対して申し出をするということになっていると存じます。 それを受け付けるといいますか、それは正式には新しくでき上がります金融再生委員会において御審議さるべき問題ですが、金融再生委員会ができますまでは総理大臣がその職務を代行する、こういう規定になっております。 さて、この金融再生法案を見ますと、総理の代行につきましてだれが実際事務を行うかということについては何ら規定がございません。金融監督庁は、確かに現在の銀行法等の規定あるいは現在の金融監督庁設置法によりますと総理を補佐するということになっておりますが、恐らく長銀としては、これは一般論、仮定論になりますが、この新しい法律に基づいて手を挙げるということになりますと、この二カ月の間は代行することになっております内閣総理大臣に対して手を挙げる、二カ月たったならば金融再生委員会に対して手を挙げる、そういうことになろうかと思います。 それはあくまでも長銀が金融再生法のもとで将来の道行きを考えたいという場合のことでございまして、いろいろ当該金融機関がどういつだ道筋で自分の将来を考えていくかということはそれぞれ個別の金融機関が判断すべきものと考えますし、その申し出が仮に出てきたとしても、法律の体系のもとでは金融監督庁が直接その申し出を受け付けるという立場にないことは御理解いただけるものと思います。
○齋藤勁君 本特別委員会には長銀問題等をいろいろ検討し解明する小委員会が設置をされておりまして、残念ながら今日まで審議の関係で開催をされておりません。既に特別委員会理事会でも、今後、閉会になってもこの特別委員会なり小委員会を活発化していくかということについて協議をされておりますので、私はその中で長銀問題についての解明をしていきたいというふうに思います。 私は、公邸に呼ぶ呼ばないの是非は別にいたしまして、いわゆる一国の総理、そして大蔵大臣が、その時点で長銀が実質債務超過になっているという判断を下せないにしても、そのときの判断それから責任の問題、言ってみれば私的行為について総理が合併をしたら全面的に支援をしますよと、こういうことが果たしてそのときには適切であったのかどうか、あるいはそういうことが正しいのかどうかということについて非常に疑義を持っているところであります。それらについてはまたその場でたださせていただきたいというふうに思います。 さて、そこで、衆議院、参議院でこの金融問題はずっと議論をし、これからもしていかなけりゃならないと思うんですが、大蔵大臣に引き続きお尋ねさせていただきたいのは、この間、いわゆる護送船団方式の終えん、終局だということをたびたび大蔵大臣も言われております。これは大蔵省そして金融界含めての一体的な護送船団ということで表現をしておりますが、かつて大蔵省は、幾つかの指針で今日的状況を展望しながらそれらの金融機関に対してさまざまな提言をして、いわば体質改善なりリストラ策なども含めましていろんな指針を出しております。 例えば、この指針は九二年、今から六年前でございますけれども、「金融行政の当面の運営方針について一というところで、大変長いので前文は省略をいたしますけれども、一金融機関には、経営組織全体を通じた厳しい自助努力による最大限の合理化努力を要請することとしたい。」、これは当時バブルの崩壊に伴う不良資産の増大や内部蓄積の減少ということで、バブルの崩壊後でございます。 さらに、この二年後の九四年二月の指針では、「金融機関の不良資産問題についての行政上の指針」というところで、「金融自由化によって増大するリスクに適確に対応していくためには、金融機関は徹底した合理化を進めるとともに、経営のリストラクチャリングを進め、経営体質を強化していく必要がある。このため、金融機関に対して、最大限の経営努力を求める。」、金融機関に対して最大限の経営努力を求めるという、こういう指針でございます。 さきの九二年も九四年もいずれも不良資産問題の深刻化を背景に出されたものでございまして、注目しなきゃならないのは、不良資産を早期に処分するために合理化をしろということではなくて、共通するキーワードは不良資産よりむしろ金融の自由化、金融の自由化に対してこういう指針を出しております。いずれにしても、銀行には長期的な視点に立って経営戦略構築、経営資源の効率的配分をしろと、九二年、九四年にこういう指針を出しておる。 さらに、もっと古い年限でございますけれども、八五年、昭和六十年でございます。このときの金融制度調査会では、一金融自由化の進展とその環境整備一ということで答申がされております。長いんで時間がなくなるんですが、そのときに、いわゆる金融機関はともかく資金供給のウエートが徐々に小さくなっていると。すなわち、国債の大量発行を契機とした公社債市場の発達を背景に、直接金融による資金の流れは増加傾向にある。金融機関業務における国際業務のウエートが増大をしている。国際業務にはカントリーリスク、為替リスクといった固有のリスクがある。流動性リスク、金利変動リスクも高いことから、金融機関はこういう諸リスクに対応するための内部管理体制を確立すること。こういう八五年の金制調の答申でございます。 これだけを見ますと、護送船団方式、大蔵省の方はそのときに的確な指針を出していたということで、内部の指針としてはこれはそれなりの評価をしなきゃならないのではないかというふうに思います、明記されているんですから。そうすると、その指針を出したけれども、いわゆる銀行業界を含めて金融界の方がこのことについて何も対応してこなかった、すべて悪いんだと。これは善と悪を明確にするわけじゃないんですが、このことを読む限りそういうような姿が出てくるわけでございます。 これは、なぜこういった指針が生かされなかったんだろうかというやっぱり問いかけをしなきゃならないと思うんです。そのときそのときでもう国会では審議をしていますから、あるいはもう十分議論をされているかもわかりませんが、今このときに大蔵大臣みずからが護送船団方式の終えんだというようなことをたびたび私どもとやりとりしている中で、これは長い間経済、金融、そして大蔵問題についてはもう本当に先見性のある、そして我が国を指導されてきた大蔵大臣でございますので、なぜこのことが生かされてこなかったんだろうかということについて国会にも国民にも説明をする、そして誤りがあれば正していく、こういう姿勢がやっぱり大切ではないかというふうに私は思います。 今、長々と九二年、九四年、あるいはさらに八五年の例を出しましたけれども、護送船団方式が終局だと言われる、そういうことを指摘されます大蔵大臣、このことが今また議論になってどうしようかということで大変な思いをしてさまざまな法律を出しているわけでございますので、そういった全体的な立場に立って所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のお尋ねは、まことにいろいろ考えさせられるお尋ねでございます。最初におっしゃいました一九九二年の当面の金融機関の運営についてというのは、実は私が総理大臣をしておりまして、そのときに株価が一万四千三百九円という最安値をつけまして、一万四千円を割るのではないかという状況がございました。それで、私が大蔵省、日銀に申しましてそういう文書を取りまとめた、私が実は申しましたことであったのでございます。 同じころに、私は、この不良債権の問題は実は非常に深刻な問題になるので、この解決のために国が関与する用意があるということを申しました。しかし、これはほとんど十分な注目を浴びずに終わりました。その理由は後になって考えてみますと、金融機関としては政府が事態に関与すれば必ず責任問題になると考えられたようです。それから、産業界は銀行に対する長年の不信がございますので、経団連として動くことはむしろしたくないという御意向であった。官僚機構は、それまでに各省庁の間でいろんなやりとりがあっての結果なものですから、できるならば表ざたにしたくないというのがある。そういう事情がございまして、私の、総理大臣としてのそういう方針を鮮明にしたにもかかわらず、それは一種の空振りに終わったという事情がございます。 そういういきさつが一つのいきさつでございますが、しかし今のお尋ねは、結局大蔵省は金融機関に対して自由化とか国際化とかいうことをしばしば申すのでありますけれども、当時、日本の金融機関は、世界の十本の指といえば全部日本の銀行というような時代で、アメリカが非常に混乱をしておるときでございます。ですから、ある意味で自由化ということは空念仏に終わっておった、正直を申しますと私はそうだったと思います。 そして、アメリカ側も自分の陣営が実は非常に混乱しておりますものですから、自由化というプレッシャーを日本にかけるというような体制にはなかった、そういうことが私は残念ながら事実だったと思うのでございます。 ですから、日本の経済全体の自由化の中で最初に進みましたのは、通産省関係の統制が解除されまして自由化が非常に進みまして、一番おくれましたのは大蔵省の金融、保険というところでございます。これは、何と申しますか、おっしゃいますように役人はそういうことを口にはしているものの、全体としてそういう緊迫感がないままに進んでしまいまして、それは非常に不幸なことであったと思いますが、それだけ日本の金融機関はいいときを過ごしたとでも申しますか、そういう状況であったと思います。 それで、幸いにしてと申しますか、ことしてございますか、為替の自由化が口火を切りましたものですから、これでもういよいよ待ったなしということになったわけでございます。一言で申しましたら、我が国の金融界がいっとき非常に優勢な地位に立ちましたために、自由化というようなことについて本気に考えなかったし、また大蔵省も口にはしながらその行政を推進しなかったというのはどうも事実ではないかと思われます。 しかし、非常にいろいろ考えさせられるお尋ねをいただいたと思っています。
○齋藤勁君 私も、この答申は本当に十年前の答申とは思えないほど、答申の提言がとにかく早期に生かされていたら、今日の金融混乱の多くの部分というのは回避されていたのではないかというふうに思っております。 言ってみれば、金融業界、民間金融機関の執拗な抵抗というのを、今大臣もお述べになりましたけれども、本当にこれは徹底的に究明しなければならないというふうに私も思います。 さてそこで、持ち時間がなくなりましたので、今回の両法案でございますけれども、先日、本会議で私どもの同僚の峰崎議員が明確に述べさせていただいております。これを再度私どもは訴えさせていただきます。民主党の法案が提案され、趣旨説明、そして議論の中で、短い期間であっても、三党、自民党さんの方の案、あるいは公明さん、いろいろ案がございますが、それらに賛成された方も民主党の案はいいではないか、こういう声も聞かれるわけなので、あえてこのことについて指摘をさせていただきたいと思います。 言ってみれば、さきに成立いたしました金融再生法あるいは早期健全化法、金融機関の本当の経営実態、体力を把握すること、これは生命でございます。私ども民主党案というのは、厳格な資産査定等、不良債権の引き当て、そして低価法によります有価証券評価によって存続可能な銀行とそうでない銀行を峻別する、そして早期健全化法で前者の方は対応し、後者には金融再生法で対処する。二つの法案というのはまさに金融危機管理の両輪であるというふうに位置づけています。 残念ながら、自民党さんの案の方は、いいかげんだと言うとおしかりを受けるのかもわかりませんが、いいかげんな資産査定と水膨れの有価証券評価で、ある金融機関が存続可能かどうかの判断が恣意的に実際存続をする可能性を無視して行われるのではないかというふうに思います。早期健全化法案のスキームによって、本来ならば再生法によって措置をされるべきそういう存続不可能な銀行の一時的廷命が行われ、必ずや近い将来国民経済に大きな影響を及ぼす、悪影響を及ぼす、そして納税者の負担を招くことになるのではないかということを指摘せざるを得ません。 まだ残る時間もございます。ぜひ私ども民主党の案に御賛同いただきまして、アメリカでも多くのさまざまな前例があるわけでございますので、我が国としては轍を踏まない、そういう法案が通り、納税者も国民も安心して暮らせる、そんなことを望みまして、私の質問を終わりたいというふうに思います。(拍手)
○森本晃司君 与えられた時間がわずかでございますので、数点だけ質問をさせていただきたいと思っております。 大蔵大臣、連日大変御苦労さまでございます。また、本当に誠実にお答えいただいておりまして、私も心から感謝申し上げる次第でございます。また、破綻前の処理法案、いろいろ御苦労いただきました皆さんに心から感謝申し上げます。 昨夜、ここにはおられない方々とちょっと懇談しておりましたら、魔の木曜日が近づいたら大変怖かったというふうに皆さんもおっしゃっていただいて、一方ならぬ御苦労をしていただいたんだと思っております。 これで破綻前、破綻後の両輪がそろったわけでございます。これからいよいよ政府が責任を持って私ども国会が決めた法律を運用していただくことになるかと思います。 今回のこの法律の成立によりまして、よく言われておりました護送船団方式が改められることになる。これは宮澤大臣もしばしばこの場でおっしゃっておられたことでもございますし、同時にまた、よく言われた経営者責任も明確になり、情報開示もできていく。 今回のこの委員会の中で我々じくじたるものを持ちましたのは、長銀のことに対しての情報開示がほとんどされてこなかった。いよいよ国会が終わるようになってから債務超過ではないかというようなことが言われ始める。これではやっぱり国民の皆さんもなかなか納得しない。こういった意味からも、情報開示がきちんとなされていくようになっていく。 同時に、前回のときも申し上げましたけれども、経営者のモラルハザード、今回もこの法案が衆議院を通過したときに、銀行関係者の方々がテレビに出ておられましたけれども、本当に責任を感じておられるのかな、何か評論家みたいな話だなというふうに思うことが多々ございました。 多くの資金を注入する、それはすべて国民の血税から来ているものでございますから、そのことを銀行経営者もよくわかって、そしてさらに今回のことを一つの機縁として、国民の信頼にこたえられるように、我々もそうでございます、立法機関もそうでございますし、行政機関もそのように取り組んでいただきたいし、銀行もまたそのように取り組んでいただきたいと思います。 殊に貸し渋りに対する問題、伍めて深刻でございます。この法律ができてどう運用されていくか。貸し渋りに対してはまだまだこの法律ができたからといってすべて解決できるとは思わない、心配だときのうも坂口発議者が答弁されておられました。どうぞそんなことのないように、経営者のモラルも含めて推し進めていただくように、大蔵大臣、ぜひよろしくお願い申し上げます。 大臣の御答弁をお順いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる護送船団の時代が非常に長く続きました。その間、森本委員が言われますように、バンカーというのは、言ってみれば聖域にいたようなものでございます。大変居心地のいいところにいまして、責任を追及されるということもない。また、森本委員はよく行政を御存じでございますから御想像がつきますように、行政もまた、あえて癒着とは申しませんけれども、MOF担というような言葉がございますように、そういう関係にございましたから、言いにくいことですが、まことにのうのうと暮らしておられた。銀行はと申しては悪うございますが、そうだったと思います。 それで、過般、いわゆる総会屋のあたりから銀行の中へ検察の手が入りまして、これは非常なショックだったと思うのでございますけれども、あのあたりから少し、何となく銀行の方々が世の中を見る目が違ってきました。この国会におきましても、法案をめぐっていろいろ厳しいお話がございました。私はそれは一々ごもっともだと思って伺っていましたけれども、銀行の方々もちょっともう萎縮してしまって、本当に新しく前へ向かって物を考えてくれるのかなというような気持ちさえ私はいっときいたしておりました。 しかし、いろいろ国会でも強いおとがめがあって、そして今度成立させていただくと期待しております法案も、各党でいろんな御議論があって、こういう時代ですから、私はなるべく激変にならないようにというようなことを何度もお類いしながら、しかしこれで銀行に競争、それから経営者の責任というものが初めて問われることになる。それは、いろいろ御質問については私は抵抗したりいろいろ申し上げながら、やっぱり新しい環境が生まれつつあると思っております。 行政の方はもうそれより前に実はとっくに意気消沈しておりまして、もうかってのようなことをする人もいなくなりましたし、気持ちもなくなっておりますので、その点も注意いたしますが、しかし初めてここで激しい競争のもとに日本の銀行がさらされて、そしていろいろ厳しい条件を法律におつけくださいましたが、これも考えてみますと、厳しくやっている銀行が結局得をする。あそこは非常にきついんだ、それが一種のPRとして、ディスクローズしていることが自分の得になるというような方にかなり急速に変わってくると思います。 おっしゃいましたことは、これは金融監督庁が本当はおっしゃらなきゃいけないんですが、私ども行政におります者も十分注意をいたさなきゃならぬと思っています。
○森本晃司君 大蔵大臣の率直なる御感想を聞かせていただきました。どうぞこれからもまたさらにやっていただきたいと思いますし、金融監督庁の方も、今の大臣の意を体して銀行に対してはきちんとやっていただければと、こう思っておるところでございます。 両輪が整いました。ところが、医術は成功せり、しかして患者は死せりという言葉がございます。大事なことは、こういうものはできたが、血は流れ始めたけれども景気は一向に回復しなかった、日本経済はさらに沈没していったということになっては何の意味もないと思います。 私は、この間から聞いておりましたら、経企庁長官は、長いトンネル、暗いトンネルの中に今入っているんだ、こうおっしゃいました。トンネルに入ったところか出口なのか、これはまだわかりませんし、これからそのことについては我々も仕事をしなければならないと思っています。やみが深ければ深いほど暁は近いという言葉がございます。そのことを信じながら、今暗い中で何とか廃を求めて頑張らなきゃならない。そのために景気対策には、大蔵大臣もおっしゃっていただきましたが、ありとあらゆることを講じていかなければならないと思います。 その中でも、私は自分のライフワークでもございます住宅投資、このことが一番今の流れの中で波及効果も大きく、大事なことではないか。二十一世紀に向かって大事な住宅政策、きょうは建設大臣にわざわざお出ましいただきましたが、景気対策にもそうでございますし、日本人の生活を豊かにするという意味、それからもう一つはこれから先の少子社会に向かって私はこの住宅政策は極めて大事だと思うんです。 多くの先生方は近くの議員宿舎におられるので非常にわかりやすい例として申し上げますと、私のおります清水谷宿舎は、四畳半と六畳、共同ぷろ、これは不満を言っているわけではないんです。私はそれはそれでいいと思っています。一方、麹町へ行きますとすごくゆとりのある住宅にいらっしゃいます。私は、その差の不満じゃありません、満足しております。ただし、ふと思うんです。こんなところで子供ができるんだろうかと思ってみたりします。あの住宅はそのための機能ではありませんのでそれでいいわけでございますけれども、そんなことを考えたときに、住宅政策が極めて大事だと思うんです。 ひとつ建設大臣、どのように住宅政策について取り組んでいただけるか、お答えいただきます。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のとおりでございますし、ましてや先生は建設大臣もお務めになったわけですから、住宅政策は十分に御存じだろうと思います。 先ほど大蔵大臣が御答弁されましたように、金融関係の二法案が成立をいたしました。ですから、今世間を覆っております若い人は若い人なりの不安感、それから年配の方は年配の方の不安感というものを払拭していけば私は景気が上向きになってくる、またなってこなければ困ると思っておるわけでございます。 そういう中にありまして、やはり住宅対策というのが私は景気のイニシアチブをとるといいましょうか喚起する大きなものだろうと思っておるわけでございます。これからは居住空間を拡大して、居住水準の向上を図っていくというようなことに力を入れていきたいと思っておるわけでございまして、景気対策臨時緊急特別枠などを活用しながら、それから住宅金融公庫の融資の拡充ということに今大変力を入れております。経済緊急対策の方からもこの金利の問題等々も含めて今鋭意検討をしておるところでございます。来週あたりには一つの答えを出していくことができると思っておりますが、住宅の振興になお一層努力をしていきたいと思っております。
○森本晃司君 時間があとわずかでございますので、別々にお伺いしょうと思っていたんですが、建設大臣にまとめてお伺いをさせていただきたいと思います。 景気回復に対して最も有効であるのは、私は住宅ローン利子所得控除制度を創設すべきではないかというふうに考えております。 アメリカでは既にもうその制度が行われておりまして、新築住宅あるいは中古、それからセカンドハウスに至るまですべての期間にわたって控除が認められる制度になっているという状況を考えましたとき、経済界からも強い要望がございますし、ぜひそれを実現していただきたいということ。 それからもう一つは、最近の住宅金融公庫融資の延滞状況を見てみますと、延滞件数でいきますと七年度一万四千二百五、八年度一万五千八百、九年度一万八千五百二十五という状況で、だんだんふえてきているところでございます。平成五年と六年度にゆとり償還を利用された方々がちょうど今その時期にかかってきて大変苦しんでおられる。このゆとり償還の五年という期間も私は見直さなければならないんではないか、そのように思いますし、またそれ以外の住宅ローンの返済が困難な状況にある人が、今失業者もふえて数多くあります、そういったことについて建設省がどう取り組まれるか、お伺いします。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 二つの御質問がございまして、まず一つが住宅ローン利子所得控除制度を創設したらどうかということでございます。 これは、先生にはもちろん釈迦に説法でございますが、住宅促進税制というのがございまして、今六年間でございますが、これを十年間に延長しようという動きがあるわけでございますが、それだけで十分であるかどうかといいますと、ローン利子の方が経済効果は大きなものではないかというふうに言われておりまして、これは建設省でも現在検討をいたしておるところが事実でございます。 住宅取得促進税制とローン利子税制、ローン利子税制はちょっと控除期間が長期間であるから、したがって高額所得者に対して有利ではないかと言われております。それから住宅促進税制の方は、これは中堅層の方々に有利ではないかというふうに言われておるわけでございまして、今の流れは住宅促進税制を十年間に延長する方の流れが大きなものではございます。 しかし、先生御指摘のように、ローン利子の所得控除ということも大勢の方々からの御支持がございます。ですから、そのことは今後前向きで検討をしていきたいと思っておるわけでございます。 それから、平成五年と六年度のゆとり償還を利用された方がことしから、十年から返還が始まるわけでございますが、これは今それを最長十年間延長しようかということでやっておるわけでございまして、とにかく新築住宅着工を進めるためにもうあらゆる手を建設省は考えておりますので、このローン利子の問題あるいはまたゆとり償還の期間延長の問題、これは前向きでやってまいります。
○森本晃司君 建設大臣ありがとうございました。力ある建設大臣でございますので、どうぞその力量を思う存分発揮していただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 まず、宮澤大蔵大臣にお聞きをしますけれども、大蔵大臣は、八月一日の朝日新聞のインタビューでこう述べておられます。「公的資金の三十兆円を増額する用意は。」という質問に対して、「(増額は)いりようがないと思う。健全銀行への資本注入でも、破たんによる預金者保護でも、あれだけの額は使えない」。三十兆円で余るというふうにこのときはおっしゃっていた。それが八月一日ですから、二カ月余りで六十兆円と二倍化した。このわけを御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、八月一日に申しましたのは、そのときにございました制度のもとで申したことでございますが、今度二つの法律案が国会でお認めいただけるようになりますと、既に通過いたしましたものは破綻あるいは破綻により近いケース、それを扱わなければなりません。 もう一つ御審議中の法案は、これからいわゆる持続可能な金融歳関に対して力をつけていくということでございますので、この二つの法案の求めるところを処理しようといたしますと、かなりの準備をしておいた方がいいという各党の御意見は、私もあえてそうではないと申し上げる理由はございませんで、私どもなりに各党のおっしゃることを承っていますと、二十五兆円というのを考えてみますと、全国の債務が六百兆とよく申しますから、その四%ぐらいに当たる。そうしますと、資本率が二%の銀行は四%上乗せすると六%でございますが、その程度の増強に当たれば、なるほどたくさん手をお挙げになる方があれば、二十五兆あればまあ大丈夫だろうということ。 それから十五兆の方は、一般にいわゆる積み立てをしておりません裸の債務が十四兆あるというふうに言われておりますから、十八兆というのはそういう話かなと。これは各党がいろいろお話しになっていらっしゃることを私どもなりに計算してみたということで、積み上げた数字ではございませんけれども、そういうことで、各党の御主張であればそれもごもっともだということで、先般、予算の第二号補正をお願いしたわけでございます。
○小池晃君 まさに今おっしゃったとおり、金融再生法が成立した、三党修正を経てかなり変わった形で成立をした。そして早期健全化法案が今審議され、これに追加されようとしている。要するに、法案が変わったから投入する公的資金の額が二倍に膨れ上がったということをまさにお認めになったんじゃないかというふうに思うわけであります。税金投入の対象が広がったから公的資金の枠も広がったということだと思うんです。 すなわち、早期健全化法案、きのうも審議されましたが、資本注入の対象が事実上無制限であることが明らかになりました。すなわち、資本注入に要件があるというけれども、健全行には「その他特にやむを得ない事由がある場合」、著しい過少資本行には「その他特に必要と認められる場合」という例外があって、いずれもシステミックリスクだと保岡議員はそう説明されました。システム危機、危機管理という口実であればこれは無限にどんどん広げていくことが可能なんだ、これならどこにでも資本注入できるということがまさにきのうの議論で明らかになったと思うんです。こういう仕組みができたから公的資金の枠も広がったということだと思うんです。まさに、今度の早期健全化法案、これはさきに成立した金融再生法とあわせて、大蔵大臣も八月の段階では想像もできないほどの規模の税金投入による銀行応援のシステムができた、そういうことがはっきりしたというふうに思います。 その上で、貸し渋りの問題をお聞きしたいと思うんですが、この早期健全化法案は第一条の目的に、不良債権処理を速やかに進め、銀行に資本注入して健全化を図るというふうにしております。 そうなると、一体善良な借り手がどうなっていくのかという問題であります。ただでさえ今銀行による貸し渋り、資金回収で中小企業などは大変な状態に置かれている。返済を迫られて、貸出金利の引き上げや担保の積み増しを要求されているという話がどこでも出てきています。この法案ができても貸し渋りの解消には結びつかないのではないか、いや、むしろ不良債権処理の名のもとに貸し渋りが強まるのではないかというふうに考えるんですが、発議者の方、いかがですか。
○衆議院議員(山本幸三君) 貸し渋りの問題でございますけれども、貸し渋りの解消を図ることを考えるためには、まずその原因を明らかにしなければならないと思います。 私どもは、貸し渋りの主たる原因というのは、銀行のバランスシートにおきまして不良債権が大量に滞っている、これが最大の原因であろうと思っております。つまり、不稼働資産である不良債権が銀行のバランスシートに大量にあるものですから、自己資本比率のことを考えますとどこかでそれを調整しなければいけない。不良債権の部分は扱えませんから、健全な借り手のところを絞るという形で貸し渋りの現象が起こっていると考えております。 したがいまして、最善の貸し渋り対策というのは、銀行のバランスシートから不良債権を落としてしまう、直接償却してしまうということが大事であります。不良債権の処理といった場合に、間接償却、つまり引当金を積むだけの話と、帳簿上の処理、最終的に処理する、帳簿から落としてしまう、その二つがありますが、前者の引当金を積むということだけでは問題は解決しません。本当に不良債権の処理というのは帳簿から完全に落としてしまわなければ最終処理にはならないと思います。 それでは、バランスシートから最終的に落とすにはどうするのかといいますと、これには二つの方法があると思います。一つは強制的なやり方でありまして、競売等で強制的に担保の部分を回収して落とす。第二は、債務者との間で話をつけて、債務者の了解をとって任意売却をしてもらってそして担保の回収をする、そして最終的に処理する。ある意味で債務者の代物弁済とそれに伴う債権放棄ということが相まって任意的にできるということだろうと思います。 私どもは、この任意売却を進めるために非常に有力な手段として不動産関連権利調整法というのを考えておりました。この法律ができますとそういうことが本当に進むわけでありますけれども、残念ながら十分な理解が得られずに日の目を見ないままに終わってしまって、こうした有力な手段が失われてしまったことを少し危惧しております。 いずれにいたしましても、これまで銀行はそういう意味で最終的な処理をするということを怠ってきたことは事実であると思います。単に帳簿上の処理で引当金を積むだけで事足りるという傾向があったことは否めないと思いますが、今回の法案では、ただいま御指摘がありましたように、目的にはっきりと不良債権の処理を目的とする、そしてそのために健全化計画にそういう直接的な処理をしてもらうということを書いて、それをきちんと履行条項をフォローしていくということにしたいと思っております。 なお、日銀総裁も昨日の会見で、銀行はディスクロージャーによりましてどれくらい不良債権を消せるかをはっきりと示すべきだと言っておられますけれども、全くそのとおりだと思っております。したがいまして、そういう意味で不良債権が直接償却される、最終的に処理されることによって銀行のバランスシートから消えますし、貸し渋りはする必要がなくなりますし、銀行の業務純益も劇的に改善するという意味で、また、借りている方は超過債務がなくなるわけですから、日本経済は直ちに立ち上がる、担保不動産が市場に出てくるということで解決するものと思います。
○小池晃君 銀行がどんどん不良債権を切り捨てていったら、中小企業の人たちは不良債権に扱われて破綻するしかなくなるんじゃないですか、切り捨てていくだけになるじゃないですか。それは全く説明になっていないというふうに思うんです。 それと同時に、今経営健全化計画というふうにおっしゃいました。これが法律化したのは今回初めてでしょうが、十三兆円スキームのときにも金融危機管理審査委員会の経営健全化計画のひな形、これですね。これがあるわけです。(資料を示す) ここに「金融の円滑化」と、まさに今回の法案で書かれている全く同じ項目を出させる、貸し渋り改善計画を出させることになっていた。同じことをやっていたんです。ところが、これは大蔵大臣もお認めになったように、全く貸し渋り解消に役立たなかったわけであります、三月の資本注入は。そして、私は、ことし三月に出された貸し渋り改善計画の中身を見て非常に驚いた。これ、三和銀行です。何と書いているか。貸し渋りをやっているという認識すらないんです。 当行としては、従来より、財務内容の健全性 を確保しつつ、円滑な資金供給を行っていくた めに、貸出業務に積極的に取り組んでいるとこ ろである。 今般、公的資金による自己資本の充実を申請 するにあたっては、本措置の趣旨をあらためて 重く受け止め、金融の円滑化に向け、より一層 努めてまいりたいと考えている。こう書いてあるんです、積極的にやっているんだと。 ところが、実際の中小企業向け貸し出しは九六年度末では貸出比率七九・五%、十九兆五千七百億円、九七年度末では七七・七%、十八兆八千三百億円、減っているんです。住友銀行も同じように、今後とも引き続き努力します、貸し渋りはやっていないというふうに書いてある。こんなことをぬけぬけと書いているんです。 大蔵大臣、お聞きしますが、自殺者まで出るような貸し渋りが進んでいるというのに、貸し渋りはやってないと言う。そういう認識すらない。こういう銀行相手に幾ら資本注入しても、私は、そういう健全化計画を出させてもこんな実態であれば、何ら貸し渋りがなくなる保証はないのではないか。こういう銀行の認識をただすことこそが必要だと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も、銀行の支店長さんは恐らくいい貸し出しをするよりは回収の額が多い方が出世するということに今でもなっていると思います、実は。それはどんどん不良債権がふえてきまずからどうしてもそういうことになっていくので、そういうことはやはり認めて、そして政府機関も一生懸命やりますし信用補完もいたそうとしています。 しかし、市場経済ですから、政府機関のできることには限りがありますので、どうしてもそれは民間の金融機関にやってもらわなきゃならない。リストラをしろと言っているのでございますから、きのうも佐藤委員が言われましたけれども、リストラをしろと言いますと、どうしても資本調達ができないから、分母を切るしかないじゃないですかと言う。それはそれで一つの理屈として聞いてやらなきゃなりませんから、それだったらやっぱり資本を強くすることの手助けをするしかしようがないわけでございますね、市場でとれませんし外国からもとれませんから。 ですから、じゃ資本を強くすることを法律でお認めを願いましょうとこのように御審議を願っているわけで、それでひとつ貸し渋りというものを改めて、その態度を変えてもらわなきゃならぬ。 昔の計画にもあったとおっしゃいますけれども、わざわざ法律に掲げてそれをやってもらって時々チェックするというような、そういうことで、これだけのことを国もするんだからもう貸し渋りなんということは理屈がないよと、国民の皆さんも、おっしゃられるようなことをしませんと、リストラというのはほっておけばやっぱり貸し渋りにつながる。私はおっしゃるとおりだと思います。それに対応しようと努力しているわけでございます。
○小池晃君 一般論として努力をしているということは幾らでも言えると思うんですが、今現在どういう政治が行われているか、どういう対策がとられているかということが問題だと思うんです、指導がきちっとできているかどうか。 三和銀行の問題をこの国会が始まった最初の予算委員会で取り上げました、資金回収マニュアル。三和銀行は同行の行内ルールに違反する文書だということを言ったそうであります。そして、金融監督庁も同行の内部管理体制に関し処分を検討するというふうに予算委員会に文書を提出しておりますが、これは資金回収したことに対して反省しているわけじゃないんです。こういう文書をつくったことがまずかった一三和銀行も金融監督庁もそういう総括をしている。これはあきれた話だと思うんです。 ところで、金融監督庁は早急に処分するというふうに言われております。これは文書です。これはどうなりましたでしょうか、処分いたしましたか。
○政府委員(日野正晴君) 去る八月二十一日の当院の予算委員会で、筆坂議員の質問に対しまして、今お話がありましたように私の方で申し上げたところでございます。 とりあえず、三和銀行の内部での調査とそれに基づく処分ということを私どもが求めておりましたところ、本日、三和銀行から報告があったところによりますと、去る九月三十日に管理者であります審査第二部長、それから次長を譴責処分に処したということでございます。譴責処分といいますと、一般職の国家公務員で言いますとほぼ戒告に当たるものというふうに理解しておりまして、恐らくこの二人の職員は人事記録にそのことが記載されまして将来の昇進あるいは給与等に影響がある、そういった処分というふうに聞いております。 こういった処分を行ったというふうに聞いておりますので、私どもといたしましては、これを受けまして、銀行法二十六条一項による処分を行うかどうかということについてとれからまたさらに検討をしたいと考えているところでございます。
○小池晃君 私がまさにきょう質問するその日に報告がある。本当に偶然の一致にしてはすばらしいものだと思いますが、この資金回収マニュアルも我が党が国会で取り上げなければ明らかにならなかった。そして、私が質問するというその日に処分が報告される。金融監督庁は一体何をやっているんですか。こんなことでは国民は納得しない。 まともな銀行に対する指導すらできていないのに国民の血税を多額につぎ込む今回の法案に断固反対する、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○山本正和君 官房長官がお見えいただいておりますので、まず初めにちょっとお聞きしておきたいんですけれども、今度の金融問題を議論しておりまして、いろんな議論があるわけですけれども、率直に言いまして、国民全体がどうもやっぱり銀行だけは特別に保護しているんじゃないか、こういう印象を持つその背景に、政党への銀行からの献金というものが長く続いておった、それがどうも何かほっこりしないという感じがずっと続いておると私は思うんです。 小渕総理も、これについてはかなり今までの姿勢とは違った形でいろいろと意見を表明されております。これは自民党だとかあるいは社民党だとか政党の問題も超えて、政府としてこの際やっぱりこの種の問題に対してはどう思うかという見解を出してもらった方がいいように私は思うんです。 確かに法律上は自由でありますけれども、しかし、事のモラルの問題として、国を統治していく責任ある政府という観点からいった場合に、果たして銀行という、こういうまさに国民生活全体に大きな衝撃を与える機関からの政治への、政党への寄附というものはどう考えるのか。この辺をひとつ官房長官から、政府を代表する立場も含めまして御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 私は党を代表する人間でございませんので、きょうは党の総裁たる小渕総理がこの席にはおりませんので私に御指名があったのかと思うわけでございますが、今、山本委員が御指摘になりましたように、我が党は平成八年まで金融機関の献金を受けておりました。けれども、平成八年の事態に至りまして、従来の献金を辞退することにいたしまして、従来借入金をしておった部分のみについて献金をいただくことに変えてまいりました。 先般、今回の法案の一連の審議過程におきまして、党首会談におきまして御党の土井党首からこの問題について厳しい御指摘がございました。小渕総裁は、それを受けて今月の六日、党幹事長に対しまして、党において検討してくれるようにという指示をいたしまして、九日、森幹事長が党内に諮りまして、従来借金として献金を受けておった借金返済部分についても、公的資金を投入する金融機関からはそれを含めてすべて御辞退を申し上げるということを決定したわけでございます。 今後この方針で進んでまいりたいというように党は考えておるという実情を御報告申し上げる次第でございます。
○山本正和君 党内でのいろいろ議論がおありになることもよく承知していますし、長い政治的な体質の中で、また各党ともそれぞれいろいろな事情を持っている中で、今ここで一挙に云々ということは私も申すつもりはないんです。 しかし、少なくとも、こういう事態を契機にやっぱりこれはきちっとしていこうと。小渕総理も本会議答弁でもおっしゃったと思うんですけれども、この前の法律の条項に従って対処していきたいということも言っておられますね。ですから、みんなでそのことは考え始めていると私は思うんです。 そういう中で、国民の皆さんに、銀行がこういう状況になったら大変なんだ、何とかこの金融問題は国の力で国民の皆さんの理解を得てやっていきたいということを言うこの時期に、政治の世界という立場から、もうこれからは銀行からは、正直言って銀行の役員の皆さんはお金持ちなんです。個人献金は幾らもらっても私は構わぬと思うんです。しかし、少なくとも銀行というのは貧乏な人からも含めたたくさんの預金の中で活動をしているわけですから、銀行からの、要するに企業からの献金はいただかないと。頭取なんてもう年収何億という人がたくさんおるんですから、その人からいただくのは何ぼもらっても私は構わないと思うんです。 その辺のことはやっぱり、私は特に野中官房長官が今までいろいろおっしゃったり、特に基本的人権の問題なんか強く主張しておられることもよく承知しておるんです。非常に正義感の強い政治家として私は私なりに尊敬しているわけでありますけれども、そういうことを含めて、政治家として今どう思われるのか。これは今すぐにはいきませんよ、これから考えましょうという、野中官房長官の個人としてでも結構でございますから、ひとつ御決意いただけませんか。
○国務大臣(野中広務君) 政治資金のあり方、政治献金のあり方というのは常に節度を持ってやっていかなくてはならないと思っております。なかなか我が国において政治献金というのが個人献金になじんでおらない状況の中で、これからやがて企業・団体献金が禁止をされるときがもうそこに来ているわけでございますから、私どもも個人献金というもののあり方を、国民の皆さんに政治に参加していただく意味で、ぜひ努力をして、その中で政治献金というもののモラルを確立していかなくてはならない。もう委員は十分御承知のように、例えば労働組合などは人も金も丸抱えという問題もあるわけでございますので、お互いにそういう点で自助努力を政治家一体としてやっていかなくてはならないと存じております。
○山本正和君 各党ともそれぞれ抱えている問題がありますから、これはやっぱりみんなできちっとやっていかなきゃいけない、私もそう思います。ただ、今おっしゃった方向でぜひ、長い間の政権党であり続けた自由民主党がこれをきっかけに真剣な議論をされることを、これはひとつ総理にお伝えいただきますようにお順いしておきます。 そこで、もう時間が余りありませんので一言だけ大蔵大臣に御見解をお聞きしたいんですけれども、いろいろ言っておりますが、確かに今の金融問題、銀行そのものの困った体質というものに起因していることはよくわかるんですけれども、そればかりでなしに、いわゆるブレトンウッズ体制というか、そこから来て、もうどうにもならない矛盾がやっぱり我が国にもこれが大きく経済を揺さぶった。 そういう中で、私も実は一遍お聞きしたいと思ったんですけれども、アジア基金を宮澤構想という形で三百億ドルを用意しようという構想をされた。私はひょっとしたらこれは転機になるんじゃないかという気もするんです。ですから、これからの世界経済の中での日本の果たす役割ということも含めて、いわゆる宮澤構想について、これを、委員会での議論が余りなかったように思うものですから、三分しかございませんけれども、ひとつぜひ御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の夏以来、通貨危機に見舞われました多くのアジアの国々は、当然のことですが非常な不況であり、輸出不振であり、国内的にも対外的にもいろんな政策を行わなければならない現状でございますけれども、残念ながら金を持っておりません。したがいまして、国内で公共事業をする、あるいは社会的なセーフティーネットを張る、あるいは失業問題、また金融機関のリストラクチャー等々すべて金が要りますが金がございませんので、我が国がその資金調達についてひとつ手伝いをしようと考えまして、金を国際的に借ります場合の保証、あるいは利子補給、あるいは国際的な金融機関から借りるときは日本も一緒に協調融資をするといったようないろいろな方法で、百五十億ドルだけまず用意をしようと。それは主として輸出入銀行が関係をいたしますが、直接的な経済援助も入ります。それが一つ。 それから、各国とも輸出をしなければならないわけでございますけれども、残念ながら輸出をするための原材料を買う金がないということでございますから、それは為替の問題でございますので、日本から短期資金を提供しようと。それが百五十億ドル。合わせまして三百億ドルということをこの間各国の蔵相並びに中央銀行総裁にお話を申し上げまして、各国から直ちにバイラテラルな交渉をしたいとお話があって、いつでもこちらはよろしゅうございますと申してございます。 そこで、これはそれだけの考え方で今進んでおりますけれども、御示唆がありましたように、やがて各国が円というものにいろんな意味でなじんでくる可能性はあるいは生まれるかもしれない。それを非常に願っておるという意味ではございませんが、しかしそうなりましたら、円を東京市場で運用できるようなマーケットをつくりませんと、殊に短期の運用でございますが、トレジャリービルみたいなものでございますね、そういう短期資金市場を持っておりませんと、持ったはいいが運用の仕方がないという問題が出てまいります。そうなりましたら、やはりそういうふうにしていきたいなと思っておりますけれども、今のところはまだ、そういう可能性があるかという御示唆に対しましては、そういうことはなればいいことだなと考えております。
○山本正和君 どうもありがとうございました。ひとつこれを契機にアジアが元気が出るようにということで、さらなる御努力をお願いしておきます。 ありがとうございました。(拍手)
○渡辺秀央君 大変迫ってまいりまして、いよいよ長丁場のこの委員会もこれで一つの車の両輪ができ上がるということになろうと思うんですが、時間が全く限られておりますので、一つだけ先に、これは大蔵大臣に感じだけ。 再生委員会ができますね。この担当は別として、再生委員会でいわゆる資金をこれから投入していく基準、やっぱり国民から見ますと、そこが明確にしてあった方が私は今度のこのスキームがより国民的支持を得るということにつながると思うんです、どう考えてみましても。今審査会でやっていることは、内部にあるようですけれどもそれは表には出ていない。今度の場合は、これを表に出して、そして、こういうことでやるぞ、だから安心をしなさいとか、安心してどうぞ資金を申し込みなさいとか、あるいはまた国民から見れば、別に国がとんでもないものに金を入れているわけじゃないぞということもわかるわけですし、そういう意味でこの再生委員会に対する基準を官報などに公表したらどうかという感じでありますが、またしっかりした基準をつくるということはもちろんですけれども、どんな大蔵大臣のお感じでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜私からお答え申し上げますが、この法案におきましてはたくさん要件を書きまして、こういうことが全部満たされていなければ資金の導入はできないよと書いてございますが、それは法律でございますから結構粗っぽいものでございまして、それだけではなかなか読んでわかりません。わからない部分があると思います。したがいまして、今度は再生委員会が、おっしゃいますように、例えば経営の合理化とか経営責任とか株主責任なんということをどういうふうにするかということについては、法律にございます大きな基準に従いまして細則と申しますか、それをさらに細かく書きまして公表いたそうと。 御趣旨はまことにごもっともと思いますから、そのように運営してもらうつもりでございます。
○渡辺秀央君 大変結構なことだと思いますし、ぜひ御期待をしたいと思います。結局、再生化法とそれから早期安定化法ができ上がるわけでありますが、私は、今さら死んだ子の年を数えても仕方がないんで、我が国としてはアメリカと違って景気を立て直して金融問題に取りかかれなかった、要するに同時着陸をさせなきゃならない、しかもスピーディーにやらなきゃならない、これは本当に容易でないことだと思います。 そういう意味では、官民、国を挙げて取り組んでいかなきゃならぬことだというふうに思いますときに、やっぱり欠かせないことは、金融業界とそして所管監督官庁との信頼関係あるいはまた、もうこれは今度は与野党挙げてやってきたわけですから、国会というか政治家というか、それといわゆる金融業界との信頼関係、こういうものが助長されていかないと、この法律はつくってもどうも疑心暗鬼であったり、あるいはまたお互いの誠意が通じなかったりということになっていく心配が出てくるような、生意気ですけれども感じがいたします。そういう意味では、とにかく当事者がお互いに心を込めて、この法律に対する本当の趣旨あるいは心というのをお互いが読み取り合っていくべきであろうという感じがしてなりません。 私はそういう意味において、我が党においては、少なくとも再生化法においては、きのうもここで議論されましたが、いわゆる破綻しつつある、いや破綻している金融機関には国民の金は使いませんよと、この法案だけは。スキームが実際にはそうなっているという答弁はありましたが、しかし、国民はさっきのまさに御質問のとおりで、私もそこが一番の不信感なんです。であるとするならばということで、あえて我々は初心を貫いた。しかし、当然それは運営の中でリカバリーされていくだろうと期待はしております。 そして、私たちはいわゆるこの健全化法において、多少弱っているけれども、これから日本の経済の再生とアジア経済の再生のために思い切って国内的な措置の一環として資金を投入してあげよう、それによって日本の経済、金融機関の活性化がよみがえる、そこはひとつ大胆にいこうということで、政府あるいは自民党の案をさらに私どもが要望して今度の修正案にさせていただいた。 そういう意味においては、私ども自由党としては、今度の問題についてまさに責任の一翼を担って、金融業界あるいはまた日本の経済界、そして経済の活性化のために責任の一翼を担いながらこの法案に対する努力を重ねてきた。何とかこの法案がいわゆる国民の期待、世界の期待にこたえられるように、ぜひ円滑かつ効率的、そして成績をきわめて、具体的な面で助長してもらえるように期待をして、私は自由党としてこの法案に対して賛成をし、この法案が国家百年の出発になっていくことを心から念じて、大変大蔵大臣の長い間のすばらしい、本当にすばらしい率直な御意見を承りまして、私も当時を思い出しながら聞いておりました。 そういう意味では、大蔵大臣は最後の、言うならば、あともう一回大蔵大臣をやってくれといったってそれは次の内閣はどうかということでしょうが、大蔵大臣としてのそういう意味でのお務めになられたことだと思うのであります。そういう意味で、ぜひ御決意あるいはお感じを一言だけお聞きして、私の質問を終わりたい、こう思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの二つのセットの法案の御審議に当たりまして、両院でたくさんの御質疑があり御批評があり、また修正が行われました。私自身は、その御質疑の中で、非常な激変になることはなるべく避けられたらなということをしばしば申し上げてまいりましたけれども、しかし今終わるに当たりまして、修正をしていただいたことはやっぱりあれでよかったという感じがいたしております。 恐らく金融界は、御審議の過程で一喜一憂と申しますか、えらいもうきついことになりそうだとかいろいろあったと思いますけれども、これで法案の内容が法律として確定いたしますので、そういう部分は、一種の不安要因はと申しますかわからない要因はなくなりますので、この法律の施行に当たりましては、やはり基本的には信頼感が大事でございますから、御修正の意義を生かしながら、十分にお互いの信頼のもとにこの法律が運営されまして所期の目的を達することができますように、私ども政府としてはもうベストの努力を、最善の努力をいたすつもりでございますので、またいろいろ御教示をお順いいたしたいと思います。
○渡辺秀央君 どうもありがとうございました。(拍手)
○水野誠一君 私は、最後の質問ということもございますが、自民党発議者、できるならば保岡先生にお尋ねをしたいと思っております。 民主党提出の対案、これは簡単に言いますと,金融機関が保有する有価証券の評価あるいは債権分類ごとの引き当ての問題、こういうものをより実態に近い評価、言いかえれば厳しい評価を行う、それによって客観基準によって存続可能な金融機関に資本注入を行うという考え方だと理解しております。これは私は一定の見識であると評価をするところであります。 それに対して自民党案、保有有価証券の評価が選択制であるということでございます。これは今までも随分皆さんからも出ましたが、低価法によって保有有価証券を評価すれば過少資本になる金融機関が原価法を選択することによっては健全行という評価にもなり得る、こういうあいまいな部分がどうしても残ってくる。私は、ここのところが非常に重要な問題であります。今仮に自己資本比率ごとに要件を細分化しても、そのもととなる評価基準があいまいだという状況の中で本当に市場の評価を得ることができるかどうかということ、これは私は大変重要なポイントだと思っております。その点について最後にもう一度御確認をさせていただきたいというのが一つ。 それからもう一つは、金融再生委員会の運用、今回の法案というのは手術のメスだとかそういう道具がそろったということだと思います。これを実際運用していく、これは金融再生委員会にゆだねられるところになるわけでありますが、そこでの裁量行政、非常に裁量部分が大きくなってくるということに対して、こういった状態が新しい金融の秩序をつくり上げることにつながっていくのかどうかという点、この二点についてお尋ねをしたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) 資産評価の点でございますけれども、水野先生おっしゃるとおりでございます。 したがいまして、まず資産評価、第Ⅲ、第Ⅳ分類につきましては、もう年内にでもきちっと実態調査を踏まえた上でガイドラインをつくっていただきたい、つくらせたい、このように思っておりますし、第五分類につきましても、一年ぐらいをめどに十分検討の上ガイドラインをつくるべきである、このように思っております。 また、有価証券、株式の評価につきましては、世の中が落ちつき次第、危機管理というのはやはり時価評価、低価法でなきゃできません、おっしゃるとおりでございます。そういうきちっとした評価の上で自己資本を算定していく。自己資本につきましては、昨日も議論がございました。いわゆるBIS基準でティア1が少し弱い、ティア2には有価証券の含み益が入っている、こういう問題点があります。そういう意味で、十分にこれから、今はちょっと甘いところがありますけれども、近い将来に厳格な基準でやって、そしてまたせっかく枠組みができたわけでございますから、健全化法とそして銀行法二十六条の早期是正措置、これが提携しながら国際的な市場の評価にたえられるような金融システムをつくっていかなければいけない、このように考えております。 それから、第二の行政裁量でございます。 裁量行政、あしき裁量行政と言われるものは、私は一つは、法的根拠もなく、その法的根拠に基づく基準もない、こういう場合は全くあしき行政裁量だと思います。今回の場合は、法律はある、基準も金融再生委員会でつくってもらう、先ほど大蔵大臣がおっしゃったとおりであります。それから第二には、責任者が明確になっていること、これはいわば第三条委員会、金融再生委員会がございます。ここできちっと責任をとってやってもらうことが大事である。第三の要件は、私はアカウンタビリティーだと思っております。 枠組みはできておりますので、この運用は、ぜひとも金融再生委員会がきちっとした処理をして、運用において実際に裁量行政などと言われないように頑張っていくべきである、このように考えております。
○水野誠一君 時間がなくなってまいりました。大蔵大臣に、前回の質疑の中でも、今の金融情勢、もう混沌である、カオスである、しかしそのカオスの先にどんな金融の秩序をつくっていくかということにおいては、今の道具立てがそろったということに安心をしないで、やはりもっともっとその先のグランドデザインを特に大蔵大臣あるいは総理にしっかりと描いていただきたい、こういうことをお願いしてまいりました。 貸し渋りの問題というのも、決して今回のこういった法案が整備されたことによってそう簡単に改善されないんじゃないだろうか。それはなぜならば、国際的な一つの傾向として、総貸出資産というのは圧縮される方向にどうしても向かわざるを得ない。そういったときには、この間もちょっとお尋ねいたしましたが、直接金融市場の整備、こういうものもやはりあわせて考えていかなければいけないということだと思っております。 したがいまして、お答えは結構でございます、一つ御要望をして終わりたいと思うんですが、この金融システムの再生強化のしっかりとしたグランドデザイン、ビジョンを、これから宮澤大蔵大臣が大臣をお続けになるのかあるいはさらに後継者にお譲りになるのかよくわかりませんが、しかし、しっかりとしたその道筋をつくっていただきたい、かようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。(拍手)
○菅川健二君 まず、大蔵大臣、連日御苦労さんでございます。私、かねがね大蔵大臣には郷土の大政治家として敬意を表しておるわけでございますが、最後に一つだけ御質問させていただきたいと思います。 昨日、日銀総裁が公的資金注入につきまして、大手十八行が一斉に申請することが望ましいと発言をされたやに伺っておるわけでございまして、これは、三月時点の横並び的な申請、いっか来た道にまた戻ったのかなというような感じがいたしたわけでございますが、大蔵大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) せんだってワシントンでG7がございましたときに日銀総裁も出席をしておられましたが、その際に、日本にも伝えられたところでございますけれども、実は日本の大銀行といえども非常な過少資本であると。少し誤って伝えられた部分がございましたけれども、日銀総裁の真意は、本当に資本を厳しく、ティア2なんということを言わずに資本金と準備金ぐらいに限って見れば、貸し出しとの比率は非常に小さいのだということを言われたわけです。それは本当でございますから、そういう意味で日銀総裁は、このたびの法律が成立いたしましたら、各行はみずから振り返ってそういう姿を直してもらいたい、そうでないと中央銀行としてはやはり非常に不安だということを思っておられることは事実であります。今回もそういう気持ちでおっしゃったと考えます。 ただ、そのときに何となくいろんな横並びの感じでおっしゃいましたのか、私は直接伺っておりませんので、きっと真意は、どの銀行でも本当に厳しく自分の資本というものを見たら、何%とそう大きな比率ではないのじゃないですか、したがってそういう意味ではやっぱり資本を充実した方がいい、そういうことは要らないという銀行はそうそういないのじゃないかなという気持ちを言われたのだと思うので、その点では私は同感でございます。
○菅川健二君 私は横並びが少し気になったものですから。基本的に今回の場合、銀行の顔が見えない、自己改革の意欲のない銀行に公的資金を投入してもどぶに金を捨てるようなものだと思うわけでございます。したがいまして、今度の法が成立した場合、法の運用に当たりましては、各銀行が主体性を持って奮起するような対応をぜひお順いいたしたいと思います。 次に、先ほど山本議員からるる説明があったわけでございますが、不良債権の間接償却では究極の処理にならないんだ、直接帳簿上から不良債権を落としていくというのが究極の処理策だという発言があったわけでございます。私もその点同感でございまして、主要な担保不動産の流動化、そして有効活用が大変重要ではないかと思うわけでございます。この問題がなかなか言われてはおるんですが進んでいないような状況ではないかと思うわけでございます。 そこで、一般的な対策といたしまして企画庁長官にお聞きしたいということと、具体的には建設省所管の住都公団等がかなり大きな役割を果たしていただかないといかぬわけでございますので、具体的な事業実施に当たって建設大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のように、今日、金融機関を初めといたしまして、多額の不良債権が不動産に関係しているわけでございます。これを本当に実需のあるところに回さなきゃいけない、これは強く私たちも感じておるところです。 日本の今までの不動産に対する、土地に対する考え方は、土地は資産であると考えておりましたから、できるだけこれを動かさないで、そして個人については資産再配分的な思想があって、流動に対してかなり税金も高いし登録税も高いし、いろいろ動かないようにしていた。これをこれからは土地は資源である、これは日本経済、日本国民の資源だから一番上手に利用する、有効に利用するところに流れるように流れやすくしなきゃいけない。そういう意味で、制度、税制その他いろんな面で再検討する必要があると認識しております。
○国務大臣(関谷勝嗣君) 先生御指摘のように、不良債権をまず解決して金融システムの安定化を図るということが入り口としますと、建設省で担保となっております不動産の流動化と有効利用を図るというのがその出口だろうと思うわけでございます。 そのためには、現在使われていない土地の、低未利用地の整形・集約化というようなことに努力をいたしておりまして、その実数でございますけれども、平成十年度の第一次補正予算において、出資金二千億円、財投一千億円、計三千億円の予算措置を行いまして土地取得等を行っておるところでございます。 そして、本年七月から土地情報の仮受け付けを実施いたしまして、九月末日までの三カ月間で二千三百二十五件の売りたいというものが出てまいりました。大きさから言いますと八百二ヘクタールその情報が寄せられておりまして、今後なお増加する見込みでございますから、そういうふうにきちっとした形の土地等整地をして販売をしていきたい、増進をしていきたいと思っております。
○菅川健二君 どうぞよろしくお願いいたします。 どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 他に御発言もないようですので、衆議院提出の金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案の質疑は終局したものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○福山哲郎君 私は、民主党・新緑風会を代表して、衆議院提出、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。 十三日、衆議院本会議において、本法律案は民主党等を除く与野党の賛成により可決されました。その後、海外の金融市場において今日まで何が起こったか、皆さん御存じでしょうか。いわゆるジャパン・プレミアムが何と〇・四%から〇・七%に上昇してしまったというのです。つまり、海外の金融市場は、本法律案が不良債権問題を解決するどころか、逆に一層の金融システム危機を招くと判断しているわけです。その判断理由は、恐らく我々民主党・新緑風会が本法律案に反対する理由と同一であると考えられます。 以下、本法律案に反対する理由を具体的に申し述べます。 第一に、本法律案は、資産査定の基準や引当率、有価証券の評価方法等が行政による裁量にゆだねられ、不良債権の実態を過小評価するもので、金融機関の真の経営実態は明らかになりません。恐らく政府も金融機関もみずからの責任回避のため、必死になって不良債権を隠すでしょう。したがって、水膨れ評価をした見かけの自己資本比率はさほど低くはならず、巨額の公的資金注入も金融機関の一時的な延命を図るもので、金融不安を回避するものとはなりません。また、このような情報開示では、なぜ二十五兆円もの巨額な公的資金を注入しなければならないのか、国民への説明責任は全く無視をされています。 第二に、本法律案においては、健全な銀行や存続可能な銀行についてもシステミックリスクの名のもと、公的資金による資本増強を可能としております。公的資金注入のルールはまさにあってなきがごとく、何でもありの状態です。政府・自民党は、ことし三月に行った愚をもう一度繰り返そうとしているのでしょうか。 第三に、本法律案においては、一層のモラルハザードを招くことは必至であります。今日の我が国の金融危機を招いた原因はバブルの崩壊だと言われています。しかし、それは一面では正しいかもしれませんが、実はこの社会に横たわる大きなモラルハザードという怪物こそが最大の原因なのではないでしょうか。金融業界と行政当局のもたれ合い、政治の無責任体制が金融危機を今日の状況まで追い込んだのです。 以上のような理由から、我々は、本法律案では不良債権処理は遅々として進まず、貸し渋りも改善されるとは到底考えられません。まさに金融不健全化法案です。 なお、我々民主党・新緑風会は、画竜点睛を欠くようなこの法律案では我が国の金融システム危機の解決にはつながらず、冒頭述べたように海外の金融市場の信頼も得られないと考え、対案を出させていただきました。我々の対案は不良債権の抜本処理を進め、金融システムの安定に資するものと確信しております。半年もしないうちに、国民は政治がまた同じ過ちを犯したことをマーケットによって知らされることになるでしょう。 形は似ていますが、我が国の金融システムに対する哲学が全くもって異なる本法律案に対し、我々は堂々と胸を張って反対することを申し述べ、反対討論を終わらせていただきます。(拍手)
○塩崎恭久君 私は、自由民主党、公明及び自由党を代表して、ただいま議題となりました金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案に対して賛成の立場から討論を行います。 我が国の経済状況は、個人消費の低迷、最悪の失業率、設備投資の低水準等々、実体経済はますます厳しさを増してきております。また、金融機能不全は、日本経済はもとより国民生活に大きな影響を与えます。 そこで、我が国金融システムの再生と安定のための施策として、金融再生関連法案が与野党の熱心な修正協議のもと、先日成立いたしました。さらに、私どもは、金融機能を早期に健全化させるための本法案を審議してまいりました。この法案が成立し、金融再生関連法と両々相まって迅速に機能すれば、日本経済にも明るい兆しが見えてくるものと思われます。 以下、賛成の理由を申し述べます。 賛成の第一の理由は、金融再生委員会が金融機能の早期健全化のための施策を行うに当たって必要な金融機能の障害の未然防止等の六項目の原則を定めていることであります。これらの原則により、経営者等の責任の明確化と同時に、透明性が確保されたものとして評価できます。 賛成の第二の理由は、経営の合理化、経営責任、株主責任等を前提に、金融機関の優先株式等の引き受け、さらに、著しい過少資本行等には普通株式の引き受けにより資本の増強を行い、体質強化を図るものであります。さらに、承認に当たって経営健全化計画の提出等を求め、またそれを公表することとなっております。これにより、モラルハザードの防止と不良債権の処理による金融機関の体質強化が図られ、金融機能の早期正常化が期待されるものとして評価ができるものであります。 賛成の第三の理由は、原案に金融機関の適切な資産等の査定及び評価、情報の開示の徹底、虚偽記載における罰則の強化、資本増強の要件の具体化等の修正がなされました。これにより、計画の真実性と確実な履行が担保されるとともに、資本増強の枠組みがより鮮明になり、わかりやすいものになっております。 以上、賛成の理由を申し上げましたが、これらの措置により金融の仲介機能が十分回復し、貸し渋り等が解消されるものと期待いたします。 金融システムが一日も早く内外の信認の回復が得られるよう機動的な対応を政府に求め、私の賛成討論といたします。(拍手)
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、金融機能の早期健全化のための緊急措置法案に反対の討論を行います。 まず初めに、銀行の競争力強化のために二十五兆円もの公的資金をつぎ込む重要法案を、十分な審議をすることなく短時間で採決することに対して、厳しく抗議するものです。 本法案に反対する第一の理由は、銀行と名がつけばどこでも公的資金を投入する仕組みがつくられたことです。これまでは資本注入の対象を健全銀行に限定していた仕組みを解体し、健全であろうと破綻直前であろうと、特にやむを得ない事由がある場合にはどこでも公的資金が投入できるようにしたことです。しかも、投入できる金額について何の制限も設けられていません。これでは、廃止した十三兆円の仕組みを復活させるばかりか、資本注入の拡大強化と言わざるを得ません。 第二の理由は、資本注入される公的資金が世界的にも例のない巨額なことであります。今回設けようとしている早期健全化勘定に金融再生勘定、特例業務勘定を合わせると、投入する公的資金の総額は、総額六十兆円に及び、GDPの一二%に及びます。しかも、投入する公的資金の大部分が返ってこないことも審議を通じて明らかになっております。 第三の理由は、本法案では貸し渋りの解消に何ら保証がないことです。 本法案では、資本注入の申請をした金融機関が提出する経営健全化計画の中に、「資金の貸付けその他信用供与の円滑化のための方策」を明記しています。さきの金融安定化法でも、貸し渋りの解消をうたい文句に金融の円滑化を標傍していましたが、何ら効果がないばかりか、九月の全国銀行の貸出平均残高は前年同月比で二・七%も減少、貸し渋りは一層深刻です。銀行に対する監視と指導こそが徹底されるべきであります。 第四の理由は、本法案の資本増強は、金融ビッグバンのもとで世界のマネーゲームに大銀行を参加させるための体力づくりと、大銀行中心の金融再編を促進するからです。このことは、早期健全化のための原則の一つに「金融機関等の再編を促進すること」を新たに明記したことからも明らかで、健全な銀行の合併の場合にも資本注入を可能にし、巨大銀行の海外での利潤追求に備えるものになっています。まさに露骨な大銀行支援策であると言わざるを得ません。 バブルの後始末は金融機関の自己責任、自己負担の原則で行うべきであることを述べ、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 次に、請願の審査を行います。 第六九三号長銀への税金投入反対に関する請願外一件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時八分散会