金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 12
- 開催日
- 1998/10/09
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、内藤正光君及び岩佐恵美君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君及び阿部幸代君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に参議院議員筆坂秀世君、衆議院議員池田元久君、衆議院議員鈴木淑夫君及び日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 金融問題及び経済活性化に関する調査を議題とし、経済活性化に関する集中審議を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 本日のトップバッターを務めさせていただきます自民党の山本一太でございます。 きょうはNHKのテレビ中継が入っているということで、私は早口なんですけれども、ゆっくりしゃべれというように言われておりまして、余りユーモアも交えないで、ゆっくり落ちついて質問をさせていただきたいと思います。小渕総理、それから宮澤大蔵大臣、経済企画庁長官、金融監督庁長官にそれぞれ御質問をさせていただきたいと思いますので、落ちついてゆっくりとまた御答弁をいただければと、このように思っております。よろしくお願いをいたします。 まず最初に、小渕内閣の目玉ということで、就任以来、伸び伸びと御活躍をいただいております堺屋経済企画庁長官に御質問をさせていただきたいと思います。 長官、ここ一日、二日で大変為替相場が動きました。大変な円高といいますか、円が急騰をいたしまして、これは外国為替市場での急激なドル売り円買いの動きということになると思うんですけれども、八日の東京市場でも一ドル大体百二十円から百二十一円ぐらいの推移ということで、これは一九七三年に変動相場制に移行して以来最大の値動きだというふうに伺っているわけでございます。この原因については巷間いろいろ言われておりまして、米国のヘッジファンドの巨額の損失でアメリカの景気の失速の懸念が強まったとか、あるいは米連邦準備制度理事会による再利下げの観測が広がったとか、そんなことが言われているわけでございますが、この円高の背景にどういうものがあるのか、これについて堺屋長官の御見解を伺います。 同時に、非常に急激な円高なのでまだ直接の影響は出ていないかと思いますけれども、最初に考えられることは、これはいい円高なのかよくない円高なのか、日本経済にとっていい兆候なのかよくない兆候なのか。輸出産業については少なくともネガティブな影響が考えられるんですけれども、そこら辺の実体経済に対する影響、どんな影響があるのか。 この二点につきまして、長官から見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のように、ここ二、三日、世界の為替市場が乱高下しております。つい一カ月余り前には百四十円だったことを思いますと、さま変わりな様相になってまいりました。 この原因につきましては市場関係者も十分説明できないというのが現状でございまして、この値段、一ドル百十円台の値段が定着するのか、百十円台といいましても百十二円ぐらいから百二十二円ぐらいまでの間を激しく動いておりますので、どの線で定着するのか、今のところ全く、上から落ちたまりが弾んでいるような状態でございまして、私たちとしても幾らぐらいで定着するのかが見きわめられません。したがいまして、どの程度の水準で実体経済への影響を言うのか、これはまだまだ見きわめなければいけないところだと思っております。 ヘッジファンドがアメリカ証券市場あるいは金融市場から大量に逃げ出した、したがって円に移ったというようなのは、うわさとしては聞いておりますが、実態が本当にどうだったのか正確な情報はまだ入っておりません。しかしながら、こういった乱高下が起こるというそのこと自体が国際金融市場にとっては不安定要因で要注意項目だということが考えられます。 これが日本にどういう影響を与えるかと申しますと、二つ考えられます。 主として主役はアメリカのヘッジファンドだと言われておりますが、そのヘッジファンドに関連して投資しているとか信託しているとかいう日本の金融機関、一般企業もあるかもしれませんが、日本関係のものもありまして、これが損失あるいは利益を上げている。そういうような条件がどの程度出てくるか今のところ全く見きわめがつきませんがゼロではないだろうと推察されるわけですから、そういうことから日本の金融市場にも影響を与える可能性があります。 それから、御指摘のように実体経済でございますが、これは各企業とも恐らく一ドル百二十円かそれぐらいで経営計算をしておられたと思いますが、非常にそれがやりにくくなっているというような条件がございまして、現在のような価格、つまり百十円台というようなのが定着いたしますと日本の輸出産業に悪影響を与える可能性があると思います。そして、何よりも大きいのは、心理的影響としてこんなに為替が動くという国際環境が人々の不安をかき立てる、これもやはり無視できない問題ではないかと考えております。 したがいまして、経済企画庁といたしましては、今、耳をそばだて、目を凝らしてこの数日の動きを見詰めておるところでございます。
○山本一太君 今、長官の方から輸出産業に対する影響あるいは心理的な影響、幾つかの悪影響の可能性についてお話がございましたが、長官、もし為替がこの百二十円、百二十一円台でこれからも推移をして続くということになりますと、やはり長い目で見ると今おっしゃったような悪影響が広がってくるかと思うんですが、経済企画庁は過去にも円高対策についてはいろいろな政策を打ち出しておられますけれども、もしこの円高が続くような状況になった場合に日本政府としてどんな対応が考えられるのか、一言見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 円高傾向につきましては、八〇年代から何度か経験をしておりまして、特に九五年、平成七年にかなり大幅な円高がありましたので、それの対応策をとることがございました。その際には、輸出産業に対して特別融資をしたり、そういうこともいたしましたし、また内外価格差を縮めるためにできるだけ電力料金、ガソリンその他の物資の引き下げを進めるようなこともいたしました。 現在のところ、百二十円台でおさまるのか百十円台までいくのか、そのところはまだ見きわめられておりません。したがって、ここで何円という想定をして、直ちにそれにあわせて対策をとるようなことをいたしますと、相場がまた動きますとすぐ政策を変えなきゃいかぬということがありますので、ここしばらくはこの為替の動きを見定めて、安定した段階でまとめて政府としての対応をとる、国内的な政策としてはそれ以外にないだろうと考えております。
○山本一太君 ありがとうございました。政府としてもしっかり耳をそばだて、目を凝らしてフォローしていただきたいというふうに御要望申し上げます。 次に、同郷の小渕総理大臣に、二点について御答弁を求めたいというふうに思います。 総理御存じのとおり、日本経済はデフレスパイラルのふちにありまして、最悪に近い状況であるというふうに認識をしております。戦後経験したことのない不況のさなかにあると言ってもいいかと思います。今年度の経済成長の政府見通しも昨年度のマイナス〇・七%をどうも下回るということですし、日銀の短観もまことにあんばいがよくない、こういう状況でございまして、ここ何年かの日本政府の方針、方向というものが、日本という国家が二十一世紀に経済大国として、経済の活力を持った国として生き残れるかどうかの正念場に来ている、文字どおりそういう場所に差しかかっているというふうに認識をしておるわけでございます。 当然、総理にももちろんこの御認識を共有していただいていると思いますし、こうした認識から、先般、総合経済対策については十一月上旬までの策定を指示しておられますし、さらに十兆円規模の例の二次補正予算案の前倒し処理を表明されたと、このように考えております。 総合経済対策の中身の中心は、総理が以前から温めておられた生活空間倍増戦略プラン、それから雇用対策も含まれていると思いますけれども、産業再生計画ということでこの策定を指示された、これは十兆円に含まれると理解をしております。プラス貸し渋りの対策とか、あるいは住宅投資の促進とか、こういった政策を打ち出しておられるわけでございますけれども、もしこうした政策を打ち出しても景気が回復する兆しが見られない、こういうことになりますと、これは当然ですけれども、さらなる景気刺激策をやはり打っていかなければいけない、このように思うわけでございます。 金融危機を克服する過程、特に不良債権等の処理をしていく過程ではどうしてもデフレの圧力が強まるというのが常識でございまして、やはり同時に大胆な景気対策が求められるんであろうと思います。場合によっては複数年で、何年かかかっても大幅な財政刺激政策、これもやはり検討が必要ではないかというふうに思うわけでございます。 総理に、きょうはちょうどテレビも入っておりまして、国民に対して、引き続きこの経済の変化に対してドラスチックでタイムリーな経済政策を不退転の決意で打ち出していくと、その決意をはっきりと言いただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 我が国経済が極めて厳しい状況にあることは御指摘のとおりかと存じます。 このことのよって来る原因につきましては今さら申し上げるまでもありませんが、我が国といたしましては、前の内閣がとりました六大改革、その中におきまして財政均衡を重要課題として取り組んでまいりました。これは、私ども日本政府としては、五百四十四兆を超えはるかに六百兆に近い公債残高を持つという事態は、これは看過し得ないということで対応してきました。これは我が国だけの政策としては適切であったかもしれませんが、そのことによりまして経済が極めて沈滞をした。あわせまして、その他外的な要因も加わりまして、今や日本の経済の実態が即世界経済に大きな影響を及ぼしてきておるという、こういう現状でございます。 したがいまして一結論から申し上げますと、あらゆる手法を講じまして我が国の経済を活性化していかなきゃならない。そのために、大変僭越でございましたが、この内閣を経済再生内閣と、こう意味づけて対応しておるわけでございます。 そこで、景気を何とか回復しなければならない。その前提としては日本の金融システムが極めて危機的状況にある。言うまでもありませんが、多くの不良債権を抱えて、経済の血液たる金融が体の隅々まで至らないという状況、ましてその原点であるところの金融を送り出すポンプたる心臓が大きく病んできておるという状況でありましたので、今般、この国会を通じまして金融システム安定のために全力を尽くして努力をさせていただき、また国会におきましても、その認識に立ちまして種々法案を提案していただきまして対処いたしておるところだと思います。 したがいまして、我々といたしましては、あらゆる手段を講じるという中では、かねて私自身もこの問題につきましてはいろいろな角度から対応しなきゃならぬ。 一般的に、世の中が不景気になりましたときに、これを打開する国の政策としては、いわゆる金融対策あるいは税制対策、財政対策、いろいろございますが、第一の金融というのは、昔は、不景気になりました、そうしたら高い金利を引き下げまして企業が設備投資に向かえるような体制にするのがある意味での古典的な手法でありましたが、これは今使えないことは言うまでもありません。したがいまして、でき得ることは財政出動、それから税制、これでどの程度のことができるかということだろうと思います。 そういう意味で一私自身も総裁選挙のとき臨みました提案でございます所得課税あるいは法人課税の適正な、そしてしかも恒久的な意味合いを持つ、かつまた世界的に通用するような税制、これはある意味ではグローバルスタンダードを求められる日本の税制として、かつてどうしても所得課税、法人課税をある意味で世界以上に置いておく、これはある意味で国の財政としては税収を図りやすい手法であったわけですが、これを引き下げるというようなこと。 あるいはまた、財政出動といたしましては、前内閣からとってまいりました十六兆の第一次の総合対策につきまして、ただこれは残念ながら、これが執行につきまして、ことしの状況、すなわち中央が支出する場合と、これに呼応して地方がこれにいかに対応できるかという点につきましては、残念ながら地方におきまして六月議会でこれを十分処理し得なかったというような中、参議院の国政選挙もありまして、九月からの県議会によりましてこの対応策が講ぜられるということでありまして、ややこの点では、国、地方の一体の予算執行がおくれぎみになっておる。ですから、これをさらに加速をしていくということもございますが、加えまして、第二次の補正予算の中でどの程度のことが考えられるかということでございます。この点につきましては、いわゆる従来型のものでない形での予算の執行が可能なような案件について積極的に取り組む必要があるのではないかと思っております。 先ほど御指摘がありました生活空間倍増計画等、やはり国民がある意味で将来に対して夢を持つ、また持てるような形での財政出動ができるものでないかと。こういうようなことも含めまして、全力で努力を、国会におきましてのいろいろ御提案、あるいはまた山本議員もこうした案があるということでありましたら積極的にお出しをいただきまして、こうしたものを勘案させていただきまして、政府としてはあらゆる手法を通じてこの事態を打開する努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
○山本一太君 近いうちに山本案をまとめて総理のところに持っていきたいと思っております。 経済再生に内閣の命運をかけるということでスタートされたわけでございますので、今のお言葉のとおり不退転の決意で経済対策に臨んでいただきたい、このことを要望申し上げます。 もう一点、総理から御答弁をいただきたい点がございます。 私は、毎週地元に帰って、地元の有権者に会ってこの金融と経済の話を説明しようと試みております。商店街のおばあちゃんに会って、農家を回って、あるいは中小企業の社長さんに会って、サラリーマンの方々に会って、金融問題というのはこういうものだと、ない知恵を絞りながら一生懸命説明をしております。政治に興味のない茶髪でピアスをつけた二十代の若者には音楽を使って金融の問題を話しております。茶髪の人ももちろん政治に興味のある方もいらっしゃいます。そういう中で、やはり一番皆さんから言われることは、とにかく日本の経済が大変なときだ、党利党略で動かないようにしてくれ、日本の将来を考えて行動してくださいと。これはもう政治家として当然のことであると思います。 もう一つ言われることは、この法案の審議には何でこんな時間がかかっているんだ、とにかく早く通さなきゃいけないんだけれども、どうもあちこちもめているようで、どういうわけなんだと、こういうふうに聞かれるわけでございます。 私はそのときに、これは民主主義のコストですと、このように説明をしているわけであります。今回の法律は、議員立法で今までとは違う形で、いろいろ問題もありましたけれども政治主導でここまでやってきたんです。政策の実務者の会議では、例えば我が自民党からは、若い世代で余り年次にとらわれずに専門性を生かして活躍した塩崎恭久議員とか、そういう若い力が息づいて自民党も変わっているんです、こういう御説明をして回っているわけであります。(「自民党の中で苦労しているじゃないか」と呼ぶ者あり)自民党の中で苦労していても私たちが応援をしているわけでございます。 ただ、その中でどうしても払拭できない私の会う有権者の方々の疑念というものは、特に与党・自民党の考え方というのは、このスキーム、金融再生の計画そのものが銀行を救済するためにやつているんではないかという疑念であります。 そのことにつきましては、これは銀行を救済するためのスキームではありません、金融システムを守り、金融の透明性を担保し、そして日本経済を活性化させるためにみんなで考えて最もコストのかからない一番いいオプションを選ぶ、その議論をしている過程なんだと、こういう説明をするわけでございます。 これもまた国民の皆さんが見ている大変いい機会でございますので、総理の口から、この早期是正スキームもそうですけれども、この法律もそうですが、銀行救済が目的ではない、これは日本の金融システムを守り、そして日本経済を活性化することが目的だ、助けるのは銀行ではなくて、銀行からお金を借りて汗を流して一生懸命頑張っている中小企業を初めとする善良な借り手の方々なんだということを改めて総理の口から一言御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 全くお説のとおりと認識をいたしております。 ただ、金融の制度に責任を持つ銀行を初めとして各金融機関の存在ということは、これは極めて大切な存在であります。さればこそ、銀行につきましても、銀行法という法律をもって、単に一企業の利益を求めることなく、社会的責任を負っているという立場で今日までその責任を果たしてきていただいたものと考えております。しかし、今日多量の不良債権を抱えて、バブル時期における資金の提供等の実態にかんがみまして、かつまた、それを今日大きな債権として、不良のものとして抱えておるという実態が国民に対して、大変な金融機関に対する不信感も率直に言ってあることも事実であります。 そういった意味におきまして、今回のこの諸般の法律をお願いいたし、かつ国会でも議論いただいております趣旨は、単に一金融機関の、個々の銀行の救済というものでなくして、おっしゃるように金融システム全体の安定のために、これをなし得ないと日本経済が先ほど申し上げますように動脈が切れて金融が隅々に行かない。そうすれば、借り手たる方々が毎日孜々営々努力をしながら、その資金を活用しながら経営にいそしんでおる、それが企業として成り立たないという状況の中でございますので、そういった意味で、金融機関自身の大いなる反省と同時に、やはりこうした金融機関が健全化することによりまして日本経済の活性の大きな役割を果たしていただきたい、そういう大きな立場から我々はこの問題に取り組んでおり、国会も同様のお気持ちで対処していただいておるものと確信をいたしております。
○山本一太君 ありがとうございました。 金融の問題はなかなか説明するのが難しい問題だと思います。 私がよく直接地元を回って、有権者の方々が言われるのは、ハードランディングでもソフトランディングでもいい、何が日本のためにいいのか、そのやり方でやってもらえばいいと。しかしながら、ハードランディングをした場合に最悪のシナリオではどういうことが起こるのか、例えばどのぐらい企業が倒産して、どのぐらい失業率が上がって、どういう痛みを伴うのか、そして何年後に日本経済がよみがえるのか、こういう道筋さえ示してほしい、こういうことを言われるわけでございまして、こういうシミュレーションはなかなか難しいとは思うんですが、総理みずから先頭に立ってこの金融システムの説明を積極的にやはり続けていただきたい、このことを一言御要望申し上げたいと思います。 総理の質問で思ったより二倍ぐらいの時間がかかってしまいまして、大蔵大臣お待たせをいたしました、宮澤大蔵大臣に御質問させていただきます。 先般、米欧各国によるワシントンでのG7会合というのがございまして、これは七カ国蔵相・中央銀行総裁会議でございますが、ここでは日本の金融と経済の問題に議論が集中をしたというふうに伺っております。大変異例なことだと思いますけれども、このG7の声明の中で、日本に対して金融システムの信頼回復、そして大胆な景気回復のための政策を求める、具体的に、適切な条件のもとで存続可能な銀行に公的支援を迅速に供与する、こういう一文が声明の中に入ったわけであります。 これについて、直接御出席をされた大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、今回まとめられた金融再生の法案、大蔵大臣がよく、初めての状況で今までの常識から逸脱したようないろいろな状態なんで、なかなか百点満点の回答というのは難しいとおっしゃっておりますけれども、今回まとめられているこの再生法案、これは国際的に見て日本経済の信頼を回復するに足るものだと思われるかどうか、その点について御感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回のG7の会合は、前回もこの委員会で申し上げたかと思いますけれども、実はかなり異常な雰囲気のもとに開かれました。 と申しますのは、もう既にニューヨークでヘッジファンドの破綻がありまして、やがてロシアの後、これはラテンアメリカにも波及をするんではないかということがかなりもう現実の問題として考えられておりましたので、最も異例でありましたのは、アラン・グリーンスパン連銀の議長が、今まで自分は、殊にアメリカの経済人というものはリスクを積極的にとって進んできた、山本委員はその辺の雰囲気をよく御存じですので、リスクテーキングで進んできた、しかし、ロシアの出来事以来リスクアバージョンに変わってしまった。リスクから逃げようとする、俗な言葉で言えば、買っていった態度が売りに転じそうな気配があって、そうすると、これはかって自分の経験したことのないことで、しかもそれがロシアの出来事から今度はラテンアメリカがあるかもしれないという国際的な雰囲気が起こってきそうに思うんで、それは非常に信用収縮を心配しているんだということを、それは先週の土曜日でございますけれども、ごく最近のことでございます。 ですから、彼はそれを公に聞こえてもいいつもりで言っておりますので、そういう意味での警告という意味での心構えをはっきり言ったんだと思うんです。ちょうど一月前にはサンフランシスコで、九月の六日かと思いますが、彼はインフレ警戒の基調からデフレ警戒の基調にということは申したんです。しかし、そのわずかの時間の間にそれだけ情勢が展開してしまって、はっきりそういうことを言って、したがって、国際的な金融収縮を今どうかして防がなければならないんだということを、非常にもうアメリカ自身の問題になっていますから言っておるわけです。 その中で、今御質問のように、問題であるのは日本でございますから、これはもうよくよく知られた事実でございますので、問題は日本がいっこの金融収縮に対して新しい公的資本を投下して打開するかということが従来からの課題であったわけですが、今度そういう背景がございますので、日本の財政のことはほとんどもう言う暇もなく、金融関連のこの二法の帰趨について非常な関心を持って、したがいまして、そのことがああいう声明の中にも盛られております。盛られた文句は、先般、小渕総理大臣がクリントン大統領と会談をされましたあのときと同じ表現でございますけれども、会談そのものはもっともっと実は一種、緊迫しておりました。 そのときは、会談が開かれましたのはその前日に再生法案が衆議院を通ったところでございますけれども、これから一体この法案はどうなるんだろうかということ、そしてこれに盛られた十三兆円というものはどうなるんだろうか。それよりも何よりも、これは第一段階の話であって、実は、一般的にはこれは破綻処理でございますから、破綻前の持続可能な金融機関をどうやって日本政府は助けていくのか、これに全部かかっているという感じでございますから、その破綻前処理の、今で申しますと金融システムの早期健全化というあの部分ですが、これが本当に国会を通るんだろうかということが専らの関心でございました。
○山本一太君 今の件についてはいろいろお聞きしたいこともあるんですが、少し時間が迫ってまいりましたので、次の質問に移らせていただきたいと思います。 これまで銀行の不良債権の処理については、主に国内の不良債権の議論が行われてまいりました。この不良債権の問題というのは、場合によっては海外にも広がる可能性があるということを指摘させていただきたいと思います。 特に日本の銀行は東アジアに随分融資をしておりまして、今の東アジアの経済状況あるいはこれからの、通貨危機の後、経済が低迷しておりまして、これからの状況によっては邦銀によるアジア向けの融資が第Ⅱ分類、すなわち不良債権に近い形になるおそれがなしとしない状況であるというふうに認識をしておりますが、金融監督庁の方に、今の東アジア八カ国に対する融資残高、できれば一番新しいデータがいいんですけれども、そのデータがあればお聞きしたいと思います。簡潔にお願いいたします。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 ただいま山本委員が仰せになりました東アジア八カ国、仮に中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、シンガポール、この八カ国をとらせていただきますと、国際決済銀行の統計によりますと、昨年十二月末現在における貸国債権の残高は約一千六百八十四億ドル、これは日本円に換算いたしますと約二十一兆九千億円となっております。
○山本一太君 これはいろんな形で日本の銀行もリスクヘッジをしている可能性はあると思います。例えば、為替のリスクヘッジもあるでしょうし、貿易保険もあると思うんです。貿易保険については、昨日ちょっと調べてみましたが、余りかかっておりません。いろんな事情があってなかなか貿易保険はかかりにくいということもあるのかもしれませんけれども、これからの状況によってこの問題はいろいろと推移が変わると思うんですけれども、この問題について、明らかに不良債権化するおそれもあるわけなんですが、どのような対応をとっていかれるのかについて、フォローとしてちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) これらの債権が不良債権となる可能性があるかどうかというお尋ねでございますが、これはそれぞれの国の経済あるいは債務者の個別の事情によりまして一概に申し上げることは困難でございますけれども、最近私どもは検査をやっております。検査では海外向けの債権についても検査しておりますので、そうした形でのヒヤリングをやりますと、我が国の金融機関のアジア向け債権につきましては原則として為替リスクをヘッジしております。 それから、我が国の金融機関のアジア向けの債権のかなりの部分が日系企業でありますとかあるいは地場の大手優良企業に対するものであることなど、各金融機関とも為替リスクあるいは信用リスクに配慮した融資を行っているというふうに聞いております。 したがいまして、最近のアジア諸国の経済情勢が我が国金融機関の経営に直ちに重大な影響を与えるものとは考えておりませんが、金融監督庁といたしましては、各金融機関に対しましてさらなるリスク管理の徹底、それから経営の健全化確保に努めるよう促していきたいと思いますし、アジア各国の経済動向、為替相場の動向等が金融機関の経営に与える影響につきましては、今後とも注意深く見守っていきたいと考えております。
○山本一太君 ありがとうございました。引き続き注意深く監視をしていただきたいというふうに思います。 時間が残り少なくなってきたので、あと一問お伺いをしたいと思います。 よく日本発の金融恐慌ということを申しますが、特にアジアの経済危機については日本の経済の低迷がアジアの経済不振を招いている、こういうような論調が見られるわけでございますけれども、事実は実は双方のダウンスパイラルになっている。すなわち、アジア経済がよくないということが日本経済に悪い影響を及ぼすということが正しい言い方なんではないかというふうに思います。アジアと日本の関係を見てみますと、輸出、輸入とも四割近いシェアを占めている、投資についてもかなり大きなウエートを占めているということから考えて、やはりアジア経済がよくなるということが日本の経済をよくすることにもつながるのではないかというふうに思います。ある統計によれば、東アジア九カ国の成長率が三%低下すると日本の経済成長率が〇・七%減速をするというデータもあるわけでございます。 こうした中で、先般、ワシントンで一連の金融危機回避の会議が行われまして、アジア蔵相会議だったと思いますけれども、宮澤大蔵大臣が、アジア通貨基金構想と言っていいのか、まだそこまでいっていないのかわかりませんけれども、アジアに対する新しい宮澤構想を出されたというふうに伺っておりまして、これは大変時宜を得たタイムリーな話だというふうに私は認識をしておるわけでございます。これは、通貨危機の後に経済低迷の続くアジア地域の経済回復について日本が主導的役割を果たす、こういう姿勢を明確にしたものと思われます。 ちょうど時間があと二分しかございませんので、最後に宮澤大蔵大臣の方からこの宮澤構想について、これは昨年アメリカやIMFが反対して日の目を見なかったアジア通貨基金構想につながるものであるのか、詳細はこれから詰めていかれると思うんですけれども、この中でどういうことを日本としてやっていこうとしているのか、その点について二分でお答えをいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年からこの問題はずっとアジア諸国と我が国との間でいろいろ議論になっておったことでございますけれども、多分アジア通貨基金構想と呼んでいただかない方が今の段階ではいいのだろうと思います。 目的は、アジアの国々、ASEANの国々がこれから通貨危機の後に立て直しをしなければなりません。そのためには、いつでもそうでございますけれども、産業のリストラをやるとか金融秩序をつくるとか、あるいは失業が多ければネットワークが要りますし、公共事業も要りますし、あらゆる施策をしなければならない。しかし、金がないわけでございますから、その金をよそでつくるのに日本がひとつ一役買いましょうと。 輸出入銀行が、ODAも円借款もございますけれども、そういうものをお貸ししましょう、それから、起債をされるときは保証もいたしましょう、利子補給もさせて結構です、国際銀行との関連で協調融資も輸銀が中心になっていたしましょうと、そういう部分が一つでございます。 もう一つは、とにかく外貨がないのでございますから、輸出をしようにも輸入の材料を買う金がございません。そういう為替関連の、貿易関連のお金をお貸ししましょう。 前者は百五十億ドル、当然やや長期になりますし、後者は同じく百五十億ドル、短期になると思いますが、そういうお助けをいたしましょうということで、蔵相と中央銀行総裁に御説明いたしまして、大変喜んでいただいて、具体的な折衝にこれからバイで入りたい、こういうことになりました。 二分たちました。
○山本一太君 ぴったりで、ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。田中直紀君。
○田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。関連質問を申し上げます。 金融関連法案も成立のめどが立ったということで大変明るいニュースであるわけでありますけれども、一方で、御存じのとおり、東京株式市場で十二年八カ月ぶりに一万三千円の平均株価を割るという安値を更新したわけでございます。御存じのとおり、銀行関連におきましても信用収縮の影響が出てくるわけでありますし、含み資産が減るということで大変企業の業績悪化にも波及をしてくるという、大変な時期にあるわけでございます。 小渕内閣にとって金融問題、一つ山を越えたわけでありますけれども、これからの経済対策につきまして、現在の日本経済の現状をまずどういうふうに認識をされておるか、それに基づいてやはり大胆に対策を講じていかなければいけない、こういうふうに思うわけでありますけれども、小渕総理に、日本経済の現況についてどのように認識をされておるか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今朝も経済月例会議を内閣といたしましていたしました。経企庁長官もここにおられますが、報告によりましても大変厳しい状況であることは依然として継続をいたしておるわけでございます。 個人消費は依然として低調でございますし、住宅建設もいっときの百三十万戸、四十万戸という時代でなくて百万戸に近くなってきておりまして、大変低水準が続いております。設備投資も大幅に減少し、特に中小企業の減少が著しいということでございます。また、輸出は全体として横ばい状況になっておりますが、これはやはり為替の問題もあろうかとは思いますが、そういった点で輸出を大きく伸ばすという環境でもない。また、国内の最終需要が極めて低調でございまして、したがいまして当然のことながら生産は減少傾向にあるということでございます。残念ながら、景気は低迷状態が長引いて厳しい状況にあるということは率直に申さざるを得ません。 したがいまして、先ほど来山本委員にも御答弁申し上げましたけれども、それを打開するために何がなし得るかということで今までもでき得る限りの手は打ってきたつもりではありますけれども、さらなる対策を講じてこの事態を打開してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○田中直紀君 大変、小渕総理には打開していく決意を述べていただいたわけでありますけれども、やはり政権がかわりますと、まず新しい期待感というものがあろうかと思います。 今の日本の社会において何か変わったというような印象を持たない、そしてまた新しい希望というものがひとつ生まれてきておらないというような現状を肌で感じるわけでございますし、この秋口以降、経済問題におきましても恐らく企業は大変萎縮をしてくる、あるいはリストラを進める。そうしますと、雇用の問題あるいは収入の面で人々が大変不安を増長させる、こういうことが年内に起こってくるわけでございますし、十兆円の経済総合対策の検討に入った、こういうことでありますけれども、今の実情からいいますと、後で経企庁長官にもお伺いしたいと思いますが、いわゆる需給ギャップが三十兆円以上を超えておるのではなかろうか、こういう経済環境にあると認識をいたしております。 速やかに政策を実行するという打開策の決意をもう一度お伺いいたしたいと思います。小渕総理にお願いします。
○国務大臣(小渕恵三君) これまた先ほど御答弁申し上げましたが、あらゆる手法を講じてこの打開に努めてまいりたいと思っておりますが、前内閣から引き続いての総合経済対策十六兆の効果を一日も早く出していかなければならないと思いますと同時に、第二次補正の必要性も痛感いたしておりますので、そうした対策を具体的な施策にのっとってどういう形で支出ができるものかどうかということで対応いたしていきたいと思っております。 なお、先ほど答弁の中で、住宅着工件数につきまして百万戸前後と言いましたが、百十万から百二十万ということでございました。しかし、依然として最盛時に比べれば大変残念ながらそれが低迷しておることも多きに景気に影響しておるということでありますので、こうした住宅対策に対しましても何らの方策が講ぜられないか、あるいはまた既に住宅を得ておられる方々に対して何らかの対応ができないか。これは直接的には景気に影響するわけではありませんが、そうした住宅を取得した方々がローンその他で悩んでおられる、このことが結論的に見ますと消費の低迷につながっておるというようなこともございますので、そうした方々の安定的生活設計のためにもどういう手法が講ぜられるか等々、あらゆる手法を考えてまいりたいと思っております。
○田中直紀君 先ほど、これから十兆円の経済総合対策の検討に入る、こういうお話がございました。 堺屋経企庁長官にお伺いいたしたいと思います。昨年は御存じのとおり増税の年、九兆円の国民負担がふえた、こういうことで十五兆円以上の需給ギャップが生まれた。これが年が明けてから非常に生活不安になってきたわけでありますが、その後の十六兆円の経済対策においても、二月の二兆円の減税、あるいは八月一日の四兆円の減税としましても、この需給ギャップを埋めるだけになっておらない。これから十六兆円の経済対策の効果も出てくると思いますが、今我が国の需給ギャップが、通産省でも試算しておるというふうに聞きますが、私は、昨年の倍の三十兆円以上の既に需給ギャップが生まれ、企業が大変である、あるいは生活環境も変わってきておる、個人消費も伸びない、冷え込んでいるという状況ではなかろうかと思います。 ですから、今対策を検討するのであれば、やはりせめて少なくとも二十兆円以上の経済対策を速やかに実行できるような経済環境ではなかろうか、実行しなければいけないというふうに私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) お説のように、不況が長引いておりまして、需給ギャップがかなり発生している。それが正確に今何兆円分であるか、これは諸説紛々でございまして、三十兆円というのは一つの御認識だろうと思います。 これに対しまして、政府は十六兆円の総合経済対策、そして小渕内閣が発足する以前から十兆円の第二次補正予算、さらに七兆円に達するであろう減税項目等を講じておりまして、これが全部発動されますと大体三十三兆円という、単純に足しますとそれぐらいになります。さらに乗数効果その他のことを考えますと、かなりの規模の下支えにはなるだろうと思います。 しかしながら、先ほどから議論がございますように、消費の冷え込みあるいは投資の冷え込み、さらには住宅建設が三年ほど前には百六十万戸もあったのが今百十万戸台、百十数万というぐらいに減っておりますから、そういったものの動向がどうなるのか。これに公的資金あるいは減税の流入でどれだけ刺激が与えられるのか、まだ十分にわかっておりません。 私は、この財政出動及び減税によって下支えの効果はあるだろうけれども、世間のマインドが非常に冷え込んでおりますから、これだけで景気を回復することにはなかなかならないんじゃないか。また、国際的にもいろいろと先ほどから御質問がございましたように不安要因がありますので、さらに大胆な将来を遠望した構造的な改革で国民を安心させるような施策もこれから急いでとっていって、その両方を合わせて国民のマインドを引き上げていく、そういったことが必要になってくるんじゃないかと考えております。
○田中直紀君 下支えにはなるけれども、なかなか景気浮揚にまで立ち至っていないという政策の分析ではなかろうかと思いますので、小渕内閣としても全力を挙げてあらゆる手段を使って国民の不安を払拭できるような政策の実行をお願い申し上げたいと思います。 引き続きまして、金融問題も山を越したという状況になりますけれども、これからの不良債権の処理のマクロ経済への影響についてお伺いをいたしたいと思います。 全銀行の不良債権につきましては、先般、金融監督庁から八十七兆円の不良債権、こういうことでありますけれども、しかしそのほかの五百五十兆の貸し出しの中でも三十兆ぐらいの不良化も今後出てくるのではなかろうかということでございます。そうしますと、百兆円以上の不良債権を、これから公的資金も導入の道が開かれましたけれども投入をして、そして早くこの経済、今景気浮揚までの対策になっておらないという中で、一方で金融問題についても百兆円以上の不良債権を処理していかなきゃいけないというところに立ち至っておるわけであります。これを経済学者に聞きますと、やはり二、三年はかかる、こういうことを言われるわけでありますから、なお一層経済の土俵というものが厳しい我が国の環境下に置かれておるということではなかろうかと思います。 この不良債権全体でマクロ的に見て、いつごろまでその時間がかかるかといいますか、なかなか見通しはっかないと思いますけれども、この不況の長期化にどれだけの影響を持ち、そしてまた乗り越えていかれるか、経企庁長官にもう一度お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 銀行の抱えている不良債権の詳しい数字については経済企画庁よりも金融監督庁なりの方が正確に把握していると思いますので、ごく大ざっぱな話としてお聞きいただきたいと思います。 金融機関の抱えておる債権、いわゆる第Ⅱ分類というのが多いんですが、これがすべて不良債権になってしまうというわけではございません。これは要懸念というだけでございますから、大部分は健全な形の方に行ってくれるんじゃないかと考えております。しかし、そういうものが相当あることは、金融収縮、それがさらに金融機関の貸し渋りから、それを懸念いたします取引銀行の手形収縮、取引収縮になりまして、そしてさらに各企業が、いつ何どき銀行が貸し渋りするかもしれないというので手元流動性を高めるというような形が連鎖的に起こってまいりますれば、一部起こっているといううわさもありますが確証はございません、そうなりますと、かなり全体としての金融収縮が進むということになります。 このたび、今構築していただいております金融再生のスキームができてまいりますと、それはかなりの程度歯どめがかかってきて、立ち直りのきっかけになるんじゃないかと期待をしております。 御質問の、どれぐらいの期間かかるかということでございますが、これは金融機関によって相当違うと思います。そしてまた、この不良債権さえ処理すれば金融機関がすべて健全になって非常に活力が出てくるというような形のものでもないと思います。やはり金融機関が不良債権の処理と同時に拡大的な意欲的な考え方を持っていただいて、そして新規企業、成長性のある企業に、リスクはあってもハイリターンを求めてどんどん貸し出していくというような態度になってくれないと本当の経済再生は成り立たないんじゃないかと思います。 そういう意味では、どの銀行も一斉にということではなくして、従来は銀行は護送船団的に見られておりましたが、これからはやはりすぐれた銀行がトップを走る、あるいは零細な中小の金融機関でも内容がよくて意欲的なところがトップを走るというような形が出てくるだろうと思います。そのためには、銀行が、この事業は有望だ、この人物は経営者として信頼できるという審査能力を回復する必要がある。バブル経済の間に、担保評価さえしていれば人物や事業を評価しなくてもやっていけたという時代がございました。これが、やはり日本の金融界全体が単に不良債権だけの問題じゃなしに、構造的、心理的に変わっていくことが必要だと思います。 私は、すぐれた銀行はかなり早い機会にそういった状態になってくれると期待しております。
○田中直紀君 大蔵大臣には金融問題で大変御尽力をいただいたわけでありますし、実行段階におきましても引き続き大蔵大臣として御尽力をいただくことと理解をいたしております。 この不良債権の処理は大変大きな問題であるわけでありますけれども、これから全体的にこの処理についてどういう点を心がけて政府は実行をしていくか、その点について大蔵大臣からお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの現状は、金融機関はリストラをしなさい、徹底的にやりなさいと言っておる。しかし、片方では貸し渋りはやめなさいと言うんですから、こんな無理な話はないわけですね。支店長にしてみると、恐らくいい貸出先を見つけた支店長よりはたくさん回収した支店長の方が出世するという雰囲気でありますから、これは無理なことを言っている。 銀行からいえば、リストラはいたします、それは厳しい条件でも何でもいたします、しかし貸し渋りも同時にするなとおっしゃってもどこかから金が出なきゃそれはやれっこございませんというのが、それを公的資金で救わないと貸し渋りも直らないし日本経済は救えないんだという、私はごくごく単純な議論だと思うのでございます。 それで、国会でそういう法案をお許しいただけましたらそういうことをしていって、同時に、しかし今までと違いますのは、これで金融監督庁の検査が厳しくなりますから、おのずから優劣がはっきりしてまいります。情報開示をすることが銀行にとっては得になる。開示しない銀行は怪しいんじゃないかというような雰囲気になってまいりますから、そういう競争と責任追及との中で債権回収が進んでいかなければならない、こう思っておるわけであります。
○田中直紀君 引き続きよろしくお願いを申し上げます。 次に移りますが、長銀の問題と、そしてまた北海道の拓銀の債権の引き継ぎについて若干お伺いをいたします。 長銀の問題につきましては、先般、ある記事を読んだ中で、目下公人さんが、経済評論家でありますけれども、長銀に三十年勤めておったということで、記事になっております。足かけ三十年も勤めた経験からいって、その中で、「二十年前から長銀の本来の役目は終わってしまったんじゃないか、という議論はあった」、「本当なら、とっくに役割を終えて解散していなければならなかったのに、大蔵が業務内容を変えて存続させてしまった。今、考えるとそこがおかしかった。」、こういう話であります。「本当に悪いのは、当時のトップの数人だったと思いますよ。深い見通しもないまま数兆円の金を動かしてしまった。」、こういうことも反省をしながら、今長銀を離れた立場で大変気安く話をしておるという印象もございますけれども。 やはり護送船団方式という問題の中で、今は不良債権の回収ということで大変逆の環境になっておるわけでありますが、当時の銀行の方々に聞きますと、お金を貸さなければその銀行にいられない、こういうような環境にもなってしまった。 先般、参議院の本会議で、過剰流動性がとめられなかったというバブルの反省を大蔵大臣からも伺いましたけれども、やはり民間活力をきっちりとつけていく、しかし一方で、護送船団方式をしっかりと改めていくんだという決意がなければ、やはり逆の状況に立ち至っても厳しい環境になっていくのではなかろうか。 大蔵大臣から、その辺の印象と、そしてまたこれから臨む決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 護送船団方式というのはみんなが楽をする方式でございますから、この中からチャンピオンは出てこない。ですから、こういうビッグバンになりましてもなかなかチャンピオンが出ないような方式であったと思います。 しかし、世間から厳しい御批判があって、護送船団方式というのは、端的なことは、もう今その方式に携わる役人がいなくなってしまいました。また、そういうことを見る世間の目も非常に厳しいものでございますから、護送船団方式の担い手はいない。 金融業界の方は、監督庁の検査がここで初めて一つのスタンダード、一つの物差しで行われることになりますから、もうやむを得ず優劣というものが出てきます。そうすると、護送船団方式では、自分のところは優等生だが隣の劣等生も救わなきゃならぬからなるべく優等生の顔をしちゃいかぬというのが護送船団方式でございますが、今やもう自分の生き残りでございますからそんなことは言っていられないんで、国際競争もございますから、私のところはこういう情報を開示して、見てください、こういう金融商品を売っておりますと言わざるを得ないことになってきまして、それは私は消費者にとって大変いいことだと思いますが、それが護送船団方式の終えんであるというふうに思っております。
○田中直紀君 十一月十六日に拓銀の債権の引き継ぎ問題の最終結論が出るという話を聞いております。北海道の経済におきましては大変厳しい環境下にあるということでございますが、北洋銀行は一兆八千億の債権の引き継ぎを内々決めておるということでありますけれども、既に七百社ぐらいの企業は、債権を引き継いでもらえない、融資がとまっているという状況でありますし、今、大変多くの企業、北海道を支える企業が疑心暗鬼の中で、本当に融資をしてもらえる銀行が生まれるかという大変瀬戸際に来ておるわけであります。 道銀あるいは札幌銀行も援助をしてきておるという状況でありますけれども、今回の金融関連法案の成立に従ってこの問題の支援でどの程度のことができるのか、大蔵大臣に伺いたいと思います。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 北海道拓殖銀行は昨年十一月に破綻いたしました。その後、いろいろなスキームで今まで処理してまいりましたが、結局今まで処理してまいりましたのは預金保険法上の十七兆円の方のスキームで処理してまいりまして、私どもが去る六月三十日現在での拓銀の資産の内容を清算検査いたしました結果、はっきり資産、負債の内容がわかりましたので、去る十月一日に預金保険法上の適格性の認定を金融監督庁としていたしました。 これからは、この預金保険法上の手続に従いまして、債権の切り分けといいますか、整理回収銀行の方で買い取ってもらえる分と、それから北海道分は北洋銀行、それから本州分は中央信託銀行の方でそれぞれ営業譲渡ということで、営業譲渡契約も本年五月には成立しております。この営業譲渡に当たりましては、当然のことながら資産と負債をスクエアにする関係上、預金保険法上の資金の援助がなされることになっております。 ただ問題は、北洋銀行の方にその資産と負債とがスクエアになった形で参りましても、よくこれは例えられるんですが、北洋銀行は犬のような小さな存在でございますし、一方、北海道拓殖銀行は馬のような感じでございます。犬の上に馬がのしかかるということになりますと、北洋銀行の方の現在の資本ではとてもそれを支え切れるような状況ではございません。 この夏以来、北海道の各界各層の方々から、営業譲渡を受けた後はぜひ十三兆円の方のスキームで北洋銀行に資本の注入をしてもらわないと北洋銀行の方も倒れると、こういうことを言ってこられました。私は、まだその当時は佐々波委員会が当然存在するだろうと思っておりましたので、各界各層、これは与野党の北海道選出の先生方に対しましては、佐々波委員会にぜひお願いして、私もそのメンバーの一人であるから、十三兆円の方からぜひそれを使わせてもらうように努力したいということをその当時、八月ごろですが申し上げておりまして、実は十三兆円がこのように風前のともしびになるとは思っておりませんでしたものですから、申し上げておりました。 その後、野党の方から御提案になりました預金保険法の最初の改正案によりますと、どうもそれができるような仕組みなんですが、しかし最終的には、現在御審議いただいているこの法案では、合併の場合はいけませんけれども、営業譲渡の場合には、その受け皿となる金融機関、北洋銀行の方に公的資金を注入していただけるような仕組みになりましたので、私が申し述べたことも決して約束違反にはならなかったかなと思っている次第でございます。 いずれにいたしましても、今後は預金保険法上のスキームをベースといたしまして、今回御審議いただいている法案がさらにその上に乗るというような形でこれから円満に進んでいくものと期待しておりますし、それから、一番の問題でありました地崎工業の分につきましても、きょうの新聞などを見ると円満に当事者間で話し合いが決着したようでございますので、御安心できるのではないかというふうに思っております。
○田中直紀君 北海道のみならず、全国でも大変苦労をいたしておりますが、特に拓銀の業務停止以降不安が募っておりますので、御尽力をお願い申し上げたいと思います。 金融問題の議論の中で、いろいろと情報公開そしてまたアカウンタビリティーの義務について議論がございました。特に、政府あるいは地方自治体、そしてまた今回問題になりましたのが、私企業でありますけれども企業の経営者という国民あるいは人々に負託を受けた責任のある立場の部署につきましては、やはり情報公開に努力をまずして、そしてまた、諸外国もそうでありますけれども、アカウンタビリティー、説明責任という問題について、開かれた民主主義の国家においては非常に重要な問題になってきております。 慶大の翁教授が、今回の金融システムが危機的な状況に至ったのは情報の公開あるいは説明責任が果たされていなかったのではなかろうか、こういう論文を書いて、みずから一冊の本にいたしておりますけれども、総務庁長官にお出かけいただいておりますから、現在、情報公開法の早期成立を図っていくところでありますけれども、その中でアカウンタビリティーの問題についてどういうふうに取り扱っているか、また大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(太田誠一君) ただいま情報公開法につきましては、国会の方で与野党で大変御熱心な協議を続けていただいておりまして、何とか今国会中に成立が間に合うようにということを願っております。 今の田中委員の御質問でございますけれども、我が国は憲法にも定められたとおり国民主権の国家でございますので、主権者である国民から信託を受けて内閣が行政権を行使しておる、そして内閣が行政各部を通じて執行しておるわけでございますので、その主権者たる国民に対しては、何をしておるのかという執行状況、行政権の行使についての説明があって当然であるわけでございます。 しかしながら、従来はややかつての官尊民卑と言われた土壌を引きずっておって必ずしもそうではなかったということでございます。それを今度情報公開法で、国民から求めがあれば例外的なものを除いてはちゃんと出す、示すということになるわけでございます。 一方、田中委員がおっしゃいましたアカウンタビリティーということでございますが、これがもう一つ情報公開と違うのは、求められなくても進んで、定期的にというか、何か一つの形でもって行政の執行の状態について説明をする責任がある。そしてそれは、単に消極的に説明をするというだけではなくて、その疑問の点について、役所側が説明をしたいということと聞きたいという側のことは当然違うわけでございますから、ここは足りないということについては質問を受ける状態で情報の開示をしなければいけないということで、プラスアルファのことがあると思っております。 それについては、この情報公開法の成立を契機に、国会においてももう一工夫、二工夫、そしてまたいろんなノウハウの蓄積が必要なのではないかというふうに思っております。
○田中直紀君 私も参議院の席に着かせていただきましたけれども、今回の金融問題につきましては、当然参議院においては政権政党少数与党ということでありましたから、与野党の折衝が先行をしたことは否めないわけであります。委員長にお願いを申し上げたいと思いますが、金融問題でこれだけ国民の関心が深まったわけでありますので、法案が成立をした後も委員会を何らかの形で存続して、情報公開並びに国民に説明責任といいますか、しっかりとその責任が実行されておる、そして効果が上がってきておる、多くの参考人を呼びながら、引き続き委員会をやってもらいたいと私から委員長に要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。 経済再生に向けて、再生内閣、小渕内閣、小渕総理大臣を迎えての質問でございます。私と関連の簗瀬議員、あわせて民主党・新緑風会をそれぞれ代表いたしまして幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。 総理、大変恐縮でございますけれども、質問通告はしていなかったのですが、昨日、日韓の新しい歴史的な一ページを開くということで、韓国大統領を参議院議場にお迎えいたしまして、大変すばらしい演説を私も伺いました。大変ある意味では本当に長い歴史の中でのわずかな時間かもわかりませんが、そういう意味では長い歴史を短いスピーチの中でも受けとめさせていただきました。また、夜もいろいろ晩さん会とかあったようでお疲れであったと思うんです。 そこで、この日韓の問題ではないんです。同じ日に、きのう住友信託銀行の高橋社長が記者会見をされまして、外的状況が大きく変わった、そして長銀との合併を事実上白紙撤回することを表明したということがきのう記者会見で述べられているところでございます。 これは直接法案等にもかかわりませんから詳しく詰めた話をするつもりはございませんが、かねてこのことが起きている経過の中で、民間企業を官邸に総理自身が招いて合併について促進をするという、こういうことはかつてなかったわけでございまして、そのこと自体大きく報道されたわけでありますけれども、住信の社長が国有化で状況が変化をしたということで白紙撤回をしたということについて、総理としてどう今の時点で受けとめているのか、所感を伺いたいというふうに思います。 それから、たまたま今、田中直紀委員が金融問題の山を越えたんではないかということを二度ほど言われているんですけれども、多分多くの国民はそんな気持ちは毛頭ないわけなんで、それに対して質問じゃございませんからお答えがなかったのは当然かもわかりませんが、金融問題が山を越えたなんて全く思っていないんで、これについての所感についてもあわせて伺いたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) まず後段の方から申し上げますと、まさに今、金融再生法案が衆法として参議院に御審議をいただいておるさなかでございますので、そのために特別委員会が設けられて与野党間でこうして御議論いただいております。 私ども政府といたしましては、一日も早くこれが成立をお願いいたしておりますが、一方、早期健全化スキームにつきましての法律は衆議院におきまして昨日提案されまして、本会議におきまして趣旨説明がされたわけでございます。 あわせまして、こうした問題につきましての現在の国会での対応につきましては、最終段階といいますか、この賛否にかかわらずいろいろ議論がされておることは承知をいたしておりますが、私自身もそのように認識をいたしております。 重ねて、政府といたしましては、両法案が一日も早く成立し、金融システムの安定化に向けての立法が成立し、そしてそのことが金融の安定に大きな影響を与えていただくように心から念願いたしております。 冒頭の御質問でありました住友信託の昨日の社長の記者会見でございますが、これは信託協会会長として記者会見をされたそうでございますが、その中で、長銀との合併交渉につきましては、従来の民間ベースでの合併検討から新法の枠組みの中での検討という新しいステージに移りつつあると認識していると述べられたと聞いております。 いずれにいたしましても、長銀問題につきましては、与野党合意においてこれに適応できる特別公的管理の枠組みを確定し、新しい法律で規定した上で対処することとされたところであります。住友信託の高橋社長の御発言もこうした状況を踏まえ発言されたものと理解をいたしておりまして、私が前段に高橋社長をお招きいたしまして長銀との合併の問題につきましてお考えをお聞きし、金融業界再編の中で金融安定の状況が一日も早く国民または世界の理解を求めることができればよろしいということで当初いたしました。 しかし、その後の経過の中で、現行の金融二法につきましてもそのスキームが変わってまいることになりましたので、そうしたことを踏まえまして、恐らく高橋社長としては今のような御発言につながっておるものと思っております。 もとより合併問題は、これは民間の企業体同士が十分検討された上での最終判断をされると思いますが、我々としては現在国会でかかっております法律に基づきまして、これが成立いたしますればその段階でこうした問題につきましてのそれぞれの企業体の責任者も決断し実行されるのではないか、このように考えております。
○齋藤勁君 今も御答弁ございましたけれども、総理がいわゆる民間企業を、金融機関を官邸に呼び、合併についてのそういった話し合いをされたと。今回、それでは住信の社長さんからきのうの記者会見の前に総理にこういう会見をしますというようなことは何か御報告なり説明がございましたですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 私に対しましてはそのようなことはもちろんございませんでした。
○齋藤勁君 住信・長銀合併問題をやりますと長くなりますので、次に、いわゆる経済・金融問題は日本、アジアあるいは世界を取り巻く暗雲、そしてまた暗雲の中に光明を見出さなきゃならないということで、私たちは大変大きな課題をしょっていますが、もう一つ我が国にとりまして、数日来と申しましょうか、もうずっと長い間、防衛庁のいわゆる調達本部の水増し請求問題が毎日、新聞に出ない日はない、テレビでも報道されない日はないということで、もう国民の中には防衛庁は一体何をしているんだということで今批判が大変巻き起こっているのではないかというふうに私は思います。 この水増し請求に絡みまして天下りの強要等を図って逮捕された元調達本部副本部長あるいは前施設庁長官、今日までの防衛庁の歴史の中でもなかったわけでありまして、さらに電機メーカーからも役員の逮捕がある、さらにはたびたびの家宅捜索、多分防衛庁自身も三たびぐらい家宅捜索を受けているのではないかというふうに思いまして、事務次官室等も含めて対象に入っているというふうな報道もございます。加えて、証拠隠滅も図ったということで、どうも事もあろうに防衛庁のすぐそばにある青山墓地で書類が積みかえされてまたどこかへ運ばれるなんということも報じられている。一体どうなっているんだ、防衛庁の幹部が証拠隠滅に関与しているのではないかと。 これは防衛庁長官、私も外交・防衛委員会で幾つかやりとりをさせていただきまして、防衛庁としてこの調査委員会を設置して証拠隠滅等さまざまな問題について解明をしていくということについての報告は伺っておりまして、近々防衛庁としてこの調査委員会の発表もあるというふうに聞いております。 総理、この逮捕があった時点での総理としての所感も述べられておりますけれども、いっ防衛庁が私ども国会、国民に対して報告をされる、そんな運びになっているのか、そして、今この時点で国民に対して防衛庁調達本部の背任事件等に係る国民の皆様に対する総理としての考え方について述べていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 改めまして、元調達実施本部長が背任罪で逮捕、起訴され、かつ防衛庁が三度にわたりまして家宅捜索を受けたことによりまして、組織的に証拠隠滅を行っていたとの疑いを持たれるに至りましたことに、我が国の平和と安全を守ることを任務とする防衛庁、自衛隊への国民の信頼を失墜させたということは極めて遺憾であると考えております。 現在、防衛庁におきまして一層の綱紀保持を徹底するとともに、調達制度のあり方の検討や自衛隊の再就職の問題への取り組み等、諸施策につきましても、事務次官を長とする調査委員会を設けまして事実関係の究明に向け全力で努力をいたしておるところでございます。委員も防衛庁長官と十分な質疑応答をされたと思いますが、私ども、防衛庁、額賀長官、この問題に対しましては極めて真剣に対応いたしておりまして、いろいろの調査結果も可及的速やかにお出しできるように検討いたしておると私は承知をいたしております。確実な点につきましては今承知をいたしておりませんが、ぜひ防衛庁長官初め事務次官挙げて、みずからの自浄能力を内外に明らかにする意味からも徹底的な調査の上、国民に明らかにすべきことはいたしていかなきゃならぬと、このように考えております。
○齋藤勁君 今回の事件はまさに前代未聞であり、国家の防衛をつかさどる防衛庁として私はいささかというよりも危機感が欠如しているのではないか、緊張感がないのではないか。加えて、国民の大切な血税をいわゆる裁量によって少なくして会社の方に水増し請求ということが起きているわけですけれども、これは防衛庁の職員の方々、それから国防に携わっている自衛隊の隊員の士気にはかり知れない影響を私は与えていると思います。 これは、今総理も言われましたけれども、速やかな真相究明をしていくということが何よりも私は大切であり、これは総理、防衛庁調達本部で組織ぐるみの犯罪である、どうも報道を見ていると、調達本部を中心にして組織ぐるみの今回の事件であるというふうに受けとめざるを得ませんけれども、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) その点につきましては、現在、東京地検におきまして徹底的に調査されておると思っておりまして、その捜査の結果も見守りたいと思っております。 いずれにいたしましても、自衛隊、防衛庁に対する国民の信頼を大きく失墜されたことでございますので、あらゆる角度から徹底的に本問題の根源を見定めて、それに対する対応をとるべきことと、重ねてそのように考えておることを申し述べたいと思います。
○齋藤勁君 その場合、私は、事件の徹底究明と、そして責任の問題があると思うんですね。 国防の最高責任者は総理であることは言うまでもないと思うんですが、今回の事件が起きる相当前から長い間報道されております。特に私は大変問題だなと思いましたのは、七月十四日だと思いますけれども、防衛庁として地検に、防衛庁のいわゆる調達のあり方等についての見解を上申書という形で出しております。防衛庁のやり方というのは間違いなかったんだということを地検に出しているんですね。この中身は問いません。 その後、逮捕された二人が九月に起訴された。そのときに、それ以降その起訴された事実や、あるいは防衛庁の方は、この調達本部の仕事にかかわっていた元幹部の発言ということでこの上申書を全面撤回して、防衛庁の職員の幹部の方が記者会見をして、この上申書というのは誤りだったということを、これも委員会の中で明らかにしています。これは報道もされております。 そうすると、今までの長い間の調本の仕方というのは間違っていましたよということを認めたわけですね、検察庁に逮捕される案件について正々堂々と防衛庁としてはこういうやり方でやっていたんだということを公文書で出しているわけですから。それを改めたということになりますと、これは新しいルールで仕事をしなきゃならないわけでありまして、今新しい仕事をされているというふうに思いますが、何十年来のこの仕事を根本的に変えていくということで、額賀長官は就任時にこの上申書については説明を受けていたと、小渕内閣が就任したときに。七月三十日ですね、小渕内閣が発足したのは。違いましたですか。そして、八月、九月、起訴されるまでの間、いわゆるトップとして今日まで仕事をしております。もちろん、事務方のトップも、事務次官もおられます。これまた報道によりますと、事務次官はこの真相究明をそれなりにやって責任をというようなことも出ていますが、これも正式に私ども国会の中で聞いているわけではございません。 問題は、私はやっぱり真相究明と責任問題、事務次官あるいは防衛庁長官、本来ならば私どもは直ちに更迭をする、やめさせていく、責任をとって新しいリーダーのもとで真相究明をしていくということが正しい姿ではないかというふうに思います。そのことを国民は求めているんじゃないですか、今。今までやってきた人、上申書についても就任時に説明を受けている。二カ月、三カ月たったらそれは撤回をするということを防衛庁は言っている。 私は、事務次官なり防衛庁長官を新しい人にかえて、新しいリーダーのもとで仕事をしていくんだということがなければ、職員に対してもあるいは全国の隊員に対しても責任の問題では説明がつかないんではないかというふうに思いますし、国民も安心しない。それこそが総理の、国防全体をつかさどるリーダーとして直接、担当する防衛庁長官なり次官の責任問題についてきちんとただしていくということが、それが私は最もとるべき道だというふうに思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) 時系列的に正確な日にちその他はすべて記憶しておりませんが、先ほどお話のございました上申書等につきましては、前内閣時代の責任者の判断におきましてされ、それが今次額賀長官になりましてこれを取り下げるといいますか、その経過につきまして防衛庁の考え方としてはそうした上申書に基づくような考え方、すなわち背任事件として考えられないという形での上申書というものは撤回し取り下げたと聞いております。 それはそれといたしまして、現長官といたしましては、今次、積年のこうした調達問題につきましてこのような問題が惹起したことにかんがみまして、これを徹底的に問題を剔抉して、再び国民の信頼を得るための努力を今傾注いたしておると認識をいたしておりますので、この仕事を徹底的に遂行することが現長官の任務と心得ておる次第でございます。
○齋藤勁君 総理がそういうお考えですから、私どもは任命権者でもありませんし、国民の声を代弁して主張しているつもりでございますので、すれ違いがあろうと思います。 あえて私がきょうこの金融問題・経済活性化特別委員会で話をさせていただいていますのは、金融、財政が今日までさまざまな問題を抱えているときに、金融機関のモラルの問題あるいは大蔵省のモラルの問題、さまざまあります。護送船団方式と私たちはひっくくって言っていますけれども、一つはまた今回防衛庁のこういう意味では背任事件をめぐる問題でモラルの問題、リーダーシップの問題、その意味ではすべて関連するんではないかということをあえて主張させていただいたつもりでございますし、一部の国防にかかわる産業にこういう事件があってはならないわけでありまして、そういうことを強く指摘させていただいたつもりでございます。 さて次に、いわゆる景気といえば国家財政の危機、そして地方財政の危機ということで、三つ目には、私は地方財政の危機の問題について触れさせていただきたいと思います。 私は神奈川県横浜市市民でございまして、きょう参考人でお見えの池田元久同僚議員も横浜市民であり、昨晩は地元の三十久年ぶりの横浜ベイスターズの優勝で浮かれたところでございますけれども、他のチームを応援された方には大変申しわけございませんが、三十八年ぶりでもございますので御容赦いただきまして、経済が地元も大変厳しいんですが、燃えたわけでございますので、経済にも大変波及効果があったわけでございます。 加えて、スポーツの話ばかりするつもりじゃございませんが、夏には横浜高校も優勝させていただきましたし、新年早々には神奈川大学が箱根駅伝で、これは私の母校で、池田さんも講師をされているんですけれども、出来レースで言っているつもりはございませんが、あともう一つは関東学院大学がラグビー大学選手権で優勝したり、ことしはどうも神奈川県はいろいろスポーツにとって非常に話題があって、明るい話がございます。こういう明るい話は幾つあっても私はいいと思うんですが、ともかく経済波及効果というのは本当に、ワールドカップもこれからあるわけでございまして、ぜひとも成功させていかなきゃならないと思います。 ところが、我が神奈川県だけではないんですけれども、もう来年再建団体になるんではないかという、そんな一歩手前のような状況でございまして、昨日も地方六団体の知事さん、市長さんが集まられまして、地方財政危機の問題について大変深刻な議論をされまして、決議を幾つかされております。今どういうように県なりあるいは議会が取り組んでいるかということを御披瀝しますと時間もございませんから、これはもうすべて省略をいたします。 いわゆる今日的な地方財政危機の現状について、まず自治大臣、きょう御出席いただいておりますので、どう認識されているのか、冒頭お伺いしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 お話がございましたように、地方財政は多額の財源不足が続いておりまして、借入金残高は平成十年度で百六十兆円に達すると見込まれておるところでございます。個々の地方団体の財政状況につきましても、公債費の割合がだんだん高まってきておりまして、地方財政は極めて厳しい状況にあると私は考えております。お話にもございましたが、特に大都市の都府県では、景気の低迷による法人関係税を中心とした税収の大きな落ち込みなどにより財政は一段と厳しいものになっておると認識をいたしております。 したがって、まず経済対策を着実に執行することにより我が国経済を回復軌道に乗せることが必要でございます。また、毎年度の地方財政対策において地方財政の運営に支障が生ずることのないように適切に対処していく必要があると考えております。個々の地方団体における徹底した行財政改革も推進してもらわなければなりませんが、そういうことと相まって地方財政の健全化を図っていくことが当面の重要な課題だと、このように考えておるわけでございます。
○齋藤勁君 そこで、地方六団体初め、減税、そして地方財政の影響ということで、大変深刻に今県民も受けとめながら今度の税制改正に向けていろんな取り組みをしているわけでございますが、自治大臣、引き続き、いわゆる法人事業税ですけれども、これは外形標準課税をするというような検討、これは地方六団体が具体的に今外形標準課税を検討しろということでの、きのう決議をしているわけではございませんが、そういう非常に大きな声もあるということは実は事実であり、国会でもたびたび議論をされています。たしか、政府の税制調査会でも昭和五十四年に事業税への外形標準課税方式の導入について一般消費税の関連の中で検討された、そういった歴史がありました。しかし今日に至っているんですが、改めて法人事業税への外形標準課税の導入を早期に検討しろということについて、このことについて自治大臣としてどういうふうに考えられますか。
○国務大臣(西田司君) 法人事業税への外形基準の導入問題についてのお尋ねでございますが、最近の経済情勢等からさまざまな議論があることは承知をいたしております。税制のあり方といたしましても私は望ましい方向であると考えております。 したがって、これから導入のタイミングの問題を含め検討を進めていく必要があると考えております。引き続き、政府税制調査会等において専門的、理論的な検討をお願いしながら取り組んでいきたい、このように思っております。
○齋藤勁君 時間の関係で、ちょっとまた整理させて伺わせていただきますが、先ほど地方六団体の話をさせていただきました。小渕総理が八月七日、所信表明で、望ましい税制の構築に向けてというようなくだりの中で、「六兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施」ということを表明されています。 問題は減税の税制改正の内容ですけれども、地方団体の現状を、危機的な財政状況を見れば、減税というのは基本的には国税で実施すべきであるというのが地方の立場、主張でございます。 しかしながら、十月六日に衆議院の地行委員会で、法人課税の実効税率を四六・三六から四〇%に引き下げることに関しまして、大蔵省の政府委員から、宮澤大蔵大臣の八月十九日の予算委員会での答弁を引用する形で、国税分はもう十分に引き下げている、あとは事業税などの地方法人課税で行うべきである、こういう答弁がされております。 どうもそういった認識は、地方の立場なりからいっても合わないわけでありまして、大蔵大臣、たまたま今法人課税の話をしました、いわゆる減税についてどういうふうに思われるのか。国税で減税を行うべきであるということについて、大蔵大臣としての考え方について伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 法人税が現在四六・何%になりました過程などを考えながら政府委員がそういうことを申し上げたのだろうと思います。 実は、齋藤委員の御質問の全体がそうでございますけれども、地方が非常に財政的に逼迫した状況にあって、それはそうだと思います、不況は国ばかりであるはずはないのでございますから。そういうことで、今所得課税あるいは法人課税を減税するという段階で、それを国と地方でどのように分け持つのかという問題は今の御質問の基本にかかわる問題でございます。 それはしかも税制だけの問題ではありませんで財政の問題にかかっていまして、税制だけこうすればいいということではなくて、その際地方がこうむるであろう負担について、財政としてはどう考えるかという問題がございますから、どうしてもこれは自治大臣と私が基本的な相談をしなければならない。その上で総理の裁断を仰ぎますけれども、政府あるいは党の税調という問題を離れまして、基本的に国と地方の税財政について関係大臣二人でまずいろいろ検討をしていかなければならない、これは実は焦眉の問題で、いつまでもほっておけない問題でございますけれども、と考えております。
○齋藤勁君 ぜひ自治大臣と詰めた議論をしていただきまして、地方が、これは地方といっても国と地方は同じ国民ですから、ただ地方自治体の財政が非常に今逼迫をしているということで、これから地方自治体も予算査定、予算の作業に入っていくわけですが、早く国の方針が出されることを期待します。 その上で、総理に総括的に伺いたいんですが、地方分権の動き、この地方分権が、ある首長さんによると、これだけ財政が厳しいからもう地方分権はなんという非常に消極的な、そんな声も残念ながら聞こえる。もともと地方分権というのは、権限あるいは人の問題もあります。これはまた神奈川県の話で恐縮ですが、前の長洲知事はよく三ゲン則というような話、権限、人間、財源という話をしていまして、このことが、今の財政状況が厳しいということで地方分権をおくらせてはならないわけであります。 これは、国と地方は両輪だという、こういうことをしていかなければならないわけでありまして、地方分権をより推進していく、そしてその意味でも、今言った国と地方、また所管大臣、大蔵大臣、自治大臣、相談をしていただくということで、地方には、地方分権頑張ろうよ、そして財政についてはきちんと国でも一緒に考えていくから安心して一緒に仕事をしていこうということで、きょうはNHKでもテレビあるいはラジオで報道されていますので、地方の人たちに向けて、総理としてのやはり声を聞かせていただきたいということで、総括的にこの地方財政問題について、分権問題についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) お話のように、現在の不況下でございますので、国も地方も大変財政的基盤が厳しくなっておることは事実でございます。また、それに対して、従来は税の配分の問題から、地方におきます法人事業税等も含めまして、外形標準課税の方式については原則としてはそういう方向であることは今自治大臣が御答弁いたしたところでございます。 そうした状況ではありますが、しかし地方分権は地方分権として、きちんと地方の自主性と自立性を高めるために、国、地方の役割分担を含めて、国庫補助金、負担金の整理合理化や事務権限の移譲などを講じて地方税財源の充実の確保を図ることは重要である、こういう認識はいたしておるわけでございます。したがいまして、分権は分権としてこれから大いに推進をしていく、こういう過程の中で、税源につきましても今後十分検討をいたしていく課題と認識をいたしております。
○齋藤勁君 地方分権は財源を伴ってのということを再度訴えさせていただきまして、地方自治体が安心して、また市民が安心して生活できるような、そんな政府としての取り組みを強く求めたいと思います。 私自身の持ち時間がもうあとわずかになりました。財政と金融の分離について幾つかたださせていただきまして、私から簗瀬委員にバトンタッチをさせていただきます。 過日の与野党の党首会談あるいは三党合意で、財政と金融の完全分離と金融行政の一体化というのがございます。衆議院の特別委員会の締めくくり総括の中で総理が、これは最終的に総理にもお尋ねしますが、この財政と金融の分離、十分検討しますというところで終わっているんですが、それ以来、参議院でもやっているんですが、なかなか迫力ある答弁がないわけでございます。 まず大蔵大臣、財政と金融の分離について、これは与野党の合意を踏まえまして考え方について述べていただきまして、ぞして、参考人として、それらに携わってまいりました池田衆議院議員にも御出席いただいていますので、続きまして池田参考人に。そして総括的に、私は十分検討しますでは困るわけなんで、積極的に推進しますということで、総理としてこの財政と金融の完全分離についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、党首会談もございましたけれども、与野党三党実務者間の覚書が次のように述べております。「金融再生委員会の設置に伴う財政・金融の完全分離及び金融行政の一元化は、次期通常国会終了までに必要な法整備を行い、平成十二年一月一日までに施行する。」、これに従いましてまいるつもりであります。
○参考人(池田元久君) 齋藤委員にお答え申し上げます。 財政と金融の完全な分離、金融行政の一元化、この問題につきましては、単に財政と金融の機能の分離、利益が相違う機能の分離という観点だけではなくて、現在の大変な金融危機の中で、金融行政がばらばらです。金融企画局、預金保険機構の監督は大蔵省にありますが、監督庁は主任大臣は総理大臣、そしてまた預金保険機構の中に金融危機管理審査委員会がある。ぜひこの危機に当たって、金融行政危機管理の司令塔として一元化を急がなければならないと私は思っております。そういう点で取り組んでまいりました。 今大蔵大臣もおっしゃいましたように、実務者といいましても、官房長官が入って幹事長会談が開かれ、そこに我々実務者が入った席で、大蔵大臣がおっしゃったような確認をしたわけでございまして、二〇〇〇年一月一日までには金融行政の一元化が実現するものと私は確信しております。
○国務大臣(小渕恵三君) 財金分離の問題につきましては、今申し上げられた経過を踏まえまして、政府といたしましては三党で取りまとめた趣旨に基づきましてそれを実行していく、こういうことだろうと思います。
○齋藤勁君 私の質問を終わります。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 簗瀬進でございます。 モラルハザードという言葉があるわけでありますが、これは私は金融の世界だけではないのではないか。今どうも日本全体にモラルハザード、いわゆる倫理の破綻ということが蔓延しつつある。我が国社会全体の大変な危機的、だからこそ新しい変革の時期なのかもしれません。 昨日、金大中大統領が大変力強い言葉を当院の本会議場でお述べになったわけでありますが、どうもその言葉の重みとして我が国の政治はかなり軽くなってしまったんではないか。とりわけ、先ほど自民党の山本議員の御指摘の中にもありましたけれども、金融問題の処理が何でこんなに遅いのだ、日本の政治は何をやっているんだと。これは与党だろうと野党だろうと、我々が国民全体から受けている批判である、これはしっかりと受けとめなければならないと思います。 そういう中で、あえて私、総理にもう一度質問させていただきたいわけであります。 九月十八日、大変大きな決断がなされたと私たちも思っておりました。野党の代表の皆さんと総理の間で大変重い合意がされたわけでありますが、その直後にアメリカに行きまして、クリントン大統領とのお話の中で、どうも合意の内容が全然私たちと違ったんではないのかなと。そして、それによって大変な問題処理の引き延ばしといいますか、時間がおくれてしまった、こういうことになってしまったわけでありますが、この点での責任を総理としてどのようにお感じになっておるのか、まず聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 米国におけるクリントン大統領と私の会談を通じまして問題を提起されましたことは、基本的には日本の金融機関に対して必要な公的資金も導入をしませんと日本の金融システムが大変厳しいことになるのではないかということで一致をしたということでございます。 そのときに、いろいろ新聞は報道されておりますが、特に十三兆円の資金投入について私が発言したやに日本の報道の一部が報道されておりまして、そのことがいわゆる党首会談におきましての合意に違反するのではないかということでございましたが、私は、今日の状況を顧みましても、当時、このスキームというものにつきまして既に国会におきまして種々御議論が出ておりました過程につきまして、そのように具体的に実は申し上げたつもりはないのでございまして、一般的に日本の金融機関をどうしたら安定させていくことができるかということにおいての考え方を申し述べたわけでございまして、私自身は合意に背馳して、たしか邦人の記者会見だったと思いますけれども、そのように述べたつもりは実はないのであります。 日本に帰りましたら、そのような報道がされており、またその後の報道によりまして、党首会談の考え方につきまして私自身が違反をしているんではないかという議論が大変起こって、それについて自民党の幹事長から改めてそのことについての釈明がなされたとお聞きをいたしております。 いずれにいたしましても、経過の中で、今日そうした二法は廃止をされて、新しい金融再生法案が今御審議をいただいておるわけでございますので、その線にのっとって今日政府としては当然のことながら考えていくべきものと思っております。
○簗瀬進君 私は、これからの日本の政治の大きな課題といたしまして、与野党間のある意味での本質的な信頼関係をいかにつくっていくのかということが非常に重要になってくると思います。お互いに一つの議院を構成するメンバー同士としての信頼関係、それを基本とした背景がないと政権交代も実際はできないわけであります。 そういう意味において、ともすると玉虫色の決着の中で進めようとする一種の政治文化といいますか、それが今まであったのではないのか。それをこれから乗り越えていくための与野党間の信頼の醸成ということを、自民党の総裁としてどのようにこれから高めていこうとするのか、御所見を聞きたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 自民党の総裁というよりも、むしろお許しいただければ一議員として考えれば私も長らく国会に籍を置かせていただきました。国会は国権の最高機関ということでございます。その立法府の意思というものは常に最大に尊重されていかなければならない、これが国民の意思であろうと思っておりますので、そこで誕生いたしてまいります種々の立法につきましては、行政府を預かる立場になりますれば、全面的にその意思に従って対処するということ、これが民主主義の鉄則ではないかと思っております。
○簗瀬進君 そのような与野党間の信頼関係の醸成ということを、私はある意味で先駆けてやっていただいたのが今回の法案処理におけるいわゆる与野党の若手の実務者グループの皆さんであったのではないのかなと思っております。 例えば、そこにおかけになっている我が党の池田さん、枝野さん、あるいは先ほども山本さんのお話に出ました自民党の塩崎さんとか、石原さんとか、そういう若手の実務者が、政党、党派の立場を超えながら、日本のためにしっかりとした新しいスキームをつくろうとしている。ところが、自民党の中でいろいろな揺り戻しがあった。野党のほかの若手の皆さんもしっかりと頑張っていただきました。(「上田、西川」と呼ぶ者あり)上田、西川さん、そのような人たちが本当に頑張っていただいたわけであります。このような与野党の若手の中にある新しい歴史をつくってくれそうなパワーというものが、どうも自民党の中でまたさらにぐしゃぐしゃになっていくというふうな状況が私たちからは見られたわけであります。 そういう意味で、本当の意味でのリーダーシップを総理にもっと発揮していただきたかったなと、こういうふうに思うのでありますけれども、その辺はいかがでございましょうか。
○国務大臣(小渕恵三君) アメリカは御存じのようにすべて議員立法ですから、多くの法律が議員によって制定されてきております。 我が国の場合には、閣法という形と議員立法という形でございますが、従前は議員立法という形での法律成立が極めて少なかったことは事実であります。それは、政権を得た与党ということで内閣に責任を持つ立場から内閣法という形で法案を提出したということでないかと思っております。そういう中で、今我が党の中は、当然のことながら政党政治の中で、法律を提出するまでの過程の中で十分もみにもんで、そして党議決定をして、ほとんどの法律案はそうなりますが、いたしております。 今回はいろいろな経過がありましたけれども、先ほど御指摘のように、与野党間、特に実務者間でもう毎日毎晩熱心に御討議いただきまして、その討議の結果を私も政府の立場で、木曜日の夜は大体徹夜ということになっておりまして、私どもも立場でございますのでどういう結果になったかということを認識しなければなりませんので、私自身も徹夜をするというようなケースになってまいりました。 いずれにいたしましても、ケース・バイ・ケースだろうと思いますが、立法府といたしまして議員各位がこうした形で法律をまとめられるということは、先ほど申し上げましたが、私も長きにわたって国会におりまして、自分の名前がついたとも思いませんが若干の議員立法をいたした立場でございまして、そういった点で考えますと、今回はこの法律制定の一つの大きなケースとして残るものではないか、こういうふうに認識をいたしております。
○簗瀬進君 これは九月十一日付の毎日新聞でございます。先ほどモラルハザードということを申し上げました。そして、自民党の山本議員のお話の冒頭にあったのも、今回の処理スキームについて自民党が銀行救済の立場で動いているのではないのかなという誤解が結構あるようだ、こういうふうなお話でございますけれども、まさにこのような誤解を助長しているのが、言うならば自民党の金融機関からの借り入れ問題だろうと思います。 この記事によりますと、九三年の衆議院選に先立って都銀八行から借りた百億円の負債がある、それに行き詰まって結局負債返済分を政治献金という形で穴埋めしてもらっている、こういうふうな形で金融機関に大変お世話になってしまっているといった姿があります。 もちろん、私個人も金融機関から借り入れを起こすわけでありまして、それがどうというわけではありませんけれども、このような状況がありますと、金融機関に対して自民党は毅然とした対応をとっていないのではないのかな、常に国民からそういう疑念の目にさらされるわけであります。これは多くの野党の議員の皆さんも指摘したことでありますが、今後の明快な対応というようなものについて、総理のお考えを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 金融機関に対する世間の目が大変厳しい今日でありますし、またこうした形で金融の安定のための法律案を今制定をお願いしておる段階でございます。 恐らくこうした点からも、自民党としての金融機関からの政治資金についての目も大変厳しいものと承知をいたしております。でありますからして、従前、金融機関、銀行からの政治資金につきましては自粛をさせていただいて、実はお受けをしておらないということでありますが、今委員御指摘のように、かつての借入金に対しての返済については金融機関もこれをみずからお貸しをしている立場でもございましょう、この点については従前、党との話し合いで返済について政治資金の形でこれを見ていただいたということでありました。でありますが、先般、実は参議院でも御質問がありまして、この点につきまして御指摘がありました。 私といたしましては、党の総裁という立場で党の幹事長たる森喜朗氏に、この点につきまして、やはり国民の目もございますので、銀行からの今申し上げた点についてもこれを自粛することができないか、またその方向で処理するようにということで指示を申し上げておりまして、検討に入っていただいている、こう認識をしております。
○簗瀬進君 次の質問に移らせていただきたいと思います。 大蔵大臣、昨日はお誕生日おめでとうございました。 私が宮澤喜一という名前を初めて知ったのは、「日本のいちばん長い日」という終戦秘話を書いた本を読んだときでございまして、たしか私の記憶では、あのとき、若き日の宮澤さんは迫水内閣書記官長の秘書官か何かという、そういうふうな御紹介で載っておったような記憶がございます。戦前から現在に至るまで、とにかく日本の中心にあっていろいろなことをごらんになられ、いろんな御所見をお持ちだろうと思います。本会議あるいは当委員会の答弁についても、私は野党ではありますけれども、その率直な答弁ぶりに非常に心ひそかな敬意を払っておる次第でございます。 私は、この金融再生問題の根本にあるものは大変根が深い問題だろうと思います。ある意味では、我が国の政治、経済、社会、あるいは一人一人の日本人の人間性あるいは風土、そういうようなところまでの根本的なものが問いかけられているのではないのか。 例えば、今、数字の信頼性というようなものが必ず出てまいります。本当に自己資本比率が八%なのかどうだろうか。いわゆる数字自体にしても、我が国には二重帳簿が、結構昔から表の数字と裏の数字というふうなことが平然とまかり通っていたようなところもありますし、そもそも本音と建前を使い分けて進めていくといったような文化があったような感じがいたしますし、情報ということに関しても、よらしむべし知らしむべからずでずっと現在まで来てしまった。 私は、そういう意味では、今問われているのはまさに情報開示というようなものの重要性の中で、やっぱり新しい仕組み、新しい社会というようなものを我が国がつくっていかないとこれからの国際社会では生きていけないのではないのかという大変な、何といいますか、歴史の選択をしなければならないときに来ているのではないのかなと思っております。 こういう中にありまして、恐らく、先ほど金融と財政の分離ということで御質問があったわけでありますけれども、今回の問題はそういう文化的な背景の中でやっぱり大蔵省が今までの考え方の中でとってきたいろんなやり方が時代に全く通用しなくなってきたということの明瞭なあかしなのではないのか、そういうふうな観点から大蔵大臣の御所見と、そしてここで過去の大蔵省の金融行政を大蔵大臣なりにどのように御総括なさるのか、それを聞いてみたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 再び政界に御復帰なされまして、御活躍をお祈りいたします。 今の御指摘は、私も実は長いこと考えている問題でございまして、端的には、日米間で何十年いろいろな経済問題を中心に協議をしてまいりましたけれども、結局最後は構造協議ということになりまして、その国が伝統的に持っている制度、物の考え方までお互いに議論しないと決着がつかないということが御承知のようにございました。 それで、今数字なんかについてお話がございまして、我が国の伝統的な物の考え方の中に、あるときに許すという物の考え方がかなり強くございまして、それがまた何かで美徳である。それは一番いい例は安宅の関といったような例だと思いますけれども、それが美徳になる。国定忠次とまでは申しませんけれどもそういう部分がございまして、それでまた、日本が戦後国際舞台に復帰しようという段階で、お互いに多少のことはまあ目をつぶってひとつ世界に出ようではないかといったような、そういう動機が働いたこともございまして、そういう悩みは常に私自身が持ってまいりました。 決して護送船団行政を擁護するつもりではないのでございますけれども、みんなで一緒になって世界に出て行かなきゃならぬ、そのためには多少のことはまあといったような物の考え方でございますね、それは確かにございました。 ところが、すべてのことがグローバルになる、国際的な基準でということになりますと、それは経済の分野を超えまして物の考え方がそうならないとそういうふうになれないという、ですから、このごろでもグローバリゼーションというのは本当に日本のためになるのかならないのかということを議論される方もおられるぐらいでございます。ですが、ここまでグローバリゼーションを決心いたしまして、そしてもう二十四時間世界じゅう情報なり経済が駆け回っているときに、我が国だけが別の、いわばその方の言葉で言えば非関税障壁とでも申しますか、そういうものをもってやれるというわけにはいかない。これはもうそれは不可避になったと思っております。 いわゆる護送船団行政に象徴される出来事は、たとえ多少の善意がその中にあったとしても、やっぱりそれはもう許されないことだ。つまり、お互い、もっと申せば、何となく和というものは我々にとって非常に大事なことでありますけれども、同時に競争ということは欠くべからざるものになっているという、その辺のところだと思うのでございます。 私の友人のアメリカの識者の中にも、我々が国際化にうんと努めていることはよく知っておりながら、しかし、基本的にそれは日本の伝統的な文化と大丈夫なのか、ちゃんと合うのかねということを、かなりよく知っている人の言葉でございますけれどもございますが、しかし私は、いろいろあってもこういう国際化に日本が入っていくためには、やっぱりそれは国際化のルールというものを守っていくよりほかはないのではないかと思っております。
○簗瀬進君 時間が大変なくなってしまいました。 この新しい破綻のスキームをおつくりになった池田さんを初め多くの皆さんに、西川さんもいらっしゃっておりますけれども、池田さんに御質問させていただきたいと思います。 衆議院の方で、言うならば破綻前についての資金注入を行おうとしている、そういう早期健全化法案が自民党さんの方から提出をしてまいりました。若干誤解があるようでありますけれども、我が党といたしましても、例えば大きな手術をしながらも思い切った予算を図って、新しいこの金融の一つの危機を乗り切っていかなければならないという考えは、これはもうあるわけでございます。 そういうことで、この早期健全化法案あるいは我が党のそれに対する考え方ということについて、池田さんにその御説明をちょっといただければと思います。
○参考人(池田元久君) 早期健全化法案につきましては、さきに提出されて、きのう衆議院本会議で趣旨説明と質疑がございましたが、民主党、そしてまた私もそうなんですが、やはり今の金融の状況からいって短期集中的に不良債権を処理していく必要があると思います。そのためには、厳格な査定と引き当てを行っていく、当然情報開示を徹底してやらなければならない、そして金融機関の実態、正味の実力を明らかにすることがやはり危機管理の前提であると思うんです。 グリーンスパンも言っておりますが、こうしたいわば劇的な情報開示の結果明らかになった金融機関の過少資本の状態につきましては、まず自助努力を求めるんですが、思い切って公的資金を投入する必要があろうかと思います。もちろん、我々は経営者、代表取締役、相談役の更迭、そしてまた株主責任の明確化、リストラ計画の提出等を前提にして資金を投入していかなければならないと思っております。 そして、資金の手当てでございますが、我々は、金融再生勘定は当初の政府保証枠として十兆円を予定しておりました。しかし、日本版RTCが新しい業務、つまり一般金融機関からの不良債権の買い取りを行うことにしておりますので、十五兆円以上は必要ではないかと考えております。 それからさらに、健全化法案を、大変問題はございますが、厳格な資産査定などを盛り込んだ大幅な修正をして、あくまでも厳格な資産査定を前提にしてやらなければならないのですが、その場合金融健全化勘定というものがどのくらいになるか。現在の大手十九行の自己資本総額は十四兆七千億円、そしてまた全国の銀行は約二十四兆五百億円でございますので、どの程度自己資本が失われているかにもよりますが、私はやはり十五兆円以上は必要かと思っております。 したがいまして、再生勘定と健全化勘定、十五兆円以上ずつ、さらに預金者保護のための十七兆円、合わせて大体GNPの一〇%に当たりますが、四十七兆円ぐらいの資金枠は準備しておく必要があるのではないかと考えております。
○簗瀬進君 終わります。
○委員長(坂野重信君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、金融問題及び経済活性化に関する調査を議題とし、経済活性化に関する集中審議を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○益田洋介君 公明の益田洋介でございます。 まず最初に、これは通告はしておりませんでしたが、昨日、大変ドラスチックな、またショッキングなニュースが日本じゅうを駆け抜けました。それは、日本長期信用銀行と合併が予定されていた住友信託銀行の社長である高橋温さんが昨日の夕方記者会見をいたしまして、日本長期信用銀行との合併の話は白紙に還元する、このような声明を発表したわけでございます。 長銀は二十日前後にも、現在検討しておる法案が通って一時国有化され、そして不良債権を国が買い取り、いい部分だけ残して住友信託銀行を受け皿として株式譲渡して合併するという予定でございました。その受け皿である住友信託銀行から縁を結ぶ前に縁切りをされた、こういう状況になって、総理、大蔵大臣初め政府が考えておりました長銀の処理策はその根底から崩れたわけでございます。この点について総理の御所見をお伺いしたい。
○政府委員(日野正晴君) 住友信託の高橋社長が記者会見でいろいろお話しされたようでございますが、新聞等では必ずしもその全体像が明らかになっていないように思われます。 事実関係は、その詳細を私がここで御紹介するのもどうかと思いますが、結局、合併というのは一つの法律的な一緒になる手段でございまして、もともとは業種を超えた両銀行が合併するということは、我が国の金融システムの安定、あるいは両行の持ち味をともに合わせてこれから営業していくということが大変メリットが大きいというところで一緒になりたいというところがもともとの願望で、そのための法律的な手段として合併という道を最初は模索しておられたわけでございます。 その出口は、合併といいましょうか、あるいは別の新聞報道によりますと、営業譲渡とかあるいは子会社化も高橋社長が何か考えているようにうかがわれるといったような新聞報道もございましたが、高橋社長のお話しになっていることをよく詳細に拝見いたしますと、いまだにやはり長銀と一緒になりたいといいますか、恋い焦がれているといいますか、心を愛しているといいますか、何かそういった気持ちがひしひしと伝わってくるようなそういった会見でございましたけれども、何か報道では、ただ合併の点だけが取り上げられまして、これを一切白紙に戻すといったようなことが誇張されていると言ってはなんですが、決して住友信託銀行として長銀と一緒になりたくないと言ったとは私は理解していないわけでございます。 いずれにしても、新しいこの法律的なスキームが本院で可決されましたならばこれに適用できる特別公的管理の枠組みが確定されますので、この新しい法律に基づいて対処されることになると思われますし、高橋社長の御発言もそういったことを踏まえて言われたものというふうに理解しております。
○国務大臣(小渕恵三君) 高橋社長の記者会見の模様につきましては、今監督庁長官がお話しいたしましたように、その内容につきましてのいろいろ考え方はあろうかと思いますが、正確を期してまだ高橋社長のすべての会見の内容を承知いたしておりませんが、先ほど監督庁長官の申し上げたような観測であろうかと思っております。
○益田洋介君 受け皿会社がもう合併はしないと言っているんですよ。そういう甘い感覚では長銀の処理はできませんよ。今国民は注目しているんですよ、きちっと。もう一回官邸に呼ぶんですか、夜。高橋社長を裏口から入れて説得に努めるんですか。はっきりしてくださいよ、国民の皆さんの前で。いつまでもだらだら先延ばしにしているからこういうことになったんだ。日本リースだってつぶれたじゃないですか。はっきりしてくださいよ。呼んでお話しになるのか。
○国務大臣(小渕恵三君) 合併するかどうかは私企業同士の話し合いでございまして、ただ当時といたしますれば、長銀がリストラをして身ぎれいにいたしていきたいということでございましたので、この合併問題はたしか参議院の選挙が始まる直前直後だったと思いますので、そういう意味で現在の日本の金融界がオーバーバンキングになるかどうか、これはいろいろの見方もあるかと思いますが、再編成をして、そしてお互い力をつけていくという方向性については、これは望むところでございますので、そうしたお話があった以上は、合併につきまして住友信託としてどのように対応するかということにつきまして私もお話を申し上げましたが、それからの経緯は、先生御存じのとおり、時間を経て法律もまた変わった形でこれが制定されるということでございますから、それぞれ私企業としては私企業の御判断があろうかと思います。
○益田洋介君 前回も官邸に関係者を全部呼んで、そして大蔵大臣、総理大臣、官房長官が懇願をしたわけでしょう、合併について。それが今破談になったんだから、そんな単純なことを言っていないで、一日も早くこの問題を解決するようにリーダーシップを発揮して、私企業同士の話だなんてのんきなこと言っていちゃいけませんよ、今。景気はどんどんどんどん悪くなってくるし、失業率もふえる一方。この金融問題を解決しないと日本の景気はよくならないですよ、いつまでたっても。そのことを申し上げている、私は。もっと真剣に対応してください、リーダーシップをとって。私企業同士の話じゃないんです、国家の問題なんです。いつまでも国有銀行にしておったら、資産価値が下がって、長銀の顧客なんてものはいなくなりますよ。受け皿会社もなくなる。一刻も早く解決してください。お約束できますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 金融機関の再編成につきましては、その方向性については望むところでございますが、今、国会におきましてもそれに対応するような法律案につきまして御審議をいたしておるところでございますので、そうしたことにつきまして、法律が制定いたしますれば、その段階におきまして改めて当事者同士もお考えをまとめられるでありましょうし、もし必要とありますれば、私といたしましてもさらにその方向性についてごあっせんができればいたしたいと思います。
○益田洋介君 とにかく一刻を争うこれは出来事なんです、日本の景気回復。世界じゅうに影響を及ぼします、これは長続きしたらば。国民の皆さんだって口を開けば、景気はいつになったらよくなるんでしょうかとどこへ行ったって必ず聞かれます、これは。もっと真剣に積極的に日本のリーダーとしてこの問題にもリーダーシップを発揮して頑張っていただきたい、そのようにお約束をしていただけるものと理解いたします。 次に、長銀が発行しております金融債でございます。この金融債について、政府の大蔵省の資金運用部の資金が投じられ、そして金融債を大蔵省は全国七行から購入しているわけでございます。 大蔵大臣にお伺いしますが、日本長期信用銀行の金融債を資金運用部は買い上げていらっしゃいますか。
○政府委員(中川雅治君) 資金運用部資金の運用対象は資金運用部資金法第七条において個別に列挙されておりまして、その中に国債等と並んで金融債も運用対象として掲げられております。 現在、資金運用部は金融債を保有いたしております。資金運用部が保有する金融債の総額は毎月公表されておりまして、平成十年八月末現在二兆五千六百七十四億円でございます。しかしながら、特定の銀行の発行する金融債の実績等、個別の取引に関することは、市場への影響も考えられますのでコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○益田洋介君 この資金運用部の資金というのは、国民の皆様の郵便貯金であるとか厚生年金保険、それから国民年金などを原資として市場で運用して運用益を上げようというものでございますので、優良な運用先しか買い求めてはならないという規定が資金運用部資金法、昭和二十六年三月に制定された法律第百号でございますが、その第一条に確実かつ有利な方法で運用しなければならないと定められている。 政府は、日本長期信用銀行の金融債を買い続けているんです。特にその額がふえたのは平成八年、長銀のさまざまなうわさがちまたに飛び交うようになってからです。そして、平成八年から九年までずっと買い続けてきましたが、十年には運用部全体の買い入れ金が半減したわけでございます。これは公表された数値ですが、平成八年八兆円、九年八兆円、平成十年四兆円と半減している。ところが、長銀に対する金融債の買い付けば減っていない。特に平成九年から十年、運用部全体が買い付け金を半額にしたにもかかわらず、長銀については一切減らしていない。 ですから、これは逆に言うならば、政府は長銀を金融債を買うことによって救済していた。資金運用部の資金は、先ほど申し上げたように、郵便貯金であるとか国民年金であるとかいうものでございますから、税金ではないけれどもやはり公的資金だ。国民のお金を使って長銀の救済をもう既に平成八年から始めていた。そういうことになりませんか。 だから、ことし三月末に一兆八千億円という公的資金を使って長銀に注入したわけでございます。さらにまた今、この法律が通った後、長銀には幾らかわからないけれども公的資金を投入するということは、これは国民の目の前に明らかにされているが、資金運用部が長銀の金融債をこのようにして買い続けていたということは、国民の目にわからないところで既に政府は国民の税金を投入してきたことになる。そうじやありませんか。
○政府委員(中川雅治君) 資金運用部が金融債を購入するに当たりましては、各発行銀行の貸付残高等の基準によりまして、合理的な方法によりまして買っておりまして、特定行に偏るような恣意的な買い方というのは今までいたしておりません。御指摘のように、九七年三月末に八兆六千五百四十億円ございました金融債残高は、九八年三月末に四兆三百五十三億円、先ほど申しましたように九八年八月末で二兆五千六百七十四億円というように下がっているところでございます。
○益田洋介君 日本興業銀行、日本債券信用銀行などという銀行の金融債も資金運用部が買っているわけでございまして、今後こういうところに国民の目にわからない形で税金を投入することはやめていただきたい。大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御質問の意味がはっきりいたしませんけれども、法律的には金融債も運用対象として掲げられておりますが、今政府委員が申し上げましたとおり、金融債全体への運用はかなり大きく減らしておりまして、十分注意しつつ運用いたしておるものと思います。
○益田洋介君 長銀の金融債を買ってきた経緯でわかるとおり、実際発表しない発表しないと言っているけれども、国民の税金が使われている。今後は慎重にしてください。日債銀だって経営が危ないと言われている。金融債を買い続けている。政府が救済しているわけですよ、税金を使って。こういうことをやめていただきたい。 次に、今月二十二日にNTTドコモの株が上場される手はずとなっております。これは、NTT株自体の放出に次ぐ史上二番目の大型の上場となる予定でございます。その値段は、公開価格は今月十二日、ブックビルディング方式という株主の方のヒアリングで決めるとされておりますが、一説には初値が四百五十万円、年末までには五百万円を一株当たりつけるのではないかと言われているわけでございます。 NTTドコモの株の九五%の所有者はNTT本体でございますが、他の株主の中には銀行や大きな法人があるほか、個人株主が九人おります。その九人のうちの一人が総理の実兄でございます小渕光平様。もう一人の方、これも総理の直近でございます古川俊隆総理秘書官。九人の個人株主のうち二人までが未公開株を持っていて、それぞれ、小渕光平さんが二百七十株、四百五十万で計算しても十二億、そして秘書官の古川俊隆さんが百三十五株、四百五十万と安く見積もっても六億円、総理の周辺のお二人だけで合わせて十八億円という巨額の利益がこの二十二日には生まれようとしている。 こういうことでよろしいんですか、総理。特定の情報をお持ちでなければ未公開株というのは持てないんです。事実関係を説明してください。
○国務大臣(小渕恵三君) まず、金額の御指摘がありましたが、それは、公開されてそれが値をつけて売却したときにそれだけの価格となるものだろうと思っております。 そこで、今御指摘の株式につきましては、私の兄並びに秘書からの報告を受けているところによりますれば、本通信会社の株式保有の経緯といたしまして、本通信会社の前身に当たるポケットベル委託会社、これは昭和四十七年の十月の設立てございまして、そのときの株主でございまして、いずれも長期にわたり保有しているものと承知をいたしております。 なお、この会社は長らく無配を続けておりまして、設立の経緯から、これは各県にこうした会社が昭和四十五、六年に設立したわけでございますが、私の兄も群馬県におきましてささやかな経済活動を展開いたしておりまして、そういうことで、この会社の設立に当たられた方々から株式を保有していただきたいということで保有している間に、実は会社は幾つもどんどん変わりましたが今日このドコモの株になった、こういうことでございまして、当初から株式売買によりまして利得を得ようという考え方もありませんし、今から二十数年前のそうした設立て、お互いの県内における経済人同士の中で株式を保有して協力をしてほしいということで保持してまいりましたことが今日の段階に来たということで何らの問題もない、このように考えております。
○益田洋介君 実兄に当たる小渕光平さんは、家業を継がれて地元で有力な経済人であるということでございますけれども、地元の方同士のおつき合いで株を引き受けた、それがいつの間にかNTTドコモの株に変わっていった。これは、いろいろな会社が合併してNTTドコモというのは昭和六十三年にできたわけですが、このときに個人株主からの株の買い取りをいたしまして、額面五百円であったのを八百円で買ったわけでございまして、その時点でほとんどNTTドコモの株主というのは個人株主はなくなっている。だけれども、このお二人はずっと持ち続けている。 そして、そうした地元の有力者である光平様の場合は別として、秘書官である古川さんが何で株を入手して、そしてこのときに有利な条件で個人株主の株を買い取ったにもかかわらず、お売りにならなかった。非常に不思議なんですね、この辺が。古川さんの件はいかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 全く不思議でも何でもないと私は思っておりますが、それは、この会社の設立をされた方が何か株式を保有しておりました者につきまして、その株主の一人が亡くなられて、その亡くなられた方のを経営陣の一人がお預かりしておったようでございまして、それをどうしても譲渡したいということで頼まれまして、私の秘書もそれを引き取るということになったようであります。それは昭和四十年代のことでございますが、ただ、この会社自体はまことに小さな会社でございまして、その中で正式の譲渡になりましたのは昭和六十三年だそうでございますが、その経営的責任を負っておられた方からそうした手続で正式に引き受けてもらいたい、こういうことだったそうであります。 重ねて申し上げますが、その時点におきましてこの会社自体が利益を上げておるというような会社ではなかったわけで、あくまでも個人的ないろいろな関係からぜひ株式を保有してもらいたいということで、その保有について約束をし、正式に何か役員会で譲渡が決まりましたのが六十年代だと聞いております。
○益田洋介君 総理は郵政通でございます。郵政事業懇話会というような会にもお入りになっている。そして通信族だと言われている。どうも釈然としないので、さらに調査をしたいと思います。 次に、私は、ことしの春、前の松永大蔵大臣と予算委員会で質疑をいたしまして、国有財産の保有の状態が非常に不明瞭である、行政改革の推進をしなければいけないと国じゅうを挙げて言っているときに、随分富裕な財産を放置している。私は、国有財産の効率的な使用と、あるいはできるならば、これだけ財政赤字が大きく膨らんでいるわけでございますから、要らないものはどんどん処分して国庫に納めるべきだ。そして、だんだん膨らんでくる累積赤字、財政赤字を少しでも軽減して、国民の皆さんにおこたえするということをお願いしました。 具体的には、大蔵省の所管でございます、千代田区九段南一丁目十三の一にございます竹平寮。これは武道館の東側にございまして、内堀通りに面している。そして、内堀通りと竹平通りの角地にありまして、だから竹平寮と言われているわけでございます。敷地面積が四千二百平方メートル、約千三百坪。これにつきましては、最初は憲兵隊の宿舎でございましたが、昭和二十年から二十二年にかけてGHQに接収され、その後引揚者の方々に与えられた住宅である。今、これはどういう状態になっているか御存じですか。
○政府委員(中川雅治君) 今御指摘の竹平住宅でございますが、御指摘の土地の上に昭和九年に建設された鉄筋コンクリート三階建ての住宅が建っているところでございます。四棟あるわけでございますが、平成十年九月末現在で十五世帯が入居中でございます。 この土地につきましては、入居者と国との間で賃貸借を内容とする借家契約を結んでいるところでございまして、国としては正当な事由もなく強制的に退去を要請することはできないところでございますが、国におきましては、今住んでおられる方々に対しまして、竹平住宅と同程度の面積、家賃の代替住宅を用意いたしまして、また代替住宅への移転料、引っ越し代でございますが、この支払いをするといったようなことで、移転に必要な措置を講じながら円満な退去の促進に努めているところでございます。 ですから、昨年の十二月末の時点で三十二世帯の居住者がおられたわけでございますけれども、現在では今申しましたように十五世帯にまで減少したところでございます。
○益田洋介君 今貸し渋りで非常に中小企業の方なんかは経営に困難を感じているわけでございますし、この景気の悪さではたばたと中小企業が倒産をしている。そうした場合には、まず経営者の方は自分の手持ちの土地だとか家屋を処分して、そして会社が倒産しないように努力しているわけで、私は国家としても同じような考えに立って、このような東京都内の一等地にあるところにわずか十五世帯しか住んでいない、一刻も早く努力をして処分をして、そして国庫に納めるべきだ、このように考えます。大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 同感でございます。 今、政府委員の説明申し上げたところによりますと、三十二世帯あったのが昨年の暮れから今日までの間に十五世帯まで減った。いろいろな条件を出してなるべくお移りを願いたい、こういう努力をしておるようでございます。法律的には強制することはできないかと思いますが、そういうことで、なるべくいい土地はもっと大切な役割に向けた方がいいと思います。
○益田洋介君 きょうは日銀総裁においでいただいております。 同じように、これは日銀が所有している土地の処分についてお願いするわけでございますが、東京都港区赤坂六丁目千九百八番地、氷川分館。敷地面積が一万二千平方メートル、三千七百坪。時価にいたしまして、坪五百万として百八十一億。これは日銀の検査の失敗で兵庫銀行が倒産、破綻してみどり銀行ができたわけでございます。そのみどり銀行も、設立して二年七カ月で既に六千億とか一兆円の債務超過になると言われております。ですから、私は日銀総裁にもこの土地を処分していただきたいと思うわけでございます。
○参考人(速水優君) 氷川分館につきましては、地価については幾つかの指標はございますが、固定資産税の課税標準額でいきますと四十七億円ということになっております。 この分館は、非常に便利なところにございますし、海外中央銀行の幹部との話し合いとか要人との話し合いとかには非常によく使われております。先日も、七月にBISとアジアの中央銀行、EMEAPと言っておりますが、中央銀行総裁方が来られてあそこをフルに使わせてもらいました。そういうことで、業務上の必要に応じて少なくともこれはかなりの利用度が高いものだと思っております。現時点ではこれを処分することは考えておりません。
○益田洋介君 終わります。(拍手)
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 深刻な不況のもとで、今国民生活は大変な状態になっています。家計の消費支出は八月まで十カ月連続でマイナスという大変な事態になっております。私は、七月の選挙で当選するまで病院で医者をやっておりましたが、診療の現場では消費税の増税と医療費の値上げで患者さんたちは大変な思いをされています。 今国民が何よりも願っているのは、この深刻な不況を打開すること。ところがこの間、小渕内閣は、銀行支援には熱心だけれども、経済再生内閣の看板を掲げながら、それにふさわしい対策は何一つ講じてきませんでした。 そこで、大蔵大臣、お尋ねします。 政府は、いわゆる商品券減税制度の導入を検討しているようであります。しかし、これを景気対策として位置づけたときには幾つかの問題があることを率直に指摘せざるを得ません。 まず第一に、例えば宮澤大蔵大臣も指摘をされていましたが、郵便局や金券ショップなどに直接持っていかれると消費につながらない可能性がある。第二に、この大不況で住宅建設や高額な耐久消費財が大きく落ち込んでいるが、こういうものへの効果はなかなか期待できない。そして第三に、商品券を使った結果、その分現金を使わなければ消費の拡大にはつながらない。これはきょうの幾つかの新聞でも指摘されているとおりであります。ある新聞などは、発想が貧し過ぎるとまで言っております。 商品券減税では、一〇〇%消費拡大につながる可能性は何もないと思うんですが、大蔵大臣の見解いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題についての立法の提案がなされましたが、その経緯にかんがみていろいろな議論が起きておると承知いたしておりまして、私もその質問に二、三お答えいたしたのでございましたが、現在、私どもと申しますか政府と申し上げてよろしいと思うんですが、この問題について本格的な検討をまだいたしておるわけではございません。そういう話があるが、問題の周辺はどういうものであろうかというようなことを事務当局が検討をいたしておることはおるのでございますけれども、一つの方向づけを持って、あるいは実施することを前提にしてその検討をしておるわけではございません。 少なくとも、私どもの受け取っております範囲では、来年、所得税の減税をいたしたいと考えておりますが、二年間にわたりまして一遍限りの減税が行われましたために納税者の数がかなり減っております。 所得税法本来の課税最低限は三百六十一万円でございますが、ただいま一遍限りの減税が行われましたために四百九十万ぐらいにそれが上がっておりまして、それはもとより一時的なことで、普通に返りますれば三百六十一万円に返るわけではございますが、一遍限りの減税のために恐らく数百万の方々が納税者であることをこのいっときやめておられるわけでございまして、この一遍限りの減税がなくなりますともとへ返ります。 その方々は再び三百六十一万円に上がれば納税者でいらっしゃるのですが、それは一つの理屈でありまして、御本人にしてみると新たに増税を受けるという印象を持たれる可能性がございます。理屈でそうではないと申し上げることは難しくございませんけれども、現実にそういう方々があって、そういう問題をどう処理するのか。 かたがた、生活保護を受けておられるとかいろいろなハンディキャップのある方々に一時金を差し上げるということは過去にございましたから、そういうこととの関連でどういうふうにするのかという、そういう問題としてとらえるべきであろう、とらえるとすれば。 しかし、それを商品券にするということは、恐らくこの主唱をする方々は、そうすればコミュニティーで必ず買うであろうから、買う方も売る方もいいではないかと、こう言っておられるようなんですが、今度の場合はコミュニティーの話よりは国全体の話でございましょうから。 そうしますと、東京で商品券をもらわれた方がどこへ行かれますか。小さなコミュニティーとは違いますので、その辺はどういうものであろうか。あるいはおっしゃいましたように金券ショップで金にするのではないか、あるいはまた偽造される可能性は相当ございますし、やるとしますとその辺のところは大変検討すべき問題が多うございまして、今その入り口のところで私ども基礎的な話を意見交換したりしているところでございます。
○小池晃君 技術的に多々難しい問題があるということでございます。私は、今言われたような本当に低所得者の方に手を差し伸べるのであればもっと常識的にいい景気対策があるんじゃないか、そのことを申し上げたい。 個人消費が十カ月連続で落ち込んでいる。これに最も効果のあるものは、これは消費税を三%に戻すこと、これしかないじゃないですか。我が党は、先般、消費税を当分の間三%に引き下げる法案を二院クラブの島袋宗康議員、自由連合の石井一二議員とともに本院に提出いたしました。 今、消費税を引き下げてほしいという声は日本世論調査協会の調査でも七九%に達している。商品券減税というのは、これは一〇〇%消費拡大には結びつきませんが、消費税というのは、これは消費して初めて減税効果がある税制であります。一〇〇%消費の拡大に、最も効率的に消費の拡大につながるのではないか。低所得者の皆さんのこと、所得税を払っていない階層のこと、そういったことを考えれば、今消費税減税こそ求められているのではないか。その決断をすべきではないかと思われますが、いかがですか、総理。
○国務大臣(小渕恵三君) 消費税五%への引き上げを含む税制改正の目的としたところは、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。したがいまして、消費税率の引き下げは考えておりませんが、御党が御主張されておることは承知をいたしております。 当然のことでございますが、五%のうち一%は地方消費税になっておることは御案内のとおり、そして四%のうちの二九・五%は地方交付税として地方に配分をされております。これは二三・六%です。合わせますと四三・六%が地方に行っております。 午前中の御審議でもございましたが、地方の財政は極めて厳しいということでございますから、御党がそういう御主張をされることにつきましては、地方の状態につきましても十分御配慮があってのことと存じますが、なかなかもって難しいものと考えております。
○小池晃君 我が党は、租税特別措置法の改正という形で出しているということを御承知いただきたいと思います。御党が御党がとおっしゃいますが、これは何も日本共産党のみが主張している、そういうことではないと思うんです。 例えば税制に対する意見、そういう違いを超えてこういう意見があります。専門家の御意見で、野村総研の植草一秀さんは、「緊急避難の方策として消費税率の引き下げは景気浮揚策の有力な候補となり得る。現在の論争点である金融問題処理も、米国の事例が示す通り景気回復があって初めて進展するものである。景気立て直しが不可欠な情勢のなかでは、消費税率の時限的引き下げもタブー視すべきではないと思われる。」、第一勧銀総研の山家悠紀夫さんは、「早急な経済対策として、消費税率を年内に三%へ引き下げる、とアナウンスできないだろうか。年明けの四兆円規模の所得減税より効果も大きいはずだ。政策のタブーを外して、何をすべきかを政府は検討してほしい。」、こうおっしゃっているんです。 この大不況で国民は大変苦しんでいるのにこうした声には耳を傾けずに、ただ銀行支援にだけ熱中するというのでは、政治の向き方がまるで逆立ちだと言わざるを得ない。そのことを指摘して、次の質問に移ります。 そこで、今回の金融問題であります。 大体銀行というのは今まで何をやってきたか。バブルの時代には地上げ屋やゼネコンと一緒になって地価をつり上げて住民を追い出した。乱脈の限りを尽くした融資先のノンバンクやゼネコンからは一切取り立てない。長銀などはまともに担保すらとっていなかった。ほおかむりしたままであります。その一方で、まじめな借り手からは貸し渋りどころか強力に資金を回収するマニュアルまでつくっている銀行もある。こういうもとで多くの中小業者を倒産や自殺に追い込んでいるじゃないですか。国民いじめを続ける銀行に対してなぜ私たちの税金を払う必要があるのか。この二カ月間の国会審議を通じて、この根本的な命題に対して何一つ納得のいく説明はされなかった。 そこで大蔵省に聞きたい。三月に銀行横並びで一兆八千億円を二十一行に資本注入しました。いわゆる金融安定化法の十三兆円スキーム、これでは、破綻の蓋然性、つまり破綻する見込みが高い銀行には資本注入はしないということでしたね。 簡潔にお答えください。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 今先生言われましたように、金融機能安定化法及びそれに基づく審査基準に基づきまして、そういうような規定がございます。
○小池晃君 総理にお聞きします。 今言われたように、金融安定化法では破綻の蓋然性の高い金融機関への資本注入はできない。しかし、今度自民党が提案をされた新しい早期健全化の枠組みは、法案にも書いてありますが、著しい過少資本行であっても入れる。例外というふうに書いてあるのは、債務超過の銀行、すなわち破綻をした銀行であります。破綻した銀行というのは、もはやこれは銀行ではありません。ということは、つまるところ、銀行という名前がつきさえずれば例外なくすべてに注入をできる、こういうことじゃないですか。十三兆円の枠組みよりも税金投入の可能な金融機関の枠は明らかに広がった。これは間違いありませんね。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのは自民党が提案した案のお話ですか。
○小池晃君 そうです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 自民党提案では、いろいろないわゆる資本比率に従いまして、どういう場合に投入するしないということを分けて規定をしておるようでございます。
○小池晃君 私は総理に本当は答えていただきたかったんですが、本会議でも、これは与野党間で協議しているけれども、節目節目でみずからが決断をしてやっているとおっしゃったじゃないですか。把握されていないんですか、中身を。大変問題だと思います。 これはやはり、国民が忘れもしないあの三月の資本注入と同じなんですよ。いろんな条件をつけていると言うけれども、二月の安定化法に何と書いてあるか。資本注入の要件ですが、「我が国における金融の機能に対する内外の信頼が大きく低下するとともに信用秩序の維持と国民経済の円滑な運営に重大な支障が生ずることとなる」事態、ここで入れると。今度の早期健全化法は、「金融機能に著しい障害が生じ、信用秩序の維持又は企業の活動若しくは雇用の状況に甚大な影響を及ぼす等経済の円滑な運営に極めて重大な師匠が生ずるおそれがある」と。ほとんど同じですよ、これ。だから、これはまさに、あの国民が忘れもしない一兆八千億円を二十一行に横並びで注入した、まさにどぶに捨ててしまったようなあれをまた繰り返すことにほかならないんじゃないか。 この早期健全化法案、読ませていただくと本当に中身はよくわかるんですね。要するに、今までの十三兆円の枠組みは健全な銀行を対象にする、それが表看板ではありました。ところが今度のは、健全銀行はもちろん、著しい過少資本の銀行にまで使えるようにしただけじゃないですか。枠を広げただけです。今まで、長銀に使える、いや使えない、そのことでもめてきたわけですが、これが解決されてしまう。何の心配もなく著しい過少資本行にも資本注入できる、ただ銀行という名前さえついていれば税金投入できる、そういう使いやすい法律にかわっただけじゃないですか。総理、お聞きしますが、さらにこの早期健全化の枠組みでいうと、銀行と名前がつけば税金が使える。この枠組み全体で一体幾ら税金を使うつもりですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほど来、金融二法、今度廃止になりますが、それと今度自民党で提案しております早期健全化法案は全く同じではないかと。同じ法律案を廃止して同じ法律案を通すということは、私は国会としてあり得ないというふうに考えております。 そこで、この法案では、優先株等に加えまして普通株の引き受けを可能にし、国が積極的に経営関与を行い、その健全化を図ること、資本増強に当たりましては、リストラ、経営責任、株主責任についてより厳格な条件をつけることなど、従来の十三兆円スキームとは根本的に異なる新たなる制度とすることとされておりまして、公的資金につきましては、平成十年度において、金融機能早期健全化業務及び金融再生業務のための預金保険機構が行う借り入れ等について、合計で十兆円の範囲内で債務保証することができる旨定められているわけでございまして、そうした意味で、新しい今回の法律案はこのような改革案をもちまして提案させていただいている、こういうことでございます。
○小池晃君 全く同じ法案を通すなんて、そんなばかなことをするわけないじゃないですか。幾ら芸がなくたってそんなことはしない、そのくらいわかります。資本注入の対象の要件がほぼ同じだと申し上げているんです。 そして、今の十兆円問題、ごまかしですよ、これは明らかに。法案の最後を見れば、「当面、十兆円」と書いてある。そして附則の四条では、国会でいつでも上乗せできる、そう書いてあるじゃないですか。事実、自民党の池田政調会長も七日の記者会見でこれでは十分と思っていないと。そしてきょうの新聞報道では、自民党は三十兆円の政府保証にすると検討されている。それから、先ほど民主党の池田元久議員も三十兆円だとなぜか一致して言われました。きのうの参考人質疑では、慶応大学の竹中平蔵教授は、全国規模であれば四十兆円から五十兆円必要かもしれないと。一体幾らまで広がるのか、どこまで膨らむのか、これは本当に許せないことだなと思うわけであります。 そして、さらに驚きを禁じ得ないのは、金融再生法案の修正案に突然盛り込まれてきた一般銀行の不良債権、これを税金で買い取ろう、この話であります。これは、今まで問題にしてきた銀行への資本注入とは形は違いますが、同じような体力増強策であります。 そして、これは大変重大な問題だと私は思うんです。なぜなら、これまで、銀行が破綻したとき、銀行がつぶれたときの不良債権をどうするか、それを買い取るという話はありました。その際も我々は、公的資金は使うべきでない、そういう主張をしてまいりました。これは公的資金を使ってもいい、預金者保護のためだったらそれは仕方ない、そういう立場もありました。しかし、これは曲がつなりにも破綻した場合の不良債権ですから、預金者保護という名目があるわけであります。 ところが、破綻していない銀行であれば自力で不良債権の処理ができるはず。どういうふうに、どんな理屈をつけて説明をしょうが、預金者保護のためだという名目は使えないじゃないですか。その証拠に、つい最近の国会でもこんなやりとりがされております。 民主党の海江田議員が、八月二十七日の衆議院金融特、テレビで放映されました、この質疑でこうおっしゃいました。不良債権を、「破綻もしていないのに。そんな、買ってくれなんて虫のいいことを許すはずは、私たちは許す立場にありません」。それに宮澤大蔵大臣はこう答えていらっしゃる。「そういう整理回収銀行のようなことは、海江田議員も許す気はないとおっしゃいますし、私も許す気はございません」、こう言っていたんです。 これは、私は正論だと思います。健全な銀行の不良債権、これは預金者保護とは全く無縁のものであります。健全な銀行の不良債権の処理は銀行の自己責任でやるべきだ、一カ月前は各党も政府もそういう認識だったんではないですか。しかし、今度の金融再生法案では、健全な銀行の不良債権まで税金で買い上げて、銀行を磨き上げてきれいにして、こんなのはだれが考えても虫のよ過ぎる話じゃないですか。 総理、お聞きしますが、バブルの時代に乱脈をきわめた銀行の不始末に、一方では不良債権は買い取りましょう、税金を使って株も買いましょう、まさに天井知らずに国民の税金をありったけ注ぎ込む。しかしその一方で、銀行業界に今まで、今以上の負担増を求めていますか、どうですか。はっきり答えてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のお尋ねは御審議中の法案に関することでございますから、提案者からお答えをいただくことが私は適当だと思いますけれども、そんたくいたしますと、銀行が優良銀行で仮にありましても、不良債権を整理して、捨て値と言っては言葉が悪うございますけれども、そういうことで整理回収銀行に渡して、整理回収銀行が今度はそれを、つまり一般に広く売る、こういうような機能をせよという意味ではないかと私は思います。 どっちみち整理する銀行にしてみますともうかる話ではないんで、いわば捨て値という言葉もよくありませんけれども、そういうことで整理をする、それを受けて今度はそれをしかるべく市場に売るという、そういう機能を整理回収銀行に与えよう、こういう御趣旨ではないかとそんたくをいたします。
○小池晃君 私の言ったことが全くわかっていらっしゃらないんです。預金者保護の名目を使えないじゃないか、そういうふうに主張したんです。そのことにお答えにならない。 それから、今まで銀行業界に何らかの負担増を、今以上に何らかの負担増を求めていますか、このことに答えてください。どうですか。(「提案者いないじゃない、提案者」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(宮澤喜一君) 最後のお尋ねは、いわゆる預金者に一〇〇%の保証をいたしましたときに、預金保険機構が加盟の銀行からの保険料を大変に高額に値上げをいたしまして、その分を負担してもらっております。
○小池晃君 私は、法案そのものについて聞いているんじゃないんです。今、そういう声もありましたが、そういうことじゃないんです。健全な銀行の不良債権を買い取るということについて、その考え方についてお聞きしているんです。これは預金者保護の名目が通用しないじゃないかということをお聞きしたので、法案に関する質疑でないということを言っておきたい。 その上で、やはり今のお話でもはっきりしたと思うんですが、きのう我が党の春名議員も質問いたしましたけれども、今回の金融再生法案あるいは金融早期健全化法案を含めて銀行業界に一円でも負担を求めるそういう条文がありますかという質問に対して、何もお答えにはなりませんでした。預金保険料を引き上げる、それすらない。そして、銀行業界には何らの負担増を求めていない。その一方で、先ほど池田元久議員が御答弁されましたが、全部で公的資金は四十七兆円用意する必要があるというふうにおっしゃったんです。国民一人当たり約四十万円。こんなことがあと数時間の後に採決をされる。とんでもない話じゃないですか。 私は、最近アメリカであった話を非常に興味深く聞いたんですが、アメリカのヘッジファンドのLTCM、ロングターム・キャピタル・マネジメント、ここが破綻の危機に見舞われてニューヨーク連邦銀行が仲介に乗り出した。そして、欧米の十四の銀行が資金援助をした。公的資金じゃないです、銀行業界が出したと。これで援助をして破綻を回避させたという報道がされております。 ニューヨーク連銀が事情聴取してからわずか五日間。この国会は何カ月かかっているか、その一方で、五日間でこの救済を決定したそうであります。アメリカ議会では、こんなことをやればアメリカの金融行政の道徳的権威が失墜する、連銀が介入したことによって公的資金の投入につながる、公的資金を使ってもいないのにこういう批判が出ているんです。相手を甘えさせてしまうのではないか、こういう批判も出ている。監督官庁の連邦準備制度理事会とかニューヨーク連銀に対する激しい批判が相次いだ。 これに対して、ニューヨーク連銀の総裁が何とおっしゃったか。救済には幾らかの調整と部屋とサンドイッチとコーヒーを提供したぐらいだ、こういう話だそうであります。連邦準備制度理事会のグリーンスパン議長も問題のある銀行はつぶす、そう言明したといいます。 銀行にいかに税金を投入するか、その道ばかり考えている日本政府の態度とは余りにも対照的だ。こうした教訓にこそ学ぶべきではないかと思うわけであります。皆さんはアメリカの言いなりに、軍事政策は押しつけられたものをそのまま受け入れる、一方でアメリカはこういういいことをやっているんだから一こういうことにこそ学びなさいよ。 ここで、参考人の筆坂秀世議員にお聞きしますが、日本共産党は銀行の自己責任を貫くべきである、そういう政策でこの間主張をしてまいりました。この件について見解を述べていただきたいと思います。
○参考人(筆坂秀世君) 先ほど来の議論を伺っていまして、例えば不良債権の公的資金による購入、従来は破綻した銀行からしか買えなかった、それには預金者保護という名目があった。ところが、今度は破綻していない銀行、つまり自力で預金者を十分保護できる銀行からも不良債権を買ってやる。いわば、これはノンルールにしたということだと思うんです。 私は、今度の二つの法案を見ておって思うのは、これまで公的資金の投入というのは、一つは破綻した銀行しかできない、こういうルート、もう一つは健全な銀行しかできない、このルート、この二つがありました。私たちはこの二つどちらも反対でした。ところが今度は、破綻した銀行しかできなかったものを破綻していない銀行からもできるようにする、健全な銀行しかできなかったものを著しい過少資本の銀行にまでできる。つまり、銀行、金融機関とさえ名がつけばどこでも公的資金を入れられる。私だって銀行という名前をつけたいぐらいだというのが私の感想であります。
○小池晃君 銀行の自己責任原則、これ貫くべきだと私たちが言っているのは、単に国民の血税の不当な投入けしからぬ、税金使うからけしからぬと言っているだけではないんです。この自己負担原則、自己責任の原則を確立してこそ金融業界に健全な自己規律が確立するし、本当の金融システムの信頼が回復できるのではないか。資本注入でげたを履かせて、無理やり基準を超えさせて世界に出ていく、こんなことをやって世界に出ていっても足元を見られて世界の信頼を得られないだけじゃないですか。私たちは、自己責任原則を貫くその決意を表明するものであります。 そして最後に、最初に質問いたしましたが、何よりも深刻な不況を打開する、そしてこの金融問題を解決するためにも、切実に求められている今の景気対策、実体経済の回復、家計の消費を温める、そのために、直ちに五%の消費税を三%に戻すべきだ、このことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○大渕絹子君 社会民主党の大渕絹子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 総理、冒頭で大変申しわけありません。質問通告をしてありませんけれども、沖縄県におきまして、女子高校生が米兵によってひき逃げをされて意識不明の重体に陥っている。沖縄県警は直ちに逮捕状を用意し、米軍に対して、このひき逃げ犯を逮捕させろということで要求をしたわけですけれども、そのことは拒否をされています。 そして、地位協定では、起訴前の逮捕状執行というのはできないことになっていますけれども、あの沖縄の少女暴行事件が起きたときに、殺人とかあるいは強姦とか凶悪な事件に対しては起訴前であってもアメリカ軍の運用の中でできるということが約束をされたと思うのです。今回は、この女子高校生は意識不明の大変な重体に陥っている、しかもひき逃げという極めて凶悪な犯罪であるというふうに思うわけでございますけれども、直ちに身柄を日本に引き渡すべく要求をしていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 今、米側と警察当局との間で協議しておるさなかだというふうに考えております。 また、事件の概要につきましては承知をしております、新聞報道でございますが。事故に遭われた少女の方に、今意識が不明になっておられるということでございますが、ぜひこれは意識を戻していただきたいと思いますが、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
○大渕絹子君 総理、そういうことではないのです。日本は独立国として、アメリカに基地を今、日米安保条約の中で置かせておくということはいたし方ない状況にはございますけれども、日本の国民が米兵によってこういう状況に陥れられているときに、なぜ政府から強力にそのことを、身柄拘束をするということにリーダーシップを発揮できないのでしょうか。そのことが私は問題だと言っているんです。ぜひ、地位協定の見直し、そのことも強く要求をいたしまして、善処をしていただきたいと思っております。 通告なしで大変失礼でございました。 それでは、景気対策について重ねて総理にお尋ねをしていきたいというふうに思っております。 深刻な不況、そして金融不安、毒物入りの無差別殺人事件とかあるいは自然災害など、この世の中暗くなる話ばかりですけれども、総理は緊急の経済対策を指示し、十兆円規模の九八年度第二次補正予算案と約七兆円規模の恒久減税を表明されている。十一月召集の臨時国会に提出をし早急にその成立を図りたい、このことは私も大変喜ばしいことだというふうに思っておりますけれども、景気対策の中身が問題だと思っております。従来型の公共投資も必要でございますけれども、新しい需要の分野、環境保全対策とか少子・高齢化社会あるいは男女共生社会の需要にこたえる形の社会保障の充実などに、あるいは住宅関連対策などに大幅な予算を投入すべき時期だと思っています。 この深刻な不況を打開するのにもちろん大幅な所得税減税も必要ですけれども、それだけでは私はこの景気を回復させることはできないというふうに思っております。すべての国民に恩恵をもたらす消費税の改革なくして今の不況対策にはなり得ない、多少の減税をやってもなり得ないというふうに思っています。建設省は住宅関連の減税といたしまして、住宅を取得するための減税を大幅にアップする案を出しておりますけれども、規模は一兆円規模に上っていますけれども、その一兆円規模があれば住宅購入の所得税をゼロにしても財源は十分に同じほどあります。そしてさらに、主要食料品、日本は今米とかパンとかミルクとか人の命をつなぐものにまで消費税をかけている状況がございますけれども、この際、景気対策として、こういう基本的な部分の消費税についてはゼロにするぐらいの勇断を持たない限り、私は、小渕総理の下降していく支持率というのは上げることはできない、そしてかたくなにこの消費税改革を拒否し続ける自民党に再生はあり得ないということを強く申し上げておきたいと思っています。 質問に入らせていただきますけれども、今までの景気対策というと、国の予算だけではなく、地方にも多くの負担を強いてきました。そして、そのことが地方財政を圧迫し、地方の都市からは財政危機宣言というものが出されています。東京都も財政危機宣言というのを出してきましたけれども、神奈川でもそうだということを先ほど同僚議員の質疑の中で聞いておったところでございます。 こうした地方に負担を求めない景気対策を考えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどもお答えを申し上げたところでございますけれども、景気対策は今焦眉の急でございますが、同時に、地方財政が非常に悪くなっておりまして、中央が期待するような例えば単独事業等々につきましても、なかなか地方として十分にそれをやっていただけるのかなというような疑問があるほど財政は困っておられますので、このたびの税制改正、減税、所得税と法人税等々でございますが、につきましても、それを中央と地方でどのように負担を分け合うかというようなことは、実は地方財政全般との関連で考えませんとなかなか軽率には決められない問題と思っていまして、その点は間もなく自治大臣と私との間でまず基本的な御相談をしなければならない。 地方の事情は私どもよく認識しているつもりでございます。
○大渕絹子君 ぜひよろしくお願いを申し上げます。 さて、長銀問題ですけれども、住友信託銀行が合併を拒否するというニュースが流れておる中で、この間国会で議論をしてきたその処理策、宮澤蔵相も答弁の中で、六月時点であればまだ住友信託との合併が可能であったのではないかという御答弁が何回もあったわけでございます。そしてさらに、驚いたことに、参議院の調査室が出した今回の法律審議の参考資料の中に、「これまでの金融機関の破綻処理と預金保険制度」という参考資料のところに、平成十年の七月に「長銀・住友信託合併へ」というふうに書かれている。だから、この合併というのは、政府、国会の中でももしかしたらもう既存の事実としてあったのではないかというふうに思うわけでございます。私は、あら、もしかしたらもう皆こういうことになるのだなという認識になっていたのかなというふうに思うところでございます。 この問題は別といたしまして、経済学者の中には長銀を破綻させることは戦後資本主義国が経験をしたことのない世紀的な実験をすることになるのだ、こういう発言をする人があり、またグローバルスタンダードではだめな銀行はつぶす以外にはないんだというこういう主張をされる方もあります。 昨年十一月の北海道拓殖銀行の破綻が招いた後遺症は、今も北海道経済に重くのしかかっています。中小企業の倒産やあるいは失業者の増大など、さらに悪化の様相を呈しているわけでございます。拓銀よりも数倍も大きな長銀の処理を間違うことは日本経済にとって本当に大変重大なことを引き起こすということは、これまでの議論の中でも皆認識は一緒だというふうに思うわけでございます。 長銀では三月決算は黒字だったその時期、この六月、宮澤大蔵大臣がおっしゃるように、長銀と住友信託の申し入れどおりに現行スキームで合併をさせておいた方が、合併に応じられるような対策をしていた方が、国民の税金は投入が少なくて済んだのではないかという疑念がありますけれども、このことをどうお考えでしょうか。これからできる法案による処理と、そして六月時点での吸収合併の形の方、その比較をしていただきたいというふうに思うのです。
○国務大臣(宮澤喜一君) その御質問にはちょっと注意をしてお答えをしないといけないわけですが、長銀と住友信託との合併のお話し合いの中で、住友信託銀行は長銀の内容について金融監督庁が既にかやがてか検査を始められる、それについて知っておきたい、それからその後でもなお御自分の責任においてデューデリジェンスをやりたいと言っておられましたので、いずれにしてもその時期はそういうことが済んだ後でしか起こらないということでございました。したがいまして、合併条件でございますから、それを飛び越えてあのときすぐにという前提は実は成り立たないのが両方の間の約束であったと思います。 それからもう一つの問題は、その約束の中に、御承知のように三つのノンバンクについては長銀が債務免除をするという約束がございまして、これは両行の間の約束としては、私は無理もないし、国民経済としてはその方が負担が少なかったのではないかとすら思いますけれども、しかし結局、その後が公的資金の導入になるということでございますと、衆議院の御審議では、債務免除とは聞こえはいいけれども実は納税者の負担でそれをカバーするのではないか、こういう御質問が相次ぎまして、それはそれなりにまた一つの信憑力を持つ議論なものですから、結局どうも全体が、話が進まなくなってしまったというのが事実であったと思います。 当初、総理大臣が関係者を総理公邸に呼ばれましたのは、ともかくそういう二つの私企業の間の合併の話がうまくいけば、それは国としてもお手伝いをするにやぶさかでないと言われたほどでございましたから、それがそうなりましたらそれは結構なことだったんじゃないかと仰せられますれば、私ども、そういう気持ちは持っております。
○大渕絹子君 昨日の参考人の御意見の中にも、法律は多少不備であってもそれを生かして使うことが重要である、不備な点はその不備が判明をしたところで改正をすればよいのではないか、そして法律を充実させていくことが重要なんだということをおっしゃいました。 現行法律の中で大蔵省が英断を下しておれば、長銀だけでなく日本経済や金融界がこれほどまでに信用を収縮させることはなかったのではないかと私は思います。もちろん、私たち立法府も、この法律をつくるのに大変手間取っていることに対しましてその責任は免れないというふうに思っています。立法府の責任は免れないと思いますけれども、行政担当者の責任はその何倍も大きいのではないかと思います。大臣、いかがでしょうか、.責任の問題について。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはまことにそうだと思っております。ただ、金融行政につきましては、大蔵省による行政が甚だしくどうも世間の信用を失墜するに至りましたので、機構改革もございました。新しい機構がなかなか当初はうまく発動しにくいというようなこともございまして、いろいろ御注意がありますように行き届かない点もございます。 ただ、そういうことにかんがみて、今この二つの立法を国会で御審議中でございますので、大渕委員の言われますように、多少のことはまた後で直していただく、あるいは行政がカバーするということで、大筋がよければひとつ法案の成立をお願いいたしたいというふうに私どもは念願をいたしておるわけです。
○大渕絹子君 責任の問題、責任を強く感じていただきたいことを私は総理にも大蔵大臣にも申し上げておきたい。皆さんのかじ取りで日本経済が沈没をするかあるいは浮上していくかという極めて厳しい瀬戸際に置かれているという認識を私たちと共有のものにしていただきたいというふうに思うところでございます。 法務大臣に、サービサー制度の円滑な運営についてこれからどう整備をしていかれるのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(中村正三郎君) サービサー法の円滑な運営となると、私にお聞きになるということはいわゆる暴力事件とかそういうことに関してではないかと思いますが、この法律案の仕組みではかなりの対応ができておると思います。 暴力団員のみならず、いわゆる事件屋みたいなもの、整理屋とかそういったものを排除するためにいろいろな手だてがありまして、会社の取締役だとか取締役以上の権限のある人にそうした暴力団員だとか好ましくない人と認めるに十分な理由のあるような人が入っている会社はこういうことをやらせないとか、いろいろな手だてがございます。 また、行為の規制として、業務を行うに当たって人を威迫したり、私生活、業務の平穏を害するような言動、困惑させる行為等が禁止されているとか、さらに法務大臣が債権回収会社の業務の適正な運営を確保するため立入検査、業務改善命令等の監督を行うことができることになっておりますし、情状が重いときには許可の取り消しもできるようになっております。 以上のようなことで、さまざまな措置によりまして、債権回収の業務に関連していわゆる悪質な事件屋等が直接または間接に設立や運営に参画することについては排除できると考えておりますが一問題は後の運用でありまして、いかがわしい行為とか違法の行為があった場合はいち早く警察に通報していただくとか検察に告発していただくとか、そういうものをもって検察、警察が的確に対応するということが大切であろう、この部分の問題は十分気をつけて運営に当たるべきことであろうと思っております。
○大渕絹子君 昨日の参考人質疑の中で、同僚委員の中から、この業をやっていたのはほとんどが事件屋と言われる人たちで、その人たちのノウハウなくしてサービサーの円滑な運営はできないんじゃないかという御指摘をいただいて私は驚いたわけでございまして、もしそうであるならば、早急にこのサービサー業務ができる人材というものを育てていく手だても必要だろうと思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
○国務大臣(中村正三郎君) この債権回収をやるサービサーの業務に専門家がいるのではなくて、それは裁判所が入って、和議をやっても整理をやっても悪い人が入ってきたという実例が多かったということであります。 だから、それの専門家といえばそれは悪い人がいるのかもしれませんが、別に今回の法律で株式会社をつくった人が債権回収のノウハウがないというわけではありませんから、運用をきちっとしていけばいいことだと思います。
○大渕絹子君 それでは、ビッグバンについてちょっとお尋ねをしていきたいと思います。 日本は今まで、日本の国民は金融商品とかあるいは株式などに自分の資産を運用させることが大変下手でございまして、相変わらず預貯金が六割近くを占めているという状況、この預金一辺倒に偏っている日本の資産運用のあり方というのは極めて私は問題がある。そのことが銀行に資産余剰の状況を生み出し、その資産の運用のためにノンバンク等々を活用しながら非常に危ないところにも投資せざるを得ない。そのことが今の不良債権をたくさん抱えてくる土壌としてあるということが明らかになってきていると思います。 国民に対して安心して参加ができる金融商品あるいはそういう市場というものを提供してこなかった大蔵当局の責任というのを私はこの際聞いておかなければならないと思うのですが、大臣、お答えください。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは否定できないと思います。 つまり、護送船団方式というのはみんなが楽をする方式でございますので、その間に競争がございませんから金融機関の側もいい商品をお客様に差し上げようというインセンティブがございません、みんな同じことをしていればいいのでございますから。お客様の方も長年それになれていらっしゃったもので、もっといい商品があるはずだとお思いにもならないということが今までの護送船団の銀行のそういう怠け、あるいは消費者からいえばそういうものかな、選択肢はないのかなとおあきらめになっていた状況をつくっていたと思いますが、それは行政に一半の責任が確かにございまして、改められなければならないところであります。
○大渕絹子君 ぜひそのことをしっかりと認識していただいて、世界第二位という経済大国と言われながら私たち国民はその豊かさというのを本当に実感できない状況にあったというのは、私はこの金融の状況にあったのではないかというふうに今思いをいたしているところでございます。 真の豊かさが実感できる社会づくりに向けて精いっぱいの努力をしていかなければならないと思っています。そのためには、個人の金融資産一千二百兆円とも言われているこれの有効活用ができるインフラの整備というのを急がなければならないと思っておりますけれども、宮澤大蔵大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) それも先ほどの続きで、そのとおりでございまして、金融側も消費者にそういう選択を差し上げるのを怠っておりましたし、消費者も、まあ最近は外銀が入ってまいりましたので少しいろいろそうかとお思いになっていらっしゃいますが、消費者もやはりそういうふうに選択をしていただくことが大事である。 殊に、冒頭におっしゃいましたが、証券とかなんとかという銀行以外の資産運用というのはもう非常に今まで貧弱でございましたから、それも改められなければならないことだと思います。
○大渕絹子君 政府が何もやってこなかったわけではありませんね。 ビッグバンに備えて近年、規制緩和でありますとか、あるいはバリアの排除であるとか、あるいは調整の排除であるとか、外国為替管理法の改正であるとか、あるいは銀行、証券、保険、信託、それぞれの分野の相互参入ができるようなことに改めてくる。あるいは金融機関の取扱商品の多様化とか販売ルートの多様化など、あるいは投資信託などはことしから銀行でも販売できるようにするとか、あるいは独占禁止法の第九条で今まで禁止をされておりました純粋の持ち株会社を解禁させるというところまで踏み込んできている。こういう法改正もなされてきている。そして、調整をなくするためには中小証券会社の倒産防止のための調整措置であった株式売買委託手数料の自由化というところまで踏み込んでいる。 〔委員長退席、理事岡利定君着席〕 そして、規制緩和の最たるものとして、賭博罪に当たるとして証券取引法によって禁止をされていた店頭デリバティブを証券会社、銀行にも認めるというところまで許してきている。規制緩和をしてきている。 こういう状況がありますけれども、そのことを国民が情報として上手に受け取ることができない、それを活用できない状況に今あるということを御指摘申し上げ、これからも国民が自分たちの資産運用を上手にしながらその利益で豊かな暮らしができるような社会づくりを一緒に頑張っていきたいと思っております。 ありがとうございました。(拍手)
○渡辺秀央君 自由党を代表いたしまして、これから幾つかの点を御質問いたしたいと思いますが、大分長時間になっておりますし、もうこの時間になりますと、総理、とにかく大体いろんな質問が出ちゃうんです。私が質問を用意している面、もちろん角度は違うと思うんですけれども、大変大蔵大臣もお疲れでございましょうが、多少角度が違うという意味でぜひひとつお答えをいただければと思います。 いずれにいたしましても、きょうの集中審議は、一番の問題は経済活性化、要するに日本の今日の不況をどう再生させるかということのための集中審議であるわけであります。きのうの参考人の方が、いわゆる強い金融機関を持っているということは強い経済を持つことだと。もう全く同感であります。逆に言うならば、強い経済をつくらなければ、安定、安心できる金融機関というものは存在しないということにも当然なるわけです。 そういう意味で、私は経済成長ということについて、総理はけさの閣議でも既に新しい景気対策に対する方針を指示されたというふうに先ほどおっしゃっておられましたが、少なくとも政府見通しのマイナス一・八%というのはかなり大きな打撃ではないかと思うんです。あるいはもっとこれから厳しくなるのかもわからぬということだと思うんです。 〔理事岡利定君退席、委員長着席〕 経済企画庁の発表によると、大体需給ギャップは二十兆円以上になるというふうにも発表されておることは御存じのとおりです。そういう意味で、橋本内閣の当時に打ち出した、さっきも総理は十六兆円の経済対策をおっしゃっておられました。しかし、もう既にあの時点から今日、相当なものがギャップとして出てきている。これは為替でもそうですし、あるいはまた金融の不安定化においてもそうでありましょうし、あるいは株式市場においてももちろんだと思います。この需給ギャップを当時は十六兆円規模で、当時というか、見通しとして二十兆円ぐらいあったやつを十六兆円ぐらいでカバーすれば、まあ何とかなりたのではないかということだったのではないかと推測いたします。しかし、今日ではやっぱり私はとても十六兆円では足りない。そこで総理は追加十兆円と、こうおっしゃっておるんだろうと思うんです。 そういう意味で、総理のいわゆるギャップを埋めるための景気対策、まことに私は適切だろうと思います。十兆円でも恐らくはまた補充しなきゃならぬということだと思うんですが、そういう意味において、通産大臣は今回APECのエネルギー閣僚会議へお出ましたというのですが、通産大臣は真水で十兆円の規模、第二次補正ということも新聞紙上おっしゃっておられました。 そういう意味では、私は、今日の需給ギャップを埋めるための経済対策十兆円の総理の方針はわかりますが、いわゆる財政規模、本当にこれから先どんなふうにお考えになっておられるか、それで事足りると思っておられるかということをちょっとお聞きいたしておきたい。同時に、通産大臣も十兆円の真水というごとも言っているわけですが、総理は十兆円規模の補正と言う。そこのところがどういうふうな関連性があるのか、ちょっと承っておきたいというふうに思います。
○国務大臣(小渕恵三君) けさほど来、需給ギャップの問題につきまして、それぞれ各委員からも御指摘ありました。その数字をどう見るかにつきましては、率直に申し上げて、大蔵大臣も御答弁ありましたけれども、二十兆なのか三十兆なのか、あるいはそれ以外なのか、これはなかなか数字として挙げることは難しいと存じます。 しかし、いずれにしてもそういうギャップが生じておること、これを解消しませんと景気の回復につながらないということで、政府としてはあらゆる手法を講じてこれに取り組んでいる。特に、財政的な出動の問題につきましては、従来からもこの点につきましてその効果もいろいろ言われていることではありますけれども、さりながら、どういう手法がより効果的かとなりますと有力な手段であることには間違いないということで、前の内閣からの十六兆をできる限り早く効果あらしめるということと同時に、私自身も申し上げておりますように、第二次補正も必要とあらばこれはやっていかなければならないということでございます。 その点に触れまして、この内閣といたしましては、率直にそれぞれの各担当大臣に、みずからの所管するお仕事を通じてどういうふうな効果あらしめる手法があるかということにつきまして検討を命じておりまして、今お話がありました与謝野通産大臣なども、真水十兆円というようなことを言われたかどうかはちょっとそこまで承知しておりませんが、かなりの財政出動をやるべきだ、補正をやるべきだと。しかも真水について効果あるようなことをしなければならないというみずからの所管の大臣として強い発言をされております。 昨日も、朝から各大臣のフリートーキングをしていただきまして、今それを取りまとめさせていただいておりますが、閣内におきましても、各閣僚が熱心に今取り組んでおりまして、公共事業のみならず他の予算を計上して、それを効果あらしめる項目は何であるかということを今熱心に考えておりますし、いろいろな手法があるかと思いますけれども、また渡辺委員におかれましても、もしお考えがありましたら、我々としてはあらゆる手法でと考えておりますので、お聞かせいただければありがたいと思います。
○渡辺秀央君 総理、大蔵大臣に一番嫌なことを申し上げますが、さっきも幾つかの党から話がありましたけれども、私ども自由党が言っていることと基本はちょっと違っているんですが、それはいわゆる消費税なんです。これは私は、もう本当にあらゆることをおやりになるとおっしゃっていろんなら、国民が全部怒っている、この消費税に関しては。これは橋本内閣のときだからあえて申し上げます。これは本当に政府にだまされた、選挙のときにも公約になかった、一昨年の選挙に。それが実施された。これが政治不信にもつながっているんです。 だから、一回ここで、やめろというんじゃないんです、我々自由党は。当分の間三%に戻して、そして国民の気持ちを一回和らげたらどうだと。そしてその三%は約束どおり、私も売上税のときから関与しておりますから、総理が官房長官のときにこの消費税をおやりになったわけです。そういう意味においては、これはもともと福祉のためにやった税なんですね、本来的には。直間比率の見直しなんですけれども、しかし福祉の方に少なくとも大まかな配分をしようと。宮澤大臣は、総理、大蔵大臣もおやりになった、売上税のときは。そういう意味においては、これは一度やっぱりもとに戻してみる、三%に。しかし当分の間でいいわけです、景気が直ったらまたそのかわり負担してくれよということで。これが一番内需の拡大、あるいは景気対策、これは総理、十兆円、二十兆円の補正予算をやることもいいですよ。公共事業も大事です。それも大事ですけれども、この方がはるかに内需拡大につながっていくと思います。 私は前回も本会議で申し上げましたけれども、あえてもう一回この場で、うんざりした顔をなさらずにちょっと、まじめに一回考えたらどうですか、本当に。一番簡単で、また一番わかりやすくて、一番国民に小渕内閣の人気が浮上する秘訣ですよ。いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) これまた先ほど来答弁をいたしておりますが、消費税というものは極めて重要な税でございまして、引き上げそのものにつきましては大変熟慮しなきゃならぬことであり、前の衆議院選挙におきましては、当時の橋本総裁・総理としてはそのことを国民にお訴えし、既にこの税につきましては先行的に支出をされておったというようなことで、特に財政再建の立場からこれを主張されました。 これが福祉に使われるかどうかにつきましては、細川内閣のときには七%という、福祉税という形で提案もされたわけでございますので、なかなかこの問題の原点は難しゅうございます。 重ねてでございますが、今の政府といたしましては、諸般の情勢を勘案し、かつまたこの税の持つ意味合いから考えまして、今これを引き下げるということは考えておらないわけでございます。
○渡辺秀央君 時間がありませんので、大変恐縮ですけれども、もう一点お聞きをします。感じだけで結構であります。 それは、こうやって金融安定のためのスキームができ上がっている。昨年、一昨年と破綻した金融機関というのは全国で約六十以上に上っております。そういう中でも、特に北海道が一つ、あるいはまた関西においては阪和銀行、こういう問題が非常に地域の経済に多大な影響を与えているわけです。私は今さらそのスキームでこれが処理できるとは思えません。ただ、おまえら先に倒産した地域だからこれはだめよというのでは政治でないのではないか。 そういう意味においては、私は、ぜひ政府としてこれらのところに対して、いわゆる中小企業対策、先ほどの信用保証協会の法律も改正したこともこれあり、そこに対する補助、信用保証協会の補助金、補てん率のアップのための原資をそういうところの保証協会には余分にひとつ厚くしてやるように、きょうは通産大臣が御出張なので、そのような御指示を賜れればありがたい。地域の人たちも厳しい中にも納得されるのではないかなという、納得というか喜ぶのではないかという感じがいたします。 政治の心としてぜひそういう点について、大蔵大臣、一言。気持ちだけで結構です。ちょっと時間がありませんので恐れ入ります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はそのことは通産大臣と内々にいろいろお話ししているのでございますが、どうもこういうときに国民のレベルで一番手っ取り早いのは、信用保証をつけて金がとにかく出てくる、そこが一番大事らしく思われますので、私は入り用なら財政の金は惜しみません。今新しいのが始まりましたから、ここが改正の余地がある、ここへもう少し金をつぎ込んだらやれるということでしたら遠慮なくと私は通産大臣に申し上げております。
○渡辺秀央君 ついでに、これは総理に聞きっ放し、大蔵大臣に聞きっ放しでおいてください。 自治大臣、お見えいただいたんですが、大変申しわけない、時間がなくなっちゃいまして。小会派のつらさであります。自治大臣に、地方の自治体が景気対策をやっていく、公共事業をふやす、しかし地方自治体がそれに比例して喜ぶべきものを、昔は喜んだけれども今は困るんですね、きのうも全国知事大会もございましたが。そういう意味でいわゆる公共事業に対する補助率のあれを十年前に上げたんですよ。そのままになっている。これは大蔵大臣がよく御存じで、私が当時の建設大臣のところへ使いに行って説得をしたんです。そのままになっています。そこらをぜひひとつ、厳しい中にも自治大臣、大蔵大臣とお話しされて、ここらは地方自治、地方財政、先ほど来おっしゃっているとおりで大事なところですから、ぜひひとつよろしく。この場でお願いをしてまことに申しわけない。 それで、私は実は参考人に同僚鈴木淑夫衆議院議員に来ていただいた。これは八百長じゃなくて、まじめに皆さんも勉強しなさい、これからの話は。 私は、なぜ鈴木さんをお呼びしたかというと、鈴木さんは長い間日本銀行の理事をやられて、そして民間の日本の最高のシンクタンクと言われる野村総研の理事長をおやりになった後、政治家におなりになった。大変あなたの履歴を言って悪うございますが、そういう立場で、しかも今日国会議員として野党三党のこの金融システムの最初からの作業に加わってこられた。 私は、今ここで、時間もないですからまことに申しわけないですが、ちょっとお許しいただいて、このスキームで鈴木さん、いろいろ私の感じを言いたいんですが、時間がなくなってあと二、三分ですから、あなたは満足しておられますか。満足していないと思うんです。しかし問題は、これから先が心配じゃないですか、このスキームでは。国民の税金が何だかんだ言っても、あるいは国民の金がどんなことを言っても入っていくんです、破綻前の銀行に、すなわち実質的な破綻銀行に。だから、そのことについて、またここで国民を怒らせることになりはしないかと私は危惧いたしております。 ちょっと一言で、まことに時間がなくなって恐縮ですが、お聞きをいたしておきたいと思います。
○参考人(鈴木淑夫君) 自由党の鈴木淑夫でございます。 時間が限られておりますので、まさに一言、渡辺委員にお答えしたいと思うのでございますが、ただいま参議院のこの委員会にかかっておりますいわゆる金融再生法、これは、破綻した銀行を処理する、預金者を保護し、金融システムが波乱を起こさないようにし、さらに借り手の企業が困らないようにする、これを目的にしたものでございました。 私どもも当初一緒に共同提案に加わっておりましたが、修正された部分がございまして、どこが修正されたかというと、例えば長銀が預金保険法上の破綻認定なしに公的管理に入って国民の税金できれいな体になってまた生きたまま出ていけるような仕掛けが入った。これは極めて不公平なことで、委員御指摘のように、国民の税金を国民が怒るような形で使いかねない。その点は私、大変不満でございます。我が自由党としてはその点にだけ反対している。 今、衆議院で議論が始まりましたもう一つの金融システムの早期健全化のスキーム、これは満足かと言われますならば、これも実は大変問題が多うございます。これは、今の不良債権をどんとみんな一遍に引き当て、償却しなさいと。そうしたらもちろん資本が減っちゃうでしょう。そうしたらどんと資本を入れてあげる。それで、リストラで一生懸命やって日本経済、日本の金融システム全体をよくしようと、こういう法案でございますが、どうもどんと引き当て、償却して公平な形でお金を入れるという仕組みが本当にあの法案で大丈夫なのかな、大変不安を感じているところでございます。
○渡辺秀央君 ありがとうございました。少し時間を超過しました。(拍手)
○佐藤道夫君 二院クラブの佐藤でございます。 私からは、具体的な問題につきまして総理、大蔵大臣の御所見を伺いたい、こう考えております。 最初に、銀行の合理化の徹底のしぶりについてであります。 今、銀行に対して大幅な公的資金を投入しよう、投入した、こういうことになっておりますので、これにこたえる意味で、国民感情に沿う上からも、銀行業界としても徹底的な合理化を推進すべきだろうと、当たり前のことでございますが、こう考えておるわけであります。 そこで、今までどういうことを銀行がやってきたかと、こう承りますると、ちょっと一般行員の月給を下げたと。しかし、これはもともと高かったわけでありますから、一割、二割下げてみてもどうなることでもないわけであって、国民から見ても何だと、それだけのことなのであります。それから、取締役の報酬を一割ぐらいカットしたと。これまた膨大な報酬を受けていた人たちでありますから、それは当然のことだというくらいの受け取り方しかされない。 それからまた、遊休施設を処分したということも言っております。例えば温泉地にある保養所、都心部の運動場とかが遊休施設だろうと、こう思われますが、これもマスコミに言わせますと、なになに、あれは名義を関連会社に変えただけなんだと、現に銀行関係者が引き続き使用しておって、ある意味では仮装売買なんですよと言うマスコミもいます。 これも徹底して調べてみる必要があろうかと思うわけでありますが、それよりも何よりも国民が関心を持っているのは、役員のリストラがどれだけ進んでいるか、こういうことだろうというふうに思います。 バブル期に銀行の取締役というのは大変膨張いたしまして、多いところでは百人近くも抱えていた。これが今現在どうなっているか。それから、バブル期に活躍いたしまして、引退して名誉顧問とか相談役とか、そういう地位についておる人たち、あれが果たしてリストラされているのかどうか。国民サイドから見ると、こういう瑣末なことのようでありますけれども、非常に関心があるわけで、ある程度のことをやってもらうと、なるほど銀行も頑張っているんだなと、こういうふうな落ちつきもまた国民はするわけであります。 そこで調べてみますると、全然それがそうされていないわけでありまして、例えば大手上位九行について取締役の総数を挙げてみますると、バブル期の九一年、四百六十一名いたものが現在は三百九十名。ほとんど変わっていないと言っていい。バブル期には一行平均五十一名であったものが今は四十三名程度。リストラらしいリストラは行われていないと言ってもいいのではないか。今日の現状を考えれば、これはもう半数以下にカットしてもいいと私は考えるわけであります。 それから、何よりもかによりも驚くのは、一線を退いた顧問さんあるいは相談役さんたちの高齢化の現象でありまして、これはちょっと問題の重要性にかんがみましてあえて実名を挙げて指摘させていただきたいと思いますけれども、三和銀行渡辺忠雄会長九十九歳、東京三菱堀江特別顧問九十五歳、富士銀行岩佐顧問九十二歳、さくら銀行河野名誉顧問九十一歳、(発言する者あり)若干、一つ二つは勘弁してください。住友銀行伊部最高顧問八十九歳ということになっているようであります。これは一体何だろうか、この期に及んでこういう方々の知恵を拝借しなければならないほど銀行というのは人材が払底しているのかというふうにも思いたくなるわけであります。 実は昨日、この委員会に全銀連会長、東京三菱銀行の頭取である岸さんを参考人としてお呼びいたしまして、私からこの問題を問いかけてみたわけであります。国民感情もそんたくいたしまして、例えば七十歳以上、それで若ければ七十五歳以上の方々には一線を退いていただこう、もうきっぱりと銀行と縁を切っていただこう、それぐらいの配慮があってもいいのではないか、全銀連会長としてお考えになってみてはどうかと、こういうことをお伺いしてみましたら、岸会長は、全銀連というのはそういうことをやるような立場にはないので遺憾ながらそういうことは一切できませんというまことにもってつれない返事でありました。 全銀連会長としてやらなければ、大銀行の頭取として関係銀行の頭取に呼びかけてみんなで話し合おう、やっぱり国民の感情をこういう時世大変尊重、考える必要があるのではないか、それだけの話なんですけれども、事柄の重要性を全く認識していないとしか言いようがないわけであります。 そういえば、彼が全銀連の会長か何かに就任した際に、ちょうど大蔵接待事件のさなかでありまして、就任の会見の際に新聞記者から質問されまして、なに、あれは正当な社交的儀礼の範囲なんだ、別に悪いことをしているわけでもない、これからも接待は続けるであろう、こういうことを言って世間から大変非難されたように私は記憶しております。 いずれにいたしましても、彼の力でもってしては何ともしがたいと、こういうことでもあるようでありますので、これ以上は私、政治の出番だろうと思います。大変お忙しいとは思いますけれども、小渕総理におかれましては、先般住友信託銀行の社長を官邸に呼ばれまして合併の話をされたあれの例に倣いまして、やっぱり岸会長その他関係銀行の頭取を呼んでこういう話をされたらいかがでしょうか。もう少なくとも七十五歳以上の方々にはきちっと引退していただく、それが国民感情にも沿うゆえんではないのか。 大体、こういう人を一人雇っておきますと、秘書だ車だ個室だといって一億ぐらいかかるんだ。しかし、全体の数が十人か二十人ぐらいですかろ大した金でもないと言えばそれっきりの話ですけれども、これは金額の問題ではない、銀行業界の私は姿勢の問題だと思うんです。国民に訴える力の問題だと思うのでありまして、そういうことを銀行業界がやれば、国民もまたなるほどと、わかりましたというふうに銀行を見る目が変わるかもしれない、こういうふうに思いますので、この点いかがでございましょうか、総理のお考えを承れれば幸いと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 金融機関の経営の合理化、効率化は、各金融機関が置かれた状況を踏まえまして、基本的には、言うまでもありませんが当該金融機関の経営者自身がみずから決定すべき事項と考えております。 政府といたしましては、各金融機関の状況に応じ一層の合理化努力を行うよう促していくとともに、預金者や国民の理解が得られるようその実施状況につきましてもさらに積極的に開示していくことをあわせて促してまいりたいと思いますが、今委員御指摘のように、やはり国民の率直な金融機関に対する感じというものがございます。また、現在の金融機関の姿というものにつきまして厳しい目も向けられておるわけでございます。私自身もさらに勉強させていただきたいと思っております。
○佐藤道夫君 抽象的なお答えは私、全然求めていないのでありまして、具体的にこういう問題について銀行の指導者たちと会って話をするお考えがあるのかないのか。なきやないでいいんですよ。そのことだけを今お尋ねしているわけであります。
○国務大臣(小渕恵三君) 委員の御質問には前提として具体的お名前も挙げてのお尋ねがありましたんですが、現下の金融機関のあり方も含めまして、私自身も勉強させていただきたいと思いますし、事によりましては、それぞれの代表者の皆さんとお目にかかりまして、そうしたお考えのありますことも含めまして、お話をしてみたいと思っております。
○佐藤道夫君 次は、総理、大蔵大臣が多分御承知ないかと思いますけれども、金融業である武富士それからオリックスですね、リース会社であるオリックス、これの株価が今どれぐらいになっておるか御案内でございましょうか。わからなきやわからないでいいですから。
○国務大臣(小渕恵三君) 正確な数字を承知しておりません。
○佐藤道夫君 大蔵大臣は。
○国務大臣(宮澤喜一君) 存じません。
○佐藤道夫君 これはある意味じゃ社会的な常識なんですけれども、武富士はもう六千円台、それと同じようなサラ金業者全部六千円台、それからオリックスに至っては八千円台。 なぜ、あの集団護送船団方式で保護に保護を重ねてきた銀行が今日の惨たんたる状況を招いておって、彼らが日ごろ金貸しと言って軽べつしているサラ金業者がこんな成果をおさめているのか不思議でしょうがないといえば不思議でしょうがないわけでありますが、私なりにちょっと調べてみたんです。 要すれば、サラ金にしてもオリックスにいたしましても、身のほどをわきまえている。自分たちはこういうものだと思いまして貸金業に徹底する。不動産に手を出すとか地上げに加担するとかレジャー産業に融資するとか、そんなことは全然考えてもいないようでありまして、いわばプロの世界だと、こう言ってもいいんですね。相手の信用度を調査して、必要ならば担保物件もとって、融資するものは融資する。それから、債権の回収に当たっても相応な努力をする。 ところが、銀行側の方がどうなのかと、こういいますと、かつて銀行家の代表だと言われた磯田という住友銀行の頭取がおりました。彼が言った言葉、銀行家は向こう傷を恐れてはいけない、こういうことを言いました。要するに、銀行家というのは、昔我々が見る目は勤勉実直、そろばんしか知らない、それで利息を計算して担保物件を査定してと、そういうふうに思っていたのが、磯田さんあたりからどうも状況が変わり出しまして、銀行家というのはそういうものじゃない。世間に飛び出していって事業家と一緒になって、ここにホテルをつくったらどうですか、ここにゴルフ場をつくったらどうですか、金は銀行が幾らでも出しますよということでやり始める、それが銀行家なんだということを磯田さんはそう喝破されたわけであります。 向こう傷を恐れるな、少々の焦げつき、不良債権が出てもそんなことを恐れるようじゃ銀行家とは言えないと。要するに、銀行家の分を忘れてしまったんですね、彼の考えでは。明らかにこれ事業家の考え方なんですよ。事業家というのは、そういうところで少々の失敗を恐れていたんじゃ事業はできませんからね。そこでそういうせりふが出てきた。 あのときに監督官庁である大蔵省のだれかが磯田氏を呼んで、あなた、この考え、徹底して間違っていますよ、銀行家とはこんなものじゃありませんよ、銀行法をひもといてごらんなさい、銀行というのは公益的な仕事がある、公共に仕え、サービスするようなものなんだ、公益事業なんだ、何を心得違いをしているんだと、こういうことを言った人がいるのかいないのか。恐らくいないと思います。 何かその辺からもう踏み違いがありまして、今日の銀行の悲劇はそこから来たものではないかというふうに私は思うわけでありまして、もう一度銀行家の本分というものに立ち戻って、そうでないと、こういうことがまた繰り返されるわけですよ。だれが考えてみましてもまた同じようなことが起こり得る。これを最後にするというためには、銀行とは何ぞやということを大蔵省も金融監督庁ももう一度考え直してもらいたい。政治も同じことだろうと私は思います。 この程度で終わります。御回答は要りません。失礼いたしました。(拍手)
○水野誠一君 新党さきがけの水野でございます。 報道を拝見いたしますと、平成十年度の第二次補正予算について前倒しをする意向を総理大臣が示されましたのがちょうど九月三十日でございました。同日及び翌日の日経平均株価はバブル後の最安値を更新した、こういうことを実は記憶しております。本来ですと、こういった補正予算の発表あるいはそれの前倒しという意向を総理が発表された場合、それが市場の株価に好転されてしかるべしと思うのが今までの慣例だったんではないかと思うんです。 その後、十月二日に改めて総理が緊急経済対策を策定する方針を表明されました。そして、それに引き続いてワシントンでも宮澤蔵相が景気追加策の表明をおっしゃったということでありますが、週明けの五日の日経平均は終わり値で十二年八カ月ぶりに一万三千円を割り込む、こんなことがございました。その後、一昨日でありますが、七日にはことし最大の上げ幅を記録することになりましたが、翌八日、昨日でありますが、昨日は逆にことし最大の下げ幅を記録し、終わり値は前日比で八百円近く下げる、こんな結果に終わりました。 この市場の乱高下については、恐らくマーケットが、七日の上げについては金融再生などの現在検討中のこのスキームがまとまりつつあることについて評価をした、しかし八日の下げについては円高を嫌ったために反落した、こういう報道あるいはこういう評論がされているようでございます。 市場の反応が何を評価したものであるかというのは昨今大変難しい状況になってきているわけでありますが、ともかくここ一連の動きを見る限り、従来型の経済対策が評価されていないことだけは確かだというふうに思います。 一方、金融再生スキームについては、応急処置的なものであるにしても、経済不振の元凶でもあります不良債権処理というまさに患部に迫るものとして一応の評価を得たとも考えられますが、非常に短期間で市場が反落するというような状況を見ると、これとても市場にとっては一過性の取引材料でしか評価されていない、こういう懸念も残るわけであります。 そこで、私は、今市場が求めているのはどうも従来型の予算のばらまきとか応急処置ではなくて、真の体質改善とも言える構造改革なのではないかなと思っております。政府がこの混沌とした現在の経済状況の後に形づくられるべき秩序のビジョンをしっかりとお示しいただかない限り、日本の評価は上向いてこないのではないか。もちろん市場がすべてだとは思いませんが、我々がこの窮地を脱していくためには相当に大胆な構造改革が求められるのではないかと思うところであります。 橋本内閣が提唱されました六大改革というのも、財政構造改革の一時的凍結というようなこともあり、立ち消えてしまうのではないか、こんな懸念もあるわけでありますが、ともかく混沌たる現在、この状況を乗り越えてどんな構造改革をされていくおつもりがあるのか、その決意を総理大臣から伺いたい。そしてまた、昨日の閣僚懇談会で日本経済再生三カ年計画を提示されました経済企画庁長官にも、その決意のほどを伺わせていただければと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 水野委員の御指摘は、私はこれを正しい御指摘と認識しております。 前の内閣の六大改革、特に構造改革、これは最終的には日本の経済を体質的にも強くしていくためにはなさなきゃならぬことだと思います。それから財政改革、これもそうした観点で、財政的に余り多くの公債を政府が抱えることはいけないという発想でいたしたわけでございますが、今日は、極めて緊急事態に対応するためには若干その改革の中でスピードを落とさなきゃならぬものもありますし、検討を加えなきゃならぬものもあるわけでございます。 そういった意味で、つらつら考えますと、究極的には、現在の金融の不良債権を解決して金融システムを安定させ、そして経済を回復させて実体経済をよくしていくという筋の中でこの問題を解決しなきゃならぬと思っておりますが、基本的には、正しく我々が認識をして、将来にわたりましてはきちんとした構造改革も含めました改革をしていくという決心で進んでいかなきゃならぬと思っております。
○国務大臣(堺屋太一君) 委員仰せのとおり、今大変な時期でございまして、橋本内閣以来の改革の方向は大変理想的でもあり、その大部分は、特に行政改革等は小渕内閣でも引き継がれておりますが、財政改革の面につきましては御存じのような経済情勢で一時凍結ということになっております。 私は、これは政府の案としてできているわけでありませんが、この三年ぐらいの間は通常のやり方を超えた部分があっても、景気の立ち直り、金融の再生ということに全力を尽くせるような、そういう考え方をとっていいんじゃないか、そういうことで閣議でちょっと提案をさせていただいたわけでございます。
○水野誠一君 大いに期待をさせていただきたいと思います。 次に、日本の資金循環を見てまいりますと、法人企業部門については金融機関かちの借入金の比率が約六割を占めている。これだけ企業が間接金融に依存している状況、これは日本の非常に特異性だと私は思うのでありますが、この状況をそのまま続けていくと、昨今のように貸し渋りなどが起きたときに一気に経営が圧迫される、こういうことになるわけでございます。 また、このことは国際比較をしてみましても、日本の一般企業の金融負債残高における借入金比率がアメリカ、イギリスなどに比べまして約四倍である。つまり、これらの諸外国では株式や債券などの有価証券の発行による資金調達が日本とは反対で六、七割を占める、こういう形になっているわけであります。 きのうの参考人招致の質問の中でも、日本の銀行の資金貸出量が多過ぎるという指摘が繰り返してなされたわけでありますが、我が国は資金調達が間接金融に偏重し過ぎているということは、どうもやはり問題なのではないかなと思うわけであります。 二十一世紀、まさにグローバル経済、グローバリゼーションの時代になったときに、資金をより多く証券市場から調達することがどうしても必要になるのではないかと思うわけでありますが、政府のお考えを伺いたいと思います。 大蔵大臣そして経企庁長官、お二人から。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私もそのことは非常に強く感じておりますし、殊にこのような事態になりまして、銀行がいろいろな意味でかつてのようでないときに、しかし銀行にしか頼るところがないというような状況はまことに正常でない状況と思います。 過去を振り返りますと、戦後、証券民主化ということが一遍ございまして、非常に証券が力を持ったことがございましたけれども、それは余り長く続きませんで、どうも証券勢というのは非常に振るわない。これは私どもどうも世の中がある意味で責任があると思うんですが、株とか証券とかということが何となくうさん臭いことである、これは不正であるとかそういう印象を何となく国民が多く持つに至った。よって来るゆえんがないとは申しませんけれども、ここをやっぱり直す必要があります。 証券会社もビヘービアを直していただくことがあるんですけれども、国民が何となく、銀行預金だとこれは実直に所得がふえるんだが、株はうんともうかっちゃうとかなんとかいう、そういうところがどうもやっぱり国民が受け取っていない。それも直していかないといけないんですが、今の間接金融が六割というのはいかにも異常で改めなきゃならぬことだと私は思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 水野委員お説のように、日本とドイツが非常に間接金融が高くて、日本が六割、ドイツが七割ぐらい間接金融。アメリカ、イギリス、フランスあたりは八割以上直接になっております。このことがいろいろ問題があり、特に今日の問題になっていることは確かですが、かつてはこれが有利に働いたこともございました。 今大蔵大臣から御指摘がありましたように、株に対して一般の認識がまだまだ行き通っていないということがありますし、もう一つやはり、もうかったり損したりすることが非常に悪いことだ、リスクのないのがいいことだというような社会通念みたいなものが日本では広がっております。証券会社の問題もそうですが、やはりマイオウンリスクで、自分のリスクでやることが悪いことじゃない、自分のお金で自分がリスクをかけるのは悪いことでない、そういう哲学といいますか、そういうものもこれから広げていくべきだと思っております。
○水野誠一君 もう時間が参りました。 こういう直接金融の問題、これは特に直接金融をふやすべきだ、こういうことを申し上げると、じゃ中小企業あるいはベンチャーはどうするんだという話が確実に出てまいります。それについては私は、日本の店頭市場、これはアメリカのNASDAQなんかと比べるとまだまだ低調だと思いますので、ヒの日本の店頭市場を何とか活性化をしていく。これは日本証券業協会からもいろいろな新しい提案が出ているようでございますが、ひとつこういった市場の活性化を図り、日本の二十一世紀の経済が新たなベンチャー、新たな中小企業の活力によって盛り上がっていくような政策をぜひ政府としてもおとりいただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○菅川健二君 改革クラブの菅川健二です。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、小渕総理にお聞きいたしたいと思います。 きようの新聞の川柳に、「官邸で隠居をしてる人に見え」という川柳がございました。昨日、金大中韓国大統領の格調の高い演説を国会で聞かせていただいたわけでございますが、それにつけましても小渕総理の顔が見えないわけでございます。就任後既に二カ月経過しておられるわけでございますが、改めて総理としての心構えをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) みずから反省しておりますが、しかしこの金融再生法案あるいはまた今早期健全化スキーム等を含めまして、金融問題に対する今次国会におきまする対応につきましては、私自身も随所随所で最終的な党内のいろいろな御議論を聞きまして対応しておるつもりでございます。残念ながらあるいは顔が見えませんかもしれませんが、きちんとした対応をし、最終的な責任は私が負う、こういうつもりでそれぞれの閣僚に対して指示を申し上げ、そして対応してきておるつもりでございます。
○菅川健二君 特に、現下の金融問題などは説明責任が非常に重要ではないかと思うわけでございます。総理御自身がやはり国民に働きかけるといいますか、わかりやすく説明をするということが重要ではないかと思うわけでございます。その辺で、国民に頼もしがられる総理としてぜひ努力をしていただきたいと思います。 次に、日銀総裁にお聞きいたしたいと思います。 午前中も話がございましたけれども、ここ数日の円相場の乱高下というのは大変なものがあるわけでございまして、通貨当局といたしましてこれをどのように考え、どのような対応を図ろうとしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(速水優君) ここ一両日の為替相場の動きは、米国景気の先行きに対する不透明感等を背景にいたしまして、それにヘッジファンドとか機関投資家の円買いドル売りに加えてオプションなどが絡んできたということで、本体がなかなか見にくい状況ではなかろうかというふうに思います。 私から今の水準がどうかというようなことを申し上げる立場にはございませんけれども、一般的に申し上げれば、今、円の国際化といったようなことを実現する立場からいえば、自国通貨が強くなるということは必ずしも国益に反することではございませんけれども、一番大切なことは、やはり長期的に安定して一定の方向に動いていくということが望ましいです。そうでなければ経常の取引に非常に大きな支障になるということを考えております。 先般のG7あるいはそれに続く諸会議におきましても、各国とも今世界じゅうで大きな金が動き始めて、これに対してどうシステムを変えていくか、あるいはIMFが中心になってそういうものを考え直す時期に来ているんじゃないかという真剣な議論が行われたことをお伝えしておきます。
○菅川健二君 ここ一両日のことでございますから先行きをどうこうするということは大変難しいわけでございますけれども、いずれにいたしましても我が国経済に悪影響を与えないように、ほどほどの線で落ちつくように注意深く対応していただきたいと思うわけでございます。 それから、我が国の金融政策というのは、一九九五年九月に公定歩合が〇・五%に引き下げられて以来既に三年を経過いたしておるわけでございます。九月九日にはさらに〇・二五%の低金利誘導が進められたわけでございますが、お年寄りとか年金生活者には大変な悲鳴となっておるわけでございます。 これも昨日のある新聞の読者欄に「老後が見えぬ通帳の低金利」という記事がございまして、今の政治はお年寄りいじめの政策をしていると批判いたしておるわけでございます。また川柳で恐縮でございますが、「通帳のしみかと見れば金利なり」という笑えぬ川柳もあるわけでございます。 当面、金融不安とかあるいは企業活動の活発化におきまして低金利政策というのはやむを得ないといたしましても、経済活動の六割を占めます消費需要と個人の消費不振にはこの低金利政策が大きな原因の一つにもなっておるわけでございます。今後どのような条件が満たされますと低金利の袋小路から脱し金利の引き上げが図られるのか、またその時期がいつごろになるのか、総裁も幸いお年寄りのお気持ちはおわかりになると思いますので、ひとつお年寄りの方が明るくなるような率直な御見解をいただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 私どもとしましても、特に金利収入に多くを依存しておられる家計にとって現在が大変厳しい状況であることは十分承知しておるつもりでございます。 私どもも、去る九月九日にもう一段の金融緩和措置を実施いたしました。これは、設備投資の急速な落ち込み、それから雇用、所得環境の大幅な悪化、株価の不安定化、そういった情勢を踏まえて決定した措置でございます。こういう情勢のもとでは、やはり金融面から経済活動を下支えしてその回復を促していくということがまずもって重要なことではないかと思います。こうした緩和措置が、政府の財政面からの支援措置や現在ここで審議しておられますような金融システム関連の効果というものがいかに大きいかということは、今週初めの株価の動きなどを見ておりましても、あるいは為替相場などにも一部影響しているのかもしれませんが、いかに大きいかと。我が国経済の自律的回復というのは、やっぱり庶民、企業家が先行きに対して明るい見通しを持ってくれないとなかなかそういうふうにはなっていかないものだというふうに思っております。 そういう点、御指摘の点は私どもも十分心得ているつもりでございますが、今大事なことは、やはり新しい需要を起こしていくことだというふうに思っております。それには安定した金融システム、強い金融なくしては強い経済はないというふうに言われておりますので、ぜひこの金融システムの安定化、健全化ということを早期に実施していただきたいというふうに願ってやまない次第であります。
○菅川健二君 金融システムの安定化というものを早期に実現することによって金利の引き上げも早期にできるんだというふうに判断いたしたわけでございますが、お年寄りが長生きして幸せだったなというような時期が早く来るように、ひとつ総裁も頑張っていただきたいと思うわけでございます。 それから、最近の主要な経済指標を見ますと、いずれも悪化の一途をたどっておるわけでございます。これは先ほど来話があるとおりでございまして、実質経済成長率にしましても六日にはマイナス一・八%と大幅な下方修正が今年度見込まれてきたわけでございます。 経済企画庁長官は、盛んに暗いトンネルを今通過しておるんだということを言われるわけでございますが、暗いトンネルを通過して明るい見通しになるために、すべてをよくするというのは大変難しいことではないかと思うわけでございます。 そこで、一点突破ということで住宅投資が大変重要ではないかと思うわけでございまして、投資そのもののGDPに占める役割はもちろんのことでございますが、家具等の関連部門への波及効果が大きいことやあるいは地価の安定に結びつく、あるいは国民生活の質的向上に役立つということで大きなインパクトがあるんじゃないかと思うわけでございますが、経済企画庁長官、いかがでございましょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 仰せのとおり、住宅建設が経済に占める比率というのは結構大きなものがございまして、そのものだけでございますとGDPの五%ぐらいでございます。けれども、そのほかに住宅が建ちますと耐久消費財などが、普通の個人住宅でございますと平均百八十七万円、マンションの場合は百五十一万円ぐらいの家具、電気器具が購入されるという数字も出ております。 残念ながら、ことしも住宅建設は伸びておりません。したがいまして、何らかの方策、政策をとりまして住宅建設を豊かにするというのが、小渕総理大臣からも空間倍増計画という形で指示されておりまして、目下関係各省で検討中でございます。来年度には何らかの手を打ちたいと私も思っております。
○菅川健二君 住宅投資の拡大というのが重要であるということはお聞きいたしたわけでございますが、やはりその一番大きなポイントは政策減税を図ることではないかと思うわけでございます。 具体的には、今いろいろ議論されております住宅ローンの利子に対する所得控除の実施のほか、ある程度、二年なり五年を限度といたしまして不動産取得税とか登録免許税の減税をやる。あるいは、これは思い切ったことでございますけれども、住宅取得に係る消費税の二%分については当面戻し税にするとか、そういったあらゆる税の方策を動員すべきであろうかと思うわけでございます。 これにつきまして大蔵大臣の御意見をお聞きしたいと思ったわけでございますが、時間でございますので、ひとつこういうことについて要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 以上で経済活性化に関する集中審議は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 債権管理回収業に関する特別措置法案、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案及び金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、いずれも衆議院提出、金融機能の正常化に関する特別措置法案、預金保険法の一部を改正する法律案、金融監督委員会設置法案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律を廃止する法律案、いずれも筆坂秀世君外一名発議、以上十二案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井國臣君 難航に難航を重ねました金融システム関連法案に関する与野党協議、与党は野党に譲歩し過ぎたのではないかというような批判もないわけではないんですけれども、最終的には総理の決断で急転直下解決、そして衆参ともに熱心な審議を重ねまして、ついに最終ラウンドの段階に来ました。発議者の皆さんに心から敬意を表する次第でございます。本当によかったと思います。皆もほっとしているところではないか、こんな気がします。 今大事なのは迅速に事を処理するということでございます。危機管理というのは、やる内容の問題もありますけれども、ともかくもたもたしていてはだめなんですね。迅速に事を運ばなければなりません。大分もたもたしたんですけれども、ともかく解決の運びになってきた、本当によかった、こんなふうに思います。 さて、もともと我が国の銀行は自己資本比率が非常に小さい。その上に多量の不良債権を抱えている。よしあしは別といたしまして、今これを国が救わなければ、間違いなく大方の銀行はつぶれてしまう、そして間違いなく世界恐慌に突入、こういうことだろうと思います。 総理は今国会冒頭の所信表明で、鬼手仏心で事に当たる、ごう言われました。目下の大問題は言うまでもなく金融システムの問題でございまして、早期是正措置はもちろんのこと、一連のビッグバンの中でともかく世界に通用するシステムにしていかなければならない、これは容易ならざることだと思います。これからたまには総理が鬼のように見えるように断固鬼手仏心でやっていただきたいと切に願う次第であります。 私の考えといたしまして、総理が鬼手仏心で事に当たるべきは、国内のシステム改革だけではなくて、今の市場経済において、ともすれば市場の暴力といいますか悪魔の見えざる手、先般、日経新聞では市場の鬼っ子と書いていましたけれども、私は悪魔の見えざる手と、こんなふうに言っておるわけでありますが、そういう市場の暴力が働くわけでありますから、そういった外敵にも断固鬼手仏心で対処してもらいたい。 ところで、時によってということかもわかりませんが、ジョージ・ソロスなどのヘッジファンド、そういった外国の機関投資家による株式の空売りがひどい。きょうの昼の参議院本会議におきまして、衆議院大蔵委員長提出の空売り規制の前倒し法案が可決されまして成立いたしました。 当初は十二月一日が空売り規制の施行日ということでありましたから、我が国の市場ではそれまでの間、ある種のヘッジファンドといいますか、ちょっと言葉が悪いかもわかりませんが、えげつない外国資本、やりたい放題やって暴利をむさぼることができたわけですね。下手をすると十二月一日までに我が国の銀行は、長銀だけではなくて、次の弱そうな銀行がそういった悪魔の見えざる手によって好き勝手にされる心配がある。そのための前倒し規制でありますけれども、挙証責任のとり方などアメリカとは法制度が違いますから、私に言わせれば、仮に前倒ししても我が国の場合はほとんど抑止効果がないのではないか、やはりそういった悪魔と戦う覚悟が必要ではないか、こんなふうに思うわけでございます。 そこで、総理に対する質問でございますが、総理は所信表明演説の中で鬼手仏心と大変難しい言葉をお使いになり、総理としての断固たる覚悟というものを披瀝しておられるわけでありますけれども、金融の安定化に取り組む総理の覚悟というものを改めてお伺いしたいわけでございます。 まだ鬼のような姿は見えないわけでありますけれども、鬼手仏心でやっていただけますか。悪魔の見えざる手とも戦う覚悟というものがないといけないんじゃないか、こんなふうに思う次第でございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(小渕恵三君) しばしば御答弁申し上げておりますように、この内閣は経済再生内閣、経済再生をするためには我が国のこの不景気を払拭して景気を回復する。しかし、景気を回復するためには、まず経済の中核にあるところの金融機関、これが体質を強化して、今でいえば不良債権を整理して、そして力強い歩みを遂げていかなけりゃならない。この点がねらわれまして、先ほどお話しのように世界のいろいろの、見えざる手といいますか、こういうものが働いて今日いろいろ市場も乱高下しておるようなこともあり得るのではないかと拝察をしております。 したがいまして、鬼手仏心という気持ちは、この際大手術をやらなければならない時点にありますが、心は常に将来の経済が安定していかなければならないという気持ちを込めておるわけでございます。日本は法治国家でございまして、見えざる手につきましては東南アジアでもマレーシア・マハティール首相がジョージ・ソロスと大げんかをしたやに報道も伝えられておりますが、そうした形で為替を固定するというような強硬な手段はとり得ないのが我が国のシステムでございまして、法治国家として法律を定め、それによって断固処置するというために、この二カ月間、本当に国会にもお世話になっております。 立派な法律をいただきまして、行政府としては、それをもとにして大いにひとつ金融安定システムをしっかりしたものにしていきたいというふうに考え、その上に立ってなすべきことはしっかりやっていきたい、このような考えでございます。
○岩井國臣君 今、総理の方からマレーシアのマハティール首相のお話が出ましたけれども、アジアでは、ヘッジファンドこそ憎き仕掛け人だ、連中にアジアの成長の奇跡をつぶされる、恨みを抱いている人が非常に多い。タイでもそうでございます。数年前にフランス・フランをヘッジファンドにおもちゃにされましたバラデュール首相は、連中はギロチン行きだ、こういうふうに叫んだとも言われております。中国におきますソロスの研究、それはまさに孫子の兵法そのものでございます。その一節にいわく、戦いを勝利に導くには敵を知りおのれを知ることである、こうですね。中国は今、覚悟を決めて世界の経済戦争に突入したようでございます。急速な発展から生じた経済のゆがみの中でですけれども、中国は孫子の兵法で勝利を目指す、そんなことのようでございます。 そういった点にかんがみまして、大蔵省に質問をさせていただきます。 安全保障につきましてもそういう点があるわけですが、経済問題につきましても、我が国は、国益というものを考えた場合、やはり情報組織が極めて弱体ではないかというふうな気がするわけでございます。ソロスなどのヘッジファンドの行動その他、国際金融に関する情報がしっかり把握できているとは私には思えないんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(黒田東彦君) お答え申し上げます。 確かに、特にヘッジファンドにつきましては実は我が国も情報はございませんし、全くディスクローズの義務がないものでございますので、恐らく米国の当局もなかなかその行動というか投資内容については十分情報が得られていないのではないかという危惧を持っているわけでございます。 したがいまして、これまで全くディスクローズのなかったヘッジファンドのような投資基金につきまして、できれば国際的な合意のもとにディスクローズをするような仕組みが導入できないか。つまり、一国だけにそういうものを導入いたしますと、そういう義務のないところにヘッジファンドが移ってしまいますので、そういうことをしてはどうかということを具体的に実は我が国も含めて幾つかの先進国がワシントンの一連の会議で提案をしているわけでございます。 なお、委員御指摘の情報収集の点については、確かに我が国というか大蔵省も含めて、必ずしも十分になっていない面があるということは常々反省をいたしております。各国に日本の大使館がございまして、ファイナンシャルアタッシェが相当出ておりまして、そちらから外務省を経由していろいろな情報が入ってまいりますし、またIMFや世界銀行といった国際機関からもさまざまな情報が入ってまいります。それから、いろいろな民間のエコノミストの人や、そういう人との意見交換というのもこれも非常に重要でございまして、そういうことも含めて、これまでも確かに努力はしてまいりましたが、御指摘のように必ずしも十分でないところもあるということも踏まえまして、できる限り多角的な情報の収集に努めてまいりたいというふうに思っております。
○岩井國臣君 去る九月二十七日、イギリスの新聞ですけれども、アメリカ連邦準備理事会を初めとして、欧米の金融監督当局がヘッジファンド向け融資に対する規制について検討を始めた、そんな報道があったかと思います。 御存じのように、アメリカの大手ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメントの巨額損失、つまりリスクの高いヘッジファンドが事実上野放しになっている、そういうことが表面化したわけであります。そういうことが契機になっているだろうと思いますけれども、フランスのシラク大統領、イギリスのブレア首相、いち早くそういったヘッジファンドの投機的行為に対する規制の必要性を訴えておられるわけであります。 そして、九月二十七日におけるイギリスの報道にあったわけでありますが、その翌日、先ほど言ったように二十七日の翌日、二十八日、ドイツの新しい首相になられました社会民主党のシュレーダー氏もシラク大統領やブレア首相の考えを支持する旨、早々と表明されております。 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいわけでありますが、宮澤大蔵大臣も去る十月三日に開かれましたG7、蔵相・中央銀行総裁会議で、ヘッジファンドに対する独自の対策を提案されたわけですけれども、この際、ヘッジファンドなどによります短期資本取引規制に関する宮澤大蔵大臣のお考えと、そして、そういった問題に対します今後の見通しにつきましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) せんだってLTCMの問題につきまして、ニューヨークの連銀が音頭をとりまして各行が金を集めたということにつきまして寄せられました一つの批判は、ヘッジファンドはノンバンクである、そういう事実でございます。したがって、先ほど規制ということを言われましたわけでございますけれども、ノンバンクでございますから恐らくそういう規制というものがきちんとはないと思われます。あるとすれば、そこへ金を出した銀行側、これには検査もあるし、きっとそういう対応の措置も法的にある、法的といいますか、検査があるんだと思いますけれども、全体がそういう仕組みにできておると思われます。 この間もそのことはいろいろ議論になりましたけれども、これは私個人と申した方がよろしいかもしれませんが、基本的には資本の移動というのは、短期の移動でも私はなるべく制限しない方がいいというふうに本来考えておるわけです。ところが、先ほどからお話しのように、東南アジアの国の中には国をつぶされたと思っている国すらございまして、また実際上ジョージ・ソロスにやられなくても、後のIMFの処理でそういう結果になっているという国は確かにあるわけでございます。 問題は二つありまして、したがってそういう短期資本の動きに対してノーとは言わないまでも、その一種の現状を常に報告を求めるとかいうような、完全なディスクローズは無理にしても、内容がディスクローズされるということがやっぱり一つ何か必要であろう。 それからもう一つは、今度は、そういう短期資本の動きに対して全く抵抗もなく国がつぶれてしまうというようなことは何かの形で事前に防げないか。IMFは事後の処理でございますけれども、例えば我々資本を持っている国が資本を集めて、そしてそういう国から、そこはモラルリスクとかあるかもしれませんが、プレミアムをとって、いざとなれば我々が助けに行きますということにしておけば、攻撃にかかる方もこれは手ごわいということになりますから、その二つの方法をとって、そしてそのかわり短期資本は自由を許すと、こうでなければ結局短期資本そのものを規制するしかないということになりかねません。 しかし、ヘッジファンドがここまで来てそれをもとに戻すということは恐らくいいことではないだろう、こういうふうに私は物を言っているわけでございます。
○岩井國臣君 私もヘッジファンドそのものを否定してみても意味のないことだと。我が国の場合は、やっぱりG7ですから、世界経済を引っ張っていかなきゃいかぬということがありますから、発展途上国といいますか成長国と同じようなわけにはいかぬ、こう思います。 しかし、現実にやっぱりそういう力が働いておる、私は悪魔の見えざる手、大体は神の見えざる手が支配していると思いますけれども、たまには悪魔の見えざる手というものが現実に働いておると。そのことが我が国の金融システムの不安をかき立てておるという面もあるというわけですね。それを言いたいわけであります。 そこで、野党の発議者に質問させていただきますが、野党の発議者にはそういった市場の暴力というものを十分勘案していただいて、ぜひとも早期健全化スキームの必要性について御理解をいただきたい。金融再生関連法案とやっぱり車の両輪ではないか、こう思うわけでございまして、御見解をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(池田元久君) 岩井議員にお答えをいたします。 早期健全化スキームについてお尋ねでございますが、我々今ここで御審議をいただいているのは金融再生法案。まずこの金融再生法案は、基本的には金融機関の破綻が国民経済や国際経済に与える影響を最小限に抑えて処理するための法案であります。これで最悪の事態に備えたセーフティーネットができたと考えます。 第二段階として、存続不可能な程度まで経営が悪化していない銀行に対しては選択的に破綻を未然に防ぐ措置があっていいと私は考えます。その意味では、再生法案と正しい意味での金融健全化対策が車の両輪と言うべきであろうと私も思います。 しかしながら、車の両輪と言うからには、両者は同じ思想、哲学で運営されなければ政策としてはらばらになります。厳格な資産査定、引き当てと情報開示による不良債権の短期集中処理、経営者や株主の責任追及、公的資金を注入した後の経営監視、リストラ計画などは最低限必要だと考えます。 その点、今自民党から出されております早期健全化法案は、厳格な査定もせずに、株主などの責任追及も不十分であると言わざるを得ません。我々、隠ぺい先送りの大蔵金融行政と言っておりましたが、まさにその延長線上にあるものでありまして、今御審議いただいている再生法案とは基本哲学が一〇〇%異なるものと考えます。 審議中のこの再生法案と自民党の早期健全化法案が両輪となった場合は、日本丸は脱輪をするのではないかという感じがいたします。この金融再生法案とまさに車の両輪となれるのは、基本哲学が同じであります、要するに厳格な査定、責任追及、そして思い切った資金の投入を盛り込んでおります民主党の金融健全化対策であると私は確信をしております。 また、岩井委員は市場の暴力ということを言われました。確かに、相場は相場に聞けと言っても、相場は乱高下するところがございます。では、相場の示すトレンドが間違いであるかといえばそうではないと思います。しかし、委員が御指摘になっている市場の暴力というものは、今おっしゃったようにいろいろな要素があるであろうと思います。 例えば最近の銀行株の下落について言いますと、かなりの部分は銀行の資産査定が不十分で、不良債権処理が進んでいないこと、またその結果ですが、自己資本が実質的にかなり傷んでいることに対する市場の警告であるとむしろ受けとめるべきではないかと考えます。
○岩井國臣君 時間がなくなりましたので、与野党の発議者にもう一つ質問を考えておったのですけれども、まことに申しわけございません、カットさせていただきたいと思います。 やっぱりなかなか相場って難しいんです。そう単純じゃない、極めて難しい。やはり市場の暴力というものがあるということは認めざるを得ないと私は思います。現在の相場、為替相場は随分日本のファンダメンタルズをあらわすに近いところに来ておるのかもわかりませんが、株価はまだ違うと思います。私は、ゆがんでおると、こんなふうに思います。 この議論をしていてももう時間がございませんので、大蔵大臣にひとつ決意みたいなものをお伺いしたいわけであります。 現下の金融危機をとにかく一日も早く脱出しなきゃいかぬ。我が国金融システムが力強く再生していくための道筋というものをお示しいただきたい。それと同時に、それと取り組む大蔵大臣としての決意みたいなものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回の金融の問題につきまして二つのセットの法律案が国会に提出され、今、再生に関しては御審議が最終の段階に本院で入っておるわけでございます。これはいろいろ各党の御議論が長いこと衆議院でございまして、ともかく一つのまとまりになりました。 その中で一つの特色は、やはり銀行に対して相当いろんな厳しい条件を課さなければならない。それは、融資の分類、引き当てにしましても、あるいは経営についての責任にしましても、あるいは一般的なディスクローズにしましても、今まで考え方が甘いではないかという、そういう方面からの御指摘は、私は同感のできる御指摘だと思うのでございます。 続いて、今度は早期健全化法案が衆議院で御議論が始まったというところで、前者は、今この委員会で御審議になっておられます部分は主として破綻の処理、ぎりぎりそうでないところもございますが、概して破綻の処理でございます。これはこれでひとつこれからの問題の解決に非常に役立つと思います。 今度は破綻前の銀行、我が国の銀行がいろんな理由で非常に過少資本であるということから、これが世界に向かって、いわば今の日本が金融梗塞の発信地になっておると言われる部分でございます。これもぜひ成立をさせていただきませんと、これは二つ合わさりまして本当のことができるわけでございます。 その車の両輪であるということについては、発議者の方々も御認識をしていただいているように思いますが、問題は、どれだけその条件というものを厳しくすることが現実的にこの法の目的を壊さずに可能かというあたりに議論は収縮されてくるだろうと思います。 それは、株式の評価にいたしましても、理屈からいえば低価法がきっとよろしい、その方が含みが出ますし。それから、第Ⅱ種類の債権の分類にしましても、それはなるべく厳しい方がいい、そういうことは理想としてはなるべく厳しくしていくのが本当だと思います。 ただ、今の日本のこの金融逼塞の時代に、それが急激に行われることによって貸し渋りを招く。それは債権分類を厳しくすれば、銀行は喜んで厳しく回収をいたします。それは直ちに貸し渋りでございます。そういうことがあってはいけないというのではなくて、現実の政策判断としてはどのぐらいまでが今の我が国における状況から適用可能であるか、妥当であるか。 低価法がいいということはわかっております。しかし、この選択を許すということもまだ世界的には認められている。今、急に低価法にすれば非常な圧縮になるということも明らかでございます。私は提案者の方のおっしゃっていらっしゃる基本の考え方について争うものではございません。 しかし、世界の現状の中で日本が金融梗塞の発信地となっている、これは国会で十分御議論をいただくことはもとよりよくわかっておりますが、G7では、今や日本の国内問題にはとどまらないんです、と言っていることはそうでございますから、そのことも院としては御審議に当たって御考慮を願いたい。 経営責任あるいは刑事事件があればもとよりでございますが、これを厳しく追及しなければならないということも、とれももとよりでございますけれども、俗に言う金は出してやるから首を持ってこいというような受け取られ方をしますと、これは受け取る方が悪いんで、提案者が悪いと申し上げているのではありませんけれども、そういうことになりますとなかなか実際法律は動かないということを申し上げたいと思うのでございます。
○岩井國臣君 最後に総理に一つ総括的なことをお聞きしたかったんですけれども、時間がなくなりましたので、またの機会ということにさせていただきます。 終わります。(拍手)
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。 いよいよ、本当に長い時間がかかったわけでありますが、ただ参議院段階においては本当に内容濃く、しかも大切なことを議論して、しかもこの種のものはスピーディーに決定をしていかなきゃいけない。その意味で大変充実した内容ではあったのではないだろうかというふうに思います。 さて最初に、大変ドルが乱高下するといいますか、円が高いのかどちらなのかわかりませんが、この国際金融不安の問題について大蔵大臣あるいは総理の御見解などもお聞きしたいと思うのであります。 今資料をお渡ししております。あるエコノミストからいただいた資料なのであります。実は山本一太さんからも午前中ございましたが、いわゆるアジアの危機だとか、あるいは中南米危機はアメリカが影響を受けているとか、あるいはロシアはドイツを中心としたヨーロッパだとか、こうよく伺うわけであります。このデータ、今ごらんになっていらっしゃると思うのでありますが、アジア全体において、たしか日本もGDPの二・七%、昨年十二月末で千百四十七億ドル、大変な金額だと思うのであります。 ところが、ヨーロッパ、欧州というところを見てまいりますと千六百二十二億ドル。この欧州はそうしたらどういうところかというのは、オーストリア以下スウェーデンまでの下に記載をしているところでありまして、BIS及びOECDのデータです。というと、これはアジアは日本だけじゃなくてヨーロッパもかなりかぶっているなと。 中南米を見ますと、確かにアメリカも六百三十四億ドルと銀行の貸し付けをしているわけでありますが、ヨーロッパはドイツもフランスも、さらにヨーロッパ全体で見ると千四百四十五億ドル、GDP比で見ても一・八%。東欧全体あるいはロシアを見ていただいても、もちろんこれは欧州なのであります。 こう考えてくると、午前中、ヘッジをしているとか、こういうことに対しては十分為替保険をつけているとかいろいろ言われているのでありますが、これは相当実はヨーロッパの金融機関は傷んでき始めているのじゃないのかということを私自身この数字を見て感じたわけであります。 実は、ヨーロッパというのはそういう不安に対して、今銀行株が下がっているのだそうでありますが、そのヨーロッパは来年、EUの通貨の統合がありますね、ユーロの。そして、その条件が非常に厳しゅうございます。金利が、たしかドイツが三・三、高いところになると七・幾らでしょうか。これも三・三の方に統一されていくのでしょうか。しかも、その財政の基盤というのが、例えばGDPの三%以内に赤字を抑えなさいとか、そういう条件が加わってくると、これではヨーロッパはどうも来年あるいはこれから先、本当に世界の経済を引っ張りていく機関車になり得ないなと。いや、なり得ないところか大変な状況になってきているのじゃないのだろうかというふうに見るわけであります。 そうしたときに、我々は円が乱高下していることに一喜一憂するのじゃなくて、これから先為替はドル高で進んでもらわないと、本当にアメリカだけが今世界経済を唯一支えていたというところに来ているのに、このように円が上がって、そしてドルが下がった。たしかこれは銀行のいわゆる自己資本比率が少しこれで改善されるなんていうことはそこに書いてありましたけれども、そんな問題ではなく大変大きな問題ではないかと思うのです。 その点、大蔵大臣、こういうときに日米が、我々はやっぱりこの時期においてはドル高でなきゃいかぬ、こういう状態では困るんだと。つまり、安定してもらいたいということはもちろんさることながら、基本的に我々はやはりドル高を今はきちんとアメリカに頑張ってもらわなきゃいけないのじゃないか、こういう考え方を持つべきだと思うのですが、この点、まず最初に御意見をお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は何十年為替の動向をノートにとっておりますのですけれども、何十年といいますのは三百六十円がなくなってから以後でございます。昨日の百二十一円二十銭という平均の相場は昨年の九月一日の相場でございます。したがって、一年余り随分円は買いたたかれたものだという感じがいたしておりましたから、いずれは訂正が出るだろうと思っておりました。でございますから、今の水準というのはそういう意味でかなり訂正の部分があると思います。 しかし、どうしてここへ来て訂正があったか。いろんな考え方があると思いますけれども、けさほども申しましたアメリカの心理がリスクテーキングから、リスクから逃げようとなっておるところからドルが全部引き揚げてきまして、そして引き揚がったところで一番買えそうなのは円でございますから、非常に安くなっておりますから、そういうことが起こっておるだろうと思います。行ったり来たりしますけれども、しかしそういう性格の問題ですからどこかへそんなにかからずに落ちつくだろうと思っております。したがって、乱高下は困りますけれども、目に余るようなことがない限りちょっと見ていていいのかなというふうに思っております。 それで、しかし明らかにドルに対する信認がやや揺らいでおるわけでございますから、それはこの間のG7でもみんなで議論をいたしました。その間に、今ヨーロッパ各国の話がございましたけれども、先行きの問題は委員のおっしゃるとおりだと思いますが、今はEUの統合を控えて、そして金利のさや寄せもおっしゃるようにしなきゃならない、何とかそれをやりたいし、財政赤字も一遍試験はパスしましたけれどもこれは確保しなきゃならないということがございますから、自分たちの問題にかなり頭がいっぱいで、そして何とかEUの通貨統合にたどり着きたい、ただしソ連についてむしろ非常に懸念をしておるというような空気でございました。
○峰崎直樹君 本当に長い間為替をずっとごらんになって、大変尊敬する大蔵大臣でありますが、ただ私、確かに百二十円台ですから、去年の今と余り変わらないという意味では円安の是正だったのかというふうに言われなくもないんです。 ただ、今必要なことは、大変今株価が低下しているがゆえに製造業の中でも優良な企業が実は非常に株の含み益どころか含み損になってきているわけです。そうすると、優良な国際的な企業が実は今の状態の中で非常にあっぷあっぷしている、そういう中で、これからのトレンドとして、つまり日本政府の考え方として、やはり今の段階ではドル高が望ましいという基本的な日米のある意味では当局のあるいは政府の強い意思が必要なのではないだろうかということを特に求めておきたいと思います。この点は私自身の見解ですが、答えは要りません。 そこで、この八法案、ずっと審議をしてきたわけでありますけれども、最初に、本当に長い間、実務家の皆さんあるいは答弁席に座っておられる皆さん、大変御苦労さまでございました。 枝野議員あるいは西川議員、石原議員に早速お尋ねをしていきたいと思うわけでありますが、それは、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律によって実は三月に二十一行に資本注入がなされたわけであります。長銀もそのときには健全行として注入されたわけでありますけれども、結果的にはそれは失敗をしたということはやはり明白だろうというふうに私は思うわけであります。 この失敗の反省に立って今回法案を提出するに至ったというふうに私たちは理解をしているわけでありますが、それはどこに原因があったんだろうか。そして、今衆議院で審議をされ、自民党が提案されたという金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案にもこの考え方は原則的に受け継がれるべきだというふうに考えるんですが、その点、提案者の方々の御意見を、お答えをお願い申し上げたいと思います。
○衆議院議員(枝野幸男君) お答えさせていただきます。 御指摘いただきましたとおり、今回の私どもの立場は、三月の資本注入の失敗ということの反省を踏まえてやってきたつもりでおります。 なぜそこで失敗をしたかといいますと、私はやはり実態をしっかりと把握して、実態に応じた断固たる措置がとられなかったということに最大の原因があるというふうに思っております。つまり、現在、不良債権の問題あるいは株価の下落などという問題で各金融機関の自己資本が傷んでいるというところに問題があるからこそその対応として資本注入がなされたはずでございます。 しかしながら、不良債権によってどれぐらい自己資本が傷んでいるのか、あるいは株価の下落によってどれぐらい傷んでいるのか、こういったところをあいまいにしたままで横並び、護送船団方式的にお金を入れても、ある銀行にとっては実はそれでは全然足りなかったかもしれない、結果的に見ますと長銀などの場合はその段階でも実はきちんとした引き当てをすれば債務超過に近いような状態であったのではないかと、実は今から考えてみると言えるのではないかというふうに思っています。 もし同じように、どれぐらい自己資本が傷んでいるのかということをあいまいにしたままでお金を入れるということであれば、ある場合には本来の必要以上に税金が使われるということも可能性としてあります。また、逆に銀行の経営者の立場に立ってみますと、あいまいな形のままでみずからの責任を問われないようにということで、例えば申請をさせれば実際に傷んでいる額よりも小さな額しか申請してこない。そしてそのことによって、実はお金を注ぎ込んでも、新たに注ぎ込んだお金が金額が劣化をするだけになってしまう。この三月の失敗を繰り返すだけになってしまうのではないだろうか。 したがいまして、現在、衆議院で議論が始まっております早期健全化のスキームにつきましても、この反省を踏まえて、実際どれぐらい自己資本が傷んでいるのか、その資産査定のところをきちんとやって、足りない分は、金額がもしかすると大きくなるかもしれませんが、そこは大胆に必要な資本注入を行う、こういう哲学が必要であるというふうに考えております。
○衆議院議員(西川知雄君) 簡潔に御答弁させていただきます。 五つ理由が主にあると思いますが、一つは、情報開示が非常に不十分であった。二つ目は、健全かどうかということも不明なまま審査が不十分であった。三つ目は、貸し渋り対策になると十二・五倍の貸出枠がふえるかもしれないというのにこれは全然効果がなかった。四つ目は、経営者の責任も明確にされていなかった。最後は、株主責任の追及がされていないという五つだと思います。したがいまして、これを廃止するということは自由民主党も含めて賛成をされました。 そこで、今度、誤解のないように申し上げておきますが、早期健全化について必要な場合には公的資金を導入するということについては私どもは反対をしておりません。しかしながら、今申し上げました五つの点、これが十分に確保されていない限り、これを同じようにすればまた同じようなことが起こるということでございます。特に情報開示、分類債権の問題とか評価の問題、この辺が最も重要なことであるというふうに思っております。
○衆議院議員(石原伸晃君) お答え申し上げます。 その前に、一点御理解を賜りたいと思うわけでございますけれども、資本注入が当初予想していたより三月、効果が出なかったという点につきましては、るる今発議者の方から御答弁がございましたけれども、そのときにも増しまして現在の状況が貸し渋りから資金の回収にという厳しいところまで来ている。このためにやはりこの早期健全化スキームというものを、衆議院の方で今議論が始まったばかりでございますが、御理解を得て、一日も早く成立させることが可及的速やかに求められているものと認識をしております。 そのためではございますけれども、従来、公式には正常債権とされてまいりました問題債権を含めまして、不良債権の査定というものはやはり厳しく行わせていただき、また十分な引き当て、償却を行うことによりまして真の自己資本、公表されております自己資本はティア1、ティア2、補完的な部分に株式等のものが入っているということで実体の姿をあらわしていないような気がいたしますので、ここの部分をしっかり明らかにすることはもちろん不可欠でございます。その上で、やはり中途半端な注入というものには大変コストばかりかかってしまいますので、一行ごどのような中途半端な処理ではなくて、システミックリスクにどう対応できるのかという形で処理をしていくことが肝要なものと考える次第でございます。
○峰崎直樹君 三人の方からお話を聞いていて本当にそのとおりだろうと思うんです。 実は、自由民主党の中に日本再生会議というのがあるんでしょうか、日付が昨日の十月八日付になっているんですけれども、日本再生会議というメンバーの方々ですから私的なメンバーなんだろうと思いますが、その方々が「早期健全化の枠組みについて」という文章を発表されているんですね。私もこれを手にいたしたわけでありますが、その中には「大手十八行の不良債権を精査し、引当、償却及び減資と資本注入を強制的に実施し、もって金融システムの早期健全化と再編強化を断行する。」と。 まず第一に、「引当を強制すること。」。第Ⅳ分類はもちろん一〇〇%、第Ⅲ分類は七五%、第Ⅱ分類は二〇%以上と。相当厳しいですね。二番目に、「自己資本算定方式の見直し。」。これは「時価法を厳守し、株式含み損を算入する。なお、銀行による株式保有は五年の猶予を設けて禁止する。」。三番目、「以上を自己資本勘定で償却させ、資本金に食い込む分は減資させる。償却にあたっては、無税扱いによる分割償却を認める。」。四番目、「同時に、以上の額について普通株を発行させ、預金保険機構が引き受ける。(必要資金二十五~三十兆円)」。五、「申請方式ではなく、行政命令で実行する。」。六、「さらに、金融再編強化に必要な、資金については、優先株で対応する。」。七、「平成十一年三月末までに、すべて実施し終わること。」という内容なんです。 これ、提案者の方々、実は事前に、質問もほぼ似たような内容なんですが、同じことを日本再生会議の方が書かれているんですが、要するに、この早期健全化法と、それから今出されている内容についてのこういういわゆる株式の含み損の組み入れのあり方であるとか、あるいは分類債権のいわゆる引当率であるとか、こういうことについてある意味ではこの考え方についてどのように考えておられるのか、これまた提案者にひとつ答弁願いたいと思います。
○衆議院議員(枝野幸男君) 私もこの日本再生会議の紙を目にいたしまして、私どもが従来から主張しておりますこと、特に今回衆議院に出てきております法案に対して修正が必要ではないかというふうに申し上げておりますことは、ある意味では私ども以上の厳しい内容、私ども、第Ⅱ分類一五%程度の引き当ては最低限必要ではないかというような言い方をしておりますが、それ以上に厳しい数字を挙げておられる。 自由民主党の中にも賢明な御判断をいただいている方が少なからずいらっしゃるということをい強く思っておりますが、こうした案をしっかりとお持ちの方がいらっしゃり、こうしたことをやることによって初めて金融機関の不良債権の処理が進むというようなことを理解されている方がありながら、先ほどの御答弁でもございましたが、なぜこの正論が通らないのか。どなたかのメンツか何かよくわかりませんけれども、そんなことで日本経済がだめになるというようなことがあってはならないと思っておりますし、こうした提案をされている皆さんは必ずや私どもの衆議院でこれから出そうとしている修正案に御賛同いただいて、この法案も修正の上で参議院に来るんだろうなというふうに思っております。
○衆議院議員(西川知雄君) 実は私、今そこで見たばかりでございますけれども、基本的には大変評価できるのではないかと思いますが、二つだけコメントさせていただきたいと思います。 一つは、やっぱり中小の零細企業に対する貸し渋りということに対しては十分に配慮すべきである。ですから、一律こういうことをすることは若干考慮の余地がある。もう一つ、公的資金を導入するという場合には非常に厳しくやる必要があるんじゃないか、そういうふうに思います。
○峰崎直樹君 大変酷ですが、自由民主党の石原さんも、もしコメントいただければ。
○衆議院議員(石原伸晃君) お答え申し上げます。 その案は中山太郎先生を座長とする政策集団の皆様方がお考えになられた案と承知させていただいておりますけれども、私も一点気にかかる部分がございますのは、二〇%の第Ⅱ分類の引き当てということで、ただいま同僚の西川議員の方からもお話がございましたが、それをすることによりまして健全な借り手の経営というものに悪影響を及ぼすようなことは絶対あってはなりませんし、意図するところは、私の解釈でございますけれども、やはり公的資金を入れる前提として金融機関の不良債権の処理というものがどうしても必要だということでそのようなきつい文章になっているものと推察する次第でございます。
○峰崎直樹君 鈴木議員も、もしよければひとつ。
○衆議院議員(鈴木淑夫君) 今お取り上げになりました案は、私は見ておりませんが、聞いていてすぐぴんときましたのは、いわゆる梶山私案とほとんど同じですね。梶山私実は非常に厳しい形での不良債権処理と同時に資本増強、それで金融システムを再活性化しようという案でございますが、一、二私が疑問に思いますのは、今も出ておりましたけれども、第Ⅱ分類というのは実はさまざまなものが入っておりますから全部二〇%以上というのはおかしいと思っております。もっと細分化していけば、やっぱり二〇%でなきゃいけないのもあれば一五もあるだろう、一〇もあるかもしれないというふうに思って、もう少しきめ細かくやらなきゃいかぬ。 それから、低価法がいいということですが、私は時価法がいいんだというふうに思っております。そちらは時価法になっておりますか。
○峰崎直樹君 時価法になっています。
○衆議院議員(鈴木淑夫君) それは国際金融からいっていいだろうなと思います。 それから三番目に、普通株を国が取得するのは私はやや疑問があります。業務改善命令が出せるんですから、別に議決権なんか持つ必要はない。むしろ逆に、普通株を取得すると、今度売り出したときのマーケットへの影響なんか考えますと、普通株を持っていた方が、国がひょっとして再建できたらもうかっちゃうと思うかもしれませんが、ちょっと市場に対して非中立的だな、私は優先株でいいだろうと思っております。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。 ある意味では今の日本の金融危機の難局、本当に大変な難局ですから、これはやはり我々自身党派を超えて本当に解決するために力を合わせるべきときだと思いますので、ぜひこれらを参考にして、これからもまた恐らく衆議院から参議院に来る段階で参考にさせていただきたいなというふうに思っております。 さて、そこでもう一つ、皆様方の今回出された提案の中で、財政と金融の分離の問題でございます。 これは私はちょうど参議院の集中審議のときにこの点について厳しく迫ったわけでありますが、この点についてもう一回、念には念を入れて、財政と金融というのは本当に分離できるんだろうねと。実は先日もさきがけの仲間の皆さんが質問をされて、本当にこれは前より後退していないかというようなことも言われたわけであります。 池田提案者にお尋ねしますが、この点の見通しについては本当に大丈夫だと、この点をしっかり最後に確認をしておきたいと思うんですが、その点ひとつよろしくお願いいたします。
○衆議院議員(池田元久君) 峰崎委員もこの問題に対して強い関心を持っていらっしゃることは承知をしております。 きょう午前中の齋藤委員の質問に対しても答弁申し上げましたけれども、玉虫色の決着とかなんとか一部で言われておりますが、そうではありません。先ほど大蔵大臣も読み上げになられましたが、「財政と金融の完全分離と金融行政の一元化」、これは十月一日の三党幹事長及び官房長官の合意事項でありまして、「金融再生委員会の設置に伴う財政・金融の完全分離及び金融行政の一元化は、次期通常国会終了までに必要な法整備を行い、平成十二年一月一日までに施行する。」と。これは文章として明確です。玉虫色ではありません。 現在の金融行政がばらばらであることはもう再三申し上げました。金融行政の一元化は早急にやる必要があります。しかし、今度の金融再生委員会設置法では、与野党の共同修正の中で、当面は金融の破綻処理と危機管理の企画立案は大蔵省と共管、それから検査・監督、これは再生委員会の所掌事務ということになりましたが、来年中といいますか、二〇〇〇年一月一日までの間にこの共管が外れて金融再生委員会の所掌事務になる。それから同時に、大蔵省にあります国内金融の企画立案は当然金融再生委員会に統合されるものと私は思っております。そのために次の通常国会終了までに必要な法整備を行う。要は、大蔵省設置法、また中央省庁改革基本法などの関係部分の一元化のための法整備をしなければならないと考えております。
○峰崎直樹君 総理、今の経過で確認で、官房長官もこれはたしか加わっておりますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(小渕恵三君) 三党の責任者が署名いたしましたことは承知をいたしております。政府といたしましては、この問題につきましては中央省庁改革の枠組みの中で次期通常国会まで必要な法整備を行ってまいるということになっております。
○峰崎直樹君 先ほどの池田さんの経過を含めて確認したものと私どもは理解をいたします。 そこで、もう時間がありません。 私どもは、厳しく言っているだけじゃなくて、実は貸し渋り対策をしっかりやらなきゃいけないという観点に立っているわけであります。その意味で実は、これは自由党と自民党の合意ということで我々伺っているわけでありますが、例の信用保証協会法の一部を改正する法律案、これは次期通常国会で出されるということになっております。この法案が成立するまでの間は信用保証協会に中堅企業向けの信用保証、例えば開銀、北東公庫などの紹介窓口を設ける、それから破綻金融機関の借り手中堅企業の借入金シフトについては特段の配慮をするということでした。 そこで、これ大蔵省が管轄なんでしょう、ちょっと私もうっかりして中小企業庁だけしか呼んでおりませんでしたが、この自分の取引銀行に、開銀、北東公庫というのは非常に窓口が少のうございますから、その意味で代理貸しが十分対応できるような対応をしてもらえないだろうか。そして、破綻金融機関の借り手中堅企業は大変北海道で今困っているわけでありますから、そういう措置を、来年通常国会でできるまでの間はそういう努力をしてもらえないだろうか。私どもは実は本会議のときも質問いたしました。北東公庫法、開発銀行法を改正して運転資金も対応できるようにしてくれないだろうか。 これは法改正ということではなくて、こういう運用で努力をされるということですから、この点ぜひお願いを申し上げたいと思いますし、中小企業信用保険法の改正、これまたやがてこっちへ参りますから、それも早急に出しながら、この中小企業の貸し渋り対策というものを政府の責任においてぜひ強化していただきたい。 この点、先ほど申し上げた代理貸し制度も含めてやっていただけないかということの急速の要望でございますが、事前に質問を出しておりませんでしたので、もしお答え願えればなと思いますが。
○委員長(坂野重信君) もう時間ですからこれで。要望として承ります。
○峰崎直樹君 はい。よろしくお願いいたします。 終わります。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、松谷蒼一郎君が委員を辞任され、その補欠として阿南一成君が選任されました。 ―――――――――――――
○森本晃司君 公明の森本でございます。 総理並びに大蔵大臣、連日にわたりまして参議院の場に、私たちの委員会に御出席いただき、いろいろと私どもの質疑に対して答えあるいはまた耳を傾けていただきまして、大変御苦労さまですと申し上げたいと思っております。 また、与野党で衆議院の方で一生懸命英知を傾けて、情熱を持って、先ほど総理からもお話がございましたが、時には徹夜、木曜日になれば徹夜、魔の木曜日を迎えられつつも日本の金融システム安定のために一生懸命やってくださったことに私は心から敬意を表するものでございます。本当にありがとうございました。 同時にまた、これは与野党を問わずできたわけでございますけれども、一緒になってできたということ、そして銀行の今まで護送船団方式でやってきたものを断ち切ることができた、それから若き議員の皆さんが、先ほどから申し上げておりますように、英知を集めて私たち議員の手でこの法律をつくったということは私はすごいことだと思うんです。総理も大蔵大臣も、ずっとこの間からこの与野党の若きメンバーが答弁に立ってはつらつと胸を張って答えている姿に大変感銘を受けられたのではないか、そう思っております。 大蔵大臣、恐らく四十代ですい星のごとく大臣に御就任になりました。今いろいろと与野党の若き人たちが答えている姿が自分の若き日と重なったのではないだろうか。よし、日本の政治は今変わりつつあるな、自分のときもそうだったし、これからもこういった若い政治家を大いに育てていこうという思いいっぱいでお座りいただいているのではないかと思うんですが、四十代から大活躍いただきました大蔵大臣の御感想を一言お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 他党の方のことは申し上げませんけれども、自民党で今度の作業に携わられました若い方々は、実は私が党におりましたとき、昨年の十一月でございますが、総理から本部長を任命されまして、そして役所が動かないことになっておりましたので、今のような若い方々にお集まりを願って作業をしていただいた。私は、一緒に当時の作業をした方でございますので、いわゆる議員立法というようなものがだんだんここで芽生えてくる、それは非常に将来に向かって意義の深いことだ、そういうふうに当時から思っておりましたので、このたびそういう若い方々が非常に活躍されていることは将来に向かって希望の多いことだというふうに思っております。 それでよろしゅうございますか。
○森本晃司君 若い人たちばかりがいいと言っているわけでもございません。どうぞ、その若いメンバーと私のような中年と、そして人生経験豊かな皆さんと、みんなが一体になってこそ成っていくものであります。 私は、今回のこの法律ができ上がってまいりますときに痛感したのは、なぜこういう形で与野党が一体となって国の大事な問題に向かってみんなで力を注ぐことができたのか。その原因はどこにあるんだろうか。これは与党が勝ったとか野党が勝ったとか、そういった問題ではないと私は思っています。これはさきの参議院選挙で国民の皆さんが判定を下された。そして、参議院で野党が勝利をしたというところから今回のようなこの問題が出てきたのではないだろうか。そうでなかったらまだまだ従来方式のやり方で、政府・与党だけでずっと続いていくのではないかと思うんです。そういう意味で、だれがこれをやったのかというと、私は国民、民衆の勝利だとそう思っているんです、これは。したがって、この体制はこれから三年だけではなしに六年、あるいはずっと続いていくかもわかりません。したがって、これから一つ一つの法案についてこういう形のものがいっぱい生まれてくるかと思います。私どもは、いいものはいい、いけないものはいけないと明確に判断をしながら一つ一つの法案に、何がこの体制をつくってくれた国民のプラスになるのか、国民のためになるのかということをこれから判断してまいりたいと思っております。 今回できましたこの法案は、情報開示があり、さらにまた破綻した経営者の責任がきちんと明確に問われることになり、金融、財政の一元化が図られているというところに大きな特徴があるわけでございますが、総理、いよいよきょう、この委員会では採決をさせていただきますが、今日までの経緯を踏まえてこの法案ができてきたことに対する総理の今の思いを語っていただきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) いずれにいたしましても、現下の日本の金融システム、これに対して我が国のみならず世界の注目を浴びておるわけでありまして、今日その金融安定のための法律がまさに本院で可決されよう、通過しようとされておる今日考えますと、一日も早くこれが法律となり、我々政府といたしましても、それをもととしてこれを行政に十分反映して実効を上げていくということでございますので、改めて今日まで御苦労いただいた与野党の皆さんに心から敬意を表し、法律が制定の暁におきましては責任を持って政府として対処いたしてまいりたいと思っております。
○森本晃司君 破綻前の処理、今衆議院でいろいろときようから審議を行われるようでございますが、あわせて早くこれを今国会で成立させて金融システムをこの両輪で安定させていくことが私は大事だと思っております。 ところで、これで不良債権の処理がこの二つの法律に基づいてされていくわけですけれども、不良債権処理といいますと、私の頭の中に出てくるのは住専という言葉が出てくるのです。住専のときに不良債権処理をきちっとしないで先送りして隠ぺいした、その結果がすべて今日のこの不良債権の問題、金融システムの不安定な問題になってきた。中坊社長がきのうおっしゃったけれども、血管が詰まって血が流れなくなった、それを取り除くのだと。あのときに明確に取り除かなかったですね、六千八百五十億という金を投入するのに。私はいまだあのときの光景を、私も体張って闘わせていただいたほんの一人でございますけれども、そのことを今感じるんです。それで住専が六千八百五十億投入されたと。いまだ私はそのときの対応が悪かったと、こう思っている。悪いのは私じゃなしに政府の対応が悪かったんです。 そこで、それはきのう中坊社長の話の中にも出てきましたけれども、銀行がごみ箱のようにどんどん不良債権をやった。今、中坊社長が苦労されています。きのう中坊社長がお見えいただきましていろんな意見を聞いたとき、私は中坊社長に管理機構の社長になっていただいてよかったともう感激していたんです。ただ残念だったのは、午前中に中坊社長で午後銀行協会会長、この組み合わせばちょっと僕にとっては残念だった、あれは。一緒に座っていたら、本当にすごいことがわかり、銀行協会の皆さんももっともっといろいろと理解することができたし、いけなかったという反省に立って、そしてこれからモラルハザードをもっとなくしていこうという、もう銀行の倫理を高めていこうというお気持ちになられたんではないか。委員長、中坊社長のビデオを銀行協会の会長に送ってもらうことはできないでしょうか。ぜひそうしていただきたい。 そこでもう一度、その後、住専の後ちょっと私離れておりましたものですから、あのときに与党三党で平成八年三月四日に、「民間金融機関は、今後七年間で一・五兆円規模の経営の合理化・効率化を行い、五〇〇〇億円程度の税収増をもって国への新たなる寄与を行う。この実施状況について定期的にフォローアップし、公表する。さらに、大蔵省を通じて国会に報告する。」、それから農協系統の云々、時間ありませんから、これ「農林水産省を通じて国会に報告する。」ということになっています。ちょっと私は留守にしておりましたので、報告があったかどうか、ちょっと伺いたいんです。
○政府委員(日野正晴君) お答えいたします。 御指摘のありました平成八年三月の与野党間の合意を踏まえました銀行のリストラの状況につきまして、主要十九行における合意以降の二年間、平成八年度と九年度の実績を申し上げますと、職員数につきましては二年間に約一万八千人が削減されております。それから、国内の店舗数は二年間で約九十店舗が削減されているといったぐあいで、合理化が行われてきていると承知しております。 金融監督庁といたしましては、今後、日常の監督を通じて、各金融機関の状況に応じまして一層の合理化努力を行うよう強く促していきたいと思います。そういったことを通じまして、預金者、国民の理解が得られるように、その実施状況につきましてもさらに積極的にその状況を開示してまいりたいと存じます。
○森本晃司君 住専のときに金融システムの安定化と言ったんですが、結局八月の、今ちょっと大臣が所用に立たれたんであれですけれども、言葉を引くと、農協とそれからその農協へ貯金している人たちを救ったということをこの間大蔵大臣はおっしゃっていますが、金融システム安定化ではなかったんです、あのときは。私はそのことを申し上げておきたいと思います。 同時に、先ほどのお返事で、リストラをやっているということでございますけれども、実際はこのときに、五千億程度の税収増をもって国への新たな寄与を行うという金融機関、それから農協系統は今後七年間で少なくとも六千から七千億円規模の経営合理化を行って、一千八百億円程度の国への新たな寄与を行う。これは実際、できていますか、できていないはずです。だって、不良債権をこれほど抱えているところから税収を持っていくわけにもいかないし、それから農協系統だって、今度日本リースの問題があって一千八百億円も返せるはずがないんです。 私が申し上げたいのは、その場限りのこういうことをやっていたらいつまでたっても国民の皆さんは信用しませんよ。今度の法律ができた、それを運用するのは人です。政府が運用していきます。したがって、すばらしい法律ができても、運用する人によって勝手に曲げられたり、それから情報開示がなくていつも隠している姿ではなく、どうぞきちっとやっていただくことを申し上げまして、終わります。(拍手)
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 本委員会に法案がかかりましてまだわずか四日目という実感がいたしておりますけれども、今度の法律ができますれば、今度は政府に執行責任という問題が出てくると思います。先ほどもありましたけれども、今、特に中小企業の貸し渋りがますます深刻になる中で、まじめな借り手、中小企業が一体どうなっていくのか、この法律に基づく執行との関係に絞って、時間の関係がありますので、総理、大蔵大臣に伺っていきたいと思います。 ちょっと振り返りますと、政府・与党のブリッジバンク法案というのがありましたが、その中で債務者の振り分けについて、債務者の債務の履行状況及び債務者の財務内容の健全性に関する基準を含むものでなければならないというような規定がございました。衆議院の質疑の中で、これによって多くの中小企業が切り捨てられるんじゃないかと我が党の木島議員も追及をいたしまして、宮澤大蔵大臣はその点は私も憂いを同じくしているという形でおっしゃったと思います。破綻した金融機関の善良な借り手保護の問題でございます。 今回の法案で見ますと、二十八条という中で、振り分けについては同じような表現、同じ表現と言っていいと思うんですが、書かれております。要するに、金を返しているか、赤字じゃないかということが基準に含まれていなければならないということになっていると思います。そうしますと、大蔵大臣がおっしゃっていた、八月段階でしょうか、その憂いがいわば修正された今回の法律案の中でも解消されないままに今採決がされようとしている。 そうしますと、資本金一億円以下の中小企業の約七割が赤字ですから、そういうところが切り捨てられる可能性あるいは憂いが大だということではないかと思うんですけれども、大蔵大臣のその辺についての御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前、お尋ねがありましてそういうことを申し上げたことがございますし、今もそういうことがなければいいかと思っておりますが、これはしかし私どもはまだ法を執行する立場でございませんから、提案者がどういうお考えであるか、お聞き取りくださることが妥当なのではないかと思います。
○笠井亮君 そういう意味では、こういう段階に来てのことですから、成立すれば今度は執行という点でもうまさに当事者になられる、そしてそういうことでも今でも憂いをお持ちだということをおっしゃいました。 総理もそういう憂いをお持ちでしょうか、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 法律が成立をいたしましたら適切に対処いたします。
○笠井亮君 これは、適切に対処するといっても、率直に大蔵大臣もおっしゃいましたけれども、大丈夫だろうかという憂いはやはり残っているということではないかと思うんです。今生きている銀行、それですら厳しい回収に走っている、破綻した銀行ならなおさら、今本当に大変な状況がそういう中であるということになると思うんです。貸し渋りの実態に照らしたら、やはり本当に、今率直に蔵相が言われたような憂いがあるだろうというふうに思うわけです。 今度の法案で見ますと、いわゆる実務者協議というものの結果、今度は一般銀行からも不良債権を公的資金で買い取ることができるようになるということがございます。一般の金融機関から資産を買い取る場合については、修正案の五十六条ということで、価格の基準というのはこの間も議論させてもらいました。それはありますけれども、これが整理回収機構に送られないという歯どめの規定は、私も研究させていただきましたが、これはないのじゃないかというふうに思うんです。今、中小企業の七割以上が赤字で大なり小なり不良債権を抱えている。そして、幾らまじめであっても、取引銀行のいわば判断と都合次第で整理回収機構に回される、そういう道筋がこれによってできるということではないかと思うんです。 そうなりますと、善良な借り手保護の問題では、破綻した銀行、ブリッジバンクのとき、そして今度の法案のもとでもやはりそういう形で大丈夫だろうかという問題が残るとなれば、ここでも、一般金融機関との関係でも、不良債権買い取りということになればその辺の憂いというのがまた出てくるのじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 余りしょっちゅう御意見が一緒になることはないのですが、どうもその点は私やはり心配でございます。
○笠井亮君 そうなりますと、融資継続の道がやはり断たれていく、そして期限が来ればいずれは回収されるということになってそれだけで企業の信用というのが失墜をする、そしてほかの銀行との取引でもそれがなかなか難しくなってくると。なかなか意見が一致することはないけれども、その辺ではそういう気持ちをお持ちだと。私も非常にその点では大蔵大臣の気持ちはよくわかります。 善良な借り手がRTCに行くということになりますと、その銀行から善良な借り手と認められなかったということでこれは烙印を押されてしまって、そしてひいては命脈を絶たれることになりかねない。常識的に言えば、東京三菱銀行というのが融資はできないということで手放したら、そういう企業はほかの銀行からも取引をしてもらえない。そういうことが具体的に起こりかねないということじゃないかと思うんですけれども、その辺については、今回の法が実際に執行されるとなった場合にはどういうような認識を持っていらっしゃるでしょうか。 大臣、いかがですか。執行ということで具体的に伺いたいんです。(「大蔵大臣に関係ないよ」「金融再生委員会が判定することだから」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(宮澤喜一君) 私に関係ないと言ってくださっておりますので。
○笠井亮君 ちょっと注意していただきたいんですけれども、私は理事ですからということで。答弁席でああいうやじはやめてください。
○委員長(坂野重信君) 答弁席、お静かに願います。
○笠井亮君 今度の法案、再生委員会設置法に伴う関係法律の整備の中で、金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案事務及び預金保険機構の監督に関する事務等は大蔵大臣と金融再生委員会の共管とすると書いてありますから、実際に法律が動いていけば、今まさにこの問議論になってきたような破綻処理の問題、金融危機管理ということで、こういうことで一般銀行を含めてやっていけば、大蔵大臣は共管という形で直接責任を持っていらっしゃる、こういうことになると思うんですよ。(「破綻処理は再生委員会で」と呼ぶ者あり)危機管理の問題で言っています。本当に質問しにくいんですよ。
○委員長(坂野重信君) ちょっと静かにしてください。指名があったときに発言してください。 どうぞ続けてください。
○笠井亮君 その点で大蔵大臣にぜひ伺っておきたいんですけれども、実際にこういうことになりますと、執行する段階でそういう具体的なおそれというのは生じることがないだろうか。今憂いはお持ちだということですけれども、どんなことを具体的に憂いということでお考えなのか。一般的なことで結構です。例えばということで、具体的にこの銀行なんて私は申し上げませんが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは現実に法を施行して行政をやってみませんとなかなかわかりませんから、提案者はどうお考えになっておったのかなというふうに申し上げることができるだけであります。
○笠井亮君 この法律案というのは審議をまだわずかしかやっていませんが、この委員会ではきょうもう採決ということになって、そしていずれも近々成立するということで、そういう前提で皆さんお話しなさっている。 まさにそうしましたら、直接的にもう総理、大蔵大臣を初めとして、今度は再生委員会ですか、そういう形で持っていかれるということになるわけですから、これはやはりきちっと、これだけ今、中小企業の問題がこの金融システムの関係でも大きく危惧がされているし、大蔵大臣も憂いを持たれていると言われたわけですから、具体的にどこの銀行がどうだった場合こうということを私は伺っているんじゃないんです。私は、一たんRTCに回されたら、今度は融資の対象じゃなくて整理、回収の対象になって、そしてそういう形で処理されていくことになってしまうじゃないか、まさに中小企業がそういう形で扱われていくことになると大変だということを思っているわけであります。実際にRTCの中には融資の専門家というのを置かずに回収の専門家を置くわけですから、まさにそういう点でこの問題をきちっとやっぱり考えていただきたいと思うわけでございます。 こういう問題を考えてみますと、結局のところ、善良な借り手、こういう立場から見ますと、一つは競売による回収、そして二つ目に貸し渋りによる回収などに加えて、今度新しく整理回収機構送りと言いますとそういう言葉は悪いかもしれませんが、三つの恐怖に善良な借り手がさらされることになりかねない。そして、その選択権は、この法案を勉強させてもらいました、拝見しました、いろいろ読んでみましたが、銀行の側にあると、銀行の側の腹づもりで決まっていくということになっていくのだと思うんです。 この法案に基づいて一般銀行から不良債権を買い取るとすれば、公的資金でもって結果的には中小企業をつぶすことに追いやる、そうならない保証はないんじゃないかと思うんですけれども、これは実際法律ができたとき執行がされていくわけですから、大蔵大臣にその辺についてはどういうお考えか、伺っておきたいと思います。大蔵大臣にお願いします。(「発議者、発議者」「アンフェアですよ、おかしいですよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)いや、質問していません。執行のことについて伺っているんですから、大臣にお願いします。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こしてください。 答弁席の方は、指名があったときに限り発言をお願いします。 そこで、笠井先生は何遍も大蔵大臣に質問されて、大蔵大臣もできるだけのことは発言されておりますから、今度はひとつ発議者の方の皆さんに、法律にかかわることですから質問してください。 大蔵大臣としては十分……(発言する者多し)大蔵大臣にもう一遍お答えを……(発言する者多し)
○笠井亮君 私は、ああいう形で罵声を浴びせるような人を答弁者にはできません。(発言する者多し)
○委員長(坂野重信君) 静かにしてください。委員長の言うことを聞いてください。 大蔵大臣はまじめに答弁をされているじゃないですか。
○笠井亮君 それは私どもよく理解しております。
○委員長(坂野重信君) あと追加答弁することがあればそれをして、ひとつその後で発議者にお聞きください、法律にかかわることだから。
○笠井亮君 私は執行責任との関係で伺っている。
○委員長(坂野重信君) 私はめったなことを言っていないですよ。皆さんのそういう意見だから。従ってください。私の指示に従ってください。次は発議者に質問してください。
○笠井亮君 いや、指示に従ってくださいと、ちょっと私は納得できませんね。
○委員長(坂野重信君) 指示じゃない、皆さんの意向がそういう意向だから。
○笠井亮君 執行責任との関係で私は伺っているんですよ。ちゃんと仕分けしていますから。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を開始してください。 笠井亮君に申し上げます。大蔵大臣は先ほどから答弁できることは答弁されておりますから、あとそれ以外に笠井君の方で質問される方があれば、大蔵大臣以外のほかの方であれば質問してください。
○笠井亮君 新しい問題を大蔵大臣に伺ったんですから、だからそこを質問しているわけです。
○委員長(坂野重信君) さっきの続きじゃないんですか。
○笠井亮君 続きって、別の質問をしたわけですから。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こして。
○国務大臣(宮澤喜一君) 現実に執行になりましたときにいろいろわかりにくい問題もございまして、十分どうも御質問にお答えできません。
○笠井亮君 では、最後に総理に伺いますけれども、いろいろお答えにくい点があるということでしたので伺います。 今国会では、いかに借り手を保護するかということで議論が出発しました。ところが、そういう点ではなかなか具体的にその保証というのがあるのかどうかということを私は思うし、大蔵大臣も先ほど憂いをお持ちだということをおっしゃいました。そういうやり方で具体的に保護する保証というのがはっきりしないもとで銀行支援ということがやられていく。こういう形ではモラルハザードを助長するばかりで、本当に真の金融再生につながらないだけじゃなくて、現下の深刻な景気がさらに悪化するということになりかねないんじゃないかと思うんですけれども、景気との関係、そして経済再生内閣と言ってこられたそれとの関係で借り手保護の問題、経過の中でどういうふうにお考えか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 景気回復のためにも金融システムが安定をしなきゃならない。そのための法律をぜひ成立させていただきまして、それによって政府としては全力を挙げて景気回復のために努力をいたします。
○笠井亮君 景気回復の関係でも、時間がありませんからやめますけれども、経済再生内閣ということで言われたのであれば、私はとるべき道というのは、こういう形での銀行支援を進める方向での政治ではないということをはっきり申し上げて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
○山本正和君 長期信用銀行の問題に端を発しまして、国民の中の金融に対するさまざまな不信が芽生えているわけでありますが、実は長銀の皆さんの立場から言えば、いろいろ言い分があったんじゃないかと私は思っているんです。 特に申し上げておきたいことは、一九八九年当時、長銀がいわゆる第六次計画を立てた、そして何とか長銀をきちっとやっていこうとしたという時期があったわけであります。ところが、その当時、日銀枠と称して年間約七千億から九千億程度のお金をちゃんと融資しなさい、こういう指示が来ておった。ところが、なかなか借り手がないわけですね。しかし、どうしてもそれを消化しなきゃいけないということでのさまざまな問題があった。これも一因だと言われているわけですね。 しかし、同じように、実は八九年以前に既にバブルの現象が出ておりましたから、我が国の銀行はそれぞれさまざまな形での融資を始めた。ところが、我が国には将来展望に立った産業を、これからどんどん伸びていくぞという産業に対して投資し得る場所がどこにあったんだろうか。ですから、田舎の家具屋さんでも例えばマレーシアに行って工場をつくってみたり、いろいろなことをやったわけです。大変なことをいろいろやりました。 私はここで、きょう総理と大蔵大臣にということで御質問しているわけでありますが、いろんな評価がありますけれども、池田総理当時に所得倍増計画というものをお立てになって、そして日本の国民の所得を倍にしますよ、何年間でと、こういうことを明示されていろんなことを言われた。そのもとに国の経済をそういう方向に向けようとされた。そしてまた、これはまたここでいろんな批判をする人もおりますけれども、田中総理が日本改造計画というものを立てて、日本じゅうの町から東京へ来るのにもつと便利にしますよ、住みよい日本にしましょうと。私ども三重県ですけれども、三重県の方にも伊勢湾架橋というのをつけて、第二国土軸をつくりますよというふうな話もあった。国民に夢を与えたわけであります。 ちょうどその夢を与える前後に、八九年の例の消費税の大騒動がありまして、大騒動と言ったらおかしいですが、消費税の選挙がありまして、当時私どもは万年野党と言われておった日本社会党だったんですけれども、この参議院で一挙に七十九名の大勢力になった。ここに十三名座ったわけです、参議院で、我が社会党は。今やちょこっとしかおりませんけれども。そういうときを私、今振り返って思うんですが、政治が国民に対して国家目標を示しておっただろうか。消費税はけしからぬということは我々は一生懸命言ったんですよ。しかし、日本の国はこれからどうなりますよということを我々野党として言ってきただろうかということを私はじくじとして反省しておるわけであります。 今ここで、きょうは締めくくり総括でありますが、確かにさまざまな問題がありましたけれども、これからの日本はどうなるんだという観点から、当面する金融問題の解決に全力を挙げなきゃいけない、これはあると思うんです。しかし、これからこうなりますよということについての議論が私はどうしても欠けているように思えてならないわけであります、今度の参議院の議論は。 そこで、私は特に申し上げておきたいのは、総理大臣が来年度の予算を組むに当たってのさまざまな所信をあちらこちらで表明されております。いずれも重要な事柄だったと私は思うんです。しかし、重要ですけれども、それは二十一世紀を控えた今から十年後、二十年後の展望の部分とどうも結びつかない。今、目の前に追われて仕方ないんじゃないかというような感じがちょっとするわけですね。しかし、恐らく総理はそうじやなしに、日本の未来についてお考えになっておられると私は思うんです。 特に、きのう韓国の金大中大統領の演説を聞きました。そして、日韓の経済協力関係も随分厳しく言われた。アジア経済についても触れられた。日本がこれからアジア経済でいろんなことをやっていきましょうという提案もあったんですけれども、そこで特に私は彼の演説を聞く中で思ったのは、やっぱり私どもと同じ世代だなと。 孟子を例に引いて、天子は人民のために働く、人民のためにある天の子である、しかし天の子が人民のふためになることをしたときは人民は天子を追放する、こういう孟子の言葉を引かれた。ところが、私どもの世代は天子の上の方の、天の子であるまでは教わったけれども、大日本帝国のときは人民が天子を追放するなんてことを言ったら大変でありますから教わっていないんですよ。しかし、そういう政治理念を彼は語るわけですね。 そして、この前、盧泰愚さんが来たときも私は聞いたんですけれども、政治理念を語った。去年、私は日中の議員連盟で林さんが団長で行ったときに江沢民が中南海で私どもに話したのは、やっぱり哲学を語るわけですよ。いろいろとアメリカの皆さんが人権と言われるけれども、私どもも人権は大切なんですけれども、当面十二億の国民にとにかく着るものを着てもらって、食べるものを食べてもらうために私たちは全力を挙げなきゃいけないんですと。そして、その中で中国の夢みたいな話も彼はちょっとされたんですけれども、やっぱり今、日本の国がいろいろと景気が悪いということを言うんだけれども、本当に足りないのは政治が国民に夢を語ることじゃないかという気がして私はならないんです。 そこで、きのうから総理大臣に何を質問するんですか、こういう話があったので申し上げておったんですけれども、やっぱり総理の今の日本の二十一世紀にかける夢というか展望というか、私は こう思いますよということをどうしても聞きたい。この前のときにも私はそれは申し上げたんですけれども、当面こうしますというふうなお話であって、二十一世紀の展望がどうも見えてこないと私は思うんです。 私がこの前申し上げたのは、日本の国は二十一世紀にこの地球を、環境をきれいにするための先進国になりますと、あるいはエネルギー問題を、こういう石油や石炭をどんどん燃やしてやっていくようなことじゃ地球はだめになるから、クリーンなエネルギーが使えるような立派な国になりましょうと、あるいは本当にお年寄りが生きていけるような立派な福祉社会にしましょうというふうな、いろんな言い方があると思うんです。 そういうふうな形でもって総理が話をしていただいて、そして私は思うんですが、例えば来年度予算を組むのに、これは大蔵大臣がまた御苦労願うお話なんですけれども、例えば環境枠、自然エネルギー枠、これは建設省にもあれば農水省にもある。いろいろなところにあるんです。そういうふうな形でもって枠をつくって、我が国の像はこうですよということを示すような形での予算編成に取り組む。 そうすると、ちょっと私調べてみたら、太陽光エネルギーの発電の問題だけでも通産省で計算している試算で二〇一〇年には一兆円産業になる、こう言っているんです。しかし、本当はもっと金をほうり込めばもっと早いと私は思うんです。環境でもそうです。大変な新しい産業が興るだろうと私は思うんです。それから、原子力の問題でもそうなんです。原子力で最大の問題点は、廃棄物の処理をめぐってどうしていいかわからない。しかし、これを、世界じゅうで一番上手に廃棄処理が今進んでいるのが我が国なんですね。さらにそれに例えばもっといろんなやり方があると思うんです。 ですから、そういう予算枠を含めて、我が国の姿勢はこうですよということを明示していただく、そして国民の皆さんに、我が国にはこれからこういう新しい産業がどんどんできますよ、みんなで頑張りましょう、こういうメッセージを発していただくことが経済活性化の原点になるんじゃないか、こう私は思うわけであります。 そして最後に、発議者の方もお見えでございますから申し上げておきますけれども、それは大変な御苦労の中で、確かに政府案よりは一歩前進という形でのものができ上がったと思います。大変な御苦労をいただいたと私は思うんですね。しかし、このものは、たとえみんなでどれだけ苦労しても、今の金融問題、経済問題を解決するために百点満点がつけられるような答案が出るはずがないわけであります。したがって、それはそれぞれお互いに欠点がある、欠陥として出てくる。しかし、まず今必要なことは、国民の間にある金融不信を解くために時間が迫られている。時間が迫られている中で、実際はもう中小企業の経営者はきりきり舞いしている、こういうふうな思いでいっぱいじゃないかということを私は思うのでございます。 私が今申し上げたことをひとつ、まあおまえさんの言うことを考えてみようということでお返事をいただきまして、私の質問を終わりたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(小渕恵三君) 含蓄に富んだと申し上げますか、多年の先生の哲学をお聞きいたしました。ぜひそうしたことを十分受けとめて努力をしていきたいと思っております。 時間がありませんけれども、やっぱり政治の基本的に目指すものは、それこそ尭舜の時代から言えば鼓腹撃壌ということだろうと思います。衣食足りて礼節を知り、倉廩実ちて栄辱を知るという、日本人として本当にすばらしい国づくりをしていかなきゃならぬと思っております。 具体的には、二十一世紀に向けて六大改革を前内閣もいたしました。残念ながらそれを一時凍結しなければならない課題もありますけれども、先生の御指摘のように、環境、エネルギー、こうした新しい日本のすばらしい日本人の持つ力を発揮しながら、世界に向けて日本としてのすばらしい国家づくりのために、またこういった問題について積極的に予算的措置も講じながらいたしていきたい、このように考えております。
○山本正和君 終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、菅川健二君が委員を辞任され、その補欠として岩瀬良三君が選任されました。
○入澤肇君 最終局面でございますので、幾つか確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。 まず第一に、今度の金融再生法案の六十六条で、政府保証の規定が国会の議決の範囲内でなされるということが規定されておりますし、それから同法の附則の七条で、金融危機管理勘定、これは金融再生勘定と読みかえの規定がございます。 この金融再生勘定に対する政府保証の問題でございますけれども、形式的に言えば予算総則の第十一条の表の第十七、これの文字も修正するべきじゃないかと考えるんですが、いかがでしょうか。そのためには、当然のことながら、仮に十兆円という金額は動かさないとしても、その意味での補正予算を出して新しく手当てをすべきじゃないかと考えますけれども。
○衆議院議員(枝野幸男君) この金融再生法案での附則の部分に置かれました勘定の問題については、若干誤解等もいただいているようでございますが、基本的にこの法律によって金融安定化法は廃止をされるということで、従来の金融安定化法に基づく枠というものは、予算総則は残っておりますが、中身が空っぽになるという理解でございます。 そして、附則七条に書いておりますのは、例えばこの勘定のもとで、基本的にはこの勘定は保証の勘定ではございますが、保証が既に動き出してしまった部分、二兆八千億の部分がございます。その部分については残しておかなければならない、当然バランスシート上、国はバランスシートはつくりませんが一当然経理上残しておかなきゃならない、その部分がこの七条ということでございまして、この七条によって従来の安定化法の十兆の勘定を本再生法で流用するという趣旨ではございません。 私どもは、当然のことながら、この法律が通過、成立をさせていただきましたならば、非常に緊急の事態でございますので、政府から当然補正予算総則の改正部分は出てくるものと思っておりますし、出てこないということは、政府は危機感を持っていないということと解釈せざるを得ないなというふうに思っております。
○入澤肇君 そういうことであれば理解できるんですが、予算書、これも一つの法律の形式でございますし、実定法でまさか予算書の法律改正を経過措置を入れてやるということは今まで余り例がございませんから、それも来ていないし、どうするのかなと思ったんです。これは非常に今度の金融早期健全化スキームの法案にも関連することだと思いますので、今の答弁で一応了解しておきます。 それから二番目に、共管の問題がございました。 共管の問題は、これは非常に難しい問題を抱えているんです。私どもも今まで行政をやってきましたときに各省庁と共管の事務をたくさん持っていましたけれども、大事なことは、どの省が発議してどの省が受けるかということなのでございます。 この際に、一元化されるまでの間の大蔵省と金融再生委員会の事務処理につきまして、今の段階では無理かもしれませんけれども、具体的にどの事務はどちらが発議してどちらが協議を受けるかということは決められておるでしょうか。
○衆議院議員(池田元久君) お答えいたします。 自由党の発議者が答弁することになっておりましたが、同じでございますので答弁させていただきます。 金融再生委員会と大蔵省は、金融破綻処理と危機管理の企画立案については御承知のとおり共管となっております。したがって、企画立案に際しては委員会と大蔵省が互いに協議、調整して案を策定していくのでありまして、例えばある分野は委員会、別な分野は大蔵省というように役割分担をして案を作成するものでないというふうに理解しております。
○入澤肇君 実際にこれを執行して行政実務をやるということになりますと、やはりどちらが主になってやるかということは極めて大事でございまして、そこはお互いに、この事務はどちらが主、それからどちらが受けるというふうなことも決めておくことが私は絶対必要になってくると思います。そのことだけ申し上げておきます。 それから三つ目は、本法で三つの救済手段が規定されたわけです。これの選択の見通しとか、それから使われ方についてはどうお考えですか。
○衆議院議員(枝野幸男君) まず、お答えの前に、先ほどの答弁のときに申し上げなきゃいけなかったんですが、いろいろと権威ある、品格ある参議院の委員会の審議の中で不規則な発言がありましたことを皆さんにおわびを申し上げます。 今の御質問についてお答えを申し上げますが、基本的には金融機関の規模あるいはその金融機関の持っております特性によりましてさまざまな対応が出てくる。裁量行政はけしからぬということを私ども申し上げておりますが、最終的にはさまざまな状況を総合的に評価、判断するしかないというふうに思っております。 ただ、一般的には大手、そしてあるいは特定の地域において非常に大きなシェアを持っている、こういった金融機関については特別公的管理がどうしても必要であろうと、そこまでの影響を及ぼさない金融機関の場合は、まずは金融整理管財人というシステムに入った上で、そこの資産状態にそこから先はなると思います。 ブリッジバンクである程度つなぐに値するだけの大きな量のグレーゾーンといいますか、あるいは健全といいますか、そういった部分を抱えていればブリッジバンクでつないだ上でということ、あるいは非常に資産内容が悪い場合にはそういったつなぎも必要なく整理、清算、解体がなされる。ここは金融再生委員会が総合的に判断して決めていかざるを得ないだろうというふうに理解いたしております。
○委員長(坂野重信君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(坂野重信君) 速記を起こしてください。 ちょっと申し上げますけれども、答弁者の方は発言にひとつ慎重に注意していただきたいと思います。
○入澤肇君 時間が参りました。最後の質問にさせていただきます。 私どもは、しつこいようでございますが、特別公的管理を破綻前の金融機関に適用できるように修正されたということで反対しているわけでございます。また、衆議院に提案されております早期健全化スキーム、これにつきまして、資産査定の方法とかあるいは自己資本比率の算定基準をあいまいにしてしまいますと、実質破綻金融機関でも公的資金により救済が可能となってしまう。こうなりますと、もうすべて救済だということになって、その二つの法案が全くブリッジして一体になってしまうような感じになつちゃうんですね。これでは二つの法案をつくった意味がないと思うんです。 そういう意味では、現在審議している法案の具体的な運用基準を厳格に定めると同時に、健全化スキームの法案との違いをきちんと明確にしていただきたいと思います。そのことだけを確認して、質問を終わりたいと思います。
○衆議院議員(枝野幸男君) 提案者、発議者といたしましては、この特別公的管理に破綻前というのが入った部分につきましては、特別公的管理、入り口は若干広げさせていただきましたが、入った後の過程は、整理、清算、解体の手続であるということで、はっきりしているというふうに理解をいたしております。そうした意味では、早期健全化の話とは明確に区別ができていると思っております。 その上で、早期健全化と言われている法案が、実質破綻に近いような状況の金融機関に、つまり存続可能性のない金融機関に次々と金を入れられるという法律になれば、そもそもこの法律と矛盾をする、安定化法を廃止という部分と矛盾をするというふうに考えております。
○入澤肇君 最後に、総理と大蔵大臣、大変御苦労さまでした。お礼を申し上げて、終わります。(拍手)
○佐藤道夫君 総理と大蔵大臣に、朝来まことに御苦労でございますが、いましばらくおつき合いください。 銀行の破綻を取り上げてみたいと思いますけれども、これまでに破綻した銀行と金融機関に一つのパターンがあるように思われます。この中にも長銀は当然入るわけでありますけれども、ある日突然のようにワンマン経営者があらわれまして、十年、二十年という長期政権をしく。金融機関についてこんなことは本来考えられないんですけれども、そういうことがあります。周辺をイエスマンが取り巻いて、全然周辺の声は本人の耳には入らない。そして、自分の趣味に応じて、ワンマンの趣味に応じて、ゴルフが好きならばゴルフ場にのめり込んでいくとか、ホテルの愛好家はホテル融資にのめり込んでいくとか、そういうことが繰り返されてきて、ついには破綻。長銀がその典型だろうと、こう考えてもいいわけであります。 こんなことは大蔵省銀行局は百も承知の上で、この銀行はあのパターンにはまったな、少し危ないなということぐらいは気がつきそうなものでありますが、どうも気がついたような形跡は全くない。株主総会というのは、もう総会屋が仕切っておりますから、こういう場合には全然機能しない。最後はやはり大蔵省の監督に期待するしかないわけでありますけれども、これが、今も言いましたとおり、何の働きもしていない。 そこで、総理にお伺いいたしますけれども、総理は就任いたしまして、長銀問題の解決を一つの重要課題として考えられた、こう思います。そこで、大蔵省から事情を聞く際に、一体どうしてこんなになるまで監督権を発動しないでほうっておいたのか、今の私が言いましたパターンそっくりではないのか、その理由は何なのだということをお聞きになったと思います。それについて大蔵省はどういう回答をしたのか。それをお聞きすることが実は新しい金融機関の破綻に対する大変重要な教訓として残るんだろう、こう思いますので、どうか率直にその辺のところを御説明いただければと思います。
○国務大臣(小渕恵三君) 個々の金融機関の状況につきましては、私自身すべてその状況について把握しているつもりもございませんし、大蔵省当局からお聞きをしておりません。金融監督庁を通じましてそれぞれの状況については検査されておりまして、その状況につきましては報告をいただいておりますが、よって来る原因は、それは多年にわたる金融機関に対する行政のあり方として問題のあったことは承知をいたしておりますが、個々の金融機関の状態についての詳細な報告は求めておりません。
○佐藤道夫君 少しくおかしいように思います。深夜住友信託銀行の社長を呼んでいろいろ合併の話などもする、それぐらい長銀問題については総理は重大な関心を抱いていたことは間違いないと思います。 さすれば、長銀がなぜこういうことになったのか、ついでにほかの銀行は一体どういうことだったのか、それを食いとめる手だてはなかったのか、これはその要路にある人、要職にある人がだれでもすぐ思いついて発問することではないでしょうか。ただ説明を聞いて、ただの説明でもいいんですけれども、どういう説明が下の方からなされて、それについてどういうふうに判断されたのか、そこのところをお伺いしたいと言っているわけでありまして、一般論、形式論を聞いておるわけではございません。長銀に絞っても結構でございますから、もう少し詳しく理解した内容を話していただきたい、こう思うわけです。 だれが考えましても、長銀があんな状態で長い間放置されていた、大蔵省がしかるべき監督をしなかった、理解できることではありません。監督したなら監督したでもいいんです、いずれでもいいんですから、その中身を、むしろその中身といいましても総理が把握した中身をお伝えいただければと、こういうことでございます。
○国務大臣(小渕恵三君) 住友信託と長銀との合併問題につきましては、私が承知しておりますのは、長銀自身がどのような現在の事態に相なっておるかということについて関心を寄せたことは事実でありまして、それは、金融監督庁の調査等によりまして、また合併を目指して長銀自身がどのように経営者責任を感じ、またどのような指揮をするかその他につきまして、合併に至る状況になってきておるという状況は承知をいたしておりますが、長銀が生まれて以降どのように経過してきたかということのすべてを承知しているつもりではありません。
○佐藤道夫君 政治家としてつかまえた要点だけでも話していただきたい。政治家はそういうことにつきまして殊のほか才能がすぐれている、そういうふうに考えてお尋ねしたわけでございますけれども、どうも的確な回答が得られなかったので。 それでは、大蔵大臣にお尋ねいたします。 大蔵大臣は長銀の杉浦氏と殊のほかじっこんであって、ゴルフをともにしたりしていたということでもありますので、これは友人としてでもよろしいんですけれども、その折々に、おまえのところの銀行も大変だなとか、私の銀行は今こうなっておりまして、もういいかげんにしてブレーキをかけないと取り返しのつかないことになるぞとか、そういう話をされたことはあるのかないのか、それだけでも結構です。
○国務大臣(宮澤喜一君) 仕事の話は一切したことがございません。
○佐藤道夫君 これは絶対信用できませんよ。日本人は仕事人間ですから、パターをしながらでも、おまえの会社はどうなっている、そういう話をするのが当たり前ですよ。絶対しないなんということはあり得ないことですからね。どうして遠慮なさるんですか。きちっと話されてもいいでしょう、ある意味じゃ大事なことでございますから。
○国務大臣(宮澤喜一君) もともと仕事の上で友達になったのでございませんで、その前からですから、仕事の話は一切いたしません。
○佐藤道夫君 遺憾ながら時間切れでございますので、終わります。(拍手)
○水野誠一君 最後の質問者となりまして、本当に長い間いろいろおつき合いをいただきましてありがとうございました。 私、前回の質問のときに発議者の皆さんに財金分離のことをお尋ねいたしました。そうしましたところが、民主党の池田議員より大変自信に満ちたお答えをいただいたわけでありまして、与党三党がかつて交わした合意文書のあいまいさではなくて非常に明快な財金の完全分離をかち取ったものである、こういうお話であったわけであります。 そうこうしておりまして、私、まだ何かよくわからない点も一、二あったものですから、きょうまた重ねて質問をさせていただこうと思っておりましたら、先ほど民主党の峰崎委員より、私にかわってというか、この点を確認するということで御質問がありました。玉虫色という批判が一部であるけれども、決してそんなことではなくて、分離と金融行政の一元化は三党の合意事項であって、次期国会で必要な法整備を行う、そして必ず施行するので、二〇〇一年までに共管も外れ、企画立案は金融再生委員会に統合されると、こういうお答えがあったわけであります。これは大変意を強くしたわけであります。 きょうは、できれば自民党の方にもお答えをいただきたいと思っているんです。と申しますのは、私も与党の一角でいろいろ合意文書というのを幾つもつくらせていただいている。問題になっております破綻処理あるいは危機管理は金融システムが安定化するまで当分の間、大蔵省に置くと、こういう文書も交わしたわけでありますが、これは往々にして文章というのは読み方によって大きく意味が違う。我々、二、三年のイメージで討議をしていたら、この合意が終わった途端に、当分の間というのは、二、三年の場合もあるけれども百年続いたケースも過去にあったなどとその当事者がおっしゃる。これは経験豊かな政治家というか手だれの政治家というか、そういう方も大変多いのが自民党でありますので、この解釈が果たして池田議員の解釈どおりなのか、それについてぜひ自民党の方にもお尋ねをしたい。 まず、そこでお尋ねしたい点、もうきょうは本当に一点に絞らせていただいておりますが、金融再生委員会というのは具体的にいつ立ち上がるのかということなんです。民主党では、一九九九年、来年の一月一日ということを最初おっしゃっていたんじゃないかと思うんですが、これが二〇〇〇年の一月一日という形になっているのか、あるいはその中間的なところで立ち上がるのか。これはまだ今時点で明確なお答えができないということかもしれないんですが、大体イメージとしてでも結構でありますが、立ち上がりについて民主党と自民党と双方に御見解を伺いたい。 それから、もう一つ双方に確認をさせていただきたいことは、金融再生委員会をまず立ち上げて、その後、つまり二〇〇〇年の一月一日までに財政と金融の完全分離を行うという二段構えということで解釈してよろしいのかどうか、この二点についてそれぞれお答えをいただければと思います。
○衆議院議員(池田元久君) まず、金融再生委員会は、この法律案にございますが、施行後二カ月以内に発足をいたします。そして、当面は金融の検査・監督と金融の破綻処理、それに大蔵省と共管になりますが破綻処理制度と危機管理の企画立案を担当します。そして、二〇〇〇年一月一日までに一元化しますから、金融再生委員会に、大蔵省にあります国内金融の企画立案も含めて統合されると、こういうふうに理解しております。
○衆議院議員(津島雄二君) 永野委員のこの問題に対する大変な御熱意に敬意を表したいと思います。 私ども、財政、金融の分離の問題については、原案、修正案提出の段階で大変に長い時間をかけて討議をさせていただきましたが、その結果といたしまして、私どもの政治のトップ、総理が直接確認をしておられるわけでありまして、私どもはその総理と各党の党首との間の確認の趣旨を誠実に守ってやっていくことに尽きるというふうに考えております。 トップで確認をされた事項については、私から今さら読み上げるまでもなく、次期通常国会終了までに必要な法整備を行うということでございまして、これを受けてさらにその後幹事長レベルにおきまして、そして私ども実務者レベルにおきましてさらにこれを補足する申し合わせをしていることも事実でございます。
○水野誠一君 今のお答えは基本的に民主党、自民党ともに見解は一致しているということだと理解をしてよろしいかと思います。ともかく、この財金分離というのは金融システム改革の一つの非常に重要なかなめだと思いますので、ひとつこういった改革は慎重にかつ大胆に行っていただきたい、特に経済再建内閣という名に恥じない政策をぜひこれからも続けていっていただきたいと思います。 これを最後に私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 他に御発言もないようですので、衆議院提出の債権管理回収業に関する特別措置法案、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案、金融再生委員会設置法案、預金保険法の一部を改正する法律案及び金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、以上八案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより各案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、金融再生法など八法案に対する反対討論を行います。 今、不況に苦しむ国民や中小業者は救わず、なぜ銀行には税金投入なのかという国民の怒りの声が広がっています。本法案は衆議院での自民、民主、平和・改革の三党修正により事実上全く新しい法案となり、実質審議は参議院でようやく始まったばかりであります。このわずかの審議でさえ、この法案が野方図な公的資金投入による銀行応援法であることが鮮明になりました。それをわずか四日間の審議で採決を強行することは、議会制民主主義をじゅうりんするものであり、強く抗議するものであります。 本法案に反対する第一の理由は、この法案によって、破綻前の金融機関に対しても、特別公的管理すなわち一時国有化し、株式の取得、運転資金や営業損失などの穴埋め、国の負担と責任による不良債権処理一受け皿銀行への資本注入など、さまざまな形で公的資金を投入することになったからであり、まさに言語道断です。これによって長銀問題でも数兆円規模の公的資金投入の道が開かれたのであります。 金融機関が債務超過でなく、すなわち破綻していないなら、預金者の保護も借り手保護も自力でできるはずであります。にもかかわらず、何の責任もない国民に銀行の乱脈経営のツケを負わせることに何の道理もなく、金融機関に一層のモラルハザードを招くだけであります。 反対の第二の理由は、いわゆる健全な銀行も含め、すべての金融機関から公的資金による不良債権買い取りをできるようにしたことであります。総額八十兆円とも百兆円とも言われる金融機関の不良債権処理を迅速に進めるとなれば、投入される税金の額は空前の規模となってしまうことは明らかであります。国民の税金で銀行業界の不良債権処理を行おうとする暴挙を許すわけにはいきません。 第三の理由は、本法案によって形の上では現行十三兆円の資本注入の枠組みは一たん廃止するものの、既にその成立前かち衆議院に早期健全化法案が提出され、健全銀行にだけでなく、新たに過少資本の銀行にも資本注入を行えるようにしょうとしていることであります。十三兆円の枠組みを廃止して当面十兆円というものの、実際にそれで足りなければ三十兆円という規模の資金を投入する仕組みであることが審議の中で明らかになりました。 金融機関の破綻や不良債権の処理は税金を使わず銀行業界の自己責任、自己負担の原則で行うべきであります。そうしてこそ銀行業界に健全な自己規律が確立し、金融システムの信頼を回復させる道である、このことを強調して、反対討論を終わります。(拍手)
○峰崎直樹君 私は、ただいま議題となっております八法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明の三会派を代表し、いずれも賛成の立場から討論を行うものであります。 我が国の金融業界を取り巻く環境は申すまでもなく厳しい状況に置かれております。このまま放置すれば世界経済にも大きな影響を与えると言っても過言ではありません。こうした中で、与野党が共同で議員立法として金融再生のための八法案を提出したことは極めて画期的なことと評価いたします。 戦後初めて経験する深刻な金融不安に際し、金融機関の破綻処理等についてのさまざまな事態に応じ得るよう、金融整理管財人制度、ブリッジバンク制度、特別公的管理制度の三種類の枠組みを用意して、最も効果的な制度の利用が可能となっております。また、これにより金融危機の象徴でもあります日本長期信用銀行の取り扱いについても一定の道がつけられていると考えます。 以下、法案に賛成の理由を申し上げます。 第一は、衆議院送付の各法律案によって、金融システムの安定化へ向けて大きく歩み始めたことであります。 世界第二位の経済大国の金融不安が世界に与える影響は、与野党を通じた議員共通の危機意識であります。このため、国民の直接の請託を受けて責任をとるべき立場にある国会議員みずからが主体となって、曲折はありましたが、立場の違いを乗り越えて真剣に協議し、手づくりでつくり上げたものであります。この強固なスクラムこそが金融システムの安定化に向けた我が国の力強い取り組みとして、世界に対し明確なメッセージとなって伝わるものと確信するからであります。 理由の第二は、金融再生法案が六つの原則に基づき、不良債権問題を先送りせず、二〇〇一年三月までに集中的に破綻処理策を実施する旨の宣言をしている点であります。 六つの原則とは、破綻した金融機関の不良債権などの財務内容その他の経営状況を開示すること、経営の健全性の確保が困難な金融機関を存続させないこと、破綻した金融機関の株主及び経営者などの責任を明確にすること、預金者などを保護すること、金融機関の金融仲介機能を維持すること、金融機関の破綻処理費用が最小となることであります。この原則は、情報開示の徹底、市場原理の尊重、モラルハザードの回避、セーフティーネットの構築、国民負担の軽減という強い要請から成り立っており、極めて時宜にかなっていると考えるからであります。 理由の第三は、かねて懸案であった財政と金融との完全分離あるいは金融行政一元化に向けて踏み出した点であります。 日本型経済システムの転換を進める上で財政と金融の分離は大きな課題でありました。さきに金融監督庁の設置がなされたとはいえ、その内容や展望について不明確な部分が残っていましたが、今回の金融行政の明確化によって、ビッグバンを進める我が国金融界の発展に大きく寄与するものと考えられるからであります。 理由の第四は、金融機関の不良債権の実態、財務状況に関する情報開示について、一定の実態を反映するものとなる点であります。 我が国の金融システムに対する国際的な信頼性を確保し、信用秩序の安定を図る観点から資産査定の公表を実施することとなります。国内の中小零細企業に対する信用収縮が助長されないように実施時期、公表内容などについて十分配慮した上で効果的な情報開示がなされることとなります。世界の懸念は、不良債権の規模もさることながら、金融機関の経営の実態が不透明であることからさまざまな憶測を呼んでいたのでありまして、これにより懸念が払拭されることとなるからであります。 以上の理由を申し上げましたが、本法案の成立により、我が国金融の危機的状況から速やかな脱却がなされるよう関係者の努力を期待し、賛成の討論といたします。(拍手)
○入澤肇君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました法案のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案を除くすべての法案に賛成し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案については反対する立場から討論をいたします。 住専処理に端を発する不良債権処理策の誤りと、政府の不良債権処理見通しのおくれが、今日の金融不安を招いているのは明白な事実であります。 自由党は早くから、破綻金融機関の処理方策も大切だが、金融システム安定化策はもっと大切であると一貫して主張してきた唯一の政党であります。政府は、長銀の救済を金融システム安定化策として行うことにこだわり続け、無用の混乱を生じさせました。金融問題を政治問題としてしまったのは、政府・自民党にほかなりません。 預金者は、預金保険により全額保護されております。また、決済システムの維持に国や日本銀行が責任を負って、デフォルトを起こさないようにするのは当然であります。借り手は、中小企業信用保険公庫など、信用保証制度を改革することによって支援することが十分可能です。政府は、金融機関が破綻すれば大変なことになるというのではなく、破綻金融機関は清算するべきであり、金融機関が破綻しても対応は万全であると言うべきであります。 野党三党は、三党首の合意結果に基づき、破綻金融機関を整理、清算するための法律案を提出いたしました。衆議院で可決し、参議院に送られてきた金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案は、当初の野党三党案からかけ離れているものであります。 以下、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案に反対する理由を申し述べます。 まず第一に、当初の野党三党案は、破綻金融機関の清算、整理のための法律であるにもかかわらず、この法律案では、破綻であることを認めないままに特別公的管理に入ることができることとしていることであります。 第二に、当初の野党三党案では、特別公的管理下にある金融機関に対し、金融再生勘定からその業務の実施により生じた損失の補てんを行うことができるとしていたのに加えて、預金保険法上の資金援助をも認めていることであります。 第三に、破綻金融機関の処理ではないにもかかわらず、営業の譲り受けまたは株式の譲り受けを行う金融機関に株式引き受け等の資金援助を行えるとしている点であります。 これらの諸点は、事実上債務超過に陥っていると見られる長銀について、生きたまま特別公的管理下に置き、資金を贈与した上で生きたまま他の金融機関に全株式売却することを可能とすることを念頭に置いたものではないかとの懸念をぬぐい去ることはできません。破綻金融機関を整理、清算するという野党三党の当初案の原則から逸脱するものであります。 以上、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案については反対し、他のすべての法律案については賛成する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより順次八案の採決に入ります。 まず、債権管理回収業に関する特別措置法案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。次に、特定競売手続における現況調査及び評価等の特例に関する臨時措置法案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、金融再生委員会設置法案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、預金保険法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、金融再生委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、各法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十九分散会