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143回国会衆議院1998/09/18

労働委員会 第3号

発言数
157
登壇者
19
会派数
6
開催日
1998/09/18

会議録

岩田順介民主党

○岩田委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件、労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。荒井広幸君。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 おはようございます。委員長そして新大臣をお迎えしましてトップバッターでやらせていただきます。申し合わせで時間が少し繰り上がりますので、いい御答弁をいただけるように、私も一生懸命質問をさせていただきたいというふうに思っております。  端的にお尋ねをいたしますが、今度政労使でつくられるという雇用対策会議の設置について、この会議の設置の意義及びその内容、またどういう構成員でこれを設置しようとするのか、お尋ねいたします。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 政労使の雇用対策会議につきましては、十六日の夕刻、連合と日経連の両会長が労働大臣に正式に設置の要請をされましたのを受けまして、現在そのための準備を急いで進めているところであります。  この会議は、現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえまして、政労使が率直に意見交換を行い、三者一体となって雇用の安定、創国策を推進するために開催するものでございます。会議の場におきまして政労使共通の認識が得られましたものにつきましては、労働大臣より、既に設置されております政府の産業構造転換・雇用対策本部に報告をさせていただきまして、政府全体としての新産業創出、雇用創出等の対策に反映させていきたいと考えております。  なお、構成メンバーにつきましては、日経連、連合の両会長のほか、官房長官、通産大臣にも御出席いただく方向で調整をいたしております。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 今お話がありましたように、厳しい雇用情勢ということが背景のようでございますけれども、これから、職場の憲法であり働く方々の憲法である労基法の改正、今参議院に行っておりますけれども、いろいろな状況の変化、特に少子・高齢化社会の中、そしてまたバブルの崩壊というようなことの傷も負いまして、世界のメガコンペティションといいますか大競争の中で、労使ともに生き抜いていくという厳しい状況の中では非常にこれは意義があることだと思いますし、厳しい雇用情勢だからということだけではなくて、これは今後ともに設置の継続なども考えながら議論をしていくことであろうなというふうに思うのです。  そこで、大臣、今度大臣が積極的に、申し入れを受けましての設置ということでございますけれども、これは誤解のないように聞いていただきたいわけでございますけれども、労働組合の組織率は三〇%を切っておるという現実があります。そして、特に中小企業の労働者の皆さんの組織率というのは低い、こういう現状もあるわけでございます。また、中小企業の企業種というような意味で言いましても、この団体の皆様方を十分に網羅しているというふうにはなかなか言えないのだと思います。  そういう意味で、連合さん、そして日経連さんということで代表にお入りをいただくわけでございますけれども、非常に重要なところはここだと私は思うのです。特に中小零細企業の労使それぞれの方々の意見を十分にどうくみ上げるか。その方々もくみ上げていただいておりますが、さらにそこを配慮いただくことと、それから一番しわ寄せを受けているもう一人の方々は障害者の方々であろうと思います。こういう方々が今非常に厳しい雇用状況になっておりますから、こうした弱い方々のお立場にも立っていただいた、今度の大臣が主宰をされます雇用対策会議であるべきだ、このように思っております。  そこで、大臣に姿勢といいますかお考えをお聞かせいただきたいのですが、中小零細企業の労使双方の御意見、そしてまた障害者というような皆様方のお声をどのようにくみ取るか、そしてその切実な願いにきちんとでき得る限り対応するか、ここについて、大臣の所見をお伺いいたします。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 政労使の雇用対策会議に関しましての設立経過につきましては労政局長から報告をさせていただいたとおりであります。構成メンバーについても御報告させていただいた線で早急に調整をしたいというふうに思っております。  そこで、先生からの御指摘、中小零細企業は、使用者側もあるいは労働者側も、こういうまさに一番肝心なところの声をその構成メンバーでちゃんと吸い上げることができるのか、あるいは障害者については、この雇用失業状況の悪化する中で最も厳しい状況にあるのではないか、そういう声をしっかりとくみ上げよという御指摘であります。  もちろん連合もあるいは日経連もそれぞれすべてを網羅して全く漏れなくということには至っておりませんけれども、しかし、そういうところが一番厳しい状況にあるということは、両者そして私も一番よく承知をいたしております。  これから、雇用失業状況のこの厳しい状況が緩和していくまでの間、一応当面この会議を続行していくつもりでありますし、政労使で合意が成った案件については、既に政府に設けてあります産業構造転換・雇用対策本部、これはすべての閣僚が構成員になっておりますが、そこに合意が成ったものを上げて、具体的な施策化、予算化をしていきたいと思っております。その際にも、先生の御指摘は政労使三者でしっかりと踏まえて、特に気をつけて取り組んでいきたいというふうに思っております。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 大臣のお話で、その三者の皆さんそれぞれの幅広くまた深い御意見で問題点の解決策を見出していただけると思いますので、これは非常に期待しております。ですから、どうぞ三位一体でいいものができますように、そして、それをまた我々も議論をして、きちんと予算、場合によっては法律というようなことでの対応をしていきたいというふうに思う次第です。  さて、中小零細というような立場でいいますと、私も労働委員会に参画させていただいて日が短いのですけれども、雇用調整助成金、これは非常に有効でございます。特に今の不況の中で企業が維持され、雇用が維持される、こういう意味では非常に大切なものでありますが、中小企業の場合、この利用状況、効果はどういうふうになっているのか、具体的にちょっと総括していただきたいのです。  それから、これも含めまして、どちらかというと景気変動に対するものということが雇用調整の場合は念頭にあったと思うのです。ただ、冒頭申し上げましたが、少子・高齢化社会で日本全体の構造が変わる、そしてまた産業構造というものも世界的な市場化、競争の中で変わっていく、こういったことを踏まえますと、一つの大きな状況というのは、産業構造の変化に伴って労働移動という側面が非常に強くなってきていますから、顕著に出ておりますので、これからは、労働移動などに敏感に反応して新しい産業や企業を創出していく、またそれを伸ばしていく、そういうような支援という意味での助成金制度というものをするべきである、このように考えております。  この点につきまして、実情、態様がどうなっているか、お尋ねいたします。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 お答えいたします。  まず、雇用調整助成金につきまして、この利用状況等でございますが、緊急雇用開発プログラムの中におきまして、六月十八日でございますが、助成率の引き上げを実施いたしまして、この制度の活用を図っているわけでございますが、景気の低迷に伴いまして指定業種も急増いたしておりまして、今後支給が見込まれます休業あるいは教育訓練等の計画対象者数、これはプログラム実施後、七月時点で十二万人となっておりまして、この緊急雇用開発プログラムの実施以前に比べまして約三倍の増加というふうになっております。  また、支給する事業所数で見ますと、中小企業の割合が九割を超えておりまして、企業の雇用維持のためにこの雇用調整助成金が相当有効に活用されているというふうに考えております。  それから、御指摘の新しい時代に即した助成金制度につきましては、産業構造の変化等に伴います労働移動、これに機動的に対処するという観点から、平成七年度から、業種雇用安定法に基づきまして雇用調整助成金の活用を図るとともに、産業間、企業間の失業なき労働移動を支援する労働移動雇用安定助成金制度を設けまして、企業に対する支援を行っているところでございます。  また、新たな雇用機会の創出という観点から、中小企業労働力確保法に基づきます助成金を支給し、新分野展開を行う中小企業の人材確保を支援しているところでございます。  今後とも、必要な対策について検討してまいりたいというふうに考えております。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 四月から七月の数字などもいただいております。三倍というお話がありましたけれども、非常にこれは効果的ではあると思います。  しかし一方で、企業主の方も、そしてまたこれは働いている皆さんもそうだと思うのですが、意外に、雇用調整助成金というもの、薄ぼんやりとは知っているが、積極的に職安などに行っていないとか、どんなものかまだきちんと相談していないというような方も多いようですから、こうした制度のあることをなお一層周知徹底をしていただいて、また、その相談に乗りやすい環境を引き続きつくっていただきたいと思っているわけです。  これは最後に大臣の方にまた質疑をさせていただくとして、産業構造の変化という中での労働移動というものが顕著でございますから新しい対応をいただける、こういうことでございました。  そこで、これは大臣の今までの分野にもなってくるところに入らせていただくのですが、産業構造の改革をしていくということだけでは実は——働いている人の自己実現というのが働く中で達成されるということも私は本当だと思います。仕事をきょうは休みたいなと思うときがお互いにあるわけではございますが、働くことがやはり喜びであり、自分を実現していくことだということはもう疑いのないことなのです。そういう中で、産業構造の変革だから、それに追われて働く人たちがあるいは会社の方もそれによって逆に苦しみを味わうということもあるわけですから、働く方々の自己実現を積極的に図りながら、そして同時に雇用を吸収してもらう、あるいは雇用を吸収していけるように経営者の方はしてもらう、そういう積極的な新しい就業形態をどうつくっていくかということが大切だと思います。それが今度の会議の一つの大きなポイントでもあると思うのです。  そこで、労働省で取り組んでおりますが、テレワークということは非常に可能性があることだと私は思います。テレワークということになりますと非常に広範囲な話になりますが、会社の中でのテレワーク、それから独立自営をしてテレワークをする、こういうのがあるのだそうでございまして、これはテレワーク白書ということで、日本サテライトオフィス協会が初めて白書を出しておるのでございますけれども、テレワークの中にこういう考え方がある。  SOHOというのがあるのだそうですけれども、「個人起業家や自営業者が小規模オフィスや自宅で、組織にとらわれず、独立して情報通信ネットワークを活用した新しいビジネスに取り組むこと」をSOHOと言う。ですから、この場合は企業の中でテレワークをするというのではなくて独立ということなのですが、ただし、現実に今の日本、世界で主流なのは、企業の中にあって自分の自宅で情報通信ネットワークを活用して仕事をする、こういうようなことを含めてテレワークと広く呼んでいるようでございますが、これは非常に効果がある分野だと思います。  自分がそういう形態で働くことが自分の働くことの意欲や自己実現につながるのだと潜在的に思っている人は非常に多いというふうに思います。最近のビジネス書やいろいろな週刊誌などを読んでもこれに関しての記事が多くなっているのもその一方のあらわれではないかというふうに思います。  そこで、こうしたテレワークにつきまして、労働省としてはどんなテレワークを推進する環境整備をしているか、ここをお知らせいただきたいと思います。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 先生御指摘のように、テレワークは、勤労者の方から見ましても、自立的な働き方ができるとか通勤負担が軽減されるということで、自由時間、ゆとりが生まれる等々のメリットがあるほか、地域の多様な就業機会を拡大するという観点からも大変期待をされております。  そうしたことで、労働省としては、平成八年度以来いろいろな普及啓蒙活動をやっております。例えば、テレワークに関心を持ちます企業あるいは勤労者の方々にシンポジウム等を開いてPRをする、あるいは、テレワークを実際に導入した企業の事例集をつくりまして配付する等のことをやっております。また、テレワークをした企業、個人等のデータベースをつくりまして情報提供するということも手がけております。  こうした施策は、労働省単独ではなかなか範囲が狭いところもございますので、特に郵政省と連携をとりまして、郵政省はテレワークのインフラ整備、うちの方は働くという観点からのソフト関係のノウハウの普及等々のことで連携をとっておりまして、平成十一年度につきましても、私どもとしては、テレワーク体験・相談センターというものをつくりましてさらなる環境整備を行っていきたい、かように考えております。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 冒頭、局長からお話がありましたように、ゆとりある生活とか自由時間の増大、こういう積極的に評価する面も多々あるわけですが、何事するにも先と影というものもありますので、その辺の事例を取り組みとしてきちんとまとめていただきながら、やはり今度の労基法の改正、労働形態の多様化に応じてどうするか、こういう職場の憲法の中身もいろいろな意味で充実していかなくちゃならない、その分野のテレワークとの兼ね合いというのも非常にこれから考えていかなくちゃならないことですから、何かマイナスができてからどうということではなくて、その前にきちんと対応できるような積極的なテレワークに対する取り組みをお願いしておきたいと思います。  さて、そうしたことで労働移動ということになってまいります。自己実現のためにも企業から企業、あるいは産業間を移動する、そしてまた自立するという人も出てくるわけですね。自分で自立する。特にテレワーク、SOHOというのはそういう傾向が非常に強い。  そういうふうになってまいりましたときに、年金というものが自己実現をする場合の大きなネックになる、移動する場合のネックになる。それは、やはり老後のきちんとした保障が何ら見えてこない。それから、逆に言えば自分が企業に縛りつけられる。まあ日本型のいい面、多々あります。私は否定するわけではありませんが、終身雇用、年功賃金、こういういい面も持ちながら、逆に縛りつける要素になっていたのはもう一つ年金であったかなというふうに思いますので、移動性のある年金、こういったことについて労働省、お取り組みをしておりますけれども、どんな考えでございましょうか。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 先生御指摘のように、今後、産業構造の変化や勤労者の就業意識の変化等を踏まえまして、労働移動の増加が確実に予想されます。そうした中で、私どもといたしましても、勤労者が高齢期に安定的な所得確保を図る、そういう手段として年金が大きな役割を持っておりますので、それのポータビリティーについては大変重要なことだと認識しております。  年金審議会におきましてもこうした議論がなされていると承知しておりますが、労働省といたしましては、現在ございます財形年金貯蓄制度を見直す、そうした中でアメリカで普及しております四〇一Kプラン、こうしたものも参考にしながら、サラリーマンが転職する際にポータビリティーを確保できる勤労者拠出型の個人年金制度というものを創設いたしたいという方向で現在議論を進めているところでございます。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 この勤労者拠出型の年金でございますが、これはもう早期に私は導入をするべきである。それが老後の保障とそれから自己実現をするためのいろいろな労働移動、こういったものにこたえられる一つの大きな道であるということでございます。  さて、大臣、この緊急なまた深刻な雇用の中で、一義的にはこれは経済の問題が非常に強いのですが、大臣として積極的に、働く皆さんの立場からどうするかということで今度会議を持っていただいたわけでございます。産業政策、大臣の長年のお立場でいろいろな御活動をされてまいりました。同時に働く立場ということで御活動されてきたわけですが、やはり縦割り行政というようなこともよく批判をされます。経済、まあ産業政策ですね、産業政策と雇用対策というものをどのように結びつけて雇用機会をつくっていかれるのか、改めて大臣にお尋ねをいたします。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。私は、労働大臣に就任をいたしまして、それまでの産業政策を担当してきた経験をどう生かそうかということをまず考えました。労働省の政策は社会の安定にとって非常に大事な政策でありますが、ただ、それは今まで雇用を維持していくということが中心であります。それは当然中心であるべきでありますし、これからも中心なんでありますけれども、手をこまねいていたのではじり貧になるんではないか。  雇用調整助成金というのは、先生よく御存じのとおり、景気が回復するまで頑張ってもらいたい、本来であるならば失業を生じてしまう企業に対して、補助金を出すので持ちこたえてくれ、その間に能力開発とか出向等々で対応をしてほしい、いずれ必ず景気がよくなったときにはまた労働力が必要になるんだからという対策、これが中心的な精神であります。  これからはもっと進んで、雇用の受け皿をつくっていく。これは、第一義的には産業政策でありますし財政政策であります。しかし、これは他の省がやることですということで傍観するのではなくて、雇用との連携ということで踏み込んでいけないかという問題提起をさせていただきました。もちろん、今までベンチャー支援という政策も労働省は持っております。中小労確法の中で、通産省と連携をとって、高度の人材を採用する場合の支援等を行っておりますが、開業する、業を起こすことについてもっと踏み込めないか。つまり、今の失業は何かといいますと、開業率と廃業率が逆転をしている。つまり日本の中で会社の数が減っていっているということに大きな問題があるわけですから、会社の数、企業の数をふやしていくということに雇用政策からも踏み込んでいったらどうだということで提言をさせていただきました。  実は、きのう労働省としてのプランを組みまして、きょうから通産省とすり合わせを始めます。先生御指摘の視点に立って取り組んでいく所存でございます。

荒井広幸自由民主党

○荒井委員 大臣の長年の御見識とお取り組みの中から、働く方々の立場で新たな受け皿をつくっていただくというのは大変期待するところでございます。特に、意欲を持って取り組んでいく、失業者の方から新規ということのねらいはすごく重要で、活力を持たせることだと私は思います。  同時に、大臣、今後、サラリーマンから失業しなくても転職ということを、それは自立という意味なんですが、独自にテレワークなどをしていく、SOHOをやっていく、こういった方に対しての支援もまた御検討をいただきますように、政策通の大臣ですので、ひとつお願いを申し上げまして、時間が参りましたので終わりといたします。ありがとうございました。

岩田順介民主党

○岩田委員長 次に、能勢和子さん。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 おはようございます。  今、荒井議員からも質問がございましたけれども、現在の雇用情勢は大変厳しいものであることは、もうみんなが認識しているところであります。  しかし、視点を変えて見たときに、例えば雇用状況がよくなったとしても、求職する者に能力がなければ決して雇用者側は要らないわけであります。と申しますのは、働きを求める者、例えばきょうまで家庭の主婦でいたけれども何か仕事がないかしらという人たちも求職の数と計算すれば失業率が上がってしまうと、その数値が誤ってしまうという問題です。働きを求める者自身の能力といいますか、いわゆるエンプロイアビリティー、雇用可能性といいますか職業能力、こういうものを身につけなかったら求人側も要らないというふうに思うわけであります。  労働省といたしましても、そういうふうな視点からそうした職業能力に磨きをかけるという体制をとっていかなければいけない。いわゆる体系的な職業能力の開発とか向上というのも大きな労働行政の仕事じゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、労働省としてどのような対策を講じようとしているのかということを示していただきたいと思うわけであります。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 先生御指摘のとおり、職業能力を常に向上させていくということは非常に大事なことであります。日本が今日まで発展をしてきたその秘訣といいますか、原因は、もちろん企業の創造性もありますけれども、働く方々の高い労働力の質だと思います。これは、勤勉性ということもそうでありますし、それから一人一人の能力が非常に高いということが企業の全体的な質の向上に大きく貢献してきたと思います。  雇用のミスマッチといいますのは、こういう人が欲しいということに対してそういう人がきちっと手当てができるかということ、これは雇用の流動化、労働の移動にとって非常に大事なことでありますから、先生おっしゃるように、常に時代が求めている人材に個々の能力をバージョンアップさせていくということは、非常に大事だと思っております。  今まではとかくホワイトカラーの部分が見過ごされがちになってきましたけれども、これに関しても、もう一年前からアビリティガーデンというところでホワイトカラーの職業能力開発に積極的に取り組んでいく。私も視察をさせていただきましたが、非常に多様なメニューといいますかプログラムが組んでございました。  企業の側がそういう努力をするということを支援する予算措置、施策と、これから個人が企業と離れて教育訓練をしていくための支援の措置も十二月一日からスタートいたします。いろいろな合わせわざを使って、先生が御指摘のような働く者の能力開発に不断に取り組んでいくということをこれからも心がけていきたいと思っております。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 ありがとうございます。  そして、同じく、今高校卒業者あるいは大学卒業者が来春に向けて求職活動を行っているわけであります。今、均等法ができるのはできましたけれども、実際問題として、来春卒業します女子求職者といいますか就職希望者が、やはり困難な状況に置かれているのじゃないかなと思うわけでありますけれども、労働省はどのように認識されていらっしゃるのでしょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 新規学卒者の就職問題につきましては、なかなか厳しい状況にあるのは御指摘のとおりでございます。  まず今春の状況を見ますと、中学卒業者の就職率を見ますと、就職希望者のうち九五・五%が就職いたしております。これは前年に比べて若干低下しております。男女別に見ますと、男子が九五・七%、女子が九五・〇%で、若干女子が低いという結果になっております。また、今春の高校卒業者について見ますと、就職希望者の九八・二%が就職いたしております。前年に比べて若干低下しております。これを男女別に見ますと、男子が九八・六%、女子が九七・七%でございまして、若干やはり女子が低いという結果にはなっております。  来春の中学、高校卒予定の求人求職状況でございますが、七月末現在の状況は、中学、高校とも求職者数が減少している一方で求人数がそれを上回り大幅に減少しておりまして、その結果として、中学新卒者の求人倍率〇・四九倍、高校新卒者の求人倍率が〇・九八倍と、いずれも前年同期を相当大幅に下回っておりまして、厳しい状況にあるというふうに考えております。  私どもといたしましては、求人を一件でも多く確保するべく、文部省などの教育行政機関、学校及び経済団体との協議会を開催する、あるいは情報交換等を行う、経済団体への求人の要請、学校と連携した個別事業主への求人開拓、求人情報の迅速な提供等を行いまして、新卒者の就職に万全を尽くしてまいりたいと思います。  なお、高校の場合には、現実に就職活動が始まりますのは十月でございます。中卒につきましては年が明けて一月からということでございますが、いずれにいたしましても、万全を期して最大限努力してまいりたいと考えております。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 ありがとうございました。  最初の大臣の答弁のときもございましたけれども、高卒者にしても大学卒にしても、私たちが企業の中で人を受け入れてまいりますときに、高校を卒業してまいりまして、いわゆる一般の教育を受けて職場に参りましても、直ちに役立つことができないわけですよね、直ちに役立つ教育をもちろん求めているわけではありませんので。  そこで、高卒であれ、例えば大学卒業者が大きな企業、大きいのでなくてもいいですが、企業に入ってくる。どうしても大学で学んだ知識よりも実際の企業の方が上へ行っているわけで、大学卒だからといってそのままで使えないという状況がある。かなりの専門的な高度な技術あるいは技能というものを身につけなければ実際に働けない、そうすると仕事に喜びを持てないということで、生涯をかけるというような職業につけないという意味で、私は、特に高校卒業者の若い人たちが、高度な職業能力といいますか、そういう能力開発を行って、持てる能力が引き出せる、そういう仕事も一つは卒業後の教育の中で労働省にもあるのじゃないかなと。かなり潜在能力を持っていても、高校教育の三年間、あるいは中学の三年間の間には磨き切れていない能力をいかに開発していくか、これも労働行政の中で期待するところが大変多いわけであります。  そういう卒業者に対して力を身につけるということで労働省が今取り組んでいることについてアピールしていただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。

日比徹労働省大臣官房審議官

○日比政府委員 ただいま先生御指摘のように、高校卒業者の、実際に仕事についてからあるいはつくに当たりまして、職業能力の開発、非常に重要になっておると思っております。  しかも、御指摘のように、非常に技術革新等もいろいろ進むこういう経済状況下でございますので、いかにさらに高度化するかが課題でございます。私ども、従来から、能力開発施設につきましても短期大学校というものを設けておったところでございますが、今後、短期大学校の内容をさらに高度化するということとあわせまして、いよいよ来年度、大学校というものを各地に設置を順次 進めていきまして、高度な能力開発というものに真剣に取り組んでまいりたいと考えております。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 そのようにして高度な技術とか技能を身につけまして、いよいよ女性が仕事につきます。その間に結婚、出産、子育てということがあるわけであります。せっかく身につけて、いよいよ働くということ、国家のための働きができるということで、本人にとってもいいことであるわけですが、その途中、今女性が職場を離れるというのは、育児ということがあるわけです。確かに、男女ともに育児をするといっても、それぞれ特性があるわけでありまして、やはり母親の役割、父親の役割がありまして、どうしても職場を去っていくのは女性の方でございます。  私たちが一番希望するのは、育児休業法もあります、しかし、仕事を続けたいというときにどうしても希望しますのが、病院であれば院内保育であり、企業内保育、これがありますと仕事を続けられる。私自身も子供を育てながら仕事をずっと続けた人間ですが、一番困ったのはやはり育児の問題であった。これから働く入口が減っていく中で、女性も職場に出ていきます。男子に負けない能力を持ってくる女性たちが仕事を続けられるように、施設内保育といいますか企業内保育についてぜひともこれは力を入れていただきたい。私がいつもどの場でも言っている問題がこのことであります。  そして、もう一つ私が常々考えておりますのが、保育に伴う経済的負担を軽減する必要があると思うわけで、ぜひともこれは大臣にお願いでありますけれども、保育に伴う負担を税制上何らかの形で軽減できる対策はないだろうかということです。きょう一番お願いしたいのはこの点であります。  例えば、保育しますと、私どもが働くときは、収入の半分は子供を見てくれる、そのお守りといいますか、その方に半分を渡していた。しかし、税金は自分の全所得に対してかかっておりました。当時は保育所もない時代ですから、もう自分の収入を見てください、半分分けという形で、ずっと仕事と家庭と守ってきた。今はそういう意味では大変よくなってきて、女性が進出しやすい体制になってきました。しかし今、子供を育てる場合、零歳から三歳児まで、あるいは五歳までといったときが一番、大学よりもむしろお金がかかるのじゃないかと思いますね。この保育減税とその負担に伴います問題についてであります。  企業内保育の拡大、そして税金の問題、以上二点をお願いいたします。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 女性が社会進出をして自己実現をしていく、働いていくことに子供を産み育てることが障害になってしまってそれができないということであるならば、これはその障害を取り除いていかなければならないわけであります。そのために、労働省として今までもいろいろな施策を講じてまいりました。  例えば、企業内保育施設に補助金を出すとか、あるいは働きながらベビーシッターを使っていくことを企業が支援する場合に、その企業に対して補助金を出していくとか、環境整備をやってまいりました。あるいは法律の改正で育児休業に対して保険給付を二五%行う等々やってきておるわけでありますけれども、先生御指摘の後段の、いわゆる子育て減税についても大きな重要な政策テーマになっております。私自身も、大臣に就任する前に先生と一緒に税制調査会の席で主張をさせていただきましたけれども、うまく実りませんでした。これはこれからも次年度に向けての労働省の政策要求として取り組んでいきたいと思っておりますので、ぜひ応援をしていただきたいというふうに思います。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 大臣、ありがとうございます。この問題は、特にこれからの時代、子供の数も大変減ってくる中で、どうしても今から産み育てていただくために、どうぞ御検討いただきたいし、私どももそれに取り組んでいきたいと思っております。  大臣、私は大変古い時代に育ちましたので、女性が家庭を守り、しかも仕事を続けるということは、男であります主人に迷惑をかけなくて自分が仕事をしたいという時代でありましたから、家庭も守り仕事もする、そして子供も育てるというようなことで欲張ってきた時代の人間であります。  しかし、今、私自身の頭も切りかえていかなければいけませんけれども、男女がともに子供を育てて、そしてさらに今度は介護休業法もと。介護するとき休むこと、私個人としては、これは大変だな、たくさんの人を雇ってきた立場にいますと、職場でみんながどんどん休まれたら困るなという気持ちが内心あったのも事実であります。  しかし、今労働省自身が、男女が本当に生き生きと働くためには、企業も大変前向きな姿勢でなければならない、そのために、家庭にやさしい企業ということの普及事業を進められました。私も、これについて本当にそうだなということで、今やっと頭の切りかえができるようなことになつてきたわけです。労働省の新しいその取り組みに大変学び、そして応援する気持ちはあるわけでありますが、家庭にやさしい企業の普及事業について十一年度取り組んでいらっしゃいますけれども、どのように実際に取り組んでいこうとするのか、そのあたりを聞かせていただきたいと思います。

藤井龍子労働省女性局長

○藤井(龍)政府委員 育児や介護などの家族的責任を有する労働者が仕事と家庭の両立を図っていくためには、やはり事業主、企業の方々がそういう雇用環境の整備をしていくということが大変重要でございます。  そこで、今先生御紹介いただきましたけれども、私ども、厚生省と連携いたしまして、平成十一年度から家庭にやさしい企業という概念といいますか、そういう言葉でもって育児休業や介護休業制度を法律の水準以上の導入をしているところ、あるいはフレックスタイム制度でもって子育てを応援している企業などなど、あるいは育児・介護休業をとりやすい企業風土といいますか企業文化を持っている、そういったような企業がこれから二十一世紀に向けてはぜひ必要である。これからのエクセレントカンパニーというのはファミリー・フレンドリー・カンパニーでなければいけない。これは国際的にもかなり定着しつつある概念のようでございますので、ぜひ我が国でもこういった企業を普及促進させていきたいということで今予算要求をしているところでございます。  具体的には、厚生省と共同で、少子化時代の家族や企業のあり方を考えるシンポジウムというのを開催したいと思っております。少子化時代の家族のあり方というのは主として厚生省さんで御担当され、企業のあり方というのは私どもで担当するという形で連携を進めていきたいと思っております。  さらに、私どもで、家庭にやさしい企業というものの表彰制度を設けたい、ぜひ大臣表彰ということにしたいと思っておりますが。さらには中小企業の事業主団体さんに一定の助成金を支給いたしまして、約二カ年をかけまして、こういう家庭にやさしい企業という概念の定着をやっていただく、そういったような組み立てでただいま予算要求を行っておるところでございます。  これから予算獲得に向けて努力をいたしますとともに、いち早くそういった仕事と家庭を両立するための環境づくりというものに力を注いでまいりたいと思っておるところでございます。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 本当に二十一世紀、夢が開けるといいますか、私どもの頭自身も切りかえる中で、家庭にやさしい企業というのは本当にいい企業であろうと思います。ぜひその大臣表彰制度なんかもできまして、そういう企業がどんどん表彰組に入るのが本当に日本じゆうに広がっていくことを期待いたします。(発言する者あり)やじが飛んでおりますけれども、といいますのも、私は、すべての条件を整えて仕事に出てこいというような気持ちを持った時代もあったわけです。働くならば、すべての条件、身の回りをきちっと整理して仕事に出てこいというような古い考えがあったわけでありますけれども、そのぐらい仕事は厳しい ものだというふうな気持ちを持っておりましたけれども、今はそれではいけない、本当に企業と社会全体がそういう社会をつくっていかなければいけないということで私も認識したわけであります。  そして、いよいよ、私自身がそういう仕事をすることを通して自己実現できた、働くってこんなにいいことだな、家庭だけでなくて仕事を通して自己実現できるというのはこんなに幸せだなというふうな気持ちを持ってきたわけでありますけれども、果たして、若い子供たち、若いこれから働く人たちが学校を卒業して、本当に勤労の喜びとか汗を流すことの大切さを実感できるような教育になっているのかなという不安があるわけです。  これは労働省の責任か、あるいは文部省との連携を通しながら、そういう子供、青年といいますか、新しい働く人たちを育てていかなければいけない、本当に職業を通しての責任感あるいは意欲、輝くような労働人口をつくっていかなければいけないと思うわけであります。そのためには、労働省と文部省も一緒になって、これはどの場所でそういうことを育てていくのかな、あるいは家庭なのかな、いや家庭だけでは間に合わない、制度としてそうした職業教育をどこかでやらなければいけないというふうに思うわけでありますけれども、それも労働省の大きな仕事の一つじゃないかなと。  ただ雇われて働くのじゃなくてみずからが積極的に働いていくんだ、そして、職場を通しての自己実現というのは大変大事な、生き生きとした社会ができるというふうに思うわけで、そういう教育をどこかでしてほしいと思うわけでありますけれども、労働省、どんなようにお考えか、聞かせていただきたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 御指摘のとおりでございまして、労働省としてもそういう問題意識を持ってどこまで対応できるか、こういうことでございますが、私ども、文部省あるいは教育機関とも連携しながら、学生の方々について、産業や職業についての理解を深めるためのセミナーあるいは職場見学等を実施することによりまして職業意識の啓発を図っているところでございます。  また、大学、企業等のインターンシップ導入を促進するための体験実習講座.あるいは情報の収集、提供体制の整備等を内容といたしますインターンシップ導入促進支援事業、これを文部省や通産省と連携を図りながら今年度より開始したところでありまして、来年度につきましてはこれを高校にも試験的に広げていこうというようなことも検討いたしております。  それから、特に若い方々、学生あるいは生徒の方々が仕事を実際に体験してもらうというようなことも非常に重要でございまして、そういう観点から、仮称でございますが、勤労体験プラザというようなものを設置しょうということで、これは関西文化学研都市に設置予定でございます。そういうものを通じて、小学生、中学生あるいは高校生も含めた若い方が仕事を実際に体験してもらう、そういうことができるようなものも検討いたしているところでございます。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 ありがとうございました。ぜひ、そういうことの普及を通して、生き生きとした若人を育てていきたいと思います。  最後に大臣、そういうふうに若い皆様が汗を流すことを喜ぶ、働く喜びを感じるためには、本人の努力もさることながら、我が国の健全な未来を考えたとき、今度は制度として国の方でも、仕事につく皆さんが働くことを楽しいと思えるような基盤整備、汗を流すこと、そして仕事につくこと、しかも家庭と両立させながらという基盤整備、環境づくりといいますか、これはやはり労働行政の大きな仕事であると思っております。そのあたりで、労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 憲法二十七条に「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」という項目がございます。先生が今まで御指摘になった各般の点、先ほど征矢局長からもお話を申し上げましたインターンシップ制度であるとか勤労体験プラザ、特に若い人たちが勤労をする意欲といいますか、どうも職業意欲に欠けているのではないかという御指摘が今までもあります。これは、文部省の教育の中で、働く喜びということもしっかりと教えていかなければならないのだというふうに思っておりますが、我が省といたしましては、具体的に職場に出ていくところにあるいろいろな障壁を一つ一つ取り除いていく、男性も女性もひとしく職業を持つ、勤労をする喜びを味わえるような社会、そのために各種の施策と予算を講じていくということを今努力をしているところでございます。  先生は、まさに働く女性を代表しての立場からのお話でありますから、しっかりとそれを踏まえて取り組んでいきたいというふうに思っております。

能勢和子自由民主党

○能勢委員 どうもありがとうございました。二十一世紀に本当に勤労意欲のわく、元気な社会をつくるために頑張っていきたいと思います。  ありがとうございました。

岩田順介民主党

○岩田委員長 次に、鍵田節哉君。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 民主党の鍵田でございます。  前回の国会が終わりましてから以降、大阪、兵庫、京都、滋賀などの近畿地方を中心にしまして、あと広島、愛知、神奈川、東京などの特に中小企業などが集積しておるような地域を中心に、ずっと職場を訪問をしてまいりました。毎年そういうことを繰り返しておるのですが、一昨年ぐらいまでは、ようやく景気もよくなってきた、そして企業の業績も回復基調にあるのだというふうに言っておったわけでありますが、ことし行ってまいりますと、全くさま変わりしておる。中に例外として、円安のために輸出が比較的好調だというふうなところもあったわけでありますが、そういう例外を除きますと、ほとんどのところが不況に大変悩んでおる。  あるいはいろいろなところで、これは政策不況だというふうなことで言っておったわけでありますけれども、国民に対する大変な負担、増税、こういうふうなことの影響を受けまして、どの企業でも、会社更生法がようやく解けて自由になったのに、このままでいくと一年もしないうちにまた更生法を出さなくてはならない。また、今度は更生法の適用がなくなって、場合によっては破産ということにもなりかねないというふうな状況だというような企業もありました。雇調金を申請しようとするのだけれども業界でなかなか足並みがそろわない、リーダーシップを発揮する企業もないというようなことで悩んでおって、どうしたらいいんだというふうな相談があったり、中には、若干でも資産が残っている間に自主廃業して、皆さんに退職金を分けて終わりたい、このままでいったらじり貧なんだというようなところもたくさんございました。  とにかく、そういう話ばかり聞きながら七月、八月と来たわけなんですけれども、本年度の予算、さらには補正予算などを通じて、景気対策ということで、特に総合経済対策ということで十六兆円ほど使われておりますし、また緊急雇用開発プログラムなども実施されておるところでございますけれども、どうもそれがきいてきているように思えないわけです。  では、具体的にこういう施策が、いつごろ、どのようにきいてくるのか、具体的なことを一度お聞きをして、若干でも皆が安心できるような状況があるのかどうか、さらに、それが足らないとするならば、今経済戦略会議が設置されて動き出しておりますけれども、そういうところでもどんな議論をされて、実際にそれがこれからどのように生きてくるのか、それが失業率にどのように影響するのかというようなことについて、状況の報告をひとつ大臣の方からいただければと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 十六兆の総合経済対策を組みましたときに、経企庁が試算をいたしました。その試算によりますと、この経済対策が遅滞なく執行されるとGDPを二%程度上げる効果がある。そして、GDPと雇用の関係は、いわゆる雇用弾性値が〇・三から〇・七、〇・七まであるとはちょっとどうかと思いますが、少なくとも〇・三はあるだろうと。そうすると、少なく見積もっても三十万人の雇用創出効果はある。ただし、これは計算によればでございまして、私の実感として、この総合経済対策が今現在肌身に感じてきいてきているとは正直思えません。  この間の閣議で、その実施状況の報告がありました。地方自治体においては、もちろん参議院選その他があったということもあるでしょうが、執行状況がまだほとんど整っていないということでありました。これはもう、幾らいい案を組んでも、実行されなければ何の意味もないわけであります。  地方自治体にもいろいろな事情があります。神奈川県も、私の地元でありますが今大変な状況に陥っていますが、計画した経済対策が遅滞なく執行されるということが景気効果にとって非常に重要でありますから、これをしっかりと検証をしていく。あわせて二次補正の問題もあります。これも果敢に取り組んで、速やかに実行する。あるいは、先般、政労使の雇用対策会議、ここからも政労使での問題提起がなされるというふうに考えております。いろいろアイデアはたくさん出てくるわけでありますが、この執行体制をしっかり組んで、遅滞なく実行するということに心がけなければならないというふうに考えております。     〔委員長退席、中桐委員長代理着席〕

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 では、まだ十六兆円の総合経済対策も実際に全面的に稼働する、動き出すというところまではいっていないというふうに認識していいのではないかと思います。これも金融システムの再生と一緒で、とにかく遅いということが一番問題だと思うのですね。大企業でも、今長期化する不況の中でだんだん、余剰労働力もいっぱい持っているわけですから、それを持ち切れない、何とかしたいというふうな声が出てきつつあるわけでありますし、いろいろなリストラが今やられておるわけであります。中小企業などの場合には、本当に今耐え苦しんでいるわけでございますので、ぜひともそれを早急に実施をしていただきたいというふうに思っております。  それで、中小企業庁の方においでいただいていると思うのですが、特に私が回ってきましたところでは、東大阪とか川口とか、それから川崎、大田区の辺なんか、いわゆる中小企業サミットをやっておられるような、そういう中小企業が集積している地域をずっと回ってきたわけなのですけれども、そういうところの市とか区の行政の担当の方にお聞きをしましても、そこでも非常に倒産が相次いでおるというふうに聞いておるわけなのです。  別に普通の企業でも、倒産すればこれは大変なのですが、その中でも、とりわけ基盤技術を持っておる企業が倒産をいたしますとマイナスの波及効果というのは非常に大きいわけなのですね。例えばメッキ屋さんなんかが一軒倒産しますと、その周辺のいろいろな企業が全部そのメッキ屋さんに依存している、それがなくなったために、もうハチの巣をつついたようになって、あっちこっちヘメッキ屋さんを探しに行かなくてはならぬというようなこともあるわけですし、金型屋さんがなくなったとなったら、新製品をつくるのに、また金型屋さんを探さなくてはならないということになってくるわけです。そういう基盤技術を持っておるところがそろそろ倒産しかかってきておるというようなことも聞いておるわけであります。  やはり普通の倒産以上に、そういう中小企業の集積しているところの基盤技術を持った企業の倒産というのは非常に大きな影響を持っておりますので、そういう中小企業の集積している地域に対しての特別の倒産対策といいますか景気対策といいますか、そういうふうなことをやっておられるのか。また、どういうふうな方策をお考えになっておられるのか、その辺をお聞きをしたいと思います。

近藤誠中小企業庁指導部長

○近藤説明員 中小企業庁でございます。  今先生御指摘の中小企業が集積している地域における重要な企業の倒産につきまして、以下のような考え方で対処をいたしております。  まず、メッキ、金型等の技術は、我が国の物づくりの基盤でございまして、地域産業の自立的発展につきまして不可欠のものであるという観点でございます。このために、地域産業集積活性化法等の活用によりまして、まずこれらの中小企業の技術の高度化、それから新分野に対して進出する場合におきまして、予算、税制、金融上の総合的な支援策を講じるということで、これらの地域の中小企業の集積の活性化を図っておるところでございます。  御案内のとおり、本年八月の倒産件数は千四百六十三件ということでございまして、このうち千四百四十件が中小企業でございました。これは最近五年間の中小企業の平均倒産件数が千二百四十件でございますので、中小企業の倒産件数は依然高水準であるというふうに認識をいたしておるところでございます。  このような厳しい状況に対処をするために、信用保証協会の保証限度を倍額にする等の倒産関連保証制度、それから中小企業倒産防止共済制度というものを設けておりまして、対処をいたしておるところでございます。また、これは全国で二百七十件程度でございますけれども、主要な商工会議所等におきまして倒産防止の相談事業というものをやっておりまして、こういったことを総合いたしまして、中小企業の倒産防止に鋭意努めておるところでございます。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 一般的なそういう倒産防止のための施策もさることながら、中小企業の集積している地域に対する特別の配慮をしていただかないとその地域全体が崩壊してしまうということになりかねないわけでございますので、その辺はぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。  それでは次に、先ほど荒井委員の方からも御質問がございましたけれども、一昨日の連合や日経連との会談におきまして、政労使の会議を持つというふうにおっしゃられたわけです。質問がございましたし、それについてお答えも若干あったのですが、ちょっと私は聞き漏らしておるところもあると思うのですが、関係省庁の皆さんもこれには関連するのでしょうか。例えば中小企業庁だとか通産省だとかというふうなところも入ってやられるわけでしょうか、ちょっとお願いします。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 政労使によります雇用会議の構成メンバーは、労働大臣がこれは主宰しますが、それ以外に通産大臣そして官房長官ということを考えております。もちろん、それ以外の閣僚も必要に応じて出席をする。常設メンバーとしてはその三閣僚、連合と日経連ということになりますが、そこでまとまった共通の認識に至った施策について、政府で既につくっております雇用対策本部の方に持ち上げて具体化をしていくということを考えております。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 私も政労使の会合を持たれるということは大変結構なことだというふうに思っております。どうも昨年からことしにかけて連合との間もぎくしゃくしたような報道もいろいろ聞いておるわけですが、そういうことを乗り越えて、雇用問題というのは重要なことでございますので、ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、完全失業率が七月は四・一%ということで率的には若干改善されたということでありますが、有効求人倍率は〇・五〇と逆に悪くなってきておるわけでございます。先ほども申しましたけれども、ほとんどの企業で、一昨年あたりから見ましても、いわゆる景況が非常に悪くなってきているし、これからよくなっていくという見通しが全く立たない、そういう環境にあるわけでございまして、そういうことを考えますと、やはり金融システムの再生なり経済再建ということが急がれるわけでございます。もちろん失業をこれ以上生まないといういろいろな施策も大切でございますけれども、しかし、新しい産業をつくっていく、そういうことが大切になってくるのではなかろうかというふうに思っております。  そういう中で、本当に各企業、日本の場合には、いろいろなリストラをやりましても、できるだけ雇用には手をつけないということで長年やってきた労使慣行があるわけでありますけれども、どうもそれが限界に来ておるというふうに思うわけです。そういうことが堰を切ったように、もし雇用に手をつけ足すと今の四%ぐらいが五%なり六%になってくる可能性も含んでいるのではないか。  ドイツあたりでも日本と同じように二%から三%ぐらいでずっと維持しておったのが、堰を切って、雇用問題が起こってきますと六%、七%とすぐに高くなってきまして、そのまま今一〇%前後で張りついておるというようなことでございまして、日本がそうならないという保証はないのじゃないかというふうに思うわけであります。  また、そういうことを絶対に起こしてはならないと思いますので、そういう潜在的な失業者というのですか、いわゆる企業が抱えておる余剰労働力というものをどのように予測をされて、またそれに対する対策を立てようとされておるのか、その辺について認識をひとつお聞かせをいただきたいと思います。     〔中桐委員長代理退席、委員長着席〕

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 先生御指摘のいわゆる潜在失業者につきましては、直接把握する統計がございませんので、推計ということになっております。  したがいまして、推計である以上、どういう仮定を置くかによって大変結果がぶれておりまして、例えば平成十年、ことしに入りまして民間シンクタンクでいろいろ推計しておりますが、百五十万から四百万超までいろいろございます。  数字についてはそういうことで労働省として特に推計はいたしておりませんが、このところ景気が低迷していることに伴って雇用過剰感が高まっているということは、労働経済動向調査等で把握はいたしております。  この過剰雇用についての考え方でありますが、景気が悪いときに一時的にその時点で必要とされる以上の人を抱えておくということは、別の見方をいたしますと、アメリカのようにその時点に必要な人間だけに絞るということになりますと、拡大期あるいは安定期に入った場合の採用コスト、教育訓練のコストあるいは解雇するコストとか、そういうコスト面を考えますと、日本の企業がやっております一時的に人を抱えるということは、ある程度合理的な面があるというふうに考えております。  そうは申しましても、こうした一時的な余剰の状態が長期化するとか、それが現実の失業増となってあらわれるということを防ぐことが大事でございますので、そのためには何よりも景気の回復、経済の安定が重要であるというふうに考えております。  そうした観点で、政府は総合経済対策の実施に全力を挙げておりまして、労働省といたしましても、一時的な余剰労働力が実際の失業者として顕在化することがないように、雇用調整助成金の活用などに全力を挙げて今後とも努力をしていきたい、かように思っております。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 雇調金はまた後ほど議論をしたいというふうに思っておるわけです。  実際の雇用状況についての具体的な質問に入っていきたいと思うのですが、七月の失業率さらには有効求人倍率を年齢別に分析した数字が発表されておるわけでございますけれども、やはり非常に問題になりますのは、全体にも求人倍率も低いし失業者も多いわけですが、特に年齢別の求人倍率などに大きな格差がある。これは非常に問題ではないかな。  特に高齢者と若年者なんですが、高齢者というのはやはり世帯主が多いわけでありますし、こういう人たちが一たん失業しますとなかなか職につけないという実態は非常に深刻だというふうに思います。これらについてどのようなお考えを持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 鍵田先生御指摘のとおり、失業率全体も過去最悪の数値で非常に深刻でありますが、中でも中高年齢層と若年層の失業率が高くなっております。  ただ、この二つは中身を調べますと若干温度差がありまして、もう御承知だと思いますが、中高年齢層は求人倍率も低ければ、それを反映して失業率も高い。若年層は、求人倍率は中高年層に比べるとかなり高いのだけれども、失業率が高い。つまり自発的失業と非自発的失業の比率の問題であります。  ですから、その対策も若干の温度差がございますが、特に深刻な中高年齢層に関しまして、現在でも、御案内のとおり、総合経済対策の中の緊急雇用開発プログラムということで、そこに焦点を当てた施策を幾つかやっております。  例えば特定求職者雇用開発助成金の年齢要件、これは十歳下げさせていただいておりますし、それから求人開拓推進員、これもかなりふやさせていただいております。あるいは、特にこの年齢層はホワイトカラーの層がまた深刻になっておりますので、アビリティガーデンを通じてホワイトカラーの職業能力開発、それからカリキュラムを終わった方々に就業の場を紹介をするということをやらせていただいているところであります。  それから若年層に関しましては、若干温度差があると言いましたのは、職業意識がまだそう高くないということで、この啓発に取り組むということが他と若干違うところでありますが、加えて就職面接会の開催、これはかなり頻繁にやらせていただいております。あるいは職業相談の充実等、就業支援策に今懸命に取り組んでいるところでございます。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 いろいろな施策をやっていただいているということはよくわかるわけでありますが、やはりどうもそれだけでは本当に抜本的な解決にならないのではないかなという気がいたしますので、若干それに関連して議論をしたいというふうに思っておるわけであります。  一般の求人誌でありますとか新聞などの求人広告を見ておりましても、ほとんど年齢制限をしておるものが多いのですね。三十歳までとか四十歳までとか、いろいろな職種がほとんどそのようになっておるわけです。さらに、企業の中でリストラをする場合には、逆に白羽の矢が当たるのは高齢者だ。年功序列の賃金ということもありますから、人件費を節約しようとすると中高齢者だというふうなことになるのかもわかりませんが、やはり四十歳なり四十五歳以上の人の希望退職を募るとかいうような例がありまして、とにかく中高齢者というのはいつもいけにえにされるというところがあるわけなのです。  だから、排出される、いわゆる失業するのも中高齢者が多いし、そして今度新しくどこかへ就職しようとしてもなかなか就職できないのが中高年者の方々でして、これはやはりちょっと問題があるのではなかろうか。  均等法によりまして性における差別をしてはいけないということが法律で定められて、緩やかな法律ですからどれだけ実行力があるのかどうかまだ疑わしいところがありますが、それでも十年ほど、そういうことでかなり啓蒙的な役割も果たしてきておるわけでありますが、年齢による差別といいますか、そういうものが全く顧みられておらないという問題があるのです。  大企業のように、比較的長期雇用が常態化しておって年功序列賃金なんかがあったり年齢給なんかがあったりして、勤続が長くなって高齢者になれば給料も高いというふうなのは、もちろんなかなかそういうのを変えるというのは難しいのですが、中小企業ではほとんどもう年功序列賃金なんてないのですね。  賃金センサスなんか見ましても、学卒の十五歳とか十八歳とかという年齢と中高齢者でも、それほど賃金の格差があるわけではない。大体、能力の伸長に見合った賃金カーブというのですか、そういう実態に近づいてきておるというふうに思うわけで、中小企業ではもうほとんどが年功序列などというものは崩壊してしまっていると言ってもいいのではないかというふうに思うわけなのですが、それでも年齢による差別というのはなかなかなくならないという実態がございます。  アメリカでありますとかカナダとかニュージーランドやオーストラリアというふうなところでは、年齢による差別というのは、能力とか性とかそういうものと同じように同一労働同一賃金という観点、そういう雇用というふうな観点から差別をしてはいけないというような法律がもう既にできておる。ヨーロッパでも、ドイツとかスペインとかフィンランドあたりでもそういう法律があるというふうに聞いておるわけでありますが、そういう問題について、日本でもやはりそろそろ法制化に向けた準備をする時期に来ているのではないかというふうに思うわけでありますけれども、それらにつきまして、どんなお考えを持っておられるのか。  JIL、あれはいわゆる政府系の機関だと思うのですが、そこで出されておる通信教育の教科書なんかでも、年齢などによって差別をするのはいかがなものかというふうなことがやはり教科書の中にも書かれておるということで、私も見させていただいておるわけであります。  そういうことで、労働省としても何か検討されてきておるのではないかなというふうにも思うのですが、今そういう検討がどうなっておるのか、実際にこの問題についてどのように取り組まれようとしておるのか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います、

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 雇用の安定は社会の安定にまさに直結をしていますし、その安定の中に日本型雇用といいますか終身雇用制というのが大きく寄与していると私も思います。今後とも、この体制を雇用の中心にして、そして新しい雇用形態がそれに加わっていくという形がベストだと私は思うのであります。  確かに、アメリカでは、先生御指摘のとおり、一九八六年の改正で年齢の上限が撤廃された。その割にぽんぽんと首が切られるわけでありますが、これは、年齢の制限はなくしたけれども、経済的理由ではもう自由自在に、あした来なくていいという方式がまかり通ってしまう。これでは、年齢制限を撤廃しても何の意味もないのではないかというふうに思うわけであります。  先生が先ほどから御指摘のとおり、確かに中高年齢の雇用不安は深刻でありまして、その中高年齢層が一家のあるじであるだけにこれは社会不安になっていくということで、私といたしましても、労働省を挙げてその層にスポットを当てて、例えば定年延長にどう働きかけるかとか、そこの就業の機会をどうふやすかとか、あるいは給料が下がったからやめて保険給付を受けた方がいいなどと思われては困るからそこに若干の補てんをしていくとか、継続雇用を維持させるということで今個別施策に取り組んでいるところでありまして、法律でびしつと言うことにはちょっと無理があるのではないか。そこの層にスポットを当てた施策で、結果として、意思がある限りある程度の年齢までずっと勤めることができるというようにしていくのがいいのではないかというふうに思っております。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 アメリカの場合のレイオフなどにつきましては、先任権制度でもともとやられておりますから年齢とは全然関係がないわけでありまして、おっしゃるように、レイオフについては年齢差別禁止法というのは全くきかないということは事実でございます。しかし、他の面ではこれを十分生かされておるというふうに私は理解をしておるわけです。  日本におきましても、これから、二〇〇一年からですか、厚生年金が三年ごとに一歳ずつ上がっていって、将来は六十五歳ということにもう既に決まっておるわけでありますし、さらには年金問題についてもいろいろな議論がされておりまして、来年の見直しの中で、新しいそういう、徐々に年齢の引き上げというふうなことがまた議論をされるというふうにもなっておるわけでありますが、せめて今の定年、ようやく六十歳ということになったわけでありますが、この定年を動かしていく。年金と定年とをリンクさせる。ようやく定年六十歳と年金が六十歳支給開始というのがちょうどリンクしたところでもう既に年金の方が一歳上がっていくということになるわけでありまして、やはり年齢差別禁止法的なものでリンクさせていく、年金の支給開始年齢と常にリンクしていくのだというような形のものを考えていく必要があるのではなかろうか。  そして、賃金でありますとか雇用のいろいろなシステムというのは、いろいろ企業の歴史もありますし、日本の長年持ってきたそういう経験もあるわけですが、せめてリストラであるとか募集とか採用、こういうところで年齢の差別をしないように、本当にその人の個人の能力、これに基づいて採用が決まるというようなシステムをつくっていくという努力はできないのでしょうか、その辺をお答えいただきたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 ただいまの先生の御意見、これは一つの考え方であるというふうには思います。  ただ、私ども、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、我が国の労働市場の状況を見た場合に、やはり基本的には長期雇用制、終身雇用制、これが現状におきましても七六%程度でございます。これは、主要経済団体の将来見通しといたしましても、当面これが七〇%程度まで低下するのではないか、専門職とかあるいは臨時的、パート的な仕事等がふえて、というふうに見ておりますが、基本がそういう長期雇用制であるというところについては、今言ったような考え方をとっております。  雇用の安定という面から見ますと、この長期雇用システム、これはやはり非常に重要なシステムである、これが基本であるというふうに考えているところでございます。そういうものを前提として六十歳定年というものがようやく法律で義務化された段階である、こういうことでございます。  そこで、失業率の現状を見ますと、実は年齢別に見て確かに高齢者が高いのですが、高いのは六十歳を超えた方でございまして、六十歳から六十四歳の方が非常に高い。全体が四%のときに七%程度ということでございまして、その辺が非常に重要課題。それから、五十五歳から五十九歳、その辺の方の失業率につきましては、これは三・一%ということで失業率としては低い。そういう状況でございます。  ただ、有効求人倍率で見ますと、非常に厳しい雇用失業情勢の中で、四十五歳を超えますとがたんとその求人倍率が落ちるというようなことから、特定求職者雇用開発助成金について、その適用の拡大をしているということでございます。  そこで、今後の課題としては、これはやはりおっしゃるように、年金が今は六十歳以上であるわけでございますが、今後、二〇〇一年以降になりますと段階的に、二〇一三年には六十五歳支給になるということから、年金と雇用の関係をどう考えるかというのは非常に重要課題で、これについて、年金と雇用を接続させるという意味で筋道が通った考え方として六十歳定年を六十五歳定年にすべきだというのもこれまた一つの非常に有力な考え方でありますが、現状におきましては、なかなか労使の意見それぞれ、働く側の健康問題、あるいは使用者側の経営状況、労務管理上の考え方から、一律に六十五歳定年までの合意は現段階ではできていないということでございます。  もちろんそれは望ましいことでありまして、現実に企業全体の六%程度は六十五歳定年になっております。そういうものも含めた雇用の継続、あるいは定年後の雇用継続で賃金ダウンした場合については、雇用保険制度の中で高年齢雇用継続給付を支給して六十五歳までの雇用の維持を図る、そんなことをやっているわけでございます。  今後、重要課題としての六十五歳という問題を踏まえて、私どもとしては、国民各層を代表する方々で構成します六十五歳現役社会推進会議というような会議で議論をしていただいておりまして、御指摘のように、定年制のあり方、あるいは賃金、人事管理制度のあり方を含めた六十五歳現役社会を実現するための政策ビジョン、そういうものを策定したいというふうに考えているところであります。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 一つの見識として聞いておくというふうな、何か前首相みたいなことを余り言わないで、非常に深刻な雇用問題でございますので、ぜひとも検討の課題としてやっていただきたい。  ただ、労使で話し合いますと、どうしても意見が対立をしましてなかなか前へ行かないというふうな面もありますから、その面では、むしろ国会でそれらの問題について新しい案をつくって法案にしていくということも大事かなというふうにも思っておりますが、ぜひとも労働省におきましても検討していただきたい。  時間がございませんので、最後の質問として、現下の雇用情勢というのは大変構造的な状態にあると思います。それを変えていくためにはやはり時間的なエネルギーが非常にかかると思います。そういうことでいきますと、現在の雇調金の制度、さらには現在の失業給付制度、これでいいのかどうか。  特に、ヨーロッパあたりでも、かなり長い失業給付などが可能な制度も持っておるわけでありまして、やはりこれからの雇用構造の転換に応じた、失業なき労働移動ということを言われておるわけでありますが、そういう観点から、雇調金なり失業給付なり、こういうものをぜひとも再検討していただきたい、こういうことをお願いをして、もし何かコメントがあればいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 現在活用していただいております雇用調整助成金制度につきましては、これは全労働者の二百日分という総枠でやっておりまして、これ自体は、実際に企業が実施する場合に、全労働者を休ませるわけではありませんで、その中の一定の方を月に二日、三日という形で休ませるようなことで一般的にやっておるものですから、総枠自体が不足するという現状では今までございません。大体十分対処できる。年間二百日ということであれば相当の休業になるわけですから、それを全員が超えて休業するということになれば恐らく企業経営が成り立たない、そんなことがございます。なおかつ指定期間につきましては延長制度がございますので、現行の枠内で十分対処できるというふうに考えております。  それから、雇用保険の支給期間の延長問題でございますが、これはやはり、雇用情勢は非常に厳しいわけですが、地域別あるいは産業業種別、あるいは就職困難な労働者の方々がどういう方か、こういうことを考えながら当面対処していく。そういう意味では、雇用保険の給付延長につきましても、就職の困難な方についての個別の延長給付あるいは地域におきます延長給付、そんな形で対処していくべきではないかというふうに考えております。     .  仮に、非常に厳しい雇用情勢の中で全国延長給付というようなことを検討するということになるとすれば、これは、現在の状況からいきますと、やはり保険料率の問題等も含めて検討する必要がある課題であるというふうに考えております。

鍵田節哉民主党

○鍵田委員 終わります。

岩田順介民主党

○岩田委員長 次に、玉置一弥君。

玉置一弥民主党

○玉置委員 大変なときに労働大臣になられまして、仕事は大変やりがいがあると思いますが、苦労されると思いますので、まず慰労を申し上げたいと思います。  この一年間で大変雇用状況が変わりまして、特に、昨年前半、一−三月は回復基調に向かうのかなというぐらいの大変元気のいい姿だったのでございますが、四月以降の落ち込み、最終的には、昨年秋からの労働状況の悪化というものはまさに目に余るものがあるというような感じを受けております。  政府もいろいろ対策をされておりますけれども、先ほど来のいろいろな話を聞いておりましても、実効が全く上がっていない。これは、我々が地域のいろいろな方からお話を聞いても全く同じでございまして、特にことしに入ってから、まさにもう今まで事業をやっていた中で最悪の状態だ、今までこんな悪い状況を経験したことはない、こういうお話をいろいろな方から聞くわけでございます。その割には、昨年十兆円、ことし十六兆円という大変膨大な投資をされているわけでありますが。  日本だけの状況ではなくて、例えば東アジアあるいは東南アジア、それぞれ、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、それから香港、韓国と、日本の近郊におきます地域がすべて経済状態が悪くなってしまっておりまして、本当にその中で持ちこたえているのは台湾だけというような感じでございます。そういう国々の人たちに聞きますと、日本の経済が立ち直ってくれないと、どうも日本に対する輸出が激減をしている、こういう話を聞いております。  ただ、逆に、日本の輸出型産業におきましては、日本経済を持ちこたえるためということもございまして、多少批判を受けてもやはり輸出をせざるを得ないということでございますが、もう早速アメリカの方から輸出を抑えろという話が出てきていますね、自動車、鉄鋼、電機と。そういう状況であります。  それで、ずっといろいろ対策上見ているのですが、特に不思議な現象が出ておりますのは、いわゆる公共事業中心の投資という形で今までやっておられました、にもかかわらず建設業においての失業者が非常に増加をしている、こういう現象があります。それから、サービス業におきましては逆に雇用人口が拡大をしている、こういう状況が出ている。  こういうことで、本来政府が考えていた対策と、実際の失業者から見る成果が違うのではないかと思うのですが、大まかに、まず最初に、これまでの経済対策、雇用対策に対して、特に東南アジアとの関係も含めてどういうふうな感覚を労働省としてはお持ちか、そこをお聞きしたいと思います。

渡邊信労働大臣官房長

○渡邊(信)政府委員 今、東南アジアの状況についてのお話が出まして、先生、日本の経済不振を端緒としてというお話でございました。東南アジアでは、昨年来の金融・通貨危機を端緒といたしまして国内景気が低迷をいたしまして、雇用失業情勢にも相当悪化を来しております。  若干状況を申し上げますと、各国の政府によります統計や推計によってその状況を見ますと、例えばタイでは、昨年と本年を比べてみますと失業者数が倍増しておる。約七十三万人から本年は百八十四万人くらいにふえるのじゃないかと見込まれておりますし、インドネシアでは本年の失業者数は二千万人以上に上るのではないかというふうな推計がされておりますし、またマレーシアは、これは失業率でございますが、昨年の二・五%から本年には六・四%ぐらいに上昇するだろうというふうに予測されておりまして、東南アジア各国においては相当厳しい雇用失業情勢の現状にあるというのが実情であろうと認識をしております。

玉置一弥民主党

○玉置委員 じゃ、もう一つ、大臣、今申し上げました経済対策、これは数字上、建設業に減少、サービス業に増加という数字が出ているんですが、この辺について今まで労働省の中でどういう分析をされ、どういう結果をお聞きになっているか。もし省内でいろいろな話があったとすれば、ちょっとその辺をお聞きしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 十六兆の経済効果がまだ発揮をされていない。ゼロではないと思いますが、地方で特に執行状況が思わしくない。これは、議会承認が得られていないということがあろうかと思います。それとあと、建設業とかあるいはサービス業が製造業が掃き出してしまった雇用の受け皿として今までは機能してきた、これがなかなか機能しない。建設業自体がバブルの後遺症を一番多く抱えている業種の一つであるということがあろうかと思いますし、抜本的には官需から民需に転化していかないと、官需だけで幾ら資金投入をしてもこれには限界がある。この転化がうまくいかないところに一番の問題点があろうかと思っております。

玉置一弥民主党

○玉置委員 まさにおっしゃるとおりでございまして、我々いつも公共事業のときに、建設中心というような形とかあるいは社会資本投資というだけで需要拡大をやるというのはとても無理だ、むしろいろいろな産業に対する支援とかいう形をとらないと、要するに持続性がないということであります。  そういう面から見ていきますと、今まで大変な金額を投じながら、実際にここに例えば平成十一年の労働省予算要求がありますが、労働省分だけしか見てないのですけれども、例えばベンチャービジネスに対する支援というものが百二十九億円しかないということですね。公共事業は何兆円と出されながら、百二十九億円というのは本当に微々たるものでございまして、新しい産業を起こす、いわゆる雇用拡大ですね、こういう気もないのかなという感じがするのです。ところが、昨年来いろいろ雇用対策で出ている中身は新産業創設とかいろいろなすごい大きな言葉がたくさん書いてあって、金額的にはこんなものだと。百二十九億円というのはつけなくてもいいぐらいじゃないかというふうな感じがするのですね。  そういう点で、だんだん大臣の得意な分野に入っていきたいと思いますが、今不況がなぜだんだん深刻になってきているかというと、一つは、当然、今問題の金融システムヘの危機感、それから貸し渋りというのがあります。  もう一つは、相手先に対する受注です。受注の選別というのも逆にあるのですね、発注の選別はありますけれども。片方は、相手がつぶれるかわからないから発注を控えよう、だからなるべく優良で健全な会社にしようというのがあるのですが、これはもう発注側としては当然なんですけれども。聞くところによりますと、受注側も、下手に今受けて途中でつぶれられたら結局自分たちが巻き添えを食う、だから今我慢してでも確実なところをとろう、こういう動きがあります。これはもう実際に中小企業の方にいろいろ聞いて回りますと、自分たちも整理しているんだ、こういうような形になってきて、従来の、どこでもいいし、手形も長くても大丈夫だというような時代とは大分変わってきているというふうに思います。  そこで、だんだんと人の問題がやはり出てくる。ですから、今耐えているんだという状況の中で、先ほどもお話が出ておりましたように、いわゆる企業内の潜在失業者という形があります。これは、企業の中もそうですし、例えば各シヨップですね、職場、それぞれ製造部門とか間接部門とかいろいろありますが、そういうショップ別に見てもそれぞれ余剰人員を抱えているというような状況で、これがかなり行き過ぎまして大変な状況になりますとさっきの雇用調整の助成金をいただくような形になるということですが、まだそこまで業種として認定をされてない企業というのは結構あるわけです。そこがどこまでもつのかと大変我々心配しておりまして、雇用調整金の枠拡大は今やっていただいているようでございますが、実際にはもうぼつぼつ何か新しい方法を考えていかなければいけないのではないか。  一つは、先ほどもありました中小零細の集積地、そういう地域につきましては、地域別のいわゆる雇用調整のようなセンターを設立して、そこがやはり各企業と連携をとりながらいろいろ指導していくというような形が必要じゃないか。  もう一つは、産業別の話し合いは個々に企業間で行われていますけれども、それに対してやはり何らかの形で行政がタッチをしていくということも必要じゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、この辺について、まず労働省として一つのこれからの考え方をお示しをいただきたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 先生は産業界の御出身でありますし、特に今深刻な状況にあることに関して、言ってみれば肌感覚でよく御存じでいらっしゃいますから、先生のお話は真摯に受けとめたいと思っております。  まず、雇調金を柔軟に、どう対処していくか。これは、御案内のとおり今業種別にやっておりまして、これをかなり業種指定を拡大しておりますし、累計でいえば百七十業種ぐらいになるのでしょうか。もちろん中小企業に深堀りをするとか、柔軟にやっております。ただ、これを業種別というよりも地域エリアでかけたらどうだとかいろいろな御提言がありますが、この不況の状況あるいはその対処の仕方が、業種別にいろいろ問題が違うものでありますから、むしろ今までのやり方できめ細かく対応していくという方が問題に対して解決になるのかなという思いが少しあります。  もちろん、今までどおりのやり方で未来永劫いいとは思っておりません、先生の問題提起は勉強させていただきたいと思います。現在、各種施策を持っておりますが、労働省の範囲の中の施策の実行状況の適宜適切な見直しというのもやらせているわけでありますし、他省との連携で何ができるかということも今、至急洗っているところでございますので、先生の御指摘を真摯に受けとめて、いろいろと勉強させていただきたいというふうに思います。

玉置一弥民主党

○玉置委員 通産省、お見えだと思いますが、今の問題で、いわゆる地域産業という面から見て、中小零細の人たちが地域の中ぐ本当に近い地域は何とかの会とかいろいろありますけれども、実際にはもうちょっと広範な区域で調整しないと産業間あるいは企業間の雇用調整ができないというふうに思うのですが、今お話がありましたように、実際には、都道府県が主体になってやっているところもありますし、全くやっていないところもあるというふうに、全国的なばらつきがある。  それから、中小零細企業について、何人余剰があって、どこがまだ余裕があるとか人を欲しがっているとか、それは要するに職業紹介所とかいうような形では出ていますけれども、実際に余剰の方はわからない。失業者になってそこへ行かれる方は求職の機会がありますけれども、潜在失業者の方はつぶれるまで我慢してそこにいる。こういう事態になっているので、この辺の救済をしないとさらに倒産企業がふえるのではないか、こういうふうに思うのです。  そういう観点から見て、地域経済の中での雇用情勢に対して、通産として何か施策をお考えかどうか。例えば私が今申し上げたような、各企業から余剰人員についての名簿でもいいですし人数でもいいですし、届け出をして、それに対して対応していくとか、いろいろな方法があると思うのですが、それについていかがお考えでしょうか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

岡本巖通商産業大臣官房審議官

○岡本政府委員 お答え申し上げます。  現下の雇用情勢という点で、私ども大変厳しいものがあるということで受けとめております。雇用のミスマッチという点と、それから新しい雇用機会をつくっていくという両面で考えていく必要があろうかと思いますが、ただいまの先生の御質問は、前者の雇用のミスマッチということにすぐれて関係のある御指摘かと思います。  この点に関しましては、甘利労働大臣から、産業界あるいは中小企業の団体を含めて、広く雇用の需給のミスマッチを解消するために雇用情報に関するネットワークを整備したいということについて協力の御要請がございまして、事務的にも労働省さんと御相談を申し上げ、それから、私どもは、日本商工会議所、それから全国連、全国商工会連合会、それから大企業を中心に日経連、そういうところともお話を申し上げて、各地域の中小企業を含めた産業界における求人情報、そういったものを公的なセクターにも従来以上にタイムリーに情報を提供する、そのためのネットワークづくりということに向けて、例えば全国連の中でも、そのために必要なハード、ソフトの予算措置を来年度に向けて要求するというような準備をいたしているところでございます。

玉置一弥民主党

○玉置委員 小さい地域になりますと、その中の企業の総務部長会議とか、企業の代表者のいろいろな会議がありますけれども、そういう中で若干の話が出ているようですが、大企業みたいに企業間で話をして大幅な出向社員を出すとか、お互いにそれぞれ応援を出すとかという形にはなっていないような感じなんですね。ですから、その辺ができればかなり救済できる部分があるのではないかという話でございます。  それから、今お話が出ました新しい雇用創出といいますか、この事業が政府の方針にもうたわれておるわけですし、先ほども言いましたように予算にものっているわけでありますが、数字は実際には百二十九億という大変少ない数字だ。  ところが、私たちが聞いている情報だと、ある大企業は、そういうベンチャービジネスに対してかなりお金を投じて、技術を持った人たちとか、あるいは製品として企業化できていく、そういうものに対する投資をされているという会社がありまして、そういうことをもっとやってほしいという要望が、いろいろ話が来ている。そこは一企業でございますから、そんなに政府がやるほど大規模にお金を投じるということはできないけれども、少なくとも何十億の上ぐらい、いわゆる製品開発という意味でやっておられるという話があります。  一企業でこれだけできるのに、何で国の方ができないかということなんですね。  一つは技術情報。ここに通産の方でつくられました経済構造改革行動計画というのがございまして、その中に「新規産業の創出」というのがあります。ここに、資金、人材、技術、こういうふうに書いてあるのですが、これは当然のことで、技術を持った人がいます、かなりの人材がある、その人材を引き出して、そこへ資金を与えれば、当然商品として開発できて新しい分野が開けていく。こういうことなんですが、だれがどこでどういうふうにするのかというのが余りはっきりしていない。  昔、私が一企業にいたときに、外から技術の売り込みがありまして、それを自分のところの技術部門に紹介をし、そして実現可能なものであればということで実験もし、企業としてはかなり出費をしながら、結局物にならないものもたくさんありましたけれども、若干物になったものもある。  私企業ではいろいろやっているのですけれども、公的な部門で、窓口としてどこかに登録をし、また資金を出したい側も登録をし、お互いに紹介し合っていく、そういうシステムが必要ではないか、こういうふうに思うのです。そういうものがなければ、お互い欲しがっても、簡単に言えばいわゆる結婚紹介所みたいなものですね、お互いに、いい息子がいるんだけれども、娘がいるんだけれどもといったって、お互いが知らなければそれで終わりですから。  その辺をやっていかないと、幾ら声をかけてもなかなか新しい産業というのは出てこないというふうに思いますが、その辺について、労働省並びに通産省としても、これからもっと具体的にどういうふうにお考えになっているかということをお聞きしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 先生の今のお考えは、私は一〇〇%同感であります。  業が起きていく、産業が起きていくもとは何かというと技術と人材と資金でありまして、三つは日本は全部世界一だと思うのであります。民間金融資産は一千二百兆。技術は、実は私の地元にある中小企業の中には、インテルのCPUのファンモーターを一手に押さえてつくっている中小企業があるくらいでありますから、技術力はあるし、シーズはある。人材は、世界で一番優秀な日本人がいる。三つとも構成要因は全部そろっているのに、これが出会う場がない。  おっしゃるように、お見合いの場所がないからうまく業が育たないわけでありまして、アメリカは、いい技術が生まれますと、この指とまれというと、自分は資金を出す、おれはそっちを手伝うと、すぐ近隣から、大学院から人が来る。エンゼルがお金を出す。あっという間にその仕組みができ上がってしまって、それが今のアメリカを支えているわけでありまして、何とかお見合いの場ができないだろうかとずっと私は考えてきました。  一般に資金を募るのは、株式を公開をして広範に資金を募るのですが、店頭市場ですら公開基準が非常に厳しいということで、これに徹底的に取り組んで、特則市場もつくりまして、たとえそれまで赤字といえども公開ができて幅広く資金を募れるという仕組みはできないかと、これもチャレンジしてきました。特則市場をつくったはいいのでありますけれども、なかなかうまくワークをしない、マーケットメーキングメカニズムというものがうまく働いていかない、まだ課題があります。  それと、国のスタートアップ資金というのがうまくスタートアップ企業に届くような技術改善補助金等々の仕組みもつくりました。  私が一番問題だと思っているのは、ベンチャーキャピタルが育たないということであります。ベンチャービジネスは立ち上がろうとするけれども、つまり、例えば資金でいえば、試作品をつくって研究開発をしてどうやらできた、それを生産工程に乗せる間の資金が調達できないのであります。つまり商品化して大量につくって売り出すというところが続かない。  これはベンチャーキャピタルの仕事なんですが、その事業の評価システムがちゃんとできていないものでありますから、リスクが大き過ぎてベンチャーキャピタルが乗っていかないという問題点があります。その辺のところをこれからの課題として取り組んでいくのだろうというふうに思っております。  それから、特許制度につきましても、日本は、中心特許を取って周辺特許まで全部押さえないと抜け駆けをされてしまうのです。特許裁判がちっとも進まない。アメリカに行って押さえた方が楽じゃないかと。特許制度自身もこれから見直していかなくちゃならないという問題意識も持っております。  先生がお考えの気持ちと一〇〇%私は同じ思いでありますので、これからもいろいろと御示唆をいただきたい。それ以外、詳細についてまた事務方からお答えさせます。

岡本巖通商産業大臣官房審議官

○岡本政府委員 私どもも、ベンチャーという形で新しい事業が育ち、そのことを通じて雇用機会を創出していくというのは非常に大事で、そのためには、先ほど先生御指摘のように、技術と資金とそれから人材、さらにはディマンドというかクライアントがくっつく、そういう状況を早くつくり出していくことが大事だと思っております。  そのために、平成七年度から、ベンチャープラザということで、年を追って頻度も上げてきているのですが、ことしでいえば全国で約二十カ所、ベンチャーの技術を持っている人、それからエンゼルのような方々、あるいは機関投資家で少しハイリスク・ハイリターンのビジネスというものを探してみようというふうにお考えになっている、そういう投資家の方々、そういう人に一カ所で百人、二百人と双方集まっていただいて、そこでべンチャーの方々から、自分たちとしてはこういう技術を持ってこういうマーケットを対象に事業化を考えている、そういうプレゼンテーションを何十社からやってもらって、それに対して、投資家グループの人たちにそれを聞いていただいて、いいのがあれば後々話につなげていく、そういうプラザというのを全国で二十カ所やり、ことし十月には東京で、補正予算をいただいてベンチャーフェアという形のものも考えております。  投資家の方につきましては、甘利大臣に大変御尽力いただいて、投資事業組合という、有限責任のもとにべンチャーキャピタリストが集まるような仕組みを前の通常国会で用意いたしました。それから、昨年からベンチャーのエンゼル税制という形で、投資家の方々、個人を含めてハイリスク・ハイリターンのベンチャーに向けて投資をされた方々が、当然ロスが生ずる場合もあろうかとうのですが、そのロスの損益通算を認めるというような税制も用意いたしておりまして、こういったことの施策のPR等も通じまして、投資家の方々にベンチャービジネスに対する投資のマインドというのを喚起すべく、私どもも努力をいたしているところでございます。

玉置一弥民主党

○玉置委員 この通産省がつくられました行動計画を見ますと、これからの新しい雇用拡大、市場規模拡大という中で非常に期待されるところとしては、医療・福祉関係の分野、生活文化関係の分野、情報通信、流通・物流、環境、大きいところでいうとこういうところがあるわけですね。  二〇一〇年になりますと、雇用拡大としては大体七百万余、そのぐらいの人口が要するに雇用拡大となる、市場規模としても三百五十兆円ぐらいが拡大される、こういう予測がされているわけでありますが、二〇一〇年と言わずに、もっと早くいろいろな面で手を打っていかなければいけないのではないか。  それから、さっき大臣が、日本は技術も金も人材もそろっているということでありますが、基本特許はアメリカの方がはるかに、圧倒的に多いのですね。それから、人の方も、やはり今のより高度ないろいろなテクニックを持った人たちというのは韓国や台湾に非常に多くおられて、日本は自慢するほどではなくなってしまっているということなので、そういう面で、先ほどからもありましたように、学校の中でやはりもっと鍛えて、即戦力になるというのが本当は一番いいのかと思いますが、それはなかなか難しい。だから、もっとやはり研究開発に力を入れていけるような企業を育成していくということが必要だと思いますし、大学の中の研究機関も、完全に産業と密接した部分と本当の学問と分けるということも必要だと思うのですね。そういう形でないと、何となく、学問でもないし産業でもない、終わったらもう一回同じことを勉強しなければいけない。  特にそうなのですが、私がおりました会社は、入ってきて五年間ぐらい大体みんな役に立たない、と言ったら怒られますけれども、給料は一人前に払って、要するに仕込まないとだめだということで、そのために人をちゃんと育成しているのですね、教えるための人を。そういう人も要るわけですね。だから、企業としては、やはり人材育成という面でかなり力を入れて育成をしておかないと、企業として生き残りできない、こういうことであります。  ですから、今度新しい分野が可能性があるということになれば、それなりに国として、人材育成のために、その分野に対する知識とかノウハウとかいうものをやはり伝えていかなければいけないと思うのですが、こういういい計画ができました、ではこれから具体的にというふうにお聞きした場合に、政府として、まずこの問題について労働省がどの程度タッチしているかということと、通産省の方から、具体的に今後この行動計画についてどういう考えのもとに進められていくのかということをちょっとお聞きしたいと思います。     〔委員長退席、中桐委員長代理着席〕

岡本巖通商産業大臣官房審議官

○岡本政府委員 新規十五分野につきましては、昨年五月に閣議で決定いただきました経済構造の変革と創造のための行動計画において位置づけられているものでございますが、私ども、この新規十五分野というのはすぐれてベンチャーのような事業が中心になってこようかと思いますが、現下の大変厳しい雇用情勢にかんがみて、新たな雇用機会の創出に向けてあらゆる努力を払っていく必要があるのではないかという認識を持っております。  そうした折、去る九月十一日の閣議で小渕総理から、労働省と関係各省と連携をした上でこの十五分野を伸ばしていくことを含む産業再生計画というものを早急に取りまとめるようにとの指示があったところでございます。  これを受けまして、私ども、ベンチャーのような、あるいは新規十五分野というものをできるだけ加速的に進めていく、それに加えまして、小規模な事業者の方々とか、あるいは企業を中途で退職したような方々が、それ自体は必ずしもびかびかしたハイテクの技術ではないけれども、新しい事業を起こすという開業、それに向けての支援というようなことも含めまして、雇用創出という面で短期間の間に効果があるような一連の施策というものをできるだけ急いで勉強していきたいと考えております。  アメリカで八〇年代から九〇年代にかけて二千万以上の雇用が創出されたという中でも、中小企業が八割以上で、その内訳は、サービス業であったり自動車修理であったり自動車の販売であったりという、そういうところが多うございまして、そういうところも含めて、産業、雇用の創出というものを一つの命題としてにらみながら、産業再生計画というものを、労働省さんを初め各省の御協力をいただきながらぜひ早急に取りまとめていきたいと考えているところでございます。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 我が省の分野は、次代を担うそうした産業にスムーズに労働移動が可能になる、しかもその移動した労働者、労働力がその産業を担っていくだけの能力を身につけているということが必要であろうと思いますから、個々の労働者の能力のバージョンアップをどう適宜適切に図るか。  私は、職業能力開発の各種施設、これは県管理のものも含めまして、次代を担う中身の教育訓練プログラムになっているか、点検をしてもらいたいということを就任早々いたしました。つまり、どこかの大学の教授ではありませんけれども、十年前のノートをそのまま使って旧態依然とした講義をしていたというようなことがないように、きちんと新しい雇用を担っていく、新しい時代を担っていく産業に適した人材を送れるカリキュラムになっているか、総点検をしてほしいということで先般命じたところでございます。

玉置一弥民主党

○玉置委員 企業の中で優秀な方がたくさんおられて、育ち過ぎて冷遇されているということがあるのですね。というのは、能力を持った人がたくさんいるけれども、一人で十分だというのがあります。例えば、ベンチャービジネスで大体失敗されているのは、技術的にはいいんだけれども、経営的に非常に感覚が悪くて、知らなかったということで、企業として結局成り立たなかった、こういうことが非常にたくさんあります。そういう意味では、人材活用という面で、技術屋さんなりが始められるときに、今いろいろなところで余剰人員があるわけですから、そういう人たちを紹介して結びつけるということも非常に有効な手段ではないか、こういうふうに思うのですね。  大体、私どもがああいいなと思って見ていると、必ずつぶれているというのはなぜかというと、要するに経営センスがないわけですね。ノウハウもないということです。お金でも、余計なところに使って、技術にはお金を使ったけれども運転資金とかそういうのは全然考えていなかったとか、そういうのがありますと非常にもったいないと思いますし、販路についても、技術屋さんだからよくわからないというのがあると思う。  だから、こういうところに頼めば必ずその先から流れていくんだよと、そういう相談を受けたら言いますけれども、知らないうちにつぶれているというのが結構ありますから、そういう形で育成していくということが大事じゃないのかということと、人材も、世の中には本当にいろいろな方がおられるのですね。だから、おれはもうここを卒業してこっちへ行ってもいいという方もおられると思うので、そういう方をいかに紹介するかということが新しい分野に対して大変な力になるというふうに思います。  それから、私の地元の話になりますが、勤労体験プラザというのを今度つくっていただくことになりまして、関西学術研究都市という地域の中にできるわけであります。これは、先ほどから出ております、学校の中での、特に若年層に対してのいわゆる職業というものに対する選択、これを勉強していただいて、自分たちの適切な職業選択ができるようにということでございますが、今申し上げました余剰人員の中で、これから新しい職業につきたいという方も当然今たくさんおられると思うのですけれども、そういう人に対しても門戸を開放して、要するに若年層だけじゃなくて中高年層も新たに勉強できるような、そういう施設に変えていっていただきたいなというふうに思うのですね。  それで、この地域の近くにホテルはありますけれども、結構高いところでございまして、研修に行くために泊まるほどのホテルというのはなかなかないと思うのですね。そういうことから考えると若干の宿泊施設も必要じゃないか、こういうふうに思うのですが、これは私の希望ですから一応聞いておいてもらって。  それで、対象を若年層ということでいろいろなプログラムができているようでございますが、もっと拡大して、転業、転職という方にも門戸を開放する、あるいはそういうカリキュラムを入れていくとか、そういうことも必要と思いますが、いかがでございましょうか。その辺をちょっとお聞きしたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 勤労体験プラザにつきましては、平成十一年度に着工して、三年計画で建設をし、平成十四年度から開館したいというふうに考えておりますが、中身につきましては先生御指摘のような形でございます。  宿泊施設につきましては、民業圧迫というような視点の問題等がありまして、これは現行ではそういうものをつくらないということになっておりますものですからなかなか困難でありますが、ただ、この施設の運用につきましては、これは非常に弾力的に今後考えていく必要がある。できるだけ多くの方が参加していただく、そういう意味では、若い層の方だけじゃなくて、例えば父兄も含めて、あるいは先生御指摘のような方々も対象になるように、そういうことも含めて今後検討していく必要があろうというふうに考えております。

玉置一弥民主党

○玉置委員 近くにホテルは一つありますけれども、決してこの体験プラザができるからできたホテルではないので、そのようなことは余り気にしなくていいと思うのですね。  それと、やはりこれから一番心配なのは、金融機関が、今度金融ビッグバンで外資等々の企業吸収もあるだろう。そういう中で、日本の金融機関が生き延びるために、例えば投機の専門家、企業分析の専門家とか、そういう人を育てなきゃいかぬ。これはもう企業が選択すればいいのですけれども、そういう人たちを育てるのに、では日本の国内でちゃんとそういうところがあるかなと思うと、それぞれの企業しかないのですね。企業の中でノウハウを持った人が教えていくしかない。  これは一つの例ですけれども、そういうことを考えていきますと、新しい時代に向けて人材育成をしていくという場がなかなかない、本当に企業に頼っているということでございますので、その辺をよくお考えいただいてこれからの労政の中で生かしていただきたい、かように思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。

中桐伸五民主党

○中桐委員長代理 次に、桝屋敬悟君。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 新党平和の桝屋敬悟でございます。  昼食時間をまたいでのありがたい時間でありますから、なるべく早く終わりたいとは思いますが、今までの質疑も伺いながら、重複はできるだけ避けたいと思いますが、どうしても確認したいことあるいは議論したいことを中心にさせていただきたいと思います。  新しい政権が誕生いたしました。前大臣とも何度も議論をさせていただきましたけれども、最初に、小渕政権の雇用対策のあり方について議論をさせていただきたいと思います。  最初に、現下の厳しい雇用情勢に関する認識論でありますが、先ほどからずっと出ております。七月の完全失業率が若干低下しましたけれども、しかし、なお過去最高の水準でございます。依然として厳しい状況もございますし、先ほど話が出ましたけれども、有効求人倍率も過去最低となっているわけでございます。  先ほど労政局長さんから、民間のシンクタンクによると余剰人員、余剰労働力が百五十万とか四百万とかという話がありました。聞かせていただきました。そういう数を考えますと、こういう方が徐々に今から失業されるということもあるわけでありまして、現在の完全失業率がどこまでいくのかということはマスコミにも言われているわけでありまして、シンクタンク等では五%を超えることしの後半の状況になるのじゃないか、あるいは、将来はさらに高いところへ、七パーとか一〇パーというような、そういう恐ろしい数字もあるわけであります。  この完全失業率はどこまで推移していくのか、労働省としてはどのように推測をされておられるのか、最初に認識をお伺いしたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 先ほど来のお話でございますが、潜在的な失業状況がどうかという点につきましては、これはなかなか把握の難しい問題でございまして、確かに一般的にいろいろな方がいろいろなことを言われておりますが、現実に、少なくとも今までそういう失業が一挙に顕在化したというようなことはなかったわけでございます。  今後どうかという点につきまして、これもなかなか明確にお答えはできないわけですが、現在の状況で判断した場合に、現時点で四・一%という完全失業率でございますが、当面これが急激に悪化していくことはないのではないかというふうに考えております。一進一退というよ、つなこと。  それから、先行きを考えました場合に、これは経済状況が改善しませんと雇用状況が改善しないというのはもう間違いないわけでございまして、足元の経済状況が非常に厳しいわけでありますし、十六兆円の経済対策の実効も必ずしも目に見えてこない。ただ一方で、さらに二次の対策も実施して来年度予算を編成していく、こういうようなところがどう影響するか、こういうこともございます。  それからもう一点は、先ほど大臣もお答え申し上げましたけれども、日本の経済の現状、実体経済につきましては、ストックは非常にあるわけでありまして、そういうところがどういうふうに今後推移していくか。ストックがあってもなかなか消費が増加しない、こういうこともございますが、体力は相当あるというふうに考えていいかと思いますので、そういう意味で、急激に悪化していくことはないであろうというふうに考えておりますが、それでは今後よくなるのかと言われると、なかなかそういうふうに見通しは出てこない、こういうことでございます。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 征矢局長のお話では、急激に悪くなることはないだろう、一進一退を繰り返す。ということは、今がまさに底だろう。私もそうあっていただきたいと思いますし、労働省として、いやいやまださらに厳しくなりますよなんということは、軽々に言えることではもちろんないだろうと思いますけれども、先ほどからの議論を聞いておりまして、例えば十六兆の経済対策、これも、私も地方出身ですから、中央ではお決めになったけれども、先ほど議会の承認とかという話がありましたけれども、そんなものではないわけでして、やりたくてもやれない、どんなに中央がお決めになってももう地方はついていけませんよという実態もありますし、あるいは、先ほどから議論が出  ております新産業、新たな雇用創出ということも、ではすぐ手が打てるのかということになりますと、すぐ結果が出るかといいますと、これまた厳しい状況もあるわけで、本当に厳しい状況はまだ続くのだろうというふうに私は思うわけであります。  こうした厳しい状況の中で、小渕政権ではどのような方針で雇用対策に臨んでいかれるのか。  既に労働省では、緊急雇用開発プログラム、これは動いておりますし、前政権においては、六月に産業構造転換・雇用対策本部を開催されまして、「雇用情勢への当面の対処方針」を発表されておられます。ただ、その後も、最近の新聞を見ましても、先ほど政労使の対策会議の話もありましたけれども、相次いで大手の企業あたりも人員削減あるいは雇用調整を実施するというものがどんどん出てきておりますし、本当に厳しい状況が続いているわけであります。  こうした中で、新政権として、やはり労働市場に対して明確なシグナルを発するべきではないか、このように私は思うわけであります。大臣としては、前政権の施策に加えましてどのような取り組みを行っていかれるのか、再度決意をお伺いしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 私、望んで本職についたわけでありますが、労働大臣を拝命しました折に、総理から特にお言葉がありました。小渕内閣においては雇用の安定というのは最重要政策の一つであるという意味から、全力を尽くして頑張ってほしいという、総理から特にお話がありました。でありますから、ひとり労働省の問題だけではなくて、政府全体として最重要課題というふうにとらえております。  桝屋先生は労働問題のエキスパートでいらっしゃいますから、もう今までの策については先刻御承知のとおりであります。それが遅滞なく実行されているかをしっかり検証していけということをまず事務方に申しておりまして、実は、緊急雇用開発プログラムの進捗状況、あるいは、雇用対策本部で、各省挙げて取り組んでいく問題の中間報告の会を開いたらどうだということを提案して  おりました。しましたときに、ちょうど労使から、政労使の雇用会議を持ってほしいというお話がありまして、これを閣議で報告しましたところ、総理から、労働大臣、それは直ちにやろうじゃないかというお話がありました。ここで具体的に緊急に取り込める課題を洗って、それを雇用対策本部につなげていくということをやっていきたいというふうに思っております。  あわせて、私、労働大臣に就任をしまして、二つのことを指示いたしました。  一つは、先ほど来出ておりますけれども、雇用情報のネットワーク化であります。求人と求職のお見合いの場というのは、一番大きいところは職安、ハローワークでありますが、それ以外にも、求人情報のデータベースというのはないわけではないですね。商工会議所であるとか連合会とか、あるいは日経連とかで、企業の側からこういう人が欲しいというデータベースは、規模はうんと小さいですけれども、あります。それらのデータベースと行政のデータベースのネットワークが図れないかということで、就任後直ちに、日商それから商工会連合会、それから中小企業団体中央会、日経連を回りまして、協力要請をいたしました。理想的にはオンラインで全部つながるのがいいのだと思いますが、それぞれ経済団体としての存在意義というのもありますから、こっちの都合だけで全部こうしろと言うわけにはいかないでしょうけれども、そういう目標に向かって、できるところからやってほしいという協力要請をいたしました。  ところが、中には、データベース自体がないのですという団体もありまして、私は労働大臣でありますけれども、通産省に、データベースを整備するお金をつけてもらいたい、次年度予算に計上してくれということで、これはやってもらいました。  ということで、有効求人倍率を、今ある状況下でも多少なりとも上げられないか、ミスマッチを少しでも減らしていこうということが一点。  それから、新規事業創造に関して、産業政策と一体となってやってもらいたいということで、きょうから、労働省が考えています案を通産省とすり合わせを開始いたしております。  ただ、いずれにしても、あした、あさってすぐ効果が出るということではないのでありまして、これは遅滞ない執行に向けて努力はしておりますけれども、引き続き厳しい雇用情勢は続くというふうに認識をしております。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 今大臣がお話しになったことは、恐らく具体的には通産と今から検討される、その内容が今お話しされたようなものだろうというふうに理解をするわけであります。ぜひそれはそれで進めていただきたいし、できれば、いつぐらいにどういうものをお立てになるのか、今後の政策日程等もお伺いしたいところであります。  今大臣からも話がありましたハローワーク、私も、きょう質問をするので現場を見なければというので、地元のハローワークに行ってまいりました。私、山口県の山口市でありますが、役人の町でありますから雇用は大変いいのだろうと思って行きましたところ、いや、さにあらず大変に厳しい状況がありまして、ほとんど全国と同じ状況で、ことしになりましてからばたばたと大手の企業が人員整理をしたというようなことで、本当に過去最悪の状況になっておりました。バブル期、一番いいときに比べて、求職者二倍。それに比べて、もう求人の方は二けた台でずっと落ち込んでおります。本当に私、見てびっくりしたのは、まず駐車場。車が入らない。入り切れないくらい取っかえ引っかえ車がたくさん来ていますし、ハローワークの所長さんが駐車場の整理をされておられます。本当に午前中はもう大変なのですと。では、恐らく職員の方も二倍の仕事量ですねと言ったら、いや二倍なんてものではありません、二倍以上の仕事ですという、そんな悲鳴も聞かせていただいたわけでありまして、いや、泣いているよということを報告しに来たわけではないのでありますが、本当に厳しい状況を目の当たりにしたわけであります。  加えて、では本当にそういう厳しい中で、ハローワークの職員たちが有効な手だてがあるかというと、決してそうではなくて、本当にあふれるような求職者の中で大変に困っておられる。その中で、絶対に求職者の方とトラブルのようなものを起こしてはいけないと、大変な苦労をされて、所長さん初め皆さんが頑張っておられる姿を見ました。  そこで、緊急雇用開発プログラムの現状等もお聞きしましたけれども、もちろん、私が行って、きょう質問するのだから何かありますかと言って、いや、こんな問題がありますよというのはおっしゃらぬわけであります。状況をいろいろ聞きましたところ、始まったばかりということが一つあります、なかなか成果が、どのくらい出ていますかということを伺っても、明確な結果がまだ出ていないわけであります。  十六兆の総合的な経済対策の中で、先ほどの中長期的なことはもちろんのこと、やはり今はとにかく求職者があふれ返っているわけでありますから、失業者が本当にふえているわけでありますから、企業への直接的な支援もさらに検討する必要もあるのではないか。給付条件の思い切った緩和、あるいは給付率の引き上げ、こういうことも現状を見ながら検討しなければならぬのではないか。先ほど大臣から、総括をしなければならぬ、雇用対策プログラムの今後の進捗状況を総括するというお話もありましたけれども、そういう意味では今からされるのかもしれませんが、どうなつておるのかということ、緊急雇用開発プログラムは本当に現場で効果を出しているかということを改めてちょっとお伺いしたいのでありますが、いかがでありましょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 先生には、地元の公共職業安定所、現実に行っていただいて、状況を御視察いただいたようでございまして、大変ありがたく思います。  率直に申し上げまして、全国の公共職業安定所、いずれも同じような状況であります。状況にそれぞれの地域による差はあるのですけれども、いずれも戦後最大の厳しい事態である、求職者が非常にたくさん来ている、こういう状況でございまして、そういう中で、私どもの職員は最善の努力をして一生懸命やっているというふうに考えております。もちろん、職員の足りない分、相談員等あるいは求人開拓推進員等を臨時にお願いして求人開拓をするとか、そんな形でやっているところでございます。  これは、私どもの行政の本来の仕事でありまして、雇用情勢の厳しいときに、いわば下支えとして、失業された方々について雇用保険の失業給付を行い、職業相談をし、職業紹介をする、こういう努力は常にやっていかなければならない、そういう基本的な業務であるわけでございます。でありますけれども、状況が厳しいと、なかなか現実に就職に結びつけるための求人が少なくなる、こういうことでございまして、そういう中でできるだけの努力をしなければならない。そういう努力を支援するという意味で、総合経済対策の一環として緊急雇用開発プログラム、これを六月十八日から実施しているわけでございます。  この効果につきましては、確かにまだ期間が短いという点はあるわけですが、例えば助成金の中で、特定求職者雇用開発助成金、これは求人倍率ががたんと悪くなります四十五歳以上に年齢を十歳下げて支給するという形になっておりますが、これの対象者につきましての実績で見ますと、六、七月で一万人を超える方が対象になっております。これは後払いでありますから適用対象を決めてから六カ月後に支給する、こういうことでございまして、金額的な実績は出ておりませんが、一万人を超える方が出ております。これにつきましては、本年度大体九万人ぐらいの追加の積算で補正予算を組んでおりますが、恐らくそれを超える方が年度末までに出てくるのではないかというふうに考えております。  それから、雇用調整助成金につきましては、この支給が見込まれます休業であるとか教育訓練等の計画の実施対象者、これにつきまして、七月時点で見ますと、緊急雇用開発プログラムの実施前に比べまして約三倍になっておりまして、これも大きく増加いたしております。  それから、先ほど申し上げました求人開拓推進員は、企業あるいは経済団体のOB等で求人開拓に非常に向いている方々を臨時に委嘱いたしまして、職員と一緒になって求人開拓をお願いをする、こういう形でございます。そういう方を全国に配置いたしまして求人開拓を実施しておりまして、七月時点で見ますと、事業所訪問によって開拓された求人数が新規求人数の約二割を占めております。そういう形で、このプログラムを積極的に活用しながら、私ども今後ともさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。  さらに、この対策の見直し等の御指摘でございますが、これにつきましては、効果のある対策についてさらに強化するということによる効果増もあるのですが、一方では、全体の財政状況、そういうことも考えながら対処しなければならないというようなことがございまして、その辺を見ながらということであります。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、経済が先行きになかなか明るさが見えてこないとすれば、経済が明るくなっても、それに半年なり一年なり雇用情勢の改善というのはおくれるというのが過去の経験でございますので、そういう意味では、来年度予算において、本年度いっぱいという緊急雇用開発プログラムについてさらに継続実施するという予算要求もいたしているところであります。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 大臣、先ほど言われた政労使の雇用対策会議あるいは通産との産業再生計画、いろいろなものが今動いているようであります。この政労使の会談をして、必要なものは産業構造転換・雇用対策本部に持ち上げるというお話もございましたけれども、いずれにしても、大臣、これからの政策日程としてはどんなふうにお考えなんですか。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 まず、政労使の雇用対策会議をいつまで続けるかということですが、これは当面の状況、史上最悪の失業率に改善の兆しが見えるまでということになるかと思います。  そして、具体的にまず第一回目はいつから開くかということですが、これは今、第一回目の会合には、これだけ重大な会議ですから、ぜひとも総理に出ていただいてこの会議に対する期待を込めて叱咤してもらいたいと思っておりますので、総理がアメリカからお帰りになったら直ちに開きたいというふうに考えております。そして、その場で、今後どういうスケジュールで、どういう期間で一回目、二回目と開いていくかということは、労使の側の御日程もありますから、これから詰めていきたいと思っております。  できるだけ早い機会に産業構造転換・雇用対策本部の会議を開いてもらって、第一回目の取りまとめといいますかを持ち上げたいというふうに思っています。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 先ほどから話がありますように、本当に現場の状況は大変厳しいわけでありまして、私は、先ほど申し上げましたように、やはり政府として明確なシグナルをどんどん発していただくということが極めて大事だろうと思います。せっかく立ち上げていただいた今の政労使の雇用対策会議、こうしたものを適時適切に、これからどういう形でも結構ですけれども、私は大臣がさっき言われた方向でいいと思いますし、特に労働省だけでなくて、他省庁あるいは産業界、そうした方々とできるだけ早急にいろいろな形を詰めていただいて、出せるものはどんどん発表していただく。まさに今マインドが冷え込んでおるわけでありまして、そうした御努力をお願いをしておきたいと思います。  そういう意味でちょっと気になっているのは、私は、多分平成十年度の二次補正があるのだろうと。あるいは、それが一部十一年度予算にかかるかもしれません。この前、概算要求の話も伺わせていただきましたが、景気対策の臨時緊急特別枠なるものがあるんだというふうに伺っておりますし、それが幾らになるのか、百億を超えるような数字も、これは多分一般財源であろうと思いますから、そういう意味では、労働省の予算としては極めて大きな予算であろうと私は思います。  そうしたものを検討していただくについてはぜひ的確な対応をお願いしたいと思いますし、さっき申し上げました現場の悲鳴のようなものもあります。私、現場で、求人誌をハローワークが出しているのはウナギ登りに数がふえているわけでありまして、夜もずっと置いていたらあっと言う間になくなる、十日ごとに出しているのだというお話も伺いました。恐らくそれは、当然ながら、現場の予算は微々たるものであっても二倍、三倍となっているわけでありますから、そうしたきめ細かな対策をお願いしたいのと、現場では特に、求人開拓についても人手が足りない、しかし今人をふやすわけにはいかぬということでそこをどうするかという、本当に悩みの声も聞きました。  そういう意味では、臨時の人件費の手当て等もよく考えていただきたいと思いますし、ともかくも一人でも失業者が少なくなるように、即効性のある予算をぜひ御検討いただきたい、このことを私はお願いしておきたいと思いますが、何か御答弁がありましたら。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 先生御指摘のように、来年度予算につきましては、景気対策臨時緊急特別枠というような形で一般財源についての追加要求ができることになっております。これは期限が十月末でございまして、十月末までの間に、私ども、先生の御指摘も踏まえて、できるだけ効果的な雇用対策がとれるような予算について検討してまいりたいと思います。  その間、ただいま大臣お答え申し上げましたように、政労使の雇用対策会議等での御意見、そういうものもあろうかと思いますし、そういうものも含めて、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 ぜひお願いをいたします。我々も、この内容についてはしっかり関心を持っていきたいと思います。さっき百億程度が多い、少ないというような議論がありましたけれども、私は、本当に極めて大事な予算だろうというふうに思っております。  そこで、予算絡みでもう一点お伺いするのですが、雇用保険の収支見通してございます。  完全失業率の増加に伴いまして、雇用保険制度の失業給付を受ける方も、マスコミ等の報道によりますと、もう百万人を超えるような状況になっている。私、たしか三月の雇用保険の法律の改正のときに、この委員会でも、収支は大丈夫か、安定的な運営は確保できているのかというお話を申し上げました。  あのときは多分財構法の絡みで申し上げたと思うのですが、あのときの労働省の御説明では、九十万人を超える失業者になっても対応できるんだ、こういうお答えをいただいて、ああその辺が一つのレベルかなと思ったのですが、既にそれを超えて百万人を超える状況になっているということになると、雇用保険の収支見通しというのは気になるところでありまして、前回の改正で国庫負担も本則の二五パーから二〇パー、さらには一四パーに下がっているわけであります。これは財構法の絡みもあったわけでありますが、雇用保険制度の安定的な運営は本当にこれで確保できるのか。  あのときの議論では四兆円ぐらいの蓄積があるというお話も伺っておるわけでありますけれども、今後の国庫負担の見直しの動向等も含めて、収支の状況を御報告いだだきたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 さきの国会で雇用保険法の改正案について御審議いただいたときに、先生御指摘のように申し上げたと思います。  雇用保険財政につきましては、積立金の平成九年度末残高が約四兆円となっております。ただし受給者は現状では増加傾向が続いておりまして、その当時申し上げました九十万人あるいは九十五万人、こういう数字をさらに超えて、最近の状況は百万人を超えておるわけでございます。最新時点で百九万人と、当時申し上げた状況よりさらに厳しくなってきている、これも事実でございます。  そういう状況の中で、少なくとも当面、積立金残高との関係で、失業等給付の支給に支障が生ずる状況にはなおないとは考えておりますが、ただ今後、中長期的に現状の経済情勢がなかなか改善しない、仮にそういう前提に立ちますと、現在の収支は構造的に赤字になっておりまして、保険料の収入に比べて保険給付の支出が多い、そのギャップが大きい、それを積立金を取り崩して運営している、こういう現状であります。それで、受給者実人員が百九万人という数字はこの前の好況期の倍でありますから、そういう状況にある、その辺をどうするかということは常に頭に置きながらこの制度を運営していかなければならない、そういう情勢でございます。  その際に、ただいま国庫負担の見直し問題の御指摘がございましたが、課題といたしましては、今申し上げました積立金の水準あるいは雇用保険事業の収支状況等を踏まえまして、雇用保険事業の安定的運営を確保するために保険料率の見直しの必要性が生ずるということもあり得るわけでありまして、保険料率を見直すその際には、国庫負担についても、その時点での国の財政事情あるいは雇用保険事業の財政状況等を勘案しながら検討しなければならない、そういうふうに考えております。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 この状況でいくと保険料率の見直しも検討するときが来るかもしれない、そのときは国庫負担も、こういう話でありましたけれども、私が一番気になっておりますのは、財構法がどうなるのか。もう吹っ飛んだんじゃないのかという気もしておりまして、そうするんだったらそれで、この部分はちゃんともう一回議論をしなければならぬのではないかという気がいたしております。  そこはお答えもなかなか難しいでしょうから、時間もありませんから、もう一つ、きょうは大臣の御専門とはちょっと離れた分野でぜひ大臣に聞いてもらいたいお話がございますから、話題を出したいと思います。  介護保険法の施行に伴う介護労働力の確保、こういう観点であります。  私はこの労働委員会でも厚生とのパイプをずっと自分自身考えている立場でありまして、介護保険法が御案内のようにもうすぐ施行になります。法律が通りました。現場で今随分動いているわけでありますが、労働省サイドももちろん法律を持っておりますし、特に家政婦紹介所あたりの動向も労働省の業務としてはあるわけでありまして、いろいろな問題を抱えてこの業界も動いている、こういうことがあります。  介護保険法が本当に十二年度の開始ということで、現場がまさに動き出しておりまして、家政婦の業界の方、有料職業紹介の形態をとる家政婦紹介所の方々も、いろいろな準備なり、あるいは悩んだまま全く動きがとれないという方もあるわけでありますが、しかし、ここへ来て、介護保険が始まる、具体的な厚生省の政省令の案が現場にどんどんおりできますと、さすがにいろいろなことをお考えになっているようであります。  そういう意味では、十一年度予算を今からおつくりになるわけでありますが、さらに、家政婦さん方、介護労働力、この方々を有効に活用するために、労働省としても具体的な支援策を検討していかれる必要があるのではないかというふうに私は思っているのでありますが、検討の状況をお伺いしたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 ただいま先生御指摘の問題でございますが、おっしゃるとおりでございまして、介護保険法の施行、これがもう一年半後になっておるわけでございます。そういう中で、では具体的に介護保険法の制度のもとでどういう形で今までの経験を生かして対処できるか、こういうことになりますと、まだ具体的に固まってはおらない案という形ではございますけれども、看護婦、家政婦紹介事業者がみずから指定居宅サービス事業者というふうな形になることが有効である、それで請負で制度に基づく仕事をやっていく、こういうことが一つの方向として有効である、こういうことでございます。  それではそれを現実にどうしたらいいかという点になりますと、先生おっしゃるとおりで、一つの紹介所等において具体的にそういう形で法人化をしてやっていけるところもございますし、なかなかそういう形ではやっていけないという零細な事業者の方もおられます。それからもう一つは、実施体制についても、市町村が複数の自治体で広域的に実施するというようなこともあるようでございまして、そうしますとそれに対応できるような体制でないといかぬ。それから、請負でやるためには法人化することも必要である。そうすると、それも個人でやれる場合と、なかなかやれないとすれば共同で法人化して対処するということも考えなければならぬ。  こういう問題がございまして、そういう意味で、来年度予算要求におきまして共同化モデル事業というような形で、共同化して法人化して問題に対処していく、そういうふうな形で介護保険制度の中においての請負での新しい仕事をやっていく、そういうことができないか。これはなかなか、現実にやってみないとどういうふうにできるかというのもわかりませんし、やるためにはやはりモデルケースで一定の支援をしながらそういうものをやってみる必要があろうということでそういうことを検討いたしております。  これは総額で二億五千万程度の要求をいたしておりまして、そのモデル、これは希望がどんな形で出てくるかという問題もございますが、一カ所最大二千万程度の支援をしてそういうケースを検討してみよう、そういうものでうまく成果が得られたらそれを普及していこうというようなことを考えております。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 ありがとうございます。これはあくまでも今から要求ということですから、ぜひ我々も応援をしたいと思います。  私は前々から具体的な支援策がないのかというふうに思っておりまして、現場をずっと回りながら悩みの声を聞かせていただいておりますから、これはありがたい事業だというふうに思います。願わくは、余り小さいことを言わずに、モデルということのようでありますから、まさに地域の実情に即したいろいろな展開ができるように御検討いただきたい。この予算が通ったら、一年度で終わることなくしばらくは大混乱の世界の話でありますから、ぜひ継続的なお取り組みもお願いしたいと思っておるのです。  そこで、私は、大臣にぜひ聞いてもらいたいのは、こういうすばらしい事業なのです。非常にマイナーな業界の話ではありますけれども、先ほどありましたように、新産業という観点でも介護、医療という分野は極めて大事でありますから、労働省の施策として今までもあったわけでありまして、これはまさに重要だと思いますが、これは厚生と一緒にやらないとだめなのです。幾ら労働省が頑張っても、労働省がいろいろな仕掛けをしても、現場において福祉サイドがこちらを向いてくれないとうまくタイアップできない、事業展開ができないという性格があります。  これは当たり前のようなことでありますが、なかなかできぬのです。私に言わせると、深くて暗い谷がある。本当に簡単なことのようですけれども、同じ地域の中で活動していながら連携ができない。それで、うれしいことに今度一つれしいことかどうか悩む表現ですが、厚生と労働が一緒になるということで、これが大分解決するのだろうという期待を私は前から持っておるのです。  そこで、十一年度の予算概算要求に当たりまして、「厚生省・労働省の政策連携について」というペーパーを私は見させていただきました。この中に四点ぐらいポイントがあります。一点目が「障害者の雇用施策と福祉施策」、極めて大事な話であります。二点目が「高齢者の雇用施策と生きがい施策」、三番目が「少子化に対応した仕事と家庭の両立支援対策」、それから四番目が「職場と地域や家庭を通じた総合的な健康づくり対策」。  いずれも大事な部分かなと思っておるのですが、私は、せっかくこの四つの柱を立てていただくのだったら、今まさに征矢局長が御説明なさったようなアイデアはこの中で整理されてしかるべきだろう、この中に柱が立っているのだろう、こういう期待をしたわけで、ずっと内容を見ますと、なかなかどこでどう読むのかわからない。  私は、せっかく十一年度、恐らくこれは将来厚生省と労働省が一緒になることを前提に、今から予算編成でも事業でも政策連携をしようということで立てられた柱だろうと思うのです。その中になぜその部分をお入れにならなかったのかなということは、私はちょっと疑問を感じております。ぜひ入れていただきたいなというふうに思うわけでありますが、その辺の検討の状況を教えてください。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 ただいまの厚生省との連携施策の四つの柱、御指摘のとおりでございます。介護労働の問題につきましては、この四つの柱の中には入っておりませんが、御指摘のとおりでございまして、当然これは厚生省と連携しながらやっていかないとうまくいかない対策でございますから、その御指摘を踏まえて、厚生省と連携を図りながら今後対処してまいりたいと思います。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 ありがとうございます。  しつこく申し上げるようですが、この四つの柱はいずれも大きな柱だ、だから当然だということであれば、当然その四つの柱と今話題が出ています家政婦紹介所のケアワーカーとはレベルが違うということであれば私も理解するけれども、この四つの柱を見ましても、私は、もう内容は時間がありませんから議論まではしませんが、これと相並ぶだけの価値はあるし、ましてや、現場が介護保険で全体が動いているときでありますから、ぜひとも……。  さっきも言いましたように、この事業は、家政婦紹介所が性格を変えて有料職業紹介から請負という形態になり、そして自分たちも介護保険のサービスを担う会社になろう、一つでは厳しいから三つか四つ集まってやってみよう、こういうことなのです。ところが、これは幾ら労働省でやつても、現場において福祉の方が、ではその紹介所を福祉の拠点として考えていこうという認識を持っていただかないと、一歩も前へ進まぬのです。  そういう意味で、しつこく申し上げましたけれども、お決めになったことですから今さらというのは無理かもしれません。できればこの四つの項目の中のどこかで読み込んでいただくとか、あるいは別の手当てを考えていただくとか、ぜひ私はそういう位置づけだということをお願いをしておきたいと思うのですが、大臣、いかがでありましょう。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 この問題に大変に御造詣と熱意を持っていらっしゃる先生の御意見でありますから、入れさせていただきます。

桝屋敬悟平和・改革

○桝屋委員 ありがとうございます。  もう時間もありません。最後にお願いだけして終わりたいと思うのですが、先ほどの厳しい雇用情勢、実は私の地元問題で、ポリテクセンターの統廃合の問題が出ております。  統廃合については、事務方がお決めになってそのとおり進んでいることでありまして、地元の県や市とも連携をされながら進んでいるということは伺っております。まだ、すぐなくなるということではなくて、二つを一つにしよう、一つが統合になるのですけれども、私は、その方向は行政改革の中でやむを得ないという部分も理解いたします。  ただ、これほど厳しい雇用情勢の中で、職業能力の開発等が極めて大事な時点であります。どうも聞くところによりますと、統廃合の流れに乗ってしまったら、しばらくはまだ運営されるのですが、来年からもう訓練科目を減らそうというような計画になるようでございまして、できれば、現場でそのポリテクセンターが十分機能しているのであれば、昨今のこの厳しい雇用情勢を勘案の上、しばらくの間は柔軟な対応もお願いしたいなということを最後にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。

中桐伸五民主党

○中桐委員長代理 この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ————◇—————     午後三時十九分開議

岩田順介民主党

○岩田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。青山丘君。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 労働大臣、午前中に引き続き、さらにまた本会議の後、お疲れかもしれませんが、今我が国の労働雇用情勢は極めて重大な段階でもありますので、少し質問をさせていただきます。  まず第一に、今失業率が非常に高い。去年の今ごろは三・五%から三・六%、まだ六%にはなっておらなかったかもしれませんが、これは大変高い失業率だということで、相当緊張しておりました。それが、三・五から三・六、三・六から三・九、四・一から四・三、今のところはまた四・一になっておるようですが、この失業率を労働大臣は率直に今どのように受けとめておられるのか。恐らく相当厳しい状況だという答弁を聞くような気がしますが、その厳しさというのは労働大臣として本当に今どういうふうに受けとめておられるのかということを、ぜひ率直に聞かせていただきたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 私が労働大臣に就任をしました翌日が、本年六月の雇用失業統計の発表の日でありました。そのときに失業率は四・三%、これは史上最悪の数値でありました。  現在四・一になっていますけれども、これは御案内のとおり見かけ上でありまして、職探しをされている方がそれをやめてしまったというだけの話でございまして、恐らく私の在任中が一番厳しい状態が続くのではないか、数字の上からは大変に不名誉な数字が続く労働大臣になってしまわないかと、正直言っていても立ってもいられないという気持ちでありまして、今すぐできることは何か、それから将来に向けてできることは何かと、いろいろない知恵をめぐらせて今対策を練っているところでございます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 今、職を追われてといいますか会社を離れて新しい職を求めている人たちの立場から考えますと、その方の人生にとって最も困難な厳しいときを今迎えておられるわけでして、このことをぜひ念頭に置いておいていただきたいと私は思います。  それから、企業が今非常に苦しくなってきておりまして、金融法案の審議が片方で進んでおりますが、なお不良債権の処理がこれから出てきますと、より失業者が出てくることが十分考えられます。そうすると、四・一%からまた四・三%、四%台後半などというような、あるいは五%を迎えるというようなことは十分考えていかなければならない今の段階だ。労働大臣の就任で最も不名誉なときに私はと今おっしゃられたが、そういうような状況に今我が国があるということもまた、ひとつ大臣としては率直に受けとめておいていただきたいと思います。  それから、リストラが進みますと企業の株価は上昇に転じていく。これは一つのリストラの成果、リストラがいいことではありませんが、リストラが実施されますと株価は上昇に転じていく。ところが、そのことによって会社を離れなければならない人たちが必ず出てくる。これはもう明らかに明暗を分けていくわけですが、この明暗を分けていったことが固定化されていくような社会というのは決していい社会ではない。それはむしろ創造的な社会ではなくて破滅的な社会になっていく。  そういう意味では、この社会的な亀裂の問題をそのまま固定化していったり残していくという社会ではなくて、新しい職場がたくさん出てきた、そしてあすに向かって私たちの生活は見通しが立っていくのだというような、そういう社会をつくっていくことが政治の責任であり、特に今政府が取り組んでいただかなければならない重要な問題だと私は思うのです。  このあたりの認識、労働大臣としてどのように今受けとめておられるのか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 私は、本職につきますまで青山先生の御指導をいただきながら御一緒に商工委員会で勉強させていただいたわけであります。十五年間産業政策を中心に勉強してきた人間が労働大臣に就任したものでありますから、今度の労働大臣は市場原理至上主義者ではないかという懸念も持たれているかもしれません。  しかし、私は、市場原理至上主義が正義だというふうには決して思っておりません。特に、労働省は厚生省などと一緒に社会のセーフティーネットを構成していく役所であります。ナショナルミニマムを担っていく役所でありますから、日本の安定要因の重要な要素たる雇用の安定に向けていかなる施策がとれるかと精いっぱい考えていかなければならないというふうに思っております。  私は、大臣就任のあいさつのときにこう申し上げました。我々が目指す社会というのは、競争に負けた敗者にむち打っていく社会ではなくてかといって怠惰を助長するような社会でもなくて、敗者がその傷をいやして再び挑戦をしていく勇気を与える社会でなくてはいけない。つまり、常に社会の至るところに敗者復活戦が仕組まれている。そして、それ以外にもちろんセーフティーネットがきちっとしいてある。そうやって活力を維持しながら何度も挑戦ができる社会、そういうチャンスがある、パイプがしかれている、そういう社会をつくっていかなくてはいけない。だからこそ労働省の役割が重要なのだということを、幹部を集めて訓示をした次第でございます。  そういう思いでやらせていただいております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 そこで、そういう経済社会情勢の中で、労働省として当面こういう雇用政策を積極的に進めていきたい、あるいはまた、もう少し長期的にはこういう政策を進めていきたい、それにはこういう展望が出てくるというところをひとつぜひ聞かせていただきたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 現在行っております施策について、先生よく御存じだと思いますが、総合経済対策の中で緊急雇用開発プログラムを組んでおります。これは、まだその進捗状況は道半ばにあります。これをしっかりと推し進めていく。そして総合経済対策の実施を着実に迅速に行っていく。  それとあわせまして、私が提案をしました新しい二つのことは、一つは、求人求職情報のネットワーク化をしていく。ハローワークの情報だけではなくて、それ以外の各種経済団体の情報も有効に使ってミスマッチを防いでいく。あるいは、新しい時代を担う事業に向けた、時代が要請する職業能力開発に柔軟に取り組んでいく。いろいろな施策を、今、短期、中長期に向けて取り組ませていただいているところであります。  あわせて、政労使による雇用対策会議の成果を政府の雇用対策本部に反映をしていきたいというふうに考えております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 今、緊急雇用開発プログラムは道半ばと言われておりますが、まだスタートを切ったばかりかもしれません。私は、助成率を上げてきたことで大きな成果をひとつぜひ上げていってもらいたいと思っております。  このことについてちょっと触れていきたいので、今大臣が述べられました景気回復の問題、これはきょうは時間がなくて恐らく触れられないかもしれません。もう一点は、新規産業について後で少し触れていきたい。それから、できれば職業安定行政について少し、時間があれば触れていきたい。  そういうようなことで、緊急雇用開発プログラムが助成率を上げてきて、どのような現在の普及率といいますか利用率といいますか、今のところどれぐらいに上がってきておるのか、率直に成果としてどのような評価が今できるのか、そのあたりはいかがでしょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 緊急雇用開発プログラムにつきましては六月十八日から実施をいたしているところでございまして、その利用状況、成果等については、明確にまだ具体的な数字が上がってきているというほどの状況ではございませんけれども、例えば特定求職者雇用開発助成金につきましては、これは年齢を四十五歳以上に下げて実施しているわけでございますけれども、新たにその対象となる見込みの方、これが六、七月において約一万人を超えております。これは、具体的な支給は六カ月後ということになりますけれども、その計画の対象者が既に一万人を超えているということでございます。予算の積算上は、本年度について約九万人の追加を見込んで約百八億円補正計上いたしておりますが、恐らくこれは年度内、結果としてはその数字を上回るものと見込んでおります。  それから、雇用調整助成金。これは、七月時点で支給が見込まれる休業あるいは教育訓練等の計画対象者数は約十二万人となっておりまして、緊急雇用開発プログラムの実施前に比べますと約三倍の数字になっております。  このように、緊急雇用開発プログラムによる助成金の助成率の引き上げ等の措置は、雇用の維持安定などに一定の効果を上げていくものというふうに考えているところでございます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 もう一点だけ。今考え方として出てきておるようですが、就業機会をもう少しふやしていかなきゃいけない、そういう意味で、新しい事業を起こしていく人たちに助成をしていこう、新規開業支援助成金制度の考え方を持っておられるようですが、この内容について、どのあたりをターゲットに進めていこうとしておられるのか、いかがでしょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 十一年度の概算要求に盛り込んでおります。ただいま御指摘の新規開業支援助成金、仮称でありますが、その考え方でございますけれども、これは御指摘のように、雇用失業情勢が厳しさを増し、雇用機会が不足している状況にあるため、新たな雇用機会の創出を図ることが大変重要となっております。  このため、私ども労働省としてどこまで対処できるか、こういう視点から検討いたしまして、雇用保険の受給資格者が新たに事業を開始し、他の労働者を雇い入れた場合、起業家、雇用保険の受給資格者本人及びその雇い入れた労働者の賃金相当分を助成する制度、これをつくってはどうか、こういうことでございまして、これによって受給資格者自身の失業状態の解消と新たな雇用機会の創出という二つの効果をあわせ持つものというふうに考えております。  この点につきましては、実はそういうことで検討いたしているわけでありますが、甘利労働大臣から、新規開業支援という観点からいくとこれでは不十分である、産業政策と一体となって労働政策でどこまで検討できるかさらに検討すべきであるという御指示をいただいておりまして、その点については現在検討中でございます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 新規開業支援助成金制度については、もう少しこれから議論を深めていきたいと思っています。  それから、構造的、摩擦的要因によるところの失業率については後でちょっと触れさせていただきたい。もう一点は、需要不足による失業率。これは、景気対策を総合的に経済全体で進めていくことですから、この点についても、時間があれば少し触れさせていただきたいと思います。  経済団体などが持っている求人情報というものがあるようでして、産業雇用情報ネットワーク、さっき大臣の答弁の中に出てきた言葉ですが、情報を有効に活用することによって求人倍率を改善していく、あるいは雇用のミスマッチを解消していく。まあ解消は難しくても、解消の方向にきちっと持っていくということは私は必要だろうと思いますので、産業雇用情報ネットワークの考え方について少しお話しいただけませんか。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 実は、前任大臣が、この深刻な失業状況にかんがみ、経済団体を回りました。そのときに、もう一度傘下の企業に新規雇用がないか調査をしてもらいたい、そしてその情報を適宜適切、連携をとらせてもらいたいというお話まではありました。  私は、就任しまして、今の状況の中で何ができるかということを考えたときに、それぞれ経済団体が持っている情報ストック、それにこちら側から恒常的にアクセスができないだろうかということを考えたわけであります。  そこで、実は、先生と一緒に産業政策をやってまいりましたから向こうの事情もよくわかるものでありますから、経済界側には経済界の自分たちのレーゾンデートルといいますか、ここまでは譲れるけれども、これ以上はだめよという部分があるのもよく承知をしておりまして、そこで、日商それから全国連と中小企業団体中央会、日経連を回りました。私の最終的な思いはデータベースのオンラインというところまでいきたい、しかし、それぞれの事情があるし、当然団体には存立理由があるから、こういうことだったらこんな団体は必要ないとまで会員に言われてしまったら大変なことになるから個別の事情は配慮をするので、どこまでできるか考えてほしいということで回りました。それで、協力はします、しかしこういう個別の問題がありますというのは全部上がってきました。  基本的には賛成をいただきまして、それぞれの経済界の持っている情報とハローワーク、これは各都道府県にハローワーク情報プラザというのを整備するのでありますが、そこでネットワークを結んでいくということにさせていただきました。中にはデータベースそのものがないということなので、若干越権行為でしたけれども、通産省がよく来ますものですから、ここの団体にデータベースがないからそのつくる予算をつけてくれないかということで協力してもらいまして、来年度予算でつけるということにもなりましたので、これは次年度からスタートしていけるものと思っております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 大臣のねらいはよくわかりますし、私も、それはぜひ進めていっていただきたいと思います。  労働省が持っておられる情報というのは、恐らく全国六百における職安から出てくる情報が中心であろうと思うのですね。相当粗っぽい言い方をするとブルーカラー中心になっていくのかな、経済団体が持っている情報といえばホワイトカラー中心になっていくのかなと。しかし、それは峻別して分けていくものではなくて、人材の適材適所といいますか、能力を開発していった人たちが新しい職場に道が開けてくるという意味では、これは両方アクセスすることが非常に意味があるわけです。そういう意味で、後で職安について少し触れさせていただきますが、そういう情報を片方に偏らないで、総合的に、働きたいと思っている人たちに新しい職場が提供できるような情報のネットワークというものを確立していくことがスムーズな労働移動に必ずつながってくるもの、ぜひ進めていただきたいと思います。  それから、七月の完全失業率が四・一%、なお有効求人倍率は〇・五〇倍。非常に悪い水準が続いてきておりますし、その内容は、産業構造の転換や、職業や年齢や地域などの違いによってできてくる需給のミスマッチ、構造的、摩擦的要因による失業率が約三%くらいだと言われております。  同時にまた、この人たちの社会全体の中における人材の適正配置を考えていくことが労働行政にとっては重要な仕事であろう、また、そういう人材の適正配置が可能な社会を築く、そういう役割があるというふうに私は考えますが、労働省としては、この点どのように考えておられますか。  一つは、需要不足の要因による失業率については、これは先ほども申し上げたように経済対策で全体でやっていく。労働省としては、もう少し構造的な問題、摩擦的な要因によるところの失業者に対して、新しい職場へ変わっていくことができるような、そういうきちっとしたシステムを築き上げていく必要が私はあると思うのですね。その点いかがでしょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 ただいまの先生の御指摘のとおりであると私ども基本的に考えております。  最近の失業率を分析いたしました場合に、職業、年齢あるいは地域などの違いによる労働力需給のミスマッチなどから生ずる御指摘の構造的、摩擦的失業、これが四・一%のうち約三%程度とかなり大きな割合を占めてきている。これが年々上昇傾向にあるということでございます。残りが需要不足失業率、これが一%程度でございまして、これにつきましては、経済対策その他で需要の拡大が図られませんとなかなか難しいという要因があるわけでございます。  この構造的、摩擦的失業につきまして、できる限りこのミスマッチをなくしていくこと、これが非常に重要課題でありまして、そのためにどうしたらいいかということになりますと、やはり一つには、できるだけ適切に職業能力の開発等を行うことによって新しいところに行けるようにすること、あるいは、職業紹介機関が職業相談あるいは職業紹介を積極的に行うことによって新しい分野に移動できるようにしていく、あるいは、民間におきます労働力需給調整機能、これについてできるだけ広げていく、そういうことによりミスマッチの解消を図る。  そういうことによって人材の適正配置が進むようにしていくことは、今後の重要課題であるというふうに考えております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 そういう意味では、産業構造の変化にきちっと対応していく、そのためには紹介事業をもう少し拡大していかないとうまくいかない。規制緩和を進めていくことによって労働市場の機能を、それぞれの役割を高めていく、強化していく。  そういうことをシステムとして、例えば派遣法に対する改正の考え方も今あるようですが、このあたりの、産業構造の変化に対応できるような仕組みをつくっていくために今どのようなことを考えておられるのか、少し聞かせていただきたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、二つ基本的な考え方があろうかと思います。  一つは、公共職業安定所におきます基本的な役割、これにつきましては、全国ネットワークで無料の職業紹介を行う。憲法二十七条、勤労の権利を出発点といたします勤労者、失業者の方の権利を確保する、そういう視点からの行政としての役割、これは時代が変わろうとも変わらない基本線の一つであるというふうに考えております。  それとあわせまして、民間において、構造変化等が進む中でのミスマッチを解消していくために、有料で職業紹介事業を行う、その取扱職業の範囲をどうするかという問題につきまして、これはできるだけ拡大すべきである、こういう御意見かと思います。  その点につきましては、既に昨年の四月からネガティブリスト化いたしまして、対象職業について、ホワイトカラー等については基本的にできるような形にいたしているところでございまして、昨年六月、ILOの百八十一号条約も制定され、そういう中身に沿った検討も今後進めていく必要があるというふうに考えております。  それから、あわせまして、御指摘の労働者派遣事業のあり方につきましても、臨時的、一時的な労働力の適正、迅速な需給調整、それとあわせて労働者保護措置を充実強化する、そういう観点から、ILOの百八十一号条約の内容を踏まえつつ労働者派遣法の改正案を検討いたしているところでございまして、私どもといたしましては、できるだけ早く国会で御議論をいただきたいというふうに考えております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 これは、考え方として私の考えと少し違うということが出てくるかもしれませんが、例えば派遣法の派遣事業の拡大、規制を緩和する、これは、これとこれだけですよという発想、それからこれ以外はだめですよという発想、そういうところからもう少し広げていく必要が私はあると思うのですね。ここのところをこれからもう少しお互いにまた議論しようと思います。ここのところは少し詰めていく必要があるのじゃないかと私は思います。あったら意見を聞かせてください。  それから、職安について触れさせていただく前に一点だけ、中高年者の再就職の問題です。職種転換に備えた職業能力開発を進めていく、考え方は非常にわかりやすいのですが、現実的には中高年齢者は、一たび職を離れますと、逆に言うと、特定の技術を持ったりノウハウを持ったりしているのが障害になって次の職場になかなか行けないというような一面を持っておりまして、それが転職の壁を高くしておって、それでいて生活は非常に重要な段階にある年齢になってくるわけですね。若い人たちは、まだこれといった技術も仕事のノウハウもないうちはいろいろな職種に対応できて、会社にしても若い人たちに一生懸命能力をつけさせようとして努力するわけですけれども、一定の力量を持った人が新しい職場に移っていくというのはなかなか難しい。  ここのところをどういうふうに進めていこうとしておられるのか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 御質問の最初の部分でございますが、今後の有料職業紹介制度あるいは労働者派遣事業制度のあり方について、対象業務についてどう考えるか、こういうことでございますが、有料職業紹介制度につきましては、既に職業安定法の省令を改正いたしまして、従来はできるものがこれこれという決め方であったわけでありますが、省令の中でできないものはこれこれの範囲であるというふうな考え方、したがって、そこで禁止されているもの以外についてはすべてできる、こういう考え方で制度を発足させております。  それから、労働者派遣事業制度におきましても、基本的に、今後のあり方としてはやはりそういう考え方をとるべきである。これは、昨年制定されましたILOの百八十一号条約においてそういう考え方が明記されておりまして、あるいは先進諸外国いずれもそういう形で実施されている、そういう点から判断して、今言ったような考え方をとるべきであろうというふうに考えております。  ただし、日本の労働市場を前提として実際上どういう形で実施するかという問題、これは、日本の市場をよく考えて実施しなければならない、そういう問題がありまして、そういう観点から、どういうふうに制度を仕組むかという問題とあわせて考えるべきだというふうに思っております。

日比徹労働省大臣官房審議官

○日比政府委員 先生御指摘の中高年齢労働者の問題でございますが、御指摘のように、それまでにいろいろな職業経験をお持ちで一定の技能なりを身につけておられる、そのことがいわば転職の壁になることも確かにございます。  中高年齢者の問題につきましては、一つには、今御指摘のような壁の部分につきましては、これはいわばカウンセラー的なものが必要で、これは職業安定行政の一環でいろいろやっていただく。  それからいま一つは、新しい職種、新しい転換先の問題、これにつきましても、能力開発行政の一環といたしまして、これはまだ開発途上の手法という点もございますが、能力開発診断といいますか、能力診断をやるとともに、先にどういうことが向いているのか、これはまだ十分確立した技法とまでは言えませんけれども、そういうものを今できるだけ具体的に現実の手段になるようにしようと思っております。  その結果で、中高年の方々に向いた訓練、その点は中身の点だけではなくて、実は先ほどのお話にもございましたように、まず最初に新しい訓練、ほかに転換するということについての心理的な要因も除きつつということになりますが、そして訓練の内容、あるいは、教え方と言うと口幅ったいのですが、訓練の方法等につきましても、中高年向けのものを少しずつ今ふやす努力をしておりますが、今後におきましても、そういう姿勢で取り組んでまいりたいと思っております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 中高年齢者の再就職先というと、例えば建設業、製造業に占める割合が多いのですけれども、こういう分野というのはだんだん縮小の方向にあったりしまして、見通しとしてはなかなか難しい。さりとて第三次産業への移動といっても、年齢的にこれも実はなかなか深刻で難しい問題。けれども、それを乗り切らなければならない。そこが職業能力開発を進めていく上ではなかなか難しくて、口では言えるけれども現実はなかなか難しいという悩みがきっとあるのでしょう。しかし、これは、どうしても乗り切らなければならない問題としてやはり行政としてしっかり受けとめて、この対応、取り組みをしっかりやっていかないといけないなと実は私は思っておりまして、そのとおりだというなら答弁は要りませんが、またお聞かせいただきたいと思います。  それから、職業安定所のことですけれども、今、求人と実際に就職できた件数との数値というのが出ておるのでしょうか。職安だけにすべて依存するというのも、企業にとっても何となく不安、働きたいと思っている人たちも、どうもなかなか十分な求職のリストが出てこないというような気がするのですね。  それで先ほどの情報ネットワークの問題が出てくるのですけれども、問題は、例えば職を求めておる個人が直接的にアクセスできるような、インターネットみたいな考え方まで考え方として幅を広げていかないとなかなか難しいのかなと思っておるのですが、現状での職業安定所における有効求人数と就職件数はどのようになっておりますか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 本年七月におきます有効求人数は百十五万八千十八人でございます。それに対しまして、就職件数は十二万四千九百九十三人でございます。  御指摘のように、有効求人数が減少するなど厳しい雇用失業情勢の中で、インターネットなどの情報システムを活用して求人や職業能力開発に関する情報を効率的に提供することが今後極めて重要になってきているというふうに考えております。このため、インターネットを活用した公共職業安定所の雇用情報提供等につきまして試行的に実施するための準備を進めますとともに、インターネット等を活用した、経済団体の保有する求人情報、産業雇用情報を収集、提供するネットワークの構築、これも検討しているところでございます。  なお、この際私どもの立場で考えなければならないのは、守秘義務に触れるような情報提供、これはできないわけでございまして、そういう点は今後検討しなければならない。(青山(丘)委員「数字をもう一回教えてください」と呼ぶ)  七月におきます有効求人数は百十五万八千十八人であります。就職件数は十二万四千九百九十三人でございます。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 十二万四千という数字は非常に大きな数字です。大きな数字ですが、百十五万の求人数に比べると、約一割くらいでしょうか。片方では人が余っていますけれども、やはり片方では人が足りないというところだろうと思います。これがうまく適正に職業移動ができるようでしたら、非常に幅のあるいい社会だと言えると私は思うのですが。なるほど十二万四千は非常に高い、需要にこたえた努力を職安はしておられると思うけれども、具体的な成果という点では、もう少し工夫を凝らして、仕事を求めている人たちに職場が提供できるようになっていくのではないかと思うのです。  少し数字として低過ぎると言っては過酷な言い方ですけれども、そんな受けとめ方も同時にできるわけで、そのあたりはいかがでしょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 就職件数について、数字が、もう少し多くすべきではないか、低過ぎるのではないか、こういう御指摘でございますが、そういう点があろうかと思います。年間にいたしますと大体百五十万人程度就職件数がございますから、これはかなりの数字だと思いますけれども、今言ったような御指摘もいただいているところでございます。  これは幾つか原因があるわけでありますが、一つには、求人の労働条件の問題等もございまして、雇用保険の失業給付を受給しておられる方についての職業相談、職業紹介、この辺につきましては、失業給付との比較でなかなか就職に至らない、こういうこともあり得ます。そういう方については、実態でいきますと、失業給付終了後に就職されている方が多いかと思いますが、そういう方は安定所紹介という形でなくて就職されている例も多いのではないか。安定所におきましては情報提供を今やっておりますから、必ずしも紹介をしなくても就職できる、そういう問題もございます。  いずれにいたしましても、今後さらに就職実績を上げていくことは私どもの重要課題であり、さらに努力をしなければならないというふうに考えております。

青山丘自由党

○青山(丘)委員 残余の質問がありましたが、最後に一言。もう少し職安の機能を高めていくという努力が私は必要であろうと思いますので、特段のひとつ努力をお願いしておきたいと思います。  終わります。

岩田順介民主党

○岩田委員長 次に、大森猛君。

大森猛日本共産党

○大森委員 雇用失業問題がなぜこれほどに今深刻な事態になっているか、この点からまず大臣のお考えをお聞きしたいと思うのです。  雇用政策は即経済問題、経済政策と言われるように、大もとにあるのは戦後最悪の経済不況、しかもそれが今、未曾有の消費不況の様相を呈してきているわけであります。そういう消費不況を引き起こしたのが、少なくとも有力な要因になったのが、昨年四月の消費税五%への引き上げ、あるいは九月の医療費の値上げ、いわゆる九兆円負担増にあったということは広く指摘をされているところでありますけれども、今国会あるいは通常国会において、橋本前首相も小渕新首相もなかなかこの点はお認めにならないわけなのですが、まずこの点、甘利労働大臣はどのようにお考えになっているのか、端的にお伺いしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 消費税は三%で済むなら、五%とどっちがいいかと言われれば、三%がいいとみんな答えるに決まっているのでありまして、要は、日本の景気を回復させていく基礎体力が想像以上に弱かったという点を見抜けなかったということではないかと思います。  三%から五%に上がりまして、四月の個人消費は落ちました。四−六ではダウンをしましたけれども、恐らく見誤ったのが、七−九で回復をした、回復をしてしまったと言ったらおかしいのでありますが、回復したので結局消費税を上げたりバウンドは吸収し切った、そしてこれから回復基調に向かうというところで判断を誤ったのだと思います。その後に金融不安が来まして、一挙に十一月以降消費ががくんと落ちてきたわけでありまして、日本の基礎体力は、我々が思っているほど強くはなかったというところではないかと思っております。

大森猛日本共産党

○大森委員 判断を誤ったということはお認めになったわけなのですが、経済企画庁もそれから日本銀行も、ともかく昨年の四月から景気の後退が始まったということで、これはもう既に公式に認定をされているわけですし、何よりも、こうした消費不況の大きな要因がそこにあったということが明らかであれば、これは、私ども日本共産党だけではなくて、政治の分野でもいろいろな分野でも、消費税引き下げが緊急に今の景気回復で大きな効果があると広く指摘をされているところであって、特にそういう点で改めて私も要求をしたいと思います。  つい先週発表された国民所得統計速報では、成長率が三期連続マイナス、これも戦後初めてでありますけれども、その中で個人消費が前期比〇・八%マイナス、住宅建設も一・〇%のマイナスということで、この速報の中でも明らかにされているように、家計消費の落ち込みが、雇用不安の増大やあるいは完全失業率の高どまり、実質賃金の減少と深い関係があることも指摘されている。ですから、今こういう消費不況によって引き起こされた雇用不安の増大、それが今度は消費不況を一層促進するというあしき相関関係、循環がつくり出されているという意味でも、この雇用失業問題は、もう一刻の猶予もならないということを指摘をしたいと思います。  先ほども青山委員からお話がありましたが、失業というのは、それこそその労働者にとっては人生最大のピンチだ。御本人だけじゃなくて家族の方々も、高校や大学の進学をあるときは断念しなくてはいけない。それぞれの労働者や家族の人生そのものを変えていく、そういう本当に重みのある問題だと思います。  その失業問題を深刻にしてきたのが一こういう経済情勢の中で、倒産の激増もありますし、それとともに特にきょう取り上げたいのは、大企業等で大がかりな雇用調整、リストラ、人減らしが進められていることであります。本日の委員会でもいろいろ議論がされましたけれども、いわば水道の蛇口から失業者がほとばしり出ている、この蛇口を閉めるという点では余り御議論がなかったように思うわけですね。  今のリストラ計画等々については、非常にいろいろな報道がされております。あるいは労働組合等もいろいろビラ等も出しているわけなのですが、例えば私が入手したものの中では、石油関係、電機関係、自動車、鉄鋼、銀行等々あらゆる産業分野で大々的なリストラ計画が進められている。  例えばこれは神奈川の石油会社でありますけれども、正社員は六〇%、専門職、派遣社員は四〇%目標、当面七百人の人員削減とか、あるいはこれは日立の栃木工場ですが、二千五百人のうち約千人を子会社に出向、転籍させるとか、さらに、これは池上通信機というところの組合が出したチラシでありますけれども、すさまじいことがやられているわけですね。  そのままお読みしますと、「池上通信機における希望退職募集は、四五歳以上の対象者全員の家庭に「退職願」の用紙を送り付け、しかも夏休み明けから行われた個人面談で、退職の意思がないことを明確にした五〇歳代後半の労働者には「残っていても仕事はない」「君の席はない」「草取りをやってもらう」などおどし、いやがらせの退職強要が行われました。」こういうことが今、全国各地で行われているわけですね。  この間の東商リサーチの調査では、「大企業リストラ加速」というような報道もされたり、週刊誌などではもうすさまじい見出しが躍っています。「虐殺リストラの時代」あるいは「大失業時代の悲惨な「現場」」こういうことも言われているわけです。例えばその週刊誌の中で、「なかには業績の悪くない企業が先手を打つ「新型リストラ」まで登場し始めた。働く現場からの「悲鳴」を追った。」と、中見出しで書いているわけであります。  私は、少なくともこういう状況の中で、便乗的なリストラあるいは一方的な解雇、解雇権の乱用、こういうものは絶対にあってはならないと思いますけれども、まずこの点、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 通告順番どおり御質問いただけないので多少戸惑っておりますが、労働者を解雇するには解雇する要件がそろっていなければなりません。そして、解雇権を乱用した場合には、裁判事例でもそれを認めないということがあるわけでありまして、雇用調整、リストラをやる場合にも、判例での四案件といいますか、そういうものにちゃんと合致をしているかいないかということで判断をされるわけでありますから、もろもろのそうした縛りはありますので、乱用ということは防げるような環境整備はできているのではないかというふうに考えております。

大森猛日本共産党

○大森委員 一方的な解雇権の乱用を防ぐ、チェックする、そういうシステムが今の労働省に本当にあるだろうか。こういうときに労働省は何ができるかということで、ぜひ積極的な答弁をお願いしたいのです。  例えば、民間であれば、日本労働弁護団あるいは労働組合等で雇用ホットラインとかリストラ一一〇番、いろいろやっているわけですね。そういう点で、今お話がありましたけれども、先ほど紹介した週刊誌でもこういう解雇に対してはこう闘えというような記事まで掲載をされているわけなんです。今労働省に行けば、あるいは労基署に行けば何とかなるんだ、そういう希望が労働者にわくような措置をぜひとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 お話ございましたように、解雇につきましては、裁判等におきまして、解雇権の乱用の法理、あるいは整理解雇につきましても許される場合の原則というものがほぼ確立しておるわけでございます。  私ども、現在参議院の方で御審議願っておりますが、労働基準法の改正法案を提案させていただいておりますが、その中で、事業主に解雇の理由を書面で労働者に渡すことを義務づけ、それらを活用いたしまして、労働基準局が当事者の求めに応じて、そういう民事的な問題を含みます解雇の効力等について事実関係を整理し、助言、指導して、裁判等に持ち込まずとも解決できるシステムを構築しようということを織り込んで提案させていただいておるわけでございます。  それらを一日も早く実現させていただくことが、先生から御提案のあった、行政においてそんな問題をできるだけ速やかに解決して、労働者の方を不当な解雇等から守っていくための道筋ではないかというふうに私ども思っておりますので、ぜひそういった点につきましても先生の御協力、御支援をお願い申し上げたいと存じます。

大森猛日本共産党

○大森委員 先ほど大臣が、最高裁等の判例に基づいて四つの要件がそろわなければ解雇できない、その点のお話がありました。  四つの点を念のために申し上げますけれども、一つは、企業の維持、存続ができないほどの差し迫った必要性があるかどうか。二番目に、解雇を回避するあらゆる努力が本当に尽くされたかどうか。三番目に、解雇対象の人選が合理的、公正であるかどうか。そして四つ目に、以上について本人と労働組合に事前に十分な説明をして了解を求める。こういうことが事業主及び多くの労働者に、徹底を含めて、どういう指導啓発等をやられているのでしょうか。     〔委員長退席、中桐委員長代理着席〕

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 先生からお話のございました整理解雇をめぐりましての裁判例、こういった点につきましては、平成六年当時から、私ども、全国の労働基準監督署を通じて、そういった判例の理論が確立していることを事業主の方に周知徹底させるべく、パンフレット等を用意して、そういったことの考え方の普及に努めておるところでございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 今回もパンフレットを拝見させていただいたのですが、部数が全国で百万部、失業者の数にも合わない。しかも、今から三年数カ月前につくったきりという状況で、この点で、今の局面にもっとかみ合う、もっと役に立つ、そういう措置をもっと具体的に進めるべきではないかと思いますけれども、いかがですか。

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 今申し上げたパンフレットは、私ども、もちろんこれは事業主に理解させることが前提でございますので、百万部を印刷し、活用して、こういった内容の説明、周知に当たっているところでございます。  そういった考え方は私どもも大分広まってはきていると認識しておりますが、ただ、残念ながら、民事的なことも含めまして、当事者間の解雇をめぐる争いというのは、窓口に寄せられる件数は、正直、かなりあるわけでございます。そういった個々の問題にも具体的な対応ができるように、個別紛争の解決促進のためのシステムを盛り込んで法案を提案させていただいて、目下、十月一日の施行を予定いたしております。  私ども、各地方の労働基準局にそういった権限と任務が与えられれば、先生から御指摘があるような問題についての行政の対応もより効果的に進められると思いますので、ぜひ御理解をいただきたいと思っております。

大森猛日本共産党

○大森委員 先ほど紹介した「虐殺リストラの時代」という言葉が躍るような、そういう中で猛烈なリストラのあらしが吹きまくっているという点で、例えば、今、そういうリストラ、合理化計画、人減らし計画等々について全面的に調査をする、問題があれば是正や指導等も行っていくということは、労基法の改正を待たなくてもできると思うのですね。少なくとも、人減らしの計画が今どういう状況にあるのか。先ほど水道の蛇口に例えたわけなんですが、やはり失業者が蛇口からどんどんほとばしり出てくる、その状況を正確にきちんと把握していく、必要があれば蛇口を閉めるということも必要だと思うのですよ。  ですから、全面的な調査をぜひ要求したいと思うのですが、いかがですか。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 先生御指摘のリストラ、人減らしという点について例えば調査をするとしますと、定義が大変難しい問題になります。  労働省といたしましては、雇用調整ということを厳密に定義をいたしまして、四半期に一回、雇用調整実施事業所割合を調査し、その理由別に増減がどうであったか、こういうマクロ的な動きを調査をいたしております。  それからもう一つ、雇用者の数の方でいいますと、雇用動向調査で、これまた上期、下期で離職状況がどうであったかということを把握しております。  また、第一線の職業安定機関では、一度に三十人以上の離職者が出た場合には、大量雇用変動(離職)の届け出という制度で実際に個々のケースを把握しておりますし、日々の雇用保険受給資格決定の際にも事業主都合による離職というものを把握しておりまして、それらのデータ、調査を行政運営の重大な資料として活用しておるところでございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 一定の調査についてお話がありましたけれども、しかし、今の労働法制の中で、いわば蛇口を閉める、規制をする、そういう点はないと思うのですよ。  結局、これまでの最高裁等の法理を適用するか、あるいは裁判に訴えるか、そういうことがこれまで解決の手法であったわけで、やはり労働法制の中にきちんとそれを明確に位置づけるという点で、私ども日本共産党は、一昨年、解雇規制法案、これを提出いたしました。こういう最高裁等の判例を基準に法律化して、正当な事由がなければ解雇できない。要するに失業をつくらないという観点がどうしても必要だと思うのです。予算を必要としない。積極的な意義もありますし、たびたび紹介しておりましたように、ドイツ、フラン ス、イタリーなどヨーロッパ諸国では既に解雇を規制する法律もあるわけであります。  今、大失業時代と言われる中で、改めて、我が国でもこういう解雇規制の法体制を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 共産党の方から、解雇をめぐる理由の規制あるいは手続の規制について考え方が御提案されていることを、私どもも承知いたしております。  それらの内容を私どももいろいろ検討させていただくわけでございますが、それを読みますと、私ども、まず解雇の理由を事業主等がはっきりさせる体制、それから、それらについて一番実情を知っているのは労使でございますが、行政の方におきましても、当事者の求めがあれば事実関係を把握し、判例法理等に照らしてどういう問題があるのか、問題がある場合には事業主に対して適切な指導や助言ができる権限とか任務、こういったものを確立することが、先生から御提案あるそういった問題について検討していく場合のまず前提になるのではないかというふうに思っておるわけでございます。  そういった前提条件につきまして、私ども、繰り返しになりますが、御提案申し上げておる法案の中にそういったことを盛り込んでおるわけでございますので、これの一日も早い成立をぜひお願いをしたいというふうに考えておるところでございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 私どもの解雇規制の法案については、単に解雇事由の明示だけではなくて、例えば現在三十日の解雇予告期間の延長とか、あるいは再就職準備のための有給休暇、さらに、先ほどのような状況の中で、やむを得ず一たんは辞表を提出したけれども、しかしやはりこれは思いとどまりたいという場合のクーリングオフ制度の導入とか、そういうものもこの中で提案をしているわけなのですが、今申し上げた予告期間の延長とか、あるいは再就職準備のための有給休暇、クーリングオフ、こういうものについて労働省の方として今後検討する考えはないかどうか、どうでしょうか。

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 確かに、先生の方から提案ある内容につきましては、解雇の理由に関する規制のほか、解雇の手続についても種々規制の方法を提案されていることは承知いたしております。ただ、そういった解雇につきまして、恐らく、先生の方からのものですと、まず入り口の段階で理由による規制をしっかり行い、理由を明示させるとか、そういうことをやらせ、そういうことをはっきりさせた上で一連の手続の規制に入っていくという内容になっているかと存じます。  現在のもとでは、事業主に解雇理由等を明示させることが義務づけられていない。まずそういったことを義務づけさせて、それで、それらの当、不当等を行政の方においても判断し、いろいろ助言、指導を行っていける体制をつくり、そういった基盤の上に立って先生御提案のような方策について検討していくことが必要になるのではないかと思っています。  さらに、先生の解雇をめぐる点につきましての御提案を読まさせていただきますと、例えば、有期雇用の問題につきましても、いわゆる反復更新後の雇いどめの問題も含まれての御提案と承知いたしております。こういった問題につきましても、まだ判例法理が確立していると言える状況ではございませんが、私ども、先般、当委員会からいただきました附帯決議の中で、そういった問題についても学識者による研究を急ぐべきだ、こういうことをいただいておりますので、そういったことによって、雇いどめ等についてどういつだ法理が適用されるのかをはっきり確立し、そういったことの準備を終えて、例えば先生の御提案もいろいろな御提案の中の一つとして検討させていただく。目下、まずはそういった前提となる諸条件の整備をさせていただきたいというふうに思っておるところでございます。     〔中桐委員長代理退席、委員長着席〕

大森猛日本共産党

○大森委員 今の大々的な人減らし、合理化計画のその焦点になっておるのが中高年、先ほどもお話がありました。この点でも、中高年の求人倍率が非常に低いという点からいえば、失業問題全体そうでありますけれども、とりわけ中高年労働者についてはもう失業者をつくらないということが一番効果ある措置じゃないかと思うのですね。この点で、今大企業等で早期退職制度、この早期退職制度がいわばそのてこにもなっていると思うのですが、労働省の調査で、この早期退職制度を採用している企業がどのぐらいあるか、ちょっとお答えいただけますか。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 労働省の平成九年雇用管理調査によりますと、規模三十人以上の民営企業のうち、先生御指摘の早期退職優遇制度がある企業割合は全体で七・〇%でございます。企業規模別に見ますと、五千人以上の大企業では五五・七%、千から四千九百九十九人では四〇・五%等となっております。

大森猛日本共産党

○大森委員 この点、大企業で圧倒的に採用されているわけなのですが、私どもの調査でも、これは本人希望という形をとりながら事実上強制になっている。例えばNKKの職場では、五十歳から五十三歳までがめど、五十五歳までには完全にというのがもう公然たる事実。職場内、これは労使とも言っているというような状況で、六十歳定年とか、ましてや六十五歳定年延長などというのは全く形骸化した、そういう状況になっているというのが現実だと思います。  中高年の雇用については中小企業に任せておけばいいということではなくて、やはり力のある大企業こそがきちんと中高年の雇用を正面から行うべきではないか。そういう面では、中高年解雇となるこの早期退職制度、これについては規制の立場から指導等を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 御指摘のように、もし、早期退職という名をかりた解雇で、それが今までの判例法理に照らしまして合理性のない、いわば解雇権の乱用に及ぶような場合につきまして、これは先ほどのパンフレットで示しているような考え方に基づいて事業主に適切に対処していただくべきことは当然かと存じます。そうした実情については労使が一番よく知っておるわけでございまして、そこで十分話し合われることがまずもって重要かと存じています。  ただ、そういったことのほかに、そういったことに直面した個々の労働者の方が、もし行政の方にそういったことについて解決の求めがあった場合に、私ども、目下のところは、そういった民事的な問題について、行政にそれらの解決に入っていくいわば権限というものは直接は与えられていないわけでございますが、ただ、先ほど来の繰り返しになって本当に恐縮でございますが、労働基準法の改正法案を提案させていただいている中では、そういった問題について、専門官を配置して事実関係を整理し、それに基づいて判例法理等に照らして事業主に助言や指導を行うべき場合にはそういうものを行って解決に結びつけていく、こういうことが労働基準法の中に織り込まれて、私ども行政の任務として与えられることになっておるわけでございます。  私ども、既に予算等も準備して専門官等の配置をいたす手配をいたしておりますが、ぜひそういったことについて道筋をつけていただければ大変ありがたいと思っております。そういうことを通じて、先生御指摘のような問題に真剣に、また精力的に対処して、不当な解雇から労働者の方を守るように、私ども全力を尽くしてまいる考えでございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 政労使のこういう機会もできたわけですから、そういう機会を積極的に利用して、労働大臣からも積極的に発言をお願いをしたいと思います。  最後に、中央、地方の労働委員会の問題。今日の状況の中で、紛争処理あるいは不当労働行為等の処理等々でますますその重要性が今増してきていると思うのですが、この労働委員会、公正で民主的な構成やあるいは運営がされなくてはならな い、これは当然のことだと思うわけなのです。  そこでお聞きをしたいのですが、中央労働委員会に現在係争中の、持ち込まれた不当労働行為、それについて何件あり、そして連合系、全労連系、その他の系列ですね、どのぐらいあるか、ちょっとお示しいただけるでしょうか。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 現在中央労働委員会に係争中の不当労働行為申し立てについてのお尋ねでございます。  期間の区切り方がちょっと先生の御指摘に沿うかどうかわかりませんが、現在、第二十四期の中労委員がおりまして、平成八年十月九日から来月十月八日までの二年間の任期がございますが、その間の不当労働行為申し立て審査件数は、中央労働委員会で四百十五件でございます。  これの系統別の数につきましては、集計はいたしておりません。

大森猛日本共産党

○大森委員 かつて私どもが調べた際は、百四十三件の中で連合系が十三件というような数字だったわけなのです。  そこで、労働委員、これは二十一期から二十四期、四期で五十二名任命をされたことになっているわけですが、この五十二名の推薦系列、連合系が何名で、全労連系が何名で、その他系が何名か、おっしゃっていただけますか。

澤田陽太郎労働省労政局長

○澤田政府委員 二十一期から第二十四期までの労働側委員、合計五十二名につきましては、いずれも連合系の労働組合からの推薦者でございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 かつて、この労働委員任命の基準として、これは当委員会でも何度も問題になったわけなのですが、その中で、昭和二十四年の労働事務次官の五十四号通牒、そこで、「産別、総同盟、中立等系統別の組合員数に比例させるとともに、」というような委員の選考に当たっての基準が示されて、この通牒については今日も生きているというのが当委員会でのこれまでの労働省当局の御答弁でありましたが、今の不当労働行為の扱い件数からいっても、あるいは五十二名中五十二名全員が連合ということからいって、これは明らかにこの任命基準から反するものではないかと思います。  大臣、公正で民主的な構成や運営という点でいって、これはおかしいと思いますが、どうでしょうか。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 この件に関してはたびたび共産党の先生方から御質問いただいていると承知をいたしております。重複する答えになると思いますが、労働委員会の委員の任命については、種々の要素を総合的に勘案して、適任と考えられる方を任命していくという考え方でありまして、そうした場合の考慮要素という意味では、中央委員会委員の任命に際しても、この二十四年五十四号通牒、こういう考え方でやっている。そして、種々の要素を総合的に勘案して決めるわけでありますし、だれを任命するかというのは行政の裁量行為でありますが、結果としてこういう人選になった。  そして、労働委員は、特定の母体を代表して事に当たるわけではなくて、労働者全体の側に立ってやらなければならないのでありますから、ここから出たからここのことしかやらないということではないというふうに思っております。

大森猛日本共産党

○大森委員 委員長、最後です。

岩田順介民主党

○岩田委員長 最後ですね。簡単にやってください。

大森猛日本共産党

○大森委員 結局、他の推薦者があるにもかかわらず五十二名全員が連合系だ、これがおかしいと思うかどうかという点、ぜひ大臣自身のお言葉を聞きたかったのです。全労連系で五十二名全員占めてもこれはおかしいと思うのですね。やはりかつての任命基準にあるように、構成人員に比例するようなやり方をぜひとるべきではないかと思います。  前回この委員会で取り上げて以来、しかし変化は始まっています。地方労働委員会では既に連合外の方が、まだごくわずかでありますけれども、任命されるようになりました。しかも、中央労働委員会委員の任命をめぐる最近の東京地裁の判決の中では、「労働者委員の設置目的をも考慮しながら、より適切な任命のあり方を検討していくことが要請されている」、本文の中で、初めてこういうことが言われるようになってきた。変化は始まっているわけであります。  したがって、中央労働委員会についても、大臣、ぜひこういう新しい変化の中で公正なそういう任命をされるよう、御努力をお願いして、一言、その点でのお考えも再度伺って、私の質問を終わりたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 今までも公正に行われてきたと思いますし、これからも公正に行われると期待いたします。

大森猛日本共産党

○大森委員 終わります。

岩田順介民主党

○岩田委員長 次に、濱田健一君。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 大臣、お疲れのところですが、あと二十分程度、よろしくお願い申し上げます。  直近の労働のデータでございますが、きょうもう既に質問があったと思うのですけれども、七月の有効求人倍率、過去最低の〇・五〇、完全失業率も四・一%と、引き続き高水準で推移をしております。当然、雇用失業情勢は依然として厳しいという状況でございます。十六日に公表されました来春の卒業予定の高校生の求人倍率も、十一年ぶりに一倍を超えないという状況が出されています。若年層にも高齢者層にも深刻な不況の影響が及んでいるということを物語っているというふうに私は思います。  まず最初に、このような現在の雇用失業情勢に対する甘利労働大臣の御認識と、中卒、高卒の厳しい状況に対しまして、雇用開拓にどのように取り組んでいかれる御決意がありますか、お聞きしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 まず前段の、現在の雇用失業情勢に関してでありますが、これは濱田先生御指摘のとおり史上最悪の数字で、失業率は数字の上からいえば改善しているように見えますが、中身は実は改善をしていないということでありまして、引き続き厳しい状況が予測されるわけであります。  そうした中で、後段の御指摘にありました来春卒業予定の中学生、高校生の求人倍率というのが非常に悪くなってきておりまして、いよいよ若年層にも深刻な影響が出始めた。出始めたというのは、前から兆候はあったのですが、具体的な数字としてあらわれてきたというふうに非常に警戒をいたしております。  そこで、高校、中学の新卒者の状況、求人数が前年に比べてこのように大きく減少してきているという厳しい状況にあることからしまして、求人を一人でも多く確保するべく、現在中央、地方を通じて積極的に取り組みを展開しております。具体的に言いますと、文部省などの教育行政機関、学校及び経済団体との協議会を開催いたしまして、情報交換等を行いますほか、経済団体への求人の要請、あるいは学校と連携をしました個別事業主への求人開拓、そして求人情報の迅速な提供、これらを行うことといたしております。  今後も来春の高校、中学新卒者の就職状況について、各都道府県あるいは学校関係者を通じて的確な把握に努めまして、必要な措置を講ずることといたしていく次第でございまして、これらを通じて新卒者の就職に万全を期したいというふうに思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 今大臣がるる所見をお述べいただきましたけれども、十五の春を泣かせるなという声も、いわゆる進学に関して言われている中身でございますが、就職についても、現下の厳しい状況の中、当然役所としては全体を見通して対応されるところでございますけれども、ぜひ若年層への一層の配慮もお願いをしたいと思っております。  次に、労働基準監督署等による相談や指導にもかかわらず、倒産等のために不幸にも労働者に賃金が払われなかった場合に、政府が立てかえる未払い賃金立てかえ払い事業がございます。これについては、我が党からの強い要請もさせてもらいまして、さきの総合経済対策においても、その「迅速化を図る。」と盛り込まれたところでございます。  この件に関して、現在までの支払い実績はどのようになっているのか、また迅速化ということの具体的な施策はどのように実施されているのか、局長でしょうか、お願いいたします。

伊藤庄平労働省労働基準局長

○伊藤(庄)政府委員 未払い賃金の立てかえ払い制度につきましては、平成九年度の実績を見ますと、対象企業数が千六百三十六企業、対象人員は、労働者の数にいたしまして二万七千四百八十九人の方が対象になっておりまして、立てかえ払い額が百八億六千七百万と、過去最高になっているところでございます。本年度に入りましても、四月から八月までの実績で見ましても、立てかえ払い額が既に五十八億八千万となっておりまして、増加傾向がなお続いているところでございます。  私ども、こういった状況を踏まえまして、御指摘のありましたように、総合経済対策の中でこれら立てかえ払いの迅速処理ということを掲げて対応をいたさせていただいております。全国の労働基準監督官によります、要件としての倒産の認定あるいは未払い賃金額の確認、これをまず全精力を注いで迅速に処理する。同時に、各主要監督署に相談コーナーを設けまして早期に労働者の方のお話を聞けるようにしたり、あるいは破産管財人等への立てかえ払いのための早期救済の協力要請等も行う、こういったことを進めておりまして、これらを一層徹底させて、御指摘の迅速処理ということに効果を上げてまいりたいと思っておるところでございます。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 私の選挙区ではないのですが、選挙区の隣、宮崎県えびの市に高千穂電機というのがございましたけれども、ベンチャー企業でいい製品をつくって活発な企業実績も残していたのですが、ついこの間つぶれてしまいました。ここの皆さん方も、今の未払い賃金立てかえ払い事業に多分各労基署を通じてお世話になっているというふうに思っておりますが、内職している皆さんの手間賃といいますか、これがいわゆる賃金という概念の中に該当しないということで、この事業の対象になっていないという人が割と多いのですね。  これは回答いただかなくても結構ですので、やはり見直しの論議等をされるときには、今は賃金という概念ではないけれども、確かにうちに部品を送り届けてもらって仕事をやるわけでございますから、その辺もきちんとした対応ができるように、ある面で言う法の不備な点という形で申し上げておきたいというふうに思います。  倒産かれこれで、会社都合によって失業する方々がたくさんおられます。こういう皆さんには、自己都合の離職者よりも手厚い再就職支援対策を講ずるべきだと私は考えます。また、再就職が困難な者については、失業給付の支給に際して、所定給付日数の延長など、もう少し手厚い措置を講ずるべきではないかと考えておりますが、この辺はいかがでしょうか。

征矢紀臣労働省職業安定局長

○征矢政府委員 厳しい雇用情勢のもとで一人でも多くの離職者の方の速やかな再就職を図るために、緊急雇用開発プログラムを実施しているところでございます。  その内容につきましては省略させていただきますが、その際に、特に会社都合の離職者に対してよりきめ細かな職業相談を行うとともに、雇用保険の失業給付につきましては、御承知のとおり、自己都合離職者の場合に適用される三カ月間の給付制限期間は設けることなく、速やかに支給をいたしているところでございます。  ただ、失業給付の支給について差を設けるかどうかという点につきましては、一方で、御承知のように保険料は労使折半でいただいている、こういうようなこともございまして、制度的なあり方については問題もございますので、なかなか簡単にこの結論が出ない、こういうこともございます。  また、失業給付の給付日数につきましては、年齢別の就職の困難度等に応じた所定給付日数に加えまして、離職者の個別の事情や職業訓練を受講する必要性等に応じまして給付日数を延長できる制度を設けておりまして、こうした制度を適切に運用することによって対処してまいりたいというふうに考えております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 法の限界というものがあると思いますけれども、やはり手厚くといいますか、細かく丁寧に事情を聞いていただいてということが労働行政のベースでございますので、これ以上のことはきょうは申し上げませんが、よろしくお願いをしたいと思います。  次の質問は、中小企業が、能力開発関係の給付金、助成金もございますが、そういうものや、労働者を教育訓練する際に受給する雇用調整助成金を活用するに当たって障害となっている問題点の一つに、中小企業は労働者の能力開発を行う施設、手段をみずから持っていない、持ちにくいという点がございます。  こういう事情のために、当面は、能力開発の関係給付金、助成金等の適用対象になり得る職場に対する施設や手段、こういうものをつくっていくための積極的な掘り起こしといいますか、これらを進めて雇用調整助成金の使い勝手をよくしていくということ、そういう観点から、これはいろいろな方が提唱されておられると思うのですが、中小企業が、地域産業のグループ、工業団地のグループというような部分を単位として労働者の教育訓練を行えるように配慮する必要があるのではないか。多くの方がそういう主張をされておられるようですが、この点についての役所の対策はどうなっているでしょうか。

日比徹労働省大臣官房審議官

○日比政府委員 ただいま先生御指摘の点でございますが、あらかじめ申し上げますと、各種教育訓練を行ったことを前提といたします給付金が幾つかございます。そのいずれにおきましても、まず、教育訓練なりというものを当該企業の企業内の施設で行うものに限定はいたされておりません。もちろん企業内で行う場合もございますし、特に中小企業の場合になかなか困難ということで、例えばそのためにも公共の能力開発施設がございますが、あるいは民間の教育訓練機関もございます。そういうところへの派遣というのも給付金の対象となる教育訓練に含まれております。  そこで、御指摘の問題は、その場合に、中小企業が単独でみずから計画をつくり、いろいろな機関を利用するというやり方もあるけれども一そのほかに、いろいろな同業他社あるいは同じような地域というふうなことで、共同して訓練をするというのが非常に有効な手段ではないかという御指摘だろうと思います。私どもも、中小企業の場合、単独で行うということが困難な場合というのは多々あろうかと思いますので、共同して行うというのは一つの効果的なやり方だと思っております。  そこで、従来やってきており、進めておりますことは、かねてより認定職業訓練というものにつきましては基本的には中小企業が共同して訓練主体を設けてというふうなものを想定しておりましたし、近時におきましては、例えば人材高度化の関係で事業主団体が訓練を実施する、その対象は傘下の企業の従業員でございますが、そういうものの支援策等を講ずることによりまして、業種別等の団体で共同しての訓練が行われることを促進する策はございます。ただ、それでどの程度グループでの共同実施ができているかという点につきましては必ずしも十分でないおそれがございます。  そこで、他の施策、例えば施設の面ですと地域職業訓練センターという方式も設けておりますし、それから実際にはコーディネート的な部分がないと中小企業を集めてということも進まない点がございまして、そのためには相談援助活動というものも設けておりますが、いずれにいたしましても、中小企業が実際に教育訓練の進め役になる体制については今後十分心してかかってまいりたいと思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 時間がもうありませんので、最後に大臣に、きょう雇用問題についての質疑が朝から五時まで長時間にわたって行われました。所管の大臣として、今の厳しい経済状況、そして今国会で、私もやっております金融再生の確かなビジョンづくり、こういうものが確立をして、国民の皆さん方が日本の将来に向けての安心、展望の持てるさまざまな状況をつくっていくことから、当然お金も回り出し、企業も活力を生み、雇用状況もよくなっていくという、いわゆる連鎖といいますか、いい意味でのつながりがあるというふうに共通の認識を持つところでございます。  きょう各委員がるる厳しい現実の実態を訴えられたというふうに思うのですけれども、最後に、大臣の雇用対策の積極的な推進について、いま一度の御決意をお伺いいたしたいと思います。

甘利明自由民主党労働大臣

○甘利国務大臣 私が労働大臣に就任をいたしまして、少し気負いがあるかもしれませんけれども、私が就任することによって多少なりとも何かが変わったという足跡は在任期間中に残したいという思いが、非常に強うございます。  そこで、景気がよくならなければしょうがないという人のせいにするのではなくて、景気をよくするために、あるいは雇用を拡大するために、本来はほかの役所が主役なのだけれども、そこまで踏み込んでいこうという思いと、それから本来の役目であります時代が要請する人材を供給できる体制、これは教育訓練にあると思いますが、その中身が旧態依然としていないか。これから日本の成長を支える十五分野というのがありますけれども、その十五分野にすばらしい人材を供給できるような職業能力開発のカリキュラムができているか、体制がとれているか、この見直しも今かけさせているところでありまして、旧態依然としたやり方ではなくて、新しい時代を担う産業を支えていく人材を職業訓練を通じてきちっと供給ができる、あるいはそういうパイプをきちっとつくるということもあわせて取り組んでいるところであります。  何といいましても、世の中が安定しているということは雇用が安定しているということが非常に大きな要素になってきます。いつ自分の職が絶たれるかわからないという不安のもとでは何事も手につかないというふうに思っておりますから、日本の安定の最大の要素であります雇用の確保、安定に向けて、ありとあらゆる政策を駆使して取り組んでいきたいというふうに思っております。

濱田健一社会民主党・市民連合

○濱田(健)委員 ありがとうございました。

岩田順介民主党

○岩田委員長 御苦労さまでございました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十六分散会

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