予算委員会 第4号
- 発言数
- 463 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1998/08/19
会議録
○中山委員長 これより会議を開きます。 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君及び預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田克也君。
○岡田委員 民主党の岡田克也です。 きょうは、限られた時間でありますので、大きく三つの問題についてお聞きをしたいと思います。 まず、経済、景気対策でありますが、具体的な減税の中身でありますとか、あるいは今後予想される補正予算の中身につきましては、別の機会に、具体案が出たところで詳しくお聞きしたいと思いますが、きょうは、そういった議論の前提として幾つか確認しておきたい点がございます。そういう点について、大蔵大臣、そして総理を中心にお聞きをしたいというふうに思っております。 まず第一点、これは昨日もいろいろな委員の方から質問が出て議論になったところでありますけれども、昨年春の九兆円の負担増が景気に及ぼした影響をどう考えるのかということについてお聞きをしたいと思います。 総理は、所信表明演説あるいはそれに対する質疑の中で、景気に対しては従来の、橋本総理と同じトーンでお答えになりました。すなわち、昨年秋以降の金融システムに対する信認の低下、あるいはアジアの通貨、経済危機が予想を上回るものであった、そのことが我が国経済に極めて深刻な影響を及ぼした、こういう答弁をされているわけであります。しかし、昨日議論になりましたように、私は、基本的な今回の景気悪化の発火点といいますか、最初の大きなきっかけが昨年春の九兆円の負担増であった、こういうふうに思っておりますし、従来、橋本総理に対してもそういうことを何度か申し上げてまいりました。 きのう、堺屋経済企画庁長官は、政府の失政であったという閣僚になる前のお考えについて、今も変わっていないということを言われたわけでありますが、これはある意味では世間の常識といいますか、九兆円の負担増というものが景気後退のまず最初にしてそして非常に大きなきっかけになったということは、いわば私は常識ではないかというふうに思うわけであります。しかし、なかなか政府はそのことをお認めにならない。 最近、七月二十九日の日銀総裁の講演というのがございます。読売国際経済懇話会における講演というのがありますが、その講演録を見ましても、日銀総裁もはっきりこういうふうに言っておられます。昨年春以来の景気の停滞は、消費税率引き上げなどの財政面からの影響やアジア通貨、経済情勢の混乱をきっかけとするものでした。つまり、消費税率の引き上げというものが景気の停滞のきっかけになっているということをお認めになっているわけでございます。 この点について、やはり何が原因で現在の不況がもたらされたのかということを明確にいたしませんと、今後政府がとるべき景気対策の中身というものも、そのことによって変わってくることは当然あり得るわけでありますので、その点についてまず大蔵大臣にお聞きしたいと思いますが、昨年春の九兆円の負担増というものが現在の不況の大きな原因になっているのではないか、そういうふうに私は思いますけれども、大蔵大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 過去に起こりましたことの何が原因で現在の状況が生まれたかということは、申すまでもなく非常に複雑な問題でありますが、振り返ってみますと、前回の衆議院総選挙の際の国民の雰囲気は、これは各党を通じてさようでございましたけれども、どうも二十一世紀を迎えて日本に閉塞感がある、人口動態も明らかになりましたので、このままでは、何かをしなければならないという主張が、国民もそれを受け入れておられたように思います。したがいまして、党によりまして、消費税を二%上げるということはやむを得ないということで選挙に臨んだ党もございました。国民はそれを半ば受け入れ、半ば疑問に思うといった、そういう選挙でございましたから、いわば改革を各党が目指した選挙であった、リフォームの選挙であったと申し上げてもいいと思います。 したがいまして、消費税の引き上げも、そういう選挙の関連もありまして、まあまあ結果としては受け入れられた、そのあたりまでは、国民が将来を展望して、これは思い切ったことをしなければいけないということをかなり思っておられたように思うのであります。 そういうことを背景にいたしまして、岡田委員の言われましたような幾つかの政策が実現をした、それが昨年の春あたりのことでございます。したがいまして、財政改革といったようなことも、そういう角度から議論をされ決定をされた経緯がございます。 しかし、タイに通貨危機が起こりましたのは八月でございますが、それからそれがインドネシアへ行き、さらに年末には韓国に参りますが、その間に、十一月に三洋証券の倒産等々が起こる、この間に急激に新しい現象があらわれてまいりました。その段階で考えますと、年初に考えた消費税の引き上げ、あるいは特別減税を取りやめるといったような措置、また財政改革からきます健康保険の負担等々は、その段階で考えますと明らかに重荷になっておった、こういうふうに考えざるを得ないかと思います。 したがいまして、二十一世紀を展望してのいわゆる我が国の殊に長期経済計画の危機というものは、問題の提起としては間違いなかったのですけれども、将来に備える余り、国民的な心理が非常に暗くなってしまった。どういうふうに表現したらよろしいのでしょうか、問題は大変先なのだが、しかし今から備えなければならないのだ、そういう政治の呼びかけが、国民としてはあたかももう不安がすぐに来るような、そういう受け取られ方になってしまったとでも申し上げたらよろしいのでしょうか。そういう意味で、岡田委員の御指摘になっておられますことは、私は全く間違いだというふうには思っておりません。選挙のときの雰囲気とそれからその後一年に起こった出来事との間にかなりの急変があって、それが国民心理に影響を及ぼした。 消費税の引き上げがその直接の原因であったかないかについては、まだまだ学者の間にも政府部内にも議論があるように思います。すなわち、昨年の七―九には消費性向は少しよくなっておった、であるから消費税の影響はそこで切れたのだというふうに考える人々もありますが、その後にまた悪くなっておりますから、実は思ったよりは消費税の影響は大きかったというふうに経済企画庁などは白書などではそう言っているように思われますので、その点につきましてもまだ議論は完結していないと思いますが、岡田委員のお出しになりました疑問は、まだ終局的には答えられていないように私は思います。
○岡田委員 明確なお答えをいただけなかったわけでありますが、まず一つは、一昨年の衆議院選挙における各党の公約、当時新進党は消費税引き上げ反対ということを述べたわけでありますが、それから、当初のスケジュールで昨年春に上げることは決まっておったということもこれは事実でありますが、そういうことがありながら、しかし景気の現状を見たときに、あえてそれをそのままスケジュールであるからといってやるのか、あるいは、そこでもう少し景気の見通しがはっきりするまで少し待つとか、あるいは、私は消費税だけでなくて九兆円の負担増全体を言っているわけでありますが、所得税の減税を打ち切ることを少し延ばすとか、そういう選択肢は十分あったはずであります。それをやらなかったことがやはり今日の景気の後退を招いた最大の原因になっている、私はそういうふうに考えているところであります。 大蔵大臣は少しぼかして言われたわけでありますけれども、やはり私は、そこのところをしっかり踏まえることがこれからの景気対策を考えていく上で非常に重要である。そこがはっきりしないということが、逆に言いますと、堺屋長官は昨日、官僚というのは過去に行った誤りを訂正しようとしないということを言われましたが、私は、それをそのまま総理を初め閣僚の皆さんに申し上げなければいけない、そういうふうに思うわけでございます。総理は、この九兆円の負担増というものと景気の関係についてどういうふうにお考えでしょうか。 ただし、一言申し上げておきますが、九兆円の負担増が景気後退の原因になったからといって、私は、じゃ消費税を三%に戻せということを言っているものではございません。消費税引き上げには反対をいたしましたけれども、一たん引き上げられた後それをどうするかというのは、これは中長期的に我が国の税制をどうするかという観点もあわせ考えなければいけないわけでありまして、それと逆行するようなことは一たんやってしまったときには控えるべきである、それが民主党の考え方であるということはあわせ申し上げた上で、総理のこの九兆円の負担増についての、景気後退に及ぼした影響についてどう考えておられるかということをお聞きしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 当時の橋本内閣の基本的考え方が財政構造改革ということで、その法律制定に専念をしておりまして、その考え方を貫き通そうという大変強い決意が表明されておりまして、そのことによって法律も制定をされ、一部改正をされましたが、執行されてきたということでございますが、その後の日本経済並びに世界の経済の趨勢を考えましたときに、こうした考え方を貫き通すという環境がなかなか厳しくなっておったということは事実であろうと思っております。 したがいまして、そういう時点におきまして、財政再建という立場から考えますと、消費税の導入につきましては、御案内のように先行的に十六兆五千億と言われる三カ年にわたる減税も前々されておりましたので、やや機械的に、当初決められた消費税の導入の方針を貫き通そうという感じがあったのではないかという気がいたしております。 申し上げましたように、その間に諸般の情勢の変化等もございましたので、その時点で経済の動向その他を勘案をしながらこうした税の導入その他全体にわたりまして検討をすべきことではあったかとは思いますけれども、しかし、このことをもってすべてがこの景気後退の原因であるとも言いがたい点もあるのではないかというふうに考えております。
○岡田委員 すべてが原因であったとは言えないということのその意味は、九兆円の負担増というものが、あるいは消費税の引き上げというものが景気後退の原因の一つであったということはもうお認めになったというふうに理解をさせていただきたいと思います。 じゃ、次に参りますが、この予算委員会の場でことしの二月、三月ごろ、景気の見通しについて随分当時の経済企画庁長官あるいは総理と議論をさせていただきました。三月になるまで経済企画庁長官は、桜の咲くころには景気は回復基調に乗る、三月末でクレジットクランチが解消され、そして減税の効果も出てきて回復基調に乗るんだということを何度も繰り返され、もちろんそれは経済企画庁長官だけではなくて、当時の橋本総理もそのことについて異論を唱えられなかったわけでありますから、基本的には同じ考え方であった、こういうふうに思うわけであります。 しかし、それが明らかな誤りであったということは、事実が示しているわけでございます。この二月、三月の当時の政府の景気判断の誤りということについて、大蔵大臣はどのように評価されますか。
○宮澤国務大臣 現実の問題として申し上げれば、桜が咲くころには景気は回復基調に入るであろうと言われました閣僚の御発言があるとすれば、現実には、桜は散りましたが景気は回復していないということだと思います。
○岡田委員 そのことについて、じゃ、総理にお聞きしたいと思いますけれども、現実に、この予算委員会の場で何度も述べられたことが実現しなかった、そのことについて、それは確かにそのとおりだというのは今の大蔵大臣のお答えでありますが、総理として、そういう誤った見通しを述べ続けたことについてどのようにお考えでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 前内閣の閣僚席に私も座っておりまして、岡田委員と当時の経企庁長官との質疑応答、お聞きをいたしておりましたが、経企庁長官としては、当時の経企庁のもろもろの資料を判断いたしまして、そのような形で景気は回復し、桜の咲くころということで国民の皆さんにもお示しをされたわけですが、結果的にそのとおりにならなかったということにつきましては、まことに残念のきわみだと思っております。
○岡田委員 もう少し率直なお答えを期待していたわけでありますが、当時も恐らく、経済企画庁長官も含めて閣僚の皆さんは、景気がそんな桜の咲くころに回復するとは思っていなかった。しかし、そう言わないと、景気対策を即座にやる、つまり当初予算を修正するとかそういうことになる。しかし、そのことは財政構造改革法があってできない。そういう自縄自縛の中でそういう苦しい答弁を続けられたというのが実態だろう、私はこういうふうに思うわけでございます。 私は、あえてこういう過去のことを二つお聞きいたしましたのは、やはり率直に、総理初め閣僚の皆さんが誤りは誤り、間違いは間違いということでお認めになるところから本当の議論が始まるだろう、こういうふうに思ってお聞きをしたわけでございますが、なかなかはっきりしたお答えがいただけなかったのは大変残念なことでございます。 それじゃ、次に参りますが、減税の景気浮揚効果というものについて今の内閣はどういうふうにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。 前内閣におきましては、減税というのは基本的に公共投資に対して景気浮揚効果は劣る、あるいは当時の自民党の加藤幹事長などは、減税などをやってもほとんど意味がないというような趣旨のお話が多かったわけでありますが、小渕総理は、六兆円の、あるいは六兆円を上回る減税ということを打ち出されたわけでありますから、当然減税が景気浮揚に効果があるという前提でそういう対策を打ち出されたと思うわけであります。ということは、従来の政府の考え方を変えるということに私はなるのではないかと思うのですが、基本的に所得税の減税あるいは法人税の減税というものと景気回復効果というものについてどのようにお考えなのか、お述べをいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 減税することが景気に影響がないということについての御主張があられるように聞いておりますが、私自身は、少なくとも、マクロに申し上げて、この減税ということによりまして国民の懐が豊かになるということは、そのことは必ず消費の拡大にもつながり、そして景気の回復にもつながるという認識をいたしております。それだけですべてが解決するとは思っておりませんが、有力な一つの手段であるというふうに考えております。
○岡田委員 減税すれば、すべて貯金に回るのでない限り景気効果があることは事実なんですが、基本的に、そのことについて、今の総理の御答弁はその範囲にとどまっていると思うのですが、もう少し積極的な景気浮揚効果といいますか景気対策としての減税の位置づけというものが私はあってしかるべきだし、また、そういうものがあるからこそ六兆円の減税というものを言われたと思いますので、その点について明確に述べていただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 我が国は今かなり成熟した消費社会になっておりますけれども、ここでその一単位の資金あるいは資源をどこに投入すべきか、政府であるか、企業であるか、家計であるかという選択の際に、私は明らかに家計だというふうに考えます。それは、常にそうであると申し上げているのではございませんけれども、仮に消費性向が七〇を前後するということは、それは確かに消費に回る率は高くない。けれども、こういう状況において、政府部門に投入するか、企業に投入するか、家計かといえば、私はやはり家計だというふうに思います。
○岡田委員 それでは、次に財政構造改革法について若干お聞きしたいというふうに思っております。 まず、財政構造改革法の改正問題について、総理は次期通常国会にそれを提出するというふうに述べておられるわけでありますが、私は、何で次期通常国会なのかという気がするわけであります。 つまり、これから来年度予算について政府は予算編成されるわけでありますが、当然、政府案というものは、通常であれば年末ないし年の初めには閣議決定される、こういうことになるわけであります。そして、予算の審議というものも国会にかかってくる。しかし、それは、今の財政構造改革法との関係でいえば、矛盾をはらむといいますか、端的に言えば違反するものであるかもしれない、こういうことだろうと思います。 したがって、私は、順序としては、まずこの財政構造改革法の改正というものが国会にかかり、そしてその改正が成った上で予算編成をしていくというのが物事の順序だろうと思うわけでありますが、そういう意味で、通常国会に改正案を提出するというのは遅いのではないか、こういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 岡田委員のお考えも一つかとは思いますけれども、予算編成の作業におきまして、現行の財政構造改革法の個々の規定にとらわれることなく、全力を尽くして景気の回復に資する予算を編成していく決意でございます。 そこで、財政構造改革法の凍結の最終的内容は、予算編成過程におきまして、景気回復のための税制改正を含めた具体的な施策の内容等の議論を踏まえて検討してまいりたい、こう考えておりまして、そういう意味で、予算編成を終えまして、新しい予算を提出するという過程の中で、種々税制改正その他の問題がございますので、そうしたことを十分見きわめて、当然のことでございますが、予算を国会を通過させるためには、その予算の編成の前提となります財革法ということがございますので、これは決着を図らなければならないかと思っておりますが、法的に申し上げれば、予算を国会にお出しをして、そして同時にまた財革法を国会にお願いをして、同時にこれが通過できる、こういうこととしてこれから進めさせていただきたい、こう考えております。
○岡田委員 私は、基本的に、まず財革法の改正がなければ予算の審議はできないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。この点はまたそのときに詳しく議論させていただきたいと思いますが、それでは財革法の凍結ということの具体的意味についてお聞きをしたいと思います。 これから御検討されるということだろうと思いますが、基本的に凍結ということはどういうことなのか。全面的にそれを停止するということを意図しておられるのか、あるいは部分的には生かすものも考えておられるのか。 私の考え方を申し上げさせていただきますと、今の財政構造改革法というのはいろいろな中身を含んでいるわけでございまして、例えばその財革法の中で「目的」のところに書いてありますが、各歳出分野における改革の基本方針、集中改革期間における国の一般会計の主要な経費に係る量的縮減目標、政府が講ずべき制度改革、こういうものについて、それぞれの項目ごとに規定されているわけでありますが、私はその中で、例えばこの制度改革の部分などは、むしろ、全面停止ということで一たん殺してしまうのではなくて、生かしておかなきゃいけない部分もあるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。 この財革法については私どもいろいろな問題があるというふうに思っておりますが、単なる予算の縮減の部分と、そして将来を見据えた構造改革の部分に大きく言うと分かれる。その構造改革の部分について、全部がこのままでいいと私は思いませんけれども、しかし、かなり残すべき部分もあるんじゃないか。そういう観点で見ると、この凍結ということの意味というのは、中身というのはどういうことなのだろうかということを今お伺いしておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 前段で、先ほど総理がお答えになられましたが、岡田委員は、今この凍結についての法案を提出して御審議を仰ぐべきだ、こういう御主張をされまして、私はそれも一つの御意見であると思っています。 ただ、岡田委員は行政の御経験がおありになりますので、その立場から申しますと、仮にただいま凍結法を御審議願うといたしますと、なぜだというお尋ねが必ずあると思います。それは、減税を考えておりますとか歳出を考えておりますとか申し上げますけれども、そのものは具体的でございませんから、そのものを示せとおっしゃいましても申し上げることができない。これに反しまして、予算提案時期と同時にいたしますれば、このような予算でございますから、あるいはこのような減税を考えておりますから、したがいまして、これを凍結しなければなりませんという御説明が行政府としてはできる。今ではそのことを具体的に御説明することができないという問題がありますことも御理解を願いたいと思います。 それから、後のお尋ねでございますが、これはこれから閣内あるいは政府・与党で検討いたしまして、凍結なのか廃止なのか、あるいはそれをどのように考えるかということは、御指摘のようにこれからの問題でございます。 今おっしゃいました、この改革法の中に将来を展望いたしまして制度改正を申しておるところが何点かございまして、そのうちのあるものは、例えば年金のように既に具体的な検討に入っておるというものもございまして、この長期目的そのものは恐らくこれからもこれを追求していかなければならないであろう。あるいはまた、平成何年に予算の赤字依存をGDPの何%にするというようなことも、これは長期の目標として、数字そのものはともかく、やはり持っていなければならないという議論もあろうと思います。したがいまして、これをどのように凍結するのか、あるいは場合によって廃止するのか、これから政府・与党の中で年末まで検討いたさなければならない。 いずれにしても、それは最終的には総理の指示によるものでございますが、検討はまだ途中の段階でございます。
○岡田委員 今の御答弁の中で、来年度予算あるいは税制改正との関係をお述べになったわけでありますが、私は、この財革法というのは一年限りの予算についてのものではございませんので、やはり、まず基本的な考え方のところで財革法の凍結というのであれば、そこの議論をきちんとした上で来年度予算というものは出てくる、それが物事の順序だろう、こういうふうに思うわけでございます。 いずれにしましても、次の通常国会で、予算案と、そしてこの法改正が出てきたときに、どういう順序でそれを審議していくべきかということは非常に重要な問題でありますので、そのことは指摘をしておきたいというふうに思っております。 それから、今議論が少し出ましたので確認しておきたいと思いますが、社会保障制度改革、特に医療制度改革や年金改革につきまして、当初の話では来年度に改正案を出すということが、当時の小泉厚生大臣から何度もそういう発言をいただいているわけでございますが、今回の所信表明演説を見ますと、いろいろなものについて期限を書いてある中で、社会保障制度改革、特に年金、医療の改革については、具体的にいつまでにそれをやるということが総理の所信表明演説の中で出てまいりません。 ここについて、念のため確認をしておきたいと思いますが、当初予定どおり来年度に年金制度改革、そして医療制度改革のうちの、これは全部ではないと思いますが、一部について予定どおり国会に改正案を提出する、こういうことでよろしいでしょうね。
○宮下国務大臣 社会保障制度改革につきましては、その内容は、今委員御指摘のように、まず年金改革でございます。これは、財政再計算期を十一年に控えておりまして、五年ごとの見直しをやらざるを得ないということで今準備中でございまして、年金審議会において鋭意検討中でありますが、九月にはその意見を求めて、そして厚生省案を秋には出して、それを広く国民的な議論のもとで本年中に取りまとめていきたい、そして、法案としては来年の通常国会にはこれを上程したいというのが年金問題でございます。 医療問題につきましては、これはもう昨年来ずっと検討が続けられまして、昨年の九月から一部改定が行われておりますけれども、なお抜本的な改革の必要性が指摘されております。 そこで、これらにつきましては、特に診療報酬体系の問題でありますとか、薬価の問題でありますとか、診療提供の問題でございますとか、いろいろ非常に国民生活に関係があり、国民医療を確保するために重要な視点が多うございますので、これらは引き続き今検討を医療保険福祉審議会を中心にやらさせていただいております。 しかし、これも平成十二年から実施をしたいということでございますから、できるだけ十一年中に法案を出して、一括してできるかどうか、逐次できるものからやるかどうか、これらを含めまして検討をさせていただくということになっております。 それから、介護保険制度については、御案内のように、既に二〇〇〇年からスタートを予定しておりますので、その実施体制について万全を期していくということでございます。
○岡田委員 今、年金は来年やる、来年の国会に出すということをはっきり言われたと思いますが、医療制度改革については、できるだけという表現を使われました。 しかし、これは、特に診療報酬体系の見直しの問題、そして薬価の問題は、昨年医療費の値上げをしたときに、本来であればことしの通常国会に出すという話だったんですね。それが延び延びになって、しかし小泉大臣は、次期通常国会に出すということを明言されました。それがまた、今のお話ですと少し条件がついた、できるだけという話になったように思いますが、これは、国民に対して負担増をする、本来であればその負担増をするときに改革もすべきなんだけれども、若干ずれる、そこは申しわけないけれどもきちんとやりますからという約束のもとで始まった話でありまして、それが一年延び、また一年延びるということになりますと、これは政府としての重大な公約違反だということになります。もう少しはっきり、診療報酬あるいは薬価については次期通常国会に法案を出すという従来の厚生大臣の答弁について、そのとおりであるということを御答弁いただけませんでしょうか。
○宮下国務大臣 基本的には今委員のおっしゃられたとおりでございまして、私どもとしては、平成十二年から抜本的な改革を実施したい、原則として実施したいというように考えております。 ただ、その時期その他につきましては、診療報酬体系の見直し、薬価基準の問題等々いろいろ問題もございますので、十分議論をして、そして本当に公平、公正な国民医療が確保できるような方向で、しかも負担も伴うことでございますから、これらをよく納得する形で合意形成を得てやっていきたい。 平成十二年には基本的に実施を予定した法案を、したがって十一年中には出すということになろうかと存じますが、そういう考えでございます。
○岡田委員 きょうは時間も限られておりますからこれ以上追及しませんが、十一年中に出すということで、通常国会に出すというお約束はいただけなかったわけでありますが、これは当時の、自民党、そして社民党、さきがけ、与党三党が国民に対して約束したことでありますから、もしこれが守られないということになりますと、自民党はもちろんでありますが、他の二党も含めて、国民に対してした約束を破ったということになる、そういうことを指摘をしておきたいと思います。 次に、外交・安全保障についてお聞きをしたいと思います。 まず、核軍縮の問題でありますが、さきの代表質問におきまして、池田議員の質問に対して総理がお答えになっているわけでありますが、池田議員の核の保有国に対していかなる対応を日本としてするつもりかという質問に対して、総理はいろいろお答えになっているわけであります。特に、ロンドンにおけるG8のときにおいて、四つの核保有国それからそれ以外の四カ国で議論をした、こういうことを言っておられるわけでありますが、必ずしもその趣旨が明確ではございません。 私は、もちろんインド、パキスタンの問題もありますけれども、その背景にあるのは、核保有国の核軍縮の努力が十分でない、義務を果たしていないということが当然あるわけでありまして、その中でも、先般、イギリスについてはみずから保有核について削減をする、そういう決定をしたと聞いておりますけれども、やはり二大核保有国である米ロがどのように真剣にみずからの核軍縮に取り組むかということが非常に重要な点になってくると思います。 この点について、総理は基本的にどのようにお考えか、お聞きをしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 御指摘のように、我が国といたしまして、唯一の被爆国としての立場から申し上げましても、現在の世界における核保有国の核の削減を求めて、強くこれを主張していかなければならない立場でございます。 そこで、従来は、御案内のようにNPTとかCTBTとか、あるいはカットオフ条約、こうしたものを通じまして、それぞれの国々に対して現実的な対応を求めてきたところでございますが、特にインド、パキスタンにおきまする核実験の強行というようなこともございまして、ますますもって今日、核軍縮あるいはまた核不拡散の状況について日本としての努力がなされなければならないということは当然のことだろうというふうに思っております。 そこで、先ほどお話にありましたように、インド、パキスタンの核実験が行われました後、核保有国が集まりましてのジュネーブの会議、あるいはまたG8を中心にいたしました国々におきまして、この印パの核実験に対する批判もさることながら、そのことにとどまらず、こうしたことを契機に、核保有五大国の状況につきまして、具体的にこれからその削減を求めて努力をしていかなければならない。そのためには当然、米ロにおきましても、STARTの実行ということで現在も努力をいたしておるところでございますが、STARTⅡにつきましても、まだロシアの批准は得られないというような状況でございますので、これをさらに推進のできるように、米ロに対しましても、日本としても事あるたびに我が国の立場を主張し、その努力を慫慂してまいっておるところでございます。 具体的なことと申されましたが、このG8のときに、御案内のようにG8のみならず、かつて核を保有しようと試みた国、あるいはまたその能力からいって核製造の力を持たれる国、こういう国々がある意味で一堂に会して、そうした考え方をなぜ遂行しているかという考え方をもって、現在の保有国に対してのプレッシャーをかけることができないかというようなことも含めまして、私自身も外務大臣時代、ブラジル、あるいはアルゼンチン、あるいは南ア、あるいはウクライナ、そうした国々と協調しながら、この五つの国に対しましても、その削減について努力を強く要請をしておるところでございまして、そうしたことを通じながら、それぞれの国が核削減についての努力をさらに一層加速していただきたい、こう願っておるわけでございます。 イギリスは先般、みずからの核につきましてもその数量を減少させるという方向も示しておりますので、引き続いて我が国の立場を強く主張しながら努力をいたしていきたい、こう考えております。
○岡田委員 なかなか質問に対して明確なお答えをいただけないわけですが、私は、核不拡散の話を聞いたわけじゃなくて、核軍縮の話を聞いているわけでありまして、その中でも特にポイントは米ロだろう、それに対してどういう働きかけを具体的にされるのか、こういうことをお聞きしているわけであります。 確かに今のSTARTIIについてはロシアの議会がポイントですから、それはそれでいいわけですけれども、その先のことを考えれば、もうSTARTIIIについても、かつて米ロの首脳間では基本的なフレームワークが合意されているわけでありますし、現実にはロシアがそんなにたくさんの核兵器を保有していくということはいろんな事情で難しくなっているということを考えれば、やはりポイントはアメリカであります。そして、そのアメリカに対して日本がどういう働きかけをしていくのかということについて私は総理の御決意をお聞きしたい、こういうふうに思っているわけであります。 一部には、日本はアメリカの核の傘のもとにあるから物が言えないんだとか、こういう話もございます。私はそんなことはないというふうに思うわけでありますが、この点も含めて総理に、アメリカの核軍縮を求めていくということについて基本的にどのようなお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 日本が、最大の核保有国であるアメリカに対しましても、大きな世界の流れの中で核軍縮に向けてそれぞれの国が努力しておること、その中で米国に対しましても一層のその努力を要請をいたしていく、これは、私自身もオルブライト国務長官との話の中にも常にこのことも申し上げておるわけでございまして、機会がありましたら、それこそ最高首脳同士の会談等がございますれば、こうした問題も取り上げてまいりたいと思っております。 一方、これはアメリカだけでなくて、ロシアの方の対応も必要じゃないか、これは当然相対的なものでございますので、そうした観点に立ってロシアに対しての対応もしなきゃならぬと思っておりますが、日本といたしましては、御承知かと思いますが、旧ソ連諸国に対する核兵器の解体に対して総額一億ドルの支援を今進めておるところでございまして、既にこの半額以上のものを提供しながらその努力をいたしております。 また、こうした観点に立ちまして、ことしの秋の国連総会、核軍縮・不拡散の道筋を示すような決議案等につきましても、日本政府として真剣に今考えておるところでございます。
○岡田委員 時間も限られておりますので次に参りたいと思いますが、江沢民国家主席が訪日されるということになっておりますが、その際の重要な議論のポイントとして、一つは、この国会でも議論されると思います周辺事態法との関係というものがあると思います。 こういうことは我々想定したくないわけでありますが、もし台湾海峡有事ということになって、そしてそれに対して米軍が関与していくということになった場合に我が国はどうするのか、こういう問題があります。それは、そのときになってみないとわからないというのが私は答えだろうと思いますが、中国側は、そもそも周辺事態法の適用というものは台湾海峡あるいは中台問題にはないんだということを求めているわけでありますが、この点について総理はどのようにお答えになるつもりかというのが第一点であります。 あわせまして、先般クリントン大統領が訪中しました際に、首脳会談の議論の中で三つのノーということが議論になったと報道されておりますが、台湾の独立ということに対して我が国は基本的にどのようなスタンスをとっているのか、この点についてもお聞きをしておきたいと思います。
○高村国務大臣 周辺事態というのは、政府が何度も御説明したように、地理的概念ではなくて、事態の性質に着目した概念でありますので、この地域は入るとかあるいは入らないとかそういうことは一概に言えないということでございます。そのように御理解をいただきたい、こう思います。 それから、台湾の独立については、日本政府としては、既にそういうことは支持しないということは言ったことはあるし、そういうことだと思います。
○岡田委員 周辺事態法の関係でありますが、周辺事態は地理的概念でないと。私は地理的概念だと思いますが、いずれにしても、地理的概念ではないとしても、今申し上げましたように、台湾海峡で先ほど言ったような事態が現実に起きた場合に、この周辺事態法の適用というのは頭からないのか。それとも、実際にそれに基づいて我が国が後方支援するとかしないとか、それはそのときの判断でありますけれども、しかし、頭からないんじゃなくて、基本的にはこの法律の適用範囲といいますか、あるいは適用というものが抽象的にはあるのか、そこのところだろうと思うのですが、いかがなんでしょうか。
○高村国務大臣 我が国の台湾に対する認識というのは日中共同声明で示されたとおりでありまして、そして中国政府は、台湾の問題というのは中国人同士の問題で、平和的に解決するという意思を持っているわけでありまして、日本としてもそういうことを強く期待している。そういう状況の中にあって、事態の性質に着目した概念でありますから、そういうことの可能性があるのかないのか、そういうことについて答えることが必ずしも適当でない、こういうふうに思っております。
○岡田委員 恐らく、今の答弁ではだれも納得しないだろうというふうに思います。 いずれにしましても、例えばこの周辺事態法というのが、国と国との間の争いという場合だけではなくて、一国の間の問題であっても、それが我が国の平和と安全に重大な影響を及ぼすということになれば、それは我が国としては無関心でいられないわけですから、どこまで我が国が行動するかということは別にして、抽象的にはこの法律の適用というものがそういう場合にもあるんだというふうに考えるべきではないかというふうに私は思います。 そういう観点で考えていったときに、この中台の問題というのもそういう一般論の中で処理できるのではないか、こういうふうに考えておりますが、いずれにしても、ここはもう少しわかりやすい説明をしないと、中国もわからないと思いますし、台湾もわからないと思いますし、国民もわからない、こういうふうに思いますので、また機会を改めて詳しくお聞きをしたい、こういうふうに思います。 最後に、時間が参りましたので、公共事業の地方分権について一言お聞きをしておきたいというふうに思います。 地方分権推進委員会が第五次勧告に向けていろいろな議論をしているということが報道されております。そういう中で、私は、中央省庁改革基本法の議論をしたときに、やはり地方分権というものをまず進めて、その上で各省の設置法というものを議論しないと、一たん次の通常国会に各省設置法が出てきてしまって、それから地方分権を議論しても恐らく間に合わないだろう、こういうことで議論をしたことがあるわけです。 報道によりますと、例えば国道についても、一号から五十八号までは国直轄にするが、その他のものについては都道府県に移管をするとか、そういう議論もされているようでありますし、それから私は、補助金について言えば、農業関係の土地改良とか、あるいは集落排水などは国が箇所づけをする必要は全然ないのではないか、もう都道府県に任せたらどうか、こういうふうに思うわけですけれども、これを今地方分権推進委員会と各省の設置法に任せておきますと、なかなか当初の目的とするところが達成できないと思うわけであります。 そういう意味で、総理に基本的なここの考え方についてこの場でお聞きをしておかなければ、あるいは総理がこの点についてリーダーシップを今発揮しないと、地方分権というのはできないと私は思いますので、一言お考えを聞かせていただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 公共事業につきまして、国と地方が適切な役割分担のもとで協調、協力して事務を進めることが必要であるという観点から、これまでも地方への権限移譲、補助金等の整理合理化などを進めてきておるところでございます。 中央省庁改革基本法におきまして、このような観点等も含めまして、国が直接行うものは、全国的な政策及び計画の企画立案及び全国的な見地から必要とされる基礎的または広域的事業の実施に限定し、その他の事業につきまして地方公共団体にゆだねていくことを基本とすることを規定しているところでありまして、この方針に従いまして見直しを行ってまいりたいと思いますが、今岡田委員御指摘のように、現在、地方分権推進委員会におきまして、種々勧告をいたすべく検討を進められておるようでございます。随時私のもとにもこれが届けられつつありますが、各省庁間におきまして、こうした委員会におきまして調整もされておるやに聞いておりますが、私といたしましても、こうした推移も十分見守らせていただきながらリーダーシップを発揮させていただきたい、こう思っております。
○岡田委員 余り長く見守っておりますと、こういうものはお役所とそして権限の余りない委員会の皆さんとの交渉事ですから、結局お役所の思うがままになってしまう。そこでやはり求められるのは総理のリーダーシップであるということを最後に申し上げて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○中山委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。 次に、岩國哲人君から質疑の要求を受けております。これを許します。岩國哲人君。
○岩國委員 おはようございます。 まず、総理に私はお伺いしたいことがあります。 総理は、九六年十月の総選挙において、地元群馬県において選挙公報の中で、この総選挙を自分は世直し選挙と位置づけたい、こういう約束をしていらっしゃる、そのように私たちは理解しております。これは、新人の候補と違いまして、自民党を代表される幹部の総理のお立場でこうして有権者に世直し選挙という位置づけをされた、そのお気持ち、また何を意図してそのように位置づけされたのか、そしてその成果はどうであったのか、それをまずお話しいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 選挙のたびに心を新たにして選挙民の皆さんの御支持を得たいと念願しております。そこで、前回の選挙におきまして今御指摘のような文言が挿入されておるということでございましたが、世直しといいますことは、結果的に見ますと、その後におきまして自由民主党といたしまして、また政府といたしましても、いわゆる六大改革を推進してきておるわけでございまして、具体的にはそうしたことを通じながら、二十一世紀に向けての日本の国の姿というものを考えながら一つ一つ政策を推進して世の中を変えていきたい、こう思ってそうした考え方を申し述べたものでございます。
○岩國委員 答弁漏れがありますので、正確にお答えいただきたいと思います。 その成果はどうであったか、御自身の評価を下してください。
○小渕内閣総理大臣 成果をはかることは、なかなか自分自身でもその評価は難しゅうございますが、私なりに精いっぱい努力をいたしてきたと思っております。
○岩國委員 私なりにというのは、これもくどいようでありますけれども、国会議員の一人という立場ではなくて、聞く有権者も、自民党を代表し内閣を代表する方の成果ということでありますから、個人としてどういうことをされたというのではなくて、内閣としての評価を私は伺っております。もう一度お願いいたします。
○小渕内閣総理大臣 内閣と言われましても、総理大臣に就任して間もないことでございますから、その成果を逐一私から申し上げることはありませんが、これから全力を挙げてその成果を得べく努力をしていきたい、こう考えております。
○岩國委員 この新しい内閣のことではなく、世直し選挙と位置づけられて、それから橋本内閣が誕生しております。その橋本内閣の長い時期を含めての成果を私は御質問したつもりでありますけれども、あれこれお伺いしてもそれらしい評価は返ってこないということは、まず御自身の中にも評価すべきものはなかったというふうに思っておられるのかもしれない、そのように理解して次の質問に進ませていただきます。 世直し選挙と位置づけながら、結局世直しどころか手直しもできなかったのが橋本内閣ではないか。そして、その橋本内閣が終わろうとするときに、敗軍の将は兵を語らず、参議院選挙で大敗を認められた直後に、そうした敗軍の将は兵を語らずということはありますけれども、敗れた党の閣僚の皆さんが、連帯責任をとることもなく内閣の一員としてとどまったままで、自分たちの内閣の政策についてあれこれと変更を提案されました。自民党総裁選挙のことであります。そうした、自分たちが長く国民に対して責任を持っておった内閣の一員として行動をされてきた、その内閣の重要な政策を変更しようということを国民に向かってテレビのような公共放送機関を通じて訴えられるのであれば、まずそのときには内閣の一員であることを辞職してそういうことをされる必要があるんじゃありませんか。 閣内意見の不統一ということがよくこの予算委員会でも問題になりますけれども、あの自民党総裁選挙で三人の候補の方がおっしゃったことは、これは閣内不統一の限度を超えていることがその中で語られているわけであります。まず辞任をしてからそのような自分たちの内閣の失敗なり失政なりあるいは反省をされるべきであって、外務大臣としての地位にとどまりながら、対外的にも外務大臣としての仕事をなさり、国内におっても橋本内閣の一員のまま、橋本内閣のいろいろな重要な政策の変更を提案して国民の支持、自民党員の支持を得ようという政治姿勢は、私は間違っていると思います。 この点について、総理の御意見を伺いたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 法理論的に物を申すことでなくして、内閣総理大臣がみずからその辞職の意思を明らかにしたということにおきまして、その時点におきまして、橋本内閣としての一つの仕事はそこで終わっておるということでございます。さりながら、内閣は、次の内閣が誕生するまではそれぞれの閣僚はその責務を負うということでございますので、私といたしましては与えられた外務大臣の仕事に専念をしておった、こういうことでございます。
○岩國委員 そのような理屈、あるいは一時的なそういったことも言えるかもしれませんけれども、しかし国民に対して、三十カ月続いた橋本内閣の一つの転機を迎えているときには、重要閣僚としては当然それなりの連帯責任そしてその反省、何なりの表明がまずあってしかるべきだったと思いますけれども、その点の意識は非常に薄かったのではないか、私は、テレビ放送を通じてそうした印象を受けておりました。 次に、参議院選挙が終わり、そしてその後で、国民、有権者の間からほうはいとして衆議院の解散を求める声が上がっております。これは各種の世論調査でもデータは出ておりますし、また、各党の代表質問においても取り上げられ、そして総理はそれに対して、解散は総理に与えられた最大の権能である、こういう答弁で通してこられました。 これは事実でしょうか。 有権者がこの参議院選挙に出かけて、そして一票を投じて帰ってきた、そして夜、橋本内閣が辞職する、このようなドラマが起きたわけであります。朝の一票、夜の辞職、このような政治的なドラマ、それを実感した有権者、一票一揆の実感をつかんだ有権者の大半が今解散を望んでいる。それが国民世論であるとするならば、総理に与えられた最大の権能というよりは、総理に与えられた最大の義務はむしろ国民世論を背景に衆議院を解散されることではないか。 権利あるいは権能というものは、自分のため、自民党のためにあるものではなくて、国民のための権利を総理として実行するのが総理に与えられた最大の権能であると解釈すべきであって、だれのために行使するかということの意識がその点において私は欠落しておるように思います。 国民世論を背景に、与えられたこの最大の権能をどのように、どういう目的のために実行するか、その点についての総理の所感をお願いいたします。
○小渕内閣総理大臣 内閣総理大臣としての憲法における権限、すなわち解散権を、いやしくも自由民主党のため、あるいはましてや私自身のためというようなことはもってのほかだと考えておりまして、そのようなことは寸毫も考えておりません。 ただ、今回の参議院選挙の結果は、これは謙虚に厳しく見詰めなければならぬかと思いますけれども、この声の多くが、やはり現下の日本の経済の再生に向けて一日も早く金融機関の不良債権、この問題を解決して、世界に、経済に対する我が国のクレジビリティーというものを高めていく、このことも極めて大切だ、こう考えておるわけでございます。国民世論が直ちに解散を要望されておる、そういういろいろの世論調査もあることは承知をいたしておりますが、私としては、今の内閣としてまず取り組むべき課題は、このことをもって解決することが最大の責務であるというふうに考えております。 また、参議院選挙、衆議院選挙、いろいろ国民世論が、国民の意思の決定の場面というものはあるかと思いますが、これは岩國先生も御案内のように、米国におきまして、中間選挙あるいは四年に一遍の選挙を通じまして、上下両院の選挙等がございます。そのときにそれぞれの政党に対する国民世論の意思が必ずしも一致しておらないことは御案内でございます。 もとよりアメリカの例をもって言うわけではございませんけれども、参議院の選挙の結果は申し上げたように厳しく見詰めておりますけれども、私自身は、重ねて申し上げますが、現下の経済問題について、この内閣がうたっておりますように、経済再生内閣としての種々の問題をこの際解決することが国民に対する責務の負い方だ、このように考えております。
○岩國委員 世論よりも自論を大切にしたいというふうな印象に受け取れるわけでありますけれども、総理として、自分のためにも自分の党のためにも使う気持ちはいささかもない、国民のために、そして国民のための政治を求めてこの権能を行使するということはお約束できますか。
○小渕内閣総理大臣 それは国家国民のために果たすべき、そのために有しておる権限と理解しております。
○岩國委員 さて、経済再生内閣、略して経生内閣とでも言うんでありましょうか、そうした内閣の中で最大の課題が経済問題であるということは、今総理の答弁でも明らかであります。その経済問題の中で、財政改革、財政構造改革法、この問題は避けて通れない問題であります。先ほど我が党の岡田委員からの質問にもそのことは取り上げられました。 さて、この財構法の凍結の問題についてでありますけれども、総理は本会議でも再三これは凍結、自民党総裁選挙でも凍結という言葉で通してこられました。しかし、その御説明、いろいろ御心境を伺いますと、凍結というよりも廃止に近い説明を我々は受けているように思うわけであります。現に、宮澤大蔵大臣の方から、こうした凍結の問題については場合によっては廃止を含めて年末までにという御答弁が先ほどございました。これは、私ども、内閣の一員の方から伺った初めてであります。廃止という選択肢も含めて今検討を進めており、年末までに結論を出す、このことは間違いありませんか。総理の答弁をまず最初にお願いします。
○宮澤国務大臣 私のことに御言及がありましたので、先ほど岡田委員にも申し上げましたわけですが、この財革法の中にはいろいろ制度改変について触れておりますところがございまして、その部分は既に実現され、あるいは実行されつつございます。また、他方で、赤字国債発行の限度でありますとか、あるいは何年までに国の債務をGDPのどれだけにするとかいう目標的な部分も、いろいろな部分がございますので、したがいまして、これを凍結するのがいいのかあるいは廃止するのがいいのか、いろいろ議論がございます。 まだ時間がございますので、政府部内あるいは政府・与党等々いろいろ議論をしながら、最終的に総理の決断をいただきたいと考えておりまして、ただいまのところ、そういう状況にございます。
○岩國委員 私は、決して財構法の廃止ということはいけないということを申し上げているのではなくて、むしろ議論、検討の対象としては、単に凍結の期間とか程度ということだけではなくて、廃止ということも含めて幅広い観点から、これだけ大きな問題でありますから、検討されることはむしろいいことではないか、そのように思って、むしろ前向きな御答弁と我々は評価したいと思っております。 したがって、この辺は率直に、廃止という可能性も含めて検討するということを堂々と私は内閣として表明された方が国民もすっきりするのではないか、また、為替市場もあるいは株式市場もむしろそのことを好感するのではないか。それを、廃止という可能性もありながらそれをいつまでもおっしゃらないことの方がむしろマーケットは評価しないわけでありますので、この点は十分に御留意いただきたいと思います。 さて、総理に凍結に関してもう一回お伺いしたいのは、この凍結は一時的な凍結ですか、それとも恒久的な凍結でしょうか。その点をお伺いします。
○小渕内閣総理大臣 私が総裁選挙で申し上げました種々の公約を、現在政府の公約としてこれを実行しようということでございます。したがいまして、それを実施するためには現行の財革法を凍結しなければならないという観点で今申し上げておるところでございまして、その法律の持つ基本的な問題点、その中には当然制度改革の問題も含まれておりますので、したがって、この法律の持つ中身につきましてもさらに検討しなければなりませんが、その持つ理念といいますか、財政を構造改革して真に日本の財政を健全化しなければならぬというその方向性について、何らこれを否定するものではありません。 したがいまして、今次予算編成に当たりまして、必要な点につきましての凍結ということで私は考えてそのことを申し上げておるわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○岩國委員 といたしますと、内容は少し変わることがあっても、大きな仕組み、理念をいささかも変える気持ちはない、そして、いずれ近いうちにそれが再活動させる宣言がなされるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○小渕内閣総理大臣 私自身はそのように考えておりますけれども、しかし、これは、この法律案制定あるいはその後の改正、さらにまた今般の予算編成に伴う種々の改正の問題等もございますが、先ほど大蔵大臣からも御答弁されましたが、諸問題に関しまして、党内におきましてもこれから御議論を願わなければならない点もこれまたあろうかと思っております。
○岩國委員 論点を変えまして、ビッグバンと日米の金利差について、総理と大蔵大臣あるいは日銀総裁にもお伺いしたいと思います。 御承知のように、釈迦に説法でありますけれども、お金というものは、安全なところ、そして金利の高いところを目指してまいります。今世界じゅうで安全なところは、かつては日本であったかもしれませんけれども、政治的、軍事的、経済的に最も安定しているアメリカを目指そう、そしてアメリカは最も高い金利を提供してくれるということで、とうとうと日本のお金もヨーロッパのお金もアメリカを目指し、そしてアメリカ市場における資金の偏在が今問題になっている時期に来ております。その中で、この日米金利差及びこういう時期にビッグバンを実行すべきと今でもお考えになっておるかどうか、その点について、総理及び大蔵大臣のお考えを伺いたいわけであります。 お金が一年間仕事をしますと賃金がもらえます。お金がもらう賃金のことを金利と呼んでおりますけれども、日本で一年間仕事をすると一・五%の賃金がもらえる、アメリカで一年間仕事をすると六%の賃金がもらえる、アメリカへ行けば四倍の賃金がもらえる、逆に日本のお金はアメリカの四分の一の低賃金で泣かされている、これが実情であります。 そうしたことを逆な表現にしますと、日本のお金でアメリカ並みの賃金をもらっているお金は全体の二五%にしかすぎない。残り七五%は失業している、たんすの中で、銀行の金庫の中で。金の大失業時代でもあります。日本で失業した金がアメリカへ仕事を探しに行っておるではありませんか。アメリカで三カ月働けば日本の一年分の給料がもらえる、そして九カ月の休暇がもらえるというので、どんどん日本のお金がアメリカへ行く。このような流れを放置するかのごとき日米の金利差、大きな意味のお金の流れ、これは経済再生内閣にとっても、金が向こうへ流れるのか、こちらへ流れてくるのか、これは大変大きな問題であります。 金の流れの量とスピード、これは経済再生内閣にとって一番大きな懸念しなければならない数字ではないかと思いますけれども、まずこの点、総理は概観としてこの金の流れ、日米の金利差というものについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、御意見をお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 岩國委員はその道の専門家でございますから、御指摘がありましたように、日米間の金利差というものが非常に大きいということは私自身も承知をいたしております。そのことのために資金がいろいろな形で流動していることもあろうかと思います。 ただ、金融改革の問題につきましてお話がありました。このシステム改革というものはどうしてもなさなければならないことでございまして、その時期が今であったか、あるいはもっと早く日本においてもなすべきであったかということについての議論もあろうかと思いますが、こうした改革というものは、これは実行し、そのことによりまして国内市場というものも国際的にやがて魅力のあるものになっていかなければならないことも、委員御承知のとおりだろうと思っております。 したがいまして、政府といたしましては、何としても経済を活性化し、日本の経済を生き生きとしたものにする、そういうことの中で、この金利差というものも埋めていく努力を懸命にしていくということが必要ではないかと思っております。金融システム安定には細心の注意を払いつつ、その改革のスケジュールというものを着実に進めていかなければならないと考えております。
○岩國委員 今総理は、金利差を埋めていく努力をしなければならないということをおっしゃいました。ということは、日本の金利を上げる方向で、あるいは日米金利交渉においてアメリカの金利を下げさせる方向で努力すべきである、みずからの努力は引き上げる、アメリカに対しては引き下げをできるような経済政策を要求されるということでありますか。
○宮澤国務大臣 総理が言われましたのは、我が国において資金需要が起こり、そしてそれは企業から起こることもございましょうし、消費から起こることもございましょうが、それによって我が国の金利水準というものが自然に需給関係で上がっていく、そういう経済運営をしなければいけない、基本的にはそういうことであると思います。
○小渕内閣総理大臣 誤解を与えてはいけませんが、金利動向に対して人為的にこれを操作するというようなことはできかねるわけでございまして、今大蔵大臣申し上げられましたように、何としても日本の経済をよくしていくという一点に絞って努力をしていくということだと思います。
○岩國委員 決して総理が人為的に金利を操作するという発言をされたというふうに私は理解しておりませんので、その点は誤解されませんようにお願いいたします。 また、宮澤大蔵大臣のそうした自律的な金利反騰ができるような政策を、これは当然のことであります。どういう時代においてもそのような経済政策が望ましいことは言うまでもないことでありまして、そうした日本側の努力とは別に、総理のおっしゃったのは、金利差を縮めるということは相手にも同じようなことを要求しなきゃならないんではないかと思います。アメリカの高金利体質というものを下げさせるような話し合いを今までされたことがあるのかどうか。 例えば、ドル高・円安のドル介入ということは一カ月前に行われました。これは日米の緊密な協議のもとに行われたことであるというふうに理解しておりますけれども、であるならば、こうした為替レートの前に、まず金利差という大きな環境、その環境をどのように変えていくかというフレームについての話し合いがあったはずでありますし、今現在もあるべきだと私は思いますけれども、こうしたドル介入が今夜にもあしたにも行われるかもしれない、そのような雰囲気の中で、金利水準についての話し合いも十分に行われておるのかどうか、この点について、大蔵大臣の御答弁をお願いします。
○宮澤国務大臣 六月十八日と思いますが、日米間で為替市場への介入を共同でいたしました。そのことは事実でございますが、その後、私自身が、まだ大蔵大臣でございませんが、グリーンスパンと会っております。 御承知のように、グリーンスパンは、アメリカの金利水準ということについては、非常に難しい状況の中で巧みにこれをいわば操縦しながら、アメリカの経済を極端に成長率が高くならないように、また永続的な成長をする、そしてウォールストリートに対してはしばしば警告を与えつつ、その適正水準、いわゆる行き過ぎないような金利運営をやっておられる。 そういうことでございますから、アメリカの金利運営が今極めて難しい、デリケートな操作をグリーンスパン以下、あるいは財務省もやっておるところで、我が国との協調あるいは相談の中でアメリカが金利水準を上げ下げするという、それだけの状況にはないと思います。長い間の問題としてはともかくでございますけれども、岩國委員御承知のとおり、今、日本といろいろ相談しながらアメリカが金利を操作するという状況ではないように思います。
○岩國委員 角度を変えまして、為替レートの点についてお伺いしたいと思います。 今からちょうど十年前の八月でありますけれども、これは総理も大蔵大臣も御承知のように、有名な野村証券の田淵社長が、こうした日本の円パワーという、円の力がピークに達したその瞬間がこのタイムの表紙を飾ったのであります。 時あたかも八八年八月八日、見事な八並びの日、末広がりの日にピークをつけた円は、それからちょうど十年たった九八年八月、当時の弱過ぎるアメリカ、強過ぎる日本どころか、今は強過ぎるアメリカ、弱過ぎる日本が世界の問題である、このような評価がされております。 そして、これはわずか二冊でありますけれども、十冊ぐらいのこうした雑誌が七月、八月と並びました。日本の失われた十年、そして、だれか日本を救う人はいないのか、このような弱過ぎる日本が問題になっている。 円の絶頂からまさに今の弱過ぎる日本へと、為替レートそのものもそれを象徴しているんではないかと思います。例えば、橋本内閣の三十カ月の間に、為替レートは三〇%下がり、株式市場は二〇%下がりました。小渕内閣一カ月の間に、為替レートは五%下がり、株式市場は一〇%下がりました。小渕総理も、非常な急ピッチで橋本総理の実績に今追いつこうとされている。 円が三割下がり、株式が二割下がりますと、結果的に日本の会社の価値は半値になります。その結果として、山一証券たたき売り、日興証券安売り、次々と日本の企業が半値以下で外国の企業、金融機関に買われようとしている、このような現状について総理はどのようにお考えですか。
○宮澤国務大臣 円もかつては一九九五年に七十九円まで行ったわけでございますので、ただいまから考えますと今昔の感がございます。 しかし、これはやはりアメリカが、御指摘のように非常に早くリストラに入った。プラザ合意以後、マネーセンターバンクスも苦労いたしましたし、SアンドLもございました。そういう意味で、アメリカのリノベーションが非常に早く進んだ他方で、我が国の方は、残念ながら金融関係の規制解除が一番おくれたように思います。そういうアメリカの経済の、先方が早くリストラを始めた、その途中は我が国が非常に有利にあったわけでございますが、やはり九五年の七十九円というのがレートとしては境になりますが、我が国のリストラのおくれが今日の状況を招いた。 しかし、彼我の力かげんが逆のときは、我が国も随分、アメリカを含め、海外に資産を買ったわけでございます。その逆のことが今起こっている。そのことは、私自身は、こういうグローバルの経済でございますから、どこの国の資本が何を買うというようなことを、例えば日本の何をアメリカが買っていったというようなことを余り神経質に考える必要はないのだろう。日本が買うこともある、アメリカが買うこともある。要は、日本の消費者がそれによってよりよい消費のチャンスを得る、消費者本位に考えておけばいいのだろう、こういうふうに私は基本的には考えております。 今のこの金利差というのはまことに異常だとは思っております。おっしゃるようなことが起こって、我が国がリストラを終えて正常な経済にならなければいかぬと思うことは御一緒でございますけれども、しかし、その間にそういうことが起こることは、消費者を中心に考えれば、それほど嘆かなければならないことではないように私は思っております。
○岩國委員 私は、日本が外国を買い、外国が日本を買う、これはグローバルの時代に当然あり得ることでありますし、私自身も現にそういう世界におってそのようなことをやっておりましたし、また、東証の会員権を買ったときも同じことでありました。決して否定するものではありません。ただ、問題は、金利安、円安、株安が余りにも一時的に集中しますと、考えられないような不当な値段と思われる値段でそのような権益を外国に渡してしまうということが、日本の国益、企業利益を守るという立場からいかがなものかということで私は御質問させていただいたわけであります。 日本が外国を買い、外国が日本を買う、これからもふえる、いいことであります。両方同じことをやっておりますけれども、たった一つの違いは、日本は高いところで買って安いところで売る、アメリカは安いところで買って高いところで売る、この違い、これは歴史、経験の違いというものがあるのかもしれません。 さて、為替レートについてでありますけれども、介入が行われました。大蔵大臣自身は、今の為替レートは適正だというふうにお考えになっているかどうか、安過ぎるとお考えになっているのかどうか、簡単に、一言で結構ですけれどもお願いします。
○宮澤国務大臣 レートについては言及しないということが関係者のエチケットと思っておりますので、申し上げません。ただ、かつて七十九円という日があったということは、先ほど申し上げました。
○岩國委員 先日の介入に要した資金は幾らだったでしょうか。また、介入のために、日本が持っております米ドル債を売却するということは既に検討されているかどうか、この二点をお願いします。
○黒田政府委員 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、ドル売り・円買い介入をする場合には、我が国が保有しております外貨準備の相当部分が、当然のことながら、ドル、しかもドルの国債、短期証券で保有しているわけでございますので、当然それを売却してドルのキャッシュを得て、それでドルの売り介入を行うということは事実でございます。 ただ、その具体的な手続につきましては、米国のニューヨーク連銀と密接に連携をとりながら迅速に進められることになっておりまして、何か事前に米国の国債を売ってキャッシュにしておかなければならないということはございません。介入の決定をすると同時に、ニューヨーク連銀にお願いして、一気にそういう操作ができるという形になっております。
○岩國委員 先ほど申し上げましたように、千二百兆円あるいは個人金融資産七百兆円と言われるものの中に、ほとんどのお金が仕事をしないで、たんすの中で、銀行の金庫の中で失業をし、遊んでおる。 人が失業をし、その失業率が最高。また、会社も失業しております。会社の失業を倒産といいます。会社の失業率も最高。そして、お金の失業率も最高。人、会社、金、この三つがそろってこのような大失業時代を迎えている。これは世界の先進国にもちょっと例がないのではないかと思います。 この点について日銀総裁にお伺いいたします。かつて人の失業に対しては失業対策事業、道路を掘っては埋めて掘っては埋めて、一体何をやっているんだと。しかし、それはそれなりの社会的意味はありました。今必要なのはお金の失業対策事業ではないかと思います。この点について日銀総裁の御意見をお伺いします。
○速水参考人 お答えいたします。 我が国の経済情勢は、残念ながら全般に悪化を続けております。その大きな特徴として、経済の先行きの不透明感ということが強く、投資や消費について企業や家計がコンフィデンスを失っている、萎縮してしまっている。それがおっしゃるたんす預金ということにもあらわれているのではないかと思います。(岩國委員「もう時間がありませんので、できるだけ簡潔にお願いします」と呼ぶ)はい。 経済政策運営、こういう状況の中では、基本的には人々の先行きに対するコンフィデンスをいかにして強化していくか、これが景気を早く回復するゆえんでございます。 政府が、既に総合経済対策に加えて、現在検討されております金融システムの再生のための諸方策、こういうものが弾力的な財政運営となって効果をあらわしてくる。現在、金融面から思い切った金融緩和をしていく、このことも景気の落ち込みを和らげるという役割に相当な効果を上げているというふうに思います。 今後、人々が先行きに対する自信を徐々に取り戻していくことができれば、景気回復に向けて大きな力を発揮していくのではないかというふうに思っております。 その辺を考えまして、金融政策、確かに金利面からは最低の、歴史的にも対外的にも記録的な低さを維持してきておるわけでございますけれども、そういう情勢の中で金融不安への対策、それから総合経済対策による需要を起こしていく、あるいは減税によって総需要を起こしていく、そういうものの効果が出てくるのを期待しておるというのが現状でございます。
○岩國委員 私は、こういった点で、百兆円の国債を発行してお金の失業対策事業を実行すべきではないかと思う。必要な公共事業は、十年分の公共事業は前倒しで、必要な道路は早目につくる。金利の低いときにどんどんつくってしまう。金利が高いときにはもうそういうことはやらなくてもいい。要らない公共事業は全部やめる。必要なものは前倒しでやる。そのために、今この失業しているお金をどんどん活用すべきではないか。 日本のお金は日本で働きたがっているのではないでしょうか。言葉も通じないアメリカへ行きたがっているお金がどこにありますか。やはり日本のお金は日本で働きたがっているという習性を理解した政策が私は欲しいと思います。そのためにも、経済戦略会議等で十分に金の失業対策事業というものに取り組んでいただきたいということを要望します。 さて、それに取り組んでいかなければならない経済企画庁についてお伺いしたいことがあります。 この政策委員会・金融政策決定会議の議事要旨というのが私のところにもやってきますけれども、六月十二日、参議院選挙の前であります、このときに、経済企画庁から出席された方からその会議の途中で、「政府では八月から効果が出始めると考えている」とのコメントがあった。執行部及びその他の政策委員はすべて非常にネガティブなのです。秋口にも回復が難しいというときに、わざわざ出かけた経済企画庁の代表の方が、「八月から効果が出始めると考えている」そして、「消費性向が正常な水準に戻っていることなどを踏まえると」、このような現実とは非常に乖離したようなことを大事な日本の金融政策を決めるようなところで発言される、これは非常に私は不見識ではないかと思う。本当にこれは当時の政府の意見を代表しておったものかどうか、大いに疑問があります。 さらに悪いことには、ほかの委員は一日ずっと出席し、初めから最後まで一つの流れの中で議論しておられるときに、政府側の代表は三人も入れかわり立ちかわり、これでまじめな議論ができますか。この点について長官の御意見をお伺いします。
○堺屋国務大臣 御指摘の点は、私の就任前でございまして、詳しく報告は受けておりません。 経済企画庁は、日本銀行法の定めに従いまして、経済政策について政府と日本銀行との十分な意思の疎通を図るために、日本銀行が開催しております金融政策決定会議に代表を送り、政府の意見を述べておるのでございますけれども……(発言する者あり)企画庁長官がそのときは出席しておらなかったようであります。国会関係等も重複いたしますので、必ずしも長官が行けるとは限らないと思います。 それで、その際には、以前の見通し、つまり桜の咲くころにはよくなるだろうというのを引きずっておりましたので、かなり楽観的な発言を引き続きなさったようでございます。 御承知のように、私は前任者の見通しを取り消しいたしましたので、今度は違った表現をさせていただきたいと考えております。 なお、その発言等について詳しいことが必要でございますれば、当時のことを記憶しております政府委員も来ておりますので答弁させますが、いかがでございましょうか。
○岩國委員 長官が出席しておらなかったとおっしゃいますが、尾身長官は出席しておられました。 そして、入れかわり立ちかわり出席しなければならなかったほど公務多忙だったかどうか、その日の政務次官と長官の公務日程を委員会に提出していただきたいと思います。それほどの大事な用件もなしに、この経済問題について、国民はこれほど苦しんでいるときに、適切な政策を打ち出さなければ、大事な政策、これにまさる公務がその日にあったのかどうか、それを私たちは知りたいと思います。 長官と政務次官の公務日程を提出していただきたい、そのことを委員長に要求いたします。
○中山委員長 理事会で協議いたします。
○岩國委員 発言時間が終わりましたので、これで終了いたします。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて岩國君の質疑は終了いたしました。 次に、上田清司君から質疑の通告を受けております。これを許します。上田清司君。
○上田(清)委員 上田清司でございます。 総理を初め各閣僚の皆様方、連日御精勤、御苦労さまでございます。それはそれとして、厳しく質疑を行わせていただきたいと思います。 今、一番日本の国民が不安に感じているのは、いろいろな失敗があって、にもかかわらず何らかの形で責任をとる人がいなかったり、あるいは何をやっても常にあいまいもことしていくような、そういう姿勢があります。特に、金融政策関係なんかではそういう部分があります。 例えて言えば、これまでに、住専あるいは金融安定化法、そして三月期における税金投入、そして今回の金融トータルプラン、その都度、経営者の責任追及については厳しくやっていく、民事、刑事の責任追及をやっていくという、時の大蔵大臣や官房長官などは地の果てまで追いかけるというような言葉も使っておられました。 総理、これまでのさまざまな破綻劇がございました。私が知り得る限りでは、この十年で約三十の、信用組合も含めた金融機関が破綻をしております。その中で、とりわけ都市銀行、地銀、銀行という名のつくところで責任追及が余りなされていないと私には思えますが、総理、こういうことに関して、民事、刑事の責任追及がこれまでに破綻してきた部分に関してなされてきたと思われますか。その点をまずお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 完全にそのことが行われてきたかどうかについては、私自身、事案その他につきまして十分承知をいたしておりませんので判定しがたいところがありますが、政府といたしましてしかるべき措置はとってこられたと思っております。その実態につきましては、金融監督庁で今実態調査がされておりますので、御報告できるかと思います。 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、国民の金融機関に対する信頼という中には、そうした破綻された金融機関の実態が明らかになればなるほど、その経営に当たった方々の行動、こうしたものに対する批判が非常に強いことは事実であります。ただ、これを刑事的責任としてどこまで追及できるかは法律上の問題もあろうかと思いますが、こうした問題につきまして厳然として対処しなければならないことは、それこそ言うまでもないことだと思っております。
○上田(清)委員 ありがとうございます。 きのうレクの時間を用意はいたしましたが、せっかく八月十日の議院運営委員会理事会における鈴木内閣官房副長官発言の要旨をしっかり国対の方で伺っておりましたので、できるだけ政府委員の方に答弁させないでじかに大臣にやれ、そういう旨の官房副長官からの発言がございましたので、質問通告に関しては、私の問題意識だけを述べまして、具体的に何を問うかを余り教えておりませんので、突然の質問だと言わないで、ぜひしっかりお答えをしていただきたいというふうに思っております。 今、お手元に資料を配付させてもらいましたが、総理、1と書いておりますが、これまでに破綻した銀行の民事、刑事の責任追及がどのようになされてきたかということに関して見ていただきましたら、阪和銀行だけなのですよ。私に言わせると、兵庫銀行などは破綻前三カ月の大蔵省の検査で六百九億だったのが、破綻後一兆五千億になっております。二十四倍。こんなのは粉飾決算というのですよ、普通は。何らかの形で処罰できるはずなのですよ。それをやっていない。頭取が元銀行局の局長さんですね。一貫してそういう姿勢ではないですか。 例えば、小さな信用組合や信用金庫は結構処罰しておりますよ。資料には出しておりませんが、例えば信用組合岐阜商銀、岐阜県がちゃんと告発しております。コスモ信用組合、東京都がやはり理事長を背任罪で告発しております。これは控訴中です。それから、木津信でも当該組合がやはりやっております。理事長を背任罪で告訴しております。大阪信用組合では、整理回収銀行が旧経営陣を背任罪で告発しているのですよ。そして、既にもう判決も出たりしているのですよ。 なぜ銀行だけ出ないのですか、大蔵省監督だけは。大蔵大臣、どうですか。
○宮澤国務大臣 事情をつまびらかにいたしませんので、調べましてお答えいたします。
○上田(清)委員 私は、宮澤大蔵大臣は最強、最良の人で、事情を調べてというようなことではないと思いますね。これは、ずっとそういうことを大蔵委員会やさまざまなところで指摘をされてきているのです。それで事情を知らないと言えますか。本当にそう思われますか。何らかの形でえこひいきしているのじゃないかと国民は見ているのですよ。銀行の経営陣に対して何もできていない。住専六社に対しても、まだ日本ハウジングローンだけですよ、告訴されているのは。 住専にお金を投入するときに、時の大蔵大臣やら、何と言いました。地の果てまで追いかける、経営者の責任に対しても。何にもやってないじゃないですか。そして、事情をよく知らない。事情を知らないじゃ困るのですよ、最高責任者が。個々のケースを知れと言っているのじゃないのです。なぜ、日本の大蔵省監督の銀行は告発を受けないで、県や国や、監督している信用組合は告発されるのか。えこひいきじゃないかと、金額だってでかいじゃないかとだれだって思っていますよ。 そのことを申し上げて、もう一度お伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 告訴され、あるいは起訴される、あるいは判決があるというようなことには、一つ一つのケースにそれなりの理由があり、また事情があって行われていることでございますから、銀行についてなぜと言われましても、具体的に私はそれに今お答えをする知識がないと申し上げておるのです。 ただ、はっきりしておりますことは、銀行だから、あるいは大蔵省の者が関係しているからそういうことをしないんだというようなお尋ねであれば、私はそんなことは断じてないと思います。
○上田(清)委員 それでは、とかく……(発言する者あり)そうですね。非常にいいお話を聞きました。よく知らないのに、断じてないとはどういうことですか。
○宮澤国務大臣 日本の刑事政策にそういうえこひいきが行われているということは断じてないと言っているのです。
○上田(清)委員 余りにも多い破綻劇の中で、なぜ銀行だけ告発がないのですか。普通の人は、えこひいきがあるとしか思いませんよ。それが普通の常識なんですよということを申し上げておきます。反論は聞きません。 それでは、ついででございます。 今、長銀と住友信託銀行との合併劇のお話がございますが、この住友信託銀行が大変貸し付けた磐梯リゾートというのがあると思いますが、毎日新聞が特集的に追っかけておりますので多分御存じだと思いますが、これは約七百億以上損失をしておりまして、事業は年間四十億程度の企業です。それに約七百億ほどの損失が起こっております。 そして、この核のゴルフ場にお名前がぞろぞろと出ているんですよ。メローウッドゴルフクラブ。この発起人に、元大蔵事務次官、吉瀬氏。同じく次官、長岡實当時東京証券取引所理事長。同じく元次官、田中敬当時横浜銀行頭取。同じく次官、松下康雄当時太陽神戸銀行会長。徳田博美元銀行局長。恐ろしい顔ぶれですね。これだけそろえば、貸さないというわけにいかない感じがいたしますね。 しかも、この吉瀬さんという取締役会長、これはリゾート開発の方の、本体の方の会長でもありますけれども、これも新聞なんかで有名になりましたけれども、株主総会に十五分出るだけで三千万もらったという。そういうのを国民から見たら、えこひいきだとしか思わないんですよ。断じてないなんて、どの顔下げて言えますか。大蔵大臣、御感想ありませんか。 私は、最強、最良の人であれば、こういうところに綿々と顔を連ねて、何か知らないですけれども高位高官が、しかもさまざまな形で責任ある立場をとった人たちが、こういう民間企業のリゾート開発のいわば責任者として名を連ね、運営をされている。しかも、住友信託銀行に七百億からの損失をかけている。そういう人たちは社会的責任はないんですか。例えば私財を提供するとか、そういうことがあってもいいんじゃないですか。全然ないじゃないですか。 できたら、宮澤大蔵大臣、今すぐ辞任して、一緒に皆さん道連れにして、あの世に行けとは言いませんけれども、そういう人たちを、本当にやめていただきたい。(発言する者あり)今のは確かに語弊があります。それは撤回いたします。 それで、できましたらそういう方に勧告もしていただきたい、そういうことをしないようにと、そのぐらいに思っております。最高OBであるというふうに私は理解しておりますので、大蔵大臣、いかがですか。
○宮澤国務大臣 だれを告発し、あるいは起訴するかしないかということは、これはその当局が厳正に決めていることであって、えこひいきによってそれが左右されているということはないということを私は申し上げております。 今の磐梯でございますか、犯罪があったかどうかはともかくといたしまして、大蔵省のOBであるということはそれはいろいろな意味で影響力を持つことでございますから、それなりに慎まなければならない種類のことが幾つかあろうと思います。そのような銀行の貸し付けが結果として不渡りになったといったようなこと、そういうことは、事前にその危険を感じるようでございましたら、そういうことに名を出すべきではないであろう、また友人として私も申すべきことがあれば話をいたしてみたいと思います。
○上田(清)委員 ありがとうございます。 今回の金融トータルプランでございますが、これも大なり小なり新たなる税金投入の可能性があるというふうに認識した上で、三月期の税金投入の検証をやはりきちっとやっていくということが、私は大事ではないかなというふうに思っております。 小渕総理、当時専ら言われたのは、貸し渋り対策。そして、昨日も、平和・改革の石田議員の方から大蔵大臣の方にも御質疑があり、大臣も、必ずしも効果を上げていなかった、そういう御答弁がありました。これはそのような理解でよろしいのでしょうか。
○宮澤国務大臣 昨日お尋ねがございまして、いろいろ、東南アジアの事情であるとか、国内における新たな倒産であるとか、時間の経過の中でいろいろ事情はあったかもしれない、しかし、結論として、貸し渋りは改善されていないということを申し上げました。
○上田(清)委員 詳しくは申し上げられませんが、2のところの資料の中に、長信銀、信託の方は全く効果がないということを明らかにしておりますし、都銀の方でもさほどの効果はなかった。少なくとも昨年とを比較すれば、五月段階だけでも二兆円の減ですから、マイナスになっておるということでございますので、こういうこともやはりきちっと検証しなければならない。 ところで、三月に一兆八千百五十六億税金を投入した銀行は、当然優良銀行として投入されたというふうに理解しておりますが、預金保険機構の理事長の松田さん、それに間違いありませんか。
○松田参考人 お答え申し上げます。 審査をいたしましたときの審査基準の一に「経営の状況が著しく悪化していないこと」という条件がございます。それにパスした銀行ばかりでございました。
○上田(清)委員 いつまで優良というふうに大体見てよろしいのでしょうか。
○松田参考人 審査をいたしました時点でその要件をパスしたということは申し上げられるのですが、それが現在どうなっているか、どういう状況かということは、私の口からはなかなか簡単には申し上げられないと思います。
○上田(清)委員 しかし、一週間とか二週間じゃないのでしょうね。ある程度、半期なりあるいは一年なりそこそこの優良な状態が続くということを前提に、経済環境が激変しているということは別にして、そういうことではなかろうかというふうに思いますが、それでよろしいのでしょうか。
○松田参考人 審査をいたしましたときには、先生御指摘のように、過去の三年間の経営の実績と、それから経営安全性確保計画で、将来にわたる、例えば十二年度の見通しその他について伺っております。
○上田(清)委員 そうすると、三年間ぐらいは優良だというふうに見てよろしいのでしょうか。
○松田参考人 審査をいたしましたときの審査委員六人全員一致した判断で、審査時点では、少なくとも経営が著しく悪化していない状態の銀行である、そういう判断をいたしました。
○上田(清)委員 では聞きますが、金利にかなり差をつけておられますけれども、この貸し出しの金利差というのはそれなりに優劣をつけていらっしゃるのじゃないですか。
○松田参考人 その点は委員御指摘のとおりでございまして、将来、株式を換金などするときの状況も踏まえまして、それぞれの銀行の特性に応じて、これまでの、株式であれば発行の実績とか、それから客観性を担保するために外部の複数の専門機関に委託をしまして評価の意見をもらいまして、そういうものを総合的に判断いたしまして、市場の実勢に近いものということで決定をいたしております。
○上田(清)委員 少なくとも、最初から五年までの引き受け条件ではそれなりに差がございますね、五倍近いところもございますね。もちろん、やや形態は違いますけれども、雑駁な言い方で恐縮ですけれども、その資料も3にくっつけております。例えば日本興業銀行は〇・五五%、大体うわさの多いところは高いですね、金利が。 これは、多少、優良の中にも不良みたいなのはあるというような判断なんですか。
○松田参考人 お答えいたします。 優良と不良というのはなかなか難しい概念なんですけれども、一概に言えませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、経営が著しく悪化していないという、その状態のものを審査基準ではパスすることにいたしております。 ただ、もう一つ、市場の実勢に近いもので発行条件を決めておりますので、そこでは多少そういう意味での経営の実態を反映したものもあると思います。
○上田(清)委員 著しく経営が悪化していないという条件だけですか。もちろん、いろいろあるということは私も承知の上ですが、そういうイメージがよくわからないのですけれども、どんなふうに理解すればよろしいでしょうか。
○松田参考人 例えば、審査基準で法令を少しかみ砕いて書いているのでございますけれども、三年間連続して配当がないとかあるいは赤字決算であるとか、あるいは早期是正措置に言う第三区分、債務超過になっている銀行、そういうものは対象にしないという取り決めで行いました。
○上田(清)委員 若干押し問答になりますので視点を変えますが、先ほど大蔵大臣が貸し渋り対策に対して効果がなかったというふうに言っておりますが、私は、効果がなかったんだったら、それについて責任問題が生じていると思いますが、理事長、何か責任を感じておられますか。
○松田参考人 私ども、審査委員会を構成しております当時六人でございますけれども、審査委員は非常に限られた時間の中で誠実に審査をしたつもりでおります。 先ほど来お話ございましたように、例えば、貸出残額が前年比でかなり落ちているというのは事実でございます。現在、貸し渋りを的確にあらわす指標があるかないかという問題がもう一つございますけれども、それが落ちていることは事実でございますので、私どもとしてはそれを踏まえて、経営健全性確保計画というのをいただいてそれを公表いたしておりますから、その公表の中に金融の円滑化に向けていろいろなことをやるという各行各行の方針が書いてございます。これは公表済みでございます。それが実際に実施されているのかどうか。それは九月期決算の実績を見て、改めてまたそれを場合によっては公表して、そのことによって経営者が約束したことをきちっと守っていくということを見守り、促進したい、このように考えております。
○上田(清)委員 きちんと結果が出たら責任はとられますか。
○松田参考人 私は、終始一貫誠実に自分の職務を遂行しております。現在申し上げられるのはそこだけでございます。
○上田(清)委員 常に結果責任が問われております。 委員のメンバーの中に日銀総裁もおられますし、大蔵大臣もおられます。やはり一兆八千億以上の国民の税金が投入されているという事実がある限り、これは少なくとも国民がもう既にそれらの銀行の株主になっていると言っても決して過言でない、私はそういう認識に立っておりますし、国民の代表として我々も選出されております。また、国民の代表として、ある意味では内閣も形成されているというふうに私は理解しております。 そういう中で、きちっとした責任対応ができないと、これは国民に対して大変背信行為になる、こういう理解をしておりますが、総理、どのような理解をされておりますか、この貸し渋り対策に対しての現実の結果に対して、一兆八千億という資本金を注入したという事実としての結果に対して。
○小渕内閣総理大臣 私は、その当時の注入につきましては、それこそそうした金融機関がより健全化し、信認を得るための注入であったと思っております。その結果、貸し渋りというものが減少することを期待しておったこともまた事実であろうと思っております。 そうした観点につきまして、その結果につきまして必ずしも十分な結果が得られておらないということは残念だと思いますけれども、しかし、金融機関におきまして、そうした国民の資金が投入されて、より健全な経営を遂行するということによりまして、この貸し渋り問題等につきましても十分留意をしながら対処をいたすべきもの、このように考えております。
○上田(清)委員 全くわけがわかりませんでした。 一つは、私は、その問題を昨日の委員会に続いて申し上げているのは、配当も行っているんです、総理、この資本注入を受けたそれぞれの銀行が。よろしいですか。ちゃんと、しっかり配当をしているんですよ。二十一行中十九行で、合計で三千五億配当しておりますけれども、資料では六番目ですけれども、一兆八千百五十六億のうち、この三千億という金額は約一六・五%になります。 私は国民が株主だと申し上げました。国民に配当されないで銀行に配当されるんだったら、何で出すんだということを言われますね、これは。総理、そういう視点でもこれは極めておかしい。なぜ配当がされているんだと。 金融監督庁は総理の所管でございますから、返せという気はありませんか。
○宮澤国務大臣 私は違う感想を持っております。 ことしの三月に資本投入をいたしました主たる目的は、当時御承知のように我が国の金融機関が、国内から見ても世界から見ましても、例えばジャパン・プレミアムのような、非常なシステムとしての危機にございました。したがいまして、これらの金融機関の資本を強化することによってその内外の危機に対応しよう、安定化を図るためにいたしたことでございます。 結果といたしましてそれらの金融機関の資本は強化されることは確かでございますけれども、しかし目的は、その金融機関そのものに利益を与える目的ではなかった、全体のシステムの健全化ということをねらったわけでございます。 したがいまして、そのこと自身、その銀行に対してフェーバーを与えるから配当をしなさるなというようなことの関連性は乏しいと私は思っております。殊に、私企業に干渉をするということはよほどのことでなければなりませんし、法律もそのことを禁じておりますので、銀行が中期にわたって配当をする資力を持っていることを証明する限り、それをとめる理由はないだろうと私は思います。 ただしかし、委員の言われますことにそのとおりだと申し上げる点がございますのは、その金融機関が非常に欠陥がある場合、例えば早期是正措置の結果、非常に自己資本比率が低い、コストを割りそうだというような場合には、投入に際しまして幾つかの条件を掲げておりますが、それは経営陣の刷新等々、あるいは株式配当、役員賞与の禁止等々を条件にするということはございますので、そういう場合には委員の言われるような考え方が通用するものと思います。
○上田(清)委員 予算委員会がまだ継続的にされるかもしれませんが、されない場合も含めて、ぜひ税金投入のときだけは、参考人としてその必要性を、各行の頭取の皆さんらが来ていただきましたけれども、配当したことや貸し渋りが解消しなかったことに関しては知らんぷりじゃなかなかこれはいけませんので、再度参考人として招致することを委員長に要請したいと思います。
○中山委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○上田(清)委員 続いて、株式の差損によって結果的にこの公的資金、私は税金税金と申し上げておりますが、こちらも相当損失している。もちろん、経済の動向ですので、今が底で、仮にどんどん上がっていけば、それはそれでまたもとに戻るというようなことも言えるかもしれませんが、少なくとも、こういう認識についてもぜひ関係の閣僚の皆様方には理解をしていただきたいと思います。 資料では、ここの部分では五番目でございます。わかりやすく一番下だけ見てください。「長銀優先株」、三月三十一日の株価が二百三十二円、八月十八日現在で四十四円、変動幅、この優先株は市場に公開されているわけではありませんので、さまざまな部分で勝手に仮定計算をしておりますので、これが間違っていたらまた御指摘をしていただきたいと思いますが、最終的に評価損が一千五十三億になる、こういうことにもつながってくるのですね、一つ一つの税金投入というのが。このことをやはり理解した上で、これからの金融トータルプランの法案についても検討しなくてはいけない。 いろいろな議論が出ています。これまでに私は一生懸命、住専のときもいろいろな議論をさせていただきました。このときは、必死になって西村元銀行局長は、住専を守るんじゃないのです、日本の金融システムを守るんですと言っておられました。しかし、これは母体行と農林系統を守るためというのが一般の識者の常識になっております。 金融安定化法、預金者保護のためと言われました。しかし、先ほどのさまざまな事態を見ていますと、この資本注入の結果、貸し渋りも直らない。いろいろなことを考えると、やはり銀行救済じゃないの。一兆八千億の資本注入、これは貸し渋り対策だと言われたけれども、効果なかった。これも銀行救済じゃなかったの。じゃ、今度の金融トータルプラン、善良な借り手の保護のため、これは銀行救済のため。全部最後は銀行救済のためなんという話になりかねないのですよ。結果がそういう結果になりつつありますから、ずっと。それだけ政府の経済政策の失敗あるいはトータルな意味での金融政策の失敗、こういうことが言えるんではないかなというふうに私は思っております。 さまざま準備をしておるところのまだ三分の一しか終わっていなくて残念なんですが、宮澤大蔵大臣、長銀と住友信託銀行との合併問題で、長銀のドンとも言われます杉浦さんから六月二十二日に訪問を受けて、長銀救済の要請を受けておられませんか。
○宮澤国務大臣 救済の要請を受けたことはございません。
○上田(清)委員 六月二十二日にお目にかかっておられますね。
○宮澤国務大臣 日にちは不詳でございますけれども、見えたことはございます。
○上田(清)委員 世間話の中でもそういうお話はございませんでしたか。
○宮澤国務大臣 別段ございませんでした。
○上田(清)委員 プライベートなことを聞いても仕方がありませんが、要は、住友信託銀行のさる幹部からお話を聞いたところによりますと、その方が正しいかどうかわかりませんが、かなりプレッシャーをかけられているというお話がございます。 日銀総裁、それから日野金融監督庁長官、合併しないかという要請の電話をしたことはございませんか。それぞれ御返事お願いいたします。
○速水参考人 この合併構想はあくまでも当事者間で自発的に合意されたものと理解いたしております。 ただ、両行から合併構想が公表をされる日であったと思いますけれども、御連絡を受けまして、私はそれに対して、当時金融短期市場が非常に波乱を起こしておりまして、このままでいくと非常に次の週が心配だというふうに感じておった時期でございますが、私からは、仮に決断されるとすれば我が国金融システムの安定と信認回復に大きく寄与すると考えられる旨申し上げたことはございます。
○日野政府委員 お答えいたします。 金融機関の合併につきましては金融監督庁がその認可の権限を有しておりまして、この合併構想を私どもが承りましたときには、金融システムの安定に資するということを私どもは考えまして、ちょうど合併構想が発表される日だったと思いますけれども、私から住友信託の高橋社長にお電話をいたしまして、両行の合併構想はさらなる効率経営の推進を図り、よりすぐれた金融サービスを顧客に提供するものと聞くけれども、こうした取り組みは顧客や市場からの信認を得て我が国の金融システムの安定に資するものであると考えるということを申し上げましたし、その日の夜の記者会見でも同じような趣旨の長官談話を発表したところでございます。
○上田(清)委員 プレッシャーという意味での圧力をかけたということはありませんでしたか、長官。
○日野政府委員 私は、今申し上げたような趣旨で申し上げたわけでございまして、プレッシャーをかけるとか、そういった趣旨で申し上げたつもりはございません。
○上田(清)委員 関係者からは違う声も聞こえてきておりますので、ぜひ注意もしていただきたいというふうに思います。 時間がなくなってきましたが、同僚議員の御理解をいただきまして、いましばらく、宮澤大蔵大臣、大変揚げ足をとるようで恐縮なのですが、九枚目、9というところに、平成四年の一月から十二月までにかけての元総理の発言が記録されております。景気に関することだけに絞った問題でございます。 一月のころから、もう底に近い、これからこれからと言いながら、見ていただければわかりますので、一月のときから、一、二月から明るい兆しが見えていると言われておりましたし、それから四月、五月は底を脱しているというふうに四月ごろ言っておられましたけれども、七月になってもまだ、最悪のところは過ぎたというようなことを言っておられます。結局十月になって、景気の底入れは七月―九月期でしょうということを言っておられますからもう三カ月ぐらいずれてしまっているし、十二月になってまだまだ、十月―十二月は効果を発揮して上向く時期だなんというようなことで、やっと底を打ったという、一月ぐらいから底だったのが十二月まで続いた。 そういう、ニュアンスの差は少しずつありますが、何かいかにも口先だけで、三カ月先の見通しがことごとく違う、そういうニュアンスが、この景気に対する発言を見て思っておりまして、尾身長官を思い出したのですけれども。 最良、最高の人をそばに置いて、小渕総理、これからの景気の見通しについてどのように判断されておられるのか、いつが底でいつまで底は続くのか、どこから上向くのか、端的に教えていただきまして質疑を終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小渕内閣総理大臣 なかなか難しい問題ですが、私としては、今提案しております諸経済対策につきまして、全力を挙げて法制化も図りましてこのことを実行していくということで、申し上げましたように、この一両年、回復基調にぜひ持ってまいりたい、こういう決意のもとで努力いたしておるところでございます。
○上田(清)委員 ありがとうございました。
○中山委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。 次に、生方幸夫君の要求を受けております。これを許します。生方幸夫君。
○生方委員 民主党の生方幸夫でございます。民主党の質問ばかり四人も続きまして申しわけございませんが、いましばらく御辛抱いただきます。 それで、今までの論議を聞いておりまして、小渕総理大臣の答弁をずっと聞いておりまして、私も父親が群馬であったという関係で大変期待をしておったのですが、残念ながら、お答えが非常に長くわたって、聞いていて何をおっしゃりたいのか、一言で言えばよくわからないという答弁が続いておりまして、もう少しわかりやすい言葉で端的にお答えをいただけると私はありがたいなというふうに思っております。 今、世界的に見て日本の経済が非常に悪いと言われている。実体経済が悪いのも事実でございますが、それ以上に、私が考えるに、日本の政治に対する不信というものが非常に強く経済に影響を与えているのではないかというふうに考えております。それは、すなわち、政治家がきちんと政治が行ったことに対する責任というものをとってこなかったことが日本の政治に対する不信につながり、それが日本の経済を実態以上に、日本売りというものにつながっているのではないかというふうに私は考えております。 そこで、小渕総理大臣にまずお伺いをいたします。 財政構造改革法の論議を去年から私もずっと続けてまいりました。昨年行われました財政構造改革特別委員会の中におきまして、当時もう既に日本の景気はかなり悪くなっており、特に金融の破綻というものが進んでおりました。この中におきまして、財政構造改革をしなければいけないということは、これはもう国民ひとしく皆さん思っているわけでございますが、そのときに、予算にキャップをかけるような、いわばデフレの要素を非常に多く含んだ財政構造改革法というものを成立させれば景気に非常に悪い影響を与えるのではないか。 したがって私は、その論議の中で、財政構造改革法の枠組みはできたのだから、ここで景気のことを配慮して、一年ないし二年、この財革法の執行を凍結をしたらいかがかというような質問を当時の橋本総理にいたしました。そのとき、橋本総理は、今回の予算はまさに経済、金融の情勢の変化に機敏に対応していくという考えのもとに編成されたものであるというお答えをしまして、私たちが財政構造改革法を凍結せよというふうに要求したことに対して突っぱねられたわけでございます。 そのとき、小渕総理は外務大臣という要職を務められておられたわけでございますから、当然、閣議の中におきまして、財政構造改革法の凍結という私たちの主張に対して反対という立場をおとりになったはずでございます。その小渕総理大臣が、総裁選に出るに際して、今度は一転して財革法の凍結ということを言い出したわけでございます。 私が質問したのはことしの一月でございますが、一月からこの財革法を凍結するまでの間にどんな変化があったというふうに小渕総理大臣は認識をして、どこの時点で凍結ということを判断なさったのか、まずお伺いしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 まず、答弁ぶりについて御批判いただきました。これから可能な限りめり張りのきいた答弁に心がけたい、こう思っておりますが、万般のことを配慮する余りに、あるいはその説明ぶりが不十分だったことに反省をし、努力したいと思います。 そこで、今のお尋ねでございますが、私も閣僚席に座りながら、生方委員、橋本総理の質疑応答ぶりを聞いておりました。しばしば申し上げておりますように、その時点におきましては、橋本内閣としては、財政構造改革をしゃかりきにやらなきゃならぬという強い熱意のもとに、その法律案を制定していただき、かつ若干の改正もさせていただきましたが、それ以降の日本経済の動向その他を勘案いたしてまいりまして、そういうことと同時に現下の実態にかんがみまして、この事態のままでよろしいか、こう考えましたのは、少なくとも私が責任ある立場を志して自由民主党総裁選挙に乗り出したことでございまして、そのことによりまして、党内的な御理解も得て総裁の任につき、かつ今日があるわけでございまして、私といたしましては、現下の状況にかんがみまして、私の与えられた責任は、この状況を何としても乗り越えて、一日も早く実体経済を回復させることによりまして、そしてこの現下の厳しい経済状況を打開をしていく、これが与えられた任務と心得ておるわけでございます。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○生方委員 私は、ことしの一月の時点で、財革法にのっとった予算をつくればこれはデフレ予算にならざるを得ない、したがって、財革法を凍結して本格的な景気対策を盛り込んだ本予算をつくるべきではないかというような質問をいたしました。そのとき、当時の橋本総理は、この予算が一番いい予算であるというふうに言って、その後、予算が成立したらまたすぐに大型の補正予算を組むというようなことを行ってきたわけでございます。 私たちは、その当時に財革法を凍結しておれば、もっと早く景気対策を盛り込んだ予算が計上できて大型の補正予算を組まなくてもよかったはずだ、したがって、大型の補正予算を組むようなことを前倒しにしておれば、今の時点で景気が先行きもっと明るくなった可能性もあるのではないかという観点から質問をいたしておるわけでございます。 今、小渕総理のお答えでは、いつの時点で凍結はだめだというふうに判断していて、いつの時点からやはり凍結をしなければいけないのかというふうに判断が移ったのか、明らかでございませんでしたので、もう一度、どの時点で小渕総理はこの財革法を凍結しなければいけないというふうに判断をなさったのか、御答弁をお願いいたします。
○小渕内閣総理大臣 日にちを特定することはできませんが、私としては、先ほど申し上げましたように、本院における予算委員会等の質疑等も拝聴をいたしておりました。おりましたが、内閣の一員といたしまして、提案した予算案にこれが最善でないと言う立場ではございませんで、そうしたことでいろいろの議論を承ってまいりました。 そして、申し上げましたように、私としては、責任ある立場に立つべく自由民主党の総裁選挙に臨んだ折に、今御提案をしようとしております種々の税制改革あるいは補正予算の問題等数字を挙げて申し上げるに当たりましては、当然のことながら、現行法とのかかわり合いがあることでございますので、その時点できっぱり財革法の凍結ということを打ち出して、私の提案について整合性を持たした、こういうことでございます。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○生方委員 財革法の凍結ということが行われておれば、今も申し上げましたように、予算の段階で景気対策を盛り込むことができた。すなわち、予算の段階で景気対策、大型の景気対策を盛り込むことができなかったことが、失業率が三・九から四・一になり四・三になったという実害をいわば国民の方たちに与えているというふうに私は判断をいたしております。 したがって、小渕総理が、私たちが主張するように、昨年の段階あるいはことしの一月の段階で、財革法に対してこれは非常に問題があるというふうに判断をなさっておったならば、その時点で閣内において反対をするという勇気を持つことが、私は、政治に対する信頼を取り戻す第一歩であったのではないかというふうに考えております。 もしそう思っていなかったのであれば、財革法を凍結しないで財革法にのっとった予算を組み、景気をここまで悪化させた橋本内閣の一員としての小渕総理の政治責任というものは極めて大きいと言わざるを得ないと思うんですが、いかがでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 十年度予算を編成しこれを国会に提出いたしました段階におきまして、私自身が今考えておられるような考え方を持っておったかといえば、持ち得ておりません。 したがいまして、全体の日本経済の動きその他につきまして十分な認識がなかったと言われれば、不明を恥じる以外にないと思っておりますが、ただ、その後の、以降の景気の動向ということを考えますと、種々のその他の要因も加わりまして、当初予定をいたしましたような形での景気の回復を見られなかったという現況にかんがみ、かつまた過ぐる参議院選挙の結果等を見てみまして、私自身としては、私なりに反省を込めて、前内閣でとってまいりました総合経済対策に加えまして今回の新しい政策を打ち出させていただいておるということでございます。
○生方委員 角度を変えてお伺いしたいと思います。 今、各省が概算要求というものを出しております。これは、今財政構造改革法というのは生きているわけでございますから、当然、その概算要求というのは財政構造改革法にのっとって行っているのでしょうか。大蔵省にお伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 先般、閣議で概算要求基準を決定いたしました際に、内容は御承知かと思いますが、事実上財革法というものは凍結をする、そういう前提で要求をしてもらうようにいたしております。
○生方委員 財革法というのは、去年論議をし、ことしの一月に成立をし、ことしの六月には修正までしている。国会でこれだけ論議をしてきたものでございます。極めて重要な法案でございます。その法案が、国会で凍結という論議もなされないうちに、閣議だけで凍結をしたということを前提にして概算要求を出すということであれば、国会、まさにこの予算委員会の論議や財政構造改革法の論議、あるいは国会の論議そのものを無視したことになるんじゃないですか。
○宮澤国務大臣 私は御指摘はごもっともだと思うのですが、先ほど言われましたように、今年度の本予算を国会で御審議中に実は補正ということがもう公然と論じられて、なぜ本予算中にそういうことを言うのか、本予算を直せばいいという御批判があったぐらい経済情勢の悪化というのは急激であったと思います。 振り返りまして、ちょっと例え事を申して申しわけありませんが、おまえ、いつそんなに病気が悪くなったのかね、言ってみろと言われても、何かよくわからないぐらいどんどん悪くなったというのが実情であったでございましょうから、したがって、生方委員がことしの一月に財革法はやめろとおっしゃいましたときに……(生方委員「凍結です」と呼ぶ)凍結とおっしゃいましたときに、政府がまだそれだけの認識をしていない。ですから、小渕総理がいつ決心したのかとおっしゃるのは、お尋ねの意味はわかりますけれども、なかなかやはり本人にはいつということは確定できないのが事実だったと思うのです。 それで、今度の概算要求の方針を政府が決めましたときに、その前に小渕総理が財革法は凍結をするという決定をしておられます。それは、行政府としての決定でございますから国会の御承認を得たものではございません。しかし、行政府としてはそういう決定をし、そしてそれに基づいて予算を組みあるいは減税措置を講じまして、全部そろいましたところで国会に財革法の処理についても御審議を仰ぎたい、こう考えておるわけです。 それはなぜかと申しますと、仮にこの国会に財革法凍結の御審議をお願いするとしますと、なぜだとお尋ねがあるのは当然でございますが、それは、このような予算、このような減税ということを今申し上げられません。それで、同時に御審議を仰ぎたいと思っております。
○生方委員 私たちは、本予算を審議しているときに、自民党がいわば外部で補正を組むんだというようなことを言ったことに対しては批判を重ねてまいったわけです。そういうことをしてはいけないと。補正をやるのであればきちっと本予算で組みなさいというときに、財革法があるから本予算は修正することができないんだということで突っ張ってきた、この結果が今になっているわけで、それで財革法が生きているわけですよ、現在。現実に生きている財革法を、閣議で決めたからといって国会で論議することもなく財革法を無視したら、これは私たちはここで何のために法律の論議をしているのかわからなくなっちゃいますよね。 きちんとやはり小渕総理が、財革法を凍結するという法案をまずこちらに出して、それを論議してから概算要求を出すということをしない限り、私たちがここで論議している意味もなくなってしまうと思うのですけれども、法制局長官、いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 率直に申し上げまして、私が総裁選に臨むに当たりまして、これは党内の総裁選挙でありましたが、政権を持つ政党としての責任から、私自身の考え方を明らかにするためには、こうした法律が存在しておりましては、これは私自身の税制その他の考え方ができないということで、実はその凍結を申し上げたわけでございました。 このことと、今委員の御指摘の諸点につきましての財革法の凍結それから来年度予算の編成の問題等につきましては、法的な問題もあるかと思いますので、法制局長官が御答弁することをお許しいただきたいと思います。
○大森(政)政府委員 予算と財革法との関係でございますが、予算の編成、これは委員重々御承知のとおり、概算要求を受けまして各省庁と調整の上、概算閣議、提出閣議を経て内閣が国会に予算を提出する。これは来年、多分一月のことになろうかと思います。 ところが、財革法と申しますのは、この予算の作成手続全般を規律する法律ではございませんで、内閣が来年一月に提出いたします予算の内容を規律するものでございます。したがいまして、予算の国会の提出以前に行われる予算編成作業はあくまで政府内部の手続でございまして、凍結を前提として予算編成作業を行ったからといって、そのこと自体が即財革法に違反するというものではないということになります。 そして、そのような内部作業を経まして作成するに至りました予算が財革法の現行内容と抵触するということになりますれば、そのときに、財革法の改正、あるいは俗的には凍結という言葉で今論議されているわけでございますが、それを内容とする法律案と予算を同時に提出して、その際国会の御審議を十分に受けるということを予定しているわけでございます。
○生方委員 現在、財革法という法律はあるわけですね、現実に。それで、公務員の方たちは法律にのっとって業務をしなければいけない。ということであれば、各省庁の概算要求をしている方たちも当然公務員であるわけですから、縛られるべきことは現法の財革法であって、凍結する財革法ではないはずでしょう。現在の法律は財革法、現在あるわけですから、それに、キャップがかかった財革法にのっとった概算要求をしないということは、公務員としての仕事、法律を無視した仕事を強いるということになるのじゃないですか、いかがですか。
○宮澤国務大臣 既に総理大臣が財革法を凍結することを決心され、そして、それに基づきまして閣議が概算要求の基本方針を決定いたしましたので、各省庁はこの基本方針に向かって予算要求をしてくることになります。
○生方委員 内閣が決心したといっても、議会で論議をされて法律は初めて改正されるわけでございます。その改正がされていない時点で、公務員を改正されたことを前提に縛って概算要求を出させるということは、これは明らかにおかしいのじゃないですか。
○大森(政)政府委員 先ほどの趣旨を重ねて申し上げますが、財革法の内容と申しますのは、内閣が作成、提出する予算の内容についてのものでございまして、予算編成過程におけるもろもろの考え方を直接拘束するものではないということでございます。
○生方委員 私が聞いているのは、財革法という法律が現在生きているわけですよ。これは凍結はされていないわけです。凍結をするためには、やはりここで論議をして、凍結ということが決まらなければいけないわけでございます。 したがって……(発言する者あり)
○中山委員長 生方委員に申し上げます。 この問題を十二時の理事会で協議いたしたいと思いますので、この問題以外の御質問を続行していただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○生方委員 理事会で協議ということですので、私は納得はしてないのですが、当然、財革法の凍結というのであれば、凍結をしたいという趣旨を私たちに話していただいて、ここで論議をしてから凍結ということを決定してもらわなければ困るというふうに思います。これは理事会の論議ということでございますので、次に質問を変えさせていただきたいと思います。 財革法ができたのは、財政改革をしなければいけないという、橋本前総理が六つの改革を掲げた中の重要な柱の一つが財政改革であったはずでございます。したがって、財革法を凍結する、つまり財政改革を一時的に凍結をするという判断をなさったことは、ほかの五つの改革にも影響を及ぼさざるを得ないと思うのですが、その影響との関係について小渕総理はどのようにお考えになりますでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 御説のように、六つの改革はそれぞれ関連をいたしていることは当然のことだろうというふうに認識をいたしております。 ただ、経済社会のグローバル化、少子・高齢化の急速な進展などを踏まえまして、新しい我が国の社会システムを二十一世紀における知恵の時代にふさわしいものに変革していかなければならないと考えております。その中で、財政構造改革に関しましては、現下の極めて厳しい経済情勢にかんがみまして、財政構造改革を推進するという基本的な考え方を守りつつ、まず景気回復に全力を尽くすという観点から当面財政構造改革を凍結することといたしておりますが、いずれにいたしましても、将来の世代のことを考えれば、中長期的にはこの財政構造改革の必要性は否定されるものではないというふうに考えております。 したがいまして、今般の凍結によりまして経済の活性化を図る、その活性化を図ることによりまして、それぞれの改革も財政の健全な支援なくしてはなし遂げられないことでございますので、その影響につきましては十分監視をしなければなりませんが、むしろこのことを行うことによって日本経済を活性化し、財政的な余裕も生み、そしてこれらの改革を進めていくためのむしろやらなければならないことだ、私はこのように考えておる次第でございます。
○生方委員 今総理おっしゃいましたように、その財革法の基本的な考え方は残す。具体的には、基本的な考え方を残すというのはどういうことを意味しておるのですか。
○小渕内閣総理大臣 財政構造改革法を推進するという基本的な考え方を守ってまいりますことは、今委員からも御指摘がありました、まず景気の回復に全力を尽くしまして財政構造改革は当面凍結をいたしますが、この凍結期間も含めまして具体的にどのような内容で凍結するかということにつきましては、予算編成過程あるいは景気回復のための税制改正を含めた具体的施策の内容等、議論を踏まえて検討していきたい、このように考えております。
○生方委員 財革法が凍結できるかどうかというのは私たちの論議にかかっているわけで、凍結することが成立するかどうか、これはわからないわけですね、私たちがここで論議をするわけですから。だから、凍結を前提にしてお話をされるとまた先ほどの話に戻ってしまうわけでございますので、凍結ということを私たちは納得をしているわけでもございませんし、理解をしているわけでもないということは、重ねてここで表明をしておきます。 先ほど宮澤大蔵大臣は、凍結ではなく廃止という言葉をおっしゃっておりますが、目指しているのは凍結なんでしょうか、それとも財革法そのものも廃止をするということなんですか。どちらが正しいのでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 この財政構造改革の中で、制度改革として重要な諸点があるだろうと思っております。そうしたことにつきましては、従来から、その方針に基づいてこれから実施していかなければならない問題はそのまま継続しなければならないと考えておりまして、そういった意味では、凍結すべき部分はどのようなものであるかということにつきましてもこれから党内の御論議もいただかなきゃなりませんが、その法律そのものの精神は依然としてこれは継続していくものだ、このように考えております。
○生方委員 廃止ということになれば、これは精神も根本から変えるということになるんじゃないですか。廃止と凍結というのは、私は質的に違うものだと思うんですけれども、宮澤大蔵大臣は廃止を目指しているんですか、それとも凍結なんですか。それをもう一度ちょっとお伺いします。
○宮澤国務大臣 これから自由に議論をいたしたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、総理の御方針に従います。
○生方委員 ということは、先ほどの廃止という考え方は、総理が今ずっと、総理は凍結という言葉しか使っておりません、廃止という言葉は使っておりませんので、先ほど宮澤大蔵大臣が言われた廃止という言葉は取り消すというふうに解釈してよろしいんですか。
○宮澤国務大臣 最終的に総理の御決定に従わなければなりません。
○生方委員 今回の景気対策を盛り込んだ概算要求というものを、私も拝見をいたしました。これはまだ概算要求の段階でございますからいろいろ論議するというのは早計とは思うんですが、これがもとになって当然本予算というのができてくるわけですから、質問をさせていただきたいと思います。 今度の景気対策ということで四兆円の緊急景気対策というのを打ち出して、その中で公共事業というものが盛り込まれております。私たちは公共事業、もちろんこれは建設業が非常に冷え込んでいる中で公共事業全般を否定するものではございませんが、公共事業を行ったあげく、財政赤字が非常にふえてきてしまって景気が回復しなかったという経験を私たちは持っているわけで、旧来型の公共事業を再びここではやってはいけないというふうに私は考えております。 もちろん政府の方もいろいろ工夫をなさっておるようではございますが、この間の緊急経済対策の公共投資の内容を見てみても、各省庁の要求シェアというのが変わらなかったということを見ても、今回も公共投資というものを中心に景気対策を行えば、名前を変えても中身は変わらなかったということになるのではないかという懸念を私は非常に持っているんですが、小渕総理、いかがでございましょうか。
○小渕内閣総理大臣 御指摘のお考えはお考えとして理解しますが、私ども、来年度予算を編成するに当たりまして、まず、平成十年度における公共事業予算につきましても、かなりその配分の重点化を行ってきておると思っております。と同時に、来年度の予算、その前に、先般の総合経済対策あるいは平成十年度の補正予算におきましても、二十一世紀を見詰めた社会資本整備、そのための環境、情報通信、高齢化、福祉などの分野において重点的な配分がなされております。 また、十一年度予算の概算要求につきましても、委員お調べいただいて御検討されたということでございますが、公共投資のさらなる重点化を図るために、物流効率化による経済構造改革特別枠を初めといたしまして、三つの配分重点化枠を設けておりまして、総額四兆円の景気対策臨時緊急特別枠等の活用を含めまして、将来世代に、整備してくれてよかった、こう評価されるような、そうした発想をもって、二十一世紀を見詰めた分野に重点的に思い切った見直しを行ってまいりたいと思いますので、御指摘のございましたような点につきましては、来年度予算に関しましては、新しいこの考え方をもとにいたしまして、より効率的なものにいたしていかなきゃならぬ、このように考えております。
○生方委員 私、一番最初にわかりやすい政治ということを申し上げましたが、そのことを実際に示すためには、例えば予算の省庁別のシェアとか事業別のシェアというものを一たん白紙に戻して、ゼロから行うということを国民の皆様方の前に示していただきたい。そうすれば、今度の公共事業というのは前の公共事業とは違うんだなということがわかるのではないかというふうに私は考えます。 また、公共事業そのものを、国でやるばかりではなく地方で行う部分もございますわけですが、地方自治体に事業そのものを任せるというような方向を打ち出すということが、公共事業が今までの公共事業とは違うものであるなということを国民の皆様方に知っていただく第一歩となると思うのですが、そのようなお考えはございますでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 すべて今までとってまいりました予算編成のあり方を変更するということは難しいと思いますが、先ほど私が申し上げましたように、幾つかの枠組みを設けまして、総理自身の裁断で、予算の配分につきましても、そのことの指示ができるような、そういう形の枠も設けておりますので、そうしたものを大いに活用しながら、従来の反省といいますか、そうしたものに対しましておこたえをいたしていきたい、このように考えております。
○生方委員 宮澤大蔵大臣にお伺いしたいのですが、普通でいうと予算の概算要求が七月末、ことしは八月になっていますが七月末に出されて、十二月に閣議決定をして、来年、次の年の通常国会において予算の審議をされる。したがって、予算が実際に執行されるまで、概算要求が出てから半年以上、非常に長い時間がかかってしまうということがあるわけです。 予算自体は、もう出された時点で修正をしないというのが前提となっておりますから、今のように経済状況が非常に速く変化する中で、これは多分ずっと昔に、時代がゆっくり流れていたときに、時間がゆっくり流れていたときに、こういう方針で臨んで予算をつくって、いいものができたのかもしれませんが、このように非常に経済のテンポが速い、しかも世界的な経済の変動が起こっているときに、こういう早い段階から、もちろん、概算要求をしてずっと積み立てていっていろいろな作業が要るということは私よく承知をしておるのですけれども、それにしてもやはり時間が長くかかり過ぎるということは、七月の時点で考えていた予算と執行する時点で考えていた予算とは当然違ってきちゃうはずで、これを縮めるというお考えがあるのかどうか、お伺いしたいのです。
○宮澤国務大臣 技術的な点がございましたら主計局長から補足をしてもらいますけれども、確かにそういう問題がございます。概算要求、八月末まででございますから。しかし、査定の段階で、今委員の言われましたような世の中の動きを要求側も査定側もよく知っておりますから、そこは、最後のところ、決着までの間にかなり弾力的に対処しておるようでございます。 確かに、経済見通しも含めまして、長い時間を予想するのは難しゅうございますからできるだけ弾力的に対処しておるようですが、殊に今回は、第二次補正を来年度予算編成と同時に考えますので、それらをあわせていたしますと、かなり弾力的な対応ができるというふうに思っております。
○生方委員 今のに関連するのですけれども、予算を絶対修正しないという考え方でやってまいりまして、予算を修正するということは内閣の責任にもなるということで、ずっとこの間予算を修正するということはなかったわけですが、私は、かえてもいいという、柔軟にこれからは対処をして、今度の財革法の問題でも、あそこで予算をかえられるという前例があればもっと柔軟に対応できたと思うのです。 その辺、予算も柔軟にかえるんだ、もちろんベストのものを出してくるということはわかるのですが、その後に起こったことによって、もちろん補正も組めるわけですし修正もできるわけですから、予算を修正するというのも前提にしてもいいのじゃないかと思うのですが、その辺、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 そのために、情勢の変化に対応するために、予備費をかなり大きく持っておるわけでございまして、それによって対応が大体過去可能になっております。 しかし、おっしゃるようなことがございますから、また補正ということもお願いをすることが過去にしばしばございました。
○生方委員 補正で対応するよりも、本予算も修正してもいいというような柔軟な姿勢をとるということが、私たちもそれによって内閣の政治責任だなんということを言わずに、これはやはり緊急のときでございますから、そういう柔軟な姿勢をとっていただきたいということをお願い申し上げます。 次いで、堺屋長官にお伺いをいたします。 堺屋長官、就任してからまだわずか三週間ぐらいだと思うのですけれども、私、答弁を聞いておりまして、最初は非常に生きのいい経済評論家だなというふうに思っておりましたが、だんだん最後の方になってくると、官僚が答弁しているのと見まがうような答弁になっておるので、非常に残念に思っているところでございます。 そこでお伺いしたいのですが、先週の日曜日にNHKのテレビを見ておりまして、堺屋長官がお出になっておりまして発言をされておりました。そのとき、ことしの経済成長率はゼロだというふうに発言をしておりましたが、経済企画庁の経済見通しは一・九%ということになっておりますので、一・九%を取り消して、経済企画庁の正式な見通しとしてゼロだというふうに解釈をしてよろしいのですか。
○堺屋国務大臣 経済企画庁として手続的に一・九%を取り消す手続はとっておりませんが、私の見通しとしては一・九%は無理である、これはもう明確に申し上げておりまして、一向に答弁を後退させたことはございません。 NHKで申し上げましたのは、私の全く個人的見解として、どれぐらいになるかというので、ゼロ・プラス・マイナス〇・五ぐらいになるだろうと申し上げたわけでございます。 したがいまして、近い将来、第一・四半期、四―六月の数字が出た段階で経済企画庁としても見直しの作業をしなければならないと思っておりますが、それをどのように発表するか、これは単なる見通しだけではなしに、税収その他にも影響する数字になっておりますので、どのように発表するかは慎重に考えたいと思っております。
○生方委員 昨日の本のところで質問をしたときはまだ堺屋さんは経済企画庁長官になられておられなかったわけですから、そこでの発言については経済企画庁長官としての責任というのは問われないのですが、先週の日曜日はもう経済企画庁長官になっているわけですね。そこで個人の意見ということはあり得ないわけですよ。経済企画庁長官の意見として私たちは拝聴しているわけで、そこの意見が個人的な意見というのは、これは私は納得できないのですが。
○堺屋国務大臣 経済企画庁長官として申し上げております。 私が申し上げたのは、経済企画庁という組織として前の見通しを取り消したことはまだないけれども、経済企画庁長官として私は、一・九%は無理である、大体の見通しを問われるとすればゼロ%前後〇・五ぐらいであると……(生方委員「今、個人だというふうにおっしゃったのじゃないですか。じゃ、それは取り消すわけですか」と呼ぶ)個人というのは取り消します。 組織として見直しておりませんが、企画庁長官としてそのような考えを持っております。
○生方委員 公人、私人というのは靖国神社の参拝のときよく出てくる言葉で、よくわからないのですが、長官は今長官としてテレビに出ていて、私たちは一視聴者として見れば長官の発言として見るわけで、そこはかつての堺屋太一さん個人として見ているわけではないということですから、その辺はしっかりとしていただかないと、聞いている方も、これは長官としての発言なんだろうか、それとも評論家としての発言、あるいは作家としての発言なのかとわからなくなっちゃいますので、今、堺屋長官は経済企画庁長官でありますので、そこの辺は自覚を十分持っていただきたいというふうに考えます。 IMFの経済見通しでは、この間発表されましたようにマイナス一・七%という見通しが出ております。これは当然前提がついておりまして、経済改革や政治改革をきちんと進めなければマイナス一・七%になるという見通しを示しておりますが、この数字についていかがお思いになるかということと、今おっしゃいました、四―六が出てからでないと修正ができないというような御判断でございましたが、四―六の見通しも含めて、現在の時点で、堺屋経済企画庁長官としてはことしの経済成長率をどの程度に見ているのか、お伺いしたいと思います。
○堺屋国務大臣 先日出ましたIMFの見通しは暦年でございます。暦年でマイナス一・七でございますが、最初の、ことしの一―三月がかなり低い数字になっておりますので、年度でいいますと、そのまま引き延ばしていくと、ほぼマイナスの〇・七ぐらいになります。これは、暦年と年度の差でそれぐらいのものが出てまいります。このIMFの見方は、日本の政府がとっております対策をやや過小評価しているのじゃないか。だから私は、ゼロ成長を中心にしてプラス・マイナス〇・五%ぐらい、最悪の場合マイナス〇・五%、最高プラス〇・五%ぐらいの間になるのじゃないかと考えております。 今、四月―六月の数字でございますが、六月ぐらいの数字まではやや回復基調があったのですが、六月の末から七月、今部分的に入ってきております七月の数字が余りよくございません。そういうことが逐一入っておりますので、今見通すのは困難でございますけれども、かなり厳しい中にも、この総合対策あるいは十兆円の追加等があれば、私が先ほどから申しております、ゼロを中心とした〇・五%の間に大体おさまってくれるのじゃないかと考えております。
○生方委員 それでは、後ほど理事会の後、あと五分ほど質問させていただきますので、これで私の質問を終わらせていただきます。
○中山委員長 生方君の残余の質疑については午後に行うこととし、午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。 経済問題を御質問しようと思っておりましたが、先ほどの同僚議員、生方議員の質問に関連して、理事会はまた後ほどと、こういう話になったようでありますが、ちょっと違った角度から総理に一点御質問をさせていただきたいと思います。 先ほどのお話で、財革法凍結を前提にして概算要求の作業を進める、私どもは、これは今までの議論に反しているのではないか、こういうことを申し上げているわけでありますが、とりあえずそれを横に置くとして、それでお進めになるとしても、先ほど法制局長官が、いざ予算を提出する、こういう話のときには、その予算の内容は財革法の内容に適していなければならない、こういう御説明があった、こう思います。 ということを考えますと、総理、もしその法改正をしないで予算を進めていって、そして、もしその法改正が、私ども野党が、もうそんなに、財革法、我々はもともと要らない、こう言っていた話を強行してつくって、そして今度は中身を変えて、そして今度はまた凍結だ、そんなばかなことはないんですね。ということになれば、我々はそんなことより解散を要求しますよ、こう言って参議院でそれを否決するという話になれば、要は、その予算が進んでいけば、それは法律違反の予算がそのまま存在する、こういう状態になりますね。というふうになるような気がするんですが、それに関して、総理、どうお考えになって、それでもこの概算要求の予算、進めますか。
○小渕内閣総理大臣 この予算本体とそれから関連する法律案の成立ということにつきましては、今般のこの財革法と、一般的に例えば税法と本予算との関係もあろうかと思います。この点につきましては、法制局長官から御答弁申し上げることをお許しいただきたいと思います。
○小沢(鋭)委員 法制局長官には先ほどの確認をもう一回したいんですが、その前に、総理に今の質問の意味を申し上げると、要は、このまま進めていけば、実質的なという意味で申し上げますが、解散権は野党にある、こういう状態になりますが、それでよろしいんですねと、こういう質問なのです。何度も申し上げているように、実質的にと、こういう意味ですよ。そういうことになるのではないですかということですから、総理にお答えをいただきたい、こう思うんです。
○小渕内閣総理大臣 本予算と関連する法律案、これは整合性がなければなりませんので、提出した段階で与野党の御協力を求めて、ぜひ成立をさせていただきたいというのが私の今の気持ちでございます。
○小沢(鋭)委員 私の申し上げたことがちょっとまだ御理解いただけなかったのかもしれません。ただ、今のようなことがあり得るのではないか、こういうことを申し上げて、実質的な中身の話に入らせていただきたいと思います。 まず、さきの皆さん方からも、いろいろな質問の中で、政府の経済見通しの誤りといいますか、そういう質問が出ました。私も同様の質問でありますが、若干視点を変えて質問を申し上げたいと思います。 確かに政府が今まで、特に去年の秋くらいまで、底がたい、こういう話を言っていたのは事実でありますし、それが結果としてそうならなかったというのも事実だ、こう先ほど来、大蔵大臣、経企庁長官はおっしゃったわけでありますが、総理はそういう前の内閣の一員としてやっていたときに、その経済見通しがこれはどうも違うぞと私は恐らくお感じになったのだと思う、どこかの時点で。それなりに経済の状況を把握していれば、それをお感じになったのじゃないかと思うのですね。 あるいはまた、いわゆる選挙区。政治家でありますから、政治家は選挙区に戻ればいろいろな民間の皆さんたちと、選挙区の選挙民の皆さんとも話をする。景気は厳しいよ、こういう話を我々はもうずっと言われ続けていたわけで、その選挙区の有権者の皆さんの景気は厳しいぞというのと、政府の言っていることがどうも違う、こうお感じになったのだろうと思う。 その間、総理はどんなふうにお感じになっていたのですか。これはどうも政府の言うこと違うやないかとお思いになったのか、いや、それでいいのだ、こうお思いだったのか、その辺の感想をぜひお聞かせください。
○小渕内閣総理大臣 小沢議員、選挙区その他全国駆けめぐって、肌で感じたものを持っておられていろいろお尋ねあったのだろうと思いますが、正直申し上げまして、私自身、外務大臣という職にありまして世界各国を飛び回っておりまして、大臣に就任いたしまして以来、選挙区に戻りましたのは一日でございまして、そういう意味では、みずからの選挙区における経済の動向その他につきまして、みずからがこれを把握することに十分な努力があったか、反省をいたしております。 そこで、この見通しにつきましては、尾身当時の経済企画庁長官がしばしば御答弁されておられまして、私もそれをお聞きいたしておりまして、同じ内閣の、しかも経済見通しを持っておられる大臣そのものが責任を持って御答弁されておるので、ひたすらそれを信じておった、こういうことでございます。
○小沢(鋭)委員 総理のそういう御答弁をなさるお立場は本当によくわかります。わかりますけれども、今の御答弁は、裏返して言いますと、私はそれは違う、感じなかったのだ、感応度がどうもちょっと鈍かったと言ったら失礼かもしれませんが、感じなかったのだ、こういう御答弁になってしまうわけで、そうすると国民の皆さんは、そういう総理に本当にこの経済が大変なときにお任せして大丈夫なんだろうか、こう心配が実は出てしまうのですね。それは、私の意見としてそういうふうに申し上げさせていただきたいと思います。 それと同時に、今度は経企庁長官、堺屋長官にお尋ねしますが、これはやはり前のことですから、また堺屋長官の御意見は先ほど来聞いています。私は揚げ足を一切とるつもりはございません。ただ、ある意味でいうと官民格差とも言える話なんですね。要は、政府の発表とそれからいわゆる有権者の思いが違う。そういう意味で、この違いはどこから出てきているのかというのは本当は大事な話なんじゃないでしょうか。 ある意味でいうと、自民党が参議院でこれだけ敗れた、全部とは言いませんが、その一つの大きな原因は、おれたちはこんなにつらい経済の状況にいるにもかかわらず、政府は大丈夫だ大丈夫だと言っている、ふざけるんじゃない、こういう思いなんだと思うのですよ。もし政策論的に、しかし政府としては、余り景気が悪い、景気が悪いと言ったらまた悪影響になるから、戦略的、政策論的に言わなかったんだとするのであればそれは一つのやり方かもしれないけれども、それは民主党は、先ほど来申し上げておるように、もうそういうやり方は時代おくれではないか、こういうことを申し上げなきゃいかぬし、もし本当に感じなかったとしたら、官民格差があるとしたら、その統計のとり方、あるいはその判断をする指標の見方、これは実は問題があるのではないかということも考えなきゃいけない、現状認識ができなきゃ対応できませんから。そこはどうですか、長官。
○堺屋国務大臣 御指摘のように、去年の後半からことしの初めにかけては、かなり顕著に官民格差が出た時代だと思います。 過去をずっとさかのぼってみますと、必ずしも、政府の見通しが甘くて民間研究所の方が厳しいというものばかりではございませんし、また的中率といいますか、実態との乖離が政府の方が最も少なかったということもあります。ただ、御指摘の、去年の夏ごろからことしの初めにかけての間はかなり官民格差といいますか、あるいは実態と発表と言ってもいいと思いますが、開きが出ました。 この理由につきましては、私も着任してからいろいろと調べたのでございますけれども、やはり二点ぐらいあります。 一つは、統計のおくれと判断のおくれ。これは役所の能力、組織の問題でございますが、確かに、統計が到着するのが遅かった上に判断も遅かった。今によくなるだろう、消費税の反動が消えて、今に回復するだろうという期待的な見方をしていたという点があります。もう一つは、やはり一・九%と言ってしまった、桜の咲くころにはよくなると言ってしまった。それから、それに基づいて税収を組んだり、いろいろなところに影響がある、だからなるべく変えたくないという心理が働いていた。 この二つが重なっていたので、かなり大きな官民格差、あるいは発表と実態との格差というのが生まれたのではないかと思っております。
○小沢(鋭)委員 もう一つ私はあると思うのですね。というのは、端的に申し上げます、時間がないので。 例えば、経済を見るときにいろいろな指標がありますけれども、成長率なんかは一番やはり重要に見る話なんだろうと思うのですね、ことしも一・九ができるかできないかみたいな話題になるわけでありますが。ただ、景気がいい悪い、こう考えるときに、国民は成長率で考えているのだろうかということなんですよ。要は、成長率は、例えば商売をしている人に置きかえていえば売り上げみたいな話ですね。だけれども、そうじゃないのだろうと思うのですね。もうかったかもうからぬかったか、ざっくばらんな言い方をしますと、利益なんじゃないのですかね。そういう庶民のあるいは国民の感情と、要は、マクロ政策でそう見ていく、そういう経済指標がちょっとずれているのではないか、こういう話を私は申し上げたいと思います。 特に、もう一つ、そういう、もうかっているかもうかっていないかみたいな話でいいますと、去年一年間ではなくてここ数年間、成長率が例えば二%近かったときも、ずっと国民は景気は悪かった、こう感じてきているのですね。ここ数年間ずっと国民は、ぱっとしない、景気は悪かったと。ことしの四月に私、予算委員会で、ここでも申し上げましたけれども、ずっとそういう感覚を引きずってきていて、そして昨年、特にまた秋にああいう金融破綻があったから一気に来たみたいなところがあって、国民は、もうここ数年間ずっと景気が悪い、こういう思いなんですよ。 ですから、そういったことを大事にして考えないと本当にずれてしまうのではないか。そこは、もう一言具体的に言うと、やはり株価であるとか地価であるとか、資産の影響というのは大きくありませんか。この資産デフレ、例えばアメリカが今好況だと言われている、若干陰りが出つつあるけれども。これも株価が好調だからですよね。中小企業の経営者の皆さんたち含めて、もうかっているかもうかっていないかといったときに、株価って大きいんですよ。だけれども、官庁エコノミストあるいは官庁の皆さんたちが考えていくときに、なかなか株価みたいな話はターゲットになり得ない。これは、持っている人と持っていない人があり得るわけですから。 ただ、もうこれだけストックが行き渡った時代になるとその影響は物すごく大きくて、そういった指標をしっかり考えないと国民との意識の乖離が生じるんじゃないか、こういうことを申し上げたいのですが、長官、いかがですか。
○堺屋国務大臣 バブルが崩壊してからの数年間の経済動向については私も申し上げたいことがたくさんございますけれども、時間のかげんで、今御指摘のありました財産効果というものについてだけ申し上げたいと思います。 フローで収入がどれぐらいあるか、あるいは各企業の利益がどれぐらいあるかということのほかに、財産がふえたか減ったか、これは確かに効果があると言われておりますが、その率あるいは額がどれぐらいのものであるかはよくわかりません。 例えば、土地でございますが、ピークのころ、一九九一年ごろを一〇〇といたしますと、現在は全国平均で七三ぐらいになっております。特に、東京、大阪等の商業地は二分の一もしくは三分の一に値下がりしております。また、東京証券市場の日経平均を見ますと、三万八千九百十六円という最高値、これは八九年の大納会でございますが、現在が一万五千六十三円七十九銭でございますから、六一%の値下がりベースになっている。 こういうことの影響は、ある人によっては全財産の上下の一%から二%きくという人もおりますし、もっと少ないという人もおりますが、今のところ確定されておりませんけれども、確かにその効果があると思います。しかも、住宅ローンを借りている方には、住宅の値段が値下がりしたのにお払いするローンが変わらないというようなことも影響がありますから、この景気の影響に財産効果というのは、これだけ大きく動きました状況下ではかなり大きかったのじゃないか。 残念ながら、それがどれぐらいの金額になるものか、定数的、定量的に示すことは、今のところ、世界の経済学でもいろいろと議論がございまして、明確にすることはできません。
○小沢(鋭)委員 長官、丁寧に御説明いただきました。財産効果、こういうお話をいただいたのですが、資産効果とも言われていると思いますけれども、確かに、定量的にどうだ、こういうことが言えないのは私も承知をしているところであります。 ただ、今堺屋長官もお認めいただいたように、その影響というのはかなりあるのではないか、こういうふうに私は答弁を聞かせていただいたわけでありますけれども、やはりそういった話に向かって政策のターゲットを持っていかないと、やはりこの不況というのはなかなか景況感、出てこないのじゃないか、こう思うのですね。そこはどうですか。そういう感覚は今後持ってやっていっていただくおつもりはございますか。
○堺屋国務大臣 土地なり株なりを任意的に、政策的に値上がりさせるということは、やはり市場、自由経済市場の原則から見て余り好ましいことではないと思います。過去にも、株式などにてこ入れ、いわゆるPKOというのをやったことがありますが、短期間に終わりますので、景気の状況を株式買い支えによって起こるということは非常にあり得ない、少ないケースだと思います。 むしろ、土地の流動性、有効利用を高めるとかあるいは企業の利益を高めるとかいうような、経済全体の状況を活性化させることによって、そういったものの価値を高め、流動性を高め、財産としての値打ちを高めていくような総合政策をとるのが正当だと考えております。
○小沢(鋭)委員 いやもう全く、それは私もそのとおりであります。マーケットにPKOというような形で直接的に介入する、あるいはまた影響を及ぼすような、そんな話はだめなんで、しかし、そういった発想で今おっしゃったような総合的な観点でやらないと、今までの不況対策だけではどうも足りないな、こういうふうに感じるものですから、またそれは、恐らくそこに認識は一致だ、こういうことなんだろうと思いますので、ぜひお進めいただきたいと思います。 そういう観点でもう一歩進ませていただいて、今のは、資産デフレ、こういう話を申し上げたわけであります。ことしの四月にやはり同じような質問を橋本総理にもさせていただいたわけでありますが、その段階から、いわゆる資産だけのデフレの段階から、経済全般におけるデフレを心配をしなければいけない状態に入りつつあるのではないか、こういうふうに私は思っています。ですから、ちょっとデフレ論をやらせていただきたいと思うわけであります。 経済全般のデフレは、物価、基本的には日銀なんかが言っているのはGDPのデフレーターをとるのでしょう、それが下がり、そしてまた、GDP、生産量そのものもマイナスになる、こういう状態をデフレ、こう一般的には言われていると思います。それがまた、賃金とかそういうものを経由してスパイラルに、継続的にデフレが進んでいくのをデフレスパイラル、こういう話になるわけですね。 ということの前提で申し上げたいと思うのですが、ことし経企庁の次官におなりになった塩谷さんという次官、いらっしゃると思いますね。六月二十七日の段階で、私が持っております新聞によると、これはその塩谷次官が、就任のときの記者会見かどうかちょっとわかりませんが、記者会見の席で言っているわけですね。「とくに、デフレ回避については、」こういうことで「「過度なインフレを避けるのが金融政策なら、デフレの危機を食い止めるのも金融政策の重要な役割」と明言した。」こういう言われ方があって、これは金融政策として日銀に対する注文、こういう話になっているわけでありますが、ここでまず第一点は、デフレという認識を示されている。経済企画庁、こういう認識をお持ちですか。
○堺屋国務大臣 私の承知している範囲では、この発言は、インフレもとめなきゃいけないけれどもデフレもとめなきゃいけないというので、現在がデフレだと発言しているわけではないと承知しております。 今、私たちは、デフレの危険性は全くないとは言いませんが、現状ではデフレスパイラルに入っているとは思っておりません。
○小沢(鋭)委員 私なんかはちょっと拍子抜けの感がするわけですが、デフレの状態ではない、デフレスパイラルには入っていない、こう明快に御否定なさって本当にいいのだろうか、こういうふうに思うのですね。 もう三年くらい前になりますが、この予算委員会の席でも申し上げましたが、たまたまグリーンスパン・アメリカFRB議長とお目にかかったときに、その当時、グリーンスパンさん、その後公の席でも言ったようですが、日本はデフレ経済の状況にある、こういう話を、三年前おっしゃっていました。私は実は、きょうそこにいらっしゃる中川農水大臣なんかと一緒にたまたまミッションで行ったのですけれども、そういう認識を示されていました。 ただ、そのときにグリーンスパンさんは、じゃ、インフレ政策をとれ、こういうことですかと私が聞いたときに、私はアメリカの通貨当局の最高責任者だから、日本の政策にコミットするようなことは言わないと、にこっと笑って言ったんですね。だけれども、バーゼルで日銀の皆さんともずっと話はしているんだ、こういう言い方もあわせてした。これは三年前なんですよね。 そして、日銀の総裁にきょうお越しいただいていますが、日銀法が改正になって政策委員会が改組になり、いろいろな議論が表に出るようになりました。私、熱心な愛読者でありまして、大変楽しみに読ませていただいているわけでありますが、私の手元にあるのは七月分の議事録なんですね。八月十一日に実際におやりになったようですけれども、まだその議事録は、一カ月後ということなので、私は、七月の十六日分の日銀のその議事録でありますが、そこの中でも、デフレ認識を出した方がいいんじゃないですか、そういう意見も出ていますね。 同時に、これはもう言わずもがなだと思いますが、申し上げるんですけれども、戦後、日本はいろいろな不況を経験してきました。不況を経験してきましたが、その不況は、基本的にはインフレベースの不況なんですね。デフレベースの不況というのを日本は、あるいは日本だけではなくて、先進国は戦後経験したことがないんじゃないですか。同じ風邪でも、普通の風邪とインフルエンザじゃ違いますよね。同じ不況でも、インフレベースの不況とデフレの不況は対応策は違うんでしょう。私は政策マンとしてそう思いますよ。 だから、この認識は大事だ、こう言っているので、日銀の方はそういう意見が出ましたね。結論は総裁の会見を聞きましたが、もう一回聞かせてください。そこに関しては、八月はどういう認識が出たんですか。
○速水参考人 私どもの政策決定会合の公表ということで、月おくれでございますけれども、読んでいただきまして大変感謝でございます。 八月は十一日に開きましたけれども、やはりいろいろ議論は出ましたが、これから、今の経済情勢に対する認識とか政策手段の効果とか、これがもたらす副作用とか、いろいろな点を十分討議を行ったつもりでございますが、その結果は、当面の金融政策運営について、これまでの思い切った緩和基調を維持することを決定した次第でございます。私どもとしては、現在の経済が厳しい状況にあることを十分に踏まえながら、今後ともその展開を慎重に見きわめていくつもりでございます。 大切なことは、当面は、やはり経営者及び庶民、消費者の方々の日本経済に対するコンフィデンスを回復する、そのためには景気の回復と同時に信用不安、金融システムの安定化、この二つのことがやはり最優先の課題であるというふうに考えております。
○小沢(鋭)委員 金融システムの安定化が大事だ、こういう話はもう当然のことで、それはそれでいいんですが、総裁、今私が質問したのは、デフレの認識はどうか、こう申し上げたんですね。その前に申し上げたのは、同じ不況でも、インフレベースの不況とデフレベースの不況は対応が違うんじゃないか、こういう話を申し上げているわけですね。処方せんが違うはずですよ。堺屋長官、どうですか。
○堺屋国務大臣 何をもってデフレかというのはちょっと議論のあるところでございまして、まず、一般的に経済学で言われるのは、デフレギャップが生じている場合、つまり、生産力、供給力に比べて需要の方がかなり少ない、この間にギャップが生じていることを一つデフレと言います。それから、物価が値下がりしていることをデフレと言います。 今日の状態を見ますと、デフレギャップは生じていると言わざるを得ないでしょう。全般的に見て、それが何%であるかはちょっと議論の分かれるところでありますが、二、三%の供給力の過剰が出ているということは言わざるを得ないでしょう。 物価の方でございますが、最近、物価の値下がりが特に卸売物価について見られますが、この大きな要因は、輸入物価の値下がりと生産性の向上による部分が大きいものですから、物価の値下がりの中ではどちらかというとよい値下がり、消費者にとってありがたい値下がりでございまして、いわゆるデフレスパイラル的な、利益を削って賃金を引き下げてというような循環にはまだなっていないと認識しております。 もちろん、インフレ的な不況、いわゆるスタグフレーションと言われた、八〇年代、七〇年代の石油ショックのときにありましたような、コストがどんどん上がっていって、物価は上がるけれども物は売れないというような状況と現在とは違うと思いますが、それであればこそ、減税対策あるいは追加予算等によりまして需要を喚起して、このデフレギャップを詰めようとしているのが今の小渕内閣の打ち出している政策でございます。 そういったものが効果を上げてデフレギャップが詰まってまいりますれば、人々の消費に対するマインド、そして恒久減税が本当に信じられるようになってまいりましたら、そういったアナウンス効果が出て、デフレギャップが詰まってまいります。そうしますと、国際的要因がなくなれば物価のスパイラルな低下がなくなりますので、今のところ、これをデフレスパイラルと認めて、いわゆる調整インフレ論、つまり、人為的に物価を押し上げるような、コストプッシュ的なインフレ政策をとることには私は反対でございます。
○小沢(鋭)委員 インフレ政策をやれ、こう言っているつもりはありません。私もある意味では今迷いながら、いろいろそこは分析を自分なりにやっているつもりでいるんですけれども。 ただ、長官もおっしゃったように、デフレスパイラルに入っていないという認識で本当にいいんだろうかという点を一点申し上げておきたいと思います。デフレから脱却するというのは、これは私だってもちろん経験はないわけだけれども、大変なことだ、こういう話はあって、悪性デフレ、こういうような話がもしあるとするならば、その危機があるとするならば、少なくともスパイラルに入る直前に手を打って、一生懸命そこにならないようにしなければなかなか大変だ、こういうふうに言われているのは御承知だと思いますから、どうかそこの御認識のところはぜひまた改めて御検討をいただきたい、こういうふうに思いますね。 それと同時に、今堺屋長官のお話の中で、減税論を初めとしていわゆるデフレギャップを埋めるという話は結構だと思います。それはそれで結構だと思います。ただ、では同時に、金融論はもう出尽くしているんでしょうか。デフレのもとで今公定歩合〇・五。先ほど来金利差の問題がありまして、これはアメリカと比べれば差がありますけれども、依然として実質金利高だ。実際の実質収益率と比較すれば金利は高い。いいですか。名目金利はゼロ%以下にはできませんけれども、デフレが進行している状態では幾らでも実質金利は下がるんです。そのときにもうからない話はだれもしないんですよ、商売をする人は。金を借りてもうかるというのは、金を借りたその金利よりも利益率が上がるから商売をやるんですよね。設備投資もやるんですよね。そうじゃない状態になっているんじゃないですかということを私は言っていて、そうなったときは普通の人はだれも物を買わないですよ。きょうよりもあしたの方が安くなると思えば、みんな手控えるんですね。そうなっているんじゃないですかということを申し上げていて、そして、そういう中で金融論、速水総裁、どうですか。何かやることはないですか。
○速水参考人 私どもも、今物価は下がりつつありますけれども、物価の軟化のテンポそのものは総じて緩やかになってきているように思います。 なお、先行き、政府による過去最大規模の総合経済対策の効果が出てくる、本格化してくる、景気悪化の拡大には徐々に歯どめがかかってくるというふうに見込んでおります。したがいまして、デフレスパイラルに陥るリスクもとりあえず回避されるものというふうに見ております。私どもも、現状は、デフレスパイラルとは呼ばれる状態ではないというふうに考えております。 物価の下落は、企業収益の悪化を通じてさらなる需要の減退を招いていくという形になってくることを、実体経済が悪循環に陥るということでデフレスパイラルということになるのだろうと思いますけれども、私ども、金融面で金利をさらに引き下げていく余地は極めて限られております。今後また、不測の事態、去年の十一月に起こったようなことが起こらないとも限りませんので、そういう事態をも予想して現状を維持しているというのが私どもの判断でございます。
○小沢(鋭)委員 私は、申し上げたいこともあるのですが、日銀もさらにやることがあるのではないかというふうにだけ一言申し上げておきます。 時間がありませんので。今回、総理がおつくりになる経済の戦略会議ですか、そこの中にメンバーで伊藤元重さんという学者の先生がお入りになるようでありますが、まさに彼はそういう議論をしている人であります。いわゆる財政と金融、今なかなか一緒に議論をする場がなくなっているのではないかと私は実は心配をしているわけでありますが、そんな議論もぜひ進めていただきたいと思います。 最後に、大蔵大臣に一言、今回のブリッジ法案に関してお尋ねをしたいと思いますが、総論で申し上げて大変恐縮でありますが、私は、平時のときはマーケットに任せておいていいのだと思います。これはもう当たり前の話でありますが、しかし危機のときは、マーケットに任せるというような話であると、これは徹底的にやられるのですね。 それで、今のブリッジ法案は、私どもの菅代表も質問させていただきましたが、管財人を選んで云々という、そこのところで負ける要素があるのではないか、そこは一瞬の揺らぎもあってはいけないのじゃないのでしょうか。私も自由主義者だと思っておりますし、大蔵大臣が本当に真骨頂、真なる自由主義者だというのはわかっているわけでありますが、経済政策論で考えたときに、私は、今回の金融破綻、危機のときは、やはりここは、いざ危機が起こったときは国が全面的に支えるくらいの、まさに我が民主党のような覚悟を持つ必要があるのではないか、こう思うのでありますが、そういった考えを取り入れていただける可能性はあるかないか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 昨日もそういうお話がございまして、どなたかからはデリバティブスの話もございました。でございますから、そういう事態は国内だけでなく国際的なスケールで起こってきて国際的な反応を呼ぶ心配があるということは、御心配になっておいでになります問題は、私も自分なりにわかっておるつもりでございます。 したがって、そういう場合には、ブリッジバンクだけでの対応では足りないだろうとおっしゃることも理解のできることでございますけれども、そうかと申しまして、おっしゃいますような方法の対応がいいのかどうかということについては、またそれなりの考えもございまして、問題はよく存じておりますというふうにお答えを申し上げておきます。
○小沢(鋭)委員 終わります。ありがとうございました。
○中山委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。 次に、北側一雄君。
○北側委員 平和・改革の北側一雄でございます。 今、大手銀行の破綻処理の問題が議論に出ておりましたので、便宜上、私もこの質問からさせていただきたいと思います。 まず最初に、日銀総裁にお聞きをしたいと思うわけでございますが、先般のこの予算委員会で、総裁の方からこのようなお話がございました。 大手銀行の経営危機に際しては、連鎖破綻とかシステミックリスクとか、こういったことを回避するために万全の措置を講じていく必要がある。その果たしている金融機能を基本的に維持していくとの前提に立って対応を考えるべきである。 海外の金融市場の、あるいは金融機関の混乱に及ぼす影響ということを考えますときに、大銀行の破綻についてはよほど慎重に、なるべく早目早目に手を打っていく必要がある。 さらに具体的に、このブリッジバンクを必ずしも使わなくても、マーケットのベースで話し合いが行われ、合併が行われ、あるいは市場ベースでの経営の売買が行われていくといったようなことが行われていくことが望ましい、このような御答弁があったわけでございます。 この答弁の後で、宮澤大蔵大臣も、何かのケースがあれば、それが一番適当な方法なのか、あるいは別の方法があるのか、そこは考えないといけない、このようなお話がございました。 私はここのところが非常に大事な部分だと思っておるわけでございます。まず総裁にお聞きをいたしますけれども、総裁はマーケットベースでの話し合いということをおっしゃられて、合併もしくは営業譲渡等のことを想定されておられると思うのですが、まあ合併とか営業譲渡ができれば私は本当に一番いいだろうし、そういう努力をしないといけないというふうに思うわけでございますが、仮に合併とか営業譲渡等のマーケットベースでの処理がなかなかできない、これは当然不良資産をたくさん抱えておるわけでございますのでなかなか容易ではないと思われます。仮にできないという場合にどうするかというところの、やはり今からしっかり危機管理を考えておかないといけないんではないか、当然そこのところを私は考えていらっしゃるんじゃないかと思うのですが、総裁、いかがでしょうか。
○速水参考人 大手銀行の経営が悪化していった場合のことをこの間ここで申し上げたつもりでございますけれども、まず、私どもとしてはやはり未然に破綻を回避するようにできる限りの経営努力が払われるべきであるということを申し上げておきたいと思います。その際、通貨当局としても、これを最大限支援していくということが必要だと思います。 そうした経営努力の具体的な内容としては、大幅なリストラ等の実施、あるいは当該行が置かれている状況に応じて思い切った資本の増強、他行との合併、子会社化等さまざまな選択肢があり得ると思います。 このうち、他行との合併や子会社化、こういった対応につきましては、現在、我が国の金融機関が不良債権問題の解決とともにいわゆるビッグバンへの対応ということで抜本的な経営戦略の構築に迫られているところだと思います。これは十分に成り立ち得る選択肢であると思います。なるたけ早目早目に手を打って、先送りをしていかないということが大切かというふうに思います。 金融機関が万一破綻を余儀なくされた場合に、ブリッジバンク制度については、破綻金融機関の規模の大小にかかわらず、仮に大手銀行が破綻した場合であってもこれは適用され得るものであるというふうに理解はしております。
○北側委員 私が聞いておりますのは、そういうリストラの実施だとかマーケットベースでの合併、子会社化、営業譲渡等、もちろんそういう努力は当然やった上で、それでも経営危機がかなり厳しい、また相手先がなかなか見つからない、これ以上放置できないというふうな場合を、これは私はあくまで一般論で申し上げているのですけれども、そういう場合を想定いたしまして、そうした場合の危機管理体制をしっかりしないといけないだろうと思うのですね。 そういう場合に、最終場面では合併や営業譲渡等もできない、マーケットベースでは処理はできないとなった場合に、じゃどうするんだということなんですね。その場合には、場合によってはこの大銀行を清算するしかないんじゃないのかと私は思うのですね。場合によってはではなくて、もう最後はそれしかないんじゃないかと。その清算をするしかないような場合に不測の大きな影響が内外に出てこないのかどうか、また出てこないようにするためにどうすることが大事なのかということを考えないといけないんじゃないかというふうに思うのですが、総裁、いかがでしょうか。
○速水参考人 御指摘のように、日本の大銀行というのは、やはり資金量からいきましても、特に海外に大きくネットワークを張って仕事をしている大銀行が多いわけでございます。そういう銀行が万一破綻が起こるという場合には、国内の取引先、預金者だけでなくて、海外にも非常に大きな影響を与えるであろうことは容易に想像できます。 最近の金融市場のグローバル化、しかも、金融市場の中でのそういううわさが出た場合の動きの早さというのは、目をみはるというか、本当に恐るべきものがあるように思っております。そういうものが起ころうとしておりますとすれば、それは、やはり関係銀行のみならず私どもも十分注意をしながら、早目に何ができるかということを手を打っていく必要があろうかと思います。 おっしゃるように、預金保険が今まだ預金者を保護してくれている段階においては、最後の段階はやはり破綻ということも起こり得るわけでございますけれども、そういうことが起こったときに、内外の取引先に対する、先般もちょっと申しましたデリバティブ、一行、大手の銀行で百三十兆円ぐらいの平均の数字を持っているわけでございますので、そういうものはやはり相当な波乱といいますか、影響を与えるであろうことは容易に想像できます。 しかし、これはまた、そのことがもたらす日本の銀行あるいは日本経済への不信認感というものも恐るべきものがあると思います。そういうものを最後に救うものとして、破綻に至らせないように必要な資本の投入とか、あるいは何らかの形での合併、救済合併といいますか、そういったものが起こっていく可能性も十分あると思います。そういうものに対して、必要に応じて私どもが早目に手を打っていくということを、何をやればいいかということを今聞かれましても、具体的にお答えをすることは難しいわけでございますが、そういう準備は整っておりますし、政府の方でもいろいろな資金的な準備を、昨年の十一月の時点に比べて現状ではかなり整っておると思います。 そういう意味からも、今度のトータルプラン、金融再生のための特別六法案ですか、これはぜひとも通していただいて、万全の備えを早く整えておいていただきたいと思っております。
○北側委員 総裁の今のお話は、合併等のマーケットベースでの処理の仕方をしっかり、日銀、また政府も支援を全面的にしていくよというお話がありました。 先ほどから申し上げておりますのは、そういうマーケットベースで処理がなかなか困難な場合に、じゃ、どうするんだ、そこは最後は清算しかないねと。その場合に不測の損害を生じないように、じゃ、どう危機管理をするんだ、それは、今回の金融再生法案を通せばそれができるのかというと、多分そうじゃない場合が多いんだろうと思うのです。 そこで大蔵大臣にお聞きをしたいのですが、これは、危機管理の話として私は聞いておりますので、何か個別のことを想定して考えているわけじゃございません。そこを前提にお答えをいただきたいわけでございますが、大手銀行が経営危機に至った、そして何とか合併等のマーケットベースで処理できるように努力をする、支援もする、でも、それがなかなか不良資産が多いために困難だ、最終場面ではやはり清算するしかないとなった場面で、不測の内外の影響をできるだけ最小にしていくために最善の努力をしないといけない。 今どんな制度、仕組みがあるんだと考えたときに、最後の最後の場面を考えたときに出てくるのは、やはり日銀法の三十八条の問題なのかなと。三十八条の一項で、大蔵大臣が総理大臣と協議をして、日銀に対して信用秩序維持のための業務をするよう要請ができる、こういう規定がございます。それを受けて日銀がさまざまな発動を行うという場面が、恐らくこれが最終の制度的な仕組みなのかなと私は思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 私も、特定の銀行のことでなく、一般的な、いわば頭の体操と申しますか、そういう制度の問題としてお答えを申し上げます。 仮にそのようなことが起こりましたときに、その銀行を破綻に導くということは、恐らく、言われますように、国内ばかりでない、国際的な反響から申しますと、はかり知れない大きなダメージが、日本ばかりでなく、国際的にあると思います。 したがって、そういう事態を避けるためには、やはりだれがその銀行の背後にいるかということになると思うのでございますが、一つは、言われましたように日銀であろうと思います。それは主として、しかし金融的な対応になるかもしれません。また、しかし、他方で預金保険機構、つまり国が三十兆投下していることの意味がその場合バックになり得るケースもある。破綻に至ってしまいますと処理は非常に難しゅうございますが、そうではない場合にはそういう背景がある、また、背景があるということがアタックを起こさないということにもなりますけれども、そういうふうに考えていくべきかと思います。
○北側委員 私の質問に直接お答えいただいていない部分があるのですが、この日銀法三十八条一項の発動ということも、最終場面では、危機管理の最終の一つとしてあると考えてよろしいわけですね。
○宮澤国務大臣 先ほど日銀と申し上げましたのは、そのケースを含んで申し上げております。
○北側委員 それでは、別の質問に移らせていただきます。 きょうも午前中出ておりましたが、経企庁長官、九八年度の経済成長の見通しの問題でございます。 この経済成長の見通しはことしの一月に出したものでございますから、大分前ではあると思うのですが、改めてこの内容を、私全文を読んでみますと、一体いつの年の経済運営の基本的態度なのかなと思えます。 具体的に申しますと、平成十年度の経済見通しですから、今年度の話なんですけれども、個人消費については、雇用者所得の回復などから、回復していくと見込まれると言った上で、数字は、民間最終消費支出の見通しは三・三%と。 それから設備投資については、「企業収益が引き続き改善していくことなどから、製造業を中心に緩やかな増加が見込まれる。」こんなのむちゃくちゃですわな、大臣。だから設備投資は、やはりプラスの三・〇というふうに予測しているのですね。実態は、製造業を中心に激しいマイナス状況にこの設備投資は昨年と比べてあるわけでございまして、一番厳しい状況でございますね。 住宅投資、「駆け込み需要の反動といった要因がなくなることに加え、住宅取得環境が改善されることなどから、回復する」と。どこが回復ですか。もうむちゃくちゃ、この住宅の方も。住宅の方は、政府の方は五・七というふうに予測しているのですね。 一方、民間のシンクタンク、いろいろなシンクタンクがございますが、民間のシンクタンクが現時点でどういう予測をしているかといいますと、これは平均値でございますけれども、例えば政府が言っている個人消費、民間最終消費支出、これについては〇・九、平均です。中にはマイナスのところもございます。平均〇・九%のアップと。 それから設備投資については、政府は三・〇プラスと言っているのですけれども、民間は、全部で二十ぐらいのシンクタンクですけれども、すべてマイナスでございまして、そして平均値はマイナス六・〇でございます。 住宅投資も、民間シンクタンクは同様にマイナス六・〇ということでございまして、このことしの一月に出した平成十年度の経済見通しというのは全く妥当しない状況になってしまっておることはもう長官もお認めになられると思うのですね。 私は、午前中も議論がございましたが、これが少し乖離しているだとかいうのであれば、政策努力によってこの目標を達成しましょうよというふうに言えるかもしれませんが、ここまで大きな乖離があるのであれば、これはもう、この経済見通しそのものを早急に今の現状に合わせて見直すべきである、そして公表すべきであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○堺屋国務大臣 御存じのとおり、私も就任いたしますと同時に、ことしの経済成長率一・九%は達成不可能であると申し上げました。それで、経済をウオッチする官庁といたしまして、できるだけ早い機会にこれを見直したいと思っております。その作業の準備は進めておりますが、四―七月の、GNPの第一・四半期の統計が出ます九月の中ごろから本格的な見直し作業に入りたいと思っております。 ただ、この政府の見通しというものには、単なる見通しではなしに、経済運営の一つの目標値的な条件がございますので、これを見直したら、その日に発表するというのがいいのか、あるいは他の整合性を見て、ある程度の準備期間を置いてから発表するのがいいのか、その点はありますけれども、現在の一・九%は実行不可能だから見直さなければならないと私も認識しております。(北側委員「公表するわけですね」と呼ぶ) それで、いずれ時期を見て、適当なときに公表させていただきたいと思っております。
○北側委員 いずれ時期を見てなんという、そういうらしくないお言葉をおっしゃるのではなくて、これはもう政府の公の文書なわけですね。政府の公の文書がここまで実態と乖離があるわけですから、これをいつまでも放置をしておくのは、私は、政府に対する信頼を失うことになりかねないと思うんです。 この文書、一体何のためにあるんやという話になるわけでございまして、今おっしゃったように、経済運営の目標値であればあるほど、現状に即して見直しを早急にやって、早急に発表して、政府を引っ張っていく、それぐらいのものでないと私は意味がないと思うんですね。 だから、もう少し積極的な御答弁をしていただきたいと思いますね。
○堺屋国務大臣 御指摘のとおり、政府の文書として重要なものでございますから、二度と間違えたくないものですから、慎重にやりたいと思っております。
○北側委員 長官、慎重にやられるのは結構だけれども、来年度になってから発表しても全然意味がないわけですからね。 だから、今のお話だと四―六の数字が出てから作業に取りかかるというんじゃなくて、もう今から作業をやればいいじゃないですか。経企庁は毎月毎月ウオッチングしているわけでしょう。今から作業を始めて、もう四―六の数字を発表するときには一緒に発表するぐらいの、それぐらいでやるべきですよ。そうしないと、ことし終わっちゃいますよ。
○堺屋国務大臣 前にも申し上げましたけれども、統計のデータのとり方を早めることを含めて、できるだけ早い時期にできるだけ正確なものをつくるように、目下職員一同奮励努力しておりますので、できるだけ早くできると思います。
○北側委員 これ以上するのはやめておきます。 次に、減税問題、税制改革問題についてお聞きをいたしたいと思います。 総理は、所信表明演説でも、所得課税については四兆円を目途とする減税、それから法人課税については、全体で六兆を相当程度上回るというお話をされていますので、二兆超の法人課税の減税を実施されるということで、その内容の詰めはこれからの話なんでしょう。 ただ、せっかく予算委員会を今開いておりますので、この減税の中身につきまして、可能な範囲でもう少し詰めた議論をさせていただきたいと思うんですね。 まず、法人課税の減税についてお聞きをいたしますが、ここまではもう決まっておるというふうに聞いてよろしいんでしょうか。実効税率は四六・三六が現行でございますので、これを実効税率四〇%、国、地方合わせてやりますよ、これが一つ。それから、一昨日のこの予算委員会の総理の御答弁で、外形標準課税については、これは先送りしますよ。今後も検討するけれども、今はやらないよ。それから、二兆円超の規模ですよ。九九年の四月から実施をしますよ。ここまでは既定の話なんでしょうか、確認だけしておきます。
○小渕内閣総理大臣 おっしゃるとおり、そのとおり考えております。
○北側委員 それで、法人課税についても、よく総理もおっしゃっていますが、国際標準、グローバルスタンダードに合わせていくんだというお話をされています。 ただ、ことしの初めにやった減税で、法人税の方は、国税ベースではアメリカよりも若干低く税率としてはなっているんですね。そういう意味では、国税ベースではもう国際標準並みになっているわけですね。そうじゃないんですか。では、これは事務当局でも結構ですけれども、簡単に。
○尾原政府委員 お答えいたします。 十年度の税制改正におきまして、国税であります法人税につきましては、三七・五%から三四・五%へと三%の引き下げが行われております。なお、事業税につきまして、地方税でございますが、一二%から一一%へ一%の引き下げが行われました。 なお、アメリカとの比較でございますが、連邦税であります法人税は三五%というふうになっているところでございます。 以上の結果、国、地方を合わせました実効税率、ただいま四九・九八%から四六・三六%というふうになっているところでございます。
○北側委員 今の答弁にもあるとおり、国税の方の法人税の方はアメリカよりも低くなっているのですね、この前の改正で。国際標準になっているのですよね。じゃ、どこを減税するのかという話なのですが、じゃ、どこを減税するのだ。総理、いかがですか。
○宮澤国務大臣 そこらあたりから、実はこれから政府部内での調整の要るところでございまして、もう国税分は下げ幅はこれで十分ではないか、あとは地方税、事業税ではないかという主張が片っ方でございますけれども、しかし、地方の財源という点もございますから、全部それを地方に負担をしてもらうということが果たして現実的であろうかという議論もございます。 したがいまして、このおっしゃいます国際基準並みの答えをこれから地方税だけで出すのか、国税もそれにやはり関与しなければならないのかというあたりが政府部内の調整を要するところでございまして、しばらく調整に時間がかかるかと思いますが、いずれにいたしましても、答えとしては、支払われる方からいえば、国際基準並みということにすることだけはお約束を申し上げているわけでございます。
○北側委員 だから、ちょっとその中身をもう少しお聞きしているのです。 自治大臣、いらっしゃいますか。自治大臣、今の大蔵大臣の御答弁だと、法人事業税をやるのはまず前提の話として、法人事業税にプラス国税としての法人税の減税をどう考えるかというふうなお話に私は聞こえたのですが、それでよろしいのですか。
○西田国務大臣 お答えをいたします。 法人課税の実効税率を四〇%程度に引き下げる具体的な内容については、国税と地方税をそれぞれどのように取り扱うかという点を含め、これから政府や党の税調等で十分御議論をいただいていかなければいけない、そして決定をすべきものだ、このように考えております。 ただ、一つここでつけ加えておきたいのでございますけれども、この場合、国の景気対策のための負担を一方的に地方にしわ寄せすることがあってはならない、これを重要に考えておるところでございます。法人事業税は、御承知のように都道府県の最大の基幹税目であるわけでございまして、都道府県の財政運営に与える影響もあるということをさらに今後検討をしていただかなければいけない、こう考えております。
○北側委員 事務方で結構でございますので、今現行一一%ですね、事業税の方は。この一一%というのは税額で幾らになりますか。結論だけで結構ですよ。
○成瀬政府委員 お答えいたします。 平成八年度の決算額で約五兆円程度の規模でございます。
○北側委員 五兆円でございまして、全体としてそんなに大きくないわけですね。そのうちの二兆超の規模、これが幾らになるのかわかりませんけれども、そのうちの一兆でも五分の一、二兆だと五分の二ということでございまして、これは地方にとって大変な財源でございます。 これがどういう形で処理されるにせよ、地方財源というものをどう考えていくのかということが、地方財源をどう確保するのかということが常に問題になってくると思いますし、本来、総理も地方分権ということを所信表明でも強くおっしゃっています。地方の自主財源ということを考えたら、果たしてこのようなやり方で本当にいいのかなというふうに私は思わざるを得ない。地方分権に逆行していくんじゃないのかというふうに思わざるを得ないのですが、いかがですか。
○宮澤国務大臣 そのほかに御承知のように住民税の問題がございまして、これは法人でございますと法人税額の一七%でございます。個人についても住民税の問題がございます。したがいまして、両方を通じまして、地方財政に与える影響をどういうふうに考えるかというのは非常に大きな問題でございます。今委員の御指摘になりますように、あるいは西田大臣も言われましたが、地方に景気回復のために背負ってもらわなければならない負担は非常に大きいわけでございますから、国だけでできるわけでない。 そういうことも考えまして、この税金の地方、中央の分与、減税分の分与の仕方は、地方財政をどう考えるかという、予算編成と一緒にやはり関連をいたしまして考えてまいらなければいけないと思いますので、そのゆえに、調整の時間をいただきたいと申し上げているわけでございます。
○北側委員 恐らく地方交付税で手当てをされていかれるというお話になるのでしょう、最終は。しかし、それが果たして地方分権という趣旨からいっていいのかという問題だと思うのですね。やはり抜本的な税制改革、これは単に国税だけの話ではなくて、国、地方を含めまして、地方の独自財源をどう確保していくのか。減税をやるのはいいけれども、地方の独自財源がどんどん減っていくような、そういうやり方での減税というのは私は本当によくないと思うわけでございます。 所得課税についてお聞きをいたしますが、これは、結局税率構造についてはさわらないというお話になるわけでしょうか。
○宮澤国務大臣 一年限りの減税が終わりまして所得税法そのものの原則に返りますので、基本的に税率構造は変わらないと私は考えております。
○北側委員 税率構造は変わらないと。 今、国税、所得税の方が五段階、住民税の方が三段階、合計八段階あります。この五段階が、六五が五〇になりますから、これが四つになるのですか。住民税の方はそうすると三から二になるのでしょうか、大臣。
○宮澤国務大臣 所得税の方は一番上の段階がなくなることになろうと思います。住民税をどうするかということは、少なくとも一番上の段階はなくなるわけでございますから、六五が五〇になるということは、四〇と一〇ということになることというふうに考えておるわけでございます。
○北側委員 ちょっと待ってください。主税局長はいいですよ。 今のは非常に大事な答弁ですよ。六五の……(宮澤国務大臣「ちょっと、今間違えました」と呼ぶ)六五を――いや、大臣がお答えしてくださいよ、今お答えになったんだから。だって、税制改革の基本的な方向、考え方を今聞いているわけですから、事務当局が答弁されるようなお話じゃないと思いますよ。
○宮澤国務大臣 私はそう考えていますと申し上げた意味は、これも先ほど申しましたように地方の問題がございますから、やはり私どもと政府部内で調整をしなければならない、そこをちょっと、もう一度申し上げるべきでありました。
○北側委員 こう聞けばいいですね。大蔵大臣の今の御意見としては、国税は五段階から四段階、そして住民税の方は三段階から二段階という考えを持っておるが、まだこれから調整をするのだということですね。そういうことですね。
○宮澤国務大臣 私がもう少し両省を含めましてお答えをすべきでございました。そういうあたりで、両省の間でいろいろ検討を続けておる。ちょっと私が大蔵省のことだけを申し上げ過ぎたと思いますので、お許しください。
○北側委員 いずれにしても、大蔵大臣のまだ調整前の御意見は、そういう御意見であるというふうに理解をいたしました。 きのうもおとついも議論に出ておりましたが、結局、最高税率を六五から五〇にする、そして一方は定率でやる。この定率について、率を所得別にやるのかどうかというのは今やられていると思うのですが、ただ、所得層別に減税率を別々にするのは実務的にはなかなか困難だというお話が大蔵大臣からございました。私も、多分そうだろうと思うのですね。 そうすると、一律に一五とか二〇とか、幾つにするか知りませんけれども、そういうことになる。そうなった場合に、これはまた否定されることになると思うのですが、九八年度と比べると、やはり八百万、九百万という中堅所得層のところが増税になってしまうわけでございまして、総理がおっしゃっている中堅所得層の負担軽減という趣旨と違ってくるわけですし、景気対策という趣旨からいっても違ってくる。ここはどうされるのですか、総理。
○宮澤国務大臣 せんだっても申し上げましたが、一遍限りの減税を幾たびかいたしましたが、その段階を過ぎまして、所得税法の原則である、すなわち、ただいまお話しの点でいえば、三百六十一万というものが課税最低限であるということに返る。それはせんだって申し上げたとおりですが、他方で、二回の減税、二つの減税の結果、四百九十一万に今なっておる。その結果、数百万の納税者は、それによって納税義務を今しないで済むということになっておる姿は、いわゆる一遍限りの減税の姿でございますから、これはどうも原則に戻って考えざるを得ない。 ちょっときつい言葉を使うかもしれませんが、今納税者でなくなられたその新しい三百六十一万と四百九十一万の間の方々は、いわば減税期待権と申しますか、それは、一年限りの税制でございましたから、将来に向かって与えられたわけではない。これはちょっと理屈っぽいことを申し上げますけれども、そういうふうに考えるわけでございます。
○北側委員 大蔵大臣のおっしゃっている意味は理解できるのですが、庶民はやはりそう受けとめませんね。やはりことしと比べるわけでございまして、景気対策という面から考えてもいかがなものなんだろうなというふうに思うわけでございます。 そこで、我が党の冬柴委員もこの予算委員会で提案しておりましたが、四兆円の戻し金ですね。これは、ある意味では減税じゃないわけでございますが、この四兆円の戻し金を、一年間で払った消費税分を返す。それは、実際はその数字どおりじゃないわけですけれども、一律に四兆円の戻し金、一人三万円、おじいちゃん、おばあちゃんから子供まで、この戻し金を商品券によってやるという考え方というのは、私は、今の問題、今の矛盾を解決する意味でも一つのアイデアであると思うわけでございます。これはぜひ、御答弁は結構でございますけれども、私は検討をしていただきたいと思うわけでございます。 最後に、金融の問題にもう一度返って質問をさせていただきますが、日銀総裁、自己査定の第二分類というのが、非常にこれは金額が多いのですね。正確に言いますと、第二分類だけで、全金融機関でございますけれども、八十兆ある。この第二分類というのが中がよくわからないというのが、逆に不信感を増幅している部分が相当あると思うのですね。この第二分類というふうにされている中には、本当に第一に極めて近いものもあれば、場合によっては第三に近いものもあるかもしれません。さまざまなものが入っておる。 私は、そういう意味で、この第二分類の部分については、総裁がどこかでおっしゃったように、各金融機関がやはり積極的に自己開示をしていく姿勢を示していくべきである。自分のところは第二分類はこれだけあるけれども、このうちのこれだけはこれだけ担保がありますよ、引き当てがありますよ、だから心配要りませんよというふうに言っていけばいいわけなんですね。 だから、こういう金融機関みずからの自己開示が私は極めて大事であると思いますが、総裁、いかがでしょうか。
○速水参考人 御指摘のように、第二分類、今、主要行で四十五兆、全国銀行でいきますと六十五兆、金融機関全体で見ますと八十兆。 この内容につきましては、御指摘のように第一分類に近いものもあるでしょうし、第三分類に入れなければいけないものもあるわけで、その辺のところは、一番よく注意を払って、関心を持っているのはそれぞれの銀行でございますので、それぞれの銀行が自分の判断で、第一分類、これは大丈夫だ、これは返らないかもしれないから別の扱いをするというようなことを決めて、それに対して将来どれだけの積み立てをし、引き当てをしていくか、あるいはどの時点で償却をしていくかといったようなことを、それぞれが自分の判断で自主的に開示をし、早期に償却をしてバランスシートから落としていくということが起こっていけば、おっしゃるように、あの銀行は大丈夫だということを内外の取引先あるいは市場がわかるわけでございますので、そういう銀行が出てきますと、ほかの銀行もついてくるし、ついてこれないところは対策を別途考えるでしょう。そういうことを考えまして、六月の記者会見の席で、情報開示の一層の徹底を図る上で自己査定の内容についても自主的な開示を進めていくことが選択肢の一つと考えられるということを申したわけです。 自己開示、既に地方銀行では二十五、六行がやっております。ただ、第二分類をやっているところは一行しかございませんけれども、そういう流れができてくることが大切ではないかというふうに思っております。不良資産の早期解消ということがやはり金融システムの健全化への最も早い道であるというふうに考えますので、ぜひこれは推進していってもらいたいものだというふうに考えております。
○北側委員 大蔵大臣、同じ質問。 今、積極的に自己開示を進めていってもらいたいという総裁のお言葉がございましたけれども、特に第二分類と呼ばれているような部分についても各金融機関がみずから積極的に自主的に開示をしていくべきである、中身はこうこうで、引き当てはこうなっています、今後引き当てはこうしますよとか担保はこうなっています等々の実態をきちんと出さないからますます市場から不信感が、何か丸ごと全部不良債権のように思われてしまうわけでございまして、各金融機関が自主的にその辺の開示をやっていくことが大事ではないかというお話が今総裁からはあったわけでございますが。
○宮澤国務大臣 ここのところは、今までの制度は二つ実はよって来るところがあると思いますので、いわゆる護送船団方式みたいな思想がございます間は、いいところは何となく自分のよさを余り誇示しないで遠慮するみたいなところがございますし、言葉は悪うございますが、悪いところはそれにかまけて同じような顔をする、実は護送船団というのはそういう部分がございまして、これからいよいよ本格的に競争関係に入れば、もうそういうことはできなくなるというのが総裁の御答弁の趣旨と思います。 したがって、自分のところがいいところは、自分はちゃんとこういうふうに厳しくやっているということは言えるわけですし、悪いものはそうたくさんないと。少なくとも市場で勝っていくためには、市場の信用を得、顧客の信用を得るためには、そういうことを積極的にやはり言っていくことになる。そうでないところは落後するかもしれない。 今そういうことに移りつつあるのでございますが、同時に、私が思いますのに、金融監督庁が調査をしていかれますと、恐らく監督庁としては一定の基準で御調査をなさるのであろう、マニュアルかどうか存じませんが。そうしますと、銀行も自然にそれに倣っていかざるを得ないようになるのではないか。自分勝手に分類を、世の中に通らないような分類というものはなかなかできなくなるのではないかと思っております。
○北側委員 最後に、金融機関への検査体制の強化というのはやはり大事だと思うわけでございます。 検査体制の問題ですが、一つは、社内の検査体制、自主検査体制が働いていない。具体的には監査役です。一体監査役というのは何をしているのだ。 これはEUでの話でございますけれども、EUでは、銀行の監査役に経理上の不正について監督当局に直接通報する義務というのがございまして、監査役が経理上の不正を発見したら、今であれば、日本でいえば金融監督庁に通報する義務があるわけなんです。通報しなかったら、その監査役には罰則がかかるという規定があります。一方、監査役は、例えば金融監督庁が銀行検査に入った場合には、その銀行と監督当局との協議の中に監査役も入っていける、こういう権能も持っているわけなんですね。そういうふうな立法例もございます。こういう社内の検査体制の強化、これをまずやるべきだ。 外部監査についても、今も外部監査をされていますけれども、これがなかなか、実際あけてみたら実態と合わない。一体何のために外部監査をされているのだ。この外部監査についても、機能強化をもっと図っていかないといけないし、場合によっては罰則も強化しないといけないかもしれない。 さらには、この間の国会で、虚偽報告について、金融機関が当局に対して虚偽報告をした場合には罰則強化されました。罰則強化されたといっても一年以下の懲役でございまして、アメリカは三十年以下の禁錮なんですね。ここに私は非常に、やはりそういう監督当局に対して本当のことを言っていくということについての価値の違いが、物すごく落差があると思うのです。こんな一年以下なんというのは甘過ぎる。 実際ここで議論しているように、金融の問題が大変な問題になっているわけですから、金融機関みずからが監督当局に対してきちんと本当のことを報告していく。虚偽報告なんかしたらとんでもないわけでございまして、ここは私はもっと罰則の強化があっていいのではないか。 さらには、金融監督庁の検査、日銀の考査がございますけれども、この辺についても、監督庁の人員をさらに強化する必要があると私は思いますし、また、考査と検査との間の効率性といいますか、どこの金融機関をやるのか、時期の問題、やった結果についての情報交換等々、もっと効率的な検査体制の仕方があるのではないかと思うのですね。 その辺のところを、私は、今幾つか申し上げましたけれども、検討を至急やるべきであると思うわけでございまして、最後にこの御答弁をいただいて終わりにしたいと思います。
○宮澤国務大臣 昨年夏、大蔵省がいわゆる早期是正ということを打ち出しまして、その後いろいろなことがございましたが、その結果として、監査法人、公認会計士が実は非常に責任を強く感じるようになりました、間違った監査をいたしますと罰則がございますので。その結果、貸し渋りになったというのは悪うございますが、銀行が大変厳しい内部監査をすることになりました。 これはもっともっとそうなるに違いありませんので、委員の御指摘のところは、監査役を含めまして私はそう思います。罰則が強化される方向にある、監査をする人たちにもそれは及ぶということと思います。 それから、金融監督庁の検査と日銀の考査の問題は、日銀総裁が言われましたように、考査が契約関係でできておるということがございますけれども、実際はいろいろ監督庁、日銀の間で協調関係、連絡関係を既にとっておられるようでございます。今後ともそうしていただきたいと思います。
○速水参考人 今大臣から御説明ございましたように、私どもの考査は、行政措置でもなければ司法措置でもないわけでございまして、各銀行と契約の上でやっております。取引先に対する実態の調査ということでございます。 しかし、金融監督庁の検査等の結果を見ておりますと、ほとんど同じような考え方で同じような査定が行われておるように思っております。 今大臣がおっしゃいましたように、私どもは、監督庁から指示をいただきますと私どもの考査のことを逐一報告することになっておりますし、密接な連絡をとりながら、効率のいい銀行検査、考査をしてまいりたいというふうに考えております。
○北側委員 以上で終わります。
○中山委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。 次に、福島豊君。
○福島委員 私は、趣を変えまして、社会保障制度また介護保険制度につきましてお尋ねをしたいというふうに考えております。 橋本内閣のもとでは、財政構造改革、財政再建に取り組まれたわけでございます。その大筋は、一つは平成九年度の消費税の引き上げ、また特別減税の廃止といった増税、もう一つは歳出の削減ということで社会保障関係費の大幅な縮減ということが一つの柱になったのだというふうに思います。 先ほどからこの委員会で各委員からも御指摘ありましたように、平成九年度に、医療費も含めまして九兆円にも達する国民負担の増加というものが、日本の経済に対して、そしてまた国民の消費マインドに対して、大変大きなマイナスの影響を与えた、これは恐らく事実だというふうに私は思います。 そしてまた、もう一つ言われておりますことは、消費マインドの冷え込みというのは、実は、国民一人一人の将来の生活に対しての不安、とりわけ日本の社会保障制度についてのコンフィデンス、信頼性というものが揺らぎつつあるというところにもあるのだということ。例えば、自分が老後になったときに、リタイアした後に年金が果たしてもらえるのだろうかとか、そしてまた病気になったときにその負担はどうなるんだろうかとか、そういう意味で国の社会保障制度に対しての信頼感が失われつつあるということも国民のこの消費の冷え込みにつながっている、財布の口をかたくする大きな原因になっている、そういう指摘もあるわけでございます。 この指摘に対しまして、総理としましてどのようにお考えなのか。増税ということのみならず、社会保障にかかわる国民の負担というものも国民の消費マインドに対してはマイナスの影響を与える。そしてまた、社会保障制度に対しての国民の信頼感が揺らぐということも国民の消費マインドに大きなマイナスの影響を与える。そして、景気を低迷させる。その指摘に対しての総理の御見解をお聞きしたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 御指摘のように、人間たれしも自己防衛を考えるわけでございまして、そういった中で、これから少子・高齢化社会を迎え、将来にわたりまして現在の趨勢の中で年金その他の受給が完全に得られるかということの不安、これが御説のように消費マインドにつながっているということもあろうかと思っております。そういった意味で、六大改革の中で社会保障関係の改革というものはきちんとこれからも進めていかなければならないと思っております。 引き続き、年金、医療等の問題につきましても、この内閣といたしましても全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○福島委員 そこで、改革に引き続き取り組んでまいるということは結構なことだと私は思いますけれども、しかし、どのような制度に着地をするのか。年金制度にしましても、医療制度にしましても、どういう形になっていくのか。ただただ保険料が引き上げられ、そしてまた医療におきましても自己負担が引き上げられ、負担がふえるばかりなのではないかという懸念は当然あるわけでございまして、改革をどういう方向に持っていくのかということが私は極めて大切だというふうに思います。 そういう意味で、来年は年金制度改革の法案が国会に提出される、この九月に厚生省がその素案を示すということが先ほどの御答弁の中でもありましたし、そしてまた医療保険制度改革については、でき得れば来年ということであったわけでございますが、その中身がまさに国民にとって信頼に足る、安心のできるものを目指していただかなきゃいかぬし、そういったビジョンというものを総理が力強く示していただくということが私は極めて大切だと思いますが、いま一度その決意をお聞かせいただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 改めてでございますが、社会保障関係のこうした改革につきましては、将来にわたりまして安心のできるような姿にしていかなければならないということでございまして、年金につきましても、あるいは保険につきましても、先ほども厚生大臣が御答弁申し上げましたが、基本的に一つ一つの問題に取り組んで解決をし、将来にわたりましての姿というものを明らかにしていきたいと考えております。
○福島委員 そこで、大蔵大臣にお尋ねをしたいわけでございますが、財政構造改革法の今後の取り扱いということで先ほどから議論がございます。凍結するのか、また廃止するのか、基本的には総理が方向性をお決めになることだというふうに思っておりますけれども。 社会保障関係費に対して当初キャップがかぶせられました。そして、それに対応するために厚生省においてはさまざまな制度改革というものに取り組まなきゃいかなかったというような経過がございます。それに対して、通常国会におきましても私もさまざまに御質問させていただきましたが、その後の経過の中で、平成十一年度についてはこのキャップを外すというような話になりました。財政構造改革法が凍結されるということであれば、当然このキャップということも凍結だ。そしてまた、廃止されるということであれば、これはまた廃止であるということに自動的になるのかどうか、私はそこのところを懸念いたしております。 大蔵大臣といたしまして、社会保障関係費は、今後、高齢化の進行の中で右肩上がりに上がっていくわけでございます。その中で、キャップというものが必要だという意見も一つはあります。ただしかし、それはやはり人口構造の変化で起こるんだからそれほどきりきりとする必要は、これはかえってマイナスだという意見もありますし、今後の財政構造改革法の取り扱いを考えていく中で、大臣としては社会保障関係費のキャップの問題についてどのような認識で進めていかれるつもりなのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 先般決定いたしました来年度の予算編成の基本方針におきまして、社会保障関係費につきましては、御承知のように、高齢化に伴う義務的経費を中心とした自然増がございますので、前年度当初予算に加算することといたしまして、現状を反映するように配慮いたしました。それはとりあえず来年度の基本方針でございますが、そこで、財政改革法を凍結すべきか、あるいは廃止すべきかということは、総理御自身が凍結するというふうに考えておいでになられますので、そういうふうに意見が集約されてまいるかと思います。 殊に、廃止ということについて危惧をする考え方の中に、今まさに御指摘になりましたような、昨年、改革法のときに長期の計画、例えば年金とかあるいは医療保険制度の抜本改正につきまして基本的な合意があり、それに基づいて十一年度の年金制度改革、財政再計算の年になることもございますけれども、そういうような長期計画に関係者が取りかかる決心をして、その作業が進み始めたときに、そのもとになっておった財政改革法というものが廃止されてしまうと、そのような作業が、いわば根拠を失うとまでは申しませんけれども、せっかく始まったものの支えがなくなる、それは好ましいことではない、そういうことは当然ありそうな議論でございます。 したがいまして、せっかく始まりましたこのような長期の計画、これは人口動態がああいうふうになるということはもう動かせない事実でございますので、計画そのものはやはり改めなければならないということも、これも動かせない。その認識にひびを入れるような財政改革法の仮に廃止というようなことは、好ましくないといったような議論が政府部内に強いように見ております。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
○福島委員 ただ、先ほど申しましたように、一つ追加してお聞きしたいことは、平成九年度に九兆円の国民負担がふえた、その中には医療費における自己負担というのも当然入っているわけですね。ですから、負担ということにおいては、社会保障における負担でありましても、そしてまた税における負担でありましても、恐らく国民の消費に与える影響はやはり同じような効果があるのだろうというふうに思うのですね。 今、減税ということを総理もお約束しておられます。ただ、減税をしても、一方で社会保障制度の、例えば年金にしましても保険料を引き上げるとか、そしてまた医療保険制度の自己負担、例えばこれを老人の医療費の自己負担を定率化するとか、そういう形で制度改革がそのままするするといきまして自己負担がふえるということになると、これは減税した効果を打ち消すような形にもなるのではないかと、私は物すごく懸念をいたしております。 ですから、確かに医療の効率化も進めなければいけませんし、そしてまた年金の将来的な財政の安定ということも図らなければいかぬのだけれども、差し当たってそこで国民の負担がどういうふうになるのかということについては、現下の経済状況というものをよく勘案した上で、その実施というものを考えなければいかぬというふうに私は考えておるわけでございまして、この点につきましても大蔵大臣の御認識をお聞かせいただければと思います。
○宮澤国務大臣 昨年、財政改革法が議論される過程におきまして、そのようなことはもとより非常に議論になりました。 将来の国民負担というものには限界があるわけでございます。したがって、これは皆様が議論なさっている途中でございますので先走ったことは申し上げられませんが、仮に、給付をどうするか、開始年齢をどうするかといったようないろいろな要素と絡めまして、負担の問題も議論になっておる。そのような議論はいずれにしても避けられないであろうと思いますが、そういうことと、国民負担でございますから、その際における税負担、それをどう考えるかということは、これからは避けて通れない、やはり我々が解決しなければならない問題だというふうに思っております。
○福島委員 今後の制度的な改革に当たりましては、現在の状況というものをよく踏まえて慎重に取り組んでいただきたいと重ねてお願いを申し上げたいと思います。 そして、次にお尋ねしたいことは、社会保障というのは、今まで、国民経済にとっては負担である、重荷であるというか、そういう意見が非常に強かったわけですね。国民負担率の議論もそうであったと思いますけれども、過大な社会保障というのは経済にとってマイナスの効果を及ぼすのじゃないかと。ただ、現在においては、経済学者の中でも、社会保障というのはむしろ経済に対してプラスの効果を持つという意見も多く聞くようになってまいりました。 例えば、これは大阪の経済学者の人の研究でございますけれども、福祉への投資の効果は建設投資を上回るという産業連関構造から見た分析を行っております。一千億円を投資したときの波及効果はどうか。一次波及効果では、社会保障が千三百三十一億だ。医療、保健部門では千四百十七億、建設部門では千四百八十二億円と、ほぼ同等の一次波及効果を持つ。二次波及効果では、社会保障はむしろ五百二十六億円と、建設部門二百八十五億円の倍近い効果を持つ。 ですから、歳出構造の見直しということは今後進めていく必要はあると思います。財構法そのものが凍結されたにしましても、歳出構造の見直しは行わなければいけない。その中にあって、こうした福祉、そしてまた医療、保健といった社会保障の関係の支出というものが経済に対して非常に大きな効果があるのだということを踏まえた組みかえを私は進めていくべきではないかと思いますが、この点につきましては、経企庁長官の堺屋先生の御意見をお聞きしたいと思います。
○堺屋国務大臣 経済対策といたしまして社会保障制度の領域が価値があるということは、近年経済学者の間でも認められておるところでございます。私も、そのように認識しております。 福祉等の社会保障制度の充実は、国民の購買力を高めるという面でも寄与しておりますし、特に、少子・高齢化社会を迎えまして新しい産業を創造する、労働需要を生み出すという点でも寄与すると考えております。その意味では、景気対策として一定の効果を持つだろうと思います。 こうした観点を踏まえまして、政府といたしましても、先般の総合経済対策、十六兆円の経済対策におきましては、少子・高齢化等に対応して、福祉、医療関係で一兆円程度の予算を盛り込んでおりまして、臨時福祉特別給付金等の支給なども充実して考えている次第でございます。
○福島委員 時間が限られておりますので、次に、社会福祉基礎構造改革につきまして、これは厚生大臣にお尋ねをしたいと思います。 介護保険がスタートするということで、社会福祉そのものが措置制度から個人の選択によるサービスの利用へ大きく転換をする、これは児童福祉における保育においてもそうでございますが、大きな構造転換がなされつつあると言ってもいいと思います。 その中にありまして、六月十七日に中央社会福祉審議会から「社会福祉基礎構造改革について」という中間まとめが報告をされました。この中には、さまざまな形で、今後の社会福祉をどういう方向に持っていくのかということについて大変重要な指摘があるわけでございます。この点について、確認的な意味で厚生大臣の御意見をお聞きしておきたいと思います。 まず、大前提となります、措置制度から個人の選択によるサービスの利用への転換、これは基本的には私も賛成いたしております。 ただ、そこで問題になりますのは、国の責任、そしてまた国の関与が後退するようなことがあってはならないということでございます。憲法二十五条で定められた国の責任、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」という大変大きな責任があるわけでございまして、個人の選択によるサービスの利用ということで、財政上の要求から安易に国の関与を引き下げてはならないと思いますけれども、この点についての大臣の御認識をお聞きしたいと思います。
○宮下国務大臣 中央社会福祉審議会の中間取りまとめ、今御指摘のとおりございました。 その中で、二点御指摘になりましたのは、一つは、今の制度は措置制度ということになっております。これは基本になるのは、社会福祉事業法というのが昭和二十六年につくられまして、五十年間もこれは続いておりまして、当時の社会経済情勢のもとでは国は積極的に措置をする必要があるという発想に基づくものだったと存じます。しかし、この措置制度というのは、個人が自分の受けるサービスを選択できないというデメリットもあります。それから、社会福祉法人とか自治体等の事業者がサービスの質を向上させるという誘因に欠けるというような問題点がございます。 したがいまして、今回の中間取りまとめにおきましては、御指摘のように、措置制度から個人の選択に基づきます利用制度への転換が指摘されております。これは、個人によるサービスの選択をまず認めるということ、それから事業者の間の適切な競争を導入してサービスの質の向上を図るということ、こういう二点によりまして社会福祉の増進をより一層図ろうとするものでございまして、福祉の先進国と言われます北欧あるいはイギリス等においてもこのような状況のようにお聞きしておりますが、これによって、いささかも国の責任の後退につながってはならないというように思います。 現に中間取りまとめにおきましても、契約制度への移行によって公費負担が後退するようなことがあってはならないと明言をいたしておりますので、私ども、その趣旨に基づきまして、今先生のおっしゃられました二十五条で定められた国の責任を全うして、社会福祉の一層の充実に努めたい、こう考えております。
○福島委員 今大臣から御答弁ございましたが、国の責務を果たすということで、今後の構造改革の中でその推移を見守ってまいりたいと思います。 時間が限られておりますので、若干前後いたしますが、次に、介護保険制度につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 現在、厚生省において、介護保険の実施に向かいまして、さまざまな作業が大変なスピードで行われているということはよく存じております。大変な作業だというふうに思っておりますし、平成十二年からの施行については、円滑な運営ができるように万全を期していただきたいというふうに思います。 その中にありまして、多くの方が指摘しますことは、保険あって介護なしという状況になるのではないかということでございます。現在におきましても、高齢者の介護サービスの水準というものは極めて大きなばらつきがございます。都市部と地方部の差は大変大きくございます。そしてまた、在宅サービスが非常にウエートを大きくするわけでございますけれども、実際に二十四時間の介護サービスが実現しなければ在宅サービスというのは本当の意味で実現しないという指摘もありますけれども、この二十四時間の介護サービスが行われている地域というのは極めて限定されているわけでございます。 このような状況を考えますと、来年一年頑張っていただけると思いますけれども、果たして平成十二年にどういう状況が我々の目の前にあるのだろうかと懸念をせざるを得ないわけでございまして、この点につきましての厚生大臣の御認識をお聞きしたいと思います。
○宮下国務大臣 御指摘のように、介護保険は二〇〇〇年からスタートいたします。したがって、現在、その準備に精力的に取り組んでおります。 そして、特に今、保険あって介護なしというような状況は好ましいことではございません。保険負担があれば平等な給付が行われる、公平な十分な給付が行われるということが必要でございますから、そういった点で配慮しながらやっておるところでございますけれども、特に地方自治体におきまして、老人保健福祉計画というのをつくるようになっております。これまでの達成状況で見ますと、全国的にはおおむね順調にまいっておりますが、ただし、地域やサービスの種類によりまして差がございます。 厚生省でも、老人保健福祉計画の達成状況、例えば訪問看護はどのような状況になっているか、あるいは日帰りのデイサービスはどうなのか、ショートステイはどうなのか、特老はどうなのかというようなことを、最高、最低をとりまして、その平均値をとって見ておりますが、今申しましたように地域やサービスの種類によりまして差がございますけれども、全国的にはおおむね順調にいっておると認識しております。 しかし、整備がおくれている地域がございますから、地方自治体に対しましてその理由の分析や対策の実施を要請しておりまして、厚生省としても、こうした地域の実情に応じた多様な手法、つまり公立学校の余裕教室を転用するとか、あるいは公民館、公衆浴場等の既存施設を活用したサテライトのサービスをやるとか、あるいは農協、民間企業等の多様な事業主体の参画を要請していくとかいうような多様な手法を活用いたしましてこれを推進していきたい。 これからも、全国の地方自治体における老人保健福祉計画の達成に向けて最大限の努力をしてまいる所存でございます。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○福島委員 これは努力をしてくださいと言うしかないわけでございまして、重ねてお願いをいたします。 ただ問題は、介護保険がスタートしました後にさらに高齢化が進むわけでございまして、新たな介護基盤の整備というものに引き続き努めなければならないわけでございます。 六月五日に、公明が介護保険制度の安定運営に関する提言というものを発表いたしました。その中では、二〇一〇年を整備目標とする介護基盤整備計画、新ゴールドプランを超えましてスーパー・ゴールドプランというものを策定すべきである、例えばホームヘルパーは六十万人に、これだけふやせば二十四時間の介護も実現できるだろう、そしてまた全市町村に拠点施設を設置しなければならない、また三万カ所の介護支援センターというようなことが盛り込まれているわけでございます。 個々の数字はどうするかということは別といたしまして、現在厚生省では、平成十一年の秋を目途に新たな介護保険事業計画を策定するためのデータの収集に当たっている、そのように自治体を指導しているというふうに伺っておりますけれども、ただ、その中身をお聞きしますと、どうも現行の水準を大きく超えるようなものは想定されていないように私は伺っております。 そうではなくて、果たして現行の水準で、平成十二年に達成される老人保健福祉計画の目指した水準というのがそれだけで十分なのかどうなのかという議論は当然あるわけでございまして、もう一度そこのところから改めて考えて、二十一世紀の新たな介護基盤の整備のための計画を策定すべきである、私はそのように思いますが、厚生大臣の御認識をお聞きしたいと思います。
○宮下国務大臣 私どもは、平成十一年度中に介護保険事業計画につきましてどのようなサービス水準が本当に望ましいかという視点に立ちまして、計画策定の基本指針とか目標値を示しまして、介護保険事業計画の作成で参考となるべき水準を示しております。 これは一々申し上げませんが、去る七月の末でございますが、全国の介護保険担当課長等を集めまして、サービス量が最も多い要介護度Ⅴという場合、その場合に週当たりどの程度のサービスが妥当であるかというような水準を一応お示ししてあります。この水準自体は現在よりも程度は高いものというように私どもは認識しておりますが、これで十分かどうかという点になりますと、絶対水準の問題でございますから、これからも努力しなきゃならぬと思っております。 特に、今御指摘の新党平和の六十万人のホームヘルパーの問題、これは二〇一〇年でございましたね、目標値が。私どもも大体その辺をにらんでやっていかないといけないかなという中期的な視点は持っておりますが、そういう視点に立ってひとつ努力をさせていただくつもりでございます。
○福島委員 ぜひよろしくお願いいたします。 次に、また指摘されておりますのは低所得者対策。介護保険がスタートしました後に、低所得者の人が介護サービスの利用を妨げられるようなことがあってはいけない。とりわけ、一部自己負担、一割定率の自己負担というのが介護保険においては導入されるわけでございまして、そういった面からも低所得者対策というのはさまざまな形のものを準備すべきであるというふうに思います。 それから、現行では、保険料の減免、そしてまた食費の軽減、高額介護サービス費という三つの点について示されておりますけれども、この自己負担の一部減免というものをどのような形で行っていくのかということについては、必ずしも具体的な方向性が厚生省から示されているとは思えません。法文そのものでは、災害等その他厚生省令で定める特別の事情の場合には減免できるということが書かれているわけでございますけれども、これをどの程度の範囲でとらえるのか。限局すれば、これは低所得者の人が極めて使いにくい制度になるわけでございまして、これはやはり幅広くとる必要があると思いますし、また、その方向性というものを早く私は示していただきたいというふうにも思います。 そしてまた、高額介護サービス費につきましても、医療の場合には六万強でございますけれども、介護保険の場合には、これは少なくともその給付額から考えればその半分程度の水準にしていただかなければ実効性はないという話になると思いますし、この点についてもよく御検討をいただきたいと思います。 そしてまた、保険者であるところの市町村が懸念いたしておりますところは、この減免措置を行った場合にその財源は一体だれが負担するのか。実際にその低所得者の人と直接に接するのは市町村でございますから、負担もできないものを無理に負担させるということは市町村にとってはできません。だけれども、減免したかわりにそれが全部みずからの財源を出さなきゃいかぬということではね返ってくるということであれば、これはまた大変な話になるわけでございます。 以上、何点か申しましたけれども、まとめて大臣の御認識をお聞かせいただければと思います。
○宮下国務大臣 介護保険制度をやる場合に、やはり低所得者階層に対して十分にニーズにこたえられるようにするということは、非常に重要なことだと存じます。 そして、そのためには、一つは今御指摘の高額の介護サービス、こういうのは、その一割負担はもう当然いただくわけですが、それでは到底たえられないわけですから、一定額以上は保険者、それはつまり公費とか保険料で持つことになりますが、そういうことで措置したい。それから、食費等につきましても、標準負担額が定められると思いますけれども、低所得者階層の方々には、さらにそれを軽減した標準額を定めていきたい。 御承知のように、今は準備段階中でございまして、この高額介護サービスの水準の問題とか、あるいは食事費の標準負担額の問題等の実額については検討中でございまして、まだこれから具体的に決めるということでございますので、そういった趣旨をよく反映できるように、負担できない人には、しかし、十分な介護サービスも行き渡るようにしたい、こう思っております。 それから、それがもしも、市町村負担になるのではないかという御懸念は確かにあると思います。介護保険制度の費用負担割合につきましては、国、都道府県、市町村が半分を持つ、あとを第二号被保険者、つまり四十歳以上の人たちの負担を医療保険が一緒に集めてそれを給付するという格好にいたしておりますほか、六十五歳以上の一号被保険者の負担によって賄われるわけでございますが、超過的にそういうことをやった場合は、その公費ないしは医療保険者の二号被保険者の負担分は当然そこで賄われると思いますが、それ以外の分は一号被保険者の負担によってやる原則を私どもは考えております。 そんなことだけ申し上げまして、具体的にはこれから決めさせていただくということでございます。
○福島委員 自治体の意見を十分反映して、財政的な面においては、対応していただければと思います。 時間も限られておりますので、市町村の介護保険に係る事務費についての懸念についてお聞きをいたしておきたいと思います。 これは、国保におきましては、事務費というのがだんだん一般財源化されまして、全部市町村にある意味では押しつけられてきたという経緯があります。 一般財源化といいますと非常に聞こえはいいわけですけれども、交付税の総額は決まっているわけですから、何もふえたことには決してならないという話になるわけでございまして、この介護保険の実施に当たって、例えば電算システムの準備とかいろいろな事務があります。そういった事務が、結局市町村に押しつけられるのじゃないか。財源の方は国がしっかり握っていて、ちょっとずつ配りはするわけですけれども、財源は渡さずに事務だけ押しつける、これはかなわぬよというのが大方の首長さんの意見ではないかというふうに思いますし、また懸念ではないかというふうに思っております。 この点について、なかなか将来のことは大臣もお約束はしかねるというふうに私は思いますけれども、方向性をお聞かせいただきたいと思います。
○宮下国務大臣 国民健康保険の場合の事務費につきましては、御承知のように国が一〇〇%持ってスタートしたわけですね、国民皆保険のときに。これは、国がやはり皆保険の制度が定着するまで事務費等についても配慮しながらこれを敷衍していこうということだったと存じますが、現在は定着をしてきておりますので、国民健康保険の事務費は、これは全部一般財源化をして、現在は補助制度はございません。 一方、介護保険制度につきましては、現在の老人福祉制度と老人保健制度の一部を再編して構築するという面が非常に強いわけでございます。それから、介護保険制度の創設に係ります市町村の事務に要する経費は、そのすべてが新規に発生するものばかりではございませんで、現在一般財源で行われている事務の中から、移行分が中心になって行われるという面もございます。 私どもは、従来事務からの移行相当分とかいうのは一般財源でやっていくしかない。新たに生じた事務としては、特に要介護認定事務ですね。これは大変重要なことでございまして、これを的確にやるということが公平な保険給付をやるために重要でございます。したがって、ばらつきのないような全国的、統一的な水準の確保を図る必要もある。それから、市町村に必ずしもこれは、これから始まるわけでございますから、同化定着をしていないという状況から見まして、二分の一相当額の補助制度を今考えております。 今後、事務量の実態把握をいたしましたり、要介護認定の試行的な事業をやるわけでございますが、その結果等も踏まえながら、立ち上がり用経費その他必要なものは要求して、二〇〇〇年からの施行に万全を期していきたい、こう考えております。
○福島委員 定着をしても、別にその財源が要らなくなる、費用が安くなるというわけでは全然ないわけでして、定着するしないと私は別のことだというふうに思いますし、これはまた今後も議論させていただきたいと思います。 次に、法務大臣にお尋ねをしたいわけでございますが、現在、法務省では成年後見制度の法案提出の準備をしておられるというふうにお聞きしておりますし、四月十四日に要綱試案が出されました。来年の通常国会で、その民法の改正法案、これが提出されるというように伺っております。 これは、介護保険が実施されましたドイツにおきましても、世話法ということで、介護保険ということと、それから成年後見制度と、これは両輪で個々の高齢者の方の権利を守るという形で動いているわけです。ですから、来年提出していただいて、これはぜひとも、介護保険のスタートまでに実質的にこの成年後見制度が動くような、そういう仕組みをしてほしい。 この法案の中には、社会福祉協議会、法人に委託することができるというようなことも書かれているようでございますが、実際、その人材がいませんと、制度はつくっても動かないわけです。一気にお年寄りの方がたくさん介護保険に入ってくるわけですから、それに対応する準備というのは、本当に心してやっていただかないと十分に動かないのじゃないかというふうに私は懸念いたしておりまして、この点についての御認識をお聞きしたいと思います。
○中村国務大臣 今回の成年後見制度の改革は、まさに抜本的な、画期的な改革、委員御存じのとおりでございます。 禁治産者、後見、準禁治産者、保佐、そして新しい補助という制度を導入して、新しい登録制度もつくろう。そして、今御指摘ございましたように、まさに介護保険と一体となってこの福祉の向上に役立つものだと思って、今、鋭意検討を進めているところでございます。 今御指摘ありましたように、平成十一年の通常国会に、成年後見制度の改正のための民法改正法案を、これは登録等にほかの法案も必要かと思いますので、提出いたしまして、平成十二年四月一日の介護保険法施行とあわせてこの改正法案が施行されるように、今準備をして進めているところでございます。 また、今御指摘がありました実際の運用についてのお話でありますけれども、受け皿等につきましては、社会福祉協議会でございますとか福祉公社とか弁護士だとか司法書士だとか社会福祉士だとかその組織とか、関係の法人で、この制度の担い手となって既に各方面で積極的に取り組みを行っておられる法人があるわけでございます。法の改正に伴って、そういう法人と連携を密にして、また支援してまいりたいと思っているわけでございます。 特に、福祉行政との関係につきましては、社会福祉協議会、福祉公社等における受け皿の整備、各種機関における相談体制の充実等が推進されますように、また、制度の周知のための広報の諸問題について、関係各方面と、特に自治省と厚生省だと思いますが、常に緊密な協議、連絡を行いながら、十分にこの制度が機能しますように、努力してまいりたいと思っております。
○福島委員 それ以外にも質問を用意いたしましたが、時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、最後に一点、総理にお願いですが、介護保険、なかなか国民はまだ理解をいたしておりません。実際にお年寄りの方に、知っていますかと言うて聞きましても、知らぬ人ばかりでして、これが実際に円滑に運用されるためには、物すごく広報活動が必要だと思うのですね。例えば、総理がテレビで、介護保険というのはこんなものやということをお話ししていただいても結構だと思いますし、そういう宣伝活動をぜひしっかりしていただきたいということを最後にお願いしまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○中山委員長 これにて福島君の質疑は終了いたしました。 次に、中村鋭一君から質疑の通告を受けております。これを許します。中村鋭一君。
○中村(鋭)委員 質問に先立ちまして、ちょっと中山委員長にお尋ねをさせていただきたいと思います。 昨日、私、冒頭の総理に対する質問で、憲法六十五条また内閣法四条等について総理にお答えをお願い申し上げましたところ、大森法制局長官、これは後になって名前を確認いたしましたが、そのときは、見なれた顔の紳士がいきなり自分で手を挙げて、かわって何か一生懸命お話しになったわけでございますが、私は、あなたに聞いているんじゃない、帰ってもらいたい、こう言ったわけでございます。 委員長、きのう、私は、内閣総理大臣にお尋ねをしたわけでありますが、委員長は、大森法制局長官とはっきり御指名をなさいましたでしょうか。
○中山委員長 はい、いたしました。 大森法制局長官から手が挙がりましたものですから、総理の御答弁の前に、法制局長官のお手が挙がったので、先に前もって御答弁いただきたいということで私から指名をいたしました。
○中村(鋭)委員 ここにきのうの実は速記があるのでございますけれども、これを見ましたら、委員長の発言は一切記録に残っていないわけでございましてね。
○中山委員長 おかしいですね。
○中村(鋭)委員 そうなんです。私も全く聞こえませんでした。 私が最後のところは、「それはお認めになりますね。」こう言っているんです。次の瞬間に、速記によれば、「○大森政府委員 まず」、こう一声政府委員が言いまして、私が「「総理に聞いているんだよ、総理に」と呼ぶ」、こうございます。「あなた、いつでも出てくるんだ、」これは私の発言でございますが、「一番要らぬときにあなたがいつも出てくる。もう私はあなたの顔、見たくない。」こう言っているわけですね。「「簡単明瞭な質問だ。総理に答えてもらいたい」と呼ぶ」と。大森委員が「まず、私の方から」、「いや、あなたの答弁は聞いていない。」こういうところで速記は記録されておりますのでね。 だから、委員長がそうおっしゃったと言われましても、速記録に残っていないわけでございまして、少なくとも、これは、例えばこちらに、これは八月十一日火曜日の議院運営委員会の会議録がございますが、これは、自民党の逢沢委員が「昨日、八月十日の衆議院議院運営委員会理事会における鈴木内閣官房副長官発言の要旨を確認させていただきます。」こう言って、「政府委員が大臣にかわって答弁したり、補足的説明を超えて答弁するケースについて「政府委員は国会において国務大臣を補佐するために任命されており、その答弁の範囲も大臣答弁の補助的な範囲にとどまるべきで、これまでも行き過ぎのないよう指導してきたが、官房長官より各省庁に対し再度この趣旨を徹底したい。」旨の発言があった。」こういう記録があるわけですね。 であれば、きのうの場合は、私は総理大臣に実に単純明快にお尋ねをし、それで後に、大森さんが引っ込んでから、総理はやはりきっちりと答弁をしておられるわけでございますから、これは総理が当然出てくるべきを、差し出がましくも法制局長官が一方的に手を挙げて出てくる。これはもうけしからぬ話で、しかも今の国会の我々の申し合わせからしても、これは実にけしからぬ話で、こういうことは絶対あり得べからざることでございまして……
○中山委員長 私から申しておきますが、きっと中村先生の御発言で速記が、私の声がかき消されたんだと思いますが、私、確かに指名をしておりまして、委員長本人が言うことでございますから、私、間違いになしに大森さんを指名いたしました。その後、中村先生のいろいろな御発言が速記録に記録になったと思いますので、また速記録を見まして、訂正をいたしたいと思います。
○中村(鋭)委員 それにしても、とにかく、速記に記録は残っているとか残っていないということを超えて、きのうのように、私が明快に総理大臣にお尋ねしているのに法制局長官がしゃしゃり出るというようなことはけしからぬわけでございますから、これは、このようなことのないようにきちっともう一遍整理をしていただきたいのです。
○中山委員長 しかし、内閣の席に連なっている方でございますので、内閣の法的な解釈を一手に引き受けていらっしゃる法制局長官でございますから、私は、御指名申し上げて間違いないと思っております。
○中村(鋭)委員 いや、それは、法律の専門家だからかえって私はそこのところは正確にやってもらわなきゃ困る、こう言っているわけで、現に速記録には出ていないわけですから、委員長の大森法制局長官という言葉は出ていないわけですからね。
○中山委員長 改めて、それは速記録が欠如しているんだと思いますので、それを私が書き足します。
○中村(鋭)委員 はい。これは委員長から、当委員会において、この大森さんを初め政府委員、これは政府委員だって各党申し合わせで随分減らしているわけでしょう。だからこれは、今の我々が国会を民主的に国会議員同士で話そうという方向と反対の方向へ行っていることをきのう大森法制局長官がやっているわけですから、これはひとつ委員長からもきっとしかりおくといいますか、これはしていただかないと、委員長御自身も、委員長の発言が速記録に残っていないわけですから、委員長の声は大きくて明快なわけですから、それが残っていないというのは、これはやはりおかしい。私も聞いた覚えがないわけだから、これはひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。 我々は、これは新進党が発足をいたしましたときから、こういうことを申し上げているわけであります。「国会審議の活性化 国会における論議は、議員または委員間の討議の形で進行する。議員が議案を発議するに際して必要とされる要件を緩和する。」「政府委員制度の廃止」については、「国会における審議の活性化を図るため、政府委員の制度を廃止する。内閣総理大臣その他の国務大臣のほか、内閣官房副長官、副大臣、副長官、政務次官、人事院総裁、および公正取引委員会委員長に限り、議院の会議および委員会等に出席し発言することができる。」これはおとつい、菅さんもこのことを発言しておられました。 ここに新聞の意見が投書されたものを持っております。これは、静岡県の羽生さんとおっしゃる方ですが、例えば、英国の国会は質問と答弁が目まぐるしく交錯して真に言葉の戦場だそうである。これは、国会議員同士が活発に議論をするわけですね。 だから、我が日本の国会もそのようであるべきだと思いますし、現在の自由党の我々は、新進党のときからそのことは、活性化しようじゃないか、国会議員同士が議論をしようじゃないか、政府委員はやめようじゃないか、大森さんのような方がのこのこ出てきて総理にかわって答えるようなことのないようにしようじゃないか、こう言っているわけでございますが、こういった方向について、総理、先ほどからの議論も踏まえて、総理からも一言あってしかるべしと思いますが、お願いを申し上げたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 まず、昨日の委員の御質問に対しましては、私みずからがここに立って御答弁を申し上げるべきことでございます。同時に、法律上の問題でありますれば、内閣法制局長官も常にこの委員会に出席をいたしておりますので、私から委員のお許しをいただいて、答弁をいたしていただきたい。そのことの指名は、委員会の議事運営につきましては委員長がすべてその責任を負っているものでございまして、私もかつて予算委員長を初め各種の委員長を経験いたしましたが、そのように理解をいたしておる次第でございます。 今後、そのような形で進ませていただきます。
○中村(鋭)委員 きのう総理は、法制局長官が引っ込んでからお立ちをいただきまして、やはりしっかりと御答弁いただいているわけでございますからね。だから、たとえ大森さんが手を挙げて出てきたって、これは私が答えるからと総理が抑えて出てきてお話しくだされば、私は六分間もむだに時間を使うことはなかったわけでございまして、その点は今後とも、今総理がおっしゃったように、やはり御自身のお言葉で御答弁をひとつお願いしておきたいと思います。 きのうの質疑の中で、予算委員会の最後にお立ちになりました委員の質問に対しまして、堺屋国務大臣はこういう答えをしていらっしゃいます。「ありがとうございます。やっと経済企画庁長官らしい質問をいただきまして、今までは前歴の、昔個人として書いたものばかりでございましたけれども、今回は企画庁長官として答弁させていただきます。」こうあなたはおっしゃっております。 この答弁を聞けば、じゃ、私中村鋭一、その前の共産党の書記局長さん、この企画庁長官に対する質問は「やっと経済企画庁長官らしい質問」ではなかったと。「今までは前歴の、昔個人として書いたものばかりでございました」、昔とおっしゃっている。昔じゃないですよ。あの、きのうのあなたの御本は、私が読ませていただいたはしがきの部分は七月の末に書かれたもので、参議院選挙が済んだ後であなたは、九兆円の増税は橋本内閣の失政だ、こうおっしゃった。お認めになった。 そういった議論や、それに私はその前に、あなたの著書に関する以上に多くの時間を割いて、経企庁は国民にわかる言葉で話そうじゃないですか、真実を、たとえそれが厳しい事実であっても、追求することに憶病であってはいけない、勇気を持ちなさい、堺屋さん頑張りなさい、経企庁が真に国民的な官庁になるためにはこうしたらいいじゃないですかということを真剣に御提言申し上げているのですよ。 それが何で、経済企画庁長官としての質問とは私はとれないというふうにおっしゃっているのですか。はっきり言っているじゃないですか、これまでの質問は、昔、前歴の、個人として書いたものばかりでございましたと。一体何ですか。このことについて、はっきりと私にわかるような言葉で御説明、釈明、お願いを申し上げます。
○堺屋国務大臣 昨日のその言葉にはいささか言い過ぎがあったことを認めまして、中村委員に陳謝いたします。 印象として、まことに中村委員、志位委員のお話、私の書物の、書いたものの議論が多かったものですから、そういう印象を持っておりましたので、つい余計なことを申して失礼いたしました。陳謝いたします。
○中村(鋭)委員 すっきりと陳謝をしていただきましたので、これは了とさせていただきます。 今の私に対する陳謝は、共産党の質問に対する陳謝である、これも含めて了解しておいていいですね。あなたはきっちりと謝ったわけですね。わかりました。 では、質問を続けます。 総理にお尋ねをいたしますが、総理にとって国家という言葉はどういう印象を与えますか。国です。
○小渕内閣総理大臣 まず、国家ということは、法律用語で辞書を引きました範囲では、その定義は多種多様でありますが、通常は国家の本質を、地域すなわち領土、所属員すなわち国民、及び固有の支配権、国権または統治権の三要素に集約して理解されております。すなわち、これが国家三要素説ということだということであります。領土を基礎として国民によって組織される統治団体と定義されております。 さて、お尋ねでございますが、私にとりましてということでございますが、私も、常に国家と国民のことを考え、そして行動することが政治家の原点であり、また国家とは何かという問いは、政治家、私にとりましても、ある意味では永遠の課題だという認識をいたしております。 ただ、私が国家というものを考える契機になりましたのは、昭和三十八年に私一人で世界一周を約一年かかりましていたしました。その折、それぞれの国を回りましたところ、それぞれの国のナショナリティーというものを非常に認識をいたしました。そういった意味で、それが原体験になりまして国家の存在ということを深く考えてまいったわけでございますが、特に、政治を志して以降、我が日本の姿に対しましていかなる責任を負うべきものかと考えながら今日まで参りましたが、幾つかの重要な役職につくたびに改めて、国家とは何ぞや、また国家のあるべき姿、さらに二十一世紀において日本の姿というものをどう描いていくべきかということをつくづく考えながら、日々反すうしながら日本のことを考えております。 これが私にとりましての国家ということでございます。
○中村(鋭)委員 どうも、もう一つすっきりと私は今の総理のお言葉が胸に落ちなかったような感もありますけれども、承らせていただきました。 官房長官は、失礼ながら閣僚の中では御年配の方だと思いますけれども、官房長官の胸の中にあります国とか祖国とか愛国とか国家とか、こういう概念はどういうものでございましょうか。もしお答えしにくければそれでも結構ですけれども、もしあれば一言お聞かせ願いたいのです。
○野中国務大臣 私が存在しますのは、私に父母がありまして、その父母にまた父母がありまして、それが社会を構成し、そして国、領土の中に国家、社会を形成してまいりました。それだけに、そこに住む者がお互いに愛し合い、そして人権をとうとび、環境を重んじ、そしてその国を限りなく愛していく、それが私にとりまして祖国であり、そしてまた愛国であります。
○中村(鋭)委員 今伺いまして、まことに私も同感である、そういう意がいたしました。 父祖の国という言葉があります。我々はこの日本列島に何千年間生きてきて、今おかげさまで元気に過ごさせていただいております。やはりそういった国を愛するという気持ちを失ってはいけません。 当然ながら、総理、その国や愛する者たちのために命を失った人がたくさんいる。特に戦争のときには三百万人を超える、若い人たちを含めて本当に志に燃えた人たちが、ただ自分たちの愛する者たちのために、国を守るために死んでいった。その人たちが今靖国神社に祭られているわけでございます。 総理は、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会の会長をお務めでございまして、私もこの会の議連の一員でございます。何度も私は靖国神社へお参りをさせていただいておりますが、総理はことしの夏は靖国神社へお参りにならなかったようでございますが、これはどういう理由でお参りにならなかったのですか。
○小渕内閣総理大臣 御指摘をいただきましたように、私自身もみんなで靖国神社に参拝する国会議員の会の会長を務めてまいりました。竹下、橋本、羽田、斎藤、各先輩の後を襲いまして、五代目の会長といたし、春秋におきまして参拝いたしてまいりました。 今日、内閣総理大臣の立場に相なりまして、諸般の情勢を判断をいたしまして、心は常にその靖国神社に参拝いたしました議員の気持ちを持っておりますけれども、今般は私の行動として参拝は差し控えました。
○中村(鋭)委員 総理、今おっしゃったようにあなたは会長ですよ、靖国神社へみんなで参ろうという。それが、今諸般の状況とおっしゃいました。いや、諸般の情勢とおっしゃいました。私には全くわかりません。 諸般の情勢とは、じゃ、総理が靖国神社へ、しかも議連の会長である総理が参らなかった諸般の情勢とは一体何なのか御説明をお願い申し上げたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 諸般の情勢でございます。
○中村(鋭)委員 それは、ちょっと私には納得いきませんね。 我々にとって、国がある、国民がいる、何千年我々はこの国に生きてきた、その国のために命をささげた人たちがいて、総理はその人たちの英霊を顕彰するための議員連盟の会長ですよ。それが、諸般の状況でことしの夏はやめました、私が諸般の状況とは何かと聞いたことに対して、諸般の状況であります、そんな理屈の通らない答弁は答弁にはなりませんので、きちっと諸般の状況について総理が納得のいく御答弁をしていただかないことには私はこの質問を続けるわけにはまいりません。
○小渕内閣総理大臣 私も、衆議院議員といたしまして、その会の皆様方の御推挙をいただきまして会長になりました。申し上げましたように、英霊に対する気持ちも、私、人後に落ちないつもりでございます。 しかし、今日、内閣総理大臣と相なりまして、日本国全体の責任を持つ立場に相なりまして、日本のみならず諸外国に対するいろいろ影響も考えまして私はそうした決定をし、今回は参拝をいたさなかった、こういうことでございます。
○中村(鋭)委員 今、先ほどの諸般の状況と違いました答弁をいただきました。というのは、外国等への影響も考慮し、こうおっしゃいましたね。その外国とはどこの国ですか。
○小渕内閣総理大臣 それぞれの国でございまして、特定をすることではございません。
○中村(鋭)委員 それぞれの国というのはないですね。 しかも、私はどう考えてもわからないのは、総理はさっきから御自分で何遍もおっしゃっていますね。英霊を顕彰するにはやぶさかではない、私は議連の会長だとおっしゃっているわけですね。衆議院議員です、国民の選良たる国会議員として、総理は会長としてずっと靖国神社へお参りになっていた。それが、総理大臣になった途端にそれぞれの国に考慮をしてとはどういうことなんですか。何で外国に遠慮をするんですか。我が国を守るために死んでいった人たちにお参りをして安らかに眠ってくださいとお祈りをすることが、何で外国に遠慮をすることになるんですか。私は、どう考えてもわかりません。何でそれを外国に配慮するんですか。どういう点ですか。何についてですか。もう一遍御答弁をお願いします。(発言する者あり)
○小渕内閣総理大臣 せっかくの予算委員会の委員の先生方でございますので、質問者以外のお声にお答えすることはいかがかと思いますけれども、外務大臣のときも参拝をいたしておりません。 そこで、今のお話は、私自身、近隣の諸国も含めまして、内閣総理大臣として私が参拝することにつき種々の御議論があるとすれば、この際は、私自身として参らないことをもって私の行動として御理解をいただけるものと理解しております。
○中村(鋭)委員 全く理解はできません。私の行動として御理解をいただきたいとおっしゃいましても、諸般の事情とか外国に考慮してとか。我が国を守るために死んでいった人たちを安らかに眠れとお祈りをしてあげることが外国から制肘も容喙も牽制もされることではないことは、総理御自身はよく御存じのはずです。何を遠慮するんですか。当然じゃないですか、日本人なら、日本国民なら。それを、御理解を願えるものと思いますなんて、理解はできませんね。これはどうしても理解はできません。 もう一遍しっかりとした御答弁を、総理、お願い申し上げます。
○小渕内閣総理大臣 内閣総理大臣として、私がそう判断し、そう行動した次第でございます。
○中村(鋭)委員 本当に私は情けない思いがいたします。これは、今のこの質疑を聞いておられる国会議員の中で、与野党を超えて、何だ、どういうことなんだ、そう思っている人がきっとたくさんいると思います。 太田総務庁長官にお尋ねをさせていただきます。 太田長官は、八月十五日に靖国神社にお参りになりましたね。確認をさせていただきます。
○太田国務大臣 はい、行ってまいりました。参拝をさせていただきました。
○中村(鋭)委員 そのときにあなたは、たしか新聞記者の質問に対して、あなたはどういう身分として、どういう資格でお参りになりましたか、これに対して、私は衆議院議員として参りました、衆議院議員にまさる公職はありません、こうおっしゃいましたね。
○太田国務大臣 衆議院議員にまさる公人はないというふうに申しました。
○中村(鋭)委員 これは太田さん、私は本当に、あなたを志ある方として、愛国の気持ちのある人として、心から立派だと称揚をさせていただきたいと思います。 あなたは元新進党で、それで、新進党からどういうわけだかいつの間にかおられなくなって、そして自民党へ戻られて、今度は引き抜き部隊の部隊長として我が党から何人もの何人もの議員を引き抜かれた。その点は甚だ感心できない。これはもうけしからぬ話だ。だから私は、その点においては、あなたをまさに私の敵として認識しておりますよ。とことん戦います、そういう点については。 しかし、靖国神社に、衆議院議員にまさる公人はない、こう言ってお参りになった、これは立派だ。これは立派。これは先ほどからの、押し問答になるから、嫌になるからやめましたけれども、まことに私は、こういう表現は失礼でございますけれども、情けない小渕総理の答弁に比べて、それは立派です。まさに憲法の前文の一番最初にあるとおり、我が日本国は選挙を通じて選ばれた国会議員を通じて行動すると憲法の一行目に書いてありますからね。それを体現して靖国神社にお参りになった。これが偽らぬ大方の日本国民の気持ちであろうと思います。 総理、総理は勇気を持って、私は、これからは総理大臣としてでも靖国神社にお参りになるだけの気持ちをしっかりと腹に据えていただきたい、こう思いますよ。そうすれば、総理、支持率も少しは回復するんじゃないですか、そう思います。 中山委員長、委員長も議連の一員である、こう思いますが、もしよろしければ、靖国神社にお参りすることについて、委員長のお気持ちがあればお聞かせ願いたいんですが。
○中山委員長 私、竹下内閣のときに郵政大臣をしておりましたが、参拝をいたしました経験があります。
○中村(鋭)委員 ありがとうございます。 委員長もきっちりとお参りになっていらっしゃる。その辺のことも総理、しっかりと腹に置いておいていただきたい、こう思います。 中川農水大臣にお尋ねをさせていただきます。 中川さん、あなたと私、五月三日の憲法記念日の日に国民大会がございました。これは、国会内に憲法を議論するための常任委員会をつくろうじゃないか、こういった趣旨で国民大会が開かれまして、谷川和穗先生と私が基調講演をさせていただきまして、中川さんも来賓でお見えでございました。そのときに中川さんが発言になりました。その内容について今私ここで言おうと思いませんが、後で私とあなたはしっかりと握手をいたしました。握手をして、お互いに頑張りましょうと言いました。 その趣旨を踏んでちょっとお尋ねをさせていただきますが、中川大臣は日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の代表を務めておられて、同会が編集の「歴史教科書への疑問」で、数ある記述の問題点の中でも象徴的なのが、いわゆる従軍慰安婦問題である、うそと判明した書物と少数の人たちの裏づけのない証言のみを端緒とするこの問題は、一部マスコミや特定の意図を持った人々と、一部他国によって増幅され、ついには国家による強制性を内閣官房長官、つまり政府が認めることによって、十三歳から十五歳の中学生のほぼ一〇〇%が使用する教科書に記載されてしまったと、河野長官談話を批判されておられるんですが、今後、この歴史教科書を正す運動を続けていくお考えはありますか。
○中川国務大臣 お答え申し上げます。 七月三十一日の未明に認証をされまして、金曜日でございました。八月三日の月曜日にその会の退会届を出しました。現在は所属しておりません。
○中村(鋭)委員 では、大臣になって言うことが変わった、こういうことでございますね。 では、本当のお気持ちはどうなんですか。それを伺っておきたい。
○中川国務大臣 今先生がお話しのように、今先生や総理初め答弁を伺わせていただきましたが、昨年、戦後生まれの我々が歴史についていろいろ勉強をしようということで勉強会をつくりました。いろいろな方の御意見を伺いました。いろいろな御意見がございました。したがいまして、我々としては、いろいろな御意見があって、先輩方の御意見、専門家の御意見を伺いました。 現在私は政府の一員でもございますし、平成五年の八月四日の河野官房長官談話が政府の基本的見解でございますが、私も立場は同じでございます。
○中村(鋭)委員 中川さん、だから、いやそれはもうあなた、ここへ立ったらそのようにしか言えないのかもわかりませんが、それだったら、先ほどから私が一生懸命押し問答して、それでもいいお答えがいただけない小渕総理と一緒ですよ。あなたは、失礼ながら私はあなたよりも随分年長者だと思いますけれども、そういう志を持ったすばらしい政治家が、やはり自分の信念を貫いていく、それは一小渕内閣の閣僚であろうがなかろうが、政治家として自分の信ずるところをまっしぐらに歩いていく、それだけの信念と勇気がなければ政治家をしている値打ちがない、こう思いますよ。だから、今のようなあなたの実にあいまいで中途半端な答弁というのは、これは私はよろしくない、こう思います。そうでしょう。 今あなたはそうおっしゃっていますが、いつまでも大臣をしているわけじゃないでしょう。いつかは大臣をやめるわけだ。その時期はそう遠くないだろう。だから、そのときになって、いや、大臣の間はあれは世を忍ぶ仮の姿だというようなことのないように、私は、できればあなたがこの席で、私はやはり日本人の一人として、正しくない記述を載せるような教科書についてはこれを正すべく、これからも大臣としても努力をいたしますぐらいのことは言っておいてもらいたいな。 そうして、例えば今この席で、憲法についてもいろいろ問題のあることは承知をしておりますから、五月三日、どうですか、あなたがおっしゃった言葉を私ははっきり覚えておりますよ。だから、そういう点についても、憲法を議論するための常任委員会を国会につくることには私は賛成ですぐらいのことを閣僚として今ここで答弁はできませんか。もう一遍出てきてください。
○中川国務大臣 もう一度答弁ということでございますから、改めて申し上げますが、昨年一年間、先輩方、専門家の方のいろいろな御意見を聞きました。いろいろなお立場の御意見があったことも事実でございます。また、それを中間報告として一冊の本にまとめたことも先生御承知かと思います。その本の結論は、あくまでも疑問ということで、中間段階においてはこれだけのいろいろな意見があるということを世に問いたかったというのがそのときの趣旨でございます。 したがいまして、現段階におきましては、私は、政府の立場を私の基本的立場とさせていただきたいということで御理解をいただきたいと思います。
○中村(鋭)委員 やはりそうですかね。本当に私は中川大臣、あなたに期待をしていたんですが、あなたもやはりそちら側に座りますと、こういう答弁しかできなくなるのですかね。そういう体質というのですか、考え方というのですか、それを変えていかないことには政治は変わらないと思いますよ。 やはり私は、政治家がいつも本音で自分の信ずるところを行う。まさに、総理、靖国神社にお参りするというようなことは、そのときの立場が何であってもこれは当然やるべきこと、もう常識的に当たり前のことなんですからね。だから、私はその点で、例えば閣僚の中にも太田さんのような方がいらっしゃる、中川さんのように公式的見解をオウム返しにしか言わない、こういう若い政治家もいるということは、この際、指摘をしておきたい、こう思います。 続けて教育問題をやりたいのですが、先立って、一つ質問を変えさせていただきます。 ここ二、三日の各紙の報道によりますと、政府は、日本長期信用銀行と住友信託銀行の合併を推進させるために、公的資金の投入を含めた全面的な支援策を打ち出す方針を十七日に固めた、こういう報道がなされておりますが、小渕首相、この報道は事実でございますか。事実なら、方針の概要を説明していただきたいと思います。
○小渕内閣総理大臣 長銀に公的資金を投入して住友信託との合併を進めるとの報道のような事実はございません。 いずれにせよ、住友信託と長銀の合併構想につきましては、現在、両行におきまして合併に向けた検討が鋭意進められておると承知をいたしております。政府といたしましては、本合併構想は金融システムの安定に資するものであると考えておりまして、合併が実現するよう最大限支援してまいりたいと思っております。
○中村(鋭)委員 報道によりますと、政府が検討をしている具体策として、預金保険機構に設けられた十三兆円の公的資金を使って、優先株の引き受けなどで合併前または合併後の銀行の資金増強を図ることや、合併までの資金繰りを支援するため日銀特融、これは日銀法三十八条に基づきまして日銀特融の活用などが検討されているとのことでありますが、宮澤大蔵大臣、これらの報道をどのように思われますか。
○宮澤国務大臣 これは、私の権限に属さないことでございますが、総理大臣の言われましたように、そういうことを存じておりません。
○中村(鋭)委員 仮定の問題として、大蔵大臣、今言いましたこの十三兆円をつぎ込む、こういうことは法的には可能なのですか。 ちょっと急いで出てきてくれませんか。あなたは大森さんと違うのですから。
○伏屋政府委員 今先生の御質問につきまして、一般論としてまた手続論として申し上げますと、まさに資本注入ということでございますが、これは金融危機管理審査委員会におきまして各金融機関から法律に基づきまして申請があるわけでございます。 それで、その金融機関から提出された申請と、それからさらには健全性確保のための計画につきまして、これは申請金融機関の代表からヒアリングを行いまして、それでこの審査委員会の定められました審査基準に基づきまして厳正な審査が行われるわけでございます。 その結果、この健全性の確保のための計画が妥当なものとして認められる場合には、優先株等の引き受けの議決が行われるということでございます。
○中村(鋭)委員 ことしの春に金融安定化のためのこの十三兆円の公的資金を投入する法律を制定したわけでございますが、その際決定した基準では、破綻しつつある金融機関には投入しないというものがございました。長銀の現在の株価はたしか四十円台だったと思いますけれども、時々三十円台にも行って、もう額面を大きく割っているわけでございますが、このようなところに公的資金は投入できるのでしょうか。できるとすれば、その法的根拠はどこにあるのでしょうか。
○伏屋政府委員 お答えを申し上げます。 三月の資本注入の際は、今申し上げました審査基準を、それぞれの各申請されました金融機関が、この金融危機管理審査委員会の審査の段階でクリアしているということで資本注入が行われたと承知しております。
○中村(鋭)委員 いやいや、その法的根拠がどこにあるか、額面がもう三十円台、四十円台であっても公的資金を投入することが法的にできるのかと聞いたのですが、私、今の答弁はちょっとわかりにくいのですが、その質問に対して答えをお願いしたいと思うのです。
○伏屋政府委員 金融緊急安定化措置法の第二十三条に、今申し上げました審査基準のことが定められておりまして、これは、あらかじめ審査基準を定めて公表するというものでございますが、その基準をクリアしているということでございます。
○中村(鋭)委員 そのときの株価は幾らだったか御存じですか。三月、長銀。御存じありませんか。 結局、問題のポイントは長銀が債務超過なのかどうかに尽きる、こう思うのですが、三月末に長銀は、今ありました一千七百億円の公的資金が投入されておりまして、債務超過でない優良銀行という前提での投入であった、そのように理解をいたします。合併支援後でもこれは債務超過は一切ない、そういう前提が必要かと思いますが、有力月刊誌の中には、長銀の債務超過は一兆一千億円に達している、こういう指摘があります。文芸春秋には、江藤淳さんもそういった金額をたしか指摘しておられた、こう思うのですが、これが一般のマスコミの常識であります。市場も、額面割れだ、こういう形で審判をしているわけですね。もう五十円そこそこ、切ったりしているわけですからね。 これは、どうなんでしょうね、検査方法に問題はないのでしょうか。
○日野政府委員 お答えいたします。 現在、主要十九行に対する検査の一環といたしまして、最近の市場の動向等をも勘案しながら検査を実施しているところでございます。現在のところ、私どもといたしましては、長銀の財務内容につきまして、現時点で債務超過であるという情報は持ち合わせておりません。また、その財務状況については、今検査を実施しているところでございますので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
○中村(鋭)委員 監督庁の検査対象は、長銀の本体だけですか、それとも関連企業も含めてでありますか。
○日野政府委員 お答え申し上げます。 金融監督庁に与えられております銀行法上あるいは長期信用銀行法上の検査権限と申しますのは、当該の金融機関本体に対してだけの検査権限しかございません。しかし、私どもは、金融機関の財務内容につきましては、当然関連会社との関係をも詳細に調べなければならないと考えております。 そこで、当該の金融機関を通じて、その関連会社に対する財務内容を鋭意検査しているところでございますし、また、私どもは、当該金融機関のみならず、例えば上場会社につきましては、有価証券報告書等を通じまして、その資産の内容を詳細に検査しているところでございます。
○中村(鋭)委員 ここに、東京都にあります不動産業者登録閲覧室において収集した資料を私持っておりますが、長銀関係企業六十七社の実態をこれはリストアップしたものであります。 全く同じ住所に何社も登録された、ペーパーカンパニーと見受けられるものが十数社、中には、どう見てもこれはもう不良債権を飛ばすための受け皿会社として設立されたとしか思えないものがあるわけでございまして、例えば、港区新橋三丁目一の十一に、全く同じ住所に、不動産売買、不動産売買、不動産売買、不動産売買・仲介、貸金業、貸金業、こういった会社が登録をされておりますね。それから、渋谷区神宮前五の五十二の二、ここに六社、全く同じ住所に。業容は、ベンチャーキャピタル、貸金業、貸金業、不動産売買、貸金業、不動産売買・管理業、こうあります。六十何社あるのですよ、ここに。 こういったものを見ますと、これはやはり、俗な言葉で言えば飛ばしのための受け皿会社としか見受けられない、そういう理解しかできないものがあるわけでありまして、新橋総合開発株式会社、これは平成七年一月設立、日比谷総合開発株式会社、平成六年二月設立、有楽町総合株式会社、平成七年一月設立なんか、いずれも今申し上げました三丁目一の十一、代表取締役、監査役はいずれも長銀の幹部職員です。資本金も横並びの同じ一億円。決算報告、平成八年度を見ると、この三社の負債総額は、会社設立一、二年間で四千百九十五億円に上っております。どう考えても、これはもう長銀の不良債権の受け皿会社としか思えないわけでございます。 こういった、金融機関の常識を超えました不法で不正な経営が行われていると私は理解せざるを得ないわけでございます。こういう実態を、大蔵省、金融監督庁は知っているのか、知っていたのか、知ろうとしているのか。 公的資金の投入は、国民の血税の投入という点から重大な問題があるわけでございまして、このような事実があるから合併を急いでいるのじゃないか。これは、新聞報道はどんどんやっているわけですから、合併を急いでいる、公的資金をどんどんつぎ込むんだと。これは新聞を見てくださいよ。場合によれば「異例の”超法規的”対応も辞さない考えだ。」と政府筋の考えを新聞は述べているわけですよ。それを総理は否定されました、大蔵大臣も否定されましたけれどもね。 だから、今私が申し上げたようなこういった事実があるかどうか、あるから合併を急いでいるんだという推測も成り立つわけでございますが、この点について、大蔵大臣、お考えをお聞かせ願えませんか。
○宮澤国務大臣 存じませんので、お答えのしようがございません。
○日野政府委員 お答えいたします。 個別の金融機関の個別の債務者の内容につきまして、あるいはその状況につきまして、私どもとしてコメントすることは、金融機関の取引先などに不測の損害を与えるおそれがあることなどの理由がありますので、差し控えさせていただきたいと存じます。 なお、これは一般論でございますが、金融機関の関連会社向けの融資につきましては、その金融機関の自己査定による分類を踏まえまして、公認会計士、監査法人等による適切な償却引き当てがなされるべきであると思いますが、これを検査でチェックすることとしております。
○中村(鋭)委員 これは八月十九日、きょうですかね、東京新聞でありますが、「一週間内に最大の危機 大手銀の破たんを阻止 山崎発言に騒然」と。山崎拓さんはインドネシアを訪問中だったんですね、最近お顔を見ないと思っておりましたが。宿舎の方でお忙しいのかと思っておりましたが。「ジャカルタでハビビ大統領と日本経済の現況などをめぐって会談。会談での山崎氏の発言内容について、同行筋は邦人記者団に「この一週間に最大のピンチになる可能性がある」「大手銀行の破たんを水際で防ぐことを、日本政府は昨日(十七日)内々に決定した」――などと説明した。」このような報道がなされておりますが、大蔵大臣、この新聞記事は御承知でございますか。
○宮澤国務大臣 何か山崎さんが、自分はロシアのことを考えて言ったつもりであったがそのように受け取られていないということで、訂正の発言をされたということを承っております。
○中村(鋭)委員 だから、このように新聞や雑誌が、実は長銀は大変な債務超過だ、こういう報道をし、そしてまた新聞には、政府筋が介入をして、場合によれば超法規的にも長銀と住信の合併をどうしても成立をさせるんだという報道が一方においてあり、またここで「山崎発言に騒然」などという、「一週間内に最大の危機 大手銀の破たんを阻止」なんて、こういう報道がなされること自体が、我々としては、当然これは何かあるんじゃないかな、こう思わざるを得ない。 そして、我々自身が調べたこの資料を見ても、これは総理、今お聞きになりましたね、全く同じ住所に五社も六社もペーパーカンパニーがあって、我々の調査でも大変な額の金が決算として報告されているわけでしょう。これはだれが考えたって、ああ、やはり債務超過なんだな、受け皿会社何十とつくって飛ばしをやっているんだな、そういう推測は十二分に成り立つわけでございまして、私ども自由党といたしましては、この長銀問題の本質を今後しっかりと徹底的に究明をする方針でありますが、ここで政府に対しまして、次の資料を遅くとも金融特別委員会の審議が始まる前に提出することを求めたいと思います。 一、長銀の関連会社名とその住所及び代表者名、従業員数。二、それぞれの財務諸表。この財務諸表は東京都庁に行けばすぐ手に入ると思います。三、ことし一月以降の毎月の長銀の金融債の発行残高、預金の状況。四、ことし一月以降長銀が発行する金融債を引き受けている主な金融機関及び短期の資金を融資しているノンバンクの借入先と借入金残高。五、長銀関連ノンバンクの借入先と借入残高。六、ここ六年間の長銀役員の退職者と退職金の支給額。七、現在の長銀の役職員の給与の支給状況。以上七点の資料請求をさせていただきますので、委員長、ひとつお取り計らいをよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○中山委員長 理事会において協議いたしたいと思います。
○中村(鋭)委員 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。 それでは引き続き、今度は有馬文部大臣に質問をさせていただきたい、こう思います。 文部大臣、文部大臣は愛国心あるいは愛郷心というものを、これは先ほど総理、官房長官にもお尋ねをさせていただきましたが、これをどのようにお考えでございますか。
○有馬国務大臣 私の句集に「母国」という句集がございます。そのように、国を愛するということを大変私は大切に思っております。中央教育審議会などでも、地域社会を愛するというふうなことを強く主張している次第でございます。
○中村(鋭)委員 子供たちに、日の丸それから君が代、これをやはり愛情と尊敬を持っていただきたい、こう思いますが、文部大臣はこれについてはどのようにお考えですか。
○有馬国務大臣 私も、そのとおりに思っております。例えば、今社会科などでは、非常にきちっと国歌とそれから国旗を大切にするよう指導することになっております。私も、外国などに行きます際に、日本の人たちが外国の国旗やそれから国歌に対して尊敬の念が持てるように教育をしていくべきだと思っております。
○中村(鋭)委員 文部大臣、ここに私、教育基本法を、これは写しでございますが、持参してきているのです。これは昭和二十二年の三月三十一日に法律第二十五号として施行されたものでございまして、これは一見して、憲法もそうなんですけれども、翻訳調の比較的生硬な、いかにも訳文という印象でございます。 私は、実はいつぞやもこの委員会で申し上げたことがございますけれども、中曽根先生とお会いをしたときに、皆さん方の大長老であります中曽根先生が、これからの私の余生は教育にささげたいのだ、その根本は、戦後五十年間、この教育基本法に基づいて日本の教育がなされたという点に大きな欠点があったと思わざるを得ないということをおっしゃいまして、私も、それは同感だな、こう思ったのです。 といいますのは、有馬大臣、あなたは教育者でございますからよく御存じだと思いますけれども、この教育基本法のどこを見ましても、日本とか日本人とか日本国という、そういう単語は全くございません。国を愛するとか、日本人として生きることに誇りを持つとか、そういうことが一切ないわけでございまして、少なくともそういった点については教育基本法を改めなければいけない。 これは、我々自由党の今回の「日本再興へのシナリオ」の中に、憲法を議論するための常任委員会を設けましょう、教育基本法を見直しましょうということは、今回の選挙を通じてもはっきりと我々は公約の一つに掲げている点でございまして、これについて文部大臣、どのようにお考えでございますか。
○有馬国務大臣 重要なポイント、ありがとうございます。ただし、今の教育基本法第一条をよく見ますと、「教育の目的」として、御指摘のように、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」とされております。国民が身につけるべき基本的な徳目は書いてあります、おっしゃるように愛国というようなことははっきりは出ておりませんけれども。 したがいまして、私としては、人間としての基本的な倫理観、社会的ルールを遵守すること、家庭を愛する、それから地域社会を愛するというふうなことは道徳教育として教えるべき基本的な事柄であると思いますが、これは当然第一条の趣旨に含まれていると考えております。 なお、教育基本法の精神を受けて定められている学習指導要領などにおきましても、道徳教育においては既に相当程度具体的に定めており、学校現場においてこれらの事柄がしっかりと教えられるよう指導することが大切だろうと考えております。 教育基本法の見直しの検討につきましては、戦後教育の基本として果たしてきた役割を踏まえ、そして国民的な議論を積み重ねながら慎重に行っていくべきものと考えております。
○中村(鋭)委員 ひとつ今おっしゃったのを、慎重ではなく、そして拙速ではなく、しっかりと性根を据えて、文部大臣、お取り組みをお願いしたい。教育基本法の中には、国家とか国を愛するとか、郷土を大事にするとか、それはぜひ入れていただきたいと思います。 私は時間があれば、ここに私の子供のころにまさに拳々服膺しました教育勅語を持ってきているのですが、これは古臭いとおっしゃるかもわかりませんが、「朕惟フニ」は、これはもう今取り上げるべき単語ではありませんけれども、この中にうたわれましたところの徳目、これは私は、何ら捨てて顧みないものではない、こう思います。「父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ、朋友相信シ、恭倹己レヲ持シ、博愛衆ニ及ホシ、学ヲ修メ業ヲ習ヒ、以テ智能ヲ啓発シ、徳器ヲ成就シ、」大臣、ぜひひとつ、改めるべき教育基本法であるとすれば、こういう徳目はぜひこの中に継承をしておいていただきたい、こう思います。 終わります。
○中山委員長 これにて中村君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君から質疑の通告を受けております。これを許します。木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。 小渕総理並びに関係閣僚に質問をいたします。 最初に、昨日の当委員会におきまして我が党の志位委員から、昨年の橋本内閣の九兆円の負担増、この政治が失政であったかどうか。この問題で、堺屋経済企画庁長官が失政だったと答弁され、小渕総理は失政でなかったと答弁されました。この問題で、内閣としての統一見解を求めていた問題で、本日十二時からの予算委員会理事会に内閣としての考え方が示されました。理事の代表の方がそれを取りまとめて、文書になっております。 最初に、この問題について質問をいたします。 まず、メモとして作成されているわけですが、その性格から聞きたいのです。これは内閣の考え方を予算委員会の理事に伝えたということでありますが、その中身についてはもちろん小渕総理は承知されていますね。内閣としての文書だから、総理、知っているか、そういう質問。内閣としての考えを理事に伝えて文書化されたということです。だから、総理は当然知っているはずの文書だろうから……
○中山委員長 それは知らないですよ。
○木島委員 知らないと言ったら、これは理事会でまた問題になりますよ。
○中山委員長 立法府の問題ですから、まだ行政府の方には知らせていません。
○木島委員 いやいや、内閣としての考え方を理事に伝えて文書化されたんです。だから、総理……(発言する者あり)メモじゃなくて、そういう考え方を伝えたということ、それは総理、知っているんでしょう。そうじゃないと質問にならぬですよ、これ。
○中山委員長 ちょっと待ってください。
○木島委員 内閣の考え方を予算委員会理事会から問われて、内閣の考え方を予算委員会の理事に伝えた、それは知っているんでしょう、総理。
○中山委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○中山委員長 速記を起こしてください。
○木島委員 それでは、正確に聞きます。 実は、昨日の理事会で総理と経済企画庁長官の答弁の食い違いを志位委員から指摘され、志位委員から内閣としての統一した見解を出してほしいと要望があり、昨日理事会でその旨協議し、内閣としての意見を求めようということになりました。そして本日、内閣としての考え方が予算委員会の自民党の理事に伝えられました。それは総理、御存じですね。
○小渕内閣総理大臣 昨日来の審議の過程の中におきまして、堺屋長官、そしてまた私自身もそれに答弁をいたしておりまして、そのときに当委員会におきまして中断をされました。それを中山委員長がお預かりして理事会協議に相なったということでございますが、その理事会協議におきまして、我が党の理事からの御発言ということがこのペーパーとして述べられておるわけでございますが、政府統一して、統一見解として私ども出したわけではございません。したがいまして、今この書面を拝見いたしましたが、このこと自体は私が昨日答弁したことと、そのとおりでございますので、異議はございません。
○木島委員 それじゃ、中身一つ一つ確認が必要だと思うので、確認したいと思うのです。 きょう示された内閣の考え方の基本について……
○中山委員長 内閣じゃなくて。
○木島委員 内閣から、それが統一見解か内閣の一部の部局かは、それはわかりません、私どもは。知らされておりませんから。 理事を通じて知らされた中を見ますと、まあ中身に入りますよ。「橋本内閣がとった経済政策が失政であったかどうかについて、予算委員会での小渕総理と堺屋経企庁長官の答弁が異なったことが、閣内不統一ではないかとの指摘については、以下のように考える。」要するに、総理と経企庁長官の答弁が異なった、そういう事実認定に立って意見が述べられているわけですが、まず、その事実は、総理、お認めになりますね。確認です。
○小渕内閣総理大臣 そのことから昨日の中断があったのだろうと思っております。
○木島委員 一応、大事ですから確認したのです。 そして次に、幾つかの法的なことも触れられていますが、こういう考え方が示されているわけです。「堺屋長官は本日の委員会で、」昨日のことでありますが、「閣僚になる前の一作家として抱いた意見が、経企庁長官に就任した現在においても個人的には変わらないといった趣旨の発言をしており、あくまでも個人としての考えであると思料される。」こういう認識が記載されているわけですが、これは総理にお聞きしたいのですが、総理も昨日のこの委員会での質疑応答を聞いて、堺屋長官の発言というのは、答弁というのは、あくまでも個人としての考えであると思料される、総理も思料いたしているのですか。それとも、ここでの答弁というのは一応、個人じゃなくて、経企庁長官としての答弁であると。総理の認識はどうでしょう。
○小渕内閣総理大臣 その堺屋長官の本日の発言は、本日の発言として堺屋長官からお聞きした方が正確かと存じます。
○木島委員 私は、この認識の仕方が、きのうの、ここで実際のやりとり、既にもう議事録になっています。私も全部読みました。(発言する者あり)速記録。そうすると、この認識の根本が、前提が間違っているとまず指摘しておきたいと思います。 志位委員から、いろいろ評価を述べて、「この評価は閣僚になった今でも変わらないと思いますが、念のために確認しておきたいと思います。」という質問に対して、堺屋長官から、「私は、その考え方は変わっておりません。」と明確に答弁されています。また、その後で堺屋長官はこう答弁もされております。「私は、その書物を書きましたときは、何ら閣僚でも議員でもありませんでした。したがって、私個人の意見を自由に書いたわけであります。しかし、今この地位につきましても、それを書いたときの意見が間違っていたとは思っておりません。」こう明確に述べておりますから、経企庁長官の認識として、昨日の段階でも、あの本に書いた認識は維持する、九兆円負担増の政治は失政であったという認識は経企庁長官としてきのうの段階で認識を維持する、そうはっきりと答弁しているんですよ。 ですから、先ほどの、内閣の考え方として示されたものの中に、「あくまでも個人としての考えであると思料される。」というのを前提にすることは、基本前提が間違っていると思うんです。堺屋長官、それでいいですか。また、総理、それでいいですか。
○堺屋国務大臣 私の申し上げたのは、一私人として、閣僚でも議員でもないときに書いたものを今読み返してみて、そのとき書いた私個人の考え方は間違っていなかったと思っております。それはあくまでも私が個人として読んだ場合でございまして、役職で本を読むわけではございません。したがって、過去に私人として書いたものを今私人として、個人として読んで、間違っていないという信念を持っております。
○木島委員 だから、あなたは昨日、今この地位についても、それを書いたときの意見は間違っていたとは思っておりませんと。今、経企庁長官として、ついたその地位できのう答弁されたそのときも、その意見は間違っていたとは思っていないというんですから、単純な、個人の、経企庁長官としてじゃない立場できのう答弁しているわけじゃないんですから、その認識は維持してきのう答弁した、そう聞いていいんでしょう。
○堺屋国務大臣 今この地位についてもということでございまして、この地位においてということではございません。地位についてもでございますから、やはり地位についた個人でございます。ここは、いろいろなときにも公人、私人が問題になりますけれども、この地位についた個人としてそれを変えない、こう申し上げたんでございます。
○木島委員 それなら、きのうの答弁で、経企庁長官として、昨年の九兆円負担増は失政だったと考えるのか、失政でなかったと考えるのか、どっちなんですか。
○堺屋国務大臣 過去の評価でございますから、今この地位について、そのことについてあえて言及することは避けたいと思います。
○木島委員 それはおかしいと思うんですよ。単なる過去の問題じゃないんですよ。去年、九兆円負担増の政治をやった。特に、中心として消費税を五%に引き上げて、それだけで五兆円の国民負担増をかけた。それが今日の不況をつくった根本的な原因であるか原因でないか、それが最大の問題になっているわけなんです。そこをどう認識するかによってこの不況を打開する経済政策がいかにあるべきかが決まってくると言っても過言でないような、基本的な問題についての認識なんですよ。その認識がどうかによって今後の経済政策が決まるほど重大な根本問題。その根本問題についてあなたは、失政だったと個人として思うと。 だから、そういう立場の認識の人が内閣に入ってきたわけでしょう。それで経済企画庁長官についたわけでしょう。だから、その経済企画庁長官としてどういう認識で今後の経済運営をやるのか、そのことが問われたときに、じゃ、昨年のあの九兆円負担増をどう考えるかというのは当然国会で、ここで言うべきだし、きのう言ったのはそういうことで言ったのだと私は理解しましたよ。言うべきですよ、それは。どうですか。
○堺屋国務大臣 昨年のことについて昨年の立場、それを書きましたのはことしの春でございますけれども、そのときの立場で批評いたしました。 これからの小渕内閣の閣僚としての政策は、これから小渕内閣で一緒にやっていきます。それで、いろいろと、過去と変わった新しい減税の政策も追加予算の政策も、小渕総理と一緒に私は賛成してやっております。したがって、過去のことについて今さら申し上げてもいたし方ないことかと思います。
○木島委員 全然そんな話は通用するものじゃないですよ。 それじゃ、私、もっと聞きますよ。 去年の九兆円負担増の政治が……(発言する者あり)
○中山委員長 御静粛に願います。
○木島委員 過去のものかどうかなんという問題じゃない問題を、では質問しますよ。 私、これを全部読みました。志位委員は前書きのところを引用しましたが、私は全部読みました。そして最後の、「終章 日本の再生」というところも書かれているのですよ。こういうことを書いてあるのですよ。 このため、九八年七月に至って、 先月ですよ、 アメリカの督促もあってブリッジ・バンク構想 を打ち出した。破綻した金融機関を金融監督庁 の監視下につなぎ銀行(ブリッジ・バンク)と し、「善意の債務者」は二年以内に他の銀行に 斡旋し、不良債権は預金保険機構等に引き受け させるという構想だ。 北海道拓殖銀行の破綻で、北海道内では健全 な融資先も資金繰りに窮するという事態が生じ たことへの反省から採られた措置である。だが、 これには「善意の債務者」(健全な事業を営む 融資先)と不良債務者を仕分けするという困難 な仕事が残っている。 これは銀行が本来やるべき仕事なのだが、そ れができなかったから今日まで金融整理がもた ついているのだ。 問題は次です。 ブリッジ・バンク構想は問題を改めて期限付き で先送りしたに過ぎない。 これが結論。長官の認識、本を書いたときの認識。今の認識、どうなんですか。
○堺屋国務大臣 三百ページにわたる文章の中の特定のところだけ引き出されますとかなりの誤解があるかと思いますが、今のところを申し上げますと、本来――よく読んでくださいね、本来、銀行がやっていればブリッジバンクにならなかったのです、これは。もっとうまく金融が作動したのです。それが先送りされてきたから今の状態になっているのです。それで、これから解決しなければいかぬということを書いておるのでございまして、だから、多少舌足らずの点はあるかもしれませんが、もう少し全体像を見ていただければよろしいかと思います。
○木島委員 舌足らずなんというものじゃないですよ。はっきりと「九八年七月に至って、アメリカの督促もあってブリッジ・バンク構想を打ち出した。」そして、「これは銀行が本来やるべき仕事なのだが、それができなかったから今日まで金融整理がもたついているのだ。ブリッジ・バンク構想は問題を改めて期限付きで先送りしたに過ぎない。」と書いているじゃないですか。だから、もう否定的な評価ですね。 既に今、現に、小渕内閣から金融再生トータルプランの法案が出ています。ブリッジバンク構想と称されています。これはもう、ですから経済企画庁長官の認識は、問題を改めて期限つきで先送りしたにすぎない、そういう法案を小渕内閣が出しているんだ、自分はその内閣の経企庁長官なんだ、そういう認識だということでいいですか。
○堺屋国務大臣 何度も繰り返して申しますが、それは個人として、その時点の問題でございますから、今の状態で議論されても困ります。 その部分につきまして……(発言する者あり)
○中山委員長 御静粛に願います。
○堺屋国務大臣 その部分につきまして、私が個人としてお呼びいただいて議論するのなら、大いに議論させていただきたいと思います。ただ、個人として書いたものをこういう公式の席上で公人として答えろと言われますと、いろいろと異論が出ますので、改めて、もし必要でございますれば、私の個人の席で、私個人として講演なり評論なりさせていただきますから、よろしくお願いします。
○木島委員 そんな理屈は通用しないんですよ。 それは閣僚じゃない、政治家でないときにお書きになった、民間人としての認識を書くんでしょう。そういう方が閣僚に指名され、閣僚になる。そのときに、認識は持つわけでしょう、そういう認識で閣僚としての政治をやるのか、閣僚になったらその認識を一たん捨てて、白紙にして、内閣総理の基本方針に完全に従って政治をやるのか、それが問われていると思うんですよ。どうなんですか。
○堺屋国務大臣 今のように御質問していただければ、閣僚といたしまして、小渕内閣の経済企画庁長官になった以上は、皆さんと協議をして、小渕内閣の全体責任の一人としてやっていきます。過去の認識はそのときの認識でございまして、内閣に入りましたときには内閣の共同責任でやるのが務めだと思っております。
○木島委員 あなたは過去の認識と言ったけれども、過去の認識じゃないでしょう。 きのう志位委員から質問されて、九兆円負担増政策は失政だったということはきのうの認識だって、きのう答弁したばかりじゃないですか。個人であろうと何であろうと、過去の認識じゃない、きのうの認識だって言ったばかりじゃないですか。ブリッジバンクの方は過去の方だからきょうの認識じゃないなんて、そんなおかしい、通用しないじゃないですか、そんなこと。
○堺屋国務大臣 私人としての認識でございますから、それは私人としてお話しするときがあればいいと思います。 大体、民主主義でございますとね、与野党が一緒になって連合政権をつくることもあるんです。前に違ったお人が一緒になって政権をつくることもあるんですから、前のことを言われると困ります。(発言する者あり)
○中山委員長 御静粛に願います。
○木島委員 ちょっと静粛にさせてください。
○中山委員長 御静粛に願います。
○木島委員 先ほど来も、中川農水大臣が、個人としては一定の認識を持っていると発言して問題になった。そしたらその認識は撤回して、閣僚としては内閣の方針に従うんだ、そう答弁しましたね。 そうすると、堺屋長官の問題に戻りますが、個人としては去年の九兆円は失政だったと思っている、しかし、内閣の一員としては小渕さんの意見に従って九兆円は正しかったという立場で閣議にも参加するし、経企庁長官として部下にもそういう立場で接するし、予算委員会や大蔵委員会等に呼ばれたときには、失政でなかったという立場で答弁するということになりますね。これは二重人格ということにならざるを得ないんですよね。 私は堺屋長官に、そんなことで本当に責任持って政治をやれますか、経企庁長官としての大事な役割を果たせると思いますか。自分の立場、心は違うところにある、しかし、心ならずも内閣の一員になった以上は小渕総理の認識に従うと。そんな立場で、大事な、小渕内閣は経済再生内閣、命運をかけるとまで総理は言っているんだ。その総理の経済政策、経企庁長官として責任持って執行できるでしょうか。私は、まともならできないと思うのです。答えてください。
○堺屋国務大臣 この内閣のことに関しては、責任を持ってやれると信じております。
○木島委員 そんな閣僚を経済閣僚の主要な地位につけて、本当に今貸し渋り等で苦しんでいる中小企業や勤労者の期待にこたえる経済再生はできないと圧倒的多数の国民は考えると思うのですよ。 私は、中身を言ったら堺屋長官の認識の方が正しいと思うのです。去年の九兆円負担増は失政ですよ。これは間違いですよ。これが今の不況をつくり出した根源だと日本共産党の認識と一致しています。だから、この立場に立てば、当然ですが消費税は三%に戻すという当然の帰結が出てくるのですよ。国民の認識もそうなんです。ですから、圧倒的多数の国民の皆さんは、堺屋長官は、去年の政治は間違っていた、そういう認識を捨てずに、そういう認識で閣内に入って、徹底してそれで頑張ってほしいと。共感は、堺屋長官の方の認識に共鳴していると思うのですよ。 しかし、総理が、そうじゃないんだ、そんな考え方じゃだめだということで抑えつけられてしまって、それに屈服して自分の認識を捨てるなんという、そんな情けない立場で経済の重要な閣僚の仕事は務まらぬと思うし、また、総理はそんな人物を据えて政治を進めることはできないと私は思うのです。総理、どうですか。
○小渕内閣総理大臣 私、内閣総理大臣としてこの内閣を組閣させていただきました。それぞれの大臣におかれましても、当然私自身の考え方に理解を示し、同じ行動をとるものと考えておりまして、いやしくもそうした考え方と異なるということでございますれば、それはそのときに判断すべきものと考えています。
○木島委員 私は、この国会への答弁についての閣僚の責任という問題について聞きますが、堺屋長官は、ではどういう立場で答弁されるのですか。私人として答弁するのですか。きのうの問題もそうですよ。大臣として、九兆円負担増は正しくなかったという立場に立たないのですか。
○堺屋国務大臣 何度も申し上げておりますように、きのう聞かれたのは、過去に書いた、私が私人として書いたものを私人としてどう思うかと聞かれたから、そのように考え方は変えていないと申し上げたので、そのことは今も変わっておりません。だけれども、経済企画庁長官として尋ねられれば、それは、過去のものは、今までのものは論評する限りにない、コメントしない、こう答えます。
○木島委員 そんな無責任な立場でやられたんじゃ、これは私、質問したって無意味になってしまうんじゃないですか。責任ある答弁が求められないということになりませんか。(発言する者あり)いや、きのうの答弁は決して、だから言うんですよ、個人的な答弁ではない、経企庁長官の地位についても認識は変えていないと言ったわけだから。 それで、私はそういう認識を変える、私は率直に言って、そんな自分の認識を変えてしまって、まともな政治はもうできるはずないと言わざるを得ない。こういう内閣には国民の期待するまともな政治ができないということがますます明らかになったと指摘をしておきたいと思います。 もう一つ、きょう予算委員会に示された内閣の考え方が内閣の見解でないということじゃ、責任を持ってこれから予算委員会の運営ができないということにならざるを得ないと思うので、内閣としてのやはり基本的な見解というものは出してほしい、予算委員会に。これを踏まえて、きちっとして、それは責任を持って、内閣としてきのうの事態や堺屋長官の私が今指摘した問題なんかについてどう考えるかについて、内閣としての責任ある見解を予算委員会にきちっと出してほしいと要望しておきます。それがなければ、責任を持って今後の予算委員会の審議を進められない。
○中山委員長 先ほどの理事会でも協議をいたしましたが、重ねてまた別の機会に協議をしたいと思います。
○木島委員 それでは、次の問題について質問を進めます。 総理の歴史認識と対アジア外交についてお聞きをいたします。 総理は、その歴史認識を問われた十一日の衆議院本会議におきまして、「内閣総理大臣としてお答えを申し上げれば、政府の考え方はこの一九九五年の内閣総理大臣談話のとおりであり、その基礎の上に立って、関係諸国との信頼関係を一層強化していく」、こう答弁されました。 前段はしょりましたが、問われた問題の中心は何かというと、新しい内閣を組織するとき、いつも過去の歴史の認識をめぐる閣僚の発言が問題になりました。今回もそうだったわけです。 それは、日本が中国、アジアに対して行った戦争を侵略戦争と認めない、その事実を歴史から消し去ることを主張する、そういう有力な潮流が自民党内に組織的にさまざまな形をとって存在しているからだ。これを放置していたのでは、政権党として、日中関係を初めアジアとの本当の友好関係を築くことはできないのではないか、こう、ここを質問され、答弁を求められたわけであります。そして、侵略戦争と植民地支配の問題で党内にあるこうした歴史認識の混迷を正して、党としての統一を図る必要があるのではないかということ。総理に、自民党総裁として、この問題に決意を持って取り組む用意があるかどうか、こういう質問をされたのです。 しかし、さきの衆議院本会議では、総理はこの指摘に対して正面から答えていないわけです。大変大事な問題であります。改めてこの指摘に対しての総理の決意、認識をお聞きしたい。
○小渕内閣総理大臣 本会議の答弁と同様になるかと思いますが、政府の考え方といたしましては、平成七年八月の内閣総理大臣談話を基本といたしまして、我が国が、過去の一時期に、植民地支配と侵略により、多くの国に、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、これらに対する深い反省とおわびの気持ちに立って、世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくことということに尽きると思います。 今、自民党の中のいろいろの御議論あるいは御意見のあることの御紹介もありましたが、私は総裁として思いますに、自由民主党、長きにわたって党内におりましたが、それぞれの方々が自由濶達に御意見を出されて、そうした方々を何ら党の総裁が命令をもってそれを押しとどめるというようなことのなかった、極めて開かれた政党でありますので、私といたしましては、それぞれの意見のあることはそのままに、いろいろ濶達に出していただきたいと思っております。
○木島委員 ですから、そういう立場でこれまで政治を運営してきたから、総理としては九五年の内閣総理大臣の談話という立場で政治をやるけれども、それと違った立場に立った発言が平気でどんどん出されてくる。内閣がかわるたびにそういう問題が出てきて、中国や韓国や東南アジアの諸国からいろいろ問題にされる。そして、辞任をしたり、罷免させられたり、今回のように発言を撤回したりと、そういう混迷が起きている。これでは本当の対中、対アジア平和友好外交はできないのではないか、そこを指摘されたわけです。今のままでいいんだ、今のままでも対中国平和友好外交はできるんだと。 過去の侵略戦争を反省するという立場ですよね、九五年の村山内閣の談話。まだまだ不十分な点はあります。侵略戦争ということを認めない、侵略と植民地支配という言葉で。日本共産党から見たらまことに不十分でありますが、それでも、反省する、おわびするということ、それが立場ですよ。しかし、そういう立場に立たない発言が平気で出される、アジアから批判される、撤回する。本当の意味でのアジアの諸国との友好平和の外交、日本政府、これではできないのじゃないかということを指摘されているのです。 どうですか、この指摘に真っ正面からこたえるのなら、やはり戦後政治の原点、さきの侵略戦争に深い反省をして、平和国家として徹して外交を進めるという立場に内閣が一致して立つというときに初めて平和外交が、対アジア外交ができるのじゃないかと思うのですが、総理、どうでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 御答弁申し上げておると思いますが、少なくとも本内閣におきまして、この村山談話ということを受けとめまして、おのおのの閣僚はその気持ちを持って閣僚としての責務を果たしていただけるものと確信をいたしております。
○木島委員 それでは円滑、友好な、国民に責任を持った外交はなかなか進展しないということを私は指摘をしておきたいと思うのです。 今月八日に日中外相会談が行われました。その冒頭に、中国のトウカセン外相から、両国関係は良好だという認識が示されながらも、無視できない問題があると指摘がありまして、それは歴史と台湾の問題だ、こう指摘されたのじゃないのでしょうか。歴史の問題というのは、中川農水大臣の従軍慰安婦の強制性を否定した発言に象徴される、自民党政府の侵略戦争への無反省の問題ではなかったのか。 高村外務大臣にお聞きしますが、こういう指摘がトウカセン外相からなされたのではないか。この歴史の問題の指摘に対して、両国外相会談では外務大臣からどんな応答をされたのか、御報告いただきたい。
○高村国務大臣 トウカセン外相からは、日中間には歴史という重要な問題がありますねという指摘がありました。今委員がおっしゃったように、具体的に、中川発言がどうだとか、そんなような問題は一切指摘はなかったというのが事実であります。 私の方からは、日中共同声明、そして村山談話、そういったものに基づいて日中関係を発展させていきたい、そういうことを申し述べたところでございます。
○木島委員 歴史の問題について、具体的な従軍慰安婦という言葉を使ったかどうかわかりません。今、そういう言葉は使われていないし、個別的なテーマになったわけではないという御答弁でしたが、歴史の問題があるんだということは指摘されたわけでしょう。それは、じゃ、歴史の問題というのは、どういう意味でトウカセン外相は使われたんですか。
○高村国務大臣 国交正常化以来、このことは両国でいろいろ話し合ってきて、そして、私は、共同声明、そして平和友好条約、そして村山談話、そういったものの上に立ってこれから発展させていきたい、そういうことで、そのことについて、それだけじゃ足りないとか、そういうことは一切なかった、こういうことでございます。
○木島委員 今日、日中両国の外相会談が行われた、そうしたら歴史の問題が指摘された。なぜ指摘されなければならないのかというのを深く読み取っていくということが、友好な外交関係を進める上で不可欠じゃないですか。九五年の村山内閣総理の談話のとおりやっています、日中両国の共同宣言、日中友好平和条約という精神でやっています、それだけなら指摘されないわけですよ。 やはり、内閣がかわるたびに、そういう立場、村山内閣総理の談話の立場、あるいは、日中共同声明あるいは日中友好平和条約の立場から外れた立場が閣僚から発言される、マスコミでも取り上げられる、そういうことがずっとたび重なって起きてくる。今回もそうだった。だから、改めて歴史の問題が指摘されるわけでしょう。 ですから、そういう相手の気持ち、これをしっかり受けとめて、そういう問題があっちゃいかぬという立場にしっかり立って初めて、相手国は日本国政府の外交を信用する、信頼するということじゃないんでしょうか。そこが無関心で、相手が何を言おうと、おれたちはこういう立場でやっているんだなんていう立場では、円滑な外交は進まない、日本は理解されない、日本は信頼されない、そのままの政治が続いていく、そんな立場で二十一世紀の日本の対アジア平和外交はできないと私は思うんですよ。 外務大臣がそんな立場では、本当に平和外交をアジアの諸国とやっていけないじゃないですか。どうですか、もう一回答弁してください。
○高村国務大臣 外相会談は極めて友好的に行われましたし、私は、これからうまくやっていける、こういうふうに思っております。
○木島委員 マスコミは、歴史問題が指摘されたが、その問題については高村外相から答えはなかったと報じているんです。そう報じられること自体が、日本の、アジアの皆さんから信頼される外交姿勢としてはマイナスだったと私は指摘せざるを得ないわけであります。 次に進みますが、ですから、先ほど、中川農水大臣が質問され、従軍慰安婦の強制性についてはあるかないかはっきりしないという発言をした、それをすぐ、閣僚の一員としては撤回したということでありますが、撤回したということで一件落着というわけにはいかないということを、この日中両国の外相会談の経過が示していると私は指摘せざるを得ないわけであります。 中川農水大臣に改めて確認のために質問をしますが、閣僚の一員としては政府の立場に立つと答弁されましたが、そこで言う政府の立場というのはどういうものなんですか、答弁してください。
○中川国務大臣 まず、先ほど先生から、私が従軍慰安婦あるいは強制連行がなかったという発言を撤回したということでありますが、なかったとは一言も申し上げておりません。その前の御質問のときに、そういう、なかったという発言があったと、そういうことは一言も申し上げておりません。 私の立場は、平成五年の八月四日のいわゆる従軍慰安婦問題についての河野官房長官談話と立場を同じくし、また、歴史認識につきましては、平成七年八月十五日の村山総理談話と認識を同じくする立場でございます。
○木島委員 これは、改めて平成五年、九三年八月四日の慰安婦関係調査結果発表に関する内閣官房長官談話、そういう立場に中川長官が立つと明言されました。 この談話は、従軍慰安婦の、設置、管理、移送、募集等について、「軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、」官憲等が直接これに加担したことが明らかになった。「また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」と、日本政府として認定をしたわけであります。「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」ここまで、内閣の意思として明らかにしたわけですね。 閣僚の一員としてはこの立場に立ちますと今答弁をされました。しかし、あなたが閣僚になったときにマスコミのインタビューを受けて発言をされたこと、それはこの立場ではなかったということはもう明々白々だと思うのです。中川発言というのは、この内閣の基本的な立場に対する挑戦だったと言わざるを得ないと思います。 それは、先ほど質問もありましたが、あなたが、今はやめられたそうでありますが、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の代表を務められた。この会の目的が、従軍慰安婦、強制連行などについての教科書の記述の見直し、これが基本目的だった。そういう基本目的が、この政府の官房長官談話、基本方針に反する方向での目的を持った勉強会。ですから、中川大臣のその発言は、ある大きな新聞社が社説で「本音を語ったとみるべきだろう。」と書いたわけです。私はそうだと思うのですよ。 それで、総理に聞きますが、中川氏がそういう立場で活動していた政治家だった、また、そういう歴史認識を個人としては持って活動してきた政治家だ、そういうことを承知の上で、今度の組閣に当たって農水大臣に任命したのでしょうか。
○小渕内閣総理大臣 任命の理由には全くございません。 任命は、あくまでも中川衆議院議員が、農林水産行政につきましても、かねて党内におきましても極めて勉強されてこられまして、そうしたかかわり合いで党内におけるそれぞれの役職につかれて、その問題につきましてのエキスパートであると考えまして、その力を大いにこれから内閣の中で発揮していただきたいということで任命した次第でございます。
○木島委員 そうだとすれば、余りにも不用意な任命だったのではないか。 農水大臣がこれからやらなければならない最大案件の一つに、日韓漁業交渉の解決があるのですね。その責任者になるのです、農水大臣は。ただでさえ、この日韓の漁業交渉をしっかり平和的に解決する、難しい仕事、大変な仕事。こういうことをやるときに、中川農水大臣が日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の代表として、昨年十二月ですか、本も出版される、それはもう世の中だれでも知っているわけですね。こういう人を農水大臣に選任するというのは、この日韓漁業交渉の問題の解決に新しいハードルをつくった、そういう政治的結果をもたらしている、もたらすおそれがある、余りにも不用意な起用ではないのかと思うのです。 九月には江沢民中国国家主席の訪日が予定されております。総理は、所信表明でこう決意を述べられました。日本と中国は、単なる二国間関係にとどまらず、国際社会にも目を向けた対話と交流の一層の発展を図らなければならない。また、この秋には韓国の金大中大統領が訪日をいたします。総理はやはり所信表明で、二十一世紀に向けて新たな日韓パートナーシップの構築を目指すとともに、漁業協定に向けて努力を続ける、こう表明されているわけであります。中国からは、その代表から歴史の問題について指摘がある。どうして対話と交流の一層の発展がこういうことで図られるでしょうか。 改めて、総理の対アジア、対中国、対韓国、平和外交をきっちりやるという認識と決意を聞きたいと思います。 〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕
○小渕内閣総理大臣 所信表明の演説に尽きるわけでございまして、それに対するそれぞれの各党からのお尋ねもございました。 私といたしましては、特に今秋は、今お話しのように、江沢民国家主席あるいは新たに大統領に就任された金大中大統領も我が国を訪れるということでございますので、こうした機会に、両国を初めとして、より一層のパートナーシップを強化して、双方の国家の発展のために尽くすように努力をいたしていきたいと思っております。
○木島委員 日本への留学経験を持って、シンガポールきっての知日派として活躍しているコラムニストにウォン・ピンファさんという方がおられます。この方がインタビューにこう答えております。 東アジアから見ると、私たちは日本の本当の歴史認識はどちらかと戸惑うのだということを言って、いろいろ中川大臣の問題等が報道された後であります。「これでは、日本はアジアから信用されません。」「無反省は日本のイメージを絶対的に悪くしています。」従軍慰安婦の問題、中川氏の発言問題ですか、こういう問題は「たんに日中関係だけの問題ではありません。日本とアジアとの関係がスムーズに進展するかどうかを分ける基準になると思います。アジア全体と良好な協力関係を築けるかどうかの大きな要因となります。」 こう答えられているわけでありまして、やはりさきの侵略戦争に対して根本的な深い反省をする、それに逆流するいろいろな潮流はしっかり抑えるという立場に徹する。戦後五十三年たっても、まだ中国や韓国や東南アジア等々から見ますと反省していないのではないかと思わざるを得ないというふうに見られているわけですよ、こういう問題が起きるということは。そこをしっかり胸に刻むことが求められている。 いろいろ今総理から態度を述べられましたが、こういう小渕総理の立場では、私は、二十一世紀に向けて友好平和のアジア外交を推進していくことはできないということを指摘して、次の問題に進みたいと思います。 日米安保条約、新ガイドライン、周辺事態法案、それと台湾問題であります。 ことしの八月十二日、日中平和友好条約が締結されてちょうど二十年目、記念すべき日でありました。この平和条約は、一九七二年九月二十九日の日中共同声明が両国間の平和友好関係の基礎となるものであること、及び日中共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認して結ばれた条約であります。 それで、その基本原則たる七二年の共同声明は、日本国政府は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認し、台湾について、中華人民共和国政府は台湾が中華人民共和国政府の領土の不可分の一部であることを重ねて表明し、日本国政府はこの中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持することを合意した、こうあります。 改めて確認をいたします。 総理は、日中平和友好条約締結二十年に当たって、この合意を基礎として日中関係を築いていく、そういう決意であるということに相違はありませんね。確認だけさせていただきます。
○小渕内閣総理大臣 相違ございません。
○木島委員 十一日の衆議院の本会議、また十二日の参議院本会議で、我が党の不破委員長、立木参議院議員から、日中平和友好条約、日中共同声明、総理が今これを基本として外交を進めると答弁されたこの立場と、日米安保条約、新ガイドライン、周辺事態法案で台湾とその周辺をその対象範囲としている、そういう立場とは絶対に両立しないということ、そして、日中関係の安定した発展を可能にするためにも日米安保条約や新ガイドラインの発動範囲から台湾を外すということを求めました。 しかし、衆参両院の本会議での総理の答弁は、相変わらず、周辺事態は地理的な概念ではないという答弁で、私に言わせれば逃げております。こんなごまかしが国際社会の中で通用するものではないと私は思います。 よく聞いてください。周辺事態は確かに地理的概念ではありませんが、周辺、これは明らかに地理的概念であります。 安保条約の政府の解釈はもう明らかで、何度も政府は、委員会で確認していますが、極東の範囲として、大体においてフィリピン以北並びにその周辺地域であって、韓国及び中華民国、当時は中華民国、今は台湾、この支配下にある地域もこれに含まれる、安保条約の対象地域には台湾も含まれる、極東条項に含まれるというものでありました。 新ガイドラインはこの安保条約の立場を踏まえたものだと文章にも書かれておりますが、政府の態度であります。今、国会に提出されている周辺事態法は、この安保条約と新ガイドラインを基本にして法案がつくられているわけであります。 やはり、もう基本的に台湾は安保の極東の対象から外すんだ。新ガイドラインや周辺事態法案から台湾はもう外すんだ。日中共同声明、日中平和友好条約、それで中国を唯一の合法政権として認めた。内部問題だと、これは。こういう基本的立場。これは、安保条約が取り結ばれたときよりも十年も十二年も後のこと、変わっているわけです、基本情勢が変わったわけです。ですから、この変わった国際情勢を前提にしなければ、やはりこの矛盾、解決することができない。 それで、私は総理に答弁を求めるのですが、いつまでも地理的概念ではないというごまかしで逃げ続けるんじゃなくて、きっぱりとここで、台湾は中国の領土の不可分の一部であるという日中共同宣言、条約の立場に立って、安保条約や新ガイドラインの対象から外すべきだ、それを明言すべきであると私は思うのです。それが本当の意味で日中平和友好関係を築き上げる日本政府の立場だと確信をするのです。答弁を願いたいと思います。
○高村国務大臣 共同宣言にしても、平和友好条約にしても、それを締結される際に何ら安保条約について言及されることなく締結されたわけでありまして、そういう中で安保条約の解釈が変わるということはあり得ない、こういうことだと思います。
○木島委員 安保の解釈だけじゃないのですね。新ガイドラインの立場、それをもとにしてつくられようとしている周辺事態法。今まさにつくろうとしているんでしょう、あなた方は。日中共同声明、日中平和友好条約の立場を基本とする、小渕内閣の基本姿勢でしょう。 改めて、それじゃ、私、日中共同声明の大事な中心的な部分、第二項、第三項、読んでみますよ。第二項「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。」第三項「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」 中国と台湾の関係は、すべてもう内部、内政問題になったわけでしょう、これ。それを日本国政府としては、一九七二年九月二十九日の共同声明で認めたわけでしょう。内部問題なんだ。ここでいろんな問題が起きたときに、アメリカが仮に軍事的行動をする、それに周辺事態法で日本が後方支援をする。そんなことを万が一にもやったら、これは内政干渉になるわけですよ。単なる経済的、政治的な内政干渉じゃない、軍事的な内政干渉になるんですよ、それは。ならざるを得ないんですよ。常識ですよ、国際法上。それがあるから中国政府は、台湾はガイドライン、周辺事態法から外すべきだと。それを明言しない日本政府に不信を突きつけているんでしょう。それを弁護士出身である高村外務大臣が理解できないはずはない。 小渕総理、そういう不信が今突きつけられているんだということ、そのとげを抜かなければ本当の日中両国の平和友好関係はできないんじゃないかと私は指摘しているんですよ。総理の答弁を求めたいんですよ。そこはもう入らないんだということ、それが日中共同宣言、平和友好条約、この基本的立場なんだとどうして答弁できないんですか。総理、総理。基本。
○小渕内閣総理大臣 外務大臣時代からもうしばしば御答弁申し上げておりますが、台湾に関する我が国の基本的立場は日中共同声明において表明されておるとおりでございます。 我が国といたしましては、中国政府が台湾をめぐる問題は中国人同士の問題として平和的解決を目指していることを承知いたしております。このような基本的立場を堅持した上で、我が国としては、台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いにより平和的に解決することを強く希望いたしておるところでございます。
○木島委員 まあ、今まで何度もその答弁を聞きました。希望するのはいいですよ。私も希望しますよ、そんな事態にならぬように。平和的に台湾と中国との関係がうまく進む、それはだれだって希望しますよ。 しかし、新ガイドラインとか周辺事態法の立場というのはそうじゃないのでしょう。万が一何が起きるかわからない。日本周辺地域でもしものことがあって、日本の平和と安全に重大な影響があると懸念されれば発動されるのでしょう。アメリカが軍事行動をする、そうしたら後方支援する、そういうのが今まさに国会にかけられている法案の中心的な部分でしょう。 希望は私もします。しかし、実態、そういう立場で法案が組み立てられている。だから中国が懸念を表明する。台湾はこの対象地域にはもう入らないのだと何で、それを表明しなかったら中国の懸念にこたえることはできないじゃないですか。どうですか。いや、総理。総理ですよ。希望するだけじゃ、もう事態は解決できないのです。そこまで来ているということ。総理です。
○高村国務大臣 先ほど委員も指摘されたように、政府が何度も説明していますように、周辺事態というのは地理的概念ではないわけであります。地理的概念でないことについて、入るのだとか入らないのだとか、そういうことを言うこと自体ができないし、また適当でもない、こういうふうに思っております。
○木島委員 総理、今の認識と同じですか。入らないと明言することが適当でない、そういう立場ですか。総理に。
○高村国務大臣 私が申し上げているのは、台湾が入るとか入らないということじゃなくて、あらゆるところについて入るとか入らないとか言うこと自体が、周辺事態というのが地理的概念でないということにかんがみて適当でない、こういうことを申し上げているわけです。
○木島委員 そんな一般論じゃないのです。具体的に台湾ですよ。それは、日中共同宣言しているからですよ。平和条約を結んでいるからですよ。それを守り抜くと小渕総理が宣言しているから聞いているのですよ。それをあいまいにすることは許されないというのが小渕内閣の基本的な日中関係じゃないのですか。いや、もう繰り返しになるからいいですよ。 さきのシンガポールのコラムニストのウォン・ピンファさんがこう言っていることを指摘して私はこの問題を締めくくりますが、こう言っています。 「たしかに、日本政府は「一つの中国」の立場を堅持しようとしているとは思いません。」思えないと言うのですよ。日米軍事協力の指針、新ガイドラインですが、これは台湾を防衛するようなものですと。米中首脳会談を行う時代になっています、日本はこの新ガイドラインでアジアから孤立していますと。そういう、今、高村外相が答弁したような立場、あるいは総理の立場、こういう立場では日本はアジアから孤立すると言っておる。 こういう、東南アジアの知日派ですよ、非常に活躍している人が言っているということ。やはりこの立場を払拭しなければ、もう口先だけで対アジア平和外交なんて言ってみたって、信頼されない。 結局、きょういろいろ聞きましたが、小渕政権ではアジア外交を平和的に進めていくことはできないということが明らかになったと指摘せざるを得ないということを述べて、次の問題について質問をいたします。 金融問題、中小企業に対する貸し渋り、融資打ち切りの問題であります。 大変深刻な不況が続く中で、企業倒産がかつてない勢いでふえ続けております。その中でも、金融機関に対する貸し渋りによる倒産がふえているわけであります。 これは帝国データバンクの全国企業倒産集計を最新のところを私持ってきているのですが、貸し渋り倒産、物すごくふえています。九七年一年間で全部で二百二十六件だったのですが、九八年になりますと、一月四十二件、二月六十件、三月七十九件、四月七十件、五月七十一件、六月八十件、七月六十七件。七カ月だけで去年一年の倍以上、四百六十九件、そういう事態であります。 私、大変痛ましいと思うのは、警察庁でしょうか、男女別、年齢層別自殺者数、これをとっておるわけですが、経済生活問題を理由とする自殺者の数が非常にふえてきている。平成五年二千四百八十四名、四年二千六十二名、六年二千四百十八名、七年二千七百九十三名、八年三千二十五名、こういう数字になってあらわれてきているわけであります。 私は、金融機関破綻処理をめぐる問題の中で大きな問題の一つは、銀行の貸し渋りをやめさせて、まじめな借り手、中小企業をどう守るかだと思うのです。総理は所信表明演説で、善意かつ健全な借り手に対しては十分に配慮する、悪質な借り手についてはその責任が厳しく追及されることは当然、こう述べております。問題は、その振り分けの具体的な保証がどうとられるかだと思うのです。 私は、今出されている法案をいろいろ読みましたが、例えば法案の九条の二、一項七号にはこういう文章があるのです。預金保険機構は、円滑な業務承継等を図る観点及び承継銀行等の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から、承継銀行が保有する資産として適当かどうかの判定をする、こう定めています。 これを受けて法案二十四条の二では、金融危機管理審査委員会がつくる判定基準として、債務の履行状況、借金の返済状況ということですね、及び財務内容の健全性、これに関する基準を含むのだ、こう規定しているだけであります。 そこで、簡単で結構ですが、債務者の履行状況、財務内容の健全性、結論だけ、具体的に何を指すのか答弁願いたいと思います。大蔵省。 〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○伏屋政府委員 お答え申し上げます。 今先生が御指摘になられましたように、法律の二十四条の二で、審査判定基準を定める、それでその審査判定基準は、判定の対象となっている債権に係る債務者の債務の履行状況及びその債務者の財務内容の健全性に関する基準を含むものでなければならないとされているわけでございます。 具体的に債務の履行状況ということになりますと、これはいずれこの金融危機管理審査委員会において検討の上、あらかじめ定められて、公表しなければならないわけでございますが、債務の履行状況は、例えば元利払いの状況とか、また債務者の財務内容の健全性という意味では、損益とか資産、負債等の財務内容、これらを含むように検討されていくものと思います。
○木島委員 結局は、健全かつ善意か、悪質かというのは、財務内容で区別されて振り分けられていくということになるおそれ、危険が非常に強い。そうすると、中小企業がどうなるかという問題です。 現在我が国の中小企業は、企業数で九九%、従業員数で七割を超えて、日本経済を支える大変重要な役割を担っています。御案内のとおりであります。しかし、今、日本の中小企業は、大企業の海外移転や海外からの部品調達等によって製造業が空洞化する、大型店の相次ぐ出店等によって商店街の破壊が進む、本当に存亡の危機にあります。 資本金一億円未満の法人のうち、欠損法人、赤字法人、どのくらいあるか、私、調べてみました。大変な状況になっております。九一年度、中小企業資本金一億円未満、二百十八万六千七百法人ですが、欠損法人は百九万二千八百四十九、欠損率五〇%だったんですが、九二年の欠損率五三%、九三年五九・三%、九四年六三%、九五年六四・七%、九六年六五%。今やもう六〇%をはるかに超える、三社に二社が欠損法人。ずっと続いている。ちなみに、資本金一億円以上の大企業は大体、最新の統計でも欠損率四五・六%です。 そうすると、赤字が構造的か一時的か、もし、財務内容や借金が返済できているかどうか、そういう観点でふるい分けがされますと、もうこの三分の二の中小赤字法人は、総理の言葉で言う善意かつ健全という概念に当てはまらずに、道徳的には悪質じゃないんでしょうが、返せないということで悪質な方向にふるい分けられる。そうすると、結局、これはブリッジバンクその他で完全に捨てられる方向に、継承されない借り手になっていくという危険を私は感じておるわけです。 宮澤大蔵大臣、そういう不安、感じておりませんか。そして、これをそうさせないためにどういう仕組みをつくろうとしているのか、大蔵大臣の答弁を求めたいと思います。
○宮澤国務大臣 実は、その点は私も憂いを同じくしていまして、こういう仕組みをやりますと、概して辛くすればいいと、殊に金融管理人のもとでございますから、そうなりやすいんだと思います。 それで、しかし、基準としては、今政府委員が申し上げました二つの基準、これはどうも外すことができませんから、しかし、欠損だからといって悪い企業ばかりとは言えないということは、私、あると思いますから、実際問題としては、既に経営者が退陣した金融管理人のもとにある銀行には審査の人や何かがみんな、従来の人が残っているわけでございますから、それで、長いおつき合いでいい企業、悪い企業というのはこの審査の人たちが具体的には知っておると思うんです。ですから、その今の基準の中で、やはり長い間の経験に基づいて、いい企業、まじめな企業あるいはベンチャービジネス、そういうものは生かしていくようにするのが私はこの法律の本当の趣旨だろうというふうに思います。
○木島委員 私は法律の問題にはこれ以上立ち入りませんが、法律でない現実にどういう運用がされているか、それも問題だというので指摘しますが、昨年三月五日に大蔵省の大臣官房金融検査部長の名前で金融証券検査官あてに「早期是正措置制度導入後の金融検査における資産査定について」と題する通達が出されているわけであります。この問題がやはり我が党の立木議員から参議院本会議で指摘されまして、それに対して総理の八月十二日の本会議答弁によりますと、この通達は金融機関の健全性を確保する観点から適切な資産分類を行うための基準を示したものだとされました。 通達によりますと、貸出金の分類基準として債務者をまず五つに分ける。正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先、この五つに区分しております。 問題は要注意先なんです。「要注意先とは、金利減免・棚上げを行っているなど貸出条件に問題のある債務者、元本返済若しくは利息支払いが事実上延滞しているなど履行状況に問題がある債務者のほか、業況が低調ないしは不安定な債務者又は財務内容に問題がある債務者など今後の管理に注意を要する先をいう。」とあるんですね。 だから、財務内容が非常に厳しいのは、この通達で要注意先に分けられて、そして、もう時間ですから終わりますが、要注意先になると基本的に分類債権になって、第二分類にされる、そういう実務になっているということなんですね。 そうすると、先ほど私、中小企業の問題、赤字・欠損法人の問題を言いました。今のこの通達によると、三分の二、ほとんど圧倒的多数の中小企業が査定の中では要注意先、懸念先になって、第二分類にされる。そうすると、第二分類の仕分けが先ほど言った財務内容だけでやられていきますと、基本的には整理回収銀行行きの債務に、借り手にされる。やはりこれが今貸し渋りを促進しておる、中小企業の倒産、貸し渋り倒産を急増させている根本にある。総理、今首を縦に振っておりますが。 だから、本当の意味で善意な中小企業を守ろうと思ったら、この通達のやり方を変えなきゃ中小企業は救われないと思うんです。これを撤回してもらいたい。そして、多数の、まじめに頑張っているけれども、政治が悪い、大企業の横暴で苦しんでいる中小企業を貸し渋りから救ってもらいたい。大蔵大臣の答弁を最後に求めて、質問を終わります。
○宮澤国務大臣 それでは、ブリッジバンクだけについて、私の仕事でございますので申し上げますが、やはりせっかくこれをつくるんですから、なるべくいい中小企業の人たちは助けてあげたい、私はそういうふうに思っていますし、また、基準はきちっとしなきゃなりませんが、現実の判断はやはりそういう気持ちでやってほしいなと思います。
○木島委員 大変最初の質問で時間がかかりまして、ほかの多くの方々、お呼びしていたんですが、質問する機会がとれませんでしたことをおわび申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○中山委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。 次に、北沢清功君。
○北沢委員 社民党の北沢清功でございます。 私どもしんがりになりますと、いろいろ用意した質問もダブる面もございますが、時間が非常に短いものですから、簡潔にひとつ御答弁をいただきたいと思います。 今回の予算委員会の主体たるものは、いわゆる不良資産をどうするかということにあるわけですが、既に伊藤幹事長から御質問がございまして、私はこのことには触れません。 ただ一つ、私は、さきの内閣も含めて、実は閣外協力でありますが、与党という立場でおりました。したがって、私は、一昨日の菅党首の質問にあるように、政策というものは、いわゆる閣議決定も含めて次官が全員一致で決めなければならないというものではなくて、むしろ、私も与党政策調整委員等をしていましたし、税金関係についても税務委員をしておりました。したがって、政策協定に基づいて、やはり我々は、法案なり法案の中身は相当規制をされているというふうに思うわけでありまして、今自民党の単独政権でございますが、与党の論議、御意見というものも恐らく今後この内閣に反映されるものであるし、また、今後連立内閣が出るとするならば、やはりそういう政治の仕組みになるということだけは申し上げておかないといけないと思います。 そういう意味で、実はきのうの冬柴平和・改革の代表質問にありましたように、一つ重要なことが私はあると思うわけです。日本の財革法の施行の中心になるものは、いわゆる財政赤字が当時、去年の段階では五百二十三兆円である、これは地方、国合わせてですね。そのことが、今では既に五百四十何兆円になっておるのだ。またこのままの減税なり景気浮揚というものを見るときに、瞬く間に六百兆になるのではないか、私はそういうふうに実は感じておりました。 しかし、そのことの中で、いわゆる日本の持っている一千二百兆円という国民の資産、そのほかにいわゆる政府の保険等の積立基金であるとか、在外資産、外貨準備高等を含めて、まあそれに匹敵するくらいに近いのはあるのだろう、金利もその差額は三兆円にすぎぬじゃないかというお話がございました。このことは私にとっては非常に頭にひっかかる話でありまして、まさに大蔵官僚のことが非常に強調されて橋本首相のあのような財革論議になったのではないかというふうに思いますが、そのことがやはり今、今日の不況として、認識として問われておるわけですが、そのことについては基本的な問題としてどういう認識を持っておられるか、大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 国並びに地方の財政が健全な形であるということは、非常に長い意味での順調な成長のためには私は必須の条件だというふうに考えておりますので、それを強調すること自身は大切なことであると思っております。 しかしながら、国の経済、国にしても地方にしても経済には消長がございますので、ほっておいても勢いがよくて租税の弾性値が一をはるかに超えて、そして収入があって税収がふえるという時期と、そうでない時期とがございます。 したがいまして、今はそうでない、長い、いわば沈滞期に入っておりますので、この経済を振興いたさなければ成長率そのものが上がりません。また、したがって税収もそれに従って下がる、上がらないというような状況だと今の時点を判断しておりますので、多少赤字財政になりましても景気振興がまず優先であろうというふうに考えております。 しかしながら、必ずや我々はこの沈滞を脱却いたしまして正常な経済に返ることができますので、そのときもう一度、地方地方、地方も中央も財政というものをきちんとしなければならない、そういう考えでおります。 よく、このまま赤字を出していくとその負担はみんな子孫に行くんだというお話があって、それには違いございませんけれども、我が国だけの国力がございますと、子孫としては、逆に見ればそういう金融資産を親からもらうという面すらございますので、何でもかんでもいかぬということではない。やはりその時々で政策のいろいろ調整をすべきであろう。 ただ、一つだけ申し上げますと、現在一般会計の国債費が二〇%を超えておりますので、私のような立場になりますと、もしこれ全部が政策費に使えたら本当にいいだろうなということはつくづく思いますので、財政当局の人はそういう思いが強いのであろうと思います。
○北沢委員 大臣の御答弁でありまして、そういう面で、いささか日本の国力という面では安心してはいますが、当面は、こんな大変な不況ですから、不況からどういうふうに浮揚させるかということを最重点に考えて、およそその二つの道は、減税であり、一つには予算の、公共事業等の従来型ではない形での付与も含めて景気の浮揚を図るということであります。 このことは、平成三年から四年間の当時の特別減税を含めて、公共事業の増額も含めて、約七十兆ございます。それだけれども、成長率は〇・一三でございまして、たまたま平成八年に若干成長率が上がったわけでありますから、不況は――ここへ来て六兆円、よく九兆円という御非難がございます。これは、私は、九兆円の中身というのは、政治家たるものは言葉に正確でなければいけないわけですね。 ですから、消費税と特別減税と健康保険のいわゆる負担の増であります。 健康保険は去年の九月からですから、ことしの九月で、そういう負担でございますから。特別減税は、橋本首相が変えられて二兆円減税をしたし、それから、続いて年度にまたがって二兆五千億円の特別減税をしました。 そういう中で、冬柴委員の御提言では、一番不況の中で庶民として打撃を受けているのは消費税ではないか。また、野党の自由党、共産党も三%にすべきである。また、冬柴さんの党、平和・改革においては、商品券での減税を一律にすべきだ。 ですから、私ども社民党は、村山内閣のときに、私は総括質問もやりましたけれども、生鮮食料品については、生活にかかわる点については考えるべきだということを主張し、その後一貫してそのことは与党税調の中でも主張してきましたし、二兆円減税も、特別減税も主張してまいりました。今回の選挙では、いわゆる戻し税をすべきだ、これは消費税の持っている性格は逆進性が強いということですね。 ですから、今野党と言われる中で、民主党を除いては、おおよそこの消費税についての認識というのは、いろいろ方式はありますけれども相似ている面が多い、似てないと言われるかもしれぬが。 そういう面で、私は、民主党さんが今日の最も不況の原因であるという消費税について一歩乗り切っていただければ、今の政治情勢の中では、冬柴委員に答弁のあったような意味での、形は変わってもある程度実現できる可能性は、自民党さんにも御理解いただけるんじゃないかというふうに思っております。 しかし、消費税は――本来所得税や事業税を含めて、今出されている主目的は減税であります。ですから、このことは、二十一世紀に向けて、先ほど申し上げるような六百兆近い赤字、そして減税という大合唱、そういう中では、今後、いわゆるキャピタル課税も含めて非常に制限をしていくわけですね。それで、所得税も低減をされる、それから事業税も低減をするということになると、札を刷る意味では、やはり最後は消費税に行き着くのではないか。消費税というのは非常に取りやすいということですね。ですから、そういう面で私は、なるべく早く景気をあらゆる手だてを講じて回復をすべきであるが、中長期的に見ると、やはりこの消費税というものはいつの時代にいっても景気に非常に悪い影響を及ぼす税金であるということが言えると思います。 これからは、私は、日本の経済成長というものは今までのような形は望めないんですね。望みたいんだけれども、なかなか大変なことだと思います。ですから、そういう意味で、一つの危惧を実は持っております。そこら辺について、今、減税の話だけで、中長期的にはどうするかという視点がやはり明らかにされてこないと、本当の意味で我々は将来の日本のあり方というものを考えるわけにいかない、そういうふうに思いますので、その点についてはどのようにお考えになるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 ただいま不況が長く続いておりますし、したがって毎年の賃上げ率も大変に低い。失業者は幸いにしてまだまだでございますが、しかし決して楽観を許さない。そういう国民生活でございますから、今のことを申しますと大変に生活は楽でない。とは申しましても、我が国全体で申せば、戦後、かなり国民の生活水準は上がりましたし、いわゆる大量生産、大量消費、大衆消費の時代に入っておりましたことは、今でもよその国に比べまして言えることではないかと思っております。 そういう国になりました際に、将来の税制を展望いたしますと、かねて御議論のある直間比率といったようなことをやはり考えなければならない時期が来るであろう。それは、これだけの貧富の差の小さい社会になりましたからこそ考え得ることでございますが、そういうことになりますと、やはり今御指摘の問題をどうしても考えざるを得ない。それは今の時期ではございません、大変まだ先であろうと思いますけれども、そういうふうに考えておりまして、御説ではありますけれども、消費税をこの際下げるということは、将来あるべき根本的な税制改正というものとの関連で、どうも私には危惧が多いような気がいたします。 他方で、現在のような状況で所得税の減税をいたしましても、税を納めていない人には何も均てんしないという御議論がせんだって以来ございまして、それを議論で対抗しますことは難しくないことでありますけれども、確かに、しかし減税の均てんを受けない人たちが非常にたくさんいるということは、やはり財政政策をやる上では気になることではございます。
○北沢委員 そういう意味で、私どもは、消費税の上がることにおいて、これは地方消費税も含めてですから、その値上がり分の中で、弱者に対しては、福祉給付金という形で、年金生活者や心身障害者には千六百億の実は戻しをしました。これは、十二分ではないけれども、一つのアイデアであろうというふうに私は思います。 私は、ここでもう一度お尋ねしたいのですが、今のこの不良債権をどうするかという銀行の問題の中で、今後銀行がどのような経緯をたどるかということをよく見ていかなきゃいけないけれども、その一つの原因というのは、ビッグバンじゃないかと思うのですね。ビッグバンです。 それで、やはり二〇〇〇年のビッグバンに向けて、既にことしの四月からその動きが、外為法の問題が出てきておりますから。これはアメリカや英国ではいち早く金融の国際化ということに乗り出して、十年、十五年前に実はいろいろの経過を経てしておりますから、そのことの、対外的な日本に対する要求やそのことに対応する日本の国際社会のあり方というものについては、ここへ来て、私は、これからの大きなこの二年間の問題だろうと思いますね。 イギリスは証券の自由化、アメリカは投資の自由化ということですが、日本は、保険とか銀行、証券、投資も含めて、総合的なものにビッグバンはなっておりますから、イギリスでさえも証券会社がばたばたとつぶれたということを見ても、私は、そのとき金融の優劣によって非常に不安が出るだろうし、また、きょうの岩國委員の御質問にもありましたような、日本の一千二百兆円にわたる国民資産というものが今の日本の低金利の中でねらわれてくるのではないか。経済が活性化すれば外国の日本買いもやぶさかではないという大蔵大臣の答弁も先ほどありましたけれども、やはりそのことはそのこととして、そのときの不安というものを考えると、もっと私は、ビッグバン、ただ喜んでばかりいられない、非常に問題が出るのではないかという感じがするわけですね。 ですから、そういうことも今から考えておかなきゃいけないし、私は、この前の予算委員会の質問では、このビッグバンの時代における、新しい金融商品を含めて消費者の保護を考えるべきだ、保護法といいますか、そういうものを徹底的にもっと今から研究すべきだということを実は質問したことがございます。 ですから、ビッグバンというのは、そういう意味で非常に新たな日本の企業倒産、金融倒産というようなものが起きたりしないか、それは銀行ばかりではなくて、証券会社または保険業界に起きるのではないかという心配を実はしております。そのことも一応視野に置いて我々今回取り組んでいかなければいけないのじゃないかというふうな感じがしておりますが、そのことが案外なおざりにされているような感じがするので、あえて質問をいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 我が国の規制解除の中で、振り返ってみますと、一番おくれましたのは金融関係でございました。通産省関係は非常に早く規制解除が進んでおりましたが、金融が一番おくれまして、そして、今ごろになってと申しますか、いろいろな事情のもとにビッグバンが行われつつございますけれども、それはもう待てない、アメリカがリストラクチャーを終わりましたし、ヨーロッパがユーロに入りましたので、待てないというところで、具体的には為替が皮切りで規制解除が始まりました。 しかし、その時代がたまたま不良債権の処理の時代と重なりましたために、問題の解決が非常に難しいし、また苦しいということは、委員のおっしゃいましたとおりと思います。 しかし、これは待ったをするわけにはいきませんので、やはり進めていかなければならない。消費者にとりましては、利用者にとりましては、いろいろな選択が多くなることでございますので、これは決して悪いことではない。ただ、金融機関、関係機関は、国内における競争と国の外から来る競争にさらされますので、おのずからいろいろな苦労がある、いろいろな問題がある。しかし、それは、長いこと護送船団のもとにあったその人たちが、今どうしても免れることのできない運命だというふうに思います。 確かに、ウィンブルドンでみんなが、日本の企業だけがプレーをするというようなことはなかなか難しいことだし、また必ずしも入り用なことでないのでございましょうが、そういう苦労はよくわかっておりますし、大変なことだと思います。しかし、この機におくれますと、恐らく、見ておりますと、ウィンブルドンに出る選手はますます少なくなるのではないかという気もいたしますものですから、そこは、政府としてできることはやりながら、やはり企業がそれこそグローバライゼーションに入っていくしか道がないのではないかというふうに私は考えております。
○北沢委員 経済の活性化の中での減税問題というのは、製造業の時代から、金融・証券等の利益を主とした、国の富を増していくという方針の中では、私は、やはり大きな、皆さんに対する減税を大幅にするということは、日本に中産階級がなくなるのじゃないか、実はそういう懸念を持っているわけです。それは、雇用を見てもそれから所得を見ても、そういう意味で二極化していくのではないか、実は私はそういう心配をしております。 このことは質問でなくて、申し上げて、時間がございませんので後に譲りたいと思いますが、雇用問題について一言お尋ねをいたしたいと思います。 今、完全失業者は史上最悪の水準になっておりまして、東証の上場企業の削減でさえも、この三年ぐらいの間に五十一万人が減となっております。大企業でさえこのようなリストラが行われているということは、中小企業というのはより深刻な状況であります。それから企業倒産もありますし、また、ビッグバンを進めますと、ビッグバンにおける保険業務の勧誘員などは、四十万と言われていますが、これも必要なくなると言われています。産業の変化、構造の変化が、今後深刻な状況が予想されるわけでありまして、中期的な雇用の見通し、これについてお尋ねをいたしたいと思います。 また、今日の雇用というのは案外、つい二、三日前のロシアのあの経済問題や、またフランスの政変も含め、世界の国々の雇用問題というのがその国の政変に結びついているぐらい、雇用問題というのは非常に深刻な、その人たちにとっては大変な状況だろうと思います。 このような状況と、今後における雇用に対する認識といいますか、それについてお尋ねをいたしたいと思います。
○甘利国務大臣 私が労働大臣に就任をしました翌日に、六月の雇用、失業統計が発表されました。失業率四・三%、有効求人倍率〇・五一、いずれも、史上最悪ないし最悪と同じ数字になりました。非常に重大に受けとめております。 今後の見通しというお話でありますが、先生御案内のとおり、この失業率、雇用、失業統計という数字は、景気の言ってみればタイムラグを置いた後追い指標でありまして、数カ月、後を追ってトレースをしてくるという性格がありますから、今後とも厳しく受けとめております。 そこで、雇用対策をどうしていくかということであります。 労働省では各種雇用対策を実行しているわけでありますが、抜本的には、まず景気がよくならなければならない。これは当然の話でありますし、総合経済対策を先ごろ組んで今迅速に執行をしている。その中で、緊急雇用開発プログラムというのを設定いたしております。雇用調整助成金とか雇用開発助成金、いずれも深掘りをして雇用を支えてもらう、あるいは雇用を開発してもらうということを企業に今お願いをしているところであります。 あわせて、私が大臣に就任をいたしまして、まず指示をしたことの一つに、雇用情報のネットワーク化を図れということがあります。 有効求人倍率というのは、御案内のとおり、職安にあります求職と求人の情報の数字の比率というのを出してあるわけでありますけれども、実はこれ以外にも、規模は小さいのでありますけれども、データベースというのがあるのであります。それは、例えば商工会議所であるとか日経連とか、そういうところが、事業者側からこういう人が欲しいというのを登録したデータベースがあります。しかし、そのデータベースと行政のデータベースというのがネットワークになっておりません。それをうまくつなげていってミスマッチをなくしていこう。これはすぐできるのではないかということで、経済団体を直ちに私は回りまして協力要請をして、今作業中でございます。 各種施策を駆使して、雇用の安定に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○北沢委員 今の件についてはこの前も私お聞きしたのですが、やはり新しい雇用をどういうふうにつくるかということが非常に大事ですね。 ですから、福祉だとか環境だとか、または電気及び情報通信とか、そういう分野へもやはり対応するような職業訓練を、従来型の職業あっせんでなくて、未来の産業につながるようなものを今から人材を養成しておかなきゃいけないわけでありまして、その面についてやはり予算を投入すべきだと思う。だから、今までの職業訓練では対応できぬのじゃないかということを実は心配するわけでありますので、これらの予算の投入等を含めて、姿勢について首相の御答弁を煩わせたいと思います。
○甘利国務大臣 全く同感でございまして、いつの世も、時代時代にその時代を担っていく産業というのがあります。古い時代を担った産業から新しい時代を担っていく産業、企業に余剰労働力をスムーズに雇用移動させる、それが雇用の安定にとって必要欠くべからざる政策であると思っております。そこに職業能力開発、教育訓練というのが介在をするわけであります。 新産業が興っていくためには、その技術、シーズ、もちろん資本もありますけれども、人材の供給が適切に行われるということが大事でありまして、今ある人材をどうバージョンアップしていくか、あるいは新しい能力をつけていくか、そこに職業能力開発の使命があると思っております。 これからハイテクであるとか情報通信であるとか保健医療、介護の分野に適切にどう人材を供給できるか、これが我が省の使命でもあります。 今、各種の教育訓練施設で時代を先取りしたそういう教育訓練の科目があるかどうかのチェックをさせておりますし、今も先生のお話のような教育科目は設定をされております。労働省の直接の範疇だけではなくて、県が所管する部署に関しても、旧態依然とした科目ではないのか、時代のニーズを先取りしていく科目が設定されているか点検をせよという指示をさせていただいております。
○北沢委員 減税問題で私が取り上げたく思ったのは、地方税の減税にまつわる地方の財源を、地方の分権化の時代に向けてどのような現実的な対応をするかということ、これは地方自治体等の関係者が非常に心配をしているわけであります。この辺については、先ほど北側委員さんからお話がございましたので、あえて私は質問をいたしませんけれども、そのことは、地方分権という時代の中で、地方分権の占める予算の比率と、それからそれを担う財源というものが非常に重要になるわけですね。だから、そういうものを努めてやはり埋めるような形で配慮をしていかないと、本当の意味の地方分権ができないんじゃないかということを、私は要望としてお願いをしておきたいと思います。 それから、時間がないものですから、もう一つ、人勧の問題なんです。 人勧の問題というのは、つい八月の十二日ですか、人事院の勧告が出まして、今回、給与を平均〇・七六%上げることを中心とした勧告が出されました。いろいろ問題はあろうと思いますが、今の深刻な内需拡大や景気浮揚も含めて、やはり早急に完全実施ができるような姿勢をひとつ内閣で持っていただきたいということを強く要請をいたしたいと思いますが、その点について。 もう一つ伺います。 それは、今までは民間主導型でありますが、今後の問題としては、やはり独自な人事院の公務員制度の調査会などにおいて、労働基本権の問題にもかかわる問題でありますから、そこら辺も含めて、そのあり方についてぜひ改善を図っていただきたい。 以上のことを申し上げておきますので、人事院そして総務庁においてお話がございましたら御発言をいただきたいと思います。
○中島(忠)政府委員 国家公務員の給与につきましては、何といいましても納税者である国民の御理解をいただきたいというふうに考えております。また、それがなければならないというふうに思います。 そういう前提に立ちますと、やはり労働者の大多数を占めております民間労働者の賃金に準拠するという現在の方式が一番いいだろうというふうに考えておりますが、今委員がおっしゃいますように、いろいろな方の御意見というものを、もしございましたらお聞きして、私たちは勉強してまいりたいというふうに思います。
○太田国務大臣 総務庁といたしましては、人事院勧告の完全な早期の実施のために最大限の努力を尽くしたいと思っております。 この人事院勧告の制度に関しては、労働基本権の制約という大変基本的な制度を導入しているわけでありますから、そこは、特にこういう行革の時代でございますので、労使の信頼関係が特に大事でございますので、そういうふうに努力をいたしたいと思います。 なお、計算の仕方についての北沢委員の今の御指摘でございますが、それは人事院の独立性がございますので、人事院の中であるいはさまざまなことが考えられるかもしれないということでございます。 以上です。
○北沢委員 終わります。
○中山委員長 これにて北沢君の質疑は終了いたしました。 この際、生方君の午前中の残余の質疑を継続して許します。生方幸夫君。
○生方委員 午前中に引き続き質問をさせていただきます。 午前中の質問で、私は、財革法という法律が生きている中で、その凍結を前提といたしまして概算要求をするということは法律を無視している、あるいは、私たちが一生懸命論議をしてきたこの国会を軽視しているというような質問をいたしました。これに対しまして、法制局長官は、財革法が規定するのは、内閣が国会に提出する予算の内容であるというようなお答えをしました。 しかし、ここに議事録がございまして、昨年の十月二十一日、財革特の中で、西川知雄議員の質問に対して大森法制局長官はこう述べております。「この法律案は、」財革法ですね、「この法律案は、政府が予算を編成するに当たって守るべき規範を規定しているものでございます。」と述べております。すなわち、「この法律は、政府の予算編成権を制約することを目的とするもの」であるというふうに述べておりまして、明らかに、先ほど述べました、規定するのは予算の内容であるという答えと矛盾しております。いかがでございましょうか。
○大森(政)政府委員 ただいま委員御指摘の私の答弁、これは、平成九年十月の二十一日に西川知雄委員に対してお答え申し上げた内容の一部を御引用いただいたものだろうと思いますが、「政府が予算を編成するに当たって守るべき規範を規定しているものでございます。」こういう言葉を使って御答弁申し上げていることは、そのとおりでございます。 ここの「予算を編成するに当たって」といいますのは、言葉をかえますと、憲法上の用語を使いますと、内閣が予算を作成するに当たってというふうに御理解いただきたいと思います。したがいまして、通常、一月に閣議決定を経まして国会に予算を提出いたします。その提出予算の作成に当たってはということでございまして、八月三十一日に始まる概算要求から年末の概算閣議決定、そして一月の提出閣議決定に至る全過程を規律するものではないという趣旨でございます。
○生方委員 ここに一部を引用したといいますが、一部じゃなくて全部、じゃ言いますか。 「この法律はいかなることを規定しているかということから始めなければなりません。この法律案は、政府が予算を編成するに当たって」、作成とは言っていません。「編成するに当たって守るべき規範を規定しているものでございます。したがいまして、この法律案が成立いたしますとどういう効果が生ずるかということになります。」 こっちは関係ないのですけれども、これで、「予算を編成するに当たって」というふうに申しますと、既に政府はことしの概算要求について閣議了解をしております。予算の編成というのはここから始まっているんじゃないのですか。編成する時点ではなくて、ここで申しているように、「編成するに当たって」ということですから、概算要求案を閣議が了解をした時点から編成作業は始まっていると見るのがごく普通ではないですか。
○大森(政)政府委員 本日午前中にも御答弁申し上げましたとおり、予算作成の過程、これは編成という言葉を使っても同じでございますが、その編成過程と申しますのは、八月三十一日の概算要求のその前に、概算要求基準、この事柄の性質上それを定めます。そして、それに基づいて概算要求がございます。その後、大蔵省において調整がございまして、年末の十二月に概算閣議がございます。そして、それを踏まえて精査の上、一月に提出閣議がございます。 その全過程のうち、それは政府内部の過程でございまして、この財革法が拘束力を有しますのは、あくまで来年一月に作成いたします予算の内容を規律するものである、このように申し上げたわけでございます。
○生方委員 よろしいですか、法制局長官。その後に、「予算編成に当たって政府のよるべき基準、方針が、平成十年度以降、三年ないし六年という中長期にわたって国会の意思として明示されることになる。その結果として内閣は、その間、みずからの判断のみによって自由に、法定された方針等を変更して予算を編成し、提出することはできないという拘束を受けることは明らかでございます。」こういうふうに言っているわけです。 したがって、財革法が生きている限り、政府が財革法凍結を前提として予算を編成することはできないはずなんですよ。つまり、法律違反を行っているということになるのではないですか。
○大森(政)政府委員 先ほどの御指摘の答弁の後半はまさにお読みになったとおりでございますが、これは要するに、具体的に申し上げますと、来年の一月に予算を作成して提出する、その予算の内容は財革法の拘束を受けますということを答弁申し上げたところでございます。
○生方委員 とてもこれは納得できませんので、委員長にお願いを申し上げます。予算の概算要求が出た段階で、もう一度、当予算委員会におきましてこの問題について論議をさせていただきたいと思います。委員長、よろしくお計らいのほどお願いいたします。
○中山委員長 それでは、御意向に留意しまして、向後理事間で協議を重ねて対応したいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○生方委員 これにて終わります。
○中山委員長 これにて生方君の質疑は終了いたしました。 次に、岸田文雄君。
○岸田委員 自由民主党、岸田文雄でございます。 総理初め大臣の皆様方におかれましては、もう朝から長時間本当に御苦労さまでございます。本日最後の質問者でございます。もうしばらく、答弁の方、おつき合いいただきますようお願い申し上げまして、質問の方を始めさせていただきたいと存じます。 まず最初に、せっかくの機会でありますので、総理に一つお尋ねさせていただきたいと存じます。 総理に、我が国は一体どんな国を目指すべきなのか、総理の根本的な哲学、お考えをひとつ御開陳いただきたいというふうに思います。 私は、毎週地元に帰りまして、街頭演説をやったりあるいはミニ集会を開いたり、多くの選挙民の方々と議論する場をつくっております。そういった際に、いろいろ厳しい声を受けたり、あるいは自分自身大変勉強させていただく機会も多いわけでありますが、そういった中にありまして、こうした声に出会うことがあります。 それは、岸田さん、日本が今変わらなければいけないということ、それは何かわかったような気がする。そして、日本の政治家が、今改革、日本を変革しなければいけない、こぞってそういったことを言っていることに関しても、どうもわかってきたような気がする。そして、自分たち自身も自分たちなりに我慢や努力をしなければいけない、そういったことも一応理解できたような気がする。しかし、我々は今この厳しい時代にあって我慢や努力をしなければいけない、この我慢や努力の先には一体何があるのか、それをぜひ、どう考えるか教えてもらいたい。一体我が国は何を目指しているのか、どんなものを、どんな国を目指しているのか、そういったことについて、ぜひ意見を聞かせてもらいたい。そんな声を聞くことがあるわけであります。 そういった声を受けまして、私自身、そういった質問に答えなければいけないということから、いろいろ考えてみるわけであります。こうした当委員会の議論ですとか、あるいはさきの橋本内閣におきます六大改革における議論等を振り返りまして、幾つかのキーワードがあることに気づくわけであります。例えば自己責任の原則というような言葉、あるいは市場原理の尊重というような言葉、あるいは規制緩和というような言葉、こういった幾つかのキーワードに出会うわけであります。 さらには、今民間におきましても大変な努力が行われているわけでありますけれども、リストラの努力、あるいは能力給というような給与体系が試みられているなど、さまざまな努力が行われているわけですが、こういった動き等を見まして、自分なりに、今日本の国が何に向かって進もうとしているか、いろいろ考えてみるのですが、自分なりのこうした質問に対する答えとしまして、やはり我が国は、努力する人間、努力した人間が報われる国を今目指そうとしているのではないかというような答えを自分なりにひねり出して、こうした質問に対して答えるようにしているわけであります。努力する人間が報われる国、言葉をかえて言うならば、努力しない方々には、申しわけないけれども今よりは我慢をしていただかなければいけない、こういった国とも言えるわけです。 もちろん、努力したくても努力できない、ハンディ等を負って努力できない方々には救いの手を差し伸べなければいけない。こういったセーフティーネットはもちろん考えなければいけないわけですけれども、そういった部分はさておいて、基本的には努力する人間が報われる国を今目指して、そのことによって国を活性化させていかなければいけないのではないか。これが今の我慢や努力の先にある姿ではないかということを私自身申し上げているわけであります。 しかし、こういった私の稚拙な答えに対しまして、有権者の皆さんはいろいろな反応をするわけですが、ある方はぜひそうありたいものだということをおっしゃるわけです。ただ、ある方は、考えてみると努力する人間が報われるというのは当たり前のことではないか、当たり前のことを言っているのではないかというようなこともおっしゃるわけであります。しかし、私は、努力する人間が報われる国、考えてみると当たり前ではないかと思われがちなこの国が、我が国におきましては当たり前な姿ではなかったということを、逆にそういった方々に申し上げているわけであります。 世界で最も充実した国家社会主義経済の国というような皮肉を言われるような日本の戦後経済であったというようなことを考えるとき、あるいは護送船団方式というような言葉、あるいは監督行政、あるいは補助金行政というような言葉、あるいは我が国自体、国民性の中に、村社会というような言葉で表現される、どうも出るくいは打たれる、どうも伸びた人間に対するねたみみたいなものを感じるような国民性があるというようなことを考えますと、戦後五十数年間、こうした努力する人間が当然報われるという国が、我が国では決して当たり前ではなかったのではないかというようなことも申し上げているわけであります。 しかし、努力しなくても努力しても同じように恩恵を受けられるというようなことは、右肩上がりの経済の時代、あすは必ずきょうよりいい時代が待っているとみんなが信じていた時代であるならばともかく、今のような厳しい時代においては許されない。これからは、やはり努力した人間が報われるような社会を目指していかなければいけない。努力する人間にもっとやる気を出してもらって国を引っ張ってもらう、活力を引き出してもらう、そういったことによって国を活性化しなければいけないのではないか、こんな話をするわけであります。 これはあくまでも私の稚拙な私見でありますが、総理、その私の意見につきまして、御意見があればぜひ御指導賜りたいと思いますと同時に、総理自身は、国民がこの厳しい時代にあって我慢や努力をしているこの先に一体何を見ておられるのか、どんな国を今想定しておられるのか、総理のお考えもぜひあわせてお聞かせいただきたいと存じます。
○小渕内閣総理大臣 いよいよ世紀の末になってまいりました。百年に一遍の世紀というよりも、むしろ一千年の世紀の最後に来ておるわけでありまして、そういう意味で、これから二十一世紀というものにつきまして、我々も、この日本そしてまた世界がどうあるべきかということについて真剣に考えていかなきゃならぬと思っておりますし、また、あるべき国の姿というものも描いていかなければならないと考えております。 私は、今回の所信表明におきまして、富国有徳ということを申し上げました。私、ここ数年思いますことは、我が国につきまして、一つは、言葉として非常に記憶に残っておりますのは、松下幸之助氏が残された言葉と聞いておりますが、国徳という言葉でございまして、やはり人に人徳があるように国にも国の徳というものがあるんじゃないか。 戦後、日本は、ひたすらに経済の拡大を目指して、あの敗戦から立ち上がって努力してまいりました。それが今日の日本の経済的発展につながってきたわけでございますが、このことは同時に、世界の目から見ますると、そうした経済大国としては非常に評価されますが、同時に国として世界じゅうの信頼を集めておるかということにつきましては、いろいろの見方もあるように言われております。そういった意味で、国を運営していくためには、何といっても経済力が必要であります。そういう意味で、富国でなければならない。しかし、同時にまた、憲法にございますように、世界の国々から信頼に値する国民としてこれから生きていかなきゃならない、このことをぜひ、有徳といいますか、そういう形で目指していかなきゃならないんじゃないかと思っておりまして、そのことを所信表明で述べさせていただきましたが、ぜひそうしたことを実現いたしてまいりますように努力していかなきゃならぬと思っております。 岸田議員おっしゃられますように、ぜひ人間として、自己責任の世界に、ますますこの世界のグローバルスタンダードが入ってまいりますと、生きていかなきゃならないという社会の中で、みずからの努力というものが報いられる社会、これも目指していかなきゃならないのではないかと考えております。 と同時に、日本の国、大変すばらしい国だと思っております。通産省出身で、残念ながら病で倒れました天谷さんが私に一枚の色紙を残しておいていただきまして、「美しい日本、品格ある国家」という色紙でございましたが、ぜひ日本の国が、それこそ美しい、このすばらしい山野のある日本をより美しく、そして、また同時に品格のある国、こういうものを目指していくような、そうした国づくりにお手伝いができますれば大変ありがたい、こう思っております。
○岸田委員 総理、ありがとうございました。総理のお言葉、今週末も地元に帰りまして有権者と議論する際に、総理はこういったお考えを持っておられると有権者の皆さんにも伝えさせていただきまして、ぜひ元気を出していただくように、その議論を深めていきたいなということを思うところでございます。 先ほど私は、自分の私見としまして、この努力や我慢の向こうには努力した人間が報われる国があるのではないかということを申し上げたわけでありますが、今の政府が打ち出しております税制改正につきましても、あるいは金融、あるいは経済構造、さらに社会保障のさまざまな改革の議論の中にも、私は、やはりこの努力する人間が報われる国を我が国は目指しているというような一つの方向性を感じてならないわけであります。 しかし、この我が国のさまざまな制度改革の方向性が、その努力する人間が報われるという国を目指しているのだということであるとしたならば、私は、一つ最も問題となるのは国民の意識ではないかなということを常々思っております。国民の意識自体がこうした制度改革に本当についていけるのだろうか、このあたりが、これから我が国が本当に変われるかどうかということに関しまして、大きなポイントになるのではないかというふうに思えてならないわけであります。 要は、努力する人間が報われる国を目指す、制度におきましてはそういった改革を目指しているわけでありますが、先ほど申しましたように、実際、戦後五十数年間、世界で最も充実した国家社会主義経済だというような皮肉を言われたり、あるいは護送船団方式というような言葉が横行してみたり、さらには村社会というような国民性を考えますと、どうも国民の意識の中で、こうした制度改革に十分に対応し切れない部分があるのではないか。 少なくとも、こうした努力する人間が報われる社会を実現した場合に、国民の中に格差というものが当然生じるわけでありますが、国民の意識の中に格差というものを容認する気持ちがなければ、こうした制度改革を行ったとしても、それを国民は意識の中で十二分に消化できない。そして、消化できなければ、制度だけ変えてみても、この制度改革を国民一人一人が本当に自分の幸せとして感じることができないのではないか、そんな気がしてならないわけであります。 もし努力する人間が報われる国を我が国が制度において目指そうとするならば、国民の意識自体もそれに合わせて変化していかなければいけないのではないか、戦後教育というものをもう一度見直して点検する必要があるのではないか、そんなことを感じてならないわけであります。 そして、この戦後教育の中で私が一つ特に強く思うことは、競争という概念につきまして、競争というものにつきましての扱い方、対応、どうも今の時代にはうまく対応していないのではないかという思いであります。競争、競い合うということ、こういったことは、戦後教育の中で、ややもしますと差別につながるというようなことから、どうも否定的に見る風潮があったというふうに思えてならないわけであります。 私は、この競い合うということ、競争ということは、決してそれ自体は悪ではないというふうに思います。逆にこれは、競い合うということは人間が成長していく上で大変大切なことだというふうに、逆に評価したいと思うわけであります。 要は、戦後五十年の中でどうも競い合うというものが否定的に見られてきたその原因は、その競争自体が悪いのではなくして、競争、競い合うやり方、仕方がどうも間違っていたのではないか、間違って対応してきたのではないか、そこに原因があるのではないかというふうに思えてならないわけであります。 競い合うこと、競争ということにつきまして、一つあるいはごくわずかしか物差しをつくってやることができなかった。そのことによって、競争をどうも否定的にとらえるしかなかったというようなこと。あるいは、公式の場、学校の公式の場において、競い合うということを真っ当に受けとめることができなかった。公式の場において、競い合うということをどうも否定的にとらえてしまったがために、この競い合うということを公式の場から追いやってしまって、非公式の場、例えば塾とか予備校とか、こういった場において激烈な競争を引き起こしてしまった、こういったこともあるのではないか、そんなことも思えてならないわけであります。 私、戦後教育の中でいろいろな議論が行われているわけですけれども、子供たちはやはり一人一人、何らかの形で評価をされたい、自分自身を認めてもらいたい、そういった思いに飢えていると思うわけです。その一人一人を評価するために、たくさんの物差しをつくってやる等、そういった、この競い合いというもののよさを正しく評価できる体制を今考えていかなければいけない時代に来ているのではないかなという気がしてならないわけであります。この競い合うというものを正しく評価しなければ、我々日本人は活力を再び取り戻すことができないのではないかというような気がしてならないわけであります。 そして、この競い合うということ、競争というものを正しく扱うことができなかった、今、偏差値教育というものが諸悪の根源のようにずっと言われ続けてきているわけでありますけれども、偏差値一つうまく使いこなせなかった日本人が、これから市場原理あるいは自己責任の世界に入ろうとしている。これは、言ってみるならば、世界レベルでの偏差値社会に日本人は今立ち向かおうとしているわけであります。 国内における偏差値一つうまく使いこなせなかった日本人が、これから世界レベルの偏差値社会において、活力あるたくましい活動をすることができるんだろうか。今大きな変革が言われている中にあって、これに対応する国民の意識、そして教育の変化、改革というものを今真剣に考えなければいけないのではないか。こんなことを、時代の大きな変化の中に強く感じているところであります。 文部大臣にぜひ御意見を聞かせていただきたいと思うのですが、今申し上げたこと、そして、これからの時代の変化の中で教育というものがどう変わらなければいけないか、御所見をお伺いさせていただけますでしょうか。
○有馬国務大臣 お答え申し上げます。 まず、戦後の教育は成功した面もあると思います。それは、一斉的というか、画一的な教育のよさもあったわけですね。日本の国民の学力が非常に平均値で上がりました。そういう点では、国際比較などをいたしますと、明らかに数学、理科というふうなものは世界の中でいい成績を持っています。こういう点ではすぐれている。 しかしながら、今御指摘のような個性という点、競争ということよりも個性をたっとぶという方がよろしいかと思いますけれども、例えば将棋であるとか碁であるとかスポーツであるとか芸術、こういうところでは個性が非常にたっとばれているわけですね。こういうことをさらに広い範囲に広げていこうという努力を現在しております。 まず第一に、生きる力ということを提唱しているわけです。生きる力というのは、個々の人がみずからの力で問題を探し、その問題をみずからの力で解いていく、解決していく、そういう力をつけようとしている。 もう一つは、これから日本人はもっと倫理観を持たなければいけないと思っている。それが生きる力の二番目でございます。倫理観を持ち、隣人を愛す、そしてまた美しいものを美しいと思っていこうという力、こういう力が生きる力の第二の定義です。 第一は、自分で考える、自分で解く、第二は、倫理観を持ち、美しいものを美しいとしていく力、こういうふうなものを今後育てていかなければならないと思います。 そして、おっしゃるように、個性を大切にし、独創性をもっと伸ばしていく、そういうことのために今我々は、普通の道筋、六・三・三・四という道筋以外に、中高一貫の教育を導入するとか、それから総合的学習の時間というふうなもので、もっと広くいろいろなことを勉強させるとか、そういう努力を今、多様な教育の仕方を努力しております。 そして、先生今おっしゃられた一つの解決策、その方向に向かっての解決策の一つとして、極めてすぐれた人が、独創的な人が十七歳で大学に入れるような飛び級を試みる、こういうふうなことも現在進めております。そして、より一層、日本人が個性と独創性を持って世界の中で活躍できるような力をつけたいと思っております。
○岸田委員 大臣、ありがとうございました。ぜひ、今までの延長線上ではなくして、大きな時代の変化に対応できる教育を試みていただきたいと強くお願いを申し上げます。 そして、先ほど来、努力する人間が報われる国ということを再三申し上げておりますが、その当然の帰結としまして、小さな政府を目指すということが出てくるわけでありますが、私、小さな国を目指すということに関しまして、一つ大変注目している法律がございます。それは、特定非営利活動促進法案、いわゆるNPO法案であります。これは、さきの通常国会を通過いたしまして、ことしの十二月一日から施行されるわけでありますが、私は、小さな政府を目指す保守政党としまして、この法案は大変重要な法案だという認識を持っております。 一九八〇年代、世界的に保守政党全盛時代と言われる時代がございました。サッチャー・レーガン時代と世に言われる時代でありますが、この一九八〇年代におきまして、サッチャーもレーガンも小さな政府を目指すべく行革に努めたわけであります。そして、我が国におきましても中曽根行革というものが行われて、世界的に小さな政府を目指すということが叫ばれた時代でありました。 この時代に、サッチャーやレーガンは、行革を行うと同時に、この小さな政府をつくることによって縮小せざるを得ない公共サービスを補うために、NPOというものに着目をしたわけであります。そして、国内法の整備あるいは環境整備におきまして、このNPOというものをしっかりと育てていこうという対策を行ってきたわけであります。しかし、残念ながら、我が国におきましては、当時このNPOというものにつきましてはどうも理解が進んでいなかった。結局、我が国におきましては、今度ようやく、九〇年代後半に至ってNPOというものが大きな議論になって、この重要性に着目するようになったわけであります。 こういった歴史を振り返ってみるときに、小さな政府を目指す保守政党こそ、このNPO法案、特定非営利活動促進法案の重要性に着目して、我が国におきます生活レベル、公共サービスのレベルの維持に努めなければいけないのではないかということを思っているわけであります。 この法案の中においては、NPOの事務所が二つの都道府県にまたがった場合は、認証の権限は経済企画庁長官になっております。この主管大臣は経済企画庁長官でありますが、経済企画庁長官、NPOに対する認識、どのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
○堺屋国務大臣 小さな政府、逆に言うと安上がりにできる政府というのをつくろうと思いますと、やはりお金だけではなしに善意を社会に提供する、これが非常に大事なことだと思うのです。そして、このNPO、ノンプロフィットオーガニゼーションというのは、人々の持ち寄った善意が利益を追求しないでできる組織、そういう仕掛けになっておるもの、これに法人格を与えようというのがこの法律でございます。 今までは、財団法人になるか社団法人になるか、なかなかこれが認められませんでしたけれども、したがって、みんなでやっていても代表個人の名義でやらなきゃいけないという非常な不便がございました。そういうものをボランティアの民間人が行われるときに、善意の結晶としての法人格を与えようというのがこの法律でございます。 岸田委員のおっしゃったように、三月にこれが成立いたしまして、十二月から施行することになりました。これが円滑に進んでいきますと、非常に多くのボランティア団体が発生し、またそこからいろんな人材が出てくると思います。外国ではかなり優秀な人がボランティア団体に入る傾向がありますが、日本でも、そういった社会的位置づけが明確になることで、小さな政府を支える善意の社会が生まれると非常に期待しております。
○岸田委員 十二月一日からこの法案は施行されるわけでありますが、ぜひこの重要性にかんがみて、この法案を十二分に活用していただくように、そしてさらに発展させていただきますよう、御努力を心からお願い申し上げます。 そしてまた、一つ総務庁長官にお伺いしたいことがございます。 今、行政に対する不信感というもの、さまざまな不祥事を通じまして大変大きなものを感じるわけであります。この行政に対する不信というもの、これは、ややもしますと国民と行政の相互不信というような様相も呈するわけでありまして、大変根深いものを感じるわけでありますが、お互いの相互不信を解消する一つの大きな手だてとしまして、私は、情報公開法という法案が一つ大きな手だてになるのではないかということを感じております。 この情報公開法に関しましては、さきの通常国会におきまして、政府が法律を提出すると同時に野党側もその対案を出して議論が行われてきたわけでありますが、野党案との間で、知る権利の明記ですとか、あるいは手数料ですとか、あるいは裁判所管轄の問題ですとか、さらには特殊法人の取り扱いの問題等が議論になって、結局、まだこれは結論が出ていないわけであります。 私は、確かにこういった議論もしっかりとやらなければいけないわけでありますが、政府案におきましても原則公開という大原則を打ち出したということは、これは画期的なことだというふうに思うわけであります。原則公開というものを政府案の中にしっかり盛り込んで提出した、この提出された法案、これは我が国の行政の不信の中で大きな役割を果たせるということを強く感じるわけであります。 確かに、さまざまな議論があることは事実であります。(発言する者あり)
○中山委員長 御静粛にお願いします。
○岸田委員 しかし、この議論も詰めていかなければいけないわけでありますが、こうした小さな議論にこだわる余りにこうした大きな議論を見失ってしまってはいけないということを強く感じるわけであります。 行政不信のこの世の中において、情報公開法の意義、そして、これから法案成立に向けての意気込みをぜひ総務庁長官にお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 国民主権の日本の社会において、情報公開というのは当然もともとなければいけない考え方であったと思います。主権者に対して、信託を受けた公の部門がきちんとそれをわかるようにするということは、国民主権社会にとって本質的なことだと思いますが、やや我が国の場合は官尊民卑の土壌が従来あって、知らしむべからずというところもあったわけでございますから、今回の情報公開法はまさに画期的なことであろうと思っております。 局部的にはいろいろな御意見があるかもしれませんけれども、大局を見て、ぜひこの案で早期に成立をするように我々も一生懸命努力をしてまいりたいと思います。 特殊法人については、自民、社民、さきがけの三党で、二年後を目指してまたやるんだというふうなことも言われておるわけでございますので、ぜひ早期の成立をお願いをいたしたいと思います。
○岸田委員 続きまして、運輸大臣に一つお伺いさせていただきたいと存じます。 来年度の概算要求基準の議論の中で、再び公共事業というものが大きな注目を集めているわけであります。この公共事業の中で、特に大臣にお伺いしたいと思いますのは、整備新幹線というものについての考え方であります。 この整備新幹線というもの、大きな期待の声もしっかりと存在するわけであります。しかし、その一方で、マスコミを中心に我田引鉄というような言葉が言われてみたり、どうも公共事業のむだというような扱いをされて、目のかたきにされているという部分も一部にはあるわけであります。これは意見の分かれるところでありますが、この辺は必要性に関する地域的なばらつきが一つの原因かとも思うわけでありますが、大臣にぜひ、整備新幹線というものにつきましてどのようにお考えになっておられるのか、御所見をお伺いしたいと存じます。
○川崎国務大臣 運輸省の所管の公共事業でありますけれども、まず、三大都市圏に六割が投資されている、このことをぜひ御理解賜りたいと思います。 国際化が進む中で、拠点空港の整備、通勤の足の確保としての都市鉄道の整備、それから物流、特に日本は輸入国家でもありますから、九九・八%は船に頼っている。そういう意味では、大港湾というものを整備していく、これが基本的な方針でございます。したがって、三大都市圏に六割の投資がされており、多分、来年度予算の要求においてはそれ以上のウエートになるだろう、こういうふうに思っております。 一方で、地方の活性化という問題、国土の均衡のとれた発展、これはやはり政治の常に命題であろうと思っております。また、その声というものはなかなか大きいものがある、こういうように理解をいたしております。 そういった中で、私、就任以来、いろいろな知事にお目にかかったり声を聞かせていただいておりますけれども、整備新幹線にかける期待、また夢というものは非常に大きいものがある、政治はやはりこれにこたえなければならない、このように思っております。平成八年に政府・与党間で合意がなされております。また、平成十年の一月には整備新幹線検討委員会での検討の結果も出ております。それに基づきながら推進をしてまいりたい。 補正予算、そして十一年度予算できちっとした仕事ができるよう努力をしてまいりたい、このように思っております。
○岸田委員 運輸大臣、ぜひついでに、これから来年度の予算に向けて、具体的にこの問題にどのように取り組まれようとしているのか、それについてお伺いできますか。
○川崎国務大臣 概算要求基準が出てまいりました。十五カ月予算という基本的な方針が出されております。その中におきまして、補正予算でも要求をしてまいりたいと思いますし、十一年度予算でも要求をしてまいりたい、こういう方針で参ります。
○岸田委員 大臣におかれましては、国民にしっかりとこの整備新幹線というものが理解されるように、ぜひしっかりと努力を積み重ねながら御努力を続けていただきたいということを思うところでございます。 そして、ひとつ金融安定化法案につきましてお伺いさせていただきたいと存じます。 この問題につきましては、当予算委員会の議論、この三日間の議論の中でも中心的な扱いを受けて、熱心な議論が行われてきたところであります。ぜひこの問題につきまして、また金融安定化特別委員会におきましても引き続きまして熱心な議論が行われ、ぜひこの議論を深めることによって大きな成果を上げられることを期待するわけであります。 この法案が成立してしっかりとした体制ができることによってだれが恩恵を受けるのか、そしてこれが崩れてしまったときにひどい目に遭うのは、決して与党でも野党でもなく、本当に一般の国民だということをぜひしっかりと我々は肝に銘じてこの問題に取り組んでいかなければいけないというふうに思うわけであります。 そして、この議論につきましては、当予算委員会の議論の中にあっても理解は大分進んだというふうに思うわけであります。 例えば、こうした政府が用意しているこの体制、制度につきましても、決して金融機関の救済ということではなくして、善良かつ健全な借り手をいかに救っていくのか、これが最大の目的であるというようなことも理解が進んできたというふうに思うわけでありますが、私はその善良かつ健全な借り手、この借り手の基準につきましてひとつ確認をさせていただきたいと思うわけであります。 この善良かつ健全な借り手、この借り手の判断につきましては、答弁の中で、たしか審査基準を設けてしっかりとした判定を行う、区別を行う、こんな答弁がたびたびあったかというふうに思うのですが、私は政府が今用意しているスキームの中で、ある意味では最も難しいのが善良かつ健全な借り手をいかに線を引くのか、区別するのか、定義するのか、この部分ではないかなという気がしてならないわけであります。 もちろん、審査基準をしっかり設けて透明な判断を下されるということなんでありましょうが、この部分が最も難しいということを考えますと、もう少し今の段階で具体的なお考えというものを示していただくことはできないんだろうかというふうに思えてならないわけであります。 そして、もし今それが無理だというのであるならば、この判定の難しさというもの、この問題の大きさをぜひ御勘案いただきまして、しっかりと取り組んでいただきたいというお願いを申し上げさせていただきたいと思うのですが、大蔵大臣でよろしゅうございますか、お願いできますか。
○宮澤国務大臣 法律の規定によりますと、金融危機管理委員会が定めます基準に基づきまして、善良かついい債務者というのを選ぶ、お客さんを選ぶわけですが、その際、過去における債務の履行状況、それから財務の内容等が基準になるという、ごくごく、だれが考えましても当たり前のようなことが書いてございます。 それで、私が描いております姿は、殊に地方の銀行が仮に万一のことがあって、そこへ金融管理人が入ってくる。それによって従来の経営者はみんな退陣をするということが起こりまして、残りました銀行は、もう預金を持ってくる人はまあありませんから、預金の支払い、それから不良債務の処理、そしていいお客さんをこれからどうやって、できるだけ迷惑をかけずに済むかということですから、こういう二つの基準があって、今までのような問題のある経営者でなくて金融管理人という人のもとで、今まで働いていた審査部の人たちとかなんとかいうのは、できればその銀行に残ってもらう。残ってもらうことに私はなると思うのです。その人たちがいいお客さんというものを本当は一番知っているはずなんですね。今までいろいろ経営が曲げられたかもしれないが、その人たちはそういうことのエキスパートですから。あの人は、あそこは何十年つき合っているとか、ベンチャーキャピタルだけれどもまじめにやっているとか。 ですから、せっかくこれをつくりました結果、大抵の人はアウトです、それでよしとするのではなくて、たくさんの人ができるだけ助かって、仕事を続けていける、そういうのがこの運営の本当の目的ではないか。 というのは、ここではねられますと、実際ほかに行くところはございません。(発言する者あり)どこへ行きますか。逃げていくといって、今の世の中で、何十年のお客さんを新しく受け入れる銀行なんてそうたくさんありません。地方だったらそれはおわかりになる。北海道のことを一つお考えになったっておわかりになるわけですから。そういう姿にいたしたいと思います。
○岸田委員 大蔵大臣、ありがとうございました。ぜひ御努力を続けていただきたいと存じます。 続いて、一つ確認したいことがございます。 数日前でありましたが、金融監督庁の人員を倍増する、拡充するという新聞記事が出ておりました。これは新聞記事でありますが、その新聞記事によりますと、金融監督庁と総務庁が調整に入ったというような記事があったわけでありますが、このことは事実かどうか、ひとつ確認をさせていただけますでしょうか。
○太田国務大臣 定員につきましては、現在は厳しく閣議において各省とも増員要求をしていただかないようにお願いしているところでございます。どこかを優遇するというようなことは考えておりませんし、また、そういう協議をした覚えもありません。 ただ、たびたび小渕総裁が言及をされますように、事前の調整型から事後のチェック型へということでありますので、何か制度的な工夫をして、国民の理解を得られて、そういう準司法的な部分については将来配慮をするということは十分考えられますけれども、現段階で、このままの状態で特別な配慮をするということはできないということでございます。
○日野政府委員 お答えいたします。 御案内のとおり、金融監督庁は去る六月二十二日に明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の確立を確実にするという目的で設置されたわけでございますが、去る七月二日に政府・与党の金融再生トータルプラン、これは第二次の取りまとめでございますが、ここにおきましても、金融監督庁の検査、監視、監督体制については、諸外国の金融検査監督当局の体制をも参考にしながら早急に見直しを行い、大幅な拡充を含む計画的な体制強化を図るとされたところでございます。 これらを踏まえまして、具体的な体制強化の内容につきましては、今のところ、八月末の機構・定員の要求に向けまして現在なお検討を進めているところでございますが、金融監督庁といたしましては、責任ある金融行政を担い、内外の信頼を確保するために効率的な行政手法の確立に努めるとともに、厳しい定員事情をも踏まえながら、その体制整備に最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
○岸田委員 確かに、全体の行革とのバランスはもちろんあるのでしょうが、私は、この金融監督庁の拡充につきましては、先ほど総務庁長官もおっしゃったように、事後監督型行政への転換の一つのバロメーターであるというふうに感じております。ある意味では、公正取引委員会の充実と共通する部分があるというふうに思っております。厳しい環境の中でありますが、ぜひ前向きに考えていただきますよう要望をさせていただきたいと存じます。 さて、いろいろ質問をさせていただいてまいりましたが、今、我々政治家、大変厳しい国民の目にさらされているわけであります。国民から大変厳しい批判の声を受けながら今この難局に立ち向かわなければいけない、こんな状況にあるわけでありますが、そこでひとつ思うことを申し上げさせていただきたいと思いますのは、政治はもちろん結果責任であります。やはり結果責任であるということ、これからは逃れることができないわけでありますが、しかし、我々は、我々人類の歴史を振り返るときに、政治における一つの理想の時代として、ロマンやあこがれを持って見詰める時代が幾つかあるわけであります。 例えば、中国の古代、賢人の時代ですとか、あるいはギリシャ・ローマの時代、さらに我が国におきましては明治維新の時代、こういった時代を、我々は歴史を振り返って、一種あこがれを、ロマンを感じながら振り返ることが多いわけでありますが、我々は何でこういった時代を、そういった時代の政治をすばらしいと感じるのか、魅力を感じるかということについて思うわけでありますが、決してそういった時代の政治がパーフェクトだったから我々はその時代の政治に魅力を感じ、ロマンを感じるのではないということを改めて思うわけであります。 そういった、今申し上げましたような時代の歴史を振り返ったならば、逆に現代の感覚でいったならば、常識でいったならば、これはめちゃくちゃな政治が行われていたわけであります。人殺しも行われた、略奪、暴行もやり放題。さらには、人権なんという考え方すらなかった時代だったわけであります。 しかし、それにもかかわらず、なぜ我々はその時代に一つのロマンやあこがれを感じるのか、一つの敬意を感じるのかということでありますが、私は、やはりそういった時代、大変難しい時代であったけれども、それに立ち向かおうというひたむきさ、このひたむきさを我々に感じさせてくれるからだというふうに思えてならないわけであります。難しい時代だけれども、その厳しい環境の中で最大限ひたむきに努力した先人たちの姿が我々の心を打つのでありましょうし、また当時の人々の気持ちに触れて、気迫や気概を引き起こすことにつながったんだというふうに思うわけであります。 現代も大変厳しい時代であります。難しい時代であります。ぜひ小渕総理におかれましては、そのひたむきなお人柄を十二分に発揮されまして、この時代に立ち向かっていただきたいと存じます。 そして、この小渕内閣の閣僚の皆様方、精鋭ぞろいと言われておりますこの小渕内閣の閣僚の皆様方におかれましては、ぜひこのひたむきさをしっかりと国民に訴えてこれを説得していただきまして、この国民の気迫と気概を引き出していただきたいということを心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 何とぞよろしくお願いいたします。
○中山委員長 これにて岸田君の質疑は終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時十分散会